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東京都 渋谷区

平成28年  6月 定例会(第2回) 06月09日−05号




平成28年  6月 定例会(第2回) − 06月09日−05号










平成28年  6月 定例会(第2回)



        平成二十八年 渋谷区議会会議録 第五号

 六月九日(木)

出席議員(三十四名)

  一番  斉藤貴之      二番  藤井敬夫

  三番  一柳直宏      四番  近藤順子

  五番  松山克幸      六番  田中匠身

  七番  伊藤毅志      八番  治田 学

  九番  吉田佳代子     十番  須田 賢

 十一番  笹本由紀子    十二番  堀切稔仁

 十三番  斎藤竜一     十四番  佐藤真理

 十五番  下嶋倫朗     十六番  久永 薫

 十七番  沢島英隆     十八番  岡田麻理

 十九番  小柳政也     二十番  鈴木建邦

二十一番  秋元英之    二十二番  田中正也

二十三番  牛尾真己    二十四番  五十嵐千代子

二十五番  前田和茂    二十六番  丸山高司

二十七番  木村正義    二十八番  染谷賢治

二十九番  栗谷順彦     三十番  古川斗記男

三十一番  薬丸義人    三十二番  芦沢一明

三十三番  苫 孝二    三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            長谷部 健

    副区長           千葉博康

    副区長           澤田 伸

    会計管理者         久保田幸雄

    経営企画部長        星野大作

    情報戦略担当部長      松本賢司

    庁舎総合対策部長      佐藤賢哉

    総務部長          藤本嘉宏

    施設整備担当部長      加藤健三

    危機管理対策部長      黒柳貴史

    区民部長          菅原幸信

    オリンピック・パラリンピック担当部長

                  安蔵邦彦

    文化・都市交流担当部長   船本 徹

    福祉部長          柳澤信司

    子ども家庭部長       松澤俊郎

    健康推進部長        前田秀雄

    都市整備部長        秋葉英敏

    渋谷駅周辺整備担当部長   須藤憲郎

    土木清掃部長        大澤一雅

    清掃担当部長        藤野貴久

    教育委員会教育長      森 富子

    教育振興部長        植竹ゆかり

    生涯学習・スポーツ振興部長 植竹ゆかり

    選挙管理委員会委員長    小林八枝子

    選挙管理委員会事務局長   倉澤和弘

    代表監査委員        小野浩道

    監査委員事務局長      丸山喜弘

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事務局職員

事務局長  斉藤則行    次長    藤田暢宏

議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏

議事主査  真下 弘    議事主査  武田真司

議事主査  石川研造    議事主査  市川洋子

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      平成二十八年第二回渋谷区議会定例会議事日程

                平成二十八年六月九日(木)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二 議案第三十九号 渋谷区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例

日程第三 議案第四十号 議会の議決に関する条例の一部を改正する条例

日程第四 議案第四十一号 渋谷区ラブホテル建築規制条例の一部を改正する条例

日程第五 議案第四十二号 渋谷区文化総合センター大和田条例の一部を改正する条例

日程第六 議案第四十五号 渋谷区特別工業地区建築条例の一部を改正する条例

日程第七 議案第四十六号 渋谷区立公衆便所条例の一部を改正する条例

日程第八 議案第四十三号 渋谷区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例

日程第九 議案第四十四号 渋谷区子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例

日程第十 議案第四十七号 平成二十八年度渋谷区一般会計補正予算(第一号)

日程第十一 議案第四十八号 笹塚第二保育園仮園舎建設工事請負契約

日程第十二 議案第四十九号 幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)建設建築工事及び防災公園整備工事請負契約

日程第十三 議案第五十号 幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)建設電気設備工事請負契約

日程第十四 議案第五十一号 幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)建設機械設備工事請負契約

日程第十五 議案第五十二号 千駄ヶ谷北参道施設(仮称)建設工事請負契約

日程第十六 報告第一号 平成二十七年度渋谷区一般会計予算繰越明許費の繰越しの報告について

日程第十七 報告第二号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について

日程第十八 報告第三号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について

日程第十九 報告第四号 一般財団法人渋谷区観光協会の経営状況の報告について

日程第二十 報告第五号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について

日程第二十一 報告第六号 公益財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(木村正義) ただいまから平成二十八年第二回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、十六番久永 薫議員、十八番岡田麻理議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔斉藤事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 長谷部区長、千葉副区長、澤田副区長、久保田会計管理者、星野経営企画部長、松本情報戦略担当部長、佐藤庁舎総合対策部長、藤本総務部長、加藤施設整備担当部長、黒柳危機管理対策部長、菅原区民部長、安蔵オリンピック・パラリンピック担当部長、船本文化・都市交流担当部長、柳澤福祉部長、松澤子ども家庭部長、前田健康推進部長、秋葉都市整備部長、須藤渋谷駅周辺整備担当部長、大澤土木清掃部長、藤野清掃担当部長、森教育委員会教育長、植竹教育振興部長兼生涯学習・スポーツ振興部長、小林選挙管理委員会委員長、倉澤選挙管理委員会事務局長、小野代表監査委員、丸山監査委員事務局長。

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渋監発第一号

   平成二十八年四月一日

 渋谷区議会議長殿

                     渋谷区代表監査委員 小野浩道

   代表監査委員の就任について(通知)

 平成二十八年四月一日付けをもって、下記のとおり地方自治法第百九十九条の三第一項の規定に基づく代表監査委員に就任したので通知します。

                 記



職名
氏名
就任年月日


代表監査委員
小野浩道
平成二十八年四月一日



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渋選発第六−二号

   平成二十八年四月六日

 渋谷区議会議長 木村正義殿

                渋谷区選挙管理委員会委員長 小林八枝子

   選挙管理委員会委員長及び副委員長の就退任について(通知)

 このことについて、下記のとおり就退任しましたので通知いたします。

                 記



新旧の別

氏名
就退任年月日



委員長
小林八枝子
平成二十八年四月六日


副委員長
福田昭子
平成二十八年四月六日



委員長
伊藤美代子
平成二十八年四月六日


副委員長
山下彰俊
平成二十八年四月六日



   〔以下の朗読を省略いたします〕

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 監査委員から、平成二十八年二月末日現在、三月末日現在及び四月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。

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○議長(木村正義) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 本日ここに平成二十八年第二回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案について御審議をお願いすることとなりました。

 この機会に、当面する区政の課題について御説明申し上げ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。

 初めに、震災対策についてです。

 四月十四日に発生した平成二十八年熊本地震は、震度七という最大級の揺れが二度にわたって襲う、これまでに経験のないもので、死者四十九人、安否不明者一人など大きな被害をもたらしました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、被災者の方々にお見舞いを申し上げます。また、被災地の一刻も早い復旧・復興を願うものです。

 本区は、翌四月十五日に毛布などの支援物資とともに職員三名を派遣し、その後も保健師等の派遣や簡易トイレ、飲料水、紙おむつなど様々な物資を送付するなど、いち早く被災地支援に対応してまいりました。今後もできる限りの支援・協力をしていきたいと思います。

 今回の地震は、東日本大震災から五年が経過し、災害の記憶が薄れ始めた中で、地震の怖さと日ごろの備えの大切さを改めて認識させる機会となりました。また、職員が被災地へ赴き、救援・復旧作業に協力する中で、区民の生命を守るために何が必要か、多くのことを学んできました。

 例えば、避難所における備蓄品のあり方です。発災直後は、まず水と食料などが必要ですが、日にちがたつにつれ、紙おむつ、トイレットペーパーなどの日用品の需要が高くなるなど、発災直後とその後では、必要とする物資の種類に違いが出ます。また、赤ちゃん用の紙おむつは、小さいサイズよりも大きいサイズのほうが需要が高いなど、今後は、発災後のフェーズごとに備蓄品の需要数を想定するとともに、使用実態に即した品目にしていく必要があります。

 加えて、避難所生活では、長期化に伴い、体力的にも精神的にも疲労・消耗していくため、プライバシーへの配慮や感染症対策が重要になります。きちんとした間仕切り壁の設置や授乳室・着替え室の確保など、どのような配慮が可能か、また、ノロウイルス対策など感染症の予防方法や患者発生時の対応についても検討してまいります。

 さらに、今回、大きな課題として浮上したのは、全国の支援物資の受け入れ体制についてでした。

 大量の支援物資を速やかに各避難所へ届けるには、受け入れ場所の確保とともに、適切に仕分けをすることが鍵になると指摘されています。そのため、受け入れ施設、配送方法、ボランティアの活用等について「受援計画」として策定したいと考えています。

 本区では、現在、震災時の行政機能の低下を最小限にとどめ、区民の生命・財産を保護し、速やかな復旧・復興を図るため、今年度から三年間で「業務継続計画(BCP)」と具体的な職員行動マニュアルの策定を進めています。

 また、策定済みの「渋谷区地域防災計画」についても、今回の経験をもとに再度一から点検し直すとともに、さらに訓練を積み重ね、より実効性の高いものにしてまいります。

 次に、待機児童対策についてです。

 本区では、待機児童解消を最重要課題の一つとして位置づけ、保育施設の確保・整備に全力で取り組んでまいりました。

 本年四月には、三園の認可保育所等を開設するなど、これらを含め、最近三年間でも千三百人の定員拡大を行っています。しかし、出生数の増加等に伴う入所申し込み者の増加により、昨年四月に二百五十二人だった待機児童は、本年四月には三百十五人となり、昨年を上回る結果となりました。

 六月には、「ほんまち一丁目保育室」がスタートし、十月には鴬谷町にある認可保育園「ほっぺるランド渋谷」の開設を予定していますが、切実な思いをされている方々が多くいらっしゃることを厳しく受けとめ、これまで以上のスピード感を持って、一層の保育施設の整備に取り組んでまいります。

 そこで、まず氷川地区と初台地区で、来年四月の開設に向け、区独自の助成制度を活用した事業者提案による保育施設を整備いたします。また、国の「特区制度」を活用した代々木公園内での施設整備についても、東京都との協議が整ったことから、来年十月に開設できるよう、本定例会に、それぞれ必要な開設準備経費や工事経費について、補正予算として計上しました。

 このような取り組みに加え、現在進めている計画として、平成二十九年度には上原地区の認定こども園の開設や、「キッズハーモニー・よよぎの杜」及び「おおやま保育室」の定員拡大、平成三十年度以降においても幡ヶ谷二丁目防災公園内の認可保育所の開設、笹塚第二保育園の建替え等があり、平成二十九年度から三年間で千四百人規模の定員拡大を目指します。

 今後も、区議会と連携しながら、様々な手法を活用し、全庁を挙げた待機児童対策を進めてまいります。

 次に、教育についてです。

 今後、世界のボーダーレス化がますます進み、グローバル社会がさらに進展することは確実です。また、ICTの進化も加速され、二〇四五年には、人工知能AIの能力が人間の能力を上回る技術的な転換点、シンギュラリティが訪れるという予測もあります。

 このような大変革時代を、子どもたちは生き抜いていかなければなりません。そのため、私は、ダイバーシティ、インクルージョン、クリエイティビティというグローバル社会の理念のもと、昨年十一月に策定した「渋谷区教育大綱」において、多様性社会の中で、子どもたちがそれぞれの個性を生かしながら、創造力を高め合うことを重視することを掲げました。

 今年度から新たにシリコンバレーを加えた児童・生徒の海外派遣ですが、八月に実施する北京市西城区及びフィンランド共和国については派遣者も決まり、事前研修に入っています。

 ホームステイあるいは現地校での交流授業等の体験を通して、コミュニケーションの大切さや国際感覚をしっかり学び、それを参加した児童・生徒のみならず、各小中学校においても共有し、渋谷の未来を担う青少年の国際性豊かな情操の育成につなげてほしいと思います。

 なお、渋谷区と西城区が交流を始めてから今年で二十年を迎えます。このたび、さらに交流を発展させ、友好関係を深めていきたいと、西城区から招請を受けました。この派遣研修に合わせ、八月四日から二泊三日で西城区を訪問したいと思います。

 先日、代々木山谷小五年生の理科の授業を視察しましたが、先生の用意した画像などを教材に、児童がタブレット端末を使いながら活発に議論し、発表する姿に圧倒されました。

 最先端のICTを活用していくことは、これからの教育に欠かせません。引き続き、企業等と協働し、一人一人の学習進度に応じた学びの充実や、ともに学び合う協働学習のあり方を研究し、その成果を区立全小中学校に還元していきたいと思います。

 本区では、今年度、常磐松小「ゆずりは学級」を開級し、神南小、幡代小と合わせ、特別支援教室拠点校三校体制が整いました。また、中学校においても、代々木中で情緒障害等通級指導学級「くすのき学級」を開級するなど、特別支援教育の充実を図っています。

 これからの教育で重要なことは、画一的な教育から脱し、子どもたち一人一人の志や能力、適性を捉え、全ての子どもたちの可能性を花開かせ、たくましく自立した人に育てることです。そして、このような多様な個性に応じたきめ細かい対応は、本年第一回定例会でも述べたように、「ギフテッド」と呼ばれる子どもたちにとって、より必要なものだと考えます。

 彼ら彼女らは、数字に強いとか瞬間記憶能力が高いなど、特定の能力が突出して高いものの、周囲とのコミュニケーション等において課題を抱えているため、従来の画一的な教育環境にうまく適応できず、かえって成績が伸び悩む例もあると聞いています。そこで、このような子どもたちの潜在的な才能を最大限に伸ばしていくための教育方法等について、実態等を含め調査・研究を進めており、その成果を本区での学校教育等に生かしたいと考えています。

 次にオリンピック、特にパラリンピックについてです。

 私は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功は、パラリンピックの成功があってこそのものと考えています。その東京大会では、区内競技場でウィルチェアーラグビー、バドミントン、卓球の三種目が実施されることとなっており、現在、本区では、練習場所の確保が難しいウィルチェアーラグビー、バドミントンに場を提供するとともに、子どもたちとの交流の機会を設けるなど支援をしています。また、九月から始まるリオデジャネイロ大会に向け、選手たちにエールを送るため、八月下旬にウィルチェアーラグビーの壮行会を予定しています。

 一方、職員には、リオデジャネイロ大会での実際の運営とともに、史上最高と評価の高いロンドン大会のレガシーを視察させ、今後の運営やサポート体制のあり方等、さらには渋谷ならではのレガシーの構築等に生かしていきたいと思います。

 パラリンピックの開催は、マイノリティを支援するだけでなく、マジョリティの意識を変えていく大きなきっかけの一つであることは間違いありません。

 本区では、今年度、全ての区立小中学校、幼稚園をオリンピック・パラリンピック教育推進校に指定し、ダイバーシティとインクルージョン推進の観点から、特にパラリンピック教育の推進を重視し、取り組んでいます。

 その一環として、区内(外苑前)で実施され注目されている暗闇体験、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を小学校三校、中学校一校の児童・生徒に体験してもらう予定です。これは、暗闇の中を視覚障がい者の方が案内人となり、子どもたちがグループで歩く体験学習です。私たちにとって暗闇は非日常ですが、視覚障がい者の方にとっては日常そのものです。それを実感することが、子どもたちの意識改革につながると確信しています。

 最後に、今定例会で御提案申し上げている条例改正案に関し、二点述べたいと思います。

 一点目は、渋谷区基本構想についてです。

 渋谷区基本構想については、これまで基本構想等審議会を七回開催し、精力的に審議を進めています。今後、同審議会から答申の素案をいただいた後、区議会に報告するとともに、区民説明会やパブリック・コメントを実施し、区民の皆様から幅広く御意見をいただき、渋谷区基本構想の内容を固めてまいります。

 御案内のとおり、市区町村が定める基本構想については、平成二十三年の地方自治法改正により、議会の議決事項から除かれました。しかし、基本構想は、今後の渋谷区の将来像を示すものであり、議会の議決を経ることで、本来の意味での本区の「総合的かつ計画的な行政運営の指針」になるものと考えます。

 二点目は、ラブホテルの建築規制についてです。

 本区は、区民の良好な生活環境の実現及び青少年の健全育成の観点から、ラブホテルの新たな建築を規制するため、平成十八年から「渋谷区ラブホテル建築規制条例」を施行し、これまで新規のラブホテル建築は一件もないなど、大きな成果を上げてまいりました。

 しかし、条例施行から十年を経過し、外国人観光客が著しく増加する一方で、区内のホテルの客室数が絶対的に不足するなど、国際観光都市渋谷を目指す上で課題が生じています。

 そのため、新たな使用禁止命令を設け、これに違反した場合は罰則の対象とするなど、条例の趣旨の徹底を図るとともに、一般のホテルを建築するに当たっては、過重な負担とならないよう、フロント、ロビー等の設置階の規制を除外し、さらに、百室以上の大型ホテルの建築については、シングルルーム、ダブルベッドの制限を除外するものです。

 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案八件、補正予算案一件、契約案件五件、報告案件六件を御提案しております。

 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

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○議長(木村正義) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 一番斉藤貴之議員。



◆一番(斉藤貴之) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長並びに教育長に、大きく「防災対策」「まちづくり」「民泊」「子育て支援」「高齢者福祉」及び「教育」について質問いたします。

 質問に入る前に、一言申し述べたいと存じます。

 このたびの熊本地震において犠牲となられた方々に哀悼の誠をささげますとともに、今なお避難生活を強いられながら復興を目指しておられる被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。

 まず、防災対策についてお伺いいたします。

 区長発言にもありましたように、熊本地震に対して全国自治体に先駆け、議会での行政視察での交流や消防団での視察受け入れなどの縁があった熊本県宇土市に対して、四月十四日前震の避難者千七百人分の毛布を支援されました。

 宇土市の防災計画では、大型台風に対し、台風発生後に指定の場所に毛布持参での避難を想定していたため毛布の備蓄がなく、緊急の要請があったと聞いております。まさに、区長が日ごろから申されているスピード感を持った対応と、高く評価いたします。

 その後、震災発生後七十二時間の対応の調査も兼ね、三名の職員を派遣し、さらに、四月十六日発生の本震に対しても追加物資の支援、医師を含めた人的支援が行われております。

 私ども渋谷区は、新聞社の調査で、防災力日本一の評価をいただいているところですが、今回の熊本地震で職員が現地で体験したことと照らし合わせると、まだまだ見直すべき点が見えてまいりました。今回、「渋谷区地域防災計画」の点検見直しとともに、「受援計画」を策定されると述べられましたが、私どもの会派からも現地入りをした議員がおりますので、現地の情報を踏まえて質問いたします。

 まず、支援物資の受け入れ施設の確保です。

 渋谷区の防災計画では、渋谷区役所周辺に設置した屋外テントでの支援物資の受け入れとありますが、区長発言にもありましたように、この計画を速やかに見直すべきと考えます。

 宇土市では、支援物資受け入れ拠点は、本庁舎裏の屋根つき公用車駐車場六台分でした。しかし、受け入れ場所が本庁舎倒壊の可能性による立入禁止区域に指定されたため、一部破損により避難所としては利用停止中であった市民体育館が利用できることとなり、支援物資が移動となりました。その後の支援物資は、千六百八十平米の体育館の半分、八百四十平米を使用しても入りきらない莫大な量で、六台分の駐車場では到底対応できませんでした。

 さらに、全市民避難勧告が出された震災四日後の大雨の際には、トイレットペーパーや紙おむつなどの紙製品が屋外の受け入れ拠点のままでは雨にぬれ、使い物にならなくなった可能性がありました。渋谷区の計画の屋外テントでは、莫大な量や天候への対応ができず、早急に指定するべきと考えます。

 なお、支援物資の運搬車には四トントラックもあり、時間によっては何台も順番待ちがありました。また、宇土市民体育館は、玄関にトラックをべたづけでき、十メートルほどのエントランスにもかかわらず、十二リットル入りの水など重い荷物を体育館奥まで運ぶバケツリレーでは、三、四十人のボランティアが必要でした。

 四トントラックの通行は可能で、搬入順番待ちのトラックによる交通渋滞を回避できる立地条件であり、さらに、荷物の搬入搬出がしやすく、備蓄場所までの距離、段差が少ない場所が望ましいと考えます。

 受け入れ場所の重要性を考えれば、現在指定されている避難場所の用途変更も含め検討すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 また、受け入れ場所では、水など重い荷物を運ぶのに折り畳みテーブル用の台車が大活躍しました。しかし、残念なことに、一度に十二リットルのケースを十個以上運んでいたため、重過ぎる荷物には対応できず、五日後には全て壊れてしまいました。また、間仕切りに使われた卓球用のパーティションは、背が低く荷物が積み上げられると見えなくなり、隣の荷物とまざるなど、現場では苦労が絶えませんでした。

 緊急で、ある物を使っての対応でしたが、運搬、仕分けを想定して、用意できる備品を事前に用意しておくべきと考えます。実際、現場ではポスターの裏や段ボールにマジックペンで文字を書き、張り出す時間すら惜しいほどの忙しさです。想定できる、運搬・仕分け用の備品を受け入れ場所に用意するようあわせて申し上げます。

 次に、支援物資の受け入れ体制についてお伺いします。

 震災後、日にちがたつにつれ、必要な物資は変わっていきます。各自治体から大量に支給されての在庫状況とともに、スーパーマーケットなどの物流の状況によっても変わっていきます。熊本地震では、本震発生後七十二時間でコンビニエンスストアに一部弁当が入荷、九十六時間後にはスーパーマーケットでお刺身が売られ、さらに翌日の木曜日にはミネラルウオーターが普通に買えるようになりました。時間の経過とともに必要な物資は変わりました。

 震災発生後の月曜日に、各自治体から不足物資の確認の電話が入った中には、翌日発送、二日後の木曜日に到着し、必要性がかなり低くなったものもありました。実際、国から発送された二万リットルの水は金曜日に到着し、いまだに備蓄所とは別の体育館に山積みされたままで、体育館は使用不能となっております。

 さらに、各家庭からの支援物資は、お気持ちは大変ありがたいのですが、宅配便に出された荷物が配達可能になったころには、物流が正常化に近づき、ほとんどの物が購入可能となり緊急度が低くなっていることに加え、過剰な配給が地元の経済に影響されることも懸念されました。必要な物を、必要とされる日時までしっかりと発信し、それ以外は断る勇気も必要と考えます。

 特に今回、各所で混乱を招いたのが、避難民から発信されたソーシャルネットワークサービスとその拡散です。震災直後の悲痛な叫びと物資不足がネット上で見られました。しかし、三、四日後も拡散され続け、宅配便が配達可能後には、必要性が低くなった物資が、一部施設に集中して、全国から大量に物資が届き、保管場所に苦労しています。

 そこで、区長に伺います。

 支援物資の受け入れルールづくりも必要と考えます。自治体同士の物資の受け入れ、各家庭からの義援品の受け入れなど、情報発信も含めて、一定のルールと規制を定める必要があると考えますが、所見を求めます。

 次に、配送方法についてお伺いいたします。

 支援物資の配給については、各自治体で苦労していました。

 避難所での配布では、住民より、何が足りない、何が欲しいとの行政への要求が多く、拠点配給を始めると、自分の地区にはなぜ来ないとのクレームの電話が数多く、災害本部での職員が仕事にならない状態でした。支援物資の価値は、日一刻と下がっていきます。

 東日本大震災の配給の遅さを教訓に、宇土市では、午前に届いた物資は午後に、午後の荷物は翌午前を目標に配給を続けていましたが、余りの要求、クレームの多さに職員が耐えられず、一度は配給中止が決定されました。

 この件は、行政が一切関知しない、全てボランティアによる配給に切り替えることで継続されました。ボランティアのみによる配給では、ほとんどの方から感謝され、スムーズな運営が行われました。

 迅速な対応には、ボランティアの活用が必要不可欠であります。しかし、全てボランティアによる運営を行うことで一番苦労したのが、配送手段のトラックの確保でした。宇土市では、トラック協会と防災協定を結んでいたのですが、協定内容は支援物資の受け入れ場所での仕分け指導で、震災発生四日後の水曜日に指導員を派遣するが、トラックは出せないとのことで、全く協定の意味がありませんでした。

 車が借りられないことで、当初、配送は、ボランティアで借りられたトラックでのみ配給を行いました。後日、休校のため使用されていない業務委託先の給食センターのトラックが使えたそうですが、渋谷区でも、配給ボランティアのトラックの確保が重要な課題になると考えられます。

 そこで、渋谷区の関係業者でトラックをお持ちの業種がボランティアに協力できる協定を結ばれてはいかがでしょうか。被災後はどの業種のトラックがあいているか、被災状況によりわかりませんので、数多くの業種と結ぶべきですが、区長の所見を伺います。

 また、拠点配給の問題点として、とりに来られる人はよいのですが、外出困難な要援護者への配給が課題となりました。宇土市の拠点配給では、配給場所で民生委員、町会長を探し、外出困難な高齢者に届けてもらいました。

 渋谷区で、外出困難者に配給品を届けていただくことは、車移動の地方と違い、大変であります。二リットルの水などを何本も同時に運ぶ手段を考えなくてはなりません。

 そこで、区長に質問します。

 要援護者への配給を、優先的に名簿をお持ちの民生委員にボランティアスタッフが協力できる体制をつくられるお考えはありますか。受け入れ場所、備蓄所において個別の受け渡しは、一番の混乱になりますので、事前に要援護者分の配給品を各拠点に確保し、運搬用の専用リヤカーを配備されてはいかがでしょうか。あわせて区長の所見を伺います。

 今回の質問では、受援計画に関する、受け入れ、配送について質問をいたしました。

 防災力日本一と評価された本区の防災マニュアルも、今回の熊本地震の体験を通して、ほかにも高齢者、障がい者の避難所での受け入れ態勢、家が無事であっても震災のトラウマから自宅に帰れない方へのメンタルケア、倒壊した病院の患者の受け入れ態勢、飲料だけでなく生活用水の確保、宇土市のように防災無線全体が使用不可能となった場合の対応など、多くの課題が見えてきました。一つ一つ細かく質問すると莫大なボリュームになりますので、今回は喫緊の課題である受け入れ、配送の質問でしたが、今後検討されている「渋谷区地域防災計画」の一からの点検、見直しについてのスケジュールをどのようにお考えかお示しください。

 次に、まちづくりについてです。

 区長のキャッチフレーズである「ロンドン、パリ、ニューヨーク、渋谷区」。三大都市に東京ではなく渋谷区を並列されているところは、多分に将来への意気込みが含まれておられるものと拝察いたします。

 ロンドンには、シティに代表される金融の中心としての顔、街の象徴であるビッグベンやバッキンガム宮殿を初めとする歴史的建造物のある街、そして、大英博物館に代表される文化都市としての顔があります。

 また、パリはルーブル美術館を初めとする芸術・文化の街が形成され、ニューヨークは世界の金融の中心であるウォール街を初め世界経済の中心としての面に加え、観光地タイムズスクエアには世界中から人が集まり、異文化都市としての多様性を持つという特徴があります。

 三大都市に肩を並べようとしている渋谷区は、現在、駅周辺の再開発が進み、多岐にわたる業種、さらに多くの人々が集う場所に変貌しようとしています。百年に一度と言われる再開発が行われており、オリンピック・パラリンピックに合わせて原宿駅周辺も整備される予定で、おおむね二年半後には区庁舎も新しく生まれ変わります。

 これからの渋谷が秘めたポテンシャルをどういった分野に力を入れて、世界の大都市と渡り合える、そして特色のある都市にしようとしているのか、渋谷区が並び得るものを打ち出していくようなアイデアがあるのか、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、渋谷区のコミュニティバス、通称ハチ公バスについてです。

 渋谷区コミュニティバスは、地域要望を受けて交通手段の空白を解消することで、高齢者、障がい者等の区民生活の円滑化を交通面において支援するとともに、誰もが移動しやすい公共交通機関の提供を目指すため運行が開始されました。

 今年度からは、所管が福祉部から、道路管理者であり交通管理者である警察と関係の深い土木清掃部に移管され、福祉的な役割を維持しながらも、さらなる区の魅力あるまちづくりの実現のために、総合的な交通施策の一環として取り組むべく再スタートを切ったものと認識しております。

 本年四月、新宿駅南口地区にJRのミライナタワーとともに、国土交通省の東京国道事務所が事業主体となって、空港からのリムジンバスや全国を結ぶ定期路線の高速バスターミナル、タクシー乗り場などを集約した、交通ターミナルである「バスタ新宿」が開業し、新たな交通結節点として注目されております。ここは新宿区のコミュニティバスWE(ウィー)の発着場にもなっております。

 バスタ新宿は、名前は新宿とありますが、住所地は千駄ヶ谷五丁目であり、渋谷区の貴重な交通インフラの拠点であります。既存の福祉の路線はしっかりと維持しつつ、このバスタ新宿を活用した、渋谷区コミュニティバスの路線の新設など、地域活性化の可能性を高める取り組みが考えられるのではないかと思います。区長のお考えをお聞かせください。

 次に、民泊についてです。

 昨年、一千九百万人を超えた訪日来客数は、本年一月から四月の累計で、既に前年同期間比三二・九%の伸びを見せています。このままの推移でいけば、今年の訪日来客数は二千万人を超えることは確実な状況です。政府は早々に訪日来客数の目標数値を、二〇二〇年に三千万人と上方修正することを検討しています。

 世界的にも有名な観光商業地である渋谷区には、オリンピック・パラリンピックを目前に、今後、より一層の外国人観光客の増加が予想されます。外国人観光客の急増に伴い不足が予測される宿泊施設を補うための民泊の需要増は必然の流れと言えます。

 しかしながら、政府主導による国家戦略特区の設定や規制緩和の流れの中でも、本区を含めた他区の動向は依然として慎重であります。

 渋谷区における民泊の経営希望者数は日本一と言われており、現状でも散見される区内の違法な民泊が、今後もさらに増加するのは明らかであり、しっかりとした対応が急がれます。

 民泊により区内での来街者の滞留率が高まることは、近隣の飲食店や商店、レンタカー、タクシーなどの消費拡大の効果が見込めるなどのメリットがあります。一方で、宿泊者が地域の居住ルールを知らない、守らない、あるいは匿名での利用が可能なことから、人数の把握ができず、また犯罪者のアジトになるなどのデメリットも多く指摘されます。さらに、納税面でも不正の温床となる可能性があります。

 厚生労働省と国土交通省でつくる「民泊サービスのあり方に関する検討会」では、過去十一回にわたり民泊サービスの制度設計について話し合いがなされておりますが、トラブル防止の観点と規制緩和拡大との間で方向性がなかなか固まらないのが現状です。

 第一回定例会で、我が会派からの民泊についての質問に対する区長の答弁では、国の動向を見ていくとのことでしたが、方向性が定まらない国の決定を待っている間にも、区民並びに利用者にとって不安が放置されることとなります。早期に、民泊における様々な問題点を洗い出し検討する必要があると思います。罰則規定も念頭に置き、地域と折り合いがとれ、住民が今までどおり安心して暮らせる、また、宿泊客も不自由なく観光していただけるような渋谷区独自のルールを作成することが喫緊の課題と考えます。民泊の規制に対する、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、子育て支援についてです。

 渋谷区の住宅地は、住居コストが高く、子育てをする若い夫婦にとってはなかなか経済的にも大変だと思いますが、共働きは現代社会のスタンダードでもあります。

 しかし、子育てを地域社会が応援し、行政の手厚い支援があれば、職住接近が実現する渋谷は、バランスのとれた子育てや生活のできる町となるでしょう。その意味で、区は総合的な子育て支援の充実に取り組むことが望まれるわけであります。

 本年四月一日の渋谷区の待機児童数は三百十五名と前年度より六十三名増えており、これは東京二十三区でワースト五位ということであります。待機児童ゼロの実現は喫緊の課題であります。

 この課題に対し、区はあらゆる手法を活用した努力を重ねていることは承知しておりますが、保育士の就業支援策を拡充するなど、ハード面とソフト面の両面に力強く取り組んでいただくべきだと考えます。

 ハード面、すなわち保育園の設置には、渋谷区のような地価の高い、また、スペースのそれほどない地域では確保が困難なことは理解できます。また、せっかく確保できても、近隣からのクレームが発生する場合も最近は多いようです。

 区は、約二十五億円の予算で保育園の定員を三百六十人増員するため施設の新設を予定しておりますが、今後もさらなる受け皿を用意する必要に迫られております。

 このたび、厚生労働省は小規模保育施設の定員拡大など設置基準の緩和を認めました。そこで、これからの具体的な案として、我が会派が提案している小規模保育の拡充を目指し、駅前ビル等に協力を求め、必要スペースを区が借り上げて民間事業者の誘致を進めることが現実的であります。駅前ビルなどの保育施設は利便性があり、ビル側にとっても区がテナントとなることで安心感を持て、近隣からのクレームも少ないのではないでしょうか。

 小規模保育はいわばサテライト型であり、三歳より受け入れる連携施設とセットで設置、運営しなければなりませんが、連携施設にサテライト型の小規模保育の設置を進めることについても区の積極的指導、あっせんが対策のかなめになることと思います。待機児童問題は、まず施設を増やさなければ解消には至りません。区長のお考えをお聞かせください。

 ソフト面、特に保育士の補充の問題については、人材が足りないがゆえに新設できない、あるいは定員を減らさざるを得ないという事態を起こしては、新しい施設を増設しても何もなりません。

 区が打ち出した、「保育施設賃借物件に係る賃料補助の上乗せ加算」については評価いたします。一方、平成二十七年四月に開始された「厚生労働省の保育対策総合支援事業費補助金」を活用して、よき人材の確保をしやすい環境づくりと水準の高さを維持していくべきと考えます。区長のお考えをお聞かせください。

 保育士不足を解消するためには、結婚などで専業主婦になったり、職業を変えたりした、いわゆる「潜在有資格者」の再登板が必要かと思います。国は、資格のない方も非正規で雇用できるようにするようですが、潜在有資格者はブランクがあるために、しり込みする傾向があるかもしれません。このような方に対して区は実地研修を受けていただく制度や保育園への就業あっせんをする仕組みをつくるなど、潜在有資格者が不安なく再就業できるような環境づくりを急ぐべきと思います。区長のお考えをお聞かせください。

 これまで、認可保育所、認定こども園では延長保育の実施や一時保育事業、ひろば事業など保護者のための特別保育事業に努力されていることは承知しております。

 病児保育については従来、施設や人材面での負担で、区内での病後児保育室は一カ所、病児保育については訪問型で現在対応しております。

 厚生労働省の病児保育等について、規制緩和がなされたのを機に、平成二十八年度から始まる「病児保育普及推進事業」の国からの補助も生かし、今後の子育てニーズを考え、保護者の子育て支援の手段の一つとして、病児保育施設の設置を検討されてはいかがでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。

 次に、高齢者福祉についてです。

 渋谷区においては、高齢者の健康増進に対して多くの事業が実施されています。

 高齢者ケアセンターで行われている「高齢者健康・生きがいづくり事業」や、区立スポーツ施設、はつらつセンター、地域交流センターなどで行われている「健康はつらつ事業」、シニアいきいき大学で行われている各種講座など、枚挙にいとまがありません。

 一方で課題もあります。それは、今後増加が予想されている認知症高齢者の徘回問題です。

 我が国の認知症高齢者の数は、団塊の世代の全てが七十五歳以上になる二〇二五年に七百万人に達すると見込まれています。

 厚生労働省は、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指し、これまでの認知症施策を改めた「新オレンジプラン」を二〇一五年に関係省庁と共同で策定しました。このプランの中において高齢者の安全確認や行方不明者の早期発見・保護を含めた地域での見守り体制の整備を掲げています。

 報道によりますと、認知症高齢者の行方不明件数は全国で一万人を超えたと言われております。また、徘回中に鉄道線路内に侵入し、電車と衝突してお亡くなりになった事故など、認知症高齢者の徘回による事件・事故も多く発生していることから、この認知症高齢者の行方不明、徘回対策は急がなければならないことと考えます。

 これらの対策としては、本人確認のためのツールや発見のためのネットワーク構築の両面が考えられます。

 本人確認ツールに関しましては、渋谷区では今月から開始された「見守りキーホルダー事業」があります。

 これは、事前に連絡先などの情報を登録した番号の入ったキーホルダーや、衣類などに張れる同じ番号の入ったアイロンシールを持ったり張ったりしておくことにより、このツールを持っている高齢者が保護された場合には二十四時間三百六十五日いつでも身元がわかるというものです。早期発見・対応に期待いたします。

 次に、ネットワーク構築についても、町会や商店会、認知症サポーターなどを活用して進められていると思いますが、さらなる連携を図っていかなくてはならないと思います。

 そのためには、ICT等の活用も考えられます。平成二十八年二月五日に閣議決定された「産業競争力の強化に関する実行計画(二〇一六年版)」及び「平成二十七年度産業競争力強化のための重点施策等に関する報告書」においても重要施策に位置づけられています。あらゆるものをネットワークにつなぎサービスを創出することが期待される「インターネット・オブ・シングス」、いわゆる「IoT」の活用です。

 このIoTサービスを利用した子どもの見守り機器や高齢者徘回対策機器が多く開発されていると聞いております。IoTを活用すれば、従来の徘回対応で使われているGPSなどの様々な機器よりも、より多くの情報、ビッグデータが活用できるため、詳細な位置情報の取得、ドアの開閉などの細かな動作や人の動きなどが確認でき、さらに利用価格も安価です。他自治体においては、開発企業と実証を行い、導入に結びついた事例もあると聞いております。

 本区においては、IoTを活用した徘回高齢者対策を進めていくようなお考えはありますか。区長の御所見をお聞かせください。

 次に、教育について伺います。

 初めに、子供の自殺についてです。

 自殺対策基本法の一部を改正する法律が平成二十八年四月一日より施行されました。今回の改正では、子どもの自殺対策が強化され、学校は、保護者や地域住民らと連携しつつ、子どもたちの心の健康を保つ教育や啓発を行う努力をすることなどが新たに盛り込まれました。

 今の中学生は自己肯定感が希薄と言われております。先月も都内で、女子中学生二人が手をつないで線路へ飛び込むという痛ましい事件がありました。前途ある中学生がみずから命を絶つという報道に接するたびにやりきれない思いがいたします。

 中学生の自殺の原因は、いじめがクローズアップされていることが多いようですが、それ以外にも様々な原因があり、子どもの悩みや助けを求めるサインは、身近な人でも気づきにくいとも言われております。

 こうした状況に鑑み、児童・生徒を初めとした若年層に対する自殺予防の強化が必要なのではないでしょうか。

 本区では、スクールカウンセラーなどの施策があることは承知しておりますが、保育士と連携を強化し……

   〔「保健師」の声あり〕



◆一番(斉藤貴之) 保健師と連携を強化し、子どもの自殺を防ぎ、生涯を通じたメンタルヘルスの基盤づくりにどのように取り組んでいくのか、教育長のお考えをお聞かせください。

 次に、部活動についてです。

 心身ともに大きな成長期である中学校時代に、部活動を通してスポーツや芸術に親しむことは、単に、体力や技術の向上だけでなく、学級や学年の枠を超えた連帯感や協調性、自主性、さらに先輩、後輩のきずなを育む上でも重要な役割を果たしていると言えます。

 私自身、中学校時代の部活動で培ったことが、自分自身の人間形成に少なからず影響していると感じることがあります。部活動での体験は、生涯にわたる大きな財産と言えます。

 しかし近年、中学校の部活動で見られる課題として、少子化に伴い、教員数の減少による指導者不足や、部活動指導による教員の多忙化が挙げられています。これらの問題は、本区にも当てはまることと言えます。

 また、OECD国際教育指導環境調査にもあるとおり……

   〔「教員」の声あり〕



◆一番(斉藤貴之) 教員指導環境調査にもあるとおり、我が国の教員の勤務時間は調査国の中でも最長であり、部活動などの課外授業も、その一因として挙げられます。

 子どもたちの情熱や向上心に応え、よき教育の機会を与えるためにも、部活動を充実させたいと望んでおります。そこで、本区の部活動の課題に対する解決策をどのようにお考えか、教育長にお尋ねします。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党、斉藤貴之議員の代表質問に順次お答えいたします。

 初めに、区の防災対策について五点のお尋ねですが、今回、熊本地震で現地での支援活動を通じて得られた経験を生かしての、示唆に富んだ御質問であります。

 まず、支援物資の受け入れ施設の確保についてお答えします。

 区の現在の計画では、支援物資集積場として、渋谷区役所周辺、東急セルリアンタワー内備蓄倉庫、総合ケアコミュニティ・せせらぎ内の備蓄倉庫を候補としているところであります。

 議員御指摘のとおり、今回の熊本地震の教訓から、支援物資集積場の選定については様々な課題がわかったところであります。

 そこで、現在の候補地を点検したところ、大型トラックが搬入する場所としては、幹線道路からのアクセスのしやすさ、道路の幅員、また備蓄場所までの運搬方法について課題があることがわかりました。さらに、支援物資集積場から避難所までのアクセスが容易であるかなども検討の必要性があると考えております。

 そこで、早急に現在候補としている支援物資集積場について課題を検証し、修正すべきところは修正を行い、必要があれば、他の候補地の選定を含め、実践的に検討することといたします。

 次に、支援物資の受け入れ体制についてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、支援物資のニーズは、フェーズごとに変わっていきます。義援品についての御指摘は同じ思いであり、宅配便が配達可能となる時期には流通も回復し、店舗での購入が可能となります。義援品を無償配布することが民間の経済活動を圧迫することになるため、各家庭からの義援品の受け入れはお断りするように考えております。

 現在、災害時、特別区では相互協定を結び、また、近隣五区でも同様の相互協定を結び、相互支援を行うこととしております。さらには、東京都羽村市や河津町など、他の自治体とも相互応援協定を締結し、食料や生活必需品の確保ができるようにしています。

 今後、相互協定の中で支援物資の受け入れルールとして、必要な物資等については、必要なときに必要なものが届くような仕組みづくり、すなわちプル方式を検討してまいります。

 なお、ソーシャルネットワークサービスを利用した誤った情報の拡散により、必要のない物資が届くといった弊害を防止する意味でも、ソーシャルネットワークサービスに情報等を正確に発信できるボランティアなどを協力員としてあらかじめ登録させるなど、情報の信頼性を高めるための仕組みを研究してまいります。

 次に、配送方法についてお答えいたします。

 本区では、災害時において、被災者の連絡、資機材・食料運送等については、まず区有車を優先的に活用することとなっております。さらに、東京都トラック協会渋谷支部と「災害時における救援物資等の輸送用車両の優先提供に関する協定」を締結し、発災時の供給可能台数として五十一台のトラックを確保しているところです。

 熊本地震の被災地支援につきましても、東京都トラック協会渋谷支部の御協力により、物資を輸送することができたものであります。

 現状では、区有車両及び協定車両において一定の確保はできていると考えておりますが、熊本地震の状況を踏まえ、新たにボランティアに協力できる宅配業者等との震災時の輸送車両の提供の協定について協議を進めていきたいと考えます。

 次に、外出困難な要援護者への配給についてお答えいたします。

 本区の災害時要援護者の支援につきましては、地域ごとに災害時要援護者名簿を作成し、自主防災組織、民生児童委員、安心見守りサポート協力員が連携して安否確認、避難の支援をしていただくこととなっております。

 したがって、災害時要援護者の方々は、地域の皆様の御協力のもと、避難所に避難することが原則です。しかしながら、やむを得ない理由により、自宅にいらっしゃる方がいることを想定しなければいけないのも事実です。

 議員の御提言どおり、災害時要援護者分の配給のためのボランティアの活用と専用のリヤカーの配備は有効と考えますので、今後の支援策として検討してまいります。

 次に、渋谷区地域防災計画の点検し直しについてお答えいたします。

 区では、今年度から三年間で、「業務継続計画」「職員行動マニュアル」及び「受援計画」を策定し、最終的に「渋谷区地域防災計画」を修正することを予定しております。

 今年度は各計画の基礎調査を行い、二十九年度に各計画を策定します。さらに、三十年度には、各計画と整合性がある渋谷区地域防災計画の修正を行うことにしております。

 このたび、熊本地震から得られた教訓から、この計画策定と並行して、今できることは前倒しで順次反映させるとともに、防災訓練等の際に実証してまいりたいと思います。

 次に、まちづくりに関するアイデアについてのお尋ねですが、私は、区長就任以来、ロンドン、パリ、ニューヨーク、渋谷区と言われるようなまちづくりを目指したいと申し上げてきました。

 これは、成熟した国際都市を目指したいという強い思いがあっての発言です。誰もがホスピタリティにあふれ、年齢、性別、障がい、国籍、性的マイノリティなど一人一人の違いを個性として尊重し、生き生きと暮らしていけるまちづくりを進めていくため、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンをより一層推進していきます。

 例えば、渋谷駅周辺について考えを述べさせていただくと、渋谷駅周辺は、かつてビットバレーと呼ばれたIT企業や多くのアナログレコード店が世界に知られており、ライブスタジオや劇場など様々な業種、芸術が混在し、お互いを刺激し合い変化をし続けています。この変化し続けるということこそが渋谷の持つポテンシャルであり、世界に誇れる渋谷の力と言えます。

 また、渋谷は他都市と比較してコワーキングスペースが多く立地しており、人材育成とともにコ・クリエーションの風土づくりが進んでいると感じております。

 一方、世界に目を向ければ、企画段階から利用者や異分野の人々が参画し、新しいものづくりを進める既存の枠組みを超えたイノベーションが進んでおり、渋谷でも民間主導の人材育成、フューチャーセッションなどの取り組みが積極的に行われています。

 そこで、これからはこうした渋谷の土壌、ポテンシャルを生かし、多様な人々及び組織の交流により、渋谷独自の価値やローカルな特性を共有し、地域の将来像を明確にする必要があります。そのため、地域住民を中心に、多様な企業や、渋谷にお住まいでなくても渋谷を愛し、応援していただける方を「渋谷民」とお呼びし、こういった様々な人々のきずなを醸成していくことを一つの目標としていきたいと考えます。

 交流の場では、まちの将来像を語り合い、地域の課題解決に向け、地域の思い、発想力、技術力、ビジネスの力をマッチングしてプロジェクト化されていく仕組みづくりを実現し、渋谷のクリエイティブコンテンツ産業やエンターテイメント産業がさらに発展することを期待します。

 次に、バスタ新宿を活用した渋谷区コミュニティバスの路線の新設など、地域活性化の可能性を高める取り組みについてのお尋ねですが、バスタ新宿は、国道である甲州街道、乗降客数日本一の新宿駅に接続しており、全国各地と結ばれた、利便性の高いバスターミナルであると同時に、渋谷区の千駄ヶ谷地区、代々木地区と隣接しています。

 また、近隣には、東京オリンピック・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場や東京体育館が立地し、今後さらに多くの利用客が見込まれます。

 このようなことから、議員御指摘のとおり、バスタ新宿を活用した渋谷区コミュニティバスの運行は、地域の活性化の大きな可能性を秘めていると考えられます。

 今後、渋谷区コミュニティバスのこれまでの経緯や役割を十分に踏まえながら、バスタ新宿を活用した新たな路線の設定、既存路線の延長など、東京オリンピック・パラリンピック会場等をつなぐことを含めて検討を進めてまいります。

 次に、民泊についてのお尋ねです。

 初めに、渋谷は、日本だけでなく海外においても魅力的なまちとして知られています。

 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを一つの契機として、世界各国からさらに多くの外国人旅行者をお迎えし、区民の皆さんや地域と一体となって渋谷ならではのおもてなしを進めていくためにも、「渋谷区版民泊」を積極的に導入していきたいと考えています。

 一方、民泊については様々な課題があることは十分承知しており、サービスの実態について必要な情報を把握し、居住者、マンションの管理組合、警察とも連携して適正な対応を行っています。区民の皆さんの安全・安心を守ることが最優先課題であり、その考えは今後も変わりません。

 議員お話しのとおり、現在、国において「民泊サービスのあり方に関する検討会」で、一定の要件における新たな制度の枠組みが検討されているところです。

 本区においては、こうした国の動向を踏まえつつ、「渋谷区版民泊ルール」の策定に向けて、一歩先を見据えた新しい方策について社会実験なども視野に入れながら、独自に検証していきたいと考えています。

 いずれにしても、区民の皆さんの安全・安心を守りながら、渋谷を訪れる方々を渋谷のコミュニティの一員として受け入れることを支援していけるような、ダイバーシティ渋谷ならではのスタイルを検討していきます。

 次に、子育て支援に関して四点のお尋ねでございます。

 まず、待機児童解消のために小規模保育の活用についてのお尋ねです。

 これまでも貴会派を初め議会の全面的な御協力により、本区は、区政の最重要課題の一つである待機児童対策に努めてまいりました。しかし、出生数や入所申込者数の増加に伴い、残念ながら待機児童の解消には至っておらず、これまで以上にスピード感を持った保育施設整備が喫緊の課題となっております。

 小規模保育施設の拡充につきましては、現在、新橋地区に来年四月開設を目指して一カ所計画が進行中であり、今後、駅前ビルや商店街の空き店舗などを活用した小規模保育につきましても、区から積極的に働きかけてまいります。

 小規模保育施設の設置は、議員の御提言どおり、連携施設の確保が課題と認識しております。この春開設した「キッズハーモニー・ニューマン」と「キッズハーモニー・よよぎの杜」のような連携も念頭に置き、認可保育園の運営事業者等からの提案受け入れ時に、将来的な連携施設の役割を担うことを促すなど、その誘致に努めてまいります。

 さらに、小規模保育施設については、国が定める公定価格のみでの運営は厳しいと聞いておりますので、区独自の支援方法の検討を進めるなど、小規模保育施設が参入しやすい環境づくりに取り組んでまいります。

 次に、保育士の人材確保に関して、国の補助制度を活用して、よき人材を確保しやすい環境づくりと水準の高さを維持すべきとのお尋ねです。

 まず、区独自の賃貸物件に係る賃料補助制度について評価をいただき、ありがとうございます。区民活力を一層活用していくことは、待機児童解消の有効な手段の一つであると考えています。

 一方、昨今、民間保育事業者における保育人材の確保は困難な状況にあると認識しており、民間活力の活用に当たっては、区内で働く保育士の確保と定着促進に向けた環境づくりが必要不可欠となっています。

 厚生労働省の「保育対策総合支援事業」には、保育士確保対策の一つとして、「保育士宿舎借り上げ支援事業」といった区内における保育人材の確保・定着・離職防止の効果が期待できる制度も設けられています。

 今後、この「保育士宿舎借り上げ支援事業補助制度」の活用についても、前向きに検討を進めていきたいと考えております。

 本区における待機児童対策といたしましても、保育施設の整備はもとより、よりよい人材の確保と保育水準の維持に努め、引き続き、ハード・ソフトの両面から総合的な取り組みを進めてまいります。

 次に、保育士資格を持っている潜在有資格者の活用についてのお尋ねです。

 議員御提案のとおり、既に保育士資格を持っており、保育園に勤務していない潜在有資格者は、即戦力として期待できるため、その活用は極めて有効であると考えています。

 本区においても、家庭での子育てが落ち着いたなどの理由により、保育士資格を持っている方々が、区立保育園で非常勤職員として勤務している例が多くあります。

 潜在有資格者の中には、保育士としてのブランクがあるため、職場復帰に不安を抱えている方も多く、こうした方々に保育体験の機会を提供することで不安の解消を図り、再就職のきっかけをつくっていくことも一つの方策と考えています。

 現在、潜在有資格者の活用については、「東京都保育人材・保育所支援センター」が、再就職に関する相談や就職あっせん、研修等を行っておりますが、今後はさらに同センターとも連携し、区内保育園などを保育実習の場として活用してもらい、就労に結びつけていくなど、さらなる取り組みを進めていきたいと考えます。

 次に、病児保育施設の設置についてのお尋ねです。

 これまでも本区では、子育て中の保護者の就労形態や就労時間が多用化する中で、様々な保育ニーズに柔軟に対応した保育サービスの充実を図ってまいりました。

 現在、病児保育事業としては、子どもが病気やけがで保育施設に登園できない際に、保護者が自宅でベビーシッター等を利用した場合の費用の一部を助成する制度を実施しております。しかし、自宅での保育が困難な場合や、病気の回復期に至らない子どもに対して、看護師等による医療的ケアが必要な場合もあります。

 病児保育の整備と運営については、これまで医療機関や保育所等に付設された専用スペースの確保や、保育士及び看護師の常駐要件など、実施機関の確保が困難な状況がありました。しかし、本年四月からは、近隣病院から看護師が駆けつけられる迅速な対応が可能であれば、看護師の常駐を要件としないことができるなど、職員の配置に関して柔軟な対応が可能となっております。

 また、国の補助制度の新設等もあったことから、これらを踏まえ、本区においても病児保育実施に向けての検討を進め、引き続き、多様な保育需要に対応したきめ細やかな保育サービスを展開していきたいと考えています。

 次に、高齢者福祉について、認知症高齢者による徘回対策として、IoTを活用した徘回高齢者対策を進めていくような考えがあるかとのお尋ねです。

 認知症高齢者の徘回による行方不明問題は大きな社会問題になっており、発見の遅れが大きなけがや死亡につながることもあることから、早期発見・早期対応が急務であると本区でも考えております。そのため、第六期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画において、認知症徘回高齢者の行方不明対応を施策として掲げているところです。

 この事業計画に基づき、認知症高齢者の見守り対応として、見守りキーホルダー事業を開始いたしました。一方で、近年のICT技術の進歩は著しく、議員御指摘のIoTを活用した徘回高齢者対策も大変有効なサービスと考えております。

 IoTとは、ありとあらゆるものをインターネットにつなげることにより、私たちの生活の利便性が向上するものです。IoTを活用すれば、在宅高齢者の状態把握ができるだけでなく、例えば鍵の開閉、エアコンの温度の上げ下げ、関係機関への通報など自動的に行うことも可能になることから、新たな見守り体制が構築されていくこととなります。

 また、認知症徘回高齢者対策としてIoTを活用すれば、従来のGPS装置による対応に比べ、より正確な位置情報や移動履歴を得ることができ、価格が安価で装置も小型化される想定であることから、現在、各企業において実施している実証実験の結果を検証した上で、本区への導入について検討してまいります。

 これらのサービスと、区が従来進めてきた地域で認知症高齢者をサポートする取り組みである認知症サポーターネットワーク体制とを連動させて、ハード・ソフトの両面から、認知症徘回高齢者の早期発見に努めてまいります。

 以上、私からの答弁といたします。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 教育について、私には二点のお尋ねがありました。

 まず、子供の自殺防止についてのお尋ねです。

 前途ある若者がみずから命を絶つことは、渋谷区のみならず我が国にとってとても大きな損失であります。若年層に対する自殺予防の取り組みは最優先で取り組むべき課題と捉えております。

 子どもの自殺については、様々な要因が複雑に関連し合って生じることが多く、それだけに、学校、家庭、その他関連機関が連携をし、子どもの状況を多面的に捉えていくことが大切であると考えています。

 現在、東京都の施策によってスクールカウンセラーが週一回全校に配置されていますが、渋谷区ではそれに加え、独自に小学校九校と中学校四校に区のスクールカウンセラーを配置し、相談体制の充実を図っており、全児童・生徒を対象にした年三回のアンケート調査はもとより、小学校五年生と中学校一年生でスクールカウンセラーによる全員面接を行うなど、子どもの心のありようの把握に努めています。スクールカウンセラーによるメンタルヘルスや自己の感情を適切にコントロールする授業も実施されています。

 また、教育センターの臨床心理士やスクールソーシャルワーカーが各学校を巡回し、気にかかる子どもの様子を見取り、子どもの対応について教員と協議したり、教育相談につなげたりしています。

 さらに、学生ボランティアも受け入れ、子どもたちと近しくかかわったり、地域や関係機関の方々と学校の教職員が協議する場を定期的に設定し、必要なときに支援を得られるような関係づくりに努めたりするなど、学校以外の支援も受けられるようにしています。

 このように、学校を中心とした組織的・重層的な教育相談体制をセーフティネットとして、子どもの状況の多面的な理解に努めています。

 しかし、何より自殺予防に大切なことは、子どもたちに自己肯定感を育むことです。子どもたちの心の健やかな発達が、生涯にわたる心の健康につながります。

 議員が御提案してくださった、子どもの自殺防止に向けた保健師との連携強化ですが、保健所や子ども家庭支援センターに所属している保健師などとは既に教職員が情報共有する場を設定しておりますが、自殺対策では保健師がかなめとなることも鑑み、この連携をさらに一層深めるとともに、学校の様々な教育活動の中で、子どもたちが自己肯定感を育む指導を積み重ねられるよう、子どもを取り巻く教育環境の充実を図ってまいります。

 次に、中学校の部活動の振興策についてのお尋ねがありました。

 議員の御指摘のとおり、部活動は、子どもたちの人格形成に寄与するだけではなく、友情を深めるといった好ましい人間関係の構築に資する、教育的意義の大きな活動です。

 したがいまして、少子化による生徒数、教員数の減少による指導者の不足といった課題に対応するため、渋谷区では、各学校からの申請に基づき、外部指導員の配置が可能となる予算措置を行い、部活動の充実及び活性化を図っております。

 これにより、生徒はより専門的な指導を受けられるようになり、意欲や技能の向上につながっています。また、教員にとっても、その競技や技能について専門性がない中で部活動の顧問を務めるといった負担の軽減にもつながっています。

 また、平成十二年度から、運動部を中心に合同部活動の制度を設け、部員数の少ない学校同士が合同チームを組んで活動したり、大会に参加したり、生徒が所属する学校に希望する部活動がない場合には、他校の部活動に参加することができる取り組みも行っており、子どもたちの意欲に応える場を用意しております。

 さらに、平成二十六年度から実施している「中学校部活動活性化事業・チームしぶや」事業では、中学校の部活動の活性化を図り、子どもたちの体力向上等を支援する目途で実施しています。各学校の部活動がスポーツセンターなどに集まり、専門講師の指導プログラムにより合同練習を行い、そこでは活気にあふれ、互いに切磋琢磨する仲間づくりも進められています。

 こういった取り組みが功を奏し、区立中学校における部活動加入率は九〇%近くに達し、東京都の平均を上回っています。

 教育委員会といたしましては、運動部活動、文化部活動ともに、その意義や各学校の状況をきめ細かく捉えて部活動の支援を行い、心身ともにたくましい子どもの育成に努めてまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 斉藤貴之議員。



◆一番(斉藤貴之) 区長並びに教育長、前向きな御答弁まことにありがとうございました。

 我々自由民主党議員団は、これからも渋谷区の発展のため、区民の皆様の安心・安全のため、全身全霊、渋谷区のために尽くしていきますことをお誓い申し上げまして質問を終わります。



○議長(木村正義) 二十二番田中正也議員。



◆二十二番(田中正也) 私は、日本共産党渋谷区議会議員団を代表して、区長、教育長に質問します。

 さきの熊本地震によってお亡くなりになられた皆様に心から哀悼の意を表します。被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。日本共産党は、避難生活の改善と一刻も早い復興と再建のために全力を尽くします。

 沖縄では、二十歳の女性が元米海兵隊員に暴行され、死体を遺棄される事件が発生しました。未来ある若者の命と尊厳を踏みにじる蛮行は絶対に許せません。米軍基地がある限り、悲劇は繰り返されます。沖縄県民を苦しみから解放するためには、米軍基地の閉鎖・撤去しかありません。日本共産党は、沖縄県民と連帯し、辺野古への新基地建設を許さず、全ての基地を撤去させるために全力で頑張ります。

 区民の命と暮らしにかかわる国政問題について、まず二点、質問させていただきます。

 戦争法廃止と憲法を守る政治についてです。

 安倍政権は、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、安全保障関連法=戦争法を強行、憲法によって権力を縛るという立憲主義を乱暴に破壊しました。憲法を無視して暴走を始めたら、それは独裁政治の始まりです。今、戦争法によって、南スーダンPKOでの武器使用権限の拡大など、海外での武力行使によって、殺し、殺される現実の危険が迫っています。戦争法は廃止するしかありません。

 今、憲法破壊の暴走をとめようと声を上げ、立ち上がった多くの市民・国民の声に応え、野党と市民・国民が協働する歴史的な戦いが発展しています。六月五日には、「明日を決めるのは私たち、政治を変えよう!」と全国百カ所以上で行動が取り組まれ、国会前集会には四万人以上が参加しました。

 戦争法廃止を求める請願署名は、全国で千二百万人を超えています。六月二日には、戦争法の廃止と立憲主義の回復を求める渋谷市民連合の集会が開かれ、参加者は、「首相を含む全ての公務員は憲法を守ると宣誓して職につく、憲法破壊の政治は許さない」と訴えています。戦争法廃止と憲法を守る政治を求める声は、区民にも大きく広がっているのです。憲法を守る立場にある区長として、また、区民の声を代表して、政府に対して安保法制を廃止し、憲法を守るよう求めるべきです。区長の所見を伺います。

 次に、区民を貧困から守る暮らし応援の政策転換についてです。

 安倍政権は、大企業がもうかれば家計がよくなるというトリクルダウン政策のもとで、労働者派遣法を大改悪し、大企業減税を行っています。その結果、大企業は内部留保を増やし続けていますが、正社員は三年間で二十三万人減少し、労働者の実質賃金は五年連続で五%も目減りしています。今や世論調査でも「評価しない」が五割を超えているように、アベノミクスの破綻は明らかです。加えて、消費税の八%への増税によって、日本経済の六割を占める個人消費は、戦後初めて二年連続マイナスという異常事態となっており、国民生活は破壊されています。

 格差と貧困を解消し、国民生活と財政を立て直すために、我が党は三つの転換を提案しています。

 第一は、負担能力に応じての原則で、税金の集め方を変えることです。消費税一〇%への増税も四兆円の大企業減税も中止し、富裕層と大企業に課税逃れを許さず、応分の負担を求めます。

 第二は、五兆円を超える軍事費を削減し、社会保障、若者、子育て優先に税金の使い方を変えます。

 第三に、労働者派遣法の改正、均等待遇の法制化、時給千円以上への引き上げ、長時間労働を法律で規制するなど、人間らしい雇用に転換します。

 区民を貧困から守るために、政府に対して、消費税一〇%増税は延期でなく中止し、大企業・富裕層に応分の課税をして、暮らしを応援する税金の使い方への転換を求めるべきです。区長の所見を伺います。

 次に、区民の暮らし、福祉を守る区政への転換についてです。

 区内の生活保護世帯は二千八百九十七世帯に達し、就学援助は中学生で三七%を超え、国保料の滞納世帯は三一%を超えるなど、区民の暮らしはますます困難になっています。区民の暮らしが大変なときに、区長は生活保護世帯の冬の見舞金や介護保険の上乗せサービス、障がい者の福祉タクシー券を切り捨て、障がい児の発達支援を有料化するなど、区独自の福祉施策を大きく後退させました。今この切り捨てに区民から怒りの声が上がっています。

 生活保護世帯に一世帯四千円支給してきた冬の見舞金の切り捨てに対し、「今でも電気代を節約するためにエアコンもつけないで我慢しているのに、これ以上何を削れというのか」との声が上がり、要支援者の介護の切り捨てに対し、利用者や関係者から、「これまでの介護サービスが受けられなくなった」と怒りの声が上がっています。福祉タクシー券の利用者は、「今の生活を維持するために必需品です。どうか削減しないで」と区長に怒りの手紙を書いています。

 区長は、「多くの区で実施している交付額に合わせる」と回答していますが、とんでもないことです。低い水準の自治体に合わせれば、区独自の福祉は際限なく後退することになります。区長が常々、「これまでの手厚い福祉は守ります」と言っていることにも逆行しています。こうした福祉の切り捨ては、住民福祉を第一にすべき自治体の責任放棄であり許されません。

 渋谷の福祉水準は、当事者や区民の人間らしい生活を求める長年の運動で実現してきたものばかりであり、区民の誇りです。この水準を守り充実することこそ、自治体本来の役割です。区政のあり方、税金の使い方を福祉最優先に転換すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、区議会議員の海外視察についてお尋ねします。

 区議会議員の税金を使ったリオ・パラリンピック競技大会視察に区民の怒りが広がっています。この視察は九月十一日から十八日までの五泊八日、議員八名と職員三人の十一人を派遣し、予算は一千六百五十三万四千三十円で、一人当たり百五十万円に上ります。

 そもそも二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会の運営責任者は大会組織委員会であり、区は施設整備にも運営にも直接責任を負っていません。しかも現在報告されているところでは、八日間のうち四日間で日本総領事館の訪問、区内にある国や都の施設で行われる予定の車椅子ラグビー、卓球の観戦と前回大会開催地のロンドンを視察する予定だけです。

 今、舛添都知事の豪華海外視察など、税金の不適切な支出に都民が怒り、辞任を求める声が広がっている中で、区民からは「目的も不明確で、視察に名をかりた観戦旅行ではないか」「障がい者のタクシー券を削る一方で、区議会議員が海外視察に税金を使うなど許せない」との批判が広がっています。血税を使った海外視察は断じて許されません。区議会議員のリオ・パラリンピックなどの海外視察に税金を使うことはやめるべきです。区長に所見を伺います。

 次に、国保料の引き下げについてです。

 国民健康保険は憲法二十五条の生存権に基づいて、誰でも、どこでもひとしく医療を受ける権利を保障するための国民皆保険制度の重要な柱です。ところが、今高過ぎて国保料を払えない滞納世帯は、今年二月末時点で三一・七五%に達し、窓口で全額医療費を払わなければならない資格証は四十六世帯、短期証は七百八十五世帯に及びます。区内でも医療費が心配で医者に行くのを我慢する受診抑制が広がっており、「毎年値上がりをしたら、保険料は払えなくなる」との悲鳴が上がっていました。

 国保料は今年度で十二年連続の値上げとなり、四人家族で年収四百万円の世帯では、一万六千四百八十五円の値上げで、年間保険料は三十九万一千七百四円になります。国保の加入世帯の多くは自営業者や非正規雇用労働者です。一カ月分の給料をはるかに上回る保険料は生存権を脅かすものであり、到底認められません。

 立川市では、今年度の国保料を引き下げており、本区でも十三年前に社会経済状況を理由に、区独自で値上げを中止しています。国に対して財政負担の増額を求めるとともに、区として保険料を引き下げるべきです。

 また、生活保護基準の一・一五倍以下の収入であれば、保険料は減免できる制度は、減免基準となる所得額を明記して周知するとともに、基準を引き上げるべきです。区長に所見を伺います。

 次に、保育園の待機児解消についてです。

 渋谷区の四月の認可保育園等の入所希望は一千七百三十五人に対して、どこの保育所にも入所できなかった子どもは三百十五人、認可保育所に入所できなかった子どもは、ゼロ歳百九十人、一歳三百三十七人、二歳百五十五人、三歳四十九人、四歳五人、五歳一人の合計七百三十七人に及び、育児休暇の延長など、潜在的待機児童を含めると、さらに深刻な実態です。

 公的保育・福祉を守る渋谷区実行委員会が三月に行ったアンケートには、「第一子の保活が大変だったため、子どもは欲しいが、もう産もうと思わない」など、保護者の悲痛な声があふれていました。

 区長も「切実な思いをされている方々が多くいらっしゃることを厳しく受けとめ、これ以上のスピード感を持って取り組む。平成二十九年度から三年間で千四百人規模の定数拡大を目指す」と発言されましたが、これではとても間に合いません。

 児童福祉法では、保育が必要な子どもを保育所で保育する責任を国と自治体に課していますが、区長はいつまでに待機児をゼロにしようとしているのですか、所見を伺います。

 国が公立保育園整備運営の財源を特定財源から一般財源に変え、民間の認定こども園などの整備を特別の補助金で誘導したために、全国の公立保育園は、この十年間で二千五百カ所も激減しました。本区でも財政削減を目的に、桜丘、西原、神宮前、上原、本町第二保育園と、次々と区立認可保育園を廃園にし、民間の保育施設に置きかえてきました。しかし、民間保育園では処遇が低く、保育士が集まらないなど、民間頼りの保育園整備は行き詰まっています。

 保育園の設置運営は、民間で進めるという姿勢を改め、区が責任を持ち、区立認可保育園を基本に増設すべきです。区長の所見を伺います。

 代々木の公務員宿舎跡地、神宮前地域の公務員宿舎跡地、幡ヶ谷二丁目都営住宅跡地や本町一丁目警察寮跡地、本町区民会館横の区有地など、利用可能な全ての国有地、都有地、区有地、区有施設を総当たりすべきです。また、利用可能な候補地はどこなのか、区長に伺います。

 国や都に対して、国有地、都有地の無償提供、土地確保のための国の助成制度の創設を求めるべきです。また、区立保育園の建設や運営整備、改修への助成、運営費の国庫負担の復活など、新たな財政支援を求めるべきです。区長の所見を伺います。

 国が株式会社の参入や保育資格のない保育従事者を認めるなど、規制緩和を進めてきたために人件費が削減され深刻な保育士不足や保育の質の低下をもたらしています。

 昨年一年間に保育施設の事故で亡くなった乳幼児は全国で十四人、そのうち認可外保育施設が九人に上ります。親が子どもの健やかな成長を願って預けた保育所で、子どもの命が奪われるようなことがあってはなりません。

 区は、よりよい保育を願う保護者の運動で、国の認可基準を超える基準で保育所を整備してきました。ところが、国は待機児解消の緊急対策として、自治体独自で上乗せしている基準を規制緩和し、世界的にも低い国の認可基準まで切り下げ、詰め込み保育を押しつけています。これに対して、世田谷区長は「保育士の負担が増し、離職につながる。命を預かる以上、慎重に臨みたい。むしろ基準を向上させる時期」として、基準は引き下げないとしています。

 マスコミは、本区も「基準切り下げを検討する」と報道していますが、これ以上の保育基準の切り下げは許されません。国に対して、保育基準の切り下げによる詰め込み保育はやめるよう求めるとともに、区として保育基準切り下げはやめるべきです。区長の所見を伺います。

 保育士の処遇改善についてです。

 保育士不足の原因は、賃金が全産業平均より月十万円も低く、子どもの成長を育む専門職にふさわしい処遇になっていないためです。保育士の処遇改善は、待機児対策としても待ったなしです。保育士が希望を持って働けるよう、野党四党は、月五万円の引き上げの法案を共同提案し、我が党はその後、毎年一万円の引き上げを提案しています。保育の質と保育士の確保のために、国に対して保育単価を抜本的に引き上げるよう求めるべきです。区長に所見を伺います。

 国と都の保育従事職員宿舎借り上げ支援事業に区が上乗せし、一人月額八万二千円を補助する制度について、区長は、「国の制度が期間限定なので実施しない」と、これまで言ってきましたが、世田谷区や大田区に続いて、本年度はさらに足立区、江戸川区などにも広がっています。世田谷区では、昨年度、四十九園、百六十六人がこの制度を活用し、今年はさらに応募が増えているそうです。「保育士を募集しても集まらない、民間家賃の高い渋谷区でこそ、実現してほしい」との民間保育関係者の声は切実です。

 区長は、先ほど前向きに検討すると答弁されています。いつから実施をするのか、お尋ねしたいと思います。この家賃助成制度とともに、民間の保育園の処遇改善をさらに行うべきです。国に対して「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」の継続を求めるべきです。区長の所見を伺います。

 次に、子どもの貧困対策です。

 子どもの貧困対策の強化は待ったなしです。子どもの貧困対策法は、「子どもの将来が、その生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに成長される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図る」としています。

 横浜市立大学の中西新太郎名誉教授は、「いつでもどこでも貧困のわなにはまってしまう可能性が誰にでもある」との実態を示し、「友達がいない」「ネットにつながらない」など、貧困による孤立から子どもを守るために、貧困を可視化し実態をつかむこと。こども食堂では、どの子どもも差をつけずに受け入れている例を示して、全ての子どもをひとしく支援する総合的な対策が必要だと指摘をしています。

 区として早急に子どもの貧困の実態調査を行う必要があります。区長は独自の調査を行うと答弁していますが、いつどのような方法で行うのか、区長に伺います。

 次に、学校給食の無償化についてです。

 義務教育は無償が原則であり、学校給食はバランスのとれた食生活と食育の機会として、どの子どもにも保障される必要があります。今区内の小中学校の年間給食費は、小学校高学年で五万一千六百七十五円、中学校では六万一千百八十円と家計に重い負担となっています。学校給食の無償化に踏み出すべきです。区長に所見を伺います。

 子どもを学校に通わせるための支出は、小学校では年間三十万円以上、中学校では四十五万円以上と言われ、家庭に重い負担となっていることから、就学援助の拡大が求められています。就学援助の基準額は小学生の三人世帯で年間所得約三百四十六万円、中学校の三人世帯で約三百六十五万円と、やっと暮らせる水準です。就学援助の基準を生活保護基準の一・五倍まで拡大すべきです。教育長の所見を伺います。

 就学援助の中学入学準備金は二万六千七百五十円、部活動費は年間一人二千百円です。今年地元の中学校に子どもが入学した保護者から、「入学時の標準服や体育着などで八万円も必要だった」「入学祝いの自転車は先延ばしにした」「子どもが遠慮して、お金がかかる部活は避けた」との切実な声が寄せられています。

 また、新入学生徒学用品費の支給時期が入学後の七月のため、「入学準備のために借金しなければならない」との声が上がっています。世田谷区や八王子市では、支給時期を入学前の三月にしています。

 標準服購入費を就学援助の対象とするとともに、部活動費などを現状に合わせて抜本的に引き上げ、新入学生徒学用品費の支給時期は中学入学前にすべきです。教育長に所見を伺います。

 日本は世界的にも高学費でありながら、給付型奨学金制度もない特異な国となっています。本区の奨学資金貸付制度は、高校卒業までに国公立で六十三万二千円、私立で百二十四万四千円の貸与を受けます。大学生での奨学金の平均的な貸与額が三百万円と言われており、高校、大学と奨学金を借りれば、四百万円前後の借金を抱えて社会人になることになります。家庭の経済力にかかわりなく、高等教育を受けられるよう、足立区は区の育英資金に一部返済免除型奨学金を導入、世田谷区では、児童養護施設退所者の大学等への進学・通学を支援するために月三万円の給付型奨学金を創設しています。

 国に対して、教育予算の抜本的な増額と学費の値下げ、給付型奨学金の創設を求めるべきです。区の奨学資金貸付制度に一定所得基準以下の場合、返済猶予ではなく免除の制度を設けるとともに、児童養護施設やひとり親家庭、生活保護世帯の大学等への進学を支援する給付型奨学金制度を創設すべきです。教育長の所見を伺います。

 次に、庁舎建替え計画についてです。

 この計画は、一貫して区民の声を聞かないで進められています。区民に対しては、条例に基づくものも含め、説明会は七回だけであり、参加者の圧倒的多数が疑問や反対の声を上げています。パブリック・コメントも実施せず、分譲マンション部分を含めた契約の全容は、いまだに区民には説明されていません。庁舎については、一昨年の十一月以来、一度も区民の声を聞いていません。

 しかも、旧庁舎に新たな高濃度のアスベストが存在することがわかっても、庁舎の土地に土壌汚染があることが明らかになっても、区民には全く説明していません。アスベストや土壌汚染は、区民の命と健康にかかわる重大問題です。

 また、除去工事によって工期が延びれば、定期借地権の延長や基本協定、仮設庁舎の借地契約、リース契約も延長や変更が必要で、新たな費用負担も発生します。

 区長にお尋ねしますが、土壌汚染の住民説明会をなぜ開かないのですか。開くべきです。

 また、除去工事に何カ月必要で、全体の工期はいつまで延びて、七十七年七カ月の定期借地期間は何年間になるのか。除去工事の費用と仮設庁舎のリース契約への影響額は幾らで、それぞれ誰が負担をするのか、区長にお尋ねします。

 庁舎の土地を貸し出し、その見返りに庁舎を建ててもらう事業手法は、事業者の利益が最優先され、民間事業者丸投げになるため、区民の声は届かず、安全は無視され、建物の質の確保も困難にするもので、公共の建物の建設で用いてはならない手法です。

 庁舎の整備計画に住民参加を保障することは、住民自治の観点からは当然です。那覇市では、住民の声を生かして、当初の計画地を変更し、庁舎の一番使いやすい場所を市民がいつでも利用できるスペースにし、請負業者は全て地元業者にしました。情報公開についても、設計会社の選定から新庁舎建設にかかわる全ての事業の費用と請負業者も公開しています。これが本来の庁舎建設のあり方です。

 庁舎建替えについては、三井不動産のもうけ最優先で、住民の声が届かない事業手法は白紙撤回し、区民、専門家の参加する検討会を設置すべきです。区長に所見を伺います。

 幡ヶ谷二丁目防災公園についてです。

 幡ヶ谷二丁目防災公園整備計画は、四年前に前区長が七千平米の防災公園用地取得を表明して以来、初めて行われた今年二月の住民説明会では、「なぜ土壌汚染があることがわかっていて取得したのか」「なぜその時点で住民に説明し、取得について相談しなかったのか」など、多数の疑問や不安が出され、再度説明会を求める声が上がりました。

 しかし、区は住民の声を無視して、工事契約を結ぼうとしています。こんなことは絶対に許されません。いまだに汚染土壌の除去後の調査結果も公表しておらず、二度目の説明会も開かず、土壌汚染対策法上求められる二年間の地下水モニタリング調査結果で、安全を確認していないのに、子どもも遊ぶ防災公園や保育園、高齢者住宅をつくることは、区民の命と健康を無視する暴挙です。汚染土壌除去後の土壌と水質の調査結果、取得した土地の柱状図や地下水の導電率など、原データを全て公表し、住民に対する説明会を開催すべきです。今後の水質等の調査結果も公表すべきです。

 また、土壌汚染対策は売り主責任とされていますが、モニタリング調査の費用は幾らで、誰が負担するのか、あわせて区長に伺います。

 幡ヶ谷二丁目防災公園用地に防災公園や保育園、高齢者施設をつくるべきではありません。白紙に戻して、この土地のあり方については、区民参加で検討すべきです。緊急を要する保育園や高齢者住宅は、我が党区議団がかねて求めてきた幡ヶ谷二丁目の都営住宅跡地を一刻も早く取得して整備すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、渋谷駅周辺再開発事業についてです。

 二〇二〇年五輪・パラリンピック成功を名目に、渋谷駅を中心に神宮前地域に至る巨大再開発事業が進行しています。この事業は、安倍政権の世界一企業が活躍しやすい国づくりのために、アジアヘッドクォーター特区、特定都市再生整備地区に指定して、規制緩和が行われ、巨大再開発を可能にするという、まさに大企業のもうけのための事業です。

 区は、道玄坂一丁目再開発、桜丘地区市街地再開発と北側自由通路建設、東横線跡地ホテルと桜丘地区とを結ぶ南口北側自由通路建設に九十億円もの税金を投入、三井不動産等の高層マンション建設やホテル・商業施設建設のために庁舎の土地や宮下公園を提供し、さらに東急ヒカリエ建設や東急プラザ跡地ビルの道玄坂一丁目再開発、パルコのビル建設のために区道を廃止してきました。

 今度は、東急不動産が六十メートルのビル建設を進める神宮前六丁目地区再開発のために区道を廃止しようとしています。この場所にある住民にとってかけがえのない隠田区民会館の存続さえ明確にされていません。区民の福祉や中小企業者、商店街支援はそっちのけで、大企業のもうけのためのまちづくりに区民の税金や土地を差し出すやり方は、自治体のやるべきことではありません。渋谷駅周辺再開発事業への税金投入と神宮前六丁目地区計画の区道の廃止はやめるべきです。また、隠田区民会館のあり方は、住民の意見を聞くべきです。区長の所見を伺います。

 教育について二点伺います。

 施設一体型小中一貫校について、まずお尋ねします。

 施設一体型小中一貫校と通常の小学校、中学校を対象に、児童・生徒の意識調査を行った都築 学中央大学教授は、一貫校の四年生から六先生は、通常の小学校の同学年より、「自分に対する自信が余りない」「友人との結びつきが弱く評価も低い」「疲労感が強い」などの結果をもとに、一貫校の小学四年から六年生は、自信や自己価値、友人関係、疲労感などに共通してネガティブな傾向があると分析しています。その原因として、中学生との比較で自分を見てしまうため、小学校高学年の自己肯定感が弱い。学校規模の拡大によって、自分の居場所が見つけにくいと指摘しています。

 渋谷本町学園では、よりよい教育環境を保障しようと、教職員、保護者、地域住民は懸命に努力してきました。開設年度、小中一緒だった運動会も二年目からは別開催とされ、小学校の卒業式も行われています。これらの努力は、小中学校それぞれの発達段階に合った学校文化を守ることにつながっています。

 しかし、同じ校舎に小中学生が一緒に生活しているために、中学校の受験時期には小学生は休憩時間も伸び伸び遊べない。部活も小学生部員の面倒を見る時間、自分たちの練習時間がなくなる。教師は学校行事が多く、打ち合わせも多いため、他校より多忙で、子どもに向き合う時間が少なくなるなど、様々な声も届いています。

 施設一体型渋谷本町学園については、教育委員会として、子どもの発達や教師の教育活動などの点から、区内の他校との比較検証を行い、区民に公表すべきです。教育長に伺います。

 次に、少人数学級の実現についてです。

 少人数学級は世界の流れであり、保護者の願いです。小中学校の日本の教職員一人当たりの子どもの数は、OECD平均を大きく上回っています。

 三十人学級を導入している秋田県では、「児童・生徒が全体的に落ち着く」「発言機会、自己表現が保障され、きめ細かなノート指導、コメント等、濃厚な人間関係づくりや一人一人の活躍の場が確保され、自治活動が促進できる」と評価しています。一定人数規模のほうがよいなどの切磋琢磨論に科学的な裏づけはありません。逆に集団規模が大きいほど、一人一人の出番が小さくなり、人間関係も希薄になり、社会性、コミュニケーション力が育ちにくいことから、世界でも少人数学級が主流になっているのです。

 政府に対して三十人学級の実現を求めるべきです。本区でも直ちに全学年を三十五人以下学級にし、三十人学級を目指すべきです。教育長に所見を伺います。

 次に、防災対策の強化についてです。

 まず、熊本地震では、強い余震が長期にわたり、避難所生活が長期化する中で、高齢者や病弱者、障がい者、妊婦などの防災対策が改めて課題となっています。

 現在、区内に十カ所しかない福祉避難所を抜本的に増やし、支える体制や運営体制を確保するとともに、避難所での要援護者の生活の場や支援体制を確立すべきです。区長の所見を伺います。

 最後に、渋谷区耐震改修促進計画の見直しについてです。

 区は、今年三月に渋谷区耐震改修促進計画を策定し、新たに二〇二〇年までの目標を決めました。計画では、耐震化の促進のための施策として、危険性の高い住宅への重点的取り組みを初め、木造住宅耐震化助成制度の要件の緩和や助成対象の拡大とともに、経済的弱者への実態に合った助成額の見直しなどを挙げていますが、検討にとどまっています。いつ発生するかわからない首都直下型地震の対策は喫緊の課題であり、これらの検討は直ちに実施する必要があります。

 幡ヶ谷社会教育館、初台青年館など、防災上重要な区有施設は、直ちに耐震化に着手すべきです。

 また、住民や多数の人が利用する民間特定建築物については、目標達成期限を二〇一八年に前倒しすべきです。区長の所見を伺います。

 民間住宅の耐震化の促進は、所有者任せという考えを改めて、公的責任を明確にすべきです。その上で、危険性の高い住宅に対する個別対策を直ちに具体化すること。木造住宅の耐震改修工事費は一棟三百万円程度と言われています。助成上限額を抜本的に引き上げ、低所得の所有者には自己負担の減免制度を実施すべきです。区長の所見を伺います。

 感震ブレーカーの設置の助成について。

 大規模災害時に火災が発生すれば、街全体に延焼する危険を防げません。阪神淡路大震災では、出火原因の三〇%、東日本大震災では五三%が電気による発熱体が原因となっていることから、通電火災を防ぐための感震ブレーカーの設置補助を行う自治体が増えています。

 横浜市では、二〇一三年から感震ブレーカー設置補助を実施し、購入設置費用の二分の一、上限五万円を補助し、三年間で七百七十八件の助成を行っています。昨年からは簡易タイプの助成も含め、町会単位で普及促進を行い、半年で千九百世帯に普及しています。

 感震ブレーカーの設置補助を直ちに実施すべきです。木造住宅密集地域では、助成割合を引き上げるなど、特別な対策をとるべきです。区長に所見を伺います。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議会議員団、田中正也議員の代表質問に順次お答えいたします。

 最初に、安保法制と憲法についてのお尋ねかと思いますが、この問題につきましては、国政の場で議論されるべきものと考えておりますので、そのような考えはありません。

 次に、消費税についてのお尋ねですが、このことにつきましては、これまでも再三にわたりお答えしてきたとおり、国の総合的な財政計画、運営にかかわる問題ですので、そのような考えはありません。

 次に、区民の暮らし、福祉を守る区政についてですが、区民の区政に対するニーズは多岐・多様にわたっており、区の事業はいずれも重要な課題に対処したものです。これらを限られた財源で実施していくために、事業の改善、見直しは不可欠です。

 福祉の分野においても、少子高齢化のような構造的課題について、持続可能な制度設計を行い、さらに新たな課題にも対処しております。

 また、平成二十八年度予算においても、予算総額が減少する中、施策の柱、区民の福祉の増進に関する予算は増額しております。

 次に、区議会議員の海外視察についてのお尋ねです。

 区議会議員のリオデジャネイロ・パラリンピック競技大会視察調査につきましては、特別委員会の要望を受け、議会全体として予算要求されたと聞いております。

 区長発言でも申し上げましたが、私は二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功は、パラリンピックの成功があってこそのものと考えています。多様性を尊重するダイバーシティ渋谷の理念をさらに推進し、社会全体で育てていくために、パラリンピック東京大会はマジョリティの意識が変わる大きな契機として、区にとって非常に重要なものと捉えております。

 リオデジャネイロ大会は、東京大会の前に行われる唯一のパラリンピック大会であり、今回の視察は、会場周辺の運営状況を見ることのできる絶好の機会だと思います。パラリンピックの最高峰の大会と言われたロンドンとともに、議員御自身で現地を直接見て御評価いただき、その成果をパラリンピックを迎える区政の中にさらに生かしていただきたいと考えております。

 また、今回、パラリンピック大会においては、行政においても、職員をリオデジャネイロとロンドンに派遣します。運営やサポート体制を現地にて調査させ、その結果を区民の方々に御報告する予定です。

 議会におかれましても、是非視察の成果を区民に還元されますことを期待しております。

 次に、国民健康保険についてのお尋ねです。

 まず、国民健康保険への国の財政負担は、負担割合が法令で規定されています。医療給付費の五〇%は国及び都が負担することとなっており、国に対して財政負担の引き上げを求めていく考えはありません。

 次に、保険料の引き下げを図るべきとのお尋ねですが、国民健康保険は二十三区において、統一保険料の枠組みをとっておりますので、区による独自の引き下げを行う考えはありません。

 次に、保育園の待機児童解消についての御質問ですので、一括してお答えします。

 保育園施設の整備については、運営事業者等から多くの提案があり、今回の補正予算にも計上しております。今後も保育・教育の質を確保しながら、様々な保育資源を活用し、スピード感を持って施設整備を推進し、待機児解消に努めてまいります。

 保育園用地の確保については、これまでも所管において精力的に用地を探しており、国有地や都有地の無償提供や減額についても、区長会を通じて要望しております。

 また、区立保育園の運営費等については、既に一般財源化しており、改めて財政支援を求める考えはありません。

 本区では、これまでも国基準を上回る保育環境を確保しながら、待機児童対策を進めてきており、今後も継続してまいります。

 次に、保育士の処遇改善についての御質問ですので、一括してお答えします。

 現在、国では保育士の処遇改善に向けて、様々な取り組みを進めているところであり、本区においても、国の動向を見守ってまいります。

 また、「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」の活用については、渋谷区議会自由民主党区議団、斉藤貴之議員にお答えしたとおりです。

 なお、民間保育施設の処遇改善については、既に国や都の制度により処遇改善を実施しているところであり、区として新たな支援を行うことは考えておりません。

 次に、子どもの貧困対策に関連し、貧困の実態調査についてのお尋ねです。

 子どもの貧困対策の一環として、全国各地でこども食堂が実施されていますが、本区では、子どもの貧困対策だけではなく、地域による子育て支援を基本として、全ての子どもを対象に、食事の提供や学習支援等を含んだ「(仮称)子どもテーブル」の実施に向け、検討を進めております。

 その中で、子どもテーブルに対するニーズ等を把握するため、放課後クラブを利用されている世帯を対象に、主に食事面や学習面などのアンケート調査を行い、現在集計、分析しているところです。

 一方、本年四月から生活福祉課に子ども学習支援員を配置しており、生活に困窮されている世帯への訪問や面談を行い、お子さんの養育環境や学習環境など、実態把握を行っております。

 今後も、他自治体の動向や調査手法等を注視しつつ、引き続き実態把握に努めます。

 次に、学校給食の無償化についてのお尋ねです。

 学校給食の無償化につきましては、これまでも申し上げてまいりましたとおり、今後、総合的な貧困対策や子育て支援策の検討を進める中で判断していきたいと考えております。

 次に、庁舎建替え計画について二点のお尋ねです。

 まず、土壌汚染等への影響と区民への説明についてのお尋ねですが、このことは関係法令にのっとり、適切に対応しております。

 アスベストについては、「渋谷区建築物の解体工事計画の事前周知に関する条例」に基づき、説明会を開催し、その後の変更の周知も適切に行いまして、本年四月末までに無事除去を完了しております。

 土壌汚染については、本件土地の百十三区画中二区画から、基準値をわずかに超える鉛とフッ素が検出されました。土壌汚染対策法等に住民説明会の定めはありませんが、本年五月十八日には東京都の告示がされております。このうち鉛は本年四月末までに対策を終えており、フッ素は解体する建物の基礎より下に存在するため、今後の対応となりますが、適切に処置してまいります。

 また、近隣の皆様に対しては、隣接する小学校を初め、事業者とともに誠実な対応を心がけております。

 なお、既に所管の委員会に報告したとおり、アスベストや土壌汚染への対策により、定期借地期間に影響を及ぼす可能性がありますが、現在、事業者が詳細な検討をしているところであり、検討結果を踏まえ、事業者と協議を行い、結果がまとまり次第、区議会に御報告いたします。

 費用については、今後、事業者との協議の上、区が負担すべきものは適切に対処してまいります。

 次に、庁舎建替え計画と検討委員会の設置についてですが、これまでも何度も御説明してまいりましたが、専門家を交えた検討会については、適宜実施し、加えて区民の声を十分に聞きながら計画を進めております。また、庁舎建替えについて必要な情報は、節目ごとに区議会や区民に対し、区ニュースや説明会を通じて情報を明らかにしておりますので、お尋ねのような検討会を設置する考えはございません。

 先日の熊本地震でも明らかになったとおり、庁舎の建替え計画を早急に進めることは区の責務であります。この計画を白紙撤回する考えはありません。

 次に、幡ヶ谷二丁目防災公園の土壌汚染についてのお尋ねですが、この件については、第一回区議会定例会において、貴会派の苫 孝二議員の御質問にお答えしましたとおり、前の所有者による土壌改良工事により、汚染土壌は全て入れ替えが完了し、東京都環境局により確認が行われています。

 汚染土壌除去後の土壌の調査結果を公表すべきとのことですが、土壌改良工事は、東京都環境局の指導のもと、前もって検査をして安全なことが確認できた土に入れ替えております。検査済みの土壌により入れ替え工事は完了しているため、改めて検査を行う予定はありません。

 地下水の分析についても、安全な内容であることが確認されています。この結果は、区ホームページに載せています。今後も、分析結果は順次ホームページにて報告をしていきます。

 次に、データについてですが、調査結果は平成二十七年十一月十六日の総務委員会で説明をしたところであり、関係する情報公開請求でも公開をしています。今後は、希望される方が閲覧できるような方法を検討していきます。

 また、説明会については、委員会での説明や建築計画の説明会も行っており、改めて行う予定はありません。

 最後に、地下水モニタリングの費用については、五カ所の観測井戸を設け、分析調査を行っています。一カ所二万四千三百円で、年間四回の調査行い、二年間続けます。区の責任と費用でしっかりと安全の確認を行うものです。

 次に、都営住宅跡地の取得についてのお尋ねです。

 幡ヶ谷二丁目の都営住宅跡地につきましては、かねてより地元町会及び商店会からの強い御要望を受け、東京都と協議を継続しているところです。

 なお、幡ヶ谷二丁目防災公園用地の利用につきましては、既に住民説明会も終え、本定例会に幡ヶ谷二丁目複合施設の工事議案を上程しております。

 議会の御議決を得た上で、幡ヶ谷二丁目複合施設の整備を進めてまいります。

 次に、渋谷駅周辺再開発についてのお尋ねです。

 御質問の内容についてですが、平成二十八年第一回定例会代表質問で、貴会派の五十嵐千代子議員に詳しくお答えしたとおり、渋谷駅周辺再開発については、引き続き官民が連携しながら、基盤整備を含めたまちづくりを進めていきます。

 渋谷駅周辺のまちの課題を解決し、都市の機能を高め、地域に貢献する公共性の高い事業については、渋谷区としても支援する考えは変わりません。

 また、神宮前六丁目地区については、街区再編を行うことにより、神宮前交差点の変形五差路による歩行者の危険解消、老朽建物による防災性の不足など、様々な地域の課題を解消するために、地域の方々との意見交換を重ね、市街地再開発事業の都市計画決定をしたものです。

 なお、隠田区民会館のあり方は、施設計画の内容について関係機関と協議しながら検討していきます。

 次に、福祉避難所についてお答えいたします。

 本区では、二次避難所を十カ所指定しており、その定員は千百十三名となっており、計画上は充足しているところであります。

 しかし、熊本地震の教訓から、発災時、福祉のマンパワーが不足する中、二次避難所で受け入れる方については、御家族も一緒に付き添わなければ生活が困難なケースもあります。

 二次避難所の増設については、被災者の介護の特性と、既存施設及び新しい施設の用途などを総合的に判断し、適宜見直してまいります。

 次に、渋谷区耐震改修促進計画の見直しについてのお尋ねでありますが、現在、耐震化が進んでいない防災上、重要な区有施設については、建替え等にあわせて、今後も計画的に整備を進めていきます。

 また、住宅や多数の者が利用する民間特定建築物については、東京都などとも連携し、建物所有者への働きかけや指導を行い、目標の達成に努力していきます。

 次に、耐震化の助成についてのお尋ねでありますが、民間住宅の耐震化は所有者によって行われることを基本としていますが、渋谷区としては、区民の生命と財産を守るため、木造住宅、マンションの耐震化の支援を行っています。

 木造住宅の耐震化は、金額だけでなく、所有者の様々な事情により、取り組むことができない場合もありました。今まで所有者が住んでいることが要件でしたが、今年度から、所有者の親族が居住している場合は助成の対象にするなど、要件の緩和を進めています。

 今後も、渋谷区耐震改修促進計画に基づき、着実に耐震化を実施していきます。

   〔「感震ブレーカー」の声あり〕



◎区長(長谷部健) 失礼しました。次に、感震ブレーカー設置補助についてお答えいたします。

 感震ブレーカーについては、災害時における通電火災を防止する上で、大変有効な装置であり、簡易型から分電盤型までいろいろなタイプがあり、区では以前より研究をしているところであります。

 ただし、この感震ブレーカーにもデメリットがあり、夜間に発災した際に、ブレーカーが落ちて、全ての照明が落ちてしまうことにより、かえって危険が生じたり、冷蔵庫内の食べ物が腐ってしまうといったことがあります。

 一方で、電気ストーブなど、個別の機器の電気を切る感震コンセントという装置も有効でありますが、個別の器具ごとに取りつけが必要ということで、その分費用がかさみます。

 それぞれのメリット・デメリットを考慮の上、さらに研究を進めてまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。

   〔「区長、あと一つ、四番、国保」「国保、減免制度の周知」の声あり〕



◎区長(長谷部健) 失礼しました。

 国保のところについて、答弁漏れがありましたので、追加で言います。

 保険料の減免制度についてですが、年度当初に全被保険者に発送している国保のしおりについて、減免についての概要を記載しています。

 また、減免基準は特別区共通基準で運用しておりますので、基準を引き上げる考えはありません。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、五点のお尋ねがありました。順次、お答えいたします。

 まず、就学援助の基準について、生活保護基準の一・五倍まで拡大すべきとのお尋ねがありました。

 渋谷区では、就学援助世帯の所得基準を生活保護基準の一・二倍としておりますが、東京二十三区においても、おおむね同程度の基準が設定されております。

 したがいまして、現行の基準を維持してまいりたいと存じます。

 次に、就学援助額の引き上げと対象拡大、また、新入学生徒の学用品費の支給時期についてのお尋ねがありました。

 就学援助は、区立小中学校に通う児童・生徒の保護者の方に対し、家庭の事情に応じて学習活動や学校行事への参加に必要な費用を補助する制度であり、その趣旨や目的を踏まえ、補助対象や金額が適切に設定されております。

 したがいまして、現在、対象の拡大や金額の引き上げを図る考えは持ち合わせておりません。

 なお、新入学学用品費の支給時期につきましては、就学援助の対象者を現に区立小中学校に在籍する児童・生徒の保護者としていること、また、認定審査に当たっては、当該年度の住民税額を確認しているところから、現行の支給時期としているものであり、見直しは考えておりません。

 次に、奨学金についてです。

 まず、国に対して、教育予算の抜本的な増額と学費の引き下げ、給付制奨学金の創設を求めるべきとのお尋ねですが、現在、国において、給付型奨学金の創設を初めとした、子育て支援策についての検討が進められておりますので、その議論の推移を注視することとし、国に対して要望等を行うことは考えておりません。

 また、区の奨学金貸与制度に一定所得基準以下の場合の返済免除制度を設けるべきとのお尋ねですが、返済免除につきましては、奨学生の個別の事情を詳細に把握した上での対応が必要と考えておりますので、所得基準のみに基づく一律の対応を行うことは考えておりません。

 なお、児童養護施設等から大学等への進学する場合の、給付型奨学金制度を創設すべきであるとのお尋ねがありましたが、給付型奨学金制度に関しましては、先ほど申し上げましたように、国における検討の推移を注視してまいりたいと存じます。

 次に、施設一体型小中一貫教育校、渋谷本町学園について、子どもたちの育ちや教育活動について、他校と比較検証し、区民に公表すべきではないかとのお尋ねです。

 各学校では、児童・生徒の学びを充実させるために、よりよい学校づくりに努力をしています。児童・生徒の実態を把握し、校長の責任で編成する教育課程にのっとり、実態に合わせて工夫した教育活動を実施しています。これは渋谷本町学園も同様です。

 さらに、渋谷本町学園では、施設一体型の小中一貫教育校としての利点を最大限に生かし、運動会は別日程ではあるものの、中学生が裏方となって小学校の運動会を支えるなど、異年齢集団が互いに助け合う姿が、日々随所に見られます。

 この視点で、教職員が常に教育活動の評価・検証を行うとともに、保護者や地域の方々からも、温かい評価と深い理解をいただきながら、日々の改善を図ることで成果を上げております。

 改めて他校との比較検証を行う考えはございません。

 次に、少人数学級の実現についてのお尋ねです。

 学級編制、人数につきましては、渋谷区といたしましては、国及び都の基準に基づき、学級を編制する方針でございますので、教育委員会から国に三十人学級の実施を求める考えはございません。

 しかし、渋谷区では、学級編制とは別に、一人一人を大切にする教育が必要であると考えており、区独自の講師を配置し、少人数授業に取り組み、個に応じたきめ細かな指導を推進しております。

 教育におきましては、少人数授業が基礎学力を伸ばすために必要であると同様に、ある一定の人数規模のほうが社会性やコミュニケーション能力が身につき、集団生活に対する理解が深まるという面があります。

 直ちに少人数学級がよいということではなく、一定の人数規模が必要ということも教育委員会は考えているところでございます。

 以上、答弁といたします。



○議長(木村正義) 田中正也議員。



◆二十二番(田中正也) 区長及び教育長に御答弁をいただきましたが、何か結論が先にありきで、しっかりと区民の気持ち、願い、実態に即した検討がされているというふうには、なかなか思えない、そういう御回答だったと思います。

 順次再質問させていただきますが、まず、区長の国政問題について、国で議論をしていることだからという話が、御回答がありました。私は国政問題というのは、区民の暮らしに直結している問題なんですよね。とりわけ憲法が破壊されるというのは、民主主義の土台が覆されているという、そういう問題です。

 そういう意味では、国と自治体の長というのは、自治体というのは、今の憲法上では対等な関係にあるんですね。ですから、沖縄県知事、翁長知事は、県民の命と暮らしを守り、沖縄の未来をかけて、命がけで辺野古への新基地建設反対を貫いて、国の理不尽な工事強行に対して訴訟を起こして、国もこれに応えて、和解をせざるを得なかったですよね。だから、区民のやっぱり願い、これをきちんと国政、国に対して発信をしていくというのは、直接区民から選ばれた長として、当然のことだと思います。

 改めて戦争法廃止、憲法を守ることを政府に求めるという立場を明確にすべきだと、区長にお伺いしたいと思います。

 次に、福祉切り捨てについてお尋ねしたいんですが、様々な区民ニーズがあるからというふうに区長はお答えになりました。しかし、自治体の役割というのは、何をおいても、住民の福祉を守ることなんですね。これはこの間、私たちもかねて指摘していますけれども、地方自治法第一条の二では、住民の福祉の増進を図ることを基本にすると。これは地方自治法でも明記されていることです。

 区民というのは、個人の尊厳を大切にするという憲法の理念を区民に一番、住民に一番近いところで実現をする役割があるんですね。だからこそ、地方自治法でも福祉の増進をうたっている。

 我が党の区議団のアンケートでは、七二%の皆さんが、生活が苦しい、あるいは苦しくなったと言っている。そういう区民の暮らしを守ることこそ、区政の役割ではないでしょうか。

 様々なニーズというふうにおっしゃいますけれども、一方では、一年間で百億円も増やしている基金、七百三十五億円にも増やしています。一方では、渋谷駅再開発事業に九十億円投入している。区議会議員の海外視察には千六百万円以上使う。その一方で、障がい者の施策、生活保護、あるいは高齢者の命や暮らしを支えている、そういう区独自の制度を削るというのは、まさに税金の使い方が逆立ちしている。地方自治の精神に反しているということではないでしょうか。

 改めて税金の使い方は、福祉最優先に改めるよう求めます。区長の答弁を求めます。

 次に、区議会議員の海外視察についてですけれども、今回の海外視察は、目的が明確でないことは非常に重大です。実際、何の目的で誰を派遣するのか、詳細が明確でないままに、日程や予算がつけられ、今回の議会では、派遣議員を決めようというふうになっています。議会に提出された資料にも、何の目的でどこを視察するのか、つぶさな、詳細な資料は出ていません。

 また、リオデジャネイロ市の担当者に話を聞くという機会も設けているというふうには聞いていません。二十三区でパラリンピックの競技会場となる区で、渋谷以外にリオデジャネイロ・パラリンピックに議員を派遣する区はないというふうにも聞いています。施設整備や運営に責任を持っていないからではないでしょうか。全く視察、先にありきと言わなければなりません。

 だからこそ、全国市民オンブズマン連絡会議の新海事務局長は、マスコミ報道で、「区議が視察する合理性が全く見当たらない」と厳しく批判をしています。

 今回、こうした税金を議員の海外視察に使うという問題に対しては、区民は到底納得をしません。暮らしが悪化して、区民が節約を強いられて、そういう大変な思いをして納めている税金です。議員の海外視察に区民の税金を使うことは許されない。改めて区長にこの問題についての考えをお伺いしたいと思います。

 庁舎の問題についてもお伺いしたいんですが、この事業手法自体の問題が重大問題だと思っています。豊島区では、民間に定期借地して庁舎を建てる事業手法をとっています。豊島区では、旧庁舎と旧公会堂の土地を民間企業に定期借地して、分譲マンション、商業スペースと複合施設として庁舎を建設していますけれども、区は当初、十億円の黒字と説明をしていましたが、計画が進む中で、定期借地期間が当初の二十五年から七十五年に延びて、定期借地料収入が四百一億円から百九十六億円に大きく減ったということが大問題になっているそうです。

 定期借地期間や区の負担額、事業者の建設するマンションの高さ、計画、こうした根本的な問題について、区民や議会に説明したことがどんどん変わっていくと。これは誰の責任かといえば、事業者の責任に丸投げしているわけだから、区が責任を負えないというのが、この事業手法の最大の問題点。

 だから、土壌汚染があっても、区民に事業者と協議をしなければできないという問題がある。区民から「公共の建物だから、民間の営利企業で使うのはおかしい」というふうに言って、声が上がっているのも当たり前です。改めてこの庁舎の建替え計画、この事業手法は撤回をして、区民参加、専門家参加で検討会を改めて求めたいと思います。区長に再質問します。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議会議員団、田中正也議員の再質問に順次お答えします。

 一番最初の、まず国政の問題についてですけれども、これ去年、区長に就任したときの最初のときに申し上げたとおり、国政にかかわる問題は国政の場で議論していただきたいと。区には大きな課題がたくさんあります。そういったところをこの場で議論していく場にしたいというふうに私は申し上げました。その考えはいまだに変わりありませんし、これからそういう質問が来ても、そのスタンスは変わらないというふうに御認識いただければと思います。

 続いて、福祉についてです。

 福祉が大きく後退しているという話ですが、そんなことは全くありません。今年度の予算についても、ちょっと幾つか御紹介しますけれども、障がい者の移動支援事業、これは移動支援の対象を冠婚葬祭、通院などの実生活の利用から、小中学校の通学にも拡大、月三十回しております。重心の心身障がい児(者)在宅レスパイト事業、これもプラスしております。障害者福祉センター代々木の杜ピアキッズの開設、こちらも行っております。

 または路上生活者に対して、ハウジングファースト事業も始めました。単身高齢者向けの住宅の開設もしております。

 認知症高齢等の支援としては、認知症初期集中支援チームの拡充なども行っております。こういったことがある一方で、確かに敬老祝い品贈呈を削らせていただいたり、御指摘のタクシーもあります。福祉タクシーの額を減らしたこともあります。

 ただ、これは全体の運営の中でやっていることで、大きくは増やしていることを、まず認識していただいて、ですから、田中議員の言うように、大きな後退ということは全くないというふうに思っております。

 続いて、リオデジャネイロの視察についてです。

 私自身、議員時代から海外の視察、何回もしてきました。その視察で得たものというのは、自分の政策になり、議会でも提案し、採用もされてきております。また、知見を増やしたことで、自分が議員として、政治家として当時は、大きく知識を増やしたことによって、それを区議会で質問し、政策として実現していることもあります。

 区長になって行った、先日のシリコンバレーについては、中学生の派遣事業という形にまでつなげており、そのときの人脈が大きく生きております。まずは、視察というものは絶対価値があるものだと思うんです。それをしてきて、どういうことが区民に還元できるか、政策として実現できるか、それが問われている問題だと思います。是非田中さんにも行っていただいて、そういった経験をしていただきたい。現地を見るということは、現地を見なきゃわからないことたくさんあります。

 今回の熊本の震災もそうでした。職員を派遣して、発災直後の現場を見て、それでわかったことというのが、これからの渋谷区の防災プランにも十分役立てられます。そういった現場を見て経験するという視点をしっかり持っていただいて、やっていただければと思いますし、また、これは一応議会のほうで、皆さんのほうで視察に行くということをお決めになって予算要求が来ました。ですから、その内容等につきましても、私に言うというよりは、議会の中でしっかり決めていただきたい。それで、区の職員は別途派遣するプログラムを持っています。その情報を参考までにということでは、幾らでもお示ししたいというふうに思っております。

 最後に、庁舎の建替えについてです。

 これもこの期に及んで、まだ白紙ということを言うのかというのが、正直な感想です。先ほどおっしゃっていた、豊島区のことは豊島区のことだと思うんです。渋谷区は渋谷区なりにうまくやっておりますし、この喫緊の課題に対して、スピード感を持って対応しております。そのことをしっかりお伝えして、私からの再質問に対する答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 田中正也議員。



◆二十二番(田中正也) ただいま区長に再答弁いただきました。私は非常に驚きを持って聞きましたが、福祉のタクシー券は大きな後退でないと。私これ障がい者の皆さんが聞いたら、どういうふうに受けとめるか。通院に行くのに、それがなければ通えないという人がいるんですよ。そういう人が一人でもいたら、重大な後退じゃないですか。私はそういう区長の考え方、やっぱり自治体の役割である福祉というのは、考え方がやっぱり違っているんだと思うんです。改めて地方自治法に基づく福祉の規範としての自治体の心を取り戻していただきたいと思います。

 それと、議員の海外視察について、区長の経験をお話しいただきましたけれども、区長はこれ税金を使って行ったんじゃないと思うんですよね。私は税金を使って海外視察に行くということは、これは重大問題だというふうに思います。ましてや被災地に行くことを、この被災地の救援と海外視察と同列に考えるということも、私は重大な考え違いじゃないかと思います。税金を使った海外視察は断じて認められません。日本共産党渋谷区議団は、改めて暮らし最優先の区政実現を目指して、全力を挙げてまいります。



○副議長(沢島英隆) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後三時二十三分

   再開 午後三時四十五分

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○副議長(沢島英隆) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 三十番古川斗記男議員。



◆三十番(古川斗記男) 渋谷区議会公明党を代表いたしまして、区長、教育長に質問をさせていただきます。

 初めに、四月十四日に発生いたしました熊本地震において犠牲になられた方々に対し、衷心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

 また、東日本大震災からは五年を経過いたしましたが、まだまだ復興途上でございます。こちらも一日も早い復旧・復興を心より願う次第でございます。

 私たちも、いつ来てもおかしくない大規模地震に対し、対策を講じなければなりません。このたび発生した熊本地震で大きな被害を受けた市役所庁舎が画面に映ったとき、私は心の底から、人ごとではない、このように思いました。

 私たちは東日本大震災以降、渋谷区役所庁舎の耐震化について議論をしてまいりました。その結果、建替えをすることを決定し本当によかったと思っております。反対した会派、議員がおりますが、本当に区民の生命、財産を守る気があるのか。一刻も早く、スピーディに物事を進めることが大事な案件ではなかったでしょうか。このことを強く訴えさせていただきたいと思います。

 既に多くの場面でこれまでの経過は明らかになっておりますので、区民の皆様も御承知のこととは存じますが、最もよいと思われる手法で渋谷区役所は生まれ変わります。

 我が渋谷区は五年前、日本経済新聞社の調査で災害対応力全国一位の大変高い評価を受けたことを区民の皆様はよく知っており、大変心強く感じております。今年度の予算の中にも、区長は備蓄品をアレルギー対応食に切り替えるなど、区民の皆様の声を的確に反映されたことに評価をしたいと思います。

 そこで、初めに、防災対策についてお伺いをいたします。

 今定例会で提出されております議案第四十九号「幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)建設建築工事及び防災公園整備工事請負契約」の参考資料の図面を拝見いたしますと、公園敷地にはマンホールトイレやかまどベンチ、防災パーゴラ、これは藤棚などの形状で災害時にシートをかければテントのようになるものですが、これらの災害用の設備が設置されている計画で、防災公園としての機能を有するものになっており、複合施設とあわせて完成を心待ちにしている区民の皆さんがほとんどであります。

 さて、地震災害時の一時集合場所となる身近な公園は、実際に災害が起こった場合、地震の規模にもよりますが、交通の寸断、道路の寸断など避難場所、避難所に移動することが困難となり、一時ではなく長時間にわたり滞留しなければならないことも考えられます。このような場合、もちろん水や食料なども必要でございますが、一番困るのはトイレの問題ではないでしょうか。人口密集している渋谷区では、予想もつかないような人数が集合することも考えられます。一時集合場所となる公園にはトイレは整備されていると思いますが、災害時に対応できるのかどうかをまずお伺いいたします。

 そしてさらに、大人数に対応できるように小中学校に設置したマンホールトイレを公園にも設置されてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。今度の幡ヶ谷二丁目の公園のように、新設はもちろん、既存の公園についてもマンホールトイレなど防災機能を持った公園として改良整備を積極的に進めていただきたいと思いますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、安全対策についてお伺いいたします。

 平成十五年度から、渋谷区では他区に先駆けてピッキング対策補助金制度を創設、その翌年には、ピッキングだけではなく防犯対策補助金制度として幅広い防犯グッズが対象となり、上限も五千円から一万円に増額されました。現在この制度はなくなりましたが、区民の皆様からは、いまだに私のところへは問い合わせがあるところでございます。

 区民の安全で安心して暮らせることができるよう、区は努力をしておられますが、防犯だけではなく、防災なども視野に入れた安全対策としての補助金制度の新設で、安全対策を総合的にバックアップしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、子育て支援について二点質問をさせていただきます。

 初めに、保育についてでございます。

 先ほどの区長発言をお聞きし、保育施設の整備を含め、待機児童対策に積極的に取り組まれており、大いに評価をしたいと思います。今後もしっかりと推進していただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 さて、ゼロ歳から二歳までの待機児童が利用できる区立保育室は、区の待機児童対策として、利用されている保護者からは大変に喜ばれております。ところで、二歳で保育室を終了し三歳児となったお子さんは区立、私立の保育園へのスムーズな移行がなされるのかをお伺いいたします。

 待機児童扱いとはいえ、今まで保育室を利用していた保護者にしてみれば、子どもが保育園に入れないというのはかなりのプレッシャーとストレスを感じるはずでございます。実際、来年保育室を終了する保護者の方から心配の声を頂戴しております。今年の状況と来年以降の見通しについて、区長にお伺いをいたします。

 次に、「ネウボラ(シブボラ)」についてお伺いをいたします。

 昨年の第四回定例会では久永議員が、今年第一回定例会においては我が会派の栗谷幹事長が提案をさせていただいた「渋谷版ネウボラ」略して「シブボラ」の構想について、区長より大変積極的な答弁をいただいたところでございます。

 子育て世代包括支援センターの「渋谷版シブボラ」は、同センターを核として、地域の関係機関と連携しながら妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を提供する仕組みであり、国も子育て世代包括支援センターを法制化し、平成三十二年までに全国展開を目指すとしています。

 もちろん、渋谷区の子育て支援は保育面も含めて大変手厚く、トップクラスの対応をいただいておりますが、さらなるシームレスなサポート体制として、妊娠からお子さんの就学までの期間、できる限り同じ担当者が寄り添い、信頼関係を築きながら的確なアドバイスができる子育て環境の構築は大変重要と考えます。また、母子支援だけでなく、切れ目のない発達支援は保護者や兄弟、また家族全体の心と体のサポートとして大切な包括支援でございます。

 フィンランドでは、この「ネウボラ」の構想により児童虐待が激減したとの報告も出ております。

 さて、前回、長谷部区長より「シブボラ」の構想について、これまでの渋谷区が進めてきた子育て支援の各事業の相互連携によりさらなる事業展開をしていくと、積極的な検討を進めていくという御答弁を頂戴いたしました。そこで、「シブボラ」の推進に向けて、現在の進捗状況について区長の御所見をお伺いいたします。

 また、保育士、保健師等を「シブボラチーム」としてフィンランドの「ネウボラ」を調査・研究し、「シブボラ」の構築推進に加速をしていただきたいと御提案をさせていただきましたが、この件につきましても区長の御所見をお伺いしたいと存じます。

 次に、子どもコミュニティについて質問をいたします。

 子どもの貧困対策として、無料または格安で食事を提供するなど、「こども食堂」が全国的に広がっています。しかし、貧困対策の取り組みを超えて、誰もが利用できる地域で支える子育て支援の一環として、食を通じた支え合いとして若い世代が親子で地域につながり、子育て、食育という観点からの「こども食堂」や、家庭環境により十分な勉強時間が確保できない子どもを中心とした「コミュニティ塾」の取り組みが大切であり、推進が重要であると思います。

 昔は各町会単位に「子ども会」の組織がありました。子ども会は、地域の大人が子育て支援のサポーターとして子どもや保護者に寄り添い、支えてきたもので、運営しているのは地域のお母さん、お父さんのボランティアの方々でした。子ども会の主な活動は、地域で子どもを育てるため様々な行事を行い、地域の連帯意識を育て、校外における様々な遊びを通した子どもたちの健やかな成長を目的としています。

 昨今、「こども食堂」を始めたいという人が増えているとのことです。都内で開かれた勉強会には、英語教室の教師や少年補導員など、地域で子どもたちと接してきた人たちが参加をされていたということでございます。また、子どもたちと接する中で食の支援の必要性を強く感じたといいます。

 そして、こども食堂は子どもの食を支えるのはもちろんですが、それ以外の役割も多くあると思います。善意で集まってくる人材、食材、財源、一つ一つ支えてもらった思い出は、その子どもの人生に必ず役立ち、社会に循環していくことを確信いたします。

 このような地域で支える子育て支援の一環として、「こども食堂」や「コミュニティ塾」など誰もが集える子どものコミュニティ、心のコミュニティの推進を提案したいと思いますが、区長の御意見をお聞かせください。

 次に、Wi−Fiの環境整備についてお伺いをいたします。

 渋谷区は、これまでWi−Fiスポットの整備に積極的に取り組んでまいりました。今やスポットというよりWi−Fiエリア、Wi−Fiスペースと言ったほうが実情に合うかもしれません。店舗を中心に民間のWi−Fi環境も急増傾向にございます。

 渋谷区は、主に二つの側面からWi−Fi環境を整備してきました。一つが、災害時の帰宅困難者対策として帰宅困難者への情報提供の側面と、二つが、海外からの観光客等、来街者へのインフォメーションの側面でございます。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、また、開催中、開催後も視野に入れたWi−Fiスペースの整備は、内外からの観光客等が渋谷区への印象を高めるための最大のツールと考えます。災害時のインフォメーションの備えは安心感に、また、平時の観光情報等は障がい者への情報のバリアフリーにもつながり、都や民間との連携も重要な要素となります。

 そこで、これまでの取り組みと、今後、東京オリンピック・パラリンピックに向け、また開催中、開催後も視野に入れたWi−Fiスペースの整備について、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、熱中症対策についてお伺いいたします。

 近年の夏場の高気温は熱中症になりやすく、特に高齢者や子どもたちは注意しなければなりません。各小学校では水筒を持参し、水分を補給するようになっていますが、午前中に飲み干してしまう子どもたちもいるようでございます。

 保護者からは、ウォータークーラーの設置を要望する声があります。学校によっては設置されていない学校もあるようですが、各学校の設置状況をまずお聞きしたいと思います。

 私は、昨今の異常気象を考えますと、小中学校にウォータークーラーを積極的に設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。これは教育長にお伺いしたいと思います。

 次に、教育について二点お伺いいたします。

 初めに、奨学金についてでございます。

 政府は六月二日の閣議で、「ニッポン一億総活躍プラン」経済財政運営の基本指針、骨太の方針などを決定し、子育てなど公明党の主張を随所に反映をしていただきました。子育て支援では、返済不要の給付型奨学金について「創設に向けて検討を進める」と明記され、無利子奨学金の拡充も盛り込まれたところでございます。

 さて、渋谷区の奨学資金制度は、その条例の中で「経済的事由によって進学又は修学が困難な優良生徒に対し、奨学資金を貸与し将来社会に貢献し得る人材を育成することを目的とする。」とあります。意欲と能力のある人材が家庭の経済状況にかかわらず安心して学業に専念できる環境をつくるため、渋谷区においても奨学資金制度の拡充を図ってはいかがでしょうか。

 また、返還について猶予など、今後、将来に向かっての区の考え方などをお聞かせください。区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、「ギフテッド」についてお伺いをいたします。

 区長は三月の定例会及び今定例会の冒頭で、所信表明、また区長発言において「ギフテッド」と呼ばれる子どもたちの対応について言及されております。「ギフテッド」とは、いろいろな表現がございますが、先天的に平均値よりも顕著に高度な知的能力を持っている人のことを言い、反面、周囲とのコミュニケーション等に課題があり、画一的な教育環境になじめず、自分の才能を発揮できないこともあるようなお子様のことを言うようでございます。

 このような子どもたちに対して「最大限に才能を伸ばしていく方法を調査・研究していく」と区長は述べておられますが、このような才能ある未来の人材を育成することについては大いに賛同するものでございます。いち早く実施できることを願っております。

 そこで、現在の進捗状況と今後の見通しについて区長にお伺いをさせていただきます。

 次に、「食品ロス」ゼロについてお伺いいたします。

 公明党は「食品ロス削減推進プロジェクトチーム」を立ち上げ、竹谷とし子参議院議員を座長に「食品ロス」の問題の解決に取り組んでまいりました。今年の三月には、女性の健康週間に合わせて公明党女性局が全国で「食品ロス」ゼロに向けての街頭演説などを行い、多くの方々から共感の声をいただいたところでございます。

 さて、食は世界中の人々にとって大事な限りある財源でございます。世界では全人類が生きるのに十分な量の食べ物が生産をされているにもかかわらず、その三分の一は無駄に捨てられているのが現状でございます。中でも、もったいないのは、まだ食べられる状態なのに捨てられてしまう食品ロスです。農林水産省によりますと、日本では年間二千八百一万トンの食品廃棄物が発生をしており、このうち六百四十二万トンが「食品ロス」と推計されております。

 「食品ロス」の半分は事業者の流通、販売の過程の中で起き、もう半分は家庭での食べ残しや賞味期限前の廃棄などで発生しているものです。削減には事業者による取り組みとともに、区民の「食品ロス」に対する意識啓発も必要と考えるところでございます。

 したがいまして、区におきましては、区民、事業者が一体となって「食品ロス」削減に向けての取り組みを進めるために、早急に取り組むことをお願いしたいと思います。例えば事業者には、飲食店での「食品ロス」削減に向けて、食べ切れる分量のメニューや、量より質を重視したメニューの充実を推進するとともに、飲食店で残さず食べる運動などを展開することを求めていく。また、区民には、家庭における食品在庫の適切な管理や食材の有効活用などについて、また、学校等では食育、環境教育などを通して「食品ロス」削減の普及啓発を行うなど推進してはどうでしょうか。区長の御所見を伺いたいと思います。

 以上、御答弁のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 渋谷区議会公明党、古川斗記男議員の代表質問に順次お答えいたします。

 初めに、区の防災対策について二点のお尋ねですが、「渋谷区地域防災計画」におきましては、災害に強い渋谷のまちづくりの実現を図るため、公園緑地等の整備により震災時における火災の延焼防止効果を高め、一時集合場所として効果的に活用することとしております。

 一時集合場所の公園に設置したトイレにつきましては、被災状況によりますが、トイレ施設の倒壊や断水等がなければ機能的に対応可能であると考えております。

 マンホールトイレは、長期滞在することとなる避難所である学校に設置することを基本としており、公園については設置対象とはしていませんでした。今回、幡ヶ谷二丁目公園のような一定規模以上の公園を新設する際には、マンホールトイレの設置を検討してまいりたいと考えております。

 一方、既存の公園については、土地の傾斜など構造上の制約が生じる場合があるほか、マンホールトイレの設置には、耐震化された下水道本管に直結できることや排せつ物を流すための水の確保が必要となります。さらにはトイレ用のテントの保管場所等も必要となります。そうした課題が解決できるならば、一定規模以上の既存の公園についてもマンホールトイレの設置の実現に向けて検討してまいります。

 次に、安全対策の補助金制度の新設についてお答えいたします。

 本区では、古川議員の御指摘のとおり、平成十五年度から防犯性能の高い錠の取りつけまたは交換、防犯フィルムの張りつけなど住まいの防犯対策費用の一部補助金制度を実施しておりましたが、平成二十五年度を最後に制度を廃止いたしました。補助金制度を廃止した理由は、これまでの設置実績から所期の目的を達したと判断するとともに、防犯対策用品の購入は、自助努力で設置することが望ましいという方針からであります。

 一方、平成二十七年中の渋谷区の犯罪発生状況を見ますと、刑法犯認知件数は年々減少傾向にあるものの、そのうち侵入窃盗事件の発生件数は、平成二十七年は二百二十六件の発生がありますので、注視してまいります。

 次に、保育について、二歳児までの区立保育室を終了した園児が区立や私立保育園に入園できているのか、今年の状況と来年以降の見通しについてのお尋ねです。

 まず、現在までの状況ですが、本年三月まで二歳児までの区立保育室に在園し、現在三歳児となっている園児は、入園申し込みがなかった方を除き全ての園児が認可保育所または他の区立保育室に入園しております。

 区立保育室は、待機児童解消のための暫定的な施設として、入所期間は最長で年度末までの一年となっております。一方で、区立保育室の多くが二歳児または三歳児までの受け入れとなっているため、その後の受け皿の確保については課題であると認識しております。このため、本年六月開設の「ほんまち一丁目保育室」は、五歳児までの受け入れとし、平成二十九年四月には「おおやま保育室」を五歳児まで受け入れられる体制を整えてまいります。また、今後は、保育室の中には認可保育園の仮設園舎として使用した規模の大きい施設もあるため、待機児童の発生状況や委託業者の受け入れ体制等を踏まえ、五歳児までの受け入れについても検討してまいります。

 これとあわせて、既存保育園での定員の弾力的対応や、今後開設される認可保育所等における定員設定についても区立保育室の状況を踏まえながら対応し、誰もが安心して預けることができる保育環境の整備を進めてまいります。

 次に、子育て世代包括支援センター、「ネウボラ」の今後の見通しなどについてのお尋ねです。

 議員御指摘のとおり、今国会において母子健康法と児童福祉法の改正があり、母子の健康保持及び増進と子育て支援事業の利用支援、虐待対応の関係機関として「母子健康包括支援センター」の設置に努めなければならないと定められました。これはまさに貴会派から御提案のあった子育て世代包括支援センター、「渋谷版ネウボラ(シブボラ)」の法的な裏づけがされたものと思います。

 本区はこれまでも、保健所と子ども家庭部が相互連携を行い、子育て支援を推進してまいりました。さらに、平成二十六年四月には、子どもとその家庭が抱える課題に総合的かつ迅速、的確に対応する組織として、「子ども総合支援センター」を開設しました。養育不安、養育困難あるいは虐待などの深刻な事態に対応する「子ども家庭支援センター」と、発達に課題や不安がある子どもの相談に応じる「子ども発達相談センター」を統括し、巡回相談や複雑な相談ケース等の対応を行っております。

 今後は、生まれる前から十八歳になるまでの総合的で切れ目ない支援を実現するために、「子ども総合支援センター」が中核となって、まずは要配慮児を対象に各地域の子育て支援センターや保健相談所を拠点とし、各機関の連携を一層深め、区民に身近で使いやすい相談体制の構築に努めてまいります。

 また、フィンランド都市交流派遣において、昨年度の保育士に続き今年度は保健師を派遣することとし、専門的な観点から「ネウボラ」の調査・研究を行うとともに、先日渋谷区に表敬訪問にいらっしゃったヘルシンキ副市長やフィンランド大使館の方々にも渋谷区での「ネウボラ」の研究をバックアップしていただけるとのお話をいただきました。今後も連携を図りながら、「渋谷版ネウボラ(シブボラ)」の創設に向けて前進してまいります。

 次に、子どもコミュニティについてのお尋ねでありますが、議員御指摘の「地域で支える子育て支援」という理念は、お子さんが地域の大人からバトンを受け継ぎ、将来は地域社会のために貢献できる人材へと成長してくれることを願うものであり、思いを同じくするものです。

 また、食は人間が生活していく上で本質的なものであり、食を通じて地域がつながっていくことも大変重要であると考えます。

 本区におきましては、子どもたちを対象に食事の提供、学習支援、親への養育支援を行う、「子どもテーブル」を検討しており、地域の連帯の中で存在していた以前の「子ども会」のような役割が果たせればと考えています。現在、地域の人材や地元企業の協力を得ながら、早期実現に向けて準備を進めています。

 Wi−Fi環境整備についてのお尋ねです。

 本区はこれまでも、帰宅困難者対策として「渋谷区防災ポータルサイト」を構築し、このサイトの活用により帰宅困難者を的確に帰宅困難者支援受け入れ施設に誘導することで、発災直後の混乱防止を図るようにしております。そこで、災害時でもつながりやすいWi−Fiスポットを、来街者の移動等を鑑み主要幹線道路沿いに五カ所設置するなど、環境の整備に取り組んでまいりました。

 一方、外国人観光客については、旅行中に困ったことランキングの上位に無料で使えるWi−Fi環境が少ないことが挙げられています。

 渋谷での滞在や観光をより快適なものとするため、また、災害時の有効な情報提供のためにはWi−Fi利用環境の整備が必要と考えます。そのため、区は東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、多くの来街者の方が快適に観光を楽しめるよう、Wi−Fiスポットの設置に向け渋谷区観光協会や通信事業者と協議・検討を進めています。

 今後、民間事業者の設置状況などを見ながら、設置エリアの選定など具体的な内容をさらに精査し、整備を進めてまいります。

 次に、教育について二点のお尋ねです。

 まず、奨学資金制度の拡充についてお尋ねがありました。

 渋谷区における奨学資金制度は、高等学校、高等専門学校、専修学校に進学を予定している方や既に在学している方で、経済的な理由により進学や就学が困難な生徒本人に対し、高等学校等に係る費用の一部を貸与し、生徒自身に返還していただく制度です。奨学資金の返還については、過度の経済的負担とならないように貸付金は無利子とし、返済期間は最長で十五年間としており、大学等の上級学校に進学した場合や、災害や病気により返還が困難と認められる場合には返還を猶予するなど、奨学生の個々の事情に応じた計画に基づき返還していただいているところです。

 今後の渋谷区の奨学金制度のあり方につきましては、議員から御紹介のありました国における奨学金制度の検討の方向も参考にしつつ、研究を進めてまいります。また、奨学生の個別事情に対応しやすい返還猶予などの方法についても検討していきたいと考えております。

 次に、「ギフテッド」について、現在の進捗状況と今後の見通しについてのお尋ねです。

 現在、「ギフテッド」と呼ばれる子どもたちの潜在的な才能を伸ばしていくための教育方法等について、実態を含めて調査・研究に着手したところであります。幼児期からギフテッドの特徴を有する児童は本区においても一定の割合で存在するものと推測され、このような子どもたちの可能性に応じた教育の必要性を強く感じております。

 「ギフテッド教育」の実践については、欧米諸国では既に研究実績が蓄積されています。それによると、「ギフテッド」は特定の領域で顕著に高い能力を持っている一方で、周囲とのコミュニケーションなど社会的情緒面で課題を抱えることにもつながっているなどの特徴を有し、特別支援教育として捉えている国もあるとのことです。

 今後さらに研究を進め、子どもたち一人一人の潜在的な可能性を最大限に伸ばすため、具体的な対応をとることができるのかどうか検討を進めてまいります。また、今年度をめどに議会にも御報告させていただきたいと考えています。

 次に、「食品ロス」ゼロについてのお尋ねです。

 賞味期限切れや食べ残し、調理の過程で発生する残菜等、食べられるのに捨てられてしまう食品ロスは、限りある地球資源の無駄遣いです。ごみとして排出されることによる環境問題や廃棄コストの点、もったいないを基本にしたライフスタイルの推進の点からも、区が積極的に取り組む課題と考えています。

 このため区では、まだ食べられる食品の有効活用を図るとともにごみの減量に資するため、家庭で余っている食べ物を集め寄附する活動、いわゆる「フードドライブ」の実施に向け、これまで区民団体と協議を行ってまいりました。このたび協議が調いましたので、今年度、区内各所で実施されるリサイクルバザーの会場で「フードドライブ」を実施いたします。まずは今月二十五日に地域交流センター恵比寿、二十六日に上原社会教育館及び初台区民会館で実施します。

 「食品ロス」には、「買い過ぎない・つくり過ぎない・食べ残さない」ことが重要です。今後は「フードドライブ」の実施結果を踏まえ、様々な機会を捉えて環境教育や食育による児童・生徒・園児や区民への啓発、飲食店等の区内事業者への呼びかけを行うなど、各所管の連携のもと、「食品ロス」の削減に向けて取り組んでまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私に対しましては、熱中症対策として、小中学校におけるウォータークーラー設置についてのお尋ねをいただきました。

 これから本格的な夏の季節を迎えるに当たり、児童・生徒の熱中症を防ぐ取り組みは大変重要と考えております。また、梅雨入りを迎えて気温や湿度が上昇していく今の時期においても、体が暑さになれていないため、十分な注意が必要となります。

 昨年度より運動会における暑さ対策として、小中学校に日よけのためのテントを配備いたしましたが、熱中症は日差しの強い屋外だけではなく、暑さによって徐々に体力を消耗する室内でも起こります。

 熱中症を防止するためには、小まめに水分補給を行うことが効果的とされています。このため、学校では児童・生徒に水筒の持参を認めておりますが、議員が御提案されたウォータークーラーにつきましても、適切な水分補給に資するものと考えております。

 現在、区立の小中学校においては、小学校二校を除く各校にウォータークーラーが設置されておりますが、今後とも各校の現状や要望等を踏まえ、適切な対応を進めてまいりたいと存じます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 古川議員。



◆三十番(古川斗記男) 区長並びに教育長には本当に前向きな、突っ込んだお話をいただきまして、ありがとうございました。特に区長、「食品ロス」につきましては、本当に日本だけのことではなく世界的視野ということを考えていけば、やはり身近なところから推進していかなければいけないという、このことも、やはり渋谷区から世界に発信できるような、そういうような体制づくりをよろしくお願いしたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 最後に、私たち公明党は、平和の党でございます。そのことを標榜しております。一部の政党からは、私たちの党に対しまして平和の党の看板をおろしたのではないか、このようなことを言われておりますが、平和安全法制、戦争法ではございません。このことだけははっきり申し上げます。さきに質問された会派の方が戦争法と表現をされておりましたので、そのことだけは明確に指摘をさせていただきたいと思います。

 ここに一つのコメントがございます。ジャーナリストの田原総一朗さんが、このように述べております。「平和安全法制について一部野党などから戦争法、憲法違反との批判があるが、それは極端過ぎると思う。憲法九条の基本を何とか守ったことで、他国を守るための集団的自衛権の行使が事実上できなくなり、個別的自衛権の枠からはみ出るおそれがなくなったと捉えている。さらに言うと、アメリカが攻撃をされ、それによって我が国の存立が根底から脅かされる危険が明白にあるような事態は想定できない」このようなコメントをされているところでございます。

 いずれにしましても、法律の名称は明確に発言をしていただきたい、このように思います。

 私たち公明党は、区民の皆様、そして国民の皆様の声をしっかりと受けとめさせていただき、それを三千人いる議員でしっかりと皆様のために、政策実現のためにこれからも努力をしていくことをお誓いし、私の代表質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



○副議長(沢島英隆) この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 六番田中匠身議員。



◆六番(田中匠身) 私は、シブヤを笑顔にする会を代表いたしまして、区長並びに教育長に質問いたします。

 質問に先立ちまして、平成二十八年熊本地震により、とうとい命を落とされた方々に深く哀悼の意を表しますとともに被災された方々、その御家族に心からお見舞い申し上げます。

 現地ではいまだに余震が続き、避難者については今でも熊本市の千九百十三人、益城町の二千百三十九人を初め、熊本県内で六千七百八十八人の方々が避難所での生活を余儀なくされています。

 先週の土曜日に、とりわけ被害の大きかった益城町に行ってきましたが、実際に目にする町の惨状は報道で知る以上に激しく、復興に向けて活力を取り戻しつつある住民の方々も、罹災証明の手続によって被災した現実を再び突きつけられると気持ちがまた滅入ってしまう方が多くいらっしゃいます。また、行政の職員、避難所・福祉避難所のスタッフの中にはみずからも被災した方が多く、被災者が被災者を支える難しさも感じました。

 そのような状況の中、避難所を支え、ボランティア活動で大きな活躍をしてきたのが中学生、高校生だったことに頼もしさを感じたのは私だけではないと思います。首都直下型地震に備えなければならない本区においても、学ぶべき点は多いと感じております。

 また、ほぼ時期を同じくいたしまして、地球の反対側のエクアドルでも大地震が発生しました。六百六十人の方が亡くなり、一万棟近くに及ぶ建物が倒壊または損壊しました。平和・国際都市渋谷から心よりのお見舞いを申し上げますと同時に、熊本とともに一日も早い復興を願ってやみません。

 以上のことを申し上げ、質問に入らせていただきます。

 大きく九テーマについてお聞きしようと思いますが、力を込めて、福祉三テーマからといたします。

 まず最初に、高齢者福祉についてです。

 平成二十八年度は第六期介護保険事業計画の二年目に当たります。平成三十年度には介護報酬の見直しが予定されていますが、同時に診療報酬の改定も予定されており、そのような節目の年に向けて、地域包括ケアシステムの構築を本格的に推進する大事な年度と考えます。

 そこで、まず、介護予防についてお聞きいたします。

 現在、介護保険下で提供されている介護予防事業は、平成三十年度までに自治体に移行することが義務づけられています。渋谷区も本年度から「介護予防・日常生活支援総合事業」いわゆる「総合事業」がスタートしています。

 渋谷区における介護認定者の現状は、要支援に該当する軽度の割合が高いのが特徴です。渋谷区の要支援一、二の割合は三八・二五%と、東京都全体の二八・一二%に対し一〇・一三ポイントも高くなっています。また、渋谷区は六十五歳以上の高齢者のうち七十五歳以上の後期高齢者の割合が四九・六%であり、東京都全体より一・八ポイント高くなっています。つまり、後期高齢者の割合が高いにもかかわらず軽度の方が多いということになります。これは従来行ってきた一次予防事業、二次予防事業が効果を発揮してきた結果と考えております。

 総合事業においては、「地域の実情に応じたサービス提供に移行する」という観点から、これまで以上の効果が期待されるでしょう。しかし、介護サービスメニューが充実していくにもかかわらず、介護施策が後退していくのではないかと不安に思っている方もいらっしゃいます。そこで、総合事業が完全実施された後に想定される成果を政策目標として示せば、区民の方々も安心感が持てるのではないかと思います。例えば平均健康寿命をいつまでに、何歳まで延ばすなどですが、いかがでしょうか。マーケティングに強い区政の姿を見せるチャンスでもあり、区長の所見をお願いいたします。

 また、六十五歳以上の方への生活支援サービスは、現在も介護保険下のサービスに上乗せ、横出しする形で区独自のサービスが提供されています。例えばホームヘルプサービスやごみの訪問収集、寝具の乾燥サービス等のほか、シルバー人材センターに委託している軽作業代行サービス等です。利用者の視点に立った切れ目のない介護を持続的に実現していくためには継続してほしいサービスですが、介護報酬改定により、要支援一、二の方への生活支援サービスが介護保険から離れる見込みが高く、区の財政負担が増加するおそれもあります。

 さらに、平成二十六年に成立した「地域医療介護総合確保推進法」に基づきまして、社会的入院が多いと指摘される介護療養病床については、平成二十九年度末に廃止される方針が出されておりまして、在宅での生活支援サービスへの需要はますます高まると思われます。

 総合事業の開始や介護保険制度の改正など社会情勢が変化する中で、区独自の生活支援サービスを今後どのようにされるおつもりか、区長の見解を伺います。

 また、渋谷区の総合事業は、介護事業所による「訪問サービスA」「通所サービスA」に加え、幅広い世代の住民など地域の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより地域による支え合いの体制づくりを推進していくとうたっています。理念として高く評価いたしますが、イメージが湧きにくい部分でもありますので、区長が具体的に描く成功モデルを例示していただけますとわかりやすいかと思います。区長のお考えをお聞かせください。

 また、高齢者に生きがいを持って生活していただくために、区独自の生活支援サービスでもなお賄えない部分について、民間サービスの紹介を積極的に行い、多岐にわたる要望とともに介護家族へのケアサービスを提供できればと考えます。例えば一緒に食事をする、話し相手になる、ペットの世話をする、介護家族の家事をする、院内の付き添いをするといったサービスが挙げられます。

 現在も地域包括支援センター等に民間各社のパンフレットが置かれていますが、これらの民間サービスをポータルサイトでまとめ、区のサービスとは別個に紹介してはいかがでしょうか。自宅にインターネット環境がない方でも、高齢者施設や認知症カフェにタブレットを設置し、利用できるようにすればいいのではないかと考えております。

 また、認知症カフェにおいては、メークアップやネイルアートを施す民間事業者のサービスコーナーを用意してはいかがでしょうか。ネイルアートにつきましては、福祉ネイリストという資格もありまして、高齢者を疲労させないために施術時間を三十分以内に抑えたり、ハンドマッサージをソフトにするなど独自のメソッドがあるようです。認知症カフェを訪れる動機づけにもなると思います。

 区独自のサービスでも賄えない生活支援サービスについて、民間のサービスをポータルサイトを開設して紹介したり、認知症カフェに民間サービスのコーナーを設置する提案について、区長の所見を伺います。

 また、将来予測される介護要員の不足について、学生に対する福祉ボランティアの公募を提案いたします。学生に家賃補助を支給するかわりに、福祉ボランティアを月に数十時間義務づけるという制度を創設すれば、人員不足の解消と学生への啓発を兼ねられます。高齢者にとっても若い人たちと交流するよい機会になり、生きがいづくりにつながります。

 フランスでは、高齢者と学生とがホームシェアをするという新たな動きも始まっています。二〇〇三年の猛暑により、フランス国内で一万五千人が死亡するという大惨事がありましたが、犠牲者の多くが独居高齢者であったことから、政府によって世代間同居政策が立案されたそうです。学生が高齢者宅に同居する形態ですが、パターンによって、家賃が無料になったり月百ユーロで済んだりしています。

 今回の提案は同居まではしないまでも、金銭に余裕がなくて時間に余裕のある学生に家賃相場の高い渋谷区での賃料補助と福祉ボランティアとの組み合わせをセットで提示すれば、興味を持つ人は多いだろうと推測いたします。家賃補助つき学生福祉ボランティアについて、区長の所見を伺います。

 次に、障がい者福祉についてです。

 「障害者差別解消法」が本年四月一日から施行されました。行政機関には社会的障壁を取り除くための合理的配慮を行うことが義務づけられていますが、区施設での段差の解消、窓口等での対応など、渋谷区の対応状況はいかがでしょうか。

 また、同法第十四条により、障がいを理由とする差別に関する相談に的確に応じるとともに、紛争の防止または解決を図る体制の整備が規定されています。相談窓口の設置及び稼働状況、必要な研修や対応マニュアルの整備など、渋谷区の体制を区長に伺います。

 ところで、平成二十六年第三回定例会において「手話言語法(仮称)の制定を求める意見書」を全会一致で採択し、国に提出いたしました。全日本ろうあ連盟の発表では、二十三区、千七百十八市町村、四十七都道府県の計千七百八十八自治体が同様の意見書を採択したそうでして、同じ趣旨の意見書が全ての自治体から出そろうのは憲政史上初めてとのことです。しかしながら、国政における法制定の動きはいまだ見られません。

 海外では、オーストリア、ハンガリー、フィンランドなど六カ国が憲法で手話を言語と規定し、スウェーデン、ベルギーなど十一カ国が法律で手話を公的言語と認めています。国内でも、昨年開催された「手話パフォーマンス甲子園」で、全国の高校生四十七チームが歌や演劇で手話の表現力を競い、開会式では秋篠宮家の次女、佳子様が手話を使って挨拶されました。全国二百五十地区の首長から成る全国手話言語市区長会も昨日発足しました。社会の中で手話を公的言語として認知する機運は確実に高まってきています。

 そこで、渋谷区独自で手話言語条例を制定してはいかがでしょうか。既に京都市、帯広市、高知市など四十七自治体で制定されています。区長の所見を伺います。

 次に、児童福祉についてです。

 改正児童福祉法が先月二十七日に国会で成立し、特別区も五年以内をめどに児童相談所の開設ができるようになりました。二十三区では、平成二十五年ごろより児童相談所について東京都からの事務移管を進める検討に入っていましたが、今回の児童福祉法改正により一気に前進した印象です。

 渋谷区議会でも、私が所属する自治権確立特別委員会では特別養子縁組みや親子関係再構築支援について、二度にわたり全協スタイルの研究会を開催いたしました。会派を超えて積極的に調査・研究に取り組んでおりまして、この分野においては二十三区のどの議会よりも進んでいると確信しております。平成十二年の都区制度改革で満足せず、二十三区で唯一、地方分権や特別区共同事業における課題を継続して研究してきた自治権確立特別委員会を私は誇りに思いますが、ここでは具体的な研究内容には踏み込まず、渋谷区における児童相談所設置の意義について、位置づけとビジョンを伺いたいと思います。

 現在は、虐待やネグレクト等が疑われる情報があれば、「子ども家庭支援センター」が相談を受けて子どもの安全確認や家庭での支援を行い、保護措置が必要なケースは「児童相談所」に引き継ぐ仕組みになっています。しかし、二つの行政機関をまたぐことで認識のギャップが生じ、迅速な対応がとれないことがあります。この点、区が児童相談所を持つメリットは極めて大きく、また、妊娠期から子育て、就学、自立期まで切れ目のない支援が可能になることで、児童虐待の発生予防、早期発見に資するメリットもあると思います。

 一方で、区の組織が複雑にならないように既存部門との役割分担、統合など、児童相談所の位置づけが重要になります。どのような体制によりどのような効果を期待するのか、区長の所見を伺います。

 児童相談所の運営においては児童福祉司、児童心理司、スーパーバイザーなど、高度な知識と経験を持つ人材の確保が重要になると思われます。業務を適切かつ円滑に進めるために、人材育成や外部人材の活用など幅広い人材戦略が必要になると思いますが、区長のビジョンを伺います。

 次に、平成二十六年に設置されました「子ども総合支援センター」についてお聞きします。

 養育困難や虐待等に対応する「子ども家庭支援センター」と、発達の相談や療育機関への移行を支援する「子ども発達相談センター」とを統括する取り組みとして、両センターの連携強化が図られています。今年度は両センターを同じ建物内へ移設する計画もあり、三年目を迎える「子ども総合支援センター」について今後どのような機能強化を目指すのか、区長のお考えをお聞きします。

 また、子ども総合支援センターは関係各機関との連携の核になるため、総合的な実務能力を持つ人材が必要です。一般的に人手不足である福祉分野ですが、子どもの人生にかかわる重い事案と日常的に向き合うため、特に職員のメンタルケアは離職を防ぐ意味で重要です。職業としてのステータスが向上し、社会的な尊敬を実感できるといいと思うのですが、そこで、提案です。

 児童福祉の先進国である北欧の国々と渋谷区の福祉職員とが定期的に技術交流し、渋谷区の児童福祉スタッフはグローバルな職種というポジショニングをしてはいかがでしょうか。人材採用においても有利に働くと思います。区長の所見を伺います。

 次に、産業振興について伺います。

 最初に、創業支援についてです。

 厚生労働省の雇用保険事業年報によれば、平成二十六年の日本における開業率は四・九%であり、欧米の約半分の水準です。民間活力を高めていくためには、開業率を引き上げ、産業全体を活性化させる必要があります。

 平成二十六年に産業競争力強化法が施行され、区市町村が策定する「創業支援事業計画」を国が認定するスキームができました。渋谷区が区内の創業支援事業者らと組んで策定した事業計画も、昨年十月二十日にこの認定を受けました。これにより、支援を受ける創業者は登録免許税が軽減されるなどのメリットがあり、渋谷区と連携して支援する事業者もメリットがあります。区も交付金が受けやすくなりました。

 渋谷が真のベンチャー企業集積地であるために、一歩踏み出した形となりましたが、このスキーム活用により具体的にどのような成果を目指しているのか、区長に伺います。

 また、組織ではなくデザイナーやプログラマー、コンサルタント等、フリーランスで創業する人が多いのも渋谷の特徴です。フリーランスでなくても、スタートアップは初期費用を抑えて個人事業から始めたいという方もいます。その際に実用性が高いのが、コワーキングスペースと呼ばれる共有オフィスです。既存のレンタルオフィスと違って個室ではなくオープンな空間を共有し、共同のミーティングルームやイベントスペースも備わっています。利用する各個人が独立した事業を営みながら、お互いに情報やアイデアを交換したり、時にはタイアップしてビジネスをすることもできます。

 そこで、渋谷区が起業を促進していく上で、区独自のコワーキングスペースの整備をセットでお願いしたいと思います。ベンチャー企業のマッチング機会としては、これまでも区主催の交流会を開催していますが、同じ空間で働く中でお互いに気づくこともあり、継続的なマッチングの機会としてコワーキングスペースは極めて有効です。渋谷区独自のコワーキングスペース整備について、区長の所見を伺います。

 また、健康寿命が延びることにより第二の人生に起業を選択する、いわゆるシニアベンチャーが増えると予測します。総務省の就業構造基本調査によれば、起業希望者のうち六十歳以上の割合は、平成二十一年の一〇・九%から平成二十六年の一五・五%へと五年間で四・六ポイント上昇しました。実際に起業した人の割合も平成二十六年は六十歳以上が三二・四%であり、実はどの年代よりも高くなっています。

 神奈川県は本年度から、「シルバーベンチャー支援事業」を開始しました。シルバーベンチャーの先輩起業家による体験談を聞く場を設け、アイデアを出し合い、講評し合うワークショップの開催や、実際に起業に踏み出す高齢者のために廉価なレンタルオフィスを整備するなどです。

 そこで、渋谷区も区が主催する交流会や、もしコワーキングスペースが実現するのであればこちらへも、シルバー世代の方々の利用を積極的に促進していただきたく思います。恐らくインターネットにふなれなこの世代の方々とウエブ系の若い起業家とをマッチングすることによって、より事業の成功確率が高くなると考えます。区長の所見を伺います。

 また、渋谷区の「事業資金融資あっせん制度」では、「創業支援資金」を利用する際に、渋谷らしい事業としてファッション、デザイン、ITなどの分野で特別に認められた場合に、区が信用保証料を三十万円まで全額補助をしています。私は、この対象業種を戦略的に拡大すべきと考えます。具体的には、今、足りていない分野として福祉、介護、保育、医療、環境分野を、それから、渋谷区の活性化のためにすぐれた能力を呼び込みたい分野として、アート、音楽、演劇等の芸術分野です。区長の所見を伺います。

 次に、観光振興にかかわる交通整備について伺います。

 本年四月から、世田谷区の二子玉川エリアをセグウェイで走行するツアーが試験的に開始されました。駅周辺の商業施設や商店街などをめぐっています。ブレーキがないセグウェイは公道走行が許されていませんが、企業版特区制度である企業実証特例制度を活用し、現在は安全性を検証する試験運用段階です。今年の夏をめどに一般向けにもツアーを始める予定とのことです。渋谷区でも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けた観光振興施策として是非導入してほしいと思います。区長の所見を伺います。

 また、従来は観光客が訪れなかった郊外エリアへ渋谷駅周辺エリアからの回遊を促す手法を提案いたします。

 東京オリンピック・パラリンピックに向けて渋谷区内の商店街を観光資源として訴求し、各商店街を通る乗り合い馬車を走らせてはいかがでしょうか。

   〔「馬車」の声あり〕



◆六番(田中匠身) 馬車です。

 渋谷区立ポニー公園に馬場及び厩舎がありますので、ここを整備拠点として新区庁舎付近まで回送し、新区庁舎を起点に往路は代々木公園内を通って深町から井の頭通り、中野通り、甲州街道を進んで笹塚まで、復路は各商店街を笹塚、幡ヶ谷、西原、上原駅前、地蔵通り、代々木八幡、富ヶ谷、神山の順に通って新区庁舎に戻ります。

 先行事例ですが、ニューヨークではセントラルパーク周辺を行き交う二百二十台の観光用の馬車が名物になっています。札幌では観光目的の御者つき幌馬車が一九七八年から運営されておりまして、年間三千人から四千人の観光客を乗せています。また、ベルギーの首都、ブリュッセルでは、二頭立ての馬車を使ったごみ収集を昨年夏より始めました。温室効果ガスを排出する自動車の使用を避けながら、愛嬌たっぷりの馬をマスコットに仕立てて、横行するポイ捨ての防止もアピールしています。ごみ収集トラックを新調するかわりに馬車を導入したのですが、自動車ならガソリン代や維持代、保険料など年間三千六百ユーロかかるところ、馬なら二頭のえさ代など約二千ユーロで済むそうです。

 渋谷駅周辺エリアはセグウェイで移動し、笹塚等への中距離移動は馬車を使うというすみ分けによって、観光客の満足度を上げられると考えます。馬車を使った観光振興について区長の所見を伺います。

 次に、災害対策について三点質問いたします。

 一点目は、地籍調査についてです。

 地籍調査とは、国土調査法に基づき一筆ごとに土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調査です。現在の登記簿や公図は、その多くが明治時代の地租改正時に作成された記録をもとに加除修正が加えられてきたものです。長い年月を経た今日では、面積が実際とは異なっていたり、土地の境界、形状が不明確であったりします。

 地籍調査は限りある土地の有効活用、安全な取引のために役立ちますが、東日本大震災の被災地で早期復興に寄与したことは注目すべき事実です。地籍調査進捗率九三%だった宮城県名取市では、防災集団移転促進事業に際し、調査費約一千二百万円、調査期間七カ月でしたが、仮に地籍調査が未実施だった場合と比べ一千万円の費用縮減、一年近い期間短縮効果があったと推計されています。また、進捗率五六%だった岩手県釜石市では、被災後の市街地開発・施設整備に調査費四千九十万円、調査期間七百三十日でしたが、仮に地籍調査が未実施だった場合と比較し、十二カ月以上の日数短縮と約二千八百十万円の経費縮減効果があったとのことです。

 渋谷区における地籍調査は、では実施状況はどうかといいますと、進捗率は一%、しかも、この一%は行政によるものではなく民間が実施したものです。実は二十三区で未着手なのは渋谷区だけでありまして、国土交通省のホームページには「渋谷区は、これまで一度も地籍調査を実施していません」と朱字で書かれています。確かに手間のかかる事業ではありますが、災害復興に寄与するとなると、木密地域など優先順位をつけてでも着手したほうがいいのではないでしょうか。

 ちなみに、地籍調査に要する経費のうち五〇%は国が負担し、残りを東京都と渋谷区で二五%ずつ負担しますが、都と区の負担分の八割については特別交付税が交付されますので、実質負担は五%です。地籍調査の実施について区長の所見をお願いいたします。

 災害対策の二点目は、熊本への消防団派遣についてです。

 熊本地震の際、渋谷区は前震の翌日に職員三名を派遣して支援活動を行うとともに、毛布千七百枚を送りました。その後も発災後のフェーズに応じて必要な救援物資を送り、人的支援も継続しました。緊急時に直ちに行動を起こした長谷部区長の決断力を高く評価します。

 ここでお伺いするのは、熊本が復興段階に移った現在、渋谷区の消防団員を現地に派遣してはどうかという点についてです。

 消防団員は日ごろより消火・救命・水防訓練を行うなど、災害時の各分野における専門知識を身につけたエキスパートですが、実際に震災の現場で消防団として活動したことはありません。発災直後から活動してきた現地の消防団と一緒に行動し、どのような対応をしてきたか等の情報を得ることで消防団員としての経験値が高められると考えます。

 もちろん、消防団員の皆さんはそれぞれお仕事を持たれていますから、長期間は無理でしょう。そこで、一週間に期間を限定するなどして、渋谷区が費用負担をする災害時ボランティアとして出向いてもらってはいかがでしょうか。本団及び区内十一分団全てから広く募集をすることで、本区のこれからの災害対策にとっても必ず役に立つものと考えます。区長の所見を伺います。

 災害対策の三点目は、復旧・復興のシンボルになるPRキャラクターの重要性についてです。

 熊本県のPRキャラクター「くまモン」は、地震発生後、被災者に配慮して活動を自粛していましたが、五月五日のこどもの日に活動を再開し保育園や避難所にあらわれると、子どもたちは取り囲んで大喜びし、くまモンも子どもたちの肩を抱いたり一緒に踊ったりする姿が繰り返し報道されました。「地震の後、怖くて辛かったけど大好きなくまモンに会えて元気が出ました」と話す女の子もいました。

 この間、くまモンへの励ましや心配する手紙、メールが熊本県庁に百十通届いていたそうです。海外からもくまモンを励ますイラストが発表されています。台湾のメディアでは、台湾の観光マスコット「Oh! Bear」が、台南地震や粉じん爆発事故でくまモンに救助された恩に報い、「今回台湾の出番!」というキャッチとともに包帯を巻いたくまモンを支えるイラストが多くのネットユーザーの感動を誘いました。四万六千人が「いいね!」を押し、六千五百七十五人が投稿をシェアしています。

 渋谷区議会野球部も、キャンプテンの提案によって「がんばれ熊本」の文字の入ったくまモンのバッジを腕に着用し、被災された方々を勇気づけたいという強い思いで絶対に負けられない戦いを二試合、戦い抜きました。結果は言えません。

 避難所生活が長期化しますと、身体的にも精神的にも疲労が蓄積します。災害時にくまモンのようなキャラクターがあることがどれだけ心の支えになるかとつくづくと感じました。

 そこで提案ですが、きれいで上品な渋谷区のPRキャラクター、「あいりっすん」と一緒に活動する愛嬌重視の第二キャラクターをつくりませんか。あいりっすんのプロフィールには、「あやめちゃん」といういとこの存在も記載がありますし、ハチ公をモチーフにしてもいいかと思います。あいりっすんとは別のタイプを設定し、平常時は観光PRを一緒に担うとともに、大規模災害があった場合には被災者を癒やすことができる愛嬌重視のキャラクターがあると、復旧・復興に大いに資すると考えます。区長の所見を伺います。

 次に、特定目的基金の創設について二点質問いたします。

 ここで申し上げる基金は、積み立てのための財政調整基金ではなく、寄附金を募るためのファンドです。最近はクラウドファンディングが急速に普及し、日本でも徐々に寄附文化が広まりつつあると感じます。

 まず一点目は、女性のための基金についてです。

 渋谷区が共催する女性限定の十キロマラソンレース、「渋谷・表参道ウィメンズラン」が三月六日に開催されました。今年は五千九十五人が出場し、渋谷のメーン通りやブランド店が立ち並ぶ表参道、ふだんは走ることができない明治神宮など変化に富んだコースを楽しみました。表参道などを車両規制して行われますが、公共インフラを制限して実施する代償として、東京マラソンのチャリティー出場枠のような社会貢献の要素を付加してはと思います。

 平成二十七年第三回定例会にて、我が会派の伊藤毅志議員が東京オリンピック・パラリンピックを契機とする大会レガシーについて尋ねました。そのときの答弁では「ハンディのある、なしにかかわらず、皆がまじり合えるピープルデザインのコンセプトがある」とし、「例えばウィメンズランで車椅子利用の方々に走っていただくとか障がい者に寄附がなされるなど、チャリティーの要素を大会に含ませることなどが考えられます」と答弁を続けられました。

 私は、もちろん障がい者への寄附も意義深いと思いますが、せっかく女性のためのレースとして人気大会となり、女性に向けた発信力のあるイベントですから、女性のためのチャリティーにしてはと考えます。女性の経済的な自立、育児や介護や、第一回定例会にて採択した意見書にもあるような性的搾取からの女性救済など、女性を取り巻く社会的課題はたくさんあります。女性が女性を助ける基金として、ウィメンズランにチャリティー出場枠を増設し、基金に出資できませんでしょうか、区長の見解を伺います。

 二点目は、区立小中学校の老朽化問題にかかわる基金です。

 我が会派の伊藤毅志議員が平成二十七年第三回定例会で「鉄筋コンクリート造の建築物の耐用年数は五十年程度と言われています。竣工年の古い小中学校校舎については順次建替えを進めるべき」と質問いたしました。長谷部区長の答弁は「校舎の建替えについては、長期基本計画と整合を図りながら、公共施設等総合管理計画の策定を通じて検討をしていきます」とのことでした。その後、熊本地震の発生があり、多くの公共施設が避難所として利用され、学校を含む老朽化した公共施設建替えの切迫性を感じました。

 熊本県内の避難所数はピーク時で八百五十五カ所に上りましたが、これらには指定避難所以外の施設が多く含まれています。その理由としては、想定以上の被災者が避難所を利用することになったことに加え、建物の損壊や周辺の土砂崩れ等により多くの指定避難所が利用できなくなったことが挙げられます。

 渋谷区においても、この事実は教訓として生かすべきです。ところが、二十三区にある区立小中学校千二百校余りのうち、およそ八割は今後二十年間で築五十年を超過するのですが、改築の費用は二兆円を超えるという試算があります。一方、平成十八年度の都区財政調整協議の結果、小中学校改築に係る需要分として二十三区に交付された特別交付金はわずか二百億円であり、平成十八年度限りの措置でした。小中学校の建替えにかかわる財政問題は、宿命的なバックグラウンドがあると言わざるを得ません。

 そこで、提案です。

 小中学校建替えに目的を特定した基金を創設し、OB、OGに寄附を募ることで公共施設等総合管理計画の一助としてはいかがでしょうか。

   〔「君も出してね」の声あり〕



◆六番(田中匠身) 私はOB、OGではありません。

 寄附者は、金額によって建て替えた校舎に名前を刻むことで顕彰し、インセンティブとします。あえてふるさと納税のスキームを使わないことで住民税の税額控除の対象になることを避け、所得控除でおさまるようにすれば税収減も抑えることができます。

 校舎建替えのためのOB・OG基金について区長の所見を伺います。

 次に、教育についてですが、ICT教育について二点質問いたします。

 本年度より、代々木山谷小学校でICT教育推進モデル校としての活動がスタートいたしました。民間通信事業者の協賛により実施しておりますが、一人一台タブレットPCを配付し、持ち帰りも可としております。児童も、端末に書き込んだ自分の意見がモニター投影されるのがうれしいらしく、挙手して発言する形式ですと全員が発表できませんが、これなら児童に達成感があり、授業に向かうモチベーションが高まるようです。

 また、授業以外でも活用されています。例えば、掃除の前に汚れている場所を探してタブレットのカメラで撮影してもらい、持ち寄った写真をモニターに映しながらみんなで重点的に掃除する箇所を決めるなどです。政府も全校にWi−Fiを設置していく方針を打ち出していますから、ICT教育への移行は時代の流れと思います。

 そこで、教育長に質問です。

 今後のICT教育の推進は、どのように展開していきますでしょうか。中学校はまだモデル校が指定されておりませんので、中学校への導入構想も含めて、進め方をお聞きします。

 また、代々木山谷小学校での施策がスタートしたことで、課題も見えるようになりました。

 まず、児童に配付している端末が重いということ。私が持ち歩いているノートPCの一・五倍ぐらいの重さがあり、一週間分の教科書に相当するかもしれないとのことです。また、共同作業をするアプリケーションがフリーソフトのため、一般研修向けで、操作が児童には細かく難しいということ。さらには、選択式のアンケート結果を瞬時にグラフ化し、モニターに反映できればいいのですが、ソフトの自由度がなくできないということ。また、授業の補助員がいないため、端末操作で児童が手間取ると授業の進行がとまってしまうということなどです。

 これらは決してICT教育の本質的な問題ではなく、民間事業者の協賛で全てをカバーすることの限界ではないかと見ております。区も費用を分担しながら、主導権を持ってマネジメントすることで開発の自由度を確保するべきと考えます。文部科学省の事業でICTを活用した教育推進自治体応援事業における交付金制度もありますので、御検討いただきまして、ICT教育については区も金銭的に投資をしながら、主体性を持って最良の形で推進できるよう強くお願いしたく思います。教育長の所見をお願いいたします。

 次に、子育て支援についてです。

 本年第一回定例会にて、我が会派の薬丸義人幹事長が子育て支援の拠点づくりについて提案しました。区長の答弁は「子育て支援にとって有益なものであれば区施設を活用していただくなど、可能な限り協力をしていきたい」「商店会とも空き店舗等の情報を共有し、団体への情報提供などに努めていきたい」「景丘の家につきましては、渋谷区社会福祉協議会所有の施設でございますので、社会福祉の向上の観点から協力を要請していきたい」とのことでした。

 ところで、子どもの居場所として恵比寿で本年二月にスタートした「じもと食堂」は、多くのサポーターの協力により、食事の提供や学習支援などを独自に展開しています。ボランティアのお兄さん、お姉さんが宿題を教えたり、趣向を凝らしたイベントで遊んだり、みんなで御飯を食べたり、年の違う子どもたちが兄弟姉妹のように仲よく過ごしている姿が見られます。一方で、毎回希望者が多く、残念ながら定数以上のお申し込みはお断りしているとのことです。

 「こども食堂」のような活動をしてみたいという団体は、今後も増えてくると思われますが、課題はやはり場所の確保にありそうです。

 そこで、景丘の家や商店街の空き店舗についてこども食堂に活用できる見通しがどうなっているのか、区長に進捗を伺います。

 あわせて、区施設の有効利用について新たに提案いたします。

 区施設には、料理室が設置されている施設が多く存在しています。代官山ティーンズ・クリエイティブ、かぞくのアトリエ、美竹の丘、リフレッシュ氷川、初台青年館や社会教育館などです。長谷部区長が推進している「子どもテーブル(仮称)」ですが、こうした調理設備のある区施設を利用すれば好都合ではないでしょうか。区内に五館ある社会教育館には、四館に料理室が設置されており、キッチン用具などもしっかりとそろっています。他の部屋も一緒に利用すれば、食事の提供だけでなく学習支援や親の養育支援などを含めた子どもテーブルの活動はやりやすいのではと思います。

 活動拠点の見込みや企業、団体の協力状況もあわせ、区長がお考えの子どもテーブルについて方針をお聞かせください。

 次に、子育て支援の拠点についてですが、社会教育館内の託児室について、教育長にお聞きします。

 社会教育館の託児室は、小さなお子さんが安心して過ごしたり遊べるつくりになっていますが、実際の利用に当たっては託児室として予約をとっているわけではなく、他の活動時に幼児を遊ばせる場所という位置づけです。

 そこで、小さなお子さん連れでも自主的な学習、文化活動の場としてより利用しやすいように、親子室として予約の対象としてはいかがでしょうか。もしくは託児室をそのまま生かして、現在、本区が行っている一時保育よりさらに気軽に、二時間程度利用できる託児サービスにする方法もあろうかと思います。託児室の有効利用について、現在の利用方法、稼働率とあわせて教育長の所見を伺います。

 以上、大きく九点にわたって質問いたしました。御答弁のほどよろしくお願いいたします。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、田中匠身議員の代表質問に順次お答えいたします。

 初めに、高齢者福祉について大きく五点のお尋ねです。

 まず、総合事業が完全実施された後に予測される成果を政策目標として示されてはいかがかとのお尋ねです。

 今年四月から、「介護予防・日常生活支援総合事業」いわゆる総合事業を開始しました。総合事業は、これまで国で一律に行っていたサービスを地域の実情に合わせて実施していくものです。本区で提供する総合事業は、現在の介護保険における予防給付と同様のサービスとともに、高齢者の自立促進や重度化予防の推進を図ることを目的とした生活援助のみの訪問型サービスや、短時間の機能訓練を中心とした通所型サービスなどの様々なニーズに対応したサービスを実施しています。これは、サービスの選択肢を増やすことにより、利用者のニーズに合ったサービスを利用できるようにするものであり、必要な人に必要なサービスを提供できる体制を整えております。

 議員からは、政策目標を示してはとの御提案がありましたが、区としては、引き続き元気な高齢者から要支援の人まで、住みなれた地域でいつまでも自分らしく生活できることを目標としてまいります。今後は総合事業の評価、検証を行い、今年度実施する高齢者ニーズ調査の結果も踏まえながら、この目標の実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、総合事業の開始や介護保険制度の改正など社会情勢が変化する中で、区独自の生活支援サービスを今後どのようにされるかとのお尋ねです。

 本区では、高齢者の方が安心して豊かな生活が送れるよう、介護保険外のサービスの提供を実施しています。特に区独自のホームヘルプサービスは、介護保険制度上の理由により生活援助が受けられない方に対し、介護保険を補足する趣旨で実施している、いわゆる上乗せ横出しサービスです。区議会の御協力のもと、前区長が構築した他自治体に例を見ない充実したこの区独自サービスは、介護保険制度を補うことを目的として実施している事業であり、この考えを基本的に大きく変更することは考えておりません。

 一方、総合事業の開始や介護保険制度の改正などの社会情勢の変化に合わせて、適正な区独自サービスの提供のための再編は必要であると考えております。高齢者が公平に必要なサービスを利用できるよう、利用者ニーズの分析を行うとともに、介護事業者やケアマネジャーとも連携を図りながら検討してまいりたいと思います。

 次に、地域による支え合いの体制づくりを推進していくことについて、具体的に描く成功モデルを例示してほしいとのお尋ねです。

 地域による支え合いの体制づくりにつきましては、これまでも地域住民主体による高齢者サロンや食事会の開催など、様々な取り組みを行ってまいりました。これらの事業は地域に根差して実施されていることから、地域による支え合いの体制づくりでの成功モデルと言えると思います。

 今後について想定しているモデルの一例として挙げるのであれば、地域の高齢者が担い手となる体操教室です。参加者が楽しんで続けてもらえるよう、渋谷区オリジナル体操を開発したいとも考えております。区内にお住まいの高齢者の多くは、介護認定を受けていない元気な方です。この方々がボランティアとしてお住まいの地域で体操教室を定期的に開催することは、地域での継続的な社会参加になると同時に御本人の介護予防にもつながっていきます。多くの高齢者が地域で支援を必要とする高齢者の担い手となっていくことは、渋谷区版地域包括ケアシステムの取り組みでもあり、よりよい地域ネットワークの構築となります。

 こうした支え合いの体制づくりを行っていくため、本年四月より配置した生活支援コーディネーターが中心となり、地域において生活支援の担い手の養成やサービスの開発、さらに利用者のニーズと提供のサービスのマッチングなどを行ってまいります。

 次に認知症カフェ、民間サービスの導入について二点の御提案をいただきました。

 認知症カフェは、認知症の方やその家族、地域の方など誰もが気軽に参加でき、談話や交流ができる場所です。運営は地域ボランティアや介護施設事業者などであり、内容は、お茶を飲みながら談話することのほかに、各種イベントを取り入れて実施しているところであります。

 最初に、生活支援サービスについてポータルサイトを開設して紹介し、認知症カフェで利用できるようにしてはどうかとの御提案です。

 ICTが普及している中で、高齢者の生活支援サービスに関する情報提供の多くはチラシなどの紙媒体としています。これはパソコンやスマートフォンの操作にふなれな高齢者に配慮したものですが、実際には御家族の利用も多いことから、議員の御提案のとおり、より多くの情報をお届けできるよう、民間のサービスをまとめて紹介できるポータルサイトの導入に向けた準備をしていきたいと思います。

 導入に当たっては信頼性や内容の精査が必要であることから、まずは認知症カフェ運営者とサービス提供事業者に御協力いただき、高齢者やその御家族が集う認知症カフェに端末を設置して、実証を行いたいと思います。実証を通して信頼性やサービスのニーズなどを確認した上で、誰もが利用できるポータルサイトの開設について検討してまいります。

 次に、認知症カフェのメニューに民間サービスを取り込む御提案についてです。

 認知症カフェに対し区が行っている支援は、開催周知のチラシ配布や開催場所の提供です。運営については自主的に行われているものであり、認知症カフェで実施している音楽や体操等のイベントについては各カフェが独自にメニューを考えて取り入れているものです。したがいまして、民間サービスの導入についてもメニューの一つとして各カフェで自主的に取り入れていただき、区としては必要な情報を提供してまいりたいと考えております。

 次に、「家賃補助つき学生福祉ボランティア」についてのお尋ねです。

 渋谷区では現在、しぶやボランティアセンターと大学のボランティアセンターが連携、協力するための協議を進めています。一方、個人単位では、既に学生が個人ボランティアとして区の事業に参加してくれています。直近の例といたしましては、せせらぎまつりにNPO法人IVUSA(イビューサ)国際ボランティア学生協会の東京渋谷クラブのメンバーが、運営に参加してくれました。

 今後、様々な分野においてボランティアとの連携、協力を進めていきたいと考えておりますが、特に福祉分野のボランティアにおいては、生活援助的な誰でもできるものから介護ボランティアのようにより高度な専門性と責任が求められるものまで、いろいろなレベルが考えられます。

 議員御提案の家賃補助つき学生福祉ボランティアにつきましては、御指摘のとおり、金銭に余裕がなくて時間に余裕のある学生に家賃相場の高い渋谷区で賃料補助と福祉ボランティアとの組み合わせを提示すれば、興味を示す学生は多いと思います。しかし、手を挙げた学生が利用者の期待に応えられる人材かどうかという点では課題が残ります。

 まず大学のボランティアセンターやボランティアサークル等との連携を図り、奉仕の精神と熱意を持った学生福祉ボランティアの人材確保に努めてまいります。

 次に、障害者差別解消法に関する対応についてのお尋ねです。

 議員御指摘のとおり、障害者差別解消法第五条では、行政機関等は「社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない。」と定められています。

 この法に基づく国の基本方針においては、行政機関が事務事業を行うに当たり、個々の場面において障がい者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときには、障がい者の権利、利益を侵害することにならないよう、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を行うことが求められています。

 渋谷区といたしましては、障がいの有無などにより差別されることがなく、人が人として尊重され、誰もが自分の能力を生かして生き生きと生きることのできる、差別のない社会を実現することを目指しております。このことは全庁的な課題であり、区施設の段差解消や窓口対応だけでなく、心のバリアフリーの推進について各所管で対応を検討しております。

 また、法の趣旨を受け、職員がより一層の誠実で適切な対応をするため、渋谷区における障がいを理由とする差別の解消の促進に関する対応要領を制定いたしました。各所管に相談対応責任者を置き、障がい者やその家族、関係者からの相談があれば迅速に対応する体制を整え、その情報については障害者福祉課で集約して、今後の対応の改善に生かしてまいります。

 研修については職員の意識改革が図れる内容とし、心のバリアフリーを一層推進してまいります。

 次に、手話言語条例の制定についてのお尋ねです。

 先ほどの合理的配慮の具体例として、手話通訳の配置が求められています。渋谷区におきましては、渋谷区聴覚障害者協会や渋谷手話の会の御協力をいただき、平成三年以来毎年、手話講習会を開催し、昨年度までの合計で三千百二十二名の講習修了者を輩出しております。

 手話通訳者は区議会ばかりでなく、毎週二回、区役所で来庁者の対応に当たっていただいており、さらには「新成人を祝う会」など区内の様々なイベントにおいて御活躍をされています。

 手話言語条例の制定のためには、手話講習会ばかりでなく、学校教育や民間の様々な活動において日本手話を言語の一つとしていかに広めていくか、財政的な支援が必要かといった様々な課題を研究する必要があります。まずは手話通訳の配置など、障がい者の差別解消に向け実践的な取り組みを積み重ねることに力を入れてまいります。

 次に、児童相談所移管後、どのような体制によりどのような効果を期待するか、また、必要な人材確保についてのお尋ねです。

 議員御指摘のとおり、これまで東京都と特別区二十三区で協議を重ねてきた児童相談所の移管については、今回の児童福祉法改正により具体的な移管準備を進めることになります。

 東京都の児童相談所や二十三区の子ども家庭支援センターでは、近年、児童虐待を含む相談件数が増加しており、本区におきましても増加傾向にあります。児童相談所が区に移管されることにより、養育困難や虐待の対応においてその緊急度に即した初動対応が迅速に行えるようになり、さらにはそのような子どもと家庭に対し、地域の方々との連携によりきめ細かいフォローが可能となるなどの効果が期待できます。

 その一方で、児童相談所が担う業務は、里親に関するものや小児医療の給付に関するもの、障がい児に関することなど多岐にわたっています。今後移管を進めるに当たっては、区が担う地域に密着して即応性を必要とする業務と、都が担う高度な専門性と広域的な判断を必要とする業務を整理する必要があり、経験を積んだ児童福祉司の各区配置についても課題とされています。

 児童相談所の業務については虐待対応がクローズアップされてきましたが、今後、当区の取り組みといたしましては、まずは虐待させないために、子育てについて身近なところに相談できる体制づくりに取り組んでまいります。また、これらの業務を担う職員については、高度な専門性と広い福祉的視野を持った能力が求められていることから、保健師、保育士、心理職など様々な分野の人材確保に努めてまいります。

 さらには、将来的には区内にある大学や医療機関との連携も強化してまいります。

 次に、子ども総合支援センターの今後の機能強化と、児童福祉にかかわる職員の人材維持とステータス向上のための技術交流についてのお尋ねです。

 先ほど古川斗記男議員の御答弁でも申し上げましたが、本区では平成二十六年四月に、子どもとその家庭が抱える課題に総合的かつ迅速、的確に対応する組織として子ども総合支援センターを開設いたしました。養育不安、養育困難あるいは虐待などの深刻な事態に対応する子ども家庭支援センターと、発達に課題や不安がある子どもの相談に応じる子ども発達相談センターを統括し、巡回相談や複雑な相談ケース等の対応を行っております。

 平成二十七年度の巡回相談につきましては、区内の未就学児の通所する施設七十三園、保育園と幼稚園、在園児約五千人のうち、五十八園、在園児約四千人を対象に実施いたしました。専門職のチームが施設を巡回し、園の指導者が日常的に保育を行う上でかかわりが難しいと判断した園児、全体の一割程度の行動観察を通じて、その保育やクラス運営の方法について積極的な助言や支援を行ってまいりました。

 このように、発達の早い段階から支援を行うことにより、園児の健やかな成長を促し、就学時に際しても適切な情報提供を行い、切れ目ない支援を行っています。

 今年度は子ども家庭支援センターを子ども発達センターの敷地内に移設し、支援の幅を広げると同時に即応性を高めることで、養育困難や虐待の未然防止に大きな効果を上げることができると考えています。

 今後も子ども総合支援センターの運営については、児童相談所の移管も見据えて、子どもや保護者、家庭、さらには子育て全般にかかわる相談を総合的に受けとめる機関として位置づけ、支援の充実を図ってまいります。

 また、議員御指摘のとおり、区の重要な施策である児童福祉を担う職員の人材維持、リテンションやメンタルケアについては深刻な課題として捉え、必要な対策を講じてまいります。

 さらに、御提案の北欧の国々と渋谷区の福祉職員との技術交流についてですが、児童福祉に関する先進国の知識や技術を学ぶことは、職員の支援、スキル向上に資するものであり、重要であると考えておりますが、具体的な技術習得の方法については今後の課題とさせていただきたいと思います。

 次に、産業振興について四点のお尋ねでありますが、順次お答えします。

 まず、「創業支援事業計画」のスキーム活用により、具体的にどのような成果を目指しているかとのお尋ねです。

 議員のおっしゃるとおり、渋谷区も、産業競争力強化法に基づいた総合支援事業計画の認定を昨年十月に受けたところです。この渋谷区総合支援事業計画の特徴の一つは、従来、行政や金融機関、民間事業者などがそれぞれの考え方や支援方法をもとに個別に行ってきた創業支援を、地域を挙げて一貫したプロセスで支援できるよう創業支援ネットワークを構築したことです。このネットワークを活用することにより、創業後から経営が安定するまで、長期にわたり総合的なアドバイスを受けることができます。

 こうした創業支援の取り組みを通じて、渋谷区で創業しようと希望を持った創業者が一人でも多く増え、新しい産業やソーシャルビジネス創出への足がかりとなっていくことを期待しています。

 次に、コワーキングスペースについてです。

 コワーキングスペースは、フリーランスや個人事業者にとって共同ミーティングや情報、アイデアの交換の場として有用なことは議員御指摘のとおりです。しかしながら、区内でも、民間事業者などが設置するコワーキングスペースが年々増えてきており、直ちに区が独自でコワーキングスペースを設置する考えは持っておりません。ここしばらくは、区内のコワーキングスペースの状況を注視してまいりたいと思います。

 次に、シルバーベンチャーについてです。

 区の創業支援交流会や経営相談員による創業の相談には、シルバー世代の方の参加もありますが、比較的若い世代の方々の参加が多く見受けられます。シルバー世代を含め幅広い年代の創業希望者に気軽に創業セミナーや交流会に御参加いただけるよう、周知に努め、創業希望者のニーズに応えたきめ細やかな工夫をしてまいります。

 次に、融資あっせん制度の創業支援資金に係る信用保証料を補助する対象業種を戦略的に拡大すべきとの御提案です。

 区の中小企業事業資金融資あっせん制度には、分野を問わず、創業もしくは創業後一年未満の個人・中小企業が必要な運転・設備資金のうちの二分の一、限度額一千五百万円以内の融資あっせんをする創業支援資金制度を設けています。この制度の中で、ファッション、デザイン、IT産業等の分野のうちとりわけ渋谷にふさわしい、文化に資すると認められるものについては、最大三十万円まで信用保証料を補助しています。

 この信用保証料の補助については、区内において一定の集積があり、区の特徴となっている産業を特に支援する目的を持っているものであり、継続して取り組んでいきたいと考えております。

 今後、区内の産業振興の中で特徴を持ち、重点的な支援が必要な分野があれば、財政状況も踏まえつつ、対象とすることを検討していきたいと思います。

 次に、観光振興に係る交通整備についての御提案です。

 まずはセグウェイの導入についてです。

 安全で運転しやすいセグウェイを使った観光ツアーは老若男女を問わず、ふだんはなかなか訪れにくい地域へ楽に足を延ばすことが可能となり、その魅力を身近に感じとれる絶好の機会となるはずです。

 世田谷区の二子玉川では、セグウェイの実証特例を取得した企業がツアーを目指していますが、公道で運転するには所管する警察等関係機関との十分な協議の上、指定された地域内での走行や、小型特殊免許以上の取得者に限定されることや保安員の同行、スピード制限等、観光ツアーを開催するにはいまだ課題が大きい状況です。

 まずは渋谷区内においても、導入実現に向けて可能性のある区の管理地やイベント内での走行から取りかかり、公道を利用した観光ツアーへチャレンジしていきたいと考えております。

 次に、馬車を使った観光振興についての御提案です。

 観光馬車の導入につきましては、事例で挙げておられるニューヨークでも、動物愛護の観点から賛否が分かれており、廃止に向けた動きがあるように聞いています。

 また、渋谷区内周遊のアイデアとしては興味深いところではありますが、坂の多い地形で走行の安全性、走行中の馬の排せつ物の処理、乗り合い馬車の購入、維持管理費などの面からも導入は難しいと考えています。

 次に、地籍調査についてのお尋ねですが、地籍調査は土地をめぐる行政活動や経済活動など全ての基礎データとなるものであり、土地境界をめぐるトラブルの未然防止や登記手続の簡素化、費用の縮減、土地の有効活用の促進など、様々な効果を期待することができる取り組みです。

 区といたしましては、取り組みが非常に長期間になることと費用がかさむことなどを理由に、これまで区として地籍調査については着手しておりませんでした。今年度から国の機関である東京法務局が、東京オリンピック・パラリンピックに向けて千駄ヶ谷地区を対象に地籍調査を三カ年計画で実施することとなり、区として協力、支援を行うこととしました。

 現状といたしましては、東京法務局が進める千駄ヶ谷地区の地籍調査に協力、支援してまいりますが、国が主導で行う今回の取り組みを契機に、千駄ヶ谷地区の地籍調査終了後において、全区域での地籍調査の取り組みについて検討していきたいと考えています。

 次に、消防団員の現地派遣についてお答えいたします。

 消防団員は日ごろ消火・救命訓練等を行っており、地域の防災にとって大変心強いものであります。田中匠身議員のお尋ねのとおり、渋谷消防団員を発災直後を中心に被災された地域へ派遣し、災害活動をすることは、被災地への貢献はもとより団員にとっても貴重な経験を得られるものと思います。

 しかしながら、特別区の消防団は消防組織法により都知事が管理することになっており、消防長または消防署長の指揮下にあるため、区の判断で派遣することは法制度上、課題があります。

 一方、渋谷消防団の自主的な活動として被災地への支援に行かれる場合は、本区といたしましても費用など必要な支援をしていくことを検討していきたいと考えております。

 次に、「あいりっすん」とは別の、愛嬌を重視した第二キャラクターをつくったらどうかとの御提案です。

 区制八十周年を記念して生まれた「あいりっすん」は、その姿、形やプロフィールに加え、ストーリー性を持った渋谷区のPRキャラクターとして区内外のイベントへの出演も多く、好評を得ています。今後も区内のデザイン専門学校やデザインの専門家に協力を得ながら、今の「あいりっすん」の表情やしぐさを増やすことなどの工夫や、例えば「あいりっすん」のストーリーにあるいとこの「あやめちゃん」のキャラクター化も含め、検討していきたいと思います。

 特別目的基金の創設についてのお尋ねです。

 区の財政運営の一助として寄附を受け入れる基金を創設してはどうかとの御提案ですが、寄附文化を社会活動に生かし、育てていくという議員のお考えは私も共感を覚えます。

 区に直接基金を設け、寄附を募ることは、その運用、管理の面で制約がありますが、スポーツイベントでチャリティーで行うことは今や当たり前のこととなっており、年々盛り上がりを見せる「渋谷・表参道ウィメンズラン」でチャリティーを行うことは、寄附文化の醸成の効果も大きいものと予想でき、是非実現したいアイデアです。このイベントは教育委員会も共催しておりますので、実行委員会と相談しながら実現に取り組みたいと考えております。

 また、区立小学校の老朽化問題にかかわる基金についても、区が一元的な対応をするより、各学校の同窓会などのOB、OGの団体が主体となるほうがその趣旨が明確になると思います。区としては、教育委員会と協力しながら働きかけを行っていきたいと思います。

 次に子育て支援について、「こども食堂」に関連する私への質問について一括してお答えします。

 全国各地では、子どもの貧困対策として「こども食堂」が展開されております。先ほど渋谷区議会公明党、古川斗記男議員にお答えしたとおり、本区といたしましては子どもの貧困対策としてだけではなく、地域による子育て支援という理念のもと、食事の提供のみならず、学習支援や親の養育支援を含め広い視点に立った「子どもテーブル」の実施に向け、検討を進めているところです。

 前定例会におきまして、貴会派の薬丸義人議員から御指摘のあった社会福祉協議会所有の景丘の家については、耐震等の安全性を検証しているところです。また、商店街の空き店舗の利用には、リノベーションの経費や賃料が発生するなどの課題があり、今後に向けた検討が必要となっているところです。とりわけ議員御指摘のとおり、代官山ティーンズ・クリエイティブ、かぞくのアトリエ、社会教育館など調理室を備えた施設は、「子どもテーブル」を実施するに当たり大変適した施設であり、空き時間等は、子どもテーブルの実施のための最大限活用していく考えです。

 また、「子どもテーブル」の実施に向けた検討を進める中で、企業等の方々からは食事の提供のための協力や、学生からは学習支援のボランティアとして協力したいとの具体的なお話もあり、こうした方々との連携、協力をし、早期実現に向け取り組んでいく所存です。

 以上、私からの答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、二点のお尋ねがございました。

 まず、ICT教育の推進についてどのように展開していくのか、中学校への導入構想も含めてのお尋ねです。

 今年度の代々木山谷小学校での実践を議員もごらんいただいたとおり、発言が大変活発になり、子どもたちは学習に意欲的に取り組み、達成感を持って授業に向かいモチベーションが高まるなど、効果が認められております。また、先進的な取り組みの一つとして、タブレットの持ち帰り学習を可能にしております。そのため学校外での学習や清掃活動など、学習以外での活用法が可能となり、広く子どもたちの育成に効果が期待できます。

 そこで、代々木山谷小学校での実践を生かし、来年度は小学校において全校タブレット端末、通信環境、電子黒板、デジタル教科書等を配備できるよう検討しております。

 小学校、中学校では、学級担任による指導と教科担任による指導など指導の違いがありますので、中学校では来年度にモデル校を設置し、全校に配備できるよう検討しております。

 また、ICT教育を最良の形で推進できるようにとのお尋ねですが、現在、代々木山谷小学校で使用中のアプリケーションソフトは、企業の協力を得て検証を行っております。児童にとって使い勝手のいいソフト、またはソフトの自由度などの検証結果をもとに、実際の導入段階においては民間事業者に全て依存するということではなく、学校現場からの意見も取り入れ、導入後のメンテナンスやサポート体制も含め、実践に即したアプリケーションを導入する計画です。

 議員御提案の文部科学省の交付金制度につきましては、今年度も募集があればその活用を検討してまいります。

 次に、社会教育館の託児室の有効利用についての御提言です。

 託児室は、長谷戸社教館を除く四館にあります。現在の利用方法ですが、議員の御指摘いただいたとおり、例えば料理室をシステムで予約した上で利用する際、子どもの遊び場として保護者の方たちが自主的に見守りを行うために利用されているほか、着替えや授乳、おむつ替えなどでの一時的な利用もあります。

 システム予約の対象施設ではないため、年間の稼働率については明確な数字を把握してはおりませんが、各館ともおおむね一〇%未満となっております。その他、あいていれば授乳、おむつ替え等に随時お貸ししております。

 このように、託児室単独の利用とはせず、あくまでも他室利用に付随する利用となっております。御提言の親子室や託児サービスによる活用につきましては、前日まで予約できるシステムとの関係で、いつから、どのように申し込みができるようにするか、授乳、おむつ替えの代替スペースをどう確保していくかなどの課題が幾つかありますので、検討してまいりたいと思います。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 田中匠身議員。



◆六番(田中匠身) 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。

 所感だけ申し上げたいと思います。

 高齢者福祉につきましては、大変いろんなメニューがこれからも用意されていて、また、地域も含めた工夫をされているということで、決して高齢者福祉が後退していくということじゃないということはよくわかりましたので、このまま進めていただければと思います。

 それから障がい者福祉についてですが、手話言語条例につきましては、まず手話通訳者の育成を優先させるということで、わかりましたので、条例の制定についても、その延長線上ということで、また御検討いただければと思います。

 それから児童福祉については、児童相談所の移管に際してどのような位置づけにしてくるかということをお聞きしたかったんですけども、非常に前向きにいろいろお考えいただいているということで、大変評価したいと思います。

 あと、子ども総合支援センターについても巡回サービス等いろいろ機能強化が図られるということで、安心しております。

 それから創業支援につきましては、これからもですね、特に渋谷はITベンチャーの集積地ということで、一時期ビットバレーということで騒がれましたけれども、いつの間にかこのムーブメントも下火になってしまいましたので、ここから巻き返しということで、是非期待したい分野でございます。

 それから災害対策についての中で、キャラクターなんですけれども、検討していただけるということで大変うれしく思います。やっぱり、やるからには徹底的にやったほうがいいと思っていまして、「くまモン」のようにですね、本当に活動もやってほしいと思うんですね。「あいりっすん」は本当に上品でいいキャラクターだと思うんですけれども、癒やし重視というところでですね、もう一つ、一緒にセットになるキャラクターがあるとすごくいいと思っていまして、成人式のときに、「ぺこちゃん」と「りゅうちぇる」がセットで来られましたけども、あんな感じでセットで動いて、そして癒やされるような第二キャラクターをお願いしたい。

 特に、実はこの前、この質問に当たりまして「あいりっすん」の公式ホームページを見たんですけれども、ちょっと実はがっかりしたことがありまして、「あいりっすん」のお出かけ先が出ているんですね。そのスケジュールが、まずほとんどすかすかというのが一つと、それからお出かけ先が、ほとんど渋谷区内なんです。一カ所、今年に入って一カ所だけ、四月二十日に東京ベルディのJ2の試合に出ている。それが駒沢公園、隣の世田谷区です。

 もちろん、区民の方々になじんでもらうということも大事なことはよくわかるんですけれども、渋谷区のPRキャラクターですから、もっと遠くへ行ってほしいんですね。「くまモン」も東京ですとか関西によくあらわれていましたし、地方の都市とか、それから、それこそ海外です。海外の都市を「あいりっすん」は転々としていただいて、海外の、外国の方に渋谷区の魅力を精力的にPRしていただいて、もう渋谷に帰ってこなくてもいいんじゃないかという、それはちょっと極論ですけれども、というぐらい思うぐらいですね。

 何が言いたいかといいますと、私も自分で広告会社を経営していますけれども、広告的な観点からも経営的な観点からも、中途半端にやるのが一番お金が無駄になるんです。ですので、やるんだったら徹底的にやる、中途半端にやるんであればやめる、そのぐらいめり張りのある御判断をお願いしたいと思います、キャラクターにおいてもですね。

 ちなみに、長谷部区長も上がスーツ、靴がスニーカーということがよくありますが、ファッションはもちろん個人の自由なんですけれども、中途半端はいかがなものかと指摘しておきます。

 それから教育長の御答弁、大変ありがとうございます。

 ICT教育については、本当にこれだけ考えていただいているということを全然知らなくて、本当にすばらしい御答弁だったと思います。

 それから、社会教育館の託児室の利用についても前向きに御検討いただけるということで、うれしく思います。

 問題が馬車なんですけど、馬車を使った観光振興についてなんですが、ニューヨークで反対論があるのは、私も承知しています。実は昨年、ニューヨークの市長になった方は動物愛護協会の支援を受けて、馬車を廃止するということを訴えて市長になったんですね。それでもう廃止することを方針として決めていて、実はそう打ち出した後に、市長になってからですけれども、逆に市民から「廃止するな」という声が上がって、一旦は縮小するというところまで合意したんですけれども、結局はこれも全部なしになって、もとどおり維持してやっていくということになったんです。そのぐらいですね、観光にとって馬車は非常に効果があるんです。市民の方にも名物として親しまれている、そういう乗り物なんですね。

 ですので、ここで再質問はしませんけれども、もう一度、見直していただいて、ちなみに、ふんを落とすというと、確かに歩きながら落とすんですけど、袋をつけておむつみたいな役割をして、下に落とさないようにというものもありますし、あとはセントラルパークのような広大な公園が渋谷区の中でも、代々木公園がありますし、厩舎もありますし、ポニー公園を委託している東京乗馬倶楽部という、ちゃんと環境があるわけですから、あとはやるかやらないかで、いろいろな課題があることは本当によく私もわかりますけども、課題があるからやらないということじゃなくて、それを何とかするのが区長の役割だと思うんです。

 ですから、課題があるからやらないんじゃなくて、是非課題を克服する方法を考えていただいて、トライ・アンド・エラーでやっていただければと、御検討いただければと思います。

 結びになりますが、シブヤを笑顔にする会は五名の議員、力を合わせまして渋谷区民の方々、それから渋谷区にかかわる全ての方々が、誰もが笑顔で暮らせる街を実現するために、全力でその役割を果たしていきたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。



○副議長(沢島英隆) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後五時四十二分

   再開 午後六時一分

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○議長(木村正義) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 二十番鈴木建邦議員。



◆二十番(鈴木建邦) 民進党渋谷区議団の鈴木建邦でございます。民進党となりまして初めての発言でございますので、よろしくお願いいたします。

 質問に入ります前に、熊本地震でお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災者の方々にお見舞いを申し上げます。

 渋谷区における震災対策につきましては、あしたの治田議員の一般質問で取り上げます。

 それでは、質問に入ります。

 まず、地域で活動されている団体、いわゆるコミュニティ団体の支援であります。

 区長もしばしば地域コミュニティの重要性について言及していらっしゃいますが、区民や区内で活動する個人、法人等の活動、特に非営利の活動は非常に大切なものでございます。

 四月より始まった「渋谷のラジオ」では、区内各地域、各団体の方々が大勢その活動や思い、考え方をお話しになっております。多様さに驚かされるとともに、頼もしくも思います。

 これらコミュニティ団体の大きな負担に今後なり得るのが個人情報保護法の改正です。個人情報保護法は、従来、小規模事業者については適用除外とされていたところ、昨年の法改正によりまして、少数であっても個人情報を持つ団体は適正に取得、管理、利用することが義務づけられました。営利、非営利を問わないので、町会、PTAなどのコミュニティ団体も新たに義務づけの対象となります。来年度には確実に適用されますから、早急に対応を進めていかなくてはなりません。

 各団体には情報の取得時に趣旨と利用目的を明確にした上で同意を確実にとること、個人情報が電子データならパスワードをかけ、紙媒体の名簿なら施錠すること、名簿の作成管理担当者に対しての内部啓発、不要となった個人データの消去、開示請求への対応などが義務づけられます。

 コミュニティ団体は、規模も体制も千差万別でありますが、ボランティアが基本のものも多く、事務作業や負担は極力少なくしていくことが必要です。特に個人情報保護のような専門的な知識や技能が求められることについては、行政がしっかりとサポートをして、負担軽減と適正化を図っていくことが大事なのではないでしょうか。そのためには、小規模事業者、町会やPTA等のコミュニティ団体に個人情報保護にまつわる義務について定期的に啓発をし、また名簿を作成管理している方向けの研修を区として提供する必要があるのではないかと考えます。さらに、区民会館、地域交流センター、社会教育館などにおいて定期的に個人情報保護の啓発を行う必要があるのではないでしょうか。区長の見解を伺います。

 特に技術と知識が求められる情報セキュリティ面においては、相談やアドバイス等を行える体制を構築し、コミュニティ団体や小規模事業者を支援していくことが必要と考えますが、区長の見解を伺います。

 各団体は、財政や構成員によって所有するデジタル機器等に差があります。パソコン、印刷機器、シュレッダーなど、登録したコミュニティ団体が簡便に利用できるようなデジタル機器を提供することが、情報セキュリティを向上させつつ活動を支援することにつながっていくのではないでしょうか。区長の見解を伺います。

 次に、教育について、大きく三点取り上げます。

 我々保護者や地域住民が公立学校の教育に求めるのは、教育基本法第一条一項に定められている「人格の完成」に向けて児童・生徒個々の家庭環境や能力等にかかわらず、基礎基本が徹底されることでありましょう。その意味で、是非底上げを重視をしていただきたいと思います。

 一口に底上げといっても、いろいろな切り口があります。学業にあっては、余り習得が進んでいない子に焦点を置くこと、また習得が進んだ子については、自分の身につけた知識や能力を応用できるような環境をつくっていただきたいなと。コミュニケーション能力は、現代社会に必須の能力と言えるので、教科学習や行事等における言語活動を通じてコミュニケーションの経験と技能を身につけることができるようにしていただきたいなと思います。

 以上二点は、再三紹介している『学びあい』が非常に有効だと考えます。

 デジタルデバイドの解消も重要です。技術革新によってデジタル機器、特にスマホやパソコン等のICT機器、SNSや各種アプリケーション等についての活用能力が、のりやはさみの活用以上に求められるようになってきておりますが、家庭の経済力によってどうしても習熟度に差が出てきてしまいます。こういうのを解消するために、是非学校現場で誰もが経験を積めるように、自由に活用できる環境を用意していただきたいと思います。

 先ほど、区長発言や先ほどまでの議論にありましたように、代々木山谷小学校における取り組み、非常にすぐれたものと思いますけれども、是非多くの学校で学習だけではなく、子どもたちが気軽に触れられる、使える環境をつくっていただきたいなと思います。

 運動能力について、かなり差が激しいものがありますけれども、体育の指導要領を見ると、「楽しさや喜びに触れて技能を身につけられるようにする」こういうふうに書かれております。子どもたちに実際聞いてみると、体育の授業を好きな子はもちろん多いんですけれども、苦手な子、運動能力の得意な子だけが楽しい授業であって、苦手な子にとってはつらい授業なんだ、こういうふうに言われることも多いのが残念です。むしろ運動が不得意な子こそ、運動の喜びに触れて、技能を高められるようにしていただきたいなと思います。

 食育の大切さについては浸透してきていますが、学校外の食については、家庭の経済力が非常に大きいと言わざるを得ません。学校内の食については、さらに充実を図り、長期休みなどにおいても、是非配慮が行き届くようにしていただきたいものです。また、この意味では、給食の無償化も考える必要があると思います。

 以上、様々な観点で教育における底上げについて検討してみました。是非底上げを明確に方針としていただきたいのですが、教育長の見解を伺います。

 続いて、字形・字体指導についてであります。

 先日、文化審議会国語分科会は、常用漢字表の字形・字体に関する指針というガイドラインを示しました。そこでは、手書き文字と印刷文字のあらわし方に違いがあり、一方だけが正しいのではないこと、字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば誤っているとはみなされないことが改めて示されたところでございます。

 漢字文化は、非常に奥が深く、学校で扱われる書体のほかにも、印刷文字にあっては明朝体やゴシック体、いろんなフォントがあります。また、歴史的にも篆書、隷書、草書、行書、楷書などの書体があります。それぞれ特徴があって、続け字になったり、はねがはらいになったりと違いがあります。

 例えば、今議案書を見ていただければ、議案の「議」のごんべんのところは、点じゃなくて横棒になっているんですよね。そういうふうに手書きとはやっぱり違います。私の名前の鈴木建邦の「鈴」の右側も、点じゃなくて真っすぐ、最後なる。こういうのはやっぱり手書きとちょっと違うんです。こういうことを今回指針で改めて示されたところであります。

 こういった書体については、看板や手紙、ビラ、各種表示などにおいて、それぞれ選択されます。勢いのある書体、柔和な書体、わかりやすい書体、時代を感じさせる書体などふさわしい書体が選ばれ、表現の幅を広げています。

 ところが、学校での漢字教育においては、一種類の字体のみが取り扱われ、とめ、はね、はらいにも力を入れた指導が行われ、また採点基準にも影響を与えています。とめ、はね、はらいが指導されたとおりになっていない場合、減点をされることも珍しくありません。

 パソコンが浸透している現代にあっても、丁寧に漢字を書くことは非常に重要ですから、一つの書体を細部にわたって美しく書けるようじっくり教えることはもちろん必要です。とはいえ、ほかの字体が間違っているわけではありませんから、とめ、はね、はらいなどについて減点対象にしてしまうことは、社会で目にするほかの字体、掲示や看板やビラなどで使われている字体について、結果的に教室として間違っていると否定してしまっていることにほかなりません。

 そこで、今回指針が取りまとめられた経緯を踏まえて、多様な漢字文化を尊重する姿勢を学校に徹底し、一つの書体を丁寧に指導するとしても、採点基準には含めないで、是非そういうふうに求めるのが妥当であると考えますけれどもいかがでしょうか。教育長の見解を伺います。

 続いて、英語教育についてであります。

 英語は、世界共通言語として重要性を増している上に、今後日本の人口動向とそれに伴う需要動向を考慮すると、将来世代にとっての英語の必要性は極めて高いのではないかと考えます。

 英語の習得には使用機会の確保、意欲の確保とともに、発音に対するなれが必要です。俗に英語耳をつくるなどと言いますけれども、日本語と周波数帯が違う部分がある上に、日本語にはない母音や子音があるため大きな障壁となっています。発音については、幼少児に触れているとなれやすいようであります。

 現在発音教育については、「フォニックス」というものが浸透してきています。是非このフォニックスを渋谷区の英語教育について統一的に活用していってほしいと考えますが、教育長の見解を伺います。

 次に、保育について、大きく五点お尋ねいたします。

 まず、保育需要の早期把握と保育施設の適正配置についてです。

 我が会派は、従来から一貫して、保育需要を早期に把握、コントロールして施設整備に生かそう、保育施設入園児の選考ポイント制を見直そうと提案しています。保育園に入れたと御家庭と入れなかった御家庭の受益の差が極端に大きい現状、そして、せめて渋谷に長年お住まいの方については極力待機児童を出さないようにしたいという価値観のもと、保育予約制度やポイントの見直しなどを通じて需要の早期把握と流入のコントロールを行い、予測される需要をできるだけ満たせるよう余裕と計画性を持って施設整備を行うということであります。

 今回は、保育需要の早期把握について、再度求めます。特に近年厳しくなってきている二歳児、三歳児などの待機児童については、既にゼロ歳から数えて二年以上猶予があるにもかかわらず待機が解消できないことは、極めて残念です。まず、ここについて対応すべきではないでしょうか。

 できれば、渋谷では、待機が出るか出ないかわからない、できるだけ解消したいと思いますけれども、少なくとも「一歳以上は必ず入れる、待機にはならないよ」という状況が達成できれば、慌ててゼロ歳から保育園に入れなくても済むし、過剰な需要も抑えることができるのではないでしょうか。また、残念ながら待機になってしまった御家庭も希望を持って生活をすることができるのではないでしょうか。

 保育需要の早期把握と保育施設の適正な設置について、特に一歳児以上については待機児童を出さないよう特段の努力を求めます。区長の見解を伺います。

 次に、代々木公園の保育施設についてです。

 本定例会に提出された補正予算には、都立代々木公園原宿門側に保育施設を整備するための経費が計上されています。待機児童解消への都政の理解を評価するとともに、交渉に取り組んだ区職員の皆様の努力に感謝をするものです。

 ただ、渋谷区内で待機の状況が非常に厳しいのは、初台地区、上原地区であり、代々木公園はこの二地区に隣接しているわけですから、待機児童解消に向けて東京都にさらなる取り組みを求めたいところですが、区長の見解を伺います。

 続いて、多子世帯の保育料についてです。

 現在、同時に二人以上のお子様が保育施設に在園している場合については保育料が減免されますが、同時ではない場合の保育料は減免されません。三人以上の多子世帯の保育料は、所得、年齢にかかわらず減免する制度が妥当であると考えますがいかがでしょうか。区長の見解を伺います。

 続いて、保育職員のスキルアップと待遇についてです。

 保育職、特に私立保育施設の保育士さん方は、非常に若い方が多く、明るく元気に頑張っていただいているように思います。とはいえ、離職率も非常に高く、平均勤続年数は七・六年ほどでしかなく、保育士確保が大きな社会問題になっております。その原因は、主に待遇にあり、九六%が「今の収入に不安を感じている」という調査もあるほどの低所得でありますが、長時間労働であるという非常に厳しい現実があります。

 渋谷区まち・ひと・しごと創生総合戦略では、二〇二五年までに合計特殊出生率を一・三四に、出生率を年二千人前後にできる可能性があるとしています。現在の水準があと十年続くということであり、その後減少に転ずるとしても、かなりの保育士さんを長期的に確保し続けなくてはならないのは間違いありません。

 そのためには、長期的にスキルアップを図っていくことができる、それにつれて収入が上がっていくというキャリアプランを提供することによって、長期的に保育士の質と量を確保していくことが重要だと思います。

 そこで提案をしたいのは、保育士のスキルに対して認定制度なりを設け、それに対して区として資格給のようなものを上乗せ支給する制度です。質が高い保育を行える方に対しては、応分の収入を保証することは保育士の意欲を喚起し、保育士の確保につながりますし、何より保護者の方々も歓迎をすることでしょう。研修、スキルアップと連動した保育士の収入保証制度について、区長の見解を伺います。

 続いて、幼児の水泳教室についてです。

 区長は選挙時の政策の中で、幼稚園、保育園児のうち希望者に対し週一、二回の水泳教室を行っていくと提案なさっており、期待をしているところです。

 公立小学校のカリキュラムを見ると、小学一、二年生が水になれる、三、四年生で補助具、ビート板などを使って初歩的な泳ぎをするとなっていますけれども、五、六年生になると、いきなり二十五メートルから五十メートル、平泳ぎとクロールで泳ぐとなっており、段階の差が非常に激しいなと思わざるを得ません。

 さらに、多くの学校が屋外プールで天候に左右されることを考えると、一学年十時間ほどのものが随分減ってしまうこともあります。どうしても不足しがちであります。

 安全対策を十分に行った上で、通年で幼稚園、保育園と連携した形で、年長児ぐらいから水泳プログラムが実施されれば、多くの子どもが水に対する抵抗感を早期に払拭することができ、体力づくりや水泳技能向上に向けて有益であろうと考えます。区長の見解を伺います。

 続いて、福祉の適正化について考えます。

 持続できる社会保障のためには、福祉サービスの適正水準を追求することが重要です。今回は福祉タクシーを取り上げて、適正水準の実現を求めます。

 福祉タクシーについては、平成二十八年度から千百円ほど減額をされておりますけれども、金額を一律下げてしまうことは、その活用を制限してしまい、ひいては対象者の生活の質を下げることになりかねません。

 効率的で妥当なものにしていく必要があることは認めますけれども、制度については、是非再度見直して、必要が認められれば適正水準に引き上げを図っていただきたいと考えます。区長の見解を伺います。

 その一方で、福祉タクシーについては、その性質上、移動が難しい方に限っての運用が適切であると思います。対象者の中には、機器などの進歩により、通常の方と変わらない生活が送れる場合もあり、それぞれの利用実態や必要性に合わせて適切な利用を求めていく必要があると考えますがいかがでしょうか。区長の見解を求めます。

 最後に、渋谷の魅力や愛着を高める取り組み、区長がおっしゃる渋谷を愛して応援してくださる渋谷民を増やすような取り組みについて考えてみたいと思います。

 住民にとって、より快適な、また区外の方からも大切にしていただけるようなそんな街にしていくため、大きく五点提案をいたします。

 まず、公園整備のあり方についてです。

 これだけ発展した渋谷区では、公園などの緑地はまさに憩いの場であるほか、防災の重要な拠点、住民同士や住民と来街者をつなぐコミュニティの中心でもあります。

 公園については、各地区で一定の広さの広場空間を確保するという方針のもと、平成十四年に本町さくら公園が、平成十八年に参宮橋公園、平成二十四年に富ヶ谷三本杉公園が開園され、また現在、幡ヶ谷に防災公園の整備が計画をされています。

 面積が増えるだけでなく、転用もあります。かなり前でありますけれども、北谷公園の一部がバイク駐輪場になりましたし、最近では待機児対策の必要から保育施設が公園に設置をされています。やむを得ない事情があることも間違いありませんが、他区市では、大規模な反対運動が起こることもあり、慎重かつ丁寧な対応が必要です。さらに、設置後三十年を超える公園も数多く、ほかのインフラ同様、再整備の時を迎えつつあります。

 宮下公園の再整備は、民間活力を利用したものになりましたが、住民と協力した形での再整備など、方針に当たってはいろいろな選択肢の中から適切な解を住民合意のもと進めていかなくてはなりません。

 さて、国土交通省の設置した、新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会が五月末に最終取りまとめを行いました。その中では、都市の特性に応じて良好な都市環境を形成するために、緑とオープンスペースのリノベーション、これは公共的な緑地だけではなくて、民間の施設の屋上緑化や公開空地なども含んで考えられていますけれども、こういったものを集約や再編、あるいは立地適正化などを行うこと、それから地域住民や民間事業者など多様な主体による整備、管理運営を行うこと、あるいは多様なステークホルダーの参画と人材育成を行うことなどが提言されており、大いに参考とすべきです。

 要するに、緑地空間を再編して、それぞれの役割を見直して、さらにいろいろな人を巻き込もうということであります。

 我が会派は、従来から公園整備に当たっては、住民や利用者の声を幅広く反映させるために説明看板の設置、公開アンケートの実施やワークショップの開催を訴えてまいりました。これをさらに進めて、多様な意見を集約し、決定事項につき、その実行をサポートし、評価と検証を行うことで継続的に質の確保、向上を支える仕組みをつくることができないでしょうか。

 多様な主体の参画は、区長の得意とするところでもありますし、何より良好な緑地空間の拡大は、区長が目指しているところであると思います。区長の見解を伺います。

 続いて、是非やってほしいのはプレーパークの拡大であります。

 こちらも区長が目指していることであると思いますけれども、苦情を受けづらくて、それなりに広い空間、これを用意するのは非常に難しい。さらに、趣旨に賛同して、スキルを持つ方々を見つけるのがまた大変だろうと。この辺、難しいのは理解をするところです。

 そこで、区民の皆さんに御理解をいただき、賛同の輪を増やしていくためにも、是非ここで区長の目指す理想像を改めてお話しいただき、そこに向けてどのような課題があるのかを整理していただきたいと思います。区長の見解を伺います。

 次に、渋谷を一周できる道路の整備についてです。

 先日、受け入れた大学生のインターン生が、「二〇四五年の渋谷をよくする政策」というものを取りまとめて政策コンテストに提案をしておりました。これが非常に夢のあるよくできた政策であったので、今回手直しをして取り上げることといたしました。

 大学生たちは、渋谷区内には全国的に知られた特色のあるまちや大きな公園、数多くの著名な文化施設、静かな住宅街や昔ながらの商店街など、いろいろ特色のあるものがパッチワークのように隣り合っているのを見て、本当に驚いていました。「渋谷に人が住んでいるなんて思わなかった」という大学生の声はよくいただくとはいえ、非常に衝撃的です。

 ちなみに、渋谷のイメージを聞いたところ、「遊ぶには楽しいけれども、住みたくない」「長くいたくない」というものでありました。ハロウィンなどで、渋谷が残念ながらめちゃくちゃにされてしまうのも、こんなイメージが背景にあるのかもしれません。

 さて、このような外部イメージと実際のギャップを解消し、渋谷の魅力を区民や外部の方々に楽しんでもらうために大学生が構想したのが、渋谷を一周できる道路の整備です。家族や友達グループで自転車や、それこそ先ほどのセグウェイのような、様々なもので渋谷のいろいろな魅力に触れることができて、観光スポットや憩いの公園と接続していて、そこでも楽しめる、そんな道路を用意したら、渋谷がもっと身近に楽しめるようになるのではないかと考えたようです。

 既に渋谷区では、山手通りが自転車空間など、ゆとりをもって整備されておりますし、大山街道のように、今後整備が予定されている道路もあります。さらに、甲州街道や明治通りといった主要な国道、都道については、ある程度幅員もありますから、国や東京都と連携して整備していくことによって、少しずつ達成していけば夢ではないのかもしれないなと考えます。渋谷を一周できるような道路の整備について、区長の見解を伺います。

 次に、現在人気となっているご当地婚姻届についてでございます。

 結婚情報誌と各自治体がコラボレーションし、その土地ならではの婚姻届をデザインするという取り組みが行われております。

 婚姻届は、要件さえ満たせば自由にデザインをすることができ、市販のものでも活用できるようです。当事者のどちらかが生まれた場所だったり、二人が出会った場所であったり、旅行で訪れた思い出の場所だったりという場合に活用できる、このご当地婚姻届をつくる自治体が増えておりますが、渋谷は生活都市としての側面だけではなくて、仕事や遊び、観光などの対象でもあり、結婚する当事者の思い出の場所としてのニーズは高いだろうと想定いたします。

 住民、非住民を問わず、渋谷区を改めて「二人の思い出の大切な場所なんだ」と認識していただくことは、区長がよくおっしゃっているシティプライドの醸成という意味でも、区への親近感を高めるためにも、渋谷人になっていただくためにも、極めて重要なことだと考えます。ご当地婚姻届の作成について、区長の見解を伺います。

 渋谷民でしたっけ、渋谷民、訂正いたします。

 最後に、渋谷に関する資料収集、ふるさと納税、観光行政について、一括して取り上げます。

 渋谷は文化の発信地として、昔から小説やテレビドラマ、映画、音楽などの舞台になることが多く、最近ではアニメやゲームの舞台としても、しばしば登場しています。昨年公開された映画「バケモノの子」では、道玄坂や渋谷図書館、幡ヶ谷六号通り商店街などが舞台となり話題となりました。

 渋谷が舞台となっている図書資料や映像資料、音楽、ゲームなどを網羅的に収集蓄積することには大きな意義があると思います。地域に住む住民にとっては、身近な場所が舞台となった創作物は親近感を持ちますし、ひいては街に対する再認識や愛着につながり、それこそシティプライドの醸成に有効でしょう。さらに、将来のクリエイターたちにとっては貴重な資料になります。また、人々の暮らしや町並みをたどることのできるすてきなアーカイブにも将来なっていくでしょう。

 図書館や白根郷土博物館・文学館などで渋谷の出ている図書、音楽、映像、ゲームなどの資料を収集蓄積し、区民等に提供してはいかがでしょうか。教育長の見解を伺います。

 資料の収集には資金が不可欠ですが、これをふるさと納税の仕組みを活用して調達することを提案いたします。

 高槻市では、「アイドルマスター」というアニメのキャラクター、「高槻やよい」というキャラクターのグッズ詰め合わせをふるさと納税の特典とし、三万円以上寄附をした方に送ったということであります。これが大好評になって、すぐに完売をしたということでございます。ちなみに、高槻在住という設定はありませんで、単に苗字が高槻だった、それだけのつながりであります。

 そんなのでもできるんだなと、びっくりしたわけでありますけれども、こういう自由度があるのがふるさと納税であって、アイデア次第ではいろいろおもしろいことができるんじゃないかなと思います。

 これを参考に、渋谷に関する人気アニメや人気アイドルなどと協力することで、渋谷に関する映像、図書資料を網羅的に収集する資金を調達しつつ、渋谷の新たな魅力を全国の方々に認知していただくことができるのではないでしょうか。区長の見解を伺います。

 最近は、聖地巡礼と称し、アニメ等の舞台になった場所を訪れることが人気となっています。作品を追体験できるだけではなく、その街の何げない新たな魅力を発見することができ、話題となっています。

 このような聖地巡礼ツアー等にも取り組んでみてはいかがでしょうか。このようなものは、コンテンツツーリズムと言うようですが、例えばマップをつくって便を図る、公共施設等の場合には、その場所に掲示物などを張るなど、事業者との協力によっては様々な取り組みが可能となるでしょう。

 さらに、区民のうちこのような取り組みに御興味をお持ちの方が自由にアイデアを出したり、運営にかかわったりすることができるような仕組みを整えることで渋谷の多様性がさらに深まり、新たなきずなを区民との間につくることができるようになるのではないでしょうか。区長の見解を伺います。

 以上です。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 民進党渋谷区議団、鈴木建邦議員の代表質問に順次お答えします。

 まずは初めに、個人情報保護法改正等の関係における地域の各種団体支援について、三点のお尋ねに一括してお答えします。

 個人情報保護法の一部を改正する法律は、平成二十七年九月に公布され、平成二十九年九月までに施行されることとされています。

 これまでは、政令で定められた基準、すなわち個人情報の取り扱い件数が五千を超えないものについては、個人情報取り扱い事業者から除外され、個人情報保護法の適用対象とされていませんでしたが、平成二十七年の法改正により、この除外規定が削除され、町会、PTA等のコミュニティ団体も個人情報保護法の適用を受けることになることは、議員の御指摘のとおりです。

 コミュニティ団体は、地域課題を解決する主体としてその存在が非常に大きく、これからますますその活動に期待がかかるものと考えます。

 また、渋谷区個人情報保護条例では、その二十七条の三において、個人情報の保護の普及促進を区の責務としており、団体に情報を保有される区民の個人情報保護の観点からも、コミュニティ団体への支援が必要であると考えています。

 既に渋谷区町会連合会では、このことへの対応に着手しているとも聞いていますが、地域人材を活用しながら、法的な側面、ICT技術の側面のそれぞれから、区といたしましても講演会の実施など必要な啓発、支援の実施を検討してまいります。

 次に、保育について五点の質問をいただきました。

 まず、保育需要の早期把握と保育施設の適正な配置を行い、特に一歳児以上については待機が生じないよう特段の努力を求めるとのお尋ねです。

 区長発言でも申し上げたとおり、残念ながら、本年四月の待機児童は三百十五人となり、このうち一歳児以上の待機児童は二百十八人となっております。一歳児及び二歳児は、在籍園児の持ち上がりにより入園枠が少ないといった状況があることや、また近年の傾向としては、二歳児まで受け入れている保育施設から三歳児以降の次の保育施設への受け皿が少ないなどの理由から、三、四歳でも待機児童が生じております。

 こうした状況に対する対応といたしましては、渋谷区議会公明党の古川斗記男議員にお答えしたとおり、これまで二歳または三歳まで受け入れてきた区立保育室について、「ほんまち一丁目保育室」では一歳児から五歳までの定員を設定し、また、「おおやま保育室」では平成二十九年四月に一歳児及び二歳児を中心に定員を拡大することを予定しています。これとあわせて、認可保育園の仮設園舎として使用した規模の大きな区立保育室での定員拡大や既存保育園での定員の弾力的対応、また、一歳児からの受け入れ施設の設置等についても検討してまいります。

 待機児童の増加の背景には、児童人口の増加に加えて、ライフスタイルの変化等に伴う保育ニーズそのものが増加傾向にあることも要因となっています。このような様々な要因が重なっているため、待機児童の早期把握は難しいものでありますが、今後も人口動向や区内大規模マンションの開発動向等を見きわめながら、保育施設の適正な配置、定員設定に努め、ゼロ歳児から五歳児まで誰もが安心して預けることができる保育環境の整備を進めてまいります。

 次に、初台地区、上原地区の待機児童解消に向けてのお尋ねです。

 議員のおっしゃるとおり、代々木公園の保育施設については、原宿門側の整備を確実に進めていくとともに、初台地区、上原地区に対する西側地区への整備につきましても、引き続き都と協議を行っており、何としても実現したいと考えています。

 また、都有地の活用のみならず、運営事業者等からも様々な提案が寄せられ活用しており、待機児童の多い初台地区、上原地区はもちろんのこと、今後の待機児童の発生状況や人口動向を見据え、保育環境の整備を推進してまいります。

 次に、多子世帯の保育料無料化について、三人以上の多子世帯の保育料は所得や年齢にかかわらず減免する制度が必要であるとのお尋ねです。

 これまでも本区は、子育て家庭の経済的負担を軽減するため、区独自の保育料負担軽減を図り、年収約四百万円未満の世帯は保育料を無料化し、年収約一千万円未満の世帯は二〇%から三〇%の保育料軽減を行ってきました。

 また、多子世帯の場合は、保育施設に同時に二人以上の子が在園している場合には、第二子の保育料を三〇%から五〇%減額し、同時に三人以上の子が在園している場合には、第三子以降を無料化しております。

 なお、国基準では、年収約三百六十万円未満の世帯については、多子計算に係る年齢制限を撤廃し、第三子以降を無料化にしています。これに対し本区では、年収約四百万円未満の世帯の全ての子どもが無料化されていることから、既に国の基準を上回った対応を図っているところです。

 三人以上の多子世帯の保育料については、所得制限を撤廃し、年齢にかかわらず保育料を無料化することについては、既に区独自の保育料軽減策をとっている中、財政面の影響も大きいことから、国の動向を踏まえながら、今後の検討課題とさせていただきます。

 次に、研修、スキルアップと連動した保育士の収入保証制度についてのお尋ねです。

 保育士の研修、スキルアップと連動した処遇改善については、平成二十七年度から国及び都において補助制度を実施しており、既に本区においてもこの制度を活用し、認可保育園等において実施しています。

 具体的には、保育運営事業者において、職責や勤務内容等に応じた賃金体系が設定されており、かつ資質向上のための計画的な研修や技術指導が行われ、能力評価等が実施されている場合には、個々の職員の処遇改善として人件費を上乗せするものです。

 しかし、区独自に認定制度を設けて、資格給を支給することについては、各運営事業者における人事体系や賃金体系等にも影響を与えることになり、課題が多いものと考えています。

 いずれにいたしましても、既存の制度を活用して保育士の処遇改善に必要な支援をしながら、総合的な待機児童対策として人材の確保、定着などソフト面も含めた取り組みを取りまとめてまいりたいと思います。

 次に、幼児の水泳教室についてのお尋ねです。

 私の考えも議員と意を同じくするものであります。園児への水泳教室の実施は、体力づくりの面はもとより、園児みずから泳げるようになりたいという課題を見つけ、困難を乗り越えていくという心のたくましさを育てることにもつながります。また、泳げるようになったときには自信や達成感を高めることにもなり、こうした幼児期の体験は貴重なものと考えています。

 これまでの実施に向けて検討を行ってきておりますが、園児の移動手段や安全を確保するための人員の確保、特別な配慮が必要な園児の対応等、幾つかの課題もあります。

 ただ、区内二カ所の保育施設では、既に保護者の方が主体となってスイミングスクールと連携し、送迎つきの水泳教室を実施しています。その動向も見ながら、引き続き検討を進めていきたいと思います。

 次に、福祉の適正化について、福祉タクシー券の見直しについてのお尋ねです。

 渋谷区では、身体障害者手帳所持者のうち重度に当たる一、二級の方、また三級につきましては下肢または体幹の障がい、呼吸器の障がいのために常時酸素ボンベを携帯している方、及び愛の手帳所持者のうち重度に当たる一、二度の方に、月三千五百円分の福祉タクシー券を交付しています。

 交付の対象者につきましては、議員御指摘のとおり、医療技術の進歩により大きな支障なく日常生活を送れる方もいらっしゃいます。このため、交付対象とならない区民の方からは不公平だという声もいただいており、国や都におきましても、ペースメーカーを入れた心臓機能障がいにつきましては、従来は一律に一級であったものを、平成二十六年四月から三級や四級とすることもあり得るよう身体障害者手帳の認定基準を見直しされております。

 議員の提言につきましては、このような動向も踏まえ、対象者や助成額のあり方については課題として考えております。

 次に、公園整備についてのお尋ねですが、これまで区は、公園の利用状況や課題及び地域要望等を十分把握した上で整備案を作成し、地域への説明会の開催等により合意形成を図りながら公園整備を進めているところであります。

 昨今、待機児童対策への緊急対策として公園利用を図る際にも、地域の理解を最優先に考え、きめ細やかに説明会を開催しながら取り組みを進めているところであります。

 良好な緑化空間の拡大に向けた公開アンケートの実施やワークショップの開催など、多様な主体の参画については、これまでの取り組みを踏まえながら、現在作成中の「渋谷区みどりの整備方針」などの中で検討しながら実施していきたいと考えています。

 次に、プレーパークについてのお尋ねですが、区としては、はるのおがわコミュニティパークにおいてプレーパークを実施しており、自分の責任で自由に遊ぶことを基本理念として、区内でも人気のある公園の一つになっております。

 また、はるのおがわプレーパーク以外にも、地域ボランティアの協力により渋谷区スポーツセンターや恵比寿南口公園において、実施日を定めて多くの皆さんに出張プレーパークを体験いただいているところであります。

 私は、最近の子どもたちは外遊びの体験が不足がちな上、身近な公園ですらボール遊び禁止などの様々な制限がある中で、子どもたちがそれぞれのインスピレーションに合った何かに出会える場を与えてくれるのがプレーパークの理想像ではないかと考えています。

 プレーパークの拡大については、適地の選定、プレーリーダーの確保などの諸課題がありますが、出張プレーパークの実績を重ねることにより地域の理解を高め、プレーリーダーとして地域ボランティアの協力を募り、適地の確保に向けた取り組みを進め、プレーパークの拡大に努めてまいります。

 次に、渋谷を一周できる道路の整備についてのお尋ねですが、現在渋谷区では、国や都と連携し、渋谷区自転車通行環境整備計画を定め、都市計画道路等幹線道路や主要な生活道路等を活用した自転車の安全走行空間の整備を進めております。

 また、渋谷区都市計画マスタープランや渋谷駅中心地区まちづくり指針では、「誰もが歩いて楽しいまちの実現」を目標とし、大山街道整備や大規模再開発などのまちづくりにおいて、歩行者空間を整備してまいります。

 一方、モビリティロボットが走行できるインフラ整備につきましては、課題はありますが、十年後、二十年後の渋谷を見据え、まずは緑道や大規模公園等において活用を検討しております。

 このような考えのもと、様々な道路や歩行空間を計画的にネットワーク化することによって、渋谷区内の魅力あるエリアをつなぐことができればと考えております。

 渋谷を一周できる道路の整備については難しいとは思いますが、御提案の趣旨を踏まえ、安全・安心で楽しめる道路環境の整備を実現したいと考えます。

 次に、渋谷を身近にする取り組みとして、渋谷版ご当地婚姻届についてのお尋ねです。

 私は、魅力ある街とは、シティプライドを持った人がたくさんいる街だと常々考えているところです。

 区民に限らず、渋谷で働く人、渋谷に遊びに来てくれる人、こういった方々に渋谷を好きになってもらい、多くの方にシティプライドを持っていただくことが、渋谷のブランド力をさらに高めることにつながっていくと思います。

 御提案のご当地婚姻届も、その一つの方策であると思いますが、シティプライド醸成に向けた渋谷らしいほかの方法もあわせて調査してまいりたいと思います。

 次に、渋谷に関する人気アニメや人気アイドル等と協力したふるさと納税の特典による資金調達とともに、渋谷の新たな魅力を全国の方々に認知していただく御提案かと思います。

 このふるさと納税制度については、税収の減少に悩む自治体に対し、格差是正を推進し、あわせて都会の納税者の故郷に貢献するためなどの理由により導入された制度です。

 しかしながら、本来のふるさとと関係ない高価な返礼品をつけて寄附を促進する自治体があるなど課題もあり、本区におきましては、これまでふるさと納税にこだわらず、一般的な企業や個人への寄附を受け入れるほか、ネーミングライツなど様々な手法を駆使し、財源の確保を図って、区の事業に活用しているところです。

 さらに、新たな手法として、企業のノウハウや人材等を活用したシブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー制度(S−SAP)についても実現に向けて現在進めています。

 今後、渋谷ならではのふるさと納税のあり方について、研究を進めていきたいと思います。

 次に、ドラマやアニメ、映画や小説等で取り上げられた場所の紹介ツアーにも取り組んではいかがとの提案です。

 渋谷駅前のハチ公像は、そのエピソードがハリウッド映画にも取り上げられた世界に名立たるキャラクターであり、その認知度も日本屈指のものです。

 区内にはまだ埋もれている名所、旧跡、地名の由来等が存在しておりますので、こちらにもさらに光を当てて、広く情報を発信していきたいと思います。

 議員が御提言のドラマやアニメ、映画や小説で取り上げられた場所を紹介するコンテンツツーリズムツアーについては、渋谷区観光協会が今年度、区内のミニツアー強化を目標の一つとしておりますので、その中で検討を進めてまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について三点、また渋谷の魅力や愛着を高める取り組みについて一点のお尋ねをいただきました。

 初めに、教育についての底上げを明確な方針としてはどうかについてお答えしたいと思います。

 渋谷区の学校教育は、「夢と志に向かって挑戦し、社会貢献できる人の育成」を目標に掲げています。その実現のためには、子どもたちの確かな学力、豊かな心、健やかな体を育てるための教育環境整備を図ることが必要と考えており、現在も様々な取り組みを進めております。

 議員から御提案をいただいた、個に応じた学習環境の整備について申し上げますと、渋谷区では、全ての子どもたちに基礎・基本を確実に習得させるため、各学校で区独自の少人数講師を配置して少人数指導を実施するなど、きめ細かい指導を行っています。また、土曜放課後学習クラブ「まなびー」など、授業以外でも補充学習ができる体制を整えています。

 さらに、身につけた知識や思考力、判断力、表現力などを使い、他者と協働して問題解決を図るためのコミュニケーション能力の育成につきましては、各学校において、グループディスカッション、グループワークなど、子どもたちの能動的な学習、いわゆるアクティブ・ラーニングを取り入れた授業改善についても引き続き取り組んでまいります。

 ICT教育の推進につきましては、今年度は代々木山谷小学校をICT教育推進モデル校に指定し、タブレット端末を学校で活用するだけではなく、五年生においては自宅への持ち帰りも可能にしています。今後は、この取り組みを検証し、タブレット端末、通信環境、電子黒板、デジタル教科書が全校に配備できるよう検討を進めてまいります。

 子どもたちが身近に触れられるようにICT環境を整備し、学校や家庭環境により差が生じないようにするとともに、習熟度に大きな差が出ることがないように取り組んでまいります。

 次に、運動能力の向上につきましては、各学校において、子どもたちが運動への興味、関心を高め、進んで運動に親しむことができるような取り組みを行っております。

 例えば体育の授業において、陸上運動系や器械運動系の個人の動きが中心となる運動では、学び合いの時間を確保し、互いに認め合い、高め合いながら学習を進める工夫を取り入れています。

 また、朝の時間や休み時間等を活用して、一校一取り組みや一学級一実践なども行い、友達と楽しく縄跳びに取り組んだり、鉄棒やうんていなどの遊具を活用して自己の記録に挑戦したりしています。

 今後も様々な工夫を図ることで、子どもたちが運動することに喜びを感じ、技能を高めることができるようにしてまいります。

 次に、食育についてですが、近年、偏った栄養の摂取や朝御飯を食べてこないなど、子どもたちの食生活の乱れが問題となる中で、食に関する正しい知識と食習慣を身につけさせるために学校が食育に取り組むことの重要性が増しております。

 そのため、小中学校においては、栄養バランスのとれた豊かな給食を提供し、食事の重要性を子どもたちに指導するための生きた教材とするとともに、子どもたちの健康の保持増進に努めてまいります。

 また、本年度から小学校の放課後クラブにおいては、食育の観点から夏季休業中にクッキング事業を実施する予定であり、このような取り組みにつきましては、今後検討を進めてまいりたいと存じます。

 なお、給食費の無償化につきましては、先ほど、日本共産党渋谷区議会議員団、田中正也議員の御質問に対して区長がお答えになったとおりです。

 以上のような現状の方針のもと、各学校において様々な取り組みを行っておりますが、教育委員会といたしましては、今後も全ての子どもたちの個性や能力を最大限に伸ばすための学校教育を推進してまいりたいと存じます。

 次に、字体指導についてのお尋ねです。

 議員御指摘のとおり、世の中には様々な書体がありますが、本年二月に文化庁から報告された「常用漢字表の字体・字形に関する指針(案)」は、従前からの常用漢字表の考え方に沿って字形の例示の充実を図ったものです。

 これまでの学校では、学習指導要領にのっとり、学年別漢字配当表に示された字形を標準として作成された教科書体に従い、細部の差異にまで着目した丁寧な指導をしてまいりました。

 特に小学校段階では、学習指導要領において「書写の指導の際、点画の長短や方向、接し方や交わり方などに注意して、筆順に従って文字を正しく書くこと」とされており、漢字の読み書きの指導と書写の指導が一体となって行われる実態があることも十分に踏まえる必要があります。

 一方、児童・生徒の書く文字を評価する際には、従来から、常用漢字表の考え方を踏まえた柔軟な評価をするように促してきましたが、文字を一点一画丁寧に書く指導が行われる場合など、指導や状況に応じて指導した字形に沿った評価が行われる場合もあります。

 学校教育における漢字指導の際には、児童・生徒の学習に混乱を生じさせないよう、いわゆる教科書体を標準として指導を行うことを基本とすることが望ましいと考えております。

 これは、同報告で、学校教育における漢字指導については常用漢字表及びこの指針(案)において、「別途の教育上の適切な措置に委ねる」とされていることから妥当なことであると考えております。

 しかしながら、学校では、教科書体以外にも様々な字体を学習します。例えば中学校の美術では、第一学年でデザインの学習の一環として明朝体やポップ体、勘亭流など、様々な字体の美しさについて学びます。小学校でも、国語や社会の学習において、自分の考えを効果的に伝える手段の一つとして、新聞づくりの学習など、字体の工夫について学ぶこともあります。

 このように、学習指導要領における学年別漢字配当表に基づき、丁寧に確実に指導することを基本として、あわせて様々な字体を効果的に活用することを学んでいくことが漢字文化の尊重につながると考えております。

 区教育委員会では、子どもたちが標準的な字体による漢字習得を基本として、生涯にわたる漢字学習の基礎を培うとともに、社会生活における円滑な漢字運用の能力や漢字文化を尊重する態度を身につけられるように取り組んでまいりたいと思います。

 次に、英語の指導法として「フォニックス」を取り入れたらどうかとのお尋ねです。

 現在、文部科学省で新しい教育課程が検討されており、それによりますと、グローバル化に対応するために英語教育につきましては、平成三十二年度から小学校三、四年生で英語活動が、さらに五、六年生は英語が正式な教科となる予定です。今後は、小学校段階から、聞く、話す、読む、書くの四技能を総合的に育成する必要があります。

 本区におきましては、平成三十二年度を待たず、前倒しで、小学校全校で英語授業の先行実施を平成三十年度から計画しており、その実証研究のために本年四月に神宮前小学校を渋谷区小学校英語教育モデル校に指定し、今後の本区の英語教育のあり方について検証を開始したところです。

 議員から御提案いただいた「フォニックス」とは、英語のつづりと発音の間の決まりを指導することで、初めて見る単語でも子どもたちが正しく発音することができるようにする英語の指導法の一つです。

 現在、モデル校においてフォニックスも含め、様々な指導方法の実践研究を重ねております。それを踏まえ、二年後に小学校全体で先行実施する英語教育の指導方法において、子どもたちにとってどのアプローチが最も効果的であるかを判断してまいります。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに来日する外国人の方に、本区の子どもたちがおもてなしの心を持って接することができるよう、また、これからのグローバル社会に生きる渋谷の子どもたちの可能性を広げるためにも、今後も英語教育に力を入れてまいります。

 次に、渋谷が舞台となっている図書資料や映像資料、音楽、ゲーム等の資料の収集についてのお尋ねです。

 図書資料に関してですが、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館における展示は、本区に関する写真、古地図、あるいは「ハチ公」や東京オリンピック、渋谷のゆかりの作家の方たちのテーマに即したものとなっており、皆様にごらんいただけるようにしております。

 加えて、渋谷を舞台とした作品を含めて講座を実施するなど、本区の成り立ちも知ってもらえるように工夫を重ねております。

 区立図書館においても、郷土博物館・文学館と同様に、本区ゆかりの図書資料を地域資料として収集したり、企画、展示するなど、利用者に広く紹介し、周知を図ってまいりました。

 収集資料につきましては、教育委員会を初め、広報コミュニケーション課などにおいても、図書や写真が中心となっており、今後ともそれらを新聞、雑誌やテレビ番組などへ貸し出し、提供してまいります。

 加えて、過去に区制施行七十周年や八十周年を記念して作成した映像や、現在区のホームページ上で公開されている動画ギャラリーなどの映像媒体も活用しながら、渋谷の文化や伝統、そこから感じられるよさやすばらしさを伝え、ふるさと渋谷に愛着と誇りを持てる取り組みを継続してまいります。

 他方、市販の映像資料等につきましては、図書資料と異なり、著作権法の規定や業界団体との合意事項などに基づき、図書館等の公共施設においても、権利者の許諾がないと貸し出しを行うことができないなど、資料収集に制約があります。しかしながら、区長部局とも調整しつつ検討してまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 鈴木建邦議員。



◆二十番(鈴木建邦) 区長、教育長から答弁をいただきました。何点か指摘をして終わりにしたいと思います。

 まず、ICTの教育について触れていただきました。ICT関係の機器が教えるだけの道具となってしまうと、一〇〇%活用はできないと思っています。むしろ使う、調べたり表現したり、あるいは体育と絡めて体育の動画を撮ってみたりとか、いろんな使い方が、それこそさっきの掃除もそうですけれども、そういうものをみんなが気軽にできるように、是非御配慮をお願いしたいと思います。

 字体、字形の指導については、「バッテン」ではないよというのを社会的に今回明確にしたのが今回の指針であったと思うので、そこを是非尊重していただければという思いで質問をさせていただきました。

 それから、教育長についてもう一つ、資料の収集については、是非よろしくお願いいたします。

 今のアニメなども含め、映像資料なども含めて、今の風俗が出ている、風俗って広い意味で、いろんな人の生きざまが出ているのが今の作品だと思います。それを収集しておくことは、将来の人たちにとって貴重なアーカイブになると思いますので、是非よろしくお願いいたします。

 区長、非常にいい答弁だったなと実は思っているんですけれども、ありがたいなと思っております。

 大変難しいところを頑張っていらっしゃるのはよくわかっておりますので、是非前向きに引き続きやっていただきたいなと思います。

 ただ、幾つかあります。

 三歳児、保育料、言わざるを得ないというか、言わなきゃ気が済まない性格なんで、すみません。

 第三子保育料の無料化なんですけれども、やっぱり生まれた間隔、生まれた時期によって差が出てしまうというのは合理的なのかなと思ったときに、そうではないかなと思います。確かに集中して生まれたほうが負担は大きいだろうというのはわかりますけれども、でも、多少離れていてもそんなに負担は変わらないですよね。トータルで考えたら、やっぱり非常に負担は、多子世帯のほうが当然かかってくるんで、そういった方々を支援していくということが必要なのかなと思います。

 今回、国のほうで三百六十万円以下は年齢制限を撤廃したというのも、そういった趣旨だと思いますんで、是非これは検討を引き続きやっていただきたいなとお願いを申し上げます。

 それから、一つちょっとよくわからなかったのが、ご当地婚姻届ですけれども、渋谷らしさというのがどういうものなのか、具体的にわからない、聞いてもいいですか。じゃ、再質問させていただきます。ご当地婚姻届も含めて、是非お願いします。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 鈴木建邦議員の再質問に答弁いたします。

 その趣旨はよくわかるんですけれども、婚姻届は自治体に提出してしまえば、はい、終わりということに今なっています。だから、例えば今基本構想がこれから決まりますよね。そこで、多分キーワードとかそういうものが出てくると思います。そういったものが今度は受領証としてそういうものを一緒にデザインしたものとか、婚姻届じゃなくて受領証で記念でとっておけるものとか、そういったものがデザインされているものだったらいいんじゃないかなとか、そんなことを考えています。

 だから、ちょっと御提案とは違うんですけれども、趣旨はそういう意味で一緒かなということで感じています。これはまだ決定じゃないですけれども、とっておくもののほうがいいんじゃないかなというふうに感じているということです。



○議長(木村正義) 鈴木建邦議員。



◆二十番(鈴木建邦) 答弁ありがとうございました。

 今は写真で撮るというのもよくありますんで、そういうのも含めて、幅広く是非検討をお願いいたしたいと思います。

 私ども民進党渋谷区議団は、引き続き子育て、教育、福祉、健康施策等に重点を置きつつ、街の魅力を高め、住みやすく育てやすい街、愛着を持てる街を目指して邁進していくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。



○議長(木村正義) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(木村正義) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から六月二十二日までの十四日間とすることに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は十四日間と決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明六月十日、午後一時に開議いたします。

 なお、日程は、当日文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後七時一分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   木村正義

渋谷区議会副議長  沢島英隆

渋谷区議会議員   久永 薫

渋谷区議会議員   岡田麻理