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東京都 渋谷区

平成16年 11月 定例会(第4回) 11月29日−10号




平成16年 11月 定例会(第4回) − 11月29日−10号










平成16年 11月 定例会(第4回)



           平成十六年 渋谷区議会会議録 第十号

 十一月二十九日(月)

出席議員(三十四名)

  一番  前田和茂         二番  奈良明子

  三番  小林清光         四番  松岡定俊

  五番  沢島英隆         六番  栗谷順彦

  七番  芦沢一明         八番  平田喜章

  九番  金井義忠         十番  薬丸義朗

 十一番  東 敦子        十二番  水原利朗

 十三番  丸山高司        十四番  岡本浩一

 十五番  伊藤毅志        十六番  吉野和子

 十七番  古川斗記男       十八番  伊藤美代子

 十九番  鈴木建邦        二十番  長谷部 健

二十一番  牛尾真己       二十二番  森 治樹

二十三番  新保久美子      二十四番  五十嵐千代子

二十五番  木村正義       二十六番  齋藤一夫

二十七番  染谷賢治       二十八番  座光寺幸男

二十九番  広瀬 誠        三十番  植野 修

三十一番  小林崇央       三十二番  岡野雄太

三十三番  苫 孝二       三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          星宮正典

    総務部長          山内一正

    区民部長          菊池 淳

    福祉部長          池山世津子

    厚生部長          松崎 守

    保健衛生部長        上間和子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          三浦惟正

    環境清掃部長        田中泰夫

    安全対策本部長       佐戸幸弘

    防災担当部長        柴田春喜

    都市基盤整備調整担当部長  小笠原通永

    教育委員会委員長      原 秀子

    教育委員会教育長      足立良明

    教育委員会事務局次長    北村奈穂子

    選挙管理委員会委員長    石井治子

    選挙管理委員会事務局長   坂井正市

    代表監査委員        倉林倭男

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事務局職員

事務局長  諸岡 博  次長    小湊信幸

議事係長  倉澤和弘  議事主査  松嶋博之

議事主査  岩橋昭子  議事主査  鈴木弘之

議事主査  中山俊幸  議事主査  宮本 勇

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   平成十六年第四回渋谷区議会定例会議事日程

         平成十六年十一月二十九日(月)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二         都区財政調整主要五課題の早期解決を求める意見書

日程第三   諮問第二号 人権擁護委員の候補者について

日程第四   諮問第三号 人権擁護委員の候補者について

日程第五   議案第五十二号 渋谷区行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例

日程第六   議案第五十三号 渋谷区行政手続条例の一部を改正する条例

日程第七   議案第五十四号 渋谷区戸籍事務及び住民基本台帳事務における本人確認等に関する条例の一部を改正する条例

日程第八   議案第五十五号 渋谷区ふれあい植物センター条例

日程第九   議案第五十六号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例

日程第十   報告第十一号 専決処分の報告について

日程第十一  報告第十二号 専決処分の報告について

日程第十二  報告第十三号 専決処分の報告について

日程第十三  報告第十四号 専決処分の報告について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(丸山高司) ただいまから平成十六年第四回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、四番松岡定俊議員、三十一番小林崇央議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔諸岡事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 桑原区長、神山助役、内山収入役、星宮企画部長、山内総務部長、菊池区民部長、池山福祉部長、松崎厚生部長、上間保健衛生部長、古川都市整備部長、三浦土木部長、田中環境清掃部長、佐戸安全対策本部長、柴田防災担当部長、小笠原都市基盤整備調整担当部長、原教育委員会委員長、足立教育委員会教育長、北村教育委員会事務局次長、石井選挙管理委員会委員長、坂井選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員。

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渋監発第二十九号

   平成十六年十一月一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年九月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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○議長(丸山高司) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに、平成十六年第四回区議会定例会を招集し、提出議案の御審議をお願いするとともに、当面の区政の課題について御説明を申し上げ、区議会議員各位及び区民の皆様の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

 本年も残り一カ月となりました。顧みますと、本年二月に安全対策本部の設置に始まり、第二次障害者保健福祉計画の策定、上原中学校改築工事の着工、九月には笹塚・本町循環のコミュニティバスの運行開始、児童虐待防止のため、子ども家庭支援センターの設置や、認証保育所の開設支援など、福祉計画の策定や教育やまちづくりに関連する様々な事業を実施してまいりました。これも区議会議員各位及び区民の皆様の御理解と御協力によるものと考えております。

 その中で、区財政への最大の課題は、国の財政構造改革である三位一体改革によって、国庫補助金のみならず税制改正によって、住民税も大幅に減収することであります。その改革の方向は、なお見えない点があるとしても、減収は確実であり、今後本区として一層効率的な財政運営に努めねばならないと認識するものであります。

 本年はとりわけ台風や豪雨による被害が多発し、加えて、新潟県中越地方に強い地震がありました。本区として、被災自治体に対し見舞金や食料等の備蓄品の送付や、さらに建築技術職員や清掃職員等の派遣をしましたが、区民の皆様から義援金として五百九十六万三千円余をお預かりしました。御協力に厚く感謝申し上げます。

 今後は、全国自治体の協力に加えて、国や県の支援のもと、早期の復興を心から願うものであります。

 今回の自然災害の発生は、近隣の助け合いや災害への備えがいかに大切かを教訓に残しました。人命救助のためにも、温かい食事をつくり、共同生活を営む上でも、いかに共助が大切かを認識しました。

 自然災害は避け得ないとしても、平素、各地における自主防災訓練への区民の積極的な参加、さらに赤十字奉仕団分団による炊き出し訓練は、防災関係機関、団体との連携と相まって、被害を最小限にするための大きな力を発揮することは間違いありません。そのためにも、町会に対し、ややもすれば疎遠となるマンション居住者などの方々にも、日ごろから近隣が互いにあいさつをし、町会掲示板等を見て、自主防災の訓練など、町会行事に積極的な御参加をお願いしたいと、このように考えております。

 本区といたしましても、一層、自主防災組織との協議と関係機関との連携を図り、避難や備蓄のあり方について具体的かつ簡潔に、その防災施策の拡充を図りたいと思います。

 次に、インターネットを活用した電子申請や契約業務における電子調達サービスについてであります。

 情報化の推進は、行政の効率化、区民サービスの向上のために、常に区政に課された課題であります。

 最初に、電子申請についてその考え方を申し上げます。

 現在、住民記録、税務などの住民情報システムについては、区役所内でコンピュータ処理を行っておりますが、今後、情報処理の一層の効率化を図るため、現行システムを外部データセンターに近々に移設し、運用してまいります。

 さらに、様々な関連するサービス、手続が一カ所で受けられるようにするワンストップサービスや電子決済など、今後の課題に対応できるよう、現在の汎用コンピュータによるシステムを、より柔軟性の高いオープン系の新システムに移行する考えであります。

 また、近年のITの急速な進展によりまして、インターネットの世帯普及率は昨年末で八八・一%となり、インターネットを活用したサービスの充実が課題であります。

 現在、図書館での本の検索予約サービスやスポーツ施設の予約サービスなどを実施しておりますが、さらに区への各種申請・届出を二十四時間、いつでも行うことのできる電子申請サービスを平成十七年一月から開始し、区民の皆様の利便向上を図ってまいります。

 当初は、住民票の写しの交付申請やケアプラン作成依頼届など、十二の手続について電子申請を開始し、その後、順次拡大を図ってまいります。

 契約業務における電子調達サービスの実施についてであります。

 これまで本区は、制限付一般競争入札の導入、予定価格の事前公表、さらには区のホームページを活用した情報提供サービスなど、契約業務における様々な改善を行ってまいりましたが、IT化についても、その準備を進めてまいりました。契約業務の電子化により、入札プロセスの透明性の向上や公平性の確保、コストの軽減などの効果を期待するものであります。そのために、まず本年十二月には、インターネットによる入札参加資格申請・受付事務を実施いたします。その上で電子入札については、平成十七年度の早期に実施する予定であります。

 なお、行政手続の電子化のために、本定例会におきまして関係する条例の御審議をお願いする次第であります。

 次に、渋谷区東二丁目で現在建設が進められている植物園についてであります。

 御案内のとおり、この植物園は渋谷清掃工場の還元施設であり、平成十五年十一月着工以来、地元住民等の御協力を得て、来年四月中の開園に向け、準備を進めているところであります。

 このたび名称募集を行いましたが、百二十一件という多くの応募があり、名称選定した結果、「渋谷区ふれあい植物センター」と決まりました。名称にふさわしく、区民が植物と親しみ、自然環境の大切さを実感するとともに、身近な緑化やボランティアによる緑のネットワークづくりの拠点施設としたいと思います。御応募いただいた皆様に厚くお礼申し上げます。

 この施設の特徴は、狭いながらも四季折々にふさわしい企画展示等、様々な行事を実施してまいります。また、この植物園は、活動、学習に当たって、実物を見て触れたり、香りを楽しむといった五感で感じることができる施設として、また植物とともに昆虫などが見られるよう工夫もしてまいります。

 過密化した都市の中にあって、このような工夫の中で四季を感じることのできる植物園は、他区には例を見ないものであります。

 さらには、渋谷清掃工場の還元施設として、ごみ発電による電力供給を受けて運営します。このことを通して、環境問題、リサイクル等に対する意識の高揚を図るとともに、中長期的に運営コストの削減を目指すものであります。緑と自然に触れ合い、皆様が触れ合う「渋谷区ふれあい植物センター」が大いに区民の皆様に親しまれ、利用されることを期待したいと思います。

 次に、旧渋谷小学校跡地複合施設計画の変更について、本年第二回区議会定例会におきまして、その概要を説明したところでありますが、変更内容等が確定したので御報告申し上げます。

 変更部分は、三階と地下一階であります。

 まず、三階には、区民ニーズに緊急にこたえていくため、ショートステイを含む特別養護老人ホームを整備するものであり、具体的にはショートステイ七床、特別養護老人ホーム八床、それぞれ増床するものであります。これに伴い、施設全体としてショートステイは二十一床から二十八床、特別養護老人ホームは百十九床から百二十七床、合わせて百四十床から百五十五床となります。いずれも完全個室ユニットケア方式であります。

 続きまして地下一階についてであります。

 まず、高齢者が要介護へと移行するのを予防し、生き生きと暮らせるよう支援するため、介護予防スペースを設けております。

 次に、保育室の整備を行います。

 六十人規模の保育所を一階に整備するものでありますが、保護者需要の多い病後児保育を実施することとし、多様化する保育ニーズにこたえてまいります。

 計画変更により増額となる契約金額でありますが、建築工事等、合計一億二千二百五十四万五千五百円であります。今般、建築工事、電気設備工事、空気調和設備工事、給水衛生設備工事の四件の専決処分について御報告するものであります。工期限は、平成十七年九月三十日であり、当初予定に変更はありません。

 以上、本定例会には条例案五件、諮問案二件、報告案件四件を御提案しております。御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。

 以上をもちまして、私の発言といたします。ありがとうございました。

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○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 二十七番染谷賢治議員。



◆二十七番(染谷賢治) 私は渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区政の直面する喫緊かつ重要な課題について質問いたします。

 質問に入ります前に、先日、皇室の紀宮様と黒田慶樹さんの御婚約の発表がありました。氏は都市整備局の市街地建築部に勤めておられます。私たちの身近な在民でございますので、大いに歓迎したいというふうに思います。

 去る十月二十三日十七時五十六分、新潟中越地震、マグニチュード六・八が発生し、死者四十名、避難生活九万八千人、被害総額三兆円に及ぶ大惨事になりました。心から新潟中越地方の被災者の皆様にお見舞い申し上げます。

 渋谷区として十月二十五日、東京都が用意調整した航空機を利用して支援物資を空輸し、同二十六日には見舞金として百万円を対策本部へ送金され、また、区役所窓口及び出張所において募金箱を設置し、区民皆様からの義援金を受け付けており、現在五百九十六万三千円お預かりしており、また、当区からも応急危険判定員として職員の派遣も行われております。今後は、保健師の派遣も予定されていると伺っております。そして、既に渋谷区議会からも支援の気持ちをお届けしております。被災者の皆様のお役に立つように期待をいたし、一刻も早い復興をお祈りして質問に入ります。

 十一月十七日、政府中央防災会議首都直下地震対策専門調査会は、首都直下で発生が懸念される三つのタイプの地震について、震度の推計結果をまとめました。それは都心直下の浅い部分で、マグニチュード七級の地震が発生した場合に予想される震度分布図は、地震の三タイプ、十八の震源を想定して各地の最大震度を予想したこの予防対策用震度分布図では、東京都、神奈川、千葉、埼玉県を中心に、広い範囲で首都直下型ならば、震度六強以上と推計しております。

 調査会が最も切迫性があり、かつ首都機能への打撃が大きいとしたのは、東京湾北部の震源で、千代田区、中央区、港区、台東区、文京区、江東区で震度六強、渋谷区や豊島区では大部分が震度六弱、一部で震度六強と想定されております。また、これらの地震はマグニチュード八級への活動期の入り口になるのではないかと推定されております。

 地震の歴史を見ると、元禄地震、一七〇三年十一月二十二日、マグニチュード八・一、死者五千二百三十三人。安政の江戸地震、一八五五年十一月十一日、マグニチュード六・九、死者七千五百人。関東大震災一九二三年九月一日、マグニチュード七・九、死者・行方不明一万四千二百八十人であり、関東大震災から今日まで、約八十年が経過しております。

 国の地震調査委員会は八月二十三日、フィリピン海プレートと太平洋プレートの沈み込みに伴う南関東の地震発生予測を発表し、マグニチュード六・七から七・二程度、震源の深さ三十から八十キロの地震の発生確率は十年以内に三〇%、三十年以内に七〇%(宮城県沖地震の九九%、東海地震の八四%)、五十年以内に九〇%と推定しています。

 独立行政法人防災科学研究所の松村正三個体・地球・研究部門部長は、大地震前に微小の地震が少なくなる静穏化が起きていることを突き止め、マグニチュード八クラスが想定される東海地震でも、九九年八月から断続的に静穏化が起きており、注意が必要と警告しています。

 このように逼迫した状況の中で、渋谷区の災害対策はどこまで進んでいるのであろうか。東京都都市計画局が平成十一年から十四年度までの四年間にわたって実施した、第五回「地震に関する地域危険度測定調査報告書」の資料編、区市町危険度ランク総括表のうち、渋谷区のデータにおいて、建物倒壊危険度が、最も危険度の低いランク一から最も高いランク五の中で、ランク四の地区が六、また、火災危険度についてはランク三が十九、ランク四が五、ランク五が二地区もあります。

 このランク三、四、五の地域は、木造住宅密集地と考えられ、この建築物倒壊危険度及び火災危険度について、区のホームページにも掲載されておりますが、危険度と地域住民にいかにして周知し、住民個々が認識することが大事であると考えます。

 そこで、自然災害に関するハザードマップ(危険度マップ)を整備し、公開し、複数地震の被害想定に応じたシナリオを作成し、それに応じた災害危機管理体制をつくることが必要と考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 ランク三、四、五の地域の建物を、専門家を交えた調査団により、個々に大枠のランクをつけ、またランク一及び二の地域では、高層住宅からガラスの雨が大量に降ってくるおそれや、また高速道路の倒壊も考えられ、そのような場面でも対応できるような避難、救助マップの作成が喫緊の課題であると思います。安心と安全のために、危険度の高い建物を個々の住民に認識させ、区の指導のもとに耐震構造や耐火構造に改修した場合、その費用の一部が補てんできるような制度の整備を検討し、また、地震保険では建物の耐震性能に応じた割引制度があることを、個々に対して加入促進をPRし、危険に対する実態を住民が把握できるような情報整備を進めることが必要であると考えます。

 「保険制度と危機管理調査研究特別委員会」が提言している、自治体としては保険システムの導入を図り、被災した場合に、今の国の被災者救済制度により、国が自治体に被害に応じて補償し、その配分は自治体が決め、自治体ごとに建物や道路のあり方が違う状況に対しても、自治体ごとに判断し、リスクに対する金融施策を事前に検討しておくべきであると提言しております。

 また、「自然災害に対する国民的保障制度を考えるプロジェクト」は、今の地震保険制度の問題点を指摘し、地震保険制度に関する日米比較査を行い、国民一人一人の自助努力の及ばないところに地震等の大規模自然災害の被害の深刻さがあり、地震国家、台風国家と言われる我が国においては相互扶助、社会連帯の立場に立って、自然災害に対する国民的保障制度を速やかに構築する必要があると提言しております。

 民間の地震保険は、火災保険への加入が前提になっておりますが、少額でも加入できる災害共済保険のようなものを創設するように、国に働きかけてはいかがでしょうか。

 以上の提案が実現できれば、本区は災害に強い街渋谷、安心・安全な街渋谷として認知され、人口増加にも寄与することと確信しております。

 また、ライフラインの整備や自然災害対策の財源として、固定資産税の都市計画税分を都より区へ移管することが必要であると考えます。固定資産税がサービスの対価と位置づけられていることにより、使途目的を明らかにした目的税として、その年度の重点的投資ができることにより、納税者は都市計画税の認識を見直すであろうと考えますが、いかがでしょうか、区長にお伺いいたします。

 続いて、十月に相次いだ台風二十二号、二十三号は日本全国に多大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところでありますが、本区では、庁内及び土木事務所において緊急体制を整え、例えば土のうを事前に準備し、台風二十二号では約三百袋、二十三号ではさらに広報車による事前PRも行い、約三千袋の土のうを区民に配布いたしました。また、台風二十三号では床上、床下浸水などの危険地帯について、あらかじめ土木事務所の職員を配置するなどの浸水対策を行うことにより、区民から一定の評価を得ていることは承知しております。

 災害に対して、これだけでよいということではございません。現在、床上、床下浸水の危険地点については、区において把握されていることは存じておりますが、それを含め、現在暗渠化された神田川支流や渋谷川沿川における溢水の可能性など、一定の雨量を想定し、洪水危険度マップの作成が必要と思われます。土木部長の所見をお伺いいたします。

 次に、旧大和田小学校跡地利用基本構想の策定についてお伺いいたします。

 桜丘にあるこの面積四千九百三十八平方メートルの最大床面積二万四千平方メートル強の貴重な区有財産である旧大和田小について、区長は本年第三回定例会の発言において、策定に当たっては敷地の有効利用並びに区財政への負担軽減のため、民間のノウハウや開発手法を積極的に取り入れ、さらに余裕スペースについては、民間施設として活用することなども検討すると述べておられます。渋谷駅にも近接しているこの土地のポテンシャルは相当なものであると考えますので、区民共有の貴重な財産を最大限有効利用するために、最善の手法を利用し、計画を進めていくべきと考えますが、改めて区長の所見をお伺いいたします。

 次に、平成十六年十月二十三日、「平和・国際都市渋谷平和祈念のつどい」で、前国連軍縮大使猪口邦子氏は、区の大集会室で「平和のための国際貢献」という題目で講演がありました。その講演の中で猪口氏は、平和的貢献とは外交である。戦場とは外交の失敗の結果である。議場の失敗は戦場である。結果、外交を成功させなくてはならない。また、軍縮大使としての役割は、毎年五十万人の人が小型兵器により亡くなっている悲劇を最小にすることである。二年間、小型武器の国連議長、対人地雷禁止条約の地雷除去部門、核軍縮ジュネーブ軍縮会議の議長を経験し、日本は経済大国よりも軍縮推進大国を目指すべきである。小型武器は子どもまで含めたテロリストの予備軍をつくっていると訴えておられました。その努力により、二〇〇二年十月、小型武器の国連決議が全会一致で採択されたそうであります。

 当日の発表のときに、二、三日前に、百六十四カ国が全員調印したと。そのときに国務長官パウエルまでが調印されたということを報告されておりました。その影響によって、最近のロシアの京都議定書あるいはそのほかの北朝鮮の問題等に、この軍縮あるいは核撤廃の影響というものが、最近の二、三日の新聞にも多数報告されている影響があるのかと思うと、私は本当に重要に考えているところであります。

 同氏の「戦略的平和思考」によれば、国際政治のパラダイム・シフトが起きており、戦争と平和、戦場と議場、軍備と軍縮において基層的変化が進行している一方で、対応力となると、かつてのテンプレートを下敷きに、古い手法や発想から抜け出せないことも少なくない。結果的に複雑な構図が世界各地で起きております。

 戦争にかわる手法として、国際取り決めと、国内実施は連続性をなすものであり、全主権国家の責任における自らの法的管理のもとでの国際取り決めの実施の連鎖こそが、世界的規模のシームレスな平和体制を可能にする。平和とは希望して訪れるものではなく、戦略的に深く画策し、猛烈な外交努力によって構築し、知識と情報の極限において守るものであり、そのような戦略的思考に導かれた継ぎ目のない連続的努力によってのみ、辛うじて確保されるものであるとあります。

 これは、国、区においても言えることで、大規模や自然災害やテロリズムにより引き起こされた特殊な災害、その他の「人命または財産の保護」を必要とする各種の事態に際して、関係機関との緊密な協力のもと、適時適切に救援活動を行う。それにはリードアッププロセスが重要であります。

 渋谷区には、世界の英知を集めた国連大学や世界に情報を発信し、また情報源でもありますNHKハイビジョンの材料、世界平和を維持するために、この組織といかに連携し、協働するかがキーポイントと考えております。

 私は、かつて発表した「グローカリズムの勧め」、古いパラダイム崩壊の閉塞の時代を切り開くための思索の中で、「政治はだれのもの」、「地球環境はだれのもの」、「政治は地域に住む地球市民のもの」と訴えました。「世界連邦宣言区」、「平和・国際都市渋谷」の渋谷区として、グローバルな国際性を認識させるために、異文化体験、民族も環境も宗教も違う人たちの人間の和が大切であると考えます。

 先日、私どもはトルコの派遣視察で勉強してまいりました。さきに質問した旧大和田小跡地の基本構想の一環として、国連大学やNHKの教育講師して、留学生交流部門を同跡地施設に設立すべきと思いますが、区長の所見はいかがでございますか。

 次に、十一月十九日の記者発表によれば、国土交通省道路局は、だれが何のために、どんな工事をしているのか、工事がいつ終わるのかわからないといった路上工事に対する不満の声に対応して、十一月二十七日より、国道を対象とした工事看板に問い合わせ番号を導入し、その番号を使って不満を表明できる機会を提供しております。つまり、ホームページや携帯電話から道路工事不人気投票を実施し、その結果をホームページなどで公表し、路上工事の縮減や改善に活用する。あわせて三百七十一名のドライバーによるモニターが路上工事の実施状況をチェックする。また、都道についても実施を呼びかけていくとしております。

 現在、区内においては、明治通りにおいて地下鉄十三号線、山手通りでは首都高速中央環状新宿線の工事が行われているが、現在、両工事に起因する渋滞は著しいものがあります。都道については今後の実施であるが、もし実施されれば、不人気投票上位に位置するのは想像にかたくありません。そこで、交通量の増加する年末にかけ、区では工事抑制等の渋滞緩和策を要望する必要があると思いますが、土木部長の所見をお伺いいたします。

 あわせて山手通り地下の首都高速中央環状新宿線が通る代々木八幡駅付近については、地形が複雑であり、取り付け道路の形態も変更になると思いますが、人と車の流れも大きく変わることが予想されます。このため、地域住民の不安を解消するため、工事完了後における交通の流れのシミュレーションを実施すべきと考えます。

 以上、二点にわたってお伺いいたします。

 次に、福祉に関連して三点お伺いいたします。

 年々増加している痴呆性高齢者に対し、厚生労働省は「痴呆」にかわる用語で「認知症」とすることで了承をし、東京都ではグループホームの民間事業者の参入促進を図るため、二千万円までの補助制度を実施しているところですが、このたび渋谷区でも笹塚地区に予定されているリハビリテーション、ミニデイサービス等の介護予防機能をあわせ持つ、認知症となる高齢者グループホームの建設は高く評価いたします。

 また、高齢者だれでも住みなれた地域で、互いに生活を共同化、合理化をして、共同で生活ができるグループリビングに敬老館機能、介護予防機能をあわせ持った高齢者センターが、幡ケ谷地区で整備が行われると聞いておりますが、他地区からも建設が強く要望されると思いますが、今後の計画をお伺いいたします。

 高齢者の支援について、まちぐるみで考えていく必要があります。民間の空き部屋活用を含めた渋谷区のシンポジウムを提案しますが、所見をお伺いいたします。

 介護保険制度で重要と考える、利用者が適切な介護プランに基づいた十分なサービスを提供するために、介護ヘルパーや介護要員の確保が最優先と考えますが、十一月八日の日本とフィリピンの自由貿易協定(FTA)交渉で、閣僚折衝の結果、看護師、介護士を日本に受け入れることが決まりました。今回の合意は、並行するタイ、マレーシアとFTA交渉にとって先行する見本となりましたが、しかし、実際の受け入れ条件は厳しいものだと考えます。

 介護ヘルパーや介護要員の育成や均衡なサービス提供のための質向上において、再教育と生涯教育のシステムづくりをするため、看護施設を、先に質問しました旧大和田小跡地計画に取り込めないか、御所見をお伺いいたします。

 最後に、発達障害者支援についてお伺いいたします。

 自公を初め、与野党五会派は、十一月十九日、自閉症や学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害に対して、幅広い支援体制づくりを進めるため、発達障害者支援法案を議員立法で衆議院に提出しました。

 都道府県ごとに拠点となる発達障害者支援センターを設置することや、早期発見するため、体制整備などを柱に、来年四月施行の予定とし、早期の診断・支援と学校教育や就労・地域生活で必要な支援や家族への助言を国や地方自治体の責務と位置づけられました。渋谷区では第三回定例会において、障害者福祉複合施設整備事業として、「心身障害者センター」建替えの設計費が計上されておりますが、是非発達障害者の早期発見、小グループでの外来集団療育などがより行いやすい施設となることを希望いたします。

 また、いじめの要因などの原因調査、地域の方々の理解を得るための対策など、渋谷区としても検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、忠犬特区についてお伺いいたします。

 村上行政改革担当相は、地域を限って規制の緩和、撤廃を行う構造改革特区第六次案と全国規模の規制改革・民間開放要望の受付け結果を発表いたしました。特に、二百二十二の自治体、企業などからは二百八十六件の構想が提案され、規制改革・民間開放要望は百二十二の企業から千七百十五件が寄せられております。

 特区の中には、熊などの被害を防ぐための訓練を受けた犬を放し飼いをする忠犬特区が提案されております。忠犬と言えば忠犬ハチ公、我が街渋谷のシンボルであります。

 一九三四年四月、渋谷駅前に立てられた忠犬ハチ公の銅像は、全国だれでも知るところであり、全国的に有名な忠犬ハチ公にちなんで、我が渋谷区も安全、安心、防犯、災害、福祉に目的で活用できる忠犬訓練特区を提案したいと思いますが、いかがでございますか。

 例えば、渋谷区に本部のある盲導犬協会が育成する盲導犬は、必要とされる視覚障害者の方の一割もいないのが現状であり、その育成協力や先ほども質問しました新潟中越地震で、全壊建物や倒壊建物の下敷きになった人の捜索や、土砂災害など、あらゆる災害現場で活躍する救助犬、いわゆるレスキュードッグの育成協力、身体障害者の方の車いすを引いたり、ドアの開閉などの動作介助を行う介助犬の育成協力など、検討をいただければと考えます。

 特に、介助犬は障害者一人一人の介助内容に合わせて訓練する必要がある上、盲導犬のように広く認められておりませんが、利用できる施設もまだまだ少ないのが現状ですが、日本一有名な忠犬がいるまち渋谷区として、育成協力だけでなく、独自の認定、民間施設の利用がさらに拡大される対策など、検討してはいかがかと思いますが、所見をお伺いいたします。

 また、本格的な訓練を必要とする忠犬以外にも、散歩の際、飼い主が腕章をつけ、愛犬と一緒にパトロールをする「わんわんパトロール」のための訓練や、近所の人や顔見知りの人以外の不審な人により反応する番犬としての訓練なども推奨していきながら、昨今問題とされているマナーの悪い飼い主への指導もあわせて検討できないか、区長にお伺いいたします。

 最後に、幼児教育のあり方について質問いたします。

 幼児教育のあり方を検討してきた中央教育審議会の部会は、十月二十一日、幼小連携の強化を柱とする中間報告をまとめ、中教審の総会に提出しました。中間報告では、遊びを通じて学ぶ幼児期の教育と、教科学習が中心の小学校教育をスムーズに接続できるようにする必要があると提言があり、そのため幼稚園と小学校の教員を人事交流させるほか、合同で行事を行うなど、幼小の連携を強化すべきと指摘されておりました。

 さらに今後は、幼小一貫教育も検討すべきであり、幼児教育の重要性が論じられる一方、財政難に直面している都内の区や市が公立幼稚園の廃止方針を打ち出しております。多摩市では十八年度末、三鷹市は十九年度、大田区では二十年度末に公立幼稚園が全廃される予定。大田区では、廃園と同時に児童教育センターを新設し、廃園した後の区立幼稚園職員は、同センターで保育園児に対する幼児教育や保育士、私立幼稚園教諭らとの合同研修に当たり、また、三鷹市も跡地を保育園や幼保一元化施設として活用すると聞いております。

 廃止理由の一つとしては、少子化、自治体の財政難も挙げられておりますが、区立幼稚園のあり方も改めて検討すべきと考えます。

 二年保育の一年前の三歳より、集団生活の中で遊びを通じて学ばせたいと思う親は多く、私立幼稚園か、早くから入れる保育園を希望しているのも現状です。実際、保育園の入園希望者の数と区立幼稚園の入園希望者の数を見てもわかると思いますが、その一方、区立幼稚園の支持もあり、「区立幼稚園の存続を願う父母の会」は十一月十四日、奥沢区民センターで幼児教育の第一人者である小川博久日本女子大学教授の講演会が開き、政府が検討している幼保一元化施設の問題点について、安易な新制度導入は、これまで地方自治体が責任を持って担ってきた幼児教育に深刻な影響が出かねないと強調しております。

 幼児教育のあり方、特に区立幼稚園については、三年保育の希望や保育園との一元化など、様々な意見があります。教育問題の見地から教育委員長並びに教育長にいろいろな所見をお伺いいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団、染谷賢治議員の代表質問にお答えをしたいと存じます。

 最初に、新潟県中越地震を踏まえられまして、関東直下型地震について御調査、御研究の上でのお尋ねでございます。

 第一点は、東京都が平成九年度に策定いたしました地震に関する地域危険度測定調査報告書に基づきまして、区は危険度マップを整備公開し、複数の地震被害を想定したシナリオを作成すべきではないかという御提言でございます。

 染谷議員が御提言の中でお話のございましたように、国の中央防災会議は関東直下型地震を十八のパターンに分けて、想定震度分布を本年十一月十七日に公表をいたしました。これに伴う人的、物的被害については、年内または来年初めに公開するとしているところでございます。そこでは、本区における予防対策とすべき震度は六強としているところでございます。他方、前段で引用されました都の報告書におきましては、渋谷の震度は六弱で想定されておりまして、それに基づいて作成された防災計画でございましたけれども、今回、新たに国の被害想定に基づいて地域防災計画の見直しをしなければならないと、このように思っております。

 また、今回新潟県中越地震の発生による教訓等を踏まえまして、さらに地域対応力の強化をする意味におきましても、計画を早急に策定してまいりたいと、このように考えております。計画策定に当たりましては、また改めて区議会にも御報告し、御助言をお願いしたいと、このように思っております。

 次に、地震に対し、少額でも加入できる災害共済保険制度の創設を国に働きかけてはどうかというお尋ねでございます。

 確かに現在民間の地震保険は火災保険の加入を前提としておりまして、かつ保険料が多額である割には保障額が少ないという指摘があるわけでございます。他方、中越地震で倒壊家屋の瓦れき撤去や壊れた家財道具の購入などを目的とする被災者生活再建支援法の支援制度では、国、県を合わせて全壊で四百万円、大規模半壊で二百万円、半壊で五十万円とされております。また、家屋の応急修理が目的の災害救助法は、大規模半壊は最高で百六十万円、半壊は百十万円でございます。しかも、その助成は要件が厳しく、かつわずかな額にしかならないということでございました。

 したがいまして、御提言のような火災共済保険制度の創設は国に働きかけてはいかがという御提言は大変意義のあることだと、このように思うものでございます。

 さらに、私どもも調査・研究し、その上で国に働きかけるべき点を、また明確にしてまいりたい、このように存じますので御理解をいただきたいと存じます。

 次に、ライフラインの整備や自然災害対策の財源として、固定資産税と同時に納められている都市計画税を区へ移管することが必要であるとのお尋ねでございました。

 都市計画税は、本来、基礎的自治体が行う都市計画事業に充てるための市町村税でございます。区部では、都が一体的に都市計画事業を行うため都税とされておりますが、少なくとも区が実施している都市計画事業に見合った財源として配分されるべきものであると考えているところでございます。今後、都市計画事業として自然災害対策事業等を行う場合には、都に対してその財源をしっかりと要求してまいりたい、このように思いますので、御理解いただきたいと存じます。

 次に、旧大和田小学校跡地利用基本構想の策定についてのお尋ねでございます。

 このことへの取り組みにつきましては、御提言にもございますように、旧大和田小学校跡地というのは、その歴史的経緯も踏まえまして、かつその位置や規模等から考え合わせまして、区民にとって福祉や保健、医療、そして教育文化のために、区政の将来の発展に結ぶ施設として利用されていかなければならないと、このように思っているものでございます。したがいまして、本件の基本構想策定に当たりましては、区のみならず区議会や区民の意見をお聞きをしながら、適切に対応してまいりたい、このように思っております。

 民間事業者のノウハウや開発手法を取り入れまして、区の財政負担の軽減やサービスの向上の可能性を探り、最適な事業手法を選定するなど、専門性を有する民間に基本構想策定業務を委託し、計画の万全を期してまいりたい、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 次に、旧大和田小学校跡地利用基本構想の一環として、国連大学やNHKの人材や資料を活用し、さらには留学生との交流を深めていく施設として活用できないかという御提言でございます。

 議員の御提言は、「平和・国際都市渋谷平和祈念のつどい」におけます前国連軍縮大使の猪口邦子氏の講演を契機とされまして、「平和・国際都市渋谷」の渋谷区として、グローバルな国際性を認識させるためには、異文化体験、民族も環境も宗教も違う人間の和が大切であるとの御認識を示されたところでございます。

 さらにはトルコ共和国への友好都市調査団の一員としての訪問をされまして、それがゆえに肌で感じられました世界観や歴史観を踏まえられ、御提言であると思い、深く受け止めるものでございます。

 渋谷区は既に平和・国際都市であるということから、最近でも日米野球の際には、アメリカ大リーグの選手が鳩森小学校を訪問したり、アンデルセン生誕二百年のためのデンマークとの交流、あるいはブリティッシュスクールと私立幼稚園や区立小中学校との交流、これらはいずれも小中学校体育館や公会堂を活用して行っているところでございます。さらに区民の有志が自宅に留学生を居留させまして、町会のみこしを担ぐ機会をつくるなど、国際理解につながる活動や交流が、本区においては活発に行われておるところでもあるわけでございます。

 今回、旧大和田小学校跡地に小中の文化ホールの整備をいたしたいと、このように考えているところでございますけれども、これを活用して御提言にございますような留学生との交流や、NHKや国連大学の保有する映像や情報、さらには講師としてこれをお招きし、区民の皆様方との一層の国際理解を深めていく場としたいと、このように思います。どうぞ御理解をいただきたいと存じます。

 次に、福祉に関連してのお尋ねがございました。

 まず、痴呆性高齢者グループホーム及び高齢者センターの設置計画についてのお尋ねでございます。

 グループホームのほか、リハビリ、ミニデイサービス等の介護予防機能をあわせ持つ笹塚施設、そしてグループリビングのほか、敬老館機能、介護予防機能をあわせ持つ幡ケ谷高齢者センターに対し、議員から高い評価をいただきましたが、これを力とし、さらに研さんを重ねまして、高齢者ニーズに対応できる施設としてまいりたい、このように思っております。

 今後の計画でございますけれども、御案内のとおり、国は小規模多機能の地域密着型サービスの創設という考え方を打ち出しておりますので、国の動向等を踏まえ、さらには富ケ谷二丁目用地の計画等につきましても、これを具体化するなど、逐次計画を立ててまいりたいと、このように思っております。

 民間の空き部屋活用についてのお尋ねでございました。

 高齢者を支援するためのグループホームやグループリビングの設置には、新規建設や民間事業者の参入誘導のほか、議員御提案の民間の空き部屋活用などが十分考えられるところでございます。その具体的方策につきましては、御提案の趣旨を踏まえ、今後どのようにすればいいか、さらに真剣に検討してまいります。

 次に、介護ヘルパーの養成についてのお尋ねでございます。

 日本とフィリピンとの自由貿易協定の折衝の結果、介護士、看護師を日本に受け入れることが合意されたことについては承知しているところでございますけれども、議員も御指摘のように、実際の受け入れ条件は、四年制大学卒業など厳しい条件が課されているところでございます。

 一方、国内では、今回の介護保険制度の見直しの中で、サービスの質の確保と向上のために介護職員の資格は従来のヘルパーから、より資格要件の厳しい介護福祉士に限定する動きもあるところでございます。このため、外国人労働者の介護職になる際の資格要件等につきましては、今後、国の動向を十分注意してまいりたいと考えております。

 再教育等のための施設を旧大和田小学校跡地に取り込めないかとの御提言でございますけれども、これが基礎的自治体として、本区の限界もあろうと思いますので、慎重に検討が必要であると、このように思っているところでございます。

 次に、発達障害者支援に関しまして、心身障害者センター建替えによる障害者福祉複合施設が発達障害児の早期発見、小グループによる療育などが行いやすい施設とならないか、またいじめの原因調査、地域の方々の理解を得るための方策についてのお尋ねでございます。

 自閉症や学習障害などの発達障害のある子どもを早期発見し、適切な教育、医療等に結ぶ体制を整備するためには、発達障害者支援法案が衆議院で可決されたことは承知しておりまして、今後の動向について注意を払ってまいりたいと存じます。

 なお、今回の施設整備計画における通園事業につきましては、現在、事業内容等の検討中でありますが、発達障害者の支援等の施策につきましては、医療、保健、福祉、教育、就労に関します部署と相互に密接な連携を図るとともに、都区の役割分担を明確にする必要があろうと、このように思いますので、今後さらに検討してまいりたいと存じます。

 また、発達障害につきましては、区民の方々の御理解を得るために、周知等にさらに努めてまいりたいと存じます。

 区立小学校に通う児童生徒へのいじめの状況につきましては、教育委員会等で調査をしておりますが、発達障害のあるお子さんへのいじめ等につきましては、原因調査はもとより、発生しないように教育委員会の協力を得たい、このように考えております。

 最後に、私に区が忠犬訓練特区についてのお尋ねでございました。

 平成十四年度の身体障害者補助犬法の成立を機に、盲導犬や介助犬などの補助犬の利用範囲は拡大し、障害者の日常生活における補助犬等の役割はますます重要性を増してきております。したがいまして、補助犬等に関する認定はともかく、育成や訓練への協力につきましては、区としてどのようなことができるのか、また飼い主のマナー改善策として何ができるのか、これから真剣に検討してまいりたいと、このように思っております。

 染谷議員の御指摘のように、公共施設や民間施設等における補助犬の同伴につきましては、区民の御理解を得、御協力を得るよう今後PRをさらに強化してまいりたいと考えます。

 いずれにいたしましても、盲導犬協会は区内に設置されており、御縁の深い機関であると存じます。また、本区はハチ公の区でもあります。議員のお知恵をかりながらも、協力支援にこれからも努めたい、このように思いますので、どうぞこれからも御協力のほどお願い申し上げ、私に対します御質問に対する答弁といたします。



○議長(丸山高司) 三浦土木部長。



◎土木部長(三浦惟正) 私には、洪水危険度マップの作成について及び道路整備について、大きく二点のお尋ねであります。

 まず、大雨の際に、浸水しやすい地域の危険の程度を示す洪水危険度マップの作成についてお答えいたします。

 議員の御発言のとおり、本年十月には、台風二十二号、二十三号が相次いで関東地方を直撃し、本区でも下水道の排水能力を超えた想定外の降雨により、多くの浸水被害が発生をいたしました。区といたしましては、今回の被害状況を踏まえ、過日、下水道局に対し抜本的改善を直接要望したところであります。議員御指摘の洪水危険度マップにつきましては、大変意義あることと承知しておりますが、区といたしましては、今後、下水道局の対応策の推移を見守るとともに、洪水を起こさない努力を引き続きしてまいりたいと考えております。御理解のほどよろしくお願いいたします。

 続きまして、道路整備に関するお尋ねについて、順次お答えをいたします。

 まず、交通量の増加する年末にかけての明治通りや山手通り等における工事抑制などの渋滞対策についてでございます。

 議員の御指摘のとおり、これらの主要道路につきましては、これから年末を迎えてさらに渋滞が増加し、地域の交通に影響を及ぼすことが想定されます。こうしたことから、関係機関が協議をし、年末時において予想される道路交通の混雑を緩和し、事故発生を防止するため、原則として道路工事及び占用工事について、新たな工事着手を承認しないものとし、また、工事中の工事についても、一時中止をさせることなどを柱とした工事抑制方針を定めたところでございます。区といたしましても、この抑制方針にのっとり、各関係事業者等に対し、適切な指導、指示を行い、渋滞緩和に取り組んでまいる所存でございます。

 次に、山手通りの代々木八幡駅付近の整備に関連して、工事完成後における交通の流れのシミュレーション実施についてのお尋ねです。

 当該箇所付近におきましては、山手通りの拡幅工事と首都高速道路中央環状新宿線建設にかかわる様々な工事が行われております。区といたしましても、地域住民の合意形成と問題解決のため、現在、事業主体である東京都や首都高速道路公団、また、関連する鉄道事業者との協議を進めているところであります。こうした取り組みの中で、周辺地域における人や車の流れなどについて、工事完成後のシミュレーションを実施をし、必要な改善を行うよう事業主体に対し要請してまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(金井義忠) 原教育委員長。



◎教育委員会委員長(原秀子) 私からは幼保一元化を含め幼児教育のあり方についてお答えを申し上げます。

 私は家庭と幼稚園や保育園、そして地域が連携して、一人一人の子どもの育ちを促すことが、幼児教育の望ましい姿であると考えております。中でも、家庭は親の愛情としつけを通して、幼児の成長にとって最も大切な心を形成する基本的な場であり、幼稚園や保育園は幼児が家庭では体験できない友達との遊び、さらには自然などに触れ、教師や関係者らの愛情、情熱そして指導に支えられながら、幼児期なりの驚きや喜びなど、豊かな感動に出会う場であります。そして地域は、様々な人々との交流の機会を通して、豊かな体験が得られる場であると思います。

 幼保一元化は、幼稚園は教育施設、保育園は福祉施設という従来の区分けを打ち破り、多様な育児支援を実現する新しい幼児教育のあり方と認識しております。

 しかし、一方では、幼稚園教諭と保育士との勤務分担や幼稚園と保育園の施設の共用化の問題、さらには保育内容など運営上においても教育上においても、解決すべき問題があると考えております。教育委員会といたしましては、これから社会の宝として大きく成長する幼児期の子どもたちに、よりよい教育環境を整えるため、子どもたちの実態と保護者や地域の皆様の願いをしっかりと受け止め、責任を持って幼児教育の施策に取り組んでまいります。

 以上、答弁といたします。



○副議長(金井義忠) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私からは幼稚園教育のあり方、とりわけ幼稚園と小学校の連続性についてお答えを申し上げます。

 幼児教育は、人間形成の基礎をはぐくむ重要な場であり、特に現在は御指摘にございましたように、幼稚園と小学校教育とのスムーズな接続の確保が重要な課題となっております。本区におきましては、既に遠足や運動会等の行事、一、二年生の生活科の授業等で区立幼稚園と小学校とが日常的に交流し、実質的に連携した教育を行っております。また、指導に当たる教員も、幼稚園・小学校合同の研究会を昨年度から組織し、互いの教育実践を見合い、連携した研究を行うなど、指導の連続性を図る取り組みも始めているところでございます。

 しかし、小学校入学児童の出身幼稚園や保育園が多岐にわたること、教員同士の一層の交流の推進など、幼小連携の強化を図るにはまだ様々な検討すべき課題もございます。

 今後はこれまでの幼小連携の実績を踏まえ、他人に思いやりを持ち、優しい子どもを育てることや、生活していく上での決まりを守ること、子どもの仲間づくりの場となることなど、保護者の幼稚園に対するニーズを受け止め、基本的な生活習慣や学習のための基礎となる集団生活でのしつけや人間関係づくりなどに取り組みながら、小学校とよりスムーズな連携や接続ができるよう、幼稚園教育の充実に努め、区民の期待にこたえてまいりたいと存じます。



○副議長(金井義忠) 二十七番染谷賢治議員。



◆二十七番(染谷賢治) 非常に研究された懇切丁寧な区長からの御回答がありました。今、まさに三位一体、国と地方の仕事の分担等が、分かれ目を本当に猛烈な激戦をしているようなところでございますから、非常に難しいというふうに思いますが、毎日鍛練している区長の肉体は、すばらしい識見を持っていると思いますので、いざ災害のときも含めて、災害基本法六十条の避難勧告は首長が指揮すると、それが一番大事だということを毎日のように新聞に出ております。

 是非、時間がかかりますので読み上げませんが、本当に毎日原稿をつくる暇もないぐらい、ましてや今日は北海道地震、また震度五、マグニチュード七・一、被災者の本当に少ない数のことを願っております。

 教育委員会ですが、今、区長に申し上げましたように、今、まさに地方と国の本当に仕事の分担、そういう時期でありますから、愛情を持って教育環境をやってほしいなと。親の愛情、子の愛情というふうな表現を使われますが、子とか親とかばかり言ってないで、社会愛、人類愛、そういう愛の行動を勇気を持って、信頼を持って感謝されるような、そういう教育委員会であってほしいなと願いを込めまして終わります。ありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 三十一番小林崇央議員。



◆三十一番(小林崇央) 未来の渋谷をつくる会を代表して質問いたします。

 質問に先立ちまして、一言申し述べさせていただきます。

 先月の新潟県中越地震におきましては、多くの方が一瞬にして生活基盤を奪われ、現在、やっと復興の糸口についたところです。渋谷区からも援助物資及び多くの区民からの善意あふれる義援金を届けたところでございますが、雪国とあって被災者の皆様方の不安が募っていらっしゃるだろうところは想像にかたくありません。尊い命が失われたことに、心から哀悼の意を表明するとともに、被災者の支援を強力に推し進めるよう切望する次第でございます。

 それでは質問に入ります。

 旧大和田小学校につきましては、本年九月の第三回定例会において、区長から御発言がありました。その内容は、健康センターの設置、文化芸術振興の拠点のほか、プラネタリウムや子ども科学センターの併設、シニアいきいき大学やコミュニティ活動拠点、体育館、図書館などの複合施設として民間ノウハウを取り入れてつくるというものです。大和田地区の住民として大変喜ばしいことです。

 複合施設の建設に当たっては、区の事情、業者の事情ではなく、是非とも地元住民の要望をしっかり反映した施設にしていただきたいと思います。「ケアコミュニティ・桜が丘」として、旧大和田小は今でも地域に根づいております。この経緯を踏まえ、地元としっかり話し合っていただき、最大限地元の意思を尊重していただくことが最も重要だと思います。

 そのために、地元住民に対するヒアリングや説明会を十分に行っていただきたいと思います。地域の方が何を求めていらっしゃるのか、そのニーズをしっかりと把握することが必要ではないでしょうか。行政側が一方的に進めていく箱物施設に終わらない努力をしていただくことを強く要望いたします。

 当然、区の窓口や新しい図書館が施設に入ることでしょう。区の方針としてIT化の推進が掲げられるわけですから、ここに先進的な設備を設置することでその先鞭とし、渋谷区のIT推進シンボルとしての役割を持つものとしたらいかがでしょうか。

 さらに図書館については、点字本や映像資料、充実した音響設備を備えていただくなど、特色のある施設にしていただきたいと思います。障害を持った方々が利用しやすい環境を備えることも必要です。絵本をそろえ、小さ目のいすや声を出せるスペースをつくり、小さな子どもを連れて利用できるようにしてもおもしろいかもしれません。特色のある図書館を起点にして、まちづくりも視野に入れて建設していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、保育園の待機児童の問題も年々深刻化しております。地元からの要望も根強いものがありますから、保育施設の設置も是非お願いしたいものですが、いかがでしょうか、御答弁をお願いします。

 続いて、青少年の性行為規制についてです。

 渋谷区には、渋谷駅付近の大繁華街、また新宿駅周辺の地域などがあり、残念ながら治安の悪化が指摘されているところです。特に、最近では未成年者の売春、性病罹患の低年齢化などの問題がクローズアップされています。マスコミの報道では、渋谷駅周辺の映像が使用されることが多く、渋谷区にとって大幅なイメージダウンにつながっています。区内に住む未成年者、特に中学生も性犯罪や性病の大きな危機にさらされているかもしれません。

 このたび、東京都の「青少年の行動について考える委員会」から意見書が出され、東京都においては青少年健全育成条例で性規範を明文規定する方針であると報道があり、議論になっているところです。東京都の条例にかかわらず、渋谷区でも青少年の性行為を規制する条例を制定すべきでないかと考えますが、いかがでしょうか。

 ホテルなどの周辺産業に対しても、身分証の確認の徹底、行政への通報義務を課し、怠った場合には罰則を加えるなど、性行為の低年齢化に対して実効性のある取り組みをすべきです。区の職員や地域住民による巡回も積極的にした方がよいと思います。

 渋谷区の悪いイメージを払拭し、区内外の青少年を健全に育成するためには、青少年の性行為規制の条例をつくることが必要ではないでしょうか。渋谷という立地ですから話題を呼び、性問題の低年齢化に対する全国的な抑止のきっかけになるでしょう。区長の御見解をお尋ねします。

 続きまして、地区計画についてお尋ねします。

 現在、旧山手通り沿いの代官山地区、神南二丁目・宇田川町地区、表参道地区、策定準備中ですが神宮前五丁目・六丁目地区の地区計画が進行しています。多くは風俗店の進出の阻止、高層建築による生活環境破壊の防止といった目的だと聞いています。

 現状では、残念ながら多くの区民の方が、この地区計画という制度を知らない状態です。そのために、いまだに高層建築にかかわる建築紛争や風俗店の進出の反対運動が後を絶ちません。

 この地区計画制度を有効に活用すれば、今以上に魅力的なまちづくり、住みやすい渋谷づくりが可能になるに違いありません。そのためには、まず区が先頭に立って勉強会や講習会を地域で定期的に行い、区民の皆様にこの制度を知っていただく努力をすべきと思います。制度の説明をするのではなく、例えば建築家や郷土史家を講師として、その地区の文化的、歴史的背景など住民が学び、考える機会を設けたり、防災・防犯対策といったものをあわせて学ぶ機会を設けたりするなど、区民の皆様のまちづくり意識を高めることも必要だろうと思いますが、いかがでしょうか。

 このような取り組みを進めていけば、住民の総意で地区計画立案が進み、将来には全区的に緑化地区、建物の色をそろえた景観重視の地区、活気ある商業地区など、特色のある街並みが生まれるでしょう。つまり、より住みやすく、魅力的な渋谷区をつくることにつながっていると考えます。

 現状では地区計画を定めた地区以外に、風俗店が進出したり、高層建築物が建ったりする事例があります。一部地域での急激な治安の悪化や生活環境の破壊につながることはないでしょうか。このようなことのないよう、区内全域での地区計画の策定が急務だと思います。そのためには、区が主体的、積極的に勉強会や講習会を地域で定期的に行うことが有効だと思いますが、いかがでしょうか。区長の御答弁をお願いします。

 続いて、住宅と店舗の併存についてです。

 このところ、住宅街に店舗が点在していることを多く見かけます。住宅街の中に個性的なファッションのお店があったり、隠れ家的な飲食店があったりしており、訪れる人の探究心をくすぐる人気店になっていることも少なくありません。

 ところが、昨今、これらの点在型店舗が悪臭、騒音、ごみの取り扱いなど、周辺住民とトラブルを起こすという苦情が多くなったと思います。商店街などの商業地域でないために、自律的な解決が図れず、近隣住民とのすれ違いや摩擦が日常的に起こっていると聞いています。

 店舗と住宅の併存が広がっていることに対応して、このような点在型店舗に対しての規制を区で設けてはいかがでしょうか。例えば、悪臭、騒音に対しては、一定の基準を設け、基準を超えるものについては防臭・防音設備の設置を義務づける、苦情の多い店舗については、周辺住民との協議の場を区が仲介する、ごみ捨て場には悪臭やカラスの対策設備を義務づけるなどの制度が考えられないでしょうか。

 また、路上の客に対しても、客への呼びかけを徹底させ、店舗前に十分なスペース確保を義務づけるなどの対策が考えられます。これらの点在店舗対策について、区長のお考えをお尋ねします。

 続きまして、渋谷区の緊急課題として、保育園の待機児対策があります。これについて提言します。

 区内の現状を考えますと、小中学校跡地や区の施設に保育園を設置する以外、新しく保育園をつくるだけの候補地は簡単に見つかりません。その結果、保育園の待機児はますます増加する一方になっています。保育園に子どもを入れることができないために、働く女性の出産が抑えられ、ますます少子化に拍車がかかるとともに、二十三区内有数の長寿区である渋谷区は将来深刻な高齢化を迎えることが予想されます。

 さて、最近では働く女性が増え、大企業では事業所の中に保育施設を持つことも増えています。渋谷区内には、事業所内保育所を設置するだけの余裕を持つ大規模な事業所が複数存在しています。これを区内の待機児解消に利用することはできないでしょうか。区内の大規模事業所内の保育所を区が補助金を出して育成し、受け入れに余裕を持たせることで、そこで働く女性の子どもだけではなく、地域の子どもも受け入れさせることが考えられます。新たに保育園をつくるよりも予算と時間が抑えられるのではないでしょうか。

 また、子どもにとっても幼いころから他の地域の子ども、すなわち事業所内に勤める職員のお子さんと交流を持つことによって、社会性を高めることができます。働いている姿をかいま見るなど、教育面でも有効ではないでしょうか。待機児対策として、事業所内保育所を育成、活用することについて、区長のお考えをお尋ねします。

 次に、子育て支援策についてお尋ねします。

 渋谷区は合計特殊出生率が非常に低いという話は、今まで何度も議論されたことです。高齢化、共働き夫婦の増加、働く女性の子どもの受け入れ先不足、教育費の高騰など、要因は幾らでも考えられます。これに対し、渋谷区の未来を担う人材を育てていくために、区で子育て支援策を充実させ、子どもを産みやすいまちにしなければならないことは、議論の余地のない話です。そのためには、様々の対策をとらなくてはならないですが、先ほど挙げたような保育所など、受け入れ先の充実はもちろんのこと、金銭面でも支援が必要だと思います。

 現在、渋谷区では敬老祝い金を出していますが、例えば同様に第二子、第三子誕生の際に、区からまとまったお祝い金を出してはどうでしょうか。また、同一家庭の兄弟が同一の小中学校に進学した際には、学費、その他の面で優遇措置をとることも考えられます。

 区のイベントで双子や兄弟をテーマにしたものを企画したり、七五三の衣装の貸し出しや文具割引券の発行を行うことによって、子育てに対する金銭的な負担軽減を図っていくことも意義のあることでしょう。二子、三子の出産に前向きな姿勢を持っていただくための取り組みを行ってはいかがでしょうか。区長のお考えをお尋ねします。

 以上、御答弁をよろしくお願い申し上げます。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 未来の渋谷をつくる会、小林崇央議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初に、旧大和田小学校跡地利用につきまして、事業の進め方を慎重に行い、区民のニーズに適切に対応するようにという御提言がございましたけれども、適切に対応してまいりたいと、このように思います。

 一点目は、導入予定とされる図書館についてでございます。

 現在の大和田図書室につきましては、旧大和田小学校の余裕教室を活用いたしまして、平成七年度に開設したところでございます。新しい図書館の機能や内容につきましては、施設全体から見た図書館のスペース、区内におきます旧大和田図書室の果たすべき機能や役割、さらには図書館の利用状況等を勘案しながら、今後、策定されます予定の基本構想の中で、まちづくりの視点も含めまして検討してまいりたいと、このように考えております。その中で、区内図書館としての位置づけを踏まえながら、障害者の配慮を行い、区民ニーズに的確に対応する図書等を備えてまいりたいと、このように思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 二点目として、保育施設の併設についてのお尋ねでございます。

 旧大和田小跡地利用に関しまして、近隣の桜丘保育園が、ゼロ歳児から三歳児未満の乳児を対象とした施設でございます。その移転や拡充について、地元からかねて強い要望のあることも聞いているところでございますので、こうした事情を勘案いたしまして、御提言の趣旨を踏まえながら検討をしてまいりたい、このように思います。

 次に、青少年の性行為の規制についてのお尋ねでございます。

 御指摘のとおり、安易な低年齢の性行動は、青少年の健全な心身の発達を妨げる大きな要因であると、このように思っております。このため、東京都は「青少年の性行動について考える会」を設置いたしました。都はその答申を得て、青少年健全育成条例の改正を行う予定であると聞いておりますので、その推移を見たいと、このように思います。

 次に、地区計画についてでございます。

 本区は、渋谷区都市計画マスタープランに示されておりますように、区民、企業及び区が相互に連携協力して進める協働型のまちづくりを目指しているところでございます。地区計画は都市計画法に基づく制度でございまして、建築物の用途の制限や建築物の高さの最高限度など、地域による合意を前提といたしまして、都市計画審議会の手続などを経て、地区ごとに策定をすることといたしております。

 地区計画制度は、本区が目指す協働型のまちづくりにとって、非常に有効な手段であると考えておりまして、区内ではこれまで代官山地区、神南二丁目・宇田川町地区、表参道地区及び旧山手通り地区の四つの地区計画を策定済みでございまして、現在、五つ目の神宮前五丁目・六丁目地区地区計画の策定中でございます。

 また、地区計画を知りたい、決めたいといった動きがある場合に、区職員が直接に出向いたり、建築士等の専門家を派遣し、勉強会や講習会を開催するなどして、地域でのまちづくりは、これも現在支援をしているところでございますので、所管課の方にお尋ねをいただきたい、このように思っております。

 なお、御提言の中で、文化や歴史的背景、景観維持や防災などを含めて、地区計画制度を説明するように努力すべきであると、このようなお話がございました。前段での講習や勉強の機会をとらえまして、幅広く文化や歴史や景観について説明し、地区計画制度に対します関心が全地域に広がるような努力をこれからも重ねてまいりますので、よろしく御理解をいただきたいと存じます。

 次に、住宅と店舗の併存する中で、住宅地内の店舗から出る悪臭や騒音等について、区で基準を設けるべきではないかという御提言でございます。

 御指摘のように住宅地への店舗の進出に伴いまして、店舗から発生する悪臭や騒音等に関する苦情が寄せられていることも事実でございます。こうした苦情につきましては、本区は東京都環境確保条例に基づき、これまで指導を行ってまいりました。この中で、臭気の規制に関しましては、人によって感じ方が様々でございますので、その対応はなかなか難しいところがございますけれども、店舗と近隣住民双方の御理解をいただきながら、問題の解決に当たっているところでございます。

 また、ごみ置場のカラス対策につきましては、カラスネットを配布し、ごみの散乱防止をお願いをしているところでございます。

 御提言の悪臭や騒音等の基準につきまして、基準値の設定等は、当区のみならず広域的な課題でございますので、区独自で設定したり、規制することはなかなか難しいであろう、このように考えております。

 なお、悪質な店舗に対しましては、行政指導をさらに徹底するとともに、区商連や東京商工会議所等との連携を図りながら、問題の解決に当たりたいと存じます。

 待機児対策として、事業所内保育所を区が補助金を拠出して、育成・活用すべきではないかというお尋ねでございます。

 本区では保育園の待機児解消のために、保育園の定数拡大、複合施設への保育園の設置、認証保育所の誘致などを進めてまいりました。しかし、事業所内保育所を区が補助金を出して育成し、区民の子どもの保育にも対応すべきとの御提言でございますけれども、本来、事業所におきます保育施設は、各企業が従業員の福利厚生事業の一環として設置をしているものと理解しているところでございます。したがいまして、このような事業所内の保育所に対しまして、各企業の人事政策にかかわる部分が多いと考えますので、区が補助金を出して育成・活用することは困難であろうと、このように思っております。

 最後に、子育て支援についての経済面からの支援についてのお尋ねでございました。

 子どもたちの健やかな成長のための支援につきましては、国を初め、地方公共団体や企業、地域、家庭等、社会全体で考えなければならない課題であると存じます。本区におきます子育て支援施策につきましては、幼稚園、保育園に係る施策、子育て支援センター、子ども家庭支援センターの施策、あるいは小学校の放課後対策など、多様な施策に取り組んでまいりました。子育て支援施策として、第二子、第三子誕生の際の祝い金の支給、双子や兄弟をテーマとしたイベントの企画、七五三の衣装の貸し出しや文具割引券の発行など、なかなかおもしろい御提言であろうと、このように思いますが、しかしこのことが区にとって将来財政負担を伴うことがないか、その事業目的とその効果等についてしっかり見きわめた上で対応してまいりたい、このように考えております。どうぞ御理解をお願いしたいと存じます。



○副議長(金井義忠) 三十一番小林崇央議員。



◆三十一番(小林崇央) ただいま区長よりそれぞれ御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 御提案させていただいたそれぞれの議題について、足りない点は今後私たち未来の渋谷をつくる会所属の議員が、それぞれの委員会で議論をしていきたいと思います。

 以上で質問を終わります。



○副議長(金井義忠) 議事進行上、暫時休憩をさせていただきます。

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   休憩 午後二時四十二分

   再開 午後三時二分

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○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 五番沢島英隆議員。



◆五番(沢島英隆) 私は、渋谷区議会公明党を代表して、大きく七点質問します。

 質問に入る前に一言申し上げます。

 去る十月二十三日に発生した新潟県中越地震は、四十人を超える死者と大勢の負傷者を出す大災害となり、今現在も多くの方が避難生活を余儀なくされておられます。被災された地域の一日も早い復旧を心からお祈りするとともに、公明党として引き続き復旧支援に全力で取り組んでまいる決意です。

 それでは質問に入ります。

 まず一点目は、渋谷区の防災についてお伺いします。

 今回の新潟県中越地震において、地震発生以後、自治体、ボランティア、ハイパーレスキューを含む消防隊の方々等が必死の支援活動を行われてきましたが、中でも自衛隊の活躍は目覚ましいものがありました。発生後二日目までには二千百人の自衛隊員を派遣。それ以後、一日当たりの最大派遣人員は四千六十七人に及びました。ヘリやすぐれた通信機材を活用した情報収集、救助、運搬、復旧において発揮された機動力、またテントやおふろの供給で示された被災者の生活支援など、災害に対する能力の高さを証明しました。

 防衛庁では、東京、神奈川などを含む南関東直下型地震発生の際には、二十四時間以内に約二万人の自衛隊の投入、さらには七十二時間以内に七万三千人を投入、最終的には八万五千人を投入する計画を策定しています。そのときは、渋谷区にも最終的には約千五百人の自衛隊が投入されることになります。

 この計画案では、被災一日目は被災者への緊急治療がピークとなり、二日目、三日目は被災者の救出作業がピークとなるとともに、食料支援が本格化、炊事車、給水車の投入が開始され、四日目以降八万五千人が被災者生活支援に当たるとしています。これだけの自衛隊が派遣された場合、それが有効に機能するためには、事前に十分な防災訓練が不可欠であります。第二回定例会でも、我が会派の古川議員が、自衛隊との共同訓練の必要性を訴えましたが、この質問に対する区長答弁に対し、日本共産党の新保議員から、自衛隊は憲法違反の軍隊だとか、自衛隊の治安出動に道を開くだの、イデオロギー優先で区民の生命を軽視した自分勝手な発言がありました。そのような発言は絶対に認めることはできません。強く指摘しておきます。

 既に東京二十三区でも多数の区で実施されている自衛隊との共同訓練を渋谷区としても是非行うべきと考えます。区長の御所見をお伺いします。

 また、あわせて災害発生時期を考慮した被災生活支援計画の見直しが必要ではないでしょうか。今回の新潟地震は、真冬の時期ではなかったのが不幸中の幸いだったと思います。地震発生時期は予測がつきません。仮に、東京で夏に発生した場合、ヒートアイランド現象で昼間などは四十度近い気温になる場所もあるかもしれません。逆に冬は厳しい寒さにさらされます。特に高齢者、乳幼児など、災害弱者が避難所で亡くなるというような悲惨な事態を防ぐために、季節や天候を考慮した備えが必要です。そのために、被災生活を視野に入れた訓練、備蓄物品の見直し、避難所の整備等が不可欠であると考えます。区長の御所見を伺います。

 二点目は安全対策についてお伺いします。

 前回定例会でも、区長から、昨年の渋谷区内の刑法犯罪件数が前年と比較し千十五件減少し、都内の自治体の中で最も犯罪が減少した自治体であるとの発言がありました。今年の渋谷区内の刑法犯罪件数は、最も犯罪が減少した昨年よりは微増傾向にあるものの、大繁華街を抱える渋谷警察署管内の刑法犯罪発生件数を見てみますと、昨年の同時期と比較し、二百八十七件も減少しており、特筆すべき成果であります。

 これは、桑原区長が本気になって安全対策を推進された大きな成果であり、高く評価するものです。具体的には安全対策本部の設置、防犯パトロールの実施、防犯カメラ設置、犯罪対策補助金制度創設など、我が会派で強く推進してきた諸施策が大きな効力を発揮したものと考えます。その上でさらなる安全対策推進のため、三つの項目について質問します。

 一つ目は、犯罪多発地域への具体的な対策強化です。安全対策本部では、犯罪発生状況を町丁目ごとに、しかも犯罪種類別に統計をとっていただいています。これを見ると、犯罪が多発している地域が一目瞭然にわかります。これをさらに現地調査し、警察、地元住民、安全対策協議会の方々等とも打ち合わせをしながら、きめ細やかな具体的対策を強化していただきたいのです。

 例えば、ひったくり、痴漢などの多発するところには警視庁に直通でつながるスーパー防犯灯を設置するとか、自転車の盗難、車上荒らしの多いところへは防犯カメラを設置する、空き巣の多い地域は、後で触れますが、地域パトロールを早期に立ち上げる工夫をする、また場合によっては街灯の光度を特別に上げて明るくしたり、パトロール特別強化地域といった大き目の看板を立てるだけでも効果が出るケースがあると思います。

 二つ目は、現在推進中の区内十一地区での安全対策協議会を軸とした自主防犯パトロールの早期の立ち上げです。警視庁の見解としても、防犯に一番効果があるのは、地域住民の防犯意識の高まりと地域パトロールであるとしているとおり、渋谷区内全域でのパトロールの実施が最重要課題であると考えます。

 ただ、防犯パトロールについては、人材を確保するのが非常に難しい面があります。特定の人に負担がかかってしまうようでは長続きしません。無理なく、大勢の人が協力できる仕組みづくり、工夫がまず必要ではないでしょうか。

 お隣の杉並区でも、自主防犯団体の活動が活発で、「ママチャリパトロール隊」、「子ども守り隊」、「ご近所付き合い広目隊」など、九十九の団体が発足しており、そのような自主防犯団体があるところでは犯罪が減少していることが証明されています。

 昨年、世田谷区で初めて設立された「わんわんパトロール隊」も大きな効果があることがわかり、昨年来、全国で百団体以上が立ち上がりました。これは地域の愛犬家が協力し、犯罪抑止へ目立つ腕章をつけて、日常の愛犬との散歩を行い、不審者、不審車両を見つけたら一一〇番通報するというものです。

 一方、まちのそば屋や寿司屋、米屋、酒屋がバイクで配達を行う際、地域防犯パトロールを兼ねる「出前パトロール」も話題を呼んでいます。これは本年三月に目黒区で始まりましたが、埼玉・川口市や江戸川区、足立区でもスタートしています。渋谷区でもPTAに御協力いただき、いわゆるママチャリに防犯パトロール中のボードをつけていただいたり、我が会派から提案し、すぐ実現していただいた公用車への防犯用マグネットシート装着など、様々な工夫をしていただいていることは高く評価するものです。

 しかし、もう一歩踏み込んで、例えば防犯パトロール中のボードをPTAだけではなく、町会、商店会や地元住民などに広く協力を呼びかけて、自転車やバイクにつけていただいたり、あるいは「出前パトロール」もそば屋、寿司屋等だけではなく、ピザ、弁当のデリバリーや新聞配達員、宅急便などで良識ある業者に協力をしていただくなど、アイデアを出してできることから実現をお願いしたいと思います。

 このような中から、地域の防犯意識が高まり、本格的な地域パトロールが立ち上がれば理想的ですし、学生、ボランティアなど、若い人たちに協力を呼びかけ、協力者には区として顕彰してあげるなど、様々な工夫をして人材を確保できればよいと考えます。

 三つ目は昨年の第三回定例会でも質問しましたが、悪質な客引き禁止条例の制定です。

 私は、九月十七日金曜日の深夜十二時から一時まで、渋谷センター街周辺を、また翌日十八日土曜日の午後一時から二時まで、竹下通り周辺を安全パトロール隊の方とパトロールをさせていただきました。そのとき、毎日現場を回られているパトロール隊の方から、「悪質な客引きがさらに増えてきていますよ」ということを聞きました。

 渋谷駅周辺では、駅前交番の前でさえ、多いときで二十人くらい怪しげな勧誘行為をする人間がいるということです。恐らく、風俗などへの勧誘も多いのではないかとのことです。

 また、竹下通りには相も変わらず強引な客引きをする外国人が多数おりますし、最近では表参道と明治通りとの交差点の付近で、平日の夕方、帰宅途中のOLをねらった高額な化粧品の悪質キャッチセールスが横行し始めているとのことです。

 やはり、このように悪質、強引なキャッチセールスが横行しやすい地域は、客引き行為を一切禁止する必要があると考えます。これは反面、営業妨害になる可能性もあり、法律的な裏づけも確認しなければなりません。その意味で、弁護士、警察、有識者などで構成されるプロジェクトを発足し、罰則つきの悪質な客引き禁止条例を制定すべきと考えます。

 以上、安全対策の三項目に対し、区長の御所見を伺います。

 三点目の質問は落書き対策についてです。

 落書きされた家は、原状復旧に数十万円かかる場合もあり、大変に迷惑をこうむられています。また、公共物に汚らしく書かれた落書きを見るたび、区民の方は嫌な思いをされています。これまで美化推進委員会など地域の方々、ボランティアの方々、さらには小中学生の児童等の御協力をいただいて、落書き消しを実施していただき、大変な御苦労をおかけしてきましたが、現実的にはなかなか落書きは減っていません。やはり、きれいなまちであってほしいというのは区民の皆さんの率直な気持ちと思います。

 落書き防止は、そのまま犯罪の抑制にもつながります。ニューヨークのジュリアーニ元市長がそれを実証されました。有名な「破れ窓理論」です。

 先日、NHKのある番組で、世田谷区下北沢商店街の落書き対策の取り組みが紹介されていました。この商店街では、店のシャッターなどにひどい落書きがされて、消しても消しても書かれるため、当初、消すこと自体をあきらめていたそうです。しかし、このままではいけないと商店会長が立ち上がり、落書き消しの日を決めてインターネット等で協力を呼びかけたところ、下北沢が好きな若者を含め、様々な方が参加し、当初予定をはるかに上回る百数十人が集まり、一気に落書きが消されていく模様が放映されました。

 この中で幾つかポイントがありました。一つ目は、ある程度の広い地域にわたって一気に消すことが大事であること。二つ目に、消した後、新たに落書きがないかどうか常に注意て見ておき、少しでも書かれたらすぐに消す。三つ目に、限られた人たちだけでやるのではなく、広く不特定多数に呼びかけることで、予測もしなかった人が集まり、人材が確保できたことなどです。

 そこで提案したいのは、渋谷区として、地域の方とも十分検討した上で、「(仮称)落書き追放五カ年計画」など、具体的なプランを決めて、落書きのない町の実現を目指すべきと考えます。区民の皆さん、外来者の皆さんにも協力を呼びかけ、きれいな町、住んでいて気持ちのいい町になればすばらしいと思います。

 この計画の中で、まず区内の落書きの状況を把握し、地域の方々とよく協議した上で、落書き防止モデル地域を決めて、落書き消しと、その後の環境維持を実施してみてはどうでしょうか。そして、その後、他の地域へも五年くらいかけて拡大していければ理想的です。その際、やはり労働力が一番問題になりますが、区ニュース、またインターネットなどで広く広報し、本格的に取り組めば、今まで参加されていなかった区民の方や、NPOやボランティア、学生、企業等のさらなる協力がいただける可能性は十分にあると考えます。

 そして落書きを消した後の現状維持については、もちろん地域の方々等に御協力をいただくのが前提ですが、落書きは許さないという強い意思を示すことも大事だと思います。「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」のさらなる周知徹底を図り、落書きのひどい場所に看板を増やすなど、様々な方法について検討していただきたいと思います。区長の御所見を伺います。

 四点目は介護予防について伺います。

 まず、これまでの経緯を確認しておきたいと思います。公明党は本年四月三日に「介護予防十カ年戦略」を発表し、国に対して申し入れを行いました。そして五月十九日に、この公明党の十カ年戦略を全面的に採用した「健康フロンティア戦略」を政府・与党として決定、来年度概算要求で一千百二十六億円が計上されました。そして、今行われている介護保険制度改革の中で、この健康フロンティア戦略の着実な推進のため、二〇〇五年度中に全国で約三千カ所、二〇一一年度までに各小学校区に一カ所、つまり全国で約二万三千カ所の介護予防サービス拠点を設けることを目標としています。

 そして、地域福祉社会構築のため、市町村が指定・監督する小規模多機能型サービスなど、地域密着型サービス体系の創設と、介護予防システムとの連携を図っていくことを明確に位置づけています。それに伴って、ケアマネジャーや在宅介護支援センターについても、介護保険制度における位置づけの抜本的な見直しと機能強化を行うとしています。

 なぜ公明党が介護予防にここまで力を入れているかというと、まさに際限なく上昇する社会保障費を何とかしなくては、介護保険制度、ひいては日本経済そのものが破綻してしまうという強い危機感があるからです。そのためには、まず高齢者人口に占める要介護者の割合を減らし、お元気な高齢者が多い社会、健康長寿社会の構築が不可欠であるとの結論から、介護予防の取り組みを本格化したのです。

 十カ年戦略の目標としては、今後十年間で高齢者に占める要介護者の割合を現在の一五・五%から一〇%以下へ、約三割低下させるという意欲的なものとなっています。渋谷区においても、この流れをいち早く先取りし、笹塚二丁目の福祉施設、また幡ケ谷の高齢者センターの設置など、小規模多機能型サービス、地域密着型のサービスと介護予防の連携を図った施設整備に着手されたことを高く評価するものであります。区としては、今後さらに力を入れて介護予防に取り組まれるものと考えていますが、是非区長の御決意をお聞かせいただければと存じます。

 五点目は、子どもの虐待防止に関して質問します。

 先月十月十五日に神南小学校内に子ども家庭支援センターが新設されました。昨今の悲惨な子どもへの虐待事件、あるいは児童による殺人事件など、考えられない事件が続く中、我が会派として昨年、伊藤議員が、また本年、古川議員が、子どものいる家庭への支援、子どものいじめや暴力の防止を強く訴えてきましたが、このような形で早期に実現していただいたことに、深く感謝申し上げます。今後とも絶対に悲惨な事件が起きないように、当センターが有効に機能することを期待すると同時に、私も尽力してまいる決意です。

 まだ開設したばかりではありますが、一つ提案をさせていただきます。これは高知県中村市等で実施されている取り組みですが、子どもが生まれる前、つまり妊娠期から虐待を予防しようという試みです。つまり、虐待の早期の発見と対応は重要なのですが、赤ちゃんの場合は手後れになる場合があるので、未然に防ぐには妊娠期からの対策が必要ということなのです。

 高知県中村市のある産婦人科では、児童相談所に協力し、来院した妊婦にアンケート調査を実施しているそうです。今回の妊娠はうれしいか、育児を楽しめると思うか、子ども時代の親の態度、例えば優しかった、怖かった、相手になってくれなかった、などという約二十項目程度のアンケートを行います。一般に、親の未熟、経済的困窮、子ども時代の虐待経験による心の傷などが重なると、虐待を起こす危険性が高まります。

 アンケートや妊婦の話をもとにリスクを把握し、育児のアドバイスなど必要な支援を行います。行政窓口でも母子手帳を受け取る際に、保健師が同様の取り組みをしています。さらに保健師が家庭訪問を行うケースもありますし、産婦人科の医師がカウンセリングを行う場合もあります。この相談所の主任は、妊娠期から取り組めば、虐待は随分防げると感じる。助産師や保健師には、虐待リスクがあるということで、母親を傷つけない心がけも必要であると語られています。

 渋谷区でも虐待を防止する入り口として、子ども家庭支援センターが、保健所、産科医、保健師、児童相談所との協力のもと、妊娠時からの虐待防止ネットワークを是非構築していただきたいのです。

 また、妊娠時だけに限らず、子どもの虐待は手をこまねいているほんの少しの間に、取り返しのつかない事態に発展することが間々あります。どうか悔いの残る対応が発生しないように、慎重な上にも毅然たる取り組みを実施していただくようにお願い申し上げます。区長の御所見を伺います。

 六点目は、発達障害児教育と放課後事業について質問します。

 まず、発達障害児教育についてです。

 発達障害児とは、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)などで、授業に集中できず、宿題を忘れる、落ち着きがなく授業中に歩き回るといった症状があります。文部科学省の調査では、知的障害はないものの、学習面か行動面で著しい障害を持っているとされる児童は、通常学級で六・三%に上るとされています。どのクラスにも一人ないし二人はこうした子どもがいる計算です。

 このような現状を受けて、今国会に発達障害者支援法案が提出されています。これは、まず公明党の「発達障害者・障害児支援を考えるワーキングチーム」が要綱を作成。今年四月に結成された公明、自民、民主など超党派議員連盟でも、事務局長に就任した公明党福島 豊議員を中心に、公明党案を土台にまとめた支援法案の骨子が了承され、法案化されたものであります。

 知的障害を伴わない発達障害は見きわめが難しく、問題行動が本人や親のしつけによるものと誤解されてしまい、いじめ、引きこもりなど深刻な状況を招きかねないと指摘されています。今回提出された支援法案は、国・自治体に対する医療、教育、心理的な援助を行うように求め、周囲にいる人の理解と協力を得ながら、発達障害の子どもを抱える保護者への支援、個性に応じた就労支援など生活全般にわたる支援を行うことを定めています。あわせて急務の課題である専門家の育成や発達障害者支援センターなど、都道府県における体制整備も求めています。

 私も、渋谷区の小学生の保護者から何回か相談を受けたことがあります。現在、渋谷区では、情緒障害児のための「ふたば学級」の中で、そういった子どもたちの一部を受け入れておりますが、小学生のみに対応しているので、中学生には対応できません。「ふたば学級」に子どもを通わせている保護者の方からも、「ふたば学級卒業後が不安だ」との声もありますが、どのような対応を考えられているのか教えてください。

 また、学習面か行動面で著しい障害を持っている児童がいるために授業が進まず、一般の児童に影響が出てしまう場合もあります。昨年の代表質問でも申し上げましたが、補助教師、ボランティア等を各校に配置し、当面対応せざるを得ないと考えますが、いかがでしょうか。

 国や都の動向を見た上で、区として判断していくことになると思いますが、区としてもできる限り早急かつ積極的な取り組みをお願いします。教育長の御所見を伺います。

 次に、放課後事業に関する今後のあり方について端的に伺います。

 今、渋谷区で進められている放課後クラブ事業については、我が会派では将来的には全小学校に設置することを目的として、拡大すべきものと考えております。それによって、必然的にその機能を終える学童館は、ゼロ歳児、一歳児専用の保育園として施設改修し、保育園全体の定員増加を行い、待機児の大幅な解消を図るべきと考えております。さらには、その形態を経て、未就学の乳幼児・児童をトータルに保育・教育する意味で、幼保一元化を行うべきというビジョンを持っています。放課後事業に関する今後のあり方について、区長の御所見を伺います。

 七点目に電子自治体について伺います。

 冒頭の区長発言でも触れられていましたが、渋谷区では明年一月二十五日より電子申請サービスが、また明年四月より電子調達サービスが開始される予定です。我が会派でも様々な機会に、電子自治体の具体化を強く求めてきましたが、このように早期に第一歩を踏み出していただき、感謝申し上げます。

 今回提供される電子申請サービスにおいては、自宅、会社のパソコン等から申請・届け出の申し込みが可能となります。ただし、今後の課題として、内部既存業務との自動連携、交付物をインターネットを通じて行うための認証システムの構築、手数料納付の電子化という課題が残っています。また、今回十二業務を対象に実施されますが、他の業務への早急な拡大が望まれます。

 電子調達サービスにおいては、今まで窓口対応や郵送、ファクスなど手間のかかっていた手続がインターネット上で行えるようになり、利用者の利便性向上、また入札プロセスの透明性、公平性の確保も大きく前進するものと期待しております。

 今、社会のあらゆる分野でIT化の流れは、まさに奔流の勢いで加速しています。ユビキタスネットワークなどは、その最たるものと考えます。ユビキタスとは、古いラテン語で「どこにでも」という意味で、つまりどこにいても、いつでも、どんなものからでもネットワークにつながるのが、ユビキタスネットワークです。

 数年前には夢物語であったことがどんどん実現されており、自治体のITも、すぐに革命的に変化することは明白であります。今後、さらなる利便性向上、業務の効率化のため、電子自治体の推進、IT化に力を入れていかれると思いますが、区長のお考えを伺います。

 以上、大きく七点質問させていただきました。御答弁をお願いします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党の沢島英隆議員の代表質問にお答えをしたいと思います。

 最初に、区の防災対策についての二点のお尋ねがございました。

 初めに、震災に対して派遣された自衛隊が有効に機能するためには、事前に十分な訓練を行うことが不可欠であり、自衛隊との共同訓練を是非行ってほしいというお尋ねでございます。

 総合防災訓練は、自主防災組織、消防、警察等との防災関連機関との綿密な連携体制の確立や、防災行動力の向上及び防災意識の高揚を図るために、実践的、体験的な訓練として実施してまいったものでございます。

 自衛隊の参加につきましては、確かに第二回定例会で貴会派の古川議員からも御要請がございましたが、自衛隊は災害復旧に対する強い機動力を持っており、連携が大切であると考え、今年の総合防災訓練本部訓練におきましても、自衛官の参加を得て運営をしたものでございます。引き続きまして、御提言の趣旨を踏まえた訓練の充実を図ってまいりますので、御理解をいただきたいと、このように思います。

 次に、災害弱者が避難所で亡くなるというような悲惨な事態を防ぐために、季節や天候を考慮した備えや訓練、避難所の整備等が不可欠であると、こういうお尋ねでございます。本区は避難所に避難した高齢者、障害者、乳幼児等で介護が必要とされる被災者を収容するため、特別養護老人ホーム等の社会福祉施設を第二次避難所として指定しているところでございます。

 本区の反省すべき点は、その一つとして、毛布やタオル、あるいは暖房器具といった備蓄品の強化をしていかなくてはならない、こういうふうに思っておりますのと、二つ目には、二次避難所の拡大のために、ホテル等との連携や公共施設開放等の拡充等の課題があろうと、このように考えております。他方では、高齢者等への温かい食事の提供や共同生活を維持するためには、近隣関係を強化すること。つまり、地域のコミュニティもますます強化していただくことも必要であろうと、このように思っているものでございます。

 いずれにいたしましても、新潟県中越地方の実態を踏まえまして、それぞれ防災関係団体・機関、役割を踏まえながらも、だれがどのような支援を展開していくのか具体的に検証し、必要な訓練、備品等を調整してまいりたい、このように存じます。

 二つ目に安全対策についてのお尋ねでございました。

 まず、犯罪多発地域に応じた地域別犯罪種類別の対応が必要ではないか、あるいは自主防犯パトロールの強化について、もっともっと工夫すべきである、こういうようなお尋ねであったと思いますけれども、一括して御答弁をさせていただきたいと存じます。

 御案内のとおり、昨年の区内の犯罪発生件数は、前年と比べまして一千十五件減少しました。都内で最も減少した地域となったところでございます。しかしながら、安全対策に関しては手をゆるめてよいということではなく、今、沢島議員の御提言にもございましたようなきめ細かな対策を強化していかなくてはならない、このように認識するものでございます。

 私は安全対策推進していく上で、何よりも重要なことは、区民の皆様方の自発的な取り組みが何よりも大切である、このように考えているところでございます。したがいまして、貴会派の御提言にもございました大幅な防犯用品の助成強化を行ったのもその一つでございました。また、「防犯リーダー実践塾」を実施し、防犯リーダーを育成し、地域の実情に応じた対策を実施することの必要性もあると、このように考えるものでございます。

 そこで、それぞれの地域において考え抜かれた対応策について、区といたしましても地域の皆様や警察などとの関係機関と一緒に考え、また協力してまいりたい、このように思っております。

 議員提案の自主パトロールも大切でございますし、出前パトロールなどにつきましても、すばらしい御発案だと、このように思っております。しかし、自発・自主のパトロールにつきましても、区民の皆様方の自らの積極的な取り組みがあって初めて継続していくものになっていくと、このように存じます。御提言の趣旨は、行政としても受け止め、数々のこの言及に基づきまして御提案を深く受け止め、これからも精進してまいりますので御理解をいただきたいと、このように存じます。

 安全対策として、悪質客引き禁止条例の制定についてのお尋ねでございます。

 昨年七月に渋谷駅周辺におきまして声をかけられました稲城市の小学生が、赤坂で監禁された事件が発生いたしました後、区といたしましても、こうしたキャッチセールスなどを条例で規制できないか、こういうことにつきまして研究をしてまいりました。そのために、弁護士等々もお集まりをいただいて協議をしたところでございますけれども、その中で一番壁に当たりましたのが、憲法に保障されております「職業選択の自由」に対する規制になるのではないかいうようなことがございまして、立法技術上、非常に難しいと、こういうような結論であったわけでございます。

 他方、東京都の竹花副知事とも、東京都で何とか規制をしていただけないかというような話も、私は相談として持ちかけたわけでございますけれども、東京都といたしましても、二、三の区の問題に関して、広域的な規制はなかなか難しいのではなかろうか。それでも何とか検討してみるというようなことで別れたわけでございますけれども、こういったことに関しまして、竹花副知事から客引き規制のために東京都迷惑防止条例の改正について、今回、対応できるようになったというような報告をいただきまして、現在のような状況になっているわけでございますけれども、さらにこの迷惑防止条例を改正して、さらに対応したいと、こういうようなお話も聞いているところでございます。

 一方、国におきましても特定商品取引に関する法律の改正法が施行されまして、いわゆるキャッチセールスなどに関し、販売目的を隠して勧誘する行為を禁止し、罰則を設けるなど、規制強化が図られているところでございます。したがいまして、十二月の都議会定例会で、東京都迷惑防止条例の改正案が提出されると、このように伺っておりますので、この推移を見ながら対応してまいりたいと、このように思います。御理解をいただきたいと存じます。

 落書き対策についてのお尋ねでございます。

 御指摘のとおり、落書きは景観、環境美化の面だけでなく、安全対策上も重要な課題であると、このように考えております。そのために、警察にも御協力をいただき、各地域において、町を挙げて積極的にお取り組みをいただき、そのことについて感謝をしております。この活動の一例が、原宿あるいは上原、富ケ谷あるいは恵比寿地区におきまして、落書きを消した上で美しい絵を描いたり、落書きのないような配慮について工夫をしていただいているところでもございます。

 他方、落書き消し、ペンキ塗りなどの活動に美化推進員を初めとしまして、町会、ボーイスカウト、ボランティア、事業者、あるいは小学生など、多くの若い人々が参加をしていただいていることも事実でございます。したがいまして、この落書き防止に関しまして、具体的で、しかも効果ある多くの提案を、今、沢島議員にいただいたことに深く敬意を表するとともに、またモデル地区の設定につきましては関係者とも協議し、より一層環境美化について努力をしてまいりたい、このように思います。

 また、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」の落書き禁止規定については、十分周知徹底を図りまして、落書きを許さない区民意思を明確に表示してまいります。どうぞよろしくお願いしたいと存じます。

 介護予防についてのお尋ねでございます。

 議員の所属会派が、「介護予防十カ年戦略」を発表されましたことは、私も承知しているところでございます。その中で、介護保険制度の改革に大変御熱心に取り組みをされ、多岐にわたる施策をきめ細かくお考えを示されていることに敬意を表するものでございます。議員もご指摘のとおり、いつまでも健康で長生きをしたいということは、多くの人々の願いでもあり、また、万が一、要介護状態になった場合には、安心して必要な介護が受けられるとともに、その状態の改善が図られる体制づくりをしていくことは、最も強く求められていると、このように思っております。

 このため、御承知のとおり、現在、国において介護保険制度の見直しが行われているところでございます。この見直しは、現在の制度を維持し、活力のある高齢社会を構築するためにも必要な改革であると、このように思います。この中では、特に要介護状態とならない、あるいは軽度の要介護者が、より重度とならないための介護予防施策が重点的に検討されているところでございます。その検討結果の中には、議員の御発言にもございました小規模多機能の地域密着型サービス体系の創設が打ち出されております。

 本区におきましては、ただいま委員からも高い評価をいただきましたように、これらの動きを先取りする形で、先に既に笹塚二丁目施設や幡ケ谷に高齢者センターの建設を予定しているところでもございます。この施設は、今回の改革案を反映しながら、グループホームやグループリビングとあわせて、地域に密着した介護予防のためのサービスを提供する拠点施設として整備し、パワーリハビリやミニデイなどを取り入れた、地域住民参加型の介護予防施策を積極的に推進してまいる所存でございます。具体的な事業内容や拠点づくりにつきましては、来年度に策定される介護保険事業計画(第三次)及び高齢者保健福祉計画(第四次)の中で御論議をいただくとともに、区議会とも御相談しながら進めてまいりますので、よろしくお願いをしたいと存じます。

 子どもの虐待防止についてのお尋ねでございます。

 子ども家庭支援センターが、妊娠時からの虐待防止ネットワークを構築すべきではないかということでございました。子ども家庭支援センターは、乳幼児から児童、青少年まで、地域の子どもと家庭に関するあらゆる相談に応じるとともに、深刻化する児童虐待の早期発見、早期対応を図るとともに、関係機関と連携し、子どもと家庭への一貫した支援を行うため、本年十月に開設をしたところでございます。

 子ども家庭支援センターの運営に当たりましては、御提言にございますように、保健所を初めとする区役所内の関係部署や都の児童相談センターを構成員とし、さらには医師会、歯科医師会、民生・児童委員の方々にも御協力をいただき、「児童虐待防止連絡協議会」を設置し、妊産婦を初め、子どもと家庭をめぐる様々な問題の早期発見並びに迅速な対応に努めてまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 放課後事業につきまして、今後のあり方についてのお尋ねでございました。

 放課後事業につきましては、児童が豊かでかつ安全な放課後時間を過ごすため、学童館の学童クラブ、学校などの施設開放、社会教育館等を活用したボランティア活動などにより、これまで対応してまいったところでございます。さらに、本年度は放課後の安全な居場所を確保するとともに、学童クラブの保留児対策を図るため、放課後クラブを昨年開設した鳩森小学校に加え、加計塚小学校及び上原小学校に開設したことは御案内のとおりでございます。今後、三小学校の放課後クラブの実績を踏まえまして、すべての児童を対象とした安全な居場所づくり等の放課後事業を、教育委員会とも協議・調整してまいりたいと考えております。その上で、学童館のさらなる拡充について検討してまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 電子自治体についてのお尋ねでございます。

 区長発言でも申し上げたとおり、現在、電子自治体構築のために、一環として住民情報システムを外部データセンターへ移設するとともに、より柔軟性の高いオープン系の新システムへ移行を進めております。電子自治体の推進に当たっては、既存の事務の流れを見直し、手続の簡素化、添付書類の削減等を進め、業務の合理化を同時に進めなくてはならない、このように考えております。

 また、電子申請、電子調達などの取り組みは、区民の利便性向上を図りながらも行政改革を行うと、こういう認識に立って進めてまいりたい、このように思っております。電子申請は、当初、十二業務より導入を予定しておりますけれども、業務の合理化を図りながら順次拡大をしてまいりたいと、このように思います。

 なお、電子申請による住民票の写しの交付物を、インターネットを通じて各家庭のパソコンから発行することにつきましては、社会的な認知の課題がございますので、将来課題とさせていただきたいと存じます。

 各種手数料、保険料、税金の納付等についての電子決済等の導入につきましては、今後、調査・研究をしてまいります。電子調達につきましては、入札の透明性や公平性の確保、コストの削減などが期待されているところでございまして、また事業者にとっても競争入札参加資格申請や入札情報の取得等、利便性の向上にもつながると、このように考えております。

 今後、議員の御指摘のとおり、ユビキタスネットワーク社会への対応も踏まえまして、インターネット、その他の高度情報通信ネットワークを通じて多様なサービスを提供し、ゆとりと豊かさが実感できる電子自治体の構築を進めてまいりたいと存じます。御理解をいただきたいと存じます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)等があり、特別に支援が必要な子どもの教育について、二点にわたる御質問でございます。

 まず、中学生にどのような対応を考えているのかとのお尋ねでございます。

 現状におきましては、小学生に対しまして通級の情緒障害学級として、神南小学校に「ふたば学級」を設置しており、学習障害、注意欠陥多動性障害等にも対応しております。

 中学生につきましては、指導室を中心に在籍する学校の通常学級における指導の支援を行うとともに、学務課の就学相談や教育センターの教育相談など、一人一人の生徒の能力、可能性等に合った最も望ましい教育が実施されるよう努めているところでございます。

 現在、国や都におきまして、学習障害、注意欠陥多動性障害、高機能自閉症などを含めた、障害のある児童生徒の教育をめぐる状況が大きく変化したとの認識のもと、新たに一人一人の教育ニーズに応じて、適切な教育的支援を行うという特別支援教育の法整備に向けて準備が進められております。

 渋谷区教育委員会におきましても、平成十六年六月より学校の協力を得ながら検討会を立ち上げ、国や都の動向を踏まえ、渋谷区における特別支援教育のあり方及び実施について、検討を始めているところでございます。

 次に、補助教師、ボランティア等を各校に配置し、当面対応せざるを得ないのではないかとの御質問でございます。

 現在、学校からの報告や指導主事の学校訪問などにより、子どもの様子、学級の状態の把握を行い、実態に応じ、介助員の派遣などの対策も行っております。また、そのほかに授業補助として、区内小中学校の教育活動をお手伝いいただいております学生ボランティア、スクールアシスタントメンバーズ(SAM)、サムと呼んでおりますが、この学生ボランティアが特別な支援にかかわるケースもございます。

 いずれにいたしましても、学校や子どもの状況を十分に把握し、対応するとともに、区全体として特別に支援を要する子どもたちへのより適切な教育の早急な実現を目指してまいります。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 五番沢島英隆議員。



◆五番(沢島英隆) 私の質問に対し、一つ一つ御丁寧な御答弁をいただき、大変にありがとうございます。

 いずれも切実な問題であり、避けては通れない課題であります。積極的な取り組みをお願いいたします。

 最後に一言申し上げたいと思います。

 議員、政党は、自ら発言した政策には責任を持って取り組み、実現に向けた現実的な努力を必死になって継続していくべきであることは言うまでもありません。できる見込みもないことを無責任に言いっ放し、そして言った後は現実的な努力は何もしない。しかも、たまたま過去に発言したことが、他の議員や政党の努力で実現したら、自分がやりましたなどと言うのは、いわゆるうそつきであり、詐欺であります。

 私の尊敬するフランスの大文豪、ビクトル・ユゴーはこのように言っています。「うそをつくということは、そのこと、それ自身が悪の絶対の形である」「うそは悪魔の顔である」。

 我が公明党は、誠実に、真剣に、責任を持って政策課題に取り組み、努力してまいります。渋谷区発展のため、さらに尽力してまいることをお誓いし、質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(丸山高司) この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 三十三番苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、平和問題を初め、五つの柱で区長及び教育長に質問いたします。

 アメリカ・ブッシュ政権が開始したイラク戦争は、イラク市民十万人以上が殺りくされ、今なお連日戦闘が続く泥沼状態となっています。特にアメリカ軍のファルージャへの総攻撃は残虐、非道なもので、女性や子どもなど二千人以上が殺害されるという非常に痛ましい深刻な事態となっています。アメリカが戦争の大義として掲げたイラクの大量破壊兵器はアメリカ自身の調査でも存在していなかったことが明白になり、ブッシュ政権のイラク戦争と占領が何の根拠もない無法なものであることが歴然となっています。アメリカの要請を受けて、占領後三十七カ国がイラクに軍隊を送りましたが、スペインに続いてホンジュラス、フィリピンやハンガリー、ポーランド、そして自衛隊を守っているオランダなど二十二カ国が撤退、あるいは撤退を表明するなど、イラクからの軍隊の撤退は世界の流れとなっています。

 小泉内閣がブッシュ政権のイラク戦争を支持し、サマワへの自衛隊派兵を強行したことは許されず、ましてイラク特別措置法の期限が終了する十二月十四日以降も自衛隊を派兵し続けることは言語道断です。平和・国際都市を標榜し、区長が本当に世界平和を望むならば、政府に対し、自衛隊のイラクからの撤退を強く申し入れるべきであります。区長の見解を伺います。

 日本国憲法は、我が国が行った太平洋戦争によって、中国や東南アジアで二千万人、日本国内で三百十万人の生命が奪われるという深刻な反省から政府の行為によって、再び戦争を起こさない、このことを決意して制定されたものであります。

 十七日、自民党憲法調査会の憲法改定大綱原案が明らかになりましたが、そこでは自衛軍として軍隊を持つこと、海外での武力行使を可能とする国際貢献や集団的自衛権の行使を認めるなど日本を再び戦争する国にする方向が強く打ち出されています。

 現在、在日アメリカ軍の再編が進められていますが、ファイス国防次官はその目的について、自衛隊とアメリカ軍がともに戦術を発展させ、ともに訓練し、合同作戦を行えるようにすること、そして地球的規模で軍事作戦を展開することだと公然と語っています。自民党が目指す憲法第九条の改定は、こうした動きに連動していることは明らかです。

 このような憲法第九条を否定する危険な動きに対し、作家の大江健三郎さんや井上ひさしさん、渋谷区在住の三木元首相夫人の睦子さんなどが「九条の会」を結成し、平和憲法擁護の運動を呼びかけ、全国でこの運動が広がっています。また、私ども党区議団が行った区民要求アンケートでも「大切な憲法を守り続けてください」などの声が寄せられています。新聞、テレビの世論調査の結果でも「憲法九条を守れ」という声が六割を超えています。区長は第九条の改定に反対すべきと考えます。区長の見解を伺います。

 来年、二〇〇五年は戦後六十周年、被爆六十周年の重要な節目の年となります。五月にはニューヨークで核拡散防止条約再検討会議が開かれ、核保有国の対応が注目されています。今年の八月六日、私は原水爆禁止世界大会に参加し、広島市主催の平和祈念式典に出席しました。そこで、秋葉忠利市長の「私たちは、被爆六十周年を核兵器廃絶の芽が萌え出る希望の年とするため、これからの一年間、広島、長崎の記憶を呼び覚ましつつ、力を尽くして行動する」という平和宣言を聞き、改めて私はこの地球上から核兵器をなくし、悲惨な戦争をなくすために頑張らなければと強く思いました。

 渋谷区議会は、一九八二年三月に「核兵器廃絶・軍縮を求める宣言」を、一九九四年六月に「核兵器全面禁止・廃絶の国際条約締結を求める意見書」を全会一致で議決しております。私はこの立場から区長に対し、二〇〇五年を国連憲章が守られ、核兵器も戦争もない平和な世界への転機とするため、核保有国に対し、核兵器の使用と威嚇、開発を行わず、直ちに核兵器廃絶の実行を求める書簡を送るなどの行動をとることを要請いたします。区長の対応について伺います。

 次に、小泉内閣が進める三位一体改革問題と渋谷区二〇〇五年度予算編成方針について質問いたします。

 二十六日、政府・与党は三位一体改革の全体像を決定いたしました。その中身は、地方の権限拡大の名で、福祉、教育などに対する国の責任を後退させ、地方財政の削減を進めるものであり、自治体が本来果たすべき住民福祉の増進の仕事を困難にするもので、我が党は認めることはできません。また、全体像は義務教育費国庫負担金を八千五百億円削減していくことを決めましたが、これは憲法が保障する国民が等しく教育を受ける権利を財政面から危うくするものであります。また、国民健康保険を七千億円削減し、都道府県の負担とすることは認められず、生活保護費の国庫負担率引き下げについても結論を先送りしたものの、二〇〇五年中に検討するとしたことは重大であります。とりわけ、地方交付税について歳出削減に努める、地方財政計画の合理化などを進めるとして、二〇〇五年度以降も削減していく方向が示されたことは自治体の財政運営を一段と厳しくするもので、許されるものではありません。

 我が党は地方自治を真に前進させるため、公共事業などの無駄なひもつき補助金こそを改革し、国民の生活と権利を保障する国庫負担金制度を堅持することを要求するとともに、地方税財源の拡充、地方交付税の堅持、充実を強く求めるものであります。

 しかし、小泉内閣の三位一体改革は、国の責任を放棄し、地方自治体に負担を強いるもので、断じて認められるものではありません。区長は三位一体改革に反対すべきと考えますが、見解を伺います。

 また、来年度の二十三区の国民健康保険事業に関し、十二月十六日の区長会で二〇〇五年度の保険料についての申し合わせがされる予定と言われます。そこで、所得割の料率と均等割額が引き上げられる案が協議され、決定される方向だと聞いております。区長は今年度の引き上げに当たって、厳しい経済情勢下で保険料の引き上げを実施できる状況にないとして、独自の立場を取り、当区の保険料を据え置きました。九月の完全失業者数は三百九万人、失業率は四・六%、高止まりのまま推移しており、依然として厳しい経済情勢が続いています。来年度の保険料も据え置くべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 去る九月二十一日、助役名で出された二〇〇五年度予算編成方針についてでは、従来と同様の「行政運営のあり方を更に創意工夫するとともに、計画的な行財政改革を推進し、経費の削減と財源を重点的、効率的に配分していく必要があります」と示されております。来年度も住民犠牲の行財政改革や福祉、教育切り捨てを推進する方針が出されたものとして重大に受け止めております。事実、この間、毎年百人以上を超える職員が減らされてきました。それにより、学校給食の民間委託が強行され、調理員が減らされたのを初め、夜間の震災発生時に避難先の学校が使えない夜間警備の機械化、介護士や保健師の削減などが行われ、区民サービスが低下させられてまいりました。こうした自治体としての役割を自ら狭め、住民サービスを後退させる福祉や教育現場の職員の削減はやめるべきであります。そして、必要なサービスは継続していくべきと考えます。見解を伺います。

 今、区民が渋谷区に望んでいることは、これまでの大企業の再開発事業や温室植物園などの箱物を優先し、多額の税金を投入する一方、福祉、教育を切り捨てる行政をやめ、住民の暮らし、福祉、教育を優先にする行政をしてほしいということであります。私は、総事業費で一兆円と言われる渋谷駅前周辺再開発計画を推進し、渋谷駅改修計画などを誘導、区が莫大な税金投入に踏み出すことに反対するものであります。また、無駄なイベント事業の花菖蒲を観る交流会費として四百八十六万円が計上され、またトルコ共和国への職員と議員の派遣費として五百九十八万円が執行されたことは重大と考えます。

 二〇〇五年度の予算編成に当たっては、こうした不要不急の事業をやめ、年金の削減や社会保障費の負担増などで厳しい経済情勢のもとで必死に頑張っている高齢者や障害者、そして子育て世帯を応援することを第一とする予算の基本方針とすべきであります。見解を伺います。

 次世代育成支援行動計画を策定するための渋谷区次世代育成支援地域協議会が十九日、公募の六人の女性を含め十人でスタートいたしました。今後十年間の渋谷区の子育て支援計画をつくる重要な行動計画の策定であります。それだけに子育て世帯の実態に基づき、また、実際に子育て中の父母の意見や要望を生かし、実効ある計画づくりが求められています。特に、渋谷区は合計特殊出生率が二〇〇三年が〇・七〇と全国最低となっただけに、有効な行動計画の策定が強く求められています。そのためにも出張所ごとに公聴会を開き、父母はもとより広く住民から意見を聞くべきであります。区長の見解を伺います。

 さきの九月議会で、我が党の待機児問題の深刻な地域から計画的に認可保育園の増設計画を持つべきとの質問に対し、区長は「また新たに認証保育所設置を予定しておりまして、さらなる認可保育園の増設は考えておりません」と答弁いたしました。その認証保育所ですが、初台に初めて設置され、十一月からオープンいたしましたが、申し込み状況はゼロ歳二十一人、一歳五人の合計二十六人となり、急遽ゼロ歳児の定員を増やしましたが、施設の関係から十一人が限度で、結局抽せんから漏れた十人の子どもが待機となりました。

 この認証保育園の保育料は公立と同じ一日十一時間預けた場合、合計で七万八千二百二十五円となります。これに区の補助金として二万円支給されるため、父母負担は五万八千二百二十五円となります。しかし、公立、私立の認可園の保育料は所得に応じての保育料で、実際にゼロ歳児の父母が払っている保育料は、平均二万五千円で、認証保育はその二倍以上の高額なものとなっています。その上、子どもたちが太陽を浴びて遊ぶ園庭もなく、保育士の雇用契約も一年ずつの更新であり、大事な保育の蓄積がなされる体制となっていません。

 十月一日の保育園の待機児は百四十八人に上っており、深刻な事態が続いています。私は認可保育園を待機児の多い地域から整備し、待機児解消を確実に進めていくべきと考えます。見解を伺います。

 旧渋谷小学校跡地に二〇〇六年四月から開設される保育園について、指定管理者制度による運営が検討されていると聞いております。指定管理者制度は公の施設の管理運営を営利企業に開放することを狙ってつくられたものであります。例えば、渋谷小学校跡地の保育園が営利企業に運営された場合、区民の税金で建てた施設をただで使って、経営は区からの運営費で賄われることになり、そこでもうけが上がれば株主に配当されます。住民にとって大事な子育て施設とその運営が民間企業にゆだねられ、もうけさせられることは許されないことです。少子化対策の重要な施策である保育事業は公的責任で行うべきです。新設される保育園については、区が運営に直接責任を持つ公立園として開設し、保育サービスの拡大については、職員と十分話し合い、実施していくべきであります。見解を伺います。

 学童館の深刻な待機児解消の緊急対策として、九月一日から上原、加計塚小学校に放課後クラブが始まりました。区長はこれを広げる方向での発言を先ほど行いましたが、これは区民に理解されるものではないことをまず述べたいと思います。

 学童保育は、学童の校外生活指導及び心身の健全な育成を図ることを区の条例で定め、子どもたちに安心して豊かな放課後を保障する立場から小学校単位を目指して設置されてきたものであります。上原小学校の放課後クラブ事業は、校内のクラブ室一つだけのスペースで、図書室は使えるものの、早く授業が終わった学年の子はすべての学年の授業が終わるまでクラブ室と図書館だけの不自由な生活しかできず、また、おやつも出ないなど独立して設置されている学童館と比べ、大きな制約がある施設運営となっています。学童館設置は渋谷区の責務です。その立場から笹幡学童館や幡代学童館などが最近設置されてきたはずであります。上原小学校地域が対象の富ケ谷学童館は狭く、施設としては非常に不十分です。上原中学校が新築後の代々木高校跡地に上原、富谷小学校の子どもを対象にした学童館を設置し、あわせて子育て、福祉の拠点として整備していくべきであります。

 現在、学童館の待機児は六十七人に上っており、待機児解消のための設置計画を直ちにつくるべきであります。さらに、保育園で午後七時三十分までの延長保育を受けていた子どもが学童館の利用時間が午後六時までとなっているため、これまでの私立保育園や未認可園で保育を受けるケースも増えています。子ども、父母に肉体的・精神的・経済的な負担をかける二重保育の事態をなくすためにも学童館の利用時間を午後七時三十分までとすべきと考えます。これらの点について見解を伺います。

 当区が今年三月に行った次世代育成支援に関するアンケート調査での自由回答欄では、「我が家は三人の子どもがいて、医療費を助成してくれるのは大変ありがたいことです。今度は是非小学生も助成の対象としていただきたいです」など乳幼児医療費無料化制度に対し、その拡大を強く求める意見が数多く寄せられています。北区では今、入院時と限られていますが、中学三年生まで無料となり、来年度から港区、台東区が通院、入院時の医療費を含め、中学三年生まで広げることを発表しました。港区では、この対象者拡大に要する費用を二億五千七百万円と見積もり、準備作業を着々と進めています。当区でも、この制度を中学三年生までに拡大すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 コミュニティバスは恵比寿、広尾ルートに続いて、九月二日から本町、笹塚循環・春の小川コースの運行がスタートいたしました。このバスは、バスが通っていなかった本町東小学校前の道路や中幡小学校前の道路を通り、また渋谷区役所への路線がなかった水道道路から区民を渋谷区役所前まで運ぶコースとして歓迎されています。私は代々木、千駄ケ谷、神宮前から東、広尾を結ぶコース、西原、元代々木と区役所を結ぶコースなどの路線を開設し、住民の足として確保すべきと考えます。また、港区ではコミュニティバスに対してシルバーパスを適用し、高齢者の社会参加を進めています。こうした対応を渋谷区でもとるべきと考えますが、あわせて区長の見解を伺います。

 次に、政府の介護保険制度の大改悪に反対し、改善していくことについて質問いたします。

 先ほどの発言で、区長は厚生労働省が進めている見直しを評価できるかのようなことを発言しましたが、その内容は区民が納得できるものではありません。実際、厚生労働省は介護保険制度の五年目の見直しに当たって、保険料を二十歳から徴収し、引き上げる。利用料を現行の一割負担から二割、三割負担に引き上げる。特別養護老人ホームなどへの入所者から居住費、食費をとる。要支援、要介護一の軽度の高齢者に対するサービスを一部外し、予防給付に切り替えるという大改悪を進めようとしています。

 十月二十九日、中央社会保障審議会介護保険部会に対し、厚生労働省は保険料について現行制度を続けていった場合、二〇一二年度の六十五歳以上の保険料は月額六千円となり、これを二十歳まで徴収年齢を引き下げると、月額一人当たり三千九百円となるという案を提出いたしました。また、特別養護老人ホームなどの入所者に対しては、居住費と食費を自己負担とし、それによって個室の場合、居住費六万円、食費四万八千円、自己負担の一割負担を加えると、入所者の支払額は月額十三万円になること。相部屋の場合でも現行の五万六千円から八万七千円となり、いずれも月三万円以上の大幅な負担増という案を出したのであります。また、利用料については、一割負担から二割あるいは三割にすることも打ち出しています。

 しかし、介護を受けている多くの高齢者は一割の利用料が高いため、払える利用料は一カ月で五千円がやっと、それ以上は我慢しているのが実情です。このことは当区の限度額に対する利用率が半分以下の四九・一%、この数字に如実にあらわれています。介護保険の五年目の見直しで政府がやらなければならないことは、保険料や利用料を引き下げ、だれでも安心して介護を受けられるようにすることであります。区長は厚生労働省の保険料や利用料、入所施設の居住費などを大幅に引き上げる案に対し、撤回を求めるべきと考えますが、見解を伺います。

 また、これらの問題を解決するには、政府が介護保険導入の際に、それまでの介護施策に対する国の負担割合を五〇%から半分の二五%に下げたことを改め、三〇%に引き上げることです。そうすれば、住民税非課税世帯に対するサービスを三%に軽減することもできます。また、保険料、利用料を段階に分けての設定ではなく、支払い能力に応じた負担に切り替えることもできます。こうした改善を政府に求めるべきと考えますが、見解を伺います。

 痴呆症のお母さんと娘さんの二人の家庭で、娘さんが乳がんで手術を受けるため、お母さんをショートステイで預かってもらおうとしたところ、半年先まで予約がいっぱいで入れないという深刻な相談を受けて、私は療養型の病院でお母さんを預かってもらえるようお手伝いし、娘さんの手術を応援することをいたしました。その際、ショートステイが緊急時に対応できないという実情を知り、改めて驚きました。ショートステイは介護する家族の緊急時の対応や負担を軽減するための施設であります。その役割を果たせない状況は直ちに改善すべきであります。

 また、特別養護老人ホームの待機者は七百十三人に対し、新ポイント方式が採用され、六百三十四人が待機者ということになりました。しかし、この制度によっても、重度の人でも施設によっては三年以上も待たなければならないという厳しい事態が明らかになっております。ショートステイを増床すること、第四、第五の特養ホーム建設、グループホームなどを整備し、高齢者が住みなれた地域で暮らしていけるよう基盤整備を着実に進めていくべきと考えます。見解を伺います。

 厚生労働省は、介護保険の財政改善を理由に給付費を抑えるため、筋肉トレーニングなどの新予防給付を創設し、これに要支援、要介護一の認定者を全員移行させることを前提に新たな事業計画を策定するよう区市町村に指示したと伝えられております。これによって、要支援や要介護一の軽度高齢者へのホームヘルパー派遣やデイサービス事業が打ち切られることが強まっています。渋谷区の高齢者の現状でも要介護一の人であっても、ヘルパーが来なければ病院に通うこともできないという実情があります。こうした実態を無視して、軽度の人をサービスから排除することは許されません。

 私は区として、介護、医療、福祉、保健のネットワークを在宅介護支援センターを核につくり、筋肉トレーニングやミニデイサービスなど介護予防の施設を地域ごとに整備していくこと、そして要支援、要介護一の認定者に対しては、これまでどおりヘルパー派遣やデイサービスを実施していくべきと考えます。区長の見解を伺います。

 次に、原宿の大規模留置場設置問題で質問いたします。

 石原知事は、去る十九日の記者会見で、原宿の社会事業大学跡地への大規模留置場設置問題で、地元と三百人規模の施設とすることでまとまったと一方的に発表しました。区長は昨年十二月一日号の区ニュースで、原宿の大規模留置場の三百人構想について議論は尽くされていると述べ、妥協のレールを敷こうといたしました。しかし、その直後に開かれた反対区民の会でも反対が圧倒的で、また今月十一日に神宮前小学校で開かれた反対区民の会の報告会でも東京都の三百人規模の留置場をつくることに対して、住民から容疑者が脱走したらどうなるのかなど不安の声が相次いで出され、大規模留置場をごり押しする石原知事に対し、厳しい批判が出されました。今回の原宿の大規模留置場問題が起こったのは、石原知事が社会事業大学の跡地利用計画については、地元住民や渋谷区と協議して進めるという念書が取り交わされているにもかかわらず、一方的に六百人規模の大留置場をつくることを発表したことにあります。

 そもそも留置場は一時的に容疑者の身柄を確保する場所であって、その警察署管内で発生した事件に対応するよう設置されている施設であります。原宿署の場合、現在十四人が定員となっています。文教地区の静穏な地域の社会事業大学跡地になぜ三百人規模の大留置場をつくらなければならないのか、住民は納得していません。東京弁護士連合会も留置場は代用監獄として人権侵害が起こっており、冤罪の温床となる大規模留置場は必要ないとの声明を出し、撤回を求めています。大規模留置場設置には道理がありません。区長は三百人規模の留置場計画に反対すべきです。見解を伺います。

 最後に、教育基本法改悪問題と三十人学級の実施について教育長に質問いたします。

 自民・公明の政府・与党は教育基本法の改定について合意し、来年一月の通常国会に改悪案を提出しようとしており、この問題は重大な局面を迎えています。教育基本法は平和憲法と一体となって「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」というこの教育基本法を何ら変える必要はなく、これを貫くことこそ国民が求めている方向であると思います。

 現在の我が区の教育は、教育基本法に基づき進められております。教育長はさきの三月議会で様々な場で議論され、国民の合意をもって進められるべきであると答弁いたしました。教育長は教育基本法のどこが問題で、どこを改定すべきと考えているのか質問いたします。

 三十人学級に踏み出すことができない理由として、教育長は社会性を養うためには一定の学習規模が必要としてきましたが、九月の我が党の牛尾議員の質問に対して、東京都に対して三十人学級を求めることも、区独自に三十人学級を実施することも現在の段階では考えておりませんと子どもや父母の願いに背を向ける答弁を行いました。しかし、文教厚生委員会が調査した三十三人の少人数学級を進めている山形市では、子どもたちから「友達が増えた」、「友達とよく話すようになった」、「たくさん意見を言えるようになった」という声や教師からの声として「教師の目が行き届き、一人一人の子どもに言葉をかけられたり、ノートにコメントを入れたりすることができるようになった」ことを紹介し、子どもの変化がよくわかるようになったことをその効果として挙げておりました。特に、子どもたちが少人数学級で活発になる中で、病気やけがをする子どもが減っていることが注目点として報告されたことも視察の成果の一つでもありました。

 少人数学級は山形県を初め四十四道府県で実施され、あるいは実施予定となっています。残っているのは東京、岐阜、香川の三都県だけであります。東京都小学校校長会は去る七月、四十人学級ではきめ細かな指導はできない。小学校一、二年生で三十人程度の学級編制をすることを最重点要求として求めております。私は東京都に対し、三十人学級に踏み出すよう申し入れること、区として三十人学級を実施すべきと考えます。教育長の見解を伺います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の苫 孝二議員の代表質問にお答えします。

 まず、平和問題についての三点のお尋ねでございます。

 一点目はイラクからの自衛隊撤退を申し入れよと、こういうお話でございました。しかし、この問題につきましては、イラクへの自衛隊派遣は特別措置法として国会において議決し、国会において論議を尽くし、承認を得たものであります。国の責任において判断すべき課題であると、このように思います。

 二点目は、区長は憲法を守ることを明らかにすべきであるとのお尋ねであります。私は自由民主党のこの憲法改正大綱要綱を読みまして、どのように見ても、議員の言うような戦争をしようとする改革とは読めないと思っております。また、この憲法改正につきましては、主権者である国民の決めることでありますから、私から口を挟むことではないと、このように思っております。

 三点目は核廃絶につきまして、核拡散防止条約再検討会議が開催される、それへのメッセージを送るようにと、こういうことでございますけれども、よりよき結論が得られるようその推移を注目したいと、このように思います。

 三位一体改革につきまして、まず断固反対すべきであると、こういうことでございました。このことにつきましては、全国市長会等地方六団体が生活保護費あるいは国民健康保険にかかわります国庫負担率を引き下げて、新たな地方自治体に負担をさせることについては、三位一体改革とは無関係の単なる地方への負担転嫁である、絶対に行うべきでないという緊急決議をしたところでございます。十一月二十六日の新聞報道によりますと、政府・与党は生活保護費につきまして、地方の反対もあり、二〇〇五年秋まで先送りをすると、このような結論、合意をしたところであります。区議会におきましても、三位一体改革に対して、力強いこの意見書を採択していただき、また区長会においても、国に対して要望書を出したところでございます。今後、国の動向等に注視し、注目しつつ区長会を通し、あるいは地方六団体に働きかけてまいりたい、このように思っております。

 三位一体改革に関し、国民健康保険料の据え置きについてのお話がございました。現在、二十三区において協議中でございますし、一方では、三位一体改革にも関連する話でございます。したがいまして、予算編成の中で総合的に判断をして対応してまいりたいと考えております。

 二〇〇五年度の予算編成にかかわりまして、渋谷駅周辺再開発事業についてのお話がございました。この中での事業一兆円というようなお話がございましたけれども、これは区が出す話ではございませんから、その点は誤りのなきようにお願いをしたいと思います。

 この駅周辺整備の課題というのは、渋谷駅はターミナル駅として既に老朽化しているというようなことがございますし、駅東西通路についても十分確保されていない、あるいは歩行者空間についても随分課題を残している、こういうことでございます。したがいまして、このことについて関係者が協議して、その協議、調整を進めているところでございますから、区としてもそのことについて協力を求めてまいりたいと、このように思っております。

 それから次に、予算編成の問題として、「花菖蒲を観る交流会」等についてのお話がございましたけれども、「花菖蒲を観る交流会」は区の花の普及と啓発のために実施するものでもあるわけでございまして、潤いある区政の進展のためにはこのような事業も必要ではないかと、このように思っております。海外派遣につきましても、広く福祉、教育、文化の振興の観点から大きく物事を考え、判断していくためにはこういうことも必要であろうと、このように思っているものでございます。私は区民福祉の進展のためには必要な事業には予算を計上し、重点化・効率化を図りながら一層めり張りのある予算編成に努めてまいりたいと、このように思っております。

 職員の定数の削減でございますけれども、常に簡素で効率的な区政執行については、私に与えられた使命であると、このように考えております。そのためには区民サービスの後退を招くことなく効率的な区政の執行に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。

 次世代育成支援行動計画について住民の意見を聞く公聴会の実施をすべきである、こういうお尋ねでございます。本計画策定に当たりましては、既に御案内のとおり、昨年度子育てに関する区民ニーズを調査、実施をいたしまして、現在、公募区民六人を含みます地域協議会を立ち上げて、現在論議を進めているところでございます。今後、パブリック・コメント制度の活用等によりまして、地域の意見を十二分に反映してまいりたいと、このように考えております。

 次に、認可保育園を多く設け、待機児の解消にというお話でございました。本区としても認可保育園の定数拡大や弾力化によって、そのような対応をしてまいったわけでございますけれども、さらに、旧渋谷小学校跡地の複合施設内に保育園を建設中でございます。また、新たに認証保育所を設置しようとしているところでございまして、認可保育園の増設は考えておりません。

 旧渋谷小学校跡地の保育園につきまして、渋谷区として運営責任を持つ認可保育園として設置すべきであるということでございますけれども、施設運営の形態につきましては、ニーズとコストに対応できるような視点からこのことについて今後、検討してまいります。

 学童館の整備についてでございます。放課後クラブについては、これまでも申し上げたところでございますけれども、放課後の公的保育が必要な児童が、豊かで安全な放課後時間を過ごすことができるように開設したところでございまして、あわせて学童クラブの待機児解消をも兼ねるものでございます。したがいまして、学童館を一学区に一学童館という考え方も持っておりませんし、時間延長も考えておりません。

 それから、乳幼児医療費制度の助成についてでございますけれども、この考え方については、前定例会でも申し上げたところでございまして、さらなる財政負担をもたらすものでございまして、現段階においてはそのような考え方は持っておりません。

 コミュニティバスについてのお尋ねでございます。恵比寿ルート、本町ルートを運行してまいったわけでございますけれども、さらにこれを拡大をというお話でございますけれども、まずは今後の運営について既存ルートの利用状況等を見ながら検討してまいりたいと、このように思います。

 また、シルバーパスの適用につきましては、コミュニティバスの運行に当たりましては、東京都から補助金を受けておりまして、その料金徴収の考え方は受益者負担を求めまして、区の負担を軽減するという考え方のものでございます。したがいまして、シルバーパスの適用は考えとして持っておりません。

 次に、介護保険制度について四点のお尋ねがございました。

 まずは区民負担を強いる政府案に対して撤回を求めるべきだと、こういうお話でございます。介護保険制度の見直しにつきましては、先ほど沢島議員の質問にもお答えしたとおり、将来の急速な高齢化の進展を見据えまして、制度の持続可能性と明るく活力ある超高齢社会の構築を基本視点として持つものでございます。苫議員の質問では、厚生労働省は大幅な負担増の案を示したということでございますけれども、この中で、保険料は場合分けとして試算をされたものであり、審議の際の参考資料でしかないと、私はそのように考えております。

 また、利用料のアップにつきましては、このことは少数の意見であり、慎重に対応すべきであると、このような報告であったと、このように思います。したがいまして、現段階においてこのことについて私が撤回を求めるべきだと、こういうことにはならない、このように思っております。

 次に、利用料、保険料の減免制度についてでございます。国の負担割合につきまして、将来にわたって安定した制度運営とするためには、国は本来の負担割合である二五%を全国一律に負担し、また調整交付金は別財源を設けるようこれまでも国に要望してきたところでございます。これは全国市長会要望でございますので、そのとおりと私は考えております。

 次に、利用料、保険料の負担についてでございます。

 今回の国の制度は、低所得者への配慮も講ずるものとなっている、このように思っておりまして、保険料については所得第二段階の方への見直し案も出ていると、このように思っておりますし、また渋谷区におきましては、独自の利用者負担額助成制度等の低所得者対策については引き続きこれを維持してまいりたいと、このように思っております。

 次に、緊急ショートステイのベッド確保でございますけれども、現在、特養ホームの一時入院者の空きベッドを活用したり、あるいは生活支援ショートステイのベッドを活用して利用調整をしているところでございます。ショートステイにつきましては、旧渋谷小跡地に整備中の第三特養ホームに二十八床併設する予定でございますので、既存施設とあわせショートステイ全体の中で運用してまいりたい、このように考えております。

 特養につきましては、第三特別養護老人ホームを平成十七年度の開設に向け整備中でございます。また、グループホームにつきましては、笹塚二丁目施設の建設を計画しているところでございます。国の介護保険制度の見直しの中で、小規模、多機能の地域密着型サービスの創設や小規模介護老人福祉施設の整備が打ち出されております。今後の施設整備に当たりましては、こうした国の動きを見守りつつ、次期高齢者保健福祉計画の中で具体的な計画としてお示しをしたいと、このように考えております。

 次に、高齢者の自立を支援するネットワークをつくるべきであると、このようなお尋ねでございます。今回の厚生労働省の介護保険制度の改革案の中でも軽度の要介護者の状態が悪くならないためには、筋力トレーニング等介護予防を目的としたネットワークづくりが大切であると、このような柱を打ち出されております。このため、在宅介護支援センターを発展的に解消して、新たに地域包括センターを設置していく考え方に立っております。同時に検討されている老人保健法の改正の中でも健康寿命の延伸を目指していくなど今後、福祉・保健など地域のネットワークの重要性は増していくと、このように思います。今後の具体的な事業計画につきましては、来年度に策定をされます介護保険事業計画及び高齢者保健福祉計画の中でお示しをさせていただきたい、このように思います。

 最後に留置場のことについてのお尋ねでございます。このことにつきましては、区民の会、区議会、地元選出の都議会議員及び区が一体となりまして、四者協として真剣に協議をし、都に対し区の立場を説明し、協力を求め、必死な対応をしてまいったと、このように思っているところでございます。知事は留置場を三百人としたわけでございますけれども、地元はこれを容認したものでもなく、総合的なまちづくりの中で検討していくこともやむを得ないのではないか、このような考え方でございます。区においても、このことについて認めたという考え方では決してないわけでございまして、そこにおけるいろんな努力があって、今日に至っていることは御理解をいただきたいと、このように思います。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には二点の御質問でありまして、まず、教育基本法についてお答えを申し上げます。

 教育基本法の見直しにつきましては、現在、青少年の健全育成をめぐる様々な問題や初等中等教育段階における学力や生きる力の育成についての課題、さらには今後我が国のグローバル化や少子高齢化などが一層進展すると予測される中で、国レベルで論議されているものであり、その推移を見守ってまいりたいと思います。

 次に、三十人学級の実施についてお答えをいたします。

 集団生活としての現行の学級規模を維持しながら学級と異なる学習集団を弾力的に編成することが必要であると考えていることは、これまでもお答えしたとおりであります。区独自に三十人学級を実施することも、国や東京都に対して三十人学級を求めることも今のところ考えておりません。



○議長(丸山高司) 三十三番苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 区長から答弁をいただきましたけれども、まず平和問題で認識が違うのではないかというふうに述べたいと思います。

 今、本当にイラク情勢は緊迫をしており、大変な事態が続いているわけです。そうしたところに日本の同胞である自衛隊も行っているわけです。そういう中で人命が失われているわけです、イラク国内では。そういうところにですね、日本の平和憲法を無視して派遣をされているということ自体が問題なわけでありますし、またこのイラク特別措置法によってももう期限が終了するというところに来ているわけですから、当然自衛隊はその法律に基づいて、少なくとも撤退をする。それが平和・国際都市を標榜している渋谷区の区長として、最高責任者として表明をする、そのことは私は大事なことだというふうに思うんです。それは区民が強く望んでいることですから、当然区長が平和都市を言うのであるならば、そうした姿勢に立つべきではないでしょうか。

 それと、核兵器廃絶の問題ですけれども、私は核拡散防止会議のときにメッセージを送ってほしいと言っているのではなくて、核保有国に対して一度約束をしているわけです、核兵器を廃絶していくという、各国が。そこに対して、やはりその実効ある行動をとるべきだということで、それぞれの国に対して書簡を送るべきだと、渋谷区長としてそういう対応をすべきだということを私は提案をし、要請をしているわけですから、そこのところを間違えないでいただきたいし、その点できちっと答弁をいただきたいと思います。

 また、私はこの介護保険の問題についても、厚生労働省は今の財源難を理由に国民負担増を出してきているわけですから、それに対して区民に大きな負担をかけていく、そういうことになるわけですから、やっぱりそういうものに対しての自治体の長として区民生活を守る、そういう立場からきちっと意見を言うべきではないかということで私は提案をし、そして区長の対応を求めているわけです。その点についてもう一度御答弁をお願いしたいと思います。

 それから、乳幼児の医療費の問題ですけれども、やっぱり経済給付として今、子育て世帯が待ち望んでいるのは経済的に負担が大変だということで、なかなか第二子、第三子を産み出すことができないと、そういう問題もあるわけですから、そして渋谷区がやった調査でも自由回答欄では多くそうした意見が率直に述べられているわけです。そして、実際に港区や台東区、そうしたところで今、五区で乳幼児医療費を就学の子どもたちに適用するということで五区が拡大を進めているわけですから、やっぱり渋谷区としても少子化対策の緊急策としてやはりきちっと打ち出していく、やっぱりそういう態度をとるべきではないかということで、私は子育て支援策として、区長はどういう認識をして取り組もうとしているのか、その点をお聞きしたいと思います。

 また、社会事業大学の跡地の問題については、住民は納得していないわけですし、あくまでもあの社会事業大学の緑の大切さ、そしてまた、震災時に一体どういうことになるのかということも含めて、区民はいろんな心配をし、またそもそも留置場の問題として三百人という規模自体が警察署の範囲を超えているわけですから、そういう合理性がないものをなぜ渋谷区が認めなければいけないのかという根本問題もあるわけですから、その点を踏まえてもう一度御答弁をいただきたいと思います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 苫 孝二議員の再質問に答弁をしたいと思います。

 最初に、イラクの派遣のことでございますけれども、私はこのことについては自衛隊は非戦闘地域における国際貢献としてこれは行われているものだと、このように思っております。

 それから、もう一点の核廃絶の行動は、核保有国に対してだと、こういうお話でございましたけれども、核拡散防止条約再検討会議が開かれるわけでございますから、そこでの対応を待ちたいと、こういうふうに思っております。

 それから、乳幼児医療費助成について、五区がやっているから医療費の拡充を、こういうふうに聞こえますけれども、私は少子化対策としてこれが有効かどうかさらに検証が必要であるよと、こういうことを申し上げているわけでございますから、私の考え方とは違うのかもしれません。

 それから、介護保険についてでございますけれども、このことにつきましては、私は最初に申し上げましたように、いろいろ政府がもう保険料の値上げを決めたということではないので、それは参考資料という、いろんなケースを想定して数字を出しているだけではないかと。それを直ちに決めたような言い方は適切ではないのではないかと、こういうふうに申し上げたわけですから、御理解をいただきたいと思います。

 それから、社事大については私が認めたというふうにおっしゃっていますけれども、認めたのではないんです。私はこれは地元の人たちも含めて、このことについてはやむを得ないんじゃないかと、このことについて認めているというわけではありません、私が言っているんじゃない、地元の方たちはいろんなことを総合的に考えると、まちづくりとして考えていくべき課題があるのではないかと。ただ、その第三者的に認めるとか認められないとかいうことでなくて、当事者として真摯に検討し、苦しみ、そして出されてきている意見に対しては、私は敬意を払うよと、こういうことを申し上げているわけです。

 以上です。



○議長(丸山高司) 三十三番苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 今、区長から再答弁をいただきました。

 自衛隊の派兵については、国際貢献ということで言われていますけれども、先ほど私が述べましたように、三十七カ国中、二十二カ国も撤退しているというのは、もう国際貢献する、そういう段階ではない。アメリカの大義のない戦争に協力することになるということで撤退を各国がしているわけですから、日本もそうした対応をすべきだというふうに思いますし、区長もそうした認識をすべきだということを思いますので、この点は厳しく指摘をしておきます。

 それから、まず介護保険ですけれども、厚生労働省は当事者でありますし、そうした案が出されてきているというのは重大なことですよ。やっぱりそういう点で言えば、大きな流れをつくり出す、だから、だんだん記者会見して小出しに今は出してきているわけですから、そういう点でいえば、そして私が指摘した四点については、前々から厚生労働省はあちこちで言っていることですから。ですから、いろんな新聞報道もなされて、やっぱり問題だということで世論もその点を強く撤回を求めるなりそういう意見が出ているわけです。決まってからではもう遅いわけですよ。やはりそういうことについて、自治体として敏感に対応したい、また対応すべきだということを私は厳しく指摘をしたいと思います。

 それから最後ですけれども、原宿の大規模留置場の問題ですけれども、今大事なことは、区民が認めてないし、渋谷区も当事者ですから、そういう意味では私は渋谷区が本来取得をするという中で手を挙げていた。しかし、それを下ろしたときに東京都と利用計画についてははっきり決める約束をして進めていくということ、そういう担保があったから手を下ろしたという関係も、区長も助役の時代にそういう話であったから、そういうことがよくわかっているじゃありませんか。そういう中で、住民が今、そういう今の原宿の問題についてはだめなんだということを言っているわけですから、区長はその住民の立場に立って東京都にちゃんと申し入れをし、そういう希望を、問題だという姿勢を貫くのが住民の立場に立っての区長の役割だというふうに思いますので、その点は厳しく指摘して、私の質問を終わります。



○議長(丸山高司) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(丸山高司) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から十二月九日までの十一日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は十一日間と決定いたしました。

 日程第二を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第二 都区財政調整主要五課題の早期解決を求める意見書

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 二十五番木村正義議員。



◆二十五番(木村正義) ただいま議題となりました都区財政調整主要五課題の早期解決を求める意見書につきまして、意見書案文の朗読をもって提案理由の説明にかえさせていただきます。

 都区財政調整主要五課題の早期解決を求める意見書(案)。

 平成十二年四月、特別区が長年取り組んできた都区制度改革が実現し、特別区は基礎的自治体として法律上の明確な地位を確立した。これにより住民に身近な行政は第一義的に特別区が担い、東京都は特別区の区域を通じて大都市の一体性確保に必要と認められる限度で市町村事務を行うこととなった。

 しかし、都区間の役割分担と財源配分の明確化については、都区の合意には至らなかったため、平成十二年二月の都区協議会において、東京都知事と特別区長会との間で「清掃事業の特例的な対応期間が終了する平成十七年度までに協議すべき主要五課題」として確認されたところである。そもそも、都区の役割分担とそれに応じた財源配分は都区制度の根本をなすものであり、この明確化なくしては、都区制度改革の趣旨が名実ともに実現されたとはいえない。しかるに、実務的な協議においては、未だに基本的な部分の認識が都と特別区とで噛み合っていない状況にある。さらに、国の地方税財政制度改定の動向によっては、個人住民税所得割の税率フラット化による税収の大幅減など本区財政が大きな影響を受けることも懸念される。

 よって渋谷区議会は、東京都に対し、次に掲げる都区財政調整主要五課題に関する事項の全面的な解決に向け、早急に対応するよう強く求めるものである。

 一 都が行う大都市事務・財源の明示による都区間の役割分担の明確化

 一 清掃関連経費の財源として都に留保された七四五億円の特別区への移転

 一 都区双方の都市計画事業の実施状況に見合った都市計画交付金の確保

 一 三位一体改革等による大幅な制度改正があった場合の都区財政調整配分割合の変更

 一 小中学校改築需要急増に対応するための財源の確保

 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

 なお、提出者は芦沢一明議員、吉野和子議員、広瀬 誠議員、菅野 茂議員と私、木村正義の五名でございます。

 提出先は東京都知事あてであります。

 何とぞ御賛同をいただきますようお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから討論に入ります。討論はありませんか。討論なしと認めます。

 これから日程第二を採決いたします。

 本件は原案のとおり決定することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は原案のとおり決定されました。

 議事進行上、日程第三及び日程第四を一括議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について



△日程第四 諮問第三号 人権擁護委員の候補者について

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました諮問第二号は、人権擁護委員の任期満了することに伴い、諮問第三号は、人権擁護委員の区外転出により資格を喪失することに伴い、それぞれその後任者を推薦するため提出するものでございます。

 諮問第二号は明日山勝子氏、諮問第三号は田嶋春一氏、各氏でございます。よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 以上二件は、それぞれ委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、以上二件はそれぞれ委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから討論に入ります。討論はありませんか。討論なしと認めます。

 これから日程第三を採決いたします。

 本件については、区長諮問どおり、支障ない旨答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、明日山勝子氏を区長諮問どおり、支障ない旨答申することに決定いたしました。

 これから、日程第四を採決いたします。

 本件については、区長諮問どおり、支障ない旨答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、田嶋春一氏を区長諮問どおり、支障ない旨答申することに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明十一月三十日、午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日文書により、御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後五時

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   丸山高司

渋谷区議会副議長  金井義忠

渋谷区議会議員   松岡定俊

渋谷区議会議員   小林崇央