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東京都 墨田区

平成16年  災害対策特別委員会 12月24日−01号




平成16年  災害対策特別委員会 − 12月24日−01号







平成16年  災害対策特別委員会



          災害対策特別委員会記録

1 開会、閉会について

  平成16年12月24日午前10時03分、第2委員会室において開会し、同日午前11時14分閉会した。

2 出席委員氏名

   松野弘子君    鈴木順子君    木村たけつか君

   千野美智子君   藤崎よしのり君  木内 清君

   阿部幸男君    槐  勲君

3 出席理事者職氏名

   助役       総務部長     地域振興部長

   田中 進君    深野紀幸君    宍戸 亮君

   都市計画部長   都市整備担当部長

   渡会順久君    河上俊郎君

4 特別出席者職氏名

   議長

   中嶋常夫君

5 議事

(1)付託事項の調査

  ア 新防災対策検討委員会報告について

  イ 中央防災会議による首都直下地震被害想定について

    上記事項について理事者から説明を聴取し、質疑応答及び意見交換を行った。

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             会議の概要は、次のとおりである。

                             午前10時03分開会



○委員長(松野弘子君) 

 ただいまから、災害対策特別委員会を開会する。

 早速、議事に入る。

 付託事項の調査を行う。

 当委員会の調査事項は、「災害に対する諸問題について総合的に調査し対策を検討する」こととなっている。

 本日は、「新防災対策検討委員会報告について」及び「中央防災会議による首都直下地震被害想定について」、理事者から説明を聴取する。



◎地域振興部長(宍戸亮君) 

 報告の第1であるが、墨田区新防災対策検討委員会の報告についてである。

 このことについては、今年の5月31日、第1回の検討会を開催して以来、延べ5回の検討会を行い、11月26日に報告書としてまとめられ、区に報告があった。副題は、「防災から減災へ」としている。その概要について、順次報告申し上げる。

 手元の報告書の最後のページに検討委員会委員の名簿がある。ここにあるように、東京大学の小出教授を委員長として構成する委員会と、委員会のもとに設置したワーキングで連携をとりながら検討を行ってきた。その結果、今後、本区の防災対策を実施していく上で考慮していく視点だとか目標、あるいは短期的な施策、中長期的施策等についてさまざまな提案をいただいた。報告書は、図版等一部カラー刷りで製本して配布する予定であるが、本日は時間の都合上、白黒刷りで資料を用意しているので、多少見にくいところは容赦いただきたい。

 まず、1ページをお開き願う。

 序として、墨田区新防災対策の提案に当たっての考え方である。一連の防災プロセスとしては、災害発生、それから応急対策、そして復興対策、その中で減災の戦略を考えてリスクを軽減して、さらに災害への備えということを流れとしては考えているわけである。こうした流れのうち、墨田区地域防災計画や墨田区災害復興基本条例ではカバーしきれていない減災計画を策定し、それによるリスクの軽減と災害の予防、そして災害への備えをするといった領域で一貫した減災対策を打ち出すことを目的とした。こうした計画の提言について、調査検討の全体の枠組みについては前のページの図のとおりであるので、後ほど参考にしていただきたい。

 次に、現状の認識と新防災対策を展開する際の視点についてである。2ページをお開き願う。

 阪神・淡路大震災以来の直下型地震において、建物の倒壊による被害が最も大きくて耐震化対策が急務となっている。しかし、区で行っている「民間建築物耐震診断助成事業」については十分な実績件数が上がっていない。そこで、新防災対策の具体化に向け、(1)として、耐震化対策面での課題ということで、建築物の診断から補修・改修、建替えまでハード面での施策を継続的に実施し、地域の防災力を向上させることが重要であると考えられる。そのために、1)から5)まで具体的な課題を提言している。一つは、包括的な耐震化支援策を実施する。そして、二つ目としては、耐震化対策の重要性を区民にPRして、その効果について十分認識を深めてもらう必要があるだろうということである。また、三つ目としては、地域におかれたさまざまな防災上の特性を踏まえた防災対策を実施することも重要である。また、四つ目としては、区民が安心して防災関連の施策、支援策を活用できる環境づくりである。五つ目としては、地域の専門家や地元の工務店などの人材を活用することで、きめの細かい耐震化支援施策を展開することが重要であると考えられる。こういう取組みを行うことで、地域の雇用の創出にも資する効果が期待できると考えられる。

 次に、3ページであるが、(2)防災活動面での課題である。

 まず、少子・高齢化が進む中で、地域コミュニティの活性化を含めた効果的な展開を図ることが重要である。また、地域防災活動拠点会議を通じ、コミュニティの維持であるとか発展にも資する新しい防災活動だとか、あるいは多様化、個性化、さらには活性化の支援をしたり、活動情報を広く区民に発信して情報を共有していくこと、あるいは地域の防災力の自己評価とそれを活用できる仕組みをつくることも重要ではないかと思っている。

 次に、5ページであるが、街区レベルの防災性評価のシミュレーションを行った。区内の建築物の更新の状況、例えば建築の年次だとか、あるいは構造、それからGIS、地図情報の新技術を活用し、「建物倒壊危険度」と「火災危険度」、そして「活動困難危険度」の三つの項目で評価をシミュレーションし、街区レベルで防災性の評価分析をした。

 なお、危険度の評価基準と評価ランク及びそれぞれのシミュレーションの結果については、5ページと6ページのとおりである。先ほど申し上げたように白黒の図面であるので、見苦しい点は容赦願いたい。

 また、それらの三つのシミュレーション結果を重ね合わせて、(2)総合危険度の高い地域、すなわち緊急対応地域の抽出を行った。その際、7ページにある表2の基準を設定し、「建物倒壊危険度」と「火災危険度」についてはランクの3、そして、「活動困難危険度」についてはランク2と3に該当する地域について、緊急対応が必要と考えられる緊急対応地域として抽出した。その結果、7ページの図3のとおり、「建物倒壊危険度」、「火災危険度」、そして「活動困難危険度」のすべての面で問題のある地域が北部地域の木造密集市街地の一部に集中していることが明らかとなった。

 次に8ページであるが、これまで述べたことを踏まえて、今後の墨田区の新防災対策の展開を考察していくために三つの視点を考えていくことが重要ではないかと検討した。

 1点目は、重点施策を行うメリハリのある防災対策の実施である。それから、2点目としては、防災対策に積極的な地域と人材を育成し、支援をしていく。そういう防災対策が今後重要ではないかということである。いわば、これはやる気の出る防災対策の実施ということである。それから、3点目は、これまで区が中心となって行ってきた防災対策、すなわち公助だけではなくて、既に進められている防災まちづくりの取組みを発展させるとともにボランティアの組織化を行うなど、地域経済の循環あるいは活性化に資する防災対策を実施していく視点である。そういうことで、中長期的に、自助、共助、公助に支えられた地域防災システムの構築を図ることが重要と考えられる。

 こうした視点から、墨田区新防災対策の提案として短期的な目標を4点、それから中長期的な目標を3点掲げている。短期的な目標として、生活空間の安全確保、市街地として甚大な被害発生が予想される緊急対応地区での緊急対策の実施、そして、専門家と住民のパートナーシップづくり、さらには防災活動を側面から支援するハード・ソフト対策の実施ということがある。中長期的な目標としては、次ページに掲げる三つの目標を考えている。

 そういうことで、この墨田区新防災対策における短期的施策について、11ページ以降に具体的に提言をしている。

 まず、墨田区新防災対策における短期的施策の(1)であるが、生活空間安全確保事業の実施である。この制度は、区内全域を対象に震災が発生したときに、建物の倒壊や家具などの転倒などから人命を守るための最低限の生活空間を確保するということを目的として実施したらどうかということである。このために、区独自の「生活空間安全チェックシート」をつくり、区民に配布して、区民自らがまず生活空間の中の危険を発見するとか、あるいは安全性を確認できるようにサポートする。危険な箇所が発見された場合には、生活空間の安全性を確保するために専門家を派遣する。それについては、13ページから14ページに「防災まちづくり推進員」、それから「街のホームドクター」という専門家を考えている。こういう専門家によって区民の相談に応じるわけである。具体的には、実際に建物の部分改修だとか家具の転倒防止、耐震ベッドの購入とかガラスの飛散防止だとかブロック塀の転倒の防止など、そういったものを行う場合の相談あるいは助言等を行うことが考えられる。こういう緊急対策としては、検討会の中では5年間程度の期限付きで実施することで検討された。

 このため、制度として、ここにあるように?と?を考えている。?は、家具の転倒防止、出入口の安全確保を図るための施設の改修工事費の助成が考えられる。これによって、震災のときに身の安全だとか、あるいは家の避難口の確保を図るということで、室内にいるときの安全だとか、あるいは周辺の住宅や道路へ被害が波及することを最小限に抑えるということが可能となる。また、?では、塀の転倒防止だとか建物の落下物防止などに関する助成制度を検討し、地域の防災活動員を派遣するという考えである。これによって、区民が行う建物などの落下物の安全の点検と改善のための技術的支援を行って、震災の際の安全な避難路の確保も図る。

 この制度の効果としては、12ページに掲げるようなものが考えられるが、家具の転倒防止などの支援策は、対象を木造の家屋だけではなくて、マンションの居住空間も含めてかなり全域にわたって行うことが重要であると考えられる。また、生活空間の安全確保の取組みは、住民の創意工夫だとか、あるいは専門家の協力によって低コストで短期間に実現が可能ではないかと考えている。そういう意味では、専門家だとか学識経験者あるいは工務店などを交えたワーキングをつくって、先ほどの「生活空間安全チェックシート」を作成し、点検をしていく。

 また、生活空間の安全確保のための工事費の助成については、ワーキングを通じて対策だとか工費のメニュー化を行う中で、今後費用について精査をして予算確保を図るものとしている。

 墨田区新防災対策における短期的施策の(2)は、先ほど申し上げた派遣をする専門家の「街のホームドクター」や「防災まちづくり推進員」制度である。地元の弁護士あるいは建築士事務所協会や工務店などの協力を得て、地域の防災活動を支援する専門家を「街のホームドクター」として位置付ける。また、区民を対象に、「防災まちづくり推進員」の育成を図って活用しようということである。こういう「街のホームドクター」、「防災まちづくり推進員」に地元の住民が協力し合うことで、地域ぐるみの生活空間の安全の確保と耐震化の診断、そして、耐震改修を行う仕組みを整備するものである。

 13ページの図6に、「街のホームドクター」のイメージを掲げている。こうした身近な地域にいる専門家であれば、区民も安心して耐震診断などの相談に乗ることができると考えられる。また、地域防災活動拠点会議をおおむね八つほどのグループにまとめて配置し、担当地区ということで相談員等が地元の相談に乗ったり、一定の知識を習得した区民を「防災まちづくり推進員」として認定して活動を行う、あるいはサポートを行うということを考えている。

 次に、墨田区新防災対策における短期的施策の(3)であるが、これについては14ページである。防災政策評価システム及び地域防災活動支援システム「安全くん」と名付けているが、この構築である。この概要について14ページに掲げてあるが、政策を立案していくインフラとして、先ほど申し上げたGISのデータからさらに地形を整理活用し、行政資産を有効に活用していこうという新しいツール、道具である。いわゆる先ほどのメリハリのある防災対策を科学的にこれによって提示し、区民にも新防災対策を合理的に説明をする道具として機能する。行政内部での活用も期待できるし、もう一方では、市民が地域防災活動拠点会議などで具体的に災害像をイメージしやすいという利点もあるほか、GISの更新機能を使って、そのデータを読み込むことによってリアルタイムで市街地の現状を理解できるというメリットも期待できる。こういったシステムの概要は、15ページの図7のとおりである。また、システム導入のフローは図8で16ページに掲げている。

 墨田区新防災対策における短期的施策の(4)である。緊急防災まちづくり支援制度の実施である。

 先ほどの緊急対応地域を対象として、未整備の都市計画道路や主要な生活道路沿道の建築不燃化にあわせて、それらの周辺で建築物の耐震化を重点支援するということであり、これにより地域の防災性の向上を短期間で実現しようとするものである。

 制度の概要として、大きく二つある。?として、沿道不燃化促進助成金交付制度である。また、?として、木造住宅リフォーム促進助成金交付制度を考えている。

 まず、?であるが、この制度は、木造密集市街地において、延焼を効果的に遮断しようということであり、主要生活道路、未整備の都市計画道路のうち特に延焼の防止効果の高い路線について、緊急的に沿道不燃化を進めて発災時に人的被害者の出ない地域環境をつくろうということである。対象の建築物については、図9に試案として示した。例えば鐘ヶ淵通りだとか八広中央通りの沿道30メートル及び東向島生活道路(仮)沿道の不燃化建築物が考えられる。

 なお、こういった路線の選定については、先ほど述べた防災政策評価システムにより、費用も含めて路線の精査を行った上で制度の実施を図るとしている。助成金は、ここに掲げるような加算額、それから1棟当たりの助成額を提案しているが、これは建替えの費用の平均の1割に相当するようにした。また、助成の場合には高齢者世帯にも配慮するということが考えられる。

 次に、?であるが、木造住宅リフォーム促進助成金交付制度については、区内全域の木造住宅の耐震化を進めるということで無料の耐震診断を行うとともに、耐震改修費の助成を行ってはどうかという提案である。これについては、耐震改修費助成額の上乗せを行ってはどうかということであり、三つの場合を想定している。

 ?−1では、木造住宅の無料の耐震診断を行って、その次に、区長が認定した「木造住宅耐震診断士」を派遣し、調査を行って相談に対応しようということである。現行では、助成金額5万円であるが、それを引き上げてはどうかということである。

 また、?−2として、新規に木造住宅耐震化支援事業を考えた。木造の個人住宅で耐震診断の結果、総合評点が1.0以下と評価された場合の住宅に対して費用の助成を行う。

 それから、三つ目としては、住宅修築資金のあっせんということで、耐震改修に併せてバリアフリーなどのリフォームを行う場合の利子補助等を考えている。

 墨田区新防災対策における短期的施策の(5)であるが、防災活動を側面から支援するハード・ソフト対策の実施について1)から3)まで考えている。コンペティションを行って優秀な改修事例をPRあるいは表彰してあげたらどうかとか、避難所となる小中学校の校舎、体育館などの安全性を確保していこうということ、あるいは防災教育を通じて、特に中学生とか高校生は災害時には要援護者でもあるが、場合によれば地域の方々を助ける、そういう援護者としての活動も担えるのではないかという提案である。

 それから、20ページであるが、墨田区新防災対策における中長期施策である。

 (1)としては、「防災まちづくりセンター」を設置し、ここを市民だとか企業、大学、行政などが協力して防災まちづくりを進める拠点として、その場所を活用して対応していったらどうかということである。

 (2)としては、身近な防災まちづくり支援事業である。地域の創意工夫を活用していこうという考え方である。

 それから、(3)であるが、デジタル防災情報による発災時情報共有システムの構築であり、これは防災無線のデジタル化が今後の目標で、平成22年度内のデジタル化が急務になっているので、これにあわせた発災時の情報共有システムを構築していこうということである。

 墨田区新防災対策における中長期施策の中での(4)であるが、非木造建築物改修支援制度について提言している。この制度については、非木造建築物については、耐震改修を促進するために予備診断を行って本診断に進み、建築物の改修という一連のプロセスを支援する制度として検討したものである。こういった流れでの相談あるいは診断費用の助成、さらにはリフォーム等での支援を提言している。

 (5)は、防災まちづくりファンドの創設である。区内の企業、区民、行政の出資によってこういった資金を調達して、効果的に活用していこうという提案である。

 検討会の報告は以上のとおりである。

 この報告書に盛り込まれたさまざまな提案は、区として十分に精査、研究し、施策化に向けて現在検討を行っている。今後、報告していただいたさまざまな提案、仕組みを組み合わせて、自助、共助、公助に支えられた減災に向けての区の防災システムの展開を図っていきたい。

 引き続き、報告の2点目である。中央防災会議による首都直下地震被害想定についてである。1枚の横書きの資料である。

 平成16年12月15日に政府の中央防災会議が、首都直下で地震が発生した場合の被害想定を発表している。近い将来発生する蓋然性が比較的高くて、都心部だとか、その周辺で発生が予想される18タイプの地震動を想定地震動として選定している。今回の想定では、発生の季節と時刻を冬の朝5時と秋の朝8時、夏の昼の12時、冬の夕方6時という、4種類の特徴的なシーンを設定している。また、風速であるが、3メートルと15メートルという2種類のシーンを設定している。風速3メートルは、阪神・淡路大震災並みの風速である。また、15メートルは関東大震災並みの風速である。これらのうち、墨田区に大規模な被害が起こるということが想定される三つの被害想定について資料で示した。

 なお、新聞等ではカラー刷りでプロットした図が参考に発表されているが、個々の区のデータについては発表されていないので、併せて申し上げる。

 まず、表の1の東京湾北部地震である。これは、江東区の沿岸部を震源とするマグニチュード7.3の地震が起きた場合の被害想定であり、1−(1)−?に、発生時間が18時で風速が秒速15メートルの場合で建物の被害を示している。建物の被害、これは全壊であるが、合計85万棟であり、65万棟、約77%が火災で、15万棟、18%が揺れによる全壊ということである。また、液状化によるものも3万3,000棟あり、急傾斜地が原因で壊れるものが1万2,000棟となっている。東京都は、都道府県別で見ると合計で

 53万棟の被害になっている。

 また、その右側の1−(1)−?であるが、これは同じ条件下での死亡者数を示している。合計1万1,000人が亡くなると想定しており、そのうち4,100人、37%が災害の要援護者となっている。死亡原因は、火災が57%、次いで建物倒壊によるものが28%であるが、全死者の約3%の400人については、屋内の収容物の移動だとか転倒が原因である。また、ブロック塀あるいは屋外の落下物などによる死者が7%となっている。東京都では合計で7,800人の死亡が想定されている。

 次に、下段の表であるが、1−(2)−?である。これについては、発生時間が18時で風速が毎秒3メートルの場合の建物の被害である。上と比較していただくと分かるが、全壊被害合計が48万棟で、風が弱いと少なくなっていくのではないかと想定される。48万棟のうちの60%が火災で、15万棟の31%が揺れによる全壊である。東京都は合計で30万棟の被害である。

 右側の1−(2)−?については、その場合の死者数を示している。7,100人が合計で亡くなられる。原因は、建物倒壊によって亡くなる方が43%、それから大きいものは火災が2,400人で33%、ブロック塀等の落下物等が11%となっている。風速が3メートルと小さい場合には、火災による建物の被害が45%となり、死亡者数40%と少し低くなっている。

 次に、裏面である。2の都心東部直下地震の場合である。震源は霞ヶ関周辺でマグニチュード6.9であり、2−(1)−?に発生時間が18時で風速15メートルの場合の建物被害を、2−(1)−?にその場合の死者数を示している。建物被害では68万棟、それから死亡者数については1万1,000人という状況である。

 また、3では、都心西部直下地震で、震源地は都庁の直下、マグニチュード6.9の場合の建物被害と死亡者数を示している。

 参考に、平成9年に東京都が行った被害想定を下の小さな枠に示して比較している。東京都のこの被害想定は、区部直下の地震でマグニチュードは7.2、風速が6メートルで若干先ほどのデータとは違っているが、冬の平日の午後6時である。風速についての違い、あるいはマグニチュードの違いが若干あるが、相対的にはほぼ同じような被害のデータである。ただ、風速が非常に強まると、それだけ被害も甚大になるということはよく分かる。

 今後、国では、交通機関であるとか、あるいはライフラインの影響を踏まえて、報告をさらにまとめて年明けに出すと聞いている。



○委員長(松野弘子君) 

 ただいまの説明について、何か質疑、意見はあるか。



◆委員(木内清君) 

 検討委員会からの報告を今聞いて、大変すばらしい報告内容であると思った。各事実関係を認識しているワーキングメンバーからの意見を取り入れられている。墨田区は震災には大変努力をしなければいけない区であるが、今まではハード的な面は最初のページにあるような形でやってきた。次の段階で、町会、自治会を活用しながら実際の動きになってきたときに、町会関係を含めて専門的な認識、またその協力というのは区ではどう考えているのかというのが、今、阪神・淡路大震災そして新潟県中越地震からより求められている。そういう方向性がこの時期にしっかりとした形で報告された。行政側としては、いかにこの報告に基づいて行うかである。担当の考え方を含めて、これから墨田区の動きをこの報告を受けてやるべき姿勢をしっかりと見せるためには、助役はこの報告をどの程度受け止めて、これを次の予算化に向けてどのように考えているのか、お答えいただきたい。



◎助役(田中進君) 

 墨田区は過去に非常に大きい災害に遭い、その反省から全国に先駆けて不燃化を進めてきた。長年やってきた成果があり、区全体では60%、南部、北部においては格差があり、まだまだ問題は残されているが、ソフト対策もあわせてやってきた。

 この間、10年前に阪神・淡路大震災があり、建物倒壊、あるいは家具の落下によって非常に被害が出たということがあり、防災計画も見直したが、やはり従来、区が重点的に進めてきた不燃化に加えて、やはり耐震化、壊れないまちづくりと言っているが、そういうものにも取り組む必要があるのではないかという問題意識がある。そういう観点を加えた形で新しい防災対策を構築する必要があるということで今回研究会を立ち上げて、こういう答申もいただいた。

 ちょうど国の中央防災会議の結果も出ているので、そういうことも踏まえて、ぜひこの研究会の答申の趣旨を生かした形で、来年度以降、予算化につなげていきたいと基本的には考えている。



◆委員(木内清君) 

 いろいろな形で災害が起こった後の復興を考えると、それは国の動き、東京都の動きよりも、区の今までの積上げというものは復興の期間やそこに住んでいる住民の認識を含めて大変差が出る可能性がある。そういう点からすると、今墨田区でこの報告書に基づいた動きを早急に実行に移し、また、それを行政側がしっかりと受け止めてやるということをお願いしていきたい。

 具体的に、全世帯に「生活空間安全チェックシート」で自らチェックをしようという内容を提案されているが、これはやはり早急にやるべきである。その次に、「街のホームドクター」制度が認識されて動きが始まれば、大変効果的な制度である。

 「防災まちづくり推進員」については、一定のはっきりとした動きがあれば、各町会、自治会の中でも新たな推進員を含めて組織が確立されるのではないか。「生活空間安全チェックシート」について、担当では改めてどういう考え方を持っているのか。



◎地域振興部長(宍戸亮君) 

 先ほども申し上げたが、「生活空間安全チェックシート」をつくっていく際には、ワーキングをつくり、建築であるとか、まちづくり、さらには防災のそれぞれの専門分野の者が集まり、皆さんに使いやすい形でまとめていきたい。それを個々の皆さんに点検していただき、さらに、その結果に基づいてそれをアドバイスするような先ほどのシステムを考えているので、よろしくお願いしたい。



◆委員(木内清君) 

 「生活空間安全チェックシート」の内容は、まただんだんと明らかになると思うが、自らがチェックして、すぐ対応できるものと対応できないものがどういう形ではっきりしてくるかが、区民がチェックした後に感じる度合いである。その中で、ここの部分は自らの責任で早急に対処しなければいけないという気持ちを与えるようなチェックの仕方を工夫していただきたい。

 その中で、町会組織をどのような形でそれに作用させていくかということがあるが、この「生活空間安全チェックシート」の中身は、ある意味で町会の組織が十分認識した上で、全世帯に配布されることも大事であるから、その組織を活用しながら全世帯に配布されるという動きも考えていただきたい。

 「街のホームドクター」については、これはブロックの方式をとるのか、墨田区全体的な幅でやるのか、危険地域についてはそれなりの指定をして動くのか、その動きについてはどのような考え方なのか。



◎地域振興部長(宍戸亮君) 

 まず、1点目の「生活空間安全チェックシート」であるが、自分で点検できる部分は、住まいの中の転倒防止の措置の状況であるとか、危ないところの点検があるだろう。また、出入口がいざというときに出られない、あるいは逃げられないというのではいけないので、そういった点検あるいはベッドの周辺、寝る場所ではどういう危ないものがあるのかというのをチェックしていただくことがある。

 また、もう一方で、隣に大きなマンションがあるとかビルがあるというときに、例えば看板類とか屋上にあるものとか、さらには、道路沿いにある自動販売機だとか、場合によればブロック塀などもあるかもしれない。そういったものをご自身もそうであるし、地域の方も一緒になって点検をしていただきたい。そういう部分については、個人ではなかなか是正が、あるいは要望ができないだろうから、そういったものをチェックして、場合によれば、地域の皆さんがそういったところの方々に要望する、あるいは「街のホームドクター」等が一緒になってアドバイスをしながら直していくとか、そういったことが考えられる。町会の防災部の組織があるし、それぞれ皆さんいろいろと普段から考えていることがあると思うので、皆さんの意見を伺いながらより良いものにしていきたい。

 それから、「街のホームドクター」の活用であるが、今のところ、検討会では八つほどのブロックにそれぞれ担当を決めるような形でどうかという意見が強かったが、スタートするときにいきなり「街のホームドクター」を8人確保できるかというと、なかなか難しい。今後の考え方であるが、例えば何人か確保できた方々に、初めのうちは区内全域についてアドバイスなりができるような形にして、さらにそういう方々が確保できれば、順次地域ごとに担当を決めさせていただくということも考えていきたい。



◆委員(木内清君) 

 担当部長としては、この報告に基づいて一つ一つ確実にそういう方針を確認しながら行うことも大事であるが、担当の部門では、早急にやってほしいというものがあれば、それはやはり短時間にやらなければいけないと思う。担当課長は、この報告を見て、墨田区のこれから進むべき道が示されたときに、どういう形で時間、動きを考えているのか、担当の防災課長からお願いしたい。



◎防災課長(天野茂君) 

 短期的施策、中長期的施策という二つの分け方があるが、助役から話させていただいたように、防災対策は来るのを待ってはできない話である。できるだけ早急に立ち上げ、特に今回はフェイス・トゥ・フェイスで、地域の安全対策のパートナーシップづくりもあるので、関係機関と至急連絡をとりながら、施策を早急にさせていただきたい。そのときには、よろしく理解と協力をお願いしたい。



◆委員(千野美智子君) 

 防災という点では、区民の一人一人がどこまで自分で防災をやっていくかという自助をどこまで活性化するかが一番重要だということを区民の立場から見ると感じた。そうしたときに、今、木内委員から話があった「街のホームドクター」にチェックをしてもらうことは、かなりの意識を持っている方はする。だけれども、なかなかそういうところに思いが至るかまでは少し疑問を感じる。家具の転倒防止等々、以前にやっていた助成制度が途中で廃止されたと伺っているが、この転倒防止の器具等々を助成してもらいたいという声はすごくたくさんある。私たち公明党も署名運動をしてきて、これは多くの方々の希望である。そういった助成制度を早急にやっていただきたい。そういうものと「生活空間安全チェックシート」等をうまく連動して、「生活空間安全チェックシート」と転倒防止をペアに組むといった工夫というか、そういうことは考えているか。



◎地域振興部長(宍戸亮君) 

 危ないと思っていても家具に傷を付けるとか、あるいは家の中に傷が付くということで躊躇されている方も多いが、そうではなくて、こういう転倒防止の措置をすれば、確実に命が助かるということもあらゆる機会を通じて皆さんにPRしていきたい。また、そういうことをしていただくためにも、今回の「街のホームドクター」制度あるいは「防災まちづくり推進員」制度も活用していったらどうかと思っている。

 そういう意味では、チェックと助成制度というのは、ある程度連動しながら効果的にできるように「生活空間安全チェックシート」をつくっていきたい。



◆委員(千野美智子君) 

 来年度の予算で、この制度が実現できることを希望する。

 もう一つ、21ページにデジタル防災情報による発災時情報共有システムの構築が書かれているが、私たちも本会議等々で災害のメールとか、そういったことをかなり提案させていただいたが、これは具体的にはどういうことを考えているのか。



◎防災課長(天野茂君) 

 情報連絡体制は、防災行政無線と各行政機関のものをもとにして、一方向型と言われるものを中心としている。ただ、指摘のように、双方の被害状況の早期把握ということでは、ある意味では双方向が必要である。互いに情報のやり取りができることも必要であることもあり、今現在、被害状況の把握で、例えば衛星通信、それからさらに携帯のメール機能を使ったり、さまざまなものがあるので、そういうものを踏まえて対応することを考えている。

 また、準備情報ということでは、大地震の前に一定の周波が出るということがあり、その情報をどのような形で伝えるかということも一つの課題として持っているので、それを視野に置きながら検討させていただきたい。



◆委員(千野美智子君) 

 日ごろから区民の防災に対する思いを向上していくためには、災害のメールは、先日のような大雨のときとか、墨田区が直接何か影響を受けた地震が起きたときとか、常日ごろ発信できる状況をつくっておく必要がある。皆さんにメールが届き、それを見ることによって、日ごろから啓発ができるのではないか。こういった災害メール等々を考えていただきたい。要望しておく。



◆委員(鈴木順子君) 

 先ほど部長がこの検討委員会の結果について、5年間の期限付きで実施をすることになっていると話をされていた。「生活空間安全チェックシート」を配布し、そしてサポートしていく、専門家も派遣する。この地図を見ると、北部が大変色濃くなっているが、墨田の全体像として、今あるこの検討委員会が把握されている大変危険度の高い住宅棟数などについて、5年間でどのくらいの規模、どのくらいの計画で進めていくのか。

 それから、先ほど木内委員の質問の中で、助役は答申の趣旨を踏まえて予算化していきたいと答えたが、来年度、どこまでどのくらいの検討をされて予算化されていくのか。例えば、17ページ、19ページの大変緊急を要する場合のいわゆる耐震診断等については無料にする。そして、助成金額についても一定のものにする。私どもも、上限を50万円として耐震改修についてぜひともという要望をさせていただいたが、こういうことが具体的にどの順番で来年度から実施されていくのか。残念ながらもうひとつ見えないので、正確にお答えいただきたい。

 それからもう一つは中長期的になるが、まちの中を見ると5割が非木造建築物、だんだん密集地になっている。空き地の問題である。もちろん財政が逼迫している状況であるが、区が今後空き地を求めていくと。もちろん民間の土地を購入することになるのかもしれないが、そういう点においては、空き地の確保が今二つの震災を経て改めて必要だと思った。その辺についての展望と、もう一つは、小中学校の体育館についての耐震性を高めると書いてあるが、そこについても、来年度はすべて小中学校の耐震化を図るのかどうか、教えていただきたい。

 最後に、白鬚防災拠点の防災設備の見直しに関する要望書を区長と議長の名前で全会一致で都に要望した。処理したと思うが、その返事は具体的にどうなったか。東京都はいまだに返事をしないということか、教えてほしい。



◎地域振興部長(宍戸亮君) 

 緊急度の高いところへの施策で、5年間の期限付きという件であるが、先ほど申し上げたように、検討会の中で、特に生活空間の安全確保事業について委員もなかなか実態としてはすぐにはできないけれども、やはり緊急度が高いということであるので、できるだけそういう期限を付けて皆さんに促進していただくという意味での期限である。私どもとしては、できるだけ早く皆さんに対応していただきたい。

 それから、全体予算の順番であるが、現在、来年度の予算に向けてさまざまな提案をいただいている。緊急にやるべきもの、あるいは短期的にやるべきもの、それから中長期的にやるようなものとか時間もかけないとなかなかできないものもある。地域の方々の協力をいただくような人材の育成とか少し時間がかかるものもあるので、そういう時間的なもの、あるいは予算的なものを含めて、さまざまな施策の中でどういうランク付けというか重み付けというか、そういうものがいいのかということで、現在作業をやっているところであるので、よろしく理解をお願いしたい。

 それから、空き地について、これは非常に重要なところであるが、区内には八つの避難広場を江東区の一部を含めて指定している。仮に復興というときにも、広場というのは非常に大きな役割を果たすので、東京都の都立公園の活用などについても話をしている。

 また、その展望について、例えば今話をしているのは、国技館もあの地域一帯は避難場所となっている。避難場所としては一応了解はいただいているが、さらに、場合によれば国技館の内部の利用もさせていただけないかという話もしている。警備上の問題とかいろいろあるので少し難しそうではあるが、そういった話をしている。

 それから、白鬚防災拠点に対しての要望の結果であるが、その後も都に対して昨年要望した中身についての対応ということで、さらに要望している。東京都は、平成16年度に検討委員会を設けると言っていたが、その辺の内容がいまひとつ東京都としては進んでいないようであるので、さらにまた要望していきたい。

 なお、その要望の中で、墨堤通りの東側の路線についての不燃化事業であるが、現在、東京都と一緒に不燃化の促進の調査を行っている。



◎助役(田中進君) 

 小中学校の耐震化であるが、阪神・淡路大震災があり、非常に建物の倒壊が多かったということで、特に新耐震基準、1981年以前の建物が倒壊したという事実が顕著であった。そういう事実を踏まえて区内の小中学校あるいは公共施設を含めて耐震診断を行った。緊急に工事する必要のあるものについては、小学校、中学校、幾つか実施している。その後は、緊急に行う必要、危険性の度合いはいろいろランクがあるが、やはり危険性のある建物はあるから、それについては、基本計画等で学校については13校の改修計画がある。順次改修を進める中で耐震補強していこうと進めているので、そのように理解いただきたい。

 したがって、来年全部すぐというわけには財政上の問題があるので難しい。順次計画をつくってやっているので、その中でやってまいりたい。

 それから、空き地の確保について話があったが、今部長から現状の施設を有効活用するという話があった。将来的な問題としては、学校の統廃合の後、跡地の活用において、区でも方針をつくったが、非常にまとまった大きな土地であるので、それをぜひ防災面にも活用したいということもある。大きなものとしては、そういった用地の活用を基本に考えている。あとは再開発等で空き地を生み出すとか、いろいろな手法があるが、基本的にはそういう方向で考えている。



◆委員(鈴木順子君) 

 一つは、北部の方に黒い部分、大変危険度の高いところがある。そこに対して、耐震診断、耐震助成が緊急に求められると思うが、順次やっていきたいということである。緊急性を要する木造建築物については、来年度、どの程度予想されておられるのか。

 もう一つは、これをやるについては、当然持家の方や借家の方もいるが、それぞれの了解を得なければいけない。それから、室内の転倒防止についても、非常に意識啓発が必要である。町会、自治会を通して一生懸命やっても、まちの中、例えば15軒、20軒歩いたら、せいぜい1軒か2軒ぐらいしか転倒防止の設備をしていない。私が見る限りではかなりそういうことに無関心というか、関心はあってもやられていないという状況がある。そこに対する意識啓発が非常に強く求められているが、先ほど頑張ってやっていくという話は聞いた。しかし、今求められている室内の転倒防止で40%の方がけがをされるという状況のもとで、意識を変えていくことが非常に大事であるので、その意識啓発の方法を何らかの形で、やはりすべての9万1,000世帯に届く方法をぜひとも考えていただきたい。



◎地域振興部長(宍戸亮君) 

 確かに、建物を直す場合、個人の住宅だったら意識啓発で促進ということがあるが、それ以外に貸間だとか、あるいはマンション等、クリアしなければいけない問題もある。そうはいっても、災害時にはまず命を守るということが重要であるので、区民にまず啓発ということでこういうシステムを今回考えさせていただいた。区民に「街のホームドクター」を派遣して、そういう場で啓発させていただくこともそうである。また、区民に研修をして、そういう中から認定させていただき、「防災まちづくり推進員」に登録してもらうとか、そういったソフト面での充実が提案されている。あるいは皆さんと一緒になって考え、改善していく制度ということで今提案しているので、それに沿った形で努力していきたい。



○委員長(松野弘子君) 

 それでは、ただいまの説明どおり承知願う。

 以上で、災害対策特別委員会を閉会する。

                             午前11時14分閉会