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東京都 杉並区

平成23年第2回定例会−06月15日-09号




平成23年第2回定例会

平成二十三年第二回定例会杉並区議会会議録(第九号)

平成二十三年六月十五日 午前十時開議
出席議員四十八名

 一番  松  浦  芳  子
 二番  新  城  せ つ こ
 三番  堀  部  や す し
 四番  す ぐ ろ  奈  緒
 五番  そ  ね  文  子
 六番  横  田  政  直
 七番  山  田  耕  平
 八番  市  来  と も 子
 九番  木  梨  もりよし
一〇番  佐 々 木     浩
一一番  け し ば  誠  一
一二番  山  本  ひ ろ こ
一三番  奥  山  た え こ
一四番  小  松  久  子
一五番  大 和 田     伸
一六番  田  中 ゆうたろう
一七番  今  井  ひ ろ し
一八番  浅  井  く に お
一九番  富  田  た  く
二〇番  金  子 けんたろう
二一番  山  本  あ け み
二二番  山  下  かずあき
二三番  増  田  裕  一
二四番  中  村  康  弘
二五番  北     明  範
二六番  川 原 口  宏  之
二七番  市  橋  綾  子
二八番  吉  田  あ  い
二九番  脇  坂  た つ や
三〇番  大  熊  昌  巳
三一番  藤  本  な お や
三二番  岩  田  い く ま
三三番  原  田  あ き ら
三四番  くすやま  美  紀
三五番  鈴  木  信  男
三六番  安  斉  あ き ら
三七番  小  川  宗 次 郎
三八番  河  津  利 恵 子
三九番  大  槻  城  一
四〇番  渡  辺  富 士 雄
四一番  島  田  敏  光
四二番  横  山  え  み
四三番  関     昌  央
四四番  大  泉  時  男
四五番  斉  藤  常  男
四六番  井  口  か づ 子
四七番  富  本     卓
四八番  小  泉  や す お


出席説明員
 区長           田 中   良
 副区長          松 沼 信 夫
 副区長          菊 池   律
 政策経営部長       高   和 弘
 政策法務担当部長     牧 島 精 一
 区長室長         与 島 正 彦
 危機管理室長新型インフルエンザ対策担当参事
              井 口 順 司
 区民生活部長       佐 藤 博 継
 保健福祉部長       長 田   斎
 高齢者担当部長      武 笠   茂
 子ども家庭担当部長    森   仁 司
 杉並保健所長       深 澤 啓 治
 都市整備部長       上 原 和 義
 まちづくり担当部長    大 塚 敏 之
 都市再生担当部長     岩 下 泰 善
 土木担当部長       小 町   登
 環境清掃部長       原   隆 寿
 会計管理室長(会計管理者) 遠 藤 雅 晴
 政策経営部企画課長事務取扱政策経営部参事
              徳 嵩 淳 一
 区長室総務課長      内 藤 友 行
 教育委員会委員長     大 藏 雄之助
 教育長          井 出 隆 安
 教育委員会事務局次長   吉 田 順 之
 教育改革担当部長     渡 辺   均
 済美教育センター所長   玉 山 雅 夫
 中央図書館長       本 橋 正 敏
 選挙管理委員会委員長   小 林 義 明
 選挙管理委員会委員長職務代理者
              塩 原 榮 子
 代表監査委員       四 居   誠
 監査委員事務局長     和 田 義 広



平成二十三年第二回杉並区議会定例会議事日程第三号
                平成二十三年六月十五日
                     午前十時開議

第一  一般質問

○副議長(横山えみ議員) 議長の職務を代行いたします。
 これより本日の会議を開きます。
 出席議員の数は定足数に達しております。
 会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。
 説明員は、小林義明選挙管理委員会委員長を除き、塩原榮子選挙管理委員会委員長職務代理者を加え、前回の会議と同様であります。
 これより日程に入ります。
 日程第一、区政一般についての質問に入ります。
 四十四番大泉時男議員。
     〔四十四番(大泉時男議員)登壇〕
◆四十四番(大泉時男議員) 私は、自由民主党杉並区議団の一員として、一般質問をさせていただきます。
 質問を始めるに当たり、去る三月十一日に起きました東日本大震災の犠牲になられた多くの皆様に対し、深く哀悼の意を申し上げますとともに、高齢者を初め、幼い子どもたちの不自由な生活と住民の被害に対し、心よりお見舞い申し上げます。また、一日も早い復興のために、住民の皆様とともになお一層の努力をしてまいりたいとお誓い申し上げます。
 それでは、初めに、佼成病院の移転についてお伺い申し上げます。
 私は以前から、杉並区の医療環境について、高度医療を中心にした整備を図ることを求めてまいりました。本年六月一日現在の我が区の人口は五十二万八千四百六十九人です。五十三万人近い区民の命と健康を守る責任を区長は負っているわけですが、現在の区内の医療環境では十分な対応はできません。もちろん国や都の病院や、他の区の医療機関の応援を受けてしのいでいる状況でございますが、もし東日本大震災のような震災が起きた場合には、近隣の区や市から受けている応援が変わりなく受けられるのでしょうか、心配でもあります。
 しかしながら、昨年、佼成病院が中野区から杉並区に移転、新築することとなり、この機会を我が区の医療環境を改善する絶好の機会ととらえ、佼成病院との真摯な会談を進めていくことは大切であると考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、佼成病院の移転計画の進捗状況はどのように推移しているのか、お示しください。
 また、現在の我が区における脳疾患や心疾患などの高度医療については、十分な診療体制があるとは言えない状態であります。高度医療の診療については、高額な診療機器などの設備の問題と入院病床の確保、そして医師の確保など、難題が山積される状況があると思われますが、区民の生命と健康を守るためには、緊急時や震災時にも対応できる総合病院が区内に存在することが、区民の安心を得るために必要であると考えます。
 そこで、お伺いいたしますが、佼成病院の移転を機に、高度医療を含めた診療体制の充実を図る大きなチャンスであると考えられますが、佼成病院に対しどのような働きかけをしているのか、お尋ねいたします。
 杉並区にとって医療体制の充実は最重要課題の一つであります。今後の区の力強い働きかけを強く要望いたします。
 次に、移転される佼成病院への交通アクセスについてお伺いいたします。
 今回予定されている和田二丁目の場所は、杉並区南部の区民にとって必ずしも交通の便がいいところではないと考えられます。しかしながら、区民の生命と健康を守る大切な使命を持って病院が杉並区に移転されることですから、区としても、各地域から病院までの通院の便を十分に考えていかなければならないと思います。
 新佼成病院には、地域災害拠点病院として、また二次救急医療施設としての役割や、高度医療を中心に、杉並区の南部地域を守備範囲とする期待がかけられておりますが、区民の利便性を考え、北の高円寺方面、西の高井戸、成田、浜田山方面、そして南の永福・和泉方面からの交通アクセスをどうするかは重要な課題です。地域バスのすぎ丸の運行や、環状七号道路を横断する交差点も必要になるのではないでしょうか。また、近隣住民や商店街に対しても配慮が求められると思いますが、区長はこれらに対してどのように対処していくお考えをお持ちか、お伺いいたします。
 今後、高齢化が進む中で、きめ細かな交通アクセスの整備はますます重要になってまいります。佼成病院の区内移転はその一つのチャンスだと思いますので、創意工夫ある区の取り組みを強く要望してまいります。
 次に、高齢者福祉についてお伺いいたします。
 昨年、田中区長が就任された直後に、杉並区において百十三歳の高齢者の行方不明事件が発生し、問題になりました。無縁社会という流行語が生まれるほど大きな社会問題になりましたが、あれ以来一年が経過した現在、区はこの問題をどのように考え、今後地域社会のコミュニティをどのように再生していこうと考えておられるのか、ご見解をお伺いいたします。
 また、平成二十三年度予算で、こうした事件の発生を未然に防止するために、おたっしゃ訪問事業を開始するとのことでしたが、その後の取り組み状況についてお伺いいたします。
 次に、在宅介護の負担軽減についてお尋ねいたします。
 区長は区民へのあいさつの中で、高齢者の介護について、特別養護老人ホームへの入所については、入所希望者数に対して施設建設が追いつかず、なかなか速やかに入所できる状況になっていないのが現状ですと訴え、在宅介護を強いられている家族に対し、在宅介護をしている人たちの苦労は非常に大変な状況にあると認識しており、在宅介護の家族に対しての負担軽減を図らなければならないと述べておりました。このことは、私も機会あるごとに述べてきたことであり、早急に実現していただきたいと思いますが、区では平成二十三年度に取り組みをするとのことでしたが、どのような取り組みがなされるのか、その内容と取り組みの準備状況についてお示しください。
 また、在宅介護に対しての区民の理解を得ることが、これからの高齢者施策に対して大きな転換を迎えるのではないかと思いますが、ご見解をお聞かせください。
 最後に、熱中症対策についてお伺いいたします。
 ことしは、東日本大震災の影響で、東京電力の福島第一原子力発電所の崩壊により、電力供給量が減少し、節電を余儀なくされております。そこで、この夏は、高齢者にとって大変厳しい時期を過ごさなければならないことになり、高齢者の熱中症対策が大きなテーマになってまいりましたが、まず、高齢者の場合の熱中症の特質にはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
 また、昨年の猛暑でもこの問題への対応が叫ばれましたが、ことしの対策をお示しください。特にひとり暮らしのお年寄りの場合には、おたっしゃ訪問などと関連して取り組んでいければ有効な成果が上がるのではないかと考えますが、区の決意のほどをお伺いいたします。
 また、田中区長が就任してちょうど一年になりますが、一年前に区長が高齢者の行方不明事件で感じられた地域のつながりの希薄さは非常に大きな現実であり、決して放置することはできません。今回の東日本大震災でも、地域のきずなの大切さが改めて問われたところであります。
 まず、地域の中でひとり暮らしをしている高齢者の方々を決して孤立させないというかたい決意のもと、田中区長のリーダーシップで新たな地域のコミュニティの再生に向けて取り組んでいただきたいと期待を込めまして、私の質問を終わります。
○副議長(横山えみ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 大泉時男議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 佼成病院の移転計画についてのご質問でございました。
 まず、移転計画の進捗状況でございますが、ことし三月に施工事業者が決定し、病院としては、七月に区のまちづくり条例に基づく土地利用構想の届け出をし、八月には住民説明会を実施する予定と聞いております。
 私といたしましても、この病院の移転については、特に杉並区の南部地域の医療体制を充実させる大きなチャンスと考えておりまして、昨年の七月とことし三月の二度にわたり、病院機能の充実についての要望を行ってまいりました。新生児集中治療室を含む周産期医療や、小児二次救急などの高度な医療体制及び病児保育や老人保健施設等をこの機会に整備していただきたいというのが区としての主な要望でございますが、病院側からは、開設当初からすべてに対応することは難しい面もあるが、病院としても区の要望に沿えるよう最大限の努力を行っていきたいという回答をいただいております。
 区といたしましても、今後も引き続き協議を行いながら、できる限りの協力体制を整えて地域医療の充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、無縁社会についてのご質問をいただいておりますが、後ほど部長から答弁をいたさせますが、昨日も申し上げましたが、急激に進んでいる高齢化の中で、放置しておくということは、まさに議員のご指摘のとおり、高齢者の孤立化を固定させてしまうということになるという危機感を持っております。家族や地域のきずなの希薄化、さらには高齢者の貧困問題というものが、この所在不明事件というものを通じて浮き彫りにされてきたというふうに認識をしております。
 新たな事業もスタートをさせますけれども、地域の皆さんと一体になって、高齢者が安心して住めるまちをつくっていくためにこれからも全力を尽くしてまいりたいと思っておりますので、ご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上でございますが、残りの質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○副議長(横山えみ議員) 杉並保健所長。
     〔杉並保健所長(深澤啓治)登壇〕
◎杉並保健所長(深澤啓治) 私からは、佼成病院に関するご質問のうち、交通アクセスについてお答えいたします。
 佼成病院に対する交通アクセス等のお尋ねですが、特に環状七号線に交差点を設置し、南側からの右折、北側からの左折が可能になるよう、警視庁、東京都、区の所管部署で実現の方向で調整を行っております。また、既存のバス路線の活用については、病院側がバス会社と交渉を行っていると聞いております。さらに、一方通行である南側道路を拡幅して対面通行にするなど、近隣住民や商店街への安全性に配慮しながら地域の活性化にも貢献できるよう、通行の利便性の向上に努めてまいります。
 私からは以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 高齢者担当部長。
     〔高齢者担当部長(武笠 茂)登壇〕
◎高齢者担当部長(武笠茂) 私からは、最初に、無縁社会に関するご質問にお答えいたします。
 地域社会の人々の結びつきが想像以上に希薄化し、無縁社会と称されていることを深刻な問題として受けとめております。折しも今回の大震災により、地域の人々のきずなの大切さが見直されており、地域の人々の思いやりや助け合いなどの仕組みをどう構築していくかが課題であると存じます。このような課題への取り組みは、行政を含め、地域社会全体で取り組むべきものと考えております。
 次に、安心おたっしゃ訪問についてのご質問ですが、いよいよ七月から事業を開始いたします。事前に区の広報やポスター等でお知らせするとともに、訪問対象者には個別通知により周知を図る予定でおります。
 この事業は、区民からの申し出を待つだけではなく、民生委員や地域包括支援センターケア24の職員が、医療や介護サービスを利用していない方などを対象にご自宅を訪問することで、潜在化しているニーズを早期に把握し、適切な支援につなげていくことを目的としたものでございます。
 この事業の実施を通して、地域での見守り機能や継続的な相談ができる関係づくりを構築し、新たなきずなづくりの取り組みを進め、高齢者の方の大きな安心が得られる地域づくりを進めてまいる所存でございます。
 次に、在宅介護の負担軽減の取り組みに関するお尋ねですが、今年度から新規に、家族介護者生活支援サービスとおむつ代金の助成を始めてまいります。
 家族介護者生活支援サービスは、要介護三以上の要介護高齢者と同居して介護している六十五歳以上の家族を対象に、家事代行などを行うホームヘルパーを派遣して、介護する家族の方が休息の時間を確保することを目的に行うもので、ほっと一息、介護者ヘルプという名称で七月から開始するところでございます。
 また、おむつ代助成は、現在の介護用品の支給のサービス対象者で、介護保険料段階が第一から第三段階の方、おむつの持ち込みができない病院に三カ月以上入院した場合に、病院から請求されたおむつ代について月額七千円を上限に助成するものであり、介護者の経済的負担の軽減を図ることを目的としており、こちらも七月から申請受付をすることとなっております。
 次に、高齢者の熱中症の特質についてのお尋ねですが、高齢者は体内の水分が不足しがちであり、暑さに対する感覚機能や体温の調節機能が低下しているため、室内においても熱中症にかかるリスクが高く、また、熱中症の症状に対する自覚が少なく、気がつかないまま重度化しているなどの特質がございます。
 最後に、ことしの熱中症に対する区の取り組みについてお答えいたします。
 まず、保健所では、六月一日からの区の公式ホームページに熱中症への注意事項を掲載するとともに、六月二十一日号の「広報すぎなみ」に、熱中症に対する注意喚起の記事を掲載いたします。また、昨年度も実施しておりましたが、危機管理対策課では、区内を巡回する安全パトロールカーで熱中症への注意を呼びかけていく予定でございます。
 また、ひとり暮らしの高齢者につきましては、今年度より開始する安心おたっしゃ訪問や配食サービスなどで、訪問してサービスを提供する際に、熱中症予防対策のリーフレットや冷却用ベルトなどの熱中症予防啓発用品をお渡しいたします。
 このように、直接高齢者と会い、熱中症について注意点などをわかりやすく説明することを通して、高齢者を熱中症から守ってまいります。
 私からは以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 以上で大泉時男議員の一般質問を終わります。
 五番そね文子議員。
     〔五番(そね文子議員)登壇〕
◆五番(そね文子議員) 私は、生活者ネット・みどりの未来の一員として、区の子どもを守る取り組みについて、学校や保育園などでの放射線量の計測と給食について質問いたします。
 三月十一日の東日本大震災、福島原発の事故の収束の見通しはいまだに立たず、日々、空や海に大量の放射性物質が放出され続けています。そんな中で、放射線感受性の強い幼い子どもを持つ多くの保護者が、不安を抱えながら子育てをしている状況です。
 四月には、杉並区内にあるビルの屋上の放射線量をガイガーカウンターではかったら高い値が計測されたという映像がインターネットで流れました。真実を確かめたい、そのため、区は実際に放射線量の計測を実施すべきではないかと思い、保健センターに問い合わせたところ、計測の予定はないという回答でした。
 生活者ネット・みどりの未来は、五月十八日に区長と教育長に面談し、ヤゴ救出作戦を直前に控えていた小学校プールの水質、保育園、子供園、幼稚園の砂場と小学校の校庭の放射線量の測定、測定結果のホームページでの公開の三点について要望書を提出いたしました。その直後から、幼い子どもを持つ母親が中心になって同じ内容を求める請願署名活動を始めたところ、三週間という短期間にもかかわらず、四千筆以上が集まりました。区民からの強い不安のあらわれだと思います。
 私も、五歳の子どもを保育園に通わせる母親として、子どもの健康を心配する保護者の方たちの気持ちを代表するつもりで、区の子どもを放射能から守る取り組みについて質問いたします。
 まずは、放射線計測について。
 このたび、区が、大勢の区民の要望にこたえて放射線計測のための経費を補正予算に計上されたことに対し、まず、感謝申し上げます。六月三日付で、区内のプール五カ所で三月十一日以降の雨がすべて含まれる水を採取、計測する方針を示され、六月九日には放射能は不検出という結果が出て、多くの保護者は今後余計な心配をせずに済むことになりました。七月のプール開きを控え、保護者の不安解消に大きく寄与したと評価するものです。
 それでは、最初の質問として、区が今回放射線を計測する方針を示された目的を伺います。
 また、この間、区にも計測を求める声が数多く寄せられたことと思いますが、その内容はどのようなものであったか、お示しください。
 そして、補正予算で経費として九百二十七万五千円が計上されていますが、その内訳についてもお示しください。また、どこをいつまで計測する予定か、具体的にお示しください。
 今回の計測に当たっては、外部の専門家を招いて、測定結果を評価した上で公表すると伺いましたが、専門家といってもいろいろな立場や考え方の方がおられ、人によって全く違う評価がされています。区民にとっては、バランスよく複数の専門家に評価していただきたいと考えます。具体的にどなたをお考えでしょうか。
 また、放射能の対応については、庁内のさまざまな部署の担当者がかかわることが必要と考えます。区の考えをお伺いします。
 計測の結果、数値が低く、安全が証明されることを望みますが、万が一、高い値が計測された場合には、専門家の助言も得て、独自の基準を定め、その数値によってどのような対処をするのかを決めておくことが必要だと考えます。
 幼児は砂遊びが大好きで、鼻の穴に泥や砂が入り、黒くなっていたり、泥だらけの指をしゃぶったりするのも普通に見られることです。幼児は砂を吸い込み、また食べているような状況にあるのです。そのため、基準を超える高い値が出た場合には、周辺も計測すること、砂場の砂の入れかえ、校庭の土壌の入れかえなども行う用意をしておくことを要望いたします。
 屋外プールについては、先ほども述べたように、三月十一日以降の雨が含まれた水を調査して、ヨウ素131、セシウム134、137がそれぞれ不検出だったこと、それを公表されたことは、区民の大きな安心につながりました。しかし、原発の事故現場では、いつまた暴走が起きるかわからない状況にあり、もし変化があったときには直ちに水を検査し、結果によってはプールの使用を中止するなど処置をとってくださるよう、今後も配慮をお願いいたします。
 今回は外部機関に測定を委託する、また外部の専門家を招いて測定結果を評価すると聞いていますが、原発事故は、三カ月たった今なお収束の見通しが立たず、これから長期にわたって放射能とつき合うことになると覚悟しなければなりません。
 区は、長期的な視野に立って取り組むことが必要だと考えます。区として今後どのように取り組んでいかれるのか、伺います。
 放射能については、正しく怖がることが重要と言われています。そのための十分な情報提供がされるべきであり、計測結果だけでなく、理解を深めるために、疑問や不安など自由に意見交換できる場があればと考えます。区で、放射線を理解するための放射能の専門家、医療関係者、行政などによる学習会を持ち、その後に一般参加者も加わって、それぞれの立場から意見交換できる場が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 また、区民が放射線について理解するために、ホームページに有益な情報を掲載するなど、今以上に充実を図っていただきたいと考えますが、区としてはどのように取り組む予定でしょうか。
 東京二十三区において区が独自測定を行う動きが広まる中で、二十三区長でつくる特別区長会が東京都に放射線量測定を充実させるよう要請しました。それが都を動かし、空間放射線量の測定を区市町村が希望する都内百カ所で行うことが決定されました。また、都が確保した計測機器七十台を市区町村に貸与し、さらに今後三十台を増設し、測定を行うことになったことは、同じ機種の計測器ではかることによって各所での比較もでき、有効なデータが得られることを期待するものです。ここで得られる計測結果と杉並区独自の計測結果をあわせて杉並区のホームページで掲載していただくこともお願いいたします。
 以上伺って、次に給食についての質問に移ります。
 同じように保護者の方からは、学校や保育園の給食に使われる食材の放射能汚染について、多くの問い合わせや要望を受けています。私自身も、日本の暫定基準は国民の健康を考えて設定されたものではなく、原発から放射能漏れが続く現状に合わせて急遽つくられたものであり、その判断に不安を感じています。
 緊急時とはいえ、WHO(世界保健機関)の基準と比べて、我が国が採用している食品における放射性物質の暫定基準値は非常に甘いものです。例えばこの飲み物で比べると、WHOの基準がそれぞれ、ヨウ素131が一リットル当たり十ベクレル、そしてセシウム137が十ベクレルとなっています。また、国際法で排水基準が、ヨウ素131が四十、セシウム137が九十となっているのですが、日本の暫定基準値はこれの二十倍。そして、ヨウ素131が三十倍の三百ベクレル、そしてセシウムが二百ベクレル、二十倍となっています。
 そして、食べ物のほうですが、国際的に食品基準を決めるコーデックスの基準が百ベクレルであるのに対し、日本は野菜のセシウム137の基準値が五百ベクレル、そしてヨウ素131の基準値が二千ベクレル、二十倍、それぞれ、あと五倍ということです。それを子どもたちに食べさせて大丈夫なのかと考える保護者が多いのは、当然だと考えます。
 区が給食の食材には素性のわかる国産品を極力使う努力をされていることを評価いたします。であれば、なおさら食材の産地に神経をとがらせなければならなくなった原因である原発事故に対し、改めて残念でなりません。区は、学校や保育園の給食に使う食材の放射能汚染については、安全確保のため、どのような取り組みをされているのでしょうか、伺います。
 保護者の中には、給食の食材について、関東以南のものを使用してほしい、牛乳の産地を北海道に限ってほしいなどの要望をなさる方が少なくありません。
 私は、そもそも食品の基準値が甘いことにその原因があると考えます。生活者ネットワークは、これまで、食品に含まれる化学物質の安全性リスクについて、影響を受けやすい子どもを対象とした子ども基準を設けるべきと主張してきました。放射能汚染を常に心配しなければならない今の状況で、子どもたちを守るためには、なおさら子ども基準を設けるべきです。それは、広域的に都や国レベルの施策として行われるべきで、杉並区は他の自治体と連携し、都や国に対策を求めて動くことを要望いたします。
 食の安全を確保する仕組みの一つとして、現在、保健所が取り組んでおられる食に関する意見交換会があります。食に関して、消費者、生産者、事業者などいろいろな立場の人たちが集まって意見を交換し合う、いわゆるリスクコミュニケーションの場です。私が先ごろ参加した会では、生肉の食中毒事件などを受け、最近の食品衛生状況をテーマに話し合いが行われていました。これと同様な、放射能をテーマとした保護者、学校関係者、栄養士、給食調理員、食材の生産者、給食に係るすべての人がそれぞれの立場から意見を述べ、情報交換できるリスクコミュニケーションの場の設置が必要だと考えます。
 食べ物に含まれる放射性物質についてどう考えるのか、どういう食を選択するのかは、最終的にその人自身が判断するしかないのだと思います。ただ、今の極度に不安を募らせている人と、ほとんど無関心な人との間の認識の大きな差、それに対して、区が溝を埋めるような努力をしていただけないものかと思います。多くの人の意見や立場に触れること、人に話を聞いてもらうことで自分の考えを整理し、状況を受けとめ、判断する助けになるものと考えるものです。
 ある小学校では、給食委員の子どもたちの側から被災地支援の給食メニューを提案したということで、保護者の方から心配の声が届けられました。その心配の原因は、突き詰めれば食品の暫定基準値が甘いことにあります。
 杉並区が学校給食を食育の機会として積極的に取り組んでおられることを評価しています。そこで、今直面している放射能汚染の問題についても、食の問題の一つとして子どもたちにきちんと事実を伝え、子どもとともに考えることが必要と考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。
 放射能に関して心配している保護者の不安を受けとめ、疑問に答えてくれるような電話相談窓口があればと思います。放射線の専門家や小児科医、保健師など医療関係者、カウンセラーなどが対応できるような電話相談があれば、子どもを持つ保護者だけでなく、多くの区民にとって不安は軽減されると考えるものです。杉並区で子どもを放射線の被害から守るために、区は最大限の努力をすべきと考えます。区の決意を伺います。
 このように大きな不安をこれからも長期間強いられることになった放射能汚染の原因は、原発事故です。これまで区内の子どもを守る取り組みについて述べてまいりましたが、高い放射能汚染が確認されている福島県内の子どもたちのことを忘れてはなりません。文部科学省は、その汚染状況に合わせて、一年間の基準を一ミリシーベルトから二十ミリシーベルトに緩めると発表し、日本国内のみならず、海外からも強い批判と抗議を受けました。現在は、年間の基準値を一ミリシーベルトにするよう努力すると変更しましたが、子どもたちを守ることを最優先に考えているとは言えない対応がとられています。大人として、区内の子どもを守ることと同様に、福島県内の子どもたちを守ることにも取り組んでいかなければなりません。
 今回の福島第一原子力発電所の事故は、原発が人の手で完全に制御できるものではないこと、多くの被曝労働者を生み出し続けること、一度事故が起これば、数十年にわたり空気、水、土壌、海を汚染し、食べ物の安全も根底から壊されてしまうことを明らかにしました。
 原発はトイレのないマンションと言われていますが、使用済み核燃料は最終処分方法がないままに生み出され続け、それが原発の傍らに許容量を超えて置かれている状態です。原発を使い続けることは、負の遺産を生み出し続けることです。今こそ脱原発の決意をするときです。そして、足るを知る省エネの暮らし、自然エネルギーへの転換を進めるべきだと考えます。放射能汚染の根本原因を取り除き、子どもたちに安心して暮らせる社会を残すために、行政が一体となって区民とともに脱原発を強く進めていくべきと申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○副議長(横山えみ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) そね文子議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 私からは、区内の放射線測定に関するご質問のうち、外部の専門家等のご質問にお答えをいたします。
 今回の放射線量測定につきましては、子どもをお持ちの保護者の方などからの切実なご心配を踏まえて、区として独自に実施していこうと判断したものでありまして、測定結果を公表するにしましても、その数値の意味するところの評価を、信頼できる専門家からの指導を受けて、区民の皆様にできるだけわかりやすくお知らせしてまいりたいと考えております。
 そこで、その専門家でございますが、放射線関係の専門家の方をいろいろと探した中で、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構の名誉教授であり、NPO法人放射線安全フォーラムの理事長でいらっしゃる加藤和明先生にお引き受けをいただきました。加藤先生は、国の放射線審議会の委員を務められたり、放射線の専門家として長年活躍されている方で、既に本区のプール水の測定結果を公表するに当たりましてもご指導をいただいております。
 また、庁内体制でございますが、私を議長とする危機管理対策会議のもとに、杉並保健所長を部会長として、関係部課長で構成する放射線量測定等対策部会を設置し、横断的体制を整えたところでございます。
 次に、長期的視野に立って取り組むべきとのことについてでございますが、原発問題の解決の見通しがつかない中にありまして、今後については予断を許しませんが、周辺状況を見定めつつ適切に対応してまいりたいと思います。
 なお、補正予算を発表して放射線量測定ということで施策を講じましたけれども、この間、さまざまな努力をいたしてまいりました。と申しますのは、本来、この原発事故の放射線量の測定は、広域的な課題でありますから、国なり都なりが一義的に取り組む課題だろうというふうに考えておりまして、今でもそう思っておりますが、近隣区ともいろいろ相談をしつつ、区長会から東京都に申し入れを緊急にして、そして東京都に対策を講じてもらうというのが求める最初の筋道だろうということで折衝を続けてまいりました。しかしながら、特別区長会長、今、荒川の西川さんでございますけれども、随分やりとりをしましたが、特別区長会長としても、都に随分、我々の意を受けて折衝していただきましたが、当初、都の動きが非常に鈍くて、いたずらに時を過ごして放置するわけにもいかず、区民の不安解消ということも身近な基礎自治体の役目でありますので、その折衝は継続するにしても、区として独自にしっかり取り組まなきゃならないという方針を決めまして、指示をいたしました。後追いで東京都も対策を講ずるということになりましたけれども、それはそれで結構ですが、もう少し早く都の判断というのがあってもよかったのではないかというふうに思っております。
 ほかの質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○副議長(横山えみ議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、区内の放射線測定に関する残りのご質問にお答えいたします。
 初めに、測定実施の目的とこの間の区民の声ですが、小さな子どもをお持ちの保護者などから、区内の大気や学校の校庭、プール、公園の砂場などの放射線量を測定してほしいという要望をこの間いただいてまいりました。区では、こうした声を受けまして、この放射線問題については広域的な調査が必要と考え、先ほども申し上げました緊急要請等を求めましたが、その動きがなかなか見られないということから、区民の安全・安心を確保することを目的に、区独自に測定することとしたものでございます。
 次に、補正予算の内訳と測定の場所、期間についてですが、このたびの測定では、区内の大気や運動場、砂場の土壌、プールの水について、区内を東西南北に区切り、それぞれから一カ所ずつ計四カ所を、月一回ずつ継続的に測定することを予定しており、そのための費用を計上しております。
 また、場所については、運動場は小中学校、保育園から四カ所、砂場は保育園、公園から四カ所、プールは小中学校から四カ所と和田堀公園プールを加えた計五カ所、大気は当面、運動場と砂場の土壌測定にあわせて、その空中線量を測定いたします。期間は来年三月までとしますが、プールは九月までとします。
 次に、学習会や情報交換の場の設定についてですが、今後区では、測定結果が出次第順次公表してまいりますので、その結果などを見ながら考えてまいります。
 次に、ホームページの充実についてですが、さきにご答弁いたしましたように、区として測定結果を評価するに当たり、専門家から指導いただきますので、それを踏まえ、わかりやすい内容としてまいります。
 最後に、子どもを放射能から守るために区は最大限努力をすべきとのことについてですが、区民の安全・安心を確保するために最大限努力していくことは、当然のことと考えております。
 私から以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 教育委員会事務局次長。
     〔教育委員会事務局次長(吉田順之)登壇〕
◎教育委員会事務局次長(吉田順之) 私からは、学校及び保育園の給食における安全確保についてのご質問にお答えをいたします。
 給食用食材につきましては、国の基準に基づき安全が確認され、市場に流通しているものを使用しており、給食における安全性は確保されているものと考えております。
 次に、食材の放射能汚染の問題を食育としてとらえることについてのご質問にお答えをいたします。
 現在、各学校では、給食の時間や各教科等において食に関する指導内容の充実を図るなど、児童生徒の発達段階を踏まえた食育が進められております。
 今後、各学校において行われる食育の指導を一層充実させていくことによって、放射線を含め、食品の品質及び安全性について、正しい情報に基づいて自ら判断できる力を身につけることができるものと考えております。
 私のほうからは以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 以上でそね文子議員の一般質問を終わります。
 二十七番市橋綾子議員。
     〔二十七番(市橋綾子議員)登壇〕
◆二十七番(市橋綾子議員) 私は、生活者ネット・みどりの未来の一員として、一、原子力災害対策について、二、省エネ・エネルギー政策について、質問いたします。
 三月十一日に起きた東日本大震災は、大津波による大勢の犠牲者と被災者を生み、それに加えて起きた福島第一原子力発電所の事故は、発電所から二十キロ圏内に人が住めない状況を引き起こしました。現地からおよそ二百三十キロメートル離れている東京杉並区ですが、遠く離れているから大丈夫とするのか、それとも想定外をつくらないように備えるのか、杉並区自治基本条例第七条の三項「区は、様々な災害等から区民の生命、身体及び財産を保護するため、危機管理の体制の強化に努めなければならない」にのっとり、最初の項目、原子力災害対策について三点伺います。
 まず一点目、地域防災計画は、災害対策基本法の規定に基づき自治体の防災会議が策定する計画で、住民の生命、身体及び財産を災害から保護する目的で策定されています。毎年検討が加えられ、必要に応じて修正が行われます。当区の地域防災計画は二〇一〇年三月に修正版として策定されたものですが、この後いつ修正されるのか。
 また、三月十一日の大震災の経験を反映した見直しは、今後どういったスケジュールと手順で行われるのか。区として、次回見直しに盛り込まねばならないものは何だとお考えか、あわせて伺います。
 二点目です。
 災害に備える計画として、当区が策定している地域防災計画は、震災編と風水害編から成っています。今回のような原発事故を受けて、もし杉並にさえ住んでいられないような状況が起きたらどうするのかと考えたときに、区には原子力災害に備える計画がないことに気がつきました。ただ、核燃料輸送車両の事故に対応する記述がありましたが、警察と消防関係機関の対応しか書かれておらず、万一事故が起きた場合、区としてどういう行動をとるのかが示されていません。事前に核燃料輸送車の走行ルート、通過時刻が明かされていないことは、消防職員にとっても周辺住民にとっても問題ですが、そうであるからこそ、それを見越した備えが必要だと考えます。今なお収束していない原発の状況を見るにつけ、日本に原発がある限り、事故に備える対策がこの杉並区にも必要だと思います。今回、南相馬市に派遣した区の職員の経験を生かしながら、防災計画に原子力災害対策の記述を入れる必要があると考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 この項目の最後に、杉並区国民保護計画への記述について伺います。
 二〇〇四年に制定された、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、国民保護法により、杉並区国民保護計画は策定されています。もちろん、この法律は武力攻撃や大規模テロなどを想定したものであることは承知していますが、大規模な災害やテロなど人為的な危機への対応が不十分とする杉並区の基本的考え方からすると、新しい危機の想定に原子力災害を加えた上で見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 次に、大きな項目の二つ目、省エネ・エネルギー政策について伺います。
 これまで地球温暖化防止策としてなかなか実績が上がらなかった省エネですが、今回の原発事故により、東京電力から計画停電が発表され、家庭や事業所など至るところで節電が行われた結果、消費電力が減少し、計画停電の実施には至ってはいません。これからの夏に向け、より一層の節電が求められることは言うまでもありません。今回の原発事故による節電を一過性のものとするのではなく、地球温暖化対策である省エネに向けた観点で、六点質問します。
 二〇〇八年から二〇一二年を第一約束期間とする地球温暖化防止京都会議、COP3で採択した京都議定書で示されたCO2削減の目標数値の達成、低炭素社会の実現に向けて、国、都、区においてさまざまな施策が行われています。
 一方で、五十四基ある原子力発電所のうち、三十四基が事故及び定期検査により停止している現実があります。つまり、今、日本では、すべての原発のうち三分の一しか稼働していません。事故後の運転再開はもちろんのこと、定期検査終了後の運転再開についても、住民の同意を得ることは難しいことが想定されます。これまでは原発を推進してCO2削減を目指してきたものを、これからはエネルギーの大量消費を見直すことを前提にしつつ、脱原発でかつ低炭素な社会、つまり脱原発を図りながら自然エネルギーの推進により、CO2を削減して低炭素社会を実現しなければなりません。
 私ども東京・生活者ネットワークでは、二〇〇〇年二月に市民エネルギービジョンを策定しております。その内容は、脱原発宣言、分権型エネルギーへの転換、ライフスタイルの見直し、そして環境第一主義の地域エネルギービジョンの提示などを柱にしています。十年前に自覚したビジョンを現実のものとする責任が、今まさに緊急性を持って私たちに迫ってきています。
 そこで、一点目の質問です。
 基本的方向として、低炭素社会、脱原発社会を目指すことは可能であり、また、そうすべきと考えるものですが、区としてどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
 国では、二〇〇八年六月、地球温暖化対策推進に関する法律、温対法の改正で、すべての地方公共団体に事務及び事業に関しての実行計画の策定が義務づけられました。翌月の七月には、東京都が都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、環境確保条例ですけれども、これを改正し、事業者が温室効果ガス排出総量削減の義務を負うことになりました。
 事業者である杉並区は、二〇一〇年二月に、それまでのISO一四〇〇一を返上し、杉並区役所エネルギー管理方針として、杉並区環境省エネ対策実施プランを策定し、その施行から一年がたったところです。その成果が気になるところですけれども、現在、温室効果ガス排出総量がどのくらい削減できたのかの結果をまとめているところと伺っております。
 この環境省エネ対策実施プランが、温対法で自治体に策定が義務づけられた実行計画に当たりますが、地球温暖化対策は区役所だけが取り組む問題ではなく、市民や事業者を含むすべての人が地域全体で対策を講じて取り組まねばならない問題です。杉並区はこれまで、地域省エネルギービジョンを打ち出し、地域省エネ行動計画、区役所だけが取り組む環境省エネ対策実施プラン、そして環境基本計画と、次々に策定してこられましたが、対象が区役所だけであったり、目標年度も二〇一三年度、二〇一四年度となっていたり、本当にこれで温室効果ガス削減目標が達成できるのか甚だ疑問です。
 そこで、二点目の質問です。
 エネルギーに対する市民の関心が高まっているこの機をとらえて、当区としても、区域施策編を策定し、区域全体で取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。区域施策編は、省エネだけでなく、エネルギーをどう調達するか、熱中症対策など温暖化問題への対応策、推進実行していく市民、事業者、行政協働の組織なども含まれます。
 また、短期的な対策では解決できない課題なので、中長期的な目標値を定め、それに向けて実行策を立てるバックキャスティングの手法が重要です。区域施策編の計画を策定した場合、計画を推進し目標を達成するため、一般住民、環境団体、事業者代表の参加で実動を担う推進組織の設置が必要であることを申し上げておきます。
 さて、三月十一日以降、区が行った節電の取り組みにはどのようなものがあるのか、また、それを実施したことで、三月十一日の前と後で比較したとき、本庁舎ではどのくらいの節電になっているのか、三点目として伺っておきます。
 ちなみに、私たちは旧会派、区議会生活者ネットワークの控室を使っておりますけれども、六月に入ってから室温が三十一度にもなって暑いこともあり、先日、八本入っているロング蛍光管のうち四本を抜いていただきました。残った四本でも何の支障もなく、早く抜いておけばよかったと反省しているところです。
 四点目です。
 区は、地球温暖化防止策として、自然エネルギーへの転換に向けて太陽光発電機器設置の助成を行っていますが、区が把握しているのは助成件数にとどまっています。せっかく助成という形で税金を投入しているのですから、実際どのくらいの量が発電できているのか、経済的効果はどうか、設置者にどういう省エネ意識、省エネ行動の変化があったのか、メンテナンスの方法や施工業者の評価などの情報を設置者から集め、区のデータとして蓄積していくことが大事ではないでしょうか。それには情報交換や交流の場が必要です。区が助成した世帯に限らず、太陽光パネルを設置しているすべての区民に区の広報などで呼びかけ、設置者に自然エネルギーを普及する人になってもらうことが導入の促進になると考えます。そのためにも、区がかかわって設置者交流の場をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 自治体の地球温暖化対策を具体的に進めていく際の課題として、市区町村ごとの温室効果ガス排出推計が困難なことが挙げられています。目標を立てる際、そして実践した結果の評価のためにも、データの情報開示は必要です。
 先般、世田谷区が東京電力に、世田谷区内で使用されている電気消費量を出すよう要請したと報道がありました。当区もその翌日に、区内にある東京電力の事業所に協力を要請したと聞いています。区内分の電気消費量を出すのは無理とのことで、二十三区内の前日の総電力量しか出てこないという現状です。当区としても引き続き東京電力に要請していただきたいと要望します。
 今回の原発事故を受け、国ではエネルギー政策の見直しが言われていますが、これは国だけの問題ではなく、自治体にも、どのような方針に基づき、どのようなエネルギーを、どのように使うのかといった自治体としてのエネルギー政策を定めることが必要です。現在区内には、区の助成を受けて設置した太陽光パネルが八百四カ所、今年度末には三百三十カ所ほど増え一千百三十カ所にもなります。そのほかに、都だけが助成していた時期の設置者、助成を受けずに設置されている箇所も相当数あり、いわゆる市民立太陽光発電所が増え続けています。
 一方、太陽熱利用の給湯器や高効率給湯器も、区の助成を受けて順調に設置が増えていると伺っております。
 また、先日行われたハーモニーまつり、あんさんぶる荻窪会場で、太陽熱集熱パネルが展示されておりました。一番大きいもので、横七十センチ、縦二百センチ、厚さ六センチ、およそ畳一畳に相当する大きさです。太陽熱で暖めた熱気を換気扇で室内に送り込むシステムです。換気扇はパネルに埋め込まれた太陽光発電機で動かしますので、コンセント要らず、つまり電気代ゼロの暖房システムで、外気温プラス三十度の暖房効果が得られます。エネルギーを最も消費するのは暖房ですので、このシステムは省エネとして期待できます。何よりもいいのは、戸建てだけでなくマンションでも設置できるものです。
 このような自然エネルギーの利用は今後減ることはないと考えます。当区はもう既に相当量のエネルギーを生産するエネルギー生産基地であるという発想を持って、これをさらに推し進めて、エネルギーの地産地消を進めていくべきと考えますが、区の認識はいかがでしょうか、五点目としてお伺いいたします。
 六点目、最後の質問です。
 今、太陽光、太陽熱を初めとする再生可能エネルギーの導入を加速し、エネルギーの地産地消のまちづくりを目指すときです。先日、新聞で、前高知県梼原町長・中越武義さんの紹介がありました。梼原町は国の環境モデル都市の一つですが、町長就任の翌年から、太陽光、太陽熱、地熱、小水力、バイオマスと、次々と自然エネルギー利用を採用して実績を上げられているのを知り、もちろん小さな町で、地域性も杉並とは全く異なるものではありますが、その先見性と実行力には目をみはりました。しかも、そのやり方は決してトップダウンではなく、市民を前面に立ててやってきた。つまりエネルギー自給一〇〇%を目指すことを宣言した町長のリーダーシップがあって、市民とともに実現してきた結果であると書かれていました。
 当区においても、区内で使用されている電気量のうち何%は再生可能エネルギーで賄うといった新しいエネルギービジョンを示すべきと考えます。我が区でも首長のリーダーシップを期待するところですが、区長のご決意を伺いまして、私の質問を終わります。
○副議長(横山えみ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 市橋綾子議員のご質問にご答弁申し上げます。
 私からは、低炭素、脱原発社会を目指すべきであり、エネルギーの地産地消を進めるべきとの議員のご質問にお答えを申し上げます。
 このたびの原子力発電所の事故を契機にして、世界的にも大きな議論が巻き起こっておりまして、ドイツではいち早く脱原発を宣言して、また、先日国民投票を実施したイタリアでは、九〇%以上の原発反対票というものが寄せられて、脱原発の方向にかじを切っていくことになるんだろうかと思いますが、こうした世界の動きを見るにつけて、再生可能エネルギーの重要性というものは従前にも増して大きくなっていると認識をいたしております。
 今後、我が国のエネルギー政策につきましては、当面、既存の原子力発電施設の安全対策に万全を期す中で電力確保をせざるを得ないという面がございますが、省エネの視点から暮らしや企業活動のあり方を見直しつつ、再生可能エネルギーの割合を高め、可能な限り原子力発電を抑制していくということが重要であると認識をいたしております。
 したがいまして、区においても、こうした観点から、再生可能エネルギーの普及拡大を図ることといたしまして、今後、総合計画等の策定を機に、地産地消などどの程度かということも含めて、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
 残りの質問につきましては、関係部長よりご答弁を申し上げます。
○副議長(横山えみ議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、原子力災害対策と節電についてのご質問にお答えいたします。
 まず、地域防災計画についてのお尋ねですが、平成二十三年修正につきましては、先般、五月三十一日に開催した防災会議で決定しましたので、七月中に製本、配布する予定ですが、ことし一月の段階での各防災関係機関の修正案に基づいての計画ですので、三月十一日の東日本大震災を踏まえての修正とはなっておりません。したがいまして、東日本大震災を踏まえての修正については、平成二十四年修正に反映していきたいと考えております。
 スケジュールとしては、通常であれば、平成二十三年修正同様、九月ころから各防災関係機関が修正作業を始める予定となりますが、今後、都等と協議してまいります。
 修正に際し盛り込む内容については、今回の震災では東北地方の沿岸部は甚大な被害を受け、津波に対する想定の見直しなど、さまざまな論点もあろうかと思いますので、今後、計画の実効性を高めていくための検討が必要であると考えております。ご指摘の原子力災害対策も含め、都の地域防災計画との整合性も図っていく必要がありますので、都と十分協議した上で検討していきたいと考えております。
 次に、国民保護計画の見直しについてのお尋ねですが、国民保護計画は、法に基づき武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態に備えて策定しているものでございますので、見直すことにはならないものと考えております。
 次に、これまでの節電の取り組みと本庁舎での節電の成果についてのご質問にお答えいたします。
 初めに、これまでの節電の取り組みですが、大震災直後は、区内での計画停電の実施が取り上げられる状況の中、区民に節電を呼びかけるとともに、区立施設内の消灯や施設の開設時間の短縮などを緊急対策として実施いたしました。
 また、この夏の電力危機に向けましては、区施設のピーク時の使用最大電力の二〇%削減を目標として取り組むこととともに、総使用電力量の削減にも最大限努めていくこととしております。
 次に、本庁舎における節電実績ですが、ことしと昨年の五月を比べてみますと、ピーク時の使用最大電力で九・四%の削減、また使用電力量では一二・一%の削減となっており、空調設備の未使用時期ではありますが、対策の効果が着実にあらわれているものと考えております。
 私からは以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 環境清掃部長。
     〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕
◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、市橋議員の残りのご質問にお答えいたします。
 まず、法律で定めますいわゆる地域省エネ計画につきましては、今後、総合計画等との整合性を図りつつ、従前と同様に省エネビジョンとして策定に向けた検討を進め、その中で、ご指摘のような再生可能エネルギーの導入目標なども定めてまいりたいと存じます。
 また、太陽光発電機器の導入促進でございますが、設置による節電効果等を分析し、情報発信していくとともに、学識経験者や事業者、利用者のご意見なども参考に、効果的な普及促進に努めてまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 以上で市橋綾子議員の一般質問を終わります。
 十四番小松久子議員。
     〔十四番(小松久子議員)登壇〕
◆十四番(小松久子議員) 私は、生活者ネット・みどりの未来の一員として、新基本構想について、新しい公共支援事業について、以上二点質問いたします。
 杉並区の十年後のビジョンを描く新基本構想策定に向けたスケジュールが進行中です。基本構想審議会では、現在、三つの部会と学識経験者による調整部会での議論が並行されているかと思います。基本構想は杉並区における行政計画の最上位に位置するものですから、策定途上にある今、その進捗状況を確認したいと考え、以下質問いたします。
 生活者ネットワークは、基本構想づくりに関して、かねてよりそのプロセスに思い切った市民参加をと求め、具体的な提案もしてまいりました。その一つが、ことし二月の第一回定例会一般質問で、サイレントマジョリティーの声を引き出す有効な手法として提案した市民討議会、プラーヌンクスツェレです。このたび、六月四日、区がまさにこの手法を採用して、十年後の杉並を考える意見交換会を開催されたことは、提案した者として、区の挑戦を評価したいと思います。
 そこで質問の一点目として、改めて、この意見交換会開催の目的と、この手法を使った経緯をお伺いいたします。
 さきの議会質問でも述べましたが、市民討議会の特徴は、無作為抽出した市民に呼びかけて参加者を募り、当日は小グループに分かれて議論する、実際に参加した人には時間と労力への対価として報酬を支払うなどというものですが、当区ではどのように実施されたのでしょうか。六月四日の会での参加者の人数や属性、年代などの状況、実施の概要は実際どうだったのか、お伺いします。
 私も、基本構想審議会委員の一人として、また、市民討議会の実践に強く関心を寄せる者として、期待を持って、短時間でしたが、傍聴いたしました。
 まず感じたのは、参加者の中に一見して若い世代の方が多いということでした。また、四、五人のグループに分かれての議論が、その日初対面同士とは思えないほど闊達に、しかも楽しそうに盛り上がっていたこと。さらに、各グループの議論のまとめを報告発表する段階で、いずれも立派にプレゼンテーションがされていたことなどに感心いたしました。
 また同時に、議論を引き出すための情報提供として区が行った区政の概要説明については、わずか十五分という短時間だっただけに難しさも感じました。十五分で何をどう伝えるかで、次に続く議論を実質的には誘導することになるため、ほかの説明だったらどのような議論が展開されたのか、研究の余地があると感じました。
 区にとっても貴重な経験になったと言えるのではないでしょうか。主催者である区は、実施なさってみてどのような感想をお持ちになったでしょうか。まだ報告をまとめられている途中かと思いますが、現段階で、成果と課題は何だとお思いでしょうか。また、参加者からはどのような意見が出されているか、あわせてお尋ねします。
 そして、この日各グループからまとめとして出された意見が、今後基本構想にどのように生かされるのか、参加者の多くが関心を持って見ているはずです。区のお考えを伺います。
 市民討議会(プラーヌンクスツェレ)は、既にこれまで北海道から鹿児島まで全国各地で実践されており、都内でも、八王子、立川、三鷹などの各市や、千代田、新宿、港、墨田区などで実施されました。一度開催した後、テーマを変えて三回以上実施する自治体は全国で十七に上っています。杉並の場合は、今回、基本構想に向けた意見聴取の位置づけだったと思いますが、他自治体の例を見ますと、取り上げられるテーマはいろいろです。千代田区、墨田区、江東区、葛飾区などでは、学校選択に関してというテーマで実施され、また、三鷹市の市民討議会は東京外かく環状道路ジャンクションのテーマで開かれるなど、さまざまな政策課題が取り上げられています。自治体によっては、これまで一般的に行われてきたアンケート調査を補完し得るものとしても採用されているように思います。
 市民参加の手法としてこれまで一般的に採用されてきた公募区民と違って、無作為抽出の人たちは、テーマに対して利害関係を持たないこと、その日に初対面同士であることが自由な話し合いの空気を生むのだと思います。プラーヌンクスツェレは合意形成しやすいと言われるのも、なるほどと思いました。当区でも、今後、ある課題について区民意見を聴取する場合にこの手法が使えるのではないでしょうか。区はその意向があるかどうか、お伺いします。
 ただ、問題は、そこで出された意見をどのように生かすかということです。市民討議会を実施した自治体では、どこも議論の結果を政策決定にどう反映させるのかという課題に直面するようです。当区はいかがでしょうか、お考えを伺います。
 市民討議会だけではありません。昨年秋に実施した区民アンケートの結果や、このたび募集し、六月八日に締め切られた団体意見、審議会での議論など、さまざまな意見が寄せられています。これらをどのように生かしていくお考えでしょうか。
 区民の基本構想に寄せる意見は多様であり、それらをすべて反映させることは不可能です。ただ、今後策定する分野ごとの計画に落とし込むことは可能であり、そうすべきです。いかがか、お尋ねします。
 この項の質問の最後に、子ども、若者の意見聴取について伺います。
 若者の意見ということでは、審議会の中でも報告された転入者、転出者に向けたアンケートが、回答者九百四十七人中、三十代以下が約八割、四十代以下では九割以上という結果になり、それに相当するとみなすことが可能です。
 しかし、一方、十八歳未満の子どもの意見については、二月議会の質問で伺ったとき、今後検討していくとのご答弁でしたが、具体策が示されていません。子どもは地域に欠かせない構成メンバーなのであり、子どもの意見表明は子どもの権利条約に保障された主要な権利の一つです。ただ、子どもの率直な意見を引き出すには相応の工夫が必要です。大人の側から子どもの中に入っていくことが重要で、しかも、その大人は子どもが信頼する、子どもの目線に立てる人でなければなりません。新基本構想の策定に当たって、ぜひ区にはトライしていただきたいと思います。どのように実施されるお考えでしょうか伺って、次の項目、新しい公共支援事業について質問いたします。
 このたび、内閣府が推進する新しい公共支援事業のための基金が東京都に設置され、二年間の時限事業費として都に五億七千四百万円交付されました。都では、この事業を行うに当たり、基本方針の検討やモデル事業の選定などを行う運営委員会を設置し、五月に第一回会議を開催、自治体担当者に向けた説明会も開催されました。
 内閣府の新しい公共支援事業の実施に関するガイドラインによれば、新しい公共とは、人々の支え合いと活気のある社会をつくるため、市民団体、企業、政府等がそれぞれの役割を持って当事者として参加し、協働する場とされ、また、従来は官が独占してきた領域を公に開いたり、官だけでは実施できなかった領域を官民協働で担ったりするなど、市民、NPO、企業等が公的な財やサービスの提供にかかわっていくという考え方とも記されています。この考え方が新しい公共支援事業のベースになっています。従来の補助金をばらまくだけの施策と異なり、NPO等と行政が共に地域の課題を解決していこうとする姿勢が明確に示されています。その意味でこれまでになかった施策に期待を寄せる立場から、以下質問いたします。
 東京都は、支援事業の内容として、一、NPO等の活動基盤整備のための支援事業、二、寄附募集支援事業、三、融資利用の円滑化のための支援事業、四、新しい公共の場づくりのためのモデル事業、以下四つのタイプの事業を実施するとし、このうち四番目のモデル事業には、基金の半分に当たる二億八千七百万円を充てる意向を示しています。
 区は、モデル事業を進める上で、現場を抱える自治体として都につなぐ業務を担うことになります。杉並区はこれまで協働を進めてきた区です。その立場からこの事業をどのようにとらえておられるでしょうか。また、実際どのように進めていかれるのでしょうか。
 二年の時限事業といい、今既に六月ですから、関心のありそうなNPOや企業などに早く情報提供しなければ、企画や準備にも時間がかかるでしょうし、実際に活動できる期間がさらに短くなってしまい、成果が出せないうちに交付金が打ち切られてしまうことになりかねません。手続が急がれます。東久留米市で先日、都の担当者を招いて事業説明会が開かれ、私も参加してきましたが、市内で活動するNPOの方から活発に質疑が出されていました。当区での今後のスケジュールはどうされるのか、あわせて伺います。
 ところで、新しい公共という概念はさほど新しいものではなく、一九九〇年代から既に議論が重ねられ、実践もされてきていました。ただ、国がリードする形で具体化への歩みが始まったのは、鳩山前首相が所信表明演説で述べたことからでした。内閣府に新しい公共円卓会議が設置され、杉並区では昨年、新しい公共を公約に掲げた田中区長の誕生により、議会で盛んにこの言葉をめぐって質疑応答がなされました。区長の公約には「杉並区版『新しい公共』の発想で、区民の皆さまとの協働計画を策定」とあります。
 私も以前、議会質問で、新しい公共の理念について伺いましたが、そのとき、区の新しい公共と円卓会議の新しい公共は同様のものと答弁されました。であるとすれば、杉並版新しい公共とは何でしょうか。杉並版事業仕分けは昨年実施されたのでわかりましたが、杉並版新しい公共の発想とはどんな発想なのか語られなかったように思います。また、協働計画とはどのようなことか。さらに、策定のスケジュールについても伺います。
 さて、新しい公共支援事業のほうに話を戻します。都の意向では、先ほど述べたように、提案されている四つの事業のうち、新しい公共の場づくりのためのモデル事業がメーンになるということです。そこで、この概要についてお伺いします。事例を挙げてご説明ください。
 新しい公共支援事業は、官と民とが役割を分担し、連携する必要があることから、区の協働に対する認識が問われるものになると考えます。自治基本条例に協働をうたい、協働の推進のためのガイドラインを策定するなど、杉並区が協働ということについて他自治体に先駆けて取り組んでこられたことは評価したいと思います。しかし、この間の経過の中で、市民活動団体などから区の協働に対する認識に不満があったのは事実で、それは区の所管や職員の中でも協働ということに対する認識がさまざまであったこと、また、大企業への民間委託から小さな任意団体との協力関係までが十把一からげに協働の実績としてカウントされることへの違和感もそうでした。新しい公共支援事業の実践を通して、区とNPO等との対等な関係を築くことが望ましいと考えます。見解を伺います。
 また、この事業を推進していくことは区政全体にわたる政策的な課題でもあり、政策経営部の企画課が所管するべきものと考えます。いかがか、お伺いします。
 昨日、私は、すぎなみNPO支援センターが開催した「新しい公共を考える─分権時代の協働のまちづくり─」と題する講演会に参加してまいりました。行政とNPO、市民活動の協働がこれからの地域社会を活気づかせていくためのヒントを得られるような内容だったと思います。区の職員もかなり参加されていましたので、今後の行政運営に生かしていただけるのではと期待しています。
 昨年秋の五千人から回答のあった区民アンケートで、協働の地域社会づくりについての問いに対し、「参加したい」と答えた人が八割を超えました。ことし三月十一日の大震災を経験した後では、もし同じ質問をしたなら、コミュニティの再生や地域の人同士のつながりを願って、もっと多くの人が肯定的な回答を寄せるのではないでしょうか。震災後の地域には、人とのきずなを編み直したいと考える人や、社会的な活動をもっと充実させたいと考えるNPO団体が確実に増えているという実感があります。区民のこのような意思を生かすことは、市民自治を進める原動力になるものです。
 新しい公共は区長の公約であり、また、区にとっては協働の実践体験を積むためにも、積極的な取り組みが望まれます。見解を伺って、私の質問を終わります。
○副議長(横山えみ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 小松久子議員のご質問にご答弁申し上げます。
 六月四日に開催をいたしました区民意見交換会の目的等に関するお尋ねでございました。
 私は、区民と共有する目標となる新たな基本構想づくりに当たっては、多様な区民の意見を聞きながら進めることが何よりも重要と考えております。この間、そうした考えに立って、昨年十一月には区民アンケートを実施いたしまして、約五千人という、これまでにない多くの方々からご回答をいただきました。
 しかし、これを見ますと、回答者の約七割が六十歳代以上でございまして、基本構想審議会の中でも、若い世代の声をさらに聴取すべきであるといった意見がございました。これらを踏まえて、本年二月に、転入転出者に対する追加アンケートを実施いたしまして、三十歳代以下が約八割を占める、約一千人の方からご回答をいただいております。
 こうした取り組みに加えまして、今回は、住民基本台帳から無作為抽出した区民が少人数で討議を行うという、区民参加の新しい手法を当区として初めて取り入れまして、意見交換会を実施したものでございます。意見交換会では私も冒頭にごあいさつを申し上げましたが、若い方から年配の方までバランスのとれた区民の方々による自由闊達な討議というものが行われまして、建設的で多様な意見が出されたと聞いております。改めて、杉並区民の意識の高さ、関心の高さ、区政に対する大きな期待と熱い思いというものを感じ取ることができました。また、参加したほぼ全員の方から、今回の試みを高く評価する意見が寄せられているということも聞いておりまして、有意義な取り組みであったのではないかなと思っております。
 残りの質問につきましては、関係部長等からご答弁申し上げます。
○副議長(横山えみ議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、区民意見交換会に関する残りのご質問と、新しい公共支援事業についてのご質問にお答えいたします。
 まず、意見交換会でございますが、当日は、無作為で抽出した区民千人のうち七十七人の方が参加され、その内訳は女性が二十九人、男性が四十八人で、十代から七十代まで、全体としてバランスのとれた構成でございました。
 当日は参加者が四、五人の班に分かれ、まちづくり、環境、健康、子育て、そして教育などのテーマを通し討議し、その結果を発表していただきました。進行に当たっては参加者の自主性を基本に進め、また、三つのテーマごとに班のメンバーを入れかえて行ってございます。
 実施後の感想、成果と課題はとのお尋ねですが、若い世代から高齢者まで多様な視点からの活発な討議が行われたこと、また、参加者のほぼ全員から、意見交換会を通して区政への関心がより高まったとの意見が寄せられていることなどから、所期の目的は十分達成することができたものと思っています。
 その一方で、何分初めての試みでございましたので、参加者からももう少し討議の時間をとれなかったのかなどの声もあり、今後工夫、改善すべき点もあったのではないかと考えてございます。
 これからはこうした手法を実施する考えはあるのかとのお尋ねですが、今回の試みは大変意義あるものであったと考えており、今後どういう場面で取り入れていくか検討してまいりたいと存じます。
 次に、今回の意見交換会や各種団体からの意見などを新たな基本構想づくりにどのように生かしていくのかとのお尋ねですが、これらのご意見はその都度基本構想審議会に報告し、審議の参考にしていただいており、審議会での活発な議論につながるものと考えてございます。
 なお、意見交換会につきましては、別途報告書を取りまとめ公表してまいります。
 また、これらの意見は庁内でしっかりと共有し、今後のさまざまな計画策定の参考にしてまいります。
 この項の最後に、基本構想づくりのため、今後、子ども、若者の意見をどのように聞いていくのかとのお尋ねですが、基本構想審議会の進捗状況などを見ながら考えてまいりたいと存じます。
 次に、新しい公共支援事業に関連したご質問にまとめてお答えいたします。
 この事業は、国が二年間の時限措置としてNPO等の活動基盤整備などの支援等を行うことにより、新しい公共の担い手となるNPO等の自立的活動を後押しするとともに、NPO等が地方公共団体と協働して取り組むことを支援するものと伺っております。
 また、新しい公共の場づくりのためのモデル事業の概要でございますが、多様な担い手が協働して自らの地域の課題解決に当たる仕組みで、NPO等と地方公共団体が協働する取り組みを試行する事業と伺っており、東京都から示された事例といたしましては、町会・自治会、NPO等との協働による高齢者の見守り・お助け事業や地域の相談所設置事業などが挙げられております。
 また、本事業の実践を通してのNPO等と行政との関係についてでございますが、NPO等と行政が相互の立場や特性を認め合い、積極的に連携、協働して地域の課題を解決していくものとされております。
 次に、この事業への区の取り組みについてのお尋ねですが、事業は東京都を通じて行われる予定となっておりますが、現在のところ、具体的な実施要綱やスケジュールは示されておりません。具体的な区の取り組みにつきましては、都から事業の要綱等が示される中で検討してまいりたいと考えてございます。
 最後に、杉並版新しい公共と今後の協働の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。
 今後ますます多様化し、増大する区民ニーズに行政だけで対応することは困難であり、区民と団体、そして事業者との協働によって担っていく分野がますます広がっていくものと考えられます。こうした中で、お話で出されたように、この間の区民アンケートなどでも示されている杉並区民の高い参加意向を背景に、区民、団体、事業者等が主体的にかかわり、皆で支え合う豊かな地域社会を築くことにあると考えてございます。こうした考え方に基づく区民等との協働は、今後ますます大切になっていくものと考えており、新たな基本構想の実現にとって欠かせない課題と認識しております。この点につきましては、現在、基本構想審議会の調整部会でも議論されており、その内容を踏まえ、区民等との協働に関する取り組みについて今後検討してまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 十四番小松久子議員。
     〔十四番(小松久子議員)登壇〕
◆十四番(小松久子議員) 二点ほど再質問いたします。
 最後にご答弁いただいた協働のところですが、「協働計画を策定」というふうに区長の公約にありまして、また、ことしの二月に発表されました「予算の編成方針とその概要」においても、基本構想の段で、「基本構想を具体化していくための総合計画を取りまとめるとともに、地域社会への参加意欲のある区民の期待に応えるための協働の取組みについても、具体的に検討」というふうにありますが、これを拝見するに、協働の計画を別個に策定されるというふうに私は期待したんですけれども、そうではないということなんですか。ちょっと確認したいと思います。
 その場合、具体的にというふうにおっしゃっていますので、私は協働のありようについて規定することが必要と考えております。その際、また契約の内容についても規定して目標値を定め、また財政的な裏づけまでも方針化することが望ましいと考えていますけれども、この協働を具体的に検討するということについて、もう一度ご答弁をお願いいたします。
 それと、新しい公共の場づくりのモデル事業についてです。都の要綱が示されてからというようなご答弁でした。東京都の指示待ちというふうに伺いましたけれども、このモデル事業は、おおむね五団体の連携が要件とされています。小さなNPO団体、それから町会・自治会なども、事業者、機関として想定されていまして、そういう団体にとって、五団体が連携するというのは若干ハードルが高いのかなというふうに思います。であれば、この手続に当たっても相談ができるような中間的な支援がどの程度できるかということが、この事業の成否にかかわってくると思います。準備には時間がかかりますし、手続に至るまでには支援が必要なわけです。これを早く情報提供すべきではないかというふうに思いますが、お考えを伺います。二点です。
○副議長(横山えみ議員) 理事者の答弁を求めます。
 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 小松議員からの再質問、二点お答え申し上げます。
 一つ目は、協働の取り組みを総合計画の中でどのようにということでございますが、総合計画の中で、協働の基本的な取り組みの方向については、一体的に計画化していきたいというふうに考えてございます。
 それから二つ目の、新しい公共支援事業における区の取り組みでございますが、東京都からまだ具体的な要綱あるいは取り組みのスケジュールというのが示されてございません。東京都に問い合わせたところ、七月の中旬ぐらいに、東京都としてどのように取り組むのかということを決定して、今後、区のほうに八月ぐらいにかけて通知するというようなことでございますので、それに合わせて区として取り組んでまいりたい、かように考えてございます。
 私から以上でございます。
○副議長(横山えみ議員) 以上で小松久子議員の一般質問を終わります。
 ここで午後一時まで休憩いたします。
                午前十一時四十七分休憩
                     午後一時開議
○議長(藤本なおや議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 説明員は、塩原栄子選挙管理委員会委員長職務代理者を除き、小林義明選挙管理委員会委員長を加えます。
 十一番けしば誠一議員。
     〔十一番(けしば誠一議員)登壇〕
◆十一番(けしば誠一議員) 無所属区民派の一番手に、けしば誠一から一般質問を行います。
 質問の課題は、被災地支援と原発問題について、区の委託事業の労働条件、だれもが共に生きるまちづくり、道路・鉄道と安全なまちづくり、そして最後に、教育の自由と平等についてです。
 東日本大震災は、これまでの防災計画やまちづくり、公共交通や暮らしのあり方まで全面的な見直しを迫るものです。さらに、福島原発事故は全世界に衝撃を与え、原発に依拠したエネルギー政策をこのまま続けていいのかという重大問題を突きつけました。原発からの撤退と自然エネルギー、再生可能エネルギーへの大胆な転換が世界に広がっています。
 震災から三カ月、国会は、民主党内の権力争いと、それにつけ込んだ自民党と公明党の権力奪取の政争の場と化しています。復興財源論議のどさくさに、被災者に負担を強いる消費増税が打ち出されるなど、被災地への復興の努力が、何をおいてもこたえようとする国の動きが見えません。基礎自治体の機敏な対応が今ほど求められているときはありません。
 そこで質問します。自治体支援スクラム会議についてです。
 杉並区は、阪神・淡路大震災に機敏に対応した経験から、東日本大震災直後に職員を南相馬市に派遣し、区長自ら市役所に入りました。その決断から、自治体間の信義に基づく生きた連携が始まりました。被災地の現状と要請に対応するには、これまでの国から都道府県という縦軸で行われた災害支援のあり方、災害対策基本法と災害救助法の制度の限界が明らかになりました。
 区長が呼びかけた自治体スクラム支援会議の意義と今後の課題をお聞きします。
 杉並区は、自治体間の連携で被災地支援を効果的に進め、それに対する国の財政支援を求めてきました。六月六日の全国市長会で、国に対する要望が決議されました。決議の内容と法改正等の今後の取り組みをお示しください。
 自治体スクラム支援会議に対する国のこの間の対応、補正予算や法改正などの見通しについて、区長の見解をお聞きします。
 区長が当初から進めてきた被災地のコミュニティ、すなわち、きずなを守る避難の受け入れの考え方をお聞きします。南相馬市での避難者のコミュニティ維持に向けた取り組みの現状と今後の方向性、課題をお示しください。
 南相馬市のボランティアに参加し、その重要性を認識しました。市のボランティアセンターでは、杉並区の社会福祉協議会の職員が率先し、杉並からも多数のボランティアを受け入れていました。区のかかわりと現状認識、区が被災地になった場合のボランティア受け入れについて、区の考えをお答えください。
 職員派遣と職員体制について聞きます。
 南相馬市、東吾妻町など被災地支援に派遣されている職員の数と体制、どのような仕事に当たっているのか、お聞きします。
 長期化する職員の派遣に伴う職員体制の補充はどうするのか。今の派遣をどの程度の期間と予想しているのか。アルバイトでの補充で長期化することに対応可能なのでしょうか。
 前区長のパフォーマンスであった一千人職員削減計画による、現状を無視した機械的削減で、今年度の職員体制に不足が出ています。その現状と対策をお聞きします。職員組合からその解決が求められていますが、その要望と区の回答についてもお聞きします。
 派遣されている職員の健康管理や、被災地の厳しい現状では、心のケアも必要です。どのような配慮をしているのか、確認しておきます。
 南相馬市の現状、放射能汚染についてです。
 南相馬市の原発から二十キロ圏内の避難者の現状、今後の対応をお聞きします。
 南相馬市にボランティアに入った際に、放射能測定器を持参し、はかったところ、市役所のある原町地区など市街地と、山間部の飯舘地区では放射線量にも大きな違いがありました。南相馬市の原発から二十キロから三十キロ圏内と、三十キロ圏外のそれぞれの地域の現状と課題をお伝えください。また、区が支援を求められていることがあればお伝えください。
 南相馬市の避難所生活の人数と現状はどうか。また、杉並区内と東吾妻町に避難している現状、今後の見通しと課題をお聞きします。
 この最後に、仮設住宅の現状と今後の計画についてもお聞きしておきます。
 次に、エネルギー政策の転換と電力購入です。
 ドイツの脱原発の決定に続き、イタリアの国民投票で九〇%が脱原発に投票した動きは、日本を初め世界に、フクシマ以降の社会のあり方を問うています。福島原発事故を教訓に、我が国のエネルギー政策の転換に向け、再生可能エネルギーの活用等、自治体が率先すべきと思うが、区長の見解を求めます。
 電力供給体制の独占と利権が、原発中心、情報隠しの異常な社会をつくってきました。電力自由化が行われながら、都と二十三区は東京電力から電力を購入し続け、独占体制を支えてきました。電力の安定供給という名目は、福島原発事故で崩れました。改めて区の電力購入を入札にすべきと思うが、どうでしょうか。
 次に、区の委託事業の労働条件です。
 小泉内閣は、二〇〇三年、地方自治法を改定し、公共施設の管理運営を丸ごと民間にゆだねる指定管理者制度を導入しました。前区長はそれを率先して杉並の施設に適用し、職員の削減に利用しました。人件費は委託料、すなわち物件費に変わり、見かけでは一千人削減されたように見せ、正規職員の仕事を低賃金で担う、数千人のワーキングプアを区は生み出してきたのです。
 セシオン杉並の賃金未払い事件を契機に、区の施設の運営、清掃、管理業務の労働条件に関し、入札時に条件を明記する自治体が増え、新宿区では調達の指針、板橋区では仕様書に追記する共通文言が公表されています。
 区立学校用務の業務委託で受託していた事業者が撤退した後、今年度は、新規学校も加え、どのような事業者が選定されたのか。それぞれ何校受託したのか。これまで働いていた労働者は引き続き雇用されたのか。選定に当たり、これまでの労働条件はどのように考慮されたのか、お答えください。
 区の契約制度検討委員会の中間まとめでは、委託事業者の労働条件についてどのような改善が行われきたのか。これまで働いてきた労働者の雇用継続は保障されるのか。入札後のチェック等はどのように行われているのでしょうか。
 昨年の第四回定例区議会で、区は、公契約条例について、契約制度検討委員会で研究すると答えたが、中間まとめでは出ていません。最終報告ではどのような結論となるのでしょうか。
 野田市に続き川崎市でも制定され、相模原市でも導入が有力、横浜市でも取り組みが始まっています。都下では、西東京市、国分寺市、羽村市、小金井市、多摩市、八王子市が検討中です。全国でも、札幌市、長野県、西宮市、高知市、鹿児島県、沖縄県も検討中とのことです。杉並区も、公契約条例の制定に向け具体的に検討を始めるべきと思いますが、どうか。
 三つ目が、高齢者、障害者が安心して暮らせる、だれもが共に生きるまちづくりに関してです。
 その一つは浜田山駅南口です。
 浜田山駅南口は、近年多発する踏切トラブルと東日本大震災時の経験から、今や待ったなしとなりました。浜田山駅南口計画のこれまでの経過をここでお示しください。
 五月十九日、地元住民とともに、京王電鉄本社に、浜田山駅南口の早期開設を求める申し入れを行いました。京王側も関係課長が積極的に対応していただきました。井の頭線では南北自由通路のない唯一の駅となった浜田山駅改修の緊急性では一致し、一日も早い実現への努力、課題の検討に入ることを確認しました。
 問題は、用地問題です。浜田山のまちづくりを進めてきた関係者の理解を得る努力が必要です。交渉のためには、次善策も検討しつつ最善策を追求すべきと思うが、区の姿勢をお聞きします。
 横断歩道の信号機についてです。
 浜田山駅から北へ井の頭通りを渡る交差点の青信号が短く、渡り切れない危険が訴えられています。同様の事態が、桜上水駅から甲州街道を渡る横断歩道、方南陸橋の交差点でも起こっています。このような事態に信号機で対応できないのか、安全対策を求めます。
 すぎ丸さくら路線についてです。
 すぎ丸さくら路線は、下高井戸の南北交通不便地域に住む高齢者等にとって不可欠な路線となっています。利用状況についてお示しください。
 一時間に二本では利用しにくく、三本に増やせないかとの声が出ています。けやき路線が四本、かえで路線が三本でスタートしたが、さくら路線は当初から二本とされた理由を伺います。
 塚山公園や柏の宮公園等の利用者からも要望が強く、運行本数を増やすための課題は何か、お答えください。
 道路と鉄道と安全なまちづくりについてです。
 まずは外環道です。
 大震災直後に、国は百二十五億円の予算を公表しました。被災地支援が第一であり、そのための膨大な予算が必要な今、なぜ国は外環道を優先するのでしょうか。むしろ着工を延期し、被災地の復興支援に財政を向けるべきではないのか。現在の国の動きを教えてください。
 外環ノ2について、地上部街路に関する話し合いの会が始まります。大震災と被災地支援が課題である今、緊急性も必要性もない外環ノ2の話し合いを東京都はなぜ行うのでしょうか。
 武蔵野市の検討委員会では、大震災の後、もう一度すべてを見直すべきとの意見で一致し、東京都に回答が求められています。そもそも外環ノ2について、沿線住民に計画自体が認識されていません。話し合いの会の前に、外環ノ2の計画やその影響について、説明会を開き、沿線住民の認識を高めてから外環ノ2の話し合いを開始すべきではないのでしょうか。
 話し合いの会の委員の選定の仕方には疑問があります。沿線五地区の住民八万人に比して、余りに少ない各地区二人ずつ、他に町会、商店会代表九名を機械的に当てはめ、都の意向に従わせるねらいを危惧します。
 六月七日に応募者の抽せんが行われ、六月下旬に運営方法の打ち合わせが行われる話し合いの会は開かれたものにすべきだと思いますが、区のお考えをお聞きします。
 放射五号線です。
 都は、住民が地域の分断を防ぐために考えついた一部トンネル案について、意向調査を実施し公表しました。都の道路構造についての検討状況をお聞きします。
 放射五号線沿線の用途地域の見直しなどはどのような計画になっているのでしょうか。区境通りと放射五号線に挟まれた地域の用途地域の変更は、地域の一体性を維持する方向で、住民の意見を聞いて進めるべきと考えます。今後のスケジュールをお聞かせください。
 この項の最後は、京王線地下化についてです。
 五月十六日から二十五日、京王線連続立体交差事業の都市計画案と環境影響評価準備書の説明会が行われました。説明会の来場者と、出された質問や意見の主なものをお示しください。
 説明会で、見過ごすことのできない都の姿勢に、京王線地下化と緑のまちづくりを進める会が、区長ご自身に見てほしいと願い、ビデオを区長に手渡しています。四線高架、高架・地下併用、四線地下方式が検討されましたが、詳細データが黒塗りで開示されず、住民は納得できる資料がありません。烏山北小学校で、都の担当課長は、住民の質問に、住民に詳細なデータを出してもご理解を得られないとの傲慢な姿勢は、区も見たとおりです。
 東日本大震災で説明会が延期され、意見書提出手続もやり直されたにもかかわらず、都市計画案と環境影響評価準備書が三月十一日以前と全く変わらないまま報告されたことに、住民は全会場で質問しました。東北新幹線では一千カ所にわたり架線や線路の損傷、高架橋も百二十カ所に及ぶ損壊が起きたにもかかわらず、土木学会の報告を理由に、安全と繰り返すばかりです。土木学会に問い合わせると、報告はあくまで中間報告案であり、阪神・淡路大震災後に計画された高架がすべて安全と書いたのではないと回答しています。福島第一原発の設計でも安全とした土木学会の報告だけでは納得できないという声も上がりました。
 安全性が疑わしい併用方式を見直し、地震にも強く、工費も安く、夜間工事の影響も少ない全面地下方式にすべきと考えますが、区の見解をお聞きします。
 最後に、教育の自由と平等についてです。
 公教育は、その本来の目的を達するために、学問の自由と教育の機会均等がその基礎になければなりません。大阪府議会で、日の丸・君が代、起立斉唱を教員に強制する条例が、橋下知事の与党・維新の会の多数の力をかりて採決が強行されました。日の丸・君が代は、その歴史や国旗・国歌法制定過程の議論からも賛否があり、強制できるものではありません。自民党、公明党を初め全会派が条例案に反対したのは、このような知事の議会運営のやり方に対する批判でした。
 このように条例による強制のあり方は、議会制民主主義と地方自治のあり方として間違いではないか。区長の見解を求めます。
 地域で子どもが共に生きるための特別支援教育についてです。
 昨年十一月に発表された都の特別支援教育第三次実施計画の概要とその後の動きを示してください。
 全校に特別支援教育を実施する方向及び人員体制等どのように保障されるのか、お尋ねします。
 区の特別支援教育の現状と対象人数をお聞きします。
 都の計画を受けた今後の方針をお示しください。
 また、全校設置に当たってどのような課題があるのか、お聞きします。
 最後に、教科書採択についてです。
 山田前区長の負の遺産の中で、中学歴史教科書を扶桑社版としてきたことがいまだ残されたままです。保護者や教育現場から、ことし八月の採択で撤回されることが期待されています。
 四年前、石原都知事や山田区長のように、戦前の教育勅語を理想とする数少ない首長のもとでしか採択されなかった余りの採択率の低さに、新しい歴史教科書をつくる会は分裂しました。扶桑社は育鵬社に改め、一方は自由社版を出して版権を争っています。
 自由社と育鵬社の歴史教科書、公民教科書は、検定を通過したとはいえ、史実と神話を同一視した記述、コラムのトップが神武天皇の東征伝承、昭和天皇のコラムで終わるなど、天皇制国家の歴史として描かれ、他社の教科書との違いが目立ちます。この二つの教科書に対する区の見解を求めます。
 前区長は、偏った思想と歴史観に基づき、つくる会の同調者を教育委員に選任して、中学歴史教科書に扶桑社版を採択させました。教育現場にはそれを補う困難が強いられてきました。
 区長は就任以来、公教育の独立性を重んじ、昨年度の小学校教科書採択では、久々に現場の意見を尊重した採択が実現されました。今年度の中学教科書の採択が期待されています。教科書採択に向かう区の考え方をお示しください。
 今回の採択に当たり、中学教科書の全面的見直しが教育現場と保護者から求められています。昨年の採択時に、教育委員会から、現場の教員の使いやすいものをとの意見も出されています。このような現場教員の意見及び教育委員の意見を尊重されるべきです。
 二〇〇九年度の採択の際に、新指導要領に変わるまでの二年間の時限措置として扶桑社を選んだ経過があります。八月には扶桑社歴史教科書を撤回し、前区長が残した杉並の教育のゆがみを、教育委員会の独立性と責任において正すことを期待し、質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) けしば誠一議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、自治体スクラム支援会議と南相馬市に関するご質問でございました。
 初めに、自治体スクラム支援会議の意義でございますが、複数の基礎自治体が横のつながりを生かしていち早く行動を起こし、連携して支援したことで、ニーズに即した、的確できめ細かな支援を迅速に行えたということに意義があるものと考えております。
 また、この間、支援会議として、基礎自治体間の横のつながりによる災害時支援を促進するための法制化と財政的措置を国に要請するとともに、私から区長会等を通じて問題提起をしてまいりました。このことが全国的にも支持を得て、ご指摘の全国市長会での災害救助法の抜本的見直しの決議につながったと受けとめております。
 支援会議からの要請に対しましては、菅総理初め、細川厚生労働大臣、海江田経済産業大臣からは、それぞれ前向きな受けとめをしていただいているところでございます。ボールを国に正式に投げたということですから、ぜひそれをきちっと受けとめて形にしていただきたいと思っております。
 次に、避難者のコミュニティ維持についてでございますが、家族やご近所同士が、これまでの地域社会でのつながりを維持しながら、助け合い支え合って避難生活が送れるよう配慮することの大切さを当初から主張しておりましたが、南相馬市からの避難者の受け入れに際しても、こうした認識を踏まえた対応に努めてまいりました。南相馬市も同様の考え方を基本にして、今後の避難所の再編や仮設住宅への入居等に対応する考えであると伺っております。
 次に、南相馬市の現状についてでございますが、まず、警戒区域については立入禁止ですので、すべての方が避難していると思われます。緊急時避難準備区域では、この間、多くの市民の方々が自宅などへ戻ってきており、四万人ほどが市内で生活をしているようでございますけれども、依然として、学校の運営あるいは病院の入院あるいは仮設住宅の建設、こういったものが規制をされておりまして、こうした規制が復興に向けた取り組みの一つの障害になっている、取り組みを困難にしているという認識を持っております。
 また、避難の現状でございますが、市が把握している市外避難者は約八千人、このうち区内には二十数人、東吾妻町には約二百人となっております。今後は、南相馬市内に仮設住宅等の住居が整備されるに従いまして徐々に帰還していくものと考えておりますけれども、なお帰還できずに避難生活が長期化する方も残ってしまうだろう、こう見ております。
 なお、仮設住宅等については、現在、民間借り上げ住宅を含めて三千戸程度が確保できる見通しとなっていると伺っております。しかし、必要戸数は本来四、五千と聞いておりますので、まだその差が足りないということで、これは県外避難を余儀なくされるということであろうかなと思っております。
 続きまして、大阪府議会で成立した条例に関する質問にお答えをいたします。
 大阪府議会で、教職員に君が代斉唱時の起立を義務づける、いわゆる君が代起立条例が成立したことは、新聞報道等で承知をいたしております。通常、他自治体である杉並区が、大阪府議会における条例の成立に対して申し述べる立場はございませんけれども、法律の制定時にもさまざまな意見、議論がありました国旗・国歌に関連した条例化でございますので、より多くの同意が得られるよう、慎重に進めていくべきであったろうという認識を持っております。
 私が都議会にいたときに、議場に日の丸を置くかどうかということが議論になりました。そのときに話し合った相手方は、自民党さんは中野選出の松本文明先生でありましたけれども、都議会の総務会長をやっていたときか幹事長をやっていたときか、どっちかでした。私も民主党都議会の政調会長か幹事長か、どっちかなんですが、よくお話し合いをさせていただきましたけれども、やはり今日の時代においては、国旗・国歌はもちろん定着をしているし、多くの国民が敬愛を持ってそれを受けとめているわけですし、私たちの世代は、それが平和の象徴であってほしいという願いで、それを敬っていくという気持ちが大事だというような話を共有しながら、そのときも、議会の数とかそういうようなことでどうこうなどということは、松本さんも全くおっしゃいませんでしたね。それは極めて紳士的でありましたし、むしろ、さまざまな会派の、あるいはその中でのさまざまな主義主張を持っている方に対する配慮というものは、なかなか懐の深い、そういったものであったというふうに私は思いましたし、大変そういう意味でいろいろ思い出に残る出来事でございましたけれども、多くの国民が、今や定着をして国旗・国歌をそういう思いで受けとめているわけですから、平和な形で、多くの人たちの合意でこういったことは進めていくというのが穏当だろうというふうに私は思います。
 他の質問については、関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 保健福祉部長。
     〔保健福祉部長(長田 斎)登壇〕
◎保健福祉部長(長田斎) 私からは、ボランティア活動に関するお尋ねにお答えいたします。
 南相馬市へのボランティア派遣等については、杉並区社会福祉協議会のボランティア・地域福祉推進センターが被災地への窓口となっています。
 ご指摘のように、杉並区社会福祉協議会は、区と同様に職員を現地の災害ボランティアセンターに常時派遣しており、区と連絡体制を密接にしながら派遣を進めています。
 また、区が被災地となった場合は、区との協定に基づき、社会福祉協議会がボランティア受け入れのための災害ボランティアセンターを設置いたします。
 私からは以上です。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、被災地支援に係る職員派遣と、その他所管事項についてお答えいたします。
 まず、被災地に派遣されている職員数、仕事の内容でございますが、六月十日現在、南相馬市との災害協定に基づく派遣が延べ六百九十二人、東京都を通じた派遣要請に基づくものが延べ百九十一人、合計延べ八百八十三人となっております。
 派遣職員の業務内容は、発災直後は、救援・避難所の開設運営、被災者の健康管理、被害状況調査など応急的な業務が中心でございましたが、次第に、仮設住宅の受け付け、義援金支給、罹災証明の発行、高齢者介護などにシフトしてきています。加えて、南相馬市への派遣では、三カ月の長期派遣の職員が市の復興計画の策定業務に携わっております。
 今後は、派遣期間も中長期のものが増えてくることが予想されております。区では、こうした要請にこたえ、今後もできる限り職員を派遣する一方で、区の業務が停滞することのないよう、臨時的任用職員の活用だけでなく、業務分担の見直し、応援体制などにより必要な対応を図ってまいります。
 次に、職員の欠員についてのお尋ねがございました。二十三年度当初に発生した職員の欠員は、新規採用者の需要数で見込んだ退職者数を上回る退職者が出現したことなどが主な原因でございました。区は、この欠員状況をなくすために、職員団体と協議を行い、再任用職員等の配置により欠員の解消を図ったところでございます。
 次に、被災地に派遣している職員についてでございますが、全員が高い使命感と意欲を持って支援業務に従事しております。しかし、現地は依然として厳しい状況にございます。
 そこで、区では、派遣職員と日々連絡をとり、また長期派遣職員についても一時帰庁させるなど、きめ細かく現地での仕事の状況や健康状態などを確認しながら、職員が業務を十分に果たすことができるよう努めているところでございます。
 次に、電力購入に関するご質問にお答えいたします。
 区では、区民生活を支える区立施設の電力は、現行の電力制度の中で、発電部門と送電部門を一括保有し、他の電力事業者に対して優位に立ち、安定供給能力が高いとされる一般電気事業者としての東京電力から電気を購入しているところでございます。
 現在、電力の供給そのものが危機的な状況を迎える中、今最も大切なことは、節電対策に全力を注ぐことだと考えておりますが、今後、原発事故収束のめどがつき、国の電力政策と東京電力の方向性が明らかにされる段階においては、改めて区としての契約方法を検討していく必要があると考えております。
 次に、契約制度に関するご質問にお答えいたします。
 最初に、契約制度検討委員会の中間のまとめについてでございますが、このまとめに基づき、ことし四月から、受託事業者に従事者の最低賃金額の報告を求めるとともに、入札後の履行段階でのチェック機能の強化策として、事業者との面談による確認回数を増やすなど、適正な労働環境が守られるよう、労働関係法令遵守の確認制度を充実させて対応しているところでございます。
 なお、従事者の雇用の有無や継続に関する事項は、雇用主となる事業者の判断行為であり、区としての関与はできないものと考えております。
 次に、公契約条例についてでございますが、賃金など受注者側の労働条件を条例で定めることにつきましては、妥当性や実効性など難しい課題があると認識しております。区といたしましては、モニタリングなどの手法を通して、適正な労働環境が守られるよう、実務的な対策も含め、ご指摘の契約制度検討委員会の中で、他団体の状況も調査しつつ、ことし秋の報告に向けて検討を行っているところでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 環境清掃部長。
     〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕
◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、再生可能エネルギーの活用など、自治体が率先すべきとのご質問にお答えいたします。
 区ではこれまでも、太陽光発電機器などの再生可能エネルギーの普及拡大に努めてまいりました。このたびの原子力発電所の事故を契機に、再生可能エネルギーの重要性は従前にも増して大きくなっており、今後、区としても拡大を図る方向で必要な検討を進めてまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) まちづくり担当部長。
     〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕
◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、浜田山駅に関するお尋ねにお答えします。
 ご指摘のとおり、浜田山駅周辺については、踏切による通行の不便さや事故の危険性などの課題があると認識しております。このため、区は、この間、南口の開設のために京王電鉄と調整を図りながら検討を重ねてまいりましたが、土地所有者との調整などさまざまな課題があり、現在のところ、具体的な計画には至っておりません。
 今後も引き続き京王電鉄と連携し、南口の開設に向けた取り組みをしてまいります。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 土木担当部長。
     〔土木担当部長(小町 登)登壇〕
◎土木担当部長(小町登) 私からは、横断歩道の信号機とすぎ丸さくら路線についてのご質問にお答えします。
 まず、交差点における信号機と安全対策に関するお尋ねですが、警視庁では、交通量や道路幅員を勘案し、交通渋滞が発生しない範囲内で歩行者用青信号の時間設定を長くしたり、ボタンを押すことで青信号の延長を行うことができる信号機を設置し、安全対策を進めています。
 ご指摘のありました交差点では、警察でも重要と考えており、青延長用押しボタンつき信号機を既に設置しております。今後、青信号延長機能の利用促進につきましては、警察と協力して進めてまいりたいと存じます。
 次に、すぎ丸さくら路線についてのお尋ねですが、さくら路線は、ここ数年、一日平均約五百人の皆様に利用され、沿線の皆様の公共交通として定着しております。
 運行本数につきましては、区民の皆様の声や利用者の予測、採算性などを踏まえて、一時間に二本の運行としたものでございます。現在のところ、予測に近い利用者数で推移しており、運行本数を増やしたとしても、それに見合う利用者数の増加は見込めないものと考えております。今後も定時運行の確保に努めながら、利用者の動向を見てまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 都市整備部長。
     〔都市整備部長(上原和義)登壇〕
◎都市整備部長(上原和義) 私からは、道路・鉄道とまちづくりについてのご質問にお答えいたします。
 初めに、東京外かく環状道路に関するご質問にお答えします。
 外環本線につきましては、国は本年一月に、基本設計及び用地に関する説明会を開催いたしましたが、現在、昨年度に引き続き、ジャンクション部を中心とした用地の取得を行うとともに、ジャンクション周辺部などにおける道路構造や、外環で分断される道路の機能をどのように補完するかなどについて検討を行っているところと聞いております。
 次に、外環ノ2、地上部街路に関する話し合いの会についてのご質問ですが、区は、外環本線が地下トンネル方式に変更される過程において、国、都に対し、外環ノ2については、必要性の有無から検討すべきであることや、検討のプロセスを明らかにすることを要望し、都は、平成二十年三月に地上部街路の検討の進め方を公表いたしました。これに基づき、既に武蔵野市、練馬区が話し合いに入っております。区といたしましても、地元との話し合いは必要と考え、このたび、先行区市の状況を十分踏まえて、話し合いの会を開催することにしたものでございます。
 次に、外環の地上部街路に関する周知や話し合いの会の公開についてのご質問ですが、区はこれまで、地上部街路について、広報に説明記事を掲載するなどしてまいりました。また、このたびの話し合いの会の参加者の募集に当たって都が各戸配布した案内には、区の求めに応じて、都が地上部街路の計画について比較的わかりやすい説明を掲載し、周知を図っております。話し合いの会は原則公開でございます。会の内容や示されたデータにつきましても、広く公開されるようにいたします。
 次に、放射五号線に関するご質問にお答えします。
 道路構造の検討に関するご質問ですが、平成十九年五月に、放射第五号線事業推進のための検討協議会から、一部トンネル案を基本的な道路構造とする報告がなされました。この一部トンネル案について、都は、本年一月から二月にかけて沿道地権者の意向調査を行ったところです。また、放射第五号線が工事中及び供用後に玉川上水ののり面にどのような影響を与えるかなどの検討も行っており、これらの結果をもとに道路構造を決定するものと思われますが、その時期はいまだ明らかにされておりません。
 用途地域の見直しに関するお尋ねですが、昨年、地域住民によるまちづくり協議会からまちづくり構想の提案を受け、区は、現状の建物や敷地の状況などに関するまちづくり基礎調査を行いました。用途地域の見直しについては、地区計画の策定が原則となっておりますので、今後、地域住民の意向を伺いながら、地区計画や用途地域の基礎となるまちづくり計画を検討していきたいと考えております。
 京王線の都市計画案及び環境影響評価準備書の説明会についてのお尋ねですが、来場者数につきましては、五月十六日から二十五日までの八日間で、沿線の八会場において開催し、延べ二千八十八人にご来場いただきました。
 説明会での主なご質問、ご意見につきましては、連続立体交差化の検討内容に関すること、複々線化に関すること、騒音、振動など環境影響評価準備書に関すること、地震に対する安全性に関することなどがございました。
 鉄道の構造形式についてのお尋ねですが、高架方式、地下方式などの構造形式につきましては、事業主体である東京都がさまざまな観点から検討し、総合的、広域的に判断すべきものと考えております。今回の説明会におきましても、併用方式は、四線地下方式に比べ、事業費の面で優位であり、施工時間帯は、極力昼間に施工するとの説明がなされております。
 また、地震に対する安全性につきましては、構造形式にかかわらず確保する必要があると考えており、事業主体である東京都が、最新の基準により適切に対応すべきものと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育長。
     〔教育長(井出隆安)登壇〕
◎教育長(井出隆安) 私からは、東京都特別支援教育第三次計画に関するご質問にお答えをいたします。
 本計画では、主に都立特別支援学校の機能の強化や適正規模、適正配置などとともに、特別支援学級の設置等、区市町村における体制整備や教員研修の充実などが掲げられております。
 今年度の東京都の特別支援教室にかかわる事業では、自閉症、情緒障害学級の指導内容や発達障害を持つ児童生徒の指導方法の研究開発の取り組みが始まっております。本計画では、平成二十四年度より特別支援教室モデル事業を開始し、全校設置に向けて二十八年度より順次導入となっており、人員体制等につきましては、その中で検討されるものと考えております。
 私からは以上です。
○議長(藤本なおや議員) 教育委員会事務局次長。
     〔教育委員会事務局次長(吉田順之)登壇〕
◎教育委員会事務局次長(吉田順之) 私からは、学校用務業務委託に関するご質問にお答えをいたします。
 今年度の受託事業者は、ソシオ、リンレイサービス、高橋興業の三社で、それぞれ四校、三校、二校を受託しております。
 受託事業者がかわった学校での従業員の採用状況ですが、希望された方はすべて採用されたと聞いております。
 また、事業者選定において労働条件を考慮しているかとのお尋ねですが、プロポーザルの評価において個別の項目はございませんが、提案書における人件費の積算内容なども参考に評価をしているところでございます。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 済美教育センター所長。
     〔済美教育センター所長(玉山雅夫)登壇〕
◎済美教育センター所長(玉山雅夫) 私からは、教育に関する残りの質問にお答えいたします。
 まず、杉並区の特別支援教育の現状及び対象人数、今後の方針についてお答えいたします。
 特別支援学校・学級の在籍者数は、平成二十三年五月一日現在、それぞれ七十四名と四百八十九名でございます。
 また、通常学級における特別な支援を要する児童生徒の割合は、昨年度のアンケート調査では、小学校五・七%、中学校五・四%となっております。
 現在、研究指定校において特別支援教室の先行的取り組みを行っているところですが、今後、都の三次計画を参考にしつつ、杉並区特別支援教育推進計画の改定作業の中で、設置のあり方について検討を進めてまいります。
 続いて、教科書の記載内容の違いについてのご質問にお答えいたします。
 採択の対象となる教科書はすべて学習指導要領に基づいており、文部科学省の検定を通ったものでありますが、教科書により、記載内容についてはそれぞれ特色があるものと考えます。
 次に、採択に当たり、現場の教員及び保護者等の意見の尊重に関するご質問にお答えいたします。
 採択に当たっては、教科書調査委員会が、種目別調査部会と学校からの調査報告、区民アンケートの結果を参考にしながら十分な議論を重ね、全種目の教科書について調査し、その結果を教育委員会に報告します。この報告を受け、教育委員会は、教科ごとに一種目の教科書を採択することになります。したがって、今年度の採択においても、教員及び保護者の意見を十分参考にされるものと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 十一番けしば誠一議員。
     〔十一番(けしば誠一議員)登壇〕
◆十一番(けしば誠一議員) 何点か再質問し、残りは特別委員会や常任委員会での議論に回します。
 まず、自治体のスクラム支援、南相馬市支援の現状ですが、区長からは明快な、かなり現状のわかる答弁をいただきました。しかし、国の動きが全く見えません。現行の災害救助法が、都道府県が国の法定受託事務として救助を行うこととされて、基礎的自治体間の協力とか、これまで区が進めてきたあり方に対する財政保障や、そもそもそのようなあり方が全く想定されていません。垂直的なあり方だけで、大規模な災害や広域的な被害に対応するということは全く無理となっています。この点、菅首相初め国はどの程度認識されているのか。また、この間区が進めてきた、そしてスクラム支援会議が進めてきた対応について、どのような評価を持っているのか。
 自治体がそれに対する制度の確立や財政保障について求めているわけでありますが、国はどのようなスケジュールといいますか、どのような日程でこれを実現できる、そうした見通しがあるのかどうか。これがないと、進めている杉並としても財政問題含めて非常に厳しくなるわけでありますから、この点についての見通し、そして国の動向について、再度お聞きしておきます。
 再生可能エネルギーに関する質問には、部長のほうから、これまでもやってきたし、一層これからも強めるという非常に簡単な答弁でありました。しかし、問題は、やはりこれも国の動向であります。民主党政権が極めて危うくなっており、脱原発を主張した政権がどうなるのか。しかも、一方では、イタリアの九〇%の国民が脱原発を支持したということに対し、自民党幹事長は、これは集団ヒステリーだと呼んで、とんでもない非難を行っています。この姿勢の中からは、恐らく自民、公明は脱原発ではないというふうに思わざるを得ません。
 こうした極めて困難な状況の中で、総務省のデータからも、実は現在の技術水準や社会的な制約を考慮してもなお、実際のエネルギーになり得る資源として、太陽光、そして水力発電、地熱、風力だけで二十億キロワット以上あるということが推計されています。発電供給能力の約十倍、原発五十四基の四十倍に当たる力です。原発の発電能力は四千八百八十五万キロワットですから、太陽電池パネルを全公共施設やあるいは工場、そして空き地等々に設置すれば、一億から一億五千キロワットの、原発じゃなくても、それだけでもできるという試算も既に出されています。にもかかわらず、国がこうした原発利権にまみれ、またそうした政権が再びできるかもしれない危険にある以上、自治体が率先してこの問題に手を加えていかなければ、国は動きません。この点についての区の明快な、そしてより一層強い答弁を求めるものであります。
 次に、京王線の説明会と地下化についてです。
 先ほどの答弁で、どのような説明会であったのか、どんな意見が出たのかということに対する答えが、本当にそこに出ていた課長がきちんと部長に報告したのか、あるいは部長自身も出ていたのですから、本当に聞いていたのかというふうに言わざるを得ません。
 そこで出た意見のほぼ大半がやはり高架化に対する不安であり、そして高架化に対する危険性の指摘であり、そしてまた地下化を求める、そして安心・安全のまちづくりを求める意見でした。そうしたことがなぜ報告されないのか。この点をまず第一に質問します。
 第二に、説明会では、住民の質問や意見に対して、それに答えるのではなくて、全く別なことを持ち出して否定する、結果的にはその質問を否定する、典型的な詭弁を東京都は弄しました。
 例えば、一例を挙げますと、高架方式の夜間工事の沿線に与える影響を質問したことに対して、いや、一方でシールド工法だって、駅をつくるときは駅前の夜間工事で迷惑をかけるんだと。これ、おかしいでしょう、答えの仕方として。沿線住民、住宅地の夜間工事の大変さ、十年に及ぶ大変さを質問しているんです。これに対して東京都は、いや、駅前でやれば、シールド工法だって、駅をつくるから、そこが騒音が出るんだと、全く別なことを言ってそれに正しく答えようとしない。こうしたやり方にすべて終始しました。この点はぜひ区長に聞いてほしいということで、住民は、先ほど申し上げたように、そのやりとりをビデオに撮って、今区長に送っています。ですから、区は改めてこのやりとりの不誠実さについてぜひ回答いただきたい。
 一方、もう一つお聞きしたいのは、東京都が計画した地下方式というものは、八幡山の高架と、そして笹塚の高架を残したままの地下計画なんですよね。ですから、地下じゃないんですよ。結局そこの高架をまたおりて、地下からまた高架に上って、またそこからおりて、そして今度はつつじヶ丘でまた出てくるという、こうしたジェットコースターみたいな、地下方式と言えません。地下と高架を併用した方式というのは、まさに地下自身が併用なんですよ。こうした計画ではなくて、住民が求めているのは、調布から新宿まで、調布で今、全面地下工事をしているんですから、そこの間を地下で結んでほしいという計画なんです。そうなれば、あらゆる意味で問題は解決します。いろいろな課題は残るでしょうが、しかし、それが最善であり、そして工事も安く、そして影響も少なく、そしてまた環境も侵さないという計画であることは余りにも明瞭です。
 そういう観点の評価が全くなされていない、検討すらなされていないということについて、区としてもそれを確認し、都に求めていただきたい。そしてそのためにも、説明会では、高架・地下併用方式を選んだ費用の概算、積算根拠がないということが繰り返し述べられました。しかし、その点は全部黒塗りされて公表されていません。もしそれが本当に安いというならば、その積算根拠は情報開示すべきであり、区からも、区長からもその情報開示を強く求めていただきたい。
 そして、京王線を生涯利用する人たちが沿線にいるわけです。杉並新区長は、新たな住宅、良好な住宅地ということを求めました。成城学園、そして調布、中野、新たな住宅街を目指して全部地下化になりました。この杉並、そして下高井戸だけは、新たなそうした良好な住宅街にならない。それでいいのでしょうか。この点、最後に区長に求めて、質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) けしば誠一議員の再質問にご答弁申し上げます。
 スクラム支援会議に対する国の評価、あるいは災害救助法の改正に対する見通し、あるいは我々の取り組んでいる支援についての財政的な国の支援の見通し、そのようなご質問だったと思いますが、私どもがスクラム支援会議として四月の上旬に総理官邸に行きまして、菅総理と会談を持ちましたけれども、総理からは、これがあるべき将来的な理想像の一つだという趣旨の発言がありました。また同時に、今回は大規模な災害であるから、こういった支援も国の支援対象としていくように検討を指示するということもありました。それを受けまして、その後、細川厚労大臣のところにも行きまして、同趣旨のことを要請しましたけれども、大臣からはその後も電話で私には丁寧に説明がありましたが、当面の国の財政的な支援については、きちんと都とも話をしている、大きな問題はないだろうということで、東京都と杉並区とよく話を詰めてくれと、こういう趣旨の回答がありました。
 したがいまして、今、スクラム支援会議としては、これまでの支援活動に要したさまざまな経費について整理をして、それぞれ杉並区は東京都、あるいは東吾妻は群馬県というような形で、それぞれの都や県に対して折衝をしていくようにということで、今作業を詰めているというところでございます。
 ただ、上層部はそういう見解を示していただいていることは結構ですが、現実に国や都の事務方がどこまでそれをすんなりと進めていってもらえるかは、まだこれからの話だというふうに思っております。
 さらに言えば、その法制化というのは、将来に対してもきちっと制度的に国の支援対象として位置づけることを担保させるということですから、今回の東日本大震災への対応として、基礎自治体間の支援というものが財政措置の対象にしていただいたとしても、やはり法制化は、実現に向けて働きかけを続けていく必要がある、こう考えております。
 先ほど申し上げましたけれども、特別区長会においても、あるいは東京都市区長会においても、また全国市長会においても、私が提起した内容は多くの支持を得て、形になって、国にボールを正式に投げたわけでございますから、国と地方の話し合いというのも法制化をされていますが、その俎上にのせることはできたということですが、これは政権がどうあれ、自治体としては、実現へ向けて粘り強く交渉していく必要があるというふうに思っております。
 さらに言えば、これは執行機関だけではなくて、議長会など議会側からもぜひ取り上げて働きかけをしていただきたい、こう思っております。
 見通しがいつどうなるというようなことは、今ここでは申し上げられませんけれども、支援活動が長期化をするということは十分想定しておりますので、そういう中で、何度もこれについては言い続けていくということが大事だろうというふうに思います。
 ただ、その前段として、私が思っているのは、観念論的なことを幾ら言っても、なかなか国を動かす、あるいは法律を変える力にはならないというのが政治の現状だろうと思います。したがいまして、自ら取り組んでいる災害支援できちっとした実績を積み重ね、またそれが社会的な評価に結びつき、定着をしていくということが、やはり国を動かしていく大きな力になるんだろうというふうに思っておりますので、そういう意味でも、災害支援については最大限の努力を払ってやっていきたいというふうに思っております。
 他の質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 環境清掃部長。
     〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕
◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、けしば議員の再生可能エネルギーについての再度のご質問にお答えいたします。
 原発については、これまで賛否両論がいわゆる伝統的に行われてきたことは事実でございますが、現実的には、国内外で注目されているとはいえ、再生可能エネルギーについては、基幹電源として十分な供給力が確保できるのか、あるいはコストの問題など、さまざまな課題あるいは制約があるのも事実かと存じますが、区としては、今後政府の動向を見ながら、区の役割と責任を明らかにしていく意味でも、先ほどご答弁申し上げましたが、再生可能エネルギーの普及拡大に向けて精いっぱいの努力を重ねていきたい、そのように考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 都市整備部長。
     〔都市整備部長(上原和義)登壇〕
◎都市整備部長(上原和義) けしば議員の再度のご質問にお答えいたします。
 まず、都市計画案及び環境影響評価準備書の説明会においての意見のご質問ですけれども、多くの意見が出され、先ほどのご答弁では、一つの類型でお答えしてございますが、例えば検討内容に関することでは、構造形式を比較するための事業費の内訳を出してほしいとか、あるいは環境影響評価準備書に関しましては景観への影響、それから地震に対する安全性については、先ほどもご質問の中でご指摘のありました東日本大震災の状況を引いて、高架方式の安全性に対するご意見等々が出ております。
 また、構造形式についてのお尋ねですが、これにつきましては、先ほどもご答弁したとおり、東京都が広域的に、総合的に判断すべき問題と思いますけれども、基本的には、笹塚あるいは八幡山のような駅については、適切に維持管理されていることから、なるべく既存施設を利用した、そのまま使うような方式を考えているということがベースになっているかとは思います。いずれにしましても、東京都が責任を持って構造形式を選択していくべき問題であろうと考えてございます。
 また、費用の問題でございますが、これについては、例えば今回の都市計画案にあります線増線のように、途中に駅をつくらずに一気にシールドトンネルで施工する場合にはともかくとして、在来線の地下化の場合には必ず駅部をつくらなければいけませんので、またこの駅部の工事に当たっては、既存の地上駅を支えながらつくるというのが通例になるかと思います。そういう意味では、説明会でもございましたけれども、費用については、併用方式が優位であるということは、区としても一応適切であろうと考えてございます。
 それから、費用等の情報開示の問題ですけれども、この問題につきましては、説明会におきましても、東京都のほうから、現在は調査段階であるけれども、事業についてのご理解、ご協力をいただくために、引き続き情報の提供に努めたいという表明がございました。区といたしましても、機会あるごとに、より詳細な情報の開示については求めてまいりたいと存じます。
 それから、最後に、環境の問題でございますが、現在、環境影響評価準備書が公表され、環境影響評価の手続が進められておりますので、この中で適切な評価がなされることと、それから追加的な措置が必要な場合には、区としても都に要望してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上でけしば誠一議員の一般質問を終わります。
 二番新城せつこ議員。
     〔二番(新城せつこ議員)登壇〕
◆二番(新城せつこ議員) 引き続き、無所属区民派・新城せつこから、区政一般に対する質問をいたします。
 まず初めに、東日本大震災で被災をされ、福島原発事故の被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復興に向かわれるよう、支援の輪をさらに広げていくことをこの場で誓いたいと思います。
 質問の第一は、福島原発事故と放射能汚染に関連し、子どもの健康、命を守る課題について、区の姿勢をただします。
 放射性被曝の障害は、被曝線量によって、急性障害と晩発障害があります。今回も事故処理に当たられた作業員が大量の放射線を浴び、死亡するという痛ましい事故も報道されています。急性障害は、被曝後短時間でめまいや吐き気、嘔吐、発熱、下血、吐血などさまざまな症状があらわれ、線量が多いほど重篤化すると言われています。
 ここで問題にしたいのは、晩発障害についてです。低線量の放射線を浴びることで、被曝の数年後から十数年後に発症するがんの危険性です。子どもは被曝の感受性が大人の三倍から十倍に及ぶと言われ、私たちは子どもたちの健康を守るために今力を注がなければならないと改めて感じています。
 学校のプールが六月中旬から始まります。これに先立ち、区は、ためていたプールの水質検査を行い、セシウム等が不検出であったことを確認いたしました。検査はいつ、どのような方法で行ったのか、お聞きします。
 保育園にお子さんを預けている方、地域の公園で子どもを遊ばせている保護者などから、子どもが触れる場所の放射能汚染被害があるのかないのか、どの程度のものか調べてほしいという声をいただいてきました。区への要望はいかがでしょうか。
 国や都の動きが鈍いため、板橋区、渋谷区、世田谷区などで独自測定を始めることになり、杉並区はまだなのかという声も寄せられていました。今回、区が独自に測定に踏み出すに至った経過と考え方をお聞きします。また、測定の具体的な方針、測定箇所、測定方法、その結果の公表の仕方についてお示しください。
 先ほど他の議員の質問に対して、データや数値の評価には専門家にお願いすることや、その専門家として、加藤和明氏が当たることも示されました。ぜひ具体的にお示しいただきたいと思います。
 区独自で実施できる対象には限界があり、本来は国や東京都が積極的に当たるべきだと考えてきました。九日の新聞報道によりますと、東京都が二千万円の予算を計上し、測定器の購入などに踏み出すことになりました。これまでの新宿百人町の都健康安全研究センター屋上十八メートルから地上一メートルに、きょうから一週間、携帯型測定器を使い、都内百カ所、各区はそれぞれ二から三カ所で行うとのことです。区はこれまで、国や東京都にどのような要請をしてきたのか、お答えください。今回の都の方針に対する見解と、これまで区が要望した内容にどこまで東京都がこたえられているか、その見解もお示しください。
 保護者の声は、すべての学校や保育園など、子どもたちが触れる場所のすべての測定を希望しています。同じ地域でも風向きや立地条件によって放射線の量が違うことを、私自身、南相馬市で測定器で計測し、実感したところです。保護者の願いにこたえるよう区の取り組みを求めますが、お答えください。
 放射性物質による汚染度の高い場所での作業には、現行の基準を守っていては作業員を確保できません。今回の福島原発事故の発生後、働く作業員の被曝線量を百ミリシーベルトから二百ミリシーベルトに引き上げるという国の暴挙が行われました。この考え方は、原子力委員会が使い、そして四月十九日、児童生徒の年間被曝線量の基準を二十ミリシーベルトとする文部科学省の通知に至っています。私は、なぜ文科省が経済産業省と歩調を合わせるのか、率先して被曝線量の基準を上げる担い手となるのか、理解ができませんでした。
 おもしろい資料を発見いたしました。ぜひこれをごらんになっていただきたいと思います。初日の一般質問で他の議員も指摘しましたが、政官財の癒着構造がここにあらわれています。私はこの構造を見て改めて感じました。原子力村相関図と示されたものです。経済産業省資源エネルギー庁からは、前長官がことしの一月、東電顧問に就任しているという事実も明らかにされています。そして、内閣府の原子力委員会には、政策予算を掌握する、そして業界内での最大の権限を有する行政機関の一つであること、東電の顧問らが五人でここに加わっていることも表明をされています。これが政と官と財界の癒着の構造です。
 文科省のこの通知に対して、福島の母親たちの文科省や政府に対する要請行動がたび重なって行われ、そして小佐古内閣官房参与の抗議の辞任という事態に至りました。こうした事態を受けて、五月二十七日、文部科学省は、児童生徒などが学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応を発表しました。年間一ミリシーベルトから二十ミリシーベルトを目安としながらも、今後できる限り児童生徒等の受ける線量を減らす基本に立って、学校における線量は一ミリシーベルトを目指すとしました。子どもにおいては一ミリシーベルトですら危険であり、一ミリシーベルト以下に改めるよう専門家が指摘をしているところです。
 この基準に対して、区長の見解を求めます。区長会や市長会の動きはどうでしょうか。
 区教委は、国に対して、この基準値を改めるよう訂正を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 子どもの放射線感受性は成人よりも高く、このままでは子どもたちの健康が守れないという声は当然です。ぜひ区及び区教委はその声にこたえ、積極的姿勢を示していただくよう求めておきます。
 二点目に、学校給食の安全性に関連してです。
 食の安全性が他の議員からも指摘をされました。外部被曝に加え、内部被曝となる食の問題で、子どもの健康に不安が投げかけられています。これまで学校給食に関して、保護者や学校関係者からの要望にどのように区教委は対応されてきたのか、お答えください。
 牛乳の生産地の特定は重要な課題です。いたずらに不安をあおるわけではありませんが、保護者の声は、正確な情報の開示です。学校給食の牛乳の生産地がどこなのか、安全性がどのように保障されているのか、ぜひお答えください。
 項目の二点目に、原発の安全神話と教育についてです。
 専門家の中では、下請や第三次、第八次まで及ぶ孫請など、原発作業従事者はもとより、東電の職員すら、原発や放射能の危険性について教えられていないのではないかという懸念が表明をされています。茨城県東海村のJCO事故や「もんじゅ」の事故も経験し、原発が決して安全ではないことは既に周知のことであったはずでした。にもかかわらず、その後も文科省は依然として原発の安全性を強調してきました。
 文科省所管の財団法人日本原子力文化振興財団は、広報活動及び教育を通じて、原子力の安全性を宣伝するために設立されたものです。原子力村とまで呼ばれる原子力関連組織には、先ほど示した経済産業省や内閣府と並び、日本原子力研究開発機構を抱く文部科学省が所管となっています。国の研究開発の中心を担い、二〇一一年度予算は二千五百七十一億円。文科省は原発を推進するために、原発の必要性や安全性を過度に強調してきました。今回の福島原発事故は、これまでのすべてのあり方の転換を迫っています。福島原発事故を教訓にした原発の危険性を示すことは重大な課題であるとも考えます。区教育委員会の見解を伺っておきます。
 質問の大きな項目の第二は、高井戸地域区民センターについてです。図書室の継続の課題について質問をさせていただきます。
 杉並清掃工場の建て替えに伴い、高井戸地域区民センターなど建て替えが行われています。高井戸地域区民センターの運営について議案も上程されていますが、この場で、関連して質問もさせていただきます。
 なぜ指定管理に転換するのか、その理由をお聞かせください。これまでのあり方とどのように変わるのか、お尋ねしておきます。
 建て替えはいつ完成するのか。それに至るまで、指定管理者の選定や今後の進め方についてのスケジュールを確認しておきます。
 センターの図書部は、文化連など地域のさまざまな要請にこたえ、豊かな図書室として運営もされてきました。区立図書館とのオンライン化も進められ、他の地域センターにはない機能も備えてきました。建て替えに伴い今後どのようになるのか、特色も含め、お聞きいたします。
 現在、仮施設での運営の中で、これまで委託事業者に働いてきた職員の処遇はどのようになっているのか、気になるところです。施設規模の縮小によって職員は削減されています。今後、建て替えの後に、その方たちの雇用の維持や労働条件はどのように保障されるのか、お答えください。
 質問の第三の項目は、子供園についてです。
 一昨年の八月、区立幼稚園の改革方針が示され、三年間で二園ずつ、杉並区独自の子供園への転換が進められてきました。昨年の四月には下高井戸幼稚園、堀ノ内幼稚園が、ことし四月には成田西、高円寺北幼稚園が子供園に転換しています。昨年十月末、高井戸西幼稚園や西荻北幼稚園については、一年間延期することが伝えられ、今日に至っています。高井戸西幼稚園の保護者説明会には私も参加をしてきましたが、保護者の質問に対して区の答弁は、不安をぬぐえるものではなかったというのが私の感想です。その点を踏まえ、確認をさせていただきます。
 下高井戸、堀ノ内子供園の利用状況について説明ください。昨年四月転換が行われ、一年を迎えていますが、その検証はどこでどのように行われるのか。また、その結果はいつ示されるのか。下高井戸、堀ノ内子供園の現状がどのようになっているのか、何が課題なのか、その検証は重要です。ぜひ開かれた場所での議論や検証が行われるべきと考えますが、区の姿勢を確認します。
 転換した子供園の検証がしっかりと行われ、次の園に伝えられているのか。その情報がないまま、幼稚園と変わらないやり方で進められながら、子供園としての既成事実が先行しているだけです。このようなやり方は保護者の理解を得ることができません。区の見解を聞きます。
 改革方針には、区立幼稚園の充足率が七〇%とあります。現在、高井戸西幼稚園、西荻北幼稚園の充足率は高いと聞いていますが、充足率の現状を示してください。この地域は私立幼稚園が少なく、区立幼稚園のニーズは極めて高い現状にあることも認識をされているのか、お尋ねします。
 しかも、近年開発が進み、マンションが増え、住宅も社宅も増えて、転勤者が増加しているという現状です。周辺の私立幼稚園は満杯の状況。区立幼稚園のニーズはさらに増える地域であることを区はどのように受けとめているのか、お答えください。
 区の改革方針では、現在の定員数、経過措置三年間、四年目以降の定員が示されていますが、枠を超える子どもたちはどのようになるのでしょうか、不安が寄せられています。希望についてはどのような対策を考えているのか、確認をしておきます。
 子供園に向け、保護者の理解を得るための保護者説明会がどのように実施をされてきたのか、お答えください。
 一昨年八月、夏休み期間の方針発表と十月の説明会、その後は、昨年六月発表と十月の説明会でした。幼稚園の公募時期は十一月初めです。高井戸西や西荻北は、一年間延期を伝えたのは十月の末でした。既にあきらめて私立に変えてしまった方がいて、誠実ではないという批判をされています。説明会の実施時期について、ことしはいつ発表し、いつ説明会を行うのか、区の見解を求めます。
 障害児への対応についても重要です。現在二園の状況と体制を示し、各園がどのような姿勢で取り組んできたのか、お示しください。
 質問の最後は、公衆浴場対策について、区の姿勢を伺っておきます。
 公衆浴場の意義と区内公衆浴場の現状を示してください。数年前に比べ激減し、井の頭線南側には全くなくなり、私の地域の隣の方南地域もありません。区内にはおふろのないアパートも少なくなく、また高齢者は一人でおふろに入ることの危険から、公衆浴場を利用する方が多くいます。公衆浴場には、耐震化の問題や、経営者にやる気があっても後継者がないなど、さまざまな課題があります。公衆浴場への支援が求められていますが、区の支援策について示してください。
 公衆浴場が減った中で、区境の地域では、渋谷区や世田谷区など他区の浴場を利用しています。都浴場組合発行の利用券はどこでも使えますが、生活保護世帯など世田谷区が独自に発行した利用券は、杉並区や渋谷区では利用できないということも聞いてきました。杉並の区境にある公衆浴場は、世田谷の高齢者が来られれば、ご高齢で大変そうなので追い返すわけにもいきません。利用していただいているのが現状です。区はこうした現状を知っているでしょうか、お答えください。
 東日本大震災を経て学んだ地域のきずなの大切さと公衆浴場の意義、震災時の入浴施設の重要さから、公衆浴場のあり方と支援策の抜本的見直しを求め、区の積極的答弁を期待し、質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 新城せつこ議員の一般質問にお答え申し上げます。
 私からは、児童生徒の年間被曝線量の暫定基準についてお答えをいたします。
 この基準は、四月十九日に、文部科学省から福島県教育委員会等に対して、福島県内の学校の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方として通知されたものでございます。政府が年間二十ミリシーベルトを上限に校庭利用を認めたことについて、放射線の専門家である内閣官房参与が抗議の辞任をして、五月二十七日には、文部科学大臣が、当面の対応として年間一ミリシーベルト以下を目指すと述べるなど、政府の対応には不安がぬぐえておりません。
 こうした国の対応を受けて、特別区長会としても、六月七日に、都知事あてに緊急要請した放射線量測定の充実の中で、学校等における放射線量の安定基準値を早急に策定し公表することを国に働きかけるよう求めましたが、さらに明日、緊急要望として、直接国に対しても要望活動を実施する予定でございます。
 なお、都も区長会の緊急要請を受けまして、昨日、都知事が国に対し、安全基準値の早急な策定、公表を緊急要望いたしました。
 政府が一日も早く専門的知見に基づく信頼ある公式見解をまとめ、国民が学校等の安全を判断できる情報をきちんと提供しなければならないものと強く思っております。
 私からは以上でございます。残りの質問につきましては、関係部長等からご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、放射線量測定に関するご質問にお答えいたします。
 初めに、プール水の測定ですが、六月三日に、小中学校四校と和田堀公園プールの計五カ所から、防火水槽として貯留してきた水を採取し、測定いたしました。今後は、同一の場所で月一回の割合で、九月まで測定してまいります。
 次に、区への要望と独自の測定に至る経過等でございますが、この間、小さな子どもをお持ちの保護者などから、区内の大気や学校の校庭、プール、公園の砂場などの放射線量の測定を求める声を多くいただきました。区はこれを受け、この放射線問題への対応は広域的な調査と対応が必要と考え、区長会が都に広域的な対応をするよう緊急要請を求めてきましたが、なかなか動きが見られないことから、独自に測定することとしたところです。
 また、測定内容ですが、区内の大気や校庭、砂場の土壌、プール水について、区内を東西南北に区切り、それぞれから一カ所ずつ、計四カ所を測定いたします。測定結果については、外部の専門家から指導を受けて区として評価し、区公式ホームページや区広報等により公表いたします。
 次に、国や都へのこれまでの要請ですが、測定について、区長会は東京都に対して緊急要請を六月七日に行い、都は、この要請に即して測定の拡充と特別区に対する測定支援を行うことといたしました。本区としては、広域的な調査と対応を求めておりましたが、より迅速な対応が必要であったと受けとめております。
 最後に、すべての学校、保育園での測定をとのことですが、区内の東西南北それぞれで測定することで区内全体の傾向がつかめますので、現時点ではこれで対応できると考えております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 区民生活部長。
     〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕
◎区民生活部長(佐藤博継) 私からは、高井戸地域区民センターと公衆浴場対策についてお答えいたします。
 まず、指定管理者制度導入の理由と、これまでと変わる点についてのお尋ねがございました。
 当該施設は、これまで施設ごと、業務ごとに事業者や運営形態が異なっていたことに加え、施設管理についても、受付が施設ごとに三カ所あるなど縦割りであったため、一体的な利用者サービスの確保や施設の効率的な運営の観点から問題がありました。
 今回の改修工事では、受付を総合受付に一本化するほか、フロアごとにコンセプトを定め、諸室の再配置も行う予定です。これに伴い、三施設を一体として指定管理者による管理にゆだね、民間の能力を活用することにより、改修の効果を最大限に引き出し、利用者サービスの向上を図ることができると考えております。
 次に、施設のオープンまでのスケジュールについてのお尋ねでございますが、改修工事につきましては、平成二十四年の四月下旬に完了する予定でございます。この工事日程に合わせて、今議会終了後に事業者の公募を開始し、九月までに選定委員会による事業者の選定を行い、これを受け、十二月には指定管理者を決定。その後、協定書の作成を終えて、工事完了後、指定管理者による運営を開始してまいりたいと考えております。
 次に、改修後の高井戸地域区民センターの図書室の運営についてのお尋ねでございますが、改修後の図書室の運営につきましては、地元区民の代表と区の関係者から成る改修連絡会のもとに設置された図書室のあり方検討会での検討結果を踏まえ、従来どおり中央図書館とのオンラインサービスを継続することはもとより、乳幼児、親子向けの児童図書、おはなしコーナーを設けるとともに、蔵書の収集も、児童書や高齢者活動支援センターの利用者向けの図書を中心に行っていくことにより、利用者サービスの向上を図ってまいります。
 次に、指定管理者への移行後の雇用についてのお尋ねでございますが、改修後の施設運営に従事する人員は、今後決定する指定管理者が円滑な運営ができるよう、自らの判断で確保するものであると考えております。
 続きまして、公衆浴場に対するご質問にお答えいたします。
 まず、公衆浴場の意義ですが、公衆浴場は、区民の公衆衛生の維持向上や地域の交流の場などとして重要な施設であると認識しております。
 また、区内公衆浴場の現状についてですが、自家ぶろ率の上昇による利用者の減少や後継者難などで、昭和四十五年の百十九浴場から年々減少し、現在区内で三十浴場となっております。
 そうした公衆浴場に対する区の支援策ですが、区では公衆浴場を確保する観点から、これまでも浴場組合への確保対策事業への支援や施設整備の補助など、さまざまな対策を実施してまいりました。特に今年度から、東京都の支援策とも連携した耐震化促進事業の補助を実施してまいります。
 私からの最後でございますが、世田谷区で発行された入浴券についてでございますが、世田谷区が生活保護受給世帯やひとり暮らし高齢者等のために独自に発行した入浴券であり、世田谷区内でしか使えないものと聞いております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 子ども家庭担当部長。
     〔子ども家庭担当部長(森 仁司)登壇〕
◎子ども家庭担当部長(森仁司) 私からは、区立子供園に関する一連のご質問にお答えいたします。
 なお、答弁の順番はご質問と若干異なりますが、ご容赦ください。
 初めに、下高井戸及び堀ノ内子供園の利用状況と現状についてのお尋ねですが、昨年四月に子供園に転換した二園は、当初の目標のとおり、総じて円滑に運営をしてきており、本年三月には、それぞれの園で子供園として第一回目の修了生を送り出すとともに、三歳児、四歳児は四月に元気に進級し、園での充実した生活を楽しんでいるところでございます。
 また、二園とも本年四月入園では、短時間、長時間保育ともに定員をおおむね充足している状況でございます。
 次に、先行二園の検証につきましては、庁内に区立子供園の運営等検証評価委員会を設置して、この間取り組んでまいりましたが、検証、評価の結果につきましては、今議会に報告させていただいた後、区立子供園、幼稚園の保護者にも説明会などを通じて情報提供してまいる予定です。また、この結果は他の子供園の運営にも反映させるとともに、今後の子供園への移行方針の検討にも生かしてまいります。
 また、子供園化に関する保護者説明会の実施時期についてでございますが、昨年は、ご指摘のように十一月の園児募集の直前となりましたが、説明会の開催に当たりましては、入園募集時期にも配慮して、昨年よりも早目の対応に努めてまいりたいと存じます。
 また、障害児の受け入れにつきましては、区立幼稚園と同様に、子供園に転換後も受け入れを行っており、介助員の配置や、こども発達センターによる巡回指導などの支援を行っているところでございます。
 次に、高井戸西及び西荻北幼稚園についてのお尋ねにお答えいたします。
 初めに、両園の充足率でございますが、本年六月一日現在の定員充足率は、高井戸西幼稚園が約八二%、西荻北幼稚園が約八五%となっております。
 また、両地域における幼稚園ニーズについてでございますが、両園の定員充足率は比較的高く推移していることは承知しておりますが、区立子供園は、保護者の就労形態にかかわらず、三歳から五歳児を受け入れ、質の高い幼児教育、保育の一体的な提供を目的としているものであり、周辺のマンションの立地などにより、就学前の人口が一時的に増減するような状況にあっても、区立子供園に対するニーズは少なくないと認識しているところでございます。
 私からの最後になりますが、子供園への移行、転換に伴う定員などの経過措置についてのお尋ねでございますが、園ごとに取り巻く状況が異なる実態などを踏まえながら、今後も適切に対応してまいる考えでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育委員会事務局次長。
     〔教育委員会事務局次長(吉田順之)登壇〕
◎教育委員会事務局次長(吉田順之) 私からは、まず、児童生徒の年間被曝線量の暫定基準に対して訂正を求めるべきではないかというお尋ねにお答えをいたします。
 現在、特別区長会では、学校等における放射線量の安全基準値を早急に策定するよう、国への働きかけを東京都に要請していると伺っておりますので、その推移を見守ってまいりたいと存じます。
 次に、学校給食の安全性にかかわるご質問ですが、今回の原子力発電所の事故に関連して、保護者の方々から、学校給食の食材の安全性について、さまざまなお問い合わせをいただいております。学校給食では、国が示した基準に従い、安全が確認され、市場に流通しているものを食材として使用しており、安心して食べていただける旨説明をし、ご理解をいただいているところでございます。
 私からは最後になりますが、学校給食の牛乳についてのお尋ねにお答えをいたします。
 学校給食で提供する牛乳につきましては、現在、主に千葉県、群馬県、北海道から産出されたものをあわせて製造しており、衛生管理等も含め、安全なものを提供しております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 済美教育センター所長。
     〔済美教育センター所長(玉山雅夫)登壇〕
◎済美教育センター所長(玉山雅夫) 私からは、原子力発電に関する教育についてお答えします。
 現在、原子力発電についての学習は、小学校の社会科や中学校の社会科、理科、技術科において行われております。特に中学校社会科や理科の教科書では、さまざまな発電方法の長所、短所を考えさせ、原子力発電所での事故の発生は多大な被害を及ぼす危険性があることについて触れております。
 今後の原子力発電についての学習につきましては、次代を担う児童生徒に、今回の震災による事故を事実に基づき適切に受けとめ、伝えていけるような教育のあり方を探っていく必要があると考えます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 二番新城せつこ議員。
     〔二番(新城せつこ議員)登壇〕
◆二番(新城せつこ議員) 今の答弁に対して、私から再度質問をさせていただきます。
 まず、すべての学校、保育園等の測定については、東西南北区切って、各一カ所、計四カ所でやるということが言われました。そして、専門家の意見を聞きながらやるので、すべてに対応できるとも答えました。定点観測を、測定に踏み出した区の姿勢には、私は感謝し、また評価をするものですが、しかし、私は、立地条件によって測定値が違うことを目の当たりにしてまいりました。区内東西南北四つに区切って、どのような場所でそれが行われるのか、非常に疑問です。
 私に寄せられた保護者の意見の中には、私たちは放射能が高いからといってすぐに生活を変えることはできませんが、正確な数値を知ることで、今できる何かを見つけることができますと、このように冷静な姿勢で臨まれ、ご意見をおっしゃっていました。
 問題がなければこしたことはありませんが、空間線量の測定器は、私が持ったガイガー測定器はこんな小さなもので、区が今回五十万円をかけて購入するという空間線量の測定器がどのようなものかはわかりませんが、都内全域ではなくて区内全域、しかも子どもたちが遊ぶ限られた場所での測定ですから、私は、区内全域の放射線量、とりわけ空間線量の測定はすぐにでもできることですので、ぜひその点での前向きな姿勢、再考を促したいと思います。
 被曝線量の基準について、区長から丁寧な答弁をいただきました。ありがとうございます。そして、東京都や国に対して、あすということも触れられましたが、基準値に対して示すよう求めていくという姿勢もいただきました。
 しかし、今回私への答弁の中には、先ほど他の委員が質問をされた専門家のかかわりや、その専門家がどういう方なのかということについては、全く触れられていませんでした。被曝線量の基準を考える上で、私たちは、区内のデータや区内で出た数値がどういうものなのかということを正確に保護者や地域の人たちに伝えなければなりません。こうした立場で、専門家がどういう方なのかということが私は最も問われることだというふうに感じました。
 さきの他の議員への答弁では、国の放射線審議会の加藤和明氏であることも示されています。私は、まず最初に、国の放射線審議会という場合に、国の放射線審議会が文科省の放射線審議会であるかどうかについて、お答えいただきたいと思います。
 加藤和明氏がどのようなところから推薦をされ、また、区がその方に専門家として委任をすることになったのか、その経過についてもお示しいただきたいと思います。
 三月二十六日、文科省の放射線審議会は、今回の福島原発の事故を受けて、その現場に働く作業員の限度を二百五十ミリシーベルトに引き上げるという声明を発表いたしました。上限値でも健康への影響は最小限に保たれていることをご理解していただきたいというのが、文科省放射線審議会の声明でした。この加藤和明氏が文科省の放射線審議会に委員としてかかわっていたというのであれば、事は重大です。私の誤解であればこしたことはありませんが、加藤氏への専門家としての委任について、任せることについて、区の見解を求めておきたいと思います。
 私は今回、区長やあるいは区の教育委員会は明確にはお答えになりませんでしたが、国の一ミリシーベルトを目指すということについて、まだ二十ミリシーベルトの上限値が生きているという現状にぜひ注目をしていただきたいと思います。年間の二十ミリシーベルトは、ドイツでは原発労働者に適用される基準値だ、最大の線量であるということも言われています。
 一九八五年にノーベル平和賞を受賞した委員たちが、これはマスコミには報道されませんでしたが、このような声明を出しています。放射線に安全なレベルはないと、医学や科学界においては合意が得られていることで、今回、子どもたちに対して基準が設けられていることは大変重大な問題であり、子どもたちに安全とみなすことはできないという声明を示されました。
 政府や東京電力、そして経済産業省、文科省の常識は世界には通用しないんだということを、私は改めて区に示しておきたいと思います。子どもたちの健康を守るために、ぜひ区が、先ほどのすべての子どもたちが触れる場所での測定に当たることや、そして基準値の改定を早急に求めることを改めて申し添えておきたいと思います。ぜひその点についての答弁を下さい。
 そして、学校の給食の安全性についてですが、先ほど教育委員会から、千葉県や群馬県、北海道であるということが言われました。そして、混合しているから大丈夫なんですというような答弁もいただいたかのように受けました。千葉県や群馬県は、一時は放射線の汚染の問題が言われた地域です。しかも牧草が今どのような状態にあるのか、千葉県や群馬や、そして他の地域でとれる牛乳が本当に安全なのか、私はその保障はどうなのかと懸念を抱かざるを得ません。
 これまで私は、東京都の学校給食会に対してもそうでしたが、パンのアメリカから来る残留農薬についての問題を指摘してまいりました。都の学校給食会が、牛乳の放射能汚染についてどのような経過をされたのか、子どもたちのこと、安全にかかわる、健康にかかわる問題ですから、ぜひその点での再度答弁を促したいと思います。
 それから、原発の教育と原発の安全性を認識させる教育、大変重大だというふうに受けとめています。先ほど担当課からは、現場の教員たちが丁寧に現状を踏まえた教育がなされたとの答弁もあったかと思います。これまで文科省が、原発を推進しているという状況の中で、新しい歴史教科書をつくる会のつくっている教科書も、まさに原発を推進するような文言が掲載されている教科書ですが、このような状況の中で、現場の先生方が、原発に対して危険性を教える場合には大変な苦労があったということを私は聞いてまいりました。今回は、子どもたちも福島原発の事故を通して、大人たちが安全だと言い続けてきたことが全くのうそであり、まやかしであったということを認識しています。子どもたちの信頼を回復するためにも、ぜひ学校の先生たちが自由な形で子どもたちに原発の現状、危険性を教える教育を保障することが、私は、区教育委員会のあるべき姿勢だと改めて感じました。その点について、区教育委員会の姿勢を改めて問いただしておきます。
 それから、公衆浴場についてです。
 先ほど、世田谷区が独自に発行していることは認識をされているということでした。他区のことですからというふうに思われるかもしれませんが、しかし、他区の高齢者の入浴を受けているのは、区内の公衆浴場の事業者の皆さんです。そして、世田谷区の発行する利用券にナンバリングが付されているということを知れば、これは区を超えて人権問題に発展するような課題だと改めて感じました。そうした姿勢で、これは答弁は要りませんが、区議会で問題にされたということをぜひ世田谷区に訴えていただきたいと思います。
 以上の点で私の質問を終わらせていただきます。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 新城せつこ議員の再質問にお答えを申し上げます。
 放射線量の測定、またその安全基準等についてご質問がございました。
 特別区長会では、さきに申し上げましたように、国に要望をするということになっております。学校、幼稚園、保育所等における放射線量の安全基準値を早急に策定し公表しろと。また、安全基準値を超えた場合の対応策を示すとともに、その対策等に要した費用については、国が全額負担をすること、こういった交渉を今進めているということもご理解をいただきたいと思います。
 一義的には、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、国とか東京都のレベルで広域的に測定をしていくべきものだというふうに思いますし、原発とこの国がどういうふうに今後つき合っていくかはこれからの課題ではございますけれども、今つき合っている限りにおいて、また、事故が発生して放射線が放出されているという状態においては、できるだけ実態を把握するということは、国や東京都の一義的な務めであろうというふうに思っておりますので、その動きを、私も区長会の会長とは何度か電話でやりとりをしておりますし、私の意向も十分に酌み取っていただいて、精力的に都と国と折衝しているということでございますので、見守っていきたいというふうに思っております。
 それから、加藤和明氏の人選についてご質問がありましたけれども、過去どういう審議会でどうこうしていたというようなことを、私が詳細を今知っているわけではありませんけれども、少なくとも私には、放射能の数値が何とかベクレルとか何とかシーベルトとかって言われても、私は何も判断する知識は、正直言ってありません。区役所という組織としても、そういうことを所管として専門にやっているということは、これまでなかったというふうに思っております。したがいまして、所管としては、いろいろと勉強しながら、いろいろな専門家に意見を聞きながら、私のところにボトムアップで上がってきた人選でございまして、それを信頼してお任せをするということにいたしましたので、ご理解をいただきたいというふうに思っております。
 また、おっしゃるように、いろいろな専門家でも見解の相違がどうもあるように思います。それは当然だろうというふうに思います。それはどの分野においたっていろいろな見解の相違というのは、専門家同士でいろいろあるのは当然といえば当然のことであります。
 大事なことは、測定をして、その事実をきちっと公表する、そして一定の評価をするということでありますから、それについて疑義があれば、当然そこではいろいろな議論が起こってくるだろうというふうに思いますし、当事者として行政側の示した評価と相入れない考えだということであれば、その方はその方でさまざまな自己防衛をする権利というのはあるわけでございますが、大事なことは、実態をできるだけ正確に把握して、正直に公表するというプロセスだろうと思っておりますので、そこのところもご理解をいただきたいというふうに思っております。
 残りの質問につきましては、関係部長等よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、再質問のうち、放射線の測定場所についての再質問にお答えをいたします。
 再考を促すということでお話をいただきましたけれども、私どもとしては、先ほどご答弁したとおり、今回の四カ所の測定というものでまずは区内全体の傾向がつかめると考えておりますので、これによって対応してまいりたいというふうに考えております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育委員会事務局次長。
     〔教育委員会事務局次長(吉田順之)登壇〕
◎教育委員会事務局次長(吉田順之) 私からは、給食の牛乳を含めた食材の安全性についての再度のご質問にお答えをいたします。
 学校給食では、繰り返しになりますが、国が示した基準に従い、安全が確認され、市場に流通しているものを食材として使用しております。今後も安心して食べていただけるように提供していきたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 済美教育センター所長。
     〔済美教育センター所長(玉山雅夫)登壇〕
◎済美教育センター所長(玉山雅夫) 新城議員の教育に関する再度の質問にお答えいたします。
 学校における教育課程については、基本的に学習指導要領に従い、適切に行われるものでありますが、今回の原子力発電については、これも繰り返しになりますけれども、地震による事故を事実に基づき適切に受けとめ、伝えていける教育のあり方を探っていく必要があると考えてございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で新城せつこ議員の一般質問を終わります。
 ここで午後三時二十分まで休憩いたします。
                 午後二時五十九分休憩
                  午後三時二十分開議
○議長(藤本なおや議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 十三番奥山たえこ議員。
     〔十三番(奥山たえこ議員)登壇〕
◆十三番(奥山たえこ議員) 生活者ネット・みどりの未来の一員の奥山たえこです。本日、私は、大きな四つの質問、一番、選挙管理委員の報酬額と支給方法について、二番、監査委員のあり方について、三番、阿佐谷南・高円寺南地区防災まちづくり計画について、四番、福祉施設のオンズブマン制度の導入について伺います。
 まず、大きな柱一番目です。
 選挙管理委員の報酬額と支給方法についてですが、この問題はことしの第一定例会でも取り上げました。しかし、区は、全く動かないばかりか、問題意識も持っていないようです。
 そのような中、ことしの二月、住民監査請求が起こされました。そして、その監査結果がこの四月に出されました。結果は棄却でありました。そこで、住民の方々は住民訴訟に移っております。なお、私は原告には入っておりません。新たな局面に入ったと思いますので、また、今般の選挙でもこの問題を取り上げたところ、区民の関心が大変高かったので、またほかの角度からも取り上げたいと思っております。
 まず、一問目です。選挙管理委員の報酬は時給四万円相当になっております。その金額といいますのは月額で二十四万二千円。では、選挙管理委員はどのくらい働いているかというと、月当たり六時間ほどです。つまり、時給に割り戻すと四万円にもなるという、今どきこんな高額なおいしいお仕事があるんでしょうか。しかも、この原資は公金、税金であります。ところが、以前委員会で、この金額に対して、四万円相当を妥当だとする答弁がありました。
 そこでお尋ねします。その根拠をお示しください。なお、その際には、職務内容、勤務実態、そして、他自治体との比較の観点からお答えくださいませ。
 なお、私が見たところ、金額についてですが、杉並区の選挙管理委員の報酬は教育委員会と同額であります。二十三区は大体そのような傾向にあります。最近、新宿区は選挙管理委員に日額制、一日当たり三万円を導入いたしました。しかし、他の自治体は様子が違います。例えば、武蔵野市は選挙管理委員が六万七千二百円に対して教育委員は十三万八千円、いずれも月額です。八王子市は六万七千円に対して教育委員は十一万八千円と、大体半分ぐらいのところが多いんです。しかし、杉並区は同じになっているわけです。そこでお伺いをいたす次第です。
 二問目です。昨年度、杉並区においては、半年間欠勤した、全く会議に出席しなかった委員に対して、その間の報酬を満額百四十万円余を支給するという事例がありました。この件について、私はことしの二月の定例会で質問しましたところ、支給は適法であるとの答弁を得ております。この適法というのは、地方自治法に違反するところはないという、そういう意味なのでしょうか、確認をいたします。
 三問目です。またほかの事例で、条例に従って支給したのだから適法である旨の答弁もありました。そこでお伺いいたしますが、条例に定めたことはすべて自治法にかなって適法であるということなのでしょうか、それともそうではない場合もあるということでしょうか、お伺いいたします。
 四問目です。昨年、二〇一〇年九月三十日、杉並区を被告とする東京地方裁判所の判決において、杉並区が敗訴いたしました。その事案はといいますと、監査委員二名に支払った月額の報酬の支給が違法であると。実際には勤務日が、月末の金曜日に就職しましたので、土曜と日曜しか残っていなかった、それに対して丸々一月分払ったのは違法であるということで、区長に対して返還請求が出され、杉並区は控訴することなくそれを受け入れ、そして実際に支給された方から返還を受けております。
 さて、この判決ですけれども、条例のどの点が違法とされたのでしょうか、また、現在それはどのように治癒されているのか、お伺いいたします。
 さて、五問目です。地方自治法二百三条の二ただし書きですけれども、この法律の趣旨は、勤務実態のなかった非常勤職員にも月額報酬を支給できるという趣旨を含んでいるのでしょうか。もしそうであるというならば、その根拠もあわせてお示しください。
 なお、この件に関して、私、以前も質問いたしましたけれども、課長と、常勤とは何か、それから、このただし書きの趣旨において若干食い違いがありましたので、少し詳しく確認してみたいと思います。
 立法趣旨でありますけれども、当時この法律ができた、昭和三十一年ですけれども、その当時の通達があります。その当時の通達を見ますと、その中で、特殊の事情があった場合には月額で支給することができるという、そういう規定になっております。
 それから、その当時の国会の委員会の議事録を見てみました。その中にこの立法の趣旨についての説明があります。つまり、これは議員提案議案でしたので、それに対してこのような質問がありますね。勤務の実情等、特別の事情がある場合においては月額で支給することができるという、そういう議員提案なわけですが、それはどういう場合を予想しているのでしょうかという質疑に対して、提案者が、衆議院議員の鈴木直人さんですけれども、るる説明いたしまして、選挙管理委員についての話をしております。なぜ選挙管理委員かといいますと、実はこの議員提案の修正案が出てきた原因は、選挙管理委員から陳情が出たらしいんです。その原文までは探すことはできませんでしたが、その陳情によってこういうふうに言っておりますね。「選挙管理委員会におきましては、性格も相当違いますし、また勤務状態も、委員長その他ほとんど毎日出られまして、事務をしておられるという所もあるのでございます。」中略、「各地方団体の実情に即しまして、」中略、中略、「例外を設けたわけであります。」そういうふうに言っております。ですから、勤務状態にかんがみてこのような修正案を入れたというふうに受けとめるのが当時の歴史を見れば明らかであります。そういった意味では、勤務実態があるかどうかといったことがこの二百三条の二のただし書き、当時は地方自治法二百三条のただし書きになりますけれども、重要な観点になるわけです。
 次です。六問目です。行政委員の報酬支給のあり方に関する訴訟の判決、幾つか出ております。原告が勝訴したもの、そして敗訴したものもありますけれども、これらの判決のうち、勤務実態を顧慮することなく月額支給でよいと認めたものはあるのかどうか、お伺いいたします。
 なお、勤務実態についての考え方を、杉並区のを見ましたところ、非常に奇妙な認識が示されております。それは何かといいますと、先ほども言及いたしましたけれども、ことしの四月に監査委員が監査請求に対して結果を出しておりますけれども、その中に、政策経営部職員課の抗弁としてこういうふうに言っております。月額支給の違法性を追及されたわけですが、それに対して違法ではないという抗弁として、選挙管理委員は常に法規、施策の調査研究上の職務があり、定例会等への出席日数では計測できない多くの職務があるというふうに言っております。もしこれがそのまま生かされる、そのとおりであるとするならば、選挙管理委員は、全く会議に出なくても、おうちで勉強しておりました、法規を読んでおりましたというふうなことで満額の報酬がもらえる、そういうことになります。そして、それについては期間の定めがないわけですから、その方がおやめになるまで、もしくは議会が罷免することができますから、それまではずっともらい続けることができる、そういうことになります。これは、まず法令に違反して、つまり、先ほど説明しましたけれども、地方自治法の二百三条はもともとは非常勤職員については日額である、つまり労働の対価、反対給付として出しているのであって、生活給では全くないわけです。だから勤務実態を勘案しておるわけですけれども、その観点からもこの考え方は違法でありますし、それからもう一つ、区民感情としても、何で非常勤、これはパートタイマーと同じですから、全く働いていない人にお金払うんですか、給料払うんですか、報酬払うんですかと。しかも、その金額が百四十万円、月に二十四万二千円という、そして時給四万円という、このことは到底容認することができないと思います。そもそもこういうふうな条例が今でもそのまま放置されているということは、結局、杉並区の放漫財政というその性格をそのままあらわしていると思います。それについては私は本当に問題だと思っておりますので、何としてでもこれは変える必要があると思っておりますから、またこのように質疑をしておりますし、この金満自治体ぶりを何としてでも修正したいと思っております。
 では、七問目に行きます。監査委員の報酬支給に関して監査請求が提起された。これは、先ほど述べました月末の二日間だけの在任に関してという、そのときの監査請求ですけれども、それが提起された次の議会で、実は杉並区は早々と条例改正をいたしました。つまり、就任月、そしてまた退任月の日割り規定を導入したわけです。しかし、今回、また違う事例ですけれども、選挙管理委員の事例ですが、既に住民訴訟まで提起されておりますけれども、まだ全く動く気配がありません。早急に日額制を導入した条例改正を行ってはどうか、お伺いいたします。
 なお、今回の欠勤した委員に報酬を満額払ったというこの状態を治癒するには、例えば、一日でも欠勤した場合には月額支給はしないというふうな規定を入れることも不可能ではありません。そういう自治体もあります。しかしそれでは、じゃ、一日でも出勤すれば月額丸々もらえるんですかということになりますから、やはりその方式もおかしい。であるならば、つまり、まさに今回の事例、百四十万円支給というのは、この条例の矛盾が本当に見事にあらわれたものなわけです。そういった意味でも、治癒の方法としては日額制の導入以外にありません。新宿区が既に行っておりますけれども、その条例改正を強く勧めるものであります。
 八問目です。勤務実態に関連して確認したいことがあります。当区の選挙管理委員ですが、毎週会議をしております。選挙管理委員は毎週やっているところは少ないですよね。月に一回というところもあります。しかし毎週やっている。これは、非常に意地悪な見方をすれば、先ほど私、教育委員会と同額の報酬が支給されておると言いましたけれども、それとバランスをとるために、教育委員会は月二回ですからね、バランスをとるために毎週やっているのではないかというふうにうがった見方もしております。というのは、議事録を見ますと、うーん、必要かなという、何か特別に話し合うようなことがあるのかなというものがいっぱいあります。そういった内容についてここで具体的に指摘してあげつらうことはいたしませんけれども、その必要性について私は疑問を抱くものです。
 そこで、その必要性、毎週会議していることの必要性と緊急性をお伺いいたします。
 九問目です。選挙管理委員に関しては前職を公表すべきであると思います。もしその必要なしと言うのであれば、その理由も述べていただきたい。なぜかといいますと、まず、選挙管理委員は、当区の場合、議員であった方々が就職しているわけです。これは天下りとの批判もありますし、それから、別に議員だった人がなる必然性はないんですね。それからあと、地方自治法の中の規定として、百八十二条でありますけれども、第五項、読み上げましょう。「委員又は補充員は、それぞれその中の二人が同時に同一の政党その他の政治団体に属する者となることとなつてはならない。」とあります。ということは、選挙管理委員はどのような出自の人であるかということを明らかにしなければいけない、そういう職なわけであります。であるならば、やはり前職を公表してホームページに掲載するべきであります。実は半年ほど前までは、選挙管理委員は一体だれであるのかということさえホームページに載っていなかった。私が指摘しましたところ、今は載りましたけれども、やはり前職についても掲載すべきであると思っております。
 では、次に大きな柱二番目の質問、監査委員のあり方についてです。
 一問目。二〇一〇年九月三十日、当区の監査委員が適法と判断した事例、先ほど申し上げました杉並区が敗訴した判決ですけれども、これについて、東京地裁における住民訴訟で違法との判断が出たわけですが、監査委員は、自分たちの判断が地裁によって覆された、このことに関して責任を感じているでしょうか、もしくは地裁判決のほうが不当だと考えているのでしょうか、お伺いいたします。
 二問目です。監査委員制度は形骸化しているとさまざまなところで言われておりますし、全国市民オンブズマンの大会でも、二年前ですね、大きなテーマとなりました。監査委員は身内に甘いとの見方があります。当区の委員もその傾向があると私は感じておりますけれども、監査委員自身はどう感じているのか、お伺いいたします。
 私が甘いと考えたのは、例えば政務調査費に関して、トランジスタメガホン、選挙のときに必要な声の拡声器、これを政務調査費で買うことを認めた。広報費だからオーケーだと言いました。それから、インド旅行に行きました、それを親善のためと書いていたら、いや、これだと認められないので、これは視察というふうに目的を書き直してくださいねというふうに監査委員が入れ知恵をして、それを政務調査費で通るようにしたといったような、そもそもインド旅行がどうして区政と関係するのかよくわかりませんが、当時の山田区長がパール判事を大好きだったからという関係があるんでしょうけれども、そういった意味でも甘いというふうに感じております。
 次、三問目です。住民監査の請求人から、最近、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てが出されています。どのような内容なんでしょうか、また監査委員はどう考えているのでしょうか、お伺いいたします。
 なお、この件については、私ども議員一人一人にアンケートが届きました。その中で指摘されていたことは、住民監査の請求人の名前は住所まですべてさらした一方で、議員の名前はABCの記号であらわしておる、その理由について監査委員は、議員の個人情報だからというふうにうそぶいておるわけです。こんな二重基準が許されるのかどうか、そういった意味でも非常に議員に甘過ぎると思います。お心遣いは無用であります。
 さて、四問目です。議選の監査委員ですが、当区においては一年交代が通例となっております。監査を遂行するには、言うまでもなく専門知識が必要であります。一般的企業のお金の出し方と自治体のお金の出し方は全然違います。ここで説明はいたしませんけれども。
 そこでお伺いいたしますが、議選の監査委員となった方々は、就職する前にその能力を有していたのでしょうか、それとも任期中にそれを得たのでしょうか。この件については当人しか知り得ないことでありますので、本来ならば経験者の方に説明員になっていただければと思ったんですが、ちょっとそれは無理だということでありますので、ぜひ当人への意見聴取を求め、そして私にそのお答えを聞かせていただきたいと思います。
 五問目です。当区においては、職員の中から常勤の監査委員を選任することが通例であります。そうすることの必然性をお伺いしたいと思います。といいますのは、元職員というのはもともと同僚だった人なわけで、そういった方々の行為に対して違法であるとかということをやるのはなかなか人情的に難しいのではないかというふうに私などはうがった見方をするわけであります。そしてまた、ご本人自身が職員であったときに関与した施策だってあると思います。それについて、いや、これは実は違法だったんだとはなかなか下しにくいのかなというふうにも思います。
 ただし、監査委員というのは大変重要な職務であります。本来の意味で働くならばという留保をつけてありますけれども。そういった意味において、他区の行政経験者から選任する、例えば世田谷区の部長さんから来ていただく、そして、そのかわりに世田谷区には杉並の部長さんに監査委員に行っていただく、そんな方法があろうかと思いますけれども、そういったことは実現困難なんでしょうか。提言の意味を込めて質問をいたします。
 大きな柱の三番目です。阿佐谷南・高円寺南地区防災まちづくり計画についてです。
 昨日の答弁の中で、私聞いておりまして、えっと思うような答弁がありました。どういうことかといいますと、自助・共助・公助についてでありますけれども、危機管理室長はこういうふうに答弁しましたね。まず自分の命を守るのが自助、その次に共助、その上で区を初めとする公助、これが基礎自治体の使命であるというふうな、そういう趣旨の答弁でした。しかし、自助・共助・公助というのは全然順番ではあり得ません。自治体は住民の生命と財産を守るという責務を負っているわけです。だから、順番でいうならば、まず公助です。しかし、もちろん、公助だけやっておいて住民は何もしなくていいという、そういう意味ではありませんから、自助も必要ですよ、共助も必要ですよと、そういう意味合いにおいて使うべきだと思います。まさかこんな答弁が来るとは、聞いていてびっくりしましたので、この質問を立てておりませんでしたけれども、きちんと認識していただきたいと思います。
 質問に入りますが、一問目です。述べました先ほどのまちづくり計画ですけれども、この進捗状況はどうでしょうか。最新の数値、耐震性、耐火性、道路閉塞率についてお伺いいたします。
 二問目です。このまちづくり計画の対象となっている阿佐谷南・高円寺南というのは、阿佐谷南一、二丁目、そして高円寺南三丁目です。そして、その中でもまたさらにその半分ぐらいの面積が、重点地域として、本当に一番危険な地域として措定されまして、そのために、こういう防災まちづくり計画が特別にこの地域にできているわけです。
 お伺いしたいのは、火災の発生ですけれども、杉並区全体の火災発生件数に比べて、当該地域の火災発生状況はどうなんでしょうか。実は私、消防署の方にちょっと聞いたんですけれども、ある特定の何丁目の火災発生件数といったものはとっておらない、もしそういうのをとって発表するとなると、それを聞いた人の気持ちを考えるとなかなかはばかるところがあるというふうなことでした。しかし、今回、私、議会の質問もありましたので、特別にお願いして数えていただきましたところ、先ほどの重点地域に関しては、過去七年の間に三十三件の火災が発生しております。これは杉並区全体に比べてどうなのかというお尋ねをいたします。
 次に三問目です。まちの危険度を知るということは、防災活動に取り組むための大切な契機となります。というのは、危険性を認識しないでは、じゃ、何とかしなきゃというふうには人はなかなかならないものなわけです。
 そこで、一つ、議長、ちょっと資料を示したいのですが、よろしいでしょうか。―─これは、東京都が出しております「あなたのまちの地域危険度」というものです。この後ろのほうに東京都の全体の地図がありまして、本当に細かいんですね。私などは議員をやっておりますから、ぱっと見たときに、あっ、ここは高円寺南三丁目だとか、阿佐谷北一丁目って、ええっ、杉並で一番危ないんだとかいうことがぱっと見てわかりますが、なかなか一般の人はそういうふうに見ることがない。わかりにくいと思います。
 しかも、これもデータとしては、阿佐谷北一丁目といった、そんな大くくりのデータでしかありません。それでいうならば、もっと詳しいデータが欲しいと思います。例えば、住宅地図というものがありますけれども、そういった地図をイメージしていただいて、住宅ごとに、ここは耐火改修が済んでおる、耐震が済んでおる、もしくはここではまだであるといったようなマッピングした具体的な情報があれば、この辺は危ないなとか、じゃ、火事で逃げるときにはこっちに行くのはよそうとか、それから、家を建てるんだったらこの辺はよそうとか、いろいろなことを考えることができると思います。そういった具体的な情報は作成は可能でしょうか、また、その際に持ち家と賃貸物件とに分けての集計は可能でしょうか。というのは、持ち家と賃貸物件とでは、例えば耐震改修などの達成度にかなり大きな隔たりがあると私は確信しておるわけです。
 では次です。四問目です。先ほど示しました東京都がつくっております地域危険度情報ですが、これは、例えば杉並区の区民がどんなのかなあと、つまり、うちの近所は危険なのかなと思って見ようとしたときに、杉並区のホームページを見てもすぐには出てこないんです。どうなっているかというと、まず「住まい」というボタンがあります。そこを押すと、今度いろいろな項目があって、その中に「防災」という項目があります。その中に防災情報とイベントというのがあって、そこをクリックすると、東京都のホームページにここからリンクしておりますというふうになっている。その中でいろいろ見ると、ああ、ここにこういう地域危険度という資料があるんだと、それで初めて知ることができる。それは、私はどこかにあるかなと思って探したからやっと気がついたんですが、普通何げなく見ているのでは、とてもとても気がつきません。そういった意味では、先ほども申し上げたとおり、我がまちの情報をきちんと知ることは大変重要です。そうしなければ人は次に動かないからです。
 そういった意味でお尋ねいたしますけれども、情報提供は大切なことであり、トップページにバナーを設けるなどしてすぐ気がつくようにすべきと考えるが、いかがでしょうか。
 では次です。五問目です。今後、当該地域に対してどのような情報を提供することができるでしょうか。例えば、消防ホースの届く範囲であるとか延焼シミュレーションなどの情報はどうでしょうか。シミュレーション情報は五年前には提示されておりますけれども、それからもうかなり状況が変わってきていると思います。
 六問目です。消防署は区内の危険地域を把握していると思います。そこで、区と情報の共有と連携を図り、区民に提供すべきと考えますが、いかがでしょうか。杉並区の場合には、特別区なので消防署がない、だからどうも連携が浅いというふうに私も今回調べていて思いました。それから、私も所管の課長ではないので、ちょっとこれ調べてくれますかとは言えなくて、申しわけないですね、お忙しくて、これでもう十分ですというふうに言ったんですが、本当はもっともっと知りたい情報がありますし、知るべきものがあります。そういった意味でも連携が必要だと考える次第です。
 七問目です。耐震診断や耐震改修は所有者が行うことが原則で、賃借人が望んでも限界があり、耐震の遅れを引き起こしていると言えます。環状七号線を初め、幹線道路沿いでは耐震化を義務づけていると聞きますが、同様の手法を、木造密集地域、これは阿佐谷南、高円寺南に導入されている方式なんですが、この地域にも導入することはできないでしょうか、お伺いいたします。
 八問目です。今回の震災後に区民の方から、震災発生時に、自分が不在時に介護認定を受けている家族の避難の支援をしてもらいたいとの話がありました。こうした災害時要援護者に対して区の登録制度があります。どのような支援の仕組みなのか、これは既に答弁が出ているので、ここは割愛して結構です。続けます。対象者のうち、どのくらいの方が登録しているのか、また支える方はだれなのか、そしてまた、こうした仕組みをもっと周知を図るべきと考えますが、あわせて区の考えをお伺いいたします。
 最後の大きな質問です。福祉施設のオンブズマン制度の導入についてです。
 一問目、区内の福祉施設の苦情調整の制度には何があるでしょうか。
 二問目、区の苦情調整委員会の相談処理件数はどのくらいですか。相談件数が少なく感じますが、福祉サービスに生じる苦情の実情を反映した件数なのかどうか、どのように考えるでしょうか、お伺いいたします。
 三問目です。苦情調整委員会の果たした役割の評価と課題は何でしょうか。私は、この委員会は処理件数も少ない、そしてまた費用が月額払いで、三名の方々に月十二万円、つまり三十六万円払っているわけですが、それにしては役割が少ないのではないかというふうに思っております。その観点からお伺いする次第です。
 四問目です。単身高齢者など代弁者を持たない当事者のためには、アウトリーチの手法採用の必要があると考えます。福祉施設に研修に行った人から伺いました。家族がしばしば訪れる人とそうでない人とでは、職員の扱いが全然違うということでした。やっぱり目のかけ方が違うということであります。そういった意味では、すべての方にアウトリーチの手法として採用するために、そういう必要性があると考えますけれども、いかがでしょうか。
 そして、五問目です。福祉サービス市民オンブズマン制度というものが大阪ではあります。これはNPO法人がやっているんですけれども、特養ホームに限定して、きちんと研修を受けた市民が特養ホームに行っていろいろなところをチェックしてくる、それは決して対立的ではなくて、提言型でやるわけなんですが、そういった形で福祉施設にいろいろな目が入る、そして風通しもよくなる、そしてもっと市民のための施設として近づけていく、もっと引き寄せていくという工夫が必要かと考えます。そういった可能性や必要性についてどう考えるのでしょうか、また、そういった市民の育成などに関して区は助成等ができるでしょうか、お伺いいたします。
 以上です。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 奥山たえこ議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 まず、災害時要援護者に対する区の支援についてでございます。
 災害時に自力では避難が困難な方たちに対して、どのようにして避難所に来ていただくかという問題は非常に重要であると考えております。今回の震災でも、家族だけではなくて、地域の知り合いや、あるいは自らが避難中の方が、その場で出会った見知らぬ高齢者を背負いながら避難している光景なども報道されておりましたけれども、杉並区のような大都市においては、第一に、避難を必要とされる方がどこにいるのかがよくわからない、そのことがまず大きな問題だと認識をしております。
 その意味で、避難を必要とされる方が避難の方法や連絡先をあらかじめ登録しておく地域のたすけあいネットワークは極めて重要な取り組みでございまして、ところが、なかなか登録者が増えないという状況にもあり、要介護者のリスト等を活用して個別勧奨を行い、現在ようやく七千二百人まで増えてきたところでございます。
 区民の中には、まだまだ支援が必要であるのに未登録の方もいらっしゃると思いますので、今後もさらに周知を図っていく必要がありますけれども、実は同時に、登録した方々を実際に避難誘導する支援者の確保というのも大きな課題となっているわけでございます。こういった課題は一朝一夕に解決できるものではありませんけれども、今回の震災を契機としてとらえて、地域の方々にもご理解をいただきながら、この地域のたすけあいネットワークを今後も確実に充実をさせていきたいと考えております。
 続いて、後ほど所管部長からご答弁があろうかと思いますけれども、議会選出の監査委員についていろいろご発言がございました。専門知識があるのかないのか、役に立っているのかと。
 実は私は、都議会時代は監査委員も務めたことがありまして、全国の都道府県監査委員会の会長も歴任をしておりますので、ちょっと気になりましたので、一言申し上げておきたいと思うんですが、選挙で選ばれて議席を得て、執行機関の監視役という役を議員として担っていく、そういう経験の中で、当該自治体の組織風土とかいうものを把握するということも非常に重要ですし、当該自治体行政についての一連の知識、歴史というか経緯というものも必要であるということも言えるわけでございます。また、監査委員というのを経験することで、議員としてその技量を向上させるといういい機会でも、いい経験でもあろうかと思っております。現に、私が務めていたときに指摘した問題で道路の問題がありまして、詳しくは、議会の図書館か、区の図書館にも寄贈しておりますので、私の拙著がありますから、二冊しか出してないので、一冊、後で出した本ですが、その中に指摘してありますが、稲城大橋とかひよどり山の有料道路とか、外郭団体としての道路保全公社だったかな、という問題を、私も監査いたしまして、結局、かなり厳しい指摘を申し上げまして、また、その後きちっとその問題については改善をさせる、そのやり方についていろいろ賛否両論はあったろうと思いますけれども、こういったふうに、何も自慢話をするわけじゃありませんが、議員出身の監査委員が全く役に立たないということはむしろなくて、やりようによっては、区政にとってさまざまな影響があるということも事実なので、その辺もひとつご理解をいただければというふうに思います。
 残りの質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 区長室長。
     〔区長室長(与島正彦)登壇〕
◎区長室長(与島正彦) 私からは、選挙管理委員の報酬等に関するお尋ねにお答えします。
 まず、選挙管理委員の報酬が時給四万円相当となっている根拠についてのお尋ねですが、勤務時間の定めがない選挙管理委員の報酬は月額であり、時間給であらわす性質のものではないものと考えてございます。
 次に、休まれた委員に対する支給は適法なのかとのご質問ですが、支払いの根拠となりました条例を含め、適法と考えております。
 平成二十二年九月の東京地裁判決に関するご質問にお答えします。
 当該判決は、月額報酬制をとること自体は認めつつも、本件のような場合も含めて、一律に月額報酬全額を支給する限りにおいては認めがたいというものです。
 なお、区では、平成二十一年八月の監査結果を踏まえ、この判決の前年の第三回定例区議会において、日割り規定を盛り込んだ改正条例案を提案し、議決されてございます。
 次に、行政委員報酬訴訟に関するご質問ですが、そうした訴訟判決があるかどうかは把握してございません。
 次に、行政委員報酬条例の改正に関するご質問ですが、条例改正を行う考えはございません。
 また、監査委員についてのご質問がございました。議員のうちから選任する監査委員につきましては、先ほど区長から申し上げたとおりでございます。
 なお、このことにつきまして、監査委員当人への意見聴取を行う考えはございません。
 次に、常勤の監査委員の任命についてですが、議選以外の監査委員につきましては、地方自治法第百九十六条に基づき、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理、その他行政運営に関しすぐれた識見を有する者のうちから議会のご同意をいただいた上で選任し、同条第四項の規定に基づき、うち一名を常勤として任命しております。常勤とすることにつきましては法的な基準はございませんが、より精緻化する監査・審査業務に迅速かつ的確に対応するため、これまでの行政経験や実務能力などを総合的に勘案し、最もふさわしい委員を常勤として任命しているものでございます。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) まちづくり担当部長。
     〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕
◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、阿佐谷南・高円寺南地区の防災まちづくりに関連した残りのご質問にお答えします。
 まず、計画目標の進捗状況ですが、平成二十一年度末の状況で、耐震化率約七五%、不燃化率約五一%、災害時に通れなくなる可能性のある道路の割合が約八一%となっております。
 次に、火災発生状況ですが、区内全域での火災発生件数は昨年一年間で百三十三件で、当該地区の重点整備地区での火災発生件数は三件となってございます。
 次に、地域危険度についてのお尋ねですが、ご指摘のような危険度についての住宅ごとの具体的な情報収集については実務的に困難であり、また、個人情報の収集といった観点からも議論が必要なものと考えております。
 次に、区民への災害情報の提供について何点かご質問をいただきましたが、現在、ホームページに防災まちづくりに関するコンテンツの新設を予定しており、今後は、関係機関との連携を強化しながら、可能な範囲での情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
 私から最後になりますが、都の耐震化方法に関連してのお尋ねにお答えします。
 東京都は、特定緊急輸送道路沿道の建築物に対して耐震診断を義務づける条例を制定いたしました。これは、大地震発災後の緊急輸送道路の確保は、避難、救助、復旧上、特に重要な役割を持つことから、沿道敷地に義務づけをし、あわせて相当な補助制度を設けたものでございます。一方、面的な木造密集地域である阿佐谷・高円寺地区の耐震化につきましては、義務化ではなく手厚い誘導手法が適切として、重点地区として他の地区の五割増しの耐震改修費の補助を現在行っているものでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 保健福祉部長。
     〔保健福祉部長(長田 斎)登壇〕
◎保健福祉部長(長田斎) 私からは、苦情調整に係る一連のご質問にお答えいたします。
 最初に、福祉施設の苦情調整制度についてのお尋ねですが、社会福祉事業の経営者は社会福祉法に基づき苦情の適切な解決に努めるものとされ、区内の社会福祉事業者の多くが第三者による苦情調整制度を設けています。これに加えて、例えば介護保険施設の場合には、介護保険法に基づき区の所管課が苦情調整対応を行っているほか、それらの制度に適合しない事例については、区として独自に保健福祉サービス苦情調整委員制度を設けています。
 次に、二十二年度の区の苦情調整委員による相談件数は十三件で、そのうち申し立てに至ったのは五件です。件数はほぼ例年同じ傾向で推移をしております。
 相談件数が少ないとのお尋ねですが、例えば、介護保険に係る区担当課が集約した件数は、二十一年度で百七十五件であり、多くはさきに述べた苦情調整の仕組みにより対応しているものと考えています。
 次に、苦情調整委員の役割の評価と課題についてのお尋ねですが、まず評価として、専門分野の調整委員が当事者の間に入り、相談者のみならず事業者側にも丁寧に対応することでこじれた事案が解決に至るケースもあり、セーフティーネットの役割を果たしていると考えています。
 一方、課題ですが、より効率的な事務執行体制に努めていくほか、相談者が必要とされるときにこの制度がすぐに思い浮かぶように、今後も一層の制度周知に努めていく必要があると考えております。
 次に、アウトリーチ手法の必要性についてのお尋ねですが、現在も、施設見学会として苦情調整委員が実際に施設を訪問する機会を設けており、アウトリーチ的な手法も一部取り入れています。福祉施設全般にあまねく対応することは、対象施設、対象者の確認などで難しい面もありますが、今後もこうした取り組みを継続して実施していきたいと考えております。
 次に、市民オンブズマン制度についてですが、この取り組みはさまざまなNPO活動の一つとして理解をしておりますが、苦情調整制度の創設に当たっては、こうした取り組みも含めて検討を行いました。その結果、勧告や意見表明、講評など、苦情調整の制度には一定の権限を持つことが必要であるとの考えから、区長の附属機関として委嘱される特任制の委員制度としたという経緯がございます。こういったことから、現時点では、行政が行う現行制度を前提に、より一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 私からは以上です。
○議長(藤本なおや議員) 選挙管理委員会委員長。
     〔選挙管理委員会委員長(小林義明)登壇〕
◎選挙管理委員会委員長(小林義明) 私から、選挙管理委員会に関するご質問にお答えをいたします。
 まず、定例会でございますが、定期的な選挙人名簿の登録や裁判員予定者選定など、公職選挙法に基づいた委員会として決定する事項がございます。そのほか、事務局における事務の進捗状況の報告を受けたり、また、委員会として逆に検討を指示する必要がございますので、原則毎週一回、定例会を開催してございます。また、選挙時などには、その都度緊急に決定すべき事項がございますので、開催日数は多くなるものでございます。
 次に、委員の前職を公表すべきではないかというようなお話がございましたけれども、公務を執行していく上で前職を公表する必要性はないと考えているところでございます。
○議長(藤本なおや議員) 代表監査委員。
     〔代表監査委員(四居 誠)登壇〕
◎代表監査委員(四居誠) 私から、監査委員に関する残りのご質問にお答えいたします。
 まず、昨年九月の東京地裁判決についてのお尋ねでございますが、監査結果と地裁の判断が異なったことは事実であり、監査委員として、より幅広い視野で学び、検討する必要があると感じているところでございます。
 ただ、議員もお読みいただけているものと存じますが、監査結果には最後に要望を付してございまして、現行の法令等から見る限り、請求人の主張には理由がないものと判断したところであるとした上で、正味十二月の在任期間に十三月の報酬が支払われていることについてはさまざまな意見のあり得るところであり、多くの区において日割り計算などに改められていることを踏まえ、杉並区においても早期に今後のあり方を検討し、区民に対する説明責任を果たされることを要望すると明記したところでございます。地裁判決は、月額報酬制は適法としつつ、本件のようなケースでは議会の裁量権を超えて違法としたものでありますが、監査としては、第一義的には明文で定められた条例等に即して判断すべきものであり、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、監査委員は身内に甘いかどうかということでございますが、監査に当たりましては、地方自治法第百九十八条の三第一項の定めに従い、公正不偏の態度を保持しているつもりでございます。
 最後に、日弁連への人権救済申し立て事案についてのお尋ねでございますが、事案としては、平成二十一年六月にまとめた政務調査費に関する住民監査請求の監査結果におきまして、請求人の氏名を実名で記載し、他方、議員や会派の名称につきましては、返還を命ずべきことを勧告した場合は別として、一般的には仮名で記載したところでございますが、こうした取り扱いにつきまして、請求人から日弁連に対して人権救済の申し立てがされたものと伺っております。
 監査委員としては、住民監査請求というものが住民全体の利益を保障するために認められた制度であり、請求人は住民全体の利益のために、いわば公益の代表者として権利を行使するものであるということからいって、少なくとも法律に基づいて行われる公示につきましては請求人の氏名を記載することが必要であると判断しているところでございます。他方、議員、会派につきましては、住民監査請求の直接の対象者とは制度上なっていないことから、特に実名を公表する特段の必要がない限り、仮名で扱うこととしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 十三番奥山たえこ議員。
     〔十三番(奥山たえこ議員)登壇〕
◆十三番(奥山たえこ議員) 簡単に再質問をいたします。
 まず、区長、議選の監査委員について、ご答弁ありがとうございました。監査委員になることは議員の技量を向上させるよい機会であるというふうにおっしゃられましたので、私も人格が高潔になりました暁には、候補者の一人として勘定に入れていただきたいと思っております。私も向上させたいと思います。
 次です。選挙管理委員の報酬額と支給方法について二点お伺いいたします。
 答弁漏れといいますか、ちょっとずれていたと思うんですが、二番目の柱なんですけれども、支給は適法との答弁なんですが、これは地方自治法に違反するところはないのかというお尋ねをしたのであります。条例に従ってというふうな答弁したけれども、地方自治法に照らしてどうなのか。すごく重要なんです、この後の裁判の行方からいっても。明確な答弁をお願いいたします。
 次です。もう一つ、四番目の柱についてなんですが、今回、半年間全く勤務実態がなかったわけです。それについて支払ったわけですが、そのことと、例えば東京地裁の負けた判決がありますけれども、あれもやっぱり勤務実態がなかったわけですね。そのような場合にも、月額で支給することは議会の裁量権の範囲を超えるというふうに東京地裁で判示をしておるわけですが、じゃ、この両方のケースは勤務実態という面ではどうなんですか、違いがあるんですか。どちらも勤務実態がなかったという意味では同じなんじゃないですか。そういった意味で、私はやはり地方自治法に違反した支給であったというふうに思っております。
 そういう意味では、条例にのっとって支給したといっても、条例というのは法令に基づいてつくられる、これは憲法に載っているわけですけれども、ですから、この条例が違法だと思えば執行してはいけないわけです。地方自治法の二条の十六項だったかな、ちょっとあやふやですけれども、それにも似たような規定がありましたけれども、明確にお答えいただきたいと思います。
 それから、まちづくり計画のほうです。
 耐震改修がなかなか進まないところがある、そういったところについては義務づけしてはどうかという、七番目の柱の質問なんですけれども、これは耐震改修に費用を手厚くすることで誘導していくという話なんですが、実はここに大きな抜け道といいますか落とし穴があるんです。どういうことかといいますと、私は、まさに先ほどの重点地区、大変に危ないと国が認めたところの一隅に住んでおる、そこのアパートに住んでおるわけなんですが、接道がありませんので、そのアパートは建て替えをすることができないわけです。建て替えをしますと、今どんどん基準がきちんとしておりますので、耐震改修も当然ながらなされるわけですし、耐火の手順などもなされるわけですけれども、私が住んでいるアパート、建て替えができないで、実は二年ほど前に大家さんが下の部屋二こま、上に二こまあって、そこに私が住んでいるんですけれども、下の二こまを改修したんですね、建て替えではなくて。そこにシャワーをつけるなりしてきれいにしたわけなんですが、結局、建て替えではないから、区のそういった基準から漏れているわけです。つまり、接道がなくて非常に危ない。それから、昔うちの隣が、全く同じ形のアパートがあるんですけれども、そこが火事になったとき、お一人お亡くなりになったんですが、そのときには消防ホースが届かなかったので、大分離れたところから持ってきました。つまり、そういうところだからさっさと安全にしなきゃいけないのに、建て替えができないという理由でもっていつまでたっても安全度が高まることがないという、そういう矛盾があるわけですね。
 そういったケースについては区は全く持つ手がないのかどうか、何らかの対策がないのかどうか。重要だと思います。私も、今回の地震もあって、大丈夫かなと。小鈴荘、とても気に入っているんですけれども、不安に思っているところであります。すぐに目覚ましい対策があるとは思いませんけれども、そういった問題について多分認識なさっていると思いますので、そのこととあわせて、どんなお考えをお持ちなのか、ぜひ示していただきたいと思います。
 以上です。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長室長。
     〔区長室長(与島正彦)登壇〕
◎区長室長(与島正彦) 奥山議員の再度のご質問にご答弁申し上げます。
 まず、適法かというご質問でしたが、条例は地方自治法に照らしても適法と考えております。
 また、二つ目の勤務実態のなかったというご質問ですが、報酬条例に減額等に関する規定がない以上、定められた手続に従って報酬支給事務を行っているものでございまして、一義的には適正な行為と考えてございます。
○議長(藤本なおや議員) まちづくり担当部長。
     〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕
◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 再度のご質問にお答えします。
 個別の物件につきましては、十分ご相談に乗るつもりでおります。
○議長(藤本なおや議員) 以上で奥山たえこ議員の一般質問を終わります。
 三十五番鈴木信男議員。
     〔三十五番(鈴木信男議員)登壇〕
◆三十五番(鈴木信男議員) 質問に入る前に、さきの三月十一日、東日本大震災が発生をいたしました。東電福島第一原発の重大事故、放射能被害も加わる中、多くの方々が亡くなられ、被災をされました。心より哀悼の意とお見舞いを申し上げます。また、早期の復興を願うものでもあります。
 それでは、区政一般質問に入ります。
 日本共産党杉並区議団を代表いたしまして、食の安全・安心について、とりわけ生食肉の食中毒事件に関連して問いたいと思います。
 本年四月に、焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の生牛肉ユッケにより四人が死亡し、百人を超える集団食中毒被害を出す重大な事件が発生をしております。その後、他の焼き肉チェーン店「牛角」でも発生をしております。また、EU、イタリア、ドイツ、スペインなど、とりわけドイツなどで、O111より毒性も感染性も非常に強いO104による千人以上の被害者が出るなど大きな広がりを見せ、三人が死亡するなど重大な問題となっております。
 今回の食中毒事件は、多くの食中毒の専門家が心配し、早くから、とりわけ子どもと高齢者は危険だと警鐘を鳴らしていたとおりのことが起きたのであります。近年、食中毒の原因としてクローズアップをされていたのが、レバーやユッケなど食肉の生食、焼き肉の生焼けなどであります。年間三千人の腸管出血性大腸菌の感染者、いわゆるO157あるいはO111などの方々がいて、その約七割が生食や加熱処理不足の肉料理が原因の食中毒というふうに言われております。
 今回の事件で食中毒の原因となったのが病原性大腸菌O111でありました。O157と同様に腸管出血性大腸菌で、体内に取り込みがされた場合に、体内でベロ毒素と言われる赤痢菌が排出する毒素と同様のものが排出をされて、年少者、高齢者または免疫力が低下をしている人の場合、溶血性尿毒症症候群やあるいは急性脳症といったものを引き起こして、今回のように死に至る極めて危険な細菌であります。しかも、近年増加の傾向にあります。
 特徴として幾つかあるわけでありますけれども、食中毒発生時の菌数が、一般的中毒では数百万単位であるのに比べまして、大体二けたから三けたほど少なくても、ですから、数百単位でも発生する、場合によっては数十単位でもこの中毒が発生するとも報道されております。さらに厄介なことは、腸管出血性大腸菌は牛の腸内に常在、いわゆる生育している大腸菌で、牛には何ら影響を与えないもので、動物衛生研究所の調査でも、九割近くの牛に常在、生息しているなどが判明をしております。そのほか、カンピロバクター、サルモネラ菌など、食中毒になるさまざまな病原菌を持っているわけであります。鳥はカンピロバクターを非常に高い比率で持ち、サルモネラ菌もいるわけであります。それだけに、私たちの口に入らないように細心の衛生管理が求められるということであります。
 食品の安全行政の視点から、食品衛生法上、行政、業者、消費者などの視点からどのような問題を見出していらっしゃるのか、この事件に関連する基本的な見解を求めておきます。
 第二点目には、この事件は国の責任が重大であるということであります。
 第一は、厚生労働省は、一九九六年、堺市で児童三人が死亡したO157集団中毒事件の二年後に、一九九八年になりますが、九月に生食用の食肉の衛生基準を策定し、通達を出しております。この衛生基準は、それが遵守されれば腸管出血性大腸菌による食中毒を防ぐには有効なものでしたけれども、それを強制するいわゆる罰則がありませんでした。
 二点目に、さらに、食肉の生食による食中毒事件は、二〇〇八年には五十四件、二〇〇九年には五十二件、二〇一〇年には四十四件も発生をし、患者数はこの三年間で千三百六十八人にも及んでおります。それにもかかわらず、厚生労働省は、食品衛生法の改正など行うといったようなこと、何の手も打たなかったということであります。
 また、全国食品衛生主管課長連絡協議会で毎年生肉の法規制を求めていたにもかかわらず、法規制に取りかかることをしなかったというのでもあります。
 我が党は、食品衛生法の抜本的な改正を本年の五月十九日に参議院厚生労働委員会で求めたところであります。細川厚生労働大臣も、私も反省をいたしているとして、強制力のある改正をすることを表明いたしました。
 事件の報道を通じて明らかになりましたのは、牛肉についての国内のと畜場から生食用として出荷されているものはなく、鳥肉は生食用の衛生基準自体がないという事実に、今多くの国民、区民の皆さんが驚いているというところでございます。したがって、現在流通しております馬肉、馬以外の食肉はすべて加熱用であるということであります。このことは、厚生労働省が肉の種類ごとに実態調査を始めました二〇〇八年度以降、基準に合致をした食肉処理施設は十一、二カ所しかありませんでしたけれども、出荷されたのはすべて馬肉か馬レバーで、生食用牛肉はありませんでしたということであります。このことでも明らかであります。
 ところが、同省は、生牛肉は流通が少ない、コストがかかる専門処理を行う処理施設がなく、飲食店が独自に処理をするなどして販売しているのではないかとの姿勢であります。そして、加熱用を生食用に転用しないよう、自治体を通じて指導してきたとの対応をしてきたのみであります。今度の事件の金沢市のフーズ・フォーラスは、生食用でない牛肉をユッケとして販売していたことを認めております。
 今日、厚生労働省の新たな規格を設ける動きが出てきておりますが、国は生食用の衛生基準をつくるだけで、基準には合わない、本来生食できない肉が生食できると提供し続けてきた実態を放置してきたことは国の重大な責任であります。この姿勢についての区の見解を求めておきます。
 では、罰則をかければ事態は改善するのかということでありますけれども、それほど簡単ではないということであります。今回の焼き肉店は、富山、福井県など四県に店を持つチェーン店であります。厚労省は規格基準を設定するだけで、食品衛生法に基づく規制はすべて都道府県などの保健所に任せております。今回も、金沢市保健所が当該焼き肉店に対して肉の表面のトリミングを行うよう指導していたにもかかわらず、本社はその指導に従うことを指示していなかったということであります。
 今回の焼き肉チェーン店の本社フーズ・フォーラスはコンピューター会社であったのであります。これでは保健所もいわゆる手を出すことができないということであります。食品の安全衛生を行う保健所が手を出すことができない、このような状況をどのように見るのか、見解を求めたいものでもあります。
 JAS(日本農林規格)法では、会社が県内だけで運営をされているときは都道府県が、二県以上にまたがって運営をされているときは農林水産省が規制をすることになっております。これでは食品衛生法が不備であることは明白であります。規格基準を設定すれば事足りるとする厚労省のあり方を変えなければ、食の安全・安心を守ることができないということを今度の事件は示しております。
 今日、焼き肉業界はチェーン店が当たり前になっております。その本社に対して、厚生労働省自身が実情をつかんで、そこに対する指導監督を行うという食品衛生法の改正を含めた検討が必要ではないのか、所管の見解と、国への要請を求めるべきと考えますが、答弁を求めておきます。
 第二は、罰則のない衛生基準についてであります。
 罰則さえつくれば食の安全行政の不備が改善されるわけではありませんけれども、罰則のない衛生基準がいろいろあるということでございます。厚生労働省の資料によりますと、例えば、食肉処理業に関する衛生管理、と畜場法に関する衛生管理基準、食品中に残留するPCBの規制、大規模食中毒対策、魚介類の水銀の暫定規制値、洋菓子の衛生規範、セントラルキッチン/カミサリー、いわゆる物資配給所のことですけれども、そのシステムの衛生規範あるいは魚肉練り製品の製造、取り扱い等に関する衛生上の指導基準、さらには、生めん類、漬物、弁当などの衛生規範、卵及びその加工品の衛生対策、さらには、液卵の製造等にかかわる衛生確保などがあるわけであります。
 罰則のない衛生基準が、今見ましたように多々あるわけでありますが、いろいろ難しい面もあるかと思いますけれども、いわゆる罰則のない衛生基準について所管はどのようにごらんになっていらっしゃるのか、見解を求めるものであります。
 この項の三点目は、東京都の調査結果から問いたいと思います。
 東京都の事業者、消費者などへの調査、食品安全情報評価委員会、二〇〇九年のものですけれども、その報告と提言によりますと、二十歳以上の都民千人の調査で、直近三カ月以内に食肉を生で食べた人は四割、うち、二十代で五三%、三十代で四七%と、若い人ほど高い比率になっております。また、生食が原因と推定される食中毒が多発をしていることを初めて聞いた人は七六%にも及んでおります。これは食中毒のリスクが知られていないということを示しているわけであります。さらに、食肉を生で食べるために提供した事業者の七割強が口頭等による連絡で伝えられており、食中毒への知識、理解は安心できる状況ではないことも、今度のこの調査で明らかになっております。
 さらに、立入検査を行う都道府県の衛生監視員がわずか七千八百二十人にすぎず、この体制で年間三百二十五万件以上の検査を行っている職員体制にも非常に問題があると言わなければなりません。
 都は、福祉保健局が先日、緊急監視結果を発表いたしました。生牛肉提供の焼き肉店の九九・五%が基準不合格であるという内容であります。その内容として、トリミング、熱処理不足が各五〇%というものであります。店の実態に合った丁寧な指導、援助をしてほしいとの店舗の願いにこたえて、都は、食品衛生監視員の配置基準を、国とも協議をして抜本的な改善を求めるべきであります。
 全国で焼き肉店は七十二万店、うち、生の食肉を出している店が五万店と言われております。生食肉に関して、厚生労働省も昨日、飲食店についての調査結果で、五二%が基準違反ということを発表いたしました。現在流通しております馬以外の食肉は、すべて加熱用であります。アルコール消毒と肉の表面を削るトリミングを行っても、一〇〇%安全と言える牛あるいは鳥の生食はありません。生で食べると食中毒になる可能性があることを消費者もよく知る必要があるわけであります。特に、抵抗力の弱い子どもや高齢者は、肉の生食は避けるべきであります。
 今日、五月の上旬、五日からだったと思いますが、全国的に保健所の立入調査が今行われております。食の安全最優先で、処理、取り扱いの点検、情報の提供と指導、また、区内の焼き肉店舗数、大体三百店程度かというふうに思いますけれども、そのうち生食用提供店舗数はどのようになっているのか、また、今日までの調査の状況、今後の対応等について示していただきたいと思います。
 スマートすぎなみ計画、二十二年の四月に改正が一部されておりますけれども、第四次行革実施プラン、これは二〇〇八年から二〇一〇年までの三年間のものでありますけれども、生活衛生課・衛生試験所部門のあり方の見直し、そこでの定数削減計画がここで示されております。私は、後退することがあってはならないということで、二〇〇八年の二月に求めてきたところでもあります。今日の食の安全・安心をめぐる環境からすれば、検査体制は科学的データに基づいて一層充実する必要が強く求められております。監視員と検査の連係プレーの充実、情報の一元化により、食の安全を確保できるような検査体制、人員的、施設的充実の確立、店舗への丁寧な指導、援助、そして協働などであります。
 食中毒の時期が近づいております。目前でもあります。消費者への生食肉に対するリスク情報の提供など、店舗の協力を得て対応を強める必要があると思いますが、見解を求めておきます。
 我が党は、食料自給率の向上、放射能汚染対策を含めた食の安全・安心体制の確立など、今後も全力を尽くすものであります。
 さらに、日本のTPP(環太平洋連携協定)への参加は、食の安全・安心はもとより、国民、区民の健康被害、日本の食文化にも重大な被害をもたらしかねず、参加すべきではないということを述べて、質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 鈴木信男議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 食肉の生食による食中毒事件に関連してのお尋ねでございました。
 本事件は、発症者百六十九名中、重症者二十四名、うち四名が死亡という、腸管出血性大腸菌による事件としては近年最大級のもので、消費者の食肉の生食志向の拡大、業者間の価格競争、法規制の不十分さ等が相まって発生した大変痛ましい事件だと考えております。
 食肉の生食に関しては、全国食品衛生主管課長連絡協議会から、毎年法規制を求める要望が国に出されてまいりました。国は、平成十年、生食用食肉の衛生基準を定めて以降、生肉を食べることによる食中毒事件が継続的に発生していたにもかかわらず、必要な基準の見直しを怠ってきたことにつきましては、国の対応に不十分な点があったものと認識をしております。
 区といたしましては、今後も生食肉を取り扱う事業者に対する監視指導を徹底するとともに、国の食品衛生法に基づく規格基準を定める取り組みを注視してまいりたいと存じます。
 他のご質問には関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 杉並保健所長。
     〔杉並保健所長(深澤啓治)登壇〕
◎杉並保健所長(深澤啓治) 私からは、鈴木議員の残りのご質問についてお答えいたします。
 まず、都道府県をまたがるチェーン店への国の直接的な関与についてのお尋ねですが、食中毒につきましては、地方自治体を主体とした現行の法制度で対応できるものと考えております。
 平成十一年の地方分権一括法により、国、都道府県、特別区や保健所設置市の役割分担が明確となり、監視指導権限としては、国は空港、港湾での輸入食品の監視や検査を担当し、国内の食品や営業施設等に関しては、国からの法定受託事務として、都道府県、特別区、保健所設置市が担当しております。
 一方、この制度をバックアップする形で、国内の広域的な食中毒等の緊急防止対策として、国には、都道府県知事等に対し、食中毒の原因を調査し、その結果の報告を求める権限が与えられております。
 食中毒事件に際しましては、当該施設及び本社への指導は、まず発生地の保健所が行います。事件等が広域性を帯び、さかのぼり調査でチェーン店同士の関連性が出てきた場合には、本社を管轄する保健所が指導権限を発揮する必要性が出てまいります。今回は、生食用食肉の取り扱いに関する衛生基準が通知による指導基準であったため、強制力がなく、都道府県を越えての指導に限界があったものと考えております。
 次に、このいわゆる罰則がない通知による衛生基準についてのお尋ねでございますが、こうした衛生基準は、あくまでも到達すべき目標値を示した指導基準でございまして、達成できない場合でも、行政罰としての食品の廃棄命令や営業停止等の処分を行うことはできません。杉並区でも、国の衛生基準に基づき、十数年にわたり食肉の生食に関して営業者指導に取り組んでまいりましたが、法に基づく規格基準の制定により、生食用の食肉を提供する施設や本社に対する強力な監視指導が可能となるものでございます。より早い時期の規格基準の制定を求めるものでございます。
 次に、生食肉による食中毒防止対策等についてのお尋ねにお答えいたします。
 区では、国が五月五日に出した生食肉の取り扱い施設に対する緊急監視実施の通知に基づき、過去に食肉を生食用として扱っていた実績のある焼き肉店等の飲食店二百七十九施設を含む二百九十三施設の監視指導を行った結果、大半の施設は既に取り扱いを自粛しておりましたが、食肉を生食用として扱っていました飲食店五十施設中、二十施設が衛生基準に不適合でございました。また、区民に対しましては、区のホームページや区広報により、食肉の生食を自粛するよう注意喚起したところでございます。
 次に、今後の食中毒予防対策等についてのお尋ねですが、区といたしましては、国の食品衛生法に基づく規格基準が定められるまでの間、営業者に対しては食肉の生食としての取り扱いの自粛を引き続き強く指導するとともに、区民に対しても、区のホームページ、講習会や意見交換会、シンポジウム等を活用し、食肉の生食の自粛とともに、手洗いや器具の消毒、食材の加熱の徹底などの食中毒予防対策を普及啓発してまいります。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 三十五番鈴木信男議員。
     〔三十五番(鈴木信男議員)登壇〕
◆三十五番(鈴木信男議員) 答弁をいただきましたけれども、何点か再質問をさせていただきたいと思います。
 答弁を聞いておりまして、ちょっと矛盾を感じたところが一つあるわけです。
 一つは、区長からの答弁で、生食をすることができないものを生食ができるといったような状況のもとで物が流れている、それを国が放置、見て見ないふりをしていたということを事実に基づいてお話しをし、国の責任は重大だということを言ったわけでありますけれども、その中で、区長の答弁の中でも、国の対応が不十分であった、こういうことがございました。国の対応が不十分ということは、私がここの質問の中で述べてきましたような、厚労省が複数の県にまたがっているチェーン店に対して、今保健所長のほうのお話もございましたけれども、限界がある、そういう意味で不十分ということなのかどうか、もう一回確認をさせていただきたいというふうに思います。
 それから二つ目は、食品衛生法の国への要請との関連のところで一緒に答弁をしていただきましたけれども、いろいろ対応できるようにこれからこの基準をつくる、そういったことを進めてまいりたいという趣旨の答弁がありました。
 そこで、私は、今度の事件にかかわりますいろいろなものを見聞き、多くの皆さんもそうだと思いますけれども、見ていて思いましたのは、例えば、国の厚労省の発表でもありますけれども、病原性大腸菌にかかわる検査で、これは自主検査だと。したがって八五%のお店がやっていない、あるいは機器の消毒なんかも半分強ぐらいがやられていない、あるいはトリミングなどでは三三%程度くらいしかやられていないんだというようなことになっているわけですね。それで、本来消費者の立場からすると、すべての扱いをする店が、菌数が非常に少なくて、しかも潜伏期間が長いという、ある意味で他の一般的な食中毒の菌とは違うわけでありますので、そういうところからいいますと、すべてのお店が、この病原性大腸菌にかかわりをして、年に一度なら一度、そういった検査がすべて実施をされる、そういう状況、そして、その結果大丈夫であるんだというようなことが、あるいは機器の消毒、殺菌といったようなことについても同じような状況でなければ、消費者の立場から安全といったことを感じることができないというふうに思うんですが、その辺はどういうふうに実施を、あるいは方向性として見ていらっしゃるのか。 それから、病原性大腸菌の検査が八五%を超えるようなところでされていないという原因は一体どこにあるのか。もし費用とか何かというようなことであれば、私は、一定数、区も大いに支援もしながら、すべてのお店がこの検査をすることができるような、そういう方向にしていく必要があるのでないかと思いますので、その点についても答弁を願えたらというふうに思います。
 それから、最後になりますけれども、食品にかかわる食中毒の季節が間近であるということで、リスクにかかわる情報提供、これはホームページや広報で行っているというようなことですが、例えば、既にある地方のほうでは実施もされておりますけれども、お店にそういった一定のリスクがあるんですよといったようなことを表示するとか、そういうようなことを含めてお店の協力を得ながら、死に至るような重大事故が起きれば、これは取り返しがつかないことでありますので、そういった方向はどうなのか。
 それから、指導などを強めていくというお話がございました。その対応の強化、指導を強めるといった場合に、一つは、食品衛生行政を行うほうの組織の人的、施設的な強化ということは一体どうなのかということがあると思うんです。二点目に、店舗のほうの協力ですよね。先ほど言った自主的な検査の云々含めた問題あるいは表示にかかわるような問題。それから、消費者自身にも大いに、どこでも肉の生食を行うということにはかなりリスクがあるんだということがもっと広範にわかるような状態という、こういう重層的な対策の強化ということが必要ではないのかというふうに思うわけでありますけれども、その辺についても、強化という対応についてどのようにお考えをされているのか、再度答弁を求めて、私の再質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 杉並保健所長。
     〔杉並保健所長(深澤啓治)登壇〕
◎杉並保健所長(深澤啓治) 鈴木議員の再質問にお答えいたします。
 まず、金沢市にあった本社に対する指導等が徹底しなかったというようなことに対するお尋ねですけれども、また二点目の、いろいろな対策等が本来なされて、菌がないような食肉が提供されなければならないというようなことも踏まえますと、この二点につきましては、原因として一番大きなことは、今回の衛生基準に強制力がなかったということに起因するものだろうと思っております。これが規格基準として食品衛生法にきちっと位置づけられれば、そこを指導する保健所に対しましては、当然、事業者、営業者は聞く耳を持つ、また、こちらも処分権限もありますので、そういうような形でそこの部分が徹底していくのかなと思っております。
 それから、原因がどこにあるのかということで、特に食肉の検査を徹底するというようなお尋ねがございましたけれども、この検査が非常に難しいということがございます。なぜならば、どの時点で何回ぐらいの頻度で検査を行えばいいのか、そこが特別に決まっているわけではないということで、これを、一つの肉のブロックごとに検査をするようにというような、非常に細かい、また強い検査の指導基準にしますと、では、実際にそこで食肉の流通が可能になるのかどうかというようなことも起こってまいります。その辺も踏まえまして、なかなかこの検査一つとりましても、どのような形で行っていくのか、国も今のところ明らかなものを示しているわけではございませんけれども、検査を行った上で安全だということが確認されるということは非常に大事なことだろうと思います。その辺も含めまして国の動きを注視してまいりたいと思っております。
 また、これから夏に向かいまして、食中毒の季節ということで、特に生肉の食肉がリスクがあるということを表示したらどうかというようなお尋ねもございました。これにつきましては、営業者等との関係もございますので、ひとつ参考ということで、今後の研究課題とさせていただきたいと思いますけれども、保健所としましては、指導を今後も徹底していくという中で、現在の衛生基準の中でできる限りのことをやっていきたいなと思っております。
 また、先ほど組織、人員体制につきましてもちょっと言及されましたけれども、今保健所には食品衛生監視員二十名おります。二十名で年間二万件程度の監視指導、また食中毒や苦情の対応等々やっておりますけれども、幸い職員は非常に優秀でございまして、また士気も高いということがございます。そういう中で、職員一同、一生懸命頑張って食中毒の防止に努めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(藤本なおや議員) 以上で鈴木信男議員の一般質問を終わります。
 一番松浦芳子議員。
     〔一番(松浦芳子議員)登壇〕
◆一番(松浦芳子議員) 私は、創新の一員として一般質問いたします。本日最後の質問者ですので、よろしくお願いいたします。
 質問に先立ちまして、このたびの大震災において被害に遭われた多くの地域の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 それでは、杉並区における自衛隊へのかかわり方について、次に、教育基本法と教科書採択についてお伺いいたします。
 初めに、杉並区における自衛隊へのかかわり方についてでございますが、三月十一日の災害後、テレビで被災地の様子を拝見し、いても立ってもいられず、すぐに有志十数人で、トラック三台とワゴン車二台に、水、灯油や歯磨きセット、衛生用品などの支援物資を、原発から三十四キロ地域の避難所や高齢者施設に届けました。そのときに、滑走路やターミナルビルの一階が完全に水没したという仙台空港にも立ち寄りましたが、バスの発着所であったであろうところは、折れ曲がり、ぺちゃんこになった車やばらばらになった家が一緒になって積み重なっており、どこに何があったのか全くわからない状態でした。その瓦れきの固まりの中で、木材を一つ一つ手作業で動かし捜索している自衛隊の皆様と出会いました。余りの状態に、一体空港はいつ使えるようになるのだろうかと心配になりましたが、驚いたことに、自衛隊やアメリカ軍などが瓦れきを撤去し、三月十六日には一部滑走路が使用できる状態となり、おかげで海外からの支援物資も到着できたとのことでした。
 その後二カ月以上たってしまいましたが、電車がまだ復旧されず困っているという山元町の中学校などに自転車を届ける機会がありました。役場で齋藤町長とお目にかかり、お話をお伺いする機会をいただきましたが、山元町はこれまで台風も避けて通るぐらいの災害のない町だったのに、今回の震災で町の約五千五百世帯のうち約二千五百世帯が被災し、移住可能な地域のうち六二%が津波で浸水し、壊滅的被害を受けたとのことでした。余りの甚大な被害に当時は笑うしかなかった、一週間たってようやく現実であることを受けとめ始め、悲しみや複雑な思いが出てきたと話してくださいました。
 新聞などでは、自衛隊の方々が命令がなく動けない部隊もあったと報道されていましたが、山元町では、緊急事態であるのでと、すべて自衛隊にお任せしながら事務やその他の業務をしていったとのことです。そのため、罹災証明書を迅速に住民に渡すことができ、住民の皆様は罹災証明書をもとに補助金や一時金を速やかに受け取ることができたとのことです。それだけでもどれだけ心の支えになったでしょうか。
 緊急時におけるリーダーのとっさの判断によって、地域の多くの状況が違ってくることを強く実感いたしました。自衛隊の皆様による捜索は、黒い泥水に腰まで使って行う過酷な作業だったようですが、五月二十三日には任務を完了した約二千人の自衛官は任地に戻られたとのことでした。庁舎の入り口には、第十師団の皆様、長い間お疲れさまでしたと大きな紙に書かれて張られてありましたし、各避難所の入り口にも、自衛隊の皆様ありがとうと書かれてありました。避難所でお話をしてくださっただれもが、自衛隊の皆様に主人を探していただいたのです、おかげさまで四十九日もきちんとできました、首まで水が来てだめだと思った、そばで家も人も皆流されていった、水が引いてから二階に上がったが、自衛隊の姿が見えたときは助かったと思った、感謝しているなどなど、心からの感謝の言葉を述べられておりました。
 町長は、宮城県の危機管理監として、想定マグニチュード七・五前後の宮城県沖地震を前提に県で防災対策を行ってこられ、防災対策では、自衛隊の出動も想定した上で、自衛隊の皆様の協力を得て行っていたそうです。その際に知り合った自衛隊の方も多く、日ごろから自衛隊の方々と交流をしてきた町長のこれまでの経験が最大限生かされた結果、今回の震災の際、迅速に自衛隊との連携をとることができたようでした。日ごろの自衛隊の方々とのつながりを大切にされていたからこそ、そのきずなが緊急時の役に立ったのではないでしょうか。今回の震災での自衛隊の方々の働きはすばらしいものでした。自衛隊員の姿を見て、被災された方々はどれほど勇気づけられたことでしょう。国民として頭の下がる思いと感謝の気持ちでいっぱいです。
 改めて法律を調べてみたら、自分が自衛隊の最高指揮官であることがわかったというのんきな菅総理、自衛隊を暴力装置と公言した仙谷氏、阪神大震災のとき、憲法違反の自衛隊から食べ物をもらわないで我慢しましょうというとんちんかんなことを言っていた女性議員が、このたびの震災の災害ボランティア担当総理大臣補佐官に任命されましたが、自衛隊を認めず、国防の意識もない政府のもとで、国民の安全はどうなるのでしょうか。常日ごろの自衛隊とのかかわり方はとても重要だと思われますが、杉並区ではこれまで自衛隊とどのようにかかわってきたのか、現状と、今後どのようなかかわりを持っていくのか、区長にお伺いいたします。
○議長(藤本なおや議員) 午後五時を過ぎようとしておりますが、この際、会議を続行いたします。ご了承願います。
◆一番(松浦芳子議員) 次に、新教育基本法と教科書採択について質問いたします。
 平成十八年に新教育基本法が改正されました。新教育基本法では、教育の目標として、二条の五に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」とあり、第五条の二では「国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うこと」とされています。
 本年の教科書採択は、新教育基本法のもとで初めての採択です。先日、数人で教科書の展示会にお伺いしましたが、初めて英語の教科書をごらんになったお母様は、教科書によってこんなに内容が違うとは知りませんでしたと驚いておられました。すべての教科書が検定を通った教科書ですが、随分内容が違います。英語については、他教科と違い、暗唱することもあるのですから、できるだけ温かい内容であってほしいと願っておりますが、相変わらずむごい写真が使われている教科書もありました。音楽は二冊でしたが、どちらもとてもすてきで、とてもきれいでした。ただ、童謡や唱歌が入っておらず、少々残念な気がいたしました。家庭科や保健体育はとても勉強になり、思わず読み入ってしまいそうになりましたが、気になったのは、お父さん、お母さんをパパ、ママと書いてある教科書には少々違和感がありました。
 気になったのは社会科でした。学習指導要領では、歴史的分野の目標として「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる。」とありますが、どこの国の教科書かと思われる記述の教科書がある一方、事実は事実として記載した上で、日本人としての目線で公平に書かれた教科書もありました。成長期の重要な時期の中学生が、歴史を学ぶことによって先人たちの感動の物語を感じ、日本を担う国民としての生きる希望と勇気がわいてくるような歴史教育をしていただきたいものですが、中学生における歴史教育、公民教育はどうあるべきか、まずお聞きいたします。
 各教科書会社は、教育基本法の改正に基づき、学習指導要領の改訂も行われているのですから、それに沿って教科書の編集をしたはずです。しかし、教育基本法や学習指導要領解説書にのっとっているとは思われないような記述の教科書が検定を通っています。
 そこで、他の議員より質問も出ておりましたが、区長及び教育長に幾つかについてご所見をお伺いいたします。
 まず、日本の神話についてですが、学習指導要領の解説書では「神話・伝承などの学習を通して、当時の人々の信仰やものの見方などに気付かせる」とありますが、古事記や日本書紀の単語はありましたが、物の見方には全く触れていない教科書もありました。神話を取り上げる意義についてお伺いいたします。
 次に、天皇についてですが、学習指導要領では、「日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させる。」とあり、小学校学習指導要領でも、「天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。」とあります。天皇が国事行為のみされているような記述の教科書があり、全国民を代表して行われている国事行為の意義や祭祀について書かれてある教科書は少ないのが残念ですが、杉並区の子どもたちには、国事行為の意義とともに、世界に比類ない皇室二千年の伝統と、その皇室をいただく日本の国柄のすばらしさをしっかりと学ばせていただきたいものです。
 このたびの震災時もそうですが、国難のときは、自分の身を顧みず、国民のために祈り、行動されております。日本が敗戦したとき、昭和天皇がマッカーサー司令官を訪問した際、マッカーサー司令官は、自分の身より国民のことを第一に考える昭和天皇の姿勢に大変心を打たれたという話もありますし、天皇陛下が外国を訪問される際には、世界の方々は最大の敬意を持って天皇陛下を迎えてくださっております。ローマ法王は、来日された際に、自ら皇居に赴き、昭和天皇に謁見されたと聞いております。平成二十一年の中国の習近平国家副首席来日の際に、陛下の日程を無理やり変えさせ、陛下を政治利用しようとした政治家もいましたが、とんでもないことです。天皇の行う国事行為の意義を生徒に教える必要性についてのお考えをお伺いいたします。
 次、自衛隊についてですが、学習指導要領中学校社会科解説書では、自衛隊が果たしている役割を正しく教えるように追加改正されています。しかし、国土防衛や災害派遣で活躍している自衛隊に対して、武器を持たないというのが日本国憲法の立場ではなかったかという意見もあるという教科書や、平和主義に反するのではないかと書かれている教科書もありました。このたびの震災後の自衛隊の活躍には多くの国民が感謝の念を送ったはずです。区長は自衛隊が果たしている役割についてどう考えておられるでしょうか。
 国旗・国歌についてですが、学習指導要領では「国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させ、それらを尊重する態度を育てるよう」に求めていますが、国家間における国旗・国歌の尊重の記述はあっても、日本の国旗・国歌には触れない公民教科書もあります。国際化時代に自分の国の国旗や国歌の意義も教えないで、対等な国際人として活動していけるのでしょうか。国旗・国歌の意義を正しく教える必要性についてのお考えをお伺いいたします。
 領土問題についてですが、領土問題は国にとって大変な重要な問題ですが、学習指導要領には「『世界平和の実現』については、領土、国家主権、主権の相互尊重、国際連合の働きなど基本的な事項を踏まえて理解させる」とあります。解説書でも、北方領土や竹島が不法に占拠されていることを理解させるとあります。竹島や尖閣諸島について、日本固有の領土であることを明確に記述している教科書もありますが、全く記述がない教科書もあり、外務省の公式見解と異なる見解を唱える教科書もありました。日本の領土問題を正しく学ぶ必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、拉致問題ですが、拉致は人権侵害、主権侵害の国家犯罪でありますが、日本との関係では拉致問題が残り、北朝鮮との関係は好転していませんと、北朝鮮による拉致問題が北朝鮮との関係好転を阻害している問題であるかのような記述をしている教科書がありました。四月の衆議院拉致問題特別委員会では、古屋議員が中学公民教科書について拉致問題に関する記述を具体的に比較して質問していました。その質問に対して中野拉致担当大臣が、よく書いてくれたと、ある教科書の拉致問題の記述に対して敬意をあらわした答弁をされていますが、拉致問題に関する記述が教科書により大きく異なることについての見解をお伺いいたします。
 また、主権を侵害することについての考えをお聞かせください。横田めぐみさんの拉致を指揮した北朝鮮の辛光洙という日本人拉致犯人の助命嘆願書に署名した菅総理でさえ、拉致問題について、我が国に対する主権侵害かつ重大な人権侵害である、許しがたい行為であると述べておられますが、いかがでしょうか。
 次に、人種的差別撤廃提案についてですが、日本人はかつて、大正八年、第一次世界大戦後のパリ講和会議において、議題の一つとして人種的差別撤廃を提案したことがありました。大多数の賛成を得ながら、残念ながらアメリカやイギリスなどの反対で否決され、実現はしませんでしたが、世界中が欧米の植民地であった時代に毅然とこの提案をした先人たちがいたことは、日本人として誇れることです。パリ講和会議に関する記述は教科書によって全く違いますし、ほとんどの教科書には、人種的差別撤廃提案については残念なことに掲載されておりません。
 さらに、歴史上の人物についてですが、国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物を尊重するようにと学習指導要領にありますが、悠久の歴史をつくってきた先人の物語は子どもたちの心をわくわくさせるはずです。多くの先人たちがいるため、限られたスペースの中でどの人物を入れるかは大変難しいところですが、これは日本の子どもたちが学ぶ教科書だろうかと首をかしげたくなる人物を取り上げている教科書もあります。ある教科書では、江戸時代のアイヌの首長であるシャクシャイン、平安時代の蝦夷の首長であるアテルイが取り上げられてあり、アイヌ出身の元民主党参議院議員は写真入りで詳しく取り上げられていました。江戸時代後期には、農村復興政策を指導し、勤労、分度、推譲の教えを説いたという二宮尊徳は、かつては各学校の校庭に銅像がありました。しかし、多くの教科書には載っていません。神武天皇が初代の天皇ということも載っていない教科書もありますが、外国で聞かれて答えられない中学生では困ります。
 日本人の誇りとなるパリ講和条約における人種的差別撤廃提案などの歴史的事象や歴史上の人物を正しく教えることは、子どもたちが先人を尊敬し、生きる希望や勇気を持つことにつながると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。人種的差別撤廃提案について、現在はどのように教えておられるのでしょうか、気になるところでもあります。
 また、どの教科書にも振り仮名が多過ぎます。名前の読み方ですが、孫文をスンウェン、蒋介石をチャンチェシー、毛沢東をマオツォトンと読ませている教科書もあります。何を意図しているのかわかりませんが、全国一つだけの国定教科書を選ぶわけではありませんので、これでは転校生や違う地域の学校の生徒と話すときに戸惑ってしまうのではないでしょうか。
 韓国併合や戦争に至った経緯についてですが、韓国併合については、朝鮮は、皇民化の名のもとに、日本語の使用や姓名のあらわし方を日本式に改めさせる創氏改名を推し進めましたと書かれた教科書や、植民地経営の一環として米の作付が強いられたり、日本語教育など同化政策が進められたと、近隣諸国条項に配慮した教科書となっています。しかし、日本の軍人の将校の中には韓国名の優秀な人もおりましたし、韓国は日本が併合した後のほうが人口は増え、普通学校生徒数も増えております。大学も、大阪や名古屋大学より先に韓国につくられました。そのような事実があったこともあわせて教えてほしいものです。韓国が併合された経緯には詳しく触れていない教科書が多く、併合に反対であった伊藤博文が安重根に暗殺されたことにさえ触れない教科書もあります。
 教育基本法が改正され、教科書から強制連行の文字はなくなりました。外務省調査によれば、昭和十九年九月から翌年三月まで国民徴用令が朝鮮半島に適用されたことはありましたが、徴用で動員された方々も戦後帰国され、本国に帰らなかった韓国の方は二百四十五人ということです。なぜこれまで強制連行という記述がされて子どもたちの心を傷つけていたのでしょうか。
 第二次世界大戦においても、なぜ戦争になってしまったのかについては、ほとんど記述がありませんでした。インドのパール判事は、東京裁判でハル・ノートについて、アメリカが日本に送ったのと同一の文章を他国に送れば、非力なモナコ公国やルクセンブルク公国でさえ必ずアメリカに対して武力をもって立ち上がるだろうと語ったと言われておりますが、このハル・ノートなどについても記述がない教科書があります。
 敗戦後七年の占領時代に、GHQの占領政策によって行われた戦争への贖罪感を日本人の心に植えるための宣伝計画である、いわゆるウオー・ギルト・インフォメーション・プログラムが巧妙になされたため、戦後生まれの私たちは日本が悪いとの贖罪意識を持つ者が多くなっています。しかし、事実をきちんと検証すれば、いつの時代も懸命に生きていた日本人がいたことに気づきます。このことを子どもたちに教えてほしいものです。韓国併合や戦争に至った経緯についての見解をお伺いいたします。
 教育委員の方々は、採択までにすべての教科書を精読し、これから日本を担っていく中学生にとって一番よい教科書を採択してくださると思いますが、教育基本法や学習指導要領にのっとった教科書を採択する必要性について、教育長の見解をお伺いいたします。
 教科書展示会に一緒に行ってくださったあるお母様は、中学生が三年間で学ぶ教科書を短時間で見ようとしても限界がある、教科書についていろいろ思うことはありましたが、一番大切な点は教師の教養とか資質なのだと思いますと感想を述べてくださいました。教育基本法の第九条の「教員」の部分には「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」とありますが、教師は単なる労働者ではないのですから、崇高な使命を自覚し、研さんして子どもたちと接してほしいと願っております。
 以上、質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 松浦芳子議員のご質問にお答えを申し上げます。
 杉並区と自衛隊とのかかわりについてのお尋ねにお答えいたします。
 区では、自衛隊法九十七条一項に基づいて、市区町村長が行うとされている自衛官募集に関する事務の一部として、募集ポスターの区内への掲示や区広報への掲載などを行っております。
 また、危機管理関連については、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第四十条四項二号に基づく国民保護協議会、杉並区防災対策条例第十条五項七号に基づく防災会議への参加のほか、総合震災訓練にも防災関係機関の一つとして参加をしております。
 私も、被災地での遺体捜索や瓦れきの撤去など、自衛隊の活動を報道などで見るにつけ、感謝するとともに頭の下がる思いでおります。自衛隊についてはさまざまな意見があることを承知しておりますが、危機管理の上で極めて重要な役割を担っていただくことになりますので、来るべき発災時に連携が図れるよう、引き続き良好な関係の維持に努めてまいりたいと考えております。
 残りの質問につきましては、関係部長等よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 済美教育センター所長。
     〔済美教育センター所長(玉山雅夫)登壇〕
◎済美教育センター所長(玉山雅夫) 私から、教育基本法と教科書採択に関する質問にお答えいたします。
 初めに、歴史教育、公民教育についてのお尋ねですが、本教育は、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者をはぐくむことを目的としております。学校における歴史教育、公民教育は、学習指導要領の定めるところに従って適切に進めていくべきものと考えております。
 次に、社会科の指導内容の受けとめ方にかかわるご質問にまとめてお答えいたします。
 神話を取り上げる意義、自衛隊の任務、天皇の行う国事行為の意義、日本の領土問題、国旗・国歌の意義を正しく教える必要性についてのお尋ねですが、これらについては、学習指導要領に基づいて適切に指導することが重要であると考えます。
 次に、拉致問題に関する記述のお尋ねですが、教科書により取り上げ方はそれぞれですが、すべて国の検定を通ったものであると認識しております。
 次に、史実や歴史上の人物を教えることについてのご質問にお答えいたします。
 小学校においては、我が国の歴史や先人の働きについて学ばせることにより、我が国の歴史への興味、関心を深めるとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てることにつながるものと考えております。中学校においてもこれは変わらないものと考えます。
 続いて、韓国併合や戦争に至った経緯についての見解のお尋ねですが、教育委員会として見解は持っておりません。
 最後に、採択する教科書に関するご質問にお答えいたします。
 採択の対象となっている教科書はすべて文部科学省の検定を通ったものであり、教育基本法及び学習指導要領に即した教科書であると認識しております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で松浦芳子議員の一般質問を終わります。
 以上で日程第一を終了いたします。
 議事日程第三号はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会をいたします。
                  午後五時十八分散会