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東京都 杉並区

平成23年第2回定例会−06月14日-08号




平成23年第2回定例会

平成二十三年第二回定例会杉並区議会会議録(第八号)

平成二十三年六月十四日 午前十時開議
出席議員四十八名

 一番  松  浦  芳  子
 二番  新  城  せ つ こ
 三番  堀  部  や す し
 四番  す ぐ ろ  奈  緒
 五番  そ  ね  文  子
 六番  横  田  政  直
 七番  山  田  耕  平
 八番  市  来  と も 子
 九番  木  梨  もりよし
一〇番  佐 々 木     浩
一一番  け し ば  誠  一
一二番  山  本  ひ ろ こ
一三番  奥  山  た え こ
一四番  小  松  久  子
一五番  大 和 田     伸
一六番  田  中 ゆうたろう
一七番  今  井  ひ ろ し
一八番  浅  井  く に お
一九番  富  田  た  く
二〇番  金  子 けんたろう
二一番  山  本  あ け み
二二番  山  下  かずあき
二三番  増  田  裕  一
二四番  中  村  康  弘
二五番  北     明  範
二六番  川 原 口  宏  之
二七番  市  橋  綾  子
二八番  吉  田  あ  い
二九番  脇  坂  た つ や
三〇番  大  熊  昌  巳
三一番  藤  本  な お や
三二番  岩  田  い く ま
三三番  原  田  あ き ら
三四番  くすやま  美  紀
三五番  鈴  木  信  男
三六番  安  斉  あ き ら
三七番  小  川  宗 次 郎
三八番  河  津  利 恵 子
三九番  大  槻  城  一
四〇番  渡  辺  富 士 雄
四一番  島  田  敏  光
四二番  横  山  え  み
四三番  関     昌  央
四四番  大  泉  時  男
四五番  斉  藤  常  男
四六番  井  口  か づ 子
四七番  富  本     卓
四八番  小  泉  や す お


出席説明員
 区長           田 中   良
 副区長          松 沼 信 夫
 副区長          菊 池   律
 政策経営部長       高   和 弘
 政策法務担当部長     牧 島 精 一
 区長室長         与 島 正 彦
 危機管理室長新型インフルエンザ対策担当参事
              井 口 順 司
 区民生活部長       佐 藤 博 継
 保健福祉部長       長 田   斎
 高齢者担当部長      武 笠   茂
 子ども家庭担当部長    森   仁 司
 杉並保健所長       深 澤 啓 治
 都市整備部長       上 原 和 義
 まちづくり担当部長    大 塚 敏 之
 都市再生担当部長     岩 下 泰 善
 土木担当部長       小 町   登
 環境清掃部長       原   隆 寿
 会計管理室長(会計管理者) 遠 藤 雅 晴
 政策経営部企画課長事務取扱政策経営部参事
              徳 嵩 淳 一
 区長室総務課長      内 藤 友 行
 教育委員会委員長     大 藏 雄之助
 教育長          井 出 隆 安
 教育委員会事務局次長   吉 田 順 之
 教育改革担当部長     渡 辺   均
 済美教育センター所長   玉 山 雅 夫
 中央図書館長       本 橋 正 敏
 選挙管理委員会委員長   小 林 義 明
 代表監査委員       四 居   誠
 監査委員事務局長     和 田 義 広



平成二十三年第二回杉並区議会定例会議事日程第二号
                平成二十三年六月十四日
                     午前十時開議

第一  一般質問

○議長(藤本なおや議員) これより本日の会議を開きます。
 出席議員の数は定足数に達しております。
 会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。
 これより日程に入ります。
 日程第一、区政一般についての質問に入ります。
 四十番渡辺富士雄議員。
     〔四十番(渡辺富士雄議員)登壇〕
◆四十番(渡辺富士雄議員) おはようございます。区議会公明党の一員として、区政一般における質問を行わせていただきます。
 質問に先立ちまして、東日本大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 それから、三月十一日の議会最終日の本会議場で、あの未曾有の大震災直後、議会を再開し、防災服に身を包んだ理事者を前に、日ごろより区民のためにと声高に叫んでいる私たち議員の中から、だれも議会をとめよう、終わらせようという声の上がらなかったことは残念でなりません。何のための議会改革か、だれのための区議会か。被災し、苦しんでいる区民のもとへ一秒でも早く駆けつけるべきでした。私自身、猛省しております。今後、議会改革を進める上で、二度とこのようなことのない議会をつくり上げていかなければならないと考えます。
 では、質問に入ります。
 初めに、杉並区の震災対策について伺います。
 まず、昨年策定された杉並区BCP(業務継続計画)震災編について伺っていきます。
 平成十七年、現在復興支援を行っている南相馬市、当時の原町市と災害時相互援助協定を締結する際、リスクを分散させるため、ICTにおける協定を提案するとともに、当区のバックアップシステムの問題点を指摘し、改善を求めました。また、震災におけるリスクマネジメントの観点から、BCPの早急な策定も提案をしました。
 平成二十年第三回定例会では、我が会派の中村議員よりBCPについて具体的な質問がなされ、昨年、杉並区業務継続計画が三分野において策定されました。今回の東日本大震災において壊滅的な被害を受け、完全に行政機能が停止した自治体のケースを除き、復旧に多大な時間を要したことから、BCPの重要性がさらに高まったと言えます。
 今回の大震災で、「想定外」という言葉が多く使われました。被害の要因が、地震によって引き起こされた津波と原発事故という、近代社会では経験し得なかった、大規模で、そして複合的な災害に直面したからであります。脅威や被害の想定はリスクマネジメントやBCPなどの起点であると言われておりますが、この想定を間違えると結論が大きく変わってしまいます。それは、各被災地域での被害状況の程度にあらわれていると思います。区としても、今後、地域防災計画等の見直しを行っていく上で、想定については十分研究、検討すべきことと考えます。
 想定という意味では、当区においては、今回震度五弱であったことから、BCPが発動されませんでした。人的被害、建築物の被害は少なかったものの、交通機関、通信インフラの麻痺、想定外の原発事故は、行政機能に少なからず影響をもたらしました。策定された計画では区内の震度を六弱と想定したものですが、今回の件を教訓として、それ以下の震度でも発動できる計画とすべきと思いますが、ご所見を伺います。
 今回の問題点の一つとして、発災直後の通信網の麻痺によって、一時的に情報伝達、情報収集が不能になったことが挙げられます。地震発生直後から、電話回線や携帯回線に利用者が集中したため、かかりにくい状態が続き、各携帯事業者のメールサーバーもパンク状態となって、区民の間からは、家族の安否確認ができず大変不安であったとの声が多く聞かれました。情報化社会において、情報の遮断は混乱を引き起こす重大な要因であります。
 そこで、災害時における通信網の整備について伺っていきます。
 杉並区は、関係各所に地域防災無線やMCA防災無線を配備していますが、今回、震災救援所等の連携に機能しなかったとの指摘があります。実際、当日、地域の震災救援所を回りましたが、情報のやりとりができない状況でした。無線の設置場所、管理の問題、マニュアルの徹底等、改善すべき点が多くあると思われます。
 さて、一般電話、携帯回線などが麻痺する中で、注目されたのがインターネットであります。ネット環境が打撃を受けなかったことから、情報発信、情報収集に大きな効果を発揮しました。
 私は、三月十一日の震災当日の夜、区役所の防災センターから、ツイッターを使って、震災救援所の開設や帰宅難民受け入れなどの杉並区の震災情報をつぶやき続けました。情報を求めて多くの帰宅困難者や区民が多数フォローする、つまり、私の情報を見ていることがわかりました。申しわけないと思いましたけれども、関係者に対し、リアルタイムで情報提供するために、杉並区のツイッターの公式アカウントをとって情報発信するように、強力に、そしてしつこく迫らせていただきました。
 そして十八日、杉並区のつぶやきが始まりました。情報への関心の高さから、その日のうちに数千人がフォローし始めました。ツイッターのようなソーシャル・ネットワーク・システム(SNS)は、インタラクティブな性格を持つことから、杉並区として、行政的なリスクを考慮しながらも、情報発信力の重要性にかんがみ、公式アカウントの取得を決断したことは大いに評価するところです。
 今回の大震災でメールが送受信できなくなる中、SNSはストレスなく動き続け、安否確認や情報収集に役割を果たしたことが大きな話題となり、注目が集まりました。こうしたSNSを活用した行政情報の発信は、各自治体で取り組みが始まっています。今後、フェイスブックやユーストリーム、ユーチューブなどのSNSの活用についても、区として研究、検討していただきたいと要望するものです。
 区内で快適なネットライフを実現する区民サービスとして、これまで杉並まるごとWi-Fi化と銘打って、災害時の通信インフラとしてでも利用できる公衆無線LANの活用を提案してきましたが、その後の進捗状況について伺います。
 また、非常時の活用も含め、区民サービスの観点から、無料でできるフリースポットの設置も検討していただきたいと思いますけれども、ご所見を伺います。
 衛星電話や、以前議会でも取り上げられたコミュニティFM放送局の設置など、さまざまな情報伝達手段の可能性についても研究すべきと考えますけれども、今後の災害時における通信網の整備についてのご所見を伺います。
 現在、杉並区は、公式ホームページと「広報すぎなみ」によって行政情報を発信していますけれども、区内人口の約三分の一を占める若年層への周知が課題となっております。
 そこで、今、爆発的な普及をしているスマートフォンに注目したいと思います。情報端末としてネットを利用するスマートフォンは、これまでの社会環境、生活環境を一変させるほどの力を持っています。特にネット依存度の高い世代に対して、「広報すぎなみ」を初めとした区の発行する情報紙の閲覧、また防災情報の新たなメディアとして、スマートフォン用のアプリを活用した行政情報の発信を検討してはどうか、ご所見を伺います。
 次に、システム関連について伺います。
 これまで私たちは大震災に対する最低限の備えをしてきたと信じていました。リスクマネジメント、BCP、ディザスターリカバリーなど、その重要性とコスト負担を見きわめながら取り組んできたところです。しかし、今回の東日本大震災は、これまでの災害対策の常識をひっくり返しました。情報システムやデータセンター、通信インフラなどについて、どの技術、どの対策が有効で、どれがだめだったのかを冷静に振り返り、新たな対策を見出さなければならないと考えます。例えば、被災した自治体においてシステムが水没、また流されて、重要なデータが消滅したことが大きな問題となったことで、ディザスターリカバリーを考慮したシステム構築の重要性がクローズアップされてきました。
 まず、原発問題を契機に、電力不足による節電対策という新たな課題が突きつけられておりますけれども、コンピューター及びサーバーの節電と停電対策はどのようになっているのか、伺います。
 また、杉並区の業務継続計画において詳細な記載はありませんが、システム関連独自のBCPは策定されているのか、伺います。
 次に、リスクマネジメントの観点から、メーンフレームコンピューター及びホスト系サーバー等の重要なハードシステムの本庁舎外への移設、またデータのバックアップ体制の強化については、過去、議会答弁において、区として重要課題として取り組む姿勢を見せました。この震災を受けて、改めて検討を急ぐ必要があると思いますけれども、ご所見を伺います。
 今回の震災で、行政におけるクラウドコンピューティングの価値が再認識されました。被災した行政のシステムがダウンする中、クラウドサービスによって情報収集、伝達が行われ、復旧支援に大きく寄与したことは、今後の行政システムの方向性を考える上で重要な出来事だったと思います。システム構築の迅速さというクラウドの特徴と、災害対策に求められる速報性がうまく結びついた結果と考えられます。
 政府が公表したi-japan戦略二〇一五において、行政情報システムの全体最適化をさらに推進するため、電子自治体クラウドの構築等により、行政情報システムの共同利用や統合・集約化を進めることと明記されています。ほかの自治体との共同クラウドの構築については課題が多くあると考えますが、区独自のプライベートクラウドの構築は、震災対策のみならず、行政改革にも大きな役割を果たしていくことができるものと考えます。当区でも、情報基盤としてクラウドコンピューティングへの取り組みが必要と考えますけれども、ご所見を伺います。
 次に、GIS(地理情報システム)についても伺います。
 防災及び震災後の情報収集、分析、また住民への情報提供として、GIS(地理情報システム)の活用は有効であることから、各自治体で導入されてきました。これまで議会で何度も取り上げさせていただきましたけれども、当区における導入状況はどのようになっているのか、また災害対策のツールとして活用されているのか、お伺いいたします。
 次に、帰宅難民対策について伺います。
 今回の地震発生が平日の昼間であったこと、また、ほぼすべての公共交通が停止したことから、多くの帰宅困難者が発生し、区内を横切る主要道路は夜遅くまで多くの帰宅者であふれました。寒さと空腹と疲れで大変な思いをしながらの帰宅者に対し、杉並区は、救援所として区内施設を開放するとともに、区役所一階で温かい飲み物と非常食を振る舞いました。現場に居合わせましたが、多くの方の感謝の声を聞きました。不眠不休で頑張っていた職員の皆様に対し敬意を表するとともに、すばらしい対応であったと評価するものです。
 しかしながら、首都直下型地震が発生した場合、震災救援所へ地域住民が多数避難してくることが考えられますが、その場合、帰宅困難者への対応はどのように考えているのか、ご所見を伺います。
 次に、教育委員会に伺います。
 地震発生時には校内に多くの子どもたちが残っていました。日ごろより震災訓練や防災教育等を行っていると思いますが、まず、区内小中学校における震災時の課題について伺います。
 また、保護者が帰宅困難者で、子どもを引き渡すことができないケースがあったとのことですが、詳細についても伺います。
 当日、区内六校の中学校の生徒が卒業遠足先のディズニーランドで被災しましたが、学校、また教育委員会の迅速な対応で、受け入れ先と輸送手段の確保が行われ、大事には至りませんでした。状況によっては難しい場面も想定されますが、児童の安全確保における引き渡しの方法についての課題と今後の取り組みについてお伺いします。
 次に、まちづくりの考え方について伺います。
 区長は、所信表明において、今後の杉並区のまちづくりに言及しましたが、今回の震災への対応を含め、住宅都市杉並の今後のまちづくりの方向性についてはどのように考えていくのか、伺います。
 また、防災に関連して、阿佐ケ谷駅周辺整備について伺います。
 阿佐ケ谷駅周辺の浸水対策として、貯留管設置工事が進んでいますが、進捗状況と完成予定時期を伺います。
 また、南口駅前広場の復旧について区としてどのような方向性を考えているのか、ご所見を伺います。
 続いて、今後の復興支援について伺います。
 今回の地震で妻の実家が被災しました。福島県富岡町、事故を起こした福島第一原発からわずか五キロほどの第二原発のある町です。実家は海から三百メートルほどのところにあったため、残念ながら津波で流されてしまいました。地震発生から三日目に届いた一本のメールで、家族全員無事に避難所にいることがわかりました。しかし、孤立した避難所は食料不足で、ライフラインも断たれ、車のガソリンは底をつき、身動きとれないという状況でございました。震災当初の混乱の中、非常食と水と薬を車に積み込み、四日目の夜中、現地に向かいました。通行どめの道路を迂回しながら、何とかたどりついた山間部の避難所は、氷点下で凍てつくような寒さの中、体育館の床に段ボールを敷いて、毛布にくるまって寒さをしのぎ、口に入るものといえば、二日前の冷たいおにぎりを一日二個だけという大変厳しい環境の中で、被災者の皆さんは身を寄せ合うようにしていました。運んできた四百人分の非常食と水はわずか一食分、それでも町長を初め避難所の方たちに大変喜ばれました。その後も避難所の職員の方と連携をとりながら、支援のお手伝いを続けさせていただいております。
 避難してきた高齢の義父が繰り返しつぶやく言葉があります。いつになったら戻れるのかと。この議場にも親族、友人、知人が被災された方がいらっしゃると思いますが、被災した家族を持つ当事者として、震災で家族や家を失い、原発によってふるさとまで奪われてしまった被災者の方々の苦しみをどうすれば取り除いてあげることができるのかと考える日々です。
 さて、震災から三カ月が経過し、当初の被災者救援から、インフラ整備や行政機能の復旧、そして被災地全体の復興支援へと変わってきました。これまでそれぞれの被災地への救援、復興支援において、自治体間の相互援助協定が実効力を発揮してきました。協定を結んでいるのは千五百七十一市区町村と、全国の自治体の約九割に達しております。今回、協定に救われたのは被災地だけではありませんでした。都内の水道水から乳幼児向けの飲料基準を上回る放射性物質が検出され、安全な水の確保が困難になるという事態が起こりましたが、協定先の自治体からの提供によって確保することができたという区がありました。
 現在、杉並区は四カ所の自治体と協定を結んでいますが、一番多く協定を結んでいるところは小田原市の百三十六カ所であります。多ければいいというものではありませんが、現在の協定先は、人口、財政規模とも杉並区とは大きく違っており、地域も東日本に偏っています。首都直下型地震を想定するならば、西日本方面、そしてある程度規模の大きな自治体との提携も必要であると考えます。そういった観点から、今後、災害時相互援助協定を結ぶ自治体を増やすべきと考えますけれども、区のご所見を伺います。
 今回の震災では、区は、被災自治体に職員を派遣するなど支援を行っておりますけれども、本来は国が果たすべき役割が大きいはずです。しかしながら、これまでの政府の対応は後手に回ってきました。
 そこで、各自治体への災害復興支援はどうあるべきか、区のご所見をお伺いします。
 災害時相互援助協定を結んだ南相馬市に対し、地震発生後間もない三月十六日より、救援物資の提供、被災者の避難受け入れ、職員の派遣、義援金の受け付け、チャリティーバザーの開催等、積極的に支援を行ってきました。南相馬市の復興は、原発事故収束の見通しが立たない現在、相当長い時間がかかることが想定されますが、復興支援の今後の方向性についてお伺いします。
 復興もこれからが正念場と言えます。今後、時間の経過とともに震災に関するメディアの取り上げ方も少なくなってくると思われます。復興支援に対する意識の風化を食いとめるためにも、長期的な復興支援の枠組みをつくっていくことが必要であると考えます。
 そこで、継続的な支援を安定的に行うための財政基盤づくりという観点から、例えば区独自の復興支援基金の創設を提案したいと思いますが、区のご所見を伺います。
 以上、一人の日本国民として被災地の一日も早い復興を心からお祈りし、質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 渡辺富士雄議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 被災自治体に対する支援についてのご質問にお答えいたします。
 まず、各自治体への災害復興支援はどうあるべきかについてでございますが、今回の震災においては、本区を初めとする市町村間による支援のほか、関西広域連合のように、県ごとに担当県を決めていち早く支援に当たるものがあるなど、多様な支援の形態が見られました。市町村が被災すれば、そこの県が対応するべきであるということは当然のことでございますが、今回のような広域的災害の場合には、救助に行けるところが速やかに対応するという迅速性が極めて重要であり、県による垂直的支援のほか、市町村レベルでの水平的支援も行える仕組みとして、その取り組みを国が責任を持って財政的に支えていくということが、これからの災害復興支援のあり方として重要ではないかと考えております。
 次に、南相馬市の復興支援の今後の方向性についてでございますが、初動対応としては、物資の支援や義援金の募集、避難者の受け入れや避難生活のサポートなどが中心でございました。現在では、物的支援が落ちつく一方で、復興に向けたプランづくりの支援や、人手が足りない市役所の一般業務というか、市役所サービスの支援などの人的支援が増えているというところでございます。
 今後については、避難所支援がいずれ終息に向かう一方で、避難者が市内に徐々に戻ってまいりますので、福祉サービスを初めとする行政需要への人的支援の必要性というものがますます高まっていくのではないかと考えております。
 最後に、復興支援基金についてでございますけれども、この間区は、物的支援、人的支援などさまざまな形で支援を行って、義援金についても、一億四千万円を超える金額が南相馬市に対して集まっておりますけれども、ご指摘の基金については、一つの方法かとも考えられますので、可能性の有無も含めて考えさせていただきたいというふうに思います。
 私からは以上でございます。残りの質問につきましては、教育長並びに関係部長からご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、災害対策を初めとする所管事項についてお答えいたします。
 初めに、業務継続計画のお尋ねですが、今回の東日本大震災では、区内の最大震度は五強であったため、業務継続計画に伴う対応はいたしませんでした。しかしながら、本来業務と並行して、災害対策本部の設置や震災救援所、救援隊本体の開設などに伴う応急対策業務を実施し、交代要員の確保などで課題も生じましたので、ご指摘のとおり、震度五強でも発動できる計画に改定していくことは必要であると認識しております。
 次に、今後の通信網の整備のお尋ねですが、今回の震災では電話がつながりにくい状態となりましたが、現在、電話回線以外の区の通信手段としましては、東京都とは都防災行政無線、警察、消防、ライフラインなどの防災関係機関や民間協力団体などとは、地域防災無線により通信することとなります。また、震災救援所や主な区有施設とは、地域防災無線に加えて、MCA無線でも通信することができます。
 今後につきましては、現在のMCA無線は平成二十六年三月三十一日で使用できなくなることから、機器の更新をしてまいりたいと考えておりますが、通信網全般としては、一定の整備を行っているものと認識しております。
 次に、首都直下地震での帰宅困難者への対応のお尋ねですが、今回の震災では、特に都心区において帰宅困難者への対応が問題となりましたが、当区の場合は、一部混乱もありましたが、すべての震災救援所を開設していたので、青梅街道沿いに面した震災救援所を中心に、一時休憩所として受け入れを行うとともに、区役所ロビーでも臨時に受け入れを行い、大きな混乱とはなりませんでした。
 ご指摘の、首都直下地震においての地域住民と帰宅困難者との両立につきましては、地域住民が震災救援所に殺到するような被害となった場合は、道路状況も悪く、帰宅困難者は減少することから、両立は可能であると考えております。
 私からの最後に、災害時相互援助協定のお尋ねについてでありますが、今回の震災に伴う自治体間の支援状況を見ますと、当区を含め、協定を締結している自治体では速やかな支援が行われており、協定自治体を増やすことは心強さにつながるものと考えております。
 また、遠方の自治体とは、地域のバランスを考慮するとともに、近隣といった点では、特別区とは既に締結していますが、武蔵野市や友好自治体の青梅市と結んでいくことも必要であると考えています。
 なお、締結に当たっては、当区と財政規模が近い自治体が望ましいとも考えておりますが、相手のある話ですので、当区の思いだけでは決められないことが課題であると存じます。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、災害時におけるシステム運用を初めとした、所管する事項についてお答え申し上げます。
 まず、公衆無線LAN活用の進捗状況についてでございますが、当初は三月中に設置の予定でございましたが、震災の影響で設置が遅れ、四月に三カ所へ設置し、残り二十一カ所につきましては、今月中の設置を目標に取り組んでいるところでございます。七月上旬には運用開始の予定でございます。また、お話のフリースポットにつきましても、検討を進めているところでございます。
 次に、区が運用しているコンピューター等の節電と停電対策についてのお尋ねですが、現在、コンピューター等につきましては、ファシリティーチェックを行い、安全性を確認した上で、機械室の空調の一部停止や大型高速プリンターの待機電力削減など、システムの維持に必要な最低限の電力により運営してございます。
 また、停電対策といたしましては、本区では一定の電圧で周波数を維持できるCVCFやUPSなどの無停電装置を装備し、加えて、停電時には自家発電を活用し、安全にコンピューター機器を停止できる状態となってございます。
 次に、システムの業務継続計画についてのお尋ねですが、区のシステムの統合的な業務継続計画につきましては、現在、保守事業者との協議や調整により、計画を実施する上での必要な具体的手順などを策定しているところでございます。また、基幹業務でございます住基システムなどでは、緊急時対応マニュアルを既に整備して、緊急時の業務継続要員の割り当てなどを行い、運用してございます。
 次に、重要なハードシステムの本庁舎外への移設、クラウドコンピューティングへの取り組みとデータのバックアップ体制の強化に関するお尋ねでございますが、大規模災害を想定した場合、システムの継続運用とデータ保護を考えますと、ハードシステムの本庁舎外への移設等は、今後検討を要する課題の一つであると認識してございます。
 また、クラウドコンピューティングにつきましては、地域情報プラットホームや自治体クラウドなど、総務省が中心となって新たな取り組みがなされておりますので、この動きを注視していきたいと考えております。
 区における情報のバックアップ体制でございますが、現在、遠隔地におけるバックアップデータの二世代保管や、藤沢市などと通信の災害協定を提携し、取り組んでいるところでございます。また、別途、住民基本台帳全件リストを即時印刷できる形式に編集したデータを保管する予定でございまして、バックアップ体制のさらなる強化を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、GIS(地理情報システム)につきましては、平成二十年度から導入し、清掃業務や交通対策に活用しております。今回の震災におきましても、震災後の被害調査の解析に活用しております。また、現在、災害対策のツールとしての活用について検討を進めているところでございます。
 私からの最後に、今後の区のまちづくりの方向性に関するご質問にお答えいたします。
 杉並区は、関東大震災以降、住宅都市として発展してまいりましたが、これからもその基本的性格は大きく変わることはないものと考えてございます。区では今後とも、その住宅都市としての価値を、ソフト、ハードの両面から高める取り組みを進め、だれもが健やかに豊かに暮らすことのできる、質の高い住宅都市杉並を築き上げてまいりたいと考えてございます。そのためにも、今回の東日本大震災を教訓に、不燃化や耐震化の一層の促進、自然エネルギーの有効活用、さらに、共に支え合う新たなコミュニティ施策の展開などを一層進め、だれもが安心して暮らすことのできる安全な住宅都市杉並を築いてまいりたいと考えてございます。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 区長室長。
     〔区長室長(与島正彦)登壇〕
◎区長室長(与島正彦) 私からは、新たな広報手段としてのスマートフォンアプリの活用についてお答え申し上げます。
 ことしに入ってから、スマートフォンが急速に普及していることや、新聞、雑誌などの電子書籍版を提供するサービスが数多く出現してきていることから、新たな情報伝達手段として、区としましても注目しているところでございますので、活用する際の発展性や費用対効果など、今後研究してまいりたいと考えております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 土木担当部長。
     〔土木担当部長(小町 登)登壇〕
◎土木担当部長(小町登) 私からは、阿佐ケ谷駅周辺浸水対策事業についてのご質問にお答えします。
 この事業は、東京都下水道局が阿佐ケ谷駅周辺の浸水被害の軽減を図ることを目的に、平成二十年度から取り組んでいる事業でございます。事業の内容は、中杉通りの地下に約二千四百立方メートルの容量の雨水貯留管を設置するもので、現在、シールド工法による貯留管の設置が完了し、既設下水管との接続工事が行われているところでございます。
 工事の完成時期は、南口駅前広場の復旧を含めて、平成二十三年度中の予定と聞いてございます。
 南口駅前広場の復旧につきましては、既存のみどりや噴水、公衆トイレなどを残しながら、地域の催し物などに利用しやすいよう、可能な限り広場面積を確保する方向で考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育長。
     〔教育長(井出隆安)登壇〕
◎教育長(井出隆安) 私からは、震災時における学校の課題等についてお答えをいたします。
 初めに、区立学校における震災時の課題についてですが、区立学校ではこれまでも、さまざまな状況を想定した避難訓練を実施し、災害に備えてまいりました。今回の震災時には、日ごろの訓練の成果が生かされ、全児童生徒の安全を確保することができました。
 しかしながら、断続的に発生する余震や公共交通機関の運転見合わせなどの状況下において、児童生徒を下校させるか、あるいは学校に待機させるかといった判断の難しさに加え、電話等の不通により保護者への連絡がつかず、引き取りが困難であったことなど、課題も明らかになりました。
 次に、震災時における児童生徒の引き渡し状況等についてですが、保護者自身が勤務先等から帰宅することができず、子どもを引き取ることが困難であったため、翌日まで児童を預かっていた学校は、小学校で八校ありました。その中には、引き渡し最終時刻が翌日の午前十一時ごろになった学校もございます。
 こうした当時の状況や課題を踏まえ、今後、発災時に児童生徒の安全確保を図るために、校長や教員等が状況を適切に判断し、的確な対応をしていく力を一層高めてまいります。
 また、すべての区立学校において、保護者が引き取りに来るまで、学校で責任を持ち、児童生徒を預かることを原則とした安全確保の体制や、学校の対応状況等を保護者に伝える手だて等について、教育委員会の考え方を示してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。
○議長(藤本なおや議員) 以上で渡辺富士雄議員の一般質問を終わります。
 二十一番山本あけみ議員。
     〔二十一番(山本あけみ議員)登壇〕
◆二十一番(山本あけみ議員) 私は、民主・社民クラブの一員として、杉並区内の公園施策についてお尋ねいたします。
 杉並区では、昨年の七月に新たに田中区長を迎え入れられ、新体制のもと、五十四万区民が住む杉並区を、質の高い住宅都市杉並に向けて、だれもが健やかに豊かにという基本理念を大きく掲げられています。また、本年は、今後の十年を展望した新たな基本構想、総合計画を策定するという極めて重要な一年となっております。
 平成二十三年度の区政経営計画書に記された予算の概要でもわかるとおり、その配分は、大きく福祉・医療、教育、そしてまちづくりの三項目に分けられております。まちづくりの内容においては、国・都・区まちづくり連絡会の設置を掲げ、これまでのいわゆる縦割り行政による弊害をできるだけ排除し、杉並区内にあるすべての公有地の有効活用を図ることも大きく掲げられております。
 私は、世田谷区から杉並区久我山に転居してからおよそ八年がたちますが、みどり豊かで、住民の方々が平穏に暮らしていらっしゃる、大変よい地域だと感じております。
 その久我山駅の南側には、大きなグラウンドが三つあります。旧NHK富士見ケ丘運動場、王子製紙、そして国立印刷局のグラウンドです。この三つのグラウンドを中心とした一帯は、昭和三十二年に都市計画高井戸公園として、大きさは約十七ヘクタール、およそ日比谷公園と同じぐらいの大きさの公園の計画が東京都により決定されましたが、およそ半世紀を過ぎた現在においても、計画地のまま、実行へと移されるという朗報を聞くことはできません。
 この公園予定地の主要部分を占める旧NHK富士見ケ丘運動場は、平成十八年三月三十一日、近隣住民に何の説明もないまま突如として閉鎖となりました。そして一時期、グラウンドは管理をされることなく、みどり豊かだったはずのグラウンドの手入れをされなかった芝生は、あっという間に荒れ地に変わりました。
 そんな中、心ある住民の方々が連携をとり、賛同団体を募り、署名を集め、このNHKグラウンドを杉並区の管理により区民へと開放するという道筋をつけ、また杉並区に対して、早期の都市計画高井戸公園の実現及び広域避難所確保に向けての請願書を提出してくれました。この住民運動にお一人お一人が貴重な時間を割き、現在の杉並区による旧NHKグラウンドの開放へと導いてくれたことに関しては、一区民として大変ありがたく思い、また、私利私欲を捨て地域のために活動してこられたことに関しては、大変尊敬をしている次第であります。
 そして平成十九年三月には、杉並区の管理のもと、遊び場一〇二番として区民に開放され、大きなグラウンドには、平日、休日ともに、スポーツの練習として、また憩いの場として、多数の区民により利用されております。
 残り二つのグラウンドのうちの一つ、現在は国立印刷局のグラウンドも、杉並区のご尽力により、区民に開放されるべく準備が進んでおり、テニスコート四面と野球場二面の開放が予定されております。
 一方で、この都市計画高井戸公園の南側に隣接する形で、現在、東京都により放射第五号道路の予定地の土地買収が進んでおります。つい先日になりますが、六月十一日に近隣住民のポストには、東京都市計画道路幹線街路放射第五号線三建・放五ニュースが配布されました。内容は、久我山駅から南に岩通通りを進んだ位置にある、岩崎橋付近の道路構造についての意向調査を実施した結果のお知らせであります。調査対象は放射第五号道路に接するお宅で、東京都の職員が戸別に訪問をし、調査数二百八十一名、そのうち回答数百六十六名、回答率五九%の調査結果となっております。
 意向調査とは、平成十九年に地域の関係者を委員とした放射第五号線事業推進のための検討協議会から提言をされた、整備に当たっては、放五を岩通通りと立体交差させる一部トンネル案を基本的な道路構造とし、留意事項に十分配慮して事業を実施することという事項をもとに、一部トンネル案の趣旨及び留意事項のうち、掘り割り部やトンネル部の土地の有効利用に影響を及ぼすこと、またトンネル開口部付近で排
気ガスが増加することの二項目について、沿道関係者の皆様に資料や模型を持参し説明をさせていただいた上で、調査をした内容となっております。
 今後、この調査を踏まえての東京都としての道路構造の提案が杉並区に対してある予定となっており、この道路事業に関して、大変重要な段階を迎えております。杉並区においては、この段階において、ぜひ久我山以外にも、富士見丘、高井戸住民の環境に関するご意見にも配慮していく方針を再度打ち出していただきたいと考えております。
 そして東京都には、国の史跡である玉川上水の保全にも努め、環境庁の絶滅危惧種レッドリストにも多数登録されている動植物が生息する、現在の生態系を壊さない配慮を最大限していくことも求められており、杉並区としても熟慮をいただきたい部分と考えております。
 さて、前述の旧NHKグラウンドの区民への開放のための住民運動と前後して、私、山本あけみは、近隣のメンバーと新しいグループを立ち上げ、久我山緑の散歩道という杉並区のまちづくり団体として登録をして、助成金をいただきながら活動を開始いたしました。メンバーの平均年齢は四十歳代半ば、それぞれが仕事に従事をする中で、自由闊達な意見を尊重し合いながらの活動の開始でありました。目的は、久我山にある三つのグラウンドを早期に都市計画高井戸公園として整備をしてもらう。また、この公園に隣接して、東京都により計画が進んでいる放射第五号道路の構造と緑地帯の整備を、久我山のよさを生かしていったものにしてもらうというものです。
 これまでは、住民グループとして、東京都知事、そして杉並区長へと要請を重ねてまいりました。この目的は、言いかえると、久我山という地域に予定をされている東京都による公共事業、すなわち、都市計画高井戸公園と放射第五号道路の事業を、従来の、東京都の中の公園と道路という縦割りの行政の中で別々に進行していく事業ではなく、久我山という同じ地域の隣り合う事業として、これからの環境共生型の公共事業のあり方を提言できるような、よりよい方向性を見出していける可能性があるということでございます。
 そして、まちづくり団体・久我山緑の散歩道では、一つの構想を掲げ、これまで東京都や杉並区へと提案をしてまいりました。
 議長、ボードを提示してもよろしいでしょうか。
○議長(藤本なおや議員) はい、どうぞ。
◆二十一番(山本あけみ議員) これが東京都と杉並区へと提案をするために作成をした模式図と写真のボードです。ぜひ区議の皆様にもごらんいただきたいと思いまして、本日持参をさせていただきました。
 この井の頭・久我山緑のパークウエイ構想とは、ボード左上にある、桜の名所として名高い都立井の頭恩賜公園と、ボード右下にある都市計画高井戸公園を、上部の緑のラインで表示をしております。現在既にある、井の頭線に沿って流れている神田川の桜を中心とした緑地帯、ボード下に緑のラインで表示してあります。もう一方は、平成十五年に国の史跡として指定をされ、三百五十年以上前に江戸に水を送るための土木技術の高さが認められた玉川上水の武蔵野の面影が残る緑地帯により結び、自治体をまたいでパークウエーを整備していくことにより、手すりや道路舗装の統一、緑化を目指し、ジョギングや散歩等、都会にありながらも人々の暮らしに身近な憩いの場を創出することを目的としております。
 この構想をごらんいただければ、二つの隣り合う事業を一体で進めていくことにより、設計料や整備費用を抑制し、利便性やデザイン性においては、トータルに一層充実した事業をしていくことができるということを容易に想像してもらえるのではないかと確信しております。
 杉並区のまちづくり団体・久我山緑の散歩道では、ブログ形式のホームページにおいて情報発信を続けておりますが、二〇〇九年三月から二〇一一年六月までの総トータル閲覧数は十三万件、トータル訪問者数は六万人以上を数え、最近においてもアクセス数が伸びている実績からして、区民の、久我山にある都市計画高井戸公園と玉川上水に関する関心の高さがうかがえると考えております。また、これまで区民の方から実名において、井の頭・久我山緑のパークウエイ構想へのご賛同を多数いただいております。
 今後、この井の頭・久我山緑のパークウエイ構想を推進していくためには、都市計画高井戸公園の早期の整備が必要不可欠と考えております。都市計画高井戸公園を実現するための具体策として、現在、東京都の重点公園としての位置づけから優先公園として改め、早期に用地の入手、買収を進め、安定した広域避難場所、そしてみどり豊かな都市公園として、都民要望にこたえられるようにしていくことが不可欠と考えております。
 そこで、都市計画高井戸公園の整備推進にどのように取り組まれているのか、杉並区のご所見をお伺いいたします。
 また、先般の東日本大震災では、多数の被害に遭われた方にお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 その被害の甚大さから、杉並区における防災体制の見直しが求められていることと存じます。東京都立公園においては、現存する都立公園を、防災施設の充実を図ることにより防災公園として位置づけ、東京都の防災上の拠点として、大地震などの災害が発生したとき、生命の保護を第一に、さまざまな活動の拠点としての役割を果たすための防災設備が整備されつつあります。杉並区内にある都立和田堀公園は大規模救出救助活動拠点として、また善福寺川緑地は防災グループとして公園協会が管理運営をしている公園として位置づけられ、既に地元の自治体、消防、警察、町内会などと連携をし、地域と一体となった訓練を行うなど大きく機能をしており、震災から市民を守る貴重な場所として位置づけられております。
 現在、久我山にある三つのグラウンドが都市計画高井戸公園として整備が進んでいけば、防災上はどのような利点があるとお考えか、区のご所見をお伺いいたします。
 次に、既にほかの方からのご質問にもありましたが、再度お尋ねいたします。
 東日本大震災で起きました東京電力の福島原子力発電所での大災害の被災者への補償や、火力発電の燃料費増に充てるため、今後、東京電力は資産の整理を進めていくことが決定をいたしました。東京電力の三月期の決算報告では、過去最大、一兆二千四百七十三億円の赤字を発表いたしました。また、都内のグラウンドなど二十七カ所の福利厚生施設の売却が決まり、資金確保のために保養所などの施設を売却することを発表いたしました。
 杉並区内には、先ほど来出ている神田川沿いの下高井戸二丁目に、東京電力総合グラウンドがあります。これまでは野球場とテニスコートが平日区民に無料で開放されておりましたが、区民のために、今後も安定して使用ができる体制の整備をしていただきたいと思います。
 また、東京都において平成十八年度末に策定した「十年後の東京」で第一の柱に掲げられている、緑と水の回廊で包まれた美しいまち東京の復活に向け、全庁横断型の戦略的組織である緑の都市づくり推進本部を設置し、緑の東京十年プロジェクトを推進しています。この視点からしても、ぜひ神田川沿いにあるこのグラウンドを、宅地化することなく、現存のまま残していくべきと考えております。
 今後、東京電力総合グラウンドを杉並区で取得をする考えはあるのか、区のご所見をお伺いいたします。
 以上三点お伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 山本あけみ議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 都市計画高井戸公園の整備推進についてのお尋ねでございますが、区は、東京都に対し、早期の整備着手を働きかけてまいりましたが、それまでの間、できる限り区域内のオープンスペースを保全していくことが重要であると考えております。
 そこで、区は、NHK富士見ケ丘旧運動場の使用貸借協定を平成二十四年三月まで更新延長するとともに、旧国立印刷局久我山運動場につきましても、国からの委託を受け、本年三月から区が管理を行っております。今後、運動場として広く区民が利用できるように再整備を進めてまいります。
 現在、高井戸公園の計画区域には大きな三つの企業グラウンドがございまして、相互に行き来しにくい状態となっておりますけれども、都市計画公園として一体的にそれが整備されれば、災害時の避難もしやすくなって、防災力が大きく高まっていくものと思います。
 平成十八年三月に策定されました都市計画公園・緑地の整備方針は、十カ年計画の折り返し点を迎えておりまして、見直し時期に入っておりますので、この機会に優先整備区域という形で位置づけをされて、一日も早く区民に喜ばれる公園として整備されるよう、引き続き東京都に強く働きかけていきたいと考えております。
 残りの質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、東京電力総合グラウンドに関するお尋ねにお答えいたします。
 東京電力総合グラウンドは、野球場二面、陸上トラック、屋外テニスコートなどを有する東京電力の福利厚生施設で、野球場と屋外テニスコートなどその一部は、お話のように無料で区民のスポーツ利用に供されてまいりました。このグラウンドは、こうしたスポーツ施設のみならず、防災上の観点、みどり豊かで良好な環境を確保する上でも大切な空間であると考えています。
 区といたしましては、既にご答弁しましたように、地域の皆様や区議会からのご要望を踏まえ、貴重な区民の財産として保全、活用を図っていくため、その取得に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で山本あけみ議員の一般質問を終わります。
 三十二番岩田いくま議員。
     〔三十二番(岩田いくま議員)登壇〕
◆三十二番(岩田いくま議員) 杉並自民区政クラブの岩田いくまでございます。本日は、基本構想と総合計画について、東日本大震災を踏まえた対応について、教育について、以上三点について質問をいたします。
 なお、震災対応関連につきましては、東京電力総合グラウンドの問題も含めまして、他の議員の一般質問と重複するところもございますが、既に通告をしておりますので、その点、ご容赦いただければと思います。
 まず、基本構想と総合計画についてお尋ねをいたします。
 本年二月、区議会の第一回定例会において示された「平成二十三年度予算の編成方針とその概要」において、区長は、「平成二十三年度の区政にとっての最も大きなテーマは、杉並区の今後の十年を展望した新たな基本構想と総合計画の策定」と述べられました。東日本大震災により、短期的危機管理対応として、新たにかつ喫緊に求められる施策もある中で、この基本構想と総合計画の策定のスケジュールに変化がないのか、まず初めにお尋ねをしておきます。
 あわせて、区民意見提出手続をいつ行うのか、また議会への報告をいつ行うのか、基本構想、総合計画おのおのについて明確にお答えください。
 この基本構想の策定プロセスに関しては、私どもの区議会議員選挙直後に、いわゆる地域主権関連三法が成立し、地方自治法の一部が改正をされております。その結果、従来は第二条第四項により、区市町村が基本構想を策定するに当たっては議会の議決が義務づけられておりましたけれども、その規定が削除をされました。
 当区の場合、自治基本条例第十四条において、「区議会の議決を経て、区政運営の指針となる基本構想を定める」としておりますが、その前段に「地方自治法で定めるところにより」としてあることから、この文言の削除等、自治基本条例の改正も当然想定されます。現段階において、いつごろ自治基本条例の改正を予定しているのか、また、その改正内容としてはどのようなものが想定をされているのか、見解をお伺いいたします。
 あわせて、基本構想は引き続き議会の議決を求めるのか、また総合計画についてはどうか、執行機関としての考えをお尋ねしておきます。
 加えて、いわゆる地域主権関連三法の成立により、自治基本条例以外に改正が必要な条例等あればお示しください。
 なお、基本構想策定における区民参加として、今月四日に新たな取り組みが行われました。いわゆるプラーヌンクスツェレと呼ばれる取り組みを参考としたものであり、三鷹市等で行われております。藤沢市で行われましたデリバレイティブ・ポール(討論型世論調査)とともに、新たな住民参加手法として昨今取り上げられることが多いものですけれども、こうした新たな住民参加手法を当区で実際に行ってみてどのように感じたか、お尋ねをしておきます。
 続いて、東日本大震災を踏まえた対応についてお尋ねをいたします。
 まず初めに、このたびの震災によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、いまだ避難生活を強いられている多くの方々等に心からお見舞いを申し上げます。
 また、震災以降この間、区民生活の安全・安心確保に尽力をしてこられた職員の皆様に感謝を申し上げるとともに、自治体スクラム支援会議の設立等、基礎自治体による被災地支援の新たな枠組みに取り組んでこられた区の対応に敬意を表します。この自治体スクラム支援会議の今後の展望についてお聞かせください。
 議会といたしましても、区長からの被災地視察派遣依頼に基づき、議員提出議案第六号を臨時議会において可決し、福島県南相馬市及び宮城県石巻市へ視察を行ってまいりました。津波被害の悲惨さは、震災から二カ月以上が経過した段階においても目を覆うばかりのものがあり、また、原発事故に対し、警戒区域及び緊急時避難準備区域と指定されたことによる苦悩も直接お聞きをいたしました。この視察の成果は、議員各人が今後の区の防災・減災対策の強化や被災地・被災者支援に生かしていくこととなりますが、当区の地理的状況を考えると、津波が発生する前段において、地震そのものによりどのような被害が発生していたのかを把握することも、当区の防災・減災対策上、非常に重要と考えております。
 さて、今回の震災を踏まえ、我が会派では、五月三十日に第一次緊急要望、そして六月十日に第二次緊急要望を区長にお渡しいたしました。第一次緊急要望では、東京電力総合グラウンドの取得に向けた取り組みを開始すること及び放射能汚染問題への対応について要望をいたしました。
 放射能汚染問題に関しては、今回提出される補正予算にて迅速に対応いただき、高く評価をしております。
 東京電力総合グラウンドに関しては、我が会派としましても、柏の宮公園取得時のスキーム等の活用も視野に入れ、下高井戸二丁目の東京電力総合グラウンドを区が取得し、スポーツ施設を有した公園として整備するとともに、防災上の貴重な空間として、将来に向けた杉並区の財産として活用することを求めるものですが、区の考えを改めてお尋ねをいたします。あわせて、区内に東京電力が保有する福利厚生施設等はどの程度あるのか、お示しください。
 なお、東京電力による報道発表の内容や、また東京電力総合グラウンドの概要につきましては、既に他の議員、また理事者の答弁で説明がございましたので、私のほうからは省略をさせていただきます。
 第二次緊急要望では、大きく四つの視点、一、被災地の復旧復興及び被災者の支援に関する取り組み、二、区民生活の不安解消や杉並の経済再生に向けた取り組み、三、防災まちづくりに向けた取り組み、四、長期的視野に立った取り組み、以上四点から提言を行いました。この中におきまして、発災時間別の実践的な防災マニュアルの作成や自然エネルギーの普及促進等を要望しております。効果的、効率的な議会運営の観点から、質問は絞らせていただきますが、最大会派からの緊急要望であることを踏まえ、執行機関として十分尊重いただくよう求めておきます。
 まず、今回の震災時の対応を受け、各震災救援所の立ち上げにおける課題はどのように整理をされているでしょうか。災害対策本部との連携や各救援所間の連携等、効果的だったものもあれば、スムーズさを欠いたものもあったように思います。ご所見をお伺いいたします。
 また、震災救援所訓練の改善は、多くの区民の関心が高まっている今こそ、区民の安全・安心確保のために欠かすことができません。特にことしは、例年どおりの訓練だけでは参加する区民の方の納得もなかなか得られないと思われます。初動対応をどう訓練に取り込むかも含め、ことしの震災救援所訓練に向けた区の考えをお伺いいたします。
 次に、平成二十三年度の当初予算との関連で、二点質問をいたします。
 一点目、在宅療養支援体制の充実が今年度予算の重点施策の一つですけれども、当面続く電力不足に備えて、在宅療養患者への緊急支援をどのように考えているのか。
 二点目、民間建築物の耐震化促進に向け、耐震診断、耐震改修への助成拡充についてどのように考えているのか。
 以上二点、見解をお伺いいたします。
 なお、今回の地震は午後二時四十六分の発生ということで、震災救援所となる学校においては、学年により在校しているか帰宅しているかが分かれ、かつ、在校している児童生徒に対して、帰宅させるか学校に待機させるかの対応が学校により異なっていたと聞き及んでおります。この点における教育委員会及び学校の対応についてお尋ねするとともに、今後に向けた改善点があればお示しください。
 この項の最後としては、長期的視野に立った取り組みとして、喫緊に地震対応を見直すことは当然ですけれども、六年前に当区でも甚大な被害が発生した風水害対応についても常に念頭に置いて施策の検討を行うこと、及び大震災が区財政に及ぼす影響を考慮しつつも、将来世代に負担をつけ回すことがないように、中長期的な財政状況にしっかりと配慮した区政経営を行うことを申し添えまして、最後の教育についての質問に移りたいと思います。
 今月は井出教育長の四年任期最終月となっております。井出教育長は、かつて私が代表質問で座右の銘をお尋ねした際に、いいまちはいい学校を育てる、いい学校のあるところにいいまちができていくと答えられており、地域ぐるみで学校を支える仕組みづくりに積極的に取り組んでこられたと理解をしております。
 私自身、教育長のそうした考えには積極的に賛意を示すものであり、地域に住む大人の一人として、ゲストティーチャーとしての授業参加やPTAとしての読み聞かせ活動や学校に泊まろう会への参加、また、最近では放課後子ども教室でのバレーボールの指導等、楽しみながら子どもたちの教育に参加をさせていただいております。読み聞かせを初めて学校で行う際には、本の選択や読み聞かせの留意点等について、教育長というよりも敬愛する学校教育者としていろいろ教えていただいたことも、個人的にはよい思い出となっております。
 一方で、教育現場に直接参加をしていく中で、新たな課題等も実感をしております。例えば、当区では、地域と協働する学校を積極的に推し進めるために、学校支援本部を全校に設置し、地域運営学校も十六校を数えるまでとなりました。その他、学校評議員、学校サポーター、学生ボランティア、部活動支援、地域コーディネーター、学校教育コーディネーター等として多くの方が参加し、また、土曜日学校や放課後子ども教室も多くの学校で実施をされております。そして忘れてならないものとして、従来から学校を支える組織として機能してきたPTAもございます。
 学校活動の支援にこれだけ多面的な入り口があるということこそ、これまでの取り組みの成果と言えますが、一方で、補助金、助成金の体系も含め、新たな仕組みを逐次構築してきた面も否めないため、それぞれの活動間の役割分担がややもすればあいまいであったり、また逆に厳密になり過ぎたりして、総合力としての効果的、効率的な学校支援になっていないのではないかと感じるところもございます。今後は、これらの諸制度をいかに一体的なものとして補助金、助成金のあり方も含めて再編をしていくかが、所期の目的をさらに効果的に実現していくための課題ではないかと私自身は考えております。
 こうしたことも踏まえ、教育長に地域と協働する学校という視点でのこの四年間の取り組みを振り返っていただき、その成果及び今後に向けた課題についてご所見をお伺いできればと思っております。
 なお、学校サポーター等の人材情報の共有についてはどのようになっているのでしょうか。口コミの威力は十分に認識をしておりますけれども、教育委員会として人材データベースを整備することについて、ご所見をお伺いいたします。
 学校を支援する仕組みとしては、地域によるものだけではなく、当然、教育委員会によるものも多数ございます。科学館の取り組みもその一つと言えます。
 先日、さいえんすタイムという子どもたち向けの科学教室を見学させていただきましたが、校種を問わず、また通学している学校を問わず参加できるのが、学校ではなく区立施設で行う事業のメリットではないでしょうか。
 そう考えた場合に、現在の科学館の場所は、やはり区民、特に子どもたちの利用しやすさという面で難があると言わざるを得ません。区教育委員会としての科学館の位置づけ及び新科学館の整備に向けた検討状況についてお尋ねをしておきます。
 以上、大きく三点にわたってお尋ねをしてまいりました。今年度は、震災対応という短期的な危機管理を改めて見直すとともに、子どもたちによりよい世の中を残していくために、基本構想や総合計画の策定という長期的な視野に立って区政を検討する年となっております。議会もその構成を新たにしたところであり、将来に禍根を残さないためにも、二元代表制の成熟を通して、現在そして未来の区民福祉の向上、区政の発展に生かしていかなければなりません。
 そうした認識のもと、私自身もよりよい区政の実現を目指して真摯に取り組んでいくことを申し述べまして、私の質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 岩田いくま議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 まず、東京電力の総合グラウンドに関するお尋ねでございますが、ちょうど今、岩田議員がご質問されている間に私のところに一報が入ってまいりました。先ほど東京電力本社から電話連絡がございまして、この東電グラウンドについては、本日の九時から開かれた東京電力の常務会で、杉並区に売却する方向で協議する方針を決定したということでございます。
 杉並区としては、これを受けまして、議員ご指摘のとおり、当該グラウンドを取得し、敷地全体を運動公園として整備すべく、今後、必要な都市計画決定手続等、可能な限り速やかに進めてまいりたいと思っております。取得に当たりましては、これまでの柏の宮公園などにおける経験を生かしまして、適切に対応してまいりたいと思っております。
 なお、区内における東京電力が保有する他の福利厚生施設でございますけれども、当該グラウンドのほか、成田西一丁目、方南一丁目、そして和泉三丁目に、既に廃止済みの旧社宅があると伺ってございます。
 次に、自治体スクラム支援会議の今後の展望についてのお尋ねでございます。
 この間、自治体スクラム支援会議は、基礎自治体ならではの迅速できめ細かな支援によりまして南相馬市を支援していこうと、本区を初めとする四市区町が連携協力をして取り組んでまいりました。そうした取り組みの中では、従来からの国、都道府県、市区町村という垂直的な災害支援策だけでは、今回のような大災害には十分対処し切れないということを感じてまいりまして、基礎自治体を中心とした水平的な支援の取り組みである自治体スクラム支援を新しい災害支援の仕組みとして位置づけて、財政措置の対象や法的根拠を与えることにつきまして、四月八日に菅総理に直接面談をいたしまして要請するとともに、片山総務大臣に対しても同様の要請をいたしました。また、その後の五月二十六日でございますが、この内容をさらに進化させて、基礎自治体同士が主体的に連携して被災者の救助が行えるように、災害救助法の規定を整備することなどを柱とする要請を、細川厚生労働大臣と海江田経済産業大臣に直接面談をいたしまして行いました。
 こうした基礎自治体間の支援の仕組みの必要性につきましては、私から特別区長会や東京市区長会にも問題提起をいたしまして、六月八日、先般行われました全国市長会でも、地震・津波防災対策の充実強化に関する緊急決議の中で、災害救助法の抜本的見直しという形で取り込まれまして、そしてさらには、東京市区長会においても今後国へ要請していくことが予定をされているなど、一つの大きな潮流となってきたのではないかなというふうに思っております。
 また、こういった水平的な支援というのは各地でも取り組まれておりますけれども、自治体間の連携協力による支援というのは、今回の災害支援の中でも一定の社会的な評価が得られているのではないかというふうに思っております。
 このように多くの基礎自治体が新たな仕組みとして同じ思いを持って取り組んでおりますので、それだけ我々基礎自治体にとっては必要性の高いものだというふうに考えております。
 私からは以上でございます。残りのご質問につきましては、教育長並びに関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、基本構想と総合計画についてのご質問にお答えいたします。
 まず、東日本大震災の基本構想と総合計画の策定に及ぼす影響についてでございますが、東日本大震災は、これからの我が国のエネルギー政策のあり方から産業のあり方、さらに国民のライフスタイルまで、さまざまな影響を及ぼす出来事でございます。質の高い住宅都市を目指す杉並区にとっても、今回の大震災を教訓に、不燃化や耐震性の向上による安全な住宅都市をいかにつくるのか、また、太陽光など再生可能エネルギーを最大限に生かした住宅都市や、共に支え合い助け合う地域コミュニティの向上等々、新たな視点での取り組みが必要になっていると考えており、今後、基本構想審議会でもさらなる議論を進めていくものと考えてございます。
 こうしたことを踏まえつつも、新たな基本構想と総合計画につきましては、当初の予定どおり、平成二十四年四月からのスタートに向けて取り組んでまいる所存でございます。
 なお、区民の意見提出手続につきましては、基本構想につきましては十一月ごろ、総合計画につきましては十二月ごろの実施を予定しており、それぞれ適切な時期に区議会へ報告してまいります。
 次に、自治基本条例に関する一連のご質問にお答えいたします。
 初めに、基本構想に係る議会の議決についてのお尋ねでございますが、今回の地方自治法の改正はいわゆる義務づけの撤廃であり、基本構想そのものの意義等はいささかも変わるものではないことから、当初の方針どおり、議会の議決を経て策定してまいりたいと考えてございます。
 なお、行政計画である総合計画につきましては、基本的に長の権限のもとに策定すべきものと考えてございます。
 次に、いわゆる地域主権改革関連三法が成立したことに伴う自治基本条例の改正に関するお尋ねがございました。地方自治法が改正されたことに伴い、自治基本条例第十四条の基本構想に関する規定などの取り扱いにつきましては、現在検討しているところでございます。
 次に、自治基本条例以外に改正が必要な条例等についてのお尋ねでございますが、地方自治法の改正に伴うものといたしましては、地方自治法第二条第四項を引用している杉並区まちづくり条例がございます。このほか、いわゆる整備法の成立に伴うものとしては、介護保険法や道路法などにおいて区市町村条例への委任条項が新設されておりますので、今後、関連条例の整備が必要になってくるものと考えてございます。
 次に、十年後の杉並を考える区民意見交換会に関するお尋ねにお答えいたします。
 今般、多様な区民のご意見を踏まえて新たな基本構想づくりに取り組む一環として、区では初めて、無作為抽出方式による区民意見交換会を六月四日に実施いたしました。この意見交換会には、無作為で抽出した区民千人にご案内したところ、百七名の方が参加意向を示し、当日は約八十人の方々が参加されました。
 この無作為抽出方式による試みの評価でございますが、若い世代から高齢者まで、バランスのとれた構成の区民によって多様な視点からの討議が活発に行われたこと、参加者のアンケートで、ほぼ全員が区政への関心が高まったとしていることなどから、所期の目的は十分達成することができたのではないかと受けとめてございます。
 一方で、今回の試みを通し、実際の討議の進め方などについて幾つかの工夫すべき点が浮き彫りになったと感じており、今後改めて精査してまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、震災対応のご質問のうち、所管事項についてお答えいたします。
 初めに、各震災救援所の立ち上げにおける課題についてのお尋ねですが、今回の震災では、区内での最大震度が五強であったことから、発災後速やかに災害対策本部を立ち上げるとともに、すべての震災救援所などの開設を行うことといたしました。当日は出先職場に電話がつながりにくく、職員の参集が遅れた救援所、参集した職員がなれないことから混乱もあった救援所、区内に大きな被害がなかったことから、地域の方々の自主的な参集がされなかった救援所などもあったと認識しております。
 今後は、すべての震災救援所でのマニュアル策定に取り組むための支援を行うとともに、情報連絡体制の強化を図ってまいります。
 次に、ことしの震災救援所訓練に向けてのお尋ねですが、現在、すべての震災救援所では、初動対応を含めた運営マニュアルの策定を進めております。ことしの震災救援所訓練では、これまでの立ち上げ訓練や備蓄資機材の確認とともに、マニュアルを策定している震災救援所ではマニュアルの検証を訓練の中で実践していただきたく、支援してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 保健福祉部長。
     〔保健福祉部長(長田 斎)登壇〕
◎保健福祉部長(長田斎) 私からは、電力不足に備えた在宅療養者の支援についてのご質問にお答えいたします。
 区では、今回の震災後、医療機器の貸与、支給がなされている方を対象に、使用状況の把握と相談を行いましたところ、万が一の停電時に対応が必要な人工呼吸器の使用者については、バッテリー等の備えや入院先の確保等がなされている状況を確認しております。
 今後も、保健センター、福祉事務所等により、医療機器を使用している在宅療養者の状況を継続的に把握していくとともに、国、都の動向を踏まえて必要な対応について検討してまいりたいと存じます。
 私からは以上です。
○議長(藤本なおや議員) まちづくり担当部長。
     〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕
◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、民間建築物の耐震化促進についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、木造建築物の精密診断ですが、登録の精密診断士を倍増し、この四月から体制を充実しております。区の耐震化助成は、耐震診断から耐震改修まで一連の支援を行っており、二十三区の中でも高い実績を上げておりますが、より一層の周知を図ってまいります。
 また、緊急輸送道路沿いの高さの高い建築物の耐震化につきましては、喫緊の課題として都が耐震診断を義務づける条例を制定したところですので、これを確実に進め、区内の耐震化をさらに図るため、連携の進め方について、現在東京都と協議をしているところでございます。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育長。
     〔教育長(井出隆安)登壇〕
◎教育長(井出隆安) 私からは、地域と協働する学校に関するお尋ねにお答えをいたします。
 いいまちはいい学校を育てるという理念のもと、地域の方々と学校が協働して行うさまざまな取り組みを推進してまいりました。その結果、各学校では、図書ボランティア、放課後子ども教室等を初めとする多様多彩な活動が展開されるようになり、教育の活性化が図られつつあります。一方、これらの事業の内容につきましては、互いに重複するところも多くあり、一定の見直しが必要と考えております。
 今後は、全校に設置された学校支援本部と学校との役割分担を明確にしながら、学校や関係者の意見を踏まえ、より柔軟にそれぞれの支援活動ができるよう課題を整理し、地域と協働する学校づくりを一層進めていくことが望ましいと考えております。
 私からは以上です。
○議長(藤本なおや議員) 済美教育センター所長。
     〔済美教育センター所長(玉山雅夫)登壇〕
◎済美教育センター所長(玉山雅夫) 私からは、三月十一日、地震発災時における教育委員会及び学校の対応についてお答えいたします。
 教育委員会では、震災により通信手段が限定される中、児童生徒の安全を第一に考えた下校措置を講ずるよう、ファクシミリにより至急連絡いたしました。
 学校においては、保護者引き渡しや集団下校等の対応をとり、無事児童生徒を下校させましたが、通信手段が途絶えたことにより、一部保護者への連絡が十分できない等の課題がありました。
 また、校外学習としてディズニーランド等に出かけ、交通機関の運行見合わせにより帰校が困難となった学校もありましたが、教育委員会による当日の避難場所に関する情報提供やバスの手配に加え、当該学校の校長、教職員の適切な対応により、翌日には無事全員帰宅することができました。
 現在、教育委員会が関係課、校長、教員等による検討組織を立ち上げ、発災当時の状況を多面的に検証しているところであり、保護者が引き取りに来るまで児童生徒を学校で責任を持って預かること等、全区立学校で共通した対応方針を示してまいります。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育改革担当部長。
     〔教育改革担当部長(渡辺 均)登壇〕
◎教育改革担当部長(渡辺均) 私からは、人材データベースの整備に関するお尋ねにお答えします。
 学校サポーター等のボランティアにつきましては、学校側で求める人と子どもたちのために活動したい人との適切な組み合わせが一番の課題と認識しております。現在、活動したい学校を限定しているボランティアも多く、各学校が個別に学校関係者からの紹介等により依頼するケースが多く見られます。
 今後、東京都において実施している公立学校での教育活動をサポートする人材バンク事業制度を活用しつつ、その効果等を見ながら、杉並区における人材データベースのあり方についても検討してまいります。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育委員会事務局次長。
     〔教育委員会事務局次長(吉田順之)登壇〕
◎教育委員会事務局次長(吉田順之) 私からは、科学館に関してのお答えをいたします。
 科学館は、昭和四十四年に科学教育センターとして開設し、小中学校の理科教育の支援を中心に運営してきました。平成十四年には科学館と改称し、区民の科学に関する関心にこたえる生涯学習施設としての機能も強化してまいりました。学校教育及び生涯学習における科学教育は重要であり、その振興策については、新たに策定する教育ビジョンの中で明確にしてまいります。あわせて、科学館のあり方については、杉並区総合計画の中で検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で岩田いくま議員の一般質問を終わります。
 十八番浅井くにお議員。
     〔十八番(浅井くにお議員)登壇〕
◆十八番(浅井くにお議員) 私は、杉並自民区政クラブの浅井くにおです。会派の一員として一般質問をいたします。
 田中区長が目指している質の高い住宅都市杉並を築くためには、私がこれからお尋ねをする、みどり、まちづくりについての取り組みが大変重要であると考えております。
 最初に、杉並の屋敷林を初めとした森の保全について質問いたします。
 私が少年だったころの杉並は、水田や畑が広がり、その中にケヤキやシラカシを中心とした屋敷林がありました。学校から帰宅すると、その畑からとったばかりのサツマイモを母がおやつにとふかしてくれました。そのおいしさは今も忘れることができません。今日ではそのような体験をすることは難しく、水田はすっかりなくなってしまいました。
 しかし、屋敷林は、減少したものの、所有される方の並々ならぬ尽力と隣接する方々のご理解のもと、今なお見ることができます。屋敷林は人の生活とともにはぐくまれてきた森であります。遠くからも目標となるような堂々たるケヤキ、風を避けるためのシラカシ、正月を祝うセンリョウ、節分には欠かせないヒイラギ、食料となるクリやカキ、ユズ、竹、生活と風土に合わせて配置、植栽された森は、暮らしに密着した第二の日本庭園と言えます。また、コナラやクヌギはまきとなり、落ち葉は腐葉土として畑の作物を育ててきました。森を構成するすべての樹木が重要な役割を持ち、それぞれの樹木の特性を見出し、生かしてきた先人の知恵は敬服するものがあります。
 屋敷林は、災害時の延焼防止や良好な景観の保全、みどりによる気温の低減や二酸化炭素の削減に寄与しておりますが、この屋敷林を守る最大の意義は、先人の知恵を現在の生活に役立て、後世に育てることだと考えています。森に入ったときのひんやりとした空気の心地よさ、森の外の喧騒を忘れる凛とした静けさを、ぜひとも将来に向けて守っていかなければならないと考えております。
 そこでお尋ねいたします。
 初めに、屋敷林の保全に向けた区の取り組みについてであります。
 平成十六年、当時の国土交通大臣の働きかけで、第一回の「都市のみどりを守る」緊急フォーラムが杉並で開催されました。その折、屋敷林等に対する税の軽減や保全に向けた財源措置がアピールされ、その後徐々に、特別緑地保全地区の税の軽減や、公有化するときの国及び都の財源確保などが制度化されてまいりました。しかしながら、杉並においては、これらの制度を活用するための第一歩と言える、屋敷林や社寺林といったまとまったみどりを保全するための都市緑地法や都市計画法に基づく特別緑地保全地区指定、さらには、都市緑地法に基づき所有者と区が森の貸借契約を結んで区民に開放し、区民が森の恩恵をじかに受けられる市民緑地、これらの指定や開設に向けた所有者への説明などの取り組みが不足していると言わざるを得ません。相続が発生したときなどに貴重な森が喪失することのないよう、屋敷林などの所有者が処分に動き出す前に、特別緑地保全地区指定や市民緑地の開設に向けた保全制度の運用を積極的に行うべきと考えますが、区の今後の具体的な取り組み方法をお伺いします。
 次に、屋敷林などの森を守るためのボランティア活動についてであります。
 落ち葉掃きなどのお手伝いをしたいが、所有者の方に直接申し出ることができなくてという声を聞くことがあります。森の管理に困っている所有者とボランティア活動を希望している方たちをつなぐ役割は、ぜひとも区に担ってほしいと考えております。一万人の落ち葉掃きの拡大でもよいと思います。落ち葉の時期を通して、屋敷林の中でボランティアなどが所有者とコミュニケーションを図りながら手助けするサポートの仕組みをつくるお考えはありませんか。それについて区のご所見をお伺いします。
 次に、公園の確保についてお伺いします。
 杉並はみどりの多い区ではありますが、公園の開設面積となりますと、住民一人当たり約一・九平方メートルであり、二十三区中、最後から数えて四番目にとどまっております。あすを担う子どもたちが伸び伸びと遊び、来るであろう首都直下型地震から区民の生命と財産を守るためには、桃井原っぱ公園と同規模以上の公園が計画的に開設されることが喫緊の課題と考えます。公園の確保目標である、都市公園法施行令に規定する住民一人当たりの標準設置公園面積五平方メートルに対し、杉並区の現状は一・九平方メートルと、甚だ不足していると言わざるを得ません。
 そこで、未整備の都市計画公園の事業化はもちろん、大規模な公園、身近な公園の計画的な整備をするための最大限の努力をすべきと考えます。今後、区は、公園の確保と目標量の達成のため具体的にどのような施策をお考えか、区のご所見をお伺いします。
 さらに、新たに計画する公園の用地取得については、面積が一ヘクタールを超えれば都市計画交付金の充当が可能なことから、財源の問題もなく用地の取得ができると考えます。
 この後予定しておりました東京電力総合グランドについての質問は、先ほどの東電決定の話を踏まえ、質問を割愛いたしますが、前述した仕組みを活用して、早急に取得に向けて動き出してください。
 次に、人と人とのつながりについてであります。
 東日本大震災後、だれもが人と人とのつながり、助け合いの重要性をかみしめています。地域の中の最も基礎となる人のつながりは町会・自治会であります。震災直後に各町会・自治会の方々は、町内の状況や危険箇所を調べるなどのパトロールをされています。
 五月に入り開かれた各町会・自治会の総会では、一人でお住まいの高齢者の問題や、心配される首都直下型地震を想定した町内の特に共助を促すきずなづくりについての意見が交わされております。区の所管にお聞きしたところ、区内の町会・自治会の加入率は五二%弱とのことです。これは何としても増やさなければならない数値です。
 各地域の町会・自治会を紹介するパンフレットの発行や、五月十一日の「広報すぎなみ」に私の加入する自治会の紹介記事が載り、こういった町会・自治会を紹介する取り組みは評価いたしておりますが、まだまだ区の町会・自治会への加入促進への支援の取り組みは不足していると言わざるを得ません。最近近くに越してこられた方にお聞きしたところ、転入届の提出時に、窓口で町会の入会案内は受けなかったとのことでした。ぜひ区の窓口では、転入の届け出に来られた方の地区の町会・自治会を紹介し、入会案内をしていただきたいと考えます。
 そこで、町会・自治会への加入率の低迷する背景には区としてどんな課題があると考え、その解決に向けてどう取り組んでいこうと考えているのか、お伺いします。
 さらに、私は今、人と人とのつながりをつくるために、まちの道で囲まれた街区ごとの寄り合いが必要と考えております。朝、道ですれ違ってもあいさつをしない人が増えました。しかし、心の中では、あのあたりに住んでいる人だ、この前越してきた人だなどと思っているものです。
 そこで、町会・自治会の回覧板を回す単位である部や班がおおむね街区ごとであることから、そこに住む人が一堂に会してお茶を飲むなどしながら、世代を超えて家族ぐるみで和気あいあいと話し合える寄り合いが大きな意味を持つと考えます。登校する子どもたちに近所の人たちが「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」と言えるまち、震災時などでは、隣同士が「大丈夫ですか」と言い合えるまちにするための第一歩と考えております。
 そして、その会の会場としては、災害時の救援所となる地域の学校の会議室などを広く開放すれば、学校へ行く機会も増え、避難路などの確認もできることから、寄り合いの会場として学校を気軽に利用できるようお願いいたします。そのことについての区の考えをお伺いします。
 次に、鉄道に関することについてお伺いします。
 JR中央線については、区内四駅の中で荻窪だけが高架化されていません。まさに南北の地域分断などの問題があります。区長は、荻窪のまちづくりが杉並全体の発展につながるとの考えを述べられています。今後、荻窪のまちづくりをどのように進めていくのか、基本的な考えをお伺いします。
 そして、私の地元でもある西武新宿線の上井草駅近辺の踏切は、毎朝、遮断機が上がるのを待つ人、車、バスでごった返しております。この状況は下井草駅付近も同様であります。バスの前に多くの人が並び、自転車もつながって、たくさんの人がいらいらしている姿はとても危険な状態です。緊急車両、特に、大切な命を運ぶ救急車や火事に駆けつける消防車が来ても通ることができません。一日も早い対策が必要です。
 区内の西武新宿線の踏切をなくすためには、国、東京都、関係自治体との連携が必要であることはだれもが承知しておりますが、その牽引役はぜひとも杉並区がやらなければならないと考えております。
 線路の地下化や高架化、開削化など、鉄道の連続立体交差化は幾つかの手法があります。先行して検討が進められている隣接自治体との連携は特に欠かせません。鉄道の連続立体交差化事業は、踏切対策として考えれば、下井草駅付近から上石神井駅付近の一刻も早い事業の着手を望みますが、区の取り組みの現状と今後の取り組み方法、そしてスケジュールについて具体的にお聞かせください。
 また、上井草駅周辺では、杉並区まちづくり条例に基づくテーマ型まちづくり協議会に認定されたまちづくり上井草が、道に面した敷地の緑化や街並み景観づくり、まちの歴史、風土などを踏まえたまちの活性化を目指して活動しています。こうした地元住民を中心としたまちづくりと西武新宿線の連続立体交差化事業とをどのようにすり合わせていこうと考えているか、区のご所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者の移動に関してお伺いします。
 東京都が発行するシルバーパスは、都内のバスと都営交通に自由に乗ることができます。隣接区など都営の鉄道が通る地域に住む高齢者は、バスと鉄道の両方の恩恵を受け、結果、行動範囲もおのずと広がり、充実した時間を過ごしております。
 しかし、杉並のシルバーパス保有者は、隣接区の方と利用できる路線と移動範囲に差が生じております。最近まで国と都は都営地下鉄と東京メトロの統合を議論していたと聞いておりますが、杉並のシルバーパス保有者が東京メトロなどにも乗れるよう、東京都へ利用対象路線の拡大などの働きかけを強く望みます。区のお考えをお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 浅井くにお議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 荻窪のまちづくりについてのご質問でございましたが、荻窪駅は一日で約二十四万人が利用する区内最大の交通結節点でございます。駅周辺には業務機能や商業施設が集積するなど、まさに杉並区の中心的な拠点となっております。
 一方で、議員ご指摘のように、当駅は線路が高架化されていないために地域が南北に分断されるなど、荻窪が持つ潜在能力を十分に生かし切れていないという状況がございます。例えば、駅北口では昭和五十年代にタウンセブンやルミネができましたけれども、都市の利便性という点で、必ずしも十分とは言えないのではないかと感じております。また、北口東地区については、過去、再開発の検討がされてきましたけれども、さまざまな課題があり、今現在、実現には至っておりません。
 そのような折、ことし三月には、駅周辺整備の第一ステップとして、北口駅前広場の整備が完了したところでございます。議員ご指摘のように、荻窪駅は高架化されておりませんけれども、その条件を逆手にとるなど、さらに効果的なまちづくりを今後検討していく必要があると考えております。
 今年度より、荻窪駅を初めとするJR各駅周辺のまちづくりを推進する組織として、都市再生担当部を設置いたしました。これまでの荻窪駅周辺のまちづくりについて課題等を整理、検証するとともに、今後のあるべき姿について、国や東京都、関連事業者や地元地権者等と連携し、また他都市の先行事例も参考にして、幅広い観点から検討を進めてまいります。
 今後とも、杉並区が都市としての価値や魅力を高めて、質の高い住宅都市として発展していくためにも、都市活性化拠点である荻窪駅周辺地区のまちづくりに積極的に取り組んでまいります。
 私からは以上でございます。残りの質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 土木担当部長。
     〔土木担当部長(小町 登)登壇〕
◎土木担当部長(小町登) 私からは、みどりに関するご質問にお答えします。
 まず、屋敷林の保全についてのお尋ねでございますが、区では、昨年五月にみどりの基本計画を改定し、重点施策の一つに屋敷林の保全の強化を掲げました。この施策に基づき、昨年度は七月と二月に屋敷林所有者連絡会を開催いたしました。連絡会では、みどりの保全に有効で相続税などの軽減措置がある特別緑地保全地区や市民緑地制度の説明を行いました。今後も所有者の理解と制度の活用が進むようにPRに努め、屋敷林の保全に取り組んでまいります。
 次に、落ち葉の時期のサポートの仕組みについてでございますが、昨年の落ち葉感謝祭では、ボランティアの方々とタイアップし、屋敷林二カ所の落ち葉掃きを実施いたしました。
 今後は、ボランティアの担う役割を明確にし、区が所有者とボランティアの両者を取り持つことで、安心して作業に取り組み、所有者の負担軽減につながるよう事業のPRをし、地域で屋敷林を支える仕組みにつなげてまいります。
 私から最後になりますが、公園の計画的な整備についてのご質問にお答えします。
 平成十八年、都市計画公園・緑地の整備方針を都区、市町合同で定め、都と区で規模に応じ役割を分担して整備を進めております。これまで都は、和田堀公園計画区域内のみずほ銀行グラウンドの跡地取得、整備などを進め、区は桃井原っぱ公園、天沼弁天池公園などを整備してまいりました。現在、予想以上に事業化が進んだことから、さらなる整備促進と長期未着手区域の早期整備に向け、整備方針の改定作業を進めております。
 区といたしましては、公園整備目標の達成には大規模な公園の整備が不可欠であることから、都立公園の整備に向けて計画用地の保全などに努めてまいりました。同時に、身近な公園も重要ととらえ、都市計画に位置づけ整備を行っており、都と区を合わせて目標の達成に向けて努力していく考えでございます。また、区民の意向も踏まえまして、東京電力のグラウンドの取得に向け、今後一層の努力も行ってまいります。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 区民生活部長。
     〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕
◎区民生活部長(佐藤博継) 私からは、まちづくりのうち、所管の事項についてお答えいたします。
 町会・自治会の加入率低下についてのお尋ねでございますが、新規の集合住宅の住民を初め、町会・自治会に加入をしない転入者が増えてきていることや、役員の高齢化が進む中で、後継者の不在により町会数が減少していることなどがその要因になっていると考えております。
 そこで、町会・自治会と連携して、転入者向けに住所地の町会の活動を紹介した地区別リーフレットをよりきめ細かく配布したり、新規の集合住宅や町会空白地域に対し、立ち上げ支援パンフレットを活用し、町会の立ち上げを働きかけていくほか、まちの絆向上事業などを通し、町会・自治会活動の活性化を支援していくことによって加入率の向上を図ってまいりたいと考えております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 都市整備部長。
     〔都市整備部長(上原和義)登壇〕
◎都市整備部長(上原和義) 私からは、鉄道に関する残りのご質問にお答えいたします。
 まず、西武新宿線の連続立体交差事業に対する取り組み方についてのお尋ねですが、区は、踏切による渋滞や事故、地域分断を解消するための抜本的な対策として、連続立体交差事業の必要性は高いと認識しております。区内の西武新宿線は、東京都が、技術的課題やまちづくりの進捗などを勘案し、財源の動向を踏まえながら事業化に向け取り組む事業候補区間として位置づけております。現時点では事業化のスケジュールは明らかとなっておりませんが、区といたしましては、連続立体化の早期実現に向け、東京都、隣接区及び鉄道事業者との協議を進めてまいる考えです。
 次に、住民のまちづくり活動と連続立体交差事業に関連したお尋ねですが、連続立体交差事業は、単に交通問題の解消を図るだけでなく、この事業を真に地域の活性化につなげていくことが大切であると考えております。現在区では、沿線地域で活動している協議会や駅ごとのまちづくり勉強会に対しての支援を行っておりますが、今後、まちづくりに関する提言をいただき、できる限り区の施策に反映させていきたいと考えております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 高齢者担当部長。
     〔高齢者担当部長(武笠 茂)登壇〕
◎高齢者担当部長(武笠茂) 私からは、東京都シルバーパスの利用路線拡大に係るお尋ねにお答えいたします。
 東京都が把握しているシルバーパス保有者など、都民からのシルバーパスに関する意見、要望の中には、お尋ねのように、都営交通やバス以外の路線についても利用できるよう拡大を望む意見が寄せられていると聞いております。公共交通機関など移動手段の利便性を図ることは、高齢者の積極的な社会参加や福祉の向上のために必要なことであり、機会をとらえ、東京都に対し、区民の方からの意見、要望としてお伝えしてまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 教育長。
     〔教育長(井出隆安)登壇〕
◎教育長(井出隆安) 私からは、学校施設の利用に関するお尋ねにお答えをいたします。
 地域のコミュニティ活動を活性化するためには、学校施設が果たす役割は大変大きなものがあると考えております。現在、学校開放事業では、区立小中学校二十八校で、地域の団体が利用できるように会議室などの貸し出しを行っているところでございます。団体登録をしていただき、人と人との結びつきを深め、よりよい地域づくりに向けて学校施設をご活用いただきたいと存じます。
 私からは以上です。
○議長(藤本なおや議員) 以上で浅井くにお議員の一般質問を終わります。
 ここで午後一時五分まで休憩いたします。
                  午後零時〇二分休憩
                  午後一時〇五分開議
○議長(藤本なおや議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 十五番大和田伸議員。
     〔十五番(大和田伸議員)登壇〕
◆十五番(大和田伸議員) 私は、杉並自民区政クラブの大和田伸です。会派の一員として、通告に従い、第一に、東日本大震災に端を発した杉並区の節電対策について、第二に、原子力発電所の事故を教訓としたエネルギー対策、特に非常用発電設備について、第三に、四月十日にJR高円寺駅周辺で行われたデモ行進に関する区立公園の貸し出しについて、以上三点質問いたしたいと思います。
 今回の質問は、私にとりまして、杉並区議会本会議場における初めての質問でありますので、十分意を尽くせない点があるかとは存じますが、その点よろしくご配慮くださいますよう、理事者の皆さんには何とぞ懇切丁寧なご答弁をお願い申し上げます。
 まず、質問に入る前に、このたび我が国を非情なまでに容赦なく襲った東日本大震災。犠牲になられた皆様に心からご冥福をお祈りいたすとともに、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。
 私が申すまでもなく、被災地の一刻も早い復旧復興に関しては、国、都道府県はもちろん、ここ杉並区を含めた全国の自治体が一致団結して手を取り合っていかなければ、決して達成できません。私も新人議員ではございますが、誠心誠意その取り組みに参加、協力してまいる所存です。
 震災直後、東京電力の電力供給能力が大幅に欠落し、緊急措置として実施された計画停電が社会に大きな混乱を招いたことは、記憶に新しいところであります。当区におきましても、一時的に善福寺、西荻北、松庵等、約一万四千世帯がその対象となりました。
 そのような中、間もなく、年間で最大の電力消費が見込まれる夏が訪れます。東京電力側は、一時三千万キロワットにまで落ち込んだ電力供給力を、現在、火力発電の復旧やガスタービン発電設備の新設等を進め、五千万キロワット以上の確保を目指しておりますが、予測される需要は、先月発表された東京電力側の発表で約五千五百万キロワットとされています。
 反面、先月十五日付の「日経ヴェリタス」によると、全国の企業が持つ自家発電を足し合わせると、その能力は六千万キロワットにも上ると言われてはおりますが、発送配電分離等本当の意味での電力自由化が遅れてきたツケも足かせとなり、この埋蔵電力を早急に使用することは事実上できないというジレンマも抱えております。
 そこで、国は夏季の電力需給対策として、東京電力管内において、その契約電力に応じて、企業等に最大使用電力の一五%の削減義務、また、各家庭に対しても同じく一五%の削減要請を行ったところであります。
 それを受けて東京都では、都庁舎や事業所において二五%の削減を掲げ、照明の二分の一消灯や、七月から九月まで職員の始業時間を最大一時間繰り上げる、いわゆるサマータイムを導入する方針です。
 節電対策の重要性は、今私が申し上げましたとおりであり、今月一日付の区報にも掲載されていましたが、今後杉並区では節電対策をどのように進めていくお考えですか。震災直後から区が重点的に取り組んでこられたこととあわせてお示しください。
 また、必要とあれば、東京都のように具体例を掲げて臨むべきと考えますが、区のご見解をお伺いいたします。
 このように、私たちは今後節電を常に心がけ、その生活スタイルも変えていかなければなりません。しかしながら、節電に対する意識を持っていても、情報が目に見える形で示されなければ、実際はなかなか実感がわいてこないものであります。
 一方、現在、杉並区におきましては、希望する区民の皆様に対し、イベント情報や犯罪発生情報、また災害・防災情報をパソコンや携帯電話にEメールで発信しています。私はこのサービスは、開始以来、区民の皆様より、安心・安全の観点からも非常に高い評価をされていると認識いたしております。
 そこで、このたびの節電喚起が落ちつくまでの間、このメール配信サービスを利用して、区民の皆様に、その日の東京電力管内の時間ごとの電力需給データ並びに今後の電力需給予想データを提供してはいかがでしょうか。これらデータは現在、当区のホームページから経済産業省のホームページにアクセスしますと、そこで確認することができますが、よりダイレクトに区民の皆さんに情報を提供することで、杉並区における節電対策の効果は大きく上がると考えますが、いかがでしょうか。現在のメール配信希望者の数と重ねて、区のご見解をお伺いいたします。
 続きまして、次のテーマに移ります。
 このたびの大震災は、昨日の一般質問でも多く指摘をされていましたが、地震、津波、原子力発電所の事故に加え、風評被害をあわせた四重苦の震災と言われ、今日、国内に非常に深刻な被害をもたらしています。また、原発の問題に関しては、世界に対して迅速かつ正確な情報開示がなされなかった結果、過剰反応を招き、それらが地域経済のみならず国全体の経済活動に与える影響は非常に大きく、はかり知れるものではありません。先月三十一日付の新聞各紙によりますと、国債格付会社ムーディーズが、このたび我が国の国債を二段階格下げすることを示唆すると報道されていました。よって、このたびの大震災は、我が国に五重苦とも言える深刻な財政的課題をもたらしたのであります。
 その主要因である原発の事故に関しては、震災後、緊急炉心冷却設備用の非常用発電設備が正常に作動していれば、大きな問題に発展することはありませんでした。すなわち、今回の原発の例は特殊だとしても、区有施設の非常用発電設備は、いつ訪れるかわからぬ緊急時において、私たちの命を守る上で必要不可欠な最後のとりでと言えなくもありません。
 そこで、確認のためにお尋ねいたします。この本庁舎や杉並第十小学校のほかに、現在、非常用発電設備が設置されている区有施設をお示しください。そして、実際に非常用発電設備を使用するときにはどのように作動させることになっているのでしょうか。
 非常用発電設備には、一般的に、軽油を燃料としたディーゼルエンジン方式と灯油を燃料としたガスタービン方式、この二つが挙げられますが、双方とも通常は停止設備であるため利用頻度が著しく低く、定期的な試運転が必要であることは明らかであります。実際にこれらを起動試験すると信頼性が低い、すなわち一度で起動しないことが多いという事実を、今日、非公式ながら消防庁でも認識しているようであります。しかしながら、区有施設を利用されている区民の安全、また避難所となり得る大規模施設を安全に確保するため、非常用発電設備は重要であると考えます。
 そこで、これまで杉並区において、区有施設における非常用発電設備の点検や試運転は定期的に行われてきたのでしょうか。もし行われてきたのであれば、それはどのくらいの頻度で、また重ねて、過去の点検時においてふぐあいが見つかったことはなかったのか、お答えください。
 一方、今日では、コージェネレーションシステムという新しいエネルギー供給システムが注目されています。廃熱発電とも言われるこのシステムは、従来、発電後に当然のように捨てられていた廃熱を再利用することで、圧倒的な経済力と環境保全に大きく寄与するというメリットがあります。
 そこで、現在都内でも、主には聖路加病院やアーク森ビル、また行政では墨田区本庁舎がこのシステムを取り入れています。杉並区におきましても、杉並清掃工場が、自家発電や隣接する温水プールの熱源を、まさにこのエネルギー体系に近い形で賄っています。
 そこでお伺いいたします。こうしたコージェネレーションシステムに対する取り組みは、区長が掲げる質の高い住宅都市杉並を目指す上において、十分にその価値は見合うものだと考えます。そして、今回の震災で注目されたこのコージェネレーションシステムを普及するためには、区が率先して区有施設にこれらの新しい設備を設置していくことが重要ではないかと考えます。ゆえに、今後このような取り組みを検討してはいかがでしょうか、区のご見解をお尋ねいたします。
 今日、東京都や横浜市でも防災を意識した新エネルギー供給のあり方を研究するなど、日本各地で本当の意味での地震国日本のエネルギー供給のあり方を模索する動きが出てきたところであります。こうした杉並区の積極的な行動はやがて日本全体に普及し、国民が心から安心して生活できる社会基盤を構築することに大きく寄与するものと私は考えます。
 続きまして、震災救援所に配備されている発電機に関しましては、今補正予算にも盛り込まれておりますので、委員会の場において質疑させていただきたいと存じますが、この場で一点だけ確認します。
 現在震災救援所に配備されている発電機の役割や性能について、その概略をお示しください。
 私の思いは、各震災救援所の発電環境を現行よりも向上させることが、必ずや区民の安心・安全を高めることに大きく貢献するということであります。今後技術の進展に伴ってその発電環境が随時見直されることを心から期待をし、次の質問に移ります。
 去る四月十日日曜日に、JR高円寺駅を中心に、原子力発電に反対する大規模なデモ行進が行われ、その参加者は七千五百名とも一万名とも言われています。しかも、このデモ行進に関し、主催者側は、大規模に呼びかけを行ったわけではなく、インターネットからの書き込みによる呼びかけの連鎖が生じて、東京都内だけでなく、それこそ全国から、この反原発デモ行進に参加すべく人が集まってきた経緯があると聞きます。大震災発生から三カ月の節目を迎えた今月十一日にも、各地でこの反原発デモ行進が行われたところでありますが、これほどまでに、原発事故が国民だれもが関心を持つ出来事であると言えるわけです。
 私がここで申し上げたいことは、原発の賛否ではありません。むしろ賛成派と反対派、推進派と慎重派が、この事故を契機に、じっくりと腰を据えて議論をすることは非常に価値があることだと考えます。同時に、政治離れが顕著とされる若者世代がこれほどまでのパワーとエネルギーを持って行動し、主張を発信したことは、ある意味において、閉塞感を抱える今日の世の中の流れに一石を投じるものであるとの思いを深くいたしました。
 しかしながら、論を戦わせ広く世間に主張することは国民の正当な権利ではありますが、当然ながら、それは他人に迷惑をかけて行使されるのであれば、本末転倒であります。
 四月十日、くしくも統一地方選挙の投票日にJR高円寺駅周辺で行われたデモ行進の中の行為には、残念ながら、主催者側の趣旨や意図から大きく逸脱するものがあったと私は考えます。参加者の中には、行進中、飲酒や大音量でのライブ演奏、商店の看板や停車中の車のボンネットをたたく、タイヤをける、道路上や壁にペイントをする等の行為を働いた者がおり、地元に暮らす区民の方々の安心・安全が著しく脅かされてしまいました。
 そこで、杉並区は、四月十日に行われたこの行進に関し、当時警察当局とも情報のやりとりをしたことと存じますが、私が今申し上げたことも含め、地元の被害状況をどのように把握しているのでしょうか。また、デモ行進中におけるこうした行為に対し、区長のご見解をお伺いいたします。
 関係所管と連携を図り地域の安心・安全を守ることは、基礎自治体における普遍の責務だと私は考えます。繰り返し申し上げますが、私は、この反原発のデモ行進の精神そのものに異を唱えているものでは決してありません。しかしながら、その行為が他人の生活を脅かし、著しく妨げるようなものであっては、本末転倒です。多くの人が共感し得る主張を唱えたとしても、自ら呼びかけた集団を制御することができないのであれば、それは住民の安心を脅かすものにほかなりません。私は、主催者がその参加者をコントロールできない行進は、舞台となる地域住民の皆さんへの負荷が余りにも大き過ぎると考えます。
 このたびのデモ行進は、あらかじめ高円寺の公園を起点として行われました。そこで、確認のためお尋ねいたします。一般論として、現在杉並区では、区立公園の貸し出しの申請があった場合、どのようなルールや基準のもとでご対応されているのでしょうか、お答え願います。
 今日、私の知るところによりますと、地域の町会長や商店会長、その他地元にお住まいの方々が、今後、自らの行動の管理が困難となり得る団体、もしくはそのように危険が伴う行為を起こす可能性を持つ団体に対しての区有施設の貸し出しを十分に配慮してほしい旨の要望書や署名を取りまとめる動きがあるようです。これらを含めて、今後も区民を第一に考えたご対応を最後に強く希望いたします。
 震災当日、区内では、いわゆる大勢の帰宅困難者が幹線道路に列をなして深夜まで歩いていました。杉並区でも本庁舎を初め幹線道路に近い区有施設等で対応いたしましたが、一方で、そのような帰宅困難者に対し、私の地元の方々は、わざわざご近所のファストフード店や漫画喫茶店に呼びかけをし、温かい飲み物の提供あるいはお手洗いを貸してくださったりといった心温まる行動をしてくださいました。他人のことより自分さえよければいい、こうした風潮が強まりつつある我が国にあって、このような方々はまさに区民の誇りであり、その精神と行為は賞賛に値するものだと考えます。余震が続く中でも勇気ある行動をしてくださった区民の方々が大勢いたことを、区長も十分認識していただければと存じます。
 このような心優しい方々が多く住む杉並区。区長には、これら区民の方々を第一に考えた心の通った政治を行っていただくことをご期待申し上げ、私の一般質問を終了とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 大和田伸議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
 初めに、さきの区議会選挙では、八千票を超える大変多くの得票を得て、見事最高点でご当選をされました。今後ともぜひご活躍を期待いたしたいと思います。小泉団長、また富本幹事長、よき先輩のご指導のもとで大きく飛躍されることを心からご期待を申し上げたいと思います。
 さて、節電対策についてのご質問でございました。
 初めに、震災直後の対応からお答えいたしますが、区内での計画停電の実施が取り上げられる状況の中、区民に節電を呼びかけるとともに、区立施設内の消灯や施設の開設時間の短縮などを緊急対策として実施をいたしました。
 次に、この夏の電力危機に向けての対策でございますけれども、国は、福島第一原子力発電所の事故に伴う電力不足に対応し、東京電力管内において、使用最大電力の一五%削減を掲げ、国民、産業界が一丸となって取り組む方針を打ち出しております。
 こうした中で、本区では先日、危機管理対策本部会議で、区施設のピーク時の使用最大電力の二〇%削減を目標として取り組むとともに、総使用電力量の削減にも最大限努めていくことを、あわせて決定をいたしました。
 その取り組みの内容でございますが、区役所は国や都などの行政機関と異なりまして、日々区民の方々と直接向き合って区民サービスを行う事業所でございますことから、節電対策もその区役所の性格を踏まえて行うことが大切だろうと、こう考えておりまして、次の五つの原則を持っていくことにいたしました。
 第一は、節電を行いつつも、極力区民サービスの確保を図っていくこと。
 第二には、安全・安心を守る立場から、高齢者の熱中症対策などを行っていくということでございます。
 第三には、国では、環境省の職員がアロハシャツを着て、マスコミでも報道された職員のクールビズでございますけれども、区役所での仕事にふさわしい、さわやかな印象を持ったクールビズで行うことといたしました。洋服だけじゃなくて、本人もさわやかでないとだめだと思いますので。余計なことですが。
 第四には、この機会に、会議の時間の持ち方や残業のあり方など、仕事のスタイルを見直していくことも大事だというふうに思っております。
 そして第五に、区民へのきめ細かな情報提供を行って、創意工夫ある節電に区全体で取り組むようにしていくことでございます。
 以上申し上げました五つの考えを原則として、この夏の節電に向けて削減目標が確実に達成されるように、全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。
 他の質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、所管事項についてご答弁申し上げます。
 まず、節電対策に関連しての区のメール配信サービスの利用に関するお尋ねでございますが、現在、区民のメール配信サービスの登録者数は、犯罪発生情報及び災害・防災情報を合わせまして約三万一千人となっており、この配信サービスを節電対策に活用することは効果があると考えますので、活用する方向で準備を進めてまいります。
 次に、非常用発電設備に関連した震災救援所に配備する発電機のお尋ねですが、現在震災救援所には、投光器や学校の放送設備用として、大型一台、小型二台、計三台の発電機を配備しています。発電機はいずれも交流出力の電圧は百ボルトですが、大型は二十アンペア、小型は十六アンペアの電流となっています。今回の震災を踏まえ、バルーン投光機とセットの発電機を新規に設置するとともに、老朽化した発電機一台を、周波数を安定させ、パソコン等にも使用できるインバーター発電機に買いかえ、計四台の発電機を震災救援所に配備していきたいと考えております。
 私からの最後に、四月十日の高円寺デモ行進についてのご質問にお答えいたします。
 このデモ行進については、当初杉並警察への申請では五百人としていた参加者が、主催者発表で約一万五千人となる大規模なデモ行進となりました。そのため交通渋滞や騒音、ごみの散乱などがあり、周辺住民の方々に多大な迷惑をかけたものと受けとめております。
 デモ行進は、国民の権利として保障されているものでありますが、周囲に迷惑をかける行為までが認められるものではありません。区といたしましては、今後同様のデモ行進や集会が行われることを把握した場合には、そうした迷惑行為が行われないよう指導するとともに、公共の安全と秩序の維持が図られるよう、警察による警備の強化を求めてまいります。
 次に、公園の貸し出しについてですが、公園での催しや遠足などで公園内を広く占用し利用する場合は、公園条例等の規定に基づき事前に利用者と打ち合わせを行い、問題のある行動がないかを確認した上、他の公園利用者や周辺への配慮など、安全管理のための条件を付して許可しております。今後も公園の占用を許可する場合は、付近の住民に迷惑がかからないように十分注意をいたします。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、区施設における非常用発電機に関するご質問にお答えいたします。
 区の施設では、非常用発電機を、消防法、建築基準法により、一千平米以上の大規模施設に設置してございます。本庁舎や西荻地域区民センター、セシオンなど三十四施設に設置してございます。
 非常用発電機の作動についてでございますが、東京電力等の供給電力の電圧を確認している装置により、供給が途切れた場合に自動的に停電と判断する装置によりまして、非常用発電機を自動起動させるようになっております。
 次に、非常用発電機の点検につきましては、法律に定められた点検を六カ月に一回行うとともに、自主的な点検を毎月行っております。点検時にふぐあいがあった場合には、直ちに部品交換や修理をあわせて実施しているところでございます。
 次に、コージェネレーションシステムに関するご質問でございますが、ガスによる廃熱を利用したコージェネレーションシステムは、大型施設などでは、電気に頼らず、省エネルギーの観点からも先進的な設備機器と考えます。この区役所本庁舎もコージェネレーションシステムを設置しており、本庁舎の使用電力の約四割に近いものをこれで賄ってございます。
 設置に当たっては、熱源機器の設置などの条件もあり、大規模施設に限られますが、今後大規模施設の改築などの際には、設置についても検討してまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で大和田伸議員の一般質問を終わります。
 三十三番原田あきら議員。
     〔三十三番(原田あきら議員)登壇〕
◆三十三番(原田あきら議員) 私は、日本共産党杉並区議団を代表しまして、区政一般について質問します。
 まず初めに、田中区長の政治姿勢について質問します。
 東日本大震災を受けた区の被災者支援のあり方等については、既に昨日、党区議団としての質問も行っていますし、他の議員からも多くの質問が交わされていますので、私からは、ただ一点お聞きしたいと思います。
 それは、復興に係る財源問題です。最大で二十五兆円とも言われる復興経費。その財源として有力視されているのは、国民、区民への増税です。この問題は、国政の推移を見守るなどと言っていられる、そんな問題ではありません。今区民は、自分の生活自体が大変な中にもかかわらず被災者支援に全力で取り組んでいることを、区長もおわかりのことと思います。この努力の国民、区民に対し、復興に名をかりてのさらなる負担を負わせることが本当に政治のあるべき姿かどうか、考えねばならないと思うんです。
 震災直後からテレビに映し出された映像は、我が目を疑うものでした。被害の大きさはまさに甚大で、頭を抱えたくなるような感覚にとらわれました。
 我が党区議団は、まずできることから始めようと、震災の次の日から募金活動に取り組みました。今でこそ見なれた風景かもしれませんが、震災直後の街頭に募金箱を持って立つのは、一定の勇気が要りました。それでも、自分に何かできることはないかと考えていた多くの人たちから共感を得て、たくさんの募金が集まりました。小さな子どもが、ちょっと待っててねと、なけなしの小遣いを家まで取りに行って帰ってきて募金箱に入れてくれました。地域の方が、宮城県は山元町という津波の被災地にボランティアに入るというので、それならば支援物資も一緒に届けようと、当時は貴重だったお米を地域に呼びかけ募ったところ、二日間で二百五十キロものお米が集まりました。お母さんと手をつないで来た女の子は、保育園で編んだマフラーだけど、向こうの子に上げると、お米と一緒に手渡してくれました。被災地から娘を頼って杉並に避難してきたという女性は、東京の知らない土地に来て不安だったけれど、東京の人が一生懸命募金活動をしている姿に勇気づけられたと、手を握って感謝を伝えてくれました。私はなぜだか逆に勇気づけられた思いでした。ここにいる多くの区議会議員の皆さんも、国民が一丸になるという本当の意味を感じた三カ月ではなかったでしょうか。
 私は、このような被災者支援に全力を挙げる国民に、復興の名をかたって増税を課そうなど、醜い政治と言わずにいられません。これでは国民が活力をますます失い、進む復興も進まなくなるのではないでしょうか。大体、消費税を増税すれば被災者も増税を浴びることになり、本末転倒、復興の名に値しません。
 そこでお聞きします。復興の財源として消費税増税など庶民負担を求める動きに対しては、自治体の長として反論すべきと考えるが、いかがか、お答えください。
 国民に増税を言う前に、努力の足りていない人たちがこの国にいるのではありませんか。例えば政治家の受け取る政党助成金三百二十億円、国会議員の給料よりも高い額を税金から支出しています。日本共産党ははなから一円も受け取っていませんが、これを山分けして恥じない自民、公明、民主、社民、みんなの党は即刻返上し、復興に充てるべきです。そうした声が自ら少しも上がらないでいて、よくも復興増税など言えたものではありませんか。
 大企業、大資産家の行き過ぎた減税も問題です。この二十年ほどの間、庶民が大変な増税、負担増を浴びる一方で、大企業、大資産家は大減税のシャワーを浴び続け、史上空前の利益を上げてきました。そうした大企業、大資産家減税は、年間に五兆から七兆円とも言われていますが、増えたのは雇用でもなく設備投資でもなく、内部留保でした。その額は現在二百四十兆円。この一部でも復興に充てれば、庶民への増税は全く必要がなくなります。そうした努力を申し出る声が一度でも財界から上がったでしょうか。震災のどさくさに紛れて大連立を画策し、さらなる法人税減税のために消費税増税を企む姿にはあきれるばかり、まさに亡国の政治です。
 そこでお聞きします。復興財源を捻出するためにも、政党助成金の廃止や行き過ぎた大企業減税にメスを入れる必要があると考えますが、いかがか。国の問題とせず、一自治体の長として、区長の姿勢を区民に明らかにする必要があると考えます。
 さて、被災者とともに区民の暮らしも見捨ててはならないんです。被災者支援に取り組む区民自身が既に重大な痛みを生活に受けているのが実態です。増税されているのにちっとも福祉はよくならないで、逆に保育や介護の痛みがさらなる負担となっているのが実態ではありませんか。これまで杉並区政はそうした実態に目をつぶり、杉並公会堂改築や借金ゼロ政策、そして減税自治体構想など、ろくでもない政治に税金をつぎ込んできました。
 こうした政治が転換され、職員や区民の声を聞いていくとした田中良区長に、杉並区政は移りました。田中区長は、杉並区のまちづくりの基本として、良好な住宅都市杉並を標榜し、この考えのもとに杉並区基本構想を作成するとし、そこに区民の意見を取り入れるとしています。これでやっと区民の声が政治に届くと安心したいところですが、そういうわけにもいきません。議会には、あのでたらめな減税自治体構想を天まで持ち上げ、それでいて、区長がかわった途端に、私もおかしいと思っていたと手のひらを返すような自民、公明、民主らが、今でも多数を形成しています。区役所の中には、山田時代をいまだに引きずったような反区民的姿勢の部課長も、少数ですが、いらっしゃるようです。
 そのようなとき、本当に区長が区民の声を反映させた基本構想をつくろうとすれば、そこには区長の大変な意思が必要になるのだと指摘したいと思うんです。ですから、区長が考える良好な住宅都市とは一体何なのか、注目が集まるところであります。
 さて、その際、昨年の第四回定例議会以来、与党から問われた際に、気になる答弁を区長が行ってきています。良好な住宅都市の一環として、例えば荻窪の駅前開発が必要という話です。荻窪が吉祥寺や中野に比べて押されているといった答弁でしたが、その答弁の周辺では、施設白書に示された三十年間で約二千八百億円かかると言われる施設整備費について、出費を抑制するためにも、駅前に複合施設をつくることもあり得るとの見解が示されていました。率直に言って筋のずれた話だと感じました。
 なぜなら、良好な住宅都市とは、駅前に大きなビルや複合施設がある自治体ではなく、むしろ地域に細やかな区の施設が点在し、高齢者や障害者など弱者にとっても身近で便利な自治体だからです。保育や介護など福祉施設はまさに地域ごとに整備されることが重要で、例えば庭もなく喧騒にまみれた駅ナカ保育を求めている区民など、実はいません。ましてや認可保育園待機児千二百名、特養ホーム待機者千八百名という実態は、到底良好な住宅都市の名にふさわしくない状態であります。
 そこでお聞きします。区長は、良好な住宅都市とは何かと問われると、よく荻窪の駅前開発などを挙げて、吉祥寺や中野に負けるなとばかりにハード面の充実を強調されるようですが、福祉や教育などソフトの面ではどのような考えをお持ちか、お答えください。
 特に杉並区の現状を見て、保育や介護など福祉の面で充実していると言えるのか否か、率直に今の現状をどうとらえているかお答えください。
 さて、区民の暮らしを考える上で今見逃してはならない問題が、区内の商店街や職人の実態です。かねてからの未曾有の大不況に加えて、東日本大震災の影響も加わって、商人、職人の困窮の度合いが極めて重大です。一九九五年の阪神・淡路大震災では、発生から一年間で消費を一兆七千五百億円失い、悪化した個人消費が震災前の水準に戻るのに一年かかったそうです。第一生命経済研究所の主席エコノミストは、東日本大震災による消費の落ち込みは三兆円を超え、本格回復も二年以上先になるだろうと指摘しています。商店では既に明らかな消費の落ち込みがあるとも町場で聞いています。職人の仕事も激減しているため、お得意先だった地域の飲み屋さんなどは、もう悲鳴を上げている状態。商店街は区民の買い物の場というだけでなく、地域の安全、はたまたお祭りの地域行事などについても重大な任務を背負ってくれています。こうしたときこそ、政治が乗り出して、地域コミュニティに無類の努力を尽くされている商店街への支援が私は必要になってきていると思うんです。
 そこでお聞きします。個々の商店には、区の直貸しなど含めた緊急融資の拡大、商店街には街路灯の電気代の区の全額負担など、何らかの緊急支援が必要と考えますが、いかがか、お答えください。
 さて、区長の政治姿勢を問う際、杉並区においては教育問題を取り上げないわけにはいきません。山田前区長は、教育改革と称しながら極めて偏狭な教育観を教育委員会に押しつけ、意にそぐわない職員は平気で首をすげかえるなど、異常な強権的政治介入を行ってきました。軍国主義的思想や新自由主義思想の講師陣を集めた師範館の設立、小中一貫教育のやみくもな推進、学力テストの乱発、校庭の芝生化の押しつけなど、数え上げたら切りがありません。多くが自らの名声のために子どもと教師を犠牲にしたパフォーマンスによるものでしたが、全体を通じてそこには、財界のもくろむ新自由主義教育の実験場としての役割もあり、さらには、教育勅語礼賛、戦争賛美という区長独特の歴史観、社会観の押しつけが重なっていました。
 中でも象徴的な問題がつくる会教科書採択への介入でした。この夏には中学校の教科書採択があり、教育問題はいろいろあるのですが、本日は、この一点についてだけお聞きしたいと思います。
 二〇〇五年八月十三日付の朝日新聞には、「教育長交代で逆転 区長の影響、教育にも」と題された記事が載りました。文字どおり二〇〇一年につくる会教科書採択に反対した教育長が山田区長によって交代させられ、山田区長の区長室長を務めていた人物が教育長になり、そして四年後の二〇〇五年、つくる会教科書採択にこの教育長が賛成したことで、つくる会教科書は採択されました。この記事はそれを報道したものです。
 二〇〇一年の採択前には教育委員も二人首をすげかえられており、つくる会教科書を熱烈に推薦したその二人は、今でも教育委員として席に着いています。つくる会教科書の問題は指摘し切れないほどありますので、そのごく一部を紹介するにとどめます。
 なお、新しい歴史教科書をつくる会は、この間勢力争いを繰り返し、現在は二派に分裂、それぞれが自由社版、育鵬社版に分かれて出版しています。いつも言われていることですが、日本の侵略戦争美化の問題は深刻です。例えば自由社版は、「日本を解放軍として迎えたインドネシアの人々」と題するコラムを載せ、日本軍の資源確保を目指した侵略的性格や、その後の強制労働、人民支配の史実を隠しています。
 あと個人的に許せないのは、他国を蔑視するような記述であります。
 まず、世界で最も安全で豊かな今日の日本、我が国は世界で最も長い歴史を持つ国と、根拠の不明な文章を展開した上で、一方、朝鮮はモンゴルの言われるままに日本遠征に協力したと書き連ねます。実際は長期にわたって朝鮮がモンゴルに抵抗した歴史については無視して、朝鮮の無力さを描き出そうとするのです。日中戦争についても、自力で近代化できない中国、朝鮮を導こうとした日本に中国が抵抗したことから起きたと言わんばかりの記述。こんな教科書で、これからの国際社会を担う子どもたちが学ばねばならない不幸、そして将来の禍根を思わずにはいられません。
 二〇〇五年の採択の際、NHKが報道したグラフは、この問題を端的にあらわしていました。国語や数学の教科書採択では、現場教師や専門家の意見でトップの成績をおさめた教科書が採択されています。ところが歴史の教科書だけは、最低の成績だった教科書が採択されているのです。それがつくる会の教科書でした。教育委員はおのれの考え方だけによらず、現場教員、専門家、区民の意見をしっかりと聞き、教科書採択に反映しなければならないのではないでしょうか。より現場の意見が反映される採択事務の確立が重要です。
 そこで、以下二点に絞ってお聞きします。
 調査報告を記載するに当たって、各学校の先生方に、どの教科書を使用したいのかという意向を明確に記述するよう求めますが、いかがか。現場の先生方の意見を尊重して採択を行うとともに、保護者や区民の意見も尊重すべきと考えますが、いかがか、お答えください。
 教科書調査委員会は、調査報告書の集計結果と種目別調査部会報告書を客観的に反映して教科書調査委員会報告書を作成するべきと考えますが、いかがか。また調査委員会は、その報告書を提出する際に、報告会議を開いて教育委員に説明するようにすべきと考えますが、いかがか、お答えください。
 言うまでもなく、区長が教育に不当な圧力をもって介入することは許されません。しかし、採択事務の民主的な環境整備を行うことは、むしろ区長の任務の一つともなると私は指摘し、次の質問に移ります。
 次に、井草地域区民センター不当不採用事件についてお聞きします。
 セシオン杉並における受託業者の賃金未払い倒産事件に続き、またもや民間委託にかかわる重大な問題が引き起こされました。舞台は井草地域区民センター。この四月から井草地域区民センターほか三施設は、昭和建物管理株式会社に委託がえされることとなりました。事件は委託がえとなる直前に起きました。
 杉並区は、新しい受託業者である昭和建物管理株式会社に対して、三月の早い時期に面接をし、できる限り円滑な運営のための雇用継承についても言及するなど対応していました。ところが、昭和建物管理は、区の指導があったにもかかわらず、面接の時期を業者入れかえの一週間前に実施。そして事もあろうに、業者入れかえの前日になって、職員に対し不採用を言い渡すなどの実態があらわれたのです。この不採用は現場責任者も知らないことで、当然次の日からのシフトも完全にでき上がっていました。突然シフトが変わるというだけでなく、ベテランが現場からいなくなるわけですから、残された職員の負担になります。不採用の理由も業者からは明確にされず、他の職員からも業者への強い不信が募りました。
 セシオン事件でも指摘しましたが、受託業者が何度かわろうとも、変わらぬ区民サービスを提供したのは、ほかならぬ職員の力です。単に受付業務といいますが、セシオンや区民センターにおけるその業務は、杉並区と杉並区民との触れ合いの瞬間であり、こうした施設での対応こそが、区民が杉並区の温かさを知り、区が区民からの信頼を得る場となるのです。それは丁寧であればいいというわけでもなく、時として、よく訪れる区民、地域住民とは気心の知れた対応も必要とされます。まさに経験と技能の必要とされる仕事なんです。
 各センターには十年を超える経験の方が当然のごとくにいて、二十年近くの経験を持つ方も少なからずいます。職員のほとんどは杉並区民です。単に金銭に応じた労働をすればいいというだけでなく、それぞれが区民サービスの維持向上に熱意とやりがいを持って取り組んできました。だからこそ、例えばセシオンでは、二カ月半にもわたって賃金が未払いでも、状況の改善を事業者と区に訴えるとともに、働くことはやめなかったんです。井草地域区民センターでも、多くの職員がその気概を持って仕事に打ち込んでいたのは区も認めるところではないかと思います。
 そこでお聞きしますが、井草地域区民センターの業務実績について、CS調査の結果など受けて区はどのように評価しているのか、お答えください。
 区の指導を無視した受託一週間前の面接や、受託を前日に控えてのベテラン職員の不採用や異動、さらには現場責任者にもそれを伝えていなかったためにシフトもでき上がってしまっていたなど、区民センターの円滑な業務遂行を重大に阻害する行為ではないか、お答えください。
 普通ならそのまま泣き寝入りするところですが、不採用となった職員数名の中には、公務公共一般労働組合の組合員二人が含まれていました。公共一般労働組合は即日、昭和建物管理株式会社に対して団体交渉を申し入れています。ところが昭和建物管理は、職員に雇用関係はないとばかりに団体交渉を拒否、不当不採用という指摘にも、厳正な審査のもとに決定したと言って受け付けません。しかし、現場の実態からすれば必要不可欠な人材であるのは明白で、現に採用された職員らからも、今回の不採用に強い怒りが沸き起こっています。
 しかも後からわかったことですが、厳正な審査とやらがまだ行われてもいないのに、昭和建物管理は井草地域区民センター職員の求人広告を出していたことがわかりました。昭和建物管理は、現在運営を担っている組合員が団体交渉を求めても、単なる職員との話し合いなら受けるが、団体交渉には応じないという不誠実な姿勢を見せています。ここに公共一般労組は、東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行いました。昭和建物管理が新たな使用者になることが決まっているにもかかわらず、当社の職員ではないとして不採用の詳しい理由も説明せず団体交渉にも応じない姿勢は、重大な法令違反であり、東宝クリーンサービスを受けて法令遵守のチェック体制を整えるとした区は、同社に厳しく対応すべきです。
 そこでお聞きします。不採用が言い渡されたその日に団体交渉を求めたにもかかわらず、新たな使用者であるはずの昭和建物管理がこれに応じなかったのは法令違反になるのではないか、区の見解を求めます。
 四月以降の運営は、ベテランが不採用となったり職場異動を行ったため、頭数をそろえるかのように初心者が大量に入ってくる、そうした事態となっています。残ったベテランは、日々の任務を遂行するだけでなく、こうした本来の任務にない新人教育も任され、体力的、精神的にも追い詰められています。受付や清掃業務などで何人も職員がやめている状況にあります。区はシフトについてもチェックをしているそうですが、シフトを見ただけでは、業務の円滑な遂行はわかりません。実際今もシフト自体はしっかりと埋まっているわけですが、新人が多くて、どんなに人数が足りていても、とてもじゃありませんが、円滑な業務の遂行にはほど遠い実態となっています。
 そこでお聞きします。円滑な業務遂行を管理監督するには、シフトを詳しくチェックする必要があります。新人の割合やベテランの有無、それぞれの勤務体制のとり方などを監督するべきではないか、区の見解を求めます。
 こうした民間委託による区民サービスの低下を防ぐために、新宿や板橋、文京といった区では、受託業者に区がかなり突っ込んで指導を行う体制がつくられてきています。単に最低賃金を守っているかといったチェックではなく、その業務内容に応じた適切な賃金体制がとられているかなど、円滑な運営を支える職員の労働環境を中心に、受託業者を管理監督するシステムがつくられようとしているのです。
 そこでお聞きします。新宿や板橋、文京などでは、単に法令遵守というだけでなく、就業規則や雇用契約、労使協定等の労働条件についても、適切な内容となっているか等チェックを行っています。杉並区でもこれだけの問題が噴出している中、受託業者への踏み込んだ監視体制が必要ではないのか。職員、そして区民に対する誠実な答弁を期待して、次の質問に移ります。
 神明通り沿いの宮前三丁目。この地域は駅が近いわけでも幹線道路が通っているわけでもなく、ショッピングモールがあるわけでもない、お世辞にも利便性に富んだ住宅街とは言えないような地域です。しかし、そのかわりに駅前や大通りの喧騒はなく、閑静さを特徴とした居住地帯と言えます。多くの方がそうした環境を好んで、古くからの土地を守り、または移住してきた地域なんです。
 そんな宮前三丁目に今広大な空き地が存在しています。もとはNTTの社宅がありました。今でこそ目に優しい広々とした空間を提供してくれていますが、実はここに巨大なマンション計画が持ち上がっています。住友不動産による西荻窪計画です。
 この閑静な住宅街、第一種低層住居専用地域の海原に、何と高さ十二メートル、しかも南北約百メートルにわたって建築物が連なる計画です。そのうち七十メートルは、ほぼ一枚の壁となって周囲を圧迫します。正直な感想、近隣住民にとっては余りに配慮の欠けた前近代的な計画であり、住友不動産ともあろう大企業がやるべきことかと、驚きを感じるものであります。
 住民は、圧迫感の解消を必死に求めて、建築物の高さの一部緩和、南北に延びる建物ではなく東西に延びる計画にできないか等々要望しましたが、住友は採算性が落ちると金の心配ばかり。基本計画については全く取り合う姿勢を見せません。
 西荻窪マンション計画は、この間話題となっている景観条例に基づいて、景観審議会専門部会において審議の対象となりました。景観条例は、見れば、地域住民の居住空間保護に極めて細かい配慮の行き届いた内容となっており、今回のような計画であれば、どれほど厳しい指摘があるものかと期待されました。
 ところが、昨年の十月に行われた審議会では、事もあろうに、圧迫感については議題にも上がらなかったのです。審議をされたのであればまだわかりますが、それさえないのでは、景観審議会の存在意義が問われてしまうのではないでしょうか。
 そこでお聞きします。第一種低層住居専用地域に、南北百メートルの敷地に高さ十二メートルの横一線に連なった建物の数々は、景観として異常な圧迫感を近隣に押しつけるものではないのか。景観審議会の議論は極めて不十分と考えるが、いかがか、区の見解を伺います。
 専門部会で議題に上がった西荻窪マンション計画の色彩については、住民からの意見が出ているわけでもないので、特に問題なしと審議でされたようですが、実際は、住友不動産はこのとき住民に建築物の色彩について意見聴取はしておらず、住民の意見が上がるはずがなかったのです。
 そこでお聞きします。景観審議会において議題に上がった建築物の色彩についてですが、住友不動産は近隣住民にリサーチをしたことはありませんでした。にもかかわらず問題なしとされたのは一体どのような審議によるものか、お答えください。
 こうした景観審議会のあり方及び判断について不服を唱える制度が景観条例上定められていないのは問題です。早急に整備すべきと考えますが、いかがか、お答えください。
 調停委員会でも二人の調停委員は終始、住友不動産の近隣住民への配慮を訴えていました。建築確認を通して区として良好な住宅都市を守る立場、区民生活を守る立場から、業者への明確な指導がもっと行われるべきではないのか、お答えください。
 前山田区政下においては、まさに良好な住宅都市を形成してきた三井グラウンド、阿佐ヶ谷住宅などの巨大マンション化が、業者だけでなく区もかかわって平然と進められてきました。こうした前区政からの転換を心から求めて、誠実な答弁を期待します。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 原田あきら議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 質の高い住宅都市に関連したご質問でございました。私は、杉並区が良好な、より魅力のある、質の高い住宅都市として発展するためには、ハード、ソフトの両面からその価値を高めていくことが大切であり、介護、医療、子育て、教育などのソフトの施策とともに、利便性があり、にぎわいのあるまちをつくるハードの施策を総合的に講じていく必要があると、これまでも申し上げてまいりました。
 荻窪駅前の整備についても、まちづくりの一環として必要であり、質の高い住宅都市として発展するために必要だと考えております。
 ご指摘の福祉の問題につきましては、杉並区の福祉サービスは、他区に比べて決して遅れてはいないと思っておりますけれども、不透明な経済状況のもとで、区民生活の安心の根幹である福祉のセーフティーネットをしっかり確保するとともに、子育て、介護、医療等の基盤を整えることが重要だと考えております。
 また、特別養護老人ホームの待機者や保育の待機児問題などの課題もございます。そのため、平成二十三年度予算では、だれもが健やかに暮らせるように、福祉、医療、教育などの緊急に必要なものについて重点的に予算配分を行って、健康と医療・介護の緊急推進プランや保育の待機児解消、高齢者の介護基盤の整備などに取り組んでいるところでございます。
 この間、幅広い区民の意見を踏まえて、新たな基本構想づくりに取り組む一環として、区民アンケートを実施したり、今般は区として初めて無作為抽出方式による区民意見交換会を行って、各年代の区民の率直な意見を伺ってまいりました。今後とも、工夫を凝らして多様な意見をお聞きしながら、施策の充実等に取り組んでまいりたいと存じます。
 他の質問につきましては、関係部長等よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 区長室長。
     〔区長室長(与島正彦)登壇〕
◎区長室長(与島正彦) 私からは、復興財源に関するご質問にお答えします。
 東日本大震災の復興に関する財源の確保については、国民の間にもさまざまな考え方があり、現在、政府において検討を進めているものと認識しております。
 消費税増税等についても、東日本大震災の復興策を検討する復興構想会議の検討部会や政府税制調査会などにおいて、検討が進められております。財源問題は、今後の国会での議論が積極的に行われることを期待しますが、税負担の問題を中心に、国民的な広範な議論が必要であると考えております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 区民生活部長。
     〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕
◎区民生活部長(佐藤博継) 私からは、区内商店に対する支援と井草地域区民センターに関する所管のご質問にお答えいたします。
 まず、区内商店に対する経済的支援に関するお尋ねですが、杉並区では、緊急経済対策融資を平成二十年度から実施し、これまでに二千件を超える貸し付けを行っております。今年度も引き続き緊急経済対策融資を行うとともに、七月にはプレミアムつき商品券の発行支援を行い、区内消費を促します。
 また、商店街装飾灯につきましては、二十一年度から、消費電力の少ないLED化を、国や都の諸制度に上積みして助成することにより推進しておりまして、これまで約五百基がLEDに転換されています。
 また、電気代につきましては、区内すべての装飾灯に対して助成を行っており、装飾灯の電気代を区が全額負担することは考えておりません。
 次に、井草地域区民センターの業務の評価についてのお尋ねでございますが、昨年度実施された外部評価機関によるCS調査の結果では高い評価を受けており、四半期ごとに実施した区の履行評価においても、業務遂行に当たっての幾つかの注意は行ったものの、全体としては良好なサービスが提供されたと評価しております。
 次に、事業者の業務実施に向けた準備に関するお尋ねですが、年度当初から安定的な施設運営に向けて必要な助言を行っているところでございます。
 次に、事業者と従業員の団体交渉に関するお尋ねでございますが、その件につきましては、東京都労働委員会に申し立てがされていると聞いておりますので、そこで判断が下されるものと考えております。
 私から最後でございますが、業務遂行の管理監督についてのお尋ねでございますが、受付・案内業務の配置人員につきましては、委託契約の仕様書により、午後八時までは三名以上、午後八時以降は二名以上の配置を義務づけ、勤務予定表及び実績表の提出も求めております。ただし、だれをどのように配置するかについては、業務委託の性格上、事業者の判断にゆだねられるべき事項であり、区としては、履行評価の中で、必要があれば助言を行う立場にあると認識しております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、労働関係法令遵守の確認に関するご質問にお答えいたします。
 区では、昨年度から労働関係法令遵守の確認を行っておりますが、今年度からは、最低賃金額を明記した確認書の提出を義務づけるなど、さらに制度の充実を図っております。
 加えて、ご指摘の就業規則等の項目につきましても、事業者との面談の中で必要に応じて各所管で確認、関係書類の提出を求めるなどの対応を行っているところでございます。
 こうした当区の制度は、他区と比べても、定期的に事業者との面談方式による確認作業を行っている点に特徴があり、現場の実態把握と監視にその役割を果たしているものと考えてございます。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) まちづくり担当部長。
     〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕
◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、宮前のマンション計画についての一連のご質問にお答えいたします。
 まず、景観専門部会の審議に当たっては、現地確認を行うほか、事業者からの説明と質疑を事前に行い、十分に議論されたものと考えております。
 なお、外壁の色彩につきましては、景観計画で定める建築物等の色彩基準に適合するものとなっております。
 次に、まちづくり景観審議会についてのお尋ねですが、まちづくり景観審議会は区長の諮問機関として設置されたもので、区は、まちづくり景観審議会の意見を聞いた上で、事業者に対して助言、指導を行うことができる規定となっております。したがいまして、この審議会の意見につきましては、行政処分ではございませんので、不服申し立ての対象とはなりません。
 次に、民間建築物の指導についてのお尋ねですが、建築行政においては、民間建築物の指導には、財産権の保護の趣旨から一定の限界がございます。当該建築物につきましては、建築確認は民間の指定確認検査機関での審査となっておりますが、区としては、建築基準法第八十六条の一団地の認定の申請などに際しまして、基準の遵守を項目ごとに具体的に確認するとともに、周辺への配慮等を要請してきたところでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 済美教育センター所長。
     〔済美教育センター所長(玉山雅夫)登壇〕
◎済美教育センター所長(玉山雅夫) 私からは、教科書採択に関する質問にお答えいたします。
 初めに、学校調査における教員による報告書の記載についてのご質問にお答えいたします。
 本調査は、すべての教科書について、内容の選択、構成・分量、表現・表記、使用上の便宜、地域性の五つの観点及び総合的な視点から調査を行い、特筆すべき点を記載することとしております。意向調査ではないため、教員に教科書使用に関する意向を求めるものではございません。
 次に、教員及び保護者、区民意見の尊重に関するご質問にお答えいたします。
 教科書調査委員会が、教員については種目別調査部会と学校からの調査報告を、保護者、区民については教科書展示会場でのアンケート結果を参考にしながら報告書を作成し、教育委員会に報告いたします。また、メール等による区民からの意見、要望については、適宜教育委員に示しております。
 続いて、学校調査と種目別調査部会からの報告の取り扱いについてお答えいたします。
 教科書調査委員会は、種目別調査部会、学校からの調査報告、区民アンケートの結果を参考にしながら十分な議論を重ね、報告書を作成しております。
 次に、教育委員への説明についてですが、教科書調査委員会は教育委員会へ報告書を提出するとともに、説明を行っております。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 三十三番原田あきら議員。
     〔三十三番(原田あきら議員)登壇〕
◆三十三番(原田あきら議員) 再質問をさせていただきます。
 まず復興の財源の問題についてですけれども、政府で考えているから我々が考える立場にはないかのような答弁でした。それで何が地方主権と言えるのか。日ごろ地域の独立とか主権を地域へなどと言っておきながら、こういうことになると全く関心がない。遠い国の話と思っていてはだめなんです。増税されれば、まさに区民の生活に重大に影響する問題なんです。これについてはしっかりと再度区長の答弁を求めたいと思います。
 ハード面、ソフト面両面やるんだという答弁でした。その中で幾つかの緊急的な措置として保育所の増設などが予算に見えてくることは、私は評価したいと思います。ただし、福祉にも力を入れているんだということは、前山田区長も言っていたわけですね。緊急の予算だったらつけるんだということぐらいだったら、山田区長も言っていた。ところが、抜本的にこの事態を改善するような政治姿勢というものが、今まで十年間にわたってなかったわけです。ぜひ、今の保育と介護の問題、来年度予算に向けてじっくりと構えていただいて改善に取り組む姿勢を見せてもらいたい。そのことをもう一度お聞きしたいと思います。
 井草地域区民センターについては、高い評価、良好なサービスを提供してくれていたと。では、なぜ新しい委託がえになった業者、昭和建物管理は、この人たちを六人にわたって不採用として現場に混乱を生んだのか。まさに高い評価を受けているところが委託がえによって今混乱を現に生んでいるという状態、これについて率直にどう思うか、どう指導しようと思っているのか、お答えください。
 新宿や板橋、文京などの例を学ぶべきではないかということでしたが、それに対して、関係書類などを取り寄せてしっかりとチェックをしていると。他区と比べてもしっかり監督に努めているかのような答弁がありましたが、それで何でこういう問題が起きるんですか。そのことを私は聞いているんです。今のままでは、単に文書だけもらって、しっかりとチェックもしない、シフトが出てきてもその内容を詳しく見ようともしないで、こうした混乱が起きてもお構いなしと、それが区の姿勢なんじゃないのかということを私は指摘しているんです。この改善に区は努めなきゃいけないんじゃないですか。しっかりとお答えください。
 西荻マンション計画についてですけれども、まず、業者との話し合いがしっかりと行われてきた結果だと言いましたけれども、まさに地域の人たちが何を言っても、住友不動産というのは首を縦に振らなかった。この異常な圧迫感を地域に押しつける建物について譲歩してこなかったというのが実態だと私は思うんです。駐車場やその他風通しについて一定の配慮をしたと言いますが、最大の問題に全くメスが入っていません。この問題について、区はもうちょっと建築確認などを通じて指導していくべきではないかと私言いました。今回、担当の職員は割と厳しく業者に対しても言ってくれたという節があります。それでも住友不動産というものが住民には全く譲歩しなかったという実態。私は、ここにいよいよ政治の力でメスを入れていく必要があると思うんです。良好な住宅都市を維持することが極めて困難になってきています。さまざまな法の目をくぐって、住宅街の好ましい環境をまるで食いつぶすようにして巨大なマンションが建つ。それを大手までがやってしまう。これについて、区長は、良好な住宅環境を守るためにどういう対応が今必要とされているか、答弁いただきたいと思います。
 最後に教育問題。
 教育問題については、区民の声、現場の先生の声は適宜教育委員にメールや資料で送っていると言いますけれども、去年の七月に行われた小学校教科書採択時には、調査報告書を読んでも、先生方がどの教科書を使いたいのかが読み取れないと、教育委員長自身から発言がある。適宜、教育委員には現場の先生や区民の声を届けていると言いますけれども、届いていないんです。ぜひその実態をわかっていただいて、今回の教科書採択については、現場教員の明確な意思、そして区民の意見が反映された教科書採択を求めますが、再度教育長の答弁を求めて、終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 原田あきら議員の再質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 保育、介護などの福祉施策にじっくりと取り組む姿勢を見せてほしいと、こういうご趣旨のご質問でございました。これまでソフト面についての私の考え方は折に触れて申し上げてまいりました。これまで表明してまいりました言動にはきちんと責任を持って施策に反映をさせていきたい、こう思っておりますので、ご理解をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、復興財源のことでお尋ねでございましたけれども、先ほど区長室長がご答弁申し上げましたように、今国のほうでは議論が行われているさなかでございます。その推移を見守っていくと言うしかないのではないかというふうに思います。
 ただ、個人的な私の考え方でお話しするならば、国民が本当に困って、本当に飢えて困っているというときには、私は、国は借金をしてでも国民を救うということをやるのが政治の責任だというふうに思います。しかし、国民が国に対してきちっとその国民としての義務を果たすべきときには、それはきちっと応分の負担をしていただくということが、私はあるべき基本的な姿ではないかというふうに思っております。しかし、その場合に大事なことは、国民と国の政治の信頼関係がきちっと成り立っているということが大事なことだと思います。現状のように、与党は大連立とかいろいろ言っていますけれども、中をまとめることもまだできていないという状況、また、それぞれ与野党は自分の立場に固執している印象をぬぐえない。そういうような政治の状況の中で、果たして本当に信頼関係というものができて、その上で施策が進められていくのかどうかということに非常に不安を持っております。
 しかしながら、人のことをとやかくいろいろ言っても始まりませんので、こういうときはそれぞれが、自分がすべきこと、やるべきことをきちっとやり抜いていくという姿勢が大事だろうというふうに思っております。そういう意味で、杉並区として何ができるか、杉並区として何をしなければならないか、そのことに私は区長として徹して取り組んでまいりたいというふうに思っておりますので、今後ともご理解をよろしくお願い申し上げたい。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 区民生活部長。
     〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕
◎区民生活部長(佐藤博継) 原田議員の再度のご質問にお答えいたします。
 委託がえによって混乱を生んでいる、その現状についてどう思うのかとのお尋ねでございますが、新しい事業者には、例えばでございますが、四月以降に採用した新人が七人以上と半数以上になるけれども、サービスの質は保てるのかといった情報聴取などを行いまして、その対応策も確認しているところでございます。今後も区民サービスの低下にはならないよう助言、指導などを行っていきたいというふうに考えてございます。
 私から以上です。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 労働関係法令遵守の当区の取り組みに対する再度のご質問でございますが、新宿や板橋などでは、労働関係のチェックシートの提出を求めてございますが、私どもそういったのをつぶさに見まして、それだけではだめだ、やはり受託業者と区が直接面談をすることによって、それが遵守されているかどうかを確認する必要があると考え、先ほど申したように、定期的に事業者との面談方式による確認作業を行っている点に当区の特徴がございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) まちづくり担当部長。
     〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕
◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 宮前マンション計画についての再度のご質問にお答えします。
 先ほども答弁いたしましたが、民間建築物の指導には一定の限界がございますが、今後も、さまざまな観点から良好な住環境を守るよう努めてまいりたいと思います。
○議長(藤本なおや議員) 済美教育センター所長。
     〔済美教育センター所長(玉山雅夫)登壇〕
◎済美教育センター所長(玉山雅夫) 原田議員の調査部会からの報告書に関する再度の質問にお答えいたします。
 昨年の小学校教科書の採択時に行われたように、五人の教育委員による検討が十分しっかり行われるよう、教科書調査委員会の報告書作成に意を尽くしてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で原田あきら議員の一般質問を終わります。
 七番山田耕平議員。
     〔七番(山田耕平議員)登壇〕
◆七番(山田耕平議員) 日本共産党杉並区議団を代表して、区政一般について質問します。最初に保育について、次に外環道計画についてお聞きします。
 ことしの二月、認可保育所の入園結果が発表された後、区役所三階の保育課には、子どもをおぶった若い親が詰めかけました。泣きながら必死に保育施設を申し込む姿もありました。私自身、零歳児の子どもを育てる一人の父親でもあります。保育園に子どもを預けられるかどうか、大きな不安を抱えていた一人です。もしも子どもを預けられなかったときのことを考えると、心底ぞっとします。
 認可保育所に入園できなかった多くの保護者が厳しい環境の中で保育活動、いわゆる保活をしながら、やむなく保育条件の悪い認証保育やその他の施設を利用しているのが実態です。また、私が相談を受けたある区民はひとり親世帯でしたが、保育園に子どもを預けることができず、仕事にも復帰できないことになり、生活保護を受けることになりました。保育所不足により、家庭生活もままならない深刻な事態も生まれているのです。
 区は、四月時点でどのような施設にも入ることのできなかった待機児童数を七十一人になったと発表しています。昨年四月時点での保育待機児童は二十三人であり、今年度は待機児童数が増加しています。自治体の保育責任をうたった児童福祉法第二十四条に違反するものであり、待機児童ゼロにするための一刻も早い対策が必要になっています。
 そこでお伺いします。七十一名の保育待機児童をゼロにするために、杉並区としてあらゆる努力を尽くすべきと考えますが、保育待機児ゼロに向けた計画はあるのでしょうか、伺います。
 七十一名もの保育待機児問題が発生する中、保護者はどこでもいいから入園させなければと躍起になりますが、やはり多くの保護者は認可保育所への入園を求めています。ことし四月の時点で二千三百七十七人の認可保育所への入園申し込みに対し、入園できた児童は千二百七十五名にすぎませんでした。千百二名が入園できなかったことになります。
 多くの保護者が認可保育所への入園を求める原因として、認証保育園など無認可保育所の保育環境の厳しさがあります。この間、区内の認証保育所を初め、認可外の保育施設を見学してまいりました。
 ある認証保育園では、駅から近いことを売りにしていますが、そうした立地条件のため、保育面積が狭く、保育士の配置も少ないため、朝夕の忙しい時間になると、零歳から五歳児まで一緒のフロアで過ごしています。零歳のはいはいしている赤ちゃんと、もうすぐ小学校に入る元気いっぱいの子どもたちが同じ空間で過ごすのです。いつ事故が起きてもおかしくありません。事故が起きないように保育士が体を張って赤ちゃんを囲い込み、壁になっているという異様な状況でした。床には各年齢層のおもちゃが散乱し、乳児の誤飲なども起こりかねない状況で、見ているこちらが冷や冷やさせられました。
 認証保育園に子どもを預けているあるお母さんと対話をししました。その人は、認証保育園の大変な環境を知りながらも、家計を支えるために仕事を続けざるを得ない状況で、自分の子どもに謝りながら毎日の送り迎えをしていると話していました。自分が仕事を優先しているために子どもを大変な環境に置いてしまっていると、自分を責めていました。
 無認可の保育施設では、このような悲惨な実態が生まれています。個々の認証保育園ごとに保育の質を保つための努力をしている園もありますが、多くの園では、高い保育料、限られた保育士人数、狭い保育面積、保育最低基準すら守られていない状況になっています。こうした実態に対して、多くの保護者が子どもたちを安心して預けられる認可保育所への入園を求めているのは当然のことではないでしょうか。
 杉並区はこうした実態をどのように認識しているのでしょうか。この間さまざまな場で、多様な保育ニーズに対応するために認証などの認可外施設も必要ということを答弁していますが、ほとんどの保護者の保育ニーズは認可保育所にあることは明らかです。保護者の認可保育所を求めるニーズをどのようにとらえているのか、区の見解を伺います。
 区はこの間、認可保育所分園二カ所、区保育室六カ所、認証保育所三カ所を整備するとしていました。しかし、結果的にはそれでは足りず、待機児童数は増加しています。区のこれまでの対応は、あくまで臨時的な措置です。緊急事態への対応として、区の保育室の設置などは一定の評価もできますが、そもそもこうなる以前に認可保育所の増設をしてこなかったことが、これほどの事態を引き起こしています。
 区の保育室の大きな問題は、区保育室の多くが、保育年齢が零歳から二歳まで、または三歳から五歳までなど、乳幼児期の合間で分けられていることです。多くの保護者が、保育室の基準年齢を超えたときかわりの保育所にはいれるのか、不安を抱えています。
 保育室に子どもを預けている保護者に話を聞いてみると、せっかく子どもが保育園や先生になれてきても、三歳になったらかわらなければならない、かわりの保育所にはいれたとしても環境は一変してしまう、子どものことを考えるとつらい、一からすべてやり直しになってしまう、そうした声が寄せられています。現場の声としては、遊具が少な過ぎ、園庭がない場合もある、あくまで臨時的な施設だから我慢が必要なのかもしれないが、子どもたちのことを思うともっと環境を充実させたい、職員の多くが非正規雇用なのも不安がある、そういった声も寄せられています。
 区保育室の設置基準は認可保育所に準じており、職員配置などでの努力は評価できますが、あくまで臨時的な対応です。また、職員の多くが非正規雇用の職員であることも問題です。
 そこでお伺いします。杉並区の保育室が設置されてから、この間十六カ所が開設されました。その間に増設された認可保育所は、分園がたった二園にすぎません。いつまでこの臨時的な対応を続けるのでしょうか。子どもと保護者にとってはかけがえのない乳幼児期を過ごす場である保育施設に臨時的な対応を続けている事態を改める必要があるのではないでしょうか。区の見解を伺います。
 次に、杉並区立子供園についてお尋ねします。
 この間、拙速な子供園化計画に対し、幼稚園、保育園のそれぞれの現場から戸惑いの声、父母からの反対の声などが噴出しています。子供園では、基本的に四、五歳はお昼寝なし、給食もなくクラスの人数も多過ぎるなど、問題が山積しています。十分な検証が行われていない、父母の納得が得られていないなど、現時点での子供園は、幼稚園教育を犠牲にした安上がりの保育施設になり下がっているのではないでしょうか。
 そこでお伺いします。杉並区は独自の子供園をつくりましたが、子供園についても再度議論を尽くし、既に始まっている子供園では新たな受け入れをストップし、もとの区立幼稚園の状況に戻すこと、新たな子供園の設置は凍結すべきと考えますが、区の見解を求めます。
 今後は長期的な視野で抜本的な解決策が必要です。我が党は、待機児童解消は認可保育所の増設を柱にすべきと繰り返し求めてきました。先日我が党区議団は、認可保育所の増設と保育待機児解消を田中区長に申し入れました。田中区長からは、認可保育所の必要性は認識しており、検討を始めているという非常に前向きな回答がされました。
 そこでお伺いします。認可保育所の必要性を認識しているのであれば、現行の保育安全・安心プランに基づく計画は不十分です。保育安全・安心プランを抜本的に見直し、大幅に認可保育所増設に切りかえることが必要であると考えますが、区の見解を求めます。また、認可保育所増設の具体的なスケジュールについても伺います。
 二十三区内で見ても、認可保育所増設に取り組んでいる自治体は増え始めています。例えば隣の世田谷区では、保育待機児は昨年四月一日時点で七百二十五人と、全国でも最悪の水準でした。しかし世田谷区では、国有地を借り受け、認可保育所二カ所を整備、活用していくことを決め、それとは別に、区立小中学校の一部などを活用して認可保育園二十園の整備も進めています。それ以外にも隣の練馬区では、二〇一〇年、二〇一一年度の二年間で認可保育所十園を創設することを決めています。少子高齢化の社会の中で子育て世代が区内に増えていくことは、住宅都市としての杉並を目指す上でも重要なことではないでしょうか。区長の認可保育所増設への前向きな姿勢に期待します。
 現在、民主党政権では、税と社会保障の一体改革の中で、子ども・子育て新システムの導入が検討されています。子ども・子育て新システムは、待機児童解消、二重行政をなくすなどを名目にしていますが、実態は市町村の保育実施責任がなくなり、保育所探しは保護者の自己責任となり、自治体の保育責任をうたった児童福祉法二十四条の廃止もセットで行われようとしています。保育所運営費は削り、保育料はサービスに応じた応益負担、幼稚園の機能をなくし、こども園化するなど、保育制度の大改悪につながりかねません。多様化するニーズという名目で導入が検討されていますが、このニーズの中には、子どもたちや保護者の立場と視点が欠如しています。率直に言って保育の産業化がねらいであり、さまざまな企業の参入に道を開き、子どもたちの保育をどのようにもうけの対象に結びつけるのかが焦点となっています。こうした動きに対し、保育関係者や保護者などの強い反対が巻き起こるのは、当然のことではないでしょうか。
 そもそも保育制度が果たす役割とは何でしょうか。東日本大震災が発生してから保育現場で行われている努力を少し紹介したいと思います。
 私はこの間、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県の女川町に、被災地救援ボランティアに参加してきました。女川町は津波による被害が甚大で、市街地のほとんどが津波にのみ込まれ、保育所もすべてなくなったそうです。津波で家をなくした住民の皆さんが身を寄せている女川町の体育館では、子どもたちのために臨時の保育所が創設されていました。津波により親やきょうだいを失った子どももいる中で、多くの子どもが、見た目は明るくても急に黙ってしまったり、大きな物音がすると泣き出してしまったり、地震と津波により子どもたちが感じた恐怖は、想像を絶するものです。今なお子どもたちの心の中に大きな影響を与えています。
 そうした中で、自身も被災し家をなくしている保育士の皆さんが、子どもたちの心のケアのために必死に保育をしている姿を見てきました。ある保育士さんは、時々無性に泣きたくなる、だけど子どもたちのことを思うと頑張れる、そう話していました。現場では、津波の恐怖を、ごっこ遊びなどの怖いものへの挑戦や困難にチャレンジする遊びなどで克服する努力がされています。
 マスコミの報道によると、今回の地震で、東北三県で被災した保育所は三百十五に上り、このうち全壊や津波による流失など甚大な被害のあった保育所が二十八以上ある中で、保育中に一人の子どもも失うことがなかったそうです。
 岩手県のある保育所では、自分で自分を守れない子どもなので、私たちが絶対守ってやるという気持ちで避難をしたと保育士が語っています。震災発生時、子どもを守るために各保育所で行われた努力はすさまじいものであったと思います。
 保育制度とは、こうしたかけがえのない役割と社会的責任を果たしており、未来を担う子どもたちを社会全体の手で守り、育てるという大切な機能を持っています。その保育制度を後退させることは絶対に許されません。
 新システムは、安心して預けられる保育園を増やしてほしいという父母の願いに逆行するものであり、保育の価値を低くとらえ、専門性を軽視するものです。他の地方自治体、例えば東京都葛飾区議会、埼玉県の熊谷市議会、上尾市議会、群馬県伊勢崎市議会、栃木県宇都宮市議会など、さまざまな自治体で新システムに対する意見書も上げられています。杉並区として地方自治体の責任をしっかり果たし、保育制度を守り、保育の質をより向上させることが必要と考えますが、区の見解を求めます。
 続いて、外かく環状道路計画について質問します。
 我が党は、外かく環状道路建設に対して一貫して反対してきました。三月十一日の大震災以降、国内のさらなる財政難が懸念されている状況です。そうした中で、総額一兆三千億円ほどもかかる膨大な工事費をかけ、大型開発の典型例でもある外環道路計画をこのまま進めるべきなのでしょうか。
 今私のもとにも多くの区民から、こんなときに道路をつくっている場合ではない、被災地救援、復興に税金を使え、そういった声が寄せられています。国難とも言える事態が発生しているからこそ、外環道計画を凍結することが必要であると考えます。この間、田中区長は、外環道計画の中止を求める考えはないということを主張してきましたが、三月十一日の東日本大震災以降も、その考えは変わらないのでしょうか。区長の見解を求めます。
 現在、外環本線の地下トンネルだけでなく、地上部街路にも外環ノ2をつくるという動きが活発化しています。三・一一大震災以降にもかかわらず外環ノ2計画が動き出したことについても、多くの住民から怒りと戸惑いの声が上がっています。
 外環ノ2計画で立ち退きを迫られる地域に住むある住民は、生まれたときからここに住んでいる、この地域は住民同士の仲がよく、東日本大震災のときもお互いが助け合って乗り越えた、この地域で育ってきた子どもたちが大人になり、そうして親になり再び地域で子育てを始めた、そのつながりをすべて壊してしまうのが外環ノ2計画、絶対に許せない、そう話していました。外環ノ2地上部街路計画では、多くの住民が立ち退きを迫られ、周辺地域のコミュニティは破壊されます。そうした事態になったとしても外環ノ2計画を進めるべきなのか、区長の見解を求めます。
 この間、外環ノ2についての話し合いの会の参加者募集が行われましたが、募集人員が余りにも少ない状況です。北は井草五丁目から南は久我山一丁目まで、各丁目の合計の人口が八万人を超えているのにもかかわらず、募集人員はたった十人です。外環ノ2都市計画については、地上部街路の必要性やあり方などについて広く意見を聞きながら検討を進めるとしているのに、参加者募集人数が余りにも少な過ぎるのではないでしょうか。区の見解を求めます。
 そもそも話し合いの会を設置する意図が不明確であることも問題です。話し合いの会設置要綱には、話し合いの会は意思決定の場とはしないこと、「本会とは別に、構成員以外の地域住民から意見を聴くための手段を講じるものとする。」とあります。会の運営要領も決まっていない状況です。決定権もなく、地域住民からの意見聞き取りは別に行い、運営要領も未定、このような状況では、話し合いの会そのものが果たす役割がわかりません。今後話し合いの会が周辺地域にとってどのような役割を果たすのでしょうか。地域の代表として選ばれたわけではない募集メンバーの意見がどのように会の運営に影響していくのでしょうか。区の見解を求めます。
 外環ノ2都市計画については、住民の意見を広く聞き、計画に反映させることが何よりも必要です。広範な住民の意見を聞く機会を制限することがあってはなりません。話し合い
の会が地元住民の声を聞き取ったという一つの隠れみの、言いわけの手段にならないよう強く求めます。
 外環道本線、また外環ノ2地上部街路部分のいずれも、周辺地域の自然を大きく破壊する可能性があります。巨大な地下トンネルは武蔵野台地の地下水に影響を与えるおそれがあり、アセスのあり方についても、いまだに不透明です。住民への説明の不十分さが大きな問題となり、住民の広範な合意が得られていない状況にもなっています。こうした計画をこのまま進めることは許されるものではありません。
 今、地球環境がいかに守られるかが問われ、防災の観点からも自然環境を残すことが必要になっています。これ以上の外環道計画を進めず、計画そのものを白紙撤回すべきということを提案し、質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 山田耕平議員のご質問にお答え申し上げます。
 東京外かく環状道路に関するご質問でございました。東日本大震災の発災後、その翌日にはいち早く東北自動車道や国道四号線が緊急輸送路として機能を確保され、被災地の救援に大きな役割を果たしました。外環本線は、首都圏の高速道路を結び、都心に流入する通過交通を分散させて交通渋滞を解消する効果などが期待をされ、かねてから必要な道路と考えてまいりましたが、改めて、災害時の緊急輸送や広域的な被災地支援のための道路としての役割からも必要性が高いと考えております。
 外環については、なおさまざな意見があろうかと思いますが、国道であり、国が責任を持って考え方やデータを示して説明をしていくことが重要であるというふうに考えております。
 私からは以上です。他の質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 子ども家庭担当部長。
     〔子ども家庭担当部長(森 仁司)登壇〕
◎子ども家庭担当部長(森仁司) 私からは、保育に関する一連のご質問にお答えいたします。
 初めに、本年四月の待機児童をゼロにするための計画についてのお尋ねでございますが、まず、旧若杉小学校跡地を暫定活用して整備を進めてまいりました区保育室が七月に開所いたします。また、今回上程予定の補正予算案では、区保育室二所の新設に要する経費について計上しているところでございます。 こうした施設整備のほか、家庭福祉員の増員などにより、早期の待機児童解消に向けて引き続き努力してまいる考えでございます。
 次に、認可保育園の増設に関するお尋ねですが、この間区では、区民の皆様から多数寄せられた保育に関する切実なご要望に迅速におこたえするため、認可保育園分園のほか、区保育室の増設などに取り組んできたところでございます。
 今後は、増大かつ多様化する保育ニーズに的確に対応するための新たなプランを策定する中で、民間認可保育所の増設等についても具体的に検討してまいります。
 次に、区保育室についてのお尋ねですが、区保育室は、急増する保育ニーズに迅速に対応するため、認可保育所を補完するための緊急対策として設置をしたものでございます。保育室は五年間程度の暫定的な設置を予定してございますが、今後のあり方につきましては、保育に関する新たなプランを策定する中で、認可保育園分園への転換あるいは保育需要に応じた再配置などを含め、検討してまいる考えでございます。
 また、区立子供園についてのお尋ねですが、この四月に高円寺北及び成田西子供園が新たに開設し、区立幼稚園六園のうち四園が子供園へ移行しております。平成二十二年度開設の先行二園では、三歳と四歳の長時間保育児を受け入れ、不足する保育ニーズにも適切にこたえながら、就学前の幼児教育、保育の充実という面で、一定の成果を上げているところでございます。
 今後の区立幼稚園の子供園への移行につきましては、区の基本構想、総合計画あるいは仮称就学前教育振興ビジョンの検討状況や、国の子ども・子育て新システムの動向などを踏まえつつ、別途方針を定めて取り組んでまいる考えでございます。
 私からの最後となりますが、国の子ども・子育て新システムに関するお尋ねにお答えいたします。
 新システムについてはさまざまなご意見が出されていることは承知しておりますが、すべての子どもへの良質な生育環境を保障し、子どもと子育てを社会全体で支援することを目指して具体的な検討が進められるべきものと考えているところでございます。
 国における議論は、現在、社会保障と税の一体改革にかかわる議論とともに大詰めを迎えておりますので、今後の動向を注視しながら、区における必要な対応につきまして、保育の質の観点も十分に踏まえながら検討してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 都市整備部長。
     〔都市整備部長(上原和義)登壇〕
◎都市整備部長(上原和義) 私からは、外環計画についての残りのご質問にお答えいたします。
 外環ノ2、外環の地上部街路についてのご質問ですが、外環本線が地下化して都市計画決定された経緯を踏まえるならば、外環ノ2は、その必要性の有無から検討されるべきであると考えております。
 都が平成二十年三月に地上部街路の検討の進め方を公表しており、地元との話し合いのプロセスは必要と考え、杉並区における外環の地上部街路に関する話し合いの会を開催することといたしました。今後この話し合いの会で十分議論されるものと考えております。
 次に、外環の地上部街路に関する話し合いの会についてのご質問ですが、話し合いの会では、参加者全員が十分に話し合うことができる会とするため、会の規模や構成を検討し、沿線の町会、商店会の代表の方九名、PI委員三名及び公募による参加者十名といたしました。先行する武蔵野市、練馬区においても、同様の考え方で進められております。
 話し合いの会は、開始に先立ち、構成員により運営に関する打ち合わせを行い、進められることとなっております。
 この話し合いの会は、計画に関する意思決定の場ではございませんが、都は、話し合いの会で示したデータや話し合いの内容についてできる限り公開するとともに、この会とは別に、地域住民から意見を聞くための手段も講じるとしてございます。広く区民の意見を聞いてまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 七番山田耕平議員。
     〔七番(山田耕平議員)登壇〕
◆七番(山田耕平議員) 幾つかの点で再質問させていただきます。
 七十一名の保育待機児をゼロにするために、若杉小の保育室、また区保育室二カ所をつくるということだったのですが、待機児をゼロにすることは緊急に必要なことであり、保育室を準備して対応することも必要だと思いますが、それとともに認可保育所をつくることが緊急に行われなければ、毎年毎年臨時的な保育室をつくって悪循環が続いていくと思います。その悪循環を断ち切るためにも、緊急に認可保育所を整備する必要があると考えますが、改めて区の見解を求めます。
 また、認可保育所の創設について具体的な検討をするという答弁がありました。検討するということは、新たな土地をどうするかということも考えなければいけないと思います。この間、日本共産党杉並区議団が行った田中区長への申し入れで、区長は、土地を探している、少し待ってほしいということを述べていました。そうした視点からも、具体的なスケジュールを切って計画を進めていくことが必要だと思います。その点について、改めて計画のスケジュールについて伺いたいと思います。
 新システムについて、事態を注視するという態度のようでしたが、受け身の姿勢ではなく、杉並区自治体として意見を上げていくことが必要であると考えています。児童福祉法の二十四条を堅持して保育の質を守り、さらには向上させるという視点を区として積極的に進めていくことが今こそ必要であると考えますが、改めて新システムについて区の見解を求めます。
 時間がありませんので、最後、外環道計画について一点だけ質問させていただきたいと思います。
 区長は、災害時に、外環道計画ができれば使えるというようなことをおっしゃっていたのだと思いますけれども、外環道計画そのものが大深度地下方式であり、地下トンネルなんですね。そういう地下トンネルを、大規模な震災が発生したときに活用できるのでしょうか。それを活用する危険性などもあると、とてもじゃないけど、そこは震災時には使えないと思うのですが、その点はどのように考えているのでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 山田耕平議員の再質問にご答弁申し上げます。
 外環道については、先ほど申し上げましたように、区として必要な道路だというふうに考えて、整備についてはそのように考えております。
 災害時使用できるかどうかということは、災害の規模や状況にもよると思います。絶対こうだということは、外環道に限らず、どんな場合でも絶対に大丈夫だというようなことは言い切れるものではありませんけれども、しかし、今日の土木技術の進歩ですとか考えますと、相当の有効な輸送路として期待はできるのではないかというふうに考えております。
 それから保育ですが、後ほど関係部長からご答弁させますけれども、認可保育園の必要性については、今検討をしているということは申し上げてまいりました。緊急に整備しろということですが、議員もおっしゃっているように、一定の規模が必要なことでもありまして、緊急にといっても、土地の確保だとかその他もろもろ体制ができなければ、できないわけでありまして、緊急にといっても、緊急にできないのが認可保育園なんですね。ですから、待機児童対策としては緊急に施策を講ずる、一方で、きちっと中長期的な保育施策については考えていきたい、こういうふうに思っておりますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。
 他のご質問には関係部長よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 子ども家庭担当部長。
     〔子ども家庭担当部長(森 仁司)登壇〕
◎子ども家庭担当部長(森仁司) 山田議員からの保育に関する再度のご質問にお答えいたします。
 初めに、認可保育所の整備に関する基本的な考え方に関するお尋ねがございました。ご案内のとおり、核家族化が進行し、就労形態あるいはライフスタイルが多様化する中で、保育のニーズ自体も大きく、この間変化しております。このため、保育サービスを担う中心施設である認可保育所だけでは、こうした社会変化に伴い増大する利用者のニーズに必ずしも十分こたえ切れていないのが実情でございます。このため、認可保育所の整備に加え、他のさまざまな施策を組み合わせて、保育サービスの拡充に引き続き努めてまいる考えでございます。
 また、二番目に、認可保育所の整備の手法にかかわるお尋ねがございました。ご指摘の、整備に伴い新たに用地を取得するということだけでなく、当然、現在の公共施設の有効活用など、さまざまな手法があるものと存じております。いずれにしましても、今後策定する新たなプランを検討する中で、具体的に検討してまいる考えでございます。
 最後に、国の子ども・子育て新システムに関するお尋ねがございました。現在、国の子ども・子育て新システム検討会議で、方針の最終まとめに向けた大詰めの議論が行われていると認識しておりますが、国政が混迷している状況の中で、今後の取りまとめに向けては紆余曲折が予想されるところでございます。
 いずれにしましても、今後の具体的な制度設計に際しましては、待機児対策としての有効性あるいは利用者にとっての利点の確保という観点に立って、財源の問題とあわせてしっかりした詰めの検討が行われるよう、国の動向を引き続き注視しながら、区としての対応を考えてまいる所存でございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で山田耕平議員の一般質問を終わります。
 ここで午後三時二十五分まで休憩いたします。
                  午後三時〇五分休憩
                 午後三時二十五分開議
○議長(藤本なおや議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 十二番山本ひろこ議員。
     〔十二番(山本ひろこ議員)登壇〕
◆十二番(山本ひろこ議員) 公明党杉並区議団の新人、山本ひろこです。区議会公明党を代表して一般質問をさせていただきます。
 質問は、区民の声を届けること、政治家は夢と希望を語ることと先輩が教えてくださいました。これまで培ってきた主婦感覚、生活者の目線を忘れず、どこまでも一人の声に耳を傾けてまいります。そして、行政と議会が車の両輪として協力し、五十四万区民の皆様を杉並幸福号という車に乗せて安心・安全の暮らしへと運んでいけるよう、また、夢と希望の持てる杉並区の構築に全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、節電対策について質問いたします。
 心の中に深い記憶を残した東日本大震災発生から三カ月が過ぎました。多くの犠牲者を出し、今なお十万人の方々が避難所での不自由な生活を送られております。一日も早い復興復旧を心よりお祈り申し上げます。
 地震発生から原発の問題はいまだ解決への道はほど遠く、私たちに大きな課題を与えております。これまでの生活がいかに電気により成り立っていたか、電気を使わない生活がどれほどの影響を及ぼすのか、身に迫り体験したことはありません。とともに、節電を心がければまだまだ無駄をなくしていけることに気づかされ、生活の豊かさは人間を傲慢にしたのかもしれない、自然はこの大震災を通して私たちに、生き方を改めろ、この地震を国難と受けとめ、あらゆる災害が起きても二度とあのような大惨事にならないように、一人も犠牲者を出さないように、今こそ人類の英知を結集して取り組んでいくのだと、自然とともに共存していく道を歩めと警鐘を鳴らしたのではないだろうかと受けとめました。
 決してこの思いを忘れないためにも、被災地に行き、この目に焼きつけておきたいと思っておりましたが、ありがたくも、六月一日、南相馬市、石巻市の視察に行かせていただくことができました。見渡す限り海は見えないのに、道路のわきに多くの船が横たわる光景は深く印象に残り、想像の域を超え、自然災害の脅威を思い知らされました。そして今私たちにできることを模索しながら進んでいかなければと心に誓い、帰路につきました。
 この夏の電力不足に対応するため、一五%の電力使用抑制目標が掲げられました。こうした情勢の中、区民の節電意識も高まっているようであります。杉並区では、平成十三年十月にISO14001の認証を取得し、環境マネジメントシステムを導入、平成二十年度までに区役所全体で約二十四億円のコスト削減を達成しています。こうした結果は、区民の環境意識と省エネ意欲を高めるものであります。
 平成二十年、エネルギー使用の合理化に関する法律等の改正により、杉並区においても、数値目標を含め省エネルギー対策や温室効果ガスの排出削減の義務を負うこととなり、平成二十二年二月、杉並区環境・省エネ対策実施プランが策定されました。その中の目標達成に向けた基本方針には、省エネ技術、省エネ型設備機器類の導入検討とあります。
 これまでも照明機器のLED化を推進してまいりましたが、消費電力を六〇から九〇%カットすることのできるLED化の推進は、区有施設の電気代削減、また温室効果ガスの削減にもつながります。
 そこで質問いたします。区有施設へのLED照明機器の設置をより一層進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 杉並区は住宅都市であります。区内において一般家庭が占める電力消費量の割合は高いのではと考えます。一家庭のわずかな節電も、多くの家庭の取り組みによって、より大きな効果をもたらすものと期待するところであります。LED直管型の蛍光管においては、工事費用もかかる上、消費電力の削減率は六〇%でありますが、LED電球に関しては九〇%の削減になります。ワット数からすればわずかな節電ではありますが、多くの家庭の取り組みを促すためにも、また、節電意識の高まりをさらに後押しする対策として、ここに質問いたします。
 期限つきで、区内の商店で購入したLED電球には、購入額に応じて何らかの形で補助をする杉並エコポイント制度等を実施してはどうでしょうか。なみすけ商品券や、福島県を支援する福島限定地域振興券などにポイントを還元できる工夫をしてはいかがでしょうか。
 熱中症が心配される夏を前に、当初の予定を繰り上げて小中学校の全普通教室にエアコンが設置され、本来であれば安心のはずでした。ところが、設置したうちの四十一校はガス型エアコン、七校は電気型エアコンと伺いました。この電力不足の夏、せっかくのエアコンが使用できないのではと、ある校長先生は児童の心配をされ、不安を抱えておりました。
 そんな中、節電対策に一役買うのではないかと思われる技術を知り、ある企業に向かい体感してまいりました。既存建物の窓ガラスの内側から赤外線をカットするコーティング剤を塗布することで遮熱効果を生み、室内温度を下げ、エアコンの消費電力を削減するという技術です。この遮熱剤を塗布したガラスとノーマルガラスとの表面温度差は約十三度になりました。結果、室内の温度は三から七度低くなり、エアコン代は一〇から三〇%削減。夏涼しく冬暖かい、年間を通して消費電力を削減、加えて結露抑制五〇%、UVカット九五%の効果があるとのこと。企業により示される数値の違いはあるものの、一定の効果は期待できます。足場を組む必要がないため、施工も一両日で完工。学校の休日、土日で済ませることが可能です。本来ならばすべての区有施設に施工し、節電につなげたいところでありますが、まずはこの七校に施工し、費用対効果を検討、順次、保育園や高齢者施設等に広げていくことを提案します。
 猛暑であった昨年、東京都では熱中症で四千二百四十五人が救急搬送されました。都道府県別で最も多く、中でも六十五歳以上の高齢者の搬送率は四六%と最高。この夏も電力不足が見込まれる中、猛暑も予想され、大変に心配されるところであります。
 そこで質問いたします。高齢者や病弱者に対しては、節電による室温の上昇効果が体調に影響する可能性があります。節電の呼びかけにも配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 杉並区は先般の計画停電を免れましたが、近隣地域では不自由な生活を強いられた方々がいたことを忘れず、電力が平等に供給されるよう、全区民で無事故の節電が行われることを願い、節電対策についての質問を終わります。
 続いて、認知症予防対策について質問いたします。
 本年二月二十二日、産経ニュースに、「杉並区は、75歳以上の高齢者のうち区の健診を受けていなかったり、介護サービスを利用していないなど、何らかのサービスを受けてい
ない約1万500人を対象に、7月から『安心おたっしゃ訪問事業』を実施する。」「目指すのは『攻めの福祉』。優先度に応じて地域包括支援センターの職員や民生委員が積極的に高齢者宅に出向いて、必要なサービスを早期に把握。適切な支援につなげるという。」区担当者は、「対象者の大半は元気な高齢者だと思うが、中には支援が必要なのに受けていない人もいるはず。区内の全ての高齢者に必要なサービスを届けるように努めたい」とありました。
 これまで多くの高齢者と接する中で、また、民生委員の方から、個人情報保護法が優先され、担当する高齢者の情報を知らされていないため訪問できない方がいるとのご相談をいただき、このような事業が求められていると感じてまいりました。多くの高齢者、また地域の方が待ち望んでいることと思います。自分は一人ではない、気にかけてくれる人がいる、このことは高齢者の方々にとって大きな安心と活力を与え、周りの地域住民の安心にもつながるものと確信いたします。攻めの福祉、何と心強い行政の姿勢でありましょう。ぜひともこの事業を成功させ、区内のすべての高齢者に必要なサービスを届けていただきたく、切に願うものであります。
 ここで、攻めの福祉である安心おたっしゃ訪問事業に対する区の決意をお聞かせ願います。
 昨年、地域を回る中で四件の孤独死を知りました。また、地域のパトロールをする方からは、おひとり暮らしの高齢者を思いやり、認知症になり、火災など起きないだろうかと心配をしているが、どうしてあげたらよいのかわからない。片や、おひとり暮らしの高齢者の方は、今こうして何のサービスも受けずに暮らしているが、あしたどうなっているかわからない、自分のところへは訪問してくれる人がだれもいない、あす生きているだろうかと思いながら眠りにつくと言われるのです。このような声を多く伺いました。
 この間をつなぐ役割として、私は地域包括支援センターに大きな期待を抱いております。地域包括支援センター設置から五年が経過し、当初の二倍近い相談件数が寄せられているということは、高齢者の総合相談窓口として広く周知され、地域包括支援センターの存在意義の大きさを物語っております。しかし、まだその存在も、何をしているところかを知らない方も多くいます。杉並区では、質の高い住宅都市杉並に向けてスタートする予算、その重要施策として、在宅療養支援対策の充実のため、一億四千九百五十六万一千円が区政経営計画書に計上されております。そこには地域包括支援センターの機能強化とあります。
 そこでご質問いたします。地域包括支援センターの存在を知らない方のためにも、その役割や利用方法を改めてお伺いします。また、同センターが機能強化していく点はどのようなものか、お伺いします。
 総務省の二〇一〇年の十月の報告によると、全国の六十五歳以上の高齢者は二千九百五十八万人、総人口の二三%を占めています。五人に一人が高齢者という割合は今後も伸び続けると想定され、と同時に、認知症の患者数も増加の一途をたどり、現在は全国で二百二十六万人。団塊の世代がすべて高齢者の仲間入りをする二〇一五年には二百六十二万人に達し、さらに二〇三五年には三百三十七万人にまで増えるとの予測であります。杉並区においても現在まさに五人に一人が高齢者となり、認知症の患者数も予測できるところであります。介護の負担、経済的な負担が大きくなることは間違いありません。
 一般的に、認知症は高齢になればなるほど発症のリスクが高くなると言われ、認知症は特別な人に起こる病気ではなく、年をとればだれもがかかる可能性のある身近な病気であります。現在は医学の進歩により、認知症は予防できる、また治療できる病気となり、専門医療機関での早期診断・早期治療により、進行を遅らせ、元気な状態を長く保つことが可能となりました。認知症になることに大きな不安を抱く高齢者の方へ、認知症の正しい理解、専門医療機関での早期診断の重要性、認知症予防教室による自助努力の必要性等、人から人への情報の提供が認知症予防に重要であると考えます。
 また、認知症になっても治療や予防により進行を遅らせ、一日でも長く住みなれた地域で生活できる環境を整えていかなければなりません。地域の理解と協力の広がりに認知症サポーターの存在は大きな力になると考えます。
 そこでご質問いたします。認知症対策として、区のこれまでの取り組みをお伺いします。増加の一途をたどる認知症予防に力を入れる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 また、認知症サポーターの状況についてお伺いいたします。
 二〇〇八年、介護保険法が改正され、予防を重視していく形に大きく変化しました。背景には、要支援、要介護状態となるおそれのある高齢者の増加、急速な高齢化とともに、認知症高齢者の増加などがあり、これらの方が要支援、要介護状態にならないよう、また重度化しないよう、介護予防教室も、従来の一般高齢者を対象とした提供から、特定高齢者を対象とした提供が必要となり、地域包括支援センターに義務づけられました。
 また、介護予防施策の事業評価を行い、その結果に基づき事業の実施方法の改善を図るとあり、今後、予防効果の高い教室の提供と内容の充実を図ることも重要と考えます。
 区政経営計画書には、予算編成に当たっての留意点として、「最少の経費で最大の効果をあげることができるよう」とうたわれています。約一億五千万円の予算が最大の効果を上げられるよう、地域包括支援センターを中心に、安心おたっしゃ訪問で漏れのないサービスの提供、認知症の早期発見・早期治療、介護・認知症予防教室の充実、認知症サポーターの増員で地域の理解と協力を広げ、これらが相まって明るく活力ある超高齢化社会の構築に攻めの福祉姿勢で取り組んでまいりたいと考えます。
 最後に、認知症予防に効果が認められている芸術療法を紹介します。
 この芸術療法は、ある子ども造形教室のスタッフの義母が認知症になり、医師から右脳を活性化することが認知症の改善によいと聞いていたことから端を発し、一九九六年、医師、芸術家、ファミリー・ケア・アドバイザーがチームとなり、実践研究をスタート。独自のアートカリキュラムに沿って創作活動を行うことにより、脳が活性化し、認知症の症状が改善されることを目的として開発をされました。現在では、介護予防事業など認知症の予防、発達が気になる子どもへの心のケア、小学校の総合学習の授業、社会人向けのメンタルヘルスなど、多方面で取り入れられ、生き生きと人生を送りたいと願うすべての人へ希望をもたらしています。
 認知症ケアの臨床においては、一、医師による診断、二、芸術療法士による認知リハビリテーションとしての芸術活動、三、ファミリー・ケア・アドバイザーによる介護者への精神的支援の三点を柱とする包括的ケアとして確立をしております。予防教室カリキュラム受講の前後に認知症機能検査で測定を行い、改善が見られております。地域、地方自治体の介護予防事業に提案をしており、今全国に広がり始めております。
 私は、半年間この講座を受けてまいりました。独自のカリキュラムは、被写体を見てかく、つくるのではなく、被写体を五感で感じ、想像をめぐらせ、感じたままに自由に表現していくという手法です。どんな表現をしても間違いはなく、どんどん心が解放されていき、今まで味わったことのない感覚が自分の中からわいてきます。自分を客観的に見て受け入れられる自己肯定感が高まってまいります。実際に体験し、その効果の大きさを感じるものであります。ぜひとも区長を初め各関係担当の方々にも体験していただきたいと考えます。実際に、諏訪市の市長はこの芸術療法を体感され、自治体で行われるようになりました。
 杉並区は今までさまざまな事業を全国に先駆けて行ってまいりました。東京都ではまだ自治体での取り組みはされていません。杉並区でも一日も早くこの芸術療法を取り入れ、認知症予防の一助となり、杉並区は認知症患者が少ない、その陰には早くからこの芸術療法に取り組んでいたからだと言われることを願い、質問を終わります。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 山本ひろこ議員の一般質問にお答え申し上げます。
 私からは、安心おたっしゃ訪問事業に関するご質問にお答えをいたします。
 昨年の八月に発覚した高齢者所在不明事件というのは、その後各地で同様な事例が報告をされて、無縁社会という言葉が全国に広がるなど、家族や地域のきずなが薄れてしまっている今のこの日本の社会の深刻な現実というものを浮き彫りにさせた出来事であったと受けとめております。
 私も、これを聞いたときには、一瞬意味がわからなかったというのが第一印象でございまして、通常、家族がいなくなったときに、探してくれといって役所に駆け込んでくるというのは想像つくんですけれども、家族がいなくなって何十年、そのまま放置される。むしろ行政サイドには、そこに生活しているかのような情報がもたらされる、こういうことは想像しておりませんでしたから、一瞬意味がよくわからなかったというのが第一印象でございます。
 しかし、その後、六百人か五百人か、全国でそういう事例が報告をされまして、杉並だけの特別なケースというよりも、まさに今申し上げたような日本の社会全体の問題と、一つの社会の断面を見せつけられたという事件であったというふうに思っております。その中から多くの今後の教訓となるべき課題というもの、少しそういったものに気づかせてくれたというものでありました。
 また、本年三月の東日本大震災では、災害時の避難だけではなくて、その後の避難所生活や復興に向けた取り組みにおいても、家族や地域のきずなというものが極めて重要だということを改めて深く認識をいたしたところでございます。
 七月から開始いたします安心おたっしゃ訪問事業というものは、区民からの相談や申し出をただ待っているというだけではなくて、積極的に高齢者のご自宅に出向いていって、潜在化しているニーズを早く把握して、適切な支援や地域での見守りにつなげていく、新たなきずなづくりの取り組みというふうに考えております。この事業をきっかけにいたしまして、地域の情報をしっかりと把握して、高齢者の方々の大きな安心が得られる地域づくりを進めてまいりたい、こう考えております。これからますます高齢化が進んでいきますので、ぜひ今からこの事業を定着させて、高齢者が安心に暮らせる、そういうまちとしていきたいと思っておりますので、どうかよろしくご理解、ご協力のほどお願い申し上げたいと思います。
 残りの質問につきましては、関係部長等よりご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕
◎政策経営部長(高和弘) 私からは、区有施設へのLED照明の設置をより一層進めるべきとのご質問にお答えいたします。
 これまで区の施設では、電力抑制のため、本庁舎のロビーやギャラリー、学校の体育館やトイレなどにLED照明の設置を進めてまいりました。LED照明は節電に大きな効果があることから、この夏の節電対策に向け、LED照明を本庁舎のトイレや駐車場、そして学校の廊下などに設置し、少しでもその取り組みを進めてまいる所存でございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 環境清掃部長。
     〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕
◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、節電対策についての残りのご質問にお答えいたします。
 LED電球に対する助成等のお尋ねでございますが、LED電球は消費電力が少なく、節電対策として効果的な反面、価格等の課題があるものと認識しております。したがいまして、今後省エネ型の生活スタイルの浸透を図っていくためにも、技術開発による価格や品質等の推移を見きわめつつ、当面、PR方法について工夫をしてまいりたいと存じます。
 また、区民の皆様への節電の要請につきましては、高齢者などの体調不良や健康障害などが生じることなく、各家庭のご事情に応じて無理のない範囲でご協力いただけるよう十分配慮してまいります。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 高齢者担当部長。
     〔高齢者担当部長(武笠 茂)登壇〕
◎高齢者担当部長(武笠茂) 私からは、まず、地域包括支援センターに係るお尋ねにお答えいたします。
 杉並区では、区民の方が身近な場所で気軽に高齢者の総合的な相談ができるよう、区内二十カ所に地域包括支援センターを設置しているところでございます。
 地域包括支援センターは、高齢者や介護をしている家族の方などからのあらゆる相談に応じるとともに、そのニーズに合ったサービスを受けられるよう、地域のさまざまな関係機関と連携、調整して支援するなどの業務を担っております。
 これまで区は、地域包括支援センターの周知に努めるとともに、センターが地域の関係者と協力関係を構築できるよう、センターを中心とした地域づくりに取り組んでまいりました。本年度は、潜在化したニーズを積極的に把握していくために、体制を充実させ、増加傾向にある在宅医療や認知症に関する相談に対応できる力を強化してまいります。
 次に、認知症予防と認知症サポーターについてのお尋ねにお答えいたします。
 区ではこれまで、認知症予防の普及啓発のための講演会の開催や情報紙の発行のほか、認知症予防に効果があるとされる有酸素運動と、脳を鍛えるプログラムとしてウオーキングを中心とした教室やイベントを開催するなど、認知症予防に積極的に取り組んでまいりました。こうしたことをきっかけに、それぞれの高齢者が楽しみながらさまざまな活動を続けていくことが、広く認知症予防につながるものと考えております。
 認知症サポーターにつきましては、本年五月末までに三千五百三十九名の方が認知症サポーター養成講座を受講しております。この講座は平成十九年度から、家族介護教室や介護の日のイベントなどの機会に実施しておりますが、事業を通して、認知症の方やその家族への理解が広がっているところでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で山本ひろこ議員の一般質問を終わります。
 二十五番北明範議員。
     〔二十五番(北明範議員)登壇〕
◆二十五番(北明範議員) 杉並区議会公明党の一員として、地域包括支援センターについて、震災対策について、一般質問いたします。
 まず初めに、地域包括支援センターについてお伺いいたします。
 地域包括支援センターは、高齢者が住みなれた地域で安心して過ごすことができるように、包括的及び継続的な支援を行う地域包括ケアを実現するための中心的役割を果たすことが求められております。例えば困難ケースや虐待事例に対応したり、地域の居宅介護支援事業者のケアマネジメントに対して教育や指導を行うなど、介護保険制度以外の支援も含めた包括的マネジメント機能を備えた高齢者介護のセーフティーネットとしての役割を持つ機関であります。
 地域包括支援センターは市町村の機関でありますが、市町村から別法人に事業委託運営されることが認められております。しかし、市町村の委託を受けるといっても、地域で介護サービスというステージで営業を行っている特定の法人が地域包括支援センターを委託運営することは、よほど公益性に気を使わなければ、うがった見方をされるおそれがあります。つまり、地域包括支援センターを居宅介護支援事業者や介護サービス事業所を持つ法人が運営しているとしたら、地域包括支援センターという相談窓口あるいは介護予防計画の窓口が、そのまま顧客確保の窓口になります。地域の他の事業者に利用者を公平に適切に紹介することができるかという疑念が生じかねない点であります。幾ら担当者が公平に公正に利用者にとって最も適したサービスを結びつけていると主張していても、地域によっては、困難なケースしか回ってこないという不安を抱く事業者が出てきたり、地域包括支援センターに逆らえば顧客を紹介してもらえないと考える事業者が存在することになってしまいます。これは、地域福祉を考えると健全な状態とは言えません。そういう誤解を生じない信頼関係を築く努力が、地域包括支援センターの活動とその担当者に求められております。
 当区では、地域包括支援センターであるケア24の二十カ所のうち十七カ所が居宅支援事業所を持っており、一部の支援センターが顧客の抱え込みをしていると、他の居宅支援事業者から不満の声が聞こえます。委託事業が始まって以来、他の事業所は区に対して声を上げてきたようですが、当然、区民の皆様にとっての公平公正が最も大切な視点ですが、区民からケアマネジャーの紹介に関する相談を受けた場合に公正中立な紹介が行われているのか、区の認識をお伺いいたします。
 介護保険運営協議会の所管事務として、地域包括支援センターが、ケアプランにおいて、正当な理由がなく特定の事業者が提供するサービスに偏っていないか、必要な基準を作成した上で、定期的または必要時に地域包括支援センターの事業内容を評価するとありますが、どのように評価しているのかお伺いいたします。
 地域包括支援センターには、ケアマネジャーが相談できる職種として主任ケアマネジャーが配置されていると思いますが、主任ケアマネジャーを含め、地域包括支援センター職員の相談対応力の向上と、地域の居宅介護事業者のケアマネジメントに対して教育や指導を行うために、主任ケアマネジャーのレベルの向上を求めますが、いかがか、当区のご所見を伺います。
 以上、お伺いさせていただきましたが、地域包括支援センターには公正中立な運営を望みます。そして区に対しては、もっと現場の声を聞く努力をお願いしたいと思います。
 次に、災害対策についてお伺いいたします。
 地域防災力の向上のためには、区民一人一人が自分たちのまちは自分たちで守るという意識が大切です。その上で、東京消防庁の取り組みとして、杉並区地域防災計画の「区民の防災行動力の向上」に、「世帯当たり最低1名が自信を持って災害に対応できるよう、初歩から応用へと段階的に体験できるような訓練を推進する。」また、「事業所の自主防災体制の強化」では、「全ての事業所に防災計画を作成させるとともに、各種訓練や指導等を通じて防災行動力の向上を促進し、自主防災体制の強化を図る。」とありますが、区としては、区民の防災力の向上のためにどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
 消防活動体制の整備強化について、東京消防庁のもとに震災消防計画を策定し、有事即応体制の確立を図っていますが、「同時多発性、広域性を有する地震火災の防止を全て常備消防力に期待することには限界があるため、」「地域住民による出火防止、初期消火の徹底を図っていく」とあります。
 その上で、消防団についてお伺いいたします。
 私も消防団で活動をしており、先日、ポンプ操法大会が行われましたが、消防団員は常日ごろから区民の皆様の安心・安全を守るために訓練に励んでおりますが、杉並区における消防団は、杉並消防団と荻窪消防団の二団十六分団六百七十八名で、地域防災の中核として重要な役割を担っております。
 初期消火には、すぐに出動ができ、小回りもきく緊急車両の可搬ポンプ積載車は必要だと考えます。すべての分団は可搬ポンプは持っておりますが、積載車を持っている分団は十六分団中七分団のみです。防災力向上のためには可搬ポンプ積載車を全分団に配置することが望ましいと思いますが、配置するためには格納庫が必要になります。ぜひ区立施設の建て替え時など節目で、可搬ポンプ積載車の格納庫の設置を検討していただきたいと思いますが、区のご所見をお伺いいたします。
 以前質問させていただきましたが、初期消火には有効なスタンドパイプがあります。重さ四キロで自在に持ち運べる上、地上から消火栓に簡単に差し込め、ホースをつなげば簡単に放水ができます。このスタンドパイプを震災救援所となる区立の小中学校に設置してはいかがでしょうか、当区のご所見を伺います。
 次に、震災後の対応についてお伺いいたします。
 福岡県北九州市では、小中学校体育館に地上デジタル放送対応のテレビアンテナが配備されています。いずれも災害時の避難所に指定されている体育館で、社団法人北九州電設協会がボランティアで配備しました。避難所にリアルタイムで防災情報を提供して、避難所としての機能を向上させるのがねらいです。
 公明党北九州市議団は、大型台風が北九州北部を襲った二〇〇五年九月、多くの市民が避難した小倉南地区の小中学校体育館を見舞った際、避難者から情報がなくて不安との声をキャッチ、早速その月の決算特別委員会で市民の声を代弁しました。台風による高潮災害のたびに同体育館に避難される方々からは、テレビによる情報があれば心構えが違ってくる、本当によかったとの声が寄せられています。
 当区では、現在避難所にテレビがあるのか、また今後の見通しについてご所見をお伺いいたします。
 四月下旬の石巻市役所では、罹災証明の発行申請にやってきた多くの住民であふれ返っておりました。家を失った住民が生活再建に向け、なくてはならないのが罹災証明。これは被災者からの申請を受け、市区町村長が、住宅の被災状況、全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊を証明するもので、保険金の請求、支援金の請求、固定資産税の減免などに必要になります。
 石巻市内では六万戸以上が被災。一日八百人に限定して四月十四日より申請を受け付けています。市の職員だけでは対応できないため、長崎や東京などから応援を受け、総勢四十人で発行業務に当たっています。
 罹災証明の発行のための確認の一つ目に、発行を受ける世帯が被災時に住民であったかを住民基本台帳で確認する。二つ目には、固定資産税業務に利用する家屋台帳で、この世帯が住んでいた住宅が存在していたかを確認する。三つ目には、職員が現場を確認し、実際に住宅が被災しているかを確認する。この三つの確認業務の後、証明書の発行になります。
 しかし、これらの三つのデータベースが独立して存在する上、照合するために必要な共通項目がありません。例えば住民が借家に住んでいた場合、住民基本台帳に住民の名前が載っていますが、家屋台帳には所有者の名前が載っています。しかも、住民基本台帳の住所と家屋台帳の地番も異なるため、確認作業に手間取ります。これが数万件単位になれば、作業量も膨大です。
 そこで重要になるのが、三つのデータベースを統合した被災者台帳です。あらかじめ住民基本台帳のデータと家屋台帳のデータを統合しておき、そこに震災発生後に調査した住宅の被災状況を追加して被災者台帳を作成すれば、証明書の発行業務はスムーズに進みます。
 一九九五年の阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けた兵庫県西宮市が独自に開発したのが、この被災者支援システムです。同システムを全国の地方公共団体が無償で入手し、被災時に円滑な被災者支援ができるよう、二〇〇九年一月十七日に総務省が被災者支援システムをおさめたCD-ROMを全国の自治体に無償配布しました。しかし、このたびの東日本大震災前までに同システム導入の申請があったのは、約二百二十自治体にとどまり、被災した東北地方ではほとんど導入自治体はありませんでした。今回の震災後、被災者の情報を一元的に管理する被災者台帳の必要性への認識が高まり、同システムの導入の申請をする自治体が増え、五月二十六日現在で三百に達したと伺っております。災害発生時、何よりも人命救助が最優先です。しかし、その後、きめ細かい被災者支援が求められます。中でも、家を失った住民が生活再建に向けて、なくてはならないのが罹災証明です。
 区は、現在どのような対応をしているのかお尋ねいたします。また、この件について当区の見解をお伺いいたします。
 さまざまな視点で震災対策についてお伺いしてまいりましたが、今後三十年以内に七〇%以上の確率で発生すると予測されています首都直下型地震、マグニチュード八以上という大規模な地震が懸念されております東海地震、その発生確率は八〇%から九〇%と言われています。杉並区民の生命、財産を守るため、常在戦場で、いつ地震が来ても大丈夫な杉並区を構築していただきたいことを念願いたしまして、一般質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 北明範議員からのご質問にご答弁申し上げます。
 区民の防災力の向上のお尋ねにお答えをいたします。
 地震による被害は区内の広範囲に及ぶ上に、同時多発の火災等が予想されるため、防災関係機関の活動にもおのずと限界が生じてきます。このため、区では、自分たちのまちは自分たちで守る共助の担い手である防災市民組織の育成強化や、組織の活性化のため、消防署とも連携し、防災に関する知識の普及、初期消火、救出救護訓練などを行っております。
 また、震災救援所運営連絡会に対しては、震災救援所運営マニュアルの作成や震災救援所立ち上げ訓練への支援を行っ
ております。
 次に、自らの生命は自らが守る自助の取り組みといたしまして、防災用品のあっせんや防災講演会による意識啓発を行っております。また、いざというときに行動できるよう、日ごろから震災訓練に参加し、経験していくということも大切だというふうに思います。
 今回の東日本大震災では、これまでの想定を大きく超える大津波でございましたが、この津波被害から逃れることができた方はいち早く行動をした方でありまして、そういうことができたというのは、日ごろから訓練を行っていたというような報道もございましたけれども、改めて、そういったことも考えますと、訓練の重要性というものを痛感いたす次第でございます。
 昨年度は、三年ぶりとなります総合震災訓練を旧NHKグラウンドで実施いたしまして、震災に無関心と――決して無関心ではないかと思うんですけれども、訓練とかそういった地域の集まりに余り積極的に参加をしないという意味で、いわゆる無関心層というか、そういったファミリー層が、このNHKグラウンドの総合訓練では大変数多くの方々が参加をしていただきました。大変よかったというふうに思っております。
 今年度は桃井原っぱ公園で実施をいたしますけれども、さらに区民の方が訓練に参加しやすいよう、体験型の訓練というものを充実して実施してまいりたいというふうに考えております。今後ともいろいろお知恵をいただきまして、本当に安心・安全な防災都市として区をつくっていかなきゃならないというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 残りの質問につきましては、関係部長等からご答弁申し上げます。
○議長(藤本なおや議員) 高齢者担当部長。
     〔高齢者担当部長(武笠 茂)登壇〕
◎高齢者担当部長(武笠茂) 私からは、地域包括支援センターに関する一連のお尋ねにお答えいたします。
 介護保険制度では、ケアマネジャーを含め、介護保険サービスを利用する場合、利用者が事業者を選択して契約をした上で利用する仕組みとなっております。杉並区の高齢者実態調査では、区民がどのようにケアマネジャーの事業所を知ったかという問いに対して、地域包括支援センターからの情報提供以外に、家族、友人、知人等からの紹介、かかりつけの医師や入院先の病院からの紹介などの回答が挙げられております。
 地域包括支援センターが、区民からケアマネジャーの事業所について相談を受けた場合には、特定の事業所に偏ることのないよう、介護サービス事業者ガイドブックなどを活用して、必ず複数の居宅介護支援事業所の情報を提供するなどしており、公正中立な立場に立った対応をしていると認識しております。
 次に、地域包括支援センター事業の評価についてのお尋ねですが、区では、公正で中立性の高い事業運営が行われているかという視点も含め、業務の質の向上につながるよう、外部の学識経験者を含めた地域包括支援センター事業評価委員会による事業評価を毎年度実施し、介護保険運営協議会に報告しております。具体的には、地域包括支援センターの自己評価や、区の職員が訪問調査し作成した区側の評価を踏まえ、事業評価委員によるヒアリングを実施した上で、最終的に事業評価委員会による評価を行っております。また、これらの評価の過程において、より適切な事業運営を図るために必要な助言、指導をあわせて行うことにより、事業の質を高める工夫もしております。 私からの最後になりますが、主任ケアマネジャーに関するお尋ねにお答えいたします。
 地域包括支援センターにおける総合相談機能の向上と介護支援専門員の質の向上に果たす主任ケアマネジャーの役割は重要であると認識しております。区では、対応困難な事例に対しても主任ケアマネジャーが対応できるよう、主任ケアマネジャーを対象とした研修を計画的かつ継続的に実施しており、日ごろの業務においても、相談を随時受け、個別に助言、指導して主任ケアマネジャーの活動を支援するなど、主任ケアマネジャーのレベルアップを図っているところでございます。
 私からは以上でございます
○議長(藤本なおや議員) 危機管理室長。
     〔危機管理室長(井口順司)登壇〕
◎危機管理室長(井口順司) 私からは、震災対策のご質問のうち、所管事項についてお答えいたします。
 まず、可搬ポンプ積載車の格納庫についてのお尋ねですが、区民の安全・安心のためには、消防団の消防力の向上も欠かせないものと考えており、可搬ポンプ積載車を持っている分団が増えていくことは、消防力強化につながるものと存じます。区立施設の更新時などの節目においては、その地域の消防団の状況も勘案した上で、消防署とも協議してまいりたいと考えております。
 次に、スタンドパイプについてのお尋ねですが、スタンドパイプは、ご指摘のとおり軽量で操作方法も簡単ですが、断水等により消火栓が使用できない場合はスタンドパイプも使用できないといった難点もございます。
 しかし、震災救援所は避難、救援の拠点となることから、安全性の向上を図ることは必要であり、現在、東京消防庁でも、各消防署に訓練用スタンドパイプを配置して指導体制に取り組んでいると伺っておりますので、設置について検討してまいりたいと考えております。
 最後に、避難所のテレビについてのお尋ねですが、一般的には避難先の体育館等にはテレビはなく、テレビから情報をキャッチするのは難しい状況となっております。区でも、震災時の避難、救援の拠点で震災救援所となるすべての区立小中学校、水害時の避難所となる一部の区立小中学校、荻窪地域区民センター、杉並会館にはテレビはありますが、体育館等で見られるようにはなっておりません。
 今後の見通しについては、テレビもアンテナ工事等が必要ないワンセグタイプなどもありますので、検討してまいりたいと考えております。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 区民生活部長。
     〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕
◎区民生活部長(佐藤博継) 私からは、被害認定調査に関するお尋ねにお答えいたします。
 本区では、西宮市が開発したシステムが無償配布される以前の平成十八年度から、住民基本台帳及び外国人登録情報を日々取り込むことができる独自の被災者情報管理システムを構築して、運用しております。西宮市のシステムは、さらに家屋台帳のデータも取り込んだものですが、特別区におきましては、固定資産税の賦課徴収を東京都が行っているため、家屋台帳のデータを保有していないことから、本区におきましては、それ以降も現在のシステムを活用し、被害認定調査及び被災証明書の発行事務の効率化を図っているところでございます。
 私から以上でございます。
○議長(藤本なおや議員) 以上で北明範議員の一般質問を終わります。
 以上で日程第一を終了いたします。
 議事日程第二号はすべて終了いたしました。
 議事日程第三号につきましては、明日午前十時から一般質問を行います。
 本日はこれにて散会をいたします。
                 午後四時二十二分散会