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東京都 目黒区

平成19年第1回臨時会(第2日 1月25日)




平成19年第1回臨時会(第2日 1月25日)





 





   平成十九年第一回臨時会


            目黒区議会会議録


  〇 第 二 日





一 日時 平成十九年一月二十五日 午後一時





一 場所 目黒区議会議場





一 出席議員(二十八名)


          一  番  戸  沢  二  郎


          二  番  工  藤  はる代


          三  番  栗  山  よしじ


          四  番  いその   弘  三


          五  番  坂  本  史  子


          六  番  佐久間   やす子


          七  番  須  藤  甚一郎


          八  番  増  田  宜  男


          九  番  石  川  恭  子


          十  番  橋  本  欣  一


          十一 番  伊  藤  よしあき


          十二 番  今  井  れい子


          十三 番  安  久  美与子


          十七 番  岩  崎  ふみひろ


          十八 番  森     美  彦


          十九 番  高  品  吉  伸


          二十 番  雨  宮  正  弘


          二十一番  つちや   克  彦


          二十二番  鴨志田   リ  エ


          二十五番  沢  井  正  代


          二十六番  野  沢  まり子


          二十八番  石  山  京  秀


          二十九番  青  木  早  苗


          三十 番  つづき   秀  行


          三十三番  宮  沢  信  男


          三十四番  二ノ宮   啓  吉


          三十五番  木  村  洋  子


          三十六番  下  岡  こうじ





一 出席説明員


       区      長      青  木  英  二


       助      役      佐々木   一  男


       収入役           安  田  直  史


       企画経営部長        粟  田     彰


       区長室長          武  藤  仙  令


       財政部長          齋  藤     薫


       総務部長          横  田  俊  文


       区民生活部長        伊  藤  良  一


       産業経済部長        渋  谷  幸  男


       健康福祉部長        加  藤  芳  照


       健康推進部長(保健所長)  伊  藤  史  子


       子育て支援部長       武  藤  幸  子


       都市整備部長        鈴  木     勝


       街づくり推進部長      岡  田     博


       環境清掃部長        宮  本  次  男


       総務課長          大  平     勝


        ――――――――――――――――――――


       教育長           大  塩  晃  雄


       教育次長・生涯学習推進担当 小笠原   行  伸


        ────────────────


       選挙管理委員会事務局長   安  井     修


        ────────────────


       常勤監査委員        大  竹     勲


       監査事務局長        清  野  久  利





一 区議会事務局


       局     長       浅  沼  裕  行


       次     長       千  葉     登


       議事・調査係長       星  野  俊  子


       議事・調査係長       南  沢  新  二


       議事・調査係長       田  渕  明  美


       議事・調査係長       星  野     正


       議事・調査係長       坂  爪  孝  行


       主     査       齊  藤  和  子





 第一回目黒区議会臨時会議事日程 第二号


        平成十九年一月二十五日 午後一時開議





日程第一   議案第一号 目黒区無防備平和条例





〇午後一時開議





○二ノ宮啓吉議長  これより本日の会議を開きます。





  ◎会議録署名議員の指名





○二ノ宮啓吉議長  まず、会議録署名議員を定めます。


  五  番  坂 本 史 子 議員


  二十五番  沢 井 正 代 議員


 にお願いいたします。


 本日は写真撮影の申し出があります。傍聴規則第十条の規定に基づき承認しますので、御報告いたします。なお、フラッシュの撮影は御遠慮願います。


 これより日程に入ります。


 日程第一、議案第一号を議題といたします。





 ――――――――〇――――――――





 ◎議案第一号 目黒区無防備平和条例





○二ノ宮啓吉議長  本案に関し、条例制定請求代表者から意見を述べていただきます。安藤由貴子氏、丸田潔氏に入場していただきます。





   〔条例制定請求代表者入場〕





○二ノ宮啓吉議長  初めに、安藤由貴子氏から意見を述べていただきます。





   〔安藤由貴子氏登壇〕





○安藤由貴子氏  本日は意見陳述をさせていただき、ありがとうございます。私は目黒一丁目に在住しております安藤由貴子と申します。


 平和の問題は有識者の方たちだけにお任せすることなく、男も女も若者も高齢者も皆で考えなければならないと、この運動に参加いたしました。請求代表者となりました。


 私は一九三二年生まれで、終戦のときは高等女学校二年生でした。朝鮮から引き揚げ、真っ暗な貨車で運ばれ、トイレに行くこともままならず、極寒の街路樹の下で数日を過ごし、やっと船で日本海側の緑の多い日本の島の湾に着いたときは全員で号泣したことは今も忘れません。戦後、食べるものもなく、やせ細って苦労しましたが、この年まで生きてこられたのは戦争放棄をした日本国憲法のおかげです。そして、日本のよいところも悪いところも見てまいりました。


 二十年前より九州に本部のあるペシャワール会の会員となり、代表・中村哲医師を中心に一九九八年、ペシャワールに病院を設立し、アフガニスタン山岳地帯に診療所をつくり活動してきましたが、二〇〇一年十月のアメリカ軍のテロ撲滅を理由としたアフガニスタン侵攻以降は復興支援のための活動支援を行うようになり、現在も継続しております。


 昨年、アフガニスタンへ陸路カイバル峠を越えて入国する機会があり、現地を目の当たりに見て回り、戦争のときの話を村の人に聞きました。村全体が戦火に覆われ、金持ちは難民として国外に避難しましたが、難民にもなれない人々は山の奥に逃げ、放置され、救助されることもなく亡くなったと聞きました。アメリカ軍はピンポイント爆弾と称してテロリスト掃討作戦を展開しましたが、多くの罪もない民衆の命が奪われました。平和の時にイラン・イラクを訪れ親切にしていただいた人々、かわいい子どもたちは今どんな思いをしているのでしょうか。あのバビロンの都も崩壊し、身につまされる思いです。


 話は変わりますが、私の広島の友達は被爆者です。そのため、次世代の子どもや孫への影響を思い、生涯独身を通した人が多かったのです。二十一世紀の戦争は昔のようなものではありません。核を持つ国は抑止力のためだと言いますが、一たん戦争になれば仕掛けた方も仕掛けられた方も核戦争となり、人類は消滅し、地球は破壊されることでしょう。私は自分の戦争体験から、子どもや孫に迷うことなく平和の実現を受け継いでもらうためにも、平和の礎を整えておかなければならないと思いました。


 世の中、政治も経済も法律も、そして教育も、すべて人の心と人の生命を度外視して成り立つものでありません。庶民はなすすべがないのでしょうか。いいえ、自分の住むまちに無防備平和条例をつくるという方法があるのです。多くの方から署名をいただいているとき、自分の地域だけ条例をつくってどうなるものかという御質問がありました。そのとき、「これは日本国じゅうに広げる運動です。日本国憲法にうたわれている非戦の誓いを自分の住むまちから実現していくことが大切なのではないでしょうか。区政は区民にとって一番身近なもので、自治体は区民の意思をサポートしていくことができるシステムなのですよ」とお答えしました。


 目黒区は平和宣言を発信し継続していることは立派なことです。これを今、条例にし、しっかりと区民の生命及び財産を守ることを求められています。直接請求は署名する側が身分を明確にすることで、選挙で一票を投じることと同様の力を持っていますから、区民の平和への意思である証明と切なる願いのあらわれです。


 先般、目黒区議会は政務調査費問題で全国にマスコミ報道されました。調査費の使途について、余りにも非常識な領収書が公開され、区民の一人としては恥ずかしい思いをしています。今、この汚名を返上するとともに、無防備平和条例を全国に先駆けて実現し、平和行政の模範となるよう尽力をされることを議員の皆様に訴え、区民が平和で安心して生活できるように条例を実現していただきたいと思います。


 ありがとうございました。(拍手)





○二ノ宮啓吉議長  安藤由貴子氏の意見陳述を終わります。


 次に丸田潔氏から意見を述べていただきます。





   〔丸田潔氏登壇〕





○丸田潔氏  こんにちは。目黒本町の丸田潔と申します。本日は意見を述べる機会を与えていただきありがとうございます。


 私、一九八六年から目黒区に在住し、ことしで二十一年目になります。私の祖父母は私の生まれる前に亡くなりましたが、生前、短期間でしたが中根町、今の八雲ですが、中根町に在住していました。現在、祖父母とも八雲一丁目の東光寺に眠っております。


 私ごとで恐縮ですが、祖父・丸田幸治は新潟県長岡市出身で、海軍の軍医でした。軍医としては出世した人で、海軍第二艦隊の軍医長や築地の軍医学校、今の国立がんセンターになっていますけれども、そこの教官を務め、同郷の山本五十六とも親交があったと聞いています。一九四四年十月、私のおじ丸田吉人はフィリピン沖海戦で戦死いたしました。おじは祖父と同じ海軍の軍医で、祖父は戦死したおじを長男として最も頼りにしていました。長男を失った祖父母のショックは大きく、その知らせを聞いて間もなく祖母は肺炎にかかり、一九四五年五月に亡くなりました。祖父も一九四五年八月二十八日、終戦から十日足らずで祖母の後を追うように亡くなりました。


 父は十九歳のときに学徒出陣で海軍に入隊、主に内地勤務で終戦時には呉の警備隊に所属しておりました。八月六日、広島に原爆が投下されましたが、父はその直後から広島市内に入り、連日救援活動に駆り出されたと聞いています。父は戦後、会社員として元気に働いていましたが、五十六歳でがんを発病、三年間の闘病生活の末、一九八四年に五十九歳で亡くなりました。多発性骨髄腫というがんで、直接被爆したわけではありませんが、広島・長崎の被爆者に特に多いがんと言われています。八月六日から間もない時期に広島に入って活動したことが原因かもしれません。


 このように、戦争は私の祖父母、父親の生涯に大きな影を投げかけています。もちろん私の例は決して珍しいものではなく、もっと悲惨な経験、御苦労をされた目黒区民も多いと思います。戦争の被害者としての祖父母や父について申し上げましたが、日本の近代の歴史の中で朝鮮半島の植民地支配や中国侵略によって多くのアジアの人々の命が奪われたことも忘れてはなりません。日本はみずから経験した戦争の惨禍と、原因となった戦前の政治体制の反省から、教育基本法と日本国憲法を制定し、今日に至っています。


 しかし、近年、日本国憲法が危機に瀕しています。安倍政権は日本国憲法を擁護するどころか、教育基本法を改悪し新憲法制定を公言し、今通常国会で新憲法制定の手続法を成立させたいと意気込んでいます。小泉前首相は二〇〇三年三月のイラク戦争開戦に当たり、アメリカ軍の武力行使に支持を表明しました。憲法九条を持つ国の首相としてあるまじきことで、大変恐ろしいことです。しかも自衛隊をイラクに派兵し、今も航空自衛隊がアメリカ軍の後方支援活動を行っています。この国では、もはや憲法はじゅうりんされ、法の支配は地に落ちかかっています。私は、日本の政治指導者や地方議員の皆様方が憲法前文にある「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」という、日本の戦後政治の原点に返って日本国憲法や国際人道法の理想を追求してくださることを切に願います。国の政治がこのようなありさまでは、目黒区民は安心して暮らすことができません。


 さて、目黒区無防備平和条例案は青木英二目黒区長の意見書でまとめられているように、目黒区が区民の平和と安全を保障する責務を明確にすること目的として、区民の平和的生存権、平和維持のための予防措置、非核政策、無防備地区、平和行政の推進及び平和予算の計上について制定しようとするものです。その中心となる事項として、ジュネーブ諸条約追加第一議定書の第五十九条、無防備地区の規定を実効あるものにするための施策・事務を定め、目黒区を無防備地域として宣言することを求めています。ジュネーブ諸条約追加第一議定書には、この宣言を「紛争当事者の適当な当局が宣言する」と書かれていますが、青木区長は意見書の中で、「こうした宣言というものは日本におきましては国において行われるべきものであり、地方公共団体が行うべきことではない」また、「特定の都市が無防備地区の宣言をしたとしても、それは条約において想定されている宣言には当たらない」という国の見解を示しつつ、「普通地方公共団体はその権限に属する事務に関して条例を制定することができる旨定められている地方自治法第十四条第一項の規定に抵触することになるため」と本条例案に反対を表明しております。地方自治法第十四条第一項には、「普通地方公共団体は法令に違反しない限りにおいて条例を制定できる」とあります。意見書の国の見解ではどの法令に抵触するのかが示されていませんが、具体的には武力攻撃事態法や国民保護法に抵触するのではないかと考えられます。武力攻撃事態法は自衛隊が武力行使することを認める内容を含み、憲法九条や前文に抵触することは明らかで、憲法上正当かどうか非常に疑わしい法律です。武力攻撃事態法第五条、地方公共団体の責務には、「地方公共団体は、当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、国及び他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する」とあります。また第七条には、「武力攻撃事態等への対処の性格にかんがみ、国においては武力攻撃事態等への対処に関する主要な役割を担い、地方公共団体においては武力攻撃事態等における当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産の保護に関して国の方針に基づく措置の実施その他適切な役割を担うことを基本とするものとする」とあります。五条の「必要な措置」や七条の「国の方針に基づく措置の実施その他適切な役割」が具体的にどのような内容なのか明らかにされていませんが、この措置や役割が日本国憲法や国際人道法などの国際条約を誠実に守ることが前提とされなければならないのは当然で、ジュネーブ諸条約追加第一議定書に基づく本条例案と矛盾するものではありません。


 さらに政府見解は、無防備地区が国において行われるべきものとしていますが、追加議定書の公式な注釈書である赤十字国際委員会のコメンタール、パラグラフ2283でも、「宣言主体について、一般には政府であるが、状況によっては地方の軍司令官や町長、市長、知事といった地方行政当局から宣言されることがあり得る」と解釈されています。この内容が正しければ、無防備平和条例は自治体でも制定を妨げるものではないことになります。


 現代の戦争は、かつてとは比べ物にならないほど残酷で巨大な破壊力を持つ兵器で戦われます。劣化ウラン弾がイラクの子どもたちのみならずアメリカの帰還兵にも大きな健康被害をもたらしていることを見ても、現代の戦争に勝者はいません。武力を使うことそれ自体が敗北であり、武力で何ごとかが解決されるという誘惑にいかに打ちかつかが問われています。本条例案の有効署名数は五千五百六十九筆を数えます。署名をしてくださった区民の一人一人の方々が、この署名に託した平和への願いを真摯に受けとめ、条例案の成立に向けて御議論をしていただくようにお願い申し上げます。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)





○二ノ宮啓吉議長  丸田潔氏の意見陳述を終わります。


 以上で条例制定請求代表者による意見陳述を終わります。


 それでは、意見陳述をなされたお二方に退場していただきます。御苦労さまでございました。





   〔条例制定請求代表者退場〕





○二ノ宮啓吉議長  本案は企画総務委員会に付託いたします。


 次の本会議は明一月二十六日午後一時から開きます。


 以上で本日の日程は終了いたしました。


 本日はこれをもって散会いたします。





   〇午後一時十九分散会