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埼玉県 越谷市

平成22年  9月定例会 陳情 22陳情第6号




平成22年  9月定例会 陳情 − 22陳情第6号








22陳情第6号
        安心・安全な国民生活実現のため、国土交通省の地方出先機関の存続を求める件
受理年月日  平成22年9月1日(平成22年8月23日受付)
陳 情 者  埼玉県さいたま市中央区新都心2番地1
       さいたま新都心合同庁舎2号館
       国土交通省管理職ユニオン関東支部
       委員長 中 川 順 次
陳情の要旨   国民の生命と財産を守ることは「国の責務」として存続するよう、以下の項目について国
       及び関係機関に対し、意見書を提出していただきたい。
       1.「地域主権」「道州制導入」については、拙速に結論を出すことを避け、国民生活に対す
        るメリット・デメリットなどの情報を事前に開示し、十分な時間を確保した議論を経た後
       に結論を出すこと。
       2.財源、国民負担、負担割合などは議論する過程でその内容を地域ごとに明らかにするこ
        と。
       3.現在直轄(国)で整備・管理している道路・河川行政は国の責任を明確にし、安易な地
        方整備局・事務所・出張所の廃止や地方移譲は行わないこと。
       4.国民生活に視点をあてた行政の民主化への転換を行うこと。
陳情の理由   政府は平成22年6月22日「地域主権戦略大綱」を閣議決定しました。主な内容は、
       1.「地域主権改革」とは、国民が地域の住民として、自らの暮らす地域の在り方について
        自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負う。
       2.「基礎自治体への権限移譲」により自らの住む地域のことは自らの責任で決定できるよ
        うにする。
       3.「ひも付き補助金の一括交付金化」により地域のことは地域が決める。
       4.「直轄事業負担金の廃止」を2013年度までに現行制度の廃止とその在り方について
        結論を得る。
       5.地域の自主的判断も尊重しながら、道州制の検討も射程に入れる。
       などとなっています。
        私たちは、「地域主権改革」でいう、国土交通省が所管する地方出先機関の事務・権限の
       「基礎自治体への移譲」には次のような問題があると考えています。
       1.地方整備局が管理している一級河川や国道は、各都道府県域を超え「河川氾濫による広
        域的甚大な被害の防止」「物流のネットワークの維持」など一部にでも欠陥があれば広域
        的に影響が及ぶものです。ですから、都道府県間で利害の異なる社会資本の整備・管理や、
        大規模災害の際の都道府県域を超えた迅速かつ一体的な防災・危機管理体制の確保等は、
        国の出先機関でなくては実施できないのです。
       2.地域主権戦略大綱でいう出先機関の事務・権限の「基礎自治体への移譲」は、国と地方
        の借金の合計が1,000兆円にもなろうとしている現在、国が一定の財源を地方に移管
        したとしても、将来的に地方の財源が保障されるわけではありません。結局、国は身軽に
        なり、負担は地方と住民に押し付けられるだけです。
       3.国の直轄事業は基本的に「建設国債」でまかなわれていること。直轄事業の移管はこう
        した赤字の原因になる建設国債も併せて移管することになり、地方の財政危機は今以上に
        厳しくなってしまいます。さらに、日本の公共施設は、昭和30・40年代に整備されて
        きています。その建設から50年前後経過している公共施設は、これから大きく改修が必
        要な時期を迎えます。これらの改修事業は、地方財政をいっそう圧迫することになります。
       4.直轄事業は広域にわたっており、管理水準・整備水準に格差やずれがあれば広域全体が
        機能しなくなります。そのために事業主体が現在の都道府県単位でなく大きな単位になら
        ざるをえません。そうしたとき、各都道府県は自らの組織を解体しなければなりません。
       5.一度出先機関の事務・権限を「基礎自治体へ移譲」した後、鳩山前首相の米軍基地問題
        のように「だめだったから元に戻す」という訳にはいきません。その間の国民の生命と財
        産を責任を持って守れなくなるからです。
        私たちは、住民自治、国と地方の適切な役割分担、財源とその配分・使途など、改善すべ
       き課題はたくさんあると認識しています。憲法第25条では、社会福祉、社会保障及び公衆
       衛生の向上及び増進を国の社会的使命としていることからも、国民の安全・安心を守る社会
       資本の整備・管理は、国が責任を持って実施するのが憲法上の責務です。
        憲法を尊重する立場である私たち国家公務員労働者は全ての国民が健康で文化的な最低限
       度の生活を営む権利を守る義務があり、「地域主権戦略大綱」に賛同できるものではありま
       せん。
         よって国民の生命と財産を守ることは「国の責務」として存続するよう陳情します。