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東京都 新宿区

平成16年  2月 定例会(第1回) 02月26日−02号




平成16年  2月 定例会(第1回) − 02月26日−02号







平成16年  2月 定例会(第1回)



     平成16年第1回定例会会議録(第2日)第2号

平成16年2月26日(木曜日)

出席議員(38名)

  1番   有馬俊郎       2番   鈴木ゆきえ

  3番   赤羽つや子      4番   吉住健一

  5番   おぐら利彦      6番   下村治生

  7番   志田雄一郎      8番   うるしばら順一

  9番   根本二郎      10番   なす雅之

 11番   麻生輝久      12番   川村のりあき

 13番   くまがい澄子    14番   小松政子

 15番   山添 巖      16番   深沢としさだ

 17番   宮坂俊文      18番   桑原公平

 19番   猪爪まさみ     20番   のづたけし

 21番   あざみ民栄     22番   阿部早苗

 23番   近藤なつ子     24番   沢田あゆみ

 25番   小畑通夫      26番   とよしま正雄

 27番   そめたに正明    28番   野口ふみあき

 29番   秋田ひろし     30番   小野きみ子

 31番   久保合介      32番   えのき秀隆

 33番   田中のりひで    34番   笠井つや子

 35番   雨宮武彦      36番   松ヶ谷まさお

 37番   かわの達男     38番   山田敏行

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欠席議員(なし)

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説明のため出席した者の職氏名

 区長     中山弘子     助役     永木秀人

 収入役    佐田俊彦     企画部長   金子良江

 総務部長   石村勲由     区民部長   武井幹雄

 福祉部長   布施一郎     衛生部長   渡邉紀明

 環境土木部長 野口則行     都市計画部長 河村 茂

 企画課長   小?俊彦     予算課長   寺田好孝

 総務課長   酒井敏男     副収入役   村山 昇

 教育委員会           教育委員会

        山?輝雄            今野 隆

 教育長             事務局次長

 選挙管理

 委員会    矢口 亮     常勤監査委員 愛宕昌和

 事務局長

 監査事務局長 馬場慎一

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職務のため出席した議会事務局職員

 局長     根岸紘一     次長     渡部優子

 議事係長   大岡 博     議事主査   谷部とき子

 議事主査   西村 茂     議事主査   松本謙治

                 調査管理係

 議事主査   熊澤 武            太田誠司

                 主査

 書記     川津丈明

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 速記士    田口弥美

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2月26日   議事日程

 日程第1 代表質問

 日程第2 15陳情第41号 金子容子さん救出に関する陳情 −−−−−−−−+

 日程第3 第6号議案 平成15年度新宿区一般会計補正予算(第7号)    |

                           [委員会審査報告]−−+

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△開議 午後2時01分



○議長(山添巖) ただいまから本日の会議を開きます。

 会議録署名議員は、

  14番 小松政子議員  32番 えのき秀隆議員

を指名します。

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○議長(山添巖) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。

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○議長(山添巖) これから、本日の日程に入ります。

 日程第1、代表質問を行います。

 区の一般事務及び教育委員会の事務について質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。

 最初に、9番根本二郎議員。

          〔9番 根本二郎議員登壇、拍手〕



◆9番(根本二郎) 平成16年第1回定例会に際し、私は新宿区議会無所属クラブを代表し、区長に質問いたします。区長の誠意ある御答弁をお願いいたします。

 去る2月23日、区長より議会及び区民に対し、平成16年度の区政の基本方針について説明がなされました。この後、私は基本方針について幾つか質問いたしますが、その前に平成16年度区政の基本方針説明に対する私たちの基本的な見解を申し上げます。

 区長は、一昨年の就任以来「現場主義、透明性、区民との協働」を一貫して言い続けてこられました。そしてまた、23日には区政運営の基本として改めて強調され、その決意のもと、行財政改革や少子高齢社会の対応と安全で安心なまちづくりなど、重点課題の実行について述べられました。

 私たちは昨年5月より、議会の立場で区政運営にかかわってきましたが、この間の区長の一貫した姿勢と貫く信念の強さ、改革への意気込みを確認ことができました。私たちは、区長のこの姿勢と基本方針を支持するともに、平成16年度、区長を先頭に全職員が一丸となって実行されるよう望むものであります。

 以上、申し上げ、具体的な質問に入ります。

 第1に区民を取り巻く経済、社会情勢についてです。

 区長は「景気の動向は明るい兆しがあるとはいえ……不安感が払拭されているとは言えません」と基本方針で述べています。私は、区民の生活は不安が払拭されていないというより、より厳しさを増してきているというのが実感ではないかと思うのです。アメリカのBSE発生により、外食産業が牛丼販売の中止に追い込まれたことは御承知のとおりです。さらに、1月下旬、鳥インフルエンザが発生し、今度は鳥肉です。私の焼き鳥屋でも、焼き鳥の売れ行きがぱたっととまりました。これは、東京都内の食肉業者どこでも共通ですから、新宿区内の鳥肉を扱っている飲食店は相当打撃をこうむっています。不景気で売り上げが落ちているところに二重のパンチです。勤めている人についても、データによれば昨年10月から12月の雇用者報酬は、前年同期比 0.2%減となって依然として下がっている状態です。平成16年度の区民税収入が、今年度に比べ減収を予測せざるを得ないということは、減税による減収があるにしても、このような区民の生活と暮らしの結果であると私は思います。

 そこで、平成16年度、この区民の皆さんが悪戦苦闘に区役所が真に頼られ、役に立つところとして信頼される区政を行えるのかどうかということが問われていると言わなければいけません。区長に、区民の生活の現状認識と平成16年度の区政執行についての御決意のほどを改めてお伺いいたします。

 基本方針説明に対する2つ目の質問は、区長の進める行財政改革についてであります。

 バブル崩壊後の財政危機を乗り越えるべく、この数年、行財政の改革の努力をしてきました。これからの景気動向や、国や都の財政状況を考慮すると、今後ますます厳しい状況を迎えることは間違いありません。したがって、平成16年度行財政の改革は実りあるものにしなければなりません。事業別コスト評価や補助金のあり方、協働推進計画などの提言を尊重し、限りある財源を有効に活用し、区政の重点課題を実行していただきたいと思うのであります。

 そこで、行財政改革の基本は「住民サービスを低下させない」ということであると言いたいのであります。つまり、歳出削減のために第一になすべきことは、職員の意識改革と人件費削減であるということであります。「合併しない宣言」で有名になった福島県矢祭町では、町の機構を可能な限り簡素化して歳出を抑制し、先行き予想される財源の縮小に耐えられる体制をつくるためとして、職員定数 109人に対して現在83人ですが、これを50人体制にすべく機構改革などを進めているとのことであります。これは、合併しないことによる将来の税収減を見込みながらも、それでも住民サービスは低下させない、いや住民サービスを拡充するために行っているとのことであります。

 つまり、職員が意識を変えて自助努力し、地方行政の担い手として地域を支えていくんだという使命感と、美しい自然の中で安心して豊かに暮らせる町、住民一人ひとりが大切にされる町をつくるんだという理念を現実にしようと、町長と職員が一丸になって奮闘しているからできるのだそうであります。小さな町との比較は厳しいかもしれませんが、言いたいことは行財政改革の断行とは、職員が「住民サービスは低下させない」という気概と使命感に立って一丸となることである。まず、区の職員が本気になって痛みを受ける覚悟こそ、区民との信頼関係をつくるのだと申し上げたいのであります。この点はいかがでしょうか、お伺いいたします。

 さらに、今年度も残念ながら職員の不祥事が発生しました。区長は、職員の育成に全力を挙げると決意を述べられています。ぜひ、全力を挙げていただきたいと思うのでありますが、私は職員研修に当たっては、公務員倫理の確立と志の高い職員の養成こそ大事であると考えています。そのことについて、さらに努力することを望みながら、区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、3番目でありますが、補助金のあり方検討について、お尋ねいたします。

 補助金等検討委員会の提言を受け、平成16年度は「補助金等審査委員会」を設置し、補助金について白紙から検討するとしています。私は、各分野の活動的な人々と、この数カ月、補助金問題を中心に懇談会を持ってきました。提言の内容については、皆さん肯定的な評価でした。補助金をもらえるから行っていると見られる事業や、類似の補助金などは整理される必要があるというのが大方の意見でした。しかし、驚いたことに参加者からは区の職員の態度への批判が相次いだのであります。

 例えば、これは最近ということでありませんけれども、「余った補助金を返そうとしたら、必要額を補助したのだから困ると言われて返済できなかった」とか、「同じ窓口でも担当が違うからと答えてくれなかった」など、補助金交付の担当のお役所仕事ぶりへの批判です。まず、区役所から補助金行政と言われる体質を改めなければならないと考えますが、いかがでしょうか、区長の御見解をお伺いいたします。

 もう一つ、基本方針の中での協働の推進についてであります。

 協働推進計画策定委員会の答申に基づき、区案が発表され、平成16年度具体的に事業が進められていくことになっています。この点についても期待しているものであります。私は、「協働」という自治の概念は、単に区役所と区民が協力して働くということのみでなく、区政運営の形態であるととらえています。協働という形態の区政への区民の参加を進めることは、ボランティアやNPO、民間の皆さんの協力を得て、あるいは創意性を生かして、活力のある、しかも低廉な区役所をつくっていくことであると考えます。つまり、少子高齢化や地球環境の汚染など、さまざまな課題を抱え、しかも低成長の時代に幅広い市民の参加によりローコスト、つまり低廉な市政運営を目指すものと言えます。

 例えば、埼玉県志木市では「行政パートナー制度」という市民との協働により、20年後、市の職員を半減させ、義務的経費を大幅に削減する計画を立て、今、実行していると聞いています。新宿区においても、行政評価の手法からも協働推進計画を打ち出すべきと考えていますが、いかがでしょうか。

 以上、基本方針の説明について、お伺いいたします。

 2つ目の質問は、中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(以下、紛争予防条例と略します。)の運用についてであります。

 昭和53年につくられた「紛争予防条例」は、これまで数々の紛争の予防、調整に役立ってきました。しかし、ここのところ有効に機能していないと言わざるを得ません。つまり、建築紛争が生じた場合の調整が有効になされていないということであります。バブル期には、建築業者も余裕があり設計変更や日照被害への配慮に応じてきたが、今は余裕がなくなっていることが背景にあることは事実です。しかし、根本的には平成10年度の建築基準法改正後、確認業務に民間指定機関が参入し、確認審査事務と紛争調整は別々の運用となり、確認は事務的手続に基づきおろさざるを得なくなったところにあると言えます。区の専管事務であった時期には、審査が終了しても紛争調整室で預かり調整するということができたのですが、そのことが今は不可能になりました。したがって、紛争調整に対して建築主側の強行姿勢が目立ちます。建築を確認されてから、いわばお墨付きをもらってから妥協する必要はないからです。

 このような現状において、「いかにして紛争予防条例を有効に機能させるか」であります。平成14年度のデータを見ますと、確認申請件数は 864件、条例に基づく標識設置件数は 215件、紛争相談件数は15件、そして和解等成立件数が9件になっています。標識設置事務の建築に対して、紛争による区への相談件数は率でいえば7%です。そのうち、和解成立率は60%、このデータと中落合三丁目など、最近の私の体験から、中高層建築物に係る近隣紛争の発生率は、そう高くはない。しかし、発生した場合の解決率はかなり低いということが言えます。近隣住民の皆さんは、標識が設置され初めての経験で戸惑いながら、説明会の開催を求めているうちに日がたち建築は確認され、工事が進んでしまうということになってしまっているのであります。標識が設置され、近隣住民から相談があった場合、早い時期に区が有効な調整を行わなければということを示しています。

 私は、この際、紛争予防条例の原則に立ち返り、区長は紛争調整の責務を自覚し、第7条2項、3項に基づき「あっせん」による調整を積極的に行うよう提案します。条例に基づく「あっせん」による調整は、今までほとんど例がなかったように思いますが、現状は第7条に基づく「あっせん」、そして不調の場合は第9条の「調停」、あるいは第14条に基づく工事着手の延期や停止を求める決意で紛争調整に臨まなければ、効力は発揮しないような状態になってしまっている状態です。紛争予防条例の運用の改善について、区長の御見解をお伺いいたします。

 3つ目は、東京都の都市計画再開発方針に対する区長意見についてであります。

 2月3日、新宿区都市計画審議会が開催され、東京都知事から区長あて意見照会された、「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針等の都市計画の決定等について」という表題の適否について審議がなされました。この内容は長くなりますので、説明は省きます。これは、50年後の東京都の都市像を描いて、平成13年度に東京都が作成した「都市づくりビジョン」に整合させて、「整備方針の修正及び文言整理を行った」ということでありますが、従来の整備方針から幾つか重要な修正がありました。例えば、従来使用していた「地域特性を生かしたまちづくり」という言葉が消え、「高密度利用」の推進という表現になっていることなどであります。高密度利用とは、商業系用途地域で容積率 700%から 1,300%、住居系で 400%から 500%の建物を建てることを誘導するということであります。

 このような流れに対して、新宿区の都市計画審議会は附帯意見として以下の2点を付しました。

 1、具体の都市計画を定める場合は、地域特性に十分配慮すること。

 2、公園など自然資源に関する都市計画の扱いについては、保全の観点から慎重を期すること。

 制約された審議時間の中では、適切な附帯意見であると思います。私は、区長にこの姿勢をぜひ守っていただきたいのであります。

 最後に、区長のまちづくりについての構想をお聞かせいただいて、私の質問を終わりとします。御清聴ありがとうございました。(拍手)



◎区長(中山弘子) 根本議員の御質問にお答えします。

 初めに、区民を取り巻く経済、社会情勢についてのお尋ねです。

 日本経済は、景気の回復傾向が見られますが、中小企業や地域経済への波及は一部にとどまっており、雇用や家計のレベルでは回復の実感にはほど遠い状況にあります。このような中で、区民生活にもさまざまな影響がもたらされ、区民の方々の中には生活費にも困窮されている方もおられます。区民の皆様の厳しい生活面については、私は区長として精いっぱい努力をしているところです。

 平成16年度予算でも、生活保護費や就学援助費などについては、相当な経費を充てています。また、長引く景気の低迷で資金繰りに苦しむ中小企業への対策として、商工業資金の貸付を強化しています。また、一方では今年度の重点課題でお示ししたように、区民生活上、直近な問題として、ぜひとも対応しなければならない少子高齢化対策などにも、優先的な財源配分を行っています。私は、今後とも区民の皆様の期待にこたえられるよう、区民の暮らしを支えるための施策の推進に職員と一丸となって取り組んでまいります。

 次に、歳出削減の柱として第一になすべきことは、職員の意識改革と人件費削減ではないかということは御指摘のとおりです。区では、平成15年度から平成19年度までの5年間で再任用職員の活用や事務事業の委託化、組織改正等により 400人の定数削減を目指しております。既に、平成15年度、16年度の2カ年で予定の半数を超える実績となっており、各職場では事務の効率化や職員の能力育成によって、サービスの質を落とさない努力を続けております。職員一人ひとりが改革の痛みを真摯に受けとめ、良質の区民サービスの提供者になれるように努めることで、区民との信頼関係を築いていけるよう、さらに努力してまいります。

 次に、職員の不祥事に関連して公務員倫理の確立と志の高い職員の養成についてのお尋ねです。

 平成14年度に一連の不祥事があり、その再発防止策として平成14年11月に部長会が「区政の信頼を回復するための決議」を行い、その第一に掲げられていたのが「公務員倫理の高揚に努める」ということでした。これを受け、全管理職を対象に公務員倫理研修を行い、今年度も引き続き具体策の検討を続けているところです。こうした中で、再び不祥事が発生したことは、まことに残念で区民の皆様には大変申しわけなく思っております。私は、公務員倫理の確立を図るためには、職員が公務員としての使命を深く自覚し、誇りと情熱を持って区民のための区政を区民と協働して推進することが重要であると認識しています。今後とも、職場研修や風通しのよい職場づくり、情報の共有化などを通じて、公務員倫理の確立を図るとともに、志の高い職員の育成に努めてまいります。

 次に、補助金のあり方検討について、補助金行政を改めるのは、まず区役所側からではないかとのお尋ねです。

 このたび、補助金等検討委員会から受けた提言の中でも、御指摘のような行政の責任、とりわけ職員の意識改革の必要性が指摘されています。職員自身に、区民ニーズに敏感に対応する姿勢や効果的・効率的な事業執行についての認識が欠如していては、区民の皆様に不信感を与える結果となります。補助金の見直しに当たって、区民の皆様や団体との合意形成を図っていくためには、こうした不信感が払拭されるよう、職員の育成に向けた取り組みを強化していかなければならないと考えます。検討委員会の提言にある「職員の意識改革なしに補助金の見直しも行政の体質改善もあり得ない」という結びの言葉をいま一度職員に徹底し、意識改革に取り組んでまいります。

 次に、協働についてお答えいたします。

 御指摘のとおり、さまざまな行政課題を抱える中で、しかも低成長という時代を考えれば、低廉な区政運営を目指すことは大切です。今回の「地域との協働推進計画(案)」では、その基本目標として、「多様で新たな区民ニーズへの対応」「区民の参画意識と主体的な区民活動の促進」「行政の体質改善」の3つを挙げています。この基本目標は、「協働」と「参画」を推進し、分権の時代にふさわしい行政のあり方を指し示したものです。

 「多様で新たな区民ニーズの対応」の中では、協働によって地域の人々に選択性のある効率的なサービスの提供を、また「行政の体質改善」では、協働を推進していくために、これまでの仕事の内容や進め方を改めて見直すこととしています。これらの目標に向けた活動の結果として、効率的な区政運営が図られると考えています。

 次に、中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の運用についてのお尋ねです。

 本条例は、従前より建築紛争の解決手段として、一定の役割を果たしてきたと考えています。しかしながら、昨今の建築規制の緩和や、御指摘にもありました建築確認申請が民間の指定機関に移行したことなどにより、紛争の調整が難しくなってきたことも事実です。今後、私としては、このような状況変化を踏まえて、建築規制や実効性ある紛争調整のあり方、改善について、検討を進めてまいります。

 続きまして、都の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針等の都市計画の案を受けてのまちづくりの構想についてのお尋ねです。

 この都市計画の案は、土地利用及び都市施設並びに市街地開発事業などにかかる個々具体の都市計画を決める際の考え方を方針として包括的に定めたものです。その中で、当区を含む都心地域については、土地の有効高度利用や市街地の更新、木造住宅密集地域の整備などとあわせて、良質な居住環境の創出や歴史的・文化的資源を生かした魅力ある都市空間の形成の方向が示されています。私は、これらの基本方針に即しつつ地域の特性に配慮して、自然環境の保全といった観点も重視し、新宿のまちづくりを進めてまいります。

 以上で答弁を終わります。



◆9番(根本二郎) 自席より発言させていただきます。

 ただいま区長より私の質問に対して答弁をいただきました。

 基本方針については、おおむね私が考えていることと同じような趣旨の答弁をいただいたというふうに思っています。平成16年度は、特に行財政改革等々について、実行の年であります。かなりの決意で、これらの方針について実行されることを望むものであります。

 紛争予防条例については、ぜひ検討するということですから、積極的に検討して実効あるものにしていただきたい。幾つか、ちょうど今年度、不幸にして間に合わなかったということもあるわけですけれども、それを教訓として、ぜひ今後の改善に役立てていただきたい。

 最後の都市計画の問題でありますけれども、地域の特性と自然環境を重視してまちづくりを行うということでありますけれども、ぜひそのような姿勢で続けていただきたいと思うのであります。

 細かい内容については、この後つくられます予算特別委員会で同僚の質問にゆだねます。

 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(山添巖) 次に、30番小野きみ子議員。

          〔30番 小野きみ子議員登壇、拍手〕



◆30番(小野きみ子) 民主・無所属クラブを代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。

 まず、自分で考え、行動する人材を育成する教育について伺います。

 今、日本は大きな曲がり角を曲がり切ってしまいました。戦争体験者である私の年代ばかりでなく、若い人たちも「あすは我が身」という思いからか、緊張感を持ち始めたようです。2月2日、宮崎県の高校3年生が、「武力に頼らないイラク復興支援を求める請願書」を 5,358人分の署名を添えて内閣府に届けました。ところが、小泉首相はこの日の記者会見で「請願書は読みましたか」との質問に「読んでません」とそっけなく答えました。そして、「自衛隊は平和に貢献するんですよ。教師はよくイラクの事情を説明して、国際政治の複雑さを生徒に教えるべきだ」と言ったそうです。がっかりしましたね、この発言には。

 そもそも、米国のイラク攻撃に「大義」がありません。ブッシュ大統領の大義なき戦争につき合った小泉首相によって、イラクに派遣される自衛隊員の戸惑いと苦悩を若い人たちはよく知っています。

 インターネットを使えば、NGO団体のホットな現地情報も得られます。「サマワは、今は平穏だけれども、自衛隊が来れば一転危険地域になる」というNGOの同世代の会員からの声も伝わってくるでしょう。宮崎県の高校3年生は、自分の頭で考えて署名活動という行動に移ったのだと思われます。それを、まるで「教師がたきつけた」といわんばかりの小泉首相の発言は問題です。

 理想的な教師像とは、生徒像とはどういうものなのでしょう。上意下達で、一方的に教師の言うことをうのみにするのがいい生徒ですか。テレビや新聞やインターネットなどで情報を得て、自分で考え行動する生徒は問題のある生徒ですか。そして、教師は政府が発する情報のみを生徒に伝えるのが望ましい教師ですか。新宿区の理想的な教師像とは、生徒像とは、どういうものなのでしょう。区長と教育委員会の見解を伺いたいと思います。

 次に、交通バリアフリーについて伺います。

 2月16日第2回新宿区交通バリアフリー基本構想策定協議会が開かれ、私は傍聴いたしました。交通バリアフリー法が制定されて、はや5年がたとうとしています。全国の多くの自治体が基本構想をつくっているにもかかわらず、乗降客の数が日本一の新宿駅を抱える新宿区が、なぜ動き出さないのか歯がゆく思っていましたのでほっといたしました。しかも、新宿区は28ある鉄道駅すべてが国土交通省が同法の対象とする「1日 5,000人以上の乗降客」という条件を満たしているのですから、最後に横綱登場という期待も持ちました。

 しかし、まず、同協議会の委員名簿を見て、私はちょっと残念でした。公募委員がいなかったからです。区長は御就任以来「公募委員」を積極的に推進してこられたのに、なぜと思いました。理由をお聞かせください。

 同協議会のメンバーとして、障害を持つ方々の団体から代表者が加わっていらっしゃいますし、区民の代表もいらっしゃいます。けれども、いずれも団体を背負っていらっしゃいますから、御意見が一般化するのは避けられません。私は、車いすを使用していらっしゃる方のように、はた目にも障害が歴然とわかる方ばかりでなく、内部障害の方やひざなど、関節が痛んで歩行困難な方、目の焦点が合わなくなった方、妊娠中の女性、赤ちゃんを連れた方、階段を上っただけで疲れる高齢者など、軽度の交通弱者の声がもっと取り入れられてもよかったのにと思いました。ささいな問題でも、当事者にとっては重要であり、日ごろ、その解決策を考え続けている方々です。

 確かに、エレベーターは絶対必要、エスカレーターも絶対必要です。この設置に反対する人はないでしょう。しかし、同協議会が行ったアンケートを見ると、「エスカレーターは下りもつけてほしい」という声が結構あります。ところが、さらに詳細に意見を聞いてみると、高齢者にとって下りのエスカレーターは決して味方ではないことがわかります。まして、目の焦点が合わない人にとっては、動く段差は恐怖の乗り物です。特に、ラッシュアワーは我先にエスカレーターに殺到する人々に押されて、自分の足元が見えませんから、ますます恐ろしいと言います。やむを得ず、苦手の階段を恐る恐るおりることになりますが、JR新宿駅の階段には手すりが両側にしかついていません。幅が4メートル以上の階段には、中央に手すりをつけることが東京都の整備基準ですのに、一向に改善されません。

 エレベーターやエスカレーターが設置されるまでには、長い時間がかかりますが、手すりなら短期間で取りつけられます。大規模改修を待つまでの間にも、転落の危機は存在するのですから、新宿区は地主としてJR新宿駅に対し、階段中央の手すり設置を要請していただけませんか。

 そして、もう一つ、JR新宿駅の通勤電車が発着するホームにベンチがありません。軽度の交通弱者が多数利用しているJR新宿駅に休憩施設がないことは、整備基準に反します。これも要請していただけませんか。

 新宿区はJRに対して、今までどの程度の頻度で接触しておられたのですか。要請して実現する可能性はありますか。可能性が少しでもあるなら、ぜひ要請していただきたいと思いますが、いかがでしょう。そして、今からでも遅くない、公募委員の参加を考えていただけませんか。区長のお考えをお聞かせください。

 続いて、東京都が進める「福祉のまちづくり「特区」モデル事業」について伺います。

 これは、交通バリアフリーと同じ項目の続きになります。

 「新宿区交通バリアフリー基本構想」では、課題が多いと言われる「高田馬場駅周辺」を「新宿駅及び新宿三丁目駅周辺」と並んで重点整備地区に選定しました。私たちは、これを評価しています。しかし、2003年2月25日に完成した新宿駅西口のバリアフリー化を見ておわかりのとおり、多額の費用がかかりますからいいこととわかっていても、着手に踏み切るのは容易ではありません。昨年の第1回定例会で、我が会派の志田議員が「広告物収入でバリアフリー化を推進しては」という提案をしました。この提案は、新宿区では実りませんでしたが、東京都では「屋外広告物条例」を改正して、一歩踏み出しています。しかし、まだ全面的に広告収入を活用するところまでは至っていません。

 そんなときに、東京都が都議会第1回定例会に提案したのが「福祉のまちづくり「特区」モデル事業」です。これは、意欲のある区市町村が駅や商店街などを中心とした特定のエリアを「特区」として指定し、地域特性を踏まえた福祉のまちづくりにモデル的に取り組む住民及び事業者が協働して実施する事業を支援しようという仕組みです。しかし、東京都も渋くて、今回、対象となるのは2区市町村だけなのです。

 支援の内容は、1区市町村に3カ年を限度に区市町村負担の2分の1を都が補助するとし、補助限度額は1億円となっています。つまり、3カ年で6億円規模の事業実施が可能となり、区の持ち出しは3億円で済みます。しかし、この事業は希望する区市町村がプレゼンテーションを実施して、事業をアピールしたものを都が一定の基準に基づく総合評価を行って、2つの自治体を選定するという極めて狭き門となっています。この狭き門を通過するならば、大きなメリットがあるわけですが、もし通過できなければ、新宿区の計画も後退しかねない一種の冒険です。しかし、私は高田馬場駅は周辺の福祉施設立地率が都内屈指の高さである割に、バリアフリー化が大変おくれているなど、東京都の「福祉のまちづくり「特区」モデル事業」の対象地区としてふさわしいエリアであると思っています。

 区長に伺います。新宿区も「福祉のまちづくり「特区」モデル事業」に積極的に臨むべきと思いますが、いかがですか。

 次に、「コミュニティバス」並びに「シャトルバス」について伺います。

 区長は、去る2月23日、本定例会初日の区政の基本方針説明で「これからの高齢者施策は高齢者一人ひとりが元気に自分らしく暮らせるよう、要支援・要介護状態にならないための予防や元気な高齢者のための施策が必要です」と述べられ、寝たきりゼロや高齢者自身の社会参加と生きがい元気事業の必要を強調されました。全く同感です。そのための適切な施策こそが、本区の言う「地域密着バス」の事業であると思います。忘れもしません、平成7年11月に 1,000名を超す署名を添えて私どもが出した「新宿区コミュニティバス運行に関する陳情」に端を発し、平成10年12月には同陳情は満場一致で採択され、これを受けた形で区は地域密着型バス検討委員会を立ち上げ、平成13年3月に検討報告書を提出したという長い経過があります。

 この報告では、「この種のバスは「交通利用不便区域の解消」というよりは、高齢化が進展する中で公共交通機関を利用して外出が可能ではあるが、長距離の歩行や地下鉄の階段の昇降に不便を感じる交通制約者の視点から検討が必要と考えた」と述べています。その上に立って、同報告はこう続けています。社会の高齢化が着実に進展している中で、高齢者や障害を持つ人の社会参加や就労の機会を充実し、生きがいを持って生活と社会活動を続けられることが求められており、それに伴う移動を支える、より利用しやすい公共交通機関に対する期待が高まっている。その結果、地域密着型バスのあり方は、交通制約者の利用を重視した運賃を払えればだれでも乗れる乗合バスである。そこで、平成14年2月施行の乗合バス事業の規制緩和は、市場としての魅力が高い本区にとって、民間事業者のポテンシャルの高まりや地域密着型バスにいかに活用していくかが今後の課題であると結んでいます。冒頭述べた区長の高齢者施策に、まさにぴったりの課題であり、今後ではなく現在の課題であると思います。

 最近は、近郊の都市ばかりでなく、都心部でも「シャトルバス」が走り始めました。丸の内「シャトルバス」やお台場の臨海副都心巡回の「ベイシャトル」などが有名ですが、私たちが今回参考にしたのは渋谷区の「ハチ公バス」です。これは、区役所と区施設を気軽に移動するための交通手段で、座席数は12で19人乗りの段差のない小型バスです。車いすの方も乗車できる構造になっています。バス停は、高齢者や障害者にやさしい 200から 300メートルの短い間隔を基本に、公共施設の近くに設置されています。午前8時40分から夕方6時40分まで、約20分間隔で運行されていて、渋谷区役所から渋谷駅、青山、恵比寿、広尾、恵比寿駅に戻って代官山、渋谷駅というコースを一方通行で走っています。運賃は、丸の内やお台場のように無料ではなく 100円均一。大人、子供同額ですが、シルバーパスやバス共通カードは使えません。この「ハチ公バス」は、渋谷区民に好評であるばかりでなく、買い物などで渋谷に来る人たちの手軽な観光バスとしても利用されています。

 さて、なぜ私どもの会派が突然シャトルバスを走らせるようにと思ったか。そのきっかけを説明します。新宿区は、このたび介護予防プランに力を入れることになりました。私どもは大歓迎です。しかし、区民の健康づくりの拠点「元気館」を初め、大規模なスポーツ施設は「コズミックセンター」も「新宿スポーツセンター」も「大久保スポーツプラザ」もすべて大久保地区に偏在しています。この健康づくり施策集中地区に、落合、四谷、牛込など、他地区からも行きやすいように、コミュニティバスを走らせられないかと思ったのが原点です。考えているうちに、「健康づくり施設」だけでなく、区の主要な施設や病院などをつなぐバスが必要と思うようになりました。

 例えば、西新宿の産業会館など、新しくて使い勝手もいいのに、足の便が悪くて余り使われていない施設も、医大病院と都庁の間に停留所を設ければ、利用者はふえるでしょう。コースのとりようによっては、魅力的な区内観光バスになるかもしれません。では、バスはどうするかですが、今、東中野から高田馬場や社会保険中央総合病院を経由して、東中野に戻るKBバスが走っています。このKBバスを活用できないか、現在の路線を全区に延長することはできないかと私たちは考えています。運賃は、現在と同じく 200円でシルバーパス使用可能という金額でも十分乗客は見込めます。運営費として区内の映画館やデパートなどの広告を取って車体につけるなど、工夫してひねり出してはどうでしょうか。こういうテーマこそ、公募委員に検討してもらいたい問題で、早急に実現に向けて動き出していただきたいのですが、区長の御意見をお聞かせください。

 次に、手話通訳を区の窓口に配置してはという提案をさせていただきます。

 現在でも、新宿区は社会福祉協議会に申し込めば手話通訳を派遣してくれますが、これには「3日前申し込み」という条件がつきます。急に用がある聴覚障害者は対象になりません。手話のできる職員が対応しているそうですが、日常会話はできても法律的な問題などを通訳できる上級手話通訳者は本庁舎には1人しかいないとのことです。しかも聴覚障害者が訪れる窓口は、障害者福祉課だけとは限りません。年金の窓口だったり、税金の窓口だったり、都市計画の窓口だったりします。緊急の場合、新宿区は新宿二丁目にある「東京手話通訳派遣センター」に依頼したこともあるそうです。しかし、その通訳者が来るまでに2時間以上かかったとのことです。

 昨年9月7日、新宿区ろう者協会創立50周年記念祝賀会が開かれました。区長も御出席なさいましたから御記憶と思いますが、4本のスローガンの中に「区内の公共機関に手話通訳者を配置させよう」というのがありました。私は、都内23区の他区はどうなっているのか調べてみました。中野区と板橋区と江東区は区役所に常時配置、さらに区役所以外の施設にも曜日を決めて配置していました。葛飾区は2つの施設に週4回、例えば西福祉サービスセンターに月、水、木、金、東福祉サービスセンターに月、火、水、木というぐあいです。目黒区は火、木、金、渋谷区は月、金、豊島区は月、水、世田谷区、足立区は週に1日、荒川区は第2、第4木曜日と時間にばらつきはあっても、23区のうち12区が聴覚障害者相談事業を行っていました。私は、新宿区も週に1日でもいいから、曜日を決めて聴覚障害者相談事業を行ってほしいと思いますが、区長はいかがお考えでしょうか、お聞かせください。

 御存じのように、障害者福祉制度は支援費制度の導入によって、「利用者が主体となりサービスを選ぶシステム」となりました。競争原理の導入によって、サービスの質の向上が目指されていますが、そのサービスを選ぶ手段、方法が保障されなければ意味がありません。契約システムは、健常者であっても多々トラブルがあります。まして、何らかの障害を伴った方には、そのフォローが、つまり情報の正確な提供が重要となります。今後の全般的な福祉政策において、契約制度をフォローできるサービス体制を整えることが公的機関の責務と考えます。どうぞよろくしお願いいたします。

 最後に、人と猫との調和のとれたまちづくりについて質問します。

 東京都が2001年春から取り組んできた「ハルスプラン」と呼ばれる「動物愛護推進総合基本計画」が、ついに動き出しました。ハルスプランの中には「飼い主のいない猫との共生」が明確に盛り込まれています。今まで、身銭を切って「野良猫を地域猫」にと地道に責任を持って見守ってきたボランティアの皆さんは、とても喜んでいらっしゃいます。思えば、一昔前まで野良猫の世話をする人たちは、地域の厄介者のように扱われ、変人のように思われていました。そして、野良猫は存在することが悪とされ、通報されて捕まると新しい飼い主が見つかるまれな例を除き、大半が殺される運命でした。しかし、このハルスプランは、野良猫を排除するのではなく、 500戸前後のエリアを活動単位とする地域の合意のもとに適正に管理する。一たん、保護、捕獲して不妊手術を施し、再び解き放つ「トラップ・ニューター・リターン」が基本的な考え方になっています。雲泥の違いです。長年身銭を切って不妊手術を続けてきた、それにもかかわらず「無責任にえさをやって迷惑な」という悪口に耐えてきた方々の熱意が、こうして結実したものです。

 このたび、新宿区は平成16年度予算に飼い主のいない猫への不妊手術助成金が計上されたことは、実に歓迎すべきことです。しかし、問題点は残っています。国有地という治外法権の場所です。戸山ハイツの場合、野良猫は捕獲しようとすると国立国際医療センターに逃げ込み子猫を産んでしまいます。

 さて、今後の対策ですが、新宿区以上に国有地の多い千代田区を参考にしてほしいというのが、ボランティアの皆さんの希望です。千代田区では、3年前に飼い主のいない猫の不妊手術費助成事業をスタートさせたとき、保健所が動きました。それまで、ばらばらに猫の問題と取り組んでいた人たちを保健所に集めて、横のつながりをつくったのです。「猫のえさやりや世話をする人の多くは、人の目を逃れて活動している。こういう人に、区のボランティアとして堂々と活動してもらおう」と、事業の普及員を募集しました。そこで集まった普及員が中心となって、「ちよだニャンとなる会」というボランティア団体を結成し、発足時には約 1,000匹いた野良猫のうち 600匹の不妊手術を3年間で達成したということです。

 新宿区のボランティアの皆さんは、新宿区も保健所が動いてハルスプラン普及員を募集してほしいと願っておられます。区長、新宿区でも「人と猫の調和のとれたまち事業」の普及員を公募するお考えはありませんか。御見解をお聞かせください。

 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



◎区長(中山弘子) 小野議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、新宿区の理想的な教師像、生徒像についてのお尋ねです。

 平成16年度の教育委員会の教育目標には、次のように掲げられています。

 「子供たちが人間尊重の精神に基づいて自他の生命をとうとび、心身ともに健康で知性と感性に富み、郷土新宿を愛する心と国際感覚を備えた区民として成長することを願い」とあります。そして、「広い視野と思いやりの心を持つ人、地域の一員として社会のルールを守る人、個性や想像力が豊かでみずから学び行動する人」と具体的に3点を挙げています。理想の生徒像とは、この目標を理解して、他者への想像力の翼を広げ、常に問題意識を持ってみずから学び、成長を遂げる子供たちであると思います。

 また、理想の教師像とは、人間性豊かな大人として生徒との信頼関係を築き、情熱をもって生徒の育成に当たる教師であり、保護者や地域の人々と連携し、地域社会とともに子供の「生きる力」を育てる教師ではないかと考えています。

 続きまして、交通バリアフリー基本構想についての御質問です。

 初めに、策定協議会に公募委員をなぜ入れなかったかについての御質問ですが、平成15年度は重点整備地区の選定を目的とした策定協議会を設置しました。設置に当たって、区民等の意見を反映させるため、障害者団体、高齢者クラブ、町会、商店会に委員の推薦をお願いしました。こうした区民の方たちによって、十分意見の反映が可能であると判断をしたわけです。平成16年度は、今年度選定した重点整備地区について、バリアフリー化のための基本方針、整備プログラム等を具体的に検討していくことから、策定協議会の委員構成を見直します。この見直しにあわせて、公募委員を加えてまいります。

 次に、JR新宿駅に対して階段中央の手すりなどの設置を要請してほしいとのお尋ねです。

 JR東日本によれば、手すりを階段中央に設置することについては、新宿駅は乗降客が多く誘導上や安全上の問題から、かえって障害となること。また、ホームにベンチ等の休憩施設を設置することについても、乗降客が多くスペースのないことから、設置は困難とのことでした。新宿駅の実態を見ますと、空間的にゆとりのある場所には、階段中央の手すりやベンチが設置されていますが、混雑が激しい場所には設置されておりません。区としても、新宿駅の乗降客の多さや駅のスペース状況から、乗降客の安全を第一に考えざるを得ないと思います。

 次に、JRとの接触の頻度ですが、平成13、14年度は区主催の鉄道事業者連絡会を活用して、また今年度も必要の都度、情報交換を行っております。今後は、新宿駅が重点整備地区に選定されたことを受け、今まで以上に緊密に接触をとりつつ、具体的な改善策を検討してまいります。

 次に、東京都の「福祉のまちづくり「特区」モデル事業」についてです。

 区は、福祉のまちづくりの推進を基本計画事業に掲げ、全庁的な取り組みにより、バリアフリー環境の整備を推進しているところです。この計画の推進に当たっては、東京都の福祉のまちづくり地域支援事業の適用を受け、道路、公園等のバリアフリー化整備を行ってきました。御指摘の高田馬場駅については、JRが平成15年11月から駅施設のバリアフリー化に着手しています。また、営団地下鉄についても、既に計画中であり、いずれも鉄道事業者の責任において事業が行われます。

 東京都の「福祉のまちづくり「特区」モデル事業」については、東京都より事業説明があり、現在、制度利用の可否を検討しているところです。具体的な内容や時期など、区の計画とのすり合わせを行いながら、利用できるものであれば積極的に活用を図ってまいりたいと考えています。

 続きまして、コミュニティバスの導入についてのお尋ねです。

 地域密着型バスについては、お話にありましたように、その導入について平成11年から2カ年かけて、高齢者等交通弱者に配慮するとともに、事業採算性の確保も考慮しながら検討を行いました。その結果、区が乗合バスの運行を行うことは困難であり、事業者の参入動向を把握して、必要に応じて協力していく方針を定めました。

 その後、平成14年3月にKBバスが高田馬場駅から東中野駅までのバス路線を開設しましたが、事業者からは運行以来厳しい経営状態にあり、他の地域への拡大は今のところ考えてないと聞いております。

 それに対して、平成15年4月から運賃 100円で運行を開始した京王バスの新宿駅西口における「新都心循環」については、利用者が増加しているので推移を見た上で路線の拡大を検討すると事業者から聞いております。

 したがいまして、今後は、お話にございました渋谷などの事例を参考にして、地域密着型バスが交通弱者の支援に資するという観点からだけでなく、利用者の利便性の向上や地域活性化を図る上で有効な手段であるとの認識のもと、事業者に対して参入を働きかけ、必要に応じて協力していくことを考えております。

 次に、手話通訳者を区の窓口に配置することについてのお尋ねです。

 これまで、区では手話講習会への職員派遣などにより、手話のできる職員をふやし、それらの職員を窓口に配置して、手話によるコミュニケーションを必要とする聴覚障害者の来庁に対応してまいりました。また、社会福祉協議会に委託して手話通訳者派遣事業を実施し、個々に御活用いただく形で窓口における手話通訳のニーズに対応しているところです。しかしながら、聴覚障害者に対する窓口対応が不十分な場合があるとの御指摘ですので、今後、聴覚障害者の御意見を十分伺いながら、御不便をおかけしない対応を御提案の聴覚障害者相談事業も含めて検討してまいります。

 次に、人と猫との調和のとれたまちづくりについてお答えします。

 新宿区では、平成13年度から野良猫問題解決のため東京都とともに「飼い主のいない猫との共生モデルプラン」を地域住民、町会、ボランティア団体との協働で進めています。現在、区内3カ所のモデル地区のほか、周辺の3地域7町会にも広がりを見せています。こうした活動の支援策のとして、従来の「飼い猫の去勢・不妊手術費の助成事業」を平成16年度から事業名を「人と猫との調和のとれたまちづくり」とし、手術の助成対象を飼い主のいない猫に広げるとともに、その部分の助成金額を増額いたします。区といたしましては、東京都がハルスプランで提唱している「人と動物との調和のとれた共生」の実現に向けて、より一層動物愛護施策の充実を図ってまいります。

 普及員制度の導入につきましては、現在、考えておりませんが、東京都が委嘱する動物愛護推進員を核として、地域で活動している住民やグループのネットワークづくりを今後検討してまいります。

 以上で答弁を終わります。



◎教育長(山?輝雄) 教育委員会への御質問にお答えをいたします。

 新宿区の理想的な教師像及び理想的な生徒像についてのお尋ねです。

 まず、新宿区が目指す理想的な生徒像ですが、教育目標に掲げてあるように「広い視野と思いやりの心を持つ人」「地域の一員として社会のルールを守る人」「個性や想像力が豊かでみずから学び行動する人」であります。

 次に、理想的な教師像とは、人間性豊かに子供と接し、しかるべきときはきちんとしかり、みずから考え解決していく力を子供に育成する教師であり、保護者、地域の方々と連携して職務を遂行する愛と情熱と行動力のある教師であると考えております。

 特に、今日の複雑な国際情勢を考えたとき、さまざまな情報を収集し、考え、判断し、行動する、まさに「生きる力」を培うことが重要であると考えます。そのためには、一方的な価値観を押しつけるのではなく、児童・生徒が安心して自分の考えや思いを表現できる学級の雰囲気づくりや、児童・生徒への理解に努め、我が国や郷土を愛する心を育てるとともに、広く国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者を育てていく教師が求められていると考えます。

 以上で答弁を終わります。



◆30番(小野きみ子) 自席から発言させていただきます。

 いろいろ言いたいこと、たくさんあるんですけれども、これから予算委員会で私の同僚がみんなで続けて質問してくれるので、そちらへ譲りますが、私はどうしても自分の頭で考える子供をつくる教育、これだけについては本当にどうぞよろしくお願いします。

 今、本当におかしな風が吹いていまして、強い人の方にみんながなびいていくような、迎合するような傾向があります。例えば、イラクに駐屯する自衛隊の報道を見ても、NHKは必ずまくら言葉に「イラクに人道支援のために派遣された自衛隊は」と言うんですよ。これは、私がオーバーに言っているわけではないから、ビデオを撮ってごらんになってください。イラクにいる自衛隊を語るときは、必ず「人道支援のために」という言葉がつきます。これは、小泉さんが命令したというよりも、小泉さんの気持ちをくんで、もう勝手にNHKが迎合して、そういう言葉を挿入している形だと思いますけれども、マスコミの人たちが、そういうふうに自己規制をするような風潮というのが、私は一番怖いんです。

 今、いつか来た道に入りかけているように私には思えてなりません。その入り口が、今なんですよね。そこのところで、ある意味ではそういう女子高校生なんですよね、その宮崎の3年生というのは。その女子高生が勇気を持って五千何百、私はさっき 1,000人のコミュニティバスの署名のことを、自分たちの思いを感動して話しましたけれども、それの5倍以上の、たった1人でとった、インターネットを使ったりして仲間をふやしたということですが、そういう勇気のある生徒の行動について、小泉さんがもし異論があるのは当然だと思うんですけれども、そうしたら私はその勇気のある学生さんと討論してみたいなぐらいなことをおっしゃれば、小泉さんの株も上がったし、私たちも見直すんだけれども、にべもなく「読みません」って、こういう強者の論理が今これから日本を覆っていくと思うと怖いです。

 新宿区は、多民族の共生の自治体ですし、どうぞそういう点もくれぐれもよろしくお願いいたしたいと思います。

 以上で私の発言を終わります。(拍手)



○議長(山添巖) 次に、37番かわの達男議員。

          〔37番 かわの達男議員登壇、拍手〕



◆37番(かわの達男) 私は、2004年新宿区議会第1回定例会に開会に当たり、社会新宿区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に対して質問をいたします。

 小泉内閣は、国民の多くの反対にもかかわらず、自衛隊をイラクに派兵いたしました。アメリカとイギリスが始めた「イラク戦争」は、イラク国民に1万人を超える犠牲者が出たと伝えられ、さらに戦争犠牲者は増加しております。その多くが子供や女性などの市民であり、罪もない非戦闘員であります。アメリカの戦争終結宣言以降も、自爆テロや銃の乱射、殺し合いは毎日のように続いています。米軍などの犠牲者も多く出ています。そして、近代の戦争の犠牲者は圧倒的に市民なのであります。米英軍が始めたイラク戦争の理由は、イラクの大量破壊兵器の存在とその廃棄であったはずです。小泉内閣も、大量破壊兵器がイラクからテロリストに渡る前にテロを防ぐためとして、アメリカ、イギリスに強引に協力しました。

 しかし、大量破壊兵器は発見されず、イラク戦争の大義は失われました。もはや、アメリカは戦争のための戦争をイラクに仕掛けたことは明白であります。しかも「イラク特別措置法」でいう非戦闘地域などイラク国内には存在せず、自衛隊のイラク派遣の根拠は完全に失われました。イラク国民も、必要としているのは「軍隊」ではなく、水や電気などのライフラインを整備するための企業であり、資材・資金であり、働き口なのであります。国連主導のイラク人による国の戦後復興なのであります。そこにこそ、日本の国際貢献があります。

 自衛隊員が殺されてはいけません。そして、イラクの人を殺してもいけません。自衛隊を今すぐイラクから引き揚げることこそ、日本のとるべき道であると私は思います。

 日本国憲法は、自衛隊を海外に、イラクに送ることを認めていません。明らかに憲法違反であります。このように、日本国憲法の範囲を超えた事態が戦場イラクで実行されています。憲法が想定してないことを実施しているわけですから、これは憲法に従って派遣をやめるしかありません。周辺事態法、テロ特別措置法、有事立法、そしてイラク特別措置法と自衛隊の活動範囲は日本国内から東アジア、さらにインド洋からペルシャ湾へと拡大し、今回は中東のイラクまで範囲が広がりました。しかも、陸・海・空の自衛隊の出動です。

 この一連の急激な流れを見て、かつて日本軍に侵略された東アジアの諸国が、日本の軍国主義復活に懸念を抱くのは当然のことかもしれません。小泉内閣は、自衛隊のイラク派遣が憲法違反であることを承知の上で、あえて憲法違反を行い、このことを通して憲法を変え、戦争ができる海外へ軍隊を送ることができる「普通の国」になるための道筋をとっているとしか私には思えません。

 そこで、区長に日本国憲法について、お聞きいたします。

 憲法をめぐる動きは、「改憲」「創憲」「論憲」「加憲」、そして「護憲」とさまざま言われていますが、中山区長はこれらの動きに対して、どのような見解をお持ちなのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

 私は、今の憲法を変える必要があるとは思いません。むしろ、この国のアジアへの侵略と唯一の核被爆国の中から生まれた平和憲法を、今こそ世界に広めなければならないと思っていますので、念のため申し上げます。

 また、憲法第9条「戦争の放棄」についても、区長はどうお考えなのか、お聞きいたします。さらに、99条では「公務員について、この憲法を擁護する義務を負う」と定めていますが、このことへの見解もお聞かせください。

 新宿区長中山弘子さんの御認識をお聞きしていますので、率直なお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

 質問の2番目は、「区政の基本方針説明と財政について」お聞きいたします。

 今度の予算は、中山区長の初めての本格予算であります。そして、中山弘子色のはっきりした特徴が本格的に発揮される基本方針となると大いに私は期待していました。しかし、文章の組み立てや内容から伝わってくるものは、小野田前区長の「区政の基本方針」と余り違った印象を受けません。区政を取り巻く情勢を最初に述べ、以下、執行体制についてまで、ほとんど同じパターンであります。ただ、今回は平成16年度の区政の重点課題として2つ取り上げ、重点的に取り組むとあるので、これまでと少し異なる点ではありますが。

 私は、新しい区長の斬新な所信表明を期待していましたから、少しばかり残念であります。このことについて、御意見があればお聞かせいただきたいと思います。

 昨年度の所信で、中山区長は「信頼回復を確かなものとする年」と位置づけられました。前区長の突然の辞任を受けてのスタートでしたから、区民にもわかりやすいスローガンでした。ことしは、「新宿新時代の創造」を据えられていますが、何をどのように新宿新時代を創造しようとしているのか明確ではありません。具体的に、区民にわかりやすく御説明願いたいと思います。

 次に、「区政運営の基本」についてお聞きします。

 現場・現実を重視した区政運営を第一に述べていますが、ここの部分はぜひそのとおり進めていただきたいというふうに思います。

 「区政の透明性を高める」ことについてお聞きします。

 この間の中山区長のキーワードの一つが、区政の透明性を高めることと言ってもいいと思います。区長は、就任に当たっての最初に「清潔で透明性の高い区政への刷新を強力に進める」と決意を述べられ、区民の信頼回復を確かなものとするとして、平成15年度は区政情報センターの整備や行政コスト計算書の作成などを実施してきました。区民の声委員会の公募委員による委員会の「たばこのポイ捨て対策についての調査報告書」は、その苦心の経過と成果がはっきりと読み取れます。

 しかし、行政コスト計算書は、その結論で行財政改革計画の方針を踏襲・推進するための追認手法でしかないことが明らかになりました。行政コスト計算書は、その概要を昨日、2月25日の広報で区民に知らせましたが、既に平成16年度予算では、早雲山区民保養所の平成19年度廃止を盛り込み、2月12日の総務区民委員会では、「箱根登山鉄道株式会社と交渉した結果、平成19年度末をもって早雲山区民保養所は廃止する」と報告されました。中山区長は、この行政コスト計算書の“はじめに”で「区民の皆さんにも、このような事業ごとの行政コストを情報提供し、費用対効果に基づく施策の妥当性や代替案との比較・検証などを一緒に考えていただくための素材として活用されることを願って、この報告書を取りまとめました」と述べ、最後に「これらの情報を適切に提供することにより、透明性のある区政、区民参加の区政を実現してまいります」と言われています。区民に知らせるときには、既に結論が出ている。これで、透明性のある区政とどうして言えるでしょうか。区長の見解をお聞かせいただきたいと思います。

 また、この1年間で新宿区政の透明性が進んだと思う区民が、どれだけいるでしょうか。区民意識調査でも、ぜひ聞いてみてはいかがと思います。いずれにしても、中山区政の最重要課題であるはずの区政の透明性について、区長就任以来どこまで進み、今後どうしようとしているのか、明快に示していただきたいというふうに思います。

 昨年の第3回定例会で、山田議員が「予算編成過程に関する情報公開を推進せよ」と質問しましたが、予算編成にかかわる情報公開の仕組みづくりの検討は、どのように進んできたのか、今後の計画もあわせてお聞かせください。

 次に、「協働」について、お聞きいたします。

 区長の所信の中で、「協働」という方針が示されたのは、平成13年の第1回定例会の当時の小野田区長の「行政と区民・団体などとの協働について」とあるのが最初ではないかと思います。最も、この協働という概念とすれば、平成8年「新宿区開かれた区政推進計画」の中に、協働の文字も考え方も既に示されています。しかし、本格的には中山区長になってから、区政の重要な柱となったと言えるでしょう。昨年10月に実施された平成15年度新宿区民意識調査を見て、改めて私は考えさせられました。地域によって、多少の差異はありますが、「新宿区が区民の方と協働で事業を行っていることを知っていますか」との問いに対して、何と70.8%の人が「知らない」と答えています。しかも、その中で区政に非常に関心があると答えている 260人の中でも、60.4%が「協働について知らない」と答えています。

 だからこそ、協働推進計画を策定し、場所・人・情報を積極的に活用しようとする姿勢は理解できます。しかし、どうも協働という言葉が先行してひとり歩きしている感すらあります。このことは、区民参加がまだまだ不十分ということなのではないでしょうか。区長は、この区民意識調査の結果を、どのように評価しているのか、お聞きします。さらに、なぜこのような数字になったと思われますか、お答え願います。

 行政改革プランや行財政改革計画として、結論を先に決め、そこへ導くための「住民参加」では、とても協働とは似て非なるものです。区長は、平成16年度に次期行財政改革計画の策定に着手されるようですが、この計画策定にこそ「協働」の真価が問われると私は思います。決して、行政側が原案やたたき台をつくるなどということがあってはいけません。この計画策定について、「協働」をどのように位置づけ、どう進めようとお考えなのか、平成16年度予算にかかわることですので、具体的にお示しいただきたいというふうに思います。

 また、この際、かねてから私たちが申し上げています「住民参加条例」の制定を行われてはいかがと考えますが、御所見をお聞かせください。

 次に、平成16年度の区政の重点課題である安全・安心についてお聞きいたします。

 今、さまざまな世代、年齢、場所、地域で、いじめや暴力、虐待が広がっています。乳幼児への親の虐待、子供たちへの親や同世代からのいじめや暴力、家庭内での暴力、とりわけDV、ホームレスなど生活弱者への青少年の暴行、高齢者への虐待などなど、毎日のようにテレビや新聞が伝えています。

 学校内でのいじめや、学校外から突然襲ってくる暴力など、あらゆる世代で地域で安全に暮らすことへの不安が拡大しています。社会への不安、子育てへの不安と同様、若年者の失業率の増大、中高年層へのリストラ、高齢者のひとり暮らしの増加、地域コミュニティの低下など、社会的な要因や個々人の問題から生ずるなどのケースはさまざまです。しかし、いずれにしても最も身近な区政が区民の生活と安全を守ることに取り組むことは、重要な課題であります。これらの虐待やいじめ、暴力から区民を守り、そしてなくしていくために、区長と教育委員会は、どのような取り組みを考えていますか、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、平成16年度の主な施策の中に学校選択制度の実施があります。

 初年度から、通学区域内の児童・生徒がかなりの数、他校への選択を希望し、一部では抽せんも行われました。希望が集中した学校、逆に他校への選択希望の多かった学校、それぞれに大きな課題を抱えました。とりわけ、転出希望の多い学校の問題は、より深刻であると思います。新宿区立小学校PTA連合会の広報「かけはし」には、「極端に少なくなる学校があらわれた品川区の事例を見ると、幾ら自分たちで選んだ学校とはいえ、子供たちに適したよい教育環境が守られるでしょうか」と、不安の声が載っています。

 教育委員会としては、そのような場合、少人数を希望する保護者もいるのだからと、それぞれの学校に任せてしまうのですか、それとも対策を考え支援していかれるのでしょうか、お考えをお聞かせください。

 選択する保護者の自己責任がかなり強調されています。通学の安全など、自己責任だけでは解決できない問題も多くあります。この制度のフォローアップについては、どのように進めようとしているのか、お考えをお聞かせください。

 この項の最後に、執行体制の中で区長は「トップマネジメント機能の強化」を言っていますし、新年の部課所長会のあいさつで、「管理者のマネジメント能力の向上」を表明されています。区長の思いが私には伝わるような気がいたしますけれども、もう少し具体的なお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

 次に、財政についてお聞きします。

 3年連続して実質単年度収支の黒字基調とはいえ、区を取り巻く財政状況は依然として厳しいものがあります。基幹財源である特別区民税は、減税や景気の低迷、国の経済政策の失政により、ここ10年来減少し続けています。歳出総額を減少ないし横ばいの中、公債費と扶助費負担が大きく、投資的経費は激減しています。ここ、七、八年の投資的経費の減少は、やがて20年、30年後にツケとなって区民に返ってくると思われます。第4次実施計画に向けて、歳入の確保と投資的経費の今後の見通しについては、区長はどのようなお考えなのか、お聞かせください。

 2点目に、東京都は財政再建に向けて、第2次財政再建プランを打ち出しました。このプランにより、新宿区にも大きな影響が出てくると思われますが、どのように予測していますか、見通しをお聞かせください。

 3点目に、基金の活用について、お伺いいたします。

 今定例会に、区民センター建設基金など3基金を統合し、社会資本等整備基金を新たに設置する条例と予算が示されました。確かに、3基金の残高は他の基金と同様、年度により若干の増減はあるものの減少の一途であります。その点からも、基金を弾力的に運用するメリットはあるかと思います。しかし、3基金ともそれぞれ設置経過と目的があって今日を迎え、それぞれの基金目的もまだ道半ばであります。とりわけ、区民センター建設や高齢者福祉施設建設は長年の課題であり、同時に区民の期待も大きいのであります。社会資本等整備基金の中に、これらの区民の期待はどう生かされるのか、お聞きします。

 また、建設・整備を達成するため、今後、この基金をどう充実しようと考えているのか、見通しをお聞かせください。

 3番目の質問は、「自治権拡充について」お聞きします。

 地方分権が推進する中、2000年4月、基礎的自治体としてスタートした新宿区は、間もなく4年が経過します。この間、果たして私たち自治体の権限と機能はどれほど拡充し、分権はどこまで進んできたと言えるでしょうか。事務事業に見合った税財源移譲や、都道府県から市区町村への権限移譲など、早急な改革が求められます。特に、地方自治体の時代というからには、そのために不可欠である地方への税財源の移譲は遅々として進んでいません。自治体の財政確立は停滞したままと言っても過言ではありません。むしろ、悪くなっているとも言えると思います。

 その一方で、地方自治体の究極のリストラである市町村合併は、2004年度末までのニンジンをちらつかせて国は強要し、地方自治体も雪崩を打ったように、あるいは熱病にうなされたように合併を進めています。しかし、国のこのような理不尽なやり方に住民や議会が翻意し、独自の自治体として新たな道を歩み始めた市町村も出ています。

 私たち23区は、東京都との都区制度改革の中で残された課題があり、今、新たな協議が始まっています。この協議の帰趨が、今後の特別区のあり方に極めて大きな影響を与えることになると思います。そこで、大都市事務の役割分担など、いわゆる「主要5課題都区検討会」について、お聞きいたします。

 1点目は、3つの検討会の現在の進行状況はどのようになっていますか。

 2点目は、平成17年度の都区財政調整協議会までにまとめるというタイムスケジュールからして、今後どのように進めようと23区が考えているのかということです。時間が経過し、引き延ばされれば、区側が不利な状況になることははっきりしているだけに、必ずしも時間は多くありません。今後の見通しについて、お聞かせください。

 3点目は、この交渉は相手としての東京都があるわけですから、区側の思惑どおりにはいきませんが、区長会の姿勢こそ問われます。この問題に対する中山区長の決意を、改めてお示しいただきたいと思います。

 次に、「三位一体改革」について、お聞きします。

 2006年度までと政府自身が期限を切り、ようやく動き出したかのように見える三位一体改革も、その実態は国の補助金、負担金の削減が先行し、肝心かなめの税財源の移譲は極めて不明確であります。しかも、数字のみが先歩きし、国の御都合主義がここでもはっきりしたと言っても過言ではありません。基幹税の移譲に道筋をつけたようにも見えますが、国の権限はしっかり担保され、とても税源移譲の方向が見えたとは言えません。

 昨年12月15日の税制調査会の「平成16年度の税制改正に関する答申」でも、「税源移譲は基幹税の充実を基本として行うべきだが、本格的な税源移譲の制度設計については、検討すべき課題が多く、時間的な制約もあり結論を出すに至らなかった」としています。これでは、補助金や地方への交付金削減が成功し、結果として地方自治体の財政体力がますます大幅に低下し、国の歳出カットのみが進むという事態になりかねません。2月8日の毎日新聞では、地方財源不足1兆 5,000億円と報じています。自治権拡充・地方分権の推進とはかけ離れ、財政自主権の確立とは、ほぼ遠いものになってしまいます。

 そこで、お聞きいたします。

 1点目は、この間の三位一体の改革の推進と現状について、どのような認識をお持ちなのか、お伺いいたします。

 2点目は、このまま国の意向で進めば、地方交付税の不交付団体とはいえ、補助金の大幅削減で区財政への影響も深刻になります。区長は、地方自治体の長として、さらに全国市長会の一員として、地方分権を推進するためにも、どのような姿勢で臨もうとするのか、決意をお聞かせください。

 最後の質問は、東京都都市マスタープランについて質問いたします。

 本年2月3日の新宿区都市計画審議会において「東京都市計画都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」などが審議されました。これは、都市計画法の改正に伴い、都道府県が都市マスタープランを作成することになったことによるものです。この方針では、東京をドーナッツ状に5つのブロックに分割し、新宿区のほとんどが対象となる山手通りの内側を「センターコア再生ゾーン」と位置づけています。そして、土地利用に関する方針では、住宅地を「都心居住を重点的に進めるため、計画的に土地の有効・高度利用により居住機能を強化する」となっています。

 個別地域方針では、新宿区の考え方もかなり取り入れられているようですが、基本となる東京全体の都市計画で東京都が新宿区に期待している土地利用は、「商業地での集積のメリットを生かし、国際的な競争力を有するビジネスセンターとしての機能強化を図っていくこと、住宅地の土地の高度利用の推進」であります。これでは、基本的に新宿区基本構想と相入れませんし、居住計画内の60%を超える新宿のまちづくりの特性が破壊されかねません。もちろん、すぐにそんなまちになっていくわけではありませんが、しかしこの間、国の規制緩和政策で建築基準法や都市計画が緩和され、区内での多くの建築紛争が発生しています。また、都の高度利用計画の方針を利用して、開発業者が横行する事態すら予測されます。建築基準法を守って建てられている建築物が、現に地域の中で紛争となっているのが実態です。

 そこで伺います。

 1点目は、今回の東京都の「整備方針」に対して、区長はどのような姿勢で、どのような意見をつけて、これに対応されますか。

 2点目は、土地の高度利用などは、用途地域などで規制されていますが、規制緩和の名のもとに、住民との新たな紛争が発生しています。住民の住み続ける権利、住環境を守るまちづくりをどのように指導・支援していくつもりか、お聞かせください。

 3点目は、住居系が6割を占める新宿区の特性を生かしたまちづくりを、どう進めるのかであります。東京都のマスタープランとの整合性がとれない事態が想定されます。その場合の区側の基本的なスタンスをお聞きしたいと思います。

 4点目に、現行法令の中でも積極的に住環境を守るため、何ができるかであります。国や都の規制緩和に抗して、住民とともにつくるまちづくりの方策や決意を、お聞かせいただきたいと思います。

 以上で、私の質問は終わります。御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)



◎区長(中山弘子) かわの議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、憲法をめぐる動きに対して、どのような見解を持っているかとのお尋ねです。

 私は、日本の平和を築き上げたことに対し、日本国憲法は非常に大きな役割を果たしたと考えていますが、時代の要請の中で国の基本的法律である憲法について、さまざまな議論を重ねることは必要であると思います。

 次に、憲法9条「戦争放棄」について、どう考えるかとのお尋ねです。

 重ねて申し上げますが、私は戦後の目覚ましい復興を遂げた日本が、「戦争放棄」により平和を守り続けてきたことは、世界平和の実現に対しても非常にに大きな意義を持つものと考えています。

 次に、日本国憲法99条「公務員の憲法擁護義務」へのお尋ねですが、憲法の遵守は公務員として当然の義務であると考えています。新宿区の職員の一人ひとりも、入区の際には「私は、ここに主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ擁護することを固く誓います」と宣誓し、憲法の尊重と擁護について認識を新たにしています。

 次に、区政の基本方針についてのお尋ねです。

 平成16年度の基本方針については、「少子高齢社会への対応」及び「安全で安心なまちづくり」の取り組みについて重点的に述べることにより、区民の皆様に平成16年度の新宿区政の方針をわかりやすく表明したと私は考えています。

 次に、新宿新時代の創造についてのお尋ねですが、区の優位性や先進性を常に意識した知恵とアイデアの都市間競争による活力あるまちづくりに力を尽くしながら、安全で安心なまち、にぎわいと魅力あふれるまちを「新宿新時代」として表現しました。私は、にぎわいも一番、暮らしやすさも一番の新宿のまちの実現に向けて、多様な区民・団体等との参加と協働による新たな公共社会を目指すことで、「新宿新時代」の創造につなげたいと考えています。

 次に、区政の透明性を高めることについてのお尋ねです。

 まず、事業別行政コスト計算書については、区職員がみずから担当する事業の状況を正確に把握し、コスト意識を持って事業をマネジメントするツール、道具として活用することと、区民へのコスト情報の提供を目的としたものです。

 区民保養所については、行財政改革計画で平成19年度までに1所にするという方向性が出ており、かつ契約更新時期が到来し、相手方との交渉を進めている中でのコスト分析であり、その分析結果を事業マネジメントの道具として効果的に活用し、成果を得ることができたものです。あわせて、事業の方向性などを含むコスト情報・分析の結果を区民と共有することにより、区政の透明性を高めることができたと考えています。

 次に、透明性を高める仕組みとしては、情報公開や積極的な情報提供、そして政策形成段階からの区民参加の仕組みづくりがあります。

 情報公開では、各種審議会等の傍聴の御案内を区報に掲載し、会議録を公開するとともに、プロポーザルの際におけるプレゼンテーションを公開してきました。

 また、情報提供については、区民が求める情報を的確に提供できるよう区政情報センターを整備し、多くの区民の方々に御利用いただいています。

 区民参加では、ホームページ上に電子会議室を開設するとともに、各特別出張所においては地域の身近な課題を区民と考える課題別地域会議を設置し、区民参加の仕組みづくりを実践してきました。透明性の高い区政の刷新の取り組みは、まだ緒についたばかりですが、私は着実に進めております。今後は、さらに区民意識調査なども活用しなから、現場・現実における仕事を通して、透明性の高い区政を実現してまいります。

 次に、予算編成過程の情報公開についてですが、翌年度の予算を編成していく過程で、主要な事業について、各部の取り組み方針や予算への反映結果などを区民にお知らせする仕組みを整備することは、区政の透明性を高める上で重要なことであると認識しています。

 このためには、まず予算に関する各部の権限を拡充した上で、各部の区民に対する説明責任能力の向上を図ることが不可欠であると考え、平成16年度に予算編成では、編成手法の改善に取り組み、各事業部の予算編成にかかる裁量の範囲を拡大しました。平成17年度の予算編成では、第4次実施計画の策定にあわせて、重点的な事業の目的、概要、経費等について、適宜、編成過程の情報提供をしていきたいと考えています。

 次に、「区民意識調査」の協働の結果を、どのように評価するかについてお答えします。

 区の協働事業への取り組みは、区の広報への掲載や「区長と話そう・しんじゅくトーク」「課題別地域会議」など、さまざまな機会をとらえて、区民の皆様へ紹介し意見の交換を行っています。しかし、今回の調査結果は区民の皆様にわかりやすく具体的に協働のイメージを十分お伝えし切れていない面もあるのではないかと考えています。

 一方、意識調査の協働への参加意向では、「積極的に参加したい」「できる範囲でよいなら参加してもよい」を合わせて、4割を超える人たちが参加の意向をあらわしています。このことは、今後の協働事業の広がりの可能性を示すものであり、大きな期待が持てるものと意を強くしているところです。

 次に、次期行財政改革計画の策定における「協働」の位置づけについてのお尋ねです。

 「協働」は区政運営の基本の一つであり、次期行財政改革計画の策定に当たっては、多様な主体が、それぞれの持てる力を出し合い、協働する地域社会づくりを目指して、社会経済状況の変化に柔軟に対応する区の行財政運営の改革に果敢に取り組む決意で臨みます。その策定過程においては、公募区民の方も委員となっている行財政改革推進会議での意見も踏まえて素案を作成します。そして、地域での説明会やパブリックコメントを通して、広く区民の皆さんの意見をお聞きします。このような一連の取り組みにより、区民の方々と情報を共有して議論しながら、区民参加と協働のもとで、区として責任の持てる行財政改革計画を策定いたします。

 次に、「住民参加条例」の制定についてのお尋ねです。

 私は、住民参加の基本理念は基本構想や基本計画、そして今回策定された協働推進計画などに示されており、住民参加を推進するに当たって、まず必要なことは地域に根差した着実な取り組みであると考えています。そうした点から、より身近なところで、より生活に密着した課題を区民の皆様に御議論いただく場を設けるため、特別出張所を中心とする「課題別地域会議」を設置しているところです。今後とも、地域の人材や資源を十分に生かし、参加と協働による住民自治を進め、自治に必要な能力と体力を身につけ、区民が主役となる地域社会づくりを進めてまいります。

 また、新たな区民参加への仕組みとして、第27次地方制度調査会答申にある地方自治組織などの考え方を含め、参画を推進するための条例づくり等についての研究も進めてまいります。

 次に、安全・安心について、虐待やいじめ、暴力から区民を守り、なくしていくための取り組みについてのお尋ねです。

 家庭内での子供・高齢者・配偶者への虐待や暴力は発見されにくいこと、また加害者となっている側も精神的に不安定な状態にある場合も多いなどの現状が指摘されています。このような事態を未然に防止する、あるいは深刻化を防ぐためには、その家族が抱えている問題等を早期に解決することが必要です。

 区は、その家庭が孤立しないよう、身近な相談窓口や仲間づくりの場を充実させるとともに、訪問型のサービスを行う中で、家庭内の問題を早期に発見し解決のための支援をしていきます。

 また、社会の中での暴力に対しては、警察等関係機関との連携を強化していくほか、区民の皆様とともに地域全体で見守りができる良好なコミュニティの形成に努めてまいります。

 次に、「トップマネジメント機能の強化」と「管理者のマネジメント能力の向上」についてのお尋ねです。

 私は、自己決定、自己責任が求められる地域の時代に、まず必要なことは、庁内分権を進めることだと考えます。そのためには、これまで以上に管理者のマネジメント能力の向上が図られなければなりません。

 まず、各管理者が区の目指すべき目標を踏まえ、それぞれの組織の目標を設定し、その目標に向かって仕事を進める中で、職員を育てていくことが重要だと思います。職員の育成こそが区政の質を高め、区民サービスの向上につながると確信するからです。さらに、あらゆる施策の総点検と組織の活性化も管理者の重要な役割であることを十分認識させ、管理者の総合的なマネジメント能力の向上に積極的に取り組んでいきます。

 また、管理者のマネジメント能力の向上とあわせて、トップマネジメント機能の強化を図り、区の方針を明確に示し、施策を総合化し、効果的に推進するとともに、メッセージ性の向上を図ってまいります。

 次に、第4次実施計画に向けての歳入の確保と投資的経費の今後の見通しについてですが、平成16年度に策定予定の第4次実施計画は、平成17年度から平成19年度までの3年間の区の重点施策等の取り組みを具体化するものです。この3年間では、区民センターや統合新校の建設、また保育所建設助成や各施設の耐震補強工事など、投資的経費の増嵩が予定されます。こうした需要に柔軟に対応していくための手法の一つとして、区民センター建設基金、高齢者福祉施設建設基金及び都市整備基金を統合し、社会資本等整備基金を創設することとしました。この基金は、これまでの3基金の目的を引き継ぎ、かつその活用範囲を拡大した役割を有するものであるため、当然に区民センターの建設や高齢者福祉施設の建設に対しては、現在と同様の役割を担っていくものです。

 そして、基金積み立て財源としては義務教育施設整備基金も合わせ、区有財産の有効活用による収益を充当していくこととし、平成15年度の補正予算も含めた対応の中で、基金残高の確保を図ることとしています。さらに、平成16年度予算では道路占用料、自転車返還手数料などの見直しを実施するとともに、特別区民税滞納整理支援システムの導入や区立住宅使用料の適正化の推進に取り組むことで、将来に向けた適正な歳入の確保に取り組んでまいります。

 次に、東京都の第2次財政再建推進プランについては、平成16年度では区財政に大きな影響が生じる見込みはありませんが、今後プランの具体的な進捗に対しては、区への事前の情報提供と十分な協議を前提としつつ引き続き、都の動向を注視していく必要があると考えております。

 次に、都区双方の大都市事務の役割分担を踏まえた財源配分のあり方などの主要5課題の検討については、現在のところ、小・中学校の改築需要急増への対応策についての実態調査が進められている以外では、具体的内容について、議論の進展が見られていない状況にあります。こうした状況を踏まえ、平成16年度の都区財政調整協議において、区側から今後の検討会に臨む都側の具体的な考え方をただすとともに、平成17年度までの残された時間で、精力的かつ効率的な検討を進めるために、都側に一段の理解と協力を要請ました。これに対し、都側からは検討に当たり対等・協力の立場で、誠意を持って真摯な議論を進めていきたいとの回答を得ています。

 いずれの課題についても、平成16年度は具体的な検討に踏み込まなければならない時期であるため、私は都区双方が対等と信頼の関係を保持しつつ、平成12年度の制度改革時に残された課題の解決に向けて限られた協議時間の中で、今後とも精力的かつ効率的な検討を進め、実りある結論に達するよう努力していくことが肝要と考えています。

 次に、国と地方の税財政制度改革、いわゆる三位一体改革についてですが、国庫補助負担金の一般財源化と、これに伴う地方自治体への税財源の移譲に関しては、昨年来さまざまな情報が錯綜し、現時点でもその全貌が不透明であり、現状は地方自治体にとって極めて不本意な経過であると言わざるを得ません。

 今回の改革は、「所得譲与税」が創設され基幹税である所得税の税源移譲に道筋がついた点では、一定の評価ができるものの、地方に裁量の余地のない国庫負担金を主体とした削減は、地方自治体の自主性拡大にはつながらないものと考えます。

 また、国の負担金削減と連動する都の負担金に関して、税財源移譲措置が図られていない点についても問題があると考えています。特別区に生じる三位一体改革による国庫補助負担金の削減に対しては、当面「所得譲与税」と「都区財政調整交付金」による対応が予定されていますが、削減に十分対応する額となるかどうか危惧しているところです。

 三位一体改革の基本的な考え方は、受益と負担の関係を明確化し、地方がみずからの権限と責任及び財源で賄う割合をふやし、必要な行政サービスを地方みずからの責任で自主的、効率的に選択する幅を拡大するというところにあります。この理念に沿って、地方への税財源移譲が早期に実現されるよう、今後とも区長会、東京都、全国市長会などと連携、協力した取り組みを続けてまいります。

 続きまして、「東京都都市マスタープラン」について、まちづくりの取り組み姿勢と附帯意見についてのお尋ねです。

 私は、商業・業務機能と居住機能が調和し、都市景観や緑にも配慮した区民が安心して快適に暮らし住み続けられることを基本に、まちづくりを進めてまいります。東京都都市マスタープランの案については、当区都市計画審議会から2つの附帯意見つきで案に賛同する旨の答申をいただきました。1点目は、具体の都市計画を定める場合は、地域の特性に十分配慮すること。2点目は、公園など自然資源に関する都市計画の扱いについては、保全の観点から慎重を期すること。私は、この答申を全面的に尊重し、区長意見を提出いたします。

 続きまして、「規制緩和の名のもとで、住民との新たな紛争が発生する中で、住民の住み続ける権利、住環境を守るまちづくりをどのように指導・支援していくか」とのお尋ねです。

 過密、密集した首都東京にあって、土地の有効高度利用は欠かせない方策の一つです。しかしながら、その高度利用に当たっては、周辺環境との調和が大切ですし、そのための配慮も必要です。私は、区民が安心して快適に暮らし、住み続けられるようにするため、高度地区による「絶対高さ制限の導入」や「紛争調整のあり方」等について、検討を進めてまいります。

 続きまして、仮に東京都の都市マスタープランと整合性がとれない場合の区の基本スタンスについてのお尋ねです。

 このたびの東京都都市マスタープランでも、地球環境や自然資源の保全、環境との共生、周辺市街地との調和の必要性が随所で述べられています。このことは、私が進めようとしているまちづくりの方向性と合致しており、基本的に大きな相違はないものと考えています。住宅地において、まちづくりを進める場合は、地域住民の意向に十分留意し、必要に応じ地区計画を活用するなどして、地域特性に配慮したまちづくりを進めてまいります。

 続きまして、現行法令の中で積極的に住環境を守るため、国や都の規制緩和に抗して、住民とともにつくるまちづくりの方策と決意についてのお尋ねです。

 最近の規制緩和によって高層建築が出現し、周辺の住環境をめぐり建築紛争が起こっています。土地の高度利用に当たっては、地域特性を考慮した上で周辺環境と調和することが必要となります。現行法令により住環境を保全する方策としては、高度地区に指定による「絶対高さ制限の導入」や「地区計画」などがあります。これらの周辺住民の財産権の行使と密接な関係がありますので、合意形成が前提となりますが、これらの制度を積極的に活用してまいります。

 以上で答弁を終わります。



◎教育長(山?輝雄) 教育委員会への御質問にお答えをいたします。

 まず初めに、虐待やいじめ、暴力から子供を守るための取り組みについてのお尋ねです。

 虐待につきましては、学校・幼稚園の教職員は職務上、児童虐待を発見しやすい立場にあることを認識しており、早期発見・対応に努める必要があると考えています。新宿区子ども虐待防止連絡会作成の「子ども虐待防止ネットワークマニュアル」を、今年度中に区内全小・中学校・幼稚園の全教職員に配布し、適切な対応ができるよう指導してまいります。

 いじめにつきましては、その要因が子供の心の育ちにあるととらえ、心の教育の推進を図ってまいりました。昨年度からは、全小・中学校で道徳授業地区公開講座を実施するなど、家庭、地域と連携した心の教育の充実を図っております。今後、各学校において、いじめの早期発見・対応が一層十分に行われるよう、教職員への研修の充実等を行ってまいります。

 暴力から子供を守ることにつきましては、全小・中学校にインターホンを設置したり、来校者がある際には、必ず受付を通して身元確認をし、名札の装着をさせるなどの徹底を図ってまいりました。また、各学校では危機管理マニュアルを作成し、警察とも連携するなど、不審者を想定した避難訓練の実施等の取り組みを行っております。さらに、登下校時の児童の安全確保のために、全小学生に防犯ベルを配布したところです。

 教育委員会としましては、安全・安心にかかわる施策の一層の充実とともに、子供が安心して通える安全で信頼される学校づくりを目指してまいります。

 次に、学校選択制度の実施についてのお尋ねです。

 第1に、転出希望の多い学校に対する対策ですが、本制度は子供に適した学校を保護者自身が主体的に選ぶことができるというメリットがあります。その選択の結果、少人数になった学校に対しても、学校に任せるだけでなく、選択理由を分析した上で小規模校なりの指導方法を工夫するなど、十分支援していくことが大切であると考えております。今後、ハード、ソフト両面から学校間格差が出ないよう、可能な限り努力してまいります。

 第2に、制度のフォローアップについてですが、御指摘の通学の安全については、各学校ごとの通学路の安全確保のための確認を随時行っています。他の通学区域の学校に通う場合も、安全を確保できる通学路を利用して通学することが基本と考えています。いずれにいたしましても、本区における学校選択制度は緒についたばかりの状況であり、教育委員会としては、本制度の評価を検証するために、一定の時期にアンケートを実施するなど、学校と連携して制度の充実を図ってまいります。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



◆37番(かわの達男) 自席より発言させていただきます。

 区長と、それから教育委員会から丁寧な答弁をいただきました。この後、予算委員会も予定されていますし、私もそこに入れさせていただけるはずになっておりますから、ここでは改めて大きくは言いませんけれども、ただ一つだけ、いわゆる主要5課題の検討会の問題で、時間がありそうでないわけですよ。そういうことで言えば、平成12年度の都区制度改革のときにも、結局時間切れみたいな形で積み残されて、ここに来ているという問題があるだけに、ここはやはりぜひ本当に23区側が腰を据えて、その先頭に中山区長が立って、本当に制度改革をさらに進めていくという、そのためにもきちっとした姿勢で取り組んでほしいと。それらについても、また少しこれからも議論していきたいというふうに思いますけれども、とりあえず、ここでの質問は以上で終わります。(拍手)



○議長(山添巖) ここで議事進行の都合により、15分間休憩します。



△休憩 午後4時06分

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△再開 午後4時21分



○議長(山添巖) ただいまから、会議を再開します。

 質問を続行します。

 35番雨宮武彦議員。

          〔35番 雨宮武彦議員登壇、拍手〕



◆35番(雨宮武彦) 2004年、第1回新宿区議会定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表し、区長並びに教育委員会に質問いたします。

 最初に、区政の基本方針と政治姿勢についてであります。

 「区政の基本方針」で区長は凶悪犯罪の増加、SARS、鳥インフルエンザなどを例に挙げて、「地域社会におけるこうした身近な生活の場面で生ずる脅威から、区民生活を守ることは区が最優先して取り組むべき課題」と強調し、平成16年度の重点課題の一つとして「安全で安心なまちづくり」を掲げています。

 2月17日の深夜、原町の住宅地にある墓地から飛しょう弾が発射される事件が起きました。防衛庁に向けたものと見られ、住民の皆さんの話によると、大きな爆発音が聞こえて、きな臭いにおいがしたそうです。園児の散歩を中止した保育園もあり、防衛庁周辺の地域では不安が広がっています。このようなテロ行為は犯罪であり、絶対に許されません。区民の安全を守るために、区が正確で迅速な情報を住民に提供し、再発防止対策を含めた万全の対策をとることが不可欠です。区は、どのように対応しているのか、お答えください。

 同時に、「安全・安心」と言いながら、その根本的土台である世界と日本の平和の問題について、区長が一言も触れていないのはなぜでしょうか。イラクへの自衛隊の派兵が国民的な大問題となり、連日マスコミでも報道されている中で、区民の目から見て大変不思議だと言わざるを得ません。憲法違反の自衛隊派兵の強行に、国民の批判と反対の声が次々と広がっています。上原公子国立市長らが呼びかけた1月25日のワールドピースナウには 6,000人、平和の灯で防衛庁を包囲した2月5日のピースキャンドルナイトには1万人、2月13日に明治公園で開かれた「守ろう!平和といのちの大集会」には民主党、日本共産党、社民党の代表とともに1万 2,000人が参加し、自衛隊派兵の中止を求めました。そして、3月20日の世界イラク反戦行動へ向けて、新宿区内でも日本全国で世界各地で草の根からの世論と行動が広がっています。

 区長は、新宿区民も参加して区内で取り組まれているこれらの行動について、どのような感想をお持ちでしょうか、お聞かせください。

 区長は、自衛隊の派兵計画を中止すべきではないかという第4回定例会での我が党の代表質問に、「派遣地や派遣の時期を含め、派遣の是非について調査団の現地の詳細情報をもとに、国会で議論されることになっているので、その結果を尊重したい」と答弁されました。では、衆議院で強行採決まで行った国会の議論で何が明らかになったでしょうか。

 第1に、小泉内閣が国会と国民を欺いて、虚構に虚構を重ねて自衛隊派兵を強行したことです。政府は、サマワの「治安が安定している」とした最大の根拠して「住民の意向を反映した市評議会」の「存在」を挙げていましたが、市評議会は解散していたことが明らかになり、国会での小泉首相の発言を撤回するという前代未聞の事態となりました。また、「先遣隊報告書」が先遣隊がイラクに到着する前につくられており、市評議会議長のコメントは作文され、米軍やオランダ軍への襲撃事件数などは隠していたことも明らかになりました。

 第2に、アメリカのイラク調査団長デビット・ケイ氏が「大量破壊兵器はもともと存在しなかった」と証言し、イラク戦争の大義そのものが根本から崩れたことです。

 第3に、自衛隊は連合軍司令部の指揮下に入り、自衛隊の任務は米英占領軍が行う軍事作戦への支援そのものであることが鮮明になりました。占領軍の一員として活動する自衛隊が武力攻撃を受け、それに対して自衛隊が「正当防衛」として「武器を使用する」ことになれば、憲法9条が禁止した「武力行使」そのものです。自衛隊がイラクの人々を殺し、殺される関係をつくることは、断じて容認できません。

 元自民党衆議院議員、防衛政務次官や自民党国防部副会長を歴任した箕輪登さんは、これまで政府がとってきた「専守防衛」の憲法解釈に立っても明らかに憲法9条違反だとして、国に派遣差し止めを求める訴訟を起こしました。区長は、第3回定例会で「日本国憲法は、日本の平和に大きな役割を果たしてきた」「世界平和への貢献についても、核兵器の廃絶を訴えるなど、平和のメッセージを発信し、大きな意義を持ってきた」と答弁されました。イラクへの自衛隊派兵は、明らかに憲法違反ではありませんか、区長の見解を伺います。

 そして、「世界で唯一の核被爆国民として、みずからも戦火を受けた都市の住民として、戦争の惨禍を人々に訴えるとともに、永遠の平和を築き、この緑の地球を次の世代に引き継ぐ責務がある」とうたった平和都市宣言を持つ新宿区長として、イラクへの自衛隊派兵反対をきっぱりと表明すべきではないですか。区長の答弁を求めます。

 次に、区民の暮らしの問題です。

 「区政の基本方針」で区長は「景気の動向は、本年1月の月例報告での「回復宣言」に示されるように、明るい兆しがあるとはいえ、国の医療・介護・年金制度はいまだに不透明であり、将来への漠とした不安定感が払拭されておりません」と述べています。「将来への漠とした不安定感が払拭されていない」どころか、小泉内閣の構造改革路線のもとで、区民は日々の生活に苦しんでいます。小泉内閣が発足して3年間、「不良債権処理」の強行で中小企業は次々に倒産に追い込まれ、政府の後押しによる大企業のリストラも横行して、失業率は5%を超えています。そして、老人医療費の改悪、サラリーマンの医療費3割負担、年金給付の引き下げ、介護保険料や雇用保険料の引き上げ、酒税、たばこ税の増税と国民は4兆 3,000億円もの負担増を押しつけられました。さらに、来年度予算では、公的年金等の控除の縮小や老年者控除の廃止など、高齢者や低所得者をねらい打ちする3兆円の負担増をかけようとしています。

 先日、私のところに都営住宅の申し込み相談に来た77歳のひとり暮らしの女性は、「月4万円の年金と今までの蓄えで生活しています。現在、住んでいるアパートは6畳と1畳の台所で家賃は5万円です。食事も1日2回、おふろも福祉会館へ週3回と区からの入浴証だけと生活費を節約しています。蓄えが減る不安と病気になったらどうしようという不安で、夜も眠れない日が多いんです。都営住宅か区営住宅に何とか入居ができないでしょうか」と、切実な実情を訴えました。

 また、四谷に住んでいた3歳のお子さんをお持ちの40歳と38歳の御夫婦は、夫が15年間働いていた会社からリストラされました。その後、何とか派遣会社へ勤めましたが給料は1カ月わずか9万円程度しかもらえず、奥さんも子供を保育園に預けてパートで働きましたが、生活費のために借金をせざるを得ず、とうとう親から相続した自宅を売り払って弁済し、新宿から転居せざるを得なくなりました。私は今、区民にとって何よりもの「安全・安心」は、日々の生活に不安を持つことなく暮らせることだと思います。

 区長は、「努めて現場に出向き、多くの区民の皆様の声に耳を傾けてまいりました」と述べました。しかし、「区政の基本方針」を何度読み返してみても、区民の深刻な生活実態に心を砕いているようには感じられません。区長は、私が示した例も含め、区民の暮らしの実情をどのように受けとめられているのですか。そして、長引く不況と国の政治による相次ぐ負担増に苦しむ区民生活に対して、区政としてどのような役割を果たそうと考えているのですか、答弁を求めます。

 次に、2004年度予算についてです。

 区財政は、平成12年度から3年連続して実質単年度収支が黒字となり、平成16年度予算案の概要でも「一定の改善を示している」としています。平成15年度も、今定例会に提案された補正予算案により、財政調整基金も取り崩さず、減債基金へ約10億円積み立て、社会資本等整備基金にも1億 7,000万円の積み立てができる状況であり、実質単年度収支は4年連続の黒字の見通しと言えます。

 区財政の「一定の改善」を踏まえ、来年度予算は深刻な区民の暮らしを支える予算とすることが求められています。ところが、区長が提案した予算案には、大変な区民生活にさらに追い打ちをかける内容が具体化されています。何よりも重大なのは、国民健康保険料と40歳以上65歳未満の第2号被保険者の介護保険料の連続値上げです。値上げ案は、国民健康保険料は均等割を2万 9,400円から3万 200円に、所得割料率を 100分の 204から 208に、介護保険料は均等割を 9,000円から1万 800円に、所得割料率を 100分の23から28にするもので、今年度に続いて低所得者ほど負担増の割合が大きくなる内容です。

 しかも、毎年の値上げにより、4年前と比べると例えば夫婦と子供2人の年収 500万円の世帯で、国民健康保険料が2万 3,174円、介護保険料が1万 1,616円、合わせて3万 4,790円もの大変な負担増となります。長引く不況により営業の悪化やリストラの横行で失業者もふえる中、これ以上、保険料を引き上げれば払いたくても払えない区民をさらにふやし、住民の命と健康を守るという国民健康保険制度そのものの機能を崩壊させていくことになります。

 四谷でクリーニング屋をやっている御夫婦は、「この四、五年で売り上げが25%から30%も落ちた。材料なども以前には買い掛けだったのが現金仕入れに変わってきて、日々の生活もままならない。それなのに保険料が毎年上がり、もう限界です。収入のない者は病気になっても病院にも行けず、死を迎えるだけなのでしょうか」と訴えています。

 国民健康保険財政について考えるならば、国民健康保険収入に占める国庫支出金の割合が84年度の49.8%から、2000年度には34.9%まで大きく減らされてきたこと、都の補助金も2002年度には96年度のわずか17.5%へと大幅に削減されてきたことが最大の問題です。そもそも国民皆保険制度を支え、低所得者が多く加入する国民健康保険は、国の手厚い援助がなければ成り立たない保険制度です。国庫負担の引き下げで国民健康保険財政が悪化し、保険料の値上げとなって区民にしわ寄せされる。さらに不況が追い打ちをかけて所得が減る中で、保険料は上がり続ける。そのため、やむを得ず滞納する人がふえて、財政がさらに悪化し保険料がさらに引き上げられるという、この悪循環を断ち切らない限り、国民健康保険財政の健全化は図られませんし、国民皆保険制度を守ることはできません。

 新宿区の国民健康保険加入世帯は年々ふえて52%です。国民健康保険料をどうするかは、区民の暮らしを大きく左右します。区長は、国民健康保険料の連続値上げによる国民健康保険加入世帯の深刻な実態と国民健康保険財政の悪循環について、どのように認識されているのか伺います。

 23区区長会の今回の値上げ案に対し、渋谷区は「現在の厳しい社会経済情勢においては、保険料を引き上げる状況にはない」として、据え置く方針であることが報道されています。区長は、さきの国民健康保険運営協議会でこの渋谷区の態度を「まことに遺憾」と批判されましたが、区民の生活を考えるならば、区長会や全国市長会と力を合わせて、これまで以上に強力に国庫支出金などの増額を要求するとともに、3年連続黒字で一定の改善を示している区財政の現状も踏まえて、保険料を据え置く努力をすべきではありませんか。区長の答弁を求めます。

 もう一つは、がん検診・成人健診についてであります。

 今年度から有料化され、各検診の受診者数は減少しました。特に、子宮がんと乳がんの受診者は、それぞれ 400人以上、率にして6%以上の減です。来年度の値上げ額の影響は、すべての検診を受診すれば、女性は 3,300円から 5,200円へ、男性は 2,100円から 3,400円へとさらに負担がふえることになります。がんは不治の病ではなく、早期発見によって命を落とすことなく治ると言われています。悪くなってからでは、医療費も逆にかさむことになります。私は、第3次実施計画が掲げる「健康で思いやりのあるまち」を実現するためには、区民の皆さんが経済的負担を気にすることなく、安心して受診できるよう無料制度に戻すべきだと考えますが、区長の見解を伺います。

 次に、さきに発表された事業別行政コスト計算書に関連して、区民保養所と保育事業について質問します。

 区は本年1月、区民保養所、区民健康村、保育事業及び放置自転車対策事業について、事業別行政コスト計算書を発表しました。

 そこで、第1に、この事業別行政コスト計算書にかかわる区民参加についてを伺います。

 区長は、この「計算書」の冊子の冒頭で「区民の皆さんにも、このような事業ごとの行政コストを情報提供し、費用対効果に基づく施策の妥当性や代替案との比較・検証などを一緒に考えていただくための素材として活用されることを願って、この報告書をまとめた」としていますが、実態はそうなっていないのではないでしょうか。それは、例えば区民保養所の事業について見れば、区民の皆さんと一緒に考える間を与えるどころか、議会にこの計算書が提出されて1カ月もたたない去る2月12日に開かれた総務区民委員会に、保養所などの今後の方針についてとして、「早雲山区民保養所を平成19年度で廃止し、中強羅区民保養所を大規模改修する」という報告をしているのであります。

 同委員会で、このことを指摘した我が党委員の質疑に対し、「この課題については、既に行財政改革推進計画で保養所の1所の廃止は区民に示している。また、時期的な点では箱根鉄道との再契約の関係もあるため」との答弁でありました。しかし、だとするならば、保養所の今後の方針は、区としては既に結論が出ている問題ではないでしょうか。その点では、今定例会に撤去費用の値上げを提案している放置自転車対策についても同様であり、なぜこれらの事業を対象に選定したのか、全く理解できません。あえて 800万円余の委託料を払う意味がどこにあるのか、これではまさに「結論が先にありきで区民はなおざり」と言わざるを得ません。確かに、区民への情報はホームページで提供されていますが、区の広報で全区民に情報提供されたのは昨日の25日号であり、区民がこの情報を手にして考える機会は、これからではないでしょうか。

 そこでお伺いしますが、第1にこれらの事業について、区としての今後の方針について、既に結論が出ているとするなら、区長の言う「透明性のある区政、区民参加の区政を実現する」との言葉は、一体どう受けとめたらいいのでしょうか。

 第2は、この計算書の扱いについて、区長が願われているように、区民に対して十分情報提供され、また区民と一緒に考える時間と参加の場を持つべきであると思いますが、どのよようにお考えですか。

 以上の2点について、御見解をお聞かせください。

 次に、保育事業に企業会計の手法を取り入れて行政コスト計算をしたことについてであります。

 私は、率直に言って子供を預かり育て成長させるという保育事業に、営利を目的とした企業会計の手法を取り入れてのコスト計算はなじまないものと思います。今、子供を取り巻く環境は、相次ぐ痛ましい児童への虐待事件の発生などに見られるように、次世代を担う子供たちを家庭や社会全体でどう支えていくのか、国民的にも大きな関心事になっています。これまで以上に子育てに対する取り組み、心も体も健やかに育つ事業の拡充が一層求められています。社会の宝である子供たちの成長をはぐくむ区の保育事業の拡充についても同様です。その保育事業にとって、一番大切な役割を果たすのは、ほかならぬ保育士であることは言うまでもありません。区がこれまで、国基準を上回る区加算を行って人的配置をしてきたからこそ、利用者が公立保育所に信頼を寄せてきたのではないでしょうか。このことは、「ナカチ経営研究所」の提言でも明確に「利用者にとっては好ましいこと」と評価をしています。

 ところが、今回の企業会計の手法を取り入れたコスト計算では、一番重要な私立保育所との比較については、「各園の実際の運営費について、同一条件で算出されたデータの収集が今回できなかった」としながら、「提供するサービスの内容については、本来、公立と私立には違いはない」と一方的に述べるなど、肝心な保育の質の評価については、具体的な検証を行っていません。

 そこで、改めてお伺いいたしますが、第1に計算書は公立保育所の1人当たりの総コストは私立保育所の 1.5倍であり、「提供するサービスの内容については、本来、公立と私立には違いはないから」として、「より効率的運営を行うために、業務内容の見直し等を検討する必要がある」と結論づけていますが、そこには保育の質についての判断を、どのような検証に基づいてされているのでしょうか。

 第2に、企業会計の手法を取り入れた行政コスト計算をもとにして、保育事業の見直しを図ることは、自治体としてのこれまでの公立保育園が果たしてきた役割の放棄であり、保育事業、すなわち子供の育ちの分野に「営利企業化」そのものを持ち込むものだと言わざるをえません。区が行う保育事業に、利潤を第一義とする企業会計を導入しての事業の見直しは行うべきではないと思うのでありますが、区長の考えをお聞かせください。

 次に、小学生の医療費助成についてです。

 「区政の基本方針」で区長は、子育て支援の推進を区政の重点課題に掲げ、「子育て家庭を社会全体で支援することにより、子供が心身ともに健やかに育つ環境を整備することが重要」と述べました。現在、区は「次世代育成支援計画」策定の先行自治体として、2004年度の策定を目指していますが、計画づくりとともに実質的な支援の充実を図っていくことが求められているのではないでしょうか。

 「新宿区次世代育成支援に関する調査報告書(案)」では、「子育て支援事業に望むこと」について、「児童手当の拡充、税金の軽減などの経済的援助」と答えた保護者が就学前児童で73%、小学生の保護者で65%と1位を占めています。また、「今後も新宿区で子育てをしていきたいと思いますか」との問いに対しては、就学前では41%、小学生では36%が「当分の間は新宿区で子育てをしていきたい」と回答し、その理由は断トツで「家賃・地価が高いので子供が大きくなったら転出する」と答えています。ここには、私たちがふだん接する区民の声がよくあらわれているのではないでしょうか。

 私たちは、これまでも小学校低学年の歯科診療への医療助成について条例提案をしてきました。今、見てきたように、区民が子育て支援に最も望んでいることは経済的な支援です。区民の願いにこたえて、医療費助成制度の対象年齢を小学生まで引き上げてはどうでしょうか。

 今、各区で来年度予算編成が行われてきていますが、北区がこの4月から 5,587万円で区内の約1万 8,000人の小・中学生の入院医療費を無料にします。また、港区が「子育てに関する不安をさらに軽減するために」「子育て支援策の一つとして」、この4月から小学生を対象に入院医療費の自己負担分全額を助成するそうです。さらに、品川区では来年1月から小学生の医療費を入院・通院とも無料化することを決めています。まさに、子育て支援策として抜本的な対応が始まっています。全国的にも、横浜市が中学生までの入院医療費を助成、京都府の園部、八木両町は高校生までの入院・通院費を月 200円の自己負担以外は無料化しています。少子化対策基本法を背景に、医療費助成の対象年齢の拡大は今後一気に広がることは間違いありません。次世代育成の先行自治体として新宿区が、この分野でも先行自治体になることが区民も望んでいるのではないでしょうか。

 区長にお伺いします。医療費の助成制度を小学生まで拡大すべきだと思いますが、いかがですか。

 次に、子供たちの教育環境整備について、区長と教育委員会に質問します。

 第1に、小学校の全普通教室の冷房化についてです。

 来年度、中学校の全教室に冷房が設置され、「いよいよ小学校にも」と声が挙がっています。「予算要望」等で、小学校PTA連合会からの統一要望としても掲げられています。来年度予算案では、小学校のうち特殊事情があるとして4校については冷房化が計画されていますが、他校の関係者からは「あの学校が冷房がつくのなら、うちについておかしくない」との声が聞かれます。学校選択制度が導入される中、施設面での格差は許されません。教育長を囲む会において、PTAの代表から中野区が全校冷房化を実施し、子供たちの生活面での改善にも効果を発揮していることを指摘されると、教育長は新宿は中学校校舎の建てかえでかなりの経費を取られ、エアコン化がおくれている一因となっているとの趣旨を述べています。統合が冷房化のおくれの理由とあっては、児童も保護者も納得できません。予算面で踏み切れないなら、昨年、我が党区議団が提案したリース方式の設置を進めればよいのです。小学校の全普通教室冷房化をことしの夏前に実施すべき考えますが、お答えください。

 質問の第2は、30人以下学級の実施を小学校1年生から行うことについてです。

 新宿区議会は、国や東京都に対し意見書を上げてきました。実際に、新宿区内で40人近い学級と15人程度の少人数学級を経験した先生からは、少人数の学級の方が算数ではおくれた子供に目が行き届く、進んだ子も互いに教え合う気風をつくることができる、体育ではみんなに出番があり生き生きする、生活面でもみんながお互いをわかり合っているので、落とし物も本人に届く、給食もすぐに準備ができゆっくり食べることができるなど、落ちついたゆとりのある学校生活が送れるとのことでした。学力低下や生活面の難しさが言われる中、新宿の子供の健やかな成長のためにも、少人数学級の実施が今こそ必要です。

 文教委員会は、少人数学級を実施している愛知県犬山市を視察しました。犬山市は、県教育委員会がまだ積極的ではない中でも、何よりも子供を真ん中にした教育の実現のため、担任を持たない教員を少人数教育に充てる市費での非常勤教員の確保、大学教員の援助を得て少人数学級にふさわしい教育方法の改善など、独自の努力をしていました。こうした経験の中から、生活集団と学習集団の一致が必要であること、少人数教育と少人数学級とを組み合わせることで成果が上げられるとの結論に達し、今年度は希望するところから部分的に少人数学級を実施しています。

 少人数学級実施の世論が高まる中、文部科学省は都道府県教育委員会が指定する研究指定校への少人数指導のための教員配置を、少人数学級の担任に転用することを認めました。既に行われている30道府県のほか、新しく11の県がこの文部科学省の提案で少人数学級への振りかえを行います。お隣の神奈川県教育委員会は、ことし4月から要望のあったすべての小学校の1年生の学級規模を35人学級とする方針です。

 東京都教育委員会が区市町村に通知せず、独断で文部科学省に「該当なし」と回答したこととは対照的です。こうした態度が、関東甲信越地区で東京だけが少人数学級に踏み出さないという現状を生み出しているわけです。やはり、東京都教育委員会に対して、少人数学級を進めるよう申し入れをすべきではないでしょうか。

 仮に、新宿区で今年度の小学校1年生を30人以下で編制した場合、11名の教員採用で、そのための人件費は約 4,400万円程度で実施が可能です。区立小学校1年生の実態は、既に48学級中32学級が30人以下、つまりやはり7割が30人以下学級であり、30人を超える学級は約3割の状況です。新宿区として、30人以下学級をまず小学校1年生からでも実施するよう再度求めるものであります。

 以上、2点について答弁を求めます。

 最後に、商店街振興について質問します。

 商店街は、地域経済の核であるとともに、地域社会の柱として、お祭りや町会活動、消防団活動や防犯、交通安全活動など、区長が言う「まちのにぎわい」と「安全・安心なまちづくり」に大きな役割を果たしています。

 しかし、長引く不況、大型店の出店などで、各町の商店街は苦境に立たされています。そして、現在、区内商店街で大きな負担になっているのが街路灯の維持経費です。店舗数が減る、またコンビニやドラッグストアなどのチェーン店は商店会に入会しないケースが多く、会員数の減少により街灯の電気代が払い切れないというのです。商店街灯の維持費助成は、環境土木部土木課が行っています。補助金は、30メートルに1本の街灯に年間 3,000円から 5,200円というものです。しかし、実際には道の両側10メートルから20メートルの間隔で立っているので、30メートルに1本では全く実態に合っていません。

 例えば、神楽坂通り商店街では実際は45基あるところ、区の基準では16基だけの計算になり、年間8万円の助成額です。しかし、現実には1年間の電気代は約 120万円にもなり、大変な負担です。せめて、実数の45基での助成であれば約23万円にもなるのです。商店街の役員さんは、「住宅街の防犯灯と商店街の街灯では意味が違う。活気ある商店街の象徴が街灯。商店街の活性化という意味で助成してほしい」と話していました。

 また、土木課の助成は区道にある商店街灯だけで、都道にある商店街灯には補助されません。私が住んでいる左門町商店街も都道である外苑東通りに面しています。同じ区内の商店街で補助事業に格差があってはならないと思います。

 千代田区は、商店会すべてを対象に電気代の実費の3分の1を助成しています。千代田区の担当の方は「商店街灯の助成は商店街振興です」と言っていました。

 そこで、区長に伺います。

 商店街灯維持費の助成は、商店街の振興とまちににぎわいをつくり出すことからも、土木課ではなく商工課として、区内すべての商店会を対象に行うべきではないでしょうか。

 また、補助の基準は実際にかかった電気代の3分の1程度とすべきです。

 以上、2点について区長に伺います。

 次に、チェーン店が商店会に入らないという問題です。

 もともと、商店街に店舗を出していた商店がコンビニに衣がえをしたところは商店会に加入していますが、多くのチェーン店は未加入になっているのが実態です。ある商店会では、チェーン店の本部に申し入れに行くと「店長に加入するかどうかは任せてある」と言われ、店長に加入を勧めると「経費節減を上から言われているので入れない」と言うのだそうです。加入促進の努力は単位商店会だけでは困難です。商店街活性化のためには、チェーン店の商店会加入が必要です。チェーン店の本部に区として加入を促すなど、話し合いや申し入れをし商店会の支援をすべきです。

 また、私たちが繰り返し提案してきた中小企業振興基本条例を、今こそ策定することを提案します。

 これまで述べてきた商店街灯やチェーン店の商店会未加入の問題を解決するためにも、区長がいつも言われる「にぎわいのあるまち新宿」をスローガンではなく、中小企業振興基本条例制定をもって、区内外に発信するべきではないでしょうか。

 以上、2点について区長に伺います。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



◎区長(中山弘子) 雨宮議員の質問にお答えいたします。

 最初に、「区政の基本方針」と政治姿勢についての質問にお答えします。

 まず、2月17日深夜の爆発弾発射事件についてのお尋ねですが、この事件は警察など関係機関がテロの警戒をしているさなかに発生したもので、市谷本村町の防衛庁をねらった過激派のゲリラ事件と見て、現在、警視庁公安部で捜査中とのことで、警視庁が発表した新聞情報以外には承知していません。幸い、区民の皆さんに被害はありませんでしたが、区では翌18日朝一番で、各施設管理者に施設内の安全点検を指示しました。昨年もイラク戦争開戦直前に、防衛庁に向けて金属弾が発射された事件があった際、そして昨年暮れにもテロ災害対策について注意するよう、各施設管理者に指示をしています。また、1月末から2月にかけて開催した地域防災協議会の席上、警察からも見えざる敵であるテロ対策の危険性について説明し、注意と協力を呼びかけたところです。

 いずれにしても、テロ・ゲリラ事件は断固許される行為ではありませんので、取り締まり機関の徹底した捜査を期待するとともに、区としては道路と公園等の施設の安全管理に万全を期してまいります。

 次に、「イラクへの自衛隊派遣をめぐる世論や活動」について、どういう感想を持っているかとのお尋ねです。

 自衛隊を派遣することについては、国会の場でも議論の結果、「イラク特措法」の制定により、人道的復興支援を目的に派遣することになったと認識しております。派遣に当たっては、国民の間でも賛否さまざまな考えがあり、それぞれの活動があると思います。

 次に、「イラクへの自衛隊派遣は憲法違反ではないか」とのお尋ねですが、自衛隊派遣の目的は、人道復興支援、安全確保支援であり、自衛隊の活動はイラクの人々の生活と平和を守るためとされています。派遣に当たり、衆議院「イラク復興支援特別委員会」での強行採決、本会議で一部会派等の欠席の中での採決は、私も残念なことと思っています。しかし、参議院の場では本会議において、全会派の出席を得て採決がなされました。したがいまして、派遣に当たっては国会での承認を受けており、私としては憲法問題を含め国会の意思を尊重したいと考えています。

 次に、「イラクへの自衛隊派遣反対を表明すべきではないか」とのお尋ねです。

 自衛隊派遣の目的は、あくまでも人道復興支援であり、現地の復興活動に携わることです。去る24日、アナン国連事務総長が参議院本会議で国会演説を行いました。その中で、アナン氏はイラクへの自衛隊派遣に言及し、日本のイラク貢献について「窮状に立ち向かうイラクに対し、称賛されるべき連帯姿勢を示した」と評価したと報道されています。このことは、世界平和を願う我が国の貢献を、国連事務総長が評価したことです。私も、イラクの人々を初め世界の人々が安心して暮らせる日々が一日も早く訪れるよう強く願っております。したがいまして、自衛隊派遣に反対する考えはありません。

 次に、区民の暮らしの問題についてのお尋ねです。

 日本経済は、景気の回復傾向が見られますが、中小企業や地域経済への波及は一部にとどまっており、雇用や家計のレベルでは回復の実感にはほど遠い状況にあります。

 このような中で、区民生活にもさまざまな影響がもたらされ、区民の方々の中には生活費にも困窮されている方もおられます。区民の皆さんの厳しい生活面については、私は区長として及ぶ限りの対応をとっていると考えています。平成16年度予算でも、生活保護費や就学援助費などについては、相当な経費を充てています。加えて、長引く景気の低迷で資金繰りに苦しむ中小企業への対策として商工業資金の貸し付けも強化しています。

 そして、また一方では今年度の重点課題でお示ししたように、区民生活上直近の問題として、ぜひとも対応しなければならない少子高齢化対策などにも優先的に財源配分を行っています。

 次に、2004年度予算について、お答えします。

 初めに、国民健康保険料連続引き上げについてのお尋ねですが、国民健康保険料の料率改定は、医療費の伸びが大きく見込まれるために行うものです。特に、ここ数年、前期高齢者や社会保険離脱者などの増により、保険者負担分医療費が大幅に伸びている実態にあります。御指摘のように、国民健康保険の被保険者には制度的に高齢の方や収入のない方も多く、保険料の値上げが生活に響くということも否定できないと思います。そうした個別的な事情については、保険料の減額の制度で対応しているところです。

 このような措置をとりながらも、平成14年度決算における国民健康保険特別会計への一般会計からの繰入額は49億円という規模にもなっております。したがいまして、区民の皆様に支えていただいている国民健康保険の現状を考えれば、保険料引き上げはやむを得ないことと考えています。

 次に、国などへの要求と保険料据え置きについて、お答えします。

 渋谷区の対応を「遺憾」とした理由は、23区統一保険料が瓦解するおそれがあること、また都区財政調整への影響も懸念されることからです。このいずれの点においても、新宿区にはよい結果をもたらしません。国庫支出金の増額などにつていは、これまでも全国市長会、特別区長会を通して国に要望しています。国においても、高額医療費共同事業の制度化・拡充や保険者支援制度の創設など、少しずつではありますが、財政負担の軽減などが措置されてきています。この点は、医療保険制度の抜本改革とあわせて、引き続き国に要望していきます。

 保険料の据え置きについては、前段の御質問でもお答えしたとおりの事情にありますので、特に考えてはおりません。御理解のほど、お願いいたします。

 次に、がん検診及び成人健康診査の無料制度の復活についてです。

 検診等の一部自己負担制度は、事業を安定的・継続的に実施し、検診精度の向上や新たな検診項目への取り組みを進めていくために必要なものです。また、費用の一部負担を通して、区民に「自分の健康は自分で守る」という意識を高めていただくことにもつながるものと考えています。

 受診者数についての御指摘ですが、前年度に比較して成人健診はマイナス 0.4%、がん検診は全体でマイナス 2.7%と若干減少しておりますが、平成13年度との比較では成人健診が 4.6%、がん検診が 6.7%の増となっております。これらの結果から、区民の皆様の大方の御理解が得られたものと受けとめています。平成16年度は、がん検診の受診期間を延長し、受診勧奨に努めるとともに、乳がん検診にマンモグラフィ検査を導入し、検診精度の一層の向上を図ってまいります。

 なお、この制度の導入に当たっては、2年間の経過措置を設けるとともに、生活保護世帯や特別区民税非課税世帯への免除規定を設けるなど、区民生活への影響にも配慮しております。したがいまして、がん検診等の無料制度の復活については考えておりません。

 次に、事業別行政コスト計算書についてのお尋ねです。

 事業別行政コスト計算書は、企業会計手法により事業の状況を明らかにし、事業の効率化を図るマネジメントのツール、道具として活用することと、区民へのコスト情報の提供を目的としたものです。

 区民保養所については、行財政改革計画で平成19年度までに1所にするという方向性が出ており、かつ契約更新時期が到来し相手方との交渉を進めている中でのコスト分析であり、その分析結果を事業マネジメントの道具として効果的に活用し成果を得ることができたものです。あわせて、事業の方向性などを含むコスト情報・分析の結果を区民と共有することにより、区政の透明性を高めることができたと考えています。

 次に、区民参加については、事業別行政コスト計算書が区民の皆様に大いに活用され、区の施策の妥当性を考える素材としていただくことを願っております。区としては、区広報やホームページなどを通じ、広く情報提供することにより、区民の皆様の御意見を募ってまいります。

 次に、保育の質についての判断をどのように検証したかについてです。

 保育園の提供するサービス内容には、本来、公立と私立に違いはなく、今回のコスト計算に当たっては、区から私立保育園に交付している額を用いて比較を行ったもので、園児1人当たりの総コストに 1.5倍以上の格差があることがわかりました。これを受け、平成16年度には、園別、経費別、サービス別の比較検証を行い、運営方法等における差異も分析していきますので、保育の質についてもさらに明確になってくるものと考えています。そして、公立・私立双方のすぐれた点を、それぞれが生かし合えるように取り組んでいきます。

 次に、保育事業に利潤を第一義とする企業会計を導入して事業の見直しを行うのではないかについてですが、今回のコスト分析は区職員がみずから担当する事業の状況を正確に把握し、コスト意識を持って事業をマネジメントする道具として活用することを目的として作成いたしました。また、事業ごとの行政コストを区民の皆さんに情報提供し、費用対効果に基づく施策の妥当性や代替案との比較・検証などを、一緒に考えていただくために素材として活用されることを願って、この報告書をまとめたもので、企業会計そのものを保育事業に導入しようとするものではありません。

 次に、小学生への医療費助成について、お答えいたします。

 新宿区は、乳幼児医療費助成については、他の自治体に先駆け助成対象を就学前事業まで拡大してきましたが、対象年齢を小学生まで拡大する考えはありません。区といたしましては、「北山伏子育て支援協働モデル事業」など、区民と区が協働して地域全体で子育てを支え合う仕組みづくりや、きめ細かな子育て支援サービスの充実などに重点的に取り組み、地域全体で子供の成長と子育て家庭を応援する「子育てしやすい新宿」の実現を目指してまいります。

 次に、子供たちの教育環境整備についてのお尋ねです。

 平成16年度に中学校の全普通教室の冷房化が完了しますが、これは義務教育の総仕上げとなる中学校の良好な学習環境の充実を図るために実施するものです。しかし、今後とも厳しい財政運営が予想される状況のもと、小学校については中学校に比べ夏休み期間中の普通教室の使用頻度が少ないことなどから、全普通教室への冷房化を見送ることはやむを得ないものと考えます。平成16年度については、引き続き道路騒音等により教育環境の改善に配慮が必要な特殊事情がある普通教室について、冷房化を進めてまいります。また、リース方式については、単年度ごとの財政負担は軽減されますが、複数年度の契約期間の総額から見ますと、リース方式の方が財政負担が大きいと言わざるを得ません。

 次に、商店街振興のお尋ねですが、商店街灯の維持助成については、区道上における道路の交通安全、防犯及び美観の見地から、商店街がその地域発展のために設置したもので、区は商店街灯の維持管理費の一部を助成しています。これは、道路交通の安全を確保するため、商店街が補完的に商店街灯の設置を進めることに対して、電気代の補助を行ってきた経緯があります。その結果、商店街灯の助成対象基数も道路照明と同様に、30メートルを基準として算定しているのが現状です。

 また、道路管理という観点から、管理者の異なる都道などに設置されたものの助成は行っていません。このような状況の中で、商店街の振興として商店街灯の設置経費の助成を実施しているところですが、維持助成については現行の助成制度で対応していきたいと考えます。

 次に、補助基準の見直しについては、商店街灯に同じものがないというくらい、各商店街が個性のある装飾灯を設置しています。また、光源や灯柱の数についてもさまざまですので、実費から算定するのではなく一定の基準に基づき助成することが妥当と考えます。

 次に、商店会への加入促進についてのお尋ねです。

 これまでも、区内の商店会が加入促進につながるさまざまな取り組みを行う場合には、区としても適切な支援を行ってきたところです。しかし、基本的には商店会への加入は加入者の任意であり、区としては会費を負担しても加入する魅力ある商店会活動となるよう、区内の商店会を支援していくことが問題の根本的な対策であると考えています。

 また、区内にはチェーン店が多数存在し、それらの営業地域は多くが単一の区内にとどまらず広域に及んでいることから、こうした問題に適切に対応するには、より広域的な対応が必要と認識しています。このため、今後、区としても東京都など関係機関との間で必要に応じ情報交換を行うなど、適切な対応に努めていきます。

 次に、中小企業振興基本条例の制定についてのお尋ねです。

 商店街振興施策については、私としても商工施策の重要課題として、大いに力を注いでいるところです。施策の充実という点では、御指摘のような形を整えることよりも、むしろ時代に即したさまざまな具体的施策を効果的に展開することで、「にぎわいのあるまち新宿」をつくっていきたいと考えています。したがって、区独自の中小企業振興基本条例を制定することは考えていません。

 なお、チェーン店等の商店会への加入促進については、先ほど申し上げましたように、適切に対処をしてまいります。

 以上で答弁を終わります。



◎教育長(山?輝雄) 教育委員会への御質問にお答えをいたします。

 初めに、子供たちの教育環境整備についてのお尋ねです。

 御案内のとおり、平成16年度については、中学校1、2年の普通教室の冷房化を計画いたしております。また、小学校については、近隣道路や鉄道の交通騒音等教育環境の改善を要すべき特殊事情のある学校4校の普通教室について冷房化する予定です。

 御指摘のように、新校建設等に多額の財政負担が見込まれるという財政的側面もありますが、中学校については、義務教育の総仕上げになるという意味でも、学習環境の充実が急がれます。また、学校選択制導入に当たっても、区内全域が選択の対象となったこと、さらに夏休み期間中の普通教室の使用頻度が小学校に比し多いことなどを重視し、冷房化することといたしました。

 他方、小学校については、同じく学校選択制導入といいましても、学校選択の範囲も中学校と異なるなどの事情もあり、当面、他の小学校に比し道路騒音等の特殊事情を抱える4校について、諸事情を総合的に勘案し、環境改善を図ることとした次第です。教育委員会といたしましては、今後も引き続きこのような特殊事情がある学校等につきましては、冷房化を検討してまいりたいと考えております。

 次に、小学校1年生について、30人以下学級を実施することについてのお尋ねです。

 学級編制は、東京都教育委員会の権限に属する事項であり、区教育委員会が独自に実施するには、教員採用・任用・費用等の多くの課題があり、実現が極めて難しい状況は依然として変わりありません。きめ細かな指導の充実を図るために、教育委員会としては小学校1年生に限らず、少人数学習指導やチーム・ティーチング指導の教員を配置するなど対応をとってまいりました。来年度は、小学校30校中27校に都からの加配教員が配置され、残りの3校については区費講師を配置する予定であり、全校配置が実現されます。今後、教員給与の義務教育費国庫負担制度の弾力的運用に対する、今後の国や都の動向を見据えながら、一層きめ細かな指導の充実を図ってまいります。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



◆35番(雨宮武彦) 大分早口でしゃべったようで時間があるそうですから、ちょっと幾つか意見を述べておきたいというふうに思います。

 一つは、事業別コスト計算書の件で区長は区民の皆さんの納得を得られていると、この話を区政の透明性で、これを素材にするんだというふうに言っておりますけれども、自転車の料金の返還を 2,000円から 3,000円にするという条例も出されていますね、今回。この保養所もそうですけれども、せめて1年間ぐらい延ばして、十分に区民の皆さん、この行政コスト計算書で大いに材料を提供しましたと。確かに、区長おっしゃるような材料を提供されたかもしれない。しかし、それを行財政改革計画では、既に決まっていることですよ、説明済みですよとおっしゃっているんだけれども、そうではなくてやはりこの1年間、どうぞこれをよく読んで区民の皆さんも勉強してください。そして、その後にこういう結論ですよ、住民の皆さんの意見を聞いて、区民の皆さんの意見を聞いて、こうですよというんだったら、本当に区民の皆さんの声を聞いていますよという姿勢は理解できるんですよ。

 しかし、もう発表したと同時に総務区民委員会に報告する。あるいは、災害等対策等特別委員会にも報告する。そういうことで、議員の意見だけ聞いて、もう方向を決めてしまう。これでは、やはり区長が言う本当の意味での区民の声を十分に聞いて、透明性だというふうに僕は言えないのではないかなと。せめて1年ぐらい延ばして意見を聞くというんだったら、聞いた結果、来年度の予算でこう提案をするというんだったら、区長のおっしゃることわかるんですが、これはちょっと私はそういう意味からも納得ができません。

 それと同時に、子育て支援を中心にしていこうということで、今回、重点にしていますけれども、次世代の計画に、つくる計画に手を挙げた自治体として、やはり私は小学生までの医療費の無料化、あるいは冷房の小学校もやるということ、冷房化についてはもう新宿以外の周りの区はほとんどしてしまっているんですよね、残されたのは新宿だけ。特に、新宿は世界に冠たるだとか、本当に新宿区が中心になってとか、東京の中心なんだと言っているけれども、この冷房化問題では中心どころかおくれてしまっているんですよ。

 今、教育長も区長も夏休みは余り使わないとおっしゃっているけれども、ほかの区だって余り使わない。ほかの区だって使わないけれども、中学生だけではなくて、やはり夏だ、7月だって暑いときもある、9月だって暑い時期もある。だから、よりよい子供のために環境づくりをしてあげようということで、みんな小学校も中学校もほとんどの区がもうやっているわけでしょう、都心区で。ですから、やはり本当に次世代の計画をしていこうという新宿区で、全国に先駆けて手を挙げた区なんですから、小学生にもいい環境でやるということで、ぜひこれは今年度がだめなら、夏までがだめなら、来年度に実施できるように、ぜひ計画を検討してもらいたいということ。

 乳幼児医療費の無料化は全国に先駆けて小学校に上がるまで実施しましたよね。ですから、神田川の近くに住んでいた中野区の人は新宿区に引っ越してきている人もいたんですよ、新宿区に行けば無料になるということで。私事で大変恐縮ですが、私も孫が生まれて府中に住んでいますけれども、3歳までなんですよ、府中はね。新宿区は小学校に上がるまで医療無料だよと、こういうふうに言うと、いいなと、余り政治に関心を示す娘ではないんですが、それだけは非常に関心を示しまして、本当に新宿区はいいなと、喜びますよね。ですから、先ほど幾つかの例を挙げましたけれども、決して新宿区が小学生まで医療費無料化にしたって、僕はおかしくないというふうに思いますので、予算委員会が後で私も委員のメンバーに選ばれることになっておりますので、また総括質問で近藤さんが大いにやっていただくことになっておりますので、ぜひまたそこの場で議論をさせていただきたいということを述べて終わります。(拍手)



○議長(山添巖) ここで、議事進行の都合により、15分間休憩します。



△休憩 午後5時25分

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△再開 午後5時42分



○議長(山添巖) ただいまから会議を再開します。

 質問を続行します。

 25番小畑通夫議員。

          〔25番 小畑通夫議員登壇、拍手〕



◆25番(小畑通夫) 平成16年第1回定例会に当たり、新宿区議会公明党を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。誠意ある明快な御答弁を期待して、早速質問に入ります。

 質問の第1は、平成16年度の区政の基本方針説明の中から2点お尋ねします。

 区長は就任以来、変わらぬ区政運営の基本方針として「現場・現実の重視」「区政の透明性」「区民との協働」を挙げています。生活者の視点から施策を組み立てるために、現場・現実を熟知し、区と区民がともに地域課題を考えるために、区の持つ情報を積極的に提供する必要があります。また、区が抱える重要な課題を解決するには、一に行政だけで対応できるものではありません。区民、事業者やNPO団体など、地域を構成する人たちの協働で取り組まなければなりません。このような、区長の区政に対する取り組みを我々としても強く支援してまいります。

 そこでお尋ねしますが、1点目は「第4次実施計画」と次期「行財政改革計画」について、お伺いします。

 基本方針の説明の中で、平成17年度を初年度する「第4次実施計画」を策定するとしていますが、後期基本計画の総仕上げとして今後の新宿区の確かな道しるべとなる「第4次実施計画」の策定方針をまず示すべきと考えます。

 また、「確かな行財政基盤を確立し、実施計画の着実な事業執行を支えるため、次期「行財政改革計画」を策定し、行財政のさらなる改革に取り組みます」とありますが、今後の区財政の安定的な運営を図り、職員の意識改革を進めていくためには、これまでの行財政運営を絶えず見直していく必要があると思います。次期「行財政改革計画」の策定に当たり、どのような方針で臨まれるのか、御所見をお伺いします。

 2点目は、区政の質を高めるために、行政のプロとして職員を育成することについて、お尋ねします。

 新宿区は平成12年10月に、これからの区政を推進するにふさわしい職員のあり方として、「望まれる職員像」を明確にし、その育成を中・長期的に図っていくために「新宿区人材育成基本方針」を策定しています。この人材育成基本方針と今回の職員育成の考え方は、どのように関連しているのか、お尋ねします。

 また、区長は「職員について仕事における自己決定、自己責任の気風をつくっていく」と言っています。何といっても組織は人です。今後、区民により質の高い行政サービスを提供するため、区役所の組織文化をどのように変えていかれるのか、御所見をお伺いします。

 質問の第2は、財政問題についてであります。

 新宿区の財政状況は、昨年2月に「不断の改革」を前提としつつ、「財政非常事態宣言」を取りやめたことに象徴されるように、行財政改革の徹底した取り組みにより、ようやく改善の兆しが見られる状況にあると言えます。平成16年度の予算は、その内容の実質的な意味において、中山区長が就任後初めて編成の第1ステップから取り組む予算と言えるものです。

 こうした点からは、この平成16年度予算が総体として、どのような仕上がりとなるのか、強い関心を寄せていたところです。言いかえれば、平成16年度予算は財政状況等の改善を受けた積極型の予算なのか、あるいは行財政改革への取り組みを前提とした手がたい予算であるのか、まさに今後の区政の方向性を定まる極めて重要な意味を持つものと考えるところです。そして、今定例会に上程された予算案は減税補てん債の借りかえ分を除く、実質的な規模では平成15年度とほぼ同規模で編成されており、手がたさがうかがえるできばえとなっています。

 また、予算編成のプロセスや中身においては、事業担当部に一定の経費枠を付与し、職員の創意工夫や斬新な発想が事業構築に生きる仕組みの導入や区の施設を有効に活用し、区民との協働事業に取り組むことなど、随所に工夫と試みが見られ、区長の思いが詰まった予算とも言えるものであり、本格的な地方分権時代を迎え、区が基礎的自治体としてみずからの責任と判断により、新たな時代を切り開こうとする意気込みが体現された予算と言えるものです。

 しかしながら、一方で目を外側に転じますと、景気動向の不透明さや「三位一体改革」の影響など、区財政を取り巻く環境は楽観を許すものではありません。この点についても、今後とも厳しく行財政改革に取り組むとする区長の姿勢には、共感を覚えるものです。

 以上を踏まえた上で、平成16年度の予算編成及び今後の行財政運営に係る基本的な考え方について、お伺いいたします。

 1点目は、平成16年度予算では、将来に向けた健全な財政運営の実現と、その維持の点からどのような方策がとられているのか。

 2点目に、国と地方の税財政制度の改革に関しては、その一部が実施される予定となっているが、この影響はどの程度であり、区はどのように対応するつもりなのか。

 3点目は、平成16年度に策定される予定の第4次実施計画を踏まえ、中期的財政運営の方針について、お伺いします。

 質問の第3は、新宿区における今後の自治のあり方についてであります。

 1点目に、区長は今後の区政運営の基本について触れられた中で、「私は社会を構成するだれもが、ともに担う新たな公共社会を目指す」と述べられています。このことは、第27次地方制度調査会の答申でも、その重要性がうたわれています。具体的な考え方の一つとして、「基礎自治体における住民自治充実や行政と住民との協働推進のための新しい仕組み」として、基礎自治体の一定の区域を単位とする「地域自治組織の設置」が示されています。この答申を受けて、国は今年度中にも地方自治法の一部改正を視野に入れているとのことですが、区長は今回の答申について、どのように評価しているのか、お伺いいたします。

 2点目は、協働推進計画策定委員会の提言にある「区民参画の場」についてであります。

 今回、区長あてに提出された「新宿区・地域との協働推進計画」策定委員会からの提言の中では、多くの区民との協働を進め、地域の自治意識を高めるためには、区民一人ひとりがみずから暮らす地域に関心を持ち、主体的に区政に参画するための「新たな仕組み」として、特別出張所制度を生かした区政への「区民参画の場」を検討する必要があると述べています。具体的には、地域センターを運営する地域センター管理運営委員会と特別出張所が連携し、地域レベルで区政への区民の「参画の場」を設けることが必要であると提言しています。この提言は、さきに述べた第27次地方制度調査会答申の内容と趣旨を同じくするものであり、時宜を得たものであると思いますが、区長はこの提言について、どのように受けとめておられるのか、お伺いします。

 3点目は、特別出張所が果たすべき機能と、そのために必要な組織体制についてであります。

 日ごろから区長は、特別出張所を地域の協働の核として機能するよう地域の分権化を進め縦割りを廃した総合化を進めることを目指すとおっしゃっていますが、区長は特別出張所が果たすべき機能を、どのように考えておられるのか、またそのためには、どのような組織体制が必要と考えておられるのか、御所見を伺います。

 質問の第4は、時代の変化に応じた「収納環境の整備」についてであります。

 区民税や国民健康保険料は、いずれも区民が納めるべきものであります。区民税は住民の義務として、また国民健康保険料は保険という仕組みに基づいた相互扶助の料金として支払うべきものとされています。しかし、その収納状況はどうかと言えば、平成14年度決算で区民税の収納率は 85.68%、国民健康保険料においては23区中20番目というのが実態であり、極めて憂慮すべきことであります。これに対し、区は特別徴収員制度を創設し、収納率アップに懸命な努力をされています。納税義務を住民に果たしてもらうことは、行政の公平性を確保する意味からも重要であります。

 だからといって「納めるのが当然」として、収納努力を怠っていては目的は達せません。従来どおりの納税方法に固執するのではなく、区民税等を区民が納めやすいように、いろいろと工夫を凝らすのも徴収する側の努めであります。今日のように、徴収率アップが重要な時期においては、とりわけ大切であると考えます。納める側に立ってさまざまな方策を模索することが必要でありましょう。それは、徴収する側の努めてでもあります。現状はどうかと言いますと、地方税はこれまで自治体の窓口、または銀行、郵便局など金融機関でしか納付できませんでした。しかし、金融機関の窓口は基本的に平日の午後3時までしかあいてないことや、順番待ちなどで手続に時間がかかることなど、納付する側の不満の声が聞かれます。こうした声を受け、昨年4月の地方自治法施行令改正により、自治体が契約したコンビニなどでも納税が可能となったわけであります。コンビニは店舗の数が多く、土、日も営業しており、24時間利用できるので、納税の利便性を向上させることができると同時に、収納率のアップも期待できることから、現に税については埼玉県戸田市が、また国民健康保険料については、杉並区、足立区を初め品川区等で順次取り扱う運びとなっております。

 また、e−Japan計画によれば、電子政府、電子自治体の推進の中でマルチペイメントについても既に東京都において道路占用料など、具体化されていると聞いております。これらは、いずれも区民サービスの向上と徴収率向上の双方にとって、大変に意味のあるものと考えております。当区も積極的に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 質問の第5は、安全で安心なまちづくりについてであります。

 安全・安心なまちづくりに関して、区民意識調査、そして区政の基本方針説明に基づいて、質問いたします。

 近年、増加する犯罪や検挙率の低下によって、日本の安全神話が崩れつつあります。そうした中で、安心して暮らすことのできる社会の実現は、新宿区民のみならず、すべての国民の願いであります。そこで、我が公明党では政策綱領マニフェストに治安の回復を掲げ、党を挙げて取り組んでおりますが、極めて深刻な状況にあります。

 また、警視庁が発表した23区の犯罪発生状況を見ますと、新宿区は最悪の状態にあります。先月、昨年の10月に行った区民意識調査の結果が発表されましたが、区民の区政への要望の一番は、やはり時代を反映して「防犯・地域安全対策」であります。また、区民の知りたい区の情報の一番は「防犯や災害対策などの安全に関する情報」であります。我が公明党新宿総支部は、去る2月24日、中山区長に1万 9,890名の署名を添え、「安全・安心のまちづくりのための防犯対策強化を求める要望書」を提出したところですが、今、区民が強く求めている安全・安心のまちづくりについて6点、お尋ねいたします。

 1点目は、昨年の新宿区内の刑法犯発生件数は1万 5,443件で、実に1日に42件の犯罪が発生していますが、このような治安の悪化の原因は一概に述べることはできないと思いますが、区長はどのように認識されているか、御所見をお伺いします。

 2点目は、私は治安対策は取り締まり機関である警察に任せておけばいいというものではなく、区民の生命、財産を守る立場にある新宿区が地域住民や事業者、そして関係機関とが連携、協力して取り組んでいかない限り、解決の道筋はできないと考えております。そこで、昨年6月の「新宿区民の安全・安心の推進に関する条例」の制定以降、区民の区政への要望の1番である「防犯・地域安全対策」についての取り組みについて、お伺いします。

 3点目は、治安対策の基盤整備に関して伺いますが、まちの安全を守る灯台とも言える交番は区内に40カ所あるとのことですが、このうち幾つかは時間移動交番ということで、空き交番となっております。区長は、この空き交番を解消するため、警察官の増員について強力に関係機関に要請すべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 4点目は、悪化する治安の要因の一つとして、少年による犯罪の多発や凶悪化が挙げられていますが、子供たちを犯罪の加害者にも被害者にもさせないためには、家庭、地域社会、学校等の連携が不可欠であります。特に、私は子供たちに対する非行、犯罪を防止する教育を学校で徹底して行うことが極めて重要なことだと考えておりますが、この点について、教育委員会の御所見をお伺いします。

 幸いにも、このたび教育委員会としては、子供たちの防犯上、区内の小学生全児童に対し、防犯ブザーを貸与されたことを高く評価いたします。そこで、さらに中学生まで対象を拡大するとともに、思い切って区民の安全という観点から女子高校生、高齢者への防犯ブザー貸与を実施するよう要望しますが、区長並びに教育委員会の御所見をお伺いします。

 5点目は、区民の知りたい区の情報に関してお伺いしますが、危機管理室では児童・生徒に関する事件や不審者情報について、学校や福祉施設、そして特別出張所を通じて地域に流しておりますが、これを受け榎町特別出張所では、先駆的に地域の希望者にメール配信をしており、大変好評だと聞き及んでおります。ぜひとも、このメール配信を区内全域で早急に実施すべきと考えますが、区長の前向きな答弁をお伺いします。

 6点目は、震災対策について、お伺いします。

 私は、去る1月18日に開催された区主催の防災講演会に出席をしました。「大地震が教えた生死の分かれ目」というテーマでしたが、阪神・淡路大震災の被災者であり建築の専門家である講師は、地震対策で最も重要なことは「建物の安全化と家具等の転倒、落下防止」だと力説されておりましたが、非常に説得力のある有意義な講演で私の防災意識を高めてくれました。そんな中で、平成16年度震災対策として、防災意識啓発のためのビデオを作成し、区民自身が行う建築物の耐震化や家具等の転倒防止策を支援するとの方針を区長は打ち出されました。まさに、南関東直下型地震の切迫性が叫ばれている折、区民の生命を守るために、まさに時宜を得た重要な施策であると高く評価しているところであります。

 そこでお尋ねしますが、防災意識啓発のために作成したビデオの活用についてであります。

 これまでも、防災ビデオを防災センターで貸し出しをしておりますが、せっかくつくったビデオについては、待ちの姿勢ではなく、特に建物の倒壊危険度の高いところなどに出かけて、建物の耐震化や家具の転倒防止の重要性を訴えていくべきだと思います。また、地域の高齢者の集まりやPTAの会合などにも積極的に出向き、防災意識を高めるべきと考えますが、区長の御所見をお伺いします。

 質問の第6は、「新たな文化観光施策の創設について」であります。

 1点目に、昨年、国は観光立国を目指した「観光立国行動計画」を作成しました。観光立国の理念は、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」となっていますが、これは日ごろから区長が表明しています「にぎわいも一番、暮らしやすさも一番の新宿区の実現」と趣旨を同じくするものと言えます。新宿区には、江戸時代以来の歴史と伝統を受け継ぐ貴重な文化遺産が蓄積されています。また、文化の創造に携わる多くの人々が集まり、生活し、伝統芸能からメディア芸術まで多様な文化が創造されています。こうした新宿区の持つ貴重な資産を生かして「にぎわいも一番、暮らしやすさも一番の新宿区の実現」を目指すためには、区の将来像グランドデザインを区民に明確に示すとともに、積極的に新宿のまちの魅力を高め、発信していくための仕掛けづくりが必要と考えますが、区長の御所見をお伺いします。

 2点目は、「一地域一文化観光ルート」の創設について伺います。

 新宿のまちは四谷、牛込、戸塚、落合、淀橋といった地域ごとに、文学、歴史、産業など各面にわたり豊かな表情と個性に富んだ顔を持っています。こうした地域の持つ特色、魅力を再発見し、区の内外に積極的に売り出していくために、文化観光をキーワードに区として具体的な仕掛けづくりを行っていくべきではないでしょうか。その一つの試みとして、地域ごとに「見て、体験して、味わえる」文化観光ルートを区民との協働により創設してはと提案します。例えば、新宿の地場産業である「印刷・染色」の技術を実際に「見て・体験する」文化観光ルートを創設し、子供たちに触れてもらう機会を設ける。新宿を訪れる観光客に積極的にPRし、体験してもらう機会をつくるなど、地域ごとに特色ある文化観光ルートを創設すべきと考えますが、区長の御所見をお伺いします。

 3点目は、「新宿ブランド」の創設について、お尋ねします。

 新宿のまちには、印刷、染色業を初め、さまざまな特色ある産業があります。そこで生み出される製品には、海外でも通用するすばらしいものがあります。こうした製品を「新宿ブランド」として認定し、積極的に売り出していく仕組みを企業、大学、事業者などの参加を得てつくれないでしょうか。そして、そこで認定された製品を鉄道事業者、デパート、ホテル業などの参加と協力を得て、積極的に売り出すべきと考えますが、区長の御所見をお伺いします。

 4点目は、文化観光事業の活性化と国際交流事業の連携についてであります。

 広く海外からも観光客を呼び込むために、区内の各地域で行われているさまざまなイベントや文化芸術展など、文化観光事業という視点から見直し、新たな「新宿のブランドイメージ」としてPRすべきと考えます。そのためには、新宿に在住・在学する留学生や外国籍住民等を対象に、新宿の隠れた魅力を知ってもらうための企画を実施するなど、草の根からの国際交流を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 質問の第7は、子育て支援についてであります。

 今年度「次世代育成支援対策推進法」に基づく地域行動計画策定の先行自治体に名乗りを上げ、中山区長が先頭に立って少子化対策に取り組む姿勢を明確にされて進めてこられました。平成16年度の予算でも、重点施策として位置づけ、子育て支援に対する区長の力強い決意がうかがえ、我々としては大いに評価しす。また、区民の皆様も大いに注目しています。このたび、「新宿区次世代育成支援計画」の原案も示されました。基本理念の中に、「子供の笑顔があふれる子育てしやすい新宿」の実現を目指しますとあります。先行自治体として手を挙げた以上、大きな展望と子育てに喜びと楽しみが実感できる新宿プランに仕上げることが重要であり、またそのことを中山区長に区民は期待しているものと確信します。

 現在まで、具体的な子育て支援施策は、親の要望に重点が置かれてきましたが、重要な点は子供の幸せをどう実現するかという視点も不可欠な要素であります。新宿区の子供たちが、健全に育ち立派に成長してほしいと願うのは万人の願いであります。区長は、この視点からどんな展望とビジョンを描かれているのか、お聞かせください。

 次に、子育てアンケートでも親の不安の第一はやはり経済的負担でありました。出産する場合でも、まず出産費の調達が不安材料になっていると我々に訴えてきます。その不安を解消する制度が国民健康保険の出産育児一時金があるわけですが、この制度を「受領委任払い制度」にするよう提案します。現在、出産育児一時金(35万円)の支給は、申請後1週間程度かかかっており、子供が生まれてから退院する時点で出産するのに世帯主が出産費用の全額を用意する必要があり、家計負担が重いとの声が多く寄せられています。我が党は、この問題について幾度か提案してまいりましたが、「無理」ですとのそっけない回答が返ってきており、今回もそうかもしれません。確かに、制度の変更には相手があることから、そう簡単に制度移行できない事情もわかります。しかし、法や制度的にできないということでなければ、区民の立場に立って相手を説得する粘り強い働きかけがあってほしいと思います。それでもだめなら、最終的には区長が乗り込んで要望するくらいの熱意と区民本位の姿勢を強く望みたいものです。区長の英断に期待し、御所見をお伺いいたします。

 さらに、具体的施策として、屋外で伸び伸び遊べる場所の確保について、お伺いします。

 子供が安心して心豊かに育っていくためには、親を含め乳幼児期にかかわる大人たちへの関係も不可欠です。しかし、少子化、都市化の中で親が親として成熟できず、そのために子育てに対する不安や孤立化が児童虐待につながっていくという大きな問題に発展してしまう。親の成長、成熟こそ子供を産み育てることに楽しみと喜びを実感できるものと考えます。支援計画では、当然のことながら地域社会全体で子供を支え、育てていくことにより「子供を産んでよかった」と感じられ、産み育てやすい新宿を目指していると思います。同世代がいつも集え、同じ悩みを語り、思い切り子供が遊べる環境づくりが不可欠です。確かに、子育て支援センターもありますが、伸び伸びとまではいきません。外に出ることにより、子育ての悩みや不安もストレスも解消できることは間違いありません。

 そこで提案ですが、学校跡地などを視野に入れた「大きな子育て広場」をつくるべきと考えます。思い切って子育て支援の目玉としてはいかがでしょうか。区長の御所見をお伺いいたします。

 質問の第8は、ひとり暮らし高齢者対策並びに介護予防についてであります。

 1点目は、新宿区における65歳以上の高齢者人口は住民基本台帳上では、平成16年1月現在5万 2,000人となっており、その割合は19.2%に上っています。さらに、新宿区はひとり暮らし高齢者世帯の比率が高いという特色があります。ひとり暮らしの高齢者は孤独を感じ、閉じこもり、介護サービスを受けにくく、状態が悪化しやすい、あるいは緊急時の対応がおくれがちになるなどの不安があります。ひとり暮らし高齢者を地域で見守っていくためには、まずそのような高齢者の調査を行い、実態を把握することが必要だと考えます。区では昨年来、ひとり暮らし高齢者等の調査を行い、近くに身寄りのいない高齢者が 8,000人を超えているなどの集計結果を聞いております。今後、区としては、このひとり暮らし高齢者等の調査結果をどのように活用して考えておられるのか、御所見をお伺いします。

 2点目は、ひとり暮らし高齢者に対しては、現在でも民生委員や地域見守り協力員による見守り体制などはありますが、それぞれの見守り体制の間で十分な連携は行われているのか、十分な連携や情報の共有化が行われなければ、見守りに過不足が生じることになります。そこで、さまざまな見守り活動の連携を図り、さらには迅速にサービスにつなげるなど、地域での見守りのネットワークをつくり上げることが必要だと考えますが、区としてのネットワークづくりについての御所見をお伺いします。

 3点目ですが、先日、このようなことがありました。痴呆のあるひとり暮らしの高齢者が夜、自宅に戻れずヘルパーさんやケアマネジャーが心配していたところ、運よく警察の方に保護され帰ってきました。本人の精神状態が不安定で1人しておくことができず、病院等にも当たりましたが受け入れてくれるところがなく、結局、区の徘回高齢者等緊急一時保護事業の委託先であるNPOの施設にお世話になりました。特に、ふだん介護する家族が身近にいない痴呆の単身高齢者に対し、緊急避難的な施設が一応確保されていますが、さらに充実を図る必要があると思いますが、御所見をお伺いします。

 4点目は、介護予防について、お尋ねします。

 東京都老人総合研究所の発行した冊子には、最近の研究では「老化」をいち早く発見して適切な手当てを講じれば、いつまでも元気で生き生きとした自分らしい生活を送ることがわかってきたとあります。したがって、高齢者になっても住みなれたまちで、できるだけ介護を必要とせず生き生きと生活するために、介護予防施策の推進が必要だと考えています。とりわけ、在宅介護支援センターについては、国が平成15年2月に行った全国介護保険課長会の説明の中でも、在宅介護支援センターを介護予防事業の拠点と位置づけており、今後の役割が大きくなっていくものと考えます。このことを踏まえ、区として在宅介護支援センターにおいて、介護予防の施策をどのように展開していこうとしておられるのか、御所見をお伺いします。

 質問の第9は、新宿中央公園の活性化プランについてであります。

 公園の使われれ方は、現下の社会状況を敏感に反映するもので、ホームレス問題、砂場の衛生管理の問題、ペットの公園使用の問題など、使う側の問題もありますが、近年は公園で遊ぶ児童の姿が見られず、せっかくの区民の貴重な財産が活用されていない現状が見受けられます。この現状を改善しようとして、公園管理者はホームレス対策や日常の公園作業など懸命に努力されている姿勢も十分認識しているところであります。

 平成16年度に導入するアクション04事業は、各部の自主・自立的に事業創設や再構築に取り組むことができ、現場職員の知恵と工夫を生かすことのできる画期的な事業手法と考えます。この事業の中で、新宿中央公園の活性化プランは公園の用地取得及び新設事業がない中で、卓越したアイデアと見受けられます。公園利用の活性化は、安全で安心な公園とにぎわいのある公園を形成し、屋外で住民同士の触れ合い空間として再構築されると考えます。特に、少子高齢社会の中で子供が元気よく遊び、お年寄りが健康回復する場所として再認識する必要があると考えお尋ねします。

 1点目は、新宿中央公園は区立の公園の中で最大の公園であり、さまざまな使い方がされていますが、現状についてお伺いします。

 2点目は、どのような経過の中で活性化プランが計画されたのか。また、どのような効果が期待できるのか、お伺いします。

 3点目は、公園の存在効果は整備後の管理が大切であり、地域との協働や区民など多くの人々の協力で進める必要があると考えますが、この点はどう行われるのか、お伺いします。

 4点目は、区内には新宿中央公園のほか、大小 177カ所の公園や児童遊園があります。これらの公園についても活性化を図る必要にあります。それらの具体的な計画について、御所見をお伺いします。

 質問の第10は、歴史博物館の充実及び史跡と町おこしについてであります。

 昨年10月にまとめられた「親しまれる歴史博物館へ」という提言書を改めて読ませていただきましたが、「親しまれる歴史博物館」「利用者のニーズに応じた柔軟な運営」「常設展示の工夫」「思い切った事業展開」といったところが親しみたいとする区民の視点からの提言であり、歴史博物館再興の夢が持てる内容であると感銘いたしました。この提言に沿って一つ一つ具体化していくならば、区民が親しみ、誇りの持てる施設になることは間違いないと確信します。

 そこで、教育委員会並びに区長に伺いますが、1点目は、この提言を受けた後、どのように具体化されてきたのか、具体化へのスケジュールを伺います。

 2点目は、「常設展示の工夫」という提言についてでありますが、これまでどのように工夫されてきたのか。また、提言の中にもありますように「新しい時代の変化を追う」方法が挙げられていますが、幕末維新の大変革期前後、太平洋戦争の前後のまちの変遷なども紹介できればと考えます。新宿の歴史博物館の名称を冠する限りにおいては、大きな歴史の転換期はとどめるべきと思います。この点、どのように考えておられるのか、お尋ねします。

 3点目は、インターネットによる資料映像の提供についてであります。

 これは、特に若年層、新しい関心層、新しい来館者の開拓に大きな力となると提言書の中でもうたわれています。私も全く同感です。特に、小・中学校の歴史教育にも、各学校のパソコン授業で活用することで、新宿への理解、愛郷心を涵養することにつながると考えます。ぜひとも、早期実現を求めますが、御所見を伺います。

 4点目は、提言書の中の分野的提言で「思い切った事業展開」として、企画展のさまざまな事例を挙げています。企画展の好・不評は、歴史博物館の存在感をも左右すると言っても過言ではありません。

 ところで、NHKの大河ドラマで放映されている新撰組発祥の地であり、現在まさに舞台となっている道場「試衛館」が我が新宿のまちにあったということを知っている区民の方は、どれくらいいるでしょうか。お江戸の時代は、市谷甲良屋敷内、現在の市谷柳町25番地に近藤勇の試衛館があり、土方歳三や沖田総司、永倉新八、藤堂平助、原田左之助等が汗を流していたというのです。さらに、沖田総司の終焉の地は大京町29番地であるとも、人文社の江戸開府 400年を記念しての「江戸東京散歩・切り絵図」上に記されており、なかなか新宿にとって新撰組はおもしろい題材と言えましょう。早急に企画展の開催をすべきだと考えます。御所見を伺います。

 そのためにも、試衛館跡を史跡指定することが必要であります。幸いなことに、当時から甲良屋敷内にあったと推測できる稲荷神社と鳥居、また鳥居へと続く当時のままの道が手つかずの状態で残っています。ぜひとも、検証された後に大京町の沖田総司終焉の地とあわせて、新宿の史跡指定を行うよう強く要望します。御所見を伺います。

 5点目は、町おこしについて区長にお尋ねします。

 数年前から、漫画で特に若いギャルに人気の高かった新撰組を、大河ではさらに今をときめく若手人気タレントたちが演ずるのですから、町おこしに絶好のチャンスと多くの自治体がさまざまな「新撰組フェア」を企画しています。ちなみに、「新撰組フェスタin日野」は、ことしの10月までの長丁場だそうですが、ほかにも「調布新撰組フェスタ」「京都観光ルネッサンス−今年の冬は新撰組!」、流山市立博物館における「新撰組流山に入る展」、足立区郷土博物館では文化財プチ展示「新撰組五兵衛新田の十九日」と、ほかにもまだ数多くあることと思われます。もちろん、坂本竜馬の高知、桂小五郎の山口、芹沢鴨の茨城玉造も名乗りを上げています。

 先日の2月15日に番組終了後の「道しるべ」で、試衛館が取り上げられていましたが、高所からの遠景で柳町の家並みが一瞬写ったのみで、すぐに三鷹にある天然理心流の道場に場面を転化されていました。もっと、新宿区がアピールをしていたなら、趣のある試衛館跡地の映像を全国放映できたかもしれないと残念でなりませんでした。試衛館派は、新撰組メンバーの中でも特に人気の高いキャラクターがそろっており、すでに柳町の交番や商店には、試衛館を訪ねてくる来訪者が道順を聞くために立ち寄っているということも報告されております。大河ドラマ新撰組が放映されている本年のなるべく早い時期に、新撰組・試衛館を町おこしの起爆剤として宣揚すべきと思いますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 最後に、質問の第11は、教育委員会に対し、スクール・コーディネーター制度について、お尋ねします。

 新学習指導要領が実施され、2カ年が経過しようとしています。完全週5日制となり、授業日数が少なくなる中で、基礎学力の低下なども懸念されておりますが、学校関係者の御努力と授業内容の厳選により、いずれ克服されていく課題であろうと考えています。教育は、国家百年の大計と申します。余り、目まぐるしく目先の変化を追うのも考えものです。そこで、私は新学習指導要領の大きな特色の一つである総合的な学習の時間と体験学習の充実、ひいては子供たちの考える力、生きる力を身につけさせていく教育の意義に、もっと着目すべきだと思うのであります。これからの教育は、学校の中だけで完結するものではなく、核家族化、少子化の時代であればこそ、家庭や地域と一体となった教育環境づくりが必要だと考えてます。そうは言っても、学校はともすれば、まだ閉鎖的であり、地域とのつき合い方が必ずしも上手とは言えません。学校と地域を結ぶ仕組みが必要だと、かねがね思っておりました。

 今般、教育委員会では、従来の青少年委員制度を発展的に解消し、他区に先駆けてスクール・コーディネーター制度を発足されると聞き及んでおります。学校での学習時間の活用はもとより、子供の居場所づくりにも寄与する、まさに時宜を得た制度の創設であると考えます。この制度をスタートさせるに当たっての教育委員会の抱負と見込みについて、初めに伺います。

 2点目に、スクール・コーディネーターは学校と地域の連携、PTAと地域の連携、青少年の健全育成と多岐にわたって大変な使命と役割を担っております。それだけに、人材の確保が生命線ともなります。その人選と研修をどう行うのか、具体的な取り組みについて、お伺いします。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



◎区長(中山弘子) 小畑議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、第4次実施計画及び次期行財政改革計画の策定方針についてのお尋ねですが、両計画とも対象期間は平成17年度から平成19年度までの3カ年を予定しています。

 まず、第4次実施計画は区政運営の基本である参加と協働をキーワードに、「少子高齢社会への対応」や「安全で安心なまちづくり」などの重点課題への取り組みを、さらに強化するため、現在策定中の「地域との協働推進計画」「地域福祉計画」「次世代育成支援計画」など個別計画を総合化し、計画期間中に取り組み重点事業を明確に示していきたいと考えています。加えて、新宿のまちを暮らしやすさとともに、活力と魅力のあるまちにしていくため、新宿の将来像を展望し、中長期的視点に立った施策の種をまく計画としたいと考えています。

 また、次期行財政改革計画では、実施計画の確実な進捗を確保するとともに、地方分権時代を迎えて、自治に必要な能力と体力を身につけるための強固な行財政基盤の確立を目指した取り組みを進める必要があります。そのため、計画づくりに当たっては庁内分権化と職員のさらなる意識改革を進め、自己決定・自己責任の組織風土づくりを目指します。また、施設の設置や管理についても、民間事業者、団体等との協働のもとで、将来需要を見据えた多様で柔軟な施設のあり方や、施設管理のあり方を目指すとともに、効果的・効率的な行財政運営を確保するための計画としたいと考えています。

 次に、行政のプロとしての職員の育成についてのお尋ねです。

 私は、限られた資源の中で多くの課題を解決していくには、これまでの仕事の進め方の「殻を破る」ような思考・感覚・能力を持った職員の育成が重要であると考えています。そして、このことは平成12年10月に策定した「新宿区人材育成基本方針」の「望まれる職員像」に書かれていることでもあります。新宿区を我がまちととらえ、区政の推進を自己実現の場ととらえることのできる職員を、ここでは「新宿熱愛人間」と表現しています。ここに掲げられている望まれる職員像とは、常に区民本位の発想で物を見て考え、想像力を羽ばたかせ、職務に関連する専門知識を高め、そして解決策を組み立てて実行する職員であり、まさに行政のプロとして私が考える職員像と一致するものです。

 次に、区民により質の高い行政サービスを提供するために、区の組織文化をどのように変えていくかというお尋ねです。

 区政を取り巻く状況は刻々と変化し、次々に新たな課題が生じています。さまざまな課題に職員の力を結集していくには、職場のコミュニケーションを十分に図り、活発な議論が交わされる職場風土が重要です。そのためには、管理監督者が常に新たな課題を職場に投げかけ、議論を進め、職員の能力や意欲を引き出すリーダーとしての役割を努めることが重要と考えます。私は、管理監督者がみずから研さんに努め、職員育成の責務を強く意識して、活発で開かれた職場文化づくりの役割を自覚してリーダーシップを発揮するよう、粘り強く指導してまいります。

 次に、財政問題についてのお尋ねです。

 平成16年度予算は、「新宿新時代の創造」に向け、区民とともに歩む区政の実現を目指す予算と位置づけ、重点施策を「少子高齢社会への対応」及び「安全で安心なまちづくり」の2つに集約するとともに、行財政改革を推進し、限られた資源の適正な再配分と各部の自主事業経費枠を活用した協働への取り組みを進め、より効果的かつ効率的な区政運営の実現を図ることをテーマとして編成しました。

 このことは、将来に向けた健全な財政の実現と、その維持のために、施策の重点化と行財政の質的な改革の取り組みが不可欠と考えたからにほかなりません。平成16年度予算における将来に向けた方策としては、まず職員定数の削減、民間委託の推進、決算実績を踏まえた事務事業の見直し等、内部努力を中心とする行財政改革を進め、25億円の経費削減などを行ったことが挙げられます。また、多様な活動主体との協働への取り組み、財源配分や組織・人員配置の見直しなども行っています。さらに、施設更新需要などに柔軟に対応していくために、区民センター建設基金、高齢者福祉施設建設基金及び都市整備基金を統合して社会資本等整備基金を創設することとしました。義務教育施設整備基金などもあわせ、区有財産の有効活用による収益の基金への積み立て等、平成15年度の補正予算も含め、将来需要を見据えた対応を図ったところです。

 しかしながら、今後の財政需要の大きさを考えますと、現在の基金残高では十分とは言えません。区民センターや統合新校の建設、保育園の整備、震災対策など、大きな負担を伴う財政需要が目前に迫っています。したがって、今後も引き続き行財政の構造改革を進めていく必要があります。私は、将来にわたり持続可能な財政構造の構築を目指し、施策の重点化と不断の改革により、さらに効率的で効果的な区政運営を推進してまいります。

 次に、平成16年度実施予定の国と地方の税財政制度改革、いわゆる三位一体改革の影響についてですが、平成16年度予算では国庫補助負担金の一般財源化の実施内容が不透明であることなどから、その影響を見込んでおりません。現時点では、区立保育園の運営や介護保険事務に係る国・都負担金など9億円程度が想定されるところですが、総体としての影響額は依然として不透明です。

 今回の改革は、「所得譲与税」が創設され、基幹税である所得税の税源移譲に道筋がついた点では、一定の評価ができるものの、地方に裁量の余地のない国庫負担金を主体とした削減は、地方自治体の自主性拡大にはつながらないものと考えます。また、国の負担金削減と連動する都の負担金に関して、税財源移譲措置が図られていない点についても問題があると考えています。三位一体改革による国庫補助負担金の削減に対しては、当面「所得譲与税」と「都区財政調整交付金」による対応が予定されていますが、削減に十分対応する額となるかどうか危惧しているところです。

 三位一体改革の基本的な考え方は、受益と負担の関係を明確化して、地方がみずからの権限と責任及び財源で賄う割合をふやして、必要な行政サービスを地方みずからの責任で自主的、効率的に選択する幅を拡大するというところにあります。この理念に沿って、地方への税財源移譲が早期に実現されるよう、今後とも区長会、東京都、全国市長会などと連携、協力した取り組みを続けてまいります。

 次に、第4次実施計画を踏まえた中期的な財政運営の方針についてのお尋ねですが、平成16年度は第4次実施計画並びに次期行財政計画を策定します。これらの計画は、平成17年度から平成19年度までの3年間の区の重点施策等の取り組みを具体化するものですが、策定に際しては「新宿新時代の創造」に向けて、将来の区のあるべき姿を見据えつつ、その方途・選択肢をできるだけわかりやすく区民の皆様にお示しして、皆様とともに考えてまいります。現時点では、緒についたばかりの協働、透明性を高めること、現場・現実を踏まえた取り組みなどについて、よりすそ野を広げるとともに、その中身を充実させる必要があると考えています。そして、それは同時に、将来にわたり持続可能な財政構造の構築を目指した取り組みでなければなりません。

 平成16年度予算は、本体経費が平成17年度以降となる事業にも着手していますが、重点施策を初め、これらの事業経費なども的確に見込む必要があります。また、三位一体改革による影響を含め、区税等の一般財源や国及び都の動向も注視していく必要があります。いずれにしても、区財政を取り巻く環境が予断を許さない状況の中での計画策定であり、楽観的な見通しを持って臨むことはできません。したがって、計画期間及びその後の将来需要も見据えた財政運営を行っていくことが極めて重要と考えています。

 中期的な財政運営の方針としては、基金などの活用も図りつつ、その一方で財源確保にも留意し、施策の重点化と施設配置の再構築などを含めた不断の改革を着実に進めていくことを基本とし、「新宿新時代の創造」に向けた取り組みを確実に推進していけるよう、その運営に万全を期してまいります。

 次に、新宿区における今後のあり方についてのお尋ねです。

 まず、第27次地方制度調査会が行った「今後の地方自治制度のあり方に関する答申」につきましては、基礎自治体と広域自治体が21世紀において、それぞれの役割を十分に果たしていく上で必要な制度のあり方を示したものと受けとめております。中でも基礎自治体については、地方分権時代の基礎自治体のあり方を団体自治の観点からだけでなく、住民自治の観点からも具体的に示したものとして高く評価するものです。

 私は、日ごろから現場・現実から発想することの大切さと生活者の視点から施策を組み立てることの必要性を訴えていますが、今回の答申に示されている「地方分権時代の基礎自治体の構築」や「基礎自治体における住民自治充実や行政と住民との協働推進のための新しい仕組み」の考え方は、まさに私が訴えていること、その考え方を同じくするものです。今回の答申の考え方を踏まえて、新宿区にふさわしい自治のあり方について、検討していきたいと考えております。

 次に、今回の「新宿区・地域との協働推進計画」策定委員会からの提言についてですが、新宿区では、10カ所の特別出張所を置き、特別出張所を地域との協働のかなめ、縦割りを廃した行政の総合化の拠点として位置づけてきました。その特別出張所制度を生かし、多くの区民との協働を進め、区民が主体的に区政に参画するための「新たな仕組み」を構築していくという考え方は、第27次地方制度調査会の答申に示された考え方ともあわせ、新宿区におけるこれからの自治のあり方を示すものとして、大変貴重なものであると考えます。今後、この提言を踏まえ、特別出張所制度を生かした地域レベルにおける区政への区民の「参画の場」のあり方について、具体的に検討してまいります。

 第3に、新宿区における特別出張所が果たすべき機能と、そのための組織体制についてですが、現在、特別出張所は、先ほども申し上げましたように、住民に身近な事務を処理する機能だけでなく、住民の意向を区政に反映させる機能、行政と住民・地域の諸団体が協働して担う地域づくりの場としての機能も果たすことが、求められていると私は考えています。そのためには、特別出張所が行政の総合化の拠点、区民との協働の拠点としての役割を積極的に果たすことができるように、本庁機能との連携強化を図り、バックアップすることができるような体制づくりが必要です。このような観点から、私は特別出張所を含めた区役所組織のあり方について、見直しをしていきたいと考えています。

 次に、時代の変化に応じた収納環境の整備に関して、お答えいたします。

 区民税や国民健康保険料におけるコンビニ収納とマルチペイメントについてのお尋ねですが、御指摘のとおり、収納率の向上は現在重要な課題の一つであり、区税徴収嘱託員制度の導入など、さまざまな徴収努力を行っているところです。コンビニ収納とマルチペイメントについては、「24時間 365日」取り扱いができるなどの利便性から、一定のニーズがあるものと認識しています。

 しかし、現時点でコンビニ収納については、取扱手数料が現行の金融機関に比べ相当に高いこと、印刷機など多額の導入経費を要すること、また公共料金においては、収納率が飛躍的に向上した例が報告されていないことを初めとして、さまざまな課題があります。

 一方、マルチペイメントについては、金融機関と収納機関をネットワークで結ぶ電子決済方式で、最近、運用開始されたものでありますが、現在、区は民間企業や金融機関、地方公共団体等で構成されている「日本マルチペイメントネットワーク推進協議会」のオブザーバー会員として登録をして、協議会の会議に出席するとともに、各種の情報収集を行っています。今後、関係部署の参加によるマルチペイメントの説明会を開催し、制度の理解を深めていくとともに、コンビニ収納とマルチペイメント、それぞれについての比較、費用対効果、実務的な課題など、総合的な検討を進めていきます。

 なお、コンビニ収納については、導入コストの面などから納付書のバーコードが国際標準に完全移行する平成18年に導入することが効率的であり、その時期をめどに一定の結論を得たいと考えております。

 次に、安全で安心なまちづくりについての質問にお答えします。

 最初に、治安悪化の原因について、どのように認識しているかとのお尋ねですが、世界一安全と言われていた日本の治安は、今、危険水域にあり、新宿区の犯罪の発生状況も御指摘のとおり、最悪の状態にあります。治安悪化の原因については、明確に指摘することは困難ですが、社会環境の変化による地域の連帯感の希薄化、社会における規範意識の低下、長引く不況による経済情勢、国際化の影響による不良外国人の問題など、さまざまな問題が複雑に絡み合っていると認識しています。とりわけ、このような背景の中で次代を担うべき少年の犯罪がふえていることについては、強い危機感を持っているところです。

 次に、新宿区民の安全・安心の推進に関する条例制定以降の取り組みについてのお尋ねですが、まず条例制定の趣旨を区民の皆様に理解していただくよう、地域防災協議会を初めとして、区内警察と防犯協会等が主催した新宿区民地域安全の集い、子供を守る安全ネットワーク、新宿女性の会等、さまざまな機会を通じて説明し、安全・安心なまちづくりについて、区民の皆様が主役となって推進していただくようお願いをしてきました。

 条例に基づく重点地区も、現在7地区を指定し、それぞれの地区の活動を支援させていただいています。また、区内の新聞販売同業組合や郵便局の御協力を得て、配達業務の際のパトロールや清掃車を含む区の車によるパトロール等を実施しています。さらに、安全・安心まちづくりの啓発パンフレットも作成し、区民の皆さんに防犯だけでなく防災対策の意識啓発も図っています。

 一方、東京都治安対策本部と新宿・渋谷・池袋地区の治安対策代表者会議でも、繁華街の治安対策について検討しています。御指摘のとおり、安全で安心なまちづくりは、区民の皆様、事業者の皆様、そして関係機関と新宿区が連携・協働して取り組んでいかない限り達成できませんので、今後とも安全で安心なにぎわいのまち新宿の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

 次に、空き交番と警察官の増員についてのお尋ねですが、交番は日々発生する各種の事件・事故に対処する地域警察活動の重要な拠点です。前に触れました新宿・渋谷・池袋治安対策代表者会議でも、私は空き交番の解消と警察官の増員について、強く東京都に要望したところです。都知事からも、国に警察官の増員を要求しており、来年度は警察官の増員が予定されています。また、退職警察官を交番相談員として相当数配置すると聞いていますので、空き交番は解消されるものと考えています。

 次に、防犯ブザーの中学生や女子高校生、高齢者への貸与についてですが、不審者による児童連れ去り事件や未遂事件が相次ぐ中で、教育委員会では小学生児童に防犯ブザーを貸与しましたが、みずから身を守る能力を十分に備えていない小学生児童が、犯罪に巻き込まれないために補助具が必要との認識から実施したものと聞いています。新宿区民の安全・安心の推進に関する条例の趣旨を踏まえ、自分の身は自分で守るという観点から、あらゆる機会を通じて防犯に対する意識啓発と安全・安心なまちづくりに努めていきます。

 なお、高校生や高齢者の防犯ブザー希望者につきましては、支援策を検討します。

 次に、不審者情報のメール配信についてのお尋ねですが、現在、危機管理室が知り得た不審者情報や事件等の情報を、学校、福祉施設、そして特別出張所を通じて地域に流しております。その一つの方法として、榎町特別出張所ではパソコンと携帯電話を利用したメール機能による配信を試行として行っています。不審者情報等のメールによる配信の区内全域での実施については、この試行を踏まえ実施に向けての検討を現在行っており、早急に条件整備し実施したいと考えています。

 次に、震災対策についてのお尋ねですが、震災対策で最も重要なことは建物の安全化、そして室内の安全化を図ることです。このことを、阪神・淡路大震災では私たちに教訓として残してくれました。区内には、昭和56年の新耐震基準前の建物が多く存在していますが、このたび地震から命を守るために、建物の耐震化や家具の転倒防止策を講じておくことの重要性を、区民の皆様に理解していただくよう、防災意識啓発用CG作成に係る予算案を提出しています。御意見のように、作成後は地域防災協議会や避難所運営管理協議会はもとより、学校の防災教育教材として活用していただくほか、地域の各種催しなどに積極的に出向くとともに、各地域で建築相談、耐震診断を行い、区民の皆さんの命を守るための防災意識啓発に努めるよう考えています。

 次に、新たな文化観光施策の創設について、お答えいたします。

 まず、「にぎわいも一番、暮らしやすさも一番の新宿の実現」を目指すために、区の将来像、グランドデザインを区民に明確に示すためには、私自身が新宿のあるべき将来像を的確に把握し、その上で区民の皆様にわかりやすく表現し、問いかけていかなければならないとと思います。まちづくり懇談会の場を通じて、さまざまな方々との率直な意見交換の中で、短期的、長期的な視点から夢のある新宿区の将来像をまとめていきたいと考えています。

 次に、新宿のまちの魅力を高め発信していくための仕掛けづくりについてですが、御指摘のとおり、新宿区には貴重な文化遺産が蓄積され、多様な文化が創造されています。こうした貴重な資産を積極的に活用して、新宿のまちの魅力を高め発信していくためには、区民の皆様、NPO、企業等の協働により、新たな文化観光施策を創設していく必要があると考えています。その第一歩として、新宿区にはどのような隠れた文化・芸術的資産があり、それらをどのように文化観光施策に結びつけることができるか、教育委員会とも連携して検討してまいります。

 次に、一地域一文化観光ルートの創設について、お答えします。

 御指摘のとおり、新宿のまちは地域ごとに豊かな表情と個性に富んだ顔を持っています。こうした地域の持つ特色、魅力を文化観光の視点から見直し、売り出していくことは、まちに対する愛着と関心を深め、新宿のまちの持つ新たな可能性を高めていくためにも大変重要なことであると認識しています。そのための一つの試みとして、区では平成16年度から新たに、地域の産業を基軸とした文化観光ルートづくりを進めることとしており、モデルケースとして「染色の街」落合・中井を中心とする文化観光ルートづくりに取り組んでいく予定です。また、他の地域につきましても、地域の文化、歴史、イベントなどに新たな光をあて、特色のある文化観光ルートの創設に向け、教育委員会とも連携して検討していきたいと考えています。

 次に、地場産業製品を地域ブランドとして売り出す仕組みづくりについてのお尋ねですが、御指摘のように、新宿のまちには「印刷・製本関連産業」や「染色業」など、地域の歴史と伝統にはぐくまれたすぐれた「ものづくり産業」が息づいています。そして、こうした特色ある地域の産業群が生み出す製品の持つすばらしさを積極的にアピールすることは区内地場産業の振興にとって重要な手法の一つであると考えています。したがって、区としてもお話のような「地域ブランド」の認定方法や効果などについて、調査を進めていく必要があると考えており、今後、そうした制度の有効性や実現可能性について、検討を進めていきます。

 次に、文化観光事業の活性化と国際交流事業の連携についてですが、御指摘のとおり、新たな「新宿のブランドイメージ」をPRし、広く海外からの観光客を呼び込むためには、文化観光事業を活性化していくことが重要です。そのため、各地域の文化、芸術、歴史、イベントなどを観光という視点でとらえ直して、地域の魅力を高め新宿のまちをPRしていくための具体的な方策について検討する必要があります。そのための一つの方策として、新宿区に在住、在学する留学生や外国籍住民の方々に、区の魅力を知ってもらい、海外に向かってPRしてもらうことは、大変有効な手段と考えます。東京都で実施する「在京外国人東京観光口コミ大作戦」等の都の動向も視野に入れながら、文化観光事業と連携した国際交流事業について検討してまいります。

 次に、子育て支援についてのお尋ねです。

 子育て支援施策においては、健康・教育・保育・遊びなど、子供自身の育つ環境の整備、また親が心身ともにゆとりを持って子供に接することができ、かつ親としての成長が促されるような支援、そして、子育ても含め「地域で支え合う福祉文化の創造」を目指しての社会全体への働きかけ、この3つを柱とした取り組みが重要と考えております。これらをバランスよく総合的に進めていくことにより、新宿区が次世代育成支援において目指し将来像「子どもの笑顔があふれる子育てしやすいまち新宿」を実現する。そして、新宿で生まれた子供たちが自分の未来、地球の未来を希望を持ち、次代を担う意欲と力を持った大人として育っていく。これが、子供の幸せの実現を目指す、私の子育て支援施策につての展望とビジョンです。

 次に、出産育児一時金の「受領委任払い制度」の御提案です。

 出産育児一時金の支給は、現在、口座払いを原則としており、申請後約1カ月以内に世帯主の口座に振り込みます。しかし、事情により支給を急がれる方に対しては、窓口での現金払いで対応しています。また、必要な場合には、郵送による申請を受け付けています。御提案についてのは、その実施に当たって、医療機関の理解と協力が前提になります。今後、実施に向けて医療機関と十分に調整を図ってまいります。

 次に、屋外で伸び伸びと遊べる場所の確保についてのお尋ねですが、次世代育成支援計画原案においても、子供の成長にとっての屋外での遊びの重要性を認識し、思い切り子供が遊べる環境づくりを目指す方向性を打ち出しております。具体的には、子供たちや親子連れが利用しやすくするために、既存の公園の安全性や機能性を高めていくこと、子供に最も身近で安全な広いスペースである校庭の一層の活用などを考えております。今後、計画素案をもとに次世代育成支援について、区民の皆様と意見交換等を行い、新しい御提案については、実現の可能性について検討してまいります。「大きな子育て広場」の御提案についても検討を行い、屋外で伸び伸びと遊べる場所の確保に向け、引き続き努力してまいりたいと考えております。

 次に、ひとり暮らし高齢者対策並びに介護予防についてのお尋ねです。

 まず、ひとり暮らし高齢者等の調査結果の今後の活用についてですが、今回の調査は63歳以上のすべての方について、ひとり暮らし、高齢者のみ世帯、または寝たきりのいずれかに該当する方を民生委員の御協力を得て調査し、名簿を作成したものです。その結果、あらかじめ見守りが必要な方を把握することが容易となり、援助が必要になったときに迅速に対応できるとともに、サービスを必要としながらいまだ利用していない方に、的確なサービスをつなげることもできると考えています。また、この情報を福祉情報システムに取り込み、サービス提供に携わる職員が共有できるようになりましたので、サービスをより適切に提供できるようになるものと考えています。

 次に、地域におけるひとり暮らし高齢者について、見守りのネットワークをつくり上げるべきとのお尋ねですが、見守り活動については、現在、民生委員、地域見守り協力員、ケアマネジャー、高齢者クラブの友愛事業など多くのものがあります。しかし、それぞれの見守りが個別に行われ、情報が十分に共有化されておらず、効率的なものとはなっていません。したがって、御指摘のとおり、さまざまな見守り活動の連携を図り、ネットワークをつくり上げれば、さらに迅速に適切なサービスにつなげることができると考えています。そこで、来年度は在宅介護支援センターをひとり暮らし高齢者の見守り体制の拠点として、民生委員などとのネットワークをつくり上げ、心身や生活状況が悪化したときの早期発見や事故防止の効果を上げていきたいと考えています。

 次に、痴呆高齢者の緊急避難的な施設の充実に対してのお尋ねです。

 御指摘のように、徘回する痴呆高齢者など緊急に保護が必要な方がいらっしゃいます。そこで、区では、そのような場合に高齢者を一時的に保護して、必要なサービスへつなげる緊急一時保護事業をNPO団体に委託して実施しています。今後とも、これらの事業の利用状況を見ながら、ひとり暮らしの痴呆高齢者など緊急保護が必要な高齢者を対象とした緊急一時保護事業の充実を図ってまいります。

 次に、介護予防についてのお尋ねです。

 区としても、介護予防については、高齢者施策の中でも最重要課題に位置づけています。平成16年度に行う高齢者福祉部門と衛生部の統合は、在宅介護支援センターと保健センターとの連携をさらに強化して、介護予防施策を充実することを目的の一つとしています。今後は、在宅介護支援センターを中心として、地域の高齢者の実態を把握し、介護予防サービスに結びつける必要のある虚弱高齢者を対象に、介護予防プランを作成するほか、清風園で新たに実施する介護予防トレーニングにつなげるなど、高齢者ができる限り介護を必要とせず生活できるよう支援していきたいと考えています。

 次に、新宿中央公園の活性化プランについての御質問です。

 まず、現状についてですが、新宿中央公園は面積約8万 8,000平方メートルの区立公園として最大の公園です。昭和50年に東京都から移管を受け、昭和58年までに北地区は「水の広場」「芝生広場」「区民の森」、西地区は「ジャブジャブ池」「ちびっ子広場」、東地区は「多目的運動場」として整備しました。各広場は、地域住民を初めとして、副都心で働く人々や外国人観光客まで、多種多様な利用者が憩う都会のオアシスとして使われていました。しかし、現状は樹木が育ち立派な森となった反面、施設の老朽化が進み魅力が低下するとともに、ホームレスの存在で安心して利用ができないという御指摘が多くあります。

 次に、活性化プランの計画についてですが、この事業は現場職員の知恵と工夫で、新宿中央公園を区のシンボル公園としての魅力を取り戻し、にぎわいのある公園でありたいとの思いから、各エリアの性格を最大限に生かすための「活性化プラン」としました。

 まず、「ちびっ子広場」を子供専用広場として位置づけ、安心して遊べる空間に、「水の広場」は今以上にイベントを誘致できる空間に、「多目的運動広場」はスペース空間として充実を図る整備を計画いたしました。このことにより、新宿中央公園に多くの人が集って、安心して利用できる公園に再生したいと考えています。

 次に、整備後の管理についてですが、御指摘のとおり、このことが事業の成否を握っていると言っても過言ではありません。特に、「ちびっ子広場」は公園事務所職員と見回りや遊具の貸し出しをする管理人の常駐だけでは十分とは言えません。管理に当たっては、「新宿中央公園を守る会」などの地域団体や、地域で子供の遊びを考える団体の参加、またボランティアなどによるプレイパーク活動と連携して、地域住民との協働により進めてまいります。あわせて、各施設の特徴を生かして、より活用されるよう、積極的なPRを行い利用の多い公園を目指します。

 次に、その他の公園の活性化についてですが、区内の大小さまざまな公園は、それぞれが歴史と特性を持っており、地域にとって大切な財産と考えています。これらの公園も活性化に向けて、現在、実施している「みんなで考える身近な公園の整備」を進めるとともに、毎日の維持管理の中で地域の人々と現場職員の「こうしたい・こうしよう」との対話を通じて、地域に愛される公園づくりを着実に行ってまいりたいと思います。また、見通しがきくように樹木などを整理して、地域の目が行き届き子供たちが安心して遊べ、お年寄りたちにとっての屋外のふれあいの場となるよう整備を進めます。さらに、「公園のサポーター制度」をより充実して、地域による公園管理と利用しやすい公園づくりを図ってまいります。

 次に、新撰組、試衛館を町おこしの起爆剤として広くPRすべきとの質問です。

 若き日の土方歳三や沖田総司等が近藤勇のもとに集い剣の腕を磨いた道場、「試衛館」については、NHKの放送もあり知名度が高くなっています。従前は、その場所につき議論があったようですが、地域の皆様や郷土史家の方々の研究もあり、新宿区の市谷柳町25番で間違いがないというのが通説になっています。このような動きを受け、地元の市谷柳町の町会や商店街の若手の皆様は、「市谷柳町試衛館」という団体をつくり、町おこしに取り組んでいると聞いています。団体立ち上げの会合には、榎町特別出張所の職員や広報課の職員もお招きいただき参加しました。

 私は、まちづくりは地域の方々がみずから進んで取り組み、行政がそれを支援することにより、成果を上げることができる考えています。こうした観点から、市谷柳町の皆様の取り組みに対して、区としても必要な支援をしていきたいと思っています。その試みの一つとして、榎町特別出張所では、まず試衛館の場所を知ってもらうために、「えのき散歩道」と題したホームページの第1回で試衛館を取り上げて公開しています。これは、区民や来街者の皆様に、今でも江戸時代のなごりが感じられるえのきの地域を歩いていただくことで、地域への愛着と関心を深めてもらい、それがまちづくりのきっかけとなることを願って試みたものです。今後とも、さまざまな方法を活用しなが、地域のまちづくりを支援していきたいと考えています。

 以上で答弁を終わります。



◎教育長(山?輝雄) 教育委員会への御質問にお答えいたします。

 初めに、子供に対して非行・犯罪防止教育の徹底についてのお尋ねです。

 子供たちを犯罪の加害者にも被害者にもさせないためには、人間としてよりよく生きるための「心の教育」の充実、危険予知・危険回避能力の育成、学校・保護者・地域が一体となった防犯意識の向上などが大切であると考えます。心の教育については、道徳の時間を中心に生き方について考えさせるとともに、規範意識の育成に努め、子供を加害者にさせない教育を充実させてまいります。

 また、警察等との連携による防犯教室の実施など、子供自身に身を守る力を育成したり、リーフレットの配布等を通じて、保護者・地域への啓発をしたりしてまいりました。今後は、子供を加害者にも被害者にもしないために、非行・犯罪被害防止の学習や保護者・地域・関係機関との意見交換を内容とするセーフティ教室を推進してまいります。

 次に、防犯ブザーの貸与についてですが、不審者による児童連れ去り事件や未遂事件が相次ぐ中で、2月初旬に区立小学校児童に防犯ブザーを貸与いたしました。この貸与は、みずからの身を守る能力を十分に備えていない小学生児童が、犯罪に巻き込まれそうになったときに、それを未然に防ぎ被害を最小限に食いとめる危機回避の防犯教育と補助具が必要との認識に立って実施したものです。中学校生徒についても、危機回避能力を育成するためには、各学校におけるみずから身を守る実践的な防犯教育を行うことが基本です。教育委員会といたしましては、こうした活動を通して、中学生への防犯ブザーの一律貸与について、保護者や学校の意見を踏まえながら検討してまいります。

 次に、新宿歴史博物館の充実についての御質問にお答えいたします。

 親しまれる歴史博物館を考える会からの提言を受けた後の具体化へのスケジュールについてのお尋ねですが、教育委員会では提言の内容を十分に検討し、できるものから早急に取り組んでいきたいと考えています。既に、昨年秋より区内在住の小・中学生を対象とした「わくわく歴史調査隊」を発足し、土器づくりなどの体験をもとに博物館により親しみ、利用してもらうための事業を展開しています。また、小・中学校の授業に所蔵資料を活用してもらえるようガイドブックを作成し、希望に応じて貸し出しを行っています。さらに、平成16年度には、所蔵資料の管理の適正化と情報提供を図る所蔵資料管理システムの導入を初め、所蔵資料に触れたり、体験学習ができるような多目的ワークスペースの設置等を予定しています。

 次に、常設展示の工夫については、展示資料の入れかえを中心にひな人形や五月人形の展示など、季節ごとの行事に合わせた展示を行うなどの工夫を行ってきたところですが、今後は人気のある市電模型に直接乗車できるように、平成16年度に改修工事を行う予定です。また、幕末維新の大変革期の前後や太平洋戦争前後におけるまちの変遷に係る展示については、今後、常設展示室における展示資料の入れかえ等を含め検討していきたいと思います。

 次に、インターネットによる資料映像の提供についてですが、平成16年度に導入を予定している所蔵資料管理システムの中で、対応していきたいと考えています。小・中学生を初めとする区民の方々には、データベース化した資料のうち、利用頻度の高い資料を歴史博物館のホームページ上で公開するとともに、代表的な資料については、映像写真の提供もできるようにしていく予定です。

 次に、新撰組に係る企画展の開催についてですが、本年4月から江戸東京博物館で企画展が開催されるほか、足立区郷土博物館や日野市ふるさと博物館等において、年間を通して新撰組に係る展示会が開催されます。それぞれの博物館は、主に自前の資料を活用する予定ですが、江戸東京博物館においては借用資料を中心に展示会が開催されるとのことです。新撰組に係る資料は数が限られており、資料借用の競合になっていると聞き及んでいます。したがいまして、関連資料を有しない新宿歴史博物館においては、企画展を開催することは現段階では至難な状況となっています。

 また、試衛館跡の史跡指定についてですが、試衛館が立地していた場所が特定できない現状では、史跡として指定することは難しいものと考えます。しかし、試衛館が市谷柳町25番地に存在していたことは事実ですので、史跡としての顕彰ではなく、坂道の由来を記した案内柱と同様のものの設置を検討していきたいと思います。

 なお、沖田総司終焉の地については、従来から千駄ヶ谷説と今戸説があり、現状ではその特定は困難であると考えます。

 次に、スクール・コーディネーター制度に関する御質問にお答えします。

 まず、スクール・コーディネーター制度をスタートさせるに当たっての抱負と見込みについてのお尋ねです。

 教育委員会では、青少年委員制度が50周年を迎えたのを機に、これを発展的に解消し、この4月から新たにスクール・コーディネーター制度を導入することにしました。スクール・コーディネーターは、一言で言えば学校と家庭と地域の橋渡し役であり、総合的な学習の時間の講師やクラブ活動の指導者を探したり、地域を舞台とした体験活動など、学校を核とした子供の健全育成のための学校教育機能を補完する役割を担うことになります。さらには、放課後や土、日に学校施設を利用した子供の居場所づくりにも腕を振るっていただく予定です。ただし、これだけのことを1人のコーディネーターがすぐに取りかかれるものではないというふうに考えております。学校の教職員や地域の人々との信頼関係を築き、時間をかけて少しずつ事業を構築していきたいと思います。当面、中学校には全校配置し、小学校についても順次配置を進め、中学校区を単位としたネットワークづくりを目指します。

 次に、スクール・コーディネーターの人選と研修の取り組みについてのお尋ねです。

 スクール・コーディネーターは、学校、家庭、地域がそれぞれの教育力を結集し、連携していく上で重要な役割を担っていただくことから、その人選に当たっては慎重に進める必要があります。幸い、青少年委員の方々は地域の中で青少年健全育成の実践者として活躍するとともに、心の教室相談員として中学生の悩みの相談にも応じるなど、学校や地域から大きな信頼を寄せられています。したがいまして、当面は青少年委員の中から希望される方々をスクール・コーディネーターとして選任させていただくことになります。

 なお、4月の制度発足に向けて、現在、内定者の研修を実施しているところです。研修内容は、「コミュニケーション能力の形成」や「提案型のコーディネーター」などで、年度内に4回開催する予定です。

 以上で答弁を終わらせていただきます。



◆25番(小畑通夫) 一つ一つ前向きな丁寧な御答弁をいただきまて、恐縮に存じております。

 安全、安心の推進に関する条例を、いち早く立ち上げた新宿区として、たかが防犯ブザーとお思いでしょうけれども、僕らはされど防犯ブザー、新宿区が区民の安全、安心のために、ここまでやるのかという、そういう制度をまたつくり上げてもらいたいという思いで要望させていただきましたけれども、区長の方からも、教育長からも、支援策を検討するということでございました。細かいことについては、同僚議員の予算委員会等で細かくお話を聞かせていただきたいと思っております。

 もう一つは、今まで何回も要望してまいりました出産育児金の受領委任払い制度、これはどうしても職員の方と私たちがじかに受ける区民相談との温度差があるゆえに、今までのこういう答弁の繰り返しになっていたと思いますが、きょうは実施に向けて検討するという、非常に百歩も前に進んだような答弁をいただきまして、安心をしております。これからの細かい点につきましては、同僚議員の予算委員会にお任せをするということで、きょうはこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(山添巖) 以上で、本日の質問は終わりました。

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○議長(山添巖) 次に、日程第2を議題とします。

          〔次長議題朗読〕

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△15陳情第41号 金子容子さん救出に関する陳情

          〔巻末委員会審査報告書の部参照〕

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○議長(山添巖) なお、委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり、撤回の許可です。

 お諮りします。

 本陳情を委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。

          〔「異議なし」呼ぶ者あり〕



○議長(山添巖) 異議なしと認めます。

 15陳情第41号の撤回は委員会審査報告のとおり許可されました。

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○議長(山添巖) 次に、日程第3を議題とします。

          〔次長議題朗読〕

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△第6号議案 平成15年度新宿区一般会計補正予算(第7号)

          〔巻末委員会審査報告書の部参照〕

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○議長(山添巖) なお、委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり可決です。

 お諮りします。

 ただいま議題となっています本案は、委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。

          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(山添巖) 異議なしと認めます。

 第6号議案は、委員会審査報告のとおり決定されました。

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○議長(山添巖) 以上で本日の日程は終わりました。

 次の会議は2月27日午後2時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。

 本日はこれで散会します。



△散会 午後7時25分

                  議長    山添 巖

                  議員    小松政子

                  議員    えのき秀隆