議事ロックス -地方議会議事録検索-


東京都 渋谷区

平成18年  3月 定例会(第1回) 03月02日−01号




平成18年  3月 定例会(第1回) − 03月02日−01号










平成18年  3月 定例会(第1回)



           平成十八年 渋谷区議会会議録 第一号

 三月二日(木)

出席議員(三十三名)

  一番  前田和茂         二番  奈良明子

  三番  小林清光         四番  岡本浩一

  五番  沢島英隆         六番  栗谷順彦

  七番  薬丸義朗         八番  金井義忠

  九番  芦沢一明         十番  長谷部 健

 十一番  東 敦子        十二番  水原利朗

 十三番  松岡定俊        十四番  丸山高司

 十六番  吉野和子        十七番  古川斗記男

 十八番  伊藤美代子       十九番  鈴木建邦

 二十番  平田喜章       二十一番  牛尾真己

二十二番  森 治樹       二十三番  新保久美子

二十四番  五十嵐千代子     二十五番  木村正義

二十六番  齋藤一夫       二十七番  染谷賢治

二十八番  座光寺幸男      二十九番  広瀬 誠

 三十番  植野 修       三十一番  小林崇央

三十二番  岡野雄太       三十三番  苫 孝二

三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

  欠番  十五番

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          星宮正典

    総務部長          松井 裕

    区民部長          山内一正

    福祉部長心得        千葉博康

    子ども家庭部長       松崎 守

    保健衛生部長        吉村伸子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          坂井正市

    環境清掃部長        中島豊六

    安全対策本部長       佐戸幸弘

    防災担当部長        柴田春喜

    都市基盤整備調整担当部長  小笠原通永

    教育委員会委員長      青木宣昭

    教育委員会教育長      池山世津子

    教育委員会事務局次長    北村奈穂子

    選挙管理委員会委員長    甲斐孝喜

    選挙管理委員会事務局長   田中泰夫

    代表監査委員        倉林倭男

    監査委員事務局長      菊池 淳

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

事務局職員

事務局長   石川民雄     次長     小湊信幸

議事係長   倉澤和弘     議事主査   岩橋昭子

議事主査   中山俊幸     議事主査   宮本 勇

議事主査   太田 晃     議事主査   友永伸二

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   平成十八年第一回渋谷区議会定例会議事日程

          平成十八年三月二日(木)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二   同意第一号 渋谷区監査委員の選任の同意について

日程第三   議案第一号 渋谷区組織条例の一部を改正する条例

日程第四   議案第二号 渋谷区長期継続契約を締結することができる契約を定める条例

日程第五   議案第三号 職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例

日程第六   議案第四号 渋谷区附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

日程第七   議案第五号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第八   議案第六号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第九   議案第七号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第十   議案第八号 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一  議案第九号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第十二  議案第二十号 渋谷区国民保護協議会条例

日程第十三  議案第二十一号 渋谷区国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例

日程第十四  議案第十八号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例

日程第十五  議案第十九号 渋谷区ダイオキシン類の排出規制に関する条例の一部を改正する条例

日程第十六  議案第十七号 渋谷区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第十七  議案第二十二号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第十八  議案第二十三号 渋谷区立校外学園条例の一部を改正する条例

日程第十九  議案第二十四号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例

日程第二十  議案第十号 渋谷区地域包括支援センター条例

日程第二十一 議案第十一号 渋谷区障害程度区分判定等審査会の委員の定数等を定める条例

日程第二十二 議案第十二号 渋谷区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例

日程第二十三 議案第十三号 渋谷区高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例

日程第二十四 議案第十四号 渋谷区介護保険条例の一部を改正する条例

日程第二十五 議案第十五号 渋谷区介護保険高額介護サービス費等資金貸付基金条例の一部を改正する条例

日程第二十六 議案第十六号 渋谷区介護給付費準備基金条例の一部を改正する条例

日程第二十七 議員提出議案第一号 渋谷区政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十八 議員提出議案第二号 渋谷区議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十九 議員提出議案第三号 渋谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十  議員提出議案第四号 渋谷区中小企業緊急特別対策資金貸付条例

日程第三十一 議員提出議案第五号 渋谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第三十二 議員提出議案第六号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第三十三 議員提出議案第七号 渋谷区重度要介護高齢者福祉手当条例

日程第三十四 議員提出議案第八号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第三十五 議員提出議案第九号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第三十六 議案第二十五号 平成十七年度渋谷区一般会計補正予算(第六号)

日程第三十七 議案第二十六号 平成十八年度渋谷区一般会計予算

日程第三十八 議案第二十七号 平成十八年度渋谷区国民健康保険事業会計予算

日程第三十九 議案第二十八号 平成十八年度渋谷区老人保健医療事業会計予算

日程第四十  議案第二十九号 平成十八年度渋谷区介護保険事業会計予算

日程第四十一 議案第三十号 特別区人事及び厚生事務組合規約の変更について

日程第四十二 議案第三十一号 東京二十三区清掃協議会規約の変更について

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   開会・開議 午後一時

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(芦沢一明) ただいまから平成十八年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、十一番東 敦子議員、二十七番染谷賢治議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔石川事務局長報告〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 桑原区長、神山助役、内山収入役、星宮企画部長、松井総務部長、山内区民部長、千葉福祉部長、松崎子ども家庭部長、吉村保健衛生部長、古川都市整備部長、坂井土木部長、中島環境清掃部長、佐戸安全対策本部長、柴田防災担当部長、小笠原都市基盤整備調整担当部長、青木教育委員会委員長、池山教育委員会教育長、北村教育委員会事務局次長、甲斐選挙管理委員会委員長、田中選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員、菊池監査委員事務局長。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

渋監発第三十七号

   平成十七年十二月十九日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 浅生博介

               渋谷区監査委員 広瀬 誠

   平成十七年度工事監査の結果に関する報告について

 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百九十九条第九項の規定に基づき、平成十七年度工事監査の結果に関する報告を次のとおり提出する。

   〔以下の朗読を省略いたします〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   平成十七年十二月十六日

 渋谷区議会議長 芦沢一明殿

            特別区人事委員会委員長 北本正雄

   勧告給料表(行(一)七級職再任用)の訂正について

 標記の件について、別紙のとおり誤りがありましたので、お詫び申し上げると共に訂正させていただきます。

   〔別紙の朗読を省略いたします〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

渋監発第三十八号

   平成十七年十二月二十八日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 浅生博介

               渋谷区監査委員 広瀬 誠

   平成十七年十一月末日現在における例月出納検査の結果について

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

渋監発第三十九号

   平成十八年一月六日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 浅生博介

               渋谷区監査委員 広瀬 誠

   平成十七年度第二回定期監査の結果に関する報告について

 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百九十九条第九項の規定に基づき、平成十七年度第二回定期監査の結果に関する報告を次のとおり提出する。

   〔以下の朗読を省略いたします〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

渋監発第四十一号

   平成十八年一月三十一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 浅生博介

               渋谷区監査委員 広瀬 誠

   平成十七年十二月末日現在における例月出納検査の結果について

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

渋監発第四十五号

   平成十八年二月二十八日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 浅生博介

               渋谷区監査委員 広瀬 誠

   平成十八年一月末日現在における例月出納検査の結果について

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(芦沢一明) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成十八年第一回区議会定例会を招集し、平成十八年度予算案を初め多くの議案について御審議をお願いすることになりました。

 第一回定例会の開会に当たり、当面する区政の課題について私の所信の一端を申し上げ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 私の任期も三年を過ぎようとしています。この間、私は、土曜、日曜、夜間を問わず区民生活のあらゆるところに進んで出席するように努めました。それは、そこに私が教えを受けることが多くあると思うが故であります。また、この区民生活を知らずして区政はあり得ないと思うが故であります。

 そこには黙々と社会奉仕に生きる方々、町会、商店会、その他数限りない各団体の発展に尽くされる方々、幼児を初め少年、青少年のために教育活動をされ、文化・スポーツの指導に当たられる方々、シニアクラブで仲よく過ごされる方々、幼児や小中学生にも、そこには言葉にならないたくさんの教えをいただいてきたと思います。

 また、このたくさんの区民のお力で区政が支えられていることをつくづく思います。区民の、この声にならない声を区議会議員各位ともども区政に生かしていくよう努めることが私の職責であると思います。残された任期を力いっぱい努めたいと存じます。

 最初に、国が推進する三位一体改革並びに都区制度改革について、私の考えを申し上げたいと存じます。

 三位一体改革は、地方財政の課題として、歳入歳出両面で地方の自主性、自立性を高め、真に住民に必要な行政サービスを地方が自己の責任で選択できるようにするため、また、国及び地方を通じて簡素で効率的な行財政システムの構築を図るためのものであります。そして、現行三段階の累進税率となっている住民税、税率が一三%、一〇%、五%でございますが、これを一律一〇%とし、かつ都道府県と区市町村の税率配分を、これまでは、一三%の税率のものについては区一〇%、都三%、一〇%の税率のものについては区八%、都二%、五%の税率については区三%、都二%とされていますが、これをすべて画一的に区六%、都四%と、都道府県の配分に傾斜して大きく変更しました。

 現在、平成十八年度税制改正に向け作業が進められております。これによって、二十三区のうち九区は住民税の減収が見込まれ、本区においては歳入の大宗を占める住民税三百九十億のうち、推計七十億の大幅な減収が想定されています。

 昨年十一月、地方財政審議会は緊急提言を行い、「税源移譲に当たっては、住民サービスの多くを担う市町村を重視することが適当である」としたにもかかわらず、今回の国の対応はまことに残念であります。しかも、調整三税の税源偏在を調整するための都区財政調整制度の中で三位一体改革による住民税の減収分を補てん調整しようとすることは筋違いであり、地方分権の趣旨を忘れた数字合わせにすぎません。

 一方、東京都は本年一月、都区のあり方について検討するため、検討組織を都区共同で設置することを提案しました。都の主張は、「行財政改革の新たな指針」によれば、今日の交通・経済活動の広域化に対応して、「基礎的自治体」「広域自治体」の二層性を前提としつつも大都市の総合性、一体性を確保するため、基礎的自治体のあり方や広域自治体、役割分担を検討しようとするものであります。

 しかし、平成十二年度の都区制度改革は、区と区議会が区民と一体となって力を結集し、ようやく実現したものであります。本区は制度改革の実現のために、自区内処理として清掃工場を区内に設置するなど、どれほど議会及び区民が御苦労されたことでしょうか。ようやく制度改革を実現し、東京大都市地域に都を「広域自治体」とし、特別区を「基礎的自治体」とする二層性の自治を実現し、従来あいまいだった都区の役割分担と財源配分の原則が法定され、とりわけ都が「基礎自治体の事務」の領域で行い得る事務の範囲も限定されたところであります。

 しかし、特別区制度調査会の報告にもあるように、東京都の意識は改革前と何ら変化することなく、「都が行う基礎自治体の事務」の範囲に法令上、府県事務であるものを含めるなど、依然としてこの東京大都市地域で、巨大な自治体がすべてを掌握し切れるという大東京都の残像を引きずっております。

 また、広域化、効率化だけがひとり歩きすれば、日本の地方自治は崩壊します。効率化、広域化は何のためかといえば、分権による総合的、民主的な行政運営のためであります。人は理解の届く集団の中でこそ人であり得る、人は、自らの生活空間、社会空間を自らの意思で形成できるからこそ地方自治であることを認識しなければなりません。

 区議会と御連携し、区民の皆様とともにもう一度自治の原点に立ち、地方自治のあり方について考えていただくことが渋谷区の発展につながると考えるものであります。

 さて、国は国民の自助・自立の構造改革に取り組み、国民の負担を増やす税制改革や医療改革を進めておりますが、区民の生活に身近な本区にあっては、そのことが直接区民生活に影響を及ぼさないような最大限の心配りが必要であります。そして、地域の伝統文化を大切にしながら、だれもが互いに支え合うまちづくりを進めねばなりません。

 他方、今日のグローバルな国際社会にあっては、世界と仲よく、国際社会の発展に寄与する人づくりが求められています。そのために、本区は「平和・国際文化都市」として、昨年九月、都市提携をしたトルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区はもちろんのこと、近隣アジア諸国等との幅広い交流を、区議会及び区民各位の御協力を得て進めてまいりたいと存じます。

 次に、区民生活の安全についてであります。

 昨年末、広島、栃木両県で連続して発生した痛ましい事件は、国民に大きな衝撃を与えました。

 本区においても、自発的に各小中学校やPTAを初め区民の皆様がパトロール活動を始められており、敬意を表するものであります。

 しかし、この安全対策が実効性を欠くことのないよう、教育委員会が中心となって各学校で安全マップを作成し、これを各家庭に配布して、地域の方々にも安全対策上の心配りや御協力をいただきたいと考えております。さらに、本区としても、不審者情報や犯罪予防情報を迅速に保護者や地域に提供するため、新たに携帯電話やパソコンへの電子メールによる情報配信を行うことといたしました。

 他方、繁華街の防犯強化のため、渋谷駅ハチ公広場に民間ボランティア団体の協力を得て、防犯パトロールや来街者の相談のため、私設交番を設置します。

 震災対策についてであります。

 この一両年、新潟県中越地震、福岡県西方沖地震、二〇〇五年八月の宮城沖地震、また、東京都区部で震度五強を観測した千葉県北西部地震が発生し、改めて大規模地震への不安は高まってまいりました。

 国の研究機関、地震調査委員会が公表する海溝型地震の長期評価によると、宮城県沖地震、三陸沖北部地震、東海地震などは極めて切迫しており、南関東地震も危険領域に入ったと公表しました。また、活断層型地震も、これまで空白域とされたエリアでも発生が懸念される状況にあります。

 中央防災会議は、とりわけ切迫性が高く被害規模も大きい東京湾北部地震(荒川河口周辺直下プレート間地震、マグニチュード七・三)及び基本被害(死者)が大きい都心西部直下地震(新宿駅周辺直下地震、マグニチュード六・九)に対応した想定被害に対応するため、昨年九月、これまでの南関東地域直下地震対策大綱、九二年策定でございますが、これを廃止し、新たに首都直下地震対策大綱を決定いたしました。そして首都直下地震に備えるため、人命に密接に関連する建築物の耐震化緊急対策方針を定め、社会全体の国家的緊急課題として位置づけ、強力に推進しようとしております。

 本区は既に専門の建築士に委託し、区内建築物三万九千六百棟について、建物の築年数や建物の構造等を測定したハザードマップ、震災危険度マップでございますけれども、これが本年三月完成予定であります。

 したがって、このハザードマップを十二分に活用し、国土交通省の地域住宅交付金制度を活用し、被害の大きい木造住宅の耐震診断及び耐震改修を進めてまいりたいと存じます。耐震改修工事に必要な標準経費を百二十万円とし、高齢者等に対しその三分の二、八十万円を、一般区民に対し二分の一、六十万円を限度として助成してまいりたいと考えます。

 このほか、避難計画の見直しにこの調査結果を生かしてまいります。

 いずれにしましても、災害は常に想定外の被害をもたらすとしても、できることを確実に、有効に実践することこそが被害を確実に減らすと信じ、区民各位の御協力を得て、着実に実行に移したいと存じます。

 高齢者福祉について申し上げたいと存じます。

 長寿社会を実現した我々の課題は、「長生きをしてよかった」と思える社会でなくてはなりません。

 「生きて識る」という言葉があります。長生きをしたがゆえに人生にも社会にも、さらには古典を読んでも、歌を聴いても新たな発見があります。心通わせる友と、共に学ぶことができることは、何とすばらしいことではありませんか。そのためには家から一歩外に出て、生きがいを持ち、また、健康でなければなりません。

 そのためには、体育指導員の皆様あるいは太極拳の指導者等ボランティアの御指導、御協力を得て、敬老館でもいい、日々、軽体操をすることがそのスタートだと思います。また、シニアクラブそれぞれが旅行のプランを立て、峰の原の施設へ行くのもよい。さらに、フラダンスや踊りでもよい。何かを学べるような機会と場づくりをしたいと思います。

 そのために、既存の敬老館のみならず、幡ケ谷高齢者センターの整備−−平成十八年十一月開設を予定しております−−富ケ谷二丁目施設の建設経費、代々木四丁目施設の設計経費などを計上いたしました。

 介護保険についてでありますが、平成十八年度は高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画の初年度であり、三浦文夫委員長を初め計画作成委員会の委員各位に対し、計画策定のため御尽力を賜り、厚くお礼申し上げる次第であります。

 昨年六月、高齢者の自立支援、尊厳の保持を基本としつつ制度の持続可能性を高めるため、介護保険法が改正されました。施設入所者からホテルコストの徴収など、その一部は昨年十月から実施されておりますが、本年四月からは介護予防を中心とする新たなサービス事業がスタートいたします。

 このうち、要介護認定者のうち「要支援」と判定された方については、これまでの「介護給付」から「予防給付」へと給付内容が変わります。また、六十五歳以上の誕生月健診に介護予防のための健診項目を追加し、認定を受けていない一般高齢者に対しスクリーニングを行い、特定(虚弱)高齢者に該当された方を対象に、介護予防のための運動機能の向上や栄養改善など、地域支援事業を実施することとしております。

 そのため地域包括支援センターを設置し、介護予防ケアマネジメントなど地域ケアの支援を総合的に行うこととしております。そのため、従来の六地区を八地区体制に再編することとし、大向地区には本年度から、本町地区については平成二十年度に開設することとし、所要経費を計上しております。

 次に、介護保険の負担についてでありますが、国の税制改革を初め年金・医療保険制度等の改革に伴い、高齢者の負担増が避けられない現下の諸状況を考えると、低所得者のみならず、必ずしも所得が多いとは言えない方々に対しても、きめ細かな配慮が必要であります。

 そのため、第一号被保険者の保険料につきましては介護給付費準備基金を全額取り崩し、また、所得を考慮した保険料負担が可能となるよう、これまでの六段階制を九段階制に改めるとともに、きめ細かな料率の設定を行ってまいります。これにより、本人の区民税が非課税である方の新たな保険料の負担増をゼロに抑えるとともに、所得二百五十万円未満の方についても新たな負担増を極力抑えたものとなります。

 さらに、本区独自策である個別の保険料減額制度につきましては、預貯金限度額を現行の二百四十万円から三百五十万円に引き上げ、対象者を拡大して実施するほか、生活支援手当の支給につきましても引き続き実施してまいります。

 また、介護保険サービスの利用者の負担につきましても、本区独自策の介護保険サービス利用者負担額助成制度の対象サービスに平成十八年度から新たに創設される予防給付、地域密着型サービスを加え、現行の在宅八サービスを二十一サービスに拡大して実施してまいります。

 次に、障害者福祉についてであります。

 本区は平成十五年度に策定した障害者保健福祉計画に基づき、障害者の尊厳の保持と、共に支え合い、共に暮らしていくことのできる社会の実現を基本理念として、障害者福祉の充実に努めてまいりました。

 平成十八年度は、「障害者福祉複合施設」の建設に着手いたします。本施設は、現在の心身障害者福祉センターの用地に、区内で初めてとなる知的障害者入所更生施設三十室を初め知的障害者ショートステイ四室のほか、知的障害者、身体障害者・児童のデイサービスや障害者地域自立生活支援センターを備えるなど、まさに本区の障害者福祉サービスの中核となる施設であります。平成二十年六月の開設を予定しております。

 次に、障害のある人々の自立を支えるため、身体障害、知的障害、精神障害の種別にかかわらず、障害のある方がサービスを利用する仕組みを一元化し、施設、事業の再編を行うとともに、費用負担等について新たに規定した障害者自立支援法が本年四月から施行されます。

 この法の施行に基づき、福祉サービスを利用する方には、原則としてサービスにかかわる一定の定率負担と、所得に応じた月額上限の設定に基づく御負担となります。国は、所得に応じた負担上限額の設定や、施設等に入所する低所得の方には個別減免や補足給付などの負担軽減制度を用意しておりますが、ホームヘルプサービスなどの居宅系サービスについては、社会福祉法人の利用者負担軽減措置のみにとどまっております。

 そこで、負担の均衡を図るため、都と連携して、ホームヘルプサービスを利用する低所得の方々の負担割合を一〇%から三%に軽減する措置を講ずることといたします。加えて区独自の負担軽減策として、デイサービス、ショートステイを利用する際にも同様の負担軽減措置を行うこととし、所要経費を計上しているところであります。

 教育について申し上げたいと存じます。

 学校生活は、数少ない集団生活の場であります。したがって、まず、そこでは集団行動の規律を身につける場と機会であってほしいと思います。また、日本人としての文化を身につける場であってほしいとも思います。これらは、あわせて日本人としての礼節を身につけることであり、国際社会に活躍する人間として最も大切であります。

 二点目は、スポーツや文化に親しみ、目的に向かって積極的な態度を養い、豊かな心とたくましい身体をつくることであります。また、知的創造力を伸ばすためにも、文化やスポーツに親しむことが必要でもあります。

 三点目として、読解力及び基礎・基本の修得を心がけてほしいと思います。そのために区政は協力を惜しまぬつもりであります。

 上原中学校についてであります。

 上原中学校が四月一日から開校いたしますが、建設工事のため、長期にわたり近隣の皆様には御迷惑をかけました。おわび申し上げる次第であります。

 この学校は、生徒が英語や数学などの教科ごとに専用教室を使用する「教科教室型」を導入することにより、子どもたちの学習意欲を高め、確かな学力習得を目指した学校づくりに取り組み、全国公立中学校の範を示してほしいと願っております。

 また、温水プールや体育館などの地域開放は当然のことであり、介護予防などのための地域利用も進めたいと思います。

 豊かな緑を確保し、太陽光発電装置や風力による発電、災害用トイレの設置など、自然を大切にし、人や環境にやさしく地域に開かれた学校を目指してまいります。

 「臨川みんなの図書館」についてでございます。

 二月二十六日、臨川小学校内に「臨川みんなの図書館」が開設されました。この図書館は、図書館までの距離が遠いとされていた恵比寿・広尾方面にとって待望の地域図書館であります。小学校に併設されているという特性を生かし、児童図書の充実を図っております。また、小さなお子さんのためには絵本コーナーを設置し、親子で御利用いただけるようにいたしました。

 子どもたちのための読み聞かせや読書指導に取り組むなど、学校図書館と地域図書館の機能をあわせ持った新たな図書館として、子どもの読書活動をより推進しながら、最終的に一般図書約四万冊、児童図書約二万冊の蔵書数に向けて蔵書の充実を目指し、地域に愛される図書館を目指してまいります。

 次は、放課後クラブについてであります。

 子どもの安全な放課後の居場所として、これまで加計塚、上原、鳩森、広尾、常磐松、神南、富谷の小学校七校で開設してまいりました。平成十八年度にはさらに六校において開設する予定でありますが、保護者から開設のための要望も数多く寄せられており、開設のための環境整備の上、早急に順次拡大してまいります。

 また、その内容につきましても、子どもたちに豊かな放課後を過ごさせるために、学力や体力の向上にもつながり得るスポーツ、文化などの体験学習など魅力あるプログラムの充実に努めながら、早期に小学校二十校全校に設置してまいりたいと存じます。

 次に、少子化対策、子育て支援についてであります。

 渋谷区は、合計特殊出生率は低いことで有名であります。これは、本区が都内でも全国でも未婚率が高く、晩婚が多いことが原因であります。したがって、直接的な結婚や出産を増やす対策は困難でありますが、産みやすい、育てやすい、働きやすい環境づくりこそ重要であります。そのような視点に立って、平成十八年度においては次の施策を展開します。

 まず、子育て家庭の経済的支援と子どもの医療のため、現在、就学前の乳幼児を対象としている医療費助成を「子ども医療費助成」として、中学三年生まで入院費について助成を拡大いたします。

 また、妊娠期間中の経済的負担を軽減し、母体の健康保持・増進を図り、健やかに安心して出産を迎えられるよう、月額五千円のハッピーマザー助成事業を新たに開始します。

 次に、子育てと仕事の両立を図る保育施策として、「美竹の丘保育園」の新設や、既存の公立保育園での定員拡大、認証保育所のさらなる増設によって待機児解消に努め、また、多様化するニーズにこたえ、区民サービスの向上を図ってまいります。

 他方、「子育て広場」等の利用日の拡大、出産、育児などで退職した子育て世代の母親の再就職支援をするための「マザーズ・ワーカーサポート事業」の実施など、子育てと仕事の両立をサポートしてまいります。

 まちづくりについてでありますが、平成十七年十一月に、「協働型のまちづくり」の理念と手続を定めた「まちづくり条例」を施行いたしました。今後は潤いと安らぎのあるまちづくりこそが区政の課題であります。そのために、区民による「協働型のまちづくり」を推進し、地域特性に対応した地区計画や高さ制限についても区内全域に広げていくことが重要であります。本区は都市計画審議会に諮問し、平成二十年度までにそれぞれの地域に対応した高度地区による絶対高さ制限の導入を図ってまいりたいと存じます。

 渋谷駅周辺地域の整備についてであります。

 昨年十二月、渋谷駅を中心に、おおむね半径六百メートルを範囲とした約百三十九ヘクタールの区域が都市再生緊急整備地域として政令で指定されました。本区は「NPO渋谷駅周辺地区まちづくり協議会」の要請等を受け、多くの企業、商店会、町会、まちづくり関係団体等の方々に内容の説明を行いました。

 今後は行政関係者に事業者を交え、官民の役割分担を踏まえ、事業スキーム等について協議・調整を進めていくことが重要であり、本区は国・都とも連携を行い、事業の誘導等を図り、また、地域の合意形成に努め、渋谷の将来像に沿うよう渋谷駅周辺地域の整備を推進していく所存であります。

 次に、商工業の振興についてであります。

 今日、景気は順調に推移し、消費者の購買力にも力強さが見えてまいりましたが、中小商店街においても、このような景気回復の波をより確かなものにする必要があります。そのためには、これからも商店街が結束して、地域ニーズを踏まえた商店街活動を町会等とも連携し、展開することが必要であり、区としてもきめ細かく、商業環境整備や食肉販売店の支援にも踏み込むことといたしました。

 他方、これまでの経営チャレンジ塾の実績を生かし、区内の大学等との連携を図り、創業支援や後継者の育成など、区内中小企業や商店街の創造的な発展を検討してまいりたいと存じます。

 旧大和田小学校跡地に係る文化、教育、福祉の複合施設について申し上げます。

 二十一世紀は「物の豊かさ」から「心の豊かさ」の時代として、夢と希望をはぐくむ文化の時代でなくてはなりません。

 本区においては平成六年、旧教育大跡地に、福祉複合施設「せせらぎ」に併設して音楽ホールの設置を計画しましたが、実現に至りませんでした。しかし、自主的な文化活動の発表の場や交流の場がないという区民の切実な声があり、他方、小中学生の練習成果の合同発表の場が限られており、さらに、伝統文化やすぐれた音楽や演劇など芸術鑑賞のためにも、拠点となる文化施設が求められております。

 そのため平成十五年十一月、文化芸術振興発展に必要な基本方針を定めていただくため、「文化芸術施策検討委員会」を設置し、その提言を踏まえ、今回の中小の文化ホールやプラネタリウムを設置することといたしました。

 また、区民健診や予防接種など区民が利用している桜丘町の医師会館は、老朽化が進み、かつエレベーターもなく、区民がその利用上の支障を来しております。そこで改めて、区民健診、予防接種などのため、「健康センター」を区で設置します。

 他方、看護学校はもともと福祉保健人材の確保策として区側が設置することとされておりましたが、これを医師会の負担で設置することとし、また、医師会館はこれに関連して、区民福祉に寄与する施設として、医師会の費用で複合施設に取り込んで計画をいたしてまいります。このほか、地域ニーズにこたえて図書館や保育園や教育センター−−けやき教室と併設します−−さらには区民活動の場として高齢者の学習や地域集会施設、体育施設を併設してまいります。

 今後はパブリック・コメント制度の手続を経た後、平成二十一年度完成を目途に基本設計、実施設計を済ませ、工事着手を予定しております。

 なお、これらの経費については、平成十八年第一回区議会定例会の補正予算及び平成十八年度中に逐次、財政調整基金を積み立て、財政運営に支障を来さないように十二分に配慮すると同時に、並行して施設運営のあり方についても検討・調整を進めてまいります。

 環境問題についてであります。

 二十一世紀は環境の時代とも言われています。昨年二月には地球温暖化防止に向けた京都議定書が発効し、日本は、二酸化炭素など温室効果ガスを一九九〇年比で、二〇〇八年から二〇一二年までに六%削減することが義務づけられています。

 温暖化によって生じる様々な影響、大型台風、干ばつ、洪水、冷夏などの異常気象を防ぐため、また、持続可能な社会を次の世代に引き継ぐためにも、私たち一人一人がすぐに行動することが求められています。すべての人々がこれまでのライフスタイルを見直し、節電など消費エネルギーの抑制を進め、石油などの化石燃料の消費エネルギーの消費を中心とした社会から、太陽光など自然エネルギーの利用を中心とした社会への変革に取り組まねばなりません。

 そのため、本区は、本庁舎や公会堂について省エネ改修や、上原中学校など太陽光発電装置の取り入れや環境教育などの啓発に取り組み、関連して、新たにペットボトル回収機を設置しさらに資源回収を促進するほか、家庭ごみの発生を抑制するために、生ごみを有機肥料に変える生ごみ処理機の購入費用の一部を助成してまいります。他方、都市環境改善のため、屋上緑化を推進してまいります。

 しかし、一人一人の取り組みでは限界があります。今後は温暖化防止対策を実践する区民運動として、区民、事業者、区など各主体の協力のもと、温暖化対策を展開してまいらねばならないと存じます。

 平成十八年度の行財政運営についてであります。

 簡素で効率的な区政運営は、常に私に課せられた使命であります。

 本区は既に平成八年度以降、行財政改革を総合的に進めてまいりましたが、今後は質の高い行政サービスを実現するため、IT−−情報技術活用による業務改善を進めねばなりません。その目標は、一つには行政コストのさらなる削減、他の一つは行政プロセスの改善によるサービスの質の向上であります。

 既に住民情報システムについては大型コンピュータを小型コンピュータ−−サーバーに切りかえ、かつプログラムについても可能な限りパッケージ利用を進め、情報システム管理経費の節減に努めており、十八年度より住民記録システム、税、国保システム等、順次再構築を進めてまいります。

 加えて窓口事務のワンストップサービスを実施することとし、早急にシステム開発に着手してまいります。これは住民記録や戸籍の事務手続に加え、税の証明発行、国民健康保険料、介護保険料の納付等をできる限り一カ所の窓口で済ますことができるように、総合窓口体制を整備するものであります。

 さらに、庶務事務システム、文書管理システムなどについても導入を進めることとし、方針を定め、迅速な事務処理と効率的な執行体制の整備を進めます。

 次に、区民サービスの向上のための休日開庁についてであります。

 就業形態の多様化や生活時間の変化に伴い、平日の窓口開庁時に来庁困難な区民の方々の御要請にこたえるため、職員労働組合の協力を得て、早期に休日開庁を実施してまいります。基本的に区民の転出入の多い時期に、原則日曜日、午前十時から午後四時を当てたいと思いますが、一定期間の経過後、見直しを図りつつ、サービスの向上に結びつけたいと存じます。

 このほか職員定数を常に見直し、削減するとともに、特殊勤務手当九手当のうち三手当、滞納整理事務特別手当、撤去業務特別手当、防疫業務特別手当を十八年度、一手当、変則勤務特別手当を十九年度までに廃止し、二手当、福祉業務特別手当及び放射線業務特別手当については日額を見直し、両年度で一億三千四百万円を減額する予定であります。

 個人情報の保護及び情報公開条例の見直しについてでありますが、個人情報保護条例は十七年度見直し、既に十八年二月から一部施行いたしました。情報公開条例についても引き続き見直し、十八年度中に改正し、両制度相まって透明な区政の進展に努める所存であります。

 最後に、財政規模について申し上げます。

 平成十八年度の一般会計歳出予算額は七百三十一億八千万円で、前年度に対し三・九%の減であります。この減の主な理由は、旧渋谷小学校跡地施設建設を含む施設建設・改修工事費の減によるものですが、他方、これまで申し上げたとおり、区民福祉に係る施策推進を着実に図っております。

 これに国民健康保険事業会計等の三特別会計、四百六十六億一千三百七十一万八千円を加えまして各会計の合計額は一千百九十七億九千三百七十一万八千円で、前年度に対して二・六%の減となっております。

 本定例会には、ただいま申し上げました予算等を含め、条例案二十四件、平成十七年度補正予算一件、平成十八年度当初予算案四件、監査委員の選任同意一件、その他議決事項二件を御提案しております。

 なお、未確定でありますが、必要に応じ特別区税条例の改正等をお願いすることになります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

 以上をもちまして私の所信表明といたします。

 ありがとうございました。



○議長(芦沢一明) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 二十七番染谷賢治議員。



◆二十七番(染谷賢治) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して質問をいたします。

 まず、渋谷区実施計画二〇〇六の中に、旧大和田小学校跡地複合施設があります。この施設整備のコンセプトとして、文化・教育・福祉・健康の拠点づくりを挙げています。また、各施設の導入に至った経緯として、一つ、自主的な文化活動の発表の場や交流の場、そして小中学生の日ごろの練習成果発表の場、さらには渋谷の文化芸術の拠点となるホールの整備など「文化・芸術の振興へ寄与する施設」、二つ、プラネタリウムや子ども科学センター、教育センターの設置や高齢者などの集会施設、体育施設、さらには図書館や保育園など「次世代の担い手となる子どもたちの育成に寄与する施設」、三つ、区民の健康を守り、健やかな子どもの成長のために、健康センターの整備と医師会館と看護学校の整備など「区民の福祉・保健に寄与する施設」の三つを挙げております。

 この施設整備を考える上で、私が参考になったことがあります。それは本年二月十三日、神宮前ライオンズクラブ十周年のチャーターナイトで、国立社会保障・人口問題研究所の所長であり社会事業大学元学長である京極高宣氏が記念講演の中で、日本の社会は今世紀の前半に少子・高齢化と人口減少を経験します。また、少子・高齢化の社会・経済要因は、女性の結婚、出産、育児に伴う機会と費用−−就職継続の困難さ、三世代同居の減少と父親の育児参加の弱さ、子育て費用、教育費用の高額化、医療技術の進歩の平均余命延長効果などがあります。これを踏まえて、国民、企業、地域、行政にとって今後の新しい日本社会の戦略課題をどうすべきかという内容の講演でありました。

 一方、高齢者にとっては、健やかな長寿はだれもが望むところです。しかし、冷静に見れば、高齢化社会とは体の機能が低下し、回復力も弱まっていくことにほかなりません。

 高齢者は、一たん病気になると自然治癒は望みにくく、どんどん悪くなっていきます。それに対して、これまでの医療はどう対処してきたか。それは、病気にかかった組織を手術によって除去するか、薬によって症状を和らげるかという対症療法がほとんどです。しかし、本格的な高齢化社会を迎えて国民一人一人のクオリティ・オブ・ライフ−−生活の質を踏まえて、医療の面から今後の高齢化社会を支えていくには、根治療法に切りかえていかねばなりません。

 そこで、旧大和田小学校跡地複合施設に関しては、渋谷区医師会との連携をさらに密にし、生活習慣病の予防として、若年から高齢までクオリティの高い健康医療体制を整えてほしいものであります。

 一方、二月二十三日の新聞情報によると、宇宙地図作成のため、赤外線天文衛星「あかり」の打ち上げが成功と報じられました。このところ三基の打ち上げを成功しています。この誇るべき科学力は、世界的にはもちろん、日本の環境問題、耐震の問題など地球の解析に寄与ができる大きな成果であります。

 この宇宙衛星を観察することのできるのも、五島プラネタリウムの思いを子どもたちの夢をはぐくむプラネタリウムとして新たな施設に設置することは、子ども科学センターの設置とともに、まさに次世代の担い手となる子どもたちにとって大きな夢につながるものであります。

 これらの思いを込めた複合施設がつくられるわけですが、その設計と提案には、審査委員会でその審査を行い、最優秀案をパブリック・コメント制度により大きな期待が持てるキャンパスとしてほしいものと思います。

 同時に、藤原正彦氏の著書「国家の品格」にもあります、物事の理論だけでは片づかない情緒とか形とかいうものの意義を考えるようになりました。著者は数学者でありますけれども、人格と品格は四つの愛が基本になると言っております。まず家族愛、郷土愛、そして祖国愛、この三つが固まった後で、最後に人類愛の順序だそうです。

 このようなコンセプトのもと、渋谷のシンボルとなるような施設として旧大和田小学校跡地複合施設を建設してほしいものです。区長の所見をお願いいたします。

 また、三位一体改革による大幅な税収減が見込まれる中で、一層の区民サービスの向上のためにはさらなる行政努力が必要として、十七年十月には「新行財政改革要綱」を策定しました。これを踏まえて、「渋谷区実施計画二〇〇六」では、窓口ワンストップサービスや本庁休日窓口を開設する運びの中で、有機的システムの活用のためのIT化への対応など、行財政改革に取り組むとともに、多くの新規事業が掲載されております。

 この旧大和田小学校複合施設整備も含め、三カ年渋谷区実施計画を完遂させるためにも、私どもは区長の続投を希望しておりますが、区長の御意見をお伺いいたします。

 次に、都区財政調整主要五課題に関する一応の決着をめぐり、区長の今後の対応についてお伺いしたいと存じます。

 二月二十六日、都区協議会が開催され、平成十八年度の都区財政調整等に関する合意がなされましたが、区長を先頭に御努力されたのにもかかわらず、渋谷区にとって甚だ不本意な結果と言わざるを得ないと考えます。このことは、ひとえに都側が自ら行う市町村事務について、法の原則を無視するかのような高圧的態度に終始したことにほかならず、互いに違う土俵での戦いを主張し、かみ合わないまま、平成十二年都区制度改革の趣旨や主要五課題を確認した経緯からも大きく隔たるものとして、都側に押し切られた形になりました。

 ターニングポイントの一つには、区側がタイムリミットの迫る中で一つ一つ検証していく作業は限界との判断により、それまで主張されてきた五課題の一括解決を、年末の区長会で、大都市事務の役割分担を都区制度の将来のあり方の課題として位置づけ、方針を転換したことだと考えます。これにより、他の三課題についての理論立てが崩れ、結果、都側の「仕事が移譲されないのに配分割合を見直すことはあり得ない」という論理に押し切られる格好となったわけです。

 今回、区側の土壇場での足並みの乱れは、とりもなおさず二十三区のそれぞれのバックボーンの違い、いわゆる財政状況の違いにほかならないと思うのです。このことは、まさに二十三区は同床異夢の集団であるとの思いを強くし、喪失感を覚えたのは私ばかりではないと思います。

 これからも都区は、平成十二年の都区制度改革に区切りをつけ、大都市事務の課題を共同で設置する機関で検討を始めるという新たな土俵が用意されたわけですが、ここで一番重要なことは、区民の視点に立って区民の皆さんとともに議論を進めていかなければ、また行政間のパワーゲームに終わってしまう懸念を強く抱くものであります。

 区長所信表明でも「人は、自らの生活空間、社会空間を自らの意思で形成できるからこそ地方自治である」とし、「区民の皆様とともにもう一度自治の原点に立ち、地方自治のあり方について考えていただくこと」と明快に発言されておられることも、我が意を得たりとの思いを強くしております。

 先ごろ特別区制度調査会も検討を再開したと伺っております。

 そこで、区長にお伺いします。

 自治の原点に立ち返り、渋谷の未来像の構築に向け、区、区議会、区民を一体感あるものとしてどのように論議を展開されていかれるおつもりか、また、このことを踏まえた上で、近い将来、渋谷区の将来展望を内外に明確に表明すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、三位一体改革の渋谷区の影響についてお伺いいたします。

 桑原区長は、平成十八年度を初年度として平成二十年度までの三カ年を計画期間とする新たな渋谷区実施計画を策定されました。これまでの計画の成果を受け継ぎつつ、事業の重要性、緊急性など総合的な検討の上に立ち、従来の計画内容を、新たな視点に立ち見直しを図ったものであります。

 その内容は、高齢者福祉の充実、障害者福祉の充実、少子化対策、旧大和田小学校跡地複合施設の整備、協働型のまちづくり、震災対策の強化、電子自治体の推進等区民サービスの向上等、多岐にわたり、区の抱える課題を具体的に示し、対応を図るために重点事業を明示する等工夫を凝らした、区長としての二度目の実施計画であります。

 この実施計画を確実に推進するものとして平成十八年度予算が示され、子どもからお年寄りに至るまで区民各位のライフサイクルにきめ細かく配慮され、安心して健やかに暮らせるまちの実現に向けた予算案だと思うのであります。

 一方、国は地方分権を推進するために三位一体改革を図るとして、地方へ税源を移譲するため、個人住民税率を一〇%にフラット化を内容とする税制改正を予定しております。それによれば、本区では、税源が移譲されるどころか逆に国・都に移譲することになり、区財政の大宗を占める個人住民税は大幅に減収となり、国庫補助金の削減に加えて減収幅が増大すると伺っております。このままでは実施計画に定めた計画事業の推進、区民サービスの実現に影響が出てくるんじゃないかなと危惧するものであります。

 そこで、国の三位一体改革と区の行財政運営につきまして、区長にお伺いいたします。

 まず、三位一体改革の本格的影響が出るのは平成十九年度と聞いておりますが、住民税、国庫補助金、区財政に与える影響をどの程度に想定しているのかお伺いいたします。

 次に、本区はこれまでの危機的な状況においても、区長を筆頭に行財政改革を重ね、都区財政調整交付金に依存することなく、二十三区の中でも最上位を示す財政指標に見られるように、強固な財政基盤と健全財政を堅持してきたことをまず評価するものであります。しかし、三位一体改革は、本区の財政基盤に大きな影響を与えると存じますが、どのように行財政運営を推進し、この難局を乗り切るか、区民サービスの充実に努められるのか、お伺いをいたします。

 次に、震災対策についてお伺いいたします。

 平成十六年八月、政府の地震調査委員会が、南関東で発生するマグニチュード七程度の地震の発生確率を、今後三十年以内に七〇%、今後五十年以内に九〇%であると発表しました。同年十一月には中央防災会議が、首都圏の直下で大地震が起きる場合の震源域十八カ所を想定し、各地がどれぐらいの揺れに襲われるのかを予想し、震度分布を発表しました。その中で、切迫性や都心部の揺れの強さ、広域的広がりのある東京湾北部地震(荒川河口周辺直下プレート間地震、マグニチュード七・三)では、区内のほとんどの区域が震度六弱であり、さらに、基本的な被害(死者)が大きい都心西部直下地震(新宿駅周辺直下地震、マグニチュード六・九)では、区内のほとんどの区域が震度六強であるとされました。その後、十一月にはそれらの地震に基づく被害想定が発表され、最悪の事態で都内全体で死者が一万一千人、全倒壊家屋が五十万件と発表されました。

 そのような被害想定の発表が続く中で、平成十六年十月二十三日、震度七、死者四十人を超える新潟県中越地震が発生し、翌年、十七年三月二十日には震度六弱を観測した福岡県西方沖地震が、四月十一日には震度五強の千葉県北東部地震、七月二十三日には強度五強の千葉県北西部地震、八月十六日には震度六弱の宮城県沖地震が発生しました。

 一方、中央防災会議は、十七年九月に「首都中枢機能の継続性の確保」と「膨大な被害の軽減と対応−−地震に強いまちづくり」を柱に掲げた首都圏直下地震対策大綱を発表しました。この中で、建物の耐震化、防火対策、避難者対策、帰宅困難者対策、企業防災力の向上等々を国全体で取り組んでいく国民運動の展開を提言し、国家的課題として強力に推進しようとしています。

 このような動きの中で、桑原区長は新潟県中越地震の実際に踏まえて、渋谷区の震災対策を検証し、調整の整ったところから実施に移していくとのことで、ペットボトルの備蓄や毛布、マット、衛生用品等の充実、避難所の仮設トイレ整備等推進を図り、地域防災計画の引き続きの検証を示されました。これらのことは、九月一日の総合防災訓練においても一月十七日の渋谷区防災点検の日においても、また、地域訓練の充実の中に着実に形になって成果を上げてきているものと、頼もしく思っております。

 さらにまた、国の機関のデータ公表や都の被害者想定にとらわれているだけでなく、渋谷区独自の被害を想定し、区の対策をしっかりと構成していこうとする震災対策基礎調査を行うことは大変意義深いことであろうと思います。

 この震災対策基礎調査は、既存のデータや過去の地震での倒壊率等の経験的な値からデータを導き出すものではなく、区内の四万棟弱のすべての建物を外観から調査し、その他のデータを精査しながら震災危険度マップ−−ハザードマップをつくっていくもので、内閣府が示す地震防災マップ作成技術資料の計算方式を上回るすぐれたものであると思います。

 国の機関の発表に実際の地震が重なり、首都圏の地震の切迫性が叫ばれ、区民の関心はいや応なしに高まっています。この危機感が高まる中で、その成果を速やかに区民の前に示し、安全なまちづくりに生かしていただきたいと考えます。新年度予算の中にも、家具転倒防止の相談や取りつけ拡大、耐震補強工事経費の補助等、具体的な政策が盛り込まれており、これらを実現する大きな動きが期待されます。

 それを踏まえた上で、区長に伺います。

 まず第一に、ハザードマップにより−−震災危険度マップですね、区民はそれぞれに自分の住む地域の危険度を知り、心配や不安を抱くこともあります。そうしますと、活用の方法がそれぞれ払拭する重要なポイントになります。そこで、でき上がったハザードマップをどのように活用していくのかを伺います。

 二つ、震災対策基礎調査は、外観目視情報により建物の危険度を算出するものであります。中には、内部は頑固な鉄骨組みであっても、外観をデザインとして古風な建物としているところもあり、また、古い建物、木造家屋であっても、既に耐震補強を行ってあればおのずと評価は変わってきます。そのため、外観データを集積したハザードマップには合理性、妥当性が求められますが、区長はどのようにお考えなのか伺います。

 さらに、震災対策基礎調査は、個人の居住に関する情報を集め、それを整理し、データ化し、公表していくわけであり、十分な注意が必要です。今後どのような形でハザードマップを公表し、それに当たってはどのような注意を払っていくのか、お伺いをいたします。

 続きまして、建築物の高さ制限の導入についてお尋ねいたします。

 渋谷区は、文教住宅都市としてのまちと渋谷副都心による商業・業務・交通拠点としてのまちの二つの性格を持っております。この二つのまちの調和のとれたまちづくりを推進し、区と区民、企業等が相互に連携・協力して進める「協働型のまちづくり」を目指して、昨年十月にまちづくり条例を制定しました。私もこのことについては賛同する者の一人であります。

 そして、その実現化方策として、「協働型のまちづくり」の基本的手法として、地域の合意に基づく地区ごとのまちづくりルールである地区計画の策定を今後とも推進する区長の考え方について、まさにそのとおりであると私も思っております。

 しかしながら、区内を見渡してみますと、様々なところで建築物の規制緩和を受けて、大規模敷地や幹線道路沿道では大きな、しかも高層の建築物が建設されるなどして、建築紛争が多発しております。

 住居型の用途地域のすぐ近くにこうした大規模な、かつ高層の建築物が建築された場合、これまで長年にわたり地域で形成されてきた居住環境は一変し、これまで守られてきた景観や街並みが失われてしまいます。また、近隣の住民や日照被害、風害、プライバシー被害など、大変大きな被害を受け、住み続けていくこと自体の困難にさらされます。一たんそうした建築物、建物が建築されてしまえば、その後、何十年にもわたって近隣住民は厳しい環境の中で生活をしていくほかはありません。

 こうした課題にしっかり目を向け、このたび区長が建築物の高さ制限の必要性を認識され、地区計画の手法を基本としながらも高度地区による絶対高さ制限を導入する方向を打ち出されたことにつきましては、高く評価するものであります。

 一方、この建築物の高さ制限を設けることについて、心配する点もあります。

 一点目は、土地の高度利用に一定の制限を加えようとすることにより、建築物の建て替え更新ができなくならないように配慮しなければならないということであります。例えば、特に老朽化したマンションにお住まいの方々が、安心して住み続けられるために建て替えをしようとしたとき、高さ制限があるため建て替え更新ができなくなり、被害に強いまちづくりと相反することになってはならないということであります。

 二点目は、都市の活力を失うものであってはならないということであります。

 渋谷区は、都市基盤施設の整備や商業・業務機能の集積により、生活文化を発信する副都心としての育成も必要であり、土地の高度利用の推進も求められているところでもあります。今日的に様々な課題があると思いますが、こうした点についても十分配慮していただき、まちづくり条例の基本理念と渋谷区の都市将来像をしっかりと見据えて、建築物の高さ制限の導入に当たり、計画的かつ総合的に検討がなされることをお願いした上で、区長にお尋ねいたします。

 建築物の高さ制限、それを導入するに当たり、具体的にスケジュールとその内容をお聞かせください。

 次に、首都高速道路中央環状新宿線及び山手通り拡幅整備事業についてお尋ねをいたします。

 この事業につきましては、私も環境問題を含め、道路が拡幅整備されることに伴って生じる様々な課題を取り上げ、東京都や首都高速道路株式会社と交渉を重ねるとともに、区議会本会議においても、渋谷区としての取り組みについてたびたび質問してまいりました。

 この間、区長は地域住民の要望を受けとめて、先頭に立って問題解決を図ってこられたことについては高く評価するものであります。

 現在、工事は平成十八年度末の完成予定に進められておりますが、特に沿道住民は長期間にわたり騒音、振動に悩まされており、その完成を待ち望んでいるところであります。しかし、昨年末に中央環状新宿線の完成が最大三年遅れの新聞報道がされ、また、これに関連して石原東京都知事もその見通しに触れられたことと仄聞しており、完成予定が三年遅れ、工事が十九年度以降も継続されることについて地域住民は非常に心配しております。

 そこで、区長に伺います。

 こうした状況を踏まえ、今後の首都高速道路中央環状新宿線が山手通り拡幅整備事業の遅れに対しどのように対応されていくのか、お聞かせください。

 次に、福祉であります。

 昨年、高齢者福祉に関しては介護保険法の改正が、そうして障害者福祉に関しては新たな障害者自立支援法が制定されるなど、福祉を取り巻く状況は大きく変化しております。これからは制度の持続可能性を高めるとともに、高齢者や障害者の方々の尊厳の保持と自立の支援を強化していくための取り組みであります。

 しかしながら、これまでのサービスの内容や負担のあり方が変わるため、不安を持つ区民がいることも否定できません。我が自由民主党区議団は、その不安を取り除くため、これまで節目、節目に制度としての問題等をただすとともに、解決策を提案してきたところでありますが、いよいよこれからの新制度が本格的に実施される四月が目前に迫ってくることから、改めて「安心して暮らせる福祉のまち・渋谷」を区長とともに実現していく決意のもと、何点か区長についてお伺いいたします。

 まずは介護保険についてであります。

 介護保険については、既に昨年十月から入所施設における、いわゆるホテルコストの徴収が始まるなど、改正法の一部が実施されております。その実施に当たっては、補足給付など新たな低所得者対策が用意されましたが、制度の変更により利用者の負担が増えることから、現場での混乱や負担増に対し、不安視する向きもあったところであります。

 これに対し、区長は、区民の不安を解消するため様々な工夫をされました。すなわち、特別養護老人ホーム入所者の負担については社会福祉法人による利用者負担軽減制度を活用するとともに、ショートステイの滞在費と食費、デイサービスの食費については渋谷区独自施策である介護保険サービス利用者負担額助成制度を拡充し、その四分の一を助成するなど、低所得者の負担を軽減いたしました。

 また、現場でも、利用者や家族の方々にきめ細かな説明会を開催し、混乱なくスムーズに新制度に移行できたことは高く評価するものであります。

 このような実績を持つ区長であるがゆえに、今回の制度改正においても区民が安心して介護保険を利用できるよう、様々な対策がなされていると確信しておりますが、この安心を確実なものにするために、お伺いいたします。

 介護保険について質問します。

 平成十八年から二十年までの第一号被保険者の新たな介護保険料については、昨年十一月に報告された介護保険事業計画等作成委員会の中間まとめにおいて、現行の月額三千三百八十二円を約四千三百円に引き上げなければならないことが示されております。超高齢化の進行に伴い、介護サービスを利用する人が増していく上でも、やむを得ないところではあります。

 しかし、景気が回復しつつあるとはいえ、安易な負担増を求めることは高齢者の生活に直結し、消費の萎縮を招きかねないなど、ようやく明るい兆しが見え始めた経済に対しても結果として悪影響を与えることにつながりかねません。区民の生活全体を見通した上で、適切な判断が強く求められていると思いますが、新介護保険料の制定に当たって、区長はどのようなお考えに基づきどのような負担を求めていくこととするのか、お伺いをいたします。

 また、皆が公平に費用を負担し、介護を社会全体で支え合っていくというこの制度の基本理念は、区民にも理解されていると考えますが、現実には負担が困難な方もいらっしゃいます。そのような真に負担が困難な方への個別の対策として、これまで渋谷区は独自の保険料軽減策を実施してきましたが、この点についても拡充等を図る考えをお持ちなのか、あわせてお伺いいたします。

 次に、介護サービスであります。

 介護保険では、介護予防重視の観点から、新予防給付や地域支援事業等が創設されました。これまで要介護一とされていた方は今後、要支援二と要介護一に区分され、要支援と認定された方は新予防給付を利用することになります。また、自立と認定された方については、「特定高齢者」と言われる虚弱な高齢者には地域支援事業を実施し、要介護の状態になることを防ぐことが求められるようになるなど、利用できるサービスが大きく変わることになります。そのため、新たなサービスが本当に利用できるのかを不安を持つ方がおられます。

 そこで、利用者が安心してサービスを受けられるよう、お伺いいたします。

 まず、要介護認定についてであります。

 これまでも調査、判定は公正・的確になされていると評価していますが、制度の変わり目でもあることを考慮し、これまで以上に慎重に行うとともに、苦情等についても丁寧に対応していただきたいと考えます。いかがでしょうか。

 また、新予防給付については、利用希望者が利用できるだけのサービス量が確保できているのでしょうか。サービス利用量の見込みや事業の準備状況を教えてください。

 次に、地域支援事業として、渋谷区はどのような事業を実施しているのか、具体的に教えてください。

 また、地域支援事業の実施に当たっては、効果を高めるためにも特定高齢者を適切に抽出し、それぞれの事業に受け継いでいくことが重要だと考えますが、具体的にはどのような方法がとられますか。

 最後に、渋谷区には介護保険の利用料について、真に負担の困難な方には独自に介護保険利用者負担額助成制度を設け、負担軽減に努めてきたところであります。これらの新たなサービスにおける利用者負担についてはどのようにお考えでしょうか。

 次に、基盤整備についてであります。

 まず、地域包括支援センターについてであります。

 従来、在宅介護支援センターが果たした役割を新たに担うことになる地域包括支援センターは、各地域における福祉の総合相談窓口であり、サービスの提供や支援の拠点でもあります。区長は八カ所体制とする方針を打ち出され、平成十八年度から七カ所体制としてスタートできるよう、新たに大向地区の地域包括支援センターとして高齢者センターの準備を既に整えたとのことでありますが、八番目となる本町については、そのスケジュールはどうなっているのかお伺いをいたします。

 次に、高齢者センターについてであります。

 区長が所信表明で述べられましたように、シニアクラブ活動を初めとする高齢者のスポーツや趣味などの活動に対する支援は、これからの団塊の世代が高齢者の仲間入りをする時代にあって、非常に重要な意義を有するものであると評価するものであります。また、こうした元気なシニア全体の活動が、地域や世代間の交流を通じて地域コミュニティの再生や活性に寄与していくものと期待するものであります。

 それゆえに、その活動の拠点となる場も、単に高齢者だけのための施設ではなく、多様な活動に生かせるよう、多角的な視点から整備を進めることが重要であろうと考えるものであります。

 そのような施設の一つである高齢者センターは、その第一号がこの十一月に幡ケ谷地区にオープンをする運びと聞いております。また、富ケ谷地区でも計画が進むとともに、新たに代々木地区でも計画されております。特に富ケ谷地区での計画は、区有地と町会所有地とをあわせて活用しようというものであり、三位一体改革に伴う財政状況の厳しさを思えば、一つの有効な手法と評価できるのではないでしょうか。是非町会とも連携・協力し、計画を進めていただきたいと期待するものであります。

 そこで、これらの高齢者センターの整備の今後のスケジュールはどうなっているのか、お伺いいたします。

 次に、障害者福祉についてであります。

 昨年成立した障害者自立支援法は、障害者基本法の基本理念にのっとり、これまで障害者種別ごとに異なる法律に基づいて提供された福祉サービス等について、共通の制度のもとで一元的に提供する仕組みを創設するほか、サービス等の費用負担については国が義務的に負担する仕組みに改めるなど、制度を充実するとともに、障害者の方々の尊厳の保持と自立の支援を強化するものであります。

 しかし、その内容は、これまでの支援費制度から大きく転換するものであり、利用者やその家族に与える影響が非常に大きいと考えます。

 そこで、利用者や家族が引き続き安心してサービスを利用できるよう、区長にお伺いいたします。

 まず、利用者負担であります。

 四月一日から障害者サービスの利用者負担については、原則一割の定率負担となり、現行の支援費制度における負担とは大きく変わります。障害者の方々の所得が必ずしも多くないという状況を考えますと、利用者やその家族に与える影響が大きいと言わざるを得ません。

 そこで、この定率負担への変更には低所得者への対策が欠かせないと考えられますが、どのようになっているでしょうか。

 また、自治体の中には、独自に負担軽減策を実施することがあるとの報道もありますが、渋谷区として、利用料の減免などの低所得者対策を実施する考えがおありなのか伺います。

 次に、利用者やその家族への周知であります。

 障害者自立支援法に対する関心は高く、一月から二月にかけて区が実施した説明会には非常に多くの方が参加されたと聞いております。この障害者自立支援法は、その内容が順次施行されるため、国の政省令等の準備が遅れておりまして、全体として詳細がいまだに明らかになっていない部分もあります。特に障害福祉サービスについては、今後、従来のサービスが新たな体系に整理され、十月には順次実施されていくことを考えあわせると、先ほどの利用者負担における低所得者対策だけではなく、制度そのものについても、今後さらに利用者や家族の方々への情報提供や周知徹底が重要になると考えますが、いかがでございましょうか。

 国では、この答申に盛り込まれた内容について各項目ごとに新たなる検討が続けられていると聞いております。先月の新聞には、次の学習指導要領は、すべての教科の基本として「言葉の力」を据えること、また、ゆとり教育についても転換の方向ではないかと報道もされているようであります。

 これまでも渋谷区では教育目標と基本方針に基づき、英語教育重点校の松濤中学校、中高一貫連携校の広尾中学校、教科教室型の上原中学校などの特色ある学校づくりを進め、学校教育の充実に様々な形で取り組んでいます。こういった国の動向を踏まえて、将来を担う子どもたちのために今後の渋谷区の学校教育はどのような方向を目指していくのか、教育委員会としての考えをお示しいただきたいと思います。教育長にお伺いいたします。

 また、三月末の完成に向けて、現在、工事中の上原中学校についてお伺いいたします。

 待望の上原中学校の校舎でありますが、工事の進捗状況がやや遅れ気味との話も聞いております。三月の卒業式、四月の入学式など大切な学校行事となる予定なのか、改めてお聞かせください。教育長の所見を伺います。

 また、現在、上原中学校が仮設施設として使用している旧代々木高校跡地の活用について伺います。

 旧代々木高校跡地は、校舎についてはもともと土地、建物とも渋谷区の財産であり、体育館とグラウンドについては土地、建物とも東京都の財産であり、上原中学校が使用するために借用しているものと聞いております。

 交通の便もよく、高台の良好な環境にある貴重な財産である旧代々木高校跡地については、区内の文化・スポーツ施設などの地域的なバランスも考慮して、将来の活用の期待も高い場所ではないかと考えます。上原中学校が改築移転の後は、当面は旧大和田小学校跡地施設にある施設機能の仮移転場所として活用されるとの話も伺っていますが、その後の旧代々木高校跡地を買収し、新たなる区民福祉の拠点づくりをすべきと考えますが、区長、どうでしょうか、考えを聞かせてください。

 次に、二学期制の導入結果について伺います。

 渋谷区では、子どもたちの学力の向上のため取り組みが様々な形で進められていますが、平成十七年度から、区立のすべての小・中校と幼稚園に二学期制が導入されました。前期と後期の間となる、昨年の十月の体育の日の前後には、いわゆる秋休みが設けられ、子どもたちは、それぞれの過ごし方で初めての秋休みを体験したものと伺っています。

 それぞれの学校や幼稚園では、この二学期制の利点をどのように生かし、また、導入に際しどのような課題があったか、どのように工夫をして取り組んできたのか、導入された最初の年度である本年度の二学期制の実施状況についてお聞きしたいと思います。教育長、お伺いをいたします。

 渋谷区では、学区域外の学校を選択することができる学校希望選択制を導入し、平成十六年から小中学校で実施しています。平成十六年度以降、平成十八年度、この四月に入学する新入生まで三年度にわたり実施してきた学校希望選択制を、これまでのところでどのように評価をされているか、教育長の御所見を伺います。

 また、昨年来、子どもたちが犠牲となるような痛ましい事件が続いています。一方では、学校希望選択制導入により、これまでより遠くから通学してくる子どもたちが増えているのではないかと思われます。通学路において安全性の確保が課題となっている昨今の社会情勢の中、教育委員会として安全対策についてどのように考えているか、教育長の所見を伺います。

 放課後クラブについて伺います。

 昨今、合計特殊出生率といった数字が報道で大きく取り上げられ、少子化対策、子育て支援が国や社会全体の重要課題とも言われる状況にあります。

 一月末から新たに神南小学校、富谷小学校で放課後クラブが開設されたと聞いております。これによって、既に小学校七校に放課後クラブが設置されたことになります。学校の中に放課後クラブが設置されることで、学校から離れた所にある学童館に通うための安全面からの不安からも解消されるため、各学校の保護者から、一日も早い放課後クラブの開設を望む声が寄せられていると伺います。

 一方で、学童館を廃止することに反対する運動もあると聞きます。また、学童館に通わせる子どもたちの保護者も参加している「保育園を考える親の会」といったグループの皆さんからは、学童クラブについて緊急の要望として、学童クラブが放課後クラブに移行することについて、今後の学童館施設の活用の方向や、これまでの学童クラブ機能が放課後クラブにどのように引き継がれていくのかについての説明が求められています。

 平成十七年第四回定例会において、区長は、今まで学童館が担ってきた学童保育事業は、その役割を小学校に設置する放課後クラブ事業に順次移行していくとの意向を示されました。区政運営全体を踏まえた総合的視野からの考えであると思いますが、このことについては、今後の学童館施設の活用の方向を踏まえて、区長の所見を伺います。

 また、平成十八年度当初予算において、放課後クラブ事業についてはさらに六校分の経費が計上されていますが、平成十八年度に開設される予定である具体的な学校名と開設時期を、さらに残り七校の開設予定時期について、放課後クラブにこれまでの学童クラブ機能がどのように引き継がれていくのかを含めてお聞かせください。教育長の所見を伺います。

 次に、総合型地域スポーツクラブへの支援、育成について伺います。

 国・文部科学省は、国民のだれもがそれぞれの体力や年齢、技術、興味、目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現を目指して、地域住民の自主・自発性により自立的な運営体制を整え、子どもから高齢者までの多世代が多種目、多目的のスポーツ活動を、専門的な指導者により身近な地域で楽しむことのできるクラブとして、平成七年度以来、総合型地域スポーツクラブの育成を目指しています。

 渋谷区においては昨年十一月に初台地区が、今年に入り、先日は笹塚・幡ケ谷、本町、新橋、上原・富ケ谷に、それぞれ総合型地域スポーツクラブが設立されました。合計五つのクラブが立ち上がりました。

 これまで地域の発意で設立された総合型地域スポーツクラブに対して、区または教育委員会として今後どのように支援をし、育成をしていくのか、考えをお聞かせください。教育長にお伺いをいたします。

 渋谷区少年スポーツ団体協議会への負担金の問題について伺います。

 この渋谷区少年スポーツ団体協議会負担金は、地域で子どもたちのためサッカーや野球、柔道や空手、スポーツ活動をしている団体に対して夏季合宿の交通費の一部を支援する趣旨で、団体や保護者からの要望により、平成九年度以来、助成されてきたものであります。

 平成十七年の第三回定例会の決算特別委員会において、渋谷区少年スポーツ団体協議会負担金に関して、関係四団体の負担金が自主返還されたことについては教育委員会よりも報告がありました。その後、渋谷区少年スポーツ団体協議会への負担金についてはさらなる調査が行われたことを聞いています。その調査結果について、改めて報告を求めたいと思います。教育長の所見をお伺いいたします。

 よろしくお願いいたします。



○副議長(松岡定俊) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団、染谷賢治議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初に、旧大和田小学校跡地複合施設についてのお尋ねでございます。

 染谷議員は御質問の中で、まず各施設の導入経緯について触れられ、他方、少子・高齢化の社会・経済要因にも言及され、長期的な社会の発展の方向を展望されながらも高邁な意見を展開されたと、このように思います。その上で、今日の社会情勢に対応し、高齢社会に備え、生活習慣病を予防し、質の高い健康医療サービスの場としての「健康センター」であってほしいと、そのような理想もお話になられ、共感を覚えるものでございます。

 また、このところ立て続けに三基の衛星の打ち上げに成功している日本の誇るべき科学力にも言及されまして、また、それが環境問題や震災、地震等の問題の解決にも寄与するような、そして教育に夢をはぐくむプラネタリウムになってほしいなと、あるいは子ども科学センターであってほしいなと、このような大きな期待を寄せていただきました。

 さらには藤原正彦氏の著書「国家の品格」を引用されながらも、国民は物事の論理だけでは片づかない情緒や形を大切にしていく、人格、品格の基本として家族愛、郷土愛、祖国愛、人類愛の四つの愛について話されまして、あるべき人間、あるべき社会、国家について切々とお話しになったと、このように思います。

 そして、これら理想の実現のために、渋谷のシンボルとして旧大和田小学校跡地施設を建設してほしいんだと、このような御提言であったと思い、まことに心強く思うものでございます。

 また、医師会との連携を密にいたしまして、生活習慣病の予防として、若年の者から高齢者までのクオリティの高い健康医療体制を整えてほしいんだということでございます。高性能機能やその医療体制等を準備して、一挙にそれを実現することは難しいことでございますけれども、健康センターのあり方として、そのような機能の発揮をできるような、そういうものであってほしいということを渋谷区医師会にもお願いをしてまいりたいと、このように思います。

 品格、人格の基本となる四つの愛についてでございますけども、単に目先の損得でなくて、人間のあり方、社会のあり方、祖国のあり方等も踏まえた人間教育を考え、その場となる音楽ホール、あるいはプラネタリウム、あるいは子ども科学センター、そういった人間をはぐくむ施設として今後の施設整備、設置、さらには運営に意を尽くしてまいりたいと、このように思う次第でございます。

 次に、区長として私の続投についての決意をお尋ねになったと、このように思います。

 私は、任期一年余でございますけども、あえて実施計画を策定いたしました。それは、教育にいたしましても文化施策にいたしましても、あるいはまちづくりにしましても環境にいたしましても、単年度処理で終わるものはないと、このように思い、十八年度予算を三カ年の実施計画の中に位置づけ、その方向を明らかにしようとしたものでございます。

 十八年度は三位一体改革に伴う歳入の減収、それへの対応、とりわけ財政調整のあり方、この辺もしっかりやっていかなくちゃならない、さらには行財政改革の方向もしっかり見極めていかなくてはならないと、私は自分の職責を思うものでございます。

 私を評価し、再選に支持をしていただくことは大変ありがたいことでございますけれども、それら諸課題の推進にまずは専心をしていく、その上で一定の時期に決断をさせていただきたいと、このように思っているものでございます。

 次に、都区財政調整主要五課題についての区長の今後の対応について、二点お尋ねであったと、このように思います。

 まず、渋谷の未来像の構築でございます。

 区、区議会、区民を一体感あるものとして、どのような議論を展開していくのかということでございました。

 せんだって報告のありました特別区調査会のこの報告、これは都側の主張のような形でやろうということではないんです。各区が主となって、今までの権限をさらに拡充していくか、あるいは共通的に大都市事務について各区が連携して取り組んでいく、主となって連携して取り組んでいくというような方向であったと私は思っているわけでございます。

 一方、都の主張でございますけれども、「行財政改革の新たな指針」これ私も読みました。しかし、これは大変目が粗い。大都市事務の主張だけで、広域化に伴って二十三区のこの区が四つか五つになった場合に、その区民の意見をどう反映させていくのかというシステムについては机上のシステムでしかないと、私、そのように思っております。

 私はまた、二十三区が一致して都区共同検討組織につくとしても、区側はその前に、どういうスタンスでこの共同検討組織につくのか、その辺を明確にしていかなくちゃならない、このように思っております。一方、同時に、区議会や区民との連携をこれまで以上に密接連携をし、今の問題で今、区政の抱えている課題は何かと、そういったことについても啓発をしていかなくちゃいかんと、このようにも思っているものでございます。

 区のこの将来展望像を明確に表明していく、そのことについては、これから皆様方との共同の作業としてやっていくべきことではないのかなと思っている次第でございます。そのタイミングに向けて、私は区と区議会、区民が共通認識を持ち、また、日ごろより研修をしていく、研さんを積んでいく、そのことをやっていきたいと、このように思っている次第でございます。

 次に、三位一体改革の本区の影響についてでございます。

 個人住民税につきまして、一〇%フラット化、さらには都区の配分割合の変更によりまして、十七年度課税ベースで推計いたしますと住民税については約七十億円の減収だと、このように申し上げました。さらに国庫支出金、都支出金については、これは補助金のカットという形で、これは十一億円になろうかと、このように思います。さらに、この恒久的減税への対応として、地方特例交付金、これは、この平成二十一年度に向けて激変緩和による、だんだんとこう減らしていくという形でございまして、総額では二十八億。平成十八年度では約十三億、二十八億のうち十三億が減収になるというようなことでございます。そういったことを考えあわせながら、十九年度における影響額はマイナスの九十四億と、このように算定するところでございます。

 他方、プラス面としては、定率減税の廃止等、税制改正増収分でございますが、平成十七年度に対しては十六億円程度であろうと、このように思っております。三位一体改革による都区財政調整のあり方、これは決まっておりませんから、総額も決まっていなければ配分の算定方法も決まっておりませんから、懇談会では明確になりませんけれども、このことについては私もしっかり確保する努力をしてまいりたいと、このように思っている次第でございます。

 いずれにいたしましても、この難局、今、現状は流動的でございます。一方では減収の方向を見定めつつも、他方では政策等の方向をしっかりと固めていく、一方では行財政改革を進めていく、そのようなことの総合的な施策の中で、私はこの難局を乗り切ることができるであろう、このように思っておりますし、また、皆様方の御心配をかけないような、生き残る道を専心努力をしてまいりますので、御協力をお願いしたいと、このように存じます。

 次に、地震についての、震災対策についてのお尋ねでございます。

 まず、ハザードマップをどのように活用していくのかということでございます。このハザードマップ、震災危険度マップでございますけども、この渋谷が甚大な被害を想定される首都直下型地震によって防災のさらなる対策を強化していく、そのような目的を置きまして、渋谷の現実にそれぞれの建物、あるいは地形、あるいは道路、工作物等の危険箇所等の実態調査を建築士の方々にお願いをしてまいりまして、これが年度内にでき上がるわけでございます。

 この作成に当たりましては、今、申し上げましたように、区内の建築士に委託をした、そして建物の築年数、あるいは構造をデータ化して、これを、区内の建物全棟を外から見た外観目視によって調査したデータでございます。これによりまして、区内の倒壊危険度、どれぐらいが倒壊するだろう、端的に言えば。あるいは区内の危険箇所がどうなってくるか、こういったことについて、私は、明確になってきた段階でこのことを周知することによって震災対策の普及啓発をさらに一層高めていくことができる、さらには各家庭への相談にも応じることによって、さらにさらに耐震診断や、この改修補強工事を進めていくアクセルにもなるんではないかと、このように思っております。

 一方では、地域の連携による共助、これまで大変自主防災組織の皆様方には御協力をいただいてまいりましたけども、これらのデータをもとに支援策を強化していきたい、このように思っている次第でございます。これからもよろしく御協力のほどお願い申し上げたいと存じます。

 次に、外観データを集積したハザードマップの、これ自身がひとり歩きしないか、合理性、妥当性についてどう考えているかということでございます。

 このデータというのは、先ほども申し上げましたように、この建築物の構造あるいは築年数のデータに、専門の建築士が外観から目視によりまして、国土交通省が定める耐震診断基準あるいはこの耐震診断の補強方法に準拠いたしました建物の外壁のモルタル等の変形、剥離、欠損、その他地盤沈下による傾斜等の経年指標、あるいは建物の平面形の不整形、あるいは増築の有無といった形状指標を加えて精度を増していこうと、こういうことでございます。これらのデータから、内閣府が示しております地震防災マップ作成技術資料の「計測震度−建物全壊率関係表」というものがございますけれども、それによって倒壊率を導き出し、地図上に表現していくというものでございます。

 したがいまして、区が採用したこの手法について十分説明し、耐震補強に結びつけてまいりたい、このように思っているものでございます。

 次に、このハザードマップの公表については、一方では、不安を招かないような十分な注意が必要ではないかと、この公表についてどのような注意を払うのかということでございました。

 ハザードマップのこの公表そのものにつきましては、地域としての倒壊危険度でお示しをしたい。それは、個人の家の特定を避けまして、五十メートル四方を一単位として七色、七段階の色に分けるということでございます。そのことにつきまして、公表に当たりましては、さらに建物の築年数と構造及び地盤データに外観目視調査によるデータ測定であること、単位内の平均値であること、地域の危険性を知り対策を立てていく、そういった目的のものであること等をしっかり明記した地域の災害対策のマップとしたい、このように思っている次第でございます。

 なお、個別に、具体的に出さなくてはならない、そういった資料につきましては、消防署や、あるいは消防団、あるいは地域の自主防災組織との打ち合わせには必要なこともあろうと思いますけれども、このことにつきましては個人情報の保護及び情報公開審議会とも協議の上、活用について万全を期してまいりたい、このように思っている次第でございます。

 次に、建築物の高さ制限について、それが建物の更新や都市の活力を奪うことのないように、また、具体的なスケジュールをどのように考えるか、こういうお尋ねであったと思います。

 この地区計画は、一部の区域に限定した制限でございまして、策定にも相当な時間が必要となる。地区計画というものは時間が必要となる。したがいまして、新たな建築計画が出されてから地区計画で対応することは困難でございます。したがいまして、今回、区域全体とした高度地区による絶対高さ制限を導入してまいりたいと、このように思っておりますし、そのことはまた議会の要請でもあったと、私、思っている次第でございます。

 高度地区による絶対高さ制限というものは、どちらかといえば地域特性をなかなか反映しにくいというような欠点を持っている。どうしても画一的にならざるを得ないという課題もあるわけでございます。そのためには協働型まちづくりを実践いたしまして、それぞれの、この地域の特性を反映させながら、検討段階からまちづくり協議会をお願いいたしまして、さらには各地域で十分論議を深めて合意形成に結びつけていただきたいなと、その結果がこの絶対高さ制限の導入の前提であろうと、私、そのようにも思っている次第でございます。

 将来、建物更新のためには、私は、これからはですね、自主的に再築に備えた資金を積み重ねていくということがビル管理者としては必要でないのかなと、このように思っております。そうでなければ建物建て替えのたびにですね、これを容積率を増やしていくということではですね、最後には、もう空のてっぺんにまで届かなくちゃいかんと、こういうような形になってこよう。やはり限界というものを考えて、そしてまたやっていただかないとですね、これは無理かなというように思っている次第でございます。

 おっしゃっている御指摘の点は十分踏まえながらも、私は、この建物の高さ制限については計画的かつ総合的に検討を進めてまいりたいと、このように思う次第でございます。

 具体的なスケジュールにつきましては、平成十八年度には既存の建築物の高さの調査を実施するとともに、地域ごとにまちづくり協議会や地域別区民会議の場で高さ制限について十分御議論をいただき、区民の意見を取りまとめていきたい。十九年度には各地域での意見集約を受けまして、地域特性を反映した絶対高さ制限の原案を、これを都市計画審議会に御検討いただきたいなと、このように思います。さらには、二十年度にはそのことに基づいて都市計画決定をするというような段取り、スケジュールを経たい、このように思っているものでございます。

 次に、首都高の中央環状線新宿線の完成が三年遅れるという報道に対して、渋谷区はどう対応するんだと、こういうことでございます。

 染谷議員がこのことに長い間、献身的に御努力をいただいたことに敬意を表したいと、このように思います。

 私は、このことについて東京都が新宿線工程等管理委員会を設置して工程等を精査した結果、二十一年度までに全線を完成できると結論を得たというふうに聞いているところでございます。このことは東京都の施行責任でありますから、当然のことながら東京都が沿道地域の住民に対する説明を十分行って、そして理解を得ていく、その努力が何よりも大切であろうと、このように思いますし、私もそのための努力を惜しまない、このように考えております。どうぞよろしくお願いいたしたいと存じます。

 次に、福祉についてのお尋ねでございます。

 介護保険でございますけれども、この新介護保険料の設定に当たって、区長の考え方をお尋ねでございます。

 この介護保険、言うまでもなく、皆様方に申し上げるまでもないことでございますけれども、この費用は皆で公平に負担していく、そして介護を社会全体で支え合っていく制度として発足したわけでございまして、介護給付費が増加すれば、当然必要な費用を応分に負担をしていかなくてはならないということが基本原則であるわけでございます。

 しかしながら、私、このことについて所信表明でも申し上げましたけれども、国の税制改革を初め年金・医療制度改革等に伴いまして、高齢者の負担増が避けられない現下の状況を思いますと、染谷議員のおっしゃるとおり、区民の生活全体を見通した上で適切な判断が求められていると、このように思いました。

 新介護保険料の設定に当たりましては、低所得者のみならず、必ずしも所得が多いと言えない方々に対してもきめ細かい配慮をしていく、そのような方針で臨んでいるわけでございます。そのため、第一号被保険者の保険料につきましては介護給付費準備基金、今、二億五千万ぐらいありますけれども、まずこれを全額取り崩したいと、このように思っております。また、所得を考慮した保険料負担が可能となるように、これまでの六段階制から九段階制に改めたい、このように思っております。

 これによりまして、介護保険事業計画等作成委員会の「中間のまとめ」においてお示しいただきました基準月額約四千三百円を四千二百二十五円に引き下げるとともに、所得を考慮したきめ細かな料率の設定によりまして、本人区民税の非課税である方々の新たな保険料の負担増は、これは増やさない、負担増を、これまでに比べて増やさないということでございます。また、所得二百五十万円未満の方々についても、負担増を月額にして四百二十五円にとどめさせていただいているわけでございます。

 さらに、真に保険料負担が困難な方に対しましては、その保険料の二分の一に減額する本区独自の保険料軽減策を実施してまいりました。これも区議会からの御要請によって対応したところでもあるわけでございますけれども、平成十八年度からは預貯金限度額上限を、現行の二百四十万から三百五十万に引き上げる、それによって対象者を拡大して実施するということのほかに、これまで保険料第一段階の老齢福祉年金受給者を対象とした生活支援手当の支給をお受けになっている方は、これまでと同様の対応をしていくということでございます。御理解をいただきたいと存じます。

 次に、要介護認定については制度の変わり目である、このことを踏まえて、これまで以上に慎重に行い、苦情についても丁寧に対応してもらいたいと、こういうお尋ねでございます。

 これまでも、要介護認定につきましては介護認定審査会の委員長連絡会、あるいは介護認定調査員の学習会というものを開催いたしまして、その公平性を確保してまいりましたけども、染谷議員の御指摘のとおり、十八年度からは介護予防を重視した、そういった観点から新予防給付が創設される。これまで要介護一とされてこられた方が一方では要支援に、それと要介護一と、こういうふうに分かれる、区分されるわけでございます。それに伴いまして、認定調査項目等の増加等もございますので、これまで以上に公平かつ的確な要介護認定を行っていくとともに、苦情等につきましても親切丁寧に対応してまいりたいと、このように思う次第でございます。

 次に、新予防給付について、サービス利用の見込み、サービス量を確保できるのか、あるいは事業者の準備状況についてのお尋ねでございました。

 新予防給付のサービス利用の見込みにつきましては、現在の要支援の方のほとんどと、要介護一の方の六割程度が新たな対象となると見込んでいるところでございます。

 事業者の準備状況については、ホームヘルプサービスやデイサービス、ショートステイなどの在宅サービスを提供している事業者のうち、ほとんどの事業者が新予防給付提供の準備を進めているところでございますので、サービス量確保については心配がないと、私、そのようにも思っているところでございます。

 いずれにいたしましても、新予防給付のサービス利用者が安心してサービスを受けられるような、そういう対策を、万全を期してまいります。

 次に、地域支援事業について、区はどのような事業を実施していくのかというお尋ねでございました。

 地域支援事業は、要支援・要介護状況に至らない、虚弱である高齢者を対象とするものでございます。介護予防を目的として実施する事業であり、この事業の主体は地域包括支援センターによる介護予防マネジメントに基づき、区市町村が主体となるということでございます。

 事業の内容といたしまして、一方では運動器の機能向上、栄養改善指導、口腔機能の向上などが主要であり、あわせまして閉じこもり、うつ、認知症の予防も取り込み実施するものでございます。具体的には、現在実施しております転倒骨折予防教室の拡充をしていくほか、「美竹の丘・しぶや」におきますマシンを使った筋力アップ事業等が予定されているところでございます。

 今後は栄養相談、口腔ケアなどの事業を含め、条件整備をいたしてまいりたいと、このように存じます。

 また、地域支援事業の実施に当たって、特定高齢者を適切に抽出し、それらの事業につないでいくことが重要である、その具体的な方策についてのお尋ねであったと、このように思います。

 特定高齢者の抽出のためには、区民誕生月健診がございますけれども、その中で、各医療機関において基本チェックリストを用いて特定高齢者の候補者の選定をしていただく、そのための第一次スクリーニングを行うわけでございます。その上で、地域包括支援センターでは、この特定高齢者の候補者につきまして第二次スクリーニングを行い、その方々について介護予防ケアプランを作成するということに相なり、介護予防事業につないでいく、こういう形に相なろうと、このように思っております。

 次に、介護保険の利用料につきまして、渋谷区は独自に介護保険サービス利用者負担額助成制度を設けて負担減額に努めてきたけれども、この新たなサービスについても、どういうふうに利用者負担を考えるかというお話でございます。

 新予防給付など新たなサービスにおきます利用者負担についてでございますけれども、これまで渋谷区の実施してまいりました利用者負担制度、三%でございますけども、これを既にショートステイの滞在費と食費、あるいはデイサービスの食費負担の四分の一助成、これはもう既にやっているわけでございますけども、十八年度からは、新たに創設されます新予防給付や地域密着型サービス、これを加えまして、対象サービスを在宅二十一サービスに拡大いたしまして、三%でやるというように考えているところでございます。

 また、地域支援事業につきましては、当面は実費負担のみにとどめると、このように考え、それに伴います利用状況の推移を見たいと、このように思っております。

 次に、この地域包括支援センターについて、とりわけこの八番目となる本町地区の包括支援センターの開設スケジュールについてのお尋ねでございます。

 設置予定地は、平成十七年第四回定例会におきまして用地取得について御承認をいただきました、本町二丁目の幡ケ谷浴場跡地でございます。この用地を活用いたしまして、地域包括支援センターを含む施設の建設を予定しておりまして、十八年度に実施設計、十九年度に着工し、二十年度開設、このような予定でございます。

 高齢者センターの今後の整備スケジュールについて、お伺いでございました。

 高齢者の方々が地域で、主体的なグループ活動を通して健康づくりや仲間づくりの拠点として、高齢者センターを整備してまいりたい、このように思っております。今年の十一月には幡ケ谷高齢者センターを開設予定でございます。その後、富ケ谷地区施設については十八年度−−本年度に建設着工し、十九年度に開設、また、代々木地区でございますけれども、これは現在の参宮橋公園の隣接する所でございますけれども、ここに十八年度に実施設計、十九年度に着工、二十年度に開設予定と、こういうような形で進めてまいりたいと存じます。

 なお、富ケ谷地区につきましては、地元の町会初め地域の方々と十分協議し、御協力をいただきながら進めてまいりたい、このように思う次第でございます。

 障害者福祉についてのお尋ねでございました。

 このことについて、一点目として、渋谷区として利用料減免について、独自の低所得者対策を実施するのかということでございました。

 障害者自立支援法の施行に伴います定率負担への変更に対しまして、低所得者への配慮はどのようにあるべきかということであるわけでございますけども、障害者自立支援法が、お互いが支え合う仕組みの強化であるということでございます。その法律の精神は尊重しなければならないだろう、このように思いますが、定率負担には上限額が設けられているとはいえ、低所得の方々には十分な配慮の上で実施されることが重要であると、このように思っております。

 この制度では、一定の条件を満たす低所得者の人、なお施設へ入所している方を対象として定率負担を軽減する個別減免、あるいは食費の実費負担を軽減する補足給付などが整備されているわけでございますが、一方では、このホームヘルプサービスなどの居宅系サービスについては、施設入所者等に比べてバランスがとれているとは言えない、このような状況にあろうかと、このように思っております。

 そのために、本区として利用できる負担軽減措置を実施していくということにいたしました。

 ホームヘルプサービスについては、都と区が連携いたしまして、定率負担の割合を一〇%から三%に引き下げる。また、ショートステイ、デイサービスについても区の独自施策として定率負担の割合を三%に引き下げる措置を実施してまいりたい、このように思っております。

 これにより低所得の方について、入所の方も居宅の方も負担軽減措置を受けられるよう配慮し、新制度への円滑な移行を図ってまいります。

 もう一点は、この障害者自立支援法について、その制度そのものについて利用者や家族にさらなる情報提供や周知徹底を図るようにと、こういうお気遣いであったと思います。

 障害者自立支援法に基づく制度の説明会には多くの皆様方が御参加をされ、新たな制度への関心が非常に高いというふうに思っております。このことから、近く区ニュースにおいて制度説明の特集記事を掲載する、また、自立支援法に基づく新たな事業体系が明確化された段階で、区民の皆様への説明会を再度開催し、新たな制度に基づくサービスを利用していただけるよう細心の注意をしてまいりたい、このように思っております。

 上原中学校について、私にお尋ねでございました。

 この上原中学校の改築、移転の跡について、当面は、この大和田の小学校跡地施設の施設機能が移転するとしても、その後を区民のために活用する、そして区民福祉の拠点づくりをすべきであるというお尋ねであったと、このように思います。

 旧代々木高校跡地につきましては、区内の文化あるいはスポーツ施設など地域的バランスを考慮して、将来の活用にも期待が高い場所であると、このように思っているわけでございます。議員の御発言のとおり、旧代々木高校跡地につきましては、まだ定まった方針はないわけでございますけれども、文化、スポーツ、福祉、そういった総合的な視点から検討を加えて、その活用を図っていかなくてはならないと、私、そのように思っております。

 体育館、グラウンドにつきましては、現在、東京都の所有でございますから、十八年度についてはこれを今までどおり使えるような、そういう措置を予算でも講じておりますけれども、さらには用地取得の交渉をしてまいりたい、そして、これらを含めて総合的にどう利用していくか内部組織で検討いたしまして、また、そのことについては区議会に報告し、また、御意見をいただきながら進めてまいりたい、このように思っている次第でございます。

 放課後クラブについてのお尋ねでございます。

 学童クラブ機能が放課後クラブにどのように引き継がれていくのかということでございました。そしてまた今後の、学童館が廃止されるとすれば、それをどのようにまた活用していくのかというようなお尋ねであったと存じます。

 この放課後クラブにつきましては、現在の学童館、これは六年生まで条例上は利用できるんですけれども、現状では定員の制約があって三年までしか利用できない、そういうような状況がございます。しかし、現実といいましょうか、やはり六年までは、この働いていらっしゃる御父兄の皆様、あるいは留守にされる御父兄の皆様方からは、安心して子どもが時間を過ごせるような、そのような対応をしてほしいと、こういうようなお話が非常に強くなっているわけでございます。

 だとしますと、一年から六年までのそういう子どもたちを受け入れて、そしてこれを教育的な環境の中に置いていく、そのためには私は、小学校を利用した放課後クラブにせざるを得ない。そのためにはですね、教育委員会の協力を得たいと、こういうようなことで、教育委員会の御同意を得てこれを進めさせていただいているものでございます。

 現状のままで参りますと、また学童館に、学校から学童館へ行かなくちゃいかん。これはこれまでも指摘されてまいりましたけれども、それに伴う安全問題も生ずるわけでございます。学校におればそういった問題もなくて済むというようなことであったと、このように思います。

 このようにして放課後クラブをですね、小学校全校で実施するようになった場合にはですね、逆にその重複した機能を持っている学童館についてはこの放課後クラブに統合していくことが、これが経費面でも機能面でも、あるいは財政面でも、そのことはですね、避けて通れないと、私、そのように思っております。そのことについてはですね、職員にも、私、職員が要らないということを言っているわけじゃありませんから、そういうことについても気遣いをしながら、漸次移行させていただきたいと、私、そのように思っているものでございます。

 今後の学童館跡地の利用につきましては、既に老朽化しているというような問題もありますし、他の施設と複合されているというような問題もございますけれども、区施設全体の中で、これから必要とされる区民ニーズの変化に対応した施設としてですね、これを活用していきたい、このように思っております。これも内部組織で検討させていただきまして、その活用につきましては逐次区議会にも御報告し、また御相談をしながらこれを固めてまいりたいと、このように思う次第でございます。

 私の答弁は以上でございます。よろしくお願いいたします。



○副議長(松岡定俊) 池山教育長。



◎教育長(池山世津子) 私には、渋谷区の教育に関しまして大きく七点のお尋ねでございます。順次お答えをいたします。

 まず、国の動向を踏まえて、今後の渋谷区の学校教育はどのような方向を目指すのかというお尋ねでございます。

 昨年の十月、中央教育審議会は「義務教育の構造改革」と題しました答申をまとめました。その答申の内容といたしまして、学習指導要領の見直し、全国的な学力調査の実施、教員養成の改善と充実、教員免許の更新制導入、区市町村教育委員会への教員人事権の移譲など、様々な教育改革への方策が盛り込まれておりました。今回の答申は、新しい時代の義務教育を創造するために断行すべき義務教育の構造改革の方向性を示すとともに、改革への具体的方策を提言したものと理解しております。

 これをもとに本年一月、国は、国際社会の中で活躍できる心豊かでたくましい人づくりを目指し、教育改革のための重点行動計画を立て、さらに二月十三日には中央教育審議会の教育課程部会が審議経過報告をまとめ、これを受けて各種のマスコミ報道があったところでございます。

 この審議経過報告によりますと、学校週五日制のもとで生きる力を育成することは継続するものの、今、子どもたちに必要なものは学習や生活の基盤であり、その際、言語と体験を重視する必要があること、一斉指導と個々に応じた指導、課題探求学習など指導方法の改善、また、教育内容の見直しに伴う授業時間数の検討などが挙げられ、こうした提言が今後、検討されまして、次の学習指導要領の改訂に反映されるものと思われます。

 一方、渋谷区教育委員会は十八年度、来年度でございますが、学校教育の重点施策として「世界で活躍し、地域に貢献できる人の育成」を掲げ、確かな学力の育成、道徳性の涵養、国際理解教育の充実、この三つを柱に学校教育に取り組んでいく考えでございます。これは先ほど述べました中央社会教育審議会の答申や審議経過報告の方向性と重なる部分があると考えております。

 いずれにいたしましても、今後とも国の動向等に注意をしながら、渋谷区の学校教育の充実を図ってまいります。

 続きまして、上原中学校の改築工事の進捗状況と学校行事の予定についてのお尋ねでございます。

 現在、上原中学校は、三月二十九日の竣工を目指して工事を進めております。御質問にございました上原中学校の改築工事におきましては、地下工事に予想以上の日程が必要となったため、現在、昨年末の段階では工事予定から十五日程度の遅れが生じておりました。その後、近隣の方々の御協力を得まして内装工事の時間を延長するなどを行い、二月末の時点では、建築工事の遅れは取り戻しております。現在は、電気、空調、給水、昇降機などの設備関連の工事を含め、最後の仕上げに入っているところでございます。

 このような状況から、当初の完成工期であります三月二十九日には竣工予定でございますが、三月十七日の卒業式を新しい建物で行いたいという御希望に対しましては、残念ながら、おこたえすることはできないところでございます。

 今後、最後まで安全に工事を進めながら、竣工後の検査、物品の搬入、引っ越しを含めすべての準備を完成させ、年度初めの学校行事となります四月六日の入学式には新校舎にて実施を行い、円滑に新学期を迎えることができるように、教育委員会を挙げまして準備を進めてまいります。

 次に、二学期制の実施状況についてのお尋ねでございます。

 二学期制は、平成十六年度に小学校二校、中学校二校で試行をいたしまして、その結果を踏まえて本年度から全校で導入をいたしました。

 子どもたちに確かな学力と豊かな心を育成するためには、これまでにも増して授業時間が必要であり、そのための施策として二学期制を実施いたしております。二学期制は、三学期制に比べまして授業時間が年間で十時間から三十時間程度確保しやすく、子どもたちがじっくりと計画的に学習ができるなどの利点があります。各学校では、二学期制の実施で生み出されました授業時間を活用いたしまして、基礎・基本の徹底や特色ある教育活動を実施しているところでございます。

 二学期制では、通知表の回数が一回少なくなるということがございますが、すべての学校で、夏休み前に学習の様子を子どもや保護者に伝える工夫を行っております。また、学期の途中に夏休みがあることにつきましては、夏休みを学び直しの期間ととらえ、すべての学校で五日から十日間の補習教室を実施いたしました。保護者や地域の人材を活用した体験学習を実施した学校もあり、これまでよりも学習の継続が図られ、夏休み明けの学習生活がスムーズにできるようになったとの報告も寄せられているところでございます。

 しかしながら、一方では、地域の伝統的な行事など、学校のそれまでの三学期制に合わせて実施されているところもあり、行事によっては「子どもたちの参加が少なく、寂しい限り」という声も伺っているところでございます。いずれにいたしましても、教育委員会といたしましては、二学期制の趣旨がさらに生かせるよう、また、地域の方々の御要望にもこたえていかれるよう、各学校での取り組みを支援してまいりたいと思っております。

 次に、学校選択制の評価と児童の安全対策についての御質問でございます。

 まず、学校選択希望制の評価についてのお尋ねでございますが、平成十六年度より実施しております学校選択希望制は、特色ある学校づくりや地域に開かれた学校づくりを推進し、区民から信頼され、選ばれる学校づくり等を図ることを目的といたしております。各学校とも確かな学力の向上を図り、個々に応じた教育を進めるとともに、授業や学校の諸活動などに創意工夫を図っております。例えば自然体験教室、日本文化活動、ブラスバンドの活動など、それぞれの学校の歴史や状況に合わせ、特色ある学校づくりを進めているところでございます。

 学校選択希望制の実施状況でございますが、平成十七年度では小学校で二四・〇%、中学校で二八・一%の児童生徒が学校選択希望制を利用し、指定校以外の学校に入学をいたしております。すべての児童生徒が学校選択希望制を利用しているわけではございませんが、現時点では特段の混乱もなく、保護者の方々にも一定程度の評価をいただいており、制度として定着しつつあると考えております。

 また、学校におきましても、緊張感を持って地域に開かれた学校づくり、特色ある学校づくりに努めており、教職員の意識が変わってきたと、このように判断しているところでございます。

 しかしながら、一方では、地元の学校を卒業されて地域を離れ、社会人として活躍した後、退職し、再び地域に戻ってきた方たちが、小学校で一緒に学び、遊び、学校生活をともにした仲間が近くに集う、そういうことがまさに「ふるさと渋谷」なんだと、だからこそ小学校については学区内に通学し、お友達をつくる方がよいのではないかと、このような御意見もちょうだいしているところでございます。

 いずれにいたしましても、学校選択希望制は現在三年を経過し、中学については一巡いたしましたが、小学校につきましては、まだ半分の学年について実施したところでございます。いましばらく子どもたちの様子をきめ細かく把握するとともに、特色ある学校づくりや地域に開かれた学校づくりに努めてまいりたいと考えております。

 次に、通学路における安全対策についてのお尋ねでございます。

 渋谷区教育委員会では、昨年の秋以降、区長部局との連携を強化し、学校への指導、警察等への連携、地域防犯パトロールなど区民への協力依頼などの取り組みを今まで以上に進めているところでございます。また、各学校におきましても、児童生徒への安全指導の徹底、保護者への啓発、下校時刻・通学路の周知、集団下校体制の見直し、通学路の安全点検、地域パトロール、防災ブザーの携帯・点検、地域安全マップの作成と活用、緊急情報メールの点検・拡大、こども一一〇番の家の確認など、様々な方策を実施しているところでございます。

 御質問の学校選択希望制との関係でございますが、学校の選択に当たっては、毎日の通学のことと安全についても十分考慮して選択することを学校案内や学校説明会等において御説明をし、選択の重要なポイントとして御案内をしているところでございます。学校選択希望制の実施結果を見ますと、中学校では選択が全区域にまたがっておりますが、小学校におきましては、一般的には徒歩で通学することができる範囲で選択している傾向がございます。入学後に実施しておりますアンケート調査におきましても、学校を決める際に重視したことにつきましては、多くの方が「自宅から近い」ということを挙げております。

 安全対策は、どんなに対策を行いましても「これで十分」というものはございません。今後も区長部局との連携しつつ、保護者の皆様と力を合わせ、また、地域の皆様のお力をかりながら、持続可能な対策を実施してまいります。

 続きまして、放課後クラブの開設予定校と開設時期についてのお尋ねでございます。

 平成十七年第三回定例会におきまして、平成十七年度中に七校を開設し、残り三分の二については二年間を目途に開設する旨を申し上げました。その後、具体的な整備の計画を検討する中で、十八年度には六校を、平成十九年度には七校を開設する予定としているところです。今後、小学校長等の意見聴取や保護者の要望などを踏まえて具体的な開設校を決めていきたいと考えております。

 なお、十八年度につきましては、施設整備に一定の工事期間が必要であり、早くとも九月後半をめどに開設したいと考えております。残り七校の開設につきましても、予定は十九年度でございますが、準備が整ったところからできるだけ早期に開設をしていきたいと考えております。

 また、放課後クラブに、これまでの学童クラブ機能がどのように引き継がれていくのかという点でございますが、放課後クラブでは、安全・安心な子どもたちの居場所を提供するとともに、特に保護者が就労等によって昼間、家にいない児童への対応として、午後六時まで事業を延長しております。教育委員会といたしましては、子どもたちの安全・安心な居場所の提供を基軸といたしまして、魅力ある教育的プログラムを充実してまいります。

 次に、総合型地域スポーツクラブについてのお尋ねです。

 議員の御質問にありましたとおり、総合型地域スポーツクラブは文部科学省のスポーツ振興計画に基づき、だれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指して、地域住民の自主・自発性により自立的な運営をする、新しいタイプのスポーツクラブであります。

 本年度、渋谷区内では五クラブが設立されたことは承知しております。設立にかかわりました地域の皆様方の熱意と御努力には敬意を表したいと存じます。

 教育委員会といたしましては、これらのクラブが今後より多くの方々の御賛同を得て、一層地域に開かれたクラブに発展していくことを期待しております。

 さて、御質問にありました総合型地域スポーツクラブに対する支援、育成についてでありますが、文部科学省では、クラブの活動拠点として学校の体育施設等を開放し、地域との共同利用を一層促進することを支援策の一つと挙げております。学校施設の利用につきましては、今までも学校や教育委員会の利用に支障のない範囲で地域の団体に御利用いただいているところです。今後は、より公平で地域住民の納得いくような学校施設の利用システムをつくっていく中で、総合型地域スポーツクラブの活動拠点の提供についても検討してまいります。

 最後になりますが、渋谷区少年スポーツ団体協議会の負担金のその後の調査についてのお尋ねでございます。

 渋谷区では、平成九年度より渋谷区少年スポーツ団体協議会負担金交付要領に基づきまして、サッカーや野球などのスポーツ活動をしている子どもたちの団体に対しまして、夏の合宿に伴う交通費の一部を助成するという目的で負担金を交付してまいりました。

 この負担金の交付方法は、毎年度、渋谷区少年スポーツ団体協議会から交付申請を受け、団体協議会に加盟する複数の団体に対し、どの団体にも一律の金額が配分されることを想定いたしまして、団体の数分の金額を区から負担金として、同団体協議会に対し一括して交付するというものでございます。

 この負担金の交付につきまして、昨年秋の決算特別委員会で御報告いたしましたが、昨年十二月の文教委員会におきまして、さらに二点の御指摘を受けました。一つは、一団体当たりの定められた金額が、実際にはそれぞれの団体に配分されていないのではないかということでございます。二点目は、団体協議会に対して交付されている負担金に関して、決算特別委員会での報告以外に問題となる交付申請を行った団体はなかったかということでございました。

 この二つの指摘を受け、教育委員会では、負担金の交付先である団体協議会はもちろんのこと、傘下の加盟団体についても調査を行いました。その結果を二月の文教委員会において御報告をいたしました。

 まず一点目の、団体協議会から加盟団体への負担金の配分についてであります。

 区からの負担金は、区が想定していた一団体当たり一律の金額の配分ではなく、各団体が合宿に行った際、実際にかかった交通費の金額に応じ、案分して配分されていたことが判明いたしました。なぜこのような配分をしたかにつきましては、同団体協議会によれば、加盟団体からの要望もあり、総会で了解を得て、このような方法により配分をしてきたということでございました。

 二点目の、負担金の交付申請につきましては、一つの団体が二団体として負担金を受けていたケースが二件判明いたしました。これは加入する子どもの人数が多く、合宿を二つに分けて実施していた等の理由により、一団体を二つの団体とみなしたということでございました。

 さらに、合宿には行きましたが、交付対象である夏の合宿ではなかった団体が一団体あることが判明いたしました。

 また、この調査を行う過程で、団体協議会は自主事業の運営経費として加盟する各団体より特別会費を徴収しており、その会費の徴収を区からの負担金の配分と同時に行っていたことも判明いたしました。団体協議会の説明によりますと、区からの負担金を各団体の交通費実費に即し案分し、その中から特別会費を徴収し、残りを各団体に渡していたということでございました。つまり、負担金から特別会費を差し引くという事務処理を行っていたということでございました。

 調査の結果は以上のとおりでした。

 教育委員会といたしましては、この時点では次のような判断をいたしました。

 まず、団体協議会から加盟団体への負担金の配分についてであります。

 本負担金は、定額で各団体へ配分されることを想定して団体協議会に一括交付しており、幾ら加盟団体の了解があったとはいえ、そのとおりの配分をしていなかったことは大変遺憾であり、団体協議会へは、今後このようなことがないように厳重に注意、指導を行いました。しかしながら、一括交付した負担金は夏の合宿交通費の一部として各団体に交付され、使われていたことを確認できたため、返還までは求めないことといたしました。

 二点目の、問題となる交付申請につきましては、負担金交付と異なる解釈がなされていたため、三団体分の負担金につきましては、団体協議会に対して返還請求を行うことといたしました。

 また、団体協議会独自の特別会費の徴収を行っていたということにつきましては、団体協議会が加盟団体との合意のもとの会費であり、教育委員会が何ら問題とすることではございませんが、その徴収方法について、区から交付された負担金から差し引くという方法が、受け取る団体に対してあたかも負担金の額が減らされたのではないかという誤解を招くような事務処理であるため、改めるよう指導いたしたところでございます。

 このような調査結果を二月七日及び二月九日の文教委員会で御報告したところですが、文教委員会での質疑の中で、一部の委員から、団体協議会内部での負担金の配分方法や加盟団体の実態について、教育委員会の職員が知っていたのではないかとの疑義が出されました。

 具体的には、一点目といたしまして、教育委員会へ提出されている負担金交付申請書類は、教育委員会の職員が作成したものではないか、二点目といたしまして、教育委員会は団体協議会の総会資料の提出を受けており、その資料を読めば団体内での負担金の配分などの実態を知り得たのではないか、三つ目といたしまして、平成十年か十一年ころ、加盟団体が統合し数が少なくなることについて、団体協議会が職員に相談していたのではないかということでありました。

 教育委員会では、こうした指摘を受け、渋谷区スポーツ団体協議会が設立されました平成九年度から現在に至るまでの本負担金交付事務に従事をいたしました職員全員、既に退職した職員も含めまして、団体協議会とのかかわりや書類の作成について聞き取り調査を行い、本年二月二十二日、その結果を文教委員会へ御報告させていただいたところです。

 その内容は、まず一点目の、交付申請書などの書類を職員が作成していたという件につきましては、申請書等の書類の作成に当たっては、職員がワープロによる浄書を行ったことがありました。しかしながら、これはあくまでも職員が好意により申請書の浄書等の手伝いを行ったことであり、申請そのものはあくまでも団体協議会の意思により、団体協議会として行ったものと確認をいたしました。このことは、団体協議会も同様の認識をいたしているところでございます。

 二点目の総会資料についてですが、年度によっては管理職が総会へ儀礼的にごあいさつに伺ったり、担当者がお手伝いをする、具体的には会場の設営ですとか資料の作成など、このようなお手伝いをしたときに総会資料をもらってきたことはございます。しかしながら、負担金交付申請にかかわる正式な文書ではなく、参考資料として受け取ったものであり、資料の中身を精査、確認したわけではありません。したがいまして、負担金の配分等、その内容についての関与、関知はしていなかったと判断をいたしました。

 三つ目の、平成十年、十一年ころ、加盟団体の統合について団体協議会が職員に相談していたのではないかということにつきましては、当時の職員に聞き取り調査を行いましたが、六、七年前のことになりますので、覚えている職員はいませんでした。また、文書による記録もなく、団体の統合について相談されたことの事実を確認することはできませんでした。

 以上が決算特別委員会以降の教育委員会が行った調査結果の報告でございます。

 なお、少年スポーツ団体協議会への負担金交付につきましては、同交付要領、区会計事務規則等により公金の適正な執行手続を経て、その金額につきましても正しく支出されていることを収入役室において確認をいたしております。

 以上、調査結果と確認をしたことから、今回の渋谷区スポーツ団体協議会への負担金交付に関する文教委員会からの疑義に対し、教育委員会といたしましては、次のような判断をいたします。

 まず、負担金が、区が想定していたとおりの配分がなされなかったことについてであります。

 負担金は公金であり、その使途については一定のルールに基づき適正に執行されなくてはならないことは当然のことでありますが、団体協議会での負担金の配分の仕方、特別会費の徴収の事務の処理を見ますと、同団体協議会側に公金への認識の低さ、甘さがあったと判断いたします。一方、教育委員会といたしましても、団体協議会から加盟団体への負担金の配分状況を十分に把握できなかったことも事実です。もっときめ細かく実態の把握に努め、負担金交付要領等の見直しを行うべきであったと反省をいたしております。

 しかしながら、今回の調査により、区から支出された負担金は加盟する団体が夏の合宿を行った際の交通費の実費として全額支給されていたことが確認できましたので、返還は求めないことといたしました。

 次に、交付申請に問題があった三団体分の負担金につきましては、負担金交付の目的は異なることから、返還請求を行ってまいります。

 最後に、団体協議会内における負担金の配分方法や、団体の統合の実態を職員が知っていたのではないかということであります。

 教育委員会は、区内の各種社会教育関連団体と協力しながら、区民の文化・スポーツの振興を行っております。その目的において、各団体との交流を深めることも大切であり、良好な関係のもと、各団体への支援、育成を行っております。各団体への総会へ儀礼的な出席をしたり、お手伝いをしたり、各種書類の浄書などもその一つと考えております。

 しかしながら、そのような行動が常時であり、過度になるのであれば、公私混同、癒着と見られるおそれもあるため、これは反省し、改めていかなくてはなりません。今回、指摘されました職員の行動につきましては、公私混同や癒着といったものではなく、団体との良好な関係の中でのお手伝いの範疇であり、団体協議会内の事情についての関与はないと判断をいたしました。

 以上が決算特別委員会以降の渋谷区少年スポーツ団体協議会への負担金支給に関する調査報告、及び教育委員会としての考えを述べさせていただきました。

 昨年の秋以降、本件につきまして、議会各会派の議員の皆様方及び日々子どもたちのスポーツの振興に御努力をいただいている関係各団体の方々には御迷惑、御心配をおかけし、また、教育委員会への不信感を与えてしまいましたことを深くおわびをいたします。

 今回のことは、教育委員会の中で起こったことであります。教育委員会として今回のことを踏まえ、今後は公金の適切な執行管理の観点から、支払い事務の見直し、審査を強化するとともに、関係団体への支援のあり方につきましても団体の御理解、御協力を得ながら改善し、再発防止に取り組んでまいる所存でございます。

 以上、お答えといたします。



○副議長(松岡定俊) 二十七番染谷賢治議員。



◆二十七番(染谷賢治) 再質問をするわけではありませんが、私も長年この議員生活をしておりますが、今日のような質問の長い時間を、あえて項目をしたわけでは私はありませんが、このようなことになる制度の改革、国の要望、都の要望、そして我々が区民に対する増進することへの施策、これをするための複合的な問題の中で、国が区に及ぼす三位一体、都が区に及ぼす財政調整、すべてがしわ寄せが二十三区にかかってきております。

 その制度の中でいかに私ども、区長を初め教育委員会がこれだけの努力をしていくというところに大変な意味があるので、今日お伺いしました区長の確固たる信念と御答弁をいただきました。そして、私どもはこの実施計画を、それにのっとってスムーズにいくようにするには並々ならぬ御努力が必要だと。私どももそういうふうに考えます。

 おおよそ石原知事は、この問題等についてどういう流れを持っているか、そして東京オリンピックをと言いながら、この中心は渋谷区でありそうだ。あるいは国は、総合型スポーツで健康をと言いながら、各都道府県の問題ではなくて末端の地方自治、そこに押しつけている。私どもは、あえて押しつけられたものをやっているという意味ではないんですが、あくまでもその施設を使う場合、区の施設、あるいは市町村の施設を使うんです。そういう先々のことの問題を考えると、国の命令、国の執行そのものが、地方自治と言いながら地方自治の精神に相反するようなことばかりが起きている。

 この問題を、私は決してその問題を、都や区に文句を言いたいということではありません。しかし、しかし、私どもはそれを消化するという、区民のために、あるいは国民のためにということになると、かなりのいろんな考え方が必要になります。

 そういう面では、グローバルの時代に国際化の問題も、そしてトルコのウスキュダルの締結の問題も、日中の問題もいろいろ、皆いろんな問題に絡んでまいりますけれども、これらのことをスムーズにいくには、私は「今日一日、三つの恩を忘れず、愛を忘れず、人の悪を言わず、おのれの善を語りません」という実践倫理の会を大いに参考にさせていただき、品位のある渋谷区の将来のための桑原区長のすばらしい、新しい、そして荒川選手のようなすばらしい形へのわだちをつくってほしいなと思いますし、私どもも区民と一緒になってこの施策を進めていきたいというような思いでございます。

 質問を終わります。



○副議長(松岡定俊) 議事進行上、暫時休憩いたします。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   休憩 午後三時五十一分

   再開 午後四時十六分

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(芦沢一明) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 七番薬丸義朗議員。



◆七番(薬丸義朗) 私は、未来の渋谷をつくる会を代表して、このたび提案された平成十八年度当初予算案及び渋谷区実施計画二〇〇六、サブタイトル「心豊かな渋谷の発展を目指して」について、渋谷区政伸展の一助になればとの使命感に基づき、もとより浅学非才、語彙も乏しい私ではありますが、熱き思いを込めて桑原区長に質問いたします。

 まず、新実施計画二〇〇六について質問いたします。

 新実施計画は、区政を取り巻く状況の変化が激しい現下において、今年度をもって終了する長期基本計画は策定せず、実施計画のみで渋谷丸のかじ取りをなされると言われます。たしか現在の実施計画は、十五年度から十七年度の計画であったものを区長に就任された翌年にローリングされ、十六年度から十八年度の計画に改定されて今日に至っていると存じます。

 今回、なぜかサブタイトルが変わっています。「心豊かな渋谷の発展を目指して」とあり、心地よい文言であります。これまでは「自然と文化のやすらぎのまち渋谷」をサブタイトルとして長く使ってまいりましたが、サブタイトルを変更されたそのお考えをお伺いいたします。

 新実施計画は、行政計画として基本構想の理念と将来像の実現に向け、今後三年間、特に力を注いで取り組むべき施策の方向と、重点的、計画的に取り組む事業を示すものとして策定されたものと認識いたしております。その意欲を高く評価するものでありますが、区長には任期があります。あと一年です。今、制定すると三カ年のうち一カ年の在任にもかかわらず、三カ年の計画を物の見事にずっしりと立案されたということは、将来に向けて、強い意欲のあらわれと受けとめます。

 次に、実施計画の具体的な内容をお尋ねする前に、どうしても気になることがありますので、この点から質問いたします。

 区長は過日開催された区議会全員協議会におけるあいさつの中で、「基礎的自治体である本区として、区民生活に対し、連帯と共生を進める温かい区政でなければならないと思います」と、高齢者や障害者、子どもたちへ渋谷区の責務について言及され、さらに「福祉、教育、少子化等、施策全般にわたっての基本的な考え方でありますが」と述べ、その後に「福祉と名がつけばすべてやるということではありません。フリーパスではない」と発言されました。

 私は、思わず我が耳を疑いました。よくよくの事情があったのかもしれませんが、一国をあずかる首長の発言とはとても思えませんでした。適切を欠いているのではないでしょうか。この一言でせっかくの善政が帳消しになるのではないかと案じております。

 私は、弱者の名に隠れてよこせ、よこせには大反対です。ましてや徒党を組んでの活動も否定します。しかし、自主、自助、自立に最大限の努力をしても、どんなに頑張ってもできないところもあるんです。そのときには公助は不可欠であります。「福祉と名がつけばすべてやるわけではない」という言葉だけが、今、ひとり歩きをして、福祉に対する否定的な、後ろ向きな区長ととられかねません。あえて区長の真意をお尋ねいたします。

 具体的な質問に入ります。

 本実施計画二〇〇六には区長の思いがぎっしり詰まっていて、意欲のほどがうかがえます。そこで、何点かについて私なりの考えを申し上げ、改めて区長の御所見をお伺いしたいと存じます。

 最初に、高齢者問題について質問いたします。

 今日、我々があるのは皆、高齢者の皆様のおかげであります。どれだけ尽くしても尽くし切れない思いがあります。したがって、喜ばれることならば何でもして差し上げたい、そういう気持ちでいっぱいです。魅力ある年を重ねていただき、とにかく元気で、寝たきりにさせない施策が一番です。ひとり住まいや孤立して、寂しさの余り病気でもないのに病院へ出かける、すると知り合いが必ずいて、病院の待合室がサロンになる。そうならないように、地域に「たまり場」をつくってあげられたらばと考えます。

 土地を買ったり、立派な建物をつくったりする施設整備ではなく、ひとり住まいの家や老夫婦家庭などを利用させてもらうのです。少し手を入れバリアフリーにして、気軽に、制約なしで気の合った人同士、少人数の面倒を元気なお年寄りに見てもらうミニグループリビングです。施設中心でなく個々の民家を利用して、「何でもよい」の精神で束縛せず、のんびりゆったり、区長の提唱する施策に共鳴できる人は大いに参加され、それに乗れない人たちには自分たちでやる民間事業です。

 病気になってから幾らお金をかけてもらっても、真の喜びとはなりません。元気なときにお金を使ってあげたらば、きっと大喜びされると思います。高齢者が明るく楽しいシニアライフ、いや、スローライフの、まさに生きがい活動支援事業が必要だと考えます。区長の言われる最初の重点事業の民間版です。

 これで老人保健医療費や介護保険料が減少したら、一石二鳥です。元気な高齢者は多いんです。その人たちの手を借りながら、要介護にならないようにしてあげられたらと思うのであります。いかがでしょうか、区長の御所見を伺います。

 もう一つは、高齢者住宅についてであります。

 どれだけ手を尽くしても、また宅建業界の御協力をいただいても、高齢者の入居は日増しに困難となっております。そこで、区が高齢者住民の持ち家の提供を呼びかけ、区が借り受け、改造して家賃を保証してあげる高齢者借り上げ住宅です。二戸でも三戸でも戸数を制限せず、できればその持ち主に管理人をお願いすれば一層効果的だと思いますが、区長の御所見を伺います。

 次に、障害者問題について質問いたします。

 平成十七年十一月、障害者自立支援法が公布され、三障害者−−身体、知的、精神のサービスの一元化、障害者の就労の促進等が定められました。人は、障害の有無にかかわらず生きている証を見出し、生きがいを持って自己実現を図ることが大切であり、渋谷区障害者保健福祉計画第二次の基本理念である「尊厳の保持」「共生社会の実現」を目指して、法の趣旨を踏まえた新たな障害者福祉計画を策定し、総合的な施策の展開を図りますと前文にうたわれておられます。

 区長、この言葉のとおりやっていただければ、これ以上のことはありません。是非この精神、このお気持ちをもって施策の遂行をお願いいたします。

 さて、十八年度の施策の核になる心身障害者福祉センターの建て替えは、長年の夢でした。利用者の声も十分に聞いていただき、平成二十年六月には晴れてオープンとなります。関係者の喜びはひとしおですが、問題は保護者の高齢化であります。親は、障害を持ってしまった愛しの我が子は自分がいる限りはどんなことがあっても守り通すと、それはそれは想像のつかないぐらいの御苦労を顔にも出さず頑張っておられます。

 私事で恐縮ではございますが、私のこの程度の右足の機能障害、跛行する幼少時、ほかの子どもたちにいじめられるにつけ、私の母親は「自分がかわってあげられたら今すぐにもかわりたい。産んだ母親のせいでこんな目に遭う」と泣いて私にわびる姿が今でもはっきりとまぶたに浮かびます。こんな母親に悲しい思いはさせられないと、私は母親の前では決して弱気を見せず、いや、虚勢を張り、悪餓鬼の上をいこうと子ども心に突っ張ったことが思い出されます。

 まだ私は脊髄性小児麻痺による身体障害者ですから、虚勢を張ることもできましたが、知的障害児にはとても求められないんです。私には、私の母親とその知的障害児のお母さんの顔がダブッて見えるんです。

 弱者だから社会が面倒見るのは当たり前、何でもよこせ、されることが当たり前などとは決して思っておりませんが、おのれの努力では何ともできないのですから、この子が一人になってしまったらどうなるのか考えただけで、親はいても立ってもいられないのです。

 今、地方の施設でお世話になっている知的障害者児たちは、これからは地元優先になると思いますので、渋谷に帰ってこなくてはなりません。自宅に引き取るのがよいことはわかっていても、それができないから悩んでおられます。

 障害者自身も御家族も、甘えているわけではありません。自立できる人は自立すべく努力し、その上で、どうしてもできないものに対しては社会の支えが絶対に必要なのであります。この親御さんを初め保護者の方々の窮状を御理解くださり、連帯と共生を進める温かい渋谷区政の実現に大いに期待いたします。

 また、貴重な授産施設であります新橋作業所の開所につきましては、平成二十年と言わず前倒しをされることを強く望みます。改めて区長の御所見を伺います。

 次に、子育て・少子化対策について質問いたします。

 五つの重点事業に新規事業並びに拡充事業がそれぞれ三事業と、多くの事業を盛り込んでおられます。子ども医療費助成にしても、たとえ入院費用だけとはいえ、拡大されたことは大きな前進です。

 ただ、聞きなれない「ハッピーマザー助成」については、私には十分理解ができません。

 妊娠一回につき五万円を上限として、妊娠期間中の経済負担を軽減するため手当を支給して、安心した気持ちで出産を迎えられるよう支援を図ると言われますが、妊婦が必ず区内にとどまり出産する担保はありません。

 子は国の宝とも言いますし、次世代育成と言うならば国の制度であるべきではないでしょうか。国も近々、出産育児一時金の三十万円と実際にかかる出産費用の差が余りにも大き過ぎるとして、若年夫婦等の経済負担を軽減することで少子化に歯どめをかけるねらいで、「出産無料化」制度を導入の検討に着手したと言われます。などなど考えても、地方自治体が行う施策でしょうか。

 それよりも私は、誕生されたお子さんが万が一病気になったとき安心して治療が受けられるよう、医療費助成の拡大をされる方が、より効果は絶大であると思います。金額的には、比較にならないぐらい区にとって高額の負担になるとは思いますが、効果を踏まえて、やるときにはやるという姿勢が必要と思います。

 要するに、私たちの目指すべき社会は、子どもを産み、育てることに喜びを感じることのできる環境整備を目指すことなのだと思いますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、国においては子育て期の経済的負担の軽減を図るため、児童手当の拡大を図るとともに、就学前の教育と保育を一体としてとらえた取り組みを平成十八年度から本格実施をするため、所要の法案を国会に提出すると聞きました。いよいよ幼保一元化到来かと存じますが、対する区の取り組みについてお尋ねいたします。

 また、先日開催された「女性と身近な政治」の対話集会の際、区民の方々に、学童館が廃止されるというのではないかと大変に心配されておられました。私は「そんなことはないでしょう」と言ってしまいました。この実施計画を見ましても、なくすとは書いてありません。

 しかし、当初予算案と見比べてみますと、気になることもございます。放課後クラブを拡充するとして「全小学校に学童館機能をあわせ持つ放課後クラブを開設する」とあります。予算案では、社会教育施策の青少年活動推進費に前年対比一億五千万円も上乗せされており、そして学童館運営費は前年対比二千万円の減ですが、一億一千二百万円余の予算がついています。なお、放課後クラブ事業の十八年度の予算はゼロとなっています。

 所管を替えて教育へ持っていっても、対象者は児童です。同じ児童なんです。区長自らが子どもに不安を与えたり、迷わせたり、子どもたちに混乱を引き起こすようなことはよくないと思います。

 私は、放課後クラブは学童館の未設置地域にとどめ、それも既存の七放課後クラブの実績を踏まえ、あり方を十分に検討なされてからがよいと思います。学童保育機能は放課後クラブへ順次統合していくと言われますが、機能が違うんではないでしょうか。既存の学童館利用児はどうするのか。

 学童館は、小学校児童の校外生活がより健全に行われるよう遊びの場を与え、クラブ活動でより豊かな情操の涵養を図り、集団行動を通しての子どもたちの規律、協同の精神を養い、家庭の保育に欠ける児童を対象に学童保育を行う施設でありますから、土曜、日曜、祝日は休んでおり、土曜日は一般児童に開放し、日曜、祝日は地域の団体に開放していたのです。学童館十一館、そのうち六館は一般児童も使えるようになっています。現状に満足している学童館利用児に強制はしないことです。

 この予算をどう読めばよいのか、二重の予算計上になるのか、重要な少子化対策として特別のお計らいがあるのか、理解に苦慮いたします。

 女性との対話集会で大見得を切り、私の発言が間違っていたら腹を切らなきゃならないんです。現状認識と変更の意図を含め、区長にお伺いいたします。

 次に、旧大和田小学校跡地複合施設(仮称)について質問いたします。

 渋谷区の新たな文化、教育、福祉、健康の拠点として、やっとその計画の全貌が見えてきましたが、私は、この地の計画は、旧渋谷小学校跡地の計画と同じ問題を持っていると考えます。それゆえに、大きな禍根を残すのではないかと危惧を覚えているのです。

 それは、この計画が、渋谷駅周辺地域の都市再生緊急整備地域に指定される前と後の考え方に区別が見受けられません。この地域が大きく変化したこの時期に、何でこの建物計画が最優秀案と決定されたのか、その審査委員会のメンバーに都市計画、建築の専門家がおられたのか。区長は民主的手法に基づいて決めたと言われるかもしれませんが、全く現下の状況やこれからの都市再生を何と心得ておられるのか、理解に苦しみます。渋谷駅周辺都市再生緊急整備地域として指定を受けた百三十九ヘクタールの中心地における開発であるとの認識を、企画提案審査委員会はお持ちだったのでありましょうか。

 これから率先して大事業の旗振りをしなければならない大事なときに、これで民間事業を誘導できるのか、お手本になり得るのか、御所見をお伺いいたします。

 自分自身の土地ばかりでなく、少なくとも地域全体を見て、公有地としての立場を強く認識して有効活用すべきであります。何よりも、都市再生の主導権をとらなければならない渋谷区が、都市再生のスタートの直前におのれの施設で大きくブレーキをかけてしまったと思えてなりません。このことが、これからの渋谷区の命運をかける渋谷駅周辺の都市再生事業にどんな影響を及ぼすのか、大いに気のもめるところであります。

 区有財産を生かし切れない行政の不作為と、立ち止まる勇気を持てと指摘された旧渋谷小学校の二の舞であり、実にもったいない。私なら、土地を定期借地の上、区の必要施設を明示し、民間に開発をゆだね、建設費用やランニングコストも負担させ、歳入にプラスにするくらいのことができるかと思うのであります。区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、まちづくり−−都市基盤について質問いたします。

 区長は平成十七年十月、「渋谷区まちづくり条例」を制定され。「これを基本にしつつまちづくり条例体系を整備してまいります。この一環として、良好な景観の整備・保全を図るため景観計画の策定に着手し、景観条例の制定を検討するとともに、調和のとれた土地利用を図るため、土地利用等の調整等に関する条例についても検討を進める」とのお考えを述べられました。

 また、今後、高さ制限やワンルームマンション等の生活環境を乱すおそれのある建築物の規制等、地域の課題解決に向け、まちづくり協議会の設立を支援し、地域の特性に応じた地区計画の策定を推進すると言われておられますが、まちづくり協議会と都市計画審議会との関係、渋谷区まちづくり審議会とまちづくり協議会との関係が、いま少しわかりません。

 区と区民、企業が相互に連携、協力して進める「協働型まちづくり」についてはわかりますが、地域のエゴになったり、声の大きいものだけがまかり通ったり、その地域内だけですから、隣接地の状況や当然に全体が見えないという問題はどうされるのか。その地域内がよければすべてよいと言えるんでしょうか。渋谷区全体を俯瞰して、本当にそれでよいのかを考えることが大切ではないのでしょうか。

 私は、区のリーダーシップは重大だと考えます。公平・公正、高い視野からその地域がどんな位置づけにあるのか、まちとして均衡が保たれているのか大枠を提示し、それを尊重して、その中で地域の知恵を出し合っていく、個別に立案された地区計画であっても全体を見ると渋谷区の理想のまちになっている、そういう具合であってほしいと思うからであります。

 さらに、土地利用調整条例等を順次整備し、総合的な計画となるまちづくりマスタープランを策定し、まちづくり条例体系の整備を図ると言われていますが、何かおかしい、何か物足りないと思いましたが、それは景観計画です。この三点セットでまちづくりを推進するのかと思っていましたら、この実施計画には三点セットになっていません。景観計画も同時でないと全体バランスも崩れますし、景観計画を外して体系が整うのか、総合的計画とも言い難いですし、画竜点睛を欠くのではないか。このことに触れられない意図がわかりません。特段のお考えがおありなのかお尋ねをいたします。

 次に、土地利用調整条例の制定について質問いたします。

 大規模開発行為等に対する許可基準を定めるとともに、多発する建築紛争に対するために制定するとし、土地利用は区への事前協議を義務づけ、そこでも建物の高さ制限、ワンルームマンション、ミニ開発−−敷地の細分化の防止、自転車・バイク駐輪場等の附置義務等も対応すると言われておられます。

 調整条例は、調整なのか、規制なのか、義務づけなのか、誘導なのか、不明確、不明瞭であります。憲法、法律との関係、財産権規制を含む問題でありますのに、言葉だけが先行して、内容がしっかりイメージできません。適法、適正、的確に事務を進められるべきと考えますが、区長の御所見を伺います。

 次に、建築物の高さ制限について質問いたします。

 区長は、「教育施設等への中高層建築物高さ制限・日影規制検討委員会」を平成十七年五月に設立されました。その委員会報告の中には「土地所有権が憲法で保障されており、法律の範囲を超えて義務を課すことは難しい。しかし、条例で特例を認めるときは例外である」また「教育施設等の特定施設に日影を落とす中高層建築物に限って一律に建築の規制をすることは合理性がなく、むしろ教育施設等の特定施設に限定しないで、まちづくり全体の観点から考える必要があり、現行法令上は地区での合意に基づいた地区計画による高さ制限の導入が最も適しているとの結論に従いたい」そして、まちづくり条例体系の制定に当たって「教育施設等の特定施設周辺に中高層建築物を建築する際の、事前の調整手続等についても考慮事項とされたい」との附帯意見があると、昨年の第三回定例会で区長は発言されておられます。これは我が会派の岡野雄太議員の質問に対する答弁です。

 私は、憲法を犯してまでやれというのではありません。私権の侵害にかかわる問題のあることはわかります。しかし、区長も建築紛争が多発して困っている、そのための手立てを懸命に講じようとされておられるのですから、「文教渋谷」と自他ともに許される本区です。「教育施設等に重大な環境悪化をもたらすような建築物には周辺の同意は絶対条件とし、日影に関しては建築確認申請時に厳格な審査を行います」と指導要綱で明らかにして、建築設計士団体とも連携の上、徹底すればよいのです。当然に、民間検査機関も含めて行うわけであります。

 「厳しい制限があります」と事前に発信しておけば、開発業者だって考えますよ。行政の凛とした姿勢があれば、行政訴訟までやって開発をする業者は皆無でしょう。

 ただ、教育施設だからすべて免罪というのではなく、その地域なりの歴史があります。したがって、先住者に対する配慮は無視できないと思っております。

 区長の言われる「地区計画の中で」とのお考えも否定はいたしませんが、日々刻々申請される案件ですから、スピードが必要です。将来を背負う国の宝、子どもの集う唯一の昼間の居場所、学校を快適な環境に守ってやることは、大人の最低の義務であると考えるのであります。

 都心区の渋谷、地価の高い渋谷、有効活用したい気持ちも十分にわかりますが、だれしもが納得できる「決まり」をつくることが大切であると考えます。子どもを守るために、決断が急がれます。間を置かず、早い方がよいのです。多少の波風は立つでしょうが、やがてはおさまり、いや、必ず評価されると思います。区長の御所見をお伺いいたします。

 また一方、渋谷区の特性にかんがみて考えるとき、教育施設に影響を及ぼす建物以外の建築物の高さ制限には、私は、慎重な取り扱いが必要だと考えます。

 つい先日、神宮前五、六丁目の地区計画は失敗との話を伺いました。渋谷区全体を見る人、大所高所から物事を見極める人が絶対に必要と感じていますし、おのれの利権やエゴでまちは成り立ちません。自分のまちであると同時に、みんなの渋谷のまちであるということを忘れてはいけません。ましてやまちづくり協議会が権能を握り、その判断で決めるという仕組みは果たして全体住民の理解を得られるのでしょうか。そんなことができるのでしょうか。

 高い建物がすべて悪と決めつけてよいものか、私は迷います。建築する人たちも、当然に法で許される範囲で、最大の費用効果を考えて建築するのです。法に従って行動する住民に対する行政のあり方として、正しい選択なのでしょうか。もし目に余るのであれば、法こそを改正するのが順序であります。

 渋谷区の高さ制限について、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、地区計画の策定について質問いたします。

 地域住民、事業者及び区との「協働型のまちづくり」により、地区の特性に応じたきめ細やかなまちづくりルールである地区計画を策定するとありますが、地区の範囲はだれが決めるのか、そして、その権限や拘束力などなど、その制度の内容は多種多様と聞いています。

 地区計画でまちづくりのすべてが解決し得るほど、まちの問題は単純ではありません。この制度が範としている西欧の例によれば、歴史、風土、慣習などが大きな力となっているとのことです。この世に万能の制度はありません。まちづくりに当たっては、しっかりと問題点を把握し、慎重に対応していくことが肝要と考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。

 次に、渋谷駅周辺地域の整備について質問いたします。

 前四回定例会で我が会派の金井義忠議員が質問いたしましたが、私の考えをもとに、切り口を少し変えてお伺いいたします。

 平成十七年十二月二十八日、政令で、渋谷駅周辺地域が都市再生緊急整備地域に指定されました。平成十九年度に地下鉄十三号線が開通し、平成二十四年度には東急東横線が地下化され、相互直通運転が開始されます。今こそ渋谷駅周辺地域の整備に本腰を入れなければなりません。

 これまでにも何回も再開発の機運はありましたが、今度が最後のチャンスだと私は思っています。国や都が乗り出し、政令というお墨つきのものですから、何としても具現化しなければなりません。

 そこで、この実施計画二〇〇六を見ると、どうしても手ぬるいと思います。意気込みが伝わらないんです。今ここで、渋谷区の存在をもっともっと大きく、でっかい花火を打ち上げておく必要があります。それは、本区にとって今世紀最大の事業であると思うからです。

 渋谷区の玄関口、渋谷の顔の大手術をするのですから、ひさしを貸して母屋をとられないようにしなければなりません。しっかりと国や都を巻き込み、渋谷区の存在、立場を明確にするためにも、本区の受け皿の構築が最優先であると思います。早急に最強の体制を整えることを求めます。

 少数精鋭、核となる組織と人の配置が必要と考えます。計画、事業の具体的執行は、全庁の既存の組織を活用して取り組むのです。発生する業務は庁内組織に担当してもらえばよいのです。都市整備にかかわることは都市整備部に、土木に関することは土木部にという具合です。数十名の規模の専門部署を最初から置く必要はありません。この大事業を効率よく、全庁挙げて取り組むという区長の姿勢をもって号令をかけていただくことが肝要です。

 国の思惑、都の思惑、とてつもないものかもしれませんが、何を考えていようとも渋谷区が舞台であることは間違いありません。渋谷区の決意、決断が必要です。

 この事業規模は莫大だと思われ、想像以上の人たちが群がってきます。陰に陽に大変な戦いが展開されるでしょう。渋谷区が飲み込まれないためにも毅然とした本区の立場を明らかにし、その計画の基本は渋谷GP21(渋谷駅周辺整備ガイドプラン21)をベースに、渋谷駅中心部分の都市基盤の整備と百三十九ヘクタールの都市再生に、区民全体への奉仕者としての認識のもと、区民の期待にこたえ、渋谷区民の夢と希望をかなえていただきたいと思う次第であります。

 今世紀に耐え得る新都心、渋谷の玄関口を構築するには、ここ数年が勝負です。いや、十年程度のスパンかもしれませんが、それに専念、専任できるスタッフを早急に選別して任命されるべきと考えます。

 私の思いが強く、区長の専権事項まで入り込んでいるかもしれませんが、渋谷区を思う気持ちに免じて、御理解の上、御所見を伺いたいと思います。

 渋谷駅がただ単に便利になったと言われ、単なる通過駅になってしまってはいけないのです。渋谷駅に来たらば必ず下車したくなるようなまち、回遊してみたくなるようなまち、老いも若きも憩えるまち、だれか誘ってみたくなるまち、そういう可能性は十分にあるのです。

 渋谷は、文字どおり「シブタニ」です。この天から与えられた地形をフルに生かして二十一世紀のまち渋谷を完成させる最大の務めが、今、区長を初め我々議員にもあるのだと思います。私は、十八年度の予算で最大の目玉であると思っています。

 世界に冠たる日本、その真ん中は東京、その中心が渋谷区、その区長が桑原さんとなれば、世界に脚光を浴びることは請け合いです。未来の渋谷の扉を開くキーマン・渋谷区長の御決断並びに決意に従って、議会でも知恵を結集するため、特別委員会を立ち上げることも必要かとも思います。

 また、再開発に国の道路特定財源の導入・活用は当然ですが、渋谷区は徒手空拳というわけにはまいりません。それ相当の負担は必要です。私は、都市整備基金を活用することは、都市基盤の整備である以上、当然必要と思います。

 なお、周辺地域整備の促進に当たっては、都市再生緊急整備事業を踏まえて、二重投資にならないよう細心の注意が必要であることを改めて申し上げておきたいと思います。まずは区長の御所見を伺います。

 次に、都市計画道路事業について質問いたします。

 区内にある都市計画道路のうち、渋谷駅周辺地域の整備に大きく関係する補助十八号線は、来年度、事業着手の予定とのことでありますのでひとまず置いて、補助十九号線、補助六十号線は事業着手から相当の年数がかかっておりますが、いまだ残念ながら完成しておりません。

 補助十九号線は目黒区の方ができておりますから、渋谷区側は早急に完工しないと道路の役をなしません。道路が行きどまりになっていては隣接区に責任を問われます。

 また、補助六十号線も、立ち退きの同意が得られず御苦労されていることは承知しておりますが、残された三カ所については思い切った手段を講ずる時期と考えますが、区長の御決意を伺います。

 次に、建物の耐震性の審査について質問いたします。

 残念ながら、本区にも姉歯関連の偽装問題が発生しました。被害を受けられた区民の方々には、心からお見舞い申し上げます。

 今後、二度とないようにと願うところですが、今の性善説に基づく確認の仕組みでは限界があります。申請書を偽装されたら、現状の審査体制ではその責に対応できません。ましてや建築主事である建築課長を責めることで、問題は解決しません。

 今、大切なことは、再発防止のためチェックシステムの強化であります。専用コンピュータを導入してチェックを行い、渋谷区は構造計算書もしっかりチェックをする、この体制整備の確立こそが求められているのだと考えます。早急に実態に見合った審査・確認体制を構築することが必要と思いますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、「平和・国際都市」の推進について質問いたします。

 友好都市提携を結んだトルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区との交流の促進として、関連事業を検討するとあります。区長も、相互に余り気負わずに息の長い交流にとのお考えかと存じますが、基本的には異議ありません。昨年の調印式に参加した際、日本語学校の卒業式を私たちの訪問団に合わせていただき、私たち訪問団員が卒業生にそれぞれ卒業証書を手渡しました。早速交流の実を上げたのかなと思っております。

 トルコでも日本語ブームが盛んで、受講生も多いと伺いました。渋谷区にはトルコ大使館もあり、トルコ大使には今回の友好都市提携の立役者でもありますから、もし区内で日本語教室でも開かれるのならば、本区の空き教室−−と言ったらまことに失礼ですが、提供するなど大いに活用していただき、加えて、友好都市提携には何といっても会話が必要です。渋谷区在住、在勤、在学の人たちにトルコ語教室もあわせて開設できればと思いますが、御所見を伺います。

 また、防災訓練の充実として、起震車の買いかえとあります。現有車は平成二年に購入して十五年経過はしておりますが、日常の手入れも十分に行われており、その使用頻度は一般車に比べて大したことはありません。下取りに出しても、特殊車でありますから大した価格にもならないと思います。価格に関係なく、この際、点検をして友好提携先のウスキュダル区に贈呈されてはと思いますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、事業別特別区債について質問いたします。

 特別区債が平成二十年度は極端に減って、四億七千二百万円となっていますが、これは何を意味するのか、区長の任期と関係があるのか。借金はないにこしたことはありませんが、負担の偏りを避け、均等化する観点からも、ちょっと気になります。

 前にも我が会派の鈴木建邦議員が質問しました事業別特別区債でありますが、その事業を住民が認識し、かつその事業を促進し、何よりも、参加することで一段と区政が身近なものになると思います。一つの例ですが、私の出身地・鹿児島県に鹿屋市というところがあります。その鹿屋市に立派なバラ園がありますが、地域の活性化、存在のアピール、観光客の誘致のために、日本一のバラ園目指して拡充するための市債を利率一%で公募したところ、予定額を超える申し込みが数日で殺到したと聞きました。

 したがって、縁故債に限定せず、区民参加と区事業への関心事の高揚にも寄与すると思います。借金を推奨するものではありませんが、例えば本区でも、「障害者福祉複合施設債」とか「中央図書館債」などなどで、応募者は区内在住者と区内事業者に限定すると、その施設の関係者に限らず区民の関心は高まると思います。区長の御所見を伺います。

 最後に、組織機構の見直しについて質問いたします。

 今定例会に、部の統合や名称変更の条例改正が提案されていますが、昨年十二月の地方制度調査会は「出納長・収入役を廃止し副知事・副市町村長制度に一元化、教育委員会設置は選択制」と答申いたしました。しかし、教育委員会設置の選択制は、その後、文部科学省の強い反対にあって先送りをされています。

 約百二十年の歴史を持つ収入役や出納長が、二〇〇七年度中にも廃止されることになりました。副知事や副市町村長は首長の単なる職務代理者ではなく、独自の権限を委任して、首長中心の自治体経営能力を高める必要が強調されています。

 首長一人が政策の決定から執行まですべての責任を負う現行制度では、首長の負担が大き過ぎます。今の桑原区長を見ておりましても、まさに寝食を忘れ、二十四時間三百六十五日、東奔西走、実によく動いておられると思います。今にも体を壊すのではないかと危惧すら覚えます。この機に、本区においても機構の見直しに大胆に踏み込むべきだと考えます。

 私は以前から、多角的な発想による検討、政策立案のために、区長の傍らに複数の助役の配置をされたらと申し上げてきましたが、今後は、副区長をそれぞれの職務分担の中で数名置かれたらと思います。例えば総務、まちづくり、福祉、教育といった、民間で言えば執行役員制です。

 民間企業では、経営の透明化や意思決定のスピードを高めるため、事業遂行の責任を負う執行役員制度を導入し、従来型の組織体制からの転換が進んでおります。こうした民間の取り組みを参考に、首長は政策決定に専念し、副区長らは政策の執行に専従し、責任を明確にすることで首長のリーダーシップが存分に発揮できると思うのであります。

 このことにより、渋谷区政がより効率的に、かつ適正に執行されると私は期待をするのであります。

 改革に終わりはありません。一人一人職員のやる気を引き出し、その創意と工夫を発揮できるよう環境を整えること、このことは、政治家であり行政府の長である区長の重要な役割ではないでしょうか。組織機構のありようについて、区長の御所見をお伺いいたします。

 以上、提案された多くの諸施策事項の中、十五事業につき喫緊の問題ととらえ、質問いたしました。よろしくお願いをいたします。



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会未来の渋谷をつくる会の薬丸義朗議員の代表質問に、順次お答えをしたいと思います。

 実施計画のこのサブタイトル、「自然と文化とやすらぎのまち渋谷」を「心豊かな渋谷の発展を目指して」と、このような形にしたのはなぜかと、こういうお話でございます。

 これまでも、渋谷の将来像を「創意あふれる生活文化都市・渋谷」と、このようにも言ってまいりました。「自然と文化とやすらぎのまち」ということ自身は、とりもなおさず、この自然と文化とやすらぎのまちは心豊かな渋谷の発展になくてはならないと、こういうような気持ちを持っているわけでございます。

 所信表明にも申し上げましたけれども、二十一世紀は物の豊かさから心の豊かさを目指していかなくてはならない、そういう意図を含めてのサブタイトルでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

 それから、私が予算内示の際に申し上げた言葉について、それは福祉の後退に受けとめられかねないよ、こういうような御注意、御心配を賜りました。

 私、福祉ということについては、先生も御存じでございましょうけれども、谷口奈保子さんが「福祉に、発想の転換を!」という本の出版をされまして、先生も一緒にこの記念会に出席をさせていただきましたが、私、あの本を何回も読み返しているわけでございます。

 娘を悪性腫瘍で亡くされた、その娘の死を無駄にしたくないというようなことから難病児を訪問するボランティアをされたと。その経験の中で申されたことは、ボランティア活動というのは私が想像した以上に精神的に辛い仕事であったと。死に直面しているその子どもとその親、それには自分の体験や使命感だけでは受けとめ切れないものがあったんだと、このようなことをおっしゃっていたわけでございます。そういったことから、もう一回自分は福祉というものを考え直そうというような、この原点に立ってのものの考え方、それで大学に入って専門的な勉強を始められた。その中で、筋ジストロフィーの青年に出会い、あるいは知的障害者と出会い、それぞれその……、最後に彼女は地域福祉にたどり着いたと、こういうふうに私、思いました。

 そういったことをずっと読み通している中で、私が感じておりますことは、今この薬丸先生がおっしゃったように、福祉というのは自己実現のための自助努力を促していく、そういった環境整備であり、支援でなくてはならないと、私はそのように思ったわけでございます。「福祉」と言えば軽く受けとめられる、あるいは表面的に受けとめる、そういうことであってはならない。物を与える福祉であってはならないと、そんなことを思いを込めてああいうふうに言ったわけですけれども、言った言葉について不十分、不適切な点はお許しをいただきたいと、このように思います。

 高齢者の問題についてお話がございました。

 地域に役所が施設をつくるんでなくて、民家を借り受けてのミニグループリビング、あるいはそういった気軽に明るく楽しいシニアライフを送れる、この生きがい支援事業を実現されてはと、こういうような話でございました。

 私は一方では、そういう意味ではこの高齢者センターの整備のほかに、あるいは学校の教室を使えたらと、そういうような願いも持っているわけでございます。

 ただ、私が一番思っておりますことはですね、この場を提供していくことは大切であるけれども、それ以上に大切なことは、自分自身が一緒に語り合う友がいる、あるいは自分が一緒に楽しむ生きがいがあるんだと、そういうことが大切じゃなかろうか、それが相まって、場所とそういう生きがいとが相まってですね、私はこの活力ある高齢社会になるんだろうと、私、そのように思ったものですから、所信表明のようなことを書かせていただいた。

 しかし、このことはですね、私はこれで十分だとは思っていない。先生のおっしゃったことについても十分踏まえながらですね、またこれからの対応をしてまいりたい、このように思う次第でございます。

 この高齢者の持ち家の活用についての御提言をいただきましたが私は、子育てを終わりですね、そしてまた配偶者を亡くされた方、広い住宅にですね、ひとり住まいされていらっしゃるということも承知しているわけでございます。しかし、共同生活に入ったところが、いつまでも仲がいい関係であればいいけれども、そうでない、気まずい関係になったらどうするんだろうと、そういう老婆心も持っているわけでございます。また、一緒に住むということをですね、区として支援する以上は、火災があった場合、震災があった場合、あるいはその他のですね、安全対策についてもこれを講じていかなくちゃいけない。しかし、期間のですね、保証のないままに、公費をそこへ投入することがいいんだろうかというようなこともございます。

 もう一点は、その家の持ち主がお亡くなりになったときにですね、じゃ、今までのこの相続人との関係はどうなっていくんだろうか。いろんなことを考えたときにですね、なかなか前に進めることができないというような気持ちでございます。御提言は私、すばらしいと思っているわけでございますけれども、現実はなかなかできないということが実情であるわけでございます。

 そのようなことから、私どもは一方で、民間の住宅につきましてですね、宅建協会の御協力をお願いいたしまして、高齢等の理由で住み替え先が見つからない、そういう高齢者あるいは障害者に対しまして渋谷区高齢者等入居支援制度等の活用をさせていただく、そういった様々の考え方を持ちながらですね、高齢者住宅のあり方についてこれからも努力をしてまいりたい。その中には経費節減のですね、御示唆も十分踏まえていきたいと、このように思うものでございます。

 障害者の問題についてお話がございました。

 先生御自身の切実な御体験をもとにしてのお話であると、このように思っております。障害者福祉計画の精神を基本に置いて、これからも、この障害者施策の推進をということについては私も真剣にお受けとめをさせていただきたいなと、このように思います。

 この保護者の高齢化等への課題も、私もそのことについて十分認識をしなくてはいけない、このようにも思っております。

 今回この国の考え方、それは、地方の施設入所者につきまして、これが軽度の者については自立訓練を行って、地域への移行、すなわちグループホームへ移すという方針が示されたわけでございます。そういったことで、とりわけ親についてもですね、御本人についても御心配をされていることは、いつかこの施設を追い出されるんじゃないかと、そういうような御心配をされているわけであろうと思いますけれども、制度的にもそういうことはないと、こういうふうに思っているわけでございますけれども、渋谷区といたしましてもですね、先生が申されたように、この渋谷区が障害者福祉複合施設の建設を始めて、障害者施策の推進を確実なものとして進めてまいった。そこには、自立した生活の難しい方に対してはこれを支援していかなくてはならないと、このように思っているわけでございまして、これからもですね、障害者の方々あるいはその御父兄がですね、安心して住み続けられる渋谷の施策強化のために努力をしてまいりたいと、このように思う次第でございます。

 また、新橋作業所についてもですね、これを言うならば法内化をしていくということでしょうか、あるいは受け入れのできるような施設にしていけと、こういうようなお話でございます。

 今の、今日のこの法律が、まだ設備の基準が明確になっていないというようなことでございますので、そういったことを明確になった段階で、さらにその設備改修等についてもですね、検討してまいりたいと、このように思う次第でございます。

 ハッピーマザー助成について、かなり厳しい話がございました。

 私は、ハッピーマザーも医療費助成もですね、いずれも大事だと、このように思っております。言うならば、生まれる前からですね、やはり女性を大切にしていく、そして生まれる環境のですね、経済負担を軽くして、そして産みやすい環境づくりをしていく、そのことも大事ではないか、このように思って、私はこの会派、議会の会派からの御提言を受けとめさせていただきました。

 これは、一方では国の施策じゃないかというようなことを言われるわけですけれども、目の前にいる女性はですね、渋谷の区民なんですね。やはり基礎的自治体としての私は責務であると、このように思います。

 この児童手当もですね、御承知か知らないかわかりませんけれども、その四分の一は渋谷区が負担してきているんです。今回は六分の一になります。そんなことをいろいろ考えますとですね、やはり私は「あれだけは」とか「これだけは」ではなくて、総合的に産みやすい、育てやすい環境づくり、あるいは働きやすい環境づくりに努力してまいりたい、このように思う次第でございます。

 次に、幼保一元化についてのお尋ねでございました。

 この幼稚園と保育園の一元化、これは国が、幼保双方の機能を備えた施設を「認定こども園」として整備して、幼児の教育、保育を一体的に行うための新法案を提出しているということでございます。

 この「認定こども園」というのは、既存の幼稚園や保育所をですね、新施設に認定する場合に、あるいは民間の無認可保育所を認定するなどのケースが想定されているようでございます。この「認定こども園」のですね、特徴というのは、就学前の児童すべてを対象としてですね、保育に欠ける子も欠けない子も受け入れていくと、こういうことのようでございます。そしてまた、すべての子どもを対象とした、子育て不安に対応した相談や親子の集いの場を提供するというような方向であると思います。

 それを聞いた場合に、これは今、既に渋谷区は子育て支援センター、あるいは子ども家庭支援センターでやっているじゃないか、こういうふうに思いました。その上でですね、さらにやるとすれば、この幼保一元化はどういう意味があるんだろうかと、こういうふうに思うときにですね、私なりに思っていること、それはですね、これはしつけの問題じゃないのかなと、このように思っているものでございます。

 これからもですね、この仕組みやメリット等をですね、私どもも十分見据えた上で対応をしてまいりたいと、このように思う次第でございます。

 それから、この学童保育機能について、放課後クラブへ順次統合については、機能が違うんじゃないかというようなお話がございました。

 この制度変更に当たっては、明敏な薬丸先生でも十二分に理解していただけないのかな、我々はもっとですね、慎重に、適切に、親切に、これからも区民に対して理解していただけるような努力をしなくちゃいかんなと、このように思ったものでございます。

 この学童館というのは、さきに染谷先生にもお答えしたところでございますけども、この定員が制約があります。そうしたことから私はこれ、六年生まで建前としては使えるんですけれども、現実は三年生、しかも三年もですね、入れない子どもがおるんです。そのような状況ではですね、やはり子どもの放課後生活、安全で、また充実した放課後生活にはならないと、こういうふうに思っております。したがって、小学生全体をですね、私、教育委員会にもですね、学校生活だけがよければいいということでなくて、放課後生活もですね、視野に入れてもらって、総合的に子どもの生活を充実して、しかも安全な生活をと、こういうような思いがございました。

 今の学童館はですね、土曜日は場所提供だけですけれども、私は土曜日が大事だと思っております。土曜日が大事。場合によっては日曜日も見てやらなくちゃいかんじゃないか、そのようなですね、欲張った気持ちから、この放課後クラブを考えているわけでございます。どうぞ御理解をいただきたいと存じます。

 それから、旧大和田小学校跡地についてでございます。

 薬丸先生、都市再生緊急整備地域のためにですね、私、この仕事をやっているんじゃないんですよ。申しわけありませんけれども。この旧大和田小学校跡地整備というのはですね、これまでから、これまでのいろんな区政の課題をここで解決をしたい、そのためにはですね、おっしゃるとおり、これは大切な渋谷区の財産でありますけれども、これを活用してですね、文化芸術の振興、あるいは次世代の担い手となる子どもの育成、あるいは区民の福祉、健康のために寄与する施設。これは少子化のためにも高齢化のためにも、あるいは文化の時代に対応するためにも私はとっても大切だと、このように思っているんです。是非ともですね、先生、御理解いただいてですね、御協力をいただきたいもんだと、このように思っているものでございます。

 この場合にですね、この企画提案競争による施設案の選定、これはプロポーザルによって、基本設計、実施設計のですね、業者を決めるためにやらさせていただきました。したがって、そこにはですね、この建築専門家は入れていないということでございます。しかしながら、そのメンバーについてはですね、私はだれにも何とも言われないような、それなりの方にお願いしたと。区の職員も入っておりますけれども。そのように思っているわけでございます。

 この大和田小学校跡地の整備はですね、そうは言っても、一番この都市再生の緊急整備地域で言われていることはですね、まずは交通都市基盤を、まずこれを更新をして、そして使いやすくする、バリアフリーにする、そして東西通路をつくっていこうじゃないかと。それで、それを基点にして次々と新しい投資が生まれる、誘発するような形にしよう、こういうような方針を決められたというふうに思っておりますから、その意味では、そのことに私は沿うんではないか、緊急整備地域の地域方針に沿うと、このように思っております。

 もう一点は、やはりこの渋谷駅がですね、十三号線と東急東横線が相互乗り入れと相なった場合に、通過交通にならない、やはりそこで人がおりてくれるんだと、そういう意味合いもですね、この都市再生緊急整備地域には含まれていると思うんですけれども、やはり私は、そういう意味においてはですね、こうした商業・業務機能だけでなくって、多様な、この魅力ある文化芸術施設を置くことはですね、歩行者流動を高めていく、そういう役割も果たしていくであろうと、このように思っているところでございます。

 これまでも先生の方からですね、この開発手法について、あるいはPFIの活用について御助言をいただいてまいりましたが、私も、このことについてはですね、考えに考え抜いた上、今回この手法をとらさせていただきました。ランニングコストや施設運営のあり方についてはですね、これから御助言等も踏まえながら適切に対応してまいりたいと、このように思う次第でございます。

 それから、このまちづくりについて、まちづくりについては三点セット、つまりまちづくり条例、景観計画、土地利用調整条例の三点でなくちゃいかん、区長はこの全体のバランスを考えていないのかと、こういうお話だと私は思いました。

 まちづくり条例、この景観計画、土地利用調整の三点セットがよいという御主張に対してはですね、このまちづくり条例、もう先生もよく御承知の上、おっしゃっているんだろうと思いますけれども、このまちづくりのあり方をどういう形で進めていくか。それは「協働型のまちづくり」でいこう、区民の意向を汲んでですね、これをそこの意向に即した、地域特性に即したまちづくりをしていこう、そして渋谷区基本構想が定める区の将来像に近づけるような、そういう努力を区民全体でやっていこうじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますから、このまちづくり条例は、渋谷区全域を対象とした条例であるわけでございます。

 一方、この景観計画というのは良好な景観を保存していく、あるいは整備していく、保全ですね、保全をしていく、そういうことにあるわけであり、また、そのためのまちづくりを、ひとつきっかけづくりをしていくと、そういうことにあるんだろうと、このように思います。

 そのためには景観計画区域をどうする、あるいは景観形成の方針をどうする、あるいは良好な景観形成のための行為の制限、あるいは色調とかですね、高さとか、いろんなことがこのことに絡んでくる。あるいは景観重要建造物をどういうふうにやっていくのか、それを景観法に基づいて、国の景観法に基づいてこれをやっていこうと、こういうことであるわけでございます。

 土地利用調整条例、これは開発行為の許可基準及び事前協議、これは国交省の基準でいけばですね、例えば開発に対しては三%の用地提供とありますけど、私なんか三%じゃ足りないと思っているんです。もらう分がですね。少ないんじゃないかと、こう思っています。しかし、それは私の気持ちでございますから、そういった問題とか、大規模建築行為の基準とか、あるいは今、問題になっているワンルームマンションの整備基準とか、敷地面積の最低限度。今はですね、何にもないんです。私、区民から怒られることは、そういうことに渋谷区は遅れているじゃないかと、こういうことをいつも怒られています。ですから私は、この渋谷の住宅の環境を保全するためには、こういった敷地面積の最低限度もですね、それぞれの場所に対応した形で整備していく。それは私が勝手に決めようというんじゃなくて、それなりの専門家の先生のですね、御意見をいただいて、そしてそれぞれの、この三つのそれぞれの条例は、役割は、目的は違っておりますけれども、私はそれぞれが機能するように、それが先生の最初の目標であると、このように受けとめさせていただきたいと、このように思っております。

 しかしながら、その中で、今の社会状況で何を先にやらなくちゃいかんか。それを私は、先生は先ほどから学校、教育施設だけだと、こうおっしゃっていますけれども、私は、この高さ制限の問題があり、あるいは地区計画によって地域環境を早急にやらなくちゃいかん。そういうところを対象としてですね、早くやってほしい、そういうようなことをですね、考えて申し上げているわけでございまして、そのことについても御理解をいただきたいな、このように思う次第でございます。

 土地利用調整条例の性格についてお尋ねがございました。

 私は、このことについては、この区内における土地利用に関して適正な許可基準を定めるとともに、建築紛争を未然に防止して、区民が安心して住み続けられる環境保全を目的とするものである。したがいまして、適法、適正な規制、誘導を図ることを目的としたい。それのために適正な基準づくりを、専門家の意見も踏まえながらこれを置いて、それを成文化していきたいと、このように思っている次第でございます。

 その中で、まちづくり協議会と審議会はどう違うんだと、こういうようなお話がございました。

 これも先生、よく御存じの上でおっしゃっているんじゃないかなと、こう思っておりますけれども、念のため申し上げれば、まちづくり審議会は、まちづくり条例の七条、八条に規定をいたしておりまして、これは区長の附属機関でございます。そしてまちづくりの基本的事項や重要事項について御審議を賜る。まちづくり協議会は地域住民等で構成するものでございまして、まちづくり条例の十九条から二十一条に規定しているわけでございます。まちづくりを目的とした区民の組織体でございまして、それについては区が認定をする、こういうことでございます。

 それで、先ほどの設置基準については、この調整条例は規制か、それとも誘導か、あるいは何だと、こういう話でございましたけれども、私は、規制であり誘導でもあると、このように申し上げておきたいと思っているわけでございます。

 次に、高さ制限についてのお話がございました。

 守るべき環境は教育施設であると、このようにお話がございました。しかし、私は、それはちょっと違うんじゃないかと思っております。

 それは、教育施設も大切です。しかし、福祉施設、これは、じゃ日陰になってもいいのかということがございます。それは、保育園もそうでございます。幼稚園もそうでございます。いろんな施設がございます。公園もそうだと、このように思います。日陰の公園では、これは私は役に立たないと、このように思います。それだけでなくて、やはりこれからはですね、在宅介護の時代を迎えている。高齢者は家で日常生活を送るわけでございますから、私は、このすべてですね、教育施設だけが規制すればいいということにはならないんだと、私はそのように思います。

 先生のですね、御意見とは違うかもしれませんけれども、私は、この全体の環境を考えた、それこそバランスを考えたですね、まちづくりが必要であると、このように思っております。このことに対して教育施設だけをやったのがですね、それは佐賀であり千代田区であり、中央区等があるわけですけれども、いずれもこれは成功していないというふうに聞いております。私はそういうことも踏まえてですね、私は、全体を対象とした実効性のある規制を早くやっていきたい、このような気持ちでございます。

 その上で、建築物の高さ制限をまちづくり協議会で任せておいていいのかというようなお話だったと思います。

 そのことについてはですね、これまたまちづくり条例に戻っちゃうんですけれども、そういうことで私、区議会のですね、御議決をいただいたと、こう思っておりまして、私はこのまちづくり協議会を認定して、まちづくり協議会を中心としたまちづくりを進めさせていただきたい、合意形成に基づくまちづくりを進めさせていただきたいと、このように思っているものでございます。

 こういった意味で、各地域のですね、意見集約をした後に、区で地域特性を反映させた高さ制限の原案をつくっていく。その際、都市計画マスタープランや用途地域との整合性、あるいは近隣区との整合性など都市計画全体のバランスをとりながら、まちづくり協議会だけでなくてそういったことにも配慮しながら、行政としての責任を果たし、さらには都市計画審議会にも諮問し、決定、施行していきたい、こういうことでございます。

 この地区計画の策定は、地区の範囲はだれが決めるのかというようなお話もいただきました。

 私は、この地区の範囲というのは、これは地域が定めてもらいたい、地域で考えてもらいたい。行政が前に出ては「協働型のまちづくり」にはならないんだ、行政は側面からお手伝いをする、そういう考え方に立ちたい。ですから、出たいところも出ないで頑張ってまいりたいと思っております。

 地区計画が都市計画決定、告示されて、地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例が制定された後は、その区域内で建築物や工作物を新築や改築する際には制限が出てくる、そういうような形で、これまでもいろんなことで、地域で、区議会の御議決をいただいてそのようにさせていただきましたけれども、これからもその方向で進めたいと存じます。

 次に、渋谷駅周辺の整備についてのお話がございました。

 一つは、専念、専任できるスタッフを早急に置くようにということでございました。

 この平成十六年の四月の組織改正で、渋谷駅周辺地域等の都市基盤整備を総合的に調整するということで、都市基盤整備調整担当部を設置をさせていただきまして、専任の職員を置き、また、今年はそれを強化していきたいと、このように思っております。ガイドプラン21をベースとした区の立場を明確にして、国、都、事業者等と協議、調整を進めてまいりたいと、このように思っているわけでございます。

 その協議、調整についてはまた毅然とした対応でやってまいりたいと、このように思っておりまして、その中で、それぞれ関係者の役割分担を踏まえた対応をしてまいる所存でございます。

 また、このことについて都市整備基金も投入するなど、やるべきことは、一世一代のこの仕事でございますから頑張れと、こういうようなエールだったと、こういうふうに思いますけども、私はこれは、都市緊急整備地域というのはですね、基礎的自治体の仕事でもあると同時に広域自治体、国の仕事でもあると、私はそういうふうに思っているんです。渋谷区だけが頑張りますとですね、幾ら金があっても足りない、こういうふうに思っているんです。

 ですから、このことについてはですね、それぞれ協議体の中で役割分担をしっかり見極めていく、その上でですね、必要な予算については区議会にまたお願いをしたいと、このように思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと存じます。

 都市計画道路十九号、六十号の問題でございます。

 補助六十号線については時間がかかり過ぎていると、私もそのように思っておりますし、地元の要望もあるわけでございます。このことについては私どもの体制を強化して、専門的な視点からですね、このことに取り組み、解決をしてまいりたい、このように思います。

 補助十九号線については用地取得が九七%でございます。十八年度中に国庫補助等もですね、にらみながら、これについて御要請に応じてまいりたい、このように思っております。

 建物の耐震審査についてでございます。

 現在の確認の仕組みには限界があるんだと、この審査体制についてもっとしっかりせよと、こういうお話だったと思います。

 現在、この偽装問題に係る建築物については、一棟は本年二月から解体を始めた、残る一棟についても早晩その方向に向かうであろうと、このように思っているものでございます。

 この耐震偽装問題に対応するために、建築関係の諸制度の抜本的な見直しが必要とされております。本区としても早急に取り組むために、建築物の構造計算プログラムを導入いたしまして、プログラムを活用し、審査の厳格化に努めてまいります。また、抜本的な建築確認制度の見直しにつきましては、現在、国の社会資本整備審議会において検討がされている。既に中間報告が公表され、このうち早急に構ずべき施策については通常国会において法律改正が提案される予定だと聞いておりますので、それを待って対応してまいりたい、このように思います。

 平和国際都市の推進について御提言を賜りました。

 ありがたい御提言と受けとめまして、私は、この文化交流の基盤として、語学教育、これは大切だと、このように思い、これを真剣に受けとめさせていただき、この実現にも努力してまいりたいと、このように思っております。

 起震車の買いかえに伴いまして、これをウスキュダル区に贈呈してはどうかと、こういうお話でございました。

 私が一番おそれたのはですね、渋谷区で要らない廃棄物を向こうへやったんじゃないかと、そういうふうに受けとめられると好意が好意でなくなっちゃう、こういうふうに思いました。したがいまして、相手方の意向もですね、打診しながらも、そのことについて御提言に沿って対応してまいりたいと、このように思います。

 その次に、この実施計画についてのお話、平成二十年度の特別区債が極端に減って、四億七千二百万だと、これはどういうことだと、こういう御指摘であったと思います。

 この平成二十年度においてですね、実施計画されている事業、それ一つのみのですね、特別区債を計上したものですから、そのような形になったわけでございまして、具体的にこれ以外にもそういうものがあればですね、申しわけありませんけれども、これにつけ加えをさせていただきたいなと、このような気持ちでございます。御理解をいただきたいと存じます。

 最後に、組織機構の見直しについてお話をいただきました。

 政策決定と政策執行についての役割分担をしてと、こういうような御意見でございます。また、一人一人のやる気をですね、引き出していく、その必要についても御提言をいただきました。このこと自身は渋谷だけの問題でなくて、企業あるいは国、あるいは諸団体においても私は永遠の課題ではないのかなと、このように思っております。今後ともその努力を重ねてまいりたいと、こういうふうに思っているわけでございます。

 他方、この機構の見直しでございますけれども、簡素で効率的な執行体制をとることはですね、今日のこの時代の要請でございます。したがって、このこと自身はですね、この執行体制を増やしていくとかそういうことはですね、今の社会的な事情からはなかなか御理解いただけない。命がかれてもですね、努力をしていく、そういう決意でございますので、ひとつ御理解をいただきたいと存じます。

 以上で私の答弁を終わらせていただきます。



○議長(芦沢一明) 七番薬丸義朗議員。



◆七番(薬丸義朗) ただいま区長から、私の愚考に関しても熟慮と検討の上、御答弁いただきました。

 ちっとも私、区長のね、命がかれるようなことを申し上げているつもりはさらさらありません。何とか、先ほども申し上げましたけれども、大変だなという思いがあるものですから、もう少し楽になるような手立てはないかなという思いで申し上げました。

 当然に置かれた立場は違いますので、それぞれの施策に対する考えも今、伺いましたけれども、若干の差異はあるかなと、まだ私の思いも伝わらないところがあるかなというふうには思います。ただ、渋谷区や渋谷区民を思う気持ちは人後に落ちないと感じた次第であります。

 だれのための政治であるかを思い起こし、区民の目線に立って問題提起をいたしました。是非私の真意を理解していただければと思います。これからも機会あるたびに意のあるところを申し上げ、是非議論を深めてまいりたいと思う次第でございます。

 私は、区政の進むべき大きな方向性を示し、その方向性について力を与え、責任をとるのが政治の使命と考えております。自らその職務につきたいと手を挙げ、選ばれた区長や私ども議員であります。責任をしっかりと背負うことこそが政治家の使命そのものであります。

 重ねて申し上げますが、改革は無限です。これからは自治体間の競争の時代に入ります。住民が住みたい自治体を選ぶ時代が来るのです。透明で質の高いサービスが受けられるところには、必然的に人は集まってまいります。おのれの身を削り、スリムになって住民サービスに徹することが求められているのだと思っております。

 私は、このようなあるべき政治の道筋を心がけ、官民の知恵を結集して、明るく力強い渋谷区政の実現に向け、今後とも会派の同僚議員と力をあわせ、与えられた職務に邁進していかなければならぬと心している次第であります。

 若干時間、残りましたけれども、以上で質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(芦沢一明) 議事進行上、暫時休憩いたします。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   休憩 午後五時四十八分

   再開 午後六時十一分

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(芦沢一明) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 三十三番苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、住民要求を実現する立場から、四つの柱で質問いたします。

 第一に、憲法第九条の改定問題と、武力攻撃事態法、国民保護法など有事法制について質問いたします。

 憲法調査推進議員連盟は、去る二月二十二日、憲法改定の国民投票法案を今国会で成立させるため、民主、公明党に力をかりたいと述べました。成立させる姿勢を示したわけであります。

 憲法第九条の改定は、アメリカの戦争に日本が参加するために自衛隊を軍隊とし、日本を戦争できる国に変えようとすることに最大のねらいがあります。

 昨年十一月の自民党大会で決定された新憲法草案は、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法九条二項を削除するとともに、自衛軍の保持を明記し、海外で武力行使できるものとなっています。現在、イラクに派兵されている自衛隊は、第九条二項が歯どめとなって人道支援だけが任務とされていますが、二項の規定が変えられれば、イラクの人々に銃を向けることになります。

 日本を再び戦争ができる国にしようとする危険な改憲勢力の動きは、国連憲章に基づく平和の国際秩序を目指す地球的規模での大きな波が起こっている中で、それと孤立した逆流の動きと言わなければなりません。

 実際、アメリカを中心とする軍事同盟体制が、ヨーロッパでもアジアでもその多くが解体、機能不全、弱体化に陥り、それにかわって仮想敵国を持たない平和の地域共同体が広がるという世界情勢の大きな変化があります。戦後六十年を経て、国際社会の現実が憲法第九条が掲げた理想に近づいてきているのであります。

 日本国内の各マスコミの世論調査でも、「平和憲法第九条を守るべき」という声が国民の過半数を超えており、「九条の会」は、結成から一年半の間に全国の地域、学園、職場などで四千を超える会がつくられ、当区でも昨年の十二月十二日、タレントの永 六輔さんや国連大学元副学長の武者小路公秀さんなどが呼びかけ人となった「渋谷・九条の会」の結成総会が八百人が参加して開かれ、憲法第九条や平和への思いが熱く語られました。

 国際紛争は、武力によらず平和的に解決しようというのが世界の趨勢になっており、その中で憲法第九条の輝きも増しています。区長はそのことを深く認識すべきです。区長の見解を伺います。

 二点目は、国民保護条例と、国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例の制定にかかわる武力攻撃事態法、国民保護法について質問いたします。

 国民保護計画は、災害救助の住民避難計画などとは根本的に違うものであります。それは、アメリカ軍と自衛隊の軍事行動を最優先した国民動員計画だからであります。

 二つの条例の基礎となっている武力攻撃事態法や国民保護法は、アメリカが起こす戦争に国民が従うことを義務づけ、国民の土地、建物の強制収容、物資を収容することを強制し、また、自治体には病院や小学校、公会堂や区民会館などの施設をアメリカ軍や自衛隊に提供すること、輸送業者や医療機関を動員する計画をつくることを義務づけているのであります。そして、それに従わない国民には罰則を科すことが盛り込まれており、憲法で保障された基本的人権を侵害するものとなっています。

 国民保護法などが目指すものは、アメリカの世界制覇の戦争に日本が加わり、再びアジアの人々に銃を向けることであります。今、日本がなすべきことは、世界平和の指針となっている憲法第九条を守ることであります。

 私は、その立場から、憲法に違反する国民保護法などの有事法制の廃止を政府に求めるべきと、区長の見解を伺います。

 第二に、庶民大増税計画と医療改悪について質問いたします。

 定率減税の廃止に続いて、政府は消費税大増税の方向を打ち出し、政府税制調査会会長は、消費税の税率について「二けたにならざるを得ない」と言明しています。これが実施されたら、年収五百万円の四人家族では、定率減税の廃止や各種控除の廃止で四十二万円もの増税となり、その上、消費税が一〇%に引き上げられたら年間十三万円の増税となり、合計で五十五万円も税金で持っていかれることになるのであります。

 また、消費税は所得の低い人にも情け容赦なく襲いかかる税金で、区内の都営住宅に住む七十七歳の女性は「月八万六千円の年金で、医療費や家賃や電気・ガス代などを支払うと食事に回せるのは三万円、一日千円で生活しています。今でも五%の消費税は苦しいのに、これが一〇%になったら私の生活はどうなるのか。考えると生きていくのが嫌になる」と嘆いています。

 庶民には生活を破壊する大増税を押しつけ、小泉政権は、空前の利益を上げている大企業や大資産家に対する減税策をとり続け、大企業は法人税の減税で、一九八八年から二〇〇四年までの間に八十二兆円もの莫大な利益をため込んでいるのであります。巨大企業のトヨタでは、消費税を払うどころか毎年二千億円の還付金を受け取っているのであります。

 こうした不公平税制を何ら改めず消費税増税を図ることは、言語道断と言わなければなりません。大増税に反対すべきであります。見解を伺います。

 また、政府は去る二月十日、多くの国民や日本医師会などの反対の声を踏みにじり、公的医療制度を土台から掘り崩し、「人の命も金次第」にする医療改悪法案を国会に提出しました。その内容は、今年十月から七十歳以上の現役並み所得者の二割だった窓口負担を三割に引き上げる、二〇〇八年四月から、七十歳から七十四歳のすべての人の窓口負担を一割から二割にする、六十五歳から六十九歳の療養病床入院患者の一カ月の入院費を十三万円にするなど、高齢者や重症患者への驚くべき負担増となっており、これは受診抑制につながるものであります。

 ある診療所の事務長は「現在七十一歳の人の窓口負担は、一月二回で九百円。それが改悪されると千五百円ぐらいになります。年金暮らしの人に重い負担になって、診療所に来られなくなる人も出るし、入院になるとどんと負担が大きいので大変な事態になる」と指摘しています。

 今、日本の医療を立て直すことこそが求められています。

 そのための財源はあります。巨大開発など公共事業費や軍事費の無駄遣いを一掃し、史上最高のもうけを上げている大企業や大資産家に応分の負担を求めることを実施すれば、国民の医療費は賄えるのであります。また、高過ぎる薬価や医療機器にメスを入れれば、ここでも財源をつくることができます。

 医療制度改悪法案に反対すべきであります。区長の見解を伺います。

 続いて、第三の柱である二〇〇六年度予算について質問します。

 政府は、景気が回復したと盛んに宣伝しています。

   〔「傍聴、注意しろよ」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 傍聴の方は静粛に願います。



◆三十三番(苫孝二) しかし、私は地元の各商店街の新年会に出席しましたが、そこで聞いたのは「年末の売り上げは昨年とほとんど変わらない」「景気が回復したという実感はない」という声ばかりでありました。

 区内の現状は、二〇〇五年の中小企業の倒産件数は百三十件もあり、それによって職を失った労働者は二千七百七十一人に上っています。また、国民健康保険料の滞納世帯は一万八百五十五世帯で、全体の二六%を占めています。さらに、今年一月現在の生活保護世帯は千九百十一世帯、二千百五十三人となっており、五年前の二〇〇一年は千二百二十一世帯、千四百二人でしたから、この間に、いかに大勢の人々が厳しい生活に陥っているか明らかであります。それだけに、多くの区民は身近な渋谷区政に対し、暮らしを応援し、生活を支える施策の拡充を強く求め、そうした予算編成を望みました。

 今回の二〇〇六年度予算案には、区民の切実な要求や粘り強い運動や、我が党が数年にわたって提案してきた乳幼児医療費助成制度が、入院に限られましたが中学三年生まで拡大され、木造住宅の耐震補強工事への助成制度が創設されるなどの要求が盛り込まれております。

 しかし、区長が提出した予算案は、総事業費一兆円と言われる巨大プロジェクトである渋谷駅周辺地域の再開発を推進するために七千九百二十一万円、旧大和田小学校跡地施設のために一億二百四十六万五千円の旧校舎解体工事費を計上するなど、大企業優先をさらに強めるものとなっています。

 また、中小企業への支援策として重要な役割を果たしている景気対策特別資金融資制度の廃止、障害者、高齢者の生活の支えになっていた電話料補助制度の廃止など、福祉施策を切り捨てる、区民に冷たい予算案となっています。

 一点目の質問は、渋谷区新行財政改革要綱についてであります。

 昨年十月に定められた新行財政改革要綱は、総務省が示した五%の職員削減の指針を上回るもので、五年間で四百名、一六%以上の削減を目指し、平成二十二年四月の職員を二千人にするという異常なものであります。これは歴代自民党政府の「官から民へ」「小さな政府論」をさらに強力に推進する小泉政権の、教育・福祉分野に民間企業を参入させる構造改革路線に追随した、誤った方針と言わなければなりません。

 この間、構造改革路線の破綻として、耐震強度偽装問題などが起こりました。建築基準法の規制を緩和し、建築確認の事務とその検査を民間の営利企業にもできることにした結果、住まいの安全が守れない、家を退去しなければならないという深刻な事態を招いた政治の責任は、厳しく問われなければなりません。

 当区では、行政改革によって今まで七百八十五人の職員が減らされました。それにより、教育分野では、スクールバスの廃止や学校警備、学校給食の民間委託化が進められ、特に学校給食では、大事には至りませんでしたが、委託先の職員がO157を保菌していることが判明したことから給食がストップするということも発生しました。

 また、福祉分野では、国や都の負担が減らされたのを区民の負担増で乗り切ろうとし、認証保育所や指定管理者制度の導入が行われ、安上がりの保育に移行する動きが強められています。

   〔「安上がり、民間に失礼だろう」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 静粛に願います。



◆三十三番(苫孝二) 区民は渋谷区に対して、子どもたちの健やかな発達が図られ、生活が安定するための施策の充実を強く願っており、特に教育、福祉の分野では、資格を有する職員による安定的なサービスの提供と施設の運営を強く求めています。区長が決定した五年間で四百人もの職員を削減するという方針は、区民の願いを真っ向から踏みにじるものであります。

 私は、職員を削減し、福祉、教育を切り捨て、自治体の役割を放棄する行財政改革要綱は撤回し、中止すべきと考えます。区長の見解を伺います。

 二点目は、国民健康保険料徴収臨時職員による個人情報紛失問題について質問します。

 この問題は、国民健康保険料の徴収事務を行うために区が採用した非常勤職員が、二月十八日、百十七人分のリストを手に集金を行い、翌日曜日の十九日に集金状況を整理中、三十七人分のリストの一枚がないことに気づいたということであります。リストには住所、氏名、生年月日、電話番号、国民健康保険料の支払い状況などが記載されておりました。

 非常勤職員は二十日の月曜日に紛失を区に報告し、同日、区が代々木署に届け出たわけであります。

 この事態で問題なのは、区民の重要な個人情報が余りにもずさんに扱われていたということであります。この国民健康保険料徴収嘱託員による夜間、休日の滞納している均等割世帯に対する徴収事務は、二〇〇四年十月からスタートいたしました。区役所が閉庁している夜間や土曜・日曜日に保険料を徴収して各家庭を訪問するため、その相手先の個人情報を嘱託員が保管する、その管理方法が確立されておらず、区の責任が問われます。

 保護しなければならない区民の大事な情報が流出したことに対する認識の欠如と管理体制の不十分さ、区の責任が改めて問われています。こうした事態がなぜ発生したのか、そのことを徹底的に究明することが必要であります。区長はどのように考えているのか伺います。

 また、この制度が始まる以前は、納付相談係が訪問徴収していたことから、公務員として守秘義務があり、また、区民に対するプライバシーや個人情報を保護することがしっかり踏まえられた上での訪問活動がなされていました。ところが、今回の事態は、大事な情報が非常勤職員の個人管理にゆだねられたことに原因があるのであります。

 身分も収入も不安定な臨時職員に行わせていることは、大きな誤りであります。嘱託員制度を中止すべきと考えます。区長の見解を伺います。

 三点目は、学童クラブを二年間で廃止しようとする問題について質問いたします。

 先ほども答弁がありましたが、区長は学童クラブと放課後クラブの役割は同じように言いましたが、それは大きな誤りであります。

 学童クラブは、共働き家庭やひとり親家庭などの保育に欠ける子どもたちが放課後から夕方まで仲間たちとともに自由に過ごす、かけがえのない生活の場であります。福祉・保育施策として実施されてきた学童クラブ事業は、親たちが安心して働くためには不可欠で、子どもたちが豊かに成長する大事な施策でもあります。また、子育て支援策としても重要なものでもあります。

 しかし、放課後クラブは教育の一環として、全児童を対象に行われるわけであります。そこを一緒にやろうとしていることに父母は大きな不安を感じて、やめてほしいと言っているのであります。

 二軒屋学童クラブ父母会が行った、学童クラブが放課後クラブに移行することに対する父母へのアンケート調査では「子どもと接する時間が少ない働く親は、外での生活態度や子どもの心の動きを、なかなか知る事ができません。保育園や幼稚園から小学生になり、子どもにとって慣れない事ばかりの連続だと思います。そんな不安定な子ども達を一人一人親のように見てもらえる学童クラブはありがたく思います。放課後クラブになってしまうと見ていてくれる大人の人数も少なくなり、一人一人の子どもに目が届かないと思います」こうした声が多く寄せられています。

 現在、放課後クラブは七校で実施されていますが、職員体制は専門職員が一人で、あとの一人がアルバイトの職員、そしてボランティアで運営されています。放課後クラブは狭い一部屋だけが自由に使えるスペースで、おやつの支給もありません。

 一小学校区一学童館を整備するのが区の役割です。待機児を解消するために放課後クラブをと区長は考えたと言いますが、この間、待機児解消のため、笹幡学童館を初め本町児童センター、幡代学童館を整備してきたではありませんか。

 新年度の学童クラブの申請状況が先日、明らかになり、六百十五人の募集定員に対し応募者は七百九人で、九十四人が待機者となりました。学童クラブの充実が切実に求められているのであります。

 昨年三月に策定された渋谷区次世代育成支援行動計画は、学童館、学童クラブの整備をうたい、「放課後児童の健全育成を図るため、学童館、学童クラブ活動の活発化を進めます」と定めています。自ら決めた支援計画を一年もたたないうちに投げ捨てて、全学童クラブを二年間で廃止することは絶対に許されません。学童クラブの廃止方針は撤回すべきです。区長の見解を伺います。

 四点目は、子ども医療費助成制度の拡充について質問します。

 二〇〇六年度予算案で、乳幼児医療費助成制度が中学三年生まで拡大されたことについて、それが入院のみとされたことに、父母の間から、是非通院費も含めてほしいという要望が強く出されています。小学一年生の子と幼児二人の子どものお母さんは「一番上の子はアトピーとぜんそくで、小学校に上がった途端、二万円も医療費がかかって大変です。是非通院の医療費も無料にしてほしい」と訴えています。

 子どもの医療費の圧倒的部分を占めるのが通院の費用で、私たちの試算では、中学三年生までの医療費を全額無料にした場合の経費は、システムの改良費を含め三億八千九百四十六万円であります。当区の合計特殊出生率は、前年よりもさらに下がって〇・七一であります。それだけに、この施策の拡大が強く求められているのであります。

 今年四月時点で通院、入院の医療費を中学三年生まで助成し、無料としている区は、港・台東・北区、そして品川区であります。入院は、中学三年生までが大田区でありますが、その大田区でも、小学三年生までは通院費を無料にしています。墨田区、江東区も同様な措置をとると言われています。一刻も早く中学三年生までの医療費助成制度に通院費を含めるべきであります。区長に見解を伺います。

 五点目は、障害者自立支援法の制定に伴う渋谷区の支援策について質問いたします。

 この四月から障害者の福祉サービスへの自己負担制を原則一割にする自立支援法は、手厚いサービスが必要な重い障害を持つ人ほど重い負担が強いられます。例えば、障害年金と特別障害者手当で月十一万円が収入のひとり暮らしのAさんの場合、食事や家事、入浴など、一カ月に約三百時間のヘルプサービスを受け生活しています。これらはすべて無料ですが、四月からの自立支援法の施行によって、Aさんの負担額は一挙に二万四千六百円となるのであります。

 このような重い負担を少しでも軽くして、これまでのサービスを受けさせてほしいという障害者や家族の願いにこたえて、横浜市や京都市、荒川区では負担軽減策を実施します。その理由として、荒川区では「自立支援法では収入の認定範囲は本人から同一世帯に拡大されるが、家計の実態はこれまでと何ら変わらない。現在ほとんど利用者負担が無料であることを踏まえると、国及び都の利用者軽減策では不十分であり、家計に与える影響は極めて大きい」としています。

 区も今回、独自支援策を行いますが、その対象となるのは五〇%程度であります。私は、区として所得制限なしで在宅サービスの利用料負担を三%にすること、通所施設利用者の食事を半額にすること、在宅サービスの利用量が多い人に対して月額負担上限額を半額にするための補助を行うべきと考えます。また、障害者が人間として当たり前の生活をするために必要な支援を利益と見なして負担を課すという応益負担をやめるよう、政府に申し入れるべきです。区長の見解をあわせて伺います。

 次に、自立支援法の対象外とされた小規模民営授産所や作業所について、質問いたします。

 区内の民間授産施設作業所に百三十八人の人が通っています。今回は支援法の対象外とされ、従来どおり補助金も支給されることに、これらの施設の人々はほっとしています。しかし、今後、財政が厳しくなると言われる中で、これまでの運営ができていくのかなど、大きな不安を抱えて活動しています。今後も引き続き区が独自の支援策を強化し、援助をしていくべきと考えます。区長の見解を伺います。

 なお、区はこの自立支援法の説明会を、現在サービスを受けている約四百人しか対象としていません。全障害者を対象にする説明会を開くべきであることを強く要求するものであります。

 最後に、まちづくり問題について質問します。

 昨年暮れの十二月二十八日に政令で、渋谷駅周辺地域整備計画が都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域に指定されました。これを受けて、区長は新年度予算で渋谷駅周辺整備方針のまとめ、東口周辺地区・桜丘周辺地区市街地再開発事業、都市計画道路補助十八号線の測量など、合計で七千九百八十一万円の予算を組みました。

 渋谷駅再開発には、これまでの五年間で、調査段階で二億二千七百五十万円もの多額な予算が投入されています。都市再生特別措置法は、開発、建設、金融の大資本が一体となって推進する開発事業を容易にするため規制を緩和あるいは撤廃したものであり、地域住民や地域中小企業を守るものではありません。区長は総事業費も明確に示さず、また、区が負担を求められる公共施設等の整備費や、民間事業者が開発する事業計画に対する区の補助金支給額なども明確に示さないまま計画を推進してきました。

 私は、総事業費が一兆円と言われる、この再開発計画を推進していくことは、環境を破壊し、区民に莫大な財政負担を負わせ、区が果たすべき住民福祉を切り捨て、区民の暮らしを投げ捨てることにつながると考えます。この再開発計画は中止すべきであります。区長の見解を伺います。

 二点目は、旧大和田小学校跡地施設建設計画について質問します。

 旧大和田小学校跡地施設は区ニュースで、その建設費が百二十億円であること、当初の基本構想をまとめた八千代エンジニアリングから、基本・実施設計はNTTファシリティーズと日総建の共同企業体に変わり、十三階、二棟合築だったものが十一階建てに変わったこと、公益的用途フロアが七フロアから四フロアに変わったことなど、区民が成否を決めるに当たっての基本的な情報が知らされておりません。

 私の第一の質問は、今後の日程として、五月に基本設計、十一月には実施設計というスケジュールが組まれ、その急テンポの日程は、区民に十分な説明を行うという姿勢が欠如していると言わなければなりません。基本構想をまとめた八千代エンジニアリングから、基本設計・実施設計をなぜNTTファシリティーズと日総建の共同企業体に決定したのか、他の七つのプランはどういうものだったのか、住民に全情報を公開すべきです。区長に質問します。

 二点目は、採算上の問題から東急文化会館が中止したプラネタリウムについて、その建設費やランニングコストが幾らかかるのか、四百人、七百人のホールについての建設費とランニングコスト、その稼働率についてどのように見積もっているのか、また、施設建設のランニングコストの総額は幾らになるのか明らかにしていただきたいと思います。具体的答弁をお願いします。

 三点目は、この施設建設をなぜ区政の優先課題として急いで推進するのか質問します。

 百二十億円の莫大な血税を投入する大和田小学校跡地建設は、区民にとって、子や孫の世代にまで負担が続く施設となります。それだけに、慎重に区民合意を進めなければなりません。区民合意のない計画は見直すべきと考えます。区長の見解を伺います。

 最後に、先ほども答弁がありましたが、絶対高さ制限の早期導入について質問いたします。

 この間、千駄谷小学校の校舎が住友不動産の高層マンション計画によって日照が奪われることに端を発して、高さ制限をしてほしいということが広がり、運動も起こりました。

 区内には、西原二丁目の住宅地で丸紅の中高層マンションの建設問題、神宮前一丁目のマンション建設紛争、そして本町三丁目の百七十九メートルの超高層マンション建設の紛争が起こっており、居住環境、教育環境をどう守っていくのかが区政の重要課題となっています。

 父母や住民の粘り強い運動と世論が広がる中、区長も高さ制限の必要性を認め、今回、二〇〇八年度まで、それぞれの地域に対応した高度地区による絶対高さ制限を導入するなどの姿勢を見せております。

 本町地区では住民の要望を受け、予算を計上し、他の地域についても区民要望を真摯に受けとめ、直ちに絶対高さ制限の検討に入り、区民合意を経て、二〇〇八年を待たず全区的な絶対高さ制限を導入すべきと考えます。区長の見解を伺います。



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団、苫 孝二議員の代表質問に順次お答えをします。

 憲法九条についてのお尋ねでございます。

 憲法九条については、様々な考え、見解がございます。したがいまして、国会で論議し、最終的に国民が判断することが適切であると、このように考えております。

 また、憲法に違反する武力攻撃事態法や国民保護法の廃止を求めるべきだと、こういうお話でございますけれども、前段の私の説明で御理解をいただきたい、このように思います。

 増税に反対すべきであると、こういうお話でございます。

 定率減税の廃止等、税制にかかわることにつきましては、国政レベルで論議すべきことでございます。憲法は、この租税法律主義をとっているということでございますから、そのことについて御理解をいただきたいと思います。

 その次に、医療改革法案に反対すべきであると、こういうお話でございました。

 医療制度改革は、国において、高齢化の進展等に対します医療費の大幅な伸びに対し、二十一世紀においても国民の生命と安全に対する安心を確保するために、国民皆保険制度を堅持し、持続可能なものとするものでございます。国民各層の意見を踏まえまして国政レベルで論議すべきものでありますので、その動向を見守ってまいりたいと存じます。

 行革について撤回すべきであると、こういうお話でございます。

 今後の厳しい財政状況の中にありまして、安定的な区民サービスを提供していくためには、行財政改革は避けて通れないと考えております。今後とも職員労働組合の協力を得て、渋谷区新行財政改革を推進してまいりたいと、このように思います。

 次に、国保料徴収対象者のリスト紛失についたことについての、これを区の事務として行うべきである、こういうお話でございました。

 今回の事故は、徴収嘱託員が対象者リストを持って集金に行きまして、翌日、前日の整理をしている段階で気がついたという経緯のものでございます。この間、上司、本人が捜索をしたけれども、現時点で所在が不明であり、紛失した可能性もございます。対象者にはそれぞれ職員が訪問し、事情を説明して謝罪をさせていただいたところでもございます。

 国民健康保険料の徴収は、区民が在宅している時間帯の夜間、土曜日や日曜日に機動的に訪問いたしまして、支払いしやすくするようにすることによって徴収率の向上を上げるためのものでございまして、その一部を非常勤の徴収嘱託員に担当させているものでございます。

 訪問に当たっては徴収対象者のリストを持参するため、その管理には十分注意するよう、所管の責任者には平素から指示しているところでもございます。当該職員は、平素、意欲的に徴収に当たっておりましたが、リスト保持について注意力を欠いたところでございます。今後、このようなことを二度起こすことのないよう、研修や指導の強化を図り、再発防止と改善に全力を尽くし、個人情報の厳正な管理に努めてまいる所存でございます。

 なお、未納の国民健康保険料の徴収業務に当たっては、個人情報の管理を徹底した上で、引き続き徴収嘱託員の機動性を活用していくことが必要であると、このように考えております。

 次に、学童クラブの廃止にかかわる問題でございます。

 染谷議員や薬丸議員の代表質問にそれぞれお答えをさせていただきましたが、放課後クラブは、全児童を対象として放課後に安全で豊かな活動の場を提供する、児童の学力や体力の向上にもつながるスポーツ・文化などの体験学習など、魅力あるプログラムを展開してまいりたいと、このように思っております。

 また、保護者が就労等によって家にいない児童に対しまして、あるいは留守家族に対しまして、原則土曜日も含め保育管理をしまして、学童保育機能を向上、強化をしていきたい、こういう考え方でございます。

 今後、この放課後クラブの開設に合わせまして、今まで学童館が担ってきた学童保育事業は順次放課後クラブ事業に移行したいと、このように考えている次第でございます。御理解をいただきたいと存じます。

 次に、子ども医療費助成について、通院費も対象にすべきであると、このお考えでございますけれども、財政負担等の問題もございまして、あるいは国や都の果たすべき役割もございますので、この予算原案のとおりいきたいと、このように考えております。

 次に、障害者自立支援法の応益負担について、改善を政府に申し入れるべきではないかということでございました。

 障害者自立支援法は、利用者も含めて費用を負担し、支え合うことによって、増大している障害者福祉サービスの必要量を確保しながら、サービス提供の制度の維持・強化を図るという考え方に基づいて制定されたものでございます。重ねて政府に申し入れを行う考え方は持っておりません。

 次に、障害者自立支援法におきます利用者負担についてのお尋ねでございます。

 障害者自立支援法におきましては、支え合う仕組みの強化をその柱の一つとしておりまして、この法律の精神を踏まえまして、慎重に区の独自施策を考えていくべきものでございます。障害者自立支援法の制度といたしまして、低所得者に対する負担軽減措置の対象にならない一般世帯についても、負担が過大にならないよう上限額が設けられているほか、一定の条件に該当する方については負担上限額が引き下げられる措置が用意されているわけでございます。区としては、既にお答えしている以上の負担軽減策を講じる考え方は持っていないのでございます。

 次に、民営授産所や作業所を利用している障害者や家族が安心して日々の生活が送れるように、区独自の支援策を強化していくべきではないかというお尋ねでございます。

 区は、これまでも民営授産所や作業所に助成を行い、その運営を支え、良好な経営状況のもとに、入所を希望する方々のすべてがいずれかの作業所に入所できる環境の確保に当たってきたところであり、その考え方には変わりがないわけでございます。

 大和田小学校跡地施設建設についてお尋ねがございました。順次お答えをいたします。

 この基本構想の策定業務と基本・実施設計業務の、全く別個の業務として発注をさせていただいております。基本構想策定は、調査やコンサルタント業務が主でございまして、設計業務は、施主の意向を設計に盛り込む能力やセンス、設計図書を作成する体制が求められているところから、専門の設計事務所でなければ請け負えないわけでございます。基本構想策定業者と設計業者が異なりますのは、それぞれ最も適した業者選定を行う結果でございます。

 次に、プラネタリウムやホール及び施設全体について、それぞれの建設費やランニングコストについての質問でございますけれども、このことにつきましては、今後、具体的な設計作業を進める中で、施設運営のあり方も含めて検討、調査をしていきたいと考えております。

 この施設建設をなぜ区政の優先課題にするかということでございました。

 この旧大和田小学校跡地にかかわります文化、教育、福祉の複合施設の整備の必要性やこれまでの経過につきましては、さきの所信表明、さらには染谷区議会議員、薬丸区議会議員に御説明申し上げたところでございます。このことで御理解をいただきたいと存じます。

 最後に、まちづくりについてのお尋ねでございました。

 直ちに高さ制限の検討に入り、区民合意を得て、二〇〇八年を待たずに早急に絶対高さ制限の導入を図るべきだということでございます。

 このことについても、御答弁したとおりでございます。この建築物の高さ制限の導入は重要な課題であるという認識に立ちまして、「協働型のまちづくり」を実践し、各地域においてまちづくり協議会を中心に、検討段階から十分に御論議をいただき合意形成を図っていく、その考え方に立つものでございます。

 以上、答弁といたします。



○議長(芦沢一明) 区長、渋谷駅。



◎区長(桑原敏武) ちょっとお待ちください。

 失礼いたしました。

 渋谷駅周辺地域の再開発計画を中止すべきだとのお尋ねでございます。

 渋谷駅は、都内有数の交通結節点でありながら、老朽化が著しい。歩行者空間の整備も不十分でございまして、地下鉄十三号線の開業を控えまして、その整備・改良が強く求められているところでございます。

 また、先ほどからいろんなことを申されておりますけれども、この事業は主に民間が都市再開発により事業を適切に促進していく、そのところに主眼がございまして、それによって豊かで快適なまちづくり、活力あるまちづくりを進めていこうと、こういう趣旨でございます。したがいまして、この計画については、私は進めるべきであると、このように思っている次第でございます。

 答弁漏れを失礼いたしました。どうぞよろしくお願いします。



○議長(芦沢一明) 三十三番苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 区長から答弁をいただきましたけれども、再度二、三点質問したいと思います。

 区長は、まあ答弁漏らしましたけれどもですね、やはり渋谷駅や、また旧大和田小学校の跡地建設問題などですね、私たちは共産党として、非常に財政負担になっていく問題についてですね、これは単に区長の政治姿勢だけではなくて、区民全体の問題にかかわってくるわけですから、そういう点からもですね、やっぱり財政的な裏づけをもってどうなのかということを、やはり区民にしっかり示して、そして判断を仰ぐ、区民の、区政の主人公は区民でありますから、やはりそういう説明責任を十分果たした上でですね、判断を仰ぐという視点を持っていかなければいけないんではないでしょうか。

 まずそういう点もないままですね、百二十億円の例えば旧大和田小学校の、そして計画がですね、進められる。そのことについて、改めて区長の答弁をお願いしたいと思います。

 それから、渋谷駅周辺開発についてもですね、重要な問題でありますから、そして都市再生法、これについての認識はどうなのか、改めて区長に伺いたいと思います。

 これは住民にとっては非常に大変な法律なわけですから、そういう意味でも、そのことをしっかり踏まえた答弁をしていただきたいというふうに思います。

 それから、父母の多くがですね、今、心配をしている学童クラブの廃止問題。これは、子どもたちが豊かに過ごせるのかどうかという点から父母が心配しているわけですから、これは保育行政の、今までその一つとして区民も認識もし、また、親もそういうことで子どもを安心して育てて働ける、そういう環境づくりとして整備されてきたものでありますから、その点から考えてもですね、区長の答弁はおかしいというふうに言わざるを得ません。その点についてのですね、保育と教育をごっちゃにしての考え方というのはおかしいわけですから、そういう点で言えばですね、やはり一人一人の子どもをどうフォローアップしていくのか、そういう点での答弁をもう一度お願いしたいと思います。



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 最初に、この大和田小学校跡地開発についてのお話がございました。

 この財政負担の裏づけをもってやるようにと、こういうお話でございまして、そのことについては私の所信表明をですね、よく読んでいただければ、そのことへの対応はきちっとすると、こういうふうに申し上げております。

 このうち、この百二十億、百二十億とありますけれども、この一部分はですね、これは医師会に負担していただきます。だから、百二十億満額じゃないわけです。これはそういうことでございますし、また、一部については民間にこれを使わせることによって、その負担も軽減していこうということですから、丸々渋谷区がですね、百二十億ということではございません。

 その数字について今ですね、言いますと、またいつまでもそのことを言われるようですから、今日は言いませんけれども、そのことだけは申し上げておきたいと思います。

 再開発についてはですね、先ほど申し上げました。民間の都市再開発が基本でございます。渋谷区は、そういった再開発と再開発とをですね、どういうような、国や都や、あるいは区がですね、あるいは鉄道事業者等が役割負担をするか、そのことがこれから、今年ですね、決まってくる。その中で負担が決まってくるんですよ。何でもかんでも反対してですね、あれだけの老朽化した施設でいいんでしょうか。私はそのことを申し上げたいと思います。

 それから、放課後クラブですけれども、放課後クラブもですね、学童保育の機能を持つと、こう言っているんです。それどころか、今までできていなかった小学生六年まで含めて、そのことを考えたらどうだということを言っているんです。留守家庭もそうなんです。安全な家庭環境をつくっていく、放課後環境をつくっていく、そのことが必要じゃないか。いつまでも石頭では困ると、こういうふうに思います。どうぞよろしくお願いします。



○議長(芦沢一明) 三十三番苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 今、石頭と言われましたけれども、私は、区民の立場からしたらですね、石頭と言われようが何と言われようがですね、正しいものは正しいというふうに思いますし、区民要求をですね、どうして区長は見ないのかということをまず申し上げたいと思います。誠意ある答弁をしていないということ、やはりまともにそういうふうに区民要求を考えないということだというふうに思います。

 また、渋谷駅の問題についてもですね、私たちは、渋谷駅そのものについてはJRの責任で、また東急の責任でやるべき問題であって、それを渋谷区が補助金を出したり、一定程度は必要ですけれども、しかし中心の、そのバリアフリーのための補助金は必要だという意味ですよ。

   〔「金額を言えよ、金額」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 静粛に願います。



◆三十三番(苫孝二) そういうことであって、しかし、それ以上をですね、こんな百三十九ヘクタールまで広げてですね、やること自体が間違いだというふうに言っているんですよ。

 バリアフリーや何かのことについては私どもも心を痛めていますし、そういうことはやるべきだというふうに思います。そのことをしっかり認識してほしいし、区の役割としてのやり方が間違っているから私たちは意見を言っているんです。

 私たちは、今、質問した問題についてはですね、各議員が各委員会で追及していきます。

 私の質問はこれで終わります。



○議長(芦沢一明) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△日程第一 会期決定の件

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(芦沢一明) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から三月三十一日までの三十日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は三十日間と決定いたしました。

 日程第二を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△日程第二 同意第一号 渋谷区監査委員の選任の同意について

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(芦沢一明) 本件に関し、代表監査委員倉林倭男氏は暫時御退場願います。

   〔退場〕



○議長(芦沢一明) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました同意第一号は、識見を有する者のうちから選任します監査委員のうち、平成十八年三月三十一日をもって任期を満了する者の後任者として倉林倭男氏を任命するため、提出するものであります。

 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。



○議長(芦沢一明) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから討論に入ります。討論はありませんか。討論なしと認めます。

 これから日程第二を採決いたします。

 本件については、区長提案のとおり倉林倭男氏を渋谷区監査委員として選任に同意することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 御異議ないと認めます。

 よって、倉林倭男氏を渋谷区監査委員として選任することに同意と決定いたしました。

 倉林倭男氏の入場を許可いたします。

   〔入場〕



○議長(芦沢一明) お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明三月三日、午後一時に開議いたします。

 なお、日程は、当日文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   延会 午後七時十分

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   芦沢一明

渋谷区議会副議長  松岡定俊

渋谷区議会議員   東 敦子

渋谷区議会議員   染谷賢治