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東京都 渋谷区

平成16年  9月 定例会(第3回) 09月30日−07号




平成16年  9月 定例会(第3回) − 09月30日−07号










平成16年  9月 定例会(第3回)



           平成十六年 渋谷区議会会議録 第七号

 九月三十日(木)

出席議員(三十四名)

  一番  前田和茂         二番  奈良明子

  三番  小林清光         四番  松岡定俊

  五番  沢島英隆         六番  栗谷順彦

  七番  芦沢一明         八番  平田喜章

  九番  金井義忠         十番  薬丸義朗

 十一番  東 敦子        十二番  水原利朗

 十三番  丸山高司        十四番  岡本浩一

 十五番  伊藤毅志        十六番  吉野和子

 十七番  古川斗記男       十八番  伊藤美代子

 十九番  鈴木建邦        二十番  長谷部 健

二十一番  牛尾真己       二十二番  森 治樹

二十三番  新保久美子      二十四番  五十嵐千代子

二十五番  木村正義       二十六番  齋藤一夫

二十七番  染谷賢治       二十八番  座光寺幸男

二十九番  広瀬 誠        三十番  植野 修

三十一番  小林崇央       三十二番  岡野雄太

三十三番  苫 孝二       三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          星宮正典

    総務部長          山内一正

    区民部長          菊池 淳

    福祉部長          池山世津子

    厚生部長          松崎 守

    保健衛生部長        上間和子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          三浦惟正

    環境清掃部長        田中泰夫

    安全対策本部長       佐戸幸弘

    防災担当部長        柴田春喜

    都市基盤整備調整担当部長  小笠原通永

    教育委員会委員長      原 秀子

    教育委員会教育長      足立良明

    教育委員会事務局次長    北村奈穂子

    選挙管理委員会委員長    石井治子

    選挙管理委員会事務局長   坂井正市

    代表監査委員        倉林倭男

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事務局職員

事務局長  諸岡 博  次長    小湊信幸

議事係長  倉澤和弘  議事主査  松嶋博之

議事主査  岩橋昭子  議事主査  鈴木弘之

議事主査  中山俊幸  議事主査  宮本 勇

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   平成十六年第三回渋谷区議会定例会議事日程

            平成十六年九月三十日(木)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二   議案第四十四号 渋谷区ワンルームマンション等建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例の一部を改正する条例

日程第三   議案第四十五号 渋谷区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第四   議案第四十二号 渋谷区子ども家庭支援センター条例

日程第五   議案第四十三号 渋谷区子育て支援センター条例の一部を改正する条例

日程第六   議案第四十六号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例

日程第七   議案第四十一号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第八   議案第四十七号 平成十六年度渋谷区一般会計補正予算(第二号)

日程第九   認定第一号 平成十五年度渋谷区一般会計歳入歳出決算

日程第十   認定第二号 平成十五年度渋谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算

日程第十一  認定第三号 平成十五年度渋谷区老人保健医療事業会計歳入歳出決算

日程第十二  認定第四号 平成十五年度渋谷区介護保険事業会計歳入歳出決算

日程第十三  議案第四十八号 二の平渋谷荘総合改修工事請負契約

日程第十四  議案第四十九号 上原中学校改築電気設備工事請負契約

日程第十五  議案第五十号 上原中学校改築空気調和設備工事請負契約

日程第十六  議案第五十一号 上原中学校改築給水衛生設備工事請負契約

日程第十七  報告第七号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について

日程第十八  報告第八号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について

日程第十九  報告第九号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について

日程第二十  報告第十号 財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(丸山高司) ただいまから平成十六年第三回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、一番前田和茂議員、三十四番菅野 茂議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔諸岡事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 桑原区長、神山助役、内山収入役、星宮企画部長、山内総務部長、菊池区民部長、池山福祉部長、松崎厚生部長、上間保健衛生部長、古川都市整備部長、三浦土木部長、田中環境清掃部長、佐戸安全対策本部長、柴田防災担当部長、小笠原都市基盤整備調整担当部長、原教育委員会委員長、足立教育委員会教育長、北村教育委員会事務局次長、石井選挙管理委員会委員長、坂井選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員。

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渋監発第十二号

   平成十六年七月一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年五月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十五年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第十三号

   平成十六年七月一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年五月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第十六号

   平成十六年七月三十日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年六月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第二十号

   平成十六年八月三十一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年七月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第二十一号

   平成十六年九月十日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

   平成十六年度定期監査等の結果について(報告)

 地方自治法第百九十九条第四項及び第七項の規定に基づき実施した平成十六年度定期監査等の結果を次のとおり報告する。

   〔以下の朗読を省略いたします〕

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○議長(丸山高司) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成十六年第三回区議会定例会を招集し、提出議案の御審議をお願いするとともに、当面の区政の課題について意のあるところを申し上げ、区議会議員各位及び区民の皆様の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

 最初に、トルコ共和国との友好交流と友好都市提携調査を目的とし、木村正義議員を団長といたします調査団が三都市を訪問し、去る九月十二日に帰国されました。一週間という厳しい日程の中で、イスタンブール市ウスキュダル区、アンカラ市及びイズミール市を公式訪問され、盛大な歓迎があったとお聞きしましたが、調査団の目的を果たされたことについて改めて感謝と敬意を表するものであります。

 そもそも調査団を派遣した経緯でありますが、二〇〇三年「日本におけるトルコ年」の際、トルコが計画した民族舞踊や民族音楽の発表、さらには美術作品の展示等に対し渋谷区、区議会、そして区民が積極的に協力したことに対しトルコ大使は感謝の意を表され、かつ友好関係の進展のために都市提携の打診がありました。私は、このことを区議会に御相談し、今回、区議会議員の御協力を得て、調査団派遣となったものであります。

 私は、今回の調査団派遣は、初めてイスラム文化圏との国際交流の端緒を開く重要な意義を持つものと考えております。したがって、今後は調査団の報告を待って、都市提携の方向について区議会と協議したいと思います。

 次に、旧大和田小学校跡地利用基本構想策定についてであります。

 これは、これまで区政が抱える実施計画上の諸課題の解決と発展のために旧大和田小学校跡地を利用し、この地にふさわしい施設整備の検討に着手しようとするものであります。

 一点目は、健康センターの整備であります。

 健康管理と健康づくりの推進は、少子・高齢化の進む中で区政の重要な施策の一つであります。しかしながら、これまで御協力をいただいた医師会館は老朽化し、将来、継続して利用することは困難な状況であるため、区としてその対応策が求められておりました。

 区民の健康を守り、健やかな子どもの成長のために、休日・夜間等の救急医療あるいはがん検診や予防接種等の新たな拠点として、健康センターを整備しようとするものです。

 二点目として、文化芸術の総合的な振興であります。

 これまでも議員各位からたび重なる質問があり、本区の課題でもありましたが、美術の分野については松濤美術館を中心として企画展示や絵画教室、公募展など区民の美意識を高める総合的な施策を推進してまいりました。しかし、音楽や演劇、伝統芸能に係る施策については体系的な施策に欠けております。

 そこで、平成十五年十一月から渋谷区文化芸術施策検討委員会を設置し、振興施策について御審議、御検討を賜り、今回御提言をいただくこととなりました。これまで長期間にわたる検討・調査を通じ御尽力をいただきました鈴木英一委員長を初め委員の皆様には、この機会をおかりして厚くお礼を申し上げる次第であります。

 このたびの御提言を受け、区民の自主的な文化活動の発表の場や、良質な文化芸術に触れる機会の提供など総合的な施策の充実を図るため、小・中規模の演劇兼音楽用ホール等の文化施設の整備が必要であると存じます。

 加えてプラネタリウムや子ども科学センターを設置し、子どもの夢をはぐくむとともに、教育センターとけやき教室を併設するほか、既に区民に好評なシニアいきいき大学やコミュニティ活動拠点、体育館、図書館などを加えて総合的な施設整備を検討し、構想を策定しようとするものであります。

 構想の策定に当たっては、敷地の有効利用並びに区財政への負担軽減のため、民間のノウハウや開発手法を積極的に取り入れ、さらに余裕スペースについては民間施設として活用することなどを検討したいと考えます。

 今後のスケジュールとして、今年度中に基本構想を策定し、来年度以降には事業方針を定め、コンペなどの方式を活用し事業者を決定し、その後に設計、工事着手を目指してまいりますが、その都度、区議会にも適宜御相談したいと存じます。

 子育て支援についてであります。

 昨年度成立の次世代育成支援対策推進法に基づき、本区は行動計画策定のために既にニーズ調査を行いましたが、今後はさらに地域の意見を反映しつつ、今年度中に計画策定の予定であります。

 また、これに並行して子育て支援や教育環境整備、さらには児童虐待防止対策の推進等が必要であると考えております。

 そのために、まず子ども家庭支援センターでありますが、区役所に隣接する神南小学校内に本年十月に開設いたします。乳幼児から児童、青少年まで地域の子どもと家庭に関するあらゆる相談に応じるとともに、深刻化する児童虐待の早期発見、早期対応を図るなど、子どもと家庭への一貫した支援を行いたいと思います。

 とりわけ近年において相談・通告事例が増加している児童虐待問題につきましては、児童相談所と緊密に連携・協力を図り、予防と相談、アフターケアを地域に密着して日常的かつ継続的に実施してまいります。

 また、子育て支援センターでありますが、区内五カ所目となる中幡子育て支援センターを本年十月に中幡小学校内に開設することとし、本定例会に議案を提出いたしました。

 さらに、休日・夜間における保育、一時預かりなど多様な保育需要に対応するとともに待機児解消のため、認証保育所を本年十一月、初台駅付近に駅前型の保育所として開設をする予定であります。

 次に、放課後クラブ事業の実施であります。

 既に鳩森小学校において実施しておりますが、今回さらに小学校二校の御協力を得て、当該小学校の児童のために放課後クラブを開設することといたしました。

 放課後クラブは児童指導員のもと、保護者の就労等によって放課後の公的保育が必要な児童に豊かでかつ安全な放課後時間を過ごさせてやりたいと考え、推進しようとするものであり、あわせて学童クラブの待機児解消を図るものです。既に二学期の学業開始に合わせ、九月一日から加計塚小学校及び上原小学校に開設いたしましたが、御理解を賜りたいと存じます。

 高齢者及び障害者福祉等についてであります。

 最初に、高齢者福祉についてでありますが、介護保険制度の見直しのため、社会保障審議会介護保険部会は、去る七月三十日、そのたたき台とも言うべき報告を提出しました。その内容は多岐にわたっておりますが、注目すべき制度見直しの一つは、今後、予防重視型システムに転換し、既存の老人保健事業と介護予防事業との関係の見直しや、要支援、要介護一などの軽度者を対象とした新予防給付を創設するなど、総合的な介護予防システムを確立していくということであります。

 二つ目に、地域の特性に応じ多様で柔軟な形態のサービス提供を可能とするよう、小規模・多機能型サービスや地域見守り型サービスなど、地域密着型サービスを創設するという方向でありますが、今後、国の動向を十分に見据えつつ対応したいと思います。

 そのため、現在、幡ケ谷敬老館の建て替えに伴い計画しております高齢者センターにつきましては、従来の敬老館機能だけでなく、介護予防の拠点の一つとなるよう整備を図るとともに、新たな高齢者の共同生活の場であるグループリビングの整備も進めてまいります。

 また、笹塚二丁目の痴呆性高齢者グループホームを中心とする施設につきましても、あわせて介護予防機能や障害者施設を整備するなど、多機能で、より地域に密着した親しまれる施設としたいと考えております。

 次に、障害者福祉についてであります。

 障害者福祉につきましては、この三月に策定した第二次障害者保健福祉計画及び実施計画の実現に向けて取り組んでおりますが、その具体化のため、今回、障害者福祉複合施設を心身障害者福祉センター用地に建替整備することとし、基本設計経費を補正予算に計上いたしました。

 この施設は既存の心身障害者福祉センターの機能に加え、新たに知的に障害者のある方が住みなれた地域で安心して暮らし続けられる居住の場としての入所更生施設や、障害のある方やその家族の方々の地域生活を支援するための総合相談機能等を有する施設として整備したいと考えております。

 次に、公衆浴場についてであります。

 公衆浴場が、これまで区民の健康保持及び公衆衛生の向上のために、さらにはコミュニティの振興のために大きな貢献をされたところであり、本区としても、これを維持・発展させるため、公衆浴場の運営に資すべき支援策を講じてまいりました。

 しかし、今回、本町四丁目の玉川湯と本町二丁目の幡ケ谷浴場の二浴場が同時に廃業されるため、これまで利用されてこられた高齢者等への影響も大変大きく、また、地元から存続の要望があったものであります。そのため、本町四丁目の玉川湯を取得し、この事業を継続していただくため、補正予算として所要経費を計上したものであります。

 なお、幡ケ谷浴場については区において取得し、用地の二分の一を木造住宅密集地域整備促進事業等に係る代替用地とし、その残り二分の一については地域施設用地として活用を考え、現在、所有者と交渉中であります。

 四点目は、安全対策についてであります。

 地域の安全対策につきましては、「自分のまちは我が手で守る」という自主的な防犯活動が地域の防犯力強化に大きな力を発揮することは言うまでもありません。既に各町会や商店会、補導連絡会、青少年対策地区委員会等の皆様が自主的に計画し、パトロールをしていただいており、敬意を表するものです。

 この活動の一助として、地域防犯力の向上や自主防犯組織結成促進を図るため、防犯リーダー実践塾を実施することといたしました。

 次に、学校における安全対策についてであります。

 本区は学校における安全対策として、既に警察への非常通報体制である学校一一〇番の整備、教室非常ボタン、インターホンの設置、さらに今年度は全小中学校、幼稚園に防犯カメラの設置を行いましたが、さらなる安全対策の強化のため、三点の対策を緊急に実施したいと存じます。

 一点目は、教室及び特別教室内への内かぎの設置でありますが、教室の扉を内側から施錠し、不審者の進入を阻止しようとするものであります。

 二点目は、携帯電話のメール機能を活用した学校緊急情報の発信です。これは児童、生徒、園児にかかる事件、災害等の緊急事態が発生した場合、通常の電話等の連絡手段に加え、各小中学校、幼稚園から、あらかじめ希望し登録した保護者の携帯電話のメールアドレスに学校緊急情報を発信しようとするものであります。

 三点目は防犯用品の配備で、児童、生徒、園児の安全確保を図るため、刺股、透明防護盾及び防犯スプレーを配備するものです。

 また、私立幼稚園に対し、防犯カメラ等設置補助をいたします。

 本定例会には、これらを含め条例六件、平成十五年度一般会計歳入歳出決算等四会計の決算審査、平成十六年度一般会計補正予算案、二の平渋谷荘総合改修工事及び上原中学校電気設備工事等に係る契約案四件、報告四件を提出しております。

 よろしく御審議、御審査をお願い申し上げ、私の発言といたします。

 ありがとうございました。

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○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名をいたします。

 二十六番齋藤一夫議員。



◆二十六番(齋藤一夫) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表いたしまして、桑原区長並びに三浦土木部長、足立教育長に質問をいたします。

 まず初めに、区長に質問をさせていただきます。

 その第一点は、渋谷区の総合庁舎、公会堂の建て替えについてであります。

 昭和三十九年、渋谷区は東京オリンピックの中心的施設設置に伴い、手狭になった区役所、公会堂を現在の場所に新築して以来、はや四十年、あと十年経過すると築五十年になります。専門家の意見によりますと、昭和三十年代、当時の建築技術や建築資材では耐用年数は五十年が限度だろうという考え方で一致しております。これまで区の各施設も応急処置的な耐震補強工事も進められてきたところでありますが、これとて限界に来ております。

 昨年、五階の我々議員控室の柱の補強工事の様子を見ておりました。テグスのような糸を張り樹脂で塗り固めた、こんなやり方で果たして震度七以上の地震があった場合もつのであろうか、大変心配をいたしました。対応に当たった関係者に聞きましたところ「まあ、あれは横揺れには多少耐えられますが、直下型の地震があった場合とてももちません」、こんな話を聞いて私は愕然といたしました。

 十年後には耐用年数が来てしまう、老朽化したこれらの建物を区長はどうお考えなのか。

 本年第一回定例区議会で我が会派の木村議員が同趣旨の質問をした折、「貴重な御提言として受けとめるが、申し上げるまでもなく、そのために多額の改築費を要するところでございまして、それがゆえに行財政運営に支障を来すことがあってはならないと思うのでございます。したがいまして、中・長期的な視野に立って慎重に検討を進め、その財源対策あるいは自治権拡充の方向を見きわめつつ準備をし、将来に禍根を残さないようにいたしたい」と答弁をしておりますが、十年、十五年はあっという間に来ます。どうしようもない事態になって慌てても遅いと思います。すぐに識者を集めてプロジェクトチームを編成、一歩一歩区民の理解を求めていかなければならないと思います。

 建物の老朽化のますます進む中で、それに対する改修費、維持・管理費もばかになりません。過去三年間の改修費は三億八千万円強、維持管理工事も八千九百万円強、合計約四億七千万円になります。これから十年間で十六億円近くも老朽化対策のために貴重な区税を使うことになります。いっときも猶予はできないと思うのであります。

 そこで、私が提案したいのは、区財源を使わないで区役所、公会堂を新築する手法です。

 いきなり「区税収入を一銭も使わないで建て替える」と言ったら幾ら理解力のある区長でも仰天すると思ったので、事前に詳しい資料を提出してありますので、ここでは要点だけをお話しします。

 それは、不動産の証券化であります。

 もともと不動産は金額が多額になり流動性も乏しいので、一般投資家にとって投資対象になりにくいものであります。しかしながら、不動産を証券化することにより、不特定多数の投資家も不動産投資を行うことが可能になりました。すなわちSPC−−スペシャル・パーパス・カンパニーと呼ばれる特別目的会社を設立し、当該SPCが証券を発行することにより不特定多数の投資家から資金を集め、その資金をもって不動産を購入するものであります。

 この手法はアメリカではごく当たり前の話で、日本でも、民間でこの手法をかなり導入している実例が多くあります。

 通常の不動産証券化は、土地、建物をあわせて証券化するので金額も多額となるため、購入資金を、ノンリコースローンと呼ばれる担保物件のみにしか訴求できない借り入れを投資家の出資の組み合わせにより調達するケースがほとんどです。

 しかし、総合庁舎や公会堂はもともと渋谷区の所有であり、土地代金を手当する必要がないので、純粋に建物建設費用だけを調達すればよいことになります。このため、一般投資家の投資による資金調達は不要となり、ノンリコースローンのみで建設資金を調達することが可能になります。

 また、高層化によりスペースを増やせばテナントの誘致も可能ですし、今回、文化芸術施策検討委員会より提言された音響環境万全の大・中・小ホールを併設すれば、それらの賃料の収入によりノンリコースローンの元利金の返済が可能になり、区税を投入することなく建て替えることができるわけです。

 手元の試算では、総工費を二百八十五億円と見積もった場合、国庫補助金七十五億円、ノンリコースローン二百十億円で総工費を賄おうとすると、現行の金利水準約二%程度では、減価償却差し引き後で約二十一年間で元利金が完済できることになります。

 また、建物管理を外部委託することにより、将来にわたり経費の節減につながります。

 しかし、これらの試算や考え方は、現在の本庁舎や公会堂のある場所を考えておりますので、仮にこの手法を使って建て替える場合でも、改築する間にどこか他の建物を借りなければなりません。しかし、大規模なビルを期間を切って借りるのはまず不可能に近いと思いますし、それらの賃料は完全な出費となってしまうので、大方の皆さんは納得できないと思います。そこで、私は第二の方途を探ってみました。

 昨年示された渋谷駅周辺整備ガイドプラン21を見るとき、極めて壮大なビジョンが示されております。大きなコンセプトの中に「渋谷が創り出す魅力を高めていきましょう」「挑戦と創造によりあらゆる人を魅了し続けましょう」「様々な集積を受けとめる都市の基盤を整えましょう」とあります。宮益坂周辺まちづくり協議会も発足、また、渋谷駅周辺のまちづくりを推進する地域組織、NPO法人渋谷駅周辺地区まちづくり協議会もスタートしました。かなり前から南口の開発についても、地域からいろいろな提言、陳情も出ております。

 地下鉄十三号線の開通、東横線との相互乗り入れもあり、国土交通省も来年度から、都市部の鉄道の乗り換え、乗り継ぎをしやすくする基盤整備に乗り出すことを決定いたしました。渋谷駅についても具体的な計画が示されております。この新たな補助制度は、線路や駅舎の整備主体を官民出資の第三セクターとし、列車を運行・営業する鉄道会社と切り離す上下分離方式を採用することになっております。

 平成二十四年には、十三号線と東横線が直通化し、また埼京線のホームの位置変更計画等を視野に入れると、そこにはぽっかりと空間ができます。このことについては、東横線地下化計画及び渋谷区画街路一号線計画変更説明会の折に「東横線地下化に伴い大きな跡地が生まれるので、開発計画を進めていく予定である」と答えております。それらの状況を踏まえ、私の提言する手法を使って区の総合庁舎や関連施設の建設が考えられると思いますが、いかがでしょうか。

 また、直近の情報では、東急電鉄が東急百貨店を完全子会社化するとのことで、駅周辺の再開発にますます拍車がかかるのではないかと予測されます。

 農園画家として有名なミレーの絵に「落穂拾い」や「種蒔く人」はよく知られておりますが、「接ぎ木」という題の一枚の絵は案外知られておりません。これは、自分たちの時代には実らないであろう果実のなる木を接ぎ木している夫婦の絵でありますが、一人の画家の一枚のタブローの中に人間としての遠大な思想が隠されている、私にとって極めて象徴的な絵であります。

 東京の初代府長、後藤新平が昭和通りの構想を打ち出したとき、時の政財界のほとんどの人が「気がふれたのではないか」と攻撃したのは有名な話であります。そのとき彼は、将来、日本にも必ずモータリゼーションの時代が来ると信じ、「政治は百年の大計にあり」と喝破したのであります。

 また、日ごろ私がよく人に言っている言葉に「富士山に登ろうと思わない人は一生登れませんよ、思ったときが一合目に踏み込んでいるんですよ。一歩前進してください」そういうふうに日ごろ言っております。

 この私の提案に対してどうお考えか、また、別の的確なビジョンをお持ちであれば、お聞かせ願いたいと存じます。

 次に、渋谷区のイメージアップにつながる総合的な施策の拡大についてお伺いいたします。

 私は、数年前の代表質問でこんな話をしました。

 勤労福祉会館前で信号待ちをしておりました。聞くとはなしに隣の若者の会話が耳に入ってまいりました。「おまえ、渋谷に住んでいるの。いいな、いい所に住んでいて」。これを聞いて、私は本当にうれしかった。その後、この話を周りの若い人たちによくしました。「ぼくたちも住みたいですよ。でもね、家賃が高くてね」、そんなことから家賃の安い区営住宅の推進をお願いしたことがあります。時の区長は「できることから始めましょう」ということで家賃補助制度を考えてくれました。

 しかし、今日の私は区営住宅のことを言いたいのではなく、他区の人から見れば、渋谷区というのは文化の薫り高いまちだと思われているんですよということを言いたいのであります。

 渋谷区内に仮に車検場があって、渋谷の名前が入った車のナンバーが取得できるとすれば、ユーザーは間違いなくそれを望むでしょう。イメージというのは理屈抜きに人間の感性をくすぐるものだと思います。

 しかし、昨今の渋谷区は、犯罪の多発している怖い街という印象があることは否めない事実であります。都知事の定例記者会見のテレビ放映の場面で「渋谷は今、バビロンでしょう」という発言がありました。まことに大変残念でなりません。

 小倉区長時代の、いわゆる安全・安心条例の制定、桑原区長になってからの安全対策本部の設置、また今回も防犯リーダー実践塾を実施したりと、必死になってやっていることも大いに評価に値すると思っております。地に足をつけた堅実な施策も極めて大事なんだとよく認識しておりますが、今回、私が申し上げたいことは、イメージアップにつながる施策も考えてくださいということなんです。

 二カ月ぐらい前にテレビ番組で渋谷の特集を見ることがありました。自然と文化とやすらぎのまち渋谷をそのまま映像化した表現がありました。ビジュアルな面をもっと考え、採用したらどうだろう、渋谷区の色を決めたら何色だろうな、若者に感動を与えるような元気が出る渋谷のイメージソングをつくったらどうだろう、いろいろなイベントに気楽に使える第二の渋谷のシンボルマークを考えたらどうだろう、いろいろなことが頭を駆けめぐります。

 そんな中で私が考えた第二のシンボルマークが、これです。

   〔パネル提示〕

 しかし、渋谷区役所の中に、現実にそれらを考え、プロモートする専門の部署はありません。情報化社会の中で区の発行する様々な印刷物、区は何をやってきて、これからどう展開するのか、広報活動は極めて大事なことだと思い、今まで様々な提言をしてまいりましたが、それらを発案・構成し、作成するデザイン企画室のような専門的な教育を受けたプロ集団は、先ほど言ったように、区の中にはありません。コピーライター、グラフィックデザイナー、新進気鋭の建築家や音楽家、新しい感覚を持った写真家や画家、都市環境の専門家等々の斬新な、ユニバーサルデザイン感覚を理解、実践できるプロ集団の専門部署をつくる必要があると思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、地下鉄との防災協定を結ぶお考えがあるかどうかお伺いします。

 日本では、関東大震災以後マグニチュード七以上の地震が二十五回も起きております。専門家の間では、向こう三十年間マグニチュード七以上の地震が起きる確率は七〇%と、厳しい予測をしております。

 そのような状況下で、三宅島や最近の浅間山の噴火等は、いずれも富士火山帯に連なっており、大きな地殻変動は即、大地震につながります。一時集合場所や避難所としての小中学校も耐震工事をしておりますが、これも完全とは言えません。

 現在、地下鉄十三号線も建設中でありますが、渋谷区内には銀座線、千代田線、半蔵門線、日比谷線、大江戸線と網の目のように路線が走っております。

 交通問題特別委員会として大江戸線の開通前、都側と何回か懇談会を行い、その折に「備蓄倉庫は何駅に設置するんですか」の質問に、三十八駅ある中でわずか二駅しか予定はありませんとの話でした。是非地域のために増やすようにとの提言に対して、増やしたとの話は聞いておりません。

 また、十三号線に関しても、当時の営団側にこのことを進言しましたが、いまだに確たる回答を得ておりません。何回かの工事現場視察の折に質問に対して「核攻撃に対しても持ちこたえる堅牢な構造になっておりますし、大地震に耐えるようなシェルターとしての構築物とお考えになっても結構です」との話も聞きました。駅ホームのみだけでなくコンコースも、直近の住民が避難するのに十分なスペースがあると思います。

 しかし、駅を利用するお客さんは大勢いるわけでございまして、区民が避難していくことに問題があるかもしれません。ただ、区内の避難所に整備されている備蓄品の補完的な意味合いで、堅牢な施設の中に備蓄倉庫提供に係る防災協定を結ぶことができないか、区長さんの御所見を伺います。

 また、地震に強い地下鉄の輸送力を得て、多くの帰宅困難者を速やかに居住エリアに送り届けるようにしていくことも、また重要なポイントであり、東京都や他区と連携しながら、協調して避難訓練等の計画を練っていくことも必要であろうと考えます。来街者も多い渋谷区として、しっかりとした対応を強く要望するものであります。

 次に、駅前駐輪場の早期実現について、また、ヒートアイランド現象に対する積極的な対応について、この二点につきましては土木部長に質問をいたします。

 JR、私鉄、地下鉄各線の駐輪場対策は、私の見る限り、具現化に向けての積極的な計画は感じられません。交通問題特別委員会でも提言し、世田谷区成城学園前駅近くのエコサイクル施設を視察し、前任土木部長に検討してほしいと申し入れをしたことがあります。

 ただ、当時のエコサイクル駐輪場はレンタル方式で、同じ型の自転車しか収納できないため、開発会社に「個人の持ち物である形の違う自転車でも利用できるものを考えてほしい」と申し入れたところ、なんと半年後には「御要望どおりのものができました」との連絡が入りました。早速会って話を聞きました。「ハンドルが極端に長いものや、大きなかごのついたものはちょっと無理ですが、普通の自転車であれば大丈夫です」との話でした。

 当時視察した委員はよく知っているはずですが、この施設は地下に直径七メートルの茶筒型の収納スペースを設けるだけで百四十四台の自転車をカード一台で自動的に収納できるメリットと、地上部分は半坪ぐらいの構築物しかありませんので、景観や地上の空間を損なうことはありません。工事費も八千万円程度でできますし、地下の埋設物の有無だけを調査すれば、やる気さえあればできるはずです。現状と完成後のCGまで資料として提供し、推移を見守っておりましたが、東京電力に地下埋設物の調査をさせただけで、その後どう検討されたのか何の報告もありません。どうして実現できないのか、やる気があるのかないのか、確たるお答えをいただきたいと思います。

 次に、ヒートアイランド現象に対する積極的な対策について、お伺いいたします。

 今年は六月下旬ごろから、人々のあいさつがこんなふうに変わりました。「おはようございます」「こんにちは」ではなく、「お暑うございます」が当たり前になってしまったのです。九月二十五日まで三十度を超える真夏日が六十九日を数えました。熱中症で病院に救急搬送されたのも史上最悪で、昨年の四・五倍。体力のないお年寄りや幼児が、涼しいはずの室内で倒れております。

 二十三区内に百六カ所の気象観測点を置いている都環境科学研究所は、八月十六日、気象庁が大手町で今までの観測史上最高の三十九・五度を記録した七月二十日の気温データを発表いたしました。最も気温が高かったのは足立区江北の四十二・七度、二番目は荒川区の町屋、四十一・六度、三番目は渋谷区西原の四十一・三度。

 同研究所では、海からの風が届きにくい北部や谷地などで気温が上がりやすい傾向にあるとしているが、しかし、現実には東京湾沿いの地域も連日猛暑が続いており、どうもかなり前から進んでいるウォーターフロント開発に関係があるのではという説が浮上してきました。特に汐留地区再開発の高層ビルの林立により海風が流れ込みにくくなったためではないかと、早稲田大学理工学部の研究グループが、東京湾岸の高層ビル群で代表的な汐留付近のミニチュア模型を使って海側から風を送る風洞実験や、実地調査などを行った結果、確かな影響があることがわかったそうです。そして、来年の夏も今年より平均気温がさらに上がるとの予想もあります。地球温暖化の現象もあり、ただ一概にこれだけが原因と言い切ることはできないにしても、大きな要因であることは間違いありません。

 八月中旬、ある先輩議員から電話が入りました。「あなたの近くの明治公園で打ち水大作戦というのがあるから、行ってみないか」好奇心旺盛な私は、明くる日の朝、行ってみた。浴衣姿の若い男女が大勢集まっていた。環境省の小池大臣も来ていて、路面の温度をはかり、その後、打ち水の実演までしてみせた。その直後の計測で四・五度も路面温度が下がっているのを自分の目で確かめ、いたく感心していた。

 これはNPO法人ピースフルエナジーが二〇〇三年から始めた行事で、今年は八月十八日から二十五日まで打ち水週間と名づけ、全国運動として展開、「気持ちのいい涼しい風を世界じゅうで吹かせましょう」と訴えた。

 一方、国土交通省も路面の温度を下げる新たな道路舗装材を本格的に導入する方針を打ち出しました。実験によると、真夏には六十度を超えることもある路面温度が二十五度ほど下がり、体感気温も二、三度下がるという新たな舗装材は保水性舗装と呼ばれ、おむつなどに使われるポリマーなどの保水材をアスファルトに混ぜることにより、雨水や地下水のようにゆっくり蒸発して、気化熱として路面の熱が奪われるため、長時間にわたって路面の温度を冷やすことができるというものです。来年度から自治体にも助成金を半分出して実施していくということですが、渋谷区としては、このことについて計画を導入するお考えがあるかないか、お聞かせを願いたいと思います。

 次に、冒頭、区長の発言の中にありましたが、近年、児童の虐待問題が深刻な事態となっていることは御承知のとおりであります。基本的には家庭の中の問題、特に親に起因することは十分承知しておりますが、最近の文科省の委託研究班による調査・研究で判明したことは、虐待の通告は教員としての義務とされているが、なぜ通告をためらうのか。それは「自分では判断に自信がない、「子どもへの被害拡大を恐れる」等々の理由が多いとされております。また、研究班では、児童相談所などとの迅速な連携に向けたシステムの構築が急務と指摘しております。

 多様化する現在の教育現場で、指導力の不足を指摘される教員が増えてきており、懲戒処分、諭旨免職、訓告等を含めると、なんと三千九百人を超えるという驚くべき数字が示されております。また、昨年度の休職者が五千二百人、このうち心の悩みで休職している教員が二千五百人もいるという実態も浮き彫りにされております。だめな先生もいるが、まじめな先生ほど自分を追い詰めている現象がますます増えるであろうと予測されます。

 そのような状況下で、民間人の校長登用、またスクールカウンセラーの採用など、各自治体で様々な対応を試みておりますが、お隣の世田谷区、杉並区などでは、教育内容や教員の人事などを含めた学校運営に地域住民が直接参画できる、地域運営学校を来年度から設置すると発表いたしました。当区では、学校評議員制や学校運営連絡協議会を実施しておりますが、その内容、実態については十分な対策とは思えません。

 いろいろ多岐にわたった事柄を申し上げました。三位一体論としての権限委譲の進む中、人事権も近いうちにおりてくると思います。細かい内容については所管委員会で詰めてまいりますので、端的に教育長の見解をお伺いいたします。

 最後に、「区職員にやる気を起こさせるリーダーシップの発揮」と題して区長に質問いたします。

 今年の夏は、熱帯夜の影響だけでなく、アテネオリンピックを声援するためにかなり寝不足の人がいたのではと思います。日本のメダルラッシュに沸いた華やかな余韻が残るそのアテネに、百四十五の国と地域から約四千人の障害者選手が集うパラリンピックが開かれ、二十八日未明に閉幕いたしました。通常のアスリートのような企業援助もほとんどなく、用具メーカーから無償提供されるわけでなく、生活の関係で練習に明け暮れることもできず、自ら限界に「克つ」ことを目指して、金メダル十七個、銀メダル十五個、銅メダル二十個と、日本選手団は大きな成果と勇気と感動を我々に与えてくれました。

 皆さん、御存じの方もいるかもしれませんが、栄えある銀メダル獲得者の中に渋谷区の職員がいるのです。その名は、仮にSさんとします。新聞記事にこう書いてあります。「最後の一投でチェコの選手に逆転されたが、女子円盤投げのSさんは自己ベストを一メートル二十七も更新する十一メートル〇九を記録、銀メダルに輝いた。十八歳、二十二歳、昨年三月と脊髄を三度痛めた。徐々に体の自由がきかなくなり、今は握力もほとんどない。それでも「陸上が私を支えてくれた。日常生活で動きが制限される分、スポーツで自分を表現したい欲求は高まっていった」頂点だけを目指して挑んだこの大会、ずっしりと重い銀メダルを見ても「金メッキがかかっていれば最高なんですけれど」喜びも半分といったところだった」。

 私がSさんのパラリンピック出場を知ったのは、区のエレベーターの壁に張ってあった壮行会開催の一枚の小さなポスターでした。世界のパラリンピックに出ることは容易ではない、まして区の職員として仕事をしながら、その余暇をさいてたゆまない練習をしているんだろうな、そんな話を区議会事務局の人に話したら「知っていますよ。福祉の仕事をしている人ですよ」。その一瞬、私は、ある事柄が頭をよぎった。

 数年前、母の高齢者介護保険の手続に行ったとき、車いすに乗った女性が奥から出てきました。内容を話すと「それはこの上の階なんです」。私がどの窓口へ行ったらよいのかと聞こうとしたら、狭いカウンターの間から車いすを見事に操り「こちらへどうぞ」と先導をしてくれた。慌てて後を追うと、なんとエレベーターに一緒に乗って担当窓口まで案内してくれたのです。ふだん着の私を議員と知るよしもなく、一般の区民と思って親切に対応してくれた、その行動に感激しました。

 また、つい一月ぐらい前のことです。区役所に来てエレベーターに乗ろうとしたら、その車いすの女性がドアの前にいました。何となく顔を覚えていた程度なので、声もかけないで後ろに立ってエレベーターの来るのを待っていました。ドアが開く直前、右側から乳母車に赤ちゃんを乗せた若いお母さんが来ました。車いすのその女性は、「どうぞ」と手を差し伸べ先に乗せてあげたのです。既に何人か乗っていたので、それでスペースはいっぱいになり、別なエレベーターで私もその職員と一緒に上がりました。

 多分あの人ではないか。遠征費を捻出するため、職場の仲間が協力していることを知り、Tシャツを買い、心から激励をさせていただきました。

 数日たって区役所へ行ったら、事務局の人が「Sさんが齋藤さんに会いたいと言っていますが、どうしますか」と。「できればすぐ会いたいね」と言ったら連絡してくれて、すぐ来るとのこと。議員応接室で待機していたら、「やっぱりあのときのあの人だ!」、思わず涙が出そうになった。

 気は優しくて力持ち、自分自身が障害を背負っているのに他の人のことを考え、献身的に職員としての責務を果たす人がいるのに、区は何をしているのだろう。区ニュースのトップで扱ってもいいぐらいの区の誇りだと思いました。

 このSさんの例は、私が最近経験し、感動した一つの例でありますが、まだまだこのような職員が区役所の中に大勢いるものと思います。いいえ、区民にとってはいなければならないと思うのであります。そう願うのは私だけではないと思います。

 私も過去に、職員の対応に不快感を抱いた経験もあります。しかし、職員も人間ですから、時には体調のすぐれないこともあるでしょう。しかしながら、先ほどのような職員が区民の福祉向上のため、自らやるべきことにひたむきに取り組んでいく「やる気」を育てていく責務の一端は、区長以下幹部職員の情熱とリーダーシップにかかっていると思うのです。この機会に、区長の思いを是非お聞かせ願いたいと思います。

 以上、よろしくお願いいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団の齋藤一夫議員の代表質問に、順次お答えをいたしたいと存じます。

 最初に、総合庁舎及び公会堂の建て替えについて、木村正義議員に対します私の答弁を引用しつつ数点のお尋ねであります。膨大な資料、制度を調査・検討の上で御質問になったわけでございますけれども、改めて敬意を表したいと、このように存じます。

 私の庁舎改築に対します基本的な考え方でありますけれども、これは齋藤議員に対します釈迦に説法ということになりますので、直接質問に入らせていただきますけれども、お許しをいただきたい、このように存じます。

 最初に、耐用年数がもう十年だよと、そういったことに対して区長はどのように考えているんだと、こういうようなことでございました。

 一般に、鉄筋コンクリート造の建物の耐用年数は六十年以上と言われておりまして、施行と維持・管理の状況によりまして、実際の寿命は建物によってそれぞれ異なってまいるわけでございます。総合庁舎及び公会堂については、平成七年度に実施した耐震診断で構造体の強度及び劣化の度合い調査をしておりますけれども、コンクリートの強度は設計強度以上であって、劣化も余り進んでいないということを確認しているところでございます。したがいまして、今後、適正な維持・管理を続けていけば、標準的な耐用年数を超えて使用することが可能であろう、このように考えているものでございます。

 ただし、御指摘のように、総合庁舎、公会堂ともに築後四十年を経過しておりまして、外装や設備の老朽化が進んでおります。構造的に使用可能な年限まで建物をもたせていくためには、これらの改修が必要であります。近年そのための工事を実施しており、また、現在、総合改修の設計を行っております。これは集中的な改修により延命化を図り、その後の維持・管理を低減するためでございます。

 また、耐震性についてでございます。

 総合庁舎については平成九年度より順次耐震補強工事を実施しておりまして、炭素繊維巻きによる柱の補強を行っております。建物の粘り強さを高める補強でございまして、建物がその後の使用にたえないような、被災を受けましても倒壊を防ぎ、避難を可能にすることを目的とするものでございます。

 公会堂につきましては、平成八年度に耐震補強を一部実施しましたが、十分な耐震性能に達していないため、早期に耐震補強工事を改めて実施したい、このように考えている次第でございます。

 次に、庁舎建設の手法といたしまして、不動産の証券化についての御示唆がございました。

 この制度は、バブル崩壊によって不動産の売買が減少したことに対応し、これを流動化させるため証券化する手法でございます。しかし、土地であれ庁舎であれ、行政財産を目的としてこれを処分し、証券化することは自治法上の制約がございまして、現実に困難であると、こういうことで御理解をいただきたいと存じます。

 また、東横線の地下化等によります跡地の利用につきましては、それが仮設庁舎であれ本格的な庁舎建設でございましても、三万から五万平米前後のスペースの確保が必要でございます。現在、駅周辺整備全体計画がまだまだ流動的でございます。また、鉄道事業者との計画調整は大変時間を要するところでございまして、現実的な計画にはなかなかなり得ない、こういうふうに思っているものでございます。

 齋藤議員の御指摘は、詰まるところは、庁舎建設には仮設庁舎も必要だよ、あるいは建設規模についても考えていかなくてはならない、あるいは財源問題についてもなお踏み込んで考えていく必要がある、様々な課題について御提言、御示唆をいただいたと存じているところでございまして、この御助言に対しまして心からお礼を申し上げたい、このように思っております。

 私は、建てるということになれば、一番大きい問題は仮庁舎の問題であろうと、このように思っております。しかし、このことについては既に私が検討・調査をしておりまして、現在の用地に庁舎の機能を維持しながら、すなわち庁舎運営に支障なく建設できると、このような検討を既に行っているところでございます。したがいまして、残される問題は建設のための環境整備、つまり建設時期をいつに置くのか、考えるのか、その判断であり、議会及び区民のコンセンサスであろうと、このように考える次第でございます。

 そういうことになれば、また私はスムーズに取り組んでいくことができると、このように思っているものでございます。

 御助言をいただき、御提言を賜ったことに対しましてお礼を申し上げ、今後そのような心組みで取り組んでまいりますので御理解をいただきたい、そのように存じます。

 次に、渋谷のイメージアップについて、総合的な施策の拡大についてのお尋ねでございます。

 イメージアップには、まず犯罪の少ない治安のよいまちであることが、さらには商店街の活性化のためにも重要であると、このように思っております。昨年−−十五年は本区の刑法犯罪の件数でございますけれども、十二区が増加する中で都内全区市町村のうちマイナス千十五件ということで、最も犯罪件数が減少した区でございます。これにはもちろん警察の力もございますけれども、地域防犯力の向上のために、区民及び関係団体の御努力があったところでございまして、本区といたしましても引き続き、安全なまちづくりのために努力をしてまいりたいと、このように思っているわけでございます。

 イメージアップのためには、議員の質問にはございませんでしたけれども、ヒューマンで快適なまちづくりが大切である、このように思っております。幸い、本年六月には国会で景観法が成立いたしました。本区といたしましても、この基本法制を踏まえつつ、地区計画に即しつつも新たに景観審議会等を設け、デザインや色彩のあり方等についても審議する機関設置を先々検討してまいりたいと、このように思っているものでございます。

 区ニュースのあり方やシンボルマークについても御提言をいただきましたが、これらについても専門家を活用するなど改めて検討し、広報活動の充実に努めてまいりたい、このように存じます。

 文化の薫り高いまちとするために、平素行政に欠けております色調やデザイン、シンボルマークや広報活動のあり方など、潤いのある行政のための御助言を賜りましたが、御提言を踏まえながらも、これからも努力をしてまいりたい、このように存じます。御理解をいただきたいと存じます。

 次に、渋谷区と地下鉄との防災協定についての御質問でございます。

 地下鉄が一時集合場所や避難場所として安全か否かは、地下断層や水脈の問題等もございますので、どの程度安全なのかは国等専門機関の判断を待ちたい、このように思っております。その間は区立小中学校や他の区有施設、または広域避難場所の活用をしてまいりたい、このように思っております。

 また、渋谷区では現在、小中学校の校庭整備工事に合わせ、耐震補強された、下水管に直接流し込む方式の災害対策用のトイレを整備し、また、三十二避難所の備蓄倉庫及びそれを支援する十一カ所の災害対策用倉庫により、既に被害想定に対応できる備蓄を行っているところでございます。また、流通、ストックを増やすための対策等も整えております。したがいまして、地下鉄と協定を結び、防災倉庫の増設を行う状況にはないと承知しているところでございます。

 地下鉄につきましては、地震に強い輸送力を活用した支援と輸送を期待しており、議員のお話にもございましたけれども、帰宅困難者に対する対応についても、地下鉄事業者を含め、広範な関係者との協議が必要であると、このように考えるものでございます。

 最後に、パラリンピックで銀メダルを獲得した職員についてのお尋ねでございました。

 今回、パラリンピックに出場した職員が銀メダルを獲得したのみならず、さらにはその職員が日ごろ住民への接遇についてもすばらしいというお褒めの言葉をいただいたわけでございまして、こんなに区として光栄なことはないと思っております。

 私は、職責に専念すると同時に、スポーツのために体力の限界に挑戦したり、あるいは少年野球のためにボランティア活動を行うなど、様々な自主活動に取り組んでいる職員が大勢いることを承知しておりますけれども、このことは、職員が人生をきわめる上で大切であるのみならず、また、活力ある区の組織のためにも、また、区のイメージアップにも大きく貢献する、寄与すると、このように思っております。

 本人が帰国した折には祝意を伝え、さらには賞辞をするなど激励をさせていただきたいと、このように思っているものでございます。

 いずれにいたしましても、職員の一人一人の力が二倍となるモラルアップの努力を、私自身も感性を磨き、その努力を続けていきたい、このように思っている次第でございます。

 どうぞこれからも御助言をお願い申し上げ、私のあいさつとさせていただきます。

 ありがとうございました。

   〔「答弁だよ」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) 失礼いたしました。注意がございましたけれども、答弁でございます。どうぞよろしくお願いいたします。



○議長(丸山高司) 三浦土木部長。



◎土木部長(三浦惟正) 私には、駅前駐輪場の早期実現についてとヒートアイランド現象に対する積極的な対策について、二点のお尋ねでございます。

 まず、駅前駐輪場の早期実現についてお答えをいたします。

 駅前駐輪対策につきましては、駅付近に駐輪場設置のためのスペースを確保することが障害となり、その具現化には時間を要することも事実でございます。したがいまして、ただいま御発言のありましたエコサイクル駐輪場は、駅前の狭い空間を利用し、比較的安価な費用で設置できるメリット等がありますので、私としても、条件が整えば、その解決策の一つとして設置を検討すべきと考えております。

 現在、JR代々木駅前については、その設置にかかわる地下埋設物の状況、あるいはその他の問題点、費用等の検討、整理について調査委託を行っているところであります。その調査結果を踏まえ、エコサイクル駐輪場設置ができるのか、あるいはその他の方法がよいのか、今後、議会とも相談をさせていただきながら結論を出してまいりたい、このように考えてございます。

 次に、ヒートアイランド現象に対する積極的な対策として、区は保水性舗装を導入する計画はないかとのお尋ねでございます。

 近年、都市部におけるヒートアイランド現象につきましては、重大な環境問題と認識しております。議員の御提言にもございました保水性舗装につきましても、道路舗装の観点から、その環境を改善する方策の一つとして取り上げられております。この保水性舗装の技術は開発途上であり、現在、国土交通省を初め東京都などにおきまして試験施工が実施されておりますが、保水維持機能の改善等が図られれば大きな効果をもたらすものと期待しております。

 区といたしましては、こうした技術開発の動向を踏まえつつ、当面は試験施工を実施するなど前向きに取り組んでまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、地域運営学校、すなわち学校運営協議会を置く学校を中心にした御質問でございました。

 御指摘のように、子どもたちの健全育成の充実や学力の向上等の課題を考えますと、これからの学校運営につきましては、保護者や地域の皆様がこれまで以上に学校とのかかわりを深め、地域ぐるみで子どもの教育に当たるということがますます重要になってくるものと考えております。

 このたび法改正によって設置が可能となりました学校運営協議会を置く学校は、こうした声にこたえ、保護者や地域の皆様がこれまで以上に学校運営に参画できる、新しい仕組みの学校でございます。

 本区では、平成十二年度より、学校運営に当たる校長への助言、相談に応じるという学校評議員や、学校が教育方針を地域に広め、地域から学校を支援していただく体制をつくるという役割を果たす学校運営連絡協議会を各学校に設置し、学校運営の充実に努めてまいりました。今年度からはさらに、保護者や地域の皆様が学校を評価する外部評価の制度を導入するなど、より一層地域の皆様の意見を学校運営に反映する体制を整えるとともに、学校評議員の機能強化を図り、地域とのかかわりを大切にした学校づくりを推進してまいります。

 学校運営協議会を置く学校については、今後の研究課題にしたいと存じます。

 以上でございます。



○副議長(金井義忠) 二十六番齋藤一夫議員。



◆二十六番(齋藤一夫) 先ほどの質問では、ちょっと時間がかなり経過しているなということを感じましたので、後半かなり早口になって聞き取りにくかったんじゃないかと思っておりましたが、今、御答弁を聞いていて、大変誠意のある御答弁と感じました。多少細かい点ではいろいろありますけど、今日は申し上げません。

 庁舎建て替えの大きなネックであります仮庁舎は、現在の用地に庁舎の機能を維持しながらも建設できると断言していただきましたので、安心しました。大いに期待しております。

 次に、渋谷区のイメージアップ作戦に対しては、組織横断的な具体的なデザイン企画室設置についてお聞きしたつもりでございましたが、このことについては天野区長時代からの、私が提言したことでございます。しかし、桑原区長さんにとっては唐突な感じがあったんではないかなと思います。私の質問したニュアンスと答弁と大部温度差がありますけれども、私の父がよく言っておりました。「牛のふんにも段々がある」ということわざもありますから、今日はこのくらいにして、我が会派の所管の委員にお願いして、これからも詰めていきたいと思っております。

 次に、地下鉄との防災協定ですが、相手のあることですから難しい面も十分承知しております。しかし、切り口がないわけではありません。お考えを広げていただきたいと思います。

 また、リーダーシップの発揮については、少しかみ合わない面もありますが、区長の表情を見ておりますと、私の言わんとしていることは言外に感じられました。これ以上は申し上げません。

 駅前駐輪場設置については、かなり前向きの答弁と受けとめました。早期実現を目指すことを重ねて要望しておきます。

 また、保水性舗装について、これについても早速試験的にやってみると相当積極的な答弁がありました。逐次効果を見きわめつつ、なるべく早期に全区に実施してほしいと思います。

 最後に、地域運営学校につきましては、研究課題にさせていただきたいと教育長の答弁でございました。おおむね私の質問の趣旨を理解して、受けとめてくれたと思いますので、今後は所管委員会で、詳細については逐次詰めてまいりたいと思います。

 最後に一言申し上げたいと存じます。

 区長は職員に、日ごろから「昔からの役人根性を捨てなさい」と言っているようでございます。数人の人からそういう話を聞きました。また、よく中国のことわざを引用されたり、儒学の精神をよく話されます。それこそ先ほども言われましたけれども、前もって。こちらから返さなきゃいけないんですが、釈迦に説法かもしれませんが、項羽と劉邦の話はよく御存じだろうと思います。紀元前二〇〇六年、秦を打ち破った二人の武将の考え方、行動は後世よく引き合いに出されます。項羽は貴族出身で、義の人でもありましたが、武力で制圧しようとした人です。一方、劉邦は農民の出身でありましたが、知の人で、人心掌握に心を砕いた人と言われ、有名な言葉に「仁にして人を愛す」というのがあります。その人柄が各地に点在する武将の心をつかみ、四百年の歴史を持つ漢をつくったのであります。

 二千七百人余の職員が区長を中心に心を一つにして、区政進展のため、区民の幸せを求めて大いにこれからも頑張っていただくことを心から希望いたしまして、質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 八番平田喜章議員。



◆八番(平田喜章) 未来の渋谷を代表いたしまして、質問いたします。

 渋谷には改革が必要ではないか。世界に誇る渋谷というまちを代表しまして、議員の一員として一年以上がたち、最も強く感じていたのがこのことであります。一年間無所属・無会派という立場で先入観なく渋谷の議会、行政、区民、そしてまち全体を冷静に観察してきました。今まで見えてこなかった渋谷の問題点、こういったものが最近ではとても鮮明に見えるようになってまいりました。

 では、渋谷の改革のためには最適な道は何であるのか。結論として、改革を標榜し、自由な議論を行い非常にオープンな、この未来の渋谷をつくる会、この会派のメンバーとして改革への力になりたい、その思いでいっぱいであります。

 今、非常にオープンだという話をしたんですけれども、早速このように代表質問をさせていただいた、このことには大変感謝しております。

 私は、渋谷で生まれ育った人間ではなく、渋谷区というよりは「渋谷」という都市の引力に引かれ、渋谷に来た人間であります。渋谷という都市に生きる都市住民であるとも自覚しております。区議会議員全員で三十四名いるわけでありますが、それぞれ様々な方々から支持され、この場におられるのではないかと思います。では、自分自身のことを考えた場合、自分はだれのために活動すべきであるのか、これをよく考えると、やはり都市に生きる都市住民の代弁者であるべきではないか、今、そんなふうに考えております。今回の質問に関しても、できるだけこの視点を踏まえて質問を行っていこうと思っております。

 渋谷をより生き生きとしたまちとするために改革するという心をもって、その理念から質問を行おうと思います。

 まず、渋谷のまちづくりと文化芸術振興について質問いたします。

 渋谷は日本を代表する文化芸術のまちであると認識しております。渋谷区も文化芸術施策検討委員会を設置し、今後の施策について検討しているほか、音楽・演劇中小ホールの建設など、文化芸術施策を進めております。このような文化芸術施策は積極的に推進していくべきものであると考えておりますが、さらに、渋谷というまちの特質を踏まえた文化芸術振興策を実施していくべきであると考えております。

 それでは、渋谷の特質とは何でありましょうか。

 渋谷の特質とは、区が文化振興を図る以前に、質量ともに充実した文化芸術資源が存在していることであります。

 音楽を例にとれば、アナログレコードやCDの販売店は世界でも有数の集中度であります。CDやDVDなどの光ディスクメディア全盛の時代にあって、一般にはアナログレコードを見かけることはほとんどなくなりました。しかし、宇田川町には四十店舗ほどのアナログレコード店が集まっております。また、単にアナログレコード店があるというだけでなく、これら宇田川町に集まる店が扱っているレコードは、どこにでも売っているというようなものではなく、商業的な作品ではない、渋谷でしか手に入らない貴重な、特に音楽好きの人々にアピールするものが多いのであります。海外の世界的に有名なアーティストが、わざわざ宇田川町にレコードを買うために訪れることも多いと聞いております。

 宇田川町のレコード店は、単なる販売店ということではなく、貴重な作品発表の場になっていると言うことができます。また、音楽資源が世界的に見ても宇田川町に集まっているのです。宇田川町は、こういった点では世界に誇るレコードのまちとなっております。

 また、ライブハウス、スタジオ、音楽クラブなどについても日本で最も充実していることは、皆様もよく御存じのことでないかと思います。

 映像の分野では、安価で高画質なデジタルビデオカメラが普及したために、多くの人々が実験映像などの芸術性の高い作品を制作するようになりました。渋谷周辺ではビデオなどの映像を撮影している光景をよく目にします。これらの作品の多くは商業ベースに乗らないために、なかなか上映する場や機会がありません。しかし、この渋谷には、これらの映像作品を発表する場があり、すぐれた作品が渋谷に集まってきているのです。

 特に最近、ショートフィルムという分野がとても注目されていますけれども、この分野は特に渋谷に、今、集中しつつあります。

 ここで重要なことは、音楽や映像のハード資源が集中しているということは、同時にアーティストなどの人的資源も集中しているということであります。

 このような、他の地域に比べて、芸術文化の集積という面で渋谷は極めて先進的であります。しかしながら、改善すべき問題点も幾つか抱えております。

 第一の問題として、渋谷で先端的な文化芸術の隆盛を支える人々と、渋谷区という自治体とのかかわりがほとんどないということであります。

 渋谷の文化芸術の隆盛を支える人々は、必ずしも渋谷の区民というわけではありません。外部から渋谷に集まってくる人々、大資本から個人に至るまで、渋谷というまちで活動しながら、これらの人々は、渋谷区という自治体とはかかわりを持たずに活動しております。また、コアな芸術活動をする人々の中には、渋谷区民も多く存在していますが、渋谷区という自治体とのかかわりを持てない人が大多数であります。

 第二の問題として、これだけ文化芸術の隆盛している渋谷区でありながら、一般の区民は、渋谷というまちに育つ先端的な文化芸術に接する機会が余りないということであります。渋谷には多くの文化芸術活動を行う人が集まり、その質・量ともに日本で一番であると考えます。しかし、区民の多くはその恩恵に浴しておりません。これが改善すべき問題点であると思います。

 そこで、渋谷に集まってくるアーティストたちの人的資源をどれだけ有効に活用できるか、渋谷特有の文化芸術振興のポイントになるだろうと思っております。

 今、渋谷の文化芸術に関して最も注目されていることは、百軒店商店街が掲げる「音楽の見える街づくり」という試みであります。「音楽」というキーワードを用いて商店街革命を行う、これがその趣旨であります。音楽の資源を商店街に集め、老若男女に集まってもらう、まさに渋谷というまちの特質を生かしたまちづくりであります。商店街、音楽を愛する人々、音楽にかかわる民間企業、これらのコラボレーションによって商店街の活性化を図っていくこと、これこそが重要であると考えます。

 これまで長く渋谷に住んでいる人々、こういった人々が、渋谷に集まってくる人々や振興の民間企業とコラボレートを図ることが、今までは余りありませんでした。しかし、百軒店商店街が掲げる「音楽の見える街づくり」という試みは、この壁を打ち破り、渋谷に長く住んでいる人、新たに住民となった人、渋谷のまちを訪れる人、民間企業、そして商店街が行う共同作業として大きな意義を持つものであります。

 そこで、現在進行中のこのプロジェクトに対して、商店街活性化の観点から、区が区内の文化芸術の人的資源を活用する支援策を行ってはどうかと考えます。このことについて区長の所見を伺います。

 また、ここで重要なことは、このような試みを一商店街の実験に終わらせないことであります。渋谷の各地域では、百軒店のような商店街活性化事業に限らず、様々な地域活性化の事業が行われております。これら地域の活性化事業に、区内で活躍する音楽や映像のアーティストなどを取り込んだ芸術振興施策を区内全域に広げていくことが重要であると考えます。これによって「文化芸術のまち渋谷」というイメージが高まり、渋谷区のブランドイメージも大きく向上いたします。また、私が言い続けてきた旧住民、新住民、来街者との接点になるはずでもあります。

 このような文化芸術振興施策の実施について、教育長の所見を伺います。

 いずれにしても、文化芸術を通じて、百軒店だけではなく、今まで渋谷区とかかわりを持てなかったアーティストや若い人のパワーを文化芸術振興やまちづくりに有効活用していく、これが私の望んでいることであります。

 次に、アレルギー、アトピー対策について区長に伺います。

 私は、一歳半よりアトピー性皮膚炎にかかり、三歳でぜんそくにかかりました。また、この議場にもティッシュを持ち込んでいるんですけれども、鼻も大変悪く、アレルギー性鼻炎にもかかっております。そんな状態で、いつも鼻をぐじゅぐじゅさせていたりすることもあるんですけれども、できるなら、こういった自分と同じような苦しみを子どもたちには味あわせたくない、そんなふうに切にいつも思っております。

 しかしながら、幼児の三九%、成人の二一%が何らかのアトピー、アレルギー疾患に罹病しているという厚生労働省の調査結果もあり、アレルギー性疾患に悩み苦しむ人の数は増加の一方であります。まさに日本全体がアレルギー患者にあふれていると言ってもよいでしょう。

 通常の病気であるならば、医療がかかわる領域であり、行政は医療に任せるということで構わないと思います。しかしながら、アレルギー疾患は、単純に病原菌を抗生物質でたたけばよいという病気ではなくて、生活そのものを変えていかなければ治癒しないという特色があります。したがって、医療だけではなく生活全般にわたっての健康指導が必要なことから、区でも積極的にアレルギー、アトピー対策を行っていくべきと考えます。

 そこで、まず行うべきは、渋谷区全体でのアレルギー疾患に関する調査であります。

 学校等の教育機関では、アレルギー除去食を準備しなくてはならないという非常に差し迫った事情から調査が行われておりますが、一般区民にまで対象を拡大したアレルギー調査は、いまだ実施されたことはありません。渋谷区は都市でありますので、全国平均より罹病者が多いことも危惧され、渋谷区のアレルギー、アトピーに関する実態を把握すること、これは必要不可欠であります。

 次に行うべきは、アレルギー疾患に関する窓口を設置することであります。アレルギー疾患を治癒させるためには生活習慣を変えていくことが必要ですが、実際の治療では、副腎皮質ホルモン剤を塗るといった対症療法が中心となっております。薬をつければ少しはよくなります。しかし、生活上の原因がなくなったわけではないですから、薬の副作用も重なって、またさらにひどくなっていくという症状になってしまいます。そして、また強い薬を塗る、治らないので違う病院に行き、それでも治らないのでまた違う病院に行く、そして様々な民間療法を試すということになります。

 このような現状の改善のためには、アレルギー、アトピー疾患に関する情報を収集し、提供していく統一した相談窓口を設置することが必要だと考えております。

 アレルギー疾患のお子さんを持つお母さん方は、治らない子どもの症状にノイローゼになることも多いのです。信頼できる窓口とアレルギーに関する情報は最も心強い助けとなります。何よりも一番必要なのは情報である、これを私は思っております。

 最後に、アレルギー、アトピーをテーマにした健康フェスティバルの開催について提案いたします。

 どうしてもアレルギー、アトピー、このような病気ですと、どうしても暗いイメージがあるんですけれども、明るく対策はできないか、そんなふうに考えました。

 さきに、渋谷は都市でありアレルギー疾患にかかりやすいのではないかと述べました。しかし、渋谷には逆にですね、ほかの自治体にはないアレルギー疾患、アトピー性疾患の克服のために有利な特質を備えております。それは、自然治癒力を高める自然食の販売店やレストランが非常に多いことであります。都内では、中央線沿線、そして渋谷区内が最も自然食の販売店やレストランの多い地域でもあります。食生活に関しては、とても恵まれた地域になっているのであります。

 そこで、子どもたちとその家族、自然食の販売店やレストラン、区、いずれもが連携して、アレルギー、アトピーをテーマにした健康フェスティバル、名付けてオーガニック・フェスティバルの開催を提案いたします。

 代々木公園のような緑豊かで広大な場所を会場とし、区内に点在する様々な自然食志向のレストランや販売店、医療機関、そしてアトピー、アレルギー疾患の子、親、区民が集まって楽しく時を過ごす、このようなフェスティバルが、明るくからっと健康的に行われれば、アトピー、アレルギーの対策を学び、また交流し合うよい機会になるのではないかと確信しております。

 次に、子育て支援施策について区長に質問いたします。

 この子育て支援の施策については、私個人というだけでなく、未来の渋谷、会派全体からの質問であります。

 現在、全国では少子化が急速に進みつつある状況で、渋谷区も例外でなく、少子化の波が押し寄せております。

 合計特殊出生率について、渋谷区が全国で最低であるという結果が発表されました。ひとり暮らしの若い女性が多いという渋谷区の特性により、合計特殊出生率が下がっているという特有の事情を考慮したとしても、このままでよいと言えるような状況ではないと思います。

 最先端の流行を発信し続ける渋谷には、多くの若者が集まってまいります。街の魅力のとりことなり、そのまま渋谷区の住民となることも多いのです。しかし、結婚して子育てが始まると、生活コストの高さから杉並区や目黒区、そういった他区に移住する人々が多いという現状があります。

 渋谷区においては、若年層の単身者が増加する一方で高齢化が進行し、ファミリー層の少ない、年齢別人口の二極化が進行しております。このままではこの傾向がさらに進み、単身の若者と高齢者だけの渋谷区になってしまうことは明白であります。子どもの笑い声が聞こえないまち、そのようなまちに魅力を感じる人は少ないでしょう。まちの活力を維持し、高めていくためにも、渋谷区が子育てしやすいまちとなり、ファミリー層に定住してもらうことが大変重要であります。

 渋谷区では、これまで保育園や学童館の定員の拡大や子育て支援センターの整備など、他区と遜色ない子育て支援政策を実施し、少子化対策に努めております。しかし、これらの施策は少子化に一定の歯どめになっているとは思いますが、渋谷区での生活コストが高いことから、第二子、第三子の出産を諦めたり、他の区、他の市に引っ越される方も多いようです。

 このような現状をかえりみると、本区では、他区よりもさらに上をいく少子化対策、子育て支援施策の充実を図っていくことが急務であると考えます。

 品川区では、二〇〇五年一月から子どもの医療費助成について小学生までの対象拡大を行い、台東区などでもこれらに追随して同様の対象拡大を行う動きがあります。

 この品川区での施策がマスコミで発表されてから、区内の保護者の皆様からも「渋谷区はいつから実施するんですか」、このようなことを尋ねられることが多くなりました。本区特有の生活コストの高さから、経済的給付に対する保護者のニーズは高く、子どもの医療費助成制度は、ファミリー層の定住化や子どもの数を増加させるための有効な手だてになっているものと考えます。早い時期に子どもの医療費助成の対象拡大を行うべきであると考えます。

 しかも本区の合計特殊出生率の低さを考慮すれば、品川区や台東区と同等ではなく、さらにそれを上回る拡充を行うこととし、中学生までを視野に入れた対象拡大を検討していくべきであると考えております。三位一体の改革により、本年度以降の本区の財政状況は不透明であると言われております。このような中、対象拡大を行うことには困難が伴いますが、小学校卒業時までの医療費全額助成を基本として、中学生については所得制限を求める等の工夫を行い、実施していってはどうでしょうか。

 区長は、「安心して住み続けられる渋谷を目指す」と公約されております。子どもたちがこの渋谷に住み続けられるための一助として、子どもの医療費助成の対象拡大にどのような考えをお持ちか、御答弁お願いいたします。

 最後に、環境対策について区長に伺います。

 現代社会において、環境問題は最重要課題になりつつあります。先日、清掃リサイクル審議会において、ある町会連合会会長から「渋谷区で環境に負荷のかかる商品を販売する自動販売機は規制すべきである」また「環境に負荷のかかるペットボトルはリユースできるようにすべきである」という意見が出されました。

 これまで環境に対する活動というのは、少数の環境に多大な関心を持つ市民、そういった方々が中心的存在でありました。しかしながら、どちらかといえば商品を売る側の商店街や、消費者である町会の人々からも、売り上げ減やコスト高など経済的利益を犠牲にしても、消費よりも環境を優先しようという意見が出されるようになってきており、環境問題への関心は大きな広がりを見せております。また、企業もその社会的責任から、環境問題には大きな関心を寄せるようになってきております。環境問題に関心を払わない企業は淘汰される時代になってきているとも言えます。

 我が国では、ペットボトルは自治体が処理費用を負担しており、本区の場合には、区民が生活ごみとして排出するペットボトルだけではなく、来街者が捨てていったペットボトルのごみの処理費用も区の負担となっており、その処理には多額の費用が必要となっております。

 現在、渋谷区の環境対策は、民間企業との連携をより深める傾向を強めております。先端的な文化を発信し続ける渋谷という街は、常に注目される街であり、企業にとって、この街を舞台に環境問題に配慮した活動を行えばイメージアップに大きな効果があることから、民間企業の協力を得やすいというメリットもあります。

 そこで、区がリターナブル瓶を利用した商品など環境に優しい商品を推薦する制度を設けてはどうでしょうか。推薦商品にはセンスのよいラベルをつけることとし、渋谷ブランドの付加価値をもたせます。また、ラベルのデザインは一般公募とし、区内のアーティストの参加を呼びかけます。これらを一体的に実施することで、環境商品の普及・啓発が効果的に実施されるものと考えます。また、普及が進めば、渋谷区においては頭の痛いペットボトルの処理負担が軽減され、提携企業においては「最も進んだ環境企業」というイメージアップが行えます。そして、渋谷全体が環境に優しい街というイメージになっていきます。もちろん、環境に優しい商品がある渋谷で買い物をする人も増えていきます。

 そして、渋谷でのこの実験が成功すれば、全国にも波及していくことでしょう。渋谷で環境に優しい実験をすることで、渋谷区は環境についても最先端の街となります。大量消費の街だからこそ、最も注目される都市だからこそ、先頭に立って環境対策を推進していくべきであると思います。

 このような環境商品の推薦制度の実施について、区長の所見を伺います。

 以上、四つの質問ですけれども、区長、教育長の御答弁をお願いいたします。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 未来の渋谷をつくる会の平田喜章議員の代表質問に、順次お答えをしたいと思います。

 最初に、渋谷のまちづくりと文化芸術の振興についてのお尋ねであります。

 平田議員は、渋谷はアーティストと区民交流が余り行われていない、しかし、地域特性を発揮する文化芸術の振興のためにはもっともっとアーティストを活用することが大切でないかというお考えのもとに、その具体的な提言として、「音楽の見える街づくり」を目指す商店街の新しい試みに対して、区としてこれを支援する考えはないかというお尋ねでございました。

 私は、この御提言について賛同の意を表したいと思います。渋谷には、すぐれたアーティストはたくさんいらっしゃるはずでございます。私はそのことを、たまたま学園祭やPTA活動や商店街のイベントでわずかに知るぐらいでございます。もっと行政として情報をつかみ、区政も地域も学校も互いに活用することがよいと思っております。今回、文化芸術施策につきまして、文化芸術施策検討委員会から御提言をいただいたことは、大変意義のあることだと、このように考えております。

 そこで、お尋ねの百軒店商店街の「音楽の見える街づくり」についてのお尋ねでございます。

 百軒店商店会は、区の推薦を受けまして国の全国都市再生モデル調査として選ばれ、国庫補助を受けて「音楽の見える街づくり」の調査事業に取り組んでいるところでございます。音楽の見える街づくり事業は、音楽をテーマとするまちづくりを進め、商店街の活性化や健全な青少年の育成環境の形成をねらいとしたものでございます。現在、その実現に向けてマーケティングプランナーや学識経験者、商店会や町会などで構成されます検討委員会が、基本構想の策定や社会実験の準備を進めているわけでございますけれども、これらの調査や成果に立って、十七年度はさらにその拡充策を予定していると、このように聞いております。

 したがいまして、まずは百軒店商店会の自主的な取り組みの推移を見守りつつ、かつあわせて区として適切な助言を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。

 次に、アレルギー、アトピー対策についてのお尋ねでございます。

 議員御自身がそのことに苦しみを持っての御質問であるだけに、なかなか私の心に打つものを感じております。

 最初に、まず、渋谷区全体でアレルギー疾患に関する調査についてのお尋ねでございました。

 現在、三歳児健康診査の幼児を対象といたしまして、気管支ぜんそくなどの症状や食物アレルギー、生活環境等、アレルギー疾患に関します全都的な実態調査を各区が協力して実施をいたしております。この調査に基づきまして、アレルギー疾患の実態やニーズを把握いたしまして、今後の保健行政に生かしてまいりたい、このように考えているところでございます。

 次に、アレルギー疾患に関します窓口の設置についての御質問でございます。親までもが悩み、ノイローゼとなると、こういうようなお話でございました。

 現在、区におきましては、保健所及び保健相談所において、アレルギー疾患に関します情報提供や健康相談に随時対応いたしております。今後とも、専門研修などによりまして職員の資質の向上を図りますと同時に情報を収集し、適切な情報提供、相談対応をしてまいりたい、このように考えておりますので、どうぞ御理解をいただきたい、このように存じます。

 次に、アレルギー疾患の子と親、区民、医療機関や自然食志向のレストラン等の関係者が集うアレルギー、アトピーをテーマとした健康フェスティバルの開催についての御提案でございました。このイベントを通して学び、交流の機会を持つ、そういった意味を持ち、明るく生きるためにも大切なことではないか、こういうような御提言と承りました。

 これまで区におきましては、「くみんの広場」や区民が参加する各種のイベント等、機会をとらえまして、保健所や関係機関を中心にいたしまして健康に関します情報提供や啓発事業を実施してまいったところでございます。御提言の趣旨を踏まえまして、今後とも様々な機会を活用し、対応してまいりたいと存じますので、御理解いただきたい、このように存じます。

 子育て支援についてのお尋ねでございます。

 子どもの笑い声の絶えないまち、明るいまち、これは区民が等しく望むことであろうと、このように存じます。

 議員の主張の前提には、本区の合計特殊出生率が低いのは他区に比較してひとり暮らしが多い、しかも結婚すると生活コストが高いから転出すると、こういう御判断でございました。しかし、本区への転入は転出よりも、平成八年度以降、継続して増えております。また、その方々は出産適齢年齢でございますがゆえに、現実に出生数は、平成七年は一千百五人でございましたけれども、それが着実に増えてまいっておりまして、平成十四年度は一年間の出生数は一千四百十九人でございます。言うならば、一年間で小学校一校分ぐらいの子どもが増えてきている、そういうような状況でございまして、私は、そのことを大変喜んでいるものでもあるわけでございます。

 したがいまして、生活コストが高いゆえに転出し、子どもが減っているということではないと、こういうふうに思っております。

 それでは、出生率の低下の原因は何なのかということでございます。

 このことに関しましては、スウェーデンが現在、欧米諸国の中で高い出生率を維持しており、各国からも注目を浴びてまいりました。しかも一九九〇年には二・一四%の出生率が、年次とともに下降線をたどっておりまして、九九年には一・五までに低下をしてまいったわけでございます。言うまでもなくスウェーデンは、仕事と家庭の両立できる社会の構築を目指しまして、育児休業中の所得保障も、保育料につきましても教育費につきましても、さらに児童手当につきましてもこれを支給し、ずば抜けた水準にあるわけでございます。それでいて、九〇年度後半に出生率が劇的に低下するという危機に直面したということでございました。

 スウェーデンの経済学者や人口統計学者はそのことに、調査・研究に乗り出しております。そして、出産行動に影響する要因として取り上げられましたものは、一つは、ライフコースの変化によりまして、女子の高学歴化と第一子出産年齢の上昇による影響でないか、第二点は、男女双方にとって安定した仕事と収入を持つことが出生率に影響している、第三点は住宅問題でございました。その中で一番注目されておりますのが、女性の就業率の高い国ほど出生率が高いということが知見される、また、就労形態、正規雇用が増えるほどこれが出生率につながっている、こういうような発見があったようでございます。

 したがいまして、御質問にございました、乳幼児医療費助成を拡大せよと、こういうお話でございますけれども、出生率の低下原因をさらにしっかり把握することが先決ではないかと、こう思いますので、そういったことの調査・検討の上に立って今後の対応をしたいと、このように思っております。

 都市としての環境対策についてのお尋ねでございました。

 米国映画の「デイ・アフター・トゥモロー」というのがございました。地球温暖化をもたらす危機的な状況はあさってのこと、つまり、今そこまで迫っているよということの啓発の映画であったと、このように思います。また、二十世紀文明への警鐘として書かれましたドネラ・H・メドウズの「成長の限界」は、人類の未来社会をコンピュータを使って分析いたしまして、資源多消費型の文明が必ずしも人類全体の幸福に結びつくものではないということで、世界のベストセラーにもなったわけでございます。それが結実したのが京都議定書である、このように思いますけれども、その対策は不確実性を持っているとしても、その対策をしっかり進める予防原則を怠ってはならないということであったと、こういうふうに思います。平田議員は、そういう認識のもとでの御提言であろうと、このように思っております。

 環境に優しい商品を推薦する制度を設けよということでございますけれども、現在、全国的な制度としてエコマーク、グリーンマーク、ペットボトル再利用品マークなどが普及しているところでございます。これらはごみ減量、リサイクル施策、ひいては地球環境保全という観点から大変重要でございます。そのため、本区といたしましても再生品使用の促進のPRを初め、リサイクルに積極的に取り組んでいる商店を認定するリサイクル推進協力店制度などの普及を図ってまいりました。

 お尋ねの、区が環境に優しい商品を推薦する制度でございますけれども、商品流通は広域にわたっておりまして、渋谷区だけでやるべきものではなく、東京二十三区全体といった広域的視点が必要であろうと、このように思うものでございます。今後さらに対応策を検討し、機会をとらえてこれを提言し、二十三区共同の行為とできる環境づくりに努めてまいりたい、このように考えるものでございます。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



○副議長(金井義忠) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、区内の音楽や映像のアーティスト等を取り込み、地域の活性化事業と連携させた芸術振興施策を区内全域で実施してはどうかとの御質問でございます。

 文化芸術施策検討委員会のこのたびの御提言にもありますように、渋谷には多様な文化芸術が存在しております。渋谷に住む人、渋にやってくる人、また世代ごとの文化芸術への思いがあります。それぞれが異質な文化芸術の存在を尊重し、共感することで文化芸術の振興が図られ、ひいてはまちづくりに生かしていくことができるものと思います。

 そのため、委員が例として挙げられました音楽や映像分野を含め、様々な文化芸術活動に携わっている人々に広く参加していただくことが、文化芸術を振興するとともに地域を活性化させるものと認識をしております。

 教育委員会として具体的にどのような施策を展開していくか、さらに情報を収集し、検討委員会の御提言を踏まえ、検討してまいりたいと存じております。

 以上でございます。



○副議長(金井義忠) 八番平田喜章議員。



◆八番(平田喜章) まず、百軒店商店街の試みについてなんですけれども、今回この百軒店の商店街の試みは、町会や商店街といった地場の方々から初めて渋谷のまちに集まるパワーに目を向けたという点で、大変注目すべきであり、必ずうまくいってほしい、そんなふうに思っております。

 できるならば百軒店商店街のこの試みが成功し、そしてそれが渋谷全体に広がり、世界一の文化芸術のまち渋谷、そして世界一の音楽のまち渋谷になればよいと思っております。

 続きまして、文化芸術振興施策についてでありますけれども、こちらについても、渋谷に集まる芸術にかかわるパワーを、そして資源を取り入れていくという意味では大変前向きな御答弁をいただいたのではないかと思っております。そのことについては大変感謝しております。

 しかしながら、一つ質問させていただきたいんですけれども、たびたび出てきます文化芸術施策検討委員会、こちらがとても閉鎖的なものになっているのではないか、こんなふうに思っております。先ほど社会教育の方に確認しましたところ、この文化芸術施策検討委員会について、区民に対しては何の告知もされていない。また、議員に対しても、ほとんどの方がどこでどのように行われているのか御存じないのではないかと思います。私自身、一度だけ傍聴させていただいたことがあるんですけれども、ひっそりと地下駐車場の会議室で行われておりました。

 できるものなら、多くの優秀な芸術にかかわる人々がいる渋谷ですから、広く告知し、どんどん入れて、そのパワーを活用していく、そのようにしていくべきではないかと思います。今後も文化芸術に関する施策、委員会、諮問委員会、様々にできてくるのではないか、そんなふうにも思いますけれども、できれば多くの人々に参加してもらう、そのような方向にしてはいかがでしょうか、区長に伺います。

 また、アレルギーに関してのことでありますが、このアレルギー、アトピーという問題に対しては、先ほども申しましたけれども、医療がかかわりますので、行政としての対応はとても難しいものであるということは認識しております。

 ここで伺いたいのですけれども、先ほど、三歳児健康診査の際に調査を行うという話でしたけれども、三歳以上、これを超えた年齢の方々についての情報というのは収集されているのでしょうか。特に、給食のある小中学校では、これはとても大切な問題でありまして、各保育園、幼稚園、小中学校では、給食もありますので個別に把握しているのではないかと認識しておりますけれども、それを区全体は把握されておられるのでしょうか。

 また、私のように大人になっても治癒されない重度のアトピー、アレルギー疾患の患者、いっぱいいると思うんですけれども、こちらについての把握はございますでしょうか。

 次に、子育て支援に関してでありますが、生活コストの高さゆえに転出する方が多いというのは事実であるのではないかと私は思っております。現実にいろいろ家賃を調べてみましたけれども、同じような条件で渋谷が十五、六万、このぐらいする物件ですと、二十三区でも江戸川などですと九万円ぐらい、また、三鷹あたりでもそのぐらいになっております。そうしますと、子どもが二人いるぐらいの家族でありますと、家賃だけでも十万円近く差がついてしまう、こんな現状があります。

 まず、そこで伺いたいんですけれども、現在、渋谷での人口構成は、独身あるいは夫婦二人の若年層と高齢者層、この二つの層に特化されているのではないか、そんなふうに思います。そこで、今後これがさらに特化されていくのではないか、このような懸念を持っているのですけれども、この点はいかがでしょうか。

 また、出生率の低下要因をしっかり把握することが先決だとの御回答をいただきましたが、具体的にどのように把握していくのかお答えください。

 また、子育て世代支援についてのニーズ調査というものを、検討をお願いしたいと思います。その点いかがでありましょうか。

 続いて、都市における環境問題についてなんですけれども、渋谷というのはとても大きなまちでありまして、人口は二十万前後でありますけれども、外からたくさんの人が来る、そんなまちであります。住民が捨てたごみ、そして外から来た人たちが捨てたごみ、このようなごみは大量になっていると思います。まず一つ重要なことは、ごみ全体を減らすこと、これだと思っております。そして、渋谷にとってもう一つの問題は、外から来たひとのごみさえも渋谷区のコストで負担しなくてはならない、こういうことがあると思います。それであるならば、できればごみ自体を減らす、やはりそのようにしていくべきではないかと思っております。

 そこで、一つ提案をしたいのですけれども、渋谷の区役所に行きますと、私自身、ペットボトルでミネラルウォーターを買うことがとても多くなっています。しかし、これはこの前ほかの自治体の方から言われたんですけれども、渋谷区はとても環境については遅れているんじゃないか、こんなふうに言われました。私自身も毎回、一回しか使えないペットボトル、そして一回しか使えない缶、これを使うたびに自分も環境には余りよくないことをしているなというのは認識をしながら、それでも仕方なくそれを買っております。せめて庁内だけでも、あるいは区に関連する施設だけでも、環境負荷の高いペットボトル、これを使わないような方策をしていただけないでしょうか。また、できれば同様に、これも環境負荷の高い缶、これもできれば使用していかないような方向、これをしていただけないでしょうか。できるならリユースできる、リターナブルできる製品、またはそれができないのであれば環境負荷の低い紙製品、こういったものに変えていくことはできないでしょうか。

 以上四点、四つの施策についてお答えください。お願いいたします。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 四点にわたって御質問でございますけれども、再質問でございますが、順次お答えをさせていただきます。

 まず、文化芸術施策検討委員会でございますけれども、それぞれの伝統文化あるいは洋楽、あるいは民謡民舞あるいは学校関係者、広く関係者をお願いいたしまして、それぞれの経験や、その活動の中での課題について、それぞれの見識からいろいろ施策の対応をしていただいたということでございます。

 ただ、それだけでなくて、さらには調査を行うというような形でですね、いろんな人の意見を取り入れた形でおまとめをいただいた。そういう面では私は、短期間によく努力をしていただいたと、こういうふうに思っております。御理解をいただきたいと思います。

 それから、アレルギーについて、三歳児だけでなくてそれ以外のものについてはどうなっているかということでございましたけれども、教育委員会の情報等につきましては、これも保健所として把握しているということでございますから、このことについては総合的にこれからも把握するような努力をさせていただきたいと、このように思います。

 それから、少子化対策でございますけれども、渋谷の人口の趨勢でございますけれども、これは渋谷だけの話じゃありません。これは全国的に、あるいは世界的にこういうような少子化のことに直面をしているんだと、私はそういうことを言っているんです。

 その場合に、その状況、状況は国によって違うかもしれませんけれども、ある面では共通している、ある面では違っている、その辺のところはですね、これは一般の人がやることでなくて、そのことについて、私、先ほど言いましたけれども、人口統計学者とか、あるいは医学者とか、あるいは経済学者とか、いろんな人がですね、寄って、細かい分析の上に判断されていくことでございますから、軽々に渋谷区でどうだこうだというのはなかなか難しい。そういったことの調査・研究にも目を向けていく、そういう姿勢が必要なんだろうと、私はそう思っているんです。ただむやみに「そうであろうから」という形で膨大なですね、金を注ぎ込んで。後戻りできませんから、一回金を注ぎ込めば。そのことをお考え合わせをいただきたい、こういうふうに思っております。

 それから、子育て支援のニーズに対する施策については、これからニーズ調査に基づいて、そのことについて、これから地区協議会、地域協議会を開催するということですから、御理解をいただきたい、こういうふうに思います。

 それから、ペットボトルなんですけどね、先日、私、国の発表ではですね、これはリサイクルでなくてむしろ焼却にすべではないかという、私、方針をですね、新聞で見たことあります。ですからこれ、リサイクルという考え方なのか。国はこれを一般的な焼却対象としてですね、考えている。自治体によってはそういうふうにしております。その辺も含めながらですね、リサイクルについては何をリサイクルにするのか、これから考えていかなくちゃいけない。そうでなければ処理・処分に高コストをかけるという形になろうと、こういうふうに思っております。

 私も紙コップということについてはですね、私もいろいろと言ったことあります。そのことの場合にですね、これ、今、会議にですね、これを使う。その場合にはですね、缶がやりやすいんだと、ペットボトルが、そのことの持ち運びがいいんだというようなことでですね、会議にも使える、そういうことからですね、私、ああいうふうになっているんだと、こういうふうに思っておりますので、議員の御提言も頭に入れておきたい、こういうふうに思います。

 以上です。



○副議長(金井義忠) 八番平田議員。



◆八番(平田喜章) まず、文化芸術に関してなんですけれども、毎回文教厚生委員会でも、美大出身でおられます齋藤委員、そして演劇畑出身であります栗谷委員、そして、私は何も芸術に関して、何か専門的なものはないんですけれども、渋谷の文化芸術をこよなく愛する私、よく三人で話が出るんですけれども、今回、文化芸術施策検討委員会で方向性を決めていく、そして渋谷でも文化芸術施策をどんどん進めていく、そのような認識はしております。

 しかしながら、一つだけ伺いたいんですけれども、渋谷というのは、やはり先ほども私が申しましたように、いろいろな資源があります都市であります。ここで渋谷の今の行政の方々が考えている文化芸術施策、これは、どちらかというと普通の自治体で行われている普通の文化芸術施策のようなものを想定しているのではないか、そんなふうに思います。

 端的になんですけれども、こういった多くの資源が集まる都市、この世界でも最も芸術、文化資源がたくさん集まってくる渋谷、この都市における文化芸術、このような芸術についての区長と教育長の定義を端的に伺いたいと思います。

 次に、アレルギー政策でありますが、こちらについても、本人がアトピー、アレルギーでなくても、息子さんであるとか家族、親族にだれかしらいる、そんな状態に、今、あるのではないかと思います。できるなら広く、広い年齢、そして広い層、こちらの実態把握を行っていただければと思います。

 続いて子育てに関してなんですけれども、こちらの方は会派からの強い要望でありまして、今後も継続して、こちらの方は会派の方でも、これから推進していくようにやっていこうと考えております。また今後ともよろしくお願いいたします。

 続いて、都市の環境問題の話なんですけれども、こちらの方もまた、別に紙コップを使えばいいんじゃないかと言ったのではなくて、できるだけ環境負荷が低いものを使った方がいいんではないかという話でして、実際これはよく環境問題にかかわっている人から、渋谷は、先ほども言いましたけれども、環境対策が遅れているんじゃないか、そのように私の方には言われております。何かしら、まち全体が無理であるならば、区の庁舎であるとか区の施設だけでも、できれば先進的なものを取り入れていったらどうか、このようなものであります。

 できるならば、渋谷が環境にとても優しいまちである、そしてごみを出さないまちである、そんなふうなまちになってもらったらと思っております。

 以上、質問をしたんですけれども、最後に一言言わせていただこうと思っております。

 今、渋谷は大きく変わっていく時期であると思います。本当に渋谷は今、何も問題もない平和なまちに見えております。しかしながら渋谷、そして渋谷区自体も渋谷区民も大変、これから危機の状態になるのではないかと思っております。何とかしなくてはならない、そのような危機感を多くの区民や、そして区職員や区議会議員も感じ始めている、そんな時期に来ているのではないかと思っております。

 冒頭に述べましたように、私自身、渋谷という都市に生きる都市住民であり、その代弁者でありたいと思っております。しかし、今の渋谷区はとても閉鎖的です。一例を挙げるならば、どの審議会、どの会議でもいつも同じような方ばかり、こんなような状態ではないかと思っています。もちろん、こういった方々の大きな功績は理解しております。しかしながら、区政は、その対極に位置している都市住民には目を向けておりません。渋谷に一人で住む人々、サラリーマンとして働く人々とその家族、もっとこういった層に目を向けるべきではないでしょうか。

 議会の方も、今、存在価値を失いつつあるのではないかと思っております。どうも住民代表としての議会、そしてまたチェック機関としての議会という役割が、機能低下している状態なのではないかと私の方も感じております。

 先ほども申しましたように、先ほどは文化芸術施策検討委員会の例を挙げたんですけれども、とても閉鎖する方向に向かっているのではないかと思います。議会、そして区民、たくさん有能な方がおられますから、有能な資源はどんどん活用していっていただければ、こんなふうに思っております。

 以上で今回の質問、終わらせていただきます。



○副議長(金井義忠) 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後三時二十分

   再開 午後三時四十二分

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○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 それでは、順次指名いたします。

 六番栗谷順彦議員。



◆六番(栗谷順彦) 私は、渋谷区議会公明党を代表いたしまして、区政並びに区の教育について御質問させていただきます。

 質問に先立ちまして、一言申し述べさせていただきます。

 私ども公明党は、今、マニフェストの実現に党を挙げて取り組んでおります。昨年の衆議院選で掲げた百項目に上る多彩な政策のうち、衆院選後わずか三カ月余りで早くも三十一項目が達成され、さらに六十八項目も達成へ向けて大きく前進しております。

 政策実現政党を自負する我が公明党は、さらに本年六月、参議院選を前に二十三項目を追加、「マニフェスト一二三」を発表し、国民の皆様に訴えてまいりました。その結果、本年七月の参議院選挙では、候補者を擁立した三選挙区、東京、埼玉、大阪で完勝し、比例区では過去最高の八百六十二万票余りを獲得し八名が当選し、定数五減の中、一議席増の十一議席を獲得することになりました。

 この我が党に対する国民の皆様の期待を何よりも大切にし、これからも渋谷区議会公明党は、区議会でできる政策実現を目指し、庶民の目線に立って、一丸となって活動をしてまいります。

 さて、最初に区長にお伺いいたします。

 文化芸術振興についてであります。

 二〇〇一年十一月、文化芸術振興基本法が成立後、地域の伝統文化支援や、子どもたちが文化芸術に触れる機会の拡大、トップレベルの芸術支援や新進芸術家の育成などが大きく前進いたしました。二〇〇三年度予算では、文化庁の来年度が初めて一千億円を突破し、二〇〇四年度も厳しい財政状況の中、一千十六億円が確保されました。一方、各自治体も基本法を受け、基本法にのっとった形で文化芸術振興条例が次々と創設され、その流れは着実に増大しております。

 今、地方公共団体は競争の時代に入り、行政サービスにどれだけの知恵と実行力があるかが問われる時代になりました。その中で、文化芸術振興は大きな柱の一つとなっております。

 渋谷区議会公明党は、この一年余、定例議会、また機会あるごとに渋谷区の文化芸術振興にかかわる提案をし続けてまいりました。その過程で桑原区長は、我が会派の文化芸術振興に大変理解を示され、文化芸術振興の根拠となる条例、場の提供、拠点づくり、支援策等を視野に入れ、渋谷区文化芸術施策検討委員会を立ち上げられました。

 桑原区長は、自ら渋谷区の文化芸術振興の新たな時代への幕を開けられました。

 検討委員会の会議は十四回に及んだそうでありますが、今月の二十四日、その文化芸術施策検討委員会の最終的な報告がなされました。改めて十六人の委員の方々に対し敬意を表したいと思います。

 この最終的な報告である提言には「過去から未来へ「文化の道」を歩み、いま「芸術の広場」渋谷に集う」とあります。これは日本の中の渋谷、その渋谷こそが文化芸術のまさにステージであるとの宣言に思えてなりません。

 今、東京都は渋谷にワンダーサイトの分店を、画廊も兼ね備えてつくる計画があるそうであります。ワンダーサイトと言えば、石原知事肝入りの芸術活動への支援事業であります。若手アーティストやグループの育成、発表の場、また交流の場で、場所は本郷にあります。そのワンダーサイトの分店が渋谷に計画されているということは、「アート・芸術は渋谷」とのイメージは、我々が考えるよりはるかに急速的で、決定的なのであります。

 また、渋谷の文化施設を代表する東急Bunkamura、東京都写真美術館、そしてNHKは、区内の主な文化施設が連携し、事業を展開する「あ・ら・かるちゃー渋谷・恵比寿・原宿」構想を発表しました。渋谷は文化芸術をキーワードに、常に変化し続けております。

 そこで、渋谷区の文化芸術振興条例制定を目前にし、また、区長より旧大和田小学校跡地利用基本構想が発表された今、文化芸術施策検討委員会の提言にも盛り込まれている幾つかの点について御質問いたします。

 初めに、小・中規模ホール設置についてであります。

 当初、小・中規模ホールの収容人数は五百人、八百人規模と区長からも伺いました。しかし、施策検討委員会の中間報告にも今回の提言にも、ホールの収容人数については述べられていません。検討委員会の中でも、リハーサル室、稽古場の設置が議論されたようであります。私も、今後、計画される小・中規模ホールに是非、リハーサル室や稽古場にもなる使い勝手のいい、多目的で創造的な空間を設置していただきたいと思います。

 ホールの収容人数も含めた、区長のホール設置への基本的な考え方をお聞かせください。

 次に、文化芸術振興のための基盤整備であります。

 間もなく渋谷区に文化芸術振興条例が制定されるでありましょう。そして、ホールが設置されるでありましょう。そこから先の話として、私の理想論、夢を聞いてください。

 そのホールには、渋谷の文化芸術の拠点として文化芸術振興財団が設立され、そして中・長期的な文化芸術振興基本計画が策定され、財政基盤として文化芸術振興基金が設立され、また、小さな団体や個人にも支援できるよう文化芸術振興助成システムが創設される。これは私の夢であります。

 しかし、夢だけではありません。今すぐにでもスタートしていただきたいことがあります。それは、文化芸術振興における区民、団体への情報、助言の提供、いわゆるワンストップサービスであります。

 施策検討委員会の提言にも、サービススポットの設置という提案があります。これは、ここにさえ来れば国や都や区にかかわらず、また民間のことも含め、あらゆる情報が得られる、相談が受けられ、また交流の場にもなるというスペースでもあり、窓口でもあります。

 実は、東京都も芸術家や文化団体に対する活動支援策や、ギャラリーやホールの貸し出し、稽古場の提供、活動資金の助成情報の提供、自らの活動をPRできるホームページの開設などへの助言、情報提供を積極的に行う総合窓口を設置して、ワンストップサービス機能の充実をしていくようであります。組織の面でも、本年四月から生活文化局内に活動支援課を新設するなど、活動支援の充実を図っております。

 都庁にできるなら渋谷区には要らないと考えてはいけません。文化芸術振興が走り出した今、私たちは、予算にかかわらないことだからと消極的になってはいけないのです。文化庁が行う個人や団体に対する助成・支援事業は数多くあります。また、その推薦団体も渋谷区にはすべての分野において存在します。さらに振興財団や民間団体の独自の支援策、メセナ協議会の会員にもなっている団体、企業からの支援等々、渋谷区の文化芸術家・団体に教えてあげたい情報や支援策は数多くあります。

 文化庁から委託で財団法人伝統文化活性化国民協会が行っている伝統文化子ども教室事業へ、本年、渋谷区から七団体が申請をしました。社会教育課が最終的な窓口となりましたが、全国的には不採択になった団体も数多くある中、渋谷区のこの七団体はすべて採択され、助成を受けることになりました。渋谷区は質が高いのであります。

 また、情報は、支援策だけではありません。民間も含めた場の情報の提供、生涯学習的な文化芸術団体や障害者の文化芸術活動にかかわる情報提供、あるいは文化芸術団体の情報交換も必要になります。教育現場や研究会、講習会への芸術家あるいは団体の派遣も考えられます。文化芸術振興にかかわるあらゆる情報、助言が受けられるワンストップサービスの設置は、渋谷にこそあるべきものと考えます。

 しかしながら、これは大変な労力と人手が必要となります。情報収集だけでも相手は膨大であり、専門的な知識や経験的知識も必要となります。周知方法やわかりやすい表現、ITを駆使する必要もあります。到底所管である社会教育課が物理的にこなせる量ではありません。

 そこで、新たなセクション、例えば文化芸術振興推進室なるものを設置し、ワンストップサービス開設に向け徹底した情報収集、また広報の仕方、情報提供の方法を研究されてはどうでしょうか。また、その中に専門的な知識や経験を持った人材や、民間の活用も視野に入れていただきたいと思います。区長の御所見を伺います。

 次に、渋谷区の理科教育について教育長に伺います。

 東京都教育委員会は、今年の二月、都内公立中学校六百五十一校の二年生−−現在は三年生ですが−−六万八千百四十四人を対象に、五教科の実力テストを行いました。その結果が六月に発表され、それによりますと渋谷区の合計の平均点は三百八十八・三点、これは受験した都内四十九自治体の中で十番目の成績でした。これは大変な健闘ぶりで、渋谷区の教育委員会並びに中学校、そして先生方に敬意を表するものであります。

 では、教科別はどうであったか。国語は八十二・八点、数学七十七・三点、英語は七十九・七点、社会七十九・四点、そして理科は六十九・一点と、やはり理科が他教科と十点以上の開きがあります。しかし、これは渋谷区の中学校の理科の先生のせいでは決してありません。都全体の理科の平均点六十六・六点で、成績も都全体の十番目と健闘されています。

 もちろん、理科低迷の傾向は東京に限らず、全国的なものであります。東京都教育委員会は、この実力テストの理科の結果に対し、「観察・実験に重点を置くよう授業の改善を図る必要があるのではないか」としております。しかし、それは十五年前から議論されてきた問題であります。

 今や、いわゆる理科離れや科学技術離れの傾向が高じ、それがものづくりの軽視の社会的風潮を招いております。これはまさに技術立国・日本の進路を揺るがしかねない大きな社会問題となっております。原因は様々考えられますが、根本的には学校教育の変化にあります。

 青少年の理科離れは一九八〇年代の末に叫ばれ始め、一九九三年度の科学技術白書で初めて若年層の理科離れについて、わざわざ章を設けて年代別の分析を行うなど、強い警鐘が鳴らされました。特に、理科離れは小学校六年生から中学校三年生に至る過程で顕著になり、その後の進路、進学も理系より文系に流れるという傾向が強くなっています。加えて、理科、数学の学力は世界に比較して決して遅れをとっていないものの、「学習が楽しい」と答えた子どもたちが非常に少なかったことから、教育現場では大学入試のあり方まで視野に入れた理科教育の抜本的な見直しが求められました。

 理科離れを意識してか、一九八九年の平成元年、当時の文部省は学習指導要領によって「実験・観察をより一層重視する」ということを求めるようになります。しかし、進学のための授業に埋没し、受験のための理科の成績はいいが理科は余り好きではないという子どもをつくってしまいます。「できるけど嫌い」「嫌いだからできない」こういう子どもたちが多くなってしまった、これが現実であります。

 実験によってこそ、事物をただ見ているだけでは理解できない規則や法則性を見出すことができるわけで、自然科学は、まさに幾多の天才たちが行ってきた実験のたまものであります。その実験の後の法則だけを頭に入れても、理科に対する興味づけができるはずもありません。

 私は決して、学力テストの渋谷の理科平均点六十九・一を上げるために何をなすべきかを問題にしているのではありません。受験した子の中には成績がいい子も、余りよくできなかった子もいるでしょう。しかし、できる、できないではなく、事物を探求すること、実験すること、ものづくりの楽しさ、科学的な思考、観察によってこそわかる変化や真実、発見の感動、「理科っておもしろい」「好きだ」という子を何人つくるか、何人増やすかが大きな課題であり、私たちがサポートすべきことではないでしょうか。成績はその後に必ずついてくると思います。

 その後、日本のあらゆる科学技術、理科教育の団体、法人、企業、財団、機構、また研究機関から理科離れへの警告、対策、提案、要望が文部科学省になされました。文部科学省は理科離れを否定しながらも、二〇〇二年度より「科学技術・理科大好きプラン」を開始しました。ついに文部科学省が理科教育に本腰を入れ、動き出したのであります。

 「科学技術・理科大好きプラン」は七分野からなりますが、何といっても目玉になったのは、高校や中高一貫教育の中から理科、数学教育を重点的に行う学校を指定し、それぞれの教育現場の試みを多方面から支援する「スーパーサイエンスハイスクール」の事業であります。十五、十六年度の指定校、合わせて七十二校が現在、指定され、着実な成果を上げているようであります。

 また、もう一つのプランである「理科大好きスクール」は、十五、十六年度とも二億円を超える予算が計上され、全国百六十七校の小中学校が指定を受けております。独立行政法人科学技術振興機構の支援のもと、大学からの出前講座、科学館との連携、先生方への観察、実験等の指導力向上のための講座等、学校の理科の授業において、観察、実験を重視し知的好奇心や探究心を高める授業のあり方や教材の研究をしていこうというプランであります。

 これは多分、科目としての理科が得意な生徒を増やす役目を果たすことは、果たすでありましょう。しかし、理科が嫌いで嫌いで見るのも嫌、そういう理科アレルギーの子どもに押しつけた制度になってはいけません。また、自分自身の手でものをつくるものづくりの教育も見過ごすことのできない最重要課題であります。

 そういう意味で、科学センターは、ものづくりも含め、理科が好き、あるいは、理科が好きになりたい、そういう子どもたちを対象にしてきました。また、理科を好きにさせたいという思いでやってこられた先生たちの研究の場でもありました。

 渋谷区にも、長年理科の先生たちが研究と創意工夫でやってこられた科学センター、技術センターがあります。人材と知恵とシステムはあったが拠点がなかったこの科学センターに、ついに本拠地ができることになったのは、大変喜ばしいことであります。また、科学センターが大きく変わるチャンスでもあります。理科の興味づけのために実験、観察が必要でも、授業では限界があります。それを補ってきた科学センター、技術センターの役割は大変重要であります。拠点ができるのを契機に、先生たちへ、今までの研究の場としての環境が十分であったのか意見を聞きながら、今後の参考にする必要があると思います。

 もちろん、学校教育の現場でも、学習の中で観察、実験を重視された取り組みがなされてきたことも承知しております。また、科学センター、技術センターの流れとは別に社会教育館などで行われてきた、青少年を中心とした親子科学教室なども幾つか開催されております。大変興味深い実験やものづくりがされています。実験やものづくりで理科教育の振興に貢献されている意味では目的を同じくするものであり、今後、これらのグループとの意見交換も必要になると思います。

 また、厚生部所管のこども夢チャレンジ事業、その講演部門の講師として、日本初の宇宙飛行士、二度にわたるスペースシャトル・エンデバーの乗組員でもある毛利 衛さんや、また、今年三月には、私も講演を拝見しましたが、スーパーカミオカンデでのニュートリノ研究でノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊先生と、数学者、秋山 仁先生を招いての講演は大変すばらしいものでした。特に家族連れの方々の多さに、保護者の方の関心の高さがうかがえます。

 ただ一つ残念だったのは、時間の関係で理科実験コーナーが割愛されたことであります。担当の先生にとっては、並々ならぬ思いで準備されたと思います。絶好の発表の場だったはずであります。

 今後は、夢チャレンジ事業は夢チャレンジ事業として、むしろ科学センターが独自にこのような講師を呼んで講演を企画、開催することを考えていただきたいと思います。

 そこで、文部科学省も理科教育に本腰を入れた今、渋谷区の理科教育の本陣ともなる科学センターの今後の役割、また、この機会に科学センターを中心とした理科教育の基本構想を策定するべきと考えますが、教育長の考えをお聞かせください。

 また、我が区も学校選択制が施行され、それを契機に特色ある学校づくりが各小中学校ともに進んでおります。松濤中は英語教育を特色としてスタートいたしました。私は、率直に言って、英語の次は理科と思っているものであります。是非検討していただきたいと思います。義務教育の中でどこまでできるかも重要です。しかし、総合的な意味で渋谷区の理科教育を考えるいいチャンスではないでしょうか。

 例えば、都立広尾高校との中高一貫教育を開始した広尾中学校は、中高一貫教育だけで特色は特色でしょうが、広尾高校の方ではこの三年間で十回を超える理科特別講座を開催しており、少なからず特色になっております。広尾中の約三分の一が広尾高校へ進学するとすれば、広尾中学校が何らかの理科教育の特色を持つことも考えられます。今後、密接な交流が本格化するでありましょう。その中で是非念頭に入れていただきたいと思います。

 あるいは、上原中学校は教科教育の中学校として新校舎が建設されようとしております。これも、教科教育そのものが特色であることも事実ですが、どうせこれから建てるのですから、理科室に隣接し、主に動機づけのために設けられるメディアセンターに生徒たちが興味を持てるようなアイデアをふんだんに盛り込むことは、今からでも遅くないと思います。

 また、理科教育だけが対象ではありませんが、新しい教育課程や指導方法を開発するため、国の学習指導要領の基準によらない教育課程の編成、実施を認める研究開発学校制度に名乗りを上げるのはどうでしょうか。区立のすべての小中学校も視野に入れ、理科教育の特色校、あるいは全小中学校に何らかの理科教育の特色を持たせることも含め、教育長の御意見を伺います。

 次に、介護予防についてであります。区長に伺います。

 少子・高齢化が急速に進む我が国は、既に六十五歳以上の人口が二千五百万人に迫り、このまま推移すれば二〇二五年には三人に一人が六十五歳以上の高齢者となり、社会保障制度の総合的な改革は、まさに待ったなしの緊急課題であります。

 介護にかかわる問題は、厚生労働省の資料によれば、二〇二五年の時点で要介護の高齢者が五百三十万人にまで増加し、これらにかかる費用は今年度の五兆円から二十兆円へと、実に四倍にも拡大する予想がされています。介護保険制度が導入されて以来、軽度の要介護者である要支援、要介護一の高齢者が急増するとともに、軽い症状の人が重度化する傾向も介護保険事業を直撃しています。

 そんな中、現状の介護サービスの一部が高齢者の生活機能の改善に結びついていない実情があります。

 私ども公明党は、本年四月、健やかに年を重ね、介護を必要としない元気な高齢者を増やすため、介護予防十カ年戦略を発表しました。それは高齢者人口に占める要介護者の割合を十年間で三割減らすということを目標に、高齢者向けの筋力向上トレーニングなど介護予防プログラムに基づき、軽度の要介護者を対象に、身近な場所で身体機能の向上や健康増進、疾病予防などに取り組むということを提案しました。その拠点を当面は中学校区に一カ所、将来的には小学校区に一カ所に整備することを目標としております。

 認定者の重度化を防ぐ介護予防の充実は、介護保険料の上昇を抑えるとともに、高齢者が元気を取り戻し、自立と尊厳を持って生活できることが、少子・高齢社会を迎えた今日、極めて重要な施策であります。

 そんな中、介護予防に効果を上げ、注目を浴びているのがパワーリハビリであります。

 このパワーリハビリは、高齢者向けのトレーニング用機器を使って身体を鍛え、心身の機能回復を図ろうというもので、この二、三年で全国の自治体が採用し、現在百七十五自治体、四百施設で導入がされております。厚生労働省も昨年からパワーリハビリを介護予防事業の一環として、費用の半分を国が負担する高齢者筋力向上トレーニング事業を開始しました。隣の世田谷区では十五年度、五月から七月に十六人が参加し、そのうち十四人が要介護度を改善し、六人は自立。この介護給付の節減額は、十六人全員で一千五百八十四万円に上るとのことです。

 渋谷区においても、転倒骨折予防教室の開催等、介護予防を意識した取り組みも始まっております。間もなく建設されるグループリビングにも準備しなければいけないシステムでもあります。また、渋谷区内のある民間フィットネスクラブでは、区外の病院からの依頼でパワーリハビリを実施しており、個人に最適な課題設定が最も重要とのことです。こと高齢者に対する取り組みは、高度の技術と経験のある指導員が不可欠であります。パワーリハビリの導入についての区長の考え方をお聞かせください。

 また、区内の多くの公共施設において、おおむね六十五歳以上の方に料金の減額または免除を行っております。中には六十歳以上としているものもありますが、これは今後「敬老」との意味ではなく「多趣味で活動的で元気な高齢者」になっていただくため、介護予防の意味からも六十歳に統一すべきではないでしょうか。それは、介護サービスが適用になる六十五歳からでは遅いのであります。区長の考え方をお聞かせください。

 次に、清掃事業にかかわる諸問題を区長にお伺いいたします。

 先日、十四日の都政新報によると、清掃事業に従事する職員の人事制度をめぐる議論が大詰めを迎え、懸案の給与体制について、清掃職員と区の現業系職員との給料表を一本化し、調整額のかわりに特殊勤務手当を新設する方向との報道がありました。

 派遣職員の身分切りかえ後の処遇に対しては大変難しく、微妙な問題でありますが、待ったなしでもあります。区長から、十六日の区長会の模様、また、今後の区長の考えをお聞かせください。

 最後に、リサイクル事業についてであります。

 中国の好景気を背景に物流用の段ボールの需要が増え、我が国の古紙、特に古新聞の価格が高値で推移しています。このため、回収業者が資源ごみ回収場から無断で古新聞を持ち去る事例が社会問題となっております。一時的なものとの声もありますが、いつまで続くかだれにもわからない以上、一時的なものでは済まされません。

 このため、杉並区を初め太田、世田谷、江東、板橋の五区では条例を改正し、取り締まりの強化をしています。とりわけ世田谷区では、厳しい罰則規定を盛り込み、これに基づいて警視庁が古新聞を持ち去った関係者を書類送検しました。他区でも苦情が数多く寄せられており、条例改正を内部的に検討する区が増えております。

 渋谷区と隣接している世田谷区が抜き取り業者への厳しい対応をとったことで、渋谷区内への抜き取り業者の流入増加、また活動が活発になるのではとの懸念がされております。区は、区民に対し、リサイクルの理念を広報、啓蒙、教育している今、抜き取り業者への対応いかんでは区民のリサイクルに対する意識や動機の低下も招きかねません。まさに抜き取り業者は区の財産を盗むばかりではなく、区民の精神的財産も奪おうとしているのです。

 リサイクル審議会の答申の中にも、何らかの対応が必要との意見があります。今後の対応策について区長に伺います。

 以上、四項目八つの質問に御答弁をよろしくお願いします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党の栗谷順彦議員の代表質問に順次お答えします。

 文化芸術振興についてのお尋ねでございます。

 最初に、文化芸術振興基本法が成立して以来、これをきっかけとして地域の伝統文化支援や子どもの文化芸術に触れる機会の拡大、芸術支援などが前進し、さらには自治体において文化芸術振興条例を制定するところも増えていると述べられ、国を初め自治体の動きやその発展について触れられたところでございます。そして、本区の文化芸術施策検討委員会の提言を引用されつつ、渋谷こそが日本を代表する文化芸術の舞台となることの期待の表明をされたところでもございます。

 私は、栗谷議員の御期待に沿うべき重い責任を改めて感じるものでございます。

 以下、御質問に答弁をいたします。

 最初に、収容人数も含めたホール設置への基本的な考えについてお尋ねでございます。

 文化芸術施策検討委員会のこのたびの提言にもございますが、文化芸術振興のためには、区民が文化芸術に触れる空間を整備し、活動の場の充実を図っていくことが重要であると、このように認識をいたしております。区民の自主的な文化活動の場や良質な文化芸術に触れる機会の提供など、総合的な施策の充実を図るため、区民の文化芸術活動に適した小規模及び中規模のホール設置に取り組んでまいりたいと考え、今回、補正予算を提出したところでございます。

 そこで、ホールの収容人数も含めたホール設置の基本的な考え方についてでございますが、小中学校や区民の文化芸術活動の現状に即して申し上げれば、小中学校やその連合活動、さらにはPTA活動は、国立オリンピック記念青少年総合センターや東京都児童会館を主に利用されております。前者は七百五十八席、後者は六百八十席でございまして、また区民は、それぞれの団体、それぞれの連合体はこれに準じた区民施設や区民会館を利用しております。その意味で、八百人程度収容の中規模ホールが必要であろうと、このように考えるものでございます。

 しかし他方、区内には、社会教育館や学校施設を活用し活動している伝統芸能団体、合唱サークルや吹奏楽団もございます。そのためには四百人程度収容の小規模ホールも必要であろう、このように考えるものでございます。

 加えまして、栗谷議員から、リハーサル室や稽古場にもなる使い勝手のいい多目的な空間設置の御提言をいただきましたけれども、これも大切なことである。参考として検討させていただきたいと、このように存じます。

 次に、夢として財団設置や、さらには文化芸術振興の基金やあるいは団体助成等について言及され、その上で文化芸術振興における区民、団体への情報、助言の提供、いわゆるワンストップサービスについてのお尋ねがございました。文化芸術施策検討委員会の御提言の中にも、様々な文化芸術に関する情報を区民に提供できるサービススポットの開設について、きめ細かく言及されているところでございます。文化芸術振興のためには、そこに行けば文化芸術のあらゆる情報が得られ、相談ができ、交流の場にもなる場所の設置が重要であると、このように考えております。ワンストップサービスの開設に向け、文化芸術に関する情報の収集と提供、広報の方法などについて検討してまいりたい、このように考えております。

 また、専門的な知識や経験を持つ人材の活用につきましては、文化芸術が専門性の大きい分野であり、議員の御提案の趣旨も踏まえて今後、検討してまいりたいと、このように存じます。

 次に、介護予防についてでございます。パワーリハビリの導入についてお尋ねでございました。

 厚生労働省は、平成十八年度を目途に介護保険制度の改正に向けて検討を進めているところでございまして、社会保障審議会介護保険部会は、予防重視型システムに転換し、明るく活力ある超高齢社会の構築を目指しているところでもあるわけでございます。虚弱高齢者が要介護状態にならない、あるいは軽度の要介護者がより重度にならないようにする介護予防が重視されているところであると思います。

 要介護状態になる原因といたしましては、男性は脳卒中、女性は骨が弱くなったり筋力が低下する比率が高いところでもあるわけでございます。この筋力強化の有効な方法として、パワーリハビリは大変効果的と注目されており、本区におきましては他の自治体の見学もするなど、その導入に向け研究を行っているところでもございます。拠点として、既に介護予防のために旧渋谷小学校跡地複合施設の地下部分の設計変更を行うほか、新たに建設いたします幡ケ谷高齢者センター−−仮称でございますけれども、介護予防のスペースを準備しているところでもあるわけでございます。これらの施設う中心といたしまして、パワーリハビリを含めた介護予防のために、学識経験者や区民の声を聞きながら、また、医師会の協力を得ながら具体的に取り組んでまいりたい、このように考えております。

 次に、施設使用料の減額、免除対象年齢の引き下げのお尋ねでございます。

 御質問にもございますように、これからの高齢者施策にとって介護予防は大変重要な課題だと受けとめております。これまで区の施設によって免除対象年齢がばらばらの取り扱いとなっておりますが、今後、その基本的な考えとして六十歳に引き下げるべきという議員の御提言に賛同できるところでございまして、その趣旨に沿って改善をしてまいりたい、このように考えております。

 次に、清掃事業についてのお尋ねでございます。

 平成十八年度に実施されます清掃事業に従事する都派遣職員の身分切りかえ後の処遇についてのお尋ねでございますけれども、九月十六日の区長会総会において一定の方針を決定したところでございます。具体案につきましては、現在、区長会役員会、助役会役員会が中心になりまして、清掃事業移管時の都区合意にのっとって検討を行っており、今後、労働組合へ提案を行う予定でございます。

 交渉事でございますので、今の段階で私から内容を申し上げることはできませんが、清掃事業従事職員が平成十八年度の身分切りかえを不安なく迎えられるよう、誠意をもって受け入れ体制の整備をしなければならない、このように考えているところでございます。時間の制約はございますけれども、真摯に話し合って、円滑に身分切りかえが行われるよう私も努力してまいりたい、このように考えております。どうぞ御理解をいただきたい、このように存じます。

 次に、リサイクル事業についてでございます。

 世田谷区等の取り締まりの強化により、本区での資源抜き取り業者の増加が危惧されるということのお尋ねでございました。

 本区では資源抜き取り防止対策として、現在、無断持ち去り厳禁のための警告ラベルを作成、配付し、カラス防止ネットなどにこれを取りつけるよう住民に協力依頼をいたしますと同時に、随時パトロールを実施しております。また、一部地域におきましては、昨年十一月、午前六時三十分から早朝回収を試行したところでもございますが、資源の抜き取り防止に一定の効果が上がっているところでございます。

 本区は資源持ち去り禁止の条例化につきましては、現在、資源ごみ集積場に置かれた資源物の所有権が区に属するかどうかの見解が分かれているところでもあり、他区の条例制定後の施行成果等も踏まえ、今後の検討課題とさせていただきたい、このように考えているところでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、理科教育についての御質問でございます。

 我が国においては、科学技術総合立国を目指し、科学大好き、理科大好きな児童生徒を増やすために、学校はもとより、様々な場を通じて観察、実験等を重視した理科学習を推進しております。

 本区で取り組んでおります科学センターや技術センターにおきましても、手づくり顕微鏡での自然観察や色ガラスづくり、サッカーロボットの製作など様々な活動を取り入れ、多くの小中学生の科学的思考を育てる場としての役割を果たしております。

 今後は将来の施設の整備に合わせ、例えば必要に応じて理科の教員を派遣し、学校ではなかなか取り組むことのできない発展的な内容の実験を理科の移動教室として行えるようにしたり、科学の普及に取り組んでいる外部機関と連携して科学技術の先端に直接触れることのできる機会を提供したりするなど、様々な取り組みの工夫が考えられます。そうした事業を通して、子どもたちの理科への知的好奇心や探究心を高め、知識だけではなく、実験、観察、ものづくりなど楽しさや感動の体験を味あわせ、子どもたちに夢を与える理科教育のセンターとなるようなビジョンを持って、施設の整備や運営、内容の一層の充実を図ってまいります。

 また、理科教育の基本構想の策定につきましては、科学センターの充実とあわせて小中学校の教育研究会理科部と連携し、学校での授業研修や指導法についての研究を深めながら検討してまいりたいと存じます。

 次に、理科教育における特色校についての御質問でございます。

 教育委員会では、これまでも様々な教科や教育活動について、特色のある学校づくりを進めてまいりました。広尾中学校におきましては、理科の授業をチームティーチングによって行い、個に応じた指導を通して実験、観察等の充実を図っております。また、御指摘のように、広尾高校との連携により高校の教員が広尾中学校で理科の授業を行うなど、特色のある教育活動を進めております。

 今後も区立小中学校において様々な形で特色校としての充実、拡大図ってまいりますが、特に理科教育につきましては、実験、観察等についての指導法の開発など、その一層の振興を図るために理科学習に関する研究推進校等の指定や教育研究会への支援等を行ってまいります。また、その研究の成果を渋谷区の小中学校に広め、各校が理科教育にも力を入れた取り組みを進められるよう支援をしてまいります。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 六番栗谷順彦議員。



◆六番(栗谷順彦) 区長並びに教育長に大変前向きな答弁をいただきました。感謝しております。

 御答弁をいただいたことに多少お願いをつけ加え、私の質問を終わりたいと思います。

 文化芸術に関係してですが、御存じのとおり、文化芸術は人々を元気にします。楽しくさせます。心への作用は大変大きいものがあります。いずれ区民ばかりではなく、渋谷に来る人々の質を変えるでありましょう。そして、それは「あのとき桑原区長が本腰を入れて文化芸術施策を断行したからだ」と人々に言われるようなときが必ず来ると私は確信しております。どうか思い切った御英断を今後ともされますよう、よろしくお願いいたします。

 理科教育についてですが、今、なぜ理科教育なのか、教育長に十分伝わったことと満足しております。

 二〇〇一年、ノーベル化学賞を受賞された野依良治教授は、ある対談の中で「自然科学の研究で一番大切なことは、グレートサプライズ−−心からの驚きです。新鮮で大きな驚き、これが学術研究の原点で、人間の精神活動の基本なのであります」とおっしゃっておりました。まさにすべての教育に通じる言葉ではないでしょうか。グレートサプライズを子どもたちに感じてもらいたい、そう思っている理科の先生たちは多くいらっしゃいます。どうか先生たちの御意見を十分伺っていただき、渋谷区の理科教育の新時代を築いていただきたいと思います。

 介護予防について、先ほど申したとおり、元気で多趣味で活動的な高齢者になってもらうことは、介護事業の財政への影響だけが問題なのではありません。元気でいることそのものが高齢者の幸福につながるからであります。どうか充実した制度のいち早い開始をよろしくお願いいたします。

 また、リサイクルの問題でも、実はもう一つ大きな問題を渋谷区は抱えております。これはあえて問題には入れませんでした。大変難しい問題であります。

 それは、代々木公園、宮下公園を中心としたホームレスの人たちの空き缶回収。これは既に空き缶回収事業、産業に発展しております。毎週想像を絶する量のアルミ缶が埼玉の業者に売られています。そのほとんどが、本来、渋谷区でリサイクルされるべきアルミ缶であります。区内でアルミ缶を地域回収している人たちのボランティア精神、リサイクルへの意識の低下が心配であります。実態調査も含め、今後の課題としていただくことをお願いとしておきます。

 最後に、今、日本は善悪の価値基準を見失いつつあります。何がよくて何が悪いのか、なぜよくてなぜ悪いのか、価値判断ができない状態が蔓延しております。子ども社会の異変、極端なエゴイズム、モラル、マナーの低下、これらは善悪の価値基準の喪失であると言っても過言ではありません。そして今、自治体は、家庭、モラル、マナーも行政の大きな課題になる時代となりました。

 ある賢者は言います。「悪を攻め糺さないものは同じく悪であり、悪を攻め糺してこそ善である」と。

 私ども区議会公明党は、これからも常に善悪の価値判断をもって政治判断とし、区民のため、区政発展のために全力で活動してまいります。

 これで私の代表質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(丸山高司) 二十一番牛尾真己議員。



◆二十一番(牛尾真己) 私は、日本共産党議員団を代表して、区長及び教育長に対し、平和と暮らしを守る問題、商店街・中小業者支援、子育て支援と教育問題、税金の使い方と住民参加のあり方について質問します。

 まず、憲法改悪問題について質問します。

 テロは軍事力では根絶はできないということは、三年前の九・一一テロからイラク戦争を経験した世界の大多数の国々の共通認識になっています。アメリカのパウエル国務長官が、イラクの大量破壊兵器は「将来にも見つかりそうにない」と証言し、国連のアナン事務総長が、米英が行ったイラク戦争を「国連憲章に照らして違法である」と開戦後初めて明言し、批判しました。二十一日から国連総会が始まりましたが、各国首脳は「アメリカは国際法を守れ」と対テロ戦争を批判、アメリカは国際的な孤立を一層深めています。

 ところが、小泉首相はいまだに「イラク戦争は正しかった」と開き直り、派兵を延長し、さらにアメリカの要請に沿って憲法九条まで変えようとしています。憲法九条を変えて、日本を海外で戦争のできる国にしようという勢力は自民党だけでなく、民主党の岡田代表も「憲法を改正して、国連決議があれば海外で武力行使ができるようにすべき」と改憲の立場をあからさまにしています。

 八月五日の衆院憲法調査会では、自公民各党が打ち出した改憲に向けての「論点整理」や「中間報告」などを議論する暴挙を行いました。また、日本経団連による国の基本問題検討委員会の設置と改憲提言への動きなど、憲法九条は戦後史上最も改悪の危険にさらされています。

 こうした中で、ノーベル賞作家の大江健三郎氏、区内在住の三木睦子さんを初め日本の知性を代表する九人の著名人によって「九条の会」が結成され、日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法九条を守るという一点で手をつなぎ、共同することが呼びかけられ、これに呼応した憲法九条改悪を許さない国民的な運動が広がっています。

 九月三日から五日にかけて、アジアの三十五カ国八十一政党、日本からは民主党、公明党、社民党と日本共産党が参加して開かれた第三回アジア政党国際会議では、「戦争と侵略、覇権に反対」し、「国際秩序の中にある不合理、不公平な部分を段階的に改革し、国際関係の民主化のプロセスを積極的に促進し、アジアの平和と安定、調和、繁栄をともに促進していく」とする北京宣言が一致して採択されました。

 ところが、区長は六月議会での我が党の質問に対して、憲法「九条二項において、国家固有の自衛権まで否定するような表現について」、「憲法改正手続を経て国民に意見を聞こうということですから」、「云々すべき立場にはない」と、憲法九条改悪を容認する答弁を行いました。

 しかし、広島、長崎の両市長が被爆五十九周年の今年の平和宣言で、日本政府に対し「世界に誇るべき平和憲法を擁護し、国内外で顕著になりつつある戦争並びに核兵器容認の風潮を匡(ただ)すべき」「日本国憲法の平和理念を守り、唯一の被爆国として、非核三原則を法制化すべき」と求めています。このように、憲法九条の理念は平和なアジア、世界をつくるために日本が進むべき指針となっています。

 このように、平和憲法擁護の姿勢を明確にすることが区民の生命と安全に責任を持つ区長の最大の責務だと考えます。区長は、憲法九十九条に基づいて憲法を遵守する義務を負っており、六月議会での発言を取り消し、憲法を遵守すべきだと考えますが、見解を伺います。

 次に、消費税増税について質問します。

 細田官房長官は、七月二十九日の会見で「与野党協議で引き上げの合意ができれば三年後施行もあり得る」と発言、民主党も年金財源として消費税増税を掲げ、財界も二〇〇七年度から一〇%増税を繰り返し主張しています。政府税調も、消費税率の二けた化へと本格的な議論を始めました。

 歴代内閣が進めてきた社会保障の負担増に加え、今後、年金改悪、各種所得控除の廃止・縮小で、ますます暮らしは切り詰められます。今年四月からは免税点の引き下げによって、売り上げが一千万円以上の業者への課税が始まりました。その上に消費税増税が実施されれば、暮らしは破壊され、中小業者は生きていけないのではないかとさえ言われています。

 消費税は生計費に対しても一律の税率で課税されるので、所得の少ない人ほど税金の負担が重くのしかかる最悪の不公平税制です。消費税増税勢力は「消費税増税は福祉のため」などと言いますが、それは口実にすぎません。消費税導入以来、国民から集められた百四十八兆円は、法人税率が四三%から三十%に引き下げられた結果、そのまま大企業の法人三税の減税などによる減収分、百四十五兆円の穴埋めにされてしまいました。「福祉のため」と言って、最も福祉を受ける必要のある人から税金を取り立てることほど逆立ちした税金の集め方はありません。

 日本共産党は、税は負担能力に応じて課税する、生計費には課税しないという民主的な税制のあり方に真っ向から反する消費税増税に反対するとともに、社会保障の財源は、無駄な公共事業の削減や、税金の使い方を暮らし、福祉中心に改めること、フランス、ドイツ、イギリスなどに比べても著しく低い大企業の負担をヨーロッパ並みにしていくことで生み出せることを明らかにし、その実行を求めるものです。

 消費税は、所得の低い人ほど負担が重くなる不公平税制と考えますが、区長の見解を伺います。

 そして、区民の生活を守る立場に立って、暮らし破壊の消費税増税に反対すべきと考えますが、見解を伺います。

 次に、商店街対策、中小業者支援について質問します。

 まず、商店街の振興策についてお伺いします。

 地域社会に根づいている中小商店、商店街は、住民の生活に必要な利便を提供するとともに、地域の祭りや伝統文化、青少年の育成、防犯・安全、防災への貢献など、地域コミュニティの核として地域社会を支える役割を担ってきました。

 ところが、区内の代表的な商店街の一つである広尾商店街では、昨年末でマーケットが閉店したため、現在営業しているのは鶏肉屋一軒、魚屋二軒、八百屋一軒へと減少し、豚肉、牛肉の小売店はなくなってしまいました。また、電器屋も閉店、米屋も廃業し一軒もなく、毎日の暮らしに必要な食材や必需品が満足に手に入らなくなる中で、自転車に乗れる人は恵比寿方面へ、高齢者はシルバーパスを使って東や渋谷のスーパーまで買い物に行くというようになってきており、体の不自由な人たちはさらに深刻です。商店街が果たしていた、お年寄りや子どもを初め、住民が歩いて買い物ができる身近な存在としての役割発揮が今こそ求められているのです。

 広尾商店街の場合、マーケットの建て替えに当たって、業者が「新しい店舗のテナント料はとても払えない」と撤退に追い込まれたのです。こうした場合に、例えば空き店舗を区が借り上げ、商店の利益によってふさわしいテナント料で貸し出す「店舗の家賃補助」のような支援策があれば、このような事態に追い込まれることはなかったのではないかと思います。

 もとより商店街支援策の具体的内容は、各々の商店街によって一律ではないと考えます。その商店街に最もふさわしい支援のあり方を検討するために、区が全商店街診断、実態調査を区の責任で行い、商店街ごとに、商店主はもちろん利用者である地元の区民を含めた協議会を継続的に設け、商店街の支援策を具体化し、実行していくべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 住宅リフォーム助成制度は、倒産、失業が深刻さを増す中で、中小零細建設業者の仕事を確保する取り組みとして進められ、今年度は五十七の自治体に広がって実施されています。住民が住宅の改修を地元の建設業者に依頼した場合、自治体が五%から一〇%の費用を補助するこの制度は、単に建設業者支援にとどまらず、少ない予算で大きな経済効果が得られ、住民にとっては住宅の質の向上が図られる一石三鳥の制度です。

 東京都内の昨年度の実績は、助成金額の二十六倍の工事が行われたほか、国土交通省も国会答弁で、関連の機械、エネルギー、輸送などを含め、工事額の二倍近い生産誘発効果を認めています。区長は九月十五日付の区ニュースで防災について発言しておられますが、木造密集地域の少なくない当区で、住宅の耐震補強も含めたリフォームを促進することは、区の施策として、今、最も求められている居住者支援策の一つではないでしょうか。

 不況が長引く中で、住宅修築資金融資あっせん制度の実績は二〇〇一年度以降、一けた台に落ち込み、昨年度は二件と年々低調になり、事業目的、事業実施方法の検討が九月の定期監査の報告でも指摘される事態になっています。今こそ住宅リフォーム助成制度の創設に踏み出すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 中小業者支援の最後に、公契約条例の制定について質問します。

 日本の建設投資が不況で落ち込む中で、受注業者はダンピング競争を激化させており、現場で働く労働者の賃金を減らす結果になっています。今年八月、東京土建渋谷支部が行った渋谷区の発注した公共工事現場で働く労働者への聞き取り調査でも、寄せられた二十八人の回答では、一日相当の賃金額は平均で一万三千百二十五円で、区が積算した賃金である公共工事設計労務単価よりも平均で四千九百円下回り、中には一日八千円の低賃金で働かされている事例もありました。現場で働く労働者は、この中からさらにガソリン代、駐車場代、安全用品や工具代など諸経費を除くと、実際の賃金はさらに低くなっています。

 公共工事、公共サービスのダンピング受注や丸投げを排除することは、何よりも欠陥工事などを防止し、安全、良質な社会資本を確立するために必要です。また、地元業者の参入や下請業者の経営改善にも、労働者の生活の安定にもつながります。当面、区が発注する公共工事について、区が積算した単価に基づいて賃金が適正に支払われているかの調査を行い、是正するとともに、公契約条例を制定するよう提案します。区長の見解を伺います。

 次に、子育て支援策の充実についてお伺いします。

 次世代育成支援法に基づいて、当区でもアンケート調査が行われ、その結果から五年後の推計ニーズ量が示されました。それによると、ゼロ歳児保育が百五十六人、延長保育事業が六百六十人、学童クラブが八十四人が不足すると予測されています。また、アンケートの自由回答欄には千六百件近い意見が寄せられ、「申し込んでから入園するまで三年かかったので、保育園の数を増やしてほしい」「学童も入れないようなので頭を抱えています」「子どもの医療費無料を小学校まで広げてほしい」など子育て支援の充実を求めています。

 「渋谷で子育てをしてよかった」と言えるような、実感の持てる支援策をつくるためにも、こうした子育て世代の願いにこたえて今後、具体的な、実効ある行動計画を策定すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 その上で、まず、保育園の待機児解消についてです。

 我が党は第一回定例会でも、児童福祉法の認可外の施設である認証保育所の問題点を指摘し、待機児解消は認可園の増設によって解決することを主張してきました。それは、保育園で過ごす乳幼児期というのは、人間としての基礎をつくる大事な時期であり、目覚ましい成長を遂げる期間であるにもかかわらず、今、子どもたちが育つ上で様々な困難が生まれており、子どもたちが心も体も豊かに成長することができる保育の質の充実がますます重要になってきていると考えるからです。

 この十一月から、当区初の認証保育所が初台駅近くに設置されることになり、明日から申し込みが始まります。しかし、この保育所はゼロ歳児から五歳児までの各五人の三十人を受け入れる予定ですが、ゼロ歳児を週五日八時間預けた場合、保育料は月七万八千円と認可園よりも大幅に高くなり、園庭もない、育児室は三室のみで、ゼロ歳児から五歳児の子どもたちが朝七時から夜の十時までの十五時間もの時間を、わずか十一人の職員が交代で保育しようとするものです。しかも、この十一人は、三十人の定員がいっぱいになった場合の当初配置する予定の人数で、都の基準は本来六人。その後の具体的な運営の中では何ら保障されるものではありません。しかも、その保育士の資格を必要とされるのは職員の八割でよいとされています。こうした条件、体制で本当に豊かな保育が保障されるのか不安です。

 区長は「多様な保育需要に対応するとともに、待機児解消のため」と言っていますが、こうした質の低下の不安をどう解決しようとしているのでしょうか。

 このように、保育の質の低下をもたらす認証保育所の拡大は行うべきではないと考えますが、区長の見解を伺います。

 九月一日現在の保育園の待機児数は、広尾十一人、元代々木、桜丘、聖ヨゼフで各十人、幡ケ谷九人、富ケ谷、上原、本町第三、広尾上宮保育園でそれぞれ八人など、全体で百二十五人に上っており、依然として深刻な事態です。上原、富ケ谷、広尾、初台地区などでは毎年深刻な待機児が生まれており、「区立の保育園を増やし、出産後すぐに職場復帰できる環境をつくってほしい」など、保育園の増設を求める声が広がっています。

 待機児問題が深刻な地域から計画的に認可保育園の増設計画を持つべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、学童クラブの待機児解消と学童館の増設について伺います。

 学童クラブの待機児は、九月一日現在、代々木、二軒家を除くすべての学童クラブに六人から十四人で、合計八十人に上っています。特に、とも働き家庭が増え、児童の安全問題への不安が高まる中で、待機児は昨年の三倍に増えています。

 区は今年九月から保留児対策として、上原中学校と加計塚小学校で放課後クラブを開始し、今後も常設化しようとしています。これまで学童館は、小学生の心身の健全な育成を図るための施設として設置されるとともに、家庭における保育に欠ける児童に対しては校外指導を行ってきました。そのために、学童館には専門の区職員が配置され、遊戯室、学習室、図書室などを配し、区の責任でおやつを実施するなど、子どもの家庭がわりの役割も担ってきたのです。

 ところが、今回のクラブでは、こうした保育環境の整備が不十分で、放課後の保育に欠ける児童を対象に行ってきた学童クラブにかわるものとしては認められません。

 私は、今年度の放課後クラブについては緊急避難的な対応とし、児童におやつを出すなど学童館と同じ対応をすべきだと考えます。また、一小学校区一学童館を原則に、学童館をニーズに応じて増設していくこと、上原小学校や加計塚小学校については、地元からも要望のある代々木高校跡地や加計塚小学校旧体育館用地などに学童館を建設していくべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 次に、乳幼児医療費助成対象の拡大についてお尋ねします。

 当区のアンケート調査でも、子育ての不安や悩みについて「子育てで出費がかさみ、経済的負担を感じること」と答えた保護者が就学前で三〇・一%、小学生で四一・三%に上り、「小学校に入ってからも風邪などをよくひくので、医療費を助成してほしい」などの声が寄せられています。

 また、総務省の調査でも、子育てのつらさの内容で最も多いのが「子どもの将来の教育にお金がかかる」が五一・六%とトップを占め、「子どもの小さいときの子育てにお金がかかる」も二四・八%と三年前より増え、経済的負担感が増大しています。

 こうした中で、乳幼児医療費の助成制度が多くの自治体で広がっています。

 二十三区でも、北区が中学生まで、港区が小学生までの入院医療費助成を実施し、品川区では通院、入院とも対象を小学生までに拡大することを既に決定しています。台東区は、中学生までの医療費をすべて無料化するという方針を先日、区長が表明しました。区長は当区の到達度を高いものとして自画自賛してきました。しかし、全国的に見れば、既に百十三自治体で小学生までの医療費助成が実施され、中には高校卒業まで実施しているところさえあります。子どもを持つ世代の切実な願いである乳幼児医療費無料化の対象を、小学校六年生まで当面拡充すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 次に、教育をめぐる問題について教育長に質問します。

 まず、三十人学級の実施について質問します。

 この間の区教育長の答弁は、社会性を養うためには一定の学級規模が必要ということですが、山形県教育庁義務教育課が行った調査では、少人数学級の実施によって教育効果が上がったのはもちろん、児童の七五%が「みんなで遊べる」、八八%が「友達が増えた」と答え、「学級のまとまりを感じる」と答えた校長が八〇%、「コミュニケーション能力の向上を感じる」と回答した担任が七五%など、社会性を養う点でも少人数学級が大きな成果をおさめていると言えるのではないでしょうか。

 また、当区の先生方からも、少人数学級だと社会性が養いにくいという発言はほとんど聞かれませんでした。

 二〇〇二年度から都道府県の判断で実施できるようになった少人数学級は、今年度四十二道府県で実施され、来年度からは佐賀県も踏み出すことを決め、東京は全国でも遅れた自治体になっています。文部科学省は九月三日、現在、少人数指導のために希望により加配している教員を、来年度から国に申請することなく、自由に少人数学級に配置できるようにする方向を明らかにしました。当区で段階的に三十人学級を実施した場合、小学校一年生で三クラス、二年生で五クラス、中学校一年生で一クラス、二年生で四クラス増やせば実現できるのです。文部科学省の示した新たな方向に沿って、少人数加配教員を担任にできるよう東京都に求め、区として少人数学級に踏み出すべきと考えますが、所見をお伺いします。

 次に、来年度から全小中学校で導入が予定されている二学期制について質問します。

 教育委員会は、授業時間を増加できることによってゆとりのある教育ができるとし、早い時期に二学期制に移行することが望ましいとして、来年度から全校で実施する予定としています。本年度、試行校として山谷、猿楽小学校、笹塚、原宿外苑中学校の四校で実施されていますが、中間報告は今年末、最終報告は年度末となっており、実施の可否についての検討と決定はいつ、どこで行うかも明確にされていません。昨年秋に検討委員会の報告書が出され、二学期制の導入について「保護者、地域にも十分理解と協力を求める必要がある」としていますが、これまで保護者に対しては「しぶやの教育」に掲載された程度で、いまだに各学校での説明もなく、子どもの生活がどう変わるかも知らされておらず、ただ受け入れるしかない保護者は不安に感じています。

 試行校では夏休みに補習が行われるようになりましたが、プール開放の前後の時間に組み合わされ、子どもたちからは「夏休みのような気がしない」という声も聞かれています。

 私は、二学期制の導入は「実施先にありき」ではなく、まず試行の結果なども公開して、保護者や生徒と学期制のあり方について検討していくべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

 次世代育成支援アンケートの中でも「近くの区立幼稚園が二年保育であったため、少し遠い私立幼稚園まで通わせている。三年保育にしてほしかった」など、区立幼稚園での三歳児保育を求める声が寄せられています。また「主な保護者が就労していないが子どもを預けたい」という保護者も一七・二%も占め、このことは、潜在的な幼稚園への要求があることを示しています。直ちに臨川、本町幼稚園の統廃合計画を撤回するとともに、三年保育について検討すべきと考えますが、所見をお伺いします。

 次に、渋谷の教育を大きくゆがめかねない区教育委員会と警察との相互連絡制度についてです。

 九月二十二日の情報公開審議会に、警察から児童・生徒の逮捕事案や犯罪を犯すおそれのある事案を学校に連絡し、対策を求めるとともに、学校からは、校長が認めれば児童・生徒の態度や素行などの情報を警察が活用できるようにするために、個人情報を学校から警察に提供することについての諮問がありました。

 学校の役割は、児童・生徒の人格の完成を目指し、様々な失敗や反省をしながら成長する子どもを育てていくところです。しかし、今回の相互連絡制度は、校長の判断で児童・生徒の個人情報を警察と学校がやりとりをするもので、教師と児童・生徒の信頼関係を損ない、学校が警察の下部機関になりかねない重大な問題を含むものであり、認められません。

 実際、審議会の議論でも、複数の委員から問題点の指摘がありました。ある委員からは「ここで一たんOKを出してしまうと歯どめがなくなるのではないかと思う。警察とどういう情報をやりとりするのか一件ずつ審議会で確認できるようにできないか」という意見や、別の委員からは、「少年事件の審判では、警察は学校での素行をここまで調べるのかと驚くぐらい細かく出してくる」ということからも「冤罪事件を誘発しかねない」という不安が出されました。さらに「街頭で調書をとられた記録も警察は永久に保存すると聞いており、知らないところで個人情報がやりとりされるのは怖い」また「区内三警察署だけでなく、警察の情報は全国どこでも利用できるシステムになっており、警察が得た情報は永久に残ると見て間違いない」という意見も出されました。

 そこで、教育長に質問します。

 警察への児童・生徒の個人情報の提供は、教育の役割を放棄することになると考えますが、見解を伺います。

 また、犯罪を犯すおそれがあるというだけで個人情報のやりとりをするというのは、子どもの個人情報保護の理念に反するものであり、協定は白紙撤回をするべきだと考えますが、教育長の考えを伺います。

 最後に、区の税金の使い方、住民参加のあり方が大きく問われている問題について質問します。

 九月五日から十二日にかけて、区議会議員六名と区職員三名の計九名がトルコ共和国との友好交流、姉妹都市提携調査の目的で派遣されました。派遣理由も行程もぎりぎりまで明らかにされず、人数や日数が次々と変更されるなど異常なものでした。これでは、区民の批判をかわしながらこの間、中止してきた議員の海外視察を復活させるために、行政と議会与党が一体となって行ったものと言わざるを得ません。今回の海外派遣には、旅行会社に五百三十三万三千六百七円、費用弁償として六十五万三千四百七十円、合計で五百九十八万七千七十七円にも上る税金が使われています。こうした税金の使い方は区民の大きな批判を招いており、やめるべきです。

 旧大和田小学校跡地の施設計画も、大きな問題をはらんでいます。

 区長発言で述べられたように、医師会館が老朽化し代替施設が求められていることや、中規模ホールの必要性が文化芸術施策検討委員会で議論されてきた経過も承知しています。しかし、今回の提案では、健康センターや小・中規模のホールに加え、プラネタリウムや子ども科学センター、教育センター、けやき教室、シニアいきいき大学、コミュニティ活動拠点、体育館、図書館など多岐にわたり、さらに、余裕のスペースについては民間施設として活用するとしています。

 そこで、まず、区長が余裕スペースに入れるとされた民間施設とはブリティッシュスクールを指すのか、そうでなければどのような施設を想定しているのか伺います。

 今回の計画策定に当たって検討すべき中心問題は、旧大和田小学校跡地という区民の財産をどう活用するのかという問題です。あの場所には一体どんな施設がふさわしいのか、住民が求めている施設は何かなどを、計画の構想段階から住民参加で合意を重ねながら進めるべきです。

 区長発言では、今後のスケジュールについては触れられているものの、今回の計画についてはこれまで区議会にも区民にも知らされずに、区が一方的に示したものに過ぎません。これまでも、こうしたやり方で進められた施設は、旧渋谷小学校跡地施設でもリフレッシュ氷川でも、健康プラザでも、建設途中や完成後間もない時期から計画変更がなされ、そのために無駄な経費がかさむということを繰り返してきました。こうした税金の無駄遣いを繰り返さないためにも、旧大和田小学校跡地利用計画の策定については、施設の内容、建設費なども含めて住民参加の検討会などを設け、区民の声が反映される福祉複合施設を中心とした計画づくりを行うべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 最後に、渋谷駅周辺整備計画について質問します。

 渋谷駅周辺整備計画は、今、小泉内閣が進めている都市再生の路線に沿って、財界、大企業が大もうけのできるように渋谷駅周辺を再開発しようとするものです。国の都市再生緊急整備地域の指定を受け、特区の活用をすれば、容積率の規制がなくなります。地区内で計画される都市再生事業に対する補助金の国、都、区の負担分が定められることによって、膨大な税金を投入する仕組みがつくられようとしているのです。

 七月二十一日の日経新聞の夕刊記事によれば、渋谷駅の改造計画の費用はおよそ一千億円で、国と自治体が三分の一ずつ、残りの三分の一は第三セクターが民間金融機関から資金調達する仕組みを国が検討している旨の報道がされました。また、八月二十三日の日経新聞には、東急建設が民間投資も含めた渋谷駅周辺再開発の総工費を一兆円と見込み、そのうち二千億円の受注を目指すと報道されており、財界、大企業は格好のビジネスチャンスとしてとらえています。

 地方自治体の役割は、山積する住民要求にこたえ、暮らし、福祉中心、住民が安心して住み続けられるまちづくりを行うことです。渋谷区は今、都市再生緊急整備地域の指定を受けるよう東京都に働きかけていると聞いていますが、将来にわたって膨大な税金投入につながる道に自ら踏み込むべきではありません。都市再生路線に基づく、東急など大企業中心のまちづくりである渋谷駅周辺の再開発を区が推進することはやめるべきと考えますが、改めて区長の見解を伺います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党区議団、牛尾真己議員の代表質問にお答えをいたします。

 憲法を制定、改正する権限は主権者である国民にあります。これまでも申し上げましたが、憲法は九十六条でこの改正手続を保障しているところでございます。このことについて、私がこれまで申し上げたことを取り消すべき理由は何もない、このように思っております。

 消費税についてでございます。

 消費税についてのお尋ねでございますけれども、この消費税の見直しについても国において検討すべき課題でございますので、その推移を見守ってまいりたい、このように思っております。

 商店街対策でございます。

 全商店街の商店街診断及び実態調査の実施、さらには協議会を設けて商店街支援対策を具体化すべきではないかというお尋ねでございます。

 本区では、これまで商店街振興プランに基づきまして、商店街にコンサルタントを派遣する、さらには商店街の景観環境整備事業やイベント事業などの支援もしてまいりました。また、平成十五年度には中小企業者等活性化策検討委員会におきまして、商店街の活性化について検討いただき、現在、商店会加入者を優遇する融資資金の創設や、複数の商店街が共同でイベントを実施する場合にその補助を加算するなど、きめ細かな施策の充実に取り組んでいるところでございます。したがいまして、今回の商店街の全件調査等の実施や協議会の設置は、考えておりません。

 次に、住宅リフォーム助成制度の創設についてのお尋ねでございますけれども、これまで申し上げたとおり、住宅リフォーム工事費の一部を税金で補助するという考えは持ち合わせておりません。

 次に、区が発注する工事について、公契約条例の制定を考えるべきではないか、こういうことでございます。

 最低労働基準の確保につきましては、労働基準法や最低賃金法でその確保が図られていると、このように考えております。個々の労働条件につきましては関係の労使の間で決定されるべきである、このように考えておりますので、このことについての考えは持ち合わせておりません。

   〔「調査はやるのか、調査。質問は調査もやるのかって」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) 調査は行いません。

 次に、次世代育成支援の実効ある行動計画の策定についてのお尋ねでございます。

 御質問の中にもございましたけれども、アンケート調査を終え、今後は地域協議会を通して、調査結果などを踏まえ、次世代育成支援対策行動計画を策定したい、このように考えております。

 認証保育所についてのお尋ねでございますけれども、認証保育所の施設設置基準、保育所の保育士の配置基準は、基本的に認可保育園と同一でございまして、また、都が実施した認証保育所利用者へのアンケート調査によりますと、保育内容への充実度は高いという評価が得られているところでございます。夜間保育、休日保育など都市部の保育ニーズに対応した施設として、また、待機児解消の観点からも有用な制度と考えておりまして、今後も条件が整えばさらに設置をしたい、このように考えております。

 次に、待機児問題解消のために認可保育園を増設すべきでないかと、こういうお尋ねでございます。これまで私どもは、認可保育園の定数拡大や弾力化によって対応してまいりましたし、さらには旧渋谷小学校跡地の複合施設内にも保育園を建設中でございます。また、新たに認証保育所設置を予定しておりまして、さらなる認可保育園の増設は考えておりません。

 次に、学童クラブの待機児解消策についてのお尋ねでございますけれども、放課後クラブは、放課後の公的保育が必要な児童が豊かで安全な放課後時間が過ごすことのできますよう、開設するものでございまして、あわせて学童クラブの待機児解消を図ることと考えるものでございます。

 おやつにつきましては、親の保育責任もあることでございますから、行事の場合など限定的に対応してまいりたい、このように考えております。

 また、これまでも重ねてお答えしたとおり、一学校区に一学童館の設置の考え方は持ち合わせておりません。

 代々木高校跡地の利用につきましても、学童館の建設をする考えは持ち合わせておりません。

 次に、乳幼児医療費助成の拡大についてのお尋ねでございますけれども、平田喜章議員にお答えしたところで御理解をいただきたい、このように存じます。

 旧大和田小学校跡地の利用につきまして、ブリティッシュの利用を考えているのかというようなことでございましたが、余裕スペースに入れる民間施設につきましては、現在白紙であると、このように申し上げます。

 住民参加についての検討会をということでございましたけれども、このことにつきましては、その都度議会に報告し、必要があれば地元とも協議し進めてまいる、こういう姿勢で臨みたい、このように考えております。

 次に、渋谷駅周辺の開発についてでございますけれども、平成十九年度に地下鉄十三号線の開業、二十四年度に東横線と十三号線の地下相互直通化を控えまして、渋谷駅は大きく変わろうとしているところでございます。しかし、渋谷駅はターミナル駅でありながらも五十年以上を経過し、老朽化も著しい。そしてわかりづらく使いづらい、こういうことでございます。バリアフリーの対応策もこれからされなくてはならない、このように考えております。

 一方、ハチ公広場も歩行者があふれまして、駅の東西をつなぐ通路も十分確保されていない、こういった環境にあるわけでございまして、ゆとりや安らぎを感じる歩行者空間の整備が求められていると、このように認識しております。したがいまして、平成十五年三月策定の渋谷駅周辺整備ガイドプラン21を踏まえまして、現在、国、東京都、区、鉄道事業者において、駅の改良や東西駅前広場の整備などについて検討、協議を行っているところでございます。

 渋谷駅周辺基盤整備は本区にとっても重要な課題であると考えておりますので、関係者間の連携を図り事業を進めてまいりたいと、このように考えております。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、四点にわたる御質問でございます。

 まず初めに、三十人学級についての御質問でありますが、御指摘いただきました事務連絡については、現在、東京都からの通知はございません。これまでもお答えしておりますが、東京都に対して三十人学級を求めることも、区独自に三十人学級を実施することも、現在の段階では考えておりません。

 次に、二学期制の実施についてのお尋ねでございます。

 現在、本区では小中学校各二校で二学期制の試行をしているところでございます。二学期制は、現行の三学期制に比べ、より多くの授業時間を確保できることや、学期が長期化することに伴い幼児、児童、生徒が教員とじっくり学習に取り組む時間ができ、評価の信頼度が向上するなどのメリットがあり、また、夏季休業日が前期の途中にあることから、補習による学び直しができるなど、二学期制の試行校においてもその効果が評価されてきております。

 二学期制の成果やメリット等につきましては、校長会や教頭会、教務主任会等において随時試行校から各学校に報告され、検討されてまいりました。それに基づいて試行校以外の学校におきましても、それぞれ二学期制の教育課程について検討を重ねてきております。

 教育委員会では、二学期制を来年度から段階的に実施していくとの方針でありますが、多くの学校では既に来年度から実施できるという段階に来ているとの報告を受けております。

 今後とも「しぶやの教育」や保護者会等において、さらに周知を図っていきたいと存じております。

 次に、臨川、本町幼稚園の廃園計画を撤回すべきとの御質問であります。

 平成十年八月に策定いたしました渋谷区立幼稚園適正配置基本計画に基づき、適正配置対象園のうち四園について計画を実施してきたところでございます。残りの対象園−−臨川、本町両幼稚園につきましては、平成十四年度から「四歳児の入園数が十人未満になった場合は翌年度四歳児の募集を停止し、その年度末をもって閉園する。入園時数は当該年度の五月一日現在の数とする」という新たな基準を設け、対応しておりますので、教育委員会といたしましては、直ちに計画を見直す考えはございません。

 区立幼稚園の三歳児保育につきましても、現状では方針に変更はございません。

 最後に、区教育委員会と警察との相互連絡制度についての御質問でございます。

 この協定は、児童・生徒の健全育成のためのものでございます。非行等問題行動の防止及び安全確保について、警察と学校がそれぞれ自らの役割を果たしつつ、その役割を相互に理解し、緊密な連携のもとで効果的な対応を図ることを目的とした制度でございます。

 個人情報の提供は、あくまでも子どもの健全育成のために実施するものであり、教育の責任を放棄するものではありません。まして学校が警察の下部機関になるとは、制度上も目的上も考えられないことです。

 なお、九月二十二日、外部提供にかかわる個人情報審議会での了承を得ておるものであり、この協定の実施については区独自のガイドラインを作成し、連絡内容や連絡する個人情報について適正に管理するとともに、児童・生徒への指導のあり方等についても定めており、子どもの個人情報保護の理念に反するものではありません。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 二十一番牛尾真己議員。



◆二十一番(牛尾真己) 区長から御答弁いただきました。自治体の長として、平和憲法を守る意思は示されませんでした。

 区長は「国の問題だから」ということで済まされるでしょうか。先ごろ施行された国民保護法、特定施設利用法は、民間、自治体、民間人にも戦争協力が義務づけられる、そういう法律です。しかも、今、議論されている改憲論は、議論は日本防衛ということですが、実際にやろうとしているのは、イラク派兵のように、遠い海外でアメリカが起こす国連さえ無視した無法な戦争に一緒に参加していこうとするものです。

 「九条の会」を立ち上げた大江健三郎さんは、発足に当たって「明文改憲はないだろうと楽観して信じていた。しかし、明文改憲の動きの中で、いろいろな人の憲法への思い、九条を守ろうという、この様々な声や運動が集まって一つに重なる場所、「萃点(すいてん)」としてこの会が使われればいい」このように平和憲法を守る意思を表明されています。

 今、改憲賛成の国民が多いということも言われていますが、よく内容を問えば、九条を変えるということには反対の国民が多数です。また、戦後半世紀以上、日本が戦争をせず、日本人も外国人も一人も犠牲者を出さなかった、ここにはだれもが認める憲法の大きな役割があるではありませんか。

 区長は明日−−十月一日を「平和・国際都市渋谷の日」として宣伝していますが、本当に平和都市の首長の自覚があるなら、憲法九条を遵守する態度表明をして当然と考えますが、再度区長の見解を伺います。

 商店街支援についてです。

 私の地元の商店会長に聞きますと、「もうどうにもならない。まちづくりをみんなと一緒に考えていかなければならないというところまで追い込まれている」こういう感想を述べられておりました。まさに商店街支援は緊急の課題だと思います。

 今回、私が具体的に取り上げた広尾商店街は、今が援助を本当に求めていると痛感したからであります。食料品や日常の必需品がそろうこの商店街の営業が住民のニーズを担う、また、地元の住民から頼りにされてこそ商店も活気が出てきます。今、マーケットがなくなってみんなが困っている、こういうときこそ区が直接商店街の生の声を自ら聞く、そういう実態調査を対策の出発点にし、診断し、協議会を立ち上げ、本腰を入れた支援をすべきと考えますが、改めて区長の見解を伺います。

 あわせてリフォーム助成については、これは、この修繕費の一部を補助する考えはない、このように言われましたが、単なる区民の住宅改善支援だけでなく、特定の業者には仕事が保障をされる、また、そのために経済効果も広がる、こういう制度です。二〇〇二年度からこの制度を開始した京都府の京田辺市の実態調査では、この制度によって住宅改修の時期を早めた人が四八%、予定していなかったが決めたという人が一三%で、合計六一%がこの制度によって住宅改修を行ったことが明らかになりました。当区でも、改修が必要とする老朽化した住宅は多数あります。是非こういうところへの支援として、改めてこの制度を実施されるよう求めます。区長の答弁を求めます。

 続いて、子育て支援施策の充実についてです。

 総務省の調査では、「子育てを楽しいと感じるときの方が多い」と答えた方が、新エンゼルプラン実施前の九九年には五四・九%だったものが二〇〇二年には五一・一%に低下、逆に「辛いと感じるときの方が多い」が四・四%から五・九%へと増えています。ここには、今日における子育ての困難さを端的に示したものであり、今、行政の支援が本当に求められているというふうに思います。

 今、ニーズ調査を実施をし、その目標も明らかになる中で、今この行動計画の策定に向かってこれを実効あるものとするためには、このアンケートの中に込められた住民の願いを正確に把握、分析すること、そして公的責任を明確にした基本理念、また重点目標を明確にして取り組んでいくこと、さらには地域協議会など推進協議のための機関によるフォローアップ、こういう点が必要かと思います。こうした点を充実させながら、この渋谷の子育て支援を充実させていくべきだと考えます。

 認可保育園による待機児解消を私は提案いたしました。それは、何よりも保育の質が今、求められているからにほかなりません。子どもを豊かにはぐくむことが、保育行政の基本に据える必要があるからであります。安心して子どもを生み育てるような環境づくりに行政が力を入れることによって、合計特殊出生率が引き上がっていく自治体が生まれています。

 静岡県の長泉町では、九〇年に一・六二だった合計特殊出生率が、周辺の市町村よりも充実した医療費無料化に加え、「働くのでいつから子どもを預けたい」こういう親と、子どもを受け入れる保育園との連絡を密にしてニーズを把握し、今後の園児の増加を見越して計画を立て、待機児童を出さないように定員や職員を増やしています。子育て世帯のアンケートでは、七六%が「子育てしやすい」と答え、出生率も一・七二へと上昇しています。

 また、国立社会保障人口問題研究所の研究でも、行政が子育て支援に熱心な所は出生率が高いという報告もされています。少子化の深刻な渋谷区だからこそ、こうした姿勢に学ぶ必要があるのではないでしょうか。

 待機児解消には認可園を基本とすべきと考えますが、改めて区長の見解を伺います。

 学童クラブの待機児の問題も同様です。学童館は条例に基づいて、家庭における保育に欠ける児童に対して、校外生活指導、また、そのための施設、区の職員、こうしたものを区が直接責任を持って、子どもの豊かな放課後を保障しているものです。今回提案された放課後クラブというような、この条例上の根拠のない、そういうやり方を拡大するのではなく、学童館の増設によってこの要求にこたえていくべきと考えます。

 今、学童館の待機児が増えているということは、多くの区民の間にますますその役割が理解をされてきている、また、期待が広がっているということだと思います。是非ともこの増設計画でこたえるよう、改めて区長に質問をいたします。

 最後に、税金の使い方、住民参加の問題です。

 旧大和田小学校跡地の活用計画は、桑原区長、就任してから最初の大規模な施設建設計画となります。そこに住民参加を最初からつらぬく姿勢で臨むのかどうか、そのことを私はしっかりと聞きとりたいと思い、質問させていただきました。是非その点から、この区長の姿勢として示していただきたいというふうに思います。

 渋谷駅周辺再開発については、今、東口の調査が先日、結果が報告されました。様々な住民からの意見を聞き、不満も出ましたけれども、結局のところ、東急文化会館と隣接するこの一角のみがこの事業化を目指すとして、区が支援をするという形になっています。

 今、本当に求められているのは、安心して住み続けられるまちづくりです。住民本位が基本です。是非ともそういうまちづくりを推進するためにも、税金の無駄遣いにつながる、この渋谷駅周辺計画への税金投入はやめるべきと、重ねて区長の考えをお聞きしたいと思います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 牛尾真己議員の再質問にお答えをしたいと思います。

 まず、憲法改正でございますけれども、これは何回も申し上げますけれども、国民の決めることであり、世論は肯定的であると、このように考えております。

 それから、商店街対策でございます。

 生鮮食品の店のなくなるということについては残念に思っておりますけれども、生鮮食品の流通コストが個人商店を廃店に追い込んでいると、こういうふうに考えております。調査をしてもその有効な対策にはなり得ない、このように思っております。

 それから、認可保育園を増やせと、こういうことでございます。

 先ほど申し上げましたが、認証保育所は都市部の保育ニーズに対応した施設サービスを行う所だと、このように判断しておりますので、認可保育園でなく認証保育所で対応したい、このように考えております。

 学童館については、増設計画を考えておりません。

 旧大和田小学校跡地の利用につきましては、先ほども申し上げましたが、そのことについては適宜議会に御報告をしながらも、必要に応じて地元とも協議をする、そういうスタンスで対応してまいりたいと、このように思っております。

 駅周辺整備につきましては、区民にとっても大きな課題でございますので、このことについては区にとっても、関係者との協議、調整に努め、事業を進めてまいりたい、このように思っております。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 二十一番牛尾真己議員。



◆二十一番(牛尾真己) 区長の態度は、子育て要求、営業支援など切実な区民の要求に背を向けるものと言わなければなりません。区民が安心して暮らしていくための支援こそ自治体の役割です。渋谷区がその役割をしっかりと果たせるよう、日本共産党は全力を挙げこの定例会にも臨むことを表明し、質問を終わります。



○議長(丸山高司) 二十四番五十嵐千代子議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 私は、日本共産党渋谷区議団として、介護保険制度の改善、障害者施策の充実について区長に質問いたします。

 最初に、介護保険制度の見直し問題について質問いたします。

 介護保険制度が始まって四年半がたち、渋谷区の介護保険の実態は、介護保険料を納めている高齢者数が七月現在三万五千四百九十人、認定を受けている高齢者が六千四百人、その内訳は、要支援千二百七十四人、介護度一、二千百六人、介護度二、八百十五人、介護度三、七百五十二人、介護度四、七百三十一人、介護度五、七百二十六人、そのうちサービス受給者は四千六百八十七人で、一人当たりの平均給付は九千九百六十二円で、限度額に対する利用割合は半分以下の四九・一%にとどまっています。

 また、二〇〇三年度の保険料滞納者の数は千三百三十七人、さらに特養ホームの入所者基準を十月からポイント制にしたものの、再申請を求めたにもかかわらず、待機者は六百三十四人にも上っています。

 こうした深刻な状態を改善するための制度見直しこそが求められています。

 しかし、政府は来年度の国家予算の概算で、社会保障費自然増分を二千二百億円も縮減する方向を打ち出すとともに、介護保険の見直しの厚労省案をこの秋にも出そうとしています。既に出されている見直しの内容では、利用料を現行の一割負担から二割・三割負担に引き上げること、特養ホーム等の施設入所者に家賃、光熱費をホテルコストとして徴収し、さらに食費の負担もさせようとするもので、この見直しが実施されれば、現在五万円程度の特養ホーム利用料が一挙に十万円を超える負担となり、低所得者は特養ホームに入所できなくなります。

 こうした利用料の大幅な負担増や特養ホームなどの施設利用料金の引き上げが見直しの内容に盛り込まれることについて、区長として反対すべきと考えますが、所見を伺います。

 また、要支援、要介護度一の軽度の人たちへのホームヘルパーやデイサービスの一定部分を廃止し、筋力トレーニングなどの予防給付に切りかえることも提案されています。

 私が相談に乗ったKさんは、脳梗塞で入院し、後遺症で歩行困難になりましたが、リハビリをして歩けるようになり、退院しました。しかし、アパートでのひとり暮らしに戻ると、病気によって仕事を失ったことやアパートの立ち退きが重なったためのストレスから、引きこもるようになり、寝たきり状態となってしまいました。その後、介護の認定を受け、訪問看護とヘルパーサービスを受けることによって、人とのコミュニケーションをとること、また、外出できるようになり、ひとり暮らしを続けています。

 こうしたヘルパーやデイサービスを受けている要支援、要介護一の人たちは、渋谷では、介護認定を受けている高齢者の半分以上の三千三百八十人にも上っているのです。

 介護予防に力を入れるのは、高齢者の健康を守り、生きがいを持って安心の老後を送れるようにするため、国や自治体の福祉事業として当然行うことが責務です。介護を受けている人の過半数から、その予防をするからといって、これまでのヘルパーサービスなどの介護サービスを制限することは、介護制度の後退であり、区長としても反対すべきと考えますが、所見を伺います。

 今、示されている見直しの内容は、利用者の実態調査を全く行わずに、財源が厳しいから利用を制限し、さらに利用者と国民の負担を増やすというものです。区長からも、国の介護保険の見直しに当たっては全国的な実態調査をまず行い、いつでも、どこでも、だれもが経済的な心配がなく、必要な介護を受けることができる仕組みになっているか国自身が点検するよう求めるべきです。

 また、介護保険制度を社会保障にふさわしい内容に改善できるよう、国庫負担の拡充を求めるべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、利用料、保険料の減免制度の改善について質問します。

 国は来年三月でホームヘルパーの利用料軽減措置を打ち切ろうとしています。当区の二〇〇三年度のヘルパー給付実績は、在宅サービス全体の四四%を占め、ヘルパーサービスは介護サービスのかなめとなっています。現在実施している国のヘルパーサービス利用料六%軽減措置を受けている高齢者の数は、千百七十八人となっており、国が軽減措置をやめてしまえば、区内のこの高齢者の介護に大きな影響を及ぼすものです。区長から国に対し、軽減措置を継続するよう求めるべきと考えますが、所見を伺います。

 また、渋谷区の在宅介護サービス利用者全体の平均利用率は四九%、利用料について我が党都議団の実態調査の結果、「食費や生活費を切り詰めて利用料を払っている」「保険料も利用料もこれ以上負担できない」など深刻な声が出されています。

 武蔵野市では、こうした声にこたえ、三%軽減制度の所得制限を全廃しました。当区が独自に実施している七事業の三%本人負担の制度は、予算では三百人を見込んでいましたが、実際は八十七人の利用でしかなく、多くの高齢者はこの制度すら知りません。低所得者が利用できるよう制度の周知徹底を図るとともに、低所得者負担助成制度の所得と預金額の制限を撤廃すべきと考えますが、所見を伺います。

 さらに保険料も、都議団調査では六六%もの人が「負担が重い」と回答しています。当区でも滞納者は千三百三十七人、そのうち第二段階の人が半数近い六百三十四人にもなっているのです。当区が実施している住民税非課税第二段階を対象としている半額軽減制度の対象者は、予算規模では二百人となっていますが、実態は利用者数が四十八人しかなく、昨年の四十一人と大差なく、滞納者数の一割にも満たない実態です。第二段階の人たちへすべて周知徹底に努めるとともに、条件となっている年収百二十万円、預貯金百八十万円の限度額を撤廃すべきです。所見を伺います。

 次に、特養ホームの待機者解消について質問します。

 七月末現在の当区の特養ホームの待機者は、区内施設を希望している人が五百二十九人、区外希望が百五人の合計六百三十四人で、区内施設希望者は既存の区内の施設定数の二倍近くにもなり、現在建設中の第三特養ホーム、建設予定のグループホーム、グループリビングがつくられても四百人以上の人が引き続き待機することになります。

 とりわけ深刻なのは、痴呆症の人です。猿楽に住む、八十八歳で介護度五の痴呆症の方は、自営業の娘さんが一人で介護し、三年半前から近くのホームに申し込んでいますが、いまだに入所できません。現在は、やむなくショートステイとデイサービスを上限いっぱい利用していますが、それだけでは足りず、介護に時間を割かなければならなくなった娘さんは時間どおりの営業ができなくなり、「このままでは生活できなくなり、共倒れになってしまう」と悲痛な声を上げています。

 こうした深刻な実態は、かつて特養ホームが区内に一カ所もなかった十数年前に逆戻りしたような状況で、介護の社会化をうたっていることとはほど遠く、介護が家族の肩に重くのしかかってきているのです。早急に第四、第五の地域型多機能特養ホーム建設、グループホーム、グループリビングの増設を計画に盛り込むべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 本町在宅介護支援センターの復活と、福祉複合型施設建設について質問します。

 区内六カ所の在宅介護支援センターの今年八月一カ月間の申請・認定件数を見ると、一番多い件数がケアステーション笹幡本町で、申請が百五十一件、認定百四十七件、笹幡本町のこの申請件数は、原宿の丘七十三件、あやめの苑七十八件の二倍以上となっています。

 区長発言で、本町の幡ケ谷浴場の跡地について、地域施設用地として活用したい旨の発言がありました。ここが取得できたならば、高齢者が必要なときに介護サービスを速やかに受けられる本町在宅介護支援センターの復活と、障害者の人たちが住み続けられる障害者施設など、福祉複合施設を設置すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、障害者支援費制度の改善と介護保険との統合問題について質問します。

 厚生労働省は、介護保険と障害者支援費制度両方の財源を抑制するために、制度の統合と、介護保険料を四十歳から徴収しているのを二十歳からに引き下げ、国民負担を拡大しようとしています。

 この統合に対して多くの障害者団体が、サービス料が大幅に削られること、利用料負担が引き上げられること、障害者の仕事や社会参加のための援助がなくなることなどの理由から反対の声を上げています。援助を受けずに自立して生活している障害者が介護保険に統合されてしまえば、わずかな障害者年金では限られたサービスしか受けられず、自立した生活ができずに、家族に頼らなければ生活できなくなるのです。

 このように、二つの制度の統合は、障害者福祉を後退させるとともに新たな負担を障害者と若年層に求めるもので、認めることはできません。

 朝日新聞の調査では、全国の自治体長の過半数も反対しています。区長から国に対して介護保険との統合を実施しないよう求めるべきと考えますが、所見を伺います。

 この夏、養護学校に通う子どもさんと暮らしている家族から、深刻な相談を受けました。両親よりも大きくなった高校に通う息子さんが、近所の子どもとトラブルを起こしたり、家具を壊したり大変な状態になり、それをとめようと父親が夜、子どもを散歩や買い物に連れ出している。朝の三時ごろにはそれでも子どもが目を覚ましてしまい、両親とも二、三時間しか眠れず、現場仕事の父親は「いつ事故を起こすかわからない、何とか助けてほしい」という訴えでした。

 区の障害者の窓口に相談すると、早速職員が訪ねてくれ、手続をしてくれたおかげで一週間、民営の緊急一時の入所施設を利用することができました。しかし、そこから戻ってくるとまた同じことの繰り返しとなり、「長期間の入所施設が利用できないのか」と切実に訴えられています。

 しかし、現在、渋谷区で利用できる施設は、通所利用だけの「生活実習所つばさ」しかなく、現在、支援費利用者は十九人しかいません。障害者保健福祉計画で整備が示されている精神障害者グループホームが今年十月に開設し、さらに区長発言では障害者福祉センターを建て替えて、知的障害者の居住の場としての入所更生施設と、総合相談機能などを有する障害者福祉複合施設をつくることが提案されました。

 しかし、入所施設に対する区の考え方は、デイサービス、ショートステイサービスの機能併設や、自活訓練事業を実施する地域生活移行型にするとしています。

 私は、障害者と暮らしている家族が年々高齢化していることを考えると、知的障害者が住みなれたこの渋谷区で住み続けることができるための長期入所の生活型施設の建設も、区として建設する必要があると考えますが、区長の見解を伺います。

 また、笹塚二丁目に建設予定の知的障害者小規模通所授産施設については、区内の民営作業所に委託すると聞いています。区内の幾つかの作業所は、現在、法人化を目指し努力しています。そのことにより、今、利用している施設を整備する必要が出てくる場合もあります。そうした作業所や、高い家賃を払って運営を続けている小規模な作業所に対しても、笹塚の施設との格差が生まれないよう、施設整備については区が責任を持って助成を行うべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、障害者の就労支援の充実について質問します。

 渋谷区では、障害者の就労支援として就労相談会や就労支援センターを開設し、就労支援センターには現在五十九人の利用者登録があり、利用者によっては、仕事を覚えるまで就職後も三カ月から六カ月間、職員が毎日職場に一緒に出勤し、ジョブコーチとして援助をするという大変きめ細かな対応を行っていることを聞きました。その結果、現在、七人の人が就職しています。このようなきめ細かな支援を、多くの障害を持つ人と家族が望んでいます。

 しかし、現在のセンターは所長以下五名の体制で、現在の登録者の対応でいっぱいとのことです。是非支援センターの体制を増員し、当面幡ケ谷保健相談所、恵比寿保健相談所と連携し、それぞれの地域で就労支援センターの巡回サービスを行い、将来的には、それぞれの地域に就労支援センターを増設すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 また、現在、就労支援センターでは講師を招いて、二カ月に一回、五日間、十時間のパソコン教室を開催し、好評です。複数の民営作業所でもスタッフやボランティアの人がパソコン指導を行っています。是非、多くの障害者が就労の機会を拡大するためにも、パソコンの技術を身につけられるような機会の拡大をしてほしいと考えますが、所見を伺います。

 最後に、とりわけ精神障害者の受け入れ企業が少なく、多くの精神障害者の方が面接で振り落とされ、就職の機会に恵まれません。また、作業所の指導員の話では、すぐにフルタイムで働くと、残業を求められ無理をしたり、人間関係がうまくいかず、せっかく就職できても一カ月、二カ月でやめてしまうケースもあり、時間的にゆとりのある働き方からなれることが必要で、幾つかのグループが共同で、現在、お中元の時期のアルバイトを行っているとの話です。是非企業と作業所の中間で短時間でも働ける場所をつくってほしいという切実な要望が出されています。

 今、国では企業に対して受け入れの法律を改正する動きが出ていますが、まだ実現には時間がかかります。是非区の施設にかかわる軽作業などで受け入れる場所を提供すべきと考えますが、所見を伺います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団、五十嵐千代子議員の一般質問にお答えをしたいと思います。

 最初に、介護保険制度の改善ということで三点の御質問がございました。

 このことに関しましては、触れられておりましたけれども、本年七月に社会保障審議会介護保険部会において、それにかかわります意見の取りまとめがされたところでございます。その中で、これからの基本的な視点として、急速な高齢社会の進展を見据えて制度の持続可能性を図っていくということが一つございました。もう一つは、予防重視型システムへの転換を図って、明るく活力のある超高齢社会を構築していこうと、そういうことであったと思います。

 こういったことを基本的視点として、部会においては各委員の意見を取りまとめた段階だと、私はそのように考えております。

 その中で、質問の中で、利用料のことを申されたわけでございますけれども、審議会の報告は、この利用料の引き上げについてはまだ言及していないと、このように思っております。また、この施設給付の範囲、水準の見直しの中では、在宅と施設と利用者負担の不均衡是正を検討していこうと、その中で居住費用や食費、給付の範囲や水準の見直しを検討するということを言っておりますけれども、あわせて低所得者への配慮も必要だと、このように言っているわけでございます。したがいまして、現段階においては、まだしっかりした方向は出しておりませんので、区長が所見を申し上げようがないと、このように思っております。

 また、障害者支援費制度との統合についてでございますけれども、現段階では、この統合に伴います問題点の所在をそれぞれの立場から記述をしておりまして、まだ両論併記の段階である、このように考えております。

 また、要支援、要介護一につきましては、介護保険から外すということは言っておりません。したがいまして、私に何を反対せよというのか私にはわからない、こういうふうに思っております。

 全国的な実態調査をせよということでございますけれども、それは国において、必要に応じて判断すればよいことだと、このように思っております。

 次に、介護保険制度の利用料の減免についてのお尋ねでございます。

 国におきますホームヘルパーの利用料軽減制度を継続するようにということでございました。ホームヘルプサービスの利用料減額制度につきましては、介護保険制度創設時の激減緩和措置として設けられたところであり、また、今回、国において新しく、介護保険制度の見直しに着手した段階でございます。したがいまして、御質問のように、国に対する要望は考えておりません。

 次に、二点目、三点目の利用料、保険料の減免についてのお尋ねでございますけれども、介護保険は相互扶助の精神に基づく社会保険制度でございまして、制度の趣旨に反する利用料、保険料の一律減免は考えておりません。

 なお、区独自に実施しております利用者負担額助成制度、保険料減額制度につきましては、十六年度にそれぞれの預貯金の上限を緩和し、さらなる対象拡大を図ってまいったものでございます。今後とも周知徹底に努めつつ、当面はその推移を見たい、このように考えております。

 次に、介護保険制度の基盤整備についてのお尋ねでございました。

 本区における待機者は六百三十四名であると。そういうことから、第四、第五の特養建設、あるいはグループホーム、あるいはグループリビングの増設を計画するべきであると、こういうお話でございます。

 現在、御案内のとおり、旧渋谷小学校跡地に第三特養を建設中でございますし、グループホームにつきましては笹塚二丁目施設に、グループリビングにつきましては幡ケ谷の高齢者センターに建設計画をしているところでございます。

 特養ホームの待機者六百三十四人と、こういうふうに申されましたけれども、その中で、本区にしてみれば、この入所の緊急性の高いというのは在宅の要介護四、五、さらには痴呆性の要介護一、二、三度の方であろうと思いますけれども、そういった方々への対応として、第三特養の整備、あるいはこの現在の特養の退所者数、あるいはグループホームの整備、あるいは老健施設等の対応を考えますと、当面はこの計画で進めてまいりたい、このように考えております。

 本町在宅介護支援センターについて、幡ケ谷浴場の跡地をと、こういうお話であったと思いますけれども、現在まだ交渉中でございまして、取得が決まったわけではございません。したがいまして、その後に、その具体的な施設内容については区議会とも御相談しながら決定をさせていただきたい、このように考えております。

 障害者支援費制度の中で、介護保険制度の統合についてお尋ねでございます。先ほども申し上げましたけれども、現段階においては、この障害者福祉との統合については、それぞれの立場から意見が出されておりまして、賛成もあり反対もある状況であり、両論の併記されている段階だと、このように考えております。

 したがいまして、その国の方向を見きわめた上で対応してまいりたい、このように考えております。

 それから、心身障害者福祉センターの建て替えについてのお尋ねでございますけれども、現段階は、まだ基本設計を行う段階でございますので、その詳細については、これから具体的に詰めてまいりたい、このように考えておりますが、とりあえずはこの生活型施設も視野に入れながら、地域移行型施設を具体化してまいりたい、このような考え方でございます。

 笹塚二丁目の施設につきましては、痴呆性高齢者グループホームとの複合施設でございますけれども、民間福祉作業所の法人化を支援するために、作業所スペースとして提供をしたい、このように考えているところでございます。

 それから、障害者の就労支援についてでございますけれども、職員の増員と、さらには支援センターの増設をというお話でございました。このことについては、まだ昨年の十二月十七日に発足したばかりでございまして、まずは現体制で業務の充実を図り、また、増設については推移を見たい、このように考えております。

 それから、障害のある方がパソコン技術を身につけられる機会の拡大をというお話でございました。このパソコン技術の習得につきましては、その希望の実態等を踏まえまして検討してまいりたい、このように思います。

 それから、障害者の就労の場として区施設の中で受け入れをと、こういうお話でございましたけれども、障害のある方が、その適性と能力に応じて雇用の場につくことが大切である、このように考えておりますので、民間も視野に入れながら、今後の検討課題とさせていただきたい、このように考えております。

 以上で答弁を終わらせていただきます。

   〔「区長、答弁漏れ。笹塚二丁目施設について、知的障害のね、作業所にしますけれども、今後……」の声あり〕



○議長(丸山高司) 不規則発言は認めませんので。

   〔「いや、答弁漏れですよ」の声あり〕



○議長(丸山高司) だから、五十嵐議員にお願いをします。

   〔「議長は、それはきちっと答弁させないとだめですよ。時間が制約されているんだから、上がれば……。じゃ、時間とめますか。答弁漏れなんですから。答弁はきちっとさせてくださいよ、通告しているんですから。だって答弁の要旨があるんだから、それを読み上げてくださいよ」の声あり〕



○議長(丸山高司) じゃ桑原区長、どうぞ。



◎区長(桑原敏武) 答弁漏れはないと、こういうふうに思っておりますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。



○議長(丸山高司) 二十四番五十嵐千代子議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 区長に答弁をいただきましたけれども、今の答弁を聞いていましてですね、私は、できるだけ実態をもって国の動き、そして当区に今、求められている方向について、とりわけ深刻な実態となっている高齢者の介護の必要な人、また障害を持つ人の対策について尋ねました。

 しかし、区長の答弁は、国の介護保険の見直しあるいは障害者支援費制度との統合問題について、余りにも認識が、この問題に関心を持っている当事者の立場に立っていない、このことをまず最初に指摘します。

 なぜならば、先ほどの区長答弁は、意見の取りまとめ段階だから反対をする、そういう段階ではないという発言がありましたけれども、国は来年の二月に法案を提出し、この秋にも厚労省案を提出すると。連日の新聞でもこの内容については取り上げられているわけです。

 改めてこの問題についてお聞きします。

 区長は国の、この既に出されている方向について何ら批判をしませんでしたけれども、具体的に質問したいのは、この国の方向が財源も縮減するということで、障害者、高齢者の介護の制度を後退させるというものです。これは許されない中身です。介護保険制度も始まって五年ですけれども、実態は、先ほども私が申し述べたとおりに、受けたくても受けられない状況があるわけです。

 さらに、障害者については家族の負担が、高齢者以上に大きなものが今現在、横たわっています。こういう高齢者、障害者の福祉施策を前進させるためにつくられた、それが介護保険制度であり、支援費制度についても、問題はありますけれども、サービスについては、介護保険と統合されることと比べれば非常に、非常にというか、選べる状況もあるわけです。

 例えば、障害者がもし介護保険に統合されれば、現在、介護保険には、障害者の人たちが仕事をする、社会参加をする、このためのヘルパー派遣がありますが、介護保険ではありません。また、わずかな年金では一割の利用料は払えない、そういう事態が起きてくるわけです。

 そういう具体的問題について区長はどういうふうに考えているのか、この点を改めて伺いたいと思います。

 それから、当区の対策ですけれども、これは区長の出した高齢者の保健福祉計画に、特養ホームについてはもう計画、今の第三で終わりにしたいような発言がありましたけれども、渋谷区の高齢者保健福祉計画でもこう言っているんですね。「渋谷区は、地域社会のの連帯と高齢者の自立を支援し、介護がゆきとどき、自ら介護サービスを選択できるよう基盤整備を行う」こう言っています。

 さらに、保険料についてもですね、こう言っております。先ほど保険料の減免については制度とそぐわないようなことを言っていますけれども、「当区の個別減額制度の実施に当たっての考え方」として示されているのは、こう言っているんですね。「保険料支払いが困難な人が、主に第二段階に見られる。保険料が支払えないと給付制限の対象となってしまうため、結果として介護保険が利用しづらくなることが懸念される。当該者を制度から排除することにもなりかねない」だから減額すると言っています。

 この立場に改めて立つべきだというふうに思いますけれども、再度答弁を求めます。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 五十嵐議員の再質問にお答えをしたいと、このように存じます。

 来年二月に法案を提出する段階に来ていると、こういうことでございました。私もそういうことの意識をもって、この介護保険部会の報告を何度も何度も読み直しましたけれども、議員のおっしゃっているようなことは書いていない。意見の中では出たかもしれない。しかし、私はまだ出ていない。出ていないことをオオカミ少年のごとくに、先々をおそれてですね、私は言うことはできないと、こういうふうに思いましたので、そのようなことを申し上げました。

 私は、介護保険制度を後退させようというような意思もございませんし、また、そのようなことがあってはならないと思いますけれども、あくまで介護保険制度というのは相互扶助制度でございますから、すべてノーフリー、パスというわけにはいかんだろうと、こういうふうに思っているところでございます。

 障害者の保険の統合についてでございますけれども、このことについては積極的な意見と慎重な意見、慎重な考え方の中には、今、五十嵐議員がおっしゃったようなことも書いてあるんです。だけれども、そういうことを踏まえながらも現時点では両論併記だと、こう書いてあるんです。だから私は、そう申し上げた。まだ方向は決まっていない、こういうふうに私は読みましたから、そのように申し上げたところでございまして、御理解をいただきたいと存じます。

 それから、基盤整備についてでございますけれども、私は、基盤整備については現段階においては対応できると、こういうふうに申し上げました。将来のことは、そのときの段階で判断したいと思いますけれども、そのことについても、今回の審議会の部会の報告はですね、そのことにも触れて、そういったことも考えながら、今後のことを、対応をこれから考えていきたいというふうに私は思っております。

 それから、この保険料のことでございますけれども、低い層の保険料の負担をさらに軽減するとともに、よりきめ細かい保険料段階が設定できる弾力的な仕組みが必要であると。確かに部会の意見としてはありますけれども、それを踏まえてこれから渋谷は考えていくということでございますので、御理解いただきたいと存じます。

 以上です。



○議長(丸山高司) 二十四番五十嵐千代子議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 区長から再答弁いただきましたけれども、いつの段階で対応するのか。オオカミ少年という言葉もありましたけども、改めて私は記憶にとどめたいと思います。

 そして、何よりも渋谷区の最大の役割は、住民の福祉を守ることです。この姿勢を投げ捨てるような対応は許されないということを申し上げて、終わります。



○議長(丸山高司) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(丸山高司) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から十月二十五日までの二十六日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は二十六日間と決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は、議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は、明十月一日午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会といたします。

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   延会 午後六時六分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   丸山高司

渋谷区議会副議長  金井義忠

渋谷区議会議員   前田和茂

渋谷区議会議員   菅野 茂