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東京都 墨田区

平成17年  区民文教委員会 06月10日−01号




平成17年  区民文教委員会 − 06月10日−01号







平成17年  区民文教委員会



          区民文教委員会記録

1 開会、閉会について

  平成17年6月10日午後1時04分、第1委員会室において開会し、同日午後3時50分閉会した。(休憩 午後3時00分〜午後3時18分)

2 出席委員氏名

   小池武二君    樋口敏郎君    木村たけつか君

   江木義昭君    木内 清君    片倉 洋君

   瀧澤良仁君    薗田隆明君

3 出席理事者職氏名

   区長       助役       収入役

   山崎 昇君    田中 進君    小嶋眞一郎君

   教育長      企画経営室長   総務部長

   久保孝之君    岡田 貢君    深野紀幸君

   区民部長     教育委員会事務局次長

   今牧 茂君    横山信雄君

4 特別出席者職氏名

   議長

   沖山 仁君

5 議事

(1)付託議案の審査

  ア 議案第46号 墨田区特別区税条例の一部を改正する条例

    起立表決の結果、原案どおり可決することに決定した。

(2)付託請願の審査

  ア 開かれた教科書採択の一層の推進に関する請願(第3号)

    起立表決の結果、下記意見を付して採択の上、執行機関に送付すべきものと決定した。

          記

    (意見) 趣旨に沿うよう努力されたい。

(3)閉会中の継続調査

  ア 区内視察

    「当委員会の所管施設等の管理・運営状況について」を調査事項として、今定例会終了後から次回定例会までの間に予定することとし、会議規則第72条の規定に基づき閉会中の継続調査申出をすることと決定した。

  イ 特別区文教委員長会への出席について

    地方自治法第109条第3項及び会議規則第71条の規定に基づき、委員を派遣することと決定し、会議規則第72条の規定に基づき、閉会中の継続調査申出をすることと決定した。

(4)当委員会所管事項について

  ア 理事者からの報告事項

    次の事項について、報告を聴取した後、質疑応答、意見交換を行った。

  (ア)学力向上「新すみだプラン」について

  (イ)東京都教育委員会「児童・生徒の学力向上を図るための調査」調査結果の公表について

  イ その他

    次の事項について、質疑応答、意見交換を行った。

  (ア)普通教室における心身障害児の受入体制について

  (イ)公教育について

  (ウ)学校教育におけるジェンダーフリーについて

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     会議の概要は次のとおりである。

     午後1時04分開会



○委員長(小池武二君) 

 ただいまから区民文教委員会を開会する。

 早速議事に入る。

 付託議案の審査を行う。

 議案第46号 墨田区特別区税条例の一部を改正する条例を議題に供する。

 本案について理事者から説明を聴取する。



◎区民部長(今牧茂君) 

 ただいま議題に供された議案第46号 墨田区特別区税条例の一部を改正する条例について説明する。

 本案は、地方税法等の一部を改正する法律が本年3月25日に公布され、その一部が平成18年1月1日から施行されることに伴い、特別区税に関する規定について所要の改正を行うものである。

 手元に改正概要があるので、ご覧いただきたい。

 主な改正点は2点ある。いずれも特別区民税の改正である。

 1点目は、年齢65歳以上の者に適用される非課税限度額の廃止である。年齢65歳以上の者のうち、前年の合計所得金額が125万円以下の者に対する非課税措置を廃止するものである。

 なお、平成17年1月1日現在、65歳以上の者については、経過措置として、平成18年度分については3分の2、平成19年度分については3分の1を減額することとする。

 2点目は、特定管理株式が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の創設である。平たく申し上げると、株が値下がりした場合には税法上の損金扱いになるが、倒産して株券が紙切れ同然になった場合には、これまで損金として扱われなかった。この点を個人投資家のリスク軽減の観点から改善しようとするものであり、特定管理株式につき、発行会社の清算結了等による無価値化損失が生じた場合には、株式等の譲渡損失とみなして、株式等に係る譲渡所得等の課税の特例を適用することができることとするものである。

 なお、このほか所要の規定整備も行っている。

 改正条例の施行日は、平成18年1月1日としている。



○委員長(小池武二君) 

 ただいまの説明について、何か質疑、意見はあるか。



◆委員(片倉洋君) 

 この条例というのは、2005年、地方税法の改正であるが、定率減税の縮減だとか高齢者の非課税措置の段階的な廃止というのは、国民への大増税をもたらす、そういう高齢者に雪だるま式の負担増をもたらすものであると考える。一つ聞いておきたいが、この年齢65歳以上の者に適用される非課税限度額の廃止、これによって影響を受ける区民はどのくらいになるのか、また金額はどのくらいになるのか、伺っておきたい。



◎税務課長(高山二郎君) 

 新たに課税の対象になる区民は、大体1,840人程度と考えている。それから、区税への影響については、3段階で廃止ということであるので、当面、平成18年度は1,000万円程度の増税になる。



◆委員(片倉洋君) 

 一般報道でも、影響を受ける高齢者は全国で100万人と言われている。私は、この非課税措置の廃止というのは、これにとどまらないで、国民健康保険だとか介護保険だとかシルバーパスだとか公営住宅、都営住宅の家賃だとか、あらゆるところに影響を及ぼしてくる、そういうものであると思う。先の定率減税の縮減でも、墨田区で約9万人、それから金額でも6億円という負担増の上に、この非課税限度額の廃止というのは、本来、租税力がない、あるいは著しく弱い、そういう人たちのために設けられた制度であるから、これは、政府が、いわゆる現役世代との不公平感をなくすというのを理由に挙げているが、到底認められない。

 それから、もう一つの株式会社に係る課税特例の創設というのは理解できるという意見を申し上げておく。



◎税務課長(高山二郎君) 

 大変失礼した。平成20年度になると、65歳以上の非課税というのが全廃される。その平成20年度には、区税への影響は約3,000万円である。



◆委員(木内清君) 

 特別区税条例の内容については、今、日本の社会情勢を十分かんがみながら検討され、そして、65歳という年齢のことを考えても、これから、働く職場を含めて、いろいろな年金制度だとか、日本社会の現状の中で、税のことも十分検討した上での国の動きということを理解しているので、特別区税については、十分区民に報告をし、広報しながら、了承いただく部分はあるが、将来、日本の社会を考えた上では、こういう改正は必要ではないかと考えている。



○委員長(小池武二君) 

 ほかにあるか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕



○委員長(小池武二君) 

 では、ほかになければ、これより表決を行う。

 議案第46号は原案どおり可決すべきものと決定して異議あるか。

     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕



○委員長(小池武二君) 

 異議があるので起立表決により採決する。

 ただいまの委員長発議に賛成の方は起立願う。

     〔賛成者起立〕



○委員長(小池武二君) 

 起立多数と認める。

 よって、ただいまの発議のとおり決定する。

 以上で付託議案の審査を終わる。

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○委員長(小池武二君) 

 次に、付託請願の審査を行う。

 開かれた教科書採択の一層の推進に関する請願(第3号)を議題に供する。

 参考までに理事者から説明を聴取する。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 それでは、本請願に関連して、教育委員会の対応について若干説明する。

 教科書採択については、採択権者である区の教育委員会が、自らの責任と権限において適正かつ公正に行うこと。また、開かれた採択の推進のため、区民向けに教科書の見本本を展示するとともに、展示会場を周知する等の措置をとること。教科用図書選定審議会に保護者等の意見が反映できるよう委員に加えるなどの基本的な取組みが求められている。

 それでは、請願の要旨、3項目に沿って、現時点における教育委員会の対応について説明する。

 まず、1項目めの開かれた採択を一層推進するための方策という部分である。

 まず第1に、教科書採択の流れ等について、区のお知らせ、具体的には6月21日号のお知らせに掲載する予定である。併せて、本日からであるが、区のホームページでも、採択方針、あるいは採択の流れ、今回の見本本の一覧表を公表している。

 2番目であるが、教科書の展示会は、ユートリヤで、6月7日から7月1日までの間、開催しており、区民がどなたでもご覧いただけるようになっている。会場にはこの見本本に対するアンケートを用意して、区民の意見をいただくようになっている。

 これらの教科書展示会の周知については、6月11日号の区のお知らせで区民に広く周知する予定である。それから、全中学校12校の保護者、あるいは学校運営協議会委員等の関係者には、開催通知の配布の依頼を既にしており、展示会の参加と意見募集を積極的に求めているところである。

 第3に、教科用図書選定審議会委員として、地域代表、保護者代表各2人、計4人を委嘱して、学校関係者4人、それに事務局の指導室長と指導主事、合わせて10人で採択に向けて取組みを進めたいと考えている。

 それから、2項目めの適切な審議環境の確保という部分である。

 これは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の定めるところにより、本区では教育委員会の会議は原則として公開である。そうしたことを踏まえて、教科書採択にかかわる教育委員会についても公開ということで臨みたい。ただし、採択に至るまでの、教科用図書選定審議会、それから教科用図書調査委員会については、採択に向けた適切な審議環境を確保するため、非公開で審査、審議を進めることとしている。

 3項目めの採択結果や理由の積極的公開についてである。

 採択結果については、区のホームページで公表するとともに、10月の初旬に発行予定の教育広報「いきいき」に掲載したい。

 また、採択にかかわる議事録、資料等については、墨田区情報公開条例に基づき公開したい。昨年の小学校教科書採択の例で申し上げると、本条例に基づき、教育委員会の会議録、教科用図書選定審議会の記録、それから同調査委員会の調査結果、学校における調査研究結果、それから区民アンケートについて公開をしている。

 いずれにしても、墨田区教育委員会が自らの責任において適正かつ公正に教科書の採択を進めてまいりたい。



○委員長(小池武二君) 

 本請願について、何か質疑、意見はあるか。



◆委員(江木義昭君) 

 お尋ねするが、理由の中段あたりに、「平成13年の中学校教科書採択では、全国各地で教育委員会や教育委員の自宅・勤務先などに、電話・ファクス・手紙・メールなどが大量に送られたり、人間の鎖と称して教育委員会を包囲するなど、脅迫を伴う不当な圧力が加えられ」云々というのがあるが、1点は、本区の場合、このような事例があったのかどうか。

 もう1点は、私、寡聞にして存じ上げていないが、人間の鎖と称して教育委員会を包囲するという事例が具体的にどこであったのか。

 3点目は、少し答えにくいかもしれないが、電話・ファクス・手紙・メールなどが脅迫と受け取られるような大量の量というのは、具体的にはどういう量が目安になるのか。

 その3点、お尋ねしたい。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 私どもの区の教育委員会にかかわることをまず話したいと思う。いずれにしても、4年前になるので確かなことについては分かりかねる部分もあるが、具体的に、この平成13年度に実施した採択の時点での意見や要望にかかわる文書、これは郵送によるものとファクスによるもの、これが合わせて91件あった。そうした中で、具体的に脅迫まがいのものがあるかということになると、私どもの印象としては、なかったと捉えている。ただ、教育委員個々の自宅に送られたものについては、私どもで調査、把握ができないので、これについては答えかねる。

 それで、他区の例。それは、私ども、新聞等で、あるいはテレビでそういうことについては見聞きした覚えがあるが、他区のことについては分かりかねる。



◆委員(江木義昭君) 

 この理由の中身を読む限りは、内容が脅迫にわたる云々という話ではなくて、量を言っているように受け取れる。平たく言えば、前回の中学校教科書採択のときに、墨田区の教育委員会として、その採択審議にかかわって脅迫という印象を受け取るような事例があったかどうか。

 あと、他区ということではなくて、全国でということなので、その人間の鎖と称して教育委員会を包囲するという事例が具体的にあったのかどうなのか。教育委員会を包囲するというのは、役所の建物全体を包囲するということなのか、よく分からないが、分かれば教えていただきたい。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 量については、他区市の状況について、当然、我々が関知するところではないが、ただ、我が区の教育委員会だけでいうと、昨年の小学校の教科書採択の際には、そういうものはゼロだった。

 それから、今年、現時点まで、この今年度の採択にかかわった意見、要望等のたぐいで私ども教育委員会に届いているのが、今日現在で5件ある。ただ、そういうことの比較においては、これは当然、まだ途中経過であるから何とも言えないが、平成13年度の際は多かったのかなと思う。

 それから、先ほど申し上げた91件の郵書なり、それからファクスによるものについては、脅迫まがいのものはなかったと私どもは受け止めている。

 それから、他の自治体における例については、私ども、それを知り得る立場ではないので容赦願いたい。



◆委員(江木義昭君) 

 いや、言える立場にないとかということではなくて、人間の鎖と称して教育委員会を包囲したと請願者は言っておられるわけで、具体的にそういう事例があったかどうかというのを私は寡聞にして存じ上げないので、教育委員会で全国でそういう例があったということを把握しておられれば教えていただきたいと尋ねているだけである。



◎庶務課長(山下武司君) 

 私どもは確かな数字を捉えているわけではないが、4年前の古い話なので、東京都に電話で一応確認をした。その際に、今、江木委員がおっしゃるような、そういった行為かどうかは別にして、庁舎を取り囲むような形での行為があったという程度のことは電話で確認はしている。



◆委員(江木義昭君) 

 分かった。少なくとも当区においては、ここで請願者が言っておられるような例はなかったということで確認できるかと思うが、それと同時に、大量の電話、ファクス、手紙、メールなど、あるいは庁舎を取り囲むということを脅迫と受け取るかどうかというのは、これはかなり主観にかかわる判断の内容だろう。

 そもそも、教育委員会という制度が設けられた趣旨というのは、この間、本会議の一般質問でも触れさせてもらったが、戦後の教育改革の中で、従来の教育があくまで国家に対する責任を担保するという姿勢であったのに対して、国民に対して教育というのは責任を負っていこうということで、国民に対する責任を負う機関として、教育行政を担当するセクション、教育委員会が設けられたと理解しているが、その教育委員会に対して、教育行政にかかわることで国民から積極的にさまざまな意見が寄せられるというのは、私はむしろ望ましいことだろうと考えている。

 従って、本請願については、1点目は、少なくとも当区においては言われるような事例がなかったということでの事実誤認ということと、言われる事例そのものが、解釈において、脅迫という解釈を私はしない。むしろ住民の側の積極的な意見表明として歓迎すべきものだろうと考えるので、要旨に書かれていることそのものが、一見ごく当たり前のことのように受け止められるが、理由の内容において見解がかなり違うということで、私としては不採択としたい。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 少し尋ねたいが、まず、今の江木委員の質疑については、私は、墨田区であったというよりも、こういうことが墨田区であり得るようなことがあったら困る。そうではなくて、こういう人たちの意見もあるが、ほかの多くの子供を託している保護者も大勢いる。だから、もっと公平にやらなければならない。だから、もしあるとするならば、こういうことがあるようなことは避けてくださいということであって、今あるというのを私どもは事例として捉えているわけではない。こんなことがたまたま墨田区にあったとしたら、それは保護者側から見れば困る話。だから、それは教育委員会は注意してください、心してくださいということ。私どもはそう思っている。

 それから、恐喝であるかいなかというのは、人間というのは、同じ言葉でも声が高くなれば恐喝になってしまう。それは、穏やかに言うのとトーンアップして言うのとは、同じ言葉を言っても、受け取る方の考え方である。言葉というのはそういうものなんだ。だから、そのことで恐喝がどうのこうのではなくて、どういう視点で物をしゃべっているかというところに問題がある。

 そこでもう一つ尋ねたいのは、この教科書をそのまま閲覧しているというが、前回も、私はユートリヤで見た。でも、あれでは、見ても、いいの悪いのというほどまで熟読できない。一般の方々の意見を求めるには、あれはあれでいい。しかし、やはり現実に子供を中学校、あるいは小学校に預けている保護者も大勢いるから。それで、この教科書というものは、もともとが教育委員会のために作るわけではなく、教育を受ける子供たちのために作る。ところが、とりわけ、中学校ではなくて、小学校の場合は、保護者の意向というのが強い。教育のあり方についての意見というのは、保護者の意見の方が100%強い。そういう人たちにやはり見てもらうという努力が必要だろう。

 そこで、これは強制的にはできないかも分からないが、少なくとも、各小学校単位、あるいはPTA連合会など、組織的なものを持っている団体にも呼びかけて、そういうところの一定の意見も聞くとか、意見を具申してもらうとか、何か一般の閲覧とは違った方法で、もっと広く意見を求める工夫があってもいいのではないかという気が、前回、私が見たときにした。

 あれは、急に行って、あんなに何冊もあるので、端から端まで、私は見られなかった。私は当時、教育委員は、選定に当たって何冊もの本を隅から隅まで本当に読んだのかと言ったことがある。そうしたら、みんな読んでいないのではないかと。読んでいないではなくて、読み切れないのではないのかというような意見も当時結構あった。だから、今回もそんなことになったときには、やはりだれかがイニシアチブをとれば、流れというのはその方向にずっと流れていってしまう。前回はその役割を教育委員会がかなり担ってやった。教育委員ではなくて、教育委員会が。だから、これはそういうことでは困るということを我々は言っているわけである。もっと公平に、シンプルにやってくださいということを言っているので、その辺について、どういうふうにこれからやるつもりなのか、聞かせていただきたい。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 先ほど説明の際に、ユートリヤで展示会をやっているが、そのやっているということについて、全保護者、当然、それはPTAも入るが、学校運営協議会で、関係者に、やっているという周知はさせていただいている。今の話の趣旨は、確かにユートリヤに行っても、教科ごとに2冊、2セットしかないという、これが結構大きな問題で、もしかしたら、1カ所ではなくて、数カ所でやれば、当然より多くの保護者等、あるいは一般区民も見られる状態になるのだろうと思うが、いかんせん、これは区教育委員会も要望はしているが、国から東京都教育委員会に配布される見本本が非常に少ないという状況の中で、今のような体制になっているという部分がある。ただ、そうはいっても、やはりより多くの方に足を運んでいただいて、かつ一人一人の意見をアンケートという形で反映させていただければ、それは当然、教育委員会、その前には選定審議会等に届くから、そういう対応は努力していきたい。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 文部科学省がどういうふうに言っているのか、東京都教育委員会がどう言っているのか、よく分からないが、やはり正直言って、今、教科書問題に端を発して、中国とか韓国ともいろいろな問題、摩擦を起こしている。また、読む人によって、向こうの教科書は、日本人から見ると、もう全然正反対のことが書いてある。私も、上海に行ったときに、軍事博物館に入ったら、もう本当に日本人が全部悪く出ている。もう全部日本人が、軍人が虐殺している絵ばかりである。それを小さいときから洗脳されていたら、みんなそう思う。あれはよその国のことだから、それはこっちの方では言えないかも分からないが、向こうの教科書がどういうことを書いているのか、日本の教科書とどう違うのか、やはりその辺も研究する必要があるのではないか。

 どうも、日本の教科書作りの中では、近隣諸外国が日本に対してどういうような目で見ているのか、我々として反省しなければならない部分は何なのか、訂正しておかなければいけない部分はどこなのか、そういう対外的な努力というのは何もしていない。だから、いわば井の中のカワズみたいな教科書作りをしている。極端に言えば、自分の思想にのっとって、それぞれの立場の思想にのっとってやっている。だから、その辺は、墨田区の教育委員会としては、どういう注文というか、何でも好きなものを作り上げてみなさいというだけなのか、ある大きな枠の中で、こういうものも視野に入れて考えてもらわなければ困るということなのか。

 いわゆる郷土は郷土なりにそれぞれ特色がある。それらについては、墨田区の場合は、例えば墨田区の副読本みたいなものを発行している。例えば墨田区の場合、勝海舟の取扱いはどうするのかという問題は、他区と違ってまた独特のものがあるはずである。そういうことにだって余り触れていないとか、いろいろあるではないか。だから、その辺についてはどういうふうにこれから考えていくのか。私は、そういうことがやはり教科書の選定の中では重要な問題の一つになってくるのではないかという気がする。そうでなかったら、幾ら郷土を、今までの歴史を掘り起こしたり、地域のいいものを観光資源にしようといっても、それは、基礎教育の段階からそういうものが全然なかったら、突然大人になって言われても、そんなのは分からない。幾ら関係者だけが一生懸命銅像を作っても何もならない。だから、墨田区は墨田区なりの特徴をもう少しつかむこと。それから、公平的な、日本全体的なノーマルの範疇での教科書の選定を目指していくとか、やはりそういう視野に立ってやってもらいたいが、教育委員会はその辺についてのサジェスチョンみたいなものは与えているのか。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 区の教育委員会としても、学習指導要領、それから都から来る調査資料といったものだけではなくて、一つの例があったような、例えば勝海舟とか、墨田区にゆかりのある人物がどれだけ取り上げられているかというようなことも、当然のことながら、そういう観点で教科書選定を進めている。ちなみに、昨年の小学校でも、勝海舟の記述がどれだけ載っているかというような観点も当然入れた上で選定した経緯がある。

 そういったことで、私どもの立場では、先ほど話にあった前段の部分は、最近の新聞情報だと、政府で、日韓の教科書にかかわることだけではなくて、歴史認識も含めて共同研究という提案をさせていただいているようなので、そちらの推移は注意深く見守っていきたい。



◆委員(薗田隆明君) 

 私どもの党としての見解も述べておきたい。ただ今、江木委員が指摘をした、この脅迫を伴う不当な圧力云々ということがはっきり明言はされているが、我が区においてそういうことはなかったという意味で、江木委員が評価した内容のものと私も近い感情ではある。ただ、教育委員会に対する先ほどからの、いわゆる教科書選定にかかわって自民党がいろいろと意見を述べてきたことの経緯についても、私どもは一定の理解を示している。そういう意味では、この陳情の中身そのものについては、江木委員も言っていたが、自然に見え、意図的に何か言っているようには見えない。ここの指摘している部分が云々ということの感情も私もよく分かるが、ただ、私どもは、これが公平に扱われるように、教育委員会が、区長が任命した方々が懸命にその取扱いをやってくださることを信じて、この陳情に対しては私どもは採択してもいいだろうという見解である。



◆委員(木内清君) 

 件名が、「開かれた教科書採択の一層の推進に関する」ということと、要旨1、2、3番の内容を見ると、これは、区民にとって、またこれからの墨田区の教育委員会にとっても、この一つの教科書採択に向けての動きの中では、当然行われていかなければいけない、そういうものではないかということで、請願の内容からすると賛成をするところであるが、少し分からない部分があるので聞きたい。

 昨年、白鴎高校附属中学校の教科書が8月26日に東京都教育委員会で採択されたという中で、週刊墨教組の9月8日号の内容を見ると、大変不満を持っているという形で、教育の現場の動きというのが反映されなかったのではないかという意見構成になっている。その中で、「採択の邪魔になる教員の意向をいかにして排除するかの手だてが画策された」ということは、何が原因かというと、2001年2月8日の教科書採択事務の改善についての通知というものが東京都教育委員会から出ている。それは、各市町村教育委員会は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第6号に定めた教科書の採択権者としての立場と責任を自覚して、自らの採択をしっかりしろという文章が出たということである。これは、墨教組の方でわざわざこの部分を載せているが、少し意味が分からない。当然、教育委員会というのはそういう立場にあるが、何か食い違いの意見があるのか、説明をいただきたい。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 そのチラシをそもそも見ていないので、私も判然と分からない。ただ、私どもの立場で話すと、平成12年度に区教育委員会に採択権限が移った。23区におけるそれまでの対応というのは、当然、東京都教育委員会でやっていたが、東京都教育委員会でやっている際に、いわゆる学校票という形で……



◆委員(木内清君) 

 私は、法律第23条第6号のことも具体的に言って、これは週刊墨教組のホームページに載っている内容であるが、いわゆる教員の意向というものが邪魔である、教職員を排除するためにこういうものが出されたのではないか、と言っているのではないかと私は思っている。そういう今の現状の中で、現場の教職員の立場というものは、どういう関係にあって教科書採択の中の役割を有しているのかということを含めて聞きたかった。だから、そういうことを含めて答えをいただきたい。



◎指導室長(常盤隆君) 

 学校の現場の意見ということであるが、採択の流れにおいて学校に調査をしていただくものが一つ。それから調査委員会として、こちらで選定をして委嘱をしていく委員会がある。それから審議会という、一定の流れの中で採択に向けての答申をしていく、その際の資料ということになってくるので、学校での意見書というものも意見の一つということで捉えている。



◆委員(木内清君) 

 だから、当然、この法律第23条第6号の、教育委員会は自らの判断で採択すべき教科書を決定するということは、墨田区教育委員会も、教科書のこれからの動きの中ではしっかりとしたものがあるのかどうかをはっきりとお答えいただきたい。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 今、委員が申されたとおり、区の教育委員会は、例えば選定審議会から出た答申というのは、これはあくまで参考ということであって、区の教育委員会自らの判断、責任において決めるということ自体は間違いない。



◆委員(木内清君) 

 そういう中で、意見は参考ということであるが、調査委員会、選定審議会、そして教育委員会という形での流れを作る。その調査委員会、選定審議会という中で、教育委員会としては、今までの手順を踏む中で、教育委員会に上がったものについては公表する。結果が出た後にホームページその他で表に出していく、区民に分かりやすくしていくということであるが、その調査委員会と選定審議会の内容については、区民からすると、どのような形でどういう審議がされたかについてはどういうふうに知ればいいのか説明いただきたい。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 先ほどこの請願の要旨ごとに説明した折に、採択後にどういうものを情報公開請求に基づいて開示するかという話の中で、選定審議会における答申の内容も当然開示の内容になる。そこには、具体的に教科書ごとの内容だとか分量だとか、そういうことについての選定審議会の意見というか、批評が出ているので、当然それも開示されるから、その上で教育委員会がこういう教科書を選んだということの経緯は、そういうものを符合してみると分かるかと思う。



◆委員(木内清君) 

 区民が知る範囲というものは、できるだけ幅広く理解できるような方法もとっていかなくてはいけないので、この請願の中で、結果が出た後にはそういうものも求められているということだと思うが、もう一つ、どういうふうな感じで選ばれるかという基準みたいなものがあると思う。現場の先生方というのはたくさんいるが、その中で、しっかりとした形で教育委員会が、墨田区の教育の現状を含めて、十分責任ある立場で指名もしていただきたい。

 この請願については、今行われている中で、時宜を得た請願と考えているので、私は採択したい。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 今ずっと聞いていて、調査委員会の調査報告、あるいはその後選定審議会で審議して、そして最終的には教育委員会で決定していく。これは全部立場は違うが、やはり独立した立場で審査していくと私どもは受ける。そうでなかったら、そんなにたくさんの過程なんか要らないわけだから。だが、もちろん指定した。もちろん指定したが、前回は、その当時の教育長の本会議答弁、あるいは委員会答弁等を聞いていると、どうもその辺が、教育委員会へ持ってきたときには、もう既に選定審議会というのか、調査委員会というのか、そんなものの意向が随分強くて、当時の教育委員長も含めて、その方向で議論してきたというのが、教育委員会の議事録を見ても薄々と分かるようなことがあった。

 今回は、少なくとももう少し透明性を持って、調査委員会は調査委員会、選定審議会は選定審議会、それから最終的には教育委員会という公の組織の中で決めていくから、それはやはり教育委員会の事務方は、あくまで、その第三者の立場で受けるという姿勢が大事だ。やはりしっかりとした教科書選定をやらないと、これは本当に問題になる。私は、どっちがいいとか、どっちに偏っているなんていうことは、そんなことはもう全然考えていないから、だれでもが納得できるような教科書選定をしてくださいということを私どもは望みたい。そういうことをこの請願も言っているのだろうと私は読み取っているから、そういうことを大前提として、私どもとしては、この請願についてはそういう意味で賛成するので、その辺をもう一度確認をしたい。



◎教育長(久保孝之君) 

 瀧澤委員が指摘したことについては、私も重く受け止めている。前回の経緯の中で何か不備があったのではないかみたいな受け取りがもし仮にあるとするならば、前回の4年前の採択においては、二つの推薦するものを基本にして議論が進んだということが実態である。そういう点では、今回、二つ推薦するものについて特に特定されることなく、全体についての調査結果を上げさせた上で議論を行うということになっているので、その辺のところの懸念については、すべて平場のところから議論ができる。もちろん、それぞれの個々の委員会なり審議会なりの意見は意見として受け止めるが、それらもすべて一つにならした上で、基本的な判断を5人の教育委員で行うということになろうかと思うので、その辺については、私も、そういうことも可能になるように、実際なると思うが、そういう方向で努力させていただきたい。



◆委員(片倉洋君) 

 この請願は、「開かれた教科書採択の一層の推進に関する」という件名になっているが、この要旨の中に、例えば、「会議の公開・非公開も適切に判断せよ」というのが盛り込まれたり、この理由の中に書かれていることからして、結論的には、この請願は不採択とすべきだという立場で意見を申し述べたい。私は、本来、教科書の採択はどうあるべきかということで考えを述べるので、教育長の見解も伺いたい。

 ユネスコの教員の地位に関する勧告というのがあるが、ここで教科書の採択権についてどう言っているかというと、教員は教科書採択について不可欠な役割を与えられるとユネスコの勧告は言っている。これはもう国際的には常識として広く認められている、いわば国際的なルールだと言ってもいいと思うが、教科書の採択については、本来、子供の教育に携わっている教育の専門家、教師の人たちの手によって選ばれるというのが基本でなければならないと私は考える。私の意見を一言で言うと、そのことに尽きる。

 この理由の中にも、冒頭に、「教科書採択は、採択権者である教育委員会の権限と責任のもと、適切な手続によって」となっているが、教科書の採択権、これは、1963年、教科書の無償化、この措置と引換えに、いわば教科書の採択権を教員、学校から教育委員会に移すということが行われた。しかし、そうしたものでも、これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第6号に、「教科書その他の教材の取扱いに関すること」という決まりがあって、もともと採択した教科書の数の面だとか管理の面だとかというのを指すものであって、この教科書の採択を教育委員会が独断で行うことができる、そういうものではない。

 例えば、区長が任命する5人の教育委員がいる。そのうちの、例えば3人なら3人、4人なら4人、多数の人が、現場の学校の先生が、この教科書は子供の教育にとって最もふさわしい教科書だと思っていても、教育委員会がそれと違った結論というか、考えで、いや、そうではないのだということになったら、実際、子供を教えている現場の教員の先生の意向と違った教科書が採択されるということも、理屈上というか、理論上起きる。そういう点で、もう1回、冒頭言ったことに戻るが、本来の教科書採択のあり方について、私は、現場の先生方の手によって採択されるべきだと思うが、このことについての教育長の見解をまず伺う。



◎教育長(久保孝之君) 

 教育長の見解をということであるが、私どもは、法の定めに従って事業を行うのが我々の仕事であって、現行の法制上の要請に従った方法で今やっていると私どもは考えている。その中では、俗に言う学校票という、学校の先生の人気投票みたいな形で決まるようなものについては妥当ではないのであろうと判断している。もちろん、教科書を使って実際に子供たちに教えるのは学校の先生方であるから、その先生方がより扱いやすい方が、それは望ましいに決まっている。しかし、それは、個々の先生にとってどうであるかということと、全体のバランスから見てどうなのかという問題は別なところがあろうかと思う。私どもは現在の方針に従って、現在の形で進めるのが教育委員会として最も責任が持てる体制ではないかと理解している。



◆委員(片倉洋君) 

 教育長、教科書採択のこの議論をしているときに、学校の先生の人気投票というのは何か。その言葉は撤回すべきだ。



◎教育長(久保孝之君) 

 人気投票という言葉が必ずしも妥当ではなかったこと、それは申し訳ないと思うが、要は、どの先生が、私はこれが使いたい、私はこれが使いたいという形では話がまとまらないということを申し上げたつもりである。そういう点では、より多くの先生がこれが使いたいということでの、言ってみれば、それは一種の投票行為みたいな形になってしまうが、そういうことで決まるわけではないだろうというつもりで申し上げた。それが言葉足らずであったとすれば、申し訳ないと思う。



◆委員(片倉洋君) 

 少しも申し訳ないと思っていない答弁である。私が言っているのも、本来、学校の現場で教師の人たちが教科書の問題について議論して、そういう集団的な教師の議論の中の意見を私は大事にすべきだと。だから、何も特定のこちらの先生がこちらがいい、あちらの先生がこちらがいいと、教育長の考えというか、視点が、そういう受け止めがあるから人気投票なんていう言葉が出てくる。

 それで、先ほども言ったが、そういうこの理由の観点からも、先ほどの質疑の中でも出たし、次長の答弁の中でも、今、歴史認識の問題、それから教科書採択をめぐって大きな議論が起きているときに、私は、もう一度言うが、教科書採択に当たっては、本来のこの教育行政というのが、教育基本法の立場にのっとって、第10条には、不当な支配をしてはならないとある。教育の目的を、不当な支配に屈することなく、国民全体に対して直接に責任を持って行われるべきだという教育基本法の精神は、そういう学校現場の先生方の意向を十分尊重し、そういう採択が行われるべきだという意見も申し述べて、この請願については不採択とすべきだという意見を言う。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 ユネスコは先生と言っているが、では、世界各国、全部同じ思想、信条の中で、同じようなレベルで教科書を選ぶのか。そういうわけにはいかないだろう。やはり国の方針というのがあるだろう。中国の中では、例えば現体制と反政府の考え方を持った教師がいて、教科書を作るといったって、そんなものが採択されると思うか。それぞれの国によって違う。だから、ユネスコが決めたといったって、国情、国の思想によって違ってくる。

 それから、私が言っているのは、先生のための教科書ではない。いかにこれから子供を社会人として大人にするための基礎教育をどうするかというための、その教材である。だから、この人たちのためには何がいいかというところを冷静に、いわゆる公平に判断してくれるかというと、人間のことだから、それは自分の思想、信条というのがやはり反映される。自分はこう思っているのだと言えば、それはそういう方向へ行く。そんなきれいごとばかり言ったってできるわけではない。しかし、少なくとも子供中心。先生ばかりではない。

 大体、先生が選んでも、今、教科書が全部終わっていないというのだから。幾ら学校のことを言ったって、墨田区は1年間のカリキュラムで全部教科書を教え切っていない。だから、他区の子と競争したら負けてしまう。よその塾へ行ったら、墨田区の子供は問題にしてくれない。そういう事実を分かっているのか。格好がよくてもだめ、全部教えていないのだから。それで先生の責任はとれるのか。先生ではなくて、もっと子供たちにとってどうか、子供たちのためにいいのかということを念頭に置いて作って、それを採用してもらいたいと言っているのであって、先生の意見を聞いてはいけないと私どもは言っているわけではない。ただ、例えば、先生にある一定の考え方があって、そういう人が声を大きくして議論をするとそちらの方へずっと引っ張っていかれてしまう。そうではなくて、そういう声が仮にあったとしても、もっと冷静に判断して、公平に墨田区の子供たちの教育のためにどういうことがいいのかということを判断して教科書を選んでもらいたい。

 だって、墨田区の教科書である。千代田区だとか台東区だとか、ほかの日本全国の教科書をうちの教育委員会が作ろうと言っているのではない。墨田区の子供たちを教える教科書。だから、埼玉県がどう考えようと、千代田区が何を考えようと、こんなところで議論する必要は何もない。墨田区としてはどうするのかということ、まずそのことを議論しないで、よそのところと比較、対照したら、ユネスコだとか世界全国と比較しても、そんなものは意味がない。今問題にしているのは、墨田区の子供の学力をどうするのかということを含めて、教科書に大きな影響が出てきているのだから、またその他で報告事項があるのだろうが、恥ずかしくて報告事項なんかで言えないような報告事項ばかりではないか。そういうことも含めてしっかりやってくださいということの気持ちをみんな持っているからお願いしているのであって、それはあちらが悪いとか、こちらが悪いとかと私どもは言っているわけではないのだから。

 だから、私は反対する気持ちが分からない。反対するなら、何を想定して反対しているのか。ある人を想定しているのか、ある団体を想定しているのか、ある思想を想定しているのか、何だか分からない。我々には思想も何もない。子供たちのためにどうあるか、それだけ。だから、そういう意味では、私は、これは正しい請願だと思っている。



◆委員(木村たけつか君) 

 本請願の趣旨に賛同する。折しも、我が国と韓国の間で、共同研究の中で歴史教科書が話題になっているが、教科書は、誇りある日本人を育成する上で大変重要な役目を果たすものだと認識している。従って、制度の趣旨にのっとって、適正かつ公正に教科書採択が取り計られるよう願う。



○委員長(小池武二君) 

 よろしいか。

     〔「はい」と呼ぶ者あり〕



○委員長(小池武二君) 

 それでは、本請願の取扱いについて諮る。

 本請願については、「趣旨に沿うよう努力されたい」との意見を付して、採択の上、執行機関に送付すべきものとしたいが、いかがか。

     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕



○委員長(小池武二君) 

 異議があるので、起立表決により採決する。

 ただいまの委員長発議に賛成の方は起立願う。

     〔賛成者起立〕



○委員長(小池武二君) 

 起立多数と認める。

 よって、ただいまの発議のとおり決定する。

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○委員長(小池武二君) 

 次に、閉会中の継続調査について協議願う。

 まず、区内視察についてであるが、当委員会の所管施設等の管理運営状況について調査するため、次回定例会までの間に区内視察を予定したいと思うが、いかがか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○委員長(小池武二君) 

 それでは、区内視察を閉会中に予定することとする。

 次に、具体的な調査内容等について協議願う。

 資料を配布させるので、しばらくお待ち願う。

     〔資料配布〕



○委員長(小池武二君) 

 ただいま配布した資料のとおり一応予定したいと考えているが、何か意見あるか。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 今回、荒川河川敷に行くが、区民文教委員会の管轄はスポーツ施設だけではない。荒川河川敷は端から端まで全部視察エリアか。



◎区議会事務局長(織田雄二郎君) 

 荒川河川敷とここに表示してあるが、具体的には、この前、工事を行った、グラウンドにつながる緩傾斜堤防の部分と、簡易トイレの設置の状況を視察いただこうと思っている。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 緩傾斜堤防とスポーツ施設はどう関係あるのか。あれは護岸だ。あれは土木ではないのか。



◎区議会事務局長(織田雄二郎君) 

 緩傾斜堤防を作った趣旨は、グラウンドに簡易に行かれるようにという目的で階段を作ったということである。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 もともと階段はないわけではない。あったから、それを整備しただけの話。むしろスポーツ云々というのは、あのためにグラウンドを減らされている。拡張ではない。道路を作ったためにグラウンドを減らされている。あれは何がスポーツ施設のためなのか。逆ではないか。



○委員長(小池武二君) 

 視察としてふさわしいかどうか、それを今諮っている。施設の中身ではないので。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 だから、文教はスポーツでしょう。あの中には区民にかかわるものは何もないのか。



○委員長(小池武二君) 

 今の質問の趣旨は、荒川河川敷の中で区民部にかかわるものはあるのかと。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 だから、文教ではなくて、区民部にかかわるものは何かないのか、それを聞いている。あるのか、ないのか。



◎区民部長(今牧茂君) 

 その河川敷には、私どもの所管するものはない。



○委員長(小池武二君) 

 ほかにあるか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕



○委員長(小池武二君) 

 それでは案のとおり予定することとする。

 ただいま協議願った区内視察については、会議規則第72条の規定に基づき、閉会中の継続調査申出をするので承知願う。

 次に、特別区文教委員長会への出席についてであるが、手元に案を配布しているので、その内容について事務局長から説明させる。



◎区議会事務局長(織田雄二郎君) 

 手元に配布している特別区文教委員長会への出席(案)の資料をご覧いただきたい。

 議長会規約により、特別区委員長会は、特別区議長会の下で必要に応じて開催されることになっている。特別区文教委員長会へ出席する根拠であるが、地方自治法第109条第3項及び会議規則第71条に基づく委員派遣として取り扱うこととしている。

 (1)の派遣目的は、特別区議長会規約第12条第1項に定める調査、研究のためとしている。特別区の各委員長会については、議長会総会の議決を経て、議長会会長が招集することとなっている。そこで、特別区文教委員長会が招集された場合に、委員を派遣しようとするものである。

 (2)の派遣場所は、東京区政会館。ただし、委員長会開催通知で場所が変更された場合は、当該場所としている。

 (3)の派遣期日は、特別区議長会会長が招集した日としている。

 (4)の派遣委員については、区民文教委員長又は副委員長としている。

 なお、開催された文教委員長会の内容については、次回の区民文教委員会において報告をさせていただくということになる。手続としては、委員会で委員派遣を決定していただき、その後、議長に対して、会議規則に基づく派遣承認を得る形となる。

 なお、定例会ごとに委員長会への出席については、閉会中の継続調査申出の手続をとることとなる。



○委員長(小池武二君) 

 ただいまの説明について、何か質疑、意見はあるか。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 委員長会の制度が変わってから、もう3年なのか。その間に、うちの文教委員長が出席したのは、何回か。



◎区議会事務局長(織田雄二郎君) 

 区民文教委員会を含めて、すべての委員会で実績はない。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 これは、私どもの委員会が言う話ではなくて、企画総務委員会でやってもらう話なのだろうが、私は常々、出ないような委員長会に経費負担するのはもったいないと思っている。これは当然考えるべきだと思っている。行政側だけでやっていれば、それでいいではないか。うちは議長が代表で行っているわけで、議長会の傘下に入っているから、その各委員長会の経費負担を何で議会費の中からやっていくのか分からない。おかしいと思っている。だから、出す出さないは企画総務委員会でやるが、派遣そのものではなくて、出ないのにその辺が議論にならないのはおかしいのではないかと言っている。



◎区議会事務局長(織田雄二郎君) 

 恐らく、委員長会等、あるいは議長会も含めて、分担金関係の話かと思うが、現在、委員長会の分担金はない。



○委員長(小池武二君) 

 ほかにあるか。

     〔発言する者なし〕



○委員長(小池武二君) 

 それでは、ただいまの説明のとおり、特別区文教委員長会への出席については、地方自治法第109条第3項及び会議規則第71条の規定に基づき、委員を派遣することとするので了承願う。

 なお、本件については、会議規則第72条の規定に基づき、閉会中の継続調査申出をするので承知願う。

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○委員長(小池武二君) 

 次に、当委員会所管事項についてであるが、初めに理事者から報告事項がある。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 それでは、教育委員会事務局から、追加1件も含めて、2件、報告する。

 まず1点目、学力向上「新すみだプラン」についてである。手元に資料が行っていると思う。

 教育委員会で、基礎・基本の定着、あるいは学力向上に向けた、そういった点を最重点課題ということで位置付けている。そうした中で、指導室に新たにすみだ教育研究所を設置して、この室、課を連携の軸に、「すみだプラン」を積極的に展開していきたいと思っている。

 そうした中で、そのアプローチの仕方としては、学校生活と家庭生活という、その二つの面でアプローチしていきたい。これは、各種調査から、学力は家庭における生活習慣にかなり密接に関連しているといったようなことを踏まえて、そういったアプローチの仕方をしていきたいと考えている。

 進め方の軸としては、二重で囲ってあるところの4つになるが、この柱で事業展開をしていきたいと思う。一つは授業改善の取組み、二つ目が児童・生徒の自主的な学習の支援、三つ目が家庭の教育力の向上、四つ目は、地域の教育力の活用ということで、外部人材の活用である。

 まず、1点目の授業改善の取組みである。これについては、資料にあるような、こういう形での学校・教員を対象とした授業力向上プラン、こういうものを、研修会等を通じて、あるいは個別の学校ごとの取組みを通じて実施をしていきたい。具体的には、授業改善の取組みが一番基本になろうかと思う。こういった取組みの中で肝心なことは授業改善サイクルを確立していくことで、取組みがどの程度成果を上げていくのかという検証を踏まえた再見直し、修正等を加えて、サイクルを続けていくということが非常に大事かなということである。

 そういったことを進める上で軸となるのが、開発的学力向上プロジェクトで、これは昨年度に引き続き、早稲田大学の教授を座長に、今年度もプロジェクトチームを作って、今、進めているところである。

 学習状況調査については、中学校は5月31日に、5教科。小学校は6月1日に、4教科をやっている。併せて学習意識調査であるが、これについては、先ほども申し上げたが、睡眠時間や朝食などの生活習慣について、昨年より、よりきめ細かな調査を行っているところである。

 そうした中で、この調査結果における分析の方法という点で、2点、昨年との相違を申し上げれば、まず1点目は、学習到達度調査の部分では、各学校の達成率を追加。この達成率というのは、目標値を当然定める。それを上回ればよいということであるが、その目標値を上回る人数の子供が各学校でどれだけ多くなるかというようなことを今後一つの目安にしていきたい。2点目は、そうした学習到達度調査と学習意識調査のクロス分析。これは、本区においても、生活面と学習面がどういう形で関連しているのかについて独自に検証していきたいということである。こうした検証を踏まえた上で、児童・生徒の自主的な学習の支援をしていこうということである。

 一つは、プロジェクト推進会議における家庭教育に関する会議ということで、特に学習意識調査の結果を踏まえて、区民にオブザーバーとして参加していただき、今後の家庭教育の面におけるいろいろな対応について、これから方向付けをしていきたいと思っている。

 それが一つと、既にやっている、電話による学習相談。それから、先ほど申し上げたオブザーバー会議の中で、今後、家庭学習講座の実施について、どういう方向性がいいのかを踏まえた上で、年10回程度開催したい。

 それから、土曜補習教室の開催である。これは、また別途、ペーパーがあるので詳しくやらせていただくが、今年度の6月の中、下旬から、原則、月2回、実施をしていきたいと思っている。そうした土曜補習教室で使う教材について、墨田区独自の、いわばすみだ版学習教材を、インターネットを活用したコンテンツ配信で、個々の児童・生徒に即した形で提供していきたいと思っている。

 それから、これも土曜補習教室に関連する事柄になるが、補習教室の実施に当たっては、一つは、アシスタントティーチャーを、人材登録制度を創設して各学校に派遣をしていきたい。現時点で113人の登録がされている。これは、学生だけではなくて、区内の、例えば主婦で前に学校の先生をやった方だとか、あるいは定年退職された方だとか、そういった区民の方も多数参加されている。

 もう1点は、学習ボランティアの組織化ということで、小・中39校について、それぞれ学習ボランティア連絡会の立ち上げが終わっている。

 こうしたことで、今年度は学力向上に向けてさまざまな展開をしていきたいと思う。

 それから、もう1枚の土曜補習教室の実施について説明する。

 これは、先ほど申し上げた児童・生徒の自主的な学習を支援するということを通じて、基礎・基本の確実な定着と学力向上を目指すということを目的に行うものである。実施に当たっては、先般の本会議でも質問があったが、もう既に、週休2日を前提に、例えば地域体験活動等のさまざまな行事に取り組んでいる地域、学校がある。そういったこととの調整を十分した上で、この土曜補習教室については実施をしていきたい。

 実施については、6月から来年の3月まで、原則として第一・第三土曜日。これは長期、要するに夏休み期間中は除き、午前中に実施したいということである。

 それから、開始基準日は、中学校は原則として6月18日、小学校は原則として6月25日である。ただ、この基準日に、それぞれの学校行事等を抱えている場合もあるので、それはそれぞれの学校において対応する。

 それから、対象は、言うまでもなく、各小・中学校全校である。それから対象については、小学校が第4学年から第6学年。ただし、第1学年から第3学年については、それぞれ各学校の発意で加えることも可能だと考えている。それから、中学校については第1学年から第3学年までの全生徒を対象にする。ただし、これについては正規の授業ではないので、受講を希望して保護者の同意が得られるもの、いわば任意ということである。

 それから、指導教科としては、小学校は原則として国語・算数。中学校は原則として国語・数学・英語。これについても、その他の教科についても実施したいという学校があれば、私どもとしてはやってくださいという立場である。

 それから、指導員は、実施校に勤務する教員とアシスタントティーチャー等である。アシスタントティーチャーについては、教職経験者、教員免許状取得者(見込みを含む)、それから各種検定試験、例えば英検だとか、こういった上位級合格者等を教育委員会において人材登録をして、各学校に派遣するということである。

 最後に、学習ボランティアということで、これは保護者等で構成される学習ボランティア連絡会を各学校が組織し、土曜補習教室の運営の協力を得るということで、基本的に、その連絡会の会長は校長にやっていただこうと考えている。

 以上で学力向上「新すみだプラン」についての説明を終わる。

 もう1件の、今日、追加で報告する資料がある。東京都教育委員会が実施した「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の調査結果の公表ということである。

 これは、お断りしなければいけないのは、新聞紙上等で分かるように、実は、昨日、私どもに確たる結果、データが来たということで、分析等についてもまだ非常に速報的な内容である。もう少しきちんとした分析については改めて知らせたいと思うが、とりあえずの分析ということで理解いただきたい。

 内容についてはこのとおりである。昨年と同様の目的である。要するに、一番大きな目的は、今後の各教科における目標や内容の実現状況を把握した上で、指導方法の改善・充実に生かす。それを通じて、児童・生徒一人一人に確かな学力の向上を図るというのが目的である。

 それで、調査実施日が平成17年1月18日である。調査対象学年は、都内公立小学校5年生と都内公立中学校2年生である。ここには調査対象校としか載っていないが、実施校をゆっくり読み上げる。小学校の対象校は1,342校であるが、実際に実施した学校は1,339校である。受けた児童数が8万5,857人である。それから中学校。実施校は646校、受検者が6万7,413人である。調査教科については、小学校が4教科、中学校5教科である。

 本区の結果である。都の教育委員会では、各教科とも70%程度の正答率で「おおむね良好」、75%を超える正答率で「良好」という判断である。そうしたことを踏まえて、まず、小学校5年生であるが、区の平均では、国語は77.7、算数が75.3、社会が79.0。75%を超えているので「良好」と言えると思う。理科は74.8で「おおむね良好」と言える。

 都全体の平均と比較すると、国語がマイナス1.2、算数がマイナス0.4、社会がマイナス2.3、理科がマイナス1.2ということで、算数はおおむね平均に達しているが、他の教科は都全体から見ると平均が低いということで、この辺の学力向上の課題があるかと思う。

 観点別の正答率では、全体的に「関心・意欲・態度」が高いが、これは都全体を通じても言えるが、算数の「数学的な考え方」に課題があるということである。理科については「技能・表現」にやや課題を残しているということで、総括的に申し上げると、全教科とも、ほとんどの学校が「おおむね良好」、「良好」と言える状況にあるということである。

 次に中学校2年生である。都の教育委員会では、小学校と同様で、70%程度が「おおむね良好」、「良好」については75%ということで、同じ基準である。そうした中で、区の平均は、国語が76.5で、75%を超えているので「良好」。英語が70.6、社会が67.3で「おおむね良好」と言える。数学が62.1、理科が64.9で「やや課題を残す」と言える。ただ、数学、理科については、都の平均そのものもかなり低くなっているということは言えると思う。

 そうした中で、都全体の平均と比較すると、国語がマイナス3.0、数学がマイナス2.5、英語がマイナス1.8、社会がマイナス3.3、理科はマイナス2.2ということで、これは、おしなべて区全体の学力向上が大きな課題と私どもは認識している。

 観点別の正答率では、全体的に「関心・意欲・態度」が高いが、数学の「見方・考え方」、「知識・理解」、英語の「表現の能力」、社会の「思考・判断」、「知識・理解」、理科の「科学的思考」、「技能・表現」、「知識・理解」に課題があるということで、結構課題が多いと考えている。昨年度と比較して都の平均との格差を縮めた。平成15年度の調査と比較すると、都の平均と比べると、数学、英語、社会、理科でその差を縮めたという結果が出ている。

 今後のこの調査結果の取扱いである。区全体のデータ及び先ほど申し上げたもう少し踏み込んだ分析概要については、ホームページを通じて教育委員会において公表したいと思っている。

 また、学校ごとのデータ及びその分析概要については、各学校が保護者に報告する。これは、学年だよりとか学校だよりを通じて報告するとともに、ホームページで公表したいと考えている。

 今回の調査結果と本区の学習状況調査の結果分析を併せて、この夏季休業中に各学校で取り組む。作業に取り組んだ上で、9月の初旬には授業改善プランとして策定して公表していきたいと考えている。



○委員長(小池武二君) 

 ただいまの報告について、何か質疑、意見はあるか。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 二つに分けて。実は私、土曜補習は決して悪いこととは思っていない。思っていないが、例えば、青少年委員の人たちとか、その辺の活動をしてきた人たち、今度、土曜日、週5日制になるのだから、地域で見てくださいということで、そういう組織をどんどんどんどん作っていった。それで今度、突然、土曜日だというと子供たちはほとんど集まらない。そうすると、我々は3年間、一体何をやってきたのか。ましてや、6月25日というと、もう目の前ではないかと言っている人は結構いる。その辺は、その関係諸団体とはよく話し合ってあるのか。それは、大変極端なことを言えば、人をばかにしてるなんて言っている人もいる。まちの中でやってくれ、こうだ、ああだとさんざん言っておいて、それで、やっと軌道に乗ってくるかと思ったら、今度はこうだ。だから、そういうことは悪いことではないが、では今までは一体何だったのか、こう言っている人もいる。その辺をまずよく理解してもらわないと、今後、何かあったときに、まちの人たちは協力してくれなくなってしまう。

 それからもう一つは、学力向上「新すみだプラン」というのは、よく分かったような分からないような、活字としてはなかなかよくできている。昨日発表になった今回の結果が、前回と比較して幾らか上がったというが、その上がったというのはやはり教育委員会の努力なのか。それとも全般的にレベルが下がってきたのか。どうなのだ。あの結果を見て、この学力向上「新すみだプラン」をもう一度見直すという気はあるのか、ないのか。これは、これが発表になる前に作ったものだろう。だから、これを発表して、もう胸を張って、よし、これをこれからやればもっともっと上がると思った。今までの1年間だってそれなりに努力してきた。でも、結果的には大したことなかった。

 この23区だけで比較すると、残念ながら5ブロックはだめだ。ワーストフォーに5ブロックが4つも入っているではないか。これはやはり何とかしなければまずいのではないかと思うので、この学力向上「新すみだプラン」で打開できるのかという心配がある。これそのものは、理想というか、活字としてはよく書かれている。ただ、問題は、まちの人たちだとか我々は結果を求めている。さっきも少し触れたが、この間も、うちの会派の中でもいろいろ話したが、他区の子供たちと比較すると、うちの学校は各学校とも、全教科、全部終わっていないという。だから、他区の学校と比較すると、よその子は同じ塾へ行っても理解できるのに、うちの子供たちは理解できない。何でできないのかといったら、教わっていないからだと、こう言われている。そうすると、幾ら教育委員会でいいプランを立てても、授業内容というか、授業のあり方というか、これをやはり学校の先生そのものが考えてくれないと、子供たちの学力向上にはなかなか直接結び付いていかない。その辺についてはどういうふうな指導をしていくのか、先生とはどういうディスカッションを今日まで重ねてきたのか、その辺が大事なことではないか。

 言っては悪いが、これは教育委員会だけのひとりよがりでは困る。ひとりよがりなら、学校の中へでも、これをどこかへ張っておけばいいのだから。そうではなくて、これが動かなければいけない。結果として、結果が表れてこなければいけない。それを望んで作っているわけであろう。だが、残念ながら1年前と今回とでは余り変化がなかった。今、70点ぐらいまで「おむね良好」。大体、昔の点数でいえば、70点というと良の下。60点で可ぐらい、それ以下は不可だから、言いかえてみれば70点というのは良の下。だから、70点というのはそんなに威張れた、まあまあ、落第はしない程度。かろうじて進学はできるという程度の点数。そんなに威張れた点数でないことは事実だ。だが、子供たちは、将来、他区の子供たちと伍して、この地域社会を乗り切っていかなければならない。そのときに、基礎教育の中で他区に遅れるようなことがあったならば、区民として、これはやはり墨田区全体としては大変マイナス。

 それは、幾ら区長が一生懸命定住政策をやっても、こんなことが噂になったらやはり住む人はいなくなってしまう。ここに住んでいる人はみんなよそへ行ってしまう。だから、それについてはどういうふうな心構えでいくのか。これを作ったから、まあ、一安心だというのか、さあ、これを作ったら、最後のこれからが大変だぞと思うのか、その辺を教育委員会はどう思っているか。

 それと同時に、教育委員会が思っていることを、いかに先生方に理解、徹底して、協力してもらうことができるのか。その方法だって考えないと、現状は、今、学校の授業は、はっきり言ったらがたがた。幾らカリキュラムが組んであっても全部こなし切っていない。特に小学校の場合は、中学校と違って子供の意見よりも保護者の意見の方が強いから、今、保護者間の中ではかなり動揺を来している。もう墨田区の学校はだめだ。選択制は1年しかできないから、今さらよその墨田区の学校へ移るわけにはいかないから他区へ移ろうかと、今みんな下見に行っている。お母さん方が周辺区の学校の下見に本当に行っている。大体3年生、4年生ぐらいの保護者は、結構近隣の小学校の様子を見に行っている。また近隣の小学校はおいでおいでと言っている。どうぞ、どうぞと。また何も住所を移さなくてもいいよ、いいよと言っている。こんなことをしていると、墨田区の教育というのはしまいに空洞化される。だから、その辺についてはどうなのか。

 プランはいいが、これを実行に移すにはどうするのか。そんなに書いたから、今日の明日ですぐ実行できるとは思えない。やはりそれなりの教育委員会の努力も必要。先生たちの理解も必要。指導室長をはじめとして、それをどういうふうに指導していくか。それが結果的に子供たちにどういう影響を与え、反映していくのか。そして大人たちは、テストの結果を見て、その結果追求ということではないが、結果を求めている。やはりどこの親だって、うちの子はよりいい子であってほしいという願いは、みんな同じ。一番下でいいなんて思っている親は一人もいない。やはりそれには、それなりに親の期待に応えてやれるような範疇の教育は最低限度必要だろう。それについて心を新たにしてもらわないと、いつまでたってもこれは上がらない。そう簡単に上がるものではないから、よほど心してやらないと。その辺についてどういうふうな指導をしておられるのか、その心構えというか、そういうことも、昔で言えば、ふんどしを引き締めて頑張ってもらわないと、こんなことが毎年毎年続いたら本当にあきれる。しまいに、何をやっているのだ、区民文教委員会は要らないなんて言われてしまう。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 まず、1点目である地域行事等。週休2日になって、子供を家庭、地域に返すということで、そういった流れの中で、地域体験活動をはじめとして、いろいろ地域の方々に本当に世話になっていた中で、私どもの、特に私の反省としては、土曜補習教室をやることについて、私の受けている印象では、大方の人が賛成していただいているが、問題は、きちんときめ細かく事前に、例えば育成委員会の方だとか、そういった方々に話をしているかというと、非常に反省する点が多くある。私も何人かに実際に怒られて、本当に今後は、この土曜補習教室も含めて、実施については、地域の方々の協力、支援がないと、これは立ち行かないということも十分承知しているので、これについては今回のことを反省に対応させていただきたいと思う。

 次に2点目である。これは、委員の立場から見ると、若干反省の弁というか、釈明になるが、今年のこの都の学力テストは1月実施であった。それで、平成16年度、区の学力向上プロジェクトを踏まえて、各学校が本格的に授業改善プランというものを作成したのが、この12月から1月にかけてであった。ただ、それは各学校ごとの取組みであったので、そうした中で、区教育委員会としても、「新すみだプラン」という形で体系的かつ系統的にこれから取り組むということである。だから、そうした中では、確かに今回のこの都のテストの結果は芳しいものではなかったと私どもは本当に思っているが、やはりこの新しい「新すみだプラン」というものを着実に実施することで、少しでも学力向上へ向けていきたい。この「新すみだプラン」をやるに当たっては、私も参加しているが、すみだ教育研究所を中心に、各校長方といろいろな形でいろいろな積み重ねをした上でこれをまとめたという経過もある。そうした中で、我々としても、実際に現場の学校がそれぞれ着実な取組みをしないとこの成果はでないと考えているので、今後、学校と十分連携しながら取り組んでいきたいと思う。

 そのカリキュラム、教科書の消化については指導室長から答えさせる。



◎指導室長(常盤隆君) 

 それでは、カリキュラムの未終了ということでの質問について答える。

 今回の調査においても、教わっていないことがあるのではないかという指摘があるが、基本的には、既に学習した範囲の中での調査であった。これについては、今、指摘いただいた点、私どももきちんと捉え直して、また反省材料とさせていただきたいと思っているが、今あったように、この調査については学力を向上させていくための授業改善をどのように図っていくかというところだと我々は捉えている。授業をよりよくしていくのが、子供たちにとって確かな力を付けていくものと私たちは心に強く受け止めていきたいと思っている。そのため、授業改善ということをキーワードにしながら、今、学校に向けて発信をし、指導室としても、指導室訪問ということで、これまで3年に1回だったものを、全部の学校を回ろうということで、ともに学校と協力しながら進めていこうと思っている。その中で、指摘を受けた点などについても指導、助言をしてまいりたい。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 私はかねてからずっと申し上げていても、なかなか実現しないが、今、学校運営委員会とか、いわゆる学校そのものに民間の地域の人たちを受け入れていくというシステムになってきた。今、教育委員会でやっているかどうか分からないが、教育委員は4人いる。だから、ある程度分担してでもいいから、学校などへ視察に行くのではなくて、茶を飲みに行ったらどうかと、それはもう10年も前から言っている。別に、何も監視に行くわけでも何でもない。ぶらっと来て、校長のところでもどこでもいいから、ああ、元気かいと、それだけでいい。そうすれば子供たちだって分かる。ただ、学校がどこにあるのか分からないし、どんなことだか分からないというのだと、本当に教育委員会としては、学校現場を全部目隠しして議論だけしろといっても無理だと私は思う。

 だから、教育委員も丸々の専業ではないから、それぞれの稼業を持っているから大変だろうと思うが、それでも、自発的に、自分の近隣の学校の3校や4校ぐらいはぶらっと行って茶ぐらい飲んで帰ってくるような度量があってしかるべきだ。現場を知らずして教育議論なんかできないのではないか。それはやはり教育委員会事務局がお願いしてほしい。教育委員も、議論する上において現場を知ることは大事なことだ。仮想でもって議論ばかりされたのでは困るので、実態を見てもらいながら。何も各教室をぐるぐる回って視察しろと言っているわけではない。せめて校長のところへ行って茶の1杯ぐらい飲んでいらっしゃい。やはりそれだけでも違う。だから、そういうやはり生きたお願い事をしなければいけないのではないかと私は思うが、その辺についてはどうか。



◎教育長(久保孝之君) 

 指摘のとおり、現場の実情をつまびらかにしながらやはりこういう取組みは進めていかなければいけないという指摘は、まさにそのとおりだと思っている。私もいろいろなところに伺うが、最近は、私が行く前に、もう既に教育委員が先ほど来ておられたということが間々あって、今の教育委員はかなりいろいろなところへ行っておられる。教育委員会の事前、事後に話をするようなときとかも、あそこの学校はこうだったとか、そういう話をいろいろと聞かされることも多く、私が行かなかったところも行っておられるというようなところがあって、そういう意味では、委員指摘のそうした話については、かなり取り組んでいただけているのではないかと思っている。

 だから、そういういろいろな知見を教育委員会として、逆に事務局もしっかりとそれを吸収させていただき、是非今後の業務に反映させていこうと考えているところであるので、理解をいただきたい。



◆委員(木内清君) 

 私も本会議で代表質問をして、ある一定のことを申し上げているが、一つ、学力だけではないということも事実あるが、今、家庭の中で、自分の子供が、学校の勉強以外のことも含めて、どういう状態にいるかということが親にはっきりと伝わっていない。だから、そのことが親の中では不安材料の一つ。今回、2学期制ということも含めて、学校からの成績の通知というのは2回になるが、その中で、自分の子供がどこが今できなくて、どういうふうにすればいいのかということも、先生ないし学校の責任において、もう少し丁寧に親に伝えるべき。そこが伝わらないと、家庭教育も含めて、どういうふうにしようかというのが進まない。

 今は学校に任せきりということの中で、結果を見て、これはどうしようかといったときに、学校に預けるのがいいのか、ほかに預けて勉強させたらいいのかというのは、親からしたらやはりほかに求める。そのときに、ほかに求めた場所というのは違う目標があるから、一定の基礎学力の確認をされる。そのときに、墨田区の子供は基礎の理解度が低いというのは、そこのところに入った多くの子供がそういうふうに言われている。その原因の一つは、基礎・基本というものを、子供が頭の中で十分こなしているかということを含めて、これは、教育委員会としてはしっかりと、学校現場の今の現状というものを、子供と先生、また子供と学校というものがどういう状態なのかというのをもう少し細かに調べていただきたいというのと、親にそれを報告いただきたいというのが一つである。

 その中で、いわゆる土曜補習実施という動きというものは、親にとってみれば、まずこれは、6月の上旬ないし中旬までに参加するか参加しないか。もう3月までの日にちが全部はっきりとうたわれているものが配られていて、学校としては、こういう子供の補習にしたいという言葉も加えて発送されている。もう今週中ぐらいには子供たちの意思というのははっきりと出るが、親が見たら、まずは土曜日、これは行きなさいというのが多いから、そうすると、一応丸を付けて参加しようというときに、これからいろいろな形で求められる。

 その土曜補習の中で、先生の地位というものがどうなのかということも親としては心配なものは持っている。先生が授業をやっているほかにも、土曜日、授業をやってくれるのか。いや、そうではなくて、先生は後ろに控えて、後方支援みたいな感じだということもあるが、墨教組では、土曜補習については、もう押し切られてしまったので、何かあったら執行部に連絡をくださいという動きになっている。学校現場に任された形で、教育委員会がいろいろなことを提案するが、学校長の判断というのはこれから大変になってくる。各学校ごとに学校長の判断で十分先生方と意見交換がされて、土曜補習がうまくいく学校、また何とかそれなりに形が整う学校、アシスタントティーチャーだとかほかの方に求めていく学校と、そういうふうに3段階ぐらいになるような形で教育委員会が学校長と意見交換をしているのか。それとも学校長が責任を持った形で、今の現状を踏まえて、もうある意味では先生方を日にちごとに張り付けるような形で、全面に出るような形の土曜補習になっていくのか。そういうようなことについて、教育委員会と学校長との話合いがどういうような形でされているのかについて答えをいただきたいというのと、現状の生徒の、学童の報告をもう少し詳しく家庭に知らせるべきということを改めて答えをいただきたい。



◎すみだ教育研究所長(鹿島田和宏君) 

 土曜補習教室の実施に当たっては、教育委員会で実施要綱というものを作っている。その中では、原則としての教科を示させていただき、それぞれの学校の中で、その学校の特徴に合わせたカリキュラムを組んでいる。アシスタントティーチャー、それから各学校の先生方のどういうふうな体制でその土曜補習教室を運営していくかということについても、基本的には、アシスタントティーチャーについては教育委員会から2人を派遣する。それから、教員には学校長から協力を求めて、この土曜補習教室の運営に参加いただくお願いをしている。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 補足的に話す。まず、前段の話である。今回、開発的学力向上プロジェクトで、学習意識調査の面について、若干きめ細かく調査を深めてやるということがある。まず基本は、確かに学習面での到達度について、それを踏まえて、どういう形で児童・生徒への指導をフィードバックするかという中で、キーワードは、生徒個々に応じた指導の仕方について、どういうふうに改善、工夫していくか。それの総体として、授業改善をどう組み立てていくかということかと思う。だから、そのためには、やはりその授業改善サイクルの確立。これは、先ほど別の委員からも指摘があったように、これからは結果が求められるという中で、確実に成果を上げていくためのサイクルをきちんとやっていく必要がある、そういう発想でこういう対応を今後していこうということである。

 もう一つは、学習意識調査の面で何度も申し上げるが、やはり授業だけの部分ではなかなか捉え切れない要素があると思う。そうした中で、先ほど申し上げたように、この辺の意識調査と学習到達度調査とをクロスした分析を踏まえて、やはり家庭の面での対応について、どういう点に対応が必要なのかというようなことをここである程度洗い出しをして、家庭教育に関する会議に反映した上で、対応について、今後、これは平成17年度限りではなくて、平成18年度、平成19年度も続けていこうと考えている。

 それから、学校長との関係であるが、基本的には、学校長のそれぞれの判断なり責任においてやっていただくということであるが、ただ、これを我々教育委員会事務局として見守っているだけではなくて、当然、我々もいろいろな形で支援を、やはり現場に行くことも当然必要になるかと思うが、そういった形でさまざまな支援はやっていくということである。これは決して学校だけに任せるということではなく、一義的には学校に任せるが、これを強力にバックアップしていかないと、ある学校はなかなか頑張っているが、ある学校は頑張らないというようなことも当然あるかと思うので、その辺についてはきめ細かく対応していきたいと思っている。



◎教育長(久保孝之君) 

 家庭と学校との対話に当たる部分と申すか、学校での子供の様子だとか、実際の成績の実態だとかというものをもっとしっかりと家庭に伝えるべきではないかという点の質問があった。今回、この学習状況調査の学習到達度調査は、個表をそれぞれ個人に返すということが基本であって、東京都の調査も、これについても個表を返すというのが基本だと聞いている。こうした素材も材料にしながら、先ほど言った各授業の改善プランを考えるということは、要するに、子供たちの理解度をどう捉えて、その子その子の状況をしっかりどう捉えてということがないと、自分のクラスの授業改善プランが出ない。そういうところの分析をした上で、7月の中旬以降、大体どこの学校でも予定されていると思うが、三者面談という形で、この素材も示しながら、実態、それからどういうふうにしたらいいか、夏休みはどういうふうに過ごしたらいいだろうかということを話すという機会を設けて、それぞれ今言った意味での家庭と学校の対話を深めていくということが一つの素材になるだろうと思っている。

 もちろん、それだけで完了というわけにはいかない。そこで、先ほども指摘があったが、私は今、幾つかの学校で聞いているが、土曜スクールについて対象者の半分ぐらいの子供が参加をするという話も聞いている。その中でも、まだ参加されない方も含めて、いろいろな方々に、学校から見れば、むしろ是非参加してほしいという場合もあろうかと思う。そういうことも含めて、いろいろと個別の接触を広げていってもらいたいということを私どもとしては呼びかけていきたいと思っている。



◆委員(木内清君) 

 あと、少し見方を変えると、小学校から中学校へ行く場合について、中学校では、クラス編制をするために、ペーパー試験をやる。その試験というのはなかなかいい問題が出されているわけであるが、そのクラス編制の基礎的な資料をとるペーパー試験の中でも、学校差というのははっきり出ている。これは、中学校の校長先生は認識をする。この学校についてはこういう指導が足りない、こういう教え方ができなかったのではないかというのは、その1枚の紙かもしれないが、一応想像が付く。その中で3年間でどうやって追い付こう、追い付き、追い越せという形になるかというのはそこの先生たちの苦労にもなるが、その苦労というものは、小学校のときにすべき苦労が大部分だとしたら、小学校に、やはり教育委員会を通じてしっかりとこういうチャンスに手を加えるぐらいのことをお願いしたい。

 これは、教育長が校長会に出て、中学校の先生と個別の聞き取り調査をして、そういう話もやっていかないと。6年間、3年間という一定の期間しかない中で、よりよい方法を墨田区では考えていく一つのいい方法になるので、中学校の校長先生の話を小学校の校長会に生かすような感じのそういう動きを、教育長として、指導室長としてとるかどうか。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 今の話は、小・中接続、あるいは小・中連携という話になろうかと思う。これは既に全体会としても、小・中の校長の連絡会をそれぞれ、去年は確か1回だったのを今度は2回にする。それから各ブロック。区の中でブロックに分けた形で、それぞれブロックごとでも小・中連携をしている。進んだところでは、中学校の先生が小学校へ行ったり、いろいろな形で交流も含めてやっている。ただ、まだまだ十分ではないが、今お話のように、小学校から中学校の移り目がスムーズにいくようにするためにはどうしたらいいかという工夫は、現場の校長方はみんな、そういう意識の中で今対応はしている。



◆委員(木内清君) 

 だから、現場の意見というものを、教育長、指導室長は、ある意味で個別でもいいから、そういう対応を聞いたときに、個別対応も考えるかどうかについて、久保教育長に答えをいただきたい。



◎教育長(久保孝之君) 

 小学校、中学校の接続の問題にかかわって、例えば、今指摘があったように、幾つかの中学校では、実際にクラス編制をするために事前に一定の調査をする。そして、その結果に基づいてクラス分けをするということが行われている。ただ、これは、まだ現在のところは全部の学校というわけではないということで、そこでのいろいろな情報はもちろん入ってくるが、これを系統的に各学校に知らせるという形にはなっていない。ただ、今回、私どもが行っている学習到達度調査については、これは全校やるわけであるし、とりわけ中学校1年生のデータというのは、同時に、それはほとんど小学校6年生のときの状況の反映という部分もあるから、この辺のデータをある意味では相互に融通できないかということについては、考えていく余地は十分あるかと思う。

 単にデータをやりとりするだけでは済まないわけで、6年間と3年間を接続した9年間で子供たちをどう育てるかという観点で、やはりそれぞれの中学校、小学校の先生方の交流が必要だということで、今、次長が申し上げたようなことを順次進めており、そういう点では、それぞれの情報交換がもっと進むように、私どもとして、それを組織的に進めていきたいと思っている。もちろん、私個人がつかめた情報が必要であれば、それぞれの個別の話ももちろんそれぞれの校長同士にはするというようなことも現実にあるし、今後とも必要に応じてやっていきたいと思っている。



◆委員(木内清君) 

 教育委員会はいろいろな指針みたいな形にはまとめるが、責任は学校長に任せる。その中で、小・中学校の学校長に協力をするという立場をもう少しはっきりと言っていただきたい。学校長の動きによっては、教育委員会は全面協力ということをしていただけるのか、答えをいただきたい。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 学校の一番基本である教育の編成課程について、その編成をする権限を学校長は持っているから、当然、学校長の責任においてすべて進められる。それについての足りない部分だとか支援が欲しいという要請があれば、当然、私どもとしてはバックアップしていくということである。



◆委員(木内清君) 

 次長の答えはそうであるが、担当がしっかりとできたから、担当にまず電話が行ったときに、担当もそういうふうにちゃんと受け答えをするのかどうか、答えをいただきたい。



◎すみだ教育研究所長(鹿島田和宏君) 

 今回の土曜補習教室の実施に当たっては、担当の窓口はすみだ教育研究所であるので、問い合わせ等があったときには、こちらで応対したいと考えている。



◆委員(片倉洋君) 

 学力テストの問題で、今朝、朝日新聞に出たみたいな形で、区としての公表問題での確認だが、足立区みたいな公表の方式はとらないということだね。



◎教育委員会事務局次長(横山信雄君) 

 基本的に、この公表問題については、今日のペーパーで知らせたとおり、各学校ごとの都の調査における正答率については、ほかの分析等を含めて、各学校ごとに公表ということである。



◆委員(片倉洋君) 

 学力テストの結果の公表問題については、この間、この委員会でも意見も申し述べてきたが、競争的な教育に拍車をかける。現状で言えば、私どもがいろいろ意見を申し上げてきた学校選択制が今実施されている下では、そういう拍車が一層かかると思うが、今度、小学生にまで拡大されたという点で、今朝の報道なんかを見て心配の声も上がっている。結果の公表問題については、学校の教育に一層のゆがみ、混乱をもたらすもので、結果の公表はすべきでないという意見を述べておく。



○委員長(小池武二君) 

 それでは、ただいまの報告どおり承知願う。

 議事の都合により暫時休憩する。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     午後3時00分休憩

     午後3時18分再開



○委員長(小池武二君) 

 委員会を再開する。

 休憩前に引き続き、議事を進める。



○委員長(小池武二君) 

 その他、当委員会所管事項について何かあるか。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 承知のとおり、障害を持つ子供が何人か普通学級へ入って勉強している。私どもも、運動会で一生懸命駆けたりなんかしている姿をほほ笑ましく見ているが、そういう子供が普通学級に入ることについて、私は何ら否定するものではないし、むしろいいかと思っている。しかし、学校の先生の立場からしてみると大変な状況もある。

 あえて学校名は言わないが、ある学校ではそういう子供が1クラスに3人いる。それで、授業中にやはり大声を上げたり席を離れたりして動き回るので、先生がその対応に大変困っている。その都度、やはり授業がどんどん遅れていっている。それが段々と保護者の中で不満になりつつある。もう少し何とかならないかとか、しまいには、最近では、余りいいことではないが、どこどこの子供だとか、あの家はどこなのかとか、その家まで詮索するような話題に発展しつつある。これは、預ける親からしてみれば、教育委員会が責任を持って預かってくれたのだから、当然、教育委員会として対応してくれるだろうと、そういうふうにお母さん方は思っている。普通学級に障害を持つ子供を入れたお母さん方もそう思っている。いいと言ってくれたのだから、当然それに対する手当て、対応はしてくれるものだと思っている。私そのものが批判される筋合いは何もないではないかと恐らく思っている。それは、障害を持つ子供のお母さん方からしてみてもそう思う。

 それが、一般の方からしてみると、それも学年が4年、5年になってくると、親はまた余計深刻だ。子供は余り感じないが、さっき申し上げたように、小学校と中学校は違って、中学校より、小学校の方がやはり親の意向というのは大変強い。これは当然分かる。そうすると、もうだめだ。しかし、墨田区は学校選択制だが、1年生のときしか選択のしようがないから、ではどうしようかというので、正直言って台東区、台東区の学校の名前を出しても構わないが、浅草小学校だとか日本橋の久松小学校だとか、あるいは墨田区の場合は両国小学校だとか、あちこちに行っている。

 そうすると、もともと浅草寺幼稚園かなんかに行っている墨田区の子供は、大部分が浅草小学校へ入っている。だから、浅草小学校にお友達が結構いる。だから、PTAの役員を私が紹介してあげるから、いいよ、おいでなんて、結構おいでおいでしてくれる。それで迷っている父兄が結構いる。これは、やはり墨田区の教育の実態というのは、私はゆゆしき問題なのではないかと思う。久松小学校までは少し遠い。そうかといって浅草小学校はどうか。内容を見てみるとさほどよくない。残念なことに、さっき少し言ったが、浅草小学校の近辺の台東区の人たちに聞くと、浅草小学校へ墨田区の子供たちがかなり入ってきて、はっきり言ってレベルダウンしてきたから、あの辺の人たちは、選択で、黒門小学校か田原小学校へ全部行ってしまう。まず浅草小学校へ行く子は少ないと言われている。そうすると、墨田区の教育のレベルの低いことを台東区に知らせているようなものではないか。だから、そういうことが果たしていいのかという問題が出てきている。

 お母さん方にしてみれば切実な問題だから。今のお母さん方は、お母さん同士の横の連携というのはすごい。だから、いい話でも悪い話でも、もうどんどん広がっていってしまう。その中で唯一褒められているのは両国小学校だ。両国小学校はすばらしいと言っている。浅草小学校なんか問題ではないと言っていた。久松小学校よりもいいのではないかと言っている。子供たちの教育態度といい、いわゆる授業の姿勢といい、それから学校の中の騒ぎ方といい、全然いいと言っていた。褒めていた。でも、なかなか墨田区の子供では入れないだろう。だから、それならば他区へ行くしかないと真剣に思っている人が年々増えている。

 だから、当然、そういう子供がいれば、普通は介助員を付ける。今そういうのは付いているのか。例えば、そういう子供が1クラスに3人いると、本当にその担任教師は大変だ。普通の子供たちの教育なんかしていられない。これはやはり学校の教育を変えるとか、そういう問題ではなくて、授業の内容を変えろと言いたいが、それは1人の先生では無理。そういう実態に対して教育委員会はどのように対応してもらえるのか。何とかその子はその子たちなりにちゃんと面倒を見て、普通の子は普通の子なりのやはりカリキュラムを組んだ授業というのを通常どおり進めてほしい。決められた教科はすべてマスターさせてほしいという、もう純粋な気持ち。あの子がいいとか悪いとかの問題ではない。ただ、余り放置しておくと、お互い人間だから口に上ってくる。だから、そういうことはいいことではないから、やはりこれは早いうちに教育委員会としては対応すべきではないか。半分はお願いだが、半分は何とかしろという気持ちもある。そういうことで、是非そういう子供が入っている学校を全体的にもう一度目配りをして、それで足りないところにはちゃんと手当てをするという配慮が必要ではないか。



◎学務課長(小暮眞人君) 

 普通学級にそういった障害のある子供がいるときの介助員のことだと思うが、今、私どもで予算を措置して介助員を付けているのは、認定就学者といって、本来、都立の養護学校へ通われる子供で、墨田区の学校で受け入れることができる場合である。もちろん、保護者との面接、面談の過程で墨田区の学校がいいという場合もあるが、本来、都立の養護学校に入る子供を区で受け入れる場合は、介助員を付けている。ただ、今、委員がおっしゃった部分というのは、LDとかADHDという、多動性の子供とか、そういった子かと思うが、そういった子供の場合には、残念ながら今の制度の中では介助員は措置していない。

 では、そういった子供にはどういう対応をしているかということであるが、現状では、通常の学校の中で対応をお願いしつつ、あと、情緒障害の通級学級というのを区の中で、これまでは第三寺島小学校、それとこの4月からは錦糸小学校に設けた。それで、週のうち何時間かはその情緒障害の通級学級に通って教育を受けていただくというような仕組みになっている。



◆委員(瀧澤良仁君) 

 いや、私は、決してその子たちを別なところへではなく、その子と一緒に混じって勉強してもいいが、それはそれなりにやはり手当てしてやらないと、その子も不幸だし、普通の子供も不幸だ。それに対して親が騒ぎ始めるとか、こういうことの悪循環になってくる。正直言って、それは今なりつつある。何人かの親からも、どこの学校がいいだろうかと言われた。さすがに、他区の学校のことを言っては悪いが、両国小学校から比べると浅草小学校はレベルが少し下がってきていると言っている。子供も、授業中に結構騒いでいたりすることがあるなんて言っていた。そこへいくと両国小学校はすごいと褒めていた。うちも褒められる学校がやっと一つあった。だが、やはりそこの学校にはなかなか入れない。だから、しようがないから他区へ行くか。そうかといって黒門だとか久松までは少し遠いし、そうすると、やはりターゲットは浅草あたりになってしまう。そうしたら、今度、地元に聞いたら、浅草は最近だめだ。何でだめなのか。墨田区の子供がうんと入ってくるようになったからだめになったと言われたのでは、立つ瀬がない。

 だから、そういうようなことにならないように、そういう子供はそういう子供なりに、やはり入学を受け入れた以上は責任を持ってきちんとしてやらなければいけない。財政だけの問題ではない。教育というのは大体財政的には先行投資なのだから、先に金をかけることはしようがない。だから、それを一般の施策と同じような感覚で金の張付けをしているようでは、とても教育なんかできない。

 だから、その辺も含めて、きちんともう一度見直してもらって、校長先生と−−これは校長先生も悩んでいるのではないか。だから、そういう話をして、どういう方法ならば一番いいのか。先生もよし、普通学級へ来ている、そういう子供の家庭もよし、それから普通学級に入れている子供たちの親も安心するとか、何とか三方がよくなるような方法を考えてほしい。それも、いずれ考えるのではなくて、早急に。もう現実に動いているから。今日も行われている、明日も行われているから、至急にやってくれる気があるかないか、尋ねたい。



◎学務課長(小暮眞人君) 

 墨田区では、平成15年度、平成16年度と国の特別支援モデル事業というのをやってきた。それで、平成17年度については、その国のモデル事業を引き継いで、区の単独の予算でやっている。この特別支援教育は、まだ法律改正は平成19年度くらいになりそうだという見込みであるが、基本的な考え方としては、普通学級の中でハンディキャップのある子供も受け入れていこうというもので、今やっているのは、校内委員会を作って、校内の中でそういった応援体制を作っていくということ。それと、学校の中に先生を特別コーディネーターとして、専門的な知識、経験を付けて、そういう子供と家庭、学校との橋渡しをしていこうということ。それと、専門的な巡回相談員というのを各学校に巡回させて支援していくということであるが、この部分がうまく軌道に乗るように、またこれを本格的に、その法律改正に合わせてきちんと乗り遅れないようにするために、今年度も指導室と学務課、教育委員会事務局の中でそういった検討をしている。それとまた、心身障害学級の設置校長会の中でも、今、委員がおっしゃったようなことも指摘を受けているので、近々に検討をして、区としての体制、方向性を決めていきたいと考えている。



◆委員(江木義昭君) 

 先般、本会議で一般質問して、教育長から答弁いただいたが、さすがに官僚の答弁としてはほぼ完璧な答弁で、感服した。それだけ、私の立場からいうと不満もいっぱいあるところで、個々の問題はよろしいが、1点だけ改めて答弁をいただきたい。というのは、戦前の教育と戦後の教育の中での国家と個人との関係についての質問をして、答弁は、確か、公共の福祉、国家の発展にも寄与するような人材の育成を目指しているという、両方やるみたいな答弁だったような気がするが、質問の趣旨はそういうことではなくて、教育の目的が、やはり国家の反映を第一義として、それに寄与する人材の育成に置くのか、あるいは、まず個人の人格の完成を目指して、そこに教育の主眼を置くのかという違いについて尋ねたわけで、これはやはり「万世一系の天皇之を統治す」という大日本帝国憲法下、あるいはそれに基づく「朕惟ふに我が皇祖皇宗」から始まる教育勅語での公教育の目的、位置付けと、それから「主権は国民に存することを宣言する」という日本国憲法。それに基づく現在の教育基本法の中では、やはり明確に違う部分があるだろう。

 先ほど請願の審議の中でいろいろ議論があったように、やはり教育については今いろいろな議論があるし、それも、率直に言って、かなりイデオロギッシュな議論に傾いている部分もあろうかと思うが、ただ、一つの共通項というか、どちらの立場からも確認できる共通の認識として、やはり公教育の目指すものは何なのか。第一義的に国家の繁栄、それに寄与する人材の育成ということを目指すのか、第一義的に個人の完成を目指すのかという点については、もう少し踏み込んだ答弁をいただきたい。



◎教育長(久保孝之君) 

 戦前と戦後の教育の理念の基本的な形態が違うのではないかという質問かと思う。指摘のとおり、戦前の教育の最も一番の柱ということになると、当然、欽定憲法に基づいて、その国家を支えるべき人をどう育てるかという観点からの教育であったと私も認識している。他方、戦後の教育の理念は、教育基本法に書き込まれているわけで、この間の質問にもあったが、その前文には、個人の尊厳を重んじ、平和と真理を希求する人間の育成を期する。そして、普遍的で、しかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及、徹底しなければならないという理念のもとに、教育の全体像が語られていると私も理解している。

 ただ、その教育の目的の中には、単に人格の完成を目指しということのほかに、平和的な国家及び社会の形成者としての国民の育成ということが入っているので、そのことも答弁の中で述べたということであるので、そのように理解いただきたい。



◆委員(江木義昭君) 

 教育というのは、常にさまざまな見解の中で議論の場になるものであるし、それはやはり世界的にいっても、先ほど瀧澤委員がおっしゃられたように、例えば、中国とか韓国の教科書−−私は韓国語も中国語も読めないから現物に当たったわけではないが、比較研究した資料なんかを見ると、日本の教科書なんかは比較にならないぐらい、やはりものすごくナショナルリズムに満ちた教科書になっているし、むしろ日本の教科書というのは無国籍に近い性格のものだから、そういうさまざまな思想、信条、考え方の立場の違いの中で、賛否、いろいろな議論があるのは、これはもう必然だろう。ただ、やはり公教育である以上は、現在のコンセンサスの所在というのは見逃したらならないだろうし、踏み外してはならないので、今の教育長の答弁で了としたいと思うが、教育基本法の教育の目的の中でうたわれている教育が公教育の中で実現、達成されるように、やはり努力していっていただきたい。

 続けて、もう1点。少し古い話で申し訳ないが、昨年の第3回定例会の一般質問、私どもの阿部喜見子議員の質問に対する当時の近藤教育長の答弁で気になる部分がずっとあって、今回、区民文教委員会の委員になったので、この機会にただしておきたい。

 男女混合名簿についての議論の中で、当時の近藤教育長の答弁に、女らしさや男らしさをすべて否定するような誤った考え方としてのジェンダーフリーに基づくものではないという答弁があって、一つは、誤った考え方というのがジェンダーフリーという言葉に掛かるのか、それとも別のものを指すのか。もう一つは、女らしさ、あるいは男らしさという言葉が具体的には何を意味するのか。議会の場での答弁の用語として、それぞれ個人差のある解釈があっては困るので、具体的に女らしさ、あるいは男らしさというものが何を意味するのか、答えていただきたい。



◎教育長(久保孝之君) 

 先の教育長の答弁であったので、私の方でそれが何であると申し上げるのは不適切な部分もあるかと思うが、これは確か、男女混合名簿について、当時、東京都教育委員会が、誤ったジェンダーフリー的な考え方による男女混合名簿の導入は望ましくないということで、これはやめなさいという意味の通知を流したときの議論だったと思う。私どもは、その中では、基本的に、ジェンダーフリーというその言葉の用語そのものが必ずしも何を表しているかについてはいろいろ多義的に解釈されていて、その中で東京都が言うのが、例えば男らしさや女らしさをすべて否定するという意味で、ジェンダーフリーという言葉をもし使うものであれば、そういうことではないだろうという意味でそれを捉えて、私どもとしては、私どもが男女別の名簿を進めている部分もあるが、これについては特に考え方を変更する必要はないということを申し上げる際に、そうした発言があったかと思う。

 ではすべてジェンダーフリーが誤った考え方かどうかということについては、またこれも、先ほど言ったように、ジェンダーフリーという言葉の捉え方、その多義的な解釈の中のどういう解釈をとるかによって違うと思うから、これは、一律、誤ったとはなかなか言いにくいだろうと思う。と同時に、女らしさや男らしさをすべて否定するというときの女らしさや男らしさ、あるいは男らしさや女らしさというものが何であるかということについては、私としても非常に答えづらい話であって、率直に言って何だということについては規定ができないかなと思っている。ただ、男女の性差というのは、これは明快にあるわけで、その性差に基づいて、ある一定の社会や一定の地域や、あるいは一定のそういう成長過程だとかということの中で、それぞれ一定の感覚なり、あるいは一定の捉え方、あるいは一定の行動パターンというものを特徴的に捉えて、あれは女らしい、あれは男らしいと思う個別の要素はあるかと思う。ただ、それを、では具体的に何かを私に規定しろと言われても、私はなかなか規定し切れないものがあるので、そういう点では、このジェンダーフリーという言葉と、これがすべてを否定するということになるのかどうかについては、私のレベルでは何がどうだと今申し上げることはなかなかできないというのが実態である。



◆委員(江木義昭君) 

 ジェンダーという言葉自体は、一般的に言われている社会的性差という言葉で、私、個人的には、あえてジェンダーという言い方をする必然性がどれだけあるのかというのは少し疑問な部分もあるが、ただ、こういう議論の背景にあるのは、一つは、男女雇用機会均等法の施行以降のやはり男女共同参画社会の実現という一つの目的というか、方向性を前提にしての議論の中で行われているもので、以前、テレビでちょっとした実験をやっていたのを見たことがある。どういう実験かというと、駅のトイレで男女のマーク、ズボンをはいた人形とスカートをはいた人形、男のマークは青で、女性のマークが赤。その色を取り替える。ズボンをはいた人形のマークの方を赤色にして、スカートをはいた人形の方を青色にする。何時間か、定点カメラで観測していると、100%、日本人のお客さんは間違える。男性は、1回、女性の、要するに青いスカートをはいた人形の方に入って、慌てて飛び出してくる。女性のお客さんは、赤いズボンをはいたマークの方に入って、慌てて飛び出してくる。外国人の方は絶対間違えない。男性は赤いズボンのマークの方に入るし、女性は青いスカートのマークの方に入る。具体的に言えば、それがジェンダーだろう。

 まさしく、いわゆる男女共同参画社会が実現しようとしているものというのは、実は、現実には共同参画できていないバリアがあるから、それを克服していこうという目的が背景にある。そのときに、では男らしさ、女らしさという言葉がどういう社会的な意味を持つのかということはやはり考えないといけないだろう。個人的におしゃべりをしている中で、今の若貴のけんかは男らしいとか男らしくないとか、そういう茶飲み話をしているときと、議会の中で男女共同参画社会の実現を目指す方向の中での議論の男女混合名簿という問題提起に対して男らしさ、女らしさという言葉を、それもすべて否定するものではないという形で使うことが果たして妥当かどうか。教育長自身、言われたように、それは、当時の近藤教育長が何をもって男らしさ、女らしさと考えていたかというのは類推しがたい。受け取る人、話す人、それぞれにおいて、やはり何が男らしいことで、何が女らしいことかというのは、千差万別、何の規定もないから、一般的に言われる男らしさ、女らしさというものは、教育長が言われた生物としての性差というのとは全く違う意味、内容を持っている。

 もう1点、やはり留意しておかなければならないのは、性同一性障害の人たちが、いわゆるその男らしさ、女らしさという言葉によってどれだけ深く傷付いてきているか、傷付けられているかということは考えないといけないだろう。そういう意味で、改めてこの女らしさや男らしさ、すべてを否定するような云々という答弁が今もって妥当であると考えるかどうか、尋ねたい。



◎教育長(久保孝之君) 

 率直に申し上げて、男らしさ、女らしさをどのように規定されたかについては、私には分からないところがある。学習指導要領の中で、男らしさを育てるとか女らしさを育てるということはない。学習指導要領の中では、男女のそれぞれの性差を踏まえて、相互に理解を深めていく教育をするという形になっている。そういう点で考えても、私どもは、殊さら男らしさ、女らしさということにこだわって教育問題を考える必要はないのかなとは思っているが、その中で、当時改められようとしていた背景を見ると、男女混合名簿が極めて機械的に行われて、結果として、例えば、保健体育なんかのところで、健診なんかのところでも、ある一定の年齢に達している子供たちであるにもかかわらず、その機械的な名簿の順番で健診に回るがためにお互いに気まずい思いをするとか、そういう事態が発生をしたとかいうことがいろいろと言われておって、そういう取扱いは必ずしも妥当ではないのではないかという、そうした議論が行われたと認識している。それが男らしさ、女らしさと表現すべき中身であったかどうかについては、ここではにわかに申し上げにくいが、私であれば、性差と、それに伴う社会的ないろいろな慣習や何かがいまだに現実にあるという中で、それをむとんちゃくにやるのは好ましくないと答弁したかもしれない。



◆委員(江木義昭君) 

 当時の東京都教育委員会の一つの見解の内容がこういうものでしたから、なかなかにわかにそれを正面切って否定するというのは、官僚の立場としてはしんどいところだろう。ただ、先ほど言ったように、やはり男らしさ、女らしさという言葉を公的な場で、それも教育についての議論の、また男女共同参画社会の実現を目指すというテーマの中での議論の中でこういう言葉を使うというのは、甚だ政治的にも、あるいは対人関係的にもデリカシーに欠ける言葉だろうという批判の観点については、これは別に前教育長に対してではなくて、本元の東京都教育委員会に対する見解としてやはり留保しておくべきだろうという感想を述べ、私の質問を終わる。



○委員長(小池武二君) 

 ほかになければ、以上で区民文教委員会を閉会する。

     午後3時50分閉会