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東京都 渋谷区

平成26年  9月 定例会(第3回) 09月25日−09号




平成26年  9月 定例会(第3回) − 09月25日−09号










平成26年  9月 定例会(第3回)



        平成二十六年 渋谷区議会会議録 第九号

 九月二十五日(木)

出席議員(三十二名)

  一番  斎藤竜一      二番  佐藤真理

  三番  下嶋倫朗      四番  久永 薫

  五番  沢島英隆      六番  治田 学

  七番  佐々木弘明     八番  伊藤毅志

  九番  薬丸義人      十番  長谷部 健

 十一番  笹本由紀子    十二番  堀切稔仁

 十三番  前田和茂     十四番  松岡定俊

 十五番  栗谷順彦     十六番  古川斗記男

 十七番  須田 賢     十九番  岡田麻理

 二十番  小?政也    二十一番  田中正也

二十二番  牛尾真己    二十三番  新保久美子

二十四番  五十嵐千代子  二十五番  丸山高司

二十六番  木村正義    二十七番  染谷賢治

二十八番  広瀬 誠     三十番  吉田佳代子

三十一番  鈴木建邦    三十二番  芦沢一明

三十三番  苫 孝二    三十四番  菅野 茂

欠席議員(一名)

二十九番  植野 修

欠番    十八番

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    副区長           千葉博康

    副区長           水村信行

    企画部長          浅川和憲

    文化・都市交流担当部長   植竹ゆかり

    総務部長          斉藤則行

    施設整備担当部長      秋葉英敏

    庁舎総合対策部長      佐藤賢哉

    庁舎建設技術担当部長    秋葉英敏

    危機管理対策部長      柳澤信司

    区民部長          松澤俊郎

    福祉部長          安蔵邦彦

    子ども家庭部長       倉澤和弘

    健康推進部長        広松恭子

    都市整備部長        大澤一雅

    渋谷駅周辺整備担当部長   須藤憲郎

    土木清掃部長        黒柳貴史

    清掃担当部長        星野大作

    教育委員会委員長      小野ヒサ子

    教育委員会教育長      森 富子

    教育振興部長        児玉史郎

    生涯学習・スポーツ振興部長 児玉史郎

    選挙管理委員会委員長    福田昭子

    選挙管理委員会事務局長   吉田恭子

    代表監査委員        竹田 穰

    監査委員事務局長      中島豊六

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事務局職員

事務局長  久保田幸雄   次長    藤田暢宏

議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏

議事主査  真下 弘    議事主査  高木利樹

議事主査  武田真司    議事主査  石川研造

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      平成二十六年第三回渋谷区議会定例会議事日程

              平成二十六年九月二十五日(木)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二         副議長選挙の件

日程第三         議会運営委員一人選任の件

日程第四         常任委員の所属変更の件

日程第五         地方税財源の拡充に関する意見書

日程第六 議案第四十一号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第七 議案第四十二号 渋谷区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例

日程第八 議案第四十三号 渋谷区特別区税条例等の一部を改正する条例

日程第九 議案第四十四号 渋谷区立河津区民保養施設条例の一部を改正する条例

日程第十 議案第四十五号 渋谷区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準等を定める条例

日程第十一 議案第四十六号 渋谷区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例

日程第十二 議案第四十七号 渋谷区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例

日程第十三 議案第四十八号 渋谷区立学校設置条例の一部を改正する条例

日程第十四 議案第四十九号 渋谷区立幼稚園条例の一部を改正する条例

日程第十五 議案第五十号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例

日程第十六 議案第五十一号 平成二十六年度渋谷区一般会計補正予算(第三号)

日程第十七 議案第五十二号 平成二十六年度渋谷区国民健康保険事業会計補正予算(第一号)

日程第十八 認定第一号 平成二十五年度渋谷区一般会計歳入歳出決算

日程第十九 認定第二号 平成二十五年度渋谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算

日程第二十 認定第三号 平成二十五年度渋谷区介護保険事業会計歳入歳出決算

日程第二十一 認定第四号 平成二十五年度渋谷区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算

日程第二十二 議案第五十三号 代々木区民施設耐震補強及び総合改修工事請負契約

日程第二十三 議案第五十四号 初台保育園耐震補強及び総合改修工事請負契約

日程第二十四 報告第七号 健全化判断比率の報告について

日程第二十五 報告第八号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について

日程第二十六 報告第九号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について

日程第二十七 報告第十号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について

日程第二十八 報告第十一号 一般財団法人渋谷区観光協会の経営状況の報告について

日程第二十九 報告第十二号 公益財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について

追加日程第一        庁舎問題特別委員一人選任の件

追加日程第二        五輪・パラリンピック対策特別委員一人選任の件

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   開会・開議 午後一時

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○議長(前田和茂) ただいまから平成二十六年第三回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、二番佐藤真理議員、三十二番芦沢一明議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔久保田事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員を報告します。

 植野議員から欠席の届け出がありました。

 遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は、次のとおりであります。

 桑原区長、千葉副区長、水村副区長、浅川企画部長、植竹文化・都市交流担当部長、斉藤総務部長、秋葉施設整備担当部長兼庁舎建設技術担当部長、佐藤庁舎総合対策部長、柳澤危機管理対策部長、松澤区民部長、安蔵福祉部長、倉澤子ども家庭部長、広松健康推進部長、大澤都市整備部長、須藤渋谷駅周辺整備担当部長、黒柳土木清掃部長、星野清掃担当部長、小野教育委員会委員長、森教育委員会教育長、児玉教育振興部長兼生涯学習・スポーツ振興部長、福田選挙管理委員会委員長、吉田選挙管理委員会事務局長、竹田代表監査委員、中島監査委員事務局長。

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 新総合庁舎議場の調査に係る議員派遣の件の一部変更について、御報告いたします。

 本年七月一日、第二回定例会において議決されました新総合庁舎議場の調査に係る議員派遣の件の議決事項の一部につきまして、八月二十九日、前田和茂議員の派遣取り消しの変更決定をいたしましたことを御報告いたします。

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 議会運営委員会委員中、沢島英隆議員から、九月十九日付をもって議会運営委員辞任願が議長宛て提出されました。議長は辞任願を九月十九日付をもって許可いたしましたことを御報告いたします。

 庁舎問題特別委員会委員中、植野 修議員から、九月二十五日付をもって庁舎問題特別委員辞任願が議長宛て提出されました。議長は辞任願を九月二十五日付をもって許可いたしましたことを御報告いたします。

 五輪・パラリンピック対策特別委員会委員中、広瀬 誠議員から、九月二十五日付をもって五輪・パラリンピック対策特別委員辞任願が議長宛て提出されました。議長は辞任願を九月二十五日付をもって許可いたしましたことを御報告いたします。

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 監査委員から、平成二十六年五月末日、六月末日及び七月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。

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○議長(前田和茂) 私からも御報告いたします。

 本年九月三日、植野 修議員から副議長辞職願が提出され、同日、本職において辞職許可いたしましたことを御報告いたします。

 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後一時四分

   再開 午後一時二十七分

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○議長(前田和茂) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成二十六年第三回区議会定例会を招集し、提出議案について御審議をお願いすることとなりました。この機会に当面する区政の課題について御説明申し上げ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。

 丸山高司庁舎問題特別委員会委員長を団長とする区議会議員海外調査派遣団の皆様には、九月三日から一週間、限られた日程の中、ロンドン、ブリュッセル、ベルリン各市の議会関係施設を中心に精力的に御視察されましたが、市民と議会を結び、もって市民参加を促すべき庁舎のあり方を調査・研究されたことは、議会による自治体改革を促すものであります。いずれ派遣団の報告があると存じますが、庁舎建替えに生かしたいと存じます。まさに将来に向けた自治体の自己改善努力につながることと思います。

 さて、私もこの七月末から八月にかけて、北京市及び西城区の招請を受け、「日中友好青少年派遣研修」の中学生たちと一緒に北京市西城区を訪れました。中国の人々の生活の現実を知り、ニュース報道はなくなりましたが依然としてPM2・5問題が残されていることを知り、環境汚染の深刻さを肌で感じました。渋谷区の生徒たちはホームステイを通じ、中国との国家間紛争報道とは次元を異にして隣国青少年の友好を身近に知り、目的を持って生き生きと生きている姿勢は、中国、日本を超えてともに友人として共感を持ち、仲よく生きることの大切さを学んだことでしょう。

 また、今年は八月、三回目となる「フィンランド共和国児童・生徒派遣研修」も実施しました。小学生に加え、新たに中学生八名を加えた総勢二十六名の児童・生徒は、これまで継続して訪問しているヴェイッコラ総合学校で三日間にわたり様々な授業に参加し、豊かな自然環境に触れるとともに授業やサッカーなどともに楽しみ、さらに、引率の先生方には、プリスクールや特別支援教育など国際的に評価の高いフィンランドの教育を直接経験してもらいました。

 情報化の時代とはいえ、外国現地での実体験は何物にもかえがたいものであり、児童・生徒にとってコミュニケーションの大切さを学び、本区のみならず相手の学校にとっても相互に学ぶ啓発の機会となりました。

 また、フィンランドの就学前教育は、教育時間の前後に預かり保育が行われており、これは本区が幼稚園教育と預かり保育を一体的に実施する取り組みと類似の制度であります。また、プリスクール制度そのものも、今年度、本区が就学前五歳児教育として全国に先駆けて実施する就学前オープンスクールと同じ発想であり、両者ともに幼児教育の重要性を認識しております。

 本区はこの就学前オープンスクールを本年十月から、長谷戸小、猿楽小、常磐松小、西原小の四校で先行実施いたしますが、実施に当たっては現地での体験を参考に生かし、その成果を踏まえ、平成二十七年度には全区立小学校に拡大してもらいたいと考えています。

 いかに情報化の時代であっても、百聞は一見にしかずであります。議員も行政も教育も、明確な目的を持ちながら、海外視察や交流は、長期的に自治体経営の向上と平和な社会形成に貢献する意義があると信じます。

 次に、デング熱対策についてであります。

 八月二十七日、厚生労働省より、戦後初めて国内においてデング熱に感染した患者がいることが発表されてから、ほぼ一カ月がたとうとしています。デング熱は全世界で年間約一億人の患者が発生し、約二十五万人がデング出血熱を発症すると推定される熱帯、亜熱帯を中心として流行している病気であります。海外では主に「ネッタイシマカ」によるもので季節を問わず流行しますが、日本では「ヒトスジシマカ」が媒介するため、蚊の成虫が活動する気温の高い時期に限られた発症となり、患者発生も十月ごろには一定の収束を見るとも予測されております。

 しかしながら、発生源が確定できなかったことや約七十年ぶりの国内感染であり、国も都もほとんど知識、経験がなかったことから、事後的な対応になったことは否めません。

 本区では、保健所を中心とした情報収集と対応に努め、区民への周知のため区ホームページにデング熱情報を掲載し、注意喚起や病気についての正しい知識の啓発、肌の露出の少ない服装の励行や蚊を減らすための対策等、区民ができることについて速やかに情報提供を行うとともに、区民の不安等に応えられる相談窓口を設置しました。

 同時に、小・中学校、幼稚園、保育園においてはメールや保護者宛て文書等により注意喚起するとともに、虫除けスプレー、蚊取り線香等の使用、側溝の清掃や水たまりの除去等を実施し、また、地域スポーツ関係者への情報提供や一部事業の中止あるいは休止、さらには都立代々木公園に隣接する区立公園等の対策として、利用者への注意喚起や蚊の駆除、雨水ますへの薬剤散布等を行ってきたところであります。

 危機管理の基本に立って、各所管の連携と情報収集、そして区民への情報提供による安全対策を高めてまいります。

 政府は五十年後に一億人程度の安定した人口構造を保持することを目的としており、そのためには男女の働き方や地域の活性化等が課題とされております。

 本区では、いち早く少子化社会の到来に備え独自に対応し、「産みやすく、育てやすく、働きやすい」子育て環境の整備に全力を傾け、子育てについて全国からも高い評価を得てきたところであります。

 本区はこれまでも少子化対策として、保育施設の新設あるいは既存施設の耐震化の機会を捉え、あわせて定員の拡大を図ってまいりました。本定例会には代々木保育園、初台保育園の改修工事にかかわる契約議案を提出しておりますが、あわせて西原一丁目施設の建設を行い、引き続き待機児解消に努めます。

 また、区立幼稚園での預かり保育について、十月から開始する本町幼稚園に加え、来年四月からは受け入れ定員に余裕のある臨川幼稚園でも実施することとし、本定例会で条例改正案を提出しております。

 保育需要の高まりや保護者の多様な要望に応えるとともに、今後、認定こども園の短・中時間保育の対象を三歳児からに拡大することについても検討してまいります。

 次に、来年四月から実施される「子ども・子育て支援新制度」についてであります。

 この制度は、社会全体で費用を負担し、国が実施主体となる区市町村への支援を強化することにより幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めようとするものでありますが、現時点においてもその詳細は必ずしも明らかではありません。

 そのような中で、本区として新制度に円滑に移行できるよう準備を進めるべく、本定例会には条例案二件を提出しております。いずれも事業者に対するもので、教育・保育施設や地域型保育事業者の運営基準や事業認可の基準等を定めるものでありますが、国の基準を参考としつつも本区が求める質を確保するため、職員数や施設面積など、一定の項目について独自の基準を設定する内容としております。

 また、保護者の関心が高い保育料でありますが、既に本区では国の定める額に対し大幅な減額を行うとともに、区独自に保育料軽減制度を設け、保護者の負担の軽減を図っているところであります。これまでの経緯を踏まえつつも、保育料等の条例改正につきましては国の基準が明らかになり次第、適切な時期に区議会に御提案したいと思います。

 なお、新制度移行を機に、保護者のニーズに応え申し込み方法の改善を図るため、来年四月の認可保育園の入園申し込み期間を例年より一カ月ほど早く、十月下旬から設定することといたします。あわせて平成二十七年二月四日までに出産予定のお子様も、出生前の申し込みを受け付けることといたします。

 いずれにいたしましても「子育てをするなら渋谷で」と言われるよう、今後も子育て環境のさらなる整備に努めてまいります。

 次に、教育についてであります。

 代々木山谷小学校でありますが、地域や保護者の方々の御理解と御協力のもと校舎建設も順調に進み、本定例会で開校のための条例改正をお願いする段階となりました。教育委員会において通学区域、調整区域の設定がなされるとともに、PTAや地域の方々、同窓会の方々の協力を得て、新校の校章、校歌や通学路についての検討も進んでおります。

 多くの方々の期待に応え、山谷小学校、代々木小学校両校の伝統を引き継ぎつつ、未来に向けて飛躍できるよう、来年四月の開校に向け準備を進めてまいります。

 西原スポーツセンターでは、民間企業の協力により、これから年度末にかけて運動場を人工芝にリニューアルするなど、大規模改修工事を実施いたします。これを機に、西原スポーツセンターを区民のための健康増進の場とするにとどまらず、子どもたちのスポーツの夢を育む場として積極的に活用してまいりたいと存じます。各中学校の部活動では、これまでも教員や外部指導員のもとで練習を重ねておりますが、区が独自に配置するスポーツ振興コーディネーターが取り組んでいる「チームしぶや」の合同部活動練習の会場として活用を図るなど、さらなるレベルアップに取り組んでまいります。

 次に、安全・安心のまちづくりについてであります。

 本定例会に提案いたしました「渋谷区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例案」は、本年二月に「客引行為等の防止のため条例を制定してほしい」という商店会等の要望を受け、検討してきたものであります。

 条例においては、いわゆる「東京都迷惑行為防止条例」との整合性等を踏まえ、区、まち、警察が密接な連携、協力のもと全業種の客引き行為、客待ち行為を禁止行為とし、その抑止の指導を行い、指導・是正命令に従わない者についてその住所、氏名等を公表することとしました。今後、区、まち、警察が一体となって、「安全・安心な渋谷のまち」の実現に努めてまいります。

 また、まちの美観を損ねる落書きは、放置しておくと犯罪を誘発する要因にもなりかねません。壁や看板、自動販売機、ポストなど、落書きの被害を受けている所有者や管理者にはそれぞれの責任で落書き消し活動を行うことを要請するとともに、町会、商店会、美化組織等とも協力し、美化推進の重点活動として落書き消しに取り組んでまいります。

 最後に、河津区民保養施設についてであります。

 本施設については、浴場や客室など必要な改修を行うとともに、名称を公募し、新たに「河津さくらの里 しぶや」として十月二十七日に開設する運びとなりました。これも区民並びに区議会各位の御理解と御協力の賜物と考えております。

 当日は開設式典を催し、あわせて地元河津町関係者もお呼びし、御披露したいと存じます。

 本施設については区民の皆様の第二保養施設として、子どもからシニア世代まで、また、家族やグループで幅広く健康増進や心身の保養を図っていただけるよう、区議会の御要望を踏まえ、本定例会に施設の使用料の減免規定を追加する条例改正案を提案させていただいております。

 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には条例案十件、平成二十六年度一般会計補正予算案一件、平成二十六年度国民健康保険事業会計補正予算案一件、平成二十五年度一般会計歳入歳出決算等四会計の決算審査、契約案二件、報告案六件を御提案しております。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

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○議長(前田和茂) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 十四番松岡定俊議員。



◆十四番(松岡定俊) 私は渋谷区議会自由民主党議員団を代表しまして、区長並びに教育長に質問します。

 質問に入ります前に、一言申し述べさせていただきます。

 本年八月十九日からの大雨で、広島市では土砂災害により七十四人もの方の命が失われました。また、全国各地において大雨による多くの被害がもたらされました。これらの災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたします。また、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。一日でも早くもとの生活に戻っていただけますよう心から願っております。

 以上申し上げ、質問に入ります。

 初めに、冒頭にも触れました災害対策についてであります。

 気象庁が全国五十一地点の観測をもとに発表しているデータによりますと、二〇一〇年から二〇一三年までの日本の年間降雨量は四年連続で、一九八一年から二〇一〇年までの三十年間の平均降雨量を上回っている状況となるなど、降雨量は上昇傾向にあり、地球温暖化などの要因から、こうした傾向はこれからも続くものと言われています。

 一方、本年夏の気象を振り返りますと、西日本を中心として記録的な多雨、日照不足となり、七月三十日から八月二十六日にかけては全国各地で大雨が発生し、「平成二十六年八月豪雨」と呼ばれるようになりました。また、東京都内においては六月以降、局地的集中豪雨や台風による大雨、さらには大量のひょうが降り、今月に入ってからも九月十日の夕方には都内東部、江戸川、江東、葛飾で一時間に百ミリに近い大雨が降り、浸水被害等が発生するなど天候の不安定な状況が続いています。

 渋谷区におきましても、本年六月二十九日に局地的な集中豪雨、いわゆるゲリラ豪雨がありました。わずか二十分ほどの間に、渋谷川渋谷橋に設置してあります雨量計の記録では三十八ミリという大雨が降りました。地元の方も「長年住んでいるが、これまでで経験したことのない非常に強い雨」と言われていましたように、記録的な大雨であり、区内各地で浸水被害や道路冠水、住宅の擁壁等が崩れるなど、渋谷区ではこれまでになかった多くの被害が発生しました。

 こうした気象状況が示すように、近年、過去には経験しなかった大雨が日本の各地で発生しており、渋谷でもいつこうした豪雨が発生してもおかしくはなく、災害に対する備えがますます重要になっています。

 大雨に対するハード対策におきましては、東京都がこれまでも河川、下水道の整備や流域対策を進め、一時間当たり五十ミリの雨への対応として雨水貯留施設等の設置や下水道の整備など、対策が進められてきました。平成十八年度には神宮通公園から渋谷駅西口までの地下貯留管が設置され、現在は古川地下調節池の整備が進められています。

 しかし、近年の局地的大雨の増加に伴い、現行の時間五十ミリ対応では間に合わず、今後の治水対策の目標水準を区部では時間七十五ミリ降雨への対応に引き上げ、本年六月には「東京都豪雨対策基本方針」を改訂し、下水道や調節池の整備をおおむね三十年かけて進めていくこととされました。渋谷駅街区土地区画整理事業でも渋谷駅東口の地下に貯留槽を建設中で、駅周辺の浸水対策としてその早期の完成が望まれています。

 しかし、こうした大雨を初め竜巻や雷、もとより大地震などの自然災害には、どのような対策を行っていても、その対策を上回る規模のものが発生する可能性が常にあります。

 もし災害により同時多発的に被害が発生した場合には、発生後、早期に消防、警察、自衛隊などの救助する方々が現場に駆けつけることはできません。

 私は去る九月三日に渋谷区の主催で開かれました防災講演会に出席させていただきましたが、その講演の中で、講師である防災・危機管理アドバイザー、山村武彦氏は、行政がすべての受け皿になるのではなく、町内会や自主防災会の中に「向こう三軒両隣」で助け合う、「互いに」「近い人」が「助ける」と書いて「互近助(ゴキンジョ)」「防災隣組」という安全の仕組みをつくることの大切さを訴えておられました。山村氏によると、隣近所でお互いに近くにいる人を隣人同士で助け合う、まずは自分の安全を確保し、助かった元気な人は助ける人になるという「助けられる人から助ける人へ」近くの災難を助けることができるのは近くの人であるということです。

 従来から、地域防災の決め手は「自助」「共助」「公助」とされてきました。「共助」は「自主防災組織」へと発展しましたが、その「自主防災組織」を支え、中核をなすのが「向こう三軒両隣」の「防災隣組」、すなわち「自助」と「共助」の間を埋めるキンジョ、漢字であらわすと「近い」に「助ける」と書いて「近助」であり、地域の一人一人がそのことを理解し、認識することが「近助の精神」であるということです。

 私も、本当の安全は誰かに与えてもらうだけではなく、こうした「近助の精神」に基づき自らが努力してこそ得られるものであると思います。

 とはいっても、一人だけの努力には限界があります。地域ぐるみ、様々な人たちの協力も必要です。区長は区民生活において、地域コミュニティの重要性を日ごろから訴えられていることは存じておりますが、あらゆる災害時において少しでも犠牲者を減らすためにも、近くにいる人を隣人同士で助け合う「近助の精神」が育まれるように、区民へのさらなる意識啓発を行うべきと考えますが、区としてどのような取り組みをされるのか、区長の所見を伺います。

 次に、庁舎建替えについて区長に伺います。

 さきの平成二十六年第二回定例会において、区長より「現在、新庁舎について平成三十年度中の開設に向けて事業者が設計を進めており、八月には新庁舎及び新公会堂整備計画(案)を示し、区民や各種団体に説明会を開催し、区民から広く御意見、御要望をいただき、区議会とも御相談の上できる限りこれを設計に反映させ、年内には基本設計(案)をまとめていく」との御発言がありました。

 このように区議会、区民の意見を広く聞き、区民サービスを受けられる区民の視点で庁舎の設計に取り組んでおられる区長の「区民第一」の基本的姿勢について、高く評価いたします。

 改めて申し上げますと、庁舎の建替えは首都直下地震の切迫性が指摘される中、震災時対応の拠点となる庁舎の備えを万全に、庁舎の耐震性能を確保しておくため、直ちに取り組まねばならない喫緊の課題であります。このため区長は、全国にも例のないスピード感をもって本事業に取り組んでおられます。こうした進め方は、大規模な震災が発生したときであっても区民の安全・安心を守り抜くという区長の強い信念と責任感のあらわれでもあり、深く敬意を表します。

 一方で、建設業界を取り巻く環境は想定以上に厳しくなっています。東日本大震災の復興需要、アベノミクスによる投資の加速、二〇二〇年東京オリンピック関連投資等の影響により、熟練工を中心とした深刻な人手不足や建設資材の高騰により、国内の建築コストは急激な上昇局面にあります。さらに、こうした市場においては、建築コストを適正に積み上げても工事契約時の請け負い取引金額が市場相場で大きく動くため、予定価格と実勢価格が乖離してしまい、他の自治体では公共工事の入札不調が相次いでいる現状があります。中には、庁舎建替えを計画したものの工事の先延ばしを余儀なくされた自治体もあると聞きます。

 八月にも行う予定であった「新庁舎及び新公会堂整備計画(案)」の公表について、計画の検討に時間がかかっているため実施時期が多少遅れると聞いております。事業者との協議中でお答えいただけることに限りがあることは承知しておりますが、現在検討している内容と今後のスケジュールについて、お答えいただける範囲で区長の御所見をお聞かせください。

 次に、庁舎建替えに係る調査派遣についてお尋ねします。

 渋谷区議会では、庁舎建替えに当たり庁舎及び議場を調査し、議場の設計に資するため、区長よりヨーロッパの都市への視察の要請を受け、平成二十六年第二回定例会において「新総合庁舎議場の調査に係る議員派遣の件」について議決し、平成二十六年九月三日から十日までの八日間、庁舎問題特別委員会委員を中心とする調査団がロンドン、ブリュッセル、ベルリン各市の関係施設を精力的かつ熱心に調査を行ってきました。

 今回の海外調査派遣に対して、調査の目的も内容も理解しようとせず、ただやみくもに反対を連呼する声が聞こえてまいります。委員会でも、庁舎建替えを政争の具にしようと委員長不信任の動議を出すなど、議会人としての矜持を疑うような輩がいるのは非常に残念なことであります。

 今回の調査に参加した我が会派の団員からは、事前の調査、準備で想定していた以上に、つまり出発前に考えていた以上に「多くの情報を得ることができた」「大変貴重で有意義な調査であった」と聞いております。その成果は今後、区議会でも報告されることと思いますので、期待して待ちたいと思います。

 そこで、区長にお尋ねします。

 今回の海外調査派遣を区議会に要望した意図、さらに調査団に期待する成果について、改めてお聞かせください。

 次に、高齢者並びに障害者福祉について、区長にお伺いします。

 来年度は国において、介護保険制度の大幅な改正が予定されております。大きな柱として、高齢者が住みなれた地域で生活を継続できるようにするため、一、地域包括ケアシステムを構築し、介護、医療、予防、生活支援、住まいを充実させる、二、費用負担の公平化として、低所得者の保険料軽減を拡充し、保険料上昇をできる限り抑えるため所得や資産のある人の利用者負担を見直すなどとなっております。

 一方、今年度は第六期の渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画の策定時期であり、現在、「渋谷区介護保険事業計画等作成委員会」において真摯に議論されていると聞いております。

 そのような中、地域包括ケアシステム構築と今後の取り組みについて、国が目指す地域包括ケアシステムに沿って渋谷区におけるシステムの構築のため、様々な検討をしていることと思います。特に制度改正の中で懸念されていることは、要支援者に対する介護サービスについて、これから「新しい総合事業」という新制度に移行していくに当たり、「今まで受けることができたサービスが受けられない」こととなり、「サービスの低下が生じるのではないか」と言われていることです。渋谷区においてはそのようなことはないと考えておりますが、今後、区はどのように取り組んでいくのか区長の所見を伺います。

 今般、障害者福祉を取り巻く情勢は大きく変化しています。障害者自立支援法が障害者総合支援法に改正され、平成二十五年四月一日に施行されたことを初め、特に、今年一月に障害者権利条約に日本も批准したことで、今後は障害者に関する施策の充実が重要な課題となってくると考えられます。

 今年度は三年に一度の渋谷区障害者保健福祉計画(第四次)、渋谷区障害福祉計画(第三次)の改訂期に当たります。計画改訂に当たっては、区長から「渋谷区自立支援協議会」に諮問され、現在、自立支援協議会の中で「福祉計画部会」を立ち上げ、当事者などの方々との意見交換会なども行いながら活発に議論されていると聞いております。

 そのような中、本区の計画においても課題となっている障害者グループホームの設置については、施設整備助成の予算が平成二十五年度から計上されているところですが、いまだに新たなグループホームが建設されていない状況であります。今後、民間活力の活用はもとより国並びに都と連携し、区が主導し、運営に当たる事業者の創意工夫を生かした方法でグループホームが設立されるような道筋をつけていただければと思います。

 他方、「はぁとぴあ原宿」も開設後七年が経過し、利用者の高齢化、重度化、施設の老朽化も進んでおります。今年度は「はぁとぴあキッズ分室」が設置され、充実しましたが、児童だけでなく成人の利用者向けの施策の充実も求められています。区の基幹的障害者福祉センターとして、「はぁとぴあ原宿」のさらなる有効利用を図るため、実情に合わせた医療的ケアの実施など、サービスの拡充に努めていただきたいと考えます。新たな障害者福祉計画の策定に当たり、区長に今後の障害者施設整備についての所見を伺います。

 次に、本区の最重要課題の一つであります待機児解消についてです。

 本区は、間違いなく子育てトップクラスの自治体であります。それは、区長がこれまでも「産みやすく、育てやすく、働きやすい」子育て環境の整備に全力で取り組まれてまいりました結果であろうと思います。

 平成二十一年度から千名を超える保育定員の拡大を行い、さらに本年四月は二百四十八名の定員を増やしました。明年四月には、代々木保育園及び初台保育園の耐震・総合改修と西原一丁目保育施設とを合わせて百四十六名を超える定員拡大を行う予定であり、平成二十八年四月以降では児童福祉センター内に保育所型認定こども園を、幡ケ谷二丁目防災公園内に高齢者住宅との合築で、また、代々木小学校跡や、笹塚駅前再開発による笹塚図書館移転に伴う跡地を活用した保育施設整備などを伝え聞いております。

 先ほどの区長発言の中の「子ども・子育て支援新制度」では、平成二十七年度から平成三十一年度の五カ年の教育、保育の量の見込みとその確保方策、実施時期を定める「子ども・子育て支援事業計画」を今年度内に策定することとされており、待機児童解消に向けた具体的な取り組みが盛り込まれるものと思います。今後の保育施設整備の検討状況について、お聞かせいただけたらと思います。

 次に、感染症対策について区長に伺います。

 区民の健康を保持していく上で、感染症をいかに予防していくかは非常に重要な観点の一つだと考えます。

 本区ではその考え方を実践していくために、「ロタウイルス」や「おたふくかぜ」などの任意予防接種の経費の一部助成を進めるなど、予防接種について全国トップレベルの支援を行い、さらに毎年冬に流行する「インフルエンザ」についても、全国的には一般に高齢者を対象に行われている予防接種について子どもたちにも無料で接種することができるようにするなど、全国でも非常に先進的な取り組みを行っていることは承知しております。誰もが安心して健やかに暮らせるまちを目指す上で、非常に重要な施策と考えております。

 そのような中、マスコミ報道で承知のことですが、区長発言にもありましたとおり、デング熱の国内感染症例の発生については、八月二十七日に「海外渡航歴のない患者がデング熱と診断された」旨を厚生労働省が発表し、その後、患者数や推定感染地が徐々に拡大しており、昨日九月二十四日の厚生労働省の報道発表資料によれば、全国で百四十二名の発症が報告されています。

 一連の報告の推定感染地として最初に報告されたのが代々木公園であったことに加え、過度に不安をあおるような報道も一部見られたことから、区民からも不安の声が聞こえていました。しかし、本区においてもこの感染症に対応するように、ホームページなどを通じての情報提供や電話での相談受付の開始などを通じて区民への対応を早い段階から始めるなど、十二分な対策を行い、大きな混乱になることなく現在まで推移していると考えております。

 今回のデング熱発生を受けて、改めて感染症対策における健康危機管理の重要性が再認識されたと考えておりますが、今後、新型インフルエンザ等の発生も想定されていることから、本区として感染症発生時の健康危機管理のあり方について、区長の見解をお伺いします。

 次に、新たな教育施策について教育長にお伺いします。

 桑原区長は本年第一回定例会で「一人一人の子どもが心身ともにたくましく、グローバル時代の国際社会を生き抜く意欲ある子どもに育成することは喫緊の課題である」とし、その取り組みの一つとして、全国に先駆けた新しい五歳児教育である「就学前オープンスクール」の設置を表明されました。国がフィンランド、オランダ、フランス、イギリスなどで行われている就学前教育の研究を行い、我が国における小学校入学前の五歳児教育の重要性を指摘しながらもまだその具体的な道筋を示さない中で、渋谷区の未来ある子どもたちのため新しく渋谷区の就学前教育を開始することにつきましては、大いにその必要性を認め、敬意を表するところであります。

 今回、三回目を迎えたフィンランド児童・生徒派遣研修におきましては、団長として引率された森教育長は、小学校長や保育園長とともに現地フィンランドの就学前教育の調査を行い、渋谷区の就学前オープンスクールの教育内容の検討を進めていると聞いております。

 渋谷区で行う就学前オープンスクールの目的としては、一、遊びを通して学ぶ幼児期の教育から、教科中心となる小学校教育への円滑な接続を図るための準備を行う、二、自分でできることは自分で行うなど自主自立を促す指導を行う、三、人の話を落ち着いて聞くなど集団生活に円滑に適応するための準備を行うとされています。渋谷区の就学前オープンスクールには、単に社会性や自立性に乏しく小学校生活になじめないと言われている子どもの小一プロブレムの解消ということではない、発達年齢に合わせた特徴ある就学前教育ビジョンが求められるところです。

 本年十月から行われる長谷戸小学校、猿楽小学校、常磐松小学校、西原小学校での就学前オープンスクールの教育内容はどのようなものになるのでしょうか。また、フィンランドでの就学前教育の調査結果を具体的にどのように生かしていくおつもりなのでしょうか、教育長に就学前オープンスクールの抱負と準備の状況をお尋ねいたします。

 次に、預かり保育についてお伺いします。

 少子化、高学歴化、そして女性の社会進出という社会変化の中で、我が国の子育て世代は保育は保育、幼稚園教育は幼稚園教育という二つの固定した制度ではなく、保育と幼稚園教育を融合し、一体となった制度を求めており、また、子どもの将来を見据え、保育、幼稚園教育の先に訪れる小学校教育とのスムーズな連携を求めています。

 これまで、保護者が就労していれば子どもが通える選択肢は保育園のみで、幼稚園教育を受けさせることは困難でした。保護者が家庭にいれば幼稚園に通園させることはできても、逆に、就労要件がないため保育園入園は不可能でした。このように、親の就労状況によっておのずと子どもの居場所は固定されてしまい、自由に子どもの居場所を選択することが不可能な時代がありました。

 このような状況を打破するために、渋谷区では、子育て世代が自らの就労状況にかかわらず保育も教育も両方を選択できるよう、子育て支援施策の変革を行ってきています。その一つが、幼保一元化施設の設置となっています。そして今回、渋谷区では幼稚園教育と預かり保育を連続して一体的に実施する本町幼稚園の預かり保育を開始します。これは区立幼稚園に求められている時代に即した改革であり、子育て世代にもう一つ子どもの居場所の選択肢を提供する施策となっています。

 そこで、教育長にお尋ねします。

 本町幼稚園では十月に開始される預かり保育の準備が進められていますが、具体的にどのような幼稚園教育が行われるのか、また、どのような預かり保育が行われるのか御説明ください。

 また、本定例会では、来年四月から臨川幼稚園でも預かり保育を開始するための条例改正案が提出されています。今後どのように臨川幼稚園の預かり保育の準備を行っていくおつもりか、あわせて教育長にお尋ねいたします。

 平成二十五年第四回定例会において我が会派の代表質問で、渋谷区における特別支援教育を一層推進するため、神南小学校に設置されている情緒障害等通級指導学級、「ふたば学級」だけではなく、新たな通級指導学級増設の必要性を指摘しました。このことを踏まえ、本年五月には幡代小学校に「いちょう学級」が開設されています。今後、「いちょう学級」では、在籍校から通ってきて指導を受ける通級指導に加え、教員が対象児童のいる学校に出向いていき指導を行う巡回指導にも取り組むと仄聞しております。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 これから始められるこの巡回指導にはどのような教育効果が期待できるのでしょうか。また、神南小学校の「ふたば学級」での巡回指導の取り組みはどのようにお考えなのでしょうか。

 今後さらに情緒障害児への教育指導を充実するため、神南小学校の「ふたば学級」と幡代小学校の「いちょう学級」以外にも開設する必要があると考えます。教育長はどのような見解をお持ちなのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団の松岡定俊議員の御質問にお答えをさせていただきたいと存じます。

 私、御質問全般を通して感じましたことは、区政全般にわたりまして一貫して区政推進に温かい御理解と御協力をいただいている、そしてそういう視点に立って御質問いただいた、このように思っている次第でございます。明日に向けた区政づくりに励ましのお言葉をいただき、心からお礼を申し上げたいと存じます。

 それでは、以下、御答弁を申し上げたいと存じます。

 最初に、本区開催の防災講演会を引用しながら、地域防災力の決め手は自助、共助を埋める「近助」近く助け合うことであるという言葉で、「近助の精神」を育むことが重要であるが、意識啓発のために区長としてはどうお取り組みになるのかと、こういうお尋ねであったと存じます。

 阪神・淡路大震災のとき、倒壊した家屋から被災者を救出したのは消防や警察ではなく、その七〇%以上が家族や近隣であったと言われております。これは震災のみならず、土砂災害においても「近助」は重要であることを意味していると存じます。

 しかし、「近助」の精神は、都市化あるいは核家族化、あるいは少子・高齢化など、共同体を結びつけるこのきずなを弱いものにしてまいりました。しかし、帰属意識を抱くことのできる小さな共同体がなければ、我々は生きていくことは難しいと言われているところでございます。本区としては、この地域の自主防災への参加を呼びかけるだけでなく、祭りや盆踊りや、あるいは大運動会などを通して隣近所が顔見知りになるよう、様々なコミュニティ活動について私どもも協力をしてまいりたい、このように思っているところでございます。

 一方、本区においては渋谷区震災対策総合条例の趣旨に基づき、自主防災組織への参加を呼びかけるとともに、各防災訓練においては近隣で助け合うことの重要さを広く知っていただくよう努めております。

 また、災害時に支援が必要な高齢者、障害者など要援護者への対応を地域の見守りで行う共助の体制をつくっているところでございます。今後もこのような「近助」近くが助け合う、この取り組みを一層充実し、区ニュースを初め区ホームページの活用や様々な機会を捉えて近隣での助け合いの大切さを啓発し、地域防災力の向上に努めてまいりたいと存じます。

 次に、庁舎建替えについてのお尋ねでございました。

 新総合庁舎整備事業のスケジュールについて、松岡議員の御指摘のとおり、当初は八月までに「新庁舎及び新公会堂整備計画案」を公表する予定でありましたが、それは四月以降、区と事業者双方で設計協議を行う中で、次のような課題に直面をしているところでございます。

 最も大きい課題は、建設コスト高騰に対応する区と事業者の認識を一致させ、これを建設コストに反映させることでありました。確かに現在、熟練工を中心とする人手不足や資材の高騰等、国内の建設業界を取り巻く環境は厳しさを増しているところでございます。また、基本協定締結時には設計に含まれていなかった法改正等への対応も必要でございます。こうした想定外の建設コスト等の上昇に対し、そのコンセンサスを得る時間を必要としたことでございます。

 このほか事業取引に伴い発生する消費税の負担について、本区としては事業者に負担をしてもらわねばならないこと、また、新庁舎、公会堂の配置のあり方等についても事業者と協議を重ねることに時間を要しております。そして建設コストが高騰したことに対し、本区としても柔軟かつ適正な対応をしてまいりたいと考えております。

 これらの課題解決のためには、さらなる敷地の有効活用による住宅棟の容積率の割り増しのほか、権利金の引き上げや消費税の負担区分、庁舎の導入動線と位置、公開空地との取りつけ等々につきまして本区として事業者に提案をしております。これらの変更は区と事業者の双方が負担を負う側面がございますが、今日の社会状況において区の負担を最小限とし、庁舎建替えを着実に実施することのために必要であり、その結果、基本協定や定期借地権に影響を及ぼすことも避けられないと考え、事業者と協議が一致した段階で議会にも御報告を申し上げ、進めてまいりたいと考えているところでございます。

 なお、今後のスケジュールでございますけれども、本年十一月までに「新庁舎及び新公会堂整備計画案」を公表し、区民や各種団体への説明会の開催や区民意見の募集を行ってまいりたいと存じます。また、本事業の工事期間は変更せず、来年十一月より予定どおり着工してまいりたいと考えているところでございます。

 次に、庁舎建替えに係る調査派遣についてのお尋ねでございました。

 丸山高司庁舎問題特別委員会委員長を団長とする区議会議員海外派遣調査団の皆様方には、一致協力をされ、短い期間に成果を上げられたことに対し敬意と感謝を申し上げたいと存じます。

 私の本心は、庁舎建替えは百年に一度の区政の大事業であることから、今回の調査派遣は後世に悔いを残さないため、海外にも及ぶ調査研究が欠かせない、このように考えたところでございます。とりわけ議場については議員の皆様方もこれまで本区の庁舎について、議席と傍聴席のあり方、あるいはインターネットなど広報などについて様々の思いをされているはずでございます。市民の社会参加を促し区民への議会活動への関心を促すべき庁舎のハードとソフトについて調査・研究してほしい、そして新しい庁舎に持ち込んでいただきたい、そのように思った次第でございます。

 海外はだめだということの自己独善ではなく、ガラパゴス的であってもならない、このように思っている次第でございます。

 次に、高齢者福祉についてのお尋ねでございました。

 地域包括ケアシステムの構築の進捗状況と今後の取り組みについてということであったと存じます。

 本年度は第六期の渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画の策定時期であり、地域包括ケアシステムの構築と今後の取り組みについては、国が目指す地域包括ケアシステムに沿って渋谷におけるシステムの新しい構築のために検討している、このようなことのお話がございました。

 とりわけ制度改正の中で懸念されている要支援者に対する介護サービスについては、新しい総合事業という新制度に移行していくに当たり、今まで受けることのできたサービスが受けられないということとなり、サービスの低下を生じるのではないかという御懸念もお示しになられました。それぞれのことについて御答弁を申し上げたいと存じます。

 初めに、地域包括ケアシステムの構築の検討については、高齢者、とりわけ七十五歳以上の後期高齢者が今後、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けるための課題を把握することが必要だと考えております。

 本区における七十五歳以上の後期高齢者数は、二〇一四年九月時点で二万人ほどでございますが、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には二万四千三百人を超えると想定され、今以上に高齢者ケアニーズ、単独世帯の増大あるいは認知症発症者の増大などが想定されるところでございます。そのような中で現在提供される介護保険サービス、医療保険サービスに加えて本区が行っている区型介護サービスを初めとする介護高齢者施策などを有機的に連動させ、包括的かつ継続的な仕組みとしてつくり上げることが「渋谷区版地域包括ケアシステム」の基本的な考え方でなくてはならない、このように考えているところでございます。

 現在、学識経験者、地域で活躍をされていらっしゃいます医師や事業者などを委員とする「地域包括ケアシステム検討委員会」を立ち上げ、「渋谷区版地域包括ケアシステム」の基本的な考えについて、今後の多様なサービスの創出など具体的な方策について検討いただいているところでございます。

 議員お尋ねのございました、今回の法改正により要支援者に対する訪問介護、通所介護を地域支援事業の新しい介護予防、日常生活支援総合事業に移行することと相なります。

 本区はこれまで、高い評価をいただいている区型介護サービス事業や社会福祉協議会によるやすらぎサービス、あんしんサービスなどを実施しております。これらの事業の内容を精査して活用、拡充し、新しい総合事業に組み込んでまいりたいと存じます。

 総合事業の中で、現在、要支援の方々が受けられている専門的サービスが必要に応じて今までどおり受けられるようにしていくことも重要であり、平成二十九年度までにそのシステムを構築しなければならないと考えております。それらを適切なケアマネジメントのもとに組み合わせながら提供してまいりたいと存じます。

 いずれにいたしましても、法改正によりサービスの低下を招くことのないよう責任を持って実施してまいります。よろしくお願いをしたいと存じます。

 次に、障害者施設整備についてのお尋ねでございます。

 今年度は三年に一度の渋谷区障害者保健福祉計画、渋谷区障害福祉計画の改訂時期であり、渋谷区自立支援協議会に諮問し、検討を進めているところでございます。今後、内容を検討することに当たり、区としての考え方を申し述べさせていただきたいと存じます。

 まず、障害者グループホームの増設でございますが、区内の地価の高騰がこの事業者がグループホームを整備できる費用を調達できない、この支障になっていると考えております。このため、場合によっては区などが区などの公有地を活用することも視野に入れ、また、施設整備費助成などを拡充するなど、事業者が進出できる条件を整えてまいりたいと存じます。

 また、はぁとぴあ原宿につきましては、開設以来、徐々に利用者数が増加するとともに利用者の高齢化や重度化が進んでいる状況でございます。そのため利用者の医療的ケアの必要性や車いすの利用者のために、送迎バスの拡充等の整備が求められてきております。今後は財政的な検討も加えながら、一人でも多くの利用者を受け入れることのできる施設整備を行ってまいりたいと考えております。

 次期の障害者福祉計画における障害者施設整備につきましては、来年度から三年間の需要予測をしっかりと行い、既存施設の有効活用を図りながらも必要な施設は増設をできるよう、渋谷区自立支援協議会の意見を聞きながら検討してまいります。よろしくお願いを申し上げたいと存じます。

 次に、子育て支援についてのお尋ねでございました。

 本区はこれまで待機児解消を子育て支援の最重要課題と捉え、かつ人口減少社会も見据え、「産みやすく、育てやすく、働きやすい」子育て環境の整備に全力を傾け、定員の拡大を図り、現在、約三千七百名の保育ニーズに応えているところでございます。また、保育の質についても区民ニーズとの整合性を図りながら、子どもにとって良好な保育環境を一層充実し、施設の改善、整備に努めてまいりました。

 今後の保育施設の整備状況につきましては、明年四月には代々木保育園及び初台保育園の耐震・総合改修と西原一丁目保育施設(仮称)とを合わせ百四十九名の定員拡大を行う予定でございます。のみならず、年度の途中にあっても十月一日時点での待機児数や十月下旬から始まる平成二十七年度の保育入園申し込み状況、あるいは地域の実情等を総合的に勘案し、何があっても待機児を出さないようさらに知恵を絞って、他の様々な方法を講じながら定員拡大について検討してまいりたいと考えております。

 さらに、平成二十八年度以降になりますが、児童福祉センター内に保育所型認定こども園を約百三十人規模で、代々木小学校や笹塚駅前再開発による笹塚図書館移転に伴う跡地を活用した保育施設整備については、それぞれ百人以上の定員となるよう、また、幡ケ谷二丁目防災公園内に高齢者住宅との合築で約百人規模の保育施設の整備について、現在、検討を進めているところでございます。

 これらの保育施設の整備については、現在、精査中でございますが、今後想定される保育の量の見込みは約四千五百人と想定をし、平成二十七年度から三十一年度までの五カ年計画である「子ども・子育て支援事業計画」の中に教育、保育の量を見込み、その確保方策、実施時期を具体的に明記することとなっており、本区の「子ども・子育て会議」の御意見をいただきながら今年度内に策定をする予定でございます。どうぞ御理解をいただきたいと存じます。

 最後にデング熱についてのお尋ねでございました。

 議員御指摘のとおり、感染症発生時における健康危機管理対策は非常に重要であると認識しております。有事の際の健康危機管理体制の構築は、有事になる前、つまり平時における準備が大変重要であると考えております。感染症を初め有事の際にそれぞれの所管がどのような役割を果たすのか、あらかじめ十分検討し、その上で対応策を想定していくことが大切でございます。また、関係者との関係構築についても同様でございます。

 これらの準備を行っておくことが、有事の際に健康危機管理体制への円滑な移行を可能にし、より早い段階から全庁的に正しい情報を収集、共有し、それぞれの所管が適切な役割を果たすことができると考えております。

 また、区民自らも正しい情報を理解し、過度な不安に陥ることなく冷静な対応をとれることも大切でございます。今回のデング熱対応も、早い時期に情報提供を開始しましたが、今後発生し得る感染症対策においても同様の対応が必要であると考えております。今回のデング熱国内発生においての対応経験を踏まえ、今後も引き続き、感染症発生時における危機管理体制のさらなる充実に努めてまいりたいと存じます。

 以上、御答弁といたします。



○議長(前田和茂) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について三点のお尋ねがございます。順次お答えします。

 初めに、「就学前オープンスクール」についてのお尋ねがございました。

 私は、「就学前オープンスクール」の教育効果として大きく四点考えております。

 一点目は、就学前の子どもにとっての効果です。小学校入学前に小学校での生活や学習を体験することによって、小学校で学ぶ上での基礎的な力を養えること、入学に対する不安をなくすことができること、そして、このことによって小学校教育へ円滑に接続できるようになることと考えております。

 二点目は、就学前の子どもを持つ保護者の方にとっての効果です。子どもが小学校生活を体験していく中で、入学までに家庭で何を身につけさせる必要があるかが具体的につかめること、公立小学校の様子がわかるため不安が少なくなることなどが考えられます。

 三点目は、保育園の保育士にとっての効果です。小学校の生活や学習を間近に経験できますので、小学校教育への理解が深まり、保育園での日々の保育に生かすことができること、小学校の教員との連携が深まることなどが考えられます。

 四点目は、小学校の教員や児童にとっての効果です。小学校の教員にとっては、次に入学する子どもの状況を把握でき、入学後の指導にすぐ生かすことができること、保育園との連携がより一層深まることなどがあります。

 また、在校生児童にとっては、来年四月に入学する新一年生に対する期待や思いやりの心などを育むことができ、受け入れる小学校にとっても大きなメリットがあります。

 モデル実施校での教育内容についてでございますが、今回新たに取り組む就学前オープンスクールは、五歳児の後半の時期に二十回程度のプログラムを組み、継続的かつ計画的に実施してまいります。

 長谷戸小学校の計画案をもとに、現時点で予定している内容についてお答えをします。

 長谷戸小学校では、オープンスクールの計画を「知る」段階、「かかわる・したしむ」段階、「つなげる」段階の大きく三つに分けています。例えば「知る」段階では、通学路を歩く、小学校の校庭や体育館で遊ぶ、学校内を探検するなどの活動を考えています。次の「かかわる・したしむ」段階としては、自己紹介をする、給食を食べる、学校行事に参加する、生活科や音楽などの授業を体験する、放課後クラブを体験するなどの活動を考えています。入学前の「つなげる」段階では、一年生の教室の飾りをつくるとか、お世話になった小学校の先生や子どもたちにありがとうの会などを計画し、小学校入学への期待を高められるように考えています。

 他のモデル校においても、保育園や教育委員会の担当者等と連携を図りながらプログラムを作成しております。

 次に、フィンランドの調査結果をどう生かしていくかという御質問ですが、私は、八月にフィンランド共和国の就学前教育について視察してまいりました。桑原区長に対しましては、貴重なフィンランドでの教育調査の機会を与えてくださいましたことに深く感謝申し上げます。

 フィンランドでは、保育園から小学校に行く前の一年間を就学前教育としています。そのほとんどが小学校に併設された別棟の建物にあります。ちょうど登園してくる時間に訪問しましたが、子どもたちは先生方に挨拶をすると、園庭で伸び伸びと水や砂で遊んでいました。その後、小学校と同じように机や椅子がある教室で静かに座って先生の話を聞いたり、手を挙げて遊びを選んだりする活動をしていました。また、ある教室では、友達と仲よく遊ぶためのルールを絵で表現し、グループで一枚の紙に張り付けていました。

 これらの活動を通して人の話を聞く、自分の考えを伝える、集団生活のルール、マナーを身につけるなど、小学校生活の基礎となる力を身につけさせていました。

 教室は日本の一年生の教室に似ていて、鉛筆を持つ手の形やアルファベットの書き順などの掲示物が張ってありました。一つの教室には十二から二十一名くらいの子どもたちがいて、指導は就学前教育を行う専門の教員、小学校教員免許や幼稚園教員免許を持っている先生が複数でチームとなって指導し、特別な支援が必要な子どもがいる場合は補助教員が加わります。教員は活動する姿を観察するだけではなく、数字や絵カードを使ったゲームなどを通して子どもの能力を把握し、一人一人の個別指導計画を立てています。

 指導の記録は保護者の理解をもとに小学校に引き継がれ、それを踏まえて入学時から適切な指導を行うようにしているということです。

 私は、フィンランド共和国の視察を通して、小学校教育の基礎となる指導を就学前に継続して行うことの効果を改めて実感いたしました。

 渋谷区が目指す「保・幼・小・中の連続した一体的な教育活動」は、子どもたちの持つ未来への可能性を大きく花開かせる取り組みとなるものです。先進的な教育活動である就学前オープンスクールは、フィンランド共和国における就学前教育の調査結果を踏まえて本年十月から実施する四校の取り組みの充実を図り、来年度、全校実施に向けて万全の準備を行ってまいります。

 次に、子育て支援に関しまして、本町幼稚園では具体的にどのような幼稚園教育や預かり保育が行われるのか、また、今後どのように臨川幼稚園の預かり保育の準備を行っていくのかとお尋ねがございました。

 議員の御指摘のとおり、本町幼稚園の預かり保育は区立幼稚園に求められている時代に即した改革であると私も考えております。

 まず、本町幼稚園の幼稚園教育と預かり保育についてでございますが、本町幼稚園では、基本となる教育活動が充実して初めてそれに連続する預かり保育も充実したものになり、預かり保育は幼稚園教育における教育課程に連続した教育保育時間であると捉えております。

 基本となる幼稚園教育時間では、集団による教育活動を柱とした活動を行い、それに続く預かり保育では園児の体力、集中力を考え、園児がほっとする時間、くつろぐ時間も設け、園児一人一人の興味、関心に合わせた個を生かす教育活動、創作活動を行っていく計画としております。さらに、預かり保育の時間には保護者に対して子育て講座、子育て相談、趣味的活動など家庭教育学級的なサークル活動を実施して、子育て支援にも取り組んでまいります。

 今まで同様、幼稚園と保護者が連携をとりながら、未来ある子どもたちを育成していく取り組みを進めてまいります。

 次に、臨川幼稚園での預かり保育についての準備の状況についてでございますが、条例案の可決後、平成二十七年四月からの預かり保育の実施を目指し、本格的な周知活動を行ってまいります。新入園保護者説明会等の機会を捉え、預かり保育についての説明を時間をかけながら行うなど丁寧な対応に努め、在園児保護者の御理解、御協力も得て進めてまいりたいと考えております。

 小学校内に設置された幼稚園としての特性を生かし、預かり保育につきましても小学校での活動、放課後クラブとの交流も視野に入れ、先行する本町幼稚園等の事例を参考にしながら準備を進めてまいります。

 最後に、特別支援教育のさらなる拡大につきまして二点のお尋ねがございました。

 まず、巡回指導での教育効果についてでございますが、情緒障害等通級指導学級では、いわゆる落ち着きがない、人の気持ちを推しはかることが苦手である、人とうまくコミュニケーションをとることができないなど、主に行動面で課題を抱える児童に対し、専任の教員が専用の教室で小集団での指導やその児童一人一人に合わせた個別指導を行い、コミュニケーション能力を高め、社会生活や集団行動への適合を図るための教育を行っております。

 指導方法には通級指導と巡回指導の二つの方法があるところですが、今までは通級指導を中心に行ってまいりました。通級指導は、児童が在籍校から通級学級に決められた日に通って指導を受けるというもので、小集団の中での情緒の安定とコミュニケーション能力の向上を図るため効果的である一方、送り迎えが保護者の負担増ともなっており、就労世帯の児童につきましては通級が困難である実情もございました。

 今回、幡代小学校いちょう学級で開始する巡回指導は、教員が対象児童のいる学校に出向き、指導を行うというものでございます。児童は自分が在籍する学校で学べるため移動がなくなり、巡回指導をする教員は在籍学級との担任とも情報交換がとりやすくなり、在籍学級の授業に合わせた指導が可能となるなど、在籍校、在籍学級との連携強化を図ることのできるメリットもあるところです。

 今後、渋谷区といたしましては、小集団指導にメリットがある通級指導と児童に負担の少ない巡回指導のメリットを組み合わせて、情緒障害児の指導に当たっていきたいと考えております。

 また、神南小学校のふたば学級での巡回指導の取り組みについてのお尋ねがございましたが、来年度に向け、ふたば学級での実施も検討してまいります。

 次に、神南小学校のふたば学級と幡代小学校のいちょう学級以外にも情緒障害等通級指導学級を開設する必要があるのではないかとのお尋ねがございますが、文部科学省の調査では、知的発達に遅れはないものの学習面または行動面で著しい困難を示すとされる児童・生徒の割合は全児童・生徒の六・五%と推計しており、渋谷区といたしましても一人一人を大切にする特別支援教育のより一層の充実が必要と考えております。

 対象となるすべての子どもが情緒障害等通級指導学級の対象というわけではありませんが、各校長と話をいたしますと、小学校におきましてはさらに学級設置校の拡大が必要であり、中学校におきましては新たに学級設置校を検討する必要があると考えております。

 教員配置が伴いますので東京都教育委員会とも協議をし、着実な充実に努めてまいりたいと考えております。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 松岡議員。



◆十四番(松岡定俊) 簡単ですので、自席での発言をお許しください。

 区長、教育長より丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございました。

 庁舎は言うまでもなく区民の防災拠点であり、また、区職員が安心して区民のために働く場でもあります。区長の御答弁にもありましたように、百年に一度の区政の大事業である庁舎建替えに当たり、厳しい状況下、課題解決に取り組まれていることはよくわかりました。

 また、教育長には本区の教育施策について御答弁をいただきました。就学前オープンスクール、預かり保育、そしてまたさらには特別支援学級教育等、これからも渋谷区の教育施策をさらに充実させていただきますようにお願いを申し上げます。

 私ども自民党議員団一同は、これからも区政進展のため信念と良識をもって、議会人としてしっかりと区政を支えていくことをお誓いし、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。



○議長(前田和茂) 議員各位に申し上げます。自席での答弁は短い答弁のみとさせていただきますので、十分長かったです。答弁じゃありませんね。失礼いたしました。質問とさせていただきます。

 四番久永 薫議員。



◆四番(久永薫) 皆さん、こんにちは。

 私は渋谷区議会公明党を代表して、桑原区長、森教育長に大きく七点にわたり質問をさせていただきます。

 質問に入ります前に、一言申し述べたいと思います。

 近年、豪雪、竜巻、豪雨など異常気象が各地で相次いで起こっております。もともと異常気象は数十年あるいは数百年に一度起こる程度の現象を指すものですが、最近は当たり前になりつつある状況です。

 このたびの八月二十日に発生しました広島の大規模土砂災害から約一カ月が経過をいたしました。この災害では七十四名の方が亡くなられ、また、多くの方が被害を受けられております。そして今まだ避難所での厳しい生活を強いられており、復興の加速が最優先の課題となっております。被災された皆様へ心よりお見舞いを申し上げます。

 また、九月一日は渋谷区総合防災訓練を行い、防災関係機関と連携し、いざというときに備えての活動訓練を行いました。渋谷区は防災力ナンバーワンの防災対策を講じてきましたが、改めて広島の土砂災害から、避難情報のあり方、さらに地域の防災力を高める取り組み、また、今後の減災対策について学ぶべき点があったのではないかと思います。区民の命を守るという点から、さらに「防災力ナンバーワン」の名に恥じない取り組みをお願いしたいと思います。そしてさらに安心・安全なまちづくりを進めていけるよう、私も全力で働いてまいりたいと思っております。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、高齢者福祉について三点お尋ねいたします。

 まず一つ目に、地域包括ケアシステムにおける介護と医療の連携についてです。

 団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を目途に、重度の要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が急務です。

 昨年度に実施されました渋谷区日常生活圏域ニーズ調査などの結果から、新たな生活支援の課題も出てきているかと思います。特に在宅でのサポートの中で、介護サポートはもちろんのこと、医療サポートのニーズが高まっております。第二回定例会において我が会派の広瀬議員から地域包括ケアシステムについて、これまでの渋谷区の取り組み、また今後の取り組みについて質問をさせていただきましたが、今回はさらに具体的な取り組みについてお尋ねをさせていただきます。

 渋谷区は介護サポートにおいて区独自のサービスも充実しており、皆様から大変喜ばれております。さらに地域包括ケアの推進に当たっては、医療との連携強化が大変重要な課題だと思います。そこで、在宅ケアにおける介護と医療の連携、そして在宅終末期のケアについて区としてどのような取り組みを検討されているか、区長の御所見を伺います。

 また、新宿区や東久留米市では、医療コーディネーターの機能を持ち、地域包括支援センターと連携をしながら地域の方を支援する窓口として「暮らしの保健室」を開設し、在宅ケアのサポートを導入しております。この夏、私も暮らしの保健室室長でいらっしゃる白十字訪問看護ステーション統括所長にお話を伺ってまいりました。

 暮らしの保健室は、地域に住んでいらっしゃる方々の暮らしや健康、医療、介護の相談が身近にできる総合窓口の役割を果たしています。在宅医療も理解した看護師が相談を受け、病院と地域のお医者さんの橋渡しをしてくれます。また、がん患者さんとその家族の相談に乗ってくださり、今まで誰に聞けばいいかわからなかったこと、また、健康に関する質問や生活にかかわる様々な相談にスタッフが丁寧に対応してくれます。ときにはお茶を飲みながらゆっくり談話もできる、地域の皆様に開かれた場所です。

 いつまでも住みなれた地域で生活するには、地域とのつながり、家族の支援、そして何より不可欠なのは地域医療との連携です。渋谷区としても是非地域包括ケアの拠点の一つとして導入を考えてはいかがでしょうか、区長の御所見を伺います。

 二つ目に、本町東小学校跡地の特別養護老人ホームにできる在宅ケアの総合相談窓口についてお尋ねをいたします。

 平成三十年開所予定である旧本町東小学校跡地複合施設は区内で九番目の特別養護老人ホームであり、また、区内で六つ目のグループホームが併設され、高齢者の方、またその家族の方への安心がより一層増すものと思います。また、この特別養護老人ホーム内に開設される在宅ケアのための介護と医療の連携拠点についても、大変期待をしております。今後、在宅ケアの拠点としてどのようなサポートを行うのか、区長に御所見を伺います。

 また、三つ目に、地域で支える認知症ケアについてです。

 従来の予想を上回る認知症患者の急増で、二〇二〇年には四百万人を超えると言われております。さらなる高齢化社会への対応として、高齢者が安心して住み続けられ、できる限り生活圏内で、増加する認知症高齢者や単身世帯高齢者を地域で支えていくための施策が不可欠です。現在、十一地区に配置をされている地域包括支援センターを拠点として、介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、虐待防止、また早期発見等の権利擁護、地域ケア支援等、より身近な地域で継続的に認知症予防と相談支援体制の充実を図り、対策を進めていただいております。

 一方、地域で支えるために認知症患者への理解を深め、支援ができる方の育成として「認知症サポーター養成講座」が開催されておりますが、さらに認知症患者を支える御家族の方への支援も急務であると思います。

 私も六年前に養成講座を受け、認知症サポーターになりました。認知症の方への理解を深め、そして対応について学び、認知症の方が抱える御苦労も身にしみて感じるとともに、支える御家族の方への寄り添いも不可欠であると実感をしております。何よりも、認知症サポーターが日ごろの生活の中で、まず挨拶などお声がけをする、地域の方の変化に気づく、また心配なことがあれば関係機関につなげる等、地域ぐるみでの実践が大切であると思います。また、御家族の方と地域のつながりも大切な支援であると思います。

 そこで、現在、認知症サポーターの活用と御家族の方への支援についてどのような対策をとられているか、区長の御所見を伺います。

 次に、渋谷区教育センターの教育相談の取り組みについて伺います。

 現在、渋谷区教育センターでは、渋谷区のすべての子どもたちが安心して相談できる身近な相談窓口を設置し、相談活動に御尽力をいただいております。お子さんの変化に気づき不安を抱えていらっしゃる方、また不登校や引きこもりで悩まれていらっしゃる方、相談内容は様々であると思いますが、個々のニーズに合わせて子ども、また保護者の心に寄り添っていただき、きめ細やかなサポートに御相談を受けた方からも大変うれしい声を伺っております。

 そこで、現在行われている教育相談活動の「一般教育相談」また「けやき教室の相談活動」「子どもの心サポート事業」そして「若者サポート事業」のそれぞれの取り組みについて、また、教育相談における個々のニーズに合わせた連携指導での成果について、教育長に御所見を伺います。

 次に、子育て支援について二点お尋ねいたします。

 まず一つ目に、子ども総合支援センターの取り組みと今後の展望についてです。

 今年度開設された子ども総合支援センターは、我が会派も長年にわたり開設を要望し、大変期待をしております。私も一昨年、乳幼児の子育て支援の総合推進拠点として全国で初めて取り組みをされた京都市子育て支援総合センター、「こども未来館」に視察に行ってまいりました。教育、福祉、保健医療が三位一体となった総合施設となっており、すべての子どもへの総合サポート体制もとられている施設に感動をいたしました。

 しかし、渋谷区でも渋谷区教育プログラムのもと、既に公立、私立、また保育園、幼稚園の垣根を越えて保育の質の向上に取り組んでおり、このたび開設された子ども総合支援センターは、さらに継ぎ目のない子育て支援の総合相談窓口となります。また、発達相談、巡回相談、そして教育者に対しての研修事業など、渋谷区のすべての子どもたちが心豊かに成長できるようサポートを担う支援センターだと思います。

 そこで、現在、行われている子ども総合支援センターの取り組みと今後の展望について、区長に御所見を伺います。

 二つ目に、産後ケアについて、特に今回は産後の母子をサポートするドゥーラ、助産師の活用についてお尋ねをいたします。

 我が会派としても、母子保健産前・産後ケアセンター事業の推進に力を注いでまいりました。また、世田谷区の産前・産後支援センターへも何度も足を運び、取り組みも学んでまいりました。

 出産によって、女性は心身ともに大変大きな負担を生じることは言うまでもありません。特に出産後一カ月間は、ホルモンのバランスの急激な変化により精神的に不安定な状態となり、産後鬱になりやすいとも言われています。また、近年、出産する女性の年齢も高くなっており、頼りとする親のサポートも高齢化や就労等により受けにくく、また、産院を退院した後に授乳や育児方法、育児不安などを気軽に相談できる人がいないなど、子育ての難しさに直面する母親が増えております。

 良好な母子の愛着形成を促進する上で、産後直後の一カ月間が最も大事な時期と言われており、さらに産後早期の親子関係が虐待や育児放棄等の早期予防や発見などの役割も果たすと言われております。特に、出産直後の心身ともに不安定でなれない赤ちゃんとの生活に戸惑う母親と子どもに寄り添うには、しっかりと養成を受けた専門性のあるサポートが必要であると思います。

 しかし、出産直後の母子を支援する専門性を持ったサポーターは、ほとんどいないのが現状です。先ごろ起きた痛ましいベビーシッターによる事件に見られるように、無資格でも自由に開業できることなど問題視されております。現在、渋谷区で実施されている「こんにちは赤ちゃん訪問事業」等は、こうした背景を支えるもので、子どもと出産後の母親の健康面の悩みや育児への不安などを聞き、その母親に寄り添い、安心して子どもを育てることができるような産後ケアの支援をいただいていると思います。また、大変重要な支援であり、支えてくださる助産師、保健師の方の力は今後の需要も大変大きいものだと思っております。

 さて、海外では産後ケアの専門職として「ドゥーラ」ギリシャ語で女性を支える経験豊かな女性の意味、「ドゥーラ」と言われる方が活躍をしております。最近、東京助産師会の後援で「ドゥーラ協会」が設立されました。研修と経験を積んだお産の知識を持つ「ドゥーラ」は、母親支援の専門職です。

 平成二十四年看護関係統計資料、日本看護協会出版会編集によると、平成二十三年の看護職−−保健師、助産師、看護師、准看護師の就業者数は約百五十万人で、そのうち助産師就業者数は約三万四千人で、全体の約二・二%だそうです。

 子育て支援は妊娠、出産、育児というセーフティネットが極めて大切です。助産師は妊娠、出産の各時期に母子に必要な指導、ケア、助言を行うことができる数少ない有資格者です。助産師の方の活用を拡充することがきめ細かい支援につながるものと思います。さらに継ぎ目のない子育て支援の重要な対策の一つとしても、「ドゥーラ」のような民間の養成講座を受けた人たちへの助成をしてサポーター確保が必要であると考えますが、いかがでしょうか、区長の御所見を伺います。

 三つ目に、待機児解消と預かり保育についてです。

 来年四月から実施される「子ども・子育て支援新制度」により、質の高い幼児教育、保育を総合的に提供するための課題に向けての取り組みが進む予定です。

 子育て支援ナンバーワンの渋谷区では、待機児ゼロ実現のために既に二十六年度より三カ年でさらなる認定こども園、保育園の整備により定員の拡大、そしてどの自治体よりも負担の少ない保育料軽減で子育て支援をしております。また、先ほどの区長発言にもありましたが、いよいよ十月より区立本町幼稚園の預かり保育が始まります。次いで臨川幼稚園でも実施する予定になっているとのこと、これは幼児教育の新機軸となるもので、大いに期待をしております。

 そこで、まず、平成二十七年度の待機児解消に向けての取り組みについて、区長に御所見を伺います。

 また、今後の区立幼稚園での預かり保育の考え方について、教育長に御所見を伺います。

 続いて、区民サービスについてお尋ねをいたします。

 現在、渋谷区のホームページはリニューアルをされ、大変見やすく、わかりやすいコンテンツに改良されました。また、「しぶやわたしの便利帳」の冊子は、日常生活の中で、いざというときのスーパーサポートブックとして大変重宝されております。私も困ったときのバイブルとして活用をさせていただいております。

 しかし、若者たちには「しぶやわたしの便利帳」の存在は余り浸透しておらず、「いざというときの問い合わせ先やサービスはどこに聞けばよいのか」という声をたくさん聞きます。そこで、二十四時間いつでも検索することができ、安心して生活できるスマホ対応の便利帳アプリがあれば、その名のとおり便利になると思います。是非、区のホームページのモバイル用がもう既にありますけれども、もう少しモバイル用を検索しやすい便利帳アプリへの改良にできるよう提案をさせていただきます。区長の御所見を伺います。

 次に、まちづくりについてお尋ねをいたします。

 まず一つ目は、幡ケ谷三丁目から本町三丁目にかけての神田川支流遊歩道の整備についてです。

 我が会派は長年にわたり、幡ケ谷三丁目から本町四丁目にかけての神田川支流遊歩道の整備について要望をしてまいりました。まず本町三丁目から整備が進められ、清水橋からの景観もすばらしく、ここから幡ケ谷三丁目へ続く遊歩道整備への期待も膨らみます。子どもから高齢者まで安心して御利用いただける、また、地域の憩いの場となる遊歩道整備の今後の計画について、区長に御所見を伺います。

 また、二つ目に、客引き・客待ち禁止条例についてです。

 今定例会において客引き・客待ち禁止条例の議案が提出されております。かねてより恵比寿・渋谷・原宿地域からの強い御要望もあり、また、我が会派も強く要望し、大変待ち望んでいた条例です。また、近年、若い女性がスカウトと称して犯罪に巻き込まれるケースも大変増えております。

 今後、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック開催に向け世界各地から多くの方が来訪されます。誰もが安心して訪れていただけるよう、渋谷のまちを維持することも重要な課題だと思います。

 そこで、今回の条例で東京都の迷惑防止条例との違い、また渋谷区独自のどのような条例の内容であるのか、区長に御所見を伺います。

 続いて、難病対策についてお尋ねをいたします。

 平成二十七年一月より開始予定である難病新制度に伴い、新たに難病指定が拡大していく方向にあります。難病を抱えている方には少しでも希望となる新制度になることを願ってやみません。

 現在、渋谷区でも相談事業、難病講演会など開催され、御尽力いただいているところではありますが、日常生活の中で、難病患者の方が療養上、生活上の悩みや不安等の少しでも解消を図るサポートの拡充は大変重要な課題であります。何よりも体調変化が大きい難病患者の方には、いつでも身近に相談ができ、様々なニーズに対応してくれる窓口が必要であると思います。

 そこで、渋谷区での難病患者の方への相談体制について、区長に御所見を伺います。

 最後に、水害対策についてお尋ねいたします。

 初めに、土嚢ステーションについてです。

 六月二十九日のゲリラ豪雨によって、渋谷区もかつて経験したことのないような水害に見舞われました。私もこの日、消防団として、丸山分団長のもと応援支援に出動いたしました。床下・床上浸水により被害を受けた住宅に駆けつけ、バケツリレーや可搬ポンプで床下の水をくみ取るなどの支援に当たりました。

 あれだけの豪雨になると、雨水の処理能力に頼ることはできません。自助、共助の推進が必要です。この状況を目の当たりにして、これまでも渋谷区として水害への対策は、地域との連携も含め丁寧に対応していただいてきましたが、近年の「想定外」と言われるような災害にもびくともしないよう、さらなる強化が必要であると実感をしております。

 そこで、現在、渋谷区では十三カ所に土嚢ステーションを設置をしていただいておりますが、ほとんどがこれまで被害が懸念されていた地域に集中をしております。今後のゲリラ豪雨にも対応できるよう、今回の被害状況も踏まえて増設を考えてはいかがでしょうか、区長の御所見を伺います。

 二つ目に、擁壁を改修する際の助成についてです。

 防災対策ナンバーワンの渋谷区は同助成制度も充実しており、特に高齢者世帯にも手厚く施されています。その中で擁壁については、六月二十九日のゲリラ豪雨によって区内でも複数箇所崩落するなど、何らかのサポートが必要であると思います。耐震診断を経て耐震改修はしたが、震災の際、擁壁が崩落しては元も子もありません。そこで、擁壁を改修する際、その費用の一部を助成することはできないでしょうか、区長の御所見を伺います。

 以上七点、それぞれの答弁をお願いいたします。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党、久永 薫議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。

 最初に、高齢者福祉について三点のお尋ねがございました。

 団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を目途に、重度の要介護状態になっても住み続けられる、地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることのできるような医療、介護予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が急務であるという御認識に立って、三点の御質問でございました。

 一点目として、在宅でのサポートとしての介護のみならず、医療サポートのニーズが高まっており、医療との連携強化が重要であるとして、在宅終末期のケアや他自治体の「暮らしの保健室」を取り上げておられます。

 二点目は、旧本町東小学校跡地複合施設についても、在宅ケアを医療の連携拠点とすることについてお尋ねでございました。

 三点目は、認知症ケアにつきまして、認知症サポーターの養成と家族支援についてのお尋ねでございました。

 本区は現在、介護と医療連携については高齢者ケアセンター内に医療相談窓口を設置しているところでございます。また、旧本町東小学校跡地複合施設の医療の連携拠点については、これからのこの建設の中において検討課題に相なるものでございます。

 三点目の認知症ケアについては、区は、国のオレンジプランに従いまして認知症初期集中支援システムの組織化と見守りサポーターを置き、「認知症カフェ」への支援を行いたいと、このように考えているところでございます。

 しかしながら、現状では、介護と医療連携と認知症ケアといった各々の提供システムが分断され、有機的連携が図られていないところでございます。これからは在宅終末期ケアを含め、これらのシステムを総合的に組み合わせた地域としての包括的、継続的な仕組みの構築が求められていると考えているところでございます。

 二点目として、医療と介護の連携につきましてはコーディネート機能であって、実施機能ではありません。その中で、議員が引用されました「暮らしの保健室」は、大規模な集合住宅に設置された株式会社が運営する訪問看護ステーションがあると同時に相談機能を持っているもの、言いかえれば、この実施機能とコーディネート機能とをあわせ持っているかなり工夫のされた機能でなかろうかと思い、このことについては私どもも、御提言を参考にさせていただきたいと思っている次第でございます。

 また、認知症は治療薬が現在、開発をされておらず、良質のケアが何よりも大切だと、このように思っております。認知症サポート医である専門医の指導、助言をいただきながら、医療と介護職員間の人材が組織化され、本人あるいは家族を訪問し、相談に乗る、いわゆる認知症初期集中支援システムの組織化が求められていると考えております。

 また、ケアのためには認知症地域支援推進員の育成が求められておりますが、本区としては独自の見守りサポート協力員を人材として育成することを考えたいと、このように考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、この課題を解決するためには多様な機能がこの包括的、継続的な仕組みとして一元的に考えていかなくてはならない、こういう難しい問題があろうかと思っておりますけども、先ほど渋谷区議会自由民主党議員団の松岡定俊議員にもお答えを申し上げたとおり、「地域包括ケアシステム検討委員会」を本区では置いておりますので、そこにおいて協議し、早急に方向、結論を出したいと考えております。よろしくお願いをしたいと存じます。

 次に、子ども総合支援センターの取り組みと今後の展望についてのお尋ねでございました。

 議員の御質問にもありましたとおり、子ども総合支援センターは公立、私立、または保育園、幼稚園、認定こども園の就園、未就園にかかわらず、渋谷区のすべての子どもたちが心豊かに成長できるよう、養育困難や虐待などに対応する子ども家庭支援センターと、発達の相談や療育機関への移行を支援する子ども発達相談センターを統括し、子どもと保護者に対して一貫した支援体制のさらなる充実を図るため、本年四月、新たに設置したものでございます。

 子ども総合支援センターは、相談機能と教育センターや保健所など関係機関の調整、保育園や幼稚園などの訪問相談と職員に対する支援、職員の資質向上といった機能を有しておりまして、現在、就学前の配慮を要する子どもたちへの早期発見、早期支援の具体的な取り組みとして複数の専門家による巡回相談チームを立ち上げ、試行的に公立保育園と子育て支援センターを訪問しているところでございます。

 保育園では、気になる子どもたちの行動を観察した上で、保育士に対し、子ども一人一人の状況に応じた保育の方法や保護者対応などについてアドバイス、指導をしております。さらに、その効果について一定期間を置いて再度訪問し、評価、検証を行い、その都度子どもへのかかわり方について見直しを行っております。

 区内六カ所の子育て支援センターにおいては、保育園と同様に行動観察や保育士へのアドバイス指導を行うとともに、保護者からの直接の御相談に対しても対応しているところでございます。

 この巡回相談は、本年八月までに公立保育園十九園のうち三園が終了しておりますが、園からは、「巡回相談チームのアドバイスは具体的でわかりやすく、すぐに活用でき、的を射ている」という声があり、気になる子どものうちおおむね七割程度の子どもに改善が見られております。

 また、相談の中で、例えば子どもに発達の課題がある場合でも、家庭内の様々な問題が重なり合って改善を妨げることが疑われる場合には、速やかに子ども家庭支援センターに連絡し、関係各機関と協力して子どもと保護者への支援を行うなど、連携を密にしているところでございます。

 巡回相談チームの活動は、このように一定の成果を上げていることから、次年度からは公立、私立を問わずすべての保育園、幼稚園、認定こども園に対し順次本格実施することとし、早い段階から一人一人のニーズに対応した支援を行い、スムーズに就学に結びつける仕組みを整えてまいりたいと存じます。

 今後も貴会派の要望されております継ぎ目のない子育て支援を担うかなめとして、子ども総合支援センターの充実を図り、すべての渋谷区の子どもたちが元気で健やかに成長できる環境づくりを目指してまいりたいと存じます。

 次に、この子育て支援ということで、産後ケア、このことについては貴会派が御熱心にお取り組みになっていらっしゃる問題であるわけでございますけども、このことについては、恐縮でございますが健康推進部長から御答弁をさせたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと存じます。

 次に、子育て支援ということで、待機児解消と預かり保育についてのお尋ねでございました。このことについては子ども家庭部長のほうから御答弁をさせたいと存じますので、お許しをいただきたいと存じます。

 次に、若者向けの便利帳アプリについてのお尋ねでございました。これも恐縮でございますが企画部長から答弁をさせたいと存じます。お許しをいただきたいと存じます。

 次に、まちづくりについてということで、神田川支流遊歩道の整備についてのお尋ねでございますが、これも恐縮でございますが、土木清掃部の部長のほうから答弁をさせたいと存じます。よろしくお願いしたいと存じます。

 次に、客引き・客待ち禁止条例についてでございますが、これも、新しい制度でございますけれども危機管理対策部長から御答弁をしますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。

 次に、難病対策についてでございます。

 難病患者の方への相談体制についてのお尋ねでございました。

 来年一月から、難病患者に対する医療費助成については段階的に対象となる患者が広がることから、渋谷区としても申請を受け付ける立場から、大きな混乱なく制度移行が行われるよう努めてまいりたいと存じます。

 難病患者に対する相談体制については、議員御指摘のとおり、体調変化が大きい方もいらっしゃいますことから、現在も、神経難病等で申請に来られた方には保健師による相談ができることを声かけしてお知らせをしたり、必要に応じて家庭訪問の手配をするなど申請時の窓口での対応には特に配慮をし、療養上の不安や悩みなどにお応えをする体制を整えているところでございます。

 また、日ごろから健康に関する問い合わせについての電話や面談による相談を受け付けているほか、難病講演会等を定期的に開催するなど、様々なニーズにお応えできるよう取り組んでいるところでございます。

 今後も、難病患者の療養上の不安等を少しでも解消できるよう努めてまいりたいと存じます。

 次に水害対策で、土嚢ステーションについての御提言でございました。このことについては土木清掃部長からお答えをさせていただきたいと存じます。よろしくお願いします。

 最後は、この水害対策で、擁壁を改修する際にその費用の一部を助成することができないかというお尋ねでございましたが、これは都市整備部長からお答えをさせていただきたいと存じます。

 いずれも各部長からお答えをしますけども、そのことについては私、責任持ちますので、お許しをいただきたいと存じます。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 浅川企画部長。



◎企画部長(浅川和憲) スマートフォン対応の若者向け便利帳を開発し、さらに使いやすくしてはいかがとの御提案につきまして、お答えいたします。

 まず初めに、本区のホームページが大変見やすくわかりやすいコンテンツに改良されたとの御発言、また「しぶやわたしの便利帳」の利便性について御評価をいただいたことにつきまして、お礼申し上げます。

 本区のホームページにつきましては、情報が見つけやすくなるように、これまでよりも少ないクリックの回数で希望のページにアクセスできるよう改修を行いました。同時に、最近のスマートフォンの普及を踏まえ、スマートフォン用のサイトも作成いたしました。また、パソコン、スマートフォンの両方のサイトに、過去のアクセス数をもとに「よく見られる項目」という新しいメニューを設けて、探しやすく、使いやすくなるように努めたところでございます。

 久永議員御提案の便利帳アプリは、スマートフォンから便利帳の必要事項を効率よく検索できるソフトを想定されていると思います。今回作成したスマートフォン用のサイトはトップページに検索システムが乗っており、言葉を入れると関連ページを探すことができるようになっております。また、スマートフォンサイトのメニューからも各項目が探しやすくなっているところでございます。

 今後は今回のホームページの改修に関し、利用者であります区民の皆様の御意見に耳を傾けるとともに、議員御提案の便利帳アプリについて研究を行ってまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 柳澤危機管理対策部長。



◎危機管理対策部長(柳澤信司) 私からは、客引き・客待ち禁止条例についてのお尋ねに対してお答えさせていただきます。

 いわゆる「東京都迷惑行為防止条例」は、執拗な客引き行為、また風俗営業等に係る客待ち行為を対象に取り締まるというものでございますが、本区の条例は、執拗でない客引き及び全業種に係る客待ち行為をも対象として指導していくというものでございます。また、指導する行為といたしましては、居酒屋、カラオケボックス、美容、エステ、児童への物品の販売に係る客引き・客待ち行為を具体的に例示することで、本区において特に問題となっている行為を明確にしております。

 議員御指摘のスカウト行為についても本条例の指導対象となってございます。

 さらに、本条例案は区のみならず警察、まちがともに客引き・客待ち行為について指導していくという点に大きな特色を擁してございます。

 なお、指導に従わない者につきましては是正命令を行い、それでも従わない者につきましてはその者の住所、氏名等を公表するものでございます。

 今後は区、警察、まちの三者が連携、協力して本条例を運用していくことで、安全・安心なまち渋谷の実現に努めてまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 倉澤子ども家庭部長。



◎子ども家庭部長(倉澤和弘) 私からは、平成二十七年度に向けた待機児解消の取り組みについての御答弁をいたします。

 本区はこれまでも人口減少社会を見据え、産みやすく、育てやすく、働きやすい子育て環境の整備に全力を傾けてまいりました。明年四月に向けた対策といたしましては、先ほど区長より御答弁もございましたが、西原一丁目保育施設(仮称)で百三名の定員拡大、また、今定例会に契約議案といたしまして御提出させていただいております代々木区民施設の総合改修に伴う代々木保育園で十一名、同じく耐震・総合改修を行う初台保育園で三十五名、合わせて百四十九名の定員拡大を現時点で予定しているところでございます。

 今後も待機児対策につきましては十月一日時点での待機児数や十月下旬から始まります平成二十七年度の保育園入園申し込み、地域の状況などを勘案し、年度途中であってもさらなる定員拡大に向けた検討を続け、保育施設の整備や保育の質の向上に努めてまいる所存でございます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 広松健康推進部長。



◎健康推進部長(広松恭子) 私からは、産後ケアの重要性についてのお尋ねについてお答えをいたします。

 出産は、両親にとって大きな喜びを感じる出来事である一方で、体力的に母体には大きな負担がかかるだけでなく、子どもを持つことで親として心身両面において生活環境が大きく変わる重要なターニングポイントであると考えております。

 本区では、「こんにちは赤ちゃん訪問」を一般的に生後二カ月以降に実施しておりますが、産前産後のケアの重要性にかんがみ、母子のリスク等を判断しつつ、必要に応じて助産師がより早い時期に家庭訪問を行うなど、新生児が健やかに育ち、母子の関係性がスムーズに構築できるよう支援を行っているところでございます。

 また、渋谷区乳房ケア利用券につきましては、助産師が家庭訪問を行う際に、乳房ケアだけではなく母乳育児に関する不安や悩みなどの相談に応じております。

 さらに子育て支援センターでも、助産師のみならず医師、看護師、栄養士にも気軽に相談できるようにしておりまして、子育てに関しての様々なニーズにお応えできるよう取り組みを進めております。

 今後は産後のみならず、妊娠がわかったときから相談に応じたりサポートができるような体制を、さらにきめ細かく整えてまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 大澤都市整備部長。



◎都市整備部長(大澤一雅) 私からは、水害対策として、擁壁を改修する際、その費用の一部を助成できないかとのお尋ねに答弁させていただきます。

 集中豪雨時の擁壁の対応につきましては、区民の生命を守り安全を確保するため、土木清掃部が水防本部を立ち上げ、住民に注意喚起をするなど、土木清掃部に危機管理対策部、都市整備部などが連携して対応しているところでございます。

 区内には、高さ五メートルを超える傾斜地だけで十数カ所ございます。さらに個人の宅地を形成する擁壁まで含めると数千カ所に上ると考えられます。老朽化した擁壁など、防災面で問題のある箇所につきましては日ごろから所有者に対し、所管であります都市整備部建築課により指導、助言を行っており、今後もこのような取り組みを安全のために継続してまいります。

 久永議員御提案の擁壁改修費用の一部助成につきましては、多くは私有地における問題であり、渋谷区において、現時点で助成制度を導入することは難しいものと考えているところでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 黒柳土木清掃部長。



◎土木清掃部長(黒柳貴史) 私から、神田川支流遊歩道の整備についての御質問にお答えいたします。

 本遊歩道につきましては、緑豊かで快適に通行できる散策路としての整備が喫緊の課題となっておりました。そのため、区では足や腰にもやさしい弾力のある舗装材の使用を初め、健康遊具や植栽、プランター等を設置することにより、快適な歩行空間として整備することといたしました。

 今後の整備予定でございますが、本町三丁目から幡ケ谷三丁目にかけて全長約一・一キロメートルの区間を三工区に分け、平成二十六年度から三カ年で整備をしていく予定であり、今年度は本町三丁目から四丁目までの延長約三百三十メートルを整備していく予定としております。

 整備に際しましては沿道にお住まいの皆様にも十分配慮しながら、誰もが安全で安心して快適に利用できる遊歩道としてまいりたいと考えております。

 次に、土嚢ステーションの整備につきましての御質問にお答えいたします。

 先ほど区長から松岡議員に御答弁したとおり、「近助」「共助」の精神から、土嚢ステーションの増設につきましてさらに検討を加えてまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私には、教育について二点のお尋ねがございました。

 初めに、渋谷区教育センターの教育相談の取り組みと、成果についてのお尋ねです。

 近年、社会情勢や家族を取り巻く状況の変化に伴い、子どもや保護者は様々な悩みを抱えており、教育相談の役割は年々大きくなっていると考えております。教育センターに寄せられる相談は、集団への不適応や不登校、登校渋りといった子ども自身の悩みだけではなく、しつけや子育ての悩みなど保護者の方からの相談、生活指導や進路指導等に関する教員からの相談など、実に様々な内容があります。

 議員から御質問のありました教育センターの取り組みについて、事業ごとに順次お答えをしたいと思います。

 初めに、一般教育相談についてです。

 一般教育相談は、四つの部門に分かれています。来所による面接相談、電話相談、メール相談及び学校に相談員を派遣する訪問相談となります。平成二十一年度からは土曜日の面接相談を開始し、より相談しやすい環境を整えてきました。

 相談では、子どもとその保護者それぞれに担当の相談員がつき、並行して面接を行うことを原則としています。こうした形態をとることで、より丁寧な相談活動となり、成果につながっています。昨年度は一年間に延べ四千件近くの相談が寄せられました。

 次に、「けやき教室」についてです。

 けやき教室は、不登校の児童・生徒を対象とした相談指導教室です。「適応指導教室」ではなく渋谷区では「相談指導教室」とした理由は、集団活動や学習指導といった適応指導と個別のカウンセリングを並行して行うことで、在籍校への復帰を効果的に進めるためです。

 けやき教室では、通っている児童・生徒の一日も早い学校復帰や社会的自立のため、相談員が一人一人と丁寧に向き合い、心が安定する場所となるよう配慮しています。

 けやき教室では、昨年度は栽培活動や調理実習、ポニー教室、七宝焼体験、飯盒炊さん、宿泊体験など三十七回もの体験活動を行いました。子どもたちは、多くの体験を通して社会性を身につけていきました。その成果の一つとして、昨年度通っていた十七人の中学三年生は、ほぼ全員、高校へ進学することができました。

 次に、「子どもの心サポート事業」についてです。

 この事業では、子どもたちの心の悩みや問題を早期に発見し、効果的に解決していくことを目的としています。そのために学校や地域、専門機関が連携し、子どもを支援するネットワークづくりを図っています。具体的な活動の例としては、教育相談員がチームを組み「子どもの心サポート隊」を結成し、学校訪問を行っています。学校に登校できなくなったり家から出られなくなったりした児童・生徒に対しては、家庭訪問をしたりフォロースタッフを派遣したりするなどの支援を行っています。その中で個々のケースの対応について検討し、必要に応じて専門的な助言をしたり、関係機関との連携を図ったりしています。

 次に、平成二十四年から開始しました「若者サポート事業」についてです。

 若者サポート事業では、義務教育を修了した若者を対象に学習や就学、就労などについての相談を受け、個に応じた支援をしています。引きこもりや高校を中途退学した若者が誰でも気軽に話せる居場所づくり、仲間づくりにも取り組んでいます。昨年度は五十八人もの若者がこの事業とかかわっています。

 渋谷区教育センターでは、臨床心理士といった心理職だけではなく、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーや、元校長など教育の専門家も配置しています。心理、福祉、教育のプロがそれぞれの専門性を生かし、互いに連携して保護者や子ども、学校からの相談にかかわっています。このことによって相談者からの信頼を得て、年々相談件数が増えていることは、教育センター事業の大きな成果であると考えています。

 今後も教育センターでは、渋谷区のすべての子どもたちが心豊かにたくましく成長することを願い、身近な相談機関として相談活動のより一層の充実に努めてまいります。

 次に、子育て支援に関しまして、区立幼稚園での預かり保育の考え方についてのお尋ねがございました。

 預かり保育は、幼稚園教育と連続して園児一人一人の興味、関心に対応した教育・保育活動を行うとともに、子育て世代の就労支援ともなるものでございます。

 仕事と子育ての両立のため、短時間就労やパートタイム就労など就労形態は様々なものがございます。本町幼稚園では預かり保育の開始に当たり、利用を希望する保護者の方と面接をいたしました。利用の理由をお聞きしましたところ、現在パートタイム就労をしていらっしゃる方のほかに、これを機にパートタイム就労を始めたいとする方、自営業の忙しい時間帯の利用を希望している方、毎日ではないが、例えば上の子の学校のお迎えや保護者会のときに利用したり、赤ちゃんのお昼寝の時間を調節するために利用したりしたいとする方など、様々な方がいらっしゃいました。就労世帯や子育て世帯の多様なニーズに応える選択肢となるものと考えております。

 幼稚園の預かり保育は、教育事業の中に子育て事業を内包させ、保育と教育の一体化を図る取り組みとなっています。園児の健やかな成長を促し、教育事業を推進するとともに就労世帯の子育て支援ともなるよう、充実を図ってまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 久永議員。



◆四番(久永薫) ただいま区長、教育長、また各部署の部長より大変丁寧な御答弁をいただきました。大変ありがとうございました。

 特にですね、まず地域包括ケアシステムについては、これからすべての課題も今後、地域包括ケアシステム検討委員会が立ち上げられていて、そこで具体的に御協議いただけるとのことでしたので、本当に総合的な連携で在宅ケアの充実が図れるように、しっかり私も期待をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、「暮らしの保健室」に関してですけれども、とてもすばらしい取り組みをされている在宅サポートの拠点だと思いますので、是非参考にしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 また、教育センターの取り組みについて、教育長から大変丁寧に御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 それぞれの事業ごとに本当に大変きめ細やかに、また、個々のニーズに合わせて御対応をいただいているという、本当に教育センターのネットワークを生かした相談体制に、大変感謝を申し上げたいと思います。何よりも、各分野の専門職の方が連携して、子ども、また保護者の方に寄り添って御対応いただいているということが、本当に安心して相談ができる窓口であるということで一番大切であると思いますし、また、その役割を十分に果たしていただいているんだなということを改めて実感をいたしました。今後も渋谷区のすべての子どもたちのために、相談活動の充実をお願いをしたいと思います。

 また、子ども総合支援センターの取り組みについても、いよいよこれから、本当に私たちも期待をしておりますので、さらに継ぎ目のない子育て支援をしっかりお願いをしたいと思います。

 いろいろすべての質問に対して言いたいんですが、全部を言ってしまうとかなり時間がかかってしまいますので、すべてこれから、またいろいろと、今日御提案をさせていただいた部分もあわせて、しっかりとお取り組みをいただけるように、私もこれからしっかりまた働いてまいりたいと思っております。

 最後になりましたけれども、私ども公明党は、いよいよ今年、十一月十七日に結党五十周年を迎えます。立党の原点であり、創立者の思いは「大衆とともに、いつも生活者のそばに寄り添う政治」の実現です。これから区民の皆様と行政を結ぶパイプ役となって、区政発展のために誠心誠意、私自身もしっかり働いてまいる決意です。そして一人の声を大切に、区民の皆様のために、日々精進をしてまいることをお誓いして、私の代表質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。



○議長(前田和茂) 議事進行上、暫時休憩いたします。

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   休憩 午後三時四十五分

   再開 午後四時五分

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○議長(前田和茂) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 区政一般に関する質問を続行します。

 三十四番菅野 茂議員。



◆三十四番(菅野茂) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長に質問します。

 質問に入る前に、一言発言します。

 九月十九日の議会運営委員会において、議場での討論時間を議員一人年間二十分と制限する「あり方検討会」の答申を受けて議長が提案した申し合わせについて、委員長裁決で強行可決したことです。

 そもそも議長は、議場での討論のあり方について検討会が設置されて諮問した際、「討論を制限するものではない」と明言していたのです。議員の発言を保障すべき議長が討論時間を制限することは、議長のとるべき態度ではありません。討論時間の制限は区民の意見や要求への制限であり、結局、区民の声を区政に届かなくする議会制民主主義破壊の暴挙であり、絶対に認めることはできません。日本共産党渋谷区議団は断固抗議をいたします。

 初めに、集団的自衛権行使容認の問題です。

 安倍政権は七月一日、国民多数の反対の声を踏みつけにして集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行しました。まさに憲法九条を破壊する歴史的暴挙であり、絶対に認められません。

 集団的自衛権の最大の問題は、海外で戦争する国づくりを内閣の閣議決定で決定したことです。このことは、アメリカの戦争に自衛隊が一緒になって軍事行動をすることです。今「二度と戦争を繰り返すな」「若者を戦場に送るな」「憲法九条を守れ」の声が広がり、各世論調査でも五割から六割以上が反対の声を上げています。この健全な声は今年の広島、長崎の平和式典でも示され、被爆者から安倍首相に対し閣議決定の撤回が申し入れられ、長崎の平和式典では、「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表の城臺美彌子さんは「集団的自衛権の行使容認は日本国憲法を踏みにじった暴挙です」「戦争は戦争を呼びます。歴史が証明しているではありませんか。日本の未来を担う若者や子どもたちを脅かさないでください」と述べ、多くの国民の心を打つ感動的な誓いでした。

 区民の平和と暮らしを守る責務を負う区長として、憲法九条を否定する集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するよう政府に求めるべきです。見解を伺います。

 次に、消費税増税の中止についてです。

 四月からの消費税八%増税が、個人消費を大きく落ち込ませました。四月から六月期の国内総生産統計で年率換算で七・一%マイナスとなり、リーマンショック以来の大幅なマイナスです。家計消費は年率換算で一九%減という空前の落ち込み、これは過去二十年間で最大です。勤労者の実質所得も三カ月も減り続けたことなどによりGDPが大幅なマイナスになり、典型的な増税不況の始まりです。

 我が党の区民アンケート調査では、八%増税に対し八五・四%の方が「重くなった」と応えています。ある千駄ヶ谷の飲食業の方は「八%増税で売上が三割も減り、仕入れは一割上昇している。その上一〇%の増税なんてとんでもない。死活問題」と訴えられました。世論調査でも、一〇%引き上げに反対が七〇%を超えています。

 政府は増税を「社会保障のため」と言っておきながら年金、医療、介護などを切り下げ、「財政再建のため」と言って庶民には増税、大企業には一・五兆円を減税し、さらに大企業減税の財源のため、赤字で苦しむ中小企業から外形標準課税の拡大で税金を取り立てる逆立ちぶりです。ところが、大企業はこの一年間で内部留保が二十兆円も増加しているのです。いかに消費税増税が道理のないものか明らかです。

 今、政府がやることは、国民の所得を増やし、雇用を拡大し、国民の購買力を高めることです。増税するならまず大企業や富裕層に応分の負担を求め、浪費の公共事業、軍事費を削るべきです。

 区民の暮らし、営業を壊し日本経済をどん底に陥れる消費税一〇%増税を中止するよう、区長は政府に対し申し入れるべきです。見解を伺います。

 次に、原発問題についてです。

 今年の猛暑の夏は、稼働する原発がゼロで過ごしました。これは一九六六年七月に商業原発が稼働して、実に四十八年ぶりの出来事です。

 また、原発ゼロ・再稼働反対の世論が広がる中、原発問題に対する歴史的な二つの裁判の判決が下されました。大飯原発運転差し止めを命じた福井地裁の判決は、福島原発事故から真摯に教訓を引き出し、個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益を最優先し、原発のほかの技術と異なる本質的な危険性を強調して再稼働を断罪したのです。また、避難中に自ら死を選んだ女性への賠償命令を東電に下した福島地裁判決は、「避難を強いられ家族や地域コミュニティもばらばらにされることによる多大なストレスにさらされたことが自殺の原因」とし、原発事故との因果関係を明確に認めたことです。まさに二つの判決は、人類と原発は共存できないことを示しました。

 今なお福島県では、ふるさとに帰れず約十三万人が避難生活させられているのです。こうした中で再稼働、原発輸出に突き進むことは許されません。

 国民の原発再稼働中止と原発ゼロの日本をつくる願いを区長は正面から受けとめ、政府に対し、再稼働中止・原発ゼロを要請すべきです。見解を伺います。

 次に、区民の暮らし応援を最優先にした税金の使い方についてです。

 今、区民の暮らしは消費税増税、諸物価の値上げ、年金、医療、介護など社会保障の切り下げや保険料の値上げなどの負担増、一方で賃金が上がらず所得は減り続け、苦しい生活実態となっています。九月十四日から我が党区議団が実施している暮らし、区政についてのアンケートに十日間で三百通の返信があり、その中で、七十歳の女性は「家賃が重く、年金から支払うと残りはライフラインの支払い。お米は買いますが、副菜はほとんど納豆です。毎日が暗くなります」と生活の深刻さを寄せてきています。

 区民の暮らしが大変なときこそ、区政の第一の仕事である区民の暮らし応援の税金の使い方に切りかえる必要があります。ところが、区長は高い国保料を今年も値上げし、一人当たり平均で十万三千百三円、給与所得者で年収二百万円の三人世帯の場合は十三万六千五百六十二円から十六万二百十六円と、なんと二万三千六百五十四円の大幅な値上げとなり、一カ月分の給与が保険料でなくなるという深刻なものです。値上げに区民から七百件の苦情などが区に寄せられているのです。

 また、小中学校の給食費に消費税増税分、約九百六十四万円を保護者負担にさせ、わずか三十六万円の親子スケート教室の経費、難病患者や障害者の生活のよりどころとしていた福祉予算九千二百八十九万円を削減するなど、自治体の役割を放棄しています。その一方で区庁舎の建替え、議員の海外派遣、第二保養所の取得、三十二億円の防災公園用地取得、渋谷駅周辺大型開発事業に莫大な税金を投入するという逆立ちした税金の使い方をしています。

 区民の生活が大変なときこそ不要不急の事業はやめ、国保料の値下げと減免制度の拡充、学校給食費への消費税増税分を区が負担し、福祉、教育など削減した予算を復活させ、暮らし応援を最優先にした税金の使い方にすべきです。区長の見解を伺います。

 次に、区庁舎建替え問題です。

 まず、「新庁舎における議場の設計に資するため」として四人の職員が九月三日から九月十日まで八日間、ロンドン、ベルギー、ドイツの市庁舎など五カ所を視察した問題です。この海外派遣に要した経費は一人当たり八十七万六千五百円、総額七百一万二千円も支出しました。区民からは「税金の無駄遣いだ。視察に名を借りた海外旅行ではないか」など厳しい批判が上がっています。

 この議員海外派遣は当初、議員など一千百万円の予算を計上していましたが、共産党、民主党、無所属議員が反対し、また、参加を予定していた議員が辞退したため、結局四人の議員に四人の職員が同行するという税金の浪費ぶりです。区長は財政が厳しいと言って区民には負担増を押しつける一方、議員には七百万円の大盤振る舞いをするという区民感覚からずれた税金の無駄遣いです。議員の海外視察はやめるべきです。強く指摘いたします。

 質問の第一点は、区民に一切知らせていない問題です。

 九月一日、渋谷区庁舎の耐震問題を考える会が「誰のための区庁舎建替えか」の学習会を開催しました。私も参加しましたが、百二十名の住民が参加し、多くの人が「区が何も知らせないので、どうなっているのか話を聞きに来ました」と語っていました。講演した久保木亮介弁護士は、渋谷区の建替え計画が区民不在のまま進んでいることに「異常な事態である」と指摘し、「そもそも民主主義は区民の声を反映させること」と強調しました。

 区庁舎の耐震化について区が区議会に最初に報告したのが二〇一二年十一月二十日、全員協議会で、二〇一二年度耐震診断結果の報告でした。その後、現在に至るまで約二年間、区民には、耐震診断の結果を初め耐震補強案、民間公募による建替え案など区庁舎の耐震化にかかわる情報は全く知らされていません。秘密主義そのものです。

 東京新聞四月七日付の記事では「渋谷区庁舎・公会堂 建替え計画 目立つ非公開」「「秘密」が多過ぎる。」「土地の鑑定額は区議会にも非公開」と報道しています。九月一日の学習会で、住民から「百二十一メートルのマンションや区役所、公会堂がどこにどう建つのかも知らなかった」と出されるほどです。

 既に職員のプロジェクトチームでは、区庁舎や公会堂の位置など議論されているにもかかわらず、区民に対して、区は七月から八月にかけて基本設計案を広報、周知するとしていたが、いまだ知らせていません。区民からは、「区は本当に区民の意見を反映するつもりがあるのか」との声が上がっています。

 区庁舎の耐震化に関する情報を区民に知らせず、建替え計画を住民不在で進めることは大問題です。これまでの経過を区民に知らせ、区政の主人公は区民という立場で進めるべきです。区長の見解を伺います。

 二点目は、区の建替え計画は大企業に莫大な利益を与え、区にリスクがあることの問題についてです。

 区の庁舎建替え計画は、庁舎と公会堂の土地三割、四千五百六十五平方メートルを三井不動産に七十年間貸し出し、地上三十七階、高さ百二十一メートルの四百十四戸の分譲マンションを建てさせ、その見返りとして百五十四億円で庁舎と公会堂を建てるというものです。三井不動産は分譲マンション販売で莫大な利益を得ることになります。まず区民の福祉向上を目指すことを、第一の役割を果たすべき区が、三井不動産の莫大な利益を得るために区民の共有財産を差し出すことはやめるべきです。区長の見解を伺います。

 次に、区のリスクの問題です。

 区長は、区の負担はない、区は損をしないと言っていますが、基本協定八条二項の「法令等の変更、税制改革、不可抗力及び物価変動により発生するリスクで本事業への影響が大きいと見なされる場合は、事業者はその費用負担等の取り扱いについて区へ協議を申し入れることができる」これに対し「不可抗力による物価変動については事業者だけの負担にできない」と、区も負担すると明言しています。区の負担はあり、様々なリスクを限りなく区民が負うことになります。

 今、建材や人件費の高騰、地価変動などが庁舎を建て替える自治体で大問題となっています。千葉県木更津市は建材等の高騰で、庁舎建替えの入札予定価格、約百十億円のところ建設するには約百五十億円かかり約四十億円の増額になることから、建替えは二〇二〇年オリンピック後まで延期し、現庁舎は耐震性が低いことからすぐ解体し、約八年間は仮設庁舎で業務することにしています。また、小金井市でも、建材の高騰などを理由に市庁舎の建替え計画を凍結しました。

 区長は、物価変動についての費用負担は区も負担すると明言しているのです。区民の限りない負担となります。このリスクは誰が責任を負うのか区長に伺います。

 三点目は、七十億円の仮設庁舎と区民サービス低下による区民負担の問題です。

 区長は、建替えは最小限の区民負担でできると言っていますが、八年前に十三億円かけて耐震化、全面改装した公会堂をわざわざ建替える浪費です。その上、わずか三年間のみ使用する仮設庁舎の移転費用に七十億円の税金を投入するものです。それだけでも区民に大きな負担を負わすわけです。

 仮設庁舎計画では、当初予定していた都税事務所、東京都水道局渋谷営業所が仮設庁舎に移転しないことが明らかになりました。問題は、東京都の二つの施設が仮設庁舎に移転しないとなれば、現庁舎では区民にとって一カ所で手続等ができた利便性が大きく損なわれ、区民サービスの低下です。さらに、区民サービス低下の問題では、仮設庁舎以外の区施設での分散した区民窓口が設置されることもあり得るとしています。

 七十億円の区民負担と区民サービスを低下させる仮設庁舎はやめるべきです。区長の見解を伺います。

 四点目は、住民参加で練り上げる問題です。

 建替えを決めたどの自治体でも、数年かけて住民、専門家などが参加し、基本構想計画に位置づけるなど情報を公開し、検討会、住民説明会を何回も重ね、広く住民参加を保障しているのです。区民に知らせず、大企業の利益のために区民の貴重な財産を貸し出し、区民には大きな負担をもたらす庁舎建替え計画は白紙に戻し、区庁舎のあり方は区民参加で練り上げるべきです。区長の見解を伺います。

 次に、伊豆・河津町の保養所の問題です。

 我が党区議団は八月に、現地の旧菊水館の外観を視察しました。一見しただけで老朽化がひどく、外壁に露出したパイプはさびついているなど、区はなぜ購入したか驚きました。

 今年度、総額二億二千八百万円の多額の税金が使われる第二保養所には、旧菊水館を取得した経過が競売物件であったことを覆い隠すなど不透明であること、また、区が実施した不動産鑑定書では築五十年の旧館などに対し数十項目の施設改善が指摘されている施設で、安全性に問題があります。区民からは「第二保養所は税金の浪費である」「河津は遠過ぎる。交通費もかかる」など批判が出るのも当然だと思います。

 我が党の調査で、この旅館が競売にかけられていたことが明らかになりました。この競売について、六月議会で区長は「職員から報告を受けてそのことを知りました。直ちにそのことについては競売停止になるように、そのことについて経営者にはお話をして、そうなるような段取りをとってもらう」と答弁し、競売物件であることを事前に知っていたことを認めました。この間「競売について知らなかった」「競売については取り下げてから知った」と答弁してきたことは、区民と議会を欺くことになります。

 私は現地の住民から、隣接する町で、築二十年もたっていないほぼ菊水館と同規模の競売のホテルが、債権者である銀行の提示額一億五千万円が三千万円で落札されたと聞きました。当然、競売物件であれば評価額も取得額も変わるはずです。区長は競売物件であることを知りながら、不動産鑑定書の評価額一億二千五百万円をなぜ一億一千万円の高額の価格で取得したのか、区長に伺います。

 また、区は第二保養所を十月二十七日に開設しようとしていますが、旧館、体育館など施設に対する多くの改善指導が指摘され、耐震診断の結果も明らかにせず、耐震補強工事もしていないのです。区が今年度の予算で改修したのはトイレや浴室、客室の一部の改修のみです。区民の命と安全を考えれば、耐震補強工事や多数の指摘された施設の改善をせず開設すべきではありません。区長に伺います。

 今後、耐震補強など大規模修繕に多額の税金をかけることになります。第二保養所について、取得経過の不透明さ、耐震補強工事、改修に多額の税金を投入することなど税金の浪費です。第二保養所は白紙に戻すべきです。区長に伺います。

 次に渋谷駅周辺の大型開発と、宮下公園の整備問題についてです。

 区長はオリンピックをてこに、安倍政権の大企業の稼ぐ力を増すための成長戦略を率先して、東急グループなど大企業奉仕の渋谷駅周辺の大型開発に踏み込んでいます。本来ならば、東急グループなど開発事業者が負担すべき渋谷駅南側自由通路整備の設計費に今年度六千三百八十一万円を計上、今後、数十億円とも言われる工事費まで税金を投入しようとしています。

 また、オリンピック開催を目指し、渋谷駅周辺の開発と連動し、区立宮下公園の整備をするとして民間企業の公募を行っています。大企業奉仕の渋谷駅南側自由通路整備に莫大な税金を投入すること、東京オリンピックのためと称して区民の宮下公園を企業に土地を貸し出し、利益を上げさせることはやめるべきです。区長の見解を伺います。

 次に、医療、介護、福祉の充実についてです。

 その最初に、医療・介護総合法の撤回についてです。

 安倍政権は医療・介護総合法を強行可決しました。この総合法の最大の狙いが介護給付費の削減です。そのために要支援者を介護給付から外し、要介護の軽度者を特養ホームの入所対象外にし、利用料の二割負担の押しつけ、医療では患者追い出しの病床削減など、国民が願う社会保障に逆行するものであり、社会保障の解体そのものです。

 医療・介護総合法で、渋谷区では介護認定者八千三百二十九人中三八・五%の三千二百十一人が介護給付のヘルパーによる訪問介護、デイサービスの通所介護から外される事態になり、特養ホームは待機者六百八十一人中四一・五%の二百八十三人が対象から外されることになります。

 政府は共助、自助、介護の市場化で安上がりの受け皿づくりを方針として自治体に押しつけ、一層の給付費削減と給付抑制策を進めようとしています。こうしたやり方に対し、日本ホームヘルパー協会や日本介護福祉士会、有識者などから懸念や異議が唱えられ、全国二百三十九を超える地方議会から反対の意見書が可決されているのです。

 介護保険制度の根本矛盾を解決する道は、給付削減の改悪の繰り返しではなく、国庫負担割合をまず一〇%引き上げることです。

 区民が安心して必要な介護を受けられるようにするため、医療・介護総合法の撤回と介護保険制度の建て直しのかなめである国庫負担割合の引き上げを政府に強く要請すべきです。区長の見解を伺います。

 次に、区の介護、福祉の拡充についてです。

 医療・介護総合法は来年度から実施されることになり、介護給付の対象外にされる区民の介護サービス水準を維持することが区に求められています。

 第一は、要支援者の訪問介護と通所介護についてです。

 要支援者が介護から外され、地域支援事業に移されます。国の方針は、介護の専門職のサービスを制限し、人件費の低いボランティアなどの多様なサービスへ誘導する意向です。結局、介護サービスの低下に伴う重度化を招き、また、介護職員の低い賃金を固定化することになりかねません。現行の介護専門職のサービスを継続するとともに、区の独自施策である、ホームヘルパー派遣とデイサービスの回数の上乗せ事業の継続と拡充を求めます。あわせて区長に伺います。

 第二に、特養ホーム、グループホームの増設と入所対象外にされた要介護一、二の人の対策についてです。

 私は三月議会で待機者の生活実態を紹介しました。要介護二の認知症の母親を介護している息子さんが「一時も母親から目を離すことができず、在宅介護はもう限界です」と訴えた例です。この方は「高い保険料をまじめに納めているのに、特養に入れないのはおかしい」と憤っていました。

 今、メディアでも取り上げ、社会問題となっている「漂流社会」「介護難民」をつくってはなりません。まず区として介護一、二の人を特養ホームの対象外にすべきではありません。区長の見解を伺います。

 また、区長は入所希望者の待機者解消のため、国に対し、特養整備の国庫補助の復活、都市部の用地取得に対する支援強化を求めるとともに、都と国に対し、都、国の用地を無償貸与、賃料の大幅引き下げを要請すべきです。また、区として地域密着型を含む特養ホームを増設し、その中には低所得者のために多床室を確保し、グループホームの増設も促進すべきです。

 以上、見解を伺います。

 第三に、保険料、利用料の負担軽減策の拡充です。三年ごとに毎回値上げされる保険料と利用料の二割負担は、区民の負担増と、必要な介護サービスが受けられなくなるという問題です。

 政府は保険料について、低所得者への負担軽減策を示していますが、区独自の保険料、利用料の負担軽減策の拡充は強く求められています。第六期の保険料について応能負担に立った収入区分を設定し、一般財源を活用し、値上げはやめるべきです。

 また、利用料について、年金収入二百八十万円以上の人が二割負担となります。区の高齢者へのニーズ調査では、介護が必要になったときの心配事について、介護費用など経済的なことを挙げた人は二五・六%となっています。区独自の非課税世帯への保険料、利用料の負担軽減策の預貯金要件を撤廃し、新たに利用料が二割負担となる人も対象拡大すべきです。

 以上、区長に伺います。

 第四に、地域包括支援センターの体制強化と地域ケアネットワークづくりについてです。

 厚労省は地域全体で高齢者を支えるネットワークづくりを目的に、医師、介護関係者などが参加する地域ケア会議の設置を努力義務として通知しています。しかし、モデル区の荒川区では、要支援者が地域包括支援センターの職員から「介護保険を受ける人が多くなっているから自立を考えてほしい」などケアプランの変更を求めている事態が起こっています。とんでもありません。地域ケア会議を介護給付抑制のための会議としてはなりません。

 当区では、高齢者の実態に即し、地域ケアネットワークづくりが求められております。体制づくりのかなめは、十一カ所の地域包括支援センターの専門職の人員増による体制強化です。現在、各センターでは常勤職員は大多数が三人となっています。地域包括支援センターの現場は一人が二十人のケアプランの作成、月一回の訪問、それに電話相談等の対応というぎりぎりの活動をしています。こうした中でも現在、医療・介護関係者や民生委員、地域団体との打ち合わせを月に一、二回開いていると聞いております。

 そこで、抜本的に地域包括支援センターの常勤専門職員を増員し、十一カ所の地域包括支援センターを中心に地域ケアネットワークとして位置づけ、医療、介護、福祉、ボランティア団体、町会、商店街などが全ての介護の必要な人たちを支える体制づくりを本格的に進めていくべきです。区長の見解を伺います。

 次に、水害対策の抜本的な改善です。

 今年も全国各地で集中豪雨による被害が相次いで発生しております。当区では今年六月二十九日、日曜日の午後四時過ぎに十分間で二十一ミリの集中豪雨が襲い、区が把握した七月二十五日現在の被害状況は床上・床下浸水が百五件、道路冠水二十三件、がけ崩れ四件、山谷架道橋で車両三台が浸水、走行不能になるなど、区内の全地域に及んでいます。

 私はこの集中豪雨のとき、ちょうど神宮前三丁目の渋谷保育園の前の区道が冠水し、周辺の住宅、店舗が浸水した現場に出会い、排水活動などを行いました。そこで感じたことは、数カ所で地下が浸水しているのに、消防団の可搬ポンプ一台で一カ所しか対応できない事態でした。区の排水ポンプが活用できず、その台数の不足と、身近なところに配置されていないことです。

 その後、代々木四丁目など被害地域の調査の中で、多くの住民から水害の原因究明と、再発防止のための抜本的な水防対策など要望が寄せられました。

 その一つは、区民からの緊急対応窓口の改善です。

 住民からは、「水害発生後、防災課に連絡したが何か混乱していて対応がよくない。窓口を一本化し緊急対応できる体制をつくることや、行政の横の連絡が不十分である」と訴えられました。水害であれ震災であれ、災害から区民の命と財産を守るために、住民への緊急窓口は一本化にすべきです。区長に伺います。

 二つは、再発防止のための抜本的な対策の実施です。

 再発防止のために、起こる前と起こったときの対策が重要です。予防では、今回の被害状況を区が把握したのが、ほとんどが住民からの連絡です。代々木四丁目の住民は「この間、こんな被害は初めてです。山手通りの拡幅など影響しているのでは」と語っています。まず被害住民から教訓を引き出すため、被害住民の悉皆調査を実施し、原因究明をすべきです。また、今回の被害状況を踏まえ、区の洪水ハザードマップを改訂し、わかりやすく区民に周知するとともに貯水槽など増設し、抜本的な水防計画を実施すべきです。

 水害が起こったときの区の対策として、わずか一台しかない移動式排水ポンプ車や五台しかない排水ポンプを浸水被害地域の近くに配置するなど、水防資材を拡充すべきです。

 以上、区長の見解を伺います。

 最後に、新国立競技場計画の問題についてです。

 新国立競技場計画は所在地が当区と新宿区にまたがり、延べ床面積はロンドンオリンピックの施設の三倍、敷地はその七〇%、狭い敷地いっぱいに建物を建て、八万人を収容し、工事費が周辺整備を含め一千六百二十五億円。この建設単価は昨年七月時点の積算であり、今後、増加します。この計画が、現況を一変させる巨大施設に巨額な費用を投ずるものとなっていることです。

 多くの専門家や都民、区民から批判も出され、近隣住民から「マンションの前に高さ七十メートルの巨大建物は圧迫感を与える」「住環境の悪化が不安」との声が上がり、建替えではなく改修で使用することを求めているのです。原科幸彦東工大名誉教授を代表とする参加と合意形成研究会が「千駄ヶ谷一・二、神宮前二丁目の訪問調査では、景観など環境への影響に対して、自由回答では七九%が計画への懸念を示している」と報告しています。

 こうした中、私も参加しましたが、日本スポーツ振興センターが九月十二日、日本青年館で現国立競技場の解体工事説明会を行ったことに対し、出席者から、施工業者がいない説明会に批判が上がりました。

 九月十六日、国立競技場の改修を求める神宮外苑と国立競技場を未来に手渡す会が記者会見を開き、国立競技場の解体を巡り談合の疑いが持たれていることを指摘し「世界に非民主性を表明するようなもので、猛省と真摯な対応を求める」と訴えました。また、日本経済新聞が七月二十一日に報道した世論調査では、解体せず改修などを求める声が七六%を占めています。

 国に対し、景観と住環境を守り、税金の浪費をなくすためにも国立競技場の改修を求めるべきです。区長の見解を伺います。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の菅野 茂議員の代表質問に、順次お答えをしたいと存じます。

 集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求めろと、こういう話であったと思いますけれども、この集団的自衛権の問題は、本来、国政の場で議論されるべきものと考えておりますので、国に申し入れる考えは持っておりません。

 消費税でございますけれども、このことについても再三申し上げているとおりでございまして、税制、財政計画は国政において議論すべき問題であって、私が云々すべき問題であるとは思っておりません。

 原発問題につきましては、これはまさにエネルギー政策の問題であって、これも国において論議すべき課題であると思いますので、私からこのことについてコメントする考えは持っておりません。

 次に、区民の暮らし応援を最優先にした税金の使い方で、いろいろと申されましたけれども、要は考え方の違いであろうと思っております。我々も、このいろいろと申し上げていることは、区政において重要性や緊急性があって実施をしているものでございますから、不要不急なものは一つもないと、このように考えております。したがいまして、逆立ちした税金の使い方の御指摘は当たらないと、このように思っております。

 次に、庁舎建替えの問題でございました。

 これも、まるでオウムのように繰り返しお話になっていることでございまして、区民周知が先決だというお話であったと思います。

 先ほど自由民主党の松岡定俊議員にお答えを申し上げたとおりでございまして、そういった経緯あるいは手続を経てさらにやっていこうと思っておりますし、そのときには、一つの案ができてまいりますれば、そのことについては区民や各種団体の説明会を開催し、区民意見の応募も行い、区民周知を図ってまいりたいと思っている次第でございます。

 次に、事業者に区の財産を貸し出すことについてということで、共有財産を差し出すことはやめるべきだということでございますけども、このことについては私どもも、定期借地権ということについて議会の議決を経てやっているところでございますから、そのことを御理解をいただきたいと思っております。

 この定期借地権を活用する方法は、区財政の負担を最小限にするために、区民のために本事業を実現するために選択したものでありまして、あなたがおっしゃっているように民間会社のもうけのためにやっているものではございません。

 それから、基本協定八条をお取り上げになって、この高騰等に対する負担は誰が持つんだと、こういうことでございましたけども、そのことについて、持たないために知恵をそれぞれ出しているということでございます。

 なお、私どもはこの協議をも基本協定に基づいて、区議会の議決をいただいたところに従って協議を進めているところでございます。

 次に、仮設庁舎をやめるべきと、こういうお話でございました。

 このことについては、目的と手段の関係にあろうと思いますけども、建替えのために移転は必要に相なってくるわけでございます。御理解をいただいて、これを実現をしたいと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 庁舎建替えについて、区民参加で練り上げるということでございますが、このことについても松岡議員にお話しをしたとおりでございまして、一定の段階で区民意見の募集をしたいと、このように思っている次第でございます。

 それから、伊豆・河津の保養所問題についてでございますけれども、この取得に至る経過が不透明だと、このように言われておりますけども、この取得に関しましては、昨年度から総務区民委員会には現地を見ていただいて、そしてまた、これを御説明をし、そして区議会の予算についての御議決をいただきながら進めてまいったわけでございまして、我々は適正に執行していると、このように思っております。

 また、この改修工事についてやっておりますけども、これは区民が利用していただくために、その手続を経ているわけでございますけども、東館については、これは予算の中で委託料として耐震診断をやるということを議会にもお話しした上でやっていることでございまして、渋谷区は隠してこれを、何というんですかね、傷物をですね、隠しながらやっているということでなくて、議会にもそのことの必要な予算を計上して、御議決をいただいて実施をしているということで、御理解をいただきたいと思っております。

 その中で、私が競売物件であることを事前に知ったと、こういうふうに言われますけれども、この菊水館の土地、建物は差し押さえの登記をされたのが平成二十五年の十月八日、差し押さえ登記の抹消が平成二十六年の一月の十日に相なっております。このことを区側が知ったのは三月十八日、区議会予算特別委員会総務区民分科会で貴会派からの質疑の中で指摘を受けて、そのことについて経営者に確認をしたものであります。

 したがって、私が報告を受けたのも三月十八日でございまして、差し押さえがあるならそのことに対応するようにと指示をしたところでございます。

 報告を受けたときには、もう既に一月に取り下げられているということでありまして、この差し押さえ取り下げについては私は全く関知をしていなかったということであります。

 いずれにいたしましても、この「河津さくらの里しぶや」の開設に向けてしっかりとした手続を進めてまいりたいということで、白紙に戻す考え方はございません。

 次に、渋谷駅周辺再開発につきまして、一つは、渋谷駅南側自由通路設計費でございますが、このことについて無駄であるというような話、あるいは宮下公園のこれを公募するということも、これも無駄である、やめるべきだというお話であったと思います。

 まちづくりというのは将来を見据えながら進めていかなくてはならない、とりわけ人口が減少していく社会の中で、渋谷がまちの魅力と賑わいを失わないためには、必要な基盤整備については渋谷区は進んで進めていきたいと、このように考えております。また、宮下公園の整備につきましては、渋谷川から原宿方面への緑の連担性を形成する、そしてまた、この渋谷駅周辺開発の回遊性を目指していくためには必要な事業として考えておりますので、このことについても企業利益のためにやっていることとは一切関係がない、このようなことが言えようかと思っております。

 それから、医療、介護、福祉の拡充についてということで、「医療・介護総合確保推進法」について、この撤回をということでございますが、政府が国会で議決されたものについて撤回を求めるという考え方は持っておりません。

 また、介護保険制度を持続可能な社会保障制度とするべく低所得者の保険料軽減の拡充を図る一方で、一定の利益、所得のある利用者の自己負担を二割に引き上げることについては、その中で決定をされたことでございますから、渋谷が国庫負担の引き上げを要請する考え方は持っておりません。

 それから、要援護者がこの介護サービスから外され、地域支援事業に移行をするわけであるけれども、その介護の専門職サービスを制限し、これを賃金の低いボランティアに移行するということ、それは重度化を招いたり、あるいは安い賃金に固定をしたり、あるいは介護職員のサービス−−失礼しました。賃金の固定化と重度化を招くということでございました。

 このことについても松岡定俊議員にお答えをしたところで、地域支援事業に対する私どもの考え方を御理解をいただきたいと思っております。

 なお、要支援者への時間延長サービスやデイサービスの利用制限については、拡大する考え方は持っておりません。

 次に、区として要介護一、二を特養ホームの対象外とすべきではないというお話があったと思います。

 この介護を要する高齢者が増加していく中で、介護保険制度を持続可能なものとするために、国は重点化と効率化の方向を打ち出したと思っております。したがいまして、特別養護老人ホームの入所を中・重度に重点化することについてはやむを得ないと考えております。

 また、国や都有地の無償貸与あるいは賃料引き下げにつきましては、申しわけありませんが、貴会派の国会議員や都議会議員でやっていただきたいと思います。

 また、高齢者福祉施設の整備につきましては、旧本町東小学校跡地に設置することとしており、別途、地域密着型の特養をつくる考え方は持っておりません。

 次に、第六期の介護保険料の問題でありますけれども、第六期の事業計画に基づく保険料については、現在、御検討していただいているところでございますので、現段階ではいかんとも申し上げることはできないと思います。また、既に行っている区の保険料と利用料の軽減措置について、預貯金要件を撤廃すること、あるいは利用料が二割負担となっている人まで対象拡大ということでございましたけども、そのことについては受け入れることはできません。

 それから、一つは包括支援センターの常勤専門職員の増員ということでございましたけども、これは必要に応じて考えてまいりたいと思います。

 これから包括支援センターを中心にこの地域ネットワークをつくって、町会、商店会も含めてそのネットをつくっていけと、こういうお話であったと思います。久しぶりに荒川区が出てきたなと、こう思いますけれども、そのような考え方は渋谷区としては持っておりません。

 水防対策についてのお話がございました。

 必要なときに緊急対策窓口の一本化をすべきであるというお話であったと思いますけども、そのように私も思っております。水防については水防本部が対応するということで、それは土木清掃部の所管することとしておりますので、そこで水防本部を設置いたしまして、適切に対応したいと思っております。

 次に、再発防止のために抜本的な対策をと、こういうことであったと思います。

 まずはこの被害住民の悉皆調査を実施して、原因をということですけども、原因ははっきりしているんですね。水を、雨を飲み込むことを下水ができないという、たったそれだけのことですから、原因ははっきりしているんです。

 ハザードマップについての考えでございますけども、この地域については既に大雨時の浸水に注意する区域とされておりますので、改訂する考え方は持っておりません。

 なお、貯留槽などの増設等につきましては、東京都が豪雨対策基本方針を本年六月改定し、順次対応することとしているところでございます。

 また、水害時の対策として水防資材などを拡充しろということでございますが、このことについても先ほど松岡議員のお話にもありましたけども、まずは本人が考えていただきたい、このように思います。水道局の「クラシの便利帳」にありまして、まず、この「浸水地域については半地下的な施設はつくらないようにお願いをします」こう言っておりますし、「もしつくる場合には予防措置として排水ポンプ等々の設置をお願いしたい」このような具体的なことを言っておりまして、私も、まずはそれぞれの住民の対応に期待をしたいと思っております。

 国立競技場の問題につきましては、いろいろとお話がありました。私も住民からもいろんな話を聞いておりますけども、まずは区議会設置の特別委員会において協議・調整すべき問題ではなかろうかと、このように思っております。

 以上、御答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 菅野議員。



◆三十四番(菅野茂) 再度質問させていただきます。

 区長の答弁は全てにわたって区民の感覚から外れた、まさにトップダウンの姿勢そのもので、区民の生活実態、本当に知っていない。

 特に平和の問題では、戦争か平和かという日本の進路にかかわる重大な問題、区長として区民の平和、暮らしそのものについて、全く認識していない、その無責任さは、区民から大きな批判を浴びると思いますので、もう一度しっかり集団的自衛権行使容認の問題や原発問題、それから消費税増税問題についてですね、答弁いただきたい、これがまず一つです。

 それから重大な問題として、暮らし応援の税金の使い方の問題で、区長は「考えが違う」と言われましたけども、その答弁は全くですね、逆さまの考え方です。地方自治法の第一条は、区民の暮らしを守るということが第一の役割です。大企業のもうけのためにですね、税金を使っていいなんてどこにも書いていないです。

 一つは、国民健康保険料でも今年度、大幅な値上げをし、年収二百万円の方々は一カ月分の給与が消えるんですよ。この痛みをどう区長は受けとめているんですか。今年度の値上げの全体のですね、金額は三億円ちょっとですよ。これまで無駄遣いと言われていた三十二億円の防災公園の取得、様々な浪費がありますけども、そのわずか一割で保険料を値上げしなくても済むわけです。なぜそういう立場に立たないんですか。区民の暮らしを支えるのが区政じゃないですか。私はね、考えが違うなんていうことでね、区民の皆さん方は本当に憤り、区長の答弁を受けとめると思いますよ。絶対に許すことはできません。

 三十六万円のですね、親子スケートの教室まで削減するんですよ。あなた方が海外視察に行く七百万円なんか全く浪費じゃないですか。区民のために使うべきですよ。



○議長(前田和茂) 菅野議員、誰に質問しているんですか。きちんとルール守ってください。



◆三十四番(菅野茂) これはだから、今まとめて、今の言ったことに対して区長に改めて答弁をお願いしたいというふうに思います。

 それから、区庁舎の問題について、区長は他の委員の答弁でとんでもない重大な問題を言いました。区議会に示された権利金の百五十四億円、これも見直すんだと。それから民間のマンションを建てる、この容積率も変える。消費税の増税分についても変更する。様々な根本的な変更をですね、勝手に区長、庁内で決めていいんですか。議会に言ったことは全く違うじゃありませんか。

 区長がこの建替え計画そのものの本質の、根幹にかかわる問題を変更しようとしているならば、もとに戻して改めてですね、しっかりとした資金計画を含めて建替え計画をですね、基本的に示したものを議会に出すべきです。そして区民にはしっかりと、それをやっぱり周知させるべきだと思いますけども、このことを改めて区民に周知させることと同時に、区議会に対してだって、その変更の問題については直ちにやっぱり出すべきだと。まずは白紙に戻すべきだということをですね、強く区長に申し上げたい。これはしっかりとした答弁をお願いしたいというふうに思います。

 それから、河津の問題です。

 区長は私が質問して、六月議会のですね、競売にかかわった区長の発言、職員から報告を受けて、ことを知りましたと。直ちにその競売停止になるようにということを云々言っているわけですよ。競売がかかったのは、区長が言ったように十月ですよ。土地鑑定書の最終報告書を区が受け取ったのは十一月じゃないですか。当然知っているはずですよ。なぜ競売の物件を一億一千万で買わなくちゃならないんですか。一円足りとも、区民の税金じゃないですか。それは透明にすべきですよ。明確に答弁してください。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 最初に、私に対して平和と暮らしについてどういう認識をしているかということでございます。

 集団的自衛権の問題は、国をどう守るかということですから、そこにはいろんな考え方がある。それは国政の場で論議してくださいよと、こう言っているわけです。何もおかしいことないじゃないですか。

 次に、この暮らし優先にした税金の使い方というところで、地方自治法第一条と言ったから私、今、地方自治法第一条を調べました。そうしたら、そこには能率的な行政確保と地方公共団体の健全な発達を促すんだと書いてあって、あなたの言っているようなこと何も書いていないですよ。間違えないようにしてくださいよ。

 その中で、それを除いたとしてもですね、議員の海外派遣とか防災公園とかこういうようなことをおっしゃっていましたけどもね、議員の海外派遣だって長い目で見れば、私はこれは必ず役に立つと思っています。それをですね、あなたのようなことを言うのはね、私は区長として恥ずかしいですよ。

 防災公園もですね、ここに高齢者住宅が建って保育園が建ったときにね、あなたはどんな顔してここへ出てくるんですか。私はね、そのような無駄遣いは何もしていない。思い違いをしないでほしいと思いますよ。

 それから何ですか、競売物件をおまえは知っていたろうと、こういうことですけども、私はこの競売についてですね、そのときまでは、言われるまでは知らなかった。悪いけれども。定期借地権をもらったときには登記簿をですね、いちいち目を通すわけじゃありませんからね、そのときにね、この鑑定評価と競売とはですね、一致するということはないんですよ。あなたは何が何でも私がですね、競売のときには知っていたんだと、事前に知っていたと、こういうことを言おうとしているけれども、そんなことは一切ありませんから。はっきり言っておきます。

 それから、何ですかね。



○議長(前田和茂) あと庁舎です。



◎区長(桑原敏武) 庁舎がどうしたって。



○議長(前田和茂) 庁舎はもう一回、改めて。同じです。



◎区長(桑原敏武) すみませんでした。

 庁舎の計画については、このことについては議会にちゃんと御説明をしてですね、そして基本協定と、そして定期借地権のですね、議決を経てやっているんです。その間には特別委員会で御論議があり、私は出ていませんけども、そこで御論議があって、そしてまた総務区民委員会で予算にかかわることとしての御論議があって、そして御理解をいただいて私は決定をされたと、こう思っております。

 その考え方の基本は、やはり相手方がこの庁舎を百五十四億円で建てると言っているんですから、そのことを基本とした計画なんですよね、基本協定というのは。それが今の段階では、百五十四億円ではなかなか難しい、だからそのことについてどうするか。そうすると、そのことについて設計にまで及ぶ問題ですから、そのことについて今、一生懸命苦労しているわけですよ。

 別に我々はこの基本的な考えをですね、目をそらして、そんなことで理解してくれる議会じゃありませんね。そういうことで。いい加減なことを言って。私どもはきちっと言って、御納得をいただいて次の道を進んでいるわけですから、一回議会で議決をいただいた、もしそれを変えるならばそのことについてはまた御説明をして、そしてまた次のステップへ入ろうと、こういうわけですから御理解ください。



○議長(前田和茂) 菅野議員。



◆三十四番(菅野茂) 再度答弁いただきましたけども、とんでもない答弁ですよ。

 第二保養所の問題についても、区長は議会で答弁しているんですよ。一億一千万円の高額で買ったという、やっぱりこの疑惑はですね、私は拭い去れない。

 庁舎問題では七十年間リスクをですね、背負うという中での、協定を結んだ三月議会以降、数カ月でこれだけ大きく変わっているんですよ。いかに区民に大きなリスクを与えるか明らかじゃないですか。まず白紙に戻し住民参加で練り上げるべきです。

 様々な問題で区民の願いに反するですね、区長の答弁に対しては各委員会で厳しく追及し、区民の要求実現のために全力を挙げて頑張ります。

 以上で質問を終わります。



○議長(前田和茂) 三十一番鈴木建邦議員。



◆三十一番(鈴木建邦) 民主党渋谷区議団を代表して、区長、教育委員長、教育長に質問をいたします。

 質問に入ります前に、一言申し上げます。

 先日の議会運営委員会で、本会議討論時間に制限が加えられました。民主党としては、適切な意見表明を行う義務が各議員にあり、事実認定に誤りがあったり議案の内容をはるかに超えた内容であったり、他者を誹謗中傷するような討論をしたりすることは厳に慎まなくてはならないと考えておりますが、一方で、討論時間を議員一人当たり年間二十分とすることには反対をいたしました。

 主な理由は、年間を通じどのような議案が出てくるのかわからないので討論を控えるようになってしまうこと、年度末の最終本会議で緊急提案されるような議案があった場合、討論ができなくなってしまうこと、少数会派の意見表明ほど制限がされてしまうことです。

 議員の仕事の本質は、議決に参加し、決した内容に応分の責任をとること、そして多角的な視野で課題を抽出し、区民の様々価値観を反映させることであります。意見表明である討論は、少数会派を含め広く保障されるべきであって、今回の決定は極めて残念です。討論の時間制限を完全に否定するものではありませんが、年間を通じての時間制限を行うことは制度上、不備があると思います。速やかに軌道修正をすべきであることを同僚議員の皆さん方に強く訴えます。

 以上を申し上げ、質問に入ります。

 まず、財政について。

 長期的な財政の見通しを左右する公共施設の修繕・改修コスト等の動向をどう把握するかであります。

 議員になってからの十二年、雨漏りや設備の不具合がしばしば起きている姿を目にし、区民サービスの観点で大変残念に思いますとともに、財政の観点からも区の施設の改修整備などがいつごろ起き、どれぐらいの投資を行わなくてはならないのか、長期的な動向を把握する必要があることを痛感いたします。

 二〇一一年に公表された橋りょう長寿命化計画では、予防保全型に改めることによってコストを抑え、対策時期の集中を防ぐという考え方で進められております。同様に、区施設全体のメンテナンスを予防保全型に改め、対策時期の集中を防ぎ、長期的な視野に立って施設再整備を行わなくてはなりません。

 まず第一歩として、区の施設の現状を把握するために、公共施設白書のようなものをつくるべきです。区長の見解を伺います。

 続いて、ふるさと納税についてです。

 昨今、ふるさと納税については注目されており、テレビや雑誌等で頻繁に特集されるようになりました。ふるさと納税の趣旨から考えれば違和感がありますが、魅力的な特典、具体的には特産品や農産物などをもらえるということで人気になっているようです。

 渋谷区でも過去、数億円の規模でふるさと納税による流出が起こったことがあるようです。住民税の税額控除の上限額を二割程度に見直すとの報道がありましたけれども、今後、少額の特典狙いのふるさと納税が進んだ場合、渋谷区でも数十億円規模の減収となる可能性もあります。

 ふるさと納税の特典を充実させている自治体の中には、受け入れた寄附金と同等もしくは八割程度の価格の特典を提供しているところもあります。特産品や農産物の買い入れに充てることによって地域内の農業・産業振興の一環として位置づけているもので、ふるさと納税特典比較サイトなどで好評となっております。

 参考になるのは、市川市の例であります。市川市は受付事務の負担が軽減されるインターネットでのふるさと納税の受け付けを促進するために、Tポイントの進呈を始めたところ大変好評となっており、特産品でなくても、サービスなどの特典でも十分対応できるということがわかります。

 制度として今後もふるさと納税が存続される以上、渋谷区としても対応して区民税の実質減に歯どめをかけていかなくてはなりません。渋谷区はTポイント運営事業者の所在地ですし、IT産業を中心に新産業を生み出す土地柄でもありますから、ふるさと納税の特典として、TポイントなどのIT系サービスを付与することも検討してはいかがでしょう。あるいはファッション系の物販や、渋谷区内で開催されている有名なイベント等に協力を求めることも、産業振興にもつながり、可能性があります。ふるさと納税の活用について、区長の見解を伺います。

 続いて、福祉についてです。

 品川区では、入所者の要介護度を改善した特別養護老人ホームなどに対して、一段階改善すると収入減相当分の一人当たり月二万円を事業者に交付するという制度を導入しました。入所者の要介護度を改善すると、制度上は事業者に支払われる介護報酬が低下してしまうのですが、この減少分を補って介護現場の意欲向上を図るもので、初年度は四十七人が該当したということです。

 加齢に伴って一般的に介護度は上がるものですが、逆に介護度が下がるということは、極めてすぐれた取り組みが行われているということです。介護度が下がれば生活は充実するし、結果的には財政負担の減少にもつながりますから、喜ばしいことです。その後押しを強力に進めていくという意味で、本当にすばらしい制度であると思います。区長の見解を伺います。

 同様に、障害者行政についても「改善したら収入が減る」という福祉施設の苦悩があります。

 ある精神障害者のための就労継続支援施設では、「積極的に就労につなげているけれども、利用者が就労すると財政的に厳しくなるのも事実だ」と言います。仕組み上、利用者が減ると収入が下がります。利用者数が減る大きな要因は、就職など、実習など、そして入院などであります。

 安定して通うことが難しい精神障害の特性で、通所人数が常に変動し、結果、財政基盤もなかなか安定しないという問題があります。制度そのものを見直す必要もありますが、すぐに達成するのは難しいでしょうから、まずは区として「就職」という成果が出たときに、財政的に不利にならない仕組みを整えることから始めるのがよいのではないでしょうか、区長の見解を伺います。

 続いて、敬老金についてです。

 敬老金は、七十五歳以上の方に毎年一万円を贈呈し、長寿を祝うという制度であり、民生委員さんを通じて贈呈に合わせて実態調査をするという見守りの一環でもあります。同様の制度は他区では見直され、支給対象の見直しや節目支給の導入、そして現金支給から区内商品券への移行などが進められています。平均寿命が八十歳を超え、六十五歳以上人口が二五%に達し、さらに増えていくという超高齢化が進む中で、今後、財政を圧迫するという懸念もあるためです。

 現在、敬老金の支給対象は約二万人となっておりますが、超高齢化が進む中で、渋谷区でも今後、対象者はさらに増加することは間違いありません。そのような中、当事者の意識も徐々に変わっているようで、「もらえてありがたい」とおっしゃる方も大勢いらっしゃいますけれども、その一方で「敬老金については辞退したい。福祉の充実や子育て支援の充実に充ててほしい」という希望をお持ちの方も確実にいらっしゃいます。

 さらに、百万円前後の現金をお預けすること、原則手渡しのため二度、三度と足を運ばざるを得ないケースがあることなど、民生委員の方々にとっても大きな負担をおかけしてしまうことも課題です。高齢化が進む以上、民生委員の定数を劇的に増加させない限り、この負担は増加する一方ですけれども、そもそも定数を確保することも難しい状況では、なかなか大変でしょう。

 以上から、議員としてこういうことを言うのもなかなか辛いことがありますけれども、敬老金の支給については、対象や支給方法など何らかの見直しが必要であると考えます。

 支給対象を絞ることを例にとると、日本人の平均寿命が八十三歳なので、支給対象を仮に八十五歳以上にすれば対象者は六千五百人となるわけであります。節目支給を考えると、二年ごと、三年ごと、あるいは喜寿、傘寿、米寿などの節目に支給するという方法があり、こちらは多くの特別区で採用されています。区が事業の効果として挙げている「見守り」という点で言えば、どちらも後退いたしますけれども、見守りサポート事業やひとり暮らし高齢者見舞品贈呈事業などもありますから、複合して対応できることと思います。

 敬老金事業は、贈る世代も贈られる世代も気持ちよく贈り、受け取れるものとして、また、持続可能な制度として見直しを図るべきであります。区長の見解を伺います。

 続いて、子育て・教育政策であります。

 まず、「子ども・子育て支援新制度」についてです。

 子ども・子育て支援新制度移行が来年に迫っています。全ての子どもがそれぞれの事情に対応した保育、教育を受けられるように切に願うところであります。

 新制度移行を機に、区は来年四月の認可園への入園申し込みを一カ月ほど前倒しして行い、出産予定の方々も対象に含めるようです。保育の予約制度を提案してきた我が会派の方向性に沿うものでもあり、子育て世帯の利便向上を図ろうとする区の姿勢を高く評価するものです。

 さて、区長は先ほど保育料について、これまでの経緯を踏まえつつ「国の基準が明らかになり次第、区議会に条例を提案したい」と表明なさいました。制度移行に伴って、実質値上げをする自治体もあると聞いています。保育料は状況に合わせて適正化を図っていく必要があるかとは思いますが、制度の全貌がいまだ見えず混乱も予想される中で、既に保育施設等を利用なさっている御家庭について、保育内容や保育料が大幅に変更されて保護者の生活が激変することのないよう求めるものであります。区長の見解を伺います。

 次に、教育委員長の抱負を伺います。

 小野教育委員長は、六月より教育委員長に御就任いただきました。その経験と知見を大いに発揮をしていただいて、渋谷区の教育行政の充実に当たっていただくようお願いをいたします。

 教育委員会制度については、一部には不要論などもありますけれども、区民の代表が区の教育行政のかじを取る仕組みは重要であると考えます。区民に対して各教育委員が積極的にお考えを開示していただけるよう望みます。

 そこで、現在、教育委員長が一番重要と考え、一番に取り組むべきであるとお考えになっていることについてお聞かせください。

 続いて、教員の多忙感の解消です。

 来年小学校に上がる子を持つ親として、充実した教育を期待しているところであります。

 今年度も就学前オープンスクールの試行や図書館司書の配置など、学校教育が着実に充実されており、高く評価するところであります。とはいえ、いろいろな事業、活動をすればするほど、教職員には仕事が降りかかってくるのは当然です。教員の多忙感はすさまじく、ネット上では「教員はブラック企業よりひどい状況じゃないか」などと揶揄をされているほどであります。様々な事業がすぐれていても、そのために子どもに向き合う時間が減ってしまっては本末転倒ですから、充実した教育を行うためには、まず教員の負担軽減が必須であります。

 教育委員長も教育長も、ともに小学校長を経験なさっています。その経験を生かして人的配置をさらに充実させたり、仕事の見直しを図ったり、様々なツールや仕組みを整備したりするなど、是非対応を図っていただきたいところであります。

 大阪市教育委員会では、二〇一三年度から「校務支援ICT活用事業」というものを行い、先ごろ検証結果が発表されました。ICTの活用によって教員一人当たり年間百時間を創出するという目標に対して、教頭では年間百三十六時間、一日平均で三十四分、教員では年間百六十八時間、一日平均で四十二分の時間が生まれたとしています。ICTを活用して生まれた余裕時間は、授業準備や教材研究、子どもと触れ合う、子どもの作品やノートを見る、部活動の指導に充てるなどに向けられているようで、教員の校務負担軽減を図って子どもたちと向き合う時間をつくっていくという事業目標が達成されていると言えます。

 このような取り組みも参考にしつつ、子どもたちに向き合う時間を十分確保するために、是非教員の負担軽減について全力で取り組んでいただきたいと考えます。教育長の見解を伺います。

 次に、子どもの学力向上に関する成果指標について伺います。

 第一回定例会で、全ての子どもの学力を保障して底上げを図ってほしいとの私の求めに対し、教育長は、「小学校で学ぶべきことは小学校のうちに身につけさせ、中学校で学ぶべき内容はきちんと保障して次のステップに進路を導くことが最も大事なことであり、学習指導要領に示された学習内容をその学年のうちにしっかりと教えていくことが教師の大きな務めである」との趣旨の答弁をいただきました。まさにそのとおりで、心強く思うところであります。

 今回は、実際に学習内容をその学年のうちにしっかり教えられたのかどうかというのを、どういった成果指標を使って見ていくのかについて伺います。

 例えば学年末まとめテストのようなもので、できるだけ全員が六十点以上をとるようにするとか、全国学力・学習状況調査で平均点と標準偏差を見ていくとか、いろいろと考えますけれども、もっと専門的で多元的な手法を設定してもいいでしょう。何か明確に見える指標、データをとる指標を設定することによって成果は目に見えるものとなり、教育にかかわる方々にとってもよい道しるべとなるでしょう。教育長の見解を伺います。

 次に、男女共同参画の認識について教育長に伺います。

 七月十日付の「東洋経済オンライン」というウェブマガジンにおいて、区立小中学校の保護者でジェンダー論の研究者でもある瀬地山 角東大教授が、森教育長の発言について否定的に問題提起をなさいました。それによると、森教育長はPTAの研修会の中で食育に触れて、「朝食をつくるのはお母さんの役割」という趣旨の発言をなさったそうです。それに対して瀬地山教授は「性差別的で男性の家事参加を否定し、女性を家事に縛りつける言葉だ」と抗議を行いました。教育委員会の返事は、区の男女共同参画の行動計画にそぐわないという点を認めてはいるものの、「食事をつくるのは母親の仕事」という固定的性差別役割分業規範を肯定している内容であったと記事に書かれています。この記事は多数閲覧、引用、拡散され、一般の方々の関心を呼びました。

 私は森教育長とじっくり話をした経験は少ないですけれども、様々な場での言動を拝見する限り、性差別をするようなお考えはないと確信をしておりますけれども、今回のように渋谷区の教育委員会の見識が問われるような記事が公になったことは、極めて残念だと思います。

 そこで、是非この場で男女共同参画についてどう考えていらっしゃるのかを表明していただいて、今後は同種の誤解が起こらないよう、是非努力をお願いするところであります。教育長の見解を求めます。

 続いて、合同学校説明会についてであります。

 今回、当事者として全ての学校の説明を拝見しました。保護者の皆様方の真剣かつ熱のこもった様子を感じ、改めて合同学校説明会の重要性を認識いたしました。また、各学校それぞれ工夫をして、よさを伝えようとする努力が伝わりました。関係者の皆様方の御尽力に心から感謝をいたします。

 残念だったのは、日程の組み方です。富谷小学校が幡ケ谷区民会館で午前十一時台に、隣接校である神南小学校は美竹の丘にて、今度は午後の三時台に行われ、富谷小学校、神南小学校の両校で迷っている御家庭は五時間近く拘束をされることとなってしまいました。十八校もあるので、全ての方を満足させるのは難しいでしょうけれども、調整区域を持つ隣接校にもかかわらず、会場も時間も完全に分断されており、学校選択を控えて情報を切望している御家庭に対する配慮が全くなかったと言わざるを得ません。

 小中学校の合同学校説明会においては、会場があふれ切れるほどで入れなかった方もいらっしゃいましたし、お子さんが飽きて退室されてしまった方もいらっしゃいました。日程的に参加できない方もいらっしゃいました。考えてみれば、小中学校に進学予定の御家庭の中には、乳幼児を預けられず参加を断念した御家庭もあることでしょう。

 こういった方々に対応するために、合同学校説明会を撮影し、御家族で都合のいい時間に都合のいい場所で視聴できるよう、ネット上で動画を配信すべきです。今回の富谷小学校と神南小学校のように説明が全く違う時間、場所に設定されてしまっていても、動画が配信をされていれば不都合はある程度解消されるでしょう。

 以上の理由から、合同学校説明会の動画配信は必須であると考えます。教育長の見解を伺います。

 次に、広報についてであります。

 教育に続き、動画配信についてです。

 行政が住民や関係者に対して行っている各種説明会は、住民に対しての情報提供や意見交換の場として重要ですけれども、一、二回程度しか行われないことも多く、参加したいが日程が合わないという方もいらっしゃいます。説明会の説明部分だけでも撮影して、動画をネット公開する意味は大きいと考えます。

 茅ヶ崎市では、市役所の新庁舎の建替えにおいて基本設計の説明会を動画で配信するという取り組みをしており、わかりやすい内容のまとめ、あるいは手話通訳も加えるなど、誰でも市政参加できる仕組みとして有効に機能させております。時間、空間、そして様々な事情を乗り越えるための有意義な取り組みであると言えます。是非参考にし、区の説明会等の動画を配信していただきたいと考えますが、区長の考えをお聞かせください。

 続いて、庁舎の建替えにおける広報や意見交換についてです。

 我が会派は庁舎の建替え方針が固まって以来、建替えに当たっては区民への広報、説明、意見交換を確実に行ってくださるよう求めてまいりました。同様に庁舎の建替えを進めているある自治体では、百回を超える意見交換会を住民に対して行い、ある程度意見を集約した上で庁舎の建替えを決定しています。今回は、耐震強度の不安というやむを得ない事情があるとはいえ、現段階では区民が置き去りになっている感は否めません。今からでもできるだけのことをすべきでしょう。

 そこで、まず情報提供を徹底し、区民の疑問や不安を解消するために、庁舎建替えについて特設のウェブサイトなどをつくって、資料をダウンロードできるようにして区民が利用できるようにするべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 また、区民への説明、意見交換について今後の取り組みを、時期も含めて具体的に明らかにしていただきたいと思います。区長の見解を伺います。

 次に、日本語を理解する能力が比較的低い子ども、外国人、そして場合によっては読字障害の方や高齢者等も視野に入れた情報提供についてであります。

 地震などの災害時、情報を必要とする方の中には、日本語が理解できず情報を上手に収集できなかったという方もいらっしゃいます。

 弘前大学では、阪神大震災の経験で、英語が通じない外国人も多かった経験から「やさしい日本語」という、一文を短くして簡単な言葉を用いるという取り組みを提唱しています。具体的には、地震の広報に際し「けさ七時二十一分ごろ」というのを「今日、朝、七時二十一分」と置きかえ、「東北地方を中心に広範囲に強い地震がありました」というのを「東北地方で、大きい、地震が、ありました」と言いかえるなど、簡単な語彙を使い、単語で区切ることによって聞き取りや理解がしやすくなるように取り組んでいます。そのほかにも、ルビを振ることによって書き言葉の理解も格段に変わってくるといいます。

 誰もが国語力を十分に持っているわけではなくて、様々な事情をお持ちの方がおり、それに対応するために、できる限り広報の工夫を行っていくべきです。掲示物については漢字にルビを振る、音声、掲示物問わず「やさしい日本語」を取り入れるなどにより広報を改善していく取り組みについて、区長の見解を伺います。

 広報の中でも特に防災メールについて、緊急情報をより多くの方々に伝えられるよう改善を図ってほしいと思います。

 八戸市では緊急時に、英語に加えて、平仮名のみで書かれた「やさしい日本語」によるメールを配信しています。早急に配信できる点が有効であると言えます。ほかにも津市や柏市などでは、先ほどの「やさしい日本語」だけではなくて多言語でのメール配信を行っているようです。

 災害時に情報弱者となりやすい外国人に対しても、適切な広報を追求することが必要です。これは同時に、高齢者や読字障害の方々にとっても便利になるはずです。区長の見解を伺います。

 次に、健康について三点質問いたします。

 まず、デング熱を中心とした感染症対策です。

 感染症対策について、渋谷区では区長並びに各会派の御努力もあって、特に子どもの予防接種については他自治体に比べて非常にすぐれた取り組みが行われており、心から敬意を申し上げたいと思います。

 さて、八月末より我が渋谷区を襲った脅威に、デング熱があります。デング熱は確かに怖い感染症でありますけれども、今回は、デング熱に感染した蚊が大規模に越冬することは考えづらく、いずれ収束すると思います。とはいえ、今回の件で、繁華街を抱えており、観光客も非常に多く、また多くの国際的なイベントが開催されるこの渋谷区は、輸入感染症について厳重に警戒すべきだということが明らかになりました。

 感染症対策は国や東京都、周辺自治体との連携が必要不可欠であり、状況に応じて適切に役割を遂行していくことが求められますが、加えて、事前に取り組めることはできるだけ取り組んで、区民の健康を積極的に守っていくべきであります。

 特にデング熱やウェストナイル熱等、蚊が媒介する感染症の輸入は、今後も起こり得るものであります。東京都は蚊による感染症対策会議を十九日に開催し、年内をめどに対策をまとめるとしています。保健所長もメンバーになっていらっしゃいますので、是非積極的に対策を推進していただくとともに、虫除けなどにおけるディート濃度規制の見直しなど、広範な課題に取り組んでいただけるよう求めるところであります。

 今回は、発症者の多くが代々木公園周辺であったということで、渋谷区はデング熱に対し様々な対応を実施をしています。関係者の皆様方の取り組みに敬意を表します。しかし、収束してからが本番。今後を見据えて体制を整える必要があります。

 先日、民主党東京都連のデング熱対策本部会合で関係者と意見交換をした際には、来年以降、デング熱がまた流行する可能性はあると、場合によっては年間数万人、日本で発症することすらあり得るとのことでありました。そうなる前に、まず、区としては蚊を減少させるために公園等区の施設での対策を怠らず、徹底すべきであります。また、民間の所有する水辺や水たまり等の管理の徹底、特に管理者不明の水場、水たまりに対する指導体制を整えるべきです。

 そのためには、条例をつくるのもいいかもしれません。今後を見据え、長期的な視野に立って蚊対策を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、輸入感染症を防ぐために、海外渡航の際の現地情報の確保、トラベルワクチンの適切な使用や渡航専門医療機関への受診の啓発をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 国内で流行する可能性がある感染症について、予防できるものについては先に徹底した予防をしておくべきです。小児の任意予防接種については助成水準を下げることのないようお願いをするとともに、定期・任意の予防接種について接種率向上に向けた取り組みを強化していただくよう求めますが、いかがでしょうか。

 以上三点、区長の見解を伺います。

 続いて、指先自己採血による糖尿病検査の導入についてであります。

 以前提案したときは、薬局などでの自己採血検査は法的位置づけが不明確でありましたが、本年四月一日より、臨床検査技士法に基づく告示が改正され、薬局等で血糖自己測定等の検査が可能であることが明確となり、まち中で自己採血できる施設が増えていく可能性があります。

 初期には自覚症状のない糖尿病は、早期発見が極めて重要です。指先自己採血による簡易糖尿病検査を用いて足立区と徳島県で行われた研究では、糖尿病が強く疑われる方が一二%、糖尿病の可能性が否定できない人が一六%となりました。厚生労働省の調査では、この両者を合わせて全国民で二千万人を超える方々が該当するとも言われています。非常に大きな数字であります。

 自覚症状がなかった方々に自覚を持っていただいて適切な指導を行うことは、健康を守り、医療費を削減するという意味で極めて重要です。その観点から、簡易に糖尿病検査を推進することは非常に重要だと思います。気軽に行える自己採血検査を区として推進すべきです。区長の見解を伺います。

 次に、禁煙支援であります。

 渋谷区では分煙ルールの推進、駅前等の灰皿設置、公園での分煙など、分煙化に力を注いで一定の成果を上げてきました。今後も分煙について、是非徹底するように求めます。

 さて、健康の観点からは、喫煙は大きなリスクであるとされています。吸いたい方々は尊重すべきだと思いますが、禁煙したいと思った方に適切な支援を提供していくことは、区民の健康を守り、医療費を削減するという意味で有効です。禁煙の支援に取り組んではいかがでしょうか、区長の見解を伺います。

 最後に、観光についてであります。

 日本政府観光局の調査によると、東南アジア主要国の観光客数は激増をしているようで、昨年度の増加率は全体が二四%のところ、東南アジアからの観光客は四〇%を超える増加率となっています。東南アジアはイスラム教徒が非常に多く、世界最大のイスラム教徒人口を有するインドネシアやイスラム教徒の割合が非常に高いマレーシアなどからの観光客数も劇的に伸びていて、今後、イスラム教徒の観光客が増えてくるだろうと推測をされます。

 渋谷には日本最大級のモスクである東京ジャーミイがあり、様々な観光資源にも恵まれショッピングでも便利であるなど、イスラム教徒の観光客が訪れたくなるような要素が多いようです。観光客がピークになるだろう東京オリンピックまでに、イスラム教徒を受け入れる体制をまち全体で用意しておく必要があるのではないでしょうか。特に渋谷駅周辺の整備が進みつつある今の時期は、ハード的にも対応できる大きなチャンスであると言えるでしょう。

 さて、特にイスラム教徒について検討が必要なのは、戒律により定められた様々な生活習慣に対応できるかどうかが非常に大きく問われているからであります。特に、礼拝と食事についての対応は急務です。

 イスラム教徒は、一日五回の礼拝をしなくてはなりません。礼拝が可能な場所、メッカの位置を示したマークやコンパス、あるいは付随して手洗いなどが可能な施設が必要です。これに対し、横浜市では礼拝用マットとコンパスを無償で提供しており、大いに参考にすべきです。

 食事においては、ハラルというコーランにのっとった食事を提供しなくてはならないようですが、国や宗派や個人の判断によって厳格さに大きな違いがあり、一括りにできない難しさがあります。

 基本となるのは、異文化に対する敬意、尊重であります。イスラム教徒は必ずしも同じ生活をしているのではなくて、コーランを基本に各自、各宗派、各国が解釈をしているので厳格さにも差があります。これを「イスラム教徒」としてひとまとめにするのではなくて、柔軟かつ丁寧な対応が求められるようです。

 この辺の感覚は、我々日本人には難しいところです。できれば商工観光課や観光協会にイスラム教徒の職員を採用し、もしくはイスラム教徒の生活に詳しい専門家を顧問として迎え、気軽に相談できる体制を構築しておく必要があるのではないでしょうか。イスラム教徒の観光客への対応について、区長の見解を伺います。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 民主党渋谷区議団、鈴木建邦議員の代表質問に順次お答えをしたいと思います。

 公共施設白書の問題についてのお尋ねでございますが、吉田議員が前にお尋ねになった課題であろうと思っております。

 高度経済成長期に一斉にこの公共施設がつくられた。したがって、それが老朽化をしてきて厳しい財政運営が迫られているということでございまして、これは渋谷だけでなくて都内あるいは全国の共通する課題ではないかな、このように思っております。

 本区では、区有施設の老朽化問題についてはかねてより重要課題と捉え、予算や実施計画あるいは橋梁長寿命化修繕計画等の中で対応を示し、教育施設あるいは都市基盤施設、あるいは区民施設、あるいは福祉施設等について順次、耐震補強や改良、建替えを進めてまいっております。

 雨漏りというのは必ずしも老朽化によって生ずるものでなくて、都庁を見てもわかりますけども、あれはもう雨漏りがひどいということでありますし、また、エレベータについても、これは老朽化というよりもそれぞれ現状を把握しながら対応していくべき課題ではないかな、このように考えております。

 そういった中で、今後とも老朽化対策等については、御提言にあるとおり学校施設等についてはその施設の位置づけ、意味合い等を考えながら将来的には考えていなくてはならない、このように思っております。

 ふるさと納税でございます。

 このことについては、税収の減少に悩む自治体に対して格差是正を推進する、あわせて都会の納税者がふるさとに貢献するためなどの理由から国が導入した制度であります。地方の自治体の中には高価な特産品をつけて寄附を促進するというようなところもございますけども、こうなると本来のふるさととは関係なくなって、特典目当てに寄附する者が増え、寄附者が居住する自治体の住民税が減収となるならば、それは行政サービスを受ける住民がこの税を負担する受益者負担の原則から、問題があることだと、このように思っておりまして、したがいまして、御意見については御意見として承っておきたいと、このように思います。

 次に、高齢者施設でございます。要介護度改善のために、品川区が報酬を支払う制度をつくったということでございます。

 本区につきましては、もともと特別養護老人ホームは寝たきりにしてはならないということを基本としておりまして、そのために、私はもちろんのこと民生委員や、あるいはこの高齢施設の施設管理者に初台リハビリテーションを見学したりしてまいりました。そういった中で、「杜の風・上原」は大変努力をしているということを承知しておりまして望ましい方向だと、このように思っております。

 特別養護老人ホームは、もともと設置基準上、機能訓練指導員の配置が義務づけられており、入所者に対するリハビリは実施されることが前提でございます。しかし、現行制度では、施設が要介護度の改善のために努力をしても、報酬はかえって安くなるという矛盾のあることも事実でございます。このことに国も気がついて、この介護サービスを通じて要介護者の心身の状況を改善をしたかどうかを、この介護報酬に反映させる検討に入っていると聞いておりますので、国の動向を見たいと、このように思っております。

 なお、品川のこの報酬は一年間だけだと、このように聞いております。

 それから、障害者福祉施設についてのお尋ねでございました。

 このことについては健康推進部長のほうから御答弁をさせていただきたいと思います。

 敬老金についてのお尋ねでございました。

 その論理として、高齢化が進む中で金額が増加するということ、あるいは受け取る側の意識変化もあるというようなこと、民生委員の負担が大きい、こういうようなことであろうかと、このように思います。

 本区については民生委員から、この七十五歳以上の高齢者の皆様方に、長寿をお祝いするとともに敬老思想を普及するという目的のもとに実施をしてまいりました。とりわけ家族のきずなが薄れるとともに、そういった薄れる傾向のある中においては、この敬老思想というのは日本の文化として堅持していかなければならない誇るべき文化だと、このように思っております。この渋谷区だけでなくて、そういったことを踏まえて保育園や、あるいは地域のイベントの際にはお年寄りを招いたり、様々の敬老思想の普及に当たっていただいているところでございまして、私も望ましいことをやっていただいていると、このように思っている次第でございます。

 また、受け取る人の意識も様々であることは承知しておりまして、このお年寄りによっては、今度は何を買おうかというようなことを考えたり、あるいはお孫さんにプレゼントをしたり、あるいは仏壇にお供えをする方もいらっしゃいます。しかし、本人の意思に反しているならば受け取りを強要するものでなく、民生委員にお返しをいただいても結構だと、このように思っております。

 いずれにいたしましても、私は敬老思想の普及はこれからも渋谷区として大切な関係だと、このように思っておりますし、また、民生委員と高齢者の顔の見える関係を続けていくためにも、これからもこのことについて続けたい、このように思っております。御理解をいただきたいと思います。

 子ども・子育て支援新制度への移行の中で、国の態度を待っていては保育料はいつになって決まるかわからないよと、こういうようなお話であったんではないかと、このように思います。

 この国の基準がわからないことには、条例等の改正根拠がなくなりますので、やはりこれを早期に知って適切な時期に区議会に提案をさせていただきたい、このように思っております。

 次に、説明会等の動画ネット公開について、様々の自治体の状況等も御説明になりながら、この検討をしてほしいと、こういうお話であったと、このように思います。

 私も、このインターネットによる動画配信が情報伝達の一手段として認識をしておりますけども、全ての説明会でその内容を最初から最後まで配信するということになると、それにはなかなか無理があろうかと、このように思っております。ケースによって、また場合によってそういう場合もあろうかと思いますので、そういう場合について検討してみたいと、このように思います。

 それから、庁舎建替えについて特設のウェブサイトをつくって資料をダウンロードできるようにしてはどうかという御提案でございました。

 渋谷区はこれまでも適宜、区議会、区ニュース等を通じて必要な情報の提供を行ってまいりましたけど、特設のウェブサイトを開設できるか、それはまた検討してみまして、その上で対応してまいりたいと思います。

 それから、日本語を理解するために「やさしい日本語」について取り入れるよう、広報の改善をというお話であったと思いますが、このことについては、渋谷区では様々な方々にわかりやすく伝えるために、ホームページの改修を行ってまいりました。外国の方も区の情報を受け取れるよう多言語化を行ったところでございますし、また、スマートフォン用のサイトも作成をしております。

 やさしい言語につきましては、幾つかの市や国の機関で取り入れていることは承知しているところであり、日本語以外にも絵や図形、あるいは色の使い方等々、工夫することがあろうかと思っております。御提言を参考にさせていただきたいと存じます。

 次に、災害時の情報弱者になりやすい外国人について、防災メールの配信についてということでございましたが、このことについては危機管理対策部長から御答弁をさせていただきたいと存じます。

 それから、デング熱の感染症対策についてのお尋ねということで、三点にわたってございましたが、このことについては健康推進部長から御答弁をさせていただきたいと存じます。

 さらに、糖尿病の自己採血検査の導入につきましても健康推進部長から御答弁をさせていただきたいと存じます。

 それから観光について、イスラム教徒の受け入れ体制についてということで御質問ございましたが、このことについては区民部長から答弁をさせたいと思いますので、どうぞ御理解をいただきたいと存じます。

   〔「禁煙支援」の声あり〕



◎区長(桑原敏武) あ、たばこ。失礼しました。

 申しわけありません。禁煙したいと思う方への支援についても健康推進部長から御答弁させますので、御理解をいただきたいと存じます。

 以上、私の答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 区長、庁舎建替えの?の答弁が抜けています。



◎区長(桑原敏武) 失礼いたしました。

 庁舎建替えについて、ウェブサイトをつくって資料をダウンロードできるよう……



○議長(前田和茂) それはありました。二番のほうです。区民への説明、意見交換。



◎区長(桑原敏武) 次に、区民への説明スケジュールについてでございますけども、このことについては松岡定俊議員にお答えをしたとおりでございます。十一月にはですね、新庁舎及び新公会堂整備計画案を公表したいと思っておりますし、意見交換につきましては計画案の公表の後、区民や各種団体に説明会を開催し、広く御意見をいただきたい、このように思います。

 以上、御答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 柳澤危機管理対策部長。



◎危機管理対策部長(柳澤信司) 私からは、外国人等に対して「やさしい日本語」や多言語による防災メールの配信の取り組みについてのお尋ねにお答えさせていただきます。

 災害時における防災メールの文章は、簡潔でわかりやすい日本語の内容にすることが重要であり、そのことを念頭に置きながら防災メールの配信を行っております。

 また、現在、災害時用の多言語対応のポータルサイトの作成を進めているところでございます。

 このようなことから、わかりやすい日本語と多言語対応につきましては、既に取り組みを始めているところでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 松澤区民部長。



◎区民部長(松澤俊郎) 私からは、イスラム教徒の観光客への対応についての御質問について、お答えをいたします。

 これまでも渋谷区では、原宿三地区の商店街が合同で外国人観光客に向けたファッションガイドツアーを行い、春節にも売り出しも行われております。原宿三地区のガイドツアーの言語は英語、韓国語、中国語であり、既に八年間を経過しておりますが、この経験からは、英語が国際語であり、特別なことがなければこれで十分と考えてございます。

 他方、渋谷区はイスラム圏との文化交流としてイスタンブール市ウスキュダル区とのお付き合いをさせていただいております。宗教と食文化の違いを知っておれば、これで十分かというふうに考えてございます。



○議長(前田和茂) 広松健康推進部長。



◎健康推進部長(広松恭子) 私からは、まず精神障害者施設についてのお尋ねに答弁をいたします。

 精神障害の特性として、病状の変動があり、安定して施設へ通所することが難しいという方もいらっしゃるという実情を踏まえまして、通所状況の変動に直接的な影響を受けないよう配慮した事業運営費を補助金として就労支援施設に交付しております。

 施設への支援につきましては、渋谷区精神障害者支援事業運営助成補助金交付要綱に基づきまして実施しておりますので、今後も引き続き、事業の自主的な活動について支援をしてまいります。

 次に、デング熱対策として、長期的視野に立って蚊対策を行っていただきたいとのお尋ねでございます。

 蚊対策につきましては、国や都の情報を得ながら、専門家の助言も踏まえて適切に行ってまいります。

 次に、輸入感染症を防ぐための啓発についてのお尋ねでございます。

 厚生労働省のホームページ、外務省のホームページで詳しく情報が入手できますので、このことにつきましては国などに委ねたいと考えております。

 次に、小児の任意接種の助成水準と予防接種の接種率向上に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。

 小児の任意予防接種につきましては、現在、専門家が推奨している全てのワクチンについて適切な時期に受けられるように助成をしておりまして、現在のところ、この水準を下げる考えはございません。

 ワクチンの接種率につきましては、これまで予防接種記録表とともに予防接種のお知らせを対象となる御家庭に個別に送付するなど、きめ細かな対応をとってまいりました。このほかに、区ニュースやホームページにおきましても接種の意義や適切な接種時期等をお知らせしてまいりました。さらに、一歳六カ月や三歳児健診の際には母子健康手帳の接種記録を確認しまして、未接種のワクチンについて保護者に個別に説明をしております。

 今後、渋谷区医師会のワクチン接種部会や庁内関係各部署との連携により接種勧奨の取り組みを工夫し、さらなる接種率向上に努めてまいります。

 次に、糖尿病の自己採血検査を区として推進すべきとのお尋ねでございます。

 血糖などを測定する自己採血検査につきましては、医療機関のほかにも薬局等で、設置基準等衛生管理上の問題がないことを確認された上で実施が可能となっております。この場合も検査結果に基づく診断、治療等の医療行為は医師の行うものですので、結果数値と基準値の提示にとどまります。検査は結果を正しく理解し、適切な生活指導を受け、必要な生活改善や治療を受けて初めてその効果や意義が出てくるものでございます。自己採血検査は確かに簡便ですが、検査結果を正しく理解するためには、信頼できるかかりつけ医等に相談していただくことが大切だと認識しております。

 このようなことから、区では定期的な健診受診、必要な場合の早期受診及び治療継続を啓発することが重要かつ効果的であると考えておりまして、自己採血検査につきましては現在のところ、区として推進する考えはございません。

 次に、禁煙したい人への支援についてのお尋ねですが、たばこの健康影響の普及啓発の推進は重要と考えておりまして、お子様のいる家庭での受動喫煙防止はもちろん、五月三十一日の世界禁煙デーとその後一週間の禁煙週間に合わせまして、区ニュース等を通じ区民へ禁煙に関する啓発活動を行うなど、様々な取り組みを進めております。

 また、昨年度開催した健康づくり検討会からも、喫煙による健康影響を減らすことについて提言があり、渋谷区健康増進計画に反映したところでございます。

 現在も健康相談窓口や特定保健指導等を通じて、喫煙による健康影響について情報提供を行い、禁煙を希望する方々には禁煙外来の紹介を行うなどの取り組みを行っておりますが、今後も引き続き、健康づくりの観点から、禁煙希望者の方々への支援を進めてまいります。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 小野教育委員会委員長。



◎教育委員会委員長(小野ヒサ子) 私には、教育委員長として現在一番重要と考え、一番に取り組むべきと考えていることは何かとのお尋ねがございました。

 子どもたちが日々、明るく元気に笑顔のある生活ができる、このことが一番重要と考えます。そのためには子どもたち一人一人に学力向上と個性の伸長を図り、心豊かでたくましい未来社会の形成者を育む学校、家庭、地域の三者が連携した日常の地道な教育の営み、この積み重ねが求められます。

 教育委員会では教育環境の整備、学校教育と社会教育の連携など、より多くの人やもの、ことにかかわる教育の広域化を積極的に推進しているところです。そうした中で改めて、子どもたちにとって最も大きな教育環境である一人一人の教師力の向上が喫緊の課題と捉えています。「教育は人なり」と言われます。教師は未来ある子どもたちの人格形成に多大な影響を与える存在です。常に研修に励み、自らの資質、能力を向上させなければなりません。教師の授業力、指導力、さらには人間力を磨くための研修体制の一層の整備・充実に取り組むことが重要です。

 教育委員会は、教育行政、教育施策の方針決定とかじ取りを担っております。方針決定は明確に示す必要があり、区民のニーズに応えるものであり、教育現場を元気にするものでありたいと考えております。渋谷区では法律、医療、企業経営、また幼児教育、学校教育の分野に知見を持つ教育委員がそれぞれの考えや思いを闊達に出し合う中で議論を深め、合意形成を図ってきております。教育委員長として課題解決の方向性を率直に提言し、大所高所から熟慮し、判断いたしまして、渋谷区の教育の向上・充実に精いっぱい努めてまいります。

 今後とも御理解、御支援のほどよろしくお願いいたしまして、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 森教育長。



◎教育長(森富子) 私に対しましては、四点のお尋ねがございました。順次お答えしたいと思います。

 まず、教員の負担軽減についてのお尋ねです。

 近年の社会の急激な変化に伴い、学校を取り巻く環境も大きく変化をし、学校に対して多様で多大な期待と要望が寄せられるようになりました。教員は様々な要望等を真摯に受けとめ、全力で解決しようと日々努力をしていますが、その結果、授業以外の業務が増加し、最も重要であるはずの授業力向上のための時間、教員が子どもと向き合う時間を十分に確保することが難しい状況にあることも事実です。

 当然のことですが、各学校は教育委員会と連携しながら、校務改善に向けた様々な取り組みを行っております。例えば、一例を申し上げますと、校務分掌の見直しや、会議や打ち合わせの時間の精選や短縮、事務処理の簡素化、若手とベテランがチームを組んで組織を充実させるなどがあります。また、渋谷区教育委員会といたしましては、このような状況を改善するために、できる限りの努力を行っております。

 例えば、教員一人に一台のパソコンを配付し校務処理システムの充実を図るとともに、教育委員会事務局からのデータ等も共有化を図るなど、工夫・改善に努めております。また、今年度からは三名の副校長経験者を校務改善コーディネーターとして学校に配置し、副校長や教員の校務の軽減を図っております。教育委員会では今後も各学校の実情を十分に踏まえながら校務改善を図り、教員の資質、能力の向上に向けて努力をしてまいりたいと思います。

 次に、子どもの学力に対する成果指標についてのお尋ねです。

 議員からは、学力に関して明確に見える指標を設定してはどうかとの御提言がございました。

 現在、各学校では日々のノートや提出物のチェックなど、授業や単元ごとの確認テスト、学習の定着状況を確認するための定期テスト、個人面談など、様々な工夫をしながら子どもたち一人一人の学習状況をつかみ、指導に生かしています。また、毎年実施されております全国学力・学習状況調査や、東京都「児童・生徒の学力向上を図るための調査」も十分に活用しております。今年度は知識や技能を活用する力が高くなってきており、このことは各学校が構内研究の充実に努め、日々の授業改善に取り組んできた大きな成果と考えています。

 さらに、今年度からは子どもの到達度をはかることができる「東京ベーシックドリル」を活用して、日常的に児童ごとの効果測定を行い、教育指導に反映させております。

 今後もこのような様々な指標を用いて子どもたち一人一人の学習状況をしっかり把握し、全ての子どもに確かな学力が定着するよう、指導方法の改善に努めてまいります。

 次に、PTA研修で私の発言に関して、男女共同参画の認識についてのお尋ねがございました。

 毎年実施しているPTA研修は、子どもたちに身近な教育的課題について保護者と教育委員会が連携して対応するために、テーマを絞って学ぶ場として実施しているものでございます。本年度は健康日本一を目指した渋谷区健康づくり事業の一環として、子どもたちの食生活や生活環境の確立から健康づくりを進めることをテーマといたしました。

 六月二日から六日まで実施した四日間の研修では、このテーマについて現状分析や学校の取り組み、家庭での食習慣の重要性に関する講義が行われました。ここでは医師や栄養士からの専門的な内容だけではなく、学校現場の教師や校長が、学校現場で感じている日々の問題点や御自分の食にまつわる体験談も含めて参加者に語りかける講義もありました。

 これらの総括として最終日に私が講義を行い、私も自身の子育て経験から、私の家族が役割分担をしながら食事の支度をした経験をお話ししましたが、その発言が誤解を招いたようです。研修に参加されていた瀬地山氏の御指摘を受け「私の家庭もそうであったように、食事をつくる人は各家庭の事情で異なり、母親に限るという意図の発言ではない」と、当日その場で訂正をいたしました。このことにつきましては七月二日の小学校、四日の中学校各PTA連合会理事会の場で私の発言の経緯と考えを説明し、御理解をいただきました。

 今回の経験を踏まえ、今後も第三次渋谷区男女共同参画行動計画に明記されているように、社会全般だけではなく家庭を初めとする生活の様々な場において、男性、女性それぞれの性別にかかわりなく個性と能力が発揮できるよう、教育長として努力をしてまいります。

 最後に、合同学校説明会の様子を動画配信すべきとの御提言がございました。

 合同学校説明会は、学校を選んでいただくに当たって各学校の教育目標や運営方針などを広く御紹介するために開催しているものです。各学校の校長を中心として、教員や、ときには生徒やPTA会長が、会場にいらした新一年生の保護者やお子さんたちに語りかけるように説明をしています。説明会では対面によるコミュニケーションを大切にしており、各校の説明の後、個別ブースでの説明を行い、お問い合わせに対して丁寧な対応に努めており、個別相談件数は年々増加をしているところです。

 また、合同説明会終了後は各学校で学校説明会や学校公開を行っており、より詳しく知っていただく機会を設け、学校を選択する際の参考となる説明の機会を充実させております。

 合同学校説明会も、各学校の学校説明会や学校公開も、情報を提供するだけではなく、質問や疑問にお答えする中での学校のよさを知っていただこうと考えております。

 御指摘のように、説明会全体を動画配信するというのは無理なところもございますが、今後、検討させていただきたいと思います。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 鈴木議員。



◆三十一番(鈴木建邦) ただいま区長、教育長、教育委員長ほか各部長から答弁をいただきました。

 区長については非常に、前向きというか、真摯に向き合っていただいた答弁かなと思って、これについてはありがたく、まず、今のところは受け取っておきます。何だろう、ありがたいなと申し上げておきます。珍しく感謝を申し上げます。

 各部長については、ちょっとわからないところもあるので、若干補足的に説明を求めたいと思います。

 まず、保健所長のところでですね、デング熱対策については東京都での蚊対策のメンバーにも参加されておりますから、是非やっていただきたいな、頑張っていただきたいなとお願いをするところでございます。

 特に管理者が不明の水たまり、これについての指導というのはなかなか難しいテーマであると思いますし、重要なテーマでもあると思いますので、これについて是非徹底をしていただきたいなとお願いをするところでございます。今後、国や専門家の助言を受けて適切に対応していただけるということで、長期的に是非頑張っていただきたいとお願いをするところでございます。

 糖尿病対策について、医者の指導、助言等や診断がなければなかなか責任を持った対応はできないという意味の答弁だったと思いますけれども、まさにそれが私にとっても懸念であって、簡易的な指先採血は非常に便利で有効性も高いとは思いますけれども、その一方でうまく機能しない可能性もあるなと思っています。ですから渋谷区が推進をして、かかわっていただいて、そして適切な方向に導いていただくと、そしてできるだけ早期に糖尿病予備軍を抽出していただくために使っていただきたいという意図の質問であります。再度、もうちょっと明確に答弁をしていただければなと思います。お願いをいたします。

 それから最後に、区民部長から非常に簡明な答弁をいただいたところでございますけれども、私が質問をしたのは、イスラム教徒といって一括りにすると、なかなか大変だよという特性がありますよという言葉を差し上げたところでございます。これはですね、トルコとの関係があるということで、よくわかっておりますよというような答弁であったと思いますけれども、これは全く私の質問の意図と、全く逆でありますので、じゃ、そのトルコとの交流の中でどういった取り組みが観光行政の中で生かせるようになるのか、これについてもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。

 以上、再質問いたします。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 鈴木建邦議員の再質問にお答えをさせていただきたいと存じます。

 このイスラム教徒の食事の問題でございますけども、率直に言ってですね、我々、向こうから最初に来たとき、おもてなしについてどうすればいいのか随分慌てたんです。そのときに相談相手になったのは大使館なんです。ですから、それぞれのところで何か問題があれば、そこと相談すればですね、そのことについて「こういう点だけ気をつけてください」とかいうことなんです。

 それでも間に合わないのが食事でしてね、豚は使うことできないんですけども、その形では残っていなくてもだしに使われていないかという疑いを持つんです。そういうときには向こうで料理してくださいと、それはもうホテルの場所は提供しますから。そういうような形でやらせていただいているということですね。

 この礼拝については、これはもうどこでも所構わずやりますからね、これはもう心配要らない、こういうふうに思っております。そんなことで、案ずるより産むがやすしでこれは問題がないというふうに、部長が結論だけ言いましたけども、そういう経緯でございますので御理解いただきたいと、このように思っております。

 健康推進部の課題については部長のほうから答弁させますので、よろしくお願いいたします。



○議長(前田和茂) 広松健康推進部長。



◎健康推進部長(広松恭子) 私には再度、糖尿病の自己採血検査についてのお尋ねでございます。

 議員のおっしゃる自己採血検査につきましては、このたびの告示等につきまして「検体測定室」という定義になってございます。こちらにつきましては、医政局指導課医療関連サービス室長に届け出ることで様々な、いわゆる規制緩和みたいなことがされたというものでございます。

 こちらのほうのガイドラインもあわせて出ておりまして、この検体測定室では検診の定期受診の勧奨を求めております。また、適切な衛生管理や精度管理のあり方等についても細かな定めを示してございます。こうした中で区の判断といたしましては、検体測定室でも勧奨される検診の定期受診を中心に進めていくということで考えているということで、御答弁をさせていただきました。



○議長(前田和茂) 鈴木議員。



◆三十一番(鈴木建邦) 再答弁をいただきました。

 まず、今の糖尿病対策については、おっしゃることもよくわかります。答弁の中では定期的な検診の受診を中心にという言葉であったと思いますので、今後、中心ということは、さらに広げていく可能性があると私は思いますので、今後、簡易的な糖尿病対策・検査については是非検討していただきたいなとお願いをするところでございます。

 イスラムの観光行政については、区民部長の答弁と区長の答弁の整合性がちょっと、よくわからないところではあるんですけれども、ただ、区長があれだけ言っていただいたんで、私としてはそれで了解をしたいかなと思います。

 今後是非ですね、部長については丁寧に御答弁いただかないと私もわかりませんので、お願いをしたいと思います。

 私ども民主党区議団としては、今後も区民の大切な税金を適切に使わせていただくこと、最少の費用で最大の効果を上げて区民福祉の向上に邁進することを区民の皆様方にお誓いを申し上げまして、質問を終わります。



○議長(前田和茂) 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後六時二十一分

   再開 午後六時三十五分

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○議長(前田和茂) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 二十番小?政也議員。



◆二十番(小?政也) 私、小?政也は無所属クラブを代表して、区長に大きく六点質問させていただきたいと思います。

 質問に入る前に、一言申し述べさせていただきます。

 さきの広島市北部の大規模土砂災害で多くの方が被災され、とうとい命が奪われました。心より御冥福をお祈りいたします。

 最近の日本の気候の大きな変化により、予測もつかない事態を引き起こしています。感染症、集中豪雨など、私たちの身近な生活を脅かすことに対する日ごろからの心がけと対策を一人一人が意識し、十分に注意しながら暮らしていかねばならないと感じております。いつ何が起こるかわかりません。我々議員はもちろん、行政も様々な事態に迅速に対応していただくようお願い申し上げます。

 では、質問に入らせていただきます。

 高齢者サービスについてであります。

 まずは認知症サポートの充実についてです。

 社会保障費の伸びを抑制するのは、どの自治体でも頭を悩ませています。人口の集積する東京都内では、今後、介護や支援が必要な認知症の高齢者は急増する見通しです。推計によると、二〇一一年時点で約三十二万人に上る認知症の高齢者が、二〇二五年には一・六倍の約五十二万人に増えます。しかし、施設への入所だけに頼るには、経費と生活の質の両面から様々な問題があります。

 ちなみに、厚生労働省が先ほど発表した数値によれば、特別養護老人ホームに入所できていない高齢者は二〇一三年度五十二万人に上り、前回調査の二〇〇九年度から四年間で約十万人、二四%も増加しています。こういった状況から、特別養護老人ホームなどの施設への入所者を減らし、住みなれた自宅で生活できる環境づくりが求められています。そのためにも認知症の人を介護する家族へのサポートも欠かせませんが、自治体によってサービスに差があるのが現状です。

 介護保険制度で介護者向けのサービスが明確に位置づけされていないことも問題で、自宅で介護を続けられるように動機づけが必要と考えます。二〇一二年の総務省の就業構造基本調査によると、日本で働きながら家族らの介護をする人は二百九十万人。しかし、一一年十月から一二年九月の一年間で十万人が介護のため離職するなど、両立に難しさを抱える人が多く、介護をする人を支える仕組みづくりは急務です。

 米国では、介護をする家族らを病院や企業が支える仕組みが浸透し、多くのボランティア等の活躍により孤立を防いでいます。日本では介護休業制度を拡充する企業がようやくあらわれ始めた程度で、介護をする家庭の経済的な問題、人生設計を支える仕組みづくりは遅れています。行政の立場としては、でき得る限りのサービスを行っていこうではありませんか。

 介護者や患者の支援では、「認知症カフェ」などを設ける動きがありますが、渋谷区内では現在、このようなカフェは四カ所程度あるようです。「はつらつセンター富ヶ谷」「杜の風・上原」でそれぞれ月一回、「ケアコミュニティ・原宿の丘」「ケアステーション笹幡」ではそれぞれ週一回カフェが開催されています。いずれも同じように認知症患者、その家族、地域の方々が触れ合う場となっているようです。このようなカフェをさらに増やし、区内十一地区に配置してみてはどうかと考えます。

 桑原区長が八月十五日の区ニュースのコラムで、「はつらつセンター富ヶ谷」の「たんぽぽカフェ」の開催をごらんになったと掲載されていました。その中にも書かれていましたが、国では二〇一三年度から認知症施策推進五か年計画−−オレンジプランを初め、民間と連携し認知症に理解のあるボランティア、認知症サポーターの育成を推進し、患者の自宅での生活を後押しする制度設計を進めています。

 渋谷区では、高齢者サービスの拡充策として、人手が限られる地域包括支援センターをバックアップし、民間企業へ声かけし、認知症患者のサポートセンターを整備してみてはと考えます。センターは認知症に詳しい看護師や作業療法士、臨床心理士などを派遣する拠点となり、ケアマネジャーと連携して、介護者のケアも含め患者が自宅で生活できるプランの作成などを支援したりするのです。NPO団体、地域包括支援センター、介護士を目指す若者、民生委員、見守りサポート隊などの理解、協力を得て、米国のように企業へも介護問題の啓発活動をするなど、渋谷区でも認知症への対策を拡充していくべきと考えます。

 渋谷区内十一地区をそれぞれカバーするカフェ増設も含めて、区長の具体的なプランがあればお聞かせください。

 次に、介護予防についてです。

 医療介護総合推進法の成立により、二〇一五年度から一七年春にかけ、予防給付のうちの訪問介護、通所介護については地域支援事業へ移行することとなりました。デイサービスや訪問介護でボランティアやNPO、企業に事業を委託する仕組みが導入され、全国一律だったサービス内容や料金も地域の実情に応じて変えられるようになりました。これを機会に区としても、多くの企業や団体が介護予防の施策に参加するよう促し、様々な施策を投入していくべきと考えます。

 それには、地元地域の人的資源を活用するのがよいのではないかと思います。現在、要支援・要介護の訪問介護利用者の七割が掃除代行サービスを利用しているそうですが、例えばこの仕事をシルバー人材センターやNPO団体などへ割安に委託できれば、ヘルパーは介護に特化できるなど、より充実したサービスが可能になると思われます。民間の介護事業者と連携し、若い人への介護資格取得から働き口までをサポートすれば、社会の役に立つための雇用も創出できます。先ほどの認知症サポートの施策ともリンクさせて、高齢者総合サポートセンターのような拠点をつくってオール渋谷で多方面から高齢者サービスに取り組んで推進していけば、これからも安心して住み続けられる渋谷を目指す区政運営が実現することでしょう。区長の所見を伺います。

 次に、寄附の活用についてです。

 最近は、まち中にベンチが少ないなと感じます。駅やバス停などの周辺にあるだけです。二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの東京開催に向けて、是非ベンチを渋谷のまちに整備してほしいと考えます。税金を投入するのではなく、個人の寄附を募るのです。ベンチには寄附をしていただいた人の名前を記す、そんなやり方で、高齢化社会には必需品とも言えるベンチを是非まち中に増やしていけたらよいと思います。

 寄附の方法は、インターネットなどを使って小口資金を調達する「クラウドファンディング」を活用すれば、大勢の方から寄附が集まりやすいと考えます。鎌倉市では、クラウドファンディングで調達した百万円を使い観光案内板十基の設置を進めました。資金を出してくれた人の名前を銘板に記して取りつけるアイデアで、一口一万円で二カ月かけて百万円を集めようと募集を始めたところ、応募が殺到し、三週間で募集を締め切ったとのことでした。市観光商工課では「新たな観光基盤整備を実施するために、今回の例は、税金に頼ることなく自治体が独自に資金を集めることができることを実証した」と胸を張っており、鎌倉市では今後も活用の方法を検討しているそうです。

 八月に聖心女子大の学生が中心となって広尾散歩通り商店街で行われた打ち水大作戦、みんなで打ち水をして涼をとろうというイベントです。町会や商店街の方々と消防署も呼んで、災害時の放水訓練も兼ねていました。そのとき町会長さんが、急病人や災害発生時に担架として利用できるレスキューベンチを見せてくれました。そのベンチはドイツ製で、色はオレンジ色のレスキューカラー、脚部と座面が外れて担架に早変わり、要救護者を固定するベルト付、しかも搬送時に体がずれにくいように座面が傾斜形状になっているすぐれものでした。町会長は「ベンチとしてまち中に置いておいて、いざというときは担架に早変わりする。とても便利。区の予算で幾つか購入してみたらどうか」とおっしゃっていました。

 このベンチをまちに配置すれば、防災の観点からも非常に有効ですし、その取り組みに共感した多くの方々からの寄附も集まりやすいと考えます。桑原区長、柳澤危機管理対策部長も是非実物をごらんになってみれば、いかにすばらしいベンチか御理解いただけると私は思います。

 二〇一一年に地方自治法施行令が改正されたことで、自治体が寄附金の徴収などを第三者に委託できることになり、活用する道が開けました。鎌倉市の場合も、実際の徴収は仲介団体に委託しています。委託運営されている企業のホームページを見てみると、自分のまちをよくしたい人への働きかけを実にシンプルに発信しているデザインと内容です。もちろん、寄附した人は税額控除を受けることもできます。

 クラウドファンディングは、若年層への訴求力やSNSなどを通じた拡散力などで他の方法に比べ優位にあります。ふるさと納税の進化版と位置づけてもらえばよいと思います。クラウドファンディングは、個人が自分たちのまちを自分たちでよくしようという様々な取り組みへと発展する、有効な施策実現へとつながってゆくと思います。渋谷区が先頭になって進んでいこうではありませんか。

 クラウドファンディングで集めた資金でレスキューベンチを購入、普段はまち中や区の施設に置いて、高齢者やハンディキャッパーにもやさしい渋谷のまちとなります。災害時には担架として活躍、防災に強い渋谷のまちとなります。そして寄附していただいた方の名前をベンチに記す取り組み、二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向けて、渋谷のまちづくりの一つとして国内外に広く発信できると考えますが、区長の御所見を伺います。

 次に、「やさしい日本語」の活用についてです。

 皆さんは「やさしい日本語」を御存じでしょうか。日本で生活している外国人の方が公文書などをやさしく理解できるように、やさしい気持ちで書き換えた日本語のことです。

 「やさしい日本語」は、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。インターネットで「やさしい日本語」で検索すると、常に上位に出てくるあるサイトがあります。「やさしい日本語」を使って日本の観光地などの情報を掲載している同サイトは、日本にやってくる外国人観光客の間で「とても便利でわかりやすい」と口コミで評判となりました。今や彼ら外国人の必需品とも言える存在となって、アクセス回数はどんどん伸びているのです。

 私は同サイトを運営する若い経営者と昨年、会う機会があり、この言葉の存在を知りました。「やさしい日本語」に興味を持ち、いろいろと研究してみると、「やさしい日本語」は、地震などの災害が起こったときに有効な言葉だということがわかったのです。

 一九九五年一月の阪神・淡路大震災では、日本人だけではなく、日本にいた多くの外国人も被害を受けました。その中には日本語も英語も十分に理解できず、必要な情報を受け取ることができない人もたくさんいました。そこで、彼らが災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたのが「やさしい日本語」の始まりなのです。

 でも、日本語ではなく、英語やその国の人の言葉に翻訳してあげたほうが早いのではと思われるかもしれません。確かに、日本に住む全ての外国人が英語や中国語、韓国語を理解できればそうかもしれません。しかし、実際には様々な言語を母語とする外国人が渋谷には住んでいます。また、移民先進国のヨーロッパで公的文書を様々な言語に翻訳した時期がありました。しかし、結局、作業にかかる時間やコストが膨大なこともあり、やめてしまったのです。

 日本人と外国人の両者が英語でコミュニケーションできるようになったら「やさしい日本語」は必要ないと思われるかもしれませんが、日本がそのような社会になるにはかなりの時間が必要ですし、余り現実的ではないと考えられます。

 また、外国人が日本人と同じように文書が読めるようになるには大変な時間がかかりますし、それまでの期間も、ごみ出しなどの生活情報や、災害時の情報のように命にかかわる情報を必要としている人がたくさんいます。現状では、日本語を学ぶ機会を十分に得られない人もいます。渋谷区でもホームページをリニューアルし、英語のほか中国語、韓国語を導入したのは御存じのことかと思います。そこで、いま一歩踏み込んで「やさしい日本語」を導入してみると、多くの外国人の方に喜ばれるはずです。

 「やさしい日本語」が威力を発揮するのは災害時です。神戸市と弘前大学人文学部社会言語学研究室が共同で作成した冊子の中に、「やさしい日本語」で情報提供したものがあります。通常の日本語ですと「今日五時四十六分ごろ、兵庫県の淡路島付近を中心に広い範囲で地震がありました。気象庁では、今後もしばらく余震が続く上、やや規模の大きな余震が起きるおそれもあるとして、地震の揺れで壁に亀裂が入ったりしている建物には近づかないようにするなど、余震に対して十分に注意をしてほしいと呼びかけています」と、私たちには普通に理解できるような文章ですが、「やさしい日本語」に変えるためのルールとして、重要度の高い情報だけに絞り込む、曖昧な表現は避ける、難解な語彙を言いかえる、複雑でわかりにくい表現は文の構造を簡単にするなどがあります。ということで、先ほどの文章を「やさしい日本語」にすると、「今日、朝、五時四十六分、兵庫、大阪、などで、大きい、地震が、ありました。余震(後で、来る、地震)に、注意して、ください。地震で、こわれた、建物に、注意して、ください。この後も、注意して、ください」となります。

 横浜市などのホームページでも、「やさしい日本語」を導入しています。住民登録の仕方から国民年金、防災・防犯、仕事、税金・年金、医療・健康・福祉、妊娠・出産・育児、各種手続が全て「やさしい日本語」で案内されていて、外国人の方にとっては実に便利なホームページとなっています。一度ごらんになってみてはいかがでしょうか。

 弘前市では、「やさしい日本語」を使った避難誘導標識の設置なども行われています。そこで、渋谷区においては一歩進んだ提案です。避難誘導標識を「やさしい日本語」で表記し、その設置費用を先ほど御提案させていただいたクラウドファンディングで集めて、寄附していただいた方の名前を刻むという試みを行ってみたらよいと考えます。外国人も多く住み、世界中からビジネスや観光で外国人の訪れる国際観光都市・渋谷でありますから、こういった手法を積極的に取り入れることを提案しますが、いかがでしょう。

 「やさしい日本語」は、来日する留学生や観光客にもかなりのスピードで浸透してきており、今後、多くの自治体や企業が対応すると考えられます。同時に、渋谷区観光協会のホームページも「やさしい日本語」に対応して、渋谷を訪れる外国人に「さすが渋谷は国際観光都市。多くの場所で「やさしい日本語」が採用されている」と思わせていただきたいものです。

 また、二カ月に一度発行している「シティ・ニュース・シブヤ」も「やさしい日本語」版を発行すれば多くの外国人の方に読んでもらえると思います。

 先日、地域の方から、「やさしい日本語」で情報を伝えることは、二年後に施行になる「障害者差別解消法」の取り組みの一つにもなるのではないかと助言され、いろいろと調べてみました。内閣府のホームページには、「やさしい日本語」は速やかで正確な情報提供が可能なことから、通常時のみならず災害発生時においても大きな効果を発揮することが期待されており、全国的にも普及させる必要があると書いてありました。また、弘前大学のホームページに掲載されている「やさしい日本語の十二のルール」と、北九州で長年障がい者支援を行っている社会福祉法人北九州市手をつなぐ育成会の研究による「知的障がい者への情報提供における配慮」の内容は、ほとんど一緒でした。

 「やさしい日本語の十二のルール」に基づいて情報を伝えると、外国人の方だけでなく、障がいのある人、子どもたち、高齢者にも伝わりやすくなります。主な内容は、小学校三年生レベルの読解力があれば理解できる文章にする、難しい漢字は使わない、使用する漢字には必ずルビを振る、難しい言葉は別の簡単な言葉に置きかえる、わかりやすいが内容は大人向けにする、一つの文章はできるだけ簡潔に短くする、文章の構造はできるだけ単純にする、接続詞はできるだけ使わない、抽象的な言葉は避ける、「ナニナニしないわけではない」というような二重否定をやめる、二十四時間表記よりも十二時間表記で書く、絵、写真は理解と記憶を助けるので重要なメッセージを強調できる、発信する側が伝えたい内容をできる限り明確にすること、情報の受け手についてできるだけ知ること、文字は大きくする。十一から十二ポイント。

 東京都においては平成二十五年度、東京都防災語学ボランティア研修を実施しています。災害発生時に外国人にやさしい日本語で対応できるようにするための取り組みです。日本語学校の生徒さんを相手に実際に会話し、東京消防庁の「地震 その時十ポイント」の内容を「やさしい日本語」で説明したり、避難所注意パネルを「やさしい日本語」で作成したりということを研修では行ったようです。

 また、近所に住む外国人から「区役所から届いた手紙の内容がわからないので説明してほしい」と頼まれ、「やさしい日本語」で伝えてみるというようなことも行われ、外国人が多く住む渋谷区にも「このような日常がきっとあるだろうな」と私は感じました。

 公共の施設では、どのような人にもわかりやすい案内が大事だと思っています。「相談に来てください」と書かれてあっても、施設にたどり着かなければ相談に行くことができません。「渋谷区では、施設案内、災害時の情報伝達など「やさしい日本語」で伝えられているよ」となればよいのではないかなと私は思います。

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向けてのおもてなしのやさしい心、特に世界中のパラリンピアンやその御家族、関係者の方々へ「やさしい日本語」での対応を渋谷区ではまちを挙げて行っていることを、世界中に発信していく、これほどすばらしい取り組みはないのではないかと私は思います。

 やさしい日本語の活用について、区長の所見を伺います。

 次に、受動喫煙防止についてです。

 分煙設備について。

 渋谷区では、二〇一四年度から区立公園を禁煙または分煙化する運用に踏み出しました。児童遊園地や三百平方メートル未満の小規模公園は全面禁煙、残りの公園は、つい立てなどで仕切った禁煙スペースを置いて分煙とする取り組みです。

   〔「喫煙」の声あり〕



◆二十番(小?政也) 喫煙スペースを置いて分煙とする取り組みです。

 ただ、地域では様々な御意見を頂戴しています。進め方を丁重に行い、時間をかけて地域に御理解を得ていただきたいと思います。

 さて、渋谷駅周辺地域や恵比寿駅周辺地域では、区の設置した喫煙スペースは常に満員御礼といった感じです。ビジネスでやってくる方、電車やバスに乗って訪れる観光客、様々な来街者で賑わう渋谷のまちでありますが、喫煙者も多く、まち中で喫煙スペースの拡充が求められます。駅周辺ではオフィスビルから、昼休みともなればそこで働く多くの従業員が区の分煙スペースを利用し、煙がもくもくと、私も近くを通る際には副流煙で目が沁みたり、息を止めて通行したりしています。

 渋谷駅再開発が始まりました。多くのオフィスビルやホテル、住宅が相次いで建設され、来街者がさらに増え、分煙スペースはどうしたって足りなくなるので、区としての対応をしなければならないと考えます。

 千代田区は、十人以上利用できる公道に面した場所などの喫煙所設置費用を五百万円まで補助しています。二〇一四年度は千九百万円の予算措置をしていて、今後は助成条件の緩和も検討しているとのことです。練馬区でも同様の助成により、民間が喫煙所を設置した事例があります。港区でも、無料で一般開放することなどを条件に上限五百万円の助成制度を設けました。私は、千代田区と同様に、民間が屋内喫煙所を設ける際に区として助成をしたらどうですかと、平成二十三年九月議会において質問させていただきました。その際、区長からは「この問題は避けて通れないところであり、本区としても、企業、まちの方々とも連携をしながらこの問題の解決に努めたい。受動喫煙防止のため、きれいなまちづくり推進協議会で、どういうふうに取り組んでいくことがいいかお互いの意見を交換したり、あるいはすばらしい提案をいろいろやっていただくと、そういうような意義のある今日的な課題の解決に役に立つような、そういうような会議に切りかえていきたい」と答弁をいただきました。

 渋谷駅街区の再開発が、今まさにスタートしています。恵比寿駅前においても、西口ロータリーの広い敷地に大型の商業施設建設が決まったようです。ちなみに、渋谷ヒカリエの八階には喫煙設備が設けられています。民間の事業者も受動喫煙問題には取り組む下地はできていると思います。ヒカリエ同様に、これから駅周辺にできる商業ビルに屋内喫煙設備を設置するよう働きかけ、他区で行っている助成も検討するタイミングは今かと思います。

 また、当時、私が渋谷区きれいなまちづくり推進協議会同様に、行政と事業者連絡会議という集まり、これも年一度だけのようなので、もっと会合を重ね、せっかく施行した条例を形骸化せぬよう目に見える形で前進してくださいと質問させていただきました。現在ではどうかというと、きれいなまちづくり推進協議会は相変わらず年一回、行政と事業者連絡会議は行われなくなってしまいました。

 受動喫煙問題、喫煙設備設置等については、渋谷区議会でも今まで複数の会派で議論となっています。今こそ区と事業者、そしてきれいなまちづくり推進協議会が一体となり、この受動喫煙防止問題に積極的に取り組む機会と考えます。二〇二〇年は東京五輪・パラリンピックもある。渋谷も恵比寿も多くの国内外の観光客で賑わい、喫煙所問題は、区長がおっしゃったように避けて通れない問題であります。きれいなまちづくり協議会の開催頻度を高め、この問題に取り組んでいただきたいと考えますし、もちろん、桑原区長のことですから、日ごろから事業者には誰もが利用できる喫煙所設置については強くプッシュされていることとは思いますので、彼らが公共のために事業者負担で設置してくれれば言うことはありません。

 また、渋谷駅前は世界的にも有名な観光スポットであり、多くの外国人が記念撮影も行うスクランブル交差点があります。待ち合わせも多く、これまで世界的に有名なハチ公像もあります。渋谷区観光協会案内所もあり、賑わっています。そして、ハチ公のお隣には巨大な分煙スペースがありますが、ローマのスペイン階段広場、ロンドンのトラファルガー広場やパリの凱旋門に行政お墨付きの分煙エリアがないように、多くの外国人が訪れる観光スポットが煙もくもくというのは余りよくないと思います。二〇二〇年に向けて、渋谷駅周辺の分煙スペースの撤去または縮小も是非検討していただきたいと考えますが、助成金の件と、このこともあわせまして区長の御所見を伺います。

 次に、区民サービスについてです。

 スマートフォンの急速な普及に伴い、最近、首都圏の自治体が独自にスマホ向けアプリを配信しています。保育所の空き情報やごみ分別など特定の生活情報に特化した内容が特徴です。ホームページや広報紙に比べ素早く確認でき、外出中などでも手軽に使える利点があります。今後もスマホの普及が進めば、自治体の情報提供のあり方を変えつつあるとも思われます。

 所沢市や横須賀市では、ごみ分別の方法を知らせるアプリの配信をしています。スマホの利点は簡便性。所沢市のごみ収集日を調べる場合、市のホームページでは複数のページをたどって目的の情報を探さなくてはいけませんが、アプリの場合は、住む地域を初期登録しておけば起動するだけで収集日があらわされる仕組みです。横須賀市のものは、ごみ分別のキーワード検索で約七千語に対応していて「革製ランドセルは可燃ごみ」などの分別に迷うごみも、その場で答えがわかります。ごみ処理施設に直接持ち込む場合の地図や電話番号も確認できます。しかも開発した会社は、アプリの自治体での実績を他の営業に生かすために無償開発したようです。

 千葉市では昨年度から、ちば市民協働レポート実証実験、通称「ちばレポ」を実施、千葉市内で起きている様々な課題、例えば道路が傷んでいる、公園の遊具が壊れているといったような地域での困った課題、これらをICT、情報通信技術を使って市民がレポートや現場写真を送ったりすることで、市民と市役所、行政、市民と市民の間でそれらの課題を共有し、合理的、効率的に解決することを目指す仕組みです。今後は登録者に草刈りや清掃を依頼できる機能を追加し、行政と市民が協力するまちづくりにアプリを活用する狙いとのことです。

 渋谷区では現在、渋谷区観光協会が運営するアプリ「あいりっすん・ナビ」があります。渋谷区の主要スポットにて情報をキャッチするスマホアプリです。先進自治体を目指す渋谷区において、情報をキャッチするのは行政運営に欠かせません。そのような視点で、区民と行政が双方向で課題を効率的かつスピーディに解決することを目指そうではありませんか。観光協会でスマホアプリの運用を行っているのでありますから、渋谷区本体においても是非とも導入していきましょう。区長の御所見を伺います。

 最後は、子育て施策についてです。

 渋谷区では、放課後クラブを全区立小学校で開催しています。四月一日現在の登録者数は三千三百十三人、保険料等はかかりますが、基本的には無料です。他の自治体では定員を超える待機児童もあるようですが、渋谷区ではそのようなケースはなく、区の子育て施策の充実がうかがえ、高く評価するところであります。

 一方、障がいを抱える子どもたち向けの放課後の受け入れ態勢ですが、渋谷区では現在、臨川、神南、富谷、幡代、本町学園において特別支援学級があり、それぞれ放課後クラブを開催しています。各校に通っている児童が利用しており、現在三十二名の登録者があると聞いております。

 それとは別に、「よよこ〜クラブ」など区内に四カ所、児童福祉法に沿った施設が運営されており、区では四分の一の負担をしています。十名ほどの定員に対して枠を超える申し込みがある施設もあるようで、需要が拡大していると見られています。

 障がいを持つお子さんを育てる親御さんたちのニーズに応えるためにも、今後、施設の拡充を提案します。国や都とも連携し、是非行っていただきたいと思います。区長の御所見を伺います。

 以上、それぞれ御答弁よろしくお願いいたします。



○議長(前田和茂) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 無所属クラブ、小?政也議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと存じます。

 最初に、「認知症カフェ」をさらに増やし、あるいは認知症患者のサポートセンターを整備し、認知症対策を拡充してはというお話であったと、このように思います。

 認知症サポートの充実につきましては、先ほど渋谷区議会公明党、久永議員の代表質問にお答えしたとおりでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

 既に民生委員や見守りサポート協力員の、あるいは認知症サポーターの皆さんの活動によってこれを運営しているところでございまして、心の安らぎや相談の場としてカフェを考えたいと思っているわけでございますけども、この認知症のカフェの増設は行政がやっているということでなくて、ボランティアの主導的なやり方、それによってやってきたところでございますから、渋谷区はそのことについては誘導していくという対応で、それぞれ場所を考えながら、できるところから考えてみたい、このように思います。

 次に、介護予防についてということで、認知症サポート施策とリンクさせて「高齢者総合センター」のような拠点をつくってはどうかというお話でございました。

 認知症の問題は、一方では医療分野の問題であり、他方では介護のあり方に関する問題でございます。御質問の介護人材の育成については一元的に国と都が取り組むべき課題であると考えますけれども、区としても、介護職員育成のための講習を実施をし、資格を取得するための補助制度などをやってまいりましたけれども、人数を得られない、人が集まってこないというようなことがございます。したがいまして、今後は専門学校等のこの対応をお願いをする必要があろうかと、このように思っているところでございます。

 区では地域包括支援センターの拡充など、高齢者に対するサポートを強化しているところでございますけれども、高齢者総合サポートセンターについては特段考えておりません。さらなる支援については渋谷区地域包括支援システム検討会の中で検討していただき、その結論を待ちたい、このように思っているところでございます。

 次に、レスキューベンチということの御提言をいただきましたし、また、そのための寄附募集による設置費用の調達についても御提言をいただきました。

 このまち中にベンチを設置することは、歩行空間を十分に確保するため歩道の拡幅が必要となるなど、道交法の関係あるいは道路管理者である区と警察の協議が不可欠であり、実現にはなお課題があろうかと思っております。

 災害時におきます人の搬送につきましては、自主防災組織において消防のこの御協力をいただきながら、毛布や物干しざお等、身の回りのものを活用しながら即製の担架をつくるなど、様々な状況の中で臨機応変に対応できるよう訓練を受けているところでございます。

 御提言のインターネットを活用しての寄附の募集につきましては、善意の寄附徴収に委託料等の費用が発生することや、個人情報の保護等の課題がありますので、御意見として受けとめさせていただきたいと存じます。

 「やさしい日本語」の活用につきましては、企画部のほうから御答弁をさせていただきたいと存じます。

 それから、受動喫煙の防止についてでございます。

 これまでも区は、きれいなまちづくり推進協議会と御連携をさせていただいて、この受動喫煙防止問題に取り組んでまいりました。一方では、開発事業者に対して渋谷駅周辺を初めとする区内各所の再開発において、来街者を初めとする歩行者がこの受動喫煙にならないように、地域貢献として喫煙スペースを設置することを強く要請をしてまいりました。引き続き開発事業者の協力を得て分煙設備を設置をしたい、このように考えております。

 他方、分煙スペースの撤去につきましては、この撤去後の代替手法のない現状があるため、来街者の迷惑にならないよう、駅周辺再開発に伴う事業者による施設内喫煙所の整備の状況を見つつ判断をしてまいりたい、このように思っております。

 次に、区民サービスについてということで、区民向けサービスアプリを導入してはどうかという御提案でございました。

 このことについては、区のホームページに関しまして公明党の久永 薫議員にお答えをしたとおり、スマートフォン用のサイトを作成し、区の情報を容易に得られるように改修をしたところでございます。議員が自治体が導入したアプリの例として挙げられましたごみ収集日やごみの品目別一覧、あるいは資源とごみの正しい分け方、出し方のパンフレットも、スマートフォン用のサイトから容易に確認できるようになっております。

 また、議員の御提言の区民と役所の双方向で課題解決できるアプリについてでございますが、区では、区民の皆様方から各担当所管に直接電話をいただくほか、メールでも要望をいただいて対応しているところでございます。このことは、区民の皆様と課題を共通して解決する有効な手法と考えており、新たなアプリの導入については今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。

 最後に、子育て施策について、この障害のあるお子さんを育てる保護者のニーズに応えるため、施設拡充についてのお尋ねであったと思います。

 渋谷区では、これまで障害者のための児童デイサービスを行ってきた「デイサービスなかよし」が、今年度より児童福祉法に基づく放課後等デイサービスの指定を受けました。放課後等デイサービスは、小・中・高等学校に就学している障害児に授業の終了後または休業日に施設に通わせ、生活能力の向上のため必要な訓練、社会との交流の促進等の療育を提供するものでございます。児童福祉法に基づくサービスであるため、原則一割の利用者負担があるものの、国が二分の一、都と区で四分の一ずつ費用を負担をしているところでございます。

 放課後等デイサービスは平成二十四年度から開始したサービスでございますが、区内の放課後等デイサービスの事業所も四カ所に増えております。今年度においてはNPO法人が運営する「デイサービスなかよし」のほかにも、株式会社や社会福祉法人が運営する放課後等デイサービスが開設されつつあります。このような民間の力により、次々サービスが拡大されているところでございます。

 区といたしましては、発達障害の対応のためには早期発見、早期療育が必要であると考え、まずは「はぁとぴあキッズ」の拡充により未就学児童の早期支援に力を入れ、学齢期の児童につきましては民間事業と連携しながら支援してまいりたいと存じます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(前田和茂) 浅川企画部長。



◎企画部長(浅川和憲) 区の避難場所標識等を「やさしい日本語」で表記し、その設置費用をクラウドファンディングで集めて寄附した方の名前を刻むという御提案と、「やさしい日本語」での対応、活用についてのお尋ねでございます。あわせてお答えをさせていただきたいと存じます。

 本区では、国際文化都市・渋谷として外国人に配慮した行政情報を伝えるため、区のホームページでは英語など四カ国語により区政の情報をわかりやすく提供しているところでございます。また、区の施設案内である公共ガイドサインや災害時の公共施設案内板は、英語と日本語により表記しているところでございます。

 一方、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会に向けて、国の行政機関や特別区を含む地方自治体、民間団体、企業等から構成される多言語対応協議会が設置され、表示や標識等の多言語対応について連携、協働して取り組むこととなっているところでございます。

 御提案の「やさしい日本語」の活用につきましては、このような動向を踏まえ、よりわかりやすい区政情報を発信するため、一つの方法として今後の参考とさせていただきたいと存じます。

 以上、答弁といたします。



○議長(前田和茂) 小?議員。



◆二十番(小?政也) 御答弁ありがとうございました。

 認知症サポートについては、まさに民間や地域を誘導していくという方針をこれからも続けていけたら問題解決に邁進できると思いますので、是非推し進めてください。

 それから、「やさしい日本語」についてですけれども、恐らく今後、スタンダードな情報発信や掲示の中心になると確信しておりますので、積極的に研究していっていただきたいと思います。

 それから介護予防等については、検討会の中で検討していくのでその中身を見守りたいということでありますので、私もそれを心待ちにして、どのような内容のものが出るのか楽しみにしております。

 我々無所属クラブでは、いつも行政への提言スタイルということで、四人でいろいろ現場で知識を吸収し、そしてみんなで話し合って行政側へ働きかける内容で質問しておりますので、これからもそういったスタイルをまた貫いていきたいと思います。

 今日は遅い時間までありがとうございました。



○議長(前田和茂) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(前田和茂) お諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から十月二十三日までの二十九日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は二十九日間と決定いたしました。

 日程第二を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第二 副議長選挙の件

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○議長(前田和茂) これより副議長選挙を行います。

 お諮りいたします。

 選挙の方法については、地方自治法第百十八条第二項の規定に基づき、指名推選によることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、選挙の方法は指名推選によることに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 指名の方法については、本職より指名することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本職より指名することに決定いたしました。

 副議長に沢島英隆議員を指名いたします。

 お諮りいたします。

 ただいま指名いたしました沢島英隆議員を副議長選挙の当選人と定めることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、ただいま指名いたしました沢島英隆議員が副議長に当選されました。

 会議規則に基づき、沢島英隆議員に対し副議長当選の告知をいたします。

 沢島英隆議員を御紹介いたします。

 五番沢島英隆議員。



◆五番(沢島英隆) ただいま副議長の大任を拝しました沢島英隆でございます。

 議長をお支えし、円滑な議会運営ができますよう努力してまいりますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。



○議長(前田和茂) お諮りいたします。

 庁舎問題特別委員の辞任に伴う欠員補充のため、委員一人の選任をいたしたいと思いますが、これを急施事件と認め、日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、議題とすることに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま日程に追加した件については、日程の順序を変更し、直ちに議題とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、日程の順序を変更し、直ちに議題とすることに決定いたしました。

 追加日程第一を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△追加日程第一 庁舎問題特別委員一人選任の件

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○議長(前田和茂) 本件につきましては、同特別委員辞任に伴う欠員補充のため、委員一人の選任を行うものです。

 本件につきましては、本職から指名することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、直ちに指名いたします。

  広瀬 誠議員

 以上のとおり指名いたしました。

 被指名者を庁舎問題特別委員に選任することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、さよう選任することに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 五輪・パラリンピック対策特別委員の辞任に伴う欠員補充のため、委員一人の選任をいたしたいと思いますが、これを急施事件と認め、日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、議題とすることに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま日程に追加した件については、日程の順序を変更し、直ちに議題とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、日程の順序を変更し、直ちに議題とすることに決定いたしました。

 追加日程第二を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△追加日程第二 五輪・パラリンピック対策特別委員一人選任の件

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○議長(前田和茂) 本件につきましては、同特別委員辞任に伴う欠員補充のため、委員一人の選任を行うものです。

 本件につきましては、本職から指名することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、直ちに指名いたします。

  植野 修議員

 以上のとおり指名いたしました。

 被指名者を五輪・パラリンピック対策特別委員に選任することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、さよう選任することに決定いたしました。

 日程第三を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第三 議会運営委員一人選任の件

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○議長(前田和茂) 本件につきましては、議会運営委員の欠員を補充するものであります。

 議会運営委員一人につきましては、本職から指名することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、直ちに指名いたします。

  栗谷順彦議員

 以上のとおり指名いたしました。

 被指名者を議会運営委員に選任することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、さよう選任することに決定いたしました。

 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後七時二十三分

   再開 午後七時三十二分

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○議長(前田和茂) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 休憩中、五輪・パラリンピック対策特別委員会及び議会運営委員会が開会され、副委員長互選の結果についてそれぞれ報告がありましたから、その氏名を発表いたします。

 五輪・パラリンピック対策特別委員会副委員長、鈴木建邦議員。

 議会運営委員会副委員長、栗谷順彦議員。

 以上のとおりであります。

 日程第四を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第四 常任委員の所属変更の件

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○議長(前田和茂) 本件につきましては、お手元に御配付のとおり、各常任委員からそれぞれ委員会の所属を変更されたい旨の申し出がありました。

 お諮りいたします。

 本件につきましては、それぞれの申し出のとおり常任委員会の所属を変更することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本件はそれぞれの申し出のとおり常任委員会の所属を変更することに決定いたしました。

 日程第五を議題に供します。

   〔藤田次長朗読〕

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△日程第五 地方税財源の拡充に関する意見書

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○議長(前田和茂) 提案理由の説明を求めます。

 二十六番木村正義議員。



◆二十六番(木村正義) ただいま議題となりました地方税財源の拡充に関する意見書の提案理由を説明させていただきます。

 意見書(案)の朗読をもって提案理由の説明にかえさせていただきます。

 地方税財源の拡充に関する意見書(案)。

 地方自治体が住民福祉の向上を図り、充実した住民サービスを提供するためには、安定した地方税財源の確保が必要である。

 しかし、国は、平成二十六年度税制改正において、地方法人特別税、地方法人特別譲与税を存続するとともに法人住民税の国税化を導入した。さらに、今後は、法人実効税率の引き下げの動きも見られる。このような措置は、地方自治体の歳入構造に多大な影響を与えるものであり、特に法人事業税及び法人住民税に歳入の多くを依拠する東京都においては、及ぼす影響の度合いも深刻なものがある。

 渋谷区において各施策を推進していく上で、東京都との連携は欠かすことができず、東京都の財政の不安定化は、渋谷区にとっても看過できないものである。

 特に、都区財政調整制度において多額の法人住民税、固定資産税を負担している渋谷区にあっては、東京都を含めた地方税財源の健全化、安定化を強く望むものである。

 よって、渋谷区議会は、国会及び政府に対し、地方法人特別税、地方法人特別譲与税及び法人住民税の国税化を直ちに撤廃し、地方が担う権限と責任に見合う地方税財源の拡充を図るよう要請する。

 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

 なお、提案者は沢島英隆議員、薬丸義人議員、五十嵐千代子議員、芦沢一明議員と私、木村正義の五名の議員であります。

 提出先は、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣宛てであります。

 何とぞ御賛同をいただきますようお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。



○議長(前田和茂) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 本件については、討論の通告がありませんでした。

 これから日程第五を採決いたします。

 本件は原案のとおり決定することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は原案のとおり決定されました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明九月二十六日午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後七時三十八分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   前田和茂

渋谷区議会議員   佐藤真理

渋谷区議会議員   芦沢一明