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東京都 渋谷区

平成16年  6月 定例会(第2回) 06月09日−04号




平成16年  6月 定例会(第2回) − 06月09日−04号










平成16年  6月 定例会(第2回)



          平成十六年 渋谷区議会会議録 第四号

 六月九日(水)

出席議員(三十四名)

  一番  前田和茂         二番  奈良明子

  三番  小林清光         四番  松岡定俊

  五番  沢島英隆         六番  栗谷順彦

  七番  芦沢一明         八番  金井義忠

  九番  薬丸義朗         十番  平田喜章

 十一番  東 敦子        十二番  水原利朗

 十三番  丸山高司        十四番  岡本浩一

 十五番  伊藤毅志        十六番  吉野和子

 十七番  古川斗記男       十八番  伊藤美代子

 十九番  鈴木建邦        二十番  長谷部 健

二十一番  牛尾真己       二十二番  森 治樹

二十三番  新保久美子      二十四番  五十嵐千代子

二十五番  木村正義       二十六番  齋藤一夫

二十七番  染谷賢治       二十八番  座光寺幸男

二十九番  広瀬 誠        三十番  植野 修

三十一番  小林崇央       三十二番  岡野雄太

三十三番  苫 孝二       三十四番  菅野 茂

欠席議員(なし)

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出席説明員

    区長            桑原敏武

    助役            神山隆吉

    収入役           内山卓三

    企画部長          星宮正典

    総務部長          山内一正

    区民部長          菊池 淳

    福祉部長          池山世津子

    厚生部長          松崎 守

    保健衛生部長        上間和子

    都市整備部長        古川満久

    土木部長          三浦惟正

    環境清掃部長        田中泰夫

    安全対策本部長       佐戸幸弘

    防災担当部長        柴田春喜

    都市基盤整備調整担当部長  小笠原通永

    教育委員会委員長      原 秀子

    教育委員会教育長      足立良明

    教育委員会事務局次長    北村奈穂子

    選挙管理委員会委員長    石井治子

    選挙管理委員会事務局長   坂井正市

    代表監査委員        倉林倭男

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事務局職員

事務局長  諸岡 博  次長    小湊信幸

議事係長  倉澤和弘  議事主査  松嶋博之

議事主査  岩橋昭子  議事主査  鈴木弘之

議事主査  中山俊幸  議事主査  宮本 勇

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   平成十六年第二回渋谷区議会定例会議事日程

            平成十六年六月九日(水)午後一時開議

日程第一         会期決定の件

日程第二   諮問第一号 人権擁護委員の候補者について

日程第三   議案第三十号 渋谷区の一般職の任期付職員の採用に関する条例

日程第四   議案第三十一号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例

日程第五   議案第三十二号 渋谷区印鑑条例の一部を改正する条例

日程第六   議案第三十四号 渋谷区防災従事者損害補償条例の一部を改正する条例

日程第七   議案第三十三号 渋谷区プールの衛生に関する条例の一部を改正する条例日程第八   議員提出議案第十号 渋谷区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

日程第九   議案第三十五号 平成十六年度渋谷区一般会計補正予算(第一号)

日程第十   議案第三十六号 上原中学校改築工事請負契約

日程第十一  議案第三十七号 水無橋架替工事協定の締結について

日程第十二  議案第三十八号 特別区道路線の廃止について

日程第十三  議案第三十九号 特別区道路線の認定について

日程第十四  議案第四十号 特別区道路線の認定について

日程第十五  報告第二号 平成十五年度渋谷区一般会計予算繰越明許費の繰越しの報告について

日程第十六  報告第三号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について

日程第十七  報告第四号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について

日程第十八  報告第五号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について

日程第十九  報告第六号 財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について

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   開会・開議 午後一時

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○議長(丸山高司) ただいまから平成十六年第二回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。

 この際、会議規則に基づき、十六番吉野和子議員、二十一番牛尾真己議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。

 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。

   〔諸岡事務局長報告〕

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 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。

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 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。

 桑原区長、神山助役、内山収入役、星宮企画部長、山内総務部長、菊池区民部長、池山福祉部長、松崎厚生部長、上間保健衛生部長、古川都市整備部長、三浦土木部長、田中環境清掃部長、佐戸安全対策本部長、柴田防災担当部長、小笠原都市基盤整備調整担当部長、原教育委員会委員長、足立教育委員会教育長、北村教育委員会事務局次長、石井選挙管理委員会委員長、坂井選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員。

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渋監発第四十五号

   平成十六年三月三十一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 植野 修

  平成十六年二月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十五年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋選発第八号

   平成十六年四月五日

 渋谷区議会議長殿

         渋谷区選挙管理委員会委員長 石井治子

   委員長及び副委員長の就任について(通知)

 このことについて、平成十六年四月五日付けで下記のとおり就任しましたので通知いたします。

              記




氏名
住所
備考


委員長
石井治子
渋谷区恵比寿
 一−三十−十四−三〇五
 


副委員長
福田 秀
同 代々木
 三−三十三−十四−三〇一
 



   〔以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第四号

   平成十六年四月十二日

 渋谷区議会議長殿

             渋谷区代表監査委員 倉林倭男

   代表監査委員の交替について(通知)

 平成十六年四月十二日付をもって、下記のとおり代表監査委員が交替したので通知します。

              記

   新倉林倭男

   旧橋口雄平

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渋監発第七号

   平成十六年四月三十日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

  平成十六年三月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十五年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第八号

   平成十六年五月三十一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

  平成十六年四月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十五年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋監発第九号

   平成十六年五月三十一日

 渋谷区議会議長殿

               渋谷区監査委員 倉林倭男

               渋谷区監査委員 橋口雄平

               渋谷区監査委員 植野 修

  平成十六年四月末日現在における例月出納検査の結果について(平成十六年度)

 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。

   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕

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渋教庶発第六号

   平成十六年六月七日

 渋谷区議会議長 丸山高司殿

                      渋谷区教育委員会

   教育委員会委員長等の就任について(通知)

 このことについて、下記のとおり就任しましたので、お知らせいたします。

              記



職名
氏名
就任年月日


委員長
原 秀子
平成十六年六月七日


委員長職務代理者
蝦名公子
平成十六年六月七日



   〔以下の朗読を省略いたします〕

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○議長(丸山高司) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成十六年第二回区議会定例会を招集し、提出議案の御審議をお願いするとともに、当面の区政の課題について御説明申し上げ、区議会議員各位及び区民の皆様の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

 まず初めに、三位一体改革による区財政への影響が懸念されますので、その動向について申し上げます。

 三位一体改革についての国の方向性は、国庫補助負担金は削減し、他方、税源を自治体に移譲し、地方の自主的財政運営を強化するためのものであります。

 ところが、この五月二十六日に明らかになった地方財政審議会による意見書によりますと、国税の所得税から地方税の個人住民税に本格的な税源移譲を行う方法として、五、一〇、一三%と三段階になっている個人住民税の所得割を一〇%に一本化−−比例税率化することを提言しております。また、総務省、財務省間で意見の相違はあるものの、地方の財源の確保を図るため、比例税率化については双方一致していると聞いております。

 さらに、都においても「地方分権改革における東京都の基本的見解」において、個人住民税の税率一〇%比例税率化を支持しております。また、都は比例税率化後の税収見込みにおいて、現行の住民税の所得割の税率、区八%・都二%を区七%・都三%と、都の取り分を増やして試算しているようであります。

 この一〇%に一本化された場合の影響でありますが、二十三区のうち本区を含めた八区において、増収になるどころか減収が見込まれます。本区においては、年間数十億に上る住民税の減収が見込まれ、これに対する財調等の減収補てんの見通しはありません。

 このような三位一体による地方税制の改正案は、自治体が自らの責任で自主財源を確保し、自立的な行財政運営を推進するという地方自治の本旨の考えに反するものであり、私としては到底受け入れがたく、区議会、とりわけ自治権確立特別委員会の御協力を得て、地方財源確保のため、税源移譲の対策等について国に要求したいと考えています。皆さんの御理解、御協力をお願い申し上げます。

 既に平成十六年度予算の成立を受け、全力を傾注し、その執行に当たっておりますが、その中で、旧渋谷小学校跡地複合施設の計画変更をしたいと考えております。

 同施設については、特別養護老人ホームを主体として計画したものでありますが、本年四月、教育委員会からの要望等があり、これを踏まえて中長期的な視点に立って検討した結果、その計画内容の一部を変更したいと考えるものであります。

 すなわち、教育委員会の要望への対応として、松濤中学校について、英語教育を重点とした特色ある教育のためブリティッシュスクール・イン・東京との協力関係を一層推進してほしい、また、教育センターについては、実施計画上の科学センター等も視野に入れて教育センターとけやき教室を同一施設とし、かつ交通利便も配慮し、別途整備することが望ましいこと、他方、高齢者施策対応として、ショートステイ等について区民の利用が急増しており、そのニーズに緊急にこたえていかねばならない状況にあります。したがって、ブリティッシュスクール・イン・東京とは引き続き協力関係の維持・強化のための方途について協議することとし、また、けやき教室については教育センター等と総合的な整備を図ることとし、それぞれブリティッシュスクール・イン・東京、けやき教室を利用計画から外し、三階部分については全面的にショートステイを主体とした福祉施設にすることとしたいと存じます。

 これに伴い、地下一階についても、渋谷区社会福祉事業団及びその関連施設等として整備します。

 これらの計画変更につきましては、今後さらに検討し、関係者と協議を進め、建設計画変更として改めて直近の区議会に報告したいと考えております。

 次に、情報化施策についてであります。

 本区はこれまでも、インターネットを活用した図書館での本の検索・予約サービスやスポーツ施設の予約サービスなど、IT技術の活用を図り、積極的に区民サービスの充実に努めてまいりました。電子申請サービス、電子調達サービスの実施につきましても、情報化の課題として準備を進めております。

 また、汎用コンピュータで運用しております住民情報システムにつきましては、稼働後十年を経過しシステムが肥大化、硬直化しており、今後、システム運用に係る経費を抑制しつつ、より柔軟性の高いオープン系の新システムに移行を進めねばなりません。

 そこで、まず、現行システムを外部データセンターに移設し、システムの運用に伴う経費を軽減しつつ、新システムへの移行を円滑に推進してまいります。外部データセンターへの移設に当たっては、個人情報保護条例に従い、情報セキュリティに十分配慮してまいります。

 さらに、現行システムの移設により汎用コンピュータが撤去され、電算室面積の縮小が可能となること、また、システムの運用、移行作業等を円滑に行うため本庁各部署との日常的に緊密な連携体制をとる必要があること等により、本庁舎近くに情報管理課を移転することとし、関係者との協議も進め、移転のための事務所スペースを確保する所要経費を補正予算として計上いたしました。

 なお、この分庁舎においては情報管理課の移転準備を行うとともに、十月開設予定の子ども家庭支援センターの準備室としても活用してまいります。

 子育て支援の充実について申し上げます。

 まず、子ども家庭支援センターの設置についてであります。

 乳幼児から児童、青少年まで、地域の子どもと家庭に関する相談に応じるとともに深刻化する児童虐待の早期発見、早期対応を図るなど、子どもと家庭への一貫した支援を行うため、本年十月の開設を目途に子ども家庭支援センターを整備いたします。設置場所につきましては、関係機関との速やかな連携、また相談に見える区民の方の利便性等を考慮し、区役所に隣接する神南小学校の一部を改修して設置することといたしました。今回、補正予算にその必要経費を計上しております。

 また、子育て支援センターとして区内五カ所目となる中幡子育て支援センターを、現在、中幡小学校内に設置している子育てひろばを拡張・整備し、これも十月を目途に開設する予定であります。

 以上、本定例会には条例案五件、補正予算案一件、契約案件二件等十七の案件を御提案しておりますが、区政を取り巻く諸課題について御理解を賜り、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

 以上をもちまして私の発言といたします。

 ありがとうございました。

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○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。

 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。

 十五番伊藤毅志議員。



◆十五番(伊藤毅志) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、二十一世紀の渋谷が抱える数々の課題、すなわち喫緊に解決するべき課題から、半世紀、一世紀先を見据えて今、解決していかなければいけない、取り組んでいかなければいけない課題まで、大きく五点について区長並びに教育長に質問をさせていただきます。

 質問に先立ちまして、去る五月二十三日に区立美竹公園で行われましたジョーダン・コート寄贈セレモニーについて、これが近未来の渋谷のまちづくりを予見させる大きな出来事だったという立場から、一言コメントさせていただきます。

 御承知のように、マイケル・ジョーダンと言えば「バスケットボールの神様」と呼ばれるNBAが生んだスポーツ史上最大のスーパースターであり、「大統領より有名な男」とも言われるほどの知名度を誇っております。そのジョーダンが日本でただ一カ所、渋谷区立の公園にバスケットボールコートを寄贈するというのですから、大変なこと。この渋谷の地が選ばれ、成功裏にセレモニーが行われた背景には、三つのキーワードが存在するものと私は考えております。

 一つ目のキーワードは、「発信力」です。

 渋谷は、言わずと知れた情報、文化、ファッションの日本における最大の発信地です。このイベントを企画したナイキジャパンも、「あのジョーダンが」「日本で最初のシューズリサイクル素材を使用したコートを」「渋谷の公園に寄贈した」という三点セットが企業としての戦略だったようです。私たちは、改めて渋谷ブランドの発信力の強さを再認識する必要があります。

 二つ目のキーワードは、「夢」です。

 当日は、渋谷区内でバスケットボールを行う二十名の児童生徒がラッキーな招待を受け、ジョーダンとテープカットに臨んだり、バスケットボールを手渡され始球式をしたり、記念撮影や記念のリストバンドを直接手渡されたりと、彼らにとっては夢のようなひとときを過ごしました。まるで渋谷区が取り組む青少年育成事業の目玉、こども夢チャレンジのスペシャルバージョンを見ているような気持ちになりました。

 当初、この寄贈式に、ジョーダンサイドとしては日本全国からジュニアを選抜したいという意向だったようですが、桑原区長の強い要望で区内の子どもたちに変わったとのこと。区長の青少年育成への熱意に敬意を表すものです。

 最後の三つ目、恐らく一番重要なキーワードは、「スピード」です。

 実はジョーダン・コートの寄贈場所は、これは関係者に伺ったところですが、美竹公園に決まっていたわけではなかったようです。都立日比谷公園や代々木公園も強力な候補地として同時に検討されたようですが、美竹公園に決定した最も重要なファクターは、スピードだったようです。公立の公園ということであれば、どこも窓口は行政ですから、スピードは望むべくもありません。ジョーダン来日決定からわずか一カ月程度のタイトなスケジュールの中、桑原区長は「やろう。ジョーダン氏来日までに間に合わせましょう」と瞬時に決断をしたそうです。このスピードと実行力が今回の快挙につながったわけですし、決定後は速やかに、地域の理解を得るべく関係者のもとを訪れるなど、説明責任も果たされています。

 今回の桑原区長の英断を高く評価しますとともに、今後とも渋谷区政の進展、安全・安心のまちづくりに向け慎重かつ積極果敢に行政運営をされますよう心より念じ、質問に入ります。

 まずは、冒頭の区長発言にもありました、三位一体改革と地方分権についてお伺いします。

 御承知のように、三位一体改革とは、小泉改革の中でも重要な柱の政策で、国から地方への税源移譲、補助金削減、交付金削減を同時に進めることで国と地方の税財政を改革し、無駄を省いて、地方が自らの判断により行政運営をしやすくしようとするものです。

 私は、この三位一体改革は、これまで補助金行政が招いてきた地方自治体の国への依存体質や行政サービスの画一化といった弊害を取り除き、特徴ある自治体づくりや真の地方分権を進めるために必要な改革だと考えています。

 しかし、今年度からスタートしたこの改革は、深い議論もされないまま、「一兆円削減」の掛け声のもと、義務教育国庫負担金や公立保育所への補助金などを中心に削りやすいものを削り、地方に押しつけました。しかも、本来、全額担保されるべき税源は、六千五百億円程度しか確保されませんでした。これでは当然、今年度、地方自治体への影響は小さくないと思われますが、まずは渋谷区において今年度どのような影響が生ずるか伺います。

 国の新しい「骨太の方針」では、二〇〇五年度、二〇〇六年度の二年間で三兆円の税源移譲を実施する方針を打ち出し、その税源は個人住民税に求めるとしています。歳出削減目標に合わせた税源移譲額の明記や所得税から個人住民税への移行は、地方にとって裁量権の拡大につながり、方向性としては間違っていません。しかし、その方法論が、渋谷区を初めとする都心区、全国の財政的に恵まれた一部自治体を犠牲にするものであれば、とても看過できません。

 「新・骨太の方針」では、年内に税源移譲の内容など盛り込んだ全体像を決定するとしていますから、時間は余りありません。私たちも全力でバックアップしますので、現在お考えの対応策をお示しください。

 また、区長は五月二十一日付の日本経済新聞に、「都は、教員の人事やまちづくりなどを責任ある判断のできる区に移譲すべき」とコメントしています。

 平成十二年四月の都区制度改革により、東京二十三区は基礎的な自治体として認められました。四年が経過し、二十三区の中でさえ、渋谷区や千代田区の国民健康保険料の取り扱いに見られるように、足並みがそろわず、独自色も出てきましたし、都区財政調整制度への不満も都心区から聞かれるようになってきました。

 地方自治体のあり方は、冒頭区長が発言されたように、自らの責任で自主財源を確保し、自主的な行財政運営を推進するということに尽きるのかもしれませんが、改めて、渋谷区の地方分権の推進について区長の見識を伺います。

 次に、まちづくりについて四点質問いたします。

 昨晩、原宿神宮前まちづくり協議会の総会が開かれました。その場で協議会から区長に対し、神宮前五・六丁目地区計画案並びに要望書が手渡されました。

 この地区計画は、拡大する渋谷駅周辺繁華街に対して、住商共存の良好な環境を守るという強い意思のもと、まちづくり協議会が自ら地域を設定し、まち歩き等、たび重なる調査を行い、つくり上げたものです。その内容は、神宮前五・六丁目にふさわしくない土地利用の規制、高さや形態等建築物の制限、公園の整備やバリアフリー、緑化の推進から成っていて、風俗営業やそれに準ずる施設を排除したり、路上での物品販売やキャッチセールス、歩きたばこや違法駐輪・駐バイクを禁止しようとするものです。

 私も神宮前五丁目の一住民として、まち歩き隊に参加したり地区計画案の作成にかかわってきましたが、今まで、これほど住民、地域が主導してつくられた地区計画が過去にあったでしょうか。とても画期的なことだと考えますし、まちづくり協議会の皆さんの原宿・神宮前を愛する気持ち、環境を守りたいという心が伝わってくるようです。是非この地域の気持ちに区長、行政も速やかにこたえていただきたいと思いますが、今後、地区計画実施に向けてのスケジュールと、この地区計画案への評価をお聞かせください。

 また、神宮前五・六丁目地区計画案作成に際して大いに参考にさせていただいた旧山手通り地区計画案が、一昨日より都市計画法に基づく縦覧手続に入っています。この地区計画案についての住民のかかわり方と、今後、地区計画決定までにどの程度期間を要するものか、あわせてお伺いします。

 次に、宮下公園の改良について伺います。

 ちょうど一年前の第二回定例会で、私は桑原区長に、宮下公園の地形を生かしフットサルコートを設置し、公園本来の機能を取り戻すべきと提案させていただきました。これは、宮下公園、美竹公園をそれぞれ点としてではなくエリアだと見てスポーツ公園化を図るという、統一地方選挙での私の公約でもあったからです。

 さらには、我が議員団からの予算要求にもおこたえいただく形で、今年度、宮下公園改良のための調査費がついたことに心より敬意を表すものです。

 御承知のように、宮下公園は、渋谷公共駐車場という建築物の屋上と渋谷川の暗渠部分から成っています。また、渋谷駅周辺ガイドプラン21においては水と緑の軸として位置づけられていますから、将来を見据え、耐震構造も配慮して、様々な角度からの調査・検討が必要だと思います。

 しかし、ガイドプラン21では、平成二十四年度の地下鉄十三号線・東急東横線相互直通運転をにらみ、渋谷駅の中心部、いわゆるコアの部分を整備し、宮下公園も含まれる周辺部については平成三十五年ごろまでに整備することとなっていて、少々時間がかかり過ぎます。本当にグッドタイミングでお隣、美竹公園にジョーダン・コートが寄贈され、今月後半にはスポーツ公園として生まれ変わります。これを機に、宮下公園においても暫定利用という位置づけで、区民要望の大変強いフットサルコートを設置すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 あわせて渋谷川暗渠部分、現在、自転車駐車場になっている奥行きのエリアを、これまた緊急の課題である放置バイク対策として、バイク駐車場を整備してはいかがでしょう。御所見を賜ります。

 なお、私が公共駐車場を経営する日本オートパーキング株式会社に確認したところ、平成十年に公共駐車場の耐震診断を行い、現状の構造で中地震程度までは問題なしとの診断結果が出ていることも申し添えます。

 まちづくりの三点目は、渋谷駅周辺の環境浄化策についてです。

 東京都は、いわゆるブルセラの禁止や、十八歳未満の少年少女を性風俗店で働かせたり、ホストクラブの客にしたりするために誘うスカウト行為を規制する改正青少年健全育成条例を今月一日から施行しました。私は、渋谷駅周辺の環境浄化にとって大変有意義な条例改正だと思いますし、渋谷区が行っている安全パトロールや防犯カメラの設置との相乗効果を心より期待するものです。

 しかし、私は、行政や地域の努力に反して、駅周辺繁華街には性風俗店等が最近とみに増えているように感じられます。聞くところによれば、性風俗の看板を出して営業している店より、大型マンションの部屋を使用し、違法に営業を始める者も多いといいます。このような状況は決して看過することはできませんし、これ以上の蔓延を防ぐ手だてとして、このエリア内に児童福祉法に基づく児童遊園を設置してはいかがでしょうか。この児童遊園が設置されると、半径二百メートル以内では新たな風俗営業が禁止されると聞いておりますから、渋谷駅周辺の環境浄化策の切り札ともなると考えますが、御所見を伺います。

 この質問の最後に、まちづくりにおける企業との協働について伺います。

 去る四月一日、渋谷区では、渋谷駅周辺を分煙ルールの重点地区に指定し、ハチ公前広場を初め十五カ所の喫煙スペースを整備しました。これは渋谷区が用地を確保し、日本たばこ産業−−JTが喫煙所を整備するという、行政と企業がまさにコラボレートする全国で初めての手法として、マスコミにも取り上げられました。また、先ほどからたびたび登場する美竹公園のジョーダン・コートも、ナイキジャパンの社会貢献事業という位置づけで渋谷区に寄贈されたものです。

 この二件の行政と企業の象徴的な協働に企業側が要した費用は、日本たばこ産業が、喫煙所の設置及び毎日の清掃作業で約一億円、ナイキジャパンのジョーダン・コートは約一千二百万円と推定されます。単純に計算しても一億一千二百万円の税金が浮いた計算となりますが、もちろん、実際の効果はこの金額の二倍、三倍以上になるものと思われます。納税者の視点から見れば「でかしたぞ、桑原さん」というところでしょうが、今後とも、このような企業と協働したまちづくりを積極的に進めるべきだと考えますが、区長の御所見を伺います。

 三つ目の質問として、福祉について二点お伺いします。

 一つ目は、五月に作成された特別養護老人ホーム入所指針による入所基準の見直しについてです。

 平成十二年度に介護保険が導入され、特養ホームへの入所も措置から契約へと変わり、要介護の方であればだれでも入所申請ができるようになりました。その結果、当面入所の必要のない方も、とりあえずの順番待ちのような感覚で申し込みをされたため、本年四月三十日現在の特養ホームの入所希望者は七百十五人にまで増えています。

 このような状態の中、本当に施設介護の必要な方から入所できるよう在宅での介護の困難度をポイントで表示するとともに、入所できるおおむねの時期を入所希望者に知らせる方法は、従来の入所方法と比べ、よりわかりやすく公平な入所制度となるとともに待機者の実態把握にもつながるもので、高く評価いたします。

 しかしながら、スピード入所重視という観点から、区内・区外施設を両方同時に申し込みたいという利用者の声も多く聞きます。この入所指針のガイドラインをつくるに当たり、一定期間実施後、見直しをすることが確認されているようですから、是非今後の推移や利用者の声に耳を傾けた後、入所方法の選択肢を広げるべきだと考えますが、御所見を伺います。

 二点目に、障害者支援費制度と介護保険制度の統合についてお尋ねします。

 二〇〇五年に予定されている介護保険制度の改正に向けて、現在、国において様々な検討がされていることは承知しております。その中でも、障害者支援費制度と介護保険制度の統合については大きな課題となっているところであり、最近の新聞報道によりますと、障害者の間においても賛否が分かれているとのことです。

 まだ国において改正案を検討している段階ですが、支援費制度には含まれない精神障害者も対象になり、自治体間のサービス格差も解消できるというのがうたい文句のようです。しかし、身体、知的、精神と分かれ、サービスの質も量も様々な障害者福祉が果たして介護保険制度になじむのか、また、現行の介護保険のように一定のサービス条件が設定されたりしないか、疑問な点も多々あります。今後の掘り下げた議論を待つ必要はありますが、現時点における区としての考え及び対応についてお聞きいたします。

 続きまして、子育てについて伺います。

 先般、新聞紙上に、厚生労働省が発表した十五歳から四十九歳までの女性が一生のうちに産む子どもの数を示す数値−−合計特殊出生率が、渋谷区は〇・七五人と全国自治体の中で最低だったとのデータが示されました。この数値をもって「渋谷区は子育てがしにくい所」というイメージを外から持たれるのであれば、大変心外なことであると私は考えます。なぜなら、渋谷区が行っている子育て支援策は、全国自治体の中でもトップレベルにあるであろうと思われるからです。

 区長発言にもありましたように、二十三区でも先進的な取り組みである学校空き教室などを利用した子育て支援センターの整備は、各地域にきめ細かく展開され、本年度は五カ所目の施設、中幡子育て支援センターがオープンします。また、深刻化する児童虐待の早期発見、早期対応を目指し、子どもと家庭のあらゆる相談に応じる子ども家庭支援センターの本年十月開設も、他自治体では類を見ないものです。そのほかにも、旧渋谷小学校跡地複合施設に保育園を新設、今年度設置される駅前認証保育所と合わせますと、区内の保育園待機児はほぼ解消されるものと推察されます。

 渋谷区が平成十四年度に実施した渋谷区健康づくりのための区民健康実態調査で、子育て環境をよくするためのニーズの高かった保育の充実、安心して遊べる場の確保、育児相談の充実、子育て支援センターの増設などにも的確に対応した施策がとられており、さらには、本年三月に策定された区民の健康づくりの基本計画である健康しぶや21の中にも、三本柱の一つとして子育て支援が盛られています。

 多分、実際に渋谷区内で子育てをしている保護者の子育て施策に対する満足度は、かなり高いものがあると思われますが、なぜかこれに連動して合計特殊出生率はなかなか上がってきません。区長はこのギャップをどう考え、分析されているのか、また、出生率を上げるための有効的な対策をお持ちか、お伺いいたします。

 最後に、特色ある教育の推進という視点で教育長に三点質問いたします。

 まずは、今年度より実施されました学校選択希望制についてですが、結果を見ますと、予想どおり、昨年度までとは児童生徒の入学動向に大きな変化があらわれました。指定校の変更率では、小学校で十五年度の一九・六三%から二四・二七%、中学校では二〇・一一%から二二・七〇%へと上昇、その内訳は、大部分が学校選択希望を理由とするものです。

 学校別新入生の状況を見渡しますと、これもやはり予想どおり、児童生徒が集まった学校、集まらなかった学校、そしてほとんど変化のなかった学校に三分化されています。生徒が集まった学校として特に顕著なところは、松濤中学校と広尾中学校が挙げられますが、両校は、学校選択希望制を見据え、早々と英語教育重点校並びに連携型中高一貫校に指定され、特色づくりに取り組んできました。やはり明確で魅力ある特色づくりが生徒を呼び込む要因になったものと考えますが、教育委員会としては、学校選択希望制初年度の結果をどのように分析されているのか、来年度への課題をどのようにとらえられているのかお伺いいたします。

 次に、松濤中学校とブリティッシュスクール・イン・東京についてお聞きします。

 本年度の予算では、教育分野において特色ある学校づくりに重点が置かれました。この方針に沿って教育委員会は、区長発言にあったように、松濤中学校について、英語教育を重点とした特色ある教育推進のため、ブリティッシュスクール・イン・東京との協力関係を一層推進してほしいと要望したものと推察いたします。私も、松濤中学校のケースは、英語教育特区ではない、学習指導要領に基づく現行制度の中で公立校がここまでできるというモデルケースになり得るものだと確信しています。

 先日、松濤中学校にお邪魔したとき、外国人アシスタント・ティーチャーと生徒が英語でもどかしそうに、しかし一生懸命コミュニケーションを図っている姿を目にし、常に英語と触れ合うことこそ上達の早道だと感じました。今までも生徒間、教師、学校間で交流してきたブリティッシュスクールとは、是非さらなる連携強化を図ってほしいと思いますが、具体的な連携強化策について伺います。

 また、ブリティッシュスクール・イン・東京については、その校地が手狭なため渋谷区からの引っ越しも検討しているという話を聞きました。私は、ブリティッシュスクールサイドにとっても松濤中学校にとっても、ブリティッシュスクールの一部を松濤中学校の校地内に招致することがよりよい選択であると考えますが、いかがでしょうか、御所見を賜ります。

 最後に、学力テストの結果公表についてお尋ねします。

 荒川区と品川区は昨年から、いわゆる学力テストの結果を公表、本年四月には、それぞれ二回目の公表を行いました。荒川区と品川区とでは公表の基準となる学年や科目、手法も異なっていますが、どちらも基礎・基本学力の定着に向け、目標値を示した上で行われているのが特徴です。また、両区とも、学力テストの結果を公表するようになってから、学校や教師がそれぞれ教え方を工夫し始めたり、各校が学力向上への対策を紹介するコーナーを学校のホームページ上につくったりと、学校全体で学力向上をさせる姿勢が見えてきたことも大きな特徴です。

 一方、当初から懸念されてきた「学校間の競争をあおり、学校の序列化につながる」とか「親が進学先を選ぶ際に過度に引きずられる」という心配は今のところないようです。両区とも渋谷区より早く学校選択希望制を導入しているにもかかわらず、学校間の序列化などリスクの部分が小さいとすれば、基礎学力向上と公立学校復権の有効な手段になるものと思われますが、渋谷区において導入のお考えはありませんか、お伺いいたします。

 以上、御答弁よろしくお願いいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団、伊藤毅志議員の代表質問に順次お答えをいたします。

 最初に、ジョーダンメモリアルコートの寄贈につきまして、二十一世紀のまちづくりを示唆するものとして私の判断ともども評価をいただきました。また、国の三位一体改革につきまして、本区の財政上の影響について御理解を賜り、また御支持をいただいたこと、大変ありがたく、心強く思うものでございます。

 最初に、三位一体改革による平成十六年度の本区に及ぼす影響についてお尋ねでございます。

 国庫補助負担金等の削減額は、公立保育所運営費、国と合わせて約四億七千万円、介護保険事務費、約五千万円、児童手当事務費、約三百万円等で、合計約五億三千万円であります。一方、国庫補助負担金の削減に対して所得譲与税が創設されましたが、交付額は約三億三千万円と見込まれ、差し引き約二億円の一般財源の持ち出しとなっております。もちろんこの所得譲与税も、今回の三位一体改革によってこれはなくなる、こういうことでございます。

 次に、財政運営と構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太方針の対応策についてのお尋ねでありますが、六月三日の経済財政諮問会議で方針を決定したようであります。その内容は、あくまで新聞報道でありますが、二〇〇六年度までの改革の全体像を二〇〇四年秋−−今年の秋でございますけれども、明らかにし、年内に決定をする。税源移譲はおおむね三兆円規模を目指す。前提として、地方公共団体、国庫補助負担金改革も具体案を取りまとめるよう要請し、これを踏まえて検討する。二〇〇六年までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施する。個人住民税所得割の税率はフラット化する方向で見直す。ここでは「フラット化」ということで、一〇%とは出ておりませんけれども、まず一〇%であると、このように考えております。地方の効率的な行財政運営を促すよう、地方交付税の算定の見直しを検討するという内容でございます。

 昨年度決定の三位一体改革は、文字どおり国の補助金を減らし、自主財源を減らすという内容でございまして、実質的な運営を強化する方向であると、このように私は考えておりました。しかし、今回、明確になった方向は、個人住民税の一〇%比例税率化を行い、偏在度の高い地方税を国に逆移譲させようという内容でございます。全国知事会、全国市長会、さらには都知事もこの考え方を支持し、一方では、現行の地方消費税を一%から東京都は二・五%にしようと、こういうふうに言っているわけでございますが、このことについては国はこれを認め、支持するようなことは言っていないわけでございます。

 したがいまして、大勢は動かず、苦しい戦いになる、このように思っております。このことは、せっかく都区財政調整制度におきまして納付金制度が廃止され、本区といたしましては大変喜んでおったわけでございますけれども、今度は都にかわりまして恒常的に国に収奪される結果と相なるわけでございます。

 これに伴いまして平成十六年度、認められております所得譲与税はなくなるわけでございますから、影響は、単に本区のみならず、また八区のみならず他の区にも影響は大きいであろうと、このように思っております。

 さらにさかのぼれば、国は平成十二年、減税をいたしたわけでございますけれども、そのときは地方住民税を一五%から一三%に引き下げたわけでございますけれども、その当分の間の措置といたしまして、地方特例交付金、これを新たに創設をしたわけでございます。その際には、本区に今年は四十一億円来ているわけでございますけれども、その取り扱いについてもその動向を見極めていく必要が出てきたと、このように私は思っているわけでございます。

 したがいまして、このまま年間数十億円の減収が続くならば、福祉、保健、教育など区民生活に悪影響は避けられない、このように思っております。

 私は、区長会あるいは関係区とも協議し、区議会の強い御支持、御協力をいただきまして、そのようなことにならないよう全力を傾けてまいりたい、このように思っております。

 次に、渋谷区の地方分権の推進についての考え方をお尋ねでございます。

 御承知のとおり、平成十二年四月、特別区は基礎的自治体とされたところでございます。しかし、渋谷区が区民の生活に責任を持ち、その役割を果たしていくためには、なお大きな課題が残っている、このように思っております。

 その一つは、小中学校の人事権が区になく、都にあるということでございます。人事異動にかかわります情報は区にあるわけでございますけれども、都が人事権を握っているということは、適切な人事を保障されていないということになるんであろうと、このように思います。最近、全国市長会でもこの発言が目立っているわけでございます。

 二点目として、まちづくりに関しまして、一万平米以上の建築や総合設計は都の権限でございます。このことは、まちづくりにつきまして都と区が分かれることになりまして、整合性、一体性のあるまちづくりは難しいと、このように思っております。

 三点目として、都区財調が依然として残されている、そして区側の自主的、計画的な財政運営が困難になっているということでございます。いずれかの時期に、この自治権拡充の制度改善を進めなくてはならないのではないかと、このように思っているものでございます。

 次に、まちづくりについてでございます。

 四点の質問について順次お答えをしたい、このように思います。

 まず、原宿神宮前まちづくり協議会から提出されました神宮前五・六丁目地区地区計画につきまして、今後の地区計画実施に向けてのスケジュールと、この地区計画案への評価についてのお尋ねでございます。

 神宮前五・六丁目地区地区計画案につきましては、原宿神宮前まちづくり協議会が中心となられまして、地域の住民自身がまちの課題や問題の把握から始め、まちのあるべき姿の設定、そのための具体的方策を導き出すという検討を進めてまいられ、昨日、私に、要望書という形で区に提出されたものでございます。この地区計画案は風俗営業の進出を防止することを主眼とされたものでございまして、この地域の環境を守る効果を持つ内容であると、このように考えております。

 伊藤議員の御指摘のとおり、この地区計画案は住民主導でまとめられた初めてのケースであり、協働型まちづくりを基本としている本区にとりましても、十分尊重すべきものと考えております。今後、本区でも当該地域の現況調査を実施するとともに、この地区計画案をベースといたしまして、地域住民の意見を聞きながら都市計画法に基づく正式な地区計画案としたいと、このように考えております。

 今後のスケジュールとしては、できるだけ早い機会に都市計画決定を行いまして、地区計画に関する建築条例として区議会に御提案をさせていただきたい、このように考えております。

 次に、旧山手通り地区地区計画についての住民のかかわり方、そして今後の地区計画実施に向けてのスケジュールについてのお尋ねでございました。

 旧山手通り地区地区計画は、地域住民の「建物の高さを制限するなどして旧山手通りのすぐれた景観や環境を守りたい」という要望を受け、区側から地域に呼びかけをいたしまして、検討・協議を進めてまいった経緯のものでございます。これまで六回の懇談会を開催し、アンケート調査などを行いました。

 この地区計画案の内容につきましては、懇談会の中で、まちの課題や問題点の把握、まちのあるべき姿の設定、そのための具体的方策などについて論議を重ね、決定した経緯のあるところでございます。本年四月十四日には原案の住民説明会を実施し、所定の手続を経て、現在、最終的な地区計画案の公告・縦覧の手続に入っております。

 今後のスケジュールでございますけれども、七月に都市計画審議会で御審議をいただいた後、都市計画決定をし、地区計画に関する建築条例として区議会に御提案をしたい、このように考えております。

 次に、宮下公園の上部をフットサルコートに、渋谷川暗渠部をバイク駐車場としての整備をしてはどうかという御提言でございます。

 宮下公園の整備につきましては、今後、整備計画、事業手法について検討を行う予定でございますが、その間の暫定利用として、御提言のフットサルコートにつきましてはその可能性、位置、管理方法等を具体的に検討してまいりたい、このように思います。また、バイク駐車場の整備につきましては、御提言を受けとめ、区政の課題として具体化の検討をしてまいりたい、このように思っております。

 次に、繁華街を対象とし、風俗店の出店を防ぐために、児童福祉法に基づく児童遊園を設置してはどうかというお尋ねでございます。

 繁華街の環境を守っていくためには、御提言にもございますよう、まちづくりの視点から、児童福祉法に基づく児童遊園の設置を積極的に進めたい、このように考えております。今回、百軒店の地域を考えておりますが、第一回区議会定例会で御決定をいただきました渋谷区安全・安心でやさしいまちづくり条例の改正規定に従い、まちづくりに関する法令を活用いたしまして、青少年の健全育成に配慮した地域環境の向上に努めてまいりたい、このように考えるものでございます。

 次に、まちづくりの観点から、企業の社会貢献活動と協働によるまちづくりについての御質問でございます。

 本年四月、渋谷駅周辺に、企業の御協力により喫煙ブース十五基が設置されまして、地元の美化推進協議会の委員、NPO、企業関係者等による啓発活動や清掃活動と相まって、たばこの吸い殻ごみ等が大幅に減少し、また、喫煙者にも好評でありました。また、先月の、企業の社会貢献活動としてジョーダンメモリアルコートの設置と寄贈は、青少年に大きな夢を与え、青少年の健全な育成に大きく貢献してくれるものと期待をするものでございます。

 これまで行政は、企業は営利目的のための活動であると考え、一歩間隔を置いて対応してまいったのも事実でございます。しかし、御指摘のように、多くの企業は社会貢献活動が自社ブランドを高め、企業が継続的に発展していく経営戦略として重視し、積極的に展開をしているわけでございます。区政にとりましても、企業との連携・協働事業は、これまでにない新たな発想による事業展開が推進でき、その成果も質が高く、大きな行政効果が期待できます。

 今後、協力企業選択の透明性、公平性を保ちつつ、連携・協働できる行政課題との整合を図り、企業による社会貢献活動との協働によるまちづくりを進めてまいりたい、このように思っております。

 次に、特別養護老人ホームのガイドライン−−入所指針についてのお尋ねであります。

 本区は本年五月、入所指針を決めました。その趣旨は、伊藤議員のお話の中にもございましたけれども、ポイントによる入所優先度を示すことによりまして、入所希望者にわかりやすく公平な制度とすること、及び入所希望者におおむねの入所時期について知らせることを目的としたものでございます。入所時期がある程度予測がつくことによりまして、入所希望者と介護されている方々が新しい生活を送るに当たっての様々な準備も可能になる、このように思います。

 この指針策定の検討に当たりましては、在宅介護支援センター、特別養護老人ホーム職員の声も聞きまして、一年余りにわたっての検討を重ねてまいった経緯のものでございます。また、この指針による申し込みのあった際は、在宅介護支援センターが入所希望者の待機状況を把握することができるようになりますので、待機期間中のフォロー体制を確立することも容易になる、このように考えております。この入所指針による申し込みは六月に開始したばかりでございますので、当面はこの方針で実施をしてまいりたいと考えております。

 なお、御質問の入所方法の選択肢の拡大につきましては、先々その方向で検討してまいりたい、このように思います。

 次に、障害者支援費制度と介護保険制度の統合についてのお尋ねでございます。

 介護保険制度については、介護保険法附則第二条において、被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲、保険給付の内容・水準、保険料及び納付金の負担のあり方を含め、平成十七年度を目途としてその全般に関して検討を加え、その結果に基づき必要な見直し等の措置を講ずるものとしており、現在、国の審議会等において検討がされているところでございます。

 こうした中で、制度創設時からの課題であります障害者福祉との統合についても議論がなされており、関係各方面から様々な御意見が出ていることは伊藤議員の御指摘のとおりでございます。区といたしましては、被保険者の範囲拡大及び障害者福祉との統合などにつきまして、区民の負担を伴うことであり、慎重な論議が必要と考えており、また、その旨、都を通じて国へ要望を出しているところでございます。

 秋には介護保険法改正の厚生労働省案が公表され、来年一月の通常国会に提出される見通しでありますので、その動向について注意を払ってまいりたいと、このように考えております。

 子育て支援策についてのお尋ねでございます。

 今般発表されました合計特殊出生率は、渋谷区は全国で最低の数値であり、本区の行政対応、行政サービスが悪いためであるかのような言い方をされる方もあるわけでございます。

 しかし、このことは慎重に、丁寧に調べてみればわかることでありますが、本区では、十五歳から四十九歳までの女性のおおよそ三人に一人は単身で生活をされており、これが二十三区のみならず全国でトップの比率であるわけでございます。言うならば、この調査結果は、本区が単身で働く女性にとって最も働きやすく、住みやすいまちだ、こういうことの証左でもあると思っております。

 晩婚化、非婚化は、個人の価値観やライフスタイルの問題でありますが、出生後の子育て支援策については伊藤議員、御指摘のとおり、本区はこれまでも充実した施策を展開し、全国トップの水準でございます。来年度におきましても旧渋谷小学校跡地に認可保育園を新設するほか、現在、認証保育所の誘致についても準備を進めております。また、冒頭の発言の中で触れましたが、本年十月には子どもと家庭への一貫した支援を行う子ども家庭支援センターと、区内五カ所目となる中幡子育て支援センターを設置いたします。今後とも、安心して子育てができる様々な環境整備を着実に推進してまいります。

 このことが、また結果的に出生率の向上につながるものだと、このように考えるものでございます。議員にも御理解をいただきたい、このように存じます。

 以上で私の答弁は終わらせていただきます。



○副議長(金井義忠) 足立教育委員会教育長。



◎教育長(足立良明) 私には、三点にわたる御質問でございます。

 まず初めに、今年度より実施いたしました学校選択希望制について、初年度の結果をどのように分析し、来年度への課題をどのようにとらえているのかとのお尋ねでございます。

 御質問のとおり、学区域外への入学者数は、昨年に比べ小学校で四・六四%の増、中学校では二・五九%の増となりました。ここ数年、小中学校ともに区域外入学は増加の傾向にありますが、小学校においては、その増加傾向に加えてやや増となっております。

 各学校別の結果を見てみますと、これまでの入学人数に比べまして多かった学校、少なかった学校がございました。その要因といたしましては、御指摘のように、中学校におきましては特色ある学校づくりが特徴的ですが、そのほかに、特に小学校では、教育活動の内容や学校の様子、通学上の利便性なども選択の大きな理由として考えることができます。

 現在、より具体的な要因を把握するため、小中学校の新一年生の保護者全員を対象に、その学校の選択に当たって重視した点、また参考にした情報などについてのアンケート調査を実施しているところでございます。アンケート調査の結果につきましては、七月下旬をめどに取りまとめる予定でございます。このアンケート調査も参考とし、分析の上、来年度へ向けての課題を明確にしてまいりたい、このように考えております。

 次に、松濤中学校とブリティッシュスクール・イン・東京との連携強化策と、同校の松濤中学校への一部の招致についてのお尋ねでございます。

 松濤中学校では本年度から英語教育重点校として、英語の授業以外にも、音楽や美術、体育の授業を英語で行ったり、外国人指導員を校内に常駐させて朝の英語活動や富山移動教室に同行させたりするなど、生徒が英語に触れる機会を可能な限り増やしております。

 御質問のブリティッシュスクール・イン・東京との連携強化策でございますが、これまでもサッカー部の合同練習や教員の英語研修会を実施するなど、交流を深めております。今後は同校の教員を松濤中学校に派遣することや、クラブ活動での生徒間の交流、研修を通じた教師間の交流など、連携強化策をさらに推進してまいります。

 御提案の、同校の松濤中学校への一部招致も含めて、英語教育重点校として、生徒が常に英語に触れる機会を増やすためのよりよい方法を今後も探ってまいります。

 次に、学力テストの結果公表についてのお尋ねでございます。

 御指摘の荒川区と品川区は、区独自の学力テストを実施し、その結果を学校別も含め公表したものです。

 学力テストの結果公表については、基礎的学力の定着度を把握し、指導方法の改善・充実、学力向上の取り組みにつながるという制度本来の目的を達成する上で、どのような公表方法が適切なのか、また、公表による影響を十分に見極める必要があると考えております。児童生徒の学力向上と、信頼される学校づくりのための教育施策の一つとして、教育委員会でも議論し、検討してまいります。

 以上でございます。



○副議長(金井義忠) 十五番伊藤毅志議員。



◆十五番(伊藤毅志) 区長並びに教育長から、おおむね納得のできる御答弁をいただきました。

 特に、三位一体改革の税源移譲、個人住民税のフラット化についてはですね、もうこの渋谷区の自治権確立という点からすればですね、もう本当に悪政としか言いようがありません。区長はですね、苦しい戦いになるというふうに答弁でおっしゃっていましたけれども、染谷自治確委員長を中心にですね、先頭に、我々も、議会も精いっぱいこのことに関しては戦ってまいりたいというふうに思いますので、御安心をいただければというふうに思っております。

 また、宮下公園のフットサルコートについてですけれども、短い答弁ではありましたけども、非常に踏み込んだ、例えばフットサルコートの位置ですとか管理方法にまで言及をされたことにですね、心から敬意を表します。重ねて、なるべく早い実現がされますことを心より期待をいたすものでございます。

 質問の最後に、議員団の総意としまして、長崎・佐世保の小六女児殺害事件について討論をさせていただきたいと思います。

 ちょうど三年前の二〇〇一年六月八日に起きた大阪・池田小での児童殺傷事件を機に、渋谷区を初めとする全国自治体では、学校の外からの脅威に対して徹底的にガードを固めてきました。私も、このところ行われている区内各校での運動会や公開授業に参加して、学校やPTAの皆さんが協力してセキュリティ強化をしている姿を拝見し、安心をしていたところ、この痛ましい事件が起こりました。

 安全であるべき学校の内側で、しかも女児同士によるものとは、暗然とした気持ちになるとともに、「なぜだ」という思いがいまだに脳裏から離れません。被害者本人と残された家族の悲しみ、無念さは察するに余りあります。被害者の御冥福をお祈りしますとともに、関係者には事件の動機、背景を徹底的に探り、再発防止への手だてを講じるよう心から望むものです。

 現在、報道では、互いのホームページ上の書き込み内容がエスカレートし、殺意を抱くようになり、カッターナイフで殺害に及んだということのようです。一部の教育現場では「インターネットが悪い」「カッターナイフを取り上げろ」というような動きもあるようですが、インターネットもカッターナイフもしょせんは道具にすぎません。正しい使い方を大人が教えれば済むはずです。

 渋谷区教育委員会が、事件のあった当日夕方には、指導室長名で区各校に「生活指導と心の教育の徹底について」という事務連絡の文書を配付したことは、その内容とスピードを評価しつつ、今後とも、このような事件はどこの学校でも起こり得るという意識を持って、子どもたちから発せられるわずかな変化やメッセージを受けとめてほしいと切に願います。

 私たち議員も、多かれ少なかれ必ず地域で子どもたちとのかかわりを持っています。今後はさらに学校、家庭、行政とのパイプ役として、子どもたち、青少年の健全育成に資するべく積極的に努力することをお誓いして、私の質問を結びます。

 長時間の御清聴に心から感謝します。ありがとうございました。



○副議長(金井義忠) 十九番鈴木建邦議員。



◆十九番(鈴木建邦) 未来の渋谷を代表して、質問をいたします。

 我が会派が区議会改革を掲げ、「議会の常識は区民の非常識、区民の常識は議会の非常識」と揶揄されてしまうような状況の打破と、そして議会における議論の活性化を目指して結成してから一年がたちました。この間、本会議における様々な提案を初め議会運営の見直し、新しい考え方や尺度の提示などを行ってまいりました。議会内外で一定の評価を受けたと自負をするものであります。

 特に、議会での議論活性化には大きく寄与をしたと考えています。我が会派には事業家やサラリーマン、政党人やNPO人、地域に根差す者や全区的に活動する者など様々な考え方を持つメンバーが集まり、試行錯誤をしながらお互いの意見を認め合い、多様な観点を持ち寄りながら活動をしてまいりました。この認め合うことこそが議論の原点であると、このように考えます。

 今後も様々な意見、立場を尊重しつつ、我が会派は区議会改革、区政改革へと邁進することを区民の皆様方に改めてお誓いを申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 第一回定例会で成立をいたしました平成十六年度の予算は、新たに創造的な政策展開も始めたものでございます。この点につきまして、会派として率直に評価をいたします。

 しかしながら、今の渋谷は、ばらばらな社会的背景を持つ人がばらばらに生きている、そういったような状況になりつつあります。勤務時間が多様になり、勤務形態も多様になり、家族構成や家族観も多様になり、そして所得の格差も拡大しています。一言で「ライフスタイルの多様化」とあらわすには余りにも多様になり過ぎています。インターネットを初めとする情報化の進展は様々な価値観、仕事観、生活観、家族観を生み出し、標準的な家族像や標準的な生活像を壊しつつあるかのようです。

 このような住民のライフスタイルが多様な中で今後の区政を的確に運営していくためには、対症療法的に施策を展開するよりも、基本的な原則を明確な形で再構築して、その原則にのっとって事務事業レベルから精査、検討を加えていくことが不可欠であります。そこで、さらなる改革、体質改善に向けて必要となるであろう原則を幾つか提示し、区長のお考えをいただきたく思います。

 先ほども申し上げましたように、我が会派は様々な意見を尊重し合い、区政の場での議論を活発化することに使命がございます。議論のたたき台として五つの原則を御提示申し上げますので、是非区長の御見解をいただきたく存じます。

 一点目に提案します原則は、組織の活性化とパフォーマンスの向上を常に念頭に置くことであります。当たり前のことではありますが、組織のパフォーマンスは構成する人の能力と意欲に左右されます。平成十五年第四回定例会の質問では、このような趣旨から幾つかの御提案をいたしましたけれども、さらに行政改革のインセンティブをつくるなどの仕組みの部分を再検討する必要があります。

 また、職員の意欲を向上させる取り組みも、さらに研究すべきであります。先日、会派の視察で訪れた指宿市の例をお話しいたします。

 指宿市は、市長を中心に、ごみの排出量をたった二カ月で半減させるという取り組みを成功させた市です。市長や議員が率先して、二カ月間、毎朝ごみの集積所に立ち、分別とごみの減量を訴えました。その結果、全庁全市が一丸となることができて、なんと二カ月間でのごみ排出量半減という、とんでもない難問を見事達成したということです。

 さて、この事業を担当し、自らも積極的に行動し、様々なアイデアを出していた担当課長は、目を輝かせながら「今の仕事には充実を感じている」と語っていました。彼は自転車での行き帰りにごみを拾い、年末などの休日でも、ごみの集積所で手伝いをしているそうです。彼のように仕事にやりがいと充実感を感じている人間は、高いパフォーマンスを達成いたします。

 組織活性化とパフォーマンスの向上を最優先で目指すべきであると考えます。当区では、優秀な人材が生き生きと頑張っていることはよく存じているところでありますが、さらなる意欲向上を図るためにどのような取り組みを行っているのか、また、組織活性化についてどのように考えていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。

 二点目に提案をいたします原則は、評価基準の明確化と経営資源の集中であります。

 区の予算、人、施設、物品は有限でありますから、これらの資源を効率的かつ効果的に用い、最大のパフォーマンスを目指すためには、ある程度、経営資源を集中することが必要です。民間でもしばしば言われますけれども、あれもこれもと手を出していくのではなくて、選択と集中を行い、効果を上げるべき事業に絞って資源を投入し、目標を効率的に達成する、こういうことが望ましいと考えます。

 そのためには、前提として、事務事業を評価する基準を明確化しなければなりません。現在は、まだまだ評価が明確でないために、各事務事業が有用であるかどうかわからず、なかなか明確な優先順位がつけられない状態です。必要性、緊急性による判断も、その事業をやるかやらないかの判断には適しますけれども、選択と集中を考えたときに、どの事業に集中するのか、あるいはどの事業を縮小、終了するかの判断にはなかなか難しいものがあります。明確に比較をできる共通の尺度としては不足がございます。結果的に経営資源の集中が行われにくくなっている、この現状をどのように考えていらっしゃるのか、区長のお考えをお聞かせください。

 また、しばしば「これには福祉的な意味合いもある」などという形で、付加価値をつけた形で事業の意義を拡大するような傾向があると思います。まず本来的に達成すべき課題を明確にして、そこに基づいて事業を判断あるいは検討をするべきではないでしょうか。理屈や目的、付加価値は幾らでもつけようがありますから、どうしても議論がぼやけます。本来達成すべき課題に対して、事業が適正なのか、代替手段を考えるべきではないか、あるいはほかの課題の方を優先すべきではないのかなど、本来達成すべき課題に焦点を絞って様々な検討を行うべきであると考えます。区長のお考えをお聞かせください。

 三点目の原則であります。経済的な成長を遂げた日本の中での行政の役割を今後、考えたとき、これからの政治は「最大多数の最大幸福」ではなくて、「最大多数の最小不幸」これを優先すべきであると考えます。本当に困っている人にまず救いの手を差し伸べること、これを優先し、重点を置くべきではないでしょうか。えてして政治的な判断は、数の多さや政治的な力に左右されがちではありますけれども、そこから漏れている困っている人、孤立した人、これをまず優先すべきであると考えます。

 深夜のFMラジオ番組で、先日「育児に追われているけれども、仕事もあって限界に来ている。頼れる親戚や友人もいない」などと嘆いていたシングルのお母さんがいらっしゃいました。その後、番組ではその方に対する温かいメッセージが殺到するのですが、「自分もそうだ」そういうふうに打ち明けていらっしゃる方も少なくなかったんです。匿名でしたので、どの自治体の方かはわかりませんし、渋谷区ではそういった状況はないと信じてはおりますが、世の中にはまだまだ一人で苦しんでいる方も多いのだと実感をいたしました。私たち区議会議員や区役所の窓口に相談にいらっしゃる方は、もしかしたら氷山の一角かもしれません。

 例えば内臓疾患、内部障害のように、一見普通の生活をしていても体内に障害を抱えてしんどい思いをしていらっしゃる方など、多くの困っている方々がまだまだ救いの手を差し伸べられていない現状がございます。内部障害というのは、心臓など体内に重い病気を患っている方のことですが、手や足の障害のように目に見える部分がないために、シルバーシートなどに座るのをためらってしまう、そういうような方がいらっしゃいます。自分から「障害を持っているんだ、助けてくれ」こういうことを言い出すことが難しいんです。

 このように、困っていても、その数が少なかったり声の上げ方がわからなかったりで救いを求めることができない方々が存在をいたします。区政の根本として、明確に最大多数の最小不幸、これをまず求めるんだといった原則を明確にするべきであると考えます。区長のお考えをお聞かせください。

 四点目は、広い意味で自立への支援を重視するという原則です。昨今の区政は、従来よりも自立支援が明確になってきつつありますが、さらに徹底をする必要があります。個人やグループが自立できるように、自立支援になる方法を選んで実行すべきであり、また、既に存在する支援策についても、意欲を引き出して自助努力を促すものに更新すべきであると考えますが、いかがでしょうか、区長のお考えをお伺いします。

 五点目に提案をいたします原則は、公でしかできないことを優先するということです。

 教科書的に言うと、行政とは公共財を提供する機関でございます。「公共財」の定義は様々ですけれども、厳密に言いますとですね、消費の非競合性、そして消費の排除不可能性をともに満たすものというふうに定義をされています。ここまで教科書的ではなくてもですね、例えばですね、街灯のように、何人もで同時に使うことができます。そして、お金を取って「お金を払わない人は使わないでください」そういうような排除ができない、こういった財のことを本来の公共財と言います。

 もちろん、これだけでは行政サービスは終わりませんから、ある程度満たすような公共性のある財のことを準公共財と言って、この渋谷区でも多数の事業によって準公共財の提供がなされています。

 私は、純粋な公共財のみを提供せよと主張するものではありません。しかしながら、公共性の定義の仕方によって、幾らでも公共財、準公共財の範囲は広がっていってしまうんです。この点を非常に危惧をいたします。例えばプールなどは、公営のもの、民営のもの、どちらもございます。映画館であっても、理屈によっては公で運営をすることが可能です。公共性についてはできるだけ厳格に検討し、絶えず精査をしていかないと、「これは公共性があるんだからやるべきだ」こういった主張の強さのみが重視されるような、そういった行政になってしまう危険性があるのではないでしょうか。

 むしろ道路や電灯あるいは公園のような純粋公共財に近いものは、優先順位の低いものになってしまう傾向がございます。公共性の議論を厳密にし、有限である区の資源をできるだけ公でしかできないことに注力すべきではないでしょうか。純粋な公共財の提供はできるだけ優先順位を上げて、積極的に行うべきであると考えます。区長のお考えをお聞きいたします。

 以上、区政における方向性について、今後目指すべき原則の一例を御提案申し上げました。以下、個別的なテーマを取り上げて、前述の原則から見た質疑を担当部署の長に順次行います。

 まず、敬老館の所管について伺います。

 現在、敬老館は区民部の所管になっておりますが、これまで委員会などで再三福祉部への移管が議論されております。平成十年七月からは、敬老館のあり方検討委員会も数回開催されたと聞いておりますが、介護保険事業などの立ち上げの関係などもあって、今に至るまで敬老館は所管が変わりません。

 この間、高齢者センターなども建設が決まったところであり、これを受けて平成十六年度予算の予算委員会福祉保健分科会の主査報告では、「高齢者センターの整備を契機に、敬老館の福祉施設としての活用について検討されたい」と表明されているところです。それ以前の予算・決算特別委員会の総務区民分科会の主査報告を見ても、平成十四年度決算を初め、何度も何度も同趣旨の報告が行われております。

 さかのぼると、平成三年の十一月の決算特別委員会福祉保健分科会において、吉野議員が「敬老館が本当の意味で広く地域のお年寄りにも活用されるよう脱皮するべきだ」と指摘をされているのが私の調べた限りでの最初の提起なのですが、以来十年以上にわたっての議会での議論の中では、例えば、古川議員が平成十四年の第四回定例会で質問なさった、総合的に高齢者施策が実施できるよう所管がえを求めております。このように、議員、会派によって方向性の違いは多少あるにしろ、おおむね「所管がえをすべきである」というのが議会としての結論のようであると考えております。

 渋谷区の持っている有限の資源、人、金、施設を有効に活用して課題を効率的に達成する、選択と集中という観点からは、高齢者施策の効率的な拡充のために、敬老館の目的をより明確にし、適切に所管を判断し、移行すべきは移行して運営を充実させる必要があると考えます。いかがでしょうか。

 複数の部にまたがった話でございますので、事務のトップである助役に是非お答えをいただきたいと思います。

 あわせて、同様に複数部署に関係ある事業の場合、所管がえや合併、組織独立などをどのような判断基準をもって行っていくのか、助役のお考えをお聞かせください。

 次に、敬老金の意義について福祉部長にお尋ねをいたします。

 敬老金に関しましては様々な議論がある中で、東京都が平成十年に事業を終了させ、二十三区の中でも、現在も七十五歳までの一律支給を行っているのは渋谷区以外ないなど、縮小傾向にございます。当区でも平成十年に金額を下げ、現在に至っています。委員会の議論などを概観いたしますと、様々な指摘があるようであります。

 この敬老金ですが、目的から言って、純粋な公共財的サービスの提供ではありません。自立支援の政策でもありません。最大多数の最小不幸を達成するものでもありません。とすると、どういった意義があるのでしょうか。また、その意義を達成するための代替の、より負担の少ない方法、例えば平成十二年に薬丸議員が提案した節目贈呈制度のような方法、つまり七十五歳、八十歳の節目を迎えたときにお祝いをするというような、節目でのお祝い金贈呈のような方式ですが、これならば、より「祝う」という目的に沿い、かつ負担も少なくなると考えます。このような代替手段をいかがお考えでしょうか、今までの検討の経緯とあわせて福祉部長にお尋ねをいたします。

 最後に、区道の整備について土木部長にお尋ねをいたします。

 区道整備はほぼ純粋な公共財の提供でございますけれども、その一方で、「どうしても道を整備してくれなければ困る」というような要望が今では出にくい。したがって、緊急性が下位にランクされやすい事業でもあります。

 区道を歩いていると、まだまだバリアフリーからはほど遠い段差や凹凸があったり、商店街などが協力をしてタイル張り、いわゆるカラー舗装などにしていても、その後の地中工事などによって掘り返された跡がつぎはぎ状に放置をされている道があったり、まだまだ整備が足りない部分もございます。また、電柱が張り出していて通行に難渋している場所もあり、「真の公共財は提供が遅れるんだ」と思わせるような状態が散見されます。

 区道の整備は、公でしかできない分野です。なお一層の御努力をいただいて、区民の暮らしやすいまちづくりに努めていただきたいと思います。

 区道の整備について、三点、土木部長にお尋ねをいたします。

 一、区道のバリアフリーについては、交差点の段差解消や点字ブロックの設置などの取り組みを進めていらっしゃることは承知をしておりますけれども、車いすや自転車にとって障害となるような段差もまだ残っています。まだまだ整備が足りない部分があると考えますが、さらなるバリアフリーのまちづくりを求めます。そこで、今までの整備の成果と今後の計画についてお聞かせください。

 二、商店街などでカラー舗装をしていても、その後の工事によって掘り返された跡がつぎはぎ状に放置をされている道があります。舗装の違いによって摩擦の具合などが異なりますから、特に雨などのときに滑り具合が一定せず、歩行者がすべる原因にもなっています。

 これらは一時的なもので、いずれは整備されることとは存じておりますが、その間、歩行者などに負担を強いるものであり、また、せっかくのカラー舗装そのものの効果が薄れてしまっていることは否めません。より素早く回復をすべきであると考えますが、これらの整備についてのお考えをお聞かせください。

 三、渋谷区は交通量も多く、区道の中には、抜け道になっていたり重要な生活道路になっていたり、歩行者や車が頻繁に通る道が少なくありません。こういった道の中には、電柱が通行の障害になっているケースもあります。景観という側面からも電線の地中化には大変な意義があると考えますが、どのようにお考えか、今後の方針もあわせてお伺いします。

 以上、御答弁をよろしくお願いします。



○副議長(金井義忠) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 未来の渋谷をつくる会、鈴木建邦議員の代表質問にお答えをします。

 真剣に行政を考え、お取り組みをされようとする態度に敬意を表し、答弁をしたいと、このように思います。

 議員の質問趣旨はなかなか私にとってはわかりにくいわけでございまして、そのおっしゃっている内容を考えてみますと、価値観の多様化の中で区政運営がいたずらに対症療法的にならないで、しっかり、的確な行政運営のためにあるべき原則をしっかりわきまえて行政運営を展開していくべきだと、そのためには効率的に、集中的に、さらには選択的に行い、しかも自立支援を誘導し、かつ沈黙する人たちにも区政はあるべきだと、このように私はお受けとめをさせていただきました。

 区政を取り巻く社会状況というのは、情報化だけではなく、国際化や少子・高齢化が進んでおります。さらにはまちづくりや環境への取り組みの機運のある中で、基礎的自治体はどうあるべきか、自らが常に考え、区議会の御提言をいただきながら推進していくべきである、このように私は思っております。

 国の三位一体改革もあります。また、地方分権の課題もあります。そのような中で、区政のあるべき姿ということは、一言で言えば、平和と福祉を基盤にしながらも、人がおのれの可能性を最大限に引き出し、互いに助け合い、支え合い、将来に向かって夢と希望のあるまちとして文化や教育をはぐくんでいく、そういったまちづくりであるべきだと、このように私は思っているものでございます。

 そういった中で、行政の目標と手段ということもあろうと思いますけれども、行政に求められておりますのは、目標に向かって区民一人一人が努力していける、そういう環境整備でなくてはならない、このように考えているものでございます。その上で、議員発言に対し御答弁をさせていただきます。

 最初に、組織の活性化とパフォーマンスの成功を、指宿市を例に挙げられております。

 確かに、人が働くのはお金や外的な報酬、これは動機づけ理論と言われているわけでございますけれども、そうでなくって仕事自体にやりがいが必要だと。やりがいは、しかし私は人が与えるものでなくて、その人の生き方そのものであろうと、このように思っているわけでございます。

 私は、そういう意味で、ソニーの井深さんあるいは本田宗一郎さん、あるいはジャック・ウェルチなど様々の経営者の生き方を読んでまいりましたが、そこで言える結論は、いかなる職におのれが置かれようとも、その人間がその道のエキスパートになる努力をしていこう、そういう努力が必要なのではないか。「どうしてもその人でなければならない」という人間になる努力をすることであると私は思っているわけでございます。そのこと自身は己自身の生き方が求められている、このように思うものでございます。

 そのために自己啓発機会を区として与え、その考えた中から出てきた意見を最大限に尊重していく、それが私の仕事ではないか、このように思うものでございます。

 最近、CSRマネジメントということが注目をされているわけでございます。CSRというのはコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ、こういうことでございまして、共同社会責任という言葉でございましょう。いろいろなところで、まちの中でも言われております。これは、広く社会や人のために働こうという企業文化の定着している組織は、組織が活性化をしているということであります。私もこのことについて、さらにさらに勉強していかなくてはならない、このように考えているものでございます。

 次に、評価基準の明確化と経営資源の集中についての御指摘でございます。

 議員が言われますように、価値観が多様化する中で何を価値基準とするのか、それだけでもなかなか時間がかかり、定まらない、このように思っております。また、経営資源の集中は、バブルの崩壊原因が、企業が様々な事業に手を出したことが経営の失敗に結びついた、そういった反省から、本来のノウハウのある本業に戻ろうという反省の言葉である、このように思います。

 他方では、緊縮財政を迫られる国についての批判としての言葉としても、この言葉は使われているわけでございますけれども、渋谷区は平成八年以来、行財政改革を進め、今、議員のおっしゃったような経営資源の集中について鋭意進めてまいった、こういうような自負を持っているところであるわけでございます。

 次に、自立支援になる方法を集中してという言葉をお使いになりました。先ほど私は、そのことに対して、行政にとっては手段も目標もどちらも大切であると、行政に求められるのは、目標に向かって区民一人一人が努力できるような環境整備が大切だと、このように申し上げました。それは、例えて言うならば、親は子の自立を願っております。しかし、その都度「自立のためだよ」こう言って子どもに飯を食わせ、学校にやり、そしてお金をくれてやるんでしょうか。どこかでその子どもが親の心に気がついて、自立に向かってやっていかなくてはならない、こういうふうに気づかせることこそ大切なんではないでしょうか。

 行政が「自立だ」「自立だ」と言うことは遠慮したい、こういうふうに私は思っているものでございます。そうでなくて、自分が自分の隠された可能性に出会って、これを人のため世の中ために生かしていく、そういう気持ちにみんながなっていただく、そのことこそが大切であると、私はそのように考えております。

 それから、最大多数の最小不幸を優先すべきであるというお話がございました。

 これまで、確かに「最大多数の最大幸福」という言葉が言われてまいりました。これもジョン・スチュアート・ミルの哲学理論だと私は思っております。しかしながら、これも本当だと思います。私は、最大多数の最大幸福も目指すべきだと。同時に、一人の苦しみについても、これが基礎的自治体である区がやらなければ他にだれもやる者がないということであるならば、それを施策として取り上げ、区議会の御協力をいただいて、御議決をいただいてこれを推進していく、そういうことも大事だと、このように考えるものでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(金井義忠) 神山助役。



◎助役(神山隆吉) 敬老館の目的を明確にし、適切に所管を判断し、移行して運営を充実させる必要があると考えるが、いかがかというお尋ねがございました。

 鈴木議員から敬老館につきまして、十年以上にわたって議会より、その位置づけを見直すべきだとの議論、提言がなされてきたと御指摘をいただきました。敬老館は昭和三十九年に設置が始まり、その渋谷区立敬老館条例によれば、高齢者福祉の増進を図ることを目的とするもので、現在、十五館が開設され、元気な高齢者を対象として憩い、くつろぎの場として提供されている施設であります。

 利用の実態を見ると、現在、敬老館の諸室は、その利用の多くが入浴目的の個人利用と既存団体による利用となっております。このような利用実態、また施設内容やスペースの状況、経年変化による老朽化、さらには他の施設との複合による施設利用の制約など、福祉施設化に当たっては多くの課題がございますが、高齢化が進行している現在、敬老館を福祉部門に所管がえし、福祉施設として活用することは必要なことと考えております。

 そこで、まず、高齢者センターと整合性を持って整備し直すこと、老朽化した施設について、逐次、複合化されている施設を含めた整備を行い、福祉施設としての利用が可能な施設面での改善を行うことなどによりまして、福祉施設としての位置づけを検討してまいります。

 次に、複数部署に関係ある事業の場合、所管がえや合併、組織独立などをどのような判断基準をもって行うべきかとのお尋ねでございます。

 組織の要素は、構成する人間の存在、共通目的と共通の意思の保持、一定の規範、倫理の存在、あるいは命令と役割の明確性、共通の情報環境の保有等があります。これらの組織の要素を踏まえ、本区のような行政組織体においては、その最大目的である住民福祉の向上を達成するために、組織編成上、効率性、命令の一元化、権限と責任の一致、簡素化、あるいは仕事がより現場で完結するような権限の移譲などの原則が考えられます。さらには、変化する社会・経済情勢や区民ニーズに対応するため、組織改革を柔軟に実施しなければなりません。これらは、お尋ねの複数部署に関係ある事業の所管がえや組織の合併、分割において適用されるべき基本原則であります。

 本区は、新たな緊急行政課題に対応するものとして、安全対策本部を設置し、また、今後、地下鉄十三号線の開通や東急東横線との相互直通運転が計画される渋谷駅周辺の再編等に対応して、協働型まちづくりを推進するために、都市基盤整備調整担当部を設置いたしました。

 組織を動かすのは、そこに働く人間です。組織目的を達成できるような人事管理も組織管理と一体として行われなければなりません。以上を踏まえながら、今後とも、地方分権時代にふさわしい組織編成に努めてまいります。



○副議長(金井義忠) 池山福祉部長。



◎福祉部長(池山世津子) 私に対しましては、敬老金についてのお尋ねでございます。

 現在、渋谷区では、毎年九月の敬老の日を中心にいたしまして、七十五歳以上の方々に対し一万円の敬老金を贈呈しており、御本人や御家族を初め多くの方々からの御好評をいただいているところでございます。

 この敬老金の贈呈につきましては、様々な意見があり、各区においても節目ごとの贈呈に変更したり、対象年齢の引き上げ、金額の引き下げなどを行っていることは承知いたしているところでございます。当区におきましても、本事業の継続につきまして行財政改革の中で検討してまいりましたが、財政状況の許す限り敬老精神に沿った対応をしていきたい、こういった考えに立ち、引き続き実施をしているところでございます。

 また、敬老金の贈呈の意義についてでございますが、議員の御指摘にありましたとおり、自立支援の政策でも、最大多数の最小不幸を達成するものでもございません。渋谷区といたしまして、多年にわたり社会の進展に寄与してこられた高齢の方々に対し、敬老の意を表するために実施をいたしているところでございますが、あわせまして、敬老金を地域の民生委員を通じて毎年、後期御高齢の方一人一人に直接贈呈することにより、日ごろの生活状況の把握や各種の相談を行うなど、ひとり暮らし高齢者や老老世帯に対する見守り体制の一つとしての役割も兼ねているところでございます。

 したがいまして、当面は現行の対応が望ましいと考えております。



○副議長(金井義忠) 三浦土木部長。



◎土木部長(三浦惟正) 私には、区道の整備に関しまして三点の御質問がございました。順次お答えをいたします。

 まず、区道におけるバリアフリーの整備の成果と、今後の計画をどう進めるのかという御質問です。

 道路は都市の基盤施設として多くの機能を請け持っておりますが、中でも、すべての区民に安全で安心して利用できる道路空間を提供することが、道路管理者に課せられた重要な責務であると考えております。こうした観点から、平成十二年度を初年度として五カ年計画で区道におけるバリアフリー化に取り組み、今年度末をもって、歩道が設置されておる路線の段差解消と点字ブロックの設置などが完了する予定でございます。

 今後の計画につきましては、実施箇所の再点検を行うほか、新たに公共施設や福祉施設等を結ぶ路線を選定いたしまして、点字ブロックの設置や歩行の障害となる箇所を改良するなど、次期のバリアフリー化計画を検討し、順次整備をしてまいる考えでございます。

 次に、カラー舗装部分の道路掘削に関する御質問でございます。

 カラー舗装部分を掘削した後は、一時的にアスファルトで仮復旧を行い、その後にカラー舗装で本復旧を行う手順となっております。しかし、議員の御指摘にもありますように、仮復旧の過程におきましてはアスファルトとカラー舗装が混在することにより、歩行者の安全な通行に影響を及ぼすこともありますので、今後は、早期に本来のカラー舗装に復旧するよう指導を徹底してまいりたいと考えております。

 次に、歩道の電柱が通行の障害となっている場合があり、景観面からも電線類を地中化すべきであるが、今後の方針はどうかとの御質問でございます。

 議員の御指摘のとおり、安全で快適な道路空間の確保、都市景観の向上及び高度情報化社会に対応した道路空間の形成などの観点から、電線類の地中化は重要な課題であると認識しております。

 国においては、電線類を地中化し、無電柱化を推進するための無電柱化推進計画が策定され、これを踏まえて、国、警視庁、東京都、区及び電気通信事業者が協議をして、本年四月には東京都内における無電柱化推進計画を決定したところであり、平成十六年から二十年までの五カ年計画で整備を推進していくとされております。

 本区は、これまでも都市計画道路などの整備に合わせ、電線共同溝を新たに設置するなど電線類の地中化に取り組んでまいりましたが、今後はこの推進計画に基づき、都市計画道路の整備のほか、市街地再開発事業などのまちづくりの事業の機会をとらえ、引き続き電線類の地中化を推進してまいりたいと考えております。

 また、電柱などが道路交通を阻害している箇所につきましては、電柱の設置企業者に対しまして移設や撤去を申し入れるなど、地域の実情に合わせた対応策を講じてまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(金井義忠) 十九番鈴木建邦議員。



◆十九番(鈴木建邦) ただいま御答弁をいただきましたけれども、思った以上に前向きな御答弁をいただきまして、大変ありがたく思います。

 質問趣旨が難解であるということですけれども、私の質問が個々の部分で非常にうまく表現できていなかった部分があったとしたら申しわけありませんけれども、理念の部分について御質問をしたということで……、まあ、申しわけありませんと言うしかありませんね。

 それで、今回の質問に関してですが、区政に明確な原則を打ち立てるべきであると、そして、その原則のたたき台として五点の原則を提案申し上げるというのが趣旨でございました。若干ずれた部分ももちろんございましたけれども、熟慮を重ねていただいた形跡を大変感じます。その部分に関して率直に感謝を申し上げます。

 また、民間の動向、戦略や手法などについて積極的に取り入れようとする姿勢が感じられました。ここについては大変うれしく思いました。取り入れるべきは取り入れ、維持すべきは維持するということによって、さらなる区民サービスの向上に努めていただきたいと思います。

 若干余談ですが、経営者としてソニーの井深氏、本田宗一郎氏、あるいはGEのジャック・ウェルチ氏を挙げられていらっしゃいましたけれども、特にジャック・ウェルチ氏は、多彩な事業領域の中でシェアが一番目の部分か二番目の部分、それ以外の部分は売却するというですね、ナンバーワン・ナンバーツー戦略をとったことで有名な方でもございます。これこそがですね、企業における選択と集中であります。こういったことを行ったウェルチさんの著作をごらんになったということですから、企業のやっていることですから、そのまま区政に応用できるというものではありませんけれども、是非もう一度再読いただいて−−いや、嫌みではなくですね、こう……

   〔「言葉は選べよ」の声あり〕



◆十九番(鈴木建邦) はい、失礼いたしました。

 これも検討をしていただきたいと思います。

 区長が「都政研究」の二〇〇四年の五月号でこのように述べております。「財政状況がいいからといって、区の経営も楽だとは言い切れない。多様な区民ニーズに対して行政改革のコンセンサスは得にくい。どうしても「財政がいいからやればいいじゃないか」ということになってしまう。こういうことに対して、心のあり方が一番大事だと思う」このようにおっしゃっています。

 おっしゃるとおり、区民ニーズが多様な中で、どのような心のあり方を持つのかが重要です。区長のおっしゃる心のあり方、それこそがビジョン、理念というものであり、これを是非明確にしていただきたいんです。

 ディズニーランドという企業がございます。企業ではありませんけれども、遊園地がございます。「夢と魔法の国」という理念の達成に集中をして、どんなアルバイトに至るまでその理念を浸透させて、それで成功している、こういう事例がございますけれども、組織が一丸となるビジョン、理念を明確にすることは大きな力になります。

 ほかの自治体であっても、例えば教育や育児を前面に押し出した区や、あるいは電子化をとにかく推進するんだというような理念を徹底させている自治体は成果が大きく、住民も安心でき、そして住民からの評価も高くなっていると聞いています。以前の渋谷区も防災などに徹底的に力を注いで、当時余り区政に関心のなかった私などでも「あ、渋谷区は防災に力を入れているんだな」こういうことを知っていたぐらいでありました。その結果として、現在の渋谷区は大変に防災のレベルも高い、そのように聞いております。これは大きな成果だと思います。

 どうかまた今後の区政においてもですね、是非明確なビジョン、さらに徹底したビジョンを打ち出していただいて、今後の区政展開、しっかりと頑張っていただきたい、これを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。



○副議長(金井義忠) 議事進行上、暫時休憩をいたします。

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   休憩 午後二時五十八分

   再開 午後三時二十一分

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○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 区政一般に関する質問を続行いたします。

 この際、会議時間の延長をいたしておきます。

 十七番古川斗記男議員。



◆十七番(古川斗記男) 私は、渋谷区議会公明党を代表いたしまして、区長、教育長並びに選挙管理委員長に大きく六点にわたり質問をさせていただきます。

 質問に入る前に、一言述べさせていただきます。

 昨年秋に行われた衆院選では、各党が国民にマニフェストを提示して審判を仰ぎ、我が公明党は、四年間で実現を目指す百項目のマニフェストを掲げました。その進捗状況は、現時点で年金制度改革や児童手当の支給対象拡大、奨学金の拡充、国家公務員の通勤手当是正など、税金の無駄遣い削減を初め三十一項目が実現もしくは大きく前進をし、さらに六十八項目が進行中でございます。

 五月十二日、新しい日本をつくる国民会議−−二十一世紀臨調がマニフェスト検証大会を開催、経済団体や民間八団体が主要政党のマニフェストに関する評価結果を発表いたしました。この中で、公明党はマニフェスト実現への進展状況が大変高く評価され、達成度がハイペースであることが明らかになりました。「非常にまとまった政策」また「国民の目線から政策を提起」などと評価されたところであります。

 七月に予定されている参院選に向かっては、今日的な政策課題への対策を補充し、新たに二十三項目を追加して、与党としての実行力で政策実現を目指してまいります。

 私たち区議会公明党も、昨年の区議選で区民の皆様にお約束をいたしました政策は必ず実現してまいるとの決意を改めてさせていただき、質問に入らせていただきます。

 今回は、人材をテーマとして質問をさせていただきます。

 人材を見つけること、そして育てること、どの組織、団体、機構であっても、その盛衰は人によって決まると言っても過言ではありません。渋谷区にもたくさんの人材がいます。「平和・国際都市しぶや」発展のため大事な宝であり、財産であるとの思いから、人材の育成、人材の発掘、人材の活用という点からお尋ねをいたします。

 初めに、青少年教育について質問をいたします。

 先ほど伊藤議員も発言をされておりましたが、先週、長崎県佐世保市の小学校で同級生同士による大変痛ましい事件が起きました。小学校内で児童による殺害事件は、極めて異例のことであります。文部科学省や教育委員会を初め教育行政では、事あるごとに命の大切さや他人への思いやりなど、豊かな心をはぐくむ道徳教育に取り組んでこられた中での事件であっただけに、「何で」という気持ちでいっぱいであります。

 本来、子どもたちにとって学ぶ喜びの場となり、生きる喜びの場であるべき学校において、いじめや暴力などの問題が深刻化して久しくなっています。子どもは時代の縮図であり、社会の未来を映す鏡であります。その鏡が暗い闇におおわれて曇ったままでは、明るい希望の未来など期待できようはずもありません。

 渋谷区では、桑原区長を先頭に、青少年の健全育成に全力で取り組まれていますが、さきに発表があった平成十六年度渋谷区青少年健全育成運動方針の基本目標の第一番目に、「豊かな心・夢・希望の育成」とあります。是非改めてその推進に全力で取り組んでいただきたいと強く訴えたいと思います。

 区長は今回の事件を通しどのようにお考えでしょうか。また、区として何らかの対策を早急に講じるべきだと考えますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、文化芸術振興の推進について質問をいたします。

 二〇〇一年十二月、文化芸術振興基本法が施行されました。その年の五月、公明党は政策提言「文化芸術立国・日本をめざして」を発表し、政策実現のため尽力してまいりました。

 私たちが文化芸術政策の推進に熱心なのは、三つの理由からであります。第一に、文化芸術は人間と人間をつなぐ緩やかなきずなであり、共助の社会の媒体となるものだからであります。第二に、真の平和は文化的共感の土壌からつくり出されるものであるからであります。そして第三は、文化芸術こそ、これからの高付加価値経済の核である中身、内容そのものであると考えるからであります。

 さて、第一回定例会の所信表明で、桑原区長は次のように仰せであります。「区の基本は、だれもが安心して快適に暮らせる生活の実現にあります。地域コミュニティの振興や商店街の活性化や、さらにスポーツや文化を通して地域文化が円滑に継承される、活力ある生活文化都市であってほしいと願うものであります。そのためには、ボランティア活動の振興や、地域の歴史に誇りを持てる旧町名の復活等についても検討すべきであると思います」と述べられました。

 さらに、六月三日付の読売新聞には、旧町名の復活について、区長は「本腰を入れて検討してみよう」ともコメントをされております。

 由緒ある「常磐松町」など渋谷のよき歴史文化の復活も、渋谷の文化芸術振興の一環であると、大いに私たちは賛同するところでございます。

 さて、昨年、我が会派の栗谷議員は代表質問の中で、文化芸術に対する区の基本的な考え方、また、渋谷区の文化芸術振興条例の制定も視野に入れた協議の場の検討を桑原区長に質問をいたしました。区長からは前向きな御答弁をいただき、早速、渋谷区文化芸術施策検討委員会を立ち上げられ、文化芸術の振興における区の基本方針と施策のあり方についての検討を重ねてこられました。そして、三月にその中間報告がありました。

 この中間報告を受け、現時点での区長の御所見をお伺いしたいと思います。

 それは、中間報告の中で、文化芸術活動の場について、多目的あるいは目的別の中規模ホールの必要性が挙げられています。また、これまでになかった視点として、野外スペース、道路、公共施設、区内の大学構内など「ホールにこだわるのではなく、新たな場の発掘を」との意見も出されています。区長は新たなホールの設置の必要性、可能性についてどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。

 これに加えまして、日常の練習、稽古などに使用できる施設として身近な区民会館があります。しかし、音の出る使用には制限されるところもあります。したがいまして、区民の皆さんが気軽に使える既存の区民会館に防音対策を施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、条例制定については、委員会の意向は最終的に条例化させたいとし、文化芸術活動に必要な財政基盤が条例化により確立されることを望んでいます。条例化について、区長の御所見をお伺いいたします。

 あわせて、条例化には、基本法の目的を考えれば、美術振興の観点である松濤美術館、及び郷土資料や区ゆかりの作家の資料の収集・展示をされている白根記念郷土文化館も視野に入れるべきと考えますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 また、これは意見として述べさせていただきますが、中間報告の中に文化芸術活動推進組織についての項目がありました。この中に、その場に行けば渋谷区の文化を把握でき、相談できる場の設置について言及されています。ここに行けば何でもわかるというサービススポットについて、是非御検討を加えていただきたく、よろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、次に、成人式について質問をさせていただきます。

 毎年、区主催の成人の日記念式典は「新成人を祝う会」として、感動的な二十歳の意見発表やコンサートなど、内容も式典にふさわしいものとなっています。二十歳を迎えた区民には、一生に一度のよき思い出となることでしょう。

 実は、昨年、私の長女が成人式を迎えましたが、成人式当日、公会堂の前で小倉前区長と記念写真を撮っていただきました。娘にとっては、これもよい思い出となります。来年は、私の二番目の娘が成人式を迎えます。桑原区長、今から記念撮影の予約をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 この一度の成人式を、当事者である二十歳のメンバーに企画に参加してもらい、例えばアトラクションや記念品の検討など意見を反映させ、さらなる内容の充実を図ってはいかがでしょうか。社会人として、これからの人生にとって大きく飛躍できるような、よき経験の場として広く公開してもよいと思いますが、いかがでしょうか。

 さらに当日の運営も、例えば司会や受付、記念品渡しなども二十歳のメンバーや、また、来年成人式を迎える十九歳のメンバーにお願いをし、「来年はこういうことをやるんだな」という思いを馳せながら協力してもらうなど工夫をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 次に、中小企業の新人社員を対象とした合同研修会の開催についてお伺いをいたします。

 各企業では、競争社会を生き抜くために、社員の資質の向上を図るための努力をしております。とりわけ新人の社員を育てるためには、企業に必要な技術の習得はもちろん、社会人として最低限必要な知識を学ぶ機会、研修が不可欠であると思います。しかし、中小企業では毎年新入社員が必ず入ってくるわけではなく、入っても少人数では、社員研修を実施するための経費や時間など、企業にとっては大きな負担となります。私も、中小企業のサラリーマンのころ社員研修の担当でしたので、大変な苦労をいたしました。

 そこで、区が中心となり、関係機関にも協力をお願いし、合同の新人社員研修会を実施し、次世代を担う人材育成をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか、区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、九月一日に実施されております総合防災訓練について質問させていただきます。

 多くの犠牲者を出した阪神・淡路大震災が、明年一月で満十年を迎えます。この大震災を教訓として、区では一月十七日を防災点検の日とし、防災用具・備品の点検や講演会などの事業が行われております。

 また、九月一日の総合防災訓練では、区を中心に各関係機関・団体など区民も参加し、万一に備えての実践訓練が行われております。この九月一日の総合防災訓練に、災害時に活躍が期待されている自衛隊の参加を求め、日ごろ見ることのできない自衛隊の持っている技術や装備など、一部でも区民の方々に公開をし、訓練のさらなる充実を図ってはいかがでしょうか。

 昨年度、東京都を初め二十三区のうち十八区が訓練の参加や装備品の展示など、何らかの形で区と連携をし、行われております。区長の御所見をお伺いいたします。

 次に、選挙の投票立会人について、選挙管理委員長にお伺いをいたします。

 昨年、統一地方選挙、衆院選、都議補選など各種選挙が渋谷区では行われました。しかし、渋谷区の投票率は他区に比べて毎回低くなっています。例えば、昨年十一月の衆院選は、渋谷区の投票率が小選挙区で五四・五〇%、比例代表区で五四・四〇%で、二十三区では下から二番目でありました。そして、年代別の投票状況を見ると、ある投票所のサンプルでは二十歳代が最も低く、三〇・六六%でした。さらに、四月の区議選では全体の投票率が三九・三三%だったのに対し、やはり二十代が最も低く、二〇・八九%でありました。

 このように、青年層の選挙離れが顕著であります。原因はいろいろあると思いますが、一つの方法として、二十歳代の青年層を選挙の投票立会人として採用し、選挙に関心を持ってもらうなど工夫をしてはいかがでしょうか。渋谷区では、各投票所に三人ずつ立会人が配置されていますが、例えばそのうちの一人を二十歳代の青年層とするというのはいかがでしょうか。

 また、七月に予定をされている参院選からは、公職選挙法の一部改正により新たに期日前投票制度が創設をされ、従来の不在者投票より手続が簡素化され、投票しやすくなります。期日前投票ができる期間、そして投票所には、不在者投票とは違い、投票立会人が必要になると思います。この機会に公募などで青年層に投票立会人の募集をし、選挙離れの工夫をしてはいかがでしょうか、選挙管理委員長の御所見をお伺いいたします。

 以上、それぞれの質問につきまして、御答弁のほどよろしくお願いを申し上げます。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党、古川斗記男議員の代表質問に順次お答えをいたします。

 最初に、長崎県佐世保市の事件についての質問でございます。

 事件の起きた六月一日以来、この事件に関連したテレビや新聞の報道は後を絶たないわけでございます。いかにこの事件が国民にショックを与えたかを物語るものであると、このように思っております。このことは、小学生の事件にしては余りにも残虐であること、また、いつ、どこの地域で起きるかもしれないという不安があるからであろうと、このように思っております。

 本件の真相は、まだ全容が明確になっていないだけに性急な判断は避けなくてはなりませんが、その中でもはっきりしていることが二点あると、このように私は思っております。

 一点は、インターネットの掲示板で加害者の容姿、あるいはぶりっ子、あるいは体重のことで中傷されたということでございました。このような小さなことがきっかけになりまして過剰な報復をする裏には、本人には積み重なったストレスがあり、インターネットへ書き込まれたことが最後の引き金になって衝動を抑え切れなかったのかもしれません。しかし、自分の気持ちにそぐわない友人の行動があっても、普通、一般には言葉のやりとりがあり、なぜ中傷するのか相手に真意を問いただし、その結果として、我慢をしたり謝ったりして正常な友人関係を修復することが一般であろうと、このように思います。

 この事件で明らかなことは、人間関係の衝突を解決する方法として、コミュニケーション能力という社会性の欠如があると、このように思っております。情報化社会の弊害といたしまして、人や社会との触れ合いの欠如が、触れ合いを通じて得られる人格形成の場や、自然体験や奉仕活動等の実体験を通じての情操面での発達の機会を奪っていると思います。また、人間関係を築く能力を失っていると、このように思っております。

 しかも、青少年を取り巻くメディア環境調査によれば、九割以上の児童生徒はパソコン利用の経験があり、小学生の約四割、中学生の約六割、高校生の約五割が普段パソコンでインターネットを使っている、こういう調査もあるわけでございます。したがいまして、今後、中長期的な視点に立って、本区は自然体験活動の拡充や、夢と希望が持てる夢チャレンジ事業を通しまして本物に触れる事業を拡充していかねばならない、このように考えるものでございます。

 もう一点は、いかに理由があるとしても、相手の命を奪うことは許されないということでございます。人間としてあるべき最も基本的な、最も基礎的な教育を欠いていたということでございます。今日の学校教育に、そして家庭教育に何が欠けていたのか、地域の教育力として何が必要だったのか改めて考え直す機会としてとらえられねばならない、このように思っております。

 このことは、教育委員会だけということでなく、区も区民も、社会全体として真剣に青少年の健全育成に取り組む姿勢が大切であると、このように思っております。また、区民もそのことを期待しておられると、このように思います。

 そのためには、あらゆる機会をとらえまして、心にしみる道徳教育の充実、学校や地域、家庭との連携の強化、また、めり張りのある体験活動の推進などのため、教育委員会とも相談、連携し、早急に検討委員会を立ち上げたいと、このように思うものでございます。

 次に、文化芸術についてのお尋ねでございます。

 これまで高い見識、視点から、会派から御提言をいただいておりますことに私は感謝をしたい、このように思っております。

 文化芸術の振興は、心豊かな社会の形成のためにも、青少年の情操を養うためにも、伝統文化の保存・継承のためにも、さらには平和・国際交流のためにも必要不可欠であると、このように思っております。しかし、現状において本区は、すぐれた文化芸術に触れたり、グループが連携し、交流し、発表したりする場が不足しております。

 このことについては、文化芸術施策検討委員会中間報告で挙げられておりますように、区民の自主的な文化芸術活動を発展させていくためには、その場となるホールの整備が必要である、このように指摘されているところでもあるわけでございます。本区におきましては、実施計画にもありますように、今後、提出されます検討委員会の最終報告を踏まえまして、小・中規模のホールの設置に取り組んでまいりたい、このように考えております。

 次に、既存の区民会館に防音対策を施していただきたいというお尋ねでございます。

 区民会館の防音対策につきましては、各館の定員数の多い部屋を中心といたしまして、昭和四十八年以来、順次防音設備工事を実施してまいり、現在、十四区民会館のうち七施設において整備を終えております。これまで区民会館が、身近な文化活動の場として区民の自主的な文化・交流・自治活動に果たしてきた役割は大変大きいと考えているわけでございます。今後、未実施館におきましても防音の可能性等を検討いたしまして、各種改修工事の実施に合わせましてその整備を進めてまいりますので、御理解をいただきたい、このように存じます。

 文化芸術振興条例についてのお尋ねでございます。

 御指摘のとおり、今後、提出されます検討委員会の最終報告を待ちまして、区の文化芸術振興に関する基本理念や基本方針を明確にするとともに、必要な文化芸術施策の位置づけを明確にし、さらには文化活動への支援のあり方についても総合的に検討いたしまして、区議会に御提案をさせていただきたい、このように考えております。

 なお、この条例については、御意見にもございましたように、文化芸術に係る総合的かつ上位の条例として、松濤美術館、白根記念郷土文化館をも視野に入れた条例として整備をしてまいりたい、このように考えているところでございます。

 次に、中小企業の新入社員を対象とする合同研修会を開催してはというお尋ねでございます。

 中小企業を支援する東京商工会議所や、その渋谷支部におきまして、新入社員のビジネスマナー講座を初め、年間を通して様々な実務研修や交流会が実施されているところでございます。

 御提言のことにつきましては、本区といたしましても、今後、商店連合会や工業協会とも協議をさせていただき、合同して研修をやることのニーズをしっかりと把握した上で、その実施に向けた検討をしてまいりたい、このように存じます。

 総合防災訓練に自衛隊の参加を求め、その技術や装備の一部を区民に公開し、訓練の充実を図ってはいかがかという御質問でございます。

 総合防災訓練は、渋谷区と各町会ごとに設置されました自主防災組織、消防、警察等の防災関係機関等々との密接な連携体制の確立や応急体制の習熟、防災行動力の向上及び区民の防災意識の高揚等を図るため、実践的、体験的な訓練として実施をしてまいりました。また、この総合防災訓練につきまして、訓練の参加主体である自主防災組織や防災関連機関、区議会議員の委員の皆様方で組織いたします渋谷区防災会議の中で、その事業について調整を図ってまいったというのが経緯であり、実情であるわけでございます。

 その中で、自衛隊の参加につきましては、平成十年度に渋谷区にて行われました都と渋谷区の合同訓練に実績があるわけでございますが、御提言にございますように、自衛隊の防災活動は防災関係機関とは全く異なった、大きな機動力を持っているところであるわけでございます。それだけに、本区といたしましても常に連携を図りつつ、御提言の趣旨を踏まえた検討が必要である、このように考えております。御理解をいただきたいと存じます。

 以上、答弁を終わります。



○議長(丸山高司) 足立教育長。



◎教育長(足立良明) 成人式の企画・運営に新成人を参加させることについてのお尋ねですが、本区では例年、アトラクションの出演者決定について、社会教育館等を利用している二十歳前後の青年によるアンケートを実施し、その意見を反映させてまいりました。また、式典当日には記念品や式典の感想など、運営全般にわたる参加者アンケートを実施し、次年度の運営の参考としております。

 成人式については、大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い、励ますという趣旨を踏まえまして、他区の状況なども参考にして、新成人の参加、協力の方法を含め教育委員会でも大いに議論し、そのあり方について検討してまいりたいと存じます。

 成人式当日の運営につきましては、議員御提案の趣旨を含め、区の青少年向け主催事業参加者などを初め、これから成人を迎える方に協力してもらう工夫を早急に検討してまいりたい、このように思っております。

 以上でございます。



○議長(丸山高司) 石井選挙管理委員長。



◎選挙管理委員会委員長(石井治子) 渋谷区議会公明党、古川議員の代表質問にお答えいたします。

 選挙は、私たちが政治に参加し、主権者として意見を反映させることのできる最大の機会であります。健全な民主政治の発展のためには、公正な選挙が行われることはもとより、できる限り多くの有権者が投票に参加することが何よりも重要であると認識しております。

 さて、青年層の選挙への関心を高めるための工夫として、投票所の投票立会人に二十歳代の青年層を登用してはどうかとのお尋ねでありますが、投票所の投票立会人の選任につきましては、各投票区における選挙人名簿に登録された者の中から選任しなければならないと法定されていることから、各投票区における地縁団体等の推薦をいただいた方を投票立会人に選任してまいりました。

 今回の参議院議員選挙では、従来の方法によることを基本としつつ、でき得る限り青年層の方を御推薦いただけるよう、さらなる努力をしてまいります。

 次に、公募などで青年層の投票立会人を募集するなどの、選挙離れに対する対応の工夫をしてはどうかというようなお尋ねであります。

 今回の参議院議員選挙は、渋谷区において初めて期日前投票を実施することになります。初めての制度導入でありますので、円滑な執行を確保するため、選挙に関する識見を備えた明るい選挙推進委員の方々に、投票立会人の推薦をお願いしているところでございます。この際、でき得る限り青年層の方々を御推薦いただけるよう、あわせてお願いしてまいります。

 今後、期日前投票制度の定着を確認した上で、青年層への公募などについては検討してまいりたいと思います。

 終わります。



○議長(丸山高司) 十七番古川斗記男議員。



◆十七番(古川斗記男) ただいま区長、教育長並びに選挙管理委員長には丁寧な御答弁をいただき、大変にありがとうございました。

 文化芸術振興は、必ずや区民の福祉向上に役立つと思います。粘り強く、着実に推進をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 また、人材の育成、登用、活用につきましては、大変難しい面も多々あるとは思いますが、懇切丁寧に、一つ一つを積み重ねていただきたいと思います。

 私たち公明党も、今後、しっかりと区政繁栄のために努力、精進を重ねてまいることを決意させていただきまして、渋谷区議会公明党の代表質問とさせていただきます。



○議長(丸山高司) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 私は、日本共産党区議団を代表して、年金改悪問題、自衛隊のイラク派兵、有事七法案などの平和問題、区民生活に多大な影響を与える雇用年金問題、まちづくり問題などについて区長に質問をいたします。

 最初に、質問に入る前に、三位一体改革による地方財政の改正案について、区長が「私としては到底受け入れがたく、区議会、とりわけ自治権確立特別委員会の御協力を得て、地方財源確保のため、税源移譲の対策等について、国に要求したい」と述べたことに触れて、日本共産党渋谷区議団の見解を表明させていただきます。

 さきの第一回定例会で、我が党区議団は、小泉内閣の三位一体改革の問題点を明らかにし、特にこれまで国が義務的事業の最低水準を定め、福祉や教育水準の保障を少なくとも維持できたものを崩すことになると危惧するとして、国に財源補償を強く要請すべきとして、区長の見解を求めました。

 これに対し、区長は「三位一体改革というのは自治体の主体性と責務を高めていこうとする内容のものでございまして、補償要求をする考えは持っておりません」と楽観的な答弁をしました。

 我が党区議団は、小泉内閣の三位一体改革の本質は、国から地方への財政支出の削減を図るというもので、それにより地方自治体の財政は大きな圧迫を受け、住民サービス低下につながる深刻なものであることを指摘をしました。

 今回、地方財政審議会の意見書で示された方向は、補助額の水準の引き下げに加えて、個人住民税を一〇%に統一するため、所得の低い人の住民税が五%から一〇%へと二倍に増税されるとともに、高額所得者の一三%が一〇%になるため、当区の場合、大幅な税収減をもたらすものであります。このことは、住民にとっても自治体の財政にとっても、まさに二重の打撃を受けるものと言わざるを得ません。我が党は、この立場から、区長がそれにストップをかけようとすることを表明されたことは、非常に重要なことと受け止めます。

 我が党区議団は、税源移譲について地方自治体の税財源の拡充を図ることを目的とし、その方法は、所得や資産の少ない人ほど負担率が高くなる大衆課税の増税は行うべきではないと考えます。特に、税源移譲に伴う自治体間の格差の是正については、地方交付税の改善や財源保障機能の充実によって行うべきであり、そのことを強く求めるものです。この立場から、今回示された地方財政審議会の方針は、断じて認められません。

 我が党は、区長、議会、住民と一体となって、地方財政確保のため、税源移譲の対策等について国に要求し、地方自治体を守るために奮闘することを表明するものです。

 次に、昨日の議会運営委員会で、多数決で強行されましたトルコ共和国との友好交流及び友好都市提携に関する調査に議員を派遣することについて、日本共産党の見解を述べたいと思います。

 今回のトルコ共和国に対する議員と職員の派遣については、桑原区長が最終予算で、唐突に海外都市交流として四百八十万三千円を計上した……

   〔「七百だよ」の声あり〕



◆二十二番(森治樹) 失礼しました。七百八十万三千円を計上した事業です。実際、担当部局の検討もなく、予算の根拠も示されず、区長が一方的に計上したのです。

 このため、日本共産党区議団は、企業の倒産、リストラの増大で、失業・雇用不安が続く中、区民と中小業者の営業・暮らしも深刻であり、こうした状況下で税金の無駄遣いである区議会議員と職員の海外視察の復活は認められないとして、予算修正案を提出し、この予算の削除を要求しました。

 この立場から、日本共産党区議団は、昨日の議会運営委員会で、トルコ共和国への議員の派遣と職員の派遣について、第一に関係部局からも議会からも予算要求がされていない事業であること、第二に国際交流の理由について十分な説明がなく、調査の目的や内容、行程などが明らかになっていないこと、第三に、これまで区民の生活実態や区財政の状況からも議員の海外視察は見送るべきと全会派一致で確認してきたことからも、認められないことと厳しく指摘しました。

 ところが、八日の議会運営委員会で、自民、未来の渋谷、公明、社会区民が、トルコからの招待を受けるべきとして、多数の力によって議員を派遣することを強行決定したことについて、厳しく抗議をするものです。

 それでは、区民生活に多大な影響を与える年金問題で質問をいたします。

 年金は、国民の老後の生活の命綱でもあり、土台ともなっている大切な制度です。小泉内閣と自民党、公明党は、年金法案を衆院・参院を通して、まともな審議も行わず、参院本会議で年金改悪法案を強行採決・成立させたことは暴挙であり許されません。

 法案の内容は、自民・公明の「百年安心」という看板が全くのにせものであったことが、我が党の小池 晃参議院議員の国会論戦で明らかになりました。

 その第一は、保険料の上限を決めた、これ以上引き上げないから安心だというのがうそであったことです。参議院本会議の質疑で、坂口厚労相は初めて「実際の金額は賃金上昇に応じて二〇一七年度、二万八百六十円、二〇二七年度、二万五千六百八十円、二〇三七年度、三万一千六百十円と、保険料を際限なく引き上げることを明らかにしました。

 第二は、政府与党が「給付は現役世代の収入の五割を保障する」と言ってきたことも偽りでした。しかも、五割を保障されるのは年金を受け取り始めるときだけで、その後は四割台に下がることが明らかになりました。共働き世帯では、受給開始二十年後に三割台、男性単身世帯では二割台にまで下がります。「百年安心」のたった二つのうたい文句であった保険料の上限固定も五割保障も崩れた以上、年金改悪は実施すべきではありません。

 日本共産党は、先日、最低保障年金制度を実現し、今も将来も安心できる年金制度をつくるという改革案を発表しました。中心点は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」があるとした憲法二十五条の生存権を保障する見地に立って、老後の生活を支えるために全額国の負担で賄う最低保障年金制度を実現させることです。

 第一歩として、最低保障額を月額五万円とし、その上に支払った保険料に応じて一定額を上乗せし、低額年金を底上げする制度をスタートさせます。これにより、低額年金や無年金問題、年金制度全体の空洞化、サラリーマン世帯の専業主婦の第三号被保険者問題など、今日の年金制度が抱える様々な矛盾を根本的に解決する道が開けます。

 そこで、区長に質問いたします。国会で強行された年金改悪法案について、法案の今国会成立に反対する人が「朝日」で七〇%、「毎日」で六二%、共同通信調査で六七・七%と、国民の七割が反対し、見直しを求めていたことからも、十月からの実施はやめるよう国に求めるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 続いて、イラクの自衛隊派兵問題について質問をいたします。

 大義のない侵略戦争に続いて、今もイラクへの軍事占領を続ける米英両国は、世界で孤立を深めています。それに追随して、無法な戦争を支持し、自衛隊の派兵で加担する日本の小泉内閣の責任が厳しく問われています。

 米英によるイラクの軍事占領は、日に日に侵略者の残虐な本性をむき出しにしています。イラク民間人の死者は、既に一万人を超えました。米軍は、イラク中部の都市ファルージャを包囲して、市民への無差別攻撃を繰り返したのを初め、全土を野蛮な軍事占領で支配し、イラク国民の怒りと抵抗をますます激しくしています。とりわけ、米軍によるイラク人拷問・虐待事件は、侵略戦争の本質をむき出しにしたもので、イスラム社会を初め全世界の憤激を呼んでいます。

 こうした中で、米英の軍事占領に協力して軍隊を派遣していた国々が、次々と部隊を引き揚げ始めました。米国内でも戦争への批判が高まり、撤退を支持する声が広がっています。重大なことは、自衛隊の派兵・駐留を続ければ、米軍のイラク住民に対する弾圧・虐待の共犯者になりかねない危険が増していることです。

 小泉首相は、自衛隊のイラクへの派兵に当たって「非戦闘地域に限る」「人道復興支援が任務」と言いましたが、この言い分は完全に崩れています。これまで比較的平穏と言われたサマワでも、自衛隊を標的に迫撃砲が撃ち込まれるなど、非戦闘地域という口実は通用しない状況です。

 「人道支援のため」という口実も崩れています。自衛隊の給水活動は、イラク国民の支援活動に従事するボランティア団体の四百倍もの予算を使いながら、実際に提供している水はその一割以下です。しかも、自衛隊の駐留がNGOやボランティア団体、ジャーナリストの活動を困難に陥れていることです。

 日本人五人のボランティアやジャーナリストと民間人が拘束されたことは記憶に新しいことですが、残念なことに民間人二人が犠牲になってしまいました。大変痛ましいことです。これは、イラク全土がますます戦場化させられていることと決して無縁ではありません。

 二人の記者銃撃事件後の五月三十日の東京新聞コラム「筆洗」で、「米国とその有志連合軍として自衛隊を派遣している日本人への敵意は、日を追って増していた」として、「イラクの反米勢力から見れば、日本はアブグレイブでイラク人捕虜を虐待した米国追随国家でしかないとすれば、敵意を向けられても仕方がないのか」と論評しています。

 まさに、今イラク問題を道理ある打開の方向に切り替えねば、取り返しのつかないことになってしまいます。それには、アメリカの野蛮なイラク占領をやめさせて、本当に国連を中心に、平和で自主的なイラクをつくる方向で枠組みを切り替える、このために日本が力を出すことです。そして、アメリカ占領軍の仲間になっている自衛隊を一日も早く撤退させることです。

 そこで区長に質問をいたします。日本政府に対し、主権を速やかにイラク国民に返還するために、自衛隊を直ちに撤退させることを求めるべきと考えますが、区長の考えを伺います。

 次に、憲法問題についてです。

 今、自民党、公明党、民主党が憲法の改定を競い合っています。自民党は小泉首相の指示で、来年秋までに憲法改正案をまとめる準備を進め、野党の民主党も、これに呼応して改憲案づくりを始めました。

 憲法九条改悪のねらいは何でしょうか。これまで、有事法制やイラク特措法など、自衛隊を海外に派兵するための様々な法律がつくられてきました。しかし、そのどれも「海外で戦争はしない、武力行使はしない」ことを建前にしてきました。憲法九条が歯止めとなって戦争をすると公然と決める法律をつくるわけにはいかなかったからです。九条改悪のねらいは、この歯止めを憲法そのものから取り払い、日本をアメリカとともに公然と「海外で戦争をする国」にしてしまうことです。そうなれば、日本は無法な侵略国の仲間入りをすることになり、国連の平和のルール確立を求める世界の流れに逆行することになります。

 先日、「平和・民主主義・革新統一をすすめる渋谷懇話会」が開催した、「戦争する国にはしたくない−憲法を守るつどい」で、東京大学教授の小森陽一さんは、最近の憲法問題の議論の一つである「現行憲法は、アメリカによる押しつけ憲法だ」という改憲勢力の発言に対し、「九条をなくせという議論こそ、アメリカに押しつけられたもの」と批判をしました。

 また、改憲勢力は、今の憲法には環境権やプライバシー権がないからなどとも言っています。これらの権利は、現行憲法が多彩で豊かに保障した人権規定をよりどころにして、国民の力で具体化できるものです。憲法の条文にないからといって改憲の理由にはなりません。ましてや、これを隠れみのにして憲法九条を改悪することなど許されませんと述べました。

 自民党の憲法調査会の憲法改正プロジェクトチームがまとめた憲法改正草案の原案となる論点整理案が、六月三日明らかになりました。この中で、焦点となっている九条について、集団的自衛権を明記すべきと大改悪の方向が示されています。現在の改憲論も四年近く前、アメリカのアーミテージ国務副長官が「集団的自衛権を採用せよ」という報告をつくったことから始まったものです。

 憲法九条は、さきの戦争の悲惨な体験から痛切な教訓を学んだ日本国民が、「二度と戦争を繰り返すまい」という決意を込めて刻み込んだもので、日本国民が世界に誇る宝です。二〇〇〇年に、国連で開かれたNGOの会議でも「すべての国がその憲法において、日本国憲法九条に表現されている戦争放棄原則を採択すること」が提案されました。今こそ、憲法九条の先駆的な値打ちを生かしていくことこそ、日本に求められるものです。

 区長は、三月議会で憲法改定について、憲法の規定にのっとって行われるもので、反対する根拠はないと答弁をしましたが、憲法を守る義務のある自治体の長として、憲法九条を守る立場を表明されるべきと区長の考えをお聞かせください。

 次に、有事法制について質問をいたします。

 今、国会で審議されています有事関連七法案は、昨年六月に自民党、公明党などの与党と、民主党の賛成で成立させた「武力攻撃事態法」などの有事法の具体化です。アメリカが引き起こす戦争に備えた周辺事態法に連動して、我が国をそれに参加させるための新しい法体系づくりであり、アメリカの危険な先制攻撃の戦争に自衛隊と日本国民を動員する枠組みづくりです。

 区長は、昨年の定例会で、有事法制について「これは外部から侵略を受けた場合の有事に当たって、自衛隊や行政機関、国民の行動ルールを定めることこそが法治国家として適切だと、こういう考え方に立つものだと、私はそのように理解しております」との認識を示しましたが、今国会で強行されようとしている有事七法案は、そういうものではありません。

 今回の有事関連法案は、国民の保護のための措置に関する法案、米軍の行動の円滑化に関する法案、特定公共施設等の利用に関する法案、国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法案、外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法案、捕虜等の取扱いに関する法案、自衛隊法改定案の七法案です。

 重大なのは、国民保護の名のもとに、国民や民間企業を戦争に強制動員する仕組みが具体化されることです。この問題は、昨年の武力攻撃事態法制定のときには「別途法律で定める」とされていたことですが、今回の有事関連法案で初めて具体化されることになりました。法案は、国民の土地や家屋、物資を強制的に取り上げること、医療や輸送に携わる労働者を強制動員すること、テレビなどの報道を規制することなど、詳細な内容が盛り込まれました。しかも、これらを実施するために、政府の命令に従わない国民に罰則を科すものとなっています。

 これらは、憲法が保障した基本的人権、特に思想・信条・言論・出版の自由、財産権などを根本から踏みにじる文字どおりの「人権じゅうりん法」です。

 法案は、これらの強制措置を国民の避難や救援を目的に行うとしていますが、これは全く建前だけのことです。例えば、緊急時に住民を車で避難させようとしても、米軍行動円滑化法案によって、米軍車両には日本の車両運行を無視して緊急通行したり、車両等の物件の撤去ができる権限が与えられています。このように、実際には、アメリカの軍事作戦の円滑な遂行が最優先される仕組みとなっています。

 自治体に対しては「特定公共施設利用法案」ですが、地方自治体や民間事業者も、政府からの米軍支援の要請に応じる責務を無限定に負わされます。民間の港湾や飛行場、建物、道路などの管理者に対し、米軍や自衛隊などに優先利用させることを責務にしており、管理者である地方自治体などが政府の要請に従わない場合、首相による指示や強制使用まで定めるなど、これまでの周辺事態法の「協力」を求めるとしていた制約を取り払い、米軍支援のために自治体や民間施設の強制使用を可能としているのです。

 自衛隊は、災害対策や人道支援に必要という人も含め、大多数の国民が海外での武力行使に反対しています。それは、海外で武力行使できるようにするための憲法九条改憲論に対し、朝日の五月一日付け世論調査では、支持がわずか二%にすぎないという数字に示されています。

 私は、今必要なのは、国家間の平和友好関係を構築し、武力紛争を起こさない外交努力こそ、国民の平和と安全のために必要なことだと考えます。そのためにも、憲法九条の精神を日本外交の柱にすることが必要です。

 そこで区長に質問いたします。自治体の長として憲法違反の有事関連七法案について反対の声を上げるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 続いて雇用問題です。

 安定した社会と経済の持続のためにも、雇用と所得を守る政策が求められています。とりわけ、フリーターなどの非正規雇用の急増に歯止めをかけ、年金や社会保障の安定した支え手を増やすこと、若年層の雇用対策が求められています。最近の求人の実態を見ますと、昨年十二月の厚労省の調査では、求人全体のうち派遣が五%、請け負いが二八%もあります。新宿では三三%、横浜職安の調査では、製造業の求人の六割以上が請け負いと言われています。

 二〇〇二年の就業構造調査によれば、渋谷区のフリーターの人数は一万八百人で、十五歳から三十四歳の若年人口の六万六千百八人から、学生と主婦を除いた数に占める割合は二三%となり、働く青年の四人に一人がフリーターという実態が明らかになりました。

 国民生活白書でも、企業内の教育訓練がなく、転々と仕事が変わるフリーターの増加は、日本全体の生産性を押し下げる要因となり、日本経済の成長を阻害するおそれがあるとしています。低賃金と不安定な就労は、若者の自立を妨げ、少子化の原因にもなっています。若者への安定した雇用を増やし、フリーターからの脱出を応援することが緊急の課題になっています。江戸川区ではハローワークと連携し、昨年から「ほっとワークえどがわ」という就労相談の窓口を設置したり、自治体としての創意と工夫を凝らした取り組みが行われています。

 そこで、区長に質問いたします。具体的な雇用対策として、区に雇用対策の窓口を設置し、区内の中小企業と共催をして合同就職面接会を実施することや、就職相談会を出張所ごとに開催するべきです。渋谷区独自に対策を進めるため、ヤングハローワークと連携し、区内の青年雇用状況の実態をつかむことが重要です。特に、正規の就労を希望しているにもかかわらず、フリーターとなっている青年の実態の調査のため、アンケート調査を緊急に実施をすべきです。さらに、渋谷区でも保育や介護など、住民サービス向上のためにも、正規職員の雇用を拡大すべきと考えます。以上、区長に質問いたします。

 続いて、住環境を守るまちづくりについてです。

 区議会にも、この間多数の建築紛争にかかわる陳情が提出され、区の建築紛争にかかわる陳情が昨年度は十七件出されています。この背景には、企業の土地の有効活用を名目に、近隣と比べ異様に高い建築が行われたり、大規模なワンルームマンションなど、入居者の管理がなされずに近隣とトラブルになることが少なくないからです。

 この間、建築関係法令のたび重なる規制緩和が続いております。代々木一丁目の山野学苑の二十八階建て校舎兼マンションについても、近隣から驚きの声が上がっています。この山野学苑の再開発は、総合設計制度と敷地整序型区画整理事業として申請をし、既に区画整理事業については渋谷区の許可がおりております。敷地整序型区画整理で申請をすれば、飛び地の解消により大規模開発がしやすくなり、譲渡課税、登録免許税、不動産所得税も免除になります。しかも、区画整理事業で義務づけられている公園の設置についても、山野学苑の場合は近くに公園があるからと公園をつくらず、容積率に勘案されないピロティや、小田急の線路沿いに通路を確保し、それを公開空地として地上九階までが校舎、その上二十八階までがマンションという大規模開発となっているのです。

 こういった超高層大型開発のケースは今後増加し、住み続けられる渋谷区のまちづくりにおいては、大きく問われる問題です。少なくとも、区画整理事業の認可権や、建築行政を指導する権限を持つ区として、近隣の事前への情報提供、住民合意の形成を事業主に求めるなど、住民サイドに立った姿勢が問われると考えます。

 区長として、国や都に住環境を守る立場で規制緩和の野放しをしないように働きかけるべきと考えますが、所見を伺います。

 また、区として住民の住環境に影響を与える区画整理事業の情報提供と、事業主に対し住民合意を得るように指導すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 また、中高層の建築に伴うトラブルをなくすために、板橋区では、今年四月から「板橋区中高層建築物の建築に係わる紛争の予防と調整に関する条例」を改正しました。その主な点は、近隣の住民に対する説明会は、建築主が出席して責任をもって開催することを原則とすること、延べ床面積二千平米以上のマンションなどの建築計画のお知らせ標識を設置し、周知する期間を三十日から六十日の二倍にすると聞いております。

 当区でも、七月から三千平米以上の建築についての標識の設置期間は二倍になりますが、その基準を渋谷区の実態に合わせ一千平米以上にすること、説明会に建築主の出席を義務づけること、住民が事業者と話し合い、確認した内容については文書として取りまとめること、「紛争の予防と調整に関する条例」の内容を事業者が住民説明会の資料として必ず配布するように、「紛争の予防と調整に関する条例」の改正を行うべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 最後に、代々木四丁目の旧都営アパート跡地問題についてです。

 二〇〇二年六月議会で、前小倉区長に質問いたしましたが、区が取得することが示されたことを住民は歓迎をしています。今年度は、基本設計、来年度は実施設計となると聞いておりますが、住民からは近隣に区民施設がないので区民利用施設を望む声が強く出ています。また、公園についてもいろんな形態が考えられ大きな期待が寄せられていると思います。

 区としては、用地取得後の活用については、住民の生の声を十分に吸い上げていく姿勢が求められると考えるものです。区として、区主催の跡地問題での住民説明会を設け住民の生の声を聞くべきと考えますが、区長の考えをお聞かせください。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の森 治樹議員の代表質問に順次お答えをしたいと思います。

 まず、今国会において成立いたしました年金改革関連法案についてのお尋ねでありますが、この法案は現行の年金制度、少子高齢化を踏まえ、将来にわたり持続可能で安心な制度とするために、今国会に上程され議決されたものであります。年金制度は、国の責任において国会の議決を得て実施するものであり、議員の意見には沿いかねます。

 次に、イラクへの自衛隊派遣についてのお尋ねでございますけれども、これはイラク特別措置法として国会において議決をし、国会において論議を尽くされ、その承認を得て派遣するものであります。国において判断すべき課題であると、このように考えております。

 憲法改正についてでございますが、前回定例会で申し上げたことについても、質問の中に申されておりまして、私から改めて言うことはないのかなと、こう思って聞いておりました。いずれにいたしましても、憲法九条を含めまして社会状況の変化に合わせて、改正の手続の中で検討をするということについては何ら私は口を挟む余地はないと、このように思っております。

 続きまして、有事関連法案に関連してのお尋ねでございます。

 有事関連法案は、我が国の平和と独立並びに国民の安全を図るために、武力攻撃事態等への対処のために、基本理念、国・地方公共団体の責務、手続等基本的事項を定め対処のための体制を整えようとするものであります。この法案について、さきに衆議院の議決を経て、現在参議院で審議をされているところであり、私がそのことについて口を挟む余地はない、このように思っております。

 雇用問題についての、若年層の雇用対策として窓口を設置し、企業合同就職面接会等を実施すべきではないかと、こういうお尋ねでございます。若年者雇用対策といたしまして、国や都におきまして、若年者雇用トライアル事業など、求人企業への助成による就労の確保や若年者の能力開発、キャリア形成の支援、さらには御指摘の企業合同説明会の開催など、様々な施策に取り組んでおります。

 本区は、今年度から開始する離職者対策事業の中で、離職をされている区民のための相談窓口を設け、カウンセリングを含め、きめ細かな職業紹介や就労支援セミナーの開催などの事業を進めることといたしました。若年者を対象とする就職相談会を実施する予定はございません。

 次に、フリーターの実態調査についてのお尋ねでございますけれども、このことについては、昨年第三回定例会にもお答えしたとおり、実態調査はヤングハローワークも実施し、国でも調査を行っているところでございます。重ねて実施する考えはありません。

 次に、保育や介護など住民サービス向上のために正規職員の雇用拡大についてのお尋ねでございますけれども、保育や介護施設など、福祉サービスの現場におきましては、利用者の多様なニーズに対応できる人材を確保するとともに、一方では効率的な事業運営を行えるように、適正な人員配置に努めているところでございます。したがいまして、御質問のような正規職員の雇用を拡大する考え方は持っておりません。

 次に、住環境を守るまちづくりについて、二点の御質問でございますが、順次お答えをいたします。

 建築基準法及び都市計画法などの改正に基づきまして、規制緩和の手法といたしまして、敷地の共有化、公開空地の確保、市街地環境の整備改善などがございまして、その結果として都市基盤の整備や新たな住宅供給による定住人口の確保、業務・商業の活性化といった効果が生まれているわけでございます。

 人口や産業が集積した都市部におきまして、都市基盤を整備し、活気や活力のあふれるまちづくりが必要であります。規制緩和の手法が広く活用され、まちづくりが進められることを期待しているところでもあるわけでございます。

 他方、区におきまして、建築計画につきまして近隣住民に事前周知を十分行い、十分な説明をするよう指導してまいりました。建築紛争の未然防止や調整に努めるととに、住環境の維持・向上を図ってまいりました。したがいまして、改めて規制緩和について、国や都に働きかける考えは持っておりません。

 続きまして、住環境に影響を与える区画整理事業についても、情報提供と住民合意を得るよう、事業主を指導すべきとのお尋ねでありますが、敷地整序型土地区画整理事業の情報提供につきましては、事業認可とともに告示を行っているところでありますが、従前より事業主に対しまして、事前相談時から住民への十分な説明と理解を得るよう指導してまいっているところでございます。

 中高層の建築に伴うトラブルをなくすために、中高層建築紛争予防条例を改正すべきとのお尋ねでございます。本区におきましては、本年七月一日から「渋谷区中高層建築物の建築に係わる紛争の予防と調整に関する条例施行規則」の一部改正を行いまして、延べ面積三千平米規模以上の建築物につきましては、建築計画の標識設置期間を二倍に延長し、また建築計画の住民説明会実施についての義務づけを行っていくところでございます。さらに、三千平米未満の場合におきましても、住民要望による住民説明会実施の義務化を図るなど、建築紛争の未然防止に一層強化し、その実施に努めていくところでございます。したがいまして、この考え方に従って進めてまいりたい、このように存じます。

 最後に、代々木四丁目の旧都営アパート跡地利用についてのお尋ねでございます。

 この都営アパート跡地につきましては、地元区民の要望を受けまして、公園予定地として東京都から用地取得をするために、現在交渉を進めているところでございます。取得後には、その整備案を策定し区議会にも御相談し、その上で地元住民の御意見等も広く聞いてまいりたい、このように考えているところでございます。区民に親しまれる、特色ある公園の整備に努めたい、このように思います。

 以上で御答弁を終わらせていただきます。



○議長(丸山高司) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 区長から答弁をいただきました。

 区長は、この本会議の場で、先ほど「自治体のあり方は平和と福祉を基盤に」という発言をいたしました。その立場に本当に立つのであるのならば、年金、イラク、憲法、有事七法案は、区民の暮らし、平和、安全にかかわる問題であり、住民の声を政府に届ける責任が区長にはあると考えます。

 今回、自民、公明が成立を強行した年金改悪法については、七日のTBSテレビで、年金改悪法の「審議が十分だった」は、わずか七%、「十分でなかった」との回答は八六%、七七%が「成立は見送ってもよかった」と答えているように、世論の声を押し切って強行されたものです。

 現状はどうなっているでしょうか。区内で四六%の人が国民年金保険料が未納です。それを毎年値上げしていけば、ますます未納が増えることは明白です。そして、給付でも、ただでさえ少ない年金の中から介護保険料が天引きをされ、医療費の自己負担が増え、生活が脅かされている人が増えているのが実態ではないでしょうか。今回の年金改悪は、区民生活に多大な影響を与えるものです。制度を守るということで国民の生活を犠牲にするというのであれば、まさに本末転倒であります。

 こういうことを考えれば、区長は政府に意見を言っていくことが、区民の生活を守る立場です。再度、国に年金改悪を実施すべきでないことを要求すべきと考えます。

 再質問をいたします。

 今、平和に関する問題については、本当に日本が大きな岐路に立っています。有事七法案は、いずれも一たん決められて走り出せば、国民の権利を大きく制限し、アメリカの起こす戦争に歯止めなく日本を巻き込むばかりか、北東アジア全体の平和にとっても重大な問題です。

 自民党の憲法改正プロジェクトチームが、憲法改悪の論点整理を決定するとしていますが、その内容は、基本的人権を行き過ぎた利己主義的風潮として攻撃し、平和主義についても九条を見直して、戦力の保持を明記するとしています。イラク戦争でも軍事力に頼っては国際秩序をつくることができず、平和をつくることはできません。イラク措置法によって、今、ペルシャ湾に派遣されている自衛隊が、イラク特措法によっても違法な米軍に対して燃料の給油を行っている、実際に日本は軍事的協力の道を踏み出す歯止めを一切なくすのが、今の憲法改悪、有事法制であります。そのことに対して、はっきり反対の声を上げることこそ区長の責任だと私は再質問をいたします。

 雇用問題でも、区内の若年人口二三%がフリーターと言っている深刻な実態です。江戸川区の「ほっとワークえどがわ」は、相談員が七人のところに、一日平均で百五十人が相談に訪れ、年二回の職業面接会、若年対象に面接のスキルアップセミナーを毎月開催し、定数三十人のところに四十人以上の参加があるなど、職場を求める要求は強いものがあります。是非、渋谷区でもこういった対策を取り組むべきだと考えます。区長の所見を再度伺います。

 区長は、先ほど規制緩和を活用していくべきだという発言をいたしました。大変大きな問題です。山野の問題でも、住民は山野学苑から十分な説明をほとんど受けておらず、説明会の開催自体も、区が区画整理事業の許可をおろしてから住民が要求してやっと行ったのです。解体工事の着工、区画整理の許認可がおりた段階まで住民に何ら知らせずに来ていた、これに対して住民がおかしいと思うのは当然のことではないでしょうか。経済効果だけ優先した開発行為に歯止めをかけるためにも、住み続けられるまちづくりをしていく上でも、紛争予防条例の精神を発展させる方向での見直しと、業者に対する毅然とした指導が求められると思います。再質問をいたします。



○議長(丸山高司) 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) 森 治樹議員の再質問に答弁をしたいと、このように思います。

 まず年金問題についてでございますけれども、国と区との役割分担を踏まえつつ対処することが私は必要であると、このように思っております。年金問題は、明らかに国の責任において解決すべき課題であり、国会の議決を得ながらも、そのことについて実施しようとするものでございますから、私は議員の意見には沿いかねる、このように考えております。

 それから憲法改正についての再質問でございます。

 この憲法の制定以来、日本の国際的な地位や世界情勢あるいは経済の規模や国民生活のレベルがさま変わりをしている、そういった状況の中で、この九条問題については、一方では、この平和な国家としての生き抜く決意を示していると、こういうふうに思っておりますが、同時にこの九条二項において、国家固有の自衛権まで否定するような表現については何とか明確にしたい、そういう考え方もあるところでございまして、そういったことについて憲法改正手続を経て国民に意見を聞こうと、こういうことでございますから、私は国民に意見を聞くことについて、私は云々すべき立場にはないと、このように申し上げました。

 それから、若年層の雇用対策についてでございますけれども、国や都において、そのことについてのいろんな施策をさらに実施してきていると、こういう状況でありますから、私は単に、よその区がやっているからやるということではなくて、このことについては今なお区としてはやるべき段階にはないと、このように考えていると、このように申し上げました。

 それから、建築基準法及び都市計画法の改正等についてでございますけれども、このことについては、一方ではこれからの都市基盤の整備や新たな定住人口の確保あるいは地域の活性化といったことについての課題に対して、区として解決をしていかなくてはならない、このように思っているわけでございます。そういった中で、既存の住まわれている方々との調和をどこに求めるかということにつきましては、近隣住民に十二分な説明をしながら、そのことについての対応をしてもらいたいと、こういう考え方でおりますので、私は国や都に働きかける考え方を持っていない、こういうことでお答えをしたいと思います。

 以上です。



○議長(丸山高司) 二十二番森 治樹議員。



◆二十二番(森治樹) 今、自治体のあり方が大きく問われている中で、最大の区民の関心事でもある年金大改悪を実行させず、社会保障、区民の暮らしを守り、住民参加のまちづくりのために、改めて日本共産党区議団は全力を尽くす決意を申し上げて、私の質問を終わります。



○議長(丸山高司) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。

 これから日程に入ります。

 日程第一を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第一 会期決定の件

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○議長(丸山高司) お諮りいたします。

 本定例会の会期は本日から六月二十一日までの十三日間とすることに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、会期は十三日間と決定いたしました。

 日程第二を議題に供します。

   〔小湊次長朗読〕

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△日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について

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○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。

 桑原区長。



◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました諮問第一号は、人権擁護委員の任期満了することに伴い、その後任者として鈴木和子氏を推薦するため提出するものであります。

 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。



○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。

 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これから討論に入ります。討論はありませんか。討論なしと認めます。

 これから日程第二を採決いたします。

 本件については、区長諮問どおり、支障ない旨答申することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議なしと認めます。

 よって、鈴木和子氏を区長諮問どおり、支障ない旨答申することに決定いたしました。

 お諮りいたします。

 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」の声あり〕



○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。

 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。

 次回の会議は明六月十日、午後一時に開議いたします。

 なお、日程は当日文書により、御通知いたします。

 本日の会議はこれをもって延会いたします。

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   延会 午後四時四十三分

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右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。

渋谷区議会議長   丸山高司

渋谷区議会副議長  金井義忠

渋谷区議会議員   吉野和子

渋谷区議会議員   牛尾真己