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東京都 渋谷区

平成16年  6月 定例会(第2回) 06月10日−05号




平成16年  6月 定例会(第2回) − 06月10日−05号










平成16年  6月 定例会(第2回)



          平成十六年 渋谷区議会会議録 第五号

 六月十日(木)

出席議員(三十四名)

  一番  前田和茂         二番  奈良明子

  三番  小林清光         四番  松岡定俊

  五番  沢島英隆         六番  栗谷順彦

  七番  芦沢一明         八番  金井義忠

  九番  薬丸義朗         十番  平田喜章

 十一番  東 敦子        十二番  水原利朗

 十三番  丸山高司        十四番  岡本浩一

 十五番  伊藤毅志        十六番  吉野和子

 十七番  古川斗記男       十八番  伊藤美代子

 十九番  鈴木建邦        二十番  長谷部 健

二十一番  牛尾真己       二十二番  森 治樹

二十三番  新保久美子      二十四番  五十嵐千代子

二十五番  木村正義       二十六番  齋藤一夫

二十七番  染谷賢治       二十八番  座光寺幸男

二十九番  広瀬 誠        三十番  植野 修

三十一番  小林崇央       三十二番  岡野雄太

三十三番  苫 孝二       三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          星宮正典

    総務部長          山内一正

    区民部長          菊池 淳

    福祉部長          池山世津子

    厚生部長          松崎 守

    保健衛生部長        上間和子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          三浦惟正

    環境清掃部長        田中泰夫

    安全対策本部長       佐戸幸弘

    防災担当部長        柴田春喜

    都市基盤整備調整担当部長  小笠原通永

    教育委員会委員長      原 秀子

    教育委員会教育長      足立良明

    教育委員会事務局次長    北村奈穂子

    選挙管理委員会委員長    石井治子

    選挙管理委員会事務局長   坂井正市

    代表監査委員        倉林倭男

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事務局職員

事務局長  諸岡 博  次長    小湊信幸

議事係長  倉澤和弘  議事主査  松嶋博之

議事主査  岩橋昭子  議事主査  鈴木弘之

議事主査  中山俊幸  議事主査  宮本 勇

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   平成十六年第二回渋谷区議会定例会議事日程

            平成十六年六月十日(木)午後一時開議

日程第一   議案第三十号 渋谷区の一般職の任期付職員の採用に関する条例

日程第二   議案第三十一号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第三   議案第三十二号 渋谷区印鑑条例の一部を改正する条例

日程第四   議案第三十四号 渋谷区防災従事者損害補償条例の一部を改正する条例

日程第五   議案第三十三号 渋谷区プールの衛生に関する条例の一部を改正する条例

日程第六   議員提出議案第十号 渋谷区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第七   議案第三十五号 平成十六年度渋谷区一般会計補正予算(第一号)

日程第八   議案第三十六号 上原中学校改築工事請負契約

日程第九   議案第三十七号 水無橋架替工事協定の締結について

日程第十   議案第三十八号 特別区道路線の廃止について

日程第十一  議案第三十九号 特別区道路線の認定について

日程第十二  議案第四十号 特別区道路線の認定について

日程第十三  報告第二号 平成十五年度渋谷区一般会計予算繰越明許費の繰越しの報告について

日程第十四  報告第三号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について

日程第十五  報告第四号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について

日程第十六  報告第五号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について

日程第十七  報告第六号 財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について

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   開議 午後一時

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○議長(丸山高司) ただいまから本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、十七番古川斗記男議員、二十番長谷部 健議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔諸岡事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は前回報告のとおりであります。

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十六特人委給第三十二号

   平成十六年六月九日

 渋谷区議会議長 丸山高司殿

             特別区人事委員会委員長 北本正雄

   「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)

 平成十六年六月二日付渋議発第十号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。

              記

議案第三十号 渋谷区の一般職の任期付職員の採用に関する条例

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○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 二十八番座光寺幸男議員。



◆二十八番(座光寺幸男) 私は、社会区民連合を代表して質問をいたします。

 質問に入る前に一言申し上げたいと思います。

 昨年四月には統一地方選挙が行われました。渋谷区長並びに区議会議員の選挙が行われまして、区長には余り飾らない中に、素朴な誠実な人柄の桑原敏武さんが区長に選ばれましたことにお喜び申し上げます。本当によかったと思います。

 そして、私たち区議会では一議席を残念ながら失いましたが、昭和四十六年以来、友情を培ってきました吉野さんが当選され、私もともに議席を得ることができまして、大変ありがたいことと思っております。

 昭和四十六年と言えば、革新美濃部都政第二期目の希望と期待感の中で、女性候補が渋谷区全体を勇ましく疾駆して、美声の中にも情熱を込めた運動が広く区民の方に認められ、第一位当選。五千四百四十三票、その偉業はいまだに破られない成績でありました。考えると、今、私たちはそれから九回、たった二人の会派になりましたが、愚痴ではありませんが、狭いながらも楽しい、自由な我が会派部屋。部屋まさに「陋」なりといえども、渋谷区政の適切な堅実な将来と、区民の生活の充実に向かって、誇りある見識と実践をもってこたえていきたいと思っています。

 また、そんな中で懐かしく思い出されるのは、昭和四十六年誕生した十五名の同期生です。村山保太郎さん、吉田茂夫さん、桜井為則さん、吉川庄一さん、高根沢吉正さん、杉本兼吉さん、染谷賢治さん、豊浦 学さん、後藤 恒さん。そして伊藤長栄さん、三橋勝朗さん、橋本一郎さん、土屋和男子さん。さらに我が会派の座光寺幸男と吉野和子さん、御一緒によく財政のかなめである都区財政調整の勉強会を、講師を招いて行ってきたところです。また、宿泊研修を行うなど、楽しい、実のある同期会を持ちました。その名は若葉会と申します。

 そうした中で、突如、橋本一郎君が逝去したときは、村山保太郎議長とともに、当時副議長の私も手を取り合って、涙ながらの別れを惜しみました。橋本さんというのは、要するに根性もありましたけれど、非常に話のわかる方ですね。将来はいい友達だなというように思っていたのが突如亡くなった。その悲しみは今でも忘れません。

 特に、私たちは、橋本さんが逝った後、今、村山保太郎さん、吉田茂夫さん、桜井為則さん、吉川庄一さん、高根沢吉正さん、染谷賢治さん、豊浦 学さん、三橋勝朗さんは元気でおりますが−−笑うと失礼ですよ−−今区議会の中では、吉野さんと私、そして染谷賢治さんの三人であります。それで、今私たちは、やはり同期生としての交わりを深く持っているわけでございます。

 特に、私たち区議会の運動と闘いは、昭和二十七年、二十三特別区には、都の内部団体として都の支配下に置かれ、区長公選制も民主的な区民の投票権も奪われ、議会選任制になり、いわんや財政権もなく、地方の自治権が全くというほど失われたわけでありますが、議会での活動の主眼は、自治権確立と区長公選制実現の運動でありました。議会内では、自治権確立特別委員会が結成され、議会の呼びかけによる、広く区民的に自治権確立期成連盟が昭和三十三年結成され、国、自治省や東京都に対して、執拗な遅滞なき運動が繰り広げられたのであります。

 昭和四十九年五月十七日、五月二十二日、衆議院、参議院を通過した特別区の区長公選制が住民の手に帰り、二十三年ぶりに実現できることは、本当に喜ばしいことでありました。ただ、これらの課題は、事務事業と必要な財政がまだ獲得されておりませんので、これを獲得することであります。そして、区長公選は昭和五十年の区議会議員選挙と同時に行われることになりました。

 また、自治権獲得の運動は前向きに取り組まれ、ついに平成十年五月に地方自治法が改正され、基礎的自治体となりました。また、都・区の事務と財政的関係も、平成十二年四月に制度改革が行われました。まさにこの時期を顕彰するのは、平成十四年、区制施行七十周年であり、先輩議員さんの英知と行動の黙示録でありました。

 私たちは、昭和四十六年度からのわずかな期間でありましたが、先輩議員さん方の自治権確立、区長公選実現という大義を持った運動と闘いぶり、行動の指針を明示されたことに感謝申し上げ、また、将来の議会活動に大いに参考にさせていただいたわけであります。

 今、桑原区長は、多くの区民の信任と負託を受けながら、本区に桑原区長が誕生して以来、はや一年を経過したところであります。この間、桑原区政が国の三位一体改革による国庫補助金の削減など、新たな財政課題を抱えつつも、区民福祉を進展させるとともに、行財政改革に努められ、効率的に区政を運営されていることを心強く思うものであります。

 さて、平成十六年度当初予算は、桑原区政にとって初の予算編成でありましたが、新たな実施計画を発表され、さきの計画を継続しつつも、新たな施策展開を大胆に図っておられるなと感じました。予算規模は八百五十二億三千三百万円で、前年度に比べ百十一億七千七百万円、一五・一%と二十三区一の伸びでありましたが、現在、本区が取り組むべき重点課題について、積極的に取り組まれた結果だと思います。

 高齢者施策では、痴呆高齢者のグループホーム整備、高齢者グループリビングの設置あるいは公衆浴場を活用した介護予防ひろば事業の実施などがあり、障害者施策では障害者保健福祉計画(第二次)を策定され、区内初の入所施設等の整備検討を進められるほか、多様な保育ニーズに対応するため、区独自施策を加味して認証保育所やスポット延長保育の導入等、多くの新規施策のほか、国民健康保険事業会計においては、今日の厳しい社会状況等を考え、保険料の料率を据え置くなど、区民本位の施策が次から次へと打ち出されております。

 次に、財政内容に目を転ずれば、一時は底をつくと思われた基金の残高は、都市整備基金と財政調整基金とを合わせて、十六年度末見込みは約三百三億円で、二十三区中六番目に多い区と聞き及んでおります。

 一方、起債残高は十六年度末見込み約三百三十二億円で、二十三区中五番目に少ない区だそうであります。

 このように、これまでの財政運営が適切に行われてきたことに敬意を表しつつ、一方で気がかりなのは、区長が冒頭発言された今後の三位一体改革の区財政への影響についてであります。当区は所得の高い人が多いので、税率が一〇%に一本化されると、区税は減収になり、私もこれは忌まわしきことになるのではないかと危惧しております。財政危機を何とか乗り越えた当区にとって、また新たな課題の発生でありますが、今後、区長、区議会等、連携して対応する必要があると思います。このような新たな財政問題が生じつつある中で、もう一つ懸念事項があります。本題に入らせていただきます。

 それは都市計画道路整備事業における道路整備費についてであります。

 本事業における平成十六年度当初予算は、歳出予算が七億九千六百八十五万七千円で、歳入は国庫補助金七千七百万円、都補助金一億三百七十一万二千円、区の負担分は六億一千百八十七万九千円であります。新年度に入り、国から五億九千三百四十五万円の内示があり、その増額分を今議会に補正予算として提案されております。

 この国庫補助金が増えた理由は、国の三位一体改革における地方道路整備臨時交付金の運用改善に基づくものだと聞いておりますが、補正後の事業費は十三億二千六百三十八万八千円、財源として国庫補助金五億九千三百四十五万円、都補助金一億五百六十七万四千円が交付されて、区の負担金は最終的に六億二千七百二十六万四千円になります。

 この区の負担金については、次年度以降四年間で財調措置されていますが、本区の場合、基準財政収入額が基準財政需要額を上回っているので、結果としては持ち出し財源になっております。ですから、都市開発問題におけるところの道路整備事業については、しばらく一考する必要もあるんじゃないかと思います。

 そこでお伺いいたしますが、財調ももらえず六億円の負担をするということは、いかにも財政負担が大きく、考える時期に来ていると思います。

 私は、渋谷区土地開発公社という附属機関に、評議員として昭和六十三年六月二十三日から今日まで、ずっと委員を続けていますが、都市計画道路の収得が財政上の納付を縮小する意味で、必要と思って歓迎してきたところでありますが、財調上措置されず、区の負担となることはいかがなものかと、心配なのでございます。区長のお考えはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に、補助第十八号線についてお伺いいたします。

 都及び特別区で、区部における都市計画道路の整備方針が策定され、その中に補助第十八号線が含まれております。この地域は、再開発の機運もあり、地元要望もあると思いますが、これから財政状況が危惧されるこの時期に、区長はこの路線に新たに着手されるのかどうか、お伺いいたしたいと思います。

 続きまして、障害者福祉についてのお尋ねをいたします。

 障害者福祉施策におきましては、区長が昨年の四月に第二次の障害者計画策定のための作成委員会を立ち上げ、そこで検討結果やパブリック・コメントによる区民の意見などを尊重し、本年三月末に第二次の障害者保健福祉計画を作成したことは承知いたしております。

 さきの第一回定例会の中で、区長は、今後の障害者施策は、「尊厳の保持」と「共生社会の実現」との二つの基本理念として挙げ、この二つの理念を計画の基本に据え、住みなれたまち、渋谷で安心して暮らし続けるための事業を推進すると答弁なされています。

 この第二次の障害者保健福祉計画の中身を拝見しますと、その区長の言葉のとおり、まずは安心して暮らし続けるための施策として、区内に障害者の入所施設やグループホームの整備などが計画されており、さらにはデイサービスや就労支援センターの充実など、日中の活動の場の整備、あるいはかねてより障害者からの要望が強かった障害者の総合相談窓口を設置するなど、従来の政策より、まさに一歩踏み出した内容であり、高く評価するところであります。今後は、是非その経過に沿った施策の実施に期待いたすところであります。

 ところで私は、かねてより障害者の自立について思うところがあります。人は働き、収入を得て、日々の生活を営む、このことは当然のことであります。昨今は就職難で就労することが難しい時勢ではありますが、基本的には就労は義務であり、権利でもあるわけであります。障害者につきましても、就労し、賃金を得て自活することは当然なことであります。また、そうできるシステムが社会の中になくてはならないと思うわけであります。

 しかしながら、現実には障害の重い方が一般企業へ就労することはなかなか難しく、多くの方は民間の福祉作業所において、軽作業を行いながらその収益の中から賃金を得ているわけですが、その額たるやとても生活できる金額ではないと聞いております。

 そこで私は、障害者に安心して働ける仕事場と、生きがいを持たれ、喜んでもらえるお仕事、そして収入の保障、この三つの願いを生かすために何があるのか、何ができるのか、非常に難しい問題ですが、労働力の強さを求めない、やさしいお仕事を視野に入れて考えるとき、景観、美観上の立場から渋谷のまちに、「花いっぱい」、花に囲まれたまちづくりの創設と、その花等の生産拠点を区によって設けてもらいたいと思います。

 この花等の生産は、ハウス栽培によって、作業は障害者やお年寄りの手づくりによって、一個一個丁寧に植えて、種まきや球根、そこから芽が出てくる、茎になる、葉も出て花が咲く。さらに、花となった植栽の成果は、区の施設関係では区に全部買い上げていただき、また四季折々の花を植え替えていく。私は渋谷区が持つ緑化基本計画に基づく緑化推進は、区の重要な施策の柱となっていることは、よく承知しております。歴史や文化を高めるための神社仏閣に特色のある緑の質の向上を図り、地域性を考慮した緑の創出を図り、また区の景観計画に基づき、渋谷らしさの骨格的な構造を生かし、区がはぐくんできた文化性や歴史を踏まえ、質の高い都市景観を創出し、魅力ある、潤いのあるまちの形成を目指していくと、緑化計画では結んでいます。

 これは本当に正しいと思います。そして非常に生意気な私の美術観を押しつけるわけではありませんが、緑は確かに人間の気持ちの中に安らぎと潤いを与えてくれます。山野の自然の姿を都市に置き替えて、心の落ち着きを与えてくれます。花はまた自然の中に明るさをもって、周りを鮮明に生き返らせて、活力をよみがえられてくれます。鮮やかな中にも情熱を感じさせます。

 緑という東洋的な聖なる思考と、西洋的な洋なる対象は、ともにコントラストとして調和できると思います。例えば、街路樹間のパンジー、チューリップ、スミレ、ベゴニア、ハボタン、キンセンカ等、地域的に色彩的に生かされたものや、ツツジユリ、トベラ、サツキ、ボックス、ウッドアベリア等は、渋谷区で緑化とともに生かされてきたものでないでしょうか。

 私は、区長に土地の使用についてお願いですが、幡ヶ谷保健相談所にある重度の障害者施設が近い中幡小学校の校庭農園百坪をターゲットにしたいと思います。この場所は、学校菜園として約九十九・五坪を有していますが、障害者の夢の夢、将来のささやかな願いを聞いてあげられないでしょうか。そして総体的運営、管理として、区が責任を持ってボランティアや育苗等の植栽選択、施設管理、市場価格の設定など、かなり多面的な取り組みが求められることになりますが、シブヤミライプロジェクト委員会の検討課題として、区とボランティア、NPO法人等共同参加の呼びかけを協議していただけないでしょうか。区が動き出すとすれば、百坪の土地ではまだまだ十分ではありませんが、しかし当面の試行としてまず取り組み、実施に踏み込んでいただけたらと思っております。この土地の使用については、教育委員会や学校、生徒さん、PTAの御意見も必要かと思いますので、御協議いただきたいと思います。

 私は、この思いは、平成四年六月に質問させていただきましたが、私の新たな願いとして、お取り上げいただきたいと思います。区長の考えを求めます。

 今、障害者の方たちは、両親が支えて、それぞれ生活なり、お仕事をしているわけですが、もう両親も大分年をとられて、そばにおられなくなるような現実が生まれております。是非、障害者問題についても、新たな夢として取り上げていただきたい、そのことをお願いしたいと思います。区長の考えをお聞きいたします。

 以上です。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 社会区民連合の座光寺幸男議員の質問に順次お答えをさせていただきたい、このように存じます。

 その前に、私が区長になって一年を経過するわけでございますけれども、区長になるに当たりましても、その後も引き続き温かく見守っていただき、御指導賜っておりますことを厚くお礼を申し上げたいと存じます。平成十六年度当初予算につきましても、その取り組みの姿勢を、さらには渋谷区が積み重ねてまいりました行財政構造改革への取り組みについても、高く評価をいただきました。

 昨日は、行政運営のあり方について、常に効率的でかつ重点と選択の必要性について、他の議員から真摯な御提言をいただいたところでございますけれども、また他方、国の三位一体改革など、深刻な課題のある中で、区政は常に区民の最大多数の幸福のために、またそれが区民一人のためであっても、基礎的自治体として取り組むべき課題につきまして、積極果敢に区議会との密接な連携のもとに、これを進めてまいりたい、このように考えているものでございます。どうぞ今後ともよろしく御指導、御助言をお願いする次第でございます。

 最初に、都市計画道路整備事業について、区の財政負担についてのお尋ねがございました。

 都市計画道路は、年の骨格を形成する道路ネットワークであるとともに、日常の交通機能、災害時の避難路や、延焼遮断帯としての防災機能を高める沿道及び周辺のまちづくりの基盤でございます。議員の御指摘のように、本区の場合、基準財政収入額が基準財政需要額を上回っておりますために、都市計画道路整備事業は財政措置がされておらず、持ち出し財源となっておるわけでございますけれども、現在、沿道及び周辺の基盤づくりのために、都市計画道路補助第六十号線や補助第十九号について、計画的に事業を実施させていただいているところでございます。

 平成十六年度の当初予算では、補助第六十号線の用地取得費にかかわります歳入額につきまして、国庫補助金である地方道路整備臨時交付金額を、平成十五年度の実績をベースといたしまして七千七百万円と見込んでおりましたところ、このたび補助第六十号線につきまして、国から重点的整備路線として位置づけられ、国庫補助金として内示された額は五億九千三百四十五万円となり、当初の見込みを大きく上回っております。

 しかし、この機会をとらえまして、都市計画道路の整備に当たり、この地方道路整備臨時交付金を有効に活用し、事業用地を取得し、区の財政負担額をできるだけ少なくするための措置として、今回、補正予算額をお願いするものでございます。

 次に、財政状況が危惧される中で、補助第十八号線を新たに着手するのかというお尋ねでございます。

 東京都と特別区が平成十六年三月に策定いたしました、区部における都市計画道路の整備方針において、この補助第十八号線を平成十六年度から二十七年度までの十二年間に、優先整備すべき路線に挙げているところでございます。具体的には、地域課題に資する路線として、渋谷駅周辺整備に伴う交通結節点へのアクセスとして、また重要な地域ネットワークを形成する幹線道路といたしまして、道路整備を進めていくべきものと考えているところでございます。

 しかしながら、直ちに着手するというわけではなく、今後の財政状況を十分考慮するとともに、渋谷駅桜丘地区への市街地再開発事業におきます一体的な面的整備をも視野に入れつつ、着手時期を慎重に検討してまいりたい、このように考えております。御理解をいただきたいと、このように存じます。

 次に、障害のある人が生きがいを持ち、収入の保障となる仕事の場の機会といたしまして、また花と緑のいっぱい広がるまちづくりとして、花等の生活拠点とするよう、さらには区の施設を活用し、その運営についてはボランティア、NPO等の参加を呼びかけてはという御提案でございます。関連いたしておりますので、あわせて御答弁をさせていただきます。

 議員の御質問にありましたように、私もかねがね障害のある人が、その適性と能力に応じて就労し、収入を得てその人にふさわしい自立した生活を送る、こういったことが障害者施策の基本理念であるノーマライゼーションの実現のためにも大変重要である、このように考えております。そうした意味で、区施設における植栽事業を就労の場、活動の場として活用することは、有効な施策の一つであると考えており、現在区では二軒家公園及びケアコミュニティ・桜が丘等を利用した花壇植栽事業を障害者団体に委託し、実施しているところでもあるわけでございます。

 御指摘の中幡小学校の校庭農園につきましては、現在、児童が土に親しむなどの教育的観点から活用しておりますが、これを直ちに小学生と障害者との交流プログラムを組み込むことは、さらになお検討すべき課題があろうと存じます。とりあえずは、これからの検討にゆだねてまいりたい、このように思うものでございます。

 障害者による植栽などの授産事業を具体化するために、今、御提言ございましたけれども、これをボランティア、NPO法人等を活用するシブヤミライプロジェクト委員会のお知恵をかりながら、さらにこの具体化のための検討をしてまいりたいと、このように考える次第でございます。どうぞ御理解のほどお願い申し上げます。



○副議長(金井義忠) 二十八番座光寺幸男議員。



◆二十八番(座光寺幸男) ただいま二点にわたっての御答弁をいただきました。

 一点目は、今、土地開発におけるところの道路取得についての問題であります。私も土地開発公社の議長をずっとやらせていただいている中で、従来は納付額が余って、それがいろいろと問題になっているので、交付の中で財政的なやりくりの中で、少しでも納付が少なくなるようなというように、財調上の一つの考え方として、私もそういうことを進めて、喜んでいたわけでございますが、今回のように六億円というような支出が、逆に取り込まれていくという形については、いろいろと問題があるんじゃないのかと思ったわけでございます。

 都市計画、様々な問題も抱えておりますが、小さいこともだんだん、だんだん大きくなると大変なことでございまして、都市計画の中におけるところの土地取得という問題も、やはり総体的に見ながら進めていただきたいと、私は思っているわけでございます。

 それから、花の生産のために用地を取得するということは、実は二軒家やケアコミュニティにおけるところの造園や何かは、そういう家族の方がやっておられますが、私はそういうことも必要だろうけど、それよりも、その元をつくるためのやはり場所を提供して、その中で、やっぱり植栽をできるんじゃないかな。

 例えばフキノトウだっていいんですよ。例えば今、春先になるとフキノトウが大変もてはやされていれば、市場におけるところの必要なものを、やっぱりそういう中で育てて、そういうお仕事が直接、ここでも言いましたけど、過重なる労働を避けて、そういうのを指導して、一つでもこうやって参加することによって、物の喜びを感じられるんじゃないか。また、それが一つの農園の中でできれば、それをそれぞれ区の施設の中で植え込んでいくと、そういうことで、やはり収入に対する安定感というものがなければ、どんなにいいことをやっても始まらないので、そういうことをやっぱり障害者の手によってやれるようなことを、やっぱり心がけたらいいんじゃないか。それには、やはり難しいことはできないにしても、そういうことでのお手伝いをしてもらう。それを運営するにはどうやったらいいのか。大変なことだと思うので、やっぱりそういうことも今後参考にしながら、ひとつやっていただきたいと思います。

 いつもまちを見ていると、昔はよくお母さんが障害者の方を引いて、自宅から施設に通ったりなんかしますけど、ああいう人たちは、今はお母さん、お父さんがお年寄りになって、もうそういうこともできないというような状況の人たちもいっぱいいるわけでございます。やはり障害者の問題も、やはり普通の人と同じような、まさにノーマライゼーションのそういうような社会をつくっていく、そういう温かさが是非ほしいと思います。渋谷区政なら、そのぐらいのことは私はできるんじゃないか。大変難しいことですが、難しいことだからこそ、喜びもまた大いなるものがあるんじゃないかなと、そんな気もしますので、これから検討課題でございますが、よく検討なさっていただいて、御努力をお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わります。また、丁寧な御答弁ありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 二十番長谷部 健議員。



◆二十番(長谷部健) こんにちは、長谷部 健です。

 先日、スカンジナビアの政府観光局主催のデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、この北欧の三カ国を回るテクニカルビジット研修ツアーに参加してきました。うわさどおり、このスカンジナビアの環境・福祉の施策は、ほんとすばらしいものでした。昨年のこの時期の代表質問で、吉野和子議員がデンマークのカルンボー市に視察に行かれたときの話が出ていました。僕にとっては初めての議会の中で、一番印象に残るものでした。

 ホームヘルプ体制の区独自の確立の問題についての部分をちょっと引用させていただくと、「デンマークのカルンボー市のあの理想的な状況を、すぐに渋谷で実現できるとは思いませんけど、しかし、デンマークでは既に二十年前にそれが実現していることを思いますと、かつてあのころは日本では個室の特養ホームなどとは考えられなかった、そういうことが今、現実に実現ができるようになった、そのことを思いますと、このことも決して不可能な話ではないというふうに私は信じたいと思います」と、吉野議員が強く希望されたホームヘルプ体制の区独自の確立がなされることへの強い希望に強い共感を覚えたのと、二十年前、既に理想的な福祉政策を実施している国って一体どんなところなんだ、実際にどんな施策が実施されているんだ、そんな気持ちを北欧に抱きました。そんな思いで、この研修ツアーに参加しました。

 実際に行ってみて感じたことは、日本とは比べものにならない高い税制度があるから実現できる高福祉制度なんですが、そういった施策が実現するに至った経緯や、その国民性が非常に格好いいということです。

 僕が何よりも格好いいと思ったのは、民意の高さです。市民が社会活動に参加する、発言するというシステムがしっかりできているんです。単に意見をぶつけ、議論するということだけではなく、相手を理解し、ダイアローグ−−この場合、このダイアローグの意味は対話、会話という意味です−−していくことの大切さが多くの人に根づいているんです。会う人、会う人が念仏のように、「ダイアローグ、ダイアローグ」と言うのがすごく印象的でした。議論して相手を論破するということだけではなく、相手を理解し、解決策を模索していくこと、これは妥協とは全く違うし、これを共通意識として実践していることは本当にすごいなって思いました。

 北欧から学ぶべき点は、もちろん福祉、環境のすばらしいハードの部分にもありますが、このダイアローグ(対話)にあると感じました。

 スウェーデンはカルマル市環境局の担当者がこんなことを言ってました。「確かに、私たちスウェーデン人は以前よりもよいサービスを受けれるようになりました。しかし、この現状がベストだと思いません。私たちはさらに議論を重ね、よりよいものをつくり出すことができるはずです。まず大切なのは話し合うこと。様々な立場にいる人が、様々な意見を素直に出し合いながら、そこから新しい道を探り出そうとする「ダイアローグ」の機会を持つことなのです。人が人と話し合うことの中から何かが生まれ、それを分かち合うことができます。環境にしても、福祉にしても、それはこの「ダイアローグすること」から生まれた具体的な現象なのです。ですから、環境への取り組みや、きれいな福祉施設だけにただ、ただ目を奪われるだけではなく、私たちスウェーデン人が何を考え、何について対話してきたかを理解してほしいのです」と言っていました。

 こうした姿勢があるからこそ、福祉や環境への取り組みの意識がしっかりと生活に根差し、確実に機能しているのだと感じました。世界でも名だたる北欧の高福祉政策、環境政策、そして九〇%を超える投票率の高さなどの原点は、ここにあるんじゃないかと感じました。

 また、行政で働く人が自分の仕事に誇りを持っている姿。ビッと胸を張って仕事しているんです。自分たちの生活の向上にかかわる仕事についていることに強い誇りを持っています。市民としっかりダイアローグして、生活最前線の施策を実施していくコーディネーターとして、その仕事に喜びと責任と誇りを持っています。当たり前だけど、これはすばらしいことです。日本では、この渋谷区ではどうなんだろうか。正直、ちょっとここは負けてるなって感じちゃいました。

 また、さらにもっと強く共感を抱いたのは、未来へのプラカードを掲げている点です。十年後、三十年後、しっかりと目標を掲げているんです。しかも、それがすごくわかりやすく。例えば二〇二〇年には風力発電からの電力供給を三〇%にしようとか、そのビジョンがすごく明確なんです。目標があれば、そこから逆算して到達戦略もつくれるし、何よりもわかりやすい。日本の行政も目標を持ってやっているけれども、もっともっとわかりやすく、もっと大胆なビジョンを掲げたらと、強く思い直しました。そういった意味で、大変有意義な研修ツアーでした。

 その研修ツアーでの思い、感じたことを受けて、今回の質問をちょっと考えました。今回の質問のポイントは大きく三つプラス一です。一つは、区役所の職員がもっとモチベーションを上げて仕事につける環境づくり。二つ目は、区民の知恵、知識の向上を図り、区政に活用するシステムづくり。三つ目は、未来へのプラカードについてです。

 一つ目の職員のモチベーションを上げる仕組みづくりについてです。

 よく役所って縦割り体質が問題視されることがあります。「これは所管が違いますから」なんて、そんな言葉すごくよく耳にします。「横でもっとつながってもらったらいいのにな」という区民の声もよく耳にします。例えばまちの美化については、環境清掃部が所管です。でも、美化について子どもたちに啓発教育をしようと思ったら、教育委員会が所管になったりもします。イベントを実施して啓発活動をしよう、そうなると企画部になるのかもしれません。こうなると、一体どことどうしたらいいのか、非常にわかりづらかったりもします。

 こういったニーズに対して、縦割りではなく、横断型のプロジェクトチームをつくっていくことはできないでしょうか。一つのセクションでその専門性を高める業務も大切ですが、時と場合によっては、二つ以上の異なる業務、それを兼任して遂行していくシステムは、現在多くの企業で見られます。これは仕事の視野が広くなるという点で、従業員の育成にも多大なる効果があります。このプロジェクトチームというのは、例えば一年、二年とか期限をつけて実施して、それがある程度波に乗ったら解散してもいいと思うんです。そういった臨機応変にフレキシブルな形でプロジェクトチームが組めたらなと思います。

 また、区役所内の情報の集約もよりよいサービスにつながります。例えば、職員のナレッジの共有−−ナレッジは知識の共有ということなんですけれども−−を図るために、情報のデータベース化をしていくことはいかがでしょうか。

 例えばなんですが、以前僕が勤めていた会社では、社員全員がアンケートに答えます。自分の所属するセクションに直接かかわらないことでも、自分のネットワークや得意分野を記入していきます。例えばですけど、僕は北欧について詳しいとか、私はゴルフに関してはプロの友達が大勢いるとか、おれの学生時代演劇仲間だったやつが、今劇団の主宰となり活躍しているとか、ありとあらゆる情報を集めるんです。区民からある問題提起されたとき、これは自分の所属する部門だけでは解決が難しい、助けがほしいなとなったとき、その答えにつながるヒントが、このデータベースにあるかもしれません。

 また、イベントであるスポーツ選手に講演を依頼したい、さてどうしようというとき、はてはてヒントはないかななーんつってコンタクトをとると、「あっ、あの人の知り合いなんだ。じゃ、あの人からつないでもらおう」なんてこともできたりします。これを利用して、職員自ら横断型のプロジェクトチームをつくっていくこともできます。これは職員だけではなく、我々議員も情報を提供したら、もっともっといいものになるんじゃないかと思います。

 また、プロジェクトチームの中で、区民にいいサービスが提供できたプロジェクトに対しては、区長賞などの褒賞があってもいいと思います。いいことに対して税金が使われ、さらにそれが職員のモチベーションアップにつながり、さらなるプロジェクトの発展につながるのならば、何の問題もないんじゃないかと思います。御検討ください。

 今年度より、海外視察が計画されるとのことですが、僕は、これは非常にいいことだと思います。日本以外の国を実際に肌で感じてくること、また感じた人が大勢、行政に携わるということは本当にいいことだと思います。行政関係者にもっと海外を見て感じてきてほしい、そう願う区民は多いと思います。ただ、短い期間の視察でも成果はもちろんありますが、せっかくだから一年、二年の単位で、職員の交換留学などを実践するお考えはないでしょうか。実際に現場で当事者となり、その業務に触れることで学べることはたくさんあるはずです。

 今回、僕が行った北欧の都市で、各市長や環境・福祉の担当者に仮にこんな話はと問い合わせてみると、そういう人的交流も非常に興味があるとのことでした。姉妹都市提携から、もう一歩踏み込んだ提携についていかがお考えか、区長の御所見をお聞かせください。

 また、これは海外という視点だけではなく、国内の企業に研修に行くということもできると思います。一般企業がどう考え、どう施策を実施しているのかにもっと触れる機会をつくることで、バランス感覚のある行政マン育成につがると思います。よく考えたら、ほとんどの今、区民、国民、ほとんどの人がサラリーマンだったりしている人が多いんだと思うんです。そういう人たちの気持ちを、役所の人が行って感じてくるということはすごくいい勉強になると思います。あわせて御所見をお伺いします。

 二つ目の区民の知恵・知識の向上を図り、区政に活用するシステムづくりについてです。

 せんだっての選挙での渋谷区の投票率−−僕らの区議会の選挙です−−投票率は約三九%です。これは非常にまずい状況です。このままじゃ何かヤバイなと感じている人が大勢います。未来に対し、何とも言えない不安な気持ちを抱いている感じです。これはいわゆる政治不信の影響と言われますが、これは個人的には詭弁だと思います。僕も政治に携わる人間として、あえてこれは政治家不信と言わせてもらいます。この政治家不信に端を発し、一般市民の他人任せ的な責任の放棄が入り交じり、負の方向にスパイラル的に進み、現在の状況を生んでいるんだと思います。

 昨年の九月の議会で申し上げた、政治とは本来、条例や法律をつくることだけではなく、自発的な意識のもとみんなでつくり上げるものであるということ、国や地域が個人を保障するという他人任せ的な考え方ではなく、個人が国や地域を保障しているんだという意識を持つということが、本当の意味での自立した個人であり、そういった自立した個人の集まる社会は理想の社会であるという考え方ですが、区長にも共感したという答弁をいただきました。

 現状を打破していくには、政治がもっともっと区民の生活に近いものとなり、関心を引くことを目指すとともに、区民一人一人がもっともっと、もっと積極的に参加し、ダイアローグできるシステムづくりが必要と考えます。今必要なのは、我々政治家がもっともっと頑張ることと、区民の意識の変化を生み出す、その施策の両輪だと思います。

 ここで、区民が参加しダイアローグできるシステムとは、ということなのですが、実はこれといった区民が区政に関心を持つ即効性のある解決策は難しいと思います。簡単なことなのであれば、いろんな自治体がもう既にやってますよね。

 例えばですけれども、僕が活動しているNPOで、まちの掃除活動というのがあります。ここでは、掃除に対し一般に参加の募集をしています。初めての参加者から感想を聞くと、そのほとんどがパブリックの場所を掃除することの爽快感や、まちの散乱ごみに対して、今まで気にならなかったものが気になり出した。もうポイ捨てなんてできないといったものです。小さなことだけど、これも立派な社会参加です。これをきっかけに、もっともっと社会に関心を持つことにもなったりします。

 こういうことの積み重ねじゃないかって考えます。このようなきっかけとなり得るスイッチを、もっともっとサービスとして提供していかなければと考えます。この例に挙げたボランティア掃除という小さなスイッチから、行政がかかわることでつくれる大きなスイッチを織りまぜ実施していくことが、何かこのまんまじゃヤバイよなってみんなが思っていることへの解決策なのではと考えます。

 今回の提案は、現在、区が提供しているサービスの中で、ことぶき学級などの各種教室のビルドアップアイデアです。現在、実施されている各種教室はおおむね好評と聞いています。こういった教室は、実際に区民の生活に役立つといった面と、行政が提供しているということで、行政を近くに感じられるという、この二つの面があります。このシステムをさらにビルドアップさせることで、行政サイドから区民ニーズにこたえた情報の提供やコンテンツづくり、さらには研究にまで発展させることが可能と考えます。

 名づけて「渋谷区立シブヤ大学」の設立です。これは何も新しい建物を必要としたりするものではありません。現在ある社教館や公立校の空き教室、または空きビルなどを活用します。渋谷区じゅうが学ぶ場所で、いろんな講座が開かれます。渋谷区じゅうがキャンパスなんです。渋谷にも恵比寿にも、原宿にも本町にも、いろんなところで、いろんな講座が開かれます。渋谷ならではの特色を生かし、国際都市感があり、心の豊かさをはぐくみ、かつおしゃれな学び場です。区民の生活に合った学科が存在します。環境科、福祉科、ユニバーサルデザイン科、服飾科、IT科、ボランティア科、考えればいろいろアイデアは出てきます。

 もちろん講師陣も多彩です。渋谷区内に事務所を構える有名デザイナーから、いわゆる学識経験者までいます。その人たちに、ちょっとこのアイデアを話すと、非常に好評です。講師のなり手については問題なさそうです。これはいわゆる学生だけではなく、いろんな世代が学べる学校です。また、区役所の職員が講師となることもあれば、生徒になることもあります。今までの教室のような短期コースもあれば、研究室を構え、現在区が抱える課題についてのサポートまでもできる体制です。

 例えば、区の広報紙をもっとおもしろいものにしたい、そういうことであれば、ユニバーサルデザイン科の力をかりることができるし、緑化の施策では、ここで専門に学ぶ学生の力をかりることもできます。ここの卒業生の中から区役所で働く人が出てくるといいですね。

 これは非常に大胆な試みですが、社会に関心を持つきっかけとなるスイッチの役割としては、非常に大きなスイッチになります。いきなり実施というのは、非常に難しいと思いますが、渋谷区立シブヤ大学設立検討プロジェクトのようなものを立ち上げて、可能性を探ってみてはいかがでしょうか。もちろん横断型のプロジェクトチームです。外部からの意見も取り入れます。区長、いかがでしょうか。

 三つ目の未来へのプラカードです。

 例えば、都市計画マスタープランを例にとると、本町・笹塚地域は「安心して快適に住み続けられるまち」、初台・西原・上原地域は、「みどりと潤いのある環境を保全し快適に暮らせるまち」などとなっています。マスタープラン自体すばらしい施策だと思いますし、この目標もすごくすばらしい目標だと思います。ただ、これに具体的な数値目標をつけたら、さらに太いビジョンとなります。

 例えば二十年後までの達成目標として、同じように「安心して快適に住み続けられるまち、数値目標、道路のバリアフリー化九〇%以上、年間火災発生件数ゼロ件、年間交通事故発生件数ゼロ件」とかにするとか、「みどりと潤いのある環境を保全し快適に暮らせるまち、数値目標、緑被率三〇%」とか、具体的にすることで、そこから逆算して、それぞれの課題に対し施策を考え、実施できると思います。区民を含め、実施に当たる当事者がわかりやすい目標を持つことができます。これは都市計画マスタープランだけではなく、住宅マスタープランなどにも言えると思います。

 例えば二十年後までに高齢者福祉施設が区内に二十カ所以上とか、投票率を九〇%にしようとか、区全体の緑被率を三五%にしようとか、保育待機児をゼロにしようとか、理想の未来を具体的に数値化していくことで、どんどんとそれに向けていろいろな施策が考えられると思います。是非、御検討ください。区長の御所見を聞かせてください。

 最後に、大きく三つとプラス一の、残されたプラス一です。それは相も変わらずですが、ドッグランについてです。

 昨年の九月の議会で設置の検討について質問させていただいたときに、区長からドッグランについては、都が既に社会実験として設置しており、利用者や住民の意見を聞いている段階であります。ゲートボールや少年野球のボール遊びなど、様々な公園利用体系の中で、ドッグランをどう位置づけるのか、なお検討しなければならないと考えておりますとの答弁をいただきました。その当時、都が実験として設置していたのは駒沢公園と神代植物公園だったのですが、今年より代々木公園がドッグラン使用可能な公園として位置づけられたようです。こうした都の動きとあわせて、渋谷区のその後のドッグランについての進捗状況をお聞かせください。

 以上です。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 未来の渋谷をつくる会、長谷部 健議員の質問にお答えをします。

 北欧三国を視察され、その成果をベースに御提言をいただきました。いつもながら、さわやかですばらしい感性と発想、そして常に前向きの御提言に対し敬意を表したい、このように思います。

 福祉も環境問題も、すべてがダイアローグ(対話)から制度を生み出していくということでございました。その制度も、市民が社会活動に参加されて、よりよい制度を生み出しているという発言でございました。しかし、日本人は日本人としての国民性があり、文化や習慣も違っておりました。日本人はどちらかといえば、不言実行が美徳とされてきた、そういった伝統を持ち、文化や習慣も違っておりました。そういう意味で、なかなかこの対話というのが得手でないと思いますけれども、二十一世紀を夢と希望のある時代とするためには、これからは有言実行の時代でなくてはならないのだなと、こういうふうに感じました。

 御質問の中で、四つあったわけでございますけれども、ドッグランを除いて三点について私の方から答弁をさせていただきたいと、このように思います。

 この三点は、いずれも行政と区民とが多様な連携によって、区政運営を協働していくと、そのための行政内外の環境整備についての御質問であったと、このように思っております。順次お答えをさせていただきたいと存じます。

 最初に、役所の縦割り体質を解消し、横断的なプロジェクトチームをつくってはいかがかというようなお話でございました。明治以来、国の組織を初めまして行政は縦割り組織になれ親しんできたわけでございますけれども、そのことによって生じる問題点も多くあったと、私もそのことについて認識をしているところでございます。本区におきましては、そのための横断的組織といたしまして、企画部とか、総務部とがあるわけでございますけれども、様々なプロジェクト設置は、一方では区民の混乱を招くと思います。御提言の趣旨を踏まえながら、必要に応じて課題に対応して、これを考えてまいりたい、こういうことで御理解をいただきたい、このように思います。

 職員の知識・情報の共有を図るために、職員全員が自分のネットワークや得意分野等を回答して、情報のデータベース化をしてはいかがかというお話がございました。なかなかおもしろい提案だと、このように感じました。今後、その発想はどこか随所で生かしてまいりたいと、このように思いますけれども、一方では、これが組織の中で、その知識・情報を活用していく。そういう文化が生まれ、育っていくことが必要であろうと思いますし、他方ではこれが悪用されることのないような、そういう配慮も必要なんだなと、このように思っております。御提言を承らせていただきたい、このように思います。

 次に、プロジェクトチームに対して、区長賞等の褒賞についてのお話がございました。昨日は、馬の鼻先にニンジンよりも、どちらかといえば仕事にやりがいを見出せるようなシステムづくりを区長、考えろよと、そういうようなお話もございました。私は、いずれも大切なことだ、このように思っております。機会をとらえまして、御提言について検討してまいりたい、このように思います。

 さらに加えて、職員の長期にわたる海外都市への交換留学や、あるいは区内企業への派遣研修についても御提案がございました。この着想はこれまでも都道府県レベルや、あるいは行政、自治体レベルで実施された課題でございますけれども、それぞれ財政事情等もあり、中止をされてきているというのが実態であろう、このように思っております。加えまして、地方公務員制度との整合性もございますので、将来課題とさせていただきたいなと、このように思っております。

 二点目として、区民の知恵、知識の向上を図りまして、区政にこれを活用するシステムとして、区の課題解決につながるテーマについて研究する渋谷区立シブヤ大学を設立してはどうかという御提言でございます。これまでも國學院大学の御協力をいただきまして、渋谷大学を区民のために実施してまいりましたが、また、今のお話は、違った新しい視点、新しい角度からの御提言だろうと、このように思います。御提言を受けまして、実施に向け検討してまいりたいと、このように思います。

 三点目は、未来のプラカードについての御提言でございます。

 理想の未来の数値化をと、こういうことでございました。本区は渋谷の未来の姿を描く基本構想に基づきまして、実情に応じ実施計画を定め、数値化が可能な課題につきましては、数値目標を定めるようにしてまいりました。すべての行政課題について目標数値を定めると。先ほど交通とか、火災の話もございましたけれども、これはそれぞれ所管が違っておるわけでございまして、その数値について、区としてどこまで責任が持てるのかというような課題もあろうと、このように思います。ご提言を参考にいたしまして、できるところから始める。よりわかりやすい区政のために努力をしてまいると、そういうことで御理解をいただきたいと存じます。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



○副議長(金井義忠) 三浦土木部長。



◎土木部長(三浦惟正) 渋谷区におけるドッグランの進捗状況についてのお尋ねでございます。

 ドッグランについては、東京都におきまして平成十四年十二月から都立駒沢公園及び神代植物公園で実験を行っております。その結果を踏まえ、平成十五年十一月から本格実施に移行しており、さらに本年度から都立代々木公園など、条件の整ったところから順次設置をするというふうに聞いているところでございます。

 また、都の実験期間中には、その公園の規模、利用者の駐車場の確保、公園利用者の理解など、様々な課題があったとも聞いておるところでございます。区立公園規模でのドッグランの設置につきましては、都立公園の実験における課題のほかに、騒音や臭気など周辺環境に与える影響、さらには住宅が接近する環境における様々な公園利用形態の中で、いかに区民のコンセンサスを得るかなど、依然課題もありますことから、将来課題とさせていただきたいと存じます。御理解をいただきたいと思います。



○副議長(金井義忠) 二十番長谷部 健議員。



◆二十番(長谷部健) 全体的に熟慮いただき、前向きな答弁をいただいたと理解しています。ありがとうございます。

 区職員の働く環境づくりについては、すぐに実施というものは難しいようですが、次回はもっと具体的にしたプランで、実施の企画書で御提案できればと思っています。もっともっと考えてみます。

 今回の提案の中では、渋谷区立シブヤ大学について、実施に向けての検討という答弁、すごい一歩を踏み出せたと思います。区民のニーズと渋谷という場所の特性を生かした、今まで例に見ない後世に渋谷モデルとして残るような学びの場となるよう、僕も最大の努力をして一生懸命協力したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 未来へのプラカードについては、僕もすべての行政課題を数値化していくことは困難だと思います。おっしゃるとおり、まずはできるところから始めていきましょう。よりわかりやすく、みんなが目標として共有化し、みんなで未来に向かって進んでいければと強く願います。

 最後にドッグランです。前回同様、まだまだ課題が多く、厳しいのですが、僕の気持ちも前回同様です。まだまだあきらめません。引き続き頑張ります。

 これで二回目の質問に立ったわけですけれども、前回の質問時にお伺いを立てた、パソコンを使用しながら企画書を説明する感じでの質問をしたいということに対し、議事録に残しづらいとのことだったので、今回は最初から文章のみというやり方で挑んでみました。やっぱり文章を読み上げるだけより、パワーポイントの方が説明しやすいなと思ったのと、理解の進化をより促進できるし、聞く人にとってもすごくいいんじゃないかと感じました。議事録もホームページにアップされることになったわけですし、ネット上であれば図やグラフなどの説明資料も掲載できると思います。

 今回の感想は前向きの答弁をもらったという喜びと、その実現のために頑張って汗かくぞという決意と、是非議場にもパソコン関連の整備がされたらいいなという希望で締めさせていただきます。ありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 五番沢島英隆議員。



◆五番(沢島英隆) 質問に入る前に一言申し上げます。

 早いもので、昨年初当選させていただいてより、あっと言う間に一年がたちました。公僕として我が身をなげうって区民の皆様に尽くすという初心を忘れることなく、全力で働いてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 私の方からは、大きく二点質問します。

 まず一点目は人と動物の共生社会についてです。

 近年、少子高齢化、核家族化等の進展に伴い、動物は家族の一員、人生のパートナーとして、また人々の心を支え、潤いと喜びをもたらす存在としてますます重要となっています。人が動物とふれあうことは安らぎが得られると同時に、アニマルセラピーなど健康面での効果も明らかになっています。特に、高齢者の方には生きがいをもたらす存在となりますし、小さな子どもにとっては、動物と接することは生命尊重や情操をはぐくむ上で非常に重要であると言われています。

 一方、動物を飼うことは、最後まで責任を持って面倒を見るとともに、近隣に迷惑をかけないようにするなど、決して容易なことではありません。動物愛護に対する考え方や、価値観の相違から、飼養上の迷惑行為を初め、虐待、遺棄、近隣住民とのトラブルも数多く発生しています。

 東京都においても、本年三月にハルスプランと呼ばれる東京都動物愛護推進総合計画を策定しました。これは行政と都民、民間団体との連携と協力のもとに、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を図ることを目的として策定されたものです。この計画の期間は、平成十五年度から平成二十四年度までの十年計画で、五年を目途に評価・見直しを行うものです。また、お隣の世田谷区においても、本年四月より、世田谷区人と動物との調和のとれた共生に関する条例を策定し、基本理念を明らかにしています。

 渋谷区においても、こうした社会的環境の変化に対応し、人と動物との共生社会を目指し、取り組みを行うべきであると考えます。そこで、まず第一歩として二点提案をしたいと思います。

 一つ目は、動物の適正飼養についての普及啓発を強化するということです。ありきたりに聞こえるかもしれませんが、動物に関する正しい飼い方やその他の知識をしっかりと理解してもらい、人間の側のモラル、マナーを向上すべきと考えます。例えば、犬や猫の動物を虐待したり、遺棄、つまり捨てたりするのはれっきとした犯罪行為であり、動物愛護法では愛護動物を殺したり、傷つけたりした場合百万円以下の罰金、あるいは一年以下の懲役に処する。また、愛護動物を遺棄した場合、三十万円以下の罰金に処すると明確に罰則が決められていますが、このようなことも知らない人がほとんどですし、警察さえわかっていないのが現状です。

 アメリカなど海外では、警察の中にアニマルポリスという動物虐待などを専門に扱う組織があり、通報があればすぐに現場に行って、事実が確認できれば、当事者を逮捕するぐらい厳しい対応をしています。先進国の中で、日本ほど動物に対する意識が低い国は珍しいと言われています。

 このような話も聞いたことがあります。一昔前にシベリアンハスキーという目の青い大型犬がブームになったことがありましたが、何とブームが去ると、飼い主とブリーダー−−これは動物販売業者のことなんですけれども−−が、戻れないように棒で犬の足を折って、山の中に捨てたそうです。その後、生き残ったシベリアンハスキーは野生化してしまって、非常に危険であるというのです。

 今、チワワがブームですが、これもおもしろ半分で飼った無責任な人間は、ブームが終われば捨てたり、保健所に引き取り要請に来たりしてしまうのではないかと、早くも懸念する声が上がっています。後で触れますが、捨て猫についてはさらにひどい状況です。

 このように、捨て犬、捨て猫が急増した結果、全国で年間七十万匹近い犬や猫が引き取られ、殺処分されてしまっているのです。東京都でも、平成十四年度一万千三百二十二匹が殺処分されました。そのうちの九割、約一万匹を猫が占め、しかもそのほとんどは生まれたばかりで目もあかない子猫なのです。命ある動物を平気で虐待したり、おもちゃを捨てるように捨てたりする、このような社会の中で、優しい気持ちや思いやりの気持ちは決してはぐくまれないと思います。

 また、身近なことで苦情の中で多いものの一つは、何といっても犬の散歩中のふん尿の放置です。これも飼い主のマナー、モラルの向上しか解決方法はありません。ふんは自宅へ持ち帰り、できればごみで出さずにトイレで流す。尿も後でその場所に水を流してにおわないようにする。そのためにペットボトルに水を入れて散歩に行くなど、最低限のマナーをしっかり啓発し、常識としていくべきだと考えます。

 様々申しましたが、地道で粘り強い啓発活動を実施して、意識を変えていくことが最重要です。そのために、例えば十一月の動物愛護週間に合わせて、渋谷区ニュースなどで毎年特集を組んで、飼い主のマナーはもちろん、人と動物の共生社会についての意識啓発を行ってはどうでしょうか。保健所発行の「ぴこ」なども、もちろん活用すべきと考えます。さらに、年間を通して啓発でき得るポスター等を区として作成し、町会掲示板等に張り出していけば、さらに意識も高まるのではないでしょうか。

 あわせて、保健所に犬や猫を引き取り要請に来た方にも、引き取るのはつまりガス室で殺処分することなんだということを認識させ、なぜそうなったのか聞き取りをし、終生飼養するように指導・説得すべきです。場合によっては、ある程度強制力を持った指導マニュアルを作成すべきかもしれません。そして最終的に条例を策定し、区民の意識を高めていければベストだと考えますが、区長の御所見を伺います。

 二つ目の提案は、野良猫、つまり飼い主のいない猫の問題解決のための地域猫運動の取り組みです。

 渋谷区では、さすがに野良犬は見かけたことがありませんが、野良猫はかなりの頭数がいます。当然、ごみをあさったり、民家や公園でふん尿をしたり、繁殖期に鳴き声がうるさかったり、地域住民とのトラブルも多く発生しています。しかし、殺せば犯罪ですし、追い払ったり、猫が嫌がるにおいをまいたり、さくをつくったり、様々な方法を行われていますが、実際効果はほとんどありません。

 そこで、今全国的に注目され、NHKの番組でも紹介されましたが、野良猫問題解決に一番有効な方法が、先ほど言いました「地域猫運動」です。一言で言うと、野良猫に対して避妊去勢手術を行って、再び同じ場所に放してあげて、天命を全うさせてあげるという運動です。生活環境の厳しい野良猫は、飼い猫と違って寿命は短く、数年しか生きられないと言われています。避妊去勢さえしておけば子猫は生まれず、間違いなく野良猫は減っていきます。避妊去勢することにより、尿のにおいもある程度消えますし、繁殖期の鳴き声もほとんどなくなります。

 この運動に先進的に取り組んでいる横浜市磯子区汐見台地区は、約三千五百世帯の団地ですけれども、平成十年の段階で百三十九匹の避妊去勢手術を行い、その結果二十匹にまで激減し、ご飯をあげてもだれも文句を言わなくなったそうです。ホームレス猫の境遇でも殺処分させたり、餓死させたりするのではなくて、手術した猫たちの生を全うさせようというのが住民の合意になっているそうです。

 また、東京都内でも文京区、千代田区が先進的に取り組んで大きな成果を出し、テレビでも取り上げられました。

 ここで勘違いしてはいけないのは、この運動は、ただ猫がかわいいといってむやみに野良猫にえさをあげたり、あるいは手術がかわいそうだから自分の猫に避妊去勢手術はしないといった、自分勝手な人たちとは全然違うということです。猫に手術をする際に捕獲するために、また日常的にごみ箱をあさらないように、決められた場所で、決められた時間にえさをあげたりはしますが、終わればきちんと掃除をして、ふん尿もきれいに掃除をします。もちろん、どの場所で行うかは地域住民とよく話し合い、合意を得た上で行うのです。

 渋谷区でも自費を投じて、この運動をされているボランティアの方々がおられます。しかし、猫の避妊去勢手術は一般動物病院では、避妊で三万円、去勢で一万円の費用がかかります。ボランティアの方々の中には、百頭を超える手術を自費で行われた方もおられ、その負担は大変なものです。その上、様々な誤解を受けて苦労されています。例えば、手術のために捕獲を行ったりすると、怪しい人間と勘違いされて罵倒されたり、またえさやりをしていると「お前が野良猫にえさをやるから、野良猫が増えるんだ」といった脅迫を受けたこともある、そのようにおっしゃっておられます。むしろ猫を捨てた人のしりぬぐいをしている人に対し、全く理解のないひどい扱いだというふうに憤りを感じます。

 渋谷区としても、飼い主のいない猫の問題解決の取り組みを強化するとともに、地域猫運動に取り組まれているボランティアの人たちと連携し、また場合によっては行政として、しっかりとしたバックアップをしてあげる必要があると思います。ボランティアの方が一番おっしゃるのは、やはり渋谷区がこの運動に取り組んでいるという事実が区民に認識されるのが一番うれしいし、必要ですということです。まずは、地域猫運動の趣旨を広く区民の皆さんに理解していただき、野良猫の問題に対して、地域猫という形で渋谷区としても取り組んでいるということをしっかりと広報していただきたい。その意味では、渋谷区ニュースなどで、動物について特集していただけるなら、その際に是非地域猫運動も掲載していただきたいし、ポスター作成が可能なら、あわせて掲載すべきと考えます。そして行政として、そのような団体に対してできる限り支援体制を構築していただきたいと思います。区長の御所見を伺います。

 大きな二つ目の質問は、安全・安心のまちづくりについてです。

 本年二月より渋谷区に安全対策本部が設置され、安全・安心のまちづくりのための本格的な取り組みが開始されたことを高く評価するとともに、関係者の方の御努力に深く敬意を表するものであります。具体的施策として、幼稚園、小中学校並びに繁華街への防犯カメラの設置や、地域パトロールの実施、防犯ブザーの配布対象拡大、ピッキング対策費用助成充実など、我が会派としても強く要望してきた内容を実現していただき、心より感謝します。

 その上で、さらに区民の皆様からいただいた声の中で、特に御指摘の多かった点を二点申し上げます。

 一つ目は、保育園及び学童館への防犯カメラの設置です。

 現在、渋谷区には公立保育園が二十三園、学童館が十一あり、保育児童数は平成十五年度で千六百五十五人、学童館は平成十五年度の年間利用者数は延べ十三万一千六百五十五人と、利用されている児童の数は非常に多いです。今回、幼稚園、小中学校に防犯カメラが設置されたことを受けて、保育園、学童館に子どもを通わせている御父兄より、是非、保育園、学童館にも防犯カメラを設置してほしいという意見が多数寄せられました。防犯カメラ設置には多額の費用がかかりますし、監視する体制の整備も必要になることは理解していますが、さらなる児童の安全確保のため、是非前向きに検討をしていただきたいと思います。区長の御所見を伺います。

 二つ目は、麻薬撲滅に向けての取り組みの強化です。

 センター街周辺に防犯カメラが設置され、ある程度の効果は上がっているのですが、現場をパトロールされているガーディアン・エンジェルスの方に伺うと、麻薬に関係していそうな不良外国人も一時的にはいなくなったそうですけれども、最近ではカメラに映らない場所や、裏の路地に移動して取引をしているとのことでした。

 また、センター街の入り口では、相変わらず合法ドラッグ−−これは東京都では脱法ドラッグと言っているんですけれども−−という名目でドラッグを販売している露天商が毎晩出店しています。ガーディアン・エンジェルスの方が露天商の人間に声をかけて、あなたの大切な家族とかにも、このドラッグを勧めますかというふうに聞いたところ、彼らは危険なので絶対に勧めないと答えたそうです。販売している人間自身が、その危険性を認めているのです。

 私は、以前にある人物からこんな話を聞きました。この人は渋谷区で中学、高校のときに、友人グループの人と一緒に一時麻薬に手を出してしまった経験があるのです。その人が言うには、合法ドラッグは、いかにも合法という言葉で安全そうに見えるため、中学、高校生で興味本位で手を出してしまう人もいるのが事実で、これがきっかけで本当の麻薬に手を出す人も実際にいたとのことです。

 さらには麻薬中毒者が高価な麻薬が買えなくなったときに、この合法ドラッグをそのかわりに服用するケースもあるそうです。この話をしてくれた人は、今はもちろん更生して社会で立派に働き、麻薬などは一切やっていませんけれども、後遺症がなかなか消えずに、現在も苦しんでいます。

 御父兄は、どの人も我が息子、娘は大丈夫、そんなことはしないと当然考えておられると思いますし、渋谷区在住の小中高生は、センター街なんかには行かないから大丈夫といった根拠のない意見もありますが、本当にそうでしょうか。

 さらには、繁華街に暴力団が入り込むきっかけは、必ず麻薬か性風俗です。センター街にも既に入り込んでいる部分もありますが、今からでもしっかり取り組んでいけば、まちを浄化していけると思いますし、新宿や池袋の繁華街のような状態になる前に手を打つべきだと考えます。

 そこで、まずは行政として何ができるかを考えたとき、やはり在住者、在外者を問わず、渋谷にいる人、来る人への意識啓発が大事だと思います。ガーディアン・エンジェルスの人たちも、やはり一番必要なのは、麻薬をやると自分自身がどれほど恐ろしい状態になるか、また家族、自分の周りの人がどれほど苦しむかということをしっかり認識させて、「麻薬は絶対だめだ」という意識を持たせることだと言っています。

 ガーディアンの人は、フライヤーというカードに麻薬の恐ろしさを記載してセンター街で配布し、若者の意識啓発に努められています。渋谷区としても、安全対策本部が東京都、警察、地域、町会、商店会などの関係機関と連携して、七月、八月の夏休みを麻薬撲滅キャンペーンとして、大々的にセンター街を中心にキャンペーンを行い、チラシを配るなどして意識啓発をすればどうでしょうか。

 あわせて具体的な取り締まり等は警察の仕事ですが、安全対策本部としても、関係機関と定期的に打ち合わせをし、麻薬撲滅のための取り締まりをしっかり実行してもらうように、強く要請していただきたい。脱法ドラッグについてもどうやって規制していくのか、実効性のある方法を一刻も早く打ち出せるように検討をお願いしたいと思います。

 その際、是非ガーディアン・エンジェルスや地元商店会など、現場をよく知っている人たちとの連携を是非お願いしたいと思います。

 また、小中学校の総合学習の時間にも、麻薬撲滅キャンペーンカーを使ったり、厚生労働省、警察などから講師を招いて、麻薬の恐ろしさをしっかり学習するなど、教育面でも粘り強く取り組んでいただくようお願いします。区長及び教育長の御所見を伺います。

 以上、大きく二点質問させていただきました。御答弁をお願いします。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党、沢島英隆議員の御質問に順次お答えをしたいと思います。

 まず、人と動物との共生の視点からのお尋ねでございます。

 最初に、動物の正しい飼い方などの徹底と人と動物の共生社会の意識啓発についてお尋ねでございました。私は、動物とふれあい、共生が子どもの情操を育む上で、大変意義のあることだと、このように思います。動物が今日、家族の一員以上になっていると思います。現代社会の生活に欠くことのできない存在であります。昨年七月、区立代々木公園のポニー公園でございますけれども、多数の子どもに人気がありました。

 お尋ねの動物の正しい飼い方につきましては、これまで区ニュース、啓発プレートの配布等、努めてまいったところであります。小中学校には、獣医師会との協力を得て冊子を配布し、これに基づく正しい飼い方についても啓発に努めてまいりました。しかし、一部飼い主のマナー、モラル違反に起因する問題や、飼い主がいない猫の問題等が区内に起きているということも事実でございます。今後は、動物の正しい飼い方、飼い主のモラル向上の普及啓発に加えて、人と動物がともに健康で安全に暮らしていく、いわゆる人と動物の共生という新しい視点を踏まえた動物愛護のあり方につきましても、区ニュースや保健所の情報誌等を活用し、広く区民に活用してまいりたい、このように思います。

 次に、飼い主からの犬や猫を引き取って、終生飼ってくれるよう指導・説得するべきであると、こういうお話でございます。

 飼うことのできなくなった犬や猫の引き取りにつきましては、現在、東京都の動物愛護相談センターで実施しております。飼い主からの引き取りの相談、申し出に際しては、一定期間たって、引き取り手のない場合には処分される、そういった実情もお話をした上で引き取っていると、このように都からも聞いているところでございます。

 本区におきましても、犬、猫の引き取りの相談のあった際には、この動物愛護相談センターの仕組みをよくお話しをし、理解していただく、そういったことの努力をしてまいろう、このように考えているところでございます。

 次に、人と動物の共生社会について、条例化が必要ではないか、こういうお話でございました。

 人と動物の調和のとれた共生社会の実現は大切なことだと考えておりますけれども、都区の役割分担もありますので、区は区として区民相互の理解を深める、そういった啓発努力は、御提言の趣旨を踏まえて努めてまいりたい、このように存じます。

 次に、地域猫運動の趣旨の趣旨について、広報とボランティア団体との連携及び区の支援についてのお尋ねでございます。

 地域猫運動につきましては、飼い主のいない猫を捕獲し、避妊去勢手術をした後に地域に戻し、ボランティアの協力により、地域猫として飼育するものであると、そのように伺っており、この運動により飼い主のいない猫の減少等に大きく成果を上げていることは、議員の御紹介のとおりでございまして、私はそれらの方々に敬意を表したいと、このように思います。人と動物との共生社会に向けまして、地域での自主的な取り組みが飼い主のいない猫などの問題解決にとりまして、大変有用なことであり、地域ボランティア団体の区ニュースでの活動紹介や、あるいは支援のあり方等につきまして、早急に検討してまいりたい、このように存じます。

 次に、保育園、学童館の防犯カメラの設置についてのお尋ねでございます。

 保育園、学童館の防犯対策といたしましては、これまでも緊急連絡用のインターホンの設置、学校一一〇番による警察への連絡体制の整備、施錠の徹底や出入り口付近への職員の配置など、それぞれ館の実情に合わせて取り組んでまいったところでございます。

 一方、議員御指摘のとおり、保護者の方から安全確保のために、防犯カメラ設置の御要望が多く寄せられていることも事実でございます。防犯カメラの設置につきましては、議員も御指摘のとおり、監視体制等の課題もございますので、推移を見ながら検討してまいりたい、このように存じます。

 次に、夏休みを薬物撲滅キャンペーン期間として、意識啓発に努めるべきだと、こういうお話でございます。薬物乱用防止に関しまして、その啓発の重要性は言うまでもない、このように存じます。これまでも薬物乱用防止推進渋谷地区協議会によります「薬物乱用防止街頭キャンペーン」、あるいは「社会環境を明るくしよう区民の集い」、さらには「くみんの広場」における薬物乱用防止ポスター・標語の優秀者の表彰あるいはパネルの展示など、様々の活動啓発を行ってまいったところでございます。

 一方で、国際薬物乱用撲滅デーの中で、「ダメ。ゼッタイ。」を合言葉に、渋谷、池袋、新宿で、三年ごとに都民の集いも共催されるなど、あらゆる機会をとらえまして、意識啓発活動に努めております。加えまして、ライオンズクラブ、ロータリークラブにおいても熱心にお取り組みをされているところであり、私も敬意を表しているものでございます。

 夏休みに向けての啓発は、関係機関との協議等が必要でございますので、御提言の趣旨については今後の課題とさせていただきたい、このように存じます。

 また、薬物撲滅の取り締まりと脱法ドラッグの規制についてのお尋ねでございます。

 薬物取り締まりにつきましては、渋谷警察署と入国管理事務所、合同で薬物を売買する不良外国人をターゲットといたしました摘発が、継続的に実施されているところでございます。また、センター街の薬物所持被疑者の検挙についても、着実に成果を上げている、このように聞いているところでもあるわけでございます。今後とも安全対策本部と渋谷警察署、特に薬物取り締まり部門である組織犯罪対策課と緊密な連携をとり、センター街周辺の取り締まりの強化について関係機関に強く要請をしてまいりたい、このように思っております。

 加えまして、いわゆる脱法ドラッグ、合法ドラッグにつきましては、青少年等への悪影響が懸念されているところのものでありまして、所持及び使用については、現段階においては禁止されていないのが現状でございます。そのために東京都は、医師、薬剤師、弁護士、警察などで構成いたします脱法ドラッグ対策検討委員会を設置し、その指導取り締まり、普及啓発活動の推進、情報の収集・提供・活用及び関係機関との連携等について報告を受け、これに基づき今年度内を目途に取り組み方針を策定し、総合的かつ効果的な脱法ドラッグ対策を推進していくと、このように聞いております。

 本区といたしましても、この東京都や警察署等との対応を踏まえつつ、さらに御提言のございましたガーディアン・エンジェルス、そういったところとの連携を図りながら、薬物乱用の防止に努めてまいりたい、このように存じます。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



○副議長(金井義忠) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 小中学校における薬物の恐ろしさを学習することについての御質問にお答えをいたします。

 各小中学校におきましては、日ごろよりポスターや「薬物乱用はダメ。ゼッタイ。」と呼びかける子ども向けの乱用防止副読本を活用して、薬物乱用防止に関する子どもたちの意識啓発を図っております。また小学校五、六年生及び中学校において、薬物乱用が心身の健康に深刻な害を及ぼすという授業を、保健の時間に授業として行っております。

 御提案いただきました講師を招聘しての学習につきましては、総合的な学習の時間、特別活動等の時間に、昨年を例にして申し上げますと、警察職員や薬剤師、薬事衛生事務所の職員、ライオンズクラブの方々等を講師としてお招きし、講話を聞いたり、ビデオや薬物のサンプルを見たりしながら、薬物乱用防止教室を実施しております。実施後の感想では、どのような理由であれ、絶対に使うべきではないし、許されることではないという感想が最も多く寄せられ、効果を上げております。

 平成十五年度につきましては、小学校では主に五、六年生を対象に十四校で、中学校では全学年を対象に八校全校が実施をいたしました。今後も薬物乱用防止に関する指導の徹底を図ってまいります。

 以上でございます。



○副議長(金井義忠) 五番沢島英隆議員。



◆五番(沢島英隆) 質問に対し、前向きな御答弁をいただき、大変にありがとうございます。

 人と動物の共生については、地域猫運動にもその意義、成果を評価していただきまして、その運動を区ニュースで紹介していただけると踏み込んだ答弁をいただきました。大変に感謝いたします。

 また、薬物対策については、現在お取り組みいただいて、御努力いただいている関係機関、関係者の方々に最大限の敬意を表するものであります。難しい取り組みであることは十分認識しますけれども、薬物を完全に撲滅するまで粘り強い取り組みを今後もお願いします。私も一緒に努力していくことを決意しておりますので、よろしくお願いいたします。

 渋谷区発展のため、さらに尽力してまいることをお誓いし、質問を終わります。ありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後二時三十八分

   再開 午後三時二分

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○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 二十三番新保久美子議員。



◆二十三番(新保久美子) 私は、日本共産党区議団として、子育て支援策の強化、介護保険制度の改善について、区長、教育長に伺います。

 質問に先立ち、昨日、公明党の古川議員から、総合防災訓練に自衛隊を参加させるべきとの提案があり、これに対し、区長から検討したいとの答弁がありました。このことは非常に重大な問題でもあります。

 日本共産党区議団は、九八年の都区合同総合防災訓練に自衛隊を参加させるときにも反対をする申し入れを小倉前区長に行いましたが、自衛隊は世界第二位の軍事力を持つ組織であり、自衛隊法第三条では「直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」と規定されているように、明らかに憲法違反の軍隊であり、治安出動部隊であります。

 日本共産党は、災害救助の体制強化については、専門部隊としての消防体制の抜本的強化を行うべきだと考えます。同時に、消防力などの総力を挙げても間に合わない大災害が発生したとき、人命救助のために、現実に存在をしている自衛隊が出動することに反対するものではありません。しかし、自衛隊が大災害時に出動することと、自衛隊が防災訓練に参加することとは性質の違う別個の問題です。

 防災体制の名のもとに自衛隊と自治体が密接に連携することは、自治体が自衛隊の治安出動の訓練に道を開く危険があります。こうした立場から、防災訓練に自衛隊を参加させることに反対をするものです。

 具体的な質問に入ります。

 長崎県佐世保市の小学校内で六年生の女の子が同級生に殺されるという事件は、命の大切さを教える、安心して通わせていたはずの学校で起きたことから、関係者だけでなく、全国民に大きな衝撃を与えました。

 今、たび重なるこうした子どもの重大な犯罪に、多くの国民が不安を持ち、心を痛めています。こうした悲惨な事件の背景には、子どもたちの成長を阻害している様々な問題があります。

 日本共産党は、子どもたちの豊かな発達と成長をはぐくむためには、競争と管理の教育から子どもの発達、成長を中心に据えた教育の抜本改革を進めること、少年犯罪、いじめ、児童虐待、少女買春など子どもたちに鋭くあらわれている日本社会のモラルの面での危機の克服、長時間労働は家族そろっての団らんを奪い、弱肉強食の競争主義は国民にゆとりのない生活を押しつけており、これらのゆがみや矛盾、困難を民主的に打開し、子どもたちを守り、子どもたちの声に耳を傾ける社会をつくるために、国民的な討論と運動を呼びかけており、日本共産党渋谷区議団は、その立場から渋谷区で運動を進めていくことを表明するものです。

 最初に、少子化問題について伺います。

 少子化は日本の未来にかかわる根本問題として、子どもを安心して生み育てられる環境をどう社会全体でつくっていくか、鋭く問われています。五月十四日、厚生労働省が九八年から二〇〇二年度の合計特殊出生率を発表しましたが、その結果は人口を維持するのに必要な二・〇八を大幅に下回り、一・三二となり、特に渋谷区は、前々回に続き全国最低で、〇・七五と深刻な事態となっており、少子化対策は一刻も放置できない緊急の課題となっています。

 日本共産党は、少子化社会を克服する対策として、長時間労働をなくし、家庭生活との両立ができる働き方にすること、若者に安定した仕事をつくること、男女差別・格差をなくし、女性が働き続けられ力が生かせる社会に、そして出産、育児と仕事の両立を応援し、すべての子どもに豊かな乳幼児期を保障することの四つの対策を提案し、実現のために全力を挙げています。

 第一に、区として実効ある次世代育成支援の行動計画の策定について質問いたします。

 昨年七月、少子化対策の推進を目的として、次世代育成支援対策推進法、同法に関連する児童福祉法の一部改正、さらに少子化社会対策基本法が相次いで成立しました。すべての自治体は、次世代育成支援対策推進法によって、二〇〇五年度から二〇一四年度までの十年間を期間とする地域行動計画を今年度中に策定することを義務づけられました。その策定指針にのっとり、地域における子育ての支援、母性と乳幼児の健康の確保と増進、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備、ファミリー向け住宅の供給など生活環境の整備、仕事と家庭生活の両立支援、子どもの安全の確保、要保護児童への対応などについて、実施する目標や内容を定めるとしています。

 昨年八月、厚生労働省児童家庭局長名による通知で、行動計画策定に当たっての留意事項として、全庁的な検討体制の構築と、策定に当たって住民の意見を反映するとして、地域における子育てや子育て支援活動の現状の把握とともに、多様な地域協議会の設置を指示しています。

 現在、渋谷区では、今年一月から三月まで、ゼロ歳から小学校六年生までの家庭、約三千人を抽出してニーズ調査を実施しました。その結果の発表は今月中と聞きましたが、私は、実効ある子育て支援の行動計画をつくるためには、全庁挙げて取り組み、公募委員を含む検討会を設置すること、そして住民の意見を反映するための地域懇談会の開催、また、子どもたちの意見を反映させるための取り組みが重要と考えます。

 策定のモデル自治体の一つである埼玉県新座市は、昨年、全庁的に課長補佐クラス十七人が参加する行動庁内会議を発足させるとともに、学識経験者や各種関係機関の代表のほかに、子育てに実際に携わっている七人の幅広い子育てサークルの代表が参加する二十二人の次世代育成支援行動計画作成委員会を立ち上げ、七回の検討委員会を開き、住民の声を反映した答申を作成しています。このような取り組みを当区でも行うべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 第二に、保育計画の策定について質問します。

 児童福祉法一部改正によって、国は昨年度当初、保育園の待機児が五十人以上いた全国の百十九自治体を特定市町村として指定し、待機児解消の保育計画の策定を義務づけました。渋谷区は待機児が六十人だったため、八月までにこの計画を策定し、都に報告しなければなりません。

 今年四月の待機児は六十八人ですが、五月一日現在はさらに深刻となり、待機児は百二人と大幅にふえています。待機児の多い園は、富ヶ谷十人、上原、元代々木各九人、聖ヨゼフ八人、本三、桜丘保育園各七人などとなっています。

 今年発表された当区の実施計画では、今後、旧渋谷小学校跡地への保育園の増設と、認証保育所の計画しかありません。子育て世代が仕事と子育てを両立できるためにも、待機児の多い地域に計画的に増設計画を持つべきと考えます。その場合、国会答弁でも、保育サービスの提供については「安定的に提供する、あるいはしっかりとした質のサービスの提供を確保するという観点からは、認可保育園が基本である」と明言しています。渋谷区として、保育計画策定に当たって公的責任を明確にし、認可園を基本に増設計画を立てるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 第三に、国や自治体の責任として保育の財源を確保することについて質問します。

 国は、今年三月成立の児童福祉法の改悪によって、公立保育所の運営費千六百六十一億円の補助金を廃止し、一般財源化しました。このことは国の責任放棄であり、子どもの利益が最大限尊重されることをうたった子どもの権利条約の締約国でありながら、子育て支援の理念に逆行するもので、許されません。国に対して財源を確保するように意見を上げるべきと考えますが、所見を伺います。

 また、私立保育園は、東京都のサービス推進費の削減と延長保育補助の削減、国の保育単価引き下げが行われ、今年だけでも、その影響が区内のある園では八百万円にも上っています。国や都の削減に反対をするとともに、区として私立保育園への助成の拡大、そして待機児が増加する中、認可園の補完として大きな役割を果たしている未認可保育室の支援をさらに強化すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、旧渋谷小学校跡地複合施設に開設する保育園の運営について質問します。

 先日、五百人を超える渋谷区の公立保育園で働く保育士を初め職員が、旧渋谷小学校跡地に予定している保育園を区が直接責任を持って運営し、名実ともに子育て支援の施策として充実してほしいと要請を出されたと聞きました。また、子育て中の区民からも、公立保育園を増設してほしいと要求は切実です。

 旧渋谷小学校跡地の保育園の開設に当たっては、保育士の確保、労働条件が守られ保育のサービス向上からも、区立保育園として開設すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 第四に、学童館の待機児解消についてです。

 学童館の保留児童数は、今年は百六人で、幡代学童館二十人の定員拡大と私立幼稚園二園で拡大したものの、昨年の三十七人に比べ約三倍と、大幅にふえています。定員オーバーしている学童館は十二館中十館に達し、待機児が多い学童館は、西原二十人、富ヶ谷十八人、氷川十四人、広尾十三人、笹塚、幡代各九人などとなっており、切実です。

 今後、区の新実施計画では、学童館は定員を拡大検討するとなっていますが、具体的に定員拡大できる学童館があるのか。子どもの放課後の生活を保障する保育環境として、待機児を解消するために早急に一学校区一学童館の増設計画を持つべきと考えますが、所見を伺います。

 第五に、旧代々木高校の跡地活用について質問いたします。

 上原・富ヶ谷地域では、今年四月の待機児は十五人で、全体の約四分の一を占め、近くの未認可保育室は、四月一日で、二十七人の定数に対し空きは一人という深刻な状況です。富谷子育て支援センターを利用している人の中には、保育園に入れなかった子、また何人も育児休業中のお母さんもあり、保育要求は切実です。

 実際、職場では二年、三年の育児休業制度があっても、例えば富ヶ谷保育園ではゼロ歳児で入れなければ一歳児の定数増は三名しかなく、二歳児でも一名ふえるだけです。また、一歳児からの上原保育園でも、二歳児で一人ふえるだけで、一歳児、二歳児の入園は大変となっています。

 現在、上原中学校の仮校舎として活用している代々木高校跡地利用の一つとして、是非保育園、学童館も含めた子育ての拠点となる増設計画を持つべきと考えますが、所見を伺います。

 第六に、乳幼児医療費の助成制度の対象を小学校六年生まで拡大することについて質問します。

 現在六カ月の赤ちゃんを育てている母親は「三人は子どもが欲しいと思っている。しかし出産の経費として、出産費用に五十万円かかり、夫の社会保険で幾らか出産費が戻ってきたが、産まれるまでの通院に十万円、その他の準備も含め合計百万円ぐらいかかった。これから子どもにかかる教育費や住宅ローンの支払いを考えたら、とても産めない」と話していました。また、小学校一年生と保育園に通う三歳の二人の子どもを抱える母親は「四月から、上の子が風邪で受診すると医療費が一回千五百円もかかり、びっくりした。売薬で対応せざるを得ない。住宅費も高く、引っ越したいが、子どもの友達関係を大事にしたいと思うとそれもできない」と大変さを語っていました。

 今年四月から北区では、経済的な負担の重いことを理由に、区内の全小中学校の入院費の無料化を、子育て世代の区内定住策として、所得制限を設けず実施しました。四月に盲腸の手術で五日間入院した男の子のお母さんは「食事療養費も含め四万三千円余り助成され、とても助かった」と喜んでいます。子育て中の父母からは「医療費の負担軽減で気持ちが軽くなる」と歓迎されています。

 また、品川区も来年一月から、小学校六年生までの通院・入院費の助成を、約九割の子どもを対象に実施を予定しています。

 当区の場合、所得制限なしで六年生まで十月から拡大するためには、半年間で一億四千百六十五万円の予算でできます。補正予算を組み、当面六年生までの医療費助成を拡大すべきと考えますが、所見を伺います。

 全国の自治体で乳幼児医療費の助成制度が実施されていますが、国の制度として創設を求める声が大きく広がり、国会では全会一致で決議が採択されています。国の制度としての実施を強く要求すべきと考えますが、所見を伺います。

 第七に、子育て支援センターについて質問します。

 今、子育て支援センターは、保育園、幼稚園とともに子育て支援の地域の拠点として、身近な場所に子どもと母親の居場所として、また、育児相談、サークル活動などの支援の場として喜ばれ、その役割が大きくなっています。

 現在、四カ所の子育て支援センターと中幡子育てひろばがありますが、子育て支援センターは週三日の午後は預かり保育になるため、遊び場としての子育てひろばの受け入れはできません。そのため、午前、午後あいている中幡子育てひろばに遠くても行っている人もいます。

 私は、いつでも利用できるよう施設改善と保育者の増員などを行い、できるところから改善すること、今後、区は恵比寿地域に設置するとしていますが、新設する子育て支援センターは、預かり保育と子育てひろばが毎日実施できる施設として、少なくとも出張所単位で早急に増設すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、三十人学級の実現について教育長に質問いたします。

 全国の自治体で、公立小中学校の少人数学級が急速に広がっています。今年度は、昨年度の一・四倍の四十二道府県になっています。一部の学校、学年に限定されるなど課題も残されていますが、「今こそ国の責任で早期実現を」と運動は広がっています。

 山形県では、少人数学級編制を低学年から拡大し、三年目の今年四月から小学校全学年が対象になりました。県は、年ごとに着実に、学習面はもとより生活面でも着実に効果があらわれていると評価しています。また、教師からも、一人一人に目が行き届くようになったと喜ばれています。

 既に渋谷区内の小中学校では、一、二年生で見ると七二%のクラスが三十人以下学級になっており、小中学校で一、二年生から段階的に実施するには、今年、合わせて十四クラスふやせばよいのです。三十人学級に区として早急に踏み切るべきと考えますが、教育長の所見を伺います。

 次に、介護保険制度の改善について伺います。

 第一に、安心して介護が受けられるよう、国の介護保険制度の改悪に反対し、改善を求めることについて質問いたします。

 介護保険の実施から四年がたち、全体的に利用者がふえる中で、経済的負担が重くて十分な在宅サービスが受けられない、施設不足から特養ホームに入所できないなど、矛盾が大きくなっています。ところが、政府は二〇〇五年の制度の見直しに向けて、保険料の徴収対象を現在の「四十歳以上」を「二十歳以上」に拡大する、国の予算を抑制するために支援費制度と介護保険を統合する、サービス利用を現行の一割から二割・三割負担に引き上げる、すべての特養ホームの入所者から家賃を徴収するホテルコストの導入、軽度の要支援、要介護一のサービスを制限するなど、国民の負担をふやし、サービスを低下させる大改悪を進めようとしています。これが強行されれば、社会保障が国民の暮らしを支えるという本来の機能を大きく失い、逆に多くの国民を苦しめ、安心して介護が受けられないなど不安が増大させられることになります。

 区長として、こうした改悪に反対の意見を国に上げるとともに、国の責任で基盤整備と財源を保障し、安心できる介護保険制度に改善を求めるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 第二に、特別養護老人ホームの増設についてです。

 今年四月末現在の待機者は七百十五人で、依然として深刻な事態が続いています。昨年四月から今年の四月までの間に、入所できずに亡くなった人は百二十五人に達しています。これでは何のための介護制度なのかと、「保険だけとられ介護なし」という声が上がるのも当然ではないでしょうか。

 来年、第三特別養護老人ホームが開設しても、百十九床にすぎません。また、特養ホームの新入所基準が導入され、重度要介護者を優先するとしていますが、介護度四で百八十人、介護度五では百五十一人、合わせて三百三十一人にも達しており、本質的な解決にはならず、介護度が軽い人はいつまでたっても入所できないことになります。区長はこの状況をどう解決されようとしているのか、また、介護に責任を持つ区として早急に第四、第五の特養ホームの増設計画を立てるべきと考えますが、所見を伺います。

 第三に、ショートステイの増設と、緊急時のベッドの確保について伺います。

 ショートステイは、在宅介護を支えるかなめとして一層充実が求められており、今回、区長の、旧渋谷小学校跡地複合施設について三階部分を全面的にショートステイを主体とした福祉施設に計画変更するということに対して、区民の声にこたえたものと歓迎するものです。

 せせらぎのショートステイは、現在、来年の二月まで予約がほぼいっぱいとなり、利用率は一〇〇%となっています。また、あやめの苑のショートステイも、昨年度の平均利用率は一〇四・八%にもなっているのです。

 旧渋谷小学校跡地の当初計画は二十一床でしたが、今回の変更によって何床増設を見込んでいるのか、また、緊急時のベッドもこの施設に確保すべきと考えますが、所見を伺います。

 現在、区内施設に六十九床、そして新たな旧渋谷小跡地の施設が加わっても、要介護認定者の増大する中、在宅介護を支えるショートステイと緊急時のショートステイの整備がさらに求められており、早急に増設計画を立てるべきと考えますが、所見を伺います。

 第四に、介護保険料、利用料減免制度の拡充について伺います。

 今年度より、区は保険料の減額条件を年収百二十万円、預貯金百八十万円と緩和しましたが、対象者は昨年度実績四十一人から今年度は予算で二百人とふえたものの、高齢者の暮らしは、年金の物価スライドとして〇・三%削減をされ、また老年者控除の廃止など、経済的負担が困難となっています。

 七十五歳のひとり暮らしの女性は、一カ月の年金が十万円足らずで、要介護度は二です。一カ月の生活費は、家賃や公共料金に四万円余り、介護用品の車いすとベッドのリース代二千三百円、糖尿病と心臓病を抱え、月四回の通院のタクシー代は一万四千円を超え、その上、介護保険料や利用料の負担で「食事代を削らざるを得ない」と語っていました。

 保険料、利用料の免除を住民税非課税の第二段階まで拡充するとともに、利用料についてはすべての在宅サービスの本人の負担を三%に軽減すべきと考えますが、所見を伺います。

 今でさえ、高齢者にとって保険料、利用料は重い負担となっており、必要な介護が抑制されるという実態の中、こうした高齢者負担を軽減するためにも、新たに月額二万五千円の重度介護手当を区として創設すべきと考えますが、所見を伺います。

 第五に、身近な地域にげた履きで気軽に行ける相談の窓口として、在宅介護支援センターを出張所単位に増設することについて伺います。

 本町地域の昨年末高齢者人口は四千百二十四人となっており、区内の高齢者人口の一二%を占めています。また、大向地域の人はパール鉢山の在宅介護支援センターは遠い上に、国道二四六を渡らなければなりません。宇田川町からは私の足でも三十分はかかります。体の不自由な高齢者にとっては大変な負担となっています。当面、二つの地域に在宅介護支援センターを増設すること、特に大向地域の場合、高齢者ケアセンターの活用も含め検討すべきと考えますが、所見を伺います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の新保久美子議員の一般質問に、順次お答えをいたします。

 次世代育成支援行動計画についてのお尋ねでございますけれども、本計画は、次世代育成支援対策推進法に基づき平成十六年度に地方公共団体に策定が義務づけられた、次世代支援にかかわる実施計画でございます。

 本区におきましては、昨年度、国の策定支援に基づき、子育てに関する区民のニーズ調査を実施したところでございます。現在、調査結果の集計・分析を進めておりますが、その結果に基づいた事業目標量を本年八月までに国及び都に報告することになっております。計画の策定に当たりましては、今後、庁内関係部署及び子育て支援事業者等による地域協議会を設置するとともに、パブリック・コメント制度を活用し、地域の意見を十二分に反映したい、このように考えております。

 次に、保育園の待機児解消の具体的な増設計画についてのお尋ねでございます。

 これまでも保育園の待機児解消につきましては、定数の拡大や弾力化により対処してまいりました。今後は、認証保育所の誘致や旧渋谷小学校跡地への保育園の建設などにより、待機児の解消に努めてまいります。

 次に、旧渋谷小学校跡地複合施設計画におきます保育園についてのお尋ねでございますけれども、区が責任を持って開設することは当然でありますが、区が直接運営するのかどうかにつきましては、多様な保育ニーズに対応できるよう、これから検討してまいります。

 次に、学童館の保留児解消についてのお尋ねでございます。

 保留児解消に向けまして、これまでも施設の新設や定員の拡大を図って対処してまいりました。しかし、今後は保留児解消はもちろんのこと、児童にとって豊かで安全な放課後対策を講ずることが大切であろうと、このように考えておりますので、総合的な視点から検討し、改めてその考え方を区議会にも御報告を申し上げ、実施に移してまいりたい、このように思っております。

 代々木高校の跡地利用についてでございますけれども、代々木高校の跡地利用につきましては、一定の時期になれば、区議会はもとより地元の意見を聞く必要があると、このように思っております。したがいまして、直ちに保育園、学童館の建設を考える、そういう考え方は持っておりません。

 次に、乳幼児医療費制度の対象拡大、国への要望等についてのお尋ねでございます。これまでも重ねて表明してまいりましたけれども、助成対象の拡大をすることは、さらなる財政負担をもたらすものであり、このような考え方は持っておりません。

 また、国会での取り扱いについては承知しておりませんけれども、全会一致であるならば、わざわざ区が要望することはないであろうというふうに考えておりますので、国の動向に注目したい、このように思っております。

 次に、子育て支援センター内の子育てひろばと預かり保育の施設改善、職員体制の整備についてのお尋ねでございます。

 子育てひろばと預かり保育につきましては、施設運営上の制約があり、現在のところ、常設のための体制整備を考える、そういった考え方は持っておりません。

 次に、子育て支援センターの増設でございますけれども、既に実施計画で申し上げたとおり、この後、恵比寿方面の設置を検討してまいりたい、このように思っております。その後のことにつきましては状況、推移を見る必要がございまして、現段階では申し上げられません。

 次に、国や都からの子育てに関する財源の確保についてでございます。

 公立保育園運営費補助金の一般財源化は、三位一体の改革に向けた国の取り組みの一環として実施されたものでございます。また、都の私立保育園への補助金の見直しにつきましては、都と私立保育園が直接協議した結果でございます。区の補助金の拡大については、現在の区の財政状況から見て、それぞれのことについて財源の確保は難しい、このように思っております。

 次に、介護保険制度の見直しについてのお尋ねでございます。

 介護保険制度につきましては、介護保険法附則第二条に基づきまして、現在、国の審議会等において見直しの検討がされている段階でございますので、その動向に注目をしたい、このように考えております。

 なお、介護保険サービスの基盤整備につきましては、特別区長会を通して要望しておりますので、その結果を待ちたい、このように存じます。

 次に、特別養護老人ホームについてのお尋ねでございます。

 特別養護老人ホーム等の施設でございますけれども、グループホームで対応できるものについてはグループホームで対応する、その上で、特養で対応しなければならないものは特養で対応するという基本的な考え方に立ちまして、現在は第三特養の建設中にあるわけでございます。一つずつ課題解決に努めてまいります。

 次に、ショートステイについてのお尋ねでございます。

 まず、旧渋谷小学校複合施設での三階にかかわるショートステイの増設についてのお尋ねでございます。

 御案内のとおり、第三特養の三階部分の設計変更に伴います増床計画につきましては、ショートステイと特養の割り振りをどうするか、今、検討中でございます。その上で区議会に御相談し、決定をしたい、このように考えております。

 それから、ショートステイの増床計画についてでございますけれども、第三特養建設計画の中でまず対応してまいりたい、そのように思います。その上で、その後の状況を見ながら次のステップを考えてまいりたい、このように思います。

 次に、介護保険利用料、保険料の減免等について三点の御質問でございます。

 一点目は、介護保険料の免除の対象を第二段階まで引き上げてはどうかということでございます。

 繰り返し申し上げるわけでございますけれども、介護保険制度は相互扶助の精神に基づく社会保険制度であるということから、全額免除、そういう考え方は持っておりません。

 二点目の、介護保険サービスの利用者負担額の助成につきましては、すべての人に利用料を三%にすべきであると、こういうことでございますけれども、一律減免は考えておりません。

 なお、保険料、利用料の減額制度につきましては、十六年度にそれぞれ預貯金の上限を緩和いたしまして、さらなる対象拡大を図ってまいったところでございます。

 三点目の、重度要介護福祉手当の創設につきましては、これこそばらまき行政でございまして、そのような考え方は持っておりません。

 次に、在宅介護支援センターの増設でございます。

 在宅介護支援センターにつきましては、平成十五年度から実施しております第三次高齢者保健福祉計画の中で、本計画期間中に検討することとし、現在、検討中でございます。具体的な配置計画については今後、成案を得て議会にも御報告したいと、このように考えております。

 以上、私の答弁とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、三十人以下学級の実施についての御質問でございます。

 社会性を養うためには、一定の学級規模が必要であり、また、基礎・基本の学力向上などきめ細かな指導を行うためには少人数教育が有効となることは、これまでもお答えしたとおりでございます。これら両面の教育効果を実現するためには、集団生活としての現行の学級規模を維持しながら、学級と異なる学習集団を弾力的に編成することが必要であると考えております。

 現在、国の教員定数改善計画に基づき、チームティーチングや少人数指導のための教員の配置を受け、また、区独自の事業として少人数指導の講師を配置し、少人数教育の充実を図っているところでございます。したがいまして、区独自に三十人以下学級を実施することも、区や東京都に対して三十人以下学級を求めることも、現在は考えておりません。

 以上です。



○議長(丸山高司) 二十三番新保久美子議員。



◆二十三番(新保久美子) 区長並びに教育長から答弁いただきましたけれど、再質問をさせていただきます。

 初めに、子育て支援についてです。

 少子化社会対策基本法の前文では、「少子化は、社会の様々なシステムや人々の価値観と深くかかわっており、この事態を克服するのに極めて長い時間を要する。急速な少子化という現実を前に、我らに残された時間は極めて少ない」と、子育てができる環境を日本社会挙げて取り組む緊急の課題にしたのです。

 しかし、今の区長の答弁では、実際の行動計画についても直接子どもを育てている父母の声を、公募によって行うという答弁はありませんでした。そして、杉並区などでやっている次代を担う子どもたち、小中学生や高校生、大学生の声を反映させる、こうした取り組みが各地の自治体で広がっているのです。私は、実際の区民の声を聞いた、生きた行動計画を立てるべきだと考えますので、改めて公募、そして次代を担う子どもたちの声を聞く、そういう姿勢があるのか区長に質問いたします。

 また、保育計画では、認証保育所、そして渋谷小学校跡地へのということでありますけれど、先ほどもお話しいたしましたけれど、全区内の中で待機児がいるわけですから、そこだけにつくっても待機児は解消されません。だから、国がいっている待機児の保育計画を立てるということでは渋谷区がどういう姿勢を示しているのか問われていると考えますので、改めてこれについてもお願いいたします。

 そして、今、私は、全国の自治体の中ですぐれた取り組みをしている札幌市を紹介したいと思います。

 今年の保育園の待機児が百五十六人となった札幌市では、市民のニーズ調査の結果、認可保育園で保育を希望していることを受けて、本年度から三年間で待機児解消と超過児入所の解消のために、認可保育所を大幅に整備をする、そして千五百人の定員増に取り組み、今年は新設園が二園、未認可園を認可園に引き上げる、園の改築などで六百六十人の拡大をするとしています。施設計画の担当者は、待機児を上回る計画に対して、潜在的に保育園を必要としている実態があり、施設整備に取り組んでいると話していました。

 児童福祉法第二十四条によっても、市町村は、子どもの保育を認可園で保障する義務を負っています。区が自治体の責務として子どもをどう育てやすい環境をつくっていくのか、現在の保育園、学童館の待機児を解消するための思いが区長にあるのか、区長に伺います。

 そして、三十人学級の実現の問題については、実施する考えはないと教育長が答弁されました。

 現実でも、七二%の一、二年生で三十人以下学級が実現しているのです。上原小学校の二年生は三十六人です。笹塚中学校の二年生は、二クラスありますけれど、それぞれ三十八人です。こういうところに行き届いた、手を差し伸べていくのが教育行政の役割だと思います。

 先ほどお話ししました行動計画には、学力の向上や健やかな心身の育成などうたっています。子どもの教育環境を向上させるためにも三十人学級を実現すべきです。

 そして、一層子育てが困難になっている中、経済的な負担の重さから大変な事態となっている乳幼児の医療費を、小学校六年生まで、重ねて実施する考えはないか伺います。

 また、先ほどの特養の問題では、区長はグループホーム三十六床などで対応すると言われています。しかし、この介護保険制度がスタートした二〇〇〇年の高齢者人口は三万四千三十三人、介護認定を受けた人は四千四百十五人で認定率は一二・九七%に対し、二〇〇三年度は三万五千四百九十人、認定者は六千五百三十人、一八・四〇%と増大しているのです。そして、特養ホームも二〇〇〇年の四月の時点は百四十二人、現在から比べると、現在は五倍にも増加していることから、待機者はふえるわけです。

 だから、こうした状況からも第四、第五の特養ホーム、そしてショートステイの増設の計画を持つべきだと考えますので、改めて伺います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 新保久美子議員の再質問に御答弁を申し上げたいと存じます。

 最初に、次世代育成支援行動計画の策定のための体制についての御質問でございます。

 他市、他区の例をお挙げになられまして、公募の考え方、あるいは子どもの意見を反映させる考えはないのかということでございますけれども、私は、先ほど御答弁申し上げたことで十分であると、このように思っております。

 保育計画についてでございますけれども、保育園の増設計画につきましては、これまでも定数の拡大あるいは弾力化によって、区としてできるだけのことはやってまいりました。また、一方では認証保育所の誘致、あるいは保育園の第三特養の中での建設等、それぞれ努力をしているところでございまして、一つ一つ地に着いた問題解決への対応を進めてまいる、こういう考え方でございます。

 それから、乳幼児医療費助成制度につきましては、国会でも全会一致だと、こういうふうにお伺いしましたので、国会にお願いをしたい、このように思っております。

 特養の増設についてのお話でございますけれども、グループホームのベッド数三十六、三十六とおっしゃいますけれども、私どもの方で三十六などと言った覚えはございません。お間違いのないようにしていただきたい、このように思います。

 そういった上で、私は、グループホームはグループホームで対応できるものとして、それへの対応をし、特養は特養として、これについては今の第三特養を含め、この建設をしているところでございまして、一つずつ問題解決に努めてまいると、こういう考え方でございます。

 以上で答弁を終わります。



○議長(丸山高司) 二十三番新保久美子議員。

   〔「教育長への三十人学級、質問してない」の声あり〕



○議長(丸山高司) 質問になっていないですね。

   〔「いや、しているんだよ」「いいえ」の声あり〕



○議長(丸山高司) いいですか。はい。

 二十三番新保久美子議員。



◆二十三番(新保久美子) 子育て支援の強化としてどのような行動計画、保育計画を作成するかは、これからの渋谷の子育ての条件に大きな影響を与えるものです。子どもの笑顔が輝き、歓声の聞こえる、安心して子育てできるまち、そして介護が受けられるまちに向けて日本共産党は全力を挙げる決意を表明して、終わります。



○議長(丸山高司) 十二番水原利朗議員。



◆十二番(水原利朗) 私は無所属議員の立場から、区長並びに企画部長に、今回は一点のみ、株式会社都市整備公社の経営について三点ほどお伺いをいたします。

 本年三月、総務省が第三セクター等の状況に関する調査結果の概要を発表いたしました。同概要によりますと、調査対象法人は、土地開発公社、住宅供給公社等、いわゆる地方三公社を含めて一万百十一法人で、三セクに対する地方公共団体の出資・出捐(しゅつえん)額の総額は五兆六千十九億円に上り、また全体の約四割、三七%が経常赤字の状態であるとのことであります。

 また、この概要に先立ち、昨年末同省は第三セクターに関する指針の改定を行い、都道府県、各自治体に通知をいたしました。改定の背景として二点挙げられておりまして、一つは第三セクターを取り巻く社会経済情勢が大きく変化をしていること。また二点目として、第三セクターの経営が一段と厳しさを増していることを指摘され、同改定のポイントとして四点ありまして、一点目、監査体制の強化、二点目、点検評価の充実・強化を図る、また積極的かつわかりやすい情報公開に努める、そして四点目、完全民営化等を含めた既存団体の見直しを一層積極的に進めるというふうにうたわれております。

 そこでまずお伺いをいたしますが、今回の改定の見直しを受けて、当区の公社はどのような取り組みをされているのか。

 二点目、減損会計について企画部長にお伺いをいたします。

 報道によりますと、本年三月期決算で、大手企業が減損会計を適用し、約八千億円を超える損失を計上したとのことであります。この減損会計は、来年度より強制適用がされることになっておりますが、同公社に同会計を適用した場合、昨年度もしくは一昨年度の会計決算の状況はどのようになるのか、具体的な数字を含めてお答えをいただきたいと思います。

 三点目、今回の改定にも盛り込まれているように、今度の減損会計の適用をしなくても、通常の会計決算においても、同社は数年後には債務超過に陥るのは自明の理であります。以前にも指摘をしておりますが、同社の経営状況を冷静に判断をして、法的措置等をすべきではないかというふうに考えますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 以上、よろしくお願いします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 水原利朗議員の株式会社都市整備公社の経営についての質問にお答えをさせていただきたいと思います。

 一点目は、総務省が昨年十二月十二日改定いたしました、第三セクターに関する指針につきまして、公社の取り組み状況についてでございます。

 最初に、監査体制の強化等につきましては、国の指針改正前より、本区におきましては地方自治法に基づく財政援助に関する監査のほか、商法等特例法に基づく会計監査人の厳正な監査を受けてまいりました。また点検評価の充実につきましては、本区は法律、金融、企業会計、企業経営のそれぞれの専門家によって構成されます渋谷都市整備公社経営問題等懇話会を設け、その御助言を受けまして、多角的、総合的、着実に経営改善を図ってまいっており、これも指針の先取りをしたものでございます。

 経営情報につきましては、法に基づいた年二回の経営状況報告に加えまして、決算状況の公告も行っているわけでございます。三セクの情報公開制度の改善につきましては、実施計画にもお示ししたような形で、今後その対応をしてまいると、こういう考え方でございます。

 次に、法的整理等、民事再生法の活用の御質問でございますけれども、公社の事業は公益性が高いものであり、また第三セクターに関する改定指針に示されました予備的診断によってもAランクに該当するなど、安定した経営状況を維持しておりまして、民事再生法の活用の考え方は全く持っておりません。

 答弁とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 星宮企画部長。



◎企画部長(星宮正典) 私に対しましては、株式会社渋谷都市整備公社の経営にかかりまして、減損会計の適用につきましてのお尋ねでございます。

 減損会計は、企業の所有する土地や建物などの事業用固定資産について、収益性が著しく低下し、これらの固定資産が将来的に生み出すキャッシュフローの合計が、帳簿価格を下回ると認められることが確実であると見込まれる場合に、固定資産を回収可能額まで減損し、差額を損失計上する制度でございます。その意図するところは、市場が国際化する中で、国内外の投資者に的確な情報を提供すると、そういう会計基準の国際的調和を図ることであると、こんなふうに承知しているわけでございます。

 本制度は、平成十七年四月一日以降開始します事業年度から導入されるものでありますが、十六年三月三十日以降に終了する事業年度より、早期適用することも認められております。

 なお、株式会社都市整備公社の平成十四年度決算につきましては、既に確定済みでございます。また、平成十五年度につきましても、既に決算業務を終了し、今月の定例株主総会で、最終決定を見る段階でございます。減損会計の導入を仮定しての御質問にはお答えすることが困難でございます。

 以上、御答弁とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 十二番水原利朗議員。



◆十二番(水原利朗) 今、それぞれ区長、企画部長から御答弁をいただきました。私はちょっと明確にというふうに言ったつもりなんですが。

 それと、区長は昨日の答弁の中で、国内外の著名な経営者の方の名前を挙げられておりましたが、そのうちの一つ、ソニーは昨年の決算報告で、増収でありながら株価が暴落するという、いわゆるソニーショックという現象が起こり、一部の専門家の間からは、同社の業績は長期的に低迷するのではないかというような指摘もあると聞いております。いわゆる勝ち組と言われるソニーですら、市場ではこのような厳しい評価を受けているわけで、区長の同社に対する認識は、私は少々どころか、かなり甘いのではないのかなというふうな気がしますので、改めてお伺いをいたします。

 まず、指針の改定について、まず改定のポイントの中の厳正な監査をされていると言いますが、総務省のいわれる指針の改定には、「外部の専門家による監査を活用する等監査体制の強化を図る」というふうにいわれています。私は、十四年度の会計報告しか手元にありませんが、現状は振興組合の副理事長と、あとは区の職員の監査体制になっているとなっています。総務省のいう指針の改定には当てはまらないと思いますので、改めてどのように強化を考えているのか、お伺いをいたします。

 二点目、当区では残念ながら、事務事業評価、政策評価を導入しておりませんし、同公社は別人格ということで、この点では本来であれば区政全般、もしくは公社に対しても政策評価、事務事業評価を私は導入すべき。先ほど懇話会で先取りと言いますけれども、既に五年前でありますから、私は改めて点検評価等の導入、そしてまた充実・強化をすべきだというふうに考えますが、区長どういうふうにお考えか。

 それと積極的かつわかりやすい情報公開というふうに言われておりますが、法に基づいた情報の提供しかしておりません。実際に実施機関等に組み入れて、当区の条例を同公社にもすべきではないのか、そのように考えますので、改めて御答弁をいただきます。

 それと、同公社に関しては安定的な経営というふうに言われておりますが、まさに認識が異にするといいますか、今年で十二年目を迎えて、この十年間ですか、平成十四年までの十年間、配当はもちろんありませんし、十年間、単年度の黒字も一切されていない。同様に、現状では累積の債務は七十億円を超えております。

 このような状況下で、なぜ安定的な経営状況と言えるのでしょうか。実際に本年の二月、北海道の住宅開発公社並びに大阪市の三セクでは、これは具体的に法的な措置によって、特例調停法ですか−−に基づいて既に調停が出されているというふうに聞いておりますし、以前、これまでもお話ししたように、東京都のこれは管理団体であります株式会社多摩ニュータウン開発センターは、平成十三年三月に民事再生法の適用を受け、再生計画に基づいて、平成十四年度、五億二千万円余の利益を上げているというふうに聞いております。別に法的な措置が珍しいものでも何でもありません。一番最悪なのは、放漫な経営によって、現状の赤字垂れ流しの状況を先延ばし、先送りすることだと思いますので、すぐにとは言わなくても、短・中期的に計画を練って、最悪の場合は法的な手続を踏むべきというふうに考えますが、改めてお伺いをいたします。

 企画部長は、減損会計に関しては答弁できないと言われておりますが、実際には来年度には強制適用がされるわけで、条件としては資本金五億円以上、もしくは経常の損失が二百億円以上ですか、同公社は当然強制適用の対象となりますし、現段階で答えられないというのは、ちょっと私は詭弁だと思います。

 そもそも部長が言われるとおり、今後、減損会計は国際的ないわゆる会計基準になりますし、現状では簿価の数字が実際の価格を反映していないという批判から、導入が進められてきているわけでありまして、平成十五年三月三十一日現在の同公社の固定資産、これは施設利用権という形になっておりますが、百四十四億五千九百万余。実際に先ほど区長からもお話があった、五年前の懇話会の答申の中の数字を見ますと、当時五年前ですが、売却価格は不動産鑑定評価額を参酌しつつ、時価おおよそ四十八億。つまり、簿価とは百億円以上の差額があります。これは実際に会計を導入すれば、多額な債務超過の状況に陥るわけであります。このまま放置をしていていいわけではありませんし、きちんとした数字をできるだけ教えてください。

 これは五年前ですし、同社は定額法で減価償却をされていますよね。数字はきちんと出るんじゃないですか。改めてお答えをいただきたいと思います。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 水原利朗議員の再質問に対してお答えをしたいと思います。

 私、ソニーの経営者の井深さんですけれども、すばらしい経営者がいるよということを申し上げた。それは経営者としてすばらしい、それは私が言うことではなくて、だれもが認めているその一人のことについて、私はその人に注目をし、その人に学ぶものがあったよということを言ったわけですから、間違えないようにしてください。私は会社の経営のことを言っているわけではありません。

 それから最初に監査体制の強化でございますけれども、渋谷区のこの都市整備公社は、最初から商法等特例法というのがありまして、これは最初から会計監査法人の監査を受けることになっています。渋谷区内の内々の監査でなくて、具体的には新日本監査法人、ここの監査をずっと最初から受けている、そういうことを申し上げているわけです。

 それから、点検評価のことに関連いたしまして、都市整備公社の経営問題等懇話会は、もうずっと前の話じゃないか、五年前の話じゃないかというような話がございましたけれども、この点検評価につきましては、四半期ごとに私どもは受けているわけです。ですから、継続的にずっと、このそれぞれの指標等について助言を受けてきた、それへの改善の努力をしてきたと、こういうことですから御理解をいただきたい、このように思います。

 情報公開については、先ほど申し上げたとおり、実施計画に従って、そのことの是非について検討していると、こういうふうに申し上げました。

 それから、赤字のことについてお話がございましたけれども、その経営の累積赤字というのは、減価償却によってこれがもたらされているものだと、こういうことを申し上げたわけです。約二百億に近い資産を抱えて、その減価償却のために多額の減価償却費が出ている。そういうことによって、そういう問題が生じているんだけれども、経営において一番大切なことは、キャッシュフローが回っていくかどうかと、これが一番大きいんです。黒字の会社でも倒産はします。それはキャッシュフローがだめだからです。そこのところに御注目をしていただきたい、このように思っております。

 この通例の会社でございますと、自治体が建設費は持つんです。これは区議会の議員の御指摘もあるわけでございまして、持つわけですけれども、この場合、都市整備公社がすべてを背負って、その赤字のために、負債のために努力をしている、その点についても評価をしていただきたい、このように存じます。

 答弁を終わります。



○議長(丸山高司) 星宮企画部長。



◎企画部長(星宮正典) 再度のお尋ねにお答え申し上げます。

 固定資産の減損会計にかかわりましてのお尋ねでございます。

 金融庁の企業会計審議会あるいは固定資産の減損にかかわります会計基準の適用指針、こういうものが出ているわけでございますけれども、これによりますと固定資産の減損会計の基本的な考え方につきまして示してございます。減損会計は、時価評価とは異なり、資本価値の変動によって利益を測定することや、決算日における資産価値を貸借対照表に表示することを目的とするものではなく、取得原価基準のもとで行われる帳簿の価格の臨時的な価格と、こんなふうに示しているわけでございます。

 具体的に申し上げますと、減損会計を必要になるということは、まず減損の兆候があるかどうかということでございまして、その次に減損の兆候があった場合に、減損の損失を認定するのかどうかと。そして最後に認定した場合、その減損の価格をどうしていくかという、そういう三段階等々のステップがあるわけでございまして、このことにつきましては、短時間のうちに例えば土地の評価が下がったよと、だから、これまで下げますよと、そういうようなことではないわけでございます。

 したがいまして、公社といたしましては、平成十七年度の本格適用までまだ時間的に余裕があるわけでございますので、現時点では幅広い情報収集、調査研究を行い検討していると、こんな段階でございます。

 先ほどのできませんよと御答弁させていただきましたけれども、十四年度につきましては、減損適用、そんな考えもなく、正規の会計処理に基づきまして終了しているわけでございます。十五年度につきましても、もう既に終了しているわけでございますので、先ほどの御答弁のような形になったということでございます。御理解のほどお願い申し上げます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 十二番水原利朗議員。



◆十二番(水原利朗) 余り時間もないので、手短に申し上げますが、先ほどのソニーに関しては、昨日区長が触れられたので、それに関連して私は話したのであって、それだけ有能な経営者を排出していながら、業績が低迷する可能性があるという、そういう指摘をしたまでであります。

 それと、今回の総務省の指針の改定については、そもそもなぜ各自治体の三セクに関して総務省ががたがた言わなきゃいけないのか。地方主権、地方分権という中でおかしいじゃないかという指摘もありますが、一方、いわゆる三位一体の改革において、各自治体でいわゆる隠れた借金、見えない負債というものがどこの自治体も抱えている。渋谷区も残念ながら莫大な借金を抱えた三セクを抱えている。そういったところをきちんと清算をしなさい、そういうふうにこれは総務省が、わざわざ霞ヶ関に言われることではないですが、そういう実態が当区にはあるという、そのことは改めて指摘をさせていただきます。

 それと、これはつい最近、公務員向けのある専門誌に「三セク・外郭団体の直し方・こわし方」という特集がありまして、そこで各自治体、全国の自治体で、その三セクの状況を報告されたものがありますが、その中である、やはり赤字垂れ流しの三セクの社長に就任をした民間人の方が、就任の感覚として次のようなことを述べております。

 「安易な需要予測、行政依存の体質、費用対効果の欠如など、余りのお役所仕事ぶりに、民間ならとっくに破産をしていると驚いた」というふうに述べられております。当区の公社に関しても、全く同様のことが言えると思いますので、短期もしくは中期的に計画を練り直し、最終的には法的な手続もすることを改めて申し上げて、質問を終わります。



○議長(丸山高司) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 議事進行上、日程第一から日程第四までを一括議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第一 議案第三十号 渋谷区の一般職の任期付職員の採用に関する条例



△日程第二 議案第三十一号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例



△日程第三 議案第三十二号 渋谷区印鑑条例の一部を改正する条例



△日程第四 議案第三十四号 渋谷区防災従事者損害補償条例の一部を改正する条例

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました議案第三十号は、一般職の任期付職員の採用制度の導入に関し、必要な事項を定めるため条例を制定しようとするものであります。

 また、議案第三十一号は、手数料の改定等を行うため、議案第三十二号は、印鑑登録に伴う本人確認手続に関する規定等の整備を行うため、議案第三十四号は、防災従事者にかかわる損害補償の補償基礎額等の改定を行うため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものであります。

 よろしく御審議を賜りまして、御議決いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 以上四件は所管の総務区民委員会に付託いたします。

 日程第五を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第五 議案第三十三号 渋谷区プールの衛生に関する条例の一部を改正する条例

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました議案第三十三号は、公衆衛生上の規制対象とするプールの範囲を拡大するため、条例の一部を改正しようとするものであります。

 よろしく御審議を賜りまして、御議決いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は所管の福祉保健委員会に付託いたします。

 日程第六を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第六 議員提出議案第十号 渋谷区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 二十一番牛尾真己議員。



◆二十一番(牛尾真己) ただいま議題となりました議員提出議案第十号 渋谷区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について、提案理由の説明をいたします。

 本条例案は、医療費補助の対象を就学前から小学校六年生までに所得制限なしで拡大し、子育て世帯の支援を強化するものです。それに伴い、題名を渋谷区子どもの医療費の助成に関する条例に変更するとともに、対象年齢を六歳から十二歳に改めるものです。

 子どもの医療費は世帯の所得にかかわりなく、支出を余儀なくされるものであるだけに、医療費助成は安心して子どもを育てる環境づくりの施策として、三千二百を超える全国のほとんどの自治体で実施され、さらに対象の拡大が進められています。

 既に小学生以上の子どもの医療費助成に踏み出した自治体は、四月一日現在で百十三市区町村に上り、東京二十三区でも、北区では小中学生の、港区では小学生の入院医療費が無料化され、品川区では来年一月から通院、入院とも小学生まで実施する予定です。合計特殊出生率が〇・七五と少子化が最も深刻な当区でこそ、速やかに拡大することが求められます。

 なお、実施のための準備、周知期間を考慮し、十月一日を施行日としています。

 よろしく御審議いただきますようお願いいたします。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は所管の文教厚生委員会に付託いたします。

 日程第七を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第七 議案第三十五号 平成十六年度渋谷区一般会計補正予算(第一号)

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました議案第三十五号は、平成十六年度一般会計補正予算(第一号)であります。

 内容といたしましては、分庁舎借り上げ経費、子ども家庭支援センター整備費、都市計画道路用地購入費、上原中学校改築工事に伴い使用する旧都立代々木高等学校のグラウンド等の使用料でございます。

 補正予算額は、六億二千百九十三万三千円であります。これに伴います財源は、国庫支出金、都支出金及び繰越金に求めております。これによりまして、本年度一般会計予算総額は八百五十八億五千四百九十三万三千円と相なります。

 よろしく御審議を賜りまして、御議決いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は所管の総務区民委員会に付託いたします。

 日程第八を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第八 議案第三十六号 上原中学校改築工事請負契約

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました議案第三十六号は、上原中学校改築工事につきまして、戸田・フジタ・春山建設共同企業体と請負契約を締結しようとするものでございます。

 よろしく御審議を賜りまして、御議決いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は所管の総務区民委員会に付託いたします。

 日程第九を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第九 議案第三十七号 水無橋架替工事協定の締結について

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました議案第三十七号は、水無橋架け替え工事の委託につきまして、東日本旅客鉄道株式会社と架け替え工事協定を締結しようとするものでございます。

 よろしく御審議を賜りまして、御議決いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は所管の都市環境委員会に付託いたします。

 議事進行上、日程第十から日程第十二までを一括議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第十 議案第三十八号 特別区道路線の廃止について



△日程第十一 議案第三十九号 特別区道路線の認定について



△日程第十二 議案第四十号 特別区道路線の認定について

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました議案第三十八号は、特別区道第一四九号路線を廃止するため、第三十九号は、特別区道第一四九号路線を認定するため、議案第四十号は、特別区道第一〇六七号路線を認定するため、提出するものであります。

 よろしく御審議を賜りまして、御議決いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 以上三件は所管の都市環境委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。

 本日の会議は、議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議及び日程は、文書により御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後四時二十分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   丸山高司

渋谷区議会副議長  金井義忠

渋谷区議会議員   古川斗記男

渋谷区議会議員   長谷部 健