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東京都 渋谷区

平成28年  3月 定例会(第1回) 03月03日−01号




平成28年  3月 定例会(第1回) − 03月03日−01号










平成28年  3月 定例会(第1回)



        平成二十八年 渋谷区議会会議録 第一号

 三月三日(木)

出席議員(三十四名)

  一番  斉藤貴之      二番  藤井敬夫

  三番  一柳直宏      四番  近藤順子

  五番  松山克幸      六番  田中匠身

  七番  伊藤毅志      八番  治田 学

  九番  吉田佳代子     十番  須田 賢

 十一番  笹本由紀子    十二番  堀切稔仁

 十三番  斎藤竜一     十四番  佐藤真理

 十五番  下嶋倫朗     十六番  久永 薫

 十七番  沢島英隆     十八番  岡田麻理

 十九番  小柳政也     二十番  鈴木建邦

二十一番  秋元英之    二十二番  田中正也

二十三番  牛尾真己    二十四番  五十嵐千代子

二十五番  前田和茂    二十六番  丸山高司

二十七番  木村正義    二十八番  染谷賢治

二十九番  栗谷順彦     三十番  古川斗記男

三十一番  薬丸義人    三十二番  芦沢一明

三十三番  苫 孝二    三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            長谷部 健

    副区長           千葉博康

    副区長           澤田 伸

    企画部長          久保田幸雄

    文化・都市交流担当部長   植竹ゆかり

    総務部長          藤本嘉宏

    施設整備担当部長      秋葉英敏

    庁舎総合対策部長      佐藤賢哉

    庁舎建設技術担当部長    秋葉英敏

    危機管理対策部長      柳澤信司

    区民部長          松澤俊郎

    福祉部長          安蔵邦彦

    子ども家庭部長       倉澤和弘

    健康推進部長        広松恭子

    都市整備部長        大澤一雅

    渋谷駅周辺整備担当部長   須藤憲郎

    土木清掃部長        黒柳貴史

    清掃担当部長        星野大作

    教育委員会教育長      森 富子

    教育振興部長        児玉史郎

    生涯学習・スポーツ振興部長 児玉史郎

    選挙管理委員会委員長    伊藤美代子

    選挙管理委員会事務局長   吉田恭子

    代表監査委員        竹田 穰

    監査委員事務局長      船本 徹

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事務局職員

事務局長  斉藤則行    次長    藤田暢宏

議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏

議事主査  真下 弘    議事主査  高木利樹

議事主査  武田真司    議事主査  石川研造

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      平成二十八年第一回渋谷区議会定例会議事日程

                平成二十八年三月三日(木)午後一時開議

日程第一       会期決定の件

日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について

日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について

日程第四 諮問第三号 人権擁護委員の候補者について

日程第五 諮問第四号 人権擁護委員の候補者について

日程第六 諮問第五号 人権擁護委員の候補者について

日程第七 議案第一号 渋谷区組織条例の一部を改正する条例

日程第八 議案第二号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第九 議案第三号 渋谷区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例

日程第十 議案第四号 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一 議案第五号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十二 議案第六号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第十三 議案第七号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第十四 議案第八号 渋谷区防災従事者損害補償条例の一部を改正する条例

日程第十五 議案第九号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第十六 議案第二十号 渋谷区建築審査会条例の一部を改正する条例

日程第十七 議案第二十一号 渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第十八 議案第二十二号 渋谷区清掃及びリサイクルに関する条例の一部を改正する条例

日程第十九 議案第十八号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第二十 議案第十九号 渋谷区立保育園条例の一部を改正する条例

日程第二十一 議案第二十三号 渋谷区立幼稚園条例の一部を改正する条例

日程第二十二 議案第二十四号 渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例

日程第二十三 議案第二十五号 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び幼稚園教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十四 議案第二十六号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十五 議案第二十七号 渋谷区立松濤美術館条例の一部を改正する条例

日程第二十六 議案第二十八号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例

日程第二十七 議案第十号 渋谷区地域包括支援センター条例

日程第二十八 議案第十一号 渋谷区営住宅条例の一部を改正する条例

日程第二十九 議案第十二号 渋谷区福祉サービス利用者権利保護委員会条例の一部を改正する条例

日程第三十 議案第十三号 渋谷区借上げ等高齢者住宅条例の一部を改正する条例

日程第三十一 議案第十四号 渋谷区高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例

日程第三十二 議案第十五号 渋谷区グループホームいきいき条例の一部を改正する条例

日程第三十三 議案第十六号 渋谷区介護保険条例の一部を改正する条例

日程第三十四 議案第十七号 渋谷区障害者福祉施設条例の一部を改正する条例

日程第三十五 議員提出議案第一号 渋谷区公契約条例の一部を改正する条例

日程第三十六 議員提出議案第二号 渋谷区新庁舎建設に関する検討会条例

日程第三十七 議員提出議案第三号 渋谷区立河津さくらの里しぶや条例を廃止する条例

日程第三十八 議員提出議案第四号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例

日程第三十九 議員提出議案第五号 渋谷区国民健康保険加入者生活支援手当条例

日程第四十 議員提出議案第六号 渋谷区高齢者の医療費の助成に関する条例

日程第四十一 議員提出議案第七号 渋谷区立宮下公園整備計画に関する検討会条例

日程第四十二 議員提出議案第八号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第四十三 議員提出議案第九号 渋谷区子育て支援施設条例の一部を改正する条例

日程第四十四 議員提出議案第十号 渋谷区児童福祉センター条例

日程第四十五 議員提出議案第十一号 渋谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第四十六 議員提出議案第十二号 渋谷区立幼稚園条例の一部を改正する条例

日程第四十七 議員提出議案第十三号 渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例

日程第四十八 議員提出議案第十四号 渋谷区奨学資金に関する条例の一部を改正する条例

日程第四十九 議員提出議案第十五号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第五十 議案第二十九号 平成二十七年度渋谷区一般会計補正予算(第三号)

日程第五十一 議案第三十号 平成二十八年度渋谷区一般会計予算

日程第五十二 議案第三十一号 平成二十八年度渋谷区国民健康保険事業会計予算

日程第五十三 議案第三十二号 平成二十八年度渋谷区介護保険事業会計予算

日程第五十四 議案第三十三号 平成二十八年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算

日程第五十五 議案第三十四号 特別区道路線の廃止について

日程第五十六 議案第三十五号 特別区道路線の廃止について

日程第五十七 議案第三十六号 特別区道路線の廃止について

日程第五十八 議案第三十七号 特別区道路線の認定について

日程第五十九 議案第三十八号 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(木村正義) ただいまから平成二十八年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、十二番堀切稔仁議員、二十二番田中正也議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

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○議長(木村正義) 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔斉藤事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 長谷部区長、千葉副区長、澤田副区長、久保田企画部長、植竹文化・都市交流担当部長、藤本総務部長、秋葉施設整備担当部長兼庁舎建設技術担当部長、佐藤庁舎総合対策部長、柳澤危機管理対策部長、松澤区民部長、安蔵福祉部長、倉澤子ども家庭部長、広松健康推進部長、大澤都市整備部長、須藤渋谷駅周辺整備担当部長、黒柳土木清掃部長、星野清掃担当部長、森教育委員会教育長、児玉教育振興部長兼生涯学習・スポーツ振興部長、伊藤選挙管理委員会委員長、吉田選挙管理委員会事務局長、竹田代表監査委員、船本監査委員事務局長。

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 監査委員から、平成二十七年十一月末日現在及び十二月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。

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○議長(木村正義) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 本日ここに平成二十八年第一回渋谷区議会定例会を招集し、平成二十八年度予算案を初め多くの議案について御審議をお願いすることとなりました。この機会に、当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。

 初めに、予算編成に当たっての基本的な考え方です。

 平成二十八年度当初予算案は、私が区長として初めて編成した本格予算です。私の区政に対する課題認識や解決手法については、これまでも区長発言等を通して、また、区民の皆様と直接お話しする機会を捉え、申し述べてきました。それは、渋谷区政が大きな柱として掲げてきた手厚い福祉と教育をしっかりと継承しながら、そこに新しいアイデアと取り組みを加えるということです。

 予算案では、区議会の御議決をいただき進めている新庁舎・公会堂整備事業において、仮庁舎整備が終了したことから一般会計で前年度比減となっていますが、施策別では、区民福祉の増進、教育文化の向上ともにプラスを確保しております。加えてダイバーシティ、そしてインクルージョンを推進し、東京オリンピック・パラリンピック開催を好機とした心のバリアフリーの実現に向け、着実に一歩を踏み出せたと考えています。違いはハンディキャップではなく、個性的なアドバンテージとして尊敬し合う、そのような「誰もが安心して暮らすことのできる成熟した国際都市 渋谷」を目指してまいります。

 この基本的な考え方に基づいた分野別の施策についてですが、まず、区民生活の根幹である福祉の充実です。

 安心して住み続けられる基盤となる住宅の整備では、特にニーズの高い単身高齢者向けの住まいとして、四月に幡ヶ谷原町住宅三十七戸を開設します。さらに、多様な住まいのニーズに対応するため、都営恵比寿西アパートの移管に合わせ、区営住宅をベースとした複合施設の計画策定に着手するとともに、幡ヶ谷二丁目に計画中の複合施設では、防災公園、保育施設、地域包括支援センターのほか三十八戸の高齢者・障害者・一般世帯向け住宅の建設を進めてまいります。

 一方、超高齢社会を見据えた地域包括ケアシステムの整備が急務となっています。本区では、これまで介護予防の効果が見込まれる方に対し、独自の保険外サービスを設け、高齢者の生活機能の維持・改善を図ってきました。今後も、介護を必要とする人が必要とするサービスを受けることができるよう、これらのサービスを再構築するとともに、新しい介護予防・日常生活支援総合事業にも組み込んで実施していきます。

 加えて、認知症高齢者の増加が予想される中、早期発見・早期支援体制を確立し、本人やその家族への支援をさらに強化していくことが必要です。そのため、四つの日常生活圏域ごとに設置している機能強化型地域包括支援センターに認知症施策の企画・運営や相談事務などを行う認知症地域支援推進員を新たに配置するとともに、家庭訪問等を行う認知症初期集中支援チームを増やし、圏域ごとにきめ細やかな施策を展開してまいります。

 障害者施策については、現在、医療的なケアを要する重症心身障害児(者)が通所できる施設は少なく、在宅で家族が看護せざるを得ない状況にあります。そこで、家族が一時的にでも看護の手を休め、安心してPTA等の社会活動にも参加できるよう、看護師が自宅を訪問し、家族にかわって一定時間ケアを行う重症心身障害児(者)在宅レスパイト事業を実施します。

 次に、子育て支援の充実についてです。

 本区では、待機児解消を最重要課題の一つとして位置づけ、良質な保育環境を確保しながら保育施設の量的拡大に努めてきました。平成二十八年度においても、四月に児童青少年センター複合施設内に「本町そよかぜこども園」旧代々木小学校内に「キッズハーモニー・よよぎの杜」を開設するなど、年度内に三百六十人の定員拡大を図ります。

 しかし、残念ながら待機児の解消には至っておりません。そこで、運営事業者の本区への参入を促進するため、賃借物件による保育施設等の設置費用の一部を補助する制度を新たに創設し、所要経費を二十八年度予算に計上しました。現在、千駄ヶ谷五丁目や鶯谷町で認可保育所開設を予定している事業者を初め、様々な提案が寄せられており、タイミングを失することなく、スピード感を持って、安心して産み育てられる保育環境の整備を推進してまいります。

 また、障害や疾病等の有無にかかわらず全ての子どもに保育サービスを提供できるよう、障害や疾病等により集団保育が著しく困難な児童に対し自宅に保育従事職員を派遣する、居宅訪問型保育事業を新たに実施いたします。

 さらに、養育困難や虐待などの問題は、子どもの発達問題だけでなく、その保護者と家族が抱える様々な問題が複雑に絡み合っている場合が少なくありません。そのため、子ども家庭支援センターを子ども発達相談センターと同じ建物内に移設して、より一体的な事業運営と連携強化を図り、子ども総合支援センターが総合的かつ迅速、的確に対応できるようにしてまいります。

 加えて、子どもの個性を尊重しながらその発想力や応用力を伸ばしていくことは、幼児期においても大切です。今後も質の高い保育・幼児教育を提供できるよう、海外の先駆的、特徴的な教育メソッド、例えばレッジョ・エミリアアプローチやシュタイナー教育などについて調査・研究を進めたいと思います。

 さらに、周囲とのコミュニケーション等において課題を抱えているものの、知能や才能において特異な能力を秘めている子どもたち(ギフテッド)に対する教育方法等についても調査・研究し、これらの成果について、今後、改訂を予定している渋谷区幼児教育プログラムや学校教育等に反映させていきたいと考えています。

 次に、安全・安心のまちづくりです。

 本年三月十一日、東日本大震災が発災して五年になります。この震災において表面化した帰宅困難者対策は、首都直下地震が迫る中、本区にとって喫緊の課題であり、現在、渋谷駅周辺地域都市再生安全確保計画の策定を進めています。

 この計画は、発災直後の混乱防止対策、人的被害の抑制、事業継続力の強化等を目的として実行可能な対策を計画に盛り込み、継続的に検証、見直しを行って新たな対策を反映させる成長型の計画です。渋谷駅周辺帰宅困難者対策協議会を初め民間事業者等との連携を進め、帰宅困難者対策をより実効性のあるものにしてまいります。

 また、区内三十二カ所に設置されている帰宅困難者支援(受入)施設の案内板を主要幹線道路沿いに十八カ所増設し、渋谷区防災ポータルサイトの活用とあわせ、施設への円滑かつ速やかな誘導体制を整備します。

 本区では現在、各避難所に避難者の三日分の食料を備蓄していますが、アレルギーに対応するものにはなっておりません。これを改善するため、平成二十八年度内に一般・高齢者向けの三日分の食料(一日分はおかゆ三食とクラッカー一箱)全てを、アレルギー物質とされる二十七品目を使用しないアレルギー対応食へ切りかえます。

 他方、災害時のペット対策については同行避難を原則とし、飼い主に対して必要な用具や食料の備蓄を啓発してきましたが、平成二十八年度から避難所の備蓄品として、新たに犬・猫用のペットフード、リード、首輪を加えることとし、ペットの避難対策の拡充を図ります。

 また、本区では悪質な客引き行為等の防止のため、全業種の客引き行為、客待ち行為を禁止し、指導、是正命令に従わない者についてはその事実を公表する渋谷区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例を施行しています。これまでも、警察、区、商店街が連携してパトロールを実施し、指導を行ってきましたが、区民や来街者の安全の確保と快適性をさらに向上させるため、平成二十八年度から警察官OBを指導員とするパトロール体制を整備し、条例の実効性を高めてまいります。

 次に、教育の充実についてです。

 今、教育に求められているのは知識の量ではなく、知識活用の豊かさです。そして基礎・基本から無限の可能性を引き出すクリエイティビティが大切です。

 本区は次世代を担う青少年の異文化理解の促進と国際的視野の拡大のため、フィンランド共和国や北京市に児童・生徒を派遣していますが、平成二十八年度は、昨年の実地調査を踏まえ新たにシリコンバレー青少年派遣研修を加え、実施します。スタンフォード大学との産学連携、ハイテク産業やベンチャービジネスなどが集積する地で世界のトップ・オブ・トップが集まり、最先端の技術革新が生まれている現場を子どもたちが直接体験することは、知的好奇心をさらに刺激し、一人一人が持つ未来への可能性の扉を開いてくれることと思います。

 教育委員会が実施しているキャリア教育「地域で育つ中学校職場体験学習」の一環として、各区立中学校の二年生二名、計十六名を春季休業期間中に五泊七日で派遣します。

 また、グローバル社会で自ら未来を切り開き、他者と協力して新たな価値観を創造する気概と能力を養うことも重要です。

 グローバルに活躍するためのツールの一つが英語であり、本区では、これまでも小中学校にALT(英語指導助手)を派遣し、区独自に英語指導の充実を図ってきました。平成二十八年度では、新たに小学校一校をモデル校としてALTを常駐させ、日常的に英語教育を行う「しぶやイングリッシュ」を実施し、小学校での英語教育のあり方の研究を始めます。

 また、ICT機器は今後、教科書や図書館の役割を担うばかりでなく、ノートや筆記用具となり、また、双方向のコミュニケーションを通して意見交換や発表の新たなる手段となる可能性を秘めています。日常の教育活動の中で効果的に活用するノウハウを検証するため、新たに小学校においてモデル事業を行い、ICT教育を推進していきます。

 さらに、私は今年度策定した教育大綱において、互いの違いを認め合い、共存関係をデザインする力が大切であることにも触れました。

 多様性社会の実現には、マジョリティ(多数派)と言われる人々の意識の変化が重要です。それには、行政が啓発を進め、率先してマイノリティの方々のよき理解者、支援者となることはもちろんですが、教育が果たす役割も非常に大きいと考えます。そのため、教育においてもダイバーシティとインクルージョンを理念とし、子どもたち一人一人の個性と能力を尊重しながら、未来を担う人材として育成することを目指してほしいと思います。

 例えば、性的少数者への理解を深めるには、教職員が子どもたちの不安や悩みを受けとめ、教育相談に適切に対応できることが必要であり、教職員向けのセクシュアルマイノリティ研修を充実させます。

 また、特別支援教育では、専門的な発達検査と行動観察を取り入れた個別支援計画に基づき、支援を必要とする一人一人に合った教育を進めます。平成二十八年度は神南小、幡代小に加え、常磐松小を特別支援教室拠点校とし、巡回指導員が全小学校を巡回することで、支援を必要とする児童が在籍学級の時間割等に応じ柔軟に指導を受けられるようにします。中学校においても、情緒障害等通級指導学級を代々木中学校に開級し、専門性の高い教員が個別あるいは小集団での指導を実施するなど、相談・指導体制の充実を図ってまいります。

 次に、健康づくりとスポーツの振興についてです。

 全国トップレベルの水準にある予防接種の助成については、区民の健康保持の観点から、継続して実施いたします。

 また、疾病対策の一環として、新たに骨髄・末梢血幹細胞の提供者に対するドナー支援事業奨励金の支給を始めます。骨髄等の移植は、急性骨髄性白血病などの患者に病院でドナーから採取した移植細胞を用いる治療ですが、ドナーの善意に頼っており、ドナーに対する公的な休業補償制度等はありません。そのため、普及啓発とあわせ、ドナー及びドナーが従事する事業所の経済的負担等を軽減し、実際の提供が行われやすい環境を整えてまいります。

 スポーツ振興は、私のライフワークの一つです。

 言うまでもなく、スポーツは一人一人の健康・体力づくりだけでなく、人と人、地域と地域の交流促進に寄与するものであり、健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠なものです。東京オリンピック・パラリンピックは改めてそれを確認できる絶好の機会であり、区民にとって、自らスポーツに親しむだけでなく観戦を楽しみ、あるいはボランティアとして支える活動へ参加する契機にしたいと思います。

 中でも注目したいのはパラリンピックです。パラリンピアンが超人という言葉にふさわしく、力強く、また華麗に競技に挑戦している姿を身近に感じていただきたいと思います。そして、限りない人間の努力と可能性に共感し、心のバリアフリーが浸透することをレガシーとして残していきたいと考えています。

 そのため、平成二十八年度には専管組織を設置し、シンポジウムの開催、パラリンピック競技の認知度を高めるための試合観戦やスポーツ体験の実施を初め、渋谷区オリジナル紙芝居を作成し保育園や学校などで披露するほか、全ての公立小中学校、幼稚園をオリンピック・パラリンピック教育推進校に指定し、気運醸成を図ってまいります。

 次に、まちづくりについてです。

 私は区長就任時、本区の目指す姿として「ロンドン、パリ、ニューヨーク、渋谷区」と表現し、機会あるごとにこのフレーズを発信してきました。国際化の流れを見据え、ソフト、ハード両面にわたるまちづくりを精力的に展開し、渋谷を世界の主要都市に肩を並べるまちとして発展させていきたいと思います。

 現在、渋谷駅周辺地域では、東口を初め四つの再開発がそれぞれ進んでいますが、平成二十八年度は道玄坂一丁目駅前地区が本格的に本体工事に着手することになります。これらの大規模開発をきっかけに、さらにその周辺でもまちづくりの機運が高まりつつあることから、まちづくりに多様で様々な主体がかかわることができるよう、産学公民連携による組織体である「(仮称)アーバンデザインセンター渋谷」の設立に向け、検討したいと思います。

 これは、ノウハウなど様々な強みやニーズを持った人々が参加して話し合い、そこから生まれたアイデアを活用しながらまちづくりを考えるもので、多様な視点でまちづくりを話し合う協働・交流の場、地域ニーズについて実証・対応を検討する地域シンクタンク機能、インフォボックスと連携して都市情報を発信する情報発信機能という三つの機能を持っています。この「(仮称)アーバンデザインセンター渋谷」では、渋谷駅周辺のみならず、それを円の中心としてもう少し広範なエリアも対象に、例えば代々木公園が区民の健康に対してどうあるべきか、原宿方面にかけての動線をどう考えるべきかなどを検討していければと思います。

 さらに、将来的には笹塚等の地域エリアにおいても、どういったまちづくりがよいのか、このまちづくりの手法を生かし、まちのリブランディングなどについて検討できればと考えています。

 他方、老朽化した木造住宅が密集する市街地については、防災性を向上させるため不燃性の高い住宅への建替え、道路の拡幅、公園等のオープンスペースの確保等、都市基盤の整備を着実に進めてまいります。

 本町地区では、東京都の木密地域不燃化十年プロジェクトによる不燃化特区としての事業展開を行い、災害時に燃えないまちづくりの実現に向け、取り組みの強化を図ります。

 次に、その他の重要課題として四点述べます。

 まず、資源物の持ち去り防止です。

 本区は再資源化の促進や最終処分量の削減など廃棄物の適正処理を図り、この五年間で区が収集するごみ量を約一割削減することができました。これはごみの発生抑制や適正分別による資源回収への区民の皆様や事業者等の協力によるものです。

 しかし一方で、こうした新聞などの資源物が民間事業者等により不正に持ち去られる事象が発生しています。対策として、区の資源であることを表示したテープや持ち去り防止シートの使用、リサイクル等推進員や清掃協力会の協力による集団回収活動の呼びかけのほか、早朝パトロールを実施していますが、依然として持ち去り行為が後を絶ちません。持ち去り者の中には注意した区民に対し暴言を吐いたり、住宅街を猛スピードで走り去ったりと、安全・安心を脅かす行為を行う者もいます。

 そこで、区民が安心して生活できることはもちろん、リサイクルシステムを維持し、さらなる再資源化の促進とごみの減量を図り資源循環型社会を目指す観点から、持ち去り行為を禁止し、禁止命令を出すだけではなく、命令違反者には罰金を科す規定を盛り込んだ条例改正案を本定例会に提出することとしました。

 今後も区民、事業者、区が一体となって環境の保全、創出に向けた取り組みを進め、環境に配慮した都市空間を形成してまいります。

 二点目は、宮下公園及び渋谷駐車場の一体的な整備です。

 昨年十二月、区議会の御議決をいただき、本事業の円滑な実施のための基本的スキームと、区及び事業者の責務を定める基本協定を三井不動産株式会社と締結いたしました。平成二十八年度は新宮下公園と新渋谷駐車場の都市計画手続を進め、年度内には工事に着手し、三十一年度中の竣工を目指してまいります。

 緑と水の空間軸の形成、地域の賑わいの創出の拠点である新宮下公園は、商業施設や宿泊施設と一体的な施設とすることで、渋谷における観光拠点となるほか、帰宅困難者の受け入れなど地域防災機能も強化されるなど、公園としての機能や魅力がより一層向上します。さらに、観る、体験するなど障害者スポーツを身近に感じられるような、ダイバーシティ渋谷を象徴する世界に誇れる立体都市公園として生まれ変わることを期待しています。

 なお、本事業で得られる事業収益に対するレベニューシェア(利益をあらかじめ決めておいた配分率で分け合うこと)について、今後、事業者と協議を進めてまいります。

 三点目は、ハウジングファースト事業についてです。

 現在、ホームレスの自立支援として、自立支援センター設置や巡回相談等、東京都と特別区が共同して事業を実施しています。しかし、事業の効果を上げるには安心して暮らせる住まいをまず確保し、その上で心身のケアや衣食住の支援、地域生活が継続できるようアセスメント等を行うことがより有効だと考えます。そのため、これまでの都区共同の取り組みに加え、新たにNPO等と連携しながら住まいの確保を優先し、一人一人に合った支援を行うハウジングファースト事業を実施し、住まいを失った人の社会復帰に向けた支援を行ってまいります。

 四点目は、いわゆる民泊についてです。

 近年、海外からの旅行者の急増等に伴い、都市部における宿泊施設が不足しています。こうした中、ネットを介して自宅の一部や集合住宅の一部に宿泊させる民泊が増加し、宿泊者の安全確保や騒音、ごみ出しなど様々な課題が指摘されています。これらを解決しつつインバウンド事業に積極的に応える方法については、現在国が模索しているところですが、本区といたしましても地域住民の良好な住環境を守りつつ宿泊形態の多様化に適切に対応できるよう、国の動向を注視しながら研究を行ってまいります。

 次に、今後の区政を展開していく上で新たな視点として、三つの取り組みについて述べたいと思います。

 第一は、オウンドメディアの強化です。

 行政運営に区民ニーズを取り込み、スピーディかつ適切に区政を進めていくには、まず区政のことを広く知っていただくことが必要です。また、行政情報は画一的で行政からの一方向の発信となりやすいことから、今後は情報の発信力の強化とともに、双方向性の実現が必要不可欠と考えます。そこで、区内にコミュニティFMが開局されるのを機に、新たな情報発信の手段として活用し、地域コミュニティの活性化につなげてまいります。

 ラジオ版区ニュースとして区にかかわる情報を発信するとともに、地域の行事や活動の紹介、あるいは人にスポットを当てた地域コミュニティ番組を制作、放送することにより、地元に対するシティプライド(郷土愛)を醸成し、行政運営や地域活動への積極的な参加を促していきます。

 また、外国人観光客に向け、区の魅力や有益な情報を発信することで観光振興につなげるほか、災害時には、防災行政無線の補完として、行政からの情報発信手段として有効活用していきます。

 しぶや区ニュースについても紙面を刷新し、カラー化、ページ数を四ページ増とします。ビジュアル面の強化とともに、地域の活動や参加者の声など区民参加型の記事を掲載し、行政運営や地域活動に関心や興味を持っていただけるよう工夫してまいります。また、配布方法も新聞折り込みから全戸配布へ変更し、区が最も伝えたい情報を区民の皆様に直接お届けします。

 あわせてホームページについても、モバイルサイトを含め最先端の情報発信都市、渋谷区にふさわしい、より充実したものとなるよう、平成二十八年度中にリニューアルいたします。

 第二は、ICT戦略の推進です。

 現在、区役所の全ての業務はICTに基づく各システムによって運営されていると言っても過言ではありません。これからの行政運営にとって、ICTの活用は不可欠のテーマです。

 そこで、ICT部門の体制強化のため、新年度から情報戦略担当部長を設置し、平成三十年度の新庁舎移転に合わせ、区役所全体のICT基盤の刷新に向け準備を行ってまいります。新たに構築するICT基盤は、情報セキュリティを確保しつつ事故や災害に対して堅牢で、かつ技術革新に柔軟に対応できるものでなければなりません。この新たなICT基盤を用いて、さらに行政サービスの高度化を図り、職員の生産性の向上を目指したいと考えます。

 また、財務会計については、地方公会計制度を取り込んだ新たなシステムを導入し、本年九月の稼働を目指していきます。

 この地方公会計制度は、従来の官庁会計に加え複式簿記、発生主義会計の考え方を取り入れたもので、区有資産のストック情報を一覧的に記録し、減価償却費などを明らかにすることにより、行政コストの正確な把握に資するものです。平成二十九年度予算編成事務からの使用を予定していますが、新たな基準に基づく財務書類の作成、分析、公表は、効果的な行財政運営と行政の透明性アップにつながるものと考えます。

 第三は、「(仮称)シブヤソーシャル・アクション・パートナー制度」についてです。

 本区では現在、新たな基本構想と長期基本計画の策定を進める一方、喫緊課題に対応できるよう、今後三年間の重点計画を明らかにした「渋谷区実施計画二〇一六」を策定いたしました。

 不透明感を増しつつある我が国経済情勢のもとで、これらの事業を着実に実施し、区政が抱える課題を解決するには、行政だけではなく区民、企業、NPO団体などの様々な事業者、ボランティアなどの連携、協力が欠かせません。

 私は、折に触れ「公民の連携・協業」ということを述べてきましたが、寄附金のほか、これまでの区と企業との協働はネーミングライツの活用などに限られているのが現状です。しかし、もっと地域や社会に貢献したいという企業は数多く存在します。また、技術やノウハウ、そして人材など、それぞれの企業ならではの強みを持っています。そこで、区とビジョンや価値観を共有できる区内の企業の協力を得て、それぞれの強みを区政課題のスピーディかつクリエイティブな解決に生かせないか検討を続けていきます。協議がまとまり次第、順次公表していきたいと思います。

 最後に、財政規模について申し上げます。

 平成二十八年度一般会計歳入歳出予算額は八百四十五億五千二百万円であり、前年度に対して一・四%の減となっています。しかしながら、これまで申し上げたとおり、高齢化への対応を初め子育て支援、災害対策の強化等、区民福祉に係る諸施策の着実な推進を図っています。

 これに国民健康保険事業会計等の三特別会計四百八十五億二千四百二十八万一千円を加えました各会計の合計額は、千三百三十億七千六百二十八万一千円で、前年度に対して〇・二%の増となっています。

 本定例会には、ただいま申し上げました予算等を含め、条例案二十八件、平成二十七年度補正予算一件、平成二十八年度当初予算案四件、道路認定四件、その他議決事項一件、人権擁護委員の諮問五件を御提案しております。よろしく御審議のほどお願いします。

 以上をもちまして、私の所信表明といたします。

 ありがとうございました。

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○議長(木村正義) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 十五番下嶋倫朗議員。



◆十五番(下嶋倫朗) 自由民主党議員団を代表いたしまして、渋谷区民が日常生活の中で最も身近で、かつ重要な課題について質問をいたします。

 昨年の四月の統一地方選挙において区長並びに区議会議員が新たに選出され、早くも十カ月が経過いたしました。私ども自由民主党議員団は十名が区民の皆様の信任をいただき、身の引き締まる思いで研さんを重ね、区民の皆様の期待にお応えできるよう日々、努力をしているところでございます。

 長谷部区長にとって初めての予算編成である平成二十八年度予算原案を中心に質問をいたします。

 最初に、平成二十八年度の予算編成と長・中期的な行財政運営についてお尋ねいたします。

 近年の我が国の経済は、アベノミクス効果が徐々にあらわれ緩やかに景気回復する中、中国経済の減速、中東情勢の緊迫など外的要因で、依然として不安定な状況にあります。

 翻って当区の予算原案の中では、高齢化に伴い社会保障支出が増大するなど依然として困難な財政運営を強いられております。このような財政環境の中、今回編成された平成二十八年度当初予算案においては、首都直下型大地震を想定としたさらなる……

   〔「大震災」の声あり〕



◆十五番(下嶋倫朗) 大震災を想定としたさらなる防災対策や子育て支援策のほか、高齢者福祉、障害者福祉、区民の健康増進、教育の充実、都市整備など、区民生活に切実にかかわり、安全・安心のまちづくりを推進するための施策が打ち出されております。

 現下の厳しい財政状況において新たな行政課題や区民ニーズに対応しつつ区民サービスの充実・強化を図るためには、その裏づけとして、途絶えることのない行財政改革がなければなし得ないと考えるところであります。今後とも区政課題に的確に対応するため、なお一層の行財政改革を推し進めなくてはなりません。

 そこで、質問いたします。

 社会情勢の先行きが不透明かつ不安定な中で、歳入等の急激な好転は見込めないと考えられます。本区が、増大しかつ多様化する行政需要や区民ニーズに基礎自治体として対応するためには、さらなる財政負担が必要となることが推測できますし、このことから、将来の財政運営については決して楽観視はできません。

 このような状況においても本区が区民の生活、福祉の向上に責任を持ち、主体的な区政を展開できる自主・自立の自治体であるためには、将来にわたって持続可能な財政運営の確立が求められていると存じます。今回の予算編成はそれに向けた第一歩になるものと考えておりますが、区長の長・中期的な取り組みについてお聞かせください。

 次に、今回の予算編成における行財政改革の取り組みについてお伺いします。特に、本定例会には渋谷区組織条例の一部を改正する条例が提出されており、企画部を経営企画部に変更し、経営的視点からの取り組みに重点を置かれております。

 また、所信表明で、財務会計については地方公会計制度を取り込み、行政コストを正確に把握し、区民、企業、NPO団体等の連携、協力により喫緊課題に対応するとしております。施設整備を計画的に立て、経営的視点での費用対効果を明確にすることで具体的な行財政改革が推進されることは高く評価いたします。

 一方、行政サービスには福祉的要素が強く、採算的には厳しい事業もあります。例を挙げますと、渋谷区のコミュニティバスであるハチ公バスは、特に高齢者や障害者の快適な移動の利便性を目的とした福祉的要素の高い事業であり、経営的視点からのみでは推しはかれないと考えます。「手厚い福祉と教育」を区長は大きな柱に掲げておられます。経営的視点を持ちつつ区民福祉サービスを充実させるべきであると考えますが、区長が今後推し進められる行財政改革の考え方についてお伺いします。

 次に、情報発信の強化と地域コミュニティの活性化について伺います。

 区長は初めての予算編成に臨んで、まず、情報の発信力強化、双方向性の実現について述べられました。行政課題が複雑・高度化する中、区政各般の行政情報を迅速に、かつ的確に発信し、区民の区政に対する関心を高めるため、区内に地域コミュニティFMが開局する機会を捉え、これを情報発信手段として活用する。さらには区広報の主力媒体である広報紙、しぶや区ニュースを刷新し、区民参加型の特集・企画ページを新たに設けるなど紙面の充実を図る、さらに区ホームページのリニューアルを行い、区の情報発信力を高めていくとしております。

 そこで、区長にお尋ねします。

 この本年四月開局予定の地域コミュニティFM放送局と連携して区の情報を発信していくと考えますが、具体的な取り組みをお聞かせください。

 また、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックの開催を視野に入れ、外国人観光客に向けた番組を制作し、区の魅力等様々な有益情報を発信するとしております。このことは、観光振興に有益であることは理解しておりますが、言語も含めて、どのような番組を制作するおつもりかお聞かせください。

 さらに、地域コミュニティの連携強化として、地域の各分野で活躍している地元スターの紹介や情報交換をするきっかけをつくるとしておりますが、どのような頻度でどのような番組づくりをお考えかお聞かせください。

 また、発災時の災害情報の発信強化として、より地域に特化した的確な災害情報を届けることができると思います。

 そこで、平常時には防災意識を高める放送をと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、広報紙の刷新ですが、区民参加型の特集・企画ページを新たに設けるとありますが、具体的にはどのような内容になるのかお考えをお示しください。

 また、区民がどのような形で参加できるのか、区内では様々な行事や活動が行われていますが、どういった団体や区民の活動を取り上げていくのか。行事であれば、事前に区ニュースでお知らせいただければ盛り上がりに寄与すると考えますが、特集ページの編集方針についてお伺いいたします。

 また、区の重要な情報発信ツールの一つでもあるホームページについても、二十八年度中のリニューアルに向けて準備を進めていくとのことですが、今までもリニューアルを行ってきた中で、これまでと大きく異なる点はどのような考えをお持ちなのか伺います。

 さらに、双方向の情報伝達を推進するために当たってSNSの活用については、具体的に考えている内容や導入の手順について区長のお考えをお聞かせください。

 さらに、区民参加事業として新年賀詞交歓会、くみんの広場等ありますが、毎年、花菖蒲を観る交流会が明治神宮菖蒲田並びに文化会館で開催されております。この交流会も広く区民各界・各層から参加をしていただいており、この事業は区民の文化の向上に大いに寄与しております。

 さらに多くの区民の方々に、渋谷のよさを体験していただける方法を検討すべきと考えます。例えば、時間の決まっている式典を取りやめても、ハナショウブの鑑賞できる期間を設けるなどの変更を考えてはいかがでしょうか。ただ、国際交流の観点から、区民が各国の方と相互理解を深める交流の場が保たれるよう、大使館への配慮も必要かと考えるところですが、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、オリンピック・パラリンピック関連の取り組みについてお聞きします。

 区長は二〇二〇年東京大会を見据え、オリンピアン・パラリンピアンを招きパフォーマンスを披露していただき、人間的魅力を伝え興味、関心を高め、大会開催に向けた機運を醸成するとともに、パラリンピックの可能性と新たな価値観を提起する機会を創出すると述べておられます。具体的には、オリンピアン・パラリンピアンの講演やデモンストレーションでスポーツを体験する機会の区民への提供のほか、全国レベルの障害者スポーツ大会の観戦、ボランティアの育成等、広く取り組みを進めるとしております。

 この取り組みは大いに進めていただきたいと思うところですが、迷走し、白紙撤回された新国立競技場が、明治神宮外苑の緑豊かな周辺環境に配慮した木と緑のスタジアムとして整備されることが決定いたしました。観客の見やすさを重視した三層構造のスタンドで、屋根は木材と鉄骨を組み合わせたもので、ひさしは法隆寺の五重の塔の垂木を想起させるなど、日本らしさをちりばめたデザインとなっております。風致地区に指定されている神宮外苑にふさわしいスタジアムになることを期待するところです。

 そこで、区長に伺います。

 新国立競技場整備に関連して、周辺の環境整備計画はどのような内容になるものと認識しておられますか。さらに、渋谷区として地域の要望がしっかりと生かされた計画となるよう、主張すべきは主張し、働きかけるべきは働きかけていただきたいと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、子育て支援に関してお尋ねします。

 昨年の第二回定例会において、我が会派は子育て支援に関して、区長の方針、事業計画についてお聞きしました。区長は、二十七年四月に二百五十二名いた待機児を少しでもなくしたいとの思いから、年度の途中であっても新たな施設を順次開設していくとし、七月には「西原保育園ゆめ」の本園舎での保育が開始されることに伴い定員を拡大するとともに、緊急対策として初台保育園と代々木保育園のそれぞれの仮園舎を活用した「西原ほほえみ保育室」「よよぎ三丁目保育室」を開設し、十月には代々木大山公園内に区立保育室を開設し、定員拡大を図りました。

 しかしながら、平成二十七年十月の待機児は三百三十一名となり、なかなか待機児問題解消には至っておりません。

 平成二十八年度は、保育園や認定こども園の新設、民間施設を活用した保育園の新設等により保育施設児童定員三百六十人の拡充を図っております。区民施設を活用した……

   〔「民間」の声あり〕



◆十五番(下嶋倫朗) 民間施設を活用した小規模保育の拡充は我が会派でも賛成で、評価いたします。

 そこで、お聞きします。

 今後、本区は出生数の増加傾向や子育て世代の流入による需要が見込まれることから、施設整備のスピードを加速する必要があると考えますが、区長のお考えをお示しください。

 さらに、新制度による小規模保育の実現を大いに期待しておりますが、具体的な計画等あればあわせてお聞かせください。

 また、前区長時代は育児休暇を推進するためゼロ歳児保育が比較的少な目でしたが、育児休暇のとれる環境が整っていないため、ゼロ歳児保育のニーズは高く、待機児も多く見られます。ゼロ歳児保育に対する区長の見解をお聞かせください。

 また、保育施設賃貸物件に係る賃料補助上乗せ加算事業として、民間施設を活用した賃貸物件による保育施設等の設置に要する費用の一部を新たに補助することにより、地価の高い本区における保育施設整備が民間の力もかりて進むことが期待でき、保育施設整備の充実を図るものと考えます。公定価格による補助と賃料補助制度の新設により補助額が決定していくと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。

 さらに、子育て支援の質の向上を目指して子ども一人一人の個性を尊重したより質の高い幼児教育・保育を導入していくため、海外の先進的、特徴的な現場を視察、研究し、幼児教育プログラム改定に活用するとしております。また、周囲とのコミュニケーション等において課題を抱えているものの、知能や才能に特異な能力を秘めている子どもたち、ギフテッドの可能性を最大限に伸ばしていくための幼児教育・保育を研究するとありますが、具体的にどこの国のどんな方法の幼児教育・保育を視察、研究されるのか。子ども家庭部と教育委員会と連携されているとは思いますが、どのような職責の方に視察、研究していただくのかお考えをお尋ねします。

 新規事業として、まちぐるみでの子育て環境づくりとして地域子育てコーディネーターを保育課に配置するとあります。小中学校教育においても地域、学校、家庭の連携が重要とされており、この事業に期待するところであります。地域と保護者と保育園の出会い、交流、情報の収集と共有化など、三者の潤滑油的な役割と理解しております。

 そこで、保育園、幼保一元化施設、保育室等、保育施設は多岐にわたっておりますが、どのような配置、コーディネーター数、また保育施設に常駐するのか、さらにどのような効果を区長は期待されているのかお伺いします。

 また、障害や疾病等で集団保育が困難な児童に対し、御自宅に訪問して保育する居宅訪問型保育事業を開始するとしておりますが、その具体的な時期や実施内容等についてお聞かせください。

 さらに、現在、本区における障害児の保育に関して認可保育園では対応されておりますが、認可外保育施設である区立保育室では、設備や人員配置等の諸課題があり、受け入れが原則なされておりません。しかし、国際条約の批准に基づき制定された障害者差別解消法が本年四月から施行されます。これらを踏まえ、直ちには無理でも、今後の区立保育室での障害児の受け入れ対応について区長の所見を伺います。

 次に、人材育成について区長並びに教育長に伺います。

 ICTの進歩、情報の多様化により、社会で活躍できる人材の教育、育成の質の変化が高まっています。区長所信表明で述べられているように、今、教育に求められているのは知識の量ではなく知識活用の豊かさ、そして基礎・基本から無限の可能性を引き出すクリエイティビティであるとの御認識に同感であります。

 このことを踏まえ、より早いうちから将来なりたい職種を意識した人材の教育、育成が求められているものと存じます。

 本区では、中学校職場体験学習や小学校児童を対象とした弟子入り体験などを実施していることは承知しております。私の経営しているお茶屋でも、平成十八年より毎年、笹塚中学校の生徒さんに体験実習をしてもらっております。この職場体験学習は、生徒が直接働く人と接することにより、また、実際的な知識や技術、技能に触れることを通して、学ぶことの意欲や働くことの意義を理解し、生きることのとうとさを実感でき、また、生徒が主体的に進路を選択、決定する態度や意思、意欲など培うことのできる教育活動として重要な意味を持っていると考えるところです。

 しかし、米国のデューク大学の研究者がニューヨークタイムズのインタビューに「二〇一一年度にアメリカの小学校に入学した子の六五%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と述べております。同じように、日本でも新たな職種が創成されるであろう現況を鑑み、キャリア教育の拡大のため、今回、平成二十八年度の新たな施策に、シリコンバレー青少年派遣研修が新規事業として提案されております。

 区長は昨年十二月、教育長を伴って弾丸ツアーとも言えるタイトな日程をこなされました。もし現地実地調査だけであれば理事者で事が足りるわけで、区長、教育長自ら訪問する必要性がそこにはあったと思うものであります。

 そこで、質問いたします。

 シリコンバレー青少年派遣研修を見据え、昨年行った現地訪問の成果をお尋ねいたします。

 また、所信表明では、スタンフォード大学との産学連携、ハイテク産業やベンチャービジネスなどが集積する地で世界のトップ・オブ・トップが集まり、最先端の技術革新が生まれている現状を子どもたちに直接体験させると述べておりますが、春季休業期間中に実施することを考えれば、年間を通じて事前の研修や研究の重要性を加味して、その集大成として派遣するものと推察いたします。まさにそこには、年間を通じて、区長の目指すシブヤソーシャル・アクション・パートナー制度にも通じるIT企業との連携が不可欠であると考えるものです。

 そこで、このことを踏まえ、質問いたします。

 未来を担う生徒たちに、国際舞台で活躍できる人材育成及びキャリア教育のさらなる充実を目的としている本事業にかける区長の御決意をお聞かせください。

 また、教育長には、この施策で期待される目当てと成果について伺います。

 さらにあわせて、日中友好青少年派遣研修並びにフィンランド共和国児童・生徒派遣研修事業、それぞれの特色とするところ及び期待される成果について、改めてお聞かせください。

 次に、民泊について伺います。

 日本では今、外国人観光客が急増しております。日本政府観光局によると、昨年一年間の訪日外国人客は一千九百七十三万人と過去最高で、本年は二千万人台に達する勢いです。その結果、ホテルが不足しており、一般の民家やマンションに宿泊する民泊が注目されています。

 ただ、宿泊料を取って繰り返し客を泊めるには旅館業法による許可が必要で、昨年、京都市におけるマンションが無許可で宿泊施設として使われていたとして、旅館業法違反容疑で捜査が行われたことは記憶に新しいところです。都市部の民泊については、旅館業法の適用除外を認める国家戦略特区が昨年導入され、先陣を切って大田区が先月導入し、大阪府でも来月、民泊制度が始まる予定と承知しております。

 そこで、現在、問題になっているのはネットを介して宿泊を仲介している急成長の米国系A社です。A社は、ホストと呼ばれる部屋の提供者とゲストと呼ばれる宿泊者をつなぐ役割をし、そこには民泊仲介サイトを通じて、ホストは宿泊者を泊め、ゲストはそれに対して宿泊料を払うという関係があります。

 日本法人は二〇一四年五月に立ち上がっていますが、二〇一五年十二月には二万一千件の登録物件数になっており、渋谷区は二十三区の中で登録物件数では一番多くなっております。これらが個人の空き家、空き部屋であるとするならば、非合法と思われます。

 そこで、当区の現状は、私の住んでいる笹塚・幡ヶ谷地区でも見知らぬ外国人がマンションに出入りしたり、宿泊者のごみ出しや騒音などに対し住民からの苦情が散見されるし、昨年、本区でマンションから幼児が転落事故を起こしたケースでは、民泊による外国人観光客だったと推測されています。さらに、駐車場や共用施設、部屋の設備などにおいて、所有者と同等の意識で利用してくれることは期待できません。

 このような事態が起きている現状で、周辺住民からのクレームや通報も予想できますし、そうなると所有者の管理責任が問われかねません。

 そこで、区長にお聞きします。

 行政が把握していない民泊が広がりつつある現状を鑑み、オリンピック・パラリンピックを見据え、観光客誘致の側面もあり、施設、近隣区民の安全・安心を確保するためには民泊のルールづくりとそのスケジュールをどうお考えになるか、お聞かせください。

 次に、区役所庁舎等建替え計画について伺います。

 この庁舎建替えは、渋谷区というブランドを最大限生かすことを主眼として、区有地を有効活用することで新庁舎等の建設費用の負担をゼロとし、早期の庁舎耐震化を実現するだけではなく、将来にわたり新たな税収を確保するもので、我が会派では当初よりこの先進的な庁舎建替え計画を主導してまいりました。

 平成二十七年第一回定例会で議決した新総合庁舎等整備事業に関する基本協定締結の変更について並びに定期借地権の設定の変更についてに従い、区は着々と庁舎等建替え計画を進めております。平成二十七年第三回定例会終了後の昨年十月十三日に仮庁舎へ引っ越しをして、はや五カ月になります。この間、区は十月三十日付で、三井不動産レジデンシャル並びに三井不動産と定期借地権契約を結びました。この契約は、三井不動産レジデンシャル等が庁舎の土地のおよそ三分の一を七十七年七カ月、二百十一億円相当で定期借地し、そこに地上三十九階、百四十三メートルの分譲マンションを建てる対価として新庁舎と新公会堂を建てるというものです。また、旧庁舎の解体工事も始まりました。

 これらのことは計画の進捗に合わせて総務委員会等で議会に適宜報告されており、工事の安全を確保するために若干の施工期間の見直しはあるというものの、建替えは順調に推移しており、また、庁舎の土地についても、七十七年余の定期借地期間の終了後には更地にして返還されるものと理解しております。

 しかしながら、日本共産党渋谷区議団のホームページに「区は、定期借地契約で基本協定の内容を大幅に変更し、借地期間終了後に三井不動産に優先して土地の譲渡ができる」とし、さらに、一表にして二〇一五年三月の基本協定時と二〇一五年十月の借地契約時の対比として「借地契約終了後、三井不動産に優先的に譲渡できる」と記載されています。この記載を見た区民は等しく、あたかも渋谷区は借地期間終了後に住宅棟の区有地を三井不動産に譲渡するものと理解するのではないでしょうか。

 さらにこの記載の恣意的、悪質なのは、共産党議員団の誰一人として、これが果たして事実としてそうなるかどうか検証できる人間はいないのであります。まさに無責任きわまりない、デマに等しいプロパガンダと断ぜざるを得ないのであります。

 当該の定期借地権設定契約書を土地取引の専門家に見せたところ、原状回復、明け渡しを定めた第十八条が定期借地の更地返還を定めた一般条項で、彼らが根拠としている問題の本件土地の譲渡を定めた第十五条は、借地期間中の特約条項と解され、その意味するところは、長期にわたり定期借地を設定する場合、所有者が消滅したり変更する場合に備え、条項として具備されるもので、地方自治体といえども七十七年七カ月、同じ渋谷区でいられるかどうかをリスクヘッジするため用いられる手法であるということ、すなわち第一義的には十八条が優先され、第十五条は借地期間中の不測の事態に備えた特約条項であるとの回答をいただき、さらに、定期借地権設定契約書にはごく一般的に記載されるものとのことであります。

 以上の調査結果を踏まえれば、不確定である借地期間中の不測の事態を針小棒大に表現したものであることは紛れもない事実であります。このことを看過すれば、前述のとおり区民に対し悪質なプロパガンダを仕掛け、煽動することは明白であります。本区としては速やかに、このホームページの即刻削除をすることの申し入れ等、毅然とした対応を求めますが、区長の見解を求めます。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、下嶋倫朗議員の代表質問に順次お答えします。

 まず初めに、持続可能な財政運営の確立に向け、長・中期的な取り組みについてのお尋ねです。

 本区の人口は、平成二十七年国勢調査の速報値によれば二十二万四千人余、前回調査より約二万人増加しており、今後も増加が見込まれる状況にあります。我が国の景気がアベノミクスの効果の発現により緩やかに回復し、加えて福祉、教育に手厚い区民本位の堅実な区政運営が広く評価されたこと等による区内の人口増加等により、歳入の大宗をなす特別区税の根幹である住民税は新年度に約十五億円の歳入増が見込まれ、当面、税収の安定財源化が進むものと考えています。その一方で、中国経済の減速など対外経済環境には景気の下振れリスクが様々存在し、中長期的な財政見直しは不透明感が増しています。

 一方、少子・高齢化の進展や首都直下地震の切迫性の高まりなどを背景として、区民生活の安全・安心を確保するために区が取り組むべき課題はなお多岐にわたっております。具体的には、子育て支援のための保育施設等の新設、改修あるいは高齢者の住環境向上のための特養、高齢者住宅の整備、老朽化した橋梁等インフラの耐震化などであり、さらに駅周辺の二本の自由通路整備や旧大山街道歩行空間の目抜き通りとしての再整備など、まちづくりにも着実に対応する必要があります。

 こうした諸課題に対する取り組みについては、都市間競争が世界的規模で繰り広げられ、今後熾烈をきわめていく中では、堅実であるだけではなく、そこに創造性を加え、他自治体との差別化が区の発展には欠かせないものと考えます。そのため、例えば子どもの教育、保育の分野において海外の先進的なメソッドの導入を開始するなど、所信において申し上げた各種施策の展開によって本区の特色を打ち出し、これまで同様、これからも選ばれる区であり続けることを目指して予算編成に挑みました。

 こうした多岐にわたる施策を展開し、継続していくための長・中期的な視点からの取り組みですが、社会経済情勢の先行き不透明な中、不測の歳入減に対応する財源として財政調整基金の、そして老朽インフラ等への対応として生じる大型需要については都市整備基金の、財源としての重みが一層増してくるものと思われます。そこで、二十七年度補正予算において五十億円の基金を積み立てるとともに起債をゼロとし、後年度負担の軽減を図る予算としています。また、次の質問にもかかわるところですが、より経営的視点を重視し、組織に関して企画部を経営企画部に改編いたします。これらを長・中期の取り組みの第一歩としたい、そのように考えております。

 このほか新たな公民連携のあり方を模索し、民間による社会貢献の積極的な活用を進める等、区の財政負担の抑制につながる方策を多角的に進め、今後も区政の課題にきめ細かく、的確に財源の対策、調整ができるよう体制強化を図り、持続可能な財政運営の確立に努めてまいります。

 次に、今後進める行財政改革についてのお尋ねです。

 本区はこれまで、社会経済情勢の荒波に翻弄されながらも行財政改革に積極的に取り組み、様々な財政負担を抑制するなど、あらゆる努力を払って健全財政を維持してまいりました。

 議員の御発言のとおり、行政サービスには福祉的要素が色濃いものが多く、採算を度外視しても実施しなければならない施策・事業が数多く存在することから、財政見通しが不透明な今日、区の持続可能性を確保するためにも、これまで以上に経営感覚が求められてくるとの認識です。経営感覚といっても民間のそれと全く同一というわけではなく、行財政改革を進めるに当たって重要なことは赤字事業の切り捨てでなく、あくまでも行政ニーズに照らし的確に要・不要を判断することであり、事業改廃の決定に当たり重要となる費用対効果についても、客観的数値、指標等に基づきつつ区民の声を重ねた上で、慎重に判断すべきものと考えております。

 このため、公会計制度改革が進む中で、本区は財政会計システムのリプレイスの後、財務分析の精緻化に取り組み、これまでの予算の執行をより客観的に分析する目を職員一人一人が持てるよう育成に力を注いでいくため、新年度より財政基盤強化を担当するセクションを新設いたします。本組織を中心に予算編成をより効果的、効率的に行うサイクルの構築を進めていくことで、さらに一歩進んだ全庁一丸となっての行財政改革が可能になる、そのように考えております。

 次に、コミュニティFMについてのお尋ねですが、区からの情報をお知らせするラジオ版区ニュースは、月曜日から木曜までの毎日、生活時間帯に配慮して、朝から夜にかけて三回程度の放送を予定しております。また、毎週金曜日には特集番組も企画しております。将来的には、リスナーの反響などを聞きながら内容を一層充実させていきたいと思います。

 地域で活躍しているローカルスターにスポットを当てた地域コミュニティ番組は、週に一回、四十五分程度の番組を予定しております。町会など地域で活躍する、できるだけ多くの方に出演していただきたいと思います。また、シニアクラブのカラオケ大会等を取材し、イベント参加者の感想なども含めて生き生きとした活動の様子を直接伝えていくことで、それを聞いた方々に、こんな活動もあるなら自分も参加してみようと前向きに考えていただく、また、自分もこんな活動にチャレンジしてみようと思っていただき、新たな地域活動を始めるきっかけづくりとなり、地域コミュニティの活性化を後押しできる番組を目指したいと思います。

 渋谷を訪れる外国人等の観光客に向けて区の魅力を発信する観光情報番組は、区民の皆様や国内にも渋谷の魅力を再発見し、楽しんでいただける放送を届けたいと考えています。このため日本語での放送を主体とする予定ですが、放送内容については多言語で文書化し、ネット配信することを考えています。

 また、下嶋議員から御提案いただきました平常時の災害意識を高める番組については、区の防災対策が発災時に円滑に機能し被害を最小限に食いとめるためには、平常時から区と区民が情報交換などを十分に行うことが不可欠であることから、各地域で実施される防災訓練の情報などをラジオ版区ニュースの番組枠等で放送したいと考えております。

 次に、広報紙の刷新についてのお尋ねですが、新たに設ける区民参加型の特集・企画ページについて、基本的にコミュニティFMの番組と連動した内容を考えております。町会、商店会の関係者や民生委員のほか、社会教育や文化、スポーツなどの団体の関係者へのインタビューや、その団体の活動や行事などを区ニュースでも紹介したいと考えています。ラジオで聞いた方のお話が区ニュースに載る、また区ニュースに載った方の声がラジオで聞ける、まさに渋谷区版メディアミックスにより目と耳の両方で伝えることで、活動や行事の内容もより一層わかりやすくなると思います。

 また、紙面では、FMに出演されない方も含め、多くの方々の声を紹介させていただく予定です。そうすることで地域の様々な活動を知っていただき、興味を持っていただく、そこから活動に参加する方を増やし、地域の人と人の輪を広げ、地域コミュニティの活性化を後押ししていきたいと思います。

 次に、ホームページのリニューアルについてのお尋ねですが、従来のものをマイナーチェンジとするならば、今回はフルモデルチェンジと位置づけております。昨今、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、区民が生活形態に合わせて移動時間や日常のすき間時間にウエブサイトを閲覧する機会が増えています。このことを踏まえ、スマートフォンやタブレット端末からの閲覧を重視したデザインや、すぐれた検索機能を取り入れたいと考えております。

 また、区民への情報発信機能を強化するために、現在使用しているツイッターに加え、フェイスブック、LINEなどのSNSの活用の検討を進め、多様なコミュニケーションチャンネルの構築を図りたいと思います。本来SNSが持つ双方向の情報伝達力の活用については、多種多様な書き込みに対するリスクマネジメントが必要であることから、今後、策定を検討しているオウンドメディア戦略において運用の目的やルールの整備、導入計画を検証しながら進めていきたいと考えています。

 次に、花菖蒲を観る交流会の実施手法の変更についてのお尋ねでありますが、花菖蒲を観る交流会は平成八年度より実施しており、これまで区内各界各層の区民と大使館の大使御夫妻などをお招きした式典方式で行う交歓会と、期間を設け菖蒲田をごらんいただく一般区民招待を行ってまいりました。この交流会は、日本の伝統文化や区の花、ハナショウブの鑑賞を通して地域交流、国際交流の促進を図る目的で実施してまいりましたが、平成二十七年度の二十回目の実施を一つの節目として、さらに多くの区民に区の花、ハナショウブを鑑賞していただけるよう、実施手法を変更いたします。具体的には、議員の御提案のように時間の限られている交歓会の実施を取りやめ、菖蒲田の鑑賞時間を長く設定し、また、人数も拡充して、より多くの区民の方々に鑑賞していただけるようにいたします。また、御提言いただきました国際交流という観点からは、これまでは各国大使のみの御招待でありましたが、大使館職員の方々にもお越しいただき、渋谷区に親しみを持っていただけるよう、別途招待券をお届けすることといたします。

 実施手法は変わりますが、本事業を通して区の花、ハナショウブ普及啓発や地域コミュニティの活性化、国際交流に引き続き取り組んでまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 次に、新国立競技場整備についてのお尋ねですが、新国立競技場の整備計画については、平成二十七年七月、安倍首相がそれまでの計画を白紙に戻し、ゼロベースで新しい計画をつくり直すことを表明しました。

 その後、整備計画の再検討に向けた取り組みが進められ、平成二十七年十二月に選定された技術提案書において、外苑の緑と水とスポーツのネットワークをつなぐ百年後を見据えた大地に根差す生命の大樹としての「杜のスタジアム」と表現されています。特に、周辺環境と調和し、我が国の気候、風土、伝統を表現する広く市民に開かれた木と緑のスタジアム、地球全体の環境保全に貢献する持続的な森を形成する大地に近い環境共生型スタジアムといったコンセプトは、環境に配慮してほしいという地域の要望にも合致するものであります。

 とりわけ、かつて流れていた渋谷川の記憶をせせらぎとして再現したり、樹木を直接大地に植えるといった環境に配慮した内容が含まれることは、地域からも評価されるのではないかと感じています。

 今後、この技術提案書に沿って、おおむね年内に基本計画、実施計画、着工と進捗する予定と聞いていますが、これからも様々な機会を捉え、五輪・パラリンピック対策特別委員会とも連携を図りながら、渋谷区として地域の要望がしっかりと生かされた計画となるよう、主張すべきは主張し、働きかけるべきは働きかけていきたいと考えております。

 次に、子育て支援について六つの御質問をいただきました。

 まずは保育施設整備のスピードを加速させること、また、小規模保育の具体的な計画についてのお尋ねです。

 これまでも貴会派を初め議会の全面的な御協力により、本区は区政の最重要課題の一つである待機児解消に努めてまいりました。最近三年間でも千百人以上の定員を拡大してきましたが、本年四月の新規入園申込者は千七百三十五人となっており、前年よりも増えている現状の中、議員御指摘のとおり、さらにスピード感を上げて一層の保育施設の整備に取り組んでいく必要があると考えております。

 本年四月には認可保育所等を三園開設いたしますが、その後も六月には本町第二保育園仮園舎を活用した区立保育室を、十月には鶯谷町に民設民営による新たな認可保育所を開設する予定であり、これらを含めて、平成二十八年度中に三百六十人の定員拡大を図ります。さらに、平成二十九年度には上原二丁目に認定こども園の開設、平成三十年度以降も幡ヶ谷二丁目公園に認可保育所の開設、笹塚第二保育園の建替えなどを計画しており、二十九年度から三年間で千二百人以上の定員拡大を予定しており、スピード感を持って施設整備に取り組んでまいります。

 また、昨年四月の子ども・子育て支援制度の実施により、新たに区の認可事業として制度化された小規模保育事業等については、現在、開設を希望する複数の事業者からの相談が寄せられていますが、その中には恵比寿地区などの開設において具体的な協議を進めているものもあります。

 いずれにいたしましても、待機児解消につきましては様々な手法を活用し、スピードをさらに加速させ努力を続けてまいります。

 次に、零歳児保育についてのお尋ねです。

 育児休業制度は国が取得を推進しているものであり、育児休業がとられる方は、お子様の今後の成長にも必要な親子の貴重な時間としていただきたいと考えております。

 一方、議員御指摘のとおり、育児休業を取得できる環境が整っていないことも多いため、ゼロ歳から預けなければならない方もおり、ニーズも高いと認識しています。待機児の多くはゼロ歳から二歳児までに集中して発生していることなどを踏まえ、新たな施設の開設時は暫定的に乳児の入園枠を拡大する手法で対応しておりますが、今後はゼロ歳児園、一歳児園のバランスも考慮し、育児休業のとれる環境の整備にも努め、保護者の方の多様なニーズに応えてまいりたいと考えております。

 次に、保育施設賃借物件にかかわる賃料補助上乗せ加算事業についてのお尋ねです。

 保育施設の整備については、区内で土地の確保が困難な状況を配慮し、民間施設の活用など様々な手法も視野に入れながら全庁を挙げて待機児対策に取り組むと申し上げてきました。

 昨年四月の子ども・子育て支援制度の実施により、国が定める公定価格においても賃借物件に対する賃料補助が認められるようになりましたが、その補助額は区の賃料実態と大きくかけ離れております。そこで、本区では公定価格とは別に区独自の賃借物件による保育施設等の設置に要する費用の一部を補助する制度を創設し、その所要経費を平成二十八年度予算に計上したところです。賃料補助の上乗せ加算額は坪単価上限が一万円、年額上限は、認可保育所や認定こども園などの施設が三千万円、小規模保育事業等が一千万円、対象期間は補助開始月から十年間としております。

 現在、保育事業者等から賃借物件に関する様々な提案が寄せられておりますが、本制度を活用し、タイミングを失することなく保育施設の整備に努めてまいります。

 次に、先駆的幼児教育・保育の研究について、具体的に視察する国、研究する内容等についてのお尋ねです。

 本区は、これまでも良質な保育・教育環境の確保に努めてきたところですが、今後はさらに、幼児期において子どもの発想力や応用力を伸ばしていくことが大切であると考えております。

 本事業は議員の御指摘のとおり、子ども一人一人の個性を尊重したより質の高い幼児教育・保育を導入するため、先駆的、特徴的な幼児教育や保育を研究することを目的としています。視察ではイタリアとドイツを訪問し、レッジョ・エミリア・アプローチやシュタイナー教育を研究、調査する予定です。

 レッジョ・エミリア・アプローチは、子どもたち一人一人の考えを大切にしながら個々が持つ感性を生かすため、様々な手法を通じて子どもの想像力、イマジネーション、創造力、こちらはクリエイティビティを高めていくことを目指しています。また、シュタイナー教育は、本来その人が持っている様々な感覚を通して、自然とのつながりや生命を感じることを大切にしながら、健やかな体と豊かな心を育むことを目指しています。

 今回は、現場で子どもたちに接する機会の多い保育士、学校教諭を中心に派遣したいと考えており、世界的に注目されているこれらの手法を調査・研究してまいります。

 また、ギフテッドスクールについては、国内外におけるギフテッドの子どもを対象にした教育状況を、教育機関や有識者へのヒアリング等も行いながら調査・研究してまいります。

 そして、これからの調査・研究を通じて、今後本区が取り組むべき課題を明らかにし、解決策の方向性を整理するとともに、今後改定を予定している渋谷区幼児教育プログラムに反映させていきたいと考えております。また、詳細及び時期については、教育委員会とも協議しながら決めていく予定です。

 次に、地域子育てコーディネーターの具体的な配置や、その効果についてのお尋ねです。

 平成二十八年度より地域子育てコーディネーターを非常勤職員として保育課に一名配置し、まずは恵比寿地区においてモデルケースとして試行します。

 役割として、保育園等に出向き、子どもの活動と地域の様々な発想や企画、思いを実らせることを担ってもらいます。園長先生たちと情報共有し、保育や教育の情報を発信していくとともに、各園の地域とのつながりや地域特性を把握して、ニーズやそれに対応する施策を提案するような取り組みの可能性が広がればよいと思います。

 私は、保育園や認定こども園等を地域の子育てコミュニティ、さらに地域の皆さんが集まる地域コミュニティの拠点にしていきたいと思っており、様々な仕事をしている人、趣味を持っている人、世界中のいろんな国籍の人が子どもたちとかかわり、子どもたちが様々なアイデア、価値観、人格、才能と出会う、そんな環境づくりを実現させたいと考えております。

 次に、居宅訪問型保育事業の実施と、今後の区立保育室の障害児の受け入れについてのお尋ねです。

 居宅訪問型保育事業は、子ども・子育て支援法に基づく地域型保育事業として平成二十八年度より実施する新規事業です。障害、疾病等により集団保育が著しく困難な児童に対し自宅に保育従事者職員を派遣するもので、開始時期は平成二十八年六月を予定しております。全ての子どもたちに障害、疾病等の有無にかかわらず保育サービスを提供し、保護者にとって就労選択の可能性が広がるための一助となることを願っています。

 また、議員御指摘のとおり、国際条約の批准に基づき制定された障害者差別解消法が四月から施行されます。この法律は、障害のある人への差別をなくすことで、障害のある人もない人もともに生きる社会をつくることを目指しています。障害を理由として、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、制限したり、条件をつけたりするような不当な差別的取り扱いや、障害のある方から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要で合理的な配慮を行うことが求められます。この合理的配慮の不提供により、障害のある方の権利、利益が侵害される場合も差別に当たることになります。

 今後は、区立保育室においても法の趣旨を踏まえ、委託業者とも協議しながら、できる限り早い時期に障害をお持ちのお子さんの受け入れ準備を進めていきたいと思います。

 シリコンバレー青少年派遣研修の提案に当たり、私が自ら現地訪問したその成果についてのお尋ねでありますが、私は教育を考えるとき、渋谷の未来を担う子どもたちが将来にわたり自分らしく活躍する力をどう獲得するか、そのために区政が果たす役割は何かを考えてきました。自動運転や人工知能を初め、少し前には想像でしかなかった技術が急速に私たちの日常を変えつつあります。新産業革命とも称されるこの動きの中心にあるシリコンバレーで、まさしく世界が変わりつつある現場を体験することは、様々に成長する可能性のある青少年にとって有意義な経験になると考えます。そのため、派遣研修の実施が適切かどうかを調査するため、私そして教育のトップとして教育長ともども昨年十二月に現地を訪問しました。

 現地で確認できた成果の一つは、シリコンバレーがICTや技術革新、世界から人材の集まる世界最先端の現場であり、本区の子どもたちを派遣するにふさわしい地であると確認できたことです。スタンフォード大では、国際多文化教育の担当教授から、受け入れのみならず、その場で新年度三月の派遣実施に向けて渋谷の子どもたち向けのプログラムを教育委員会と共同で開発するところまで具体的に合意がとれ、これはこの派遣研修の柱の一つになると思います。

 また、訪問した企業数社からも、代表者自ら研修の受け入れと協力を快諾いただき、これら成果は、新事業であるシリコンバレー青少年派遣研修の内容を深く豊かにしてくれるものと確信しています。

 次に、未来を担う生徒たちに国際舞台で活躍できる人材育成及びキャリア教育のさらなる充実を目的としている本事業にかける私の決意についてのお尋ねでありますが、まずはこの新規事業を安全にかつ効果的に実施することを第一にしたいと思います。その上で、この事業を継続して、実際に派遣された生徒のみならずその体験を共有した渋谷の子どもたちが、将来、渋谷の地で事業展開したり、その経験を次世代に継承することになればと思います。本事業が、何か特別なきらめきを持つ子どもの才能を伸ばすきっかけとなるよう進めてまいります。

 シリコンバレーは世界の才能が集まり切磋琢磨しているまちで、必ずしも成功体験ばかりとは言えないことも現地で伺いました。また、議員御案内のように、今の子どもの六五%はまだ存在しない仕事につくとも言われています。そうであれば、これまでの「いい学校」「いい会社」という理想から、自分を軸に働き方を選ぶ姿勢にシフトしなければならないし、失敗をチャレンジにする前向きな姿勢は人生のどの場面でもますます大切になってくると思います。

 情報通信技術や交通手段がどれだけ発達しても、「百聞は一見にしかず」是非このシリコンバレー青少年派遣研修事業が安定的に継続され、何物にもかえがたい、若いときの経験を一人でも多くの渋谷の子どもたちに体験させていきたいと考えます。御理解を賜りたいと存じます。

 次に、民泊についてのお尋ねです。

 議員御指摘のとおり、近年、外国人旅行者の急増とともに、都内の宿泊施設も不足傾向が見られるところです。こうした中、既に海外サイトを利用したいわゆる民泊が、区内でも見受けられます。こうした民泊については、ごみ、騒音などへの苦情や治安、防災等に対する住民の不安も数多く寄せられております。このため区といたしましても、相談を受けると、違法なものについては適宜指導しているところでございます。

 こうした実態を受け、内閣府においては国家戦略特別区域法を制定し、その中で旅館業法の特例を認めることといたしました。これは、外国人旅行客の滞在に適した施設を条例で定める七から十日間以上の期間使用させ、厚生労働省の定める要件に該当する場合には旅館業法の適用を除外するものです。既に大田区では条例が施行され、そのほかにも幾つかの自治体で条例が制定されました。

 一方、厚生労働省と観光庁は昨年十一月、民泊サービスのあり方に関する検討会を立ち上げ、検討を進めてきました。その結果、早急に取り組むべき課題への対応として、本年の四月より旅館業法の簡易宿泊所に位置づける方向で対応を整備していると聞いております。

 本区において、厚生労働省の政令改正の動向も含め、こうした国の動きを注視しつつ、地域住民の安全・安心を守るとともに、利用者と宿泊事業者双方にとって有益な事業に発展するような枠組みの構築を目指すべく、様々な角度から研究を重ねているところであります。

 次に、区役所庁舎等建替え計画についてのお尋ねです。

 このことについては、平成二十七年第四回区議会定例会において日本共産党渋谷区議団、菅野議員の質問にお答えしたところであり、既に御理解をいただけたと思っておりましたが、下嶋議員の御懸念のとおり、誤った情報発信がされていることは残念でなりません。

 故意にゆがめているとは思いませんが、先日行われた住宅棟の住民説明会でも、出席者から、「七十七年後に事業者に優先的に敷地が売却されるという話を聞きましたが本当ですか」という質問があったことからも、一部の区民に誤解を招いている可能性があり、極めて遺憾に思っております。

 そこで、改めて区議会、区民に正確に御理解いただくため、再度丁寧に事実をお答えさせていただきます。

 まず、昨年三月に締結した基本協定では、第五条に「事業者の責務」として、借地期間満了までに区に更地返還することを定めています。また、定期借地契約は昨年十月に締結しておりますが、第十八条に「原状回復・明渡し」として、借地期間終了までに区に更地返還することを定めています。これが基本協定に従って定めた本契約の基本原則です。

 指摘されている第十五条には「区が本件土地を第三者に譲渡する場合には、事業者に事前に通知し承諾のうえ譲渡する。なお、この場合に事業者が譲渡を希望する場合には、優先的に協議に応じる」と書かれておりますが、この規定は今回特別に設けたものではなく、通常の不動産取引における賃借契約では一般的に定められているものです。

 これは、万が一貸し主が変わった場合に借地人の立場が不安定にならないように設けられているもので、単に契約の当事者として借地人の優先協議を認めたものであり、事業者に土地を優先譲渡することを前提にした規定ではありません。説明会で事業者が答えておりますが、契約期間終了後、区有地を事業者に優先的に譲渡することになっているという事実は一切ございません。

 区民の多くは正しく理解されていると考えておりますが、事業の根幹にかかわる重要な部分ですので、今後も様々な手段を用いて正しい事業内容の周知徹底に努めるとともに、この説明で十分に御理解をいただけたと思いますので、当該会派が自主的に適切な御対応をされるものと思っております。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、海外派遣研修について二点のお尋ねがありました。

 まず、来年度初めて実施されるシリコンバレー青少年派遣研修の目当てと、期待される成果についてお答えをします。

 情報通信技術がすさまじい勢いで私たちの生活を変えようとしています。今の子どもたちは生まれたときからITに接していますので、将来はIT関係の仕事につきたいと願う子どもたちも多いと考えられます。教育は子どもの可能性を最大限に伸ばす営みで、子どもたちの夢をかなえることに寄与するべきものであり、シリコンバレーへの派遣の目当ては、まさにここにあります。

 スタンフォード大学という世界最高峰の一つに数えられる学術機関や名だたる世界最先端のIT企業を訪問し、最新の技術や企業人の気概や志などを肌で感じることで、単なる知識の吸収だけではなく、夢をかなえるために努力することの大切さを学び取ることが期待できます。これは望ましい勤労観、職業観を育てるキャリア教育の目標にも合致するものです。私は、シリコンバレーへの現地踏査で成果が期待できるというのを確信いたしました。

 シリコンバレーへ派遣される子どもたちは、現地での体験や学びを生かし、その後の人生で多様な個性と協働し、新たな価値を創造していってほしいと願っています。いつかダイバーシティ、多様性を認め合う社会づくりの担い手として、渋谷のみならず我が国の発展につながる活躍を期待しています。

 次に、日中友好青少年派遣研修事業、フィンランド共和国児童・生徒派遣研修事業のそれぞれの特色及び期待される成果についてお尋ねがございました。

 フィンランドへの派遣は、すぐれた教育制度を有するフィンランドの現地調査に始まりました。そして、そのすぐれた教育を体験させることが特色であり、湖と森に囲まれ落ちついた自然環境の中、現地の小中一貫教育総合学校での三日間の合同授業を中心に、子どもたちに異文化理解や広い視野を養うことにつながっています。

 また、中国への派遣は、青少年の交流を通して近隣国との友好関係をさらに深めることを目的にしております。二泊三日のホームステイでのホストファミリーとの交流が特色であり、中国の人々の生活や文化を学ぶとともに、寝食をともにすることで友好を深め、両国の相互理解が深まっています。

 加えて、派遣された子どもたちがそれぞれに同窓会を開き旧交を温めていることも、将来の人づくり、まちづくりにつながるものと確信しています。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 十五番下嶋議員。



◆十五番(下嶋倫朗) ただいまの私の代表質問に対しまして、区長、教育長より大変丁寧な御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 所見を述べさせていただきます。

 新年度予算編成について伺いましたけれども、区政の課題は山積みしております。その中で、行財政改革、この取り組みに対して積極的に取り組んでおり、経営的視点を重視し、健全財政を維持されるとの決意をお聞きしました。さらに、福祉的要素の高いものは、区民の声を重ねた上で採算を度外視して実施、継続していかれるという御答弁をいただきました。今後ともその経営手腕に期待をしております。

 続きまして、情報発信強化については、FM放送局、区ニュース、区ホームページについて詳しく答弁をいただきました。

 花菖蒲を観る交流会の実施手法につきましては、我が会派の提案に御賛同いただき、ありがとうございました。地域交流、国際交流に我が会派も引き続き取り組んでまいります。

 子育て支援についてです。

 保育施設の整備はさらにスピードを加速して取り組み、二十九年度から三年間で千二百人以上の定員拡大に取り組まれるとの答弁をいただきました。また、ゼロ歳児保育ニーズに対してもよろしくお願いいたします。子育て支援ナンバーワンの自治体として、引き続き待機児ゼロ、保育の質の向上を目指した取り組みをお願いいたします。

 人材育成については、区長、教育長より御答弁いただきました。シリコンバレーに現地訪問され、ICTや技術革新、世界から人材の集まる世界最先端の現場であり、子どもたちを派遣するにふさわしい地であると確認できたと区長答弁にありました。また、スタンフォード大学、企業数社の協力も合意されているとあり、未来を担う生徒たちに国際舞台で活躍できる、そして社会の変化に対応できる人材が育成されるシリコンバレー青少年派遣研修に大きく期待するものであります。

 民泊について、区の考え方をお聞かせいただきました。

 大田区が民泊解禁して一カ月、説明会の参加者は当初予定数より大幅に多かったものの、申請は三件のみ。関心の高さは感じるが、六泊以上の連泊など認定要件の厳しさが申請の伸び悩みにつながっていると思われます。要は、違法性のある民泊が野放図な状態で広がることは避けたい。区民の安心・安全を守り、きちんとした形の民泊を広げていってほしい。そのためのルールづくりをスピード感を持って構築していただきたいとお願いいたします。

 我々自由民主党議員団十名は、さらに夢と希望を持ち、これからも二十二万区民のため区政進展に最大限の努力をしてまいりますことを表明し、私の代表質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



○議長(木村正義) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後二時四十一分

   再開 午後三時

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○副議長(沢島英隆) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 二十九番栗谷順彦議員。



◆二十九番(栗谷順彦) 私は、渋谷区議会公明党を代表し、区長並びに教育長に大きく九点伺います。

 質問の前に、この十一日で東日本大震災から五年がたちます。私は五年前の三月一日、平成二十三年第一回定例会で、その一週間前に起こったニュージーランド地震の惨事を機に、渋谷区がこれまで先駆的に積み上げてきた防災力を初心に返って見詰める機会にしていただきたいと発言いたしました。あれから五年、今また改めて物心ともに、物と心ともに、備えを強く心に思う次第であります。

 また、本日は三月三日、ひな祭りでございます。公明党は、毎年三月の厚労省が定めた「女性の健康週間」のこの月に、毎年テーマを設け、党の女性局中心に街頭活動を行ってきました。今年は農水省が提唱する「食品ロス削減にチャレンジ」とし「循環型社会を目指して、今私たちにできること」をテーマに、三月十二日、区内全域で街頭活動を行います。かわいらしい資料も配布いたしますので、どうぞ見かけましたら声援をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 何か公明党のPRになってしまいましたけれども、質問に移らせていただきます。

 渋谷区PR動画コンテストの開催について区長に伺います。

 三月一日の区ニュースの一面トップにも紹介されていましたが、ユーチューブに公開されている区の広報課が作成した動画も大分増え、興味深いものに目を奪われます。種々の行事やイベントの広報だけではなく、区内のスポットに焦点を当てたもの、例えば松濤美術館やコスモ・プラネタリウム、駅前周辺、また旧庁舎・旧公会堂、また、シリーズ物の渋谷の街並みや歴史・文学めぐり、区ニュースにもありましたが、先月アップされた傑作に「しぶやの坂道」があります。これはびっくりしました。「ねぎ山坂」「やりくり坂」「ネッコ坂」など、こんな坂が渋谷にあったのかと再発見と、渋谷の坂まとめをやってのけた広報課の視点に脱帽をいたしました。女性が全速力で坂を駆け上るシーンはありませんでしたが、広報課も努力され、渋谷の再発見を内外に発信してくれるということは大いに意義があります。

 渋谷をどのような視点で捉えるか、どんな側面を発見できるか、これは多くの目と感覚で捉えることが大きな再発見につながると思います。そこで、区内外、日本中、いや世界中から渋谷PR動画を募集し、コンテストを行ってはいかがでしょうか。著作権や肖像権等をしっかりクリアすることを前提に、渋谷の観光における、また、オリンピック・パラリンピックに向け区として思いもよらない発見があると思います。区長の所感を伺います。

 文化ファッション・インキュベーションを巣立つ若手起業家の展示会等の開催について区長に伺います。

 平成二十二年十一月オープンした文化総合センター大和田も、早いもので五年が過ぎました。当初は箱物とか不要不急とか、孫子の代まで赤字を背負わせるとか、ランニングコストが云々と批判する会派、議員もいました。街頭演説で「この箱物を絶対にやめさせます」と絶叫していた議員もいましたね。

 まあ、それはそれとして、この文化総合センター大和田、私は、渋谷区にとって幾つかの懸案を一気に解決した意義深い施設と私は感じております。

 これまでの主な観客動員数を伺いました。コスモ・プラネタリウムは既に延べ五十万人を超え、さくら、伝承の両ホールは合わせて延べ百万人を超えたそうです。すごいですよ、これ。本当にすばらしいと思います。これだけ見ても、まさに孫子の代まで誇りとなる施設だと思いますが、皆さんいかがでしょうか。

 また、文化ファッション・インキュベーション施設から五年のインキュベートを終え、この三月、まさに巣立つ幾つかの起業家もいます。彼らと話すと、このインキュベーションの意義をしっかりと捉えていました。それは渋谷がファッションのまちとして独自性を発揮し、日本にとどまらず世界に向かって最先端の流行、ファッションを発信するため、若手デザイナーを育成するための施設で、自分たちが最初であること、このインキュベーションの立ち位置をしっかり自分たちが持っているということであります。

 彼らは渋谷区に感謝をしております。文化学園にも同じであります。そして、五年間お世話になった育ったあかしとこれから大きく羽ばたく決意を込め、渋谷区と区民の方にその成果をお見せする展示会等をできたらという計画を持っております。その実現に向け、区長のお考えをお聞かせください。

 昨年十一月、我が会派の久永議員も提案させていただいた渋谷版ネウボラの構築について区長に伺います。

 久永さんはハード面とソフト面を伺い、区内六カ所にある子育て支援センターを活用し、妊娠と出産のサポートとして助産婦、保健師の方が母子保健ケアマネジャーとして、また、育児、就学前までの子育てサポートは子育て支援ケアマネジャーとして、人材育成と配置によって渋谷版ネウボラ、略して「シブボラ」を構築してはいかがという提案をいたしました。

 倉澤部長がお答えになりましたが、「ネウボラも視野に入れながら、子育て支援に全力で取り組んでまいります」とのことで、ばっさりではありませんでしたが峰打ちかなと、そんな感じでした。しかし、久永さんは、渋谷がフィンランドのネウボラを取り入れて、公明党が国会で提案した日本版ネウボラ、子育て世代・包括支援センターの渋谷版である「シブボラ」を構築すると信じて疑っておりません。念のためお伝えしておきます。

 国も子育て世代・包括支援センターを法制化し、同センターを核として地域の関係機関と連携しながら、妊娠期から子育て期までのシームレスな支援を提供する仕組みを平成三十二年まで全国展開を目指すとし、東京都も、推進する自治体の支援策として「ゆりかご東京事業」を二十八年度当初予算に計上をいたしました。

 フィンランドでは、「妊娠したらネウボラ」と言われるそうであります。妊娠の検査も行っておりますので、「妊娠したかなと思ったらネウボラ」かもしれません。妊娠からお子さんの就学までの期間、基本的には同じ担当者がアドバイスし、信頼関係を築きながら徹底してサポートされます。それは母子だけではなく、発達支援はもちろん保護者、兄弟、家族全体の心身、心と体の健康サポートも目的であります。フィンランドの幼児虐待が激減したことがよくわかる、すばらしい取り組みだと思います。

 ここで大前提でありますが、渋谷区の子育て支援は、保健面も含めて限りなくシームレスでトップクラスであることは間違いない事実であります。その大前提の上で渋谷版ネウボラ、略して「シブボラ」構築の区長のお考えをお聞きいたします。これは倉澤子ども家庭部長や広松健康推進部長が答弁できる守備範囲を超えておりますので、区長にお答え願います。

 実は、この所管の守備範囲をシブボラでどう再構築するかも鍵になりますので、よろしく御答弁いただきたいと思います。

 また、渋谷版ネウボラ、シブボラ構築に向かわれるのであれば、一つ提案をいたします。それは、渋谷区は長年フィンランドへ行政等が調査・研究、また子どもたちの研修派遣を行ってまいりました。その最初は平成十七年とのことですから、もう十年以上前からフィンランドに着目していたわけです。調査・研究は教育、保育が中心だったと思いますが、小中一貫校、本町学園もその一つであり、その成果は少なくありません。そこで、明年度のフィンランドへの生徒派遣研修の際にシブボラ班、シブボラチームを結成していただき、保健師、保育士等を中心に別メニューで派遣してもらい、フィンランドのネウボラを調査・研究し、渋谷版ネウボラ、シブボラ構築の推進を加速していただきたいと思います。区長の所見を伺います。

 JR線路上のスペースの有効活用について区長に伺います。

 私がまだ青年のころ……

   〔「今は」の声あり〕



◆二十九番(栗谷順彦) ちょっと前ですけれども、公明党の政策にJR、当時国鉄の山手線の線路上を利用し、若者が暮らせる居住空間も含め有効活用しようという、今考えると大胆な、サイエンスフィクションのような政策がありました。詳しくは申し上げませんが、我が党にとって数少ない企画倒れの政策となりました。

 しかしここに来て、人口が増加傾向にある都心の、人口が微増し続ける渋谷区が、行政として、いわゆる地べたの土地利用は今後なかなか困難な状況であると思います。しかも、「自分たちが見つけてきたものは早く買え、区が買ったものは高く買った」と文句ばかり言う人がいますので、本当大変だと思います。

 そこで、地べただけにこだわらず、あらゆる視点でスペースを生み出し、活用していく発想も必要と考えます。

 その意味で、例えば、例えばですよ、原宿の五輪橋から水無橋にかけてJR山手線の線路上に人工基盤を設け、構造物あるいはスペースとして有効活用はできないでしょうか。大変な工事になると思いますので、また費用のこともありますが、渋谷区の立場としてはJRと民間活力とのジョイントをつくり出す役目になるのではないでしょうか。また、こういうことが、先ほど区長が発言された「(仮称)アーバンデザインセンター渋谷」にかかわってくるかもしれませんが、区長の所見を伺います。

 人口対策について区長に伺います。

 本年一月、渋谷区も二十八年ぶりに人口が二十二万人を回復いたしました。先日、「渋谷区まち・ひと・しごと創生総合戦略」の素案で示された区の将来人口の推移データを見ると、二十二万人に達するのは二〇二〇年の予測でしたが、四年早く達成したことになります。先日の国勢調査の速報値でも、戦後、日本の人口が初めて減少したことが報じられました。渋谷区でも、二〇二五年、二十二万三千をピークに人口は減少に転じ、二〇六〇年には十九万人を割る予測が出ています。四年早く二十二万人に達したことは、ピークや減少も早まるということではありませんし、むしろ人口のピークにアドバンテージを得たと捉えるべきだと思います。

 これから十年が渋谷区のダイナミズムの本領が発揮される時代到来と思っております。そして、いずれ訪れる渋谷区の人口減少の傾斜をいかに緩やかにするか、この十年の取り組みいかんにかかわってまいります。渋谷区の人口減少時代への対応として、具体的対策について区長のお考えをお聞かせください。

 理数教育について教育長に伺います。

 森教育長は、物理学を専攻されたと伺いました。その、いわばリケジョの教育長にとって、二月十一日のアメリカの重力波観測LIGO研究チームから発表された重力波の歴史的な観測は、心ときめかせたのではないでしょうか。−−ないでしょうか。

 ちょうど百年前、アインシュタインは一般相対性理論で、「空間は弾性を持ち、連続性があるため空間のゆがみは波として伝わる」とあらわしました。その重力波ですが、アインシュタイン自身が、余りにも小さな変動であるため観測は無理だろうと述べたそうです。

 しかし、アインシュタインの最後の宿題として、その理論を裏づけるため世界が重力波の観測に乗り出しました。地球で今の技術において人類が観測できるとしたら、質量の非常に重い三つの天体イベント、超新星爆発あるいは連星中性子星の合体、または二つのブラックホールの合体であると予測し、それらの理論波形を計算した上で観測の競争が始まりました。日本でも重力波観測の歴史は長く、また、新たな装置、大型低温・重力波・望遠鏡「KAGRA」が観測を期しておりましたが、アメリカのLIGOチームがついに一番乗りを果たしました。

 この画期的な観測に、「KAGRA」の計画代表である梶田隆章先生、御存じのとおりスーパーカミオカンデによるニュートリノ観測、及びニュートリノに質量があることを発見したことにより昨年ノーベル物理学賞を受賞した、その梶田先生がこのようにコメントをいたしました。我々KAGRAグループは、LIGO‐Virgoが重力波信号を発見したことを心より祝福します。これは重力波及び一般相対性理論の研究者が待ち望んでいた歴史的快挙ですと、先を越されたことより、人類がついに観測したことの喜びのほうが強いと絶賛をいたしました。

 観測されたたった〇・二秒の波形から、重力波は高速ですので十三億光年離れた十三億年前の出来事として、二つのブラックホールがお互いを回る連星のような運動から一つに合体したことがわかる、その二つのブラックホールは太陽の質量の三十六倍と二十九倍の合体だった、合体後は太陽質量の六十二倍のブラックホールになった、その差の質量である太陽質量の三倍が重力波として瞬間的に放出された、合体するまでの〇・二秒間に四回転した、合体の瞬間は光の速さの半分のスピードで合体した、これにより質量を特定したブラックホールの存在を示した等々、ここまでわかるということであります。

 また、地球に届いた重力波はどれくらい時空をゆがめたのか。それは一メートルの十のマイナス二十一メートルとのことですが……

   〔「二十一乗」の声あり〕



◆二十九番(栗谷順彦) マイナス二十一乗メートルとのことですが−−ついてきていただける方だけ、ついてきていただければ。これをわかりやすく言うと、太陽と地球の距離、約一億五千万キロメートルの距離で水素原子一個分に相当するゆがみ、伸び縮みだったそうです。これを観測する技術を人類が持っていること自体が、もはやエポックでございます。この感動を、是非渋谷区の子どもたちにも詳しく伝えていただきたい気持ちです。コスモ・プラネタリウムのプログラムにも、近いうち新番組として登場すると思います。可部館長も今ごろコニカミノルタに電話しているころかもしれませんが、人類は今、光の目である光学から電磁波の目を持ち、ついに重力波の目としてのセンサーを確立したことは、天文学や宇宙物理学の発展が一気に加速されると期待されます。

 そこで、是非KAGRAチームの専門家あるいはノーベル賞受賞者、梶田隆章先生を招いて渋谷区で講演会を開催していただきたいと思います。これは是非教育委員会に開催していただきたいと思います。

 また、あわせて今後の区の理数教育の展望を教育長からお聞きいたします。

 地域包括ケアシステム充実に向けて、認知症カフェへの助成について区長に伺います。

 渋谷区でも、地域性を生かした、ボランティアの方などが中心に認知症カフェを開催しているということでございます。その御尽力に感謝をいたすものです。まさに地域のコミュニティの発露であり、その互助の精神に敬意を表するものであります。この地域の真心からの認知症カフェの運営等に、渋谷区が目指す地域包括ケアシステム構築の流れの中で、区がサポートするべきと考えます。

 そこで、まず、区内のボランティア等で行われている認知症カフェの実態を伺います。

 また、今後の地域に根差した顔の見える認知症カフェの推進のため、何らかのサポートができないか区長に伺います。

 二十八年度予算について三点伺います。

 資源持ち去り防止のための条例改正について区長に伺います。

 昨年の第二回定例会で我が会派、松山議員の代表質問での提案を受けとめていただき、この定例会に資源の持ち去り防止対策の条例改正案を上程していただき、感謝いたしております。今や拠点回収の古紙に限っても六割が持ち去られている現状です。先ほども、この条例改正によって区民、事業者、区が一体となって環境保全に向けた取り組みを進めるとの御発言がありました。

 持ち去り業者の一部には、大規模マンションの管理人にすり寄って、苦なく大量の資源を持ち去るケースも実際にあります。この条例改正が効果を上げるのは、区民はもちろんのことマンションの管理組合や区内事業者への、強い理念と断固たる意思を伝える広報が欠かせません。効果を上げる具体策について区長のお考えをお聞かせください。

 待機児童について、保護者が抱える願いを一つ区長に伺います。

 保育園等の待機児解消に区が一体となって、保育課はもうかわいそうなぐらい努力され、四月一日、たった一日だけでも待機児ゼロを目指し取り組まれてきている現状と、今後の取り組みに深く敬意を表します。

 多くは申し上げません。一つ提案があります。

 それは、公平さを期すための入園・入所審査のポイント付与についてであります。それは、長く渋谷に暮らした方としてのポイントは付与されません。しかし、これが保護者にはなかなか理解されない点でもあります。保護者が、私も渋谷区で生まれ育ったとか、親子三代渋谷で生まれとか、どれだけ区民税を納めてきたことかとか、まあまあまあという感じですが、ただ、厚労省のポイント付与のガイドラインに沿えばいたし方ないとは思いますが、そこを何とか。保護者の願いです。

 そこで提案ですが、せめて渋谷で生まれたお子さんにポイントを付与できないでしょうか。そのハッピーマザーポイントについて区長の所見を伺います。

 セクシュアルマイノリティ理解と対応に関する教職員研修について、教育長に伺います。

 昨年行われた区民向けセクシュアルマイノリティ理解の講演会を皮切りに、区職員向け講習会、さらには先月、議会でも、木村議長の御配慮と強いリーダーシップのもと、この議場で議員向けのセクシュアルマイノリティ理解の研修会が行われました。講師は、レズビアンを中心にセクシュアルマイノリティ支援団体LOUDの代表で当事者の方と、同副代表でパートナーでもある方でした。

 そして、いよいよ教育委員会も明年度六月、七月と、セクシュアルマイノリティ理解と対応に関する教職員研修をされるとのことで、大変期待を感じております。それは、議員向け研修会で伺った、多くの当事者にとって性自認が思春期と重なることや、カムアウトがどれだけ大変な作業であるかということです。

 自分を全否定し、しかも周りからも否定された当事者の向かう方向は容易に想像できます。性同一性障害当事者や、性自認に揺らぎがあったり迷いがあったりした場合は、ある程度周りが気がつきます。よって、比較的早い対応ができますが、性指向が同性の当事者の場合は言ってもらわなければわかりません。かといって、カムアウトが対応のスタートラインでもありません。要するに、言ってもらわないとわからないが言う必要もないというナイーブな心構えと準備が教職員には必要となります。

 そこで、一つお願いがあります。

 今後、是非性同一性障害当事者並びに性指向が同性の当事者からも、もちろん大人になった当事者ですけれども、子どものころの経験を聞く機会を教職員の講習会のプログラムとして今後、持っていただきたいと思います。教育長の御所見を伺います。

 庁舎建替え、区の基金、幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)について区長に伺います。

 今年の正月、一般紙に実に禍々しい広報紙が折り込まれました。本当、正月早々嫌な気分になりました。発行元は日本共産党渋谷区議団であります。事物をどう捉えてどう発信するかは表現の自由でございます。また逆に、この広報紙を読んでどう捉え、どう感想を持ち、どう批評するかも表現の自由です。

 そこで、これを見て区長がどう思われたかをお聞きしたいと思います。

 この日本共産党何とかかんとかニュースによるとですね、庁舎の建替えについて、こういうふうにあります。「庁舎の土地の一部を七十七年七カ月も貸し出し、三十九階建てのマンションを建てさせ、大もうけを上げさせる見返りに庁舎などを建ててもらう計画」と言っています。私は推進派の一人として、一年前の平成二十七年度第一回定例会で庁舎建替えに関し、この手法がいかにすぐれているかを質問いたしました。そこではっきりしたことは、この民間活力を用いる手法によって、財政負担なしで老朽化した庁舎と公会堂を耐震性を持って建替え、熱効率も含め最新のスマート庁舎・公会堂となり、タワーマンション完成によって、絶対に税収が上がらなかった土地からこの手法によって年間四億円の税収が見込まれ、さらに千人規模の人口増を短期間でなし遂げるというものです。これがこの手法の答えです。それが「大もうけを上げさせる見返りに建ててもらう」、もうこの画期的な庁舎建替えの手法をこのように表現できることは、ある意味芸術ですね。ちょっと偏っていますけども、技です。もう文学の世界です。びっくり仰天です。区長はどう思われたでしょうか。

 また、幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)についても、こういうふうにあります。「幡ヶ谷二丁目防災公園、用地取得に三十二億円など、ムダ遣いを続けています」とあります。また、後ろのほうでは「土壌汚染の土地に公園、保育園を建てるのか」「鉛は基準の三百七倍」、御丁寧に汚染の調査結果一覧もあり、あたかも汚染除去が行われないまま建設されるような印象を受けます。これはちょっと悪質ですね。また「二億円も高く購入」との根拠もよくわからない。二億円高いのであれば、タイトルを「三十二億円の無駄遣い」ではなく「二億円の無駄遣い」とするべきで、論理破綻に陥っているというより、命題設定が間違っていると言わざるを得ないありさまであります。

 およそ売買において、鑑定額どおりに売買しなければならないとする仮定が間違っているのではないでしょうか。取得希望者が複数いる、あるいはいると想定される場合、あるいはどうしてもこの土地を取得する相当な理由がある場合、当然、売り手と買い手双方の価値観をもって交渉の末、売買価格の合意につながるのは我が国の市場社会の原則であります。そのような論理展開がまかり通るなら、オークションも逆説的に入札制度も、もはや抽せんで決めることになるのではないでしょうか。鑑定額は指標であり、売買は双方の価値観の合意によって成立するんです。

 大体、価値と価格を厳密に区別したのはマルクスじゃないですか。マルクスの経済学、資本論をもう一回読み直したほうがよろしいと思います。人ごとですけどね。

 しかも、そのことと解決済みの土壌汚染を混同させるのは区民を惑わせる悪行です。我々は推進派であり、妥当な契約額と伺っていますので、この辺も区長が明快に反論するべきだと思いますので、お答えください。

 さらに「貯め込んだ六百八十五億円を使えば」とし、これは基金のことだと思いますが、その積み上げた基金で認可保育園や特養の増設、高齢者や高校生までの医療費の無料化、学校給食の無料化、国保料の引き下げが十分実現できると書いてあります。この中には毎年毎年かかる予算があり、その財源として基金を取り崩すとしたらあっという間に基金は底をついてしまうのではないでしょうか。もう渋谷区を破産、転覆させようとしているのか。さすが革命政党・共産党が言うことだと率直な感想を持った次第であります。

   〔「共産党攻撃のために質問やっているのか。区長に質問しろ、区長に」の声あり〕



◆二十九番(栗谷順彦) 大分本質を突かれて動揺してるようでございますが……

   〔「何が動揺だよ」の声あり〕



◆二十九番(栗谷順彦) 区長の区の基金について明快な考えと重要性を、是非ここで区民に示していただきたいと思います。自由に気兼ねなく、ずばっと話してください。お願いします。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 渋谷区議会公明党の栗谷順彦議員の代表質問に順次お答えします。

 初めに、渋谷区PR動画コンテストの開催についてのお尋ねですが、しぶや動画ギャラリーは、区の魅力やお勧めスポットを紹介するために、区の行事や地域の活動、まちの情景などを動画で配信しているもので、今回、栗谷議員から渋谷の再発見を内外に発信していると御評価いただいたこと、大変うれしく思います。

 渋谷区には、国内外の観光客からも大変人気があるスクランブル交差点のような観光スポットを初め、区内各地域にも多くの観光資源があります。また、日本人から見たら何気なく受けとめる看板、路地裏などの風景が外国人の目には新鮮に映り、新たな渋谷区の魅力となるポテンシャルも数多くあることから、このたびの御提案は二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックに向けて、国内外に向けて渋谷区の魅力を発信していくことができる大変ユニークな企画になるとも思います。

 一方で、著作権や肖像権の課題もあることから、こうした課題を含めて、今後は渋谷区観光協会との連携を中心としながら、民間企業のノウハウの活用も視野に入れ、国際観光都市・渋谷区として新たな魅力やカルチャーを生み出せるような企画を検討してまいりたいと思います。

 次に、文化ファッション・インキュベーションを巣立つ起業家の展示会についてのお尋ねです。

 議員がおっしゃるとおり、日本にとどまらず世界に向けて最先端の流行や情報を発信する拠点として設置した文化ファッション・インキュベーション施設では、渋谷の地場産業であるファッションデザイン産業に特化した才能ある人材の育成支援に主眼を置いてきました。その結果、国内最大級のファッションの祭典であるメルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京への参加等、世界に向けて活躍する人材を輩出しています。

 三月で御卒業される方々が、区や区民の皆様にその成果をお見せいただく展示会等の開催を企画しているということですが、ファッションデザイン産業が渋谷区の地場産業として広く認知されるよい機会になることと思います。実現に向けては、企画自体の具体的な内容を相談していただいた上で、区ができる支援の方法や取り組みを検討し、積極的に支援してまいります。

 次に、渋谷版ネウボラ構築について二点のお尋ねですが、関連しておりますので一括して答弁いたします。

 地域で支える子育て支援については、国の子ども・子育て支援制度の開始により、妊娠期から子育て期にわたる様々なニーズに対する総合的相談支援を提供する子育て世代包括支援センターと言われるワンストップ拠点の整備が位置づけられました。

 議員御提言の「シブボラ」の構築については、本区が保健所、子ども家庭部、教育委員会等の相互連携により行ってきた子育て支援の各事業を、区内六カ所の子育て支援センターを拠点として事業展開することも視野に入れつつ、効果的なあり方について積極的に検討してまいります。

 また、保育士、保健師等をフィンランドに派遣し調査・研究することについては、新たな視点から学べるよい機会になると思われますので、前向きに検討してまいります。

 次に、JR線路上のスペースの有効活用についてのお尋ねですが、私も、JR原宿駅前が休日を中心に非常に多くの人であふれ混雑して、地域に長年住んでおられる高齢者の方や小さい子どもたちにとって安心とは言えない状況であることは、地域にとって大きな課題であると感じています。原宿駅周辺のこのような課題を解決するためには、御提案のJR山手線上を有効活用することを含めて、駅の改良、周辺の再開発との連携、原宿から渋谷への回遊性の向上など、JRを含めて民間活力の活用を図りながら多角的に検討する必要があります。

 議員の御提言にあるように、渋谷駅周辺において、今後実現を目指している産学公民の連携による(仮称)アーバンデザインセンター渋谷のような手法が、原宿を初めとする様々な地域のまちづくりの課題の解決に有効だとも思います。これからも区が主導しつつ、産学公民による多方面の連携をジョイントさせながら、ハード、ソフト両面からのまちづくりを積極的に進めていきたいと考えています。

 次に、渋谷区でも二〇二五年をピークに人口は減少に転じると予想されており、今後の人口減少時代への対応をどのようにするかという御質問です。

 「渋谷区まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定するために作成した二〇六〇年までの人口の現状と将来の展望を提示する渋谷区人口ビジョンでは、今後十年間は人口増加が続くとしております。しかしその後は、現在の人口の増を支えている転入超過による社会移動の増が日本全体の総人口の減少により維持できなくなり、人口は減少に転じると予想しております。人口の減少は、区民の安全・安心な暮らしを支える基盤を揺るがす可能性があります。今後も人口を維持していくためには、議員のお考えのとおり、これからの十年間、どのような取り組みをしていくかが重要となります。

 まず、渋谷区の総合戦略では、二〇二五年までに合計特殊出生率を、これまでの十年間の上昇率である〇・三二ポイント上げることを目標として、待機児問題だけでなく、総合的な子育て支援策を充実させることとしております。また、社会移動については、年間五百人程度の増を確保していくため、駅周辺の整備を中心として都市としての機能を向上させ、より一層魅力的な国際都市として発展させることを目指してまいります。

 さらに、駅周辺以外の地域においても、まちの魅力づくりを積極的に支援し、地域コミュニティの活性化、教育、福祉、防災のさらなる向上を通じて渋谷区全体の魅力を高めてまいります。

 今後も住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、一定の人口を確保するための施策を展開していきます。

 次に、地域包括ケアシステム充実に向けての認知症カフェ助成について二点のお尋ねです。

 初めに、区内のボランティア等で行われている認知症カフェの実態についてのお尋ねです。

 認知症カフェは、認知症の方やその家族、地域の方など誰もが気軽に参加でき、談話や交流ができる場所です。国は認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランの中でも認知症カフェの設置を推進しており、本区においても、第六期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画で拡充施策として位置づけております。

 現在、区内の認知症カフェは地域ボランティアや福祉施設職員、また医師会等の協力のもと、内容としては定期的開催や不定期開催、参加費は無料から三百円まで、参加者は約二十名から四十名など形態は様々ですが、七カ所で実施しています。

 なお、同様のものとして、社会福祉協議会で行っている補助事業や見守りサポート協力員が展開するサロンなどにも、認知症の方が参加している事例があるとも伺っています。

 次に、認知症カフェの推進のため何らかのサポートができないかとのお尋ねです。

 現在、既に区が行っている認知症カフェのサポートとして、開催周知のための区ニュース等への掲載やチラシの配布、区有施設での場所の提供、また、区職員等が参加して最新の認知症に関する情報提供等を行っています。今後は認知症カフェを実施する際のガイドラインを作成し、それに沿った運営をするカフェに対し、現在のサポートに加え認知症サポーターとして登録していただいているボランティアの派遣や、カフェ内で相談できる医師の派遣など、人的なサポートを中心に順次取り組んでまいりたいと考えています。

 次に、資源の持ち去り防止の条例改正の効果を上げる具体策についてのお尋ねです。

 本区は、これまで廃棄物の再資源化を積極的に促進するとともに、最終処分量の削減など廃棄物の適正処理を図ってまいりました。この結果、区が収集するごみ量は、この五年間で約一割削減を進めることができました。これは区民等の協力のもと、ごみの発生抑制はもちろん、これまでごみとして排出されていた新聞や雑誌、瓶、缶等の資源物が適正に分別され、資源回収として排出されたことも大きな要因であると考えています。

 しかし一方では、区民が排出した資源物が民間事業者等により不正に持ち去られる事象が発生しております。冒頭の所信でも申し上げましたが、今回の条例改正は、区民が安心して生活できることはもちろん、リサイクルシステムを維持し、さらなる再資源化の促進とごみの減量を図り、資源循環型社会を目指す観点から、区民の皆様の区の施策への御協力、資源化に向けた思いを踏みにじるような行為を許さず、区と区民が協働して、悪質な業者が持ち去りしづらい環境をより明確にすることを目的とするものです。

 このため罰金上限二十万円の罰則規定を設け、区の厳しい姿勢を示しました。

 議員御質問の具体的対策でございますが、条例議決後、区ニュースやホームページへの掲載はもちろん、清掃協力会やリサイクル等推進員等の各種会合等を通じ、区民、事業者等へ広く周知、広報を行い、持ち去り禁止のさらなる啓発を図ってまいります。また、そのことによる持ち去り者の自制を図る抑止効果とあわせ、パトロールによる指導等これまでの取り組みを一層強化、徹底し、条例の効果を上げてまいります。

 次に、保育園等の利用調整に当たって、渋谷区で生まれたお子さんにハッピーマザーポイントとしてポイント付与できないかとのお尋ねです。

 議員御承知のとおり、児童福祉法に基づく児童福祉施設としての保育園の入所に際しましては、お子様の保育の必要度により指数づけを行い、申し込み施設の定員を超える場合、利用調整を行うこととなっております。したがいまして、渋谷で生まれた子ども、そのことをのみをもってポイントを付与することは難しいものと考えます。

 なお、保育の利用調整の際に、同一指数に並んだ場合の優先基準として、生活保護世帯、ひとり親世帯、父または母が単身赴任中の場合、兄弟と同じ保育園を希望している場合などがあり、優先順位をつけ、保育を必要とする児童の状況を総合的に考慮し、調整を行っているところであります。

 この優先基準を含む保育園入園選考基準につきましては、毎年様々な意見を頂戴しておりますので、次年度以降の募集に向け見直しを行う予定であり、御提案のハッピーマザーポイントにつきましてもその中の一つに位置づけられないか、今後検討してまいります。

 次に、庁舎、公会堂建替え、区の基金、幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)についてのお尋ねです。

 まず、庁舎、公会堂の建替えについてです。

 栗谷議員の御説明にもあるとおり、区はこれまで区民には何度も説明しており、正しく理解されていることと思いますが、改めて御説明いたします。

 本事業は旧庁舎・公会堂等の敷地の一部に借地借家法第二十二条に基づく一般定期借地権を設定し、事業者が分譲を予定する共同住宅を整備し、その対価として庁舎、公会堂を整備するもので、定期借地権の期間満了後には更地として返還されるものです。

 定期借地権を利用した民間活力を導入することは、本区の建設費負担をゼロにして財政支出を抑えることが可能となるだけでなく、議員御指摘のとおり、定住人口の確保による税収増加などが見込まれ、今後も高い行政サービス水準を維持していくためには大きく寄与するものであり、決して民間事業者の利潤のために行うものではありません。

 幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)の土地について、土壌の汚染と用地の購入額についてのお尋ねでございます。

 幡ヶ谷二丁目複合施設(仮称)につきましては、先日の二月二十六日に建築計画説明会を行ったところでございます。その中でも説明いたしましたが、土壌改良工事は前所有者の費用負担と責任において処理を行うこととなっており、工事は一月三十一日に完了しました。そして東京都環境局に対する完了の届け出を二月二十四日に行っていると、前の所有者からの報告を受けているところでございます。完了届の資料として地下水の検査結果をつけており、全ての検査項目において基準値以下であったとのことです。汚染除去のための土壌の入れかえも全て終了し、既にきれいで安全な土地になっており、その上に必要な施設の建設を行うものです。

 幡ヶ谷・笹塚地区は木造密集地域で、災害時の一時集合場所が近隣に少なく、防災公園の整備が重要かつ緊急の課題であったこと、あわせて福祉施設の整備も緊急の課題でした。幡ヶ谷・笹塚地区にはこのような施設を設けることができるまとまった広さを持つ土地はほかになく、購入に当たっては土地の非代替性も考慮いたしました。

 また、この土地は鑑定において土壌汚染のない土地として評価を行っており、一方、契約においても汚染のない土地として引き渡しを受けることとなっており、鑑定書評価額からも妥当な価格と思います。また、議員の御指摘のとおり、売り主、買い主双方の価値観をもって交渉の結果、双方で合意した金額が今回の契約金額三十一億九千六百二十八万三千百四十五円になったものでございます。

 次に、基金に関して私の考えをとのお尋ねです。

 現在、人口増加傾向にある本区にあっては、待機児対策を今後とも継続する必要があるほか、人口構造の変化も相まって、住みよい環境づくりにおける特養、高齢者住宅の整備など、大小様々な施設整備が必要であり、社会保障給付費の増加も必至です。加えて区立小学校、区有施設の改修、改築や橋梁等インフラの耐震化等、まちづくりにおける中・長期的課題に着実に対応する必要があり、おのずと財政需要が大型化してまいります。こうしたことから、今後の財政運営は年度ごとの歳入見通しや後年度負担を見据えながら、より一層慎重であると同時に大胆でもあらねばならない難しい状況を迎えるものと思います。

 本区は基幹収入源である特別区民税の歳入予算が、リーマン・ショックの影響でわずか二年のうちに約七十億もの額が減少した経験があり、歳入構造に脆弱な面があることをあわせて考えると、財政需要が増大する中で、財源の一つとして基金の重要性が増してくることは確実です。このため、今般の補正予算にあるように適時適切に基金の積み増しを行い、安定財源として財政調整基金、都市整備基金をあわせ一定水準を維持・確保し、財政基盤の強化を図ることが重要であると考えます。

 一方、社会経済情勢の影響等により区歳入に変化が生じ、行政水準の維持向上に必要と判断するときは財政調整基金を、用地取得等の資産形成に資する大型の財政需要には都市整備基金をちゅうちょなく活用し、区民福祉の向上を迅速、的確に実現してまいります。

 現状におきましては、区税収入は増収が見込まれることもあり、二十八年度予算では基金を財源とすることは予定しておりません。ましてや議員がごらんになられたという記事にあるような恒久的施策について、長期的な財源見通しも立たないまま基金の取り崩しによって対応するということは、事業の継続性に甚だ疑問の残るところであり、責任ある区長の立場としては、そうした安易な基金利用の考えはありません。

 私からの答弁は、以上です。



○副議長(沢島英隆) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、大きく二点お尋ねがございました。

 まず、理数教育につきましては、重力波望遠鏡KAGRAを用いて重力波を観測しようとしている専門家を招いた講演会を開催したらどうかとの御提案です。

 重力波の検出は、アインシュタインからの最後の宿題と言われている科学分野の最先端の研究で、我が国でもKAGRAを用いた観測の準備が進められています。

 一方、文化総合センター大和田に開設しているこども科学センター・ハチラボは、「渋谷の街からノーベル賞を」のコンセプトのもとに、最先端の科学、技術、数学のプログラムを提供しています。重力波の直接検出に挑んでいるノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章先生などの専門家を招いた講演会につきましては、ハチラボのコンセプトにも合致していますので、先方の御都合もございますが、実現に向けて可能性を探ってまいりたいと考えております。

 次に、今後の区の理数教育の展望についてのお尋ねです。

 理数教育は、次代を担う科学技術系人材育成に寄与するだけではなく、論理的な思考力や根拠に基づき客観的に判断する力などを養うために、全ての子どもたちに対して理数教育は極めて重要です。

 その考えを受けて渋谷区では、平成二十一年四月に鉢山中学校を理数教育重点校として位置づけました。大学などの研究機関が保有する高度な先端科学教育と連携するほか、こども科学センター・ハチラボを活用した授業を行っています。鉢山中学校では学習環境の整備、地域環境・施設等の活用方法の検討、小学校の理科、算数の教育課程との連携や、他教科、総合的な学習の時間との連携を踏まえた指導計画、評価計画作成を行っており、将来的には、区立小中学校の理数教育のセンター校として理数教育の充実に資する学校を目指しているところでございます。

 また、教員の力量を高めるために実施している教員研修では、教育センター主催の小学校理科教育研修や、夏季講座で行われている算数、数学や理科実験の研修も実施しております。今後も研修内容の見直しを図り、教員の資質、能力を向上させ、理数教育の充実に努めてまいります。

 次に、教員のセクシュアルマイノリティ理解と対応に関する教職員研修についてのお尋ねがございました。

 平成二十七年四月に施行された渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例を受け、教育委員会ではセクシュアルマイノリティに関する理解を深めるために、今年度は校長と副校長及び養護教諭を対象に、性の多様性についての理解を深める研修を実施いたしました。特に養護教諭研修では、栗谷議員からも御提案をいただきましたが、実際に性同一性障害の方に講師に来ていただき、その方が子どものころに覚えた違和感や大人になっても困っている体験談を話していただき、性同一性障害に関する理解が深まった研修になったと報告を受けております。

 来年度のセクシュアルマイノリティ理解と対応に関する教職員研修ですが、講師については現在検討中ではありますが、生活指導主任、人権教育担当者、十年次研修者を対象に研修を実施する予定でございます。

 教育委員会では、文部科学省から出されている「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」の通知に基づき、全ての教職員が適切な対応をとることができるよう指導しております。加えて、今後は研修を受けた教職員がセクシュアルマイノリティに関する理解を校内外に広めるよう、指導、助言をしてまいりたいと考えております。

 以上、答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 栗谷議員。



◆二十九番(栗谷順彦) 区長並びに教育長に大変、殊のほか前向きな御答弁をいただきまして、感謝いたします。

 ただ、最後の質問は前向きとかそういうことではなくて、区長と、また多くのここにいる議員の皆さんと、怒りの感情を共有できたのではないかというふうに思っております。いろんな意味ですっきりしました。区民の皆様も正しさを共有できたものではないかと信じております。

 区長の答弁を聞いて、やはりこのようなデマゴーグの新聞はけしからんなと思ったということでよろしいんですよね。このように区民を惑わせる行為は、まさに野干のほうるなりと言い得て妙であります。

 認知症カフェですが、子どもの健全育成は、地域がしっかり取り組んできているわけでございます。同じように、在宅の認知症の高齢者を地域の真心で見ていかなければいけない時代に来ております。まさにコミュニティの力を発揮する時代であります。私も妻と、今、三人目を在宅介護している経験から、先日の最高裁の損害賠償の逆転判決は感慨深いものでございました。司法も血が通っているなと率直に思いました。

 認知症は、いわば子どもに帰っていくわけでございますので、がんぜない高齢者と言えます。行政ががっちりサポートし、地域で顔の見えるケアを推進していっていただきたいと思います。

 また、「シブボラ」についてでございますが、もう「シブボラ」と言っちゃっていますけどね。「シブボラ」についてでございますが、先ほども述べたとおり、渋谷区はこれまで、平成十七年から今年度まで九回フィンランドを訪問しています。行かなかったのは十九年と二十三年だけで、明年度で十回目のフィンランド訪問になります。是非、是非その際シブボラ班、シブボラチームの結成をよろしくお願いします。

 フィンランドの行政側だけではなく、利用者の側からも幅広く調査していただければと思います。ヘルシンキに子育てした日本人の方もいらっしゃいますので、日本フィンランド協会の連携も視野に入れていただけたらと思います。

 うちの久永議員がシブボラ構築に命をかけると言っておりますので、本当、私の立場も区長、ごしんしゃくいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 私ども公明党は、区民相談を中心に区民の皆様からいただいた多くの声を政策にし、それを実現させることが党是の一つであると考えております。これからも渋谷区議会公明党、獅子吼をもって全力で活動してまいることをお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。

 ありがとうございました。



○副議長(沢島英隆) 二十四番五十嵐千代子議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 私は、日本共産党渋谷区議会議員団を代表して、区長、教育長に質問します。

 質問に入る前に、日本共産党は北朝鮮が二月七日、事実上の弾頭ミサイルを発射したことは、核兵器の開発と結びついた軍事行為であり、国連安保理決議などに違反し、国際平和と安全に深刻な脅威を及ぼす行為であり、厳しく非難し抗議するものです。

 また、二月の十九日、日本共産党を含む野党五党は安保関連法の廃止法案を共同で国会に提出するとともに、戦争法廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、立憲主義を回復し、安倍政権打倒を共通目標として国会対応や国政選挙での協力を行うことで合意し、その実現に全力を挙げているものです。

 それでは、質問に入ります。

 最初に、区民の命と暮らしにかかわる国政問題について、戦争法、安保関連法廃止と憲法九条を守ることについてです。

 昨年九月、国民多数の反対を押し切って強行された戦争法は、立憲主義を破壊するもので、成立したからといって許すわけにはいきません。南スーダンPKOに派遣されている自衛隊の任務は、駆けつけ警護が加わり武器使用が可能となり、自衛隊員が殺し殺されることが危惧されます。また、安倍首相は、自衛隊を国軍とするため憲法九条そのものを変えようとしています。しかし、戦争法成立後も国民の半数以上が反対し、区内でも戦争法の廃止、立憲主義の回復を目指す市民が党派を超えて結集しています。

 区長はこれまで、国政の問題は国政で議論するものと自らの見解を述べてこられませんでしたが、立憲主義を壊し、区民の命を危険にさらす安保法の廃止と憲法九条を守ることについて、憲法を遵守しなければならない区長としての所見を伺います。

 次に、消費税一〇%増税の中止についてです。

 安倍内閣は来年四月から消費税を一〇%に引き上げようとしています。区民からは、八%になり、食費を初め生活費を切り詰めているが、これ以上は無理、消費税廃止渋谷各界連絡会の区内商店街の署名行動では、「一〇%になったら商売続けられない」「消費税増税に賛成している商店会などない」など批判の声が出されています。

 消費税が一〇%に引き上げられれば、食料品の一部など八%に据え置いても、一世帯当たり六万二千円の負担増となり、貧困と格差は拡大するばかりです。しかも庶民と中小企業には増税を求める一方で、大もうけをして内部留保を三百五十四兆円も蓄えている大企業には四兆円の減税を行う、さらに、社会保障のためと言いながら、この間、社会保障の予算は毎年三千億円から五千億円も削減するなど全く道理のないやり方です。

 大企業や富裕層への減税をやめて応分の負担を求めるとともに、五年間で二十四兆円を超える軍事費や無駄な公共事業費を削れば、二十兆円の新たな財源が確保できます。国に対して消費税の一〇%増税はきっぱり中止するよう求めるべきと考えます。区長の所見を伺います。

 二〇一六年度渋谷区予算編成と区長の基本姿勢について、最初に、予算編成について伺います。

 区内の昨年の倒産件数は百五十七件、それによる失業者数は七百七十一人、就学援助を受ける中学生も三七%と深刻になっています。渋谷区の新年度予算は、重度障害者レスパイト事業の実施、情緒障害学級の増設、認知症対策の拡充などの前進がありますが、生活保護世帯の冬の見舞金一千百五十三万円や障害者の福祉タクシー券三千七百四十八万円など、福祉予算を削減しようとしています。一方、区議会議員のリオデジャネイロ・パラリンピック視察には二千四百三十一万円、河津の保養所に一億三千七百万円を投入する予算で、こうした不要不急の事業をやめて福祉予算を復活すべきです。区長の所見を伺います。

 また、区民には、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料を値上げし負担増を求めています。一方で、東急グループが主体となって進める渋谷駅周辺再開発事業には五億七千六百十一万円の多額の税金を投入する予算です。大企業奉仕の税金の使い方をやめるとともに、新たに五十億円を積み増して七百三十五億円になるため込み金を活用し、区民の福祉と暮らし、営業を守る予算に切りかえるべきです。区長の所見を伺います。

 次に、庁舎建替え問題についてですが、先ほど自民党下嶋議員、公明党栗谷議員から我が党のホームページと団ニュースに対する発言がありましたが、我が党が区民の知る権利を保障する立場から発信していることへの攻撃であり、許せません。

 それでは、質問に入ります。

 二月二十五日と二十八日に初めて開かれた三井不動産レジデンシャルが建てる分譲マンション住民説明会についてです。

 参加者からは、「住宅棟については全く知らされていない。庁舎、公会堂、三井のマンションは一体のもの、こんな大切な問題を近隣だけの説明でおさめるなんてとんでもない。住宅棟と庁舎、公会堂と分離して説明するのもごまかしである」との厳しい意見がありました。渋谷区は、これまでも三井不動産レジデンシャルの建てる高層マンション計画については、事業者がやることで区はかかわらないとして、区議会にも全く説明してきませんでした。住民説明会でも区民の質問に区は全く答えず、三井不動産レジデンシャルに答えさせるという、渋谷区の説明責任を果たさない対応は許されません。

 区長は、横浜のマンションくい打ちデータ偽装事件の三井不動産レジデンシャルの責任をどのように考えているのか、また、この事件で責任を問われている三井不動産レジデンシャルとなぜ契約を結んだのか、改めて区長の所見を伺います。

 また、分譲マンションの販売価格や収入は幾らかという質問も出されましたが、まだ決まっていないと、三井不動産レジデンシャルは答弁しませんでしたが、区長は総事業費について承知していると、以前答えているのですから、区民に明らかにすべきです。お答えください。

 渋谷区と三井不動産と結んだ基本協定では、借地契約が終了後にはマンションを解体して更地にし返還することになっていましたが、区長が結んだ借地契約では、契約終了後には三井不動産に優先譲渡できる規定が新たに加えられました。昨年の第四回定例会で区長は、通常の不動産取引における借地契約で、一般的な条項と答弁していますが、弁護士に確認したところ、「借地契約はあくまで地上権の利用についての契約、土地の売買契約は別の契約で、借地契約に売買の規定を入れることはあり得ない」と指摘しています。借地契約に将来の売買条件である優先譲渡規定を入れたことは、七十七年後に必ず土地が返ってくると言っている区長の発言を自ら覆すものになると私は考えており、また、区民を欺くものであると考えております。

 また、三井不動産レジデンシャルは、昨年三月に行われた不動産再生研究会で、渋谷区役所と公会堂の建替え事業について、渋谷区が求めたのは「早く安くつくってください」ということで、「基本的には官が細かいことを設定しないで進めた公共事業という点が画期的だ」と絶賛した上で、三井不動産は、「建物を建てるかわりに土地をください」というような形であると述べているのです。なぜそこまで三井不動産の利益を優先する契約を結んだのか、改めて区長の見解を伺います。

 三井不動産レジデンシャルは、マンションの高さを三十七階から三十九階に変更し、五百七戸を分譲にする予定であると説明しました。高さを増やしたことについても、建設費の高騰もあるが、当初の総合設計では容積率が二二〇%の割り増しだが、メリットが大きいことから都心居住型に変更することで四〇〇%引き上がり、九〇〇%になったとも説明しました。区民からは、「なぜ三井不動産のもうけのために区民の土地が使われるのか。住宅棟はなくても結構」「三井不動産レジデンシャルのもうけのために庁舎を建てるやり方はやめるべき」という批判が出されました。

 このマンション計画は、三井不動産にとっては区民の土地を使って最大限のもうけを上げる内容になっていますが、区民には環境と景観破壊、風害と電波障害など被害をもたらすだけであることは明らかです。改めて、事業者のもうけ優先の庁舎建替え計画はやめるべきです。区長の所見を伺います。

 次に、区民への情報公開と区民参加の問題です。

 本来、区庁舎は区民の共有財産であり、区のシンボルで、その建替えは区民や職員の意見を十分に聞いてつくられるべき建物です。どこの自治体でも長い時間をかけて、多くの住民と関係者の意見を聞いて計画をつくっています。二〇一〇年に竣工した立川市の庁舎建設は、基本構想、設計者選定、基本設計のそれぞれの段階で百人市民委員会が立ち上げられ、市民参加が保障されました。また、昨年、総務委員会で視察した那覇市では、建設用地の選定から市民の意見を聞き、設計業者の選定は公開の場でプレゼンテーションが行われ、庁舎の設計にも市民参加が保障されるとともに、市民に全て情報公開されています。

 しかし、渋谷区の庁舎と公会堂、マンションの建替えは、近隣住民に一度説明会を開いただけで、三井不動産と区長だけが協議し、進めてきた異常なやり方と言えます。自治体としてとるべき手法ではありません。庁舎建替えは、区が直接責任を持って行うべきです。改めて区民、専門家が参加する検討会を設置し、新庁舎の建替えについて抜本的に見直すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、宮下公園整備計画についてです。

 宮下公園は渋谷駅の至近距離のビル街にあって、一万平米の敷地にケヤキの大木が生い茂る貴重な緑の都市公園として、区民、来街者の憩いの場所です。ところが、渋谷区はこの宮下公園を取り壊して、用地の全てを三井不動産に三十五年間も貸し出し、三階建ての一大商業スペースを建設させ、公園はその屋上に移し、また、公園用地の十分の一、約千平米を公園から切り離して三井不動産の十七階建てのホテルを建設させようとしています。

 この計画も近隣の一部住民の意見しか聞いておらず、広範な区民が参加できる説明会は一度も開かれていません。さらに、区長と三井不動産が結んだ基本協定の中には、三十五年の借地契約終了後も更新ができること、さらに施設について無償譲渡もできることが盛り込まれています。これでは、区民の貴重な共有財産である都市公園を、区民の意見も聞かないで三井不動産のもうけのために永久に提供することになるのではないでしょうか。認められません。宮下公園の整備計画案は白紙撤回して、今後のあり方については区民、利用者、専門家が参加する検討会を設置して計画を練り直すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、渋谷駅周辺再開発についてです。

 渋谷駅周辺再開発は、アジアヘッドクォーター特区、特定都市再生整備地域などの指定を受け、東急グループが中心となって進める渋谷駅中心地区などの再開発を皮切りに、公園通りの西武が進めるパルコパート1からパート3までの再開発、さらに渋谷区役所敷地の三井不動産グループの再開発と、大企業の再開発が次々と進められています。渋谷ヒカリエを初め超高層ビルを建設する渋谷駅南街区、桜丘口地区、道玄坂一丁目駅前地区、渋谷駅街区の全ての事業主体は東急グループです。昨年、新たに渋谷区から四十億円の補助金を出すことが明らかになった桜丘口と、十五年間で二十億円を投入する北側自由通路だけで六十億円を超え、さらに渋谷区が全額負担する東横線跡地に東急が建設するホテルと桜丘の再開発ビルをつなぐ南側自由通路も合わせると、巨額な税金投入となります。

 今議会には、道玄坂一丁目駅前地区再開発に伴って区道の廃止とつけ替え、そして公園通りのパルコの再開発では区民の財産である区道をパルコに提供するための区道廃止の提案もされています。大企業の便宜を図るもので、認められません。

 改めて、渋谷駅南側自由通路にはどれだけの費用がかかるのか、また、新年度、一億一千万円の予算が計上されている道玄坂一丁目駅前地区再開発の補助金は総額で幾らになるのか、渋谷駅中心地区四地区の開発それぞれに幾らの税金を投入するのかも明らかにしてください。区長の答弁を求めます。

 区民の福祉や教育予算を削って負担増を求める一方で、大企業のための再開発事業への税金投入と区道の廃止はやめるべきです。区長の所見を伺います。

 次に、河津さくらの里しぶや第二保養所についてです。

 河津町の第二保養所は、施設取得費に加え、温泉施設の改修とその後の建替えや運営費などで既に六億円を超える税金が投入されました。しかし、昨年一年間の利用実態はわずか二六・六%です。新年度は運営費と施設改修費などに一億三千七百万円の予算計上となっています。

 区民アンケートでは、遠くて時間も交通費もかかり、二度と利用しない、保養所は二カ所も要らない、その費用を医療、介護福祉に回してほしいなど、これ以上続けることに反対の声が七割となっています。区民の反対の多い河津町の保養所は税金の無駄遣いであり、廃止すべきです。区長の所見を伺います。

 次に、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料についてです。

 二〇一六年度の国民健康保険料は、十三年連続の値上げで、四月から均等割を千五百円、四万六千円に引き上げ、所得割を〇・四五%引き上げて、一人当たりの平均保険料は十一万一千百八十九円となり、二〇一五年度に比べ四千六百四十四円の値上げとなります。

 国民健康保険制度は、憲法二十五条の国民の生存権を保障する立場から、保険証があれば誰でも医療が受けられるようつくられた国民皆保険制度です。しかし、毎年値上げされ、高過ぎる保険料に加入者の三割が滞納しています。保険証が発行されず、窓口で一旦は全額支払わなければならない資格証明書が発行されている区民は四十八人、短期保険証は八百八人と大幅に増加しています。

 国民健康保険料の加入者は、年金暮らしの人たち、自営業者、非正規労働者など、年金の引き下げや売り上げ減少で暮らしが厳しくなっている人たちがほとんどです。区民が安心して必要な医療が受けられるよう、国民健康保険料の値上げをやめ引き下げるとともに、国に対し国庫負担の引き上げを求めるべきです。区長の所見を伺います。

 あわせて、前年度より所得が減少し生活保護基準の一・一五倍以下の区民が区条例の個別減免を活用できるよう、納付書通知とあわせて減免制度の周知を徹底するとともに、減免基準も引き上げるべきと考えますが、あわせて伺います。

 二〇一六年度、二〇一七年度の後期高齢者医療保険料は、均等割額を二百円値上げし四万二千四百円に、所得割を〇・〇九%引き上げて九・〇七%に、それぞれ引き上げます。今も多くの高齢者から、「国民年金では食べていかれない」「貯金を取り崩しているが底をつきつつある」「不安だ」「社会保障の予算を増やして負担を減らしてほしい」など、声が上げられています。後期高齢者の医療保険料の値上げはやめるべきです。

 そして、国に対して七十五歳以上の高齢者を差別する制度そのものをやめるよう求めるべきです。

 また、区独自に住民税非課税世帯に対して窓口負担の無料化を実施すべきです。あわせて区長に答弁を求めます。

 子どもの貧困対策について三点伺います。

 子どもの貧困対策法は、三年前の国会で、「生まれ育った環境で子どもの将来を左右させてはならない」として全会派一致で成立しました。しかし、子どもの貧困は、六人に一人の子どもたちが親の失業や低収入、病気、離婚、死別など、家庭の経済状況の悪化で貧困状態となっています。とりわけ、ひとり親家庭の貧困率は五四%と過半数を超え、経済開発機構、OECD諸国の中で最悪水準に位置しており、喫緊の課題として政治の責任が厳しく問われています。

 足立区では、二〇一四年度から子どもの貧困対策本部を設置、全庁的な取り組みを開始し、五年間の実施計画を策定し、ひとり親家庭への就労支援や学習支援などの取り組みを進めています。また、学識経験者を招聘した検討会議も開催しています。渋谷区でも子どもの貧困対策を全庁的取り組みとするとともに、専門家や区民代表が参加する検討会を設置し、実施計画を策定して長期的、系統的な対策をとるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 子どもの貧困対策法では、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境整備を実施することを挙げています。子どもの成長を保障する医療費無料化の拡大は不可欠です。現在、渋谷区では中学三年生まで無料にしていますが、対象を高校卒業まで拡大すべきと考えます。区長の所見を伺います。

 また、法律では教育の機会均等を図ることも目的に挙げ、国と地方自治体の責務も明記しています。我が党は国家で安倍内閣に対して、返済不要の給付制奨学金の導入を求めましたが、実施していません。国に給付制奨学金の導入を求めるとともに、渋谷区として、奨学金を利用する子どもたちが返還するときに所得が生活保護基準の一・五倍以下の場合には、その年の返還金を全額免除して借りやすくすることで、進学の機会を保障すべきと考えます。教育長の所見を伺います。

 また、就学援助についても、現在、小学校で四人に一人、中学校で三人に一人となっています。多くの子どもたちを救済するため対象世帯の所得基準を生活保護旧基準の一・五倍に拡大すべきです。あわせて教育長に伺います。

 次に、教育について二点質問します。

 区内の小中学校に子どもを通わせている保護者負担は、小学校で年間約三十万円、中学校で四十五万円を超えています。このうち学校給食代は小学校で四万八千円、中学校で五万七千円となり、就学援助を受けていない多くの保護者から、「給食費を無償にしてほしい」の声が出されています。義務教育は無償が原則であり、また、給食の食育としての役割からも、給食費の無償化を実現すべきです。教育長に伺います。

 少人数学級の実現は、多くの父母、教職員の願いです。都道府県の教育長協議会は、一人一人にきめ細かな指導をするため、教員一人当たりの児童・生徒数を下げなければならず、少人数学級の実現を可能とする大幅な教員定数の増数を求めてきました。しかし、安倍内閣の新年度予算では、少人数学級は拡大されません。

 秋田県では少人数学級の成果として、学力が向上した、小学校の不登校が減ったことが実証され、県独自に予算をつけ三十人程度学級を全県で実施し、教師の多忙化の解消でも大きな成果を上げています。

 渋谷区として、約五十人の教員を増員すれば、全ての小中学校で少人数学級が実現します。国に求めるとともに、区独自にも少人数学級を実現すべきです。教育長の所見を伺います。

 介護保険と高齢者福祉について、最初に介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。

 介護離職十万人問題、後を絶たない無理心中事件など、介護をめぐる状況は一層深刻さを増しています。安倍内閣は介護と医療給付費の削減のため、病床削減、介護報酬の大幅削減、要支援者を保険から外し総合事業に移すという改悪を行いました。さらに、二年後には介護度二の人まで介護保険から外そうとしています。

 渋谷区は四月から総合事業を実施し、緩和サービスを導入しようとしていますが、区民からは、先行実施している自治体で起きている「介護卒業が強制されるのではないか」などの不安の声と、区内の事業所からは、「緩和サービスの実施により減収になる、有資格者も賃金を下げざるを得ない、ますます若者の担い手が離れていく」など、不安や怒りの声が寄せられています。

 十五年度から総合事業に移行した江戸川・港・荒川・豊島・北区では、訪問、通所とも緩和サービスをやらず、現行介護保険相当のサービスのみを実施しています。江戸川区は緩和サービスについて介護事業所と協議した結果、事業者から、「緩和サービスの提供はできない」との声が上がり、現行相当のサービスにしたとの話です。

 渋谷区は緩和型を設け、事業所報酬を現行より通所で三〇%、訪問で二〇%の削減を行い、これでは今でも運営が厳しい小規模事業所の経営を一層圧迫し、サービスの質の低下も招くことになります。国に対し上限額の撤廃を求めるとともに、江戸川区や港区などのように訪問、通所とも区の独自判断で緩和サービスをやらず、現行相当のサービスにすべきです。区長の所見を伺います。

 次に、地域包括ケアについてです。

 国は財政削減のため、病院から在宅へ、介護施設から在宅介護へと誘導する受け皿として、地域住民団体やボランティアによる地域包括ケア体制を推進しようとしていますが、このやり方は医療難民、介護難民を増やすだけです。区民が求める地域ケアは、国と自治体の責任で必要な医療、介護を保障するとともに、高齢者が地域で安心してこれからも住み続けることができるよう、日常的な高齢者の実態を把握し、地域の住民、団体の力を集めて地域に密着した組織をつくることです。その中核となっている地域包括支援センター四カ所で職員が増員されますが、十一カ所全てで増員し、全区的にきめ細かな対応ができる体制にすべきと考えます。

 また、住民が自主的に行っている健康体操や居場所づくりに対して、場所の提供、財政援助を行うべきです。区長の所見を伺います。

 次に、保険料、利用料の軽減についてです。

 二〇一五年度の介護保険料基準額は六万七千五百六十円となり、高齢者の生活を圧迫しています。しかし、二〇一四年度の区の保険料軽減制度を利用している人はわずか八十二人にとどまっています。また、利用料についても、昨年八月から二割に引き上げられた人は二千百三人で、認定者の二四・七%に上る一方、介護認定者の利用率は五五%、一カ月の利用料金は五千円が限度というのが区民多数の切実な実態です。保険料と利用料の軽減制度については、預貯金限度額を撤廃し、住民税非課税世帯まで軽減対象とすべきです。区長の所見を伺います。

 特別養護老人ホームの増設についてです。

 昨年十月現在の特養ホームの待機者は五百八十一人に上り、深刻です。待機者の中には、仕事をやめて母を介護していた娘さんが病気になったため有料の施設に入りましたが、一月の費用が二十五万円以上もかかるため、このままでは三年もたたずお金がなくなる。親子ともども生活できなくなると深刻な訴えがありました。

 長谷部区長は選挙公約で特養ホームの増設について、もっともっと推進しますと述べています。現在建設中の本町東小学校跡地以降の増設計画はありません。東京都は新年度予算に特養ホーム整備費補助や地域密着型施設百四十カ所分の助成額を増額しています。都の補助金も活用し、ケアコミュニティ原宿の丘や代々木二・三丁目の国有地、幡ヶ谷社会教育館隣接地の都有地などに特養ホームなどを増設する計画をつくるべきです。区長の所見を伺います。

 介護報酬引き上げと人材確保についてです。

 介護職員による施設入所者の転落死事件は国民に大きな衝撃を与えましたが、介護施設職員による虐待件数も過去最高の三百件に上っています。

 虐待の理由は、教育、知識、介護技術の問題が六割、職員のストレスなどの問題が二割となっており、教育の急務とともに慢性的な人手不足が挙げられ、過酷な労働なのに低賃金という問題が指摘されています。二〇一五年の介護職員の平均月収は全産業平均を九万円下回って二十一万円で、離職率は一六%を超えています。ところが、政府は介護事業者に支払われる介護報酬を過去最大に近い二・二七%に引き下げたため、職員研修費用を削減する施設や、人手不足で一部施設を閉鎖する施設まで出ています。

 介護が必要な人が施設でも在宅でも安心して介護が受けられるよう、職員の数と質を確保できるよう介護報酬の引き上げが求められています。国に、職員の処遇改善の加算ではなく基本の介護報酬の引き上げを求めるとともに、区としても事業所への職員の処遇改善と研修費用や人材確保のための助成を行うべきです。区長の所見を伺います。



○副議長(沢島英隆) この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議会議員団、五十嵐千代子議員の代表質問に順次お答えいたします。

 最初に、安全保障関連法と憲法九条についてのお尋ねかと思いますが、この問題につきましては国政の場で議論されるべきものと考えております。

 次に、消費税についてのお尋ねでありますが、このことにつきましても、これまでも再三にわたりお答えしてきたとおり、国の総合的な財政計画、運営にかかわる問題ですので、そのような考えはありません。

 次に、予算編成についてのお尋ねです。

 区の事業はいずれも切実な行政ニーズに応えるためのものであり、不要不急のものは存在しません。

 また、各種保険料は法令等にのっとり算定されているものであり、本区が区民に特段の負担を強いているかのような御指摘は、的を射たものではありません。

 ため込み金とは基金のことだと思いますが、その重要性については渋谷区議会自由民主党議員団、下嶋倫朗議員や渋谷区議会公明党、栗谷順彦議員にお答えしたところです。

 次に、区庁舎建替え計画について五点のお尋ねです。

 まず、住民説明会について。

 なぜ事業者と契約を結んだかという御質問ですが、平成二十七年区議会第一回定例会において議決をいただいた基本協定に従って、建替えを着実に進めるため、解体工事着手前に予定どおり事業者と契約を締結したものです。

 なお、くい打ち問題に関する事業者の責任については、現在、国で調査を行っており、その動向を踏まえ適切に対処してまいります。

 次に、分譲マンションの販売価格や収入についての御質問ですが、これまでに何度も同じ質問にお答えしておりますが、どうしても御理解いただけないようなので、今回はもっと簡潔にお答えさせていただきます。

 区は、民間事業者の資金計画を説明する立場にありません。

 次に、渋谷区と三井不動産との協定と契約についてのお尋ねですが、このことについては先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、下嶋倫朗議員に丁寧に事実をお答えしたとおりです。しかしながら、御質問の中に余りにも事実と異なる主張がありました点について、あえて指摘をさせていただきます。

 まず、下嶋議員にお答えしたとおり、そもそも今回の契約は、更地返還を前提とした定期借地権契約であり、土地の譲渡を目的としておりません。既に区議会に資料を提出し報告しておりますが、本契約書第十五条では「区が、本件土地の全部または一部を第三者に譲渡する場合には、事前に、かつ速やかに事業者に書面にて通知し、事業者の承諾を得たうえで譲渡するものとする。なお、この場合において、事業者が本件土地の譲り受けを希望する場合には、区は優先的に協議に応じるものとする」と書かれています。ごらんいただければおわかりになるはずなのですが、どうしてこれが売買の規定と読めるのでしょうか。

 また、万一そのように誤って読まれたとしても、借地契約に売買の規定を入れることはあり得ないとの見解については、およそ法律の専門家であれば契約自由の原則を御存じないはずもなく、意図的な情報操作と考えざるを得ません。

 次に、事業者が民間の研究会で行った報告を引用されていますが、当該研究会のホームページ上に議事録が公開されているのでごらんいただければおわかりになるとおり、当該報告者の発言では「正確には言葉は違うが」と前置きがされているにもかかわらず、この前置きを削除し、借地契約にありもしない土地の譲渡規定を加えたようにミスリードするための、これもまた意図的な情報操作と考えざるを得ません。

 次に、事業者のもうけ優先の庁舎建替え計画はやめるべきとの御質問ですが、先ほど渋谷区議会公明党、栗谷順彦議員にお答えしたとおり、本事業は民間事業者の利潤のために行うものではありません。したがって、庁舎建替え計画をやめる考えは持っていません。

 次に、区民、専門家が参加する検討会を設置して新庁舎の建替えについて抜本的に見直すべきとのお尋ねですが、これまでも専門家を交えた検討会について適宜実施し、加えて区民参加の機会を設け、区民の声を十分に聞きながら計画を進めております。また、庁舎建替えについて必要な情報は、これまでも区議会や区民に対し、節目ごとに区ニュースや説明会を通じて情報を明らかにしてきました。

 何度も御説明していますが、庁舎の耐震問題は首都直下地震の切迫性が指摘される中、待ったなしの緊急課題であり、この計画を早急かつ円滑に進めることが区政の責任と考えています。

 次に、宮下公園整備計画についてのお尋ねであります。

 新宮下公園整備事業は、昨年十二月、第四回区議会定例会において区議会の議決を得て締結した、区と事業者の基本協定に基づいて進めている事業であります。

 また、新宮下公園は、東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして障害者スポーツを身近に感じられるような、ダイバーシティの象徴として利用されることを期待しており、白紙に戻す考えはありません。今後も引き続き、地域の皆様の御意見を伺いながら事業を進めてまいります。

 なお、五十嵐議員から、基本協定内に区から三井不動産に対して施設を無償譲渡できる規定があるかのような指摘がありましたが、当該規定は定期借地権の契約終了後、三井不動産が施設を解体し、区に対して更地で土地を返還することを原則としており、それができない場合は区に三井不動産の施設を無償譲渡することを協議できる旨を定めたものであり、全く逆でありますので、申し上げておきます。

 次に、渋谷駅周辺再開発についてのお尋ねです。

 渋谷駅周辺再開発については、引き続き官民が連携しながら、基盤整備を含めたまちづくりを進めてまいります。渋谷駅周辺のまちの課題を解決し、都市の機能を高め、地域に貢献する公共性の高い事業については、渋谷区としても補助金などの支援をするものと考えます。

 なお、渋谷駅南口北側自由通路、道玄坂一丁目駅前市街地再開発事業ほか渋谷駅中心地区四地区の開発について、また区道の廃止を含めて多岐にわたるお尋ねをいただきましたので、具体的な内容に沿って、全体を整理して渋谷駅周辺整備担当部長より答弁させます。

 次に、河津さくらの里しぶやについてのお尋ねです。

 保養所は廃止すべきとの御意見ですが、その考えはありません。議員は区民アンケートと称するものを引き合いに出されていましたが、今年度、実際に宿泊された方々のアンケートでは、接客や食事について九割以上の方から、「よかった」との評価があり、「また来たい」との声も多くいただいております。新しい温泉棟の建設工事も予定どおり完了し、また、区議会の議決をいただき、本年四月からは指定管理者による運営に移行いたします。民間企業のノウハウを活用し、二の平渋谷荘とともに、質の高い区民保養施設を目指してまいります。

 次に、国民健康保険保険料、後期高齢者医療保険料についてのお尋ねですが、まず、国民保険料の値下げについては、二十三区においては統一保険料という枠組みをとっており、区による保険料の引き下げを行う考えはございません。また、国民健康保険における国庫負担割合は法令で規定されており、医療給付費のうち五〇%は国及び都からの支出によって賄われておりますので、国庫負担の引き上げを国に求める考えはございません。

 次に、国民健康保険料の減免については、年度当初に全ての加入世帯に発送している「国保のしおり」で周知し、適正な運用に努めているところでございます。また、減免基準についても二十三区の共通基準にのっとっており、区独自に引き上げる考えはございません。

 次に、後期高齢者医療保険料について、財政安定化基金の一部を取り崩すなど抑制に努めており、実質的には前期と変わらない水準を維持しております。

 また、後期高齢者医療制度については、社会保障制度改革全体の中で議論されるべきものと認識しております。

 最後に、七十五歳以上の住民税非課税世帯の高齢者の医療費を無料化することについては、社会保険制度を維持していくために法令の定めによる応分の負担が必要であると考えており、区独自に無料化する考えはありません。

 次に、検討会の設置と実態計画の策定についてのお尋ねですが、子どもの貧困の課題解決には、福祉部、子ども家庭部、教育委員会など各所管が情報を共有し、さらに連携を密にするという必要があると考えています。

 まず、本区といたしましては、子どもの貧困を含め子どもを取り巻く環境の実態把握が必要と考えており、その後の計画等については、その結果により判断してまいりたいと思います。

 次に、医療費無料化の拡大についてのお尋ねでありますが、本区は中学生まで無料化しているところであり、現時点では高校生まで拡大する考えは持っておりません。

 次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてのお尋ねです。

 本区においては、平成二十八年度より総合事業について、現在の介護保険における予防給付と同様のサービスを継続するとともに、生活援助のみの訪問型サービスや短時間の機能訓練を中心とした通所型サービスなどもあわせて実施します。このことによりサービスの選択肢が増え、利用者のニーズに合ったサービスの実施が可能となり、必要な人に必要なサービスを提供できる体制が整備されます。それらのサービスは、対象者自らの選択やケアマネジャーのアセスメントに基づく適切なケアプランにより提供されます。

 なお、地域支援事業の上限額の撤廃については、国が特例措置を講じているため、そのような考えはありません。

 次に、包括支援センターの人員の増員と、住民が自主的に行っている健康体操や居場所づくりに対する場所の提供と、財政援助についてのお尋ねです。

 本区では、平成二十七年度に四つの日常圏域ごとにある機能強化型地域包括支援センターに一名ずつ増員し、各圏域センターを支援するなど中心的役割を強化してきました。さらに、平成二十八年度からは、そこに、主に認知症施策を推進するため認知症地域支援推進員を一名ずつ、計四名を配置して、認知症初期集中支援チームの活動や認知症相談会などを効果的に行うことにより、十一カ所の地域包括支援センターが高齢者一人一人にきめ細かく対応できるようにしています。

 また、住民が自主的に行っている健康体操や居場所づくりに対する場所の提供と財政援助については、総合事業の枠組みの中で検討していきたいと考えています。

 次に、保険料、利用料の軽減制度についてのお尋ねです。

 本区では低所得者への対応として、区独自の保険料減額制度及び利用料軽減制度を実施しています。これら軽減制度については、本人が住民税非課税であっても世帯として一定の収入がある場合、また、一定の預貯金がある場合は負担能力があることから、対象外としています。

 今までも再三同じ質問にお答えしていますが、区独自の保険料と利用料の軽減制度について、預貯金の限度額を撤廃する考えはございません。

 次に、特別養護老人ホームの増設についてのお尋ねです。

 本区の特別養護老人ホームの整備率は、旧本町東小学校跡地複合施設に百床規模の特別養護老人ホームが開設されることをもって二十三区のトップレベルとなり、一定程度施設が整備されたと考えています。

 今後については、二〇二五年に団塊の世代が後期高齢者となることも踏まえ、都有地、国有地等の適切な土地の活用を基本とし、民間と連携した整備手法も含めて検討したいと考えています。

 次に、介護報酬の引き上げと人材確保についてのお尋ねです。

 介護報酬につきましては、社会保障審議会介護給付費分科会において十分審議され、国政の場において決定されているものです。したがいまして、国に対し介護報酬引き上げを求める考えはありません。

 また、職員の処遇改善と人材確保の助成につきましては、平成二十七年度介護報酬改定において処遇改善がされており、区が独自に事業者に対し助成を行う考えはありません。

 私からは以上です。



○副議長(沢島英隆) 須藤渋谷駅周辺整備担当部長。



◎渋谷駅周辺整備担当部長(須藤憲郎) 私から、渋谷駅周辺の再開発につきましてお答えさせていただきます。

 様々なエリアの多岐にわたる事業についてのお尋ねですので、事業の性質ごとに整理して回答させていただきます。

 まず、渋谷駅の再編と連携した自由通路は、JR線で分断された東西のまちをつなぎ、誰もが歩いて楽しい広域な歩行者ネットワークの核とするものです。それぞれの事業者の役割分担に応じ事業を展開するもので、区は渋谷駅の西口広場と東口広場の接続を改善、強化する駅街区北側自由通路を補助事業としました。

 また、国道二四六号南側の東西のまちをつなぐ南口の北側自由通路については、区が整備主体となり、自由通路に接続する南街区と桜丘口地区の敷地内で整備される通路と一体的に運用することで、渋谷の新しいストリートを形成し、周辺のまちの発展に大きく貢献するものです。

 この自由通路の整備費用につきましては、現在、総事業費について精査中ではありますが、おおむね駅街区北側自由通路の費用が参考になるものと考えております。

 次に、渋谷駅周辺で進められている道玄坂一丁目駅前地区、渋谷駅桜丘口地区、渋谷駅街区、渋谷駅南街区の四つの再開発についてです。

 まず、道玄坂一丁目駅前地区の市街地再開発事業につきましては、地域の課題である路上荷さばき解消のための地域荷さばき駐車場の整備や、今後も増加が見込まれる自転車、バイクを受け入れる公共駐輪場の整備など、地域の環境改善が盛り込まれております。また、敷地内に空港リムジンバス専用の発着所を含む公共のバスロータリーを整備する計画ともなっております。

 再開発組合が策定した事業計画では、補助金約二十億円が想定されており、区はその二分の一の十億円程度を負担することとなります。

 なお、この再開発では街区の再編により区道が廃道となりますが、同じ面積で周辺区道の拡幅整備を行い、周辺の歩行環境の改善を図るものであります。

 次に、渋谷駅桜丘口地区の市街地再開発事業につきましては、街区の再編により区域内の都市計画道路、補助十八号を含む道路の整備を進めるとともに、地域の課題である高低差の解消を図り、後背地と駅との段差のない接続を計画しております。また、海外からの来街者などを受け入れるため、サービスアパートメントや住宅、国際医療施設の整備も計画しています。

 再開発組合が策定した事業計画では、補助金約八十億円が想定されており、区はその二分の一の四十億円程度を負担することになります。

 これらの補助金の支出につきましては、今後の事業進捗に合わせてその都度申請を受け、財政状況を鑑みながら議会にお諮りし決定してまいります。

 なお、そのほかの渋谷駅街区、それから渋谷駅南街区の二つの街区の開発については、区が補助金を投入する予定はありません。

 また、株式会社パルコの再開発について、区道の廃止をやめるべきとのことですが、道玄坂一丁目駅前地区と同様に、街区の再編により区道廃道となりますが、同じ面積で周辺区道の拡幅整備を行うとともに、廃道した区道部分についても歩行者専用通路として二十四時間通行できるように整備するなど、地域との合意形成による地区計画とも整合した計画となっており、周辺の歩行環境の改善を図るものであります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には三点のお尋ねがありました。順次お答えをしていきます。

 まず、子どもの貧困対策として、国に給付制奨学金の導入を求めるとともに、渋谷区として、奨学金を利用する子どもたちが返還するときに所得が生活保護基準の一・五倍以下の場合には、その年の返還金を全額免除すべきとのお尋ねでした。

 国の給付制奨学金資金導入につきましては、国が行う貧困対策の中で、国が総合的に判断する事項と考えております。したがいまして、教育委員会では現在、国に対して給付制奨学金の制度導入を求める考えはございません。

 また、議員御提案の、奨学金を返還する際に所得が生活保護基準の一・五倍以下の場合には、その年の返還金を全額免除するという対応につきましては、渋谷区独自の奨学金資金制度の中では返還猶予規定及び減免規定を設けており、奨学生の個別事情に応じて細やかに対応しておりますので、考えていないところでございます。

 次に、貧困対策として、就学援助世帯の所得基準を生活保護基準の一・五倍に拡大すべきとのお尋ねがございました。

 渋谷区では、就学援助世帯の所得基準を生活保護基準の一・二倍にしており、東京二十三区においてもおおむね同程度の基準が設定されております。したがいまして、就学援助の設定基準につきましては、現行を維持してまいりたいと考えております。

 次に、義務教育は無償が原則であり、また、給食の食育の役割からも給食費の無償化を実現すべきとのお尋ねです。

 学校給食の経費負担に関しましては、学校給食法に定めがあり、施設、設備及び運営に要する経費は設置者の負担、食材に要する経費は保護者の負担とされております。また、経済的援助が必要な世帯に対しては、就学援助により給食費の支給をしているところです。

 教育委員会といたしましては、就学援助を受けていない世帯に対する給食費の無償化は最優先課題であるとは考えておりません。

 次に、少人数学級についてのお尋ねです。

 学級編制、人数につきましては、渋谷区といたしましては国及び都の基準に基づき学級を編制する方針でございますので、教育委員会から国に少人数学級について求める考えはございません。

 しかし、渋谷区では学級編制とは別に、一人一人を大切にする教育が必要であると考えており、区独自の講師を配置し少人数授業に取り組み、個に応じたきめ細やかな指導の推進に努めております。

 教育におきましては、少人数授業が基礎学力を伸ばすために必要であると同様に、ある一定の人数規模のほうが社会性やコミュニケーション能力が身につき、集団生活に対する理解が深まるという面がございます。直ちに少人数学級がよいということではなく、一定の人数規模が必要ということも教育委員会では考えているところでございます。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 五十嵐議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 再質問をさせていただきます。

 最初に予算編成について、福祉の切り捨てについてです。

 先ほど区長は不要不急の予算はない、こういうふうに断言されましたが、昨日、私のところに福祉タクシー券、障害者の人たちに支給されている福祉タクシー券を利用されている方から抗議の電話がありました。総額三千七百四十八万円、一人一カ月分千百円を切り下げるものですけれども、この方は奥さんが障害をお持ちで、三科目の病院にかかっている。できるだけ電車やバスを使っているけれども、雨の日、さらに冬の寒い日などはタクシーを使わざるを得ないということで、三科目をできるだけ一日で回るようにしているけれども、病院の都合でそうはいかない。できるだけお金を削ってタクシー代を出しているけれども、こんなに削られたら本当に生活にかかわるという怒りの声でした。

 三千七百四十八万円、その一方で、私は不要不急だと思います河津の保養所は二六%の稼働率です。区民の多くの皆さんも必要ないという声が、私が聞いている範囲は圧倒的多数です。

 さらに今回、新たに二千四百万円余りが新規事業としてつけられている区議会議員のリオデジャネイロ・パラリンピックの予算、二千四百三十一万円、河津と合わせると一億六千万円になります。それぞれの予算を合わせれば一億六千万円近くになります。とりわけ私は若い人たちから、区議会議員のパラリンピック視察、単純に計算しますと十一人、職員三人と議員が八人というふうに説明されておりますが、一人当たり二百万円を超えると。今の若い人たち、不安定雇用で年収が二百万円以下の人たちが多数に上っていると。一年間の年収分を何で議員がパラリンピックを見るのに使うのかという怒りの声です。

 こういった視察の費用、これを削って、本当に毎日の生活に、火をともすように生活している障害者や低所得者の人たちの施策を削減する、こんなことは絶対に私は認められません。改めて、不要不急と私は思っておりますが、河津の保養所あるいは新たな新規事業として計上されている議員の海外視察等々ですね、こういうものをこそまずはとどまってですね、福祉の切り捨て予算、これは復活すべきだというふうに思いますので、改めて答弁を求めます。

 それから、庁舎の問題についてですけれども、最初に、三井不動産との契約にかかわって、借地契約に優先譲渡の規定が加えられたことについて区長から答弁がありました。

 私も改めてですね、再度弁護士に確認をいたしました。先ほどの自民党議員の質問に対して、十五条の規定を設けたことは長期の借地契約では一般的条項であると。貸し主、つまり今回のケースでいえば渋谷区が変わった、貸し主がですね、変更になった際に借地人、つまり三井不動産が不利にならないよう優先譲渡の規定を設けたんだというふうに発言もされました。それと、譲渡というのは売買ではないんだというふうにもおっしゃられました。

 それでは、まず言葉的に伺いますが、普通一般的に「譲渡」と、借地契約でですね、「譲渡」というのは譲り渡すということですから、じゃあ無償で譲り渡すのか、買ってもらうのか、この二つしかないと私は思いますが、ここで言われている優先譲渡というのはどういう中身になるのかお答えください。

 それから、改めて弁護士に、借り主が途中で変わったときにですね、借地人が不利益になると。このことについては、現在の借地借家法では地主がかわっても借地人に不利益を与えてはならないということで、借地人の権利は強く現在の法律で守られていると。だから改めてここに加えるということは、私は借地借家法で当然借地人の権利が守られているのですから、渋谷区の条項に入れる必要はないというふうに思いますので、改めてこの点についても伺います。

 そしてもう一つ、三井不動産のもうけのための計画ではないというふうにおっしゃられましたが、先ほど区長も一部引用されましたが、改めてですね、三井不動産が昨年三月、デベロッパーから見たポジティブ事例としての建替え事業、こういうことで報告をしています。その中で、渋谷区役所と公会堂の建替え事業についてどう言っているのか正確に私は発言させていただきます。

 関係ないところは取り除きますけれども、こう言っています。「渋谷区の区役所と公会堂の建替え事業、こちらは何回か新聞に取り上げていただいたので御存じの方もいらっしゃるかと思う」と言ってですね、建替えの事業手法について「今回の庁舎建替えの事業手法は、新公会堂と新庁舎を民間が建て、正確には言葉は違うが、これを区に譲渡する。譲渡に伴い、区からお金をもらうかわりに民間分譲マンションの土地部分に定期借地権を設定させてもらうというものである」、結論としてですね「建物を建てるかわりに土地をくださいというような形である」、こういうふうに三井不動産自らが言っています。

 さらにですね、もう一つ、この渋谷区の建替え手法が大変すぐれているというふうに絶賛をしています。そこのところはこう言っています。「民間のノウハウを最大限に引き出す自由提案という点である」と。PPPということにも触れておりますけれども、ここで基本的には、渋谷区の今回の手法については「PPPという形で、基本的には官の側でいろいろ細かいことを設定しないで進めた公共事業という点である。私は、実はここが一番画期的だと思っている」、さらにですね、「今回の提案については、運営管理にも提案を含めることとする」というふうに言っておりまして、また、整備に当たっての区の考え方が「新総合庁舎の整備に当たっては工期が短く、区の財政負担は最小限であるという点である。これぐらいしか規定されていない。新総合庁舎は何平米とか公会堂は何平米とかそういった要件はあるが、何階建てかどうか、敷地はこれを使いなさいとか開発手法はこうやりなさいとか、そういったものは基本的に定められていない」、こう言っています。

 そしてですね、こういうことを言った後に、住民説明会でも今回、三十九階建てのマンションを建てることに対して、当初はそういう計画ではなかったけれども、容積率を二二〇%から四〇〇%上乗せする都心居住型に切りかえて、メリットがあるからだというふうに改めて言っています。

 それともう一点、ポジティブ事例に対してですね、デベロッパーから見たネガティブ事例というのも言っておりまして、ネガティブなのはどういうことかというと、定期借地契約の中に差し押さえ条項、こういうものを、入居した人がですね、出ていかなかったときに、地代が払えない状態になったと。そのときに自治体が差し押さえをしますよという条項が入っている、そういう契約はネガティブなんだと。何でかといいますと、三井不動産の全ての借入金が期限の利益を喪失して、直ちに返せと言われてしまうおそれがあるから。ここまで言っているんです。

 これでどうして今回の契約が区民のためではなく、私は改めて三井不動産の利益のためにこうした契約も結ばれているのではないかというふうに思いますので、改めて答弁をいただきたいと思います。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 五十嵐千代子議員の再質問に順次お答えいたします。

 まず、不要不急のものはないということの発言に対しての質問です。

 河津については使っている人もだんだん増えてきていますし、アンケートを見ると、また来たいという声もあります。区民の保養施設として、これからもっともっと使われるように区も努力していきますので、不要不急ということはまずありません。不要不急とは考えていません。

 また、リオについて、議員の皆様の派遣についてですけども、私はパラリンピックが今度この東京で行われるということが非常に重要なことだと捉えています。多くの人がこのパラリンピックを通して、先ほどからいろんなところで申し上げていますけども、マジョリティと言われる人たちの意識の変化が求められる大きなきっかけになるものです。そういったときにですね、このパラリンピックというものをまず実際、目で見ていただきたいし、このパラリンピックのレガシーがどういうものであるかということをですね、前大会、最高峰の大会であったと言われたロンドンも含めて研究していただきたい。

 ちなみに、この中でパラリンピックをちゃんとごらんになった方、いるんでしょうか。多分なかなかいないと思います。パラリンピックが今度、東京で行われるまでにですね、行われるのは、このリオだけです。ですから、この絶好の機会を逃してどうするんだという思いもあります。是非ですね、そのパラリンピック、一緒に見ていっていただいて、そこで何が必要で何が不要だとということを感じていただいて、今度、東京で行われるときに渋谷区がこのパラリンピックを一つの契機として、福祉に対する多くの人の意識が変わる、障害者に対する意識が変わるきっかけとして、その施策としてですね、活用できるように一緒に汗をかいていただきたいなと思っている次第です。ですから不要不急というふうには、私は全く思っておりません。

 また、庁舎建替えについてですけども、優先的に譲渡というふうにおっしゃっていますけども、優先的に協議に応じるということです。ですのでそこは間違えないでいただきたいのと、あとですね、先ほど正確に言葉は違うがということが、前置きがされているにもかかわらずですね、そこを外して、あたかも言っていることが全て事実であるかのように喧伝しているというのが、やはりミスリードであるというふうに指摘をさせていただいたものです。

 また、三井にその土地をですね、庁舎を含めて譲渡するなんていう考えは一切持っておりません。

 答弁は以上です。



○副議長(沢島英隆) 五十嵐議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 予算の問題で私は、障害者に現在支給されている福祉タクシー券が四月から削られるということについて、復活すべきだというふうに質問をいたしました。

 パラリンピックで活躍しているパラリアンの人たちは、私も大いに感激をしております。区長が障害を持つ人たちに対してですね、それだけの思いがあるのであれば、なぜ現在、福祉タクシー券を利用しなければ病院に行くことさえできない、そういう障害者の人たちの予算を削られるのか、このことを改めて伺います。

 さらに、庁舎の問題ですけれども、共産党が一月十六日に渋谷庁舎問題シンポジウムを行いました。このときに改めてですね、なぜ三井との建替えが、自治体としてですね、本来……

   〔「五十嵐さん、時間がないから、時間」「時間じゃないよ」「大事な話だよ、それは」の声あり〕



◆二十四番(五十嵐千代子) 改めてですね、三井不動産の建替え、これについて、区独自でも庁舎建設が可能なのに区の自治権の放棄につながるのではないか、さらに三井不動産という私人がですね、区という公人、渋谷区が持つ住民自治、集団的自治、これを制限することになるというふうに指摘をしています。

 このことについて改めて、区長はですね、情報公開と言いましたけれども、先ほども、三井不動産に関するマンションについては一切情報開示をしていないわけですから、この点についても私は住民自治に反するというふうに思っておりますので、答弁を求めます。



○副議長(沢島英隆) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 五十嵐千代子議員の再々質問に順次お答えします。

 まず、障害者福祉タクシー券についてですけども、これ、ゼロになくすと言っているわけじゃないんです。削減するという話。ちなみにですね、あした苫議員からも同様の質問があるというふうに伺っていたので、そこでお答えしようと思っておりましたけども、ここでお答えします。

 渋谷区のやっているこの障害者福祉タクシー券はですね、二十三区の中でも飛び抜けて高額です。他区と鑑みても飛び抜けて高額なんです。ですんで財政状況を考えた上でですね、なくすという形じゃなくて、他区並みに、それでも他区より高い金額です。何でここだけ高いんだという声も一方であるんですね。だから、そういったものも踏まえながらバランスをとったというふうに御理解いただければ、切り捨てというふうには僕はならないなというふうに思います。

 また、これも再三お答えしていますけども、庁舎建替えについてですね、住宅棟の部分について三井不動産のことについて、何で情報開示をしないんだということですけども、そこはですね、民間業者が工夫をして、これからどうやって売り上げを上げようかとまさに経営努力しているところです。そこを僕らが言うべきでもない、言う必要がないというふうに当然捉えています。ですので、これはずうっとお答えしていることで、これ以上お答えしようがないんですが、私からはお答えできませんということが答えです。



○副議長(沢島英隆) 五十嵐議員。



◆二十四番(五十嵐千代子) 改めてですね、渋谷区の本旨は住民と来街者の福祉を向上させる、このことが第一の任務です。日本共産党は区民の福祉増進、暮らしを守る、この立場で税金の無駄遣いをきっぱりとやめさせ、庁舎問題についても徹底した区民公開、そして区民のための庁舎に変えるために頑張ります。



○副議長(沢島英隆) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後五時九分

   再開 午後五時三十一分

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○議長(木村正義) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 三十一番薬丸義人議員。



◆三十一番(薬丸義人) 私は、シブヤを笑顔にする会を代表して、区政一般に関し、長谷部区長並びに森教育長に質問いたします。

 質問の前に、お許しをいただき一言申し述べます。

 長谷部区長が渋谷区長に就任されて十カ月が経過しました。区議会議員時代には町会、商店会、シニアクラブ、各種団体等の会合についてはごく一部しか出席されていなかったため、当初は「長谷部区長の顔を知らない」という声が区内のあちらこちらで上がっていました。その長谷部区長が区長就任後から今日に至るまで、まるで桑原前区長、小倉前々区長並みに多方面の会合に出席されている姿を間近で見ていますと、その見事なまでの変身ぶりに驚きを禁じ得ません。今では、「区長を知らない」という声も随分と少なくなってきました。そして、区内の至るところを回り続けながら情報を収集し、様々なアイデアを形にして発信していくその行動力は、さすが長谷部区長です。

 渋谷区民の平均年齢と同じ四十三歳の長谷部区長、現実に子育て真っただ中、親がシニアとして年を重ねていく世代です。御自身もよく言葉にされていらっしゃいますが、等身大の姿でこれからも渋谷区の発展のために御尽力いただきたいと思います。

 それでは、質問に入ります。

 初めに、平成二十八年度当初予算案についてお伺いいたします。

 一般会計予算の財政規模は歳入歳出それぞれ八百四十五億五千二百万円と、前年度当初に比べ十二億八百万円、率にして一・四%の減であり、特別会計を含めた予算総額は千三百三十億七千六百二十八万一千円と、二億七十九万二千円、率にして〇・二%の増となっています。これまでは議員としての立場で予算要求、事業提案をしてこられた長谷部区長にとって、今回は編成の立場で臨まれた平成二十八年度当初予算案であります。

 歳入では、特別区税が前年に比べ三%、十三億円余の増が見込まれるものの、特別区交付金が前年比七二%、四十億円近い大幅な減となる中で、各会派、各部署からの要望を取りまとめるのは相当の御苦労があったことと思います。

 予算案に挙げられた新規事業等の内容を見ると、多岐にわたる区政課題にしっかりと対応しながらも、性的少数者と区職員との分野別意見交換会や教職員へのセクシュアルマイノリティ研修などを初めとするダイバーシティとインクルージョンの推進、四月に開局予定のコミュニティFM「渋谷のラジオ」の活用、避難所の備蓄食料品のアレルギーフリー化並びに犬猫用ペットフードの備蓄、シリコンバレーへの中学生派遣研修、さらには二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機とした障がい者スポーツのトップ選手への支援や観るスポーツの推進などなど、長谷部区長が目指す渋谷区の姿がうかがえる予算案となっているものと拝察いたします。

 そこで、まずは二十二万区民の先頭を走っていかれる長谷部区長に、予算に込められたその思いをお伺いいたします。

 次に、渋谷区基本構想についてお伺いいたします。

 まちづくりの基本理念や渋谷区の将来像など区政の長期的指針を示す基本構想の二十年ぶりの改定をすべく、昨年十一月より審議会が毎月開催されています。審議会では、国際化、産業振興、福祉、健康、教育、子育て支援、文化、スポーツ、まちづくり、防災・安全、環境・エネルギーといった分野を六つのカテゴリーに分け、それぞれについて現行の基本構想、長期基本計画におけるこれまでの取り組みの成果とそこから見えてきた課題、さらにその課題解決に向けた現在の取り組み状況について、区理事者から説明を受けた後に、各委員から渋谷の未来に向けた意見が交わされています。

 私は、第二回、第三回、そして先週行われた第四回の審議会と続けて傍聴してきましたが、活発な審議の向こうに見えてくる渋谷区の将来像に胸が躍ります。次回からの審議会は各論に入り、小委員会、専門部会も並行して開かれるので、渋谷の将来像はだんだんと形づくられていくことでしょう。審議会の答申を受け、議会の議決を経て新基本構想が改定されれば、それはこれから十年、十五年、二十年先を見据えた渋谷区の羅針盤となるものであります。是非多くの区民や事業者の皆様にもその内容を知っていただきたいと考えます。

 そこで、基本構想が改定されたら「渋谷区基本構想がよくわかる講座」などを開催したり、学校でも出前講座を開いてもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。二十年後、渋谷区の小中学校の児童・生徒たちが二十代、三十代になっている渋谷です。自分たちの街渋谷の基本理念や将来像を知ることは、誇りや愛着、すなわち「シティプライド」を持つことにもつながると考えます。区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、安全・安心のまちづくりについて大きく三点お伺いいたします。

 初めは、災害対策についてであります。

 地震等の災害が発生した際に大切なことは、区民一人一人が正しい情報をいち早く収集することです。その情報の収集手段としては、広域情報ではテレビやラジオ等のマスメディアが挙げられますが、本当に必要なのは我が街渋谷の情報です。我が街のこととなれば、防災ポータルサイト、しぶや安全・安心メール、渋谷区公式ツイッター、防災行政無線などが有効であります。日ごろから携帯やスマホ、パソコンを手にしている人なら、これら全てから情報を入手することが可能でしょう。しかし、そうしたものにふなれな方々は、マスメディアからの広域情報が大半を占めると思います。実際に、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災等においては、「災害情報を入手するのにラジオが大変有効であった」との報告もあります。

 そこで注目されているのが、コミュニティFMであります。一般のAM・FM局と異なり、地域限定のFM局はその地域の情報を発信することができるというメリットがあります。先ほども申し上げましたが、本年四月にコミュニティFM「渋谷のラジオ」の開局が予定されています。渋谷区でも広報番組を制作して、ふだんは行政情報や地域コミュニティ番組、観光情報等を放送し、緊急時にはこれを有効な情報発信手段として活用し、「的確な災害情報を届ける」ということが当初予算案に挙げられています。災害は起こらないにこしたことはありませんが、いざというときに大きな役割を果たしてくれるものと期待をしております。

 そこで、区長にお伺いいたします。

 区民や区内事業所向けに防災ラジオを販売してはいかがでしょうか。防災ラジオとは、全国瞬時警報システム・Jアラートや自治体の緊急情報が発信されると特定の周波数のラジオ放送に切りかえる、つまりAM、FMどこの局を聞いていても「渋谷のラジオ」の割り込み放送が流れるものです。電源がオフの状態でも自動的にスイッチが入り、「渋谷のラジオ」を最大の音量で放送します。現代の気密性が高い住宅においては、防災行政無線が聞こえないといった事例が散見されており、こうした防災ラジオを導入する自治体も増えてきています。中には無償でラジオを配付している自治体もありますが、多くは千円から数千円で販売しているようです。

 防災ラジオの普及は、「渋谷のラジオ」の認知度アップにも当然つながっていきますので、日常の地域コミュニティ番組や行政情報の発信力強化にも役立っていくものと考えますがいかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 安全・安心のまちづくりの二点目は、客引きについてです。

 平成二十六年十二月に「渋谷区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例」が施行されて、一年三カ月が経過しました。区、商店会、警察、さらには渋谷区の客引き行為等防止指導講習を修了した方々が連携しながらパトロールを鋭意実施していただいているおかげで、客引きの数は減っているものの、まだまだ客引き行為が後を絶たないのが現状であります。

 そのような状況の中で、当初予算案には、条例の実効性を担保するため警察官OBの客引き行為等防止指導員を配置して体制強化を図ることが盛り込まれており、大いに期待をするところであります。

 そこで、区長にお伺いしますが、今回、指導員として配置されるのは何名で、実際にはどのような活動をされるのでしょうか、具体的にお示しいただきたいと思います。

 また、本区の指導の場合、命令に従わない場合は住所、氏名等の公表となっており、過料等は取っていません。他区の状況を調べてみますと、二十三区のうち渋谷区、千代田区、港区、新宿区、豊島区、大田区、品川区、墨田区の八区で客引き行為等の禁止条例が制定されていますが、そのほとんどが過料五万円を科す罰則を適用しているか、適用を検討しています。本区においても、条例の実効性を担保するのであれば条例を改正し、違反者から過料を取ることも必要ではないでしょうか。もともと過料の設定がなかった自治体が過料を科すように条例を改正しているのは、それなりの理由があると考えますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いします。

 また、区民等が受講する客引き行為等防止指導講習は、これまでにどれくらい開催され、何人の方が講習を受講されたのでしょうか、あわせてお伺いします。

 さらに、この講習については、一度の講習で完結するのではなく、例えばこれまでの指導の事例を示すなどのフォローアップ講習が必要と考えますがいかがでしょうか、区長の御所見をお伺いします。

 これら客引き対策の他区の事例として、不動産業者に協力いただき、店と賃貸契約する際に、客引き行為等の条例違反をした場合には契約解除をしてもらう特約条項の追加を検討しているところもあります。本区においても是非御検討いただきたいと考えますが、いかがでしょうか、あわせてお伺いいたします。

 また、視点を変えて、客引き行為をする店への対策ではなく、「うちは客引き行為等を一切しません」と宣言してくれるお店に対して「客引き撲滅」とか「客引きしません」などの安心ステッカーを配付して店の入り口に張ってもらってはいかがでしょうか。お客さんにも安心感を持っていただけると思います。御所見をお伺いいたします。

 安全・安心のまちづくりの最後、三点目として、歩行喫煙についてお伺いいたします。

 本区では平成十五年八月に、「歩行喫煙はしない」「たばこは決められた場所で吸う」という「渋谷区分煙ルール」を定め、喫煙者のモラルとマナーの向上を図っています。また、翌十六年四月からは渋谷、原宿、恵比寿の各駅の周辺、半径三百メートル以内を分煙ルール重点地区として順次指定し、喫煙所や灰皿のある場所以外での喫煙を禁止しています。しかし、実際には区内の至るところで路上喫煙、歩行喫煙が散見されます。

 オリンピック・パラリンピックの開催を四年後に控えた東京ですが、オリンピック・パラリンピック開催地については一九八八年のカルガリー大会以降、IOCの方針として禁煙原則が貫かれています。これまでの開催地では、分煙どころか徹底した禁煙が求められているのです。

 また、オリンピックに限らなくても、受動喫煙による健康被害、歩きたばこによるすれ違いざまの接触による火傷被害、吸い殻のポイ捨てによる火事などの観点からも、路上喫煙、歩行喫煙に対してはしっかりとした対策をとらなくてはならないと考えます。東京消防庁によれば、渋谷区で発生した火災のうち、原因として多いのは、たばこのポイ捨てによるものだそうです。

 二十三区の喫煙対策を見てみると、渋谷区のようにルールで定めているところはまれで、多くは条例によって規制をしています。「路上喫煙禁止条例」「歩行喫煙禁止条例」「環境条例」などが挙げられます。また、条例の内容も罰金刑、過料徴収、罰則のないものなどいろいろな形態がとられています。

 本区ではこれまで、人の集まりやすい場所に喫煙スペースを整備したり、平成二十六年四月からは区立公園のうち児童遊園地や小規模公園などを除いた二十九の公園に喫煙所を設置しています。さらに、昨年九月に施行した「渋谷区安全・安心なまちづくりのための大規模建築物に関する条例」では、延べ面積一万平方メートルを超える大規模建築物を建築する事業者に、公共利用のための喫煙施設を建物内または敷地内に設置することを義務づけるなど、喫煙者に対する配慮もしっかりと行っているところです。それでもなお私たちのもとに喫煙対策を求める声が寄せられる本区の現状を考えると、もうルールではなく条例によって喫煙対策をとるべきではないでしょうか。

 平成十年四月に「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を施行し、たばこのポイ捨てを禁じ、環境の美化、浄化を推進することなどを定めています。是非本条例に公共の場での喫煙対策そのものを組み入れていただきたいと考えますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、十八歳の公民と選管インターンシップ制度について質問します。

 このたびの公職選挙法改正により、本年六月から選挙権年齢が十八歳に引き下げられます。実質的には、七月に予定される参議院議員選挙が十八歳、十九歳の新有権者が初めて参加する選挙となるわけです。

 七十年ぶりの選挙権年齢の引き下げの理由には、少子高齢化が進み世代別有権者数のバランスが崩れ、政治に反映される民意が高齢者中心になってしまっていること、その世代間格差を埋めるため、将来日本を背負って立つ若者たちに少しでも政治の意思決定にかかわってもらう必要があるからだと考えます。五十年先、百年先も日本の民主主義が、そしてこの渋谷区の民主主義が健全に発展するためには、十八歳・十九歳有権者を初め若者たちが積極的に政治参加すること、その基本が投票に足を運ぶことだと考えます。

 渋谷区の新有権者数は約二千三百名であり、全有権者に占める割合は一・五%程度にすぎません。しかし、この世代の投票率の向上こそ改正公職選挙法の肝だと思うのです。

 教育委員会と選挙管理委員会は、中学校での模擬投票を行うなど、若年層向けの選挙啓発を行っていることは承知しています。それらに加えて、ここは新たに有権者に加わる十八歳、十九歳を初め二十代の有権者に政治に興味を持ってもらう新たな施策が必要だと考えます。

 そこで、二点提案します。

 まず、渋谷区のホームページのトップに「十八歳の公民」というコンテンツを立ち上げてはいかがでしょうか。そこにわかりやすく日本の政治制度、選挙制度、現代社会における問題点などの解説、各種選挙結果や啓発施策などを展開するのです。区長と中学生、高校生、大学生との政治対談みたいなものも載せてもおもしろいかと思います。とにかく、小難しい読み物としてではなく、見てわかりやすいもの、写真やイラスト、漫画なども使いながら気楽に見てもらえる内容がいいと思います。

 また、あわせて区内在住・在学の高校生、大学生による「選管インターンシップ制度」を立ち上げてみませんか。彼らに選挙管理委員会や明るい選挙推進委員の仕事を体験してもらい、その内容を理解し、興味を持ってもらうとともに、特に若者への選挙啓発作戦を彼ら自身に発案してもらうのです。大学では、学外のインターンシップを単位としているところも多いと聞きます。是非選管インターンシップのメンバーにSNSなどを駆使した「投票行こうぜ!作戦」などを立案してほしいと考えます。これらの施策には若干の予算措置も必要となりますので、区長からの答弁をお願いいたします。

 次に、子育て支援について大きく二点、区長に伺います。

 昨年十一月の「まち・ひと・しごと創生法」の制定に伴い策定された「渋谷区まち・ひと・しごと創生総合戦略」の素案によると、渋谷区の合計特殊出生率は二〇〇五年から二〇一四年の過去十年間で〇・三二ポイント上昇し、回復傾向を示しています。渋谷区が目指すべき将来人口の方向性として合計特殊出生率を上げることとなっており、それに従い、平均して年二千人前後の出生を目指すのであれば、さらなる待機児童対策に取り組むことが必要とあります。

 しかし、昨年、平成二十七年四月の待機児童数二百五十二名、そして今年についても、まだ数字は出ておりませんが、区立保育室にも入園できなかったお子さんが多数出ているとも聞こえてきます。もちろん、渋谷区はこれまでも待機児童対策に力を入れ続けてきました。平成十七年度から平成二十七年度までに認可保育園、認定こども園の新たな設置や認証保育所、区独自の幼保一元化施設、区立保育室などの設置で千七百八十一名の確保など、受け入れ定員の拡大に努力を重ねてきました。しかし、人口の増や出生数の増とともに女性の働き方の変化も伴い、待機児童の課題解決は厳しいものとなっております。

 そこで、初めに、待機児童対策について三点お伺いいたします。

 最初は、三歳児受け皿の強化についてです。

 「保活」という言葉がすっかり定着した昨今ですが、「保活」は、以前なら、こうしたらどこかに入園できたという当たり前が二年後には神話となるぐらい早いスパンで変化しています。保育室ができた当初は、保育室はフルタイムではなくパートタイムの四十二ポイントでも入ることができ、保育室にいる間にフルタイムの四十四ポイントになれば次年度は受託がつき、ほぼ認可園への入園が可能でした。そして、認証保育所についても同様、次年度には認可園への転入がほぼ可能でした。しかし、現在では保育室に毎年通わなければならない、また、認証保育所もあえて転園せずに同じ保育所に通うというお子さんが増えてきました。そして今年は、特に三歳児の受け入れ先がないという問題が浮き彫りとなってきました。

 例えば、本年四月開設予定のJR新宿ミライナタワー内の新設園、「キッズハーモニー・ニュウマン」ですが、こちらは二歳児までの園となっています。多くの保護者から三歳児以降の受け入れについて問い合わせがありましたが、こちらについては代々木小学校跡地の保育園が受け皿となるということで、皆さん安心されています。

 ゼロ歳児からお子さんを保育施設に通わせ、仕事に復帰している保護者にとって、三年も経過すれば既に職場では産休復帰も終わり、責任ある業務をこなしていると考えられます。それが突然、待機児童を抱えるということになると、仕事にも大きな支障を与え、日々の生活やその人のキャリアプランも大きく変えることになります。保育の継続性の担保は不可欠と言えます。

 ここで、三歳児以上の園児の受け入れ対策についてシブヤ笑顔から三つの提案をいたします。

 一つ目は、私立幼稚園との連携です。私立幼稚園との情報交換、そして区民へ向けて各園の預かり保育、給食の有無、バスの送迎などの情報提供、さらには私立幼稚園に対しての預かり保育強化についての要請などです。私立幼稚園によっては、預かり保育や給食の提供を行っている園もあります。一方で、区の保育園と同様、「入園できなかった」という声が昨年あたりから聞こえてきており、私立幼稚園入園を考えておられる家庭保育の保護者からは、「幼稚園についても入れなくなるのでは」という心配の声が上がっております。

 また、私立幼稚園のほうでも毎年渋谷区の待機児童、新設保育施設の情報などがほとんど把握できていない状況とも聞いております。私立幼稚園との情報のやりとりによる課題の共有、また、共通の課題に対して連携した対策をとることが必要と考えます。認定こども園の短時間・中時間保育についても、スタートした当初より応募が多く、こちらも入園は激戦になっているとの話が漏れ聞こえてきます。認定こども園の短時間、中時間も含めて、しっかりと連携していただきたいと思います。

 二つ目の提案は、区立幼稚園の三年保育についてです。さきに述べた私立幼稚園との情報共有、分析にもよるとは思いますが、二年保育となっている区立幼稚園の入園を一年前倒しし、三年保育の実施を検討してはいかがでしょうか。

 区立幼稚園については、預かり保育、また給食を提供する園がありますが、いま一つ園児数は伸びていません。保護者に伺ったところ、「給食と預かり保育はとてもありがたいが、二年保育まで待てない」という理由が多く聞かれました。可能であれば、「区立幼稚園も早く三年保育を実施してほしい」という声があります。さきにも申し上げたように、私立幼稚園としっかりと連携をとった上で区立幼稚園の三年保育の検討を進めていただければと考えます。

 さらに、三つ目の提案としては、区独自の三歳児以上の認証保育所の設置や、幼稚園型認定こども園の設置についての検討です。もちろん、保育施設を増やしても保育の質を下げず、保護者が安心してお子さんを預けることができる環境づくりも必要です。

 以上、三歳児以上の園児の受け入れ対策について、会派としての提案もさせていただきましたが、区長のお考えをお聞かせください。

 また、二つ目の提案の区立幼稚園の三年保育につきましては、教育長に御答弁をお願いいたします。

 待機児童対策の二番目の質問は、保育室のあり方についてです。

 保育室については検討の時期に来ていると感じます。保育室が設置された当初は、ほとんどのお子さんが一年で認可園に転園でき、保育園申請は合計二回で済みました。最近では、保育室に連続で二年、三年通うということも珍しくなくなり、毎年保育施設が変わってしまうというお子さんもいます。ここのところ保育園の申請時に何時間も待つという状況が続いている中、書類をそろえて申請という手続を毎年行うというのは大変な負担です。万が一保育室に入園できなければ、仕事の継続も厳しくなってしまいます。

 そこで、今後の保育室については、一年という制限を設けず継続して通える施設とすることを提案いたします。区長の御所見をお伺いいたします。

 待機児童対策三番目は、一歳児からの保育施設の強化についてです。

 最近ではゼロ歳児のニーズが高くなっていますが、その理由として、ゼロ歳児から保育施設に入れるほうが入りやすいということが挙げられています。このため、出産後お子さんを認可外保育施設になるべく早目に入れて、育児休暇を短縮して職場復帰を早めるケースが多く見られます。

 国が育児休暇を推進している以上、育児休暇をしっかりとってもその後の保育施設に入園できる仕組みが必要となってきます。現在、育児休暇は一年という事業所が多いため、一歳児からの園の設置を強化するなどして一歳児以上の園児数を増やす対策が必要であろうと考えます。また、ゼロ歳児から毎年保育園申請をしても園には入れず、育休を延長したものの保育園に入れなかった、また、会社の制度を利用して三年間育休をとったものの入園先がないということにならないためにも、指数の検討も含めて、一歳児以上の受け入れ園児数を増やすことが必要です。

 これから設置予定の新設園、保育室、認証保育所などあらゆる可能性から、一歳児園の設置の検討について区長にお伺いします。

 昨今、第一子の保育園入園が厳しいだけでなく、兄弟姉妹の同じ園の入園も厳しくなりつつあります。現在の保活の課題を挙げましたが、ここから見えてくることは、従来型のゼロ歳児が入るための保活だけではなく、時代に合った多様なニーズに応えられるような保活のダイバーシティを目指し、確実に継続的にお子さんを預けられる環境を目指していく必要があろうかと考えます。

 以上三点にわたる待機児童対策の質問について、区長、教育長の御所見をお伺いいたします。

 子育て支援の二つ目の質問は、子育て支援の拠点づくりについてです。

 最近では渋谷区の出生数が増えたことに伴い、子育て経験のある親御さんたちが子育て初心者の親子をサポートしたり、NPOなど各種団体やサークルがお子さんをサポートするための活動をしています。お子さんがまだ小さく、子育てが始まったばかりで不安だらけの中、保育園に入れなかった親御さんや幼稚園入園を待っている親御さんにとって、こうした場所は育児の悩みを相談できたり、同じ子育て中の友達ができたりと、ひとりぼっちの子育てから解放され、大きな助けとなっています。

 また、恵比寿でつい先日始まったばかりの事業、「恵比寿じもと食堂」は、ひとりで食事をとる孤食をしがちなお子さんを対象に「みんなで御飯を食べよう」というコンセプトで活動しています。多くのお子さんの申し込みや問い合わせが相次いでいるとのことで、こんなにも待ちわびられていた事業だったのかと気づかされるとともに、今後、期待される活動です。

 こうした活動をする団体の悩みは、場所の確保です。自宅利用となると、広さの問題や近隣からの苦情など苦労の連続です。一日数時間こうした活動に利用できる施設を提供することで、現在、余り利用されていない施設の有効利用にもなりますし、子育て支援にも大きなサポートとなります。例えば「景丘の家」のような施設の有効活用も考えられますし、区施設で午前中や日中、使用されていない施設なども子育て支援の団体が利用できるようにするなど、施設の有効利用をと考えますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、食品ロスについてお伺いいたします。

 食べられるのに家庭やレストランで廃棄される食料廃棄、いわゆる食品ロスは、フランスでは年間約七百万トン、日本では約六百四十万トンと言われています。この食品ロスをなくそうという運動が世界の先進都市で広がっています。

 つい先日、フランスでは国内の大型スーパーに対し、売れ残りの食料の廃棄を禁じ、慈善団体への寄附を義務づける法律が施行されました。廃棄される食品を調べ、品質に問題がなければフードバンクなどの援助機関に回して、生活困窮者など食べ物を必要とする人々に配るというものです。これにより、毎年多くの人に無料の食事を提供できるようになるといいます。

 一方、アメリカではレストランなどで食べ残した料理を持ち帰ることが習慣として根づいています。この持ち帰り用の袋や容器のことを「ドギーバッグ」といい、余ったものをドギー、つまりペットの犬に食べさせるという前提で持ち帰るもので、お客が自己責任で行い、店側の責任は発生しません。その習慣が余りないフランスでも、今年の元日からドギーバッグ法が施行されました。一日百八十食以上提供する店に対し、お客が求めれば残った料理を持ち帰れるよう、ドギーバッグを提供することを義務づけるものです。

 日本は「もったいないからお土産にして」というもったいない文化がある国ですので、ドギーバッグを飲食店に置いて食品ロスを減らす活動は、その気になれば広がると思います。持ち帰り用の容器というとタッパーのように簡素なものを想像しがちですが、最近のドギーバッグはデザイン性が高く、どれもかわいいものばかりです。日ごろから折り畳んで携帯できるほか、耐久性にすぐれているので洗えば何回でも使うことができるものもあるくらいです。是非渋谷区でもおしゃれでかわいいドギーバッグをつくって、区内の飲食店で使ってもらう取り組みをしてみたらいかがでしょう。食品メーカーなどに協力してもらったり、お客の自己責任で「もったいないから持ち帰りましょう」とキャンペーンポスターを作成し、飲食店に張ってもらったりするなど啓発活動をしてみてはいかがでしょうか。

 日本はアメリカ、フランスに次ぐ世界有数の食料廃棄国です。こうした現状に対し、日本でもフードバンクや形の悪い食材を安く提供する取り組みも行われていますが、フードバンクの知名度は低く、今後さらなる政府による啓蒙や法律制定、個人の取り組みが期待されています。

 長野県松本市では、二〇一一年度からごみ減量化の一環として「三〇・一〇運動」を展開しています。「三〇・一〇運動」とは、会食、宴会時での食べ残しを減らすために、一つ、注文は適量に、二つ、乾杯後の三〇、三十分間は席を立たずに料理を楽しむ、三つ、お開き前の一〇、十分間は自席に戻って再度料理を楽しむという活動のことです。飲食店や宿泊施設に運動の内容を記したポスターやコースターなどを置いてもらい、市民に呼びかけをしているそうです。コースター約二万枚を千百店ほどの飲食店や旅館に置いてもらうなどしたところ、市内の宿泊施設では一年間で食べ残しが約半分に減ったそうです。

 また、「三〇・一〇運動」の家庭版として、毎月十日と三十日を家庭でもできる取り組みを行う日として周知・啓発を行っています。毎月十日はもったいないクッキングデー、今まで捨てていた野菜の茎や皮などでまだ食べられる部分を使って、子どもと一緒に料理をしましょう。毎月三十日は冷蔵庫クリーンアップデー、冷蔵庫の中の賞味期限、消費期限の近いものや野菜、肉など傷みやすいものを積極的に料理しましょうというものです。

 さらに、保育士の方々自らが食品ロス削減啓発用紙芝居を作成し、市のホームページからその紙芝居をダウンロードして活用できるようになっています。

   〔「紙芝居はやっているな」の声あり〕



◆三十一番(薬丸義人) 紙芝居ははやりです。

 子どもたちを対象にしたもったいない啓発活動は、渋谷区がホームページや区ニュースで発信することで可能だと思いますし、大切な食育とも言えるでしょう。

 以上申し上げましたフードバンクとの提携、おしゃれなデザインのドギーバッグの活用啓発、家庭や教育現場、飲食店、宿泊施設等との連携による取り組みの三つのもったいない運動をこれから渋谷区で行って、食品ロスを減らしていきませんか。欧米で広がりを見せているこの動き、渋谷区が積極的に取り組めば全国に広がっていくと思います。区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、窓口サービスのさらなる向上についてお伺いいたします。

 今回提案させていただくのは、職員にサービス介助士の資格を取得してもらうというものです。

 サービス介助士とは、高齢者や障がい者に対する正しい介助知識と技術を身につけた人材のことで、この資格は学科及び実技教習を受け、試験に合格することにより公益財団法人が認定しています。車椅子使用の方への正しいサポートや視覚、聴覚等に障がいがある方とのコミュニケーションのとり方などをしっかりと身につけることにより、窓口を訪れた際のさらなるサービス向上が図れます。

 知識だけなら職員研修でも身につくと思いますが、あえて資格取得を提案したのは、職員の自信につながること、窓口に「サービス介助士を配置しています」とお知らせを掲示することにより来庁者の安心感にもつながることが理由であります。これからさらに高齢化が進むことを考えれば、ますます必要になるサービスと考えますがいかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、都市交流についてお伺いいたします。

 本区と公的な交流のある自治体というと、鹿児島県鹿児島市、秋田県大館市、東京都羽村市、長野県飯田市、静岡県河津町が挙げられます。これらは本区が災害時相互応援協定を結んでいる自治体であります。また、これ以外にも、区民レベルでの交流を続けている自治体も多くあります。毎年十一月のくみんの広場・ふるさと渋谷フェスティバルにおいて、こうした自治体のテントが数多く出店されているのは交流の成果と言えるでしょう。

 ところで、以前から申し上げておりますが、本区には姉妹都市、友好都市は国内にはありません。大規模災害時には自治体同士の助け合いが不可欠でありますが、そのためには日ごろからの交流が何よりも大切であると考えます。名実ともにつながりを深めていくためにも、フレンドリーシティとしての姉妹都市、友好都市の締結を進めていくべきと考えますがいかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 さらに申し添えれば、長谷部区長がよく言われている「ロンドン・パリ・ニューヨーク・渋谷区」、先ほどの答弁でも出てきました。本来、都市の規模からいえば「ロンドン・パリ・ニューヨーク・東京」となるのでしょうが、長谷部区長の見事なまでの強い発信力により、東京ではなく渋谷区としてこのフレーズが区民に定着しています。「ロンドン・パリ・ニューヨーク・渋谷区」、是非これらの都市とも近い将来、フレンドリーシティの締結を目指してほしいと思います。

 ところで、地方都市とのつながりについては「渋谷区まち・ひと・しごと創生総合戦略」の素案において、その策定方針の中に、国が東京圏に求める日本の成長のエンジンとしての役割を果たしつつ、これまでも取り組んできた地方との連携は今後も深めていくとありますが、地方とのタイアップについてはどのようにお考えでしょうか。

 例えば、渋谷区が区外に持つ宿泊施設のある場所に、高齢者が住める場所や特養施設の設置などを検討するのはいかがでしょうか。そうした施設の区内施設は、土地取得等を鑑みますとなかなか容易には進みません。既に渋谷区は区外協力特養施設がありますが、こうした施設の存在を知った方々からは、「区内の特養施設は待っている人がたくさんいるので、こうした施設が区外にあると知って安心しました」という声を聞きました。もちろん、住みなれた区内の施設に入れることが一番ですが、なかなかそうもいかないのが現状です。だからといって遠く離れたところに設置してしまうと、家族や友人が訪れることが難しくなります。

 そこで、渋谷区の区外宿泊施設のある地域、例えば河津などに高齢者の施設を設置するという提案です。御本人の下見の際、あるいは御家族や友人が訪れる際には区の保養所に泊まることもできます。さらに、現地での雇用にもつながり、連携もとりやすいはずです。こうした地方とのタイアップをどのようにお考えでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、学校現場におけるインクルーシブ教育について教育長にお伺いいたします。

 インクルーシブ教育に関し、質問の前にその根底にある人権教育についてですが、二週間前の二月十九日に臨川幼稚園、臨川小学校において開催された研究発表会を拝見してきました。区内外の多くの教育関係者が見守る中、平成二十七・二十八年度、東京都教育委員会人権尊重教育推進園・推進校及び平成二十七年度東京都教育委員会オリンピック・パラリンピック教育推進園・推進校、そして平成二十六・二十七年度渋谷区教育委員会研究指定園・指定校として、オリンピック・パラリンピック教育と関連させて、人権教育の推進、充実に取り組んできた研究成果の発表です。

 公開授業、研究発表、シンポジウムを通して感じたことは、研究に携わった全ての教職員の熱意であります。アクティブ・ラーニングによる主体的な学びにより、教師の人権感覚がダイレクトに子どもの人権感覚につながるのだと感じました。この日を迎えるまでには長きにわたり、昼夜を問わず真剣な議論が交わされてきたであろうことが容易に想像できました。

 「教師が変わると子どもが変わる、子どもが変わると園や学校も変わる」研究の成果が区内の各園、各学校に生かされ、本区の人権教育が一層充実していくことを期待するものであります。

 それでは、質問に戻ります。

 インクルーシブ教育といえば、固定学級の児童と通常学級の児童が行事の際に交流するということを想像されるかと思いますが、今回提案させていただくのは、一歩踏み込み、渋谷区独自のインクルーシブ教育のモデル校を指定して展開していくというものです。例えば本区では、校舎の配置にもよりますが、固定学級と通常学級の教室や下駄箱の場所が異なる学校があります。せっかく同じ学校に通っているのであれば、分けることなく同じ下駄箱の利用、そしてできれば教室も通常学級の子どもたちの行動範囲内に設置し、学校の行き帰りや移動中にお互いが見える存在にする。また、支援員が必要な場合は、その児童が他の児童の妨げになるのを防ぐことを目的とするのではなく、その子に合った勉強法や指導法を探していくことに主眼を置くなど、様々なことが考えられます。何をするかについては、そのモデル校が独自に決めて実施するのです。

 インクルーシブ教育は、学級に障がいのある子どもたちが通うことのみを意味するのではなく、一人一人のニーズに合った教育支援を通常学級の中で行うことを目的としています。常に通常学級で一緒に授業を受けるということではなく、弾力的な運用で固定学級、情緒障害学級、通級指導学級での指導をバランスよく受けながら、一人一人のニーズに合わせた教育を提供することが求められています。

 インクルーシブは社会の縮図であり、学校は小さな共生社会です。実際に子どもたちがかかわり合う中で、ともに生きるということを自然に身につけていくことでしょう。一歩踏み込んだインクルーシブ教育を行うための渋谷区独自のインクルーシブ教育モデル校設置について、教育長の御所見をお伺いいたします。

 最後に、特色ある学校づくりについてお伺いいたします。

 都市型中高連携教育校として広尾中学校と都立広尾高校が位置づけられて、十二年がたとうとしています。平成十六年に開始された当時は、二十三区で初めての区立中学校と都立普通科高校の連携ということで、モデルスクールとして注目されていました。この連携型は島嶼部、島ですね、島嶼部を除き、都内には広尾以外に六校の公立中学がありますが、多摩市立の三つの中学校は同じ一つの都立高校との連携、二十三区内の三校はいずれも商業高校、工業高校との連携となっています。

 一方で、平成十七年より都立や区立の中高一貫校が続々と設置され、併設型中学校と中等教育学校をあわせて今では都内に十一校となるなど、一貫校が注目されるようになってきました。さらに、このうち立川国際中等教育学校については平成三十四年四月に附属小学校を新たに設置し、全国初の公立小中高一貫教育校とすることが昨年十一月に教育庁より発表されたところであります。

 ところで、広尾中学校ですが、連携の実態を改めて調べてみますと、当初は連携型入学者選抜により十名以上が広尾高校に進んでいましたが、平成二十三年からは五名以下となっています。また、高校教師による中学校での授業も、現在は行われていないようです。こうして見ると、当初に比べ連携は希薄となっていると言わざるを得ません。中高の交流は七月と十二月の年二回と、中学三年生のみもう一回実施されていますが、単発的な印象を受けます。一方で、部活動では広尾ふれあいコンサートなどでの吹奏楽部の合同演奏が続けられ、バドミントン部も合同練習を始めたそうです。これらを見ると、都市型中高連携教育校といいながらも、連携の主体はどこにあるのでしょうか。

 高校への入学だけが連携ではないのかもしれませんが、連携イコール高校入学をイメージされる方は多くいると思います。もう一度連携のあり方についてしっかりと見直していくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。連携から一貫校への移行も含め、御検討いただきたいと思います。

 また、それとあわせて、現在、特色ある学校づくりとして明確に位置づけされていない原宿外苑中と笹塚中について、会派としてこれまでもその対応を求めてきておりますが、その後どのような検討がなされているのでしょうか、あわせて教育長の御所見をお伺いいたします。

 以上、それぞれの質問につきまして区長、教育長の御答弁をよろしくお願いいたします。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、薬丸義人議員の代表質問に順次お答えします。

 まず初めに、予算に込めた思いについてのお尋ねです。

 本区はこれまで、誰もが安心して暮らすことができるまちの実現に向け、子育て支援や災害対策、高齢者施策の拡充、教育の充実等、各種施策の実現に向け日々取り組み、区民福祉の向上に努めてまいりました。世界規模で都市間競争が繰り広げられる今日、私は区長として初めて予算編成に挑むに当たり、本区の積み上げてきた強みを継承しつつ、そこに創造性を加え、先駆的な行政モデル、言うなれば渋谷区モデルと呼ばれるような取り組みを実現することこそが、今後の区の発展には欠かせないものと考えております。

 このため予算編成に当たっては、議員の御発言にもありましたとおりダイバーシティやインクルージョンを推進し、区民福祉をさらに向上させるべく、所信において申し上げた各種施策によって区政の新たなステップを踏み出すことを強く意識いたしました。

 例えば、多様な性の理解に向けた啓発活動として、NPO法人等と連携しながらレインボーリボンの普及を図る、あるいは近年、重点的に取り組みを進めてきた子育て支援におきましても、施設整備の継続のほか居宅訪問型の保育事業を開始するなど保育ニーズの多様化への対応を図るほか、個性、能力を重視した子どもの育成に重点を置き、世界の先進的な幼児教育・保育の研究を開始する等、他自治体の先を行く質の高い保育、幼児教育の実現に向け、特色づくりを進めてまいります。

 また、まちの飛躍的発展の契機となる東京オリンピック・パラリンピックの開催年、二〇二〇年まであと四年となりました。新年度より専管組織を立ち上げ、気運醸成事業をハード、ソフト両面にわたり積極的に展開し、渋谷駅前の再開発事業等と関連させながら、様々な国や人の様々な文化や趣向を受け入れ、発展してきた懐の深い本区にふさわしい、魅力あるまちへ発展していく礎としなくてはなりません。

 特に新年度予算ではパラリンピックや障害者スポーツに着目し、事業展開していくことで、施設等のハード面のバリアフリー化推進にとどまらず、手を差し伸べる対象からリスペクトする存在へと障害者に対する人々の意識の変化を喚起し、心のバリアフリーが一層浸透することを期待しているところです。

 なお、予算編成に当たっては、渋谷区議会自由民主党議員団、下嶋議員にお答えしたとおり、今の社会経済情勢や将来の財政需要を踏まえ、なお財政規律の維持に努めていく必要から、基金活用、起債を抑制する等の工夫を施したほか、所信において述べました「(仮称)シブヤソーシャル・アクションパートナー制度」等、新たな公民連携のあり方の模索等によって区政の持続可能性確保を多角的に進めていきたいと考えています。

 次に、渋谷区基本構想が改定されれば、今後二十年を見据えた渋谷区の羅針盤になるものであり、多くの区民や事業者にもその内容を知っていただくための講座の開催や、学校で出前授業を開くことはどうかとの御提案です。

 渋谷区基本構想等審議会は、現在、第四回まで開催し、区の将来像について毎回活発な御審議をいただいており、当日の資料や議事録などについてはホームページ上に公開しております。今後はこれまでの御意見を取りまとめた上で、新たな長期基本計画に盛り込むべき施策について御審議いただく予定となっております。

 改定後につきましては、新たな基本構想について区民や事業者にも広く御理解いただくことが重要であると考えています。そのため、内容をわかりやすく伝える冊子を作成するとともに、ツイッターやSNSなどのメディアの活用や、私自身からも、区民の皆様に接する様々な機会を通じて御紹介をしてまいります。

 さらに、議員の御提案にもございます学校における出前講座についてですが、まず、子どもたちにも区の将来像について知ってもらうことは大切なことと考えます。その手法については、例えば小学生向けの冊子の作成などを含めて、今後、教育委員会と協議を検討してまいります。

 次に、災害時の緊急情報が発信されたときに割り込み放送が流れたり、自動的にスイッチが入る防災ラジオを導入してはいかがかのお尋ねです。

 発災時に火災や家屋の倒壊など様々な情報が氾濫する中で、正確な情報を速やかに区民や来街者の皆様に提供することは重要な課題であります。現在、区では区内約九十カ所に設置した防災行政無線に加え、防災メールやツイッター、さらに昨年六月からは防災ポータルサイトの運用を開始し、多重的に災害時の情報発信を行う仕組みを構築しております。しかしながら、防災行政無線は屋内では聞こえにくいという御指摘もあります。また、防災メールなどは高齢者に利用しにくいものでもあります。議員御提言の防災ラジオについては、こうした点をカバーする有効な情報手段だと考えます。

 しかし、防災ラジオを運用するためには、放送局側にも区側にもシステム運用機器の導入に多額の初期費用がかかり、また、一方的に割り込み放送を行うことから、運営法人とは慎重な協議が必要となります。まず、開局する「渋谷のラジオ」の現状のシステムの中で、発災時により迅速に区の災害情報を発信できるよう効果的な運用体制を構築した上で、防災ラジオについては次の検討課題としてまいりたいと思います。

 次に、客引きについてのお尋ねに順次お答えします。

 初めに、警察官OB指導員の配置人数や活動内容についてのお尋ねでありますが、指導員は三名であり、活動内容は客引き、スカウトのいる日中や夜間帯のパトロールを実施し、違反者に対する指導を行い、違反店舗やその本社に対する指導を行います。また、指導に従わない者に対しては改善命令、公表に向け厳しい対応をとってまいります。

 また、条例を改正し違反者から過料を取ることについてのお尋ねでありますが、条例改正については、来年度から強化する警察OB指導員の効果を見ながら、パトロール体制のあり方を含め検討してまいります。

 次に、客引き行為等防止指導講習の開催回数、人数においてのお尋ねですが、平成二十六年十一月に開催し、五十六名の参加、平成二十七年三月に開催し、二十九名の参加がありました。これまで計二回、八十五名の区民等の方々が受講されております。

 議員御提案のフォローアップ講習については、前向きに検討してまいります。

 次に、賃貸契約の際、客引き行為等の条例違反をした場合は契約を解除する旨の特約条項の追加についてのお尋ねですが、他区の取り組みについては承知しております。その取り組み効果を検証するとともに、関係団体等の意見を踏まえて検討してまいります。

 次に、「客引きはしません」と宣言してくれる店に対し安心ステッカーを配付する御提案についてですが、既に本区のほか客引き禁止条例を持つ七区と連携・協力して、客引きしない旨の確約書を提出した飲食店等に対し「客引きしない!宣言店」というステッカーの交付について、年度内の実現に向けて協議をしているところです。

 歩行喫煙について、分煙ルールでなく条例の中に公共の場で喫煙対策を組み入れていただきたいとのお尋ねでありますが、議員御指摘のとおり、喫煙対策に関して本区に多くの声が寄せられております。

 本区は平成十五年八月に、渋谷区分煙ルール、歩行喫煙はしない、たばこは決められた場所で吸うと定めてまいりましたが、十年以上もたち、社会情勢も変化し、喫煙に関する考え方も大きく変わっております。四年後にオリンピック・パラリンピックも控え、国際都市としてふさわしい区にするため、渋谷区内で喫煙のあり方をいま一度見直しと、どのような喫煙対策がよいのか、条例改正を含め検討してまいります。

 次に、選挙権年齢が十八歳に引き下げられることに関して、ホームページにわかりやすいコンテンツを立ち上げてはどうか、また、選管インターンシップ制度を導入してはどうかという御提案をいただきました。

 御案内のとおり、公職選挙法の改正により、本年六月十九日以降実施される国政選挙から新たに十八・十九歳が有権者に加わり、実質的には七月に予定されている参議院選挙から投票することができるようになります。これまでも選挙管理委員会では中学校への出前授業など若者への選挙啓発活動を行ってきたほか、投票する際に自らの意思で判断する能力を養う主権者教育が重要であることから、その取り組みについて検討してきたと聞いております。

 また、七月の参議院選挙においては、十八歳、十九歳を含め二十歳代の有権者を対象に、期日前投票所の投票立会人の募集を行う予定であると承知しております。

 今回、薬丸議員からは新しく二つの施策について御提案をいただきました。どちらも若者の政治参加への関心を高めるためのよいアイデアだと思いますが、コンテンツの内容やインターンシップ制度の詳細などを検討する必要があります。今後、若者と政治を結びつけるために模擬投票などの活動をしている団体やNPO法人などの協力を得て、議員御提案の内容も含め、若者たちが政治へ興味を持ち、投票に結びつくような施策について教育委員会や選挙管理委員会と相談してまいります。

 次に、子育て支援についての質問です。

 最初に、待機児童対策に関して、三歳児以上の園児の受け入れ対策について三つの御提案をいただきました。

 一つ目は、私立幼稚園と保育園の情報や課題を共有して、連携した対策をとることについてです。

 渋谷区では、私立幼稚園に関しては総務課が窓口となり、保育園については保育課が所管をしています。貴会派の御提案のとおり、子育て支援の観点から、保護者の方々が私立幼稚園の情報を容易に得られるとともに、私立幼稚園や認定こども園などと保育園が情報や課題を共有して、連携して対応することが非常に大切なことだと私も思います。このため、保護者の方々にわかりやすく、より利用しやすくするため、来年度に向け区の窓口を一元化することを検討しております。これにより子育て支援施設の情報や課題の共有化を進め、連携して対応することにより、三歳児以上の園児の保護者の方々への施設やサービスの情報等も円滑に提供できるようにしてまいります。

 次に、三歳児以上の園児の受け入れ対策について、区独自の三歳児以上の認証保育所や幼稚園型認定こども園の設置に関するお尋ねです。

 三歳児以上の園児受け入れについては、区立保育室の多くには面積的な制約があり、現在、ゼロ歳から二歳または三歳までの受け入れを行っておりますが、最近の傾向としては、議員御指摘のように、区立保育室から次の保育室への受け皿が少ないなど、三歳、四歳での保育園待機児も発生しております。したがいまして、今後の対応として、平成二十八年度当初予算に大山保育室の二期工事の経費を計上し、平成二十九年四月には歳児を五歳まで拡大するとともに、定員も大きく増やすことを予定しています。

 また、最近開設した保育室の中には、認可保育園の仮設園舎として使用した規模の大きな施設もあるため、活用できるスペースがある場合は待機児の発生状況や利用者の要望、委託業者の受け入れ体制等を踏まえながら、歳児及び定員の拡大についても検討してまいりたいと考えております。

 なお、議員お尋ねの認証保育所については、整備・運営に係る経費の全額が本区負担となるため、財政状況を踏まえれば、新たに設置することは困難であると考えます。

 また、幼稚園型認定こども園については、敷地内に園庭を確保するなどの制約があるため、現在、事業者から設置に関する提案や相談はございません。

 本区の認定こども園に対する考え方は、これまで、待機児童解消を図るため保育所型認定こども園を重点的に整備してきましたが、今後は三歳、四歳の受け入れの役割も担う施設として、幼保連携型認定こども園の整備も視野に入れたいと考えております。

 いずれにいたしましても、ゼロ歳から五歳児まで保護者の方が安心して預けることができる保育環境の整備を推進してまいります。

 次に、保育室は一年という制限を設けずに、継続して通える施設とすることについてのお尋ねです。

 区立保育室は待機児解消の緊急対策として、認可保育園の申し込みを行い待機児となった方を対象とした暫定的な施設であり、四月時点における保育の必要度の高い人から入所していただくため、持ち上がりはなく、入所期間は最長で年度末までの一年となっております。また、保育室の入所時期により保育の必要度に差が生じるために、必ずしも翌年四月の新たな指数のもとでは入所できないこともあります。

 近年、認可保育園の申込者が大きく増え続けていることに伴い、議員御指摘のとおり区立保育室に複数年通っている方がいるなど、設置当初のころと比べると利用実態に変化が生じてきております。このような状況を踏まえ、区立保育室のあり方につきましては、今後、総合的に検討させていただきたいと考えています。

 次に、これから設置予定の保育施設については、一歳児園の設置を検討してほしいとのお尋ねです。

 本区では待機児解消に努めるため、新たな認可保育所や認定こども園、区立保育室など集中的に整備し、近年三年間でも千百人以上の定員拡大を図ってまいりました。これから新設園の定員設定に際しましては、一歳児からの入園にも十分配慮し、ゼロ歳児園であっても一歳児の定員を多く設定したり、また、暫定的に開設当初は一歳児の入園枠を大きくし、施設内でも二つの一歳児室を設けるなど可能な限り対応してまいりました。また、本年六月開設予定の本町第二保育園仮園舎を活用した区立保育室は、一歳児園とする予定です。

 現状、ゼロ歳から預けざるを得ない方もいることから、ゼロ歳児園も必要ですが、一歳児入園についても引き続き、暫定的な入園枠拡大などの対応を行っていきます。また、議員御指摘のとおり、育児休業取得は国が推進している施策であるとともに、ライフスタイルにもかかわる問題でもあるため、これらを踏まえさらに検討を続け、保護者の方の多様なニーズに応えてまいりたいと考えています。

 次に、子育て支援の拠点づくりについてのお尋ねでありますが、子育て支援の活動を行うNPOや各種団体の皆さんにとっては、活動拠点を確保することは一番の悩みであると私もお聞きしています。本区といたしましては、NPO等が実施する子育て支援の目的や内容等を踏まえ、区が進める子育て支援にとって有益なものであれば区施設を活用していただくなど、可能な限り協力をしていきたいと考えています。

 また、商店会とも空き店舗等の情報を共有し、団体への情報提供などに努めていきたいと思います。

 なお、「景丘の家」につきましては、渋谷区社会福祉協議会所有の施設でございますので、議員御指摘の点については、社会福祉の向上の観点から協力を要請していきたいと思います。

 次に、食品ロスについてのお尋ねであります。

 食品ロスについては、地球の資源・環境問題としても、廃棄コストの点からも、区が積極的に取り組むべき課題と考えています。区で平成二十六年度に実施したごみの組成量調査では、家庭から排出される可燃ごみの約三割が生ごみで、そのうち三%が未利用食品でした。この割合は年間約一千五百トンで、コンビニなどで売っているおにぎりに換算すると年間千三百万個にもなります。

 一方で、生活困窮等により食べるものを必要とする方々がいるといった現実もあります。

 区では新年度より、食品の有効活用を図る取り組みとして、家庭での未利用食品を集め寄附する活動、いわゆるフードドライブをリサイクルバザー等の機会を活用して実施する方向で、活動団体と協議を進めていきたいと考えています。

 また、ドギーバッグについては食品衛生上の観点から、今後の課題として検討してまいります。

 議員御発言のとおり、フランスでは法律により食品の廃棄防止対策を義務づけるなどの取り組みを進めております。渋谷区ですぐにそのような規制をすることは困難ですが、世界的なフードロス削減への流れの中で、区としても対応が必要であると考えています。区民への普及・啓発活動や区内事業者への自主的な取り組みの呼びかけ、NPOやボランティア団体との連携、支援について研究してまいります。

 次に、窓口サービスのさらなる向上について、職員にサービス介助士の資格を取得させたらどうかとのお尋ねでありますが、サービス介助士は、おもてなしの心と介助技術を学び、お手伝いを必要とする相手に安心していただきながら手伝いができる人のことです。議員御指摘の公益財団法人が、社会人や学生を対象として実技教習や検定試験を実施し、資格を認定しておりますが、職員の資格取得については費用負担や資格の有効期限三年、更新の手続が必要であるといった課題があります。

 いずれにいたしましても、肝要なのは、こうした資格を取得しているかどうかではなく、高齢者や障害者の方への対応を含め、職員が日々の窓口での接客において住民満足度の向上を図り、区民から信頼を得られるかどうかであります。そのためには、区民との最初の接点である接遇の向上、改善を図っていくことが大切であると考えております。

 議員御提案の窓口サービスのさらなる向上については、御提案の趣旨を受けとめ、さらに接遇研修に力を入れるなど、来庁される区民の皆様に安心していただけるホスピタリティとおもてなしの心を意識した窓口サービスを目指してまいります。

 次に、本区と公的な交流のある自治体を含め、国の内外を問わずフレンドリーシティとしての姉妹都市・友好都市提携を進めていくべきとのお尋ねでありますが、議員御案内のとおり、現在、渋谷区は鹿児島市、大館市、羽村市、飯田市、河津町の五つの自治体と災害時相互応援協定を締結しております。これまで相互に訓練の視察、協力を行い、また、東日本大震災の際には飲料水の提供をしていただくなど、いざというときに心強い協定自治体です。また、災害時に限らず、例えばハチ公のふるさと、米どころの大館市からは、区立小中学校の学校給食に米の供給を、また、飯田市には文化総合センター大和田の伝承ホールにて飯田に伝わる人形劇を初め伝統芸能を披露していただくなど、広範囲にわたる交流が続いています。

 また、毎年十一月のくみんの広場・ふるさと渋谷フェスティバルには数多くの交流自治体が参加されており、本区における自治体交流の実態は多種多様、交流の実態も、自治体組織に限らず、住民相互のものなど多岐に及んでいます。議員御提案のフレンドリーシティとしての姉妹都市、友好都市の協定締結は、住民相互の交流を幅広く多様に積み重ね、双方の住民と議会でさらなる交流の発展と協定への機運が高まり、その結果として締結に至るという流れこそが大切と考えています。

 また、海外との都市提携では、本区では区民、区議会の御理解を得て、トルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区との友好都市提携の実績がありますが、ロンドン、パリ、ニューヨークについても、双方が交流の実を実感できる友好交流が可能か検討してまいります。

 次に、「渋谷区まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定されたが、地方とのタイアップについて、例えば区が区外に持つ宿泊施設のある場所に、高齢者が住める場所や特養施設の設置などの検討をするのはどうかとのお尋ねです。

 「まち・ひと・しごと創生法」に基づき国が定めた総合戦略においては、東京への一極集中を是正し地方への新しい人の流れをつくることが求められていますが、今回素案を作成した「渋谷区まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、世界をリードする国際都市として発展していくことを目標として掲げるとともに合計特殊出生率を上げるための子育て支援策などを充実していくことを具体的施策として挙げております。

 議員の御提案のように、地方に移住することを住民に提案している自治体や、地方に高齢者施設を設置する例があり、一般的に既存の施設の有効活用につながり、自治体間の交流にも資するものと承知しております。

 高齢社会の進展に応じて高齢者のライフスタイルも多様化しており、地方がその発展のために新たな人の流れをつくる施策を展開する中で、地方への移住を含む様々な選択肢については研究していく必要があると考えます。

 私は、その選択肢の一つとして、元気な高齢者が一時的に地方に出向き、知識や技術を生かしたボランティア活動を行うことは本人の生きがいにつながり、地方の発展に貢献いたしますので、応援したいと考えております。しかし、区民が区を離れて暮らすという環境を整備するということよりも、まずは旧本町東小学校跡地複合施設における特養の設置や幡ヶ谷二丁目複合施設の高齢者住宅の整備などを着々と進め、高齢になっても住みなれた渋谷で暮らし続けていくことができるような施策に重点を置いてまいりたいと考えております。

 こうした状況を踏まえて、議員の御提案は今後の検討課題とさせていただきたいと思います。

 以上をもって私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には三点のお尋ねがございました。順次お答えをしたいと思います。

 まず初めに、子育て支援の待機児童対策に関連して、区立幼稚園での三年保育の実施を検討してはとの御提案がございました。

 渋谷区では、就学前の幼児教育と保育を子どもたちの成長・発達段階に合わせて幼児教育プログラムに基づき、区立幼稚園や区立保育園、区内各保育施設で一体的かつ連続的に実施をしております。教育委員会では、この動きに合わせて区立幼稚園を母体とした幼保一元化施設を開設するとともに、区立幼稚園に預かり保育と給食を順次導入し、実施体制の充実を図ってまいりました。

 既存の区立幼稚園に三年保育を導入するに当たりましては、議員が御指摘されたとおり、私立幼稚園との連携の問題や既存の幼稚園園舎ではいずれも施設拡充が困難なことなど、様々な課題がございます。議員御提案の三年保育につきましては、就学前の教育と保育を一体的に実施する取り組みを基本に据え、子ども家庭部を初めとする区長部局とも連携を図りながら問題解決を目指してまいりたいと考えております。

 次に、渋谷区独自のインクルーシブ教育モデル校の設置についてのお尋ねがございました。

 障害のある子どもと障害のない子どもがともに学ぶことは、共生社会の形成に向けて経験を広め、社会性を養い、豊かな人間性を育てるとともに多様性を尊重する心を育みます。

 議員がおっしゃるとおり、ともに学ぶインクルーシブ教育は大変重要です。インクルーシブ教育の取り組みといたしましては、特別支援学級と通常学級の子どもたちが小学校では給食、縦割り班活動、移動教室等での交流や生活科、総合的な学習の時間、英語活動などを共同学習で行っております。中学校でも学年集会、運動会、文化祭等で交流を行うなど、一人一人の教育的ニーズに合わせて各学校で工夫して進めております。

 さらに本区では、小学校においては特別支援教室制度を来年度から開始します。これは、これまでの子どもたちが通級指導学級に通うだけではなく、拠点校となる小学校の特別支援教室に配置された担当の教員が各小学校を巡回し指導を行うものです。一人一人の教育的ニーズに合わせた教育を提供する機会が増えるとともに、内容の充実が図られていくと考えます。

 教育委員会といたしましては、全ての学校で、その実情に合わせ各学校で工夫して取り組むべき特別支援教育の一層の充実を図ることで、インクルーシブ教育をさらに進めていこうと考えているところです。

 次に、特色ある学校づくりにつきまして二点のお尋ねがございました。

 まず、広尾中学校と広尾高校の中高連携についてのお尋ねにお答えをいたします。

 平成二十年から始まった広尾ふれあいコンサートでは、近隣幼稚園・小学校に加え平成二十六年からは國學院大学も参加するなど、充実しております。行事の交流だけではなく、中学生と高校生が同じ授業を受け、高校生が中学生をサポートしたり、中学生が高校生にプレゼンテーションをしたりするなど授業を通した交流も行っています。また、高校生が中学一年生を高校に招き案内をし、中学三年生に進路のアドバイスをしたりしています。そのほか、部活動体験や教職員による授業参観も実施しております。

 このような取り組みを通して、中学生にとっては早い時期から進路への意識づけができ、進学に向けて真剣に考える生徒が増えてきている、また、高校生にとっては中学生への指導や助言をすることで表現力や発表力が向上しているという報告を受けております。

 このように年月を重ね、両校で連携内容を協議し、工夫、改善し取り組んでおります。

 議員がおっしゃる中高一貫校への移行については、東京都教育委員会との調整が必要でございます。中高一貫校を都立校とするか区立校とするかなどの課題もございます。

 次に、特色ある学校づくりとして明確に位置づけられていない原宿外苑中学校と笹塚中学校の状況についてお尋ねがございました。

 原宿外苑中学校につきましては、グローバル人材の育成を根幹に据えた教育活動を展開しております。教育委員会といたしましては、平成二十六・二十七年度研究指定校として授業改善に積極的に取り組む原宿外苑中学校を支えてまいりました。また、笹塚中学校につきましては「豊かな体験活動」を学校教育の根幹に据え、充実した教育活動を展開しております。教育委員会といたしましては、体験活動実施に係る経費の補助などを行っております。

 原宿外苑中学校、笹塚中学校につきましては、これまでの両校の特色ある教育活動がさらに充実し、実を結ぶよう支援してまいります。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 薬丸議員。



◆三十一番(薬丸義人) ただいまは長谷部区長、森教育長より丁寧な御答弁をいただき、まことにありがとうございました。

 シブヤ笑顔の代表質問ですが、今回も提案を中心とした質問とさせていただきました。

 みんなで質問を考えているときは、かなりよい回答をいただけるんじゃないかと期待をしていました。実際には、ちょっと時間がかかりそうなもの、これは難しいのかなというものもありましたが、かなり前向きな御答弁、また多分、前向きな御答弁もいただき、ありがとうございます。

 長谷部区長は各団体の新年会などで皆さんに対して、すぐには実現できない提案でも二、三年後に実現できたり、ほかの提案と組み合わせたら意外とうまくいったりすることもあるので、どんどん提案してほしいとおっしゃられています。区政進展のために今後も様々な提案をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 今回取り上げた質問につきまして、「十八歳の公民」と「選管インターンシップ制度」についてですけども、施策にはタイミングというものがあると思います。まさに今、それをやる意味のある時期だと考えておりますので、是非、選挙管理委員会、教育委員会と御検討を進めていただければと思います。

 また、子育て支援につきましては、渋谷区が本当に努力に努力を重ねてきているというのは十分承知をしているところであります。そうした上で、いろいろ提案をさせていただくのは心苦しいところもあるんですけれども、是非とも、区長もおっしゃられていましたけども、活用できるものは大いに何でも利用していただきたい、そういうふうに思っておるところでございます。

 また、食品ロスのドギーバッグにつきましては、食品衛生の問題があるということでございました。確かにおっしゃられれば行政のほうで食べ残しを持って帰るというのは、保健所を管轄しているところから難しいなという気はいたします。もっとですね、この東京、日本全体的にそういうドギーバッグというものを、気持ちが盛り上がっていく、そういった機運が盛り上がっていくことを願っているところでございます。

 また、教育長からは区立幼稚園の三年保育の検討など、子ども家庭部とも検討していくということで、御検討いただけるような答弁をいただきました。なかなか難しい、ハードル高いところはあるかもしれませんけども、是非前向きにお願いしたいと思います。

 そのほか所見を述べたいところですけども、残り時間もわずかとなってしまいました。これらについては改めて区長、教育長、理事者の皆様と議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、私たちシブヤを笑顔にする会は主役である区民の皆様の声をしっかりと受けとめて、会派の名前のとおり笑顔あふれる渋谷を目指し五人で力を合わせていくことをお誓いし、質問を終わります。

 長時間の御清聴、ありがとうございました。



○議長(木村正義) 九番吉田佳代子議員。



◆九番(吉田佳代子) 吉田佳代子です。本日は民主党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問したいと思います。

 平成二十八年度予算案が議会に提出され、昨年十月末に我が会派が提出した予算要望の内容も多く取り上げていただきました。

 公共施設等総合管理計画システムの導入は、今後、長期的な視点で人口動向に注視しながら行っていく区の運営の効率化が期待できます。高齢化が進む中、今年行われる参議院選挙では初めて有権者が十八歳以上となり、高校生もしっかりと投票を行うためのイベントも計画されています。区の財源確保のために、徴収率が極めて高い口座振替の推進を我が会派は行ってきましたが、口座振替の手続の簡素化の方向も打ち出されました。

 その他、不燃化推進特定整備事業や重度心身障害者在宅レスパイト事業、震災時の障害者の安全確保のための施策やオリンピックに向けた民泊ルールの策定調査費用なども取り上げていただきました。

 さて、現在、渋谷区基本構想の改定と渋谷区長期基本計画の策定を行っているところですが、国は平成二十六年十一月に「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、それに基づく総合戦略案が先日の総務委員会の中で報告されました。

 その中には、三つの目標が掲げられています。一つ目が、賑わいを創出する魅力あるまちづくりの推進、二つ目が、産みやすく、育てやすく、預けやすい町渋谷、三つ目が、ダイバーシティとインクルージョンの推進です。人口動向を分析することで、現状の行政サービスを維持していくために必要な人口を推計し、そのためにやるべきことを計画的、戦略的に行い、上記三つの目標を達成していきます。渋谷区では合計出生率は上昇しており、継続した上昇を維持するための事業として保育園の整備、多様な子育てサービスの充実、子育てを楽しめる環境づくりなどが行われ、その成果を発揮していると思います。

 予算案の中では、児童保護事業、保育所等法外援護、子育て支援事業の予算が含まれている民生費が増額されているなど、区としての子育て支援への意気込みを感じますが、まず、子育て支援について大きく三項目について質問します。

 まず、子どもの貧困についてです。

 高齢化社会が進む中、格差問題も大きな課題です。年金生活の高齢者世帯に加え、働いても働いても生活が厳しい子育て世帯も全国的に増加しており、子どもの貧困も問題になっています。東京都知事は、子どもの六人に一人が貧困状態にあると言及しています。日本で使われる「貧困」という言葉は主に相対的貧困で、「日本人のうち真ん中の所得の人の半分以下の所得で暮らす人」という定義があり、おおよそ四人家族で年収二百五十万円以下とされています。

 さて、区では子どもの貧困の実態を把握しているのでしょうか。もし把握しているとしたら、どのような方法で把握をしているのでしょうか。さらに、その人数はどれくらいいるのでしょうか、区長に伺います。

 さて、東京都は一月十五日、平成二十六年度当初予算案を発表し、子どもの貧困対策として六百八十億円を計上しました。生活に困っている子どもの学習支援や食事を提供する居場所づくりに区市町村が乗り出すのを後押しするため、運営費を補助する事業などを始めるとのことです。

 都によると、ひとり親や貧困状態の子どもを支える「子ども食堂」などが各地で広がっていますが、毎日活動を行えるわけではないので、区市町村がNPO法人に委託するなどした場合に、都が人件費や材料費を補助することで平日も活動できるようにするとのことです。

 各地域で、様々な工夫をして運営が行われています。ある地域では、貧困状態の子どもだけが通えるようにしてしまうといじめにつながりかねないので、誰でも行けて子どもの食事は無料、大人は三百円徴収しているところもあります。お寺を活用しているところもありますし、大人と一緒に料理をつくり、料理を通して保護者や学校の先生以外の大人と向き合う環境を提供しているところもあります。当区もこうした取り組みが必要と考えますが、区長の所見を伺います。

 さらに、学校が長期休暇に入った際には、大切な栄養分を摂取できる給食も休みになってしまいます。そうした環境の子どもがどれぐらいいて、どう把握するのかは重要な課題ですが、放課後クラブで昼食を無償提供などできないでしょうか、教育長の所見を伺います。

 さて、私ども民主党は、以前から給食費の無償化について要望をしてきたところです。給食費の未納問題から始まり、公会計化を提案し、条例案も提出してきたところです。我々が提案している給食費の無償化は、貧困対策や食育の観点、現場の負担軽減など様々な方向性から議論し提案をしているのですが、最終的にはすき間のない子育て支援策として議論されるべき課題ではないかと思います。区長は財源が確保できればというお話をされていましたが、喫緊に行わなければならないすき間のない子育て支援を実現していくには、給食費の無償化を行うべきではないかと考えますが、区長の御所見を伺います。

 次に、学校給食の食品ロスについて伺います。

 さて、食を求めている方がいる一方で、日本の食品ロスは食料消費全体の約二割に当たり、日本人一人当たりに換算すると毎日おにぎりを一個から二個捨てている計算となります。食べ物がまだ食べられるのに捨てられているというこうした実態は、国の課題の一つでもあり、学校給食用調理施設も食品廃棄物を継続的に発生させている主体の一つで、残食率が全国平均六・九%に上っています。

 学校の栄養士さんは、毎日カレーやハンバーグなど子どもたちが好きなメニューだけを提供していれば残食率も低下するだろうが、子どもたちにはバランスよくいろいろな食材を食べてほしいという思いから、残されるだろうと推測されるメニューも出す場合があるそうです。例えば、ひじきや切り干し大根などは最近の子育て世帯では余り食卓に出てこないメニューであり、こうした食べなれない食材については食べ残しが多いと聞いています。

 そこで各自治体は、残食率を減らすいろいろな取り組みをしています。

 場所を変える工夫として、ランチルームを活用し親子での試食会を行うことで残食を減らしたり、また、栄養士が生徒とコミュニケーションをとることで好みの味の工夫などもしています。

 さて、渋谷区の残食率はどれぐらいなのでしょうか。また、学校ごとに格差があるとしたならばどのような要因が考えられるのか、今後どのような対策が必要と考えているのか、教育長に伺います。

 次に、保育園についてです。

 子どもが生まれ、より充実した生活環境を提供するため保護者の方々も努力をし、共働きで家計を支えている世帯は年々増加しています。

 渋谷区は、ゼロ歳から五歳までの保育園対象児の数は二〇一三年四月は九千二百四十四人で総人口の四・三三%だったものが、二〇一六年二月には一万三百六十六人まで増加し、総人口の四・七%まで上昇しました。三年弱で千百二十二人の保育園対象児が増加した結果となっています。

 区の保育施設の定員は四千六十四人となり、対象児童の約四〇%の児童をお預かりできる体制まで進んできました。さらに、平成二十八年度は三百六十人の定員拡大を予定しており、ここ数年で取り組んできた区の努力は大きな評価に値すると考えております。

 人口増加に伴い、幼児の数が増加するという喜ばしい現象が起きている反面、長く渋谷区にお住まいの子育て世帯の方が待機になってしまうケースもあり、保育園希望者の一割から二割が新たに渋谷区に転入されてこられた方と伺っています。

 現在、保育園の入園審査のポイント制度は、渋谷区での居住期間については同順位の場合のみ考慮されますが、明確に規定されているわけではありません。保育園ニーズが高く、また同順位のポイントの世帯が多い中、長く渋谷区にお住まいの方とそうでない方と、何かしらポイントとしての配慮があってもいいのではないかという考えを以前にも申し上げたところですが、前区長のもとでは、全ての子どもを平等にという趣旨から、この提案については受け入れていただけませんでした。

 しかし、こうした状況が継続している中、例えば居住期間三年以上の方にはポイントが優遇されるなど、居住期間という要素をポイントに組み込まざるを得ない状況になっているのではないかと思います。

 もちろん、区への転入は、転勤や親の介護などいたし方ない理由もありますが、運用は一定程度、区の裁量に任されていると思います。区長の御所見を伺います。

 さて、私は以前、スウェーデンの例を御紹介いたしましたが、スウェーデンは保育の申請後三、四カ月以内に保育園に入園させなければならないこととなっており、保育の場が確実に保障され、子どもを産んだ女性が安心して仕事につく機会を提供しています。そうしたことも踏まえたはずの子ども・子育て支援新制度ですが、結果的には定員に空きがなければ入れない。今後、出産後の女性の社会進出をますます進めていくためには、さらにきめ細かな配慮が必要であると考えます。

 渋谷区では歳児によって需要のニーズも異なり、今後、保護者の方々のニーズを事前にどのような形で把握するかが円滑な保育園運営には欠かすことができません。

 その第一段階として、例えばゼロ歳児入園を希望する方は妊娠した時点、もしくは妊娠中に保育園に入園したい旨を届け出ていただいたり、一歳児以降での入園希望者には前年中に翌年度以降の希望を事前に伺っておくことで、区としては将来の保育園の需要予測ができ、また、保護者の方々は将来の生活設計がしやすくなるのではないでしょうか。働きたくてもいつ入園できるかわからないので働けない、短時間労働や求職中では入園できない、せっかく仕事が決まったのに預かってくれる保育園がない、そのような女性が少しでも社会参加がしやすくなる環境整備が必要です。

 以前にもこのことは申し上げたところですが、妊娠、出産の情報を持つ保育所が子ども家庭部に情報を提供することについて、個人情報保護の観点から難しいとの答弁がありました。しかし、私が申し上げている事前受け付けは、あくまでも本人が行うものであります。事前受け付けを行うことで、効率的な保育園運営ができるのではないかと考えますが、区長の御所見を伺います。

 次に、差別のない社会について伺います。

 昨年は、新規事業として「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が制定されました。マスコミにも大きく取り上げられ、十月には第一号の証明書の発行が行われました。全国的に注目され、条例の形式をとらないまでもこの趣旨に追随する自治体もあらわれ、風穴を開けたいとおっしゃっていた区長の目的は一部達成できたのではないかと思いますが、まず、現在までの実績をお聞かせください。そして、これまでに見えてきた課題があれば、その課題に対しどう取り組むのか区長に伺います。

 また、今回の予算案にもダイバーシティとインクルージョンの推進として、性的少数者と区職員の意見交換会の実施や教職員への研修制度の拡充などが予定されていますが、この条例の審査の際に私が一番疑問だったことが、学校教育についての項目でした。

 学校では、性的少数者の可能性のある子どもへの相談体制の構築についての準備を進めており、どちらかというと、まだ先生が生徒からの発信を受けとめる準備の段階であると思います。いずれ学校教育の一環として、先生から生徒へ発信を行い、より差別のない社会をつくる大きな目標を達成していかなければならないわけですが、区長が考えている多様性を尊重する学校教育の展望をお聞かせください。

 次に、区全体のあり方について二点伺います。

 まず、ユニフォームについてです。

 渋谷区では各所管ごとに様々な業務について委託をし、本庁舎や出張所、各施設の窓口業務では区の職員でない方々も区民と接する機会が多いと思います。

 最近、私のところには区民から、区の職員か委託事業者の職員か不明ですが、窓口対応のあり方についてお叱りを受けることが増えているように思います。例えば窓口業務は、ネームプレートには委託事業者の会社名が書かれてはいますが、区の職員と委託事業者の職員が混在していますので、区民にとっては全員が区の職員だと思っている方が多いのではないでしょうか。「職員だと思って質問したら、アルバイトなのでわからないと言われた」「首から提げているネームプレートがポケットに入っていてわざと見えないようにしてある」「ネームプレートの字が小さいし漢字だから読めない」極めつけは、「クールビズの服装がよれよれのシャツを着ていて不潔、だらしない」といったものもありました。

 まずは区の職員にしても委託事業者の職員にしても、公的な立場での意識を改めて認識していただくよう要望いたします。

 そして、私からは一つ提案をさせていただきたいと思います。

 クールビズ時は特に個人のセンスが問われる時期になってしまいます。せっかく渋谷区には数々のファッションの事業者がいらっしゃいますので、ファッション業界と提携をして渋谷らしいポロシャツなどのオリジナルユニフォームを着用してはいかがでしょうか。部署ごとに色を変えて、わかりやすくするのも一つだと思います。

 財源を使わなくても、プロポーザル方式によりユニフォームをつくって広告する権利を取得できるなど、やり方はいろいろあると思いますが、区長の所見を伺います。

 次に、電力自由化に伴う公共料金について伺います。

 区長は区の運営について、経営感覚を持つことを重視されていると思います。そのためには歳入確保と経費節減に努めることが必要ですが、本年四月から電気料金が完全に自由化になります。とはいっても、一定規模の事業者については以前から自由化になっており、渋谷区でも幾つかの電力供給会社と契約を行い、公共料金の節約をしてきたところです。庁舎を初め学校や社会教育館、美術館など順次切りかえてきたと聞いておりますが、その経過と、今後の区全体の考え方を区長に伺います。

 次に、まちづくりについて二点伺います。

 まず、シェアサイクル事業についてです。

 現在、区で行われているレンタサイクル事業は、恵比寿と初台に十台ずつ用意されており、全てが定期貸しになっています。

 さて、東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京都ではシェアサイクルの普及支援に乗り出しました。東京都と江東区、千代田区、港区、中央区の四区は昨年三月三日、シェアサイクルの利用促進に向け自転車シェアサイクル事業における相互協力に関する基本協定を結び、区境を越えて相互乗り入れができる仕組みをスタートしたところです。

 特に千代田区は、二〇〇九年に東京都内で唯一の環境モデル都市に選定されるなど環境施策を重視しており、二酸化炭素排出量削減の一環としてシェアサイクル導入を検討していました。それに加え、東日本大震災以降、自転車利用の増加に伴い違法駐輪の問題も深刻化したため、二〇一四年十月から千代田区コミュニティサイクル事業実証実験を開始していました。プロポーザル方式により事業者の選定を行い、大手通信会社Nが選定されました。

 従来のシェアサイクルのシステムは、サイクルポートで自転車の貸し出し、返却を検知して管理する機械式ラックが必要で、導入コストが高額でした。しかし、Nの仕組みは自転車に利用者の認証をするための通信モジュールのほか位置情報を確認するためのGPSが搭載されています。さらに、自転車を返却するサイクルポートにはビーコンが備えられ、ビーコンと自転車側のモジュールが通信することで返却されたかどうかを判別することができ、サイクルポートの省スペース化が実現できます。

 シェアサイクルの利用登録方法も改善が進み、当初は個人の月額会員、一回会員はインターネット経由のクレジット決済で行い、観光客の利用が多い一日パスは、丸の内に一カ所だけ設置された有人窓口での現金販売のみでした。しかし、二〇一五年二月からは無人登録機の設置も開始され、その場で月額会員、一回会員、一日パスの利用登録ができるようになりました。英語、中国語、韓国語などの外国語対応も進めて、外国人観光客の利用を促進しています。

 採算性の問題は、ポートへの広告掲示は都の景観条例に抵触するため今はできませんが、自転車本体への広告掲載は可能で、広告収入の工夫もできるのではないでしょうか。その他、Nはサイクルシェアリング事業に加え、新たに電動車椅子や足踏み自転車など新しいタイプの乗り物のシェアリングサービス、モビリティシェア構想についても発表しています。

 今後、サイクルシェアリングは当たり前になり、加えて、自転車に限らず電動車椅子や他の移動手段を借りるシステムが必要ではないかと思いますが、区長の所見を伺います。

 最後に、ユニバーサルデザインについて伺います。

 少子・高齢化の進行に伴い、障害の有無にかかわらず活動できる社会を目指すノーマライゼーションの理念やユニバーサルデザインの考え方が広まる中、快適で完全に移動できるまちづくりが推進されています。しかし、区内の公共サインについては、これまで統一の基準がないまま設置されてきたため、様々な課題が生じていました。特に歩行者用の公共サインについては、駅周辺の総合案内板や目的地までの連続的な案内が不足していること、サインに記載された情報が読みとりにくいこと、本来案内が必要とされる場所へのサインが設置されていないこと、表記内容の不統一などが指摘されており、来街者や区民にとってわかりやすい統一的な案内サインや誘導サインの充実が必要とされています。

 一口に公共サインといっても、様々な種類があります。避難場所案内図や住居表示街区案内図など、地域内の所在や位置関係を確認するために地図が表示されている案内サイン、歩行者を目的地まで誘導する誘導サイン、対象物の所在地において名称や用途を示す位置サイン、その他いろいろなサインがあります。

 国土交通省は、統一した指針が存在しない地方公共団体や民間事業者等が設置する主に観光客を対象とする案内標識について、観光活性化標識ガイドラインが示され、異なる設置主体が様々な目的で案内標識を整備する際の指針となりました。

 日本語の話せない外国人が歩いても困らないまちづくりは、高齢者や障害者にとっても優しい町になると思います。ユニバーサルデザインに配慮したマークやサインの表記、多言語対応の推進、強化は以前より議論されてきており、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会が開催されていると思いますが、現段階でどこまで進んでいるのか、進行状況について区長に伺います。

 以上、御答弁をお願いいたします。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 民主党渋谷区議団、吉田佳代子議員の代表質問に順次お答えいたします。

 まず、子どもの貧困について、私への五点の質問について一括してお答えします。

 厚生労働省は国民生活基礎調査において、平成二十四年時点での子どもの貧困率を一六・三%と示しております。この意味で、本区における子どもの貧困率は把握しておりませんが、本区においても一定程度、生活に困窮されている方がいらっしゃいます。本区としては独自の調査を行い、早い段階に生活に困窮されている方の生活実態の把握に努めていきたいと考えています。

 国は平成二十六年一月に、いわゆる子どもの貧困対策法を施行し、昨年十二月、子供の未来応援国民運動を掲げ、学習支援、居場所の提供、親に対する養育支援など本格的な取り組みを開始しています。本区においても本年二月、ボランティアの皆様のお力により恵比寿地区に「恵比寿じもと食堂」が誕生し、大変好評であったとお聞きしておりますし、ほかにも高い関心を持っている方がいらっしゃいます。

 本区では、こうした活動を単なる貧困対策としてだけではなく、子どもたちの健全育成にも配慮したトータル支援、例えば「(仮称)子どもテーブル」として、食事の提供のみならず、学習支援や親の養育支援なども実施したいと考えています。そのためには区民の方のニーズやその実態を把握するとともに、ノウハウを持つ民間企業やNPO法人などの協力を得て、実現できるよう検討してまいります。

 また、給食費の無償化につきましては、貧困対策という意味では就学援助を行っている御家庭では無料となっており、実現しておりますので、他の施策とあわせて総合的な観点から検討すべきものと考えています。

 次に、保育園について二点の御質問にお答えいたします。

 まず、入所選考に当たり、居住期間三年以上の方にはポイントが優遇されるなど、居住期間という要素をポイントに組み込んで差をつけてはとのことですが、このことにつきましては先ほど渋谷区議会公明党、栗谷順彦議員にお答えしたとおりでございます。様々な御意見を頂戴している現状もあることから、この先、基準を含む保育園入園選考基準につきましては、次年度以降の募集に向け見直しを行う予定です。

 次に、妊娠中や出産時点に事前受け付けを行ってはどうかとのことですが、本区では待機児解消に努めるため、新たな認可保育所や認定こども園、区立保育室などを集中的に整備し、最近三年間でも千百人以上の定員拡大を図ってまいりました。

 しかしながら、保育園の申込者数が増加し、待機児が発生している状況において、生後五十七日を経過していないお子さんの保育の枠を事前に確保することにつきましては、現状、待機児の増加傾向がある中では、その枠を継続的に確保することは困難であります。まずは保育施設の整備を優先させ、保育事前受け付けの導入につきましては今後の課題とさせていただきます。

 次に、差別のない社会についてのお尋ねであります。

 まず、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づく取り組みについて、現在までの実績と課題についてのお尋ねであります。

 本区において、いかなる差別もあってはならないという人権尊重の理念と多様性への理解を広めていくためには、本条例の趣旨や理念を区民全体で共有していく必要があります。このため、本条例については広報紙やホームページなどで広く周知を図り、また、女性団体や教育関係者、事業者の会合の場などでも個別に説明を行ってまいりました。さらに、男女平等の実現に向けた理解促進や多様な性の理解に向けた講座等も定期的に開催しています。

 さらに、性的少数者の方々が抱える社会的困難への対応として、区営住宅、区民住宅の入居資格や区職員互助会における福利厚生としての給付金の対象にそれぞれ同性パートナーを含めるための規定の改正も行いました。

 また、専用の相談窓口を設け、悩みや不安を抱えている当事者の方やその家族の方々にも対応しているところです。

 こうした本区の取り組みに関連して、企業等の意識にも変化が生まれており、生命保険、携帯電話、その他サービスでの取り扱いや社員の福利厚生や社内行動指針等の見直しなど、具体的な対応が広がってきています。

 現在、パートナーシップ証明書は八組の方に交付していますが、重要なことは、マジョリティとされる人々の意識の変化だと考えています。このため、今後も引き続き条例の趣旨等についても啓発を進めるとともに、レインボーリボンの作成等を通じて、何よりも区役所がよき理解者となり、その理解の輪を地域社会全体に広げていきたいと考えています。

 次に、差別のない社会づくりに向け、多様性を尊重する学校教育の展望について私がどう考えるかのお尋ねです。

 昨年十一月に作成した渋谷区教育大綱において、人間が持つ多様性を理解し、人種、性別、年齢、障害の有無などにより差別されることなく人として尊重され、自己実現できる教育を学校教育の基本方針として示しております。

 性に違和感を感じ、悩んでいる子どもに対しましては、相談体制という待ちの姿勢ではなく、教師が児童・生徒に働きかけていくことも大事であります。平成二十七年度、教育委員会では校長、副校長、養護教諭を対象に研修を行いましたが、平成二十八年度は生活指導主任、人権教育担当者、十年次研修者を対象に研修を拡大し、能動的に対応できるよう体制の強化を努めておりますので、それを支援してまいりたいと考えています。

 次に、区役所のあり方についてのお尋ねですが、最初に、区の職員にしても委託事業者の職員にしても、公的な立場での意識を改めて認識してほしいとの御要望をいただきましたが、今後、窓口における接客マナーについては改めて徹底してまいりたいと思います。

 また、クールビズ期間に職員のユニフォームをつくってはどうか、ファッション業界と提携したり、財源を使わないでプロポーザル方式で広告する権利を取得したりとの御提案であります。

 私が昨年、区長に就任した直後に、地球温暖化防止及び省エネルギー対策の一環として、区役所及び庁外施設の適正冷房の実施やノーネクタイ・ノージャケットなど軽装での勤務を推進する、いわゆるクールビズの実施を進めてまいりました。クールビズ推進委員を指定し、軽装勤務に当たってはファッション、デザイン、文化の発信基地としての本区にふさわしい、おしゃれでファッショナブルなビジネススタイルの定着推進を図ったところであります。その際、職員には、対応する区民に不快感を与えないよう、あくまで公務員としての品位と信用を損なわない範囲でのおしゃれな服装の敢行について指示をしたところであります。

 議員御提案のユニフォームについては、区役所内での職務内容は様々で、窓口職場であっても税の徴収部門やケースワーカー業務など、一律にユニフォームを導入することが区民対応関係において適切なのかどうか、また、企業広告入りのユニフォームを日々、職員が着用することが特定企業の営利目的との関係においてふさわしいかなどの課題もあります。いずれにいたしましても、クールビズ期間中の服装を含め、職員による日々の区民対応はそのまま区に対する評価につながりますので、区民の信頼性確保の観点から、引き続き職員の接遇力と窓口サービスの向上に努めてまいりたいと思います。

 ただ、いただいたアイデアについてはですね、検討していきたいと考えております。

 次に、電力自由化に伴う公共料金についてのお尋ねですが、渋谷区では、平成二十二年四月から清掃工場のごみ焼却時のエネルギーを活用してつくられた安価な電力を区内の学校に供給を受けて以来、区庁舎、社会教育館、美術館を初め区民施設、スポーツ施設などに対象を広げ、より利用料金の安い新電力会社から供給を受けているところです。

 平成二十八年四月からは新たな電力会社の参入により、家庭や商店などを中心に電力会社を選べる電力の全面自由化が実施されます。渋谷区においても今後、より電力会社の選択の幅が広がる状況を踏まえ、経済性にすぐれた新電力会社の導入を進めてまいります。

 また、平成二十九年度以降予定されているガスの自由化への対応については、検討していきたいと考えています。

 続いて、シェアサイクリング事業についてのお尋ねです。

 シェアサイクル事業は、観光客への身近な交通手段、自動車による交通渋滞の緩和や放置自転車対策等、様々な効果をもたらす新たな交通システムとして、東京オリンピック・パラリンピックを契機に広く普及することが期待されています。

 現在、渋谷区内におきましては民間のシェアサイクル事業者が既に幾つかのサイクルポートを民間施設内に設置して、事業を展開しているところです。本区といたしましては、シェアサイクル事業のさらなる普及のため、公共施設を活用したサイクルポートの設置を支援し、民間事業者主導での区内のシェアサイクル事業を推進していきたいと考えます。

 なお、社会実験を始めている四区のシェアサイクル事業とのシステムの互換性が必要と考えています。

 また、電動車椅子や他の移動手段についてもシェアサイクリング事業に加えてはいかがという御提案ですが、ニーズの有無や電動車椅子等の管理など様々な課題があることから、今後の研究課題とさせていただきます。

 次に、多言語対応協議会の進行状況についてのお尋ねでありますが、多言語対応協議会は、平成二十六年三月に国、関係自治体、民間の参画のもと、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、表示・標識等の多言語対応を官民一体で推進するために設置され、六十二の機関、団体で構成されています。

 昨年十二月に開催された直近の第四回協議会では、平成二十六年十一月に策定された交通分野、道路分野、観光・サービス分野と大きな分野別の取り組み方針を受けて、各分野別の現在の取り組み状況や事例の紹介、今後の計画等の報告を受けたところです。

 渋谷区では、他自治体での有効な事例等も参考にしながら、多言語対応の携帯アプリを導入した観光案内や、渋谷駅周辺再開発では国内外からの来街者にわかりやすい案内サイン等を研究しています。今後も東京都や関係機関と連携しながら、渋谷を訪れる方にとって言葉のバリアフリーが実現できるよう検討を進めてまいります。

 以上、私からの答弁といたします。



○議長(木村正義) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には二点のお尋ねがございましたので、順次お答えをしていきます。

 まず、子どもの貧困対策として、学校の長期休業中に放課後クラブで昼食を無償提供できないかとのお尋ねでございます。

 子どもの貧困問題は様々な要因に起因するものであり、その対策には区の関連部署が連携し、抜本的かつ総合的に取り組む必要があると認識しております。当該小学校の全児童を対象にして教育事業として実践をしている放課後クラブにおきましては、貧困児童だけを選んで無償で昼食を提供することは運営上、困難であると考えております。また、一律網羅的に昼食を無償で提供する対応が、直ちに子どもの貧困対策になるとは考えにくいと思っております。

 昼食を無償で提供するといたしましても、施設状況、運営体制ばかりではなく、食の安全、アレルギー対応等、様々な課題の解決が必要となるところでございます。教育委員会といたしましては、子どもの貧困対策に対する全庁的な検討を経て、教育現場が担うべき対応を行ってまいりたいと考えております。

 次に、学校給食における食品ロスについてのお尋ねです。

 学校給食は教育の一環として、食事を通じて児童・生徒の体を育て、心を育てることを目的としております。また、学校給食は必要な栄養を摂取し、健康増進を図るという目的ばかりではなく、望ましい食習慣を身につけ、我が国の伝統的食文化を理解し、食べ物は自然の恩恵の上に成り立っていることを知る食育の貴重な機会としております。

 残食率のお尋ねがございました。残食率は、食べる前の食物の重さと食べ残しの重さにより算出いたします。加工食品や調理済み食品であれば提供前の重さの表示があり把握が容易ですが、栄養士の献立に基づき自校調理方式で調理をしている渋谷区の学校給食では、温かいまま効率的に配食するための時間的制約等があるために、現状、調理した給食の重さの計測は困難なところでございます。

 したがいまして、渋谷区では残食率は把握はしておりませんが、平成二十八年一月の各校の食べ残しの量から推計をいたしますと、一人一食当たり平均約二十五グラム程度であることから、渋谷区では、議員のお話にありました残食率六・九%よりはかなり低いものと推定をしております。

 また、一人当たりの食べ残し量を見ましても、学校による差異は少ないところです。

 渋谷区の学校給食は、あきたこまち米による米飯給食を基本としており、だしの味を大切にし、旬の食材や季節感を取り入れ、自校調理方式のメリットである食べる時間に合わせた調理と配膳を大切にした手作り給食を実施しています。おいしい給食を提供することが食べ残しを減らし、食育活動を推進していく原動力となるところです。

 今後とも、学校給食の運営には最善の注意を払ってまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(木村正義) 吉田議員。



◆九番(吉田佳代子) 一点だけ再質問をさせていただきたいと思います。

 貧困対策についてなんですが、今のところ実態把握、それから人数の把握はされていないということで、これから独自の調査を行うという答弁だったと思うんですけれども、この独自の調査というのを伺いたいと思います。

 貧困の定義なんですけれども、私は質問の中で述べさせていただきましたが、渋谷区で捉えている貧困の定義というのが、国が言っている定義をそのまま引用して考えられているのかということもございます。それについても、一点と言いましたが二点ですけれども、よろしくお願いいたします。

 それから、意見だけ述べさせていただきたいと思います。

 給食費の無償化については、我が会派は以前から申し上げてきたところですけれども、就学援助については既に、おおよそ私が聞いている範囲では九千万円ぐらい使っているという話も聞いております。無償化をする試算としては、三億だったり四億だったりという話も聞いておりますが、私どもが考えているのは貧困対策だけではなくて、食育の観点や、またこの事務の効率化なども考えておりますので、また改めて今後、検討をいただきたいというふうに思っております。

 それから保育園については、入園基準については正しい、間違っているというのではなくて、本当に皆さん入りたくて、いかに公平なのかということかなというふうに思っております。そういった意味では、やはり渋谷区で長く経済活動を行ってまちに貢献してきた方がなかなか入れないというのが公平なのかなというふうに思います。

 また、事前予約についてはですね、今後の課題ということでありますけれども、推計をする上では、やはり役立つ情報ではないかなというふうに思いますので、これもまた今後の課題として御検討をいただきたいと思います。

 また、差別のない社会についてでありますけれども、まだ日本の学校では同性愛について教えることをちゅうちょしてしまう、そんな風潮があると思います。年齢がいつならいいのかとか、また、性に関することは個人的なことなので学校が介入すべきではないとか、そういった理由が掲げられているわけですけれども、やはりいつか学校の先生が明確なメッセージを打ち出さなければならないときが来るのではないかと思いますので、時間をかけて、保護者の方々の意見なども十分に考慮して、また前に進んでいっていただきたいというふうに思います。

 それでは、再質問のほうよろしくお願いいたします。



○議長(木村正義) 吉田議員、二点だけですね。



◆九番(吉田佳代子) はい。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 吉田佳代子議員の再質問にお答えします。

 貧困についてのお答えです。一括してお答えします。

 というのは、現在、区では貧困の実態というのを正確にはやはり把握していません。これは正直に申し上げます。ただ、御指摘のとおり、これを把握する必要があるというふうには強く感じております。

 ただ、これを正確に把握するというのはなかなか難しいなというのも、一方、課題としてあります。所得が低いからイコール貧困という考え方は、なかなか難しいんじゃないかというふうに思っております。ですので実態をどうやったら把握できるかというのをですね、御指摘いただいて、今まさに検討を始めているところです。ですので是非、税や会計に精通している吉田さんの提案もお待ちしておりますし、これは僕らだけで考える課題ではなくてですね、どうやったら正確に、もしくは正確に近づける、もしくはいろんな指標を勘案してある程度推計する、多分そういった形で貧困の実態を把握するという課題に近づけるという形で答えを導くというかですね、今、そういった状況なんです。

 ですので、ちょっと明確な答弁がないんですけども、現状を正直に申しましてですね、御理解いただければと思います。どうぞよろしくお願いします。



○議長(木村正義) 吉田議員。



◆九番(吉田佳代子) 再々質問、すみませんが、させていただきます。

 今ですね、今回、要旨を見ますと、この貧困の答弁は子ども家庭部青少年対策課と、あと福祉部生活福祉課の所管となっているかと思うんですが、実際にこれから区長がやられていく場合、教育委員会も関係部署だと思いますし、そのほか、国の定義を引用する場合は所得が関係してきますので、区民部のデータなども必要になってくるかと思うんですね。役所というのはなかなか縦割りで、個人情報の問題とかもありますので、この個人情報の垣根を超えて、データを共有してやっていっていただけるのかということだけ質問したいと思います。



○議長(木村正義) 再質問ですか。



◆九番(吉田佳代子) はい。



○議長(木村正義) 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) 吉田佳代子議員の再々質問にお答えいたします。

 先ほど申したとおりではあるんですけども、やはりちょっと今、まだ具体的にどうするというのが見えないんです。正直言って考えがまとまっていません。ただ、言ったように、各所管をですね、またいでの課題であるということは認識しています。個人情報の観点も、おっしゃっていたようにあります。ただ、名前を伏せてですね、所得だけを出してそれを計算するということはできるんじゃないかとか、そういうことについても、デリケートな課題ですから、それはしっかりちょっと検証、検討してですね、お答えしたいなと思いますので、今日のところはこれで御理解いただければと思います。

 よろしくお願いします。

   〔「終わります」の声あり〕



○議長(木村正義) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(木村正義) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から三月三十一日までの二十九日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は二十九日間と決定いたしました。

 議事進行上、日程第二から日程第六までを一括議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について



△日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について



△日程第四 諮問第三号 人権擁護委員の候補者について



△日程第五 諮問第四号 人権擁護委員の候補者について



△日程第六 諮問第五号 人権擁護委員の候補者について

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○議長(木村正義) 提案理由の説明を求めます。

 長谷部区長。



◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました諮問五件は、人権擁護委員の任期の満了に伴い、法の規定するところにより、その候補者を推薦するため提出するものであります。

 諮問第一号は大川育子氏、諮問第二号は中馬民子氏、諮問第三号は若江健雄氏、諮問第四号は木村千鶴子氏、諮問第五号は松居智子氏の各氏でございます。

 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。



○議長(木村正義) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 以上五件は、それぞれ委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、以上五件はそれぞれ委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから日程第二を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、大川育子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 これから日程第三を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、中馬民子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 これから日程第四を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、若江健雄氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 これから日程第五を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、木村千鶴子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 これから日程第六を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、松居智子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(木村正義) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明三月四日午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後七時四十七分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   木村正義

渋谷区議会副議長  沢島英隆

渋谷区議会議員   堀切稔仁

渋谷区議会議員   田中正也