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東京都 渋谷区

平成29年  3月 定例会(第1回) 03月02日−01号




平成29年  3月 定例会(第1回) − 03月02日−01号










平成29年  3月 定例会(第1回)



        平成二十九年 渋谷区議会会議録 第一号

 三月二日(木)

出席議員(三十三名)

  一番  斉藤貴之      二番  藤井敬夫

  三番  一柳直宏      四番  近藤順子

  五番  松山克幸      六番  田中匠身

  七番  伊藤毅志      八番  治田 学

  九番  吉田佳代子     十番  須田 賢

 十一番  笹本由紀子    十二番  堀切稔仁

 十三番  斎藤竜一     十四番  佐藤真理

 十五番  下嶋倫朗     十六番  久永 薫

 十七番  沢島英隆     十八番  岡田麻理

 十九番  小柳政也     二十番  鈴木建邦

二十一番  秋元英之    二十二番  田中正也

二十三番  牛尾真己    二十四番  五十嵐千代子

二十六番  丸山高司    二十七番  木村正義

二十八番  染谷賢治    二十九番  栗谷順彦

 三十番  古川斗記男   三十一番  薬丸義人

三十二番  芦沢一明    三十三番  苫 孝二

三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

欠番    二十五番

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出席説明員

    区長            長谷部 健

    副区長           千葉博康

    副区長           澤田 伸

    会計管理者         久保田幸雄

    経営企画部長        星野大作

    情報戦略担当部長      松本賢司

    庁舎総合対策部長      佐藤賢哉

    総務部長          藤本嘉宏

    施設整備担当部長      加藤健三

    危機管理対策部長      黒柳貴史

    区民部長          菅原幸信

    オリンピック・パラリンピック担当部長

                  安蔵邦彦

    文化・都市交流担当部長   船本 徹

    福祉部長          柳澤信司

    子ども家庭部長       松澤俊郎

    健康推進部長        前田秀雄

    都市整備部長        秋葉英敏

    渋谷駅周辺整備担当部長   須藤憲郎

    土木清掃部長        大澤一雅

    清掃担当部長        藤野貴久

    教育委員会教育長      森 富子

    教育振興部長        植竹ゆかり

    生涯学習・スポーツ振興部長 植竹ゆかり

    選挙管理委員会委員長    小林八枝子

    選挙管理委員会事務局長   倉澤和弘

    代表監査委員        小野浩道

    監査委員事務局長      丸山喜弘

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事務局職員

事務局長  斉藤則行    次長    藤田暢宏

議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏

議事主査  真下 弘    議事主査  武田真司

議事主査  石川研造    議事主査  市川洋子

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      平成二十九年第一回渋谷区議会定例会議事日程

                平成二十九年三月二日(木)午後一時開議

日程第一 会期決定の件

日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について

日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について

日程第四 議案第一号 渋谷区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例

日程第五 議案第二号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第六 議案第三号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例

日程第七 議案第四号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例

日程第八 議案第五号 職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例

日程第九 議案第十六号 渋谷区議会議員及び区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例

日程第十 議案第六号 渋谷区新たな地域活性化のための条例

日程第十一 議案第七号 渋谷区役所出張所の設置に関する条例の一部を改正する条例

日程第十二 議案第八号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第十三 議案第十号 渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第十四 議案第十一号 渋谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第十五 議案第十二号 渋谷区水洗便所助成条例を廃止する条例

日程第十六 議案第十三号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例

日程第十七 議案第九号 渋谷区子育て支援施設条例の一部を改正する条例

日程第十八 議案第十四号 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十九 議案第十五号 渋谷区スポーツ推進計画策定委員会条例

日程第二十 議員提出議案第一号 渋谷区公契約条例の一部を改正する条例

日程第二十一議員提出議案第二号 渋谷区新庁舎建設に関する検討会条例

日程第二十二 議員提出議案第三号 渋谷区立河津さくらの里しぶや条例を廃止する条例

日程第二十三 議員提出議案第四号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例

日程第二十四 議員提出議案第五号 渋谷区国民健康保険加入者生活支援手当条例

日程第二十五 議員提出議案第六号 渋谷区高齢者の医療費の助成に関する条例

日程第二十六 議員提出議案第七号 渋谷区立宮下公園整備計画に関する検討会条例

日程第二十七 議員提出議案第八号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第二十八 議員提出議案第九号 渋谷区子育て支援施設条例の一部を改正する条例

日程第二十九 議員提出議案第十号 渋谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十 議員提出議案第十一号 渋谷区女性福祉資金貸付条例

日程第三十一 議員提出議案第十二号 渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例

日程第三十二 議員提出議案第十三号 渋谷区奨学資金に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十三 議員提出議案第十四号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第三十四 議案第十七号 平成二十八年度渋谷区一般会計補正予算(第五号)

日程第三十五 議案第十八号 平成二十八年度渋谷区後期高齢者医療事業会計補正予算(第一号)

日程第三十六 議案第十九号 平成二十九年度渋谷区一般会計予算

日程第三十七 議案第二十号 平成二十九年度渋谷区国民健康保険事業会計予算

日程第三十八 議案第二十一号 平成二十九年度渋谷区介護保険事業会計予算

日程第三十九 議案第二十二号 平成二十九年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算

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   開会・開議 午後一時

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○議長(木村正義) ただいまから平成二十九年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、十二番堀切稔仁議員、二十二番田中正也議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔斉藤事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は、次のとおりであります。

 長谷部区長、千葉副区長、澤田副区長、久保田会計管理者、星野経営企画部長、松本情報戦略担当部長、佐藤庁舎総合対策部長、藤本総務部長、加藤施設整備担当部長、黒柳危機管理対策部長、菅原区民部長、安蔵オリンピック・パラリンピック担当部長、船本文化・都市交流担当部長、柳澤福祉部長、松澤子ども家庭部長、前田健康推進部長、秋葉都市整備部長、須藤渋谷駅周辺整備担当部長、大澤土木清掃部長、藤野清掃担当部長、森教育委員会教育長、植竹教育振興部長兼生涯学習・スポーツ振興部長、小林選挙管理委員会委員長、倉澤選挙管理委員会事務局長、小野代表監査委員、丸山監査委員事務局長。

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渋選発第百六十四号

   平成二十八年十二月十九日

 渋谷区議会議長 木村正義殿

                渋谷区選挙管理委員会委員長 小林八枝子

   選挙管理委員及び同補充員の選挙を行うべき事由の発生について(通知)

 平成二十九年三月三十日をもって下記の選挙管理委員及び同補充員の任期が満了となり、選挙を行うべき事由が発生するので通知いたします。

                 記

        委員    小林八枝子

         同    福田昭子

         同    伊藤美代子

         同    山下彰俊

        補充員   岩下哲哉

         同    久保 徹

         同    櫻井悌子

         同    藤田雅明

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渋危防発第四十三号

   平成二十九年一月十三日

 渋谷区議会議長 木村正義殿

                         渋谷区長 長谷部 健

   「渋谷区国民保護計画」の変更の報告について

 標記の計画について、別紙のとおり変更したので、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)第三十五条第八項の規定により準用する同条第六項の規定に基づき報告します。

   〔別紙の朗読を省略いたします〕

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 監査委員から、平成二十八年十一月末日現在及び十二月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。

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○議長(木村正義) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 本日ここに平成二十九年第一回渋谷区議会定例会を招集し、平成二十九年度予算案を初め多くの議題について御審議をお願いすることとなりました。

 この機会に当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。

 私が区長に就任してから二年が過ぎようとしています。任期の折り返し点を迎え、これまでを振り返ると、それは渋谷区ならではの手厚い福祉や教育を継承しつつ、新たなアイデアを加えさらに発展させようと取り組んできた二年間であり、手応えも感じています。

 例えば、全国に先駆けて制定した「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づくパートナーシップ証明への取り組みは、他の自治体や企業等の動向に大きな影響を与え、証明書の交付実績も十六組を数える中、性別等にとらわれず多様な個人を尊重し合う社会の実現に向け、人々の意識も着実に変化してきたと思います。今後もアイリス講座の拡充やLGBT関連イベントである「東京レインボープライド」会場へのブース出展、コミュニティスペース「渋谷にかける虹」の運営体制の強化など、さらに啓発、理解促進に努めてまいります。

 また、それぞれの強みを生かしながら公民連携により地域社会の課題解決に取り組む「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー制度(S−SAP)」については、これまで七社と協定を締結し、協力を進めていますが、対象を区内所在の大学等にも広げ、さらに多様な分野にわたって新たな協働体制を築いていきたいと思います。

 こうした取り組みだけでなく、社会経済情勢が大きく変化している時代を捉え、将来にわたって区政を発展させていくため、昨年、二十年後を展望した「渋谷区基本構想」を区議会の御議決を得て策定いたしました。そして本年二月、この基本構想において政策分野別に定めた七つの未来ビジョンの着実な実現を図るため、「渋谷区長期基本計画」及び「渋谷区実施計画二〇一七」を策定いたしました。

 長期基本計画では、今後十年間にわたって進捗管理が適切に行えるよう、施策の柱ごとに基本目標とその具体化に向けた施策の方向性を定めるとともに、それぞれの施策を評価するための成果指標を設定いたしました。また、実施計画では、保育環境の整備を初め学校教育の充実、高齢社会の進展への対応など、区の喫緊課題に対するより具体的な区の施策について、今後三年間の重点課題を明らかにしています。

 今後はこれらの計画に基づき様々な施策を展開し、基本構想に掲げる「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」そして、区民が誇れる「成熟した国際都市」の実現を目指してまいります。

 そのためにも、区議会を初め区民のみならず事業者、大学、NPO団体、ボランティア、来街者など多くの人々の御理解と御協力が不可欠です。ハンドブックやプロモーション動画などによりわかりやすく情報を発信し、周知するとともに、渋谷区の未来を考えるワークショップの開催や、社会で活用が進みつつあるAI(人工知能)を基本構想のアンバサダー(大使)として取り入れ、多くの人々の声を集め、コミュニケーションを図るなど、さらに関心が高まるよう努めてまいります。

 具体的な主要施策について、基本構想の分野に沿って述べたいと思います。

 まず、教育についてです。

 子どもは未来であり、子どもたちの成長は私たちの、そして社会の希望そのものです。この思いから、基本構想の第一の柱として「子育て・教育・生涯学習」を掲げました。

 加速されるICT化、AI化、グローバル化に対応し、子どもたちにICT機器を活用して問題解決する力や外国語、とりわけ英語でコミュニケーションする力を身につけさせ、社会に送り出すことは私たちの責務と言えます。そこで、「教育は未来への最大の投資」と位置づけ、新年度予算では教育委員会と連携し、思い切った予算編成を行いました。

 ICT教育では、モデル校・代々木山谷小学校での検証結果を生かし、全区立小中学校の児童・生徒と教員に一人一台のタブレット端末を貸与します。携帯電話回線(LTE)を利用した堅牢、安全なネットワークを組むことで、授業はもちろん家庭での持ち帰り学習も可能となるなど、いつでも、どこでも安心して使うことができるシステムを九月から導入いたします。

 あわせてクラウド基盤を利用した統合型校務支援システムを導入して教員の校務負担の軽減を図るとともに、これらICT化の連携運用により得られるデータ等を学校経営に利活用する「スマートスクール」に生まれ変わる第一歩とします。

 英語教育では、聞く、話す力を高めることが大切です。中学校英語教育重点校や小学校英語教育モデル校での実践を踏まえ、ALT(英語指導助手)の派遣日数を小学校へは約二倍に、中学校へは二・三倍に増やすとともに、「英語漬け」の生活を体験する「イングリッシュキャンプ」を試行します。また、大学等と連携し小中学校と留学生との交流の機会を確保するなど、子どもたちの英語によるコミュニケーションの意欲や能力を高めてまいります。

 加えて、ICT教育と英語教育に読書教育もあわせた三者が有機的に連携して子どもたちの言語能力を相乗効果的に高めていく「言語能力育成システム」を構築するため、小学校の学校図書館専門員を増やし、あわせて中学校と地域図書館との連携をさらに進めます。

 一方、特別な支援を必要とする児童が増加傾向にあります。そこで、より細やかに適切な指導、支援が行えるよう、新年度には区内四校目の特別支援教室・巡回指導拠点校を中幡小学校に設置し、特別支援教育担当指導教員を配置いたします。さらに、平成三十年度には区内六校目となる特別支援学級・知的障害固定学級を千駄ヶ谷エリアの鳩森小学校に開級する準備に着手します。

 そのほか、周囲とのコミュニケーション等に課題を抱えているものの特別な才能を秘めた子どもたち、いわゆる「ギフテッド」について、その才能を伸ばし将来につながる学びが展開できるよう、新たな教育システムの構築を目指します。そのため、個別指導計画の作成や高度な指導ができるよう、学識経験者の知見を活用した専門部会の設置や専門指導員の配置、さらには子どもの有する特別な才能と専門指導員とのマッチングや教員、保護者への支援などを行うコーディネーターの設置等を進めてまいります。

 次に、子育てについてです。

 待機児童解消に向けた保育施設の確保、整備は区政の最重要課題の一つです。

 昨年、第二回定例会で「平成二十九年度からの三年間で千四百人規模の定員拡大」を目標とすることを申し上げましたが、入所申込者数が引き続き増加していることから、一年前倒しで実現できるようスピードをさらに加速させ、一年目となる二十九年度は八百人規模での定員拡大を図ることとしました。

 本年四月には「認定こども園」一園、「認可保育園」四園を開設し、十月には代々木公園内の保育施設を含め三園の開設、また、三十年度には七施設の開設のほか、既存施設の改修、建替えなども含め六百人規模の定員拡大を予定しています。

 施設整備に当たっては、これらの計画が確実に実現できるよう、引き続き近隣住民の方々の御理解、御協力を得られるよう丁寧に対応し、区議会と連携して取り組んでまいります。

 加えて、恵比寿ガーデンプレイス内に設置される企業主導の事業所内保育所における地域枠の確保のほか、待機児童を対象に、児童の居宅にベビーシッターを派遣する居宅訪問型保育事業や、やむを得ず認可外保育施設を利用しなければならなくなった方々への保育利用料の一部助成を実施するなど、増加する保育需要に適切に対応してまいります。

 他方、良質な保育、教育の確保の礎となるのは質の高い人材の確保であることは言うまでもありません。本年度開始した「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」の対象人員の規模を拡大し、保育人材の確保とその定着をより堅固なものとしてまいります。

 また、本区における保育の質の向上に向け、昨年、海外の先駆的・特徴的な教育メソッドを学ぶため職員を派遣しましたが、新年度においては、より実践的な研修を取り入れるなど工夫を加え、「渋谷区幼児教育プログラム」の改訂に反映させ、「渋谷区就学前教育プログラム」として策定したいと考えています。

 本区では、子育て支援について保健所と子ども家庭部、教育委員会等関係部署が相互に連携し、推進してまいりました。昨年は子ども家庭支援センターと子ども発達相談センターを同一建物に移設し、両センターを統合する「子ども総合支援センター」での一体的な事業運営と連携強化を図ったところです。

 このような中、母子保健法と児童福祉法が改正され、母子の健康保持及び増進と、子育て支援事業の利用支援や虐待対応の関係機関として「母子健康包括支援センター」の設置に努めることが定められました。本区では、この機会に現在、保健所が行っている妊娠前から出産期、子育て期に至るまでの健診事業や相談事業等と、子ども総合支援センターが行っている虐待や配慮が必要な子どもへの対応等を一体化し、子どもを持つ全ての家族を包括的に支援する「渋谷区版ネウボラ」として、母子健康包括支援センターを整備することといたします。

 今後、フィンランドはもとより先進事例の研究を進め、事業スキームや効果的な連携体制について検討してまいります。

 また、設置場所については、一体的対応の必要から神南分庁舎跡地を最有力候補と考えており、その建替え中にも途切れなく本サービスを提供するため、仮庁舎を活用することも視野に入れたいと思います。

 次に、区民福祉の増進についてです。

 本区では、あらゆる人が自分らしく生きられる街を実現するため、これまでも高齢者や障がい者が安心して暮らせる環境の整備に努めてまいりました。

 その基盤となる施設として、保育園、認知症カフェ、地域包括支援センター及び高齢者・障がい者・一般世帯向け住宅三十八戸を備えた幡ヶ谷二丁目複合施設が平成二十九年度に完成します。また、三十年五月には、旧本町東小学校跡地に特別養護老人ホーム百床、認知症高齢者グループホーム二ユニット十八人等を中心とする施設を開設します。さらに、老朽化に伴い大規模改修が必要な「渋谷区高齢者ケアセンター」について、特別養護老人ホームを中心とした施設に整備するための計画策定に着手します。

 一方、超高齢社会に対応した地域包括ケアシステムの構築が急がれますが、認知症高齢者の増加は確実であり、その早期発見や行方不明になってしまった場合の対応など、認知症対策は重要な課題です。

 「認知症初期集中支援チーム」や「認知症相談会」などの事業に加え、新年度からは日常生活圏域ごとに協力医を配置し、地域包括支援センター職員が医療に関していつでも相談できるようにいたします。これにより、その方の症状に合わせ速やかに関係機関に結びつけ、支援することが可能になります。

 また、徘徊等への対策として現在行っている見守りキーホルダー事業のほか、新たにメール配信を活用したSOSネットワークを構築します。これは事前に登録いただいた方が行方不明になったとき、認知症サポーター等に対しその情報を配信し、多くの目で探索してもらうことで迅速な発見につなげるものです。

 今後も地域や多くの方々と連携・協力し、認知症の方やその御家族が住みなれた地域で安心して暮らせる施策を構築してまいります。

 障がい者福祉の重要な施策の一つとして、自立に資する就労支援があります。

 本区には、残念ながら現在、特色のあるお土産がありません。そこで、渋谷らしいシンボリックな「渋谷みやげ」をつくり、これを障がい者の就労支援の一環として福祉作業所等の新製品の開発と販売促進に結びつけたいと考えています。

 既に昨年から区内の障がい者施設とデザイン専門学校生による製品開発を開始し、3Dプリンター等を活用した渋谷ならではのアイデアが生まれています。新年度は引き続きアイデアを募集し、よいものを商品化につなげ、区内の企業やNPO団体と連携して販売促進を図ってまいります。

 福祉が秘める創造力を具体化し、実践していくことで、これまで多くの人が抱いていた福祉という概念に対するイメージを変えていきたいと思います。

 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会まで三年余りとなりました。本区はこれまで、競技の普及啓発と機運醸成を図るためウィルチェアラグビーなどの競技を支援するほか、多くの来街者を迎えるため、商店会連合会の協力を得て「障がい者サポート」、「英会話サポート」等の講座を開催しているところです。今後は区内競技種目を区スポーツ施設で間近に観戦する機会をつくり、その迫力や魅力、選手の躍動感を直接体験していただき、さらに関心を高めるとともに、「おもてなし事業」についても講座の種類や対象を拡充してまいります。

 また、東京二〇二〇大会は区民のスポーツ機運を高める絶好の機会であり、今後、スポーツを日常生活に定着させるための目標値や方策を検討し、スポーツ推進計画を策定します。

 加えて、区内関係団体や大学と連携してボランティア育成を進めるとともに、渋谷スポーツサポーター事業を拡充させ、大会後には本区のレガシーとしてボランティア文化を根づかせることを目指したいと思います。

 あわせて大会に向け、ハードの面からも準備を進めてまいります。

 まず、公共交通機関としての電車やバス路線網の補完として、環境への負荷が少なく、健康増進効果も期待できる自転車を活用することです。近隣先行実施区と自転車やサイクルポートを相互利用できるよう、平成二十九年度からコミュニティサイクル事業を導入いたします。

 二点目は、区内競技会場となる新国立競技場、東京体育館、代々木第一・第二体育館の周辺の道路整備を重点的に実施し、誰もが安全・安心・快適に通行できる環境にすることです。自転車歩行空間の整備、電線共同溝整備による無電柱化(電線地中化)、歩道のバリアフリー化、遮熱性舗装など環境対策型舗装の整備に取り組みたいと思います。

 三点目として、国内外からの来街者がより快適に観光を楽しめるよう、観光Wi−Fi環境の整備を行います。渋谷・原宿駅周辺を皮切りに、民間事業者の設置状況などを見据えながら、順次設置エリアを拡充していきたいと思います。そして災害時には防災用ポータルへ切りかえられる仕様とし、有効な情報発信のツールとしても利活用を図ってまいります。

 東京二〇二〇大会の成功、そして大会終了後のレガシーとなるよう、これまでにいただいた議員視察団からの御報告、御提言や職員視察の結果も踏まえ、準備を進めてまいります。

 次に、安全・安心についてです。

 東日本大震災、熊本地震など大きな災害が続く中、日ごろの備えの大切さを改めて認識するところです。

 昨年十二月二十二日には、新潟県糸魚川市で約四万平方メートル、百五十軒近くの建物が焼ける大規模な火災がありました。消防による懸命な消火活動と、行政がいち早く避難を呼びかけたこともあり、死者が出なかったことは不幸中の幸いでした。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

 木造建築物が密集している地域の火災は特に延焼しやすく、被害が甚大になります。本区では、本町地区の木造密集地域の不燃化を促進するため、道路や公園の整備、建築物の建替え促進事業を行っていますが、大規模地震時の火災原因は「通電火災」によるものが多く、大きな課題となっています。発災時の「通電火災」による延焼を防ぐため、本町地区の不燃化特区の指定を受けた地域で新たに「木造建築物にかかる感震ブレーカー整備事業」を実施し、機器を無償配付いたします。

 また、避難所での生活は、長期化すると体力的にも精神的にも疲労、消耗するため、プライバシーへの配慮が不可欠です。そこで、現在備蓄している「避難所ボード」にかえて、誰もが容易に設置でき、より高いプライバシーが確保できる「ワンタッチ式のパーティション」を五カ年計画で全避難所に配備してまいります。

 巨大ターミナル駅と多くの来街者を抱える本区にあっては、発災時の帰宅困難者対策が重要です。この二月七日に実施した東京都、渋谷区合同の帰宅困難者対策訓練では、渋谷駅周辺で帰宅困難者が多数発生すると想定し、駅周辺での混乱防止のために「一時退避場所」や「帰宅困難者支援(受入)施設」への誘導、「外国人への対応」などを確認いたしました。

 この訓練で検証された内容や課題については、「渋谷駅周辺地域都市再生安全確保計画」に反映し、さらなる充実を図るとともに、新たに原宿駅周辺でも対応できるよう、「(仮称)原宿駅周辺帰宅困難者対策協議会」の設立に取り組んでまいります。

 また、防災機能とまちの景観形成とを兼ね備えた新たな試みとして、「シブヤ・アロープロジェクト」を立ち上げたいと思います。これは「矢印・モニュメント」を複数箇所に設置し、災害時には帰宅困難者支援(受入)施設が開設されるまでの間、外国人を含む来街者を安全にとどまれる場所である「一時退避場所」に誘導する案内サインとなるもので、実行委員会方式で実施します。

 国内外から多くの人々が集まる本区にとって、区民や来街者の安全・安心の確保は重要な課題です。区民の安全な暮らしを守るとともに来街者が渋谷の街を安心して訪れることができるよう、防犯面での取り組みを強化することが必要です。

 区内の犯罪発生件数は年々減少傾向にあるものの、不審者情報なども寄せられていることから、犯罪を未然に防止するとともに犯罪の早期解決を図ることにより、子どもたちの安全を確保するため、区立小学校全十八校の通学路に一校当たり五台の防犯カメラを設置します。

 また、これまでの録画による事後対応にとどまらず、現場で直ちに対応可能なライブ方式の防犯カメラについて、区立公園等で効果を検証し、さらに渋谷を安全・安心で魅力あるまちにしてまいります。

 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会を控え、また受動喫煙による健康被害のリスク等への関心が高まる中、国においては、公共の場所における喫煙のあり方に対する法的規制について検討が進められています。

 本区では「歩行喫煙はしない」「たばこは決められた場所で吸う」という「渋谷区分煙ルール」を平成十五年八月に定め、喫煙所や灰皿のある場所以外での喫煙を禁止していますが、このような動向を踏まえ、非喫煙者の健康を守る視点に立って、さらに喫煙者のモラルやマナーの向上を啓発していく必要があります。

 そこで、「渋谷区分煙ルール」の実効性を高め、快適な生活環境の整備を進めるため、警察官OBを「分煙対策指導員」として配置し、区内の主要駅を中心に、マナー違反者に対する指導や喫煙所への誘導など分煙対策を強化してまいります。

 次に、コミュニティとまちづくりについてです。

 安全・安心なまちづくりの土台となるのは地域の力です。違いを超えて人々がつながるダイバーシティを実現するには、渋谷を愛する全ての人々が、渋谷の未来に向け力を合わせていくことが必要です。

 そこで、地域活性化のための条例を制定し、地域コミュニティの存在意義を明確化するため、本定例会に条例案を提出しております。御議決後は、本条例に基づき町会等の活動へ財政的支援を行うほか、地域活動への参加に役立てていただくため、定年退職世代の方を対象に地域デビューマップを作成、配布いたします。

 また、具体的なコミュニティ活性化策として、私が議員時代に紹介、提案した隣人祭りを渋谷区版隣人祭り「おとなりサンデー」として実施し、地域の人々のつながりを強め、次世代の地域人材を発掘していきたいと思います。

 本区では、これまでも区民、企業等が相互に連携してまちづくりを進める「協働型のまちづくり」を目指し、地区計画が十八地域、認定まちづくり協議会が五団体設立されるなど一定の成果を上げてきました。私は、さらに一歩進め、基本構想でお示しした考え方をこのまちづくりにも大胆に取り入れていきたいと考えています。

 渋谷は、個性豊かな「まち」の集合体です。多くのインバウンドを呼び込む渋谷駅の周辺は、坂路やストリートカルチャーが醸し出す渋谷特有の景観を大切な宝物と捉え、今以上に強烈な個性を持ち、文化を生み続ける街に発展させる必要があります。

 一方、笹塚、幡ヶ谷など地元の皆さんがつくり上げた下町文化や、玉川上水など地域の資源に少し工夫を凝らすことで、日本ならではの風情あふれるまちを海外の多くの人にも体験してもらうことができると感じています。そのために、渋谷に住む人はもちろん渋谷で働く人、学ぶ人、訪れる人など渋谷に集う多様な人々のアイデアやノウハウを集め、オープンイノベーションを起こすことで、今までにない発想とパワーでまちづくりを進める「渋谷モデル」を構築していきます。

 この「渋谷モデル」を実現する場として、「渋谷未来デザイン会議(仮称)」の平成三十年度設立に向け、二十九年度も引き続き「かもづくりフューチャーセッション」「渋谷をつなげる三十人」などのワークショップを行い、人材育成や産官学民の連携を深めていきます。

 また、現行の都市計画マスタープランの計画期間が平成三十二年までとなっているため、二十九年度から三カ年をかけ、都市計画マスタープランを包含した「まちづくりマスタープラン」を策定いたします。

 次に、持続可能な行財政運営についてです。

 平成二十九年度当初予算案は、基本構想の理念「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の具現化を力強く進め、よりよい未来の渋谷を創造する施策を展開するため、これまでで最大規模の予算となっています。しかし、渋谷区の未来像を実現するには、持続可能な行財政運営が不可欠であることは言うまでもありません。そのため財政規律の維持に留意し、財源確保に必要な措置を講じていますが、区民の期待に応えていく上で何よりも重要なことは、行政の質そのものを高めていくことだと考えています。

 この点に関し、特に二点について触れたいと思います。

 一つは、区ウェブサイト(ホームページ)のリニューアルについてです。

 区長就任以来、私は「オウンドメディアの強化」を推進し、情報発信力の強化と双方向性のコミュニケーション基盤の実現に取り組んできました。

 その具体的な成果として、昨年から区ニュースを刷新するとともに全戸配布を実施したほか、コミュニティFMを活用した区民参加型の広報番組の放送を開始いたしました。また、区ウェブサイトについても、あらゆる人が使いやすく必要な情報を素早く入手できるよう、この二月にはモバイルファーストのデザインを採用し、検索機能も強化する等のリニューアルを行ったところです。二十九年度は区ウェブサイトのリニューアルをさらに進め、全ページにわたる見直しを行い、ユーザーガイドやコンテンツを充実させる等、区民の利便性の一層の向上を図ります。

 また、この二月から、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を使用し予防接種等の情報の提供を始めていますが、今後はこのSNSの特性を活用し、区民一人一人に対して最適なコミュニケーション基盤を構築するなど、区民のニーズに応じた情報提供の仕組みを確立していきます。

 もう一点は、ICT基盤の整備です。

 行政サービスの多様化に伴い、窓口での手続等も複雑化、煩雑化しています。対応の迅速化とともに手続の簡易化を図るには、窓口機能の拡充や電子申請手続の推進などICTの利活用が不可欠です。そこで、新庁舎移転を契機に、現在の堅牢でセキュリティの高い機能を堅持しつつ区の情報システムやネットワークなどのICT基盤を刷新し、区民の利便性の向上と行政コストの低減を図ってまいります。

 また、集積した様々な情報を分析し、政策の立案等に活用するとともに、職員のワークスタイルを変革し、働きやすさと生産性を高め、さらに行政サービスの質の向上を実現します。

 最後に、財政規模について申し上げます。

 平成二十九年度一般会計歳入歳出予算額は九百二十六億五千二百万円であり、前年度に対して九・六%の増となっております。これは、これまで申し上げたとおり、子育て支援を初め高齢化への対応、災害対策の強化等、区民福祉に係る諸施策の充実や活力に満ちたまちづくりを進めるなど、渋谷区基本構想の実現に必要なものです。

 これに国民健康保険事業会計等の三特別会計、四百九十五億六千七百二十八万三千円を加えました各会計の合計額は千四百二十二億千九百二十八万三千円で、前年度に対して六・九%の増となっています。

 本定例会には、ただいま申し上げました予算案等を含め、条例案十六件、平成二十八年度補正予算案二件、平成二十九年度当初予算案四件、人権擁護委員の諮問二件を御提案しております。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

 YOU MAKE SHIBUYA(夢行く渋谷)。

 一人一人が渋谷のまちづくりの主役です。一緒に未来の渋谷、ロンドン、パリ、ニューヨークと並ぶダイバーシティ&インクルージョンのまちをつくっていきましょう。もちろん、私も先頭に立って汗をかきます。

 以上をもちまして私の所信表明といたします。

 ありがとうございました。

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○議長(木村正義) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 十五番下嶋倫朗議員。



◆十五番(下嶋倫朗) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表しまして、区長並びに教育長に質問します。

 質問に入ります前に、一言申し述べさせていただきます。

 大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里関が第七十二代横綱に昇進しました。第六十六代若乃花以来十九年ぶりの日本出身横綱の誕生に、大相撲ファンのみならず日本中の人々が拍手喝采を送られました。

 「天才は生まれつきです。もうなれません。努力です。努力で天才に勝ちます」と中学の卒業文集にそう記した萩原寛少年は、十五年後、大関稀勢の里として天才と称される横綱白鵬を初場所千秋楽で倒し、横綱昇進をたぐり寄せました。まさに努力の勝利です。本当におめでとうございます。努力の大切さ、不可能を可能にする力を改めて学びました。

 私は、政治を託された者の一人としてさらなる精進と努力を重ねることを心にしっかりと決めて、質問に入らせていただきます。

 初めに、このたび策定された渋谷区長期基本計画、渋谷区実施計画二〇一七並びに新年度の当初予算案について伺います。

 昨年、本区は二十年ぶりに渋谷区基本構想を策定し、基本構想の理念である「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の具現化を力強く進めていこうとしています。その実現政策分野を七つのカテゴリーに分け、それぞれの未来ビジョンを定めました。

 そして、この基本構想で示した各ビジョンを着実に実現するため、今後十年間にわたる中長期的に必要な政策と施策の柱などを定める渋谷区長期基本計画と、その計画に基づく今後三年間の具体的な施策を明らかにする渋谷区実施計画二〇一七を策定しました。

 三層構造となる基本構想、長期基本計画・実施計画のそれぞれの役割が改めて示され、また、各計画において区が対応を求められている多くの課題を基本構想の体系に沿って整理し、取り組む方向性を明確にしたことで、区のこれから進めていこうとする取り組みが理解しやすくなったと考えております。

 長期基本計画の策定に当たっては、現状、特に若年世代が増加傾向にある区内への人口流入による保育園の待機児童数増加の問題点や、平成三十七年をピークに人口が減少し、高齢化率も上昇に転じるという今後十年間の課題、すなわち区民生活の暮らしやすさ、来街者を含む協働型まちづくり、未来への戦略という各視点に基づいた七つの分野におけるビジョンを実現するための政策が示されています。

 これらの政策を着実に実現することによって、最終的にはロンドン、パリ、ニューヨークと並ぶ成熟した国際都市を目指すものと考えますが、まず、渋谷区が向かう十年後の未来像とは具体的にどのようなものであるとお考えか、区長のビジョンをお聞かせください。

 次に、内閣府が先月十三日に発表した二〇一六年十月から十二月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比〇・二%、年率換算一・〇%増と四半期連続のプラス成長を維持しました。このことは好調な外需に支えられた形ではありますが、他方、トランプ氏のアメリカ大統領就任、中国経済の動向、そして英国のEU離脱の影響など数々の不確実性要素により、今後の国際情勢、さらには日本経済の先行きは依然として不安定であります。

 このような中で、本区における平成二十九年度当初予算案、一般会計は九百二十億円を超え、率にして九・六%増という過去にない大型予算案を編成されました。繰入金と特別区債で五十七億円を超える歳入を用いての二十九年度当初予算案を組まれたのであります。

 さらに申し上げれば、前述しましたように先行きの不透明感がある中で、区長が所信表明で述べられたように、「渋谷区ならではの手厚い福祉や教育を継承しつつ、新たなアイデアを加えさらに発展させる」という区政運営維持のためには、今後も相応の原資を確保しなければならないのは当然です。

 しかしながら、長期基本計画にも課題として挙げられているとおり、将来、人口減少に転じ税収減は避けて通れない現状の中、待機児童対策にかわり、高齢者を初めとする区民福祉への比重はさらに大きくなる一方で、歳出の増加が見込まれます。長期基本計画及び実施計画に定められている様々な施策について、これから実現に向けて取り組んでいくには、今後も安定的な財政基盤を確立しなければなりません。長期基本計画においても「持続可能な行財政運営の実現」という項目の中で、歳入確保のための取り組みの推進や、公共施設等総合管理計画を基本に、施設の更新や長寿命化において中長期的視点に基づき計画的に進めていくとあります。

 そのような状況下で長期基本計画に盛り込まれた様々な施策が将来にわたって継続し、持続可能な施策を展開しなければならないと考えますが、今後の財政運営の見通しに関する見解並びに展望をお聞かせください。

 次に、これから進めていく区政運営の指針となる基本構想ですが、基本構想は策定して終わりというものではなく、区民へ周知してその理念を理解していただき、共有していく必要があると考えます。すなわち、パブリックコメントを通じて区民の声にも耳を傾けて策定されたこの基本構想が、区民全体に浸透していかなければなりません。

 そのために、七つの政策分野ごとに今後の二十年間を展望した未来のビジョンを動画や音楽などでわかりやすく表現するなどしており、行政のかたさを感じさせない長谷部区長のカラーで基本構想が表現されていることは承知しておりますし、さらには新年度の事業として、本区は「基本構想キャンペーン事業」という名目で予算措置をしております。専用ウェブサイトの開設や渋谷区の未来を考えるワークショップの開催、さらにはAI(人工知能)を基本構想アンバサダーとするなどの施策がうたわれております。

 特に、この基本構想のアンバサダーとして「渋谷区が目指す未来像を示しながら、広くコミュニケーションするAIの構築」とは具体的にどのようなものでしょうか、基本構想周知に係る施策の具体案について区長の御所見を伺います。

 次に、地域コミュニティについて質問いたします。

 さきの平成二十八年第四回定例会において、我が会派の代表質問でNHKの「クローズアップ現代」の番組を取り上げ、地域コミュニティについて質問をいたしましたが、その後の取り組みについて伺います。

 さきの定例会では、「町会は加入率の低下、役員の高齢化、担い手不足などの問題を抱えるが、災害、防犯、防火、交通安全等、安全・安心で快適なまちづくり、また五輪・パラリンピックの機運醸成のためにも、町会は欠かせない存在である」ということを前提に、我が会派は町会・自治会の位置づけを明確化するための条例制定、無関心層に対する町会への加入促進、町会・自治会が実施するコミュニティ活動への助成、町会・自治会の担い手不足や区からの委託に対する対応、この四点について区長の所見を伺いました。区長には、このいずれに対しても非常に前向きな答弁をされ、これには多くの区民が極めて大きな期待を抱いているところです。

 条例につきましては実に素早く対応され、今定例会に議案を提出されておりますが、この条例を根拠または背景として、さらに具体的な施策の中で今こそ地域の活性化を強力に推し進めるべきと考えます。

 町会・自治会を加入率減、担い手不足の悪循環から救い出し、どのようにして時代の課題に応えられる組織に転換していくか、さらに地縁組織の特徴を踏まえて地域コミュニティの核を強化していくかが大きな課題であると考えます。

 そこで、平成二十九年度以降、具体的にはどのような施策を展開するのか、区長にお尋ねいたします。

 先ほどの区長所信表明の中で、町会への加入促進のために、若い世代はもちろん定年退職世代に対して「地域デビューマップ」を作成、配布するとありますが、「地域デビューマップ」とはそもそもどのようなものなのか、区長のお考えをお聞かせください。

 また、次世代の人材発掘のため「渋谷版隣人祭り」を実施すると発言されましたが、「渋谷版隣人祭り」とは具体的にどのようなものなのか、従来から町会・自治会が実施する地域の諸活動とどのような違いがあるのか、さらに地域のコミュニティ活動に対しどのような支援を行っていくおつもりか、支援の展開について区長の御所見を伺います。

 次に、インバウンドについてお聞きします。

 私は、笹塚の商店街で長年商売を営んでおります。店先から道行く人々を眺めていると、最近は外国人が多く行き交い、お店への外国人来店客も増加しております。いわゆるインバウンド、訪日外国人旅行者の波が渋谷区の外れの笹塚にも押し寄せていることをひしひしと肌で感じています。

 日本政府観光局の調べによれば、二〇一六年の訪日外国人旅行者数速報値が二千四百四万人に達しました。これは二〇一五年の千九百七十三万人から二一・八%の増加です。二〇一四年は千三百四十一万人でしたから、わずか二年間のうちに一千万人以上増えたことになります。

 二〇一六年の訪日外国人旅行者数二千四百四万人のうち、全体の約七割強を占めるのが中国、韓国、台湾など東アジアの国々からの旅行者で、合計一千七百万人を超えました。訪日外国人旅行者の買い物金額の落ち込みから「爆買いの時代は終わった」という論調もありますが、それでも東アジアからの旅行者は今後も増加していくと見込まれます。さらに、約三年後の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けて、世界中から訪日外国人旅行者が訪れることは明白です。

 日本に足を運んだ彼らが必ずといってよいほど訪れる場所、また訪れたい場所が、ここ、渋谷であります。訪日外国人旅行者が年々増加している現状を考え、渋谷区としては彼らが快適に過ごせる環境を整えるべきです。

 そのような中、現在、本区のオリンピック・パラリンピック推進については、特にパラリンピックを中心に支援するとともに普及・啓発し、区民の機運醸成が図られております。その一環として、区民の「おもてなし」スキルアップを目的とし、渋谷区に訪れた外国人観光客や障がい者、高齢者の方々に対する満足度向上を目指して「渋谷区おもてなし事業」を本年度から実施していることは、先ほどの区長所信表明で発言されております。

 そもそも「おもてなし」とは、その方をお迎えするに当たり心を込めて準備するなど、目に見えない心を目に見えるものにあらわす日本独特の接客法だと考えます。そうであれば、本事業は障がい者サポート、英会話サポートなどの講習会を商店街関係者中心に行っていますが、インバウンドに絞れば、英会話のみならず日本を最も訪れている近隣諸国の言葉を話せてこそ心にしみる「おもてなし」となるのではないでしょうか。近隣諸国の言語教育、さらにボランティアや通訳の育成等、今後の講座の種類や対象拡大には大きく期待するところであります。

 そこで、質問いたします。

 約三年後、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの本番を迎え、訪日外国人旅行者がピークとなります。ダイバーシティ&インクルージョンを目指す渋谷区にふさわしい「おもてなし事業」をどう展開されていくお考えか、本事業に対する区長の思いとともに御所見を伺います。

 次に、民泊について伺います。

 昨年の一定で、私は民泊について質問させていただきました。区長から「厚生労働省の政令改正の動向も含め、こうした国の動きを注視しつつ、地域住民の安全・安心を守るとともに、利用者と宿泊事業者双方にとって有益な事業に発展するような枠組みの構築を目指すべく、様々な角度から研究を重ねているところであります」という答弁をいただきました。これを踏まえ、区としては渋谷らしい民泊のあり方を検討されていると仄聞しております。

 外国人旅行者の増加に伴いホテルが不足しており、一般の民家やマンションに宿泊する民泊が注目をされ、違法営業も多々見受けられます。そんな中、自治体における民泊営業の許可権限をめぐり訴訟を起こされた区もあります。また、本区でも、騒音やごみ出しなどの近隣住民とのトラブルがあるのも事実であります。さらに「隣に見知らぬ人が出入りして不安である」など多くの相談が寄せられていると認識しております。しかしながら、現行の旅館業法では、許可を受けていない物件への立入調査の権限がないという欠点があり、民泊の取り締まりは一筋縄ではいかないのが現状です。

 このような近年の観光旅行客の宿泊をめぐる状況に鑑み、国においては国土交通省から「住宅宿泊事業法案(仮称)」いわゆる「民泊新法」を今通常国会に提出する動きがあります。また、その内容を受けて、区においても「民泊あり方検討会」を立ち上げると承知しております。

 そこで、区長に伺います。

 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを控えて、国内外を問わず様々な地域から多様な人々が訪れます。ロンドン、パリ、ニューヨークと並ぶ国際都市渋谷、来街者にも安全・安心で愛される渋谷となるため、今後どのような姿勢で渋谷らしい民泊のあり方を進めていくお考えか、今後のスケジュールとあわせてお聞かせください。

 さらに、検討会メンバー構成は、多彩な有識者や学識経験者などを初め広く意見を求めることが必要と考えますが、現段階で考えている検討会の構成員についてお尋ねいたします。

 次に、こどもテーブルについて伺います。

 先月二月十五日号の区ニュースに渋谷区こどもテーブルの記事が掲載され、「地域で新しい交流を生み出していく活動」と紹介されました。

 そもそも「こども食堂」という名称で、経済的に厳しかったり、ひとり親で食事の支度がままならなかったりと様々な事情を抱えた子どもたちに無料や低価格で食事を提供する場所として、全国各地に相次いで誕生している施設です。

 本区では「こどもテーブル」と命名し、地域の大人が子どもに無料や安価で食事を提供するとともに、学習支援なども取り入れた民間主体で渋谷区独自の取り組みと理解しております。

 最近は、地域の全ての子どもや親、地域の大人など対象を限定しない食堂も増えており、また、食堂という形をとらず、子どもが放課後に自宅以外で過ごす居場所を提供しつつ、その中で食事を出しているところもあると聞いております。

 区長は「こどもテーブル」について「子どもの貧困対策としてだけでなく、地域による子育て支援という理念のもと、食事の提供のみならず、学習支援や親の養育支援も含め広い視点で検討していく」と述べておりましたが、現在、区内九カ所でこどもテーブルが実施されており、さらなる拡大に期待するところです。

 そこで、区長にお尋ねします。

 渋谷区は「こどもテーブル」の実施に向けた検討を進めてきておりますが、渋谷区社会福祉協議会が実施主体となっております。その経緯と理由を伺います。

 さらに、社会福祉協議会所有の「景丘の家」を新たに建て替え、「こどもテーブル」など子育て支援のための施設にすると仄聞しております。この「景丘の家」を活用した事業は今後どのような展開となるのか伺います。

 また、「こどもテーブル」の充実のため、人通りの多い商店街は子どもたちへの見守りにつながり、「こどもテーブル」の拠点として最適であると考えます。商店街の空き店舗を「こどもテーブル」の拠点として活用することは、商店街の活性化や地域による子育て支援の機運の高まりにも資すると考えます。

 しかしながら、行政が直接事業にタッチしにくいことも承知しております。こうした課題解決に、区長が所信表明で述べられた「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー制度(S−SAP)」による公民連携による協働体制を活用するのでしょうか。

 さらに申し上げれば、居場所の確保にとどまらず学習支援や養育支援など、具体的にS−SAPをどのように展開していこうとするのかお聞きします。

 次に、防災についてお聞きします。

 日本列島は、平成になってからも阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震といった様々な災害を体験しました。首都直下地震は三十年以内に七〇%の確率で起こると言われております。特に近年、福島県や茨城県沖を震源とする地震が多発しており、昨年、渋谷区内で震度三以上の地震は八回もありました。

 これらの貴重な震災体験から本当の教訓を酌み取り、日本では地震が起こるのが当たり前なのだと理解し、自分のこととして捉え、それぞれ何ができるかを考えることが重要です。それぞれが自助、共助の意識を深め、地域の防災力を高めることにつながると思います。

 さて、本区において地域防災力を高める施策であります総合防災訓練について伺います。

 新年度の総合防災訓練は二日間かけて実施されるということですが、二日間となると参加される方の負担が多くなり、果たして緊張感が保てるか心配です。イベント性を持たせることは集客力につながりますが、我が会派では一朝有事の際、その生命と財産を守るために区民はどのような行動をとるべきかなど、本来の目的である緊張感を持った、重点を絞った防災訓練にすべきと昨年の三定、四定におきまして要望してまいりました。

 このことを踏まえ、質問いたします。

 新年度における総合防災訓練はどのように改善していくお考えか、区長の御決意をお聞かせください。

 先月、渋谷駅周辺で行われた大規模な帰宅困難者対策の訓練は、東京都と渋谷区が連携した訓練であり、今後の課題が明確になるなど実のある訓練でありました。今後も渋谷区の昼間人口は拡大していくことが予測されることに加え、再開発事業の進捗に伴い魅力が高まるにつれ、渋谷への来街者もますます増えることは明らかです。さらに、来年度予算では原宿駅周辺帰宅困難者対策協議会設立の予算づけがされておりますが、他方、基本的に帰宅困難者対策の主体は東京都と考えます。

 このことを踏まえ、質問いたします。

 渋谷駅周辺再開発に伴い予想される帰宅困難者の増加と、それに対応する帰宅困難者受け入れ施設の拡充等、今後の帰宅困難者対策について御所見をお聞きします。

 また、これに伴う財源も含め、財政負担はどのようにお考えか区長の御所見を伺います。

 さらに、渋谷、原宿などの主要ターミナル以外の地域における帰宅困難者対策はどのようにお考えか、お聞かせください。

 また、防災情報については防災行政無線、安全・安心メール、防災ポータルサイトなどでお知らせしております。本年一月に、区は、災害情報等を迅速に提供するために、スマートフォンアプリ「ヤフー防災速報」を活用した区の災害情報の配信を開始しました。現在、ヤフーと災害協定を結んでいる自治体は都内では当区のほか東京都と十区九市のみであり、大変先進的な取り組みとして帰宅困難者対策等効果を期待するところです。

 来街者が多く集まる渋谷区においては、インターネットを活用した迅速な災害情報の発信は必須と考えます。ヤフーのほかにも検索サイト大手を初めとするインターネット各社との災害情報発信、災害協定などを広めていくお考えはあるのか、災害時情報配信の対応について区長の御所見を伺います。

 さらに、災害時要援護者支援についてお聞きします。

 長期基本計画では、避難支援プラン作成を五年後には一〇〇%としております。その中に自助、近助、共助とあり、地域が互いに協力し合い、災害時の被害を最小限に食い止めるべく自主防災組織を育成、強化するとあります。

 ところが、自主防災組織に余力がない現状に加え、自主防災組織、民生委員、安心見守りサポート協力員との連携が進んでいないとも聞いております。このような状況下においても、渋谷区は災害時要援護者避難支援プランの作成状況が他区と比較して進んでいると聞いておりますが、さらなる向上のためどのような取り組みをお考えか、お聞かせください。

 次に、高齢者ケアセンターの建替えについてお尋ねします。

 平成二十九年度当初予算案では、重点項目である待機児童対策費、ICT基盤整備、ICT教育推進費用と並んで福祉、特に高齢者福祉に係る費用が突出しています。ここには旧本町東小学校跡地複合施設整備事業費のほか、渋谷区高齢者ケアセンターの建替えに関する基本設計、実施設計の費用が計上されています。

 平成二十八年第四回定例会において、我が会派から高齢者ケアセンターに対するあり方や整備についての質問をさせていただきました。区長からは「当該施設の老朽化に伴う整備について検討を進めてきた結果、改修ではなく、今よりも延べ床面積を大きく活用できる建替えを行うこととし、健康寿命の延伸に向けた施策の再編・充実等の諸課題の解決のため、特別養護老人ホームを含めた新たな福祉施設として整備していきたい」と御答弁をいただきました。

 また、さきの平成二十九年度予算概要のプレス発表においても、改めて高齢者ケアセンターの建替えを表明されました。

 同センターは昭和六十二年に開設された区内最初の高齢者施設であるとともに、老人福祉センターの事業を初めとする在宅サービスセンター事業を行う高齢者福祉の拠点施設の建替えであることから、区民の注目度も高いと思われます。

 そこで、質問いたします。

 まず、特別養護老人ホームを中心とした新たな高齢者福祉施設とはどんな施設をお考えか、お聞かせください。

 また、高齢者ケアセンターの建替えスケジュールについては、平成三十三年度の開設を目指し来年度基本設計、実施設計、平成三十年度から三十二年度の工事期間と承知しております。現在、渋谷区高齢者福祉センターは、昨年度、年間延べ二万八千六百名を超える利用者が集う施設です。工事期間にはこれらの利用者の利便性と負担に考慮した代替措置が必要と考えますが、その対応についてどのような検討がなされているのでしょうか、お尋ねいたします。

 最後に、学校教育について教育長にお伺いします。

 先月、文部科学省は学習指導要領改訂案を発表しました。これは、昨年十二月に中央教育審議会がまとめた答申を踏まえたものです。答申では、二〇三〇年の社会、さらにその先の社会においても豊かな未来が続くことを期して、一人一人の子どもたちが自分自身の価値を認めるとともに相手の価値を尊重し、多様な人々と協働しながら課題を一つ一つ乗り越え、よりよい人生とよりよい社会を築くために学校教育の果たすべき役割が明記されています。

 この答申には、我が会派がこれまでも力強く提言してきた小学校からの英語教育や学校と地域との連携を推進するための仕組みであるコミュニティスクール、小中一貫教育の重要性などがうたわれており、我が意を得たりであります。

 教育は、国家、社会の存立基盤であります。少子・高齢化が進み、多くの外国人が来日し、人工知能に代表される科学技術の進化のスピードはさらに加速していきます。五年後、十年後さえ予測できない社会を私たちは生きています。若い世代には、そんな未知の課題に向き合い、未来を切り開く力をつけることが必要です。そのために学校教育は何をすればいいのか、それが今回「主体的・対話的で深い学び」という言葉で表現されている授業の実践です。受け身の授業ではなく、議論や体験学習を通じて子どもたちに自ら学ぶ方法を教えることが重要になってきます。

 新しい学習指導要領案により、今後十年、二十年先を見通した新しい教育の姿が示された意味は大きいと私は考えておりますし、その行方を注視しているところでもあります。

 さて、グローバル化や技術革新が急速に進む社会背景の中で生きていく子どもたちを、一人一人が未来のつくり手となれるよう成長させるには、教育委員会のみならず渋谷区全体として大切に育てていくことが必要であると私は考えています。そこで、新しい学習指導要領案を踏まえた本区における教育施策の方向性について、教育長にお聞きします。

 次に、平成二十九年度の一般会計歳出予算案では、ICT教育の推進や外国語教育の充実など様々な予算の拡充が図られており、先ほどの区長所信表明でも述べられておりました。

 そこで、まず、本区のICT教育が目指す姿について教育長にお聞きします。

 ICT教育に関して、文部科学省では二〇二〇年代に向けた教育の情報化に関する懇談会の最終まとめにおいて、一人一台のタブレット端末の必要性について述べられており、本区以外の自治体においても全国的にICT教育環境の整備が進められているようです。しかし、せっかくのタブレット端末がほこりをかぶっていたり、教員の校務負担の軽減につながらなかったり、また導入後、実績がなかなか上がらない自治体もあると聞いております。

 そのような中で、本区では来年度、タブレット端末を区立小中学校において児童・生徒、教員全員に配備するとしております。このタブレット端末を学習においてどのように有効活用していくお考えか、その計画をお聞かせください。

 また、個々の教育がタブレット端末を有効に使うためには、時間と労力がかかると考えます。そこで、教育の校務軽減に関する計画についてもあわせてお聞かせください。

 次に、新しい学習指導要領について、特に英語教育の小学校現場の受け入れ態勢についてお聞きします。

 文部科学省は土曜日や夏休みの活用、十五分の短時間授業の導入などを挙げておりますが、既に時間割が目いっぱいの小学校でどう英語の授業を上乗せしていくのかお聞かせください。

 さらに、教科として英語を教えるには中学英語の免許も併有する小学校教員が担当することなどが考えられますが、本区では小学校での英語教育指導人材をどう確保するおつもりか、お聞かせください。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、下嶋倫朗議員の代表質問に順次お答えいたします。

 初めに、渋谷区が向かう十年後の未来像はどのようなものかという御質問です。

 まず、渋谷区基本構想において渋谷区が目指すものは、私がこれまで申し上げてまいりましたロンドン、パリ、ニューヨークなどと並び称されるような成熟した国際都市です。その意味では、十年後の未来像も二十年後の未来像と同じです。

 基本構想では、成熟の条件として高度な国際競争力と強烈な地域性とを兼ね備えていくこと、また、区民自身が誇りを持ってそこで暮らせることを挙げています。さらにダイバーシティとインクルージョンの考え方、共助の人間関係とサステナビリティを大切にすると定めています。

 このような基本構想における理想を達成していくため、政策分野別に定めた七つのビジョンを着実に実現していくことが必要です。議員の御質問にありますように、二十年後の将来を展望しつつ、その実現に向けてマイルストーンとしての十年後の姿をしっかりと見据えて計画的に進めていくことは重要であると考えており、このたび策定した渋谷区長期基本計画は、まさに今後十年間にわたる中長期的に必要な政策と施策の柱などを明確にしたロードマップです。そして、分野別の各政策においては重点施策を定めましたので、まず、それらの項目を中心に施策を展開してまいります。

 区政運営の基本となる本計画を実現していくためには、各施策の達成度を確認しながらPDCAを回していくことが必要です。そのため、主要な施策についてはそれぞれの施策を評価するための成果指標を設定しており、今後、進捗管理を適切に行ってまいります。

 今後は「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の実現のため、長期基本計画と、今後三年間の重点計画を明らかにした実施計画二〇一七に基づき区政を運営してまいります。区民並びに区議会の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、長期基本計画・実施計画の実現に向けた財政基盤についてです。

 平成二十九年度の予算は過去最大であり、長期基本計画・実施計画二〇一七においても今年度と同規模の予算が継続する見込みを立てております。

 そして、先ほど所信表明においても述べましたが、本予算案を取りまとめた思いは、桑原前区長の残した手厚い福祉と教育を維持しながらも、待機児童対策など社会の変化に基づく喫緊の課題に対応し、さらに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けて渋谷の変化が加速していく中で基本構想の理念である「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を実現していくためには、ICT教育の推進を初めとした新たな取り組みにも大胆に踏み込んでいかなければならないと考えたからです。

 長期基本計画・実施計画の期間は、新年度予算のテーマである福祉の充実や待機児童対策などに継続して取り組みながらも基本構想の理念実現のために始めた新たな施策を着実に推進し、実りあるものにしていく期間です。そのためには安定した財政基盤の確保は不可欠な要素です。特別区税収入の大幅な伸びを期待することができない中、より財政を健全化する取り組みがなくてはなりません。

 歳入の確保においては、特別区民税等の納付について、より利便性の高い納付方法の導入などにより納付環境を整えていくとともに、財政負担の大きい施設設備の分野を中心にPFI、PPPを初めとする民間資金を利活用する仕組みを検討し、また、(仮称)渋谷未来デザイン会議、S−SAPなどの公民協働のモデルにより積極的に民間の持つ資源を公共に活用することで、財政負担の軽減を図りたいと考えています。

 歳出抑制については、区有施設や道路、橋梁などのインフラの老朽化を見据え、公共施設等総合管理計画に基づいて最も効果的で財政負担の少ない施設のあり方、配置を検討し、区有財産を有効活用するスキームを検討していきます。

 また、新庁舎に向けて新たなICT基盤の整備、組織や働き方の改革により業務の効率化を図るとともに、財政分析の手法を活用して事業、施設の最適化を図る事業評価、施設評価のスキームを構築します。

 以上の取り組みのほか、基金の活用や、長期にわたり提供するサービスについての施設整備には、世代間の負担の公平を図るべく特別区債の発行も必要に応じて行っていきます。

 このようにして将来にわたって持続可能な財政運営を行い、長期基本計画・実施計画の諸施策の実現を図っていきたいと考えております。

 次に、来年度の基本構想周知キャンペーン事業についての御質問です。

 所信表明でも申し上げましたが、今後の区政運営の指針となる基本構想が掲げる未来像である「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を実現するためには、この基本構想が多くの人に理解され、御協力いただくことが不可欠です。そのためには区民はもちろん渋谷区で学ぶ人、働く人や渋谷に関心を持っていただいている人々、さらには世界に向けて、これからの渋谷区が目指す理念を様々なチャンネルを通じて広く発信していく必要があります。

 来年度は「YOU MAKE SHIBUYA」をタイトルとして基本構想の周知キャンペーンを展開し、基本構想の内容を積極的に伝えていきます。

 まず、基本構想への理解を深めていくため、小学生や中学生を初め幅広い年齢層により、渋谷区の未来を主体的に考えるワークショップを開催していきます。ワークショップでは二十年後の中心的な世代である全十八校の小学生を対象に、基本構想を示しながら渋谷区の未来について子どもたちの夢や希望を話し合う場とします。また、中学生やそれ以上の年齢層に対しても実施し、自由闊達な議論を通じて施策につながるようなアイデアの提案をまとめていただくように運営していきます。

 さらに、社会で活用が進みつつあるAIに、基本構想の目指す未来像やその実現のために区が展開している様々な施策を理解させ、基本構想の理念を広く伝えることのできるアンバサダー(大使)として機能させます。

 AIは、問題解決などの知的行動をコンピュータに行わせる技術であり、データを高速で分析して推論することにより的確な回答を導き出すことができる、人間をサポートする存在です。パソコンやスマートフォン上で直接の対話を通じてコミュニケーションするものですので、顔などのキャラクター設定や言葉使いなどが愛着を生む要素となります。

 AIは、個別に基本構想の考え方を説明し、質問に答え、意見を収集し、その傾向を分析することもできます。まずは子どもたちのワークショップで収集した意見や、基本構想の専用ウェブサイトを活用して行う意識調査結果などをAIに学習させることで、データとして蓄積し、育成、成長させていきます。

 また、今、区に何が求められているのかを把握し、施策立案の参考にしていくことも検討してまいります。

 次に、地域コミュニティついて三点のお尋ねです。

 まず、町会・自治会の担い手不足などを解消し、町会・自治会を地域のコミュニティの核として強化するために具体的にはどのような施策を展開するかについてです。

 議員御指摘のとおり、町会・自治会は地域コミュニティの核であると考えますので、条例で地域コミュニティへの支援が区の事務であることを明確化し、直面する担い手不足を解消するための支援を実施します。

 まず、区は職員を地域のイベントやまちづくりのミーティングに参加させるなど、積極的に地域コミュニティにかかわっていきます。また、区は地域で活動するNPO法人などの力をおかりできるよう、町会、NPO法人と常に密接なコンタクトを持ち、町会・自治会とNPO法人とのマッチングを積極的に行っていきます。さらにイベントなどの経費だけでなく、例えば町会・自治会の会計事務を外部に委託する経費にも充てられるような補助金の交付を行っていきます。

 加えて、担い手の分母である町会加入者の増加を図るために、地域SNS等を活用するほか、いわば渋谷区民への玄関である不動産業者に御協力をお願いして町会や町会活動の周知を図っていきます。

 次に、「地域デビューマップ」についてです。

 この「地域デビューマップ」は、地域コミュニティの活動、具体的には町会・自治会、NPO法人の活動や連絡先を紹介する小冊子です。この「地域デビューマップ」を定年後の居場所探しに関心を持つ六十歳になった方を対象として送付し、地域活動への参加のきっかけを提供していきます。

 次に、渋谷区版隣人祭り「おとなりサンデー」と今後の地域活動に対する区の支援です。

 「おとなりサンデー」は地区のイベントのような大がかりなものではなく、隣近所の方が、例えば十人であるとか二十人であるとか、そういった比較的小さな規模で飲食をともにし、地域の人と人とのつながりを強めていく取り組みです。

 区はホームページなどのプラットフォームを用意し、また「おとなりサンデー」の見本を紹介するショーケース・イベントを開催して「おとなりサンデー」の意義や実施の仕方を周知します。あわせて「おとなりサンデー」を企画、実施する「おとなりサンデーコンシェルジュ」を育成し、その中からさらに将来の地域活動を担う地域コーディネーターを育成します。

 区としては、このような短期的、中期的、長期的な視点からの総合的な施策により、地域コミュニティの活性化を推し進めてまいります。

 次に、東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた「おもてなし事業」の取り組みについてです。

 私も常日ごろ、区内の訪日外国人の増加を感じていますが、昨年末のカウントダウンの現場でも改めてそのことを実感したところです。東京大会に向けてこれからも増えていく多くの国の方々の多様性を理解して受け入れる「おもてなしの心」を育むことは、とても大切であり、本事業がそのための一助となり、きっかけにもなると思っています。

 現在実施している英会話、障がい者対応、地域の魅力発見などの講座は、参加者からのアンケート結果も好評であると報告を受けています。今後は三年後の東京大会を見据え、現在の講座の内容をレベルアップするとともに、新たに多言語対応のためのIT機器活用などの講座を加えて拡充させていきたいと考えています。

 さらに、事業対象を町会などの区内関係団体にも広げ、全区的に実施してまいります。

 次に、民泊について二点のお尋ねです。

 初めに、民泊に対する姿勢についてのお尋ねですが、一律に民泊を規制して排除するのではなく、住む人だけでなく渋谷を訪れる人も大切にする街である渋谷の発展に、積極的に寄与する取り組みを構築していきたいと考えています。

 違法な民泊についてはこれまでも必要な情報を把握し、居住者、マンションの管理組合、警察と連携し、適正な対応を行ってきましたが、新法である「住宅宿泊事業法」施行後も、法の趣旨を踏まえ、より実効性のある対応を行っていきます。

 一方、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを見据えたインバウンドやシェアリングエコノミーは、経済効果だけでなく、本区における空き家対策や商店街の活性化等の地域振興にもつながります。渋谷区観光協会などの地域の関係者や、おもてなし関係者スキルアップ事業と連携しながら、ダイバーシティ渋谷にふさわしい、特色ある、魅力にあふれた民泊を実現したいと考えます。

 なお、今後のスケジュールについては、「住宅宿泊事業法」の施行や並行して予定されている「旅館業法」の改正の動向を見据えながら、適正に進めてまいります。

 次に、検討会についてですが、今後は厳正な指導に基づく安全・安心なまちづくりと、おもてなしを通じた地域の活性化と国際交流の推進の両面から検討を進めてまいります。検討の場では警察、消防等の関係機関の方や、まちづくり、観光産業に関する有識者の御意見等を賜りたいと考えております。既に関連する所管部署が集まり、検討会設置に向けた連絡会議を行ったところです。

 いずれにいたしましても、民泊対策につきましては安全・安心と地域の活性化を両立して推進してまいります。

 次に、渋谷区こどもテーブルについて大きく二点のお尋ねですが、一括してお答えいたします。

 本区は、こどもテーブルを「地域による子育ての支援」を理念に、子どもの貧困対策としてだけではなく食事の提供、学習支援、さらには親への養育支援まで行うものとして捉え、その実施について渋谷区社会福祉協議会と検討を重ねてまいりました。そして、昨年十一月に実施主体を社会福祉協議会とし、社会福祉協議会が専用ホームページを開設するとともに「こども基金」を創設し、渋谷区こどもテーブル事業を本格スタートさせました。

 社会福祉協議会を実施主体とした理由ですが、当会は子育て支援センター事業を行うなど地域の子育て支援の中核を担っており、また、青少年の育成のための施設として遺贈されていた「景丘の家」を有しており、それをこどもテーブルの拠点として活用することが期待できたことです。

 その後、「景丘の家」については社会福祉協議会が検討する中で、老朽化しており、こどもテーブルとして活用するためには建替えが必要との結論に至ったものです。新たな「景丘の家」は地下二階地上三階の建物で、完成は本年十二月を予定し、こどもテーブルの実施はもちろんのこと、お子さんからお年寄りまで集える共有スペースやワークショップスペースなどを備え、子育て支援のためのプログラムを検討中とのことです。

 議員御提案の商店街の空き店舗の活用については、リノベーションの経費や賃料が発生するなどの課題はありますが、一方でお子さんへの安全・安心につながる利点もあるため、現在、不動産情報やその活用に強みを持つ事業者等と連携し、空き店舗の情報収集に努めるとともに、商店街の空き店舗のリノベーションなど調査・研究を行っています。

 そのほか食品関連企業からは食事レシピ等の協力を受けており、資金や食材等を提供していただける企業や団体、さらに学習ボランティアを派遣していただけるNPO団体とも連携をしています。今後、学習支援については地元大学とも連携し、さらに拡大させていく予定です。

 いずれにいたしましても、本区は社会福祉協議会やS−SAPを締結した企業を初め地域企業、団体、ボランティア等と連携、協力する中で、互いのリソースを出し合い、地域社会の課題解決に向けた取り組みを進めていく考えです。

 次に、防災について四点のお尋ねです。

 まず、総合防災訓練についてのお尋ねです。

 昨年の総合防災訓練については、「渋谷区防災フェス二〇一六」として九月四日の日曜日に開催し、区民の皆様に加え、これまで参加の少なかった世代や家族連れ、来街者を含め一万五千人もの多くの皆様に御参加いただきました。しかし、参加型の訓練を中心にしたことにより緊張感に欠けるとともに、防災訓練とフェスのイベントのめり張りが足りなかったとの御指摘があったことは承知しております。

 来年度は従来の防災訓練の部分と防災フェスのイベント部分とを明確に切り分け、九月二日土曜、三日日曜の二日間に拡大して開催していきたいと考えています。

 二日間の開催の中で、従来型の防災訓練を行っているときはフェスと切り分け、緊張感を持って防災訓練に集中して実施する一方、訓練時間以外では、起震車や煙体験など誰もが参加できる参加型訓練、各種ブース、トークショーなど防災意識を啓発するイベントをめり張りをつけて実施し、防災について家族や学校で、あるいは職場でもう一度見直すきっかけになればと考えます。その上で、土曜・日曜日の二日間とも足を運びたくなるような充実したプログラム内容となるよう、今後、自主防災組織や関係機関の協力をいただきながら準備、検討していきたいと考えています。

 次に、帰宅困難者対策についてお答えいたします。

 現在、渋谷駅周辺地域において「渋谷駅周辺地域都市再生安全確保計画」を策定して、帰宅困難者対策を講じているところです。

 この計画は、官民が協議し、発展型の計画として毎年更新を予定しており、渋谷駅周辺の再開発の進捗に応じた対策を検討していきます。加えて「渋谷区安全・安心なまちづくりのための大規模建築物に関する条例」により、一定規模以上の大規模建築物には帰宅困難者の受け入れスペースを確保させることを義務づけており、そうした中で受け入れ施設の拡充を図っていきます。

 一方、都内の主要ターミナルにおける帰宅困難者対策は、一義的には広域自治体である東京都の責任で行われるべきであると考えています。帰宅困難者支援(受入)施設の整備や食料等の備蓄は民間事業者が行っていますが、東京都の支援としては、帰宅困難者支援(受入)施設が用意する備蓄品について補助金の交付、また、施設整備費として、備蓄倉庫や非常用発電機の設置などについても一定の条件のもと補助金を交付しています。

 二月に開催した東京都と本区合同の帰宅困難者対策訓練の実施費用は、全額東京都が負担しましたが、例年行っている帰宅困難者対策訓練の実施費用は民間事業者が負担しているところです。

 今後の帰宅困難者対策に関する区の財政負担については、帰宅困難者対策協議会の設立支援や受け入れ施設及び一時退避場所への案内地図やサインの整備を考えています。

 また、渋谷、原宿以外の地域における協議会の設立については、企業や来街者の多い区内の主要ターミナル駅に設置を考えていますので、渋谷、原宿以外地域においては、平成三十年度に恵比寿駅周辺に同様の協議会の設立を進めてまいります。

 次に、災害情報の発信についてのお尋ねです。

 本区の災害情報は、防災行政無線、防災ポータルサイト、しぶや安全・安心メール、ツイッターにより配信しているところです。また、昨年は「渋谷のラジオ」と災害協定を締結し、災害時に防災情報を流すことができることとなっています。本年一月に開始したヤフー防災速報は、このアプリをダウンロードした方が渋谷区から独自に配信されるお知らせを受け取ることができるものです。

 防災情報は配信手段が一つあれば十分ということでなく、複数のツールをもって補完し合うことでリスクを軽減できるものであり、ヤフー防災速報は既存の取り組みとあわせて運用していきます。現在、S−SAPの協定を結んでいるLINE株式会社とも準備を進めています。

 したがいまして、今後も災害時の情報発信についてはさらに充実させるよう、機会を捉えてインターネット各社等とも連携して取り組んでいきたいと考えます。

 次に、災害時要援護者支援についてのお尋ねです。

 本区では、災害時に自力で避難することが困難な方を地域の方が協力して避難の支援をする取り組みとして、「災害時要援護者避難支援プラン」を策定しています。この避難支援プランを作成するためには、自主防災組織を初め関係者の皆様が災害時要援護者名簿にある一人一人の自宅に訪問して聞き取りなどを行うことが必要なため、大変な御苦労をおかけしているところであり、この場をかりて関係者の皆様の御協力に感謝を申し上げたいと思います。

 避難支援プランの作成は、自主防災組織、民生委員、安心見守りサポート協力員、地域包括支援センターがお互いに連携、協力して進める必要があります。そこで、関係四者が一堂に会した災害時要援護者制度に関する説明会を開催し、改めて制度についての共通認識を持っていただくことで関係四者の連携・協力体制を整え、避難支援プランの作成率の向上を図ってまいります。

 次に、高齢者ケアセンターの建替えについて二点の御質問をいただきました。

 高齢者ケアセンターの建替えにつきましては、平成二十八年第四回定例会で貴会派、丸山高司議員の代表質問に対し、「新たな福祉施設として整備していく」とお答えしました。そして平成二十九年度予算において設計に係る経費を計上したところであり、現時点での考え方について一括してお答えします。

 当施設は現在、一般及び認知症デイサービス、ショートステイ、総合事業、各種講座の開催、健康保持事業などを実施しています。特にショートステイにつきましては、医学的管理を必要とする方を受け入れる在宅療養支援ショートステイ事業を行っており、高齢者に対して総合的な支援を行う地域包括支援センターを併設した施設となっています。

 建替え後の施設概要につきましては、超高齢社会の進行に伴い、本区でも増加が見込まれる特別養護老人ホーム入所希望者に対応するため、その機能を優先的に確保したいと考えております。加えて、デイサービス等の介護サービスや一般介護予防事業などを実施する高齢者福祉施設として整備してまいります。

 建替えスケジュールですが、代替施設の確保が難しい在宅療養支援ショートステイの利用者が継続して利用できるよう、同機能を備えた旧本町東小学校跡地複合施設の平成三十年五月開設に合わせて建替え整備を進めたいと考えています。したがいまして、平成二十九年度は基本設計及び実施設計を行い、平成三十年度に議会の御議決をいただいた後、工事に着手し、平成三十三年度当初の開設を目指してまいります。

 建替え期間中ですが、介護サービスについては引き続きサービスを御利用いただけるよう、ケアマネジャーや介護事業者などと連携し、他事業所との調整を行っていきたいと思います。

 各種講座や健康保持事業などにつきましては、一般介護予防事業への移行や、健康はつらつ事業等、他事業への代替措置を含め検討してまいります。

 なお、利用者には適宜情報提供に努め、適切な時期に説明会を開催していきたいと考えています。

 また、地域包括支援センターは所轄エリア内で運営が行えることが重要であり、代替施設については地域性に考慮しながら、区有施設等の活用を含め検討してまいります。

 以上、私からの答弁といたします。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について六点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいりたいと思います。

 まず初めに、新しい学習指導要領案を受けた本区における今後の教育の施策の方向性についてのお尋ねがございました。

 新しい学習指導要領については改訂案が示され、パブリックコメントを経て、本年度中に告示される見通しになっています。

 子どもたちが成人して社会で活躍するころは、下嶋議員からも御指摘をいただいたとおりに生産年齢人口が減少し、グローバル化の進展や人工知能(AI)の進化に代表されるたゆまない技術革新等により、社会や職業のあり方そのものが大きく変化する可能性があると言われています。私は、予測困難な時代にあっても子どもたち一人一人が個としてたくましく自立しつつ、自らの考えを持ち、他者と共同してしなやかに問題解決を図り、持続可能な社会づくりに寄与するために必要な資質、能力を確実に育む学校教育に、今まさに転換する時期と考えております。

 このことから、教育委員会では学校の教育施策の重点として「夢と志に向かって挑戦し、社会貢献できる人の育成」を掲げ、「個性や能力を開花させ、人々を幸せにし、社会の持続的発展に寄与する教育」を重視し、例えば、これまで継続して取り組んできた教育の不易の部分に加えICT教育、英語教育、読書教育を相互に関連させて言語能力や情報活用能力、問題発見・解決能力などを重層的に育むなど、渋谷ならではの教育に取り組んでまいります。

 また、いつの時代にも「教育は人なり」であることは論を待ちません。子どもたちが主体的に学ぶことの意味と社会のあり方を結びつけたり、多様な人との対話で考えを広げたり身につけたりする様々な課題・問題解決に生かすような学びを深めたりする主体的・対話的で深い学び、すなわちアクティブ・ラーニングの視点から授業改善を不断に図り、新しい時代に求められる資質、能力を子どもたちに育んでまいります。

 次に、本区のICT教育が目指す姿についてのお尋ねがありました。

 ICT教育の目的は、子どもたちがICTを身近な学用品として活用し、新たな課題に遭遇したときに自らの技能を生かして解決する力へとつなげることだと考えています。

 文部科学省では次の学習指導要領の改訂に向け、二十一世紀型スキルの育成について述べています。そこで、現在の技術を使いこなす力が重視されており、これらの時代に生きる子どもたちにとって必要不可欠な資質になると考えられます。また、ますますグローバル化が進む中、離れた場所にいる人や、国を超えて作業するためのコミュニケーション能力やコラボレーション能力の育成も重要と考えております。

 学校教育において普遍の内容である書く、読む、話す、計算する、考えるなどを大切にしつつ、新たな技術を吸収し、活用することで主体的・対話的で深い学びを実践してまいります。

 次に、ICT教育について、タブレット端末を学習でどのように有効活用していくのかとお尋ねです。

 タブレット端末を有効に活用していくためには、何よりも教職員のスキルの向上が重要だと考えております。教職員対象の夏季休業中の事前研修を充実させ、九月の本格実施の前にハードやソフト面での操作においてスキルアップを図ってまいります。また、学校ごとに教職員研修を含めたICT教育の推進計画を作成させ、学校の実態に合わせた実施と、学校の特色に合わせた活用ができるよう指導してまいります。

 完全実施後は、支援員やサポート員を学校や教職員の状況に合わせて配置していく予定です。また、授業でICT機器を活用する方法について指導する実践的な研修を実施してまいります。

 各学校でのICT機器の使用状況について常に把握をし、優秀な実践を取り上げ学校にモデルケースとして発信したり、日常の教育活動において学校や教職員に適切なアドバイスをしたりするなど、日々の授業の中でICTを活用した学習が充実するよう努めてまいります。

 また、この取り組みを特徴づけるタブレット端末の持ち帰りにつきましては、代々木山谷小学校の検証から、家庭学習の時間が延びた、家庭学習が楽しくなったなどの声が寄せられており、学習効果の向上が大きく期待されるところです。

 さらに、どの教科でいつ、どんなときにどのように使えばよいかを明確にして、子どもにとっても教職員にとってもタブレット端末が身近な学用品の一つとして活用できるよう、平成三十二年度の学習指導要領改訂に向けて計画的に進めてまいります。

 次に、ICT機器の導入による教員の校務軽減に関する計画についてのお尋ねがありました。

 一人一人の教員が、日々の授業や教育活動と同様に校務においてもタブレット端末を有効に活用できるように、完全実施となる九月より前の夏期休業中から研修やサポートを開始し、スキルアップを図ってまいります。九月以降も職層別の研修、担当者別の研修、ハードやソフト別研修の定期的な実施や教職員の適性に応じた研修を、教育センターと連携して計画しています。円滑な導入となるよう、定期的、一律にではなく学校の実態や困り感に応じて臨機応変に支援員の配置や研修を実施し、万全な支援体制を組み、校務軽減につなげてまいります。

 次に、英語教育の小学校現場への受け入れについて二点のお尋ねがありました。一括してお答えします。

 議員から御指摘いただいたとおり、先月発表され平成三十二年度から完全実施となる新学習指導要領では、三、四年生で外国語活動として年間三十五時間、「体験的に理解を深め、音声や基本的な表現になれ親しむこと」「聞いたり話したり、自分の考えや気持ちを伝え合う会話の素地を養うこと」を目指した指導をすることとなっています。

 また、五、六年生においては外国語として年間七十時間、「実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身につけること」「推測して読んだり語順を意識しながら書いたりして自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養うこと」を目指した指導をすることとなっています。

 本区では、東京都教育委員会による平成三十年度からの小学校英語授業の前倒しを実施することを視野に入れて、今年度から神宮前小学校を英語教育のモデル校として指定し、小学校での英語授業の時間割上の位置づけも含めて研究を進めてまいりました。現在その成果を分析しており、例えば細切れで十五分間程度の短時間学習を重ねることや土曜授業の活用など、確実な学習内容の定着に資する無理のない教育課程のあり方について、一定の方向性が見えてきたところです。今後、各小学校における教育課程の適正な編成に資するよう、モデル校での研究成果をなるべく早い段階で各学校に情報提供する所存です。

 また、英語教育を指導する人材の確保につきましては、議員から御指摘いただいたとおり、中学校の英語免許取得者の小学校配置も有効な手段の一つではありますが、加えて英語の免許を持たずとも自己研さんを積み英語の指導に堪能な教員や、在外の日本人学校に勤務した経験を有する教員などの活用もあわせて考えているところです。

 来年度は英語教育モデル校である神宮前小学校、及び英語教育重点校に指定されている渋谷本町学園にALTを常駐させるほか、他の小学校にもALTの派遣日数を約二倍とすることでネイティブな英語と触れる機会を増やし、主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を目指します。

 人材確保と同様に、渋谷区教育委員会主催の外国語研修会等を通して教員一人一人の指導力向上も目指してまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 下嶋倫朗議員。



◆十五番(下嶋倫朗) 区長、教育長より丁重な御答弁をいただき、ありがとうございました。

 少し自分なりの所感を申し上げます。

 長期基本計画及び実施計画の様々な施策の実現に向けて、今後の財政運営の見通しは、歳入においては特別区民税等の納付環境の整備、民間の持つ資金、資源の利活用、歳出抑制においては公共施設等管理計画に基づいて区有財産を有効活用する、ICT基盤の整備、業務の効率化、事務、施設の最適化を図るなどの確固たる目当てを持って臨まれていることがよくわかりました。

 また、「AIを基本構想のアンバサダー」として「渋谷区が目指す未来像を示しながら広くコミュニケーションするAIの構築」、さっぱりわからなかったんですが、お話を聞いてよく理解できました。このことを、区民への周知をよろしくお願いいたします。

 続きまして、地域コミュニティ、町会に対してですが、条例で地域コミュニティへの支援が区の事務であることを明確にする、また、区の職員をイベントなど積極的にかかわっていくと明言されました。また、「地域デビューマップ」の小冊子の作成、「渋谷版隣人祭り」に対する支援など一歩踏み込んだ施策に、地域コミュニティの活性化が推進されることを我が会派も期待をしております。

 インバウンドに関しましては、「おもてなし事業」でIT機器を活用した多言語対応の推進、対象を町会その他、全区的に広げていかれると答弁を伺いました。訪日外国人がもう一度訪れたい街、渋谷を構築していきたいと思います。

 「こどもテーブル」につきましては、社会福祉協議会所有の「景丘の家」が本年十二月に完成し、「こどもテーブル」の基地として大いに期待するところです。また、商店街の空き店舗の利用ですが、リノベーション等調査・研究されているとの答弁をいただきました。さらに公民連携による協働体制を活用し、拡大されるということで、地域社会における子育て支援の取り組みが充実してくると思います。

 総合防災訓練につきましては、区長の決意をお聞きしました。従来型の防災訓練とフェスを切り分け、めり張りをつけて実施するという答弁をいただきました。二日間とも充実した訓練を期待しております。

 災害情報発信は、あらゆるツールを使っての情報発信が必要だと考えます。インターネット各社とも連携して取り組まれるとの答弁をいただき、災害時の情報発信のさらなる充実をお願いいたします。

 災害時要援護者支援につきましては、自主防災組織、民生委員、安心見守りサポート協力員、地域包括支援センターが一堂に会し、共通認識を持ち、協力体制を整えていかれると答弁されました。避難支援プラン一〇〇%達成を願っております。

 教育長には、本区の教育施策について御答弁をいただきました。

 新しい学習指導要領案を踏まえた本区における教育施策の方向性について、教育長も今まさに転換する時期と認識しておられます。ICT教育、英語教育、さらに読書教育を相互に関連させて渋谷ならではの教育に取り組まれるという答弁をいただきました。大いに期待するところです。これからも渋谷の教育施策をさらに充実させていただきますようお願い申し上げます。

 私ども自民党議員団一同は、これからも区政進展のため信念と良識を持って、議会人としてしっかりと区政を支える努力を重ねていくことをお誓いし、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



○議長(木村正義) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後二時五十三分

   再開 午後三時十五分

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○副議長(沢島英隆) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 二十九番栗谷順彦議員。



◆二十九番(栗谷順彦) 私は渋谷区議会公明党を代表し、区長並びに教育長に大きく六点伺います。

 質問の前に、昨年、議会の議決を経て「渋谷区基本構想」が発表され、また、長期基本計画・実施計画二〇一七と長期及び中期、そして短期の渋谷区の指針が示されました。これは長谷部区政の実質的な船出であると感じております。「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の構築に向け、大いに期待をするものであります。

 今回は、これら実施計画二〇一七のカテゴリーを尊重し、これに倣って質問を分類をいたしました。実施計画そのものへの質問ではございませんが、分類を尊重したと御理解いただければと思います。

 また、公明党は毎年、厚生労働省が定めた女性の健康週間が実施されるこの三月、毎年テーマを設け、党の女性局が中心となって街頭活動を行ってまいりました。私ども公明党は国会議員と地方議員を合わせて三千人を擁し、そしてネットワークを構築しております。そのうち女性議員の占める割合は三〇・一%になります。我が会派を見ていただいたとおりでございます。活動や政策における女性の視点は三〇%を超えております。半分以上という実感を持っております。個人差はありますが。

 昨年は、農水省が推奨する食品ロス削減にチャレンジとし、「循環型社会を目指して、今私たちに、できること」をテーマに活動をしてまいりました。今年は女性の視点を生かした防災対策、災害に備えて「命をつなぐお片づけ&備蓄」をテーマに、来る三月十一日土曜日、区内各所で街頭活動を行います。請う御期待いただきたいと思います。

 今年もですね、かわいらしい黄色いお役立ち情報のフライヤーをお配りいたしますので、どうか見かけましたら御声援のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、質問に移ります。

 初めにA、子育て・教育等の分野について、渋谷版ネウボラ、略して「シブボラ」について二点、区長に伺います。

 まず、現在、公明党が国でも都でも全力で推進している「子育て世代包括支援センター」いわゆる日本版ネウボラ、都では「ゆりかご・とうきょう事業」ですが、我が会派も機会あるごとに渋谷区版ネウボラ、略して「シブボラ」構築を提案をしてまいりました。先ほど区長の所信表明の中にも、場所は神南庁舎跡地を最有力候補とし、神南庁舎の建替え中は仮庁舎も活用しサービスが途切れないようにすること、そして機能も妊娠期、産前産後から子育て期間までの保健事業、そして相談事業と、さらに子ども総合支援センターが行っている事業や対応と一体化し、渋谷版ネウボラとして母子保健包括支援センターを整備するとのことでありました。

 私たちの提案を一層厚みのあるものにしていただき、感謝を申し上げます。

 この現実味を帯びてきた「シブボラ」構築について、さらに継ぎ目のない地域密着の子育て支援に重要なのが、人材確保と人材育成であると考えております。例えば、妊娠と出産のサポートは助産師、保健師の方が母子保健ケアマネジャーとして担当し、また、育児、就学前までの子育てサポートは子育て支援ケアマネジャーなど、自治体独自で研修制度を持って人材育成をしている自治体もあります。そこで、今後開設されるシブボラの新しい人材確保と育成をどのようにお考えか、区長のお考えをお聞かせください。

 二つ目は、昨年の第一回定例会でもお願いし、実施をしていただきました職員のフィンランドネウボラ研修でございます。来年度は是非保育士、保健師、児童福祉を担当する職員、あるいは関係理事者も含め、児童・生徒たちの研修とは独立した「シブボラ」研修班を結成していただきたいと思っております。

 ある意味、ネウボラは研究し尽くされています。であるがゆえに、長年フィンランドと交流がある渋谷区ならではの「シブボラ」構築のためのノウハウとモチベーションを肌身で感じ、持ち帰っていただきたいと思っております。

 さらにはフィンランド大使館や、渋谷区と日本フィンランド協会の長年のおつき合いを駆使し、現地フィンランドにお住まいの方でネウボラを利用されている、あるいは利用したことがある邦人の方と意見交換をされてはどうでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。

 次に、「こどもテーブル」の取り組みについて区長に伺います。

 「こどもテーブル」は現在、区内九カ所、そしてさらに広がろうとしております。全国で、当初、子どもの貧困や個食の対策として「こども食堂」が展開されました。しかし、ターゲットとする子どもたちを対象とするのは様々なリスクがあるため、全ての子どもたちを受け入れ、一定率のターゲットとなる子どもたちもしっかり取り込む方式が主流となっております。渋谷区も同様に、名称も「こどもテーブル」とし渋谷区らしい取り組みが進んでいることに、また、その運営をされている皆様に、その御努力に敬意を表するものであります。

 かつてあった町内の子ども会、まさに二十一世紀の子ども会みたいなコミュニティができればと思います。そして時々行ける第二の放課後クラブのような居場所になればとも思います。

 また、幾つかの「こどもテーブル」でも行われている文化活動や学習支援活動もすばらしい取り組みだと思っております。渋谷区にはリタイアされた高学歴の方が多くいます。そういう意味で、渋谷ボランティアセンターに「こどもテーブル」での学習支援の登録もあってもよいのではないでしょうか。

 また、「伝統文化・子ども教室事業」とのタイアップや「こどもテーブル」同士の交流など、子どもコミュニティの大きな柱になると確信しております。

 そこで、今後も大きく広げるため、支援も含めた区長の展望をお聞かせください。

 次に、保育園と保護者とのコミュニケーションのICT化について区長に伺います。

 私も息子や娘が保育園に通っていたとき、連絡帳を書いたことがあります。二、三回でございますが。これは園と保護者をつなぐ交換日記のような存在であり、一年に数冊となる連絡帳はまさに子育ての歴史をつづった財産となっております。

 一方、昨今、ほとんどの保護者がスマートフォンを所持しております。先日、園と保護者をつなぐ興味深いコミュニケーションシステムについて、それを扱う企業より紹介をされました。それは「きっずノート」と言い、アプリもOSを問わずダウンロードでき、デモ版を体験することができます。もちろんシステムを構築して初めて園と保護者がつながるわけですが、タブレットやパソコンも対応しております。IDとパスワードで接続し、データはクラウド化されているので端末には残らず、写真のダウンロードもできないような初期設定になっております。また、保護者同士の通信はこのアプリではできないため、セキュリティとプライバシーはかなり高いものでありました。

 これは従来、紙を使っている連絡帳やプリントであるお便りや日程表、また園でしか確認できない掲示板の情報やお知らせメールの配信も含め、園と保護者の様々な連絡を一つに集約した総合コミュニケーションツールと言えます。

 例えば、連絡帳は朝から夕までは園にあり、夕から朝までは保護者の手元にあります。このシステムによっていつでも連絡帳が閲覧でき、音声入力や多言語にも対応しています。お昼の給食も写真で見れ、園のイベントの写真もスマホで選択、購入できます。また、回答期限が連絡も選択的に再送信できるというものでありました。これは保護者の負担を軽減し、時間の使い方の向上に大きく貢献でき、また、保育士の業務改革と人材確保にもつながると感じました。

 保育課には既に紹介しております。また、私立園の場合、都の補助金も活用できるため、社会福祉事業団にも紹介をいたしました。導入に向けた区長のお考えをお聞かせください。

 次に、タブレット端末の全児童・生徒への貸与について教育長に伺います。

 ちょうど二年前の平成二十七年第一回定例会で、iPadなどタブレット端末を生徒と教員の全員に貸与してはと提案を森教育長にいたしました。そのときはイエスともノーともおっしゃらなかったんですけれども、その後、ICT教育重点校で研究されたものと確信しております。

 今回、全児童、全生徒、全教職員とのことで、この学習のための道具を手にした子どもたちの勉強へのモチベーションも大きく向上するものと期待をしております。

 また、教職員の負担軽減、ペーパーレスも進むと思われます。

 同じく二年前、インターネットなど「リスク管理においては、消極的に制限することから一歩踏み込んで、積極的にリスクとモラルを同じ環境で学習すること、身につけることが必要であり、もはやその時代にあります」とも発言させていただきました。

 既にスマホを持っている子どももいます。これから持つ子もいます。保護者へのフィルター機能の重要性も啓発しなければいけません。今、子どもたちが犯罪に、特に性犯罪に巻き込まれるきっかけになるのが、SNSなどインターネットを介することが問題視されております。もちろん今回貸与されるタブレット端末は制限されていると思いますが、何が便利で何が危険か、著作権やプライバシーなどネットリテラシーの向上を車の両輪のように推し進める必要があります。

 また、今回、全てのタブレット端末をセルラーを介し4Gでネットワーク接続させることは、効果的にリスク管理ができると思います。また、当然Wi−Fi接続も制限するでしょうから、子どもたちへのセキュリティは高く、この取り組みを評価したいと思います。

 豊富なアプリケーションを駆使し、ICTを活用して学習効果を向上させる取り組みは森教育長にお任せいたしますので、一つ、ネットリテラシーの教育も視野に入れていただきたいと思います。教育長の見解を伺います。

 次に、図書通帳の導入について教育長に伺います。

 来年度から図書館全館に、借りた書籍のデータをシールとして印字するサービスが開始されると伺いました。本を借りた方は、区立図書館のホームページでダウンロードできる台紙にそのシールを張って保存できるとのことであります。

 本年一月、私ども会派で図書通帳を扱う企業から説明を受けました。銀行の貯金通帳と同じ大きさと形状で、借りた本のデータを通帳に記帳するように印字してくれるものです。また、途中でもプリントできますが、通帳の最後のページにはどのような分野の本を読んだのかグラフ表示され、通帳一冊分の読んだ本の傾向が一目でわかるようになっています。また、設定によっては、例えば「しぶやおすすめの本五〇」の達成率などを表示させることができるとのことでした。

 複数の企業が図書通帳を展開しておりますが、大手商社が扱うICタグが入っている高価なものではなく、説明を受けた図書通帳は取り扱いも簡単で、子どもにも扱えるシステムでした。そこで、その日、担当の司書の方や図書係などの子どもたちが時間を決め、貸し出しや図書通帳の印字ができないかと思います。

 学校図書室での図書通帳の導入について教育長に伺います。

 続いて、小学校の教室不足について教育長に伺います。

 十数年前、私が議員になったころよく使われていた言葉があります。それは「空き教室を活用し」という言葉であります。今は誰も言わなくなりました。むしろ教室が足りない状況が出てきました。地域によってばらつきがあるものの、対策を急がなければならない学校もあります。

 子どもたちが増えることは、渋谷区が取り組んできた子育てと教育が着実に成果を上げてきたことであると敬意を表します。特に、保育施設の待機児ゼロを目指す不断の努力は目を見張るものがあります。ここで言う話ではありませんが、ダイバーシティセンターにいたころは笑顔が絶えなかったのに、最近笑顔を見たことのない篠原課長を見ると、大変な御苦労をおかけしているんだなというふうに感じております。

 未就学から私立の小学校へ進む子どもたちも一定数いますが、幼稚園、保育園から区立小学校へ入る子どもたちが確実に増えている。うれしい悲鳴であります。この教室不足の対策について教育長に伺います。

 次にB、福祉の分野について一点伺います。

 デイサービスとショートステイの拡充について区長に伺います。

 地域包括ケアシステム構築に向け、渋谷区も着実に歩みを進めております。しかし、乗り越えなければならない課題も少なくありません。例えば、在宅支援の少数派ではありますが、在宅で家族が行う簡易な医療行為や医療器具を使用中の方は、デイサービスとショートステイを利用したくても受け入れてくれる事業者が多くないと伺っております。それは受け入れ側の体制とリスクを考えればいたし方ないとは理解できますが、在宅で介護する家族の負担軽減のため、一時的にも介護から解放してあげることができないか、手を差し伸べてあげることができないのか、是非検討していただきたいと思います。区長のお考えをお聞かせください。

 続いてC、健康等の分野について一点、不妊治療助成の新制度創設について二点、区長に伺います。

 今、およそ六人の一人の御夫婦が不妊治療やそれらの検査を受けている中、治療がうまくいかない場合の心のケアや男性の不妊への対応など、より専門的な相談支援のニーズが高まっております。そこで、政府は二十九年度に昨年一月から始まった不妊治療費助成の増額措置を継続させる決断をいたしました。また、不妊専門相談センターを拡充し、より相談しやすい体制の確保に力を注ぐ体制も整えました。さらに国の二十九年度予算案では、三十一年度までに全都道府県、政令指定都市、中核市に配置の方針のもと、相談センター七十四カ所分の経費も計上いたしました。

 公明党は昨年、党の青年委員会が実施した政策アンケート「ボイス・アクション」をもとに、政府に働きかけるなど不妊に悩む夫婦への支援の拡充を推進してまいりました。

 相談センターは自治体が設置し、医学的・専門的な相談や心の悩みなど医師や看護師や専門家が電話や面談、またメールなどで対応するなど昨年七月現在、全国に六十五カ所まで広がり、相談件数は年間約二万件に上っております。大変デリケートな相談であり、丁寧な対応が必要であります。

 渋谷区でも医師や看護師ら専門家でチームをつくり、相談窓口の設置をしてはいかがでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。

 また、渋谷区では我が会派の先輩である伊藤美代子元議員の強い要望により平成十四年、これは小倉区長時代から訴え続けております。それによって平成十九年度から所得制限のない不妊治療助成を開始されました。多くの方が利用し、妊娠に至り、出生率にも貢献してまいりました。しかし、その後、東京都でも特定不妊治療助成制度が開始されたことから区の助成は終了いたしました。伊藤さんと私は一緒にしょぼんとしたことを今でも覚えております。

 今回、国は不妊治療費の助成に関し、特定不妊治療、いわゆる体外受精、顕微授精について初回の助成額を通常の倍額の三十万円に引き上げ、男性の精子採取手術を行った場合には十五万円まで補助する措置を続けることを決めました。また、東京都では新たに検査費などを助成し、二十七年度予算では特定不妊治療に対する国の助成に上乗せする支援を継続させた上で、不妊検査や一般不妊治療への助成、上限五万円ですが、これを新たに計上をいたしました。

 特定不妊治療における体外受精や顕微授精に至っては、一回当たりの費用が最低でも三十万円ほどかかり、治療期間が長くなれば患者さんの経済的負担ははかり知れません。経済的理由で治療を途中で断念する方も多くおられます。また、不妊検査や一般不妊治療への助成も、精神的負担を少しでも軽減することが大事なサポートであると思っております。

 ですから渋谷区の、旧制度の復活ではなく、新設することが必要であります。復活ではだめです。心のケアや一般不妊治療及び男性不妊への対応などを含めて、さらに産みやすく、育てやすい渋谷とすべく、区の助成制度の新設を、「新設」をすべきと考えますが、区長の御所見をお聞かせください。

 次にD、防災・安全等の分野について一点、区長に伺います。

 先月七日、区と東京都が連携し、帰宅困難者対策の大規模な訓練が実施されました。参加して感じたのは、飛躍的に対策が進み、参加された企業、団体、事業所の意識の高さとその参加人数に驚きました。これも区の危機管理対策部を中心とした努力があってのことと思った次第であります。今後も企業等の自助、共助、互助を一層拡大していただき、さらに訓練を積み上げていただきたいと思っております。

 ところで、話は変わりますが、先月、水道の蛇口を水利に、簡易な消火器具のデモンストレーションを会派で行い、危機管理対策部防災課をお招きし、見学をしていただきました。

 この器具は、水道の蛇口があればホースを接続し、特殊なノズルで十メートル以上先の初期消火等が可能な、非常に取り扱いも簡単な消火器具であります。その後、区の自主防災の会議でも紹介され、導入を考えている地域の自主防災組織もあると伺いました。

 自主防災組織には、現在D級ポンプやスタンドパイプが配置されていますが、一定の訓練が必要なことや、マンホールの開閉やスタンドパイプの接続など複数の人員が必要で、女性や子どもにはなかなか取り扱えません。もちろん訓練は今までどおり続ける必要があります。

 この簡易水道消火装置は一人でもリュックサックで持ち運びが可能で、女性でも子どもでも取り扱いができます。そのことから、自主防災組織への普及啓発と配備の支援を図ってはいかがかと思います。区長のお考えをお聞かせください。

 E、空間、デザイン、まちづくり等の分野について一点伺います。

 インクルーシブデザインとまちづくりについてであります。

 インクルーシブデザインという言葉を初めて知ったのは、昨年の八月、都議会公明党を介し、病気のため極度の弱視になられた方との出会いでした。また直後、昨年の九月八日の幹事長会でロンドンとリオパラリンピック視察日程に、ロンドンでのオリンピック・パラリンピックの開催に向けてインクルーシブデザインが導入、整備された施設や設備等の視察予定が発表され、時の一致を感じた次第であります。

 そして視察後、報告会や議会の質問で自民党さんや笑顔さんから提案があったとおりであり、人にやさしいまちづくりを進めていくに当たって参考にして、活用していく手法と認識をしております。

 渋谷駅周辺の整備も、鉄道やバスの営業をしながらの工事ですからそれはそれは大変です。現在、地上から銀座線を利用するのに七十七段の階段を上らなければなりません。ですから車椅子の方はマークシティのエレベーターを利用し、銀座線まで戻ってこなければならない。近々エレベーターが設置されるということですが、これは別に文句を言っているわけじゃないんですけれども、であるがゆえに、整備後、目を見張るような人にやさしいターミナル駅、人にやさしいまちづくりの見本になっていただきたいと思っております。

 この一月、英国ケンブリッジ大学発祥のインクルーシブデザインと、米国スタンフォード大学発祥のデザイン・シンキングを融合させたワークショップに同僚とともに参加をいたしました。冒頭述べた視覚障がい者の方が「リードユーザー」と呼ばれる被観察者、いわゆる観察される側となり、道路や交差点、施設やその設備、またコンビニのレジ前や商品の陳列状況など危険や不便さを私たちが観察し、見つけ、持ち寄って「リードユーザー」とともに解決策を考えます。これは商品などのデザインの企画、設計、またまちづくりの段階からリードユーザーの不便さから新しい価値を発見し、完成価値を高めていくという手法であります。

 例えば、シャンプーのボトルには、必ずポンプの頭やボトルの側面にぼつぼつのドットがついております。これは本来、視覚障がい者向けに開発されたシャンプーとリンスであり、それを区別できるように開発されたものであります。今は全てについています。それはなぜか。髪を洗うときは皆、目をつぶっているわけですから、いわば視覚障がい者を疑似体験していることになり、完成価値が高まった例であります。

 まちづくりも同じです。今後の区の施設はもちろん、渋谷駅周辺の開発やオリンピック・パラリンピックを見据え、また大会後も視野に、まずは障がい者、高齢者、妊婦、ベビーカーの保護者をリードユーザーとして危険と不便さの観察を実行し、インクルーシブデザインへの資料を蓄積するべきと考えますが、区長の御所見を伺います。

 次に、区政運営のあり方について二点伺います。

 まずはレインボープライド、LGBT映画祭について区長に伺います。

 先日議会で、木村議長の御はからいで、議会では昨年に引き続き二度目となるダイバーシティ研究会が開催されました。今回も、セクシャルマイノリティ当事者の理解と内外の動向など認識を深めることができました。講師は杉山文野さんと、そのお母さんにしていただきました。これはすばらしかったと思っております。我々「のんけ」だけではなく、当事者が聞いても心に響くような大変感動的な、かつ有意義な研究会、研修会になったと思っております。

 ある当事者から聞いたことがあります。これは当事者の家族も、また当事者の一人として悩み、同苦する。同じ苦しみ。であるからこそ最大の理解者となる。それを目の当たりにした思いでありました。

 この杉山さん親子の「お母さんといっしょ」講演を今後も区内で行っていただきたいなと、率直に思った次第であります。

 と、前置きし、質問いたします。

 区長の所信にもあった、毎年五月、渋谷区を舞台に開催される「レインボープライド」に今年は初めてブースを出展し、「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」の周知と理解促進を図るとのことですが、具体的な取り組みと、その規模を教えてください。

 また、区ではこの一月、職員向けのセクシャルマイノリティ研修とトランスジェンダーをテーマにした、当時は公開前だった映画「彼らが本気で編むときは、」の試写会を行ったと伺いました。この研修の状況と、映画鑑賞後の参加者の感想などがあれば教えてください。

 また、今後の研修や啓発についてのお考えもお聞かせください。

 さらに、毎年恒例のレインボープライドの後に行われるLGBT映画祭を理解者づくりに活用されてはと思いますが、区長の見解を伺います。

 最後に、ふるさと納税への対応について区長に伺います。

 先月、都心部の自治体がふるさと納税によって多額の減収に見舞われているとの報道がありました。本来、出身地や有縁の自治体、応援したい自治体への寄附行為に対し所得税の還付や個人住民税の控除が受けられ、実質的な自己負担額は二千円で済むというのがふるさと納税だったはずであります。

 今や専用のウェブも開設され、どの自治体に寄附するかというよりは、どんな返礼品がもらえるかで寄附先の自治体が選択されている実態があります。都内のある区長は、「このままふるさと納税で減収が拡大すると区民サービスに影響が出る」と抑制を促すタイプや、人気の返礼品が肉と魚介類なら同じものを取りそろえる区や、漫画文化の普及と振興に限定し、関連グッズを贈呈する区もあります。

 一方、渋谷区のこの制度による減収分を伺ったところ、平成二十六年度が約七千七百万円、平成二十七年度が約一億六千万円、平成二十八年度が約七億五千万円、そして二十九年度の推定が何と十四億円を超えるとのことでした。これはもはやスピード感を持って対策をしなければならないレベルであります。

 渋谷区が区民にこの制度の抑制を促したり、同じ土俵で返礼合戦に参画するのも渋谷区らしくありません。このような社会情勢の中で、既成概念にとらわれず、今までにない発想で新しい取り組みに着手する必要があると強く思っております。

 そこで、人材豊富な渋谷区の企業、団体、学生や、また渋谷未来デザイン会議などの取り組みで、渋谷のブランド性やステータスの向上につながるような、渋谷区においての持続可能な新しい取り組みを是非生み出していただきたいと思います。区長のお考えをお聞かせください。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 渋谷区議会公明党、栗谷順彦議員の代表質問に順次お答えいたします。

 まず初めに、渋谷版ネウボラ「シブボラ」について二点のお尋ねですが、関連しておりますので、一括して答弁いたします。

 本区は以前より貴会派から設置を御提言いただいていた渋谷区版ネウボラを、子どもを持つ全ての家族を包括的な支援する母子健康包括支援センターとして整備してまいりたいと考えています。

 その際には、栗谷議員の御指摘のとおり、人材の確保、育成は非常に重要です。昨年八月に子ども家庭支援センターと子ども発達相談センターを同一建物内に移設したことで、両センター職員が一体的に業務を行うことが可能となり、職員の資質の向上にも寄与しています。来年度は職員対象に、母子健康包括支援センターにおける健診時の協力体制等の具体的実施策についての研修を行うとともに、あわせて先進事例を学ぶことも予定しています。

 今後も保健所と子ども総合支援センター共同での事業実施や、関係機関との連携を推進すること等を通じて人材の育成強化に努めるとともに、開設時に必要な職種、人員の確保など、開設に向け準備を進めてまいります。

 次に、職員をネウボラ視察を主眼としてフィンランドに派遣することについてですが、実務者が現地で直接ノウハウの吸収や意見交換を行うことは大変意義があることと考えます。このため、貴会派の御提言により本年度実施した児童・生徒派遣研修と同時の職員派遣について、来年度は人員増も含め、より独立したプログラムを組んで実施したいと考えています。

 一方、国の医療保健制度に大きな相違点があること等も勘案いたしますと、社会環境の異なる渋谷においていかにネウボラの理念を具体化できるかの検討を行うことが大切だと考えております。今年度は、まず長年交流があるフィンランド大使館等から助言をいただくこと、ネウボラに学んだ国内の先進事例を研究すること、コミュニケーションなどを円滑にするデザインワークについて検討を行うことなどに取り組んでまいります。

 独立した「シブボラ」研修班の派遣につきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。

 次に、「こどもテーブル」の取り組みについてのお尋ねですが、「こどもテーブル」は地域による子育て支援を理念に、子どもの貧困対策だけでなく食事の提供、学習支援、さらには親への養育支援まで行うものとして実施しております。先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、下嶋倫朗議員にお答えしたとおり、企業を初めとした地域の皆様とも連携、協力し、それぞれの特色を生かしながら「こどもテーブル」の拡大に取り組んでいく考えです。

 地域の方の様々な得意分野や経験などを「こどもテーブル」へ還元していただけることは、地域コミュニティの活性化にもつながるものであり、議員御提案のボランティアセンターへの支援登録や「こどもテーブル」の専用ホームページを活用した登録などは、直ちに取り組みたいと思います。また、伝統文化の継承は次代を担う子どもたちの豊かな心や人間性を育むことにもつながりますので、「こどもテーブル」の中に伝統的な昔遊びを取り入れることも、「こどもテーブル」実施団体や地域の皆様とも検討を進めます。

 今後も地域の皆様や民間企業などあらゆるリソースを活用し、「こどもテーブル」の拡大に努め、お子さんにとって有意義な居場所となるように取り組んでいきます。

 次に、保育園と保護者とのコミュニケーションのICT化についてのお尋ねです。

 議員御指摘のとおり、昨今様々な企業において保育園のICT化を図るためのアプリ等が開発されています。例えば、これまで保育園と保護者の間で情報交換をしていた紙での連絡帳の内容をアプリで電子化し、スマートフォンやPC等で簡単に入力、確認できるサービスなどがあります。

 保育士にとっては、連絡帳に写真や動画を添付したり、手書きでの処理から音声やタブレットの入力になるなどの負担軽減にもつながります。一方、保護者にとっては、あらかじめアプリをスマートフォン等にインストールすることで、子育てにかかわる家族誰もがいつでも、どこでも子どもの様子が記された連絡帳、写真、保育施設からの連絡事項を確認することができるというメリットもあります。

 このように、保育施設でのICT化は保育士の負担軽減となるばかりでなく、写真や映像などを活用した日々の記録など、子どもたちの育ちや学びの状況を保護者とともに共有し、保育園と家庭が連携して子どもたちの育ちを支援していくことにつながるものです。

 今後、渋谷区内においても渋谷区社会福祉事業団で同様のシステムを試行的に導入していくと聞いていることから、この効果を検証し、セキュリティにも十分配慮しながら、区内保育施設におけるICT化を進めていきたいと考えています。

 次に、福祉の分野について、医療行為を必要とする方のデイサービスやショートステイの利用についてのお尋ねです。

 在宅で家族を介護する方の精神的・肉体的負担は深刻な問題の一つです。介護する家族の方の負担を軽減するには、介護を受ける方に必要なサービスを継続して提供していくことと同時に、介護サービスの存在やその内容を知っていただき、利用者や家族本位のサービスにつなげていくことが大切であると考えます。

 医療行為を必要とする利用者がデイサービスやショートステイを利用する場合、事業者の受け入れ態勢等の事情から、希望者全ての方を受け入れられない場合もあると聞いております。

 介護施設における医療行為は、原則看護師等が行いますが、喀痰吸引や経管栄養については介護職員等でも、研修を受講し認定を受け、事業者が登録することで実施することが可能です。区といたしましては今後、各事業者の受け入れ態勢の実態把握に努めながら、この制度の活用につきましても各事業者に要望してまいりたいと考えております。

 なお、医学的管理を必要とする状態にあるためショートステイの利用が困難と認められる要介護、要支援の方を対象とした在宅療養支援ショートステイ事業につきましては、平成三十年五月に開設する旧本町東小学校跡地複合施設において十床確保する予定です。

 今後も医療行為を必要とする方の生活の充実や、介護する方の負担軽減に取り組んでまいります。

 次に、不妊治療について二点のお尋ねです。

 まず、相談窓口の設置についてですが、議員御指摘の不妊専門相談センターについては、国の要綱で示されている設置主体は都道府県、政令指定都市、中核市とされており、現在四十七都道府県、九指定都市、九中核市で開設されております。都内では東京都のみが平成九年二月より毎週火曜日に窓口を開設しておりますが、各地に相談窓口が整備されたことなどを受け、全国に先駆けてセンターを開設した当初と比べると利用者はピーク時から半減し、毎回十件程度とのことです。

 相談内容についても、体外受精等治療方法についての専門的なものばかりでなく、夫や周囲との人間関係など治療以外のものも多く、必ずしも専門家の対応を必要としない場合もあるようです。このため、本区では当面保健師が常時御相談に対応し、内容に応じて、東京都の相談センターなどのほか適切な専門機関を御紹介してまいります。

 本区単独で専門的な相談窓口を設置するということにつきましては、今後、相談内容を分析しながら検討したいと思います。

 次に、助成制度の新規解決についてのお尋ねです。

 議員御指摘のとおり、本区が平成十九年度より実施していた特定不妊治療費助成は、東京都で実施していた制度に上乗せする形で制度を開始いたしましたが、その後、東京都の助成額が当初の二倍以上へ増額され、本区で上乗せしていた金額がカバーされることとなったため、平成二十三年度の治療分の請求をもって区としての助成制度を終了した経緯があります。

 その後、平成二十八年四月より治療開始年齢に応じた助成上限回数が新たに適用されるなど、助成対象の考え方が大きく変化しており、東京都は来年度から助成制度をさらに拡充する方針を示しております。本区といたしましては、こうした新たな助成制度の利用状況や制度の動向等を勘案しながら、不妊に悩む方々への支援のあり方について様々な視点から検討を進めてまいります。

 次に、簡易水道消火器の普及啓発についてのお尋ねです。

 本区では、地震に伴う火災だけでなく近隣の火災や車両火災などの初期消火に対応するため、道路に街区消火器を配備しております。また、自主防災組織にはD級ポンプ、スタンドパイプを配備し、防災訓練などを通して初期消火活動の強化を図っております。

 議員御提言の簡易水道消火器具ですが、誰もが持ち運びができ、どこにでもある一般家庭の散水栓で簡単に使用できるものです。木造住宅密集地域などにかなりの数を配備すれば初期消火に一定の効果はあるものと考えますが、消火栓で使用したものと比べるとかなり水圧が低いことや、地震等で断水した場合、使用できないことを考慮すると消火活動に懸念が残りますので、今後の検討課題とさせていただきます。

 次に、インクルーシブデザインとまちづくりについてのお尋ねです。

 インクルーシブデザインは、障がい者、高齢者、外国人などリードユーザーと呼ばれる実際に使う立場の方々が、ワークショップなどの多様な参画の場で身近な日用品から道路や公園等のインフラに至るまで商品企画や施設設計の段階から携わり、意見を出し合うことで商品や施設の価値を高めて、多様な方々の利便性を確保する成果を共有しようとの考え方です。

 インクルーシブデザインの考え方は、渋谷区が基本構想の中で大切にしているダイバーシティとインクルージョンの考え方に通じるものであり、栗谷議員御指摘のとおり、リードユーザーの視点からまちづくりの中の危険と不便さの観察を実行し、インクルーシブデザインへの蓄積を重ねることは重要なことであると考えます。

 渋谷区は、これまでのまちづくりの中でも障がい者団体の協力を得て、区内における歩道の段差解消などのバリアフリー化整備に取り組んでおり、渋谷駅周辺を手始めに、平成二十九年度以降バリアフリー基本構想の策定を予定しています。また、この四月には現在の区役所仮庁舎西側の「渋谷キャスト」のオープンに合わせて、旧渋谷川遊歩道においても、自らも車椅子を使用しリードユーザーでもあるインクルーシブデザインを専門的に研究している方からアドバイスを受け、区と民間事業者が協力して、電動車椅子やベビーカーなどに配慮した遊歩道整備が完成いたします。

 こういった取り組みを、リードユーザーの視点によるインクルーシブデザインとしての再点検に生かしたり、バリアフリー基本構想策定に向けてリードユーザーが日ごろ感じている駅や施設、道路、公園などに対する課題を解決する仕組みとして取り込みたいと考えています。

 また、このようなインクルーシブデザインの取り組みは、その検討プロセスや協議の経過、リードユーザーからの評価等についても情報や資料として蓄積し、今後のまちづくりにおける多様なバリアフリーの実現に向けて、各施設、道路、公園、公共空間などの整備に活用してまいります。

 次に、東京レインボープライド、LGBT映画祭の活用についてのお尋ねです。

 所信表明でも申し上げたとおり、本区では誰もが生きやすい社会を目指し、「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づいたLGBTダイバーシティ&インクルージョン推進に積極的に取り組んでいます。これまでに十六組の同性カップルにパートナーシップ証明書を交付してきましたが、多様性社会を実現するためにはマジョリティにおけるさらなる意識の変化が不可欠です。そのため、これまでに条例小冊子、LGBT基礎知識リーフレット、啓発のシンボルマークである「レインボー・アイリス」を活用したバッジの配布に加え、アイリス講座でもLGBTについて取り上げるなど啓発に取り組んできました。また、映画「彼らが本気で編むときは、」を活用した職員研修の実施など、取り組みの幅を広げています。

 今年、渋谷区として初めて出展する東京レインボープライドは、毎年ゴールデンウイークの期間中、代々木公園野外音楽堂を中心に開催されています。二〇一六年は二日間で六万六千人の来訪者と四千人のパレード参加者を集め、日本最大のLGBTダイバーシティを祝うフェスティバルに成長しています。このため、本区でもこれを活用し、さらなる条例の周知啓発を推進したいと考えています。

 出展するブースでは、条例の内容をわかりやすく説明したパネル展示とパートナーシップ証明書の相談ブースを検討しています。

 次に、渋谷区教育委員会とともに本区が推奨した映画「彼らが本気で編むときは、」ですが、先日、ベルリン国際映画祭でテディ審査員特別賞を受賞しました。これはLGBTを題材にしたすぐれた映画に贈られる権威ある賞で、渋谷区を映画製作の拠点とされている荻上直子監督の作品が世界的評価を得たことを大変うれしく思います。

 職員研修には管理職を含む百八名の職員が参加し、映画の試写に加えLGBT基礎知識レクチャー、荻上監督をお迎えしてのトークセッションを行いました。職員からは「机の中にしまっていたレインボー・アイリスバッジの意義がようやくわかった。明日からはバッジを身につけたい」といったコメントも聞かれ、LGBTダイバーシティ意識の増進に大きく寄与したと思います。

 今後も様々な工夫をしながら職員研修の充実を図り、また、一般区民に向けた啓発事業については映画公開終了後、この映画とLGBT基礎知識レクチャーをセットにした事業なども検討したいと考えています。

 次に、昨年の二十五周年の節目に「レインボーリール東京」と名前が変わったLGBT映画祭ですが、七月に港区で開催される映画祭以外にも、外部機関と協力して各地でLGBTを題材にした映画上映を行っています。正しい知識と組み合わせることですぐれた映画が人権啓発に効果を発揮することは、「彼らが本気で編むときは、」で証明されています。すぐれた映像作品を活用することも検討していきたいと思います。

 次に、持続可能な区政運営についてのお尋ねですが、今後二十年を見据え、渋谷区基本構想に掲げる未来像を実現していくには、先ほど下嶋議員からの御質問にもお答えしたように、安定した財政基盤の確保を初め持続可能な行財政運営が不可欠です。そして社会情勢の変化が激しい中で、渋谷区がロンドン、パリ、ニューヨークと並ぶ成熟した国際都市となるには、さらに渋谷の街の価値を高め、持続可能なまちづくりをするための取り組みが必要であり、本区は既にその取り組みを開始しています。

 例えば、議員御発言の「(仮称)渋谷未来デザイン会議」では、これまで一緒に集まることが難しかった区民、渋谷区で働く人、学ぶ人、訪れる人などが、プロジェクト実現に必要な新しい技術やアイデア、ファイナンスの仕組みなどを持ち寄り、まちの課題に取り組むという、まさにオープンイノベーションによるまちづくりを目指すものです。

 具体的には、最初は未来の兆しを持ち寄ることから始めます。「こんなことができたらいいな」、未来を実現するために「これをやりたい」を持ち寄り、様々な立場や分野の人々が対話をします。対話によって違いや共通の価値を共有しながら、実現可能なプロジェクトの創造を進めます。そうすることで、行政だけで、地域住民だけで、企業だけではできないことが実現可能となる新しい仕組みづくりを実現します。

 これには、「誰かがやってくれる」という他人事ではなく自分でやるという、社会課題を自分事と捉え行動する人や企業等が必要です。今年度はフューチャーセッションを行い、こうした取り組みの実現可能性を検証してきました。

 他方、人材育成のための民間によるセッションも活発に行われており、確実に新しいつながりが広がってきていると実感しています。新年度はさらにこの取り組みを進め、渋谷モデルの構築を目指します。既成概念にとらわれず、区民や多様な人々がつながり、力を合わせた新しい取り組みによるイノベーションを実現し、その取り組みのプロセスや成果を世界に発信してこそ都市の価値が向上し、持続可能なまちが実現すると考えます。

 以上、私からの答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について三点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。

 まず初めに、タブレット端末の活用に当たり、ネットリテラシーについてどのような対応をしていくかについてのお尋ねです。

 セルラー回線を使用したタブレット端末の児童・生徒への全員の配付は全国初の試みであり、学校現場での教育利用の可能性が広がります。一方で、一人一台自宅へ持ち帰るということで、ネットリテラシーなどの情報モラルに関する児童・生徒へ向けた教育がこれまで以上に求められています。

 今年度のICT教育推進モデル校、代々木山谷小学校の保護者向けアンケートの結果から、有害サイトの閲覧やSNSなどによるいじめの問題に関して不安とする意見が寄せられました。一方で、かえって子どもたちのネットリテラシーに対する意識が高まることに期待しているとの意見も寄せられました。

 こうした代々木山谷小学校での検証を踏まえ、今回配付するタブレット端末はSNSや有害サイトへのアクセスができないようなフィルタリングはもちろんのこと、児童・生徒の発達段階に応じて時間制限を設けるなど、より安全・安心に使用できる環境を構築すべく検討しております。

 今年度、教育委員会で教育にかかわる情報セキュリティポリシーを策定いたしました。また、渋谷区立の学校、幼稚園におけるインターネット利用に関するガイドラインを本格実施までに改定し、改定したガイドラインをもとに各学校や園においてインターネット利用のルールを作成するよう指導してまいります。

 さらに、教職員の研修だけではなく保護者や児童・生徒の講習会の実施について、まずはシブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定によるLINE株式会社と連携して、SNSを中心としたネットリテラシーに関する教育を九月までに全校で実施します。九月以降の完全実施後もネットリテラシーのさらなる向上を図るために、タブレット端末の配付を契機としてこれまで以上に学校現場での指導を充実させるとともに、企業の協力を得ながら万全の体制を整えてまいります。

 次に、学校図書館への図書通帳の導入についてのお尋ねです。

 読書は、子どもにとっては言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものとし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものです。子どもたちには一冊でも多くの本に親しんでもらいたいという願いは、私たち大人の共通のものです。

 そこで、渋谷区教育委員会では「しぶやおすすめの本五〇」の活用や学校図書館専門員の配置などにより、読書教育の充実を図ってまいりました。来年度は小学校への学校図書館専門員の配置日数を増やしたり、中学校と地域図書館との連携を進めたりするなど、読書教育のさらなる充実を図ってまいります。

 その中で、議員御提案の読書通帳ですが、子どもたちの読書意欲の向上やその幅を広げることについては、これまでも各教員や学校図書館専門員が様々な工夫をしてきました。読書通帳も強力な手法の一つになり得るものと考えます。来年度は、渋谷区ではタブレット端末が全ての小中学生に貸与されます。読書通帳の機能が代替できないか、その可能性を見きわめながら、読書教育推進の取り組みをさらに充実させてまいります。

 次に、小学校の教室についてのお尋ねがありました。

 議員から御指摘がありましたように、現在、区立小学校における児童数は増加傾向にあるため、各学校においては以前に比べて余裕教室が少なくなっている状況にあります。このような傾向は当面の間、継続することが見込まれており、教育委員会としましても、良好な教育環境の維持のために教室数の確保については大切な課題と考えております。

 したがいまして、今後とも児童数の動向を注視しつつ、必要な場合には学校施設の改修等も含めた対応を図るなど、工事を所管する総務部の施設整備課とともに緊密に連携、協力しながら教育環境の整備に適切に努めてまいりたいと思います。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 栗谷議員。



◆二十九番(栗谷順彦) 区長並びに教育長、大変前向きな御答弁をいただきまして感動しております。

 ネウボラ「シブボラ」のほぼほぼ全体が見えてまいりました。理事者、職員の方々には大変御苦労をおかけいたしますが、さすが渋谷区の取り組みだなと言われるような総合機関にしていただきたいというふうに思っております。

 また、区長の関心の高いICTにおいても、区の体制や教育も含め、一気に進んだ、また進んでいくんだなという状況がわかりました。私たちも今後、しっかりと、このICT化に関しては御提案をしていきたいなというふうに思っております。

 また、「渋谷未来会議」でございますが、何となくイメージ、わかってきました。この新たな機軸で価値をしっかりと創造していっていただきたいなというふうに思っておりますので、今後とも、提案も含めて、しっかりやっていきたいなというふうに思っております。

 私ども渋谷区議会公明党、実は年間二千五百件を超える区民相談をいただいております。この区民の皆様、あるいは渋谷区にかかわる方々からいただいた多くの相談やあるいは提案を、国と都と連携し政策に変え、それを実現する、それが私どもの使命の一つと捉えております。これからも渋谷区議会公明党、「渋谷の未来を築かん!」との思いで全力で活動してまいることをお誓い申し上げ、私の代表質問とします。

 ありがとうございました。



○副議長(沢島英隆) 二十四番五十嵐千代子議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問します。

 質問の前に、一言申し上げます。

 稲田朋美防衛大臣の南スーダンに派遣している自衛隊の日報隠蔽問題や、金田勝年法務大臣による共謀罪法案の質問封じ文書の配付や答弁など、立憲主義破壊の言動に国民の怒りが広がり、辞任を求める声が大きくなっています。日本共産党大会には野党三党と一会派が参加し、市民の人たちと野党四党が共同する新しい一歩が踏み出されました。日本共産党は、野党と市民が共同して安倍内閣の暴走をとめ、立憲主義と民主主義の新しい政治をつくるために全力を挙げます。

 質問に入ります。

 最初に、区民の命と暮らし、安全にかかわる国政、都政についてです。

 最初に、格差と貧困を拡大する経済政策についてです。

 安倍政権は「大企業を応援し、大企業がもうけを上げればいずれ家計に回ってくる」と、三年間で四兆円もの減税で企業を優遇する一方、社会保障の大幅削減を行い、アベノミクス新自由主義経済を遂行しています。

 その結果、労働者の平均賃金が四年間で実質年十九万円減少、二人以上世帯の実質家計支出は十六カ月マイナスになるなど、国民の暮らしを痛めつけています。区内の昨年一年間の中小企業の倒産件数は百五十七件、それによる失業者も七百七十一人、十五年度の国民健康保険料の滞納世帯は加入者の三三・六%、就学援助を受けている中学生は三七・二%と深刻です。

 新自由主義経済政策が格差と貧困を拡大し、区民生活を困難にしていることについて区長の見解を伺います。

 日本共産党は、格差と貧困を正すため、税金の集め方を能力に応じた負担にする、税金の使い方を社会保障、若者、子育て中心にする、働き方を八時間働けば普通に暮らせる社会、産業構造を改革し大企業と中小企業、大都市と地方の格差を是正することを提案しています。安倍政権が進める軍事費拡大、大型公共事業中心、大企業減税の一方社会保障費を削減する税金の使い方はやめて、社会保障、教育、子育て支援中心に切り替えるよう国に求めるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、築地市場の豊洲新市場移転問題についてです。

 豊洲新市場については、昨年夏に土壌対策の盛り土がされていなかったことが共産党都議団の調査で明らかになり、小池知事が移転の延期を発表しました。さらに、一月十四日の地下水モニタリング調査結果は三割以上の調査箇所で環境基準値を超え、検出されてはならないシアン化合物が検出されるなど驚くべき結果でした。共産党都議団は、汚染された豊洲に築地市場を移転することに一貫して反対し、都政の闇を徹底解明するため百条委員会の設置を求めてきましたが、設置が実現しました。

 二月十八日、築地市場の豊洲への移転計画の中止など抜本的検討を求める大デモンストレーションが二千五百人の参加で開かれ、渋谷からも多くの区民が参加されました。参加者からは「築地でいいじゃないか」「豊洲移転は中止」のコールが響きわたり、消費者代表からは「食べ物は次の世代につながるもの。汚染された土地に市場をつくることは許されない」の声が出され、市場関係者からは築地での再整備を求める訴えがありました。

 区長は区民の食の安全・安心を確保する立場から、豊洲移転の中止を含む抜本的検討を都に求めるべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、幡ヶ谷防災公園についてです。

 渋谷区が購入した幡ヶ谷二丁目のガラス工場跡地も、豊洲と同様に、区は土壌汚染があることがわかっていながら購入しました。問題なのは、土壌汚染はないものとし、拡幅されていない狭い道路も拡幅したことにして土地の鑑定をさせた上、鑑定会社二社の評価額よりも高い三十一億九千六百二十八万円で購入したことです。購入経過について、区長が地権者の権利の一本化と建物の解体、土壌汚染対策が必要で、汚染処理が担保されたからと答えていますが、納得できるものではありません。

 取得の経過についても、当初は七千平米と言いながら結果的には四千七百平米、目的も、防災公園から保育園、住宅を併設することに変更、土壌対策が終わっていないのに土地を買い取り、売り主が負担すべき土壌汚染調査費用の千八百九十八万円を渋谷区が支出したことなど、不可解なやり方を解明する責任が区長にはあります。区長の所見を伺います。

 さらに、現在行われている地下水のモニタリングが来年まで行われますが、その費用は幾らなのか。モニタリング調査は一社だけでなく、正確を期すためクロスチェックを行うべきです。モニタリングが終了するまで工事は中止するべきです。区長の所見を伺います。

 次に、区長の基本姿勢についてです。

 区長が昨年策定した基本構想に対し、我が党は、区民の意見が十分反映されていない、憲法と地方自治法の理念が明記されていない、福祉のまちづくりが基本に据えられていないとして反対しました。区長が策定した基本構想では、「高度な国際競争力と強烈な地域性を兼ね備えた成熟した都市を目指す」としています。これはグローバル企業を呼び込み、世界で勝ち残る企業のためのまちづくりを進めようとしている財界戦略に基づくものであり、安倍内閣の新成長戦略として現実に今、渋谷区で進められている渋谷駅周辺開発、渋谷区役所の建替え、宮下公園整備計画です。

 自治体の基本構想は、憲法と地方自治法に基づくものでなければなりません。既に世界で格差と貧困を拡大し、破綻しているグローバリズム、新自由主義経済政策の具体化ではなく、地方自治体本来の住民が主人公、住民の福祉の向上を最優先にし、区民が住み続けることのできる福祉のまちづくりを進めていくべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、渋谷駅周辺開発についてです。

 渋谷駅周辺開発は、世界で一番企業が活動しやすい国を目指すまちづくりとしてアジアヘッドクォーター特区、国家戦略特区の指定を受け、税制優遇や大規模な規制緩和が行われています。さらに、渋谷区は区道の廃止やつけ替えの便宜を図った上に、総額九十億円の税金を投入します。その一方で、長年住んでいた住民や商売してきた業者が立ち退きを余儀なくされています。区民不在で大企業本位のまちづくりに税金投入はやめるべきです。区長の所見を伺います。

 区役所庁舎建替えについてです。

 渋谷区の庁舎建替えも、大企業に公共施設や公的不動産を提供し、大もうけさせるやり方です。この手法の問題は、区民のための公共サービスの拠点である区の庁舎を整備することであるにもかかわらず、区民への情報提供もされず、区民参加も保障されていません。

 区役所の建替えでは、敷地の一番見晴らしのよい代々木公園側の土地を七十七年もの長期間、二百十一億円の借地料で三井不動産に貸し出し、三井不動産は地下四階地上三十九階、五百五戸のマンションを建設し、大もうけをします。この住宅棟の工事説明会が二月の十三日、開かれましたが、近隣住民だけへの説明会で、事業の内容などについて全く説明していません。また、当日、資料には書かれていない変更点三カ所について口頭で説明がありましたが、このことは区民にも区議会にも全く説明されていません。

 改めて区長に住宅棟の変更点について説明を求めるとともに、二百十一億円の権利金と庁舎、公会堂の建設費の正当性について、住宅棟の総事業費が明らかにならなければ妥当なのかどうかがわかりません。住宅棟を含む総事業費について明らかにしてください。区長の所見を求めます。

 桑原前区長は「庁舎はただで建つ」と盛んに言っていましたが、実際は新年度予算だけでも借り庁舎リース代に四億五千万円、アスベスト除去費一億四千万円など合わせて六億二千九百三十一万円が予算計上されています。想定外の土壌汚染やアスベスト除去などで工事期間が延び、仮庁舎の増額は幾らになるのか、工事終了までの仮庁舎の費用の総額と新庁舎等の開設までの総事業費は合わせて幾らになるのか、区長に伺います。

 新庁舎、公会堂の工事について検討する専門家の委託料が毎年支出されていますが、具体的に行われている内容については議会にも全く報告がありません。これまでどのような検討がされてきたのか区長の答弁を求めます。

 この計画の最大の問題は、区民の共有財産である庁舎の建替え計画に区民が全くかかわれないことです。全区民を対象とした情報公開も意見を聞く場もないままに、三井不動産が計画した工事が進められていることは認められません。区民に情報を隠し、大企業の利益優先の事業手法はやめるべきです。改めて広く区民と専門家が参加する検討会を設置し、計画を練り直すべきです。区長に伺います。

 次に、宮下公園整備計画についてです。

 新宮下公園整備事業は、宮下公園の用地を三十三年間も三井不動産に貸し出し、三井不動産が一万六千平米に及ぶ商業施設と十七階のホテルを建設することと引きかえに、商業施設の屋上に公園を整備するものです。三井不動産が提案した計画を進めるため、区は都市計画の変更手続をとろうとしていますが、昨年十一月に区民から寄せられた九十八件の意見のほとんどが反対意見でした。また、都市計画審議会でも学識経験者から「余りにも商業機能に偏り過ぎている。事業者の提案によって進めているが、都市計画変更の核として公園というものについて考える必要がある」との意見が出されましたが、これこそこの事業の核心を突く意見だと思います。

 さらに、都市計画案の公告、縦覧では「事業者の提案に合わせて公園面積に追加区域を設ける都市計画変更を図る渋谷区のどこに正当性があるのか。ホテル建設は撤回すべき」という意見が出されましたが、このことは、ホテル建設で足りなくなった公園用地を確保するため区が下水道局に金を払って用地を確保することを指しています。

 二月十七日の都市計画審議会では答申せず、四月まで延期されたと聞きました。区長は区民や学識経験者の意見に真摯に耳を傾け、区民のための公園整備にするため大企業のもうけ優先のPPP手法はやめて、改めて区民や専門家も参加する検討委員会を設置し、計画を一から練り直すべきです。区長の所見を求めます。

 次に、新年度予算についてです。

 区民の暮らし、福祉を守ることこそ渋谷区の第一の役割です。昨年、共産党渋谷区議団が行った区民アンケートでは、六六%の区民から生活が苦しいとの回答がありました。しかし、この二年間で渋谷区は、高齢者寝具乾燥サービスを無料から有料に、区独自に実施してきた訪問入浴介護サービスから要支援者を外し、緊急派遣型ヘルパーや勤労者世帯外出介助の廃止、生活保護世帯への冬の見舞金廃止、障がい者の福祉タクシー券の削減など、福祉予算を次々と削減しました。

 さらに長谷部区長の新年度予算案は、保育施設の増設や胃がん検診の内視鏡検査の導入、感震ブレーカー助成など区民要望に応えたものもありますが、国民健康保険料の大幅な値上げで一億二千万円の新たな負担増や、生活保護世帯の夏の見舞金一千百万円を削減しようとしていることは認められません。

 その一方で、河津の保養所には一億四千八百万円、大企業、ゼネコン奉仕の渋谷駅周辺整備計画には九億五千万円もの税金を投入しようとしています。区長は大型開発や不要不急の税金投入をやめ、生活保護世帯の冬の見舞金を復活し、夏の見舞金削減はやめるべきです。また、廃止した女性福祉資金も復活すべきです。

 さらに、七百七十六億円もある基金を活用して区民への負担増をやめ、暮らしを守り、福祉施策の拡充を図るべきです。区長の所見を伺います。

 国民健康保険料の値上げについてです。

 今でさえ、保険料が高過ぎて払い切れないと多くの区民の声が寄せられていますが、新年度の国保料は一人平均七千二百五十二円の値上げで年額十一万八千四百四十一円となり、五年間の中で金額、率とも最高の上げ幅です。その結果、年収三百万円の三人給与世帯では一万八千六百四十五円の値上げで年額二十九万八千四百三十七円の負担になります。一カ月の給与を上回る保険料は暮らしの破壊につながるもので、認められません。

 現在でも渋谷区の国保料の滞納が十五年度で三三・六二%に上り、短期保険証の区民が六百人以上の深刻な実態となっているのです。区長は区民の深刻な実態についてどのように受けとめているのか伺います。

 本来、国民健康保険は社会保障の根幹をなす制度であり、国民皆保険制度のもとで、ほかの医療保険に加入できない国民のために国と自治体の責任で運営する公的医療保険制度です。高過ぎる保険料によって区民生活を一層深刻な状態に追い込み、必要な医療を奪うことは許されません。区長は国庫負担の拡大と東京都に最大限の支援を要請するとともに、この間は毎年五億円以上の不用額を出しているのですから、値上げはやめるべきです。

 また、保険料の支払いが困難な低所得者が減免制度を利用できるよう、生活保護基準の一・三倍まで拡大すべきです。あわせて区長の所見を伺います。

 次に、障がい者福祉施策の拡充についてです。

 昨年四月、障害者差別解消法が施行され、障がい者や家族、関係者から差別のない社会への一歩になると期待が広がりました。

 都内に住む重度障がい者の女性は、人工呼吸器で命をつなぎ、地域の障がい者の自立を支える活動が評価され、東京都の女性活躍推進賞を今年、受賞しました。そして、知事に「生産性のある人間、人々に感動を与えられる人間だけでなく、ただ存在するだけの人間にも尊厳を見出し、全ての都民が社会参加できる都政を執行してほしい」と手紙で訴えています。区長はこの訴えをどのように受けとめるのか、所見を伺います。

 障がい者の社会参加を推進するための障がい者福祉タクシー券を、渋谷区は昨年から大幅に減らしました。この結果、「本町から広尾病院、笹塚から日赤医療センター、富ヶ谷から京王病院などに行くのに三千五百円では一回の通院分にも足りない、タクシー券をもとの四千六百円に戻してほしい」という切実な声が上がっています。障がい者の命にかかわる通院を保障するために、タクシー券をもとの四千六百円に戻すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、精神障がい者の医療費助成と福祉手当の支給についてです。

 東京都は身体障害者手帳の一、二級と知的障がい者の愛の手帳の一、二度の人たちに対して、障がいと一般疾患の医療費を助成する「心身障害者医療費助成(マル障)」を行っていますが、精神障がい者はこの制度の対象になっていません。精神障がいの治療だけは助成が受けられますが、ほかの病気の助成は受けられません。東京都精神保健福祉家族会連合会は、「マル障の適用対象に精神障がい者も含めてほしい」会の理事の轡田英夫さんは「精神障がいは中高生以降に発症が多く、年金受給世帯が多い。患者は就職できず低所得者がほとんどで、親の経済的負担は大きい」と訴えています。

 既に愛知県の名古屋市、山梨県と奈良県の全市町村で実施しています。東京都に対し、精神障がい者を都の医療費助成制度の対象に加えるよう求めるとともに、既に品川区、杉並区、足立区が実施している福祉手当を区も精神障がい者一級の人に支給すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、子どもの貧困対策について、最初に、学校給食費の無償化についてです。

 学校給食法は、教育の一環として食育の推進を掲げています。また、憲法二十六条は義務教育を無償とするとしています。子どもの貧困が社会問題になる中、地方自治体の独自施策で無償化が広がっています。共産党の調査では、小中学校とも給食費を無償化にしている自治体は全国で六十二カ所、今年から無償化に踏み出す千葉県大多喜町では「世帯収入が伸び悩む一方、教育費は増加傾向にある。保護者の経済的負担を減らす支援を行うことが求められている」と担当者は述べています。渋谷区でも小中学校の給食の無償化を実施すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、就学援助の対象拡大と入学準備金の前倒し支給についてです。

 就学援助の入学準備金の前倒し支給については、都内で次々と始まり、既に実施している板橋区、世田谷区に続き今年三月までに支給を決めたのは港区と豊島区、八王子市。足立区は来年の二月に中学生に支給を開始、武蔵野市は小学生、中学生とも来年の三月一日支給を決定しています。渋谷区でも入学準備金の支給を入学前に支給できるよう改善すること、準要保護世帯の入学準備金の額を国が引き上げた要保護世帯の小学生四万六百円、中学生四万七千四百円に引き上げるとともに、就学援助の対象世帯の所得基準を生活保護の一・五倍まで拡大すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、給付型奨学金についてです。

 日本の子どもの貧困率が一六・三%と深刻な実態に、国も子どもの貧困対策推進法、子どもの貧困大綱を定め、親から子への貧困の連鎖を断ち切るとして教育支援、生活支援などを挙げ、十七年度予算案に給付型奨学金の予算を計上しましたが、支給人数はわずか、支給額も生活費の五分の一程度にしかなりません。

 東京都も都立高校生に対する給付型奨学金を創設し、生活保護世帯と住民税非課税世帯に年五万円、年収三百五十万未満の世帯に三万円を支給します。さらに、年収七百六十万円未満の世帯の私立高校に通う生徒に四十四万二千円を上限に給付する予算も計上しています。実際、高校に通わせている家庭の負担は授業料だけではなく、交通費や部活動の費用、教材費など重くのしかかっています。

 武蔵野市では今年から、就学援助費の要件を満たしている世帯で進学先が決定している中学三年生のいる世帯に入学準備金六万円を二月に支給し、高校生がいる世帯に就学給付金として五万円を六月末に支給します。国に対して給付型奨学金の拡充を求めるとともに、渋谷区としても、現在の貸与者で返済時に住民税非課税世帯に対しては返済免除を実施し、給付型の奨学金に切り替えるべきです。区長の所見を伺います。

 次に、教育についてです。

 教育の目的は個人の人格の完成を目指すことであって、特定の社会の変化を想定し、それに合わせて子どもの心と体をつくり変えることではありません。一人一人の子どもたちに寄り添い、その子に合ったやり方で教師が教えることができるよう、教職員の多忙化を解消することが大切です。

 昭島市では、昨年六月から全小中学校にタイムレコーダーを導入した結果、平均残業時間が小学校で月三十五時間、中学校で月三十九時間で、過労死ラインと言われている八十時間を超えていた教師が小中学校で四十二人に上りました。当区の学校でも、百時間を超えて残業しているという話も聞きました。

 現在、渋谷区ではメンタルで休職している教師が何人いるのか、また、区として早急に教職員の残業時間実態調査を実施すべきです。教育長の所見を伺います。

 また、教師が一人一人の子どもたちにゆとりを持って向き合えるよう、教職員の人数を増やすことが必要です。東京都に教職員の増員を求めるとともに、区独自にも小中学校の全ての学年で三十五人学級を実現し、三十人学級を目指すべきです。教育長の所見を伺います。

 ICT教育の推進についてです。

 財界が求める成長戦略を実現するために、安倍政権が直ちに取り組むべき計画として打ち出した日本産業再興プランには、ハイレベルなIT人材の育成、確保を挙げ、具体的には一人一台の情報端末による教育を本格展開し、二〇二〇年までに就学前の子どもから高齢者までIT利活用を推進し、膨大な市場を生み出すとしています。

 長谷部区長が新年度予算に七億五百万円の予算を計上して、小中学校の全生徒一人に一台のタブレットを貸与してICT教育を九月から実施することを発表しました。発表後、保護者や区民から様々な意見が区に寄せられていると聞きましたが、私も保護者の方から「それだけの予算があるなら給食をおいしくしてほしい」「トイレをきれいにしてほしい」という声や、「小学校一年生から必要なのか」などの不安の声も聞きました。

 二〇一四年から全校一人一台で一万台のタブレットを導入した荒川区では、支援員の日常対応以外のトラブルが一年間で千件以上発生し、「タブレットがなくても十分学力が身につく」などとして、小学校低学年を中心に四学級に三十五台の配備に変え、利用は一日一時間などの見直しを行いました。また、研究者からは、ディスプレイなどの機器を使用することで起こるドライアイ、視力低下、痛み、不安感などの症状が出るVDT症候群の対策も指摘されています。渋谷区では、先行実施している自治体で起きている問題やVDT症候群の対策についてどのように考えているのか、区長の所見を伺います。

 また、今年九月からの全校実施に当たって、教育委員会の検討記録を見ましたが、「ICTを使いこなすことが子どもや教職員の資質向上になるのだろうか」「ICT教育は万能ではない。むしろ補佐的なものとして位置づけたほうがよい。デメリットも示すべき。お互いの顔を見て会話ができなくなることが挙げられる」「ICTさえ充実すればよいのだという考え方には不安」「授業を見たが、このままでよいのかと思った。現場に根づいた教育を基盤にしてICTを取り入れるという説明を聞きたかった」など、渋谷区教育委員会での率直な意見が出されています。

 昨年からモデル実施している代々木山谷小学校の検証結果については、区民にも区議会にも報告されていません。広く関係者と区民からも意見を聞く場を十分に持つべきで、九月からの拙速な導入はやめるべきです。区長の所見を伺います。

 小中学校のトイレ改修についてです。

 東京都は、二〇一七年度の公立学校のトイレ改修は、災害時の避難所対策でもあるとして二十二億円の予算を計上し、二十年度までに小中学校の八〇%で洋式化する目標を示しました。現在、区内の小学校の洋式化は約六〇%、中学校は約五〇%です。保護者からも「早急に改善してほしい」との声が寄せられています。

 また、二月十三日、区議会が渋谷区男女平等多様性社会推進計画審議委員でトランスジェンダーの杉山文野さんを講師に行ったLGBTの研究会で、杉山さんは「性自認に違和感を持ったのは幼稚園児のころ。そのころからトイレに入ることにためらいがあり、我慢をしていた。学校に誰でも利用できるトイレを設置してほしい」と話されました。東京都の予算も活用して早急にトイレを改修し、だれでもトイレも各フロアに整備すべきです。区長の所見を伺います。

 商店街振興についてです。

 区民が安心して住み続けるために欠かせないのが、住宅街の商店街の存在です。とりわけ高齢者にとっては、歩いて行ける場所に商店街があることは長く住み続けることができ、コミュニケーションの場としても重要です。

 六号坂商店街で食料品店を営む会長さんは「近くにある都営住宅はエレベーターがないため、足が不自由になった高齢者のために配達をしている。時には電気がつかないという電話がかかり、飛んでいくとブレーカーが落ちており、直したこともある。最近は商店街として地域包括ケアの会議にも参加し、災害時に介護利用者の避難を助ける役割を商店街として担うことになった。また、商店街の活性化は地域に住む人が元気に生活してこそできるもの」という話も聞きました。

 他の商店街の方からも、「高齢者が利用しやすい商店街にするため、空き店舗を活用して高齢者の休み場所として使えないか」「商店街共同の宅配用の集積場所として使えないか」また、最近不動通り商店街で開業した人からは、「空き店舗の家賃が安ければ開業したいという若い人はたくさんいる、区で家賃補助ができないか」という話もあります。

 高崎市では昨年から、商業の活性化を目的に、商売など市内の施工業者、販売業者を利用しての店舗改装、店舗用備品購入に対して上限百万円までの費用の半額を補助する制度を実施しました。受け付け初日だけで百八件の申し込みがあり、最終的には七百三十八件で当初予算では足りず、補正予算で四億四千万円まで補助しています。当区でも実施すべきです。区長の所見を伺います。

 最後に、防災対策について二点伺います。

 最初に、木造住宅の耐震化の促進についてです。

 区が昨年策定した耐震改修促進計画では、二〇二〇年度までに耐震化する目標は木造住宅千七百棟です。しかし、今年二月に発表された実施計画では、毎年十八件、三年間で五十四件となっており、目標達成はできません。いつあるかわからない地震から区民を守るために、助成額の上限を引き上げ、耐震化を促進すべきです。区長の所見を伺います。

 感震ブレーカー助成を全区域に拡大することです。

 新年度から、木造住宅密集地域の不燃化特区に指定されている本町二丁目から六丁目までの木造住宅の希望者に感震ブレーカー、もしくは感震コンセント設置の助成をする九百万円の予算が計上されました。区内には延焼危険度の高い密集地域がたくさんあり、幡ヶ谷、笹塚を初め広尾、神宮前、代々木地域の住民からも助成してほしいとの声が上がっています。予算を増額して全区域の住民に助成すべきです。区長の所見を伺います。



○副議長(沢島英隆) この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議会議員団、五十嵐千代子議員の代表質問に順次お答えいたします。

 まず、安倍政権の経済政策についての質問です。

 国の経済政策や予算配分については、その総合的財政計画や運営にかかわる問題であり、国政の場で議論されるべき内容であると考えます。貧困の問題が存在することは否定しません。だからこそ、区としてもハウジングファースト事業や就労支援などに取り組むとともに、区として必要な要望については適宜、区長会等を通じて国に申し入れをしています。

 国政の問題である国の経済政策全般について、申し入れを行うことは考えておりません。

 次に、築地市場の豊洲移転に関しての御質問です。

 このことにつきましては東京都の問題であり、都の責任において行われるべきものと考えております。

 先日の都議会本会議において、都知事から「消費者、業者のために市場の安全・安心を確実に守らなければならない」と方針が表明されており、その対応を見守りたいと思います。

 次に、幡ヶ谷防災公園についてのお尋ねです。

 最初に、土地の取得の経過についてです。

 幡ヶ谷防災公園の用地の取得は、幡ヶ谷・笹塚地区は木造密集地域で災害時の一時集合場所が近隣に少なく、防災公園の整備が重要かつ緊急の課題であったことと、あわせて区施設の整備も緊急の課題でありました。幡ヶ谷・笹塚地区にはこのような施設を設けることができるまとまった広さを持つ土地はほかになく、土地の非代替性もあり、購入しました。

 土地の面積が当初の七千平方メートルから四千七百平方メートルになったことについてですが、土地の権利者が、「約二千三百平方メートル分については事業や自宅用として継続して使用していく」とのことで、購入できなくなったものです。

 次に、この土地の取得目的について、防災公園から保育園、住宅の併設に変更を行っているとの御発言ですが、平成二十五年第四回定例会において「できる限り空地を確保し、防災公園として整備するとともに、残地部分は区民ニーズの高い高齢者住宅や区施設の整備に充てていきたいと存じます」と前桑原区長が発言されていますように、当初から福祉施設の整備を行う計画であり、変更があったのではありません。

 また、土壌汚染の調査費用についてですが、調査は土地全体を一括して行う必要があります。しかし、以前のこの土地は複数の地権者がそれぞれ所有または使用していて、個々に調査を行える状況ではありませんでした。そのため、確認の必要性から区が行ったものです。

 それぞれ明確な理由があり、適正に取得したものです。

 次に、地下水のモニタリング調査についての御質問です。

 モニタリング調査の費用ですが、これも以前、貴会派からの御質問にお答えしているところです。モニタリング調査は、五カ所の観測井戸を設け分析調査を行っています。一カ所二万四千三百円で年間四回の調査を行います。

 クロスチェックを行うべきとの御意見ですが、分析を行っている会社は土壌汚染対策法に基づく指定調査機関であり、法律に定められた手順に従って厳格に水の採取、分析を行っております。クロスチェックは必要ないものと考えています。

 モニタリングが終了するまで工事を中止すべきとの御意見ですが、土壌改良工事は終了しており、東京都環境局にも完了届が受理されています。土壌の入れ替えも全て終了し、既にきれいで安全な土地になっているため、工事の中止は考えておりません。

 次に、住民が主人公で、住民福祉の向上を最優先に区民が住み続けることのできる福祉のまちづくりを進めていくべきとの御意見です。

 基本構想では、七つの分野別の目指すべき将来像を示しておりますが、A、子育て・教育・生涯学習とB、福祉を最初に位置づけ、子どもから高齢者まで区民の暮らしやすさを向上させて、安全・安心に住み続けていただけるためのビジョンを明らかにしています。また、基本構想の基礎となる価値観としてダイバーシティとインクルージョンの考え方を大切にし、一人一人の個人を尊重してそれぞれの違いをまちづくりの原動力に変えていくことで、区民が主体的に区政に関与できるようにしていきます。このことは、議員のおっしゃっている住民の福祉の向上を最優先とし、福祉のまちづくりを進めていくことそのものです。

 基本構想の将来像を今後の区政運営の指針とし、引き続き区民福祉の向上を目指していきます。

 次に、渋谷駅周辺再開発に税金を投入すべきでないとのお尋ねですが、平成二十八年第三回区議会定例会で貴会派、秋元議員にもお答えいたしましたが、本事業は渋谷駅周辺のまちの課題を解決し、都市の機能を高め、地域に貢献する公共性の高い事業であることから、渋谷区としても一定の補助金などの支援を行っているものです。

 また、渋谷駅桜丘口地区や道玄坂一丁目駅前地区の市街地再開発事業については、現時点で地元地権者は再開発事業に参加する意向であると聞いております。

 次に、区役所建替えについて四点のお尋ねです。

 まず、住宅棟の工事説明会に関する御質問ですが、住宅棟については民間事業者が整備、分譲を行うものであり、区はその計画の内容を説明する立場にありませんが、この説明会には区も参加していましたので、その状況をお伝えいたします。

 当日、事業者から昨年二月の住宅棟の計画説明から変更した内容として、公開空地の利便性の向上、住宅棟の耐震構造の変更、住宅棟の地下部分の面積縮小と掘削土量の削減を行うとの説明がありました。これらの変更は、新庁舎を利用する区民や周辺を訪れる来街者の利便性や快適性、また工事中の周辺環境の向上に寄与するものであります。住宅棟を含む総事業費については、これまでも何度もお答えしているとおり、区は民間事業者の資金計画に関与したり説明する立場にありません。

 なお、本事業の基本的なスキームは、区議会の議決を得た基本協定の第二条に定めるとおり、区が定期借地権を設定する対価に対し、事業者が整備する新庁舎等をもって充当するものです。また、この事業取引の妥当性については、基本協定第九条で第三者による検証を行い、妥当性を確保することを定めています。

 次に、仮庁舎の費用の総額と新庁舎等整備事業費に関するお尋ねですが、今回の庁舎建替えは、新庁舎の建築費について区の負担をゼロにするものであり、建替えに伴い発生する経費、例えば仮庁舎の整備や移転に伴う経費、その他の初度調弁の費用などは当然ながら別途発生します。このことは当初より繰り返し御説明してきましたが、新年度予算においても都有地の賃借料や仮庁舎リース代を計上しています。

 このうち都有地の賃借料については毎年ごとに契約するため、新年度以降の金額は決まっていないこと、また、仮庁舎のリース期間についても新庁舎への移転期間とあわせて検討する必要のあることなど、現時点で確定していないため、仮庁舎の費用の総額はお答えできません。

 他方、新庁舎等の開設までの総事業費についても、新庁舎への移転のための費用や土壌汚染対策の負担なども確定していませんので、現時点ではお答えできません。

 次に、専門家への委託料に関するお尋ねですが、本事業は事業者選定の段階から、様々な専門知識を有する専門家の助言、指導を仰ぎながら進めてまいりました。具体的には建築家、工学博士、弁護士、公認会計士、経営コンサルタント等と相談業務委託契約を結び、それぞれの専門分野に応じて、本事業において重要なポイントとなる建築設計や契約行為に関する個別の相談のほか、庁舎問題検討会における意見聴取を行っています。

 庁舎問題検討会では、これまでに事業者の選定に関すること、基本協定の策定に関すること、そのほか庁舎等建替えに関して必要な事項等を検討しています。今後も専門的なアドバイスをいただきながら、適切に本事業を進めてまいります。

 次に、区民と専門家が参加する検討会に関するお尋ねですが、先ほどもお答えしたとおり、専門家を交えた検討会については適宜実施し、加えて庁舎建替えについて必要な情報は区議会に御報告し、区民に対しては区の広報等を通じて情報を明らかにしております。これまでも何度も御説明しているとおり、区民の声を十分に聞きながら計画を進めておりますので、お尋ねのような検討会を設置する考えも、計画を練り直す考えもありません。

 次に、宮下公園整備計画についてのお尋ねです。

 新宮下公園整備事業については、現在、都市計画審議会に都市計画の変更を諮問し、御審議いただいているところで、都市計画審議会の答申を経て、具体的な設計を進めていく予定です。区民や専門家も参加している都市計画審議会のほかに改めて検討委員会を設置し、計画を練り直す考えはありません。

 次に、新年度予算について、まずは財政運営についてのお尋ねです。

 私は、昨年の区議会の御議決をいただいて策定した基本構想の理念に沿って、新年度の予算案を編成いたしました。子育て・教育・生涯学習と福祉の分野は、その中でも特に力を注いだ分野です。

 所信表明でも申し上げたとおり、子育てでは待機児童対策として八百人規模の保育枠を確保し、教育の分野では全ての区立小中学校にタブレット端末を配置するICT教育の環境整備など、子育て・教育・生涯学習の分野で、昨年当初予算に比べ三十五億六千万円余りの増、旧本町東小学校跡地複合施設の建設や高齢者ケアセンターの建替えなどで、福祉の分野では三十八億七千万円余りの増とし、その実現に向け基金や起債も活用しています。それにもかかわらず、あたかも本区の福祉予算が切り下げられているかのようにお話しされるのは理解できません。

 限られた財源で変化する区民ニーズに的確に対応し、また、新たな取り組みや事業を行いながら安定した行財政運営を持続するためには、不断に事業の改善、効率化を行うことが不可欠です。本予算案は、子育て・教育・生涯学習分野、福祉分野では特に大きな財源を投入した手厚い予算であると自負しております。

 次に、国民健康保険料についてのお尋ねですが、国民健康保険の負担割合は法令で規定されているとおり、医療給付費のうち五〇%を被保険者が負担し、五〇%は国及び都からの支出によって賄う仕組みになっています。今回の保険料の改定は医療費の急激な伸びが反映されたものであり、保険制度を維持するためにはやむを得ないものと考えています。

 一方、その負担が過大にならないように、国庫負担などの財政的な支援の拡大について、昨年十二月二十六日に特別区長会として厚生労働大臣宛てに緊急要望を行いました。

 また、保険料の減免制度については、負担の公平性の観点から、拡大をする考えはありません。

 次に、障がい者福祉施策の拡充について、まず、重度障がい者の女性の都知事宛てのお手紙に対する所見と、福祉タクシー券の金額をもとに戻すべきとのお尋ねです。

 今年の東京都女性活躍推進大賞を受賞された女性は、脊髄性筋萎縮症と闘いながら映画にも出演し、東大和市の地域自立支援協議会会長も務められており、ダイバーシティの実現に向けた活動が評価されました。

 私も、彼女の手紙と同じ思いを持っています。本区の基本構想はダイバーシティとインクルージョンをコンセプトとしており、私も、一人一人を大切にし、どんな人でも自分らしく生きていける共生の街をつくっていきたいと考えています。

 福祉タクシー券につきましては、今年の一月三十日から都内のタクシーの初乗り料金が四百十円に引き下げられました。障害者手帳を提示することによる割引を利用すれば三百円台となります。福祉タクシー券はお釣りは出ないため、利用者の利便性を高め、短距離でも利用できるよう、来年度の福祉タクシー券の配付を従来の五百円券と百円券から三百円券と百円券に変更いたします。

 支給額につきましては、これまでも貴会派等の御質問にお答えしてまいりましたとおり、福祉タクシー券事業を継続していく上で適正な金額だと思っています。

 次に、東京都に対し精神障がい者を都の医療費助成制度の対象に加えるように求めるとともに、区独自の福祉手当を支給すべきとのお尋ねです。

 議員の御指摘のとおり、心身障害者医療費助成は、東京都心身障害者の医療費の助成に関する条例に基づく都の制度です。この条例の対象者は知的障がい者と身体障がい者のみで、精神障がい者を対象としていません。このため、現在会期中の東京都議会に精神障がい者の支援団体から、精神障がい者への医療費助成拡大の請願が提出されていると伺っています。このため、東京都議会での審議を見守ってまいりたいと思います。

 また、心身障害者福祉手当につきましては、昨年の第三回定例会で議員の御質問にお答えしたとおり、もとは都の制度であり、都条例では精神障がい者を対象としていません。ダイバーシティを目指す本区としては、今回の請願への都の対応も注視しつつ、今後の課題とさせていただきます。

 次に、学校給食費の無償化についてのお尋ねがありました。

 このことにつきましては、これまでにも申し上げてきましたとおり、今後、総合的な子育て支援策を検討していく中で判断したいと考えております。

 次に、就学援助についてのお尋ねがありました。

 まず、新入学学用品費については、対象者を、現に区内に在住し、公立小中学校に在籍する児童・生徒の保護者とし、また、対象者の認定に当たっては当該年度の住民税額を確認しているために、現行の支給時期としているものです。したがいまして、支給時期の前倒しにつきましては就学援助制度の適正な運用のため、他自治体における事例も参考にしつつ検討していくことが必要と考えています。

 なお、支給額につきましては、就学援助制度の趣旨や目的を踏まえ、適切に設定されていると考えておりますので、見直しを行う考えはありません。

 次に、渋谷区では就学援助世帯の所得基準を生活保護基準の一・二倍としており、二十三区におきましてもおおむね同程度の基準が設定されています。したがいまして、就学援助の認定基準については現行を維持することが妥当と考えております。

 次に、奨学金についてのお尋ねがありました。

 まず、国に対して給付型奨学金の拡充を求めるべきとのお尋ねです。

 平成二十九年度から、国は大学等への進学者に対する給付型奨学金を開始しますが、その制度設計に係る議論のまとめの中で、当面は施策効果を検証するとともに、運用状況に応じて見直しを図っていく旨が述べられております。したがいまして、今後の推移を見守ることとし、国に対して要望等を行うことは考えておりません。

 次に、返済免除についてのお尋ねですが、区の奨学資金に係る免除につきましては、所得以外の要素も含めた奨学生の個別事情を把握した上での対応が必要と考えておりますので、所得基準のみに基づく一律の対応を行うことは考えておりません。

 また、区の奨学資金を給付型に切り替えるべきとのお尋ねですが、奨学資金制度の今後のあり方については、東京都が来年度から高校生に対して大幅な給付の拡充を図る予定であり、当面その効果や影響を検証しつつ、検討を進めていく必要があるものと考えております。

 次に、教育について二点のお尋ねです。

 今年度、代々木山谷小学校をICT教育推進モデル校に指定し、タブレット端末の導入について検証してきました。その中では「短時間で一斉に多くの友達の意見を見ることができた」「タブレット上で意見交換することで自分の考えを深めることができた」などの声があり、協働学習としての成果が顕著にあらわれています。これらの検証結果につきましては現在まとめているところですので、教育委員会から改めて報告があるものと思います。

 ICT機器の導入に当たっては、この代々木山谷小学校での実践に加え、先行実施している自治体の視察や情報を収集し、検証を進めてきました。タブレット端末のトラブルに関しては、最新機器の導入や代々木山谷小学校の児童の声を聞き、トラブル発生の可能性を減らすとともに全校の実態を十分に把握し、学校の状況や教職員のニーズに応じて支援員の配置や研修など、柔軟に対応いたします。あわせてヘルプデスクを一本化し、勤務時間内にいつでも教職員が連絡し、サポートを受けられる体制を組んでいきます。

 また、VDT症候群等、児童・生徒の健康問題については、何より予防策を講じることが重要であり、そのため現場の校長や養護教諭も加わり、児童・生徒の発達段階に応じた使用時間や休憩時間の設定、目を休める方法などのマニュアル化について検討を重ねております。

 渋谷区の子どもたちにとって、将来必要な二十一世紀型のスキルを誰もが身につけられるよう、予定どおり九月から全小中学校で一斉に実施していきます。

 次に、小中学校のトイレ改修についてのお尋ねです。

 トイレの洋式化は課題と考えておりますので、今後、補助金の活用等も視野に入れ、計画的に進めていきたいと思います。

 だれでもトイレにつきましては、まずは小中学校全校において設置することを目指します。

 次に、商店街振興について、商店会の空き店舗に家賃補助をできないか、また、高崎市のような商店の店舗改装や備品購入に助成する制度を実施できないかとの御提案ですが、渋谷区では商店会振興、中小企業振興を図るため、中小企業診断士による経営相談を実施し、具体的かつ実効的な支援を行っています。また、融資あっせん制度の中には創業者向けの創業支援資金や商店会加入者向けの運転資金や設備資金に対応した小口資金を設けており、どちらも本人が負担する利率は〇・四%と、低利で融資が受けられます。

 現行の経営相談や融資あっせん制度は、区内の商店の経営力強化や事業にチャレンジしていく意欲を幅広く支援する内容となっています。御提案の家賃補助や助成制度を実施する考えはありません。

 次に、木造住宅の耐震化の促進についてのお尋ねです。

 民間住宅の耐震化は、所有者によって行われることを基本としています。しかしながら、渋谷区としては区民の生命と財産を守る観点から、木造住宅の耐震化の助成を行い、一般の方は百万円、六十五歳以上の高齢者は百五十万円を上限に助成を行っています。金額も、他区と比較して遜色ないものであると考えております。したがって、助成額を引き上げる考えはありません。

 今後も渋谷区耐震改修促進計画に基づき、着実に耐震化を実施していきます。

 次に、感震ブレーカーの助成についてのお尋ねです。

 平成二十九年度に実施する木造建築物にかかる感震ブレーカー整備事業については、木造住宅密集地域のうち、通電火災による延焼火災を防止する上で特に緊急性の高い地域である、本町二丁目から六丁目までの不燃化特区の指定を受けた地域の木造住宅について、まずもって行うものです。今回の事業は不燃化率の低い地域から優先して実施するものであり、全区域を対象にすることは考えておりません。



○副議長(沢島英隆) 森教育長。



◎教育長(森富子) 五十嵐議員から、私には教育について二点のお尋ねがありました。

 まず初めに、教職員の残業時間の実態調査をしてはどうかとのお尋ねです。

 教員が一人一人の子どもたちに寄り添い、きめ細やかな指導を行うことは、子どもたちがそれぞれの個性を発揮し、教員への相談をしやすい状況をつくることにつながります。教員が心に余裕を持って子どもたちに接することは大切なことと考えています。

 教員が多忙であるというお話から、メンタルで休職している教員は何人いるのかとのお尋ねですが、残念ながら休職している教員はおりますが、様々な要因が絡んでいることが多いのが実情ですので、数字を挙げての答弁は差し控えさせていただきます。

 また、教員の勤務実態については文部科学省等が定期的に調査を行っており、区として残業時間の実態調査の予定はありません。

 次に、三十人学級を目指すべきとのお尋ねがありました。

 教員がゆとりを持って子どもに向き合う時間を増やすよう、教育委員会ではこれまでも学校の校務改善の推進に力を入れており、来年度導入のタブレット端末を活用することでそれが一層進むと考えております。

 三十人学級につきましては、直ちに少人数学級がよいということではなく、一定の人数規模が必要という教育委員会の考えは変わりません。国及び都の基準に基づき学級を編制する方針で、教員委員会から東京都に教職員の増員を求める考えはありません。また、区独自で担任教員を増やす考えもありません。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 五十嵐議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 区長に再質問をいたします。

 幡ヶ谷防災公園についてです。

 区長は以前、三十一億円余りの評価額よりも高く買った理由として、解体費がかかる、地権者の一本化の費用、土壌汚染処理費がかかる、そういう話をされました。それぞれこの費用について幾らなのかお答えください。

 区長の基本姿勢についてですけれども、渋谷区が今、進めている渋谷駅の周辺開発は、五街区全ての事業に東急グループが加わり、東急の再開発と言っても言い過ぎではありません。また、庁舎建替えと宮下公園は三井不動産がかかわっています。二つのですね、庁舎についても先ほど区長は、この二百十一億円の権利と区が建替える庁舎、正当性ですね、これについては明らかにできないと、住宅等の総事業費は民間だからという答えがありました。区民にも明らかにできないような中身の手法は、私はやめるべきだと考えますので、改めて明らかにしていただきたい。

 それから宮下公園等についても、結局、庁舎の建替えについても、区民の共有財産である庁舎の土地や公園の土地を区民の意見を全く聞かずに、一方的に大企業の利益のために差し出すやり方に変わりないというふうに思います。改めて、地方自治体の福祉の増進の方針とは違っているということで考えを改めるべきと思いますので、再答弁を求めます。

 それから、庁舎にかかわっては仮庁舎の費用の総額と新庁舎の整備事業費については、現時点では見込めないというお話ですが、それでは、仮庁舎にかかったこれまでの費用が幾らで新庁舎等の準備費用はこれまで幾らなのか、お答えください。

 障がい者のタクシー券復活と精神障がい者の手当の問題ですけれども、区長は全国に先駆けて障がい者の差別をしないということを盛り込んだ多様性社会を目指す条例をつくりました。この中ではLGBTや男女平等だけでなくて、障がい者の差別もしない、障がい当事者の意見を聞く、共生社会を目指すと言っているのですから、当然その当事者の意見を聞いて、タクシー券のカットについては全く利用者の意見を聞かずに一方的に区が行ったやり方、また精神障がい者についても、るる都の事業等の話がありましたけれども、都の状況を見るのではなくて、区長が誇るべき多様性の条例を区長が提案して、今や来ているのですから、都に先駆けてですね、私は精神障がい者にも手当を出すべきだと考えますが、条例の立場からの区長の答弁を求めます。

 就学援助の入学準備金、検討するということですが、全国で既に四十六自治体が前倒しでやっていて、就学援助を利用していて、入学準備金が七月だとか八月にもらったのでは実際使えないという声があって早めているわけです。国も指示をしています。是非早急にやってください。

 ICT教育についてです。

 教育課程は子どもや地域の実情に合わせて下からつくり上げるべきものだと私は思っています。先行実施をした荒川区では何回も検討会が開かれ、区議会にも本格実施の前に、一年以上前から報告され、保護者、教師の意見も含めて一年以上かけて議会でもこの問題で議論しています。しかし、渋谷は一方的に区長が発表しています。なぜ保護者や教師の十分な検討、会議も期間も与えず、区議会にも報告なしで実施を決定したのかを伺います。

 商店街振興についてです。

 先ほども申しましたけれども、渋谷は渋谷駅周辺、繁華街だけではありません。住宅街の商店街がどれだけ多くの区民にとって欠かせない存在であるかは区長もよく御存じのとおりです。なぜ中小企業に対してだけ、利子の安い融資制度を使えと、なぜ渋谷駅の再開発に出しているように、九十億円ものお金をですよ、出しているのに、なぜ中小企業や商店街に区が、困っている、商店街の人たちは、さっきも言ったように自分たちの利益だけでやってほしいと言っていないんですよ。そこに住んでいる住民の人たちのために空き店舗の活用だとか様々な活動ができないかということで求めているんですよ。それに応えたのが、私は高崎市の先進的なやり方だと思う。

 これはですね、利用する人の商店や業者の利益じゃなくて、それに資材を提供したり工事をするという事業者自体が、仕事起こしにもつながっているわけです。そういう事業になぜ区が支援ができないのか私は理解に苦しみますので、改めて答弁をお願いします。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議会議員団、五十嵐千代子議員の再質問に順次お答えします。

 まずは渋谷駅周辺の再開発についての税金の投入ということについてですが、ここはやはり、何というんだろうな、非常に公共性の高い駅という場所です。ですのでそれを鑑みて、当然行政としても補助金を出していくということは当然なことだというふうに考えております。

 次に、区庁舎についてですけども、新庁舎に今、ここまで幾らかかっているかということです。二十七年度までで、コンサルの費用が中心になりますが、九千六百円余というふうに……

   〔「え、安いね」の声あり〕



◎区長(長谷部健) 九千六百万円余です。

 それと、ここまで仮庁舎にかかった合わせての費用ということですが、ここはですね、仮庁舎の設計管理費が六千八百万円余、第一庁舎の建設費が十八億一千六百万円余、第二、第三庁舎のリース料が六億八千四百万円余、この隣の都有地の賃借料が一億三千九百万円余、合わせて二十七億円余ということです。

 続いて、障がい者に対するところですが、とにかく「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」ということでまずあらわしているように、福祉に対する意欲というものは一番強く持っているというふうに思います。何で理解してもらえないのか、ちょっと私にもなかなかわからないところでありますが、多くの方は理解していただいているというふうに感じております。是非御理解いただけるとありがたいなというところです。

 あと、精神障がい者の方についての助成についてですけども、まさに今、都議会で話されていて、これは進みそうな気配であるというふうに私は感じております。そこの様子を見てから判断していくということです。今後の課題として検討していくということは先ほど答弁しているとおりで、そこを鑑みながら考えていかなければいけないというふうに考えているところです。

 それと、ICTのタブレットのことについてですが、先行している他自治体のことについても当然研究しています。代々木山谷小学校から上がってきている報告も、この一年かけて検討しています。それをあわせて、近々教育委員会からまた委員会のほうに報告があると思いますので、その報告を聞いた上で御議論いただければありがたいなというふうに思っております。

 空き店舗の活用につきましても、中小企業を何で応援しないかというふうにおっしゃいますけど、応援はしております。全く何もしていないわけでなくて、今、既に助成もありますし、何というんだろうな、コンサルタントの派遣もしております。今の中で十分だというふうに判断をしているということで、御理解いただければと思います。

 以上、私からの答弁といたします。

   〔「幡ヶ谷防災公園の答弁漏れ。解体費用、一本化の費用」「質問者が言え、質問者が」の声あり〕



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 失礼しました。答弁漏れがありましたので、お答えいたします。

 まず、なぜ鑑定評価より高い購入額なのかということは、再三お答えしているとおり、それは売る側がいて買う側がいて、その中の協議の中で話し合われた金額で、そこの差については妥当だというふうに考えております。

 以上です。



○副議長(沢島英隆) 五十嵐議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 答弁をいただきましたが、再々質問します。

 防災公園ですけれども、区長は妥当だということを言いましたけれども、今、大問題になっている豊洲でも、なぜ汚染された土地があんな高い金で買われたのか、まさに闇です。今回の幡ヶ谷防災公園についても、今のような答弁だったら区民は闇でしかないんです。私たちもわかりません。なぜ鑑定会社がですよ、条件もいい条件にしてですよ、汚染がないものとして評価した額が二十九億円と三十億円なのに、買い取った金が何で三十一億円なんですか。納得できないでしょう。そのことを改めて質問します。

 さらに、基本構想の問題ですけれども、改めてですね、策定前の区民の意識調査で今後、力を入れていく施策として区民が求めていたのは、高齢者福祉の充実、災害に強いまちづくり、緑化推進、さらに将来のまちづくりとして望んでいることの一番は、子どもを産みやすい、育てやすいまち、子ども、高齢者にやさしいまち、福祉が充実して安心して暮らせるまちで、渋谷駅の再開発とか宮下公園を公園でなくするとか、そういうことを一切区民は求めていませんので、こういうことについて区長はどう考えているのか。

 それから、障がい者のタクシー券と手当ですけれども、区長はタクシー券をカットするときに、いわゆる障がい者の意見も全く聞いていないではないですか。なぜ当事者の意見を聞かないのか理由を伺います。

 それから、商店街の問題ですけれども、今で十分などという認識は全く私は間違っている。なぜ、商店街の人たちが地域の住民のために頑張っているのか、祭りの支え手になっているのか、子どもの見守りの中心になっているのか、防犯パトロールの中心になっているのか、そういうようなことをですね、まさに目に見えないような力を、地域住民の安全や安心や日ごろの暮らしを守るためにですよ、頑張っているんですよ。そういう人たちになぜ手を差し伸べられないで大企業に手を差し伸べるのか、改めて伺います。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 五十嵐千代子議員の再々質問にお答えいたします。

 幡ヶ谷の、まず防災公園については、もう何度もお答えしているとおり、鑑定額との差については、売る人と買う人のと先ほど言ったとおりと。もっと前から言っているのは、土地の除去費用は売ってくれる人側の負担になっているわけですね。それを勘案してその金額になっているということで、妥当だというふうに申し上げています。

 それと基本構想について、どうも気に入っていただけないんだなということはわかったんですけれども、とにかく多くの人は福祉が前面に出ているというふうに感じているというふうに、僕は理解しております。

 その後るるあったお話に対して、ちょっと一括してお答えすることになりますけども、渋谷駅周辺の開発も宮下公園の開発も、一切みんなが反対していると先ほどおっしゃいましたけれども、賛成している方が大勢いるからここまで合意形成を得て、前に進んできているんです。そういった、御自分の意見を全ての人がそうだということは、やはりそれはちょっと言い過ぎなんじゃないかなというふうに、申しわけないけど言わざるを得ない感想を持ちました。

 以上、私からの答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 五十嵐議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 基本構想にかかわっての意見は、私の独断ではありません。区が実施した区民の意識調査で、高齢者の福祉の充実や子育てしやすいまち、緑化推進、こういうのを区民がアンケート、区がとったアンケートで上位を占めているということですから、そこを間違えないでください。

 それと幡ヶ谷防災公園も、売り主のことを勘案していると言う。じゃあ区民はどうなるんですかということなんですよ。区民に一切明らかにしないで売り主との話ということで、まさに豊洲だとか、今、何とか学園という問題と同じような状況ではないですか。

 私は、改めてこうしたやり方はやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。



○副議長(沢島英隆) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後五時三十分

   再開 午後五時五十分

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○議長(木村正義) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 三十一番薬丸義人議員。



◆三十一番(薬丸義人) 私は、シブヤを笑顔にする会を代表して長谷部区長、森教育長に質問いたします。

 質問に入る前に、一言申し述べさせていただきます。

 区長が所信表明で発言されたように、昨年十月、渋谷区は二十年ぶりとなる新しい基本構想を策定しました。二十年後の渋谷区を見据え「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を未来像としています。そして、平成二十九年に入り二月には、この未来像を実現させるための今後十年間の方向性を示す「渋谷区長期基本計画」及び三カ年計画である「渋谷区実施計画二〇一七」が策定されました。

 今定例会では、その初年度となる「平成二十九年度渋谷区当初予算案」が議案として提出されています。本区の今後二十年を見据えた初めの一歩です。長谷部区長が日ごろからおっしゃっているロンドン、パリ、ニューヨークと並ぶ成熟した国際都市をイメージしながら、しっかりと予算審議に臨んでまいります。

 ところで、話は変わりますが、今年も多くの新年会に長谷部区長は精力的に出席されていました。その数二百以上と伺っております。印象的だったのは、その大半で長谷部区長が皆さんに基本構想について熱く語られていたことです。その結果、策定からまだ半年もたっていませんが、既に多くの区民に「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」のフレーズが広まったように感じます。爆発的な広がりを見せている「渋谷ハチ公八本締め」とまではいかないかもしれませんが、新しい基本構想の理念が皆さんの心に残ったことは大変喜ばしいことであります。

 先週金曜日には渋谷区ホームページが一部リニューアルされ、七つのビジョンから成る渋谷区基本構想の動画が野宮真貴さんの歌声に乗せてアップされました。

 そこで、今回のシブヤを笑顔にする会の代表質問につきましては、予算議会ですのでまずは当初予算案についてお伺いしますが、その先は渋谷区基本構想に掲げられた七つのカテゴリー、政策分野別に質問を組み立てました。区長、教育長におかれましては、理想的な渋谷区実現のため、是非とも理想的な答弁をお願いしたいと思っております。

 それでは、質問に入ります。

 まずは平成二十九年度当初予算案についてです。

 一般会計予算の財政規模は、歳入歳出それぞれ九百二十六億五千二百万円と前年度当初に比べ八十一億円、率にして九・六%の増、特別会計を含めた予算総額は千四百二十二億二千万円と前年度に比べ九十一億四千三百万円、率にして六・九%の増となっています。歳入の大宗を占める特別区税は前年度に比べ微増、前年度大きく減となった特別区交付金についてはさらに一五%の減と大変厳しい状況の中、一般会計予算九百二十六億五千二百万円というのは過去最大の予算規模であります。

 こうした大型予算を編成されたことに、最初は驚きました。ただ、よく見てみれば、待機児童対策や福祉施策の充実など本区の抱える喫緊の課題に対処しつつ、区民福祉の増進や教育、文化の向上にもしっかりと力を入れた上で、さらに二十年後を展望した渋谷区基本構想の理念を具現化していくための予算措置であり、起債や基金を活用するなど歳入をしっかり確保した上で新たな取り組みを始めたものと理解しております。

 今回、平成二十九年度当初予算案の発表の直前には、冒頭にも述べましたが、三カ年計画である「渋谷区実施計画二〇一七」と「渋谷区長期基本計画」が示されました。全てが連動されていますので、基本構想を最終的に平成二十九年度当初予算案として落とし込むのは相当な御苦労もあったのではないでしょうか。

 そこで、まずは平成二十九年度当初予算編成におけるお考えを改めて区長にお伺いいたします。

 また、当初予算編成に関連し、歳入の大宗を占める特別区税について、大変危惧する状況が見られますので、あわせてお伺いいたします。先ほどの質問にも出てきたんですが、ふるさと納税についてであります。

 地方と都市との税収の格差を少なくするために、平成二十年の税制改正によって導入されたふるさと納税ですが、ここ数年はふるさと納税に対する返礼品として高額な特産品や家電製品が用意されるなど、本来の目的とは大きくずれてきております。最近はマスコミでも取り上げられ、先月半ばには高市総務大臣が、ふるさと納税の返礼品について「制度の趣旨に沿わないような品が送付されていることは問題」として、春ぐらいまでには改善策を検討するとしています。ただ、現状では法令による規制は困難との認識も示されました。

 地方都市において、ふるさと納税による増収がある一方で、本区のような都市部においては、他の自治体へのふるさと納税による税金の流出に歯どめがかかりません。一体幾らぐらいなのか、聞いてびっくりでした。平成二十六年は約七千七百万円でした。翌平成二十七年は倍の一億五千八百万円、そして平成二十八年は、何と約七億五千万円だそうです。たった二年で十倍にもなっていたのです。七億五千万円といえば、今回、平成二十九年度渋谷区当初予算案で示された区立全小中学校への児童・生徒、教師用にタブレット端末を一人一台、合計八千六百台渡して、さらに全ての普通教室に電子黒板機能つきプロジェクター二百八十七台配備するのとほぼ同額であります。それほどの額が、純粋に歳入から消えてしまったのです。

 さらにこのまま加速すれば、今後の保育園や特別養護老人ホームなどの整備計画、老朽化した施設の改築にまで影響が出かねません。ふるさと納税はきちんと認められた制度ですので、止めることはできませんが、区民の皆様には、このままだと区民サービスにも多大な影響を与えかねないことだけはしっかりと御認識いただきたいと思います。

 本区としては、この大きな問題をどのように捉えているのでしょうか。対抗手段として本区も何か品物を返礼すればよいというような話ではない気もいたしますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 続いて、ここからは基本構想の七つの政策分野ごとに質問いたします。

 まずは政策分野A「それぞれの成長を、一生よろこべる街へ。」、子育て・教育・生涯学習についてです。

 大きく五点お伺いいたします。

 初めに、子育てに関し、待機児童対策についてお伺いします。

 待機児童対策として、保育施設整備のほかに居宅訪問型保育としてベビーシッターの派遣、さらにシブヤ笑顔が提案した、やむを得ず認可外保育施設を利用することになったお子さんへの保育料助成についても、平成二十九年度当初予算案に計上されました。待機児童対策に対する区長、理事者、所管職員のスピード感を持った取り組みに敬意を表します。殊さら施設建設のための土地探しについては、所管を超えて全職員が情報収集に当たっていると仄聞しております。

 こうした待機児童に対する全庁的な努力の甲斐もあり、保育施設整備計画及び定員拡大に関しては平成二十九年度は単年で八百九名もの定員増が予算案に示されています。昨年度の三百三十六名、一昨年の三百六十九名の直近二年間の合計を大きく上回る計画です。

 ところで、保育施設がどんどんできていけば、保護者が次に心配されるのは保育の質についてです。本区では、これまでも渋谷区幼児教育プログラムに基づいた質の高い幼児教育・保育を提供していますが、平成二十九年度からはこれを改定して渋谷区就学前教育プログラムを策定し、さらなる質の向上を図るとしています。これまでシブヤ笑顔が提案させていただいた保育施設への立入調査についてもしっかり取り組んでいただくなど、安心してお子さんを預けることができる環境づくりの強化もお願いしたいと考えます。

 保育の質の確保について、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、青少年育成についてお伺いします。

 未来の渋谷を担ってもらう中学生、長谷部区長が日ごろからよくおっしゃっているようなシティプライド、つまり自分たちが暮らす渋谷に愛着や誇りをしっかりと持ってもらうためにも、もっともっと渋谷区に対して、こうしてほしい、ああしてほしい、といった声を上げてもらいたいと思います。

 そこで提案したいのが、「渋谷区未来議会」の開催です。例えば、区立中学校八校からそれぞれ二名の未来議員を選出してもらい、議場において質問や提案をしてもらうのです。選挙権年齢が十八歳に引き下げられていますので、各校の生徒会役員選挙で選出された会長と副会長が未来議員になるなどすれば、選挙や投票に対する生徒たちの関心は一層高まるのではないでしょうか。

 未来議会の議員は、議長以下全員中学生ですが、答弁者は区長、教育長を初め大人の理事者の皆様です。もちろん、大人が議長を務めるというのも選択肢としてはありです。未来議会、大人では考えつかないような提案が出てくるかもしれません。それらを実際に本区の施策に反映できればこんなにすばらしいことはないと思いますが、いかがでしょうか。

 一例として中学生に限定して申し上げましたが、中学生と高校生、あるいは中学・高校・大学生と範囲を広げていけば異世代交流にもつながり、未来議員がジュニアリーダーとして渋谷区の青少年を牽引してくれるようになるかもしれません。

 平成三十年度には新庁舎も完成します。今から準備を始めておき、新庁舎、新議場に移ってからは是非渋谷区未来議会も開催していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 もちろん、ここにいらっしゃる議員各位の御理解を賜ることが前提であることは重々承知いたしております。是非とも前向きに御検討いただければと思います。

 議会の話ではありますが、本区の議会の招集権は区長にありますので、長谷部区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、学校教育について二点お伺いします。

 初めに、ICT教育についてです。

 昨年第二回定例会で田中匠身議員がICT教育について、モデル校として先行する代々木山谷小学校での学習効果を踏まえて質問し、森教育長からは「実際の導入においては民間事業者に全て任せるのではなく、学校現場からの意見も取り入れ、メンテナンスやサポート体制も含め実践に即したアプリケーションを導入する」との答弁とともに、今後の方針を示していただきました。それが今回、当初予算案に計上された区立全小中学校へのタブレット端末、通信環境、電子黒板、デジタル教科書等の配備であります。渋谷区がICT教育に大きく踏み出したことを高く評価いたします。特に渋谷区の特徴は、LTE通信機能を備えたタブレット端末の導入により、いつでも、どこでも協働学習を可能にしたことです。

 代々木山谷小学校の実証では、自宅や校外学習においても児童の学習意欲を向上させたことが大きな成果でした。二月八日に代々木山谷小学校で開催されたICT教育モデル校公開授業には、他の自治体の教員、行政職員、教育分野にかかわる民間事業者など百五十七名の来訪者があり、注目の高さがうかがえます。また、一月二十八日のICT機器を活用した学習の公開授業には、二百名を超える保護者、地域の方々が訪れたそうです。

 タブレットを使用した授業では、全ての班あるいはクラス全員の意見を一斉にプロジェクターで投影できるため、みんなが達成感を持って楽しく授業に臨める一方で、課題もあるように感じます。それは、タブレットに児童が書き込みをする際、全ての端末が同期するためか、一筆書くごとに待ち時間が生じてしまうことです。本格導入に当たっては、子どもたちがストレスなく学習を進められるよう万全の整備をお願いしたいと思います。

 そして、もっともっと重要なのが、授業中に必ず端末操作で手間取る児童がいることです。「ペン入力に変わらない」「画面が開かない」「修正ができない」などです。そのたびに教員が手を貸し、授業全体がストップします。巡回して機器を保守するスタッフとは別に、授業中のサポート員の配置は必要不可欠と考えます。

 そこで、教育長に質問いたします。

 代々木山谷小学校でのICT教育の実証は大きな成果が上がったと思いますが、全校導入に当たりこの成果をどのようにステップアップさせていくのか、今後の展開をお示しください。

 また、昨年の質問で、中学校への導入についてはまずモデル校を設置するとの答弁でしたが、今回の予算案では全校一斉配備となりました。導入に当たってどのような体制でノウハウを構築し、また、効果を検証していくのかお伺いいたします。

 さらに、全校への導入に際しては小中学校ともに授業サポート員の配置を強く要望いたします。情報機器の専門家でなくても、大学生や現役を離れたIT企業のOB、OGによる有償ボランティアで十分に役割を果たせるはずです。大学生といっても、好きなときに好きな時間だけ手伝う無償ボランティアのSAM(スクール・アシスタント・メンバーズ)では難しいと考えます。有償であるかわりに責任を持ってシフトに入ってもらい、児童・生徒の機器操作を補助しながら時には学習のアドバイスや勉強のコツを教えてあげられる人がよいと思います。

 教員にとっても、ほとんどの方が初めてICT教育に携わることになると思いますので、機器の活用に不安があるはずです。児童・生徒の機器操作をサポート員に補助してもらい、さらには「授業中にこの作業はつまずきそうだから一緒に見ててヘルプしてね」とか「これをこんなふうに使いたいから一緒に準備してくれる」など教員とサポート員が一緒に活用を考え、授業をつくっていくことができれば格段に効果が上がるでしょう。教員が過度の負担から解放され、本来の目的である創造的な授業が実現できるようになると考えますが、いかがでしょうか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 二点目は、小学校の調整区域の見直しについてです。

 渋谷区では、特色ある学校づくりや地域に開かれた学校づくりを推進し、区民から信頼され、選ばれる学校づくりを図ることを目的に、小中学校に入学する際に通学区域外の学校への入学を希望することができる学校選択希望制を平成十六年から導入しています。この制度により、各校において指定校への入学希望者数を調べ、受け入れ可能人数を超えない範囲で学区域外のお子さんも入学が可能となります。また、通学区域の学校、つまり指定校を希望する人は、各校の受け入れ可能人数にかかわりなく全員入学できます。つまり、希望者数が多ければクラス数を増やすということです。

 ところで、この通学区域ですが、一部に調整区域が設けられています。調整区域とは、通学の距離などを考慮し指定校の変更ができるという教育委員会が定めた区域で、十四の区域が指定されています。

 ここで、来月小学校に入学する子どもの保護者から、先日、岡田麻理議員が直接聞いた話を紹介します。

 その御家族は臨川小学校のすぐ目の前にお住まいです。お子さんの小学校入学に当たり、校風や通学距離から臨川小学校を希望しましたが、その地域は学校からほんの十数メートルの距離にもかかわらず、通学区域に入っていないばかりか調整区域にも入っていなかったため、選択希望制での入学希望となりました。一昨年、昨年に続き人気が高かった臨川小学校ですが、受け入れ可能が今年はなぜか一クラス。通学区域内のお子さんで受け入れ可能数がほぼいっぱいとなり、倍率の高い抽せんとなったようです。その結果、教育委員会から届いた連絡は自宅から五百メートル離れ、駒沢通りを横断する指定校、つまり広尾小学校への入学という内容でした。

 この通学区域ですが、その昔、臨川小学校のすぐ横に「いもり川」という川が流れており、その川が境になっていたとのこと。現在は暗渠となっており、その下が川だということを知らない人のほうが多いくらいです。また一方で、駒沢通り、正しく言えば駒沢通りは渋谷橋が起点なので、駒沢通りの延長、南青山を結ぶ都市計画道路補助五号線ですが、こちらは昭和三十九年の東京オリンピックのときに整備された道路です。つまり、通学路が指定された当時はこの広い道路もなかったのです。

 今回の代表質問にこの項目を入れるために、岡田麻理議員が渋谷区の大きな地図を広げ、全ての区立小学校の通学区域と調整区域を色分けして調べてくれました。私もその見事に色分けされた地図を一緒に見ましたが、細かく調べていくと、調整区域がほかに比べて広い地域がありました。神南小学校と渋谷本町学園です。恐らく旧渋谷、大向、大和田の三小学校、そして本町と本町東両小学校の地区の一部を調整区域として指定されたようです。

 この調整区域、通学の距離などを考慮して定めていますが、そのほとんどが相当前の道路や住宅事情をもとにしたものなのではないでしょうか。例えば、山手通りの拡幅等によって道路環境は大きく変わりましたし、それに伴って集合住宅も増え、人口が大幅に増加した地域などもあります。

 そこで、教育長にお伺いします。

 通学区域を変えるのは混乱を招きますので、住宅事情や近年整備された道路事情などから子どもたちの通学路の安全性を考慮するなど、小学校の調整区域について改めて見直しをされてはと思いますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 この質問ですが、そもそもは、今度も二クラスであろうと地域の皆さんが確信していた臨川小学校の受け入れ可能が一クラスと発表されたことに端を発しています。今回は、二週間前の二月十五日に指定校の入学希望者が出たために二クラスになることが確定し、ぎりぎりで臨川小入学の願いはかなったようです。この受け入れ可能数ですが、教育委員会ではどのように決定されたのでしょうか、あわせて教育長にお伺いいたします。

 続いて、ダイバーシティとインクルージョン教育の推進について三点お伺いいたします。

 一点目、二月十三日に「セクシャルマイノリティの子どもたち〜親子の視点から」をテーマに、渋谷区議会議員研修会が開催されました。講師は本区のパートナーシップ証明書発行に携わり、渋谷区男女平等・多様性社会推進委員でもある杉山文野さんと彼のお母様。性同一性障がいの当事者である杉山さんがこれまで歩まれてきた道のりは、私の想像をはるかに超える厳しいものでありました。さらに、杉山さんも初めてだという親子共演。お母様のお話は、家族のきずながしっかりと伝わる温かいものでした。

 杉山さんの講演では、LGBTと総称されるセクシャルマイノリティの方々というのは、例えば血液型がAB型の人と同じくらいの割合、あるいは左利きの人よりちょっと多いくらい、あるいは佐藤さん、鈴木さん、高橋さん、田中さんの日本の名字トップフォーの合計と同じくらいの割合で、実は身近に結構いるということ。

 また、中学生のころに生きづらさを感じてしまう人が多いこと、現在はLGBTに関する書籍が図書館に置かれるようになったけれども、履歴が残ってしまうことを心配して本を借りることができない人が多いこと。ちなみに、これは保健室に本を置くのがよいと話されていました。それから、トランスジェンダーの場合、見た目の性別が変わっても要件を満たさなければ戸籍上の性別を変更できないので、身分証明書を提示してもかえって本人だと理解してもらえないことなどをお話しくださいました。

 中でも、中学生のころに生きづらさを感じたという話が私の心に残りました。もし彼ら、彼女らの多くが同じ思いであるのならば、その時期に当事者の話を直接聞くことはとても意味のあること、大切なことだと思います。

 本区においては、既に教員向けのLGBT研修が実施されていますが、中学生向けの当事者による講演会の開催についてはいかがお考えでしょうか、教育長にお伺いいたします。

 ダイバーシティとインクルージョン教育の推進の二点目は、渋谷区公認の「企業版アライ」の認定についてです。「アライ」とはアライアンス、支援者、理解者のことです。

 多様性社会の実現を目指し、積極的な取り組みを行っている区内企業や事業所、店舗に自己申告していただき、渋谷区がそれを認定するというものです。認定企業にはレインボー・アイリスのステッカーなどを作成して店舗、事業所に張っていただくのはいかがでしょうか。

 こうした取り組みの中で今、話題となっているのが、住宅情報サイト最大手の「SUUMO」による「LGBTフレンドリーの宣言をしている不動産業者」の検索サービスです。LGBTフレンドリーとは、LGBTの方々に対して温かく開かれていることで、同社では今月からこうした事業者の登録を開始し、夏ごろまでに住宅情報の検索ワードに加えるそうです。

 大手企業には、こうした動きが増えてきました。渋谷区でパートナーシップ証明書が交付されてから一年半、様々な取り組みが全国に広がってきています。是非今後もこうした取り組みを渋谷区がリードしていただきたいと考えます。そんな思いで提案させていただきました。

 企業版アライの認定により、大手企業のみならず中小企業、事業所、店舗にもこうした取り組みや理解のすそ野が広がることを期待しております。LGBTの方たちも、ステッカーがあるカフェやお店では自分らしくいることができ、そうしたステッカーが区内に広がっていけばより安心して生活できると思いますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 さらに、その年に認定された取り組みの中からすぐれたものを幾つか選び出し、年一回、表彰してその取り組みを紹介するのもよいと思います。「いいね」とか、「それならうちでもできそうだ」などと一層の広がりを見せるかもしれません。表彰式は、渋谷区もブースを出展予定の東京レインボープライド会場がぴったりと考えますがいかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 ダイバーシティとインクルージョン教育の推進の最後、三点目は、フリースクールとの連携についてです。

 昨年十二月半ば、シブヤを笑顔にする会のメンバー五人で大阪府池田市のフリースクール「スマイルファクトリー」を視察してきました。スマイルファクトリーは池田市から委託を受け、出席日数の認定など原籍校と連携した上での不登校児童・生徒のためのスクーリングのほか、ひきこもり、学習障がい、注意欠陥障がい、発達障がいなど、子どもを取り巻く様々な問題に関する教育相談事業を平成十五年から行っています。設立当時はもちろん、現在でも市や教育委員会が場所を提供し、NPOに運営を委託するというのは珍しい形態です。実態は、多くのフリースクールがその存在すら把握されていないそうです。

 そんなフリースクールですが、大きな変革の時期を迎えました。ちょうど視察に訪れる一週間前の十二月七日、教育機会確保法が参議院本会議で可決・成立したのです。これはフリースクールなど学校以外の場所で学ぶ不登校の子どもたちの支援を目的としたもので、多様で適切な学習活動の場や個々の子どもの休養の必要性−−お休みですね、休養の必要性などについて、国や自治体が子どもや保護者に情報提供できることになりました。スマイルファクトリーの白井智子校長先生の言葉をかりれば、初めて公的にフリースクールが認められた瞬間であります。

 本区においても、今後は区内のフリースクールとしっかりと連携をとっていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。今後の取り組みや連携のあり方について教育長の御所見をお伺いいたします。

 子育て・教育・生涯学習分野の締めくくりに、生涯学習活動の推進についてお伺いいたします。

 今回提案させていただくのは、グループや団体などの学習会に区職員を講師として派遣する出前講座です。区政をより身近に感じてもらうために、区職員が直接学習会場に出向き、本区の施策、取り組みや制度、事業などについて専門知識を生かしてわかりやすく説明するものです。

 出前講座を行っている自治体は結構多く、講座のテーマを数百用意しているところもあります。決められた日時に決められた場所に行って学習する参加申し込み型講座ももちろん有意義でありますが、グループや団体が「今度こんなことを勉強したいから講師を派遣してもらおう」と自分たちで勉強テーマを選んでいくことも、生涯学習のあるべき姿のように感じます。

 既に学校向けに選挙管理委員会や「ハチラボ」などが事業の一環として出前講座を開催していますが、是非渋谷区全体で取り組んでいただければと考えます。まずは平成二十九年度は、各所管においてどのようなテーマが設定できるかを検討してはいかがでしょうか。

 生涯学習ですが、全庁的なことですので、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、政策分野B「あらゆる人が、自分らしく生きられる街へ。」福祉についてお伺いいたします。

 認知症に対する地域支援体制の充実が、基本構想の福祉分野の重点項目として挙げられています。認知症サポーターの数を五年後に一万五千人、十年後には二万人に増やすことが成果指標として掲げられ、区長所信表明でもメール配信を活用したSOSネットワークの構築について述べられました。

 ところで、認知症サポーターの本部機能を担うNPO法人地域ケア政策ネットワークの報告書によれば、平成二十八年十二月末日現在の認知症サポーターの数は全国で八百四十九万七千百九十四人、約八百五十万人で、そのうち約百七十万人は学校で受講してサポーターとなった生徒たちです。学校内訳別を見て、ちょっとびっくりしました。最も多かったのは小学生サポーターだったのです。その数約六十八万人、四〇%を占めています。次が中学生で約六十万人、以下高校生、大学生、専門学校生、教職員と続きます。

 地域全体で認知症高齢者やその家族を支えられる体制を整えていくためには、より多くの人に認知症に対する正しい知識を身につけて行動してもらうことが肝要であります。渋谷区においても区立中学校でサポーター養成講座を既に開始しておりますが、これらのデータを見ますと小学生サポーターを養成していくことも必要と考えますが、いかがでしょうか。

 ちなみに、二月十八日に総合ケアコミュニティ・せせらぎで開催された認知症フォーラムでのサポーター養成講座も、参加資格は小学校高学年以上でした。小学校での認知症サポーター養成講座の実施、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、政策分野C「思わず身体を動かしたくなる街へ。」健康・スポーツについてお伺いいたします。

 基本構想で示された十五平方キロメートルの運動場、スポーツセンターなどを新たに整備するのでなく、渋谷区そのものを十五平方キロメートルの運動場として捉えた逆転の発想は見事でした。

 長期基本計画では、日常生活の中でいつでも気軽に安心して散歩できるような歩行空間の整備が基本目標の一つに掲げられています。歩くことは、健康維持に直結します。是非「思わず身体を動かしたくなる街」をつくり上げていただきたいと思います。

 さらに、健康づくりの場所として公園を加えるのはいかがでしょうか。公園への運動遊具、健康遊具の設置の推進です。最近は子ども用の鉄棒、ブランコなども少なくなってきました。子どもの体力づくりも必要です。また、シニアの皆さんも身近な公園でいつでも気軽にストレッチや屈伸、ひねりなどの様々な運動ができます。ウオーキングの後に利用したい方も結構多いのではないでしょうか。

 これまでに、私だけでなく伊藤毅志議員からも機会があるごとに提案させていただいていて、健康遊具につきましては少しずつ増えてきているものの、まだまだほんの一部にすぎません。是非積極的な導入をお願いしたいと考えますが、いかがでしょうか、運動大好き長谷部区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、政策分野D「人のつながりと意識が未来を守る街へ。」防災・安全・環境・エネルギーについてお伺いいたします。

 災害に強いまちづくりの推進に関し、二点提案させていただきます。

 一点目は、災害時における小型無人航空機「ドローン」の活用です。ドローンにつきましては、防災訓練などで既に活用している自治体がマスコミに取り上げられていますので、御存じの方も多いと思います。実際に災害が起こったときに、高所カメラでは死角があるなど全てを網羅できないこと、東京消防庁などのヘリコプターは数が絶対的に足りないことなどから、ローコストで小回りがきくなどの機動性にすぐれたドローンは大変有効なツールであります。

 このドローンですが、通常のビデオカメラを搭載して被災状況を撮影するだけでなく、サーモカメラを搭載すれば倒壊家屋の中に要救助者がいないか体温を感知して調べることもできるそうです。さらに、カメラ以外にも水や食料、通信機などの救援物資を運ぶこともできます。渋谷区には高層ビルや高層マンションも多く、こうした建物に対しては屋上などに物資を運ぶことも可能です。

 本区においてもドローンの活用について、長期基本計画の中で「災害に強いまちづくりの推進」としてその施策の方向性がうたわれておりますが、首都直下型地震はいつ起こってもおかしくない状況にあります。折しも今定例会から、この議場にも防災用ヘルメットが配備されました。準備は大切です。五年十年の長期計画と言わず、少しでも早く導入し、訓練を重ねることが大切なのではないでしょうか。

 平成二十九年度の渋谷区総合防災訓練は参加体験型の渋谷防災フェスとして、開催日数も二日間に拡大が予定され、多くの区民、在勤・在学者、来街者の参加が見込まれます。ここでドローンの飛行や物資運搬のデモンストレーションを行えば、いざ災害のときには渋谷区はドローンを使用するんだということを参加者にアピールできる絶好の機会になると思いますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 災害に強いまちづくりの推進の二点目、「五日で五千枚の約束」というフレーズを御存じでしょうか。これは災害時に全国の畳店から避難所に新しい畳を無料で届ける活動のタイトルです。このプロジェクトの活動報告によれば、昨年四月十四日に発生した熊本地震では、翌十五日夜にはプロジェクトメンバーが現地入りし、十の市町村、約八十カ所の避難所を巡回。その際、各避難所の運営担当の方と打ち合わせを行い、畳の必要性の確認と届ける枚数の提案をし、以降十九日の益城町への第一便からスタートし、全国から熊本の避難所へ六千枚以上の畳を届けたそうです。「これらの畳が避難所という過酷な環境をほんのわずかでも和らげたなら、メンバー一同うれしく思います」とのコメントが残されていました。避難所の大半は、学校の体育館や公民館などです。そこに畳が敷かれたら高齢者や子どもたちもうれしいことでしょう。

 日本のどこかで災害が起こったときに、新しい畳を被災地に届ける。ただ、いつごろどこに届けるのがよいのか、これは被災した地域にしかわかりません。そこで、このプロジェクトでは災害時の活動をスムーズにするためには自治体と協定を結んだほうがよいと考え、現在、百以上の自治体と防災協定を結んでいるそうです。二十三区では足立区と台東区が締結済みで、今後も増えていくとのことでした。

 そんな「五日で五千枚の約束」プロジェクトですが、先日、小柳政也議員が広尾小学校で開催された町会主催の餅つきの際に、このプロジェクトに参加している畳店の方から聞いた話では、「渋谷隣交町会と連携を図り、避難所となる広尾小学校に新しい畳を届ける」とのことでした。それならば渋谷区がこのプロジェクトと防災協定を結んで、いざというときに全国の畳店から畳を受け取り、それを区内の各避難所に届けたらどうかと思いました。区では畳を受け取る場所を確保し、可能なら運送事業者の協力を得て運搬をスムーズにする仕組みをつくったりすると、よい運用ができるのではないでしょうか。

 万一に備え本区も防災協定を結んで、いざというときに畳を受け取れるよう準備してはいかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、政策分野E「愛せる場所と仲間を、誰もがもてる街へ。」空間とコミュニティのデザインについて二点お伺いいたします。

 初めに、コミュニティが育つまちづくりの推進としての歩行者空間確保事業についてです。

 昨年のハロウィンとカウントダウンは、従来とは全く違う形式となりました。これまでは大きなイベントのたびに大混乱となっていた渋谷駅前スクランブル交差点、毎年渋谷警察署を筆頭に警視庁の全面協力のもと、信号が変わるたびに歩行者を歩道に上げ、車両が事故なく通行できるよう警察官が列をつくってロープを張り、道路を確保していました。車道に出ようとする若者とそれを止める警察官、そしてその横を通り過ぎる車、いつ事故が起こってもおかしくない状況です。

 そこで、逆転の発想です。昨年のハロウィンでは十月二十八日から三十一日の夜間、道玄坂と文化村通りの一部を歩行者天国としたのです。さらに、一番の人出が予想される十月三十一日には、渋谷区観光協会がかかわるシブヤハロウィン実行委員会が代々木公園イベント広場においてシブヤハロウィンフェスを開催したことにより、人を分散することができました。

 そして迎えた年末のカウントダウンです。ハロウィンのように何日も人がやってくるのではなく、二〇一六年から二〇一七年へ変わるその一瞬のために人が渋谷に集まってくるのです。例年は自然発生的に行われてきたカウントダウンですが、今回は渋谷区、渋谷区商店会連合会、渋谷駅前エリアマネジメント協議会から成る「渋谷カウントダウン実行委員会」主催のオフィシャルイベントとしての実施でした。年越しの約四時間、スクランブル交差点を含む渋谷駅周辺を広範囲にわたり車両通行止めにしたおかげで、交通警備は例年のような緊張感張り詰めるものとはならなかったようです。小さなトラブルはあったと聞きましたが、大きな事件、事故もなく、ほっと一安心だったのではないでしょうか。

 そこで、昨年のハロウィンとカウントダウンについての評価と課題、さらにこれからの両イベントと歩行者天国のあり方について区長にお伺いいたします。

 また、カウントダウンにつきましては、昨年七月には渋谷・東地区まちづくり協議会の代表の方々とともに伊藤毅志議員が、世界で最も有名なカウントダウンが行われるニューヨーク・タイムズスクエアを訪れ、カウントダウンの主催団体であるタイムズスクエア・アライアンスの代表者に長谷部区長から預かった親書を渡し、提携を申し入れしたと伺いました。その後の進展はいかがでしょうか、あわせて御答弁のほどお願いいたします。

 二点目は、快適な交通環境の整備に関して、ハチ公バスについてお伺いいたします。

 渋谷区実施計画二〇一七において「新庁舎完成時期に向けて、現行の仮庁舎を重視した運行ルートについて、新庁舎を利用しやすいルートに変更することを計画し」とあります。ただ、仮庁舎を重視した運行ルートと言っても、実際には「夕やけこやけルート」が仮庁舎を経由するようになっただけでした。そう考えると、新庁舎を利用しやすいルートに変更するというのは、以前のルートに戻すだけなのではと不安が頭をよぎります。考え過ぎでしょうか。

 ところで、このハチ公バスに関しては、これまでも「逆回りルートも設定してほしい」「乗り換えができるようにしてほしい」「広尾ルートをつくってほしい」「丘を越えてルートは区役所まで延ばしてほしい」「運行本数を増やしてほしい」「定期券をつくってほしい」「いや、それよりもシニアは無料にしてほしい」、さらには「区内観光名所を巡るハチ公観光バスを走らせてほしい」などなど、本会議や委員会等で本当に多くの提案をさせていただきました。それもこれもハチ公バスが本当に身近な交通手段として区民の皆様に親しまれ、その結果として多くの要望が寄せられたからにほかなりません。

 所管が福祉部から土木清掃部に移管されたときには、福祉目的のハチ公バスはこの先どうなるのかと考えたりもしましたが、長期基本計画において「福祉的な観点」という文言がきちんと明記され、安心したところであります。

 そこでお伺いいたしますが、長期基本計画の中で「南北方向への移動が不便」「現行四路線の再検証」など今後のハチ公バス再編のキーワードが書かれていますが、具体的にはどのような見直しを検討されていらっしゃるのでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、政策分野F「あらたな文化を生みつづける街へ。」文化・エンタテイメントについてお伺いいたします。

 渋谷駅周辺の様々なところで音楽、アート、ダンスなどの様々なイベントが開催されています。実施計画二〇一七によれば、渋谷ズンチャカ!、渋谷芸術祭、渋谷ストリートダンスウイークが継続されるほか、来年度からは新規事業としてショートショートフィルムフェスティバル&アジア、そして、これまで丸の内国際フォーラムで開催されていた東京ジャズも渋谷で開催されることが記載されており、大変楽しみであります。

 そんな様々なイベント、それぞれ詳細を調べていると共通点を見つけました。それは、ほとんど秋に開催されているのです。渋谷ズンチャカ!、九月初め、渋谷芸術祭、十一月初め、渋谷ストリートダンスウイーク、十一月下旬、東京ジャズ、九月初め。ちなみに、ハロウィンは十月末です。区が大きくかかわっているイベントだけ見ても、見事に九月から十一月に固まっています。事業概要に載っていないイベントも含めれば、かなりの数になるのではないでしょうか。そういえば渋谷区最大のお祭り、ふるさと渋谷フェスティバルも十一月です。

 一年中いつ来ても十分楽しめる渋谷ですが、観光向けにあえて文化芸術三昧、秋の渋谷を国内外に発信してみるのはいかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 最後に、政策分野G「ビジネスの冒険に満ちた街へ。」産業振興についてお伺いいたします。

 平成二十六年に産業競争力強化法が施行され、区市町村が策定する創業支援事業計画を国が認定するスキームができました。渋谷区も平成二十七年十月に区内の支援事業者、金融機関らと組んで策定した創業支援事業計画が経済産業省から認定を受け、これにより支援を受けた創業者は、株式会社の設立登記に係る登録免許税が資本金の〇・七%から〇・三五%に軽減されたり、信用保証協会の創業関連保証における枠の拡大と創業六カ月前からの前倒し実施が可能になるなどのメリットを受けることが可能となりました。また、運用に当たっては商工観光課にワンストップ窓口を設置して、相談員が創業者たちの抱える事業内容や資金面での課題に対しきめ細かく対応されていると伺っております。

 認定連携創業支援事業者としても、株式会社OCL、日本政策金融公庫渋谷支店及び東京商工会議所、東京都行政書士会、東京都社会保険労務士会の各渋谷支部、さらに西部信用金庫、八千代銀行、第一勧業信用組合、渋谷区勤労者福祉公社が名を連ね、起業や経営の相談及び金融支援、各種申請や手続の助言、セミナーや交流会等を行い区としっかりと情報交換、情報共有を図るなど、盤石の体制で着実に創業希望者を創業につなげていることを評価します。

 平成二十七年十月に認定を受けてから、事業を開始して一年余り。起業、創業の評価には最低でも数年かかることは承知していますが、ひとまずこの一年の振り返りと今後の方向性をお示しください。

 また、基本構想の中で「渋谷区は、大きなビジネスと小さなビジネスが理想的に協働する街を目指します。」とうたわれております。この渋谷で生まれたばかりの小さなビジネス、是非様々なマッチング機会をつくって事業連携につなげていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 さらに、個室を前提としたインキュベーションオフィスだけでなく、オープンな空間を共有し、共同のミーティングルームやイベントスペースも備え、各個人が独立した事業を営みながらお互いに情報やアイデアを交換したり、時にはタイアップしてビジネスをすることもできるコワーキングスペースなどを整備すれば継続的な事業支援が可能と思いますが、いかがでしょうか、あわせて区長の御所見をお伺いいたします。

 以上、長谷部区長、森教育長に御質問いたします。御答弁のほどよろしくお願いいたします。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、薬丸義人議員の代表質問に順次お答えいたします。

 まず、平成二十九年度当初予算案についてです。

 先ほどの所信表明において基本的な考え方につきまして申し述べたところですが、改めてお話をさせていただきたいと思います。

 まず、予算の規模についてですが、これまでも渋谷区は、その時々の行政課題に適切に対応する予算編成を行ってきました。近年には経済情勢の中で、景気が回復する中、行政改革への取り組みと相まって、本定例会に提出いたしました平成二十八年度補正予算の内容を含めますと過去四年間で約二百五十億円の基金積み立てを行うことが可能となりました。

 本予算案は、桑原前区長が区議会と協力して進められた手厚い福祉・教育施策を継承しつつ、今後の区政をどのように展開するか考えて策定したものです。これまでの政策を大切にしながらも、社会の変動に対応する待機児童対策等の施策、そして何よりも、基本構想が目指すロンドン、パリ、ニューヨークに並ぶ成熟した国際都市を、急速に変化が加速する渋谷に実現するにはどのような取り組みが必要か、その答えが基本構想の実現に大胆に踏み込む、昨年度当初に比べ八十一億円増となる大型予算です。

 次に、予算編成でお示しした施策の方向性です。

 従来の手厚い福祉政策については、本町東小学校跡地複合施設の建設、高齢者ケアセンターの建替えなど重視する方向性を継承していきます。

 社会の変動による喫緊の課題である待機児童対策などについては、本予算で八百人規模の保育枠を確保するなどより迅速に対応するとともに、ベビーシッター派遣など新たな取り組みも始めます。

 そして基本構想の実現に向けた新たな取り組みとしては、ICT教育の充実や基本構想を浸透させるためのワークショップ、区民とのコミュニケーションを充実化させるホームページ等の改善、地域の活性化を目指す新たな取り組み、そして公民や学の連携のかなめとなる(仮称)渋谷未来デザイン会議の設立準備など、基本構想の理念に沿って、渋谷にかかわる全ての人がシティプライドを持てるまちづくりを目指していきたいと考えています。

 最後に財政面での手当てですが、先ほど申し上げましたとおり、近年積み立てた基金を一部活用するほか、世代間の負担の公平性も考慮し、本町東小学校跡地複合施設について特別区債を活用いたします。さらに、新たな歳入確保の手法や歳出抑制策についても、今後とも検討を重ねていきたいと考えています。

 次に、ふるさと納税に関するお尋ねです。

 現在では制度も定着しておりますが、自治体間の寄附金獲得競争は加熱の一途をたどっています。近年の返礼品の豪華さは行き過ぎの感もあり、御承知のとおり、国からたびたび注意喚起がなされ、また、多方面から本来の趣旨から外れるとの批判もあるところです。

 議員御発言のとおり、年々ふるさと納税の影響は大きくなっています。来年度の影響額見込みは本年度の約二倍の十四億六千万円ともはや看過できないレベルにあり、こうした事情は各区に見られることから、区長会では制度が抱える問題点と改善策について議論を深めることや、国への要望等を検討課題としているところです。

 しかし、本区にとって重要なことは、渋谷区基本構想に明示されているように、基礎体力がしっかりした自治体を目指し、安定した財政基盤を確保することによって持続可能な行財政運営を実現することだと考えます。そのためには、本区に集まる全ての人の能力、構成をまちづくりの原動力にすること、すなわち「ちがいを ちからに 変え」これまで以上にまちの魅力を高め、世界中の多くの人が憧れる住みたいまちへと成長させていくことが必要です。

 今、本区はシブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー制度(S−SAP)を通じて企業、大学等の各種主体と地域課題解決の連携体制強化を図りつつあるほか、産官学民連携のまちづくり組織「(仮称)渋谷未来デザイン会議」設立に向けた取り組みを本格化するなど、様々工夫を凝らし、民間の発想や資金を取り込み、まちの魅力をアップさせていく仕組みづくりを進めています。

 取り組むべきは、人種、性別、年齢を超えて、区民の皆様はもとより本区に集まりかかわる人々が本区の発展のために力をあわせていくことであり、その仕組みの確立であると考えます。

 次に、基本構想の七つの分野ごとのお尋ねです。

 まず、政策分野Aの子育て・教育・生涯学習分野のうち、子育てに関して、保育の質の確保についてのお尋ねです。

 所信表明でも申し上げたとおり、良質な保育、教育の基礎となるのは、何よりもまず質の高い人材の確保です。今年度より実施している「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」は、これまで国及び東京都の制度では採用後五年以内の職員を対象としていたものを、区独自に採用後六年目以降の職員も補助の対象とすることにより、中堅保育士や豊富な経験を有する保育士についても確保、定着及び離職防止を図ることを狙いとしています。

 さらに、こうした人材確保のほか、施設開設後の保育の実施状況等についても、東京都と連携した指導検査による助言、指導や、事前に保育施設に連絡することなく公立保育園の園長経験者や指導検査担当職員が巡回訪問し、職員体制や園児の安全面、衛生面から適切な保育環境が保たれているかなど保育内容全般を確認し、必要な助言等を行う取組みなどを進めているところです。

 また、子ども総合支援センターでは、要配慮児に対して保育士による適切な療育が実施できるよう、チーフアドバイザー、保育士、臨床心理士等の専門職がチームを編成し、新設の保育園を初め各保育施設を巡回訪問しています。巡回訪問では、保育士に対して子どもの状況に応じた保育の方法や保護者対応などの助言、指導を行っていますが、平成二十九年度からはさらに巡回チームを拡充させ、よりきめ細やかな保育所等への支援に取り組んでいきたいと考えています。

 増加する保育需要への対応策としての保育施設整備と保育の質の確保は、車の両輪となる重要な課題と認識しています。引き続きこれらの取り組みなどを通して良質な保育環境を確保し、あらゆる家庭が安心して子育てができる環境整備を推進していきます。

 次に、「渋谷区未来議会」の開催についてのお尋ねですが、以前、本区では、「しぶや子ども区議会」を実施していたと聞いております。

 私は、渋谷に暮らす中学生を初め青少年たちが渋谷に愛着や誇りを持ち続ける中で、各々の分野で活躍してほしいと願っています。現在、区立小中学校の授業の一環として、議場を含めた庁舎見学や様々な質問にお答えするなど、自分たちが暮らす渋谷に関心や興味を持ってもらえるような機会を設けています。

 議員御提案の「渋谷区未来議会」は、自分の暮らすまちのことを考えるとともに渋谷に愛着や誇りを持ち、将来の主権者を教育するための取り組みになると考えます。また、中学生ならではの発想やアイデアは、将来の魅力ある渋谷を目指す上でのヒントや手がかりになることも期待できます。

 「渋谷区未来議会」については、新庁舎への移転後、区議会の御意見を踏まえ、教育委員会とも協議し検討したいと思います。

 次に、「企業版アライ」の認定についてのお尋ねです。

 先ほど渋谷区議会公明党の栗谷議員にもお答えしたとおり、渋谷区では多様性社会実現に向けて、LGBTに関する啓発活動に積極的に取り組んでいます。

 御指摘のとおり、区民や区職員だけでなく企業、事業所、店舗でのLGBTダイバーシティ&インクルージョン推進は不可欠だと認識しています。そのため、新年度は「LGBTアライ宣言」を行う区内の企業や事業所に対して、店頭で展示できる小型POPツールを配付し、後押しする予定です。現在のところ、店頭での掲示が難しい店舗もあることから、店舗のレジ横や企業の受付などに置いてもらえるような小型の紙製スタンドを想定しています。そして、できるだけ多くの企業などが気軽に「LGBTアライ宣言」をしていただけるよう、まずは認定だけでなく、事業者からの宣言に応じてPOPツールを提供する形をとりたいと考えております。

 LGBTフレンドリーな事業所が可視化されることを通じて、LGBT当事者は理解の広がりが見えて暮らしやすさを感じ、また、未着手の企業や事業所が新たに取り組むことを期待しています。将来的には、このようなアライ宣言を行った事業所の情報を活用して、すぐれた取り組みを選出し、表彰することが可能となると考えています。

 なお、東京レインボープライドへの出展ですが、本年度はまず会場での条例及びパートナーシップ証明書の周知活動に注力したいと考えていますが、御提案については前向きに検討させていただきたいと思います。

 次に、生涯学習活動(出前講座)に関するお尋ねです。

 自治体職員が講師となり、学習者の希望に沿った時間帯に学習者の確保した会場に出向き、所掌事務に関する内容等の講義を行う出前講座は、今から約二十年前、埼玉県八潮市での取り組みが始まりとされ、今では広く実施されている自治体施策の一つとなっています。

 ライフスタイルが多様化する中で、区民の生涯を通じた学習ニーズも多様化しており、この状況に対応した情報提供や相談体制、学習機会の提供等の強化が求められています。出前講座は事前の打ち合わせにより学習者のニーズにマッチした講義内容を実現できるだけでなく、講座内容が所掌事務に関する情報提供の意味合いを持つことから、区政の透明性確保につながるなど、他の参加申し込み型の教養講座にないメリットがあり、学習ニーズの多様化に適した取り組みであると認識しています。

 一方、出前講座は、こうした特徴により実施時間帯が夜間や休日に集中しがちであり、実施に当たっては職員や職場の勤務体制について十分に調整していく必要があります。議員御提案の各所管が実施可能な講座のテーマを検討することも、施策としてつくり上げていく過程では必要ですが、まずはそれら課題について、他区の状況などを参考にしながら検討を進めてまいります。

 次に、小学校での認知症サポーター養成講座実施についての御質問です。

 超高齢社会の到来を目前に控える中、高齢者の四人に一人が認知症あるいはその予備軍と言われております。このような状況を前に、認知症について正しく理解することは必須であり、本区では認知症に対する正しい知識の普及・啓発のため、認知症サポーター養成講座の開催を推進しています。区主催の養成講座の開催や団体、企業などの要請に応じた出前講座を初め、特に認知症フォーラムなどイベント開催時には対象を小学生まで拡大し、よりわかりやすい内容で開催しています。

 本区といたしましては、単に認知症について理解していただくにとどまらず、講座修了者のうち意欲のある方を認知症カフェでの支援や地域での見守り、さらに徘徊高齢者の早期発見につなげるSOSネットワーク事業など、地域福祉を支える即戦力となる担い手の養成に力を入れていきたいと考えています。そのため今年度から、この担い手となり得る中学生を対象とし、区立の全中学校で養成講座を開催し、生徒、職員等合わせて約二千人の方に受講いただきました。

 このような考えから、区が主体となって学年単位で開催する養成講座につきましては、今後も引き続き中学生を対象として実施したいと思います。議員御提案の小学生につきましては、イベントなどを活用し認知症に対する正しい理解の啓発・普及に努めてまいりたいと考えています。

 次に、渋谷区内の公園に運動器具、健康遊具を設置することについてのお尋ねです。

 まずは十五平方キロメートルの運動場について御評価いただき、ありがとうございます。構想の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 現在、鉄棒や雲梯といった運動遊具につきましては、区内二十九カ所の公園に三十一基設置しています。また、背伸ばしベンチ等の健康遊具につきましては、昨年度、恵比寿南一公園に二カ所設置するなど、区内七カ所の公園に十五基設置しています。

 これまでも公園の規模や地域の特性に応じ、地域の皆さんや公園利用者の意向を伺いながら、主に運動遊具について設置してまいりましたが、今後は「思わず身体を動かしたくなる街」の実現に向けて、区内の公園や緑道を健康維持の場として活用していただけるよう、公園や緑道の新設、改修等にあわせ運動遊具や健康遊具の設置を積極的に進め、拡充してまいります。

 次に、防災・安全・環境・エネルギーについて二点のお尋ねです。

 まず、災害時における小型無人航空機「ドローン」の活用についてのお尋ねです。

 平成二十九年度の渋谷区総合防災訓練は、渋谷区議会自由民主党議員団、下嶋倫朗議員の代表質問にもお答えしたとおり、従来からの防災訓練の部分と防災フェスのイベント部分とを明確に切り分け、九月二日土曜日、三日日曜日の二日間に拡大して開催していきたいと考えています。実施内容については、今後、自主防災組織や関係機関の御協力をいただきながら充実していきたいと考えます。

 議員御提言のドローンの活用ですが、近未来型の技術が進歩している中で、遠隔操作や自動操縦を可能とした小型無人航空機ドローンには大きな期待をしているところです。近い将来、災害時にドローンによって被災地域の情報収集や被災者の捜索、さらには救援物資の運搬などが可能になると思います。

 したがいまして、今後の災害時のドローン使用を見据え、まずは議員の御提言のとおり、来年度の総合防災訓練で企業、NPO等関係機関の御協力をいただきながら、ドローンを使用した防災訓練を実施していきたいと考えています。

 次に、避難所における畳の確保についてのお尋ねです。

 現在、避難所には、自宅に帰ることができない被災者が生活できるように、食品や日用品などを中心に備蓄しています。また、避難所生活が長期化することに備え、被災者のプライバシーの確保と快適性の向上を図るため、従来の避難所ボードにかえて、ワンタッチ式のパーティションを五カ年の整備計画で配備していきます。

 避難所は、主に学校の体育館や教室などで生活することとなりますが、議員御提言の畳を使用することで被災者の居住環境が改善すると考えます。しかし、避難所の備蓄倉庫は優先順位の高いものを備蓄するため、多くの畳の置き場を確保することは困難です。そこで、このプロジェクトが行っている災害時における畳の提供等に関する協定を締結し、被災したときに畳の優先提供を受けることが望ましく、集積拠点と避難所までの配送方法については、現在進めている受援計画の中で検討してまいります。

 昨年のハロウィンとカウントダウンについての評価と課題、さらに両イベントと歩行者天国のあり方についてのお尋ねです。

 初めに、ハロウィンについてです。

 例年十月最後の週末、渋谷の街にあふれる仮装した若者の姿は、もはや渋谷の街の風物詩となりました。

 五万とも十万とも言われるハロウィンの人出によって街は活気づく一方、大勢の人が集まることにより街が汚されることがクローズアップされました。ハロウィンの際に寄せられる苦情で多いのが、路上のごみの散乱、商業施設や駅構内での着替え・メイクの問題、トイレ不足の問題でした。

 そこで、昨年はハロウィンの問題点を改善するため、駅周辺に新たに仮設トイレを設置するとともに、ごみを分別回収するエコステーションの設置場所を増やし、着替えとメイクルームを駅の近くに設置するほか、早朝清掃ボランティアの支援を行うなど様々な対策を講じました。その結果、ハロウィンの翌朝においてまちなかにごみが散乱することはなく、渋谷駅周辺はふだんよりもきれいな状態となり、大きな成果を上げることができました。また、仮設トイレ、着替えとメイクルームも多くの方に利用していただき、苦情もなくなりました。

 早朝清掃ボランティアは、四日間で二十一団体、約千七百人と前回より多くの方に清掃活動に取り組んでいただきました。また、ハロウィンの際の歩行者天国に当たっては、著しい混雑による歩行者の危険を回避するために、警視庁及び渋谷警察署が一部道路を車両通行止めにする交通規制を行ったものであり、例年課題となっていた交通混雑の解消にもつながったものと、区として評価しております。

 一方、昨年、渋谷ハロウィンがマスコミでも多く取り上げられ、有名になったことから、さらに今年はますます多くの方がハロウィン期間中、渋谷駅周辺を訪れると予想されます。今後も引き続き路上ごみ、着替え・メイクルームの提供、トイレ不足の課題に関係機関、地域の方々と協力して対策を推進してまいります。

 次に、カウントダウンについてです。

 昨年末、実施された渋谷カウントダウンは、例年大みそかの深夜から年明けにかけて渋谷駅周辺の混雑、騒動が社会問題化していることから、区民、来街者、外国人など多様な人々が安全に安心して新年をともに祝うことができるように、初めて実施した取り組みです。渋谷カウントダウン実行委員会を組織して商店街、町会、警察、消防、各事業者等、多くの方々の御協力をいただき実施することができました。

 評価としては、予想以上に多くの約六万七千人もの皆様が集まり、安全にカウントダウンを迎えることができるか不安もありましたが、大きなトラブルもなかったことに私も正直ほっとしました。一昨年、規制によりスクランブル交差点及びハチ公駅前広場から人がいなくなった状況を思い出すと、渋谷駅前に賑わいを創出しつつ安全・安心で秩序あるイベントとして実施できた点においては、大いに評価できるものと考えています。

 また、様々なメディアに渋谷のカウントダウンの実施について取り上げられ、ポジティブなイメージの渋谷を世界にアピールできたのではないかと思います。

 課題としては、昨年のカウントダウン時の来街者の多くが外国人であったことを踏まえ、マナー啓発、演出時において多言語対応を強化すること、さらに、スクランブル交差点やセンター街周辺に集中する人を分散させるためのイベントスペースの設置なども検討する必要があると考えています。また、渋谷駅前のハチ公前広場周辺の喫煙所で閉鎖されていたにもかかわらず、たばこのポイ捨てやマナーを守らない喫煙者が多く見受けられたため、喫煙禁止の案内、仮設喫煙所設置等を含め、対応について検討してまいります。

 トイレにつきましても、渋谷駅周辺では公衆トイレが少ないため、仮設トイレの設置についても検討が必要と考えております。

 次年度以降カウントダウンイベントについては、今回いわばゼロ回目として初めて実現した渋谷のカウントダウンを、将来のニューヨークのタイムズスクエアとの提携を目指してさらに商店街、町会、警察、消防、各事業者等多くの方々と連携を深め、区民、来街者、外国人等の多様な方々から親しまれる、世界に誇れる渋谷ならではのイベントとなるよう工夫と努力を重ねてまいります。

 これからの歩行者天国のあり方については、カウントダウンイベントの実施母体となった、「渋谷区歩行者天国・カウントダウン等を考える会」において引き続き協議を進め、単に歩行者に道路空間を解放するということでなく、地域の要望を踏まえ、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けて様々な路上イベントの実施を視野に入れながら、新たなストリート文化の発信をこの渋谷から行っていきたいと思います。

 次に、ハチ公バス再編に向けた具体的な見直しについてのお尋ねです。

 ハチ公バスは、高齢者、障がい者を初めとする区民生活の円滑化を交通面において支援し利便性の高いまちの実現を目的として、平成十五年三月二十八日に、恵比寿・代官山循環夕やけこやけルートの運行を開始しました。その後、本町・笹塚循環春の小川ルート、神宮の杜ルート、丘を越えてルートを運行開始で、現在では四路線を運行しています。

 また、年間百八十万人もの利用があり、身近な交通機関として区民の皆様に親しまれています。

 今年度より所管を土木清掃部とし、これまでの福祉的な観点を継続して持ちながら、議員の御提言にもある観光的観点も含めて総合的な交通施策の視点から、ハチ公バスをより魅力ある利用しやすいものとするための見直しに取り組みたいと考えています。

 一方、バス路線の新設や変更、バス停の設置や変更、新たな仕組みづくりには、ルールに基づいた細部の調整、交通管理者である警察や国土交通省、地方運輸局との協議などが必要なため、一定の時間も必要となります。路線等の見直しにつきましては、御質問のあった南北方向への移動や現行四路線の再検討を念頭に置き、区民にとって利用ニーズが高い地域へのアクセスの改善、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた観光名所需要への対応、バスタ新宿の活用、ラッピング広告の拡充など、利用者の動向や地域の要望を踏まえながら、様々な角度から具体的に検討してまいります。

 次に、文化・エンタテイメントについてのお尋ねです。

 渋谷区では、四季折々の風物に沿った各種イベントや地域のお祭りなどが年間を通じて開催され、区民はもとより国内外の来街者の方々にも楽しんでいただいています。

 その中でも、薬丸議員のおっしゃるとおり、十月から十一月の秋の季節には音楽、アート、ダンス、ファッション、福祉など様々な分野のイベントが多く開催されています。多様なイベントが集まるこの時期こそ渋谷区の観光ベストシーズンと捉え、それぞれのイベントの個性を尊重しながら、混ざり合うことで新たに生まれる渋谷カルチャーで来街者をお迎えする渋谷区をPRすることができると考えます。

 そのため、渋谷音楽祭、芸術祭、超福祉展、くみんの広場などの各種イベントの連携や、ダイバーシティがテーマの新たなコンテンツの開催など、渋谷区観光協会が中心となって準備を進めているところです。観光ベストシーズンに渋谷区を訪れていただき、多様なエンタテイメント体験によるおもてなしに触れ、また渋谷区に行きたいと思ってもらえるようこの取り組みを進め、秋の渋谷を国内外に大きく情報発信していきたいと思います。

 次に産業振興について三点のお尋ねでありますが、順次お答えいたします。

 まず、「創業支援事業計画」の認定を受けてからの振り返りと、今後の方向性についてのお尋ねです。

 渋谷区が国から認定を受けた「総合支援事業計画」を進めて一年がたちましたが、以前から行っている支援事業に加え、平成二十八年度には創業セミナーを新設いたしました。このセミナーでは一開催につき四回の講座を受講していただきますが、全四回を受講された方には特定創業支援事業を受けたことの証明書を発行しています。この証明書交付により、登録免許税の軽減や信用保証枠の拡大など、創業者がそのメリットを受けられることになります。

 また、今年度創業セミナーに参加した方の中には、さらに国が行ういわゆるコンテスト形式の創業支援事業に申し込み、全国応募総数二千八百六十六件の中、百三十六件しか採択されない難関を見事に突破されるなど、着実に支援の成果があらわれています。

 来年度より民間の持つ自由闊達な発想やスピード感をさらに活用するため、区主体で開催していた創業支援事業をネットワークの中にある民間事業者に委託し、渋谷区で創業しようと希望を持つ方がさらに増え、渋谷区基本構想に掲げた「ビジネスの冒険に満ちた街へ。」の足がかりとなるよう、今後も支援を継続していきます。

 次に、マッチングについてのお尋ねです。

 多様な技術を持ち、新分野進出や市場開拓に意欲のある中小・ベンチャー企業が販路開拓、資金調達などを実現するために、ビジネスマッチングは重要なアイテムの一つです。現在のところ、金融機関が開催するビジネスマッチングの紹介や、直接マッチング会場に行政機関の一つとして参加をしていますが、今後さらに研究を重ね、金融機関や大学などと連携をとりながらビジネスマッチングイベントの開催に取り組んでまいります。

 次に、コワーキングスペースの整備についてです。

 コワーキングスペースはフリーランスや個人事業者にとって、共同ミーティングや情報、アイデアの交換の場として有用なことは議員御指摘のとおりです。区内でも、民間事業者などが設置するコワーキングスペースはますます増えています。区内施設においても、勤労福祉会館内のロビースペースに十五分百円程度で使用できるコワーキングスペースの設置を準備しているところです。

 このコワーキングスペースではWi−Fi環境を整え、電源を供給するなどのサービスを提供し、特にスモールビジネスが打ち合わせや情報交換できる有効なスペースとして利活用していただけると思います。

 以上、答弁といたします。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について四点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。

 まず初めに、ICT教育について、代々木山谷小学校の成果をどのようにステップアップさせていくかについてのお尋ねです。

 代々木山谷小学校での検証を生かし、タブレットやソフト、通信環境や電子黒板の動作やシステムについてさらに向上した環境が整備できるよう、改善策を検討しているところです。実際に、タブレット端末の重さについて業者に伝え、改善を求めていたところ、百グラムほど重量が減ったと数週間前に報告がありました。

 今後もタブレット端末の動作や操作性を初め、様々なICT環境に関して、議員が御指摘いただいた点や代々木山谷小学校での検証をもとに改善を進めてまいります。

 また、ICT教育について、中学校でのモデル校設置の体制と進め方についてですが、中学校では小学校に比べ教職員が授業でICT機器を使う機会が多いことや、技術科の授業では計画的に学習が進められ、生徒のスキルが高まっています。このため、部分的かつ短期間ではありましたが、今年度の十一月より中学校においてもドリル学習のソフトや校務支援システムの環境について検証してまいりました。そこで来年度の中学校モデル校を笹塚中学校に指定し、笹塚中学校の実践が常に他校の一歩前を進み、その成果を小まめに全校に伝え、スキルを共有するシステムをつくります。

 モデル校の実践が中学校全体において日々の授業で生かせるように、効率的に進めていきます。

 次に、授業のサポート体制についてです。

 ICTを活用した授業を円滑に行うためには、広く教職員のサポート体制が重要だと考えております。代々木山谷小学校での検証や各校一名のメンバーで構成する情報教育推進委員会、ICT機器の展示会及びアンケート実施などにより教職員からの声を吸収し、検討を進めています。単にどの学校でも同じように実施するのではなく、学校の現状や教職員のニーズに応じて臨機応変に支援員を配置したり、研修が実施できたりするように計画をしています。

 あわせてヘルプデスクを一本化し、勤務時間内にいつでも教職員が連絡し、サポートできる体制を組んでいきます。

 さらに、ICT関係の民間企業や大学からも連携したいとの話をいただいているところです。授業のサポートとして御協力をいただけるよう、今後検討してまいります。

 次に、小学校の通学区域にかかわる調整区域の見直しと、学校選択希望制における受け入れ可能人数についてのお尋ねがありました。

 調整区域につきましては、通学区域を補完するものとして通学距離や地域事業、歴史的な経緯等、様々な要素を踏まえて設定されてきたものです。仮にその範囲を見直すこととした場合は、あわせて通学区域本体の見直しも必要となるほか、区内の一部地域にとどまらず区内全域の通学区域のあり方についても検討していく必要性があるものと考えます。

 したがいまして、調整区域の見直しについては慎重かつ十分な議論が必要と考えますが、一方で、区内の人口動向やその地域差等を踏まえた対応の必要性も予想されるところであり、調整区域を含めた通学区域のあり方につきましては検討課題とさせていただきたいと存じます。

 なお、学校選択希望制における受け入れ可能人数につきましては、各学校の収容能力を勘案し、適切な教育環境を確保するため、施設の整備、改築工事を行わずに準備できる教室数を踏まえて設定しているものです。

 次に、中学生向けのLGBT当事者による講演会の開催についてのお尋ねでした。

 いじめや心ない言葉、学校での不適切な対応によって自尊感情が低下し、ひどい場合には自殺を考えるまでに至ったり、中学生のころに自分の性について違和感や生きづらさを感じたりしたことがあるというLGBT当事者の方のお話を伺うたびに、学校は何ができるか考えをめぐらせてまいりました。

 そこで、学校の教員に対してLGBTについて理解を進めていくことが非常に大切なことだと考え、教育委員会では、平成二十七年度は校長、副校長などの管理職から初め今年度は生活指導や人権教育を担当する教員を対象に、職層に応じた研修を計画的に進めてまいりました。

 来年度からは、学校にLGBT当事者の方を直接お招きをし、教員が直接お話を伺う研修を全小中学校で行う予定です。この研修では学校の実態に応じて保護者の方も参加することを可能とし、まずは教員や保護者の方にLGBTに対する理解を深めてもらい、子どもたちが周囲の大人に悩みを相談したり、生きづらさを軽減する環境づくりをさらに進めていくことを計画しています。

 一方、LGBT当事者の方が悩みを相談したり、カミングアウトしたりする相手の大半は、同級生などの同世代の友人であるという結果も出ています。このことからこの研修では、特に中学校において、教員や保護者だけではなく実態に応じて生徒が研修に参加し、当事者の方の話を直接聞き、考える機会とすることも可能と考えています。

 今年度、人権教育の一環としてLGBT当事者の方を招いて話を伺う学習を実施した中学校では、偏見や差別意識の解消に向けた気づきが得られ、生徒の心に届く充実した内容になったと聞いています。

 子どもたちの周囲にいる大人たちがLGBTについて適切に理解するとともに、子どもたちにLGBTに関する正しい情報を伝えるような環境づくりを今後も進めてまいります。

 次に、学校教育と区内のフリースクールとの連携についてのお尋ねでした。

 私たち大人の責務は、子どもたちに社会で自立的に生きていくための基礎を培うことです。学校は、その力を身につけさせる大切な場です。しかしながら、学校を長期にわたり欠席する子どもがいるのも事実で、その数は全国的にも増加しており、憂慮すべき事態にあると心を痛めております。

 本区においても不登校児童・生徒対策の重要性に鑑み、不登校の子どもたちが教育を受ける機会を確保するため、区の教育センターでは平成元年度に相談指導教室のけやき教室を開設し、学校生活への復帰を支援しております。また、平成十三年度からはコーディネーターを中心に、「子どもの心サポート事業」として学校訪問や関係機関との連携強化を進め、気がかりな子どもたちの早期発見と、学校のスクールカウンセラーとの連携により教育相談につなげる家庭への働きかけや、学校現場への後方支援に努めています。

 一方、不登校の子どもの中には、学びの場を求めて区内外のフリースクールに通っていることも私どもは把握しております。先月施行となりましたいわゆる「教育機会確保法」では、不登校の子どもの休養の必要性や多様で適切な学習活動の場の重要性を認めており、今後、フリースクールなどの学校以外の教育の場はますます重要になると考えております。

 学校教育とフリースクールとの連携についてですが、現在、本区では、例えば当該施設が不登校児童・生徒に対する相談、指導に深い理解と知識、または経験を有し、かつ社会的に信望を得ているとか、著しい営利目的ではないとか、施設と学校との間に連携協力体制が築かれているかなどの要件に照らして、フリースクールに通う子どもを学校が出席扱いとしている事例もあるなど、一件一件丁寧に連携を図ってまいりました。

 今後、不登校の子どもたちが教育を受ける機会を確保するため、フリースクールと不登校の子どもたちが安心して学べる環境づくりという目的が共有できるような連携について、個々の事案をもとに研究してまいりたいと考えています。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 薬丸義人議員。



◆三十一番(薬丸義人) ただいまは多岐にわたる質問に対し、長谷部区長、森教育長より本当に御丁寧な答弁をいただき、まことにありがとうございました。

 若干所感を述べたいと思います。

 この保育の質の確保についてですが、数、大分、二十九年度も八百九名ということで大分増えますが、そうであっても、保育の質の確保、これにしっかり取り組んでいるということが区長の発言からしっかりと伝わってまいりました。

 また、未来議会のことも前向きに御検討いただいているということで、議会のほうでも、これは十分議論を深めていきたいというふうに、諸先輩議員たちと、同僚議員たちと議論を深めていきたいというふうに感じたところでございます。

 また、出前講座。確かに夜間、休日に行われると言われちゃいますと、区職員の方々も大分厳しいのかなという気もしますので、是非、他区の状況等も見ながら御検討いただければというふうに思っております。

 また、公園の運動遊具、健康遊具の中で、運動遊具は二十九の公園で三十一個と言っていましたけど、昔はそれこそすべり台があってブランコがあって鉄棒があってなんて、一つの公園に何個もの遊具があったんですけども、今は一公園に一つの遊具なのかなというふうに、かえってそういうふうに思ってしまったところです。是非積極的な推進、お願いしたいと思います。

 それからハチ公バスにつきましては、福祉的な観点も継続していただけるということで改めて区長の発言もありましたし、私が求めてきていた観光的な観点というものも言葉が出ましたので、今後に期待をしていきたいと思います。

 また、教育長のほうからは、ICT教育のモデル校として笹塚中学校、これ大いに期待をしたいと思っておりますので、是非実際にスタートしながらですね、また笹塚中の結果を全校に広げていただきたい、このように思っているところでございます。

 まだまだいろんなところ、所感を述べたいところではありますが、残り時間もわずかとなってしまいました。今回の内容につきましては改めて区長、教育長、理事者の皆様と議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 今回の代表質問は、基本構想に掲げられた七つのカテゴリーに沿って組み立てました。議員となって来月でちょうど十年となりますが、基本構想、長期基本計画、実施計画、予算案の四つを同時に目にするのは初めてでしたし、限られた時間でその全てを読み込むのは正直大変でした。ただ、これからは長期的な視点を持ちながら、日々どのように活動していけばよいのか改めて考えることができました。

 今後も区民の皆様の声をしっかりと受けとめて課題解決を図り、笑顔あふれる渋谷をつくることで「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」が実現できるよう五人で力を合わせていくことをお誓いし、シブヤを笑顔にする会の代表質問、略して「笑顔の質問」を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(木村正義) 九番吉田佳代子議員。



◆九番(吉田佳代子) 私は民進党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問いたします。

 平成二十八年九月定例会において、我が会派が以前より要望してきた渋谷区の基本構想が二十年ぶりに改定されました。その基本構想において政策分野別に定められた七つの未来ビジョンを実現していくために、今後十年間の基本方針となる渋谷区長期基本計画と、その施策を実現するため三年を単位として具体的な事業内容を明示した実施計画が策定されました。

 長期基本計画では、七つの未来ビジョンを項目ごとに分類し、その項目の目標と具体化に向けた施策の進捗がわかるよう成果指標が設定され、五年ごとにその成果の確認ができるよう工夫がされました。実施計画では、基本構想の七つの政策分野別に、今後三年間で実施する喫緊の重点課題が明らかにされています。

 日本が急速な少子・高齢化社会を迎える中、渋谷区では十五歳から三十四歳までの若い世代の転入が目立っており、それに伴い保育園需要はさらに高まっています。そのニーズに応えるための保育施設の整備を初め、基本構想に掲げられている「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の大きな目標を実現するため、多様な子どもたちの受け入れ態勢や学校教育でのダイバーシティとインクルージョン教育の推進も施策の柱として明確になりました。

 また、人口増加は平成三十七年をピークに減少に転じ、以後、高齢化社会が加速的に進んでいくことを想定して、高齢者住宅等や特別養護老人ホームの整備を初め、生涯元気で自宅で過ごせる取り組みも継続して行われます。

 人種、性別、年齢、障がいの有無などの違いにかかわらず多様性を尊重し、全ての人々が安心して安全に暮らすには孤立しない地域のつながりが不可欠で、地域コミュニティの活性化事業も多く掲げられています。

 区の施設には基本構想に関するポスターが掲示され、また、区ホームページではトップページでの動画配信と冊子の入手が可能になっており、今後より多くの方々に渋谷区の基本構想を知っていただけるのではないかと期待しています。

 私も今回は、できる限りこのカテゴリーの分類に沿って質問をしたいと思います。

 まず、子育て・教育・生涯学習分野においては、人種、性別、年齢、障がいの有無といった違いにとらわれることなく、全ての人々が一生を通じて育つこと、育てることの喜びを感じられることを目標として掲げられています。

 長期基本計画では、ダイバーシティ&インクルージョンの教育の推進が重点課題の一つとされていますが、そのためには小さいころからの意識づけが重要であると考えます。子どもが生まれ、成長していく早い段階でその意識づけを行えるのは保護者ですが、保護者ですらまだまだその意識が乏しいのが現状です。

 日本では、妊娠すると区役所に行き、母子健康手帳の交付を受けます。渋谷区のホームページには、妊娠してからの手続が非常にわかりやすく記載されています。渋谷区で妊娠した方に交付している母子健康手帳は母子保健事業団が作成したもので、国の法改正があれば自動的に内容も変更になり、ゼロ歳から六歳までの仕様になっています。

 体調が変化しやすい妊産婦や乳幼児のために、妊娠や出産の経過、乳幼児の発育や発達状態、健診や予防接種などの有無を記録したり、種類によっては育児のためのアドバイスが書かれているものもありますが、小学校入学後の記録ができないため、今、二十歳まで使える母子手帳が大きな反響を呼んでいます。年齢を重ねても病気やけがをしたり、インフルエンザを初めとした予防接種を受ける機会もあります。病歴を記録しておくことで疾病の治療方針の参考にすることもできるので、通院する病院が変わっても困らないと喜ばれているそうです。

 二十年をつづる母子手帳は、子どものためだけではなく、保護者のための機能も満載しています。妊娠、出産、育児に必要な知識や対処法はもちろん、父親が子育てに参加するための注意点や児童虐待を防止するための方法など、育てる側にも配慮した内容が盛り込まれています。こうした中にダイバーシティ&インクルージョンの教育の理念などを盛り込めば、今まで知ることがなかった保護者も情報に触れることができるのではないでしょうか。

 さらに、手帳にはメッセージ欄も用意されているので、子どもが二十を迎えたときに渡すことができるようになっています。子どもが成人を迎えたとき、今度は自分で健康管理をする基礎となるこの手帳は親子をつなぐツールになるのではないでしょうか。是非御検討いただきたいと思いますが、区長の所見を伺います。

 次に、放課後クラブについてです。

 共働き世帯では、子どもが保育園を終了し小学校に入学すれば少しは楽になると思っていたところ、小一の壁にぶち当たり仕事の継続が困難になり、退職する母親が多くなる時期でもあると伺っています。小学校に入学すると教科書や文房具、体操着などの持ち物が増え、忘れ物をせずに学校に行けるようになるまでには親のサポートが必要です。PTA役員の会合や保護者会など、保育園のころは土曜日に実施されていた集まりは平日に実施されるようになります。宿題が出るようになり、そのチェックもしなければなりません。膨大な量のプリントの中から重要な情報のみを把握して管理もしなければなりません。

 プリントがいまだICT化されていない理由は、各家庭によってICT環境の整備状況の違いにあります。今年度の予算案では、全小中学校の児童・生徒にタブレット端末を貸与する予算が計上されており、今後、ICTの活用なしでは生活できない社会に進んでいく中、こうした取り組みに期待しています。

 また、クラウド基盤を利用した統合型校務支援システムを導入し、教員の校務負担の軽減を図るスマートスクールを目指すことも掲げられています。いずれ保護者と学校との連絡などもICT化されていくとは思いますが、各御家庭の状況に応じた配慮は続けていただきたいと思います。

 さて、小学校に入学し、帰り時間が早くなった子どもの放課後の居場所が放課後クラブで、校内にあるので保護者も安心して子どもを預けています。平成二十九年一月現在、全児童数五千八百六十七人のうちA会員が千五百六十四人で二六・六五%、B会員が二千六百八十六人で四五・七八%、合計七二・四三%の子どもたちが放課後クラブに登録をしています。そして、B会員のうち特別延長の登録をしている子どもは九百三十一人となっていますが、七時半まで利用している子どもはその一割程度と聞いています。

 今の放課後クラブの運営は委託事業者が行っていますが、体を動かしたり宿題をやったり、ほかの学年の子どもたちとかかわるいい機会にもなっていると思います。しかし、一方では、そうした環境になじめずストレスを抱えている子どももいます。

 他の自治体では、放課後クラブで食育に取り組んでいるところがあります。おやつに地域のお店のお団子をとったりパン屋さんからパンを届けてもらったり、地域とのつながりも大切にしています。食を通して学年の違う子どもたちがコミュニケーションを図るのには、放課後クラブは絶好の機会になるのではないでしょうか。

 また、現在のおやつの時間は五時以降となっているため、非常におなかをすかせている子どももいると聞いています。時間の検証とおやつの工夫を行い、より多くの子どもたちの食を通したコミュニケーションツールとして活用してはいかがでしょうか、教育長の御所見を伺います。

 次に、野外教育の充実について伺います。

 都心部にある渋谷にあっては、自然の中で遊び、学ぶ体験は非常に重要です。そうした観点から今までもプレーパークの拡充などを求めてまいりましたが、長期基本計画では、その拡充が予定されています。

 外遊びのできる空間の減少とともに失われつつある子ども社会は、開放的で自由度の高い異年齢集団であり、学校などの閉鎖空間とは質が異なっています。子ども社会が失われてしまった結果、遊びや生活習慣の継承する場、社会性を涵養する場が不足していると言えます。

 私の知り合いで、一人は著名な脚本家、一人はIT関係の上場企業をつくり上げ、今は会社社長をしている方、もう一人は小説家をされている三人兄弟がいらっしゃいます。その方々に子どものころにどのような教育を受けたのか質問したところ、「野山を駆けめぐっていた」と伺い、子どものころに外に出て、いかに体を動かし、アドレナリンを出すことが重要であるか感じたところです。

 さて、ここで注目すべきは三鷹市の取り組みです。三鷹市では小学生に質の高い野外教育を提供しており、その効果は高いものとなっています。不登校率が一%台となり、小学校の校長先生は「野外教育の成果だ」と口をそろえておっしゃっているそうです。質の高い野外教育は子どもたちの社会性を養い、人間関係を改善し、困難に耐え得る力である「レジリエンス」を高めます。その結果が驚異的な不登校率の低さにあらわれています。

 野外教育は、極めて有効な教育投資です。三鷹市では事業者にコーディネートを積極的に依頼しています。学校の先生がなれない野外での活動を行うより、プロの観点から質の高い教育プログラムを提供することにより教育効果が高く、リスクや手間も軽減されます。

 このような観点から、渋谷区でも学校行事における野外教育、特に宿泊を伴う事業については外部事業者や有識者に積極的にかかわっていただくことにより質を高めていくべきではないでしょうか、教育長の見解を伺います。

 次に、防災・安全・環境・エネルギー分野について質問します。

 このカテゴリーでは、「人のつながりと意識が未来を守る街へ。」という目標のもと、地域防災力の向上と区民や来街者の安全・安心の確保を重点課題とし、加えて緑と水辺空間の創出や、ごみ分別の徹底促進も施策として掲げられています。

 まず、安全・安心の確保のための避難施設非構造部材の耐震化と、応急危険度判定について伺います。

 学校は、子どもたちが一日の多くの時間を過ごす学びの場であると同時に、災害時には地域住民の避難所として利用されるなど地域の防災拠点としても重要な役割を果たしています。そのため、渋谷区内の全小中学校の建物の耐震化は終了しています。しかし、一方で、天井や窓ガラス、照明器具、外壁、バスケットゴールといった非構造部材の耐震対策は遅れており、文部科学省によると、公立小中学校における非構造部材の耐震対策実施率は平成二十七年四月現在六四・五%にとどまっています。

 非構造部材について耐震対策を進めるには、施工の方法などに関する専門的な知見が不可欠でありますが、点検や対策を専門知識を持たない学校任せになっていたことが対応の遅れとなった背景があります。文部科学省によると、東日本大震災の際、岩手、宮城、福島、東京、長野、静岡など十六都道県の公立の小・中・高校や大学で天井が落下したのは千六百三十六校、照明器具も四百十校で落ち、外壁材の剥落も九百六十八校でありました。こうした学校の多くが避難場所として利用できなくなりました。天井の石膏ボードや照明器具のカバーが落ち子どもがけがをしたり、落下した非構造部材が避難経路を塞ぎ、逃げられなくなったケースもありました。

 また、昨年の熊本地震においても、非構造部材の損傷等により、避難所となった熊本県内の公立学校二百二十三校のうち三分の一の七十三校の学校の体育館が使用できなくなりました。

 こうした状況を踏まえ、文部科学省は昨年、学校施設の非構造部材の耐震対策先導的開発事業を開始し、建築士等の専門家を含めた実施体制のもと、学校施設の非構造部材の詳細な点検を行うとともに、地域特性や施設の特性等を踏まえた対策手法の検討や点検、対策を進める場合の技術的な留意点等の整備を行い、その成果を全国に発信することで非構造部材の耐震対策の加速化を行っています。

 渋谷区では平成二十五年に目視による確認しか行われておらず、地震の際に崩落する危険性のある非構造部材を点検することが必要であると考えますが、その予定はあるのでしょうか。

 また、渋谷区では災害が起こった場合、応急危険度判定士を活用しての避難所の危険度の判定など、使用の可否決定に至る体制はどのようになっているのでしょうか、区長に伺います。

 次に、通学路について伺います。

 昨年十一月、集団登校中の小学生の列に軽トラックが突っ込み、小学校一年生の男子が亡くなり児童四人がけがをした痛ましい事故がありました。ここ数年で、こうした登校中の列に車が突っ込み児童が死亡する事故が後を絶ちません。

 二十九年度の予算案には、子どもたちの安全を確保するために全小学校の通学路に一校当たり五台の防犯カメラの設置経費が計上されています。通学路では、子どもの登校時にはシルバー人材センターから二名が派遣され、その他PTA、地域の方々が声かけをして子どもの安全を守っています。しかし、車の交通量が多い通学路では運転手とのトラブルも散見されます。

 現在のスクールゾーンは、歩行者の通行実態や道路構造、地域住民の意見を総合的に判断して、警察との協議によって車両の通行禁止、一方通行、一時停止、速度規制などの交通規制を実施しています。地域と警察との協議の上で決定されたスクールゾーンについては、子どもの安全を守るため、標識や歩道、路側帯、カラー舗装などもう少し明確に区別できるような方法をとってはいかがでしょうか、区長に伺います。

 次に、資源利用について伺います。

 環境と共生する持続可能な都市の実現のためには、ごみの問題は大きな課題です。新規事業としてリデュース、リユースを軸とした3Rへの意識改革と、東京二〇二〇大会に向けた外国人等にもわかりやすい分別ラベルを作成し、分別の徹底を促す方針も示されています。

 渋谷区では、可燃ごみは週に二回、資源ごみは週に一回、不燃ごみは月に一回とし、その他に小型家電の回収も行われています。

 東京二〇二〇大会まであと三年となり、東京都でも加速的に大会準備に取りかかっています。大会組織委員会の提案による「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」に協力するため、東京都は電子機器のリサイクルを推進する目的で、新宿区の協力を得て家庭で不要になった携帯電話等の小型電子機器を都庁舎において回収し、大会組織委員会に提供することになりました。小型電子機器は九品目で、東京都庁、そしてコンビニ隣のメダル協力ボックスに投入して回収を行います。

 渋谷区では既に小型家電については九品目の回収から始め、今ではボックスに入るものであれば何でも回収し、委託事業者にリサイクル事業の委託を行っています。渋谷区でも東京二〇二〇大会の機運醸成のためにこうした取り組みができるのではないかと思いますが、区長の所見を伺います。

 次に、空間とコミュニティのデザインの分野についてです。

 この分野では、「愛せる場所と仲間を、誰もがもてる街へ。」との目標のもと、違いを超えて人々とつながるダイバーシティを実現するには、渋谷を愛する全ての人々が渋谷の未来に向け力を合わせていくことが必要だという区長の考えが示されています。

 渋谷駅周辺は来街者が多く、障がい者や高齢者にはまだ決してやさしい街とは言えませんが、一歩住宅街に入れば鳥や昆虫が生息する静かな住環境が現存し、先人の息吹を感じる場所も数多く残っています。

 そこで、玉川上水について伺います。

 玉川上水は江戸時代初期、江戸市中への給水を目的としてつくられた上水で、多摩川中流の羽村取水口から四谷大木戸まで素掘りの開渠、江戸市中は暗渠でありました。現在では、上流には水道施設として機能している部分もあり、また、笹塚地区では素掘り開渠が現存しています。昭和四十九年、笹塚地区は暗渠になることが決定していましたが、近隣住民の努力により暗渠化が白紙になり、現在も水と緑に触れられる癒やしの空間として残っています。

 平成十五年には文化財保護法に基づき国の史跡として指定され、開渠部分は水路わきの通路も含め東京都下水道局東村山浄水場が、暗渠部分は渋谷区が管理を行っています。この史跡の管理は、清流復活の観点から、高井戸までの上流部分については小平処理施設から処理水を放流しています。また、自然そのものの風景を維持する観点から、高井戸以降の下流部については雨水による自然の流れとなっています。

 渋谷区も、開渠部分については東京都に対し適切な管理を要望してきましたが、現状は、以前に生息していた魚やカメが減少してきているように見受けられます。また、昨年の大規模改修により一部整備された部分があるものの、倒木のおそれにより川沿いに植えられた樹木が大幅に伐採され、景観が悪くなったという声が寄せられています。

 区長発言の中では「笹塚、幡ヶ谷など地元の皆さんがつくり上げた下町文化や、玉川上水などの資源に少し工夫を凝らすことで、日本ならではの風情あふれる街を海外の多くの人々に体験してもらうことができると感じている」と書かれていますが、笹塚の玉川上水については何かお考えがあるのでしょうか。

 また、この開渠部分は東京都水道局東村山浄水場の管理であることは承知しておりますが、区の数少ない緑と水の空間である笹塚玉川上水について、現状どのような状態になっているのでしょうか。

 さらに、区と地域住民がこの管理にかかわっていくことができないのか区長に伺います。

 次に、カウントダウンイベントについて伺います。

 平成二十八年十二月十五日の交通・公有地問題特別委員会の中で、年越しカウントダウンについての報告がありました。内容は、十二月三十一日に渋谷駅前のスクランブル交差点で渋谷カウントダウン実行委員会によるオフィシャルカウントダウンが開催されるというものです。大みそかに渋谷のスクランブル交差点が歩行者天国になるのは今回が初めてのことで、日本コカ・コーラ株式会社が特別協賛をいたしました。

 二十二時を過ぎるとスクランブル交差点が歩行者天国になり、年明けを渋谷で迎えようという人たちで徐々に賑わい始めました。二十三時三十分ごろにはスクランブル交差点の街頭ビジョンで新年に向けたカウントダウンがスタートし、まず初めに日本コカ・コーラのアンバサダーである綾瀬はるかさん、北島康介さんなどが次々に映像で登場しました。さらに長谷部区長や小池百合子東京都知事が映像による挨拶もあり、二十三時五十九分、二〇一七年へのカウントダウンが始まり、約六万七千人の方々が笑顔で新年を迎えました。

 毎年、渋谷で年越しを迎えるために自然発生的に集まってきた多くの来街者への対応は大きな課題でした。警察との衝突があったり、バリケードを張り立入禁止にした年もありましたが、今年はあえてオフィシャルなイベントに転換したことは大きな意義があったのではないかと思います。

 しかし、一方で、大みそかにもかかわらず多くの警察官、区職員、関係企業の社員、実行委員会の方々が仕事をしていたという事実もあります。

 区職員については、おおよそ何時から何時まで何人がかかわり、どの部署の職員がどのように選定されたのでしょうか。

 また、区長が二月一日発行の区ニュースの区長コラムの中で「新たな課題も見えてきた」と発言されていますが、どのような課題でしょうか。

 そして、二十九年度予算案にもカウントダウンイベントが計上されておりますが、今後この事業を継続して実施していくお考えを述べられておりますが、どのようなものにしていこうとお考えでしょうか。

 最後に、持続可能な行財政運営の実現について伺います。

 平成二十九年度当初予算案は、基本構想の理念である「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の実現のため前年度比九・六%増となり、これまでで最大規模の予算案となっています。今後さらなる強い財政基盤が必要であると考えますが、長期基本計画の中に示された十年間の財政計画表は大まかなものになっていますので、その内容について質問をさせていただきます。

 積立金については、本年度を含めた五年間を比較しますと、平成二十三年度に六十億円の取り崩しを行いましたが、二十四年度から二十八年度までの取り崩しはいずれの年もゼロ円で、逆に二十五年度は三十五億円、二十六年度は百億円、二十七年度は五十億円、そして二十八年度は、議決はまだこれからですが六十五億円の積立金の積み立てを予定しており、結果として約八百億円の積立金の残額になろうとしているところです。

 また、特別区債については、平成二十三年度は防災基盤のデジタル化関連事業費、旧代々木高校跡地複合施設建設事業費、本町地区小中一貫教育校建設工事費のために約三十八億円を、二十四年度も同二施設の建設のために九億五千九百万円を、平成二十五年度には児童福祉施設建設及び山谷小学校校舎改築のために三億三千九百万円、二十六年度も同二施設のために六億六百二十万円が発行されました。特別区債は地方財政法により、発行するには東京都の同意が必要であり、将来にわたって長期的に負担を分散する目的で発行されるため、主な目的は長期にわたって利用する施設整備のためです。

 都市整備基金については、基本構想の実現を図るための用地取得及び都市施設建設の資金に充てるため、財政調整基金については経済事情の変動による財源不足、災害復旧その他やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるときは、その全部または一部を処分することができるとされています。

 平成二十九年度予算案については、積立金の取り崩しが三十五億円、さらに特別区債を二十五億六千万円発行する案が示されておりますが、その用途と今後の積立金の活用の考えを区長に伺います。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 民進党渋谷区議団、吉田佳代子議員の代表質問に順次お答えいたします。

 まず初めに、母子健康手帳についてです。

 議員御提言の二十年をつづる母子健康手帳は、一般的な六歳までの記録に加えて成人までの予防接種歴や病歴などを記録することができ、成人になってからも健康管理に役立つよう工夫されています。さらに、育児に悩む保護者が必要とする発達の知識や虐待を未然に防ぐ情報なども記載されており、人気であることは承知しております。

 一方で、この手帳は紙媒体で百三十ページにも及ぶため、これまでの母子健康手帳に比べるとやや厚みがあり、よりコンパクトな手帳を望む声もあります。

 本区では先月から、LINEによる予防接種通知など子育て情報の発信を開始いたしましたが、子どもの成長に合わせて、ダイバーシティ&インクルージョンの教育を含めた育児に役立つ情報の発信が必要と考えています。したがいまして、今後、渋谷区版ネウボラの整備を進める中で、スマートフォンなどICTの活用なども視野に、より効果的な情報発信について検討していきたいと思います。

 議員御提言の二十年をつづる母子健康手帳の導入については、形がどうなるかも含めてですね、検討課題とさせていただきたいというふうに思います。

 次に、防災・安全・環境・エネルギー分野についてのお尋ねです。

 初めに、避難施設の非構造部材の耐震化についてです。

 本区では平成二十五年に避難施設である小中学校において、文部科学省作成の学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブックに基づくチェックリストにより点検を実施し、すぐに落下の危険性のある箇所は確認されませんでした。しかしながら、それ以降の地震による揺れの影響や老朽化に伴う劣化などを考慮する必要性があるため、非構造部材として甚大な被害をもたらすおそれのある区施設の特定天井、小中学校の体育館の照明、バスケットゴールなどの詳細な調査を開始しているところです。

 これらの調査は、平成二十九年度中に終える予定です。調査の結果、落下のおそれがあるものについては直ちに改修設計を行い、順次改修工事を行います。

 次に、避難所の使用の可否決定に至る体制についてのお尋ねです。

 避難所の施設管理者は、地震後、直ちに建築物が安全であるかどうかを確認し、区災害対策本部へ連絡することとなっています。建築物が健全であるかどうか判断がつかない場合は、区災害対策本部は老朽危険度判定の資格を持つ建築技術職などの区職員に点検を行うよう指示し、指示を受けた職員は直ちに点検を行います。職員のみで対応できない場合には、東京都建築士事務所協会渋谷支部、日本建築家協会関東甲信越支部渋谷地域会へ協力を要請することになります。

 点検後、支障がない場合には直ちに避難所を開設し、支障がある場合は避難所としての機能を回復するよう早急に応急修繕を行うこととしています。

 次に、スクールゾーンについて、標識や歩道、路側帯、カラー舗装などもう少し明確に区別できるような方法をとってはどうかとのお尋ねです。

 区内のスクールゾーンについては、学校や地域の要望を受け、警察が車両交通を鑑みながら車両の時間規制を行っており、区では、警察からの要請を受け「スクールゾーン」の路面表示を行っているところです。また、通学路に関しても、電柱にいわゆる「文」マークの標示板を設置するなど、通学路を明確にしております。

 議員御指摘の標識や歩道、路側帯、カラー舗装などもう少し明確に区別できるような方法については、スクールゾーンや通学路の安全性を高めるため、今後とも学校や地域、さらに警察と協議しながら標示方法等の検討をしてまいります。

 次に、資源利用についてのお尋ねです。

 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会の入賞メダルを、携帯電話等の小型家電から抽出されるリサイクル金属を活用し作成するプロジェクト、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」が本年四月から開始されます。

 このプロジェクトは、日本人の持つ「もったいない精神」を表現し、国民参加でメダル製作を行う「参画」の視点、回収した小型家電からのメダル製造に必要な金属を賄う「環境」の視点、金の調達にリサイクル率一〇〇%を目指す「テクノロジー」の視点を持つものです。さらに、大会後にも持続可能な社会を実現するというレガシーを残すことにもつながるオリンピック・パラリンピック史上初めての取り組みです。

 しかし、小型家電をリサイクルし、メダルを作成するには携帯電話に換算すると二千万個以上と言われております。本区では、「小型家電リサイクル法」施行に先立つ平成二十五年一月から使用済み小型家電の回収を行っていますが、本区においても四月から本プロジェクトに参加し、これまで区内の二十六カ所での拠点回収に加え、くみんの広場を初めとした各種イベント時に回収を実施するなど、持続可能な社会の実現とオリンピック・パラリンピック機運の醸成を図ってまいります。

 今後、区ニュースやホームページ、渋谷のラジオ等、様々な媒体を通じ積極的に広くPRを行いますので、区民の皆様の御協力をお願いいたします。

 ちょっと答弁はかたいんですけれど、このプロジェクト本当にいいなというふうに思っています。できる限り、どうやったらこれに協力できるかということはしっかりと検討していきます。

 次に、玉川上水について三点のお尋ねを一括してお答えいたします。

 玉川上水は、水道道路とともに初台、幡ヶ谷、笹塚地域のこれからのまちづくりにおける新たな中心軸や拠点になり得るポテンシャルを持っていると感じています。

 区が管理する玉川上水の暗渠部分である玉川上水旧水路緑道については、現在、初台、幡ヶ谷、笹塚駅周辺のまちづくりの中で、緑道の再整備に向けて地域特性や周辺状況を的確に把握するための基礎調査に取り組んでおり、今後、地域ニーズや関係者の意見などを集約しながら緑道整備の基本計画を策定してまいります。

 開渠部分の現状ですが、東京都水道局が史跡玉川上水保存管理計画書に基づき管理をしていますが、自然の風景を保全する観点から雨水や湧水による自然の流れとしており、区が策定した「笹塚一・二・三丁目地区まちづくり指針」では「みどり豊かな景観の保全を図るとともに、ゆとりと潤いのネットワーク形成軸としての景観の形成を目指す」と位置づけています。

 この玉川上水の開渠部分は、国の文化財保護法に基づく文化財の指定を受けており、開渠部分の清掃などの維持管理は管理者である東京都水道局が責任を持って行うことが原則であると考えております。ではありますが、地域の皆様が維持管理に参加する機会の創出を望まれているのであれば、区として東京都に対し要望することを検討してまいります。

 昨年のカウントダウンイベントについて、区職員の従事、新たな課題、今後この事業をどのようにしていこうと考えているかについてのお尋ねです。三点の御質問については一括してお答えいたします。

 区職員については、十二月三十一日の午後七時から翌一月一日午前三時まで九十一名の区職員が従事しました。従事した職員は、関連部署である危機管理対策部、区民部、都市整備部、土木清掃部を中心に、あらかじめ職員から希望を募る形で決定しました。

 新たな課題としては、先ほど薬丸議員の質問にお答えしたとおり、カウントダウンイベントに集まった人の多くが外国人であったことから多言語対応を強化することと、さらに、スクランブル交差点内やセンター街周辺に集中した人々を分散させて安全を確保するためのイベントスペースを設置することが必要と考えています。また、たばこのポイ捨てやマナーを守らない喫煙者への対応や、仮設トイレの設置についても課題として捉えています。

 この事業については、今後も賑わいを創出しつつ安全で安心で秩序あるイベントとして、商店街、町会、警察、消防、各事業者など多くの方々との連携をさらに深めながら、区民、来街者、外国人などの多様な方々から親しまれる、将来はニューヨークのカウントダウンイベントとも連携できるような、世界に誇れる渋谷ならではのイベントとなるよう工夫と努力を重ねてまいります。

 次に、平成二十九年度当初予算に盛り込んだ基金からの繰り入れと特別区債の用途についてのお尋ねです。

 渋谷区では、議員の質問にありましたとおり、財政の安定的運営に資するため財政調整基金と都市整備基金の二つの基金に積み立てを行ってきました。財政調整基金は財政需要や財源の急激な変動を年度を超えて調整するために、都市整備基金は基本構想の実現を図るために行う用地取得及び都市施設建設などの施設・都市インフラの整備を行う目的で設置したものです。これらの基金は時々の財政状況を勘案しながら積み立て、取り崩しを行うことにより、財政をより安定させ、均衡を維持することが可能となります。

 今予算案では合計三十五億円の取り崩し、繰り入れを行い、都市整備基金は幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)、笹塚第二保育園跡地複合施設(仮称)を初めとする施設建築や都市インフラ整備の費用に充て、財政調整基金についてはその余の財政需要に充てる予定です。

 また、特別区債の発行も財源確保の手段として活用していきます。

 起債は財政状況を踏まえながら、例えば特別養護老人ホームのように長期にわたって継続するサービスの負担を、現在の区民と将来の区民の間で公平に分担するために行うもので、今予算案では旧本町東小学校跡地複合施設(仮称)の建設費用に全額充当いたします。

 なお、今後の基金活用の考え方についてですが、財政運営は当該年度の歳入により行うのが原則であり、そのため財源確保、歳出の最適化の努力を最優先で行います。

 しかし、現在の区政を考えますと、待機児童対策などの喫緊の課題や都市インフラの老朽化対策に要する経費の増大など、将来的に避けては通れない大きな負担が生じることも予想されます。そのような場合には、経済情勢の急激な変動等への対応に留意しつつ、それぞれの基金や特質に合わせ活用し、諸課題に取り組んでいきたいと考えております。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について二点のお尋ねがありました。順次お答えをしたいと思います。

 まず初めに、放課後クラブにおいて食を通したコミュニケーションツールとしての活用についてのお尋ねです。

 以前から、放課後クラブにて食事の提供について話はありましたが、施設の確保と衛生面、アレルギー対策など食の安全に関して課題があります。B会員のみ五時以降のおやつを提供しておりますが、長時間過ごす子どもにとって気持ちの切り替えの意味もあり、家庭で夕食を残すことがないよう配慮しております。何よりも、一番慎重に対応しているのがアレルギーにかかわることです。

 現在、放課後クラブではドッジボール大会などのレクリエーションやスポーツ、学習活動を通して子ども同士のコミュニケーションの場をつくることに力を入れております。各学校の放課後クラブでは、今ある環境の中でたくさんの子どもたちが楽しく過ごすことのできる居場所となるよう、今後も事業を進めてまいります。

 次に、野外活動についてのお尋ねがありました。

 議員から御指摘をいただいたとおり、社会が豊かで便利になる一方で、子どもたちには自然体験や社会体験、生活体験が不足してきております。国立青少年教育振興機構の調査によりますと、幼少期に海や川で貝をとったり魚を釣ったりした経験があるという自然体験が豊かな人ほど、今現在やる気や生きがいを持って生活している人が多いという結果が出ております。また、野外活動や体験活動については、先月発表され平成三十二年度から全面実施となる新学習指導要領案でも、豊かな心や創造性の涵養を目指すために重要であると述べられております。

 渋谷区においては、幼稚園から中学校まで各園・学校で様々な野外活動を工夫して実施しております。例えば、幼稚園では公園や動物園に出かけ、季節の自然や動植物と触れ合ったり、農園に出かけ芋掘り体験をしたりしています。小学校では公園への遠足だけではなく、発達の段階に応じて登山やハイキングをしたりすることを通して友達との交流を深めたり、達成感を味わったりしています。中学校では、春に一年生が田植えをして秋にその一年生が植えた稲を二年生が稲刈りをしている学校もあります。

 宿泊を伴う行事につきましては、小学校四年生で山中高原学園、五年生で富山臨海学園、六年生では日光高原学園や都留、飯山、那須などで自然体験教室を実施しております。特に、自然体験教室の中では現地の方の指導を仰ぎ、竹細工や川遊び、ドラム缶風呂体験、魚つかみ体験、カヌー体験、ホタル鑑賞など各学校で趣向を凝らした野外活動を実施しております。中学校においても、一年生では山中移動教室、三年生は奈良・京都方面へ修学旅行で様々な活動、体験をしております。いずれの行事においても各園・学校の子どもたちの実態に応じた活動を工夫して展開することで、充実した内容になったとの報告を受けております。

 三鷹市の取り組みについては大変興味深いものであり、今後も引き続きその動向については注視していきたいと考えており、不登校児童・生徒の出現率と野外教育との関係性についても効果を確実に見定めることが必要と考えております。

 不登校対策については、渋谷区では不登校児童・生徒への早期対応はもちろん、未然防止という観点から、新たな不登校を生まないための取り組みにも力を注いでまいりたいと考えます。そのために、行事だけではなく、授業を初めとしてあらゆる教育活動で居場所づくり、すなわち学級や学校をどの児童・生徒にとっても安心で落ち着ける場所にしていくこと、きずなづくり、すなわち日々の授業や行事等において全ての児童・生徒が活躍し、互いが認め合える場面を実現することについて、全幼稚園、小中学校に対して指導してまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 吉田佳代子議員。



◆九番(吉田佳代子) 区長、教育長からは丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 教育長から今、野外教育の充実について非常に前向きな答弁をいただきましたので、三鷹市の授業の動向についてはさらに検討をお願いしたいと思います。

 そして、資源利用について区長に前向きな答弁をいただきました。ただ、携帯電話が二千万個必要だというのはちょっと驚いたんですけれども、二千万個必要になるというよりも、やはり区民の方々の機運醸成につながると思いますので、是非検討を続けていただきたいと思います。

 それから玉川上水については、近隣の方々が本当にこの川を愛し、毎日川の様子を欠かさず見ている方が本当に多くいらっしゃいます。是非住民の方々が意見を言えるような、そんな機会をつくっていただきたいと思います。

 また、カウントダウンイベントについては、職員体制や課題、また今後の取り組みについて御答弁をいただきました。バリケードを張るなどの排除の考えを転換してオフィシャルなイベントへの転換により、より多くの方が楽しめる反面、その裏側ではやはり多くの方々が努力をしていると思います。

 画像を見る限りでは、非常に混雑をしているように見えました。さらに人数が拡大していく可能性もあると思いますので、また関係機関と連携し、課題の検証と、あと委員会の報告もお願いしたいと思います。

 以上、多岐にわたり質問をしてまいりましたが、民進党渋谷区議団は今後も区民の皆様の安全・安心、そしてより暮らしやすい渋谷区を目指して仕事をしていくことをお約束をして、終了といたします。



○議長(木村正義) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(木村正義) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から三月三十一日までの三十日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は三十日間と決定いたしました。

 議事進行上、日程第二及び日程第三を一括議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について



△日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について

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○議長(木村正義) 提案理由の説明を求めます。

 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました諮問二件は、人権擁護委員の任期の満了に伴い、法の規定するところによりその候補者を推薦するため提出するものであります。

 諮問第一号は明日山勝子氏、諮問第二号は竹内 淳氏の各氏でございます。よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。



○議長(木村正義) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 以上二件はそれぞれ委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、以上二件はそれぞれ委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから日程第二を採決いたします。

 本件については、区長諮問どおり支障ない旨答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、明日山勝子氏を区長諮問どおり支障ない旨答申することに決定いたしました。

 これから日程第三を採決いたします。

 本件については、区長諮問どおり支障ない旨答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、竹内 淳氏を区長諮問どおり支障ない旨答申することに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は、明三月三日午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後八時十三分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   木村正義

渋谷区議会副議長  沢島英隆

渋谷区議会議員   堀切稔仁

渋谷区議会議員   田中正也