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東京都 渋谷区

平成26年 11月 定例会(第4回) 11月27日−14号




平成26年 11月 定例会(第4回) − 11月27日−14号










平成26年 11月 定例会(第4回)



        平成二十六年 渋谷区議会会議録 第十四号

 十一月二十七日(木)

出席議員(三十二名)

  一番  斎藤竜一      二番  佐藤真理

  三番  下嶋倫朗      四番  久永 薫

  五番  沢島英隆      六番  治田 学

  七番  佐々木弘明     八番  伊藤毅志

  九番  薬丸義人      十番  長谷部 健

 十一番  笹本由紀子    十二番  堀切稔仁

 十三番  前田和茂     十四番  松岡定俊

 十五番  栗谷順彦     十六番  古川斗記男

 十七番  須田 賢     十九番  岡田麻理

 二十番  小?政也    二十一番  田中正也

二十二番  牛尾真己    二十三番  新保久美子

二十四番  五十嵐千代子  二十五番  丸山高司

二十六番  木村正義    二十七番  染谷賢治

二十八番  広瀬 誠     三十番  吉田佳代子

三十一番  鈴木建邦    三十二番  芦沢一明

三十三番  苫 孝二    三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

欠番    十八番 二十九番

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    副区長           千葉博康

    副区長           水村信行

    企画部長          浅川和憲

    文化・都市交流担当部長   植竹ゆかり

    総務部長          斉藤則行

    施設整備担当部長      秋葉英敏

    庁舎総合対策部長      佐藤賢哉

    庁舎建設技術担当部長    秋葉英敏

    危機管理対策部長      柳澤信司

    区民部長          松澤俊郎

    福祉部長          安蔵邦彦

    子ども家庭部長       倉澤和弘

    健康推進部長        広松恭子

    都市整備部長        大澤一雅

    渋谷駅周辺整備担当部長   須藤憲郎

    土木清掃部長        黒柳貴史

    清掃担当部長        星野大作

    教育委員会委員長      小野ヒサ子

    教育委員会教育長      森 富子

    教育振興部長        児玉史郎

    生涯学習・スポーツ振興部長 児玉史郎

    選挙管理委員会委員長    福田昭子

    選挙管理委員会事務局長   吉田恭子

    代表監査委員        竹田 穰

    監査委員事務局長      中島豊六

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事務局職員

事務局長  久保田幸雄   次長    藤田暢宏

議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏

議事主査  真下 弘    議事主査  高木利樹

議事主査  武田真司    議事主査  石川研造

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      平成二十六年第四回渋谷区議会定例会議事日程

             平成二十六年十一月二十七日(木)午後一時開議

日程第一       会期決定の件

日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について

日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について

日程第四 諮問第三号 人権擁護委員の候補者について

日程第五 議案第五十五号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第六 議案第五十六号 渋谷区公契約条例の一部を改正する条例

日程第七 議案第五十七号 渋谷区笹塚駅前区民施設条例

日程第八 議案第五十八号 渋谷区地域交流センター条例の一部を改正する条例

日程第九 議案第六十六号 渋谷区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第十 議案第六十七号 渋谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一 議案第六十八号 渋谷区教育委員会教育長の給与、旅費及び勤務条件に関する条例の一部を改正する条例

日程第十二 議案第六十九号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第十三 議案第六十一号 渋谷区清掃及びリサイクルに関する条例の一部を改正する条例

日程第十四 議案第六十号 渋谷区保育料等徴収条例及び渋谷区立保育園条例の一部を改正する等の条例

日程第十五 議案第六十二号 渋谷区立幼稚園条例及び渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例

日程第十六 議案第六十三号 渋谷区立図書館条例の一部を改正する条例

日程第十七 議案第七十号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第十八 議案第五十九号 渋谷区立敬老館条例の一部を改正する条例

日程第十九 議案第六十四号 平成二十六年度渋谷区一般会計補正予算(第四号)

日程第二十 議案第七十一号 平成二十六年度渋谷区一般会計補正予算(第五号)

日程第二十一 議案第七十二号 幡ヶ谷原町住宅改築工事請負契約

日程第二十二 議案第六十五号 特別区道路線の廃止について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(前田和茂) ただいまから平成二十六年第四回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、八番伊藤毅志議員、二十六番木村正義議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔久保田事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は、次のとおりであります。

 桑原区長、千葉副区長、水村副区長、浅川企画部長、植竹文化・都市交流担当部長、斉藤総務部長、秋葉施設整備担当部長兼庁舎建設技術担当部長、佐藤庁舎総合対策部長、柳澤危機管理対策部長、松澤区民部長、安蔵福祉部長、倉澤子ども家庭部長、広松健康推進部長、大澤都市整備部長、須藤渋谷駅周辺整備担当部長、黒柳土木清掃部長、星野清掃担当部長、小野教育委員会委員長、森教育委員会教育長、児玉教育振興部長兼生涯学習・スポーツ振興部長、福田選挙管理委員会委員長、吉田選挙管理委員会事務局長、竹田代表監査委員、中島監査委員事務局長。

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 監査委員から、平成二十六年九月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。

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○議長(前田和茂) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成二十六年第四回区議会定例会を招集し、提出議案について御審議をお願いすることとなりました。この機会に当面の区政の課題について御説明申し上げ、区議会議員各位及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 今月五日から七日まで、「認知症のケアと予防」をテーマに、WHO(世界保健機関)、各国政府関係者や医療従事者等が参加する国際会議が東京で開かれました。

 我が国の認知症患者は四百六十万人、全世界では四千四百万人を超えると言われており、高齢化に伴う認知症患者の増加は、少子高齢化が急速に進む日本だけではなく、世界各国にとって大きな課題となっております。

 本区では、認知症の早期発見・早期対応のため、医師、看護師等の専門家で構成される「認知症初期集中支援チーム」を立ち上げるなど、いち早くその対策に取り組んでまいりました。しかし、軽度認知障害と呼ばれる予備軍を含めれば、六十五歳以上の高齢者の四人に一人が該当するとも言われる中、的確で効果的な支援策を実施していくには、総合的で組織的に現場を知りつつ、対応していくことが必要であります。そのため、十一月一日付で、総合的な認知症対策を担当する組織を設置いたしました。

 認知症は、現状では、病気の進行をとめたり、回復することはできませんが、進行を遅らせることはできるとされ、それだけに適切な医療と良質の介護の提供が重要であります。したがって、今後、認知症患者や家族が集まって食事会や情報の交換をしたり、相談会を開いたりするため、「認知症カフェ」や介護人材の育成あるいは医療介護の相談・助言を行う総合的な地域拠点を設置し、担当課長に対処させたいと考えます。

 他方、コンピューティング・システムのクラウド化やいわゆるビッグデータの活用など、民間における情報化は、さらに進展しております。そのような中で、本区においても、来年秋に導入が予定されているマイナンバー制度への対応に万全を期するため、新庁舎におけるワンストップ総合窓口及び各種サービスの実施を支えるシステムのあり方を検討するため、新公会計制度導入や財務会計システムの更新など、ICTの戦略的活用について、多面的に検討し、迅速に対応するための専管組織も同時に立ち上げました。

 今後も、区政各般の課題を的確に捉え、柔軟に対応するため、組織改編を行う等、諸課題に適切に対応してまいります。

 初めに、総合庁舎の建替えについてであります。

 渋谷区新庁舎及び新公会堂整備計画(案)については、民間事業者との基本協定締結後も、建設コストの高騰等の課題等に対し、民間事業者と協議し、計画の素案ができ上がりました。十一月九日には渋谷区ニュース・庁舎建替え特集号を発行し、その概要について区民に周知するとともに、渋谷区役所を初め四会場で五回にわたって説明会を開催し、御意見や御要望をいただいているところであります。

 今後は、引き続き、募集期間中にいただいた区民の意見や区議会からの御提言をできるだけこの整備計画案に反映しながら、計画を進めてまいりたいと存じます。

 なお、建設費高騰や消費税負担のために、新たに必要となる定期借地権相当額の引き上げ額や、整備計画に沿った定期借地権設定位置の見直しなど、基本協定等の内容の変更が必要であり、改めて、基本協定の変更等について、区議会の議決をいただく予定でおります。

 次に、子育て支援についてであります。

 本区は、これまでも、様々な手法を活用し、かつ、財政を集中投入して、保育施設の整備を推進してまいりました。平成二十一年度以降では、千人を超える大幅な定員拡大を行いましたが、残念ながら本年四月、百二十人だった待機児は、十月一日現在、二百七十五人となっております。

 例年にない特徴として、その六割がゼロ歳児であることです。先月二十七日から始まった平成二十七年度の保育園の申し込みに、毎日大勢の方が手続のため来庁される姿を目にしますと、引き続き、来年四月に向け、実効性のある待機児対策を早急に実施し、保護者の御期待に応えたいと存じます。

 そのために、新たに西原一丁目に開設する「西原保育園ゆめ」八十二人、緊急対策として、広尾保育園仮設園舎及び初台保育園仮設園舎を区立保育室として引き続き活用することにより、各七十四人、計百四十八人、さらに、総合耐震改修を行う代々木保育園及び初台保育園に加え、その他既存園でも定員拡大を行うことにより八十八人の合計で三百人を超える定員拡大を確保できるよう、着実に計画を進めてまいります。

 また、来年四月施行の「子ども・子育て支援新制度」にあっても、全国トップクラスの保育水準を維持できるよう、引き続き保育料を初め、多様な子育てニーズに適応したサービス、良質な保育・教育を提供する保育環境の整備を進めてまいります。

 そのため、本定例会に御提案の「保育料等徴収条例」の一部改正案では、新制度移行に伴い保育料の算定基礎が所得税ベースから住民税ベースに変更されますが、保育料の設定に当たっては、保護者負担が増加することのないよう、各階層の保育料額や階層幅について、きめ細かく配慮してまいります。

 あわせて、本区独自の保育料軽減制度について、継続実施することとし、実施に当たっては、保護者の負担感を軽減するため、平成二十七年度分から、これまでの償還払い方式を変更し、当初から軽減後の額で通知することといたします。

 なお、本定例会では、保育料等徴収条例のほか、「子ども・子育て支援新制度」の実施に関連する条例として、保育の実施に関する条例及び区立保育園条例についても、改廃を提案しております。

 次に、教育についてであります。

 「子ども・子育て支援新制度」では、その一環として学童保育の待機児対策を行うこととしており、国は、放課後事業の設備及び運営の基準の制定を求めています。

 しかし、本区では全国に先駆けて、平成十九年から全小学校において、保護者の「就労にかかわらず」全ての児童を対象とする「放課後クラブ事業」を実施し、学童保育の待機児問題は、既に過去のものとなっており、子どもたちにとって、渋谷区のやり方が定着しております。また、国の基準は、クラブ人数に対し拠点となるべき教室を「画一的」に設置することを求めるものですが、本区は、拠点となるクラブ室は、物理的に国の基準に沿うことはできないところがあるとしても、総合的に学校の体育館・校庭・図書室・余裕教室を有効に活用し、ゆとりある放課後の時間を過ごせるよう工夫をしたいと考えます。

 本区の「放課後クラブ事業」は、学校施設という安全な環境のもとで、友達と余暇時間をスポーツやゲームで楽しむなど、健やかに放課後の時間を過ごすとともに、宿題や反復学習による学習習慣の定着を図るものです。さらに、各学校が一人ひとりの習熟度に合わせて、基礎基本の定着と発展的な学習の少人数指導を行う「土曜放課後学習クラブ まなびー」とも連携した独自の取り組みであります。

 このような「放課後クラブ事業」は、地域の実情に即し、本区独自の創意による自主事業として維持・継続し、充実を図ってまいります。

 本年十月から、四校で実施している就学前オープンスクールは、渋谷区の乳幼児教育の現状を踏まえて導入している「渋谷区幼児教育プログラム」の最終段階を担う教育活動であります。

 小学校入学に当たっては、基本的な生活習慣を身につけ、友達や大人との関係が理解でき、自分から社会のルールに従う心の育ちが必要となります。四校での取り組みに基づく就学前オープンスクールのプログラム開発に合わせ、渋谷区独自の就学前教育の充実を図るため、来年度には、全校で就学前オープンスクールを実施してまいりたいと存じます。

 次に、障害者福祉についてであります。

 今年度は、障害者保健福祉計画及び障害福祉計画の改定期であり、現在、渋谷区自立支援協議会での審議をお願いし、計画の策定に向けて検討を進めております。

 これまでも、施設整備のための区独自の助成制度等を設け、民間事業者の誘致を図ってまいりましたが、今回、さらに区の管理施設等を提供し、民間事業者が参加しやすい環境をつくりたいと存じます。

 また、代々木山谷小学校開校後の代々木小学校跡地複合施設(仮称)については、地域の方々の御意見をいただきながら、防災拠点としつつ、保育園を中心に区民集会施設とするほか、その施設の一部を利用して障害者の通所施設を拡充してまいりたいと存じます。

 次に、「再資源化の促進」と「ごみの減量化」についてであります。

 本区は、これまで、「廃棄物の再資源化」を積極的に促進するとともに、「最終処分量の削減」など、廃棄物の適正処理を図ってまいりました。

 この結果、区が収集するごみは、この五年間で約一割、削減できましたが、民間事業者が収集する事業系ごみ量は、多少の増減はあるものの、この二年間は増加傾向にあります。

 加えて、今後、渋谷駅周辺開発を初め、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、相次いで大規模な事業所ビルの建設が予定されており、それに伴うごみ量の増加による環境負荷への影響や区の負担の増大が必至の情勢であります。

 一部事業者においては、建設時に独自に「バイオマス」を設置し、ガス発電を行い、その発電した電力を照明に利用することにより、ごみ減量と資源エネルギー化の両立を図る取り組みが検討されております。しかし、このような地域エネルギー資源の活用、低炭素まちづくりに向けた取り組みは、まだまだ限定的であります。

 事業活動に伴って生じた廃棄物は、法律上、事業者は自らの責任において適正に処理するとともに、「廃棄物の再利用」等によりその減量に努めることにとどめられており、区においても一定規模の大規模建築物の所有者に対し、廃棄物管理責任者の選任、再利用計画書の作成・提出を義務づけるなど、再利用化を促してまいりました。しかしながら、再利用の割合は、ようやく五割に達したところであります。

 そのため、さらなる「再資源化の促進」と「ごみの減量」を図り、資源循環型社会を目指す観点から、事業用大規模建築物の再利用率を「数値」として明確に義務づけるなど、事業者の再資源化への取り組みを促すための規定を盛り込んだ条例改正案を提出することといたしました。

 今後も区民、事業者として来街者並びに区が一体となって、環境の保全・創出に向けた取り組みを進め、環境にも配慮した都市空間を形成し、世界に向けた魅力を発信できるまちの実現を図ってまいります。

 次に、公契約条例についてであります。

 本区は、平成二十四年六月に、二十三区で初めて、全国でも五番目という早い時期に、公契約条例を制定し、二十五年一月から施行いたしました。

 この条例の運用に当たっては、まずは条例の「目的や制度の着実な定着を図る」ことが重要であるとの考えから、対象を一定規模の「工事請負契約」に限り、成果を上げてまいりました。

 しかし、今後は、さらに区民サービスの質の向上や安心して働くことのできる地域社会の実現のため、条例の適用範囲を拡大する必要があると考え、労働報酬審議会の御審議をお願いしたところでありますが、その答申を踏まえ、これまでの工事請負契約に加え、新たに「業務委託契約」及び「指定管理協定」についても対象とする条例改正案を提出しております。

 内容として、施設等の清掃や保育室運営、給食調理の業務委託契約や指定管理協定について適用することとし、あわせ「労働報酬下限額の基準の見直し」を行うものであり、これによって適正な労働条件の確保、そして区民サービスの向上につながるものと考えております。

 最後に、「河津さくらの里 しぶや」についてであります。

 本施設は、幅広く区民の健康増進に資する二カ所目の区民保養施設として設置し、去る十月二十七日にオープンいたしました。

 しかし、本施設のうち「東館」については、約五十年前の建物であることから、開設と並行して耐震診断を実施しましたが、その結果、耐震強度が大浴場を中心に低いことが判明しました。

 そのため、対応策として、「東館及び大浴場」を移設新築することとし、その経費を補正予算として計上いたしました。工事が終了するまでの間、本施設から徒歩三分程度のところにある河津町営の温泉施設を利用しながら、本館での営業を継続してまいります。

 この間、利用者の皆様に大変御不便をおかけすることになりますが、どうぞ御理解と御協力をお願い申し上げます。

 以上、本定例会には、追加議案を含め、条例案十四件、平成二十六年度一般会計補正予算案二件、契約案件一件、道路認定一件、人権擁護委員の諮問三件を提出しております。

 よろしく御審議のほどお願い申し上げ、私の発言といたします。

 ありがとうございました。

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○議長(前田和茂) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 一番斎藤竜一議員。



◆一番(斎藤竜一) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、大きく八点、区長並びに教育長に質問いたします。

 初めに、新庁舎建替えについて区長に伺います。

 十一月九日に発行された区ニュース特集号において、新庁舎・新公会堂の整備計画(案)の内容が、明らかにされました。

 新庁舎の建築に当たり、「安全・安心」、「環境にやさしい」、「機能性」の三つの重点整備目標を定め、このうち、最も重要である「安全・安心」を実現するために、「高い耐震性能と震災後の災害対応機能の整備」、「防災備蓄倉庫の設置と帰宅困難者の受け入れ対応」の二つの目標を掲げています。

 また、「環境にやさしい」では、「自然エネルギーや省エネ機器を活用したすぐれた環境性能を持つスマート庁舎の実現」、さらに、「機能性」では、「将来のフレキシブルな行政運営への柔軟な対応」、そして「区民に身近で親しみやすい区議会をレイアウトする」と定めています。

 新庁舎は地上十五階、地下二階建てで、一階と十五階には「区民交流ゾーン」、二階と三階に「総合窓口ゾーン」、十三階は「議会ゾーン」となっており、各所に区民のための発表の場や相談の場が配置されており、区民が集える憩いの空間を目指しています。

 「議会ゾーン」では、欧州調査訪問団の成果を取り入れて、区民が訪れやすく傍聴しやすい議場を整備するなど、議会を身近に感じられるような工夫をしています。さらに、議場は二層吹き抜けの明るく開放的な空間とする計画となっております。

 このように、新庁舎では、区と区民と区議会の交流が活発になされることが期待でき、四年後の建替えが大変待ち遠しく思います。

 区は、その説明のための住民説明会を、区内四カ所、計五回全てにわたり、区長自らが出席し、丁寧な説明、質疑応答をされました。

 日ごろより丁寧な区民対応を心がけておられる区長ならではの細やかな対応に敬意を表します。

 そこで初めに、改めて、基本的な点について確認いたします。

 今回の庁舎建替えについては、全員協議会や特別委員会等を通じて、耐震診断結果と耐震補強案報告もあり、また建替えの五事業者案についても、比較選択の資料に基づき報告があったと承知しております。

 このような手順を順次踏まれて、議会とも連携しながら事業を進めてこられたと認識しておりますが、このことを踏まえて区民の皆様に対する周知方法について質問いたします。

 次に、さきの第三回区議会定例会の我が会派の代表質問に対して、区長から「事業計画の見直し等」の答弁があり、今回、その協議が整いつつある中、さきの住民説明会でも、事業者との協議は一カ月以内に確定し、民間分譲マンションの高さは三層程度の増加との発言がありました。

 また、この計画を実現するに当たり、平成二十六年第一回区議会定例会で議決した、当初の基本協定や定期借地権の設定について、変更すべき点について改めて区議会の議決を得ると、先ほどの区長の発言にもありました。

 そこで、その変更内容と今後のスケジュールの見通しについて、区長の御所見を伺います。

 次に、仮設庁舎についてお尋ねいたします。

 区長は、仮設庁舎の建設等の財政負担について、工事費を中心に解体、設計、工事監理にかかる必要が約五十七億円、引っ越し関係の費用が約五億円、都有地の賃借料の想定額は約八億円、合計約七十億円を見込んでおられましたが、今年度、仮設庁舎の設計、工事が進捗する中で、実際にかかる経費が明らかになりつつあります。

 仮設庁舎への移転にかかる経費について、現時点で見込まれる金額を改めてお聞かせください。

 次に、「河津さくらの里 しぶや」について、お尋ねいたします。

 本年十月二十七日に「河津さくらの里 しぶや」が開設し、十一月末までに約五百七十名の利用が予定され、リニューアルされた客室、大浴場やプールなどの施設に対して、また体育館での卓球が楽しめたなど、利用された方々から高い評価をいただいているとお聞きしております。

 施設周辺は自然豊かであり、春には河津桜、夏には海水浴など、子どもからシニアまで幅広い年代に利用されることを念頭に、開設に向けて必要な整備を行うとともに、現状を把握するため、当該施設の耐震調査も同時に実施されました。

 耐震診断の結果、東館については築年数が古いこともあり、耐震上の基準を満たしていないとの報告を十月に受けております。区はこれまでも耐震基準に満たない区施設を、区民サービスに支障を来さないよう、使用しながら順次、耐震化に努めてきていると認識しております。

 この「河津さくらの里 しぶや」についても、本年、第一回区議会定例会での我が会派の代表質問に対して、耐震診断の結果、工事や修繕が必要となれば、そのことについては別途考えていくと、区長は答弁されています。区民が安心して快適に利用できるよう、今回の耐震診断の結果を受け、今後の改築工事やそのスケジュール、施設運営についてどのように考えているのか、区長の所見を伺います。

 次に、高齢者福祉について区長にお尋ねいたします。

 国は、団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年を目途に、地域包括ケアシステムを構築していくことを目指しております。

 その構築のために、在宅医療・介護の連携、認知症施策などは、特に肝要であるとされております。中でも今後増え続けると想定される、認知症の高齢者への対策については、最も重要な課題になると考えております。

 区の報告によりますと、「日常生活自立度?」つまり、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意して見守れば自立できる状態である軽度認知障害の方も含め、認知症高齢者の人数は、平成二十七年度で三百四十五万人、平成三十七年では、四百七十万人と推計されています。

 このような増加傾向を鑑みても、今後渋谷区でも、認知症の方が増えることは十分予想され、認知症対策は喫緊の課題であるという認識のもと、本区におきましても、現在作成中の第六期の「高齢者保健福祉計画」及び「介護保険事業計画」の中で、地域包括ケアシステム構築のための様々な施策の方向性とあわせて、認知症に対する施策の考え方についても示されると思います。

 そこで、これからの計画の中において、区は、特に認知症にどのような方向性を持って施策を展開していこうと考えているのか、区長の所見を伺います。

 次に、障害者福祉について伺います。

 区内の障害者福祉について、主に民営の就労支援や児童発達支援事業所等の通所施設では、現在定員を超えた登録者を受け入れている状況となっています。

 このような中、特別支援学校の卒業生や発達障害のお子さんに対し、様々な施策が必要であると思慮いたします。今後住まいの場の確保としてのグループホームの増設ばかりでなく、障害者が日中働ける場の確保や、障害児の通所施設の拡充も課題となっております。

 しかし、施設増設のために必要な土地の確保が困難であったり、建設工事費の高騰により、民間事業者だけの力では増設に至らないのが現状です。このことを踏まえると、必要な施設については、敬老館と区民館の利用が多い時間帯を整理した地域交流センターの整備などで、利用可能となった区施設の活用などを検討すべき時期に来ているとも考えます。

 既存の区施設などを活用した、障害者施設整備の具体的な進め方について、区長の見解を伺います。

 次に、子育て支援ついて区長に伺います。

 我が国全体が少子高齢社会を迎える中、本区もこの時代の流れからは逃れられません。しかしながら、これまでと同様に、区民がはつらつと生活し、安全、安心の暮らしを送り続けられるためにも、地域に子どもたちの元気な声が聞こえ、笑顔があふれることが、渋谷が活気あるまちであり続け、今後も持続的に発展していく大きな要素となるものと思います。

 このような視点に立って、子育て支援について二点、区長にお尋ねいたします。

 まず、就学前の子どもとその子育てをする保護者への総合的な支援を行う「子ども・子育て支援新制度」は、これまでの保育園、幼稚園、認定こども園を包含し、これらの教育・保育施設に入所しない在宅児に対して、さらには就学後の放課後児童に対しても対応するものとなっております。また、本格実施まで五カ月を切り、国の新年度予算原案を待たないとわからない事項があるとも仄聞しております。

 本区では、全ての子育ての家庭を対象に、質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供、保育の量的拡大と確保、教育・保育の質的改善、地域の子ども・子育て支援の充実を図るため、これまで区ニュース特集号の発行やホームページ等での周知をしてまいりました。また、さきの第三回区議会定例会では、主に事業者に向けたものとして、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準等定める条例ほか一件の基準条例が制定され、今定例会においては、子育て世代の最も関心の高い保育料ほか、子ども・子育て支援新制度の保育園等の利用に当たって必要となる条例の整備を行うため、保育料等の一部改正等の条例を提案されております。

 そこで、この新制度を踏まえた渋谷区の基本的な考え方について、区長に伺います。

 二点目として、本区の最重要課題の一つであります、待機児解消について伺います。

 本区のこれまでの子育て支援に対する施策は、間違いなく全国トップクラスの水準にあるものと承知いたしております。それは、子育て中の保護者とお子さんに対する区長の思いと、これまでの「生みやすく、育てやすく、働きやすい」子育て環境の整備に全力で取り組んできた結果であろうと思います。

 これまで本区では、平成二十一年度から千名を超える保育定員の拡大を行っており、今後、平成二十七年度当初には、代々木保育園及び初台保育園の耐震総合改修を終え、その上で、西原一丁目保育施設と既存園を合わせて百七十名の定員拡大を行う予定であります。また、緊急対策として、広尾保育園仮設園舎、初台保育園仮設園舎を区立保育室として引き続き活用することで、これらも含めると区長発言にもあるように、三百名を超える定員拡大を確保できることになります。

 そのほかに今後の対策として、代々木小学校跡地を活用した保育施設を含む複合施設の総合改修設計費の補正予算も今定例会に提案されております。

 そこで区長に伺います。

 このように新たな対策を計画されている中、今後の待機児の見通し、保育施設の整備の検討状況について、お聞かせください。

 次に、教育について二点、教育長にお伺いいたします。

 まず、乳幼児期の教育についてです。

 乳幼児期は、心身の発達が著しく、生涯にわたる人格形成の基礎が培われる重要な時期であります。

 「三つ子の魂百までも」という言葉が象徴するように、乳幼児期の保育・教育は、子どもの一生に大きく影響を与えるものであります。また、「孟母三遷の教え」にもあるように、子どもの成長を考えて、早い時期から教育環境を整えていくことも重要なことであります。

 渋谷区では、このことにいち早く着目し、ゼロ歳児から五歳児までの保育と教育の融合を図り、小学校へのスムーズな接続を意識した幼児教育に取り組むため「渋谷区幼児教育プログラム」を策定し、平成二十三年度から本格的に保育と教育の連携事業を行っております。

 この「幼児教育プログラム」の作成に当たっては、小学校に入学する前までに、どの子どもにも必要な基本的な生活習慣を定着させ、社会性・道徳性の芽生えを図り、学習の基礎となる好奇心、探求心、思考力を培い、豊かな感性、創造性の育成を目指すとしています。その特徴は、保育園・幼稚園・小学校の枠を超えて、保育士や幼稚園・小学校の教員がそれぞれの実践や経験を生かしながら作成した、渋谷区独自のゼロ歳から五歳までの連続し一貫した渋谷区独自の保育・教育プログラムとなっている点です。

 保育は保育、教育は教育と別のものとするのではなく、「渋谷区幼児教育プログラム」では、保育と教育を一体として捉え、子どもの育ちを第一に考える理念に貫かれています。

 今年十月から小学校四校で開始された「就学前オープンスクール」について、桑原区長は、この「渋谷区幼児教育プログラム」の最終段階を担う教育活動と述べられていますが、この「就学前オープンスクール」を通して、保育園、幼稚園等で取り組んでいる渋谷区独自の就学前教育保育活動の仕上げを行い、スムーズに小学校義務教育に結びつけていくという教育理念に対し評価するところであります。

 そこで、森教育長にお尋ねいたします。

 教育長は、この渋谷区の乳幼児期の教育を充実させるため、どのような就学前教育の仕上げをなさろうとしているのか、所見を伺います。

 教育の二点目として、渋谷本町学園の小中一貫教育の成果についてお尋ねいたします。

 平成二十四年度の渋谷本町学園の開校当時、教育の連続性と一貫性を目指す取り組みとして、小学校から中学校への「踏み外しをなくし」、これはいわゆる「中一プロブレム」ですが、「小学校教育と中学校教育のスムーズな接続を図ることを目指していく」と述べられていたことを思い返されます。

 現行制度では、学校教育法で規定されている学制を変更することはできませんが、現在の義務教育の現場では、小中一貫教育が新しい潮流として注目されているものと承知しております。渋谷本町学園の開校の経緯を見ても、区独自に義務教育の充実を目指し、子ども本位に渋谷の教育施策を実現していくという先見性を持った桑原区長の教育理念に対しては、大いに敬意を表すところであります。

 今年、渋谷本町学園は、三年目を迎えております。

 小学生と中学生が、様々な行事や部活動などを通じ交流を深める中で、幼い者をいたわったりお兄さんお姉さんたちを敬い、頼りにするといった教育以外の効果もあらわれております。他方、新聞報道では小中一貫教育校のデメリットとして、交友関係が固定化されるといった記事も目にしております。しかし私は、地域に愛され、地域に育まれ、さらに本区が目指す教育施策が、確かな学力の定着を生むなど、渋谷本町学園の教育は揺るぎないものとなってきていると感じているところです。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 渋谷本町学園は、小中一貫教育校とともに、もう一つの特色である教育施策として、英語教育重点校としても開校されました。それらの教育成果は本区の教育施策を推進する上で、現在どのように反映されているか伺います。

 次に、事業系一般廃棄物の再利用について伺います。

 先進的な文化・ファッションの発信拠点として世界中から注目を集め、国内外から多くの来街者が訪れる国際観光文化都市である渋谷区は、渋谷駅周辺再開発を初めとした大規模建築物の建設が続き、また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、この先、様々な事業活動の展開や、それに伴う人口等の流入、来街者の増加、消費行動の増大が期待されています。このことは、まちのにぎわいを生み、地域の活性化やコミュニティの醸成など、今後の渋谷区が持続的な発展をしていく上での起爆剤になるものと思っております。

 しかし、まちが発展し、人や物が増えていくことで、懸念されるのがごみの問題であります。二十三区のごみ量は、戦後の高度経済成長に伴い大量生産、大量消費、さらには大量廃棄が生じ、世の中が好景気に浮かれていた、いわゆる「バブル景気」時の、平成元年度に最高の四百九十万トンに達しました。その後バブルの崩壊による景気の低迷、また、ごみ減量に向けた各区の資源化の取り組み等により、平成二十五年度には、ピーク時から四二%減少し、二百八十二万トンとなっております。このごみ減量の流れは、渋谷区においても同様であり、清掃事業の中の、収集・運搬が東京都から区に移管された平成十二年度に比べて、平成二十五年度のごみ量は一九%減の十一万七千トンとなっています。そのような中、区長が所信においても言われているように、この二年間は景気の動向の影響からか、事業者が排出するごみ量は増加傾向にあります。

 景気が上向いてきたことは大変喜ばしいことでありますが、過去において経験したように、大量生産、大量消費という社会システムは、生活の豊かさと便利さをもたらす一方で、天然資源の枯渇や地球温暖化など地球規模の問題を引き起こしてきました。このことを想起すると、この負のレガシーが繰り返されるのではと、大変憂慮される状況であります。

 未来の渋谷を担う次世代に、持続的な発展と豊かな自然環境を引き継いでいくために、今こそ環境への負荷をできるだけ低減する資源循環型社会、いわゆる最適生産、最適消費、最少廃棄の社会システムが求められています。

 このような状況下において、区長はいち早く、今後のごみ量の推移を見きわめ、一層のごみの減量、再資源化の促進に取り組むため、事業用大規模建築物から発生する廃棄物の、再資源化促進を図るための条例改正を今定例会に提出されています。区長のいつもながらの先見性と資源循環型社会の実現に向けた熱意に改めて敬意を表します。

 そこで、区長に伺います。今回の条例改正で、具体的にどのような方策でその目的を達成しようとしているのかお示しください。

 最後に、代々木小学校跡地について区長に伺います。

 区長は、本定例会で平成二十七年四月以降の代々木小学校跡地の利用について、基本設計・実施設計の補正予算案を提案されています。

 代々木小学校の地元では、町会や施設開放委員会、保護者代表、地区体育会、青少年対策地区委員会、シニアクラブなどが「代々木小施設活用協議会」を組織し、四回にわたる協議を重ね地域説明会を行い、代々木小学校閉校後の活用について取りまとめた上で、今年の七月二十八日に、桑原区長に宛てて要望書を提出しています。

 その要望書には、まず一つ目として、「災害発生時に避難所として使用するために、区が管理する施設として残していただきたいこと。また、備蓄倉庫やテントなどの備品置き場、エレベーターを設置していただきたいこと」、二つ目として、「平常時には、子育て環境改善の拠点、高齢者の生きがいを支援する拠点、風呂を設置するなど憩いの場所・集い合える場所として、また、健康増進を助ける拠点、趣味の仲間づくりの拠点などとして運営され、地域が協力して継続的な有効活用を実現したいこと」、三番目に、「将来、施設の建替えが必要になったときは、地元の要望をよく把握して進めていただきたいこと」などが挙げられています。

 そこで、区長に伺います。

 こうした地元の協議会の方々の要望を受けて、代々木小の閉校後の施設活用について、施設の内容についてはどのようにお考えでしょうか。また、地元の方々との話し合いはどのように進めていかれるのでしょうか。今後のスケジュールについても、あわせてお答えいただきたいと存じます。

 区長の御所見を伺います。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初に、庁舎の建替えについてのお尋ねでございました。

 これまで、議会と連携して事業を進めてきたことを踏まえながら、区民周知についての基本的な考え方をお尋ねであったと、このように存じます。

 庁舎建替えについては、常に議会と密接な連携をとりながら、段階を追って御報告と御説明をしてまいりました。

 とりわけ、今回の契約は、定期借地権設定を対価として、民間事業者に庁舎等を建ててもらうためのものであり、ポイント、ポイントの説明は、欠かし得なかったと、このように思っているところでございます。

 区議会に対し、事業者と基本協定を結ぶそのスキームについても、定期借地権についても、地方自治法に基づき、説明し、議決をいただいてきたのはそのためでもございました。

 また、なぜ耐震補強でなく建替えを選択するかについても、あるいは、建替えに当たり五事業者についても、比較・選択資料を提出し、御理解、御協力をいただく努力を進めてまいってきたところでございます。

 さらに、建設コスト高騰に伴い、今回なぜ協議が必要なのか、あるいはその内容は何であるか、そのことについて最終的には、この区議会の議決をいただいて、基本協定や定期借地権の変更についても、これを行う必要があると、このように申し上げ、その概要について、ご質問をいただいたところでございます。

 他方、区民周知について、なぜ建替えるのか、その経過と建替えに当たっての考え方や設計については、区長の所信表明のほか、今回の区ニュース特集号やホームページにおいてお示しをし、御理解をいただくほか、区長としても住民説明会にも出席し、意のあるところを説明してまいりました。

 他方、住民説明会では、民間事業者の提案について、その選択根拠を問う質問もございましたが、これは区にとって最も有利な案の選択にかかわるものであり、専門性もあり、内容も複雑・多岐にわたるため、区に委ねていただくほかない、また建替えか補強かを考えるに当たって、どの事業者を選ぶか、どの案をとってもこの負担がゼロであるため、そこまで説明の必要はなかったと考えているところでございます。区民周知で最も大事なことは、耐震補強ではなく区庁舎の建替えを選択したということであり、このことについては、これまでも丁寧に御説明をしたところでございます。

 今後は、住民説明会での御意見、あるいはお寄せいただいた区民意見について、可能な限り反映させ、施設計画(案)を作成してまいりたいと存じます。

 次に、計画の変更内容と今後のスケジュールについての見通しについてのお尋ねでございました。

 今回の事業計画の見直しは、建設費の高騰に伴いまして、その対応として、マンションの高さを高くし、マンションの付加価値を高めることで、定期借地権の面積四千五百六十五平米はそのまま変えることなく、建設コストを吸収する考え方をとりました。

 具体的には、新庁舎及び新公会堂の建設コストについては、来年の工事着工時点では百九十三億円と見込んでおりますが、この額は、事業者の当初提案額百三十六億円から五十七億円の増加、率にして四二%のアップでございます。

 しかし、事業者提案のときから基本協定締結までにアップした工事費約十四億円は、事業者の負担とすることとしたため、実質的には、建設コストの増加は四十三億円、率にして約二九%の増と相なるわけでございます。

 このことに伴い、定期借地権の評価額は、基本協定の中で「新庁舎及び新公会堂の建設コストと建設設計費、工事監理費、解体費」と等価としているために、これを合計いたしますと二百十一億円程度になる見通しでございます。これらの金額については、事業者と調整し、年内には確定し、議会に御報告をしたいと存じます。

 なお、建設コストを吸収するため、マンションの高さについては、現在の三十七階から三十九階程度になる見込みでございます。

 また、基本協定の内容で、消費税相当額十五億円を事業者負担とすること、また七十年後のスムーズな更地返還のために解体積立金等を担保すること等を、新たに合意する項目に含め、変更する予定でございます。

 他方、定期借地権についても、面積は変わらないものの、その評価額や境界線の位置が変更されることから、基本協定の変更とあわせて、このことについても区議会の議決をいただきたいと考えております。

 次に、仮設庁舎への移転にかかる経費についてのお尋ねでございます。

 仮設庁舎につきましては、工事契約等が完了し、来年十月の移転に向け、順調に事業が進んでおります。

 お尋ねの仮設庁舎にかかわる費用でございますが、契約が確定したもので比較すると二十四億円減少し、当初七十億円としていた仮設庁舎全体の経費は、約四十六億円以下に抑えられる見通しでございます。

 これは、現庁舎の耐震補強案の経費見込み額が約五十九億円であったことに比較し、低廉な金額と相なっているところでございます。

 「河津さくらの里 しぶや」の改築工事やスケジュール、施設運営についてのお尋ねでございました。

 議員、御質問の中にもあるとおり、この施設には区民が大きな期待を持っており、既に利用された方からは、お礼を言われたり、あるいはシニアクラブからも、本年から来年に向けて利用の申し込みもあり、それだけに区民が安心して利用できるよう施設運営に努めてまいらなければなりません。

 既に御報告を申し上げたとおり、当初予算案に従って耐震診断を実施したところ、東館及び大浴場の耐震強度が低いことが判明しております。

 このことについては所管の委員会にご報告申し上げたところでございますが、その対策として、この際、抜本的にこれを講じることとし、現在の東館及び大浴場は解体し、新しく現在の体育館の位置に体育館及び浴室、カラオケ室を併設することといたします。

 現在の東館及び大浴場のある場所は、宿泊者の駐車場を移設するとともに、将来の利用増に対応した宿泊棟の増設を視野に入れたいと存じます。また、既存の浴室についても、利活用の方向で検討してまいりたいと存じます。

 今後のスケジュールでございますが、本定例会において補正予算額を計上し、御議決をいただいた後、速やかに設計に着手し、新たな施設の竣工は、平成二十七年、来年の秋を予定しているところでございます。

 工事期間中も本館での営業は継続し、大浴場の代替施設として、徒歩で三分程度のところのすばらしい施設である河津町営の「踊り子温泉会館」を御利用いただきたいと考えております。

 この間、御不便をおかけいたしますが、区民の方々が安心して快適に御利用いただけるよう、努めてまいりたいと存じます。

 次に、第六期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画の中において、地域包括ケアシステム構築のため、様々な施策の方向性に合わせて、特に認知症については、どのような方向を持って、今後の施策展開をしていくかというお尋ねでございました。

 第六期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画につきましては、介護保険事業計画等作成委員会において、両計画作成のための基本的方向について諮問し、御審議をいただいているところでございます。

 斎藤竜一議員も、認知症対策については、最も重要な課題であるとお考えをお示しになられていますが、本区も、認知症施策を将来の重点課題と捉え、新たに認知症ケア推進担当課長を置いたところでございます。

 さて、認知症は、現在では治癒させる医療技術はなく、病気の進行を遅らせるものであり、それだけに早期に「発見・気づき」、「医療機関等」との結びつけ、あるいは「良質の介護」が必要であると言われております。

 本区は、認知症の不安に応えて早期発見に結びつけるために、「認知症相談コーナー」を創設し、そこに看護師、保健師の配置、あるいは医師による相談を定期的に行いたいと存じます。同時にこの「認知症相談コーナー」と、主任介護支援専門員や社会福祉士などで組織する「地域包括支援センター」を併設し、認知症に包括的に対応することが必要であると存じます。

 次に、医療・介護との連携のために、さらに「在宅医療相談窓口」を「認知症相談コーナー」に一元化するとともに、他方、個別に対応するために初期集中支援チームを活用するなど、区独自の機能を統合した「拠点」としたいと存じます。加えて、「認知症カフェ」を併設することで、様々な情報交換の場となるよう食事会やコーヒーや、お茶のスポットにもしたいと存じます。

 さらに、良質の介護とするため認知症サポーターに対し、フォローアップ講座を実施したいと考えております。

 いずれにいたしましても、区民が、認知症になっても安心し、暮らし続けていくためには、他方では介護保険事業計画に基づく認知症対応型デイサービスの充実、あるいはグループホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など、総合的に活用して、また高齢者の住宅建設など、計画の基本理念であります「いきいき、あんしん、ささえあいのまちづくり」に基づいて、その実現に向けた認知症対策を推進してまいりたいと存じます。

 次に、障害者福祉について、グループホームや就労支援施設のため、さらなる区民施設の活用についてのお尋ねでございます。

 まず、認知症グループホームにつきましては、これまで区内に施設設置が困難であるとされていますが、これを改善するため老朽化した氷川敬老館を活用し、施設を設置できるよう、また事業者が設計段階から計画し、運営面にも配慮した事業継続可能な施設の整備にかかわれるよう配慮したいと考えております。

 他方、就労支援施設につきましては、新たに京王重機内に区民施設を設置することに対応し、地域の御理解をいただきながら区民集会施設を代替施設として活用し、これを民間授産事業者に、創意工夫を生かした施設としてこれを整備していただくことで、課題の解決を図りたいと考えております。

 また、発達障害児の通所支援施設につきましては、利用希望者が年々増加している状況にあるため、代々木小学校の跡地の一部を活用し、区が施設を改修することで、関係事業者が安定的に運営できる施設整備をいたしたいと考えております。

 これらは、いずれも再利用可能となった区民施設や、また学校を活用し、元学校施設を活用するなど、御提言の趣旨に沿ったものと考えております。

 いずれにしても、事業の実現可能性に応じて、御提言を踏まえながら、様々な方法を検討してまいりますので、どうぞ御理解をいただきたいと存じます。



○議長(前田和茂) 区長、今、障害者福祉のところになりまして、今、「認知症グループホーム」と言われましたけど、間違いないですか。障害者のグループホームか。



◎区長(桑原敏武) 私、「認知症」と言った覚えはないんでございますけども、もし「認知症」と申し上げたとすれば、「障害者」というふうに置きかえてお考えをいただければ、ありがたいと存じます。いずれにいたしましても、私どもはこの障害者グループホームについても、あるいは就労支援施設についても、あるいは発達障害児の通所支援施設についても、それぞれ努力をして対応していきたい、整備をしたい、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。



○議長(前田和茂) はい、いいです。



◎区長(桑原敏武) 次に、子育て支援についてのお尋ねでございます。

 来年四月実施になる「子ども・子育て支援新制度」を踏まえて、本区の子育て支援に対する基本的考えについてのお尋ねでございました。

 本区は、少子高齢社会、人口減少社会を見据え、「ふるさと渋谷」が今後も魅力とにぎわいのあふれる街であり続けるために、子どもたちの声が聞こえる街としたいというのは、一つの要素であると考えております。

 本区の子育て施策の基本的な考えは、端的に言えば、「産みやすく、育てやすく、働きやすい渋谷」であることでございます。

 良好な環境の保育施設を整備し、待機児対策はもとより、保育の質についても、区民ニーズの整合性を図りながら、子どもたちにとって明るく、きれいで広々とした良好な保育環境の一層の充実を図ってまいりました。

 また、子育て中の保護者の経済的負担にも配慮し、保育料も国基準から大幅に軽減してまいりました。

 今定例会には、子ども・子育て支援新制度への移行に必要な条例の一部改正等を、御提案しているところでございます。

 中でも、区民の関心の高い保育料等につきましては、保育料の算定基礎が、これまでの所得税ベースから住民税ベースへと変更されたことから、制度変更によって、子育て中の保護者に対する負担が最小限となるよう、保育料の設定に当たっては、各階層の保育料額の改定は行わず、また、階層幅の設定についても、これまでの保護者負担が増加しないように、できるだけ配慮をさせていただきました。

 また、これまで本区独自の保育料軽減策も引き続き実施するとともに、平成二十七年度分の保育料からは、認可保育園、認定こども園等については、償還払い方式を変更し、当初より軽減後の額で通知をいたしたいと存じます。

 「子ども・子育て支援新制度」では、既に本区で先取りしている施策も多く、これまでの方向性は間違いがなかった、このように思っているところでございます。

 消費税引き上げの先送りの動きにより、新制度実施のための財源確保が、現時点では不明でありますが、本区は、これまで同様、子育てトップクラスの水準を維持し、今後も渋谷の教育・保育の向上に全力を傾けてまいりたいと存じます。

 次に、今後の待機児の状況、保育施設整備の検討状況についてのお尋ねでございました。

 先ほど申し上げましたが、本区はこれまで、早くから待機児解消を子育ての最重要課題として捉え、あらゆる手法を駆使し、かつ、財政を集中的に投入し、保育施設の整備と定員の拡大に全力を傾けてまいりました。本年四月現在、約三千七百人の保育ニーズに応えているところでございます。

 今後の保育施設の整備状況につきましては、明年四月に向け、来年、耐震総合改修を行っている代々木保育園で十一人、初台保育園で三十五人、西原一丁目保育施設「西原保育園ゆめ」で八十二人、既存での定員拡大で四十二人、合わせて百七十人の定員拡大を進めております。

 しかしながら、十月一日時点での待機児が二百七十五人であったこと、とりわけ、ゼロ歳児が百六十九人、一歳児が七十三人、合わせて全体の八八%を占めている状況や、十月下旬から始まった平成二十七年度の保育園入園の申し込み状況など、総合的に勘案し、短時間で実効性の高い新たな待機児対策として、広尾保育園仮設園舎と初台保育園仮設園舎の有効利用を図ることで、緊急的な待機児対策を行うことといたしました。

 それぞれ七十四人、これまでの待機児対策も含め、来年四月に向けた待機児対策として三百人を超える保育施設を整備することにより、今定例会では、そのための所要経費を補正予算として御提案をしているところでございます。

 また、平成二十八年度以降における現時点での保育施設整備の検討状況について申し上げますと、平成二十八年度には、児童福祉センター内の保育所型認定こども園開設と代々木小学校跡を活用した保育施設等の準備を進めております。また、二十九年度以降においては、笹塚図書館の移転跡地の保育施設活用及び幡ヶ谷二丁目防災公園予定地の保育施設について、準備、検討を進めたいと考えております。

 今後の待機児の見通しについては、十二月一日までの入園申し込みの状況を見なければわかりませんが、現時点では、昨年以上の申し込みが来ておりますので、今後も引き続き、様々な手法による保育施設整備とさらなる定員拡大に努めてまいりたいと存じます。

 次に、ごみ減量、再資源化の促進を促すための事業用大規模建築物から発生する廃棄物の再資源化促進を図るための条例改正についてのお尋ねでございます。

 これまでも本区は、分別の徹底などリサイクルを進め、ごみの減量を図ってまいりました。しかし、渋谷区で発生するごみの七五%は事業者から排出されるごみであり、家庭ごみ以上に事業系ごみの減量が課題となっております。

 他方、国における事業者の「廃棄物自己処理責任」を法令上は規定しているものの実効性は乏しく、区においてもこのことに基づき、条例、規則により事業系ごみの再利用を促してまいりましたが、事業系ごみの大宗をなす大規模建築物の再利用率は五割に達したにすぎない状況であります。加えて、今後の渋谷駅前周辺開発などの大規模な事業所ビル建設に伴う、ごみ量の増加による環境負荷への影響や、ごみ処理に係る区の負担の増大が必至の情勢であり、区として効果的な対策を実施することが喫緊の課題となっております。

 そのため、さらなる「再資源化の促進」と「ごみの減量」を図り、資源循環型社会を目指す観点から、事業用大規模建築物の再利用率の下限を数値化し、規制することにより目標を明確化し、再利用を促進することとします。

 具体的には、一万平米以上の建築物一棟から生じる廃棄物量に対する再利用率を八割以上に規制いたします。当分の間は、対象を一棟当たり廃棄物量が多く、より効果のある三万平米以上の建築物に限定しますが、進捗状況を見ながら規制対象を拡大してまいります。

 また、再利用率を達成できなかった場合においては、再利用にかえて「ごみ減量協力金」を拠出することができることといたします。これは、再利用率が未達成の場合、条例では、改善勧告、公表に続き、収集運搬拒否、工場等への搬入禁止となり、建物所有者にとって厳しい規制となります。そこで、再利用への取り組みを一定の成果として認めつつ、事業系ごみの処理にかかわる区の財政負担の緩和、さらなる再利用への誘導を図るため、ごみ量に対し、一キログラム当たり十円を課することとします。

 なお、本協力金については、制度導入の目的、内容を事業者等に十分行き渡らせるとともに、効果的な再利用への改善指導を行うため、一定の期間が必要であると考え、二十九年度から実施いたします。

 今後も区民、事業者に対し、そして来街者並びに区が一体となって、環境保全、創出に向けた取り組みを進め、環境にも配慮した都市空間を形成し、世界に向けた魅力を発信できるまちの実現を図ってまいります。

 最後に、代々木小学校閉校後の施設活用について、施設の内容や地元の協議会の方々との話し合い、今後のスケジュールについてのお尋ねでございます。

 町会長等で組織する地元区民の「代々木小学校施設活用協議会」からは、子どもから高齢者までの地域の方々が、この施設を有効利用したい、また、災害時には、地域の避難所としたいという御要望をいただきました。

 区といたしましても、これを真摯に受けとめ、基本計画案を検討しているところでございます。

 具体的には、地域の防災拠点として位置づけ、災害時には地域住民の避難所としての機能を維持するほか、プールはマンホールトイレの排水や防火用水として確保し、さらには防災備蓄倉庫の拡充や高齢者のため、体育館に通じるエレベーターの設置等を考えたいと存じます。

 また、待機児解消のための認可保育園や、先ほど障害者福祉について御答弁した「発達障害児の通所施設」の設置のほか、地域の御要望を踏まえて、子どもから高齢者まで、音楽、スポーツなど趣味の活動や、健康づくり、料理・食事会、浴室の設置など、地域コミュニティを醸成することができる場として計画をしてまいりたいと存じます。

 今後のスケジュールでございますが、施設のレイアウトをお示ししながら、地元の皆様の御意見を聞き、または区議会にも御報告しながら、平成二十七年度中に改修工事を行い、二十八年四月には開設を予定したいと存じます。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について二点のお尋ねがございました。順次、お答えをしていきたいと思います。

 まず、「乳幼児期の教育」についてのお尋ねがございました。

 ゼロ歳児から五歳児までの渋谷区独自の乳幼児期の教育といたしまして、「渋谷区幼児教育プログラム」を実施しておりますが、その最終段階となる「就学前オープンスクール」において、どのような就学前教育の仕上げを行っていくのかとのお尋ねでございました。

 私は、小学校入学は、子どもたちにとって、自らの力で生きていく社会生活への門出であり、生まれて初めて経験する「社会デビュー」ではないかと考えております。

 そして、この社会生活への門出に当たっては、無事にこの節目を乗り越えていくために、それがまだまだ未熟であったとしても、一人の人間として身につけておく大切なものがあると考えております。

 私は、その大切なものは、「社会性」であると捉えております。

 幼稚園児であれ、保育園児であれ、渋谷区の五歳児には等しく「就学前オープンスクール」を通して、小学校入学に必要な「社会性」を身につけさせていきたいと、私は考えております。

 小学校入学に必要な「社会性」とはどのようなことを言うかと申し上げますと、例えば、人の話をきちんと聞き、自分の気持ちを相手に伝えることができるコミュニケーション能力であったり、送り迎えに頼ることなく自立して登下校ができ、自分が遊んだおもちゃを片づけることができ、自分の衣服をハンガーにかけ、自分の靴をそろえておくことができるなど身辺の自立であったり、決まった時間にトイレを済ませることができ、時間を意識して遊びの時間に区切りをつけて次の行動に移れるなど集団生活への適応能力であったりということです。

 これらのことは、「渋谷区幼児教育プログラム」に基づき、発達段階に合わせてそれぞれの年齢で目当てを定めて、保育園や幼稚園の毎日の教育保育活動に組み入れられておりますが、小学校入学を控えた五歳児に対して、仕上げの段階として、小学校とも連携し、小学校施設を活用して「就学前オープンスクール」として取り組んでいくことは、非常に有意義であると考えております。

 教科中心となる「小学校教育」への円滑な接続を図るための取り組みでは、早期に「読む、書く、数える」などの学習に取り組むことではありません。入学にふさわしい「社会性」という「心の育ち」があってこそ、初めてその基礎の上に学習は積み上がっていくものです。

 私は、渋谷区の全ての五歳児が、小学校入学にふさわしい「社会性」が身につけられるよう、渋谷区独自の取り組みである「就学前オープンスクール」の充実に努めてまいります。

 次に、「渋谷本町学園について」のお尋ねです。

 渋谷本町学園では、小学校・中学校それぞれの特徴を大切にするため、現行の「六−三制」を維持しながら、子どもたちの心身の発達段階を踏まえて、義務教育九年間を「四−三−二制」の学年区分に分けて、学園ならではの特色ある教育活動を行っています。

 議員からは、「英語教育重点校としてその教育は現在どのように反映されているのか」、また、「小中一貫教育校の成果はどのようにあらわれているのか」とのお尋ねですので、順次お答えしたいと思います。

 まず、英語教育重点校についてお答えいたします。

 渋谷本町学園では、ネイティブの外国人指導員であるALTを三人常駐させ、小学校一年生から義務教育九年間を見据えた英語教育を行っております。

 小学校一年生からは週当たり一時間の英語活動を行い、中学校では全ての英語の授業にALTが入り、ネイティブの発音に触れさせることにより、英語活用能力の向上を図っております。

 授業以外でも、給食の時間や部活動の時間にALTがかかわり、英語でのコミュニケーション能力の向上を図っております。

 一年生は、ALTの授業を非常に楽しみにしており、英語活動では、教室の外まで元気な英会話の声が聞こえてきます。

 中学生は、身構えることなく普通に外国人と接することができ、英語で積極的に会話を行おうなど、着実に成果があらわれていると感じております。

 次に、小中一貫教育の成果についてお答えをいたします。

 開校から三年目を迎え、小学校と中学校の教員が、一つの職員室で学園共通の教育目標に向かって、全力で子どもたちに指導をしております。

 小中の教員間で、協力して指導に当たる意識が高まるとともに、小中相互の指導内容の系統性や生活指導のあり方に関する理解が深まり、児童・生徒へのきめ細やかな指導が実現しております。

 特に、中等部である五、六年生では、施設一体型小中一貫教育校のよさを生かして、小中教員の乗り入れ授業や年度末の五十分授業、定期考査等を実施したりしております。また、五年生から九年生の合同の児童・生徒会活動や部活動を行ったりすることで、小学校から中学校への移行を円滑にしております。

 その成果の一つとして、中学校への進学に不安を覚える児童が減少し、いわゆる「中一ギャップ」が解消され、不登校も減少しております。渋谷本町学園中学校へそのまま進学する六年生は、来年度は今年度の六割増しとなる予定です。

 学習面においては、開校以来、九年間を見通した「言葉の力の育成」についての研究を続けてまいります。その結果、「授業が理解できる」「勉強が好き」と答える児童・生徒が増え、基礎・基本の定着が図られてきました。

 教育委員会といたしましては、渋谷本町学園が全国でも有数の魅力ある小中一貫教育校となるよう、これからも全力で支援をしてまいります。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 斎藤議員。



◆一番(斎藤竜一) ただいま、私の代表質問に対し、区長並びに教育長より、大変丁寧な御答弁をいただきました。

 庁舎建替えについては、特に仮設庁舎にかかる費用について、当初予算の約六五%、金額にして二十四億円の削減との答えがありました。

 一つ一つの事業や契約について、きめ細かく丁寧に精査していることの結実であり、区長を初め担当所管の方々の努力が本当にすばらしいものと敬意を表するとともに、区民の皆様の理解もさらに得られるものと大いに評価いたします。

 また、認知症施策としては、新たに認知症サポーターに対し、フォローアップ講座の実施を予定するなど、周りの環境に対する配慮も考えておられ、非常に心強く思うものであります。今後も渋谷区が認知症施策のトップランナーになるよう、充実を図っていただくことを期待いたします。

 代々木小学校閉校後の跡地施設の活用については、地域・関係者からの要望を真摯に受けとめて計画を検討していくとありました。エレベーターの設置など必要な整備を進めていただくとともに、子どもから高齢者まで多くの世代が集い、笑顔があふれる温かいコミュニティ施設として、今後も地域の声を大切に受けとめて取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 その他の質問に対しても、丁寧な御答弁ありがとうございました。

 ここで一言申し上げます。

 これまで緩やかな回復基調にあった我が国の経済は、本格的な成長軌道には戻り切っていません。しかし、デフレスパイラルからの脱却も道筋が見え、重要な経済指標である雇用や賃金の改善は続いております。例えば、雇用の指数は全て自民党政権において上昇しており、就業者数は約百万人増加、有効求人倍率は四十七都道府県全てでアップし、二十二年ぶりの高水準であります。また賃金に関しては、賃上げ率が過去十五年で最高であり、安倍政権によるこれまでの経済対策に間違いはなかったものと確信しております。今ここで景気回復のチャンスを逃すわけにはいきません。「アベノミクス」の三本の矢をより力強く推進し、財政健全化目標を堅持し、経済再生と財政再建を引き続き取り組んでいく、今まさにこのことの信を問うときが来ております。

 私たち自由民主党議員団は、今後もこの経済政策により日本経済の成長力を強化し、その成長のあかしを区民の皆様に届けるべく、全力を尽くすことをお約束いたします。

 結びに、今月、十一月十七日に植野 修前副議長がお亡くなりになられました。私、活動する地域も近いこともあり、親子二代にわたり大変お世話になりました。植野先生の生前の御功績をたたえるとともに、またその御恩に報いるためにも、これからも私も地域のために一生懸命頑張ってまいりたいと思います。

 植野 修議員の御冥福を心よりお祈りいたしまして、私の代表質問を終わらさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   〔「議長、議事進行」の声あり〕



○議長(前田和茂) 十二番堀切議員。



◆十二番(堀切稔仁) 今、一分半、斎藤議員から選挙にかかわるような話がありました。私どもが発言したような情勢、いろんなことで議事進行が出ます。関係することを言っててもあります。こういうことに関しては、議長は一切ジャッジをされないんですか。

   〔「討論じゃないだろう」の声あり〕



○議長(前田和茂) 現在の先ほどの発言につきまして、直接選挙にかかわる発言とは受け取っておりません。



◆十二番(堀切稔仁) 私は、議長の最初の対応に対しては差別だと思います。本当に。きちっと注意してください。

   〔「失礼なこと言うんじゃないよ」の声あり〕



○議長(前田和茂) ただいま斎藤竜一議員の質問の意見に対しましての堀切議員から指摘がありましたが、直接選挙にかかわる件だと本職としては受け取っておりません。

 よろしいですか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後二時二十六分

   再開 午後二時四十一分

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○副議長(沢島英隆) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 三十三番苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長に質問します。

 安倍首相によって衆議院が解散され、間もなく総選挙が公示されます。区民生活にかかわる四つの国政問題で区長の見解を伺います。

 まず第一は、消費税一〇%増税の中止についてであります。

 私たち区議団が行っている「くらしと区政についてのアンケート」では、消費税八%に対する負担は余りにも過酷で、回答を寄せていただいた約五百人の八六・五%の人が「負担が重くなった」と答えております。

 八%に引き上げられての影響調査を行った東京商工団体連合会は、消費税の引き上げ分を価格に転嫁できない上に材料費は上がり、売り上げは落ち込み、廃業を考えざるを得ないなど深刻な状況に加え、「来年の消費税の支払いが心配。一〇%になったらやっていけない」など、一〇%増税に反対と回答した人が八九・一%に達したことも明らかにされました。

 安倍首相は、国内総生産が二期連続マイナスという深刻な事態を受けて、消費税一〇%の一年半の先送りを表明しました。景気悪化は、円安による物価上昇に加え、消費税を八%にしたことによる増税不況以外の何物でもありません。

 日本共産党は、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革で財源をつくる。二百八十五兆円もの大企業の内部留保を活用し、国民の所得を増やす。この二つの政策を行えば、消費税に頼らなくても社会保障を充実し、財政再建はできると提案しています。

 区長は、政府に対し、消費税一〇%増税の「先送り」ではなく、きっぱり中止を求めるべきです。見解を伺います。

 第二は、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回についてであります。

 安倍首相は、集団的自衛権行使容認について「海外での戦闘に参加することは決してない」と言いましたが、それがうそだということが明らかになっています。

 安倍首相は、アフガニスタン戦争、イラク戦争のような戦争をアメリカが起こした場合、自衛隊が「戦闘地域」に行って軍事活動をすることを認めました。そうなれば自衛隊は攻撃対象とされます。攻撃された場合、「武器の使用をする」と答弁したのです。

 まさに、集団的自衛権の行使は、アメリカが起こす戦争に自衛隊がアメリカ軍と一緒に戦う、海外で戦争する国づくりであることがはっきり示されているのです。

 日本共産党は、反戦・平和を貫く党として海外で戦争する国づくりを許さず、憲法第九条の精神に立った外交戦略で、世界の平和と安定を築く道を示しています。

 区長は、憲法違反の集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するよう政府に求めるべきです。見解を伺います。

 第三は、原子力発電所の再稼働をやめ、原発ゼロにすることについてであります。

 安倍首相は、鹿児島県川内原発の再稼働を強行する構えです。

 稼働原発がゼロになって一年二カ月たちますが、国民も企業も自治体も省エネルギーに努め、電力の消費を減らしてきました。その努力の結果は、原発十三基分に当たると言われています。日本社会は「原発ゼロ」でもやっていけるのです。

 区長は、政府に対し、原発の再稼働をやめ、「原発ゼロ」の日本にするよう求めるべきです。見解を伺います。

 第四は、沖縄県名護市辺野古の米軍基地建設中止についてであります。

 去る十六日、沖縄県知事選挙の投票が行われ、新基地建設に反対する翁長雄志氏が、県民の圧倒的支持を得て当選しました。しかし、安倍政権は、新基地建設について、「粛々と進めることに変わりはない」と言い放ち、沖縄県民の意思を踏みにじろうとしています。これが民主主義の国と言えるでしょうか。

 民主主義を尊重する立場から、また地方自治の観点から、区長は安倍政権に対し、新基地建設の中止を求めるべきです。区長の見解を伺います。

 次に、区政問題について、第一は、区庁舎の建替え問題であります。

 一つ目は、十二日から十九日にかけて五回開かれた住民説明会についてです。

 そこで私が痛感したことは、区長の「聞く耳をもたない」態度でありました。区長は、ほとんどの意見に反論し、説明会と言えるものではありませんでした。

 区庁舎は、区民サービスの中心施設で、そのあり方を変える場合、住民の声を聞いて、決定していくのが当然のルールです。

 七十年という子々孫々までの期間、民間企業に区有地を貸し出し、その対価で建ててもらうという重大なことを決めるのに、五回の説明会しか行わず、パブリックコメントも実施しないことに抗議の声が出され、「広く住民の声を聞くべきだ」という声がどの会場でも出されました。

 応募した事業者の五案について、どれにするのか、その段階で意見を聞くべきという質問に、区長は「区民に一々説明する時間がなかった」と答え、まさに住民無視・住民不在の態度でありました。

 説明会では、三井不動産の建てる分譲マンションについては、全く説明しませんでした。今回の手法は、庁舎と一体事業なのに、その部分は一切説明しない。しかも、マンションの部分がぼかされており、ボリュームも資金計画も明らかにしない、全体像が示されなかったのであります。

 五回の住民説明会は、区長が決めた三井不動産の計画を住民に押しつけるものであり、「説明会を開いた」というアリバイづくりのためのものと言っても過言ではなく、こんなやり方が許される道理はないと考えます。区長の見解を伺います。

 また、圧倒的住民から、「耐震補強工事でいくのか、建替えがいいのか、まず、そのことから住民に説明し、意見を聞くべきだ」という意見が強く出されました。区長はこうした住民の声を真摯に受けとめるべきであります。区長の見解を伺います。

 二つ目の質問は、区庁舎の土地を三井不動産に貸し付け、庁舎と公会堂を建ててもらう方法の中止についてです。

 説明会で区民から、「区民の土地を貸して三井不動産にもうけさせるのではなく、区の財政を使って建てる方法もあるのではないか」「なぜ、建替えなのか、耐震補強という方法もある。同じ時期に庁舎を建てた新宿区役所は、耐震補強をやり二十七億円で済ませている」など見直しを求める意見が続出しました。

 しかし、区長は、これらの意見を見解の相違などとして切り捨てました。区民の多くは、営利企業の三井不動産に区有地を差し出し、大もうけをさせることに疑問を持ち、批判の声を上げたのです。こうした手法の庁舎と公会堂の建替えは中止すべきです。区長の見解を伺います。

 三点目は、仮庁舎に七十億円もかける無駄遣いと、サービス低下になることについて質問します。

 区長は、庁舎と公会堂の建替えには一銭もかからないと言っていましたが、八年前に十三億円かけて耐震補強などの工事をやった公会堂を建て替えることの無駄遣いに加え、わずか三年間しか使わない仮設庁舎に七十億円もかけるのです。その上、これまで一緒にサービス提供していた都税事務所や水道局が仮設庁舎に移らず、また建替えの庁舎に入る見込みがないことに、区民から「サービス低下になるのではないか」という質問・意見が出されました。都税事務所や水道局が移らないことに、区長は、「東京都は東京都の考えがある」などと言い放ったことに区民から厳しい批判が出されました。こうした無駄遣いとサービス低下について区長はどう考えているのか、質問いたします。

 四点目は、当初から破綻している計画の白紙撤回についてです。

 さきの区議会で区長は、建設コストが高騰しているため、「基本協定や定期借地権に影響を及ぼすことも避けられない」と表明。そして、三井不動産が建てるマンションの容積率を上げることなどを発言しました。

 我が党は反対しましたが、基本協定は、借地権の対価を百五十四億円として、三井不動産が庁舎と公会堂を建替えることを区議会の議決を経て三月末に結んだものです。それを三井不動産が建設コストの高騰でもっと高いマンションをつくらないと利益が上がらないとして計画の変更を要求し、区はそれを認めようとしているのです。

 三月に結んだ協定がわずか半年もたたずに変更すること自体、当初から計画は破綻していると言わなければなりません。三井不動産による庁舎と公会堂の建替え計画は白紙に戻すべきです。区長の見解を伺います。

 五点目は、庁舎のあり方は、区民や専門家などで十分時間をかけて練り上げていくことについてであります。

 区長は、今回の建替えについて、庁舎の耐震性が不足していること、大地震が来たら危険であり、事態が切迫していることを挙げています。しかし、住民は、区が行った耐震診断の結果も、耐震補強工事の方法も全く知らされていません。

 我が党は、現庁舎は、耐震補強工事を実施すれば二十年から三十年は使用できると理事者自身が説明していることから、安全性をいち早く確保でき、区民サービスを低下させることのない方法として、中間階免震方式による耐震補強工事を提案してきました。そして、庁舎のあり方については、区民の広い代表や専門家を入れた検討会をつくって、計画を策定していくべきだと主張してきました。

 住民説明会の中でも、「庁舎の耐震診断の結果はどうなっているのか、なぜ一方的に計画を押しつけるのか」「白紙の状態から区民の意見を聞いて進めていくべき」また、「建設費の高騰で計画をオリンピック終了後まで延期した千葉県木更津市のようにすべきだ」などと様々な意見が出されました。

 庁舎の耐震診断の結果を初め耐震補強工事の方法など、庁舎にかかわる全情報を区民に公開すべきです。今後の庁舎のあり方については、区民代表や専門家によって十分時間をかけて検討していくべきです。区長の見解を伺います。

 六点目は、区長の提案で行われた区議会議員のドイツ、イギリス、ベルギーの議事堂などの調査についてであります。

 新庁舎に係る欧州調査訪問団は、議員四人に職員四人で編成され、九月三日から十日までの八日間の日程で派遣されました。その費用は一人当たり八十七万六千五百円、総額で七百一万二千円にも上るものでありました。

 十七日に全員協議会で報告会が開かれ、ドイツ連邦議会議事堂について、外国人の場合、外交ルートを通じて三カ月前に申請しないと許可されないため、議事堂内の視察ができなかったことが明らかにされました。区民から、この視察について「何のための視察か。海外旅行ではないか」という声が出されていましたが、そのとおりのものだったと言わなければなりません。

 報告会の中で佐々木弘明議員が「ゲルマン民族の頑固さ」、「ナチスのガス室のようだった」とドイツ人を愚弄し差別する発言を行いました。発言は公式に謝罪し、撤回すべきです。区長はこの発言をどう受けとめているのか伺います。

 また、区長の提案による欧州への区議会議員の視察はやめるべきだったと考えます。見解を伺います。

 第二は、伊豆・河津町の保養所問題について質問します。

 この保養所について我が区議団は、旧菊水館の取得経過について問題があることなどから反対してきました。区が行った不動産鑑定で、本館でもエレベーターに問題があり、築五十年以上の東館・大浴場については老朽化していることもあり、全体で数十項目の問題点が指摘され、耐震診断の必要が示されていました。区民の間から「遠くて不便、交通費も高い河津町に新たに保養所をつくるべきではない」となど多くの声が出されていること、また、年間一億円の運営費がかかることから、この施設を取得し開設することに我が党は反対してきました。

 十月三十日の総務区民委員会に耐震診断結果が出され、東館と大浴場はCランクで震度六強以上の地震がきたら倒壊する危険が高いと報告され、この結果を受けて、一月三日までの利用について、耐震診断の結果を伝え、利用は申し込み者の判断にする。一月四日以降の募集を中止するという対応策が出されました。このため、我が区議団は、一月三日までの利用者についても、安全が確保されていない東館と大浴場の使用は直ちに中止するよう区長に申し入れたのであります。

 ところが、区は、その方針を転換し、町立温泉会館を利用する。一月四日以降も営業を続けるとしたのであります。私は区民の安全を何と考えているのかと憤りを感じます。

 区は、耐震診断について、五月八日から十月十五日の日程で調査することを発注しました。その診断中にもかかわらず、開設を急ぎ、八月から利用者の募集を始め、倒壊の危険が高いという結果が十五日に出されたにもかかわらず、それを隠して十月二十七日に開設したのであります。このことは、区民だましの詐欺的行為と言われても仕方のないものであります。

 今回の事態は、我が区議団の指摘どおりの最悪のものとなっています。区長のこうしたやり方は、区民の安全をないがしろにするもので、その責任が厳しく問われるものです。保養所の使用は中止すべきです。区長の見解を伺います。

 二点目は、大浴場棟の新築工事はやめ、保養所を廃止することについてです。

 耐震補強工事が必要となった東館と大浴場を建て替えるための二億六千五百七十二万九千円もの補正予算が急遽計上され、これまでの施設の購入費と改修費、運営費を合わせた費用は総額で五億円を超える巨額なものとなります。

 この保養所は、区長の独断で購入され、開設もうそとごまかしで強行されました。その結果、大変な浪費がされてきたのです。

 この施設の購入自体が誤りだったことは明らかです。補正予算は撤回し、この事業は廃止すべきです。区長の見解を伺います。

 次に、国民健康保険の保険料引き下げについて質問します。

 国民健康保険は、国民の健康と生命を守るための制度です。加入者は、年金生活者や非正規雇用の労働者、零細な自営業者など所得の低い人が圧倒的多数です。そのため、国や自治体が財政的にも手厚い手だてをとらなければ、制度そのものが成り立ちません。

 昨年度の滞納者が二九・七二%となっている中で、今年度も保険料が引き上げられました。年収二百万円の三人家族の勤労世帯の場合、保険料は十三万六千五百六十二円から十六万二百十六円と負担額は二万三千六百五十四円も上がりました。こうした保険料の引き上げは十二年間も続いているのです。

 高い保険料の根本問題は、国庫支出金が大幅に削られてきたことにあります。二十三区の国保会計に占める国庫支出金の割合は、一九八五年度の四五%から二〇一二年度は二二%と半分以下になっているのです。高くて限界にきている保険料を引き下げていくために、政府に対し、国庫支出金を増やすよう求めるべきです。

 また、二〇一三年度の国保会計は五億円の繰り越しとなっており、保険料を引き上げる必要はありませんでした。保険料は引き下げるべきです。区長の見解を伺います。

 二点目は、国保の「広域化」についてであります。

 我が区議団は、広域化が実施されれば、住民の声が反映されなくなり、さらに保険料の引き上げにつながるものと指摘してきました。事態はその方向に進んでいます。区長は、「広域化」に反対すべきです。見解を伺います。

 次に、七十五歳以上の低所得高齢者に対する医療費無料制度の実施と子ども医療費無料化の拡大について質問します。

 わずかな年金で暮らす高齢者にとって医療費の負担は重く、診療所や病院に行くことを抑えている人が増えています。そうした人たちに安心して診療所や病院に通えるようにすることが必要になっています。都内では、日の出町がこの制度を実施しています。当区でも七十五歳以上の住民税非課税世帯に対する医療費無料化を実施すべきです。

 また、子育て世帯を支援し、子どもたちもお金の心配をせずに診療所や病院に行けるようにするため、子ども医療費無料化を高校生まで拡大すべきです。あわせて区長の見解を伺います。

 次に、介護保険制度の改善について質問します。

 新たな介護保険事業が来年の四月からスタートするわけですが、その大もととなる「医療・介護総合法」の内容について私は改めて憤りを禁じ得ません。

 さきの通常国会で強行成立された「医療・介護総合法」は、多くの高齢者を介護サービスの対象から外し、入院患者の追い出しをさらに強化するなど、公的介護・医療制度を根底から掘り崩す大改悪で、これは社会保障費を削減するために強行されたものでもあります。

 この法律によって、当区では、介護認定者のうち三千二百十一人が、ヘルパーによる「訪問介護」、「通所介護」が受けられなくなるのです。また、特別養護老人ホームの待機者の四割以上が対象外とされ、入所できなくなります。まさに「保険あって介護なし」という事態が一層ひどくなるのです。

 「医療・介護総合法」について、区長は政府に対し、廃止を求めるべきです。また、国庫負担の引き上げを求めるべきです。区長の見解をあわせて伺います。

 二点目は、低所得者に対する保険料の引き上げはやめ、保険料・利用料の負担軽減についてであります。

 介護保険料は、三年ごとの改定のたびに引き上げられてきました。その結果、昨年度は千二百人の滞納者があり、そのうちの本人住民税非課税の第一段階から第四段階の人は八百七人となっています。

 保険料については多段階制をさらに拡大し、低所得者には基金や一般財源の繰り入れを行い、保険料を据え置くべきです。区長の見解を伺います。

 また、利用料については、二百八十万円以上の収入の人は二割負担となります。今でも利用料が重く、五割程度しか利用されていません。二割負担になったらますます利用できなくなります。

 区独自の保険料・利用料の負担軽減策については、預貯金額の制限を撤廃し、利用料については、二割負担となる人も対象にすべきです。区長の見解を伺います。

 三点目は、第六期「介護保険事業計画」で要支援者に対する「訪問介護」と「通所介護」の継続についてであります。

 政府は、二〇一五年度と二〇一六年度は、要支援者に対する「訪問介護」と「通所介護」事業を現状のまま継続することを認める方針を示しました。専門家による「訪問介護」と「通所介護」を守り、介護が必要な人が安心して生活できるよう、これまでどおり継続していくことを第六期の事業計画で明確に打ち出すべきです。区長の見解を伺います。

 四点目は、特別養護老人ホームの対象外とされる要介護一・二の人の問題と特別養護老人ホームの増設についてであります。

 当区では、特別養護老人ホームの待機者六百八十三人のうち、要介護一・二の人は二百八十三人です。この人たちは、自宅では介護の体制がないから入所を申請しているのです。したがって、区は「医療・介護総合法」で対象外とされたことを理由に、区も対象外とすべきではありません。

 笹塚三丁目で生活保護を受けて暮らしていた九十四歳のKさんは、足腰が弱くなり要介護二と認定され、特別養護老人ホームの入所を求めましたが、待機者がいっぱいで、群馬県沼田市のサービス付き高齢者住宅に移らざるを得ませんでした。

 Kさんのような人は百人以上に上っています。

 東京都は特養ホームについて、十年で最大一万九千人分増やす目標を打ち出しました。そのため、都有地を三十ヘクタール提供すること、区有地や民有地を借りる場合の借地料に対する補助を拡大します。

 本町東小学校跡地の計画だけでなく、ケアコミュニティ・原宿の丘の計画を復活するとともに、都の新たな施策を活用し、特養ホーム待機者ゼロを実現していくべきです。区長の見解を伺います。

 最後に、中小企業振興の強化、商店街の活性化策について質問します。

 六月二十日に成立した「小規模企業振興基本法」は、地方自治体は、自然的・経済的・社会的諸条件に応じた施策を策定し、小規模企業が地域経済の活性化並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に資する事業活動を通じ、自立的で個性豊かな地域社会の形成に貢献していることについて、地域住民の理解を深めるよう努めなければならないと定めています。

 当区の場合、二〇〇五年に制定された商店街に対する「渋谷区新たな商業振興のための条例」がありますが、中小企業を区政の中心に据え、振興策を打ち出していくというものではありません。実際、「自助努力」とされ、中小企業に対する予算は年々削減され、主な事業は融資の斡旋事業と商店街のイベントに対する補助が軸になっているだけであります。

 中小企業振興基本条例を制定し、中小企業や商店街に対する支援策を強化すべきです。区長の見解を伺います。

 二点目は、公契約条例の改定問題についてであります。

 二年前に制定された当区の公契約条例は、二十三区で初めてのものであり、また、全国的にも制定している自治体が少ないことから注目を集めました。

 しかし、他の自治体で取り入れられていた「委託契約」や「指定管理」を対象に含めず、また、建築工事請負金額は一億円以上の工事としたために対象が極めて限定されたものになっていました。

 今議会に条例の一部改正案が出され、我が区議団が求めてきた「委託契約」や「指定管理」を対象にすることなどの改定がなされることは評価するものです。

 さらに条例を実効あるものにするため、建築請負工事金額は五千万円以上とすること、また、労働者に適切な賃金が払われていることを確認するための賃金台帳の提出を義務づけるなどの改善を図るべきです。区長の見解を伺います。



○副議長(沢島英隆) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の苫 孝二議員の代表質問に順次お答えをしたいと思います。

 またいつものことかなと思いますけれども、消費税を初め様々なことについてお尋ねでございますが、消費税は、これも再三申し上げておりますとおり、国の財政計画あるいは社会保障制度と絡んだ問題であり、国のことは国で考えていただきたい、このように思っております。

 集団的自衛権についても同じでございます。国政の場で論議されるべき問題、このように思います。

 原子力発電所の再稼働の問題でございますけれども、これも国のエネルギー政策に密接にかかわっており、私の申し上げる内容ではないと思っております。

 辺野古の米軍基地の問題については、これについても国家の安全保障にかかわる問題であり、私が申し上げる問題ではないと、このように思っております。

 次に、区の本庁舎の建替えについてでございます。

 御質問の内容はなかなか多いんでございますけれども、中身は計画の中止ないしは撤回、あるいは住民の声を聞けとか、そういうことでございます。

 このことについては、先ほど、渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員にお答えしたところで御理解をいただきたいと存じますけども、いずれにいたしましても、建替えについては、基本協定及び定期借地権について議会の議決を得て我々は進めているということでございます。

 先週土曜日の長野県北部の直下型地震の発生の例を見ましても、この中央防災会議で首都直下地震への対策を緊急課題を警告されているわけでございますけども、我々は建替えは、この早急かつ円滑に進めていくことが区政の責任だと、このように思っているところでございます。

 三番目の、この建替えの無駄遣いとサービス低下についてということでお尋ねでございました。

 現公会堂は、現庁舎と共有する大規模設備が多く、切り離して工事することは困難で、新庁舎とあわせて一体的に建替えをするものでございます。

 現庁舎と仮設庁舎への移転にかかわる経費については、渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤議員にお答えをしたとおり、当初七十億円でございましたが、約四十六億円以下に抑えられる見込みであり、現庁舎の耐震補強案の経費見込み五十九億円に比しても、低い金額であると、このように思っているところでございます。

 東京都の入居先の変更等については、私から改めて申し上げるものではなく、都民に対して東京都が、なぜ変更するか説明責任を負っているんだろうと、このように思っております。

 それから、欧州調査訪問団についてのお尋ねでございました。

 今回の調査派遣の目的は、今後庁舎百年の構想の礎を確実に築くため、現地で見聞した成果をこの建替えに反映をしていただくためでございます。

 丸山高司庁舎問題特別委員会委員長を団長とする訪問団の皆様方が、短い日程の中で、この海外調査という障害の多いこの課題に対して、しっかりお取り組みをいただき、大きい成果を上げていただいたと、このように思っております。

 十一月十七日には、全員協議会で、この問題点を整理しながら御報告をされた、まことに見事であったと、このように思っております。

 なお、ドイツ連邦議事堂に入れなかったことについて、このことを指摘をされていらっしゃいますけども、議場扉はガラス製であって、そしてまた、この中は見えるということでございまして、議席に比して傍聴席は多く、市民と議会のこのお互いが近い関係につくられていると、そのような報告はあったところでございます。

 また、ある議員の言動を捉えてそしりをされているわけでございますけれども、いつまでも揚げ足を取るのでは、これは不毛の論議であり、活力ある議員活動にふさわしくない、このように思っております。

 次に、「河津さくらの里 しぶや」についてのお尋ねでございます。

 本施設は、営業している旅館を譲り受け、区民の期待に応えて早期に開設するように努めてまいりました。取得に当たっては総務区民委員会に現地まで行っていただき、また、その後の委員会において、この取得をした場合の、この耐震化や改修、あるいは運営体制についても御論議をいただき、そのことを踏まえながら予算化をしてまいりました。

 その耐震診断は、そういう意味で、当初から予算に計上してまいりました。診断の結果、これが工事や修繕が必要となれば検討する旨、区議会にお答えをしてきたところでございます。

 このたび、診断の結果が出て、耐震強度の低いことが判明いたしましたので、その事後策、対応策については斎藤議員にお答えをしたところでありまして、御理解をいただきたいと存じます。

 詐欺とおっしゃっておりますけども、だまそうという気持ちはありません。時間差がこういう結果を生んだと、こういうふうに思っていただければいいかなと、このように思っております。

 したがいまして、この事業を廃止するという考え方は持っておりません。

 国保料の引き下げについてのお尋ねでございます。

 国庫負担割合は法令で規定されており、医療給付費のうち五〇%は国及び都からの支出によって賄われておりますので、国庫負担の引き上げを国に求める考え方は持っておりません。

 また、繰越金は、国保会計の運用のため、年度当初の支払いの財源として繰り越しをしているものでございます。

 国民健康保険の道府県化につきましては、政府は「社会保障制度改革国民会議」の最終報告書をもとに、社会保障審議会で議論が進められておりますので、今後の動向を注視してまいりたい、このように思っております。

 次に、医療費の無料化についてお尋ねでございます。

 七十五歳以上については、医療費の無料化、子どもの医療費を高校生まで拡大しろと、こういうお話でございました。

 この医療費は、社会保険制度を維持していくためにつくられている制度でございまして、区独自に医療費を無料化する考え方は持っておりません。

 子ども医療費についても、中学生まで無料化しているところであり、これを拡大する考え方は持っておりません。

 介護保険制度についての四点のお尋ねでございます。

 まず、「医療介護総合確保推進法」の撤回と「国庫負担の引き上げ」を政府に求めることについては、そのような考え方は持っておりません。

 次に、「保険料」と「利用料」の軽減について拡充をというお話でございました。

 第六期介護保険事業計画における保険料につきましては、計画作成の中で検討してまいりたいと存じます。

 また、区独自の保険料と利用料の軽減制度につきましては、預貯金要件を撤廃すること、あるいは、この自己負担が二割となる人の利用料を軽減対象とする考え方は持っておりません。

 次に、地域支援事業についてのお尋ねでございます。

 これまで各会派の御質問にもお答えをしてまいりましたが、地域支援事業の移行に関しましては、現状のサービスの低下を招かないような努力を渋谷区として、その方向については、第六期高齢者保健福祉計画の中に組み入れることを検討してまいりたいと存じます。

 特養ホームの待機者解消についてということで、これも今までの御質問と同じ内容だと思いますけども、旧本町東小学校跡地に新たに設置することで区民ニーズに対応してまいりたい。

 「ケアコミュニティ・原宿」については、増設の考え方を持っておりません。

 次に、中小企業振興対策の拡充について、中小企業振興条例の制定、中小企業・商店街に対する支援の強化にという御質問であったと存じます。

 本区は、中小企業振興を図るために、中小企業診断士による経営相談や経営の安定化、設備の近代化のための制度融資のあっせん等、具体的・実効的な支援を行っております。また、平成十七年には「渋谷区新たな商業振興のための条例」を制定をしておりまして、さらなる条例化は必要ないと考えております。

 最後に、公契約条例の改善についてということでございます。

 工事請負契約対象を五千万円以上にするべきである、また、賃金台帳の提出を義務づける、こういうお尋ねであったと存じます。

 公契約条例改正の趣旨及び概要については、先ほど所信表明で申し上げたところでございます。

 その中で、工事請負契約の対象を、予定価格一億円以上の工事に据え置いたことについては、労務単価や工事価格が上昇している中で適用範囲の引き下げは、事業者への過重な負担につながるおそれもあり、現時点では工事請負契約についての見直しは実施しないことが適当であるという労働報酬審議会の答申を踏まえての判断でございます。

 また、適正に賃金が支給されていることの確認につきましては、公契約条例では、対象の労働者は自分自身で賃金の内訳を確認し、条例の下限額を下回っていると思われる場合には、労働台帳を閲覧し、区や会社にその旨を申し出ることができるところでございます。

 区は調査の上、違反が認められる場合には是正措置を命じ、なお改善が図られなければ、契約解除や公表等の措置ができるものとしております。

 これら一連の制度により、十分な対応が可能であり、賃金台帳の提出を求める考え方は持っておりません。

 以上、答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) まず、私が取り上げた四つの国政問題について、私は、区民の暮らしと平和、そして地方自治にかかわる重大問題であるからこそ取り上げて、区民を代表する立場である区長に、その見解と対応を質問したわけであります。しかし、区長の答弁は、国政問題は国政の場で議論すべきだとして、見解を全く示しませんでした。そうした姿勢は、区民の置かれた生活や政治情勢を見ようとしないもので、許されないものだと厳しく指摘するものであります。

 再質問に入ります。庁舎問題の再質問であります。

 住民主権から外れているということで質問したいと思います。

 説明会で明らかになったことは、区庁舎の建替えという区の将来にかかわる重大なことを、区民そっちのけで、全く情報を明らかにせずに進めてきたことについてはほおかむりをして、自分たちが決めた建替え計画を区民も認めるべきだと押しつける本末転倒の行政のあり方だと言わなければなりませんでした。

 どうしてこんなやり方をするのか。それは、区長の行政姿勢に住民主権という基本精神が欠落しているからだと言わなければならない、そういうふうに私は改めて感じました。

 地方自治の基本である主権者である住民の意思に基づいて区政を進めていく、そのことに立ち返っていくべきでありますし、それが地方自治の本旨ではありませんか。

 区長は、住民が主人公ということについてどう考えているのか、質問いたします。

 二つ目の質問は、説明責任を果たしていないということであります。

 東京都のことについては、説明責任を果たしていないという答弁がありましたけれども、区長自身が一番説明責任を果たしていないではありませんか。

 区長は、今回の説明会で、区庁舎と公会堂の建替え計画は、三井不動産が建てる超高層の分譲マンション建設と一体のものであるにもかかわらず、三井不動産のマンション計画について、それは民間企業が建てるものだとしてほとんど説明しませんでした。

 今回の庁舎建替え計画は、三井不動産が三十七階四百十四戸の分譲マンションを建てる見返りに庁舎と公会堂を建てるもので、三つの建物を建てるという計画であります。その計画の大もとになっている三井不動産の分譲マンション計画については、全情報を区民に知らせる責任が区はあるのです。

 区長は、説明責任を果たし、三井不動産の計画に対する全情報を区民に公開すべきと考えます。区長の見解を求めます。

 三つ目は、区長が示した庁舎の建替え計画案は、現庁舎と公会堂の土地の三分の一、四千五百六十五平方メートルを三井不動産に七十年間もの長期間、借地権として提供する、そこに三井不動産は超高層マンションを建て利潤を上げるという計画になっています。

 区民の財産である区有地をなぜ大企業のもうけのために差し出すのか、この土地を区民のために有効に活用していくことを区長はなぜ考えないのかなどの意見が説明会でも出されました。

 地方自治法で明らかなように、地方自治体の役割の第一は、住民の福祉の増進に尽くすことです。区長は、この立場から外れて大企業優先の考えで今回の計画を進めているとしか思えません。

 大企業のもうけに奉仕する今回の計画について、区民は全く賛成していません。計画は白紙に戻すべきです。改めて区長の見解を伺います。

 次に、河津保養所に対する質問を行います。

 区が明らかにした河津町の保養所の耐震診断の結果は、大浴場の場合、〇・三以上なければいけないIs値がX方向……

   〔「数字が違う」「〇・六以上」の声あり〕



◆三十三番(苫孝二) 〇・六以上なければいけないIs値が、X方向で〇・〇〇六、Y方向では〇・〇〇三と極めて危険な数値となっているのです。

 保養所は、区民が温泉につかってゆったりくつろぐ場所です。その不可欠の大浴場が危険で使えないのです。それでは何のための施設かわからないではありませんか。

 区は、「近くの河津町立温泉会館を借りましたから、それを利用してください。保養所は営業を続けます」ということですが、これは全く区民を危険にさらし、区民を愚弄したやり方だと言わなければなりません。

 区長は、倒壊する危険が高い東館と浴場棟のある施設に、区民を隣り合わせの施設に区民を泊まらせることについてどう考えているのか質問いたします。

 二点目は、補正予算で浴場棟の解体・新築工事を計上しましたが、その一年以上の工事期間は、振動や騒音が発生し、保養所はくつろぎの場とはなりません。当然閉鎖するのが当たり前ではありませんか。

 区長がしゃにむに開設を急いだためにこんな矛盾が起きています。いかに区長が強引に進めた河津町の保養所の開設が道理のないものであるか明らかです。

 河津保養所の改修工事の補正予算は撤回し、区民の安全を守れない保養所は廃止すべきです。改めて区長の見解を伺います。



○副議長(沢島英隆) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会日本共産党議員団の苫 孝二議員の再質問にお答えをしたいと存じます。

 まず、庁舎問題についていろいろ言われているんですけれども、私どもは議員さんに言っておきたい。これ、私どもは、議会の議決を得て、建替えの意思を確認した上で次のステップに入っているんです。あなたは、全てを無視した言い方、住民、住民という言い方をされているけれども、それはおかしいんじゃないですか。それは議会制民主主義をとっている渋谷区にとって、そのような判断をするとすれば、何もかもここでやること自身も意味がないことになるんですよ。あなたはそのことをわかってお話しになっているのかと、私はそういうふうに思います。

 ですから、住民が主人公だと、こうおっしゃっているけれども、これはしかし、地方自治法は間接民主制をとっているんですよ。だから、あなた、ここにいらっしゃるんじゃないですか。それを判断しなくなければ、議会も要らなくなるんですよ、直接民主主義になったら。そのことをよくお考えください。

 それから、次に、この計画について、マンションの情報も含めて出せと、こういうお話でありました。

 このマンション事業の妥当性は、渋谷区が干渉するものでなくて、それぞれの事業者が、五事業者ともそうでございますけども、採算算定の上で本区に提案してきているんです。これならば、この庁舎を建てることができると、そういう判断のもとに出してきております。それの中で最もいい有利な案を渋谷区は選んで基本協定を結んだ、こういうことに相なります。そのことに、マンション建設については、事業者がどのような付加価値を生み出すかというのは、事業者のノウハウなんです。我々はそこまで干渉して、ああしろ、こうしろというのでは、これはしようがないんです、商売にならないんです。その点をよくお考えをいただきたい、このように思います。

 区民は全て賛成していないと言われましたけども、それはうそでしょう。住民説明会に出ている人は、言わなくても、言わない方でも、「実は賛成です」というふうに私に言って帰りました。大勢いることはあなたも感じているはずなんだ。それを、そういうゆがんだ形で言うというのは、私は正しくない、こう思います。そういうことでございます。

 それから、もう一つは……

   〔「河津町の」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) 河津。Is値が低いと、こういうふうに言われるんですね。庁舎も低いんですよ。なぜ河津だけ言うんですか。我々は、だから河津については対案を示しているんですよ。この庁舎と同じように、河津についても示しているんですよ。バランスのないそういう質問はできるだけ遠慮してもらいたいなと、こう思いますよ。

 この隣の町の風呂を使ってどうだということですけども、それは町も、ここに渋谷区の施設ができることについて、これは感謝しているんですよ。渋谷区の施設ができることによって、変な民間企業がこの土地を取得しなくて、地域にとってはプラスだと、こう言っているんですよ。ですから、我々はお互いが協力し合って、それは防災協定もそうでした。お互いが協力し合って、これからは自治体がお互いが協力し合ってやっていく、そういう時代が来ているんじゃないですか。

   〔「区民の安全優先」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) ちょっとうるさいですね、黙っていてください。

 工事のときに騒音が出るというのは、私はそのやり方についてはわかっていません。出るのかもしれません。そのことについては最善の努力をしながら、それは今の庁舎でも、どこの工事でも騒音の出ない工事はないと思います。それは最小にする努力をしながらやらせていただきたいな、このように思っております。

 以上、答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 苫 孝二議員。



◆三十三番(苫孝二) 区長の答弁は本当に聞いていた住民もあきれたんじゃないかと思います。本当に住民の立場に立っていない、こんな区政のあり方を私たちは追及しているんです。

 私たちが取り上げた問題は、住民要求実現の課題ばかりです。今後引き続き頑張っていくことを誓って質問を終わります。



○副議長(沢島英隆) 二十八番広瀬 誠議員。



◆二十八番(広瀬誠) 質問に入ります前に、去る十一月十七日、公明党結党五十年を見届けるように、私の最良の同僚、植野 修議員が逝去いたしました。六十五歳という若さで、まだまだこれからというときでございましたが、半年弱に及ぶ闘病生活の果てに、本当に安祥として生を全うせずに終わらせていただくことになりました。

 本議会におきましても、二十日の日に、弔意議定ということで前田議長、そして全議員の皆様方の温かい哀悼の意を表していただいた弔辞を頂戴をし、そして桑原区長を中心とする行政の皆様方の温かい哀悼の意を表していただいた弔辞を頂戴し、あわせまして教育委員会、そして行政関係の選挙管理委員会、そして監査委員事務局、議会事務局の皆様方に見守られて、二十三日、二十四日と葬儀を行わせていただきました。

 区民の皆様方にも、植野 修議員は、感謝の言葉いっぱいでございます。彼は生前、「挑戦」という言葉を最後に残しつつ、しゃべれない言葉を筆に書いて皆様方にお訴えをさせていただきました。本当に彼こそ渋谷区議会の名誉ある議員の一人であることを私は同僚の不肖の立場として心から敬意と尊敬の思いを抱いている次第でございまして、同僚の皆様方、そして行政の全ての皆様方に重ねて重ねて植野 修にかわりまして感謝を申し上げる次第でございます。本当にありがとうございました。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 区議会公明党を代表して、区長並びに教育長に質問いたします。

 初めに、福祉の道に終わりはないとして、我が公明党は五十年前の十一月十七日に誕生しました。その結党当初から、公明党は「福祉」の大切さを痛感し、数々の提案を行い、政治に反映してきました。高齢者も若者も、健常者も障がい者も、誰もが安心して暮らせる社会と安全なまちづくり。大衆と同じ目線で、現場で働く方々の身になって積み重ねてきたことが、大きな財産となっています。

 公明党が主導した「新バリアフリー法」もその一つです。各地でバリアフリー化が着実に進み、いつしか人々の心のバリアフリーも減少しているようであります。

 しかし、福祉の道に終わりはありません。解決が迫られる課題もまだまだ多く残されています。結党五十年の今こそ真価が問われるとき。公明党はぶれることなく福祉の道を進んでいきます。

 そこで、健康・福祉について伺います。

 既に第二回定例会で地域包括ケアシステム、そして認知症対策についてお伺いし、詳細な区長答弁をいただきました。今定例会におきましても、冒頭、区長発言で、区内認知症の対応について、また取り組みの一端について御紹介をいただいております。国、全国自治体に先駆けて、区民重視の諸施策に感謝の声は尽きません。

 認識の一致しているところではありますが、あえて述べさせていただきます。日本の認知症高齢者は三百万人を超え、団塊の世代が七十五歳以上となる二十五年には、約四百七十万人に達すると推計されています。

 英国やオーストラリアなどでは、早くから認知症対策を国家戦略と位置づけて対策を進めており、世界で最も高齢化が進んでいる日本こそ、国を挙げた取り組みで世界をリードすべき立場となっています。

 私ども公明党は、認知症対策の国家戦略化を訴えてきたほか、本年七月に政府に提出した公明党地域包括ケアシステム推進本部の提言でも、認知症疾患医療センターの整備促進や、医療従事者の対応力の向上など、認知症対策の推進を求めていました。具体的、そして地道な取り組みに渋谷区独自のオリジナリティを発揮されておられ、大変に感動いたしております。

 そこで、改めて認知症対策について質問いたします。

 国が構築を目指している地域包括ケアシステムは、要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい人生の最後まで住み続けることができるように、住まい、医療、介護、予防、生活支援などを一体的に提供することにより、その地域の特性を生かして地域で支えていくという考え方であります。今後増加が見込まれる認知症高齢者の地域での生活を支えるためには、その生活実態に合わせて、様々な生活支援サービスが切れ目なく継続的に提供される必要があり、そのためにも地域包括ケアシステムの構築の推進が強く求められていると考えます。

 第六期の高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画の作成のために実施した「日常生活圏域ニーズ調査」のデータによりますと、認知機能の低下のリスクがあるとされる者は、介護認定を受けていない一般高齢者である回答者総数一万八千二百七人の中の三一・八%である五千七百八十一人となっております。このリスクのある方々の全てが認知症ということではありませんが、つかめていない未回答者の状況を含めて、区としての認知症への対応は、今後ますます重要となっていくことは明らかであります。

 今回、区長発言にもありましたが、医療介護の相談・助言を行う総合的な地域拠点も設置し、認知症ケア推進担当課長が御対応いただけるとのこと。我が会派としてもかねてから要望していた体制であり、大変うれしく思います。

 そこで、このような状況の中、調査の途中段階ではあると思いますが、リスクのある方々へのきめ細やかな対応、また相談窓口となる地域拠点を生かして区はどのようにサポートしていくのか、区長の所見をお伺いをさせていただきます。

 次に、がん教育についてお尋ねいたします。

 既に幾度か質問させていただきました、がんに関する正しい知識を学び、命の大切さについて考える「がん教育」が、全国の教育機関で広がりを見せております。

 例えば、京都府や秋田県では、昨年度から、医師とがん経験者が授業で講師役を務めております。大阪府でも、来年度からモデル事業として、複数の中学校でがん教育を実施する方針だそうです。自治体独自の取り組みが求められています。

 日本人の二人に一人ががんになる時代であります。それだけに、子どもたちが健康の大切さと同時に、がんに関する正しい知識や患者に対する偏見を持たないようにするための機会を教育の現場で設ける必要があると考えます。

 国が定めた「がん対策推進基本計画」は、子どもたちが理解を深めるためには不十分だと指摘をしております。私ども、公明党ががん教育の重要性を訴えているのは、このためであります。

 文科省の報告書では「いのちの大切さを育むがん教育」との視点で、教育の目標を、一つ、がんを正しく理解する。二つ、いのちの大切さについて考える態度を育成するとしています。具体的な教育内容として、?発生要因、?予防、?早期発見・検診、?治療、?がん患者との共生などを挙げており、いずれも重要な内容となっております。

 実施に当たっては、幅広い関係機関と連携して進めることが求められます。学校だけの取り組みでは限界があります。今こそ、教育委員会と関係機関のがん対策の連携が求められます。先進事例として、当区の取り組みを期待いたします。教育長の現場での御意見を含めて、御所見をお伺いさせていただきます。

 次に、子育て・教育について伺います。

 まず、待機児解消の取り組みについてです。

 待機児童ゼロを実現すべく、我が会派も区長と心を合わせて全力で取り組んでまいりました。それでも、本年四月、百二十人だった待機児は、十月一日現在、二百七十五人となっているようです。

 今定例会の区長発言でも「例年にない特徴として、その六割がゼロ歳児であることです。先月二十七日から始まった平成二十七年度の保育園の申し込みに、毎日大勢の方が手続のために来庁される姿を目にしますと、引き続き、来年四月に向け、実効性のある待機児対策を早急に実施し、保護者の御期待に応えたいと存じます」として、最重要の課題と受けとめている思いを感じます。

 私も、ゼロ歳児対応で広尾の仮設園舎の継続的活用を御提案するつもりでおりました。早急な定員拡大の計画に感謝は尽きません。区長の御決意と展望の御所見をお伺いをさせてください。

 二つ目に、ハッピーマザー出産助成金制度の拡充についてです。

 渋谷区は「子育て支援ナンバーワン」との評価も高く、これまでも区長の御尽力により、子育て支援の充実を図ってまいりました。その中で、我が会派が提案してきました「ハッピーマザー出産助成金制度」は、平成十八年度、妊娠期の負担軽減策として「ハッピーマザー助成」としてスタート。平成二十二年度からは、区民の出産費用の経済的負担を軽減することを目的として「ハッピーマザー出産助成金制度」として開始いたしました。

 これは、御出産されると、まず御加入されている健康保険組合から出産育児一時金が四十二万円まで支給されることになっております。しかしながら、出産に要する費用は四十二万円を超える場合も多く、出産費用の負担軽減を図るため、渋谷区独自の施策として八万円を限度とするハッピーマザー出産助成金制度を創設しました。

 しかし、厚生労働省のデータを見ますと、社会情勢の変化に伴い、昨今の出産費用は五十五万円から六十万円と、都道府県別出産費用の東京の中央値も五十五万九千五百九十円と、ここ数年で費用も上昇しております。

 渋谷区も、平成二十二年度より実施しているハッピーマザー出産助成金制度も多くの方が利用し、大変喜ばれている制度でありますが、実情を鑑みて、もう少し加算し充実を図ってはいただけないでしょうか。区長の御所見をお伺いいたします。

 三つ目に、チーム教育についてであります。

 教員と外部の専門家が一体となって学校の課題解決を目指す「チーム学校」の取り組みについて教育長にお伺いをさせていただきます。

 学校では、いじめや不登校、発達障がい、保護者の貧困問題など課題が多様化・複雑化する傾向にあり、高い専門性が求められるケースが珍しくありません。経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の学校教員の一週間当たりの勤務時間は五十三・九時間に達し、調査三カ国の平均三十八・三時間と比べて大きく上回っているとのこと。一方、授業時間は十七・七時間で、平均十九・三時間より短いとのことです。教師が業務に追われ、生徒と向き合う時間が十分に確保できないとされています。これは、学校に教員以外の専門スタッフが不足していることが一因になっているとされています。

 例えば、学校の教職員総数に占める教員以外の専門スタッフの割合は、米国四四%、英国四九%だが、日本は一八%にすぎないのです。

 チーム学校の取り組みを進め、専門スタッフが増えれば、教員が授業や生徒指導に専念できる環境が整うと期待されています。また、多数の外部人材を受け入れるには、学校内の運営機能を強化することが欠かせません。

 チーム学校の推進について、どのような認識をお持ちなのか、また、区内小中学校の現状と取り組みについて、教育長の所見をお伺いさせていただきます。

 また、関連づけるのは早計かもしれませんが、平成二十五年度文部科学省が発表した「教職員のメンタルヘルス対策について」と題したデータがあります。それによりますと、全国の公立学校の教職員の「精神疾患による病気休職者数」は、平成四年度から同二十一年度にかけて増加の一途をたどっており、その後、若干減少したものの、依然として高水準にあり、深刻な状況は変わらないようです。

 平成二十三年度における病気休職者数は八千五百四十四人、そのうち「精神疾患」を理由とする人の割合は六一・七%、人数は五千二百人を超え、十年間で約二倍に増えていたこともわかったようです。

 教育現場を取り巻く課題は、複雑にして多岐にわたり、教職員が心の健康を崩してしまう理由も一くくりにはできません。だからこそ、同じ立場の教職員同士が支え合い、協力し合うべきところです。しかし、その教師自身が相談しづらい実態があるようです。

 さきの文科省の報告では、「同僚の教員に対して意見等を言いにくい」、「自分たちの指導等に、余り干渉されたくない」という教師間の雰囲気がある場合、職場において孤立するようになり、職場における業務やコミュニケーションについてうまく対応できない状況が生まれやすいと警鐘を鳴らしています。

 こうした状況を踏まえ、今日の教育現場では、教師間の「同僚性」、すなわち「教師同士の協働関係や援助の重要性」が大きな関心を集めていると言われています。

 教育評論家の尾木直樹氏は、七月二十七日付機関紙に寄せて、「皆さんには学校を超えて互いに励まし、切磋琢磨し合える関係性があると伺いました。これは『同僚性』の観点から見てもとても大事なことです。何でも相談でき、互いのレベルを高め合っていくという教師間の連携が、今ほど求められている時代はありません」と語っていました。渋谷区では、教職員の方々のフォローも適切に行われていると思いますが、改めて教育長の御所見をお伺いさせていただきます。

 四つ目に、福祉教育について教育長にお伺いをさせていただきます。

 福祉の大切さは私ども共通の課題であります。青少年の時代に命の尊さを学ぶよい機会となる福祉教育に果敢に挑戦いただければと思います。

 家族の中に認知高齢者を抱える家庭は増加の一途をたどっています。認知症に対する誤解と偏見をなくして、家族が本人とともに生きていく、よきコンシェルジュとなることが大切と考えます。

 身近に数多くの人材がいます。学んでおくことは大変価値があることと信じます。

 そこで、当区の各小中学校における福祉に特化した教育は実施されているのでしょうか。その一端をお聞かせください。

 次に、安全対策について区長にお伺いをさせていただきます。

 以前、我が会派の提案で、防犯対策の補助金制度を創設していただきました。これは、ピッキング対策としての玄関の鍵の取り替えやガラス飛散防止フィルム、また人感センサーライトの取り付けなどの費用の一部を補助するもので、侵入盗などの犯罪防止に効果を上げてまいりましたが、本年三月いっぱいで、本事業は終了いたしました。

 さて、東日本大震災以降、区民の防災意識が高まり、いざというときに備えて災害対策を講じている家庭が増えております。「災害対応力日本一」の渋谷区として、さらに各家庭での自助を普及させるとともに、災害を最小限にとどめる必要があると考えます。

 そこで、これまでの防犯対策としての補助金制度を復活・対象品目を拡充させ、さらに防災対策まで広げて、新たに「安全対策補助金」制度として創設、前制度同様、そのかかった費用の一部補助をしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 例えば、防犯対策の品目として、カメラ付きインターホン、振り込み詐欺対策としてナンバーディスプレイ電話などを追加し、新たな防災対策として、一定以上の震度で電気が遮断され、電気火災防止に効果がある「感震ブレーカー」などを挙げさせていただきます。

 区民の安全・安心対策として効果が期待をされます。区長の御所見をお伺いさせていただきます。

 最後に、行政改革についてお伺いをさせていただきます。

 現在、全国津々浦々の地方公共団体において作成されている財務諸表は、総務省の示す「基準モデル」や「総務省方式改定モデル」、「東京都方式」など複数の作成方法があり、どの方式を採用するかについては自治体の判断に任せられています。

 こうした状況は、財務書類による自治体間の比較や地方公共団体全体としての財務情報の開示等における課題となっています。このため、国は、財務書類作成の基本となる部分の統一的な取り扱いを整理する必要から、本年四月に新公会計制度の統一基準を示しました。この統一的な基準による財務書類等の作成について、来年一月を目途に正式に要請をするとともに、今後三年間を移行期間とするとしているところです。

 公会計制度改革によって新たに財務書類を作成することは、現行の現金主義会計では見えにくいコストやストックを把握し、決算情報等との対比により、財務情報の理解を深めることに役立つことから、区の財政運営に対する区民の信頼感をさらに高めることにつながるものと考えます。

 そこで、本区における今後の新地方公会計の推進の見通しについて、区長の御所見をお伺いをさせていただきます。

 以上、大きく四点について、何とぞよろしくお願いをいたします。



○副議長(沢島英隆) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党、広瀬 誠議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと存じます。

 最初に、認知症高齢者対策ということでお尋ねでございます。

 福祉の道は終わりがないと、誰もが安心して暮らせるまちとするために、前回は、この地域包括ケアシステムのあり方、あるいは相談室について貴会派の久永 薫議員から御質問いただいたところでございます。御質問にもありますように、認知症は急増すると考えております。

 本区は、第六期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画におきまして、「地域包括ケアシステム」構築のための方向性と具体的方策を明確にしてまいりますが、本区の認知症対策は、包括的かつ一元的でなくてはならない、また各施策は、連携がそれぞれ重要な分野と考え、その連携をしていくことが大切だ。そして、渋谷区独自のこのシステムを構築していくことが大切だということで、先ほどは自由民主党議員団の斎藤竜一議員に御答弁したところでございます。

 その中で、認知症相談コーナーを設置し、専門職種によって対応するのみならず、地域包括ケアセンターも在宅医療相談についても一元化することがよい、このようなことを御答弁とさせていただいたところでございます。

 他方、認知症の把握につきましては、七十五歳以上の高齢者に対しては、民生委員による高齢者実態調査を実施し、きめ細やかな対応に努めており、加えて、地域包括支援センターは、御家族、民生委員、見守りサポート協力員や介護サービス事業者などからの情報を集約して対応する体制を構築しております。

 今後は、先ほど申し上げましたとおり、認知症相談コーナーを創設し、地域包括ケアセンターの機能や、在宅医療相談窓口を統合した総合的な地域拠点を設置してまいります。一方、認知症初期集中支援チームが行う訪問型の支援を展開することで、効果的な対応をしてまいります。

 また、認知症カフェを設置するなど、様々な情報交換ができる機会を増やし、個々の対象者にきめ細かく継続的な対応をしてまいりたいと存じます。

 次に、待機児対策について、区長の決意と展望をと、こういうことのお尋ねでございました。

 これも、先ほど自由民主党議員団の斎藤竜一議員にお答えをしたところと重なるわけでございますけども、十月一日時点での待機児数は二百七十五人、とりわけゼロ歳児が百六十九人と全体の六割を占めているわけでございます。これは出生数の増加などが主な要因と思われます。

 加えて、十月下旬から始まった平成二十七年度の保育園入園申し込み状況なども総合的に勘案すると、ゼロ歳から二歳児への対策を中心に、短期間で実効性の高い新たな待機児対策を行う必要があり、現在既に設置している広尾保育園仮設園舎と初台保育園仮設園舎を、来年四月以降も有効利用をしてまいりたいと存じます。

 予定定員はそれぞれ七十四人、ゼロ歳から三歳児を主に受け入れ、これまでの待機児対策も含め、来年四月に向け、三百人を超える保育施設を整備することと相なります。

 広瀬議員も同様なことをお考えのことでございますけども、本会議で御提案する予定となっていたことは、まさに待機児解消に向けた思いは同じであったものと改めてお力をいただいたと強く感じたところでございます。

 また、その後の保育施設整備の検討状況につきましては、先ほどの答弁と重複して恐縮でございますけども、平成二十八年度には児童福祉センター内の保育所型認定こども園を、また、代々木小学校跡地を活用した保育施設等の開設準備を、平成二十九年度以降においては、笹塚図書館の移転跡地の保育施設活用、及び幡ケ谷二丁目防災公園予定地の保育施設についての準備、検討を進めているところでございます。

 本区は、今後も引き続き、人口減少社会を見据え、待機児解消を子育て支援の最重要課題と捉え、「産みやすく、育てやすく、働きやすい」子育て環境整備のために、さらなる定員拡大、保育の質の向上に全力を傾けてまいりたいと存じます。

 次に、「ハッピーマザー出産助成金制度」について、もう少し加算し、充実をと、こういう御質問でございました。

 「ハッピーマザー出産助成金」は、貴会派の御提言を受けまして、安心して子どもを産むことのできる環境づくりの実現に向け、出産時の経済的負担を軽減するために、平成十八年度に全国に先駆けて開始をさせていただきました。

 さらに、平成二十二年度からは、助成金の限度額を八万円までに拡充しております。

 実績としては、平成二十五年度の支給件数は千五百三十七件となっており、区の出生数も、平成十七年の千四百三十七件から平成二十五年の千九百九人と、約三三%増に相なっております。また、他の自治体からの問い合わせ、テレビ番組や情報誌からの取材もあり、出産、子育てしやすい自治体として、注目を集めているところでございます。

 このように、「ハッピーマザー出産助成金」は、区が実施している様々な少子化対策の中の重要な施策の一つであり、出産に要する費用の実情などを勘案していく必要があると考えておりますが、まずは、緊急課題である待機児対策を優先して実施していきたいと存じます。

 次に、安全・安心の街についてということで、補助金制度の復活、対象品目の拡充ということで、安全対策補助金の制度創設についての御質問でございました。

 これまでの「防犯対策補助金」を復活・拡充するとともに、防災対策を拡大していく。そして、「安全対策補助金」の制度創設についてのお尋ねでございます。

 お尋ねの御趣旨は理解できるところでございますが、防犯対策用品については、それぞれ区民は自助として実施しており、自助努力で備えることが望ましいと考えております。補助を復活・拡充することについては基本的に考えていないところでございます。

 また、感震ブレーカーについては、高額であり、一般化しておらず、自助努力で設置をしていただきたいと考えております。

 以上、御理解をいただきたいと存じます。

 次に、行政改革についてのお尋ねでございます。

 新地方公会計制度の整備推進についての見通しでございますが、このことについては、申しわけございませんけども、企画部長から答弁をさせますので、よろしくお願いを申し上げます。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 浅川企画部長。



◎企画部長(浅川和憲) 新地方公会計の整備推進の見通しについてのお尋ねにお答えさせていただきます。

 全ての地方公共団体に適用する新たな基準に基づく財務書類の整備に当たっては、自治団体の資産の状況を正しく把握することや、他団体との比較可能性を確保することが重要となります。

 このため、財務書類の作成に必要な情報を備えた補助簿として、固定資産台帳を整備することが不可欠であるほか、本区にあっては、財務書類の改正に当たり、現行の一部電算システムの更新を行う必要があるなどの課題があり、各課題に的確に対応していく必要がございます。

 「固定資産台帳」につきましては、来年度当初より、関係所管が連携し、平成二十八年度当初の完成を目指してまいります。また、電算システムの更新については、庁舎移転を控える中、区民サービス向上等様々な観点を踏まえ、総合的に検討し進める必要がある課題であることから、来年一月に予定されている国からの正式な要請を待ちまして、財務書類作成の具体的なスケジュールを検討してまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(沢島英隆) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について四点のお尋ねがございました。順次お答えをいたします。

 初めに、「がん教育」についてのお尋ねです。

 日本人の死亡原因の第一位である「がん」について、予防などの正しい知識やがん患者に対する正しい認識を持ち、命の大切さに対する理解を深めることには、大人のみならず子どもにとりましても重要であると考えております。

 現在、学校教育におけるがんに関する学習は、学習指導要領に基づき進めております。小学校では体育科の保健領域で、中学校では保健体育科の保健分野において、喫煙のリスクや規則正しい生活による予防などを学習しております。また、道徳や特別活動などの命の大切さを考える学習の中で、がんについて触れていることもあります。

 しかしながら、国の「がんの教育に関する検討委員会報告書」、また私も長く現場にいた中で考えたことなんですが、がん教育の実施に当たっては十分な配慮が必要と考えております。

 例えば、学級の中に、小児がんを患ったことのある児童・生徒がいる場合や、御家族にがん患者がいる児童・生徒がいる場合などは、大変慎重に取り扱う必要がございます。

 来年七月に、文部科学省は、「『がん教育』の在り方に関する検討会」を設置し、モデル事業を始めました。モデル事業では、がん教育用の教材作成や教職員向けの研修会などが実施されるとともに、学習指導要領改訂の必要性についても検討する予定というふうに聞いております。

 これからも、渋谷区では保健所や医師会等とも連携を図り、健康教育を進めてまいります。

 次に、教員と外部の専門家が一体となって学校の課題解決を目指す「チーム学校」の推進についてどのように認識しているか。また、小中学校の現状と取り組みについてのお尋ねでございます。

 近年、学校が抱える課題は多様化・複雑化しており、課題解決に当たっては、学校だけではなく外部の専門家の方の力を十分に活用する必要があるということを認識しております。

 現在、いじめや不登校などにつきましては、スクールカウンセラーが教員と連携して対応しております。また、発達障害への対応としましては、教育委員会に設置しております特別支援教育専門委員会や巡回相談チーム等が専門的な立場から学校を支援しています。

 さらに、家庭の問題に関しましては、教育センターにいます四名のスクールソーシャルワーカーが精力的に取り組んでおります。

 ただいま一例を申し上げましたが、教育委員会では、これ以外にも現状多くの専門スタッフを学校に派遣し、学校の機能強化に努めており、このような取り組みは、議員のお話にありました「チーム学校」という考え方に合致するものと考えております。

 今後もこうした取り組みを充実させるとともに、必要に応じて、関係諸機関とも十分連携を図りながら、しっかりと学校を支えてまいります。

 次に、「本区の教職員へのフォローは適切であるか」とのお尋ねでございます。

 現在、教員は多くの課題に直面し、様々な悩みを抱えており、一人一人に寄り添った適切な支援が必要となっています。

 私が教育長に就任させていただきました昨年から最も力を入れて取り組んできたことの一つに、教員を支える体制の強化があります。

 一例を挙げますと、指導室に校長経験者である教育指導教授を複数名配置し、教員の悩みや課題に応じて個別に相談に乗り支援できる体制を充実させてきました。

 授業に課題がある教員、保護者との関係に悩んでいる教員、育児休暇明けで以前のように力が発揮できていない教員などに対して、教育指導教授が一対一での丁寧な支援を行い、技術的な面でも、精神的な面においても教員を支えています。これは、渋谷区独自の取り組みでございます。

 このような渋谷区の取り組みに対し、校長や教員からは大変評価をされており、確実に効果があらわれておりますので、さらなる充実を図ってまいります。

 次に、「本区の小中学校における福祉に関する教育は、どのように実施されているか」とのお尋ねです。

 本区では、教育の基本方針として「人権尊重の精神」と「社会貢献の精神」の育成を取り上げています。偏見や差別意識を解消し、人としてお互いの立場を尊重して思いやりの心を育むことは教育の基本となることです。

 そのため、学校では、家庭や地域と連携し、社会体験や自然体験、ボランティア体験や交流活動等に力を入れております。

 本区の学校等における福祉に関する取り組みについてですが、まず、保育園・幼稚園では、敬老会や高齢者施設の方々との交流活動など行っております。小学校では、アイマスクや車椅子による体験活動や地域の敬老会の方々との地域清掃活動などを行っています。

 中学校では、特別養護老人ホームや生活実習所などでの職場体験学習、地域行事や各スポーツ大会等でのボランティア活動などに積極的に取り組んでいます。

 このように、子どもたちが障害者や高齢者などとの出会いや触れ合い体験などを通して人間の生き方について学び、互いに支え合うことのすばらしさを実感できることはとても意義深いことであり、今後とも各小中学校での充実に努めてまいります。

 以上、答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 二十八番広瀬 誠議員。



◆二十八番(広瀬誠) 区長並びに教育長、それぞれ御丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございました。

 区長のおっしゃるように、私も渋谷区の待機児解消にかかわっては、これは最重点課題と、毎日のようにこの役所に乳飲み子を抱えたお母さん方が三階の子ども家庭部に来ておられる姿を見ますと、本当にこれはもう一朝一夕ならないと、この思いを強くいたします。

 いろいろな施策にかかわりまして、区当局、区長は本当に呻吟をされながら次々と手を打たれている、その思いは共感をさせていただく次第でございますが、待機児解消、また、それぞれの流れの中で、渋谷の未来ある子どもたち、そうした各御家庭がそれぞれお子さんをもうけられて、さらに渋谷の発展に供されるような状況が生まれつつあると私は信じます。どうか先行きの流れの中で、再度また再考いただけるような機会がありますれば、是非ハッピーマザーにかかわりましても御検討いただき、防犯対策にかかわりましても御検討いただき、それぞれにまた一考いただければと思います。

 また、教育委員会、また教育長のほうからの御答弁ありがとうございます。大変御丁寧な御答弁を賜りました。

 私の亡くなった同僚、植野 修も教育には大変熱心な人間でございまして、渋谷区の小中学校のPTAの会長、そして青少年委員、全てそうした現場からの出身者ございまして、私ごときが本当に範を垂れるべき存在でございました。

 渋谷の教育は私は日本一だと存じております。そしてあわせて、どうかさらに積極的に様々な人材の登用がされますように、渋谷の教育がさらに発展されますように心から御期待を申し上げます。

 以上をもちまして、質問を終わらせていただきます。

 本日は大変にありがとうございました。



○副議長(沢島英隆) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後四時二十三分

   再開 午後四時四十二分

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○副議長(沢島英隆) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 十番長谷部 健議員。



◆十番(長谷部健) こんにちは、長谷部 健です。無所属クラブを代表して質問をさせていただきます。

 区議会議員になって十二年が過ぎ、四十二歳となりました。この年齢になると若さを追い求めることも大切ですが、一方で、うまく成熟していくことも求められてきているように感じます。

 考えてみると、特にこの日本では若さ、フレッシュが重要視されてきている風潮が強いと思います。食材にしても、新鮮な魚、肉、野菜が重宝され、スーパーの広告は「鮮度抜群」とか「できたて」「焼きたて」「つくりたて」なんていうコピーが踊っています。フレッシュが重宝される余り、成熟させたらおいしい食材までも「新鮮」がセールスポイントとして売られています。その昔OLブームが女子大生ブームになり、女子高生ブームと、これもある意味、フレッシュさを求める余り低年齢化しています。アイドルの世界は顕著です。男女を問わず低年齢化しています。スポーツの世界でも、若さが強さと思われている節があります。でも、本当の強さとは、若さに経験と技術が相まってこその強さだったりするのに。

 日本でのフレッシュ信仰はまだまだありますが、ここ数年、成熟も評価されてき始めています。おいしい肉を提供するために熟成の仕方や保存方法を売りにする店、寿司屋でも、赤身系の魚は同様に熟成や保存方法を売りにする店が目立ってきたり、ワインやチーズがはやったり、アラサーとかアラフォーとかが雑誌の紙面に目立ったり、四十を過ぎても活躍するスポーツ選手が増えたりと、成熟が評価され出してきました。

 何を言いたいかというと、近年、そしてこれからのキーワードは「上手に熟する」ということ、フレッシュからマチュア、新鮮から成熟へとなってくるということです。フレッシュだけでなく成熟を目指し育てていく、成長していくということが求められてきています。これからの超高齢化社会には、両方のバランスをとることが大切と感じています。個人的にも、大人として、父親として上手に熟していきたいです。

 さて、成熟した社会はどんな社会なのでしょうか。福祉の視点から成熟した社会を考え、最新の福祉機器を展示したイベントが十一月十二日から十八日までヒカリエで実施されました。イベント名は「二〇二〇年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」です。

 福祉や福祉機器と聞いても、何となく自分には関係ないと感じてしまう人も少なくないと思います。日本では建物や道路の段差等、物理的なバリアは年々低くなる一方で、一人一人の心の中に存在する意識のバリアはまだまだ高いままです。この展示会で思わず「カッコイイ」とつけてみたくなる、「カワイイ」と使ってみたくなるデザイン、健常者以上の機能を与えてくれる、「ヤバイ」感じすらするテクノロジーの福祉機器や福祉サービスが集められています。同時開催のシンポジウムでは、先駆的な研究者や実践者、従来の福祉の文脈では登場しない人に集まってもらい、未来について語り合ってもらいました。おかげさまで渋谷区からも共催という形で応援をいただき、NHKのニュース、「ワールドビジネスサテライト」などのテレビ、日経や読売などの新聞などなどで取り上げていただき、大盛況でした。

 このことから鑑みても、今までの福祉にない心のバリアをも取り払おうという試みや、成熟した社会の実現に向けて多くの人々が関心を抱いていることがうかがえます。

 また、このイベントには渋谷区の福祉作業所からも、障がい者たちがパンフレットを会場で配ったりするバイトなどで参加したりしましたが、来年からは渋谷区ももっともっと積極的にかかわり、ここに展示されたものを施設で使用してみたり一緒に開発にかかわってみたりと、もっともっとこのイベント及びかかわる人々をうまく利用したりしてみたらいかがかと思いました。

 福祉作業所でつくっている商品も、この会場で販売すればかなり売れると思います。おしゃれな商品をつくるために、ファッションのまち渋谷区ですから、アパレルブランドとコラボレーションなどが作業所でできたらなお一層いいですね。区長が自ら渋谷発の超有名ブランドに話せば、乗ってくるブランドは幾つかあると思います。是非そういう活動も区長にお願いしたいです。

 ここで、まず一つお伺いします。

 「二〇二〇年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」を来年は渋谷区がもっと中心に入って開催してみませんか。新しい成熟した社会を提案するイベントですが、このイベントを通じ出会うヒト・モノ・コトは渋谷区の福祉行政に新しい視点をもたらすこと間違いなしです。

 ちなみに、僕はこのイベントをNPO法人ピープルデザイン研究所の人々とつくっていく過程で、超人オリンピック開催を目指す慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、通称KMDという最近はやっている有名なところですが、そこの稲見教授と学生、パラリンピックの選手用に義足を研究開発しているソニーコンピューターサイエンス研究所の遠藤 謙氏、パラリンピックに出場する鈴木 徹選手、花岡伸和選手、義足のモデルのGIMIKOさん、オランダのデルフト工科大学でヘルスケアにデザインができることを研究しているリチャード・グーセンス人間工学博士などなど、その分野のトップランナーたちと仕事を通じて多くのことを学びました。僕にとって財産と言える経験と出会いでした。渋谷区の福祉行政に是非、このイベントにかかわっていくことでこの超福祉のヒト・モノ・コトを渋谷区の福祉行政に役立てていただきたいです。区長の御所見をお伺いします。

 続いて、渋谷区にコミュニティラジオ局をという御提案です。

 昨年までは渋谷FMというコミュニティラジオ局がありましたが、残念ながら経営が苦しくなり、倒産をしてしまいました。ラジオ業界自体がここ十五年以上苦戦が続いている状態で、今までどおりの広告収入に頼ったビジネスモデルでは運営がかなり厳しいのが現状です。とはいえ、このままラジオというものがなくなってしまうのかというと、決してそうでないと思います。

 各ラジオ局では現在、試行錯誤が続いていますが、インターネットとの親和性もよく、間違いなくマルチメディア化をしていくでしょう。そうなっていったときに、ラジオで音楽を聞きながらその曲をボタン一つで買えるだけじゃなく、ファッションやおいしい店の情報とか、観光についてとか御当地のイベントなどの情報を取りにいくメディアになってくると思います。リスナーがラジオに求めるものとして、音楽の選曲以外の要素が増えてくるのです。これは近い将来の話です。ですから、ラジオの収益構造も変化していきます。

 ブランド力のあるまちは、この状況においてはチャンスがたくさんあります。特に渋谷区はファッション、グルメ、観光など欲しい情報が詰まった文化的エリアですから、国内外からも情報を得ようとアクセスをしてくるでしょう。ラジオでは、そのニーズにこたえたコンテンツをつくるというのがもちろん前提です。商店会と協同でイベントを企画運営できれば、その優位性を使って商店振興やまちおこしの分野で事業性を発揮することもできるでしょう。

 災害時のメディアとしてコミュニティラジオの有効性が評価されていますが、これから変化していくラジオは、渋谷区にとっては、民間とともに新しいカルチャーをつくっていくメディアである可能性をも秘めています。平和国際文化都市・渋谷には、渋谷だからできるコミュニティラジオが是非あってほしいものです。

 渋谷、原宿の商店会からも、街のメディアとしてコミュニティラジオを是非という声も聞こえてきています。なくなってしまった渋谷FMを惜しみ、渋谷に何としてもコミュニティFMをという声を上げている文化人たちもいます。是非区もそういった人々と協同して、コミュニティFMの再生をお願いしたいです。

 総務省では、新たにラジオ電波事業の免許を発効するという話も出ています。当該自治体の応援も不可欠です。渋谷区ならではのコミュニティFMの再生についてバックアップをいただきたいのですが、区長の御所見をお伺いします。

 続いて、若い世代の防災意識についてです。

 一般的に、防災意識については高齢世代のほうが高いとよく言われています。実際、渋谷区の避難訓練でも、参加者は高齢者が目立ちます。若い世代は仕事や育児でなかなか訓練に参加できないのが現状です。若い世代が参加したくなるような避難訓練ができないものかと以前も御提案したのですが、その後、わかりやすい例になればと、民間団体と代々木公園のキャンプをしながら避難訓練をするということに取り組んできました。「SHIBUYA CAMP」と銘打って、もしも被災したときを想定して、普段はキャンプすることはできない代々木公園で特別に一泊しながら「自分で自分を守る力、自助能力の訓練をしましょう」と呼びかけました。十一月の寒い時期に公園に泊まり、その過酷さを体験したり、自衛隊のミッショントレーナーを招き学ぶ場を授けたりと企画も盛りだくさんのイベントですが、三年目の今年も定員の百名は若い人たちで埋まってしまいました。

 既存の避難訓練とは別に、こういった若い層をターゲットにした避難訓練も区が取り組んでよいのではと考えます。代々木公園にキャンプをするということをどんどんやりましょうということではなく、社教館や区民施設や学校に泊まってみましょうとか、いろいろと区が関係していくことができると思います。

 このイベントで発行している災害時の対応マニュアルも非常によくできていて、これだけでもう授業、講座ができるようなレベルになっています。ちょっと御紹介します。

   (資料提示)



◆十番(長谷部健) ホワイ七十二。七十二と書いてあるんですが、七十二時間とにかく耐えればその後、何かが起こるという、行政が七十二時間は、まずすぐには助けにこられない体制だということとか、本当に僕らが知っておきたいことがコンパクトにデザインされて、うまくまとまっています。

 一つの正方形ごとにこれをパネルにしていったり映像にしていったりすれば、簡単なセミナーもこれ一つでできると思います。

 さらに、裏面には、仙台で被災された方々からインタビューしていて、実際に困ったことですね、例えば携帯の電池が切れて充電もできずに、日ごとに安否確認がとりにくくなっていった。だからつまり、すぐに携帯をばかばか使わずになるべく電源を切ったりしながらそういうことをやって……、何というんだろう、節電していきましょうとか、これは政治の世界にも言えるんですが、うその情報が出回り何が正しい情報かわからなくなったとか。こういうことが起きるので、それはちゃんと自分たちでメディアリテラシーを持ちましょうとか、そういうことが書いてあります。

 これ、僕が今まで見たこういうチラシとしては、一番災害のことがまとまっていて、スタイリッシュなものだと思います。これが渋谷区内のNPOとかでつくっているので、こういうものは是非渋谷区が一緒に、協同してつくっていったらいいのじゃないかと思います。

 こういった団体と協同しながら、既存の避難訓練にプラスアルファする形で若い世代向けに防災意識啓発が必要と考えますが、区長の御所見をお伺いします。

 最後は、子どもたちの海外留学についてです。

 僕は、海外に見聞を広げに行くことには大賛成です。自身の経験からも、海外に行っていろいろと感じてくるということは自分自身の成長に欠かせないと感じています。本来なら渋谷区の子どもたち全員にそのチャンスをと思いますが、現実はそう簡単ではありません。

 そんな中、今年はフィンランドと中国に青少年派遣研修が実施され、「渋谷区いいね、どんどんやりましょう」と感じています。

 そこでですが、スポーツ議員としては、サッカー、野球、陸上等の種目で毎年選ばれし数名を、夏休み時に短期留学をさせてあげられないかというお願いです。

 例えばサッカーならば、少年世代の育成に定評のあるオランダ、ドイツ、スペインなどのクラブチームに行ったり、野球ならば発祥の地・アメリカへ、陸上も同じくアメリカはボルダーやクロスカントリーの強い北欧など、行き先は想像するだけでわくわくします。

   〔「オーストラリアもいいね」の声あり〕



◆十番(長谷部健) いいですね。

 渋谷区の少年サッカー教室でおなじみの元日本代表、藤田俊哉氏が先日、渋谷区の少年サッカー教室に来ていました。藤田氏は現在、オランダのプロチームでコーチをしているので、夏休みに例えばオランダのチームに「渋谷の子どもたちが短期留学した場合、受け入れてくれるかどうか」を聞いてみたところ、実際にクラブに確認もしてくれて、「日本からの子どもたちを受け入れる用意はできる」とのことでした。交渉すれば、幾つかの種目でこういった企画がつくれるということを感じます。

 スポーツは、言葉が通じなくても子どもたちが短期間で何かを感じ取るにはうってつけです。その種目では渋谷区でトップレベルの子どもたちが海外で感じ、学んだことは次の世代にフィードバックされ、例えばコーチも毎年一名くらい行ければ、最先端の指導法を行けなかった子どもたちに伝えることもできます。夢のある話、いいですよね。

 でも、問題は予算かなと思います。もちろん区の予算でという手もありますが、子どもたちに海外の経験をという大義のあるプロジェクトですから、寄附を集められるように基金をつくったり、クラウドファンディングを活用していけば区の負担は減ると思います。是非スポーツ分野における子どもたちの海外短期留学を御検討ください。区長の御所見をお伺いします。



○副議長(沢島英隆) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 無所属クラブ、長谷部 健議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 なかなかフレッシュですばらしい御質問だと、このように思いますけれども、順次お答えをさせていただきたいと存じます。

 超福祉についてのお尋ねでございます。

 上手に熟するということで、ヒト・モノ・コト、それを超福祉とヒト・モノ・コトを渋谷の福祉行政に生かしてほしいと、こういうことでございます。私は、その願いはすばらしいものがあると思います。残念ながら議員のおっしゃっている福祉機器の展示会には行けなかったけれども、みんなすばらしいと、こういうふうに異口同音に言っておりました。

 私自身、それでは行政がと言いますけども、行政はそれぞれ仕事がある。法に基づくいろんな仕事があるわけでございますから、直ちにそれをやるということには相ならないかもしれませんけれども、こういった活動は区民の意識を変え、広がっていく、このように思っておりまして、区として協力できるとこはしたい、このように思います。

 次に、コミュニティFMの再生をバックアップしてほしいと、こういうお話でございました。

 FMラジオ局はインターネットとの親和性がある、またマルチメディア化することによって今後、観光やイベント情報周知のための有効な手段になろうという将来への見通しについては同感でございます。区といたしましても、コミュニティFM局は観光都市としての情報を発信し、あるいは災害時のメディアとして有効な手段に相なろうと思っております。したがいまして、コミュニティFMの再生につきましては可能な限り積極的に協力をしてまいりたいと、このように思います。

 次に、若い世代の防災意識についてということで、既存の避難訓練にプラスアルファする形で若い世代向け防災意識の啓発をと、こういうお尋ねであったと思います。

 言うまでもなく、我が身、我がまちを守る上で重要なのは、自助、共助でございます。御自宅における事前の備えはもとより、地域の防災訓練に参加し初期消火や応急救護などを身につけるとともに、お互いに顔見知りになることも重要でございます。これまでも、地域の訓練において自主防災組織や学校、PTAが連携をして地域防災の担い手となる中学生を取り込んで訓練をしたり、あるいはPTAが子どもと学校に宿泊する訓練も取り組んでおります。

 議員御提言の、民間団体と協同しながら代々木公園や区民施設を利用して避難訓練を実施することは、若い世代に防災に対して関心を持たせ、自助を認識させる点において一つの方法かと思いますので、民間団体と協力して若い世代を取り込む試みを私どもも協力していきたいと、このように思います。

 同時に、地域のことは自主防災組織が中心となって担うことであり、現在、比較的若い人が多く入居するマンションの住民を参加させようとする動きや、企業の協力によって若い世代を参加させる取り組みも促進させていきたいなと、このように思っている次第でございます。御協力をいただければありがたい、このように思います。

 スポーツ分野におけるトップレベルの子どもの海外短期留学についてという御提言でございました。

 海外の調査が人を育てる、自己の成長につながる大切な機会だと御見識を御披露されました。私もそうだと思っております。本区では、フィンランド共和国や、あるいは北京市西城区へのこの派遣事業も、これもすべては渋谷の未来を担う子どもたちが国際的視野や感覚を養う、あるいは平和への願いを実現するために必要なことだと、このように思っているところでございます。

 これまで渋谷区はドイツのニュルンベルクのスポーツを通じた国際交流、来年度はサッカーを通じた青少年の国際交流を実現したいと、そのような考え方から受け入れ先等を現在、調整をしているところでございます。また、ドイツとの交流事業は平成二十五年における区内で事業展開をしている企業の寄附を原資に実施を予定しているところでございます。

 事業の進め方でありますけども、区といたしましては、対象をトップレベルの子どもに限定するということはなかなか難しい、このように思っております。どの子どもも等しく海外派遣の機会を提供していくことが大切ではないか、このように思っているわけでございますし、交流先として一番に考えなければならないのは安全確保であろうと、このように思っているところでございます。

 議員御提言のトップレベルの子どもたちの選抜、育成は、ドイツのスポーツシューレなどの制度がまだまだ日本にはございませんので、なじみの薄い、そういう制度ではないかなと、このように思っております。したがいまして、なかなかこの御提言の趣旨には沿いがたい、こういうことで御理解をいただきたいと存じます。

 以上、答弁といたします。



○副議長(沢島英隆) 十番長谷部 健議員。



◆十番(長谷部健) シンプルに四つの項目で質問して、三勝一敗という感じの答弁をいただいたんですが、多くは前向きに捉えていただいて、ありがとうございます。

 基本的にどの質問にも共通しているのは、区が得意じゃない部分は民間と組んで積極的にやっていったらいいんじゃないかというところが共通しているんです。

 まず最初に超福祉のところで言えば、イベントをつくるということを区がやるというよりは、そこの運営にかかわっていくことで知り合う人がいっぱい増えるんですね。今回もいろいろメディアに出ましたから、また問い合わせも増えてくるんで、福祉に新しい風を吹かせる人脈を、多分どんどん増やしていけるんだと思います。結局いろいろなことを、自分でもNPOをやったり事業も見てみたりしていますが、やはり詰まるところ人だったりするんですね。人間力。だから、そこで人脈というのはすごく大切なので、こういった機会をうまく利用して、人脈を区が財産としてつくっていけたらすごくいいんじゃないかなと思っています。

 FMについても、できる限りのことはするという非常に前向きな御答弁をいただいて、ありがとうございます。僕もですね、これが是非渋谷ならではで、もう日本じゅうに、世界じゅうに誇れるようなコミュニティラジオになれるように全力で応援していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

 避難訓練についても同様で、とにかく若い人たちがなかなか参加していないというこの課題に対して、若い人たちが魅力と思う企画をどんどんどんどん打っていかないといけないんだと思うんです。

 だから、何というんだろう、さっき言った、ただ単にAEDの講習をしようというんじゃなくて、それが場所だったり時間だったりとか、どういう仲間とどこにどういうものが、講演がくっついてくるかとか、そういうことによってまた行ってみようという気が、若い人たち伝わったりすると思うので、決してすり寄れと言っているわけじゃないんですけれども、こっちから手を差し伸べてあげないとやっぱり来ないものは来ないんで、トータルのことを考えたら、こうやって民間と組んでいろんな避難訓練のパターンをどんどんパッケージ化して、何回も渋谷区でやっていく必要があると思います。これについても民間団体と組んでやろうということですので、是非これが来年度、実現できるように僕も応援していこうと思います。

 最後のスポーツのところの留学は、ちょっとなかなか歯切れが悪いところではあったんですが、何というんだろうな、スポーツに限らずなんですけれども、世界に通じる大天才を育てようと思ったら、僕はやっぱり天才をたたかないとですね、言葉は悪いですけれども、応援しないと大天才にはなかなかならないと思うんです。だから、やはり全員にというのは、もちろんそれは理想なんですけれども、やはり現実的にはそれが難しいのであれば、今までやっていることは、なるべく全員という目線で区はやっていますから、これに関してはトップレベルの選手を伸ばす、トップの才能がある子をどんどん背中を押してあげるみたいなことができたらいいんじゃないかなと思います。

 そういう人たちは行って感じてくることで、もう行けば感じるんですよね。言葉じゃないと思います。是非この海外の留学についてはそういった、トップレベルの選手を連れていくということをもう一回、再検討していただければなと思います。これは意見として申し上げておきます。

 今、申し上げたことがどんどん実現するように今後も力を尽くしていこうと思います。

 どうもありがとうございました。



○議長(前田和茂) 六番治田 学議員。



◆六番(治田学) 民主党渋谷区議団の治田 学です。会派を代表して区長並びに教育長に質問いたします。

 質問に入る前に、一言申し述べさせていただきます。

 去る十一月十七日に御逝去されました植野 修議員におかれましては、六期二十四年の長きにわたり議員を務めてこられたその功績に敬意を表すとともに、六十五歳という早さでお亡くなりになられたことを悼み、心より御冥福をお祈りいたします。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、庁舎建替えについてお伺いいたします。

 昨年第三回定例会で渋谷区役所建替えを求める決議の決定を受け、本年三月に行われた第一回定例会で七十年間の定期借地権を含む三井不動産との基本協定案が可決されました。当初、私たち民主党は議会で、まず耐震補強をして、十分な時間をかけて建替え計画を策定し、区民に示すべきであると主張してきましたが、議会での建替えを求める決議の決定と早期の耐震化の必要性、また以前から建替えの手法の一つとして定期借地権という方法を提案してきたことから、現在進めている事業に賛成をしてきたところであります。

 しかし、ここに来て、この事業に大きな問題が起きています。

 十月三十一日に行われた庁舎問題特別委員会において「新総合庁舎等整備事業建設コスト高騰への対応等について」という報告があり、建築資材、人件費に三割から五割の高騰が見込まれるということが明らかになりました。さらに、この対策として、ア、敷地の有効活用による住宅棟の容積率の割り増し、イ、定期借地権の評価額の引き上げという案が示されました。

 確かに基本協定の第八条(本事業の実施)の二には「物価変動により発生するリスクで本事業への影響が大きいと認められる場合は、事業者はその費用負担等の取り扱いについて、区へ協議を申し入れることができる」とあります。しかし、建設費の高騰については、これまでの庁舎問題特別委員会でも指摘をされており、協定の締結から一年もたたないうちに当初案に大幅な変更が必要であるとなれば、この計画自体に不安を抱かざるを得ません。

 この見通しの甘さに加え、その対策案が区の財政負担ゼロということを建前に民間マンションの容積割り増しに変えるという考えは、余りにも安直ではないかと考えます。

 区有地は、区民の財産でもあります。七十年間の定期借地は実質的な財政負担はないものの、区民の資産を活用する事業である以上は負担が全くゼロであるとは言えません。民間マンション部分の割り増しは、先ほど斎藤議員への答弁で二層の割り増しということが示されましたが、建設費が今後さらに高騰するかわからない中で、さらなる変更の可能性が全くないと言えるのでしょうか。

 文字どおり青天井で民間マンションの高さが高くなるような方向には、進むべきではないと考えます。仮庁舎への計画は進める一方、建替え計画については一時凍結することも含めて事業案の練り直しを図るべきであると考えます。区長の答弁を求めます。

 次に、定期借地権についてです。

 この民間マンション部分の定期借地権については、基本協定の第五条の五に「民間施設の居住者を退去させるとともに除却を行い、区に活用用地を更地で返還しなければならない」とあります。しかし、七十年後の二〇九〇年の時点で居住者が速やかに退去するのか、その際、渋谷区が移転費用を賄うようなことになるのではないか、また、マンションの除却費用は管理組合の積立金によって行われるということですが、積立金が不足した場合、三井不動産が不足分を補い更地返還を行うという契約がなされているのか、この二点について区長にお伺いいたします。

 次に、住民説明会についてお伺いいたします。

 十一月十二日から十九日にかけて、区内四カ所で計五回の説明会が行われました。しかし、この説明会は「渋谷区新庁舎及び新公会堂整備計画(案)説明会」という主題で、さきに述べた事業変更がある民間マンション部分を含む総合計画についての十分な説明はなされていません。同一敷地内に建設される建築物であり、区民の財産でもある区有地に建てられる民間マンション部分を含めた総事業計画の説明会を行っていくべきであると考えます。区長の答弁を求めます。

 次に、仮庁舎についてです。

 現在、設置に向け、既に美竹の丘しぶやの一部施設及び旧東京都児童会館の解体工事が行われています。しかし、この場所へのアクセスの悪さを心配する声もあります。

 幡ヶ谷・笹塚・本町・代々木方面から区役所に来られる方の多くはバスを利用されて来られます。特に高齢者にとっては、区役所前で降車できるので比較的負担がないと言えます。しかし、仮庁舎のできる美竹の丘へは、さきに述べた地域からのアクセスはかなり悪くなります。そこで今後、ハチ公バスのルートを検討し直し、仮庁舎にダイレクトでつながるコースが必要であると考えますが、いかがでしょうか、区長にお伺いいたします。

 次に、議員の海外派遣についてお伺いいたします。

 区長は約七百万円をかけて九月三日から十日の八日間、議員四名、都市整備部から二名、区議会事務局から二名を新総合庁舎における議場等の設計に資することを目的としてロンドン、ベルギー、ベルリンに派遣をいたしました。議場の設計のためにわざわざ海外まで視察に行く必要性があるのか、私たち民主党はその必要はないと判断し、この派遣自体に反対をし、参加しませんでした。

 さきの十一月十七日にはこの調査団の報告会が行われましたが、そこで発表された提言は、自然採光の利用など環境への配慮やユニバーサルデザインへの配慮、パソコン利用によるペーパーレス化、プロジェクター設備、フリーWiFiなど、その多くはホームページでも情報が収集できるものやこれまでの区議会でも提案されてきたもの、また国内のほかの自治体で進められているものであり、改めてこの海外派遣の必要性が問われるものでもありました。そして、特に問題であったのは、当初から「議場設計に資する」ということが主な目的とされてきたにもかかわらず、ドイツのベルリン訪問に関しては三カ月以上前に申請する必要があり、連邦議会議場の視察ができなかったという事実であります。また、それについては報告会が行われるまでほかの議員は知らされていなかったことも問題であります。

 このベルリンの訪問の報告においては、説明に当たった議員の不適切な発言が問題となっておりますが、そもそも議場の視察ができないのであれば、ベルリンの訪問自体が必要であったのかと考えます。区長は事前にベルリンの議場の視察ができないことを知っていたか、また、わかっていたのなら予定を変更するべきでなかったか。七百万円という区民の税金を使って行った派遣において、当初予定していた視察が事前の手続の不備によってできなかったというのは大きな問題です。これについては先ほど共産党の苫 孝二議員への答弁もなされておりますが、調査団の派遣を要請した立場としてどのようにお考えか、改めて区長の答弁を求めます。

 次に、河津の区民保養施設についてお伺いいたします。

 本年四月に一億一千万円を投じて購入され、その後、八千万円をかけて改修がなされ、十月二十七日に開設された「河津さくらの里 しぶや」については、私ども民主党は単なる保養所ではなく、介護予防やスポーツに資する施設にすべきという主張をしてきました。そして、ここに来て明らかになった東館の耐震性の低さ、特に大浴場の危険性については、昭和三十八年ころに建設されたことから、これを予測できなかった議会の責任も多分にあると反省をするところです。

 その一方、総務区民委員会の報告で、十月十五日に耐震診断の結果がわかっていたにもかかわらず、区民に公表せず開設され、その後も使用が続けられたことは極めて重要な問題であります。また、脱衣所、浴場について多大な金額をかけて改修がなされたにもかかわらず閉鎖をすることは、結果的に区民の貴重な税金を浪費したこととなり、区の見通しが極めて甘かったことを指摘せざるを得ません。

 加えて、この間、この施設を利用した区民から、「河津はやはり遠過ぎて、とても利用しづらい」という声もいただいております。

 以上を踏まえた上で、今後この施設の改修に税金を投入する以上は、単なる保養所ではなく、今、渋谷区が喫緊の課題として抱える特別養護老人ホームとしての利用など、抜本的な見直しを行うべきであると考えます。区長の答弁を求めます。

 次に、教育についてお伺いいたします。

 まず、ICT教育についてお伺いいたします。

 今年度、八校の小学校に一校当たり児童用四十台と教員用一台の計四十一台のタブレット端末が配備されました。これから順次、全校に配備がなされる計画です。

 しかし、その一方で、学校のインターネット環境はそれぞれで、他の自治体では容量などの問題で十分に活用できなかった事例もあるようです。渋谷区においても、ある学校ではネット環境の充実を求める声も聞いております。セキュリティの問題等もあり、アクセスポイントの増設など慎重さが求められる面もあると考えますが今後のタブレット端末の全校配備に向けて各校のネット環境の見直し、再整備を行うべきかと考えますが、いかがでしょうか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 次に、LDなど発達障がいへのICT利用についてお伺いいたします。

 報道でも、読み書きに困難を抱える学習障がいなど発達障がいの子どものための有効なツールとして、ICTの活用が紹介されています。特に視覚や音声で理解力が増す、字がうまく書けなかったり辞書がうまく引けない子どもの手や指先の補助として、また、うまくコミュニケーションがとれない子どもでもタブレット端末などで相手に感情を伝えることができるなどの利点があります。すべての障がいに効果的であるとは言えないとのことですが、多様な学びを選択できるという点で大きく期待できるものでもあります。

 渋谷区でも一部ICTによる特別支援教育は行われているということですが、専用の機器は設置されていないと伺いました。今後、より効果的に活用していくために、タブレットなど特別支援教育への専用の機器を配備してはと考えますが、いかがでしょうか、教育長のお考えをお伺いいたします。

 次に、教員へのICT支援についてお伺いいたします。

 教育現場でのICT教育が進む中で、学校、教員へのICT教育支援も並行して求められます。新宿区では平成二十一年度からICT支援員を配置し、ICT活用と環境の向上を図っています。また一方で、富士通が「明日への学びプロジェクト」という事業を始め、教育現場におけるタブレット端末や電子教材をうまく利用するための指導案の提供や、支援員の派遣を実施するという報道もなされております。

 現状、渋谷区においてもICT活用のための教員研修を行っているとのことですが、今後さらなる拡充に向け支援員の導入をしてはと考えます。教育長にお伺いいたします。

 次に、障がい者スポーツ体験についてお伺いいたします。

 つい先日、十一月十六日から二十四日まで、このすぐ近くの国立代々木競技場フットサルコートでIBSAブラインドサッカー世界選手権二〇一四が開催されていました。日本代表もグループリーグを突破して、六位という成績をおさめました。

 ブラインドサッカーは、視覚障がいのある四人のフィールドプレーヤーと健常者のゴールキーパー、そして相手のゴール裏から距離や角度、シュートのタイミングなどを指示するコーラーで構成されるスポーツで、障がい者と健常者が同じフィールドに立つ珍しいスポーツでもあります。ボールには音が鳴るように鈴が入れられており、選手はプレー中、危険接触を防ぐため、ボールを持った相手に対して「ボイ」スペイン語で行くという意味だそうですが、この「ボイ」という声を発することが義務づけられております。声を出さないと、ノースピーキングというファウルになります。フィールド内はこの掛け声や、ボールを失った際に「とられた」という声、またコーチやゴールキーパーから矢継ぎ早の指示が出されます。

 私も日本代表の試合を二試合観戦しましたが、接触を避けるための掛け声がかけられるものの、かなり接触プレーがあり、迫力はかなり感じられます。また、プレーがドリブル中心になるので選手の技術がよくわかり、本当に見えていないのかと感じられるほどでありました。

 実際に会場でアイマスクをつけて体験もさせてもらいましたが、距離感など全くつかめず、その技術の高さを身をもって感じさせられました。

 ブラインドサッカーを初めとし、ロンドンパラリンピックで金メダルをとったゴールボールなど視覚障がい者のスポーツは、プレー中は応援は声を出してできませんが、プレーに集中して観戦ができるので独特の緊張感もあります。

 先日、五輪・パラリンピック対策特別委員会の委員の皆さんは、視察でブラインドテーブルテニスを体験したとお聞きしました。また、渋谷区の小中学校でも長谷戸小学校や広尾中学校の児童・生徒がブラインドサッカーを行ったとのことです。

 そこで、今後、二〇二〇年パラリンピックに向け障がい者スポーツを活性化させるため、また、楽しみながら障がい者の観点を身につける方法として、教育現場での障がい者スポーツ体験をより一層推進するべきだと考えますが、いかがでしょうか、教育長にお伺いいたします。

 次に、子育てについてお伺いいたします。

 渋谷区では、これまで待機児童解消に向けて保育の受け皿の拡充を行ってきており、平成二十六年は二百四十八人、平成二十七年度は西原一丁目に新たに定員八十二人の認可保育園が設置され、さらに既存園で八十八人の拡充、現在改修中の広尾保育園、初台保育園の仮園舎をその後も区立保育室として存続し、百四十八名の受け入れを行い、三百人を超える拡充を行うとのことです。

 しかしながら、十一月十四日の文教委員会では、平成二十六年十月一日現在の待機児童は二百七十五人おり、来年度の待機児童解消は厳しいと予想されます。

 その中、十月の二十七日から十二月一日まで平成二十七年度の保育園の入園利用申し込みの一次募集が行われており、連日、保護者の方が保育課に申し込みの手続に訪れております。これには職員七名で対応し、さらに繁忙事業にはアルバイト三名を雇い事務処理に当たってもらい、ほかの職員の方も整理券を配るなど応援に入るという状況の説明を伺いました。また、十一月十六日の日曜日には休日受け付けを行い、八十六名の方が来られたという報告も受けました。

 保育園の入園手続の対応に当たる職員は、入園を希望される保護者の生活環境の情報をしっかりと聞き取り、評価ができる経験がないと対応ができないということでありますし、この時期は特に職員の皆さんは大変であると思いますが、保育施設に子どもを預けたいと願う保護者にとってもこの時期は必死で、限られた時間の中でやり繰りをして申し込みを行わなければならない方も多いと思います。

 私が調べたところ、東京二十三区で区役所以外の施設でも入園申し込みが行える区が十区、また、申し込み期間中、二日以上休日受け付けを行っている区が十二区ありました。この両方に該当する区は中野区や杉並区、板橋区など五区ありました。決して渋谷区の対応が劣っているわけではありませんし、人口規模や面積も違い、複数の施設で受け付けをしている区でも書類を提出できるだけで、その後、最終的に区役所に集約されるというところもあるので、単純に比較はできないものの、来年度以降、対応できる職員を拡充して受け付けできる施設と休日受け付け日を増やしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか、区長にお伺いいたします。

 次に、保育アプリの導入についてお伺いいたします。

 世田谷区では今年の十月から「世田谷子育て応援アプリ」を公開しました。これは施設の空き情報検索機能やそれぞれに合った子育て支援のナビゲーション機能、イベント情報や医療機関の情報などの緊急情報が一つになっているアプリです。以前にも防災情報などのスマートフォンアプリを提案していますが、今や三十代では七割がスマートフォンを所有しており、多くの情報をスマートフォンから得ています。子育て世代には非常に便利なアプリですので、渋谷区でも導入を検討してはいかがでしょうか、区長の所見をお伺いいたします。

 次に、防災対策についてお伺いいたします。

 ここ数年、水害による被害が多発し、今年六月二十九日には豪雨により床上浸水六十八件、床下浸水十九件、冠水が十八件発生しました。それ以降、七千八百袋の土のうが支給をされたことは都市環境委員会でも報告がなされております。

 渋谷区では十四カ所に土のうステーションが設置をされているとのことですが、配備されているボックスも一見何が入っているかわかりにくく、設置場所もホームページに公開はされていません。ネットで「土のうステーション」と検索すると、東京では世田谷区や江戸川区、板橋区がヒットして、これらの区はホームページ上に土のうステーションの画像と設置場所の一覧が公開されています。板橋区であれば計六十一カ所に設置されており、板橋区の土木課に問い合わせたところ、五キロと十キロの土のうを一カ所に計約百袋配備しているとのことです。この土のうは区民に限らず、事業者も必要なときにいつでも使うことができます。また、板橋区では土のうの使い方をユーチューブで動画で公開しています。ちなみに、この動画は手話通訳付です。

 第三回定例会で他会派の議員より土のうステーションの増設の提案がありましたが、現在、渋谷区の土のうステーションは、必要なときにだれもが使えるという点では、そういう形になっているとは言えません。天気予報で台風などの被害が想定される場合、事前に水害対策を行うためには、どこに土のうが設置されているのか、また、どのように使うのかをホームページ上に公開し、だれもが利用しやすいように周知するべきだと考えます。区長の所見をお伺いいたします。

 次に、雪害対策についてお伺いいたします。

 東京では昨年一月十四日、今年二月八日と十四日に大雪によって首都機能が麻痺し、道路や交通機関に大きな影響をもたらしました。ここ二年連続でまとまった雪が降っており、渋谷区においても必要な方には塩化カルシウム、融雪剤を配付したとのことです。今後、異常気象による雪害への対応を考え、特に歩行者の多い道路のある町会や商店街施設への融雪剤の配備、事前配付をすべきではないでしょうか、区長の所見をお伺いいたします。

 また、積雪時に雪かきできない高齢者については事前に御相談をいただき、当該地区の消防団や町会、自主防災組織の方に連絡し、できるだけ雪かきを行う雪かきボランティアのシステムをつくってはいかがでしょうか。事前にある程度情報の共有ができていれば積雪時に気にかけておくことができ、素早い対応ができるのではないかと思います。

 東京は積雪の機会が少ないですが、それゆえに雪に対して非常に脆弱であるので、緩やかな雪かきボランティアの促進を提案します。区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、学校のICT環境及び機器の防災活用についてお伺いいたします。

 東日本大震災以降、渋谷区は帰宅困難者対策、備蓄品の拡充、防災無線の再整備、メール、ツイッターによる行政情報の発信等、首都直下型地震への対策を進めていることは評価されます。しかし、一方で、避難所計画など進んでいるのかと疑問視せざるを得ないところもあります。私もこれまで防災点検の日に避難所となる中学校で説明を聞いておりますが、さきに述べた備蓄品の拡充、災害時防災無線の整備以外に、大きく変えられているところはなかなか見てとれません。

 一方で、総務省が平成二十二年から全国の小中学校で行ったフューチャースクール推進事業の成果結果としてまとめた「教育分野におけるICT利用活用推進のための情報推進技術面に関するガイドライン二〇一四」には、「災害時における学校ICT環境の活用」というものがまとめられております。そこには、一、学校ICT環境を活用した緊急情報の一斉配信、二、ICT環境を活用した安否情報等の受発信、三、学校ICT環境を活用した被災者等への被害情報提供、四、学校ICT環境を活用した被災者等へのインターネット環境の提供、五、ICT環境を利用した被災した生徒に対する学習環境の提供が示されております。

 そこで、先ほど教育現場においてのICT環境整備についても触れましたが、災害時には地域の防災拠点、避難所機能として学校のICT環境、電子黒板、タブレット端末などを利用した災害時の対策をより一層推進するべきだと考えますがいかがでしょうか、区長の答弁を求めます。

 次に、障がい者福祉についてお伺いいたします。

 先日、精神障がい者の方とお話をさせていただく機会がありました。その際、通常、自立支援医療の手続は区役所の四階の保健所の窓口で行うが、なかなか区役所に行けないときがある。できれば月に一日でも幡ヶ谷保健相談所で手続ができればという相談を受けました。

 医療にかかる頻度等、個別のケースによるところはあると思いますが、障がい者にかかわる手続を、例えば知的、身体にかかわるものは出張所で、精神にかかわるものは保健相談所で月に数回でも巡回して行えるようにできないでしょうか。物理的な障がい者の負担軽減を進めていただきたいと思います。区長の答弁を求めます。

 次に、分煙公園についてお伺いいたします。

 今年度から、児童遊園地や三百平方メートル未満の小規模公園、また喫煙所の設置が困難な公園七十八カ所を全面禁煙の禁煙公園に指定しました。また、そのほかに恵比寿駅東口公園や美竹公園、玉川上水旧水路初台緑道など、これまでも事業所の従業員などが恒常的に喫煙に訪れていた八カ所の公園を分煙公園に指定しました。

 現在、ホームページに公開されている禁煙公園、分煙公園の一覧にない公園については「その他の公園に関しては、地域の意見を参考にし、順次パーテーションで仕切った喫煙所を公園内に設置します」という注釈が書かれています。実際に、幡ヶ谷・笹塚にあるその他の公園に当たる幾つかの公園には、既にパーテーションが設置されている公園もあります。

 しかし、先日その公園の近隣に住むある町会の関係者の方に、「あそこの公園に灰皿が置かれるんだね」と尋ねられました。私自身、分煙公園に指定された公園以外の「その他の公園」が、基本的に順次パーテーションが置かれて分煙公園になるとは知らなかったのですが、この喫煙スペース設置における際の参考にする「地域の意見」とは、どういった方を対象にするのでしょうか。私は、よく渋谷区が地域の御意見を伺う対象としている町会や商店街の方の声も重要であるとは思いますが、特に公園のような不特定多数、また小さなお子さんを連れてこられるような、残念ながらなかなか町会に所属されないような方たちなどの幅広い意見も参考にし、喫煙スペースの設置を判断するべきであると考えます。区長の所見をお伺いいたします。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会民主党渋谷区議団、治田 学議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと存じます。

 最初に、庁舎建替えの問題であります。

 この渋谷の民間マンションの、財政負担ゼロのために民間マンションの容積率を割り増しにする考え方は安直でないか、こういうようなお話であったと思います。

 安直という意味を私はよく考えたんですけども、どうも協定後一年もたたないうちに協定を変えるのが安直だと、こういうふうに言われたのかなと、ちょっと私にはわからないところがあるんですけども、建設コストの高騰は、これはオリンピックの工事、あるいは東日本の復興工事等のために建設コストが急増しているということは、新聞紙上ではもう当たり前のことだと。

 しかし、我々というのはこの事業をやっていくためにはですね、事業者の負担も考えないで一方的にこれを押しつけることはできないんですよ。我々はそこでこのことについて、建設コストの引き上げというのは避けられないこの社会経済情勢に対応していくために、この現実の問題としてある建設コストの上昇に対して苦しい選択をした上で、事業者と解決に向けた知恵を出し合ったということであります。それは、この渋谷の、この土地の資産価値を高めてこれを解決していこうというような苦しみの中から生まれてきたものでありまして、決して安直だと言われるようなことは何もないと、このように思っております。

 次に、この庁舎を、仮設庁舎の建替え、移転計画については一時凍結するというようなお話であったと思いますけども、仮設庁舎の一時凍結につきましては……

   〔「本庁舎」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) 十一月二十二日の長野県北部の地震を待つまでもなく、新庁舎の建替えは緊急の課題だと、このように思っております。庁舎建替えを促進することが我々の職責だと、このように思っておりますから、お考えのようなことは考えておりません。

 それから、基本協定の第五条第五項の期間満了に伴う居住者の退去等についてのお尋ねでございました。

 区が設定する定期借地権は借地借家法第二十二条に基づいて、三井不動産に対し契約を更新しない、存続期間の延長はしない、建物の買い取り請求はしないという条件でこれを契約し、権利・義務を生じるものでございます。この基本協定において三井不動産が区に対して更地返還の責務を負うものでございまして、区が個々の居住者に対して権利・義務を負うものではございません。したがって、区が移転費用を賄うというようなことは、これは法律的に発生のしようがないことだと、こういうふうにお考えいただけるといいかなと思います。

 加えて、解体積立金については三井不動産の責任において確保することであり、これは基本協定の中に盛り込んでいこう、こういうふうに考えております。

 なお、この定期借地権活用の事業手法というのは、これは初めてのことではなくて、旧社会事業大学跡地あるいは日本赤十字医療センターで都や民間団体がもう既にこれを活用している方法であり、渋谷区もその手法を活用しているということで御理解をいただきたいと思います。

 それから、この説明会のことであろうと思いますけども、マンション事業のこの妥当性について区民にも説明するようにというお話であったと思いますけども、先ほどの苫議員にもお話ししましたけれども、このマンション事業の妥当性というのは本区が干渉するものではなくて、それぞれ事業者が採算算定の上に立って本区に計画提案をしてきているわけであります。その五つの案の中から渋谷にとって最も有利な案を選定をして、基本協定を結ぶわけであります。したがいまして、これを区民に対してああだこうだという説明するべき余地はない、このように思っております。

 事業者はそれぞれ付加価値を生み出すために、それぞれのノウハウに基づいてどのようなマンションをつくるか、あるいは販売価格をどうするか、そういったことについて考えていくんであろうと、このように思っております。したがいまして、さらに計画説明を継続する考え方は持っておりません。

 仮設庁舎のアクセスの悪さについてのお尋ねでございましたけども、このことについては今、事業者に検討させておりますから、そういう方向で改善をしていこうと思っております。

 海外調査団の派遣についてのお話でございました。おまえは行けないということを知っていたのかというようなお話もありましたけども、私は、この調査団の皆さんは本当によくやっていただいたなと思いますが、議員派遣の議決を受けて、外務省に依頼して各国の交渉をやってきたということであります。海外調査については、こういう調査に限らずいろんな点で変更が付き物であります。我々はこのことについて、目くじらを立ててお話しするようなことは何もない、このように思っておりまして、むしろこの事前の調査、きめ細かく詰めてきたんであろうと、このように思っております。

 その中で、ベルリンのこの連邦議会の調査ができなかったと、こういうふうに言っていらっしゃいますけども、このことについてはあの報告書をよく読んでみればわかると思うんですけれども、連邦議会の議事棟についてはですね、ガラス張りのドームであって、議場内は見えるんです。外から見えないから、入れないからではなくて、議場の入り口の中に扉は、これはガラス製で議場内はよく見えており、市民と議会のこの、何というんでしょう、接点を大きく持つような、そういう設計に相なったという報告もあるわけですからそのことについては素直に評価をすることが適切ではないか、こういうふうに思っております。

 いずれにいたしましても、限られた日程で海外調査という、様々の障害を乗り越えて海外調査団のこの皆様方は所期の目的を立派に果たされたと、私はこの一言に尽きると、このように思っております。

 次に、河津の保養施設についてであります。

 あなたのほうでも反省をしているということでございますけれども、我々はこの取得前にですね、私どもだけの考え方でなくて所管の委員会に見てくださいと、取得する前に。そこでですね、その後、委員会で耐震診断をしたらとか、あるいは改修等々についても意見をいただいているんです。そういうことの上に立って予算を計上して仕事を次々と進めていっているということなんです。

 ただ、十月十五日にわかっているのに何でと、こういうふうにおっしゃいますけども、このオープンするためには二カ月前にやらなくてはいけないんですよ。オープン予定の日を二カ月前にやるとですね、どうしても時間差が出る。そういうことからですね、先ほども詐欺のようなことを言いましたけどね、本当に仕事を知らない人間がこういうばかなことを言うんだろうと、私はそのように思っております。

   〔「何のための耐震診断だ」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) ちょっとうるさいですね。

 それから、保育園の募集についてでございますけども、このことについては子ども家庭部長が大変苦労してですね、やっておりますので、そのことについては子ども家庭部長のほうから、保育アプリも含めて御答弁をさせていただきたいと存じます。

 それから、水害対策については土木清掃部が大変苦労しておりますからね、土木清掃部のほうから雪害対策を含めて御答弁させますので、御聴取をお願いしたいと存じます。

 以上、御答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 区長、障害者福祉と分煙公園。



◎区長(桑原敏武) 申しわけありません。答弁漏れを生じました。

 学校ICT環境・機器の防災活用についてということで御提言をいただいたと、こう思っております。学校のICT環境、電子黒板、タブレット端末を利用して災害時の対策を推進すべきという御提言をいただきましたが、本区におきます災害時のための避難所となるべき小中学校は、防災無線あるいは防災無線ファクス、あるいは災害時優先電話の配備を完了しておりまして、さらには通信手段の多重化を進めるために平成二十四年に防災情報システムを導入し、災害対策本部の情報の受発信を確かなものにしているわけでございます。

 また、保護者と学校を結ぶ安否確認メールについても導入を完了しておりまして、災害時以外の活用も進んでいるところでございます。

 さらに、平成二十六年度にはWiFiを活用した防災専用のポータルサイトの運用を開始し、リアルタイムでの災害情報を区民や帰宅困難者に提供してまいりたいと考えております。そういったことから、御提言の機器につきましてはまずは教育現場での利用を優先し、防災面の活用を考えてはいないということでございます。

 障害者の福祉について、自立支援の窓口についてのお尋ねでございました。

 自立支援、医療費の支給認定は課税証明書の書類が必要であります。また、隔年での診断書の提出や、収入や医療保険等について他課に現況確認を行うことが必要であるなど、申請の窓口において詳細な内容確認が必要に相なってまいります。自立支援医療を必要とされる方々には、書類を整えるのに支援を必要とされる方も少なくないため、庁内で連絡しながらお一人お一人に丁寧に対応することで、ほとんどの方が時間をかけても一回の来庁でこの手続を終了することができるわけでございます。このようなことから、区役所に来ていただくことが総合的に見て一番利便性が高いのではないか、このように考えているところでございます。

 引き続き障害を持つ方々の使いやすい福祉サービスの提供について努力をしてまいりますので、よろしくお願いをしたいと存じます。

 それから分煙公園については、これは土木清掃部長のほうから御答弁をさせますので、御聴取をお願いしたいと存じます。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 倉澤子ども家庭部長。



◎子ども家庭部長(倉澤和弘) 私のほうからは子育てにつきまして、二点のお尋ねについてお答えをさせていただきます。

 まず、保育園の募集についてでございます。

 現在行っております平成二十七年度の保育園入所申し込みでは、受け付け期間を従来より一カ月ほど早めまして、十月二十七日から十二月一日までの二十五日間としております。他区では一週間から十日間という設定もある中、本区では申し込み者の利便性を考慮し、従来よりこの日数を維持しているものでございます。

 また、休日受け付けにつきましては、十一月十六日日曜日に行ったところでございます。

 受け付けに際しましては、入園に関する御相談はもとより選考時に必要な受け付け時の聞き取りや添付書類の確認等、入園相談に関する専門知識を有する職員でないとできないことが多く、また、毎年千五百件を超える申請書の受け付けから書類の確認、指数入力、選考審査、発送処理と限られた期間で大量の事務を正確に処理するためには、限られた人員を区役所保育課において集中的に配置することが効果的と考えているところでございます。

 今後も保護者の利便性向上につきましては引き続き検討してまいりたいと思います。

 続きまして情報発信について、保育アプリを導入してはどうかということについてのお尋ねにお答えさせていただきます。

 情報発信の重要性は十分理解しているところでございます。現在、子育てに関してはコンパクトで携帯しやすく、子育てサービスの情報量も満載されていると保護者の方からも大変御好評をいただいている「子育て便利帳」を今現在、保育課のほうで作成をしているところでございます。

 また、電子情報といたしましては、既に区のホームページもスマートフォン対応となっております。これに合わせまして「しぶやわたしの便利帳」も御活用願いたいと思っているところでございます。

 この保育アプリにつきましては、現時点では内容や費用対効果等で課題があると考えておりますが、今後の研究課題とさせていただきたいと思っているところでございます。

 以上、御答弁させていただきました。



○議長(前田和茂) 黒柳土木清掃部長。



◎土木清掃部長(黒柳貴史) 私から土のうステーションについて、どこに設置しているのか、また、どのように使うのかをホームページ上に公開し、だれもが利用しやすいように周知するべきではないかとの御質問にお答えいたします。

 本区では、渋谷川及び神田川周辺で過去の浸水箇所を参考に、地域を限定して土のうステーションを配置しており、周辺住民には配置場所及び使用方法について十分に承知をしていただいております。また、その他の土のうステーションを配置していない地域におきましても、必要が生じた場合に連絡をいただければ土のうをお届けし、その際に使用方法を説明しているところです。

 さらに、毎年行っている水防訓練におきましても土のうの使用方法を説明しているところでありまして、ホームページ上に公開することは考えておりません。

 次に雪害対策として、融雪剤を町会や商店街施設へ配備及び事前配布をすべきではないかとの御質問にお答えいたします。

 本区で使用している融雪剤の主成分は塩化カルシウムであり、雪や氷を解かす反面、ガードレールや街路灯など鉄製品を腐食させたり土壌に塩害を及ぼすなどのデメリットがあり、取り扱いには注意を要することから、地域への事前配備は考えておりません。また、配布の要望があった際には、散布場所が適切であるかどうか判断した上で配布をしております。

 次に、ボランティアによる雪かきについての御質問にお答えいたします。

 災害対策におきまして、自助、共助、公助がバランスよく機能することが大切であり、とりわけ都市化が進む本区におきましては、共助の体制を地域につくり出すことが重要であると考えております。防災訓練やお祭りなど、様々なコミュニティ活動を通じて隣近所が顔見知りになることで、共助の精神を醸成することを期待しているところであります。

 お尋ねの雪かきにつきましては、ボランティアではなく、地域のつながりの中で対応されるべきものと考えております。

 次に、分煙公園についての御質問にお答えいたします。

 区では本年四月一日より区立公園を禁煙公園、また分煙公園に指定することにより、公園内の受動喫煙防止対策を進めており、現在、分煙公園に指定した四十五公園のうち二十六公園に喫煙所を設置しております。喫煙所の設置に際しましては町会及び喫煙所の予定箇所に近接してお住まいの皆さんに対し、整備前の周知を実施しております。また、設置予定箇所には周知看板を二週間程度設置して、子育て世代を含めた公園利用者からの御意見を伺い、喫煙所の位置を確定した上で喫煙所を整備しております。

 今後も地域の皆様の意見を聞きながら、慎重に喫煙所の設置を順次進めてまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には教育について、ICT教育と障害者スポーツ体験についてのお尋ねがございました。

 ICT教育につきましては三点お尋ねがありました。

 まず、全校のネット環境を見直し再整備を行うべきではないかとのお尋ねでございます。

 タブレット端末の導入に当たりましては、今年度導入しました学校にパソコン教室以外のアクセスポイントを設置し、タブレット端末の特性を生かすようにいたしました。例えば体育館や教室などに端末を持ち込み、教科学習の際に効果的に使用できるよう整備をいたしました。導入段階といたしましては十分なネット環境と考えております。

 次に、発達障害児へのICT利用について、発達障害の子どものために有効なツールとしてICTの活用が進められており、より効果的に活用していくためにタブレットなど専用の機器を配備してはどうかとのお尋ねがございました。

 支援が必要な子どもに対しての活用につきましては、その有効性についての研究も発表されておりますし、本区でも、試行段階ではありますが、特別支援学級でも活用しております。まずは実践事例を積み上げていき、効果的な学習プログラムを導入してまいりたいと思っております。

 次に、ICT活用の拡充に向けて、ICT支援員の導入の考えについてのお尋ねがございました。

 本区では、指導に当たる教員へのICT教育研修を現在進めております。また、各小中学校でICT教育におけるリーダー的役員を担う教員で構成する情報教育推進委員会を立ち上げて、そのメンバーへの研修もあわせて行い、教員の理解や指導力の向上に努めております。

 現時点では教員への研修を行い、指導力の充実を図ることが第一に優先すべきことと捉えておりますので、専門家の活用については、その導入による効果等についての研究を重ねた上で対応を考えてまいりたいと考えております。

 次に、学校における障害者スポーツ体験についてのお尋ねです。

 渋谷区教育委員会では、基本方針に「人権尊重の精神の育成」を掲げ、人権尊重の理念を正しく理解するとともに他人への思いやりを育む教育を推進しております。これに基づき、各学校は人権教育の全体計画を作成し、実践しています。その中で障害者についても取り上げ、障害のある方々への理解について意図的、計画的に教育活動に取り組んでいます。

 お話にありました学校における障害者スポーツ体験としては、ブラインドサッカーや車いすバスケットボール、視覚障害者マラソンやグランドソフトボールなどの体験をしております。また、障害者スポーツ選手を招いて講演会を催したり、障害についての疑似体験等に取り組んだりしている学校もあります。今後も障害者スポーツ体験などを通して、障害について理解をした上で適切に行動できる子どもを育てていきたいと考えております。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 治田議員。



◆六番(治田学) まず、庁舎建替えについてでありますが、安直だというのはおかしいという話でありましたが、まず、建設費の高騰については昨年の十二月に、事業者選定のための庁舎問題検討会設置の際に私ども民主党の鈴木建邦議員が、建設費が今後どんどん上がって、そのときにもう既に渋谷区の工事等も不調に終わって水準を上げざるを得なくなっているものがある中で、そういった協定においても維持していけるのかということをちゃんと指摘をしているわけです。そういったことがあって、さらに今回の理由というのが、東日本大震災の復興需要、東京オリンピック関連の投資などにより引き続き上昇する見込み。これ、本当に一年前ぐらいからある程度予測ができたのではないかと思います。

 そういった中で今回、唐突に積み増し、民間マンションの容積を増して対応するという案については、私は、これはやはり安直だと言わざるを得ないのではないかと言っているわけでありますので、今回こういったことにそのまま転嫁されるようなことであるのであれば、事業自体をもう一度見直す必要があるのではないかということであります。これはもう一度答弁を求めます。

 さらには定期借地権について、更地返還の積立金について基本協定の中で詰めていくという話があって、これは今までそういったところまで、逆に言えばそこまでは詰めていなかったということだと思います。先ほどから定期借地権ってどういうことか知っているのかというようなことも言われる方もおりますが、まさにこういった定期借地権の話の中で、これから詰めていかなければならないというものが今日明らかにされているわけです。さらに言えばですよ、この定期借地権の法律ができてから今までよりも、二〇九〇年というのは、これはさらに先の話ですよね。そのことを考えれば、やはりそのときのリスクというのを事業者がどうとるのかということを今の時点で、この更地の積立金についての今後の協定で詰めていくという分については、これはまさにやるべきことであると思います。

 もう一つは、この居住者の退去についても、これについても事業者と何らかの話がなされているのかどうか、これについては……

   〔「民主党も提案したんでしょう、定期借地権」の声あり〕



◆六番(治田学) そうです。私ども民主党も定期借地権については賛成をしている。ただ、賛成をしている中で、定期借地権の問題点というのはどういったところがあるのかというところについては、賛成をしているからこそその時々で問題点について確認をしていかなければならないのが、これが議会の仕事であると考えております。ですので、今回のこの定期借地権について、更地返還の積立金については先ほどお伺いしましたが、居住者の退去という面において三井不動産と事業者との間でどういった話がなされているのか、これについてお答えをいただきたいと思います。

 そして、説明会について。

 説明会については、これも説明会において、委員会の中で私は、事業変更、事業者の変更、この計画の中で、これは区の敷地の中、区有地の中に建てられる建物ですので、当然これについても区民へ説明していくべきであるということ、さらには、これ自体に変更があるのであれば説明会を延期すべきだということも委員会の中で求めております。事業の中の一部とはいえ、区有地を使った事業です。区民の財産を使った事業に変更がある以上は区民に説明をしていく必要性が区にはあると思います。ですので説明会の延期を、これを求めて今までもおります。

 さらに言えば、区ニュースの一面の、これは先ほども話が出ておりましたが、パースについても、区のこのマンションのところがグレーになって描かれている。マンションの高さとか周辺の様子というのはこのパースによって区民の方は判断するわけですよね。ですのでこれに変更があるのであれば、事業自体に変更があるのであれば、これについてもしっかりと説明をする場というのは当然今後も持っていくべきであると考えております。

 区長にこれも説明会の今後の継続……、今後の説明会を行うことを求めますので、これについても答弁を求めます。

 そして、議員の視察について。

 これについても連邦議会の議場はガラス張りなので見えると。でも、これは百聞は一見にしかずということで行ったんですから、見た、で、今までこれ議場等の話の中では、音響等をですよ、重視するような話もありました。そういった中でこれ、ガラスの外から見た、これが本当に十分な視察と言えるんでしょうか。私は、やはりこれ七百万円という区民の税金をかけて行っているわけですから、当然これはちゃんと入れて、しっかりと見ることができる、そういったところを視察するべきだと思います。今回の視察についてはこれは必要がなかったということ、これは質問はいたしません。もうこれは指摘をしておきます。

 次に、河津について。

 河津については、これは計画が進んでいたから開設せざるを得なかったというようなことであると思います。さっきの話は。でも、これは区民の命の問題ですので、私はこれは、やはり計画が進んでいてもその時点で、わかった時点でやはり計画をストップするべきであったと思います。もうこれは止めるべきであったと思いますので、これについてもその件についてどう考えるか、区長にもう一度答弁を求めます。

 あと、私どもが転用を提案している特別養護老人ホームについては、これは杉並区で南伊豆に今、これも杉並区と南伊豆が交流があるということで百人の入所の施設計画、こういったものを計画をしています。渋谷区もこれ、特別養護老人ホームをつくれば地元の雇用にもつながるわけで、違った形での双方の効果、こういったものが考えられると思います。

 この杉並区の計画というのは、昨年厚生労働省が、都市部の高齢化対策に関する検討会による「都市部の強みを生かした地域包括ケアシステムの構築」というものの先進事例の一つとして挙げております。河津については河津桜のシーズンと、あと夏は利用率が上がるかもしれませんが、それ以外を考えたら河津……、この特養でも私は、これは河津の自治体とウィン・ウィンの関係ができるのではないかと考えますので、是非検討していただきたいと思います。これも答弁を求めます。

 そして教育については、今、アクセスポイントを整備している、そしてICTの教育についても施行しているということでありますので、今後もこれは是非進めていただきたいと思いますし、リーダーという形で、情報教育推進委員というので支援員にかわるような形で進めているので、これは理解をしたところです。

 障がい者のスポーツ体験については、これは今やっているということも聞きました。私もこれも聞きましたが、今後に向けての拡充でありますので、恒常的にこういったものを全校でやっていけるような形をとっていっていただければと思います。

 あと障がい者の福祉について、これも他の区においては、例えば精神障がい者の手続というものについては、そもそも他の区は出先機関で、保健所があるところがあります。新宿とか品川とかそういったところもあって、渋谷の場合は保健所、相談所というものがあるにもかかわらず、なかなかその手続というものができないというのが、これが率直な障がい者の方の声です。ですので今後、これはやはり出先機関の強化、こういった本当に困っている方の声を聞き取っていただいて、地域においても手続ができるように行っていただきたいと思います。

 分煙公園については、これは周知看板だけでなく、看板だけでない形での周知、これ是非行ってください。やはり看板だけとか地域の、どうしても今までこれは、地域の方の御意見をお聞かせいただくということになれば町会や商店街の方に偏りがちですので、それ以外の方が知ることができる、単なる看板を置くだけではない形で地域の施設に聞き取りをする、またはアンケートをとるような形をできるような形に進めていただきたい。これは要望です。

 以上です。



○議長(前田和茂) 治田議員、確認いたします。

 障害者福祉の巡回相談と出張所、これは指摘でよろしいですか。



◆六番(治田学) 指摘でいいです。



○議長(前田和茂) わかりました。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 治田 学議員の再質問にお答えをしたいと思います。

 この更地返還について、三井と区の関係はどうなるんだということ、とりわけ二〇九〇年になるわけですからどうなるんだと、こういう話だったと思います。

 これはですね、契約を結ぶんです。渋谷区と三井で。三井はそのことを積み立てる責任が生ずる。だから、そのことについては法律問題ですから、あなたがね、心配することは要らないんですよ。法律に従って物事は整理されるわけですから、心配しなくていいんです。

   〔「居住者ですよ」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) 居住者は関係ない。何回言ってもあなたわからないんだけれども、区と三井で……

   〔「いや……」の声あり〕



○議長(前田和茂) 治田議員、質問のルールは守ってください。



◎区長(桑原敏武) 三井で契約をするわけですから、これは個人がどうであろうとそれは三井が責任を持ってやることなんですよ。これはですから、あなたがおっしゃるような心配はしなくていい、そういうことでお考えください。

 説明会の継続ということについては、何回言ってもあなたはわからないんだけれども、これは、事業者のノウハウの問題についてはですね、説明をしようがないんです。また、するべきじゃないんです。それは経営者の経営のノウハウをその相手に、住民に一々披瀝をするかということになるんでね、我々がこう言っていることは、やはり事業者としてこれを建てられる最大の有利な条件を引き出すだけなんです。どういうような内容だからあなたできるの、それは要らないんです。目的を達成するのは庁舎を建てさせる、安全、耐震力のある庁舎を建てさせる、それが目的ですから、あなたが言うようなことについては考える必要はない。ですから説明の継続ということにはつながらない、こういうことで御理解をいただきたい。

 それから議員視察の、ガラスの外では七百万円は高いと、こういう話。ガラスの外から見たんでは七百万円では高いというんですけどね、外から見ても、このことの目的はですね……



○議長(前田和茂) 区長、これは質問されていないです。



◎区長(桑原敏武) この目的は何だかというと、市民と議会の関係はどうだということを見に行ったんですよ。現実の、この建物の中のですね、この現実に何かを見るんじゃなくて、一つの目的を持って、目標を持って行っていらっしゃる、私はそう思います。ですから外からでも見えたらですね、それはそれで目的を達成するんじゃないですか。

 そうでなくって、あなたの根底にはですね、海外調査は無駄だと、あるいはこれは必要でない、そういう考え方があるから、そう言いながらよその自治体のことだったら引用されるじゃないですか。それと同じですよ。もっと高い視点から、もっと広い視点からほかのところを引用してくれ、そしてまた渋谷区に助言をしてくれ、こう言っているんです。何もね、二十三区の中なんかだったら我々知っていますよ、悪いけども。あなたが一々言わなくても。そうでなくて、もっと高い視点から物事を助言してほしい、提言してもらいたい、こういうふうに言っているんですからね、狭い視野から物事を判断しないようにしてほしいな、これは私の希望です。

 それから河津についてですね、おっしゃったわけです。

 わかったらやめろと、こういうふうにおっしゃった。わかったんだったらですね。しかし、やり方はいろいろあるんですよ。そのときの対応策は。渋谷区は、やめないでもやれる方法を選択した。それは区民が期待をしているんです。待っているんです。それをですね、やめるというようなやり方は拙劣な方法だと、こういうふうに思ったから、これは我々は違う方法をとる、こういうことなんです。御理解をいただきたいと思います。

 それから、杉並の特養の話をされましたけどね、これはね、今までの区議会の御質問を聞いてもらうといいんですけどもね、区外では血縁の関係者が行けない、行けなくなると。自分の親であっても。だから区内にしてくれということで高いのを無理にやっているんです。それまではですね、それは多摩でも幾らでも来たんですよ、とってくれ、買ってくれと。ベッドを買ってくれと。私はそういうことをやらなかった。高くてもこのことについて、渋谷区は財政の範囲内で一生懸命やろうとしているのが、そういうことで区外のベッドを買うというようなやり方はやらなくなった、そういうふうに思っていただけるとありがたいかなと思っております。

 杉並は、私はやるとすればですね、それは楽ですよ。だけれども、だれがそんな所まで行くんですか。いつ行けるんですか。私はそういうことを考えるとですね、今までの渋谷区議会の先人の皆様方はそのことについて考えた、今の議員さんもそうですけどね、お考えになって区内につくってくれ、だからそういうふうに、渋谷区は伝統としてそうしたんです。だから本町なんです。御理解をいただきたいと思います。



○議長(前田和茂) 治田議員。

   〔「だまってちゃだめだよ」「行け行け」「それはおかしいよ」の声あり〕



○議長(前田和茂) 静粛に願います。



◆六番(治田学) 七十年後に居住者が退去するかどうか、これについては関係ないというような話もありましたが、私はこれはやっぱり、これは七十年後の区も責任ありますよね、当然。失礼、二〇九〇年。二〇九〇年も当然責任があるので、これは是非今後もちゃんと説明を、区民の前で説明をしていっていただきたいと思います。

 あと議員の派遣については、これは費用対効果の問題だと思うんですよ、やっぱり。これ七百万円かけて行くあれがあったのかどうか、そこが、私はやっぱりこれは必要性が低かったのではないかと。これはなかなか理解していただけないので、これはもう質問しません。

 私ども民主党渋谷区議団は、今後も区民の皆様方のためにしっかりと、チェック機能として果たせる会派として頑張ってまいります。

 以上をもちまして質問を終わります。



○議長(前田和茂) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(前田和茂) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から十二月九日までの十三日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は十三日間と決定いたしました。

 日程第二を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について

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○議長(前田和茂) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました諮問第一号は、人権擁護委員の任期の満了に伴い、法の規定するところにより高橋千善氏を推薦するため提出するものであります。

 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。



○議長(前田和茂) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから日程第二を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに賛成の方は御起立願います。

   〔賛成者起立〕



○議長(前田和茂) 起立者総員。

 よって、高橋千善氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 日程第三を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について

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○議長(前田和茂) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました諮問第二号は、新たに人権擁護委員として、法の規定するところにより中嶋正樹氏を推薦するため提出するものであります。

 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。



○議長(前田和茂) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから日程第三を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに賛成の方は御起立願います。

   〔賛成者起立〕



○議長(前田和茂) 起立者総員。

 よって、中嶋正樹氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 日程第四を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第四 諮問第三号 人権擁護委員の候補者について

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○議長(前田和茂) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました諮問第三号は、新たに人権擁護委員として、法の規定するところにより阿部澄子氏を推薦するため提出するものであります。

 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。



○議長(前田和茂) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから日程第四を採決いたします。

 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに賛成の方は御起立願います。

   〔賛成者起立〕



○議長(前田和茂) 起立者総員。

 よって、阿部澄子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明十一月二十八日午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会  午後六時二十九分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   前田和茂

渋谷区議会副議長  沢島英隆

渋谷区議会議員   伊藤毅志

渋谷区議会議員   木村正義