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東京都 大田区

平成19年 第4回 定例会−11月28日-01号




平成19年 第4回 定例会
平成19年第4回定例会 大田区議会会議録 第14号
11月28日(水曜日)
 出席議員(49名)
  1 番 永井敬臣       2 番 近藤忠夫       3 番 田中一吉
  4 番 河津章夫       5 番 水井達興       6 番 海老澤信吉
  7 番 松原秀典       8 番 高瀬三徳       9 番 安藤 充
  10 番 岸田哲治       11 番 大森昭彦       12 番 松原茂登樹
  13 番 伊藤和弘       14 番 塩野目正樹      15 番 湯本良太郎
  16 番 鈴木康文       17 番 押見隆太       18 番 鈴木隆之
  19 番 溝口 誠       20 番 荒川善夫       21 番 高橋 博
  22 番 飯田 茂       23 番 冨田俊一       24 番 清波貞子
  25 番 古山昌子       26 番 渡部登志雄      27 番 松本洋之
  28 番 丸山かよ       30 番 勝亦 聡       31 番 山崎勝広
  32 番 岸田 正       33 番 都野圭子       34 番 木村 勝
  35 番 柳ヶ瀬裕文      36 番 黒川 仁       37 番 森  愛
  38 番 荒木秀樹       39 番 犬伏秀一       40 番 奈須利江
  41 番 野呂恵子       42 番 西村健志郎      43 番 佐藤 伸
  44 番 清水菊美       45 番 菅谷郁恵       46 番 黒沼良光
  47 番 金子悦子       48 番 和田正子       49 番 藤原幸雄
  50 番 大竹辰治

 欠席議員(1名)
  29 番 岡 元 由 美

 出席説明員
  区長           松原忠義    副区長          野田 隆
  副区長          秋山光明    経営管理部長       清水 繁
  経営管理部特命担当部長  森  透    空港臨海担当部長     藤田正人
  区民生活部長
  危機管理担当部長兼務   遠藤 久    産業経済部長       中村文夫
  保健福祉部長       本間敏幸    高齢福祉担当部長     中山政昭
  保健所長
  地域保健担当部長兼務   三好温子    こども育成部長      金澤 彰
  まちづくり推進部長    石田隆則    交通事業本部長      赤阪英夫
  清掃部長         平野 壽    大田北地域行政センター長 澤田泰博
  大田南地域行政センター長 根本 敦    大田東地域行政センター長 堤 正廣
  会計管理者        高橋幾夫    経営管理部総務課長    伊藤勝康
  経営管理部企画財政課長  川野正博    教育長          細島?明
  教育委員会事務局次長   佐藤喜美男   教育委員会事務局庶務課長 平山政雄

               ―――――――――――――――――――― 出席事務局職員
  局長       大久保一成         議事担当係長   大谷 隆
  議事担当係長   石山雅弘          調査担当係長   村野 仁

議事日程第1号
 平成19年11月28日  午後1時開議
第1 
  第 96 号議案 平成19年度大田区一般会計補正予算(第4次)
  第 97 号議案 平成19年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第2次)
  第 98 号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
  第 99 号議案 大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例
  第 100 号議案 大田区特別出張所設置条例の一部を改正する条例
  第 101 号議案 大田区公衆便所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
  第 102 号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例
  第 103 号議案 土地の取得について
  報告第 20 号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について
               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                    午後1時開会・開議
○永井 議長 ただいまより平成19年第4回大田区議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○永井 議長 まず、会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第131条の規定に基づき、議長より指名いたします。10番岸田哲治議員、42番西村健志郎議員にお願いいたします。
               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○永井 議長 この際、区長より発言の申し出がありますので、これを許します。
                 〔松原忠義区長登壇〕(拍手)
◎松原 区長 本日、平成19年第4回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 前首相の突然の辞任劇から福田新内閣の発足、大連立騒動など、このところ政局は目まぐるしく揺れ動いております。一方で、国民生活にかかわる法案の審議などでは、ねじれ国会によります国会運営の難しさに加えて、防衛省の疑惑問題が重なり、なかなか円滑に進まない状態が続いております。
 景気の方を見ますと、国内経済は大企業を中心に業績拡大が続き、引き続き景気回復局面を牽引しておりますが、米国経済の減速、原油価格の高騰など、世界経済の景気後退とインフレ懸念が高まり、先行きの不透明感が増しているように思います。このような中、国民生活に活力をもたらす政治に対する国民の期待は一層大きいものがあると考えます。
 夕張市の財政破綻問題をきっかけに地方の疲弊ぶりが明らかになる中、東京だけがひとり元気であるような東京富裕論が喧伝されております。日本の元気をつくり出すために、三位一体改革の名のもとに進められてきた地方税財政制度改革ではありますが、地方に裁量権をもたらさない、国庫補助金削減の数字合わせで終わった部分もあり、真の分権型社会の実現からはほど遠い状況にあると言えます。
 さらに、この1年ほどは分権改革に新しい動きは見られず、立ちどまったままの状態が続いています。そうした中で、地域活性化を進めるため、本来、国の責任で解決すべき地方財源の確保の問題が、自治体間の税収格差の解消という議論にすり替えられてしまった感があります。
 こうした状況に対しましては、分権型社会実現の裏づけとなる地方税財政基盤の強化、確立という本来の議論に立ち戻ることを訴え、また、ふるさと納税や法人2税の見直しなどによる都市と地方の財源の再配分という誤った議論に対しては、首都の自治体の長として、議員の皆様と手を携えて反論を加えていきたいと考えております。
 ところで、夕張市の問題は、半面では地方自治体の運営が住民の生活にいかに密接にかかわっているかを明らかにしたものと言えます。住民が地方自治体への関心を高め、協働して地域づくりに取り組み、生き残るための努力が各地で始まっています。地域が活性化し、住民が元気になることで自治体もよみがえり、国全体の活力が生まれます。このために抜本的に国と地方の役割を見直し、地方交付税による財源保障も含め、地方の裁量権の拡大につながる法制上、財政上の分権改革の本道に立ち返ることが必要だと思います。
 東京23区も、個々の住民の生活に目を向ければ、就労環境の変化や高齢社会の急激な進展など、社会経済構造が大きく変わる中で、必ずしも元気いっぱいというわけではありません。その意味で大田区も例外ではなく、地域の活力をつくり出していく努力を始めなければならない状況にあります。
 東京には日本全体を牽引する重要な役割があります。道路、空港、港湾などの都市基盤の整備、防災、防犯など、大都市として他の地域にはない膨大な行政需要を抱えております。このような事情を考慮することなく、安易に税財源の分散移転を行えば、日本全体が活力を失ってしまう事態にも陥りかねません。大田区は、首都東京の自治体として、区民の生活を守るため、東京富裕論に対しては今後ともきちんと反対意見を述べてまいりたいと考えております。
 一方、都と23区は、共同で都区のあり方を検討する委員会を設置し、23区のあり方をも視野に入れ、東京の行政のあるべき姿の検討を進めております。現在、都が行っている事務について幅広くリストアップし、その一つ一つを点検し、都区の事務配分に関する基本的な方向づけを行う段階にあります。都や23区それぞれの立場、考え方があり、今後の議論の行方については、現段階では見通すことがなかなか難しいように感じております。いずれにいたしましても、東京全体、日本全体の行財政のあるべき姿を見据えながら、都区のあり方を考えていくことが、翻って大田区のまちづくり、大田区民の皆様の豊かな暮らしづくりに直結していくものと考えております。
 大田区の自治体運営は、東京の活力や日本全体の元気と連動していくものであると考え、この大田区から元気をつくり出していく強い気持ちを持って取り組んでいきたいと思います。今後とも、皆様と十分に議論をしながら、よりよい区政運営に取り組んでまいります。ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
 秋はイベントの季節でもありました。私は、地域の力、地域力というものが、今後、豊かな大田のまちをつくっていくための重要なかぎであると様々な機会をとらえて申し上げてまいりました。この力は、防犯・防災活動、地域の教育力、少子高齢社会への対応など、その真価を発揮する場面は非常に多く、その必要性は大きいと感じております。地域で行われる様々な催しは、この地域力を実感するときでもあります。
 今月3日の文化の日から9日間、東急多摩川線沿線で多摩川アートラインプロジェクトという催しが行われました。区内の団体、企業が数多く参加し、現代アートを媒介にして地域産業の発展やコミュニティの創造、魅力ある地域づくりを目指すユニークな試みであります。大田区にゆかりの現代アートの作家の方々が多く参加をなされ、区内の企業がアート作品の制作を担いました。これを駅やまちに展示し、コンサートやワークショップなどのイベントを展開して、アートとものづくりのまち大田区をアピールしました。
 このように、地域の資源を結び合わせてまちづくりを進めるという発想と熱意が、大田区の未来をつくっていく原動力になると考えます。大田区は、地域の皆さんのこのような取り組みを応援し、育てていきたいと考えております。
 さて、大田区最大のイベントでありますOTAふれあいフェスタ2007は、今月10日、11日の両日、平和島公園などを会場に行われました。今年はあいにくの雨模様の天候で始まりましたが、24万人を超える方々にご参加をいただきました。
 今回は、区政60周年という冠をつけての記念イベントとさせていただきました。大田区が誕生したのは昭和22年、戦後間もなくのことであります。会場の平和島が平和島と名づけられたのも戦後のことであります。平和島は昭和14年に東京市の埋め立てによってつくられ、大森島と呼ばれた記録もあります。戦争中は外国人捕虜の収容所、戦後は戦犯の収容所とされました。戦後も戦争のつらい思いを引きずったこの島を、だれ言うともなく平和島と呼ぶようになったということであります。この島の名前の向こうに、このような事実と人々の平和を願う心があったことを思うと、強く胸を打たれる思いがいたします。
 戦後、平和台、平和通りといった平和の名を冠とした地名が各地につけられました。しかし、全国的にも80件ほどで、意外に少ない印象を持ちます。そうした中でも、大田区の平和島のような歴史的経緯を持つものは限られています。この意味で、平和島は貴重な平和の歴史遺産であると言ってよいのではないかと思います。
 今、平和島はフェスタの会場として、毎年、大田区民の約半数に当たる人々が参加し、交流する場所となっています。今年はまた、友好都市締結10周年を記念して北京市朝陽区の方々をお招きし、歓迎セレモニーや記念コンサートを行いました。
 平和島は、かつては戦争を象徴する施設があった場所であります。しかし、その場所を、この60年という歳月の経過の中で、私たち大田区民は、外国の方々との平和な交流を祈念する場、たくさんの人々が笑顔で訪れる場所、本当の平和の島にしたのだということを実感いたします。
 今回のフェスタには、私の考える国際、平和、交流都市のすべての要素がありました。これからも平和のときを刻みながらフェスタの回を重ね、大田区を国際平和交流都市にする取り組みを区民の皆様と進めていきたいと思います。
 また、フェスタでは、国内の友好都市である長野県東御市、秋田県美郷町をはじめ、区内の多くの企業、団体、そしてたくさんの区民の皆様のご協力のもと、様々な催しが行われました。地域のパワーにより触れ合いと交流の輪が広がり、多くの区民の方々と共有できた楽しい2日間となりました。フェスタ開催に当たりましては、皆様から多大なご協力をいただきました。厚く御礼を申し上げます。
 このほか、最近の区政の動きにつきまして何点かご報告申し上げたいと思います。
 今年度の大田区総合防災訓練は四つの地域行政センターごとに実施し、全体を合わせますと、23の自治会・町会、2434名の方々にご参加をいただきました。地震はいつ起きてもおかしくないと言われております。被害を最小限に抑えるためには、地域の防災力を高めていくことが欠かせません。今後も地域や防災関係機関と連携を図りながら、訓練の充実、そして人とまちを災害から守る地域力の向上を目指してまいります。
 阪神・淡路大震災の起きた1月17日を含む1週間は、防災とボランティア週間と定められています。この期間中は、防災意識の高揚を図るために、全国の自治体などが様々なイベントを実施することとなっています。来年のこの期間中に、大田区では、今年7月に発生した新潟県中越沖地震の際に被災地に派遣し、支援活動を行った区職員による報告会の開催を予定しています。実際に目で見た被災地の状況や支援活動を通じて得た教訓を広く区民の皆様にお伝えし、防災意識や防災行動力のさらなる向上に努めてまいりたいと考えています。
 10月31日に開催された第48回羽田空港移転問題協議会におきまして、跡地の土地利用の方向性を示した基本計画の素案を取りまとめました。羽田空港の沖合展開や再拡張事業により発生する跡地は、空港の市街地側に隣接する貴重な国有地であり、その利用については、国土交通省、東京都、大田区、品川区の間で検討を進めてまいりました。
 この素案は、本年3月に合意された約53ヘクタールの跡地の範囲と面積を踏まえて作成したものであります。跡地全体を三つのゾーンに分け、文化・交流機能や産業支援機能、国際交流機能、空港関連機能などを配置し、また地域防災機能を持たせるなどの考えが盛り込まれております。この素案につきましては、区民の皆様にお知らせするとともに、本計画に対するご意見を募集しました。今後、お寄せいただきましたご意見を参考にさらに検討を進め、今年度中を目途に羽田空港跡地利用基本計画を取りまとめる予定であります。
 今月7日、大田区産業プラザで蒲蒲線整備促進区民協議会が開催されました。自治会・町会、商工業関係団体、区立中学校PTA、また議員の皆様にもご出席をいただき、新しい大田のまちづくりのために、また空港への新しいアクセス路線ともなる蒲蒲線の早期実現に向け、力強く連帯をしながら促進活動を展開することを再確認しました。
 席上では、池袋や渋谷から東急を経由し、羽田空港へ直結する路線として、名称も新たに新空港線とし、区外にも強くアピールしようという提案も出され、活気ある議論が交わされました。
 また、東京工業大学大学院教授であり、現在、区の基本構想審議会委員を務めていただいております中井検
裕先生にご講演をいただきました。そのお話の中で、変化を受け入れない都市は衰退するとのご指摘がありました。大田区が衰退してよいわけがありません。よりよい鉄道とまちづくりを目指し、鉄道事業者や区民の皆様方と力を合わせて、チャンスとなる変化を大田区に導けるよう積極的にチャレンジしてまいりたいと考えております。
 また、10月から、国土交通省、都、京急、東急の各電鉄会社とともに蒲蒲線に関する勉強会を発足させ、具体的に課題を整理する場を設けました。あわせて、新たな需要予測調査を実施し、蒲蒲線実現への取り組みをさらに加速させてまいります。
 蒲田駅前広場につきましては、平成16年10月から路上喫煙禁止地区に指定し、歩きたばこの禁止や吸殻のポイ捨て防止について周知や啓発を行ってまいりました。しかし、依然として路上禁煙が守られていない状況にあります。こうした中、たばこを吸う人と吸わない人が共存できるように、地元商店街と喫煙所の設置について検討し、蒲田駅東西口広場にそれぞれ1か所設置をいたしました。この設置に伴い、さらに喫煙マナーの啓発を行い、清潔で美しい蒲田駅前広場になるよう努力していきたいと考えています。ご理解、ご協力をお願い申し上げます。
 本年は3年に1度の民生児童委員の一斉改選の年に当たります。来月5日に502名の新委員の皆様に委嘱をさせていただく予定であります。委員の方々のご推薦の際には、議員各位、町会・自治会など関係者の皆様には大変お世話になりました。厚く御礼を申し上げます。今後も委員の皆様と手を携えて、地域福祉の一層の充実を図ってまいりますので、これまで以上のご協力をお願い申し上げます。
 後期高齢者医療制度が新しい医療制度として来年4月から始まります。75歳以上の高齢者の方と、65歳から74歳で一定の障害のある方は全員加入していただく大きな制度改正であります。このようなことから、制度をスムーズに実施できるよう十分な準備を進めていきたいと考えております。このために、区報などによるお知らせに加え、出前型の説明会など多様なPRの方法をとり、制度のご案内に努めているところでございます。
 この保険料につきまして、今月20日の東京都広域連合議会で、保険料算定の根拠となる均等割の額、所得割の料率が決定されました。平均的な保険料額として10万2900円が見込まれております。また、一部新たに負担のふえる方に対し、保険料の軽減などの激変緩和措置が検討されています。今後、具体的な内容がわかり次第、速やかにお知らせをしてまいります。
 一般会計第4次補正予算は、台風9号による冠水被害を受けた多摩川河川敷の復旧工事に係る経費をはじめ、緊急2か年計画の着実な実施や緊急対応を要する経費について、繰入金及び都支出金を財源として編成いたしました。今回の補正額は、歳入歳出それぞれ5億6100万円余の増となっております。
 本定例会に提案いたしました案件は、補正予算案2件、条例案5件、その他議案1件、報告議案1件でございます。いずれも後ほど上程の際、順次ご説明を申し上げますので、よろしくご審議を賜り、ご決定を賜りますようお願い申し上げ、招集のごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○永井 議長 事務局長に諸般の報告をさせます。
                    〔大久保事務局長朗読〕
1 大田区議会定例会の招集について
2 議案の送付について
3 執行機関の出席について(2件)
4 陳情取下願(2件)
               ――――――――――――――――――――
                                         19経総発第11104号
                                          平成19年11月20日
  大田区議会議長
    永 井 敬 臣 様
                                大田区長  松 原 忠 義    
               大田区議会定例会の招集について(通知)
 平成19年11月20日付け大田区告示第607号により、平成19年第4回大田区議会定例会を下記のとおり招集したので通知します。
                        記
1 期    日 平成19年11月28日
2 場    所 大田区議会議場
               ――――――――――――――――――――
                                         19経総発第11104号
                                          平成19年11月20日
  大田区議会議長
    永 井 敬 臣 様
                                大田区長  松 原 忠 義    
                    議案の送付について
 平成19年第4回大田区議会定例会に付議する次の議案を別紙のとおり送付します。
 第 96 号議案 平成19年度大田区一般会計補正予算(第4次)
 第 97 号議案 平成19年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第2次)
 第 98 号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
 第 99 号議案 大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例
 第 100 号議案 大田区特別出張所設置条例の一部を改正する条例
 第 101 号議案 大田区公衆便所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
 第 102 号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例
 第 103 号議案 土地の取得について
 報告第 20 号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について
               ――――――――――――――――――――
                                         19経総発第11137号
                                          平成19年11月21日
  大田区議会議長
    永 井 敬 臣 様
                                大田区長  松 原 忠 義    
                 執行機関の出席について(通知)
 平成19年11月20日付け19大議発第10446号により要請のあった平成19年第4回大田区議会定例会における執行機関の出席者を次のとおり通知します。

 副区長          野 田   隆   副区長          秋 山 光 明
 経営管理部長       清 水   繁   経営管理部特命担当部長  森     透
                        区民生活部長
 空港臨海担当部長     藤 田 正 人                遠 藤   久
                        危機管理担当部長兼務
 産業経済部長       中 村 文 夫   保健福祉部長       本 間 敏 幸
                        保健所長
 高齢福祉担当部長     中 山 政 昭                三 好 温 子
                        地域保健担当部長兼務  
 こども育成部長      金 澤   彰   まちづくり推進部長    石 田 隆 則
 交通事業本部長      赤 阪 英 夫   清掃部長         平 野   壽
 大田北地域行政センター長 澤 田 泰 博   大田西地域行政センター長 竹 村 一 也
 大田南地域行政センター長 根 本   敦  大田東地域行政センター長  堤   正 廣
 会計管理者        高 橋 幾 夫  経営管理部総務課長     伊 藤 勝 康
 経営管理部企画財政課長  川 野 正 博
               ――――――――――――――――――――
                                         19経総発第11163号
                                          平成19年11月27日
  大田区議会議長
    永 井 敬 臣 様
                                大田区長  松 原 忠 義
                 執行機関の欠席について(通知)
 先に通知した平成19年第4回大田区議会定例会における執行機関の出席者のうち、大田西地域行政センター長 竹村一也は、忌引のため11月28日及び29日の会議を欠席します。
               ――――――――――――――――――――
                                         19教庶発第12350号
                                          平成19年11月20日
 大田区議会議長
   永 井 敬 臣  様
                         大田区教育委員会委員長  渡 邉 盛 雄
                 執行機関の出席について(通知)
 平成19年11月20日付け19大議発第10446号により要請のあった平成19年第4回大田区議会定例会における執行機関の出席者を次のとおり通知します。
  教    育    長       細 島 ? 明
  教育委員会事務局次長       佐 藤 喜美男
  教育委員会事務局庶務課長     平 山 政 雄
               ――――――――――――――――――――
                      陳情取下願
 19第 55 号 東京都後期高齢者医療広域連合へ意見書の陳情
 19第 75 号 蒲田小学校への階段昇降機設置に関する陳情
               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○永井 議長 次に、会期についてお諮りいたします。この定例会の会期は、本日より12月7日までの10日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
                  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永井 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○永井 議長 次に、陳情の取り下げについてお諮りいたします。ただいま事務局長に報告させましたとおり、19第55号 東京都後期高齢者医療広域連合へ意見書の陳情ほか1件について、それぞれの提出者より取下願が提出されました。いずれもこれを承認することにご異議ありませんか。
                  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永井 議長 ご異議なしと認め、いずれも取り下げを承認することに決定いたしました。
               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○永井 議長 これより質問に入ります。
 岸田哲治議員、松本洋之議員、金子悦子議員、木村 勝議員、犬伏秀一議員、勝亦 聡議員、清波貞子議員、柳ヶ瀬裕文議員、都野圭子議員、清水菊美議員、西村健志郎議員、菅谷郁恵議員、海老澤信吉議員、松原秀典議員、伊藤和弘議員より通告がありますので、順次これを許します。
 まず、10番岸田哲治議員。
                〔10番岸田哲治議員登壇〕(拍手)
◆10番(岸田哲治 議員) 自由民主党大田区議団の代表質問をさせていただきます。
 本年は区が誕生して60年、そして民間からの区長の誕生と、大田区にとって新しい時代の始まりの年となりました。松原区長のもとに9月から始まった大田区基本構想審議会は、明治大学大学院教授、元東京都副知事の青山やすし氏を会長に迎え、25年ぶりに大田区の基本構想を改定する非常に重要な審議会が、私ども自民党区議団田中幹事長もメンバーとなり、積極的に議論に参加させていただいております。
 これまでの議論の中では、羽田空港を含む臨海部のまちづくりや、産業、子育て、教育、あるいは地域力といった、今後大田区づくりを進める上で非常に重要な政策課題について活発な議論がなされています。基本構想は、おおむね20年先の区の姿を描き、基本計画は、基本構想に描かれた内容を実現すべく、10か年計画として策定するということでありますが、今後、区を取り巻く状況は、少子高齢社会の進行、それに伴う地域の担い手の高齢化、区内産業の衰退、区の公共施設540か所余りのうち約4割が老朽化し、建て替えなどの更新の必要性、羽田空港の国際化と羽田空港跡地利用の計画、さらに23区再編論議も含めた都区のあり方に関する議論の進展など、非常に重要な課題ばかりです。基本構想は大田区の骨格となる考え方、方向性を示すものであり、こうした様々な課題に対して区はどのような区政運営を進めていくのかをお伺いいたします。
 本年10月に羽田空港移転問題協議会、国土交通省、東京都、大田区、品川区のいわゆる三者協において、羽田空港の沖合展開事業及び再拡張事業の実施に伴い発生する跡地の土地利用を示した羽田空港跡地利用基本計画の素案が出され、今年度中を目途に羽田空港跡地利用基本計画を取りまとめる予定とのことですが、羽田空港の跡地については、昭和50年代の後半から話題となり、当時の200ヘクタールから変遷を経て今日の53ヘクタールとなったわけですが、この間、羽田空港の沖合展開事業により現在の空港が整備され、そして本年3月末より第4滑走路が着工されるとともに、空港の国際ターミナルや貨物ターミナルの事業が動き始め、空港の再拡張事業が本格化してきました。
 これら一連の空港の歴史や、それを取り巻く環境の変化に大田区は大いに影響を受けてまいりました。とりわけ戦後48時間の強制退去を余儀なくされた地域住民にとっても、大事な空港跡地利用基本計画と考えております。この計画に地元の意見や大田区の意向がどの程度反映されるのか、区としても強く働きかけているとは思いますが、お考えをお伺いいたします。
 羽田空港については、今年の安倍政権のときにアジア・ゲートウェイ構想というものが発表されました。この中で、航空自由化に向けた航空政策の転換という、「航空自由化による戦略的な国際航空ネットワークの構築、羽田の更なる国際化、大都市圏国際空港の24時間化」が挙げられております。羽田空港は国際空港ネットワークを海外につなげる重要な空港であるため、深夜早朝利用を促進し、国際空港として最大限有効利用することを挙げています。
 羽田空港が日本の玄関としてさらなる発展を遂げ、アジアへ向けての地位向上が望まれているわけですが、アジア諸国の空港や港湾施設それぞれが大規模に整備が進められ、経済の中心が中国や韓国等の都市に移りつつあるとも聞いております。羽田空港がローカル空港とならないよう、経済や文化などアジアでの一大拠点である東京が、ますますその地位を維持し、発展していってほしいものです。そして、その発展を大田区に反映させることにより、大田区も発展するものと考えております。そのためにも羽田空港の充実を図るべきですし、羽田空港が今の規模でよいのか、もっと大きな空港としてさらなる拡張も視野に入れながら、空港周辺の環境改善にも力を入れるべきです。
 その中で心配なこととしては、空港再拡張事業の後、発着回数が約1.4倍に増強されることにより、航空機の乗り入れがふえ、利用者や貨物などが大幅に増加いたします。そのための対策は十分になされているのでしょうか。人、物が集中することへの対応が十分なのでしょうか。また、サポート体制の整備が十分であるのかが気になるところです。羽田空港関連施設で働く人たちがふえることへの対応も気になります。総合的見地から大田区の利益、国の利益をかんがみて問題の解決に当たってもらいたいと思います。
 この空港再拡張に伴い、周辺道路の混雑、騒音や排気ガスなどによる環境汚染についても懸念されるところであります。現在、羽田空港につながる道路は渋滞しており、平和島、城南島、京浜島などの臨海部の物流施設や清掃などの施設と相まって、ますます道路混雑が心配な状況です。特に、国道357号線の川崎方面延伸については早期解決を望むところでありますが、どのようになっているのでしょうか、お考えをお尋ねいたします。
 羽田空港をより充実させるためには、様々な方面からより短時間でアクセスできることが大事だろうと思います。そのためには、都心や東京都西部あるいは横浜方面からのアクセス強化を図るべきと考えます。その意味から蒲蒲線の整備は大事な課題でありますし、早い時期の実現を期待しているところであります。
 蒲蒲線については、大田区は利用者数の予測について試算見直しに取り組んでいるとお伺いいたしました。これからどのように蒲蒲線の実現に向けて取り組んでいくのか。都はこの事業に利用者数の割に採算が合わないと慎重な姿勢をとっているとのことですが、区としてはどのように考えられているのか、お伺いいたします。
 次に、防災対策についてお伺いいたします。
 去る10月23日で新潟県中越地震発生から丸3年がたちました。また、本年は能登半島地震、中越沖地震と大きな地震が日本各地で起きております。被害については、亡くなられた方、負傷者、避難した住民の方、家屋の全半壊など大変な被害が出ておりますが、住宅の密集や人口密度が著しく高い都心部で同規模の地震が発生した場合、想像を絶する甚大な被害が発生するものと予想しております。
 こうした中で、11月9日に被害者支援法の改正が成立し、今国会の成立法の第1号となりました。今までは一般住宅の被害に対して1兆2000億円を支給すると言われていましたが、今回の改正で上限額を受け取ることができる年収要件、原則年収500万円以下は撤廃することになり、今までは全壊や大規模半壊世帯に解体撤去や整地など使途が限られている上、最大300万円のうち必要な額しか支給されなかったものが、改正により渡しきりの形で使途を限定せずに上限300万円が支給されることとなりました。また、全壊世帯には100万円、大規模半壊世帯には50万円が上乗せされるそうです。最大で全壊85万棟の被害が想定されている首都直下地震では、一般住宅への支給額は2兆8000億円超に膨れ上がるそうです。
 また、政府は住宅の耐震改修補助制度を平成20年度(2008年度)から大幅に拡大する方針を決めました。補助対象となる住宅の条件を撤廃するとともに、補助率も上積みするそうです。災害発生時の犠牲者ゼロ政策を具体化するものですが、住宅密集地で道路に面し、倒壊すれば通行を妨害するおそれがある家屋などに限っている条件を撤廃する。補助率を、国と地方自治体が約7.7%ずつ負担していたものを約11.5%ずつにし、改修費の約15.3%から23%に引き上げる。この耐震改修補助制度の改定でも、現在、大田区で耐震補強がほとんど進んでいない現状が解決されるとは考えておりません。大田区緊急2か年計画で耐震補強については、平成19年度が100棟、平成20年度も100棟を目標に挙げていますが、本年度なかなか進んでいない現状です。区としての独自での支援と、制度適用における手続の簡略化に取り組んでもらいたいと考えております。
 また、違反建築物に対しては耐震補強の補助は出さないとのことですが、危険な建物が存在することが、区民の安全で安心して暮らせる大田区にとって極めて重要な問題になるものと考えております。強制的に違反建築物に対しては改修をして耐震補強をしてはと思いますが、区はどのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いいたします。
 12年前の阪神・淡路大震災では、神戸港の取引量も大幅にダウンし、地域経済も大きな影響を受けました。また、工場や商店も震災による建物のダメージにより営業を続けることが困難となるなど、生産活動や消費活動にも大きな影響が発生し、12年経過した今日でも経済の落ち込みを挽回するに至っておりません。
 発災後、こうした工場や商店の再建に速やかに対応することが産業政策にも重要であると考えております。特に大田区の中小零細企業は日本の、世界の工業を支える基礎を担っているところばかりであり、世界経済にもはかり知れない大きな影響が出るものと思われます。区では工場や商店などの速やかな再建に対する支援策についてどのように考えられているのか、お伺いいたします。
 子供から高齢者まで、すべての区民が安全で安心して暮らせる区となるよう、より一層の努力が必要であり、とりわけ防災対策は極めて重要で迅速な対応が必要と考えております。
 次に、区長は就任後、次々と新しい施策を打ち出されております。区民の区に対する希望も高まり、区全体に活気が出てきているようで、私どもといたしましても、選挙で推薦して松原区長誕生の原動力となったことに誇りを持っております。
 その中の一つが、区の観光を育成しよう、発展させようという取り組みで、平成20年4月から産業経済部へ(仮称)観光課が設置されます。にぎわいのあるまちづくりはぜひとも進めなければなりません。観光分野の発展は、大田区の商業、運輸など産業全体に好影響を及ぼします。区民全体が享受できるまちづくりの発展につながっていくものと考えております。また、まちは多くの人々に見られることにより美しく発展するものとも考えます。
 さて、一般的な意味での観光とは、名所旧跡、風光、温泉、名産品などかと思いますが、現代の、しかも都市部における観光とは、遊ぶ、食べる、買う、見る、学ぶなどの人の行動を誘発し、また癒し、体験、参加、交流なども加わってくるのではないでしょうか。そのために、地域の観光資源を発掘する、磨きをかける、何もなければ新たにつくり出していく、そして区の内外に発信する、こういうことを区が強く進めていくべきと考えております。
 今まで観光とは無縁だった殺風景でおもしろみがない工場が新たな観光資源として注目されております。大田区も中小企業を観光資源に生かそうと考えられているとお聞きしましたが、中小零細企業の場合、人手に余裕がなく、お客様への説明担当者を配置し、見学順路、案内板を設けるなど、かなり負担がかかると思います。ある程度の補助はあると思いますが、安全面への配慮も含め、おもしろく見せるための工夫を企業に負うことなく、観光客と企業側の両者に喜んでもらえるようにしっかりと協力関係を結び、長続きする政策を練り上げて進めていただきたいと思います。
 4月に新設される観光課についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さて、例年2月に発行されていた大田区財政白書は今回は11月に発表されました。平成20年度の予算編成で忙しい中での公表は評価できるものであります。国の白書など平成18年度決算が平成20年度の3月に発行されるなど遠い昔の話をしているようで、刻一刻と変わる現代社会の情勢のもとでは参考資料として活用はできません。地方分権政策を進めていく中で、正確で早くわかりやすい情報提供が必要です。
 政府の地方分権改革推進委員会は11月16日、中間取りまとめを公表いたしました。中間取りまとめは、地方分権一括法の平成12年施行や三位一体改革などの第1期分権改革に続く、第2期改革の理念や手法を示したもので、平成22年春までの新分権一括法制定に向けて勧告を重ねていくものであります。分権委員会の今春の基本方針は、自治体を自立した地方政府にすると宣言しております。今後、区としても税源の面、政策の面でも独自で創意工夫を発揮できるものと考えますが、都との関係はどのようなものになるのか、お伺いいたします。
 地方分権が進み、より大田区が区民にとって身近なものになってもらいたいものと思います。
 今回の財政白書の作成に当たっては、翌年度の予算編成作業と時期的に重なるなどご苦労があろうかと思いますが、これは来年度以降もぜひとも継続して、さらに早く提出してほしいと願うところであります。
 さて、平成18年度普通会計決算は、前年度決算に引き続き各種財政指標もさらに改善し、財政基盤は強固なものとなっていることがわかります。区財政の状況をあらわす代表的な財政指標としての経常収支比率は、前年度比で2.9ポイント改善して74.3%となり、これまでのたゆまぬ努力が着実に成果を上げていることがわかります。
 歳入においては、特別区民税は622億円と前年度に比べて72億円の増となりました。徴収率も93.1%と1ポイント向上しております。また、区民税と並び歳入の中心である特別区交付金についても、679億円と前年度に比べて65億円の増となるなど、区の一般財源は1570億円で、歳入総額に占める割合も70.4%と過去10年間で最大規模となり、好景気を背景に豊かな歳入となっております。
 一方、歳出においては、人件費は平成12年度に清掃事業の移管による一時的な増加を除くと一貫して減少しており、効率的な執行体制の確立に向けた取り組みの成果があらわれていることがわかり、今、区は健全な財政状況にありますが、人口構成の変化に伴う少子高齢社会への対応など社会保障関連経費の増加、耐震改修補助制度の改定による区の負担増加など、財政への圧迫が懸念されているところであります。
 特に、来年4月より後期高齢者医療制度の発足により、来年以降、医療費等の区の負担が変化することが予想されております。区はどのようになると考えておられるのか、お伺いいたします。
 平成17年度に住民税減税補てん債の発行を行わないなど起債の抑制や借金の前倒し返済などを行いましたが、平成18年度においても引き続いて将来の負担を減らす財政運営が見てとれます。これは区として主体的、自立的で柔軟な財政運営のあらわれとして評価しているところであります。
 しかしながら、財政白書の中でも将来の財政負担として触れておりますとおり、現在、経済情勢は刻一刻と変化しており、原油価格の急騰や、食物価格や鉱物価格の高騰に伴う企業物価の上昇などの不安材料も多く、将来安定した財政環境が続くとは思えません。また、今後、区の公共施設の老朽化した施設の更新が重要な課題となっており、多額の投資が必要な時代が来ております。
 区は現在、基本計画の策定作業を進めていますが、今後、区債の発行や基金の活用など財政のかじ取りが重要になってくると考えます。さらに無駄を省き、改革に努め、区債の発行は抑えて、将来の区民の負担を少なくすることが必要と思いますが、区はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
 また、国の経済財政諮問会議などにおいては、地方法人2税の配分方法の見直しやふるさと納税など、都市部の財源を地方税偏在の是正手段として用いようとする検討、いわゆる東京富裕論という議論がなされております。確かに地方が疲弊していることは事実であり、いずれかの手は打たなければなりませんが、都市部で一生懸命に働いている方々のやる気をそがないように、今後とも国の動きを注視しつつ、言うべきことは言うということを基本に、また東京都に対しても特別区の地方分権を推進していただきたいと考えております。
 次に、次期の学習指導要領は、これまでのゆとり教育から脱却し、確かな学力を目指しており、授業時間を小学校6年間で278時間、中学校3年間で105時間増加するそうです。大きく日本の教育が変わろうとしております。
 本年4月24日に全国学力・学習状況調査が実施されました。学力の全国調査としては43年ぶりとなる本調査で、小学校6年生と中学校3年生を対象に約233万人が参加いたしました。教科に関する調査として、国語と算数・数学の2教科でそれぞれ知識と活用力を問う調査が実施されたほか、生活習慣や学習意欲などに関する調査も行っております。
 その中で、基礎知識はある程度身についているものの、その活用に課題があるようですが、大田区の結果も同様な傾向があったのか、お伺いいたします。
 さて、今回の全国調査の結果発表の前に、東京都教育委員会が実施した児童生徒の学力向上を図るための調査の結果が発表されております。こちらの調査は小学校で3回目、中学校で4回目になりますが、他の市区町村と比較すると、大田区は毎回あまりよい結果ではなかったかと思います。これまでも授業改善や学力向上に積極的に取り組んでいただいたとは思いますが、そのことが結果としてあらわれていないことが大変残念に思います。授業改善や学力向上にこれからどのように取り組もうとしているのか、お伺いいたします。
 また、次期の学習指導要領の改訂へ向けて、学校週5日制の下での土曜日の活用などが議論されているところです。学力向上を望む保護者や地域の声を背景に、土曜日の活用が示されていると考えておりますが、毎年9月から12月の2学期を見ると、土曜、日曜、月曜と3日連続の休みが多いようです。平日4日の授業で休みが3日では落ちついて勉強に集中できず、学力もつかないものではないかと思います。ゆとりのある中で、子供たちに社会体験など様々な活動を経験させる大切さは否定いたしませんが、ある程度の授業時間数を確保しないと学力向上につながらないと考えます。大田区としても土曜日にも授業を行うことにより授業時間数をふやす週6日制を復活する必要があると思っておられるのは私一人ではないと思います。お考えをお伺いいたします。
 また、教師の指導力の問題もあるのではないかと思います。特に現在、団塊の世代の大量退職時代を迎えており、ベテラン教員の持つ授業力をいかに若手教員に伝え、学校全体の教育力を向上させていくのか。個々の教師の指導力向上、学校全体の教育力向上にどのような方策を持って臨んでいられるのか、お考えをお伺いいたします。
 教育は、確かな学力、豊かな心、健康な体をバランスよく育てることが何よりも大切であり、学力向上だけを取り組んだところで成果は上がらないのではないかと思います。豊かな心を育てることにつながる図工、美術、音楽、家庭科、道徳などの授業時間数もふやす考えはないのでしょうか。
 さらに、健康な体をつくるための体力向上にも積極的に取り組む必要があると考えております。体力調査の結果によると、ここ数年、子供たちの体力は下げどまり傾向にあるようですが、体力向上の中心となるのは体育の授業だと思います。体育の授業時間を増加させる考えはないのでしょうか。
 また、知力、体力を支える食育も大切と考えております。学校における食育をどのように進められているのでしょうか。
 教育は将来を担う子供たちに生きていくために必要な力を身につけさせる場であると考えております。大田区の子供たちの確かな学力、豊かな心、健康な体をはぐくむことをさらに努力していただくことを強く要望いたします。
 終わりに、現在、平成20年度の予算編成作業が続いていると思いますが、平成18年度決算の評価、分析を生かし、引き続いて区民満足度の向上を基本に、区民が夢と希望を持てるまちづくりに向けて一層努力して取り組んでいただきたいと思います。
 以上で自由民主党大田区議団の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○永井 議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 岸田哲治議員の代表質問に順次お答えさせていただきたいと思います。
 まず、基本構想、基本計画を策定するに当たりまして、様々な課題に対して区はどのような区政運営を進めていくかとの質問でございますけれども、議員ご指摘のとおり、現在、大田区基本構想審議会の中では、大田区の現状分析を踏まえて、大田区の将来像に関する様々なご議論をいただいているところでございます。
 私は、今後、区政を進めるに当たっては、二つの視点が必要であると認識しております。一つは、羽田空港の国際化や空港跡地を含めた臨海部のあり方、また蒲田や大森のまちづくり等、大田区の可能性、魅力を高めるまちづくりを積極的に進めていくことであります。二つ目は、様々な技術や経験をお持ちの区民の皆様の力を地域力として結集するとともに、区内に潜在する歴史や文化、ものづくりといった様々な特徴ある地域資源を積極的に活用し、区民主体の区政、特色ある地域づくりを実現していくことであります。
 審議会の三つの専門部会におきまして、これら私の掲げた政策にも触れ議論されていると聞いております。今後、基本構想をもとに、大田区のいろいろな問題を解決するために職員の意識改革を進め、組織を適切に整備しながら、積極的かつ柔軟な区政運営を進めていきたいと考えております。
 次に、羽田空港の跡地利用計画についてのご質問でございますが、このたび羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協で素案をまとめる過程におきまして、国、東京都、大田区で検討を重ねてまいりましたところでございます。三者の跡地利用に対する考え方は必ずしも同一ではありませんが、協議を重ねた結果、計画素案のレベルで合意したものでございます。
 この素案に対して、11月1日から14日まで意見募集を実施してまいりましたが、これにより寄せられたご意見も含めまして、今後さらに協議を進めて、基本計画へとつなげていくことになります。大田区といたしましては、区民の立場に立った跡地利用となるように、今後とも粘り強く取り組んでいきたいというふうに思っております。
 続きまして、羽田空港の再拡張事業に関してのご質問でございますけれども、当該事業につきましては、新たな4本目の滑走路を整備するとともに、国際線の就航に対応した旅客及び貨物ターミナルが整備されます。こうした整備は国により進められておりますけれども、利用予測に基づいて、その対策を含め適切に整備されるものと理解しております。しかし、心配が残るところでございますので、区の意見として伝えてまいるつもりでございます。
 人、物が集中することにつきましても、基本的には空港機能の拡充と空港周辺を含めたインフラ整備を行っていく必要があると考えております。このようなことへの対策は、ご指摘のとおり総合的見地から問題を解決する必要があると考えております。国や都に任せきりにするのではなくて、大田区といたしましても、空港臨海部基本調査の中で実態をよく把握するとともに、対策について考えてまいります。
 次に、国道357号線の川崎方面に対する延伸のお話でございますが、ご指摘のように既存の物流施設の立地と空港の拡充によりまして道路計画は懸念されるところでございます。大変心配しています。臨海部は道路が限定されておりますので、国道357号線の整備は、交通混雑緩和のためのネットワーク拡充に向けた重要な課題であると認識しております。また、国道357号線は国の重要な基幹空港に連絡している道路ということからも、他の国道とは意義、役割が大きく違うのではないかと考えておりますので、これまでも国や都に対して早期整備を強く要望してまいりましたところでございますし、これからも要望してまいりたいと考えております。
 続きまして、招集のあいさつの中で新空港線という提案をさせていただいた蒲蒲線でございますが、その利用者数、需要予測の再調査についてのお答えをさせていただきたいと思います。
 蒲蒲線の利用者数というのは、平成15年、16年度調査結果によるものでございますが、その後、相鉄線と東横線との直通線の整備事業や横須賀線の武蔵小杉新駅の設置など、蒲蒲線の需要に影響すると思われる交通ネットワークの変化が新たに想定されますので、国をはじめ関係者と協議しながら、需要予測などの再調査を実施することといたしました。
 今後の取り組みについてでございますが、岸田議員ご指摘のように、蒲蒲線も羽田空港の再拡張や国際線化、跡地利用などと関連しまして、蒲蒲線の早期実現に向けて、国や東京都、関連事業者に対し、蒲蒲線整備促進区民協議会の皆さんや国会議員、都議会議員、区議会議員の皆さんとともに働きかけを強めていきたいと思っております。また、大田区だけではなくて、広く利便性を共有する周辺自治体とも共同して進めたいと考えております。
 それから、蒲蒲線整備事業に対し都が慎重な姿勢をとっているが、区はどのように考えているのかというご質問でございますが、空港アクセス機能としての必要性、多額な事業費や事業採算性などの課題があり、慎重であるという都の意見は承知しております。交通ネットワークの変化によりまして需要予測などの再調査を実施しますが、都の意見にこたえるためにも、再調査を通じて関係者と協議しながら、実現に向けて推進していきたいというふうに考えております。
 次に、耐震改修助成事業に関するご質問でございますが、大田区では昨年の12月より助成制度を拡充するとともに、改修工事の助成限度額を一律に50万円増額しているところであります。今後も国等の動向を見極めながら耐震改修を促進してまいります。その上で、手続につきましては、できるところから簡略化に取り組むとともに、診断士と協力して改修工事までの時間短縮に努めてまいりたいと思っております。
 また、違反建築物につきましても、違反の是正指導を行いながら、一棟でも多く耐震化が進むように働きかけを行ってまいります。
 区では、工場や商店などの速やかな再建に対する支援策についてどう考えているかというご質問でございますが、大震災等の災害による被害に対しましては、迅速かつ効果的な支援策を講じることが重要であると認識しております。区の経済、雇用を支える多くの工場や商店の被害に対しては、国や東京都の行う復興策とも連携し、区として緊急かつ被害状況に応じたきめ細かい支援を行うなど、早期復興のために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 続きまして、観光課の規模と陣容、任期つき職員の活用方針についての考えということでございますが、大田区の観光戦略の頭脳となり、調整機能を備えた、機動力のある組織を検討してまいりたいと思っております。なお、観光を所管する担当課は産業経済部に設置することを予定しております。また、観光課の課長級職員を任期つき職員として採用し、民間の発想を生かした施策展開を進めていきたいと考えております。
 関連しまして、平成20年度に策定が予定される観光産業振興プランの概要とか立案スケジュールでございますが、どのような形で大田区の観光産業振興プランを策定していくのか、ほかの自治体の観光行政の取り組み状況、内容などについて調査研究を行っているところでございます。区内には、ご承知のとおり馬込文士村や池上本門寺など観光資源がたくさんあります。そうした資源の発掘や活用、さらには工場集積を生かした大田区ならではの観光施策のあり方を検討してまいりたいと考えております。なお、平成20年度末までには観光産業振興プランを策定する予定でございます。
 次に、地方分権改革推進委員会の中間のまとめに関するご質問でございますが、ご質問の中で触れられました地方分権改革推進委員会は、自治体を地方の総合行政を担う地方政府とすることを目標に掲げて、このほど公表されました中間報告では、その実現のために、広範な地方への権限移譲をうたっております。このような分権改革の道筋を示したことは、改革推進の立場から高く評価できる内容となっております。権限と財源が移譲され、裁量の幅が広がれば、区としてまちづくりなどで独自の創意工夫を発揮して、地域の実情に合った施策展開が可能となるところであります。
 しかし、肝心な財源の面につきましては、国から地方への税源移譲の目標など具体的には触れられていないために、今後、実際に地方の意見をどのように取り入れて検討するのかがかぎになっているものと思います。
 都との関係につきましては、ご案内のとおり、現在、特別区への事務移管をさらに進めることを基本的方向として、都区共同で検討機関を立ち上げて、23区のあり方も議論の対象として、事務や財源の配分等の検討を行っているところであります。道州制の議論などもあって、今後の見通しをはっきり申し上げることは難しいと考えております。いずれにしましても、基礎的自治体に権限を移譲していくことが大きな流れとしてありまして、住民に身近な事務は特別区が広範に担い、都などは広域的、補完的な事務に限定していくことになっていくものと考えております。
 次に、後期高齢者の医療制度の問題についてのご質問でございますが、75歳以上の高齢者の方々にふさわしい医療制度を創設する目的で整備された医療制度であります。この制度は、被保険者自身の保険料と、そのほか公的補助、国・都・区市町村で維持されます。社会保障費の負担のあり方は、国・都・区市町村がおのおのの役割に応じて負担すべきものと考えております。
 今回、広域連合の協議会において保険料に関する協議を行い、特段の財政措置を講じない場合は、保険料が現行の国民健康保険料と比較して負担増となることから、2か年間の時限的な対応として区市町村の一般財源を投入することで合意をいたしました。その結果、1人当たり平均保険料を年額10万2900円に抑えることができました。東京都は調整交付金の所得係数が1.72と高くなっております。全国と比べ都の置かれた状況を勘案し、適切な制度運営を確保するために、国及び東京都に対して引き続き財政支援をお願いしていく所存でございます。
 次に、区債の発行の考えについてのご質問ですが、区は安定した財政運営を第一義と考えております。これまでも区債発行を適債事業に絞り込み、抑制に努めるとともに、高利率のものは繰り上げ償還なども積極的に行って、将来にわたる財政負担の軽減に努めてまいりましたところでございます。
 同時に、大田区総合体育館をはじめとします大規模な施設建設など、将来の区民にも負担していただくことが公平かつ適切であると考える事業につきましては、財政状況や将来負担にも配慮しながら、区債を活用していくことも必要であると考えております。
 以下の質問については、教育長の方からお答えさせていただきたいと思います。
◎細島 教育長 教育にかかわるご質問について順次お答えをさせていただきます。
 最初に、全国学力・学習状況調査の中で大田区の結果はどうだったのかというご質問がございました。小学校、中学校ともに、全国の傾向は本区におきましても同様でございました。知識に関する問題は7割から8割程度の正答率でございましたが、活用に関する問題では六、七割という正答率でございました。ご指摘のとおり、基礎知識はある程度身につけているものの、その活用に課題があるということが本区においても確認できた次第でございます。
 2点目として、6月以降、都調査の結果発表の後、どのように授業改善等に取り組んできたのかというご質問がございました。都の調査結果を受けまして、7月に36名の授業改善リーダーを指名いたしました。授業改善リーダーが調査結果の分析を行いまして、授業改善の具体的な方策を「授業改善のポイント」にまとめて全校に提示をいたしました。その概要版については全教員へも配布をいたします。現在、その授業改善リーダーが「授業改善のポイント」に基づいた授業を行い、公開をいたしております。その実践報告を行う授業改善セミナーも12月26日に開催をいたします。
 また、今回、補正予算を認めていただきましたので、希望する学校には学習指導講師の配置を進めて、児童生徒の学力向上を図るとともに、作文指導教材を全児童へ配布して書く力を高める取り組みを進めているところでございます。
 なお、全国学力・学習状況調査の結果でございますが、先月公表されましたが、特に小学校におきましては良好な結果が出ております。現在、調査結果の分析を同様に授業改善リーダーが進めているところでございます。
 3点目のご質問でございますが、完全週6日制を復活する考えはあるかというお尋ねがございました。完全学校週5日制の実施につきましては、平成11年に国において休業日に関する規定の改正を行っており、現在においてもその規定に基づいて休業日が設定されているところでございます。現段階におきましては、大田区教育委員会では学校完全週6日制を復活する考えはございません。
 なお、土曜や日曜日等の学校休業日を活用した教育課程外の活動としては、小学校での土曜学習サポート事業、あるいは中学校では部活動などを実施いたしております。これから新しい学習指導要領が示されて、授業時数増がございます。その中で大田区としてどうするかということについては、改めて基本的な考えをまとめていきたいと考えているところでございます。
 次に、4点目といたしまして、若手教員をはじめとする個々の教師の指導力向上、学校全体の教育力向上にどのような方策をとっているのかというご質問がございました。個々の教師の指導力は、毎日の教育活動の中で、先輩教師や子供たち、保護者とかかわり合いを持ちながら、考え、実践することを通して教師としての力量が形成されてまいります。教育委員会といたしましては、そのような日々の教育活動に生かすことができるよう、研修の持ち方や内容構成を工夫しているところでございます。例えば、初任者研修では年間15回のセンター研修や2泊3日の宿泊研修、そして年間1人当たり300時間を超える校内研修をOJTで実施いたしております。そういった形で初任者の教諭の指導力向上に努めているところでございます。
 また、学校全体の教育力を高めるためには、いろいろ手だてがございますが、例えば各学校で校内研究を行っております。研究奨励校等の研究を通しまして当該校の教員の全体の授業力を高めている試みをいたしております。また、その研究成果の還元を全学校に対して行っているところでございます。教育委員会といたしましても、習熟度別指導のための特別講師や学習指導講師を配置すること等を通しまして、学校全体の教育力の向上を支援しているところでございます。
 次に、5点目でございますが、図工、美術、音楽、家庭科、道徳などの授業時数をふやす考え方はあるのかというお尋ねがございました。ご指摘のように、こういった教科につきましては、子供たちに豊かな心をはぐくむ上で重要な教科であるというふうに基本的には認識をいたしております。
 各教科等の授業時数の基準でございますが、学習指導要領に示されております。その基準をもとに各学校では教育課程を編成いたします。今回の中教審における次期学習指導要領の内容では、図工、美術、音楽、家庭科、道徳の授業時数をふやすという方針は残念ながら示されてはおりません。
 同時に、体育の授業時数についてのご質問がございましたが、この体育につきましては、今回発表になりました次期の学習指導要領の内容でございますが、標準授業時数を増加するという方向が示されております。この標準授業時数をこなしていくことが基本でございますし、それ以上の授業時数をプラスアルファつくっていくことは事実上なかなか困難であるというのが現状でございます。
 最後のご質問になりますが、学校における食育はどのように進められているのかというお尋ねがございました。学校における食育を推進する中心となる組織といたしまして、今年度新たに小中学校の教諭、主幹、養護教諭、学校栄養職員から成る食育推進委員会を立ち上げております。現在、食育推進委員会では、各学校で食育を推進していくために必要な食育全体計画と年間指導計画の参考例を作成しているところでございます。
 また、10月17日には、「朝ごはんを食べましょう」をテーマに開桜小学校で食育推進委員会としての授業研究を行いました。当日は、教員はもとより学校栄養職員、養護教諭、外部の参加者を含めまして57名の参観がございました。
 教育委員会といたしましては、食育推進委員会、大田区の教育研究会学校給食部会、また食育の教育課題推進校の実践研究などを柱にいたしまして、全体として学校における食育の推進を今後も図ってまいります。
 私からの答弁は以上でございます。
○永井 議長 次に、27番松本洋之議員。
                〔27番松本洋之議員登壇〕(拍手)
◆27番(松本洋之 議員) 私は、大田区議会公明党を代表いたしまして、当面する区政の重要課題について数点にわたり質問をいたします。区長並びに理事者の皆様の明快な答弁を期待するものでございます。
 最近私が読んだ本の中に、童門冬二作「二番手を生ききる哲学」があります。戦国時代から安土桃山時代、そして江戸時代前期にかけての不安定な時代に、あえてトップに立たず二番手を貫き、最後に夢を結実させた信念の武将、藤堂高虎の生きざまを通して人としての器量を問いかける非常に感銘を受けた一書でありました。その中に、やりたいことがあっても、ただやみくもに突出してもだめだ。やはり物事には天のとき(いわゆる時の運)、地の利(条件であるとか状況)、人の和(人間関係)、この三つが満たされなければだめだとありました。何とも含蓄のある言葉かと感銘を受けつつも、その条件をそれぞれみずからの努力で引き寄せていくことも大事かと思いをいたしました。本区におかれましても、どうぞ留意していただければと思うところであります。
 初めに、予算編成のあり方についてお尋ねをいたします。
 今まさにご苦労されながら来年度に向けた予算編成作業を行っておられるかと思います。松原区長のカラーといいましょうか、その思いが前面にあらわれる初めての予算編成でありましょう。区長は来年度予算編成に向けてどのようなご決意で臨まれているのか、力点はどこか、また、その意義づけはどのようなものなのか、まずもってお知らせください。
 区民の福祉向上に向けて大いに奮闘努力されますようご期待申し上げます。その上で、過去に何度か取り上げさせていただきました包括予算制度についてお尋ねをいたします。
 包括予算制度とは、経営管理部がすべての部の予算を一から十まで査定する従来の方式を改めて、機動的な施策の展開や財政構造の改革を進めていくために、各部が現場の創意工夫と責任で予算を編成できるようにする試みであります。もちろん事務事業評価や、あるいは進行管理がまず適切に実施されていることが前提であり、また職員の意識の改革が徹底されなければなりません。
 この包括予算の特徴は、顧客である区民と日常接するそれぞれの部が事業の必要性を検証することにより、予算をより効率的、機動的に執行できること。予算の執行、流用に当たっては、事業実施の迅速化も可能となります。また、単年度主義を改め、内部努力などにより収支が黒字になった場合は次年度以降への繰り越しができること。そのほか、各部の年間予算が不足した場合は他の部から借り入れる仕組みや、当初見込みより人員を削減した部には削減した人件費相当分の予算を上積みする仕組みなどを導入することにより、より柔軟な予算編成が組まれることであります。
 このことにより、既存事業見直しで浮いた財源が、現状どこの部に行くかわからないわけでありますが、区民が一番求めているこの事業を実施するために、別のこの事業を改変してでもやるということが可能になるわけであります。いろいろ相談しても、最終的に経営管理部に判断されてしまう状況が、やりたいこと、しなければならないことを現場の判断でできるということであります。
 もちろん各部は事業部として、国や東京都の補助金など外部からの予算などをより積極的に確保する努力をしていくなど、ますます自立的に機能していかなくてはなりません。昨年このことを取り上げた際、そのときの答弁は、やはりメリットもあるけれども、一方で事務事業評価や進行管理が適切に行われないと生きた予算執行につながらないという懸念がある。包括予算制度を導入するためには、各部がみずから事業に対して適切な評価、あるいは進行管理が効果的に実施できるシステムをつくることが前提であるというふうに考えているとのことでありました。松原区長は、この包括予算制度の導入についてどのようなお考えか、所見をお伺いいたします。
 また、あわせて、私は先ほどの昨年の答弁に対しては、包括予算制度を導入する、しないにかかわらず、現段階においてさえも一つの事業に対して適切な評価、進行管理がされていなければならないと考えますが、現在そういうシステムになっていないのかどうか、確認の意味でご答弁いただきたいと思います。
 また、さきに述べたように、各部が要求した予算内容が、どの部分が削られ、どの部分に反映されているのか、各部同士においても、まずもって私たちにも見えてこないわけであります。松原区長、いかがでしょうか。そういった予算編成にかかわる内容を公開するお気持ちはありませんでしょうか、ご所見をお聞かせください。
 さらに、今後大事なのは、何においても人材育成そのものであります。区長は職員の人材育成についてどのようなお考えを持っておられるのか、所見をお聞かせください。
 職員の意識改革という観点で以前にも質問させていただきましたアントレプレナーシップ事業制度でありますが、本格的な地方分権時代にあって、区民ニーズに的確にこたえるには、政策形成を区民ニーズの直接的な受け手である職員みずからが主体的に行う必要があると考えます。さらに、効果的、効率的な行政運営には、職員一人ひとりの意識改革を進め、その資質向上に向けての動機づけなど環境整備を図ることが重要であります。また、組織的な対応としては、従来の縦割り行政体質を払拭し、新たな行政課題に対応した施策を的確に展開する機動性や柔軟性を発揮できるよう見直しを図ることが求められています。第一線で支える職員が事業の企画から事業化までを担当することで区民ニーズに的確にこたえるとともに、職員の起業家精神を醸成し、とかく受け身で事なかれ主義と言われる公務員マインドを変える仕組みとして、また職員の意識改革や組織の活性化につながるものと確信し、前回取り上げさせていただきました。
 今回、おおた再生プランの策定についてというところにそのことが反映され、さらには職員提案制度の創設検討ということで明確にその内容が盛り込まれ、大変期待するところであります。現在の検討課題はどういう点なのか、お知らせください。
 提案内容が事業化された場合、その職員への褒賞並びに人事査定において十分に考慮していただけるようにお願いをいたします。
 また、主に能力開発担当課が携わることになっておりますが、どういう経緯でこの課が誕生したのか、どういうお仕事をされる課なのか、また今後の構想を具体的にお示しください。
 次に、同じく再生プランにおいて、公会計への複式簿記導入の可否の検討という項目が目にとまりました。複式簿記は、発生主義財務諸表を効率的に作成する技術としては必要とされつつも、企業会計とは違うので、その必要はなしなど、公会計への複式簿記については様々な論議があるようであります。また、公会計への複式簿記には東京方式、総務省方式、モデル方式と様々あるようであります。東京都では昨年の4月から複式簿記と発生主義会計が導入されました。このことは松原区長も、導入された経緯も、その背景もご存じのことと思います。
 最大のメリットは、やはり個々の事業別の財務諸表がつくれるようになったということのようであります。そのことにより、いわゆる損益、経営状況がどうなのかということがわかるようになる。そうすると、この事業別の財務諸表を有効に活用することによって、年度年度の進捗状況というのもきちっと評価することができ、新たな負の財産を生まないようにしていくことになる。さらには次の段階として、今度は前向きな将来に向けた様々な投資を積極的にできる、これが最大のねらいだということであります。
 確かに東京都のように病院、上下水道、交通事業と公営企業会計があるような自治体では有効かと思われます。東京都においての具体的な成果についてはどのような認識をお持ちか、お伺いをいたします。
 本区におきましては、平成12年度から複式簿記によるバランスシートを作成し、16年度からは公営企業を含めた連結決算を導入され、さらに17年度より外部団体を含めた連結決算を導入し、経営分析を行っております。本区としてはどの方式を視野に入れているのか、現在のところ複式簿記導入におけるメリット、デメリットはどういうふうにお考えなのか、また導入した際の経費はおよそどれくらいになるのか、またその費用対効果という点では現時点でどのようなお考えなのか、所見を伺います。
 次に、介護認定審査の状況について伺います。
 介護保険法では、申請から認定されるまでに30日以内というふうにされているわけでございます。しかし、残念ながら、区民の皆様から申請から認定までの期間が法定日数を超えている現状をお聞きしております。どれくらいの割合で法定日数が守られているのか、現在の状況をお尋ねいたします。
 また、介護認定審査会の機会については、予算編成の時点で当該年度の申請件数を想定して算定するとされていますが、来年度の予測はどうなのかお知らせください。
 認定が法定期間内に行われないということの要因としては、調査票の作成に遅れが生じていること。また、主治医の意見書の回収に遅れを生じていること。また、申請件数が不定期に増減することがあるというところでしょうか。これまでも各地域行政センターにおいて、民間事業者に調査票の作成を委託した場合に、連絡を密にとって提出が遅れないように進行管理の徹底を図るなど、また申請者の主治医が作成する意見書についても、医療機関との連絡の強化、また柔軟に審査会を開催するなどして、できる限り法定期間内で認定が行われるように努力をされていることと思いますが、抜本的な措置として認定が早く行われるように検討ができないか、お尋ねをいたします。
 しかし、その現状の中でも、つき合いの長いかかりつけ医を持っていらっしゃる方は比較的早く認定されていることも伺っております。その点におきまして、区民がかかりつけの医師を持つための推進策を検討するべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、産業経済関連でありますが、本区は日本を代表する中小製造業の集積地であります。最盛期には9000を超す工場がありました。しかし、後継者難に加え、宅地化や工場の地方分散政策などの影響で大田から約4000もの工場が姿を消しました。しかし、幾多の困難の中で、しのぎを削りながら前進しておられる中小企業の創造力とバイタリティーはまことにすばらしいものがあります。
 中小企業の重要性、これはアメリカの世界的経済学者であるサロー教授も、中小企業の創造力と成長こそ日本の経済再生のかぎを握ると強調しておられます。革命的な新技術でリーダーになっていくのは大企業ではなく、むしろ中小企業であるとは教授の洞察であります。産業のまち大田区としては、そういった方々を全力で応援していかなくてはならない、このように思うわけでございます。
 そこで、具体的に、これ以上町工場の灯を消さないために、産業維持発展のための土地利用のあり方や産業ビジョンを決めた上で、他区から大田区に工場を移す場合であるとか、また大田区内で工場を転居する場合であるとか、また新たに区内でもう一つ工場を設置する際に助成ができないものか、本区の見解を伺います。
 次に、公共施設の建て替えについて質問をいたします。
 老朽化に伴って建て替えが必要と判断される施設については、これまでの耐震診断の結果を踏まえながら、それぞれの施設の利用率や、これからの区民ニーズを把握しながら順次計画的に実施されているものと理解をしております。その上で、これから向こう3年間にどの施設が建て替えの対象となっているのかお示しください。
 例えば伊豆高原荘でありますが、既に築40年以上経過しておりますし、利用される区民の皆様から共同トイレのことやバリアフリーについて指摘を受けているところであります。休養村とうぶのように、伊豆高原学園と一体化した形で建て替えの検討に入るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、各特別出張所についても順次移転する計画が立てられておりますが、蒲田西特別出張所はいつの時点で視野に入ってくるのでしょうか。蒲田のにぎわいを考えたとき、施設の有効利用や費用対効果、それらを考えた上で、一刻も早い段階で方針を打ち出していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 同じような観点で、本庁舎のすぐそばにある蒲田清掃事務所でありますが、種地としては最高の場所にあります。屋を重ねて上層部を貸し出しするなり有効利用を図れば、すぐにでも改築費用はペイできるはずでございます。このように、耐震診断結果だけではなく、施設の有効利用や費用対効果という点も高いポイントで改築の基準とすべきと考えますが、本区の見解をお伺いいたします。
 羽田空港と蒲田、大森のまちづくりについてお伺いいたします。
 羽田空港や羽田空港跡地との連携を見ても、蒲田、大森は大田区の核として互いに連携し、発展していかなければなりません。大森、蒲田、羽田はトライアングルのように、互いに響き合うまちが望まれます。空港があることの経済効果は大鳥居などで少し見られるものの、まだまだ生かされておりません。年間6000万人を超える乗降客は全国どの観光地にも引けをとりません。蒲田をはじめ、区内に取り込む仕掛けは早急に求められています。
 また、空港の国際化、再拡張により、臨海部の重要性は今まで以上に高くなります。京浜島等臨海部では、既存の工場などの移転に伴い、新規に産業廃棄物事業者が参入し、操業環境に大きな変化が見られます。空港の国際化など、物流などの参入も将来需要として考えられますが、土地利用について地元企業と真剣に考え、土地利用の誘導策を検討すべきであります。
 また、大田市場周辺などの臨海性と新鮮魚介類、野菜を扱う拠点のイメージを高めるとともに、区民の交流の場やにぎわいの場を誘致するとともに、観光拠点として位置づけるなど、地域性を生かした土地利用を検討することも有効と考えます。
 それ以前に、本区として空港跡地を取得するに当たり、第1ゾーンから第3ゾーンのどの部分をどれだけ購入する考えがあるのか、また、そのための積立基金をどの程度まで基金として積み上げていくのか、お尋ねをいたします。
 大森駅周辺の都市機能の更新や、空港、臨海部の今後のポテンシャルを考えると、大森のまちづくりも重要な局面を迎えています。大森北一丁目開発は、単に特別出張所や図書館の改築、民間事業者によるにぎわいの創出が目的ではなく、本来、地域のまちづくりととらえるべきではないでしょうか。
 そもそも商店街の真ん中に高層マンションの計画があり、それが商店街の連続性を大きく損なうことから、地域からの要望もあり、特別出張所と図書館街区との交換をしたものです。区民にとってメリットのある大森北一丁目開発が求められ、官民が協働、連携し、まちづくりに向けて取り組むことが重要ではないでしょうか。アロマスクエアには1日6000人を超える社員がおり、周辺のにぎわいの創出や商店街の振興にもつながっています。官と民が協働する開発だからこそ、知恵と工夫を凝らした取り組みができました。
 人と技術のにぎわいのまち蒲田に対し、ふるさとの浜辺、馬込文士村、大森貝塚など、海の香りと文化、歴史を感じることができる大森の地域の特性を生かしながら、しかも進化する大森には先端の文化があると言われるようなまちづくりが必要だと思います。
 さらに、経済循環でとらえるならば、民のにぎわい施設は雇用につながるとともに、図書館などの集客施設と相乗効果を発揮し、周辺の商店街へのシャワー効果をもたらし、結果として区税収入増につながり、区民サービスに還元することができるということであります。
 大森北一丁目開発は民間活力を有効に活用しながら、まちのにぎわいを創出し、中心核大森の活性化につなげていくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
 また、広くプロポーザルで開発業者を決めるとしておりますが、既に区報には施設イメージが載っております。中途半端な施設イメージをつくりながら、あるいは縛りをつくって公募するのは果たしてプロポーザルなのでありましょうか。また、新しい血と知恵を盛り込んだ、思い切ったプロポーザルが出てくるでありましょうか。プロポーザルのあり方について見解をお伺いいたします。
 大森北一丁目開発が単なる点の開発でなく、面的な相乗効果を創出できるように、商業振興の視点などを含め、地元や商店街と連携を図っていき、さらに中心市街地活性化のTMOのように、大森の地域の特性や魅力を最大限生かし、未来につながるまちづくりをするために、プロポーザルは大森駅周辺の未来を含め総合的に視野に入れながら進めていくべきではないでしょうか。それでこそ、決定した開発業者とともに区のまちづくりも本領を発揮し、官民協働の開発で最高のものができると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお伺いします。
 大森東口地域を面でとらえれば、まだまだ豊かな緑や良好な環境という視点からはほど遠いと感じます。開発に当たっては、地域環境も視野に入れた環境に優しい開発というコンセプトを取り入れることも、区の用地を有効活用する視点から必要であります。これからの時代は、二酸化炭素や窒素酸化物などの排出量削減にいかに取り組んでいくか。建物の更新時においても、環境への配慮をすることが強く求められます。屋上緑化、公開空地の緑化などにも配慮した開発が必要です。蒲田のアロマスクエアでは総合設計を取り入れ、公開空地と公園を一体化させ、緑化空間を拡大させております。
 そこでお伺いいたします。開発提案に屋上緑化、雨水の有効活用、地域冷暖房、ソーラー熱利用など環境面への提案があった場合は十分に評価すべきであると考えます。環境への配慮について本区の考えをお伺いいたします。
 大森北一丁目開発の事業進捗状況についてでありますが、地域の住民は一日も早い完成を期待しております。当初の提案のあった時期に完成するのかどうか、また、事業者の決定時期と完成に至るまでのスケジュールについての本区の考えをお伺いいたします。
 さて、本年の臨時会の際にも蒲田のまちづくりについて何点か申し上げておりますが、蒲蒲線と駅ビルの建て替えとは切っても切り離せない一体のものであると考えます。そういった意味で、今回のJR蒲田駅ビルの抜本的な改築に踏み切れなかったことへの残念さといいましょうか、そのことも述べさせていただきました。やはり蒲田のまちづくりについても、また大森のまちづくりについても、行政としてのグランドデザインをしっかりと描いていくこと、そして、きちっとした働きかけをしていくことが大変重要であると考えます。
 今後いずれかの時期、東急プラザについても改築の時期が来るはずでありますが、新駅を設置するに当たり、そこら辺の情報は本区としてつかんでおられるでしょうか、お尋ねをいたします。
 また、今のうちから本区の意見として取りまとめつつ、改めて東急、京急、JRそれぞれの上層部の方と接触を持ち、審議会なり勉強会の立ち上げを提案したいと思いましたが、先ほど区長あいさつの中で勉強会の立ち上げをしたとのお話がありました。ぜひその中において、線路を挟んで区役所本庁舎と東急プラザを結ぶ話であるとか、また、その上に新たなショッピングモールをつくるなど、そういった構想を持ちかけていただきたいと考えます。また、西口、東口との歩行者並びに自転車の自由通路のことなど様々あるでしょう。本区の見解をお伺いいたします。
 さらには、西口、東口ともJR蒲田駅周辺において借地権の契約がこの二、三年のうちに切れる場所が何か所かあるようですが、そういった情報を的確につかみ、でき得ることであれば蒲田のまちづくりに生かしていっていただきたいと考えますが、本区の所見をお伺いいたします。
 最後に、小中一貫教育と中高一貫教育についてお伺いをいたします。
 品川区では昨年度より、すべての小中学校で小中一貫教育を始めております。その最初の小中一貫教育校として新築された学校が日野学園でありますが、約1万平方メートルの敷地に総合体育館を含む複合施設として建設され、地下2階から地上1階部分が学校の体育館と区民の施設で、地上2階から6階が学校の施設となっており、体育館の屋上部分が学校の校庭になっています。施設がコンパクトにまとめられており、土地の有効利用が十分に図られております。1階に設置されているプールは可動床になっており、小中学校の体育利用のほか、一般利用に対応しております。
 9年間の一貫教育の中で、1年生から4年生は学級担任制で読み書き計算主体の教育、5年生から7年生までは教科担任制のもと、基礎・基本を徹底し、8年、9年生は発展的学習を重視した教育を行っています。道徳、特別活動、総合的な学習の時間は統合されて市民科となり、1年生から6年生までの英語科が新設されております。小中一貫教育は、児童減少に伴う後ろ向きな施設の統廃合というイメージはなく、むしろ前向きな統合として保護者からも受け入れられております。また、小学校から中学校へのスムーズな移行、英語教育の実践などに適した教育制度であり、今回、本区として緊急2か年計画の中に小中一貫校について取り上げられたことは評価できるものと考えます。
 これまで大田区は全中学校ブロックごとに小中連携教育が進められてきたわけでありますが、その実践の中で、小中学校間の教員の授業交流はどの程度行われてきておりますでしょうか。また、その成果についてお聞かせください。さらには今後拡大していく考えはないか、お伺いいたします。
 一方、中央教育審議会の第2次答申を受けて平成10年に学校教育法等が一部改正されたことで、翌11年4月から導入が始まった中高一貫教育制度についてであります。利点としては、高等学校入学者選抜の影響を受けずに、ゆとりのある安定的な学校生活が送れること、6年間の計画的、継続的な教育指導が展開でき、効果的な一貫した教育が可能となること、6年間にわたり生徒を継続的に把握することにより生徒の個性を伸長したり、すぐれた才能の発見がより一層可能となること、中学1年生の段階から高校3年生の段階までの異年齢集団による活動が行えることにより、社会性や豊かな人間性を一層育成できることの4点が指摘されていますが、本区はどのような見解を持っているのか、小中一貫とともにその教育効果、運営等について調査検討を進めていく考えはないか所見をお伺いして、全質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○永井 議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 松本洋之議員の代表質問に順次お答えさせていただきたいと思います。
 まず、来年度予算に向けての決意等のご質問でございますけれども、確かに区長に就任して初めて当初予算編成に当たるわけでございます。その点につきまして、来年度の予算編成に当たっては、最終年度となります緊急2か年計画に掲げた施策の着実な実施や、大田区の将来像を示す基本構想並びに10か年の基本計画の策定に向けた取り組みを重点に予算編成に当たっていきたいというふうに思っております。
 また、羽田空港の再拡張、国際化を見据え、国際空港を持つ大田区の特性や利点を生かした国際交流や、将来を見据えたにぎわいのあるまちづくりや、大田区の魅力をアピールする観光や産業のまちづくりにも力点を置いてまいりたいと考えております。
 さらに加えまして、区民の皆様と知恵を出し合いながら、地域の力を結集して、防災・防犯対策など安全・安心のまちづくりや、子育てや学校を支援する仕組みづくりなどにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、包括予算制度の導入についてでございますが、各事業部に予算編成をある程度任せる、ご指摘の包括予算制度の導入によって、現場の実態に即した予算配分や機動的な予算の執行が期待できると言われております。一方で、予算編成を担う人材を各部ごとに配置する必要があるために、人的資源の肥大化を招くという指摘もあります。導入に当たりましては、職員の意識改革やスキルアップが大前提となります。
 また、ご指摘のとおり、包括予算制度や事業部制の目指すところは、区の組織をより自立的で責任ある機動的な組織へと進化させることによる区政の効率化と区民サービスの向上であります。したがいまして、包括予算制度等につきましては、単に予算編成の手法の見直しというレベルにとどまらずに、人材育成や組織論などを含めたより広い議論の中で、これは引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、現段階で一つの事業に対して適切な評価、進行管理が行われるシステムについてどうなっているかというご質問でございますが、大田区では平成13年度から行政評価を実施しているところでございます。大田区の行政評価システムは、区民満足度評価の意味合いを持つ施策評価と、各事業の評価を行います事務事業評価に分かれております。事務事業評価が議員のご質問にあります事業の適切な評価、進行管理に大きくかかわる取り組みでございます。
 事務事業評価は、それぞれの所管部局が実施する事務事業について、効率性や有効性などの評価を行いまして、事業や業務プロセスの見直しに活用するための制度で、主要な事業の評価結果について区民にも公表しているところでございます。現在の手法でも事業の有効性、効率性などを評価する上で一定の成果を上げておりますが、すべての事業について有効な方策となっているとは考えておりません。現在、おおた再生プランにおいても課題の一つとして設定しておりまして、より適切な評価、進行管理制度の検討に着手しているところでございます。
 次に、予算編成時における査定内容の公開についてのご質問でございますが、予算編成に当たりましては、それぞれの課、部、経営管理部、区長と複数回の査定を経てまいります。その間、時代の変化や区民ニーズ、既存事業の見直しや執行方法の効率性など様々な視点から検討し、予算案として議会にご提案させていただいてきております。
 それら施策の決定に至る過程などにつきましては、ご指摘のとおり広く情報提供していくことは理想ではございますが、同時に2000数百億円規模の予算を極めて短期間で編成するわけでございますので、編成過程でのやりとりなど事細かな説明は大変難しいこともご理解をいただければと思います。
 なお、新規事業など特に主要な事業予算につきましては、可能な限り詳細な情報提供に努めているところでありまして、今後も工夫を重ねて、わかりやすく区報や区のホームページなどに掲載してまいりたいと思います。
 次に、職員の人材育成について、どのような考えを持っているかというご質問でございますが、区政を運営していく上で職員は最も重要な財産であります。その力を活用していくためにも人材育成は大切だと考えています。
 現在の大変複雑、高度化した社会の中にあって、区職員には直面する様々な課題に即応できる知識、能力とともに、新たな課題にも積極的に取り組む意欲が求められております。今後、国際化や地域力の活用など区政の重要課題に取り組んでいくためには、これまでの枠組みにとらわれない新しい発想、民間の発想も生かせる行動力のある職員を育成していきたいと考えております。
 次に、職員提案制度の創設について、検討課題はどういう点なのかというご質問でございますが、大田区の総点検を行うおおた再生プランの課題と位置づけて、大田区経営戦略会議の小委員会で、今年度内に実施できるよう緊急に取り組む課題として検討しています。具体的には、提案内容及び業務、提案方法、審査方法、提案職員の範囲、褒賞制度、採用された提案の実現に向けた対応などを検討項目としております。議員ご指摘の提案内容が事業化された場合の職員への褒賞の内容や人事考課への反映の是非も考慮に入れて、職員提案制度を構築していきたいと考えております。
 能力開発推進担当課が誕生した経緯とその仕事についての質問でございますが、これからの区職員には、社会の変化に的確に対応するとともに、区の課題に積極的に取り組んでいく能力が求められています。そのために、職員の人材育成を従来の研修だけにとどまらず、能力開発というより広い視点でとらえて、人事制度との連携も視野に入れた総合的な取り組みをしていくために設けたもので、研修の企画、運営はもちろん、新たな能力開発体系の整備、育成面談の実施などを行っているところでございます。今後は各職場と連携し、職員の成長に応じた能力開発や職員の主体的な能力開発を促進して、職場の活性化につながるよう取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 次に、平成18年4月から東京都で導入された新たな公会計制度の具体的な成果はどのようなものかということでございますが、東京都で導入された新たな公会計制度は、従来の官庁会計に複式簿記、発生主義の考え方を加えた会計制度で、日々の会計処理の段階から複式簿記の処理を行い、多様な財務諸表をリアルタイムで作成する点で独自性を持っています。
 その成果については、リアルタイムで官庁会計の予算科目から複式簿記の勘定科目への仕訳を行って、勘定科目を蓄積するために、出納閉鎖後、迅速に財務諸表が作成できて、夏から開始される翌年度の予算編成への反映が可能になるとともに、個別の事業改善にも活用できる点にあると認識しているところでございます。
 大田区としてはどのような方式をとるかということでございますが、大田区では、平成12年度以降、総務省方式に準拠した複式簿記の考え方を導入しております。フロー情報に加えて、ストック情報に基づく財政分析を通じて、正確でわかりやすい情報の提供に努めてまいりましたところでございます。
 このたびの国の公会計制度改革のメリットは、企業会計方式による財政分析のさらなる充実にあると考えております。加えて、十分な説明責任を果たすことで自治体としてのガバナンスの強化が図られ、地方分権が進む中で、地方自治体の財政民主主義の確立に大いに寄与するものと認識しております。
 デメリットにつきましては、東京都に代表される独自方式を採用した場合などは、システム改修に初期投資、運用経費ともに大変なコストがかかることにあります。ただし、現在、費用対効果を含めまして、庁内プロジェクトチームで鋭意検討を行い、デメリットを解消し、メリットを最大限に生かせる方式の導入を進めているところでございます。
 次に、介護認定審査の状況についてのご質問でございますが、まず要介護認定における法定内認定の割合について、直近の平成19年8月申請分を見ますと、申請件数は2406件、うち30日の法定内認定件数は1257件でございます。法定内認定率は52.2%となっております。
 次に、来年度の申請件数の予測でございますが、平成18年度実績より約5%、1200件増の2万6000件程度と想定しております。介護認定審査会は年間に延べ780回程度の開催を予定しているところでございます。
 要介護認定が早く行われるように抜本的な措置を検討できないかというご質問でございますが、ご指摘のとおり、要介護認定が遅れる主な要因として、介護認定の調査票や主治医意見書の提出に比較的日数がかかることが挙げられております。区では、これまでも主治医の意見書について、医師会と連携を図り、病院や診療所に対して期限内提出への協力をお願いするとともに、提出期限経過後の督促を迅速に実施する等の対応を行ってきました。今後とも、これらの取り組みに加えて、標準的な事務処理期間の短縮などの検討を行い、法定内認定率の向上に引き続き努力してまいりたいと思います。
 次に、つき合いの長いかかりつけ医をお持ちの方は、介護認定も早く受けられると聞いており、その点において、かかりつけ医の推進策を講ずべきではないかとのご質問ですけれども、かかりつけ医が病院の場合、通院間隔は2週間から1か月という状況のようで、また、医師も常勤でないこともありまして、書類の提出に時間がかかる場合もあるようです。一方、日ごろの通院先が診療所等の方は、医師が地域在住の場合もあって、その方の症状などをよく把握されて、早期に書類を提出していただける場合もあるようでございます。
 自分の健康状態について気軽に相談できるかかりつけ医を持つということは、介護認定に限らず大変望ましいことと考えております。区といたしましては、かかりつけ医という考え方がさらに普及していくよう、医療機関と連携してまいりたいと思っております。
 次に、区内への工場移転などの助成についてのご質問でございますが、大田区の工業の強みの一つは、何といいましても小さいながらも高度な基盤技術を持った工場が、大田区内という比較的狭い地域に多数集積していることが挙げられます。ご提案のような区外からの工場移転や区内間での工場の転居などに要する費用を助成することは、区内工業集積の維持、発展、強化のために有効な施策の一つであり、今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、向こう3年間にどの施設が建て替えの対象となっているかということのご質問でございますけれども、耐震改修促進法の改正に基づき、低層の公共施設について、今年度、来年度で耐震診断の実施を予定しております。その結果も踏まえて、緊急2か年計画における改築・改修計画の作成に着手しまして、来年度末には計画概要をお示しできる予定でございます。
 なお、現時点での具体的な改築計画としましては、今年度実施設計を行っている羽田中学校、来年度以降に設計、工事を予定している鵜の木保育園、鵜の木特別出張所がございます。
 次に、伊豆高原荘の建て替えの検討についてのご質問をいただきました。私も先日見てまいりました。議員ご指摘のとおり、伊豆高原荘は昭和42年に建設され、築後40年を経過しております。老朽化も進んでおります。毎年部分的な改修は行ってきておりますが、バリアフリーなど改修では対応できない箇所もございます。伊豆高原学園も含めて、建て替えの検討に入る時期と考えております。
 次に、蒲田西特別出張所の改築方針に関するご質問でございますが、蒲田西特別出張所は仮設敷地の確保ができず、同敷地内での改築が困難となっております。そのため、周辺の公共施設の活用配置計画に合わせて改築計画を検討しております。現在、緊急2か年計画における改築・改修計画の作成に着手しておりますが、その中で検討してまいります。
 改築の基準をどう考えるのかというご質問でございますが、施設の活用に関しましては、資産活用という視点に加えて、議員ご指摘のとおり、施設の有効活用、費用対効果の考えを踏まえて、緊急2か年計画において改築・改修計画を策定していく所存でございます。
 施設を改築するかどうかという判断は、行政サービス機能の低下、バリアフリーの対応の有無、施設の老朽化、ライフサイクルコストの増加などを総合的に検討して行います。また、施設に対する行政上の需要、建設コストや建設時の利用者及び周辺住民に与える影響、資産としての土地の有効活用などを考察して、現地建て替え、施設移転や廃止等を判断すべきものと考えています。
 次に、羽田空港跡地の購入に関するご質問をいただきました。10月31日に羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協において、羽田空港跡地利用基本計画(素案)がまとめられました。この中で跡地は三つのゾーンに区分されていますが、跡地の購入につきましては、第1ゾーンの天空橋駅付近を中心に考えております。
 なお、現段階ではまだ土地の処分価格が決まっていないために、具体的な数字を申し上げることはできませんが、可能な限り広い範囲を取得したいと考えております。したがいまして、基金につきましては、区の財政状況を的確に判断した上で、積み増しを行ってまいりたいというふうに考えています。
 また、跡地の取得に関しましては、購入だけに限らず、借地などの手法も含めて検討していきたいというふうに思います。最善の方法を選択してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。
 次に、大森北一丁目開発の問題でございますが、中心核大森の活性化につなげていくべきとのご指摘をいただきました。このたびの(仮称)大森北一丁目開発は、民間活力を利用した開発で、区と民間事業者が連携し、地域のにぎわいの創出をしていくものであります。ご指摘のように民間活用施設、多目的フロア、行政施設が相乗効果を発揮することによりまして魅力ある複合施設を整備して、また、この複合施設が地元商業施設などとの連携により地域の活性化に貢献するよう区としても取り組む考えであります。
 プロポーザルのあり方についての見解をとのご質問でございますが、今回、民間活力を引き出すための手段としてプロポーザル方式を採用いたしました。今回の募集に際しまして、区の費用負担や公共施設などの区として必要な事項については、ある程度の条件をつけましたけれども、建築計画やにぎわい機能などの民間のノウハウが発揮される部分につきましては、自由な発想で提案していただくことといたしました。今後、よりよい提案がされるよう、募集要項の質疑応答などの機会をとらえてプロポーザルの趣旨を伝えてまいりたいと思います。
 プロポーザルは大森駅周辺の未来も総合的に視野に入れながら進めていくべきというご指摘をいただきましたが、このたびの(仮称)大森北一丁目開発については、単に施設の建設だけではなくて、地元地域との連携、協調によります商業地の活性化を掲げ、その方策や展望を提案で求めております。(仮称)大森北一丁目開発を単なる点の開発ではなくて、まちづくりの拠点として位置づけて、大森の未来につながる開発としていきたいと考えております。
 次に、環境への配慮についてのご質問でございますが、このたびの事業者募集に際しましても、開発の基本的な考え方として環境負荷への低減を掲げ、また、提案事項としまして太陽光発電などをはじめとする省資源、省エネルギー対策の環境への負荷低減策を求めております。選定の過程では、これらも重要な指標の一つとして評価しております。
 次に、スケジュールについてのご質問でございますが、このたび事業者の応募を11月9日より行いまして、22日に締め切ったところでございます。応募者総数は11件でございました。今後、来年の2月に事業提案書の受付締切りを行って、その後、外部有識者から成ります選定委員会にて選定作業を進め、年度内には事業者を選定する予定となっております。また、完成の時期につきましては、設計に約1年、建設に約2年弱を予定し、平成22年度内の完成を目指しております。
 東急プラザ改築の時期についてのご質問でございますが、現在、耐震改修を検討しているようでございます。蒲田は重要な拠点となると考えておりますので、蒲蒲線や駅周辺整備などの今後の開発のあり方について、ぜひ鉄道事業者との協議の場を設けていきたいと考えております。その中で、東西を結ぶ自由通路やショッピングモールなどの話も取り上げてみようと思っております。
 次に、蒲田駅周辺地域において、借地権の契約がここ2〜3年のうちに切れる場所が何か所かあることについてのご質問がございました。この件については十分承知しているところであります。今後も、まちの情報については、あらゆる機会をとらえて情報を収集してまいりたいと考えております。
 また、その情報をもとに、土地利用に動きがあるものについては、区として建物の共同化の機運を盛り上げるなど、蒲田全体のまちづくりにつなげるように適切な誘導について検討してまいります。
 あとは教育長の方からお答えさせていただきます。
○永井 議長 教育長、1分でまとめてください。
◎細島 教育長 教育関係の質問につきましてご答弁申し上げます。
 まず、小中連携教育の中で、小中学校間の教員の授業交流はどうなのかというご質問でございますが、授業交流につきましては、各中学校ブロックごとで可能な範囲で実施しております。また、教育委員会といたしましても、年間5回、小中連携の日を設定いたしまして交流しやすいように努めております。
 実施状況でございますが、例えば中学校の国語教員が小学生に古文を教える、あるいは中学校の英語教員が小学校の英語活動に協力する、夏のわくわくスクールで中学校の数学の教員が算数を教えるとか、こういったパターンでございます。こういった活動を通しまして、子供たちの実態の共通理解、また指導方法の改善、教材の開発等に結びつけております。今後も拡大に努力してまいります。
 次に、中高一貫教育のご提起でございますが、これにつきましては、学校用地の確保、施設の整備、教材開発、人事管理、カリキュラム編成等々、もろもろの問題で様々な課題がございます。現在、小中一貫教育につきまして本格的な検討を始めたところでございます。中高一貫教育につきましては、義務教育年齢を超えて設置される問題でもありまして、現在のところ直ちに調査検討という形にはなっておりません。現在始めている区立中学校と近隣高校との連携活動は様々なものがございます。これを拡大してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○永井 議長 会議が長くなりましたので、おおむね15分程度休憩いたします。
                     午後3時14分休憩
               ――――――――――――――――――――
                     午後3時35分開議
○永井 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、会議時間を延長しておきます。
 質問を続けます。47番金子悦子議員。
                 〔47番金子悦子議員登壇〕(拍手)
◆47番(金子悦子 議員) 日本共産党大田区議団を代表して、2008年度予算と基本構想について、暮らし・福祉第一の区政への転換を、産業政策の充実を、住民本位のまちづくりについてお聞きします。
 まず、2008年度予算と基本構想についてです。
 日本共産党大田区議団は、11月8日、松原区長に2008年度予算編成に関する要望書を提出しました。日本共産党区議団が、8月中旬から区内で活躍されている商工団体や障害者、保育・幼稚園、教育、医療、高齢者、環境、労組などの関係団体、個人との予算要望懇談を行い、意見・要望をお聞きして、それに基づいて予算要望書を作成したものです。2008年度予算と基本構想についても、区の現状を分析し、計画を実現する具体的な取り組みの方向が必要です。
 今、区民の暮らしと営業は、長引く不況、税負担増に加え、この年末に向かうときに、円高、株安、原油の高騰が区民の暮らしを直撃しています。これに関連して、ガス代、灯油、クリーニング代、輸入オレンジ、ティッシュペーパー、ハム、マヨネーズ、自動車のガソリン代、コーヒー、即席めん、来年3月からは牛乳も値上げと連日報道されています。製めん業者は小麦の値上げで、パン屋さんは小麦とバターの値上げで、クリーニング屋さんは洗浄に使う溶剤の値上げで、靴屋さんは原油の値上げで靴底が10%近く値上げされ、悲鳴を上げています。これら悲鳴を上げている区民に緊急対策を行うことを提案します。
 過去に大田区では、2002年の第4回定例会で、前年度の使い残した75億円の一部を活用して、生活密着型の公共事業で仕事の確保をとの我が党の提案に、西野前区長が工事が可能なものを取り上げ、区内業者への取り組みもさせていただいていると答弁し、学校や保育園、いこいの家、文化センターなどの区民施設の修理、改修などを前倒しで区内中小企業に発注するなど、4億5000万円余の緊急越年対策を実施しました。同じ年に、BSE対策では、売上高の減少率10%以上の中小業者を対象に特別の融資制度をつくり、大変喜ばれました。
 今定例会の第4次補正予算は、5億円余のうち約4億円が台風被害対策に充てられていますが、区内中小企業、個店などに、売り上げの減少や経費増分を補てんする特別融資、相談窓口の体制強化、返済期間の延長、悲鳴を上げている区民のために補正予算を大幅に増額して緊急越年対策を実施すべきです。お答えください。
 また、建設業界の長い不況は、政治の責任と大手資本が住宅建設に参入するなど、規制緩和対策によるものです。今年6月行われた建築基準法の改定で確認申請期間が大幅に延び、住宅着工数が激減し、区内建設業者の仕事を奪い、営業に深刻な打撃をもたらしています。この責任が、建築物の安全と安心に対する責任を投げ捨てて民間開放を推し進め、そのことへの反省もないままに泥縄的な対策をとってきた政治にあることは明らかです。
 この混乱の収拾と解決には政府が責任を持って取り組むべきであり、国に対策を求めるよう意見を上げるべきです。また、大田区としては区民に対する責任があります。ものによっては4か月もかかるわけですから、責任を持って遅れを取り戻すため、耐震偽造のときの対応に倣って、建築審査課の職員を増員するなど、具体的な対策を求めます。お答えください。
 次に、暮らし第一の区政への転換についてです。
 これまで進められてきた構造改革路線は、貧困と格差を広げ、負担増が区民の暮らし、健康をむしばんでいます。昨年、今年の定率減税の縮小・廃止、年金の控除縮減、老年者控除の廃止などによって負担増になったため、生活困難者がふえています。まさに政治によってつくり出された貧困層です。さらに、来年4月からの後期高齢者医療制度が強行されると、ますますふえることが予想されます。
 生活保護の件数は、2006年度8777世帯1万1354人で、前年に比べ163世帯331人ふえています。区民の2006年の給与所得は401万1000円で4万8000円の減、営業所得は400万8000円で26万2000円の減となっています。家計は苦しい状況です。政府や財界は庶民に犠牲を押しつけ、大企業と役員は史上最高の利益を得ながら、区内の商工業、勤労者は増税、負担増で不安定な厳しい生活にさらされています。こうした被害を少しでも少なくするために、今定例会に日本共産党区議団は、特に非課税世帯から課税世帯になった低所得者世帯について、住民税の区独自の減免策を提案しました。
 今年度の定率減税の廃止だけでも30億円の増収になったわけですから、新年度予算に区民負担の軽減策をとるべきです。お答えください。
 また、大田区が全国の自治体に先駆けて実施した事務事業等適正化から、おおた経営改革プランに至る民間委託、職員削減など、自治体リストラは構造改革路線を先取りしたもので、そのひずみがあらわれてきました。
 まず、民間委託の保育園についてです。先の定例会でも、委託された保育園の保育士の退職率が高いことが問題になりましたが、その原因の一つが、直営と比べて二つの保育園で8000万円削減されていることです。これは人件費削減になり、公立の保育士に比べて年間200万円も低くなり、安心して勤められない労働条件を押しつけられています。保育士が次々入れ替わる状況で、保育の高いレベルを維持できるのかという質問に、それなりにやっているものと思いますという前議会の答弁でしたが、これは区民から見ると、区民サービスに責任を持つ部長の発言とは思えません。
 民間委託をしていく計画に合わせて、退職不補充でも間に合うという予測で保育士を5年間新規採用してきませんでしたが、予想を上回る退職で、まだ不足している状況です。そして、このことは、何より子供たちによい保育が提供されない、保育の質が問われる状況になっています。
 障害者施設でも、障害者自立支援法も相まって運営も大変になっています。常勤で雇用できず、非常勤やアルバイトでしか働けない、キャリアを積んで働き続けること、結婚して子供を育てながら働くことはとても考えられなくなってきています。官製ワーキングプアと言われる年収200万円前後では、若い人が希望を持って生きていけません。
 このように区政では効率と経費削減を求め、民間委託を進め、国では大企業や大資産家には減税、小さな政府と言って社会保障を削り、国民に負担増と増税をかぶせる構造改革路線に、7月行われた参院選では国民がノーの審判を下しました。
 参院選での審判に基づき、大田区も構造改革路線から地方自治法を基本に、区民の暮らし・福祉第一の区政への転換をすることです。2008年度予算や基本構想もこの立場でつくられるべきです。お答えください。
 次に、基本構想の審議についてです。
 今後の大田区の方向を決める大田区基本構想が、基本構想審議会で三つの部会に分かれ、来年4月をめどに論議されています。1982年の基本構想では、基本理念として、「区政のすべての分野において、区民の基本的人権を尊重し、平和で、自由と平等が尊ばれ、差別がなく、真に人間的な豊かさに満ちたまちづくりをめざす」、「個人の尊厳と男女の同権という基本的考え方に立ち、婦人に対する諸施策を総合的に推進する」となっています。
 ところが、今度の第3回大田区基本構想審議会資料の基本理念(案)では、基本構想の根本の意思を表現するもので、大田区を構成する最も基本的な要素として、まず第1に区民一人ひとりを挙げていますが、区民に対する考え方フレーズ案で、1案では、みずから考え、行動する責任ある区民、2案では、住み続けたい大田区をみずからつくる区民となっていますが、専ら住民の自己責任だけを問題にしています。自治体が、主権者の住民のための福祉を増進するとした日本国憲法や地方自治法の立場に立っていません。また、基本構想は男女平等の論述が見当たりません。
 憲法の基本的人権、男女同権、住民への福祉の増進を任務にしている地方自治法の理念を基本構想の根幹に据えるべきです。お答えください。
 また、平和の関連でも、国際平和に日本が貢献することでは、参院選後重要な変化がつくり出されました。11月1日のテロ特措法の失効を受けて、11月23日、インド洋から海上自衛隊の艦船が帰国しました。また、27日は、参院外交防衛委員会でイラク特措法廃止法案が可決されました。自公政権と靖国派による憲法改悪の企てに、国民の厳しい審判が下された結果です。
 侵略戦争の反省から世界に誇れる平和憲法が制定され、今日の日本があります。平和都市宣言をしている大田区ですから、9条を含む憲法を守り生かす区政を進めるために、新テロ特措法に反対することを強く求めます。お答えください。
 次に、暮らしに関連して、まず医療について質問します。
 2006年の医療制度改革法は、国民に新たな負担増を押しつけるとともに、保険の使えない医療を大幅に拡大するものでした。医療改悪の特徴は、第1に、高齢者、重症患者への情け容赦ない負担増と医療の切り捨てにあります。第2に、保険証1枚でかかれる医療を切り縮め、保険のきかない全額患者負担の医療を大幅に拡大し、高い医療費を払えない人は満足な治療も受けられない方向に変質させました。この改革では、その後、診療報酬のマイナス改定を行いましたので、医療機関が保険診療だけでは存続できない状況になっています。
 また、自費診療と保険診療を同時に行う混合診療が医療内容に大きく入り込んできています。混合診療が行われた場合に、自費診療が入っていれば、全部の診療を自費扱いにすることについて、東京地裁が正しくないという判断をしました。厚生労働省は、この判例を逆手にとって混合診療をますます推進する方向を示していますが、とんでもないことです。高度先進医療を自費であれば容認するというのは、国民皆保険の立場からは逆行することであり、自費を認めるというのであれば保険診療にすればよいのです。
 歯科のインプラントや、心筋梗塞や脳梗塞などの詰まった血管を、血塊を取り除いた後に使われる人工血管、ステントなどは、もう保険診療にしてよい治療ではないかと考えます。
 自費診療をやむを得ず受けられた区民から、高額療養費が適用されないかという相談もふえているのではありませんか。差額ベッド代などの保険外負担がふえることは安心して治療ができないということです。国保の保険者として、国民健康保険の区民の治療を保障するために、大田区として意見を上げるべきです。お答えください、
 次に、子育て支援についてお聞きします。
 認可保育園の新設などで減ったものの、待機児童は4月現在144人と、2006年度末待機児ゼロの目標には届きませんでした。区民に約束した待機児解消を早期に進めるためには、待機児解消に見合う新たな認可保育園の増設計画を区民に示すべきです。
 23区で一番高い保育料は自慢になりません。荒川区、渋谷区は保育料の引き下げを行いました。大田区でも引き下げを求めます。
 第3子の出産一時金は、大田区民から大変喜ばれましたので、思い切って第1子から、額も30万円と拡充を求めます。
 出産難民という状況がこの少子化の時代に出てきていますが、その原因の一つに、かかりつけ医のいない飛び込み出産ということも多く報道されています。出産は、問題は何もなく自然にできるというものではありません。妊婦健診をきちんと受けていても、出産時に思いがけない障害が出てくることも珍しいことではありません。まして、分娩時初診となれば、母体や子供の危険も増し、実際死産に至る例も23%と高く、健診を受けていた人の約200倍という報告もあります。エコーなどを受けると1回1万円を超える状況ですから、妊婦健診を経済的な理由で受けられないとしたら、これは大問題です。妊婦健診を国の通達では14回が望ましいとしていますので、公費で14回の予算を組んでいただきたいと思います。
 そして、年間1000件の分娩を担っていた都立荏原病院の産科の再開を求めます。西野前区長は、「私も院長に直接確認している。いろいろな制約のもとで診療が行われなくなるようなことは絶対にいたしません。責任を持って運営をする体制を築いていきたい。患者さんについても同じようにご利用いただくよう、またご安心をいただくように、私の方からも皆さんにお伝えください。」と言われたと、公社化直前の2006年第1回定例会で答弁されています。
 都議時代の松原区長は、荏原病院が都立から公社になっても医療内容は変わらないので安心してくださいと住民に説明されていたと聞いています。どちらの発言も大変重いものです。産科の休業を一日も早く復活させるために、大田区は東京都に強く要請することです。
 これらの提案を取り入れ、子育て支援を前進させることを求めます。お答えください。
 次に、産業政策について、初めに、機械金属加工・ものづくりと大型店から個店を守る区内中小企業対策について質問します。
 大田区の地場産業である機械金属加工業を守り、発展させることは、単に大田区だけの問題ではなく、日本のものづくり機械金属加工技術の宝を磨かず失うことになり、日本にとっては重大な損失につながるものです。鋼材の大幅値上げと原油値上げによる区内中小企業の工場や商店、サービス業に多大な影響を及ぼしていることは先に述べましたが、具体的な対策が不十分です。
 松原区長は、地域力を生かすことを大きな柱にしているのですから、地域の町工場が衰退しないよう、次に述べる対策を講ずることを強く求めるものです。
 区長、産業経済部長名で、政府、経済産業省、中小企業庁に対して、1 鋼材、原油の値上げによって実質売り上げ減少の実態を、直接大田区の現場を見てもらうこと、2 材料費、運搬費、光熱費の負担分を価格に転嫁できるよう、大企業や親企業に国として直接指導監督を行うよう申し入れること、3 下請2法を守ること、この3点について大田区のものづくりのまち代表として強く要請すべきです。答弁を求めます。
 次に、大型店出店問題についてお聞きします。
 サミットの池上への出店が計画されています。議会にも陳情が出されていますが、第1種住居地域に指定されている閑静な住宅地の真ん中に大型店舗が出店することになります。多数の買い物客が集まり、それを目当てに新しい大型店が次から次へと出店する可能性が出てくることが考えられます。このような前例を一つ作ってしまうと、区内のあらゆる良好な住宅地でも同じことを引き起こすきっかけになり、区内全体の住宅地の住環境の低下につながります。また、住宅地は、当然のことですが、児童、園児の通学路になっている道路が多く、店舗に向かう車両の増加により、交通事故の危険性が増すことを危ぐする声が周辺住民から出されています。
 区内でも、空き店舗とシャッター通りが珍しくもなくなってしまいました。商店街の衰退は、中小小売店だけの問題ではなく、さらに、大型店は少しでも赤字になると、消費者や住民、商店街がどうなろうと無視して撤退し、まち全体の荒廃の一因になっています。商店街の衰退の原因は様々ですが、既に個々の商店街の努力をはるかに超えたものになっています。構造改革路線によって国民の所得と消費購買力が抑え込まれ、売り上げの大幅な減少が大きく響いている上に、大型店の出店ラッシュと深夜営業など、無秩序な競争激化が商店街を直撃しています。
 小売店の売り場面積に対する大型店の占める割合は、1970年代に2割にすぎなかったものが、90年代には5割を突破し、2004年では、全売り場面積37万6798平方メートルのうち、1000平方メートル以上の大型店が53店舗、20万1029平方メートル、53.3%、2006年は61%となっています。こうした状態をつくり出したのが規制緩和の名で進める大企業を野放しにする政策です。
 自民党政府は、1990年以降、アメリカの市場開放要求を受け入れて、周辺小売店との調整のための法律、大
規模小売店舗法(大店法)の規制を相次いで緩和し、1998年、ついに廃止してしまいました。政府は、大店法を撤廃したときに、かわって大店立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法のまちづくり3法を制定しましたが、これが機能しなかったことはだれの目にも明らかです。大型店と地域商店街との共存、共生、まちづくりのルールをつくることが今ほど求められているときはありません。
 このようなルールをつくる上で光が当てられてきたのが、小売商業調整特別措置法、商調法です。大企業や大型店による地域経済の支配を防ぎ、中小小売業の事業活動を確保するために1959年に策定されたもので、小売商の事業活動の機会の適正な確保、小売商業の正常な秩序を阻害する要因の除去を目的にしており、その目的を実現するために具体的な方策を定めています。例えば、中小小売団体は、大企業者が該当中小小売団体の構成業者の経営の安定に悪影響を及ぼすおそれのある事業の開始または拡大の計画を有していると認めるときなどは、都道府県知事に調査や調整を行うよう申し出ることができるとされています。その際、都道府県知事は、申し出に相当の理由や著しい悪影響が認められる場合、調査を実施し調査結果を通知すること、調整勧告を行い発表すること、大企業者が正当な理由なくその勧告にかかわる措置をとらなかった場合、命令を出すことができます。
 大型店の進出から商店街と地域住民の環境を守るため、大型店影響調査を行うとともに、大田区大規模小売店舗の出店に伴う生活環境保全のための要綱の改善をすること、また、小売商業調整特別措置法、商調法を積極的に活用することや、区独自の条例をつくることを求めます。お答えください。
 最後に、住民本位のまちづくりについて質問します。
 羽田空港跡地の購入、大森北一丁目開発、京急蒲田、糀谷、雑色の駅前再開発、蒲蒲線計画と大規模開発がメジロ押しです。大田区内の大規模開発が一体のものとして進められようとしています。まず、これらの計画がどれだけの財政投入になるのか区民に示されていないのに、計画の推進だけが決められていることです。
 羽田跡地では、土地購入に最低でも羽田空港積立基金68億円は投入されますし、大森北一丁目開発では、NTTに既に土地交換時に5億円支払われました。糀谷駅をはじめ、3駅前再開発でも数十億円、蒲蒲線計画では、最高で地方負担分360億円が予想されています。これだけの多額な財政投入になるにもかかわらず、計画は進めることが決まったものの、いまだ区民にはどれだけの財政投入になるか示されていないことです。
 また、計画についても、大森北一丁目開発が典型的ですが、全く計画の内容が民間任せで、次々と計画の変更がされて工事が遅れていく。なぜ変更したのか、区民にその説明もされない。区民サービスとの関係でも、図書館を3年間も閉鎖して区民サービスを低下させる。だれのための計画がわかりません。そして、結論だけが区民に押しつけられていきます。
 さらに、民間主導で資本の原理、いわゆる利潤追求が根底で進められていることです。民間主導の弊害では、下丸子地域の無計画な大規模な住宅建設があります。高さ100メートル級の集合住宅が一挙に建設されて、ほぼ2600世帯がふえ、保育園が満杯になったり、矢口西小学校が1000人級のマンモス学校となり、子供たちにそのしわ寄せがいっています。また、蒲田西口の専門学校の開発行為で、そこに長年住んでいた住民が追い出されていく事態も生まれ、まちが変わっていく例が具体的に起こっています。こんなまちづくりでは、住民不在、住民追い出しとなってしまいます。区民が安心して住み続けられる住民本位のまちづくりこそ求められています。これから大田区では、公共施設の大規模改修に800億円から1000億円必要になります。その上に、このような大規模開発が行われれば多額の財政投入となり、今後の区民の暮らしや福祉に影響を与えかねません。
 羽田空港跡地の購入、大森北一丁目開発、京急蒲田、糀谷、雑色の駅前再開発、蒲蒲線計画などの大規模開発は多額の財政投入となり、区民へ大変な負担となります。大型開発を中止し、福祉、医療、介護、教育、中小企業支援の予算を拡充し、区民の暮らしを支える区政に転換すべきです。お答えください。
 以上で質問を終わります。(拍手)
○永井 議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 金子悦子議員の代表質問に順次お答えさせていただきたいと思います。
 まず、補正予算を大幅に増額して緊急越年対策を実施すべきだというご質問でございますが、区内の中小企業、個店などの売り上げの減少や運転資金の不足に対しましては、既にそれぞれの資金使途に応じたメニューを用意しております。利子補給を行って、低利かつ有利な条件で融資をあっせんしてまいりたいと思っております。また、年末のご利用につきましては、10月の制度改正で限度額を一部では500万円ふやしたり、予算的にも十分対応できるものとなっていると思います。
 次に、建築基準法の改正に伴います影響についてのご質問をいただきました。建築確認申請件数で言いますと、7月は、ご指摘のとおり大変大きく落ち込んだところであります。しかし、9月には、木造の2階建てや3階建てが大部分を占めておりますけれども、前年並みに回復をしてきております。引き続き、法改正の目的であります厳格な審査を行いつつ、スムーズに審査が進むように努めてまいりたいと思います。また、構造計算のプログラムを早期に認定するなど、設計とか審査手法の整備について、国に意見を今述べているところでございます。
 次に、建築審査課の職員を増員したらどうかというご質問でございますけれども、建築審査課の来年度の職員定数や配置につきましては、現在、建築確認申請の状況等を踏まえて検討をしているところでございます。
 それから、非課税世帯から課税世帯になった世帯について、区として、住民税についての区独自の減免策をとるべきだとのご質問でございますけれども、区といたしましては、現在の減免規定に基づきまして適正に対応しておりますので、減免規定を新たに定める考えはございません。
 それから、新年度予算や基本構想は、区民の暮らし、福祉第一でつくられるべきとのご質問でございますけれども、区民に最も身近な区政が、区民の暮らしや福祉の向上を目指して、予算編成や基本構想の策定に取り組むのは当然のことであります。しかしながら、区政が抱える課題は多岐にわたっております。そのどれもが区民の生活に深くかかわるものでございます。幅広い行政分野で課題の解決に取り組んでいく必要があると思っております。
 予算編成の過程では、限られた財源や行政資源を区政のどの分野にどのぐらい配分していくかを議会のご意見も聞きながら決定してまいりたいと思います。また、基本構想では、審議会で今後の大田区のまちづくりの方向性を今審議いただいているところであります。活発なご議論をいただいて、基本構想や基本計画に反映させていきたいと考えているところでございます。
 次に、基本構想の方向性についてのご指摘でございますが、現在、基本構想審議会で審議されているところでございます。基本構想全体を貫く核となる考え方を示す基本理念といたしましては、第2回、第3回の審議会全体会で審議をいただいているところでございます。大田区を構成する最も基本的な要素として、区民一人ひとり、都市、そして地域や区民相互の関係の三つの視点から、基本理念を表現することとし、検討いたしているところでございます。
 審議会委員の皆様方に自由にご議論をいただきまして、また、区民の皆様との意見交換なども踏まえて、審議会としての方向性をまとめて答申に反映していただけるものと考えております。
 次に、国会に提出されました新テロ特措法でございますが、いわゆるテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法のご質問ですが、国家の課題であると思います。殊に、外交、国防という点についてコメントするのは、基本的には自治体の首長の立場からは差し控えたいと思います。ただし、一般的な常識で考えれば、国際的なテロリズムの防止及び根絶に向けた国際社会の取り組みに貢献するのは大いに意義があると思います。これらの国際貢献には、前提として国民合意が必要であります。法案の動向を注視しておりますが、区政をおあずかりしている者といたしましては、本法案に対して、特段の働きかけを行う考えは持ってございません。
 次に、区民が安心して治療ができるように、自費診療に対しても、高額療養費の保険適用ができるよう、保険者として国へ意見を上げてはどうかとのご質問でございますが、高額療養費につきましては、あくまでも保険適用の場合で、医療費負担が限度額を超えて負担したときに、超えた分が申請により支給されるものでございます。保険適用にするか否かは国の判断によるものでありまして、現時点では意見を申し上げる考えは持っておりません。
 次に、子育て支援について何点かご質問をいただいております。
 まず第1に、待機児解消のためには、認可保育園増設の新たな計画を示してくださいとのことでございますが、平成20年1月に区立雪谷保育園の改築が終わりまして、4月から定員を拡大いたします。平成20年度中に定員60名の(仮称)久が原一丁目保育園を新設し、その後、鵜の木保育園を改築し、定員を拡大する予定でございます。平成22年度を予定しております。なお、東京都認証保育所の開設も待機児解消には大きな役割を果たしていると考えております。
 次に、区立保育園の民間委託は、これは計画どおり実施していきます。
 3点目の保育料の引き下げについてのご意見でございますが、コストに応じた利用者の適正な負担、子育て世帯間の公平性という立場から適切に対応してまいります。
 次に、出産一時金についてでございますが、出産一時金は、第1子から、額も30万円に拡充をとのことでございますが、区といたしましては、子育て支援として、出産だけではなくて、その後の育児を含めて、より長い目で考える必要があると考えております。
 次に、妊婦健診は、公費で14回の予算を組んでいただきたいとのご質問でございました。これにつきましては、現在、妊婦健診は、前期、後期の2回の公費負担を実施しておりますが、今後、拡大する方向で検討をしております。
 次に、荏原病院の産科復活のために、医師の人件費保障など、区として支援をとのことでございますが、荏原病院は、医師不足によりまして平成19年10月以降の産婦人科の分娩を中止されていますが、院内助産所での分娩を希望する方につきましては、助産師外来による相談を受け付けております。
 区といたしましては、国の医師確保施策の動向を見守りつつ、また、区内医療機関等々と協議をしてまいりたいと思います。
 特に、先ほど言われましたとおり、私自身も都議会にいました。そして、荏原病院の民間委託に伴いまして、サービスは下げるなと言った立場でございます。そういった意味で、現状の荏原病院の産科に対する危機的な状況というのは深刻に受け止めております。そういうことでございますので、私なりに、今東京都や医療公社の方に働きかけを行っている最中でございます。なお、今後とも努力をしていきたいと思います。やはり産む方にとっては大変重要な問題でございますし、特に大田区の場合には、東邦医大が基幹でございます。そして、大森の日赤病院が建て替えに入っていますが、こちらの方も確保していきたい。そして同時に、荏原病院の方も、できるならば何としても確保していきたいということで努力をしていきたいというふうに思います。
 次に、3点ご質問をいただきました。まず、区内の現場を見るよう、政府、経済産業省、中小企業庁に要請せよとのことでございますが、現在、区から中小企業庁へ職員を派遣するなど、国や都とは密接に情報交換しているところであります。こうした中で、大田区の実情を日ごろから伝えているところであります。また、これまでも経済産業大臣、中小企業庁長官をはじめ、多くの政府幹部が区内中小企業を訪問し、実態を視察して、私からも話をしております。
 次に、材料費等の価格転嫁に関する質問ですが、区では、現在、全国市長会を通じて、中小企業庁へ原材料費の変動リスクを下請中小企業に転嫁することがないよう働きかけるなど、適切な取引について要望をしているところであります。
 最後に、下請2法についてですが、国や都が冊子やホームページなどを活用して企業周知しておりますが、大田区でも産業振興協会において下請取引改善講習会を実施して、下請2法について周知徹底を図っているところでございます。
 次に、大型店影響調査を行うようにとのご質問でございますが、大型店の進出に伴う商店街への影響については、商店街で日常の商業振興支援施策等を行う中で把握しておりますが、今後も現状把握に努めてまいりたいと考えております。
 区の要綱の改善をとのご質問でございますが、大規模小売店舗の立地に伴う周辺の生活環境保全のため、出店予定者の配慮事項を指針として定め、説明会や届け書きの縦覧等の意見等を提出することができます。区の要綱は都の要綱、指針等の改定にあわせて改定いたします。
 次に、小売商業調整特別措置法の積極的活用をとのご質問でございますが、特置法は、都が窓口となり、法に基づいて適切に対応されるものと考えております。
 また、区独自の条例をということでございますが、大田区大規模小売店舗の出店に伴う生活環境保全のための要綱の適正な運用と、現在の大規模小売店立地法による東京都との連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、大型再開発を中止して、福祉や医療、介護などの予算を拡充すべきとの質問でございますが、言うまでもありませんが、福祉や教育などへの配慮をせず、やみくもに羽田空港跡地利用や京急関連の駅前整備などに関心を集中していることはありません。空港のある大田区の利点を活用し、羽田空港国際化に的確に対応し、特色あるまちづくりや産業の発展につなげていきたいと考えております。駅前周辺の整備や交通基盤を整備することにより、地域の活性化や経済力を高めていくことが可能となると考えています。
 同時に、将来にわたる区民への負担を軽減するために、経常的経費の削減に努めるとともに、各種の基金に計画的な積み立てを行いながら、区民にとって真に必要な福祉や介護などの施策に重点的、積極的に財源を投入し、区民生活の向上、区内産業の活性化等、区民福祉の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○永井 議長 次に、34番木村 勝議員。
                 〔34番木村 勝議員登壇〕(拍手)
◆34番(木村勝 議員) 大田区議会民主党の木村 勝でございます。私は、民主党を代表いたしまして、大田区の当面する諸課題について質問をさせていただきます。
 時が過ぎるのは早いもので、この春初めて議会に参りましてから半年が過ぎ、平成19年ももう年の瀬を迎えようとしております。光陰矢のごとし、区長職1年生の松原区長におかれましても、恐らく同じような思いでおられるのではないでしょうか。
 松原区長にとってのこの初年度は、前任者によって予算が組まれた後からのスタートであり、区民の皆様が期待されている区政60年にして初めての民間出身の区長として、みずからの個性、カラーを早く出したいという思いの中で、少し窮屈な思いもあったのではないかと推察させていただくわけであります。とはいえ、来年度からどのように松原カラーを出していかれるのか、多くの区民が注目し、期待されているのもまた事実であります。
 9月25日に発足した大田区基本構想審議会は、まさに松原新区長による新しい大田区づくりの第一歩であります。おおむね20年先の大田区の将来像を明らかにする。さらには、その実現に向けた基本計画を策定していくという取り組みであります。私も区民の一人として、また議会人の一人として大きな期待と注目をしている次第であります。
 そこで、まず1番目に、この基本構想づくりについて伺います。
 審議会への区長の諮問は、基本構想のあるべき姿、その方向性の審議、基本計画に盛り込むべき項目及び計画の枠組みの審議であります。それを受けて、基本構想、基本計画案は、区の庁内検討委員会が作成するというのが今回の手法であります。
 先日、総務財政委員会の視察で参りました北九州市も、今年市長選があり、新しく民主党代議士から転出した北橋健治新市長が誕生いたしました。大田区同様に、現在、新市長のもと、新・北九州市基本構想の策定を進めておられます。この北九州市では、基本構想案、基本計画のたたき台までを審議会に置かれた起草委員会が策定をいたします。その間、庁内体制の策定本部は、資料、情報の提供をする。議論の場はあくまで市民参加の審議会であります。
 北橋市長もまた民間出身であり、民間の自由な、柔軟な、多様な発想、手法を市政に送り込み、市民とともに新しい北九州市づくりを目指しておられます。基本構想づくりの手法にその姿勢がよくあらわれているというのが私の率直な感想であります。
 これに対し、松原区長の今回の手法は、民間出身にしては、審議会よりも庁内検討委員会に軸足を置いた手法ではないでしょうか。これによって官主導に陥る懸念はないのでしょうか。大田区の行政官は優秀であるという話はよく聞くのでありますが、審議会のメンバーの方々を見ても、案文の策定まで十分やっていただける人材なのではないでしょうか。
 なぜ、今回このような手法をとられたのか、審議会の役割はどこまでなのか、この手法で民間の発想、利点を十分に取り込むことができると考えられているのか、あわせてお考えを伺います。
 次に、20年先の大田区を考える上で重要なファクターの一つであり、区長も新しい大田区づくりの起爆剤として重要視しておられる羽田空港問題であります。
 この10月に羽田空港跡地利用基本計画の素案がまとめられ、今年度中には基本計画案が取りまとめられるという流れのようです。そのような中で、今定例会へ提出されております第4次の補正予算の中に、跡地利用計画案の策定委託として1050万円が計上されております。
 基本構想策定という基本的な、最重要の作業と同時並行して進められている委託による基本計画案づくりとは一体何か、その位置づけ、また基本構想づくりとの整合性はどうか、明確な説明を求めます。
 次に、官から民へとともに、中央から地方へという地方分権改革の流れについて、基本構想審議会ではどのような議論がなされているのでしょうか。区長の諮問書には、地方分権改革の進展や都区のあり方に関する検討が活発に行われている中で、基礎的自治体としての新たな行政課題に対する取り組みの方向性を示す必要があるとの記述があり、基本構想への23区のあり方等の課題の記述を求めております。20年先の地方分権の進展や、都区制度改革をどのようにとらえるかは、大田区にとりましても極めて重要な問題であります。
 分権改革の進展や都区のあり方について、審議会でのこれまでの議論はどのようなものか、お聞かせください。また、今後の議論でどのように扱う方針なのか、どのように織り込んでいくのかをお聞かせください。
 続いて、2番目のテーマ、都区制度改革について伺います。
 都区のあり方検討委員会の議論は、現在どのように進められているのでしょうか。政府が地方分権改革推進委員会で地方政府の確立に向けた分権改革を進める中で、東京23区はその改革からどんどん取り残されていくような感覚を覚えるのは私だけでしょうか。
 都は、一方では国に対し分権を要求し、他方では都区制度の中で国と地方における地方交付税制度と同様の都区財政調整制度を抱えております。23区に対しては、全く矛盾した姿勢を貫いているのです。東京特別区は、普通地方公共団体ではないという意味において特別なのであり、言いかえれば、ずうたいはでかいが一人前ではない、自立した自治体ではないという意味において特別なのであります。大田区一つで人口が約67万人で鳥取県よりも多く、年間の予算は一般と特別会計を合わせて約3700億円にも上る自治体が東京都の内部団体であるという姿はいかにも不自然で、時代に即していないのは明白であります。
 以上のとおり、現状の都区制度が、地方分権改革推進委員会の基本的な考え方にある完全自治体を目指すという取り組みからはかなり取り残されているのは確かであります。
 松原区長は、第1回臨時議会において、地方分権の流れの中で、「区民の幸福の増進、大田区の発展に寄与するよう、23区の再編を含めた都区のあり方について積極的に検討してまいりたいと考えております。」と言われました。この半年間どのような検討をしてこられたのか、検討を踏まえた都区制度改革へのお考え、都区のあり方についてのお考えを改めて伺います。
 つい先日、税理士の先生方との会合で、この都区制度、とりわけ都区財政調整制度についてお話し申し上げたところ、税の専門家であり、中小企業の経営パートナーであり、地域のオピニオンリーダーでもある税理士の先生方でさえ、この制度や現状についてほとんどご存じありませんでした。一般の区民の方々には、都区制度の問題性、改革の必要性を理解いただき、主体的に議論に参加いただくことが望まれます。この制度の改革には自治法の改正が必要であり、都を相手に議論を進めていかなければならないということを考えたとき、何としても区民の力を味方にするしか改革を進める方法はないのではないかと思われます。
 真の地方分権を特別区、大田区で推し進めるために、区民への積極的な情報提供と参加を呼びかけることが必要であります。練馬区など、地方分権や都区制度改革の動向を区のホームページなどで積極的に提供している区もあります。
 大田区のホームページなどでも、地方分権や都区制度改革などについて、より積極的に情報提供をし、改革に向けた世論の盛り上げを図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 地方分権は全国共通の大きな課題であります。しかし、都区制度の改革は都と23区だけの問題であります。それだけに国民的関心は薄く、人ごとでもあります。首都東京にこのような問題があることすら多くの国民は知りません。今話題のふるさと納税なるものも、この間隙を縫って出てきたものと言えるでしょう。ですから、今こそ都区制度改革をもっと大きな問題として持ち上げる方策が必要なのであります。
 先般の決算特別委員会における私との議論でも明らかなように、大田区の自立経営は十分に可能であります。新しい大田区づくりの上からも、都区財政調整制度からの脱却による財政権の確立を図り、特別区から普通地方公共団体へ自立することが大田区の進むべき道でありましょう。この際、ここにおいでの先輩、同僚議員の皆様に、大田区の自立、都区制度改革へのご理解と党派を超えた一体的な取り組みをお願い申し上げる次第であります。
 次に、大田区の地域産業政策、中小企業対策について伺います。
 日本経済の状況は、政府、日銀の発表によりますと、緩やかに拡大している、企業部門は好調だそうであります。しかし、大田区の町工場を歩いてみますと、確かに順調な、元気なところもありますが、大方がなかなか厳しい経営が続いております。政府の認識とは大きな格差があるというのが実体経済であります。特に年の瀬を迎え、円高、株価低落、石油高騰などの動きもあり、じわじわと、しかし町工場の経営にとっては大きな影響をもたらしているのではないでしょうか。
 大田区として、区内の中小零細企業の状況をどのように把握、認識されているのでしょうか、ご説明ください。
 この時期は、やはり何といっても運転資金の需要がふえるものと思われます。運転資金をはじめ、各種の融資制度の充実については、緊急2か年計画の中にも盛り込まれておりました。しかし、大田区の町工場経営者は、経営者というよりも、むしろ職人として働いている割合が多く、経営に多くの時間を割くことができない方がほとんどであります。これは、いい、悪いではなく実態であります。ですから、大田区としていろいろとメニューを用意しても、ただ待っているだけでは町工場の経営者はやってきません。というよりは、経営は大変なんだけれども、窓口へ来ている暇なんかない。鶏と卵のような話ですが、町工場の経営はそのようなものなのでありましょう。
 そこで、せっかくいろいろと用意をした支援制度、融資制度をどのようにしたら有効に活用してもらえるか、もう一段の工夫、取り組みが必要でありますが、制度の充実とともに、使い勝手のよさ、手続の簡潔さ、あるいは訪問サービスなど、さらなる取り組みについてお考えをお聞かせください。
 自由経済ですから、自由競争の中で企業の淘汰も当然であります。しかし、大田区の製造業の特徴は、横請ネットワークが機能して、多品種少量生産を得意として、様々な開発を支える基盤技術が集積していることであります。日本、そして世界の産業基盤である大田区のものづくりを今後とも維持していくためには、ものづくりの連携、鎖を切らないこと、技術と人材を保護し、継承していくことが重要であります。基本構想、基本計画にもこのような視点をしっかりと盛り込んでいただき、民間の自由で柔軟な発想を取り入れることを強く要望いたします。
 次に、環境と教育について伺います。
 現在、大田区立の中学校28校の校庭は、馬込東と南六郷を除いて、すべてクレー、土であります。一方、小学校では59校中16校がいまだ舗装校庭であります。そして、この16校のうち12校が逐次壁面緑化を進める予定であります。つまり、舗装校庭は表面温度が高くなるので、クレー校庭との比較で環境に優しくないから壁面緑化で緩和しようということであります。ちなみに、クレー校庭で壁面緑化をしているのは糀谷小学校だけであります。しかも、舗装校庭の改装には、校庭約2000平米で約3000万円以上かかるということです。その上、はがしたウレタン等は産業廃棄物として処理されます。大田区全体では、1校で平均約2900平米分の廃棄物となります。このため、大量のごみを発生させる問題でもあります。
 温暖化対策が緊急の課題として取り上げられている中で、また、ヒートアイランドを助長する舗装校庭を土校庭、クレー校庭にすることが望ましいと考えますが、大田区として、中学校2校、小学校16校を合わせた18校すべてを早急にクレー校庭にすることを強く要求いたしますが、いかがでしょうか。
 土にも幾つかの問題があるようですが、土の改良技術もかなり進んでおり、ほぼ問題は解決されると私も聞いております。ぜひ情報収集をして検討していただきたいと思います。とにかく、自然に近いということは必ず人にもよい影響を与えるものです。大地の気をしっかりと受け止めることが大切であり、舗装によって気を閉じ込めれば、必ずその反動がどこかにあらわれるものです。
 全国には、土の校庭で、運動会は全員裸足でという福島県白河市立関辺小学校の例もあります。体も丈夫になり、土踏まずの形成が促され、バランス感覚がよくなり、大きなけがをしないという結果も出ているそうです。何よりも、子供たちが土まみれにはしゃぐ姿は何とも子供らしい、ほほ笑ましい光景ではないでしょうか。日本の教育現場で失われた光景を取り戻す取り組みでもあります。
 小中学校において、人や自然に優しい、環境に配慮した教育環境を整備するエコスクールづくりは、子供たちの心の発達によい影響を与えるだけでなく、授業態度や学業成績にも好影響をもたらすものであり、積極的に推進すべきと考えますが、松原区長のお考えをお聞かせください。
 最後に、危機管理についてお伺いいたします。
 「災害は忘れたころにやってくる」、この言葉は、災害大国日本では忘れることのできない金言であります。しかし、また、「のど元過ぎれば痛みも忘れる」という、いかにも日本人らしい能天気な言葉もあります。もっとも、災害大国であるがゆえに、忘れることを身につけたとも言えるかもしれません。ともあれ、マグニチュード6以上の地震が起こる確率を見ると、日本は世界一の22.5%であり、全世界の4分の1弱の大地震が日本及びその周辺で起こっていることになります。このような中で、国民、区民の身体、生命、財産を守るのが、国及び自治体の責務であることは言うまでもありません。
 では、我々議員の責務とは何か。明確に定められたものはありません。しかし、一たん災害が起きれば、大田区に住んでいるとは限らない区の職員だけを当てにできるのでしょうか。10月の特別区の議員研修会でも、危機・災害発生時における議員の役割についての議論がありました。その中で、災害対策本部の下に地域本部を設置して、その中で新たに議員の役割を確立するという案、また、具体的な議員の役割として、地域の情報収集、伝達を担うという話がありました。これは、まさに議員の特性を生かす考え方であると思われます。
 大田区としても、我々議員を有効に活用する、特性を生かした役割を確立することは危機管理上も必要なことではないでしょうか。町会長や議員の経験もある松原区長はいかがお考えでしょうか。50人もの議員が、役割のない状態でハザードにならないためにも、指揮系統も含め、早急に確立することが賢明でありましょう。
 そして、何といっても、災害時に最も重要なのは地域力であります。災害時にその真価を問われる地域力こそは、平常時にこそしっかりと構築しておく必要があります。地域力の向上、確立には、町会・自治会の再生、女性や団塊世代のリタイア組をいかに取り込んでいくか、それがポイントとなるでしょう。町会・自治会の再生、女性やリタイア組、NPOやボランティアの取り込みをどのように進めていくのか、これまでの取り組み、また今後の方策についてお聞かせください。
 自分の身は自分で守るという危機管理を考えることは、自分たちのことは自分たちで決めるという自治の原点であり、民主主義の原点であります。また、危機管理システムが機能するまちは、活力もあり元気なまちでもあります。
 最後に、この地域力の再生、向上は、大田区の将来にとってかぎを握る問題であります。基本構想、基本計画にどのように反映させようとお考えか、区長のお考えをお聞かせください。
 以上で、大田区の自立を目指す民主党の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。よろしくお願いいたします。(拍手)
○永井 議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 木村 勝議員の代表質問にお答えさせていただきたいと思います。
 まず、基本構想、基本計画策定に当たり、庁内検討委員会の設置、審議会の役割について、また、民間の発想を取り込むことができるのかというご質問でございますが、審議会は、諮問文にありますとおり、新たに策定する基本構想のあるべき姿、方向性を審議するとともに、基本計画に盛り込むべき項目及び計画の枠組みをお示しいただくことを目的に設置いたしました。そのため、学識経験者、区内の公共団体の代表、公募の区民、区議会議員という様々な知識、経験をお持ちの方々に審議会委員を委嘱して、大田区の目指すべき方向性を自由にご議論いただいております。これまでの審議の中でも、民間委員ならではのアイデア、ご意見を多数ちょうだいしております。こういった様々なアイデア、ご意見は、今後、来年3月にいただく答申の中に反映されていくものと考えております。
 議員ご指摘の庁内検討委員会につきましては、審議会が円滑に運営されることを目的に、庁内の協力体制を構築するために設置したものでありまして、具体的には、審議に必要な資料の作成や情報提供、現状分析といった部分を担当しております。今後も審議の円滑な運営を目指し、審議会と庁内検討委員会との連携を密にし、大田区としての基本構想、基本計画づくりに全庁を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
 次に、基本構想という基本的な最重要の作業と同時並行して進められている委託による基本計画づくりとは一体どういうものかということでございますが、国、都、区の三者による跡地利用基本計画案は、文字どおり三者共通の考え方を固めるものでございます。しかし、これだけで跡地利用の内容を明確にすることはできませんし、大田区としての整備の方向づけには不足しております。土地取得等に当たり、国に説明する内容としては不十分であります。そういったことから、区の考え方を固めるために、今回補正をお願いしたところでございます。
 基本構想との関係では、基本構想、基本計画のほかに都市計画マスタープラン等があるように、具体的な土地利用については、別の計画体系が必要であると考えます。したがいまして、今回の跡地利用計画案の策定委託も、その必要性から提案させていただいておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
 また、分権改革や都区のあり方について、審議会での議論はどのようなものであったのか、また今後の議論でどのように扱うのかとのご質問でございますが、議員ご指摘のとおり、審議会の中でも地方分権の動き、都区のあり方については、非常に重要な課題であるという意見をいただいております。
 基本構想、基本計画で掲げた理念や考え方を実現するためには、区が主体的に財源や権限を持たなければ実現しない部分も多いのではないかといったご意見や、現状の制度にとらわれることなく、自由な発想のもとで議論してもいいのではないかといったご意見もございました。
 私は、第1回審議会のあいさつの中で、区は住民に最も身近な自治体であり、地方分権の時代は住民の力量が大きな意味を持つというお話をさせていただきました。審議会の中では、分権の時代への流れを見据えた大田区の将来像を議論いただければと考えているところでございます。
 次に、都区のあり方の検討についてお答えをさせていただきたいと思います。
 都区のあり方検討委員会及び幹事会が設置されてから、11月までに7回の幹事会が開催されました。精力的に検討が行われています。また、区長会、副区長会などでも報告、検討が行われ、各区に課題を持ち帰り、幹事会での検討に返すということなどで進めております。
 大都市の一体性確保のために都が行う必要があるとされた事務を除き、都から特別区へ事務移管をさらに進めることを基本的方向として、現在、都の事務事業を広範にリストアップし、具体的な事務配分の検討を進めています。
 都、23区の立場、考え方は多様であります。ただいま検討しております上下水道の事務のとらえ方につきましても、都に残す方向か区に移管する方向かの方向づけの議論だけでも様々な議論が出されております。
 私の都と区のあり方についての考えは、まず、一般の市が行っている事務は、基礎的自治体として特別区も担うべきであると考えています。さらに、都市計画や福祉など、住民に身近な事務については特別区が包括的に担うことで、効果的、効率的な地域づくりが可能となる事務などは、区に移管していくべきであると考えております。そのような方向の中で、都は、広域的、補完的な役割を特化して担っていくべきであると考えております。そのときに、23区のあり方が、現在の規模、今の形のままでいいのかといった議論が必要になってくると思っております。
 都区制度改革について、積極的な情報提供をとのご指摘でございますが、都区制度改革の主要5課題や東京富裕論への反論などにつきましては、大田区のホームページに掲載しPRを行ったところでありますが、現在、都区のあり方の検討が進んでいる中で、検討の節目をとらえて、さらに今後、区民の皆様へ情報提供を積極的に進めていきたいと考えております。
 区内の状況をどのように把握、認識しているかとのご質問でございますが、政府、日銀、新聞、テレビなどの報道によりますと、全体として景気は拡大し続けていると伝えております。しかし、ご指摘のように、区で行っている景気動向調査、町工場の皆様からは、原材料費や原油などの高騰により、経営は非常に厳しい状況であり、景気回復の実感はわかないという声を多く聞いております。厳しい状況であると認識をしているところでございます。
 次に、支援や融資の制度につきまして、制度の充実と、わかりやすく利用しやすいものにしたらどうかというご質問でございますが、融資制度につきましては、過去3か年間のあっせん実績で申し上げますと、平成16年度は1207件、平成17年度は1428件、平成18年度は1729件と順調に実績をふやしてきております。多くの方々にご利用をいただいているところでございます。
 多くの方は金融機関を通じて申し込みをされますが、ご自身で申し込みをされる相談者につきましては、金融に関する専門知識を有した相談員が親身に対応しております。今後とも、金融機関や保証協会などとも連携し、協力して利用促進に努めてまいりたいと思います。
 エコスクールづくりについてのご質問でございますが、既に学校においては、エコスクール大田という省エネに対する行動指針によりまして、光熱水費の節減やごみ量の削減などの取り組みを実施しております。学校施設におきましても、壁面緑化、屋上緑化に加えて、今年度は1校の校庭の芝生化に着手し、環境に優しい施設整備を進めております。今後も、環境負荷の低減を目指した学校運営とともに施設整備を進めて、あわせて子供たちへの環境教育の充実など、学校全体として取り組んでまいりたいと思います。特に21世紀は環境の時代とも言われておりますので、重要視していきたいと思っております。
 区内で災害や大事故等の危機が発生した場合に、区議会議員の皆様方のご協力ということでございますが、区民の最も身近な代表者として、区議会議員の方は、地域をよく知る立場から、議会事務局と連携して、被害状況等の収集、伝達に当たっていただきたいと考えております。また、区から提供される災害情報等をもとに、議員の皆様が、避難所や被災地対応へ積極的にかかわっていただいて、被災者の不安や心配を受け止めていただくことで、区民に安心感や落ちつきをもたらすことができるものと考えております。
 新潟県の中越大地震でも、議員の方々が地元の町会を中心に被災者のために汗を流して、住民の思いや注文を市の責任者に届ける。また、時には市職員の代弁者になって、昼夜を問わず活躍されたと聞いております。非常時こそ、議会と行政が連携して、災害対策に取り組む必要があると思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 地域力を向上していくのには、区政推進のパートナーである自治会・町会の組織力の強化は大変重要であります。また、地域には、自治会・町会にとどまらず、商店街、学校、PTA、NPOをはじめ様々な活動をしている諸団体もありますので、警察、消防、企業等との連携により、地域力で課題解決できるまちづくりを進めていくのが重要と考えます。
 その中で、女性や企業等を退職された方なども、地域活動の原動力として大いに期待しているところであります。特に、防犯や防災には地域の力は欠かせません。区では、地域の防犯パトロールや防災訓練は、地域力を高める大きな柱と位置づけており、防犯ではPTAやボランティアの皆さん、防災では家族連れやマンション等の集合住宅にお住まいの皆さんへの参加促進に取り組んできました。今後も、引き続き様々な方へ防犯や防災等を通じて参加を働きかけ、地域のコミュニティづくりを進めていきたいと思います。
 地域力の再生、向上の基本計画の中の反映でございますが、地域力に関しては、審議会の中でも非常に活発なご意見をいただいております。区といたしましては、審議会のご議論、答申を踏まえながら、大田区としての地域力の位置づけや目指すべき方向性、地域力を高め、生かしていくための具体的な仕組み、方法等について、基本構想及び基本計画の中で示していきたいと思います。
 以下は教育長からお答えさせていただきます。
◎細島 教育長 残りの1問にお答えをさせていただきます。
 舗装校庭をクレーに戻すというご質問でございますが、私どもは基本的には、あくまでも土で整備をしていくということでずっとやってまいりました。ただ、一部の学校におきまして、日当たりが悪いために水はけに支障があったり、土ぼこりの苦情がございまして、近隣対策上やむを得ず、土ではなく全天候型の素材を使用してきたという経緯がございます。
 私どもといたしましては、今後も、あくまで土を使用した校庭を基本としつつ、個々の事情あるいは周辺環境に対応、考慮しながら整備を進めてまいる考え方でございます。よろしくお願いいたします。
○永井 議長 次に、39番犬伏秀一議員。
                 〔39番犬伏秀一議員登壇〕(拍手)
◆39番(犬伏秀一 議員) ネット・無所属・自由連合を代表して質問をさせていただきます。わかりやすい明瞭なご答弁を期待しております。
 国会においては、テロ特別措置法をめぐり、安倍総理大臣の突然の辞職に始まり、自公民の大連立構想まで噴出し、大騒ぎに陥っていることは、まことに残念至極な事態であると言わざるを得ません。申すまでもなく、国家の最大の存在価値は、国民の生命、財産を守れるか否かにあると思っております。その至上命題が達成されてこそ、初めて様々な政策課題が実現、実行されていくことは、だれもが認めるところでありましょう。その意味で、国家の安全保障を政局にせざるを得ない今日の国会運営は決して尋常な姿ではありません。与野党ともに、まともな議論の府たる正常な国会に戻す歩み寄りが望まれます。
 さて、我が大田区においては、果たして区民の生命、財産を守るために区政が正常に機能しているのかどうか、いささか疑わしく思うことがあります。実例を示してみましょう。
 今月初旬、ある医院から私に相談がありました。来院した外来患者が末期の大腸がんの様相を示しており、本人が帰った後の待合室のいすは血だらけだったと。痔だと主張されたご本人に再三入院を勧めても馬耳東風、されとて民間の医師に強制力はない、区役所で何とかしてさしあげられないものかとの相談でした。早速、所管行政センターの地域福祉課長に事情を説明して対応を依頼したところ、びっくりする回答が戻ってきたのです。これは個人情報保護法に抵触するおそれがあるので、医師から依頼をしてほしい。あきれた私は、自分で処理するから地元の民生委員の電話を教えろと迫ったところ、やっと処理を約束してくれたのです。実際には、形式的に区役所の担当が医師に電話をして確認した上で対処したということにしたのです。結果、大田区の保健師の説得により、その日のうちにこの方は入院することができたのです。
 このような人の生命、身体、財産の保護につき必要がある場合には、個人情報の保護に関する法律第16条3において除外規定を設けているのです。
 最近、何でもかんでも伝家の宝刀のように個人情報という言葉が乱用されているように感じるのは私だけではないはずです。以前、直木賞作家が知人の結婚式に祝電を打つためにフルネームを確認しようとホテルに電話をしたところ、個人情報だと拒否された話が新聞紙上で話題になったことがあります。身近なところでは、学校の緊急連絡網や病院受付での名前の呼び出しの中止など、過剰な対応が見受けられます。
 また、今、松原区長が積極的に推進されている地域力を発揮する場合にも、個人情報保護が立ちふさがっています。市民防災組織や町会が区や民生委員さんに独居老人の住まいなどの情報提供を依頼しても、第三者への提供禁止を盾に断られてしまい、そのデータ収集に大変な苦労をされています。個人情報保護法は、本来、情報取扱業者のモラルを保ち、より豊かな情報社会を実現するのが趣旨であったものが、法施行後の2年間、個人情報保護の意味を拡大解釈して、情報公開を拒む行政や大企業、ひたすらプライバシーばかりを要求する個人といったおかしな社会構造を生み出してしまったのではないでしょうか。これらの例を踏まえて、過剰な個人情報保護につき、大田区としてのお考えをお示しください。
 次に、区における危機管理についてお尋ねいたします。
 いささか旧聞になってしまいましたが、台風9号来襲時に、区長、副区長、危機管理担当部長が伊豆長岡温泉に宿泊して帰京しなかったことが報道されました。お三方とも就任直後のことでもあり、また、区に残留した別の副区長が災害出動の指揮をとっていたということで、二度とこのようなことがないようにと決算特別委員会においてお願いしたのでした。
 ところが、去る11月22日、3連休の前日の木曜日、私は開示文書をいただきに区民生活課をお訪ねいたしました。すると担当者が、「課長がいないので決裁できません」とおっしゃる。前日に確認したらその日にできると言われたと食い下がりました。では、庶務担当係長が代理で決裁できるだろうと迫れば、庶務担当の筆頭係長も休暇だとのことでした。では、その上司である区民生活部長はどうなんだと伺うと、申しわけなさそうに「代休です」と告げられました。
 私は、管理職が4連休を取得することに苦情を申し上げるつもりはありません。日ごろ精いっぱい公務に尽くされ、休みを取得することは健康上も、また家族関係においてもとても重要なことであると思っております。
 しかし、危機管理担当部長を兼ねる部長、そして区民と最も近い存在である特別出張所を束ねる区民生活課長、その課の筆頭係長がすべてお休みで、決裁文書が決裁できない状態というのはいかがなものでありましょうか。早速、危機管理担当課長たる防災課長にこの状況を説明しましたところ、「たまたまでしょう」との答えが返ってきました。様々な事故、災害は、このたまたまが重なって発生することが多いのは歴史が証明しております。だからこそ、たまたまがないように日ごろから訓練を積み重ねているのではないでしょうか。所属ラインの管理職すべてがいない、このたまたまは見過ごすことのできない重大問題と考えておりますが、区長はどのように感じられますでしょうか。また、大田区職員の危機管理意識につき、どのように啓発されていこうとお考えなのか、お示しください。
 次に、区営保養所についてお伺いいたします。
 大田区には、直営の保養所が伊豆高原荘と休養村とうぶの2軒ございます。平成18年度のこれら施設の収支、利用率などを見てみますと、伊豆高原荘が宿泊人員ベースでの利用率が35%、収支では1億3242万5000円の持ち出し、休養村とうぶが宿泊人員ベースで利用率42%、持ち出し1億4627万円余りとなります。このことは、伊豆高原荘に1泊すると1人9000円余り、とうぶでは4800円を税金で賄っていることになるのです。
 昨今、各地の宿泊施設は激安サービス競争の嵐であります。例えば、1人当たり9000円もの税負担をしている伊豆高原荘など、それだけで民間宿泊施設に泊まれる金額であります。とうぶについては、あれだけ立派な施設でありながら、その接客態度は民宿以下という内容で、幾ら接遇が悪くても、利用率が低くても、大田区が東御市の第三セクターに2億円を超える規定の委託費を支払う現状では、受け入れ側職員のモチベーションも上がらないのではないでしょうか。現状の仕組みとは反対に、委託先から施設使用料を徴収して、宿泊料はすべて差し上げるぐらいの抜本的な改革が求められると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、休養村とうぶの区民、区外の利用について調べてみました。すると、何と大田区民以外の利用が51%にも上っているのです。さらに驚くべきことに、残りの49%の利用人数にカウントされている大田区民の中には、実は大田区外の人も含まれていることが明らかになりました。つまり、代表者が区民であれば、同行者が区民以外でも区民とカウントされる仕組みなのです。
 ここに、11月17日土曜日に宿泊したある団体宿泊客の名簿を情報開示したものがあります。個人名、詳細な住所は黒く塗りつぶされておりますが、とても奇妙な名簿です。この団体は、8月6日に新蒲田に居住するKさんが代表者として休養村とうぶに予約を申し込みしました。区民は区外の方に先駆けて予約ができる制度を利用しています。さらには、団体としての使用料の減免申請まで行っております。ところが、一番上のKさんが大田区と書いてありますが、この方以外の住所はすべて横浜市なのです。つまり、28人の区内利用とされている宿泊者のうち、Kさん以外の残り27人は横浜市民でありながら大田区民としてカウントされてしまうのです。
 さらに問題なのは、このようなえせ区内団体の早期予約により、純粋な区内団体が宿泊できなくなってしまうことです。この日、この区外団体は本館に泊まり、一つしかない和式宴会場を使用しました。別のある区内団体は、本館が満室で宿泊できず、離れた別棟に宿泊し、宴会は本館のレストランで行いました。この区内団体の方々は、混んでいるのだから仕方ないなと思っていましたが、翌朝びっくりしたのです。何と、本館玄関前で記念写真を撮影するこの人々が掲げた大きなのぼりには、「日本共産党緑区後援会」とあるではありませんか。横浜ナンバーの大型バスにも同様な名前が書かれていました。Kさんのお宅を訪問するとお留守でしたが、日本共産党の大田区議会議員の事務所看板が掲げられていました。
 果たして、このような団体利用は適正なのでありましょうか。区民感情としては到底理解できない行為であると思われます。空室のある平日などに区外の方が利用していただくのは大歓迎ですが、このような行為は問題です。どう思われるか、ご所見と今後の改善策をお示しください。
 次に、大田区産業実態調査についてお尋ねをいたします。
 これは、新区長のもと、大田区の事業者が何を求め、何に課題を抱えているのかを精査するものとの説明でした。調査委託費は1377万3400円、区内の2000社を訪問して聞き取り調査をせよとの契約の仕様書でした。私が経営する会社にもいつ来るのかととても楽しみにしておりましたら、このような封筒で調査票が郵送されてまいりました。そして後日、調査員が訪問するとありましたので、これまた期待して待っておりましたら、たまたま不在時に来られたようで、不在訪問票がポストに入っておりました。そこで、記載されていた調査員の携帯電話に連絡すると、「ドアにこの封筒に入れて張っておいてください」との返事でした。私が「面談調査じゃないの」と聞くと、「いえ、書いていないところを聞くだけですから」と言われました。委託業者の本社に電話しても、「聞き取りは要りませんから」と年配の女性従業員さんが応じました。果たして、仕様書に書かれていた訪問による聞き取り調査方式で契約したこの調査は有効なのでしょうか。また、調査票の内容も極めて粗く、この程度のことを産業経済部は知らなかったのかと首をかしげてしまいました。
 次に、再三お伺いしている大森北一丁目開発についてお伺いいたします。
 ここに、インターネットから取り出した業者募集要項があります。これによれば、高さも決められ、区の施設の配置も決め、駐車場台数も96台と詳細に決められ、さらには、参考図として示した建築計画図をコピーして提案しろというご丁寧なただし書きには、悪い冗談かと笑わせていただきました。なぜ、民間の自由な発想をここまでがちがちに固定してしまうのでしょうか。これでは、単に区有の土地を事業者に50年間安く賃貸し、区の指定した仕様の建物を建築し、区が使う残余の部分のテナントをあっせんしてくれという提案にしか思えないのですが、どのようにして自由な発想を期待しているのでしょうか、お伺いをいたします。
 また、風聞によれば、既にプロポーザルによる業者は、あるゼネコンと商社グループに決定していると聞きますが、よもやそのようなことはないと信じておりますが、念のため確認しておきたいと思います。さらには、税金と区有の土地をおまけにつけて取得した一等地を、貸しビル業者に50年間貸し付け商売をさせるという構図に、庁内で異論を唱える賢者は存在しなかったのでしょうか。
 この土地は、大森地区全体の面での開発計画を策定する中での大きな種地として考えるべきで、現在の計画は、公共公用としてはその占有部分が余りにも少なく、また、民間活力と呼ぶには余りにもすべてが決定され過ぎている中途半端なものであり、双方向から再検討の余地があると考えますが、いかがでしょうか。
 教育問題につき伺います。
 昨今、教員の資質についての議論が盛んになってまいりました。本区でも過去に問題行動を起こし処分された教員が、実は人事評価上は問題なしとして他区市町から当区に転入してくる事例が多く存在しています。また、大田区で問題を起こしながら、他自治体に転出して、何食わぬ顔で教壇に立っている事例もあります。大田区だけがよい教員を得るというのはエゴかもしれませんが、区の教育を担当する教育委員会には、おかしな教員は大田区に絶対に転入させないという毅然とした態度が望まれます。そもそも採用段階で排除すべきことですが、既に採用してしまった教員は解雇するわけにはいかないでしょう。対処法などお考えを伺います。
 日常生活において、何らかの問題行動を起こす児童生徒の後ろには、必ずと言ってよいほど問題のある親や家庭が存在するのは教育関係者の共通認識であろうと思われます。
 問題なのは、問題ある家庭や問題ある親たちはそのことに気づかず、この子供たちの問題行動にのみ目を向けてしまいがちです。また、学校もなかなか家庭の問題にまで入りにくいということもあります。誤解されないよう申し上げておきますが、私は父子家庭で育ち、このように立派に成長しましたので、問題家庭とは、決してひとり親家庭を指しているのではありません。子供にとって最高かつ最長の教育の場は家庭であります。このみずからが気づかない問題を秘めている家庭や親に「気づき」を与える、親学を行う場を身近な場所につくる必要を痛感しておりますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
 次に、全国学力検査の結果について質問いたします。
 私は、過日、本検査の大田区の全国平均点との差異や順位、区内学校間偏差などを公文書開示請求いたしましたが、いずれも非開示決定通知をいただきました。理由は、学校の序列化や過度な競争が生じることが強く懸念され、学校の正常な教育活動に支障を来すためだそうであります。果たしてそうでしょうか。みずからの自治体の教育サービスの実態が全国的に見てどうなのか、東京都ではどうなのかは、そのサービスを受ける者として大きな関心事であろうと思われます。同じような予算をかけて、同じ人数の教員が教育をしてなぜ差が生じるのか、学校現場にも緊張感を持っていただくためにも開示は必要であると考えます。中学校卒業まで過度な序列化反対と叫んでいても、高校に進学した途端に生徒たちは過度な序列化の激風にさらされます。世の中の仕組みが結果の平等になっていない以上、過度な保護意識は児童生徒の成長にとってマイナスにしかならないでしょう。
 さらには、私は、教員の担任ごとの平均点を人事記録に記録すべきだとも思っています。私は、数学が大の苦手です。これは小学校時代の算数のS先生が嫌いだったからと信じています。逆に、読書や作文が大好きになったのは、同様に小学校のT先生、高等学校のM先生などの影響であると思っています。このように、教員の指導力や素養は、卒業後30年以上たってもその教え子の中に営々と培われてくるほど重要なものなのであります。だからこそ、その重要な役割を担う教員の皆さんに、井の中のカワズにならないよう、みずからの指導力、教育力の成果を学校単位で、都道府県単位で、さらには国レベルで確認をする必要があると思うのです。もちろん、この評価を給与や昇任に利用できればよいのでしょうが、教員組合などの反発もあるでしょうから、当面はご自身の自己啓発の材料にしていただければよいと思います。今後の検査結果の公開に対するお考えと、教員ごとの平均点の自己開示についてお考えを伺います。
 最後に、いささか代表質問としてはふさわしくないことを承知でお伺いしたいことがあります。
 ここ数年、東六郷二丁目町会の町会会館や町会長、町会役員、周辺住民、私などを誹謗中傷する事実無根のビラがSさんという方により大量に配布されております。当初は当該町会だけだったものが、最近では区内すべての町会長宅や他地域、各議員にも配布されるようになりました。当初は気にもとめなかった町会の方々も、この常軌を逸した内容と行動に、東京地方裁判所に提訴をいたしました。
 そこで、最近のチラシ内容のうち、大田区行政がかかわっている部分につき、念のため確認をしておきたいと思います。第10弾と記されたこのチラシには次のようにあります。
 東六郷二丁目町会のK会長が、役所のご指導で首になった。9月13日、14日の大田区議会本会議で、私が―私がというのはSさんです。―私が提出した52枚の資料により、犬伏議員が49名の議員からつるし上げに遭い、犬伏議員が罷免されるか、K会長を首にするか問われた結果、犬伏議員はK氏を首にすることを決め、議員の皆様と区長に報告した。この町会会館は欠陥会館である。
 区長にお伺いいたします。東六郷二丁目町会会長につき、大田区長やその他の部署が首にせよとのご指導をされたことはあるのでしょうか。また、9月13日、14日の本会議には区長も出席されていたと思いますが、私が他49名の議員からつるし上げられたり、町会長の首と罷免を選択させられたというような場面があったでしょうか。
 まちづくり推進部長にお尋ねいたします。東六郷二丁目町会会館は、このチラシにあるような欠陥会館なのでしょうか。一昨日には、このような常軌を逸した行動に対し、その正義感と労力に共感するとの応援メッセージを議会控室のファクスから送信した大田区議会議員がいるとのチラシが地域にまかれたのは、町会の皆様一同の驚きでもあり、万が一そのような議員がいるとしたら、まことに事実誤認も甚だしい、遺憾で迷惑な行為であります。
 区内には68万人余りの人々が暮らしています。そこには68万通りの人生が存在し、価値観も多様なものがあります。対立も生まれるでしょう。その多くの人々の様々な価値観、思いの共通項を見出し、具現していくのが行政の立場であると思っています。
 現在、大田区基本構想審議会が開催され、未来の大田区の姿を真摯に検討、討議されていると聞きます。夢のある構想が提言されるものと期待しております。新たな区長のもと、区民の思いと乖離しない区政、お役所の目線と区民の目線、常にその相違をチェックしながら進む区政を望み、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○永井 議長 理事者の答弁を求めます。
◎松原 区長 犬伏秀一議員の代表質問にお答えさせていただきたいと思います。
 まず、個人情報の保護が行き過ぎているのではないかとのご質問でございますが、個人情報保護法の趣旨の誤解から、地域における緊急連絡網の作成ができなくなるなど、定め以上に個人情報の提供を控えてしまう過剰反応があることについては、国でも問題としております。区では、大田区個人情報保護条例に基づいて、個人情報を適正に管理しつつ、災害など緊急時の適切な活用等も検討してまいります。
 次に、調査自体の信憑性、契約履行についてのご質問でございますけれども、今回の調査では、区内製造業及び非製造業、各1000社に調査票を郵送しまして、原則として調査員が事前に各事業所と連絡をとってから訪問し、面接を行う方法により調査を実施いたしました。しかしながら、なかなか連絡がとれない事業所や、調査に協力いただけなかった事業所もありまして、やむを得ず面接、確認ができずに回収したものも一部ございましたが、調査は適切に行われたものと認識しております。
 現在、調査結果を分析しておりますが、最終的には、有効回答数は1517件、回収率は76.0%でございました。この結果をもとに課題を整理して、既存施策の見直し、新たな産業施策の立案に活用してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、(仮称)大森北一丁目開発の募集要項に関するご質問でございますけれども、今ご指摘の図面については、あくまでも参考として提示させていただいたもので、これにこだわることなく、よりよい建築計画が提案されるよう事業者に伝えてまいります。また、事業者の決定については、今後、外部有識者等から成る選定委員会を設け、事業者の選定作業を厳正に行ってまいります。
 次に、税金で一等地を購入し、貸しビル業者に50年間恩恵を与えるこの事業にだれも異を唱えないのかという質問でございますが、今回の定期借地権制度を利用しますと、建設の初期コストの削減、事業者が建物の維持管理・運営するための維持管理コストの低減が図れるなどのメリットがあります。財産管理につきましても、契約期間終了後、区の財産である土地が確実に返還されます。さらに、民間活力を利用し、にぎわい機能の導入を図るものであり、最適な事業方法として判断をいたしたところでございます。
 点の民間活力ではない、大森の面の開発計画を立案しとのご質問でございますが、まず、この開発がまちづくりの拠点としてふさわしいものになるように、しっかりとした取り組みを行ってまいります。大森の面的な開発計画につきましては、大田区の基本計画等を踏まえながら検討を進めてまいります。
 また、公共公用部分を増やすべきとの質問でございますけれども、特別出張所、図書館、自転車駐輪場等の必要な公共施設については確保しておりまして、現在の計画で進めたいと考えているところでございます。
 以下の質問については、それぞれの理事者から答弁をさせていただきます。
◎遠藤 区民生活部長 それでは、私にかかわる部分がございますので、区長の考えということでございますが、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。
 11月22日に決裁文書が決裁できなかったことについてのご質問でございます。今回の議員からの公文書の開示請求に対しましては、執行体制につきまして不十分な点がございまして、適切、迅速に対応できなかった点は、今後、このようなことがないよう、職員管理、日常業務の執行体制の点検、強化を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 危機管理についてでございますけれども、区の危機管理基本マニュアルを策定してございまして、それに基づきまして体制を整えているところでございます。今回の議員の開示請求の処理につきましては、危機管理というより、日常業務を適切かつ迅速に対応処理していくことが必要な日常の体制の中での処理の問題でございます。区民サービスの低下をもたらさないよう、その体制の強化、確立を進めていくことが必要だということで、そのようなことで指導を深めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 なお、つけ加えさせていただきますけれども、当日は、私は午後から休ませていただきましたが、私も区民生活課長も、次の次の土曜日、日曜日は青少年対策の公務がございまして出張してございまして、3連休どころか、4連休どころか、お休みはとれないという状況でございました。
 続きまして、伊豆高原と休養村とうぶの運営についてのご質問でございます。伊豆高原は、ご案内のように老朽化が進んでございます。区長からの答弁にありますように、建て替えの検討の時期に入るというふうに認識をしているところでございます。運用方針につきましても検討していくことが必要だろうというふうに考えてございます。
 一方、休養村とうぶでございますが、校外施設と区民保養施設の二つの機能を有してございまして、学校利用を優先的に行っている施設でございます。また、区民の保養施設として、区民の皆様が日ごろの疲れを癒すための施設でもありまして、区民の皆様に気楽に使っていただくという必要もございます。そのために、採算ベースで集客ができない側面もあろうかと思っております。そういう意味で、いずれにいたしましても、税金を使っての運営でございますので、今後とも、最少の経費で最大の効果が発揮できますよう、議員がご提案をしていただいている内容も含めまして、検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 続きまして、保養施設利用の際の団体についてのご質問でございます。保養施設の利用の際に、区内の団体は優先予約ができる仕組みになってございます。それでは、区内の団体とは何かということでございますが、15人以上の団体で、その団体の所在地が区内にある、または代表者が区内に在住、在勤、在学していれば区内団体であるという扱いをしてございます。今回の利用もその扱いで、区内団体としての扱いをしてきたところでございます。横浜市民だけれども、大田区に在勤しているという方もおられるかもしれません。
 いずれにいたしましても、大切な税金での運営でございます。一定の利用率を保ち歳入を確保することと、区民の優先利用とのバランスを図っていくということも必要でございます。今後は、代表者だけが在住、在勤、在学であるような利用形態を区内団体として扱うことが妥当なのかどうか、そのようなことのあり方も含めまして検討していきたいというふうに考えてございます。
 私からの答弁は最後になりますが、自治・町会運営についてのご質問でございますけれども、自治・町会は地域を包括している団体と認識してございます。自治・町会は自立をして地域社会の創造と発展を進めている組織だと考えております。したがいまして、自治・町会運営について、区があれこれ口を挟むようなことは一切ございません。
 以上でございます。
◎石田 まちづくり推進部長 私の方のご指名でしたので、東六郷二丁目会館に関する欠陥会館かというお話でしたが、この会館は平成15年8月4日に建築確認の交付を受けております。欠陥の内容が構造上のお話になっておりますので、構造上のお話をさせていただきますが、構造上の欠陥につきましては、配筋状況を確認した上で適正と判断しておりますので、平成16年2月10日に検査済証を交付しております。
 以上です。
◎根本 大田南地域行政センター長 私どものセンターの対応について、過剰な個人情報保護ではないかとのご質問でございますが、生命の安全の確保の観点から緊急に対応が必要である場合には、適切に対応しなければならないものと認識をしております。
 ご質問の事例につきまして、私どもは医師からご本人に区の職員が訪問することを伝えていただきたいと、これをお願いいたしたわけでございますが、これは医師が正当な理由なく、業務上知り得た秘密を漏らしたときは刑法に抵触するおそれがある、これがまず第1点でございます。また、個人情報保護法第16条の規定に基づく例外的規定、先ほどご指摘がございましたけれども、これにつきましても、本人の同意を得ることが困難な場合などとの条件がついてございます。このため、医師が本人に電話をして、区の職員が訪問することに同意していただければ正当な理由に該当し、刑法上の問題がクリアできます。また、不同意の場合でも、個人情報保護法の例外規定の本人の同意を得ることが困難との条件をある程度クリアできることになります。医師と同様、区役所においても強制力がない事例でございますので、医師から本人に電話をしていただければ、ある程度法令上の問題を心配することなく対応できると判断したものであり、区としての個人情報の取り扱いの問題ではなく、医師としての個人情報の取り扱いについての懸念から、そのようにお願いをしたものでございます。
 以上でございます。
◎細島 教育長 私から、教育関係3点にわたりご質問がございましたので、順次お答えを申し上げます。
 まず、指導力のない教員は絶対に大田区には入れない対処法をというような趣旨のご質問でございました。あえて言うまでもないかと思いますが、教員の人事権、これは都の人事異動制度のもとにあるわけでありまして、大田区の考え方だけで異動を実施することは当然できないわけであります。ご承知の上でご質問いただいたのかと思いますが。教員の指導力に課題がある場合、今までもそうでございましたが、学校と区教委が連携いたしまして、大事な教育に影響が出ないよう、適切に指導していかなくてはいけないということであると思います。
 さて、2点目でございますが、親自身の学びの場をつくるべきではないかというご趣旨のご質問がございました。現在実施されているその趣旨の関連事業でございますが、例えば、こども育成部では、区内の児童館におきまして、今年度、子育て講座を49回実施するとともに、常時、子ども家庭支援センターとともに子育て相談を行っている、これもそのうちに入ります。また、私どもの幼児教育センターでございますが、そこでは幼児の保護者向けに家庭教育支援講座を実施いたしております。
 それから、私は先日出席をいたしましたが、私立幼稚園連合会でも保護者向けに、子育てに有効な情報を提供するような講座を実施しております。そういったこともあります。
 また、社会教育関係の事業といたしましては、家庭・地域教育力向上事業として、PTAを含めた45団体が親子のかかわり、家庭のあり方などの講習会や学習会を開催いたしております。
 学校におきましても、保護者会あるいは個人面談等でそういった機会を設定しております。大切な場だと思いますので、さらなる充実を図ってまいります。
 最後の質問でございますが、学力調査の公開、それと教員ごとの平均点の自己開示というようなご質問がございました。これは、文部科学省は既に公表している情報以外は開示しない方針でありまして、本調査の実施要領にも、市町村教育委員会は、域内の学校の状況について、個々の学校名を明らかにした公表は行わないことが定められております。
 大田区におきましては、本区の児童生徒の学習状況を把握、分析することによって授業改善につなげ、子供たち一人ひとりの学力の向上を図ることを目的といたしております。したがいまして、数字のみに着目した大田区のポジションを公表する考えはありません。また、区内の学校間偏差の公開は考えておりません。また、教員ごとの平均点の自己開示につきましては、調査の目的と異なりますので、これも考えはございません。
 なお、現在行われている授業改善、学力向上の取り組みにつきましては、説明責任を果たすために、2月に「おおたの教育」臨時号の特集号を出します。そこで保護者にお知らせする、その準備を進めているところでございます。
 以上です。
○永井 議長 本日はこの程度をもって質問を打ち切り延会とし、明11月29日午前10時より会議を開き、質問を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
                  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永井 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。
 本日はこれをもって延会といたします。
                      午後5時30分延会