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東京都 渋谷区

平成15年  9月 定例会(第3回) 09月25日−09号




平成15年  9月 定例会(第3回) − 09月25日−09号










平成15年  9月 定例会(第3回)



           平成十五年 渋谷区議会会議録 第九号

 九月二十五日(木)

出席議員(三十四名)

  一番  前田和茂        二番  奈良明子

  三番  小林清光        四番  松岡定俊

  五番  沢島英隆        六番  栗谷順彦

  七番  芦沢一明        八番  金井義忠

  九番  薬丸義朗        十番  平田喜章

 十一番  東 敦子       十二番  水原利朗

 十三番  丸山高司       十四番  岡本浩一

 十五番  伊藤毅志       十六番  吉野和子

 十七番  古川斗記男      十八番  伊藤美代子

 十九番  鈴木建邦       二十番  長谷部 健

二十一番  牛尾真己      二十二番  森 治樹

二十三番  新保久美子     二十四番  五十嵐千代子

二十五番  木村正義      二十六番  齋藤一夫

二十七番  染谷賢治      二十八番  座光寺幸男

二十九番  広瀬 誠      三十番   植野 修

三十一番  小林崇央      三十二番  岡野雄太

三十三番  苫 孝二      三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          小笠原通永

    総務部長          山内一正

    区民部長          菊池 淳

    福祉部長          池山世津子

    厚生部長          星宮正典

    保健衛生部長        上間和子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          田村俊昭

    環境清掃部長        松崎 守

    教育委員会委員長      椿 滋男

    教育委員会教育長      足立良明

    教育委員会事務局次長    田中泰夫

    選挙管理委員会委員長    甲斐孝喜

    選挙管理委員会事務局長   坂井正市

    代表監査委員        橋口雄平

    監査委員事務局長      横谷安男

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事務局職員

事務局長  諸岡 博  次長    小湊信幸

議事係長  倉澤和弘  議事主査  五十嵐秀雄

議事主査  松嶋博之  議事主査  岩橋昭子

議事主査  鈴木弘之  議事主査  中山俊幸

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   平成十五年第三回渋谷区議会定例会議事日程

          平成十五年九月二十五日(木)午後一時開議

日程第一           会期決定の件

日程第二   議案第三十一号 渋谷区長の給料の特例に関する条例

日程第三   議案第三十二号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第四   議案第三十三号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第五   議案第三十四号 渋谷区区民会館条例の一部を改正する条例

日程第六   議案第三十五号 渋谷区戸籍事務及び住民基本台帳事務における本人確認等に関する条例

日程第七   議案第三十七号 渋谷区清掃及びリサイクルに関する条例の一部を改正する条例

日程第八   議案第三十六号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第九   議員提出

       議案第十二号 渋谷区中小企業緊急特別対策資金貸付条例

日程第十   議員提出

       議案第十三号 渋谷区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一  議員提出

       議案第十四号 渋谷区重度要介護高齢者福祉手当条例

日程第十二  議案第三十八号 平成十五年度渋谷区一般会計補正予算(第二号)

日程第十三  認定第一号 平成十四年度渋谷区一般会計歳入歳出決算

日程第十四  認定第二号 平成十四年度渋谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算

日程第十五  認定第三号 平成十四年度渋谷区老人保健医療事業会計歳入歳出決算

日程第十六  認定第四号 平成十四年度渋谷区介護保険事業会計歳入歳出決算

日程第十七  議案第三十九号 旧渋谷小学校跡地複合施設(仮称)建設電気設備工事請負契約

日程第十八  議案第四十号 旧渋谷小学校跡地複合施設(仮称)建設空気調和設備工事請負契約

日程第十九  議案第四十一号 旧渋谷小学校跡地複合施設(仮称)建設給水衛生設備工事請負契約

日程第二十  議案第四十二号 白根記念郷土文化館改築工事請負契約

日程第二十一 議案第四十三号 清掃工場還元施設温室植物園(仮称)建設建築工事請負契約

日程第二十二 報告第七号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について

日程第二十三 報告第八号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について

日程第二十四 報告第九号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について

日程第二十五 報告第十号 財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(丸山高司) ただいまから平成十五年第三回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、五番沢島英隆議員、三十番植野 修議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔諸岡事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 桑原区長、神山助役、内山収入役、小笠原企画部長、山内総務部長、菊池区民部長、池山福祉部長、星宮厚生部長、上間保健衛生部長、古川都市整備部長、田村土木部長、松崎環境清掃部長、椿教育委員会委員長、足立教育委員会教育長、田中教育委員会事務局次長、甲斐選挙管理委員会委員長、坂井選挙管理委員会事務局長、橋口代表監査委員、横谷監査委員事務局長。

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渋監発第十三号

   平成十五年六月三十日

 渋谷区議会議長殿

                      渋谷区監査委員 橋口雄平

                      渋谷区監査委員 倉林倭男

                      渋谷区監査委員 植野 修

   平成十五年五月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十四年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第十四号

   平成十五年六月三十日

 渋谷区議会議長殿

                      渋谷区監査委員 橋口雄平

                      渋谷区監査委員 倉林倭男

                      渋谷区監査委員 植野 修

   平成十五年五月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十五年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第十九号

   平成十五年七月三十一日

 渋谷区議会議長殿

                      渋谷区監査委員 橋口雄平

                      渋谷区監査委員 倉林倭男

                      渋谷区監査委員 植野 修

   平成十五年六月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十五年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第二十四号

   平成十五年八月二十九日

 渋谷区議会議長殿

                      渋谷区監査委員 橋口雄平

                      渋谷区監査委員 倉林倭男

                      渋谷区監査委員 植野 修

   平成十五年七月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十五年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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○議長(丸山高司) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに、平成十五年第三回区議会定例会を招集し、提出議案の御審議をお願いするとともに、当面の区政の課題について御説明を申し上げ、区議会議員各位及び区民の皆様の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

 最初に議案、渋谷区長の給料の特例に関する条例について申し上げます。

 この議案は、まちづくり事業の実施に当たり国及び都の補助金申請の手続が不的確だったために、その処理に不信と混乱を招いたものであります。私は直ちに事実関係を調査の上、区議会に御報告を申し上げたところでありますが、あわせて担当職員及び管理監督責任にある者を服務上の処分を行ったところであります。

 しかし、区長としてトップの責任を明確にするため、今回、減給処分とするものであります。改めて区議会及び区民の皆様の信頼を裏切る結果を招いたこと、心からおわびを申し上げるとともに、このような事態を再び引き起こすことのないよう、執行体制の確立と服務規律の確保に全力を傾けてまいります。

 次に、安全対策についてであります。

 本年七月初旬、長崎における中学生の幼児誘拐殺害事件は、まさかと思われる中学生の残虐な犯罪ゆえに全国民を震撼させました。その衝撃のさめ切らぬ矢先に、七月下旬、渋谷を舞台とした児童監禁事件が起きたり、通り魔の犯罪等が相次いだため、マスコミは渋谷はまるで犯罪の多い危険なまちであるかのような、興味本位の報道が続いたことは、まことに残念に思うものであります。

 しかし私は、これら区内での事件や様々な報道を教示として受け止め、今後一層青少年の健全育成のための環境浄化を推し進めねばならないと考えるものであります。

 これまでの区民関係団体の皆様の各般にわたる安全・安心のまちづくりへの御努力を無駄にすることのないよう、とりわけ繁華街において青少年が犯罪に巻き込まれることのないよう、薬物等の販売や風俗関連業への勧誘等、大人の反社会的行為をなくすための努力をいたさなくてはならないと思うものであります。そのため、警察や東京都、近隣区との連携を密接に行い、防犯、補導、健全育成等、関係区民団体の御協力を得て区の体制整備はもちろんのこと、防犯カメラの設置、巡回補導等、安全対策を総合的に検討し、できることから年内に実施に移すとともに、区内全域にその施策を拡大したいと考えるものであります。

 しかし他方、有害図書に加えて携帯電話を初めとするパーソナルな通信機器など、新しいメディアによるコミュニケーションが広がってまいりました。このことは、家族の目にも触れず行われるため、交友関係の把握が困難になるなど、難しい課題が山積みしていることも事実であります。そのためには、環境浄化に並行して、常に青少年自身が厳しい環境に負けないで、目標に向かって生きる、たくましい青少年の育成が大切であると思います。

 本区には、青少年に関する実態調査を踏まえ、既に昨年十二月青少年育成審議会の答申があります。私は今後、この答申に沿って子どもの心を育てるとともに、家庭への支援、そして地域の自主的な取り組みへの支援など、区は学校の御協力を得ながら進めたいと考えます。区議会議員各位の御協力と御助言をお願いするものでございます。

 次に、中小企業対策についてでございます。

 最近、日本の経済は株価は上向き、景気動向指数は五月以降三カ月連続の上昇をしており、その要因は輸出に並んで設備投資の増大であります。しかしその反面、まだ高い失業率や雇用不安を背景に、個人消費は停滞している状況であります。区内中小企業者はこうした社会経済状況の中にあって、新たな顧客開拓や販売強化、経営コストの引き下げに合わせ、商店会が結束してイベント開催などの集客努力を行うなど、区内企業の活性化の努力を進められております。

 私はこうした御努力が実を結ぶよう、さらに制度融資のあり方や創業支援やコンピューターの活用、あるいは商店街の活性化策等について検討するため検討委員会を設置することとし、その所要経費を補正予算に計上しております。

 また、デフレの結果、区民の離職者が増えております。これらの方々の職歴を生かし、中小企業の経営改善や行政サービスの向上改善に寄与していただくと同時に、離職者の生活安定に寄与することができないか、そのあり方についても当委員会に検討をお願いしたいと考えます。

 最後に、芸術文化の振興についてであります。

 文化芸術振興基本法の前文にもございますように、人は文化芸術を創造し、楽しみ、生きる喜びを文化的な環境の中に見出すものであり、心豊かな社会の形成にもつながるものであります。また、芸術は音や色や造形を通して人間の精神や心を表現するものであり、国境を超えて、言語を超えて、相互に理解し得る大切な働きになるものであり、それゆえに国民が相互に共感し、理解し合い、世界平和のために貢献すると思います。

 九月下旬、中学校・土日クラブ発表会が、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催され、吹奏楽に加え、箏曲、合唱がございました。すばらしいできばえであり、これをお支えいただいている校長や顧問の先生や保護者に感謝するものであります。私はこれらの文化活動を支える意味でも、さらには伝統・文化の保存のために、区政からの役割を明確にする必要があると考え、今回その所要経費をお願いするものであります。

 本定例会は以上に申し上げましたものを含め、条例案七件、平成十四年度一般会計歳入歳出決算等四会計の決算審査、一般会計第二号補正予算案、旧渋谷小学校跡地複合施設等に係る契約五件の議案及び四件の報告案件を提出しております。よろしく御審議のほどをお願いいたします。

 以上をもちまして私の発言といたします。ありがとうございました。

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○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 二番奈良明子議員。



◆二番(奈良明子) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表いたしまして、桑原区長並びに足立教育長に質問をさせていただきたいと思いますが、その前にまちづくり事業の補助金申請の件に触れさせていただきます。

 六月初旬に、神山助役を中心に調査委員会を発足され、また区長も自らの減給処分案を提出されるなど、組織全体を挙げて再発防止に向けて取り組んでいらっしゃることは十分理解いたしますが、やはりこのまちづくり事業に対する区民の皆様の大きな期待を考えると、一日も早く再開ができますよう執行体制の確立と服務の確保に全力を挙げていただき、また、国や東京都の信頼関係を早急に再構築するよう強く求めるものであります。

 さて、渋谷区に住んでいる方々にとって、安全で安心していつまでも住み続けることができる我がまち渋谷とするためには、区と区民が一体となって取り組んでいかなければなりません。そこで、まず初めに、生活の原点でもあります安全・安心なまちづくりについてお尋ねいたします。

 今、渋谷の現状を見ますと、渋谷駅周辺を初め、原宿や代官山など若者にとって魅力のあるファッション店や飲食店が集積し、区外から多くの若者が毎日訪れています。こうした中で渋谷を舞台として青少年を巻き込んだ監禁事件が起きたり、通り魔事件が起きるなどの犯罪が続いたため、渋谷は青少年にとって危険なまちとしてのイメージが一部マスコミによって過剰に報道され、渋谷ブランドが地に落ちた気がします。

 私は区民の一人として、興味本位のマスコミ報道に腹立たしく思うとともに、自然と文化と安らぎのまち・渋谷でこのような事件が起きたことに対して、非常に残念に思っております。また、区民からもこうしたイメージを憂える声が多く寄せられました。事実、渋谷駅周辺では、悪質なキャッチセールスやスカウト、外国人による薬物の販売、あるいはかぎつき個室のある漫画喫茶など、青少年に悪影響を及ぼすとともに、青少年が犯罪に巻き込まれやすい状況が見受けられます。

 一方渋谷区では、安全・安心でやさしいまちづくり条例に基づき、大阪の池田小学校での児童殺傷事件を教訓に、小中学校の児童生徒全員に防犯ベルを配布する、あるいは渋谷区青少年育成審議会の答申を受け、青少年の健全な育成に取り組むとともに、区民、NPO団体、警察と区によるまちの浄化活動や落書き防止パトロールを実施するなど、区民の安全・安心を守る努力に対しましては評価するものであります。

 しかしながら、今日の子どもを取り巻く社会環境は大きく変化してきております。いつ、いかなる場所で子どもが犯罪の被害者あるいは加害者になるかもしれない状況にあり、当の子どもたちだけではなく、保護者の方々や区民の方々の間に不安感や危険感が広がりつつあります。こうした状況を払拭し、安全で安心で優しいまちにするためには、区民に最も身近な自治体として、これまで以上の努力や対策が必要になると思います。

 こうした観点から四点について区長にお伺いいたします。

 一点目は、今回の区長の冒頭発言で、とりわけ繁華街において青少年が犯罪に巻き込まれることのないよう、大人の反社会的行為をなくすための努力をしなければならないとありますが、今日のこうした状況に対して青少年が安心して住み、集うまちとするため、今後渋谷区はどのような取り組みを考えているのかお伺いいたします。

 特に、我が会派が本年第一回定例会で提案した悪質なキャッチセールスやスカウト、客引き行為の禁止について条例化を含めた総合的な検討と進捗状況をお聞かせください。

 二点目は、安全・安心への取り組みは、区のみの努力では十分な対応ができないと思われる中で、当然に国や東京都や地域住民の皆様との協力体制が必要になります。区長が八月、テレビにて発言されていたパトロール策の強化がその切り札になると存じます。しかし、地域住民中心のパトロールでは現在の状況に対応し切れないことも事実です。今後は区長もよく御存じのNPO法人、日本ガーディアン・エンジェルスや渋谷の警備業協会に協力を求め、警察、地域と協働し、計画的に防犯パトロールを展開していくべきと考えますが、御所見を伺います。

 三点目は、現在の組織では安全・安心なまちづくりや防犯など、新しい区政の課題に十分対応できていないと思われます。そこで、渋谷区を真に安全・安心でやさしいまちとするためには、組織を強化し、重点的に取り組むべきと考えます。私は、区長直轄下に治安対策の専管組織を置いて、この問題への強い意志を区民、また渋谷のまちに向け表明すべきと考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 四点目は、区長は東京都が設置した治安対策代表者会議で、新宿、豊島区長とともにメンバーになって対策を講じられている姿が、先日、新聞やテレビで大きく報じられておりました。また、子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会に、二十三区で唯一メンバーとして参加されております。こうした会議において、東京都などに対して積極的に発言されていると伺っておりますが、そこで取り上げられた問題は渋谷区一地域の問題としてとどめるのではなく、東京都や国レベルでの対応が必要になってくるものもあると考えますが、区長の見解をお聞かせ願います。

 次に二番目の質問として、中小企業・商店街振興と雇用対策を取り上げたいと思います。

 中小企業・商店街振興策が渋谷区の重要施策の一つであるということは言うまでもありません。これまでも商工会議所が実施するマル経融資への利子補助の新設、景気対策緊急融資の復活など、制度融資の拡充に力を注ぐとともに、商店街振興プランによる総合的な商店街支援策を展開するなど、区として地域事業者に対する適切な支援を行ってきたことを高く評価するものです。

 しかし、景気が低迷する中で、事業者の御苦労は並大抵のものではありません。それだけに区への期待が大きいことが、私自身、地域を歩き、中小企業や商店街の皆さんと身近に触れる中で強く感じたところでございます。

 桑原区長はそのような現状を思い、小倉前区長の発展継承を図るため、新たな対策の必要性について表明されました。このことは私だけではなく、多くの区民にとって時宜を得たものであり、今後の施策の展開に大いに期待するものであります。

 そこで桑原区長にお伺いいたしますが、今の渋谷区の状況において、有効な中小企業対策として何が重要とお考えなのか、定例会冒頭の発言にありました中小企業者等活性化策検討委員会にどのようなことを検討してもらいたいのか、御所見をお伺いしたいと存じます。

 また、委員会報告はいつごろまでにまとめられる予定かもお聞きしたいと存じます。

 次に、雇用対策についてであります。

 東京都によると、四月から六月期の失業率は五・三%で、前年同期より低下し、また三期連続で前年を下回っております。確かに雇用情勢は最悪期を脱しましたが、依然として完全失業率や完全失業者は高水準にとどまっている中に、専門的な知識や健康に恵まれながらも、やむを得ない事情により離職している区民もたくさんおられるものと考えます。この点について、区では緊急地域雇用創出特別補助金を利用して、雇用創出に努めているのは存じ上げておりますが、さらに区としてできることは何か、その方向について区長のお考えをお聞かせください。

 次に、高齢者福祉と障害者福祉の現状と今後の展望について何点かお尋ねいたします。

 まずは高齢者福祉施策についてですが、この四月から新たに策定された第二期の介護保険事業計画及び第三期の高齢者保健福祉計画に基づき展開されていることは承知いたしております。介護保険制度については、渋谷区では平成十二年度の制度導入時により、区独自の介護保険相談員の設置、相談体制の整備や各種ガイドブックの配布、出張相談の実施など積極的に制度のPRに努めていらっしゃったことから、他区に比べますと区民に対する制度の周知度も高く、その結果、要介護認定率や利用者が多くなっていると聞いております。

 また、低所得者の方々が利用しやすくなるよう、他区に先駆けて、特別の対策をとってきており、平成十五年度からの第二期目には保険料の減額制度を創設するとともに、これまでの利用料減額制度を拡充し、実施していることと存じます。そこで、これから二期目に入った新たな制度の利用状況はどのようになっているのでしょうか。また、今後特別対策の拡大等、さらなる改善を行う考えはお持ちなのか、お尋ねいたします。

 次に、高齢者福祉の基盤整備では、介護保険制度の浸透に伴い、特別養護老人ホームを中心に、施設への期待は非常に高いものがあります。その期待にこたえるためにも、区民待望の施設である第三特別養護老人ホームにつきましては、計画どおり整備を進めていく必要があります。現在の進捗状況についてお伺いいたします。

 また、この第三特養建設を進めていくのは当然のことですが、一方では特別養護老人ホームへの入所希望者が、現在のところ六百九十四名と聞いております。この中には将来のために備えて申し込んでいる方も多くいると思われます。特養ホームは、施設介護が必要な方の施設を整備することは当然ですが、加えて施設サービスだけではなく、在宅サービスの充実を図っていくことこそが、在宅介護を基本に、住みなれた地域で暮らしたいという高齢者や御家族の方々の要望にこたえるとともに、地域で支え合うという考え方に合致するものであると考えております。

 また、区民が負担する保険料や限られた財源を有効に使っていくことでもあると考えます。したがって、すべてを特別養護老人ホームにゆだねてしまうという考えは、やはり問題があると言わざるを得ません。この点については、高齢者保健福祉計画でも、特別養護老人ホームに偏することなく、多様な住まい方の一つとして、グループホームやグループリビングなどについて整備あるいは検討していくとされているところですが、区長はどうお考えになり、どのような計画をお持ちなのかお聞きしたいと存じます。

 次に、介護保険のサービスが増加するということは、介護保険制度の仕組みとして保険料も増加することになります。こうした負担のことも考え合わせますと、今後は要介護の時間を短くする、つまりできる限り自立して元気に過ごせるようにするため、介護予防という観点が非常に重要になってまいります。そのための施策については、どのようなものをお考えなのでしょうか、お尋ねいたします。

 さらに、障害者福祉施策についてもお伺いいたします。

 本年四月から障害者の福祉制度は、従来の措置制度にかわって利用者の自己決定を基本とした支援費制度が導入されるなど、大きく変化し、また国の新しい障害者基本計画及び重点施策実施五カ年計画が十五年度から始まっています。こうした情勢の変化に適切に対応するため、渋谷区における第二次障害者保健福祉計画が障害者福祉施策を計画的、総合的に推進する上で重要な役割を果たすものと期待をしています。そこで、この第二次障害者保健福祉計画の進捗状況と、今後の見通しについて区長にお尋ねいたします。

 さて、渋谷の駅頭に立ちますと、品位を失った雑然とした渋谷のまちが気にかかります。駅前広場の騒音、周辺の駐輪、ごみの散乱などですが、特にあの多くの人だかりの中で、平気で歩きたばこをする人の多さには閉口します。道路に目を落とすと、吸い殻が転がっています。何よりも危険ですし、まちの美化にもかかわることです。平和・国際都市を標榜する渋谷区にあって、「たばこは決められた場所で吸う」「人込みでは歩行喫煙はしない」との分煙ルールを定めたことは大変すばらしいことです。

 そこできれいなまちづくりに対して二点の質問をいたします。

 まずは表玄関である渋谷駅周辺で歩きたばこ対策に工夫を凝らしていただきたいと存じます。八月の渋谷区ニュースでは、渋谷区分煙ルールを推進するとありますが、区民に対する周知が十分とは言えません。また、若者を中心とした来街者の多い渋谷区の特性を考えますと、行政だけの対応では限界があります。地域の美化推進委員会はもちろん、事業所を初め、NPO、学生、ボランティアの方々との協力が不可欠だと考えますが、今後、具体的にはどのように分煙ルールの周知徹底を図っていかれるのか、その実施時期及び実施範囲について区長の考えをお伺いいたします。

 二点目は落書き防止に関するものです。

 区では、落書き対策として落書きされた場所にペンキを上塗りしたり、薬剤で落したり、また落書き禁止の看板を掲げていますが、きれいなキャンバスを提供するようなもので、イタチごっこになってしまっています。かといって、そのまま放置することはできません。さらなる具体的な施策をお考えであればお聞かせ願います。

 最後に教育について二点、教育長にお伺いいたします。

 まず一点目は、二学期制についてでございます。

 去る九月十九日の文教厚生委員会において、渋谷区における二学期制の検討状況とその試行について報告を受けましたが、それによりますと、平成十四年度から実施された新教育課程及び完全学校週五日制により、平日五日間の学校における児童生徒の活動が密度が濃くなる一方で、多岐にわたり余裕がなくなってきています。

 また、教員も絶対評価の導入やチーム・ティーチング、習熟度別授業の実施など新たな取り組みに時間をとられ、教育本来の最も大切な部分であるじっくりと子どもたちと向き合うことがなかなかできなくなっています。

 一方、二学期制は、従来の三学期制と比べると、始業式、終業式が一回ずつ減ることや、中学校においては期末考査の回数が一回なくなることにより、授業に充てられる年間時間数が増えること、夏休みや冬休み前の期末における成績づけがなくなることにより、教員が子どもたちと向き合う時間が増え、学業や進路について保護者との話し合いの時間が確保できるなど、多くのメリットがあります。

 平成十六年度新たに何校かで試行を行い、それに検証を加え、渋谷区全体の導入を検討しているとのことですが、そこで質問いたします。

 まず、試行を経て本格導入する時期でございます。常識的に考えると、平成十六年度に試行して、さらに検証するとなると、検証を平成十七年度に行うとして、全体導入は早くても十八年度以降になると思われますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に報告によると、中学校におけるメリットは授業時数の確保や三年生における夏休み前の部活動の取り組みなど、非常に大きいものがあるとされていますが、期末考査のない小学校ではそれほどでもないと思われます。そうすると、中学校と小学校では導入時期について一緒にする必要はないと思いますが、いかがでしょうか。

 二点目は、図書館を恵比寿・広尾地区に設置するとの計画についてお伺いいたします。

 三月の第一回定例会において、小倉前区長が恵比寿・広尾地区に新たに図書館を設置すると表明されました。渋谷区は従来から、良質な文化に触れる機会の充実に努めてきたところですが、区の実施計画の中にも、恵比寿・広尾地区における図書館設置が盛り込まれ、本年度は基本構想を策定し、開設のための準備に入ることが明記されています。その後、平成十六年度には実施設計を行い、平成十七年度設立工事、開設となっております。地元恵比寿・広尾地区では、新築するなら加計塚小学校の元体育館の跡地ではないか、または広尾の博物館用地のところではないかなど、様々な憶測も耳に入ってきています。また、既存施設の活用を図ることも区では考えているのではないかという話も聞こえてまいります。

 様々な思惑が入り乱れても混乱いたしますので、まだ正式決定には至っておりませんが、その後の検討状況を現時点で可能な限り御報告いただければと思います。

 何点か質問いたしましたが、御答弁をお願いいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 奈良議員の御質問の御答弁に入る前に一言申し上げたいと存じますけれども、日ごろの議員活動としてチャリティーコンサートや美化運動の推進のために、心ある市民と連携し、その接点に立ってより豊かな区政を推進しようとされている、その情熱に敬意を表したいと存じます。また、まちづくり補助事業について御注意をいただきました。深く受け止めるとともに、まちづくり補助事業の再開に向け、全力を傾けてまいりたいと存じます。

 それでは御答弁に入らせていただきます。

 渋谷区議会自由民主党議員団、奈良明子議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初に、繁華街の安全対策についてのお尋ねでございます。

 渋谷は流行やファッション、情報などの先端的な都市文化を発信しております。その魅力に引き寄せられて、区外から集まってくる子どもたちを対象とした犯罪が多発しております。また、青少年自身が非行の主体となり、さらには外国人による犯罪行為もございます。これらは、残念ながら渋谷の光と影の、影の部分でございます。私はこうした影に当たる都市環境から青少年をしっかり守っていくことが役割である、このように思うものでございます。その安全対策は、二十四時間、三百六十五日であります。したがって、対策は長続きのする有効なものでなくてはならない、このように思うものでございます。

 そのためには、区がやるべきことは情報の一元化でございます。現在、学校や防犯協会に流されている警察からの犯罪情報を区が一元的に把握することがまず必要であると、このように考えているものでございます。そのため、単に犯罪情報のみならず、キャッチセールスやスカウト、さらには風俗店の施設情報等、犯罪につながる情報の把握が必要でございます。そのためには、議員の御提言にございましたように、区長のもとに直轄の組織体制を整備し、区内の警察、商店会のみならず、都や他区との連携のできるような防犯連携体制をしっかり整備していかなくてはならない、このように思っております。

 次に、監視・補導等でございますが、防犯カメラの設置も一つの手段でございます。これも議員の御提案にございますように、警察や商店会、学校や保護司、様々なボランティアによりますパトロールなど、環境浄化活動の強化を進めねばならない、このように考えております。そのためには、渋谷区安全・安心まちづくり協議会等あらゆる関係団体との協働を進めてまいりたい、このように思っております。

 三点目としてキャッチセールスやスカウトのできないような条例等による規制はできないか。また、青少年の深夜徘徊を助長する風俗関連施設の発生を抑制するまちづくり手法の検討などが必要である、このように考えているところでございます。青少年の深夜外出を禁止する条例も、また必要でないかと、このように考えているものでございます。

 四点目として、不良外人問題がございます。そのためには、国や都、区が連携いたして、不法滞在者にかかわります外国人登録証の交付のあり方等についても協議していくことが必要である、このように思っておりますし、またウイークリーマンション等、外国人の不法滞在にかかわりますホテルの規制等も必要ではなかろうか、このように思っているものでございます。

 五点目でございますけれども、落書きや捨て看板、さらに違法駐車や駐輪などのない美しいまちづくりを進めなくてはならない、このように考えているところでございます。区民の御協力を得まして、一層進めてまいりたい、このように考えているものでございます。しかし、何といっても環境に負けない青少年の育成が大切である、このように考えているところでございます。教育委員会や学校の協力を得て、またボランティア団体等の御協力を得て、さらに推進してまいりたい、このように考えるものでございます。

 安全対策は区のみの努力では十分な対応は困難であるが、どのような取り組みをするのかというお尋ねでございます。前段で申し上げましたとおり、安全対策には不良外国人、キャッチセールス等の規制、風俗営業の取り締まり規制、国や都にまたがりまして、関係機関、団体との連携が必要でございます。

 去る九月十七日に都の緊急治安対策本部の呼びかけで、本区のほか新宿、池袋地区の代表者会議が設置され、私も参加したところでございますが、この代表者会議が何らかの形で存続させ、犯罪防止に有効な方法の会議として活用したい、このように考えているものでございます。犯罪防止のために、奈良議員と同一の認識を持って、臨機、適切に対応してまいりたい、このように存じます。

 次に、中小企業雇用対策についてでございます。

 中小企業対策として、何を重要と考え、そのために検討委員会でどのようなことを検討するのかということでございました。これまで本区におきましては、中小企業対策として平成十四年度から商店街振興プランに基づき、区内の中小企業者や商店街が個性と魅力を高め、安定的に発展できるような事業の拡充に努めてまいったところでございます。本年一月には景気対策特別資金を再開し、デフレ不況による売り上げの減少している中小企業への支援を強化してきたところでございます。

 しかしながら、厳しい長いデフレ不況に対して、何らかの区として中小企業の支援方策はないものか、衆知を集め検討したい、そういったことが今回の検討委員会の設置趣旨であるわけでございます。まず制度融資の拡充について考えたい、このように考えております。融資につきましては、融資額の増額あるいは借換えの増額融資、債務の一本化等の検討をお願いしたい、このように考えております。

 また設備資金の利用でございますけれども、区内業者を発注先とする場合には、利子負担に優遇措置を設けるなど、融資が生かされて使われる、そういった工夫も必要ではなかろうか、このように考えているものでございます。

 次に、経営効率化といたしましては、現在チャレンジ塾があるわけでございますが、これをさらに第一歩進めて、地域に密着する創業支援のためのプラン作成の段階にまで踏み込めないものか、そういったことも検討していきたい。また、ITを活用した経営効率を高めるための支援教室の開設、そういったことにも取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

 一方では、商店街の集客力を高めるため、イベント、助言をする制度なども課題であると、このように思っております。他方、不況に伴い区民の離職も増えております。したがって、渋谷が安心して住み続けられるまちであるためにも、離職している方々について中小企業の経営改善や行政サービスに御活躍をいただくとともに、その離職者の生活安定に寄与できるよう、登録システム等について検討してまいりたい、またそのことをお願いしてまいりたい、このよように考えるものでございます。

 お尋ねの報告の時期でございますけれども、施策実施の緊急性を要するものでございますから、成案を得たものから順次報告を受けたい、このように考えるものでございます。

 雇用対策については、先ほど御答弁申し上げたところで御理解いただきたいと思いますが、なお、私どもの方では緊急地域雇用創出特別補助金、これを今回定例会の補正予算でもお願いしておりますけれども、平成十六年度におきましてもこの特別補助金を活用してまいりたい、このように考えるものでございます。

 介護保険についてのお尋ねでございます。

 まず利用状況について御答弁を申し上げます。

 奈良議員の御指摘にございますように、渋谷区では制度発足当時から制度の周知と円滑な実施を図るために、相談員制度を初め様々の施策を展開してきたところでございます。

 御質問の利用状況でございますが、要介護認定率は全国や都の平均を二%以上上回り、七月末現在で一七・四%でございます。また、サービス給付費も全国平均を上回り、前年同期比で一一%の伸びでございます。

 次に、今後の対象者の拡大、さらなる改善についてのお尋ねでございますが、今年度より第二期の介護保険事業計画が実施され、区独自の制度として新たに支払い困難な方を対象とした介護保険料の減額制度を創設したほか、利用者負担減額制度をもその対象範囲を拡充したところで、奈良議員御指摘のとおりでございます。今後、より一層これらの新しい制度の周知に努めてまいる所存でございます。さらなる対象者の拡大等の改善につきましては、これらの制度の利用状況の推移等を踏まえつつ検討してまいりたい、このように考えるものでございます。

 なお、介護保険制度の諸課題につきましては、厚生労働省において現在平成十七年度の法改正を目指して検討中でございます。渋谷区といたしましても、こうした動きを見定めつつ、よりよい制度としてまいりたい、このように考えるものでございます。

 次に、高齢者福祉の基盤整備について三点のお尋ねでございます。

 まず、旧渋谷小学校跡地に建設を進めてまいります第三特別養護老人ホームの進捗状況でございます。本件につきましては、区民の皆様方の御理解と御協力をいただき、七月下旬から工事に着手したところでございます。現在、ほぼ校舎の解体を終了したところであり、これから年末にかけまして、掘削工事に入るところでございます。本施設は区民待望の第三特別養護老人ホームを中心に、コミュニティや保育園施設、さらには本区のコンピューターシステム、研修施設等を含む複合施設でありますので、工事には細心の注意を払いながら、平成十七年十二月のオープンに向け全力を傾けてまいる所存でございます。

 次にグループホームやグループリビングの計画についてでございます。

 これも奈良議員の御指摘のように、高齢者福祉の基盤整備を進めるには、特別養護老人ホームの入所希望者の実態を精査するとともに、在宅介護の理念のもとに、でき得る限り在宅生活を送ることができるように、サービスを充実していくことは不可欠でございます。したがいまして、今後の福祉基盤整備におきましても、特別養護老人ホームのみならず、在宅と施設を結びつける、いわば中間的な施設の設置など、高齢者の身体や介護状況、さらには介護や所得状況に配慮した施策を展開すべきであると、このように考えております。

 この多様な住まい方としての一つといたしまして、痴呆性高齢者グループホームやグループリビングがあるものでございます。痴呆性高齢者グループホームにつきましては、今年度事業者の参入促進を図るため、区独自の補助要綱を制定したところであり、さらには区有地や既存施設の活用の可能性も検討してまいりたい、このように考えております。

 また、グループリビングにつきましては、新しい居住形態でございます自立した生活を送っていらっしゃるひとり暮らしの高齢者で、今後共同生活を楽しく過ごしたいという方々のために、場所の確保や支援方法を検討しておるところでございますが、早期に実現をしたい、このように考えております。

 三点目に、介護予防の施策についてのお尋ねでございます。

 今日のように、長寿の時代におきましては、できる限り元気で自立して過ごすことのできるよう、いわゆる健康寿命を伸ばしていくため、健康づくりや介護予防という観点がますます重要でございます。本区では、利用者から御好評をいただいておりました西原スポーツセンターでの転倒骨折予防教室を引き続き開催するとともに、ひがし健康プラザでの高齢者生き生き健康運動教室の回数を増加するなど、その充実を図ってまいっております。

 また、痴呆予防のための取り組みといたしまして、今年度から在宅介護支援センターの設置地区ごとに新たに講演会を実施し、痴呆に対する理解を深めていただくと同時に、痴呆予防教室開催に向け、モデル地区を選定しているところでございます。加えまして、このような地域における介護予防や健康増進のための拠点施設として、元気高齢者から支援を要する方々までが集える高齢者センター、これはまだ仮称でございますけれども、その設置についても鋭意検討しているところでございます。

 次に、障害者保健福祉計画についてのお尋ねでございます。

 障害者保健福祉計画は、渋谷区におけます障害者施策を総合的かつ計画的に推進するために作成するものでございまして、今回作成する計画は、期間を平成十六年から二十年までの五カ年でございます。この計画を作成するに当たり、関係各方面の方々からの意見を聞くため、本年四月、障害のある方を初め障害者団体、学識経験者及び区民代表を委員とする障害者保健福祉計画作成委員会を設け、計画策定のための基本的方向について諮問をしたところでございます。十月中には中間報告が、また年内には最終答申が出る見込みでございます。この答申を受けまして、今年度内に障害者保健福祉計画を作成する予定でございます。来年度以降、この計画に沿って施策を着実に実施してまいりたい、このように考えるものでございます。

 歩行喫煙禁止についてお尋ねがございました。渋谷区分煙ルールについて、今後どのように周知徹底を図っていくのかということでございます。

 渋谷区分煙ルールにつきましては、十月二日に渋谷駅前で開催されます一斉清掃啓発キャンペーンにおいて、新たな視点に立って啓発をする予定でございます。また十六回東京国際映画祭の期間中実施される「ストップ歩きたばこキャンペーン」というのがあるんだそうでございますけれども、これとも連携し、渋谷駅周辺におきましては、渋谷区分煙ルール啓発キャンペーンを繰り広げる予定でございます。今後の啓発活動につきましては、奈良議員の御提言にもございますよう、NPOやボランティア団体、企業、学校など、様々の団体の参加を求めまして、また啓発効果の大きい場所に焦点を絞り込み、推進をしてまいりたい、このように考えているものでございます。

 分煙ルールの実施時期と実施範囲についてのお尋ねでございます。

 分煙ルールは駅周辺など、繁華街を抱える地域で喫煙所の整備などの条件の整備されている地区から順次重点地区とします。最初は渋谷駅ハチ公口を中心とした地域を歩行禁煙禁止の重点地区として指定をしたいと、このように考えるところでございます。

 落書きの防止について、現状の対策以外にさらなる施策を考えているか、こういうことのお尋ねでございます。区立勤労福祉会館におきましては、外壁の改修工事をいたしたところでございますけれども、落書き防止のコーティングを施したところ、その後、当施設では落書き被害が減ったと、一定の効果が出たと、こういうことでございます。落書き防止のコーティング剤につきましては、企業で研究が進んでおりますので、今後、企業等との協力を得ながら活用してまいりたい、このように考えております。

 一方、新たな落書き防止の施策でございますけれども、落書きの被害のひどい壁面にあらかじめ絵をかきたい、絵をかくという取り組みもございます。これまで代官山の西郷橋高架下のトンネルの壁に、地元中学生が書いた原画をもとに、地元町会や住民が中心になりまして、これをきれいにしたという例がございます。落書き防止のために非常に大きな効果を上げた、こういうふうに聞いているところでございます。

 また長谷戸小学校の壁に児童たちが絵をかいた例や、JRが渋谷駅周辺のJR高架下の壁に絵をかく計画がございます。これらもコーティングをしていく、こういうふうに聞いているところでございます。

 本区といたしましても、これらの事例を参考といたしまして、実績のあるNPO団体を初め、企業、学校、ボランティアなど、様々な団体の参加を求めまして、落書き防止の推進のために全力を傾けてまいります。

 以上で私の答弁を終わらせていただきます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私からは二学期制に関する二点の質問からお答えしてまいります。

 まず一点目は、渋谷区全体で導入する時期についてのお尋ねでございます。二学期制のねらいや効果につきましては、先ほど質問にございましたように、授業時数の増を図ることに加えて、児童生徒と教員とがじっくりと向き合うなど多くの成果が期待できますので、学校の要望等をもとに平成十六年度に二学期制の試行を実施することといたしました。本格導入の時期につきましては、平成十七年度導入が目途ではありますが、御指摘の平成十八年度も含め、柔軟に対応してまいりたいと考えております。

 次に、小学校は中学校と比べて導入のメリットが少ないので、本格導入の時期を一緒にする必要はないと思うがどうかとのお尋ねでございます。

 確かに中学校におきましては、授業時数の増や進路指導、生活指導に十分な時間が確保できること、また中学校三年生の部活において、従来の一学期末に行われる中学校生活最後の各種大会と高校受験を控えた期末考査とが重ならなくなることなど、大きな効果が期待できるところでございます。

 一方、小学校にあっては、定期考査がないことや、クラブ活動の位置づけが中学校の部活動とは異なることなどから、中学校と比べると、この面での効果は幾分少ないものと思われます。

 しかし、先ほどの質問にもございました教育本来の最も大切な部分である子どもたちとじっくり向き合い、遊び、ふれあう時間をより多く確保できることは、大きな教育効果が期待できるものと考えております。いずれにいたしましても、試行の結果を踏まえて、効果や課題を検証し、御指摘の点も視野に入れて実施に向け努力してまいります。

 次に、恵比寿・広尾地区の図書館設置計画について、現時点の検討状況についてのお尋ねでありますが、恵比寿・広尾地区の図書館設置につきましては、区としての長年の懸案であり、また地元からも強い要望をいただいていたため、教育委員会といたしましても従来から整備をしなければならないと考えていた地域でございます。現在、御指摘のとおり既存施設の活用を中心に検討を進めているところでございます。今後、区長部局とも十分協議しながら、設置に向けて準備してまいります。

 以上でございます。



○副議長(金井義忠) 二番奈良明子議員。



◆二番(奈良明子) ただいま桑原区長、足立教育長よりそれぞれ大変丁寧な御答弁をいただきました。まことにありがとうございました。

 私ども渋谷区議会自由民主党議員団は、引き続き皆様とともに東京都や国ともしっかりと連携をとりながら、渋谷区民の皆様のために努力を続けてまいりますことをお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 二十番長谷部 健議員。



◆二十番(長谷部健) 未来の渋谷をつくる会、長谷部 健です。

 もう少し楽にいけるかと思っていたんですが、ここに立ったら緊張してしまいました。最初は緊張していると思いますが、だんだんエンジンがかかってくると思います。最初の質問です。頑張ります。

 僕は、世の中の人があと一歩優しくなったり、あと一歩社会に関心が持てたら、もっともっといい世の中になるのではないかと考えています。しかし、現在法律や条例で規制することで世の中の空気をつくっていくことは非常に困難です。政治とは本来、条例や法律をつくることだけではなく、自発的な意識のもとでみんなでつくり上げるもの、そういう思いでいます。

 考えてみると、僕らは二十世紀に豊かさの象徴として、高度経済成長期に言われた三種の神器に代表されるような物の豊かさを追い求め過ぎたため、心の豊かさをおろそかにしてしまったように感じます。豊かな暮らしに心の豊かさは不可欠です。物の豊かさと、心の豊かさのバランスをしっかりととることが大切だと思います。

 今、デフレや不景気などと言われています。僕は、それをすべて社会や政治のせいにするのは、それはいかがなものかと思います。まずは自分の生活を自分自身で豊かにすることを考えてみたらどうかと思います。自分の生活の質を向上させるためには、お金をかけることがすべてではないと思います。日本人の生活水準は世界と比較しても高水準です。しかし、去年二カ月間かけてリュック一つでアフリカとヨーロッパを旅してきたんですけれども、そのときに感じたことは、悔しいかなGDPで日本より低い順位にあるヨーロッパ、アフリカ諸国の生活は非常にクオリティーの高いものでした。住居の問題は限られた土地、そういうこともありますが、仕事と余暇の時間の比率や余暇の過ごし方、こういったものには歴然とした差を感じました。

 また、生き方に対する考え方にも差があります。ゆっくりと自分の時間を考える時間をつくり出せる環境、さらにゆっくりと余暇を過ごせる環境づくりをプロデュースしていきたいと思います。今、にわかに脚光を浴びている言葉「スローライフ」「スローフード」などの考え方には強く共感します。また、教育にしても、ちょっと自分が損しても他人が喜ぶことを美徳とする、そういうことを幸せと感じる視点をもう一度考え直してみたいものです。

 国や地域が個人を保障するという他力本願的な考え方ではなく、個人が国や地域を保障しているんだ、そういう意識を持つことが本当の意味での自立した個人だと考えます。そういった自立した個人の集まる社会は、すごく暮らしやすい社会だと考えます。物によって豊かになることではなく、心を豊かに太らせることで、その二つの豊かさのバランスをとっていくことで、それを理解していくことでライフクオリティーの向上を目指したいです。そのためには、まだまだ若輩ではありますが、今まで学んできたマーケティング経験を生かして、条例や法律に頼るだけではなく、まずは街の空気を変化させることから取り組みたいと思います。

 自分の生まれ育った街、大好きな街、そして情報発信力のある街、この渋谷区でみんなが街に対して、あと一歩、あと一歩でいいから関心を持ってもらえるような空気を皆さんと一緒につくっていきたいと思います。そんな思いを込めて、今回、未来の渋谷について考える仲間、未来の渋谷をつくる会を代表して、七つの施策及び御提案をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 今回の質問項目は大きく七つです。一つ目は、地域通貨の導入、学校という場の活用、スポーツとのふれあい、街の美化について、子どもの遊び場について、ペットという家族の遊び場について、Eco−epoch都市プロジェクト、これは仮称です。自分で考えたんですけれども、これについても御提案させていただきます。

 まず最初は、地域通貨の導入についてです。

 ちょっとパネルを用意してきました。(パネル提示)地域通貨についてです。

 地域通貨とは、特定の地域内で流通する価値の媒体です。御存じの方も大勢いらっしゃると思いますが、法定通貨、円、ドル、そういうものとは異なり、それでは表現しづらいコミュニティ独自の価値を流通させる能力を持ちます。コミュニティ独自の価値とは、社会貢献、ボランティア、教育、生涯学習、資源循環、リサイクル、生活環境などなどが挙げられます。僕たちが普段使っているお金は法定通貨と呼ばれ、国の法律に基づいて中央銀行、日本の場合は日本銀行、そこが発行し、法律によって国全体で強制的に流通させているものです。しかし、地域通貨はこの法定通貨とは全く異なるものです。簡単に言うと、特定の地域でサービスや物を交換するために使われる実際のお金にかわる手段です。

 現在、国内外を問わず、この地域通貨システムが試みられています。例えば、紙幣式ではカナダのトロントのトロントダラー、滋賀県草津市の「おうみ」、通帳式では北海道下川町のフォーレ、口座式ではスイスのWIRなどがあります。また、世界の中で最も活発に流通している事例としては、アメリカはニューヨーク州イサカ市のイサカアワーズです。これは一九九一年十一月にアメリカのニューヨーク州イサカで導入された地域通貨です。その発行方式は、集中管理方式で紙幣を発行しています。運営しているのはNPOであるIthaca Hours inc.。イサカ市では、一九八七年からLETS(レッツ)が導入されていたんですが、LETS(レッツ)の事務手続を簡略化するために紙幣タイプの地域通貨を導入しました。アワーズという単位は、我々のourと時間のhour、これをかけたもので、参加者の能力、それを時間という物差しで公正に評価したい、そういう意図が込められています。

 現在、一アワーズから八分の一アワーズまで、五種類のお金が発行され、一九九八年では人口三万人の町で六千七百アワーズの紙幣が流通しているそうです。

 ちなみに先ほどちらりと申し上げたLETS(レッツ)、これはLocal Exchange and Trading Systemの頭文字をとったもので、一九八三年、カナダのバンクーバー島コモックス・ヴァレーで、マイケル・リントンにより考案された地域通貨です。LETS(レッツ)は紙幣を発行せず、相互に通帳を持ち、当事者同士で決済をしていきます。つまり発行方式としては「相互信用発行方式」です。口座を管理するために事務局があるものの、取引とそれに伴うお金の発行は当事者の合意によって行われます。現在、各地域独自の制度につくりかえられ、カナダ、イギリス、オーストラリアを中心に、リントンによれば世界で約二千カ所以上の地域に広がっているそうです。

 日本では、かつてこういった地域通貨と類似したものとして、日本史で勉強した方もいらっしゃると思いますが、「結」(ゆい)とか「講」(こう)とか、そういったものがありました。現代では、こういった制度はもはや消えてしまったと言えるかもしれません。しかし、その「結」とか「講」にはあった助け合いの仕組みを再びつくり出そう、そういった動きは現在も活発に、実は行われています。

 例えば、コミュニティを蘇らせることを目的とした地域通貨の導入が全国に広がっています。最初の取り組みは、一九九一年に生活クラブ生協神奈川で行われた「神奈川バーターネット」の実験です。これはLETS(レッツ)を利用したもので、四カ月で百七十五人が参加し、二百二十件の取引があったそうです。

 一九九五年には愛媛県の越智郡関前村で、異なる世代同士のコミュニケーションを目的に、タイムダラータイプの地域通貨が導入されました。名称は「だんだん」といい、「重ね重ねありがとう」という意味を持っているそうです。

 一九九九年には、千葉県まちづくりサポートセンターが「ピーナッツ」という名称でLETS(レッツ)タイプの地域通貨を始めました。ピーナッツは地元商店街で利用でき、これまで六十人の参加者の中で、七万ピーナッツが流通したそうです。

 また、同年には滋賀県で、草津市コミュニティ支援センターが「おうみ」という紙幣タイプの地域通貨を発行しました。参加者は個人五十名、三十六団体、千六百おうみが流通しているそうです。今ではタクシーでも利用できます。そのほかにも、全国で三百種類以上の地域通貨が運営されています。

 うだうだとちょっと難しげに話してしまいましたが、地域での「助けてほしい」「何かお手伝いしたい」そういう気持ちをつなげるための手法として、日本でも各地で始められています。家事援助などのボランティアをした時間をためて、自分の家族などに助けが必要になったときに引き出して使う、そういう仕組みで地域コミュニティづくりを目的としているものなのです。

 御存じの方も大勢いらっしゃいますが、既に渋谷区でもアースデーマネーという地域通貨があります。

 渋谷区がこの地域通貨制度にかかわり導入した場合、メリットとしては区民によるボランティアや地域貢献活動を促進することで、すそ野の広い区民参加型のまちづくりを推進できることが考えられます。地域に対するボランティアを活性化することは、単に地域活動を活性化させるだけにとどまらず、区民の地域意識の向上、自分のまちをホームと思えること、今、失われつつ近隣生活圏におけるコミュニティの再形成、小中学生を中心とする総合学習の活性化、地域の景観や環境、治安、そういった問題に副次的に効果がつながる可能性を含んでいます。

 また、ボランティアに対する報奨として活用することで、ボランティアや地域活動の活性化が期待できる。新たな参加者を求めているボランティアや地域貢献活動にとっては、参加者のすそ野を広げたり、活動の認知を高めたりすることができる。さらにです、区民、これは個人、学校、町内会、そういったものを含みますが、このメリットとしては、地域通貨を集めることで何らかの報奨、精神的、実利的、そういった利益が得られる。報奨の内容としては、表彰、景品、公共施設の利用、予約、商店・事業者の協力による商品・サービス等の割引など多岐にわたる内容が考えられます。

 例えばですけれども、「せせらぎ」のベッド待ちの順位に地域通貨の獲得ポイントを加味することで、地域に貢献した人が優先的に「せせらぎ」に入れるなんてこともできます。地域に貢献した人が優先的に地域の施設を利用できる。これって当たり前のことですけど、すごくいいことなんじゃないかと思います。

 商店・事業者のメリットとしては、地域通貨に参加することで地域貢献意識の高い事業者としての姿勢を示すことができると同時に、ボランティア参加者を集客することができる。しかも、商店は地域通貨を単なる割引クーポンとしてではなく、商店のPRや商店街活動に再利用して循環させることができるとも考えられます。ボランティアや地域活動の活性化が促進されることは、心の豊かさを取り戻せることにつながると思います。是非渋谷区でも地域通貨の制度を御検討ください。

 続いて、学校という場の活用についてです。

 去年七月に渋谷区の学校でこんな授業が行われました。その学校はミュージシャンの坂本龍一さんが、九・一一のニューヨークテロに現地で遭遇し、彼の音楽活動を含め人間というものを考え直すきっかけとなり、人間の凶暴性はどこから来るんだろうということを探りに人類の発祥の地、これはアフリカが人類の発祥の地と言われているんですけれども、そこへ旅してマサイの子どもたちと音楽を通し交流したり、動物と交流したり、それがDVDの写真集となり、できがよく、評判で学研の教材となったものです。

 取材された場所がケニアということもあり、ケニア出身のマラソン選手、元S&B食品の所属の選手で、元渋谷区の住人、ソウル五輪の銀メダリストであるダグラス・ワキウリ氏を特別講師として招き、鉢山中、神宮前小、鳩森小の三校で特別授業を実施しました。この授業では、「戦争と平和」「地球環境」をテーマにDVDを使って行いました。子どもたちにとって、映像と実際のケニアで暮らす人の話を直接聞くことで、テーマに掲げた「戦争と平和」「地球環境」について考えるということが、しっかりと心に残るものになりました。

 また、子どもたちの感想文を読むと、まだ見ぬ外国のこと、文化のこと、自然のこと、そういうことが子どもたちの小さな常識にとても大きな刺激を与えられていることがうかがえます。この感想文のコピーを後ほど教育長にも御提出いたします。

 読んでみるとすごくかわいいです。子どもたちにメッセージが刺さっていることがわかります。笑っちゃうのでは、マサイ族の家は牛のふんでつくられているんです。子どもたちは、やっぱりうんちネタが好きなのか、このことをたくさんの子どもが書いています。でも牛のふんで家をつくるなんて、すごく環境に優しいねなんて、しっかりと趣旨は伝わっているんです。

 学校という場を先生以外の大人ともふれあう場所として活用することは、子どもたちだけではなく、教師、さらには地域の方々にも好循環を生む場になり得る可能性があります。ほかにも例えばお年寄りが子どもたちに昔の遊びを教える機会や、地域の会社に体験学習しに行く機会や、世界の様々な国の人が毎日学校を訪れる機会をつくるなど、そういったことを支援することが考えられます。

 しかし、現状ではこういった取り組みは、各学校単位で行われています。各学校に任せることで、学校の特色を出すということはいいことなのですが、学校だけではやはり限界があると考えられます。こういったソフト面に関して、もう少し区が主導で、そのやり方や講師のブッキング等をしていくことを御検討願えないでしょうか。ほかにも例えば画一的にするという意味ではなく、一部の学校では既に実践している、お年寄りが子どもたちに昔の遊びを教える機会や、地域の会社に体験学習をしに行く機会や、世界のいろんな人が毎回学校を訪れる機会など、各学校の特色づくりを支援をすることなどが考えられます。子どものころのこういう出会いは、大人になっても心に刺さっているものです。

 僕は神宮前小学校だったんですが、そのとき、今は亡くなってしまったあの冒険家の植村直己さんが学校に来ました。山の写真を見せてくれて、山はすごいなあ、自然はすげえって、大切にしなきゃ、今でも覚えています。これは今の僕の活動に直接つながっているかは定かじゃないんですけれども、やはりそれは心に刺さって、一生忘れない思い出なんです。こういったことは心を豊かにしてくれるものでした。是非御検討ください。

 次にスポーツとのふれあいです。

 現在、スポーツ振興と言えば、そのスポーツをする場所などの提供や確保に重きが置かれがちです。しかしその場所を確保するには、渋谷区の場合、やはり多大な費用がかかってしまいます。そこで、ちょっとおもしろいことを発見したんですが、スポーツの語源、その言葉はラテン語のデポルターレという言葉なんです。その意味をひもといていくと「気晴らし」「フラストレーションを取り払う」「解き放つ」そういった意味があるそうです。

 つまり、古代の人は体を動かしたときだけでなく、いい景色を見たらデポルターレ、気持ちよく歌を歌ったらデポルターレ、そう言って楽しんでいたそうです。スポーツは決して体を動かすことだけではない、そういうことが言いたいんです。

 例えば言葉は悪いかもしれませんが、高齢者にとって体を動かす場所が提供されたからといって、必ずしも活用できる人たちばかりではありません。そこで発想を変えて、スポーツを観戦に行くことで気晴らしといったデポルターレを感じてもらえたらと考えます。

 ちょっとアイデアなんですけれども、例えば六十五歳以上の区民の方がスポーツ観戦をする場合は、入場料五〇%オフ。ここにもう一つアイデアがあって、さらにお孫さんを一人連れていって観戦する場合は、そのお孫さんの料金は無料。そうすることでどういうことが起きるかというと、例えば「おじいちゃんとスポーツ観戦に行くとただになる。また連れてって」なんてなると、今、核家族化が進む中、お年寄りと子どものコミュニケーションが生まれます。

 また、これはスポーツチームにとってもすごく有意義なことなんですね。それは小さな子どものファンが増えるからです。小さいファンは、いつまでたっても、大人になってもずっとファンでいられるんです。各スポーツチームにとっては、こういった新たなファンの獲得につながること、それはすごくいいことなんだと思います。うまくコラボレーションをすることで、このお金の負担等もうまく考えられると思います。

 ほかにも例えば学校を開放し、先ほど提案した学校という場の活用につなげてもいいと思います。神戸では、サッカーのカズが学校を回って、子どもたちに「おまえら夢持てよ」と言って回っています。そうしたら、みんなその子どもたちはカズのファンになるんですよね。そのチームを応援するんです。こういったことで負担金についても、うまく調整することができると考えます。

 プロスポーツ球団とこういったコラボレーションをしていくことで、既にある子ども夢チャレンジのようなプログラムも、より太いプロジェクトになることでしょう。また、このことはスポーツだけではなく、演劇や音楽鑑賞にも活用できる、応用できるアイデアです。是非御活用ください。小さいファンが増えるということは、エンターテイメントを提供するところならば、どこでも基本的に前向きに考えるはずだと思います。

 続いて、街の美化についてです。これについては、アダプトプログラムの採用を提案いたします。アダプトプログラムは、区民と行政が協働で進める新しい街の美化プログラムです。アダプト、それは英語で「養子を縁組する」そういった意味です。一定期間の公共の場所を養子に見立て、区民が里親となって養子の美化、これは掃除なんですけれども、掃除を行います。そして行政がこれを支援します。区民と行政が互いの役割分担を定め、両者のパートナーシップのもとで美化を進めていく施策です。実際に契約書を交わし、実施していきます。

 具体的には、例えば駅前や公園など、その地域のボランティア団体だったり、企業だったり、商店街もしくは小中学校でもいいと思いますが、その団体と掃除や美化活動、活動報告の義務を契約します。区側は掃除用具の提供、安全指導、これは傷害保険の加入とか、そういったものも含まれます。そのほかに、サインボードの掲示をします。このサインボードが意外に重要で、駅前や公園にどこが掃除している、だれが掃除しているということを掲出することで、掃除する側のモチベーションを上げ、かつ商店や企業にとっては、それは宣伝にもなります。

 これはアメリカで始まった考え方なんですが、現在、日本の幾つかの自治体では実施されていて、二〇〇三年五月現在では、約百二十件となっています。通常、このアダプトプログラムは行政がその地域に住む住民や企業と取り組むプログラムですが、渋谷区の場合他の自治体と比べ来街者が非常に多いのが特色です。特に来街者の多いエリアでは、住民、企業が掃除を請け負うだけではなく、来街者の出すごみに対して、賄い切れるのかどうかという懸念もあります。

 最近では、幾つかのエリアで来街者に対し、掃除の参加窓口を持ったり、ポイ捨てという行為に対して啓蒙プロモーションをしていくNPO団体が渋谷区に幾つか存在します。そういったNPO団体と協働していくことで、渋谷区ならではのアダプトプログラムを採用してはいかがでしょうか、御提案いたします。

 続いて、子どもの遊び場についてです。

 最近、渋谷区の区内の子どもの遊び場、それは昔と比べて非常に制限されたものになってきています。キャッチボールすら満足にできる場所がないのが現状です。僕が子どものころは、まだ空き地とかあって、そこで自由に遊んでいました。しかし今、区内でそういった子どもの遊び場を探すのは非常に困難です。

 子どものころを思い返してみると、外での様々な遊びを通して大切なことを学びました。仲間ができ、友達ができ、けんかをしたり、ときにはけがしてしまうこともありました。ほかには深い穴を掘って、やったーと感じた達成感。つくった基地が壊れたり、山が壊れたり、そのとき感じた失敗したときの悔しさ、子どもたちはそんな自由な遊びを通して何かを学び、生きていく力をはぐくんでいくんだと思います。子どもにとって、食べること、寝ることと並んで、自由に自分たちで発想しながら、工夫しながら遊ぶということは本当に大切なことなんだと思います。

 そんな大切なことが、万が一の事故を気にする余り、大人が妨げていることがあるんじゃないかって感じます。そうは望まない大人と子どもがいても、ほとんどの公園は何かしらの規制があり、ルールがあって縛られています。もっと自由に子どもに遊びを学ばせてあげたい、そういう人たちに対しての場がないのが現状です。

 そこで「冒険遊び場」というのは御存じですか。冒険遊び場は、一九三七年にスウェーデンで始まり、現在、日本の各地で約百三十カ所あります。近くでは世田谷の羽根木公園のプレイパークが有名です。「自分の責任で自由に遊ぶ」、これをモットーに賛同する人たちが集まり、やんちゃな子どもたちの笑顔であふれ返っています。そんな冒険遊び場が期間限定ですが、地域住民や西原スポーツセンターの協力で、この春と夏の合計六日間、スポーツセンター横のスペースにできました。子どもたちは水をまき散らし、穴を掘って池をつくり、もらってきたタイヤを転がし、青竹でやぐらをつくったり、ベニヤで基地や看板をつくったり、本当に自由に遊んでいました。

 これがそのときの模様です。(パネル提示)すごくいい笑顔です。子どもたちの笑顔は、やっぱり僕ら人間の財産なんだと思います。冒険遊び場の運営は、遊び場となる場の確保と、遊び場を監視するプレイリーダーが数名いればできるのです。コストの面から見ても非常に安価です。

 先日実施されたものは、ボランティアと持ち出しで運営されました。自分の責任で自由に遊ぶ、このことを望む親子に対して、渋谷区が恒常的に遊び場を提供することを御検討願えないでしょうか。

 続いて、私たち人間のライフクオリティーの向上に大きくかかわっているペットについての御提案です。

 ペットがいることで心が安らいだり、病気の治療に役立っている人もいます。ペットと一緒に暮らす人にとっては、ペットというより、もうまさに家族の一員なんです。現在、渋谷区の公園はペットを連れていくことができない、もしくはリードをつけなくてはならない規則になっています。しかし現状では、代々木公園なんかを見ると、朝夕の時間帯はペットが放し飼い状態になっています。犬が苦手な人から見たら、すごくたまらない状況です。一方、ペットを飼う人にとっては、じゃどこで散歩をすればいいの、そういう状況です。この両者の懸案事項を解決する策として、ドッグランの建設を御提案いたします。

 ただ一方的に飼い主側を保護するような施策はどうかと思います。実際、一部のモラルの低い飼い主がいるのも事実です。僕はよくまちを掃除しているんですけれども、そこでもよくわかります。本当にいつもうんち捨てていっちゃう人とかいるんですよね。でも、そういう人たち、一部の心ない飼い主たちだけで、本当にマナーをちゃんとしている飼い主たち、そういう人たちがすごく不快な思いをしていることがあるんです。人間も動物もともに暮らしやすい街、ともに楽しめる遊び場をこの渋谷区でつくれたらと強く思います。

 その懸案事項を解決する策として、飼い主たちにマナーを啓蒙するNPO団体を行政とともに設立し、ドッグランの運営を委託していく、そういうことを御検討願えないでしょうか。

 NPOのアイデアも考えてきました。例えば、こんなNPOはいかがでしょう。その名も「ジェントルワン!」。かわいいでしょう。紳士という意味の「ジェントル」、それと犬の鳴き声「ワン」です。

 昔七〇年代にラブアンドピースという運動がありました。そのときに、黄色いスマイルマーク、ニコチャンマークってはやったのを皆さん覚えていらっしゃいますでしょうか。構造としては、それと同じ構造で、「ラブアンドピースだぜ」というかわりに、ペットの飼い主のマナーで、ちゃんとしているよという人は、このマークを持つことができます。

 NPOでは自前で資金を稼がなくてはなりません。このNPOは、このマーク入りのグッズを販売したり、企業と共同でマーク入りのペットフーズをつくったりします。例えば、このマークの入ったペットフーズ、これを買った人は、その売り上げの一部がドッグランの運営に活用されます。そういった仕組みづくりです。

 また、ドッグランの運営やそのわきでトリミングショップを経営したり、犬と一緒に入れるカフェを経営したりもいいでしょう。そしてどの活動を通しても飼い主たちに対して、マナーの啓蒙メッセージを発信していきます。なかなかいいと思うんですが、御検討ください。

 最後に、Eco−epoch都市プロジェクトです。

 これは今、仮に僕がつけた名前です。この発足についてですが、区長の所信表明で、NPO団体、ボランティア団体を積極的に支援するとのコメントがありました。しかし、実際、世の中にはNPO、ボランティア団体があまた存在します。どこのNPO、ボランティア団体を支援し、一緒に施策を取り組んでいけばいいのか、判断が難しいのが現状です。また、行政に対して援助を求めてくるNPO、ボランティア団体の中には、しっかりと運営ができていない団体があるのも現状です。

 とはいえ、NPO団体、ボランティア団体とともに様々な施策に取り組んでいくことは、大切な視点であることは言うまでもありません。そのためには行政側が主導をとり、必要な施策を考え、提案し、それに合った団体を行政から探す、もしくはつくる、そういった視点と援助を求める団体をしっかりと見きわめる視点が必要だと考えます。

 それには渋谷区が必要な施策を討議、検討して提案していくことが重要なポイントとなります。正直、すべてを行政側にゆだねるのでは、なかなか実現が難しいと感じます。そのことにたけた人材が必要になってくると考えます。多方面から集めた人材でプロジェクトチームを組み、必要な施策を討議、検討し、専門のプロジェクトチームを設置することを提案いたします。そのプロジェクトチームには、有識者、区民、NPO、ボランティア団体、研究機関、企業から人材を募り、そこに行政サイドが加わります。外の人材の経験と知識を積極的に受け入れることは、区役所内の活性化にもつながると考えます。区長直轄もしくは企画部直轄のプロジェクトチームというのはいかがでしょうか。

 最後に、このプロジェクトチームのネーミングを考えました。(パネル提示)それが、このEco−epoch都市プロジェクトです。エコロジーのエコに新段階、新時代という意味のエポックという意味の造語です。

 最近、エコ、エコって世の中ですごく言われているんですが、もう少し違ったステージのエコに行ってもいいんではないか。環境という小さなことにとらわれることなく、もっと広義な意味での環境、それでEco−epochです。新時代、新段階の環境を考える都市、Eco−epoch都市渋谷。新しい時代を考え、リードする渋谷です。

 以上七つについて、条例や法律に頼るだけではなく、まず街の空気を変化させることができる取り組みと考えています。

 やはりこういう新しい仕組みは、この渋谷区が積極的に取り組んでいく義務があると思うんです。これは皆さんも同じようなことがあったと思うんですが、例えば「どこに住んでるの」なんて聞かれて「渋谷区」なんて答えると、「いいね」って必ずみんな言われると思うんです。それって注目されている場所という証拠だし、それだけみんなが情報発信を期待しているところ、影響力を及ぼしている場所なんです。これからは地方行政が積極的にリードしていく時代になります。影響力のある場所として、渋谷区はその旗の振り手として進んでいく区になる義務があると思うんです。

 提案並びに質問として、以上七つのこと、御検討よろしくお願いいたします。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 未来の渋谷をつくる会を代表して、長谷部 健区議会議員の質問に答えます。

 長谷部議員の御質問は、二十世紀は物の豊かさを追求し、心の豊かさがおろそかになっている。世の中の人が、あと一歩人に優しく、あと一歩社会に関心を持って、そして心豊かな社会を生み出していくためには、法律や条例で人を縛ることでなく、またすべてを政治や社会のせいにするのではなく、自らが主体的に生活の質を向上させよう、こういう御主張、提案でございます。

 私は、フレッシュな感覚と発想に共感を覚え、賛意を表するものでございます。これまで日本は伝統的に、公といえば、お上が担うものとされてまいりました。これをお上でなく、社会の力によって新たな公共空間を構築することが必要であり、そのためには中間集団、とりわけNPOやボランティア団体の力の結集が必要であるという主張でございます。そのために、質問は七点に分かれておりますけれども、その御主張はただ一つ、NPO、ボランティア団体の支援基盤の整備と区との協働のあり方についてであったと、私は思っております。

 Eco−epoch都市プロジェクトの提案は、NPO、ボランティア団体に対する支援のあり方についての検討委員会の設置の御提言であり、地域通貨の導入はボランティア活動推進のための基盤整備の提案であったと、このように考えております。

 そして学校の場の活用、スポーツとのふれあいについて、まちの美化について、子どもの遊び場について、ペットという家族の遊び場については、それぞれ心豊かな社会を生み出すためのNPO、ボランティア団体と区との協働のあり方についての御提言であったと、このように考えるものでございます。

 私は長谷部議員が、これまでのマーケティングの職に従事され、さらにボランティアの体験を生かし、これを遂行し、今回の御提言になったと考え、その真摯な取り組みに敬意を表したい、このように思うものでございます。

 まず、Eco−epoch都市プロジェクトについては、区としては、早期に検討すべき課題であるとかねがね思っていたところでございます。早々に区長直轄のプロジェクトチーム設置に向け検討し、またその際には区議会に御報告をさせていただきたい、このように考えております。

 地域通貨につきましては、福祉、教育、環境等、ボランティア活動の推進のためには、避けて通れない制度だという認識を持っております課題でございます。プロジェクトチームを設置した際、その中でこの検討テーマについても、さらに推考を重ねてほしい、このように考えているものでございます。

 スポーツとのふれあいの御主張でございますが、着想はなかなかすぐれていると思います。見ると言えばスポーツだけでなく、演劇も見る文化であります。考え方として、他方、聞く文化、音楽も同じ発想であろうと、このように思うものでございます。長谷部議員の発想をおかりして、実現のための方法等について検討してまいりたい、このように思っております。

 まちの美化についてでございます。

 本区への来街者はますます多くなり、他方、商店街やまちは高齢化が進んでいるわけでございます。しかも歩行禁煙を求める区民の声は大きくなっており、その啓発のあり方は現在のままでは、壁に直面している感がございます。NPOによるアダプトプログラム採用については傾聴すべき発想がある、こういうふうに考え、早速、検討を命じたいと思います。

 子どもの遊び場についての提案でございます。

 たくましい子どもの育成のためには、危険だ、危険だではなく、自分の責任で自由に遊ばせるということは、かねてからの課題であると思っております。今後、冒険遊び場として公園に限らず、どこがふさわしいのか、そのためにはどのような仕掛けを用意すればいいのか、ボランティアの御提言等もいただきながら、具体化を図ってまいりたい、このように存じます。

 最後に、ペットという家族の遊び場についてでございます。

 ドッグランにつきましては、都は既に社会実験として設置しており、利用者や住民の意見を聞いている段階でございます。ゲートボールや少年野球のボール遊びなど、様々の公園利用の形態のある中で、ドッグランをどう位置づけをするのか、なお検討が必要である、このように考えております。

 以上、答弁といたします。



○副議長(金井義忠) 足立教育委員会教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、地域の方々と子どもたちの交流を教育委員会が主導となって、交流方法や講師のブッキング等を行えないかという質問でございます。

 現在、区立小中学校では、生活科や総合的な学習の時間などを中心に、お年寄りも含めました地域の方々や地域にお住まいの様々な国の人々との交流などを通して、多様な体験的な学習を進めております。このような学習においては、御指摘のように、様々な経験や専門的な知識をお持ちの方の御協力が不可欠な要素となっております。このことを踏まえ、教育委員会といたしましては各学校での交流メニュー紹介や講師の人選、連絡方法等について、教務主任や研究主任の会などで情報の提供をしており、より充実した地域人材活用や特色ある教育活動となるよう支援を行っているところでございます。

 また、社会教育事業の一環といたしまして、渋谷区青少年体験活動支援センターを開設し、現在、総合的な学習や国際理解学習等で、学校教育に活用できる人材バンクの作成に取り組み始めております。今後とも、各学校がさらに幅広い教育活動を展開し、学校という場を通して長谷部議員のお言葉をかりれば、子どもの心に突き刺さる豊かな忘れがたい経験ができるよう、教育委員会として様々な機会の提供に一層努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。



○副議長(金井義忠) 二十番長谷部 健議員。



◆二十番(長谷部健) ちょっと、ほっと一安心しました。

 全体的には、いろいろ願いがかなったかなと思っております。

 地域通貨についての導入、またプロジェクトチーム、街の美化について、これについては積極的に前向きに御検討いただけるという御答弁だったと思います。でも、これからが大変ですね、本当に。実現に向けて真剣に努力し、取り組んでいきたいと思っています。

 また、スポーツのふれあいについては、是非区長一緒にプロスポーツ球団にプレゼンしに行きましょう。よろしくお願いします。

 ただ、ペットの遊び場、これはちょっと難しそうだなというのはわかりました。でも、僕はあきらめません。まだまだ頑張ります。

 それと一つ、教育長の方に御答弁いただいた学校についての問題です。今、いろいろと教育委員会の方でも授業のメニューの提供とかをされているということですが、実際こういったこと、そういうイベントを含めて、それを職業として、プロとしてお金を取るぐらいの価値のある難しいものとしてやっている人たちもいるぐらいです。

 正直言うと、なかなか区が提供したもので、目立ってこれはというものはなかったと、僕は感じます。例えばですけれども、外のそういう業者、そういうプロダクション、そういうところと組んだりスポーツ協会と組んだり、いろいろなやり方はあると思うんです。もう少しそういった視点を踏まえて、是非今後も御検討ください。よろしくお願いいたします。

 拙い質問だったかもしれませんが、初挑戦の割には、自分では七十点ぐらいかと思っています。また次回、もっと上手になって、皆さんの心を動かすような質問をしたいと思っています。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後二時四十四分

   再開 午後三時三分

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○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 五番沢島英隆議員。



◆五番(沢島英隆) 区議会公明党を代表して質問させていただきます。

 質問に入る前に一言申し述べさせていただきます。今、日本では政治不信、政党離れが著しく、その結果として国民の半分以上が無党派層となってしまいました。その原因は、政治家、政党の多くが選挙のときに言ったことを守らなかったり、公約を平気で無視するような行動を繰り返してきたことにあります。公明党は、去る七月二十四日、日本の政党として初めて公式にマニフェストを発表いたしました。御存じのとおりマニフェストは、日本語で政策綱領と訳され、その特徴は、いつまでに、どのくらいの数を、そのための財源はといったことをはっきりと記載することにあります。これまでにも公明党は連立与党にあって、公約実現政党として、言ったことは必ずやると必死で努力をしてきました。この秋には、衆議院解散、総選挙が予測されますが、今こそ政策本位の政治、公約を実現する政治の流れをつくらなければならないと深く決意しています。

 公明党のマニフェストでは、徹底して税金の無駄遣いをカットすることをお約束し、それを財源としての景気対策を打ち出しています。また、喫緊の政治課題である年金制度改革も、具体的に財源まで明確にして発表させていただきました。

 公明党は、政治への信頼回復のため、そして日本の明るい未来をつくるために全力を挙げて、誠心誠意取り組んでいくことを、まずお約束するものでございます。

 では、六点にわたり質問させていただきます。

 他の会派の方と重複している部分もございますけれども、代表質問ですので、通告どおりに質問させていただきます。

 まず第一点目は、渋谷区の職員の通勤定期の購入について質問します。

 現在、国家公務員、地方公務員の通勤定期は、割引率の低い一カ月単位での支給となっています。民間企業であれば、割引率の高い六カ月定期などの支給が常識です。この件は、公明党山下参議院議員が本年六月の参院決算委員会で取り上げて質問し、国家公務員に関しては明年、平成十六年四月より六カ月単位での支給に変わることになりました。これだけで、何と約七十五億円の経費削減ができるのです。渋谷区においても、通勤定期を六カ月単位での支給に切り換えれば、約三千万円を超える経費削減ができます。行政改革に積極的に取り組まれている桑原区長として、是非とも早期実現を目指していただき、そして国同様に明年、平成十六年四月から実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の御所見をお伺いいたします。

 二点目は、防犯及び治安維持についてです。

 冒頭の桑原区長の発言にもありましたとおり、安全対策について積極的に取り組まれようとすると、その姿勢につきまして大いに賛同いたします。区長発言に重なる部分もありますが、御答弁のほどよろしくお願いいたします。

 七月十三日の少女四人の誘拐・監禁事件、七月二十四日に起きた桜丘通り魔事件など、連続して渋谷で事件が発生し、マスコミにも大きく取り上げられ、残念ながら渋谷は危険なまちというレッテルが張られてしまいました。区民の皆さんの不安も非常に大きくなっています。今こそ、安全・安心のまちづくりのため、行政が全力を挙げて取り組むべきと考えます。

 まず、繁華街における防犯対策が、今最も重要な課題ではないでしょうか。私自身、あの事件の後、八月にはNPO法人の日本ガーディアンエンジェルズと、また、商店会、警察と一緒に五回にわたり、センター街、竹下通りなど、繁華街を中心にパトロールに参加させていただきました。六月度の一般質問でも訴えましたが、区独自のパトロール隊を直ちに結成し、区内の安全確保を図るべきと再度訴えさせていただきます。

 あわせて、防犯カメラの設置も、直ちに行うべきであると考えます。特に、センター街、竹下通りなどでは防犯カメラの設置は必須であります。最近では警察に直接通報できる機能を持った防犯灯も各地で設置され始めていますが、渋谷区でも警察と連携し、導入の推進をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、繁華街対策で忘れてはならないのは、悪質なキャッチセールスの取り締まりです。あの少女監禁事件でも、きっかけは「バイトしないか」という声かけでした。また、竹下通りでもルールを守らない外国人の悪質キャッチセールスが横行し、竹下通りのイメージがどんどん悪くなり、地元商店街は大打撃を受けています。しかし、今の条例、法律では罰則もなく、対応できないのが現実です。この際、繁華街をキャッチセールス禁止区域に指定し、違反した場合は、罰金を科する条例を新たにつくるべきであります。一切の客引き行為を禁止することになりますが、商店街の方にもきっと御理解いただけるものと考えます。

 繁華街対策の最後は、麻薬の防止です。桜丘通り魔事件の犯人も麻薬を所持していましたが、今、センター街を歩くと、いかにも怪しい外人たちが大勢角々に立っていますし、私の知人で麻薬の売買の現場を目撃した人もいます。また、センター街の入り口には「合法ドラッグ」と書いた露店が数多く出ていますが、ドラッグに合法とか、非合法とか、どこで区別するのかわかりませんけれども、どんな成分が含まれ、どんな副作用があるのか、見ていて非常に不安を感じますし、それを見た若者が麻薬も軽いものなら大丈夫なんだというような、間違った認識を持ちかねない危険性もあると思います。一刻も早く麻薬追放のための具体的施策を実施するよう求めます。

 例えば厚生労働省の麻薬対策の部署の出先機関を渋谷区に設置することを要請するとか、あるいは区として八月を麻薬防止キャンペーン月間とし、厚生労働省の麻薬防止キャンペーンカーをセンター街に入れてキャンペーンを張るとか、方法はいろいろあると思います。もちろん警察との連携は欠かせませんが、一番大事なことは、渋谷区は麻薬は許さないという断固たる態度をはっきり行政が示すことだと思います。

 以上、申し上げました質問は、区独自では難しいことだと思いますが、警察などの関係機関と連携をとりながら進めていただきたいと思いますが、今、渋谷区には防犯施策を専門に取り扱う部署がありません。防犯ブザーの無償配布は児童青少年課であったり、ピッキング対策の助成金制度は住宅課であったりします。総合的な防犯施策を実施するため、是非とも防犯課を設置していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 以上、防犯と治安維持について申し上げましたが、区長の御所見を伺います。

 三点目は、歩行喫煙防止についてです。

 九月十五日発行の渋谷区ニュースに、来る十月二日に実施されるきれいなまちづくり条例に基づく歩行喫煙防止啓発キャンペーンが掲載されました。関係者の御努力に敬意を表するとともに、高く評価するものであります。歩行喫煙、いわゆる歩きたばこは非常に危険です。私が聞いただけでも、二人の渋谷の小学生が歩きたばこでやけどをしています。一人は顔、一人は腕です。もし、目に入っていたら完全に失明です。大人の手の位置が子どもの目線であることを考えると、非常に危険です。また、歩きたばこの火で服に穴をあけられたと言っておられる区民の方も大勢いらっしゃいます。

 また、歩きたばこのポイ捨てにより、まちが非常に汚くなっています。特に渋谷駅周辺などはひどいものですが、これは渋谷区全域に言えることで、商店街や民家の前でも平気で吸い殻を投げ捨てたり、あるいは通り沿いの植え込みの中に投げ入れたり、排水溝のふたにねじ込んだり、私も議員になって四回美化運動に参加し、吸い殻拾いをやりましたが、やるたびに強い憤りを感じております。

 また、まちの美化は犯罪の防止にもつながります。あのニューヨークのジュリアーニ前市長の取り組みでも、その発端は地下鉄の落書き消しでした。まちの美化運動、軽犯罪の取り締まりを徹底して行う中で、凶悪犯罪が激減したのは有名な事実です。

 千代田区が歩きたばこの罰則つきゾーニング規制を開始して約一年になります。千代田区内での世論調査でも、ほとんどの区民がこの制度を評価するという結果が出ています。品川区、杉並区でもゾーニング規制を開始いたしましたし、新宿区、港区も罰則はつけていませんが、徹底した歩行喫煙防止の取り組みを始めました。渋谷区でも、渋谷駅前にテスト的に喫煙場所が設置されると伺っていますが、幾つかこのような場所を設けて、歩行喫煙はだめだ、だめだと繰り返すよりも、逆にここで吸えます、ここは吸ってもいい場所ですと、喫煙場所をしっかりアピールすることも効果的かもしれません。

 今後、きれいなまちづくり条例を実効性のあるすばらしい条例に育てながら、歩きたばこや投げ捨てをしない、きれいなまち渋谷を実現したいと強く願っています。いずれにしても、行政が絶対に歩行喫煙は防止するという強い意思を持ち続け、様々な取り組みを継続すべきであると考えますが、区長の御所見を伺います。

 四点目は、文化芸術振興についてです。

 これも区長の発言の中にございましたが、六月度定例会の代表質問で、我が会派の栗谷議員から、渋谷独自の文化芸術振興条例の制定も含めて、協議の場を設けるべきであると取り上げましたが、条例制定を視野に入れた協議の場としての審議会の立ち上げが不可欠であり、まず早急に審議会を立ち上げていただきたいと要望します。その上で、この審議会は分野、年齢に偏らない幅広いメンバーで構成していただきたいと思います。

 一言で文化芸術と言っても多種多様です。特に、渋谷区の場合、まず若手のミュージシャン、芸能家、芸術家など、若者のあこがれの区であり、活動の場が渋谷であることがステータスにもなっていることを考えると、まず若手芸術家の育成及び支援は不可欠であると考えます。

 様々なことが考えられますが、ハード面では公演発表、あるいは練習できる建物の設置も必要と考えます。渋谷公会堂レベルでは、若手の発表の場所としては規模が大き過ぎますし、使用料金も高いのが現状です。多目的に利用できる中規模の音楽・演劇用ホールなどを渋谷区が所有し、区民の方、関係者の方に自由に活用していただければ、文化芸術振興が大きく前進すると確信します。

 絵画、彫刻、写真、デザイン、モダンアートなどを目指す人にとっては、ギャラリーの充実も必要です。また、海外留学や国内研修の充実、新進芸術家の活動成果の発表の場の充実、世界的芸術家による指導の機会充実など、あらゆる面での支援を充実できれば、渋谷区から世界へ羽ばたく若手芸術家を次々と輩出していけるのではないかと期待するものであります。

 また、小中学生の教育行政でも、文化芸術は大きな柱です。先ほど区長も土日クラブ発表会の模様を述べられていましたけれども、例えば美術館で、すぐれた絵画、彫刻、歴史遺産に触れたり、演劇ミュージカルを鑑賞したり、ときには子どもたち自身が演じたり、あらゆる機会を通して文化芸術に触れることが、豊かな人間性をはぐくむ上で非常に重要です。そのための教育環境づくりも忘れてはならない視点ではないでしょうか。

 さらにはプロやセミプロではない一般の区民の方が文化芸術に親しむ、また参加できるための施策充実も重要です。渋谷には千駄ケ谷の国立能楽堂や初台の国立劇場など、世界的芸術、伝統芸能に親しむ場が数多くあります。また、オペラ、合唱など、区民の皆様が自ら立ち上げて運営されているグループも幾つもあります。渋谷区ならではの環境を生かした、そして多種多様なニーズを満足できる支援ができれば、文化芸術のまち渋谷としてより一層区民の皆様に誇りを持っていただけるまちになっていくと確信しますし、渋谷という地域独自の特色ある文化芸術が生まれてくると考えます。

 そのほかにも、有形、無形の文化財の保護、継承、メディア芸術の振興、外国人の方への日本語教育や日本文化への理解増進など、様々なことが考えられますが、日本の文化芸術をリードできる渋谷らしい文化芸術振興を望みますが、区長の御所見をお聞かせください。

 五点目は、特に高齢者への住宅支援についてです。

 近年の少子高齢化の波を受けて、渋谷区も例に漏れず、急速に高齢化が進んでいます。私が多くの高齢者の方と語り合う中で痛切に感じるのが、ひとり暮らしの高齢者の方の住居の問題です。どこの不動産屋、また大家もひとり暮らしの高齢者は非常に敬遠します。先日も、今住んでいるところが立ち退きになった六十五歳の方のアパート探しを一緒にやりましたが、ほとんどの不動産がその年齢を聞いただけで敬遠しますし、まして近くに保証人がいないとなると、全く相手にもしないことが多く見受けられます。確かに受け入れる側の気持ちも十分にわかりますが、このまま高齢化が進めば、高齢者の住宅不足はさらに深刻になることは必定です。今のうちに早急に対策を講じなければなりません。

 まず一つ提案したいのは、ひとり暮らし高齢者向けのグループリビング施設の設置です。御存じのとおりグループリビングは、いわゆる老人施設ではなく、お元気な御老人を対象にしたアパートであり、お年寄りの下宿屋さんといったイメージの施設です。グループリビングの草分けとして活躍されたある方は、このようにおっしゃっています。「寝たきりをつくらない、明るく豊かな第二の人生を提供したい。このような思いからスタートしました。共同生活は楽しさだけでなく、うっとうしさや、煩わしさを感じることもあります。しかし、本音で話せることで、それ以上の信頼関係が築かれていくものです。入院していたひとり暮らしの入居者からの「退院してハウスに戻ったとき、周りの人がふとんを干して、御飯をたいて待っていてくれたんです」という言葉は、決して忘れることのできないうれしさです」と語っておられました。是非渋谷区にも早急なる設置をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に提案したいのは、賃貸住宅等への入居時の保証人制度の創設です。東京都では安心入居制度がありますが、実際的には余り効力を発揮していないのが現状のようです。是非、渋谷区として高齢者の方の入居時の保証人制度を創設していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 以上、高齢者への住宅支援について区長の御所見をお伺いいたします。

 六点目は、教育について伺います。

 一つ目は、学校選択制に関する質問です。

 明年より、渋谷区でも全小学校、中学校において学校選択制が導入され、区内の学校を自由に選択できるようになります。これは各学校間において、いい意味での競争が行われるようになり、授業の内容も、また教師の質も大きく向上するものと期待しております。しかし、一方でこれまでの家庭、地域、学校のかかわり合いが崩れるのではないかという危惧を抱く方も大勢いらっしゃいます。地域におけるコミュニケーション、また人間関係は、小学校、中学校の子どものつながりを通じて構築される部分が非常に大きいと思います。とかく疎遠になりがちな都会での人間関係を支えてきたと言っても過言ではないと思います。

 この隣近所の人間関係が、子どもを温かく見守る地域の教育力となってきました。少し誇張した言い方かもしれませんが、道ですれ違った親子同士が、学校が違うため、顔も知らずに声もかけ合わない地域というのは、非常に寒々しく感じます。この家庭、地域、学校という三者の果たしてきた役割をどのように継続し、そしていい方向に持っていくのか、真剣に検討し、取り組まなければならないと考えますが、教育長の御所見を伺います。

 二つ目は、渋谷のある学校に通う御父兄の方から、多動性の子どもがクラスにいるため、授業が進まないという声をいただきました。渋谷区の現状、各学校における学習障害児の掌握とどのような対策を講じているのかお伺いいたします。

 また、今現在、先ほど紹介したような声があるなら、まずは多動性障害の子どもたちをかかり切りで面倒見る人を、各学校に最低一人は配置すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。補助教員でなくとも、ボランティア、教員OBのシルバー人材の活用など、様々な対応策が考えられますので、是非御一考いただきたいと思います。

 また、忘れてはならないのは、注意欠陥多動性障害(ADHD)を持つ子どもは大事に、そして慎重に対処してあげないといけないということです。ADHDの子どもは自分で集団に対して迷惑をかけているという自覚はありません。授業の進捗を重視する余り、その子をしかってばかりいたり、あるいは教室外に無理やり連れ出して疎外感を与えるだけでは、将来その子は非行に走ったり、引きこもったりする確率が非常に高いと言われています。この点もしっかり考慮しながら、是非とも対策をよろしくお願い申し上げます。教育長の御所見を伺います。

 以上、大きく六点にわたり質問をさせていただきました。御答弁をお願いいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 答弁に入ります前に一言申し上げたいと存じますけれども、沢島議員さんは、前回の栗谷順彦議員さんの質問を受けられまして、今回、さらに文化芸術の振興のために、また一方では区民との地域活動をともにされながら、福祉の現場を回られたり、いろいろそういったことの上に立っての御質問でございました。この沢島議員の区政進展にかけられる情熱に深く敬意を表したいと、このように思うものでございます。

 それでは答弁に入らせていただきます。

 渋谷区議会公明党の沢島英隆議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初は職員の通勤手当についてのお尋ねでございます。

 区職員の通勤手当は、職員の給与に関する条例で、一カ月定期の運賃相当額と定められているものでございます。他方、本年八月八日の人事院勧告におきまして、通勤手当の六カ月定期券の運賃額による一括支給への変更が勧告されたところでございます。特別区人事委員会におきましても、同様の勧告が予想されるところでございますけれども、沢島議員の御提言を踏まえまして、行財政改革の上からも積極的な対応が必要である、このように思うものでございます。したがいまして、来年四月からの実施を予定し、準備を進めてまいりたいと、このように考えております。

 次に、防犯・治安対策につきまして御質問が四点あったわけでございますけれども、御答弁を申し上げたいと存じます。

 沢島議員の犯罪対策につきましては、基本的に賛意を示しながらも、私の考え方を申し上げたい、このように存じます。防犯対策は、二十四時間、三百六十五日の勝負になるわけでございます。したがって、パトロール隊を設置する前に、その前提といたしましてこの商店街におきますスカウトやキャッチセールス等、そういった情報をしっかり的確に把握していかなければならない、このように考えているわけでございます。

 また、商店会や地域の方々が、我がまちは自分たちで守るという意識を持って、自分たちも進んでパトロールをしていただくことが、あるいは美化運動を進めていただくことが、その地域の安全な発展にもつながってまいる、このように考えているものでございます。また、警察そのものが行うのと違いまして、区独自のパトロールだけでは犯罪抑止力は低い、こういうようなことも聞いているわけでございます。したがいまして、パトロールにつきましては、いろんなボランティア、商店街や少年補導員、保護司や学校等、それらの方々が警察との密接な連携のもとに、これを実施していくことが必要である、このように考えております。また、区がこれを補完いたしまして、活動支援や条件整備をしていく、そういうふうな形でそれぞれの役割を持ちながらも、しっかりと進めてまいりたい、このように考えるところでございます。

 なお、防犯カメラについては、その導入について御提言のとおり積極的に進めたいと、このように思っております。

 次に、キャッチセールスの禁止区域の指定と罰金でございますけれども、人はもともと営業の自由を保障されているというようなことがございます。したがいまして、このキャッチの内容によって、直ちにこれを違法として罰金をも科するということは、なかなか困難でございます。私どもは、どういったことの規制ができるのか、他の法律的な課題も含めまして、法律専門家によって御検討いただく、あるいは都区協議の課題として出していきたい、このように考えているところでございます。

 麻薬取り締まりについての御提言でございました。渋谷警察の署長の言によりますれば、外国人のそういうものについては、徹底的に取り締まってきたと、こういうふうに言っておりますけれども、今、御指摘のような、まだなお外国人があそこのところに、センター街にも立っているということは、私も認識しているところでございます。こういったことへの対応につきましては、基本的には不法滞在、不法就労の外国人に対する対応が必要である、こういった認識に立ちまして、都、区、国とで協議を重ねているところでございます。

 他方、一方ではまちの麻薬の売買等につきましては、警察との連携によりますパトロールあるいは薬物乱用防止渋谷地区協議会や、恵比寿ロータリークラブ等のボランティアが、このことに積極的なかかわりを持っていらっしゃるということでございますので、そういったこととの連携を持ちながら、これについての対応をしてまいりたい、このように考えているところでございます。

 最後に、本区の防犯課の設置の御提言でございました。

 私自身といたしましては、できますれば部長級の区長直轄の安全対策本部を設置したいと考えているところでございます。具体的な段階になれば、また区議会に御協議を申し上げたい、このように存じます。

 歩行喫煙についての御提言でございます。歩行喫煙は非常に危険だと、行政が絶対に歩行喫煙は禁止すべきというような強い意思を持ち続け、様々な取り組みを継続すべきである、こういう御提言でございました。

 歩行喫煙は御提言にございますように、たばこを持つ手が子どもの目に当たったり、火傷や被服の被害を生ずるおそれがあり、大変危険である、このように認識をするところでございます。一方では、先ほどもございましたけれども、条例や罰金でこれを規制をすることが適当か。むしろ機運づくりこそ必要な方策ではないのかというようなお話もあったところでございます。

 本区といたしましては、たばこは決められた場所で吸う、歩行喫煙はしないという、渋谷区分煙ルールを定めまして、歩行喫煙の禁止の啓発をしっかり進めていこう、こういうふうな考え方に立つものでございます。今後は、NPOあるいはボランティア団体等も、あるいは企業とも連携をいたしまして、学校等にも呼びかけ、工夫を凝らしつつ啓発活動を継続的に展開したい、その努力をしてまいりたい、このように思っておりますので、また御助言をいただきたいと、このように存じます。

 文化芸術についての三点の御質問でございます。

 審議会を立ち上げるに当たって、そのメンバーについては幅広く、分野、年齢にこだわらないで、こういうようなお話でございました。私も御提言の趣旨を踏まえつつも、洋楽、オペラ、吹奏楽あるいは民謡、民舞、詩吟など幅広く皆様方の区民の御協力いただきながら検討会を立ち上げたい、このように考えているところでございます。

 次に、多目的に利用できる中規模の音楽・演劇用ホールや、あるいは絵画、彫刻、写真、デザイン、モダンアートなど、利用のできるギャラリーのハード面の整備が必要だと、こういうお尋ねでございます。

 現在、五百から六百席程度の本格的な音楽ホールがないということのため、区民の音楽活動が制約を受けている。何とかならないかということの要望は多々あるわけでございます。また、音楽ホールは、これを演劇用ホールとしての兼用もできると、このように聞くところでございます。御提言の多目的に利用できる中規模の音楽・演劇用ホールの整備につきましては、今回立ち上げます検討会において、これを検討していただきたい、このように考えているところでございます。

 絵画、彫刻、写真等のギャラリー等につきましては、既存の松濤美術館の活用、その他区の施設の活用によって対応してまいりたい、区民の要望にこたえてまいりたい、このように考えるところでございます。

 最後に、渋谷らしい文化芸術の振興について、区長はどう考えるかということのお尋ねでございました。

 渋谷には全国に誇れる渋谷区青少年吹奏楽団がある。これは他の区、あるいは全国においてもない、冠たる立派な吹奏楽団だと、こういうふうに私は思っております。また、渋谷交響楽団、あるいは渋谷第九合唱団による区民音楽の集いが毎年開催されているところでもあるわけでございます。さらに、渋谷シティオペラが新たに結成をされたところでもございますし、他方、民謡、民舞や詩吟の活動等も活発に行われている地域でもあるわけでございます。

 私は、これらの区民の自主的な文化活動を支援し、見て、聞いて、学び、そして交流する、そして発表する、そういった場と機会づくりが、さらにはその向こうには平和・国際都市への場づくりが、それが渋谷らしい文化芸術の振興ではないのか、こういうふうに思っているところでございます。どうぞ今後とも御助言をお願いしたい、このように申し上げたいと存じます。

 次に、住宅支援につきまして、グループリビングについて、これを早急に整備すべきだ、こういうお尋ねでございます。このことにつきましては、沢島議員の方からもお話がございましたけれども、おおむね六十歳以上の高齢者が加齢による身体機能の低下を補うため、互いに生活を共同化、合理化して共同で生活するという新しい居住概念だと、このように思っているものでございます。互いに気心の知れた親しい間柄の高齢者が共同、協力し合い、行政や地域ボランティアなどの支援を受けながら、楽しい生活を送れるようにしてあげたい、このように思っているものでございます。そのこと自身が住み続けられる渋谷の福祉のまちづくりにつながる、このように考えるものでございます。

 このように、グループリビングは、例えば配偶者を失い、年金等の所得も低下した場合に、なれ親しんだ地域で安心して住み続けられる基盤整備の一つとして積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。したがいまして、御提言にございましたようにこのことを待っていらっしゃる区民のためにも、場所の確保や支援方法について積極的に検討を進めてまいります。

 次に、高齢者の賃貸住宅への入居時の保証人制度の創設についてのお尋ねでございます。

 高齢者の本区におきましては、高齢者入居支援事業といたしまして民間賃貸住宅のあっせんや転居一時金の助成、あるいは滞納家賃の助成など、様々の支援をしてまいったところでございます。東京都におきましては、高齢者の入居に際し、家主が安心して住宅を貸すことのできるよう、保証人にかわります安心入居制度を二年前から創設したところでございます。したがいまして、当面はこれらの事業を有効に活用しながら、高齢者入居支援に努めたいと考えておるところでございます。さらに御助言をいただきたいと存じます。

 以上で答弁を終わります。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には二点についての御質問でございます。

 まず、学校選択希望制の導入に伴い、家庭、地域、学校の三者が果たしてきた役割をどのように継続し、いい方向に持っていくのかとのお尋ねでございます。

 来年度から実施いたします学校選択希望制は、特色ある学校づくり、区民から選ばれる学校づくりとともに、地域に開かれた学校づくりをより一層推進することを目的の一つとしております。本区の学校選択希望制は、現行の学区域制度を前提にすることで、これまでの家庭、地域、学校の関係を維持してまいります。加えて、選び、選ばれる関係に変わることにより、子育て、教育を核とする新たなコミュニティの形成が期待できるものと考えております。

 教育委員会は、教育は家庭、地域、学校のそれぞれが責任を果たし、連携して行わなければならないものであるとの認識に立って、すべての区民が教育に参加することを目指しております。これまでも学校運営連絡協議会の全校設置、総合的な学習の時間等における地域人材の活用などを実施してまいりました。今年度からは、学校評議員を全校に設置したところですが、さらに学校公開を今年度より全校で実施いたします。今後とも学校選択希望制の導入を契機として、引き続き地域に開かれた学校づくりを推進し、新たな信頼、協力関係が構築され、地域の連帯が一層深まるように取り組んでまいります。

 次に、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもについての現状把握とその対策についての御質問でございます。

 このことにつきましては、平成十四年三月に行われた文部科学省の調査によりますと、LDやADHDなど、特別な支援を要する児童生徒が約六%の割合で通常の学級に在籍する可能性があると報告をされております。また、教育委員会といたしましては、本年八月に東京都教育委員会と連携して、同様の調査を実施し、現在集計をいたしておるところでございます。この結果がまとまりますと、東京都全体の傾向及び本区の現状が把握できると考えております。

 現在、学校からの報告や指導主事の学校訪問などにより、子どもの様子、学級の状態の把握を行い、必要に応じて介助員の派遣や情緒障害学級への通級、大学生の活用による授業補助等の対策を講じております。今後さらに、御提言のボランティア等の人材活用も検討しながら、国や都の心身障害児教育の動向を踏まえ、特別に支援を要する子どもたちへのより大事に、慎重に対処することも含めた、より適切な教育に努めてまいります。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 五番沢島英隆議員。



◆五番(沢島英隆) 質問に対し、区長また教育長より、前向きで具体的な答弁をいただき、ありがとうございます。

 特に、通勤定期の支給の方法に関しましては、明年四月からの実施に向けという具体的な日程に触れていただき、高く評価するものでございます。また、防犯についても様々な施策とあわせて、区長直轄の安全対策本部の設置という、本当に画期的な発言をいただきました。防犯に本当に力を入れてきた公明党として、本当に評価すると同時に、私も区長の本気の一念が伝わって本当に感動いたしました。

 また、文化芸術振興における検討会の立ち上げや中規模ホール建設の構想、そしてグループリビングの設置、また教育における地域に開かれた学校づくりとか、LD対策の充実など、区民のニーズをしっかりととらえた御答弁をいただきました。本当に今後、この施策が少しでも早く実行されることを強く要望するとともに、区議会公明党として、区政の発展のために全力で働いていくことをお約束して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(丸山高司) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長と教育長に平和と憲法の問題、学校選択制、青年の雇用問題について質問いたします。

 まず、平和の問題についてです。

 小泉内閣はアメリカ、ブッシュ政権の無法な戦争政策を支持し続け、ついには戦闘状態にあるイラクに自衛隊を派兵する憲法違反の法律を強行し、実行しようとしています。また、八月二十五日には二〇〇五年までに自民党として憲法改正案をまとめることを指示するなど、戦争放棄の平和憲法の改悪さえも、アメリカの要求のまま進めようとしていることは認めることはできません。

 今月十六日からイラク、パレスチナなど、中東問題を話し合う第五十八回国連総会が開会し、二十三日の一般討論の中でアナン国連事務総長は、国連憲章と国際法をじゅうりんしてイラク戦争を行ったアメリカを厳しく批判し、こうした無法行為を防ぐための方策を検討することこそ必要と提起をいたしました。

 それに対して、アメリカのブッシュ大統領は泥沼化するイラク戦争での資金、軍事両面での負担を、日本を初め国連各国に要請する一方、治安や石油権益などにおいて、自らの主導権は手放さない考えを表明するという居直りを続けています。アメリカが開戦の口実としていた大量破壊兵器は見つからず、これが歴史的捏造であったという疑惑がますます深まり、アメリカCNNテレビが二十二日に伝えた世論調査では、ブッシュ大統領の支持率はイラク戦争時の四月の七一%から五〇%に低下。イギリスでは、イラク戦争が正しくなかったとする回答が五三%にも達するなど、戦争を行った両国で、それは間違いだったとする声が広がっています。

 このことはイラク戦争前、国連安保理は国連憲章にのっとった紛争の平和解決のための役割と機能を、かつてなく発揮してきたにもかかわらず、アメリカが戦争の正当性もないまま開戦に踏み切ったことの行き詰まりをはっきりと示すものです。イラク戦争には、世界の政府の約七割が公然と反対の声を上げ、サミット参加諸国の中にもフランス、ドイツ、ロシアなどで平和の流れが生まれ、それは非同盟諸国、アラブ、イスラム諸国とも連帯し、さらに中国とも連携しながら無法な戦争に反対する事実上の国際共同戦線がつくられました。その流れは現在も続き、先ほどのアナン国連事務総長の発言に集約されています。

 日本共産党は、イラク戦争の危機に際してイラクはもちろん、中国、中東、南アジアなどを訪問し、各国政府関係者と会談し、国連憲章に基づく平和の国際秩序を破る者は許さないという立場で、協働を探求することが重要であると提案をし、アメリカのイラク戦争を許さず、国連を中心にした平和解決のための努力を図るということを訴えるなど、独自の野党外交を進めてきました。その中で、多くの国々とイラク戦争反対、アメリカ一国主義ではなく、国連を中心とした国際平和秩序の構築で一致しました。この立場は、現在、世界の大きな流れとなっていることを確信するものです。

 この間のアフガニスタンとイラクへの戦争によって、最大の被害を受けたのは、罪のない子どもや女性を含む一般市民です。米軍の爆撃で殺された市民の数は九千人以上と言われ、当初アメリカが戦争の理由としていた九・一一の同時テロの三倍もの人命が失われているのです。現在、アメリカ、イギリス軍による、不法な占領支配が続くもとで、それへの抵抗や暴力が広がるなど、イラク情勢の泥沼化が深刻になっています。イラクで現実に進行している事態は、戦争ではテロと暴力の土壌を拡大するだけで、戦争によって平和はつくり出せないことを証明するものです。

 ブッシュ大統領は十九日に小泉首相に対し、電話で十億ドル、約一千百三十億円のイラク復興への支援を要求したとも報じられています。そして来月十七日にも来日し、自衛隊の派兵と戦費負担を日本に求めようとしています。小泉内閣はアメリカの要求のままに、自衛隊のイラク派兵のための政府調査団を派遣する考えを表明しています。こうしたやり方に対し、毎日新聞の調査では、政府が目指しているイラクへの自衛隊派兵について、賛成は一九%にとどまっています。その理由として、復興が国連主導となっていないこと、大量破壊兵器の未発見など、戦争の大義に対する否定的評価がうかがえるとしているように、国民はアメリカ中心ではなく、国連中心の平和解決を望んでいます。区長は、今回のイラクへの自衛隊派兵に対し、明確に反対の声を政府に対し上げていくべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、日本国憲法の改正問題について質問いたします。

 秋葉忠利広島市長は、八月六日の広島市の平和式典での宣言の中で、国連憲章や日本国憲法さえ存在しないかのような言動が世を覆い、時代はまさに戦後から戦前へと大きくかじを切っていると述べています。この発言は、小泉内閣がこの間、アメリカへの無批判な追随外交、テロ特別措置法、有事法制、イラク派兵法の相次ぐ強硬成立など、海外派兵を可能とし、戦争をしない国から戦争をする国へと切り替えようとしていることを批判したものです。

 小泉首相は、自民党結党五十周年に当たる二〇〇五年十一月をめどに、党の憲法改正案を取りまとめるよう指示するともに、改憲のための国民投票法案の成立が必要だと明言したのです。首相そのものが憲法改正を明言し実行を指示することは、戦後かつてなかったことで許されるものではありません。

 改憲の動きは、二〇〇〇年十月にアーミテージ現米国国務副長官が中心になって作成した対日報告書が、集団的自衛権を禁じていることが、両国の同盟協力を制約しているとして、日本に集団的自衛権の行使を求めたことに従い、その最大の障害となっている憲法九条を取り除き、歯止めなき海外派兵に道を開くことを目的としたものです。この動きは、国連憲章に基づく平和の国際秩序を求める世界の流れに真っ向から逆らうものです。日本国憲法を守ることを宣誓し、住民の生命と安全を守るべき自治体首長としての立場が、今、区長にも鋭く問われると考えるものです。

 区長として、平和憲法を守る立場を鮮明にし、現在進められている憲法改正に反対の態度をとるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、区が来年度から強行しようとしている学校選択制について教育長に質問いたします。

 九月一日付の区ニュースでは、選択制実施について保護者への手続として、九月下旬に希望校調査書を送付し、十月三十一日を必着として返送するようにと書かれています。しかし、その判断材料となるべき各小中学校で行われる学校説明会が、十月三十一日に行われる学校もあり、この日には到底間に合わないスケジュールになっています。また、神南小の運動会と原宿外苑中学校の学校公開が重なっているために、参加できないという声も上がっています。このように手続そのものも、子ども、保護者を無視したやり方で進められているのです。

 実際、昨年九月に区内十四小学校のPTA会長名で、学校選択制について、新しい制度を導入する場合、メリットとデメリットを慎重に比較考慮するべきであり、子どもたちとこの国の未来のために教育はいかにあるべきかという視点を忘れてはならないとして、八つの疑問点を含む意見書が出されたのです。

 選択制について区議会の質疑では、我が党はPTA会長の声や、七月に八百二十四名の選択制を強行しないでほしいという陳情が出されたことにあらわれた、保護者や関係者、地域住民の不安、とりわけ児童生徒たちへの影響などについても、十分な調査と意見を聞くことが不可欠であったにもかかわらず、それがなされていないことを指摘し、たった一年足らずで実施決定することをやめることを強く求めてきました。

 実施決定された後の委員会質疑で、区教育委員会は選択制実施の先行区の状況については、昨年四月に墨田、杉並、荒川の担当者に話を聞いただけであり、その後は実態調査を全く行っていないことや、通学区を越えた子どもの通学の安全確保についても自己責任であり、区として責任がとれないことが浮き彫りになり、答申でも指摘されている学力を中心とした学校間の序列化を招く問題については、各学校の学力テスト結果の取り扱いについても、一切議論されていないことなどが明らかになっています。

 このことを見ても、選択制が国や都の方針として全国的に進められている中で、渋谷区として実施のみが先行し、子ども、保護者や住民不在であること強く指摘するものであります。実際に関係者不在で一方的に選択制を実施した品川区では、この間だけでも大きく状況が様変わりしています。九九年から実施した選択制の結果、各学校の序列化と入学者の集中、減少がひどくなり、集中校では特別教室をなくし、普通教室にし、クラスの人数が多過ぎてランドセルの置き場もない、学童館も満員で地元の親からも不満が出る状況で、当区でも同様の状況になるのではないかと危惧するものです。

 荒川区では、二〇〇一年に小学校九校、中学校四校の統廃合計画が示され、区民の運動により一たんは凍結されましたが、二〇〇二年に学校選択制が実施されると、最初には十数人の入学希望者がいた学校も、教育委員会から人数が少ないがどうするのかと尋ねられた保護者が、仕方なく別の学校に希望を出し直したため入学者がゼロになる学校が出た結果、二年間で廃校になるという事態が起きています。

 渋谷区でも子ども、保護者、学校の関係者から、人数が少なくなって廃校になるのではないかという声が出されたように、学校選択制が統廃合につながることへの不安は大きいのです。もともと通学区とはどの学校に通っても、最もよい教育が保障されることを前提に、受け入れ条件や通学上の安全確保などの関係で設けられたものです。教育委員会は選択制実施に当たって、通学区外の登下校は自己責任というのは、児童生徒の安全上からも大問題です。子どもたちや保護者を置き去りにし、選択制を強行することは認められません。これまでの学区域の弾力的運用にとどめ、学校希望選択制の実施を凍結すべきと考えますが、教育長の答弁を求めます。

 今、多くの保護者が教育行政に望んでいることは、選択制よりも身近な安心して通えるところにある学校で、しっかりと丁寧で行き届いた教育が行われることです。そのことを実現する上でも、一人一人に行き届いた教育が保障できる三十人学級の実現です。現在、学級崩壊や不登校などの教育混乱に対し、自治体レベルで少人数学級の実施で一人一人に行き届いた教育を保障する動きが、三十道府県に広がっています。これは行き届いた教育を目指す保護者と教職員の運動が大きく広がり、今年四月から自治体の権限で少人数学級実施が可能になったからです。

 四十人学級の三割が授業に差し障りがあるという二〇〇三年四月の国立教育研究所の調査にもあるように、少人数学級の効果ははっきりしています。今、必要な子どもたち一人一人に行き届いた教育をするためには選択制ではなく、行き届いた学習を保障する三十人学級の実施こそ必要ではないでしょうか。

 そこで教育長に質問いたします。

 区立小中学校に通う一人一人の子どもたちを大切にするためにも、三十人学級を早急に実施をすべきです。また、都に対しても、財政保障を含め、三十人学級実施を都が責任を持って進めるように要求すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、学校施設についても校庭のアーバンコートが劣化し、コンクリートのように固くなり危険な小学校や、トイレが汚く、児童生徒がわざわざ家に帰ってから用を足すような状況があります。安心して学ぶことのできる学校施設の改善も待ったなしの課題です。区として必要な施設改善を早急に実施すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。

 最後に、日本の将来に大きくかかわる問題として青年の雇用問題について区長に質問いたします。

 二〇〇三年五月の完全失業率は五・四%、完全失業者は三百七十四万人です。就労の意欲がありながら、実質的に仕事がないために求職活動を行っていない人は、今年一月から三月の平均で約二百三万人と言われ、実質失業者は八%に上ります。しかも、その中で長期失業者が激増しています。今定例会の区長発言でも、区長は不況の中での離職者対策を言明していますが、区長としてできることは積極的に取り組むべきです。現在は、大企業のリストラなどによる失業増が深刻です。

 その一方で、パート、アルバイトが激増しています。総務省の昨年末の調査でも、正社員でない非正規労働者は一千五百十万人となっています。中でも派遣労働は、相次ぐ労働者派遣法の改悪によって、派遣期間が一年から三年に延長され、製造業への派遣も認められるようになりました。今まで期限つきの雇用や労働者派遣は、給料のピンはねや労働者の使い捨てに結びつくため、一定の規制がありましたが、それが切り崩され、現在では製造業の七割が派遣社員を活用していると言われています。そのため、高校卒の正規雇用の就職先が抑制され、失業率も青年層がずば抜けて高く、二〇〇二年の平均で十五歳から十九歳が一二・八%、二十歳から二十四歳が九・七%、二十五歳から二十九歳が七・一五%と、全年齢の平均五・四%を大きく上回っています。

 これまで政府は、青年層は就労意識が低いとして青年自身に原因があるとしてきましたが、そうではありません。内閣府がこの五月に「平成十五年版国民生活白書−デフレと生活−若年フリーターの現在(いま)」というリポートを出しました。この白書では、フリーターと呼ばれるパート、アルバイト、派遣労働など、不安定な仕事を余儀なくされている若者が一九九五年の二百四十八万人から、二〇〇一年には四百十七万人へと急激に増加していることをまず重視しています。

 さらに、なぜフリーターが急増したのか。原因は一体若者側にあるのか、企業側にあるのか、この問題について、フリーターのうち正社員になりたいという希望を持っている人の割合が七割を超えていることも示し、大幅なフリーターの増加要因としてはどちらかといえば企業側の要因が大きいと思われると指摘し、大企業ほど正社員の新規採用を抑え、パート、アルバイト、派遣に置き替える動きが顕著になっていることも指摘しています。

 フリーターの急増について白書は、フリーター自身が不利益をこうむったり、不安を感じたりする。日本経済の成長を阻害する。さらには社会を不安定化させる、少子化を深刻化させると述べています。今、正社員の雇用が減少していますが、正社員の仕事が減っているのかといえば、そうではなく、むしろ過労死を生み出すような劣悪な労働条件が当然のように続いています。企業が正社員を減らしている中で、労働時間が増え、正社員の五人に一人は、年間三千時間を超える労働時間です。この長時間労働を改め、ただ働きのサービス残業をなくすだけで、百六十万人の雇用を増やすことができるのです。

 こういう事態に対して小泉内閣は、不良債権の処理の加速や規制緩和、リストラの推進などを改めようとせず、国民、とりわけ勤労世帯への負担増を続けております。また、骨太の方針の五百三十万人雇用創出プログラムについても何ら効果がなく、この二年間に失業率ははね上がりました。雇用不安は社会の不安を招き、とりわけ日本の未来にもかかわる問題です。

 日本共産党は安定した雇用を増やし、雇用危機を打開するための四つの緊急提案を発表しました。その内容は、長時間労働、サービス残業をなくし、新規雇用を増やすこと。二つ目に、政府の責任で青年の雇用拡大を進めるため、大企業の新規採用の抑制を中止させるとともに、労働条件の改善と正社員の採用を求めること。三つ目に、福祉、医療、防災、教育など、国民の暮らしに必要な分野での人手不足を解消して雇用を増やすこと。四つ目に、国が自治体の雇用対策に財政支援を行う枠組みをつくることです。

 日本共産党はこの間、サービス残業をめぐる問題でも、政府に二度にわたって根絶のための具体的措置をとらせ、この二年間の間に百五十億円を超える不払い賃金を支払わせることができました。大企業の一方的な工場閉鎖にも、日本共産党は労働組合や自治体などと協働し、地域経済を守る戦いに取り組んでまいりました。

 自治体レベルでも雇用確保の取り組みが広がっています。世田谷区では二〇〇〇年からハローワークとの共催で、中高生対象の就職面接会を年二回行うなどの取り組みを行ってきましたが、さらに今年から工業課を再編し、工業雇用促進課を設けて雇用対策に力を入れています。これは世田谷区内の事業者から優秀な人材の確保を望む声と、高校からは企業の求人が少ないという要求を世田谷区が受け止め、区としては直接就職のあっせんができないために、ハローワークと連携して行っているものです。一回当たり二十から三十社の企業と百名近い高校生が集まり、約四十名が就職しています。区がやるのは場所の確保と区ニュースやポスター、ホームページなどによる広報活動です。対象は渋谷ハローワークの所管である渋谷区と世田谷区の事業者と高校生ですが、渋谷区としても積極的に取り組むべきではないでしょうか。

 そこで区長に質問いたします。

 具体的な雇用対策として、商工課に雇用対策の窓口を設置し、企業合同就職面接会や就職相談会を実施できるようにするべきです。また、渋谷区独自の対策として、ヤングハローワークと連携し、区内の青年雇用の実態をつかむ必要があります。特に、正規の就労を希望しているにもかかわらず、フリーターとなっている実態の調査のために、青年向けのアンケート調査を実施すべきです。そして渋谷区でも保育や介護など、住民サービス向上のためにも、正規職員の雇用を拡大すべきと考えます。

 最後に、国に対し国民に負担を強いる政策を転換をし、雇用対策、とりわけ青年層の雇用確保のために、大企業に対し指導するように申し入れること。同時に、渋谷区でも区内の企業に対し青年の雇用を増やすように申し入れるべきと考えます。

 以上、区長に質問いたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の森 治樹議員の代表質問に答えます。

 最初に、今回のイラクへの自衛隊派遣についてでございます。

 イラク復興支援法は、国会の場におきまして様々な論議を経て成立したところでございます。また、政府は派遣に当たりまして、派遣環境が整備された段階で自衛隊派遣をすると言っているところでございます。したがいまして、私の方から反対の声を出すということは考えておりません。

 次に、日本国憲法の改正につきまして、改正反対の態度をとるべきだということでございます。日本国憲法は、国の内外の状況の変化に伴いまして、その問題につきましてこれを憲法に定める改正の手続を経て取り組むということは、それは法に基づくものでございます。したがいまして、改めて憲法改正に反対する根拠はない、こういうふうに思っております。

 青年層の雇用対策についてでございます。

 私、最初にお断りをしたいと思いますけれども、私がこれまで申し上げてまいりましたのは、不況で離職を余儀なくされた方々を対象として考えているということでございます。就職活動そのものの支援ということではございません。これはまた別の次元の問題だと、このように考えております。

 現在、森議員もおっしゃっておりましたように、渋谷区内に青年層を対象とするヤングハローワークは設置されているということでございまして、そこで職業相談、職業紹介、さらに様々な仕事の情報が提供されているということでございますので、区としてこの課題に取り組む考え方は持っておりません。

 次に、フリーターの実態調査のためのアンケート調査ということでございますけれども、この実態調査はヤングハローワークにおいても実施し、さらには国の調査も進んでいると、こういうふうに聞いております。したがって、区は重ねて実施する予定はございません。

 青年層の雇用対策として、正規職員の雇用拡大をすべきである、こういうお話でございます。今回私の申し上げました趣旨は、正規職員の拡大が本題ではないわけでございます。あくまで区民サービスの向上のために離職者を活用したい、そういうことでございます。その活用の仕方に当たっては、それぞれ雇用の目的にしたがって正規職員の場合もありますし、臨時職員の場合もありますし、非常勤職員の場合もあると、このように考えております。それぞれ契約の、それぞれ事業の目的に従ってその対応をすればよい、こういうふうに考えております。

 青年層の雇用確保のために、大企業に対する指導を国に対して申し入れをせよと、こういうことでございますけれども、雇用確保についてはそれぞれの企業が判断することでございまして、私から国に申し上げることではないと、このように考えております。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、学校選択希望制に関連して、三点にわたる御質問でございます。順次お答えをいたします。

 まず、これまでの学区域の弾力的な運用にとどめ、学校選択希望制の実施を凍結する考えはないかとのお尋ねでございます。学校選択希望制につきましては、渋谷区学校選択のあり方検討委員会における審議、保護者に対するアンケート調査、実施案の周知及び意見聴取などの手続を経て、教育委員会において実施を決定したものでございます。予定どおり、来年度より実施をいたします。

 次に、三十人学級についてのお尋ねでございますが、学級規模の考え方につきましては、社会性を養うためには一定の学級規模が必要であり、また基礎基本の学力向上など、きめ細かな指導を行うためには少人数教育が有効となります。これら両面の教育効果を実現するためには、集団生活としての現行の学級規模を維持しながら、きめ細かな指導を必要とする場合は、学級と異なる学習集団を弾力的に編制することが効果的であると考えております。

 本区におきましては、国の教員定数改善計画に基づき、チーム・ティーチングや少人数指導のための教員加配を受けております。さらに今年度は、区独自の事業といたしまして、少人数指導の講師を配置しておるところでございます。

 また、東京都におきましても小学校二年、六年、または中学校の三年のいずれかにおいて、学年進行をする際、仮に児童生徒数が減となっても、区市町村教育委員会の判断により学級を維持することができる学級維持制度を独自に実施しております。したがいまして、区独自に三十人学級を実施すること、東京都に対して三十人学級を求めることは現在考えておりません。

 最後に施設改善を計画的に進める考えはないかとのお尋ねですが、学校施設の工事につきましては、児童生徒の安全・安心を確保する視点から、耐震補強工事を重点に実施してまいりました。昨年度をもって終了いたしました。今年度は、既に普通教室及びランチルームに冷暖房機を全校に設置したほか、校庭整備、トイレ整備、体育館の暖房化、屋上緑化などをそれぞれ数校ずつ実施いたします。今後は区長部局とも十分に協議を行い、児童生徒の教育環境整備を計画的に実施してまいります。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 区長と教育長から答弁をいただきました。それぞれの問題について再質問をさせていただきます。

 今、世界のあり方として、アメリカが軍事力を背景に横暴をほしいままにする戦争と抑圧の国際秩序か、それとも国連憲章に基づく平和の国際秩序かが人類に問われております。日本がアメリカへの傾斜を強める一方で、日本と同じアメリカの軍事同盟国であるNATO諸国を含む欧州では、イラク戦争を経て、アメリカ中心主義と一線を画し、国連憲章に基づく平和の国際秩序の確立を求める独自の安全保障をつくる動きが進んでいます。その動きは東南アジア諸国や中東諸国などの国連加盟国の圧倒的多数の非同盟諸国にも広がっており、世界の流れの本流と言えるものです。

 イラクへの自衛隊派遣を進めている小泉首相は、国会でイラクに派遣された自衛隊員が殺される可能性はないと言えば、それは言えない、あるかもしれない。戦って相手を殺す場合がないかと言えば、これもないとは言えないと、無責任な答弁で国会での多数の目を背景に自衛隊派兵法を強行したのです。

 こうしたことに対して、元防衛庁教育訓練局長として自衛隊員の教育や訓練を担当していた小池清彦新潟県加茂市長は、イラク特措法案の廃案を求める要望書を国に提出し、その中で自衛隊の本務は祖国日本の防衛であり、自衛隊員はイラクで命を危険にさらすことを決意して入隊してきた人たちではない。事に臨んで危険を顧みない職業だから、どこへでも行って命を落とせということにはならないと厳しく批判をしております。

 現憲法によっても、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、地方自治が保障され、渋谷区行政の大きな指針となっています。改めて国に対し、イラクへの派兵反対、憲法を守るように声を上げるべきと考えます。区長に再質問いたします。

 青年雇用対策についても、国民生活白書の前文でも、若年の雇用悪化は家計や結婚・出産行動など、家庭生活にも大きな影響を与えること、また青年が安定的な収入を得るのが難しくなっている中で、家事や育児などの負担が大きいため、結婚を遅らせたり、子どもを持つことを控えたりするようになる。こうして未婚化、晩婚化、少子化が進めば、経済社会全体の活力が低下することが懸念されるものですと、政府自身が明言しているように、国全体として、また渋谷区としても方向性を示し、具体的な取り組みが求められる仕事です。改めて渋谷区として、雇用促進事業の実施、区として職員の採用増、国や企業への申し入れを行う気がないのか再質問いたします。

 学校選択制については、この間の教育委員会の進め方が現在何を保護者にもたらしているのか、大きな問題があることを重ねて指摘をするものです。この問題については、我が党の牛尾議員が六月議会で指摘したように、住民の知らないままに進められ、区ニュースで周知される前に保育園の年長組の父母に、複数の小学校から学校案内が配布されるなど、実施ありきが先行しています。住民や子どもたち、学校関係者を無視した形で進められているのです。

 学校選択制の実施が、統廃合や学校の序列化を招きかねない慎重な問題であることは疑いのないことです。一たん実施してしまえば、引き返すことのできないことであり、少なくとも十月からの学校説明会で選択制について保護者の意見を聞くこと、そして来年からの実施を凍結すべきです。再質問いたします。

 また、三十人学級については我が党は、小学校低学年から順次三十人学級にしていくための予算修正案を提案してきました。自治体独自で三十人学級を実現しているところでも、小学校一、二年生での実施が最も大きくなっています。一人一人の子どもたちに目が行き届く三十人学級がとりわけ小学校一、二年の低年齢児に求められているからであります。改めて実施するつもりはないのか、再質問をいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 森 治樹議員の再質問に御答弁をしたいと思います。

 イラクへの自衛隊派遣の問題でございますけれども、私はこのイラクへの自衛隊派遣については、法律の成立した経緯というものが、これは国として国際貢献のために派遣環境が整備された場合に、憲法の枠内の活動をしようと、こういうことであると、このように思っております。したがいまして、このことについて反対をするべき理由はないと、こういうふうに考えております。

 それから青年層の雇用対策についてのお話がございました。私は今、森議員は結婚を遅らせて、晩婚化あるいは少子化の問題につながっていく、こういうようなお話でございましたけれども、私、家庭を持ちながら離職をした方々の方が生活は深刻だと、こういうふうに思っておるわけでございます。また、年齢を限らず、そういった方々を渋谷がどういうふうに行政サービスや、区政の振興に役立てることができるか。単に、私は助けるだけでなくて、渋谷の区政の振興に結びつけたい、そこのところを考えて、長続きする政策を目指したい、こういうことでございます。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) まず、学校選択希望制についての再質問でございますが、このことを教育委員会で決めましたのは五月二十一日でございますが、それ以前に学校関係者の意見聴取につきましては、例えば校長会等を通じて十分に行っておるというふうに考えております。

 また、この答申を受けました検討委員会の中には、PTAの代表、小中学校それぞれ入っておりまして、その代表を通じてPTAの方の御意見も伺っておるというふうに考えております。したがいまして、改めて申し上げますが、先ほどのとおりでございまして、予定通り実施をさせていただくと、そういうことでございます。

 また、三十人学級についての再質問でございますけれども、これも先ほどと同じことの繰り返しの部分にもなりますけれども、教育委員会といたしましては、現在はむしろ先ほど申し上げましたチーム・ティーチングあるいは少人数指導の充実の方に力点を置いておるところでございます。これが現在の渋谷区にとりましては、子どもたちを伸ばし、学力を向上させていく、豊かな心を育てていく上で有効な施策である、そのように考えておるところでございます。したがいまして、三十人学級ということではなく、今申しました方策をとっていきたい、そのように考えております。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 区長と教育長から再答弁をいただきました。

 離職した人の方が深刻ではないかということですが、私が言いたいのは、安易に経済効率のみを優先をし、その人の生活を顧みないままの人減らし、賃金カット、安易な労働者の使い捨てが、その最も大きなしわ寄せが青年労働者に、青年層に大きな影響を与えているということを区長に訴えたかったのであります。そのことを改めて指摘をさせていただきます。

 国連憲章に基づく平和のルールを守り、その具体化として平和憲法を守り抜くことが日本の進む方向である、そのことを日本共産党は考えております。その実現のために全力を尽くす決意を改めて表明いたします。

 学校選択制や学校給食の民間委託化など、学校教育の本旨をゆがめかねない問題を許さず、青年を初め国民に犠牲を強いる政治を転換をし、生活不安をなくすこと、国民生活を応援する政治実現のために全力を尽くすことを表明をし、日本共産党渋谷区議団を代表しての質問を終わらせていただきます。



○議長(丸山高司) 十番平田喜章議員。



◆十番(平田喜章) 無所属無会派議員ということで、持ち時間が大変少ないので、早速本題に入らせていただきます。

 まず第一に、北朝鮮による拉致問題についてです。

 まず渋谷での便乗募金、署名行為の規制についてであります。

 現在、北朝鮮に拉致された拉致被害者の家族である家族会を中心に、支援者や救う会といった支援団体が、拉致被害者家族の救援、救済のために募金活動や署名活動に取り組んでおります。しかしながら、これに便乗した悪質な募金行為や署名行為が都内各地で行われております。渋谷区内でも、特に渋谷駅を初めとする駅頭で、上記のような悪質な行為が行われております。このような行為を規制するなど、どうにか対処していただきたい。

 次に、拉致問題を通じ、人権の視点から区民の啓発についてであります。

 荒川区では、区の主催で行われている「人権を考える講演会」で、拉致被害者である横田めぐみさんの家族の方々を招き、拉致を人権問題としてとらえ、区民啓発を積極的に行っております。渋谷区でも区民意識の啓発のため、こういった講演会等を開催することはできないものでしょうか。

 第二に、建築物等の建築に関する紛争についてであります。

 商業地域では、建築使用用途の規制が緩く、建築確認による規制や建築紛争調定の解消ともならないため、区民の安全・安心な生活を脅かす風俗営業等の進出が目立っております。また、地価下落による都心回帰により、渋谷区でも中高層マンションの建築が盛んであり、建築主と近隣住民との間で、日照、風害、プライバシーなどで紛争が起こっているという現状がございます。

 その原因として、建築の標識設置期間が短いこと、近隣住民に対する計画説明会が必ずしも義務化されていないことなどに基づく、建築主への不信感があるのです。渋谷区には、中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例があり、これまで健全な生活環境及び居住環境の維持を推進するために役立ってきたと考えますが、さらに近隣住民と建築主との相互理解を促進し、紛争が生じない環境をつくる必要があると考えます。

 そこで、次のような対策を早急に実現できないかと訴えます。

 一、現在の建築の標識設置期間三十日間を建築規模や種類に応じて六十日間に拡大できないか。

 二、計画の説明会は近隣住民から要望があるときは必ず開催するようにできないか。また、騒音、振動、粉塵等、近隣住民の生活に影響が大きい解体工事の説明会もあわせて開催するようにできないか。

 三、近隣説明会で、建築主にかわって説明する者については、その者が建築主から委任を受けたことを明示するようにできないか。

 次に第三に、新旧住民と外来者の融和策についてであります。

 渋谷区で活動する人々には、新旧の住民だけでなく、区外から流入する多数の外来者が含まれております。点在する有名な服飾ショップ、レコード店に象徴されるように、渋谷はファッション、音楽など、若者文化の随一の発信地として認知されております。日常的に集う若者は、外来者の多くを占めておりますが、このような若者の流入は発展の象徴でもありますが、一方で、そのことが落書きやたばこのポイ捨て、治安の乱れなど、社会問題につながっているという住民からの不安も根強く存在します。このような問題の根本的解決のためには、若者のうちからも社会問題を解決すべく、活動する人材を得なければなりません。そのために、日常的な外来者の一部を渋谷の一員として、何らかの義務と権利を付与し、彼らをともに渋谷を発展させるパートナーとしてとらえ直す視点が必要だと考えております。

 そこで、区在住資格の有無を問わず、広く渋谷にかかわる有識者、市民、民間企業、NPOなどで構成される区長直属の諮問機関を設置することを提案いたします。ずっと昔から渋谷に住んでいる方々、マンションやアパート住民を含めた渋谷を選んで居住する人々、そして渋谷が好きで渋谷に集まる人々、この渋谷を愛する三つの渋谷住人の共存共栄を達成する方策を考えていただきたい。

 続いて第四に、アトピー、アレルギー問題についてであります。

 過日、文教厚生委員会委員として、私立保育園との懇談会に参加いたしましたが、懇談でも主要な議題となったのが、アトピー、アレルギー及びぜんそくに対する対策でありました。アレルギー疾患の代表的な症例として、アトピー性皮膚炎、小児ぜんそく、アレルギー性鼻炎の三種が挙げられますが、食事、ほこり、あるいは精神的ストレスまで様々な原因で起こる疾患であります。

 近年、アトピー、アレルギー児が増大しており、もはや一部の区民の問題ではなく、すべての区民にかかわる問題となっております。私も幼少時よりアトピー性皮膚炎、小児ぜんそく、アレルギー性鼻炎を併発するアレルギーマーチという、典型的なアレルギー児でありましたが、近年、近隣の状況を見ますと、アトピー、アレルギーは特別なものでなくなっています。大人でも花粉症にかかる人が多いことは、春先にマスクをする方が大勢おられることでも明白でしょう。

 家族や親類を含めると、アトピー、アレルギー疾患と全く無縁である区民は少ないことだと思われます。したがって、区長にはアトピー、アレルギーを区民全体の心配事としてとらえ、今後の対応策等を考えていただきたい。

 以上、御答弁をお願いいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 平田喜章議員の一般質問に順次お答えをしたいと存じます。

 初めに拉致問題に関し、便乗募金、署名行為の規制はできないかということでございました。拉致問題は国民の生命と安全、そして人権にかかわります重大な問題であるとともに、被害者やその御家族の心情を思うとき、大変心痛むものがございます。このような事件に関し、救う会や家族会に似た名称をかたり、悪質な募金活動や署名活動を行うことは論外の行動であると、このように思っております。

 募金、署名活動を行うためには、渋谷の公園であれば、これは区長の許可、道路にありましては警察の道路使用許可が必要になるところでございます。したがいまして、区と警察の連携のもとに、その排除に努めてまいりたい、このように存じます。

 次に、拉致問題についての、これを区民啓発にできないかと、こういうようなお話でございました。拉致問題は全国民が深い関心を持ち、早期解決を望んでいるところでもございますし、国連を含め、六カ国協議の議題でもあるわけでございます。改めて啓発をするという段階ではなく、早期に解決する、そこに国民の関心がある、このように考えております。

 次に、建築紛争にかかわりまして、三点の御質問がございました。

 最初に、建築の標識設置期間の拡大でございますけれども、この渋谷区に定めます中高層建築物等の建築にかかわります紛争の予防と調整に関する条例の目的にございますように、建築主と近隣住民との紛争を予防するには、近隣住民の建築計画について十分な理解と、建築主と近隣住民との円滑な合意形成が必要でございます。これらのことを考えます前に、標識設置期間のこれを拡大するということについては、今後考えていく必要がある、このように考えております。

 次に、近隣住民への計画説明会の開催についてのお尋ねでございますけれども、このことについては指導してまいりたい、このように思っております。

 また、建築主から委任を受けた者の明示につきましては、住民の意向等十分踏まえまして、誠意を持って対応するよう、このことにつきましても建築主に指導すると、このように考えております。御理解をいただきたいと思います。

 それから新旧住民と外来者による地域づくりについてのお尋ねがございました。

 まちづくり上の課題の一つは、マンション族、とりわけマンションの管理人を通さなければ話もできない、居住者を町会や自治会などのコミュニティでどのようにこれを取り込み、地域課題を解決していくかということがございます。

 もう一つは、居住するとしないにもかかわらず、NPO、ボランティア団体、あるいは企業の力をどう結集し、公共空間を構築していくかという課題解決でもございます。私はこのことに関して、明快かつ包括的な解決案は持っておりません。しかし、先ほど長谷部議員の提言の中に、何か解決の方向があるのかなと、こういうように感じているわけでございます。それは平田議員の御提言とも共通するところでございますけれども、このプロジェクトチームを設置して、そのもとでNPO、ボランティア団体等との協働すべき施策を提言していく。もう一点は、地域通貨の導入によって、地域貢献活動を推進していくということでございました。そのためには、役人にない発想を持てる人材や、コミュニティマネジャー、そういったものの参画が必要である、このように思うものでございます。

 地域課題の範囲は、安全や美化、子育てや教育、環境や福祉など、限りなく幅広いものでございますけれども、区内人材の発見と、その協力を得まして、より豊かなまちづくりを推進してまいりたい、このように考えるものでございます。

 アトピー、アレルギーについて、区民全体のこととして対応策を考えてほしい、こういうことでございます。

 国の疫学調査では、小児の約三分の一、成人の約五分の一が何らかのアレルギー疾患を持っていると報告されているところでございます。このようなアレルギー疾患の増加には、食生活の欧米化、居住環境の変化、大気汚染やストレスの増加等、今、平田議員のおっしゃったいろいろな要因が加わって、現代の都市問題の一つというふうに聞いているところでございます。区におきましては、アレルギー疾患についての健康相談や学校給食におけます対応を行ってまいりましたが、さらに多様なニーズにこたえられるよう、スタッフの資質の向上を図りますとともに、予防や治療についての講演会の開催等、疾患全般に対します理解を深めるための普及、啓発に努めてまいりたい、このように考えております。

 どうぞ御理解をお願いしたいと存じます。



○議長(丸山高司) 十番平田喜章議員。



◆十番(平田喜章) 意見を交えた再質問でございます。

 まず第一の拉致問題に関してでありますが、渋谷区でも本町在住の伊勢田幸正君という若き救う会のメンバーがこの問題に真剣に取り組んでおります。今日も傍聴の方に来られております。

 今日、人権という存在はますます一層に普遍的価値を増しております。私も日本人として、日本人の人権が最重要だと考えております。特に渋谷のような都市で拉致が行われたとしても、周辺のだれもが気がつかない可能性すらあります。そして拉致問題解決は国民的要望でもあり、渋谷区民の要望でもあります。渋谷区民、そして日本国民の問題として、今後解決に向け対応されることを望んでおります。

 次に第二の建築紛争についてであります。

 今後ともこの問題に関しては、紛争を生じさせないようにお願いいたします。

 続いて、第三の新旧住民と外来者の融和に関してであります。

 様々なNPOや若者が渋谷に集っております。例えば道玄坂には、コンポジションというNPOがおりまして、この方々は単に渋谷で活動するだけでなく、渋谷の人々との協調を目指しております。今日、代表の寺井元一君も渋谷が大好きで、渋谷でずっと活動していく覚悟で、道玄坂にNPOの事務所を構えております。渋谷には渋谷のために働きたい、活動したいという人々がたくさんおります。このような人々が参加できる場を増やしていただきたい。

 また、一の拉致問題、二の建築紛争の問題とも絡みますが、渋谷には渋谷に巣くい、渋谷を食い物にしようとする人物や法人、団体、こういった団体なども渋谷に集まってきております。こういった勢力には厳しく対応していくべきであります。

 続いて第四のアトピー、アレルギー問題に関することでありますが、この問題に関しましては、近年注目されております新しい問題であること。また、医療、医学的な問題も密接にかかわるために、これから何ができるのか検討を願いたいと思います。まずは情報収集を活発に行っていただければと考えております。

 私自身、さきに述べましたように、このアレルギー問題は自身のライフワークでもあります。公私ともに今後私よりも若い、幼い子どもたちが私と同じ苦しみを味わなくて済むように尽くしたいと思っております。

 一つ、本日は保健所所長の上間所長も来られておりますので、一つだけ苦言を申しますと、この問題にかかわる渋谷保健所の一部職員、ほんの一部職員の対応なんですけれども、私自身、とても不快な思いをしております。こちらについては是非改善を求めたいと思います。

 次回の質問時には、このアトピー、アレルギー問題についても、もっと深く掘り下げていきたいと思っております。さらなる対応をお願いいたします。

 私も議員としましては、アトピー、アレルギー対策を推進することで、渋谷区をアトピー、アレルギー児に優しいまちという評判を立てられればと思っております。

 以上、三十四名の区議の一人として、今後とも私なりの視点から区政に提案ができればと思っております。渋谷が世界に名だたる都市として、まちとして今後も発展できるように、微力ながら尽くさせていただければと思っております。

 以上です。



○議長(丸山高司) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(丸山高司) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から十月二十日までの二十六日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は二十六日間と決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は、議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明九月二十六日、午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日文書により、御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後四時四十二分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

 渋谷区議会議長   丸山高司

 渋谷区議会副議長  金井義忠

 渋谷区議会議員   沢島英隆

 渋谷区議会議員   植野 修