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東京都 渋谷区

平成17年  3月 定例会(第1回) 03月03日−01号




平成17年  3月 定例会(第1回) − 03月03日−01号










平成17年  3月 定例会(第1回)



           平成十七年 渋谷区議会会議録 第一号

 三月三日(木)

出席議員(三十四名)

  一番  前田和茂         二番  奈良明子

  三番  小林清光         四番  松岡定俊

  五番  沢島英隆         六番  栗谷順彦

  七番  芦沢一明         八番  平田喜章

  九番  金井義忠         十番  薬丸義朗

 十一番  東 敦子        十二番  水原利朗

 十三番  丸山高司        十四番  岡本浩一

 十五番  伊藤毅志        十六番  吉野和子

 十七番  古川斗記男       十八番  伊藤美代子

 十九番  鈴木建邦        二十番  長谷部 健

二十一番  牛尾真己       二十二番  森 治樹

二十三番  新保久美子      二十四番  五十嵐千代子

二十五番  木村正義       二十六番  齋藤一夫

二十七番  染谷賢治       二十八番  座光寺幸男

二十九番  広瀬 誠        三十番  植野 修

三十一番  小林崇央       三十二番  岡野雄太

三十三番  苫 孝二       三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          星宮正典

    総務部長          山内一正

    区民部長          菊池 淳

    福祉部長          池山世津子

    厚生部長          松崎 守

    保健衛生部長        上間和子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          三浦惟正

    環境清掃部長        田中泰夫

    安全対策本部長       佐戸幸弘

    防災担当部長        柴田春喜

    都市基盤整備調整担当部長  小笠原通永

    教育委員会委員長      原 秀子

    教育委員会教育長      足立良明

    教育委員会事務局次長    北村奈穂子

    選挙管理委員会委員長    石井治子

    選挙管理委員会事務局長   坂井正市

    代表監査委員        倉林倭男

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事務局職員

事務局長  諸岡 博  次長    小湊信幸

議事係長  倉澤和弘  議事主査  松嶋博之

議事主査  岩橋昭子  議事主査  鈴木弘之

議事主査  中山俊幸  議事主査  宮本 勇

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   平成十七年第一回渋谷区議会定例会議事日程

            平成十七年三月三日(木)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二   同意第一号 渋谷区監査委員の選任の同意について

日程第三   議案第一号 渋谷区組織条例の一部を改正する条例

日程第四   議案第二号 渋谷区公の施設における指定管理者の指定の手続等に関する条例

日程第五   議案第三号 渋谷区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例

日程第六   議案第四号 渋谷区附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

日程第七   議案第五号 渋谷区職員定数条例の一部を改正する条例

日程第八   議案第六号 渋谷区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例

日程第九   議案第七号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第十   議案第八号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一  議案第九号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第十二  議案第十号 渋谷区新たな商業振興のための条例

日程第十三  議案第十一号 渋谷区立敬老館条例の一部を改正する条例

日程第十四  議案第十八号 渋谷区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第十五  議案第十九号 渋谷区自転車等の放置防止等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十六  議案第二十号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例

日程第十七  議案第二十一号 渋谷区浄化槽の清掃業及び保守点検業に関する条例の一部を改正する条例

日程第十八  議案第十三号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第十九  議案第十四号 渋谷区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十  議案第十五号 渋谷区児童福祉センター条例の一部を改正する条例

日程第二十一 議案第十六号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第二十二 議案第二十二号 渋谷区文化芸術振興基本条例

日程第二十三 議案第二十三号 渋谷区郷土博物館・文学館条例

日程第二十四 議案第二十四号 渋谷区立図書館条例の一部を改正する条例

日程第二十五 議案第二十五号 渋谷区立松濤美術館条例の一部を改正する条例

日程第二十六 議案第二十六号 渋谷区立峰の原青少年山の家条例の一部を改正する条例

日程第二十七 議案第二十七号 渋谷区新島青少年センター条例の一部を改正する条例

日程第二十八 議案第二十八号 渋谷区立青年館条例の一部を改正する条例

日程第二十九 議案第二十九号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例

日程第三十  議案第三十号 渋谷区文化財保護条例の一部を改正する条例

日程第三十一 議案第十二号 渋谷区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例

日程第三十二 議案第十七号 渋谷区結核診査協議会条例の一部を改正する条例

日程第三十三 議員提出議案第一号 渋谷区政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十四 議員提出議案第二号 渋谷区議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十五 議員提出議案第三号 渋谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十六 議員提出議案第四号 渋谷区中小企業緊急特別対策資金貸付条例

日程第三十七 議員提出議案第五号 渋谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第三十八 議員提出議案第六号 渋谷区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十九 議員提出議案第七号 渋谷区重度要介護高齢者福祉手当条例

日程第四十  議員提出議案第八号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第四十一 議員提出議案第九号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例等の一部を改正する条例

日程第四十二 議案第三十一号 平成十六年度渋谷区一般会計補正予算(第三号)

日程第四十三 議案第三十二号 平成十六年度渋谷区老人保健医療事業会計補正予算(第一号)

日程第四十四 議案第三十三号 平成十七年度渋谷区一般会計予算

日程第四十五 議案第三十四号 平成十七年度渋谷区国民健康保険事業会計予算

日程第四十六 議案第三十五号 平成十七年度渋谷区老人保健医療事業会計予算

日程第四十七 議案第三十六号 平成十七年度渋谷区介護保険事業会計予算

日程第四十八 議案第三十七号 特別区道路線の認定について

日程第四十九 議案第三十八号 特別区人事及び厚生事務組合規約の変更について

日程第五十  議案第三十九号 東京二十三区清掃一部事務組合規約の変更について

日程第五十一 議案第四十号 東京二十三区清掃協議会規約の変更について

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   開会・開議  午後一時

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○議長(丸山高司) ただいまから平成十七年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、七番芦沢一明議員、二十七番染谷賢治議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔諸岡事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 桑原区長、神山助役、内山収入役、星宮企画部長、山内総務部長、菊池区民部長、池山福祉部長、松崎厚生部長、上間保健衛生部長、古川都市整備部長、三浦土木部長、田中環境清掃部長、佐戸安全対策本部長、柴田防災担当部長、小笠原都市基盤整備調整担当部長、原教育委員会委員長、足立教育委員会教育長、北村教育委員会事務局次長、石井選挙管理委員会委員長、坂井選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員。

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渋監発第三十九号

   平成十六年十二月十三日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年度 第二回定期監査の結果について(報告)

 地方自治法第百九十九条第一項及び第四項の規定に基づき実施した平成十六年第二回定期監査の結果を次のとおり報告する。

   〔以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第四十号

   平成十六年十二月二十七日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

  平成十六年十一月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋選発第八十三号

   平成十七年一月六日

 渋谷区議会議長 丸山高司殿

            渋谷区選挙管理委員会委員長 石井治子

   選挙管理委員及び同補充員の選挙を行うべき事由の発生について(通知)

 平成十七年三月三十日をもって下記の選挙管理委員及び同補充員の任期が満了となり、選挙を行うべき事由が発生するので通知いたします。

              記

       委員    石井治子

       同     福田 秀

       同     高谷圭一

       同     甲斐孝喜

       補充員   村尾貞二

       同     中川雅夫

       同     吉田茂夫

       同     佐野麗子

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渋監発第四十三号

   平成十七年一月三十一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

  平成十六年十二月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第四十七号

   平成十七年二月二十五日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年度財政援助団体等監査及び随時監査の結果に関する報告について

 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百九十九条第九項の規定に基づき、平成十六年度財政援助団体等監査及び随時監査の結果に関する報告を次のとおり提出する。

   〔以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第五十一号

   平成十七年二月二十八日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十七年一月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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○議長(丸山高司) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成十七年第一回区議会定例会を招集し、平成十七年度予算案を初め多くの議案について御審議をお願いすることになりました。

 第一回定例会の開会に当たり、当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を得たいと思います。

 昨年は、紀宮清子内親王殿下と本区居住の黒田慶樹氏との御婚約の内定が発表され、本年は、いよいよその御婚儀がとり行われる年であります。渋谷区にとってもとりわけ明るい年でありたいと思いますが、お二人にとって平穏で御多幸であられるよう、区民ともどもお祈りをしたいと思います。

 今や、二十一世紀が夢と希望のある世紀であるためには、日常生活さえも脅かしかねない平和や環境問題など世界的な課題にも関心を持ち、かつ少子・高齢社会に備えて十年、二十年先を見据えた区政への施策が求められる時代であると考えます。

 世界は、今なお後を絶たないテロや国際紛争に脅かされています。そして、二十世紀後半の冷戦構造は「国家対国家」の対立でありましたが、九・一一同時多発テロ事件以来、「テロ対国際社会」という構図であり、そこでは、「テロを武力だけで根絶できるか」ということが問われております。改めて、文化や宗教など価値観の衝突に対して、国際文化交流による相互理解の努力が必要であることを認識させたと思います。

 本区は「平和・国際都市」として、西洋文明のみならずイスラム文化圏のトルコ共和国との都市提携及び交流を、また、近隣中国との交流を区議会の御協力を得て実施したいと考えます。

 本年は、阪神・淡路大震災以後十年目の節目の年であります。その教訓や反省の要点は、まず各自の日ごろの備えが大切だということであり、家の中では三面鏡が凶器であったといいます。また、初動体制や防災関係機関の連携のあり方であり、地域防災力の強化や災害に強いまちづくりを進めることに要約されております。

 昨年は、とりわけ自然災害が多発した年でありましたが、新潟県中越地震は改めて、人と人とのつながりが何よりも大切であることを、そして、地域の人々が自主的にかかわらない限り実効性ある防災対策にならないことを示唆していると思います。

 本区においては、自主防災組織の皆さんが日ごろから訓練を重ねられ、安全なまちづくりに真剣に取り組んでこられ、区長として敬意を表するものです。しかし、この成果をさらに実効ある対策とするためには、日ごろから広く区民の防災訓練への参加を促し、なお残されている諸課題について、区議会と区民、さらには防災関係機関の御助言をいただきながら逐次取り組んでいくことが必要であると思います。

 本区においては、結論を得たものについては時間を置かず取り組むこととし、平成十七年度予算には、下水道流下式の仮設トイレの整備や、飲料水や毛布などの備蓄品強化の所要経費を計上しました。

 少子化についてであります。

 本区の合計特殊出生率は、全国でも最下位の〇・七五−−平成十四年−−にありながらも、平成七年以降、出生数は増え続けておりますが、これはバブル崩壊後、生産年齢人口の都心回帰によって出生数が増加したためであります。

 しかし、本区において、一方では人口の増加割合は確実に減っており、他方、政府は本年一月、「子ども子育て応援プラン」を作成したところでもあります。これまでの保育所整備などの対策だけでは少子化への歯どめ効果は薄いという判断のもとに、新たに男性を視野に入れ、働き方の見直しを企業に求めた内容であります。

 本区においても、平成十六年度中に次世代育成支援の行動計画を策定の予定でありますが、この国のプランも踏まえつつ、本区協議会の委員の皆様に御尽力をお願いしたいと考えます。

 いずれにしましても、子育て環境整備は緊急重要課題であります。そのため、中間所得層の保育料自己負担を所得に応じて五〇%または三〇%軽減するとともに、延長保育やスポット保育の拡大に加え、認証保育所の設置助成や旧渋谷小学校跡地等に保育所整備を行い、多様な保育ニーズにこたえてまいります。

 また、グローバル社会にあって、人をつくることは最も重要な区政の課題であります。今日は、地球規模で技術革新が競われる時代であります。そのために、子どもたちが「自ら学び、自らが考える」という自主的な学習意欲を生み、知的創造型の社会を支える力とならなければなりません。

 そのためには、基礎・基本の学習を学ぶにも教育戦略が必要と思います。

 一つは、読解力です。

 過日の新聞報道では、国際比較調査の結果、日本の生徒の読解力の低下を一様に指摘しておりましたが、すべての学問や論理的思考の基礎は、よく読める力をつけることであると思います。

 二つ目として、学習のためにも情操や健康のためにも、すべての児童生徒が文化・スポーツに親しめる環境づくりが大切であります。心身ともに健康で、意欲的な児童生徒でなくてはならないと思います。

 三つ目は、国際社会にあって、他国民から共感や敬意を受けるためには、単に英語など外国語ができることだけでなく、日本人として、礼節など基本的な生活習慣を身につけることであります。

 今回、各学校の特色ある教育活動等への所要経費の計上も、学校体育館や特別教室の施設整備も、十七年度開設の恵比寿・広尾地区の図書館や白根記念郷土博物館・文学館も、そのような役割発揮を期待するものです。

 次に、文化芸術の振興についてであります。

 平成十五年十一月、「自然と文化とやすらぎのまち」渋谷にふさわしく、文化芸術の振興・発展に必要な区の基本方針を検討するため、渋谷区文化芸術施策検討委員会を設置し、昨年、御提言をいただきました。

 この御提言の趣旨を踏まえ、区における文化芸術の振興についての基本理念や施策の基本となる事項を定め、松濤美術館や白根記念郷土博物館・文学館の上位の条例として、今回、文化芸術振興基本条例を提案いたしました。その趣旨とするところは、文化芸術の振興を通して新しい区民文化の創造と情操豊かな次世代を担う子どもたちの育成こそが、少子・高齢化の時代を心豊かに生きるために何よりも必要であると考えるからであります。

 そのため、旧大和田小学校跡地を活用し、中・小の文化ホールを整備したいと思います。また、このほか教育センターや子ども科学センター−−数学ワンダーランドの併設、プラネタリウムや図書館等の文化教育施設及び健康センターや保育園など、保健・福祉施設の複合施設としたいと存じます。

 事業手法については、民活−−PFIによる手法も視野に入れながら検討してまいりましたが、大手事業者のみが参入できる事業手法ではなく、民間のノウハウを有効的、効果的に活用できる従来の事業手法を採用することとしました。

 この基本構想については十六年度末を目途に検討中であり、成案が得られ次第、区議会及び区民に報告し、意見を聞かせていただきたいと思います。

 なお、平成十七年度予算案では、この施設整備に係る設計委託費を計上しております。

 次に、高齢者福祉についてであります。

 少子・高齢化社会は、若者が減って高齢者が増える形で全体の人口が減少していく社会であります。このような人口構成になれば労働人口は激減し、経済や地域社会の活動は停滞を生むようになります。しかし、高齢社会は人々が寿命を全うするということであり、高齢社会の問題は「幸せな社会をもっと幸せにするにはどうしたらいいか」ということであります。

 そのためには、高齢者が健康で心豊かに過ごせる社会でなくてはなりません。高齢者が地域のきずなを大切にしながらも、その経験と力を趣味の仲間づくりや積極的な社会参加にいかし、他方、青少年が高齢者を支え、高齢者に青少年が人生を学び、活発な交流を進めることこそが高齢社会の克服であります。

 次に、本年は、介護保険法施行五年の経過による制度見直しが行われる重要な年であります。

 介護保険制度の導入は「高齢者の自立支援」という概念を生み、さらには二〇〇三年六月、高齢者介護研究会は、その報告書の中で「高齢者の尊厳」を理念として打ち出しております。

 この尊厳の確保とは「その人らしく最後まで暮らすことを周りが支えよう」ということであります。これは、いつもの街角の中で、なれ親しんだ顔ぶれと同じ建物の中で共有できる時間の喜び、また、なじみの空間をつくろうということであります。認知症ケアについても、「施設か在宅か」という選択肢が二つしかない介護の現状を見直し、少人数で生活できるグループホームを設置しようということであります。さらに、介護保険制度の居宅サービスが機能するよう、訪問介護や訪問看護、訪問リハビリ、通所介護など、医療系と介護系のスタッフが協力し合うシステムをつくることであります。

 そのためには、まず生活の場を整えて、次に介護サービスを活用し、必要なときに医療で補うという考え方が介護保険制度の見直しの根底であると考えます。

 いずれにしましても、通常国会において介護関係法案が提出される予定でありますが、本区において着工を予定する幡ケ谷二丁目施設は敬老館機能に加え介護予防機能やグループリビングを、また、笹塚二丁目施設は認知症高齢者グループホームのほか介護予防機能や障害者施設を整えた福祉施設として、小規模多機能の先駆的な施設としたいと思います。

 また、富ケ谷二丁目施設の計画は、このような機能を踏まえつつ、用地取得費、設計経費等所要経費を計上いたしました。

 他方、施設介護に関し、価値観の多様化に対応できる個室、ユニットケアのできる旧渋谷小学校跡地複合施設が本年九月に竣工しますが、十二月からの開設を予定したいと思います。その運営に万全を期するため、渋谷区社会福祉事業団のもとにおいて、オープンに向け最後の準備を進めております。

 次に、障害者福祉についてであります。

 障害者福祉につきましては、昨年三月に策定した第二次障害者保健福祉計画の実現に向け、鋭意取り組んでおります。本計画は、入所・通所・訪問サービスと多岐にわたっておりますが、その中でも、現在の心身障害者福祉センター用地に建て替える障害者福祉複合施設の整備を最優先課題と考え、この間、基本計画の策定を進めてまいりました。

 この施設は、本区では初めて、知的障害のある方の居住の場となる入所施設や、障害のある方やその家族の方々の地域生活を支援するため、総合相談機能、ショートステイ及びデイサービス等を有した今後の障害者施策の中核となる施設であります。今年度は、基本設計に引き続き詳細設計を実施するため、その所要経費を計上いたしました。

 なお、国におきましては、身体、知的、精神等と障害種別ごとに対応してきた障害者施策について、区市町村を中心に、年齢、障害種別、疾病を超えた一元的な体制を整備するための法案が、今通常国会に提出されております。区としましては、法案の審議動向に注意を払いつつ、今後も計画の具体化に向け努力してまいります。

 また、地域社会の発展のため、次の三点に配慮しました。

 一つは、まちのイベントは、若者の減少とともに年々減る傾向にあります。しかし、まちから火を消してはいけません。町会イベントにも商店会イベント同様に支援することとし、所要経費を計上しております。さらに、公衆浴場を地域活性化のため区民に利用される魅力あるものとするため、思い切って支援経費を計上しております。

 二つ目は、商店会、中小企業でありますが、景気は回復基調にあるというものの、中小企業にとって引き続き厳しい状況であります。したがって、このような閉塞的な状況を打開するため、新たに商店会に係る条例を設け、各商店、中小企業に商店会への加入努力を義務として課するとともに、広く観光や交流を視野に入れて、商店会相互の知恵と協力を生み出す周辺ブロックが連携し、商店会のブロック拠点として整備し、協議やIT活用の場とすることが重要だと考えております。

 治安対策についてでありますが、警察との連携や防犯カメラの設置、外国人犯罪対策の強化や民間の地域防犯活動への支援策によって安全なまちづくりが進み、犯罪発生件数も急激に減ってまいりました。そこで、これまで配置した渋谷駅周辺及び原宿方面のガードマンを廃止し、新しく小学校全校に警備員を配置し、児童の安全対策を強化することといたしました。

 なお、昨年補正予算に計上した防犯リーダー実践塾でありますが、自主的な取り組み支援のため、これを充実させております。

 まちづくり及び環境についてであります。

 最初に、まちづくりについてでありますが、本区は区、区民及び企業等が相互に連携・協力して進める協働型のまちづくりを目指しております。この協働型のまちづくりをより的確なものとして展開し、地域の将来像を示す渋谷区都市計画マスタープランの実現を図るため、本年中に渋谷区まちづくり景観条例を制定したいと考えています。

 本条例の制定に当たっては、区内の六地域で意見交換会を開催し、区民の御意見をお聞きしたところであり、本年四月にはシンポジウムの開催も予定しております。今後とも、議会、区民の皆様の御意見を十分お聞きしながら条例の検討を進めてまいります。

 本条例の制定にあわせ、美しい景観の整備・保全を図るため、景観法に基づく景観計画の策定に着手するとともに、調和のとれた土地利用を図るため、新たに土地利用等に関する規制及び調整についても検討を進めてまいる予定であります。

 次に、環境問題についてであります。

 地球温暖化防止に向けた京都議定書が、ロシアの批准により今年の二月十六日から発効し、CO2 の削減にさらに取り組んでいくこととなりました。本区としても、資源リサイクル等によるごみの減量をさらに推進するとともに、区民の協力を得て、屋上緑化による緑の確保とヒートアイランド対策を展開するとともに、自然と触れ合い、生物多様性の確保の啓発のために「ふれあい植物センター」を開設したいと存じます。

 この「ふれあい植物センター」は、住民参加型の施設として、四季折々の植物の展示・企画展を初め各種講座、区民の関心を集める特別展など、様々な行事を地域住民やボランティアなどとの協力を踏まえて実施してまいります。また、ごみ発電による電力を受けており、このことを通して環境問題、ごみの発生抑制、リサイクルなどに対する意識高揚を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、環境教育の面から、子どもの視点を大切にして、ホタルやメダカなど生き物も見られるよう工夫をし、多面的な施設としてまいる所存でございます。

 また、公園施設として、昨年、代々木四丁目参宮橋に取得いたしました公園用地については、区民が憩える緑を確保し、あわせて一時避難、集合場所等の機能をあわせ持つ多目的公園として整備を行います。

 最後に、財政規模について申し上げます。

 平成十七年度の一般会計歳出予算額は七百六十一億三千五百万円で、前年度に対して一〇・七%の減であります。このマイナス幅の理由は、中学校改築を含む施設整備及び減税補てん債の借換え額の減によりますが、他方、これまで申し上げたとおり、区民福祉に係る施策推進を着実に図っております。

 これに国民健康保険事業会計等の三特別会計四百六十九億一千百四十一万七千円を加えまして、各会計の合計額は一千二百三十億四千六百四十一万七千円で、前年度に対し四・七%の減となっております。

 なお、十七年度の国保保険料につきましては、特別区共通基準として、政令基準に適合しない場合は異なる所得割料率を各区において定めることができるようになったこと、また、増大する国保医療費に対応する必要があること等を総合的に判断し、特別区統一保険料率に基づき改定します。御理解をいただきたいと存じます。

 次に、国の三位一体改革についてであります。

 国は、所得税から個人住民税への税源移譲については、個人住民税所得割の税率をフラット化の方向で変更することを基本とし、平成十八年度税制改正にて実施する方針であります。具体的には平成十九年分所得税、平成十九年度個人住民税から適用される見込みでありますが、本区にとっては、個人住民税所得割税率フラット化の影響は極めて大きく、減収となると想定しております。今後とも行財政改革を推進し、効率的な区政運営を行い、区の財政基盤を強化していく必要があると考えております。

 本定例会では、ただいま申し上げました予算等を含め条例案三十件、予算案六件、区道認定一件、監査委員の選任同意一件、その他議決事項三件を御提案しております。なお、未確定でありますが、必要に応じて特別区税条例の改正をお願いすることとなります。よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。

 以上をもちまして私の所信表明とします。

 ありがとうございました。



○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 二十五番木村正義議員。



◆二十五番(木村正義) 私は、自由民主党議員団を代表いたしまして、桑原区長、そして教育長に質問をいたします。

 その前に、一言申し上げたいと存じます。

 本年は、紀宮内親王殿下と黒田氏の御婚儀がとり行われる年でございます。私は、自由民主党議員団を代表いたしまして、日本国民としてお二人の御多幸をお祈りを申し上げ、御祝意を心から申し上げたいと思います。

 さて、ただいま区長から、本年第一回定例会に当たり所信の表明がありました。渋谷区長として二回目の、平成十七年度予算案が示されました。この予算案は、昨年策定されました三カ年の渋谷区実施計画を着実に推進し、具現化するために、様々な考え方に基づいて編成されたものと存じますが、その内容を精査させていただき、しっかりと目を通し、所信をお聞かせいただきました。

 その中で、まず、私が感じましたことを率直に言わせていただきますと、乳幼児から高齢者まで、約二十万人の渋谷区民が日常生活の中で最も身近な課題について、満遍なく、細部にわたって区民のために配慮されており、「安全で安心して暮らせるまち」「自然と文化とやすらぎのまち」を標榜している渋谷区と私ども自由民主党議員団が希求して続けております、だれもが安心して快適に暮らせる生活の実現づくり、施設づくりがしっかりと結びつき、まさに車の両輪として、渋谷区民の幸せのために極めて良好な区政が推進されるものと確信をいたしました。

 私は、桑原区長の区政に対する考え方、意気込み、さらにはその取り組みを高く評価するものでございます。

 平成十七年度当初予算の編成は、大きく分類すると、所信表明の中にあるように多くの柱から構成され、それを細分化すると十五の施策の整備の充実と推進を図り、さらに新規の事業も実施されようとしております。そのことを踏まえて、区長に何点かにわたってお聞きをしたいと思います。

 まず、第一点目でございます。

 今回、組織改正で、今までなれ親しんできた厚生部を子ども家庭部に改正し、子どもと子育て中の家庭の支援と、青少年の健全育成の施策をより高めるための組織にしたことは、区民の皆さんにもわかりやすい組織であると思い、私は評価したいと思いますが、今まで教育委員会にあった青少年に係る施策の所管が改正となり、今後、学校教育との連携はどのように図っていくのか、まずお聞かせをいただきたいと存じます。

 さらに、峰の原青少年山の家を含む数カ所の施設が同時に移管されますが、今後の運営方法と、そのメリットもあわせてお答えいただきたいと存じます。

 さて、次に、このことは私ども自由民主党議員団全員で、ひときわ大きな声で子育て中の世帯の皆さんにご報告申し上げたいと存じます。それは、子育て中の親の経済負担を軽くするため、区長は中間所得者層の保育料を五割から三割減額する英断をされました。このことは、私ども自由民主党議員団全員が喫緊の課題として強い要望に、桑原区長が即「実行」と答えられました。このことを高く評価するものでございます。これにより、安心して子育てができる環境が拡充されてまいります。

 区長はこのような子育て支援策について、自治体として、今、何が求められ、何ができるか、今後のあり方についてお伺いしたいと存じます。

 昨年、区長が示された実施計画に基づいて、十月に子ども家庭支援センターが開設され、地域の子どもと家庭のあらゆる相談の総合窓口となるとともに、子どもの虐待の早期発見、またその対応が適切に機能できるようになってまいりましたが、開設から五カ月が経過した現在の相談実績、並びに虐待と思われる事例があったのかどうか、そのことについてお伺いをいたします。

 親の愛情をいっぱいに受けて祝福され、日本、世界の将来を担っていくためこの世に誕生してきた無邪気でかわいい子どもが、ほんの一部の心ない未熟な親や保護者のために悲しい事件が続出しております。このような悲しく、胸を痛める事件が起こらないために、今後もさらなる対応が必要と思います。それには関係機関の緊密な情報の連絡体制の整備がより強く求められております。

 区長は先月、都の児童センターを初め医師会、歯科医師会、さらには民生児童委員、人権擁護委員、警察など関係機関の代表によります児童虐待防止連絡協議会を設置されました。その下に専門部会なども適時開かれると承知しております。これにより虐待防止のネットワークがさらに強化され、その対応を組織的に行う体制ができたことはまことに心強く感じ、評価いたします。

 さらに、本年四月一日より児童福祉法の改定によって、区は要保護児童の通告先となり、その役割が一段と強くなります。そして、この法改正は、要保護児童対策地域協議会を設置することができるとされておりますが、今回、立ち上げられた虐待防止連絡協議会がそのまま移行されていくのか伺います。

 加えて、今後この支援センターが円滑に機能する施設としてその目的を果たしていくにはどんな課題があるのか、お聞かせください。

 また、専門の所長が着任されております。私ども期待を持っております。ますます充実されていくと思いますが、区長として今後、所長に何を求めていくのか、何をお願いしていくのか、そのことを伺いたいと思います。

 次に、区長はまちづくり景観条例について「本年中に制定する」と所信の中で表明されておりますので、伺います。

 本年二月、神宮前五・六丁目地区地区計画が都市計画決定されました。この地区計画は、地元の原宿神宮前まちづくり協議会が中心となって地区計画の案を作成し、昨年六月に要望書として区長に提出したことから策定が始まったと承知をしております。そして、地区の住民と行政が一体となって、明治通り沿道の高さ制限、狭あい道路が多い地区での壁面の位置の制限、風俗営業を中心とした建築物の用途制限など、内容的にも濃い地区計画としてまとめ上げられました。このことは、まさに区と区民、企業等が連携をしながら、そして協力しながら進める協働型のまちづくりの典型的なものであると私は思います。

 また、平成十二年三月に策定されました都市計画マスタープランは、この協働型のまちづくりを絵にかいたもちで終わらせることなくと私は申し上げ、より確実に展開していくために基本的な事項を条例化するものだと私は思っております。

 さらに、この都市計画マスタープランの内容を見ますと、渋谷区は、全国有数の繁華街とオフィス街である副都心としてのまちと、良好な住宅街としてのまちの二つのまちが混在しており、この二つのまちの調和が課題とされております。この二つのまちの課題については、従来からの住宅地の中に大店舗やオフィス、特に高層のワンルームマンションなどが進出することにより住環境が悪化し、地元住民との間でトラブルが増えております。

 一方、国では景観について、国民一人一人の資産であるととらえ、次の世代へ引き継ぐという理念のもと、昨年六月、景観法を制定し、美しい国づくりに向けて大きく動き出しました。この景観法の制定に時を置かず、区長は昨年第三回定例会において、我が会派の質問に対し「景観法の制定を踏まえ、景観審議会の設置を検討する」と答弁されました。新たに景観行政に向け、取り組む姿勢を明らかにされたものでございます。

 そうした現状のもと、昨年末、景観条例の制定に向けての基本的な考え方をまとめられ、今年に入って区内の六地域で意見交換会を開催され、景観条例の制定を目指しているということを表明され、さらに、この条例とあわせて景観法に基づく景観計画の策定や、土地利用等に関する規制及び調整を目的としたものを検討していくと表明されました。渋谷区の目指す「協働型まちづくり」や「二つのまちの調和」という課題を初め、住みやすく美しい景観の形成といった総合的な問題の解決を図るため、大きな前進であると思い、評価するものでございます。

 まずそのことを申し上げた上で、お伺いをいたします。

 先ほど私は、都市マスタープラン、この理念を絵にかいたもちで終わらせないようにと申し上げましたが、景観条例を制定する本質、そのねらいはどのようなものか、まずお伺いをしたいと思います。

 また、一連の制定、策定についてのスケジュールはどのように計画されているのか、さらに、このことによって将来の渋谷区が、このまちづくりがどのように実現されていくのか、また、行政が上から網をかけるのではなく、あくまでも地区の特徴、また地域住民の要望に沿っていくことが求められていくと思いますが、どのように考えているのかお示しをいただきたいと思います。

 次に、防災対策について伺います。

 昨年を振り返りますと、まさに異常気象の年でありました。昨年夏には最高気温三十度以上の真夏日が連続四十日間。その中に、なんと三十九・五度を記録した日もありました。さらには十個の台風が日本列島に上陸し、台風のため各地で水害による大きな被害が発生いたしました。

 そして十月二十三日、震度七を観測した新潟県中越地震が発生し、各地で道路が寸断され、情報が届かず、被害の状況もつかめず、県の災害対策本部から各自治体への支援要請も出せない状況であったようでございます。日がたつに連れて被害の実態が報道で流され、明らかになっていくのを見て、現地の状況は私の想像をはるかに超えておりました。

 さらに、外国では、スマトラ沖地震に起因するインド洋大津波の大惨事が発生し、最終的には約二十五万人前後の人々が犠牲となるとの報道もあります。

 このように、昨年はまさに自然災害、まさにその年でございました。そして、今年は阪神・淡路の大震災から十年目となります。区長の所信の表明の中にもありましたように、渋谷区では、阪神・淡路大震災の教訓からいち早く震災対策総合条例を制定し、「我がまちは我が手で守る」「訓練千回、震災一瞬」この言葉を合言葉に震災対策を進めてまいりました。街角には消火器を置き、貯水槽の整備も進んでまいりました。また、災害の備蓄品も、食料や毛布を初め相当数の品物がそろっております。さらに、新潟の地震で課題となったトイレのことを解決すべく、下水道直結の災害用トイレを導入したことなど、あらゆる対策を打ち出し避難所機能の強化を図っていることは承知をしておりますが、新潟県中越地震の教訓から渋谷区の災害対策計画の検証を進めていると聞いておりますが、その状況を細かくお伺いしたいと思います。

 さらに、検証を進めていくと、必ずその中に新たな対応を求められることがあると思いますが、地域の防災計画をどのような角度から見直していくのか、お示しをいただきたいと存じます。

 また、災害は地震だけではありません。集中豪雨や台風による都市型水害の被害も多発しております。その水害を防ぐため、神田川支流の各橋梁の架け替え工事が進み、前回は弁天橋、そして今回は本村橋と重点的に工事を進めていることを十二分に承知しておりますが、都市型水害は一瞬のうちに出水し、まさに大きな被害をもたらし、雨がやむとすぐに水が引いてしまうのが特徴です。

 しかし、その一瞬の対応が遅れると、その後の始末がこれまた大変でございます。床上浸水で畳が水につかり使用不能となったり、暗渠上は汚れて悪臭が漂い、すぐに消毒をしなければならず、町会だけの対応では本当に間に合わない。区の見舞金の支払いもなかなかまとまっていないばらばらな状態で、それぞれに統制がとれておりません。

 水害のとき、水防本部を土木部に設置していることは承知しておりますが、この水防対策本部機能を保健所、福祉部などと一本にまとめて、防災担当の組織の中で機能的に行うことによって、水害の後、起こってしまった後の対応、そして起こる前どうしていくか、そのことをスムーズに行えると私は考えます。区長の所見を伺いたいと思います。

 さらに、渋谷区では消防署、消防団や自主防災会が協力して年一回、渋谷区水防訓練を行っていることは承知をしておりますが、より多くの地域の住民もこの訓練に参加しやすいように土曜日あるいは日曜日にこの訓練を行うべきと考えますが、区長の御所見、前向きな御所見をいただきたいと存じます。

 さて、今回の予算に大変な意を注いでいる区長の予算配分、私が想定しますと約四割近く、この高齢者福祉初め福祉問題に注いでおります。そのことをまず評価を申し上げて、平成十二年に施行されました介護保険制度の導入後、五年が経過し、その法改正が行われる重要な年であります。私は、先ほど申し上げたように、この福祉施策に対する区長の心配りを改めて高く評価したいと思います。

 今まで地域の中で頑張ってまちのために尽くしてきた高齢者が安心して老後を送れるシステムの構築を進めることは、当然のことであります。この介護保険制度の制度改正が今国会に提出されておりますが、今後、細部にわたることは渋谷区作成委員会での議論の結果を待ってのことだと存じます。そこで、制度の基本理念である自立支援、尊厳の保持を基本としつつ、この制度の持続可能性を高めていくためにも、何点かにわたって伺ってまいりたいと思います。

 まず一点目は、新介護予防システムと地域密着型など新たなサービス創設について区長はどのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。

 さらに二点目は、ホテルコスト導入による施設給付の見直しについてであります。

 これは在宅と施設の利用者負担の公平性の観点からであると存じますが、施設サービスの負担についてお答えをいただきたいと思います。

 さらに、平成十八年度からの新たな保険料、これについて、あわせて低所得者対策について御所見をお聞かせいただきたいと存じます。

 次に、本年十二月開設を予定しております第三特別養護老人ホームについて伺います。

 御案内のとおり、区民の切実な要望に的確にこたえたこの設計の変更について、私は、思い切った英断であると高く評価をいたします。また、今回、予算に計上している幡ケ谷、富ケ谷における高齢者センターや笹塚二丁目地域のグループホームの整備は、予防介護機能を備えた施設と伺っております。このことは、介護保険制度の見直しの方向に沿った迅速な対応であると存じます。第三特養やこれらの施設整備に続く今後の渋谷区の基盤整備について、区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 さて、介護保険が導入された平成十二年当初は、戸惑いや混乱が見られました。しかし、今日ではこの制度もある程度、定着してまいりました。この間、区内六カ所に設けた在宅介護支援センターの果たしてきた役割は大きく、まさに在宅福祉のかなめでもあります。しかしながら、今回の法改正ではおおむね中学校区ごとに地域包括支援センターを新たに設置し、相談業務や予防介護、ケアマネジメントなどの役割を担うとしておりますが、なれ親しんでいる在宅介護支援センターとの役割の分担はどうなるのか区民の皆さんは心配し、不安の思いが私のところにも届いております。高齢者にとってわかりやすく、利用しやすい地域の相談窓口としていただきたいと思いますが、区長の御所見をお聞かせください。

 次に、障害者福祉関連法改正による今後の動向について、お伺いをいたします。

 昨年三月に作成した第二次障害者保健福祉計画を着実に推進しており、その障害者福祉についても同じく評価したいと思います。

 そのような中、今通常国会に、障害者が持っている能力を活用し、自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、必要なサービスの給付に関しての事項を定めた障害者自立支援法が提出されていると聞いております。

 この法律は、身体、知的、精神とそれぞれの障害別に対応してきた施策を一元的な体系とし、サービスを提供することを目的としていると私は承知をしておりますが、平成十八年度までにすべての自治体において障害者福祉計画の作成が義務づけられると聞き及んでおります。

 そこで、現在推進しております第二次障害者保健福祉計画との整合性について、区長の御所見を伺いたいと思います。

 続きまして、心身障害者福祉センターの建て替えについて。

 この施設の建て替え計画は、障害者の入所施設を区内に設置するというものであり、障害者や家族にとって、住みなれたこのまちで生活できる所として長い間、待ち望んでいたものであると同時に、総合相談機能やショートステイを併せ持つ障害者の基点となる施設であり、区長を初め関係部局の積極的な対応を評価いたしますが、今後、障害者福祉を推進していくに当たり、その基盤整備についての拡充についてどのように考えておりますか、御所見を伺いたいと思います。

 次に、先月−−二月十四日午後三時過ぎ、大阪の寝屋川市の小学校で、包丁を持った少年が侵入し、五年生の担任教員を初め教職員を次々と刺す事件が発生しました。同教員は死亡、他の二人の教職員も負傷しました。幸い子どもたちには負傷者は出なかったようでございますが、不幸な事件がまた起こってしまいました。学校の危機管理の取り組みに大きな衝撃を受け、新たな対応を関係者に突きつけてまいりました。

 学校に不審者が侵入し、犠牲者が出たのは平成十三年六月の大阪の池田小学校以来であります。この事件後、各自治体の学校現場では不審者の侵入を防ぐ様々な対策を講じてきました。渋谷区でも子どもたちの安全対策が積極的に導入され、推進されてまいりました。児童への防犯ブザーの配布、幼稚園、学校から警察への緊急通報装置、インターホン、防犯カメラの設置、防犯用品の配備、メールを活用した緊急連絡システムの導入など、様々な安全対策が講じられてきたことは承知をしております。

 しかし、今回の事件は、それでもなお犯罪を起こす人間が校舎の中に侵入してくるのを排除できない、この現実を見せつけられました。

 そのような中、渋谷区では平成十七年度予算として、学校の児童を初め関係者の安全のため、我が会派の強い要望を受け、警備員の配備が予算案に盛り込まれました。制服姿の警備員が学校の安全確保に従事することで、学校の安全対策の信頼感は一層高まるものと期待するものであり、即実行していただいたことを私ども自由民主党議員団十名は高く評価をいたします。

 しかし、この対応が全国で初めてだということで、渋谷区の予算案についてプレス発表後、マスコミにも大きく取り上げられたことに対し、「こんな時代になったのか」何とも言いあらわしようのない思いを感じるのは私だけでしょうか。区長は「何かあってからでは遅い。何があってもいいような対応を普段からとっておきたい」と発言をされたようですが、私も同じ思いに至るところでもございます。

 しかし、このようなとき、まだ安心できないことがあります。それは子どもたちの登下校の時間帯でございます。この時間帯、このときは、本当に無防備な子どもたちが一斉に外に出ています。危険な場面に遭遇する可能性も視野に入れる必要があると思います。このことは、家庭、地域それぞれの協力体制が大きな力となりますが、学校現場をあずかる教育委員会としてどのようにお考えになっているか、教育長の御所見を伺いたいと思います。

 次に、本年四月よりすべての幼稚園、小中学校で二学期制を実施する方針を決定されました。このことは、二学期制について検証を進めてきた結果、授業時間を増やし、学力、教育活動の向上などを積極的に推進していくと承知をしておりますが、長年続いた三学期制から大きく制度が変わることですから、保護者への説明も十分にされ、理解いただいていると思いますが、問題は、子どもたちを指導していく立場の現場の教員の心構え、この二学期制に変わる、その対応、心構えがしっかりできているかどうか、教育委員会として教員にどのような指導をされているのか、また、どのような対処方法で臨んでおられるのか、教育長に伺います。

 以上、御答弁をお願いをしたいと思います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいまは自由民主党区議会議員団を代表されて、木村正義議員から「だれもが安心して暮らせるまち」「自然と文化とやすらぎのまち」渋谷の実現のために区政への私の取り組みに対し高い評価の言葉を賜り、大変名誉に存じます。とりわけ自由民主党が緊急課題とされた次世代育成のための保育料の引き下げや、あるいは児童安全のための小学校に警備員の配置に対しまして、区民のための、良好な区政推進のための大変すばらしいことであると励ましの言葉をいただきましたけれども、さらに心を引き締め区政の進展に全力を傾注してまいりますので、どうぞこれからも御指導、御助言のほどお願いを申し上げたいと、このように存じます。

 それでは、以下、代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初に、組織改正で子ども家庭部を設置したことに対し、今後、学校教育との連携はどのようにするのかというお尋ねでございます。

 青少年をめぐる様々な課題に対応するためには、家庭、地域、学校が一体となり、施策を総合的に推進することが必要と考えております。今回、教育委員会で行っておりました青少年施策を子ども家庭部へ移管することといたしましたが、青少年対策との一元化を図ることによって、学校のみならず地域、家庭を含めた施策の総合的な推進を図ることができると、このように考えているものでございます。

 もとより青少年対策は学校教育と密接不可分の関係でございます。そのため、今後とも子ども家庭部は教育委員会や学校との情報交換を一層深め、地域の安全や非行問題、さらには文化・スポーツ活動、放課後対策の充実など諸課題に対応し、一層密接な連携を図ってまいりたいと存じます。

 また、青少年山の家等の施設運営につきましても、青少年教育、青少年対策の両視点から運営を進め、青少年の健全育成に努めてまいりたいと、このように存じます。

 次に、子育て支援策についてのお尋ねでございます。

 我が国は、世界にも例を見ないスピードで少子・高齢化が進んでおりまして、伝統的な家族が担ってまいりました役割がどうなっていくのか、どうしていくのか、その対応策が急がれているところでございます。

 その一つが、子育て支援要請といたしまして、国におきましては児童手当制度がございますけれども、所得制限の緩和や、対象を小学校三年生まで拡大されてまいりました。また、母子家庭に対しては児童扶養手当制度もこれが整備され、その増額が課題となっているところでございます。

 他方、仕事と家庭の両立が求められておりまして、育児・介護休業が男女ともにとれるような企業意識の改革が求められているところでございます。その中でも、子育てを支える社会基盤として保育所は重要でございます。そのため、本区では平成十七年度予算におきまして、共稼ぎの中間所得層に対し負担の軽減のため保育料を引き下げるほか、区内二カ所目の認証保育所の設置や旧渋谷小学校跡地保育園の開設準備、さらにはリフレッシュなどとなるように一時預かり保育、これはお父さん、お母さんの気分転換になろうとそのような対応をしようとするものでございますけれども、リフレッシュとなるような一時預かり保育の実施、さらには育児支援家庭訪問事業などの新規事業を進め、子育て支援サービスの一層の充実を図ってまいりたいと存じます。

 今後とも地域に密着した子育て支援施策を実施してまいりたい、このように考えております。

 次に、開設して間もない子ども家庭支援センターに関しての、その相談実績と、虐待と思われる事例についてのお尋ねでございます。

 昨年十月十五日に開設してからの相談件数は、一月末までの三カ月半で百四十八件でございました。そのうち虐待にかかわるものは、その疑いのあるものも含めて三十一件でございます。この三十一件の相談の中には、養育放棄する、ネグレクトと、こう申しておりますけれども、それが十四件と最も多く、身体的虐待が十件でございます。これらの事例につきましては、東京都児童センターを初め関係機関と連携し、迅速、適切に問題解決に努めているところでございます。

 次に、本年四月一日の児童福祉法の改正により、要保護児童対策地域協議会を設置することができることとされましたけれども、今回、立ち上げております児童虐待防止連絡協議会がそのまま移行するのかと、こういうお尋ねでございます。

 本年二月八日に立ち上げました児童虐待防止連絡協議会につきましては、児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会に変更する予定であります。現在の児童虐待防止連絡協議会の現構成は、議員の御質問にもございましたように、東京都児童センター、児童相談センター、医師会、歯科医師会、民生児童委員、人権擁護委員、家庭裁判所調査官、さらには区内三警察等関係機関の代表者の方に加わっていただいており、基本的にこの構成メンバーで新たな協議会に移行したいと、このように思っております。

 なお、今回の新たな協議会には、設置目的が虐待のみならず非行等にも及ぶため、必要に応じて構成員の拡充も考えてまいりたい、このように思っております。

 子ども家庭支援センターが円滑に機能するための課題は何かと、こういうことでございました。

 子ども家庭部への組織改正に当たりまして、保育課が所管しておりました子育て支援センター及びファミリー・サポート・センター業務を、子育て相談機能の充実を図るため、当センターに統合・移管したいと思います。当センターにおきます新規事業といたしまして、児童支援家庭訪問事業、地域活動支援事業、さらにはリフレッシュのための一時預かり保育等を実施します。

 子どもや家庭を取り巻く問題が複雑化する中で、当センターの課題でございますけれども、子育て相談機関として広く区民に知られ、活用されることであります。また、問題解決に当たり多くの関係機関及び関係者の緊密な連携・調整を図ること、とれることでございます。もう一点は、センター機能をさらに充実するための施策の検討を行うこと等でございまして、今後ともその充実に対応してまいりたいと、このように思っているものでございます。

 次に、子ども家庭支援センターの所長に何を求めるかということでございます。

 今回、子ども家庭支援センターに迎えました所長は、地域におきます子育て支援や家庭教育支援に積極的に取り組んでこられて、実績を持っていらっしゃる方でございます。豊富な知識と経験を通して、子どもや、生活の場である家庭とその保護者の支援にリーダーシップを発揮してもらいたい、このように考えております。

 まちづくり景観条例について、四点にわたる御質問でございます。

 まず、条例制定する趣旨についてのお尋ねでございます。

 文教住宅都市として、良好な生活環境を有する住宅地として推移してまいりましたが、道路や鉄道等の都市基盤の整備によって商業・業務地化が進み、生活文化を発信する副都心として大きく発展しております。今日、都市の形成過程は成熟期を迎えておりまして、安全性と利便性の向上はもとより、文化と活力が融合した、良好な景観をあわせ持つ魅力ある市街地形成が求められていると、このように考えております。

 平成十二年三月には、二十一世紀のまちづくりの基本方針となる都市計画マスタープランを策定しておりますが、この中で区の将来像は、自然と文化とやすらぎの三つの要素が複合し、調和する都市空間として、「安心して豊かに暮らし続けることのできるまちの創造」「活気があり安全で快適な魅力のあるまちの創造」を目指しております。まちづくり景観条例を制定する趣旨は、この都市計画マスタープランの実現化に向け、区、区民及び企業等の責務を明らかにするとともに、区民及び企業等のまちづくりへの参加の手続を定め、協働型まちづくりをより確かなものとして展開してまいりたい、このように思っております。

 続きまして、今後の制定及び策定のスケジュールについてのお尋ねでございます。

 まちづくり景観条例の制定につきましては、区内六地域で開催しました意見交換会や、四月に開催を予定するシンポジウムなどを通しまして区民各位の意見を集約するとともに、区議会や都市計画審議会の御意見をいただきながら所定の手続を進め、平成十七年中に制定することを目指したいと、このように思っております。

 また、まちづくり景観条例の中で策定を想定しております景観法に基づく景観計画や土地利用に関する規制及び調整につきましては、平成十七年度から検討に着手し、平成十八年中に一定の結論を出したいと、このように考えております。

 続きまして、渋谷区の将来の区のまちづくりがどのように実現できるのかというお尋ねでございます。

 まちづくり景観条例におきまして、区民及び企業等へのまちづくりの参画の手続を定めることによりまして、協働型のまちづくりがより確実に展開され、地区計画を初め地区の合意に基づくまちづくりが一層推進されるとともに、都市計画マスタープランに定めたまちづくりの基本方針が絵にかいたもちでなく、より具体的かつ着実に図られてまいると、このように考えるものでございます。行政が上から網をかけるのでなく、地区の特徴、要望に沿っていくことが大切であるということでございます。

 木村議員の御指摘のとおり、今後のまちづくりは行政主導ではなく、区民の参加を図り、地区の合意を得ながら進めていく必要があります。区は、地域住民や事業者と一体となって進める地区計画の策定を協働型まちづくりの基本と位置づけており、今後一層地区計画によるまちづくりを推進してまいりたいと、このように思うものでございます。

 次に、昨年の中越地震を教訓として、区の災害対策計画はどのようになるのかということの御質問でございます。

 これまで本区の地区防災計画は、阪神・淡路の大震災を契機といたしまして平成八年に大幅な修正を行い、九年には、東京都防災会議が発表した被害想定に基づきまして、東京都の地域防災計画との整合を図りつつ修正を図ってまいりました。昨年十月には新潟県中越地震が発生し、十一月には国の中央防災会議・首都直下地震対策専門調査会が首都直下地震の震度想定を、十二月には被害想定を、先月の二月二十五日には経済的損失について公表を行っております。

 これらのことを踏まえまして、本区の地域防災計画の各項目ごとに、災害対策本部の立ち上げ、備蓄内容、避難所運営や情報連絡体制の確立など整備・充実していかなければならない事項を抽出いたしまして、その内容整理と、災害対策本部各部の検証を進めております。これらの中で、平成十七年度予算におきましては、避難所への飲料水の配備や弱者用の毛布の配布増強、下水道に直結した流下型トイレの整備を進めることといたしたものでございます。

 今後もこれまで出されました課題を整理するとともに、他方では危険度マップの作成など多角的な検証を進め、可能なところから必要な改善を行ってまいりたいと、このように存じます。

 次に、水防対策本部機能に関して、防災担当の組織のあり方についてのお尋ねでございます。

 水害に関しましては毎年、道路、橋梁の改修等に努めてまいりました。かつ、水害のおそれのある場合は水防本部を設置し、消防、警察、道路管理者、河川管理者等と連携し、応急対策をとってまいりました。水防のほか災害見舞い、消毒、罹災証明、減税、塵芥収集等の事後の業務もそれぞれ分担、連携して行うこととしております。これらの連携業務を行うに当たりまして、議員の御提言のとおり、情報収集・伝達機能がある防災担当組織の中で総合的に調整を図り、特に休日・夜間等におきます災害に対します迅速な対応により、被害の拡大を防ぎ、事後にあっては必要とされる支援対策を適宜行うことのできる体制としてまいりたいと、このように考えております。御理解をいただきたいと存じます。

 次に、現在、平日に実施しております水防訓練を土曜、日曜に開催してはという御提言でございます。

 水防訓練につきましては、各消防団や地域の方がより参加しやすく、また訓練効果を高める上で、土日という要望のあることは承知しているところでございます。今後、消防署、消防団とも協議し、その当否につきまして前向きに検討してまいりたいと、このように存じます。

 次に、介護保険法の改正に伴いまして五点の質問でございます。

 介護保険法の改正につきましては、去る二月八日に介護保険法等の一部を改正する法律案が閣議決定され、通常国会において審議される段階でございます。

 一点目は、新たなサービスの創設についてのお尋ねでございます。

 政府は、介護保険の運用実態を反省いたしまして、在宅介護の充実は極めて重要な課題であるとしております。そのため、新たなサービス体系といたしまして、新介護予防給付や地域密着型サービスの充実を考えております。

 その具体的な詳細につきましてはなお明確になっておりませんが、新介護予防給付事業の一つとして、パワーリハビリ事業の実施がございます。この事業は、主に虚弱高齢者を対象といたしまして、筋力トレーニングにより転倒、骨折などの予防を行うものでございまして、本区におきましてもこれを先取りし、本年十二月に開設する旧渋谷小学校跡地複合施設内で実施をしたい、このように考えております。

 また、新たに建設を予定している笹塚、幡ケ谷、富ケ谷などの施設におきましても、介護予防の事業展開を検討してまいりたいと、このように考えております。

 国においては、住みなれた地域での生活を継続を可能とするため、地域密着型サービスとして、通いや泊まりなど多様なニーズにこたえる小規模多機能施設や、夜間対応型訪問介護事業などを展開していく方向を示しておりますけども、本区はミニデイサービスなど、国の動向や区民のニーズを踏まえながら、これからもそれの実施に努めてまいりたい、このように思っております。

 次に、施設入所者へのホテルコストの導入に伴う負担のあり方についてのお尋ねでございます。

 議員が御指摘のとおり、ホテルコストの導入は、在宅介護との負担の格差を是正し、給付の公平性を目的として実施されようとしているものでございます。施設入所者の食費や住居費などは自己負担が原則という国の考え方につきましては、基本的には理解できるところでございまして、また、制度導入に当たっては、低所得者への配慮もされているところでございます。しかしながら、新たな負担の導入によりまして、その負担が困難となると考えられる方につきましては、今後の計画策定の中でそのことにも配慮してまいりたい、このように考えております。

 次に、平成十八年度からの新たな保険料について、あわせて低所得者対策についての所見を伺うということでございました。

 介護保険の保険料は、三カ年の保険給付の見込み量をベースにいたしまして三年ごとに改正することになっておりまして、現在の保険料は平成十五年度に改定したものでございます。

 本区におきます介護給付の推移でございますけれども、平成十二年度の給付額が五十億四千万円でございましたけれども、十五年度には八十一億六千万円で、約一・六倍となっております。十六年度におきましてはさらに、八十九億円程度の給付を見込んでいるところでございます。これに加えまして、今後の施設拡充を考えてまいりますと、当然のことながら、本区におきましても十八年度からの次期保険料は増額にしなければならない、また、そのような必然性を持っているということでございます。

 なお、国は、給付の効率化、重点化を図った場合でも、全国平均で現行月額三千三百円から三千九百円程度になると、ごく粗い財政試算を示しているところてございます。

 次に、低所得者対策でございますけれども、平成十五年度からの現在の保険料の決定に当たりましては、本区では、低所得者への対応といたしまして所得段階をこれまでの五段階から六段階制を導入し、かつ第二段階の料率を基準額の〇・七五倍から〇・七に引き下げたところでございます。また、あわせて区独自施策である保険料減額制度を創設し、平成十六年度基準で一人世帯で収入基準百二十万円、預貯金基準百八十万円を限度といたしまして、該当となる第二段階の方々に対しまして保険料を二分の一としたところでございます。十七年度におきましては、この預貯金限度の上限をひとり世帯で二百四十万円まで拡大したいと、このように考えているところでございます。

 お尋ねの、平成十八年度以降の保険料と低所得者対策につきましても同様、木村議員の御提言を踏まえつつ、負担軽減を図るべく検討してまいりたい、このように存じます。

 今後の基盤整備についてのお尋ねでございます。

 国は今回の改正の中で、施設整備の基本的考え方といたしまして、大規模施設については都道府県の計画にゆだね、区市町村では、地域密着型サービスの拠点として小規模多機能施設の整備などを行うとの方向を示しております。今後の福祉施設の基盤整備につきましては、グループホームや特別養護老人ホーム、ショートステイ等があろうと思いますけれども、本区の実態に即したものになるよう、次期介護保険事業計画等の策定の中で十二分に検討してまいりたい、このように存じます。

 次に、地域包括支援センターの設置についてのお尋ねでございます。

 在宅介護支援センターの配置数につきましては、おおむね中学校区ごとに一カ所の設置ということで考えてまいりたい、このように思います。

 一方、国はこのたびの法改正の中で、新たに地域包括支援センターの設置を予定しております。このセンターは、地域におきます総合相談・支援、介護予防マネジメント、包括的・継続的マネジメントを担う中核機関として創設するということでございます。しかしながら、既存の在宅介護支援センターとの整合性や具体的位置づけ等については現在、国においてなお検討中でございますので、その推移を見守りつつ、本区においては次期計画の中で明確にしてまいりたい、このように思います。

 次に、今通常国会に提出されております障害者自立支援法と、区が推進しております第二次障害者保健福祉計画との整合性についてのお尋ねでございます。

 現在の障害者福祉制度は、身体障害者福祉法や知的障害者福祉法など、障害の種別ごとにそれぞれ規定しておりますけれども、今国会に提出している障害者自立支援法案は、議員の御指摘のとおり、各障害者に共通する福祉サービスの給付等を定めようとするものでございます。その内容は、サービス体系や利用者負担、補助制度の見直しなど多岐にわたるものでございまして、法案が成立した場合には、区の計画への影響が想定されるところでございます。

 特に、法案において新たな区の障害福祉計画の策定を平成十八年度までに義務づけておりますので、現在推進しております第二次障害者保健福祉計画の見直しとあわせて、新計画としての整合性を図らなくてはならない、このように考えております。

 次に、障害者福祉計画を推進していくに当たり、基盤整備の拡充についてのお尋ねでございます。

 まずは今後の障害者施設の中核といたしまして、現在の心身障害者福祉センター用地に本区で初めてとなります知的障害者入所施設や、地域生活を支援するため総合相談機能、ショートステイ、デイサービス等を有する障害者福祉複合施設を整備する予定であります。そのため、今月中に基本計画を作成し、十七年度に実施設計を行いたい、このように考えております。

 地域における居住の場の確保や公設福祉作業所の整備につきましては、これも本区初の法内施設となりますが、知的障害者グループホームにつきまして、本町一丁目にあります東京都の建物を活用し、その整備・運営を行う事業者に対しまして整備費等の助成を行ってまいります。なお、事業者については東京都と協力して六月中に決定し、十七年度内に事業を開始する予定であります。

 また、公設の作業所につきましては、新橋作業所の改修を行い、障害のある方などがより働きやすい施設に整備してまいるため、十七年度にその改修費を計上しているところでございます。

 以上、障害者福祉について二つの質問に御答弁いたしましたけれども、本区といたしましては、入所施設やグループホームなど居住の場の確保、通所施設などの在宅サービスの整備、相談体制や情報提供の充実、さらには就労支援体制の強化等を目指し、障害のある方が住みなれたまち・渋谷で安心して暮らし続けられるよう、基盤整備を図ってまいりたい、このように考えております。

 以上で私の答弁を終わらせていただきます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、児童の登下校の時間帯での安全対策についての御質問でございます。

 先ほど議員の御発言にありましたように、本区においては区立小中学校の全児童生徒に防犯ブザーを配布し、危険な状況や不審者に出会ったときに子どもが自ら危機を回避し、安全を確保できるよう、ブザーの適切な使用方法等について指導しております。しかしながら、このように児童を対象とした事件が頻発しますと、ただいま御指摘いただきましたように、家庭や地域の協力を得た安全対策が必要になっていると考えております。

 その具体的な方策の一つとして、保護者や地域の皆様には登下校の時間に合わせた地域パトロールなどをしていただいているところですが、今後、より多くの人々の目で子どもたちの登下校を見守っていただくために、教育委員会といたしましても、区安全対策本部や警察と連携しながら、地域ぐるみの安全づくりに取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、二学期制の実施にかかわる御質問でございます。

 確かな学力と豊かな心をはぐくむための方策の一つとして二学期制を実施いたしますが、御指摘のとおり、二学期制が成果を上げるためには各学校での意欲的な取り組み、特に教員の心構えと対応が極めて重要でございます。

 二学期制試行校では教職員の意識改革に取り組み、夏休み中の補習教室、成績表の改善など教育活動の向上を図る工夫をしてまいりました。その結果、試行校のアンケートでは「学習指導が充実した」「評価が詳しくなった」などの保護者の声が寄せられております。

 各学校・園では二学期制の趣旨を十分に踏まえた教育課程を編成する中で、指導計画の作成、評価方法の工夫など、教職員の意識改革を含めた諸準備に取り組んでいるところであります。

 教育委員会では、試行校の成果を校長会等で周知徹底することはもとより、教頭研修会や教務主任研修会で取り上げ、教職員の意識改革を含めた二学期制の円滑な実施に努めてまいりました。今後も各学校への指導と支援を行ってまいります。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 二十五番木村正義議員。



◆二十五番(木村正義) 区長から御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 予想をはるかに上回る、細部にわたって懇切丁寧にいただきまして、教育長も、これから子どもたちの安全のためにしっかりとやっていく、そういうことで御答弁いただきました。

 私も、十七年度予算案を見ながら質問をさせていただいたわけですが、区長の取り組みそのものを見て、やる気だな、しっかりやっていくなということで、私たちも頑張っていかなければいけない、そう思いながら答弁を聞いておりました。

 まことにありがとうございました。以上で質問を終わります。



○議長(丸山高司) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩  午後二時四十一分

   再開  午後三時一分

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○副議長(金井義忠) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 七番芦沢一明議員。



◆七番(芦沢一明) 予算議会の開会に当たり、未来の渋谷をつくる会を代表して、区長、教育長に渋谷区が抱える課題、大きく八項目にわたって質問いたします。

 まず、先ほど行われた区長の所信表明と十七年度予算案、今後の区政運営の重点課題について伺います。

 本年は、戦後六十年、阪神・淡路大震災から十年、介護保険制度のスタートから五年という大きな節目の年に当たり、おととし就任された桑原区長もこの春で任期の折り返し点に立たれることから、今回の予算案で何を示されるのかが極めて注目されていたところであります。

 とりわけ国の三位一体改革や東京都の大都市事務見直しの動き、そのいずれもが、本来の地方分権改革という目的とは裏腹にして単なる補助金削減、基礎自治体への負担転嫁へと変質しつつある中で、予算編成にもかつてない創意工夫が必要とされたと思います。

 こうした中で、今議会に提出された十七年度予算案で目玉施策として打ち出され、急ピッチで進む少子・高齢化への対応策、子育て環境整備の緊急重点課題として提案されたのが、認可保育園保育料の大胆な引き下げ案であります。三〇%から五〇%の引き下げという中間所得層の経済負担軽減をねらったものですが、対象とされる世帯や、これから本区において結婚、出産、育児を迎えようという若年層に対して、渋谷区が重点課題としてこの問題に取り組むメッセージを鮮明に与えるその効果は大きいものがあり、成果が期待されるところであります。

 ただ、今回の保育料引き下げでその恩恵に浴するのは千五十世帯余りで、認可保育園利用世帯全体の五五%とされています。六歳未満の子どものいる世帯は十二年国勢調査で五千五百に上っており、これら子育て世代全体にかかわる対応策も今後の課題として残されることになりますが、この点について、区長はどのような問題意識を持たれているのかをお聞かせいただきたいと存じます。

 今議会には、組織条例の改正案も提出されています。厚生部の廃止と子ども家庭部の新設を柱とするものですが、国保年金、住宅施策の所管替え、商工課の商工観光課への衣替えや国際交流室の新設など、課単位では大幅な改正内容を伴うもののようであります。当初案では福祉部、保健衛生部の統合なども含まれていたと聞き及んでおりますが、様々な議論を経て、今回は見送られた部分もあります。

 区の組織・機構のあり方については、日ごろから言われている簡素で効率的な行政運営をいかに実行していくのかという課題とともに、区政の最高責任者である区長の経営哲学、経営戦略が映し出されたものでなくてはなりません。多様化、高度化するニーズに対し、公共サービスとして何を保障していくのかといった責務もあります。所信表明ではこの点に関しての言及がありませんでしたが、今回の組織改正で企図するものは何か、お答えいただきたいと思います。

 さて、この年末年始、区長は実にたくさんの地域諸団体の行事に出席されました。同席した機会にたびたびお聞かせいただいたあいさつの中でも、教育の重要性を強調されていたのが印象的でありました。その反映として、新年度予算案の中でも心の育成、伝統文化の継承、特色ある学校づくり等々を重視した施策がソフト、ハード両面で盛り込まれています。報道機関のインタビューでも、そのための人づくりと区の役割の大切さを語られています。

 また、幹部職員への年頭あいさつでも「目先の損得や安易な妥協を排し、長期の視点に立って区政のあるべき姿をお考えくださればありがたい。そのためにも、是非とも区政への忌憚のない御意見をいただきたい。私に合わせたような意見ではなくて、厳しい意見です。区を思い、区民を思っての言葉が是非とも欲しい」と期待を込めて述べられています。教育行政はもとより、区の内部における人づくりも今年の区政の大事なキーワードであると言えると思います。区政のありようにきちんと意見を言える人材をどう育成していくおつもりか、区長のお考えを明らかにしていただきたいと思います。

 次に、区財政と三位一体改革のもたらす影響について伺います。

 政府が進めている三位一体改革は、そもそも国庫補助金の削減、地方交付税の改革、税源の移譲を同時に進めるはずのものでありました。地方分権改革が進む中で打ち出された議論でありますし、地方分権一括法の制定と、その基礎となった地方分権推進委員会の報告の中でも、国と自治体との関係が、それまでの上下・主従の関係から対等・平等なものへ変化するために地方税源の充実を図ろうというのが始まりだったはずでありました。十五年の「骨太の方針」でも、歳入歳出両面で地方の自由度を高める必要性がうたわれておりました。

 また、国との関係、区の立場から言えば東京都との関係をも含めて、対等・平等が現実のものとなった実感は、まだまだ持てない状況にあります。仕事量から言えば、移管された事務事業はこの間、国と都の双方から広範囲にわたっていますし、例えば住基ネットなど、国の法制度で義務的に増大した事務事業もあります。ところが、それに比例した税財源の移譲は全く不完全な状態のままであります。

 分権改革推進のための議論が、省益のぶつかり合いや数字合わせの議論の中でいつの間にか国と地方自治体の財政再建、歳出削減ばかりに巧妙にすりかえられ、昨年十一月に打ち出された「改革の全体像」でも、国庫補助金の削減額は二兆八千三百八十億円なのに対し、税源移譲は二兆四千億円にとどまっています。やはり国の歳出削減が先行したものとなっており、「三位一体どころか三位ばらばらだ」と当時の梶原全国知事会会長の評にあるように、地方自治体の期待に沿ったものとはなっていません。

 区長は長年の行政実務経験をお持ちですし、自治体の長としての立場からも、現在の三位一体改革の現状にはいろんな思いがおありと推察するところですが、あるべき改革の姿についてどのような見解をお持ちなのか、御披露いただきたいと思います。

 国の歳出削減が先行している中で、既に十六年度段階でマイナス二億円規模の影響が渋谷区にももたらされましたが、特に、来年度以降実施されようとしている個人住民税のフラット化は、区財政を直撃しかねない内容をはらんでいます。個人住民税のフラット化への渋谷区への影響は、昨年の自治権確立特別委員会の中では、試算として総額で三十億から四十億円近くにも上る可能性があるとの報告がなされています。こうした中での予算編成は従前にも増して苦心されたわけですが、十七年度の影響額はどうなっているのか、十八年度から十九年度にかけての影響の見通しはどうなのか、御説明いただきたいと存じます。

 当区議会も数度にわたって国・都あての意見書を議決し、問題解決を求めてきましたけれども、二十三区が受ける影響は各区間でかなりの開きもあって、事態打開に向けた共同行動も難しい状況にあると思いますし、東京都がこれを推進する姿勢を打ち出している中で、本区がとりわけ難しい立場に立たされようとしていると心配するものであります。

 そこで、区財政の見通しをわかりやすく区民に説明するとともに、健全財政への取り組みを堅持し、区民税や国保料など歳入の着実な確保、特に国保料については、若年滞納者対策としてかねてから提案しているコンビニ収納実施への早急な準備を改めて求めるものであります。

 さらに、これまでの区財政の好調な状況を支えてきた区税収入の伸びが期待できない中、歳出抑制や人件費の圧縮、事務事業の見直し努力も、財政面への効果はそろそろ限界に近い状況にあろうと思います。同僚議員から提案した寄附金収入やミニ公募債、イベント行事における広告収入など、多様な歳入と財源を確保する道を探る時期に来ているのではないでしょうか。区長の見解をお尋ねします。

 東京都と特別区の関係においても、三位一体改革を求める声が多方面から出されています。区にとっては、国よりも都の存在が巨大な壁として立ちはだかっているという見方もできると思います。

 平成十二年の都区制度改革の積み残しテーマ、いわゆる都区財政調整主要五課題の協議の中でも、東京都の税源移譲への後ろ向きな姿勢は際立っています。大都市行政、清掃関連経費、小中学校の改築経費、都市計画交付金の取り扱いをめぐって、まさに二十三区は正念場を迎えようとしています。調整税の配分割合の変更をもにらんで、東京都からは、財務局が昨年七月に発表した「今後の地方財政を考える」のように、都から区への過剰なサービスが行われてきたかのような宣伝も意識的になされています。

 財調普通交付金については、上位三区への交付金が総額の三割に達しているなど、本区にとっては不合理な現状にもありますが、財調財源の見直しや税源偏在の解消をめぐる今後の議論の中で、本区が富裕区であるとして矢面に立たされる懸念もあります。

 特に、石原都知事がこの間「東京が沈没すれば日本全体が沈没する」として大都市行政に光を当てた改革を求めた発言を繰り返す一方で、お膝元の二十三区との関係では、自治分権の発想をほとんど持っていないことは極めて残念だと言わざるを得ません。特別区の行財政運営のあり方をめぐってなされている都から区を見下すかのような主張には、三位一体改革に対しての「闘う知事会」に匹敵する「主張する区長会」として、堂々と論戦を展開してもらいたいと思いますし、桑原区長には、そのためのリーダーシップをしっかりと発揮していただきたいと期待するものです。区長の御決意をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、防災対策の充実と国民保護計画について区長に伺います。

 昨年は、国内外を問わず幾多の自然災害に見舞われた一年でした。大型台風の襲来、十月の新潟中越地震、年末のスマトラ沖地震、インド洋津波災害などでたくさんの犠牲者が発生いたしました。私自身にとりましても、新潟中越地震の際、二十代のときに同じ青年団体で活動していた仲間の名が最初の犠牲者として報じられて衝撃を受けましたし、インド洋津波災害では区立保育園の園児と保護者の命も奪われました。ここにすべての犠牲者の皆さんの御冥福をお祈りし、区の防災対策の充実・強化に向けて努力することを誓うものです。

 六千四百人の命を奪った阪神・淡路大震災から十年、区長もその教訓と反省点について例を挙げて述べておられましたが、この十年は、被災地にとって「失われた十年」と言われているように、今も深い傷を多くの人々に与え続けています。表面的には復興を果たしつつあるように見えても、例えば、仮設住宅に暮らしながら孤独死した人の数は五百名を超え、生活保護受給者は震災前の二・五倍に上るなど、生活再建と地域コミュニティ再生への道のりはなお険しいものがあります。ようやく帰島が始まった三宅島の人たちの苦闘と重ね合わせて考えたとき、防災復興対策に投げかけられている課題は、環境を保全しつつ安全で安心して住める地域をつくること、高齢者を初め被災者の意見とニーズが尊重されること、生活と営業の基盤である住まいが公的に保障されること、コミュニティと就労の場が確保されることであると思います。

 この観点を踏まえ、区長に質問します。

 まず、区民への啓発と備蓄態勢についてです。

 渋谷区が震災時のために指定しているものに、四十五カ所の一時集合場所と八カ所の避難場所、そして三十二カ所の避難所があります。それぞれの役割は違うわけであります。防災地図には、一時集合場所は「大地震が起きたとき、避難場所へ避難する前に一時的に集合して様子を見たり、みんなで避難場所へ避難するための集合場所」、避難場所は「大地震などで火災が発生し、一時集合場所では危険なときに避難する場所」、避難所は「家を失った人などが、とりあえず生活していくための場所」として記されています。

 昨年八月の内閣府の調査では、近所の避難場所を知らない人は二三・一%、一月十七日の朝日新聞の特集記事として掲載された世論調査でも、「知らない」と答えた人は二一%でありました。これを読んで改めて区民の皆さんに聞いてみると、行くべき所を知っていても、その多くが一時集合場所と避難場所、避難所、それぞれの役割を混同されていました。

 食料を初めとする備蓄品について、予算案の中で品目と量の充実が図られたことは多といたしますが、特に食料について、備蓄倉庫に蓄えられているものは四万八千食が三十二カ所に三日分ということであります。この数字が多いか少ないかは議論のあるところかもしれません。都、区の役割分担では一日分とされていることから、それからいけば十分備蓄していると言われるのかもしれません。では、都が渋谷区分としてどこにどれだけ用意しているのかは、明らかにされていないのであります。むしろ「これだけ用意しているから大丈夫です」と言うよりも、「これしかないので、広域支援がやってくるとされるまでの三日分は、生き延びるために自ら用意してください」と区民にしっかりと啓発するべきではないでしょうか。この点もあわせて区長にお答えいただきたいと思います。

 政府の中央防災会議専門調査会が昨年十二月と先月二十五日にそれぞれ発表した首都直下地震の被害想定では、最悪の場合、東京都内で三百九十万人、首都圏一都三県では六百五十万人の帰宅困難者が発生する可能性があるとされています。仕事や買い物などで都心部にいた際に地震が発生し、火災や倒壊建築物の被害から逃れることができても、交通網が寸断されて帰るに帰れない状況になる人たちへの対応も重要な防災対策であります。

 渋谷区の夜間人口は二十万人ですが、昼間人口は、国勢調査の統計数値として把握できているだけで五十万人を超え、実際はその二倍に上るとも想定されています。都の計画でも、ターミナル駅への殺到などパニックの発生、大量の徒歩帰宅者への保護の必要性、地域の公共施設や民間大規模施設への一時休息や情報提供を求める人の集中といった事態が起こることを想定しています。

 とりわけ渋谷区では、区内から発生するであろう帰宅困難者と、多摩や近県の自宅へ向けて徒歩での帰宅を目指す人たちの通過地点として位置しており、押し寄せる人の波への対応も考えなくてはなりません。それらの人たちがまず思い描く安全な場所は、代々木公園でありましょうし、区民が避難所として使用する学校などに殺到することも十分予想されます。

 東京都が取り組んでいるのは、帰宅途上でのトイレや水の提供を求めてのガソリンスタンド業界との協定といったレベルにとどまっており、備蓄食料の確保などはいまだ手つかずの状態であります。区民の救援・避難体制を万全なものとしていくためにも、避難場所の確保や情報提供、支援物資の確保といった昼間人口、帰宅困難者対策の具体化に乗り出すべきであると考えますが、区長の見解をお尋ねします。

 中央防災会議の想定では、都心西部直下地震、マグニチュード六・九規模では被害がより大きく、死者一万三千人に上るおそれがあり、そのうちの六割は焼死で、特に山の手地域では、火災の被害が大きくなることが懸念されています。

 阪神大震災では、停電した電気ストーブなどが電気復旧後に発火する通電火災という、いわば二次災害が拡大しました。新潟中越地震ではこれを教訓として、電力会社が慎重に、一戸ずつ設備の安全を確認しながら送電再開を行うといった対応をとっています。東京都内の場合では、地震発生直後の電気の自動回復機能が怖いと専門家は指摘しています。

 通常、停電後、四十五秒から一分程度で別ルートで電気が回復する仕組みとなっており、これによる被害を防ぐ手だてが求められると考えますが、電力会社などとどのような対策を講じているのか、区長の御答弁を求めます。

 地震調査委員会の想定では、南関東地域でマグニチュード七程度の地震が起きる確率は、今後十年以内に三〇%、三十年以内ならば七〇%にはね上がります。「災害が起こることを想定した防災対策を」というのが阪神、中越の大震災からの教訓と言えます。つまり、生命など絶対に守らなければならないものはしっかり守りながら、被害をできるだけ少なくする減災の思想に立った対策が求められていると考えるものです。

 一昨年の有事関連法制の整備に伴う新たな自治体の責務として、日本が他国からの武力攻撃やテロ、生物兵器などの被害に巻き込まれた際の住民保護にかかわる対応が課せられることになりました。これによると、十七年度には国民保護計画を作成することとされています。具体的には、今後、都の定める基準に従って作業を進めることになるのでしょうが、区に設置される国民保護協議会は防災会議と一体となった構成とするのか、区における担当部署は防災担当部とするのかも早急に決めていく必要があります。

 有事の際の区民避難態勢や情報伝達の仕組み、医薬品など物資の調達、資器材の運搬や安否確認といった任務が出てくるわけですし、区民の日常生活や諸権利ともかかわる大事な課題となります。これを機に、区の危機管理対応をしっかりとしたものに位置づけていただきたいと考えます。この点に関して区長の見解を伺います。

 子どもと学校の安全確保に関して、区長、教育長に質問いたします。

 先月十四日に発生した大阪・寝屋川市の小学校に不審者が侵入し教職員を殺傷した事件は、私たちに衝撃を与えました。子どもたちが毎日生活し、生命の尊さを学ぶべき学校で、またもや信じられない悲劇が引き起こされてしまいました。

 渋谷区では、大阪・池田小での児童殺傷事件の直後から学校安全対策を重視し、新年度も全区立小学校での警備員の配置を打ち出し、注目されているところですが、学校と子どもたちをめぐっては「これをやったから万全だ」とは言えないという社会状況になってしまった中で、人の役割を中心にして、区長、教育長のお考えを伺います。

 今回の寝屋川市での事件で注目しなければならないのは、加害者が卒業生ということもあって容易に学校へ侵入できたこと、被害者が児童ではなくて教職員であったという二点です。

 従来、学校の防犯対策というと、どうやって学校に侵入させないようにするのか、侵入者があった場合、どうやって子どもたちを守るのかという点が強調されてきました。今回の事件では、案内をした教員が背後から刺され死亡、その後、犯人は職員室で女性職員二名に襲いかかり、わき腹などを刺して重傷を負わせました。大人である教職員でもターゲットになり得るということであります。

 二月十五日の読売新聞大阪版朝刊では、学校の安全管理に詳しい喜多明人早稲田大学教授は「今回の事件は、教職員の命をどのようにして守るのかという深刻な問題を行政に突きつけている。これ以上の防犯義務を教職員に課すのは酷である」とのコメントを寄せています。

 もちろん、学校生活の中で、教職員は侵入者から子どもを守る役割を持っています。しかし、教職員のすべてが体力などの面で侵入者と対峙できるわけではなく、年齢や性別などによっては難しい面もあります。プロフェッショナルの警備員を配置することによって質の高い防犯体制を構築し、一方で、教職員にかかる過度のプレッシャーを取り除いて教える役割に専念しやすくするという今回の対策は、評価できるものです。奇しくも寝屋川の事件直後の発表となったことで、報道の扱いも大きく、区民からの注目、期待も集中しています。民間警備員がどのような体制、装備で学校に入るのか、担う役割は各学校の中でどのように詰められていくのか。各校一人ずつの配置であれもこれもやることは無理があると思います。

 学校のなすべきことは、子どもたちの安全を守るのはもちろんのこと、そもそもの責務である学力の向上とともに、人を傷つけてはいけない、うそをついてはいけない、物を盗んではいけないといった社会規範を身につけさせることであり、その中で、長い目で見た犯罪抑止教育を行うといった側面も決して軽視してはならないと思います。

 警察庁の発表によると、凶器を所持して小学校に侵入した事件は十五年度には九件、十六年度は二件と、これまではそう多くはありませんでした。しかし、子どもと教職員の安全、保護者の安心を確保するためには、警備担当者の常駐は必要であると思います。この趣旨から考えれば、人員配置の薄い区立幼稚園の独立園にも警備員配置の対象を広げる必要があると思いますし、保育園、学童館の安全管理にも今後は特段の対応が求められると思いますが、区長の御所見を伺います。

 学校の外でも子どもたちは、標的となるケースは後を絶ちません。警察庁のデータでは、略取誘拐事件の被害者は昨年一月から十一月末までで二百八十七件起きており、うち十三歳未満の子どもが被害を受けたのは四三・二%に上っていて、二十一世紀に入ってから毎年二割前後増えています。その半数以上は通学途上の発生となっていて、車にいきなり引きずり込む事例が増えていることも特徴的です。

 区でも安全対策本部を中心に、情報収集や注意喚起などの対策を進めていることは承知していますが、それでも、「声をかけられた」「連れて行かれそうになった」などの事例は多発しています。PTAや青少年対策地区委員会の皆さんのパトロールなども取り組まれていますが、子どもたちと学校の安全管理をより効果的に進めるためには、巡回活動や常駐など、地域社会全体の協力をあおぐ必要があると考えます。たくさんの目による心理的圧力で子どもたちを犯罪から守ろうということです。

 十二月にスタートした学校緊急情報発信のメーリングリストは、学校を単位としたものですが、学校選択制の定着などを考慮すれば、もう一段進めた対応策も求められていると思います。教育長の御見解をお尋ねします。

 「のど元過ぎれば熱さ忘れる」では、どんな対策を講じても意味がありません。

 十五年十二月に児童二名が男に刃物で切りつけられる事件が起きた京都府宇治市の小学校では、校門が施錠されていませんでした。この学校の校長は、その四年前に起きた池田小事件の際には違う近隣の小学校に勤務しており、池田小事件の直後には施錠などの対策をとっていたといいます。

 渋谷区内の学校でも、施錠や、来校者の受付立ち寄りとネームプレートの着用指示といった対応は、事件の風化とともに緩んでいた事実があります。主事室には、用務、学童擁護の職員のうちだれかが常時いるようにといった方針も、作業などの都合で徹底されていないこともありました。教員だけでなく、すべての学校職員が安全管理対策の上できちんと位置づけられることも必要であります。

 京都市など多くの自治体では、学校安全主任、安全管理主任、安全教育主任といった担当を置き、校務分掌上も責任を明確化するとともに、校長、教頭のみに任せるのではなく、チームワークにより学校全体で危機管理意識を継続して育てていこうという動きも出ていますが、渋谷区でもこのような対策が有効と考えます。教育長の御所見を伺います。

 子どもが危険にさらされるのは、犯罪だけではありません。学校での事故も多く起きています。

 昨年一月、静岡県の中学校でサッカーのゴールポストが転倒し、生徒が死亡する事故が起こりました。原因を究明することなく、「固定していなかった」という一面の事実だけによって校長が責められ、責任を感じて自殺してしまう事態に至りました。また、学校プールの排水口が原因の死亡事故も各地で繰り返し起きています。渋谷区内の学校でも、子ども同士のトラブルや教員による体罰、生徒からの暴力によってけがをするといった事態も起きています。日本スポーツ振興センターの事故給付は、三十年前の二倍の件数に上っています。

 また、日本教育法学会の調査では、公立小中学校の五%は救急事故が発生しても救急車を呼ばなかったということです。「子どもの動揺を気にして」「教職員が消極的」「校長が認めなかった」などが主な理由として挙げられています。長崎県のように、佐世保市の小学校同級生殺害事件を受けて、校内の重大な事件、事故には第一発見者が直ちに通報するルールを明確にしたところもあります。

 渋谷区では、十四年二月から警察と直結した非常通報装置、学校一一〇番が運用されていますが、消防、救急なども含めた適切な外部機関への迅速な連絡体制を構築する必要があると思います。教育長の見解をお聞かせください。

 渋谷区の学校安全対策は、池田小事件以降、玄関インターホンの設置や防犯カメラ、防犯用品の配備などの取り組みが進められてきました。今回の事件を受けて、学校安全ハンドブックの見直しや学校ごとのチェックリストの作成なども直ちに着手されているようであります。

 しかし、より実効性の高い対策を全区的に実施していく必要性から、犯罪と事故防止を目的とした(仮称)学校安全条例の制定を提案するものであります。視認性や安全性を具体化した基準、防犯・防災用品の管理基準などを明示するとともに、行政と学校、保護者、地域それぞれの役割を定め、まちぐるみで子どもたちを守る決意と、万が一、事故や犯罪が発生してしまった場合の原因究明と再発防止義務を定める内容です。

 この条例を制定することで、学校における安全対策をより系統立てて推進するとともに、子どもたちや保護者の安心確保につながると考えるものですが、教育長はどのようにお考えでしょうか、お答えいただきたいと存じます。

 次に、次世代育成支援策の具体化について、区長、教育長にお尋ねいたします。

 所信表明でも区長は触れられておりましたけれども、高齢化とともに、少子化への対応をどうするかも区政の大切な課題であります。

 次世代育成支援対策推進法の制定を受けて義務づけられた渋谷区版行動計画の策定が進められています。向こう十年間の子ども関連施策がどのような方向で盛り込まれるか、多くの区民が固唾を飲んで見守っているところであります。

 今回の組織改正で提案されている子ども家庭部の創設も、子育て支援にかかわる課題を区が一元的に押し進めていく契機となることを望むものであります。

 計画の基本理念として「子育て、子育ちをあたたかく支えるまち渋谷」が標榜されていますが、そこで問われる具体的方策について伺います。

 まず、出生率に関してです。

 平成七年以降の渋谷区の出生数は増え続けていますが、合計特殊出生率が十四年度は〇・七五と全国最下位であることがセンセーショナルに報じられ、まるでこの間の渋谷区政が、子育て世代に極めて冷たい街であるかのような受けとめ方がなされていることは、まことに残念であります。

 渋谷区の地域特性として、未婚率や単身女性の割合の高さなどがありますし、この間、認可保育園の定員拡大、延長保育の拡充も人的・財政的制約の中で徐々に進められ、昨年開設した子ども家庭支援センターは、虐待の予防と早期発見のための事業に加え、一時預かり保育や家庭訪問事業などの新規施策も提案されています。区立二十四番目の旧渋谷小跡地での保育園新設、二カ所目の認証保育所の開設も、待機児童解消策の具体化として待ち望まれているところです。

 出生率低下の問題に関して、多くの自治体が頭を悩ませているところですが、即効性のあるものは簡単に見つかりませんし、「産めよ増やせよ」的なことを自治体レベルでやるべきではないと思います。区として取り組むべきことの一つは、生まれてきた子どもとその育児に携わる若い世代を区政の中でしっかりと包み込んでいく姿勢を持つことだと思います。

 保育料引き下げに関しての考え方はさきに述べましたが、やはり経済的負担の軽減は決定的に重要であります。国立社会保障・人口問題研究所の第十二回出生動向基本調査で二千百三十四人が回答した中で、女性が理想の数の子どもを持とうとしない理由のトップに六二・九%が挙げているのが「子育てや教育にお金がかかり過ぎる」というものでした。渋谷区の行動計画策定のためのアンケート調査でも、現行の医療費助成制度の拡充を求める意見が多数寄せられていました。方法は、小学生、中学生あるいは十八歳未満、完全無料化や一割負担、一部自己負担、あるいは入院費のみ等々、多数の選択肢があろうと思います。是非とも実現に向けた第一歩を踏み出していただきたいと考えますが、区長の御答弁を求めます。

 行動計画の素案では、「子どもの心を育てる教育が大事である」として就学前教育の充実が掲げられています。保育園の存在とともに、幼稚園教育についてもその重要性が見直されるべきであります。

 現在、区立幼稚園各園でも、未就園の子どもと保護者に施設を開放し、子育てに関する交流や相談の場として有意義な活用がなされています。その利用者から多く聞かされるのは、「渋谷の区立保育園でも三歳児保育を早くやってくれるといいな」というものであります。この問題については、渋谷区として区立幼稚園の適正配置に取り組む中で、私立園の空白地域から実施する方針を持ちながらも具体化へ踏み出せない状態が続いていました。まずは対象園の中から一つでも実施に踏み切る早期の決断を求めるものであります。この点は教育長にお答えいただきたいと思います。

 この間、教育改革をめぐる議論の中で、区の学校教育現場は国のたび重なる、特にゆとり教育と基礎学力をめぐる方針転換、都の人事制度をめぐる動向などに翻弄されてきたと思います。私は、数値や、すぐに答えの出せない学校教育の課題にあれもこれもと重荷を負わせるのは得策ではないと思います。この間、少人数指導や学校選択制の導入、そして新年度からの区立学校の二学期制の開始などの課題に、渋谷区の教育行政は地道な努力を重ねてこられたと思います。幾つかの自治体では民間人校長や、教育課程の編成を企業にゆだねたりといった表面的に華々しく映る施策を打ち出しているところも目立ちますが、地に足の着いた特色ある学校づくりや新たな道徳教育の実践などにじっくりと取り組んでいただきたいと思います。

 そこで、具体的な提案として、学校組織の活性化と人材確保のための方策について伺います。

 二年前から区立幼稚園、小中学校には学生ボランティアの受け入れが行われ、授業や学校行事、子どもたちの日常生活をサポートする働きをしています。子どもたちにとっては、話し相手や、先生には打ち明けにくい悩みの相談相手、また、学習面での支援でも、教員とはもう少し違った、もう少し近い年齢層のお兄さん、お姉さんとして親しまれています。学生たちにとっても、大半が教員志望でありますから、教育実習とは一味違った角度から子どもたちの学校生活に溶け込んで体験することが可能となり、「有意義だ、教員になったら是非渋谷区の学校に赴任したい」との声が寄せられているようであります。

 問題は、ボランティアですから完全無償、給食代や交通費も支給されないという点であります。これを今後の人材活用のために、制度として明確に位置づけることはできないかということであります。教育長の御見解を伺います。

 障害のある子どもと家庭への支援も行動計画の素案では打ち出されています。一年前のこの場でも取り上げました特別支援教育がどのように実施されていくのか、まだその道筋は見えてきておりません。従来の特殊教育から、一人一人の実情、個性に応じた教育への転換がうたわれていますが、障害やハンディを抱えた子どもと保護者にとっては、毎日の学校生活がどうなるかが最大の心配事であります。

 LD−−学習障害、ADHD−−注意欠陥・多動性障害、高機能自閉症、アスペルガー症候群といった子どもたちについて、文部科学省は三年前の調査で「全体の六・三%の子どもたちが対象となる」としています。発達障害者支援法の制定に伴って、早期発見と療育支援ばかりにスポットが当てられ、この六・三%の枠に無理矢理子どもをはめ込もう、むしろ対象者をあぶり出そうという動きが進むことを懸念するものであります。

 これまで、障害やハンディを抱えた子どもとその保護者にとっては、普通学級への入進学を希望した際、就学決定通知をもらうまでが長い道のりでありました。現在では、入学が受け入れられても教室に入れてもらえない、授業を受けさせてもらえないというケースがあるのであります。

 文部科学省がかつて出した広報資料「わが国の特殊教育」には、「特殊教育の学校や学級が整備され、例外的な児童生徒の受け入れ体制が整えば、それだけ小学校や中学校の普通学級における教師の指導が容易になる」とありますし、昭和五十六年の国際障害者年は「完全参加と平等」というスローガンでしたが、中央心身障害者対策協議会において、当時、統合教育の推進についての検討が行われていた時期に当時の文部省が消極姿勢を示すための材料として出したのが、「現行の特殊教育制度、ひいては学校教育制度全体の根幹に触れる大きな問題となる」というものでした。その古い考え方が今の学校現場でも変わっていない状況が、現にあるというように思います。

 今なお、障害やハンディを抱えた子どもが普通学級に入るに当たっては「みんなの迷惑になる」「手がかかる」という理由による学校長や現場教職員の根強い抵抗が見受けられます。

 昨年の質問では、全教職員の研修を実施するとの約束をいただきましたが、こうした意識を文字どおり変えていく努力なしには、幾ら「特別支援教育を」と言っても、何が子どもたちのためになるのかという認識を持たざるを得ません。教育長の御見解を伺います。

 次に、まちづくり景観条例の制定について区長に伺います。

 平成十二年に定められた、渋谷区のまちづくり行政の総合指針である都市計画マスタープランでも盛り込まれていた「協働型のまちづくり」のルール化を図るためのものとして、まちづくり景観条例を本年中に制定する方針が示されました。一月から二月にかけて、区内六カ所の会場で区民を対象とした意見交換会が開かれ、興味深いやりとりが交わされたのを、私も参加して聞かせていただきました。

 区民と事業者、行政が連携しながらの協働型まちづくりについては、近年、区内で様々な活動がまちづくり協議会のような形態で繰り広げられ、神宮前五・六丁目のような地区計画案として結実した所もあります。一方で、土地利用の高度化や細分化、規制緩和による建築基準法の改正が行われ、民間審査機関による建築確認が可能となったことなどから、住宅地への店舗やオフィスの進出の加速など様々な要因から、近隣紛争の続発といった影響も出ているところです。

 今回、まちづくり課が示した「(仮称)渋谷区まちづくり景観条例の制定に向けての基本的な考え方」によれば、まずは協働型まちづくりについての理念、手続に絞ったものと、景観法における景観計画策定を視野に入れた条例としてまちづくり景観条例を制定し、その後、土地利用等における規制や調整のための基準づくりなどを盛り込んだ土地利用等規制条例を制定するというものです。理念、手続の部分と規制、調整とを切り分けるというものであります。

 どちらも重要であることはわかりますが、理念、手続の条例の名称に「景観」という表題を入れることになれば、景観法に基づく規制的内容も強く求められます。今のところ示されている考えでは、景観計画を定める手続が規定されているだけであり、これでは条例の性格が不鮮明になりはしないかとの懸念を持たざるを得ません。意見交換会でも、実際そのような要望も出されていたところであります。

 渋谷区に求められているのは、基本条例としてのまちづくり条例であると思いますし、景観条例についてももう一本別立てで制定した方が、より実効性の高いものが期待できると思います。区長のお考えを伺います。

 景観条例についてこのように申し上げるのは、景観法制定の意義を、より効果的に区の景観保全の取り組みにつなげていくためでもあります。

 今日まで、五百に上る自治体が独自に景観条例を定めて、景観保全の事業を進めてきました。ところが、景観にかかわる基本法規がつくられてこなかったことから強制力に限界があり、成果が上がらないジレンマがありました。今回の法施行により、景観規制ができるのか否かといった長年の論争から、地方分権の時代にあって、どこまで景観規制を行うのかといった段階へ進むことになります。この点が、景観行政団体としての区にゆだねられるわけであります。ルールはもちろんのこと、区としてどのような景観行政を目指すのかを明確にすることが求められますが、この点を区長はどのように考えておられるのか、御答弁を求めます。

 最近の渋谷区では、大規模なマンションや、小規模で細分化された土地に計画された建築物による近隣紛争が目立っています。建築基準法の条件をクリアした計画であれば、近隣住民との話し合いが不十分であったとしてもとんとん拍子に工事が進んでいってしまったり、学校など子どもたちのための施設が日影等の影響を受けてしまうケースも後を絶ちません。建築物に伴う紛争を可能な限り未然に防ぐための、もう一段の規制が必要であると考えます。

 例えば、佐賀市が十三年に制定した中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例では、建築主に求める配慮の中で、小中学校、幼稚園、保育園などの教育施設に日影を生じさせるものには施設設置者との協議を義務づけていますし、都内でも千代田区が建築計画の早期周知に関する条例を制定し、都条例扱いとなる延べ面積一万平米を超える計画をも対象として、従来の予防調整条例の規定の前段階にも、大規模なものや学校周辺での建築計画を早目に住民に知らせることを求めています。事前の話し合い期間を保証して、紛争に発展することを少しでも防ごうというねらいからであります。

 渋谷区の現状に照らして、区民の要望には十分こたえられていない既存の法律の運用のみにとどまることなく、分権時代の自治体としての責任を果たすため、区として積極的な規制を行えるようにするため、新たな条例を制定する必要があると考えますが、区長の御見解をお尋ねします。

 介護保険制度の見直し作業に関して三点、区長に質問します。

 この春で制度のスタートから五年、始まって以来の本格的な法改正も国会に提出されたところです。

 介護の社会化を目的としながらも、発足当初は「保険あってサービスなし」が心配されたり、「走りながら考える制度である」とか「分権自治の試金石である」とも言われてきました。渋谷区においてもこの五年間、関係者の努力と区民の協力もあって、制度定着の基礎固めはなされてきたと思います。見直し作業に当たっては、より使い勝手のよい仕組みにレベルアップさせていく努力を第一の課題としていただきたいと思います。

 今回の法改正では、当初議論されていた保険料徴収年齢の引き下げや、障害者支援費制度の統合といった負担と給付の対象拡大が先送りとされたほか、要介護度が低い人を対象とする筋力トレーニングなどの新予防給付の実施、施設入居者は光熱費などの居住費や食費が自己負担となるなどホテルコストの導入、介護事業者に対する区市町村の指導強化などが打ち出されています。当初の予測を上回るテンポで要介護認定者と給付費が増え続けていることもあって、発足五年で持続可能な制度の構築を国は打ち出し、予防重視型システムへの転換も強調されています。「負担が増えるばかりではないか」との不安も出ている中で、この五年の区の取り組みをしっかりと検証した、制度の改革へつなげていただきたいと考えます。

 今回の見直しでは、新たなサービス体系として、地域包括支援センター(仮称)を創設するとしています。地域介護の中核拠点として区市町村が中学校区ごとに設置し、相談業務や介護予防、ケアマネジャー支援などを行うとされています。もともとこれを担うとされていた既存の在宅介護支援センターや高齢者在宅サービスセンターとの機能整理はどうなっていくのか、その関係を御説明いただきたいと存じます。

 二点目は、予防重視の取り組みについてです。

 厚生労働省の集計では、介護保険制度が始まってから六十五歳以上の被保険者は四年近くで二千四百四十三万人と一三%、二百七十八万人増え、介護認定を受けた人は三百七十九万人と七四%、百六十一万人の増加、サービス利用者は二百九十八万人と倍加、そのうち施設サービスは四三%、居宅サービスに至っては一三〇%増加しています。介護保険の総費用、給付費も年一〇%を超える伸びとなっています。

 渋谷区の認定申請件数も六千六百十二件から九千百四件へと拡大しており、中でも要支援が五百九十一人から千二百五十一人に、要介護一が千百九十八人から二千百五十人へと伸びています。これらの人たちを重度化させない手だてがますます重要となってくると思います。

 新しく計画されている幡ケ谷、富ケ谷の高齢者センター、笹塚の認知症高齢者グループホームにおいて介護予防機能を取り入れられることも承知をしておりますが、例えば旧来の痴呆症予防教室などでは、夫婦で申し込んだ際、痴呆症状が心配になりかけた夫が選考から漏れ、逆に、付き添いのつもりで応募した元気な妻が選ばれるといったケースもありました。主催者の説明ではテストをした結果だということでしたが、特に認知症の予防は、早期の発見と取り組みがその後の本人と家族の生き方に決定的な影響を及ぼすわけであります。真に効果の上がる予防事業をしっかり取り組んでいくために、事業の練り直しを是非やっていただくよう求めます。区長の御答弁を求めます。

 三点目は、ホテルコストの導入に関してです。

 介護保険と年金給付の重複の是正、在宅と施設間の利用者負担の公平化を理由に、特養老人ホーム、老人保健施設、ショートステイなどの居住費用や食費を保険給付の対象から外すというものです。先行して今年十月からの実施という方針が出されていますが、激変緩和措置や低所得者への十分な配慮を求めるものですが、この点、区長のお考えをお示しいただきたいと存じます。

 最後に、国際交流事業について二点、区長にお尋ねします。

 新年度予算案では、トルコ共和国からの訪問団受け入れ経費が計上されています。昨年九月の、私も副団長として参加する機会を得た友好交流及び友好都市提携調査団のイスタンブール市ウスキュダル区、アンカラ市、イズミール市での調査結果を受けて、ウスキュダル区との交流を具体化しようという計画でありますが、訪問時期と予定人員について、現在の準備状況を御説明いただきたいと存じます。

 訪問団受け入れの際、今後の交流についての協議がなされることと思われますが、渋谷区がこれまで自治体間国際交流の手法としてはとってこなかった姉妹都市という形態よりも、息の長い、区民各界各層の人的交流が可能となる手だてを探るべきであると考えます。

 隣国・中国との間では、中学生の派遣やスポーツ交流などが積み重ねられていますし、かつては青少年や女性リーダーの海外派遣なども区の事業として行われてきました。新年度は、職員や教員の海外派遣経費も予算計上されているようでありますが、例えば、世界最大の野外博物館とも言われるトルコの奥の深い文化・歴史遺産に社会科の教員が触れる機会を持つことも有意義であると考えます。「平和・国際都市渋谷」ならではの自治体間国際交流の進め方について、区長の御所見を伺います。

 以上、答弁を求めます。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 未来の渋谷をつくる会の芦沢一明議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初に、新年度予算に関連いたしまして、子育て課題として保育料引き下げを評価されながらも、なお未就学児に係る一部に対する施策にすぎないのではないかと、こういうような御質問であったと思います。

 申し上げるまでもないことでございますけども、子育て支援の制度というのは、一つには、児童手当制度もあります。また、育児介護休業制度もあります。一方には保育所の整備もあり、税制上の扶養控除、配偶者控除もあり、介護保険もあるわけでございます。今回取り上げた保育料の問題もあろうかと思いますけれども、これでおわかりと思いますけども、子育て支援制度というのは区のみならず国や都、さらには企業の協力があって初めて総合的な支援施策であると、このように思っているものでございます。本区におきましては、さらに次世代育成支援行動計画、これを確定いたしまして、総合的かつ実効性のある支援施策として対応してまいりたい、このように考えております。

 次に、組織条例の哲学ないしその意図についてのお尋ねでございます。

 組織改正の目的は、通例的には簡素・効率的と、こういうふうに言われるわけでございますけども、他方において社会状況に対応した、そして区民にわかりやすい組織でなくてはならないと、このように考えております。

 今回、厚生部を廃止しまして子ども家庭部といたしましたのも、青少年対策と青少年育成、青少年教育の統合によりまして、より効果的かつ高度・専門的な施策の推進を図りたいと、こういう願いでございます。

 商工観光課ということにつきましては、商店街の振興だけでなくて観光振興にも一つ目を届かせていく、そういうような気持ちもあるわけでございます。

 住宅課を廃止いたしまして福祉部管理課に置きましたのも、住宅を福祉施策の中に位置づけてやっていきたいと、こういうようなことからでございました。

 国保年金課でございますけれども、保険料と税の収納にかかわります同一機能に着眼しまして、今回、区民部に移管する、こういうことにしたものでございます。御理解をいただきたい、このように存じます。

 次に、人材育成についてのお尋ねでございます。

 ゼネラルモータースのアルフレッド・スローンが、世界的経営学の権威者ピーター・ドラッガーに対しまして経営コンサルタントを依頼したわけでございますけれども、その際にドラッガーに対して言った言葉は「あなたが何を調べ、どんな結論を出すか、すべてあなたの自由だ」と。「注文はただ一つ。「こんな助言なら気に入ってもらえそう」などと決して妥協してもらいたくない」このように言われたそうでございます。私は、知らずしてGMの五十年前の会長と同じ言葉を発したことに驚きを感じております。

 ところで、人材育成についてでございますけれども、今日の人材育成の環境は大きく変化していると、このように思っております。これまでの人づくりというのは、いわゆるオン・ザ・ジョブ・トレーニングということでございましょうか、先輩や上司の指導を中心としたものであったわけでございますけれども、最近はこれが機能しなくなっているということでございます。それは、二十一世紀が前例よりも新しい時代変化に対応していく、新しい時代をつくっていかなくてはならない、そういうことであるわけでございますから、そのような形になってきたんだろうと、このように思っております。

 もう一つは、組織の成熟化によりまして、若い人に以前ほどリーダーシップ体験や新しい課題へのチャレンジ体験が、チャンスが付与されにくくなってきているということであろうと思います。これらの状況を打破いたしまして、人材育成によりまして行政運営上の優位を確保していくためには、スキルや経験の伝授ということ以上に、自らが学習し続ける思考行動特性を早く身につけることが重要であると、このように私は思っております。

 そのためには、組織内で自律的キャリア形成をサポートする体制づくりが重要であり、キャリア自律のために主体的なジョブデザイン行動を促す自己啓発の支援をしていかなければならない、このように思っているものでございます。

 次に、防災対策の充実等についてのお尋ねでございます。

 最初に、都区の役割分担で、食料は区が一日分の備蓄となっているが、都の備蓄状況は明らかでない。せめて三日分の備蓄を各家庭で行うように啓発してはと、こういうお話でございます。

 本区では、三十二避難所に分散いたしまして十万食のクラッカー、五万食の乾燥米、三万食のおかゆ缶を備蓄しております。都は七万九千食のクラッカーを区の備蓄倉庫に寄託しているわけでございます。これらの倉庫で被災後の二日間を賄うこととしておりまして、三日目からは、このような非常食にかわり、炊き出しを行う計画となっているものでございます。

 区民の皆さんには「知っておきたい心得十カ条」をつくりまして、その中で、第一に身の安全を図る等の備えを徹底するとともに、各家庭で非常持ち出しや備蓄品についても準備するよう啓発をしているところでございます。

 今後とも、食料の備蓄について一層の啓発に努めてまいりたいと、このように思っております。

 次に、帰宅困難者に対する避難場所の確保や情報提供、支援物資確保等の具体化についての御質問でございます。

 帰宅困難者対策は広域的な対応が必要でございまして、現在、東京都では帰宅支援道路十六路線を選定いたしまして、郵便局やガソリンスタンド等と協定し、トイレや飲料水のステーションづくりを進めているところでございます。

 本区におきましても、事業所や集客施設は、事業者の責任で社員や顧客の安全確保や帰宅支援を行うこととしているものでございます。このため事業者向けの手引を作成し、また講演会等を開催し、この趣旨の徹底を図るところでございます。

 あわせて帰宅困難者に対します休憩所の提供等の申し入れを行っており、一部企業につきましては、それを了承しているところでございます。引き続きこれらの事業の充実に努めてまいります。

 地震発災後の停電の自動回復機能が作動し、かえって被害を大きくすることが心配されるけれども、電力会社等とどのような対策をとっているのかということでございました。

 本区は阪神・淡路の経験から、通電再開による火災災害に対します対策の重要性を十分認識しておりまして、避難の際は必ずブレーカーを切ることの啓発を進めてまいりました。地域で行われます訓練におきましても、発災対応型として身の安全を守る、ガスの元栓を閉める、ブレーカーを切る等の一連の動きを具体的に体得するような訓練を進めているところでございます。

 なお、東京電力におきましては、各戸ごとに安全の確認をしてから通電を復旧することとしているようでございます。

 次に、十七年度には国民保護計画の策定が予定されている、区における国民保護協議会と従来の防災会議との関係、区の担当部署等早急に解決すべき事柄があるがと、この質問でございます。

 国民の保護に関する計画は、国民保護法により定められているところでございまして、国の定める基本方針に基づき、自治体がそれぞれ策定するものでございます。

 現在、東京都において都レベルの計画を策定しております。その中に示されている基準に従い、区の国民保護に関する計画を策定することとするものでございます。東京都の計画策定が十七年度、これを受けまして、区の計画策定は十八年度でございます。

 策定に当たりましては、新たに条例で設置いたします国民保護協議会に実施体制や避難、救援に対する事項、備蓄物資、訓練に係る事項等、計画の内容等について諮問をしてまいりたいと、このように考えております。これらの審議事項は、防災会議が行います地域防災計画の作成及びその推進に関する審議に非常に類似しているところでございます。このため、本区の計画策定の検討準備の期間である十七年度には、国民保護協議会と防災会議双方の役割について区として調整をしてまいりたい、このように考えております。

 子どもの安全対策についてでございます。

 区立小学校への警備員配置について評価を賜り、さらにこれを保育園、学童館の安全管理について及ぼすべきではないかということでございます。

 保育園、学童館の防犯対策といたしましては、これまで緊急連絡用のインターホンの設置、施錠の徹底、さらに保育園では学校一一〇番による警察への連絡体制の整備など、それぞれ施設の実情に合わせて取り組んでまいりました。今後は、今回の寝屋川市の事件を踏まえ、公立保育園で来年度から全園にわたり、カメラ付インターホンとオートロックを設置するほか、警察の協力を得た上で施設ごとの不審者対策訓練を実施、さらには防犯用品の配付により幼児等の安全対策を確保してまいりたい、このように思っております。

 幼稚園、保育園に警備を置くことができればそれにこしたことはない、このように思っております。しかし、財政負担を踏まえつつ、どこに重点を置くか、これも危機管理の要諦だと考えているわけでございます。保育園、幼稚園におきましては、保護者同伴であり、その登園、下園があるわけでございますし、また、人の出入りは小学校ほどではないと、このように考え、今回このような措置をしたものでございます。どうぞ御理解をいただきたい、このように存じます。

 次に、三位一体改革についての御質問でございますけども、逐次お答えをしたいと思います。

 まず、三位一体改革のあるべき姿についてのお尋ねでございます。

 今回の三位一体改革は、どちらかといえば国と都道府県の関係に終始しておりまして、肝心の基礎的自治体のことはほとんど論議されていないということは、私は残念で仕方がありません。本来的には国と区市町村の関係こそ検討されるべきではなかったかと、このように思い、安易な対応に、私は残念に思っているものでございます。

 三位一体改革のあるべき方向は、それが必然的に財政上の減収は避けられないとしても、それが国にとっても自治体にとっても創意工夫を促す改革のきっかけであってほしいと、このように思っているわけでございます。とりわけ区側から言うならば、三位一体改革は、自治体の自主的運営を促進することによりまして自治体行政運営が支障を来すことのないよう、目先だけの帳尻合わせになってほしくない、このように思っております。

 今回、問題とされました義務教育国庫負担金あるいは生活保護費は、憲法上の責任として、本来、国が責任を持つべき課題ではないかと考えております。しかし、大きな枠組みの中にあっても、創意ある自治体の教育行政を推進するためには、小中学校については教育行政権限も、その教師の人事権限についても、子どもと教師につきまして最もその情報を持つ基礎的自治体に移した方がよいと、このように思っております。

 住民税のフラット化に伴う影響の見通しについてのお尋ねでございます。

 十七年度はさほど大きな影響はございません。しかし、現在、三位一体改革について、補助金と税制のみに目を向けているわけでございますけども、今回、国は定率減税の縮小に及んでまいっております。しかし、こうなってまいりますと、これに関連して創設をされました地方特例交付金や減収補てん債についても、各自治体は目を向ける必要があるわけでございまして、そういう意味では、十八年度中にその姿が見えてくるのではないかと、このように思っているわけでございます。

 したがいまして、現段階で住民税のフラット化について申し上げることは、全体の説明になりませんので、今回は避けたいと、このように思っております。

 次に、歳入の確保について、多様な財源確保の方策についてのお尋ねであります。

 まず、三位一体改革による影響について区財政の見通しを区民に説明することについて、今後もわかりやすく説明する機会を持ちたい、このように思っております。

 国保料のコンビニ収納の御提言をいただきました。現段階では、手数料が大変高いなどコストの問題がございますが、電子自治体を構築する中で一つの検討課題としてまいりたい、このように思っております。

 また、貴会派の御提言の寄附による基金創設は、財源の確保の問題というよりも区民参加制度の課題と、このように考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、区税や国民健康保険料等の歳入確保に向け、着実に努力を重ねることは当然でございます。しかし、そうだからといって、行財政改革は限界だとは考えておりません。なお引き続き効率的な行財政運営を行っていかなければ、決して健全な財政基盤の強化はあり得ない、私はそのように思っております。

 次に、都区制度に関連し、主要五課題について区長としての姿勢、あるいは区の取り組みの姿勢についてのお尋ねでございました。

 三月一日に、都区制度に関して都議会があったようでございます。私、その中で知ったわけでございますけれども、自由民主党からは、都の行うべき大都市事務は具体的に何なのか知事として明らかにしなさい。もう一点は、基礎的自治体優先の原則に立って、都は広域行政及び区間にまたがる基礎的自治体調整に終始して、基礎的自治体優先の原則に徹底すべきではないかと、このように質問があったと、このように聞いております。また、民主党の方からは、都区役割分担を踏まえて、都区財源のあり方について都の基本姿勢を問うと、こういうことであったようでございます。都知事は、都は特別区という大都市地域を総合的、一体的にとらえ、都市経営を強化するとともに首都圏全体を見据えて行政に力を注ぐという答弁であったと、このように聞いております。都区の壁は、自治法改正以前の意識であり、距離は大きいと私は思っているわけでございまして、このことについては二十三区と一体となってこれからも取り組んでまいりたいと、このように思います。

 まちづくり景観条例についての質問でございます。

 まず、このまちづくり条例と景観条例は別立ての方がよいのではないか、実効性が上がるのではないか、こういう質問であったと思います。

 今回のまちづくり景観条例は、協働型のまちづくりについて理念や手続といった内容に絞って制定するもので、まさに基本条例としてのまちづくり条例の性格を有する条例であると、このように思っております。しかしながら、あわせてまちづくり景観審議会の設置や景観法に基づく景観計画の策定手続につきましても本条例に盛り込むため、このような表題になっているわけでございます。

 しかし、今後、景観計画をつくり、景観計画区域を設定し、景観地区を検討する段階になりますれば、私は、御提言のように条例を分離することがより適切ではないかと、このように思っております。

 引き続きまして、景観行政団体としてどのような方向を目指していくのかということでございました。

 このことにつきましては、渋谷が全国的に知名度の高い景観要素があり、景観法を踏まえましてこれらを維持・活用し、より一層の魅力の充実・強化を図るとともに、新たに良好な景観を創出していく必要があると考えております。また、具体的な景観行政のあり方につきましては、今後、新たに設置を予定しておりますまちづくり景観審議会などの御意見を聞きながら景観計画としたい、このように思っております。

 続いて、建築紛争を可能な限り未然に防止するため、区として、より積極的な規制が行えるような新たな条例を制定をする必要があろうと、こういうようなお話でございました。

 私は、そういう意味におきまして、昨年でございますけども、標識設置期間を延長するということで、昨年の七月一日からは中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例施行規則を一部改正をしたわけでございまして、新たに中高層建築物、特定建築物につきましても、三千平米を超えるものについては申請までの日数を六十日ということでいたしました。また、このことにつきましては必ずや、説明会開催の要望のあったときには説明会形式において説明をする、あるいは特定建築物については説明会の開催を義務づけると、こういうような対応をしてまいったわけでございます。

 今回、先ほどお話のありましたような条例を制定いたしましても、その条例が都の建築行政にかかわりましては、それを実効性を持ち得ない、相手があくまで受け入れなければできないということでございます。そういう意味において、条例を制定しても限界があると、このように御理解をいただきたいなと、このように思っております。

 先ほど申されました、この景観条例ですね、これが制定されれば、ある面ではそれが一つの、規制への一つの対応になってこようかと私、思っておりますけども、現段階においてはそのことを答弁とさせていただきたいと、こういうふうに思います。

 今後、この地域の実態に合わせまして、土地の細分化の防止やワンルームマンションの規制といった土地利用等に関する規制や、紛争の予防と調整の内容の強化などにどこまで踏み込むことができるか、平成十七年度より着手いたします土地利用等に関する規制及び調整のための検討の中で具体的に検討してまいりたい、その中で景観法も視野に入れてまいりたい、このように思っております。

 地域包括支援センターについてのお尋ねでございます。

 在宅介護支援センターの配置数については、おおむね中学校区に一カ所の設置ということで考えております。一方、国はこのたび法改正の中で、新たに地域包括支援センターの設置を示しております。しかしながら、その具体的な位置づけや既存の在宅介護支援センターのあり方等の整理につきましては、現在、国において検討中であると、このように聞いておりますので、その検討の推移を見守りながら、来年度に策定される計画の中でこれを明確にしていきたい、このように思っております。

 次に、介護予防事業の練り直しということについてでございます。

 現在、本区で行っております認知症−−これまで言っております痴呆の予防活動でございますけれども、東京都老人総合研究所が研究を重ねた結果、効果のあった地域型認知症予防プログラムを参考に、平成十六年十一月から活動を始めたものでございます。この事業は、認知症の予防が目的の活動でございますので、認知症でない方、もしくは軽度の認知症の方を対象としているわけでございます。そのため、活動の参加を希望する方及び認知症予防に関心のある方に事前に脳の健康度テストを行いまして、対象者を決定しているということでございます。

 この事業の趣旨については区民に対しても御理解をいただくような努力をこれからしてまいりたいと、このように思いますので、御理解をいただきたいと存じます。

 なお、既に認知症になられた方、及びその家族につきましては、認知症相談等に結び、これを専門医による相談指導としたい、このように思っているところでございます。

 ホテルコストの導入でございます。

 ホテルコストの導入は、在宅介護との負担の格差是正と給付の公平性を目的として実施するものでございます。施設入所者の食費や居住費などは自己負担が原則という国の考え方につきましては、基本的には理解できるところでございまして、また、制度導入に当たりましては、低所得者への配慮もされているところでございます。

 しかしながら、新たな負担の導入によりましてその負担が困難となる方につきましては、今後の計画策定の中で検討させていただきたいと、このように存じます。

 最後に、国際交流について二点の御質問がございました。

 まず、トルコ共和国からの訪問団の受け入れでございますけれども、本年一月、ウスキュダル区、メフメット・チャクル区長から、五月下旬から六月初旬に議員、職員を渋谷区に訪問させたい、こういう申し入れがあったわけでございます。これに対しまして本区といたしましては、十名以内、三泊を限度として区の負担としたいと、そのように回答をし、その返事を待っている状況でございます。今後、具体的に詳細を詰め、また議会にも報告をさせていただきたいと、このように思います。

 交流の進め方については、議員御提言のとおり、幅広い交流が私は望ましいと、このように思っておりまして、その方向で今後もその交流を進めてまいりたい、このように思いますので、御理解をいただきたいと存じます。

 以上です。



○副議長(金井義忠) 区長、答弁漏れ。次世代育成支援行動計画。



◎区長(桑原敏武) 申しわけありません。

 乳幼児医療費助成の拡充についてのお話でございました。

 保育料減額の中の御質問でも申し上げましたとおり、子育て支援及び次世代育成支援の充実は、年金、介護、医療など社会保障問題と密接に結びついているということを申し上げたわけでございます。国会においても論議をされたわけでございましたけれども、結局は、詰まるところは財政負担の問題に行き着くわけでございまして、少子化問題には特効薬はないなと、こういうことでやったようでございます。

 財政支出について慎重に調査し、また、国の動向等も踏まえつつ、最初に申し上げましたような区の考え方によってこれを進めてまいりたいと、このように思っておりますので、御理解をいただきたい、このように存じます。

 失礼をいたしました。どうぞよろしくお願いします。



○副議長(金井義忠) 足立教育委員会教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、七点にわたる御質問がございました。

 まず、メーリングリストによる学校緊急情報の発信について、もう一段進めた対応策を、とのお尋ねでございます。

 学校緊急情報の発信システムは、事件や災害等の緊急事態が発生し、児童生徒の生命や身体に危険が生じることが予測される場合に、携帯電話等のメール機能を活用して、緊急事態の内容と、授業短縮や集団下校等の安全対策について保護者に対し伝達し、児童生徒の安全を確保することを目的としたものであります。

 御指摘のように、メールアドレスの登録は学校を単位としたものです。原則として通学している学校、幼稚園に登録することになりますが、学区域外の学校に通学している児童生徒の保護者から申し出があった場合は、自宅のある学区域の学校にも登録ができることとしております。また、教育委員会から学校を通して発信をしたり、安全対策本部との情報の交換・共有の体制も組んでおります。

 現在、安定的かつ確実な運用に努めている状況ですが、今後、実施状況の推移を見ながら、議員からございましたさらなる活用の方向を検討してまいりたいと考えております。

 次に、学校における危機管理対応についての御質問でございます。

 学校では校務分掌に安全担当を位置づけておりますが、交通安全指導や施設の安全点検等、これまでの学校事故防止に関する役割が中心となっております。今日の不審者問題に対応するには、日常的な安全管理を初め、計画的な対応訓練の実施や教職員一人一人の役割の明確化、家庭、地域、関係機関との連携等、年間を通じた安全対策を強化する必要があると考えております。そのため、御指摘のように、校務分掌の見直しも含めた組織的な体制づくりを整え、教職員全員が常にチームワークにより危機管理意識を持ち続けるよう、学校に指導してまいります。

 続きまして、外部機関への迅速な連絡体制の構築についての御質問でございます。

 現在、本区においては、すべての区立学校の教室に非常通報ボタン及びインターホンを設置するとともに、職員室には学校一一〇番のシステムを導入し、迅速な連絡体制ができる状態になっております。

 教育委員会といたしましては、子どもたちの命を守ることを第一に考え、校長会や生活指導主任会等を通して、緊急事態発生時には的確な判断に基づき、迅速に関係機関に通報することを学校事故対応の基本として指導しているところであります。各学校では、渋谷区教育委員会安全対策ハンドブックをもとにマニュアルを作成し、迅速な連絡体制を整えております。

 今後、関係諸機関との連携がさらに実効性のあるものとなるよう、実践的な訓練を通して迅速な連絡体制の確立に努めてまいります。

 次に、学校安全条例の制定についての御質問でございます。

 本区では、渋谷区安全・安心でやさしいまちづくり条例の第二章において、学校の安全対策について定めております。教育委員会ではそれに基づいて、これまで防犯施設や用具の整備、セーフティ教室の実施、さらには教職員の安全指導に関する研修等を行ってまいりました。それらの対策を引き続き行いながら、これからもさらに家庭、地域の皆様の御協力をいただき、幼児、児童、生徒の安全対策を充実していくことが重要であると考えております。

 今後、御提案の内容も含め、学校の安全対策のよりよい体制整備について、区安全対策本部とも連携をとりながら検討をしてまいります。

 次に、次世代育成にかかわり、区立幼稚園における三歳児保育についての御質問であります。

 区立幼稚園の適正配置及び三歳児保育につきましては、渋谷区立幼稚園適正配置基本計画に基づき取り組んでまいりました。三歳児保育は、これまで私立幼稚園がその役割を担っており、私立幼稚園の動向や入園状況、地域の実情等を勘案して、渋谷区公私立幼稚園連絡協議会で協議をしてきた経緯がございます。今後とも区民の意向に留意し、区立幼稚園における三歳児保育について、一歩踏み出した努力を続けていきたいと考えております。

 次に、大学生活用事業についての御質問でございます。

 本事業は、主に授業の補助を中心に、ボランティアとして大学生の協力を得ております。二年目の本年度では、現在まで小学校十五校、中学校一校、幼稚園五園で合計百三名の学生の協力を得て実施しております。また、区内の大学以外からも二十六名の学生の協力があり、合計百二十九名、ボランティアの輪も広がってきております。

 活動につきましても、授業の補助のみならず子どもの遊びの相手や相談相手にも幅が広がってきており、様々な面から学校教育の充実につながっているところです。

 教育委員会といたしましても、教職を目指す学生の意欲にこたえようと、教職に向けたセミナーの開催、研究発表会や諸行事への招待等を行っております。

 給食費、交通費の支給につきましては、派遣をしている大学の意見も聞きながら、今後も検討を続けてまいりたいと存じます。

 次に、特別支援教育についての御質問です。

 これまでの心身障害教育から特別支援教育への転換は、障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちが豊かに暮らすことのできる社会の実現を図る新たな教育制度への転換であり、支援の必要な児童生徒に対する教員の理解、意識改革をこれまで以上に強く求めるものであります。

 そのため、平成十六年度から校長を初め全教員を対象に特別支援教育に対する基本的な理解や指導方法等の研修を実施しております。

 また、初任者研修、十年経験者研修、主幹研修、管理職研修などの中で特別支援教育の制度やLD、ADHD、高機能自閉症等の理解と指導に関する研修の推進を図っております。

 今後、渋谷区における特別支援教育の枠組みを明確にする中で、実際の事例などを取り上げ、さらに意識改革の徹底を図ってまいりたい、そのように考えております。

 以上でございます。



○副議長(金井義忠) 七番芦沢一明議員。



◆七番(芦沢一明) 区長、教育長からそれぞれ御答弁をいただきましたが、幾つかの点について申し上げておきたいというふうに思います。

 防災について、質問で申し上げました一時集合場所と避難場所、避難所それぞれ、この点、やはり区民の皆さんの多くが混同してしまっている状況にあるというふうに思います。この現状は、いざというときの混乱というものを最小限にとどめていくためにも、早急に是正していく必要があるというふうに思います。そのための啓発にも是非着手をしていただきたいというふうに思います。

 帰宅困難者対策は、原則広域対応ということはわかります。ただ、では、東京都が十分な準備をしているのかといえば、まだまだなわけですから、区としてこの問題を手がけていくことが、区民の避難体制を守っていくことに、私は直接つながっていくんだという問題意識、是非お持ちいただきたいなというふうに、要望しておきたいというふうに思います。

 子どもの安全対策に関しましては、幼稚園、保育園の対応、決して軽視していないんだという、例えば保育園での取り組みなども示されたわけであります。ただ、特に区立幼稚園独立園での警備員配置、対象の人数が少ないからというお話ございましたけれども、この点については改めて検討を求めておきたいというふうに思います。

 それから、三位一体改革のあるべき姿というものについて、区長から問題意識、御披露いただきました。目先だけの帳尻合わせになってはならないとのお考え、私も全く同感でありまして、意を強くしましたけれども、東京都の大都市行政や財調の見直しの問題をめぐる課題について、直近の都議会での議論の模様も紹介をされてのお話がございました。

 時期的に微妙な段階であるということと、与える影響などを配慮されて若干遠慮された御発言だったかなというふうに思いますけれども、区として、区と区民の利益を守るために、言うべきことは、これからも様々な場面ではっきりと主張していただきたいというふうに思っています。

 それから、建築紛争の防止のための新たな条例について、施行規則の改定などのお話をされて、新しい条例をつくっても限界があるというお話がございましたけれども、この点は、私はちょっとこの見解、残念なところもあります。既存の法や条例では、例えば住環境であるとか子どもたちの教育環境が守れなくなってきてしまっていることも、事実として現に出ている問題もあります。やはり計画の早期周知というものも条例で定めていくことだとか、あるいは事前協議の徹底など区の権能でもできる仕組みをつくっていくこと、この点は、やはり私、改めて求めておきたいというふうに思います。

 それから、介護保険の関係で、認知症の予防事業について実例を挙げてお考えをただしたわけなんですけども、認知症ではなくて、希望者と関心のある人が対象だったという御説明でありました。だから認知症の症状が心配になった人が対象から漏れてもやむを得ないということには、私はならないというふうに思います。

 予防と重度化を防ぐということであれば、こうした人たちへの具体的なサポートがなされるようにならなければ意味をなさないといとになってしまいますので、是非とも今後は使い勝手のよいプログラムというものを練り上げていただきたいというふうに思います。

 それから、乳幼児医療費の助成拡充の問題でありますけども、お答えが一番最後だったので、もう少しいいお答えいただけるのかなというふうに期待をしていたわけなんですけども、結論は、国の動向を踏まえつつ対処したいとのお考えでありました。

 ただ、今回は、必要性については区長は否定をされなかったというふうに受けとめたいと思いますので、次世代育成支援行動計画、これから区の取り組みも具体化をする中で、実現に向けて踏み出していただきたいというふうに思っています。

 教育長からは、区立幼稚園の三歳児保育について、具体化に向けた意欲的な御答弁が示されたわけであります。長年待ち望まれていた課題について、少し前へ踏み出すのかなというふうに期待をするものであります。ハードルは幾つかあろうと思いますけれども、早期の実現に向けて、今後も是非努力を重ねていただきたいというふうに思います。

 以上、意見と要望を申し上げました。あえて再度の御答弁は求めませんけれども、残された課題については予算審議などこれからの委員会の中で、未来の渋谷をつくる会、八名の所属議員からそれぞれ引き続いて取り上げていくということを申し上げまして、私の代表質問といたします。



○副議長(金井義忠) 議事進行上、暫時休憩をさせていただきます。

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   休憩  午後四時三十九分

   再開  午後五時一分

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○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 三十四番菅野 茂議員。



◆三十四番(菅野茂) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長に質問いたします。

 今年は戦後六十年という節目の年であります。第一の質問は、平和憲法を守ることについてです。

 戦後の日本は侵略戦争の反省に立って、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し、憲法九条で平和原則を定めて出発いたしました。この不戦の決意は今日の日本の原点であり、ますます重要さを増しています。

 また、国連憲章も、すべての条文が侵略戦争の再現を許さないと、全世界で平和ルールを確立しました。

 ところが、憲法九条について二大政党が競って改悪の流れにあることは重大で、一月二十日には中曽根元首相が、二月三日には民主党元代表の鳩山衆議院議員がそれぞれ改憲試案を発表しました。これは自民党、民主党の改憲案を先取りしたもので、これらの改憲試案は現行憲法九条二項の戦力不保持規定を削除し、軍隊の保持と集団的自衛権を容認するなどの点で全く共通しています。また、昨年十一月発表した自民党憲法調査会の改憲素案大綱では、自衛軍の設置、集団的自衛権の行使などが明記されています。

 しかし、こうした憲法九条改悪の動きに対し、党派を超え、「憲法九条を守れ」の声は大きな流れをつくり出しています。

 渋谷区在住の宮沢喜一元首相は、昨年十一月十一日の衆議院憲法調査会の公聴会で「私は、憲法が二十一世紀に生きる憲法であってほしい。また、そのように運用されることができるだろうという、かなり強い希望を持っているものであります」と述べ、さらに「私は、どういうことがあっても我が国は国外において武力を行使すべきではない」と陳述し、九条への思い、見識を示されました。また、九条の会の呼びかけ人の作家、大江健三郎氏は「九条は戦争に対する留め金の役割」と語り、渋谷九条の会の呼びかけ人、元三木首相の夫人である三木睦子さんは、区内の憲法学習会に参加し、二百五十人を超える参加者に「渋谷で三十年お世話になっている。憲法九条を守るために全力を挙げたい」と決意を表明。二月二十三日には、作家の瀬戸内寂聴さんら十六名の呼びかけ人による女性・九条の会が発足し、「私たち女性は、次の世代に平和を手渡すために憲法九条を守る運動を広げていきたい」と記者会見を行いました。

 今、草の根から「憲法九条を守れ」の運動がかつてなく広がっています。この大きな流れこそ二十一世紀の希望のある道であり、憲法九条改憲は、アジア、世界から孤立する道であり、未来はありません。

 そこで、区長に伺います。

 戦後日本の原点である憲法九条に込められた国民の決意である「戦争する国にはならない」という国際公約としての不戦の誓いと、日本が世界に率先して戦争放棄、軍備禁止という恒久平和主義に踏み出し、世界平和の先がけになろうという決意を区長はどう受けとめているのか。また、憲法九条を区政の施策に生かすため、例えば「国際平和と憲法九条」というテーマで区民参加のシンポジウムの開催などを行い、戦争のない世界へのメッセージを渋谷から発信すべきと考えますが、あわせて見解を伺います。

 第二に、国民に対する大増税、大負担増計画の問題です。

 小泉内閣の二〇〇五年度予算案の最大の特徴は、消費税増税までにらんだ連続的大増税、大負担計画です。マスコミも「本格的増税路線」「老いも若きも負担増」と報道しています。その内容は、二〇〇五年度、〇六年度の二年間だけでも雇用・厚生年金保険料の引き上げ、住民税均等割の妻の非課税措置の廃止、消費税の免税点の引き下げによる負担増など、既に決定している負担増は約三兆円、これから決められようとしている定率減税の廃止などによる負担増は約四兆円、合わせて約七兆円もの負担増となります。

 九七年の橋本内閣による消費税増税など九兆円負担は、橋本不況をつくり出しました。当時の家計収入は、全体で毎年五兆円から六兆円増えていました。それでも、九兆円負担増で景気の底が抜けてしまったのです。今回の大負担増計画は、国民の所得はこの数年、年間三兆円から六兆円減っており、その上、七兆円負担増ですから、まさに下り坂をおりているとき後ろから背中を押すようなもので、家計も日本経済も壊すものと言わざるを得ません。

 実際、国民の生活実態は、勤労世帯の実収入は六年連続で低下し、平均月額五十九万五千二百十四円から五十二万四千五百四十二円と七万六百七十二円、一一・九%も減少し、四百万人を超えるフリーターの平均年収は百六万円と、生活ができない深刻な事態に置かれています。

 神宮前のあるレストラン経営者は「最近、サラリーマンが昼のランチも食べに来なくなった。夜はさっぱり客は入らず、この上、定率減税が廃止されたらさらにお客が来なくなる」と怒りをぶつけています。

 この大増税には道理がなく、大企業と高所得者への増税には一切手をつけていないことからも明らかです。また、関西国際空港の第二期工事など無駄な公共事業は温存し続けているなど、税金の集め方、使い方が逆立ちしている構造こそ改革が必要だと考えます。

 そこで、区長に伺います。

 小泉内閣に対し大増税、大負担計画の中止を求めるべきと考えますが、答弁を求めます。

 石原都政についてです。

 石原知事が「命がけで憲法は破る」と憲法否定発言を繰り返していることは、憲法九十九条の憲法遵守規定に違反していることは明らかです。

 また、福祉関係予算の削減は二〇〇三年度までの四年間で八百五十六円にも上ります。この間、高齢者人口は三十六万人と二割も増加しているにもかかわらず、福祉予算を減らしたのは石原都政だけであり、美濃部都政時代は十一・七倍、鈴木都政でも二・四倍、青島都政では一・二倍と比べても、石原都政の異常さが浮き彫りになっています。

 これは区民の暮らしに大きな打撃を与えています。例えば、月五万五千円の高齢者福祉手当の廃止で約千人が打ち切られ、重度介護者や家族は訪問介護など介護サービスの回数を削り、食事を切り詰めるというところまで追い込まれています。また、障害者福祉手当の支給制限で、約七百人が月一万五千五百円の手当が打ち切られました。しかも、知事が充実すると言った新しい福祉や介護基盤整備はどうなったかといえば、グループホーム、デイサービスは全国最下位、ショートステイも四十六位など全国最低レベルとなっています。そのため、二〇〇〇年度から三年間で福祉関係費と開発関係費の比率がついに逆転し、二〇〇三年度では開発関係費が八百億円近くも上回っていることから見て、財政が厳しいのは福祉のためではなく、大型公共事業に莫大な投資をしていることにあります。

 そこで、区長に伺います。

 私は、石原都政の、福祉切り捨てを進め大型開発を福祉の上に置くという逆立ちした予算の使い方を転換すべきと考えます。その立場から、区長は石原知事に対し、福祉予算の削減をやめるよう申し入れるべきと思いますが、お答えください。

 区の二〇〇五年度予算についてです。

 第一に、桑原区長の税金の使い方です。

 政府の七兆円に及ぶ国民負担増と石原都政による都民への福祉切り捨てという二重の激痛が区民を襲っているときに、何よりも区民の暮らしを守ることを最優先に取り組むのが最大の役割です。しかし、桑原区長が編成した予算は、第一に、一年目と同様に森ビル主導の再開発事業の促進への補助金、ふれあい植物センター運営費、さらには渋谷駅周辺開発の検討、渋谷駅桜丘地区・渋谷駅東地区の市街地再開発調査経費や旧大和田小跡地施設建設の実施設計費の計上など、無駄な箱物を温存し、また、二度目のトルコ友好都市調査費として、議員、職員計十名の海外派遣費が計上されるなど、大企業優先、無駄なイベント事業の継続など、約十億円もの税金を投入していることです。

 第二は、据え置いた国保料二年分を一気に引き上げ、約二億八千万円を区民に負わせるとともに、介護保険の訪問介護利用料六%軽減助成の廃止、高齢者の安全確認のための福祉電話通話料月六百円、年間百八万円を削減し、高齢者、障害者の配食サービスの助成金を四十円削減するなど、わずかな財源を充てれば継続できるものも冷たく切り捨て、区民の負担増を押しつけていることです。

 第三は、住民運動や、我が党が条例提案や予算修正案を提出してきた保育料の引き下げや、未認可保育室等への助成の拡大や入院時のおむつ購入助成の現金給付の実施など、前進はしました。しかし、乳幼児医療費無料化の対象の拡大、介護保険料、利用料の減免制度の拡大を初め高齢者、障害者、中小企業への経済的支援についてはことごとく背を向けていることは、住民の福祉増進という自治体の本旨から逸脱するものと言わざるを得ません。

 第四に、開かれた行政運営になっておらず、区長のトップダウン方式による施策の決定、例えば、旧大和田小学校跡地利用、トルコへの議員、職員の派遣などであり、住民の参画を排除していることです。

 私は、区長に区民生活の深刻な実態を認識していただきたいと思います。我が党区議団が実施した区民アンケートは、暮らしを守ってほしいというものが多数ありました。その一例を紹介します。「老後に向かってお金のことはとても心配です。不安で、病気になったとき本当に困っています」という声です。

 また、定率減税の廃止や高齢者非課税廃止による影響は、区内の年金収入百八十万円で単身者の場合、現在、国保料二万九百四十円、介護保険料二万八千四百円の四万九千三百四十円で済んでいたものが、増税で十三万円にもなり、これまでの二・六倍です。一カ月分の年金収入が消えることになります。

 そこで、区長に伺います。

 このような区民の暮らしの実態を直視し、住民の目線で、区民の暮らしを守ることを第一に考えた予算案に切りかえるべきと考えますが、答弁を求めます。

 次に、国民健康保険料の大幅値上げについてです。

 区長は、〇四年度の予算では、厳しい経済・社会状況のもとで保険料の引き上げは、区民への負担を考えると引き上げできないとし、二十三区の統一保険方式から区独自の判断で据え置きました。私は、その時点で区長の対応を評価しました。

 ところが、二〇〇五年度予算案では統一保険料に逆戻りし、区民に大きな負担となる大幅値上げが示されました。均等割額で二万九千四百円が三万二千百円に二千七百円の値上げ、所得割率で一〇〇分の二〇四から二〇八へと住民税の二・〇八倍の値上げとなり、さらに、介護分として基準均等割額九千円から一万二千円に、賦課限度額が七万から八万に値上げしようとするものです。この値上げは区民一人当たりの平均で約五千五百円に上り、約二億八千万円の区民負担増となるものです。

 今こそ、長期の不況と国のリストラ政策など国保加入者が増加する中で、区民にとって国民健康保険制度が社会保障制度として、その機能を十分に発揮することが強く求められています。

 区長は所信表明で、保険料の値上げの理由について「増大する国保医療費に対応する必要がある」としていますが、区民生活は依然として厳しい経済状況にあり、区民は到底納得できるものではありません。区長は一年で区民の生活状況を忘れたのですか。

 区民に大きな負担を押しつける保険料の引き上げは撤回すべきと考えます。また、独自の減免制度の拡大を行い、負担軽減を図るべきと考えますが、あわせて答弁をお願いします。

 次に、介護保険制度の見直しと改善についてです。

 小泉内閣は、今国会に介護保険制度改革関連法案を提出しました。私は、介護保険制度の見直しに当たって、だれもが必要な介護サービスを安心して受けられるよう、高齢者、家族、介護関係者の実態を踏まえて改善されることが大前提だと考えます。

 区民の現状は、高い保険料のため、〇四年度の十二月末現在、普通徴収の保険料の未納者数は七千六百五十九人に上り、滞納率は七一・三%です。また、高い利用料のため在宅介護サービスの支給限度額に対する利用率の平均は四九%と、半分にも達しておりません。さらに、基盤整備の遅れで特養ホームの待機者は〇五年二月で六百五十人と増加し続け、必要な介護サービスが受けられないのが実態です。

 渋谷社会保障推進協議会が昨年十月から十二月まで三カ月間かけて行った高齢者四百四十一人の介護保険実態アンケート結果によれば、保険料の負担感について「重く感じる」が七割を占め、利用料についても「高い」と回答した人が三二%、「サービスの確保が困難」との回答も二九%。今後の介護保険に望むことでは「保険料減免制度」が三八%、「利用料の減免」が二九%で、切実な声となっています。

 私も実態調査に参加しましたが、寄せられた生の声には胸が詰まるものばかりです。例えば、介護度二の八十四歳の女性は「介護に使えるお金は五千円までと決めている。それ以上はとても出せない」など、必要な介護サービスを我慢せざるを得ない実態は明らかです。

 ところが、政府が提出した法案の最大の問題点は、介護に対する国の財政負担抑制を口実に、一つは、介護予防の名のもとに軽度の高齢者の介護サービス利用を制限することです。区内では、これによって影響を受ける人は、現在、要支援千三十六人と要介護一の二千百三十四人の合わせて三千百七十人の七、八割に及び、必要なサービスを取り上げることは、高齢者の生活と人権を踏みにじるものです。

 二つ目には、特養ホームなど施設に入所する人の居住費、食費を保険給付から外し、高齢者と家族に負担させようというものです。政府は、いわゆるホテルコストの導入で総額三千億円、入所者一人当たり年間四十万円の大負担増を利用者に転嫁するものです。

 政府が居住費、食費の保険外にする理屈としているのが、在宅でサービスを受けている人と比べて施設に入っている人の自己負担は軽く、不公平であるということ。もう一つが、施設入居者は年金と介護保険を二重取りしている、いわゆる給付の重複だと言っています。しかし、区民の実態調査でも、六一%の人が年金月額十二万以下で生活しているのです。特養ホームに入所している人にも、家族が住む自宅を残している人はいます。特養ホームに入りたくても順番待ちで入ることができず、老人保健施設を転々としている人も多数います。まさに今法案の居住費などの徴収は、自宅の居住費用の上にさらに負担を求めるということであり、給付の重複どころか負担の重複の押しつけ以外の何物でもありません。

 三つには、現在、国と自治体が行っている検診、機能訓練、給食サービスなど福祉事業を介護保険に移し、これにより介護予防重視を言いながら、国の負担は最大で四百億円も削減され、公衆衛生や高齢者福祉への公的責任を投げ出すものとなっていることです。

 そこで、区長に伺います。

 以上、指摘した三つの問題点は、介護に対する国の財政負担を抑制することを口実に、高齢者の介護サービス利用を大きく制限し、大幅な負担増を区民に押しつけるものです。こうした介護不安を拡大するだけの介護保険制度改革関連法案の撤回を国に求めるべきです。

 改革を言うのであれば、安心して必要な介護サービスを受けられるようにすべきです。国庫負担を三〇%に引き上げ、保険料、利用料の減免制度を国として創設すること、特養ホーム待機者の解決を初めとした介護施設の基盤整備の計画化、さらに保険料は所得比例や多段階制など所得に応じた設定を行い、施設利用料も所得に応じた額にし、また、在宅サービスの利用限度額を見直し、要介護度の重い人には限度額を撤廃し、必要なサービスを介護保険で受けられるよう、以上の点を国に要請すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 第二に、国の訪問介護特別対策事業を三月末で廃止する問題です。

 当区の場合、国の所得基準より緩和し、二人世帯で年間二百三十一万七千円以下、新規利用者にも適用し、利用状況は〇四年二月現在で高齢者の千二百二十五人が六%の減額を受けています。訪問介護は在宅介護サービスのかなめとなり、現在、利用者が最も多いサービスです。必要なサービスが安心して受けられるように高齢者の尊厳を守るというのが区の介護保険の理念です。この具体的な施策が利用料の負担軽減ではないでしょうか。

 私は、訪問介護を初め在宅サービスの役割は、要介護者の介護だけではなく、家族を支えていく役割も担っていると考えます。

 そこで、区長に伺います。

 現在、軽減助成を受けている約千二百人以上の人は、国の事業の廃止により一割負担になります。例えば、一日二時間の訪問介護を週五日利用する場合、現在の六%の利用料ならば負担額は月九千八百円ですが、それが月一万六千三百円になり、一カ月当たり六千五百円、年間では八万円近い負担増となり、所得の低い人がますます介護保険から排除されることになります。国の特別対策の廃止に伴う救済措置として、区が実施している介護保険サービス利用者区負担助成制度の預貯金制限を撤廃し、三%軽減の対象拡大を図るべきと考えますが、答弁を求めます。

 第三に、特別養護老人ホームの増設についてです。

 実態調査の中で、介護度四、九十二歳の女性の方は、特養ホームがポイント制になり、介護度四、百三点で待機の順番が五十番目、施設から「一年に五人しか入れ替わらないので、十年以上かかるからあきらめた方がよい」と言われ他県に申し込んでいるなど、心を痛める多数の声が寄せられています。

 国は、二〇〇五年度から特別養護老人ホーム整備などへの補助金を交付金化し、増設については国が都道府県の定める施設環境改善計画を審査し、決定すると聞いています。

 そこで、区長に伺います。

 区の特別養護老人ホームの待機者は六百五十人と増加し、住民の不安と怒りは広がるばかりです。緊急課題として第四、第五の増設計画を都に提出し、都の施設環境改善計画に反映できるようにすべきです。

 また、都の特養ホーム建設補助が、九九年度と比べ二〇〇五年度予算案では百十四億円削り、百二十三億円まで減少。同様に、運営費補助も同年対比で二百四億円削り三十一億円まで減少しているのが実態です。都に対し、特養ホームの建設費及び運営費の補助の増額を強く要請すべきと考えます。

 以上二点についてお答えください。

 次に、防犯・治安対策として、交番の常駐体制についてです。

 我が党区議団が行った区民アンケートに、区内の交番に警察官の常駐体制をとってほしいという要望が出されました。東京都の〇四年度予算では、治安対策として、空き交番解消に向け警察官OBを活用して交番相談員二百人を増員しています。我が党区議団が区内原宿署管内六カ所、代々木署管内九カ所、渋谷署管内十三カ所の計二十八カ所を調査した結果、常駐体制がとれていない交番が十一カ所あり、この中には相談員が配置されているところと、機械が対応するハイテク交番があり、夜間は空き交番になっています。鉢山にあるハイテク交番の隣の住民は「なぜ交番があるのに警察官を常駐させないのか。夜は不安で仕方がない」と話しています。

 そこで、区長に伺います。

 地域住民にとって交番は治安のよりどころとして、二十四時間常駐化がますます必要と考えます。早急に常駐化を図るよう東京都に要請すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、コミュニティバスのルート拡大と、シルバーパス所有者の適用についてです。

 昨年第四回定例会で我が党の提案に対し、区長は今後の運営について「既存のルートの利用状況等を見ながら検討したい」との答弁でした。私は、この答弁を踏まえながら改めて提案いたします。

 渋谷区コミュニティバス導入検討委員会の提言でも、コミュニティバス導入の社会的背景の一つとして、都市の既成市街地において医療、福祉施設、その他の公共・公益施設への移動手段として、また、社会参加を支援するシステムとしての役割が今後ますます高まると考えられること、渋谷区の抱える主な交通課題として、渋谷駅から放射方向の路線がほとんどのため、渋谷駅でのバスの乗りかえが必要となるなど不便さがあると指摘しています。まさに提言が指摘している地域として挙げられるのが、千駄ケ谷地域、神宮前地域から東、渋谷、広尾地域へのルートであり、地元住民の切実な声となっています。

 また、ルート拡大の意義として、コミュニティバスなど公益交通が高齢者の社会参加を支援する役割に加え、介護予防の効果をもたらすことです。東北大学の辻 一郎教授は「バスに乗っていると最高のバランストレーニングになる。建物を建て、機械を使ってバランストレーニングをするよりもバスに乗っている方が楽しい。そうした幅を広げることも必要である」と提案しています。

 介護予防も視野に入れ、港区が独自にシルバーパス所有者に乗車券を発行しているように、区として区内のシルバーパス所有者に対し独自の無料パスを発行し、シルバーパス所有者の高齢者も積極的にコミュニティバスを活用できるようにすること、第三ルートを神宮前・千駄ケ谷地域方面に拡大すべきと考えます。見解を伺います。

 次に、原宿の大規模留置場建設問題についてです。

 多くの住民は三百人規模の原宿留置場建設は認めていないということを、まず区長は認識すべきです。

 その理由は、第一に、今回の原宿警察署に附属する三百人の大規模留置場の計画は、留置場の本来の趣旨を大きく逸脱し、国際的にも国内的にも大きな問題とされた代用監獄を恒久化することにつながる人権問題であること。

 第二に、大規模留置場建設に道理がないことです。東京都は留置場の過剰収容を理由に挙げていますが、二〇〇二年三月十四日の都議会予算委員会において、野田警視総監は「留置場が過剰収容となっている主な理由の一つは、本来、拘置所に移監されるべき者が移監されていないことである」との発言のように、本来、国の責任において拘置所の増設を速やかに行うよう要請することが道理ある対応であるからです。

 第三に、このことにより、文教地域にふさわしい跡地利用の可能性を拡大させることができるからです。

 そこで、区長に伺います。

 昨年の第四回定例会の答弁で、区長はこのことについて「認めているというわけではありません」と述べています。その立場で明確に三百人は認められないと都に申し入れるべきです。答弁を求めます。

 次に、地下駐車場を経営する都市整備公社の問題についてです。

 区が六十億円出資する地下駐車場を経営する都市整備公社の株主総会で、資本金を八十億円から一億円にしました。これに伴い、資本金の出資比率に応じた減資が行われ、減資された七十九億円のうち破綻寸前の累積赤字七十二億円の穴埋めに投入し、経営改善を図ると言っています。帳簿上の無償減資と説明しておりますが、区民の税金である区の出資六十億円のうち、五十九億二千五百万円の区民の税金が赤字の穴埋めに投入され、失われたことは許されません。

 これまで出資金六十億円、社債購入四十七億円、十億円の入り口建設と九十億円の損失補償、区所有になってからも会議室を毎年四千万円と、税金投入を繰り返してきました。これまで区長は「赤字の公社に税金は投入しない」と区民に言明してきたではありませんか。結局は、破綻した地下駐車場の経営に税金を投入し、自ら経営責任をだれ一人とらず、区民の税金が投入されたことは区長の政治責任が問われる問題であり、その責任は重大です。区長の見解を伺います。

 次に、まちづくりについてです。

 まず、住友不動産の超高層マンションによる教育施設に対する日影被害の問題についてです。

 神宮前二の三十四の六に高さ百二十七メートル、三十四階建てのビルの落とす日影は千駄谷小学校・幼稚園を直撃するもので、午前十時から午後二時まで、ちょうど子どもたちの学校生活の大半の時間帯に太陽が奪われることになります。子どもたちの財産でもある学校、幼稚園の環境を守ることは、教育委員会は当然のこと、区長の責任です。今、保護者は必死で「子どもから太陽と青空を奪うな」と、被害の拡大をさせないため、中高層建築物紛争予防条例の改正などを行い教育施設の日照を確保することを求め、署名運動に取り組んでいます。

 区長は、子どもと学校の環境を守るため、中高層建築物紛争予防条例の改正や絶対高さ制限など、具体策を講ずるべきと考えますが、見解を伺います。

 次に、渋谷駅周辺再開発の問題についてです。

 昨年、日本経済新聞が「渋谷駅大幅改造 総事業費一千億円を超す見通し」「国土交通省は都市鉄道等利便増進法案を通常国会に提出準備」「費用負担は国と地方自治体が全体の七割を負担する新たな事業」と報道しました。この報道のとおり、通常国会に都市鉄道等利便増進法案が提出されました。

 私は、この法案について国土交通省の課長補佐から説明を受けてきましたが、費用負担については国三分の一、地方自治体三分の一、第三セクター−−実施主体が三分の一ということです。また、渋谷駅の場合は駅周辺施設の整備を一体で行う交通結節機能高度化構想の事業になることが明らかにされました。区は既に渋谷駅周辺整備ガイドライン21をまとめており、その受け皿が今回の法案と言えます。私は、だれのための開発かが問われると考えます。

 もし区長がこの法律を活用すれば、例えば、総事業費一千億円の三分の一、約三百億円の区税が投入されることになります。しかし、自治体が拒否することができる法律でもあり、区長はどう対応するつもりなのか見解を伺います。

 最後に、代々木二丁目プロジェクト建設問題です。

 この代々木二丁目のプロジェクトの新築工事は、代々木二の二十五の一に高さ百三十七・九一メートル、地上二十六階、地下三階の建設計画で、この土地の一部は、二〇〇三年六月、渋谷区が所有していた代々木二丁目職員住宅等を代々木ゼミナールを経営する学校法人高宮学園に売却したものであります。この売却をめぐって、〇三年五月の区議会に補正予算として提案され、総務区民委員会で集中審議を行ったものでありますが、〇三年六月九日、区長も出席された総務区民委員会で我が党の五十嵐議員は、区民の貴重な財産を処分する重要案件なので、どういう経過から売却することになったのかを質問しております。

 当時の経理課長は「十三年中ごろに隣地から、もし売るならば買いたいという申し出があった」と答弁しました。隣地というのは、代々木ゼミナールを経営する法人、高宮学園です。我が党区議団は、貴重な区民の財産を勝手に処分した問題を指摘し、だれのための売却だったのかと問題提起しました。旧職員住宅地は容積率が二四〇%に対し、代々木ゼミナールの校舎と一体になれば最大容積率は五〇〇%にもなること、さらに、土地の売却価格は一平方メートル約八十万ですが、前面の代々木ゼミナールの路線価は一平方メートル百四十九万円です。単純に計算すると、代々木ゼミナールは一平方メートル六十九万円、約十三億もの利益となります。これは高宮学園に対する利益誘導ではないのかと問題にしました。

 去る今年二月二十四日、この売却された土地を含む代々木二丁目プロジェクトの工事説明会が開かれ、地域住民など百五十人が参加しました。この席上、建築主である学校法人高宮学園の側が重大な発言を行いました。

 区から売却の話があり、高宮学園側は、位置指定道路を廃道にして有効活用したいと条件を出し、区も了解して実際の公示価格より高く取得したと言っています。また、売買条件の中の通路を確保することについても、別の通路を確保するので区の条件に抵触しないとも発言しています。どういうことでしょうか。

 つまり、これを要約しますと、まず区が高宮学園に旧職員住宅の土地を買ってほしいと申し入れ、「旧職員住宅と代々木ゼミナールの真ん中にある位置指定道路を廃止して他に通路を確保してくれれば大きなものが建つ。安い買い物だよ」と区民の財産を売ったということです。これが事実とすれば、利益誘導と言われても仕方ありません。区民には、高宮学園からもし売るなら買いたいと申し出があったとうそを言って、高宮学園には位置指定道路の変更まで事前に協議して勝手に区民の財産を処分。一企業に莫大な利益を与えるという便宜を図り、その結果、百三十八メートルもの超高層ビルが計画され、住民の住環境が破壊されるという甚大な被害を与えるものです。

 そこで、区長に質問いたします。

 旧職員住宅の売却について、だれが、いつ、どこで話し合われたのか、事前に位置指定道路の廃道及び変更について協議された事実はあるのか、さらに、議会には隣地から申し出があったと報告し、この建築計画によって近隣住民に甚大な被害を与えていることについて、区長の政治責任が問われます。明解にお答えください。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の菅野 茂議員の代表質問にお答えをいたします。

 一点目は、憲法改正の件でございますけれども、憲法を改正しないように、こういう視点からのお尋ねでございます。たびたびお答えしておりますとおり、国際情勢の変化に対応し、憲法九条を含めて改正の検討をしようということについては、何ら口を挟む考えはございません。

 また、シンポジウムや、この改正をさせないためのメッセージの発信は、考えておりません。

 次に、小泉内閣に対する増税、負担増計画の中止を求めるべきであると、こういうお話でございますけれども、少子・高齢化の進む中で、国民の社会保障制度をどうするか考えることは国政として当然のことでございまして、その財源のあり方については国政レベルにおいて十分論議を尽くしてもらいたいと、このように思っております。

 石原都知事の、この都の予算についてでございますけれども、都予算は都知事の権限と責任において編成されるものでありますから、都議会において論議を尽くすべき問題であると、このように思っております。

 国保料の値上げについてでございます。国保事業は、もともと給付と負担の公平が要請される保険制度であります。しかし、十七年度は医療給付費が著しく増大し、一般会計から巨額の繰入金も必要とし、また、そのことが国保被保険者以外の者に多額の負担をお願いすることになるということでございます。また、二十三区におきましても、統一保険料算定に当たりまして、本区の状況も踏まえたその料率決定をしてきた、こういったそれぞれの経緯を判断し、今回、二十三区の統一保険料に従うこととしたものでございます。

 介護保険制度に関連いたしまして、関連法案の撤回を国への要望するようにということでございますけれども、その考えは持っておりません。

 次に、国の訪問介護特別対策事業の廃止に対しまして、区の利用料金の負担軽減対策の拡大についてということでのお尋ねでございます。

 国の訪問介護特別対策は、介護保険制度創設時の激変緩和措置でありますが、本区は区の独自の低所得者対策として実施をしているものでございます。したがいまして、預貯金基準の撤廃は考えておりません。

 次に、第四、第五の特別養護老人ホーム増設計画を都に提出をするようにということでございます。

 本区におきましては、本年十二月、第三特別養護老人ホームを開設する予定でございます。また、笹塚にグループホームを、幡ケ谷にグループリビングを建設する予定でございます。今後は「施設か在宅か」という選択ばかりでなく、こうした多様な施設整備を進め、特養待機者の解消に努めてまいりたいと考えております。したがって、第四、五四の特別養護老人ホームの計画を都に求める考え方は持っておりません。

 次に、都の建設補助費や運営費の増額を要請すべきであるということでございます。

 国の今回の改正の中て、施設建設にかかわります補助金が交付金化するなど、大きく変わる予定でございます。これに伴い、都の補助金制度も変わる可能性がございますけれども、当面はその推移を見たいと考えております。

 治安対策についてでございます。

 ここ数年、空き交番の問題については全国的な問題として取り上げられており、警察官の絶対数の不足がその原因であるということは言うまでもありません。都におきましても来年度、警察官を三百人、交番相談員を三百九十人増員し、東京都職員の警視庁への派遣を継続するなど、空き交番対策を含め、警察活動の強化に積極的に取り組んでいるところでございますので、その推移を見たいと思います。

 コミュニティルートの拡大ということにつきましては、既存ルートの利用状況を見ながら検討してまいりたいと、このように考えております。

 シルバーパス利用者ヘの無料パスの発行については、そういう考え方は持っておりません。

 原宿の大規模留置場建設問題でございますけれども、このことに関しましては、多年にわたって区民や区議会と協議しながら今日に至ったものでございます。これからも地域の考え方を大切にしながら対処してまいります。改めて都に申し入れる考えは持っておりません。

 都市整備公社の問題でございます。このことは、新たな税制の導入に伴いまして、その税負担節減を図るために対応するものでございまして、そのことが経営基盤強化になる、このように考えております。したがいまして、見当違いの指摘であると、このように思っております。

 まちづくりに対する区の対応でございますけれども、このことについては芦沢議員に御答弁したとおりでございますので、御理解をいただきたい、このように存じます。

 駅周辺再開発についてでございます。このことについてはたびたび御答弁申し上げたところでございまして、渋谷駅は、都内有数の交通結節点でありながら老朽化が進んでおり、一方、地下鉄十三号線の開業を控え整備、改良が求められているところでございます。都市鉄道等利便増進法案は、駅周辺の一体的な整備により交通結節機能の高度化を図るための整備手法の一つであると、このように聞いております。渋谷駅の改良や東西駅前広場の整備等について、関係機関と協議を進めているところであり、今後も引き続き関係機関と協議・検討を進めてまいりたいと、このように思っております。

 なお、三百億円以上の区税投入と言われておりますけれども、そのことについては区長が関知しないことでございます。

 代々木二丁目プロジェクトについての、建設問題についてのお尋ねでございます。

 旧職員住宅の売却につきましては、御質問の中にもございましたけれども、総務区民委員会でその経過については御報告を申し上げたとおりでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

 また、交渉の中で、通路の確保について調整、協議を行ったところでございます。

 本件の売却については、所定の手続に基づき適正に行ったものと、このように思っております。

 私の答弁は、以上でございます。



○議長(丸山高司) 区長、区の二〇〇五年度予算案について、変更する気はあるのか、ないのか。



◎区長(桑原敏武) 失礼しました。

 区の二〇〇五年度予算案でございますけども、このことについては、区民の生活に配慮した予算編成であると、このように思っておりますので、切りかえる理由はない、このように思っております。

 失礼しました。



○議長(丸山高司) 三十四番菅野 茂議員。



◆三十四番(菅野茂) 区長に答弁いただきましたけども、再質問いたします。

 平和憲法九条を守る問題については、区長の認識は余りにも今の世界の平和の流れに即してない。二十一世紀に入った今、世界のこの流れは、戦争のない世界、こういう大きな流れになってきているんです。国連でも、報告書には、各国の憲法に日本国憲法九条のような戦争放棄条項を入れるべきだということが言われており、戦後六十年が経過して、憲法九条が掲げた理想に現実、国際政治が近づいている。国際交流、平和渋谷と言うんであれば、これをしっかり区政に生かすべきだ。強く指摘しておきます。

 さらに、区長の税金の使い方について再度質問します。

 区長は、深刻な区民の生活実態を認識すべきです。生活保護世帯は〇三年十二月対比で百二十世帯も増加し、中学校の就学援助を受けている生徒は、全生徒約三人に一人に達しようとしているわけです。中小企業倒産も昨年一年間で百二十六件、三けたを連続して続いている厳しい状況に置かれているわけです。

 しかし、区長は大企業優先と言うべき森ビル主導の神宮前四丁目再開発には総額約十九億七千億円も税金を投入する予定であり、さらに、渋谷駅周辺再開発では、約三百億円とも言われる膨大な血税が投入される予定です。今の答弁でも、協議を続けると言っているわけです。

 また、トルコへの議員、幹部職員の海外派遣など、区民にとって不要不急なこういうイベント事業、大企業優先の開発に対する補助金を削減していくべきです。区長の答弁を再度求めます。

 私が提案した国保料の据え置き問題でも、自治権を持った区が自主的自立性を発揮して、区が区民の立場で独自の判断をすべきです。また、介護保険の訪問介護についても、区長が言う現在区が行っている制度では八十七人しか利用できないわけです。千二百人の人々を一割負担増に追いやるんですか。是非これは区が負担すべきです。この負担を軽減すべき制度を実施すべきです。これは答弁を求めます。

 さらに、まちづくり問題について伺います。

 代々木二丁目職員住宅跡地の、高宮学園への売却の問題です。

 区長は明確な答弁をされませんでした。あれでは区民は納得できません。私が入手した土地売払申請書、ここに持っております。これは平成十四年九月五日、当時の高宮学園理事長が小倉区長に提出したものです。ここには「協議の結果、合意した」。土地売払申請書そのものにですね、金額、買収金額「十五億五千万」、利用計画「学校及び関係施設用地」と記入されているわけです。本来ならば土地売払申請書が出されて協議に入るべきなのに、事前に協議していて、しかも、高宮学園が有利な形で区有地を買収をし、区は高宮学園にまず最初に働きかけた、このことがなければ協議の結果合意したという土地売払申請書の、この申請用紙が成立しないということになるわけです。

 区が働きかけ、協議を事前に行い、しかも路線価よりも安く区の土地を売却したという問題は、重大な問題であります。ですから地元住民は、これはまさに利益誘導ではないかと。区長、そのことについては区民に明確に事実経過、いつ、だれが、どこで、そして事前協議を行ったのかどうか答弁されていませんので、この点については答弁をお願いいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 菅野議員の再質問に対してお答えをいたしたいと思います。

 二点あったかと思いますけども、一つは区税の使い方についてでございますけれども、私はこのことについて、しっかりと区民の立場に立ってこの予算編成をしたと、このように思っておりますので、この議会においてそれを質疑をしていただければいいと、このように思っております。

 それから、教職員住宅の売却でございますけれども、土地売払申請書というのは出ておりますけれども、これは渋谷が、売払申請ですから、当然相手方から申請を出させて、そのことについて売却をするという形をとったわけでございまして、そのこと自身は、私は何の手続違反でもない、こういうふうに思っておりますし、このことについて、きちっと鑑定評価の上でこれへの対応をしているということでございます。ですから、価格につきましても手続についても何ら問題はない、私そのように思っておりますので、以上の答弁とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 三十四番菅野 茂議員。



◆三十四番(菅野茂) 再度の答弁いただきましたけれども、これでは区民は納得いたしません。

 この土地売払申請書については、合意をしたということが問題です。事前に。しかも区から働きかけ、区民の財産、かけがえのない財産をですね、安く売り、しかも、その土地が住民に被害を与える、莫大な利益をもたらすですね、超高層ビルを建てられるということが、事前に区は承知してそれを合意したと。その協議の結果、合意したから、この事前の申請書の中にもですね、盛り込まれる。それだけの重大な問題です。

 区長は区民にとって、今の説明では絶対納得できません。これは利益誘導と言われても仕方ない事態じゃないですか。明確に答弁をお願いいたします。

 私は、区の税金の使い方問題含めて、大型開発優先の税金の無駄遣いを抑えれば、我が党が今回、議会に提案いたします予算修正案でも九十事業、十九億円の予算で、現在、渋谷区が積み立てている三百四十一億円の積立金のわずか三・数%を使うだけで、区民の暮らしを支える渋谷区の、この区政をつくることができるわけです。

 住民の立場で今こそ区政を暮らし応援の区政に切りかえる、そのことのために全力を挙げて奮闘することを決意申し上げまして、質問を終わりにさせていただきます。



○議長(丸山高司) 二十九番広瀬 誠議員。



◆二十九番(広瀬誠) 大変長い時間になっておりますが、引き続き三十分ほど私の方の質問をよろしくお願いいたします。

 なお、重複する部分にかかわりましては、よりよい答弁を、またよろしくお願いをいたします。

 区議会公明党を代表して、区長並びに教育長、関係理事者に質問をいたします。

 本区の平成十七年度一般会計歳入歳出予算額は七百六十一億三千五百万円で、前年度に比べ九十億九千八百万円、一〇・七%の減となっております。私ども会派要望も踏まえ、福祉、教育、文化は言うまでもなく、特に子育て支援、子どもの安全対策などに配慮した新規二十二事業を盛り込んだ予算であり、大いに評価をいたしております。

 財政運営については昨年も区長の所見を伺っておりますが、所信表明の御認識どおり、国の三位一体改革は、本区にとって最悪の個人住民税所得割税率フラット化となり、減収は必須となっております。こうした厳しい状況の中で、区長にはさらには英知を結集し、勇気をもって困難を乗り切っていただくわけでありますが、私ども会派も一丸となって、渋谷の今日を築かれた区民の皆様や次世代を担う方々のため、しっかりと支えさせていただく決意であります。

 初めに、財政見通しについて区長に伺います。

 税制改正に伴う社会保険料−−国保、介保への影響についてであります。

 このたびの税制改正により、平成十七年度の住民税から配偶者特別控除が廃止されるとともに、従来、夫が均等割を払っていれば、妻には所得があってもかからなかった均等割が課税されるようになりました。また、平成十八年度からは、これまで所得金額百二十五万円以下の高齢者は非課税となっていましたが、これが段階的に廃止されることになり、また、定率減税についても、住民税所得割一五%、限度額四万円の減税は十八年度では半減となり、十九年度には廃止されることになります。さらに、年金税制の見直しや老年者控除の廃止も平成十八年度から実施される予定であります。

 こうした十七年度及び十八年度の税制見直しにより、住民税額が増額となります。また、これまで非課税であった高齢者が新たに課税されることになった場合は、住民税額をもとに算定している国保保険料、介護保険料などの社会保険料は大きな影響を受けることになります。住民税の増額とあわせて、国保と介保の保険料額も大きく引き上げざるを得ない状況になるのではないかと懸念されております。

 本区においても税制改正に伴い、国保、介保の保険料は負担増になるものと予測され、このことに対して、区として適切な措置を講じる必要があるのではと考えます。

 そこで、区長に伺います。

 まず、本区の国民健康保険料についてでありますが、このたびの税制改正により、その保険料額は今後、大きな影響を受けることになると考えられますが、具体的にどの程度の保険料引き上げにならざるを得ないか、見通しをお尋ねいたします。

 また、介護保険料についても、税制改正が今後の保険料額にどのような影響があるのかをお尋ねいたします。

 続いて、行政コストの表示について区長に伺います。

 我が国の公会計制度は明治時代に確立され、以来、大きな改革もなく今日に至っております。この単式簿記・現金主義会計は、当該年度に行った現金支出の把握や、議会で議決された予算科目に沿って現金が正しく使われているか否かを点検するためにはすぐれているようであります。しかしながら、現金以外の資産や負債の情報が盛り込まれておりません。また、将来にわたり行政サービスの提供に資する施設の建設費であれ、当該年度の行政サービスに要する人件費であれ同じ支出として認識されることにより、行政サービスに要した真のコストが不明確となり、その結果、事業の費用対効果を測定することができないなどなどの欠点が指摘されております。

 こうした欠点を補うため、国や地方自治体で、現行の公会計を基本としながらも、一部企業会計手法の導入が試みられております。本区においても、我が会派の要望を受け、平成十四年度からバランスシート及び行政コスト計算書の作成、公表が導入されましたが、これにより資産、負債の状況が明確になり、かつ事業のコスト情報の把握が可能となったことを高く評価をいたします。

 言うまでもなく、区制は区民の信託を受け税金を徴収し、民主的なプロセスを経て決められた予算に基づき、多様な行政サービスを提供しているものと認識していますが、私は、その前提として、まず区民に各種施策や事業の実施コストを明らかにし、費用対効果、事業の評価等についての情報を正しく提供することが必要であると考えます。そのための具体的な方法として、行政コストの表示を提案をいたします。

 これは、簡単に言えば、一つの事業あるいは一つの施設の建設にどれだけのお金がかかったかを表示することであります。例えば、本区の様々なパンフレット類のコストを表示します。また、区の諸施設、例えばスポーツ施設等区民利用施設について、この施設を建設するために幾らかかり、維持・管理し、事業を運営していくためにはこれだけの予算が必要だというようなことを記したプレート等を入り口に掲示してもよいと考えます。さらに、橋梁架け替えや道路建設には、総予算額や投入された税金、一メートル当たりの単価などを表示されてもよいのではないでしょうか。

 無論、行政サービスの中には福祉、教育分野の事業、施設など、単純にコストでは評価、判断し得ないものもあることは十分承知をいたしております。したがって、そのような対象は論外でありますが、それ以外について可能な限りコスト表示を行っていくことは、区政運営の透明性を高め、区民の区政への理解と参加を促すという点で大変効果的であると考えます。

 まさにイギリスの政治学者、ジェームス・ブライスの言うとおり、地方自治の現場は民主主義の学校であり、区民の方々に行政活動にはお金がかかる、どの程度かかるのかということを理解していただくことを通して、また、職員の方たちも自らの実施する事業がコストに見合った成果を上げているか常にチェックし、最少の経費で成果の最大化に向け、積極的に取り組むようになる。職員のコスト意識を醸成し、常に強い緊張感を持って業務を遂行することになり、効果的であると考えます。

 このように多くの効果が期待できる行政コスト表示を是非導入されたい。まずは、これから新規にオープンする施設から始めてはいかがでしょうか。本区も、今後とも民間企業と同様の感覚で、施設などの経営資源の有効活用に一層取り組んでいただきたいと存じます。他の自治体でも、コスト表示だけでなく、今後の改築、改修の見通しなどを視野に入れて施設白書を導入しているそうであります。区立施設の有効活用、適正配置、再編の検討や改築・改修計画の策定に有効かと考えますが、あわせて区長の所見を伺います。

 寺田寅彦の名言「災害は忘れたころにやってくる」。昨年は、忘れる間もなく災害が猛威を振るいました。史上最多の台風の到来による水害、十月二十三日に発生し、深刻な被害をもたらした新潟中越地震、そして年末のスマトラ島沖大地震と大津波の惨禍。

 皆様御存じのように、十二月二十六日、マグニチュード九・〇の大地震により大津波が発生、そのスピードは時速八百キロメートルというジェット機並みの速さで、その津波の高さは三十五メートルと、十階建てのビルに匹敵するという強烈なものでありました。その津波がインド洋沿岸のインドネシア、スリランカ、タイ、インド、アフリカ東部など広範な地域を襲い、死者、行方不明者、犠牲者は三十万人を大幅に超えるという、かつてない大被害をもたらしております。日本人の犠牲者も二十九人を数えているとのことです。まずはすべての犠牲者の御冥福を祈らずにはおられません。また、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 この一月の十七日、忘れることのできない阪神・淡路大震災から十年の歳月を重ねました。

 一九九五年一月十七日火曜日、午前五時四十六分、震度七の激震が兵庫県の南部を襲い、甚大な被害は神戸を中心に大阪など他府県にも及びました。死者、行方不明者六千四百三十六人、負傷者四万三千七百九十二人、そして家屋の全壊、半壊二十四万九千百八十棟。破壊は一瞬で地獄の苦しみに変わりました。

 私ども支持団体の地元九会館では、被害者の受け入れ、近隣の友のために尽くし抜く支援がいち早く開始をされております。

 地震が起きた一月十七日から二十二日の初期段階の五日間で、二十二万本のペットボトルの飲料水、十一万本のお茶、六十五万個のおにぎり、五十万個のパンが用意され、また、缶詰三十一万個、携帯用カイロ三十五万個、毛布七万五千枚、卓上用コンロ三万五千台、紙おむつ四万人分、粉ミルク五千五百缶、衣料品二万五千箱などなど準備をされたわけです。それらを届けるのにヘリコプター延べ四機、トラック延べ千二百二十台、チャーター船延べ三十艘、バイク延べ九百台等で迅速に届けられました。さらに、七百人に及ぶ医療スタッフの派遣、義援金の贈呈、また、子どもたちの教育のために教育委員会への学用品の提供、学校への図書贈呈なども実施をされました。ちなみに、私ども当時の区議団も、カイロを背負って西宮市に支援に入らせていただきました。

 膨大な物資の量も、生活に細やかに配慮された質も、鉄道、道路が壊れ、ライフラインも寸断されたまち、その奥の奥まで皆、被災者の方々の必要に即応するため物資を届ける迅速な対応が行われました。組織があったから動いたのではありません。苦しんでいる方々の痛みを共にし、行動せずにはいられぬ同苦の心が、真心のネットワークとなってフル回転したのであります。

 有名な言葉に「一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を祈らん者か」とあります。平和と安穏と幸福の社会を祈らずにはおられません。

 災害に強い渋谷のまちづくりは緊急課題であります。様々な危機管理の視点で区長に所見を伺います。

 災害対策として、災害時の被害を最小限に食い止めるには、情報の迅速性が大事になります。特に水害は、状況が刻一刻と変化することから、区民に対する関係情報を素早く提供できるかどうかが被害の程度を大きく左右いたします。災害危険情報を携帯電話やITを活用して積極的に開示すべきと考えます。

 今、幾つかの自治体は、携帯電話等で閲覧できる自治体固有のモバイルサイトを持ち、災害時の重要なお知らせを掲示したり、また、その画面から事前にメール受信の登録をすると重要な情報が区民に送信されるというシステムを採用しております。日本の携帯電話の普及率が約七割になろうとしていることを考えると、重要な情報をメールで伝達することは最も有効な手段であります。

 災害時以外には、このシステムを安全・防犯情報の提供に利用することにより、登録者を増やすことができると思います。区のモバイルサイト重要情報のメール送信システムの導入について、区長の所見を伺います。

 災害時の通信手段の確保として、被災地の接続が優先される優先電話や、今、述べたように、文字情報として携帯電話のメール機能は有効な手段であります。

 災害発生直後に最も求められるのは、安否確認と言われます。安否確認は、特に都市災害で大変重要となります。政府の中央防災会議によると、首都直下型地震が起きた場合、家に帰れなくなる帰宅困難者は、首都圏を中心に六百五十万人にも達すると試算をしております。これらの人々も、家族の安否確認ができれば慌てて帰宅しようとする人は相当数減少すると思われます。

 災害時、区民にとって最重要な情報である家族等の安否情報の問い合わせにどのように対応されるのか、区長に伺います。

 現在、災害情報の主体は、防災無線など音声であります。そのため、高齢化が進むにつれて、難聴者など災害時の要援護者に重要な情報が伝わらない事態がますます深刻化しております。阪神大震災の犠牲者に身体障害者の割合も非常に高かったと言われております。高齢者の血液型、疾病名、使用薬品や医師名を記入した、いわゆるSOSカード、また、身体障害者や内部疾患障害者に身につけてもらう表示カードも検討が必要と考えます。

 そこで、災害時の要援護者に対する強力な支援策が必要と考えますが、区長の御所見を伺います。

 また、避難所生活の運営を考えると、新潟中越地震では、ピーク時に十万人を超える人たちが避難所生活を送りました。本当に過去の災害の教訓は生かされているのか、検証することが重要と思われます。

 一体、避難所での生活の諸問題にどのように取り組めばいいのでしょうか。運営主体の明確化は言うまでもありません。区民と行政機関が普段から協議し、避難所生活の運営計画を作成しておくことも不可欠であります。生活のルールづくり、避難所となる学校施設などの使い方、一人当たりの生活面積−−畳一畳程度、二平方メートルの確保などの検討が必要であります。避難所運営計画、組織づくりについてどのように考えているか、区長に伺います。

 また、避難所生活でとりわけ重要なことは、高齢者への配慮であります。避難所生活で、過去、多くの高齢者の方が亡くなっております。死因の多くが持病の悪化と肺炎と言われておりますが、その背景にトイレの問題があります。

 避難所ではトイレの数が著しく不足し、しかも、仮設トイレは居住スペースから離れて設置されるケースがほとんどです。高齢者は頻繁にトイレを利用するため、結果的に水分を控えるなどし、体調を崩してしまうことになります。比較的トイレに近い場所で被災生活ができるよう、高齢者への配慮も必要です。被災生活における高齢者への対応をどうお考えか、区長の所見を伺います。

 過去の震災を見ると、避難所での被災生活が長期化することを否めません。区長の所信にもある下水道流下式仮設トイレの整備は大いに評価をいたしております。今後、学校、公園、道路敷など、可能な所から積極的な設置を望みます。区長の所見を伺います。

 区は、複数の他の自治体と防災協定を結んでおります。先日、その一つである河津町へ視察に行ってまいりました。都市型災害では、多くの高齢者や障害者は劣悪な環境で被災生活を余儀なくされます。少しでも安心を与えられるよう、防災協定を締結している自治体への集団疎開も検討するべきではないでしょうか。区長はどうお考えでしょうか、伺います。

 我が党の神崎武法代表は、衆議院本会議の代表質問で「耐震化施策は急務である」として、「耐震診断はできるだけ個人負担を軽減し、耐震改修も、制度をわかりやすくするとともに工事の方法も類型化し、所得に応じて補助率を高めるなど、抜本的な制度を拡充する必要がある。国として力強く国民や自治体を支援する必要がある。耐震化の年次計画を定めた推進制度を構築すべきである」と北側国土交通大臣に見解を求めております。

 また、先日、交通問題特別委員会の講師で見えた元副知事の青山 やすし氏は、その論文で「本当は、公的資金は予防的対策、すなわち耐震診断や耐震補強工事などの支援に使われるべきだ。しかし、実際に災害が起こると、世論は気の毒な被災者のために政治と行政が何かして差し上げられないかという方向に動く。一見、発生後の対策の方が安く済むので、政治も行政もどうしてもベクトルはそちらに動く。こうして予防的対策は強化されないまま、事後救済の各種施策ばかりが手厚くなっていく。そもそも地震保険法によって、たとえ関東大震災級の巨大地震が発生しても保険制度が破綻しないよう国の巨額な負担を定めたとき、個人財産に対する被災後の公的補償はこれ以上しない、むしろ国民が自らあらかじめ耐震補強をすることを奨励するという趣旨だったのではないか。今、日本の防災対策はベネフィット・トラップ−−給付の罠に陥っている」と述べられています。

 災害支援について、今後、耐震診断や耐震補強工事等の予防的対策をどう充実していくのか、区長の所見を伺いたいと思います。

 次に、安全対策について伺います。

 残念ながら、子どもたちをねらった犯罪、学校に侵入する事件が相次いで起こっております。

 我が公明党は、安全対策の一つとして、幼稚園、保育園、小学校、中学校などにスクールガード−−学校安全警備員を配置し、校内と通学時の子どもの安全を確保するよう昨年マニフェストに追加し、求めてまいりました。

 そんな中、このたび区は全国に先がけて、新たに全小学校に警備員の配置を発表されました。その英断に惜しみない拍手を贈らせていただきたいと存じます。

 このことを受けて、今後、どのように学校の安全対策を充実していくのか、教育長に所見を伺います。

 また、児童の登下校時の路上での安全対策も重要な問題となっております。登下校時の送り届けに対応するため、シニアボランティアの活用やPTA関係者の連携も視野に入れるべきと思っております。区長はどうお考えでしょうか、お伺いをいたします。

 また、今後、保育園や学童館などの施設にも警備員を配置し、安全対策のさらなる充実を図るべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、安全対策の情報提供について、安全対策本部長に伺います。

 親族の情を悪用した卑劣極まる振込め詐欺等、人を欺く悪質かつ巧妙な犯罪が急増しており、早急な防止策が必要であります。また、偽造キャッシュカードによる預金引き出しの被害、犯罪についても、予防対策や預金者の保護策など、速やかな対策も急務であります。

 先ほど災害対策で述べたように、迅速な情報提供は区民にとって有益であります。携帯電話のメール機能を利用して、アドレスの登録者に文字情報として防犯・安全情報を提供することは、防犯対策だけでなく、災害発生時には被災生活者への重要な情報の伝達にも活用でき、非常に有効な情報伝達の手段の一つであります。現在のファクスによる防犯情報の提供に加え、防災部との連携も含め、携帯電話のメールによる文字情報の提供も検討すべきと考えています。安全対策本部長の所見を伺います。

 次に、少子化対策について区長に伺います。

 公明党は、かねてより子育て支援策に全力で取り組んでまいりました。マニフェストでも掲げている子育て支援策の柱の一つが、児童手当の拡充であります。未就学児までだった支給対象が、昨十六年四月より小学校三年生まで拡大をされました。その結果、支給対象児童数が約三百万人も増加することになりました。ただし、所得制限があるため、その支給対象は制限をされたままであります。

 「少子化社会白書」では、少子化の原因を、未婚・晩婚化の進展や夫婦の出生力の低下と分析をしております。その背景には、子育てに対する負担感の増大等を挙げておりましたが、これらの指摘はこれまで言われ続けており、問題は、こうしたニーズに適切に対応できる施策をいかに効果的かつ集中的に実行するかにあります。

 まず第一に、児童、家族関係給付を倍増するなど子育て関連予算の抜本的拡充が不可欠であります。児童手当の拡充や保育料の軽減を初め、乳幼児医療費や出産育児一時金などの子育てに係る医療費支援、さらには住宅費用や教育費への支援などなど、経済的負担の軽減策に重点的に取り組むべきと考えます。

 北欧などの子育て支援先進国を見ると、経済的な支援策と社会全体のシステムとして、育児休業制度や保育サービス、親の就労環境などの変革が重要であることを学ぶことができます。

 区長の所信においても「子育て環境整備は緊急重要課題であります」とされ、そのため、中間所得層の保育料自己負担を所得に応じて五〇%、また三〇%軽減するとされ、「多様な保育ニーズにこたえてまいります」と、保育料を値上げする自治体が多い中、減額に踏み切られました。大いに評価をさせていただきますとともに、是非新たな子育て支援の費用の援助として、児童手当の小学校三年生まで所得制限の撤廃を実施していただきたいと存じます。区長の御所見を伺います。

 次に、救急救命対策について。

 日本で毎日百名近い方が命を落とす心臓突然死に救命の道が広がっております。厚生労働省が昨年七月に示した指針に、心停止状態の人への電気ショックによる救命処置、自動体外式除細動器−−AEDの使用を医師や救急救命士、航空機の乗務員だけでなく、救命の現場に居合わせた一般人も使用を認めたことを受け、各地の公共施設、スポーツ施設などへのAEDの設置が進んでおります。

 心臓突然死の多くは、血管が詰まるなどし、心臓の心室が麻痺し、ポンプ機能が失われる心室細動が原因とされます。この細動を取り除く処置は一分遅れると救命率が一〇%落ちるとされ、一刻も早い電気ショックが必要で、心臓の動きを正常に戻すAEDの普及が救命率向上の決め手と言えます。初めてでも簡単に操作でき、救命に大きな効果が期待される除細動器の導入について、区長の所見を伺います。

 日本人の心疾患による死亡者数は増加傾向にあり、二〇〇三年では十六万三千人とのことです。今後も高齢化の進展により、心筋梗塞などによる心疾患は増加する見込みで、昨年十二月、私も親しい友人を二人、突然死で亡くしました。残された三人の幼児、奥さん、高齢の両親のいる働き盛りの四十七歳の方、もう一人は、透析を受けている妻、年老いた父を残して四十三歳の惜しい最期でございました。

 また、災害時の避難所においても、除細動器の機能は有益と判断されます。是非御検討をお願いをいたします。

 福祉保健について、保健衛生部長に伺います。

 小児の慢性疾患対策について、昨年十一月二十六日、改正児童福祉法の成立を受け、小児がんやぜんそくなどの慢性疾患に苦しむ児童とその家族を治療と経済的負担の両面から支援する小児慢性特定疾患治療研究事業が、この四月から大幅に充実すると聞いておりますが、安定的な制度として確立されたかどうか、患者の自己負担が初めて導入されたわけでありますが、低所得者に配慮した患者負担とされたと思いますけども、保健衛生部長に認識をお伺いいたします。

 乳がんマンモグラフィの検診について、定員枠四百人から一千人へと拡大を発表いただきました。女性専用の検診制度の充実に感謝を申し上げます。

 区内でも検診ができるとのことでありますが、検診センターも視野に入れて、検査の充実にさらにお願いをするものであります。保健衛生部長の所見を伺います。

 環境問題では、京都議定書発効を受けて区長に所見を伺います。

 平成十四年第三回定例議会でも「環境の世紀」と題して質問をいたしました。SGI提言を引用して「地球環境問題にどのような複雑な要因が内包されていても、人間が生み出した以上、人間の手で解決できないはずがありません」と、私も大切にする指針を紹介をいたしました。

 地球温暖化の防止に向けた京都議定書が、二月十六日、発効いたしました。これは二酸化炭素を初めとする温室効果ガスの排出削減を先進国に義務づけているものでありますが、百四十一カ国・地域の批准によってようやく発効にこぎつけることとなりました。これでやっと国際協力体制が動き出すこととなります。

 京都議定書では、先進国に対して、温室効果ガスの排出量を一九九〇年比で五%削減するように義務づけております。日本は六%の削減を公約をしましたが、二〇〇三年度は減るどころか、逆に国内の二酸化炭素排出量は増加している現状で、結果、現在よりも一四%も削減しなければなりません。

 温室効果ガスによって地球温暖化が進むと、海面の上昇、気候の悪化、洪水や砂漠化など、様々な問題の要因となります。太平洋の島々では、国土そのものが水没してしまう危険さえ指摘されています。また、台風や集中豪雨など異常気象も、温暖化と無関係ではありません。

 京都議定書発効を記念して来日したケニア環境副大臣、アフリカ女性初のノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイ博士は、基調講演で「議定書を実りあるものにするのは個々の市民の行動である」と述べておられます。また、SGI会長との会見の中でも「何かを変えたいと思うのであれば、まず自分自身から変えなければならない。そして、自分自身が先頭に立って変えなければならない」と、一人の行動の大切さを述べておられます。小泉首相との会見の折も、日本語の「もったいない」を紹介をされました。

 「日本には資源を効率的に利用していく「もったいない」というすばらしい価値観、文化があります。私もアフリカで、この「もったいない」を是非広めていきたいと考えています。この価値観は、私たちの限りある資源をいかに効率よく、平等に、責任を持って活用し、管理していくかということだと思います。国レベルでも世界レベルでも、資源を共有していくことが大切であり、それが平和につながっていくのだと思います」と、我が党の浜四津敏子代表代行との会談でも述べておられます。

 環境問題解決のためには、一人一人の取り組みが重要となります。シンク・グローバリー・アクト・ローカリーが鉄則と考えます。我がまち渋谷の環境問題の取り組みをどのように進められるのか、また、環境教育を子どもたちにどのように理解させるのか、区長の所見を伺います。

 温暖化対策を強化するため、環境省が地球温暖化対策推進法改正案の内容では、温室効果ガスの年間排出量の算定、報告を義務づけることが柱となっております。排出量の報告義務化について、区長に所見を伺います。

 最後に、教育問題について区長並びに教育長に伺います。

 所信表明において、区長は「グルーバル社会にあって、人をつくることは最も重要な区政の課題ととらえ、そのため、子どもたちが自ら学び、自ら考えるという自主的な学習意欲をはぐくみ、知的創造型の社会を支える力とならなければ」とされ、基礎・基本の学習を学ぶにも教育戦略が必要だと訴えておられます。私も全く同感であります。

 花の王、桜の季節が着実に近づいております。春の桜にしても秋の菊にしても、手入れを怠れば見事な花が咲かなくなり、育つべきものが育たなくなってしまいます。人をつくる人材育成も同様であります。ほうっておいて人が育ち、花を咲かせるということはありません。

 私が師とあおぐ教育者も、人材の育成が現時の最重要事であることを繰り返し強調されて、「すべての根幹は人をつくることにある。私どもも、この一点に焦点を定めて前進してきた」「よき人材をつくり正義の連帯を広げる以外に、世界の平和も、日本の繁栄もない。一切は人で決まる」と発言されています。さらに「大事なのは人材である。人材の陣列が絶え間なく続いていかなければ、いつかは衰退の道をたどるしかない」と。私は、大変重要な視点であると思います。区長には、人をつくる展望、そして決意をお聞かせください。

 読解力の大切さについて区長も触れておられますが、私も、人をつくるに当たっては、教育の第一線で活動する現職教師やOB教師の長年培った創意工夫を生かし、現場からの発想も重要と考えます。

 今日、各種の国際学力調査の結果、日本の子どもたちの学力が低下してきているとして教育改革の必要性が論議されておりますが、現行のシステムを非難しているだけで、教育現場をいたずらに混乱し、翻弄していると思えてなりません。

 国語のOB教師の方の所感記事で「私が携わってきた国語教育では、読解力の低下が指摘されている。活字離れが加速しているとも言われている。では、それに対して国語教育の実践家や研究者たちは手をこまねいていただけだろうか。決してそうではない。涙ぐましい実践での創意工夫の中から、すぐれた処方せんが生まれてきている。曲がりなりにもそれを日常の授業に生かしてきた者の一人として、私自身、生徒の読解力アップや読書への姿勢の向上があったことを目の当たりにしてきた。今こそこれらのすぐれた教育方法に目を向けるべきではなかろうか」とされ、内容を列挙されて、読み聞かせ、朝の十分間読書、ディベート、NIE、教育における新聞の活用、群読などなどであります。

 例えば、群読学習。声を出して読みたい名作、名文・名詩など、にはすぐれた教育方法であるとされ、「こうした成果は国語に限ったことではない。現場での必死の努力が実を結び、すぐれた教育方法として確立した教育技術は枚挙にいとまがない」と、教育現場の知恵を最大限に生かす、そのようにおっしゃっています。

 教育現場の知恵を最大限に生かすことは大切だと思います。教育長の御所見を伺いたいと存じます。

 所信にもある文化芸術の振興として、本定例議会には文化芸術振興基本条例が上程をされました。我が会派の要望を実現いただき、区長並びに教育委員会に最大の感謝を申し上げます。

 所信表明でもお考えの一端を紹介をいただいておりますが、具体的な推進施策として、区長に展望をお聞きしたいと存じます。

 以上、御答弁のほどよろしくお願いをいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党を代表し、広瀬 誠議員から福祉、教育、文化はもちろんのこと、とりわけ子育て支援、子どもの安全対策等について評価を賜り、大変心強く、私自身も心を引き締めて区政に取り組んでまいりたいと存じます。どうぞ御指導、御助言をお願いしたいと存じます。

 最初に、国民健康保険料への税制改正の影響についてのお尋ねでございます。

 国民保険料の賦課総額は、翌年度の医療費推計に基づいて算定するものであります。税制改正によりまして住民税額が引き上げられた場合、制度上、国保料は増加しますが、保険料の所得割料率は引き下げられ、医療費総額に見合ったものとなるわけでございます。したがって、国民保険料はそのシステムとして、必ずしも税額増に比例して増えるものではないということでございます。

 しかし、このたびの十七年度の国民保険料の料率は、配偶者特別控除の廃止や、均等割が免除されていた配偶者が課税対象となるなどの税制改正が行われましたので、議員の御懸念のとおり、世帯によっては結果として保険料が高くなる場合もあろうと、このように思っております。

 また、十八年度以降の税制改正につきましては、今、議論となっております定率減税の縮小や税源移譲に伴う住民税の税率フラット化などによりまして、保険料算定に大きな影響を及ぼすことになりますので、その動向については十分意を払い、保険料算定に当たらねばならないと考えております。

 なお、本区の十七年度の国保保険料は、所信表明で申し上げたとおり、二十三区統一保険料は本区の事情も踏まえた算定となっておりますので、これに従うこととしたものでございます。御理解をいただきたいと存じます。

 介護保険料への税制改正の影響についてのお尋ねでございます。

 現在の第一号被保険者の介護保険料につきましては、平成十五年度から十七年度までの三年間の本区の保険給付の見込みをベースとして設定するものでございまして、十七年度の税制改正により住民税が引き上げられた場合でも、介護保険料総額を見直すことはありません。

 十七年度では、配偶者の均等割非課税及び配偶者特別課税の特別控除の廃止がありますが、税制改正が直ちに被保険者の介護保険料の増額には、システム上、なり得ないと思っております。しかし、個々人の所得の増減によっては、もちろん保険料の増減のあることは言うまでもございません。

 また、定率減税の縮小や税源移譲に伴う住民税のフラット化や、老年者非課税の廃止などが予定されておりますので、平成十八年度から二十年度までの保険料は、同期間中の保険給付の見込みをベースとして改定をしていくものでございます。

 行政コストの表示についてのお尋ねでございます。

 本区では、平成十七年度から行政コスト計算書を作成し、行政サービスをコストという側面から、区民に向け公表してまいりました。施設の建設コストを初め、管理・運営費等を区民にわかりやすい形で公表することは、区民への説明責任を果たすとともに、職員にとりましても事業の見直しや評価、コスト意識の醸成にもつながると考えますので、行政コスト計算書を作成する中で、よりわかりやすい方法を検討してまいりたいと存じます。

 また、施設等の経営資源の有効活用につきましては、これまでも業務委託の導入、サンセット方式、行政評価制度を活用し予算編成を行ってまいりました。今後とも引き続き資源の有効活用に向け、様々な手法を交え、経費節減、満足度の高いサービスの提供に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、コスト表示だけでなく、今後の改築、改修の見通し等を視野に入れた施設白書を導入し、施設の有効活用、適正配置、再編の検討や改築・改修計画の策定に役立ててはという御提言でございます。

 これまでも、区の施設について実施計画等を作成するなど、区民のニーズや意識の変化を踏まえ、改築、改修を計画的に行ってまいりました。今後とも施設が有効に活用されますよう、区政の課題として取り組んでまいります。

 次に、危機管理、災害対策についてでございますけれども、新潟県中越地震等につきまして、同苦の心をもって復興災害にお取り組みをいただいていることに敬意を表したいと存じます。

 区のモバイルサイト、重要情報のメール送信システムの導入についてお尋ねでございます。

 このシステムは、議員の御指摘のとおり、瞬時に多数の方々に危険情報や重要情報、すなわち地震、台風の避難所、ライフライン情報、安全・防犯情報を伝達できるものであります。したがって、通常時には区政の各情報送信に活用することによって利用登録者を増やし、災害時には避難情報等の重要なお知らせを行うことができると考えております。

 このような情報通信技術は、その必要性と有効性を踏まえつつ、活用のため導入を検討してまいりたい、このように存じます。

 次に、最重要な情報である家族の安否確認情報の問い合わせにどのように対応するかとのお尋ねでございます。

 安否の情報で第一に必要になるものは、子どもの情報であると思います。昼間においては、学校や幼稚園、保育園等はマニュアルに従って保護者と密接な連携をとってまいります。また、家族間の連携の仕方については、平素から決めていただくことが大切でございますが、来街者やサラリーマン、区外の親族の皆さんからの問い合わせは、NTTの伝言ダイヤル一七一を御利用いただくことが望ましいと考えております。

 また、携帯各社が開始いたしました伝言メールも活用できるものと考え、その啓発に努めたいと存じます。

 さらに、けが人や死亡者の情報は病院や警察に照会することとなりますが、区といたしましても避難所に避難者情報を掲出するなど、本部に情報を集積し、提供できるシステムの構築を検討してまいりたいと存じます。

 次に、高齢化の進展に伴い、難聴者など、情報が的確に伝達できず事態を深刻にすることのないよう、災害要援護者に強力な支援策が必要だということでございました。

 災害要援護者の支援につきましては、物理的な制約、法令上の制約があり、地域の自主防災組織の支援をお願いする方法が最も確実であると、このように考えております。

 本区におきましては、災害対策本部から災害弱者救護調整班や保健救護班を派遣し、連携して支援をしてまいりたいと、このように考えております。

 今後とも、情報伝達につきましては目で見、耳で聞こえる対策を様々な視点から研究してまいりたい、このように考えております。

 次に、避難所運営計画、組織づくりはどうなっているのかということでございます。

 現在、本区では、避難所運営マニュアルである「避難所運営の概要」を作成しております。その基本は、校長等学校職員や近隣に居住する職員が速やかに参集し、また、自主防災組織のメンバーと連携・協力して運営に当たっていく、このような考え方に立っております。このことは、毎年の一月十七日の防災点検の日に、学校、地域、区の職員メンバーが集まりまして避難所の点検を行う中で確認をしているところでございます。

 さらに、中越地震などを参考に、運営計画や運営組織づくりについてマニュアルの徹底や見直しの検討をしてまいりたい、このように考えております。

 次に、避難所で持病の悪化等により高齢者が亡くなる背後には、トイレ問題があるということでございまして、こうした高齢者が比較的トイレに近い場所で避難生活ができる配慮が必要でないかとのお尋ねでございました。

 避難所では、高齢者等災害要援護者に対しまして、その避難生活ができるだけ無理のないものとするため、畳や空調等の整った特別教室を優先的に割り振るなどしておりまして、暖をとるための毛布を追加し、飲料水を確保し、衛生用品等の増強を図ることといたしております。

 なお、トイレ等につきましては、現在、整備を進めております安全でかつ衛生的な流下式トイレを原則として活用していただきたいと考えているところでございます。

 下水道流下式トイレにつきまして、公園や道路敷などの可能な場所に積極的に設置したらというお尋ねでございます。

 御案内のとおり、十六年度には小学校の校庭整備に合わせまして十五の小学校で、耐震補強工事の済んだ下水道に直接流し込むタイプのトイレを整備いたしました。十七年度には残る小学校を整備し、十八年度には中学校に拡大する計画でございます。

 このトイレにつきましては、水を流すことが必要でありますし、また、使用に伴う危険を排除しなければなりません。したがいまして、基本的には、これらのことが確保できる学校に整備していくことを原則としたい、このように考えております。

 次に、高齢者や障害者の安心のため、防災協定締結自治体へ集団疎開することを検討すべきであるということの御提言でございます。

 現在、本区では、河津町を初め七市町村と災害時相互支援協定を結び、震災による甚大な被害に対し応急対策や復旧対策等を円滑に遂行するため、他都市から支援を受けることとしております。

 具体的には、水の提供やバキュームカーの派遣等がありますが、議員のお話にある高齢者等の受け入れについては、一部の協定締結自治体と話題になっております。しかし、本区では、避難生活により孤独死を招くことのないよう、顔見知りの地域の中で暮らしていくことが大切ではないかと、このように考えているわけでございます。

 なお、本人の希望があれば、一時的な避難地として防災協定自治体に依頼、配慮することも考えてまいります。

 次に、耐震診断や耐震補強工事等の予防対策をどう充実していくのかというお尋ねでございます。

 震災時におきます建築物の倒壊を防ぐことは、区民の生命、財産を守るとともに、被害を少なくするために最も大切なことと考えております。公明党は、防災対策として耐震化施策を急務として御認識をされ、これまでの制度を抜本的に拡充し、自治体支援と耐震化へのお取り組みに敬意を表したいと存じます。

 現在、本区におきましては、まちづくりと連動した事業として、本町地区におきまして、平成六年から密集住宅市街地整備促進事業を実施し、建て替えの促進、公園用地の取得、整備など防災性能の向上に努めてまいりました。また、阪神・淡路大震災の教訓から、震災後、直ちに耐震診断、耐震補強工事に対する助成事業を立ち上げ、木造住宅の耐震診断については耐震診断のコンサルタント派遣を行い、鉄筋コンクリート造のマンションなどの耐震診断については診断のための助成金の交付を行い、耐震補強工事については融資を受けた方に対する利子補給を行い、現在まで継続をしてまいりました。

 国におきましては、昭和五十六年の耐震基準改正前に建てられた建築物の耐震化の促進を図るため、住宅建築物の地震防災会議を設置し、公的補助制度の見直し、税制優遇制度の見直しなど検討されていますが、その動向を見定めてまいります。

 いずれにいたしましても、御提言のとおり、耐震診断、耐震補強を含めた災害に強いまちづくりのためには、区民の、自らの強い意欲と多くの資金が必要となるわけでございまして、このためには財政負担も大きく、区のみでは難しいと考えているところでございます。

 災害に強いまちづくりは、区民の生活を守る上で重要なため、今後も努力をしてまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 登下校時の送り届けに対するシニアボランティアの活用や、PTA関係者等との連携も視野に入れるべきであると、こういう御提言でございます。

 学校内における安全対策とともに、議員御指摘のとおり、登下校時における安全対策も重要であると、このように思っております。子どもに対する不法事案の多くは登下校中に発生しており、昨年は、区内においても小学生が下校時に不審者に声をかけられるなどの事案が数件発生をいたしました。

 既に青少年対策地区委員会やPTAの方々を中心として登下校時のパトロールを実施していただいているところでありますが、安全対策本部におきましても、子どもの登下校時における不審者情報を入手するたびに安全対策ニュースをファクスで送信し、まちの方々の監視の目を強めていただくよう呼びかけをしてまいりました。

 子どもを守るためには一人でも多くの監視の目が必要であり、今後とも青少年対策地区委員会やPTAの方々に御協力をいただくとともに、町会や商店会、各種ボランティア、さらには防犯リーダー実践塾の修了者等とも連携を図りながら、登下校時におけるパトロールを呼びかけ、安全対策に万全を期してまいりたいと存じます。

 保育園、学童館への警備員の配置についてのお尋ねでございます。

 保育園、学童館の防犯対策といたしましては、これまでも緊急連絡用のインターホンの設置、施錠の徹底、さらには保育園では学校一一〇番による警察への連絡体制の整備など、それぞれの施設の実情に合わせて取り組んでまいりました。今後は、今回の寝屋川市の事件を踏まえ、公立保育園では来年度から全園に順次カメラ付インターホンとオートロックを設置するほか、警察の協力を得た上で、施設ごとの不審者対応訓練の実施、さらには防犯用品の配布などにより、児童、幼児の安全を確保してまいります。

 警備員の配置につきましては、保育園や幼稚園は父兄が登下園に付き添いますこと、また、学童館や幼稚園は学校のように人の出入りが少ないこと、さらには財政上の問題もあり、この御提言のことを見送ったものでございますけど、どうぞ御理解をいただきたい、このように思っております。

 次に、児童手当の所得制限を小学校三年まで撤廃してはどうかという御提言でございます。

 本区におきましては、これまでも子ども家庭支援センターの設置や、その拡充、さらには認証保育所の設置、放課後クラブの開設等、様々な子育て支援策を実施してまいっているところでございます。十七年度におきましては、御案内のとおり、中間所得層の保育料について五〇%または三〇%と大幅に軽減をすることといたしました。

 御提言をいただきました児童手当の小学校三年生までの所得制限の撤廃につきましては、公明党の大変な御努力でこれを推進され、敬意を表するものでございますが、当区だけでは如何としても財政負担が大きく、国や都の対応を待って対処してまいりたい、このように考えるものでございます。

 次に、除細動器の導入についてのお尋ねでございます。

 議員も御指摘のように、昨年の通知を受けて、公共施設やスポーツ施設等で自動体外式除細動器の設置が進められております。しかしながら、一般の人々の使用に当たりましては、救命救急についての基礎的知識や使用方法などの講習が必要となり、講習会のあり方やその効果等、様々な課題があるわけでございます。本区においては、スポーツセンターでは医師が相談を受けており、緊急時には一一九番に通報することの方がより適切ではないかと考えているものでございます。

 また、避難所への除細動器の設置についてという御提言でございます。

 本区は、災害用といたしまして、医師の指導のもとで治療活動に使用するため、拠点病院等に除細動器を配備しているわけでございます。先ほど申し上げましたような事情から、これを、拠点病院等の活用でこれを対処してまいりたい、このように考えるものでございます。

 次に、環境問題につきまして、その取り組みと環境教育ということでお尋ねがございました。

 一点目は、本区におきます環境問題への取り組みをどのように進めるかとのお尋ねでございます。

 京都議定書がロシアの批准により二月十六日から発効いたしましたが、日本は一九九〇年を基準として六%の削減が義務づけられておりますが、二〇〇三年度実績から一四%の削減が求められるところでございます。地球環境保全に向けた生活者の役割でございますけれども、フランスのストラスブールやドイツのフライブルクの都市再生の例に見ますように、二十一世紀の日本も市民社会がリードする社会に大きく変える必要があると、このように考えるものでございます。同時に、世界の問題を自分の問題として受けとめる視野の広さが求められていると存じます。

 今後とも環境問題の啓発、その対応に全力を傾けて取り組んでまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 次に、子どもの環境教育についてのお尋ねでございます。

 先日、本区の小学校で子どもたちが環境会議を開き、どうやったらペットボトルなどリサイクルを進めていけるか真剣に話し合っておりました。結論といたしましては、自分たちで学校に持ってきてリサイクル回収することを決め、現在、ペットボトルの回収が続けられていると聞いております。私は、子どもたちが小学校のときから環境問題について考え、できるところから行動を始めていることに大変力強いものを感じているわけでございます。

 区立小中学校では、教科の学習や総合の時間を通して環境教育を全校で実施しておりますが、それが単なる机の上だけの勉強に終わることなく、子どもたちの行動にまであらわれることが大切であると、このように思っております。

 今後とも子どもたちに、自然の美しさや、環境を整備することによって気持ちよさを促す、そういう自然体験や、地域清掃活動など様々な体験活動を通し環境教育を推進するよう、教育委員会と協力してまいります。

 次に、温室効果ガスの年間排出量の算定、報告の義務づけについてのお尋ねでございます。

 議員の御発言にもございますように、国が予定しております地球温暖化対策推進法の改正では、二月十六日に発効した京都議定書が定める温室効果ガスの削減目標達成に向け、一定規模以上の企業に温室効果ガスの年間排出量の報告を義務づけ、その内容を公表することになっております。本区も一事業者として、現行地域温暖化対策推進法に基づき庁内率先実行計画を策定し、目標達成のためにごみ発生抑制や資源の再利用促進、また省エネルギー製品の購入や日常の省エネルギーへの取り組みなど、全職員が日常的な取り組みとして実践しているところでございます。

 改正法案は、一定規模以上の企業に温室効果ガスの年間排出量の報告を義務づけることにより、企業の積極的な取り組みを求めているところであり、本区としても、事業者に対する啓発に取り組んでまいりたい、このように存じます。

 次に、人をつくるということについてのお尋ねでございます。

 私は、いつの時代も、どの国家にとっても、もちろん区政においてもそうでございますけれども、企業においても、人をつくるということは最も重要な課題であると、このように考えております。

 昨年、区立中学生を北京市西城区に派遣した際、引率の校長先生から、北京市の中学校は数学と英語、パソコンの指導に重点を置いているという報告を受け、私の印象に残りました。また、タイやベトナム大使からも、私の質問に対して同様の回答が返ってまいっております。

 他方、平成十五年七月、八十二カ国のよりすぐった若者が参加した国際数学オリンピックがございましたが、そこでブルガリアが優勝し、日本は九位でありました。その表彰式が渋谷公会堂で行われまして、渋谷区長にも出席要請がありましたけれども、残念ながら出席できませんでした。しかし、その後、区内にあるブルガリア大使館のセンドフ大使でありますが、前歴がソフィア大学学長であり、数学者であり、小学校教師時代に数学離れを防ぐために実験校の試みもされた方であることを私は知りました。

 大使とお会いしたときにお尋ねいたしましたら、大使いわく「特別な英才教育よりも子どもを数学嫌いにしないことが大切である」ということでございました。自立して自由に発想できる人間に育てるためには、いきなり激しい競争環境に置くことはよくない、また、知識の詰め込みにこだわると学習意欲が失われてくる。そのため、スポーツや芸術の時間を増やすことが何よりも大切であると、このようなことを聞いてまいりました。

 他方、私は、小中学校の招待で運動会や文化祭や公開授業に時間のある限り出席をいたしておりますけれども、学校の共同学習活動をサボり、しかも注意されない子どもがいることに愕然といたしました。確かに、地域の行事に参加し、奉仕する立派な子どもも大勢いるわけでございますけども、このように身勝手を放置しておいては、学校は学習プログラムを消化しただけで、学校の自己満足にならないかと思ったわけでございます。

 学校のきずなが弱いとか子どもが目標を持って生きていないというような調査もあるわけでございます。しかしながら、二十一世紀はグローバル社会であり、これからの青少年は知的創造社会を支える力にならなくてはならない、このように思うものでございます。

 理数離れは国力の低下につながると懸念されているわけでございます。そのために、教育には戦略が必要であると、このように思ったものでございます。論理的思考の基礎は読解力を育てることだと、このように思います。私は、本を好きな子にならなくてはならない、これは今、議員から申されたとおりだと思いながら聞いておりました。

 健康で意欲的な子どもであるためには、文化、スポーツに親しめる環境づくりが必要であると、このように思っております。今回、予算の中で運動場や体育館の整備をお願いしておりますのも、またさらに、旧大和田小学校の小・中の文化ホール設置や、あるいは楽しく学べる数学ワンダーランドの設置を考えていきたいと、このように思うものでございます。

 また、身勝手な行動を慎み、先生や先輩、学友の話をきちんと聞き、きびきびと行動する礼節や基本的生活習慣をつけることが何よりも大切でございます。礼節は他者意識を生み、また、国際社会で敬意を受けるゆえんでもあると、このように思っております。単に「教育の充実とか振興」、あるいは「基礎基本の習得」とか、そういったうたい文句だけではなく、何を教育戦略とするのか、これから考えていくことが大切であります。私はそのために、十七年度予算に連動させながら考えることといたしました。

 議員のおっしゃるように、人員確保も大切でございます。私は、そのことについて御提言のような考え方で進めてまいりたいと、このように思うものでございます。どうぞ御理解と、これからも御助言をお願いしたい、このように思います。

 最後に、文化芸術の具体的な推進施策についてのお尋ねでございました。

 改めて申し上げるまでもなく、文化芸術は人の生活に夢と潤いを与え、心豊かな社会の形成に寄与すると同時に、国際平和に貢献するものでございまして、人々の生活に欠くことのできないものでございます。文化芸術の振興を通した新しい区民文化の創造と情操豊かな子どもたちの育成が、少子・高齢化の時代を心豊かに過ごすために何よりも必要であると、このように思うものでございます。

 平成十五年十一月に設置し、一年余にわたり文化・芸術の振興、発展に必要な区の基本方針を検討していただきました渋谷区文化芸術施策検討委員会の提言を踏まえ、このたび文化芸術振興基本条例を提案させていただいたものでございます。この条例は、本区におきます文化芸術についての基本理念や施策の基本となる事項を定めた条例でございます。今後はこの条例の趣旨に沿って、本区の文化芸術の振興のために区民の文化芸術活動の推進、地域文化、伝統文化伝承の推進、文化芸術活動を通じた国際交流の促進、子どもたちの文化芸術活動の充実のための施策を計画的に進めてまいりたいと、このように思っております。

 本区の文化芸術施策の所管組織として、教育委員会の郷土博物館等開設準備・文化財担当を文化振興課に昇格させ、多様な文化芸術振興施策を総合的に展開してまいりたいと、このように思っております。

 さらに、所信表明でも申し上げましたとおり、中・小の文化ホールを建設し、区民が文化芸術に身近に親しみ、積極的に文化芸術活動に参加できるよう、また、すぐれた文化芸術の鑑賞、区民の自主的な文化活動の相互の交流や練習、あるいは活動成果の発表ができるよう、これからも真剣に取り組んでまいります。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 上間保健衛生部長。



◎保健衛生部長(上間和子) 私に対しましての二点の御質問にお答えいたします。

 まず、小児慢性疾患対策についてのお尋ねでございますが、このたびの児童福祉法の改正は、これまで国の要綱に基づいて実施してまいりました小児慢性疾患事業を新たに法に基づく制度として位置づけ、安定化を図ったもので、本年四月からの実施となります。

 新制度では、対象年齢が十八歳未満から二十歳未満に引き上げられ、入院、通院のすべてが適用されることとなりました。また、対象となる疾患も医学的な知見に基づいて見直され、小児がんや心臓病などに消化器疾患が新たに追加され、四百八十八疾患から五百十疾患へ拡大されました。

 次に、新たに導入された自己負担に対する低所得者への配慮についてでございますが、子育て家庭の負担に配慮して、所得に応じた負担限度額が設定されるとともに、重症患者、生活保護世帯及び住民税非課税世帯は自己負担免除となります。

 既に認定を受けている方には、制度改正及び切りかえ案内通知を始めておりますが、今後とも新たな制度についての周知徹底を行ってまいります。

 続きまして、乳がんマンモグラフィ検診の充実策についてのお尋ねでございます。

 乳がんマンモグラフィ検診につきましては、本区では昨年度から導入をし、徐々に定員枠の拡大を図ってまいりました。平成十七年度は昨年四月に改正された国のがん検診実施のための指針に基づき、検診対象を四十歳以上の偶数年齢の女性とし、希望者は全員受診できるようにいたします。また、検診機関につきましては、改正指針により、マンモグラフィ検診の実施資格を有する施設で行うこととなっております。したがいまして、現在実施している医療機関に加えて、この条件に適合した区内の医療機関を新たに選定し、受診しやすい体制の整備に努めてまいります。



○議長(丸山高司) 佐戸安全対策本部長。



◎安全対策本部長(佐戸幸弘) 私には、現在のファクスによる防犯情報の提供に加え、防災担当部長との連携も含め、携帯電話のメールによる文字情報の提供も検討すべきとのお尋ねでございます。

 昨年来、社会問題化しております、御指摘のございました振り込め詐欺等につきましては、安全対策本部といたしましても強い危機感を持っており、安全対策ニュースでも何度も取り上げ、ファクス送信や区ホームページへの掲載、また、二月の区ニュースにも特集を組み、できる限り多くの方々に注意喚起や対策を呼びかけてまいりました。

 また、緊急の情報提供が必要な子どもの安全に関する情報につきましては、既に学校単位で、メールアドレスを登録した保護者に対して情報提供を行う学校緊急情報メールシステムを運用しているところでございます。

 広瀬議員御指摘のとおり、迅速な情報提供は区民にとって有益であることは言うまでもございません。御提案の携帯電話のメールを利用した防犯・安全情報の提供についてでございますが、詐欺等の事案に限らず、緊急の情報提供が必要となるような事案が発生した場合には、登録者数が多ければ多いほどメールによる文字情報により一度に多数の方々に情報提供が可能であり、有効な手段になると考えておりますので、防災担当部ともメール配信内容やその効果等を検証し、研究を重ねてまいりたいと存じます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、学校における安全対策を今後どのように充実させていくのかとのお尋ねでございます。

 渋谷区では、これまでも警察への緊急通報装置や防犯カメラの設置、防犯用品の配備など、様々な学校における安全対策に取り組んでまいりました。今回はその対策を一歩進め、子どもたちの安全のさらなる向上を図るため、全小学校へ警備員の配置を行う予算を計上させていただいたところでございます。

 この警備員の配置が実現すれば、それを受け、これまでの学校における安全対策の中で教職員、保護者、地域、警察との連携をさらに強化していく必要があると考えております。具体的には、既に各学校で行われているセーフティ教室において、警備員を活用した実践的な訓練を充実してまいります。また、教育委員会が発行しております「学校安全対策・安全管理の基本(不審者侵入対策編)」を見直し、警備員との効果的な連携を明確にしてまいります。

 これからの学校の安全対策は、区長部局と今後、密接な連携を図りながら、子どもたちの安全を守る様々な工夫が必要とされている、そのように努めていきたいと考えております。

 次に、教育現場の知恵を最大限に生かすことについての御質問でございます。

 読解力の指導を初め読書や作文、さらには他教科の指導についても、各学校で多くの教員たちは、様々な工夫を凝らしながら授業の改善・充実に努めております。中でもベテランの教員が自ら培ってきた指導技術や子どもとのかかわり方には、今日の学力問題を初めとする様々な指導上の課題を解決するヒントがあると、そのように考えております。

 これら、いわば「わざ」とも言うべき貴重な指導方法や教師としてのあるべき姿を若手の教員に、また、全体にどのように広め、伝えていくか、教育委員会としても重要な課題であると認識をしております。

 今後とも、各学校で行われる校内研究会や区教育研究会、さらには若手教員対象の研修会等、様々な場を通して、すぐれた指導技術と教師として模範となる資質を持った教員をリーダーとして活用し、区立学校教育の質を高め、人をつくる教育の充実を図ってまいりたい、そのように考えております。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 二十九番広瀬 誠議員。



◆二十九番(広瀬誠) それぞれ区長、教育長、また関係理事者の皆様から懇切な御答弁をいただきまして、感謝を申し上げます。

 最後に一言。

 私ども公明党は総合対策本部として、少子化社会の大変に重要であることを認識しまして、少子化社会総合対策本部を既に立ち上げておりまして、少子化社会トータルプラン、この骨格をまとめる、今、作業に入っています。私ども、二〇〇七年にいよいよ人口のピークを迎えて減少社会に転じるということで、それを危機感として大変に認識をいたしておりまして、あわせまして、引き続き区長を中心とする行政御当局の皆様方や、また、それぞれ区民の皆様方と対話を重ねながら、必ずや解決の方策を見出していくべく全力を挙げてまいりたいと存じます。

 「信なき言論、煙のごとし」という気持ちで働かせていただく決意でございますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 今日は答弁ありがとうございました。



○議長(丸山高司) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(丸山高司) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から三月三十一日までの二十九日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は二十九日間と決定いたしました。

 日程第二を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第二 同意第一号 渋谷区監査委員の選任の同意について

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました同意第一号は、識見を有する者のうちから選任いたします監査委員のうち、平成十七年三月十六日をもって任期を満了する者の後任者として浅生博介氏を任命するため、提出するものであります。

 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから討論に入ります。討論はありませんか。討論なしと認めます。

 これから日程第二を採決いたします。

 本件については、区長推薦のとおり浅生博介氏を渋谷区監査委員として選任に同意することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、浅生博介氏を渋谷区監査委員として選任することに同意と決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明三月四日、午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会  午後七時十四分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   丸山高司

渋谷区議会副議長  金井義忠

渋谷区議会議員   芦沢一明

渋谷区議会議員   染谷賢治