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東京都 渋谷区

平成17年  9月 定例会(第3回) 09月29日−10号




平成17年  9月 定例会(第3回) − 09月29日−10号










平成17年  9月 定例会(第3回)



           平成十七年 渋谷区議会会議録 第十号

 九月二十九日(木)

出席議員(三十三名)

  一番  前田和茂         二番  奈良明子

  三番  小林清光         四番  岡本浩一

  五番  沢島英隆         六番  栗谷順彦

  七番  芦沢一明         八番  平田喜章

  九番  金井義忠         十番  薬丸義朗

 十一番  東 敦子        十二番  水原利朗

 十三番  松岡定俊        十四番  丸山高司

 十六番  吉野和子        十七番  古川斗記男

 十八番  伊藤美代子       十九番  鈴木建邦

 二十番  長谷部 健      二十一番  牛尾真己

二十二番  森 治樹       二十三番  新保久美子

二十四番  五十嵐千代子     二十五番  木村正義

二十六番  齋藤一夫       二十七番  染谷賢治

二十八番  座光寺幸男      二十九番  広瀬 誠

 三十番  植野 修       三十一番  小林崇央

三十二番  岡野雄太       三十三番  苫 孝二

三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

  欠番  十五番

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          星宮正典

    総務部長          松井 裕

    区民部長          山内一正

    福祉部長          池山世津子

    子ども家庭部長       松崎 守

    保健衛生部長        吉村伸子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          坂井正市

    環境清掃部長        中島豊六

    安全対策本部長       佐戸幸弘

    防災担当部長        柴田春喜

    都市基盤整備調整担当部長  小笠原通永

    教育委員会委員長      青木宣昭

    教育委員会教育長      足立良明

    教育委員会事務局次長    北村奈穂子

    選挙管理委員会委員長    甲斐孝喜

    選挙管理委員会事務局長   田中泰夫

    代表監査委員        倉林倭男

    監査委員事務局長      菊池 淳

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事務局職員

事務局長  石川民雄  次長    小湊信幸

議事係長  倉澤和弘  議事主査  岩橋昭子

議事主査  中山俊幸  議事主査  宮本 勇

議事主査  太田 晃  議事主査  友永伸二

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   平成十七年第三回渋谷区議会定例会議事日程

            平成十七年九月二十九日(木)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二 議案第七十九号 渋谷区附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

日程第三 議案第八十号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例

日程第四 議案第八十一号 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例

日程第五 議案第八十八号 渋谷区防災従事者損害補償条例の一部を改正する条例

日程第六 議案第八十四号 渋谷区まちづくり条例

日程第七 議案第八十五号 渋谷区建築物の解体工事計画の事前周知に関する条例

日程第八 議案第八十六号 渋谷区特別工業地区建築条例の一部を改正する条例

日程第九 議案第八十七号 渋谷区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第十 議案第八十九号 渋谷区立図書館条例の一部を改正する条例

日程第十一 議案第八十二号 渋谷区営住宅条例の一部を改正する条例

日程第十二 議案第八十三号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第十三 議案第九十号 平成十七年度渋谷区一般会計補正予算(第三号)

日程第十四 議案第九十四号 平成十七年度渋谷区一般会計補正予算(第四号)

日程第十五 認定第一号 平成十六年度渋谷区一般会計歳入歳出決算

日程第十六 認定第二号 平成十六年度渋谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算

日程第十七 認定第三号 平成十六年度渋谷区老人保健医療事業会計歳入歳出決算

日程第十八 認定第四号 平成十六年度渋谷区介護保険事業会計歳入歳出決算

日程第十九 議案第九十一号 渋谷公会堂の指定管理者の指定について

日程第二十 議案第九十二号 渋谷区立二の平渋谷荘の指定管理者の指定について

日程第二十一 議案第九十三号 渋谷区立保育園の指定管理者の指定について

日程第二十二 報告第六号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について

日程第二十三 報告第七号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について

日程第二十四 報告第八号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について

日程第二十五 報告第九号 財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(芦沢一明) ただいまから平成十七年第三回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、二番奈良明子議員、三十四番菅野 茂議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔石川事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 桑原区長、神山助役、内山収入役、星宮企画部長、松井総務部長、山内区民部長、池山福祉部長、松崎子ども家庭部長、吉村保健衛生部長、古川都市整備部長、坂井土木部長、中島環境清掃部長、佐戸安全対策本部長、柴田防災担当部長、小笠原都市基盤整備調整担当部長、青木教育委員会委員長、足立教育委員会教育長、北村教育委員会事務局次長、甲斐選挙管理委員会委員長、田中選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員、菊池監査委員事務局長。

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○議長(芦沢一明) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成十七年第三回区議会定例会を招集し、議案の御審議をお願いするとともに当面の区政の課題について御説明申し上げ、区議会議員各位及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 所信を表明する前に、一言申し上げたいと存じます。

 石原東京都知事は、九月二十日に開会した都議会定例会の所信表明で「オリンピック開催を起爆剤として日本を覆う閉塞感を打破するためにも、日本の首都である東京に招致したい」と言われ、二〇一六年夏季五輪招致を正式に表明されました。

 一九六四年の第十八回夏季オリンピックが東京で開催された折には、渋谷区内のスポーツ施設を中心に展開され、渋谷公会堂での重量挙げでは三宅義信選手が金メダルを獲得されたことは今でも強く印象に残っております。再び東京でオリンピックが開催されることは、本区のスポーツ振興にとどまらず、地域の活性化に大いに寄与するものであると考えております。

 また、都市再生に関しましては後ほど申し上げますが、オリンピック招致に伴って措置法に基づく地域指定を受け、渋谷の大規模な基盤整備も想定されるところであります。今後、その推移を見ながら時宜に応じ区議会とも御相談し、本区としまして、まちづくりの観点からも柔軟に、また積極的に対応し、オリンピック招致活動に協力をしていきたいと思っております。

 友好都市提携についてであります。

 最初に、トルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区との友好都市提携について、御報告申し上げます。

 九月四日から十一日までトルコ共和国を訪問し、芦沢一明区議会議長及び主要会派幹事長の薬丸義朗、染谷賢治、植野 修、吉野和子各議員のお立ち会いを賜り、渋谷区、ウスキュダル区の両区が友好都市提携協定に調印することができました。芦沢議長及び議員各位の御協力に対し厚くお礼を申し上げます。

 思えば、二〇〇三年−−平成十五年、日本におけるトルコ年において様々な文化交流が渋谷を舞台として繰り広げられ、区民の間に、トルコに対し急速に友好的な機運が広がってまいりました。翌年にはトルコ共和国大使、ソルマズ・ウナイドゥン氏から訪問要請を受け、木村正義議員を団長とする都市提携調査を行う一方で、民間において、山下連合町会長初め区民の方々が渋谷区・トルコ友好協会を創立し、講演会やトルコ訪問をされ、大歓迎を受けたところでもあります。

 このような友好的な環境のもとで、本年五月末にウスキュダル区長以下九名が本区を訪問された際、ウスキュダル区への訪問を強く要請されたことを受けまして、本区として、都市提携がイスラム文化を理解し、平和な国際社会の発展に貢献すると考え、友好都市提携に踏み切ったものであります。

 九月五日にはウスキュダル区を公式訪問し、区議会議場においてイスタンブール選出国会議員、ウスキュダル区議会議員及び局長レベルの職員等議場いっぱいの歓迎交流会と、その夜、設営されたイスタンブールが一望できる屋外の調印会場で、ウスキュダル区の全区議会議員並びに在イスタンブール日本国総領事館首席領事、ウスキュダル郡長御夫妻を初め党役員等、関係者多数が出席する中、厳粛に調印式が行われ、その後、双方があいさつをいたしました。

 メフメット・チャクル区長は、渋谷区の皆様との再会を果たし、また、歴史上、日本とトルコとの特別な関係に思いめぐらせ、熱い気持ちを抱いている。双方は信仰こそ違うが、イスラム教徒はあるがままに受け入れることが基本である。今や国家ではなく都市間相互が競争する時代を迎えており、渋谷との都市提携は重要な意義を持っており、与野党は一致して支持した。今後は友好的な社会的・文化的交流を誠実に進め、地方自治の発展を期する。結びとして、友好都市提携のため、区長及び議長、議員各位の御尽力に対し感謝するという内容であります。

 私からは、今回渋谷区は、区議会議長及び四名の議員ともども友好都市提携のためウスキュダル区を訪問した。これまで渋谷区は、アジア近隣諸国や西欧との付き合いに限られていたが、新たにイスラム文化圏との交流としての認識を持っている。平和で共存できる二十一世紀は、互いの文化を尊重し、助け合うことが大切である。そして人と人との心の触れ合う交流は、自治体相互の都市提携によって初めて生まれると考える。都市提携によって、いわば新しくつくられたキャンバスに相互の信頼と努力によってすばらしい夢と希望のある絵が描かれることを期待する。

 また、芦沢議長からは、メフメット・チャクル区長、ユルドゥルム・ラマザンオール区議会副議長初め助役並びに区議会議員と再会し、温かい歓迎にお礼申し上げる。このたびの訪問目的は、これまでの交流成果を踏まえて友好都市提携協定を結び、今後の交流に向けて話し合いをすることである。これからは幅広い各界各層の区民の交流を末永く積み重ねることを願っている。両区は地理的にはアジアの両端に離れているが、心と心で結ばれた隣人としての付き合いが必ずや世界の平和と発展に寄与することを確信している。交流が進み、友好関係がさらに深まることを願うというあいさつがありました。

 公式行事の後、区の助役や議員の同行をいただき、恵まれぬ人のための社会発展センターや、子どものパソコンや学習のための「情報の家」やリハビリセンター、日本語を教える文化センター、さらには区長ともども、小学生が通う私立学校施設を見せていただき、学校給食もいただきました。どこの施設に行っても歓迎の横断幕やトルコ国、日本国の国旗を張りめぐらし、職員や子どもたちに大変な歓迎をしていただき、旅の疲れも忘れる思いでありました。

 さらに、先方の御厚意によりまちへ出て、ミナレットが特色づけるモスクや宮殿を見学しましたが、世界遺産に登録された数々の文化遺産や史跡はローマ・ビザンチン・オスマントルコ時代の名残をとどめ、世界史の中心的役割を果たした遺跡だけに、改めて感動的でありました。

 また、トルコ北西部地震の被災地を訪ね、ヤロワの震災モニュメントやいまだ残る仮設住宅等に心痛め、震災対策の重要性を再認識いたしました。

 その詳細な経過については、改めて報告書として取りまとめる予定でありますが、まずは友好都市提携協定を区議会の御協力によって円滑に終えることができたことを御報告申し上げたいと存じます。

 次に、本区のアスベスト総合対策について申し上げます。

 尼崎市の大手機械メーカーの旧工場で、従業員や周辺住民に発がん性のあるアスベストによる健康被害が広がっていたことが明らかになり、国民生活に及ぶ重大な社会問題となっております。

 アスベストは天然の繊維状の鉱物で、綿のように柔らかく、燃えず、摩擦にも強い特徴があり、日本では昭和三十年代以降、主として耐火や断熱、吸音のため、建築物の鉄骨や天井の吹き付け材、外壁材、断熱材などの建築材料等に大量に使用されてまいりました。国は、アスベストの吹き付け作業や有害性の高い青石綿の使用を禁止するなどの対策をとってきましたが、アスベストを含む建材などの使用や製造等を原則として全面禁止としたのは昨年の十月でありました。

 このため、新聞やテレビ報道とともに区民の不安が広がりつつある状況を踏まえ、また、この問題が保健衛生部や環境清掃部等各所管にまたがっているため、アスベスト対策連絡会議を設置し、区としての一体的な対策をとることとしました。

 対策の一つは、渋谷区医師会の協力を得て、健康相談、健康診断を実施することであります。二点目は、建築士事務所協会渋谷支部の協力を得て、民間建築物の相談、調査の実施並びに区内の環境調査及びリフォーム・解体業者への指導の実施であります。三点目に、区施設について再点検を行うとともに、解体・改修工事に当たっては国の方針等に従い、飛散防止の徹底を図ることであり、これらについて、御案内のとおり、八月十五日に区ニュース特集号でお知らせをいたしました。

 なお、区施設については目視や図面確認によりアスベスト使用状況の調査を行ってまいりましたが、図面と現況に相違のある施設、箇所があるため、この機会に調査を徹底したいと考えます。したがいまして、封じ込めや囲い込みを行い既にアスベスト処理が終了しているものも含め、すべての区施設を対象にアスベストの使用状況調査を専門家に委託するほか、緊急的にアスベスト撤去工事が必要となった場合には緊急の工事を実施することとし、補正予算第四号を追加議案として提出した次第であります。御理解いただきたいと存じます。

 他方、今後、壁や天井などの建材として過去にアスベストが使用されたビルや住宅等の解体による飛散の被害が懸念されます。そこで、区民の健康被害を防止するため、建築材料等に含まれているアスベストの飛散防止対策として、今定例会に渋谷区建築物の解体工事計画の事前周知に関する条例を提案いたしました。

 日常生活においてアスベストが飛散する可能性が最も高いのは、建築物の解体工事であり、多くの区民は近隣で解体工事が行われる際、大きな不安を抱えておられます。そこで、この条例案は、区内において面積八十平方メートル以上の建築物を解体する場合、また、吹き付けアスベストやアスベスト保温材を使用している建築物についてはその面積にかかわらず、解体工事を開始する三十日前までに解体工事の概要について近隣に周知する標識の設置を義務づけるとともに、あわせて解体工事の内容について近隣の住民への説明を義務づけることといたしております。

 また、本条例案は、建築物の解体工事における吹き付けアスベスト等の適正な処理対策等について、関係法令等を遵守させるものであり、解体工事が適正に行われるよう指導を徹底してまいりたいと考えます。

 次に、渋谷駅周辺整備について申し上げます。

 渋谷駅周辺は、平成十九年度の地下鉄十三号線の開業、平成二十四年度の東急東横線の地下化・相互直通運転を控えるなど、都市基盤整備が重要な課題であります。このため、区は地域区民代表、学識経験者、議員、事業者等広範な構成員から成る委員会を立ち上げ、平成十五年三月に渋谷駅周辺整備ガイドプラン21を策定し、関係者との協議・調整を行い、さらに、平成十六年七月には区議会全員協議会において、この間の渋谷駅周辺整備の検討経緯について報告申し上げたところでもあります。

 今後、ガイドプラン21をベースに置いて、渋谷駅周辺地区におけるまちづくりを推進し、都市基盤等の整備を初めとする都市再生を実現するため、国、都、関係事業者等の参加と協力によって民間開発の誘導を図り、環境や安全・安心にも十分配慮した都市開発事業等を通じて、とりわけ渋谷駅周辺の整備、更新を進めていく必要があると考えております。

 このための整備手法の一つとして、渋谷駅周辺地区が都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の指定を受けるべく、東京都及び関係者と検討を鋭意進めてまいります。

 まちづくりについて申し上げます。

 本区は、区、区民及び企業等が相互に連携・協力して進める協働型のまちづくりを目指しておりますが、これをより確かなものとして推進していくためには、区、区民及び企業等の責務を明らかにし、まちづくりの理念と手続を定める必要があります。そこで、渋谷区基本構想が定める区の将来像の実現に寄与するため、渋谷区まちづくり条例を本定例会に提案いたしました。

 この渋谷区まちづくり条例案は、区民の皆さんとの意見交換会を初め、本年四月にはシンポジウムの開催、その後は各地区町会連合会での説明会の開催など多くの区民各位の御意見を聞き、本条例案に反映させております。

 本区は、この渋谷区まちづくり条例を基本にしつつ、今後、まちづくり条例体系を整備してまいります。そして、この一環として、良好な景観の整備・保全を図るため、景観法に基づく景観計画の策定に着手し、景観条例の制定を検討するとともに、調和のとれた土地利用を図るため、土地利用等の調整等に関する条例についても検討を進めたいと考えております。

 次に、まちづくりに関連し、教育施設に日影を落とす中高層建築物の高さ制限等については、他の自治体でも論議され、また、本区においても本年の第一回区議会定例会において請願が採択されたところでもあります。そこで、本区としては、これらの課題を検討するため、学識経験者、弁護士等から成る教育施設等への中高層建築物高さ制限・日影規制検討委員会を本年五月に設置し、たび重なる検討を経てこのたび報告をいただきましたが、暑いさなかに御尽力を賜り、委員の皆様に厚くお礼を申し上げます。

 その報告によりますと、「土地所有権は憲法で保障された権利であり、その利用を制限することは法律によることが原則とされており、法律の範囲を超えて義務を課す制限は、特に法律が条例等による特例を認めていると解される場合を除いて認められない。また、教育施設等の特定施設に日影を落とす中高層建築物に限って一律に建築を規制することは合理性がなく、むしろ教育施設等の特定施設に限定しないで、まちづくり全体の観点から考える必要があり、現行法令上は、地区での合意に基づいた地区計画による高さ制限の導入が最も適している」という結論でありました。

 また、本区が今後、数年間をかけてその整備を目指しているまちづくり条例体系の制定に当たっては、「教育施設等の特定施設周辺に中高層建築物を建築する際の事前の調整手続などについても、考慮事項とされたい」との意見が付されております。

 したがいまして、前段で申し上げましたまちづくり条例体系の中で、この報告書の趣旨を反映させたいと考えております。

 次に、介護保険制度について申し上げます。

 御案内のように、介護保険制度につきましては本年六月、制度全般にわたる大幅な法改正が行われました。そのうち十月一日実施となる改正の趣旨は、施設の利用者と在宅との間の負担に公平を期するものであります。すなわち、特別養護老人ホームやショートステイやデイサービスなどの施設を利用する際の居住費、滞在費、食費について介護保険の適用外とし、負担の格差を是正しようとするものでありますが、そのため利用者への負担が増えるのではないかという危惧が生じ、国においても負担の軽減策が講じられたところでございます。

 本区におきましては、この法律改正の趣旨を踏まえつつも、低所得者への負担が過大とならないようきめ細かく検討を重ね、今回、九月二十一日の臨時会において関係条例の改正を御議決いただきました。

 負担増に対する危惧に対し、国の負担軽減策は、年収二百六十六万未満の非課税所得に対し負担限度額を設定するとともに、さらには年収百五十万、預貯金三百五十万円以下の方には、社会福祉法人に対し、利用者の自己負担分を四分の三に軽減するよう求めております。

 渋谷区はこれらの軽減策を積極的に活用するとともに、さらに区の独自施策であります介護保険サービス利用者負担額助成制度を拡充し、低所得者に過大な負担増加とならないよう、きめ細かな配慮をいたしました。

 すなわち、特別養護老人ホームの利用につきましては、国と社会福祉法人による軽減を活用することにより、生活保護などの第一段階あるいは年収八十万円以下の第二段階の方々が「あやめ」や「けやき」など従来型の多床室を利用した場合の負担額は、現在より最大八千五百円まで軽減します。

 しかしながら、これらの施策を講じても、第三段階のうち収入が八十万を超え百五十万円以下で預貯金が三百五十万円以下の方々については、現在の負担四万円が四万四千二百五十円と、四千二百五十円の負担増となり、また、本年十二月に開設いたします第三特養「美竹の丘・しぶや」につきましても、第二段階の方で四万二千七百五十円と、二千七百五十円の負担増となるものでございますが、法律改正の趣旨が格差是正でありますので、御理解を賜りたいと存じます。

 他方、在宅における介護保険サービスを利用されている方も大勢いらっしゃいますが、渋谷区では他区に類のない介護保険サービス利用者負担額助成制度を設け、在宅サービスの自己負担一〇%を三%に軽減し、独自の支援をしてまいりました。本区はこの制度を拡充し、預貯金限度額を従来の二百四十万円から三百五十万円に引き上げるとともに、ショートステイやデイサービスの滞在費、食費についてもその四分の一を助成し、低所得者への配慮を行うこととします。

 こうすることにより、ショートステイについては「美竹の丘・しぶや」の利用も含め、第一段階から第三段階までの方の負担が現在より最大六千七十円軽減することとなり、また、デイサービスの食事代についても、現在の四百円とほぼ同額の負担で御利用いただけることとしたものです。

 新聞によりますと、他の区でも食費等への助成を報じているところですが、本区におきましては独自制度を活用していただくことで負担を軽減あるいは微増に抑え、低所得者の方でも引き続き安心して介護保険の御利用ができるようにいたしました。

 なお、これまでのことをまとめて、御参考までに資料として添付をさせていただきました。

 いずれにせよ、準備期間が限られていることもありますので、十二月一日にオープンする「美竹の丘・しぶや」は言うまでもなく、「けやきの苑・西原」あるいは「あやめの苑・代々木」などの公設民営施設の現利用者の皆さんが安心してスムーズに新制度に対応できるよう、今後ともきめ細かく御説明してまいりたいと存じます。

 また、同じ区民利用者の間で不公平が生じないよう、「つるとかめ」や「パール代官山」など民設施設につきましても公設民営施設と同様の御協力を求め、取り扱いの統一を図ります。

 なお、介護保険制度全般の見直しに関しましては、今回の十一月改正分のほか……

   〔「十月」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) 失礼しました。

 今回の十月一日改正分のほか、平成十八年度を初年度とする次期介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画を策定するため、介護保険事業計画等作成委員会において、その方向性について御審議をいただいているところでありますが、十月末を目途に中間のまとめを目指し、鋭意検討されておりますので、その状況等につきましては改めて議会及び区民に対し御報告したいと存じます。

 次に、子育て支援対策の推進と充実について申し上げます。

 平成十五年七月に成立した次世代育成支援対策推進法に基づき、本区は渋谷区次世代育成支援行動計画を本年三月に策定したところでございますが、子育て環境の整備は区政における重要課題でございます。

 そのため、平成十八年四月、美竹の丘保育園を開設するとともに、二カ所目の認証保育所を恵比寿地域に本年十一月に開設する予定であります。

 子育て中の保護者の様々な就労形態等に対応するためには、低年齢保育や長時間保育、休日保育など多様なサービスの提供を図り、育てやすい環境づくりに努めたいと思います。

 次に、安全・安心なまちづくりについてでございます。

 本区は、これまでも青少年の健全育成、安全の確保を重要課題の一つとして、区民、事業者、関係行政機関等と連携・協力し、取り組んでまいりました。今夏は渋谷区青少年対策地区委員会のお力を結集していただき、夏休みハチ公パトロールを実施し、青少年の安全確保のため厳しい暑さの中、御尽力を賜り、感謝を申し上げる次第であります。

 また、本年九月七日、かねて整備を進めておりました道玄坂の渋谷区立百軒店児童遊園地が、旅館業法による保護対象施設として都知事の指定を受け、旅館業法により、同遊園地からおおむね百メートル以内は旅館業の許可をしないことができることとなりました。

 今後とも、まちづくりに関する法令等を活用し、また地域の御協力をいただきながら、青少年の健全育成、地域環境の整備に努めてまいります。

 さらに、去る六月二十八日に行われました政府の犯罪対策閣僚会議と都市再生本部との合同の会議におきまして、安全・安心を初めとした大都市の魅力ある繁華街の再生のためにモデル的な取り組みを展開する全国十一地区の繁華街の一つとして、渋谷が指定を受けました。この取り組みは来年四月実施を予定しておりますが、本区として、これに積極的に対応したいと考えます。今後とも、区民初め東京都、警察等の関係機関や地元商店会等とも連携をしながら、迷惑・違法行為を排除、未然防止し、安全で安心なまちづくりに努めてまいります。

 本定例会には、以上申し上げたものも含め、条例案十一件、平成十六年度一般会計歳入歳出決算等四会計の決算審査、平成十七年度一般会計補正予算二件、渋谷公会堂の指定管理者の指定等三件の指定案、報告四件を提出しております。よろしく御審議、御審査をお願い申し上げ、私の発言といたします。

 ありがとうございました。

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○議長(芦沢一明) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 三十二番岡野雄太議員。



◆三十二番(岡野雄太) 私は、未来の渋谷をつくる会を代表して、区政にかかわる重要課題について質問をいたします。

 初めに、選挙にかかわる課題について区長に質問いたします。

 まず、投票率についてであります。

 本年第二回定例会から第三回定例会までの期間に二度の選挙がありました。相変わらず渋谷区は、都内の他地区と比べ投票率が低く、毎回ワーストスリーに名を連ねるようになっております。区議会議員選挙や、同時に行われた区長選挙も投票率が低く、都議会議員選挙や統一地方選挙では五〇%を切るような状況であります。このような状況について区長はどのように感じておられるのかを、まずお聞きしたいと思います。

 当区では、選挙前日と当日に投票を呼びかける広報車を走らせ、投票日には防災無線で投票を呼びかけたり、期日前投票所を増やすなどの努力をされております。

 しかし、広報車についてはただ走るだけで、音を聞かせるようなスピードで走っているわけではなく、私も何度か目にいたしましたが、細い路地でもかなりのスピードで通り過ぎていき、何を伝えようとしているのか全くわからないといった姿を目にいたしました。また、防災無線にいたしましても、近年、高層ビルや高層マンションが建設されておりますので、聞こえない地域が増えているように思います。

 努力をしているように見えても、実効性がなければ何の意味もありません。広報車の走り方や、あるいは台数、車のデザインなども含め考え直す必要があると思いますし、また、防災無線については選挙のことだけでなく、実際に災害が起こったときに音が聞こえないというのは問題であります。地域の実情を把握し、増設したり移動したりするなどの対応が必要だと思いますが、広報車については選管委員長に、防災無線については区長に、こうした実情をどのようにとらえているのでしょうか、それぞれお考えをお聞きいたします。

 期日前投票所につきましては、今回の衆議院議員選挙で区役所に多くの有権者が訪れている姿が見られました。関心の高さもあったかもしれませんが、身近な施設で簡単に投票ができることは大変重要であり、当区では平成十五年の都知事選挙から、本庁舎、千駄ケ谷社教館、幡ケ谷社教館、氷川出張所に加え、上原出張所でも期日前投票が可能となりました。今後さらに増やしていってもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか、選管委員長の御見解をお聞きいたします。

 次に、ポスターの公営掲示板について質問をいたします。

 今回の衆議院選挙でも感じたのですが、ポスターの掲示板が縦長に設置をされておりました。場所によってはもともと高い場所に設置をされていて、縦長にすると上段の候補者はかなり高い所に位置しており、お年寄りなどはかなり見づらいのではと感じました。

 お隣の渋谷区では−−失礼しました、新宿区では、同じポスターの数にもかかわらず横長に設置されており、渋谷区に比べ大変見やすいように感じました。

 ポスターの公営掲示板について、設置基準はあるのでしょうか。選挙の公平性を期すためにも、当区でも見る側の立場に立って見やすいように設置した方がいいのではと思いますが、いかがでしょうか、選管委員長の見解をお示し願います。

 次に、まちづくりについて質問をいたします。

 本年第一回定例会で、渋谷区内の教育施設等に日影を落とす中高層建築物の制限に関する請願が、本区議会の賛成多数で採択されました。この請願は、区内の小中学校PTA連合会が主体となって署名活動を行い、一万一千五百三十二名の署名をもって提出され、子を持つ親の切実な思いが込められた請願でありました。

 まず、区長にお伺いしたいのですが、将来の渋谷を背負って立つ子どもたちの学ぶ場所である学校にビル建設によって日影が落ちることについて、どのように思われているのでしょうか。

 また、最近計画されている学校に日影を落とす建築物について、合法だからいたし方ないと思われているのでしょうか、この点を区長に御答弁いただきたいと思います。

 区長は冒頭発言の中で、本年五月に教育施設等への中高層建築物高さ制限・日影規制検討委員会を設置し、報告をいただいたとのことでしたが、その報告では「土地所有権は憲法で保障された権利であり、その利用を制限することは法律によることが原則とされており、法律の範囲を超えて義務を課す制限は、特に法律が条例による特例を認めていると解される場合を除いて認められない」とありました。しかし、権利を行使することによって被害を受ける土地所有者は、それを話し合いによって解決しようとする権利も当然あるはずですし、それが個人の権利の枠を超えて教育施設にまで影響を及ぼし、教育環境を著しく低下させるという場合には、より一層の話し合いや調整が必要ではないかと考えます。

 さらに、「教育施設等の特定施設に日影を落とす中高層建築物に限って一律に建築を規制することには合理性がなく、むしろ教育施設等の特定施設に限定しないで、まちづくり全体の観点から考える必要があり、現行法令上は、地区での合意に基づいた地区計画による高さ制限の導入が最も適している」という結論が出たようでありますが、一律に規制をしてほしいという趣旨の請願ではなく、子どもたちから太陽と青空が奪われることがないようにしてほしいというものでありますから、すべて一律にといった趣旨ではないと思いますし、合理性があって重要な問題だからこそ、黙って手をこまねくわけにはいかず、PTAの皆さんから請願が出され、議会の採択も行われたわけであります。

 検討委員会の報告書は公開されておらず、所管委員会にも報告されていないため、内部の詳細についてはわかりませんが、できるかできないかではなく、願意をくみ取った上で、できるような方法を考えることが大切ではないかと思います。

 その方法の一つとして「地区計画による高さ制限の導入が最も適している」とありますが、これについては既に神宮前等で行われているものでありますので、十分理解しているところであります。

 今定例会で提出予定のまちづくり条例の中には、「わがまちルール」というものが盛り込まれており、地域特性に応じたまちづくりに関する自主的ルールを「わがまちルール」として区に登録し、運用会議が自主運営する。区民、企業及び区は、適用区域において「わがまちルール」の実現に努めるとなっており、地区計画の縮小版と言ってもおかしくないものだと思われます。

 この場合、例えば、「わがまちルール」によって学校施設等に日影を落とす建物について基準を設けるルールが示されたときには、区としてどのような対応がとられるのでしょうか。

 また、まちづくり条例では、基本理念として協働型のまちづくりが掲げられ、区、区民、企業という三つの主体の役割を示しております。

 企業等の役割として開発事業を行うときは、「まちづくりマスタープランを遵守するとともに近隣の住民に対し早期周知を図り、理解と協力が得られるよう努める」「まちづくりマスタープランに定める目標及び将来像を理解し、積極的にその実現に寄与する」とあります。また、区の役割としては「企業による開発事業に対する適切な指導・助言を行う」とあり、区民の役割としては「まちづくりの主体としての役割を自覚し、積極的にまちづくりに取り組む」となっております。

 ここでは「まちづくりマスタープラン」とありますので、まちづくりマスタープランはどうなっているかといいますと、本条例の基本理念にのっとり、まちづくりマスタープランを策定し、区におけるまちづくり基本方針とするとともに、社会情勢の変化に対応して適時適切に変更するとなっております。

 基本理念、すなわち協働型のまちづくりにのっとりマスタープランをもう一歩踏み込んで策定をすれば、請願の趣旨に合ったまちづくり条例にすることが可能であります。まちづくりマスタープランはいつまでに策定されるのでしょうか。

 請願が採択されてから半年がたとうとしておりますが、この間にも教育施設に日影を落とす建築の計画が進んでおり、区としては早急な対応が求められております。数年かけてまちづくり条例体系を制定し、その中で趣旨を反映させたいという悠長な考えではなく、早急にまちづくり条例体系を構築すべく区長がリーダーシップを発揮していただきたいと多くの保護者が願っていると思いますが、区長、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。

 次に、区施設の有害物質について区長に質問いたします。

 まず、アスベスト問題について質問いたします。

 この問題についても冒頭の区長発言がありましたが、あえて詳細な点について取り上げてみたいと思います。

 当区のアスベスト問題が噴出したきっかけは、三月十七日の朝日新聞にて、渋谷公会堂の天井裏で大量のアスベストが発見されたという記事でありました。

 第一回定例会の予算特別委員会の分科会などでも、公会堂のアスベスト問題に端を発して質問のやりとりがありましたが、その当時は、公会堂以外の文教施設等の区施設に関しては、一貫して安全であるかのような理事者の答弁でありました。

 さらに、本年第二回定例会で我が会派の平田議員が公会堂及び区の施設、文教施設についてアスベストの現状及び経緯について質問をし、アスベスト対策を徹底して行う必要があるとの提言を行いました。これに対し「本年三月に確認し、徹底した調査と対策を講じている」「通達等に沿ってアスベストは適正に処理している」「既に徹底した調査と対策を講じている」という答弁をいただいたところであります。その際、ボードなどのアスベスト含有建材については区施設で使われているものの、適正に管理しておけばアスベストの飛散のおそれはなく、日常管理と撤去時の適切処理をするとの答弁がありました。

 ところが、その後の調査により、八月に撤去工事を行った山谷小、猿楽小や、つい先日明らかになった幡ケ谷区民会館など、アスベストが含まれる可能性がある建材を使用していたことが事実としてあったわけであります。したがって、第二回定例会での答弁とは状況が異なっていることは否めませんし、この間の区の動きをかんがみますと、区長の冒頭発言にもあったような国全体の社会問題に発展したことで、詳細な調査を行ったとしか思えないわけであります。

 先般の第二回臨時議会や今定例会では、条例及び補正予算という形でアスベスト対策が講じられております。区民のアスベストに対する不安感が拡大している昨今、評価すべきことだとは思いますが、アスベスト対策を徹底して行うことについて区としてどのような経過をたどったのか。

 また、区施設全般については九月中には調査結果が出るとのことでしたが、本日は九月の末でもありますので、現段階でその調査結果がどうなっているのか、そして今後どのような対策をとっていくのか、改めてお伺いいたします。

 今定例会では、渋谷区建築物の解体工事計画の事前周知に関する条例の新設が提案される予定となっております。これは解体工事に係る計画の事前周知に関しての条例であり、解体工事におけるアスベストの飛散が区民の不安の種になっている現在、非常にタイムリーな条例であると言えます。また、アスベストの総合対策として、補正予算が提出されております。これは民間建物のアスベスト相談、調査、大気中アスベスト濃度測定、アスベスト健康相談などの内容で、こちらも区民の安心を確保しようとするものであり、評価するものであります。

 平成五年に社団法人日本石綿協会が作成した「石綿製品の規制等に関する法律の制定に反対いたします」という文書によれば、「石綿粉じんの発生の多い製品は、自主的にほとんど代替化され、今後残ると思われる石綿製品は、大部分がセメントとかゴム質・プラスチックなどの結合材によって石綿が固定化されており、粉じんが発生しにくいものです。したがって、取付加工または二次加工時に過剰な粉じんが発生飛散しないように行政指導を遵守することによって、使用中はもちろん廃棄も含めたライフサイクルにおいても粉じんの発生は少なく、作業及び一般環境に悪影響を及ぼすことはないと考えます」とされています。

 まさに二次加工時、すなわち撤去時に、過剰な粉じんが発生しないよう行政指導を徹底することが必要であると考えます。

 先日の新聞報道で、練馬区でアスベストの規制条例制定に向けた動きがあることが明らかになりました。これは、民間建物所有者に対し情報公開や適正管理を求めるほか、解体などにおける飛散防止策が適切でない場合、改善勧告や改善命令を出せるよう罰則を設けることも検討しているといいます。

 今後の課題として、当区でもアスベストの規制条例を制定し、民間建築物における情報公開と改善勧告、改善命令を実現することによって区民の安心を確保すべきであると考えます。さらに、民間建物における除去費用の助成制度を創設するなどの検討もされるべきだと思いますが、いかがでしょうか、区長の御答弁をお願いいたします。

 今までアスベストのみに触れてまいりましたが、実際に健康被害をもたらす物質は数多く存在いたします。シックハウスやシックスクール、環境ホルモンなども話題となっております。

 シックハウス対策の基準を盛り込んだ建築基準法の改正など、この間、国や都でも対策を行い、また、それに基づいて渋谷区でも十分に対策を図ってきたわけでもあります。ところが、それぞれの基準は最低基準であり、区民の安心を確保するには最低基準を遵守するだけでは足りないというのがアスベスト問題での教訓であると言えます。

 例えば、シックハウス対策を含める形で平成十五年に改正された建築基準法では、ホルムアルデヒドとクロルピリホスという二つの物質にのみ規制するということとなっておりますが、その一方で、厚生労働省がシックハウス問題に関する検討会で指針を設定、検討している有害物質は、十種類を超えているのであります。

 検討会の報告書を読むと「ここで示した指針値は、現時点で入手可能な毒性に係る科学的見知から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したものであり、その設定の趣旨はこの値まではよいとするのではなく、指針値以下がより望ましいということである」と記載されている趣旨を踏まえますと、当区でも、より敏感に対応すべきであると考えます。

 また、環境ホルモンに関しましても、一万種類を超える化学物質の中から徐々に研究が進んでいる段階であります。

 平成十年に示された厚生労働省の環境ホルモンの健康への影響に関する検討会の中間報告書では、環境ホルモンの一部は「難分解性あるいは蓄積性のある物質であることが判明している。難分解性のものは、環境中に残留し次世代に、また、蓄積性のあるものは母から子に移行し次世代に引き継がれて行く。次世代に負の遺産を残さぬよう問題の把握に全力を尽くして行く必要がある」と記載されているように、有害物質への対処は一時的なものにしてはならず、継続的かつ徹底的に行わなくては区民の安全と安心は得られないと言えます。

 以上の観点から、アスベスト対策で現在の当区の積極的な姿勢を、シックハウスや環境ホルモンにおいても発揮していただきたいと思います。

 残念ながら、平成十五年七月十五日の都市環境委員会において、当時の理事者から笹塚三丁目住宅のエレベーター設置に関し、「エレベーターの設置をすると増築ということになり、既存の建物すべてシックハウス対策のものに合わせなければならないので、難しい」との認識を示しております。今後は、むしろ「エレベーター設置を契機にシックハウス対策を万全にする」という考えで、区民の安心・安全を積極的に図っていくような区の意識が必要であると考えます。

 シックハウスや環境ホルモンについて現状をいかに把握され、今後はどのような方針をお持ちか、区長の考えをお示しいただきたいと思います。

 次に、トルコ共和国ウスキュダル区との友好都市提携について質問をいたします。

 九月四日から十一日まで、区長を団長とする訪問団がトルコ共和国のイスタンブール市ウスキュダル区を訪問され、九月五日に友好都市提携の調印が行われました。提携に当たっては、日本におけるトルコ年の諸行事が、大使館が渋谷区にあるということもあり渋谷を中心に行われました。それを契機に友好都市提携の話が進み、昨年九月にはトルコ共和国友好都市調査団が派遣をされ、私も調査団の一員として訪問をいたしました。本年五月から六月にかけては、ウスキュダル区のメフメット・チャクル区長を初め区議会議員の皆さんが訪日され、友好関係が熟し、今般の調印に至ったと理解しております。私も調査団の一員として大変うれしく思いますし、今後の交流のあり方などについて興味のあるところであります。

 トルコ共和国は近年、大地震が起こり、大きな被害を受けている国であり、災害対策全般についての日本の取り組みについて興味があるようで、特に、ウスキュダル区長は起震車に興味を持っているとお聞きしております。一方、当区については、ヨーロッパとアジアの結節点でもあるイスタンブールの歴史的町並みやイスラム圏の文化について、学ぶべきことは多いと思います。

 そこで、区長は都市提携を結んだことを受け、今後の幅広い交流のあり方についてどのようなことを考えておられるのかをお示しいただきたいと思います。

 以上、大きく四点の質問に対し御答弁をお願いいたします。



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 未来の渋谷をつくる会の岡野雄太議員の代表質問に、順次お答えをしたいと思います。

 まず、投票率についてのお尋ねでございますけれども、先般実施された衆議院選挙の投票率は六一・九九%、その前の都議会選挙の投票率は三四・三三%、区議会選挙の投票率は三九・三三%であります。

 これまでもそうでございますけれども、区民は国政よりも地方自治を低く見ているためかもしれません。だから私も、国政に劣らず区政に対する関心を高める、区政も国政に劣らず大切だと思っていただく努力が必要だと、このように思っているわけでございまして、岡野議員のお力をかしていただきたい、このように思います。

 もう一点、そこの中で、渋谷区は二十三区中ワーストスリーだと、このように言われました。

 合計特殊出生率やその他のことでもそうでございますけれども、渋谷には特殊事情がございまして、渋谷は他区に比較して転出入が高く、区民の住まい方が違っている。そういったことが地域への関心を失わせているのかと、このように思うものでございます。

 区議会が選挙されました選管委員のうち、二名の方は議員経験者でもあり、他の二名の方々は、それぞれ公私ともに知っておりますけれども、御立派な方々がなられていらっしゃいますので、これからも投票向上のための課題は十分御承知だと、このように私は思っております。一挙に投票率を上げることは難しいと思いますけれども、投票率のアップは住民自治の基盤でもあるわけでございます。これからも選挙管理委員会の御努力を支援し、区も対応してまいりたいと、このように思います。

 次に、選挙に関連し、防災無線の音達率−−音の達する率でございますけれども、音達率が低いが、いざというときに大丈夫かと、こういうことでございました。

 御承知のとおり、急速にマンションが増え、都市型居住となります。そして、マンションの質がよくなればなるほど遮音性、音が中に入りにくくなっていくわけでございます。そのために、私のところには住民から、同じ地域でありながら、ある家からは「うるさい」ある家からは「聞こえない」、このようなおしかりも届いているわけでございます。

 これまでも、そのために補助的に様々な手段を講じてまいったわけでございますけれども、これからは発想を変えて、物量的な対策から情報手段を多様化していく、そういう方向で、視点で考えていかなくてはならない、このように思っているわけでございます。

 しかし、決め手のない現在におきましては、移動系無線やファクス等を活用して、小中学校に行けば被災情報も安否情報もわかるよ、そのような拠点としての整備に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。

 次に、まちづくりについての四点にわたっての質問でございました。

 子どもたちの学ぶ場所である学校にビル建設によって日影が落ちることについて、区長はどう考えるかということでございます。

 第一回定例会で、教育施設等に日影を落とす中高層建築物の制限に関する請願が採択をされた。そのことを私は受けまして、その取り扱いをどうすることが一番いいのか、どう判断することが一番適切かということで、専門家による検討をお願いし、その報告要旨については私の所信で申し上げたところでもあるわけでございます。

 確かに、学校に日影を落とすことは好ましくないことは言うまでもないと、このように思います。しかし、子どもが健やかに成長する場所、それは学校だけであろうかと、このように思っております。帰ればそれは家でございましょう、あるいは土曜、日曜も、基本は家でございましょう。あるいは夏休み、春休み、冬休み、これも自宅であろうと、このように考えますと、やはり寝起きする場所も大切にしなくちゃいけない、あるいは遊びに行くであろう公園も大切にしなくてはならない、こういうふうに考えてまいりますと、これは学校だけでなくって、日影の問題はまちづくり全体の視点からよりよい環境をつくっていく、快適な環境づくりに努めていく、そのことが大切ではなかろうか、このように私は思ったものでございますし、そのような御報告をいただいた、このように思うものでございます。

 また、一律にこの建築規制することはできないと、こういうような検討委員会の報告に対しまして、それは請願の趣旨を理解していないのではないかということの御不満があったと、こういうことでございます。

 私は、この条例で画一的に、日影の程度は別として画一的に学校だけを守ろうということは、憲法で保障された土地所有権、こういうものがございますから、それを超えて、憲法、法律を超えてこれを画一的に条例で規制することは難しい、こういうことを申し上げているわけでございます。御理解をいただきたいと存じます。

 なお、請願の趣旨を生かすべきじゃないかというような、その思いから検討すべきではないか、こういうようなお話がございましたけれども、そのために、この報告にもございますけれども、検討委員会の報告において、まちづくり条例体系の制定に当たって、教育施設等の周辺で中高層建築物を建築する際には周知を早め、協議の期間を長くするといった工夫をも求めているところでございまして、このことについてはまちづくり条例体系の中で反映させていきたいと、このように思っているものでございます。

 私は、この問題提起についてもう一点問題があろうかと、このように思っております。

 それは、今回の請願の発端となった超高層ビルは、延べ面積が一万平方メートルを超えている。したがって、このことについては東京都の建築行政権限であり、渋谷区にはそれにかかわっての情報が入ってこない、こういうような状況があるわけでございまして、このことが問題を複雑にしていると、私はそう思っております。この総合的なまちづくりを進めるためには、延床面積が一万平方メートルを超える建築物の建築行政権限、あるいは総合設計等につきましても、これは基礎的自治体に一元化すべきではないか、私はそのように思っているものでございます。

 本区は建築行政権限の拡充につきまして、国に特区申請をすることを予定しているわけでございますが、区議会におきましても自治権の視点からこの問題を検討し、また御協力をいただければと、このようにも思っているわけでございます。

 さらに、この問題につきましては、建築基準法に基づき日影規制条例というものがある。これは都の権限でございまして、区の考え方を反映していくといたしましても、どこまでそれを東京都が取り入れていただけるのか、そういった問題も抱えているわけでございまして、まちづくりにかかわりまして、これを区に一元化していくことが何よりも望ましい、このように申し上げたいと存じます。

 次に、「わがまちルール」、盛り込まれているけれども、このまちづくり条例の「わがまちルール」によって、学校施設等に影を落とす建築物について基準を設けるルールが示されたときにはどのようにするんだと、こういうようなお話でございました。

 「わがまちルール」については、まちづくり協議会が決めるということになろうと思いますけれども、区民が自主的に一致して決める、そういうことが望ましい、また、そうであってほしい、このように私は思います。しかしながら、「わがまちルール」には限界がございまして、自主的なルールでございますから、御近所の約束事として、これには法律的な拘束力はない、こういった問題がございまして、これを拘束力を持たせるためには地区計画あるいは建築協定が望ましい、このように思っているところでございます。

 最後に、まちづくりマスタープランはいつまでに策定するのかというお話でございました。

 私は、このまちづくりマスタープランの策定につきましては、まず土地利用の現況調査をしなくちゃならない、あるいは全体構想の検証あるいは地域別の特性、課題等を様々な視点から検討・協議が必要である、そのようなことから、四年ないし五年はかかるであろう、このように思っておりますけれども、なおこのことについては急ぎたいと、このように思います。

 それから、まちづくり条例体系の制定に当たっては、早急に構築すべきである、こういうような御提言もございました。

 このまちづくり条例体系は、本定例会に提案しております「まちづくり条例」と、今後策定する景観計画や土地利用調整条例、これは仮称でございますけれども、そのようなものを考えているわけでございます。このまちづくり条例体系につきましては、まちづくり全体の視点から検討する必要がある。様々な課題を取り上げながらも、区内の景観及び土地利用上の課題についても基礎調査等を踏まえながら、できるだけ早くこれを整備したいと、このように考えております。これからも御協力をお願いをしたい、このように存じます。

 次に、アスベスト問題についてのお尋ねでございます。

 これまでいろんな、この理事者の答弁を踏まえながら、また私の答弁を踏まえながら、アスベスト対策の基本姿勢はどうなっているんだ、こういうことであったと存じます。アスベスト対策の経過について私から申し上げたいと、このように思います。

 区施設についての、昭和六十二年に吹き付けアスベストの使用状況を調査し、各施設の室内に露出した吹き付けアスベストの除去、封じ込めを行ったところでございます。しかし、このときの調査というのは、設計図面で吹き付けアスベストの使用箇所をまず絞り出した、その上で現地に当たって確認する、そういう順序で行ったわけでございまして、図面に記載されていない部分、あるいは天井裏に囲い込まれた部分については完全に調べられていなかったわけでございます。

 また、調査当時には規制対象外でありましたアスベスト含有ロックウール吹き付けについては、調査の対象外であったということがあろうと思います。

 そのようなことから、本年五月には現地目視調査と設計図面調査との両面から再点検に着手したわけでございますけれども、しかし、それにも目視という限界がございまして、そのために、先ほど指摘されましたような、この山谷小学校とか猿楽小学校の問題が、あるいは幡ケ谷区民会館につきましては天井の囲い込みが不十分だと、そのような問題があったために、今回これを休館とすることと相なったものでございます。

 そういったことで、いろいろと答弁あるいはその後の状況に変わった部分があって御不審を抱かれたかもしれませんけれども、私のこの基本的な考え方というのは、限られた時間や条件の中にあっても、この徹底した調査と対策を講じたい、そのような気持ちで対応しておりますので、どうぞ御理解をいただきたい、このように思っているものでございます。

 なお、再点検で確認されましたアスベスト含有吹き付け材の使用箇所等については、封じ込めや囲い込みの状況に対応して、順次除去工事など飛散防止対策を実施する所存でございます。

 次に、今後の課題として、当区でもアスベストの規制条例を制定したらと。しかし、このことについて情報公開と改善勧告、改善命令を実現することによって安全を確保すべきである、あるいは除去費用の助成制度の創設を考えるべきである、こういう御質問でございます。

 私は、この解体工事におけるアスベストの飛散防止に対する改善勧告、改善命令につきましては、今議会に提出しております渋谷区建築物の解体工事計画の事前周知に関する条例、長ったらしゅうございますけれども、この条例の第四条において、区長の責務として、大気汚染防止法や都民の健康と安全を確保する環境に関する−−これは都条例でございますけれども、これらを適用して適正に指導をしてまいりたい。その指導の方法として、改善勧告や改善命令もあわせ考えてまいりたい、このように思います。

 また、近隣住民への不安解消に関しましては、解体工事の際の標識の設置はもとより、発注者等からはアスベストの有無について申告をさせますけれども、これらの不安に対しましては、発注者等の協力を得まして、渋谷区建築士事務所協会の協力による事前相談や事前調査、あるいは解体工事の前後の濃度調査等により対応してまいりたいと、このように思うものでございます。

 なお、除去費用につきましては、個人住宅は住宅修築資金融資あっせん制度、あるいは事業者による中小企業事業資金融資あっせん制度の中で利子補給による助成を行ってまいりたい、このように思う次第でございます。

 その次に、シックハウスの有害物質についてのお尋ねでございます。

 区施設の工事に関しましては、平成十五年の建築基準法改正による規制以前から、シックハウスの原因である揮発性有機化合物の放散量の少ない材料の採用を進めてまいりました。また、教育施設では平成十四年度から、児童福祉施設では平成十五年度から、工事に際し、空気中化学物質濃度測定を実施しております。

 測定対象物質につきましては、平成十四年度にはホルムアルデヒド及びトルエンの二物質、平成十五年度にはキシレンを追加し三物質、平成十六年からはエチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼンを追加し六物質と、国の指針に基づき実施をしております。

 さらに、平成十五年から小学校及び中学校では年一回、各校三教室を対象といたしまして、幼稚園では、独立園については年一回、各園一教室を対象に、空気中化学物質濃度測定を実施しております。

 今後も厚生労働省の動向などを参考といたしまして、新たな有害物質に迅速に対応していく所存でございます。

 最後に、トルコ共和国の友好都市提携につきまして、今後どのような交流展開をしていくのか、こういうお話でございます。

 トルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区との友好都市提携につきましては、芦沢議長及び主要会派幹事長の薬丸義朗、染谷賢治、植野 修、吉野和子各議員のお立ち会いを賜り、両者友好的に調印をすることができました。改めてお礼を申し上げたいと存じます。

 それぞれの議員も都市提携についての手ごたえを感じてお帰りになったと思いますけれども、この今後の交流のあり方については、改めて御同行いただきました各議員のお考えも聞かなければならない、このように思っておりますが、一般的な形で言えば、次世代を担う青少年を主体としたスポーツ・文化交流や、あるいは相手方が必要とする行政課題について、これを支援するような交流をしていきたいと、このように思います。

 しかし、長続きのする友好交流、友好関係のためには、両区にとって過大な財政負担とならないような配慮もしたいと、このように思う次第でございます。

 以上で私の答弁を終わらせていただきます。



○議長(芦沢一明) 甲斐選挙管理委員会委員長。



◎選挙管理委員会委員長(甲斐孝喜) 未来の渋谷をつくる会、岡野議員の代表質問にお答えいたします。

 私ども選挙管理委員会は、公正・公平な選挙の執行とともに、効果的な選挙啓発を行っていく使命を担っているものと認識しております。

 さて、私には、選挙啓発の効果を上げるために広報車の走り方や台数、車のデザインを含め、考え直してはどうかとのお尋ねであります。

 岡野議員の御指摘を貴重な御意見として受け止め、それを踏まえた上で、さらに効果的な運用となるよう努力してまいりたいと存じます。

 次に、投票率向上のために期日前投票所をさらに増設してはどうかとのお尋ねであります。

 期日前投票は、不在者投票の手続を簡素化し、有権者の利便性の向上を図るとともに、直接投票箱に投票することから、期日前投票所には投票日当日と同様な厳格な体制が求められております。

 本区では、昨年の参議院議員選挙から既に三回を数え、公職選挙法において区市町村に最低一カ所を設けることとされております期日前投票所をさらに四カ所増設し、合計五カ所で実施しているところでございます。

 期日前投票所の増設には、投票日当日の投票所同様に広いスペースが確保でき、一定期間占有が可能で、投票箱の保管など十分なセキュリティが確保できることなど、施設選定の条件に大変厳しいものがございます。

 また、投票所の管理責任者として、あるいは公平な選挙執行の監視機関として大きな責任を担う投票管理者及び投票立会人の増員が必要となります。この管理者及び立会人をお願いする人材をどのように確保するかという問題等がございます。

 しかし、投票機会を拡充していくことの重要性については岡野議員の御意見のとおりであり、今後とも期日前投票所の増設については有権者の利便性を向上させる視点から、機会あるごとに検討してまいりたい、このように考えております。

 第三に、公営ポスター掲示場について、設置基準が定められているのか、また、高齢者など見る側の立場に立ち、見やすいように設置した方がよいのではとのお尋ねであります。

 公営ポスター掲示場の設置基準については、国政選挙及び都議・都知事選挙については東京都選挙執行規程に、区議・区長選挙については渋谷区選挙執行規程にそれぞれ規定がございます。これらの規定には、ポスターを掲示する区画の配置、すなわち段及び列について特段の定めはなく、選挙のたびごとに立候補者数を想定しながら、設置スペースにおさまるサイズでできる限り見やすいものとなるよう、執行計画の中で決定しているものであります。

 今回の御指摘を貴重な御意見として受け止め、さらに見やすいポスター掲示場となるよう努力してまいりたいと存じます。

 以上をもって私の答弁とさせていただきます。



○議長(芦沢一明) 三十二番岡野雄太議員。



◆三十二番(岡野雄太) ただいま区長、選管委員長からそれぞれ御答弁をいただきました。ありがとうございました。

 まちづくりについてでありますけれども、区長はまちづくり条例体系の制定に当たって、教育施設周辺で中高層建築物を建築する前に、周知を早め、協議の期間を長くするといった工夫をすることを求めているという答弁をされていましたが、冒頭発言では、そのまちづくり条例体系は数年かけて整備を目指すとおっしゃっているわけであります。質問に対する答弁では「できるだけ早く」とおっしゃっていただいていますので、どう解釈していいかちょっと迷うところなんですけども、一般的に言う「数年」といいますと、四、五年ということですから、四、五年かけてということにもなるわけであります。

 好ましくないという気持ちをお持ちなのは理解できました。特区という前向きな答弁までいただいたところであります。しかし、四、五年というと、問題を先送りにしていると言われても仕方がないと思いますので、是非質問の答えのように早急に対応していただきたい、これが今回PTAの皆さんが出された請願に対する区長の姿勢になっていただければと、このように思っております。

 PTAの皆さんは、子どもたちの教育環境を守るという強い意思で請願というアクションを起こされたわけでありますし、その結果、議会の賛成多数で請願が採択されたわけですから、過半数の区民の願いと言っても言い過ぎではないと思います。その辺をよく御理解をいただいた上で、早急な対応をよろしくお願いいたします。

 また、アスベストにつきましては、徹底した調査と対策を講ずるという基本姿勢を今後も貫いていただきまして、他の有害物質も含め、区民の不安を取り除くべく施策の充実に努めていただきたいと存じます。

 以上で私の質問を終わります。



○議長(芦沢一明) 二番奈良明子議員。



◆二番(奈良明子) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長並びに教育長に質問いたします。

 質問に入る前に、一言申し上げます。

 去る九月四日から十一日まで、桑原区長、区議会の代表で構成するトルコ共和国ウスキュダル区との友好都市提携訪問団が渋谷区−ウスキュダル区友好都市協定を締結し、多くの成果を上げてこられたことは「平和・国際都市渋谷」の名にふさわしいことと評価いたします。

 今後も各界各層における両区の交流がますます活発となり、渋谷区の未来を背負って立つ青少年が異文化と触れる機会に恵まれることを願ってやみません。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 初めに、防災対策についてお尋ねいたします。

 多くの被害者を出した昨年十月二十三日の新潟県中越地震以降、今年三月二十日の福岡県西方沖地震、さらに八月十六日の宮城県沖地震と、震度六弱以上を記録した大規模地震が昨年から今年にかけて相次いでおります。また、七月二十三日には十三年ぶりに東京都で震度五を記録した千葉県北西部地震が発生し、エレベーターの停止が多発するなど閉じ込め事故も多く起こり、JRや私鉄電車が運行を停止したため多くの利用者の足に影響を及ぼし、電話もふくそうしてかかりにくくなるなど、図らずしも首都・東京の脆弱さを露呈することになりました。

 また、中央防災会議に設置された首都直下地震専門調査会は、昨年から今年にかけて十八種類の首都直下地震を想定し、その震度分布等をもとに被害想定を行いました。

 中でも蓋然性が高いと考えられる東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三の地震では、最大で死者約一万一千人、建物全壊棟数約八十五万棟、経済被害は国家予算の約一・四倍に及ぶ約百十二兆円という甚大な被害となっています。この地震が起きた場合には、渋谷区全域で震度六弱の揺れを記録するものと考えられ、相当な被害が予想されます。

 このような大規模地震の切迫性が叫ばれる中、渋谷区では「訓練千回、震災一瞬」を合言葉に、各自主防災組織が中心となって「我がまちは我が手で守る」を実践する地域防災訓練を推進し、各避難所においては食料、水、毛布等の備蓄品を増強し、下水道直結型の災害用流下式トイレを十六年度から十八年度にかけて順次整備するなど、避難所機能の充実を図ってきていることは承知しておりますが、これらを踏まえて区長に質問いたします。

 いざ震災が発生した場合、初動期において重要なことは、情報をいかに早く正確に収集し、伝達するかであります。一昨年の第四回定例会で我が会派が代表質問にて指摘しておりますが、防災無線システムの高度化は災害に強いまちづくりに寄与するものと考えます。

 無線のデジタル化の利点は、大量の情報を正確に高速伝送できることであります。音声情報だけではなく、文字や画像の通信も可能となることで聴覚障害の方にも情報伝達が可能となり、さらに、双方向性があるために、カメラによる遠隔監視による画像伝送も可能となります。そして、チャンネル数が増えることにより一度に行える通話数が増え、情報伝達・収集機能においても格段にすぐれていると認識しております。

 また、総務省も推進していることから、デジタル化は時代の趨勢となってきているものと考えます。

 そこで、渋谷区においても早急に防災無線のデジタル化に取り組むとともに、現在、区内施設に八十七局設けている移動系無線を区内全施設に設けることで、区内全域の被害状況などについて迅速な情報収集・伝達体制を整えることが必要と考えます。もちろん、多くの高層ビルが建ち並ぶ本区にあっては、電波を隅々にまで届けることが困難であるかもしれないことは承知しておりますが、それであれば、それを補完するシステムを含め検討していくことが必要ではないかと考えます。

 これらの点について、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、さきの十七年第二回定例会において補正予算を議決した、震災対策基礎調査についてお尋ねいたします。

 これは区内の建物全棟を調査するだけではなく、ブロック塀、看板などの落下物、がけ地、狭あい道路などの危険箇所を調査し、五十メートルメッシュで危険度を表示するデジタルマップを作成するものと聞いております。

 東京都は町丁単位で地域危険度を公表しておりますが、渋谷区の調査は実際に一棟一棟の建物を目視していくというもので、さらにきめ細かい情報がマップに盛り込まれ、より実態に沿ったものが完成すると考えております。そして、このようなすぐれた危険度マップが渋谷区の災害対策に大いに寄与するものと期待しております。

 しかし、一方で、今月関東を襲った台風十四号によって甚大な被害があった杉並区の例をとりますと、本来指針となるべきハザードマップそのものが的確性を欠いたため、住民や行政の対応の遅れによって被害が拡大してしまった事例も見過ごすわけにはまいりません。自然災害は常に想定や常識等、人知を超えて猛威を振るうことも踏まえながらマップを整備していかなければならないと考えます。

 そこで、今回の台風災害を他山の石として作成に反映されるのか、まず伺います。

 また、整備後、自助・共助・公助それぞれの観点から、地域、行政双方に活用が期待されると存じますが、この危険度マップを具体的にどのように活用し、渋谷区の安全・安心を実現していこうとされているのか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、アスベストの総合対策についてお尋ねいたします。

 本年六月にアスベストを扱う企業の健康被害の報道を契機として、アスベストに関する新しい事実や行政の対応が報道されない日はないという状況が現在まで続いております。初めは特定の業種における労働災害と見なされておりましたが、アスベストを直接取り扱ったことのない人の健康被害が明らかになるにつれ、環境汚染という公害としての様相を呈してまいりました。

 アスベストに起因する健康被害は潜伏期間が三十年から四十年と非常に長いため、発病しても原因が特定しがたいという特性がある一方、アスベストの使用範囲が建材に限らず、家庭電化製品や自動車部品など多岐にわたり極めて身近に存在すること、また、一般的にはアスベスト繊維が髪の毛の五千分の一という、肉眼では見えないような微細な物質であることなど、区民の不安を引き起こすには十分過ぎる要因があります。渋谷区民にも、自宅にアスベスト建材が使われているのではないか、近隣での解体工事は安全なのかなど不安を抱きながらも、どこへ相談したらよいかわからない人たちが数多くいるのではないかと推測できます。

 アスベスト建材の使用の禁止や大気汚染の防止、健康被害者の救済などは、基本的には国や都あるいは企業の責務と考えますが、区民にとっては、最も身近な区に対策を求めたいと考えるものです。

 区長は、これらの区民の期待にこたえ、八月十五日の区ニュースの特集号でアスベストの総合対策を発表されました。渋谷区医師会に委託しての無料の健康診断や、建築士事務所協会渋谷支部の協力を得て専門家を派遣するなど、他区よりも一歩も二歩も進んだ対策を講じられ、いち早く実行に移されたことは、区民の安全・安心を第一に考える区政のあらわれと評価すべきものと考えます。

 政府は、大気汚染防止法の対象の拡大やアスベスト被害の補償拡大を図る新法の検討を行うなど、制度の拡充を図ろうとしてきています。本区の対策も、今までは緊急の対策だったと思いますが、国や都の施策、制度が拡充されようとしている中で、本定例会にアスベスト対策にかかわる条例制定の議案が提出されています。他の市区町村には例を見ない先駆的な条例だと思いますが、この条例の実効性を上げるための具体的な取り組みについて、区長の考えをお聞かせください。

 次に、区の施設におけるアスベスト対策についてお尋ねいたします。

 渋谷区では、本年五月から区施設のアスベスト使用状況について再点検を実施し、九月中にはおおよその調査結果がまとまると聞いております。再調査でアスベスト含有のおそれのある吹き付け材が見つかった山谷小学校、猿楽小学校では、児童の安全に万全を期すため、夏休みの期間中に迅速な対応をされ、区民は区の対応に安心をしているところです。

 しかしながら、調査結果によっては新たな対応が必要となるケースも考えられますが、調査結果を踏まえ、今後、区施設の対応をどのように行っていくのか、その方針をお聞かせください。

 次に、まちづくりに関して三点お尋ねいたします。

 渋谷区民がいつまでも安心して暮らし続けられることが、区民にとって何よりも幸せなことだと思います。区政に求められることも、区民が暮らしやすいまちをつくることです。

 渋谷区は、渋谷駅を初めJRの駅を中心とする繁華街がある一方、良好な住宅地も数多くあります。渋谷区の特徴は、駅を中心に住宅地を後背に持つ商業地が発達しているということが言えると思います。つまり、商業地と住宅地をどのように共存させ、調和させるかが渋谷区のまちづくりの基本と考えます。

 本定例会には、渋谷区まちづくり条例の制定が提案されています。この条例は、平成十二年に策定された都市計画マスタープランの基本理念である協働型のまちづくりを承継し、それを実現するための基本条例であると認識しております。その内容は、まちづくりの主体は区民であり、区、企業と協働し、その地域の伝統、特色を生かしつつ、その地域のルールに沿ったまちづくりの推進を図るものだと思います。

 一方、本年第一回定例会で、渋谷区内の教育施設等に日影を落とす中高層建築物の制限に関する請願が採択され、区としての検討の状況については区長の所信表明により承ったところであります。

 渋谷区のまちづくりの基本は、区民の主体性を尊重し、自分たちの地域のまちづくりは地域の住民が中心となって行う住民発意型のまちづくりではないでしょうか。行政による規制型のまちづくりは、本区の基本理念とは相入れないものと考えますが、区長のまちづくりに対する基本姿勢について、御所見をお伺いいたします。

 次に、まちづくり条例の内容についてお尋ねします。

 まちづくり条例においてまちづくり審議会が設置され、これまでの都市計画法の法定計画である都市計画マスタープランをまちづくりマスタープランと位置づけ、それをまちづくりの基本方針とする内容が規定されています。一方、まちづくりマスタープランは、まちづくり審議会の意見を聞いて都市計画審議会において決定するものと承知しております。現行の都市計画審議会と新設のまちづくり審議会との関係、役割分担について、また、都市計画マスタープランとまちづくりマスタープランとの関係について、お互いが連携し、有機的に結びつくようにしなければなりません。

 この両者の関係、連携についてどのように整合性を図り、協働型まちづくりの実現に向けてどう機能されていかれるのか、区長の考えをお聞かせください。

 次に、渋谷駅周辺の再開発についてお尋ねいたします。

 渋谷駅周辺整備ガイドプラン21策定後、地下鉄十三号線の工事も順調に進んでいると伺っております。また、都市再生緊急整備地域の指定も近々にあると仄聞しております。

 渋谷駅は、何といっても渋谷区の表玄関です。しかし、東急東横線が地下鉄十三号線と相互乗り入れすることになりますと、渋谷駅が通過駅となってしまうことも懸念されます。渋谷駅周辺地域が他区のターミナル駅に負けない魅力ある地域とするためにも、この再開発は是非とも成功させなければならないと考えます。

 渋谷駅周辺再開発事業の今後の見通しについて、考えをお聞かせください。

 次に、図書館の拡充についてお尋ねいたします。

 本定例会に、恵比寿・広尾地区の図書館として臨川小学校内に施設整備を行っていた図書館が、臨川みんなの図書館として設置することが提案されています。渋谷区は、他区と比較して多くの図書館が設置され、多くの区民が利用しています。しかし、広尾・恵比寿地区には恵比寿出張図書室が一カ所あるのみで、開室日数も少なく、サービスの空白地帯とも言える場所でした。したがって、このたび新しい図書館が臨川小学校内に設置されることは、地域の住民にとっては長年待ち望んでいた施設であり、一日でも早く開設されることを熱望しています。

 近隣の区では地域図書館の統廃合が行われるという状況の中、渋谷区においては、臨川みんなの図書館の新設に引き続き、旧大和田小学校跡地複合施設にも大和田分館を拡充する形で図書館の設置を計画するなど、区長が図書館の拡充に御尽力されていることを評価いたします。

 幼年期から絵本に親しみ、学齢期に数多くの書物に接することは、人間形成にとって欠かすことのできないことだと考えます。人類の過去の英知が凝縮された書物は人類の貴重な財産であり、生活の貴重な糧としての役割を今後も担っていくものと考えます。

 国においては、さきの国会で文字・活字文化振興法が制定され、本年七月二十九日に公布、施行されています。この法律の目的は、文字・活字文化が人類の長い歴史の中で蓄積してきた知識、知恵の継承及び向上と、その豊かな人間性の涵養並びに健全な民主主義の発達に欠くことのできないものであることにかんがみ、文字・活字文化の振興に関する基本理念を定め、我が国における文字・活字文化の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって知的で心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することであります。

 この法律において、市町村に対し公立図書館の設置の努力規定が設けられ、図書館運営の改善、向上も求められています。まさに本区の図書館拡充の施策は文字・活字文化振興法の精神を先取りしたものと、感服するものであります。

 さて、文字・活字文化振興法の第五条では、地方公共団体の責務として「地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、文字・活字文化の振興に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と規定されています。

 本区には、文字・活字文化の振興の拠点として図書館のほかにも文学館、学校図書館もあり、環境は非常に整っていると思います。

 そこで、区長にお尋ねいたしますが、文字・活字文化振興法に規定された地方公共団体の責務を踏まえ、今後どのように施策化を図られるのか、また、かねてより重点を置かれている伝統文化の承継とどう連携されていくのか、お聞かせください。

 次に、介護保険制度についてお尋ねいたします。

 初めに、介護保険法改正に伴う新負担制度における低所得者対策についてです。

 平成十二年度に介護保険制度が施行されてから五年が経過し、国民の老後生活を支える社会保障制度の一つとして定着してきました。一方、介護保険から給付される費用は年々増加し、保険給付の財源となる保険料と公費も増加せざるを得ない状況となっています。そこで、介護保険を持続可能な制度とするため、今回、介護保険制度の改正がなされました。

 本年十月一日から施行される内容は、施設給付の見直しです。これまで保険で給付されていた居住費・滞在費、食費については、施設入所の方と在宅介護の方との費用負担の均衡を図る目的で保険給付の対象外とされ、自己負担となることから、施設入所者にとっては大幅な負担増となるものです。改正後の介護保険法においては、低所得者に対する配慮として、居住費・滞在費、食費の負担限度額の設定を初め高額介護サービス費の負担上限額の引き下げ、社会福祉法人による利用者負担軽減制度の運用改善など、様々な軽減策が講じられていることは、低所得者の施設利用を妨げないようにする施策として効果のあるものと期待しています。

 しかし、介護保険サービスを必要としているだれもが利用できるためには、渋谷区として、さらにきめ細やかな施策も必要かと思います。関連の条例改正は既に九月二十一日の臨時会で議決していますが、改めて、渋谷区独自の低所得者対策としてどのようなことを考えておられるのか、区長の考えをお伺いいたします。

 次は、次期介護保険事業計画についてです。

 本年四月に、次期介護保険事業計画を検討するために介護保険事業計画等作成委員会が立ち上げられたと伺っております。今回の計画策定は、介護保険制度の改正を踏まえてなされるものと考えておりますので、介護保険法が改正されたのを機に、次の三点についてお尋ねいたします。

 第一に、介護保険事業計画等作成委員会での検討の進捗状況をお教えください。

 第二に、地域包括支援センターの設置場所及び数と、その運営形態についてどのようにお考えでしょうか。

 第三に、地域支援事業をどのように展開されるのかお尋ねいたします。

 次に、子育て支援についてお尋ねいたします。

 少子化をはかる指標に、女性が一生の間に出産する子どもの数をあらわす合計特殊出生率というものがあります。平成十六年度の日本の合計特殊出生率は一・二九ですが、都道府県別では東京都が最も低く、一・〇一。市区町村別では渋谷区が最も低く、〇・七五となっています。渋谷区が全国で最も低いということです。

 統計上はそうなっておりますが、人口構成比や未婚女性の比率等により、一概に渋谷区が全国で最も子どもの数が少ないということは言えないと考えます。実際には、ゼロ歳から四歳の乳幼児の数は、平成十三年八月三十一日現在では五千九百七十九人だったものが、四年後の今年八月三十一日現在では六千百六十人と、百八十一人増加しているのです。決して渋谷区の子どもの数は減っているのではありません。

 渋谷区では、本年三月に次世代育成支援行動計画を作成され、子育て支援策の総合計画を発表されました。私も子を持つ働く女性の一人として、この計画が計画どおりに実施されることを願っております。

 また、本区では、昨年十月に念願の子ども家庭支援センターが開設され、虐待に限らず、子どもに関するあらゆる相談に応じておられます。本年度からは、先駆型のセンターとしてより一層の機能の充実が図られておられます。

 そこで、子ども家庭支援センターの事業について、区長にお伺いいたします。

 子育て支援の一環として、子ども家庭支援センターでは本年六月から、要件を問わないリフレッシュ一時預かり保育「スキップ」と、八月に、育児支援ヘルパー派遣事業として「にこにこママ」を開始されました。両事業とも利用者のニーズが高く、好評をいただいていると伺っております。私も「スキップ」を利用しておりますが、ありがたみを実感しております。

 今後、子ども家庭支援センターの事業としてどのような子育て支援策を実施していかれるのか、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、少人数学級について教育長に質問いたします。

 一連の義務教育改革の取り組みの中で、中央教育審議会義務教育特別部会の教職員配置等のあり方に関する調査研究協力者会議は、少人数教育に対するニーズが高いことや今日的な教育課題に対応するため、学級編成基準については地域や学校の実情に合わせた柔軟な取り組みが必要だとして、学級編成に係る学校や市区町村教育委員会の権限と責任を強化する、例えば学校や市区町村教育委員会の判断で学級編成が弾力的に実施できるよう、現行の学級編成の仕組みの見直しについて検討を行うべきとの中間報告をまとめています。

 また、文部科学省も、公立小中学校の学級規模を学校の裁量で決められるよう、制度改正する方針であるとの新聞報道もあります。

 少人数学級に関するこのような動きについて教育長はどう受け止めているのか、また、仮に新聞報道のとおりの制度改正があった場合、どのような方針で臨むのかお伺いいたします。

 最後に、放課後クラブ事業について教育長に質問いたします。

 新たな放課後クラブ事業の拡充の方向性は第二回定例会でお伺いしたところですが、放課後クラブが三校から七校に拡大されることになり、子どもたちが安心し、安全に遊べる居場所の確保ができたことは多くの利用者からも喜ばれているところであります。今後、放課後クラブ開設の進捗状況並びに全小学校開設に向けて放課後クラブ事業を導入するに当たり、その具体的な計画があればお示しください。

 また、放課後クラブ事業の運営は、校長や副校長など学校関係者の協力をいただきながら、その学校を取り巻く地域特性に十分に配慮して、各小学校の個性を引き出す事業運営をしていくと伺っております。地域との連携や地域活力の提供を重視した運営をするに当たっては、特にどのような施策を取り入れていくのか、お聞かせください。

 また、放課後クラブ事業の運営には、当然校庭ほかその学校の施設利用が絶対条件になりますが、特に地域連携では、学校施設開放運営にも影響が考えられるところです。この点についてはどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。

 以上、大きく八項目にわたり質問いたしました。区長並びに教育長の御答弁をよろしくお願いいたします。



○副議長(松岡定俊) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団を代表しての奈良明子議員の質問にお答えをいたします。

 最初に、防災無線のデジタル化についてでございますが、御発言のとおり、防災無線のデジタル化は、大量のデータ通信や送受信を同時に行うことが可能となる、また、チャンネル数の増加で同時に通信ができる局が増えることに相なるわけでございます。しかし、デジタル化の特性として、電波の直進性が強いことから、高層ビルの影響を受けて不聴取−−聴取ができない不聴取エリアが発生するという問題がございます。さらに、導入に当たって膨大な経費を要するわけでございます。

 したがいまして、デジタル化は利点も多く持っていると認識しておりますが、導入につきましては慎重な検討が必要であり、今後とも、メールシステムや衛星通信などの補完システムを含め、研究を重ねてまいりたいと存じます。

 また、現在、区内の施設八十七カ所にある移動系無線を、まだ配備していない全施設に設置すべきではないかと、こういうお尋ねでございます。

 現在、移動系無線は災害対策上、避難所、ライフライン関係機関等、必要性の高い施設から優先的に配置をしているところであり、現行のシステム上、移動系無線局を増設した場合にはさらに通信がふくそうし、親局が必要なときに送信することが阻害されるというようなことから、現実にはなかなか困難でございますけれども、なお引き続き研究課題とさせていただきたいと存じます。

 災害時の情報収集・伝達は、御指摘のとおり非常に重要であり、現在、移動系無線システムのほか、NTT回線及び携帯電話の災害時優先機能の活用及び消防団、自主防災組織との連携によるバイク、自転車の活用により充実を図っておりますけれども、さらに小中学校避難所を中心として、ファクス等を活用した多様な通信手段の確保に努めてまいりたい、このように存じます。

 次に、ハザードマップにつきまして、これをどのように活用していくのかと、こういうお尋ねでございます。

 震災ハザードマップは、区内の建物、ブロック塀等の倒壊や看板等の落下のおそれ、がけ地、狭小道路などの危険箇所を盛り込んだもので、区内の危険度を明らかにし、震災に対する弱点を明確にします。これに基づき弱者対策や避難経路の検証、避難所配置、備蓄計画の調整を行ってまいりたい、このように思っております。

 いざ災害発生時において救援の重点投入地区の選定や、応急危険度判定士優先派遣地区の選定にも活用できるであろう、このように考えております。

 さらに、区民の皆さんが自ら住んでいる地域の危険度を知ることにより、日ごろの備えとして備蓄品の充実や家具の転倒防止、耐震診断として自らの備えを明確に意識していくこと、また、地域においても、危険箇所の共通認識に基づき避難経路の確認や発災対応型訓練の充実など、地域のさらなる防災力の向上にもつながっていくと、このように考えております。

 次に、アスベストの総合対策について二点の御質問でございますが、順次お答えをしたいと存じます。

 まず、本定例会に提案いたしております建築物の解体工事計画の事前周知に関する条例につきまして、その実効性を上げるための具体的な取り組みについてのお尋ねでございます。

 本条例は、今後増大する建築物の解体工事などに伴う区民の不安解消と健康確保を目的とするものでございまして、都内で最初の周知条例でございます。

 また、本条例は、建築物の解体工事を開始する三十日前までに解体工事について近隣に周知する標識の設置を義務づけるとともに、あわせて解体工事の内容につきまして、近隣の住民への説明義務づけを内容としております。

 そこで、お尋ねの本条例の実効性についてでございますけれども、まずは解体工事を発注する方や解体事業者に十分理解していただけるよう、制度の周知に努めたい、このように考えております。

 また、本条例の関連法令である大気汚染防止法や、東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、及び建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律を所管する庁内の関係部課が十分連携・協力して、本条例の施行に遺漏のないようにしたいと、このように考えております。

 さらに、本条例の第四条に区長の責務として、建築物の解体工事が適正に行われるようにするため、発注者等に対し必要な措置を講ずるよう指導すると規定しております。したがいまして、日ごろより区民所有の建築物について、アスベストに関する相談及び調査や実態把握に努めるとともに、区内の環境調査の実施やリフォーム・解体事業者への指導を徹底し、必要に応じて改善勧告や改善命令も出すなど様々対応を考え、遺漏のないようにしたいと存じます。

 次に、区の施設におけるアスベスト対策についてでございます。

 区施設のアスベスト使用状況については、本年五月から百五十カ所の施設の再点検を行っております。再点検は、現地目視調査と設計図面調査の両面から吹き付け材の使用箇所を洗い出し、アスベスト含有の可能性のある箇所について専門機関に成分分析調査を委託する手順で進めており、現在、成分分析調査の結果が出るのを待っているところでございます。

 この再点検の結果について、区議会にも御報告し、また、区民への公表も予定しておりますが、再点検で図面と現況に相違ある箇所があるので、引き続き、専門家による天井裏を含めた全施設の徹底した調査を行いたいと考えております。

 再点検の結果、確認されたアスベスト含有吹き付け材の使用箇所のうち、封じ込め状況に劣化が見られる箇所や囲い込み状況が不十分な箇所については、本年度中に緊急の対応として除去工事などの飛散防止対策を実施する所存でございます。封じ込めや囲い込みの状況に異常がなく、飛散の可能性のない箇所につきましては、日常の施設管理を徹底し、改修工事に合わせ順次除去してまいりたいと、このように存じます。

 まちづくりについての基本姿勢について、お尋ねでございます。

 本定例会に議案として提案しておりますまちづくり条例において、その前文で、渋谷区はこれまでの行政主導型のまちづくりにかわって、区、区民及び企業等が相互に連携して進める協働型のまちづくりを目指すこととしております。

 この協働型のまちづくりをより確かなものとして推進していくために、区、区民及び企業等の責務を明らかにしております。本区のまちづくり基本理念は協働型まちづくりであり、地区の住民や土地、建物の権利者等が話し合い、合意のもとに、地区ごとにまちづくりを推進できる地区計画の策定を、そのための基本的な手法としております。

 私は、このことをまちづくりに対する基本姿勢として、まちづくり条例に基づき協働型のまちづくりを実践し、渋谷区基本構想が定める区の将来像を実現してまいりたいと存じます。

 次に、まちづくり条例の内容に関しまして、現行の都市計画審議会と新設のまちづくり審議会との関係、役割について、また、都市計画マスタープランとまちづくりマスタープランとの関係についてのお尋ねでございます。

 都市計画審議会は、都市計画法第七十七条の二の規定により設置され、都市計画法によりその権限に属する事項、及び区長の諮問に応じて都市計画に関する事項を調査、審議する法定の審議機関でございます。

 一方、まちづくり条例に基づき新設されるまちづくり審議会は、区長の諮問に応じまして、本条例によりその権限に属する事項のほか、区長がまちづくりについての基本的な事項または重要事項として必要と認めるものについて調査及び審議をし、その結果を答申する役割を担うものでございます。

 今回、新たにまちづくり審議会を設置するに当たり、両審議会の関係につきましては、法定の都市計画に関する事項は都市計画審議会、まちづくり条例で創設した景観計画の策定やまちづくり協議会の認定などの事項は、まちづくり審議会と位置づけをしております。一方、都市計画法の委任を受けて新たに本条例に定める地区計画等の案等の申し出など都市計画に関する法定事項につきましては、都市計画審議会に諮問することと相なります。

 また、平成十二年三月に策定いたしました都市計画マスタープランは、都市計画法第十八条の二第一項の規定に基づき定められた都市計画に関する基本方針として位置づけられております。

 この法定の都市計画マスタープランを核として、本条例の基本理念にのっとり、景観、緑化、福祉のまちづくりなどを補足するなど、さらにその内容を充実・発展させた総合的な指針がまちづくりマスタープランと相なります。このまちづくりマスタープランを、本条例により、区のまちづくりの基本方針として位置づけるものであります。

 まちづくりマスタープランは、都市計画審議会に対して策定諮問することになりますが、その策定過程におきまして、まちづくり審議会の意見を聞くことといたしております。

 いずれにいたしましても、両審議会が連携・協力しながら、まちづくりマスタープランが本区のまちづくりの基本方針として策定され、協働型まちづくりがより一層推進されることを意図するものでございます。

 次に、渋谷駅周辺再開発の今後の見通しについてのお尋ねでございます。

 渋谷駅は、都内有数の交通結節点でありながら老朽化が著しく、歩行者動線が複雑、かつバリアフリーに対する対応も十分とは言えないわけでございます。また、駅前ハチ公広場でございますけれども、歩行者であふれ、駅の東西をつなぐ通路も十分確保されていないなど、歩行者空間の整備も強く求められるところでございます。

 平成十九年度の地下鉄十三号線の開業、平成二十四年度の東横線と十三号線の地下化・相互直通運転が予定され、渋谷駅周辺地域は大きな変革の時期を迎えようとしており、これを契機として渋谷駅周辺の基盤整備やまちづくりを進めていく必要があると考え、この間、区は国や東京都、関係事業者等と協議・調整を行ってきたところでございます。

 渋谷駅周辺地域の再開発を進展させるための手法として、駅周辺地域を、都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の指定を受けることが有効であると考えております。

 都市再生緊急整備地域に政令で指定されますと、民間活力の活用を踏まえ、都市計画の特例あるいは金融支援等が講じられることと相なり、例えば、都市再生特別地区の都市計画決定により民間事業者が公共施設等の整備に伴う優良建築物を建てようとする場合、容積率や用途の緩和、都市計画の特例措置を受けることができ、駅周辺の再開発が促進されるものと考えております。

 なお、都市再生緊急整備地域指定の申し入れは東京都が行うことになっており、今後は都と協議を進め、渋谷駅周辺地域が都市再生緊急整備地域に早期に指定されるよう、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

 いずれにいたしましても、渋谷駅周辺の都市基盤整備やまちづくりは区民生活に大きな影響を与えるものであり、区にとって重要な課題と考え、関係者との連携をより一層強め、協議・検討を進めてまいります。

 次に、文字・活字文化振興法についてのお尋ねでございます。

 私は、国語教育、特に読書教育がすべての知的創造力の基本であると、このように考え、最も重要であると思うものでございます。国語教育の根幹をなすのが文字・活字であり、今回の文字・活字文化振興法の成立は、まことに我が意を得たと思うよりも、遅かったと、このように思っております。

 国語は日本文化の基盤であり、国語を大切にすることは、そのまま伝統文化の承継につながっていくことでもございます。日本語としての文字、活字を重視することは日本のよさを生かすことでもあり、そのことを通じてよき日本文化を子どもたちに伝え、育成を図っていくことであると、このように思っております。

 国際調査で読解力のトップはフィンランドでありまして、いかに子どもに読む気を起こさせるか、こういったことを重点に置いているところでございます。

 既に本区におきましても、小学校においては全校、中学校においても多くの学校が読み聞かせや読書活動を積極的に行っておりますけれども、読書習慣を身につけさせたい、そして、フィンランドでも一九九〇年は若者の読書離れがあったと聞いておりますけれども、そのためOECDが、この国際学習到達度調査では、結果的にはその努力によって国際的に注目を浴びるまでになったと、こういうことでございます。

 議員のお話にありました臨川みんなの図書館は、区立図書館と学校図書館を相互一体的に利用できる、図書館職員が学校児童の読書活動を直接支援する、学校図書館の管理、貸し出し等も区立図書館が一元的に行うなど、図書館と学校の新しい関係を形づくる先進的なものでございます。しかし、それだけでなくって、私は、朝の十五分、放課後の十五分の読書運動も大いに学校として工夫をしていっていただきたいと、このようにも思っているところでございます。

 今後とも、図書館の整備・拡充や文字・活字文化の振興、国語教育には大いに力を入れたい、このように考えているところでございます。

 次に、介護保険制度について二点のお尋ねでございます。

 まず初めに、本区独自の低所得者対策についてのお尋ねでございます。

 冒頭の私の発言でも触れさせていただきましたけども、本年十月一日から実施となる施設給付の見直しにつきましては、在宅と施設との間の負担に公平を期するためのものでございまして、基本的にこの考え方を是としたい、このように思っております。

 しかし、所得の低い方につきましては負担が増加することのないよう、国は今回、見直しに当たって補足給付や社会福祉法人による軽減策など、様々な負担軽減策を講じております。これに加えまして、本区におきましてはこの国の低所得対策を積極的に活用すると同時に、特にショートステイ、デイサービスなど自宅で介護サービスを利用されている方々への支援の充実を図るため、区独自の低所得対策である介護保険サービス利用者負担額助成制度を拡充し、よりきめ細かな負担軽減策を実施する考えであるわけでございます。

 そのために、一点目といたしまして、ショートステイ、デイサービスなど在宅サービスの利用者について、預貯金の限度額を従来の二百四十万円から三百五十万円として、利用できる方の対象の拡大を図ったことでございます。

 二点目といたしまして、滞在費、食費の負担が増えないように、ショートステイ、デイサービスに対しまして滞在費、食費の四分の一を新たに助成するものでございます。

 この結果、区の独自制度を活用していただきますと、ショートステイにつきましては、第三特養「美竹の丘・しぶや」の利用も含めまして現在の利用負担額を大幅に軽減することとなり、また、デイサービスの食事代につきましても、現在の負担額とほぼ同額で利用できると、こういうものでございます。

 本区の低所得者対策につきましては、十月一日から実施することといたしましたので、国の様々な負担軽減策とあわせて活用していただくことにより、引き続き安心して介護保険制度を利用できるものと考えているところでございます。

 次に、介護保険事業計画の進捗状況についてのお尋ねでございますけれども、この介護保険事業計画等作成委員会は、介護保険事業計画と高齢者保健福祉計画をあわせ策定するための基本的な方向について御提言をいただくということで、四月に設置したわけでございます。以来、六月の介護保険法の改正を踏まえまして、起草委員会と合わせまして九回開催をしております。現在、来年四月からの新保険料の算定基礎となる人口、認定者数や介護サービス量の予測、あるいは高齢者保健福祉計画の方向などについて検討いただき、十月末には中間のまとめして報告を受ける予定でございます。

 その後、年内には住民説明会を開催し、区民の皆様にこのまとめを報告するとともに、御意見、御要望を踏まえ、一月に作成委員会より最終答申を受けたい、このように思っております。

 この最終答申を受けまして、年度内に本区としての計画を策定したい、このような予定でございます。御理解をいただきたいと存じます。

 次に、地域包括支援センターの設置についてでございますけれども、このたびの法律改正により、新たに地域包括支援センターが設置されることになりました。このセンターは、地域におきます総合相談・支援、介護予防マネジメント、包括的・継続的マネジメント、高齢者の虐待防止等の権利擁護事業を担う中核施設でございます。

 渋谷区では、現在六カ所の在宅介護支援センターが地域の高齢者の相談窓口として機能しており、既に定着しているところでございますが、地域包括支援センターの設置に当たっては、この在宅介護支援センターを移行させ、その人材や経験をできるだけ生かしつつ、公正・中立な介護予防マネジメントが行えるよう検討してまいりたい、このように考えております。

 なお、センターの数字につきましては、国の示した基準によりますと八カ所でありますが、介護保険事業計画等作成委員会での議論を踏まえ、この決定をしてまいりたいと、このように思っているものでございます。

 続いて、地域支援事業についてのお尋ねでございますけども、地域支援事業は、まだ要支援、要介護状況に至らないものの虚弱である高齢者を対象といたしまして、介護予防を目的として実施する事業でございます。

 この事業は、先ほど述べました地域包括支援センターによる介護予防マネジメントに基づき、市町村が主体となって実施するものであり、事業内容として運動機能の向上、栄養改善指導、口腔機能の向上など中心に、あわせて閉じこもり、うつ、認知症の予防も取り込み、実施するものでございます。

 現在、関係課によります検討を進めておりますけども、なるべくお住まいの近くで多様なサービスの提供ができるよう努力したい、このように考えております。

 子育て支援センターについてのお尋ねでございます。

 本区では昨年十月に、虐待から非行問題に至るまであらゆる子育てに関する相談に対応するため、子ども家庭支援センターを開設したところでございます。これまで区民から子ども家庭支援センターに寄せられた相談は、一年足らずで四百四十一件の相談がございました。その内容は、虐待に関する問題や、最近の傾向で夫婦間の暴力の問題、経済上の問題、さらに親の養育困難などの相談が増えてまいっております。今後とも引き続き、このような相談には関連行政機関との連携も図りながら対応してまいりたいと存じます。

 子ども家庭支援センターの事業につきましては、既に一時預かり保育の「スキップ」や、ヘルパー派遣の「にこにこママ」を開始したところでございます。さらに子育てを支援するため、保育ボランティアを育成するとともに、若いお母さん方にグループ体験学習をしていただくための育児教室の開催も予定しているところであり、奈良議員の御参加もお待ちしております。

 また、家庭での養育に欠けるお子さんを一時的に預かる養育家庭制度を理解していただくための啓発講演会等の事業も計画しております。今後さらに、一週間程度お子さんをお預かりするショートステイ事業や、夜間に宿泊を伴わないトワイライト事業−−夕やみステイというんですかね−−トワイライトステイ事業など在宅サービスを検討してまいりたいと、このように考えるものでございます。

 私の答弁は、以上でございます。



○副議長(松岡定俊) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、まず、少人数学級についてのお尋ねでございます。

 義務教育のあり方については、現在、国の中央教育審議会義務教育特別部会で審議中でございます。御指摘のとおり、八月末、特別部会より検討要請を受けた教職員配置等のあり方に関する調査研究協力者会議から出された中間報告の中で、学級編成基準のあり方についても言及されておりますが、今後、中間報告をもとにさらなる審議がなされ、中央教育審議会としての最終のまとめがこの秋にされると聞いております。

 したがいまして、報道は先行しておりますけれども、国としての方針が決まるのは今後ということになります。現在、国、東京都からこの件に関しましての通知はいただいておりません。

 私どもといたしましては、国等の動向を今後とも注視してまいりたいと考えております。

 なお、学級規模の考え方については、中間報告でも、例えば一部で要請のある三十人学級について、全国一律の実現は財政負担上困難であること、人間性、社会性をはぐくむための生活集団としてはある程度の規模が必要ではないかという意見、さらには地域、学校ごとに抱える課題や状況もそれぞれ異なっていることなどから、学級編成の標準について全国一律に引き下げるという画一的な取り組みではなく、地域や学校の実情に合わせた柔軟な取り組みを可能とし、これまで進めてきた少人数教育を一層充実させることが効果的と述べております。

 区教育委員会といたしましても、学級には友達と切磋琢磨し望ましい人間関係を築いたり、集団としてのマナーやルール、さらには社会性を学んで人格形成を図ったりするなど生活集団としての機能があることから、一定の学級規模が必要であると考えております。また、その一方で、基礎・基本の学力向上などきめ細かな指導を行うためには少人数指導が有効であることから、これら両面の教育効果を実現するためには、生活集団としての現行の学級規模を維持しながら、きめ細かな指導を必要とする場合は学級と異なる学習集団を弾力的に編成することが必要である、このように考えております。

 いずれにいたしましても、国等の動向をいましばらく注視してまいりたい、そのように考えております。

 次に、放課後クラブ開設の進捗状況と、今後の計画についてのお尋ねでございます。

 この九月二十七日には、広尾小学校及び常磐松小学校の二校で新たに放課後クラブを開設いたしました。また、既に設置されていました加計塚小学校、上原小学校、鳩森小学校の三校についても、新しい放課後クラブの形として再出発をしたところでございます。

 今後の計画につきましては、来年一月中にはさらに小学校二校で開設を計画しているところですが、放課後クラブ設置の地域バランスや施設整備状況などを総合的に検討し、現在、開設候補校を絞りつつありますけれども、現時点ではまだ確定をしておりません。いましばらくの時間をいただければと思っております。

 なお、これで七校となりますが、残りの三分の二につきましては二年間を目途に開設の努力をしてまいりたい、このように考えております。

 地域との連携や地域活力を重視した運営については、各小学校が放課後クラブを個性的に運営するためには大切な仕組みと考えております。具体的には、順次放課後サポート委員会を学校ごとに位置づけ、地域事情を反映しやすくするとともに、学校の特色を生かすために学校長や学校関係者の要望を十分に受けていきたいと考えております。

 なお、学校施設開放運営との関係ですが、学校は主に子どものためにある施設でございます。これまで学校施設開放運営委員会は、遊び場開放を積極的に推進するなど、同じ趣旨のために御努力を重ねてこられました。子どもたちへの思いをこれまで同様にいただき、同じ目的の事業のために十分話し合いながら協力関係をつくってまいりたい、そのように考えております。

 以上でございます。



○副議長(松岡定俊) 二番奈良明子議員。



◆二番(奈良明子) 区長並びに教育長より御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 私ども渋谷区議会自由民主党議員団は、渋谷区民の皆様がいつまでも安心して暮らし続けられることができるよう、今後も引き続き東京都や国とも緊密な連携をとって行動していくことをお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。



○副議長(松岡定俊) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後三時十八分

   再開 午後三時四十一分

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○議長(芦沢一明) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 十七番古川斗記男議員。



◆十七番(古川斗記男) 渋谷区議会公明党を代表して、五項目について桑原区長に質問をいたします。

 質問の前に、一言述べさせていただきます。

 今回の衆議院選挙で、公明党は小選挙区で八人が当選、比例区では過去最高得票の八百九十八万票を獲得し、二十三人が当選、合計三十一議席を獲得することができました。炎天下の中、台風など悪天候の中で血のにじむような献身的な御支援をいただきました党員、支持者の皆様に、この場をおかりして心から厚く感謝と御礼を申し上げます。

 大変にありがとうございました。

 我が党の神崎代表は「今回の選挙で、自民党と公明党の連立与党は国民から絶対安定多数を大きく上回る三百二十七議席をいただきました。連立与党の改革のエンジン、改革推進の切り込み役として公明党に課せられた責任はいよいよ重大であり、改革を加速させよとの民意をしっかりと受け止め、スピード感を持って改革断行に取り組んでまいりたい。自民党と協力し合い、国民の目に見える改革の成果を示してまいりたいと決意しております」と述べました。

 私たち公明党は、国民の皆さんあっての改革であり、庶民の目線に立ったセーフティネットの構築、格差是正や弱者への視点に目配りをしながら、公明党らしく改革に取り組むことが重要であると改めて決意をさせていただきまして、質問に入らせていただきます。

 初めに、「チャイルドファースト」の社会の構築について質問をいたします。

 日本の明日を担う子どもたちの健やかな成長のため、子育てを社会の中心軸に据えた子ども優先社会の構築が不可欠であります。

 少子化はどんどん進行しています。今年六月に発表された厚生労働省の人口動態統計によると、二〇〇四年の合計特殊出生率は過去最低水準の一・二九で、人口維持に必要とされる二・〇七を大きく下回っています。少子化の結果、日本の総人口は二〇〇六年の一億二千七百七十四万人をピークに減少に転じる見込みです。将来人口の見通しは、最も楽観的な前提に立った高位推計から、中位、低位までのいずれの予測でも厳しい人口減少が示されています。低位推計だと二〇五〇年には九千二百三万人となり、一億人を割ってしまいます。

 少子・高齢化、人口減少は、社会保障制度を支える現役世代の負担増、労働力の減少、家族や地域共同体の変化など、国民生活に重大な影響を及ぼしかねません。

 渋谷区の合計特殊出生率が、最も低い〇・七五という数値を示したことは周知のとおりであります。子どもを産み育てることは個人の選択の自由でありますが、産み育てる意思がありながら様々な阻害要因があるとき、それを排除するのは国を初め行政の責任であると同時に、社会全体で責任を分担する仕組みが必要と考えます。子育ての経済的・精神的負担など、あらゆる手だてを講じてその要因を排除し、子育ての安心を確保しなければなりません。

 また、これからは、生まれ出てくる生命、生まれた子どもたちに対する対策を考え、実行することが重要であると思います。生まれ育つ主役は子どもたちであり、育つ環境がどのようなものであれ、公平に社会から支援を受ける権利があると考えます。したがって、私たち公明党は「チャイルドファースト」社会、つまり子育てを社会の中心軸に位置づけ、女性が安心して子どもを産み育てることのできる、人にやさしい社会を目指しているところであります。

 第二回定例会で我が会派の伊藤美代子議員から、「チャイルドファースト」社会構築に向けて、少子化対策の一環として妊娠時の支援をとの思いから、「ハッピー・マザー助成」「ウェルカム・ベビー支援」の創設を訴えました。区長からは「傾聴に値する。今後の検討課題としたい」との御答弁をいただきました。

 その後、この考えを区民の方々にお聞きをしたところ、「いい考えだ」また「早く実現をしてほしい」など多くの御意見をいただきました。そこで、改めてその創設の可能性について区長にお伺いをいたします。

 次に、トルコ共和国ウスキュダル区との都市提携についてお伺いをいたします。

 今月四月から十一日まで、桑原区長を団長に、芦沢議長を初め区議会の代表等、トルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区を訪問され、渋谷区とウスキュダル区との間に友好都市協定が結ばれました。区長並びに芦沢議長を初め区議会の代表の皆様、大変にお疲れさまでございました。

 先ほど桑原区長は、ウスキュダル区との提携について「人と人との心の触れ合う交流は、自治体相互の都市提携によって初めて生まれると考える。都市提携によって、いわば新しくつくられたキャンバスに相互の信頼と努力によってすばらしい夢と希望のある絵が描かれることを期待する」と述べられておられました。「平和・国際都市渋谷の日」が三年前に制定され、初のことであり、両区のますますの交流・発展に心ときめくものを感じています。

 昨年、私は友好都市提携調査団の一員として同区を訪問、トルコの歴史と文化を目の当たりにして帰ってまいりました。そしてまた、トルコの人々が友情を殊のほか大切にするということは周知の事実でありますが、アルカダシュルク、これは同志、友人ということでございますが、この言葉に示されるとおり、信義と友情を重んじ、かつ勇健の心に富んだこの国の精神性を肌で感じた一人であります。

 さて、トルコは日本からは遠くて近い国とも言われています。確かに両国は地理的に、アジア大陸の片や西の端、片や東の端と遠く隔たっていますが、文化的、民族的な距離は驚くほど近いと言えるでありましょう。

 トルコ出身の著名な人類学者であるハーバード大学のヌール・ヤーマン教授は、両国の親近性について次のように語っておられます。「トルコ民族の源流も中央アジアであり、また、両国が悠久なる民衆の交流の道・シルクロードで結ばれているゆえんでありましょうか、言語、風俗、習慣面で不思議なほどの類似性が見られる」と。さらに教授は「両国は自然の同盟国である」とも表現をしておられます。

 さて、近代トルコの先駆者でありトルコの父−−アタチュルクと呼ばれているムスタファ・ケマル・パシャ初代大統領は、勇躍挺身して、戦いに疲れ自失状態にあったトルコの人々を勇気づけました。民衆の心の持ち方を一変させることによって故国を存亡の危機から救い出し、新生トルコの建設へと向かわしめたのであります。そして、教育によって新たなトルコ人、新たなトルコの建設を目指したのであります。

 ケマル大統領は八十年ほど前、建国の当時、次のように述べております。民族同士の長年にわたる敵対感情をぬぐい去るには「軍事的勝利によってではなく、ひとえに近代的知識と文明とが要求することをすべて達成すること、そして、あらゆる文明民族が実現した文化的水準へ、実際に到達することによってである」と。つまり、文明化、近代化することによって、「よきトルコ人」であることが同時に「よき世界市民」へと通じていくという理想的な方向性が示されていると感じます。

 そして、トルコの基本路線である「内に平和を、外に平和を」との思いと、渋谷区民憲章の精神に基づく文化交流、相互理解を通して、新たなシルクロードが渋谷区とウスキュダル区との間に築かれていくものと確信をいたします。

 そこで、今後、具体的にウスキュダル区との交流はどのように推進していくのでしょうか、是非実りのある交流ができることを大いに期待をいたしますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、防災対策について二点お伺いをいたします。

 一つは、地震対策であります。

 相次ぐ自然災害の発生で、防災に対する国民の関心が高まっています。その中で、多くの人々が関心を寄せているのが地震対策であります。特に、今年は震度五以上を観測した地震が十回も発生しているのですから、なおさらではないでしょうか。

 このうち、地震の規模がマグニチュード七を超えた地震は、三月の福岡県西方沖地震と、八月の東北を襲った宮城県沖の地震であります。

 福岡県西方沖地震では、玄界島で多くの家屋が倒壊、破損する一方、大都市で起きる大地震の怖さも改めて見せつけられました。福岡市の繁華街ではビルの外壁の窓ガラスが割れ、歩道に破片が雨のように降り注ぎました。ブロック塀も倒壊しました。

 また、宮城県沖の地震ではプールの天井が落下し、建物の構造を支える柱やはり、耐力壁以外の非構造部材の対策の遅れが指摘をされました。

 また、七月に千葉県北西部を震源に発生した地震では、マグニチュード六と中規模ながら、首都・東京の弱点が明らかとなりました。交通網、通信網の途絶と回復の遅れや、エレベーターの閉じ込め問題、超高層ビルと低周波振動との共振現象、大量の帰宅困難者の発生など、次々と課題が浮き彫りになりました。

 特に東京は、東京湾北部を震源とするマグニチュード七クラスの首都直下地震の切迫性が指摘をされているところであります。

 七月に開催された渋谷区防災会議において、中央防災会議首都直下地震対策専門調査会の公表資料について報告がありました。その中で、首都直下地震が起きた場合、想定される避難所生活者は約三百五十万人から四百六十万人。阪神・淡路大震災で三十万人、新潟県中越地震で十万人であることを考えると比になりません。また、帰宅困難者は、昼の十二時では最大六百五十万人とも想定をされています。

 そして、揺れや火災による死傷者の軽減対策について、例えば冬の朝五時、風速三メートルの場合で、死者数の約八割は建物崩壊が原因と指摘をしており、この対策として、耐震改修に対する補助、融資、税制など耐震化促進、公共施設の耐震化を挙げております。

 また、風速によっては火災被害が極端に増加します。例えば冬の夕方十八時、風速十五メートルの場合、死者数の約六割は火災が原因であり、初期消火が重要であるとして、その軽減方策は、自主防災組織の育成・充実、平常時からの地域コミュニティの再構築、防災教育、防災訓練の実施が挙げられています。

 結論として、被害量軽減のためには建物の耐震化、及び住民による自助・共助で初期消火率の向上などを図ることが重要としています。

 先日、公明党東京都本部でも、地震学専門講師を招き防災対策勉強会を開催いたしました。中央防災会議の資料をもとに「大事な点は地震に強いまちづくりであり、被害軽減のためには建物の耐震化が必要である」と講義を受け、今後の防災対策について学びました。

 桑原区長も前定例会の区長発言で、震災対策について次のように言及をされております。「区として早期に減災に取り組み、待ったなしの自然災害から地域と家庭を守ることが何より必要です」「ハザードマップを生かして創意と工夫を重ね、自主防災組織とも連携し、地域及び個人の防災力の向上や避難所対策等、二次被害の軽減対策に一つ一つ着実に取り組むことを大切にしたいと存じます」とお述べになっております。

 そこで、区長に五つお尋ねをいたします。

 一つ目は、渋谷区には木造住宅耐震診断コンサルタント派遣制度があり、また、耐震補強のために住宅修築資金の融資あっせん制度もあります。今こそこれらの制度の活用を区民の方々にもっともっと周知をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、区内には高齢者だけの世帯や、ひとり暮らしの高齢者世帯の方が多くいらっしゃいます。この方たちの中には、持ち家であっても収入が少なく、リフォームもできないとあきらめていらっしゃる方もおると聞いております。例えば、高齢者だけの世帯やひとり暮らしの高齢者世帯のうち築二十五年以上の木造の持ち家の方などを対象に、耐震補強など何らかの支援はできないものでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、防災訓練の工夫として、どのような状況であっても対応できるよう、例えば夜間での訓練を実施してはいかがでしょうか。

 次に、渋谷区のハザードマップは震災対策基礎調査を踏まえて作成される予定とお聞きしておりますが、いつごろを目指して完成の予定でしょうか、お伺いをいたします。

 さらに、区民向けの防災マニュアル、例えば防災手帳のような冊子をイメージしておりますけれども−−を作成をし、区民向けに配布をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 それぞれ区長の御所見をお伺いしたいと思います。

 二つ目は、水害対策についてお尋ねをいたします。

 今年は台風などによる豪雨災害が多く発生しています。今月初めに列島を襲った台風十四号は、全国各地に大きなつめ跡を残しました。首都圏でも一時間に百ミリを超す記録的な豪雨を観測、浸水被害が発生しました。隣接区などでは、河川のはんらんと下水道からあふれ出した雨水で住民が腰まで水につかるなど、都市水害の恐ろしさを改めて見せつけられました。一時間に百ミリという雨量は、まさに滝のような雨でありました。

 近年、都市部では集中豪雨が増えているのが現状であります。区内では大きな被害はなかったものの、激しい雨が降ると水害を心配しなければならない地域もあります。実際、先日のような予想以上の雨量では、被害に遭った地域もあったところでございます。

 災害対策には日ごろからの備えが肝心です。それでも被害は想定外のところで発生するとの思いを強く持っていくことが必要なのではないでしょうか。

 そこで、区は、都とよく連携をして下水道のさらなる整備・強化を推し進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、万一区内の河川が危険水位を超える可能性がある場合や集中的に水が出たときなど、周辺住民への避難勧告や避難場所の指定など体制づくりが必要と思いますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、防犯について質問をいたします。

 我が会派では、これまで防犯ブザーの配布、ピッキング対策補助金制度の創設など多くの防犯対策を提案し、その実現に全力を挙げてまいりました。

 昨今、治安の悪化に伴い、関係行政機関ではその改善に努力をされております。しかし、今は安全も自分自身で守らなければならない時代です。私たちは、そのためのサポート体制についてはこれからもどんどんと推進をしていきたいと考えています。

 さて、二年前、区には安全対策本部が置かれ、安全対策ニュースがタイムリーな情報源として各所に提供をされております。スピーディな情報発信をこれからもよろしくお願いをしたいと思います。

 安全対策ニュースでは、児童生徒に対する不審者、変質者の情報が最近も載っておりました。怒りを覚えるとともに、何とかならないのかとの思いでいっぱいであります。

 そこで、新たな犯罪抑止策として、小中学校の門扉や外壁、また、こども一一〇番の家など御協力をいただいている所へ、例えば「小中学生は防犯ブザーを携帯しています」というような看板、プレートなどを掲示してはどうでしょうか。また、小学生のランドセル、中学生のバッグに「防犯ブザー携帯中」と表示されたステッカーやプレートなどをつけられるような、そのようなグッズを作成、配布してはどうかと思いますが、区長の御意見をお伺いいたします。

 見栄えやファッション性のこともありますが、安全第一を考えて御提案をさせていただきます。

 次に、リサイクルについて質問をさせていただきます。

 今年の夏「愛・地球博」に行ってまいりました。

 ある外国パビリオンでは、一辺十八メートルの壁四面と天井すべてを使った立体スクリーンのキューブシアターで、「持続可能な開発」という地球環境問題の難しいテーマを映像や短い言葉で約十五分間にまとめられたものを見ました。題材は、二〇〇二年に南アフリカのヨハネスブルクで開かれたヨハネスブルク環境サミットだそうです。

 森林破壊、砂漠化、食料問題、家電のごみの山、交通渋滞など、取り組まねばならない環境問題が立体スクリーンに大迫力で映し出されます。次々と迫ってくる巨大映像は、見ているだけでも圧倒されました。そして、次に出てくるメッセージは「汚すのは誰だ」「未来は“そうなる”ものでなく、“そうする”ものでありたい」とか、さらに「私たちは両親から地球を譲り受けたのではなく、子どもたちから借りているのです」など、美しい地球を守るため、人類が共生するための環境メッセージがどんどん示されていきます。

 そして、さらに続けて、ここで感じたことを行動にどうつなげるか。「ごみを減らす」「車の使用を減らす」など、「できることから始めよう」というメッセージに考えさせられるとともに、何かをやらなければと思わずにはいられませんでした。一言感想を述べさせていただきました。

 さて、渋谷区では、平成十二年三月に渋谷区一般廃棄物処理基本計画が策定され、この計画に基づいて様々な施策が実施をされてきました。これを循環型社会の構築に向けて、環境負荷の少ない効率的な三R、いわゆるリデュース、リユース、リサイクル、ごみ処理施策を具体的なものにしていくため、今、改定に取り組んでいるそうでございます。

 その中間案を清掃・リサイクル審議会でお聞きをいたしました。その中で、家庭ごみとして出される可燃ごみの約半分が生ごみであり、ごみの減量化を考える上で、生ごみのリサイクルや水切り等による減量化を促進する必要があるとの報告がございました。審議会の委員の方からは、生ゴミを水切りしないで捨てるということは、水を燃やしているようなものだとの意見も出されました。

 さて、最近では、一般家庭でも生ごみ処理機で堆肥にし、家庭菜園やガーデニングに利用をしているところも多いようであります。さらには、その堆肥を農家に送ってできた野菜を提供してもらうという、食物リサイクルを推進している家庭もございます。

 そこで、区として廃棄物の発生抑制を推進するために、二つお伺いいたします。

 分別回収のさらなる周知と生ごみの水切り徹底の広報をさらに推進すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 また、生ごみのリサイクル推進のため、生ごみ処理機のあっせん制度をより利用しやすい補助金制度に変更してはどうかと思いますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 以上、大きく五点にわたりまして質問をさせていただきました。御答弁よろしくお願い申し上げます。



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党、古川斗記男議員の代表質問に順次お答えをいたします。

 まず、第二回定例会で伊藤美代子議員からの御質問のあった、妊娠期間中に検診費用や出産準備などの経済的な負担を軽減するための助成制度について、検討経緯についての御質問でございます。

 御提言のございました、少子化対策として産みやすい環境づくりに資する御提言であり、傾聴に値すると思っているものでございます。今後、十八年度予算編成の中で検討を進めたいと、このように考えております。御理解をいただきたいと存じます。

 次に、ウスキュダル区との友好都市提携に関して、どのようにこの交流を進めていくのかと、こういうことでございました。

 区長発言でも御報告させていただいたところでございますけども、友好都市提携の調印につきましては、区議会議長以下御同行いただき、大変私も感謝をしているところでございます。

 なお、それぞれの議員もお感じになっていらっしゃると思いますけれども、大変友好的でございまして、相互交流と平和のために強い手ごたえを感じて帰ってまいったわけでございます。

 そこで、今後これをどうするか、どう進めていくかということでございますけども、まだ私の私見の段階でございますが、これからの時代を担う青少年が主役となるように、また、相手方が本区に求めている、例えば震災対策とか、あるいは教育等を中心とした相互の交流を図って、意義の高い、そして新たなシルクロードとなるような、そういうような交流にしていきたい、このように思うものでございます。

 いずれにいたしましても、行政だけでなく御同行いただきました議員の皆様方とも御相談し、また、区民の協力を得て着実に進めてまいりたい、このように存じます。

 次に、震災対策につきまして五点にわたる御質問でございますが、順次お答えをいたします。

 まず、木造住宅耐震診断コンサルタント派遣制度や耐震補強のための住宅修築資金融資あっせん制度につきまして、区民にもっと周知するべきであると、このような御提言でございます。

 これらの制度につきましては、これまでは区ニュースや町会掲示板へのポスター掲出、リーフレットなどによる周知に努めてまいりましたけれども、これに加えまして区施設へのポスター掲出やチラシの配布、さらには区ホームページを活用するなど、様々な機会をとらえまして制度の周知を図ってまいりたいと、このように存じます。

 また、木造住宅耐震診断コンサルタント派遣制度とタイアップいたしまして、耐震診断の結果に応じ、耐震補強工事が必要な場合には住宅修築資金融資あっせん制度を紹介するとともに、毎月建築課が開催しております建築なんでも相談会や、地域整備課で開催しております住宅講座においても、これらの制度の活用につきまして周知を図ってまいりたいと存じます。

 続いて、高齢者のみの世帯やひとり暮らしの高齢者世帯のうち、この耐震のための支援をしていってはどうかというお尋ねでございます。

 現在、災害に強いまちづくりを目指しまして、地震発生時に本区のどのような範囲でどのような影響が出るか、より正確に把握するため、ハザードマップの作成を進めているところでございます。

 私は、このハザードマップの結果を受けまして二次被害の軽減対策に着実に取り組むとともに、あわせて、耐震補強を踏まえた高齢者世帯等への支援の御提言につきましても共感を持つところであり、本区としてどのようなことができるか、ハザードマップ調査委託団体等とも相談させていただきまして、さらに研究を進めてまいりたいと、このように思っております。

 次に、防災訓練の工夫として夜間訓練を実施してはと、こういうお尋ねでございます。

 確かに、災害は昼夜を問わず発生するわけでございまして、御提言のとおり、様々なケースを想定して訓練を行うことは必要であると存じます。

 夜間での訓練は、生活基盤のある地域に密着したものが有効であろうと、このように考え、現在、毎年、小学校のPTAと自主防災組織が協力いたしまして防災宿泊訓練を行っているわけでございます。

 さらにこれに加えまして、他区で行っておりますような大規模夜間訓練につきましては、これにかかわります情報を収集いたしまして、消防関係機関あるいは自主防災連合会等とも協議しながら、これのことについての検討を進めてまいりたいと、このように思う次第でございます。

 ハザードマップの完成の予定はいつか、さらには区の区民向け防災手帳のようなものを配布してはどうかという御提言がございました。

 現在進めております震災対策基礎調査によります建物やブロック塀の倒壊、看板等の落下物、狭小道路の状況を調査し、揺れやすさ、地域危険度、危険箇所等のデータを調整いたしまして、年度末には震災ハザードマップを完成していただける、そういう予定でございます。

 このマップをベースにいたしまして、避難所の運営や地震の心得、災害時の対応、備蓄、避難等の情報を記載したマニュアルとして活用できるようにこの手帳を考えてまいりたいと、このように思っております。

 次に、水害対策についてのお尋ねでございます。順次お答えをいたします。

 まず、浸水被害の発生を踏まえまして、渋谷区として、都連携による下水道のさらなる整備強化をと、こういうことでございます。

 このことについては過日、東京都下水道局に対しまして、本町地区における浸水対策として、第二・十二社幹線の早期完成や、一部で取水が開始されております渋谷駅周辺の地下貯留施設を早期に全面供用開始するよう申し入れをしているところでございます。また、渋谷川沿いの浸水対策として、一時貯留施設の新設等もあわせて要望をしているところでございます。

 本区といたしまして、旧神田川支流における橋梁の架け替えのほか、雨水ますや横断溝の増設等の対策を推進しているところであり、今後とも下水道局等の関係機関との連携を深め、水害対策の強化に努力をしてまいります。

 次に、万一区内の河川が危険水位を超えた場合、この周辺住民への避難勧告や避難場所の指定など、体制づくりについてのお尋ねでございます。

 水害の規模が甚大となるおそれの生じた場合には、水防本部を災害対策本部に切りかえて対応をしてまいります。そして避難誘導の必要が切迫した場合、災害対策本部長は警察署長及び消防署長とも協議の上、避難地域と避難先を決めて避難勧告を行い、都知事に報告することと相なっております。

 本区においても、近年の都市型水害の実態を踏まえまして、御指摘のような課題について検討を進めてまいりたい、このように存じます。

 また、その際、住民へは、防災行政無線のほか広報車、携帯マイク等で周知の徹底を図ってまいる所存でございます。

 次に、防犯についてのお尋ねでございますが、順次お答えをさせていただきます。

 議員も御指摘のとおり、相変わらず地域での不審者、変質者が出没しておりまして、PTA、地区委員会等多くの方々には、児童生徒の安全を図るために安全パトロールに御尽力をいただいてまいっております。

 地域で児童生徒を犯罪から守り、安全を確保するためには、地域の方々が小さな犯罪も見逃さず日々子どもを見守っているのだという毅然とした態度、あるいはそういう環境づくりが犯罪を抑止する上で何よりも大切だと私は思っております。

 御提言をいただきました防犯ブザーの携帯を表示する看板、あるいはステッカーによる犯罪抑止策につきましては、意義を持つものと考え、新たな御提言でございますので、学校関係者や地域とも協議をしたいと、このように思います。

 次に、分別回収の周知と生ごみの水切り徹底についてのお尋ねでございます。

 「分ければ資源、捨てればごみ」の言葉のとおり、ごみの減量化を進め貴重な資源を回収するためには、また、最終処分場の延命のためにも、分別回収の徹底は極めて重要な課題でございます。今後とも、あらゆる機会をとらえ分別の協力要請をしてまいりたい、このように思います。

 また、生ごみの水切りを徹底することにより生ごみ減量に大きな効果があることは、御指摘のとおりでございます。分別の要請にあわせまして、生ごみの水切りにつきましても区民の理解と協力を得られるよう、区ニュースなどによる広報、または飲食店等関係団体に呼びかけ、一層の周知と協力を要請してまいりたいと存じます。

 次に、生ごみ処理機のあっせん制度について、購入代金を補助する方法に変えてはどうかと、こういうお尋ねでございます。

 現行のあっせん制度は、生ごみ処理機を希望する方に、市場価格を下回る廉価にあっせんを行っているところでございますが、区民に一層利用しやすい制度に改善するため、あっせんする機種を増やすことやあっせん価格の引き下げ、PRの徹底など、御提言の趣旨を踏まえて生ごみ処理機の一層の普及を図ってまいりたいと存じます。

 また、店頭で購入される、あるいはそういう希望の方に対しましては、御提言を踏まえ、さらにその補助制度等についても検討してまいりたい、このように存じます。

 以上で御理解いただきたいと存じます。



○議長(芦沢一明) 十七番古川斗記男議員。



◆十七番(古川斗記男) 区長には具体的な御答弁をいただき、大変にありがとうございました。

 今回の質問は、喫緊の課題や、区民の皆様からいただいた貴重な御意見をもとにお伺いをさせていただいたものばかりでございます。それぞれが実現をし、実りのある区政運営となるように期待をし、公明党の代表質問とさせていただきます。

 終了いたします。ありがとうございました。



○議長(芦沢一明) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、庶民増税、平和問題、介護保険、子育て支援、防災、まちづくりの問題について区長に質問をいたします。

 先日行われた総選挙では、小泉旋風と言われる中で、我が党はこの四年間で痛みばかり押しつける政治から国民を守る政治への転換を訴え、比例で三十三万票増の四百九十二万票を獲得し、議席数の維持と得票増を得ることができました。引き続き国民生活を守る立場で公約実現に全力を挙げる決意です。

 選挙後の政治で鋭く問われているのは、庶民増税と憲法改悪です。今回の総選挙で、首相は郵政問題以外は口をつぐみましたが、選挙が終わると即座に定率減税の廃止、所得控除の見直し、消費税増税を検討する発言が閣僚から出ています。

 政府税調の示した所得控除の廃止と、さらに消費税の二けた増税が実施されれば、年収五百万円、家族四人のサラリーマンの場合、増税額が年間五十五万円、給与の手取り分二カ月分が吹き飛ぶことになり、これによって総額二十四兆円もの庶民増税になります。こうした庶民増税に対して、日本共産党は、税金の使い方、集め方について見直すことを提案しています。

 五兆円にも達している世界第二位の軍事費の大幅削減、五・八兆円もの道路特定財源を一般財源にすること、そして国際空港、港湾、ダムなどの大型公共事業の無駄をなくすことで国と地方合わせて十兆円の財源を確保することができます。さらに現在、財界、大企業は史上空前の利益で八十二兆円もの余剰資金を抱えており、ドイツ並みの税と社会保険料の負担をするだけでも七兆円もの財源が出てきます。

 庶民のみに負担を押しつけるのではなく、無駄遣いを削り、法人税率、大企業の優遇税制をヨーロッパ並みに見直すことなどを行えば、庶民増税は必要ありません。

 今、区民生活は、就学援助を受け取っている生徒数が、二〇〇二年度は千五百四十二人だったのが二〇〇四年度は千六百四十六人と百四人の増となり、生活保護受給世帯も〇三年度は千六百二十一世帯だったのが、〇四年度は千七百八十四世帯と年間で百六十三世帯も増えるなど、深刻な事態が続いています。区民の暮らしを破壊する庶民増税をするべきでないと国に申し入れるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、平和問題についてです。

 今、戦後六十年の日本の平和を守ってきた憲法九条が切り捨てられようとしています。八月に自民党が発表した改憲案は九条を改悪し、自衛軍を明記し、その後、憲法改正のために必要な国民投票法案を審議する衆院憲法特別委員会が、二十二日の衆議院本会議で自民、公明、民主党などの賛成多数で議決され、憲法を変えることが具体的な政治のスケジュールに盛り込まれたことは認められません。

 昨年六月に、憲法九条を守る一点での国民的共同を呼びかけた九条の会は、全国的な広がりを見せ、七月二十日に有明コロシアムで九千人の講演会が開かれるとともに、全国で三千を超える会が結成され、渋谷区でも九条を守る草の根の運動が大きく広がっています。

 憲法九条は、第二項で戦力の不保持と交戦権を否定しています。このことが歯止めとなり、自衛隊は海外で一人の人間も殺していません。九条二項を改変し、自衛軍を明記することは、日本を海外で戦争できる国に変質させることです。

 今、世界の国々は、アメリカがイラク戦争を起こしたときに賛成した国はわずかであり、世界の圧倒的多数は戦争に反対をしてきました。国際的平和は軍事力によらず、話し合いで解決することを求めているのです。

 日本共産党は、国連憲章を無視したイラク戦争が切迫してきた際にアジア・イスラム諸国を訪問し、立場の違いを超えて多くの国の政府と一致点を確認してきました。また、昨年、三十五カ国八十三の政党によって開かれたアジア政党国際会議に参加し、多くの政権党を含む政党と対話も行ってきました。

 その具体的な内容は、国連憲章の精神に沿った平和の国際秩序を確立するために努力し、イラク戦争のような無法な先制攻撃の戦争を許さず、どの国であれ独立と主権を尊重していくこと、地球環境や飢餓問題などの解決のために、公正でルールある民主的な国際経済関係の実現を目指すこと、異なる価値観を持った文明間の対話と共存の関係の確立に努力をし、無差別テロにも報復戦争にも反対し、テロを根絶するための国際的な世論と共同行動を発展させる立場で対話をしてきたことが、どの国でも大きな共感を持って迎えられています。

 区長はさきの定例会で、九条を守ることを表明するべきという我が党の質問に対して、「いろんな考え方があるけれども、それは国際情勢の変化をどう見るかということにかかわっている。あるいは国際貢献の評価をどう考えるかにかかわっている」と思っているからと述べましたが、今、世界の国々から日本に求められているのは、九条の精神を世界に発信することです。

 区長は、戦後、日本の平和を守ってきた九条をどう認識しているのか、これを守るべきではないのか、伺います。

 介護保険についてです。

 介護保険法改悪案が六月二十二日、自民、公明、民主各党の賛成で可決・成立しました。この改悪には、軽度の人の介護サービスを切り捨て、施設利用者に大幅な負担増を押しつけるものだとして介護にかかわる幅広い団体、個人が批判の声を上げてきました。

 この介護保険制度改革関連法案の最大の問題点は、介護に対する国の財政負担抑制のために高齢者の介護サービス利用を制限し、大幅な国民負担増を押しつけることにあります。介護予防の名のもとに、軽度の高齢者の要介護区分と給付を再編し、現在の在宅介護サービスの利用を大きく制限する中身になっています。また、特養ホームなど施設に入所する人の居住費、食費を保険給付外とし、総額四千億円の負担を高齢者、家族に転嫁するもので、入所者一人当たりにすると年間平均四十万円の負担増になります。

 さらに、現在、国と自治体が行っている機能訓練、給食サービスなどの福祉事業を介護保険に移すことも盛り込まれ、介護予防の重視を言いながら国の負担は最大四百億円も削減されるとともに、これまで無償の原則があった公衆衛生や高齢者福祉への公的責任を投げ出すものであり、福祉を切り捨てる政府の姿勢はとても認められるものではありません。改革を言うのであれば、安心して必要な介護サービスを受けられる制度への改善にこそ進むべきです。

 この改悪で厚労省は、居住費、食費を全額自己負担にし、四千億円の負担を利用者に押しつけるとともに、施設整備費の削減などで三千億円も減らし、合計で国の負担を七千億円も減らしたのです。

 我が党は、国庫負担の引き上げ、保険料、利用料の応能負担化、基盤整備の推進など、老後に期待が持てる介護保障制度の確立こそ必要だと考えています。

 まず、居住費・滞在費、食事代の自己負担の軽減について区長に質問いたします。

 区は、国の方針に沿って、介護保険から外された特養などの居住費、食費、ショートステイの滞在費、食費、デイサービスの食費を全額自己負担とする条例改悪を行いました。

 渋谷区でも特養ホームの利用料は、合計所得金額と課税年金収入額の合計が八十万超から二百六十六万円の第三段階の場合、月一万五千円の負担増になります。単身者で年金収入額百五十万円以下、預貯金三百五十万円以下の場合に適用される社会福祉法人減額を適用しても、月四千二百五十円の負担増です。また、世帯課税となる第四段階では、月二万五千円の負担増、年間では三十万円もの負担増になります。さらに、全室個室ユニットケアで来年から入所が始まる特養ホーム「美竹の丘・しぶや」の場合、第三段階で社会福祉法人減額を適用しても利用料は月七万二千円となり、年間の施設利用料は八十六万四千円に上り、第三段階でも、月七万円の年金の人は年金額を超える負担になります。現在入所している高齢者の負担増は、平均で月一万七千円、年間では二十万四千円にも上ります。

 また、区独自の軽減策を行ってもなおショートステイとデイサービスの利用料は、ショートステイは収入が百八十万を超える高齢者が負担増となり、デイサービスの食事代は、生活保護世帯でもこれまでの二百円から三百円に、それ以外の人は四百円から四百五十円もしくは六百円に引き上げられ、すべての利用者が負担増となるのです。

 港区では、通所の食費すべて、保険外を全額負担すると報道をされています。千代田区では負担増となる方々への対応として、デイサービスの食費負担を現行どおりとし、国の負担軽減の対象外とする施設入所者に対しても月一万五百円から一万九千五百円を補助することとしています。渋谷でも、二千四百万円を区が負担すれば年度内の利用者の負担増をしなくて済むのです。直ちに実施するべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、施設整備についてです。

 現在でも、特養ホームの待機者は依然として六百七十人です。第三特養「美竹の丘」が整備されても、入れるのは百二十七人です。グループホーム十八人、グループリビング九人と合わせても百五十四人で、依然として五百十六人が施設に入れず、待機者の実数に施設整備が追いついていない状況です。

 また、厚労省は、今後、要介護二以上の人しか施設入所ができなくなる指針を打ち出しました。現在、要介護一で施設に入所している人が新認定で要支援一、二になった人は、三年間の経過措置後に退所を迫られることになります。現在、特養入所者のうち要介護一の人は三十四人、新設される第三特養には要介護一の人は五十五人も応募をしています。私は、現在、特養に入所したり入所を希望している人たちは、たとえ介護度が低くても共同生活ができなかったり自立が困難な人たちであり、これらの人たちを介護施設から締め出すことは、やるべきではないと考えます。

 現在、区の特養に入所している三十四人の要介護一の人たち、現在申請している五十五人の人たちの居場所をどう考えているのか、区長の所見を伺います。

 また、区内の施設計画の中でどれだけ追い出された人の受け入れを考えているのか、あわせて伺います。

 さらに、国は施設整備も抑制を打ち出し、現在、要介護二から五の重度者のうち施設入所者は四一%、八十七万人です。この水準を維持すれば、二〇一四年度には百三十二万人分の施設整備が必要となりますが、厚労省は新基準で、施設入所者を重度者の三七%に抑えるよう指示しています。これによって二十四万人分の整備が減らされることになります。さらに、民間の営利企業が運営する有料老人ホームも施設整備数に取り込まれますが、入所一時金が平均で一千五十五万円、月額平均利用料が十七万円と、低所得者は入れません。なおかつ国は、現在一五%である特養ホームの個室割合を七〇%に引き上げ、七割の入居者から高額の個室料を取る計画です。これが進めば、特養ホームからはお金がない人は締め出されることになってしまいます。

 こういった政府の方針に追随するのではなく、グループホームやグループリビングを整備するとともに、区として、必要な人が安心して特養ホームに入所できるように第四、第五の特養を整備するべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 三番目に、新予防給付実施に伴うヘルパー派遣の問題です。

 政府は来年から、今の要支援の人をすべて要支援一に、要介護一の人の七割から八割を要支援二にするとしています。要介護一に残れるのは、認知症の人や心身が不安定な人に限られ、渋谷区では八月末現在、要支援千四百六十七人、要介護一、二千二百六十二人で、その八割で約千八百十人、合計三千二百七十七人の人が要支援となると見られます。

 政府はこれらの人々、要支援一から二の人については家事援助サービスを原則禁止するとしており、約三千三百人の人々は家事援助サービスから排除されることになるのです。要支援の人がホームヘルプなどの在宅サービスを利用し、改善している事例が多く、日常の家事援助を奪うやり方は到底認められるものではありません。

 新予防給付は四月から実施とされていますが、実際に決めるのは自治体の介護保険事業計画です。区長は国の言うままに介護保険事業を運営するべきではありません。少なくとも今後の介護保険事業計画の策定に当たっては、これまで受けられていた必要なサービスを保証する責任があります。新予防給付の実施後も、現在の要支援、要介護一の人にもヘルパー派遣を継続するようにするべきです。区長の所見を伺います。

 また、地域支援事業は、保健、福祉、介護の三つの福祉事業を再編して創設されます。これまで無料のサービスが介護保険に取り込まれることで、利用者の負担増になり、自治体が無料で行っている認知症予防教室など、利用料徴収が可能になります。これについて厚労省は、「市町村が適当と考える負担」と国会で答弁をしています。

 区として地域支援事業の計画を策定する場合、これまで無料のサービスを有料とするべきでないと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、保険料、利用料についてです。

 来年度から高齢者に対する住民税の非課税制度が改悪され、約百万人が非課税から課税になります。これらの人は保険料の段階区分が一から二段階引き上がり、施設利用料も食費も大きな負担増になります。現行の介護保険料、利用料の減免の拡大は待ったなしです。

 区民の現状は、高い保険料のため、〇四年度決算の普通徴収の介護保険料の収納率は九〇・八八%、約八百二十四人もの滞納があります。また、高い利用料のため、在宅介護サービスの支給限度額に対する利用率の平均は四九%と、半分にも達していません。所得に応じてきめ細かい応能負担を原則とするべきであり、区として介護保険料と利用料の減免を拡充すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、子ども医療費の無料化の拡大についてです。

 全国で最低の出生率の当区での子育て支援の中で、子どもの医療費の無料化の拡大は待ったなしの課題です。昨年から中学生まで無料化した港区に続いて、今年から北区、台東区、大田区、世田谷区、葛飾区で中学生まで医療費助成が実施をされ、今年から小学生まで助成を拡大した区は品川、中野、板橋、来年から目黒区も拡大をいたします。

 また、今年八月に公表された国民生活白書では、最近の出生率低下の要因として、生活に余裕が持てない若年世帯の増加を挙げています。その背景には、非常勤や派遣の不安定雇用が大学卒業者の二割弱にまで急速に増加していること、不安定雇用の若年層の年収は、同年代正社員の三割程度に当たる約百二十万円程度にとどまり、双方とも不安定雇用の夫婦が増えており、共働きを前提としても子どもを持つ余裕がない状況にあることと分析をし、子育て世代に対し、社会全体として支援していくことが必要であると指摘をしています。

 子どもが小学一年生と三歳とゼロ歳の三人の子どもを持つお母さんから、「今までも生活がぎりぎりだったのに、ぜんそくとアトピーの上の子が小学生になったら医療費の負担が出てきた。ぜんそくの治療だけは無料だが、それ以外の病気だと三割の自己負担は重い。下の子どもたちも小学生になって、一緒に病院に行ったらと思うと不安だ」という話を聞きました。

 渋谷区が昨年行った次世代育成支援に関するアンケートでも、小学生の保護者から、「子育ての不安や悩み」で「子育てで出費がかさみ、経済的負担を感じること」が全体の四一・三%のトップになっているではありませんか。区長はこの声にこたえるべきです。

 我が党が予算修正案を出したように、中学生までの医療費の無料化は四億二千万円でできるのです。区の一般会計のわずか〇・五%、三百五十三億円の基金のごく一部の活用でできるのですから、直ちに取り組むべきです。

 是非この渋谷区でも、中学生まで所得制限なしの医療費の無料化を実施するべきです。区長の所見を伺います。

 続いて、災害対策についてです。

 昨年から、日本全国で地震、台風、大雨など頻発し、災害対策への関心はかつてなく高まっています。

 本町で、防災対策のためのまちづくり懇談会が九月十六日から始まり、地域のまちづくりを住民参加で考えていくことは重大ですが、その前の住民への説明会でも多く意見が出されたように、個人住宅では、耐震化の必要性を認識していても、その負担が大きいために耐震化は依然として進んでいないのが現状です。その多くが高齢者や、ローンの返済で困難を抱えていることを無視できません。

 現在、区では、無料でコンサルタントの派遣と耐震の利子補給を一部で行っています。〇四年度実績でコンサルタント派遣は四十四件、非木造の共同住宅への耐震診断助成はゼロ件となっており、これでは不十分です。

 中央防災会議では、想定死者数を半減させるために、今後十年間で住宅の耐震化率を九割に引き上げる方針を掲げています。国土交通省が財団法人日本建築防災協会に委託して戸建て住宅の耐震改修工法事例を募集し、まとめたパンフでは、「阪神・淡路大震災では一棟の倒壊家屋について、国と地方公共団体が負担した行政費用が二千万円もかかったと言われております。地震が起きる前に耐震改修を行っていれば、建替えたり、修復する費用が軽減されるばかりでなく、行政経費の負担も軽減されます。耐震改修の程度にもよりますが、百万円程度でもかなりの効果があります」と記されています。

 世田谷区では、今年度予算で独自の耐震支援の拡充を発表し、四月から個人所有の木造住宅には耐震診断を実質無料にし、非木造の場合、最大百万円の耐震診断の助成を行い、今年に入って二百件以上の申し込みがあります。さらに、十月一日から住宅政策交付金を活用しての木造住宅耐震改修助成を実施します。百万円を限度に五十件の予算で、九月十五日の区報で発表以来、連日電話の問い合わせがあるとのことです。担当者は「悪徳商法が多い中で、こういう制度があることで区民に頼りにされている」と話してくれました。

 私は、災害を未然に防止し被害を最小限にとどめることは、政治の重大な責任と思います。そのために、国の地域住宅政策交付金を活用するなど、個人木造住宅やマンションなどへの耐震診断と耐震補強の助成制度を設けるべきです。そして、区内の住宅事情から、複数のケースでの耐震工事の必要工法と費用を例示し、コストを明らかにして悪徳業者を締め出し、区民が安心して工事を依頼できる区内業者をあっせんしていくことが必要と考えますが、所見を伺います。

 夏に発生した地震で、高層ビルが密集している都心では、長周期地震動と呼ばれるゆっくりした揺れが高層ビルなどの大規模建築を大きく揺らし、被害を発生させる可能性があるということが改めて問題になりました。大型建築物の多くは長周期地震動を考慮して建築されておらず、この都心でどれだけの被害が出るのか実態をつかむ必要があります。

 また、福岡西部地震では、高層ビルのガラスが地上に降り注ぎ、宮城県南部地震では室内プールの天井が落下するなどの教訓からも、危険箇所の点検と対策が必要です。

 現在、渋谷区では目視によるハザードマップの作成を行っていますが、高層ビルの屋内での被害や周辺に与える影響についてもマップ作成に取り入れる必要があると考えますが、区長の所見を伺います。

 まちづくりについてです。

 今定例会にまちづくり条例案が提案され、区長発言でも触れられています。これまで、区内のまちづくりを区民が考えるきっかけとなったのは、住宅環境や教育環境を大きく破壊する大型開発によるものでした。その中で、住民として区に対しての期待は、紛争予防条例によるあっせんと調停だけではなく、建築確認や開発行為の許認可権限を持つ自治体として、一方的な開発行為に歯止めをかけることでした。そして、現行法で拒否できなくても、教育施設に日影を落とす中高層建築物に対しては区として独自の条例をつくり、教育環境を守るために直ちに具体的な対策を求める請願が区議会で採択されました。

 ところが、この問題について今議会の区長の冒頭発言では、今後数年間をかけて、まちづくり条例体系の制定に当たっての考慮事項とし、今回のまちづくり条例に取り込んでいないというのは、区長がだれの立場に立ってまちづくりを進めているのか問題であり、このことは認められません。

 区長の冒頭発言の内容を知ったPTA関係者は、「請願の趣旨は教育環境を守ること、当該校だけでなく全区的課題として取り組まなければ区内の小学校の教育環境を守ることができないという危機感から取り組んだのに、今回、考慮事項にするだけで、やるとも言っていないし数年後もはっきりしないのは、やる気がないのではないか」また「検討委員会が出した内容は、区議会で請願に反対した会派の意見と同じ。議会として直ちにやるべきだということで採択されたはずなのに、今回の区長の姿勢は、一万人を超える請願者と区議会を裏切る行為で、許されない」という意見が上がっていることを重く受けとめるべきです。

 千駄谷小学校と幼稚園についても、業者が計画の見直しをしても日影は減っていません。待ったなしの課題であり、千代田区や佐賀市で制定されている業者に対し教育環境に配慮するように求める条例を渋谷区でつくらなければ、区内の小学校あちこちで教育環境が破壊されることに、請願署名に取り組んだPTA関係者から声が上がっています。

 直ちに教育環境を守る立場に立って、条例制定もしくは紛争予防条例の改正を行うべきです。区長の所見を伺います。

 次に、区長が代々木二丁目の区有地を高宮学園に売却し、大型開発を誘導している問題です。

 区有地を購入した高宮学園は、百三十四メートルもの高層ビルを建築するための解体工事を現在、行っています。この開発に対して、九百人もの区分所有者を抱える近隣マンションの管理組合や近隣住民は、予定地の間にあるかけがえのない生活・避難道路である位置指定道路を残してほしいと、土地を売却した責任と開発行為の許認可権を持つ渋谷区と、高宮学園に対しては開発計画の見直しを求めて要望書を提出してきたにもかかわらず、渋谷区は七月二十一日、近隣住民に何の説明もせず、高宮学園に便宜を図り開発許可を出し、位置指定道路の廃止を認めてしまいました。

 これに対して住民からは、位置指定道路は近隣住民の同意なしに廃止するのはおかしい。区は、建築基準法では近隣の同意が必要だが、開発行為は近隣の同意は必要ないとしています。住民からは、高宮学園の開発行為を助けるために、一方的に区が便宜を図ったとしか思えないという声が広がっています。

 位置指定道路の廃止については、今、東京都がガイドラインを検討している最中であり、道路の廃止については接続している通路、道路を含めるべきであり、近隣の同意を原則とするべきです。

 区が土地を売り、区が許可を出すことにより、区民が大型開発により日影や風害、眺望権の被害など受けることについて区長はどう考えているのか。

 また、東京都も位置指定道路のガイドラインをつくっている最中であり、許可を出すべきでなかったと考えますが、建築計画の見直しを高宮学園に申し入れるべきと考えます。区長の所見を伺います。

 次に、小田急線参宮橋駅の無人化問題です。

 六月議会で五十嵐議員が質問したように、この都心で、しかも世界中からオリンピックセンターに人が集まる駅に、早朝とはいえ駅の無人化になることに対し、区長は「経営問題だから、無人化中止を申し入れる考えはない」と答弁いたしました。この答弁に対して、「参宮橋では人身事故があったこともあるのに、駅員がいないということをどう考えているのか」と声が上がり、地元の町会などでも小田急に無人化の中止を要求しています。

 日本共産党渋谷区議団は小田急電鉄株式会社に無人化中止の申し入れを行いました。小田急側は、駅の無人化は人員削減の結果であることを認めました。

 私は九月十六日金曜日、早朝五時三分の始発から七時十九分の駅員が到着するまで、どれだけ駅の利用者がいるのか調査を行いました。改札通過人数は五百三十八人、定期以外の利用者は百五十八人、そのうち小学生の子どもは三十一人もの利用がありました。駅員がいないときに事故があれば、これらの乗客の安全確保はだれがやるのでしょうか。

 さらに、参宮橋周辺には南新宿までに三カ所、代々木八幡までに五カ所の踏切が存在しており、こうしたことを考えれば、経営問題を優先するのではなく利用者の安全を第一に考えるべきです。

 そして、日本共産党渋谷区議団は監督官庁である国土交通省と二度にわたって交渉を行い、利用者の安全を守るために小田急を指導するように求めました。国交省は、法的な制限はないとしつつも「小田急に意見を伝えたい」と回答。JR西日本の大惨事となった尼崎の事故でも問題になったように、公共交通の事業者は経営優先ではなく、利用者の安全を第一に考えるべきです。

 利用者の安全のためにも小田急に無人化の撤回を要求するべきです。改めて区長の答弁を求めます。

 最後に、代々木四丁目都営アパート跡地に建設中の参宮橋公園に隣接する公共建築物について質問します。

 五月に山谷小学校で説明会が行われ、公園が設置されることに住民から多くの期待が寄せられました。同時に、公園の隣の五百平方メートルの土地に建設される公共建築物については、説明会でも多くの質問が寄せられましたが、「区長部局で検討」という回答でした。

 私は、この土地に区民館、敬老館など、区が責任を持ち住民の福祉に供する施設をつくるべきと提案をしてきました。地元からも「公園だけでは困る、区の職員がいて管理してくれる施設をつくってほしい」「自主管理施設では、今でも高架下施設の管理でも手いっぱいな状況だから無理。何としても区が管理するものに」という声を聞いています。

 現段階で、区長はここにどういった公共的施設をつくろうとしているのか、また、計画するに当たって、子育て世代や若者の声も反映できるようにアンケートや開かれた説明会を開催し、多数の住民の意見を聞くべきと考えますが、所見を伺います。



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団、森 治樹議員の代表質問に順次お答えをいたします。

 まず増税について、これをすべきでないということで、国に申し入れるべきだと、こういうことでございますけども、現時点では具体案として打ち出されているものがない、このように思います。したがって、申し入れのしようがないと、このように思っております。

 次に、憲法九条についてでございますけれども、昨日も国会で論議され、小泉総理が答弁をされていたところでございます。国会で論議し、国民が判断すればよいと、このように思っております。

 次に、介護保険の改善について四点の御質問がございました。

 まず、このホテルコストの導入と食事代の自己負担についてでございますけども、先ほどからの御答弁で御了承いただきたい、このように存じます。

 次に、介護保険の施設整備でございますけども、六月の法改正で要介護二以上の人しか入れないと、こういうことでございました。しかし、今回の法律改正におきましては、御質問にある要介護二以上の人しか施設に入れないとする指針は出されていないと、私、思っているところでございまして、このことへの対応でございますけれども、本区としては、要介護一の方についてはグループホームとか、あるいはグループリビングを御活用いただきたい、このように思っております。

 次に、第四、第五の特養の整備についてのお尋ねでございます。本年十二月には特別養護老人ホーム「美竹の丘・しぶや」を開設するところでございます。また、笹塚にグループホームを、幡ケ谷にグループリビングを、それぞれ十八年度に開設する予定でございます。

 また、今回の介護保険法の改正に伴いまして、今後は三十床以上の大規模な特別養護老人ホームについては都道府県の整備計画にゆだねられることに相なっているわけでございます。

 そのようなことを考えあわせ、第四、第五の特別養護老人ホームの計画をつくる考えはございません。

 次に、現在の要支援、要介護一の人にも家事援助ヘルパーの派遣を継続すべきであると、こういうお考えでございます。

 国は新予防給付の実施に伴いまして、適切なケアマネジメントに基づいて必要とされるサービスについては、それぞれ、家事援助であってもヘルパーの派遣は引き続き受けられると、柔軟な対応を示していると、このように理解しております。

 次に、新予防給付について、無料のサービスを有料にすべきでないと、こういうことでございます。

 大変無料のお好きな会派だと、こう思いますけれども、このことについては、介護予防としての地域支援事業につきましては介護保険事業の枠組みの中で実施される、その費用につきましては介護保険事業計画の中でお示しをしたいと、このように思っております。

 次に、介護保険料と利用料の減免拡充をすべきであると、こういうことでございますけれども、これにつきましても、これまでも何回も御答弁したとおりでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

 続きまして、子どもの医療費無料化についてのお尋ねでございます。

 この医療費無料化につきましては、少子化対策としての有効性を検証していかなければならない。そうでなければ財政負担のみ過大となる、このように考えているところでございまして、現段階では対象拡大の考え方は持っていないということでございます。

 次に、耐震診断と耐震工事の助成制度についてのお話でございますけども、このことについては古川議員に答弁したところで御理解をいただきたいと存じます。

 続いて、耐震工事の工法と費用を例示して、コストを明らかにして悪質業者が入り込めないようにということでございました。

 個々の建物について耐震工事の費用は異なってまいりますので、行政が一律に価格を示すことは困難であると、このように考えており、このような、御提言のようなことは考えておりません。

 次に、ハザードマップについてでございます。

 ハザードマップの作成に当たって、建物の内外について調査をと、こういうことであったと思いますけれども、屋内についての調査は、行う考え方は持っておりません。また、周辺の影響につきましては、建物に附属する看板等の落下物については調査し、危険箇所としてのデータ収集を行いたい、このように思っております。

 続きまして、まちづくりについてのお尋ねでございます。

 請願等への対応につきましては、岡野議員に意を尽くして答弁したとおりでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

 次に、代々木二丁目の開発行為についてでございます。

 この件につきましては、本年七月二十一日に、都市計画法に定める技術基準に適合し、かつ正当な手続にのっとり開発許可をしたものでございます。

 位置指定道路を存続するように高宮学園に申し入れる考え方は、持っておりません。

 また、この高宮学園も、近隣の住民の方々と解体工事の協定を結び、解体工事を進めているものと理解しております。

 なお、土地の売却等については、所定の手続に基づき適正に行ったと、このように思っております。

 次に、小田急の参宮橋駅無人化の撤回をということでございますけれども、前回定例会で御答弁したとおりでございまして、撤回を申し入れる考えは持っておりません。

 次に、参宮橋公園隣地の公共建物についてでございますけれども、現段階ではまだ決まっておりません。この、どのような施設にするかについては今後、地域の方々と相談し、かつ議会にも御報告申し上げて決定をしていきたい、このように考えております。

 私の答弁は、以上でございます。



○議長(芦沢一明) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 先ほどの区長の答弁について、再質問をいたします。

 区長は、具体案がないから申し入れようがないんだというふうにおっしゃいました。このことについて私は、小泉首相、そして与党の責任は重大だと思っております。

 小泉首相は定率減税の廃止を、これをはっきりと明言をしてまいりました。それと同時に「サラリーマン増税ではないか」という言葉に対して、定率減税の廃止と所得控除、扶養控除の見直しをやることであるからすべての国民を対象にしている、よって自営業者や高齢者、サラリーマンだけ増税するわけじゃないんだ、そう居直って増税の立場を昨日の国会で明言をしたのです。それを、具体化がないからといって言うつもりはない、区民の影響を顧みないというのは余りにも私は冷たい姿勢だと思います。

 サラリーマンの年収四百万から九百万円の層がですね、住民税、所得税で払う額が二割以上増える。このことはだれも疑いようのない、連日発表されている報道からも明らかです。

 そして、二十八日−−昨日発表された国税庁の民間給与実態調査でも、一年間の平均給与は七年連続で減少もしています。その一方で、大企業については一切負担を求めようとしていないのは余りにも不公平です。税の基本は応能負担であり、負担能力のある者に負担を求めるのが筋です。今の政府は、史上空前の利益を上げている大企業には負担を求めず、そして国民には、民間給与が七年連続減少していることを、これを全く無視して庶民増税を行う、このことに対して、市民の生活に最も身近な区長の姿勢が問われる問題であり、改めて増税中止をですね、国に申し入れるべきということを再質問いたします。

 憲法九条についてですが、国会、国民が判断することだとしていますが、現実に小泉内閣は、憲法を否定することをこの間、続けております。憲法違反のイラク派兵を強行し、そして、今年十二月に撤収期間が迫っていることについても、撤収するとまだ明言をしておりません。

 アメリカは今、孤立を深め、イラクに軍隊を派遣していた三十八カ国のうち二十カ国が撤退をしています。武力による解決は事態を悪化させているんです。世界の圧倒的多数は戦争に反対をし、そして軍事力によらず話し合いで解決することを求めています。そういうことでは、戦争をしないと、憲法九条をこれを守ることは本当の意味で国民の命を守り、世界の平和の貢献をすることになるのです。

 改めて、憲法九条を守るべきと思います。区長の所見を伺います。

 介護保険につきましても、ホテルコスト導入について、日本共産党は二十六日、国会内で厚生労働相に負担増の中止を求める緊急の申し入れを行いました。その内容は、自治体や介護施設の実態調査を直ちに行うこと、そして自治体が独自に行う減免に干渉しないことを求め、厚労相は「介護を受けられないことがあってはならない」そして「実態調査は直ちにやる」そして、自治体が利用者負担の減免措置を行うことについて「ペナルティを科すことは全く考えていない」と答弁しました。矛盾がたくさんあるからです。

 今回の見直しは、介護保険実施の三年後、五年後の見直しから見ても前倒しして実施する不当なものであること、実施の十日前に条例を取りかえ負担を押しつけるやり方、認められるでしょうか。

 改めて、十月からの負担増を止める手だてをとらないのか、先ほど質問した庶民増税、これが介護保険料と利用料の大きな増加をもたらします。減免制度を拡充すべきと考えますが、再質問をいたします。

 区長は「法改正に盛り込まれていない」としていますが、現実に、ヘルパー派遣については……。

 施設整備についてですが、今回盛り込まれていませんが、実際にグループリビングは九人、グループホームは八人しか入ることができません。区内の特養の申し込み数は、九月現在で「けやき」八十五人、「あやめ」四十八人、「パール」三十九人、「つるとかめ」四十八人、とりわけ「美竹の丘」は三百八十七人の応募があります。とりわけ「美竹」に応募した人は、外れた場合、一年間どの施設にも入ることはできないんです。これらの人たちに対して、区長は「追い出しは盛り込まれていない」としていますが、国会での討論で、国は近い将来、要介護二以下の人を特養から締め出す方針を打ち出しています。これが届いていないわけはありません。

 どう対応しようとしているのか、改めて第四、第五の特養ホームをつくるべきと考えますが、再質問をいたします。

 また、ヘルパー派遣については、要支援の人たちにとって家事援助のヘルパーの件は、自立した生活を営む上でも不可欠となっています。国の資料によっても、一年間在宅サービスを利用した人の八割以上が維持・改善していると認めています。そして「国は、引き続き受けられると柔軟な対応を打ち出している」と言っていますが、私は区長に聞いたんです。区長が諮問をして、そして介護保険事業計画についてはっきりと、今まで受けている人、希望する人が受けられる、そのことを明言するべきではないでしょうか。改めて区長の再答弁をお願いいたします。

 区長は、子どもの医療費の無料化は少子化対策の有効性、そして財源の上でも……



○議長(芦沢一明) 静粛に願います。



◆二十二番(森治樹) 財源の上でも負担があると言いました。実際に、今年、来年から中学生まで入院・通院費を無料にする北区では、「北区は子どもが減っているから、子育ての経費は支援が必要と区長が判断した」と述べています。

 また、飲食店を経営している三十代前半の子育て夫婦の話を聞くと、渋谷区が他の区でやっている中学校までの子ども医療費の無料化をやっていないことに驚き、「是非子どもが少ない渋谷区でやってほしい」と私は言われました。要求がないのではなく、日々の生活に手っぱいで区長に声を届けるすべのない子育て夫婦の声を受けとめるべきです。

 一日も早く子ども医療費の無料化を拡大し、「子育てを応援する区」とはっきり言えるようにすべきです。再質問いたします。

 また、災害対策。世田谷区は国の制度を活用し、四月から実施をしています。災害はいつ起こるかわかりません。区民の期待は大きいからこそ、本町、幡ケ谷、笹幡など国も指摘をした……

   〔「笹幡なんて地域ないよ」の声あり〕



◆二十二番(森治樹) 笹塚、幡ケ谷など対象地域、密集地域を抱える自治体として、木造の個人住宅への助成制度の実施に早く踏み出すべきです。再質問をいたします。

 まちづくりについて、「岡野議員に答えた」と申しました。

 しかし、今、住友不動産は、十一月から一方的に工事を強行するとする中、区長の姿勢が今、問われているわけです。千駄谷小と幼稚園の子どもたちから太陽を守るのか、鋭く問われていることを認識するべきです。

 今回提出したアスベスト対策の建築物の解体工事条例のように、区として独自の教育環境を守る条例を直ちに制定するべきです。再質問をいたします。

 代ゼミ問題でも、位置指定道路の廃道については法律で一律に決まっているわけではありません。各行政で基準を定めています。東京都の現行の基準でも、廃止により直接影響を及ぼすと考えられる部分の権利者の承諾を得ることを原則とすると書かれています。

 区は今回のケースで、高宮学園に対し、住民の立場で計画変更を求めるべきです。改めて再質問をいたします。

 参宮橋駅です。

 この問題は、地元にとって重大問題として位置づけられています。けさも住民の方から「事故があったらどうするんだ、是非区長に聞いてほしい」と言われました。この言葉に区長はどう答えるのか質問いたします。



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 再質問にお答えをしたいと思います。

 再質問の内容が私、よくわからない部分がありますので、多少間違っておればお許しをいただきたいと、このように思います。

 庶民の増税についてでございますけれども、この定率減税の二分の一については、もう既に国会で決定をしているわけでございますよね。法律になっておるわけです。あとの半分については、そういうことはない。そういうことについては、昨日あなたの派の委員長さんが総理とやっていらっしゃるわけですから、よくお聞きになって対応してほしい。

 今のところ、新しくですね、やるものについては一切出ていないと、こういうふうに私は理解しております。

 平和問題については、同じでございまして、どの政党、会派だったって平和を守ると、こう言っていらっしゃるんですよ。私は、その点についてあなたのところの政党、会派の、これは専売特許じゃない、私はそういうふうに思っております。

 それから、この施設整備でございますけれども、私は、このことについては、この特養だけでなく、私は、この特養も増やしたわけですけども、特養の中でも私は一定のですね、必要な人については回っていくと、こういうふうに思っております。しかしながら、それで足りない部分は、あるいはそれはまたその程度に応じてきめ細かく、グループリビング、グループホームをつくるわけですから、そういうものでの対応をお願いしたいと、こういうふうに言っているわけですから、曲げて理解をしないようにお願いをしたい、このように思います。

 子ども医療費の無料化でございますけれども、このことも、ほかの議員さんだったっていい顔したいと思いますよ。だけれどもこのことについて、もらえばいいということでなくって、やはりこのことについて財政負担も考えながら、さらには少子化対策として有効かどうか考えながらやらなければ、ばらまき財政になるわけです。そのことを皆さんは御理解をいただいていると、こういうふうに私は思っているわけでございます。

 それから、まちづくりの件でございますけれども、請願に対することでございます。

 条例の前にですね、やはり憲法があるんだということを私は言っているんです。憲法については守ることの好きな会派ですから、その点はよく理解してほしい、このように思います。

 代々木二丁目における開発行為の問題については、先ほど申し上げた以上のものはございません。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



○議長(芦沢一明) 参宮橋。



◎区長(桑原敏武) 参宮橋のことでございますけれども、先ほど答弁したことで御理解をいただきたい、このように存じます。

   〔「区長、ヘルパー派遣の継続。議長、質問していますから」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 申しわけありません。

 答弁に対する、漏らしたと、こういうことでございますけども、この家事援助のヘルパーでございますけれども、厚生労働省の、この答えの中でですね、新予防給付においても家事援助を一律にカットすることはないんだ、適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められるんだと、こういうような回答があるものですから、先ほどあのような答弁をしたわけでございます。御理解をいただきたいと思います。



○議長(芦沢一明) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 増税、憲法、介護保険、まちづくりについても緊急的な課題であり、身近な自治体の態度が問われていますが、区長の政治姿勢は「国の決めたことだから」また「方針が出ていない」という、あくまでも国の方向がはっきりしていないということで、本当に区民の状況、そして政治の動きを見据えているのかどうか、本当に、率直に言って区民の声を吸い上げる視点が弱いと指摘せざるを得ません。

 こういった桑原区政の区民の声をかえりみない政治を本当に、日本共産党区議団は区民生活を守るために、切りかえていくために全力を尽くす決意を申し上げ、そして最後に、地域環境の問題におきましては、区長は憲法を守る必要があるんだということを言いましたが、そういうことを言うと、請願者、そして千代田区や佐賀市など独自に自治体の権限で教育環境を守る、そういうことさえも否定しているということ、そのことを区長が明言したということを私は厳しく指摘をさせていただきます。

 質問を終わります。



○議長(芦沢一明) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(芦沢一明) お諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から十月二十四日までの二十六日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は二十六日間と決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(芦沢一明) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明九月三十日、午後一時に開議いたします。

 なお、日程は、当日文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後五時十三分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   芦沢一明

渋谷区議会副議長  松岡定俊

渋谷区議会議員   奈良明子

渋谷区議会議員   菅野 茂