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東京都 東京都

平成20年_第1回定例会(第3号) 本文




2008.02.27 : 平成20年_第1回定例会(第3号) 本文


   午後一時開議


◯議長(比留間敏夫君) これより本日の会議を開きます。
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◯議長(比留間敏夫君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。
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◯議長(比留間敏夫君) 昨日に引き続き質問を行います。
 四十三番山加朱美さん。
   〔四十三番山加朱美君登壇〕


◯四十三番(山加朱美君) 最初に、児童虐待について伺います。
 以前より児童虐待の問題が大きく取り上げられてきたアメリカと、我が国の児童虐待の件数を見ると、直近のデータでは、日本の年間三万七千件に対しアメリカでは約八十七万件、これは児童人口千人当たりで比べると、一・七件に対し十一・八件と、アメリカの児童虐待件数は日本の約七倍となっています。虐待に対する制度の違いもあり、一概に比較することはできませんが、驚かされる数字であります。
 翻って、東京都における児童虐待の相談件数は、十八年度、都内の児童相談所に寄せられた件数は三千二百六十五件、一義的窓口である区市町村では四千九百五十一件にも上り、その数は毎年増加の一途をたどっています。
 子どもの命はかけがえのない宝であり、未来そのものです。虐待により幼い命が奪われるようなことは、絶対にあってはなりません。
 しかし、虐待死に至った全国事例の七割が、外部機関が事前に察知していたにもかかわらず、命を救えなかったとされています。待ちの姿勢では、子どもの命は救えません。
 このまま右肩上がりで虐待件数が増加を続ければ、やがてアメリカと肩を並べてしまう日が来るかもしれません。子どもを虐待からしっかりと守るためには、関係する専門機関だけでなく、社会全体でこの問題を重く受けとめ、取り組んでいかねばなりません。
 すべての子どもたちがいつも笑顔を絶やさず、健やかに成長できるよう、私たち一人一人が虐待の小さな兆候も見逃さず、必要な支援や行動をとることができれば、やがて虐待のない社会が必ず実現できると、私は信じています。
 そこで、この児童虐待という深刻な課題について、まず、知事の基本的な認識を伺います。
 さて、私が襟につけているのは児童虐待防止オレンジリボンですが、四年前に栃木県小山市で幼い兄弟の命が虐待により奪われた、大変痛ましい事件を契機に始められたもので、毎年十一月の推進月間キャンペーンの一環として、今年度、都が、これは関係者に配布をしたものです。
 都庁舎とレインボーブリッジもオレンジ色にライトアップされたと記憶しています。また、この腕につけているオレンジリングは、認知症への正しい理解を地域に広げるため、認知症のサポーター養成講座を受けた方に配られています。
 こうした啓発への取り組みは大変意義が深いものですが、せっかくの大切なメッセージも、都民にしっかりと届いていなければ、取り組む側の自己満足といわざるを得ません。
 児童虐待の問題を私たち一人一人のものとしていくためにも、都民への普及啓発は大変重要であり、都としても、児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンの取り組みを一層推進していく必要があると考えます。所見を伺います。
 次に、虐待の未然防止を推進するためには、できるだけ妊娠期や乳幼児期などの早い時期から子育て家庭の虐待のリスクを早期に発見し、虐待に至らないような対策をとることが必要です。ほぼすべての子育て家庭がかかわりのある母子保健事業の貴重な機会を活用し、虐待のリスクを早期に発見し、未然に防ぐことは非常に有効な取り組みと思いますが、未然防止について今後どう取り組んでいくのか、伺います。
 一方、不幸にも虐待が起こってしまった場合には、迅速に子どもの安全を確かめ、適切な対応をとらなければなりません。児童相談所や子ども家庭支援センターの対応がますます重要になりますが、その期待される役割を果たしていくためには、虐待相談へのノウハウや知識を十分に備えていなければなりません。子ども家庭支援センターの対応力がより一層強化するよう、都としても、これまで以上に支援をしていく必要があると考えます。所見を伺います。
 さらに、虐待の対応には、さまざまな関係機関との連携が大切です。中でも、子育て家庭と直接接する医療機関の協力は不可欠です。しかし、通告の具体的なやり方がわからないなど、その後の対応に結びつかない例が見られるようです。医療機関において、虐待事例に対する対応ノウハウが広がれば、もっと多くの虐待が早期に発見できるはずです。医療機関における虐待の早期発見、早期対応を促進するため、今後どう取り組みを進めていくのか、所見を伺います。
 また、虐待を受けた子どもに、専門的立場から心のケアを行うことも重要です。国では来年度から、虐待を初めとする子どもの心に専門的に対応する、子どもの心の診療拠点病院を各都道府県に整備し、中核的機能を担わせると聞いています。この事業に係る都の取り組み方針について、所見を伺います。
 児童虐待は、ある意味、社会病理の一断面であると思いますが、私は、最近しばしば報道される動物虐待も、児童虐待と同根と思います。
 今や、単なる愛玩の対象から家族の一員、あるいは人生のパートナーとして、飼い主との関係が深まりを見せているペット動物は、子どもたちに命をはぐくみ守ることの意味を教え、また、高齢者の生活に生き生きとした活力をもたらす大切な存在です。
 しかし、無責任な飼い主や心ない人々によって遺棄されたり、虐待されたりする例も少なくありません。その結果、行政によって保護、収容され、新たに譲渡できなかった場合には安楽死ということになります。
 都内では、行政やボランティア等の努力もあり、致死処分される動物の数は十年前と比べ半数以下に減少していますが、それでも昨年度、東京都動物愛護相談センターは、約七千頭の動物を、国の指針に基づき、主として炭酸ガスによって殺処分しています。しかし、この炭酸ガスによる方法は、子猫、子犬のような幼弱な動物では死亡するまでの時間が長引き、苦痛を伴うのではないかとの懸念の声もあります。
 実際、動物愛護の先進国であるイギリスでは、実験動物について、炭酸ガスによる殺処分を既に二十年ほど前から法律で禁止しており、EU諸国の多くも、犬や猫などのペット動物については、炭酸ガスではなく麻酔薬を注射する方法がとられています。動物は単なるおもちゃや家具とは違い、命あるものです。
 非暴力運動の指導者として知られるマハトマ・ガンジーは、国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかるという名言を残しています。致死処分の方法一つにも、その都市、国の民度や文化的な成熟度が如実にあらわれるということではないでしょうか。
 東京都は昨年十二月、高度なレベルで成熟した都市としての「十年後の東京」の姿を実現するための実行プログラムを明らかにしておりますが、私は、「十年後の東京」は、動物愛護の先進都市としても世界から認められる存在であることを願ってやみません。
 そして、そのためには、社会全体の動物愛護精神の涵養により、致死処分される動物のさらなる減少を図るとともに、処分方法の再検討について、国を巻き込んだ取り組みが必要と思います。
 そこで、都においては、区市町村、獣医師会、ボランティアなどと協力し、動物の致死処分の減少に向けた取り組みを一層強化するとともに、国に対して、現行の炭酸ガスによる処分方法が幼弱な動物にとって適切な方法といえるのかどうかを科学的に明らかにし、より適切な方法を検討するよう働きかけていくべきと考えますが、所見を伺います。
 今後とも動物愛護の内実を高め、真に成熟した都市としての東京の姿を世界に向けて発信していかれることを強く希望します。
 次に、地域社会において子どもの安全を脅かす事件が後を絶ちません。中でも、十三歳未満の子どもに対する強制わいせつの約四割が、マンション等の共同住宅で発生しています。
 都は十九年度から、マンション等の共同住宅を含む地域の防犯活動の活性化を目的としたモデル事業を始めていますが、私の地元練馬区にも数多くのマンションや団地がありますので、その成果に注目をしています。
 そこでまず、今年度の地域防犯モデル事業における成果について伺います。
 また、地域が一体となって防犯力を高めることは、地域でしっかりと子どもを守り育てることにつながります。地域防犯モデル事業を含め、今後、子どもの安全確保についてどのように考え、施策を推進していくのか、あわせて所見を伺います。
 次に、都は本年一月、犯罪被害者等支援推進計画を策定しましたが、昨年、中間まとめを公表した際、我が党は、吉野幹事長が三定の代表質問において、犯罪被害者への支援に当たってはさまざまな民間団体の力を十分に活用するなど、東京ならではの総合力を発揮させていくべきと提案しました。
 そこでまず、この計画の内容に、東京ならではの総合力を発揮している施策があるのか、伺います。
 次に、計画では、都は総合相談窓口を被害者支援都民センターと協働して設置するとしていますが、被害者の方々はさまざまな問題を抱え、支援機関も多岐にわたることが多いのが実態と思います。被害者をたらい回しにすることなく、これまで以上に積極的かつ効果的に支援をしていくためには、被害者が今どのような状況に置かれているのか、立ち直りまでに何が必要なのか、適時適切に支援を行いながら被害者を継続して見守っていく、その体制を構築することが重要と考えます。
 また、都内の刑法犯認知件数は二十四万五千件、平成十八年度も全国最多でした。まさに都民のだれもがあすは我が身、犯罪の被害者となる可能性がある中で、被害者の切実な要望にこたえ、一日も早く総合相談窓口を設置すべきであります。支援体制と総合相談窓口の設置時期について伺います。
 そして、犯罪被害者等が、直接的な被害だけでなく、周囲の心ない言動や風評被害によってさらに深く傷つくことを、だれもが理解をしなければなりません。
 今回の計画には、都が今後の被害者の支援について、民間支援団体と連携して行っていくという基本的な考え方や支援施策が盛り込まれていることは、我が党の提案に沿ったものとして評価できますが、今後、被害者支援をさらに効果的に行っていくためには、行政や民間支援団体だけでなく、しっかりと都民を巻き込んだムーブメントを起こし、広く都民の理解と共感を得ていく必要があると考えます。見解を伺います。
 次に、アジアユースパラリンピックとそれに関連し、障害者スポーツの振興について伺います。
 障害者のスポーツへの参加は、みずからの体力の維持増進や社会活動の場の拡大はもちろんですが、心の交流や障害への理解の促進に資するものであり、大変意義深いことであります。
 都は、「十年後の東京」実行プログラムにおいて、二〇〇九年、アジアユースパラリンピック大会を開催するとともに、二〇一三年、東京で開催される全国障害者スポーツ大会の開催準備を進めるとしています。特に、アジアユースパラリンピックは、アジアの障害のある子どもたちを対象とした都としての初の取り組みであり、スポーツを通じたアジアの友好親善にも大きく寄与するものと期待を寄せるものです。
 そこで、まず、アジアユースパラリンピック大会の開催の意義について伺います。
 私は、平成十八年、一定一般質問で申し上げましたが、パラリンピックの名称は、一九六四年、東京オリンピックの後に開催された国際身体障害者スポーツ大会の際、下半身麻痺を意味するパラプレジアとオリンピックを組み合わせた愛称として、日本で広く使われ始めました。
 パラリンピックのパラにはもう一つのという意味があることから、今では、パラリンピックはもう一つのオリンピックとして親しまれる、世界最高峰に位置する障害者スポーツ大会となっています。パラリンピックの名づけの地東京が、全世界に向けて、東京ならではの新しい障害者スポーツを発信し、障害者がスポーツに親しむ起爆剤にしていくべきと考えます。そして、このことは、世界中の人々に勇気と感動を与え、心のバリアフリーを国際的に推し進めることにもつながると考えます。
 障害者スポーツの振興は、障害者が社会で生きる力を高める支援、障害のある人もない人も、ともに社会生活を営んでいくノーマライゼーションの実現に大きく寄与するものであり、今後も一層、障害者スポーツの振興を図っていくべきと考えます。都の所見を伺います。
 次に、都は、十年後の東京に向けて、実行プログラムに基づき、今後、緑のネットワークの拠点となる都立公園の整備を推進していくこととしていますが、整備にどのように取り組んでいく予定なのか伺うとともに、私の地元練馬区には、三宝寺池で知られる石神井公園があります。豊かな自然環境や歴史的資産に恵まれた都立公園でありますが、本年度、公園の計画地内にあるグラウンド約二・二ヘクタールを都が取得する予定と伺っています。このようにまとまった面積の用地を取得することは、早期に公園の整備効果を発揮でき、非常に有効なことであります。特に、防災面において公園が果たす役割は重要ですが、今後、都は取得予定地をどう整備していく予定か伺います。
 最後に、国は平成十八年十二月、バリアフリー新法を施行し、新たに道路や都市公園も対象施設の拡充となりました。都は、だれもが移動しやすい観点からの道路整備について取り組んでいますが、既存道路には、歩道の幅員が狭かったり、勾配が急な道路が残っています。
 私の地元、練馬駅前千川通り南側は、雨の日は傘を斜めにしなければ通れないような、幅員が狭く、勾配のきつい、障害者、高齢者はもとより、健常者でも歩きにくい、バリアフリーにはほど遠い歩道であります。早急な歩道の改善がかねてより切望されております。
 このような、既存道路における歩道の改善について都の所見を伺い、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 山加朱美議員の一般質問にお答えいたします。
 児童虐待についてでありますが、子どもが親や地域の人々の愛情に包まれて健やかに育つことは、みんなの願いであります。児童虐待は、その子どもの心に深い傷を残すだけでなく、場合によったら、かけがえのない命を奪うこともありまして、決してこれは許されるものではないと思います。
 しかし、今日、価値観の混乱のために、そら恐ろしい出来事が後を絶たない時代になりました。身分や立場や物の考え方、あるいは時代そのものを超えて継承されるべき、人間にとっての垂直な価値観というものすらが揺らぎ出しているという感じがいたします。
 こういう中で、都は虐待防止の拠点となる子ども家庭支援センターの創設など、全国に先駆けて体制整備を進めてまいりました。
 さらに、法改正によりまして、四月から知事の立入調査権が強化されることから、警察とも協力しながら、迅速に対応していきたいと思っております。
 今後とも、子どものことを最優先に考えて、児童虐待の未然防止のために総合的な取り組みを推進していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長が答弁いたします。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕


◯福祉保健局長(安藤立美君) 福祉施策など、八点についてお答えを申し上げます。
 まず、児童虐待防止のオレンジリボンキャンペーンについてでございますけれども、児童虐待の防止は、関係機関のみならず、社会全体で取り組むべき課題でございます。
 このため、今年度より、児童虐待防止の普及を目的といたしましたオレンジリボンキャンペーンに取り組み、区市町村や民間団体等と一体となって、シンポジウムや講演会の開催、リボンやリーフレットの配布、レインボーブリッジと都庁舎のライトアップなどを実施をいたしました。
 今後とも、児童虐待防止に対します都民の関心を高めるため、多様な媒体を使って、このオレンジリボンキャンペーンを積極的に展開をしてまいります。
 次に、虐待の未然防止についてでありますが、お話のように、妊娠期から母親と継続的に接する母子保健事業を活用して、虐待につながるリスクを早期に発見することが効果的でございます。
 このため、来年度から、母子保健手帳交付時の保健師による面接のほか、乳幼児健診におけるチェックリストや、南多摩保健所が開発をいたしました虐待のリスク診断手法の活用など、実効性のある対策を区市町村が地域の実情に即して実施できるように支援をしてまいります。
 次に、子ども家庭支援センターについてでありますが、児童福祉法により、児童虐待を含む相談の第一義的な窓口は区市町村と位置づけられております。
 都はこれまでに、地域の総合的な相談支援の拠点として、児童虐待に対応する専任ワーカーなどを配置した子ども家庭支援センターを創設し、その設置を都内全区市に強力に働きかけてきたところでございます。
 さらに、来年度からは新たに、区市町村が弁護士や精神科医など外部の有識者をスーパーバイザーとして活用し、専門的対応力の向上を図れるように支援をしてまいります。
 続きまして、医療機関におきます虐待対応についてでありますが、医療機関には、子どもの診療を通じた虐待の早期発見の機能が期待をされております。
 このため、都は今年度から、地域の診療所等の医師が児童虐待の判断や対応につきまして専門的な知見を持つ医師や弁護士から助言を受ける仕組みであります、ドクターアドバイザーシステムを開始いたしました。
 また、病院に勤務する医師や看護師、医療ソーシャルワーカーなどの医療従事者が、それぞれの職種の視点から虐待事例にかかわり、組織的な対応を行うことができるよう、実践的な専門研修も開始をしたところでございます。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に推進し、医療機関の虐待への対応力向上を図ってまいります。
 次に、子どもの心の診療拠点病院事業についてでありますが、虐待が子どもに及ぼす影響は、時間の経過や成長とともに、精神不安や粗暴な行為などさまざまな問題としてあらわれるために、診療に当たりましては、子どもの心に関する幅広い知識と対応が求められております。
 このため、都としても、心に傷を負った子どもの診療に当たります医療機関が適切に対応できるよう、平成二十年度から子どもの心の診療拠点病院事業を開始いたしまして、地域の医療機関に対する技術支援や情報提供などを行ってまいります。
 次に、動物の致死処分についてでございますが、返還、譲渡できませんでした動物の致死処分につきましては、現在、国が指針の中で示しております炭酸ガス等を用いた方法により行っているところでございます。
 高濃度の炭酸ガスを吸引することによります麻酔効果については、科学的に確認をされておりますが、ご指摘の生後間もない動物の処分方法については、今後、最新の科学的知見に基づき検討を進めるよう、国に働きかけを行ってまいります。
 あわせて、動物愛護相談センターを中心に、区市町村や獣医師会等と協力し、飼い主のモラルアップに向けた普及啓発活動を強化いたしますとともに、ボランティア団体と連携をいたしまして、収容動物の譲渡拡大を図るなど、致死処分数のさらなる減少に努めてまいります。
 次に、スポーツに関連しまして、アジアユースパラリンピック大会の開催についてでありますが、本大会は、アジアの障害のある子どもたちが集い、陸上や水泳などの競技を競い合う国際総合スポーツ大会でありまして、平成二十一年九月の開催が予定をされております。
 本大会の開催は、障害のある子どもたちにとって、スポーツに参加するきっかけとなり、スポーツの楽しさとすばらしさを実感できる絶好の機会となります。また、多くの人々に夢と希望と感動をもたらし、障害者スポーツの存在と広がりを示す舞台ともなるものであります。
 さらに、選手相互や選手と日本の子どもたちとの交流により、スポーツを通じたアジアの友好親善にも寄与することができると考えております。
 最後に、障害者スポーツの振興についてでありますが、障害者がスポーツを行うことは、社会参加の促進や都民の理解増進など、障害者の自立の促進に寄与するものでございます。
 こうした考えのもとに、スポーツ大会の開催、スポーツセンターの運営や指導者、ボランティアの育成など、障害者スポーツの普及啓発に積極的に取り組んでおります。
 今後も、アジアユースパラリンピックの開催などを通じて、障害者スポーツの機運を一層高めていくとともに、区市町村や東京都障害者スポーツ協会を初めといたしました関係機関と連携をしながら、障害者の方が自分に合ったそれぞれのスタイルでスポーツを親しむことができる社会の実現を目指してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕


◯青少年・治安対策本部長(久我英一君)
 地域防犯モデル事業の成果についてでございますが、今年度は新宿区、台東区、豊島区、足立区、多摩市の五つの地域において実施いたしました。
 この事業を契機として、町会、自治会及びマンションの管理組合等が連携して、新規に二十を超える自主防犯活動を行う団体が組織されております。
 例えば足立区では、モデル地域内の六つの小学校を核として、約二千名で組織する子ども見守り隊が発足し、通学路のパトロールなどを行っております。
 また、マンションの防犯カメラ等の整備や街路灯の設置などの環境改善も進み、ソフト、ハード両面でモデル地域における防犯力は向上していると認識しております。
 次に、子どもの安全確保に関する今後の施策についてでありますが、都では、自分で守る、学校で守る、地域で守るという三つの視点から、子どもの安全確保に取り組んでおります。
 来年度は、子どもたちがみずからを守る力を育成するための地域安全マップづくりを、小学校の低学年にも普及させてまいります。また、さすまたなどの防犯器具の使用方法等を収録したDVDやマニュアルを全公立小中学校等に配布し、実践的訓練を推進いたします。
 さらに、地域防犯モデル事業に引き続き積極的に取り組むとともに、情報通信技術を活用して、地域で子どもを見守るシステムを構築するための検討を行います。
 今後とも、このように子どもを犯罪から守るための施策を重層的、複合的に推進してまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕


◯総務局長(押元洋君) 犯罪被害者等支援推進計画に関する三問のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、計画に盛られた施策についてでございますが、犯罪被害者等が抱えるさまざまな問題にこたえるためには、都は民間団体などとも広く連携し、多様な社会的資源を活用していくことが重要であると考えております。
 このため、総合相談窓口の設置運営に当たりましては、民間のノウハウや人材を最大限生かしてまいります。また、精神的な支援として、被害者支援に精通した精神科医や臨床心理士がカウンセリングなどを行うこととしております。
 さらには、被害者等の一時的な居住場所といたしまして、ホテル、旅館などの民間宿泊施設を業界の協力を得て借り上げ、提供してまいります。
 このように、東京ならではの総合力を十分に発揮いたしまして、犯罪被害者等の方々を途切れることなく支援してまいります。
 次に、総合相談窓口の支援体制と設置時期についてでございますが、窓口では、支援に実績のある相談員が、被害者等の方々の置かれた状況を総合的に判断し、必要な情報提供や支援を行ってまいります。
 例えば、被害者等の自宅訪問や病院、警察署、裁判所等への付き添いなど、立ち直りに必要なきめ細かい支援を、再び平穏な生活を営むことができるまで、途切れることなく実施できる体制を構築してまいります。
 窓口の設置時期につきましては、被害者等の切実な要望におこたえするため、一日でも早く設置できますよう、本年四月中を目途に精力的に準備を進めてまいります。
 最後に、犯罪被害者等への支援に対する都民の理解についてでございますが、被害者の方々に対する支援などにつきまして、広く都民の皆さんの理解と共感を得ていくことは、被害の軽減、早期の立ち直りに有効であると考えております。
 都は、これまでのシンポジウムなどの啓発事業に加えまして、被害者等の方々が置かれている状況について、さらに都民の皆さんの理解を深めていただくため、ご指摘の点も踏まえまして、広く都民が参加する、仮称ではございますが、犯罪被害者等を支える東京会議を新たに設けるなど、社会全体で被害者等を支える機運を醸成する取り組みを行ってまいります。
 都といたしましては、このような取り組みを通じまして、都民のだれもが地域の中で安心して暮らしていくことのできる東京を実現してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕


◯建設局長(道家孝行君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立公園の整備についてでありますが、都は、東京を緑あふれる都市に変えていくため、「十年後の東京」への実行プログラムにおいて、平成二十二年度までの三カ年に、都立公園を新たに七十ヘクタール開園する目標を設定しております。
 その達成を目指し、東京臨海広域防災公園を初めとする防災公園の整備を優先的に進めるとともに、水元公園や篠崎公園など、河川や道路事業と連携し、水と緑のネットワークの拠点となる公園の整備に取り組んでまいります。また、小山田緑地など丘陵地の公園では、借地公園制度も活用しながら整備してまいります。
 今後とも、公園整備を計画的に進め、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の実現を図ってまいります。
 次に、石神井公園の整備についてでありますが、石神井公園は、東京都地域防災計画で震災時の避難場所やヘリコプター活動の拠点に位置づけられており、防災公園としての機能を充実させる必要がございます。このため、震災時にヘリコプターによる救出救助や物資輸送などが円滑に行えるよう、また、平常時には都民が自然の中でレクリエーションを楽しめるよう、取得予定地に広場などを整備していく予定であります。
 今後、整備効果を早期に発現するため、その整備に着実に取り組んでまいります。
 最後に、歩道の改善についてでありますが、都は、福祉のまちづくり条例などに基づき、バリアフリーに配慮し、歩道の拡幅や段差解消、勾配の改善などを行い、歩行者の安全性、利便性の向上に努めております。
 千川通りにつきましては、南側の狭隘な歩道の改善要望を受け、練馬駅から環状七号線までの約一キロメートルの区間において、歩道の拡幅や勾配の改善などを検討してまいりました。現在、交通管理者や区及び地元住民との調整を進めており、平成二十年度から順次、整備に着手する予定であります。
 今後とも、バリアフリーに配慮した歩道の改善を進め、だれもが安全で利用しやすい歩行空間の確保に積極的に取り組んでまいります。
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◯議長(比留間敏夫君) 五十六番増子博樹君。
   〔五十六番増子博樹君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕


◯五十六番(増子博樹君) 初めに、行財政改革の今後の方向性について伺います。
 知事が本会議で、かつて景気変動の影響を受けて、数千億円単位の税収減に見舞われ、塗炭の苦しみをなめながら都議会の皆様と手を携え、財政再建を果たしてまいりましたとおっしゃったように、東京都は、財政の緊急事態から脱出するために、行財政改革実行プログラムに基づいて、限られた財源でふえ続ける都民需要にこたえるべく行財政改革に取り組んできました。これらの改革は、全国自治体の模範ともなるべきものであり、大いに評価されてしかるべきものと思っています。
 そこでまず、これまでの行財政改革の取り組みと成果について伺います。
 現在進行中の行財政改革実行プログラムは、平成十八年度から二十年度をその対象としており、来年度中にはその先の行財政改革プランの策定を目指して、現在、調査研究中だと思いますが、進行中のプログラムにおいても検討の必要があると思われるものが散見されます。
 昨年行った指定管理者制度導入後、初の評価である平成十八年度東京都指定管理者管理運営状況評価結果では、調査した二百一施設中、二百施設がおおむね適切な状況にある施設となっていますが、例えば、障害者施設である北療育医療センター城南分園は、平成二十年度には指定管理者制度を導入する予定でしたが、少なくとも平成二十年度の指定は見送られる公算が高いと見ています。
 この背景には、福祉分野の人材難があると思われます。特に診療報酬改定以後は、看護師の大病院集中化が進み、障害者施設に限らず看護師を探すことは容易ではありません。
 また、PFI事業については、東京都でも今後の導入予定がメジロ押しですが、全国的には、事業者が破綻した際のリスク管理や、高知医療センターのような贈収賄事件を未然に防ぐ方策など、多くの問題点が発生しています。
 東京都は、都民の安全・安心を確保しつつ、民間でできることは民間にゆだねるとの原則のもと、行政サービス提供主体の再検討を実施してきました。指定管理者制度や地方独立行政法人制度、市場化テスト、PFIなど、できるものから実施し、成果を上げてきたと思いますが、これらに対しては適切に検証を行うことが重要です。
 このような行政分野の民間開放に対する評価について、都はどのように取り組んでいくのかを伺います。
 また、例えば健康安全センターは毒ギョーザ事件で脚光を浴びましたが、この施設が、高度な分析能力のある首都圏で数少ない施設であることが判明しました。ユニークな研究も行っており、老朽化による建てかえに際して、研究体制の強化がむしろ望まれていると思いますが、人員削減をしてきており、食の安全を確保する観点から不安が残ります。
 都立病院についても、公社化などの改革を進めてきましたが、その後の臨床研修医制度の変更などもあり、医療人材の確保が一層困難な状況になっていると思われます。
 また、私立幼稚園教育振興事業費補助など、第二次財政再建推進プランによって削減が続いてきたものがありますが、財政を健全化する中で行われてきた改革の中には、おおむね財政の健全化が達成しつつある現在の状況を見ると、削減について一定の歯どめが必要なものもあるのではないかと思います。
 このように、社会情勢の変化により、当初の想定と異なる事態になっている分野や事務事業については、これからの行財政改革を進めるに当たっては十分な検討を行うべきなのではないかと思います。あわせて、行革の結果、都民にどのような利益がもたらされたのか、質の向上や住民満足度、よりよいサービスの形なども研究する必要があると思っています。
 ところで、行革先進国である英国においても、サッチャー政権の急進的な緊急避難的改革から、メージャー、ブレア政権と、少しずつベストバリューを重要視するいわば質の改革へと変化してきています。
 日本においても、リストラなどを中心とした経営再建型の改革から、トヨタ自動車の「カイゼン」に象徴されるように、生産性を向上させる経営の質を高める改革へと大きくシフトしています。行政においてもこのような転換が求められていると思います。
 東京都は、業務運営の効率化やマネジメント機能の強化などを重視し、量の行革から質の行革への移行を唱えていますが、今後、最少の経費で最大の効果を目指しつつ、量と質のバランスを勘案しながら、住民満足度や社会情勢の変化をどのように受けとめて行財政改革を質的に展開していくのかを伺います。
 次に、転院問題について伺います。
 議員活動をしていると、時々、病院から退院するようにいわれたが、この病院に引き続きいられないでしょうかとか、転院先の病院を探してほしいといった相談を受け、対応に困ることがあります。
 入院患者さんの場合、病状に応じて急性期から回復期へ、そして維持期の病院や介護施設に移ったり、その後の病状の変化によっては再度急性期の病院に入院することもあります。
 このように、転院等をする場合、適切な病院に移ることができない、もとのなれた病院に戻れないなど、患者さんの希望に沿わないことが多々あります。また、転院先を探せないといったことも出ています。
 この転院問題の背景には、診療報酬上、入院期間が三カ月を超えると入院基本料が下がるということがあり、これは医療の機能分化と連携を図るために講じられたものですが、退院を迫るという事態はこのために起きているといわれています。患者さんと家族からすると、退院しなければならないということは、自分で療養できるだろうか、転院先が見つかるだろうかなどの不安が募ります。
 最近、こういった問題に対する試みとして、異なる機能を持った病院を持つ幾つかの医療法人がネットワークを組んで、それぞれの病院が機能に合わせて治療できる仕組みをつくっていると聞きました。こうした仕組みが東京都の全域にあればよいのではないかと思いますが、実際には、都内には六百を超える病院があり、また、それぞれが独立して経営していることから、独自性や経営上での情報公開の問題などがあり、現時点では難しいこととは思いますが、こうしたネットワークづくりの支援についてぜひとも研究課題としていただきたいと思います。
 現行の病院での入院患者さんへの対応は、患者さんの病状や置かれている状況などに応じて他の病院や施設を紹介してはいますが、専門的な知識や経験を有するメディカルソーシャルワーカーを専任で配置している病院から、事務職員が他の業務の合間に転院先を探す病院まで、その対応には大きな違いがあるようです。中には、いついつまでに退院していただかないといけませんので、こちらも探しますがそちらでも探してくださいなどというところもあるようです。
 私は、率直にいって、転院業務の制度化を図ることによって病院間の違いをなくす必要があるのではと思うくらいです。ただ、機械的に転院調整ができないのも十分わかります。
 そこで、患者の退院調整を担当するメディカルソーシャルワーカー等がレベルを上げるために、転院先の選定や調整のためのノウハウを得たり、業務を行うに際しての必要な医療機関情報を容易に取得できるように、都として後押しをしていく必要があると考えますが、ご所見を伺います。
 また、いきなり転院するようにいわれたら、患者さんやご家族は、だれしも今後どうしてよいかもわからず、途方に暮れてしまいます。各医療機関には、それぞれの機能や役割、転院、退院後の治療などについて患者さんやご家族に丁寧に説明することが必要です。
 最近、地域連携クリティカルパスという言葉をよく耳にするようになりました。地域連携クリティカルパスとは医療の羅針盤ともいえるもので、急性期や回復期といった、地域の医療機関の間で共通に使われる疾病ごとの診療計画のことをいいます。
 つまり、診療に当たる複数の医療機関が、役割分担や診療内容、スケジュールをあらかじめ患者さんに提示し、説明することにより、患者さんがより安心して医療を受けることができるようにするもので、転院に対する不安や不満が和らいだ、万一転院先でぐあいが悪くなっても戻ってこられるという安心感が持てるようになったなどの声が聞かれます。
 国の社会保障審議会においても、転院に対する患者、家族の不安、不満の解消が図られた、診療内容に関する医療機関間での説明の不一致の解消が図られた、診療の目標やプロセスを共有することにより、より効果的で効率的な医療が行われ、平均在院日数の短縮が図られた、電子化により状況分析を行うことが容易となり、連携医療の質と効率の向上が図られたなどが導入効果として報告され、転院の不安解消に関する効果も確認をされています。
 都は、転院問題の解決策の一つとして、この医療連携クリティカルパスの普及を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、動物愛護についてですが、動物の殺処分を炭酸ガスから麻酔薬を用いる方法に変更を求めるという点で、ただいまの自民党、山加議員の質問と趣旨がおおむね重複しますので、私からは意見、要望とさせていただきます。
 ただいまの議論でもありましたように、動物の殺処分方法をめぐっては、ヨーロッパなどでは既に動物に対しても人道上の配慮が求められていますし、国内でもさまざまな動きが出ています。
 ちょうど先日、奈良県動物愛護管理推進計画が発表されました。この計画によると、現行の殺処分の方法は、動物をガス室に追い込み、炭酸ガスを用いて同時に安楽死させるものでありますが、動物に恐怖心を与えるなどの理由から、殺処分に対する誤解を生み出す原因ともなっています。現状ではこれにかわる方法を見出すのは困難でありますが、返還、譲渡頭数をふやし、殺処分頭数を減少させることにより、例えば個体ごとの麻酔薬による安楽死措置を施すなどを実践していきますとされていて、いよいよ殺処分方法の変更に踏み出すことをうたっています。
 担当の方にお話を伺ってみましたが、処分方法の変更については、県民からだけでなく、獣医師職員の方々からの要望もあったそうであります。コストについては頭数次第ですが、むしろ麻酔薬の方が下がると試算しているようです。課題は職員間の意識の共有化とのことでありました。
 また、国においては昨年来、中央環境審議会動物愛護部会において、動物の処分方法に関する指針の改定に当たって議論がなされています。昨年十月十六日に行われた会議の議事録の未定稿版によると、基本的には、ガスだけでなく、麻酔薬を使ってやる方法が一番苦痛を与えないので、麻酔薬と併用して殺処分を行うよう指導されたい、麻酔薬の安定供給について関係官庁の協力を求めたいといった発言がなされています。
 課題とされると思われる獣医師職員のケアについては、PTSD対策を取り入れた研修の充実や一日当たりの処分頭数の規定づくり、ローテーションのあり方などが考えられると思います。
 東京は、二〇一六年のオリンピック誘致を目指しています。殺処分に対する東京都の対応について、世界にはどのように映るか心配です。国の指針改定を待たずしても処分方法の変更は可能です。一刻も早い対応を期待して、要望とさせていただきます。
 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔総務局長押元洋君登壇〕


◯総務局長(押元洋君) 増子博樹議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、行財政改革の取り組みと成果についてでございますが、都はこれまで、職員定数の削減や事業の聖域なき見直しなどにより歳出を切り詰めるとともに、独自の徴税努力を含む多様な歳入確保策を展開するなど、国や他の自治体を上回る徹底した行財政改革を進めてまいりました。また、民間の経営ノウハウを積極的に活用するとともに、新たな公会計制度の導入により職員のコスト意識や実務感覚を高めるなど、内部改革を強力に推進してまいりました。
 これらの改革により、危機に瀕していた都財政の再建を果たしますとともに、政策面では、認証保育所の設置やディーゼル車の排出ガス規制など、国に先駆けたさまざまな取り組みの展開につながっており、都民が実感できる成果を上げてきたと考えております。
 次に、行政分野の民間開放に対する評価についてでございますが、都は、民間開放手法である指定管理者制度や市場化テストなどについて、事業の安全管理やサービス水準を確保していく観点から都独自の評価の仕組みを構築し、チェック機能を強化してまいりました。
 具体的には、所管局による一次評価に加え、外部有識者が過半数を占める委員会により二次評価を行う複数評価制度を導入するとともに、実施状況のモニタリングや事業全般の公正性や客観性などを監視する仕組みを構築してきたところでございます。
 今後とも、都として適切な事業執行を確保し、都民サービスの一層の向上を図るため、民間開放事業に対する評価制度を必要に応じて見直し、適切に運用してまいります。
 最後に、行財政改革の質的展開についてでございますが、行財政改革の推進に当たりましては、組織のスリム化やコスト縮減などの量的な改革とともに、社会構造の変化や都民ニーズの多様化に対応した行財政運営の体質改善という質的な改革が必要でございます。
 都では、このような観点から、新たな公会計制度や民間の経営改革手法を積極的に導入することなどにより、行財政運営の戦略性を高め、都政の政策対応力を向上させる改革を進めてまいりました。
 今後は、こうした質的改革をより一層推進するため、業務プロセスの見直しやマネジメント機能の強化を含め、都庁の足元からの業務改革を着実に推進することによりまして、都民満足度の向上につながる、より一層質の高い行財政運営に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕


◯福祉保健局長(安藤立美君) 医療政策に関する二点についてお答えを申し上げます。
 まず、円滑な退院調整についてでありますが、患者が安心して退院するためには、退院後も適切なケアを継続的に受けられるよう、病院みずからが転院先との十分な調整を行うことが必要であります。
 こうした取り組みを支援するため、都は、退院調整の中心となる病院のソーシャルワーカー等を対象にスキルアップのための研修会を開催しているほか、事例検討や情報交換の場を設けるなど、退院調整のための知識や技術の向上に努めております。
 また、医療機関案内サービスであります「ひまわり」でも、平成二十年度からは、対応できる疾患や専門外来などの診療情報を拡充する予定でありまして、退院調整にも資するものと考えております。
 次に、地域連携クリティカルパスの普及についてでありますが、ご指摘の地域連携クリティカルパスは、地域の医療機関などが相互に連携し、治療計画を共有するものであり、入院の早い段階から治療計画を示すことで、患者、家族の不安を和らげるとともに、転院を含めた退院調整にも有用なツールでございます。
 このため、現在、改定を進めております保健医療計画におきまして、がんや脳卒中などの主な疾病について、地域連携クリティカルパスの導入を促進することとしております。
     ─────────────


◯副議長(石井義修君) 九十五番立石晴康君。
   〔九十五番立石晴康君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕


◯九十五番(立石晴康君) 「ニューズウイーク」日本版、二月二十日号の最終ページにある「TOKYO EYE」というコラム欄に目が行きました。「北京五輪を救うため東京は力を貸してほしい」という中国人在京の作家の李小牧氏の一文であります。
 本年八月八日に開幕が迫った北京オリンピックを前に、氏は、日本人が中国に抱くイメージは過去最悪であろうと懸念しています。中国製冷凍ギョーザ事件や北京の大気汚染の状況など、大都市問題解決に東京の知恵で応援してほしい趣旨のことが書かれていました。
 かつて昭和三十九年、東京オリンピックの状況を思い出しながら読むと、当時、東京も公害に苦しんでおりました。今こそ北京オリンピックを応援して、八年後の東京オリンピック招致を実現しなければならない思いがいたしました。
 さて、終戦のとき、焼け野原となった東京の当時の復旧のため、まず第一の課題は瓦れきの処理でありました。銀座にある旧三十間堀川の埋め立ては、この瓦れきの処理場として使われました。川は埋められ、三原橋周辺の橋は残されたまま現在に至っています。現在、この橋の安全性はどうか、また、終戦当時の橋付近のいわゆる三原橋問題は、終戦から今日に至るまで、長く地元商店街や町会の悩みでありました。
 銀座通連合会事務局長で、半世紀近くこの状況を見続けてきた銀座案内人の故石丸雄司氏の口癖でありました。一日も早く解決して、銀座らしい今日にふさわしい状況にしなければならないと繰り返しいっていました。
 さて、昨年八月、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、ミシシッピ川にかかる高速道路の橋が崩落、夕方六時のラッシュアワー時に現場を走行していた約六十台の車両が川に転落し、十三人が死亡、百人以上が負傷したという事故を思い出します。
 社会基盤施設の適切な維持管理は、いうまでもなく我が国においても重要な課題であります。中でも、幹線道路にかかる橋梁は特に重要な施設であります。都は既に、予防保全型管理の重要性を認識して、道路アセットマネジメントを導入しています。都の進めている道路アセットマネジメントによる、橋梁を中心とした予防保全型管理の今後の取り組みについて所見を伺います。
 次に、私の地元中央区には古くから橋が多く存在しますが、その中の一つに、先ほどの三原橋があります。この三原橋は、架橋から八十年近くたっており、現在、一日約四万台の交通量を抱えていますが、この橋の安全性について改めて伺います。
 また、現在この三原橋のたもとの両側には、二棟の契約切れの建物が存在しています。銀座の街並みが時代の最先端へとリニューアルしていく中、古色蒼然としたこの二棟の建物は、沿道の他の建物の景観から乖離し、周辺の街並みと比べた場合、さきに述べたように明らかに異質な存在となっています。都として今後どのように対応していくのか、所見をお伺いします。
 さらに、晴海通りの良好な環境の確保のためにも、いろいろな手法を駆使して解決すべきであります。例えば、先ごろ決定した、銀座四丁目にある三越が、都市再生特別地区としてビルの改修及び増築工事を行う予定であります。この事業の中で、銀座地区の課題である駐車場の整備や国際観光案内所の開設、地域に開かれたオープンスペースの提供などとともに、地下歩道の拡幅、エレベーターの設置などのバリアフリー工事など、さまざまな公共貢献による整備を予定しています。
 特に、地区の一方の軸となる中央通りは、沿道の整備も進み、街並みの完成度が極めて高いことから国際的にも評価されており、まさに銀座の顔となっています。
 しかし、一方晴海通りは、有楽町、銀座から築地、勝どき、晴海に至る都心と臨海副都心を結んでおり、東京の代表的メーン通りであります。二〇一六年、晴海メーンスタジアムに通じる道であります。しかしながら、三原橋周辺においては街並みの統一感がありません。また、地下の歩行者道路も高低差が生じており、歩きにくい空間となっています。そこで、人々が安心してショッピングやまち歩きを楽しみ、憩える、安全性、防災性、快適性にすぐれたまちであり続けるためには、これらの手法を用いて地域の課題解決を図っていくことが重要であると考えます。
 公共と民間の協力により、銀座の将来を見据えた都市の再生を推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、食の安心・安全について何点か質問いたします。
 昨年来、例のミートホープ社事件から、薬物入り冷凍ギョーザの事件など、食の安全に対する心配は、都民のみならず、全国的な大問題として、改めて社会的課題として人々の脳裏をかすめています。市場行政の中では、いうまでもなく食の安全は最も重要な課題であります。
 豊洲新市場予定地における土壌汚染問題と、現築地市場の老朽、狭隘、移転までのアスベスト対策や、原爆マグロ塚の問題など、どちらにしても、食の安全・安心は生鮮食料品を扱う最大の課題であります。
 そこで、幾つか質問いたします。
 豊洲新市場予定地における四千二百カ所の土壌、地下水の調査を実施していますが、今後どのようなスケジュールで調査結果を公表し、提言しようとしているのか、具体的にお伺いいたします。
 一方、築地市場は開場から七十年という長い歴史を持ち、首都圏の基幹市場としての役割を果たし続けています。現代の築地市場が移転までの間、放射能の半減期から考えれば、昭和二十九年に現築地市場に埋められたと報道された被曝マグロの放射能問題など、不安は山積みされています。
 私は、地元である中央区で、築地市場の維持発展にさまざまな面からかかわってきており、築地市場や、築地が長年にわたって築き上げてきた築地ブランドに並々ならぬ愛情を持っています。築地市場が、現在地を再整備するのであれ、移転整備するのであれ、都民にとって一番重要なことは、食の安全・安心であります。
 私はこれまで、築地の持つ歴史やその愛着から、できれば現在地での再整備が望ましいと考えてきました。築地市場施設の一部にはアスベストが含有されており、施設の解体、改築に当たっては、相当慎重なアスベスト対策が必要になると考えられますが、現在地再整備の経緯も含め、所見をお伺いいたします。
 次に、温暖化対策についてお伺いいたします。
 本定例会における知事の所信表明にもありましたように、世界人口の五割が都市に居住しており、都市のあり方が地球の未来を規定する、都市の世紀といわれる時代です。こうした世界において、大都市東京は、高度成長期に建てられた古い建築物が建てかえ時期にあり、まさに都市の更新期を迎えているといえます。そのため、再開発等により東京の都市としての魅力と活力を維持向上していくことが重要であります。
 一方、地球温暖化の問題は、我々の世代だけの問題ではなく、子や孫の次代を担う世代に大きな影響を与える問題であり、早急な対策が求められているものであります。
 このため、この都市の更新期を逃すことなく、環境への負荷の少ない良好なストックを形成することが重要であり、都市づくりの中で温暖化対策を推進していかなければならないと考えますが、知事の所見を伺います。
 さて、都は、平成十七年度に導入したマンション環境性能表示により、マンションの販売広告に環境性能を星の数で示すラベルの表示を義務づけていますが、これはいわゆるミシュランの三つ星のように、わかりやすくマンションの環境性能を示すものです。三つ星をとるマンションが着実にふえています。だれにでもわかりやすく建築物の環境性能を示していくことは、温暖化対策を推進する上で大変有効な手段の一つといえます。
 そこで、CO2排出量の増加の著しいオフィスビルについても、マンション環境性能表示のように、建築物の売買や賃貸借等の取引の機会をうまく使って、投資家や建築物の使用者にビルの環境性能をわかりやすく伝えることが重要であると考えますが、所見を伺います。
 都は、CO2排出量を二〇二〇年に二〇〇〇年比で二五%削減するという目標を掲げていますが、これを達成していくためには、建物自身の省エネ性能の向上を推進していくとともに、CO2を排出しない太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入を積極的に推進していく必要があります。
 都市再生事業において計画されているすぐれた建築物では、屋上だけでなく、壁面にも太陽光パネルを設置するものがあり、積極的な取り組みが見られるようになってきました。しかし、全体的には、再生可能エネルギーの導入実績は十分なものとはいえない状況にあります。
 都は、大規模な新築建築物に環境配慮を求める建築物環境計画書制度の対象拡大を打ち出していますが、この対象拡大にあわせて、建築物の新築時に再生可能エネルギーの積極的な導入を促すべきだと思いますが、所見を伺います。
 次に、震災後の復旧について、特に燃料供給体制の整備についてお伺いいたします。
 都が発表した被害想定では、首都直下地震が発生すると、死者六千四百人、負傷者十六万人に及ぶ甚大な被害が予想されています。こうした状況に対処するには、発災直後から迅速な救出救助活動が必要であり、一刻もとめることはできません。このため、拠点となる都や区の庁舎、病院などは、停電に備えて非常用発電装置を設置しており、また、警察や消防は独自に車両燃料の備蓄をしています。
 しかし、停電が長引いた場合や、全国からの応援部隊を含めて、昼夜を問わない活動の継続には、備蓄だけで対応することは困難になります。瓦れきの処理にも多くの車両が必要となり、その燃料を確保することも危ぶまれます。
 救出救助や早期復旧を図るには、燃料の安定した補給が不可欠であり、早急に供給体制を整備すべきと考えますが、見解をお伺いして質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 立石晴康議員の一般質問にお答えいたします。
 都市づくりの中での温暖化対策についてでありますが、現代文明は、化石燃料がもたらすエネルギーを前提に、極めて便利で豊かな生活を実現してまいりました。この現代文明が高度に集積する先進国の大都市こそ、早期にCO2排出量を減少に転じていく必要があります。その責任もあります。
 都市の更新期を迎えている東京では、今、都心部を中心とした都市再生が進んでおりまして、こうした機会を生かし、最先端の省エネ技術や再生可能エネルギーの導入を積極的に促進していかなくてはならないと思います。
 こうしたことによりまして、世界有数の大都市である東京をいち早く低炭素型都市に転換し、新たな都市モデルとして世界に発信していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長が答弁いたします。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕


◯建設局長(道家孝行君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、橋梁の予防保全型管理の取り組みについてでありますが、高度経済成長期に集中的に整備した橋梁が、近い将来、一斉に更新期を迎えることから、更新時期の平準化と総事業費の縮減を図るため、資産管理の手法であるアセットマネジメントを活用し、橋梁の予防保全型管理を進めております。
 これまで実施してきた定期点検結果から、将来の損傷や劣化を予測し、最新の長寿命化技術によって、橋梁の安全性、耐久性を向上させる対策などを盛り込んだ橋梁の管理に関する中長期計画を策定いたします。この計画には、管理に関する基本的な方針、長寿命化の方策やその施工時期などを盛り込み、今後、計画に基づき、橋梁の効率的、効果的な管理に努め、都民の貴重な財産を次世代に継承してまいります。
 次に、三原橋の安全性についてでありますが、昭和四年に建設された三原橋は、都心と臨海部を結ぶ幹線道路の晴海通りにある、長さ約三十メートルの橋梁であります。これまで、五年に一度の定期点検結果に基づき、適時、床版の補強、鋼げたの取りかえや塗りかえ、舗装の打ちかえなどの工事を行ってまいりました。
 今後とも、必要に応じて効果的な補強と適切な維持管理を図り、引き続き安全の確保に努めてまいります。
 次に、三原橋における二棟の建物についてでありますが、この建物は、三十間堀川埋立事業に伴い、昭和二十九年に観光案内所などを目的として建てられたものでございます。その後、当初の目的である観光案内所としての機能が終了したため、都は、道路区域に編入し、道路として活用することといたしました。
 二棟の建物所有者とは、これまで話し合いを行ってまいりましたが、本年二月に至り、双方、解決に向けて協議していくことを確認いたしました。
 今後は、地元区等関係機関と十分な調整を図りながら、解決に向けた協議を進めてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕


◯都市整備局長(只腰憲久君) 銀座地区のまちづくりについてでございますが、銀座は、お話にもございましたように商業機能などが集積しておりまして、東京の活力を担う国際的な商業・観光拠点として、その機能をさらに高めていくことが期待されております。
 その一方で、銀座では戦後の早い段階から市街地が形成されたことから、建物の多くが建てかえの時期を迎えております。こうした建物の更新とともに、官民が協力して地下道の拡幅など公共施設の整備を行うことにより、より一層都市の再生が促進されるものと考えております。
 今後とも、都といたしましては、地元区とともに、魅力とにぎわいにあふれた地域のまちづくりへの支援を進めてまいります。
   〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕


◯中央卸売市場長(比留間英人君) 築地市場の移転に関する二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、豊洲新市場予定地における土壌、地下水調査及び提言等のスケジュールについてでございますが、約四千二百カ所の土壌、地下水の詳細調査は、今月の十三日から実施をしておりまして、四月初めには、昨年の調査で高濃度の有害物質が検出された六街区の、四月末には残りの五街区、七街区の調査を終える予定でございます。また、この調査で基準を超えた箇所では、土壌のボーリングによる汚染箇所の絞り込み調査を並行して実施してまいります。
 これらの調査結果を踏まえ、順次専門家会議で対策を検討した上で、五月末には提言案を策定して公表し、広く意見を聞いた上で、七月までに最終的な提言を取りまとめる予定でございます。来年度中にこの提言に基づく土壌汚染対策工事に着手をし、平成二十二年度には完了させることにしてございます。
 今後、豊洲新市場予定地の土壌汚染に関するこうした検討状況や対策内容について、都民や市場関係業界に十分に理解が得られるよう努めるとともに、専門家会議の提言を確実に実施することにより、平成二十五年三月に安心できる市場として開場させてまいります。
 次に、築地市場の現在地再整備の経緯などについてでございますが、現在地再整備は、平成三年から工事に着手をいたしましたが、敷地が狭隘な中で市場業者の営業を継続しながらの工事のため、業界調整が難航をきわめ、断念をした経緯がございます。
 今日、再度現在地再整備を行うとした場合、かつてのローリング工事の用地は既に売り場や駐車場として活用されており、必要な種地の確保ができません。また、これからの市場に求められる品質管理の高度化や物流の効率化に対応した施設を整備する余地がなく、首都圏の基幹市場としての役割を将来にわたって果たすことは難しい状況にございます。
 加えて、アスベスト対策の基準が当時以上に厳しくなっており、工事中、売り場を相当範囲で密閉する必要があるなど、市場活動に一層深刻な影響を与えることから、現在地再整備は現実的な対応策ではないと考えております。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕


◯環境局長(吉川和夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、建築物の環境性能に関する情報の提供についてでございますが、平成十七年度に導入したマンション環境性能表示制度は、大規模な新築マンションの販売広告に環境性能を星の数で表示するものであり、制度導入後、マンションの環境性能が着実に向上しております。
 この成果を踏まえ、オフィスビル等の省エネ性能の向上を図るため、建築主が省エネ性能の評価をわかりやすく記載した書面を作成し、建築物の売買や賃貸借の際に相手方へ提示することを義務づける省エネルギー性能評価書制度の創設を今後検討してまいります。
 この制度の創設により、環境に配慮したオフィスビル等が不動産取引で高く評価される状況をつくり出し、CO2排出量の少ない建築物の建設を一層促進してまいります。
 次に、再生可能エネルギーの導入についてでございますが、建築物環境計画書制度の対象となる大規模な新築建築物では、再生可能エネルギー導入のすぐれた取り組みが一部で見られるようになったものの、多くの場合、導入に向けた検討自体が十分に行われていない状況にあり、再生可能エネルギーを導入した建築物は、制度の対象全体の約六%にとどまっております。
 そこで、建築物環境計画書制度におきまして再生可能エネルギーの導入に向けた取り組みが進むよう、今後建築主に対し、都が示すプロセスに従った検討を義務づけ、その結果を都が公表する新たな仕組みの構築を目指してまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕


◯総務局長(押元洋君) 災害時の燃料供給についてのご質問にお答え申し上げます。
 大地震など緊急事態に、都や警察、消防など防災機関が応急活動を迅速に開始し、継続して行うためには、燃料の安定的な確保が重要でございます。
 このため、各防災機関は、みずから停電時の非常用発電装置や車両の燃料を備蓄いたしますとともに、近隣のガソリンスタンドなどと個別に災害時の燃料供給に関する取り決めを行い、その確保に努めているところでございます。
 さらに都では、応急、復旧活動に支障を来さないよう、広域的な燃料の輸送体制を確立するため、現在、石油関係団体と協議を進めております。
 今後、できる限り早い時期にこうした団体との間で協定を締結いたしまして、災害時における安定した燃料の供給体制を整備してまいります。
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◯議長(比留間敏夫君) 三十六番橘正剛君。
   〔三十六番橘正剛君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕


◯三十六番(橘正剛君) 初めに、温暖化防止に向けた家庭部門のCO2排出削減対策について質問します。
 世界で最も環境負荷の少ない都市の実現は、石原知事が進める「十年後の東京」において極めて重要な政策として位置づけられております。今定例会の施政方針表明において、知事は、低炭素型都市への転換を平成二十年度から本格化させると強調し、社会の隅々にまで省エネ、節電を行き渡らせる仕組みを整えなければならないと強い決意を表明されました。公明党も、この認識を一にして、今後の政策展開に全力で取り組む決意であります。
 都内のCO2排出量の部門別推移を見ますと、オフィスなどの業務部門と家庭部門の排出量の伸びが著しく、今後、この部門については一段と力を入れて対策を講じる必要があります。特に家庭部門においては、日常生活とCO2の排出削減、そして地球温暖化防止の関連が実感として結びつきにくいこともあって、都民ぐるみの具体的な運動として広がっていないのが現状であります。
 都は、家庭部門に対する今後の取り組みについて、太陽光発電、太陽熱利用、高効率給湯器の導入等を促進するとしておりますが、これとあわせて、家庭でできることから運動のすそ野を広げていくことも、CO2排出削減への大きなうねりになると考えます。知事の認識を伺います。
 その一方策として、身近にできる実践項目と、それによるCO2排出削減効果を簡単に確認できるチェックリストカードを作成して、広く都民に配布し、すべて実践してチェックしたカードは、動物園、博物館、美術館など、都の主な施設の割引券として活用できるようにしてはどうかと思います。
 こうしたことを通して日常生活を見直す契機とし、しかも実益のある形で取り組める都民参加のCO2排出削減ムーブメントを起こしていくべきと考えます。見解を伺います。
 次に、高齢者の介護関連施設の整備について質問します。
 都の推計によると、都内の高齢者は、七年後の平成二十七年には都民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となり、要介護認定者も一・五倍の約五十四万人以上になると予測されております。これに伴って増大する介護需要にこたえていくためには、地域ケア体制における大きな役割が期待されている認知症高齢者グループホーム等の整備促進が求められております。
 「十年後の東京」への実行プログラムによると、認知症高齢者グループホームについては、三年後の平成二十二年度の到達目標として、定員を六千二百人に増員するとしておりますが、単年度の利用定員増の推移を見ますと、十七年度は七百五十四人、十八年度が五百二十九人と、年を追って減少しております。
 整備が進まない要因として、東京の高い地価などによって、事業者が採算面で二の足を踏んでいることなどが指摘されております。六千二百人の定員確保には、創意工夫して現状の課題に全力を挙げて取り組む必要があります。
 そこでまず、補助制度の充実によって事業者が参入しやすい整備環境を整えるべきと考えます。今後の対応について見解を求めます。
 二点目の課題である高い地価や用地の賃借料への対応については、未利用の都有地の積極的な活用など、全庁的な取り組みが不可欠であると考えますが、都の見解を伺います。
 さらに、都営住宅の建てかえに当たっては、建物の一階部分へのビルトインなどによる整備促進策を講じるべきです。見解を伺います。
 介護問題に関連し、介護支援専門員であるケアマネジャーの資格更新研修について伺います。
 一昨年四月の介護保険法改正に伴い、ケアマネジャーに資格の更新制度が導入され、更新に当たっては、限定された研修開催日の中で段階的に講義を履修することが義務づけられております。受講者は、あらかじめ決められた研修開催日に合わせなければならず、そのための日程確保に苦労しているケアマネジャーが多く存在しているのも介護現場の実態であります。
 ケアマネジャーの有資格者には、医師、看護師、医学療法士、薬剤師など介護分野以外の業務に就業している人も多く、研修のために休診、休業せざるを得ないといった影響も出ております。
 こうした課題を改善するには、休日を利用して研修を修了できるスケジュールや、仕事と調整して受講できる研修機会の拡大など、業務への影響を極力少なくするための弾力性を持たせた研修体制を整備すべきです。見解を求めます。
 次に、歯科健診と児童虐待の早期発見について質問します。
 都は、虫歯と児童虐待の関連について早くから注目し、全国で初めて、東京都歯科医師会との連携のもと、口腔内の状態を通じて虐待の早期発見が可能かを解明する実態調査を行い、平成十五年四月に、歯科健診時等の際に虐待の早期発見への活用が期待できるとの結論を得ております。
 昨年十月からは、ドクターアドバイザーシステム事業を開始し、歯科分野も含め、健診や診療を通して医師が虐待の可能性を判断するための研修を行うなど、先駆的な取り組みを行っております。
 そこでまず、昨年からの新たな事業を踏まえ、特に歯科医療の分野における虐待の早期発見機能について、都の認識を伺います。
 次に、乳幼児歯科健診での虐待の早期発見について質問します。
 歯科健診は、一歳六カ月児と三歳児を対象にした健診以降、保育所や幼稚園、小学校などさまざまな健診の機会があります。歯科健診のスタート地点である乳幼児歯科健診の際、虐待の可能性を念頭に置いて、きめ細かく観察を行うことで、虐待の早期発見とその後のフォローが可能となります。その具体策として、乳幼児歯科健診の際に観察チェックリストをつくり、その後のフォローに活用するなど、虐待防止対策を強化すべきと考えます。見解を伺います。
 関連して、教職員への歯科保健の意識啓発について伺います。
 学校保健法では、児童生徒の定期健診において、学校歯科医による歯の健康診断が定められておりますが、教職員の健診には歯の健診項目がなく、実施されておりません。
 その結果、教職員はみずからの歯の健康に対する関心が不足がちで、子どもたちに対する指導や健康推進が行いにくい状況にあります。子どもたちが自分の健康状態に関心を持ち、自分の健康は自分で守る態度や習慣を身につけるための指導を充実するには、学校歯科医と連携し、教職員の研修や意識啓発を図る取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、都立公園の運営におけるボランティアとの協働について質問します。
 都立公園では、花壇管理や清掃、樹木の保全や植物の育成など、多彩なボランティア活動が展開されており、活動を通して実感している草花の種類や、遊歩道の改良といった提案やアイデアは、その都度、公園管理者等に相談しているとのことですが、個別の要望や提案がなかなか取り入れてもらえないとの声も聞かれます。
 ボランティアの皆さんの活動を踏まえた具体的な意見、要望、アイデアは、より親しみやすい公園整備を進めていく上で極めて貴重であります。
 そこで、公園ごとに、公園管理者と各種ボランティア団体が要望やアイデア等について定期的に意見交換を行う協議の場を持つことによって、より公園管理にかかわることができる仕組みを整えるべきと考えます。都の見解を伺います。
 さらに、現在ボランティア活動が展開されている公園の運営状況を見ますと、各種ボランティア団体がそれぞれの目的を持って活動しているため、団体同士の横の連携が弱く、相互の協力がしにくい状況にあります。各ボランティア団体の特色を生かし、さらに活動を展開しやすくするために、ボランティア同士の横のつながりが強まるよう都が支援すべきです。見解を伺います。
 次に、平成十八年五月に全線開通した環状八号線沿線の周辺整備について質問します。
 全線開通の最終工事となった板橋区相生町から練馬区北町の区間は、かつて豊かな自然林のある地域であったことから、なお一層の緑の創出を求める声が周辺地域の住民等から出されております。
 来年度は、この区間の本線に並行する側道の整備が予定されておりますが、こうした周辺住民の声を十分尊重し、「十年後の東京」の目玉政策である新たな緑の創出を具現化するような沿道環境の改善に取り組むべきです。見解を伺います。
 次に、環状八号線の側道整備について伺います。
 八号線の全線開通後、昨年九月から、民間バス会社がJR赤羽駅から西武池袋線練馬駅の区間に路線バスを運行させております。しかし、このうち板橋区相生町から練馬区北町までの約二・五キロメートルの区間は、トンネルなど道路構造の関係で停留所が設置されておらず、本線を通過するだけの状態となっております。
 このため、今後整備される予定の側道へのバス停留所の設置が関係機関で検討されておりますが、この区間の周辺地域の住民にとって、バス停留所の設置は、病院への通院や買い物をする際、利便性が非常に高く、一日も早い設置を望む声が強く出されております。
 そこで、側道の完成に合わせて正式なバス停留所を設置する前に、側道整備予定箇所に仮停留所を設置し、可能な限り早期にバス利用ができるよう、都も強力に後押しすべきと考えます。バス停留所設置と密接にかかわる側道整備の見通しについて見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 橘正剛議員の一般質問にお答えいたします。
 CO2排出削減対策についてでありますが、世界は今、地球温暖化による深刻な危機に直面しておりますけれども、これは、かつてない文明社会を築き上げ、豊かな生活を当たり前のものとして繁栄を謳歌していることの代償にほかならないと思います。
 この危機を突破していくためには、CO2排出削減に向けた都民意識を醸成するとともに、社会の隅々にまで省エネ、節電を行き渡らせる仕組みを整えていくことが必要であります。
 地球温暖化対策に率先して取り組む高い志を持った都民、企業等と連携して、東京が一丸となってCO2の大幅削減に挑む、新たなうねりを巻き起こしていきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕


◯教育長(中村正彦君) 教職員への歯科保健の意識啓発についてでございます。
 児童生徒の歯と口の健康は、食育推進の基礎となるものでございまして、将来にわたって健康な歯を保てるよう指導していく必要がございます。
 歯と口の健康を守るためには、学校、家庭、地域で指導していくことが重要でありますが、特に学校教育における教職員の果たすべき役割は大きく、重要でございます。
 そこで、都教育委員会は、東京都学校歯科医会などと連携を図りまして、学校歯科医を活用して、教職員が歯と口の健康の重要性について、より一層理解を進めるための取り組みを行うことで、学校全体として児童生徒の歯と口の健康づくりを推進するよう努めてまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕


◯環境局長(吉川和夫君) CO2排出削減のムーブメントについてでございますが、家庭部門のCO2排出量の伸びは業務部門に次いで大きく、その削減に向け、省エネ、節電活動が日常生活の中で常に意識され、実行される取り組みを進めていくことが重要でございます。
 毎日の生活を省エネの観点から点検するチェックカードを、レジャーや買い物の際の割引券として活用し、省エネへの動機づけに用いる取り組みは、温暖化対策に関心を持つ個人や企業、団体等が参加する国のアクションプラン、チーム・マイナス六%におきましても進められております。
 都におきましても、今回の地球温暖化防止活動推進センターの設置を機に、こうした取り組みを積極的に展開し、都民参加のCO2排出削減ムーブメントを起こしてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕


◯福祉保健局長(安藤立美君) 五点についてお答えいたします。
 まず、認知症高齢者グループホームについてでありますが、都はこれまでも、独自の補助制度によりましてグループホームの整備促進を図ってまいりましたが、今後の高齢化の進展を見据え、より一層、整備促進策を講じる必要がございます。
 そこで、平成二十年度から、事業者の参入をさらに促進するため、民間企業や土地所有者に対します補助額を増額するとともに、従来補助対象としておりませんでした増築についても、新たに補助対象といたします。
 これに加えまして、高齢者人口に比べ整備状況が十分でない地域を重点的緊急整備地域と位置づけ、補助単価を一・五倍に加算するなど、整備の促進に努めてまいります。
 次に、未利用の都有地の活用についてでありますが、近年の景気回復などにより不動産需要が増大し、グループホーム建設のための用地確保が困難となっている状況にあります。
 このため、都は、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業によりまして、介護保険施設等の運営を行う事業者に対して、未利用の都有地を減額の上、貸し付けを行うことで、グループホームなどの施設整備の促進に努めております。
 今後は、利用予定のない都有地について関係局の間で情報の共有化を図るとともに、区市町村とも緊密に連携し、グループホームや介護保険施設などの整備を進めてまいります。
 次に、介護支援専門員の研修についてであります。
 介護支援専門員は、資格更新に当たり、研修の受講が義務づけられており、ご指摘のとおり、介護や医療の現場で働く有資格者の方にとって受講機会の確保が課題となってございます。
 このため、都は、介護支援専門員が資格更新に必要な研修を受講しやすいよう、日程や会場設定の工夫を重ねてまいりました。
 さらに、平成二十年度からは、研修に土日祝日のコースを設定するなど、受講機会の多様化を図るとともに、やむを得ず受講できなかった方に配慮し、振りかえ受講やビデオによる補講を充実するなど、よりきめ細かい対応をしてまいります。
 次に、歯科医療における虐待の早期発見機能についてでございますが、医療機関が行う診療や健康診査の場面は、多くの子育て家庭と接する機会であるため、児童虐待の早期発見の機能が期待をされております。その中で、身体的虐待やネグレクトを受けている児童については、歯の欠損や多数の虫歯が見られる例も多いことから、歯科医療は児童虐待の早期発見に重要な役割を果たすものと認識をしてございます。
 最後に、乳幼児歯科健診における虐待防止対策の強化についてでありますが、区市町村が行う乳幼児歯科健診を活用して虐待防止対策を効果的に進めるためには、その担い手である歯科医師に、虐待の早期発見のための観察ポイントや対応方法を具体的に示すことが必要でございます。
 このため、母子保健事業の手引書や歯科医師向けのマニュアルの中に、歯科健診における観察ポイントのチェックリストや対応方法のフロー図などをわかりやすい形で盛り込みまして、周知徹底を図ってまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕


◯都市整備局長(只腰憲久君) 都営住宅建てかえ時のグループホームの整備についてでございますが、都営住宅の建てかえに当たりましては、老朽化した住宅を更新するとともに、高齢化の進展に伴う福祉サービスの充実など、地域のさまざまな課題に配慮し、住環境の整備を図ることが重要でございます。
 こうした考えから、これまで建てかえに際しまして、グループホームの整備につきましては、都営住宅建設に関連する地域開発要綱に基づきまして、地元区市と協議し、支援してまいりました。
 今後とも、地域に根づいたグループホームの整備に向けまして、建てかえる都営住宅の敷地の状況などを勘案しながら、地元区市や関係局と連携し、適切に対応してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕


◯建設局長(道家孝行君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立公園におけるボランティア活動についてでありますが、都立公園では、さまざまなボランティア団体が清掃活動を初め、花壇づくりや庭園ガイドなどの活動を行っております。
 これまで都は、公園で活動する個々の団体から寄せられた意見、提案を生かし、自然観察会を実施するなど、魅力ある公園づくりに努めてまいりました。
 今後、よりよい公園づくりを進めるためには、公園管理者と多くのボランティア団体とが、公園利用者の視点に立って、より緊密な連携のもと協働していくことが重要であります。
 このため、現在、各公園で取り組んでいる公園管理者とボランティア団体との連絡組織づくりを進め、ご提案を踏まえ、この連絡組織を活用して、定期的な意見交換の場としてまいります。
 次に、ボランティア団体間の連携についてでありますが、多くの都立公園では、野鳥保護とドッグランの運営のように、目的が異なる複数のボランティア団体がそれぞれ活動をしておりますが、これらの団体が相互に理解を深め、よりよい公園づくりに向けて協力し合うことは意義あるものと考えております。
 このため、都は指定管理者とともに、各公園において公園美化キャンペーンや活動内容を紹介するボランティア祭りなどを、多くのボランティア団体と共同で実施してまいります。
 今後とも、ボランティア団体との連携、協働に積極的に取り組み、公園利用の活性化や、地域と密着した公園管理を進め、魅力ある公園づくりに努めてまいります。
 次に、環状第八号線の沿道環境改善に向けた取り組みについてでありますが、本路線は、慢性的な交通渋滞の解消を図り、円滑な交通を確保することはもとより、歩行者や沿道環境にも十分配慮した質の高い道路として整備を進め、平成十八年五月に本線部が開通いたしました。
 お尋ねの板橋区相生町から練馬区北町までの区間については、地元の要望を踏まえ、道路のり面やトンネル上部の緑化を実施いたしました。
 今後、側道部の整備においても、「十年後の東京」が目指す緑豊かな道路空間を創出するため、歩道の街路樹に加え、新たな緑地帯の整備やのり面上部への植栽、壁面の緑化などをできる限り実施してまいります。
 最後に、バス停設置にかかわる側道整備の見通しについてでありますが、区間延長二・五キロメートルの側道のうち一・五キロメートルを交通開放しており、残る区間についても、既に電線共同溝などの地下埋設物工事が完了し、歩車道の仕上げ工事を順次実施しております。
 また、バス停については、本年夏までの設置に向け、バス事業者が関係機関と協議を進めており、都としてもバスの円滑な運行に協力してまいります。
 今後とも、周辺住民の理解と協力を得ながら、平成二十年度の完成に向け、側道整備に取り組んでまいります。
     ─────────────


◯副議長(石井義修君) 五十四番くまき美奈子さん。
   〔五十四番くまき美奈子君登壇〕


◯五十四番(くまき美奈子君) 東京都における救急車の現場到着時間は、最近では平均で六分程度ですが、深刻な状況にある救急患者に対しては一刻も早い対応が必要であり、救急車が到着するまでの間の応急手当てが重要であることはいうまでもありません。一連の応急手当ての中でも、AEDを使用した蘇生効果は既に多くに知られているところです。
 昨今、官民を問わず、多くの人が利用するさまざまな施設においてAED設置の取り組みが急速に進んでいますが、AEDを使用した蘇生へのタイムリミットを考えると、残念ながら、満足な数にはいまだ達していないといわざるを得ません。
 町じゅうにAEDが目につく状況にまで設置され、それを使える人を育てていき、いつでも、どこでも、だれでもがAEDを効果的に使用できる環境を整えることが望まれます。
 こうした観点に立ち、都有施設を管理する各局においては、都民のとうとい命を守るため、今後ともみずからの管理施設へのAED設置を積極的に進めていただきたいと思います。特に都庁舎のAED設置に関しては、東京都の施設の手本となるよう整備されることを望みます。
 AEDの普及とあわせて、実際の救急現場において的確にAEDを使用できるという指導も必要ですが、このAEDを使えば命が救えるという、命のとうとさを学ぶ観点も重要であると考えます。その一例として、幼年期から段階を追って命のとうとさに触れ、高学年に進むごとに心肺蘇生法やAED講習を学ぶという、アメリカ・シアトルでの命の教育システムは大きな成果を上げていると聞いています。
 そこで、教育庁は、都立学校のAEDの設置状況及び各校内においてどのような場所に設置しているのか、また、生徒や教職員に対してはAEDの機能や操作方法をどのように周知しているのか、それらの現状と今後の取り組みについて伺います。
 私の地元板橋区では、民間企業の協賛を得て、企業の広告つきAEDを区有施設に無料で設置していくという取り組みを始めています。都施設の中でも、駅や体育館、動物園、美術館など、人が多く集まり、広告宣伝効果の高い場所には、板橋区のようなAED設置の取り組みも考えられるのではないでしょうか。
 現在、都営地下鉄では、全駅にAEDが一台ずつ設置されていると聞いていますが、利用客の多い駅や広い駅では不十分ではないかと思われます。そこで、交通局として、AEDの増設や更新時などに企業の広告つきAED設置の取り組みを検討してはどうかと考えますが、見解を伺います。
 まちじゅうへの配置を進めるためには、警察施設やコンビニエンスストアなど都民の認知度が高い施設が考えられます。中でも警察施設への設置は、都民の安心・安全を守る上で極めて必要だと考えますが、現在の警察施設の設置状況と今後の設置計画について、警視総監の所見を伺います。
 さらに、救護の場でAEDが効果的に利用されるためには、AEDの設置場所があらかじめ都民一人一人にわかりやすく伝えられることが重要です。そのためには、東京都として、都有施設のAED設置情報を取りまとめ、積極的に都民に提供していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次の質問です。
 この一月から施行された配偶者からの暴力防止法、いわゆるDV法によって支援対策の拡充が図られたところですが、最近では、婚姻関係がなく、内縁関係とまではいい切れない若年層の男女間で起きる暴力について、デートDVという概念が提示され始めています。
 デートDVは、以前から厳然として存在しながら、ほとんど社会的に問題にされてきませんでしたし、被害者自身が被害意識を持つことさえ困難な場合があるようです。一般的なDVの特徴に加えてデートDVは、思春期、青年期の特徴的な心理や性意識、行動が影響しているといわれます。
 昨年十一月、内閣府は、若い恋人同士の間で起きるデートDVに関する初めての調査結果を発表しました。それによると、通信手段のはずの携帯電話が、相手に干渉したり束縛したりする道具になり、精神的被害を与えているケースもあったということです。
 日本DV防止・情報センターが行ったデートDVの被害者に関する調査では、相談したり打ち明けたりする相手の半数以上が友人という結果でした。しかし、被害者と同年代の友人が相談を打ち明けられても、問題解決に対処できるはずもなく、被害者とともに右往左往してしまうのが実情です。
 デートDVの相談は、悪質で緊急の高いものだけでなく、非常に細かい具体的な相談に乗りながら解決していかなければならない場合も多くあります。
 これらのことを踏まえ、暴力に苦しむ若い被害者の気づきから相談対応に向けた一貫した対策が重要であると考えます。そこで、暴力についての認識が十分でない若い世代への東京都としての対策について所見を伺います。
 また、昨年、北海道では、妻などが配偶者に暴力を振るう被害が激増したという報道がありました。二〇〇六年に内閣府が発表した男女間における暴力に関する調査報告書によれば、女性全体で、DVの被害に複数回あったとしたのは一〇・六%だった一方、男性では二・六%、一、二回あったを含めると、男性では一七・四%がDV被害の経験者という結果になっています。女性に比べれば少ない割合ですが、男性にもDVの被害者がいるという現状があるということです。
 さらに、被害の相談については、どこにもだれにも相談しなかったは、女性の四六・九%に対し、男性では八四・四%と、男性のほとんどは、DVの被害に遭っても相談しないという傾向が見られることから、男性被害者の割合は調査結果を大きく上回ることも推測されます。
 このようなことから、東京都は、男性被害者の相談体制など、どのように対応しているのか伺います。
 次に、動物との共生社会の実現について伺います。
 中国産の冷凍ギョーザを端緒として、食品の安全をめぐる議論が頂点に達している感がありますが、ついにここに来て、ペットの食の安全にも大きな動きがありました。有害物質を含むペットフードの製造、販売、輸入の禁止などを盛り込んだ法案の概要が二月二十日に明らかにされたことです。
 これは、昨年、アメリカで有害な中国産原料を含んだペットフードを犬や猫が食べて死んでしまった問題をきっかけとして、日本でもペットの食の安全に対し不安の声が高まってきたのを受け、検討されたものです。これはまさに、少子高齢化や核家族化の進展の中で、ペットが家族の一員として存在することを示す動きといえるのではないでしょうか。
 動物は愛玩の対象となるだけでなく、その存在自体が飼い主の孤独をいやし、あるいは家族のきずなを強めるものとして、個人や家族間に作用しています。しかも、ペットフード工業会の推計によれば、平成十八年度の全国の飼い犬の数は、十歳未満の子どもの数を上回る千二百九万頭にもなっているといいます。今やペット動物は、家族の一員としての枠を超え、社会の構成要素の一つとしてとらえる時代になったといっても過言ではない数字です。
 実際、介助犬や盲導犬などは、一定の使命を与えられ、社会に貢献していますし、動物の持ついやしやぬくもりの効果を活用した精神生活の安寧など、いわゆる動物介在活動や動物介在療法が有効的な効果をもたらすという報告がなされたり、私たちの生活や社会の中で動物は大きな役割を果たしています。
 そうした動物の増加によって、従来の地域の環境問題への取り組みや、子育て、教育問題などでつながるコミュニティと同じように、これからは、動物の存在を軸とするコミュニティが、性別、職業や年代を超えた広がりを見せてくるのではないかと思われます。
 こうした中、都は昨年四月に、家族の一員から地域の一員へをキーワードとして、人と動物との調和のとれた共生社会の実現に向け、今後の動物愛護管理行政を方向づける東京都動物愛護管理推進計画を策定しています。
 動物の存在がかつてないほどに社会性を持つようになってきている現状を踏まえるとするならば、動物を構成メンバーに入れて、地域社会のあり方につき明確なイメージを持って施策を展開していくことが必要になってきているのではないかと思います。
 そこで、まず、東京都が動物愛護推進計画によって目指す、人と動物との調和のとれた共生社会とはどのようなことをいうのか、伺います。
 また、共生社会というからには、人も動物も生かされなければなりませんが、そのためには、終生飼養、つまり、動物の面倒を最期まできちんと見届けるということを社会共通の価値観としていくことが重要であると思います。
 というのも、単身者や高齢者によるペット飼育が増加するにつれ、飼い主が病気になったり、不幸にして亡くなられた場合などに、飼われていたペットが路頭に迷うという現実を耳にするからです。ひとり暮らしの飼い主が亡くなられた末、発見されるまでに何日もかかり、衰弱した状態で保護された悲惨な例もあったと聞きます。
 もちろん、動物を飼う以上、万が一の場合に備え手当てをしておくことが飼い主の責務であるとは思いますが、なかなか現実はそううまくいかないことがあるようです。そのようなときに動物が行き場を失ってしまうようでは、共生社会も残念ながら絵にかいたもちといわざるを得ません。
 そこで、飼育が困難になった場合の対応など、地域社会の中で高齢者等の動物飼育を効果的に支援していく方策を検討すべきと考えますが、所見を伺います。
 最後の質問です。仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスについて伺います。
 二〇〇六年十二月の将来推計人口によると、二〇五五年には総人口は八千九百九十三万人、合計特殊出生率は一・二六、出生数は五十万人を下回り、高齢化率は四〇・五%になるとして、より一層の少子高齢化の進行を予測しています。
 子どもの数が減ることで、世帯構造にも変化が出ています。二十年前には、十八歳未満の未婚の子どもがいる世帯は全世帯の四六・二%でしたが、二〇〇六年には二七・三%と大きく低下しています。今後、ひとり暮らしの世帯数が日本の全世帯の類型のトップになると推計され、もはや夫婦二人と子ども二人という家庭は標準的な姿ではなくなってきています。
 政府は、二〇〇三年に少子化対策基本法を制定、二〇〇四年に子ども・子育て応援プランをつくり、女性だけではなく、男性の働き方の見直しや若者の自立支援まで、施策の範囲を広げました。このように法整備が進むとともに、さまざまな両立支援のための制度を導入する企業もふえてきています。
 東京都男女平等参画審議会専門調査会の報告によると、現状ではこれらの制度が十分に活用されているとはいいがたく、企業における働き方の改善が進まないために、ワークライフバランスの定着も進んでいないのが実情とあります。
 また、人材紹介大手のリクルートエージェントによる調査で、一月当たりの許容できる残業時間を聞いたところ、三十代では三十一から五十時間が四四%で最も多かったのに対し、十代から二十代は三十時間までが四二%で最多であったとのことです。残業に対する世代間の考え方の違いが鮮明にあらわれています。
 そこで、施策の実効性を高めるためにも、いわば職員を雇用している大事業主たる東京都が、都職員のワークライフバランスについて環境を整えることが必要だと考えます。
 こうした観点から、都は、事業主として都職員のワークライフバランスの推進に積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔警視総監矢代隆義君登壇〕


◯警視総監(矢代隆義君) くまき美奈子議員の一般質問にお答えいたします。
 警視庁における自動体外式除細動器、いわゆるAEDの設置状況及び今後の設置計画についてでありますが、警視庁では平成十八年に、警視庁本部庁舎、警察博物館及び運転免許更新事務を扱う警察署等、平素から多くの方が来庁される二十四カ所の警察施設に合計二十五台を設置しているところであります。
 今後の設置計画でありますが、平成二十年度から二カ年計画ですべての警察署に、また、平成二十年度中に、災害発生時に救出救助活動に当たる全機動隊に配備する予定であります。
   〔教育長中村正彦君登壇〕


◯教育長(中村正彦君) 都立学校のAEDについてでありますが、都教育委員会は、児童生徒等の心停止事故に備えるため、昨年の十二月末までに、すべての都立学校にAEDを設置いたしました。
 設置場所は、緊急事態が起こった際、直ちに対応できるよう、正面玄関や保健室付近など、わかりやすい場所といたしました。また、施錠されている場所には設置しないようにしております。
 都教育委員会は従来から、教職員を対象にAEDを用いた救命講習会を実施しておりまして、AEDの全校配置に際しましては、各学校において操作説明会を実施するとともに、AEDの操作説明DVDを配布し、教職員や生徒が操作方法を理解できるようにいたしました。
 今後とも、救命講習会を拡充するとともに、各学校におきまして、必要に応じ消防署と連携いたしまして講習会を開催するなど、教職員や生徒等が操作法を身につけられるよう取り組んでまいります。
   〔交通局長島田健一君登壇〕


◯交通局長(島田健一君) 都営地下鉄におけるAEDの増設等についてでございますが、交通局では平成十八年六月に、他の交通事業者に先駆けまして、都営地下鉄が管理するすべての駅にAEDを設置しております。これまでに九件の使用実績があり、駅で心肺停止状態に陥ったお客様の救急救命に大きな役割を果たしてきたものと考えております。
 今後、AEDの増設等につきましては、広告つきAEDを含め、各駅の状況等を勘案しながら、その必要性について精査してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕


◯福祉保健局長(安藤立美君) 三点についてお答えをいたします。
 まず、都有施設のAED設置情報についてでありますが、万一、心停止状態となった人がいた場合、そばに居合わせた方ができるだけ早くAEDを使用することは、救命率の向上に寄与するものであります。そのため、都有施設におけるAEDの設置状況に関する都民への情報の提供について、今後検討を行ってまいります。
 次に、人と動物との調和のとれた共生社会とはどのような社会かということについてでありますが、都内におきましては、ペット数の増加や飼育状況の変化等により、人と動物との距離が縮まり、飼い主以外の多くの都民もさまざまな場面で動物とのかかわりを持つようになってきております。
 こうした状況を踏まえまして、東京都動物愛護管理推進計画では、動物を家族の一員から地域の一員へと位置づけまして、動物の愛護管理の推進と地域の活性化とが相まって進展していく社会、このことを人と動物との調和のとれた共生社会としてございます。
 最後に、高齢者等の動物飼育への支援についてでございますが、都では現在、やむを得ない事情により飼育が困難となった動物の引き取りを行っておりますが、その三割以上が飼い主の健康上の理由によるものでございまして、高齢化や核家族化の進行に伴い、その割合はふえていくものと想定をされております。
 こうした状況を踏まえ、今後、動物愛護相談センターや動物愛護推進員等が、地域の実情を把握しております区市町村や民生委員などと連携をいたしまして、動物飼育に関する助言指導や、飼育が困難となった場合の一時預かりなどを行う仕組みを検討することとしてございます。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕


◯生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 配偶者暴力対策に関する質問にお答えいたします。
 まず、若い世代への対策についてでありますが、配偶者暴力防止のため、都では、東京ウィメンズプラザ等で若い世代を含む女性のさまざまな相談に応じるなど、被害の早期発見と情報の提供に努めております。
 また、関係各局、警視庁、区市町村のほか、東京都医師会、日本司法支援センター、民間シェルターなどの参加により、東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議を設置しており、情報交換や事例検討などを通じた関係機関の相互理解、円滑な協力を図っております。
 今後とも、ネットワーク会議を活用して、若い世代を含め、配偶者暴力の防止に連携、協力し、対応してまいります。
 次に、男性被害者への対応についてでありますが、東京ウィメンズプラザでは、外部の専門家に委託し、週に二日、男性専用の電話相談を実施しております。この相談では、配偶者暴力の被害に関する相談も含め、男性が抱えるさまざまな悩みに対応しております。
 なお、平成十八年度の配偶者暴力の相談件数については、男性被害者からの相談が二十三件でありましたが、女性からの相談は四千八百二十八件でありました。
   〔総務局長押元洋君登壇〕


◯総務局長(押元洋君) 都の事業主としてのワークライフバランスへの取り組みについてのご質問にお答えをいたします。
 都では、平成十七年三月に、次世代育成支援対策推進法に基づき、事業主としての立場から、東京都職員次世代育成支援プランを策定し、子育てを支援するさまざまな制度が職員に適切に活用されるよう周知いたしますとともに、これらの制度を利用しやすい職場環境の整備や雰囲気づくりに取り組んでまいりました。
 今後とも、職員のワークライフバランスを確保する観点から、この支援プランに基づき、職員の仕事と子育ての両立支援を積極的に進めてまいります。


◯副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時四分休憩
     ━━━━━━━━━━
   午後三時二十五分開議


◯議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十番村上英子さん。
   〔四十番村上英子君登壇〕


◯四十番(村上英子君) 初めに、震災・防災対策について伺います。
 阪神・淡路大震災から早いもので十三年を迎え、多くの貴重な経験が残されました。我が渋谷区では、阪神・淡路大震災の翌年、十二年前の一月十七日を渋谷区防災点検の日と定め、住民一人一人の意識改革を行っております。
 一昨年の予算特別委員会では、世界最大級といわれたハリケーン・カトリーナの被害状況を踏まえ、ハード面について質問をいたしました。今回は、一部ハード面にも触れますが、ソフト面である地域との連携、協力、支援について質問させていただきます。
 初めに、首都東京の直下における地震の発生が切迫性を持って予想される中、住民、地域、行政それぞれの立場で地震への備えを万全に行うことが極めて重要であると考えます。都は、住民みずからが地震災害に備える自助への取り組みを支援するため、昭和五十年から、おおむね五年ごとに、地震に関する地域危険度を公表していますが、改めて地域危険度の測定目的と特徴についてお伺いいたします。
 次に、地域危険度が高い木造の建物の多い、いわゆる木密地域では、防災上危険な状況となっていることから、災害に強い都市づくりに向けた一層の取り組みが重要であると考えます。都は、平成十六年に策定した防災都市づくり推進計画に基づき、さまざまな事業や規制誘導策に重層的に取り組んでまいりました。渋谷区においても、本町五丁目など、区北西部に地域危険度の高い地域が見受けられますが、当該地区における防災都市づくりの取り組み状況と、今後の事業展開についてお伺いいたします。
 こうした取り組みの状況や、今般見直された地域危険度を踏まえ、最新の情報に基づき、防災都市づくり推進計画を早期に見直し、事業を一層展開すべきと考えますが、ご見解を伺います。
 一方、どのような備えをしても、大地震の発生そのものを抑えることはできません。昭和四十七年から都が指定している地震火災時の避難場所について、今般、平成十九年度の改定が行われましたが、避難場所の特徴についてお伺いいたします。
 次に、災害時の救出救助活動は、まず自助共助が基本となりますが、公助の役割も重要です。倒壊した建物などに閉じ込められた人命を救うには、発災直後の七十二時間が分かれ目であるといわれており、速やかな救出救助部隊の派遣が不可欠です。全国からも、警察、消防、自衛隊などの応援部隊が駆けつけると考えられますが、これら部隊が活動するためには、都内に資機材などを持ち込み、集結する拠点が必要であり、また、拠点は被災地に近い場所にできるだけ多く確保するべきであります。
 都の地域防災計画では、区部に都立公園など十一カ所を候補地としていますが、地域的に偏在しており、渋谷区のある区部西部には、環状七号線の外側に三カ所あるのみです。環状七号線の内側には木密地域が多く、首都直下地震で大きな被害が予想されます。これらの地域における救出救助活動を迅速に行うためには、さらに多くの拠点を確保することが必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、昨年七月に発生した新潟県の中越沖地震において、十五名のとうとい命が犠牲になりました。このうち六十五歳以上の高齢者の方は十一名で、七〇%を超える割合となっています。高齢者の方など、災害時にみずから避難することができない、支援を要する方、いわゆる災害時要援護者の方が多く犠牲になりました。災害時において人的被害を最小限にするためには、寝たきりの高齢者の方が避難できる支援体制を構築するなどの災害時要援護者対策が喫緊の課題であります。
 私は、要援護者対策として、日ごろから高齢者や障害者などの援助が必要となる方がどこに住んでいるのか把握するとともに、関係者と情報の共有化を図り、実際にだれがだれの避難支援をするのかなど、避難プランを作成することが必要であると考えます。
 私の地元の渋谷区では、昨年十二月、渋谷区震災対策総合条例を改正し、条例に、災害時要援護者に係る個人情報の目的外利用等の明文規定を設け、情報共有の根拠を明確にいたしました。こうした災害時要援護者の避難を支援する取り組みを各区市町村に広げていくことが重要と考えますが、都としてのご見解を伺います。
 地域の課題を解決する力の再生を目指して、地域の担い手である町会、自治会が行うさまざまな事業に対して支援する地域の底力再生事業助成を、十九年度の重点事業として実施してまいりました。この事業は、我が党が地域力向上の必要性について提言し、町会、自治会の活性化につながる方策として取り組んだ結果、実現した事業です。
 地震など大規模災害の発生が懸念される現在、地域住民の自発的な活動に基づいて行われる自主防災活動の取り組みは非常に大きな意義があり、今後、その活発化がますます期待されるところです。町会、自治会の防災意識は高まっており、主体的な事業への助成などのきっかけがあれば、地域の防災活動は今後一層活発になっていくものと思われます。
 そこで、まず、今年度、地域の底力再生事業助成が、このような防災の取り組みに助成している事業についてお伺いいたします。
 私は、地域における防災には、消防署、消防団などの活動が重要であり、今後とも役割を果たしてもらいたいと考えます。加えて、地域の防災活動を活性化させるためには、町会、自治会の活動はもちろんのこと、地域活動を支えている町会、自治会の婦人部、女性部の方々が行う防災訓練での情報伝達や要援護者支援など、地域に密着した活動を推進することが重要と考えております。
 平成二十年度の予算案においても、我が党の強い復活要求の結果、二千万を増額し、七千万円にすることができました。
 そこで、町会、自治会の地域防災の取り組みを活性化させ、地域防災事業を支援するために、今後、都は地域の底力再生事業助成にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 都においても、被害想定の大規模な見直し、地域防災計画の改定など、さまざまな対策を講じておりますが、どんなに準備をしていても、地震の規模や被害の状況は、いざ地震が発生してみないとわかりません。被害を軽減するためには、行政や地域住民の連携など、都民一人一人が防災をみずからの問題ととらえ、それぞれの立場で対策を講じ続けていくことが非常に重要であると考えます。
 いざ震災や大規模災害が発生したときに私たちが頼れるのは、精鋭な隊員と最新鋭の機械を保有する東京消防庁の皆さんであったり、地域の防災リーダーとして、生業の傍ら日々災害現場へ出場している消防団員の方々であったり、町会、自治会で構成される市民消火組織の方々だと思います。
 被害想定の大規模な見直し、地域防災計画の改定も地震に対する大きな備えだと思いますが、もう一つ大事なことは、防火、防災の精神を私たち一人一人が持ち続け、後世に引き継いでいくことだと考えます。
 今、団塊の世代の方々から若い人へ世代交代の時期を迎え、社会全体が継承者の育成に力を入れている時期であります。防災に関しても同じであり、今こそ若い世代の方々の防災意識を高め、災害の恐ろしさや防災の大切さを伝承することこそが、未来の防災を支える礎となるのではないでしょうか。
 そこで、地域における防災活動の担い手を確保するため、どのような取り組みを実施しているのか、消防総監にお伺いいたします。
 災害時には、災害救援ボランティア活動は大きな力を発揮いたします。特に災害発生直後は、その場にいる方々がともに助け合い、互いの安全を守ることとなります。しかし、昼間、地域にいらっしゃるのは、子どもやお年寄りが中心です。どうしても力の要る仕事など困難な活動を行うことに限界があります。
 そこで、地域の学校にいる中学生や高校生に大きく期待したいところです。実際に渋谷区では、区立中学校で全校生徒に、消防署や消防団のご指導をいただき、D級可搬ポンプ操法の実技を受けたり、救急救命講習を実施し、卒業式には、卒業証書とともに消防総監名の講習修了証をお渡しし、災害時に地域の安全活動に進んで参加できるよう、生徒への指導を進めています。
 昨年、昭島市で行われたような広域の総合防災訓練があった場合には、学校を挙げて参加するなどの活動が広がっております。災害時に救援活動の担い手になってもらいたいという思いは、その地域の方々の共通の願いではないでしょうか。
 そこで、都立の高校生がより地元と密着し、町会などが実施する防災訓練にも積極的に参加すべきと考えますが、都教育委員会の見解をお伺いいたします。
 次に、帰宅困難者の支援についてお伺いいたします。
 昨年五月に東京都地域防災計画が改定され、いわゆる帰宅困難者の早期解消が重要課題として再認識されました。私の地元渋谷区でも相当数の帰宅困難者が見込まれますが、その状態が長引くようでは、帰宅困難者及び区民の双方にとって不幸であり、ひいては大都市東京の国際的信用にもかかわります。帰宅困難者の早期帰宅を支援する受け皿の整備充実が極めて重要と考えます。
 都では、この観点から、平成十二年に都立高校を帰宅支援ステーションとして位置づけ、来年度に一層の整備を行うと伺っておりますが、その内容と、都民周知の方策について、お考えをあわせてお伺いいたします。
 渋谷区では、本年六月に地下鉄副都心線の開業を控え、文化会館の建てかえ、桜丘地区の再開発など、地元のまちづくりの機運が高まってきており、今後、渋谷駅周辺のまちはドラスチックに変わっていくと思われます。
 しかしながら、渋谷駅は、鉄道七路線と都内最大規模を誇るバス路線が集中し、多くの人々が集まるところであるにもかかわらず、一九六四年の東京オリンピックのころに建設された駅ビルなどの様相は現在も変わっておらず、防災性の観点からも、駅周辺の再編整備が重要な課題と考えられます。
 「十年後の東京」実行プログラムにおいては、渋谷駅周辺を、民間開発と一体となって東京のダイナミックな変貌を加速する拠点としていますが、都は今後、渋谷駅周辺の都市機能の向上にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 震災対策にはさまざまな施策が必要となりますが、これらの施策を都が一丸となって推進しなければ、来るべき首都直下型地震に備えることはできません。
 首都東京を地震から守るために、都は地震に備えたあらゆる対策を積極的に講じていくべきと考えます。都の震災対策の推進に当たり、最後に知事の決意をお伺いいたします。
 次に、オリンピック招致についてお伺いいたします。
 去る一月十日、都と東京オリンピック招致委員会は、申請ファイルをIOCに提出し、正式に二〇一六年オリンピックの申請都市となりました。東京が提出した申請ファイルにおいては、東京オリンピック競技大会のコンセプトとして、成熟した大都市の中心で開催するオリンピックの新たな姿を提示するとしています。
 今回の申請ファイルにおける会場計画においても、地震時の安全対策について十分に配慮されているものと思いますが、オリンピック競技大会の中心となるオリンピックスタジアムの地震に対する安全対策はどのようであるか、改めて知事のご所見を伺います。
 また、オリンピックスタジアムの観客席は十万人とされており、国内でも最大級の集客施設となります。オリンピックスタジアムの立地が三方海であることについて、万一避難をしなければならない緊急事態が生じた場合に、十万人の観客や選手などを安全に避難させるための方策について、現在どのような検討がなされているのか、お伺いいたします。
 また、オリンピック・パラリンピックの招致をかち取るためには、その都市の住民が心からオリンピック・パラリンピックの開催を願い、その熱意がムーブメントとなって広がることが必要不可欠です。
 これまでも、都と招致委員会は区市町村と連携し、機運盛り上げのための活動を行ってまいりました。このようなムーブメントをつくり出すためには、商店街でフラッグを掲げるなどの広報、PRの展開と同時に、一人一人の住民がスポーツや文化に親しみ、環境、平和について考えるなど、オリンピズムのすばらしさに直接触れるような、さまざまな機会を設けることが大変有効であり、そのような取り組みには、住民に身近な自治体の着想を生かし、連携していくことが必要不可欠です。
 二十年度予算には、都と区市町村が共同したオリンピックムーブメント推進事業が計上されています。これらの新規事業を活用し、今後どのように区市町村と連携していくのか、具体的な取り組み方策についてお伺いいたします。
 ぜひ区市町村が地域の実情に合わせ創意工夫できるよう、柔軟な仕組みにしていただきますよう要望し、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 村上英子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、震災対策についてでありますが、この日本は、アラスカに発しまして、アリューシャンを経て、日本で分岐して、南のマリアナ、西のフィリピンにつながる世界最大の火山脈の上にある、有数の地震国であります。この東京においては、首都直下地震がいつ起きてもおかしくございません。
 そのため、自助、共助、公助に基づく十分な備えが必要でありまして、これまで都は、建物の耐震化や不燃化の促進、地域防災力の向上に努めてまいりました。
 さらには、自衛隊や在日米軍も参加する実践的な訓練の積み重ねによりまして、災害対応力の強化を図っております。
 今後とも、震災対策を強力に推進するとともに、都民や区市町村、防災機関等と連携を強め、災害に強い東京の実現に全力を尽くしてまいります。
 次いで、オリンピックスタジアムの震災対策についてでありますが、オリンピックスタジアムは、世界から多くの選手、観客が集まります大会の中心的な施設であります。大会期間中だけではなく、大会後の利用までを視野に入れまして、ご指摘の地震はもとより、火災、風水害、テロ攻撃など、想定されるさまざまな危機に対して対策を講じていくことは極めて重要であります。
 スタジアムの整備に当たっては、最先端の技術を活用した施設本体の耐震性強化と、周辺地盤の安定性向上、さらに、避難誘導体制の確立による観客や大会関係者の安全性の確保など、総合的な安全対策に万全を期してまいります。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長中村正彦君登壇〕


◯教育長(中村正彦君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、都立高校生の防災訓練への参加についてであります。
 高校生がみずからの安全確保はもとより、家族や友人、地域社会の人々の安全に貢献できる態度を育てることは大変重要でございます。
 都立高校の中には、学校が避難所となる場合を想定した取り組みといたしまして、教科「奉仕」や総合的な学習の時間におきまして、仮設休憩場所の設営や負傷者の搬送など、災害時のボランティア活動として地域の住民を受け入れる訓練が実施されております。
 今後は、広域の防災訓練に加えまして、ご指摘の学校近隣の町会主催の防災訓練等に積極的に参加し、地域の救援活動の担い手として活躍できるよう、実践事例を紹介する啓発資料を作成、配布するなどして、地域に密着した取り組みが普及するよう努めてまいります。
 次に、帰宅困難者対策についてであります。
 都立学校は、ご指摘のとおり平成十二年に全校が帰宅支援ステーションに指定され、災害時に保護を必要とする帰宅困難者に対して、水、トイレ、情報の提供を行うこととされております。
 来年度は、自家発電機や投光機、排水ポンプや保存水等の整備を行いまして、停電、断水への対応や情報伝達手段の向上に努めてまいります。
 これにあわせて、都立学校の帰宅支援ステーションとしての指定につきまして、都や区市町村の広報紙や関連行事等あらゆる媒体、機会を活用するとともに、一般報道機関の協力も得ながら、周知に努めてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕


◯都市整備局長(只腰憲久君) 五点のご質問にお答えいたします。
 初めに、地域危険度でございますが、地震に関する地域危険度測定調査は、都民の防災意識の高揚に役立てるとともに、震災対策事業を実施する地域の選択に活用することを目的といたしまして、最新の知見に基づいて、おおむね五年ごとに公表しているものでございます。
 今回の測定結果の特徴でございますが、倒壊のおそれのある建物の面積当たりの棟数が、都内平均で約一七%減少するなどの改善が見られました。また、都市計画道路の整備により沿道建物の不燃化や耐震化が進んだ地区、市街地再開発事業が完了した地区などで危険度が大幅に低下いたしました。
 一方、荒川や隅田川沿いの地域、あるいは環状七号線沿いなどに広がります木造住宅密集地域では、総体的に危険度の高い地域が依然として残されております。
 次に、渋谷区での危険度の高い地域の防災対策についてでございますが、お話にありましたように、区の北西部に位置する本町地区では、平成五年度から木密事業を実施いたしまして、老朽木造住宅の不燃化建てかえ、共同化や公園の整備を行ってまいりました。
 現在、消防活動困難区域の解消や安全な避難路の確保を図る観点から、主要生活道路の整備と沿道建物の不燃化などを重点的に進めております。
 また、建てかえのルール等を定める防災街区整備地区計画の策定に向けまして、区と住民が協議を重ねております。
 都といたしましては、今後とも地元区と連携いたしまして、地域の防災性向上に積極的に取り組んでまいります。
 次に、防災都市づくり推進計画の見直しについてでございます。
 現行の計画ですが、平成十四年に公表いたしました地域危険度を踏まえまして、重点的に事業を進める地域を選定し、地区ごとの整備方策を示したものでございます。
 これまで、この計画に基づきまして、東池袋地区等で推進しています沿道一体整備事業のほか、木密事業や防災街区整備事業などによる主要生活道路の整備、建物の耐震化、不燃化などを着実に実施してまいりました。
 「十年後の東京」への実行プログラムや、今回公表いたしました地域危険度を踏まえまして、関係区市と連携して、来年度から推進計画の見直しを進めることといたしまして、今後とも一層効率的な事業の展開を図ってまいります。
 次に、今回改定いたしました避難場所でございますが、避難場所は、震災時に火災が拡大した場合、住民が一時的に避難する場所として、おおむね五年ごとに見直しまして、指定をしてございます。
 今回の改定の特徴でございますが、十九カ所を新規に指定いたしまして、全体で百八十九カ所とするとともに、面積を約百十ヘクタール拡大いたしました。これらの指定によりまして、三キロメートル以上の遠距離避難を余儀なくされていた地区が、従来の六カ所から三カ所に半減いたしました。また、大規模な延焼火災のおそれのない地区内残留地区は、市街地整備の進捗などに伴いまして、約九千ヘクタールへと倍増いたしました。
 最後になりますが、渋谷駅周辺の都市機能向上への取り組みについてでございます。
 本年六月に地下鉄副都心線の開業、平成二十四年度には東急東横線との相互直通運転が予定されていることから、渋谷駅周辺地区では再開発の機運が高まっております。
 しかしながら、渋谷駅は、お話にもありましたけれども、施設の老朽化や交通混雑などの課題を抱えておりまして、交通結節機能の強化、乗りかえ利便性の向上、歩行者空間の拡充などが急務となっております。
 そこで、都は、国や地元区、鉄道事業者などと渋谷駅街区基盤整備検討委員会を設置いたしまして、駅施設や駅前広場などの一体的な再編整備に関する計画を検討しておりまして、来年度には結果を取りまとめることとしております。
 今後とも、地元区を初め関係者との連携を図りまして、渋谷駅周辺の都市機能の向上に積極的に取り組んでまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕


◯総務局長(押元洋君) 大規模救出救助活動拠点の確保についてのご質問にお答え申し上げます。
 震災時に救出救助活動を迅速に行うには、警察、消防、自衛隊等の応援部隊が活動するための拠点をあらかじめ確保することが重要でございます。
 このため、昨年見直しをいたしました地域防災計画では、従来の都立公園八カ所に加え、東京ビッグサイトなど三カ所を新たな候補地といたしました。
 さらに、お話のございました区部西部や環状七号線の内側にも所在する清掃工場は、敷地内に広い駐車スペースを有することから、これを新たな拠点とするため、現在、区側と協議を行っているところでございます。
 協定の早期締結に努めますとともに、今後とも、国や民間の施設も含め、活動拠点の拡充に積極的に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕


◯福祉保健局長(安藤立美君) 災害時要援護者対策についてでございますが、高齢者等の災害時要援護者が迅速な避難を行うためには、住民に身近な区市町村が中心となって防災知識の普及啓発に努めるとともに、地域住民の協力、連携によります情報の共有化や救出体制の充実を図っていくことが重要でございます。
 このため、これまで、要援護者の情報の把握、地域住民によります支援体制づくり等の手法を示しました指針を策定するなど、区市町村における体制整備を働きかけてまいりました。
 さらに今後は、区市町村職員向けの研修を実施いたしますとともに、区市町村みずからが要援護者の名簿や避難支援プラン等を作成する際に、包括補助事業を活用し、支援するなど、災害時要援護者対策の一層の推進を図ってまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕


◯生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 地域の底力再生事業助成に関する質問にお答えいたします。
 まず、平成十九年度の実績についてでありますが、今年度、地域の底力再生事業助成は、二回募集し、八十三団体への助成を決定いたしました。そのうち、町会、自治会が取り組む地域防災に関する事業への助成は二十団体であります。
 実施事業の内容は、町会ごとの防災地図や災害ハンドブックの作成、実践的な防災訓練などでございます。
 次に、地域の底力再生事業助成の今後の取り組みについてでありますが、平成二十年度においては、これまでの地域の新たな課題へのチャレンジ事業、他団体との協働事業に加え、婦人部、女性部の活動を中心とする地域触れ合い・助け合い強化事業を新たな助成対象事業とすることといたしました。
 防災の面では、例えば災害時要援護者を支援するための講習会や、防災意識を高める啓発事業など、婦人部、女性部が中心となって活動する事業が対象となります。
 今後、新たな助成対象も含め、本事業の周知に努め、住民が主体となって行う活動を支援し、町会、自治会での防災活動の活性化など、地域力の向上を図ってまいります。
   〔消防総監小林輝幸君登壇〕


◯消防総監(小林輝幸君) 防災活動の担い手を確保するための取り組みについてでございますが、幼少年期から、防火防災に関する知識、技術を身につけておくことは非常に重要なことであります。
 東京消防庁では、児童等に対し、各種災害や事故から身を守るための知識や行動力の習得、さらに、中学生、高校生を対象とした軽可搬消防ポンプ等による消火訓練、AEDを活用した応急救護訓練を行うなど、若い世代の防災活動力を高める取り組みを行っております。
 今後とも、幼児期からの各年代に応じた防災に関する指導マニュアルの充実を図るとともに、教育関係機関や町会、自治会等とさらに連携を図り、地域防災の担い手の育成に努めてまいります。
   〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕


◯東京オリンピック招致本部長(荒川満君)
 二点、お答えいたします。
 まず、オリンピックスタジアムにおける避難についてでございます。
 万一避難しなければならない緊急事態が生じた場合、災害時のリスクマネジメントの観点から、観客を一方向に集中させることなく、複数の避難ルートを確保することが重要でございます。
 このため、晴海地区の南の豊洲方向と北の勝どき方向へは、現在、環状二号線の橋梁を整備しておりまして、これに加えまして、勝どき・豊海方向につきましては、大会までに新たな橋梁を整備いたします。
 さらに、避難時の混乱を防ぐため、きめ細かい避難標示や誘導員の配備、多言語による誘導放送を実施するほか、船舶などでの避難も取り入れまして、効果的な避難誘導体制を確立いたします。
 このようにして、ハード、ソフトの両面から総合的に安全性の確保を図ってまいります。
 次に、区市町村と連携したムーブメントの推進についてでございます。
 昨年十二月、都・区市町村連絡協議会におきまして、区市町村オリンピックムーブメント推進事業を提案いたしました。
 この事業のねらいは、スポーツ、文化の振興、国際交流の促進などを通じまして、オリンピズムを普及啓発し、よりよい地域づくりを進めること並びに二〇一六年オリンピック・パラリンピックの招致機運を醸成していくことでございます。
 具体的には、区市町村みずからが地域の実情や固有の資源を踏まえて提案した、海外選手やスポーツ関係者との交流事業、オリンピズムの普及と地域活性化イベントとを結びつけた事業などに対しまして、都が委託料として一自治体一千万円を限度に支出するものでございます。
 事業実施に当たりましては、この支出に加え、オリンピックに関する映像や展示物など、知的財産を使用する際のアドバイス、都の広報媒体の活用など、都が積極的に支援することによりまして、効果的な事業となりますよう区市町村との連携を図り、都内全域でオリンピックムーブメントを展開してまいります。
     ─────────────


◯議長(比留間敏夫君) 三十四番たぞえ民夫君。
   〔三十四番たぞえ民夫君登壇〕


◯三十四番(たぞえ民夫君) 初めに、食品の安全確保について質問します。
 中国製冷凍ギョーザへの農薬の混入や食品偽装問題で、食品への不安が広がっています。都民は、一体何を信じて食べたらいいのかと、途方に暮れています。
 日本の食糧自給率は四割まで低下し、輸入食品がふえている一方、輸入食品総数に対し国が行っている検査率はわずか一〇%です。しかも、結果が出るまで流通をとめ置くものではありません。残留農薬検査ができる国の検疫検査センターは、横浜、神戸の二カ所しかなく、わずか七十三人体制です。こんな事態をつくり出した政府の怠慢は極めて重大です。
 食糧自給率低下の一方で、余りにもお粗末な輸入食品に対する国の検疫検査や、食の安全対策の現状について、どう認識していますか。全国の自治体と連携して、抜本的強化を国に要請するべきと考えますが、答弁を求めます。
 国が第一義的に負うべき輸入食品の検査が一割しか行われていないもとで、地方自治体の監視体制を充実することは重要です。
 東京全体で、食品衛生監視員は都と二十三区に七百人いますが、輸入食品を専門に監視しているのは、都の健康安全研究センターに配置されている輸入食品監視班だけです。区市町村の行政地域を越えて、都内全域の輸入食品を扱う事業所や倉庫に対し、直接監視指導に入ることができる権限を持つ輸入食品監視班の役割は極めて重大です。
 ところが、監視対象の輸入食品はどんどんふえて、事業所は千二百カ所に及ぶのに、体制はわずか二班、四人と聞いて、私は驚きました。監視班ができた一九九〇年以来、十七年間でわずか一人ふえただけです。
 今の体制では、全部の事業所を回るだけで丸四年かかります。これだけ輸入食品の種類と量がふえ、その上、通販やネット販売などを含めて、事業者の形態や流通経路が複雑になり、監視に要する時間も手間も、以前に比べはるかにふえています。輸入食品監視班の体制は、十倍にふやすぐらいの抜本的強化が必要だと思いますが、どうですか。
 冷凍加工食品の残留農薬などの検査体制強化も、都が果たすべき重要な役割です。
 冷凍ギョーザの問題を受け、都は緊急検査を実施しましたが、輸入食品に対する残留農薬の通常検査の対象は、生鮮食品及び冷凍野菜などです。東京都食品衛生監視指導計画の残留農薬の通常検査の対象として輸入冷凍加工食品を加え、日常的検査を始めることを提案するものです。
 また、加工食品の検査は、生鮮食品に比べて、一項目当たり二割から五割も多く時間がかかります。敏速に、かつ大量の検査を行うには、分析器などの検査機器と検査体制の大幅な充実が必要です。答弁を求めます。
 市場衛生検査所は都内十二カ所の卸売市場及び分場で扱う食品の監視と検査を担当しています。毎日、競りが始まる前の午前四時からの早朝監視と、昼間の通常監視を行い、その日のうちに検査結果を出す体制をとっています。
 しかし、以前は各市場に監視員が配置されて、毎日監視していましたが、今は築地、足立、大田の三カ所に統合されているため、その他の市場は週に一度出かけるのが精いっぱいです。東京の卸売市場は全国の市場で流通する食品の二割を扱っており、輸入食品も膨大な量に及びます。この貴重な市場衛生検査所の体制を拡充し、輸入食品等の監視、検査体制を強化することも重要です。見解を伺います。
 消費者に対し、どこで、いつ生産されたのか、この情報を提供できるよう、食品表示を改善することも必要です。
 都は、加工品の原料、原産地の表示について検討を始めましたが、広く都民の意見を反映させるためにも、食品安全審議会に諮問するなど、消費者団体や都民参加のもとで具体化を進めるよう求めるものです。
 あわせて、製造年月日の表示義務づけを求める都民の声が広がっています。都独自に義務づけることを提案しますが、それぞれ見解を伺います。
 都は、事業者による自主的な食品安全の向上を奨励する食品衛生自主管理認証制度を実施していますが、都内には多様な業種があり、事業所は十三万軒もあるのに、認証されているのはわずか二百三十七事業所です。認証制度について、現在二十二業種しかない対象業種を拡充するとともに、認証施設が大幅にふえるよう手だてを講ずることを提案するものです。答弁を求めます。
 次に、都立梅ケ丘病院と子どもの精神医療についてです。
 いじめ、不登校、ひきこもり、拒食症、児童虐待による情緒障害、さらに自閉症やADHDを初めとした発達障害がふえ、子どもの精神医療体制整備は急務になっています。
 ところが、専門の医療機関は全国でわずか十七カ所、八百二十七床しかありません。余りの不十分さが問題になり、国もおくれを認めざるを得なくなり、専門医の育成対策などに着手しました。
 その中で、都立梅ケ丘病院は、全国の三分の一に当たる二百六十四床を有する日本最大規模の、そして六十年に及ぶ歴史を持つ、子どもの精神医療専門病院です。外来受診者は年々ふえており、年間四万人にも及びます。数少ない専門医療機関を求めて、患者は関東一円はもとより全国から集まり、現場が精いっぱい頑張っても、二カ月待ちの状況です。
 知事に伺いますが、子どもの精神医療の重要性をどう認識していますか。
 子どもの精神医療機関が少ないことが問題になっているときに、都が梅ケ丘病院を廃止して、府中キャンパスに二〇一〇年三月に開設予定の小児総合医療センターに移転統合する計画を進めていることに疑問や批判の声が広がっております。
 私が話を聞いた子どもの精神専門医は、梅ケ丘病院は総合病院ではできないことをやってきた。地域と一緒に子どもたちを育て、はぐくむものを持っている。府中でそれをつくるのは何十年もかかると心配されていました。その思いは多くの人々に共通しています。だからこそ、家族会などによる梅ケ丘病院の存続と拡充を求める請願が三度にわたり都議会に提出され、署名をした人は十五万人に及ぶのです。
 長い歴史の中で、病院を中心に福祉センター、福祉作業所などが整備され、まち全体が温かく患者を受け入れてくれる福祉のオアシスとなっています。その落ち着いた環境の中で心の治療を必要とする子どもたちがゆっくりと回復し、社会への適応力を身につけてきました。
 都は府中への移転は充実だといいますが、ベッド数は減らされ、落ち着いた療養環境は激変します。日本を代表する拠点病院である梅ケ丘病院をなくすことは国家的損失といわなければなりません。
 私は、梅ケ丘病院を存続させて、府中への機能移転は最小限にして、大塚病院に新設する外来機能とあわせて、都内三拠点整備を提案するものです。国が子どもの精神医療体制の整備にようやく取り組もうとしているんです。梅ケ丘病院が果たしている全国的役割を国に認めさせて、梅ケ丘病院を中核とした子どもの精神医療体制の抜本的拡充ができるよう、国に対し財政負担を初めとした支援を求めるべきです。見解を伺います。
 国は、来年度から各都道府県で子どもの心の診療拠点病院を整備するためのモデル事業を創設するとしています。梅ケ丘病院で実施されるよう取り組むべきだと思いますが、どうですか。
 身近な地域で継続して医療と療育を受けることができるようにすることも重要です。厚生労働省の「子どもの心の診療医」の養成に関する検討会が昨年まとめた報告書は、各都道府県において医療機関、保健、福祉、教育等と連携した子どもの心の診療体制に関する整備計画を策定することを提言しています。都が全国に先駆けてこれを具体化し、整備計画を策定することを提案するものです。
 また、世田谷区は、発達障害児を支援する発達・発育センターを整備することを発表しました。都として支援を拡充するとともに、今後他の区市町村にも広げていくことが重要だと思いますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) たぞえ民夫議員の一般質問にお答えいたします。
 子どもの精神医療についてでありますが、次代を担う子どもたちを心身ともに健全に育成することは、親はもとより我々大人に課せられた責務であります。子どもの成長にとって、心の健康は欠かすことのできないものであり、精神医療は、これを守り、支えるものと認識しております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕


◯福祉保健局長(安藤立美君) 食の安全など十一点についてお答えいたします。
 まず、国の輸入食品の安全対策についてでありますが、輸入食品の安全対策は、国における水際での検疫が基本であり、国は、食品の輸入届け出の増加に伴い、検査体制の強化を図ってきておりますが、さらなる充実が必要と考えております。このため、都は毎年度、国に対し検疫の強化など輸入食品の監視体制の充実を提案要求をしております。
 次に、国への要請についてでございますが、既に全国食品衛生主管課長連絡協議会を通じて、輸入食品の安全対策等について必要な要望をしてございます。
 続きまして、輸入食品の監視体制についてでありますが、輸入食品の監視は、ご質問にありました輸入食品監視班だけではなく、食品機動監視班や市場衛生検査所、保健所等が役割分担しながら行っており、取り扱っている食品の特性等を勘案した効率的な監視体制が構築できていると考えております。
 次に、輸入食品の残留農薬の検査についてでありますが、今回の冷凍ギョーザ問題に際して、都は即座に輸入加工冷凍食品の緊急農薬検査を実施いたしました。今後も必要があれば、その都度検査を実施してまいります。
 次に、検査の体制についてでありますが、都は既に輸入食品対策として検査機器を整備してまいりましたが、引き続き残留農薬の分析機能にすぐれた検査機器を計画的に導入するなど、着実に検査体制を整備することとしてございます。
 次に、市場における輸入食品の監視・検査体制についてでありますが、市場衛生検査所は、流通規模が大きい築地市場、大田市場、足立市場に集中的に人員を配置し、監視指導の効率化や検査精度の向上を図っております。引き続き統合のメリットを生かし、輸入食品を含めた市場流通食品の安全を確保してまいります。
 続きまして、加工食品の原料原産地表示についてでありますが、原料原産地表示のあり方については、関係各局による食品安全推進調整会議におきまして現在検討を進めているところでございます。
 続きまして、食品の製造年月日の義務づけについてでありますが、食品の日付表示につきましては農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法でございますが、このJAS法や食品衛生法により賞味期限や消費期限といった期限表示が義務づけられております。したがいまして、都独自で製造年月日を義務づけることについては考えておりません。
 続きまして、自主管理認証制度についてでありますが、都は順次認証施設の拡大に努めてきましたが、引き続き対象業種の拡充を図るとともに、事業者向けセミナーの開催や認証シールの普及などに取り組んでまいります。
 続きまして、医療について、まず、子どもの心の診療体制に関する整備計画についてでございますが、ご指摘の整備計画につきましては、まだ国の検討会の報告で言及されている段階のものでございまして、その必要性も含めて、国が判断すべきものと認識しております。
 なお、先ほども申し上げたとおり、都は平成二十年度から子どもの心の診療拠点病院事業を開始することとしてございます。
 最後に、発達障害児に関する区市町村での取り組みについてでございます。発達障害児一人一人の状況に応じたきめ細かな支援を行っていくためには、各区市町村において関係機関と緊密な連携を図り、地域で支援できる体制を構築することが必要でございます。既に都では、こうした取り組みを行います区市町村に対しまして包括補助等を活用しながら支援しているところでございます。
   〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕


◯病院経営本部長(秋山俊行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立病院におけます小児精神医療についてでありますが、近年、子どもの心身の健康な発達支援のため、小児科と精神科などの医師が協力連携して対応していくということが求められる一方で、専門的人材など限られた医療資源を有効に活用していくことが不可欠となっております。
 このような医療環境に対します現状認識のもとで、都といたしましては、今後とも全国の小児精神医療をリードしていくため、診療規模を維持しながら、小児三病院を統合して、新たに小児総合医療センターを整備することによりまして、心から体に至る高度専門的な医療を提供することを目指しておりまして、お話の都内三拠点整備とは考え方を異にしております。
 また、こうした医療体制を支える小児精神科医の育成、確保につきましては、これまで国に対して提案要求を行いますとともに、国の対応を待つことなく、既に都として独自に取り組んできております。
 次に、子どもの心の診療拠点病院についてでございますが、既にこの一月に策定発表いたしました第二次都立病院改革実行プログラムにもございますとおり、小児総合医療センターが今後とも都における小児精神医療の拠点としての役割を果たしていくということとしております。
 お話のモデル事業につきましては、いまだ国の要綱が発表されていない段階であり、今後適切に対応してまいります。
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◯議長(比留間敏夫君) 四十一番鈴木あきまさ君。
   〔四十一番鈴木あきまさ君登壇〕


◯四十一番(鈴木あきまさ君) 「十年後の東京」を着実に実現するためには、きめ細やかな中小企業政策が必要です。都議会自民党では、党内部にプロジェクトチームをつくり、昨年十二月に発表された東京都産業振興指針の策定に当たり、さまざまな要望を反映してまいりました。
 指針の中でも述べられているとおり、東京の産業全体の底上げを図るには、基盤を支える中小企業への支援が必要です。私の地元である大田区を初め、都内にはすぐれた技術を有する金型加工やメッキなどの基盤技術産業が多数集積しており、東京のみならず日本のものづくりの発展に大きく貢献してきました。
 しかし、こうした町工場は、現在、原油や原材料価格の高騰によるコストを販売価格に転嫁できず、日々の経営が圧迫されるなど、極めて厳しい局面にあります。
 財務省の法人企業統計によれば、資本金一億円以上の大企業が、バブル期を超えて過去最高の経常利益を更新しているのに対して、資本金一千万円以上一億円未満の企業は、バブル期の半分にも満たず、まだその痛手から立ち直ってはいません。ましてや零細企業の窮状は明らかです。
 こうした東京のものづくり産業の礎ともいうべき基盤技術を担う中小企業の底上げに今こそ全力を挙げるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。
 先端的な産業分野も基盤技術の存在なくしては成長、発展は期待できません。しかし、大企業を中心とする発注者の品質やコストなどに対する要求が厳しさを増すとともに、発注形態も、部材ごとの発注から完成品に近い形での納入が求められる一括発注やユニット発注に変わってきています。基盤技術を担う中小企業は、個々にすぐれた技術を有しているにもかかわらず、この変化にうまく対応できず、受注機会の減少や収益の悪化など、深刻な課題に直面しています。
 こうした課題の解決に向け、都は、共同受注体制の構築や技術力強化に取り組む中小企業グループを支援する基盤技術産業グループ支援事業を来年度から行うとのことであり、大きな効果を発揮するものと期待しています。この事業を着実に実施し、意欲ある中小企業グループを成功に導いていくべきと考えますが、具体的な事業展開について伺います。
 次に、東京都地域中小企業応援ファンドについて伺います。
 今、地域では、農産物、観光資源、伝統工芸品などの地域の資源を活用した特産品の開発により新しいビジネスをつくり出そうという動きがさまざまな形で生まれています。また、大都市東京においては、安全・安心、福祉、教育といった都市特有の課題の解決をビジネスチャンスととらえるコミュニティビジネスや社会的企業家の活動も活発になっています。こうしたさまざまな地域の資源や課題から新たなビジネスを創出する取り組みを都が後押ししていくことは、地域の活性化を図る上で効果があるものと考えます。
 都は、二百億円規模の果実活用型基金を創設し、これらの取り組みを支援するとのことでありますが、その具体的内容を伺います。
 地域産業の活性化には商店街振興も重要です。都はこれまで、地域コミュニティの核である商店街の活性化を図るため、新・元気を出せ商店街事業を初めとする支援を強力に推進してきました。その成果もあって、都内の商店街では工夫を凝らしたさまざまなイベントなど活性化に向けた数多くの取り組みが繰り広げられています。
 こうした取り組みの中でも、近隣の商店街が一体となって行う共催イベント事業は、集客効果や取り組みの面的広がりが期待でき、商店街を中心とした地域の発展に大いに役立つものと考えます。
 一方で、共催事業は、各商店街の事情によりさまざまな調整が必要となるため、商店街が個々に開催するイベントに比べ、実施に向けてのハードルが高くなっています。加えて、現在の新・元気を出せ商店街事業では、イベント事業への補助が一商店街当たり年二回までに限られていることもあり、共催事業が大きく増加しないのが現状であります。また、商店街単独の個性あるイベント事業を優先すれば、複数商店街の共催イベント事業を中止せざるを得ない現状にあります。
 都は、地域商業振興あるいは商店街の再生の観点から、商店街の意欲を喚起し、集客効果が大きい共催イベント事業がより広く実施することができるよう工夫すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、地産地消のまちづくりについて伺います。
 中国産冷凍ギョーザの農薬問題はいまだに原因解明がなされないばかりか、次々に新たな問題が発覚し、輸入食品に対する都民の不安は高まる一方です。こうした中で、都民が切実に求めているのは、顔の見える生産者がつくった安心できる食材です。
 今、全国的に盛んに地産地消がうたわれていますが、東京では昔から当然のように地産地消が行われてきました。東京の農林水産業は、消費者の目の前でつくられ、提供される地産地消の原点といえます。私の住む大森は、昭和三十年代後半まで半農半漁の生活が営まれ、農業、漁業が盛んに行われていました。このような産業が地域のコミュニティの核として重要な役割を担っていたのです。
 最近、大田区大森在住の元ノリ生産者や問屋関係者が、ふるさとの食の歴史を後世に伝えたいという思いから、教育の一環として大森ふるさとの浜辺公園の沖にさおを立てて、絶滅危惧種の浅草ノリが四十四年ぶりに復活しました。その復活したノリを利用し、小学校でノリつけ体験が行われ、ノリの佃煮もつくられました。甘味があって、口の中でとろける浅草ノリ独特の味を楽しむことができたと、地元は大変活気づいております。
 さらに、大森海苔のふるさと館が四月に開館し、かつて日本一の生産高を誇り、全国に伝播した本場といわれる養殖技術がよみがえることとなります。
 このように、地域住民が地域の特産品に目を向け、積極的に利用し、愛し、誇りとして、産業振興のみならず、観光資源としての利用や食育の推進、地域コミュニティ活性化の起爆剤としていく地産地消のまちづくりが大変重要であります。
 一方、農業では、区内の地名を冠した馬込半白キュウリや馬込大太三寸ニンジンが伝統野菜として知られ、今でもつくられています。また、全国レベルの展覧会で農林水産大臣賞ほか数々の賞を受賞している高い技術を持ったシクラメン農家が栽培を続けています。そして、これらを初めさまざまな農産物は、直売所などで区民に直接販売されています。
 東京の農地は年々減少してきていますが、農地は、農産物を生産する基盤だけではなくて、防災空間、自然環境、潤いや安らぎといったさまざまな機能を都民に供給できる場でもあります。
 こうした農業と農地の持つすぐれた機能を都民生活に生かし、地域住民の目をもっと地元の農業、農地に向け、地産地消のまちづくりを進めることが求められています。そのためには、地元の農業について次代を担う子どもたちはもちろん、都民が親しみ、理解してもらうことが大事です。地産地消のまちづくりを進めるためにも、都民が農業と触れ合い、体験し、理解するための施策を進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 平成十七年の第四回定例会で、私は食育について質問し、伝統食品や食文化への理解を深めること、農作業体験等を通して食べ物を大切にする心を養うことの重要性を主張しました。そして、民間のボランティアの方々が核となって人材を育成し、ネットワークをつくって食育を進めることを提案しました。
 現在、都内では多くの団体が地元産食材の活用などの食育活動を展開するようになっています。食の生産現場を身近に感じる機会が少なく、また、食の外部化や簡素化が進んでいる東京では、都民の健康を確保し、感性豊かな人材を育てる食育を推進することが大変重要です。東京の食育を加速するには、こうした食育に取り組む団体の活動を支援するとともに、連携を深めていくことが大変有効と考えますが、所見を伺います。
 次に、青少年の健全育成について伺います。
 都は、青少年問題協議会の答申を受けて、少年院出院者の立ち直り支援を図るため、本年度から本格的に保護司への支援に乗り出しました。昨年夏には、就労や就学に関する都の施策を一覧できるように編集した保護司用の少年支援ガイドブックを作成し、早速保護司会を通じて保護司へと手渡され、そのガイドブックを活用いたしております。
 保護司は、国の制度のもとで活動しており、これまで都からのサポートはありませんでした。治安の回復向上を切望する都民の負託にこたえるためにも、自治体として再犯防止に取り組むべき更生保護に対する関与を強めるべきと常々私は述べてきましたが、都と法務省や保護司会との連携がようやく進みつつあることをうれしく思います。
 現在、更生保護法の施行等も控え、保護司がさらに多様な社会的役割を求められる中、これまで以上に地域やさまざまな方々の理解、協力を必要としているように感じます。青少年・治安対策本部には実質的な意味での窓口としての役割を担っていただきたいと思っております。
 また、少年の更生を図る上で、安定した職につかせ、生活基盤を整えることが不可欠と実感していますが、これは個々の保護司にとって最も難しい部分の一つでもあります。都が保護司会等との連携をすることで、特に就労に関して保護司支援が進むことを期待しています。
 こういう現状の中で、東京都では、保護司への支援について今後もどのように取り組んでいくのか、伺います。
 保護司への支援を厚くしていただくことで、再非行に走る少年が一人でも減ることが望まれますが、青少年が心身ともに健やかに育つ上で、現在、インターネットの有害情報が大きな障壁となっています。
 インターネットの普及は、日常生活に大きな利便をもたらしている反面、出会い系サイトやわいせつ・暴力画像などの有害情報にも簡単にアクセスでき、青少年が心身ともに危険にさらされています。本来、有害コンテンツ自体の管理や規制で解決すべきなのでしょうが、表現の自由等の兼ね合いもあり容易ではなく、当面はやはりフィルタリングの普及が最も有効な措置かと思われます。
 東京都では、平成十九年に東京都青少年の健全な育成に関する条例を改正し、携帯電話の販売店などに対して、利用者に青少年が含まれている場合にはフィルタリングの告知、勧奨を求める規定を盛り込みましたが、現在のフィルタリングの普及状態についてはどのようになっているか、伺います。
 国も、ようやく昨年の十二月、増田総務大臣が携帯電話等事業各社に対して青少年に対するフィルタリングサービスの導入促進について要請を行うなど、フィルタリングをめぐる状況は大きく変化したところです。しかし、ほぼデフォルトに近くなったとはいえ、フィルタリング導入の可否はあくまでも携帯電話購入者の意思を確認して決めるわけです。
 また、民間会社による調査結果によると、子どもからフィルタリングの解除をお願いしたら解除に同意する、アクセスしたいサイトによっては解除に同意すると回答した親が合計で七五%いたとの結果が出ています。
 こうした状況を踏まえますと、親に対する意識啓発がますます重要と考えますが、東京都は親に対する意識啓発のための対策としてどのように考えているのか、また、このような対策は小学生の親から始めなければ効果が期待できないと考えますが、所見を伺います。
 次に、防災・防火対策について伺います。
 東京消防庁管内の平成十九年第三・四半期の火災状況が昨年末示されましたが、それによると、火災件数は四千四百十四件で、前年同時期と比較して十三件増加し、亡くなられた方も百十二人で、前年同期と比べて三十人も増加しています。ここで顕著な特徴として、亡くなられた方のほとんどが住宅や共同住宅から出火した火災で亡くなられており、さらにほとんどが高齢者であることです。
 大田区の各町会も、みずからのまちはみずからが守るという精神で、日ごろから初期消火訓練や応急手当講習などの防災訓練に積極的に参加し、まち一丸となって防火、防災に取り組んでいます。
 昨年の第一回定例会で、既存住宅においても住宅用火災警報器の設置が義務化されましたが、住宅用火災警報器の設置についても、まちぐるみで火災による死者をなくそうと積極的に取り組んでいるところであります。
 火災による死者の八割が住宅火災から発生しており、住宅火災で亡くなる人の四割が発見のおくれによるものです。住宅用火災警報器があれば、火災による死者数を三分の一に減らせるといわれております。
 そんな中、昨年末、私の町会内で同時期に三件もの火災が発生いたしました。今回の火災を教訓に、一日でも早く住宅用火災警報器を各住宅に設置してもらいたい。まちから火災による死者は出すまいと、以前にも増して町会役員を中心に地元大森消防署と連携して防災教室を開催するなど、積極的に活動を始めました。
 しかし、一般的には、いざ住宅用火災警報器を設置してもらおうとしても、どこに行けば購入できるのか。また、どこに幾つ設置すればよいのか。さらには、取りつけ方はどうするのか。悪徳業者にだまされないかなど、さまざま不安を抱えているのが現状です。
 先般、東京消防庁が実施したアンケートでも、平成二十二年四月一日から既存住宅にも住宅用火災警報器の設置が義務づけられたのを知っていますかとの問いに、五四・三%の方々が、知らないと答えています。半数の都民が設置しなければならないことすら知らないというのが現状です。住民の防火、防災意識が幾ら高くても、住宅用火災警報器に関する知識がなければ、設置には結びつきません。
 そこで伺いますが、平成二十二年四月一日の全戸設置実現に向け、東京消防庁では住宅用火災警報器に関するさまざまな情報提供も含め、今後さらに普及啓発を行うべきと考えますが、現在の普及状況とあわせて所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 鈴木あきまさ議員の一般質問にお答えいたします。
 基盤技術を担う中小企業への支援についてでありますが、東京には多様な基盤技術を有する中小企業が数多く集積しております。製品の独創性や高付加価値を支えるこうした中小企業の技術は、東京、日本のものづくり産業の発展にとって不可欠であります。
 しかしながら、現在、都内中小企業の多くは、国際競争の激化や後継者不足など、厳しい経営環境に置かれておりまして、ものづくり産業の持続的な発展が危ぶまれています。
 このため、中小企業の幅広い技術、経営支援ニーズに対応する産業支援拠点を区部と多摩に整備いたします。加えて、販路開拓や人材育成などさまざまな側面から支援を一層強化し、基盤技術を担う中小企業の底上げに全力を注いでまいるつもりであります。
 他の質問については関係局長から答弁します。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕


◯産業労働局長(佐藤広君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず基盤技術産業グループ支援事業についてでございます。
 本事業は、ものづくり中小企業がグループを形成し、互いの技術やノウハウを持ち寄りまして、技術力の向上や受注体制の強化に向けて行う取り組みを支援するものでございます。
 都は、こうした活動に必要な共同設備やシステムの導入などに係る経費を助成するとともに、事業の進捗管理やアドバイスを行う専門家を派遣するなど、中小企業グループの取り組みをきめ細かく支援してまいります。これによりまして、発注者の多様化するニーズに対応できる高い技術力を有する中小企業グループを各地域に創出いたしまして、東京のものづくり産業の活性化を図ってまいります。
 次に、東京都地域中小企業応援ファンドについてでございます。
 地域の特色ある資源の活用だけではなく、地域の課題や大都市東京の特性に着目し、新たなビジネスを立ち上げようとする取り組みは、都市全体に魅力と活力をもたらす、極めて重要なものであると認識しております。
 都は、こうした取り組みを一段と活発にさせていくために、都内各地域の多様で魅力的な地域資源の発掘と活用を積極的に支援することといたしました。具体的には、観光や農産物など、地域の身近な資源を活用した取り組みを初めとするさまざまな事業を対象にいたしまして、中小企業やNPOなどへ事業化に要する資金を助成するものでございます。
 また、経験豊富な企業OBなどを地域応援ナビゲーターとして活用いたしまして、地域資源の掘り起こしから事業の立ち上げ、販路開拓まで、総合的に支援をしてまいります。
 次に、新・元気を出せ商店街事業についてでありますが、近隣の商店街が連携し、共同で開催するイベント事業は、単独で行うものに比べまして、各商店街の知名度アップや集客力の向上など、大きな効果が期待できます。また、その実施を契機に商店街同士の連携がより一層深まり、地域の多様な人材の交流が促進されることで、商店街活動の活性化と地域コミュニティの維持発展にも大いに役立つものと考えております。
 このため、都は来年度、試験的に、従来のイベント補助とは別に共催イベント事業を補助対象といたします。その事業成果を踏まえまして、平成二十一年度から本格実施を検討してまいります。
 次に、都民の農業に対する理解についてでございますが、都民が農業と触れ合い、体験し、理解することは、地産地消をまちづくりに生かす上でも重要と考えております。
 都はこれまで、農産物直売所、観光農園、農業体験農園の整備や学童農園の運営を支援するほか、農業にかかわりたいと希望する都民を対象といたしました実践農業セミナーを開催してきております。今後は、地域住民と農業者の相互理解のもと、レクリエーション機能や教育機能など、農業、農地の持つさまざまな機能をまちづくりに生かしていく区や市の取り組みに対して支援を行いまして、農業に対する理解の促進に努めてまいります。
 最後に、食育団体への活動支援などについてであります。
 東京の食育を進めるには、食に関するさまざまな団体の活動を支援するとともに、こうした団体や行政機関等が連携し、共同して取り組むことが重要と考えております。そのため、平成十八年度から、食育団体が実施いたします、例えば環境保全型農業を理解するための田んぼの生き物調査や伝統を知るためのみそづくり体験など、それらの活動を支援してきているところでございます。
 また、昨年十一月には、七十四団体の参加を得まして、第一回の東京都食育フェアを開催いたしました。さらに、本年二月には、民間の十団体や学識経験者、行政等から成る食育推進協議会を発足させまして、情報の共有化を図りつつ、共同して取り組みを進めていくことを決定したところでございます。これを機に、こうした団体との連携をさらに深めまして、東京の食育を積極的に推進してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕


◯青少年・治安対策本部長(久我英一君)
 保護司活動への支援についてのご質問でございますが、保護司の方々が行う少年に対する就労支援につきましては、法務省の協力雇用主制度の役割が大きいものの、都内では、少年院出院者等を雇い入れる事業者が不足しております。このため、都は昨年、都内の商工会議所に対し加盟事業者への広報を依頼したところでありますが、今後、協力雇用主制度周知のためのビデオやポスターを新たに作成し、広く事業者に配布することで、少年の就労先の掘り起こしに取り組んでまいります。
 都といたしましては、今後とも保護司活動支援協議会における関係行政機関との意見交換を進めるとともに、少年非行防止に携わるNPOとの交流の機会を提供するなどして、保護司の方々への支援に取り組んでまいります。
 次に、フィルタリングの普及状況についてでありますが、総務省が昨年五月に発表した全国調査では、携帯電話でインターネットを使っている十八歳未満の子どものうちフィルタリングを利用しているのは約一七%でございました。また、ことし一月に実施した都政モニターアンケートでは、子どもが利用する携帯電話の契約時にフィルタリングの告知がなかったという回答が六七%でございました。
 都は現在、携帯電話等販売店の販売員に対して、契約時のフィルタリングの告知、勧奨をどのように行っているか等の実態調査を実施しておりますが、この結果も踏まえ、今後より一層フィルタリングの普及啓発に取り組んでまいります。
 最後に、親に対する意識啓発についてでありますが、子どもを有害情報から守るためには、親がネット社会への問題意識を持ち、家庭内で、メディアとのつき合い方について主導的な立場で子どもと話し合うことが重要であります。
 都は、インターネットやゲームの利用に関して親子で家庭のルールづくりを行うための冊子「ファミリeルール」を作成し、保護者向けの講座を開催してまいりました。今後は、ファミリeルールの啓発チラシを小学生の保護者に配布し、より低年齢から注意を喚起するよう努めてまいります。
 また、インターネット環境に関する幅広い知識を持った人材をeメディアファシリテーターとして養成し、講座の実施体制の一層の拡充を図り、家庭における意識啓発に取り組んでまいります。
   〔消防総監小林輝幸君登壇〕


◯消防総監(小林輝幸君) 住宅用火災警報器の普及啓発についてでございますが、昨年七月に実施しました消防に関する世論調査では二四・三%の世帯が住宅用火災警報器を設置していると回答しております。東京消防庁では今後とも、新聞、テレビ、ポスターやホームページなどの広報メディアの活用や住宅防火診断等の機会を活用し、住宅用火災警報器の有効性を周知するなど、より一層の設置促進を図ってまいります。
 また、町会、自治会を初め、区市町村、関係業界などとの連携をさらに深め、購入方法、具体的な設置場所等を含めたきめ細かい情報の提供や災害時要援護者宅への取りつけ支援などにも努めてまいります。
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◯議長(比留間敏夫君) 七十五番門脇ふみよし君。
   〔七十五番門脇ふみよし君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕


◯七十五番(門脇ふみよし君) 杉並区永福に昨年四月、永福学園高等部が開校いたしました。名称だけですと普通の高校のようですが、ご承知のとおり、都立知的障害特別支援学校の高等部です。学校要覧には、「将来の職業的自立を目指した教育を行うことにより、知的障害が軽い生徒の自己実現と社会参加・自立を促進し、社会に貢献する人材を育成する学校」と書かれています。
 軽度の障害を持つ生徒全員が企業就労を目指した学校で、しかも一学年百名、全学年で三百名もいる学校は恐らく全国初ではないでしょうか。
 発達障害の問題は、最近教員の中でもやっと理解が進んだ程度で、日本においてそのような障害のある子どもたちへの支援は、アメリカなどと比べ、まだ十分とはいえません。この状況の中で、都立学校に、軽い知的障害があることを入学要件としながらも、発達障害に伴う生徒のための学校ができたということは、高い評価に値するものと考えています。
 先日、私は永福学園に行ってまいりました。学校の実習室での現実に即した勉強も有意義と感じましたが、小林進校長の、一人一人が税金を納められる人間に育てたいという言葉に心を打たれました。
 一昨年の予算特別委員会でも申し上げましたが、障害のある子どもを持つ親にとって、親が亡くなった後のことは大変気がかりです。ですから、働いて、しかも税金が納められるほどの社会人になってくれたら、これ以上の喜びはありません。
 軽度の障害の生徒は、日常会話も成立しますし、中学までは普通学級に通っていた生徒も多いのですが、現実には、重度の生徒よりもむしろメンタルな部分で難しいところが多くあり、指導が難しいのが現状です。障害を理解し、生徒一人一人を肯定的に受け入れ、自尊感情、自己効力感を高め、その上で就労に向けて努力を惜しまない生徒を育てていこうとする永福学園には大いに期待を寄せているところであります。
 以下、提案と要望を含めて、何点か質問します。
 永福学園では、就労に向けて本格的な実習を行っています。実習には市民講師としてその道の専門家を呼んでおり、本物に触れることで、より社会に役立つ知識、技術を学び、学校社会と社会とのギャップを埋めようとしています。私が伺ったときにも、訪問介護士による介護実習が行われていました。生きた授業が行われており、このような実習授業はとても大切なことだと思いました。
 さて、現在、その市民講師の講師代は予算に計上されていますが、恒常的ではないと伺っています。生徒全員の就労を目指すならば、実習の講師代は必要不可欠な経費であると考えています。単年度予算制度の仕組みは理解できますし、都内に同様の高等部がこれから新設される計画もあることから、予算確保は容易ではないと理解していますが、せめて学園の機能が安定し、卒業生が社会に出て、評価が戻ってくるまでのしばらくの間、講師代に関してきちんとした予算措置が組まれることを強く望みたいと思います。
 また、お金は幾らあっても足りないのが教育現場かとも思います。特に永福学園のような学校では、普通の都立高校と比べ物にならないほど経費、特に人件費がかかっています。現行では、寄附金を単独校で集めることはできません。何とか学園の理念に賛同する企業、個人からの寄附金を学園のためにプールする仕組みができないものなのか、法規の整備を含めて、今後極めて重要な検討項目になると思います。
 次に、現状では実習先が不足しています。今後、就職先を見つけていくのも大変なことだと思います。幸いにも興味を持っている会社は多いようで、中小企業を含め今日まで約五百社ほどが学園に見学に来ているそうです。生徒たちの現状を見て、軽度の障害を理解する企業関係者、経営者も少なくありません。
 学校現場でも懸命に努力をしていますが、教育委員会や知事部局として、中小企業を含む経営者団体などに対して、学校見学などにより就労支援体制を整えていただきたいと思いますが、そのお考えをお示しください。
 昨年には、「十年後の東京」に掲げられた、十年間で障害者雇用三万人以上の増加の実現を目指し、各関係機関が連携を図り、障害者の企業での就労を促進するため、東京都障害者就労支援協議会が設置されました。現在までは先進的な企業による事例紹介などをしているようですが、今後、この協議会が障害者雇用の中心的役割の一部を果たしていくことは間違いがありません。内部組織ではないだけに、既存の概念にとらわれない活発な議論を期待していますが、同時に、事務局を担当する三局、福祉保健局、産業労働局、そして教育庁の連携を、この協議会の審議の過程を踏まえ、強化する必要があるでしょう。
 軽度の障害の生徒は、環境さえ整えられれば、企業の戦力にもなり得る子どもたちです。私は、軽度の障害の生徒の就労を支援するためにも、障害者雇用を一定のレベル行っている会社へのステータスを与えるべきであると以前から申し上げてまいりました。一昨年の一般質問では、ISO障害者版のようなシステムを創出すべきと提案をいたしました。一つの案としては、一定以上の採用を決めた会社へ優良マークを与えてはどうかというものです。そうすれば、企業の社会的責任の観点から、大手企業のみならず、中小企業も採用に向け重い腰を上げてくれるのではないかと思っています。
 そこでお尋ねいたします。昨年暮れに発表された実行プログラム二〇〇八には、障害者を多数雇用する企業を対象とした登録制度について書かれているのですが、具体的なイメージがわいてきません。雇用率の達成度合いに応じたランクづけや優良マークを公募するのもよいことではないかと私は思っています。現在までに都として検討している内容についてお伺いをいたします。
 また、現実として中小企業の採用に関しては、優良マークよりは助成など経済的施策をしてもらった方がいいという場合もあると思います。厳しい中小企業の現状を考えれば、あるべき論だけでは雇用は先に進みません。
 そこで、東京都の新たな助成制度についての考えをお聞きいたします。
 実行プログラム二〇〇八では、障害者雇用に取り組む企業に対して画期的な新規事業が載せられています。今までのこれに関連するすべての施策、事業の集大成といっても過言ではないでしょう。離職率の高い当初三年間の賃金を都独自に助成するものです。障害者にとっても、雇用する会社にとっても期待が高い制度ですが、現状で考えている具体的な内容をお示しください。
 さて、この項の最後に、私の思いを込めて、要望を申し上げます。
 先ほど、学園に係る経費は普通の都立学校と比べられないほどであると申し上げました。必要な経費であり、否定はいたしませんが、やはり一般企業であれば、採算を度外視することはできません。
 私は、卒業生の就職率、転職率、賃金など、卒業後約十年間は検証する必要があると思います。特に軽度の障害者の転職率は高く、再就職時にはアルバイトのようなことになることも珍しくありません。これでは、自立した社会人とはいえません。三年間手塩にかけた生徒を卒業させ、卒業させたら、その後はケアしたくてもケアができないというのでは、学園をつくった意味はないと思います。私はあえて、卒業後三年間、すべての生徒への相談、アドバイス、そして同時に企業への相談、アドバイス、アフターケアの行き届いた学園である必要があると思います。
 同時に、社会に出た生徒の現状を把握し、次の生徒への教育プログラムに生かす、このような取り組みも大切です。生徒を育て、社会に送り出し、障害のない人と障害のある人の相互理解を深め、障害のある人も生き生きと社会で働けるように、すべてが連続している仕組みをつくる必要があると考えています。
 私たち議員も関係セクションの皆さんも、あるべき制度や施策、事業の内容について、そんなに大きな隔たりはないと思います。文字どおり、東京の強みを生かした障害者雇用三万人増の実現に向けてともに活動することを共通認識として、次の質問に移ります。
 十七日に開催された東京マラソンは、昨年の雨風が強かった悪天候とは打って変わり、抜けるような青空のもと、風も穏やかで、すばらしいコンディションで行われました。私も、都庁第一庁舎前のスタート地点から少し離れた場所で、最後のランナーが通り過ぎるまで手を振って、行ってらっしゃいと応援しました。昨年も同じ経験をしたのですが、ことしは良好な天候もあり、大変多くの参加者が手を振って、行ってきますと笑顔でこたえてくれました。
 見送った後、地下鉄で十キロマラソンフィニッシュの日比谷公園に移動しましたが、既に伴走者の協力をいただいた私の三男はゴールをいたしておりました。
 発表されているとおり、今回の東京マラソンでは、ランナー三万二千人、ボランティア一万二千人、そして、大マラソン祭りの観客を含めると二百二十六万人の観衆が参加されました。大会事務局の皆さんには、あれだけの規模の大会を事故なく成功させたということは大変なことだったでしょう。警視庁の警備も、要人警護以外は余り前に出ないという配慮が感じられました。
 また、大会ボランティアの皆さんの献身的な活動に対する感謝も当然ですが、今回、改めてわかったことがありました。それは、ボランティアの皆さんの中にはランナーの姿を全く見ることができない方々が少なからずいらっしゃったということです。文字どおり縁の下の力持ちであります。
 そこで、まず知事にお伺いします。このマラソンの創設責任者として、今回の大会に対する評価、また、次回に向けての抱負について率直な思いを教えてください。
 私は、ゴール地点の東京ビッグサイトの巨大展示スペースで、お疲れさまですと申し上げながら、会場をゆっくりと歩いていました。そこで、こんなことを話しているランナーの声が聞こえてきました。東京ってさ、何か気取ってて、お金いっぱい持ってて、嫌な感じだったけど、おれたち、東京のど真ん中の道路を走らせてくれたんだから、ありがたいよな、沿道の応援もうれしかったし。私は、偶然でしたが、この一言を聞き、うれしい思いでいっぱいになりました。このように感じてくれた多くの皆さんが地方へ、そして、母国に帰り、東京のよさを伝えてくれる小さな親善大使になるかもしれません。
 今回の質問では関連させることを避けますが、来年の東京マラソンから約半年先には二〇一六年オリンピック開催都市が決定いたします。今回の大会にも国際スポーツ団体の関係者が視察に来ていたようです。来年は、いろいろな立場の方が、いろいろな形で視察に来るでしょう。単なる市民マラソンだけではない評価が国内外から行われることになると思います。私は、大会ランナーとして参加された皆さんのすがすがしい表情を見て、その四倍ものランナーの方々が走りたくても走れなかったという実情を改めて強く認識いたしました。
 そこで、お伺いいたします。汗をかいてくれた大会事務局を中心とするスタッフの皆さんの立場からすれば、そんなに簡単に参加者をふやすことはできないというのも理解できます。また、仮に来年の大会を五万人にしたら、将来は七万人、十万人にするのかという別の意味での問題点も出てくるでしょう。しかし、やはり参加ランナーをふやすことは十分に検討すべき課題ではないでしょうか。
 先ほども触れましたが、今回の東京マラソンタイトルは、「東京がひとつになる日。」でした。私は、都心を移動しながら、ランナーも、ボランティアも、沿道の観衆の皆さんも、障害者も、若者も、お年寄りも、そして外国の皆さんも、東京がこれだけの笑顔であふれかえったことは、間違いなく過去になかったと実感いたしました。一人でも多くの笑顔を見たい、その思いを込めて、参加者増についての見通しをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 門脇ふみよし議員の一般質問にお答えいたします。
 東京マラソンについてでありますが、今回の東京マラソンは、澄み切った青空の下で、三万二千人のランナー、二百二十六万人の観衆、そして一万二千人のボランティアが、それぞれ走る喜び、応援する楽しみ、支える誇りを実感しつつ、東京がまさに一つになった感動的な大会でありました。まさに、人間は信じられるなという感慨を得ました。
 東京マラソンは、今や単なるマラソン大会の枠組みを超えた、首都東京を舞台とする一大イベントでありまして、二〇一六年のオリンピック開催都市決定に向けて大きな契機となる大会であったとも確信しております。
 今後は、ランナーやボランティアの声も聞いて、さらなる改善を図りますが、参加者すべてに対してホスピタリティーあふれた運営に心がけるとともに、環境への配慮も徹底して行い、質量ともに世界的なビッグイベントに育てていきたいと思います。
 なお、参加定員の増加については、まさに同じ考えでありまして、この場をかりて警視総監に陳情いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕


◯教育長(中村正彦君) 就労支援体制の整備についてであります。
 障害のある生徒の就労支援体制を整備していくことは大変重要でございます。都教育委員会は、お話にありました永福学園を初め、知的障害特別支援学校高等部の生徒の就労を確保、促進するため、企業向けセミナーを実施してまいりました。来年度からは、知事部局との連携を一層強化いたしまして、より多くの企業を対象としたセミナーの開催を予定しております。
 さらに、すべての特別支援学校高等部において就労先を拡大するため、商工会議所を初め、経営者団体の協力が得られるよう働きかけるとともに、新たに民間を活用した就労先の企業開拓を行ってまいります。
 こうした就労支援体制を確立することによりまして、障害のある生徒に対する企業側の理解もより一層進み、就労確保が進むというふうに考えております。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕


◯産業労働局長(佐藤広君) 障害者施策に関する二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、障害者雇用企業の登録制度についてでありますが、この制度は、障害者雇用に積極的な企業に登録をしていただきまして、その企業名や取り組み内容を広く都民に公表することで企業の障害者雇用の促進を図ることを目的として、二十年度から開始する予定にしております。
 具体的には、まず登録制度の名称、またシンボルマークを公募することによりまして、制度自体を広く都民に周知してまいります。その後、登録企業によるシンボルマークの活用や、障害者雇用に関する取り組み内容の都のホームページへの掲載を通じまして登録企業のPRを行ってまいります。今後、実施に向けまして、登録企業の選定基準等について検討を進めてまいります。
 次に、障害者雇用に取り組む中小企業への賃金助成についてでありますが、都内における障害者雇用のすそ野を広げるためには、障害者雇用が進んでいない中小企業への支援を行うことが重要であります。
 このため、都では、障害者を雇用した中小企業を対象に賃金助成制度を設けまして、国の助成金支給終了後二年間、障害の程度に合わせて助成をいたします。こうした施策を通じまして、障害者雇用の促進に努めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕


◯生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 東京マラソンの参加定員についてでありますが、参加定員につきましては、交通規制時間、スタートやフィニッシュエリアの容量、コースとなる道路の幅員などを勘案し、関係機関、団体と調整の上、東京マラソン組織委員会において三万人と決定したものでございます。
 第二回大会を終え、今後、各方面からの報告を受けて、次回大会に向けた課題を整理してまいりますが、参加定員拡大につきましては、いろいろと制約条件がございますが、知事の発言の趣旨を十分踏まえて、関係機関、団体と真剣に検討してまいります。


◯副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後五時五分休憩
     ━━━━━━━━━━
   午後五時二十分開議


◯副議長(石井義修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 十九番高倉良生君。
   〔十九番高倉良生君登壇〕


◯十九番(高倉良生君) 私は、二月十七日の東京マラソンで、初めてフルマラソンを完走することができました。タイムは制限時間ぎりぎりの六時間三十三分でした。運営関係者の皆様や大会を陰で支えてくださった数多くのボランティアの皆様、そして沿道で声援を送ってくださった皆様に心から感謝を申し上げます。
 今回の東京マラソンは環境に配慮した大会でした。私は、オリンピック招致のロゴマークをあしらった靴ひもを結び、招致推進のブルゾンを着たほか、手には緑色のリボンをつけて走りました。ゴールでは、完走記念として、緑の東京募金のPRのために緑色の靴ひもをいただきました。
 来年は二〇一六年のオリンピック開催都市が決定する年であります。知事は、今回のマラソンを、東京が一つになったと表現されました。今回の大会では市民ランナーが全国各地から参加し、また外国人も多数参加しています。来年の第三回東京マラソンは、日本が一つになるようにオリンピック招致の機運を全国にさらに広げ、また、都民と一緒になって進める環境先進都市東京の姿をより具体的に内外にアピールする記念イベントとすべきです。知事の所見を伺います。
 東京マラソンは、スタートしてすぐ、外堀沿いの大変気持ちのいいコースを走ります。お堀は東京の顔、日本の顔であります。私は、外堀などの水質向上を図り、ホタルが飛び交うほどの水辺が創出されれば、首都東京の新たな環境のシンボルになると思っています。
 昨年十二月、東京都庁で表彰式が行われた、「明日のTOKYO」作文コンクールで最優秀賞に選ばれた女子中学生の作文でも、お堀の水が取り上げられ、さらに水がきれいになったらどれだけ美しくなるのだろうとつづられています。
 二〇一六年のオリンピック招致に向け、東京の魅力を引き出す取り組みは大事であると考えます。その一つとして、国や地元区などと連携して外堀などの水の浄化を進めることが重要だと考えます。そのためには外堀のしゅんせつが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、CO2削減策について質問します。
 私は昨年、東京電力の技術開発研究所を訪れ、公道も走れる電気自動車に試乗しました。加速性能を初め、機能はガソリン車と比べて全く遜色なく、大変快適でした。一回の充電で八十キロメートルの距離を走ることができ、東電では日常業務にも活用し、大幅に導入をふやす計画とのことです。また、国土交通省は今月、羽田空港で非接触給電ハイブリッドバスの実証事業を行い、早期の実用化に結びつけようとしています。
 地球温暖化対策への取り組みを進めるためには、自動車交通からのCO2削減を図ることが必要であり、電気自動車やプラグインハイブリッド車など、次世代自動車の普及拡大に取り組むことは極めて有効と考えます。普及への手始めとして、大会運営に環境への配慮を打ち出している東京マラソンでの活用は最適であり、効果的にアピールすることができると考えます。このような多くの都民が注目する大規模イベントを通して普及を進めるべきと考えます。所見を伺います。
 最新の電気自動車等は、ガソリン車やディーゼル自動車との価格差などを考えると、事業者や都民が購入に慎重になることが懸念されます。そこで、都として、電気自動車等の購入への財政支援など、さまざまな施策を行うことによって普及拡大に努めるべきであります。所見を伺います。
 また、都はみずから多くの自動車を保有しております。公用車や建設事務所のパトロール車を初め、水道局や下水道局など多数の局が日常業務で庁有車を使用しています。
 そこで、都は庁有車への電気自動車等の導入を積極的に進め、みずから排出する自動車からのCO2の削減を図るべきです。そして、実際の業務に使用することで得られるノウハウを事業者や都民に提供することにより、普及拡大に弾みをつけるべきと考えます。所見を伺います。
 今回、東京マラソンの事前受け付けの会場には緑の東京募金のコーナーがありました。環境施策を推進する上で、広く都民が参加する形でその理解と協力を広げていくことは重要です。環境先進都市東京を都民と一緒になって実現していくため、寄附は有効な手法の一つです。都民の中に寄附文化の醸成を図り、緑を守る意識を掘り起こし、東京全体で緑のムーブメントを起こしていく取り組みが肝要であると考えます。所見を伺います。
 次に、携帯電話などに含まれるレアメタルのリサイクルについてであります。
 産業のビタミンともいわれるレアメタルは、量の確保が不安定な状況が続き、世界の資源価格は高どまりしていると聞いています。資源のない日本は、レアメタルの安定供給を確保するため、廃棄物リサイクルを強化していく必要に迫られています。人口が集積している東京は、レアメタルを含む電子機器が多く廃棄されており、そのリサイクルは重要な課題と考えます。首都東京におけるレアメタルのリサイクルの必要性と効果について見解を伺います。
 国民一人が一台保有するほど普及している携帯電話には、金やパラジウムといったレアメタルが使用されています。この携帯電話については、平成十三年から、メーカーと通信事業者による自己回収システム、モバイル・リサイクル・ネットワークが導入されています。しかし、このシステムでの回収が年々減少しているのが現状です。私も、携帯電話を買いかえる際、回収・リサイクルをしていることを伝えられた記憶がなく、我が家にも使用済みの携帯電話が何台もあります。
 このままでは貴重なレアメタルがむだに眠ってしまうことになります。都は、レアメタルリサイクルを強化していくために、携帯電話の回収促進に乗り出すべきであります。また、回収によって生み出された成果については、リサイクルに寄せる都民の思いの結晶として、環境施策の前進につながる活用を推進すべきであります。あわせて見解を伺います。
 次に、がん検診について伺います。
 国のがん対策推進基本計画では、十年間で七十五歳未満の年齢調整死亡率を二〇%減少させるとしています。死亡率を二〇%減少させることについて、国立がんセンターの推計によれば、がん治療の進歩による自然減により、十年間で一〇%程度の効果があるとし、さらに、がん治療の底上げで四・九%、そして、がん検診の受診率向上で三・九%などの効果があるとしています。がん検診の受診率向上で三・九%の効果があるということは、全国で年間三十二万人に上るがん死者のうち、受診率向上に取り組めば一万二千人以上もの人が救えるということになります。これは大変な数字であります。
 策定中の東京都がん対策推進計画では、がん検診受診率五〇%を目指すとされています。しかし、東京都では企業で働く人が多いことから、区市町村におけるがん検診だけでは目標の達成は難しい状況です。がん検診は、区市町村が実施する検診のほかに、企業でも実施されています。都民の受診率を向上させるためには、これら企業でのがん検診の受診をさらに促進する必要があると考えます。具体策について所見を伺います。
 都民のがんによる死亡率を減少させるには、より質の高い検診が行われることが重要です。東京都がん対策推進計画でも、区市町村のがん検診において精度管理の実施を目標に掲げています。すべての区市町村がより質の高い検診を実施できるよう、都としても支援を行うべきであります。所見を伺います。
 がんの中でも、特に乳がんは比較的若い年代からかかる人が多いがんです。東京都の乳がんによる死亡率は全国で最も高い状況にあります。
 乳がんの早期発見にはマンモグラフィー検診を受診することが最も望ましいとされていますが、その一方で、日常的にできる自己チェックは、予防意識を高め、検診を受診するきっかけになるものと考えます。最近は、しこりなどをより見つけやすくする手袋など、自己チェック用のグッズも出てきております。また、浴室で自己チェックするためのカードを配布するなどの工夫をしている自治体もあります。都は、検診を受診するきっかけともなる、こうした乳がんの自己チェックの普及に積極的に取り組むべきと考えます。所見を伺います。
 次に、踏切対策について質問します。
 私の地元、中野区にある西武新宿線の踏切の多くはあかずの踏切であり、その解消は住民の長年にわたる切実な願いであります。このたび、西武新宿線の中井駅から野方駅間について、国から連続立体交差事業の新規着工準備採択の内示を受けたことは、あかずの踏切解消への大きな一歩を踏み出したものであり、この間の東京都の積極的な取り組みを高く評価するものであります。
 都は現在、連続立体交差事業を積極的に進めているところですが、都内にはまだまだ数多くのあかずの踏切が残されており、その解消には多くの時間を必要とします。このため、連続立体交差事業などの抜本的な対策と並行して、即効性のある対策を実施することが必要と考えます。
 国土交通省では今月、西武新宿線の都立家政駅で、踏切迂回のため、一たん改札を入って、駅構内の通路を通って線路を渡り、反対側の改札から出るという実証実験を実施しました。自由通路のない駅でも、駅構内を通行させることで踏切を迂回させることが可能となる試みです。
 先日、その現場を見てまいりました。同じように駅構内の通路が活用できそうな駅は、この都立家政駅の近くだけでも、新井薬師前駅、沼袋駅、下落合駅などがあるように思います。さらに、都内にもこうした駅が数多くあるはずであります。
 そこで、都としても、このような早期に実施可能なあかずの踏切対策を都内全域で進めていくべきと考えます。見解を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 高倉良生議員の一般質問にお答えいたします。
 来年開催する東京マラソンについてでありますが、今回の東京マラソンにおいては、さまざまなイベントを行うなど、オリンピック招致について広くアピールもいたしました。また、使用電力を太陽光発電などのグリーン電力で賄うとともに、大会関係者やボランティアは再生素材一〇〇%のコートや帽子を着用するなど、積極的に地球温暖化対策に取り組みました。
 来年は二〇一六年のオリンピック開催都市が決定される重要な年でありますが、今や、大規模なスポーツイベントを開催する際に環境に配慮しない大会は、あるいはそういう都市は評価されない傾向にあります。第三回東京マラソンでは、ランナーや観衆がより一層スポーツの楽しさを共感できる大会にするとともに、環境の配慮を徹底して進めることによりまして、低炭素型都市に果敢に挑む東京の姿を世界に向かって発信していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕


◯建設局長(道家孝行君) 外堀のしゅんせつについてのご質問でありますが、外堀は豊かな水と緑に恵まれた貴重な文化遺産であり、その水質向上を図ることは、首都東京のシンボルにふさわしい景観を創出するための重要な課題となっております。
 水質向上を図るためには堆積土のしゅんせつは効果が大きいことから、これまでの関係区との協議の経過を踏まえ、しゅんせつの実施にかかわる課題解決に向け、関係機関と調整してまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕


◯環境局長(吉川和夫君) 六点のご質問にお答えします。
 まず、大規模イベントを通じた電気自動車等の普及についてでございますが、都は、カーボンマイナス東京十年プロジェクトに基づき、都民参加型イベントや東京マラソンの活用などにより、CO2削減の機運醸成を図っていくこととしております。
 今回の東京マラソンでは、先導車へのハイブリッド車の使用など、地球温暖化防止に向けての取り組みを多くの都民に印象づけました。このような大きなイベントを通じた普及啓発は有効なアピールの手法であることから、今後、カーボンマイナス都市づくり推進本部のもとに設置した環境交通ネットワーク部会におきまして、イベント等における利用に適した自動車の選定など、具体的な方策を検討してまいります。
 次に、電気自動車等の事業者や都民への普及拡大についてでございますが、電気自動車やハイブリッド車につきましては、現状においても、低公害性に着目して、購入の際、環境保全資金融資あっせん制度の対象となっております。
 今後、CO2排出量が少ないなど、より性能のすぐれた新たな電気自動車やプラグインハイブリッド車が本格的に市場投入されることが見込まれますが、依然として、同クラスのガソリン自動車などに比べ、一回の充電で走行できる距離が短いことや価格が高いなどの課題がございます。
 このため、これらの自動車の特徴を踏まえ、目的や用途に応じ、低燃費車の利用等を促す事業者向けや都民向けのガイドラインを策定してまいります。また、新たな電気自動車等の購入を促進するため、各種支援策の構築に向けて、需給動向などの調査に着手してまいります。
 次に、庁有車への電気自動車等の導入についてでございますが、庁有車に電気自動車等を導入することは、CO2排出量の削減に直接寄与するとともに、事業者や都民に使用のあり方を示すことにより、これらの自動車の普及拡大につながることが期待されます。
 このため、市場投入の動向や業務への適合性などを踏まえながら、先ほども申し上げました環境交通ネットワーク部会におきまして、都庁の率先行動の一つとして、電気自動車を含む低公害かつ低燃費な自動車の庁有車への導入を検討してまいります。
 次に、緑のムーブメントの取り組みについてでございますが、東京を真に緑あふれる都市に再生していくためには、一人でも多くの都民が緑に関心を持ち、緑を植え、守り、育てる取り組みに積極的に参加していただくことが何よりも重要でございます。
 このような趣旨からつくられた緑の東京募金をより身近で参加しやすいものとするため、インターネットを通じても募金できるよう簡便な仕組みをつくるとともに、海の森での植樹祭の実施などを通じて、募金の成果を寄附された方に伝えるよう努めてまいります。あわせて、今後予定されている寄附税制の改正内容についてもわかりやすく周知してまいります。これら運営面でさまざまな工夫を凝らしながら粘り強く募金活動を展開し、東京における寄附文化の醸成を目指してまいります。
 次に、レアメタルのリサイクルの必要性と効果についてでございますが、パソコンや携帯電話などの電子機器類にはさまざまなレアメタルが使用されており、国内で流通、廃棄された製品に含まれるレアメタルの量は世界有数の資源国の埋蔵量に匹敵し、中でも液晶ディスプレーや電子レンジ、デジタルカメラなどに使われているインジウムは、世界の天然鉱山の現有埋蔵量の約六〇%に相当するとの国の研究機関による試算も発表されております。大都市東京において、不要になった製品からレアメタルを回収し、資源として再生すれば、世界でも有数の埋蔵量を有する、いわゆる都市鉱山になり得るものと考えております。
 最後に、携帯電話のリサイクルについてでございますが、不要になった携帯電話は、写真などのデータを保存するため、所有者の手元に残される傾向にございます。また、処分する際にも、事業者による携帯電話の回収システムの存在やレアメタルが含まれていることをご存じないことから、ごみとして廃棄される例もございます。
 このため、都はこれまで事業者回収システムの活用策を検討してまいりましたが、来月、回収システムを運用している事業者団体や、ごみ処理事業を担っている区市町村による協議の場を立ち上げ、回収率の向上に取り組んでまいります。あわせて、この協議の場で、回収への協力が環境への貢献につながるということを所有者の皆様に実感していただける具体的な方策についても検討してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕


◯福祉保健局長(安藤立美君) がん対策についての三点についてお答えを申し上げます。
 まず、職域におけるがん検診の促進についてでありますが、昨年度行いました都民の生活実態に関する調査によりますと、区市町村が行うがん検診の受診者数とほぼ同数が職域の検診を受診しておりますので、受診率の向上には、区市町村の検診と同様に、職域での受診を促進していく必要がございます。
 このため、平成二十年度に職域におけるがん検診の実態調査を行い、受診率向上に効果のあった実践事例を企業や医療保険者に紹介するなど、職域での受診のための取り組みを促してまいります。
 また、全国に比べて死亡率が特に高い乳がんにつきましては、各職場における検診にも活用できますマンモグラフィー検診車の整備を支援することにより、受診機会の確保に努めてまいります。
 次に、がん検診の質の向上についてでありますが、区市町村において質の高い検診が行われますことは、がんを早期に発見するために重要であります。
 これまで都は、がん検診に携わる医師や診療放射線技師等の人材養成を行うとともに、区市町村が実施いたしますがん検診の実施方法や検診技術などにつきまして、毎年、専門家を交えて、評価や助言を行ってまいりました。
 これらの成果を踏まえまして、今後、検査方法や判定基準などに関し留意すべき事項を盛り込んだガイドラインを新たに作成いたします。このガイドラインを活用し、すべての区市町村がより充実した精度管理を行い、質の高い効果的な検診が実施できますよう支援をしてまいります。
 最後に、乳がんの自己チェックの普及についてでありますが、乳がんにつきましては、日常的な自己触診でも早期に異常に気づくことが可能であります。
 このため、都は、都民向けの乳がん予防のリーフレットに、検診の必要性とあわせまして、自己チェックについて具体的な実施方法を掲載するなど、普及に努めているところでございます。
 今後とも、ピンクリボン運動などを通じて、乳がんの自己チェックの普及啓発に努めますとともに、区市町村が実施をいたします、お話のあったような自己チェック用グッズを利用した独自の取り組みなどについても支援をしてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕


◯都市整備局長(只腰憲久君) 踏切対策についてでございますが、連続立体交差事業などの抜本的な対策に加えまして、早期に実施可能な対策を推進することは重要であるというふうに考えてございます。
 このため、地元区市町や鉄道事業者などと連携し、駅の改良とあわせた自由通路の整備や踏切システムの改善など、地域の状況に応じた対策を促進しております。
 お話の踏切対策の実証実験につきましては、その有効性などの検証結果を見定めた上で、必要な対応を検討してまいります。
 今後とも、利用者の安全性と利便性の向上を早期に発揮する効果的な踏切対策につきまして、関係者間の連携を一層強化し、積極的に取り組んでまいります。
     ─────────────


◯副議長(石井義修君) 五番きたしろ勝彦君。
   〔五番きたしろ勝彦君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕


◯五番(きたしろ勝彦君) 知事に就任される前の話で恐縮ですけれども、約十二、三年前、パラオに行かれたとき、ステラ号でガイドをしたスティーブン・シンジ・チバナ氏をご記憶でしょうか。私は、彼からサンゴの勉強をさせてもらいました。
 昨年、知事は、地球温暖化の深刻な影響を受けているツバルを視察されました。我が日本にも、まさに同じ運命をたどろうとしている島があります。小笠原の沖合九百キロにある沖ノ鳥島です。
 沖ノ鳥島は、国土面積を上回る広大な排他的経済水域を支えている、サンゴ礁に囲まれた、我が国にとって極めて重要な島であり、知事もかつて直接島に上陸し、その重要性を訴えられました。
 国は、平成十八年度から、沖ノ鳥島におけるサンゴの増殖技術の開発に取り組んでおり、先般、平成十九年度調査結果の中間報告が公表されたところであります。
 サンゴの二酸化炭素を吸収し酸素を排出する営みは、木の六から十六倍にも上るという研究結果もあります。そうした観点からすると、サンゴは、美しさだけでなく、豊かな生態系をはぐくみ、大気中の二酸化炭素濃度を減少させる、地球温暖化防止にも有効な、地球上の大切な宝物といえます。
 地球温暖化等による海水温の上昇で、白化現象が懸念される沖ノ鳥島のサンゴの保護、増殖は、我が国の広大な排他的経済水域を守ることにもつながっていくものと思いますが、知事の見解をお伺いいたします。
 私は、水と緑の都、環境に優しいガーデンシティー東京をつくることを政治のテーマの一つとしております。
 そこで、環状第二号線における新たな緑の散歩道と魅力の創出についてお伺いをいたします。
 新橋─虎ノ門間の地上部道路では、緑豊かなゆとりある歩道空間の確保とともに、地域の交流やにぎわいの創出のため、歴史的な視点などを加え、表参道や絵画館前の道路のように、緑の名所、観光名所となるような整備が重要であると考えます。
 一例として、明治後期に、当時の尾崎行雄東京市長が、米国のタフト大統領夫人の希望により、日本の桜をプレゼントし、その返礼としてハナミズキが贈られた逸話があります。
 日本の桜がポトマック河畔で今も愛されていることから、マッカーサー道路とも呼ばれているこの環状二号線に、ハナミズキをシンボル的に植樹することで、地域の話題性を高める効果などが期待できます。広がりのある歩道空間を活用して、新たな千客万来の魅力を地元住民とともにつくり上げていくことが重要であると考えます。
 そこで、地上部道路の整備に関する地元との取り組みについて、考え方を伺います。
 次に、品川駅周辺の運河地区は、最近、マンション開発が活発に行われ、ウオーターフロントとしてのにぎわいにあふれる街並みが形成されてきました。
 運河の水質も、以前に比べると改善されてきましたが、人々が集う憩いの場となるためには、さらなる水質改善が望まれるところであります。そのためには、油を下水道に流さないなどの日常生活の意識改革や、合流式下水道の改善対策の強化などが必要であります。
 芝浦水再生センターでは、老朽化した施設の更新にあわせて、処理機能の高度化を図る再構築事業に着手すると聞いていますが、運河の水質を改善するための芝浦水再生センターの取り組みについて伺います。
 品川駅周辺は都心の南に位置し、東海道新幹線品川駅の開業に続き、羽田空港の本格的な国際化を控え、利便性が高まるとともに、さまざまな開発が実施、計画されています。品川駅に隣接する芝浦水再生センターでは、その立地条件を生かし、周辺のまちづくりと整合を図った土地の有効利用が求められている。
 その一方で、臨海部では高層ビルが林立したことにより、海からの風が内陸部に入り込みにくくなり、都心部のヒートアイランド現象の一因となっています。このため、品川駅周辺エリアでは、風の道を確保し、内陸部に海からの風を呼び込むことでヒートアイランド現象を緩和する効果が期待されております。
 そこで、芝浦水再生センターの再構築に当たり、水質改善の取り組みに加えて、風の道の確保など、どのように環境に配慮していくのか、お伺いをいたします。
 次に、都立公園のスポーツ施設について伺います。
 東京都は昨年十月、スポーツ振興基本計画を策定するため、東京都スポーツ振興審議会を発足させました。審議会の冒頭、知事は、スポーツという有効な手だてをもって、若い人たちに健全に育ってほしいとの発言をされ、スポーツの振興について強い決意を述べられました。
 大都市である東京には、人口と比べればまだまだスポーツ施設が不足していますが、スポーツの振興を図っていくためには、新たな施設整備とあわせ、既にある身近なスポーツ資源をいかに有効に活用していくかということも大切です。
 都立公園にあるテニスコートや野球場などの施設は、都民の身近なスポーツの場として大変重要な役割を果たしていますが、しかし、もっと有効に活用できる余地があるのではないかと思っています。
 例えば、私の地元、芝公園のテニスコートでは、照明設備がありますが、冬場には夕方になると閉鎖されてしまいます。また、砧公園の野球場でも同様に夜間に利用できる季節が限られ、残念がる利用者の声も寄せられています。ひところよりは利用時間も若干延長されているようですが、民間などでは冬場でも夜間営業している施設も多く、平日の夜間であっても結構にぎわっているように思います。
 そこで、せっかくの施設ですので、都立公園でも、都民のスポーツ活動の機会を拡大するために、需要に応じて夜間に利用できる期間を広げてはどうかと考えますが、見解を伺います。
 都内には多数のマンションが存在します。都民の住まいとして、都心部などを中心に、今やマンションが一般的なものとなりつつあります。その中には、古い耐震基準で建築されたものも少なくありません。
 昨日の我が党の代表質問でも取り上げましたけれども、阪神・淡路大震災のときも、旧耐震基準の建物の被害が大きかったと聞いています。都民の住生活の安全と安心を確保するため、古い基準のマンションの耐震化は喫緊の課題であります。
 私は、緊急輸送道路沿道の建物だけでなく、都内の分譲マンションの耐震改修助成制度をつくるべきと主張してきました。
 都は、平成二十年度から新たに分譲マンションの耐震改修助成を開始するとのことですが、地域限定せずに都内全域を対象とした今回の助成制度を高く評価するものであり、この制度創設を契機に、マンションの耐震化を大きく進めてもらいたいと思います。
 また、耐震化を進めるために、都民の耐震化に対する機運を高めるとともに、耐震化助成の主体となる区市や、実際にマンション耐震改修を行う管理組合の積極的な取り組みを促していくことが不可欠であります。
 都は、関係者に対しより具体的に働きかけを行うことが必要と考えます。その方策を伺います。
 また、この助成制度の効果を上げるには、制度自体が区市や管理組合にとって使いやすいものとなっていることが大切であり、運用に際し十分配慮するよう要望しておきます。
 次に、実際にマンションの耐震化を行うには、関係する専門分野からの協力がなくてはなりません。マンション管理組合が耐震化に取り組もうとしても、十分な専門知識を持っているとは限らず、耐震化の具体的な進め方や相談先についても、なかなかわかりにくいというのが実情です。
 こうした管理組合の相談に乗り、適切な情報提供やアドバイスをし、耐震化に向けた区分所有者の合意形成を促すなど、管理組合を支援していくための仕組みが必要であります。都が関係団体と連携して、耐震化支援のための仕組みづくりを行い、マンションの耐震化を強力に促進していくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、東京港の国際競争力強化について伺います。
 昨日の我が党の代表質問に対し、今後とも基幹航路を維持強化していくため、東京港は、隣接する横浜港等と連携して東京湾全体の港湾機能を強化していくとの答弁がありましたが、このことや船舶の大型化対応などのハード面での対策に加え、日本全体の物流構造を見据えて集荷力を高めていくことも欠かせません。
 現在、東京港では、輸入貨物が輸出の約一・五倍となっています。輸出貨物を増加させることが、船会社にとって魅力ある港づくりにつながることになり、輸出貨物の集荷は重要であります。
 近年では、例えば二〇一〇年の稼働を目指して埼玉県寄居町に新規設備投資を行うなど、東京港背後圏の物流需要は増大しており、また、三環状道路や国内輸送を担う地方港湾の整備が着実に進んでおり、背後圏も拡大する傾向にあります。
 東京港の国際競争力を強化するには、このような国内の動向も踏まえ、輸出貨物の誘致に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。
 近年、ひきこもりやニートと呼ばれる社会的、経済的自立が困難な若者が、十代、二十代に限らず、三十代以上にまで及んでいます。このような状態が長期化することは、本人や家族にとって大きな負担となるだけではなく、将来における若年労働者の減少や社会的負担の増大につながることも懸念され、社会全体で対応すべき重要な課題です。特にひきこもりは、全国で二十六万人から百六十万人との推計もありますが、その実態を把握することが難しく、これまで、こうした状態にある若者の数や要因等は明らかにされてきませんでした。
 今回、都が全国自治体に先駆けて真正面から取り組み、ひきこもりの実態を調査したことは大いに評価すべきものです。調査の速報値によると、都内でひきこもりの状態にある十五歳から三十四歳までの若者は、少なくとも全体の〇・七二%に当たる約二万五千人はいると推計されています。
 都は現在、ひきこもりの問題に対してどのように取り組んでいるのですか、お伺いします。
 今回の実態把握は、ひきこもり問題に対する本格的な取り組みへの第一歩にすぎません。我が国の未来を担う若者たちが一人でも多く、健やかな自立、社会参加を実現できるよう支援していくことは喫緊の課題です。
 今後は、都として、ひきこもりの若者に対して、早期発見や早期対応などの対策を講じていくことが極めて重要であると考えます。都は、ひきこもりの問題解決に向け今後どのように取り組むのか、伺います。
 次に、硫黄島旧島民の宿泊墓参について伺います。
 太平洋戦争の激戦地となった硫黄島では、昭和十九年に当時の島民一千人余り強制疎開となり、現在に至るまで帰島できない状況が続いております。
 都は、硫黄島旧島民の方々のため、硫黄島への墓参事業を昭和五十四年度から実施しており、現在は、年二回、自衛隊機による日帰り墓参となっております。
 先般、硫黄島旧島民の方々から、墓参事業の宿泊化についての請願があり、都議会としては、旧島民の方々の心情をしんしゃくし、国会及び政府に対して、輸送支援や施設の確保など、積極的な支援を強く要請する意見書を提出いたしました。
 現在の日帰り墓参では、限られた滞在時間で慌ただしく島内をめぐるため、高齢化の進む旧島民の方々にとっては、体力的に極めて厳しく、宿泊墓参の実現を強く求めるところであります。
 そこで、宿泊墓参の実現について、都は今後、どのような取り組みを進めていくのか、お伺いをいたします。
 一昨年の教育基本法、昨年の教育関連三法に続き、ことしは学習指導要領の改訂が予定されています。
 大きな制度改正の一方で、学校では、保護者からの理不尽な要求や児童生徒間のトラブルを教員が一人で抱え込み、結果として解決を困難にしていると聞きます。こうしたとき、問題を個々の教員任せにするのでなく、学校が組織的に対応することが非常に重要です。
 都教育委員会では、学校の組織的な問題解決力を向上するため、主幹制度の導入などを進めてきたとのことですが、どのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。
 また、学校全体で課題を受けとめ、解決していくためには、組織の責任者である管理職の役割が重要です。
 従来に比べ、特色ある学校経営を行うなど、校長、副校長の職務内容は困難度を増し、責任は重くなっています。ところが、近年、教育管理職選考の受験率が低下し、校長、副校長のなり手が減少していると聞きます。
 校長、副校長に優秀な人材を確保するためには、処遇改善が重要だと考えますが、所見をお伺いをいたします。
 そしてまた、古川の調節池事業がスタートすることになりました。関係者の皆さんに心から感謝を申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) きたしろ勝彦議員の一般質問にお答えいたします。
 温暖化防止と沖ノ鳥島の保全についてでありますが、サンゴ礁から成る沖ノ鳥島は、日本全体の面積を上回る約四十万平方キロメートルもの排他的経済水域を支えておりまして、極めて重要な島であり、国の今直轄管理区域となっております。
 現在、国は、沖ノ鳥島のサンゴの維持回復を図っておりますけれども、国土保全や自然環境保全の観点から非常に重要な取り組みでありまして、その成果を大いに期待しております。
 東京都も、小笠原組合の漁協長の菊池さんにお願いしまして、沖縄のパヤオ式の魚礁を島の周囲に幾つか設置し、大きな漁獲が上がるようになりました。魚とサンゴの相関関係もありまして、非常に期待をしておりますが、しかし、お話のとおり、今後、地球温暖化の影響に伴う水温上昇によって、サンゴ礁の衰退化の兆候である白化現象が、沖ノ鳥島を含む世界各地のサンゴにも及ぶと懸念されております。
 このように温暖化の影響が複合的、重層的であることを改めて自覚し、引き続き地球温暖化の防止に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕


◯教育長(中村正彦君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、学校の組織的な課題解決力を向上するための取り組みについてでございます。
 都教育委員会は、平成十五年度から、学校に、指導監督権限を持つ新たな職として主幹を設置するなど、国に先駆けた教育改革を行ってまいりました。
 主幹は、副校長を補佐し、教諭を指導監督する職であり、主幹の配置によりまして、学校が組織として課題を迅速に解決できるようになったと考えております。
 さらに、同じ教諭でありましても、授業改善や生活指導等への取り組み、学校運営へのかかわりなど、職務の困難度や責任の度合いに大きな違いが生じていることから、今年度、都内公立学校の管理運営に関する規則を改正し、これまで一つの職であった教諭の職を二つに分化し、学校に主任教諭の職を置くことができることとしたところでございます。
 この主任教諭には、学校運営に積極的に貢献し、主幹を補佐するとともに、同僚や若手教員への支援などの役割を果たすことを期待しておりまして、平成二十一年四月からの任用を予定し、関係機関と協議を進めているところであります。
 次に、教育管理職の処遇改善についてであります。
 近年、学校の抱える課題が複雑化、多様化する中、校長、副校長の職務の困難性、重要性がますます増大していることから、教育管理職の職責等に応じた適切な処遇は重要であると認識しております。
 現在、国において、教員給与につきまして、めり張りのある給与体系への見直しが進められております。昨年の東京都人事委員会の報告におきましては、こうした国の見直し内容などさまざまな要素に留意しつつ、都の行政職との対応を基本とする方向で、来年度の勧告を目途に検討を進めていくとしております。
 都教育委員会としては、関係機関と精力的に協議しつつ、年功的、一律的な教員の給与体系を見直し、教育管理職の処遇改善を含め、職責、能力、業績をより一層重視する給与制度の構築に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕


◯都市整備局長(只腰憲久君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、環状二号線の整備に関する地元との取り組みについてでございますが、都は、新橋─虎ノ門間の地上部道路に関しまして、平成十八年六月に、地元港区や沿道住民と環状二号線地上部道路計画検討会を設置いたしまして、歩車道の配置や歩行者空間の整備内容などにつきまして検討を重ねてきております。
 お話の地域の交流やにぎわいの創出につきましては、街路樹の樹種や配置などの工夫による景観の向上や、現地から出土した大名屋敷の石積みの活用など、多様な視点から議論を進めております。
 今後とも、地元住民と十分協議を重ねるとともに、関係機関と調整を図りまして、「十年後の東京」に位置づけられておりますグリーンロードネットワークにふさわしい、緑豊かで魅力ある地上部道路の整備に取り組んでまいります。
 次に、マンション耐震化への働きかけについてでございます。
 都が今回創設いたしましたマンション耐震改修助成制度を十分生かしまして耐震化を進めるには、身近な区市町村や管理組合自身の取り組みが不可欠でございます。
 都といたしましては、区市町村に対しまして、連絡協議会など多様な機会を通じて、耐震化に向けた先進的な取り組み事例の紹介や情報の提供等を行い、都の制度を活用した助成制度の創設及び充実を促してまいります。
 また、旧耐震基準で建設されましたすべてのマンションの管理組合を対象にしまして、耐震改修の進め方や助成制度等を記載したパンフレット等を提供いたしますとともに、必要に応じまして、管理組合の理事会等において説明を行うなど、耐震化に向けた合意形成を強力に支援してまいります。
 最後に、耐震化支援のための仕組みづくりについてでございます。
 マンション耐震化には、幅広い分野の専門的な知識や技術が不可欠でありまして、関係分野が協力して管理組合を支援することが必要でございます。
 そのため、都といたしましては、構造や設計、工事、マンション管理等の各専門分野の団体と、耐震化に向けて相互に連携を図るための組織を本年度中に設立いたします。
 この組織におきまして、管理組合に対する相談体制を整備し、区市町村を通じて、耐震診断から改修実施に至るまでのさまざまな相談に対応いたします。
 さらに、講演会や相談会、耐震改修事例の見学会等の実施によりまして管理組合の啓発を行ってまいります。
 こうしたさまざまな取り組みを行うことによりまして、マンションの耐震化を積極的に促進してまいります。
   〔下水道局長前田正博君登壇〕


◯下水道局長(前田正博君) 芝浦水再生センターについての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、運河の水質を改善するための取り組みについてでございますが、芝浦水再生センターは、我が国の中枢機能が集積しております地域の下水を昭和初期から処理し、快適な都市環境の創出に大きな役割を果たしてまいりました。
 これまでも、高浜運河などの水質改善を図るため、降雨初期の汚れた下水をためる雨天時貯留池や処理水の放流先を変更する放流渠の整備などを行ってまいりました。
 今後は、運河のさらなる水質改善のために、雨天時貯留池の増設を図ってまいります。また、施設の再構築に合わせまして、窒素や燐を除去する高度処理を導入するなど、放流水質の一層の向上を図ってまいります。
 次に、再構築に当たっての環境への配慮についてでございます。
 芝浦水再生センターでは、ヒートアイランド対策として風の道を確保するため、高さを抑えて低層利用するエリアと集約的な高層化を図るエリアに分けて再構築事業を行ってまいります。
 事業実施に当たりましては、省エネルギーやCO2排出量削減などに努めるため、下水再生水や下水の有する熱を供給するなど、下水道のポテンシャルを最大限に生かした取り組みを行い、品川駅周辺のまちづくりに貢献してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕


◯建設局長(道家孝行君) 都立公園のスポーツ施設の夜間利用についてのご質問でございますが、都立公園のスポーツ施設は、主にレクリエーションのためのスポーツの場として多くの都民に利用されており、施設を有効に活用することは、公園の魅力を高める上でも重要であります。
 スポーツ施設の夜間利用については、利用者ニーズや立地条件などを踏まえて必要な照明設備を設置し、これまで、原則として四月から十月までを夜間利用の実施期間としてまいりました。
 今後、施設の一層の有効活用を図るため、砧公園野球場などでは、多くの利用が見込まれる期間について夜間利用を拡大するとともに、冬でも利用が見込まれる芝公園テニスコートなどでは、通年にわたり夜間利用ができるようにしてまいります。
 今後とも、都立公園のスポーツ施設の有効活用を図り、利用者のニーズにこたえるよう努めてまいります。
   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕


◯港湾局長(斉藤一美君) 東京港への輸出貨物の誘致についてのご質問にお答え申し上げます。
 巨大な消費地を直背後に持ちます東京港は、輸入超過となる傾向にありますが、お話しのように、輸出貨物を誘致し、バランスのとれた港とすることは、国際基幹航路を維持拡大していくために大変重要でございます。
 近年、北関東や南東北地域におきまして、全国の増加率を上回ります製造工場の立地や、内陸部の貨物集散の物流基地でございますインランドデポの開設が進んでおりまして、東京港への新たな輸出需要が生まれつつあります。
 また、三環状道路等の着実な整備や、地方港湾の機能強化によりまして、生産地からの物流アクセスが飛躍的に向上することが見込まれます。
 このため、今後、輸出貨物誘致の対象地域を首都圏から東日本一帯にも広げますとともに、これまで実施してまいりましたセミナー形式の東京港のつどいに加えまして、各地で地元荷主企業と東京港の物流事業者との商談の場を設定するなど、実践的かつ積極的に東京港の輸出貨物誘致を展開してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕


◯青少年・治安対策本部長(久我英一君)
 ひきこもり対策についてでありますが、現在、都は、ひきこもりの状態にある若者やその家族などに対して、インターネットによるメール相談や電話相談を実施しております。また、ひきこもりに係るさまざまな相談機関で実際に相談に応じている実務担当者による連絡会議を開催し、情報交換を行うなど、相互の連携の強化に努めております。
 このたび、ひきこもりの問題に対して、さらに有効な対策を講じるため、実態調査を実施し、人数推計等を行うとともに、都内で支援活動に取り組んでいるNPO法人の活動状況についても調査し、効果的な支援プログラムの開発を進めているところでございます。
 次に、今後の取り組みについてでありますが、実態調査によれば、情報の提供や相談などの支援を希望している、ひきこもりの状態にある若者は八割を超えております。
 こうした若者やその家族に対して引き続き相談対応を行うとともに、新たにNPO法人と協働して社会参加を促すための支援を実施するなど、きめの細かい対応を行ってまいります。
 また、ひきこもりを未然に防止するため、不登校経験者や高校中退者及びその家族等に対して、進路に関する情報の提供や助言などの働きかけを行うセーフティーネットモデル事業を実施してまいります。
 都は今後、このように関係機関等と緊密に連携し、予防から自立支援まで一貫した対策に取り組んでまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕


◯総務局長(押元洋君) 硫黄島旧島民の宿泊墓参についてのご質問にお答え申し上げます。
 都は、昭和十九年の強制疎開後、ふるさとに帰島できない旧島民の方々のため、硫黄島への墓参事業を昭和五十四年度から実施をしております。
 現在は、年二回、自衛隊機による日帰り墓参を実施しておりますが、ゆとりを持って島を訪れたいという旧島民の方々の心情については真摯に受けとめております。
 宿泊墓参を実現するためには、防衛省による輸送支援を初め、宿泊場所や医療体制の確保など、解決すべきさまざまな課題がございます。
 今後、都は、こうした課題を解決するため、国土交通省、防衛省及び小笠原村との協議の場を設置するなど、宿泊墓参の実現に向けた検討を進めてまいります。
     ─────────────


◯議長(比留間敏夫君) 九十九番花輪ともふみ君。
   〔九十九番花輪ともふみ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕


◯九十九番(花輪ともふみ君) まず、第三セクター、株式会社多摩都市モノレールに対する出資についてお尋ねいたします。
 今定例会には、多摩都市モノレールの救済のため、二百九十九億円の税金投入が提案されています。平成十一年の経営安定化策が立ち行かなくなり、資金ショートに陥ることを回避するためとのことです。
 私は、鉄道事業は息の長い事業で、簡単に黒字が出るものではないことは承知をしています。さらに、地域住民のために安定的な運行をしなければいけないということもわかっています。
 しかし、大切な税金をつぎ込むわけですから、都民や議会に対し、これまでの経営状況や今後の見通しについての説明責任があるはずです。
 私は、都より金融支援の方針の表明があった昨年九月以降、局に対し、会社設立当初の経営計画、これまでの経営実態、今のままでの収支予測、二百九十九億円を投入した場合の収支予測について、それぞれ説明を求めましたが、お答えいただけませんでした。
 平成十五年の臨海高速鉄道への百四十六億円の債務負担行為のときに提示をしていただいた資料をお見せし、同じレベルの資料の提示を求めましたが、答えはノーでした。これでは、これまでの経営の検証や今後の見通しについての議論もできません。
 それとも、経営実態の精査もせず、収支予測も立てずに、二百九十九億円の税金の投入を決めたとでもいうのでしょうか。だとしたらば、とんでもない話です。
 まず、本議案の審議に当たり、これまでの、そしてこれからの経営情報について積極的に開示すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、議案提案時に経営安定化計画が示されていないのも問題です。新銀行東京でさえ、四百億円の追加出資の議案とともに、極めて不十分ではありますが、その前提となる経営再建計画を提示しています。
 局からは、経営安定化計画の提示がおくれていることに対し、沿線五市との調整もあってなどといういいわけも聞こえてきますが、税金投入が表明されたのは昨年九月のことです。この五カ月間、一体何をしていたのでしょうか。普通の民間企業であれば、二百九十九億円もの支援を受けるためには、それこそ必死になって準備し、出資者への説明責任を果たそうとするはずです。
 最後は東京都が何とかしてくれるという第三セクター特有の甘えがあるのではないでしょうか。そんな姿勢が前回の安定化策をも行き詰まらせ、資金ショートを招くことになったのではないでしょうか。
 今回の経営支援に当たっては、これまでの経営状況を公表し、検証し、反省し、その経営責任を明らかにする必要があると思います。いかがでしょうか。また、この会社のトップは都のOBです。今後は、天下りによる経営なども見直し、第三セクター全体の体質改善を行うべきだと思いますが、知事の答弁を求めます。
 次に、監理団体の随意契約について伺います。
 昨年九月の一般質問で、監理団体が行う契約は、入札がない、いわゆる随意契約が多く、その監督基準が守られていないこと、さらに、高額な随契先への幹部職員の再就職についての透明性が確保されていないことを指摘させていただきました。これに対し、知事からは、基本的に考え直すと、大変前向きな答弁をいただきました。また総務局長からも、随契の総点検を行う、随契に関する規定について所要の整備を行った上で公表すると、大変前向きな委員会答弁もいただきました。
 そこで、まず伺いますが、これまでの総点検や整備の結果、監理団体の契約や、その契約先への幹0部職員の再就職について具体的にどのように見直していくのか、お答えください。
 監理団体については、知事の一言により、その改革が進み始めています。
 振り返って、東京都本体の随契と天下りについて伺います。
 随意契約は、その性質上、自治法で制限列挙されています。しかし、平成十八年度における各局が契約した契約数十四万五千八百六十三件のうち、随意契約の数は十三万一千二百件、何と八九・九六%、約九割を随意契約が占め、金額ベースでもその四割となっていました。確かに小額な契約などもあり、随契すべてを悪いとはいいません。しかし、契約件数のうち随意契約が九割とは、余りにも多過ぎるのではないでしょうか。
 随契でも、競争見積もり合わせやコンペなどを行い、一定の競争原理が働いているという都の説明もありましたので、その随意契約の予定価格に占める契約金額の割合、いわゆる契約率についてお尋ねしたところ、集計していないとのことでした。これでは、本当に競争原理が働いているのかどうか、検証のしようがありません。随契については、監理団体と同様に総点検を行い、契約率などについても集計、公表し、都民に対し税金の使い方の説明責任を果たすべきだと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
 さらに、高額な随契先への幹部職員の再就職についても課題があります。私の行った調査の中で、一億円を超える高額な随意契約先への幹部職員の再就職状況について各局にお尋ねしたところ、答えは各局とも、不明である、把握していないということでした。なぜ、把握していないのでしょうか。
 都はOBの再就職に基準を定め、退職後一定期間は退職前五年間に関係した職につかないとしています。ということは、少なくとも民間企業への再就職を把握していないと、せっかく知事がつくったこの基準自体が機能していなかったということになります。
 国でも天下り改革が進み、地方においても既に三十の道府県でOBの再就職情報について公開されており、うち十六の府県は民間企業分も含めて公開しています。
 私の指摘に、都は、おととい、幹部職員の再就職状況と題して、監理団体への再就職情報を正式に公表しました。一歩前進です。が、しかし、個々の民間企業への再就職は明らかにしていません。
 防衛庁の事務次官による汚職事件は記憶に新しいところです。この事件においても、随意契約と天下りが問題になりました。他の道府県に、ましてや国におくれをとるわけにはいきません。都においてもより積極的に再就職情報を公開し、都民の疑念を抱かれないようにすべきと考えますが、お答えください。
 八ッ場ダムについて伺います。
 八ッ場ダムは、計画が発表されて以来、既に半世紀を超えています。この間、平成十三年に工期を十年間延長し、その三年後には事業費を二千百十億円から四千六百億円へとはね上げました。そして、また今回、工事期間を五年間延長するとのことです。何年かたったらまた工事費の増額が発表されるのではと心配になります。
 今回の基本計画の変更では、工期は延びるが事業費の増加はないとの説明です。土木や建設工事の場合、工期が延びれば工事費も上がるというのが常識だと聞きます。既に前回、平成十六年の計画変更のときから、つけかえ鉄道の施工方法変更などで百九十億円ほどの事業費アップに既になっています、あれから。が、今回は本体工事の見直しで吸収できるとのことです。これでは、前回の積算そのものの精度が疑われますし、事業費が今後本当に増大しないということを容易に信じるわけにはいきません。今後の事業費について答弁を求めます。
 事業費については、石原知事もご心配のようです。今回の議案では、事業費の増額がないよう徹底したコスト縮減に取り組むことなどと、あえて意見として付しています。しかし、これはあくまで意見であり、国と約束したものではありません。これらの意見を今後どのように国に履行させていくおつもりでしょうか。所見を伺います。
 次に、水の需要予測について伺います。
 都の水の需要の実績は、昭和五十三年の一日最大配水量六百四十五万トンをピークに減少する傾向にあり、昨年には、何と五百五万トンにまで落ち込みました。百四十万トン、二割以上減ったことになります。
 そこで、今後の水需要予測についてお尋ねをしたところ、この三十年間ずっと右肩下がりで来た水の需要は、突然増加に転じ、五年後の平成二十五年には、昨年より百万トンも多い六百万トンに急増するとのことです。これは過大見積もりではないでしょうか。
 さらに、この予測は、個人所得や平均世帯人数などの重要な指標を、平成十二年の東京構想二〇〇〇のデータなどに頼っており、随分と古いものです。今回の事業計画の変更の議論を深めるに当たって、最新のデータに基づく需要予測を行うことを求めましたが、残念ながらかないませんでした。出せない理由があるのでしょうか。
 需要予測は、ダムの必要性を議論するに当たって欠かすことのできない情報です。ぜひ最新のデータに基づく水の需要予測を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。
 次に、不安定水源について伺います。
 現在、都が確保している水源は六百二十三万トンです。都が必要と主張する六百万トンを既に大きく上回っています。なのに、なぜまだダムが必要なのかと尋ねたところ、課題を抱える水源が八十二万トンあるからとのことでした。内訳は、中川・江戸川導水路四十四万トン、砧上下浄水場十八万トン、相模川分水二十万トンです。
 説明によると、中川・江戸川は、昭和三十年代の慢性的な水不足に対する緊急措置として国土交通省から暫定的に許可を得たものなので不安定、砧浄水場は、河床の低下により計画どおりの取水が困難になっているから不安定、相模川については、神奈川県及び川崎市との協定により水をもらっているから不安定とのことでした。
 相模川は、神奈川県などの事情に左右されるため、安定水源には入れられないというのは理解できます。しかし、あとの二つは、国土交通省との交渉で安定水源化できるのではないでしょうか。
 中川・江戸川は、暫定許可を受けて既に四十年以上もたっています。が、問題が起きたということは聞いたことがありません。暫定という文言を外してもらったらよいのではないでしょうか。砧浄水場にしても、河床の低下を解消するための技術的な対応を国に求めてはいかがでしょうか。どちらも、巨大ダムをつくるよりははるかに労力が少なくて済みそうです。所見を伺います。
 さらに、多摩地域では現在、地下水が利用されています。その量は四十万トンといわれています。しかし、現在使われているこの四十万トンは、課題を抱える水源にすらカウントされていません。不思議なことです。
 また、漏水対策も進んでいます。水道局の皆さんの高い技術力と地道な努力の結果、昨年の漏水率は何と三・六%にまで低下したとのことです。世界に誇れる技術力です。八ッ場ダムの基本計画が策定された昭和六十一年の漏水率は一三・二%ですから、約一〇%も低下したことになります。漏水率が一%下がると六万トンの節約ができるそうです。一〇%で六十万トンの節約ができたわけです。
 ちなみに、八ッ場ダムの都への配水量は四十三万トンです。水は余っているのではないでしょうか。
 余っていても、もっともっとあった方が安心だという考え方もあるでしょう。しかし、ダムによって失われる人々の暮らしや動植物の自然の営み、そして私たちの税金、これらにも目を向けるべきだと思います。
 半世紀という長い長い歴史を持つダム計画です。一度立ちどまって、地元住民の皆さんを初めとした多くの関係者のご労苦を振り返り、最新のデータによりダムの必要性を議論するべきときだと思います。
 八ッ場ダムが完成するといわれる平成二十七年、東京もいよいよ人口減少の時代に突入します。計画を一度決めてしまったら、時代や社会が大きく変わろうと、どんなに変わろうとお構いなしにその公共事業を継続しようとするこの国の仕事のやり方について、道路公団改革の経験を踏まえた猪瀬副知事の所見をお伺いし、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕


◯知事(石原慎太郎君) 花輪ともふみ議員の一般質問にお答えいたします。
 多摩都市モノレールの経営見直しについてでありますが、多摩都市モノレールは、車両基地用地の取得など、多額の初期の投資に伴う借入金によりまして厳しい経営状況となっているものでありまして、今回の都の出資は、この会社の負担を軽減させるために行うものであります。
 しかし、社会経済状況の大きな変化の中で、会社はこれまで、人員削減など効率的な経営に努めた結果、現在では単年度の営業黒字を達成しております。
 会社が都や沿線各市などからの支援を重く受けとめまして、より一層効率的な経営と安全運行に徹し、多摩地域の基幹的な交通機関としての役割を果たすことを期待しているわけでございます。
 他の質問については、副知事及び関係局長から答弁いたします。
   〔副知事猪瀬直樹君登壇〕


◯副知事(猪瀬直樹君) 国の公共事業について質問されましたので申し上げますが、先ほど、東京都の水道局の漏水率が三・六%であると。これは、この間、ダボス会議で、ダボス会議は、水と空気、CO2ですね、これがテーマですから、漏水率三・六%という数字は驚異的なんですね。
 ロンドンの漏水率は二五%です。五十年前に東京都の漏水率は二〇%でしたから、この五十年間の間に、年間、ローマ市の人口は二百五十万ですけれども、ローマ市一個分の水を節約してきたと。これはすごいことだと思いますね。水道局の職員が、これ頑張ったんですよ。ただし、これはね、自分の仕事に誇りを持っているから、それで頑張ったんだと思うんだね。そういうときに、自分の仕事を好きだったら、いろいろと間違いを起こさないんですね。
 僕は、道路公団民営化をやったときに思ったのは、道路が嫌いな人がやっているんじゃないかと思った。僕は車を運転しますから、道路はいい道路が欲しいんです。安くて丈夫な道路が欲しい。ところが、まるで道路が嫌いな人がつくっているような道路をつくっている。だから、いろいろと間違いが起きるんだね。
 道路公団民営化で、天下りも大分減りましたよ。そして、投資額も大分減りました、むだな投資がね。そういうことで、今、国の公共事業は、十年前に公共事業関係予算は十四兆九千億円ありましたが、今は、小泉構造改革で三%ずつ減りましたので、今年度は、補正を入れて七兆四千億円に減りました。じゃ、減ったからどうかということじゃなくて、減ったから、質のいいもので、安くて丈夫なものができればいいわけです。
 それともう一つは、道路特定財源が今問題になっていますけれども、この道路特定財源は、例えば民主党が今、二十五円下げて三兆円まで減らすといってますけれども、これは、今まで、建設関係の雇用者が十年前に六百八十五万人いたんですよ。それで現在は五百五十二万人いる。それを一気に突然減らすことはできないんです、失業者があふれちゃうから。でも、あかずの踏切をやったりしながら徐々に減らしていって、雇用構造を変えていくということが正解なんですね。
 ただね、五十九兆円をずうっと十年続けるって、国土交通省もおかしいんですよ、それは当然。ですから、与謝野馨さんだって四十九兆円だといっているんですよ。
 そういうことで、国の公共事業をこれから見ていく場合に、事業の再評価を常にしていくことが大事で、その事業の再評価を常に正確なデータに基づいてやるということが国益なんですね。
 以上であります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕


◯都市整備局長(只腰憲久君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、多摩都市モノレールの経営情報の開示についてでございますが、会社の経営情報につきましては、決算報告や四半期ごとの乗車人員、営業収益等を必要に応じて会社が開示しておりまして、都も毎年、経営状況を議会に報告してございます。
 また、将来の収支予測や会社の経営努力などの内容を含めました経営安定化計画につきましては、速やかに策定し、公表するよう、会社に求めているところでございます。
 次に、八ッ場ダムの事業費についてでございますが、事業主体の国によりますと、現時点での総事業費につきましては、ダムの本体の規模の縮小や橋梁の施工計画見直しなど、さまざまな工夫によるコスト縮減が、お話ございましたつけかえ鉄道の施工方法変更などのコスト増を上回っているため、事業費増は生じないというふうに聞いております。
 最後でございますが、都が出した意見の履行についてでございます。
 八ッ場ダム建設事業の基本計画変更に関する国からの意見照会に対しまして、さらなる工期延長がないよう万全を期すこと及び事業費の増額がないよう徹底したコスト縮減等に取り組むことという二つの意見を付しまして同意することとし、議案を提出しているものでございます。
 平成十六年に、都の要請を受け設置されましたコスト管理等に関する連絡協議会も活用いたしまして、今後、国がより確実に事業を実施するよう、関係各県とともに注視してまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕


◯総務局長(押元洋君) 二問のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、監理団体の契約の見直しについてでございますが、公共性と民間並みの経済性の観点から、契約実態を踏まえた総点検を実施いたしましたところ、これまで随意契約とされてきたものの中には、競争性のある契約のほか、少額の契約や緊急の契約なども多数含まれていることが明らかになりました。
 このため、監理団体の特性に合った契約類型や契約方法へと見直すなど、団体にふさわしい契約手続を順次整備して一層の適正性を確保するとともに、契約相手方などの契約情報を公表するよう、各団体を指導してまいります。
 また、監理団体の契約は、継続性や迅速性を考慮した、簡素で柔軟な手続となっておりますため、高い透明性を確保する必要から、今後、都や監理団体の幹部職員OBの再就職状況の公表についても検討をしてまいります。
 次に、都OBの再就職状況の公表についてでございますが、都ではこれまで、局長級の再就職者のみ公表をしてきたところでございますが、先般、監理団体について課長級以上の再就職者の氏名、役職等を公表するとともに、それ以外の団体についても、民間企業も含めて、団体の種別ごとに再就職者数を明らかにするなど、公表範囲の大幅な拡大を行ったところでございます。
 しかし一方で、職員の再就職は個人と団体との関係において行われるものであり、公表に当たりましては、職員の退職後の職業選択の自由や企業の経営、人材確保等に支障を及ぼさないことなどに十分配慮する必要があると考えております。
 今回の見直しは、こうしたことを総合的に考慮した上で行ったものでございます。都の公表内容は、現状においては適正なものと考えております。引き続き、国等の動向を注視してまいります。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕


◯財務局長(村山寛司君) 東京都の契約についてのご質問にお答えをいたします。
 地方公共団体において随意契約というふうに呼ばれているものの中には、主な方式が幾つかございまして、まず第一に、日々の業務執行に伴う一定金額以下の小規模な請負や物品購入などについて、契約事務の効率化の観点から、法令で、入札方式をとらずに、原則複数の見積もりをとった上で契約の相手先を決めることが認められている少額随意契約方式がございます。都の場合、随意契約の大宗はこの方式が占めてございまして、全体の八割となっております。
 第二に、複数の企業間で実質的には入札と同様の競争を行わせますが、契約の性格上、競争入札の方式がとれないために、制度としては随意契約というふうに分類されている、競争見積もりの方式がございます。
 第三に、イベントや映像制作など、業務の性格上、価格よりむしろプロポーザルの内容で競争させる企画提案方式がございます。
 都の場合、今申し上げた第二と第三の二つの方式で、合わせて約一割になります。
 第四に、例えば競争入札でシステム開発を受託した企業との間で、システムの内容を熟知しているという理由により当該システムの保守契約についても結ぶといった、特命随意契約がございます。この方式につきましては、前段階において競争が行われる場合など、合理的な理由がある場合に厳しく限定しております。
 このように、随意契約といっても、いずれの方式でもそれぞれの特性に応じて競争性が確保されております。
 今後とも、随意契約の適用あるいは運用に当たりましては、経済性、公正性、そして品質の確保という各観点から適正になされるように指導してまいります。
 なお、予定価格に対する契約額の割合につきましては、これは競争入札においても同様でございますが、必ずしも競争性の発揮度合いを判断する指標とはなり得ないというふうに考えております。
   〔水道局長東岡創示君登壇〕


◯水道局長(東岡創示君) 最新のデータを用いた水道需要予測についてでありますが、水道需要予測は、都の長期構想で示される将来の人口や経済成長率などの基礎指標を用いて、これまで適宜適切に見直しを行っております。
 予測手法は、お客様が実際に使用される水量、すなわち一日平均使用水量を、過去の実績の傾向に最も合致するよう、重回帰分析により算出し、その上で一日最大配水量を予測しております。
 現在の水道需要予測は、長期的な将来を見据えて平成十五年度に行ったものであり、現時点で基礎指標に大きな変化はなく、また、予測の基礎となる一日平均使用水量は、実績との間に大きな乖離は認められないことから、予測を見直す必要はないと判断しております。
 次に、課題を抱える水源の安定化についてでありますが、中川・江戸川緊急暫定水利や砧浄水場、砧下浄水所の水源など課題を抱える水源につきましては、課題を解消し、将来にわたり活用できるよう、国土交通省等の関係機関に対して働きかけを行ってきており、引き続きこうした取り組みを進めてまいります。
 一方、国土交通省によりますと、都の水源の約八割を占める利根川水系では、近年の降雨の状況により、ダムなどからの供給量が当初計画していた水量よりも二割程度低下しているとされています。
 こうした状況を踏まえると、課題を抱える水源の課題を解消しても、渇水時において安定給水を確保するためには、八ッ場ダムによる安定した水源の確保が必要であると考えております。
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◯六十七番(石森たかゆき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。


◯副議長(石井義修君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


◯副議長(石井義修君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時四十三分散会