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東京都 目黒区

平成18年第1回定例会(第1日 3月 1日)




平成18年第1回定例会(第1日 3月 1日)





 





   平成十八年第一回定例会


            目黒区議会会議録





  〇 第 一 日





一 日時 平成十八年三月一日 午後一時





一 場所 目黒区議会議場





一 出席議員(三十四名)


          一  番  戸  沢  二  郎


          二  番  工  藤  はる代


          三  番  栗  山  よしじ


          四  番  いその   弘  三


          五  番  坂  本  史  子


          六  番  佐久間   やす子


          七  番  須  藤  甚一郎


          八  番  増  田  宜  男


          九  番  石  川  恭  子


          十  番  橋  本  欣  一


          十一 番  伊  藤  よしあき


          十二 番  今  井  れい子


          十三 番  安  久  美与子


          十五 番  中  島  ようじ


          十六 番  川  崎  えり子


          十七 番  岩  崎  ふみひろ


          十八 番  森     美  彦


          十九 番  高  品  吉  伸


          二十 番  雨  宮  正  弘


          二十一番  つちや   克  彦


          二十二番  鴨志田   リ  エ


          二十三番  寺  島  よしお


          二十四番  小  林  くにお


          二十五番  沢  井  正  代


          二十六番  野  沢  まり子


          二十八番  石  山  京  秀


          二十九番  青  木  早  苗


          三十 番  つづき   秀  行


          三十一番  俵     一  郎


          三十二番  島  崎  たかよし


          三十三番  宮  沢  信  男


          三十四番  二ノ宮   啓  吉


          三十五番  木  村  洋  子


          三十六番  下  岡  こうじ





一 出席説明員


       区      長      青  木  英  二


       助      役      佐々木   一  男


       収入役           安  田  直  史


       企画経営部長        粟  田     彰


       区長室長          武  藤  仙  令


       財政部長          齋  藤     薫


       総務部長          横  田  俊  文


       区民生活部長        伊  藤  良  一


       産業経済部長        渋  谷  幸  男


       健康福祉部長        加  藤  芳  照


       健康推進部長(保健所長)  伊  藤  史  子


       子育て支援部長       清  野  久  利


       都市整備部長        鈴  木     勝


       街づくり推進部長      宮  本  次  男


       環境清掃部長        荒  井  英  雄


        ────────────────


       教育長           大  塩  晃  雄


       教育次長・生涯学習推進担当 小笠原   行  伸


        ────────────────


       選挙管理委員会事務局長   安  井     修


        ────────────────


       常勤監査委員        大  竹     勲


        ────────────────


       監査事務局長        市  川  力  也


       総務課長          大  平     勝





一 区議会事務局


       局     長       浅  沼  裕  行


       次     長       千  葉     登


       議事・調査係長       荒  井  孝  男


       議事・調査係長       星  野  俊  子


       議事・調査係長       南  沢  新  二


       議事・調査係長       田  中  祐  子


       議事・調査係長       星  野     正


       主     査       齊  藤  和  子





 第一回目黒区議会定例会議事日程 第一号


        平成十八年三月一日 午後一時開議





日程第一   会期の決定


日程第二   代表質問





   〇午後一時開会





○宮沢信男議長  これより、本日の会議を開きます。





  ◎会議録署名議員の指名





○宮沢信男議長  まず、会議録署名議員を定めます。


 本件は、会議規則第百十七条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。


   十七番  岩 崎 ふみひろ議員


   二十番  雨 宮 正 弘 議員


にお願いいたします。





  ◎諸般の報告





○宮沢信男議長  次に、諸般の報告を申し上げます。


 監査委員から平成十七年十一月分及び十二月分の例月出納検査の結果について報告がありましたので、文書を配付いたしました。


 以上の報告につきましては、いずれも文書をもって配付いたしました。


 次に、特別区議会議長会の概要につきましては、文書をもって報告いたしました。


 以上で報告を終わります。


 これより日程に入ります。


 日程第一、会期の決定を議題といたします。





 ――――――――〇――――――――





 ◎会期の決定





○宮沢信男議長  お諮りいたします。


 今期の定例会の会期は三月一日から三月三十一日までの三十一日間といたしたいと思います。


 これに御異議ございませんか。





   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕





○宮沢信男議長  御異議なしと認めます。


 よって、会期は三十一日間と決定いたしました。





   〔「議長、七番」と呼ぶ者あり〕





○宮沢信男議長  七番須藤甚一郎議員。





○七番(須藤甚一郎議員)  動議として、無所属・目黒独歩の会を交渉団体会派として扱わぬ不正な議会運営の責任者である議長の不信任決議案を提出いたします。


 賛成者は私、須藤甚一郎のほかに、増田宜男、坂本史子、佐久間やす子の私外三人の議員が賛成しております。


 議題に供されますよう、よろしくお願いいたします。





○宮沢信男議長  ただいま、七番須藤甚一郎議員から議長不信任決議案に関する動議が提出されました。


 所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。


 お諮りいたします。


 この際、本動議を日程に追加し、議題とすることに御異議ございませんか。





   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕





○宮沢信男議長  御異議なしと認め、本動議を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。





   〔議長、退席。副議長、議長席へ〕





○つづき秀行副議長  議長の不信任決議案を議題といたします。





 ――――――――〇――――――――





 ◎議長不信任決議案





○つづき秀行副議長  提出者の説明を求めます。七番須藤甚一郎議員。





   〔須藤甚一郎議員登壇〕





○七番(須藤甚一郎議員)  ただいま議題になりました、「無所属・目黒独歩の会を交渉団体会派として扱わぬ不正な議会運営の責任者である議長の不信任決議(案)」、この議案を朗読する前に提案理由の説明をざっと申し上げます。


 私たちの会派、無所属・目黒独歩の会、略称独歩ですけれども、平成十五年十二月九日に会派届を提出して受理されました。当時は、独歩に所属する議員の数は五人でしたけれども、現在は四人であります。


 目黒区の区議会申し合わせ事項によれば、交渉団体会派とは三人以上で構成する議員集団とするとありまして、独歩は当初も現在もこの条件に該当するわけでありますから即座に、ここで決められている交渉団体会派とされるべきものであるんですけれども、それ以後、二年三カ月にわたって、交渉会派ということを議会運営委員会で認めてこなかった。現在、どういうふうになっているかは、改めて申し上げるまでもなく、会派であって会派でないという扱い。会派であれば、三人以上は交渉団体会派とするとはっきり決められているわけですから、当然交渉団体会派にしなければならないんです。


 ところが現在、独歩はオブザーバー、つまり議会運営委員会に出席はしているものの、議決権がない。これは出席していることにならない。ですから、単にその場にいて発言はするけれども、議決権がないわけですから、肝心なことになると、そこで単なる参考の意見を言っているだけじゃないかということ。


 それで今回、本定例会の冒頭でこうやって動議として提出したのは、ほかでもなく、今まで、独歩の会派結成以後、区長の所信表明に対して代表質問を過去二回行ってきた。ところが今回、その代表質問をさせないという決定を議会運営委員会でして、それを議長はよしとして是認したわけでありますね。


 そのきっかけは何かと言えば、自民党の幹事長から、独歩は交渉団体会派でないのであるから代表質問をさせるのはいかがなものかという、まず発言があった。それに共産党を除く二つの会派、公明党目黒区議団及び目黒区民会議の会派が賛成をするということがあって、代表質問をする当然の権利が奪われるという、あってはならないことが行われた。


 拒否したのが、後ろの方にその会派の代表が座って、にやにやにやにやしてますけれども、にやにやするようなことではないわけですね。ですから自分のしたことの、過去二年三カ月にわたってしてきたことの重要性を全く気がついていない。


 なぜならば、既成会派四会派は区議選の後の議会運営委員会の前の、各派代表者連絡会議というのでしたっけ、その前段階のところであって、それでだれがどう審査をするわけでもなく、三人以上は交渉団体会派ということでなってしまった。ところが、当初私どもは五人、現在四人。ところが議会運営委員会において、これは交渉会派としてふさわしいか、ふさわしくないかという、いわば審査をしているわけですね。それは、目黒区の区議会の申し合わせ事項によっていろいろな細部が決められているわけですけれども、審査をするだの、交渉団体会派とは何ぞやという定義はないんですね。さっき申し上げたように、二人の場合は会派とする、三人以上は交渉団体会派とする。交渉団体会派にするに当たって、審査をするとか、会派の中の議員の構成の中身を問うとかというのは一切ない。自分らがそうやって交渉団体会派にもうなったにもかかわらず、後から条件が該当する会派が決定されたときに、自分たちがなったことをほったらかしておいて、やればらばらであると。私どもの独歩を結成して以来、議会運営委員会での態度表明と違う態度表明を本会議等においてしたことはないです、賛否で。


 ということで、会派としての意思は全く統一されているわけでして、それで会派とは何かというのは、申すまでもなく政策を一にする議員の集団であるということで、これには全く当てはまるわけですね。


 それで、先ほども言いましたけれども、本定例会において代表質問をさせないということに決定するという順序が、最終的に我が独歩が交渉団体会派であるかどうかを決めよう、審議して決めようというその前に拒否をしてしまった。


 とすれば、これは目黒区の会議規則第五十九条の条文の運用法に関してのところで、「代表質問は交渉団体会派の代表者が行うものとする」とあるわけですね。ということは、独歩は交渉団体会派に該当し、その条件を備えて、なおかつ今回の予定されております予算特別委員会にも、じゃあ理事をだれが出すんだということが問われている。ですから、オブザーバーだ、議決権がないと言っていますけれども、一般質問の時間割の配分は交渉団体会派と同じように割り振りをしている。そういう交渉団体会派であってそうでなかったりと、非常に恣意的、勝手に使い分けて、二年三カ月が経過してきた。


 それで、ついこの間、この問題で議長にも議会運営委員会の委員長にも個別に会った。議長と正副、。そして議会運営委員会の委員長とは独歩の四人が別の場で会って、意見交換をした。そのときに、「あと一年じゃないか」と、つまり区議選の改選まで。それで「費用弁償も出てるじゃないか」と。全然、事の本質を理解していない。


 事もあろうに、「議会運営委員会に出ていて、単に議決権がないじゃないか」という発言まで飛び出した。これはもってのほかであって、議決権がなければ議会運営委員会の委員ではないわけですね。それで、自分をそういうふうにやられている身に置いてみないで、ただ議決権がないじゃないか、費用弁償が出てるだろうと、あきれるような発言がありました。なきゃないと言ってください。こっちは四人でみんなメモして聞いてましたから。


 そういうことがあって、事の本質を全く理解していない。一部には、議会運営委員会で決めたことを議長が踏襲し、是としているのであるから、問題は議会運営委員会の委員長であるという論が一部にあるようですけれども、ところが、我が独歩は議会運営委員会の委員ではないんですね。あそこに同じように座っていますけれども、肝心なところでは署名委員にもならない、採決するときにはそれの対象にもならない。それで意見、要望をいろいろ出しても、その一覧表には線が引いてありまして、全く別扱い。


 それが理にかなって、決め事であったり、規則であったり、申し合わせであったり、条例であったりということであればいいんだけれども、何ら根拠がないのを平然とやってきているということで、ですから議会運営委員会の委員長ではなく、今回、不信任決議案を議長にしているのは、我が会派は交渉団体会派として議会運営委員会に所属させられていない。所属していたらば、そもそもこういう不信任決議案を提出する理由がないわけですから、一にも二にも、すべて条件を備えている、会議規則にもきちんと書いてある。ですから、目黒区議会は二年三カ月にわたってこの会派の件に関しては、自分らが、あるいは自分が議員になる前、先輩議員たちが、議会を円滑に、それも公正・公平に運営しようということで決めた規則を、みずから破っているというのが現状であります。


 そういうことで代表質問というのは、この会議規則にあるまでもなく、一般質問同様、議員及び会派に与えられた基本的な権利であります。それを何の根拠もなく葬り去ることは、目黒区議会の議会運営委員会が最終的に決め、議長がそれに従ったことは、目黒区議会はみずからつくった規則を守らず、しかも区民の代表として皆さん区議会議員になってきている、それの基本的な権利を奪う大変な暴挙であるというわけですね。


 果たしてそういう自覚があってしたのか、あるいはあと一年でいいじゃないか、四年、冒頭で枠組み、委員長、副委員長等々、充て職も含めて、それを崩すからという議論があるんですけれども、既成四会派の中で副議長をだれにするかというのは、その枠組みを崩した、それからあと会派の中で退席者が出たというのも、既成会派の目黒区民会議の中にあった。そういう自分らがしたことを棚に上げ、独歩がやれ退席者がいた、全く同じじゃないか。


 それから、四年間の枠を崩さないなんていうことは、申し合わせ事項のどこにもない。会議規則のどこにもない。まして、ほかの条例、地方自治法にもそういうことはどこにもない。何ら根拠がないことが平然と行われてきた。これは断じて許せないということで、今回のこの不信任決議案の提出になりました。


 そこでこの決議案を、最後に朗読いたします。





 「無所属・目黒独歩の会を交渉団体会派として扱わぬ不正な議会運営の責任者である議長の不信任決議」


 私たちの会派「無所属・目黒独歩の会」(略称独歩)は平成十五年(二〇〇三年)十二月九日に会派届を提出した。議会において会派制をとる限り、一定の人数の議員の集団で会派を結成し、議会活動を行っていくのは、議員としての当然の権利である。


 目黒区議会申し合わせ事項(平成十五年六月五日)の会派の定義には、「交渉団体会派とは三人以上で構成する議員集団とする」とあり、独歩はこれに該当する。


 しかるに、独歩は会派結成以来二年三カ月もの間、交渉団体会派として議会運営委員会の委員になることを阻まれている。独歩を交渉団体会派として認めぬ根拠は、条例、申し合わせに一切存在しない。


 目黒区議会会議規則第五十九条には、「代表質問は交渉団体会派の代表者が行うものとする」としている。ところが本定例会で、独歩が会派結成以来行ってきた代表質問の権利さえ奪うという暴挙に至ったのである。


 宮沢信男議長は、これらの不正な議会運営委員会の決定を是としている。そこで、目黒区議会の責任者である宮沢議長の不信任案を提出する。


 平成十八年(二〇〇六年)三月一日


          提出者 須藤甚一郎


              増田宜男


              坂本史子


              佐久間やす子





 以上が決議(案)の原文であります。


 御審議の上、御賛同くださいますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)





○つづき秀行副議長  本件について御質疑はございませんか。





   〔「議長、二十六番」と呼ぶ者あり〕





○つづき秀行副議長  二十六番野沢まり子議員。





○二十六番(野沢まり子議員)  簡単に伺いたいと思います。


 私どもは、独歩の会が議会運営委員会に正式に参加することも、そして今議会において代表質問をすることも、当然の権利だと考えております。ただ、きょう、提案理由の説明の中にもあったように、本来ならば議長への不信任決議案を提出するのではなく、議会運営については議会運営委員会というところですべて協議し、決定するということになっているので、言われたとおりに議会運営委員長に対して行うことが筋だろうと思うんですが、その権利がないということで議長に出されたというふうには理解するのですが、ということで私ども、これだけで議長の不信任をするということについて、いささか無理があるという立場で退席させていただくのですが、再度そのことについての見解だけ伺いたいと思います。





○七番(須藤甚一郎議員)  さっきの提案理由の中でも若干触れましたけれども、独歩が議会運営委員会の委員になっていない、議決権がない、オブザーバーということで出席しているだけであって、先般の代表質問を拒否されたとき、そしてその後に、交渉会派とするとしないということもあわせて、議長自身に私が質疑をしたときに、「議会運営委員会で決めたから」という言い方をしているんですね。


 ですから、議会運営委員会で決めたことを是として、特に代表質問の取り扱いについては、通告は議長あてにしますね。そして今度、議長が代表質問については行政側に送付するという手続をとっているわけですけれども、その前に、議会運営委員会で独歩に代表質問させないと。逆に言えば、あの場に僕はオブザーバーで出てましたからよく覚えていますけれども、させるということの合意が全会一致にならないから、まあ結果的にさせないということになったわけですね。


 ですから、今の御質問は、本来ならば議会運営委員会のことであるから、その責任は議会運営委員会の委員長にあるであろう、議長で出すのは無理だろう、やや無理があるのではないかという御質疑ですが、それも先ほど私が申し上げたように、一つの説としては確かにあり得ると思うんですが、私たちは、こういう変則的なことが行われている根本は、目黒区議会会議規則及び目黒区議会の申し合わせ事項、この二つによって行われている。なおかつ、議会運営委員会の構成員、議決権のある委員ではないという二つのことがあって、議会運営委員会の決定事項を、だからといって議長がそれを守れば共同の責任があって、こういうことが行われているのは議会運営という委員会の一つの制限された場だけではなく、根本的に目黒区議会の問題であるというふうにとらえまして、議長と言えば最高責任者、それで議長の不信任案という形で提出したわけであります。





○つづき秀行副議長  ほかに御質疑ございませんか。





   〔「なし」と呼ぶ者あり〕





○つづき秀行副議長  それでは御質疑なしと認めます。


 お諮りいたします。


 本案は直ちに採決に入ります。


 これに御異議ございませんか。





   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕





○つづき秀行副議長  なしとの声でございます。御異議なしと認めます。


 これより採決を行います。


 本案に御賛成の議員の起立を求めます。





   〔賛成者起立〕





○つづき秀行副議長  起立少数と認めます。御着席願います。


 よって、本案は否決されました。





   〔副議長、自席へ。議長、議長席へ〕





○宮沢信男議長  次に、区長から、所信表明のため発言の申し出がありましたので、これを許します。





   〔青木英二区長登壇〕





○青木英二区長  平成十八年度第一回区議会定例会の開催に当たりまして、区民福祉の向上と地域社会の一層の発展に向けた平成十八年度の区政運営の基本的な考え方についてその所信を申し上げ、区民の皆さんと議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。


 私は、この四月で区長に就任して二年になりますが、信頼と改革の区政を区政運営の基本姿勢に据え、区政に対する区民の信頼回復を常に念頭に置いて、全力で取り組んでまいりました。この間、区民生活に直結する重要案件の決断を求められ、その責任の重さを痛感する日々でありました。振り返りますと、負の遺産を克服して新たな展望を開くための助走期間でもあったと思います。全庁を挙げて区政の透明性を向上させるためのさまざまな取り組みを行い、契約制度の改革、職員倫理条例、公益通報者保護条例の制定などに結実させることができ、区民の信頼にこたえられる区政の基盤を固めることができたと認識しております。


 これからは、こうした基盤の上に区民の信頼をより確かなものとしながら、新たな施策を展開し、豊かな区民生活と目黒らしさのある地域社会を発展させていくことが、私に課せられた使命であると考えております。新年度も区民福祉の向上に向けて全力を傾注していく所存であります。


 まず、区政を取り巻く状況の認識について申し上げます。


 私には、さまざまな面で社会が大きく変わりつつあるとの思いがあります。かつてのような成長と拡大が続く時代は終わり、社会先般にわたる基礎的な枠組みが大きく変わりつつあります。少子化と長寿化の同時進行による人口面での構造変化、低成長経済への移行とそれに伴う価値観やライフスタイルの多様化、社会や公共に対する意識の変化、職業観の多様化と日本型雇用慣行の揺らぎ、所得格差の拡大の傾向など、大きな変化が起こっております。


 これらの変化は、高い経済成長を前提とした「量的拡大」から、質の充実が重視される「質的充実」への変化であります。それはまた、一億総中流意識のような均質的なものが薄まって多様性が重視される「均質化」から「多様化」への変化でもあります。私は、こうした変化をしっかりと見きわめ、いたずらに不安視することなく、新しい地域社会の胎動と受けとめ、区政運営に当たる必要があると認識いたしているところでございます。


 もう一つ大きな変化が財政状況の変化であります。行政需要が拡大する一方で、税収の伸びが望めず、財政の硬直化が進んでいます。国が進める三位一体の改革は一応決着いたしましたが、税源移譲の内容は地方自治体にとって大変厳しいものとなっております。都区財政調整制度にかかわる主要五課題につきましては、都区間で協議を続けてまいりましたが、これ以上の進展は望めないと判断し、都区の役割分担を踏まえた財源配分のあり方について、都区共同で設置することとなる検討組織の中で協議していくことを前提に、区長会として了承したものでございます。今後、特別区として必要な課題について引き続き都区間で協議をしてまいりたいと存じます。こうした行財政環境の中にあっても、行政改革を一層推進して財政基盤の安定化に向けた努力を続けてまいります。


 社会保障制度の改革も大きな変化として受けとめているところでございます。年金、医療、介護保険、障害福祉などの制度改革が進められ、サービス提供の仕組みや給付と負担の見直しなどが行われております。これらの改革は少子高齢社会の中で持続可能な制度とするために避けて通れないものではございますが、税制改正の影響などとも相まって区民生活に影響を及ぼすことが予想されます。おのおのの制度の運用状況を注意深く見守りながら、区としても必要な対応を考えてまいりたいと存じます。


 次に、区政運営の基本的な考え方について申し上げます。


 目黒区に住み続けたいと言う人が常に九〇%を超え、一度は目黒に住んでみたいと希望する人が少なくありません。その理由として、都心への利便性が高い、緑が多い、良好な住宅地である、行政サービスが充実しているなど、さまざまな声を聞きます。


 大都市東京の一角に位置し、二十三区と連たんする本区は、街並み形成の歴史から見ると、近郊農村から都心のベッドタウンとして発展してきました。常に「緑」と「良好な住宅地」の保全がまちづくりのキーワードになってまいりました。高度成長期を経て、本区にも集合住宅の増加や業務商業化の進行が見られますが、それでも都心区のように高層のオフィスビルや大規模商業地が集積するわけではなく、目黒のイメージは山の手の住宅地を連想させるものとなっています。


 本区は都心に便がよいこともあり、さらに単身居住者の増加が加速するかもしれません。若い人たちから目黒に住みたいと思われることは歓迎すべきことかもしれませんが、若年単身者ばかりがふえることは必ずしも手放しで喜べることではありません。やはり、まちの姿として人の出入りはあっても一定の人口を維持し、多様な世帯や年代の人々が住み続けられることが重要でございます。


 そこで私は、これから目指す目黒のまちづくりを「住みたいまち、住み続けたいまち目黒―目黒の価値を高めるまちづくり―」としてまいりたいと存じます。


 「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現を目指すには、まちの魅力を高め、愛着や誇りを持てるまちづくりが重要でございます。生活環境やまちの美しさなど、他のまちとは違った独自の価値を持ち、それが人々の住みたい、住み続けたいという思いを誘引し、そのまちに住む人々がさらにその価値を守り、高めようとみずから取り組むまちづくりが必要であると存じます。


 「子どもの姿」、「緑」、「行きつけの店」など、失われてその価値がわかるものがあります。失われた価値を取り戻し、さらに目黒の付加価値を高めるために、私は四つのまちづくり戦略が必要であると考えます。


 まちづくり戦略の第一は、「安全・安心のまちづくり」でございます。


 良好な住宅地を地域特性とする目黒にとって、災害や犯罪の少なさはまちの価値を高めます。防災、防犯、交通安全といった安全性をさらに高めるだけでなく、少子高齢化の中で安心して子どもが育てられる、安心して老後が送れる安全・安心のまちづくりを目指します。


 まちづくり戦略の第二は、「多様なサービスが享受できるまちづくり」でございます。


 私は、本来まちには住む、働く、学ぶ、憩うといったさまざまな機能がバランスよく存在し、さまざまなサービスを享受できることがまちの魅力を高めると考えます。


 都心への交通利便のよさは、目黒に多くの人々を引きつけてきました。これからは生活の利便をいかに確保するか、医療・保健・福祉、教育・文化を初め日常の買い物、余暇活動など身近な生活圏でさまざまなサービスを享受できることが求められてまいります。


 多様な世代、家族構成の人が日々の暮らしの中で、それぞれ満足できるような多様なサービスの確保に努めていきたいと考えております。


 まちづくり戦略の第三は、「環境の質を高めるまちづくり」でございます。


 目黒にとって「緑豊かな住宅地」が変わらぬ価値であることは明らかですが、緑豊かなまちがその姿を変えつつあります。緑豊かなイメージを大切にしながら緑の保全創出に努める必要があります。近年は、景観形成面からも美しい街並みが求められており、環境の質を高めながら居心地のよいまちづくりを進めてまいります。


 世界的な異常気象やヒートアイランド現象によって、環境問題に対する関心も高まりを見せています。区民の方、事業者の方と、ともに地球温暖化防止の取り組みの輪を広げていきたいと考えています。


 まちづくり戦略の第四は、「個性あるまちづくり」でございます。


 目黒に住み続けたいという帰属意識は生活条件が充足するだけでなく、地域の文化や歴史といったものに依拠するものであります。住宅地として発展してきた目黒区ですが、他の自治体と比べ歴史文化遺産、教育文化施設、さらに地域に人材が豊富なことは誇りです。大学との連携、地域の人材活用などを図りながら、新たな価値を引き出し個性あるまちづくりを目指します。


 「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」を実現していくための四つのまちづくり戦略について、その基本的な方向性を申し上げました。こうした考えに沿って、平成十八年度は、緊急・迅速な対応が必要な六つの重要課題を定め、課題解決に向けた重点施策の着実な推進を図ってまいりたいと存じます。


 まず、平成十八年度予算案の概要について申し上げます。


 平成十八年度は、区長として編成する二度目の本格的な予算でございまして、さきに述べました区政運営の基本的な考え方を踏まえ、行財政運営基本方針を明らかにした上で予算編成に臨んだところでございます。区政を取り巻く状況には引き続き厳しいものがございますが、より一層簡素で効率的な行政運営に徹し、限られた財源を重点的、効率的に配分して、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」を実現するための諸施策の推進に努めたところでございます。その結果、教育、福祉、商工業、環境を初めとする区政の諸課題につきまして、区民の皆様方のご期待にこたえられる予算編成ができたものと考えております。


 一般会計の予算規模は、八百四十八億円でございまして、前年度に比べ二十五億円余、二・九%の減となるものでございます。しかし、十七年度の予算額には減税補てん債の借りかえ分や駒場野公園拡張用地の再取得経費が含まれておりますので、これらを控除して比較すると、一・五%の増となるものでございます。また、特別会計でございますが、国民健康保険特別会計は二百二十五億円余、老人保健医療特別会計は百九十億円余、介護保険特別会計は百三十七億円余、用地特別会計は一億円余となり、一般会計と四特別会計の合計予算額は一千四百三億円余で、前年度に比べ三・四%の減となった次第でございます。


 平成十八年度予算は、例年に比べ特別区税や特別区交付金が増額になっておりますが、積立基金の残高は依然として低水準で推移しております。また、三位一体改革に伴う影響につきましても、十八年度予算では部分的な範囲にとどまっておりますが、平成十九年度以降は区税収入が大幅に減少するなど、厳しい財政運営になることが予想されます。


 今後は、従来にも増して徹底した歳出の抑制を図りながら財源の確保に努め、新たに生じた財源を新規施策の展開に振り向け、より一層適切な財政運営に、全庁を挙げて取り組んでいく所存でございます。


 次に、重要課題と主な施策について申し上げます。


 その第一は、区民の安全・安心の確保でございます。


 昨年は相次ぐ地震や台風など日本列島は大きな自然災害に見舞われました。不意を襲う自然災害の脅威を改めて見せつけられ、災害に対する日ごろからの備えの大切さを痛感したところであります。また、子どもが犠牲となる悲惨な犯罪や高齢者をねらった悪徳商法、振り込め詐欺事件の多発など治安の悪化は社会不安を募らせております。


 そこで新年度におきましては、震災の予防対策として耐震診断・耐震補給に対する支援を充実するのを初め、「(仮称)防災対策基本条例」等の制定に向けた検討を進めるとともに、区民、事業者、専門家、行政が連携・協力して初の復興模擬訓練を実行いたします。そのほか、暮らしの安全を守るため、区有施設のアスベスト吹き付け材の撤去工事や居住用建物のアスベスト分析調査費の助成を行います。


 防犯対策では、青色回転灯を装着した三百六十五日生活安全パトロールの実施など巡回を強化するのを初め、区立小・中学校に不審者情報などの「学校緊急情報連絡システム」を導入するとともに、地域、保護者、関係機関の連携を通じて子どもを守る体制の充実を図ってまいります。


 第二は、健康で生きがいのある生活の実現でございます。


 間もなく、いわゆる団塊の世代が定年を迎え、地域で新たな生活を始めます。団塊の世代に限らず、生涯を通じた健康づくりを初めとして、疾病の予防や介護予防、生きがいづくり、就労支援など、すべての区民の健康と生きがいのある生活を確保することは区民生活の基本となるものでございます。


 新年度には、介護保険の制度改正に伴う予防重視型システムへの転換を行い、地域支援事業を実施する中で、新たな相談とマネジメント機関として「地域包括支援センター」を区内五カ所の保健福祉サービス事務所内に開設いたします。また、認知症対応型通所介護、夜間対応型訪問介護の基盤整備支援を行ってまいります。あわせて、区独自の訪問介護も対象とした介護保険居宅サービス利用者負担軽減措置を行うことといたします。


 障害者自立支援法は、従来の障害者施策を根本的に改め、障害者の地域生活と就労促進を目指すものでございます。自立支援法に基づいて、各年度のサービス量やその確保策を定める「障害福祉計画」を策定するとともに、障害程度区分等を判定する審査会を設置して、制度の完全実施に向けた準備を進めてまいります。


 そのほか、東が丘一丁目障害福祉施設の整備に引き続き取り組むとともに、新たに四戸の高齢者福祉住宅を整備するほか、精神障害者グループホームに対する運営費補助、全地区における高齢者見守り支援ネットワークのモデル事業を実施いたします。


 第三は、次代を担う子どもの育成でございます。


 出生率の低下は、個人の価値観や人生観、経済環境によるところが大きく、行政の取り組みだけで歯どめをかけることはできません。しかし、安心して子どもを産み育てられる社会を築き、次代を担う一人一人の子どもを大切にはぐくむ環境をつくることは行政の責務でございます。


 そこで新年度は、子ども家庭支援センターの機能を拡大・充実して「先駆型子ども家庭支援センター」へ移行することにより、虐待防止支援訪問、子育てカウンセラーの派遣など新たな事業を展開いたします。あわせて、児童虐待防止連絡会議を発展的に解消・移行して「要保護児童対策地域協議会」を設置し、児童虐待防止対策の取り組みを拡充させてまいります。また、宮前小学校内学童保育クラブを開設するとともに、児童の放課後の居場所づくりにつきましては、昨年設置した「新たな児童の放課後対策を考える懇話会」で引き続き検討をお願いし、答申をいただいた後、早急に対応を図っていく予定でございます。そのほか、私立幼稚園入園料・保育料の補助拡大、ひとり親家庭への認可外保育所利用助成、母子世帯を対象とした高等技能訓練促進事業などを実施してまいります。


 第四は、循環型社会の構築と環境負荷の軽減でございます。


 特別区長会は昨年の二月、京都議定書の発効に当たって、各区が温室効果ガスの排出抑制、循環型社会の形成などに一層取り組む決意を示す共同宣言を行いました。区民に最も身近な自治体の果たす役割を自覚してのことであります。区民一人一人が地球規模で考え、生活の場で行動することが求められており、清掃事業の区への完全移管が行われる本年は、環境への取り組みがこれまでにも増して重要でございます。


 こうした状況の中、新年度には「環境基本計画」の改定作業に着手するとともに、区民・事業者が地球温暖化防止に主体的に取り組むための具体策を提示する「地球温暖化防止地域推進計画」を策定いたします。あわせて、「環境学習推進計画」に基づく環境学習活動のモデル事業も六分野で実施いたします。


 不燃ごみに混入するびん・缶・ペットボトル等が漸増傾向にありますので、従来の回収システムを見直す方向で新たなびん・缶・ペットボトルの分別回収モデル事業を実施してまいります。また、区長会において、廃プラスチックのサーマルリサイクルを平成二十年度から本格実施することを決定したことに伴い、ごみ量や今後の施策等を明らかにする「一般廃棄物処理基本計画」の改定作業を行ってまいります。


 第五は、魅力にあふれ活力に満ちたまちづくりでございます。


 まちの美しい景観など個性あるまちづくりとともに、生活環境の良好な、だれもが暮らしやすいまちづくりを進めていくことが、地域生活において新しい魅力と活力を生み出します。


 新年度には、個性あるまちづくりの一環として「都市景観形成方針」を改定するとともに、良好な景観形成に向けて施策を推進するための「景観計画」を策定してまいります。


 住宅施策につきましては、区営上目黒四丁目アパートの全面的改善事業を行うほか、高齢者、中堅ファミリー世帯等を対象とした家賃助成制度を充実してまいります。また、耐震工事やアスベスト除去工事の促進を図るため、仮移転先の家賃を助成する「住宅応急改修仮移転先家賃助成」を実施いたします。


 駒場一丁目と中根二丁目に街かど公園を整備するほか、国家公務員宿舎駒沢住宅跡地について、東山公園拡張用地としての取得を目指し、緑の創出に努めてまいります。また、都立大学駅北口と自由が丘二丁目に駐輪場を、五本木二丁目に自転車集積場を整備して放置自転車対策を推進してまいります。


 地域の消費者ニーズに即した魅力ある商店街づくりの活動や新たな創業の取り組みを支援していくことが地域の経済活動の活性化にとって重要でございます。そこで、商業振興、工業振興に引き続き取り組むとともに、依然厳しい経営環境に置かれている区内中小企業の資金需要にこたえるため、小規模企業資金融資の融資条件を緩和いたします。また、まちの活力を高める観光まちづくりの取り組みを区民、事業者と連携して推進していくとともに、ワークサポートめぐろの体制をさらに充実させ、区民の就労を支援してまいります。


 第六は、学校教育の充実と芸術文化・スポーツの振興でございます。


 未来を担う子どもたちが確かな学力を身につけ、豊かな心と健やかな体をはぐくみ、たくましく生きる力を持って成長できる教育環境の整備が重要となっております。また、長寿社会を迎え、一人一人の区民が芸術文化活動やスポーツ活動を通じて生き生きと学び活動できる生涯学習社会の充実が求められております。


 新年度におきましては、目黒中央中学校と碑小学校に新校舎建設を初め、魅力ある学校づくりに向けて、児童・生徒の学力把握などを目的とした区独自の学力調査を平成十九年度に実施するための準備を進めます。そのほか、小学校における英語教育の充実を図るとともに、文字・活字文化振興法の施行等を踏まえて学校図書館・読書活動を充実してまいります。活力ある学校づくりに向けて、四月から全小学校と一部の中学校で二期制を本格実施するほか、みどりがおか幼稚園において預かり保育を開始いたします。こうした取り組みを通じて、保護者、地域との一層の連携を図りながら信頼される学校づくりに努めてまいります。


 生涯学習社会の実現に向けた施策といたしましては、「めぐろ芸術文化振興プラン」の推進を図るため、芸術文化活動サポートセンターの設置に向けて取り組むとともに、インターネットを利用した「集会施設予約システム」を社会教育館等へ導入いたします。


 これまで申し述べてまいりました施策を着実に推進し、区民の期待にこたえていくためには、区民から信頼され、地方分権時代にふさわしい基礎自治体としての取り組みが必要でございます。


 そのため、第一に、区政運営における公正・公平の確保と透明性の向上を図り、区民に信頼される開かれた区政を推進してまいります。区民との対話を重視し、積極的な情報提供や説明責任を果たすとともに、昨年整備いたしました契約事務改善、職員倫理条例、公益通報者保護条例が実効性を高める意義ある制度となるよう運用し、区民と行政との信頼関係をより一層強固なものにしてまいりたいと存じます。


 第二に、平和と基本的人権の尊重を根底に据えた区政運営を進めてまいります。戦後生まれの区民が七割を超える今日、戦争のない平和な暮らしの尊さを社会の大きな価値として受けとめ、自治体として国際交流や平和祈念事業の充実、外国人にも住みやすいまちづくりなどを通して平和の実現に貢献してまいります。


 また、一人一人の区民がお互いに人権を尊重し合い、ともに生きる社会、男女平等・共同参画社会、子どもの権利が尊重される社会の実現に努め、区のあらゆる施策や機会を通じて人権意識の高揚に取り組んでまいります。


 第三に、将来にわたる状況変化に対応できる行財政基盤を確立するめ、行政改革を着実に進めてまいります。職員定数のより一層の適正化を図るとともに、事務事業の見直しや公の施設の指定管理者制度の活用を含め、区の責任のもとに民間活力を最大限に活用するなど、計画的に取り組みを進めます。また、組織の整備につきましては、区民に分かりやすく、簡素で効率的であることを原則に、緊急かつ重要な課題に適切に対応できるようにしてまいります。


 第四に、より一層区民の意向が反映された、多様な主体が担い合う地域社会の形成を目指し、区民と行政の協働を進めてまいります。地方分権の推進により、基礎自治体にはこれまで以上に地域の実情に合わせた行政運営が求められております。このことは、地域との連携や住民参加の取り組みを進めてきた本区においても例外なく期待されているところであり、協働によるさまざまな取り組みがさらに広がるよう、協働方策の具体化を着実に進めてまいりたいと存じます。


 以上、平成十八年度の区政運営に臨む私の所信を申し上げました。


 少子高齢化が急速に進む中、日本の人口は昨年から自然減となり人口減社会に入りました。まだ人口が微増傾向にある本区においても、この影響は避けられません。「超少子化国」というかつて経験したことのない大きな社会変動のただ中にあって、区政を取り巻く情勢には幾多の課題が待ち受けております。十八年度には、実施計画の改定を予定しておりますが、安全・安心の確保、少子高齢化への対応、環境問題への取り組みなど、緊急に対応が必要な問題に取り組むことが求められております。


 今まさに私たちの目黒区をどのような地域社会にしていくのかが問われているものと存じます。営々と築き上げてきた目黒のまちの魅力をさらに高め、誇りを持って次の世代に引き継ぐのが同時代を生きる私たちの使命であります。


 区民の皆様にとって質の高い真に豊かな地域社会とするため全力を尽くしてまいる所存でございますので、議員各位の一層のご指導、ご協力を重ねてお願い申し上げ、私の所信表明といたします。(拍手)





○宮沢信男議長  次に、日程第二、代表質問を行います。





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 ◎代表質問





○宮沢信男議長  各会派の代表から通告がありましたので、順次これを許します。二十番雨宮正弘議員。





   〔雨宮正弘議員登壇〕





○二十番(雨宮正弘議員)  私は自民党目黒区議団を代表いたしまして、区長の所信表明に対し何点か質問させていただきます。


 質問に入る前に一言。


 十七日間に及ぶ冬の祭典、イタリアにおけるトリノの冬季オリンピックが二十七日に閉幕いたしました。日本の国民の多くの方たちが、あの若者たちが雪の上で氷の上で、力を出し合いながら戦い抜いた姿に感動し感激し、そして大きな夢を感じたのではないでしょうか。また、テレビに夢中になってついつい寝不足を起こしてしまったという弊害も幾つか聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、私たち日本の国民、いや世界の国々の人たちがあの平和の祭典オリンピックという大きな競技世界の中で、私たちに感動と、そして勇気づけと希望を与えてくれた。私は非常に感銘しております。


 二十七日ですからおとといですか、日本の選手団が成田に戻ってきました。そこでまた一つ感じたことがあるんです。オリンピックは参加することに意義がある、専らこう言われておりました。しかし、あのテレビ各局の映し出された画面を見ていて、やはり勝負の世界は勝たなきゃいかんのだな、どの画面を見ても、氷上であの華麗な舞いを起こした、金メダルを獲得した荒川選手がスポットライトを浴びて正面に映し出されておりました。まあ勝負の世界ですから、勝つことだけに絞ったのではよくはないと思いますが、やはりやるからには上を見て、そして一歩一歩力をつけていかなければいけない。こんなことを痛切に感じたきのうのテレビでございました。


 折しも今、私たちのまち東京都においては、二〇一六年の夏のオリンピックを東京で開催してはどうだ、開催しようという機運が出てまいりました。まだまだ多くの議論の余地が残っておりますので、これからイバラの道があるかもしれませんが、この大きなチャンスを生かして、私たちのまち東京を世界じゅうに知らしめる絶好のチャンスではないのか。私はそんなことを感じております。やるとすれば、みんなが一丸となってこのスポーツの祭典に協力できればいいなと、こんなことを思いながらきょうのこの演壇に立っておりますので、どうぞ質問の何点、青木区長、よろしくお願いいたします。


 それでは質問させていただきます。


 所信表明の冒頭で、「区長に就任して二年、信頼と改革を基本姿勢に据え、区政に対する信頼回復を常に念頭に置いて全力で取り組んできました」と表明しております。さらに、「区政の透明性を向上させるためにさまざまな取り組みを行い、契約制度の改革、職員倫理条例、公益通報者保護条例等を制定して、区民の信頼にこたえられる区政の基盤を固めることができたと認識しております」と表明しております。


 しかし、このことは何を言わんとしておっしゃるのでしょうか。


 区民に対してわかりやすく説明する必要があると私は思います。どのようなこと、どのような施策を実施されたのか、全く私は読み取ることができません。具体的に何をしたのを示して、区民の信頼がどのように取り戻せたのかを、まずお伺いいたします。


 次に、区長に求められている改革の問題はいかがなりましたかをお伺いいたします。


 区政全般を改革することがあなたに与えられた最重要課題であり、公約にも掲げてきた最も大きな責務の一つであったはずではないでしょうか。「改革、改革」と口で言うことは簡単ではありますが、実行するには大きなエネルギーが必要になることも十分承知しております。しかしあなたがやるべきことは、区政を改革して、スリムで効率性の高い区政の実現を図ることが最大の責務のはずです。多くの区民は、そのことをやると言って公約に掲げたあなたに、期待を込めてあなたを推挙した。その結果、区長のいすに座れたはずですが、いかがでしょう。


 この二年間、区長がリーダーシップを発揮して、多少の反対は押し切ってでも実現させた施策は何であったのか、改めて見直してみましたが、私には見当たりません。国や都が打ち出した新しい施策に対して対応を図るものばかりのように見受けられますが、いかがでしょうか。





   〔「いいこと言うぞ、独歩に入れてやるぞ」と呼ぶ者あり〕





○二十番(雨宮正弘議員)  お断り。


 昨年十二月二十七日発行の都政新報に、「年表で見る二〇〇五年の主な動き」と題して、東京都、特別区、市町村に区分してそれぞれの自治体が実施した施策が報道されました。これを見たとき、二十三区それぞれの区で事の大小はありますが、一年間の中で実施されたものが示されておりましたが、残念ながら本区、目黒区の活字は一つとして見出すことができませんでした。要するに、本区から発信した行政運営に対して、目新しい事案、特筆すべき事案が皆無ということではないでしょうか。行財政改革を視野に入れた本区独自の施策が何も記されなかったことが立証されているのではないでしょうか。


 改めてお伺いいたします。


 目に見えた改革の実行が進まない、いや、進めない理由として、新しい施策を打ち出せない理由は何を意味しているのでしょうか。区長の心の内をお伺いいたします。


 次に、個々の問題に対して順にお伺いいたします。


 少子高齢化社会に対しては、量的拡大から質的充実への変化で、均質化、多様化への変化であると抽象的な表現をしております。不安視することなく新しい地域社会の胎動と受けとめて政策運営に当たるとありますが、何を求めて、何を言いたいとしているのですか。少子高齢化社会に対する対応策は重要課題の一つであると思いますが、具体的に区長として指針を示さなければ、単にお題目を唱えているだけのことになります。


 そこで、どのような施策をお考えなのかをお伺いいたします。


 財政状況の変化については、都区協議の中で主要五課題の決着が土壇場の段階でついたとのこと。ほぼ予測された内容で都側に押し切られた感じが見受けられます。区長会としても御苦労を重ねたことは聞いておりますが、都の対応に左右されるという状況から、区側としてはまことに残念な結果で幕引きがなされたと思います。


 そこで、このことについて区長のお気持ちをお伺いいたします。


 加えて、平成十二年の制度改革以来の課題である大都市事務事業配分の課題が未処理で、今後の協議事項として先送りされました。この問題に決着をつけなければ、地方分権、基礎自治体としての条件はそろわないと考えますが、今後の対応はいかにお考えか。あわせて本区に及ぼす影響はどのようなものか、わかりやすくお示し願いたいと思います。


 さらに、社会制度の改革に対して三位一体の改革とあわせ税制改革の影響も予測されることから、区民生活に影響を及ばせないよう対応したいとしております。どのような影響が予測され、それへの対応策は今から準備していくことが必要だと思いますが、お考えをお伺いいたします。


 緑と良好な住宅地の保全がまちづくりのキーワードとなってきた、都心区のように高層ビルや大商業地が集積されず、目黒は山の手の住宅地を連想させるものと区長は言われておりますが、そこに住む私たち、私は必ずしもそのようには感じておりません。ミニ開発が進み、マンションを初めとした高層ビルの建設も進み、自然な緑は確実に減少していると思います。そのように思いませんか。そこで、今ある街並みと緑を保全するための各種条例を見直し強化して、緑の創出と街並みの保全、維持を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。


 過日、私は区長ととともに訪問した大分県臼杵市における当地の市長の言葉として、「まちづくりは新しいものをつくることより、いかにして、旧来よりあるもの、歴史や文化を刻んだものを残すことに工夫と努力に力を注ぐ必要があります」と言い切っていました。また、それが実践されているまちの様子を目の当たりにすることができました。私はこの言葉に感銘を受けております。


 目黒区のような都市部と地方都市とでは環境も歴史も異なりますが、防災、防犯や利便性を考慮してまちを整備していくことも大切なことですが、先人たちが苦労して残してくれた貴重な目黒のまちを壊すことなく残すことが必要と思いますが、そのことから都心のベッドタウンとした緑と良好な住宅地の保全がなされると思いますが、現状の条例等を見直し強化することに対して区長のお考えをお伺いいたします。


 次、まちづくりの戦略として四点挙げました。四点の項目と六点の重要課題は私も同感であります。しかし、六点の重要課題を定め、緊急・迅速の対応を図るとしており、重要課題と主な施設として、耐震診断と補強への支援、アスベスト対策助成、学校緊急情報連絡システム、健康、福祉、教育の分野では予防重視型システム、地域包括支援、居宅サービス利用者負担軽減措置、障害福祉計画、先駆型子ども家庭支援、虐待防止支援、子育てカウンセラー、学力調査、小学校での英語教育の充実、二学期制、預かり保育等々、安全・安心なまちづくりから学校教育に至るまで、幾つか掲げております。


 さきにも述べましたけれども、本区独自のものは見当たりません。本区独自の施策がない点については、前述いたしました改革の実施のところで述べておりますのでここでは前後いたしますが、そちらにあわせて考え方をお伺いしたいと思います。問題は、この六点は総花的に表明しているだけで、その中身が見えないということです。具体的にどのような施策なのかをお示しください。


 次に、予算につきましては、この後予算審議の特別委員会が開催されますので、そちらに回すことといたしまして、三位一体の改革による影響と財源確保に道が開けていない点に関してお伺いします。


 歳出削減策には限界があると思います。したがって、今まで目黒区にはない新たな財源確保策を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。


 行政の運営は、そして区民サービスは、今日までは与えられた税金による財源をもって対処されております。与えられた財源を予算に基づき消化するだけの仕組みですが、この仕組みから脱皮して、財源をいかにして生み出すかの方法を考え、その財源を活用して新たな施策を実施する、いわゆるコスト意識を持たせた行政運営の仕組みづくりも、また区施設や学校施設の利用に関しても、公平性を高めるためにも有料化を考える必要がそろそろ時期に来ていると思いますが、いかがでしょうか。


 八点目になろうかと思います。重要課題について二、三お伺いします。


 区民の安全・安心の確保についてでありますが、安全で安心して住み続けられるまちづくりは、施策の基本になる課題であります。住宅、道路、公園等の整備、医療、介護、健康づくり、そして子育てから教育へと、ハード面からソフトの面まですべての分野で充足されなければなりません。このためにさまざまな施策が企画され実施されているわけでありますが、詳細につきましては、同僚議員が後ほどの一般質問でさせていただきますので、私は多くは省略いたします。


 一点だけ伺います。


 この安全・安心、住み続けられるまちづくりは、行政だけの力では到底できるものではないと思います。いかにして区民の皆さんに理解していただき、手をかしていただけるかが大きな課題であると思います。区長はこのことについていかが思いますか。また、どのような施策を講じるかをあわせて伺います。


 次に、子育て、教育についてお伺いします。


 少子化の傾向に対してどのようにして歯どめをかけるかが課題です。若い人たちに安心して産み育てられる環境づくりが大きな課題であります。このために育児相談、保育園を初めとした子育て支援センターその他があり、力を入れて拡充に努めていることは十分に承知しておりますが、それらのことは結果としてあるものに対する対処機能の働きにしかすぎないと思いませんか。


 育児・教育にかかわる経済的負担の軽減を図る対策が重要課題であると思いますが、いかがでしょうか。


 さらに私は、基本は教育にあると常々思っております。子どもを産み、命の大切さ、はぐくみ成長を見守る喜び、結果として親となり社会の一員として国の繁栄に寄与し、国家を形成する一員であり義務も権利も担うことにつながると思っております。このことについてはどのようにお考えでしょうか。


 このことを論じ始めることは本ラインからそれていきますので、また別の機会にさせていただきたいと思います。要は、教育を通じて、子どもの時代から大人社会に育ったときに、国民の責務として何をなすべきかをしっかりと教えておく必要ある、こういうことでございます。このことから、前述した子どもを産み、命の大切さ、はぐくみ、成長を見守り、喜びや悲しみを感じながら、権利や義務を担い、社会の一員として責務を果たせる大人になると思います。


 教育の題材に入りますと、これだけで私の時間はなくなってしまいますので、あとは予算審議の中で改めて伺わせていただきます。


 最後に、お尋ねいたします。


 所信表明の締めくくりの中で区長は、「より一層区民の意向が反映され、多様な主体が担い合う地域社会の形成を目指し、区民と行政の協働を進めたい」と表明されております。そして、その次の後段においては「協働によるさまざまな取り組みがさらに広がるように、協働方策の具体化を着実に進めていく」と締めくくっております。このことは、区民にはいまだ協働の持つ意味すら理解されておらないと、区長は気がついているのではないでしょうか。前段と後段の表明は矛盾はしておりませんか。


 改めてお伺いいたします。


 「協働」とはどのような事項を、どのような仕組みで、どのように進めたいとお考えなのか、具体的にわかりやすくお示しいただくことを最後に、私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)





   〔青木英二区長登壇〕





○青木英二区長  雨宮議員の十点にわたる御質問に、順次お答え申し上げます。


 まず第一点目、区政の基盤を固めることができたとは何を示しているかについてでございますが、私は区長就任以来、区政に対する厳しい批判と区政運営の変革を求める区民の声に対して、「信頼と改革の区政」を区政運営の基本姿勢と据え、清潔で透明性の高い区政運営に努めてまいりました。それは区民の信頼なくして健全な区政運営を行うことはできないという信念からでございます。


 全庁を挙げて区政の透明性を向上させるための取り組みを行い、契約制度の改革、職員倫理条例や公益通報者保護条例の制定などを行ってまいりました。これらの取り組みにあわせ、区民に対する説明責任を果たすとともに、区民の皆様との距離をより身近なものとするため、区政の公式ホームページを立ち上げるなど、私自身が率先して情報公開に心がけてまいりました。


 また、区民との直接の対話を通じて相互理解を深め、信頼関係を高めていくとともに、そこでいただいた貴重な意見を区民の施策に反映させるため、区民とのまちづくり懇談会を実施してきたところでございます。


 さらに、組織の中にあっては職員が持てる能力をいかんなく発揮できるように、管理部門と現場部門との間で積極的に人事異動を進めたほか、管理職と活発な意見交換を図るなど、職員が自由に議論できる風通しのよい職場風土の構築に努めてまいりました。


 私は、これらの取り組みによって、全庁が一丸となって区民福祉の向上を目指していくための環境整備を進めることができたものと考えております。こうした取り組みが区政に対する区民の信頼につながると同時に、区政運営の基盤となるものと考えております。もとより区民に信頼される区政への取り組みはこれで終わるものではなく、今後も区政運営全般にわたり常に新しい観点から見直しを図り、不断の改革を積み重ねてまいりたいと存じます。


 次に、第二点目、区政全般の改革の進みぐあいについてでございますが、平成十二年の地方分権改革以来、本区は名実ともに基礎自治体となり、これまで以上にみずからの責任と判断において区政を取り巻く状況に即した行政を運営していくことが求められることになります。低成長時代への移行とともに、かつてのような税収の伸びは望めなくなる一方で、少子高齢化対策、安全・安心のまちづくり、環境問題への対応などが求められ、行政需要の一層の拡大と多様性をもたらしております。


 これらの課題に的確に対応し、区民の期待にこたえていくためには、将来にわたる状況の変化に対応できる確固たる行政の基盤を築くことが何よりも重要でございます。


 私は区長就任以来、極めて厳しい財政状況が続く中にあって、信頼と改革の区政を実施する一つとして、簡素で効率的な行財政基盤を築くための行財政改革を積極的に推進してまいりました。緊急性や優先性などの観点から事務事業の見直しを進めるとともに、公の施設における指定管理者制度の活用を含め、区の責任のもとに民間活力の積極的な活用を図ってまいりました。区の内部努力を徹底して職員定数の適正化にも努めてきたところでございます。こうした取り組みによって、区民サービスの向上に向けて、限られた行財政資源の重点配分についても一定の成果を上げることができたと考えております。


 今後とも区民から信頼され、地方分権時代にふさわしい基礎自治体として、安定した行財政基盤の確立に向けて不断の改革に取り組んでまいりたいと存じます。


 次に、第三点目、少子高齢化社会への対応についてでございますが、本区の合計特殊出生率は依然として低い水準が続いております。その反面、六十五歳以上の高齢者人口は増加傾向を続け、少子高齢化がさらに加速することが予想されます。行政の取り組みだけで少子高齢化の流れを変えることは困難ですが、少しでも多くの若い世代の方々が目黒区で子どもを産み育てたいと思っていただけるようなまちづくりを目指していくことが必要だと考えております。


 これまでも、少子高齢化対策としてさまざまな施策に取り組んでまいりましたが、平成十八年度におきましては、少子化対策として、次世代育成支援行動計画に基づき子ども家庭支援センター機能を拡充し、児童虐待防止対策を充実させるほか、一時保育や病後時保育を拡充し、多様な保育需要への対応も図ってまいります。高齢化対策としては、だれもが介護を必要とせず、豊かで生き生きとした生活を送ることができるよう、介護予防を重視した健康づくり施策の充実や、新たに創設する地域包括支援センターを核として高齢者の生活を地域で支える地域支援事業への取り組みなどを進めてまいります。


 団塊の世代が高齢期を迎え、現役を退いた方々が地域で新たな生活に入りますが、元気な高齢者がふえ地域全体が活性化していくことは大変喜ばしいことでございます。そうした方々の就労や活動の場の確保に向けた取り組みも必要となってまいります。


 いずれにいたしましても、少子高齢化の進行という大きな変化を受けた取り組みを進める中で、課題を的確に把握しながら、必要な施策を検討してまいりたいと存じます。


 次に、第四点目、主要五課題についての第一問、土壇場での決着についての私の考えでございますが、御案内のとおり、主要五課題は平成十二年の都区制度改革時に積み残された課題でございまして、地方自治法の定める都区の役割分担を踏まえた税源配分の実現を最大の課題として掲げ、清掃、小中学校の改築等の個別課題を含め、平成十五年以来二年余りにわたり、都区間で具体的な協議を行ってきたものでございます。


 平成十八年度財調の協議は、主要五課題の解決により都区制度の根本問題を解決することが最大の焦点でございましたが、都区間の主張の隔たりが大きく、一時は決裂の状態となりました。しかしその後、調整率の改定を十九年度財調協議で行うこととし、しかも調整率の引き上げに一定の含みを残して継続協議とすることができましたので、都議会の状況なども考慮して、やむを得ず合意することとなりました。


 私といたしましては、平成十二年の都区制度改革の趣旨や主要五課題を確認した経緯からすると、五課題それぞれについて解決が図られたわけではございませんので、納得のいく結果であったとは言えませんが、やむを得ず受け入れざるを得なかったと考えております。


 なお、清掃、学校改築、都市計画交付金等の個別課題につきましては、「五課題」としての位置づけは終了することとなりますが、それぞれの課題解決が終わったわけではなく、今後に多くの課題を残しておりますので、都区のあり方に関する検討を行う中で、改めてこれらの課題の解決に取り組んでまいりたいと存じます。


 次に第二問、大都市事務の課題に対する今後の対応についてでございますが、この課題は平成十二年の都区制度改革時の改正地方自治法で定められた都区の役割分担に応じた財源配分の実現を図る課題でございまして、都区制度改革の根本問題の解決を目指してきたものでございます。大都市事務は、東京都が二十三区の一体性、統一性を確保するために一体的な処理を行う必要がある市町村の事務のうち、市町村財源をもって処理する事務のことでございました。この大都市事務の範囲について都区双方で協議してまいりましたが、それぞれの主張の隔たりが大きく、合意を見出すことはできなかったものであります。このため今後の都区のあり方を根本的かつ発展的に検討する都区共同の組織を設置し、この組織の中で、大都市事務の課題についても引き続き検討を行い、その結論に従い整理することとされました。したがいまして、お尋ねの大都市事務の課題に対する今後の対応でございますが、この課題は特別区を基礎自治体として位置づけ、都区の役割分担を明らかにした都区制度改革の根本にかかわる課題であり、今後もしっかりとした対応が必要でございますので、ただいま申し上げました都区で共同設置する検討機関におきまして、地方自治法に基づく整理ができるよう全力を挙げて取り組んでいきたいと考えているところでございます。


 次に、第三問目、三位一体の改革と税制改革による区民生活への影響及び今後の対応についてでございますが、国と地方の税財政改革であります三位一体改革は、平成十八年度までに四兆円の国庫補助負担金の改革を行い、それに伴う三兆円の税源移譲を行うことによりまして、税制面での地方の自由度を高めようとする改革であります。


 まず、国庫補助負担金改革の本区への影響でございますが、平成十八年度の改革で新たに二億七千万円余の国庫補助負担金が削減されることになり、平成十五年度から十八年度までの四年間の累計では、福祉関係経費を中心に十億六千万円の削減となるものでございます。


 一方、これに伴う財源の移譲でございますが、平成十八年度までは所得譲与税の交付により行われることとされております。具体的には平成十八年度の新たな国庫補助負担金の改革分につきましては、十九年度以降の本格的な税源移譲額による案分で所得譲与税が交付されますが、本区は税収減となりますので、この分につきましては所得譲与税の交付が見込めないことになりました。平成十七年度までの改革分につきましては、従来どおり所得譲与税が交付されますので、八億七千万円余を十八年度予算案に計上しているところでございます。なお、国庫補助負担金の削減分で所得譲与税の交付より補てんされない額につきましては、都区財政調整により基本的には措置されますので、実質的な影響額は生じないこととなります。


 また、本格的な税源移譲は平成十八年度の税制改正により行われ、十九年度から実施されることとなります。その内容は、個人住民税所得割の一〇%比例税率化により所得税から住民税への税源移譲が行われるものでございまして、その際の市町村民税と都道府県民税の税率配分は六対四とされました。


 この結果、本区では十七年度課税ベースの試算で、特別区民税が三十二億六千万円余減額されると見込まれますので、国庫補助負担金の削減に加えて、さらなる減額が生じることとなります。その上、個人都民税徴収取扱費交付金の算定方法の見直しによりまして、従来に比べ三億八千万円余の減額となりますので、本区における三位一体改革に伴う減額影響額は全体で四十七億円余になるものと想定いたしております。


 この影響額でございますが、特別区の場合は都区財政調整制度により基本的にはその全額が措置されますので、これに伴う区民生活への直接的な影響は生じないと考えております。しかし、影響額が措置されると申し上げましても、その財源は既に二十三区に配分されて財調財源によって賄っているわけでございますので、その財源を調整税の配分割合の引き上げにより確保することが必要でございます。


 三位一体改革の影響への対応は引き続きの課題とされましたので、十九年度財調協議において二十三区全体の影響額を配分率の引き上げにより補てんできるよう、その実現に向けて努めてまいりたいと考えております。


 次に、第五点目、緑と良好な住宅地保全のため、今ある各種条例を強化する必要があると思うがいかが考えるかについてでございますが、目黒区の魅力の一つは、道路など都市施設が整備され、区画の整った、敷地面積の比較的大きい緑豊かな住宅地が多いことにあります。こうした良好な住宅地は先人たちが長い年月をかけて培ってきたものですが、近年、建物の建てかえに伴って樹木が伐採されたり、敷地が分割されるなど、変化が目立ってきております。


 緑や良好な住環境の保全を目指し、これまで都市計画法や建築基準法に基づく土地利用や建物の規制・誘導制度を活用してまいりました。例えば用途地域や高度地区の指定のほか、平成十六年度には区の面積の四〇%を占める第一種住居専用地域に敷地面積の最低限度の指定をしました。こうした法律に基づく制度のほか、「みどりの条例」や「狭隘道路の拡幅整備に関する条例」のほか「ワンルーム形式集合住宅に関する指導要綱」などによって法律を補ってまいりました。


 以上のように、これまでさまざまな規制・誘導によって良好な住環境の保全に取り組んでまいりましたが、今後は地域の個性を尊重しながら、さらに生活の質を高めることに取り組む必要があります。このため住環境に関する条例や要綱を総合的・体系的に整備することを検討し、区民、事業者、行政の連携と役割分担によって、良好な住環境を保全・形成するための方策や、その実現に向けた取り組みを明らかにすることを検討してまいります。


 なお、平成十六年三月には、快適に住み続けられる住環境を保全・形成するまちづくりを進めることを明らかにした都市計画マスタープランを策定しましたが、同時期、景観法や都市緑地法など、住環境の質的向上や緑化の推進を目的とする法律が整備されましたので、これらも含めて検討してまいりたいと考えております。


 次に、第六点目、まちづくり戦略と重要課題についてでございますが、我が国はさまざまな面で社会が大きく変わりつつありますが、とりわけ大きな動きは、我が国が本格的な少子高齢社会、人口減社会に突入したということでございます。国勢調査の速報値によりますと、目黒区の人口は増加していますが、これからの人口減社会を考えたとき、まちの活力を維持する上でも一定の人口を維持していくことが不可欠でございます。


 そこで私は、多くの区民がいつまでも住み続けられるように、目黒が目指すまちづくりを「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」としたものでございます。住みたい、住み続けたいと思うのは、そこに住むだけの価値があるからであります。失われた価値を取り戻し、新たな価値を創出するためには、さまざまな分野で安全、健康、快適、利便といった生活の諸条件を充実させ、区民の満足度を高めることが必要です。


 所信表明で申し述べました四つのまちづくり戦略には、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現に至る道筋、六つの重点課題と主な施策は具体的な戦術に相当するものと考えております。総花的で具体性に欠けるとのご指摘がございますが、主な施策の充実が四つの戦略を通じ、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」の実現につながると考えており、私が目指すまちづくりの方向と具体的な道筋を明らかにしたものでございます。


 昨年開園した目黒十五庭は区民の方からも随分反響がございました。目黒に住み続けたいという帰属意識は、地域の文化や歴史ばかりでなく、地域特性を生かした目黒独自の施策が目黒区に対する愛着や区民としての誇りにもつながることを実感しております。


 それぞれの課題解決に向けては着実な施策展開が求められますが、施策の具体化に当たりましては、地方分権時代にふさわしい個性的なものが発信できるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。


 次に、第七点目、新しい財源確保策についてでございますが、我が国の経済の発展に伴い、行財政分野における事務は増大の一途をたどってまいりましたが、社会状況の変化に伴い税収の大幅な伸びが見込めない時代となり、税制の硬直化が進んできております。三位一体の改革における税源移譲や都区財政調整制度における主要五課題なども含め、本区にとって厳しい財政状況が続くものと考えております。このような状況の中で地域における行政を自主的かつ総合的に実施し、区民へのサービスを的確に供給するためには、必要な財源を確保していくことが欠かせません。このような考えに基づき、歳出の削減及び歳入の確保について第二次行財政改革大綱年次別推進プランに沿って取り組みを進めているところでございます。お尋ねの新しい財源確保策につきましては、施設附帯駐車場の有料化や総合庁舎におけるロケ誘致などの取り組みも行っているところでございますが、他の自治体では法定外税の導入や広告事業収入の確保、企業立地の促進などさまざまな視点からの検討が進められている状況もあり、本区としてもより広い視点からの検討が必要であると認識しているところでございます。


 新しい財源確保を検討する際には、それが行政として主体的に取り組む必要のある分野であるのか、また、そのサービスによる受益と負担が適切なバランスを保っているのか、さらに財源の充実確保にどの程度寄与するものなのかなど、多面的な分析を行うことが欠かせないと考えております。今後、先進自治体の例なども踏まえながら調査研究を行ってまいりたいと考えております。


 次に、第八点目、安全・安心・住み続けられるまちづくりについてでございますが、区民の安全・安心は最も基本的な行政サービスであり、区民の理解と協力なくしてその実現を図ることが難しい課題であることは十分に認識しているところでございます。また、区政を推進する上で区民の理解と協力を得ることは極めて重要な課題であると存じます。


 防災対策を例にとりましても、行政だけで食糧の備蓄や資機材の整備を図るには限界があります。区民や事業者、町会、商店会、ボランティア、NPO法人、そして行政など、それぞれが各自の役割を認識し、相互に連携・協力しながら自助、共助、公助の取り組みを推進しなければ、大震災による被害を最小限にとどめることはできません。生活安全対策の面につきましても、犯罪発生件数が減少傾向を示し、一定の成果を上げておりますが、これは警察当局による対策強化のみならず、さまざまな団体による地域安全パトロールの実施など、区民の理解と協力による地道な取り組みによるところが大きいものと考えます。


 したがいまして、区民の理解と協力に基づく具体的な活動をより一層推進するため、区民と行政の双方向のコミュニケーションを活性化し、より幅広い区民等に区政への参画が得られるよう努めたいと存じます。そのためには、まず行政があらゆる施策について情報公開や説明責任を確実に果たす必要があります。可能な限り、職員が積極的に地域に出かけ、地域の課題を区民と話し合いながら、行政として取り組むべき対策や区民等の自主的、主体的活動を推進すべき課題などについて共通理解を深めなければなりません。


 このような施策の一つとして、協働の仕組みづくりも位置づけられると存じます。区の施策に関する周知方法やパブリック・コメントのあり方、職員の意識改革など、区民の理解と協力を得るための検討課題は多岐にわたりますが、引き続き着実な実現を図り、多くの区民の区政への参画を図りながら、安全で安心な住みたいまち、住み続けたいまち目黒の実現に努めてまいりたいと存じます。


 次に、第九点目、少子化対策の基本は教育と育児・教育にかかる経済負担の軽減を図る施策ではないかについてでございますが、少子化の大きな原因として晩婚化や未婚化の進展、夫婦の出生力の低下が指摘されております。その背景には女性の就業率の高まり、結婚や家庭を持つことよりも個人の生活スタイルを優先する結婚観や価値観の変化、ニートやフリーターなど経済的に不安定な若者の増大、また子育て家庭にとっては仕事と子育ての両立への負担感、夫の育児不参加、育児や教育にかかるコストへの負担などさまざまな要因があると言われております。


 こうした状況におきまして、少子化への対応といたしましては、結婚や出産は当事者の意志が尊重されるべきものであることを基本としながら、家庭を持つことや子どもを育てることに夢や希望を持てる社会をつくることが大切であると認識しております。少子化対策基本法や次世代育成支援対策推進法に基づき国や地方自治体の施策の推進や企業の労働環境の整備など、それぞれが役割を分担しながら、子育ての整備が進められているところでございます。


 区といたしましては、昨年度策定した次世代育成支援行動計画に基づき、子育て支援策や教育の充実などを通じて、安心して子育てができ、子どもが健やかに育つことのできる地域の環境整備に努めているところでございます。これらの取り組みの中では、議員御指摘のとおり、子どもを産み育てるために必要な知識を身につけるとともに、生命の大切さや家庭の役割について理解を深めるための若い世代への教育、子育て世代への育児、教育にかかる経済的な負担を軽減するための施策の充実も求められているところでございます。


 区といたしましては、区立保育園での中高生の乳幼児触れ合い体験、児童館での青少年ボランティア育成、保健センターにおける各種育児教室などを通じて、将来に向けて親となるために必要な知識や経験を得る機会を提供しております。このほかに地域ぐるみで子どもや子育て家庭を支えること、男女が共同して家庭を築くことの大切さなどを、区民、保護者、事業主などに普及、啓発していくことも必要であると考えております。今後とも若い世代や子育て世代への教育の重要性を再確認し、これらを充実してまいりたいと考えております。


 また、子育てにかかる経済的な負担軽減策といたしましては、国において昨年度より児童手当の対象を小学校三年生まで拡大したところでございますが、さらに平成十八年度からは小学校六年生までへの拡大及び所得制限の緩和が行われる予定でございます。


 区といたしましては、本年一月より医療費助成を小学生の入院費まで拡大したところでございます。また、教育にかかる経済的な負担軽減策といたしましては、平成十八年度から私立幼稚園入園費、保育料の補助を充実してまいりたいと存じます。


 少子化対策としての子育て・教育にかかる経済的な負担軽減策は第一義的には国の制度として対応する方がより効果的であると考えております。一方、近隣区において医療費助成制度の対象拡大、妊娠や出産にかかわる給付制度など、さまざまな経済的支援策の拡大が打ち出されており、さらなる充実について区としても課題であると認識してございます。今後とも、区の財政状況や国の施策の動向を注視しながら、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。


 次に、第十点目、協働をどのような仕組みでどのように進めるかについてでございますが、本区は、本年二月に区民と行政の協働を「ともに考え、ともにつくる関係」と示した協働推進方針を策定いたしました。この方針は、目黒区における協働のあり方と推進に向けた仕組みづくりの方向を明らかにしたものでございます。協働を推進していくためには、区民活動と行政活動の連携がさらに広がるような土壌をつくることが大切でございます。そこで、本区には区が取り組む方向として協働事業が広がる環境、区民活動が活発に行われる環境、区政への参画が拡大する環境の三つの環境づくりと、具体的な十二の方策の考えを掲げたところでございます。


 方針策定後は「ともに考え、ともにつくる」ことの実践が求められてまいりますので、まずは協働事業を具体的に明示できる仕組みづくりが必要でございます。十八年度は他の施策に先駆けて協働事業を行う際のガイドラインや活動団体からの事業提案を受ける制度など、実際に協働して行う事業が広がるような仕組みを整備していきたいと考えております。


 いずれにいたしましても、今後、策定した方針に基づき、協働の環境づくりを着実に進めるとともに、協働事業を一つ一つ積み重ねてまいりたいと存じます。


 以上、お答えとさせていただきます。





○宮沢信男議長  雨宮正弘議員の代表質問を終わります。


 議事の都合により、暫時休憩いたします。





   〇午後二時五十九分休憩





   〇午後三時十六分開議





○宮沢信男議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。


 次に、三十六番下岡こうじ議員。





   〔下岡こうじ議員登壇〕





○三十六番(下岡こうじ議員)  私は、目黒区民会議を代表して、区長の所信表明に対して区政の諸課題について、順次質問をいたします。


 まずその前に、昨今の目黒区を取り巻く国際社会経済状況等について少し申し述べさせていただきます。


 最近の社会環境はまことに厳しいものがあります。区民の関心の最も強い、住まい、住の安全については、アスベスト問題やマンション建設による耐震偽装問題が発覚し、国も地方自治体もその対応に追われることになりました。幸い今のところ、目黒区には対象物件はないようですが、安全性の確認には、時間と費用、そして大変な労力がかかるものと思いますが、今後とも引き続き安全確保に取り組んでいくべきであると考えております。


 米国産の牛肉にBSEの病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱が混入していたことによる輸入禁止問題もありました。さらに、三位一体の税源の移譲や、都区の税財政調整の主要五課題は都区間で一応の決着が着いたとはいえ、都区の大都市の役割分担を踏まえた財源配分のあり方等については先送りされることになりました。二十三区の将来の区政運営に大きな影響があることから、今後、二十三区の区民や議会、行政が一体となって都区との話し合いに臨むべきであると思います。


 平成十八年度の国の経済財政運営の見通しについては、消費及び設備投資が引き続き増加し、我が国の経済は民間需要中心の穏やかな回復が続くものと見込まれ、物価についてもデフレの展望が開け、わずかながらプラスに転じているとしています。しかしながら、区内の中小企業や区民の実感は必ずしもそうではなく、区政を取り巻く状況は依然として厳しいものがあります。


 区長は、平成十八年度の予算編成に当たり、「区民の安心と安全の確保」や「信頼と改革の区政」を区政運営の基本姿勢として、区政に対する区民の信頼を念頭に置き、「入札制度の改革」を初め、「職員倫理条例」、「公益通報者保護条例」の制定等に取り組み、区政の透明性を向上させるための施策の実現を目指すとしていますが、大きな成果が得られることを期待するものです。


 私たちの目黒区民会議は、平成十八度の予算編成に当たり、昨年十月、区長に対し、第二次行財政改革大綱の新年次別推進プランに基づき、民間活力の積極的な活用を図るとともに、区執行体制の一層の簡素・効率化を進められること、上目黒一丁目のJR跡地の有効活用に取り組まれること、協働については、住区住民会議結成の経験をもとに広く区民や団体の意見を聞き、理解を得て進めるべきであること、税外収入の確保については、既存の常識にとらわれることなく、あらゆる面の調査研究をして進められること等について予算要望を行いましたが、真剣に受けとめられ、予算に反映されたことを多とするものですが、この際、次の諸点について質問を行ってまいります。


 都区財政調整についてお尋ねいたします。私は、都区財政改革について二年前の第一回定例会において、目黒区民会議の会派を代表して質問を行いました。その中で平成十年二月十日の都区協議で確認した「都区双方の大都市事務の役割を踏まえた財源のあり方等について」は、平成十七年度末まで先送りされたことに触れ、平成十二年の都区協議を見ても明らかなように、この課題はそう簡単にいくとは考えられず、改革は道半ばであり、二十三区の行政水準の均衡を図る必要から、都区財政調整が続く限り、この課題も続くものと考えます、と述べました。


 それから二年が経過した同じ二月の十日に、都区双方が合意した今回の結論の主なものは、一、平成十八年度都区財政調整協議において、清掃関連経費及び小中学校改築にかかわる課題を整理することとし、都は財政交付金とは別に、二百億円を特別交付金として平成十八年度に限り設けるとし、二、最大の課題である都区の大都市事務の役割分担を踏まえた財源配分のあり方については、都区の総意を踏まえ、今後の都区の協議の中で検討し、解決を目指すというものでありました。


 都区制度の改革は、御承知のとおり、昭和二十二年(一九四七年)から今日に至るまでの五十九年間にも及ぶ、住民や行政、議会が一体となって取り組んできた自治権拡充の運動であり、その間、数次にわたり、自治権の拡充が行われました。その中でも、昭和四十年、昭和五十年は大きな都区間の改革が行われ、昭和五十年には、念願の区長公選も実現をいたしました。その後、平成十二年の四月に施行された改革は、特別区は法律上も区民に対して第一義的な責任を負う基礎的な地方公共団体として位置づけられ、清掃事業が移管をされました。


 しかし、平成十二年の特別区制度調査会の中間のまとめで指摘されているように、「平成十二年の改革は、都区双方が目指した都と特別区の役割分担や、住民に対する責任を明確にするとの目的が法律上は実現したものの、実際は未完のまま先送りされたのでした」、と述べているとおり、主要五課題や都区の事務の役割、財政の配分という重要課題は、平成十七年度末まで先送りされてきたのでしたが、残念ながら今回も合意に至らず、またしても都区財政調整の重要課題は、解決の時期も示さず、都区間で今後検討組織を設置して協議することとし、未完のまま再度先送りされることになりました。


 そこで質問に入ります。


 一、区長の所信表明では、今後引き続き必要な課題について都区間で協議していくことにしていますが、今後の検討の課題はどのようなものを考えておりますか。また、都区で共同設置する検討組織についての考えをお聞かせいただきたい。検討する時期を定めることは、先ほども言いましたように、極めて重要だと考えていますが、この時期について、どういうふうに設定をしようとしているのですか。


 二、今回の検討の中に、二十三区の区域のあり方も検討の課題になっているようですが、区域の課題は二十三区全体の課題であり、まず二十三区の考え方を示していく必要があると考えますが、どのようにお考えですか。


 三、今後、新しい方向が定まるまでの間、暫定的配分率を定めるとしていますが、新しい方向性とは何を示していますか。


 四、自治権拡充の運動は、今日まで区民や議会、行政が一体となって長い間続けてきました。今後も三者一体で取り組むべき課題であると考えますが、区長は今後どのようにして取り組んでいこうとしていますか。


 次に、マンション等の耐震偽装問題について質問をいたします。


 今回の偽装問題は、多数のマンション等の周辺住民や居住者に対して多くの不安を与えているばかりでなく、区民の間にも建築物の耐震に対する不安が広がっています。今回の偽装は、建築確認や検査制度の根幹に係わる深刻な問題でもあり、国は今後このような事件が起こらないようにするための法整備を進めているようですが、さらに二月に入って、福岡市や横浜で非姉歯物件の耐震偽装物件が判明したとの報道があるなど広がりを見せていて、大変憂慮すべき事態だと思います。


 平成十一年五月一日建築基準法が改正され、民間の指定確認機関が建築の確認と検査を行うことができるようになりましたが、以来七年が経過しようとしています。その間に区内の建築確認は民間の指定確認検査機関が行う件数がふえ続け、平成十七年度は全体の約八割を占めるようになりました。その中で、民間の確認検査機関の確認した物件に対しても、地方公共団体の責任が問われる今、我が目黒区には耐震偽装物件がないことは幸いですが、この現実を他人事として見過ごすことのないよう、万全の体制で臨んでいただきたいと思いますので、次の五点について、質問をいたします。


 一、目黒区は、このたびの耐震偽装問題をどのように受けとめ、取り組もうとしているのですか。


 二、民間の指定確認検査機関が行った確認であっても、建築主事を置く地方公共団体が国家賠償法上の適格と認める最高裁の判断が出ていますが、目黒区はその判断をどのように受けとめ、責任を負わなければならない場合は、どのように対応していこうとしておりますか。


 三、今後、民間確認検査機関が確認した確認物件の検査等に目黒区はどのように取り組もうとしていますか。耐震の審査や検査は費用や人手がかかると聞いていますが、今後の体制はどのようにしていきますか。


 四、紛争調整については、民間機関が八割の確認を行う現状の中で、当事者間の話し合いが難しくなっている現状があります。建築主の説明責任の明確化について、条例等の見直しを行い、近隣との話し合いが行えるようにすることが必要であると考えますが、いかがですか。


 五、区民の不安が広がっていることから、現在、目黒区は、どのように耐震問題に取り組んでいるのか、区民に現状や情報の提供を積極的に行う必要があると考えますが、どのようなお考えですか。


 次に、指定管理者について質問いたします。


 平成十五年九月二日に施行された地方自治法の一部を改正する法律により、公の施設の管理について指定管理者制度が創設されました。指定管理者は、従来の公共的な団体に加え、民間事業者、法人、NPO等も施設の管理を行うことができるようになったことから、多様なノウハウ等が生かされ、利用者に対するサービスの向上と管理運営の効率化を図れることが大いに期待されているところです。指定管理者は、毎年度終了後、事業報告を提出しなければならないことや、公の施設の利用にかかわる利用料金を指定管理者の収入としてすることができるなど重い責任を与えられることになりました。


 我が区も文化ホール、美術館、特養老人ホーム、各住区施設等の施設の指定管理者が決定し、指定管理者による管理が四月一日からスタートすることになり、平成二十一年三月三十一日までの期間となっています。事故のないように、区民の安全の確保をどうするか等今後の課題もありますが、次の三点について質問をいたします。


 一、今回、指定管理者となった管理者の指定期間は、平成二十一年三月三十一日になっていますが、次回の選定に当たってはどのような考えを持っていますか。


 二、指定管理者の実施によって、区民サービスの向上を期待するものですが、その際、区民の評価は非常に大事になってくるものと思いますが、利用者や区民の評価をどのようにして吸い上げようとしていますか。


 三、今回指定しなかった施設の指定管理者決定までの日程については、公募に応じることができる期間を十分に考慮した日程で進めるべきであると思いますが、そのためには、早く決めて、その日程を明らかにすべきと思いますが、どう考えていますか。


 最後に、健康づくりと生涯学習の充実についてお尋ねいたします。


 日本の人口は、二〇〇六年をピークに、出生率の低下などにより年少人口が減り、急速に少子高齢化が進もうとしています。現在働き盛りの世代が多い都市部においても、いずれ、人口の減少が始まると予想されています。また、年々伸び続けている平均寿命は、三十年前と比較して男性では約六歳、女性では約八歳延びたと言われております。


 目黒区の昭和四十五年、五十五年、平成二年、平成十二年の国勢調査の調査結果を見ても、十年ごとに約三%の割合で六十五歳以上の人口がふえ続け、平成十二年の国勢調査の結果は一七・四%でした。数年後には、二〇%台になることは必至であります。区としても、これらの現状を踏まえ、高齢者の健康づくりや生涯学習の充実を図っていく必要があります。したがって、次の点について質問いたします。


 人生にとって、健康でいつまでも長生きできるということは、人生最高の喜びであると私は思っています。区政にとっても、区民の健康づくりは重要な課題です。今日まで各種の健康づくりの施策を行ってまいりましたが、全庁的な取り組みになっていないのではないかという意見もありますし、私もそう思っております。縦割りの行政ではなく、区民の立場で取り組んでいくべきではないでしょうか。


 二つ、区民のスポーツや健康づくりにかかわっている団体等の連携はほとんどと言っていいほどありません。区民の健康づくりに全体で取り組む必要があり、関係者の連携ができる仕組みづくりを考えていく必要があると思いますが、いかがですか。


 三、高齢化が進む中で、スポーツや健康づくりの場の確保は不可欠です。区民センターの体育館や中央体育館には、夏の冷房設備がないため、利用者は大変厳しい状況であります。高齢者や障害者がいつでも利用できるように改善をしていく必要があると思いますが、いかがですか。


 四番目、四十歳からの健康づくりは極めて大事であります。年代に応じた健康づくりのメニューの作成や、宣伝を積極的に行うべきであります。


 最後になりましたが、団塊世代が退職を迎える時期になりますが、区内の生涯学習の案内版を作成し、区内の生涯学習に参加していただき、健康で長生きできる、そういう社会づくりをしていくべきではないでしょうか。


 以上です。(拍手)


   〔青木英二区長登壇〕





○青木英二区長  下岡議員の四点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。


 なお、第四点目については、教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。


 まず第一点目、都区財政調整制度及び二十三区の今後のあり方についての第一問、主要五課題に係る引き続きの協議課題及び都区共同設置する検討組織についてでございますが、御案内のとおり、主要五課題につきましては、平成十八年度都区財政調整協議におきまして、一定の整理が行われたところでございます。最大の課題であります都区の役割分担を踏まえた財源配分につきましては、今後の都区のあり方を抜本的かつ発展的に検討する都区共同の検討組織を設置し、その中で協議を行うこととされました。また、清掃、学校改築、都市計画交付金などの個別課題は、今回の財調協議におきまして、財調外の特別交付金を受け入れることで主要五課題としての位置づけは終了するということになりました。


 しかしながら、これらの個別課題につきましては、主要五課題としての位置づけは終了したものの、解決がついたものではございませんので、今後に多くの課題が残されたことになります。これらについての今後の課題は、都区のあり方に関する今後の検討の中で改めて解決を図ることとした次第でございます。


 そこでお尋ねのございました、今後引き続き都区で協議を行うとした検討課題でございますが、ただいま申し上げました主要五課題として未解決となった清掃、学校改築等の具体的な課題のうち、今後生じてまいりますこれらにかかわる課題のことでございまして、これらの課題につきましては、引き続き、都区のあり方に関する検討の中で協議し、解決を図っていく意味でございます。また、今後設置される都区共同の検討組織でございますが、現時点では、都区で共同設置することだけは合意しておりますが、そこで協議する具体的な課題や構成員、日程等については、今後、都区間で十分協議を行いながら決定していくことになると存じます。なお、検討期間につきましても、同様に、これら都区間で協議して決めていくことになるものでございます。


 次に、第二問、特別区の区域のあり方に関して、二十三区における事前検討の必要についてでございますが、都区で共同設置する検討組織は、今後の都区のあり方について、事務配分や特別区の区域のあり方、税財政制度などを根本的かつ発展的に検討する組織でございまして、今後の特別区のあり方にも大きな影響及ぼす可能性のある大変重要な組織でございます。その中には、御指摘のありました特別区の区域のあり方、すなわち再編等の極めて重要な問題が含まれております。


 特別区の区域のあり方につきましては、現在までのところ、本区を初め、特別区全体におきましても、ほとんど議論は行われていないのではないかと存じます。この問題は、最終的には住民の意向が大きくその方向を左右することになりますので、議会や住民の意向を十分に踏まえながら、慎重に進めていく必要があると存じます。


 本区では、この問題については、全く検討は行われてきませんでしたが、都区共同の検討組織の設置が予定されていることでもあり、特別区の区域のあり方を含む、今後の都区のあり方については検討しなければならない課題であると認識しているところでございます。しかし、特別区の区域のあり方など、具体的な課題について検討する前に、現行の都区制度を今なぜ見直さなければならないのか、まずその理由なり必要性について整理する必要がございます。


 そこで、二十三区における対応でございますが、今後の都区のあり方という極めて大きな課題について検討を行うことになりますので、区長会などで事前の議論を十分尽くし、議論を深めた上で都区の協議に適切に対応していかなければならないと考えております。


 次に、第三問、暫定的な配分率と今後の都区の新しい方向についてでございますが、都区の役割分担を踏まえた財源配分につきましては、今後の都区のあり方を検討する都区共同設置の検討組織において、引き続き検討が行われることとなりました。一方、平成十九年度財調協議におきましては、三位一体改革の影響への対応として、調整率の改定が予定されておりまして、最低二%アップについて、合意できるよう努力するとの確認が都区の間でなされております。これに従い、改定された場合の新たな調整率でございますが、暫定的な配分率としての定めになるものでございます。これは都区の役割分担を踏まえた財源配分により、本来的な調整率が定められることになりますので、平成十九年度に改定された場合の調整率は、それまでの間、すなわち、新しい方向が出されるまでの間は、暫定的な調整率になるものでございます。御理解を賜りいと存じます。


 次に、第四問、新しい二十三区のあり方についての区民議会、行政の一体的取り組みの必要性につついてでございますが、今後の都区の新しいあり方は、その内容次第で区民生活にも大きな影響を与えることになります。したがって、検討を進めるに当たっては、区民の意向を十分把握し、その意向を踏まえて、慎重に進めていかなければなりません。また、議会につきましても、必要な情報を共有しながら、十分連携を取り合い、双方が協力し、十分意見を出し合って進めていくことが必要であると考えております。


 議論の参考となる情報を十分に提供し、地域再編などの課題であれば、そのメリット・デメリット、あるいはその必要性などを具体的に判断できる情報や支援を積極的に行っていかなければなりません。検討過程では、さまざまな意見や、場合によっては紆余曲折も予想されますので、住民や議会に十分理解を深めてもらうためには、拙速は避け、十分に時間をかけて納得と理解を得ながら進めていくことが不可欠だと存じます。


 いずれにいたしましても、区民、議会、行政が一体となって検討を進めていくことが重要でありますので、このことを肝に銘じて、相互に連携を密にしながら、二十三区全体や他区の動向にも注意を払いつつ、慎重に進めてまいりたいと存じます。


 次に、第二点目、耐震強度偽装問題につきましては、区民の間に建築物の耐震性に対する不安を広げることとなり、私としても非常に遺憾に感じておるところでございます。幸いにも、本区においては、現在のところ、耐震強度の偽装にかかわる建物は存在しておりませんが、二度とこのような問題が生じないよう、国や東京都との連携を図りながら対応してまいりたいと存じます。


 そこで、御質問の第一問、民間の指定確認検査機関に移行したことによる問題点についてでございますが、一つには、建築確認申請件数の減に伴って、手数料収入が減少している状況がございます。


 また、一つには、指定確認検査機関に建築確認申請が出された場合は、建築物の計画や周辺への影響など詳細な情報がわからないため、周辺住民からの問い合わせや苦情に対して迅速な対応ができない状況がございます。さらに、区で建築確認を行った場合には、区が定めた条例や要綱を遵守させることができますが、指定確認検査機関が行った場合には、条例や要綱を事前に周知徹底することが難しく苦慮いたしているところでございます。


 次に第二問、最高裁判決に対する区の考え方と自治体に生じる責任についてでございますが、昨年六月最高裁は、「指定確認検査機関による確認事務は確認権限を有する自治体の事務」との判断を下しております。この最高裁判決を受け、指定確認検査機関が行った建築確認処分の違法性を理由として、特定行政庁である横浜市を相手として損害賠償を請求した裁判で、横浜地裁は建築確認処分の違法性については認めましたが、損害賠償請求については棄却するという判断を下しております。その理由は、指定確認検査機関に故意や過失があった場合、確認の権限を有する自治体が賠償責任を負うとの判断を示した上で、今回の確認処分については、故意や過失がなかったとして棄却したものでございます。


 今後同様の裁判においては、指定確認検査機関の故意や過失の有無が争点になろうかと存じます。いずにいたしましても、最高裁や横浜地裁の判断は、民間での建築確認を認めた現在の建築確認制度からすれば、自治体への責任が重過ぎる判断と考えており、私といたしましては、区長会を通じて昨年十二月、建築確認の責任を明確にするよう、確認制度の見直しを国土交通大臣に要望しているところでございます。


 次に、第三問、民間の指定確認検査機関が確認した物件に対する区の検査等についてでございますが、現在の確認申請のもとでは、指定確認検査機関が行った確認処分に疑義が生じた場合には調査を行い、違法性が認められる場合には確認処分を取り消すことができるなど、区が指定確認検査機関に関与できる範囲は限られているところでございます。


 私といたしましても、区長会を通じて、国土交通大臣に対しまして、民間の指定確認機関に対する自治体の監視体制の拡充、指定確認検査機関が行った確認処分を検証する仕組みについて要望しているところでございます。また、二月に出された国土交通省の社会資本審議会基本制度部会の中間報告によりますと、建築確認の審査方法の厳格化、指定確認検査機関に対する特定行政庁の監督体制の強化が示されております。


 これらの報告を踏まえ、国では指定確認検査機関への監視などを含めた耐震強度偽装の再発防止に向けた建築基準法の改正を今通常国会に提出する予定と聞いておりますので、区といたしましては、国や東京都等の動向を注視しながら、適切に対応してまいりたいと存じます。


 次に、第四問、建築計画に対する近隣住民への説明責任等についての条例の改正を行う必要があるのではないかとのお尋ねでございますが、区では、一定規模以上の建築物に対して、「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」等に基づき、計画建物について、建主、事業主に近隣関係者への十分な説明をするよう指導を行ってきました。しかし、大規模建築物やワンルームマンション等の建築計画に対する問題について、解決に至らないケースもあります。


 そこで、住環境の整備と紛争予防の観点から、平成十六年六月から新たに「大規模建築物に対する要綱」の制定、「ワンルーム形式集合建築物建物要綱」の見直し及び条例規則の改正により、住環境への配慮や事前の周知期間を長くし、説明会や話し合いの時間をとるよう基準を策定し、運営に努めてまいりました。特に建築主、事業主による建築計画の説明に当たっては、誠意をもって道理に即した説明を行い、相手方の質問、意見に対しては、真摯な態度で回答及び交渉に当たるよう、指導・助言を行ってきております。


 しかしながら、現行の法令内で計画した内容を大幅に変更できないこともあり、近隣住民の思いと乖離した話し合いとなり、合意に至らないこともございます。区としては、今後も双方がよい関係で話し合える環境づくりに積極的な調整役として努力していくとともに、建築主、事業主が良好な住環境を保全・形成するために、現在の条例、要綱を総合的に見直しながら、より効果ある条例の改正等に向けて検討してまいりたいと存じます。


 次に、大きな三点目、指定管理者制度に関する第一問、次回の選定に当たっての考え方についてでございますが、今回の選定に当たり、現行の受託団体を継続して指定管理者として選定した施設につきましては、現段階で確定した方針を定めているものではございません。次回の選定につきましては、今後それぞれの施設において継続の扱いを行った事由を再度検証した上で、指定期間における運営の実績とその評価、民間事業者の受け皿の状況等を勘案し、総合的に検討してまいります。


 検討を進めるに当たっては、制度の趣旨を生かし、原則公募としていく考えをとることを視野に入れるとともに、経営改善計画の提出を受けた団体については、その取り組み状況なども含めて判断してまいりたいと考えております。


 次に、第二問、区民や利用者の評価を施設の管理に反映させていく仕組みについてでございますが、指定管理者が日々の施設管理を行う中で、利用者等の御意見・御要望を適切に把握し、可能なものから随時反映し、改善に努めていくことが基本となるものと考えております。このような日常的な取り組みに加えて、指定管理者による利用者アンケートの実施や、その結果に基づく自己評価を行い、利用者の評価を運営に反映されている仕組みなどを整えることも行ってまいります。その上で区といたしましても、指定管理者の評価を行う際に、利用者の評価やその結果がどのように施設の管理に反映されているかを点検するとともに、公の施設として必要なサービスが過不足なく提供されているかなどの視点からの点検も行い、必要に応じて適正に指導・監督を行い、施設設置者としての役割を果たしてまいりたいと考えております。


 次に、第三問、今回指定した以外の施設の指定管理者制度にかかわる今後の日程でございますが、現在、区が直接管理運営している公の施設について、制度導入の考え方をまとめ、検討を進めているところでございます。今後平成十八年十月を目途に、「直営施設における指定管理者制度導入プラン(仮称)」の案を策定し、公表するとともに、区民の御意見を募集した上で十九年二月を目途に導入プランを策定しまいります。個々の施設における指定管理者制度導入の時期につきましては、この導入プランの中でお示しをしてまいりますが、応募者が必要な体制整備や事業内容の検討を行う期間が確保されることも念頭において検討を行う必要があると認識しております。


 いずれにいたしましても、指定管理者制度は、サービスの向上と効率的な運営の実現を目指し、適切な評価を行いながら、民間の事業者などを積極的に活用する制度と考えておりますので、このような視点から取り組みを進めてまいりたいと思います。


 以上、私からのお答えといたします。





   〔大塩晃雄教育長登壇〕





○大塩晃雄教育長  下岡議員の第四点目の区民の健康づくりと生涯学習の充実につきましては、私からお答え申し上げます。


 まず第一問、区民の健康づくりの施策の全庁的な取り組みについてでございますが、目黒区は、「健康で生きがいのある生活の実現」を区の重要課題の一つとして定め、課題解決に向けた施策の着実な推進に努めているところでございます。今般、改定されました健康めぐろ21の推進に当たり、保健、福祉、スポーツ振興、社会教育、都市整備などの関連部署が連携・調整し、全庁的に健康づくりの施策を展開することが求められています。現在、区民が主体的に健康づくりに取り組むきっかけをつくるため、健康フェスティバルや健康広場、またスポーツ祭りなどのイベントを開催しておりますが、それらの開催に当たりましても、より一層関連部署が計画や運営に参加し、連携を強めながら取り組む必要があると認識しております。


 今後とも区民の健康づくりの施策の推進に当たりましては、区民や関係団体と連携するとともに、なお一層、全庁的な取り組みに努めてまいりたいと存じます。


 次に、第二問、区民のスポーツや健康づくりにかかわる団体の連携についてでございますが、現在、スポーツや健康づくりにかかわる団体がその活動内容の発表や交流を深め、健康づくりのネットワークを広げていくことを目的として、年一回健康広場を開催しております。この健康広場開催に当たりまして、目黒区体育協会や目黒区体育指導員協議会などのスポーツ関係団体や、地域で健康づくりの活動を行っている団体が集まり、企画・運営をしているところでございます。区民の健康づくりの推進は、区民一人一人が自覚をもって取り組むことが大切ですが、地域における健康づくり活動がより効果的に行われるよう、活動団体相互が情報交換し、ネットワーク化を図る必要があります。


 今後とも区、教育委員会が連携を深めながら、より一層健康づくり活動にかかわる団体が連携できる仕組みを検討してまいります。


 次に、第三問、区立体育館の冷房設備についてでございますが、現在、五カ所ある区立体育館のうち、区民センター体育館と中央体育館には冷房設備がございません。御指摘のように、高齢者や障害を持つ方々が区立体育館を利用する機会も多くなってきていますので、このような方々の健康づくりの場として、夏場にも利用できる環境を整備する必要があることは認識をしておるところでございます。しかしながら、二つの体育館に完全な形での冷房設備を設置することは大変大きな工事であり、財政的にも大きな負担を要するものでございますので、今後の検討課題とさせていただきます。


 次に、第四問、年代に応じた健康づくりメニューの作成やその宣伝についてでございますが、健康めぐろ21において、健康づくりのための具体的な行動目標と、それを支援するための施策目標を定めております。特に中高年の方が生活習慣病を予防するためには、運動習慣を身につけることが大切でございます。中高年の方が気軽に取り組める運動として、ウォーキングやラジオ体操の普及に力を入れておりますが、各体育館での一般公開事業としても、トリム体操や音楽体操を取り入れ、多くの方が気軽に参加しやすい種目をふやすよう、努めているところでございます。


 また、それぞれの個人に合った健康づくりをサポートするため、健康体力相談を八雲体育館で行っております。今後ともより多くの区民が気軽に取り組み、それぞれ個人に合った健康づくりに取り組めるよう、多様なメニューを用意してまりたいと存じます。また、健康づくりのための行動をわかりやすく解説した健康めぐろ21の実践ガイド版を改めて作成するなど、多様な情報発信に努めてまいりたいと存じます。


 次に、第五問、団塊世代の方が生涯学習に参加するための案内板の作成についてでございますが、本区では、生涯学習基本構想を定め、「区民が主体的に学習活動を行う生涯学習」、「豊かな地域社会の形成に生かすことができる生涯学習」という二つの姿の生涯学習を目指し、その実現に取り組んでいるところでございます。特に「区民が主体的に学習活動を行う生涯学習」の実現に向けて、多様な学習情報や学習機会を提供し、多くの区民が主体的にさまざまな学習活動を行っていけるよう、条件整備が必要でございます。そのため、現在、生涯学習情報提供システムを構築し、区民の皆さんに御利用いただているところでございます。


 御指摘のように、団塊の世代の方が退職を迎え、多くの方が地域の中で生涯学習に取り組まれる状況を踏まえますと、さらに多様な学習情報を提供できるよう研究を深め、充実してまいりたいと存じます。


 以上、私からのお答えとさせていただきます。





○三十六番(下岡こうじ議員)  再質問を時間の限り。


 都区制度について、先ほど言いましたように、平成十二年にこの法律が完成したんですね。二十三区は一般の市と同じような事務を行えるような基礎的公共団体と位置づける、これは法律が整備されたんですね。そして、じゃ、その仕事は都と区の仕事、あるいは財源配分はどうするかということは、平成十二年の法律ができたときに難し過ぎて、そのとき結論が出なかったんですね。そして、それを五年後の平成十七年度までには、都区で勢力的に話し合って決めていこうと。そうすることよって平成十二年度の都区の改革が実現するわけなんです。


 ところが、結局、十七年度までにはできなかった。要するに実現をしないまま、十七年度の末まできて、そしてさらにそれもできなかった。これからは共同で設置する組織で検討していこう。しかしそれは、先ほど言ったように期限も決めないで、今まで東京都と二十三区は約六十年の運動をしてきて、今ここにあるわけです。これから、じゃ、何年やったら都区制度が完成するのか。こういうことを考えると本当に気が遠くなります。


 私も昭和五十年度の区長公選のときから議員をやっていますけれども、本当に長い長い先輩たちの努力もありましたし、みんな引き継いでこうやってきているんです。そういう意味で、この期限を決めて、どういうふうに、いつ結論を出すかということは極めて大事なことであるので、そのことを区長によく記憶していただいて、これから取り組んでいただきたいと思うんです。そういうことをお尋ねいたします。


 それから今までは区域のあり方というのは、その検討課題に入っておりませんでした。今、区長が答弁されるように、降ってわいたようにこれが出てきたんですね。


 きょうの新聞でも道州制の導入の答申が出ました。それから平成の大合併と言われる市町村の合併も進んでおりまして、御承知のとおり、三千二百が千八百ぐらいに合併されていますよね。そういう動きもありますけれども、そういうのも認識しながら、今度の区域のあり方を検討していくんだと思いますが、きょうの道州の答申の中でも、これは国民的な議論の動向を踏まえて判断すべきものと考えるということを示しているんですね。だから、道州制を取り入れるといったって簡単にできない。国民的な議論を踏まえた上で実施するかどうかをしていこうという大変慎重なものなんです。だから、都区制度、二十三区のあり方を決めるということは、二十三区にとっては大変大きな課題を抱えることになったわけです。


 しかし、時代の流れですから、それも入れるとしても、これから区長は、その区域のあり方も含めて区民にどのように知らせて、どのように議会と一体となって二十三区の共通点も見出していくか。まずそのことが、今できる我々の二十三区をどうするかという議論を始めなきゃいかんでしょう。しかし私は、恐らく、これはいつ果てるともない長い長い道のりではないかと思います。


 そういうことで、ぜひ、特に区域のあり方ということは重要課題である。区民も新聞でだけしかこういうことは知りませんよ。ぜひ、よく区民に知らせていただきたい。そして区民と一体となってやっていただきたいと思います。


 それから、もう時間がないので一つ、二つ質問しますが、耐震の問題については、平成十七年度、十八年一月の時点で約七九%が民間確認指定機関でやっている。件数にすると六百六十四件があるんですよ。六百六十四件がもう既に民間の確認検査機関に移行して確認がおろされております。こういう物件に対して、区はどういう耐震構造の検査をしていくのか。


 聞きますと、大変費用もかかるし、人手もかかる。昨日専門家の人に聞いたら、ソフトだって百種類ぐらいあるんじゃないかと、こう指摘しているんですね。そういうものを区にそろえて検査なんかできませんよ。だから、国はこの前、第三者機関で再点検をしていったらどうだということで国土交通省も方針を出していますね。こういう動きなどもよく踏まえて、私は対応していくべきだと思うんですが、現に確認を出された耐震構造については、区はどう対応していくのか。これは答弁になかなか出てこなくて、危ういよという情報が入れば、それをやる程度のことではないでしょうか。だから、本当に安全かどうかと言われるのは、なかなかこれは難しい。


 構造計算書の紛失ということで、二月の二十八日に元都市公団が紛失してしまったという記事が大きく載っておりました。自分が住んでいるマンションが果たして安全かどうか構造計算の書類を見せてくださいと。そして確認をしてくださいということで公団の方に言ったら、構造計算書がもう五十件ほどないんだよと、こう言ったということが新聞に載っていましたね。いろいろな問題が出てきておりますので、安心することなく、目黒区の耐震構造について、きちんとした対応をしていただきたいと、このように思いますが、いかがですか。


 もうこれで終わりです。





○青木英二区長  まず一点目の時期ということでございますが、二点目の再編とも絡んでお答え申し上げたいと思いますが、まさに議員御指摘のように、非常に大きな課題だというふうに私ども認識をいたしております。そういったことでありますので、逆の言い方をすると、テーブルに着くときに、これだけの大きな課題なので、何月何日の何時何分までに決定をするということをもってテーブルに着くのは非常に難しいのかなというふうに私は率直に思っております。


 その何月何日に結論を出そうという、また話し合いをやるような機会をつくらなければいけないというような状況かと思います。当然、私は進捗状況を見ながら、その日程がだんだん絞り込まれてくるのかなと。最初から何月何日にやりますよというような会の持ち方ではないのではないかなという感じがいたしております。ただ、議員御指摘のように、これは未来永劫続くことでございませんので、話し合いの中で、合意形成がされてくる中で日程がだんだん絞り込まれてくるかなと思います。


 と同時に、これは都と区の役割分担の問題、再編の問題、幾つかの課題があるわけです。例えば、個別の問題も、学校改築等の問題も、今後新たに起きる問題はこの中で論じられるわけですから、いろんな問題がこの中で論じられますので、一つ一つがいつということを、論議の中で検討がされていくというふうに思います。


 それから、再編の課題については、これは私、二月の十日の臨時区長会のときに発言をさせてもらったわけですが、私ども第二十八次地方制度調査会、それから今東京の自治懇談会、私どもの第二次特別区制度調査会等で再編の論議がいろいろあるかと思います。また、議員御指摘のように、全国の自治体、既に四三%が再編をされているという大きな流れは認識してございますが、この主要五課題の中で、この論議は私の知っている二年間の区長の間では一回もしてございませんし、多分、その前もしていないというふうに思います。


 私としては、この発言をさせていただいたのは、まずは二十三区として、今まで全く話がなかった問題についてきちんと話し合いをするべき必要があるのではないかということも話をさせていただきました。同時に、これは二つ課題があると思います。二十三区全体として、どうこの問題に取り組んでいくかのか。これは再編ですから、目黒が何かできる話じゃなくて、他区との組み合わせの問題ですから、特に二十三区の場合は都内で一体的な行政ということが行われている、またほかの自治体と若干違います。そういった二十三区でありますし、最も重要なことは、私も先ほどの答弁でお答え申し上げたように、私の知っている範囲でも、目黒区でも再編の問題については、今まで一度も議会でも公式に論議がされたことがないように思っております。そういったこと。


 さらには、区民の皆さんの動向というのは最も重要でございます。したがいまして、二十三区全体の考え方とあわせて目黒区としてどうするのか、これは並行してやっていくことが必要かと思います。ただ、私はまずは、昨日二十八日の都議会の代表質問の速報を見ておりましても、総務局長の答弁では、事務の分担、そして再編というような書き方が出ておりました。私はまずは再編の前に、都と区の役割分担が明確にならなければ、結局、二十三区を、例えば、小さな十に分けたとしても、都と区の役割にけりがついていなければ、二十三区と東京都が話していたことが、十区と東京都が話すという数が小さくなっただけのことになるのではないかなというふうに私は思ってございます。私としては慎重な区民の皆さん、議会の皆さんの意向というのは必要かと思います。


 耐震診断につきましては、大きく分けて二つあるかと思います。現在でも八〇%の方が民間にお持ちになる。逆に言うと、二〇%を私ども目黒区が対応させていただいているわけでありますから、目黒区が行う分については、私は今後さらに一層慎重な対応が必要だというふうに思っているところでございます。民間の方につきましては、例えば、今私どもができることとしては、民間の確認検査機関にお出しをされた建物について、中間検査、完了検査等を、御要望があれば私どもがさせていただいて、こういった問題の安全性の確認もいたしております。


 それから、民間の方の対応でございますが、これは私ども目黒区の自治体として、どうこう言うのはなかなか難しいわけでございまして、今回、改正建築基準法も国会に出されるということになってございますから、そういった推移をよく見ていきたいというふうに思っておりますし、一つ大きなことは、今回私も区長として非常に感じているのは、この確認の業務が、機関委任事務から私ども自治事務になったということの一方で、民間にこれが委ねられるという、そういった部分もあるわけでございまして、昨年の十二月十二日の区長会からは、国に対して、この責任の明確化、だれにこの責任がきちんとあるのか、そしてそれを通じて今後二度とこういうことのないような監視体制の明確化ということも要望いたしているところでございます。


 あわせて大変大きな区民の皆さんに不安を抱かせる問題でございますから、いろんなホームページ等でも相談窓口が開設をしていることも、お知らせをさせていただいているところでございます。


 以上です。





○宮沢信男議長  下岡こうじ議員の代表質問を終わります。


 次に、三十一番俵一郎議員。





   〔俵一郎議員登壇〕





○三十一番(俵一郎議員)  私は公明党目黒区議団を代表して区長の所信表明及び区政の重要課題について質問を行います。


 質問の第一点目は、区民を幸せにする区政のシステムについて伺います。所信表明で区長は、区政を取り巻く状況について、世間は今、一億総中流意識のような均質的なものが薄まって、多様性が重視される、均質化から多様化への変化でもある。こうした変化をしっかりと見きわめ、いたずらに不安視することなく、新しい地域社会の胎動と受けとめ、区政運営に当たる必要があると認識していると言われております。極めて抽象的な表現でございます。


 そこでバブルの崩壊後、富裕層と貧困層の二極化が拡大しつつあり、本区も例外ではありません。残念ながら、「下流社会」という極めて適切でない言葉も、ちまたでは聞かれます。この四月で区長の就任二年を迎えまして、どのようなセーフティネットを区民のためにつくるのかが課題であると思います。まず、この点について伺います。


 次に、区民の笑顔、これこそが目黒区の宝物です。区政は日ごろから区民を幸せにするシステムであるとの視点に立つべきです。また区政が円滑に機能し、お客様である区民に対して常に品質の高いサービスを提供していくためには、区政を担うすべての職員の資質や能力を高めていくことが大きな課題です。職員としての誇りと責任の自覚について伺います。


 質問の第二点は、区民の信頼にこたえられる行政について伺います。元気な目黒区を築くためには、何よりも行政への信頼が基盤となります。逆に不信は希望を失わせ、区民の活力さえもなえさせてしまいます。


 区民の視点では、税金が有効に使われていると思う人の割合が決して高くない状況にあります。税金のむだ遣いはなくしてもらいたいとの思いは区民のだれもが願うところです。俗に言われるお役所仕事から脱却して、さらに信頼される区役所とするために、区長はどのような施策展開が必要だと考えておられますか、伺います。


 質問の第三は、区長等の危機管理について伺います。大きな災害や事故が発生すると、その後の七十二時間が極めて重要になります。例えば、事故や事件の現場では、七十二時間の間、情報はほとんど届かないものと覚悟しなければなりません。災害や事故の規模が大きくなればなるほど、現場に近い地域には情報が集まらないし、阪神・淡路大震災の場合、神戸市には災害の全体像を把握できる情報はほとんどありませんでした。そこで災害時における目黒区の危機管理体制を充実することは極めて重要な課題です。


 しかしながら、区長は所信表明で危機管理体制の充実について一言も触れておられません。区長御自身は万が一のときの危機管理能力を向上させるためにどのような取り組みをされているのでしょうか、伺います。


 二点目に、三役や管理職の危機管理向上についてもあわせて伺います。


 三点目、危機について、大規模な自然災害、これは地震、風水害が挙げられます。大規模な事故、これは鉄道事故、大火災、ガス爆発が考えられます。大規模な健康被害、伝染病、鳥インフルエンザの発生などが考えられます。テロ、大量虐殺等の事件、これはビル爆破、毒ガス散布などが挙げられます。本区に起こり得る危機について、特に重視するべきもの、また、危機管理に対する考え方について伺います。


 質問の第四点は、予算編成方針について伺います。平成十八年度予算は例年に比べ特別区税や特別区交付金が増額になっておりますが、積立基金の残高は依然として低水準で推移しております。また三位一体改革に伴う影響につきましても、十八年度予算では部分的な範囲にとどまっておりますが、平成十九年度以降は、区税収入が大幅に減少するなど、厳しい財政運営になることが想定されます。区長として、編成する二度目の本格的な予算となりますので、予算編成方針と、予算のポイントについて伺います。


 次は具体的に入ってまいります。


 質問の第五点は、犯罪が発生しにくいまちづくりについて伺います。道路や公園、公共施設などのまちづくりにおいて、死角をなくし、犯罪が発生しにくいまちづくりを進めることは大変重要であります。本区では、地震や災害などの防災の視点からのまちづくりは比較的多くの事業で推進していますが、犯罪が発生しにくいまちづくりについては余り取り組みがなされていないように思います。


 例えば、特別区の統計によれば、街路灯の例でいいますと、この設置数は、世田谷区が四万六千百五十七本、練馬区が四万一千七百六十本となっており、本区は一万九百四十四本と少ない設置数となっています。当然、区の面積の大小によって違いはありますが、明るいということは、安心や安全につながるものと思います。街路灯、防犯灯などの増設など、もう少し明るい安全なまちづくりを進めるべきであると考えますが、伺います。


 質問の第六点は、まちの防犯パトロールについて伺います。昨年から実施した区民のボランティアによる防犯パトロール団体の登録は八十八を超え、昼夜にわたって犯罪の抑制のために積極的に地域でパトロールをしてくださっています。私自身、昨年の十一月から自家用車のボディの左右に地域安全パトロールのステッカーをそれぞれ張り付け運転し、微力ながらお手伝いをしています。


 区長は、安全・安心のまちづくりの視点から、我がまちを守るパトロール隊の意欲に対して、さらにどのような支援をされるのか。また、パトロールは夜中になる場合もあり、不測の事故が起こることも懸念されます。この安全策をとる必要があると思いますが、考えを伺います。


 質問の第七点は、団塊、いわゆる新現役世代について伺います。戦後のベビーブーム時代に生まれた団塊の世代が二〇〇七年から大量に定年退職を迎えます。かつて日本高度経済成長を支え、企業戦士として培ってきた経験は貴重なものです。この世代に次への目標を明示し、生かさない手はないとも昨今言われています。


 北九州市では、団塊の世代が定年後、これまで築いてきた経験を生かしてビジネスやNPOの分野などで活躍してもらおうと、五十歳以上を対象に人材育成講座「生涯現役夢追い塾」を近く開講します。人生の余生を楽しむための従来型の高齢者対策とは違い、経営指導などもできる地域のリーダーを育てていくのがねらいであり、地域に役立つ企業人講座、NPO講座、ベンチャービジネス支援、投資事業講座の三コースを予定しています。


 一点目、そこで本区においても、余生のエネルギーを再燃させ、躍動感を持たせていくような計画を考えてはどうか、伺います。


 二点目、いよいよ四月から改正高年齢者雇用安定法が施行されます。多くの人が定年後も現役で働きたいとの声に応えたものですが、企業任せにしてはならないことであり、深刻な高齢者社会を見据え、行政の責任としてもっと打ち出していく必要があると思いますが、お考えを伺います。


 三つ目に、また二〇〇七年問題と言われる昭和二十二年から二十四年生まれのいわゆる団塊の世代の大量退職を目前にして、人的資源の確保と技能の継承は、民間企業にとっても本区にとっても喫緊の課題となっています。職員の育成こそ、区民の幸せに大きく貢献できるものと思います。お考えを伺います。


 質問の第八点は、女性の健康支援について伺います。


 健康な女性を突然襲う更年期障害など健康に関する不安や悩みを抱えている女性の方が多くおられます。また、若い女性の若年性更年期障害も増大しています。それらの不安や悩みを解決するために、公明党の提案で全国の公立病院を中心に女性専門外来が設置され、女性の専門医が対応しております。この事業は、予想を超え大変に好評であります。


 そこで一点目、本区として区内の総合病院で女性専門外来が開設されるよう積極的に働きかけを行っていただきたいと思いますが、伺います。


 二点目に、身近な場所で相談や情報提供していただけるような女性の健康支援窓口が必要だと考えますが、伺います。


 質問の第九点は、小中一貫教育について伺います。品川区は、今年四月に小中一貫教育校として第二日野小学校と日野中学校を統合した日野学園を開校します。現行の学習指導要領をベースに、四・三・二年生に再編した独自開発のプログラムを活用し、九年間を見通した教育活動を展開、小学校一年生からネイティブの英語を学ぶ英語科、社会性や規範意識、生きていく上で必要な教養など人生観や職業観を育てる市民科などの特色ある強化を導入します。そのほか、各教科とも一部の内容を通常よりも早い学年で学び、繰り返し学習することによって、基礎学習の定着を図ったり、五年生以上では、習熟度別学習、ステップアップ学習を採用することになっています。


 そこで一点目、ついては、本区では小中一貫教育について、いかなる見解を持っているのか伺います。


 二点目に、これに関して小中一貫教育の先進自治体の教育長によるシンポジウムなどが予定され、今後他の自治体で導入の動きが出てくると思いますが、本区の考えを伺います。


 これが私の九点にわたる代表質問となります。以上。(拍手)





   〔青木英二区長登壇〕





○青木英二区長  俵議員の九点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。


 なお、第九点目につきましては、教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。


 まず第一点目、区民を幸せにする区政のシステムについての第一問、セーフティネットについてでございますが、私たちの社会には急激な少子高齢化、価値観や職業観の多様化など、さまざまな変化が起こっております。所得格差の拡大傾向も変化の一つとして注目され、社会的にも多くの論議を呼んでいるところでございます。所得格差の拡大は、とりわけ、低所得者の生活や医療・介護などに関して不安を伴うものとして、その対策が求められておりますが、将来に対する不安を解消するためには、何よりも、国民生活のセーフティネットである社会保障制度を揺るぎないものとしていくことが重要でございます。


 一方で区民の生活と暮らしを守るのが自治体としての責務でございます。生活を維持する上で、譲れない最後の一線がセーフティネットでございますので、区民が安心して生活し、不測の事態に遭遇しても、新たな生活に踏み出せる環境を整えることが必要であると存じます。


 生活、介護、障害者、子育て、住宅などに関して困難に直面した人への区としての支援体制を一層整備するとともに、地域で支え合う地域支援のセーフティネットを構築していくことも重要であると認識しているところでございます。いずれにいたしましても、区独自のセーフティネットには限界がありますが、区民生活の安定と安心の確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと存じます。


 次に、第一点目の第二問、職員としての誇りと責任の自覚についてでございますが、私は区政の基本的使命は、区民の将来に向けての不安を払拭し、日々の生活に充実感をもたらすことであり、そのため、これまで以上に区政運営の力量が問われているものと認識しているところでございます。このような状況に適切に対応していくには、区政を取り巻く環境の変化を敏感に感じ取り、区民のために、今、何が必要かを主体的にとらえ、そして何をすべきかを創造的に考え出し、果敢に行動することができる職員像が強く求められていると考えているところでございます。


 私はこうした観点から、常々、「風通しのよい職場づくり」と「政策形成能力の向上」を掲げ、人材育成・活用基本方針を中心として強い使命感を持ち、区民の信頼と期待に応えられる職員としての資質と能力の向上が重要な課題であると考えております。このため、組織が人をつくり、人が組織をつくるという関係を生み出すことを念頭に置き、目標によるマネジメントを通じた職場における人材育成を中心とし、個々の職員の自己啓発を支援する研修制度や、人事評価制度などと有機的に連携させながら、総合的に職員の資質と能力の向上を図ることを目指しているものでございます。


 今後も職員の一人一人が全体の奉仕者であるとの誇りと自覚のもとに、区民の求める価値を創出し、質の高いサービスを継続的に提供していく能力を持ち、主体的に行動する元気あふれる職員を育成していく所存でございます。


 次に、第二点目、区民の信頼に応えられる行政についてでございますが、税金のむだ遣いのない信頼される区政、区役所であることが、元気な目黒区を築くための基礎であることは御指摘のとおりと考えております。私は、税金は、地域社会を維持し、区政に必要なサービスを提供するために、区民に御負担いただくものであり、施策やサービスの形で区民生活に還元していくものと認識しております。その意味で、税金を一円たりともむだ遣いせず、大事に使うことは当然でございますが、何より、区民の納得性の高い区政運営や施策の展開を行うことが重要であると考えております。


 御指摘のように、税金が有効に使われていると思う人の割合が決して高くないとすれば、区政運営の仕組みや施策の内容、税の使い道について、十分に伝わっていないことに起因する面もあるかと思います。これまでも予算や決算の概要について、区報やホームページに掲載するとともに、区民のための予算ハンドブックを作成し、情報提供に努めてまいりましたが、さらにわかりやすくきめ細かい説明に努めるとともに、一方的な情報発信だけではなく、税の使われ方や施策について、区民がどの程度納得しているかなどを把握する方法についても検討していきたいと考えております。


 また、目黒区に住み続けたいという人が常に九〇%を超える中で、目黒らしい独自の特徴ある施策が少ないという声もございます。これは総合点としては評価できるが、社会状況の変化に対応しためり張りのきいた施策展開や住み続けたいという思いを誘引する施策がほしいとの区民の思いであると認識をいたしております。


 私は、これから目指す目黒区のまちづくりを「住みたいまち、住み続けたいまち目黒―目黒区の価値を高めるまちづくり―」といたしました。失われた価値を取り戻し、さらに目黒の付加価値を高めるための四つの戦略を通じまして、まちの魅力を高め、愛着や誇りを持てるまちづくり施策を展開してまいりたいと思います。


 施策の具体化の中では、施策間の調整を図ってまいりますが、総合行政を推進していく中にあっても、緊急課題や速やかな対応に心がけるとともに、定住志向をさらに誘引するような目黒らしい特色ある施策を打ち出していくため、区民の率直な声を聞く会をさらに充実していきたいと考えております。


 私は、区民からお預かりした税金を大事に使うとともに、区民との対話を重視する区政運営に努めながら、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」のまちづくりを通じまして、区民に信頼される区政を実現してまいる所存でございます。


 次に、第三点目、危機管理についての第一問、危機管理能力の向上についてでございますが、御指摘のとおり、大震災等において迅速な情報収集に努め、的確な初動対応が実施できるよう、日ごろから危機管理体制の充実や対応能力の向上を図ることは、重要な課題と存じます。


 本区では、さまざまな緊急事態の発生に対し、休日や夜間等でも的確な初動対応を行えるよう、平成十二年に危機管理会議を設置し、連絡網を整備するほか、平成十五年には、危機管理会議構成員等に災害時優先携帯電話を配備し、震災時でふくそう状態になっても、連絡可能な体制に強化してまいりました。


 私は緊急事態等の対応において、まず関係者や関係機関との連絡を確保し、情報の収集や共有を図りながら、相互に連携・協力して取り組むことが最も重要と考えております。このため、夜間等に一般火災や事故等の緊急連絡があった場合、必要に応じて迅速に対応できるよう、常に心がけております。


 また結果として、大事に至らなかった火災や事故等についても、対応概要の文書報告を受け、さまざまな対応事例を蓄積しております。今後もこのような取り組みを通じて危機管理能力の向上を図りながら、危機管理体制の強化に努めたいと存じます。


 次に、第二問、三役や管理職の危機管理能力の向上についてでございますが、三役を初めとする管理職員には、緊急事態等の初動対応において迅速な情報能力や的確な判断能力が求められます。このため、第一問で触れた火災等の文書報告については、三役を初めとする危機管理要員や関係部課長にも資料提供し、情報や問題意識の共有を図っているところでございます。


 また、本年一月に防災センターで実施した災害対策本部運営訓練では、地震発生後の短時間にさまざまな対応要請が殺到する事態を想定し、それぞれの事態にどのように対応するか、シナリオなしで協議する机上訓練を行いました。今後も蓄積した対応事例等に基づく危機管理対応マニュアルの作成や、より実践的な机上訓練等の実施に努め、危機管理対応能力の向上を目指したいと存じます。


 次に、第三問、危機管理に対する考え方についてでございますが、御指摘のほかにも、コンピュータウイルスによるサイバーテロなどさまざまな態様の危機が発生しております。これらについて、自然災害で本区が重視すべきものは、発生確率の高い首都直下地震や東海地震のほか、昨年九月に杉並区や中野区を中心に大きな被害をもたらした集中豪雨が当面の課題となります。しかし、事故やテロ等の人為的な災害について予測は困難であり、どこでも起こり得るものと考える必要があると存じます。


 本区においては、地震や風水害等に伴う災害対策本部や水防本部、毒物・劇物や感染症対策として平成十四年に策定した健康危機管理マニュアルなど、危機の種別に応じた対応体制を整備するとともに、対応体制が明確でない場合などは、危機管理会議で情報収集や対応体制を総合調整することとしております。このため、昨年来問題となっているアスベスト対策については、関係所管が多岐にわたるため、危機管理会議で調整を図ったところでございます。今後、国民保護法に基づく国民保護対策本部等の新たな対応体制を整備し、危機管理を拡充してまいりますが、危機管理において、消防署や消防団、警察署など、関係機関との連携・協力が不可欠となります。日ごろから緊密な連携調整を図るなど、より一層の信頼関係を築くことができるよう、努めてまいりたいと存じます。


 次に、第四点目、予算編成についてでございますが、平成十八年度予算は、私が区長として編成する二度目の本格的な予算でございます。信頼と改革の区政運営によりつくり上げた区政の基盤をより確かなものにしつつ、質の高い豊かな区民生活と目黒らしさのある地域社会を発展させるため、限られた財源を重点的・効率的に配分して編成をいたしました。


 予算編成に当たりまして、これから目指す目黒のまちづくりを「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」として、これを実現するために安全・安心のまちづくりなど目黒の付加価値を高める四つのまちづくり戦略を示させていただきました。その上で十八年度に緊急かつ積極的に取り組むべき重要課題として、区民の安全・安心の確保、健康で生きがいのある生活の実現など六項目を掲げ、あわせて施策の方向性を示し、その具体化に取り組むことといたしました。このような方針のもとで編成いたしましたのが平成十八年度予算でございまして、区民福祉の増進に寄与する予算が編成できたものと考えています。


 そこで、十八年度予算のポイントでございますが、引き続き、行財政改革に積極的に取り組んだことや、景気回復を反映した税収等の増額もありまして、平成二年度以来、十六年ぶりに財源対策のための基金活用を行わないで予算を編成できたことであります。また、重要課題の中でも、特に子どもや区民生活における安全・安心の確保、少子高齢化への適切な対応、環境に配慮した施策の充実などに重点を置いて、具体的な施策の展開を図り、さらには、依然として厳しい状況にある低所得者に配慮した施策を具体化したところであります。


 以上のような基本的な方針や考え方に基づきまして、十八年度予算を編成し御提出させていただきましたので、本定例会で十分な御審議をいただき、御議決を賜りたいと存じているところでございます。


 次に、第五点目、犯罪が発生しにくいまちづくりについてでございますが、まちの防犯性の向上には、見通しをよくすること、暗がりや死角をなくしていくことが有効とされています。夜間、道路などの暗がりを解消し、まちの防犯性の向上を高めるためには、街路灯や防犯灯などの照明は効果的であると考えております。街路灯の設置状況につきましては、区道上の柱を抑制する観点から、多くの街路灯は電柱に添架しております。明るさの基準は、「東京都安全・安心まちづくり条例に基づく防犯上の指針」及び「日本工業規格」に基づき、水平面での平均照度を三ルクス以上、鉛直面での最小照度を〇・五ルクス以上確保することにしています。御指摘の世田谷区、練馬区の街路灯設置状況につきましては、両区とも道路延長が本区に比べ長いことから、設置本数も多くなってございます。


 本区では街路灯の基準照度を保っていくため、日常巡回による点検に加え、年に二回の一斉点検等により、照度の状況や点灯の状況を確認しています。点検により灯具等の不具合を発見した場合は、その都度、器具の調整、清掃、電球交換等を行うとともに、色の見え方がはっきりするよう、水銀灯から、より自然の光に近い蛍光灯への取りかえも進めております。また私道の防犯灯につきましては、大部分を区の助成により町会、自治会で設置しているところであり、地域の安全性の視点から適切な維持管理をお願いしてまいりたいと存じます。今後とも照度確保が必要と思われる箇所につきましては、地元の方々と相談しながら、街路灯の新設や照度アップを行うとともに、防犯、交通安全など安心・安全なまちづくりのために適切な維持管理に努めてまいりたいと存じます。


 次に、第六点目、まちの防犯パトロールについてでございますが、現在区内には町会・自治会、PTAなどの自主防犯パトロール団体が七十七団体、事業者によるパトロール協力団体が十一団体の合計八十八団体があり、地域の安全・安心のため、昼夜活動していただいております。これまで各団他に対しパトロール用蛍光ベストなどの防犯資器材の貸与を初め、犯罪防止の犯罪情報の提供などの必要な活動支援を行ってまいりました。


 今後とも、このような団体の結束促進を図っていくとともに、さらに支援の充実を図るため、各団体から御意見等を伺いながら、防犯腕章や防犯用懸垂幕、車両用マグネットシートの貸与を初めとして、警察、消防等関係機関との連携による迅速な防犯情報等の提供、定期的な防犯研修会などの開催を実施していく予定でございます。


 次に、パトロール団体等の安全対策についてございますが、防犯パトロールの活動などについては、常に事故等の不測の事態も予想されますので、区としても、安全対策については、支援していくべき重要な課題であると考えております。


 活動については、安全に十分配慮して実施していただくことが大切でありますが、屋外や夜間における活動であることから、安全対策については、万全を期す必要があり、区といたしましても、警察との連携を図りながら活動される団体に対し、防犯パトロールマニュアルの配付や防犯研修会でのパトロール実施要領の説明などを初め、夜間の活動のため、反射材や照明器具などの資器材の貸与を行っております。また万一のためのボランティア保険の加入助成なども行っており、今後とも安全対策については、必要な支援を行っていきたいと考えております。


 次に、第七点目、団塊・新現役世代活用についての第一問、定年を迎えた団塊の世代を活用していくための計画づくりについてでございますが、二〇〇七年問題は、産業競争力を維持させていくという観点から見ますと、日本の高度経済成長を担ってきた方々の高い技術や技能を社会の資産としていかに継承していくかという点であろうかと思います。こうした世代の中には、長年にわたり、企業で培った技術や営業力を生かして新たに開業を目指す方、あるいは専門知識や経験を有する貴重な存在として中小企業に新たな活路を見出す方、さらには、地域社会への貢献を考えるなど、定年後における多様なライフスタイルを描いておられると存じます。私はこうした方々がスムーズに自己表現が図れるような支援策の構築が地域の活力を向上させるためには欠かせないものと認識しております。


 そこで、十七年度から、区内での開業を目指す方々のために創業相談室を設けましたが、あわせて若年層や女性だけでなく、シニア世代の方々も対象とした総合支援策やビジネススキル向上のためのセミナーを計画的に展開しております。また先般、私は目黒区産業政策区民会議に対し、二〇〇七年問題にも対応した人材の有効活用など、新たな地域経済の活性化策についての検討をお願いいたしました。今後、区民会議からの提言もいただきながら、区としての効果的な支援を行ってまいりたいと存じます。


 次に、第二問、改正高年齢者雇用安定法の対応についてでございますが、御指摘のとおり、我が国では少子高齢化が急速に進展し、今後、労働力人口の減少が見込まれる中、将来にわたり経済社会の活力を維持していくためには、高い就労意欲を有する高年齢者が長年培った知識、経験を生かして地域社会の担い手として活躍し続けることが重要であると考えております。一昨年六月に高年齢者雇用安定法が改正され、高年齢者の安定的な雇用確保のため、今年四月からすべての企業について、六十二歳までの雇用確保措置の導入が事業主の義務となりました。さらに今後この対象年齢は、段階的に引き上げられ、平成二十五年四月には、六十五歳までの雇用確保が義務づけられることになっております。


 区といたしましては、これまでもワークサポートめぐろにおいて、高年齢者層を含む幅広い層の方々に対する就労相談業務を実施してまいりました。このたびの法改正に伴い、高年齢者の雇用安定に関する相談業務等に担うハローワーク渋谷から、区内企業への周知について協力依頼を受け、既に区内各事業所を対象に発行している情報誌「めぐろプログレス」にPR記事を掲載したところでありますが、今後も目黒区報等も活用し、法律の趣旨について、広く周知を図ってまいりたいと存じます。


 また、ハローワーク渋谷などと連携・協力し、高齢者向け就業セミナーや相談会の開催など意欲と能力のある高齢者の方々が働き続けられる地域社会の実現に向けて努力をしていきたいと考えております。


 次に、第三問、本区における二〇〇七年問題の対応についてでございますが、本区におきましては、平成十七年度以降の十年間で平均八十名程度の定年退職が予定されております。このことは年齢構成の不均衡や昇任選考など、人事管理に大きな影響を及ぼすだけでなく、区民サービスの質の維持をいかに図っていくかが喫緊の課題であると認識しております。今後、退職後の再任用職員の積極的な雇用や民間からの職員採用、業務委託等、多方面からの検討を行い、対応していく予定でございますが、議員御指摘の職員の育成にも力も注がなければならないと考えております。そのためには、昇任時研修の充実を図ることはもちろん、区民とのコミュニケーション能力を高めるためなど、より実践的な能力開発研修や組織の活性化を支援する研修を行い、組織の運営能力の向上に積極的に取り組んでまいる所存でございます。





○宮沢信男議長  区長、ちょっとお待ちください。


 この際お諮りいたします。本日の会議時間は、議事の都合により延長したいと思いますが、これに御異議ございませんか。





   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕





○宮沢信男議長  御異議なしと認めます。


 よって本日の会議時間は、延長することに決定いたしました。


 はい、続けてください。





○青木英二区長  次に、第八問、女性の健康支援についての第一問、女性専用外来の設置についてでございますが、現行の診療科目におきましては、内科、外科、泌尿器科等の専門科目ごとの区分となっております。このような診療科目の体系では、更年期の問題や思春期における性の問題等、女性特有の病気や悩みをお持ちの方などが受診する科がわからない、男性医師には恥ずかしくて受診しにくい等の問題がございます。


 そこで御提案にありますように、女性専用外来という女性医師やスタッフによる女性の心身を総合的に診察する外来窓口が必要となっており、全国的に大学病院や国立病院で徐々に設置されております。区内では、東邦大学医療センターの大橋病院に設置されており、診療科目も乳腺関係の外科や婦人科、泌尿器科等の多岐にわたった総合外来になっております。今後も、このような対応が可能な医療機関の拡大は必要であるとの認識でありますが、医療従事者の確保や相談室や診察室の整備等の課題もございます。また、小規模な診療所では、診療科目も限定しておりますので、総合病院での設置が考えられます。


 そこで機会をとらまえまして、医療機関に対して、女性専用外来への理解を深め、推進を図っていただくよう要請に努めてまいりたいと存じます。


 次に、第二問、女性の健康支援窓口についてでございますが、現在目黒・碑文谷両保健所において、電話、あるいは窓口で随時、健康相談を実施しております。また、一般健康診断や健康づくり健診など、健診事業においても直接区民の方から御相談をいただいてございます。その中で更年期についての御相談もお受けし、御希望に応じて女性医師が対応しておりますが、現状においては、個別に相談窓口を設置するまでには至っておりません。しかし、更年期の問題だけでなく、女性特有の症状に対する恥ずかしさなどから相談できずに悩んでおられる方もいらっしゃると考えられます。今後とも、健康相談等について、積極的に周知していくとともに、区民に身近な保健所として皆さんが気軽に相談できるよう、相談内容等の状況を踏まえながら、体制づくりについて検討してまいりたいと存じます。


 以上、私からのお答えとさせていただきます。





   〔大塩晃雄教育長登壇〕





○大塩晃雄教育長  俵議員の第九点目、小中一貫教育につきましては、第一問及び第二問、あわせて私からお答え申し上げます。


 我が国の義務教育は、九年間で成り立っており、小学校、中学校がそれぞれの文化や風土を持ちながら義務教育の目的を果たしてまいりました。


 小中一貫教育については、先般の中央教育審議会答申においても、設置者の判断で九年間の義務教育学校を設置する可能性や、カリキュラム区分の弾力化など、学校種間の連携・接続を改善するための仕組みづくりについて、十分に検討する必要があると論議がなされたところでございます。


 品川区では、来年度より国の教育特区を受け、独自の学年のまとまりによる指導計画の編制を行い、全区的に小中一回教育を展開していく計画が示されております。四月に開校する小中一貫校、日野学園は、その象徴として全国的に注目を集めているところでございます。


 小中一貫教育のねらいは、小学校から中学校への移行によって生じる心理的負担を軽減したり、子どもの個性や能力を伸ばす継続的な指導を一層充実したりする観点から実施されるものであり、カリキュラムの工夫や小中学校の教師の相互理解を図ることで一定の効果が上がる制度であると考えられます。


 目黒区におきましては、現段階では教育特区の認定を受けて、小中一貫校を設置する考えはございませんが、小中学校のカリキュラムや生活指導の連続・接続を強化していくことは、確かな学力、生きる力を育成するという観点からも、重要な課題であると認識しており、今後、校長会ともカリキュラムの連携・接続については、論議を深めていきたいと考えております。


 教育委員会といたしましては、来年度より区立小中学校四校を教育開発指定校に指定し、指導法やカリキュラムに関する連携・接続のあり方について具体的な検証を進めてまいります。また、小学校英語活動の推進を基軸としながら、中学校との連続性を高めるとともに、平成十九年度から実施予定の小中一斉の学力調査を通して、学習にかかわる継続的な指導体制を一層推進していきたいと考えております。


 以上、私からのお答えとさせていただきます。


○三十一番(俵一郎議員)  再質問をさせていただきます。


 質問の第一ですけれども、セーフティネットの件です。区長は、リーダーとして区民のためにセーフティネットをどのように考えておられますかとの質問に、区長によっては、あれもしたい、これもしたいという方もおられますし、「いや、とりわけセーフティネットと言っても」と言って考え込む区長もおられることは事実であります。


 そこで、ともどもに考えていただきたいことで、優先的な事項としては、高齢者の住宅の入居というのが非常に厳しくなってきているわけです。この点を感じるわけです。ですから、ますます六十歳、六十五歳以上の高齢者がふえています。賃貸住宅に入居している方が非常に多いです。ところが、貸主側としては、残念ながら、病気とか火災、事故等が起きたときに、高齢者の方はその対応に大変だからと、不動産屋さんを通して断る例が多いわけです。そういう面を含めまして、単なる住宅課のあっせん窓口だけじゃなくて、もっと広い角度から高齢者の方たちの入居のあっせんとか、これは積極的に考えていただきたい。


 あわせて二問目ですけれども、我が区は、公の住宅施設は少ないわけですから、しかし、公の住宅施設に頼るしか方法がない。ですから、公営住宅の門戸をもっと開放していくということを、東京都とも打ち合わせをしながら、低所得者、高齢者、障害者、生活保護世帯、また母子家庭が入居しやすいような住宅対策、これを考えることが、とりあえず、きょうの再質では、急ぐべきセーフティネットの第一番目に挙げておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか、それを伺います。


 二点目に、職員の誇りと自覚の問題ですけれども、職員研修所があるんですが、職員研修所で一体何をやっているんですかという質問を受けます。そして、特別区の職員研修に参加した職員の方が、より信頼される公務員として、いい研修システムに参加したなという声をあんまり聞かないんですね。これからの区を担う大事な職員ですから、特別区職員研修所のあり方もどんどん目黒区の区長として注文をつけていくべきではないかと思いますけれども、どうでしょうか。


 それから三点目、この危機管理ですけれども、本当のリーダーというのは、最悪のときのことを考えて対応するのがリーダーなわけですから、危機管理対策と防災対策をどのような形でリンクさせていくか、これを考えてもらいたいんです。ですから、防災対策は計画も整備されて、組織化されていますけれども、この危機管理というのは非常に漠然としているから難しいんです。


 前の区長のときに、中目黒で脱線事故がありましたね。あのときでも、パニック状態になりかねないんです。今、私鉄沿線で脱線事故が一つ起きただけでも大変な状態になりますから、まさかのときに、このような事件が起きたら大変だという常に危機管理意識を持ってもらいたいんです。


 鳥インフルエンザだってばかにできませんよ。渡り鳥ですから、今、EU連合内でおさまっていますけれども、こちらに持ってこられたらどうなるかという、これはまず政府が考え、地方自治体が考えるべきことですけれども、そういう意味で危機管理の問題を再度自治体の長として伺ったわけです。


 それから犯罪が発生しにくいまちづくり、よく聞かれるんですけれども、目黒区は暗いんじゃないですかと。私、目黒区民としても、議員としても、そんなことはないよと、渋谷や港や新宿と比較されちゃ困りますよと、こういったら答えになりません。確かに世田谷や練馬と比較するつもりはありませんけれども、私どもは明るい方が安全だし、高齢者や女性の方は暗くなったから出るの嫌だわと、大体外出を渋るんですね。明るいということは大事な条件です。死角がなくなります。私どもの島崎たかよし議員が一般質問でもされましたけれども、一般質問だけじゃなくて、代表質問でも取り上げることが必要な大事な犯罪が起きにくいまちづくり、そういう面で今質問しています。それを伺います。


 団塊の世代は、これから予算特別委員会でいろいろ我が党の委員が質疑しますから、これは置きます。


 それから、女性の健康支援対策ですけれども、これは今まで何回も質問してきまして、具体的に総合病院に的を絞って、この病院に女性専門外来をお願いしておこうと、こういう具体的な例を挙げて、これから取り組んでいただけませんか。いつまで経っても東邦医大ですね、それで片づけてもらっては困る。半分以上はこれから女性にお世話になるんですから。女性健康支援は本当に大切に、我が事のように女性健康支援にしっかり焦点を当てて、女性専門外来の設置をお願いします。


 最後に教育長、品川区は大分鼻息が荒いんですね。確信をもって、どうか隣接の区の方よくごらんくださいと言っています。だけれども、恐らく職員が、東京都に人事権がありますね。そういう人事の問題等もありますし、またそのほかの課題もありますけれども、その影におびえることなく、きちんと小中校一貫教育に積極的に調査研究していただきたいと思います。


 以上です。六分で申しわけありません。





○青木英二区長  一点目のセーフティネットですが、これは今、住宅等の話もございましたが、当然、介護、国保、いろんな分野で私どもはネットを張っていく必要がありますので、全体のバランスの中で、一番はこれです、二番がこれですという番号を振ってということはなかなか難しいかと思います。区民の皆さんの動向も踏まえて、その時々に何が今、私ども区政にとって一番重要なのか。ネットを張らなければいけないのか。また、それだけが偏在してもいけないわけでございますから、総合的な判断をしていきたいというふうに思います。


 二十三区全体の研修については、過日も区長会総会でいろいろ論議が出ました。これも個名を挙げませんが、ある区長さんは、これは地方分権の時代だから、二十三区がまとまってやる必要もないんじゃないかという区長さんもございました。


 私の考えとしては、当然、個々の課題がございますが、同時に、目黒だけで「井の中の蛙大海」ということなので、やはり私はいろんなところで、いろんな研修を積むということは意義があるのではないかなというふうに思っております。今後も目黒区の研修のみならず、二十三区全体の研修の充実、特にこれから地方分権が進む中でございますから、基礎自治体としての職員の研修というのを、しっかり区内外ともに進めていく必要があるかと思います。


 それから、危機管理でございますが、これもいろんな状況を常に私どもはシミュレーションしておく必要があるかというふうに思います。例えば、アスベストについては、もちろん、私がその先頭に立ったわけですが、これも大きな危機管理であるから、危機管理意識でこのアスベストを対応してほしいという指示をしてまいりました。逆に言うと、危機管理というのは、この問題に対して対応するというのは危機管理ではなくて、何が起きるかわからないことに対応するのがまさに危機管理ということでございます。ただ、私どもすべて想像ができないことでございますが、例えば、薬害薬物の危機管理、アスベストの問題、それから現在先ほどの御質問もありましたが、例えば、耐震偽装の問題、今後、いろんな問題を常に念頭にしたシミュレーションということは考えていかなければいけないのではないかなと思っております。


 過日など、一つの例として防災センターに徒歩で集結をして、私がいろいろな状況設定を出し、それに対応するというような訓練、これは地震に伴う火災の前提でしたが、そういった訓練をさせていただいたところでございます。常にいろんなことを想定するということが必要かと思います。


 明るいまちについては、これは暗いよりも明るいにこしたことないわけでありますので、先ほどお話し申し上げたように、まずは、今ある街路灯の維持管理に十分努めていきたいというふうに思います。それを受けて、さらに必要であるならば、それはまた別途検討していきたいというふうに思っているところでございます。


 最後の問題でございますが、これはそれぞれの病院の対応があるのではないかなというふうに思います。私も都議会議員時代に、この女性専用外来の問題は都でも進んでおりました。同じ総合病院でもいろんな、例えばERに特化している病院などではなかなか難しいでしょうし、病院でも大きな病院だから、すべて大丈夫だということではないかなというふうに思っておりまして、こちらから、あなたの病院は女性外来専門にやってくださいというのはなかなか、状況もよくわかりませんので、それぞれの病院がどんな状況なのかしっかり把握をし、最終的には病院が決断をしていただかなければいけないことでございますが、折に節してお話をしていきたいというふうに思います。


 以上です。





○大塩晃雄教育長  小中一貫教育でございますが、私どもも九年間の義務教育では確かな学力をきちんと身につける、あるいは心豊かなたくましい子どもを育成するというのが目標でございますので、この目標を達成するために、小学校六年、中学三年というのがあるわけでございます。これは小学校と中学校で断絶はしないで、連続性をもっていった方が子どもにとっても大事なことだと思っておりますし、円滑な接続というのも考えていかなくちゃいけないということで、一貫校ということは、設置は考えてはございませんけれども、連携・接続については、これは調査研究は積極的にやっていきたい。連携・接続という課題に向かって進んでいきたいなと、そのようには考えてございます。





○宮沢信男議長  俵一郎議員の代表質問を終わります。


 議事の都合により、暫時休憩いたします。





   〇午後五時十五分休憩





   〇午後五時二十七分開議





○宮沢信男議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。


 次に、二十五番沢井正代議員。





○二十五番(沢井正代議員)  私は日本共産党目黒区議団を代表し、区長の所信表明に対して質問を行います。


 まず第一は、区民の暮らしに対する区長の認識についてです。


 トヨタ自動車の純利益が二年連続で一兆円を超えるなど、大企業が史上空前の利益を上げる中で、日本経済は長期不況から脱出したとも言われていますが、その一方で低所得者の増大という深刻な事態が進んでいます。生活保護世帯は百万世帯を突破し、就学援助を受けている児童・生徒の割合も一二・八%とこの十年間で二倍以上、貯蓄ゼロの世帯も二三・八%と急増しています。貧困率の国際比較を見ると、日本は一五・三%、調査したOECD加盟二十五か国中、第五位、サミット参加国中では、アメリカに次ぐ第二位という状況のもとで、国民総中流時代は既に終わったとも言われています。


 小泉内閣が誕生して以来、構造改革を軸に、最初は「不良債権の早期処理」、「痛みの耐えよ」のスローガンで始まり、「小さな政府」「官から民」「地方でできることは地方で」と医療改革、年金改革、三位一体改革、公務員改革を繰り返し、社会的弱者への犠牲を押しつけてきました。


 こうした構造改革の最大の目的は、アメリカ政府の求める規制緩和と市場開放を進めること、また、財界大企業が大もうけできる仕組みをつくり上げることにありました。今進められている税制改革も、大企業や大金持ちのための減税をさらに進めるために、所得税の増税や消費税増税など二十四兆円という史上空前の大増税計画を国民に押しつけるものとなっています。


 社会的弱者に容赦なく襲いかかる増税計画は、負担能力に応じた負担と、生活費非課税という税制の民主的原則を根本から破壊するものです。社会保障の改悪でも、年金、医療、介護、障害者支援などあらゆる分野で連続的に行われ、耐えがたい負担と給付減を国民に押しつけています。本来、社会保障は、憲法で保障された人間らしい暮らしを支えるために、富の再配分制度としてつくられた仕組みであるにもかかわらず、逆に人間の尊厳を踏みにじるものとなっています。


 目黒区においても、生活保護受給者や就学援助受給者の増、さらに低所得者層での国民健康保険料、区民税の滞納者がふえるなど貧困層は拡大し続けています。


 その上、昨年の年金所得税の改悪により、新たに区民税課税となった高齢者は四千人を超えています。増税に加えて、国民健康保険料、介護保険料など若干の緩和措置はあるものの、その負担は雪だるま式に膨れ上がり、我が党の調査でも、新たに三十万円を超える負担増で生活保護以下の生活を余儀なくされるケースも生まれています。


 セーフティネットと言われている生活保護についても、老齢加算が廃止されたため受給対象から外され、七十五歳を過ぎても医者に通いながら働かざるを得ない高齢者や、年金の削減や医療費の負担増が家計を圧迫した上、介護保険施設の食事代、住居費の自己負担によって、デイサービスの利用回数を減らさざるを得ず、老老介護の負担がさらに重くなり、共倒れ寸前の高齢者世帯、また、売り上げが減り、仕入れも思うように行かなくなったといった悪循環の中で、家賃も滞納し、いつ、大家さんから出ていってくれと言われるかと不安な毎日を過ごす中小業者など、弱い者をさらに苦しめる状況が広がっているのが今日の特徴です。


 ところが、区長は、このような区民生活にあらわれている所得格差の拡大傾向などの変化を「量的拡大」から「質的拡大」、また、一億総中流意識のような「均質化」から多様性が重視される「多様化」への変化とし、「いたずらに不安視することなく、新しい地域社会の胎動」としてとらえるなど、小泉首相の言うように、痛みの後には希望があるのだと積極的に受けとめています。こうした受けとめ方では区政運営のかじ取りを誤ることになるのではないでしょうか。


 構造改革によって生まれている貧困や所得格差の拡大など、現実に起きている区民の深刻な実態について、どのようにとらえているのかお尋ねいたします。


 第二は、平和を守る姿勢についてです。目黒区は、国の国民保護法に基づき、今議会で国民保護対策本部及び緊急対策本部条例、国民保護協議会条例を制定し、新年度中に国民保護計画を策定する予定です。そもそも国民保護法は、有事を想定した基本法である武力攻撃事態法と、自衛隊の作戦・兵たんに関する自衛隊法、特定公共施設利用法や米軍の作戦を支援する法律など、一連の法体系の中に組み込まれているもので、国民保護をうたいながら、平時から銃後の構えを備え、アメリカの引き起こす戦争に住民と自治体を協力させるための法律と言わざるを得ません。


 国民保護計画を災害時の避難計画と同一視する考えが流れていますが、明らかに誤りです。自然災害に対する防災計画と国民保護計画は、枠組みはよく似ていても、例えば、避難の指示を行うのは、防災計画では市町村の権限ですが、国民保護計画では、国、都道府県、市町村の権限や役割分担が中央集権的につくられているのです。地方自治体の権限で何か独自のことが可能などと見るのは全くの幻想にすぎません。第二次世界大戦の激戦地沖縄で避難を口実に住民が日本軍の盾にされた上、戦闘の邪魔になるとして多くの島民が殺された悲惨な体験は、戦争における国民保護がいかに無残なものかを物語っています。憲法は、「国権の発動たる戦争と、権力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、「陸・海・空軍、その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と国による戦争を明確に禁止しています。有事法制と現在進めている日米軍の一体化など一連の戦争準備は、戦争の放棄を掲げた憲法に明らかに反するものです。


 さらに地方自治体として、戦争に住民を巻き込む国民保護計画を策定することは、住民の命、暮らし、安全を守ることを第一の任務に掲げている地方自治法にも反するものです。今日本に求められているのは、平和憲法を持つ国として、武力ではなく粘り強い対話と理解によって国際紛争を解決するよう、積極的に平和外交を行うことです。


 目黒区は新年度、国民保護計画を策定するとしていますが、憲法と目黒区平和都市宣言、区長の所信表明にある「戦争のない平和な暮らしの尊重」を誠実に実行する立場からも、国お押しつけに反対し、戦争協力は一切しないことを明確にすべきです。区長の見解をお聞きします。


 第三は、民営化路線についてです。マンション、ホテルの耐震強度偽装事件、JR西日本の福知山線での脱線転覆事故は、改めて民営化、規制緩和の路線が国民の命と財産、暮らしを奪うとともに、民営化が安上がりどころか、そのツケが何倍にもなって国民に戻ってくることが明らかになりました。


 しかし、政府は、こうした事故や事件に対する深刻な反省もなく、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」で今年度までの二年間に重視する課題の第一に、小さくて効率的な政府の実現を掲げ、公務員の総人件費抑制、市場化テストの本格導入を提言しています。


 こうした提言に基づいて政府は、今年二月十日、行革路線を一気に加速するための法律として、「公共サービス効率化法(市場化テスト法)」を閣議決定し、地方自治体に対しても、市場化テストを事実上強要しようとしています。市場化テスト法は、五十兆円とも言われる公務・公共事業を民間市場に開放するというもので、公共施設だけではなく、行政の基幹業務とも言える国民健康保険、介護保険などの徴税業務も含めたすべての公共業務を民間市場に開放するものです。


 これによって大幅な公務員削減を進めるとしていますが、GDPに占める日本の政府職員の人件費の割合は、先進五カ国の中で最低です。人口千人当たりの公務部門に占める職員数の国際比較では、フランス九十六人、アメリカ八十人、イギリス七十三人、ドイツ五十八人に対して、日本は三十五人にすぎません。目黒区においても、政府の削減計画を先取りして一〇%の職員削減と民営化を行革プランで掲げています。


 この間、進められてきた指定管理者制度の指定では、民間企業との競争を大前提に、社会福祉事業団や芸術文化振興財団などに対して経営改善計画の提出を求め、経費の大幅削減と雇用形態の見直しを事実上強要してきました。提出された社会福祉事業団の経営改善計画は、五年間に五億六千万円、新年度だけでも二億六千万円の経費削減を行うとしていますが、事業の質が介護者の質と量で決まるこうした施設での人件費削減は、高齢者が人間らしく暮らす権利すら奪うものになります。新年度において、児童館、老人いこいの家、図書館、社会教育館など、すべての直営施設を対象に指定管理者制度を導入するプランを作成するとしています。既に民間委託、民営化を進めたところではさまざまな問題が起き、住民サービスに重大な影響を及ぼしています。


 中野区で民営された保育園では、すべての保育士が一年契約社員で、保育の継続性が保たれないことが契約後に判明しても、区は民間企業の労務管理はチェックできないと無責任な態度をとり、親から怒りの声が上がっています。


 憲法二十五条は、国民に健康で文化的な最低限の生活を営む権利を保障し、自治体の第一の仕事は、住民の福祉増進を図るとされています。全体の奉仕者として、行政サービスを担う公務員のさらなる削減と民営化は、自治体としての公的責任の放棄と自治体の解体につながるものと考えますが、区長の考えをお聞きします。


 最後に、住民参加についてです。区長は所表明で、これまでの透明性向上の取り組みで「区民の信頼に応えられる区政の基盤を固めることができた」と評価しているようですが、これで本当に区民の不信が払拭されたのでしょうか。区民の信頼を回復するためには、住民の意見が大切にされ、行政施策の隅々に生かされる住民参加と情報公開の徹底は不可欠の課題です。


 目黒区は基本計画において、「実効性ある住民参加システムの構築」を掲げています。


 少し長くなりますが、その部分を読んでみますと、「区の計画策定、事業実施、施設建設等に関する住民参加に当たっては、区民の判断に必要な情報が正確にかつ反映の余地ある段階で提供されるとともに、参加する区民がそれぞれの立場から、率直かつ積極的に意見表明を行う実質的な参加の機会となるよう、実効性ある住民参加システムを構築する必要がある」とし、そのための政策策定過程での区と区民、または区民同士の話し合いが十分できるための住民参加システムを構築するとしています。


 しかし、住民参加に対するこの間の区の姿勢は、二〇〇四年四月にスタートした実施計画、第二次行財政改革プランの策定過程では、住民に意見を聞くと言いながら、情報提供や説明責任も不十分で、住民参加が形式的に終わり、また区民から出された意見についても、全区民から見れば、一部の意見だとして切り捨ててきた問題など、基本計画に掲げられた住民参加は、全くと言っていいほど進んでいません。住民参加のシステムとして、自治基本条例を策定する動きは、各地に広がりを見せています。


 神奈川愛川町で制定された自治基本条例は、「住民参加」「情報共有」をキーワードに、住民参加のさまざまな具体的ルールをつくるとともに、住民参加による行政運営が適切に行われているかを検証するための町民参加推進協議会を設置し、必要に応じて制度の見直しも行うとしています。とりわけ、目黒区では、この間の疑惑に象徴されるように、前区長時代に進められたワンマン体制のもとで、大きな事業が次々と進められ、莫大な財源な投入される状況から脱却をして、行政の決定に住民の意思を反映させるシステムを構築することは、区民の信頼を回復するために不可欠の課題です。


 基本計画で掲げた住民参加システムの構築の具体化について、所信表明では全くふれられてはいませんが、区長はどのように考えているのかをお尋ねして、私の代表質問を終わります。(拍手)


   〔青木英二区長登壇〕





○青木英二区長  沢井議員の四点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。


 まず、第一点目、区民の生活実態をどのようにとらえているかについてでございますが、私は区民が生活する地域社会にこれまでとは違ったさまざまな変化が起きていることを申し上げました。その変化には、少子高齢化の進行、価値観やライフスタイルの変化、職業観の多様化などさまざまなものがありますが、その一つとして、所得格差の拡大の傾向があることも指摘させていただいたところでございます。それは区民生活にあらわれているフリーターやニートなどの雇用問題、あるいは生活保護受給者の増加状況などから、所得格差を実感として受けとめているからでございます。


 まず、申し上げたいことは、私は所得格差の拡大傾向があるとは受けとめておりますが、それを肯定したり、格差拡大を是認しているわけでは決してありません。ましてや、格差拡大を多様化と片づけ、新しい地域社会の胎動と積極的に受けとめているわけではございません。


 私の真意は、所得格差の拡大傾向という現実から目を背けずに直視し、その原因や影響をしっかりと見きわめた上で、地域社会にあらわれている新しい動きとして、真摯に受けとめて対応していく必要があるということであります。地域社会には、さまざまな動きが押し寄せていますが、地域社会に起こりつつある新しい動きを否定したり、過度に不安視しているだけでなく、事実を事実として正確に把握し、対応策の展望をもって区政運営を行ってまいりたいと存じます。


 最近、所得格差の問題は社会的な関心を呼び、国会でも議論されたことは記憶に新しいところでございます。競争社会の到来や、成果主義の浸透が影響しているとの見方がある一方で、同じ世代で格差が開いているというのは、若者だけだといった指摘もされるなど、さまざまなとらえ方がされております。そうした中でも、若年層の所得格差の拡大は、雇用問題とも結びついてはっきりとした傾向が出ていると言われております。正規社員に比べて給料の安いパートやアルバイトの増加、さらに就労意欲のない若者がふえていることは、現在の所得格差にとどまらず、将来の年金受給など社会保障にも格差を生じさせる問題であります。若年層の間での格差拡大は社会の将来の姿を先取りしたものである可能性があると認識し、若年層の就労支援施策などに引き続き取り組む必要があります。


 本格的な少子高齢社会を迎えて、介護保険、障害者福祉、医療制度、国民健康保険制度など社会保障制度の改革が行われております。サービス提供の仕組みや給付と負担の見直しなどを内容とするものであり、持続可能な制度とするためには避けて通れないものと認識しておりますが、区民生活にさまざまな形で影響を及ぼすことが予想されます。とりわけ、高齢者や障害者の多くが年金収入などに頼った生活を送っている実態を見ますと、区といたしましても、激変緩和措置や区独自の支援策など、できる限りの対応策が必要と考えているところでございます。


 介護保険制度の改正は、予防重視型システムへの転換とともに、在宅と施設との利用者負担の不均衡の是正を図ったものでございます。介護保険料の見直しと税制改正による影響が重なり、多くの方が負担増となりますが、激変緩和措置をとることにより、低所得者層への配慮を行うことにしております。


 障害者自立支援法により、障害者の制度が根本的に変わります。サービスの負担は応能負担から定率負担に変わり、月額上限のある一割を負担していただくこととなります。制度の大きな変更でありますので、区としてできる限りの対応を考えてまいりたいと存じます。


 医療制度改正による高齢者の窓口負担の変更は、本年十月から順次行われる予定でございますが、現役並み所得と中低所得者に分けて負担割合を設定し、国民健康保険につきましては、保険料の負担増を緩和する措置を盛り込んだ改正をする予定でございます。


 税制改正では、平成十八年度に老年者控除の廃止、公的年金控除の縮小、定率減税の半減、老年者非課税の廃止が行われます。これらの税制改正は、税額そのものに影響が出ることに加えて、社会福祉制度の本人負担額算定などに直結していることから、極めて広範な影響があるものと認識しているところでございます。


 こうした制度改正が及ぼす区民生活の実態を注意深く見守りながら、区としての適切な対応を図ってまいりたいと存じます。


 次に、第二点目、国民保護法に基づく国民保護計画の策定についてでございますが、本件については、平成十六年九月に国民保護法が施行されたことに伴い、平成十七年度中に都道府県、平成十八年度中に区市町村がそれぞれ国民保護計画を定めることとされているものでございます。


 国民保護法につきましては、外部からの武力による攻撃や大規模なテロなどが発生した場合、国民の生活、身体、財産を保護し、国民生活や国民経済への影響が最小限となるよう、住民の避難や救援、復旧などの国民保護措置について、国や地方公共団体の責務、実施体制、国民保護計画の策定などを定めたものでございます。地震や風水害等の自然災害について、災害対策基本法に基づき、災害対策本部を設置するほか、防災会議での審議を踏まえて地域防災計画を定め、予防、応急、復旧、復興対策を実施する点について、国民保護法は、災害対策基本法と類似した仕組みとなっております。


 したがいまして、本区といたしましては、基礎自治体として区民の安全確保の責務を有する立場から、万が一武力攻撃やテロ攻撃によって区民の安全が脅かされる事態が生じた場合に、区民の避難や救援などの措置を適切に実施することができるよう、国民保護対策本部や国民保護協議会の設置など体制を整備し、国民保護計画を策定する必要があるものと考えております。


 なお、本区におきましては、昭和六十年に平和都市宣言を行うほか、平成十二年に改定した基本構想においても、基本理念の一つに「人権と平和の尊重」を掲げております。また、平和の大切さを広く区民に啓発するため、平和祈念のつどいを初め、中学生の広島派遣などの事業に取り組んでいるところでございます。


 今回の国民保護対策本部や国民保護協議会の設置に関する条例の制定、来年度を目途とする国民保護計画の策定に伴い、平和を尊重する本区の方針に変更はございませんので、今後も引き続き、各種の行事や事業を通じ、平和の大切さについて啓発を図ってまいりたいと存じます。


 次に、第三点目、公共サービスの民間市場開放における地方自治体の役割についてでございますが、まず地方自治体では、地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、区民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない。また、常にその組織及び運営の合理化に努めることとされております。さらに地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならないとされております。すなわち、不断に事務事業を見直し、組織体制の効率化を図るとともに、区民サービスの向上と経費の効果的な活用を図っていくことは、単なる姿勢の問題ではなく、法律上の責務であると認識しているところでございます。本区では、バブル経済崩壊後の厳しい財政状況を踏まえ、平成四年度に経営改善本部を設置し、事務事業や組織、定数の見直し、財源の確保などの取り組みを始め、その後平成十年度には目黒区行財政改革大綱を、平成十三年度には第二次行政財政改革大綱を策定し、行政財政改革への取り組みを継続してまいりました。これまでの取り組みの実績から見ても、組織や運営の合理化を進めつつ、住民の福祉の増進に向け、最小の経費で最大の効果を上げるためには、公共サービスの分野において、民間の経費、経営資源を活用していくことは欠かせない手法であると考えているところでございます。


 お尋ねにありました市場化テストにつきましては、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案」が国会に提出されております。法律案では、公共サービスに関して、その実施を民間が担うことができるものは民間に委ねる観点から、行政がみずから実施する公共サービスを見直し、官民競争入札または民間競争入札に付することとされております。その際、行政の関与や規制は必要最小限として民間事業者の創意工夫が反映されるように措置するとともに、当該公共サービスの適正で確実な実施を確保するため、必要な監督を行うこととされております。


 本区の行政財政改革の取り組みにつきましても、事務事業の見直しにおける業務の委託や指定管理者制度の活用なども含め、区の責任のもとに、民間活力を可能な分野で積極的に活用することを基本的な考え方としております。公共サービスの領域は、時代の変化とともに変化していくものであり、常に住民や民間との協力・連携していく領域、民間にゆだねる領域を意識しながら、それぞれが担う役割を明確にし、サービスの向上と経費の効率化を図る方法を選択して実施していく必要があります。


 このような観点から、民間事業者を活用する場合には、事業者のノウハウが十分生かされるように配慮するとともに、実施状況を的確に把握し、適切な指導監督を行っていくことが行政に求められる重要な責任であると考えております。今後とも、行政としての責任を果たすために必要な対応を適切に行いながら、民間事業者などの一層の活用を図り、行政財政改革を推進してまいりたいと考えております。


 次に、第四点目、基本計画で掲げた「住民参加システムの構築の具体化」についてございますが、御指摘のとおり、目黒区基本計画には、基本方針として「区民と行政の協働によるまちづくりの推進」を示し、施策の方向の一つに「実効性ある住民参加システムの構築」を掲げております。本区での住民参加につきましては、これまでも計画等を策定する場合に、めぐろ区報やホームページへの掲載、説明会の開催など事前に幅広く公表し、区民の皆様に区の考え方を説明すると同時に、意見募集やアンケート調査など御意見や御要望をいただく機会を設けるよう努めてまいりました。


 計画によっては、案の策定に着手する前の段階で意見・要望を求めることもございます。最近では、インターネットを活用した電子メールでの意見募集も行っております。区民の行政への関心が高まる参加の仕組みとしては、まだまだ改善するべき点があると存じますが、これらの取り組みを進めてきたことにより、若い世代や働いている区民にとっては、行政の取り組みを知る機会が広がり、意見を出しやすい環境が整ってきたのではないかと考えております。


 私は所信表明の中で、地方分権時代にふさわしい基礎自治体の取り組みとして、「より一層区民の意見が反映された多様な主体が担う地域社会の形成を目指す」ことを申し上げました。まさに基本計画に書かれている「区民と行政の協働によるまちづくりの推進」と、「実効性ある住民参加システムの構築」を目指す考え方でございます。


 第二次行財政改革大綱・年次別推進プランにも、政策策定過程での住民の参加、区民と行政の協働を掲げて改革の一環として取り組んでいるところでございます。区民と行政の協働を進めることは、区民に対しより一層の自主的・自立的な活動を求めていくことになりますが、一方で行政は、これまで以上に説明責任を果たすことが必要になり、区民の立場で事業に取り組む姿勢を持つことが求められてまいります。今後さらに行政情報の公表に努め、積極的に説明責任を果たすとともに、本年二月に策定した協働推進方針に沿って、住民参加がさらに充実するよう、具体的な仕組みづくりを進めてまいりたいと存じます。


 以上、お答えとさせていただきます。





○二十五番(沢井正代議員)  区長は、現在起こっている低所得の増大の問題についての認識については、十分認識されているというふうにお話をされていますけれども、今の状況は、単に、現在、低所得者がふえているだけではなく、今の国のさまざまな制度の今後の方向性などを見てみますと、また企業の状態や労働法の改悪等々を見てみますと、今後こうした低所得者がさらにふえ、さらに厳しい状況になる、そういう方向を今の社会は示唆しているのではないかというふうに思うんですね。それに対して、先ほどの所信表明の中の言葉は、価値の多様化の問題は低所得者を指しているんじゃないよという言い方はされましたけど、しかし、低所得に置かれている区民の状況を、その中ではどういうふうに受けとめるかということについては明確に示していないどころか、新たな胎動というような、変化を胎動というような受けとめ方をすること自身、これからの区政運営を行う上では、大きな見誤りを行うのではないかということが危惧されるわけです。


 この間の行革を見ても、区長は、低所得者、また高齢者、障害者、そうしたところの負担をさらに重くするようなことを次々やられているわけです。今必要なことは、目黒区としても、そうした現状はしっかりつかんでいるんだとおっしゃっておりますけれども、施策の中心の課題に、区民の暮らしを守るということをしっかり押さえているのであれば、その暮らしを守る、そのための施策を積極的に具体化をしていく、そのことが求められているのではないかというふうに思いますけれども、一般論としてではなくて、区長がそこにしっかり足を置いて、区民の生活に寄り添って区政を運営するんだという気構え、決意というものがおありなのかどうか改めてお伺いをしたいというふうに思います。


 次は平和の問題についてなんですが、今の国民保護計画そのものに対する認識というのは、私たちとは随分違う、戦争に協力するものだというふうに私たちは考えていますが、目黒区はこの間、区長がおっしゃるように、平和の取り組みについては積極的な取り組みが行われています。そしてそれを継続すると同時に、戦争のない平和な社会を実現するという立場については変わりないんだということを今おっしゃいました。そうした姿勢を明確に打ち出すべきだというふうに思うんです。これからいろいろな形での動きが始まってきます。その姿勢を内外に明らかにすることが今必要だと思います。崇文区との国際交流なども行っていますけれども、自治体が今の政府と同じような形で戦争準備を進めるのではないんだということを明確に打ち出す、内外に明らかにすべきだというふうに思いますけれども、そのお考えについて、もう一度お伺いをしたいというふうに思います。


 次に、三番目の民営化の問題についてなんですけれども、この間起きてきた問題は、氷山の一角です。それで、国民の多くは「官から民」だとか、「規制緩和」だとかという言葉で、一時は何かいろいろな仕事がもっと自由に柔軟にやれるのかと思っていたら、この間の事件を見たら、いや、そうじゃないと。行革やこうした規制緩和が進められているその先には、安全がないがしろにされてきたということがはっきりしたわけです。区長はそれでも、今の行革の流れはとめない。そこは進めるんだというふうにおっしゃっていますけれども、この落とし穴についてどういうふうに受けとめていらっしゃるんでしょうか。まず、それを一点お伺いしたいと思います。


 それと、これから進める市場化テストを含めまして、まさに公務のあらゆる部分を市場にゆだねていく、投げ出していくという、そこには公務労働における公的責任というものがどんどんなくなってくる。例えば、国民健康保険にしても、都税で言えば、税務の取り立てなんかも含めて、区民税もそうですけど、市場化テストの対象にされてくると。


 足立区などでは、もう既にクレジットの取り立て会社が足立区にそういう仕事についての問い合わせをしてくる。今、区民税もそうですけれども、滞納者への取り立てになると、個人情報は全く保障されずに銀行の預金通帳から、財産からすべて調査権は持っているんですね。そういう意味では、そうした業務にまで民間の取り立て業務の行っているような企業がどんどん参入をしてくる。


 先ほど区長もおっしゃいましたように、全体の奉仕者であるという公務員だからこそ、その生活というものを考えながら、いろいろな仕事をしているわけです。単に業務を委託するというレベルの問題ではないところまで市場化テストというのは広がってくるわけです。先ほど区長は、その中で管理監督責任は果たせるのだとおっしゃっていましたけれども、実際に今起きている、あちこちでの民営化の中では、管理監督責任を負えないんです。結局、単に委託ではないわけですからね。そういう面では、そんな生易しい状態で安易に委託や市場化テスト、指定管理者制度を際限なく拡大するというお考えでは、区民の生活が守れないんじゃないかというふうに思いますので、この先どんどん進めていって、本当に目黒区としての公的責任が果たせるんですか。一体どの分野だけ残して、どこまで拡大するのか。区長の今の御答弁から見ると、これはまさに公務労働そのもの、自治体そのものを民間に投げ渡してしまうんだというふうに思いますけれども、どういうふうにお考えなのかお伺いしたいと思います。


 四番目に、区民参加の問題についてなんですが、区長は、協働の問題と住民参加の問題を混同されているんじゃないでしょうか。フォーラムの答申とその後の経過を見ても、協働と住民参加とは別のものだという扱いを明確にしております。ですから、協働の問題は協働の問題として、もう一方では、地方自治権拡充のもとで住民を主人公とした住民参加の区政運営をする上で欠かせないのがこの住民参加のさまざまなシステムなわけです。システムをつくるというのは、そういう論議が庁内でもきちんとやられなきゃならないわけです。ところが、今回、実施計画も、区長はまだ区で決めないうちから皆さんに意見を聞いているんだと言っていますけれども、そこで区が出されたのは、わずか三つの区の重点課題という抽象的なものだけを掲げて意見を求めているわけです。先日もう既に区民からの意見については締め切りが行われて、話によると、大変少ない意見だったというふうに言っていますし、あれだけでは、区民の人がどうやって意見を出したらいいかわからないのだろうということを、職員の中からもそんな声が上がっております。


 この間の住宅マスタープランにしても、まちづくり条例にしても、区民から意見が出てきているのは一桁ですよね。前区長の時代、いろいろありますけれども、そのときよりも私は、最近二年間の区民の意見の出し方は極端に減ってきていると思います。これは何なのか。区民が意見を出さないというのは、区政に対して、出したってしようがないんじゃないかということもあるかもしれませんし、また、その情報がインターネットで出していると言っていますけれども、インターネットで見てとるというような状況にまで広がっていないことは明らかです。その情報を否定はしませんけれども、徹底した説明会をきちんと開くですとか、そういう場を無数に開いていく努力をしないと、やるだけのことはやったけれども、来ないのだから住民が悪いんだと、こういう姿勢には立ってほしくないというふうに思います。


 この間の意見が大変少ない。さまざまな施策に対する住民意見が少ないという問題も、あわせて私は深刻に受けとめて、基本計画に掲げている住民参加システムをつくると、これについては、庁内での検討をきちんとしていかなきゃならないと思うんです。どこかで庁内検討というのはされているんですか。そういう部署で全庁的な検討というのは、システムですから、ある部署の実施計画なら実施計画だけというふうにばらばらではなくて、目黒区としてのシステムとして検討をすべきだというふうに思いますが、その辺はどうお考えなのかをお伺いをしたいと思います。


 以上です。





○青木英二区長  それでは、順次お答え申し上げます。


 一点目の問題でございますが、これは私自身先ほどの質疑の中でもお話し申し上げましたが、基礎自治体にとって、セーフティネットというのは極めて重要な課題でございますから、区長がちっとも区民に寄り添っていないではないかというんですが、これは見解の相違ですので、私が言う話ではございませんが、私は私なりに寄り添っているというふうに思っているというところでございます。


 それから、区長が自治体として戦争に協力しているような趣旨の御質疑がございました。私は全くそんな気持ちございません。大変心外でございます。


 それから、三点目、四点目、あわせてお話申し上げたいと思いますが、私、先ほどもお話し申し上げたように、地方自治法の第二条で、最小で最大の効果を上げるという大きな命題を持っているわけであります。その中で公的な部分、セクター、そしてまたもう一つは民間活力を活用して進めるという、その辺の区分けというのは出てくる課題だというふうに思います。ただ、どちらにしても最も重要なことは、私どもが、目黒のレベルで言えば、区がその責任、例えば設置者としての責任等はきちんと明確にして、そういった中で当然行ってきておりますし、これからも当然行っていくということでございます。


 それから、区民参加ですが、いろいろ言われ方があるので、全部決めて出すと、何だ全部じゃないかというし、大まかで出すと、今度は全然決めてこないでと、難しいものだなと今改めて感じておりますが、例えば、できるだけ自由な意見を聞かせてもらうという方法を私どもは考えているということでございます。


 それから、実施計画、アンケート調査等をもらって、これは、所管はあることですが、全庁的な中で実施計画の改定には着手をするということでございます。





○二十五番(沢井正代議員)  暮らしの問題なんですけれども、寄り添っていないというのは、単に抽象的な問題ではなくて、この間やられてきた行革一つとってもそうですけれども、低所得者については、特別な配慮をしていかなければならないんだという考えを貫くというふうに考えてよろしいですか。その辺は。そこのところをちょっと明確にしてほしいんです。


一般論の問題ではなくて、低所得者に本当に比重を置いた行財政のあり方ですとか、さまざまな施策の検討の仕方というのは、そこでしていかないといけないと思うんです。実施計画との関連で見ても、大規模なところには非常にお金が、億というお金が毎年動いていくような計画を新たに組んでいくわけです。ですから、そういう部分を考えると、低所得者部分、生活を本当に支える部分についての施策というものについては十分検討を行って、目黒区として絶対に落とさないんだと。確かに目黒区ですべてを救えるほどではないのは私たちもわかります。でも、目黒区としては、せめてこれ以上落とさないように、しっかりした支えをするんだという決意だけお聞かせください。


 それから、平和の問題は、私は区長が協力すると言っているなんて言っておりません。先ほども申し上げましたように、戦争のない平和な社会実現のために努力するという御答弁をされたわけですから、それであれば、きちんと明確に内外にそういう意見を示すべきじゃないかと、そういうことを申し上げているので、その辺については、改めてどうなのかお伺いしたいというふうに思います。


 それから、民営化路線の問題なんですけれども、「最小の経費で最大の効果」、それは言葉はそう言いますけれども、民営化の中で出てくる問題というのは、区というのは、物を単につくっていく工場ではありませんね。人と人とが対応しながら、住民の生活を支えていくという場なわけです。そこにいる公務員を極端に減らしていったり、また経費を削減していって、それで最大の効果が得られるんですか。福祉の施設、また教育の施設、さまざまな分野があります。確かに最小の経費で最大の効果をする努力はありますけれども、その結果が、効果が最大どころか、区民のさまざまな支援に大きな影響を及ぼす、そういうことについてはどのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。


 それと、最後の住民参加の問題で一点ちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、区長は、今度の実施計画というのは、前回の実施計画は、藥師寺区長がつくって、すぐその後お亡くなりになっちゃったわけですけれども、ある意味では、青木区長が初めてつくる実施計画ですね。ですから、住民が主人公という立場を選挙のときにも掲げていらっしゃったわけですから、今までの単なる延長線上ではなくて、改めて住民の意見をどう聞くか。今回聞いて、あと素案をつくって十一月に区民に知らせ、そしてその意見を聞いたら、もうおしまいですよね。財政の問題、先ほど言った低所得者の現状、障害者自立支援法等々さまざまな問題があるときに、そうした問題も含めて目黒区の実施計画がどうあるべきなのか。


 私は、改めて区民に対して素案をつくる前に、十分な説明を行いながら、十一月までの間、もうこれで終わりではなくて、何らかの方法での住民意見を聞く機会をつくっていくべきだというふうに思いますけれども、実施計画の住民参加については、もうこの形どおりで終わりなんですか、ちょっとその辺だけ最後にお伺いします。





○青木英二区長  これは今お話のように、セーフティネットを区長として張っていくということは大変大事な課題でございます。ただ、同時に、幾つか個別に言えというお話なので、もうちょっと個別にお話し申し上げるならば、まさに十分な検討というのは、例えば、ナショナルスタンダードの国民健康保険にしても、介護保険にしても、ナショナルスタンダードを超えて、私どもが対応をしていくということになりますと、当然、それは一般財源を投入することになりますから、財政の問題、それから目黒区が行っている他区との施策の関連の問題、また全部とは言いませんが、例えば二十三区ほかの区の状況、当然、そういったことを区長としては勘案してセーフティネットを張っていくということでございます。そのように御理解をいただきたいというふうに思います。


 それから、区長が平和を考えているということを具体的に示せということであれば、例えば、これから御審議をいただく十八年度予算の中に広島の特派員、小学生、中学生の特派員については増員をするといったような対応もしていくということでございます。


 それから、公務員をどんどん減らしてということですが、減らしているのではございません。職員適正化計画、職員の適正化というのに努めているということでございます。


 それから、四点目でございますが、これは今、アンケート調査をいただき、それから私ども素案をつくっていく段階で、当然これは説明会を開かせていただくことになります。説明会の持ち方については、時間の問題、方法の仕方、そういったことを十分考えながら、できるだけ多くの区民の皆さんに御参加をいただく、そういったことをまた検討していきたいというふうに思っております。


 以上です。





○宮沢信男議長  沢井正代議員の代表質問を終わります。


 以上で代表質問を終わります。


 次の本会議は明三月二日午後一時から開きます。


 以上で本日の日程を終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。





   〇午後六時二十二分散会