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東京都 墨田区

平成17年 第2回定例会(6月) 06月07日−02号




平成17年 第2回定例会(6月) − 06月07日−02号







平成17年 第2回定例会(6月)



        平成17年第2回定例会 墨田区議会会議録

1 期日  平成17年6月7日

2 場所  墨田区議会議事堂

3 出席議員(33人)

        1番  樋口敏郎君   19番  坂下 修君

        2番  田中 哲君   20番  中沢 進君

        4番  木村たけつか君 21番  広田充男君

        5番  桜井浩之君   22番  坂岸栄治君

        6番  沖山 仁君   23番  高柳東彦君

        7番  田中邦友君   24番  片倉 洋君

        8番  中嶋常夫君   25番  阿部幸男君

        9番  大越勝広君   26番  松野弘子君

       10番  加納 進君   27番  中村光雄君

       11番  千野美智子君  28番  西原文隆君

       12番  阿部喜見子君  29番  瀧澤良仁君

       13番  江木義昭君   30番  早川幸一君

       14番  金澤 修君   31番  薗田隆明君

       15番  藤崎よしのり君 32番  槐  勲君

       16番  出羽邦夫君   33番  西 恭三郎君

       17番  木内 清君   34番  鈴木順子君

       18番  小池武二君

4 欠席議員

       なし

5 欠員(1人)

       3番

6 出席理事者

    区長       山崎 昇君   区民部長     今牧 茂君

    助役       田中 進君   地域振興部長   宍戸 亮君

    収入役      小嶋眞一郎君  福祉保健部長   坂田静子君

    教育長      久保孝之君   都市計画部長   渡会順久君

    企画経営室長   岡田 貢君   危機管理担当部長 藤田 彰君

    総務部長     深野紀幸君   商工担当部長   小川幸男君

    環境担当部長   永廣 修君   教育委員会事務局次長

                              横山信雄君

    高齢者福祉担当部長        選挙管理委員会事務局長

             松竹耕治君            菅沼享子君

    保健衛生担当部長 澤 節子君   監査委員事務局長 柿沼幸雄君

    都市整備担当部長 河上俊郎君

7 出席事務局職員

    事務局長     織田雄二郎君  議事調査主査   柳田敏也君

    事務局次長    勝田顕良君   議事調査主査   渡邊久尚君

    議事調査主査   荒木 登君

      平成17年第2回墨田区議会定例会議事日程 第2号

          平成17年6月7日午後1時 開議

第1 議案第43号 墨田区手数料条例の一部を改正する条例

第2 議案第44号 災害に際し応急措置の業務に従事した者等に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例

第3 議案第45号 墨田区浄化槽清掃業の許可及び浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例

第4 議案第46号 墨田区特別区税条例の一部を改正する条例

第5 議案第47号 両国中学校校舎改築工事請負契約

第6 議案第48号 両国中学校校舎改築に伴う空調設備工事請負契約

第7 議案第49号 両国中学校校舎改築に伴う電気設備工事請負契約

第8 議案第50号 第四吾嬬小学校屋内運動場改築工事請負契約

第9 議案第51号 中平井橋架け替え整備工事(その2)請負契約

追加議事日程

第1 藤崎繁武議員辞職許可について

      午後1時4分開議



○議長(沖山仁君) これより本日の会議を開きます。

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○議長(沖山仁君) まず、会議録署名員を定めます。

 本件は、例によって議長からご指名申し上げます。

       4番    木村たけつか君

      34番    鈴木順子君

のご両君にお願いをいたします。

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○議長(沖山仁君) 昨日に引き続き、一般質問を行います。

 順次発言を許します。

 13番・江木義昭君

   〔13番 江木義昭君登壇〕



◆13番(江木義昭君) 民主クラブの江木でございます。

 先に提出してあります質問通告に沿って質問させていただきます。

 さて、この間、世上では教育をめぐってさまざまな議論が行われるようになってまいりました。

 一つは、いわゆる新しい歴史教科書を作る会の作成した歴史教科書をめぐる議論であり、一つは教育基本法をめぐる議論、また、ジェンダー・フリーという言葉をめぐる男女平等教育に関する議論であり、学校行事における日の丸、君が代の取扱いをめぐる議論であります。

 これらの議論は、どれ一つをとってみても大変重要な問題だと思いますし、私には私なりの見解もあるのですが、ただ、私としましては、これらの議論の前に、あるいはより本質的な問題として、そもそも公教育とは何か、いかなる理念のもとに公教育を実施していくのかということが議論されねばならないのではないかという気がいたしております。

 そこで、この間、少し日本の戦後教育の歴史について調べてみました。その結果、改めて気づかされたことは、いわゆる戦後教育改革というものが必ずしも言われているようにGHQの命令によって不承不承に行われたということではなく、むしろ大きな希望を持って取り組まれたということです。

 戦後の教育改革は、敗戦の年1945年の10月から12月にGHQより発せられた、いわゆる教育改革に関する4大指令から始まります。内容は、教育からの軍国主義、国家主義、国家神道の排除を中心とするものであり、墨で塗りつぶされた教科書が登場したころのことです。

 翌年3月には、アメリカ教育使節団が来日し、6・3制の学校体系、男女共学、官僚支配の排除を主な内容とする助言を行います。この助言を受けて、日本側では幣原内閣で文部大臣を務めた安倍能成を委員長とする教育刷新委員会を設け、いわゆる6・3・3・4制の学校体系、教育行政の地方分権化、公選制教育委員会の設置、国定教科書から検定教科書への移行などの改革を行います。

 これらの改革には、占領下のことではあり、確かにGHQの関与があったことは否定できません。しかし、それ以上に当時の当事者の皆さんの主体的な意欲というものを見落としてはならないと思うのです。敗戦という厳然たる事実の前で、日本の至るところが焦土と化し、やみ米を拒否し続けた裁判官が餓死をするという極端な物資の欠乏の中で、人々は未来にこそ希望を見出し、未来の担い手たる子供たちに夢を託し、教育改革に取り組んでいったのです。

 教育に対する当時の人々の思いをうかがい知るのによい資料がありますので、紹介したいというふうに思います。

 1947年に開かれた第92回帝国議会の記録なのですが、6・3制実施に際し、設備、学用品、教科書など甚だ心もとないものであるが、文部当局においてはこれらについてどのような施策があるかとの質問に対し、文部省の日高局長は「敗戦日本は、次代の日本を担当する青少年に絶大な期待をかけるほかない。このため、教育の徹底的な改革が必要である。しかるに、現状はこの子供たちに1冊の教科書を与えることすらできない。遺憾千万」との意を漏らし、「途中におきまして、局長は言葉が詰まりまして、涙滂沱、ついに発言するあたわず、最後には声を上げて泣きました。委員長はじめ、各委員も影響せられまして、委員会はこのために約5分間一言も発する者なく、寂として声なき状況でありました」。この状況の中に、まさに国破れて山河あり、城春にして草木深しという心境の中で、ややもすれば絶望のふちに沈みそうになる気持ちを奮い立たせ、今日の日を生きていく糧を、人々は子供たちに託した未来への希望の中からこそ得ていたのだろうというふうに思います。

 戦後復興をなし遂げ、高度経済成長を実現し、今や世界第2位の経済力をうたわれるまでになった今日の繁栄を築き上げてきたのは、まさにこのような思いの中で教育を受けた子供たちでした。集団疎開や縁故疎開で家族と離れ、育ち盛り、食べ盛りの時代を芋とカボチャでしのぎ、親を亡くし、兄弟を失い、ギブ・ミー・チョコレートと叫びながら進駐軍の兵隊を取り巻いていた子供たち。学ぶに机もなく、いすもなく、教科書や鉛筆もない、そんな中で大人たちの熱い希望を一身に託された子供たちが、戦後の60年間を築いてきたのです。

 過日、NHKの番組で「バンキンの夢」というドキュメンタリーを見ることがありました。バンキンというのは、中国の15歳の女の子の名前でして、彼女はいわゆる「民工」と言われる人たちの娘です。農村部から北京や上海などの都市に出稼ぎに来ている人のことを民工というふうにいうのですが、農村部から都市への戸籍の異動が認められていないために、彼らは都市に戸籍を持っていません。従って、彼らの子供たちは都市に学籍がないために、公立の学校へ通うことができないのです。篤志家が自分たちの力で学校を作り、民工の子弟を受け入れるのですが、財政は当然厳しく、できるだけ安くはしても学費がかかります。授業料と給食費を合わせて日本円にして月に300円ほどなのですが、もともと貧しい民工の人たちにとって大きな負担になります。

 バンキンには兄弟が多く、妹や弟が学校に通うようになると、中学生になったバンキンの学費までは払えなくなってしまいます。父親から学校をやめるように言われた日、彼女は一日部屋の片隅に立ち尽くし、彼女のほおに流れる涙が大写しにされます。インタビューで、どうしてそんなに学校に行きたいのかと尋ねられ、バンキンはこう答えます。「お金をもうけて、お父さんとお母さんをきれいな家に住ませてあげたい」。母親は足が悪いのですが、「お母さんの足を治してあげたい」。彼女の胸の中には、今日学ぶこと、今日懸命に学ぶことが明日の幸福と確実に結びついているのです。明日の夢を実現するために今日学ぶのだということがしっかりと信じられているのです。学ぶ意欲、知ろうとする意欲は、まさに未来への希望によってのみ持つことができるのでしょう。未来に何の望みもないときに、だれが学ぶ意欲を持つことができるでしょうか。

 この国が自分の未来に対する夢や希望を大切に守り育ててくれると信じられるとき、だれに言われなくとも子供たちはこの国を愛するでしょう。その逆に、この国に何の夢も希望も持てないとき、あるいはこの国では自分の未来に対する夢や希望が無惨にも打ち砕かれるというふうに感じるとき、子供たちはどんなに強制されても、この国を愛することはできないでしょう。

 敗戦に打ちのめされた大人たちの、子供たちに託す希望の熱さ、大きさは、言葉ではなく、まさに何もないという国家予算の中で、物資の供出、義援金の供出という形で、たとえ鉛筆1本、ノート1冊でも子供たちの手元に届けようとする大人たちの努力によって、しっかりと伝えられていったのでしょう。

 新制学校がスタートした1947年の就学率は99.79%という、戦後の混乱期としては信じられないような高率を示していました。大人たちの未来に対する熱い希望は、子供たちの小さな胸にも大きな希望の火を燃やすことができたのです。ある意味で、物があふれ、物質的には満ち足りた今、私たちは子供たちに対してどんな未来への希望を託すことができるのでしょうか。ゆとりの教育がどうの、国際学力テストの成績がどうのという以前に、私たちは今の時代、未来にどんな希望を持つことができるのかをこそ問わなければならないというふうに思います。

 日本の戦後教育が、その出発に際して持ち得た財産は、物でもなく、お金でもなく、未来への大きな希望でした。子供たちに与えるに机やいすもなく、教科書やノート、鉛筆すらないという状況の中で、教育再建への熱い思いを結集したものこそ教育基本法でした。

 教育基本法は、その前文において「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない」と公教育の使命を規定し、第1条・教育の目的において「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と、その目的を定めています。この理想主義的とも言える格調の高い文章の中に、当時の教育に対する期待の高さと純粋さがうかがわれます。

 これに対し、近代日本の公教育は、ペリーの率いてきた4隻の軍艦に象徴される欧米の経済力、生産力、あるいはその結果としての軍事力に対する畏怖とも畏敬とも言える心理状態から出発し、脱亜入欧、和魂洋才のスローガンのもと、ひたすら近代国家建設に有為なる官僚とテクノクラートの養成を目的に進められてきました。

 時代により、文芸・芸術が隆盛を迎えたり、あるいは極端な軍国主義がばっこしたりという違いはあっても、その目的が国家建設にあった点では変わりありません。もちろん個人が存在しなかったわけではありません。基本原理としての富国強兵策に沿った形で、いわゆる末は博士か大臣かという立身出世型の自己実現が追求されていました。しかし、それはあくまで国家が主であり、個人は従の関係に置かれていました。

 一方、現在の教育基本法では、明確に個人を主とし、国家はあくまでもその個人に奉仕すべきものとして規定されています。従いまして、教育政策の位置付けも、戦前のそれは国策であり、国家の統治行為として位置付けられていたのに対し、教育基本法では個人の学習する権利の保障として位置付けづけされています。

 当区の教育委員会は、その教育理念をどこに置かれるのか。国家に有為なる人材の育成に、国に奉仕する才能の育成に置かれるのか、それとも教育基本法の目的に言う、「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」に置かれるのか、お尋ねいたします。

 最後に、二つのお話をご紹介したいというふうに思います。

 一つは、雑誌か何かで読んだものなのですが、アメリカは第一次世界大戦のときに、ヨーロッパ戦線に120万の兵士を派遣いたしました。戦後アメリカ軍は、この派遣した120万の兵士に対して一つの調査を行ったのですが、それは敵と遭遇した際に、命令を待たずに自主的に引き金を引いた兵士がどれくらいいたかというものでした。結果は、狙撃兵を除くと2割から3割というもので、軍首脳部はこの結果に大変な衝撃を受け、それから兵士に対して、敵と遭遇した際には命令を待たずに即座に引き金を引く、そういう教育と訓練を徹底的に行ったそうです。その結果、第二次世界大戦の後に同じ調査をしたところ、敵と遭遇したときに命令を待つことなく、パブロフの犬のように自主的に引き金を引いた兵士の数は8割から9割に上ったそうです。軍首脳部は、この結果に大いに満足したそうです。

 このことから二つのことが分かります。一つは、徹底した教育と訓練によって、人は殺人機械に変わり得るということです。もう一つは、にもかかわらず、それでもなお自らの良心と信念に基づき、引き金を引かなかった兵士が1割から2割はいたということです。

 次に、私が高校生のときに教師から聞いた話で、昔あるところに大変高名な骨董屋がいたそうです。彼には一人の番頭と一人の息子がいました。彼は、番頭に対しては雪舟の絵について徹底して教え込みました。その結果、番頭は雪舟の絵の真贋については決して間違えることはないけれども、絵の良し悪しということを見分けることはできませんでした。一方、息子に対しては絵の良し悪しを見分けることを徹底的に教え込みました。結果、息子は絵の良し悪しを見分ける目は確かなものになりましたが、雪舟の絵の真贋の鑑定では時に間違えることがありました。

 皆さんはどちらの教育を受けたいですかというのが先生の問いで、当時、生意気盛りであった私は、骨董屋自身両方できるのなら、両方できるように教えてもらいたいなどと言って先生を困らせ、今となっては悪いことをしたなと反省しているのですが。さて、当区の教育委員会は、敵と遭遇した際にはパブロフの犬のように引き金を引く兵士を育てようとなさるのか、それとも、自らの良心と信念に基づき、引き金を引かない兵士を育てようとなさるのか。また、雪舟の絵の真贋については決して間違えないけれども、絵の良し悪しが分からない番頭と、雪舟の絵の真贋については時に間違えることはあっても、絵の良し悪しはしっかりと見極められる息子と、どちらを育てようとなさるのか、お尋ねしたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

   〔教育長 久保孝之君登壇〕



◎教育長(久保孝之君) それでは、江木議員さんの公教育の理念についてのご質問にお答えをさせていただきます。

 国家百年の計である教育のあり方については、国民一人一人の生活や幸せに直結するとともに、社会の発展の基礎を形成するという大変重大な意義を持っており、その基盤となる理念の重要性は、江木議員さんのご指摘のとおりかと思います。

 また、1947年の帝国議会のエピソードに代表されるように、当時の人々がいかに子供たちに未来への希望を託していたかがうかがえる、多くの示唆に富んだお話をお聞かせいただき、ありがとうございます。当時の人々の熱い思いが伝わってくるような気がいたしております。

 と同時に、子供たちの学びへの意欲が、豊かさへの希求を軸とする未来への希望によって支えられてきたということは、まさにご指摘のとおりだと思います。そして今、物資的な豊かさがある程度達成された中で、学びへの意欲をかき立てるものが何であるのか、これの模索が続いている時代になったのではないかと考えているところでございます。

 そうした中で、教育には人格の完成を目指し、個人の能力を伸長し、自立した人間を育てるという使命と、国家や社会の形成者たる国民を育成するという使命とがございます。この基本的な使命は、今後の時代においても変わることはないのではないかと考えておりまして、と同時に、それぞれの子供が持つ多様な個性や特性を尊重し、生かし、育てることが教育の大きな役割であると認識をしているところでございます。

 今後とも、公共性、公平性、中立性が損なわれることのないよう十分留意し、子供の立場に立って教育の質が確保されるよう、また、子供たちが目標を持って、意欲的に学校生活に臨めるよう努力してまいりたいと考えております。

 次に、世界大戦での兵士の行動についてのお話でございますが、戦時下における兵士の訓練の問題と、平時の義務教育のもとにおける児童・生徒の教育とを並べて論じることは必ずしも適切ではないと考えるところではございます。また、兵士のとり得る態度は、引き金を引くにせよ引かぬにせよ、お示しいただいた二つ以外のものもあるのではないかとも考えます。

 ただ、一言申し添えさせていただきますと、重大な局面に直面したとき、人は自分のとるべき行動について多いに悩み、苦しむことになるわけでございますが、その悩み、苦しみにしっかりと向き合い、自らの意思で適切な行動をとることができるようにすることが教育のあるべき姿ではないかと考えております。

 また、骨董の商いの修業についてのお話でございますが、江木議員さんは絵の良し悪しを見分けられる力と、絵の真贋について見分けられる力の両方を教えてほしいと答え、先生を困らせたということでございますが、私もまさにそうあるべきと考えるところでございます。子供たちの多面的で多様な力を、あらかじめ一部に限定するのではなく、最大限引き出すことが教育の大切な使命であると考えます。

 今後とも、墨田の子供たちが将来に向けて希望を持ち、それぞれの個性を生かしながら自ら学び、自らの能力を高め、自己実現を図ることができるよう、着実で安定した教育を進め、子供たち一人一人が生涯にわたって成長を続けられる基礎作りをしてまいりたいと、このように考えているところでございます。

 以上で、私のご答弁とさせていただきます。

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○議長(沖山仁君) 2番・田中哲君

   〔2番 田中哲君登壇〕



◆2番(田中哲君) 無所属クラブ新しい風の田中哲です。

 一般質問に先立ち、本年4月1日をもって同僚の木村たけつか議員と私、田中哲とで新会派「無所属クラブ新しい風」を立ち上げました。未熟な私たちでございます。沖山議長、山崎区長をはじめ、皆様のご薫陶をいただきながら、一生懸命努めてまいりたいと思っておりますので、諸先輩議員並びに理事者の皆様の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げます。

 さて、今回改めて新タワー、いわゆる墨田タワーにつきまして山崎区長に質問をさせていただきます。

 このたび、隅田川を挟む墨田・台東の両区の市民・行政が一体となった観光やさまざまなまちづくり活動の支援、推進が図られるということ、地元の住民の受入れがあるということ、都市防災に関するさらなる行政支援がなされるということの三つの条件付きでありながら、墨田・台東地区が新タワーの第一候補地に選ばれました。大変に喜ばしいことと思います。しかし、本来のタワー誘致の目的は、このタワーにより墨田区をどう変えていくかということであると考えております。

 私たち新人議員の有志は、昨年山崎区長のタワー誘致発言を受け、現在の東京タワーを自分たちの目で見るべく視察をしてまいりました。昭和33年に建てられ、ほぼ半世紀を経たタワーの内部は予想以上に老朽化をしており、国際都市東京のシンボルとは言いがたいもののように思えました。また、当日多くの訪問者でにぎわっておりましたが、必ずしもタワーがまち全体に溶け込んでいる様子はなく、タワーそれ自体で完結しているようにさえ思えました。

 仮に新タワーができたとしても、タワーの下に観光バスが乗り付け、そのままタワーを観光してタワーの下から帰ってしまうような施設であれば、墨田区にとって何らメリットは考えられないのであります。誘致に際しては、今回の運営主体である東武鉄道との間に明確なまちづくりの協定を結ぶ必要があると考えておりますが、山崎区長のご所見をお尋ねいたします。

 さらに、先に述べましたように、今回選定委員会から三つの課題をいただいておりますが、これをどう解決されていくつもりでおられるのでしょうか。特に姉妹区台東区との関係こそが今回の誘致の最終決定に向け、最大の課題だと考えております。私は、この課題をピンチととらえるのではなく、むしろ積極的に利用してこそ活路が見出されるのではないかと考えております。すなわち、この機会をとらえて、台東区との共同事業、広域事業を促進するべきではないでしょうか。

 現在、台東区では、区内循環観光バスめぐりんを運行しておりますが、これをタワーのおひざ元の押上から錦糸町を経て、北斎通りを西に抜けて江戸博・国技館の両国まで延伸させることはできないものでありましょうか。また、かつて隅田川には、浅草の山谷堀から向島の三囲神社あたりを結ぶ竹屋の渡しがあったと聞いておりますが、これを和舟やゴンドラなどを利用して復活することはできないものでしょうか。毎年、墨堤の桜は大変に見事であります。しかし、ここまで区民に親しまれている桜の美しさが、隅田川の両岸にあるからこそと思うのは私だけでありましょうか。

 現在、審議をされております基本構想審議会でも、隅田川の重要性、水辺の空間に対する区民の皆さんの熱い思いが議論されております。隅田川は、墨田・台東両区の最大の観光資源でもあります。川の手という言葉がよく使われますが、今こそ台東区と協力して、タワーを中心とした川の手ルネッサンスを実現しようではありませんか。

 また、最終的にタワー誘致が決定した場合、世界各地から来る年間来訪者数は500万人とも300万人とも言われております。今まで山崎区長は、やさしいまち宣言の中で、たばこのポイ捨て等の対応を図る旨の施策を展開してまいりました。ある意味、マナーを大切にするという考え方は評価できるものの、墨田区民の数倍を超える来訪者に対して、果たしてマナーだけで対応し切れるものでありましょうか。観光に際して最も大切なのは、もう一度墨田区を訪れてみたいというリピーターをどれだけ大切にすることができるかだと思います。墨田はもてなしの心を持った温かなまちであることを考えると、再度この問題を考えなければならないと思います。

 平成16年第3回定例会で、自民党の中村議員の質問に際し、山崎区長は、区内の地域特性を生かした魅力あるまちづくりを進めていくためには、区内の美化推進を図り、きれいなまちづくりを進めていくことが何よりも重要であると答弁をされております。かつて東京はオリンピックの開催に合わせて美化推進を始めました。東京全体が大きく変わったのは、このときなのであります。今や、新タワーにより墨田区を大きく飛躍させる大いなるチャンスが来ていると考えております。山崎区長のご所見を求めます。

 さらに、タワー誘致に伴い、観光の目玉としてまち歩きを進めるのであれば、歴史のまちとしての住居表示の問題があります。これも今年の予算特別委員会で議論をされておりましたが、墨田区には歴史を思い起こさせる古い町名が多くありましたが、効率性を追求するためなのでしょうか、無意味な住居表示の変更をしてきたように思います。

 実は先日、ある町会長から、立川の「立」の字を昔の「竪」の字に変えられないものかというご相談をいただきました。当時は、当用漢字にないという理由で現在の表記に変えたようですが、おかしいのは、中学校の校名では旧の字を使い、住居表示では現在の字を使用している行政的な矛盾を起こしていることであります。町会長は、役所の職員でも立川を「たちかわ」と読むんだと悲しそうな顔をしておられました。確かに今までとは違った住居表示の変更をすることは、大変な労力がかかるのは分かりますが、単なる字句の変更ならば十分対応可能なのではないかと思います。

 また、京葉道路沿いを回向院に向かって歩いていきますと、本所松坂町という立派な石碑が建っております。ご存じ忠臣蔵の本所松坂町であります。さらに、司馬遼太郎の「街道を行く」という随想の中にも、吉良邸跡の本所松坂町の記載がありますが、せめてここの区立公園の場所、両国3−13−9だけでも本所松坂町に町名変更することかできないものなのでしょうか。

 まちの名は文化を表すものであります。新タワーができれば、多くの来訪者が参ります。地図に載り、実際の地名があれば、それだけでもまち歩きの楽しみになると考えます。是非とも粋の薫る町名の復活を山崎区長に求めるものであります。

 さて、質問を変えて、久保教育長にお尋ねをいたします。

 本年4月、立花小学校の1年生の選択がゼロという結果になりました。学校選択制による危惧はとうとう現実のものになってしまったと大変残念でなりません。本来小学校は1年生から6年生までそろって機能するものであると思っております。新しい年度が始まっても入学式のない異常な事態が、どう子供たちに影響するのか、考えておらぬのでしょうか。

 社会は同じ世代だけで構成されているわけではありません。少子化の今日、兄弟のような縦の関係を育むことは、子供たちに社会性を持たせるためにも大変重要なことだと思います。また、この事態に当たり、早急に何らかの対策をとらねば、余計にいびつな形にならざるを得ないと考えます。聞くところによりますと、同じ兄弟で違った小学校に通っている子供もいるということでもあります。

 一方、設備の整った統合新校では、子供が増え過ぎて困っております。学童クラブのために用意した部屋が普通教室に転用して利用するような事態は、果たして教育環境を整える目的で行われた学校適正配置の本来の目的を達成していると言えるでありましょうか。

 現在、学校適正配置の審議会が行われており、子供たちの教育環境について熱心に議論がされておりますが、現状の選択制を堅持すれば、答申の後でも、苦労して議論された適正規模や学習環境がなし崩しにされる可能性もあるのではないかと心配をしております。今までも、この問題については何度か質問をしてまいりましたが、具体的に小規模化する学校に対しての支援策は一向に見えてきません。久保教育長に明確な支援策と選択制の再考を求めますが、いかがお考えでしょうか。

 さて、今年度予算から教育委員会が学校交付金制度を導入したと聞いております。教育委員会がこれまで行ってきた制度改革の中で、このことは大変評価できるのではないかと考えております。特色ある学校を作ることに関しては賛成をいたします。また、そのためには規模にかかわらず、学校現場に予算的裁量権を持たせることは非常に有効な施策だと考えます。

 学校選択制のような表面的な競争ではなく、内容やカリキュラムによる競争原理を持たせることにより、よりよい学習環境を提供することこそが新しい公共政策、ニュー・パブリック・マネジメントになり得るのではないでしょうか。今後の予算面も含めた拡大策を求めますが、久保教育長のご所見はいかがでありましょうか。

 さて、現在、中央教育審議会の義務教育特別部会で、40人学級を見直して少人数学級を導入すべきだとの考え方が進んでいると聞いております。私は、単純に40人学級がだめで、30人学級がベストであるとは思っておりません。しかし、今の体の大きい中学生に1クラス40人の規模は無理ではないでしょうか。また、墨田区の学校のクラス編制を検証してみますと、最大のクラスは40人、少ないクラスでは20人そこそこという偏りが出てきています。これは、行政サービスを受ける側からすると、大変な不公平であります。

 もちろん、教員の加配やチーム・ティーチングで対応しておられることは十分に承知をしておりますが、学級編制の標準を一律に定めるのではなく、校長の裁量に任せるとか、教育委員会で弾力的に対応策を立てるとかの方策を講じるべきではないでしょうか。

 もちろん財政上の問題があるのは重々承知をしております。しかし、山崎区長の最重要課題は人作りであります。また、現行の都道府県、政令市にある教職員の人事権については、今後は市町村に移譲する方向で見直すべきだとの議論が進んでいるようでありますが、教育長としてこのあたりの中教審の方向性をどう考えておれるのか、ご所見を求めたいと思います。

 現在、愛国心の問題が言われております。教育基本法に国を愛する心を入れることは大切なのだろうと思います。しかし、それはふるさとを思うこと、地域を愛すること、そして家族を愛し、友人を大切にするという精神が整って初めてなし得ることだろうと考えています。そのためには、もう一度墨田らしい教育のあり方を考えるべきだと思っております。

 ご清聴ありがとうございました。

   〔区長 山崎昇君登壇〕



◎区長(山崎昇君) ただいまの無所属クラブ新しい風・田中議員さんのご質問に順次お答えをいたします。

 最初に、新タワーの誘致に伴うまちづくりについてご質問がございました。その質問の初めに、東武鉄道とまちづくりの協定を結ぶ必要があるのではとのお尋ねでございます。

 ご質問の中でも言われておりましたように、この新タワーは、単なるまちのシンボルタワーではなく、この新タワーを核とした区全体のまちづくりも極めて重要であると認識をいたしております。

 そこで、昨日の自由民主党の木内議員さんのご質問にもお答えさせていただきましたが、区の中央部に位置する立地条件を生かして、周辺を巻き込んだ新たな防災や観光面でのまちづくりの展開を図っていくための一定の方向性を見極めるため、現在、都市防災・地域活性化の方策も併せて検討を進めております。その上で、新タワーの中心事業者となる東武鉄道に対しましては、そのまちづくりの方向性に沿って適切な指導・誘導を行ってまいりたいと、そのように思っております。

 従いまして、ご質問の協定につきましては、私もその必要性を感じておりますので、今後の協議の中で必要に応じて対応してまいりたい、そのように考えております。

 次に、第一候補地に選定された際に付された三つの条件について、どのように解決しようとしているのかとのお尋ねでございます。

 1点目の墨田・台東両区の連携につきましては、新タワー誘致推進協議会の正副会長さんを中心に、今後の連携・協議について台東区の地元建設誘致準備会の方との話合いが行われたと聞いております。私といたしましても、台東区長と面談し、今後の連携について協力を要請させていただき、相互協力について確認をいたしたところでございます。

 2点目の地元住民の受入れにつきましては、現在行っておりますコミュニティ懇談会に私も出向きまして、町会・自治会のリーダーの皆様に対しまして、新タワーに関する状況説明と併せて、誘致へのご理解とご協力をお願いしているところでございます。今後も区のお知らせ、インターネット等のさまざまなチャンネルを活用して、区民の理解と協力をお願いしていきたいと考えております。

 3点目の都市防災に関するさらなる行政支援につきましては、先ほども申し上げましたとおり、都市防災・地域活性化の検討を進めているところでございます。この中で、新タワー建設候補地の地盤への対応はもとより、周辺地域の防災まちづくりについても、この機会に積極的に進めてまいりたいと考えております。

 次に、台東区との共同事業・広域事業を促進すべきではとのお尋ねがございました。台東区が実施をしております循環バスの本区への延伸や、隅田川の渡し舟の復活についてのご提案でございます。

 先ほども申しましたとおり、防災や観光面での新たなまちづくりの方向性について、現在鋭意検討を行っておりますので、今後より具体的な検討を進める中で、ご提案の件につきましても、都や台東区などと協議をしてまいりたいと考えております。

 次に、タワー誘致が決定したときには、ポイ捨て等に関してマナーだけでは対応し切れるだろうかというお尋ねがございました。

 これまで本区では、すみだやさしいまち宣言に基づきまして、地域におけるクリーンキャンペーン、駅頭での路上喫煙防止キャンペーン、路上喫煙防止マークの設置等、区民や企業と共同して、さまざまな美化推進活動を展開してきたところでございます。これらの取組みの結果、地域の皆様のご尽力でたばこのポイ捨ても減少傾向にあり、地道な日常活動の実践により、やさしいまち宣言の趣旨が区民の方々にも浸透しているものと理解をしております。

 しかしながら、ご指摘のとおり、観光のまちづくりを進める上で、区民の皆さんのみならず墨田区を訪れる方々も含めた、より広い観点からの美化推進を図っていくことが重要であります。とりわけ新タワーの誘致が決定した際には、世界各国から年間約500万人もの人々が墨田のまちを訪ねてこられるとも言われております。訪れた一人一人の方に快適に区内観光を楽しんでいただくためには、いつでもどこでもきれいなまちを実感していただけるまちづくりを推し進めることが最も重要であり、また、そのことが再度このまちを訪れてみたいと感じていただけるリピーターの方々を増やすことにもつながるものと理解をしております。

 そのためには、区民運動として展開してきましたすみだやさしいまち宣言に基づく美化運動の成果を踏まえ、これをさらに多くの来街者にもご理解・ご協力をいただける条例でのルール化も、今後視野に入れて検討していく必要があると考えているところでございます。

 次に、町名変更についてのお尋ねがありました。

 確かに観光客にとって、名所旧跡は大変に興味をそそるものでございます。また、新タワーが粋な下町文化や史跡・名跡と融合することによって、日本を代表するランドスケープを創造することができると考えております。

 そこで、ご提案の旧町名の復活についてでございますが、住居表示の導入から既に37年が経過し、町名等も定着していますことから、これを変更した場合には、社会的、経済的に大きな影響が生じるものと考えられます。このようなことから、住居表示の変更を伴わない旧町名の活用について、観光振興プランの中で別途検討してみたいと考えておりますので、その中で田中議員さんのご提案も参考にさせていただきたいと存じます。

 なお、立川地区の名称につきましては、ご指摘の意見が出ていることは承知をいたしているところでございます。当時もさまざまな意見がありましたが、結果として住民アンケートを尊重する形で現在の地名にまとまった経緯もございますので、是非地元の方にはご理解を賜りたいと、そのように存じております。

 以上で、私からのご答弁を終わらせていただきます。

   〔教育長 久保孝之君登壇〕



◎教育長(久保孝之君) それでは、田中議員さんのご質問に順次お答えをさせていただきます。

 まず、立花小学校の1年生が欠学年になったことへの対応についてのご質問でございます。

 東京都教育委員会の教員配置から見ますと、1年生が欠学年になれば、その担任が1人だけでなく、音楽の教員も1人減るということになります。従いまして、区といたしまして、独自に音楽を指導できる人材を確保し、4月の段階から配置をして、学校運営に支障がないようにまず対応しているところでございます。

 また、運動会や学芸会などの学校行事への影響や、1年生がいないことによる在籍児童への心理的な影響なども確かに心配をされました。立花小学校では、今年度は入学式ではなく、在校児童による出発式を実施いたしました。在校児童への激励を兼ねて、教育委員会からは教育委員長が参加をさせていただいております。そして、新2年生8人が元気に新しい今後1年に向けた自分たちの決意を発表していたこと、そして、新しく組み替えられた縦割り班によりまして、2年生から6年生までが仲よく交流をしていたことに感動を受けたというふうなお話を伺っております。

 立花小学校は選択制を導入する以前から、他の学校に比べて児童数が少ない状況が続いておりました。これまでも少人数教育により分かる学習、縦割り班活動、幼稚園との連携など、特色ある教育活動を実践してきております。さらに今年度は、学校のにぎわい作りの効果が期待できる音楽クラブも立ち上げ、また、学校運営協議会とも連携して、学校のよさを地域へ発信していく取組みを行うこととしておりますので、教育委員会としてもこれに対して支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、学校選択制の再考に関してのご質問がございました。

 まず、学校選択の傾向を改めて振り返ってみますと、対象となる児童・生徒のうち、希望選択した者の割合は、小学校の場合は2割ほど、中学校は3割ほどで推移をいたしております。そして、その希望選択した先は、ほとんどが学区域を接する近隣校であるということが現実でございます。

 また、平成17年度小学校新1年生、中学校新1年生になる児童・生徒の保護者を対象にして、選択理由のアンケートをいたしましたが、その中で、他の学区の学校を選択する理由として上位に上がったものに、児童数が多く活気があるからという選択肢、あるいは場所が近いからという選択肢が上位に上がっているものでございます。

 以上のような学校の選択の実際の傾向と選択理由の状況から判断をいたしますと、保護者の方々は、あるいは生徒は、近いところに隣接する学校があることや、隣接する学校の児童・生徒数の多寡、多い少ないを十分に考慮しつつ学校を選択しているのではないかという姿が見て取れるわけでございます。そして、結果として小規模化する学校、大規模化する学校が生じているのも事実でございますが、こうしたことが発生する背景には、何よりも現行の学区域の区分から不可避的に発生してしまう児童・生徒数の数の偏り、そして学校の配置位置の偏りがあるということを忘れるわけにはいかないと思います。

 こうした点から、学校選択制の良し悪しを論ずる前に、その前提となっております学区域区分のあり方や、学校施設の規模・配置の適正化ということが強く求められているように思われます。現在、区立学校の適正配置につきましては、墨田区全体を見据え、人口動態等の中長期的な視点に立ちながら、通学区域や教育環境のあり方を含めて、審議会においてご審議をいただいているところでございますので、まずはその動向を見定めたいと、このように感じているところでございます。

 次に、学校運営交付金についてのご質問がございました。

 学校選択制は、保護者や児童・生徒が学校を選択できることにより、各学校の特色づくり、教職員の教育活動の活性化、さらには地域に開かれた学校づくりを促していこうという目的がございます。こうした特色ある学校づくり、開かれた学校づくりには、何よりも校長がリーダーシップを発揮し、学校経営を進めていく必要がございます。そのためには、人的・物的・予算等、諸条件の整備が必要でございますが、今回の運営交付金方式は予算面における校長の権限の拡大をねらいといたしておるところでございます。

 学校管理予算は、昨年度までは各学校が横並びで、しかも、平均的な予算配当が行われておりましたが、それぞれの学校が特色ある教育活動を積極的に推進していくためには、学校配当予算の一部を大枠で示し、学校の重点化施策に対して校長の裁量で思い切った予算執行ができるよう、柔軟な運用ができるようにした制度でございます。さらに、企画内容がすぐれた学校には、交付金を追加することともいたしております。具体的には、特別教育活動や学校行事に関する経費につきましては、校長の裁量に任せることによって、校長の学校経営におけるリーダーシップがこれまで以上に高まり、校長自身が考える特色ある教育や魅力ある学校を作ることに資することができ、子供たちによりよい学習環境を、また、地域の方々へも地域の核となる学校作りができるものと期待しております。

 今後、予算自体の拡充は、区全体の財政状況ともございますので、適時適切に判断してまいりたいと思いますが、今回の学校運営交付金の効果を検証した上で、必要に応じ学校配当予算の交付金の範囲を拡大し、新たな学校づくりを支援していきたいと考えているところでございます。

 三つ目に、中央教育審議会義務教育特別部会の審議に関するご質問がございました。

 当該部会の審議内容をまとめました義務教育特別部会における審議経過報告(案)によりますと、学級編制につきましては、教員配置の改善の検討に当たって、児童が集団生活になじむまでの指導が重要である小学校低学年で少人数学級のニーズが高いこと、生活手段としての機能を保つためには、学級にある程度の大きさも必要であること、児童・生徒数の増減で機械的に学級編制を変えるのではなく、より弾力的な運用が望まれること、学級編制について校長の裁量を拡大することが望まれることなどを踏まえて、学校現場の裁量により柔軟な運用が可能になる制度にする方向で検討が求められるとされております。

 具体的な審議の中では、学級編制の基準を仮に30人とした場合には、学年31人だと15人と16人の学級となるが、これで学級として成立するのかどうか、国の基準では上限だけでなく、下限も定める必要があるのではないかというふうな議論もあるというふうに伺っております。現在、文部科学省では、教職員の配置等のあり方に関する調査研究協力者会議を設置し、既に5月20日に初会合を開いて、学級編制についても具体的な検討に入っておりますので、まずはその動向を見据えていきたいと考えております。

 また、教職員の人事権の移譲についてでございますが、審議経過報告によりますと、できるだけ市町村に移譲する方向で見直すことを検討することが適当であるとする一方で、現在の市町村の事務体制で人事関係事務を処理できるのかといった問題、あるいは給与負担についての扱いについても意見が出されて、義務教育に関する費用負担のあり方について論議する中で検討するとなっているように読み取れます。

 これらの課題は、いずれも教育システムの大枠にかかわるものでございますので、今後の審議の経過を見守っていきたいと考えているところでございますが、児童・生徒の実情に即した教育上の対応が、よりやりやすくなるような制度設計が望まれるというふうに考えているところでございます。

 私からは以上でございます。



○議長(沖山仁君) 以上で、一般質問は終了いたしました。

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○議長(沖山仁君) これより本日の日程に入ります。

 この際、ご報告を申し上げます。

 ただいま15番・藤崎繁武君から議員辞職許可願が私の手元に提出されました。

 本許可の件を本日の日程に追加し、日程の順序を変更して先議いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(沖山仁君) ご異議ないものと認め、日程に追加し、先議いたします。

 直ちに、追加日程第1・藤崎繁武議員辞職許可についてを議題に供します。

   〔「議長、15番」と呼ぶ者あり〕



◆15番(藤崎繁武君) 本件につきましては、私の一身上に関するものでありますから、地方自治法第117条の除斥規定により退席いたします。

   〔15番 藤崎繁武君退場〕



○議長(沖山仁君) 特に、議員辞職許可願を朗読させます。

   〔事務局次長朗読〕

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                          平成17年6月7日

 墨田区議会議長 沖山 仁様

                       墨田区議会議員 藤崎繁武

            区議会議員辞職許可願

 私は、このたび一身上の都合により、墨田区議会議員を辞職いたしたいので、地方自治法第126条の規定により、議会の許可が得られますよう、お取り計らい願います。

                        〔巻末辞職許可願参照〕

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○議長(沖山仁君) お諮りいたします。

 本件は、願い出のとおり辞職を許可することにご異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(沖山仁君) ご異議ないものと認めます。

 よって、藤崎繁武議員の辞職を許可することに決定いたしました。

   〔15番 藤崎繁武君入場・着席〕



○議長(沖山仁君) この際、藤崎繁武君から議員を辞するに当たり、あいさつの申出がありますので、特にこれを許します。



◆15番(藤崎繁武君) 発言をする機会をいただきまして、ありがとうございます。

 墨田区議会議員辞職に当たり、一言だけ御礼を申し上げたいと思います。

 昭和62年に当選以来、18年と2カ月間区議会議員を務めてまいりました。そして、その間、議会の先輩・同僚をはじめ、そして区長さんをはじめとする理事者の皆様方には大変お世話になりましたこと、心から厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 区議会、そして区のますますの発展と、そして皆様方のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げまして、私からの一言ごあいさつとさせていただきます。

 お世話になりました。(拍手)

   〔15番 藤崎繁武君退場〕

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○議長(沖山仁君) 日程第1から日程第4までを一括して議題に供します。

   〔事務局長朗読〕



△日程第1 議案第43号 墨田区手数料条例の一部を改正する条例



△日程第2 議案第44号 災害に際し応急措置の業務に従事した者等に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例



△日程第3 議案第45号 墨田区浄化槽清掃業の許可及び浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例



△日程第4 議案第46号 墨田区特別区税条例の一部を改正する条例



○議長(沖山仁君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。

   〔助役 田中進君登壇〕



◎助役(田中進君) ただいま議題に供されました議案第43号から第46号までの4議案につきまして、順次ご説明申し上げます。

 まず、議案第43号・墨田区手数料条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。

 本案は、建築基準法の一部改正に伴い、景観地区内の建築物の高さ、壁面の位置又は敷地面積に関する制限、及び建築物の各部分の高さに関する制限の適用除外に係る許可申請手数料、並びに既存の1の建築物について2以上の工事に分けて工事を行う場合の全体計画に関する認定申請手数料、及び認定を受けた全体計画の変更に係る認定申請手数料を新設するほか、所要の規定整備をするものでございます。

 改正条例の施行日は、公布の日としております。

 次に、議案第44号・災害に際し応急措置の業務に従事した者等に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。

 本案は、この条例が準拠しております非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、障害補償等に係る手指、及び目の障害に係る等級の改定、及び消防等級表等における用語の整理を行うものでございます。

 改正条例の施行日は、公布の日とし、平成16年7月1日から適用することとしてございます。

 次に、議案第45号・墨田区浄化槽清掃業の許可及び浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。

 本案は、浄化槽法の一部改正に伴い、所要の規定整備をするものでございます。

 改正条例の施行日は、公布の日としております。

 次に、議案第46号・墨田区特別区税条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。

 本案は、地方税法の一部改正に伴い、年齢65歳以上の者に適用される非課税限度額の廃止、及び特定管理株式が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の創設をするほか、所要の規定整備をするものでございます。

 改正条例の施行日は、平成18年1月1日としてございます。

 以上で、各議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。



○議長(沖山仁君) これより質疑に入ります。

 ただいまのところ、通告はありません。

 ご質疑はありませんか。

   〔「なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(沖山仁君) ご発言はないようですから、以上で質疑を終わります。

 本案は、いずれもお手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。

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 平成17年第2回墨田区議会定例会議案付託事項表〔巻末議案付託事項表参照〕

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○議長(沖山仁君) 日程第5から日程第9までを一括して議題に供します。

   〔事務局長朗読〕



△日程第5 議案第47号 両国中学校校舎改築工事請負契約



△日程第6 議案第48号 両国中学校校舎改築に伴う空調設備工事請負契約



△日程第7 議案第49号 両国中学校校舎改築に伴う電気設備工事請負契約



△日程第8 議案第50号 第四吾嬬小学校屋内運動場改築工事請負契約



△日程第9 議案第51号 中平井橋架け替え整備工事(その2)請負契約



○議長(沖山仁君) 本案に関し、執行機関の説明を求めます。

   〔助役 田中進君登壇〕



◎助役(田中進君) ただいま議題に供されました議案第47号から51号までについて、順次ご説明申し上げます。

 まず、議案第47号・両国中学校校舎改築工事請負契約、議案第48号・両国中学校校舎改築に伴う空調設備工事請負契約、及び議案第49号・両国中学校校舎改築に伴う電気設備工事請負契約について一括してご説明申し上げます。

 これら3議案は、両国中学校の校舎を改築するための請負契約並びに空調設備工事及び電気設備工事の請負契約案件でございます。

 まず、議案第47号・両国中学校校舎改築工事請負契約でございますが、坂田・岡本建設共同企業体ほか3建設企業体による一般競争入札を行った結果、坂田・岡本建設共同企業体が14億700万円で落札したものでございます。

 次に、議案第48号・両国中学校校舎改築に伴う空調設備工事請負契約でございますが、一工・本多建設共同企業体ほか4建設共同企業体を指名し、競争入札を行った結果、一工・本多建設共同企業体が4億7,880万円で落札したものでございます。

 次に、議案第49号・両国中学校校舎改築に伴う電気設備工事請負契約でございますが、東武・山中建設共同企業体ほか4建設共同企業体を指名し、競争入札を行った結果、東武・山中建設共同企業体が2億6,250万円で落札したものでございます。

 なお、いずれの請負契約につきましても、5月16日に仮契約を結び、工期につきましては、契約締結の日の翌日から413日間としてございます。

 次に、議案第50号・第四吾嬬小学校屋内運動場改築工事請負契約についてご説明申し上げます。

 本案は、第四吾嬬小学校の屋内運動場を改築するための請負契約案件でございます。この請負契約につきましては、岡建工事株式会社ほか9社を指名し、競争入札を行った結果、岡建工事株式会社が2億475万円で落札し、5月16日に仮契約を結んだものでございます。なお、工期につきましては、契約締結の日の翌日から167日間としてございます。

 次に、議案第51号・中平井橋架け替え整備工事(その2)請負契約についてご説明申し上げます。

 本案は、中平井橋の架替えのための請負契約案件でございます。この請負契約につきましては、前川・大峰建設共同企業体ほか4建設共同企業体による一般競争入札を行った結果、前川・大峰建設共同企業体が6億1,425万円で落札し、5月16日に仮契約を結んだものでございます。なお、工期につきましては、契約締結の日の翌日から491日間としてございます。

 以上で、各議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。



○議長(沖山仁君) これより質疑に入ります。

 ただいまのところ、通告はありません。

 ご質疑はありませんか。

   〔「なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(沖山仁君) ご発言がないようですから、以上で質疑を終わります。

 本案は、いずれもお手元に配布いたしました議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。

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 平成17年第2回墨田区議会定例会議案付託事項表〔巻末議案付託事項表参照〕

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○議長(沖山仁君) 次に、請願1件の委員会付託について申し上げます。

 本件は、お手元に配布いたしました請願付託事項表のとおり、所管の常任委員会に審査を付託いたします。

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 平成17年第2回墨田区議会定例会請願付託事項表〔巻末請願付託事項表参照〕

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○議長(沖山仁君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 委員会審査のため、会議は明日から休会いたします。本会議は、来る6月22日午後1時から開会いたします。

 ただいまご着席の方々には、改めて開議通知をいたしませんから、さようご承知願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

      午後2時15分散会

                         議長  沖山 仁

                         議員  木村たけつか

                         議員  鈴木順子