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埼玉県 川口市

平成4年3月定例会市長提出議案 市長提出議案第45号




平成4年3月定例会市長提出議案 − 市長提出議案第45号











議案第 45号

   川口市総合計画基本構想(昭和60年議決第47号)の変更について

 川口市総合計画基本構想(昭和60年議決第47号)を別添のとおり変更するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第5項の規定により議決を求める。

  平成4年3月5日提出

              川口市長  永 瀬 洋 治



1  川口市の概況



(1)川口市のあゆみ

 川口市内には、神根、戸塚、安行、新郷地区などの台地上に約140か所の遺跡が確認されている。これらの中には、今から約三千年前の縄文時代後期に比定される新郷貝塚、石神貝塚、猿貝貝塚などがある。これらの貝塚からは、シカ、イノシシをはじめとして多数の獣骨が発見されており、当時の狩猟採集生活の様子を知ることができる。

 弥生時代になると、荒川(旧入間川)などの河川による沖積地の形成が進み、水稲耕作に適した土壌ができたため、川口周辺にも稲作が定着し、生活項境が著しく変化したものと思われる。

 川口の名称がみられる最初の文献は「とはずがたり」(鎌倉時代後期の日紀文学)とされている。それには、「武蔵国小川口という所へ下る」とあり、その様相を「まえには入間川(荒川)とかや流れたる、むかえには岩淵の宿といい」と記されている。

 川口において、本格的に土地開発や街道整備が行われ、産業の進展がみられるようになったのは、江戸幕府開設後、市域の大部分が幕府の直轄地とされてからである。

 関東郡代伊奈氏によって、検地、荒川改修、新田開発などが次々と実施された。川口を通る主要街道である日光御成街道が整備されたのは、徳川家康の霊廟が日光に移された元和3年(1617年)以降のことである。川口はその宿駅として発展し、また、荒川、芝川の舟運によって江戸と結ばれていた。さらに江戸時代において、川口は江戸の市場を背景にして、鍋や釜などの日常生活品を生産する鋳物業、明暦の大火後の江戸市中の緑化のために吉田権之丞によってはじめられたと言われる安行の植木、苗木の栽培、さらに青木周辺では芝川沿いに群生した布袋竹で作った釣竿、また、前川、芝の織物など特徴ある諸産業が発展した。

 明治に入ってからも荒川、芝川を利用した舟運は発達を続け、本格的な自動車時代の到来まで、その役割を果たした。また、明治16年には上野と熊谷間に鉄道が開通し、明治26年には蕨駅、同43年に川口駅が開設され、人員、貨物の陸上輸送が飛躍的に増強されるに至った。

 また、鋳物産葉は、国の富国強兵策により、近代産業建設の基幹産業としての役割を担うこととなり、生産技術の改良、品質の管理技術の向上などを目的に、明治38年鋳物組合が成立した。これによって、これまでの日用品鋳物から器械鋳物へと転換して、生産量も飛躍的に増大していった。さらに、鋳物以外の器械、木型、織物、味噌、釣竿なども次々と同業組合を結成して、生産の近代化を図った。特に、鋳物組合は明治30年代初頭から、村ごとに組合を結成している。こうして本市の産業は東京の商業活動の発展に対応しながら生産性を高め、いよいよ産業都市としての性格を強めてきたのめである。

 川口を含む周辺は、明治に入って、武蔵県、大宮県、浦和県と名前を変え、明治9年に現在の区域の埼玉県となった。その中で川口は、明治22年市町村制の実施に伴い川口町となり、昭和8年4月1日には川口町を中心とし,と横曽根村、南平柳村、青木村が合併して市制を施行した。さらに昭和15年4月1日隣接の鳩ヶ谷町、新郷村、芝村、神根村を編入合併し、生産郡市としての発展の基礎を築いた。

 昭和25年鳩ヶ谷が分離したが、31年安行村を、35年には美園村の一部を合併し、さらに37年美園村の廃置分合によってその一部を編入し、現在の市域を持つに至っている。



(2)現在の川口市、

 現在の川口市は人口約44万人で、埼玉県下最大の人口規模を誇っている。

 市の人口増は昭和30年代前半からはじまったが、本格的な人口急増を迎えたのは昭和35年以降といってよいだろう。35年から45年頃までの伸びが特に著しく、この10年間で約14万人が増加している。また、この間の人口増加は、当然、社会増が主なものであり、急速な市街地の拡大を伴っている。いわゆるスプロール現象といわれる問題が発生してきたのがこの時期で、後に、都市整備上の大きな課題として残ることになった。

 昭和45年以降も依然として人口増加は続いているが、増加の主体は自然増となり、増加傾向もやや鈍化してきている。

 埼玉県内他都市と比較して、川口市の場合、世帯規模も小さく年齢的にも若い層が多い。これは大都市やその周辺によくみられる傾向で、単身世帯、夫婦だけの世帯が多く、定着しない人口が多いという、都市にとってのマイナス面をあげることもできるが、これらはま、た、川口の若さ、成長、躍動を支えている層であるという、プラス面の評価もできる。

 “鋳物のまち”として古くから全国に知られているとおり鋳物工業が市の主要産業であり、その発展が今日の市勢の基礎となっている。現在の産業構造は極めで多角的で、特に急速な技術革新に伴い進展めざましい機械工業をはじめとして、伝統と技術を誇る木型工業、釣竿、織物、利器、工匠具、あるいは味噌、ビールなどの食品工業から、近代産業としての化学工業、精密機械工業に至るまで、幅広い多彩な内容を持っている。また、最近の傾向としては、これらの製造業の多角化とともに第3次産業への移行がみられ、商業やサービス業のウエイトが高まっている。このほか、安行、神根、戸塚、新郷などの農業地帯からは植木、苗木、盆栽、花舟などが多く産出され、これらの特産品は国内はもとより海外にまで販路を持っている。

 これらの農業地帯は、また首都圏内に残された貴重な緑地帯でもある。安行から神根にわたる約580haの安行近郊緑地保全区域やその周辺の緑地については、川口布を代表するものの一つとして積極的に保全、活用を図つていく必要がある。



(3)広域における川口市

 川口市は、その発展の過程において、江戸(東京)とのかかわりがきわめて密接だったといえる。「川口市のあゆみ」においてもみたように、鋳物業は江戸市民の鍋や釜などの日常生活品の生産によって発展し、安行の植木、苗木も江戸を消費地として発展してきたものである。また、釣竿業や織物業なども同様であったものと推測される。川口は、まさに大消費地江戸を相手にした産業の発展によって栄えてきたまちである。

 さらに現在、東京とのつながりは、より緊密にになっている。通勤、通学のために、市民の約18%は東京に流出しており、産集面のつながりも依然として密接である。

 今後、産業は、工業、農業ともに3次産業的性格を複合させながら新しい展開を図っていくことが期待されている。これは、東京という巨大消費地を控えた川口市ならではのことである。今後も東京との密接なつながりのもとに発展していく方向にあるといえよう。

 また、川口市は、県南地域の中心都市として、他都市と協調しつつ、県行政および、文化、産業の中枢都市軸の形成に向けて、リーダーとしての役割を果たしていくことが求められている。



2  基本構想の意義と役割



(1)転換期を迎えた川口市

 川口市は、近年の急激な社会経済環境の変化のなかで、恵まれた水系・豊かな樹園地、永い伝統に培われた活力ある産業を軸に昭和61年3月に策定された『第2次川口市総合計画』に基づいて、「人と自然と産業業が調和する産業文化都市」の実現を目指して都市の基盤整備を中心に行政運営を図ってきた。

 しかし、策定以来5年が経過した今日、社会経済情勢は、高齢化・国際化・情報化、女性の社会進出、人口の増加さらには環境問題への関心の高まりなど、策定時には予測し得なかったほど急激にかつ多様な変化を見せ、新たな視点で行政としての対応を図っていく必要か生じてきている。

ア 国・県計画などの動向

 社会経済情勢の変化を反映して国レベル、県レベルでも各種の計画が策定されてきた。

 国レベルでは、昭和62年6月に「第4次全国総合開発計画が閣議決定され、“多極分散型国土の形成”を軸に、地方の個性的な産業・文化をつくり、定住圏を充実させるための新たな政策展開を図っていく考え方が示された。

 東京を中心とした首都圏についても、首都調整備法に基づく「第4次基本計画」が昭和61年に公表され、将来予測される社会変化に対応しながら、大都市問題等の解決を図りつつ首都圏の均衡ある発展を図るものとされている。

 また、特に変化の著しい東京大都市園を対象に、昭和60年5月「首都改造計画」が発表された。この計画によれば、現在の東京一極依存構造を是正するため、周辺地域に自立都市圏の形成を図って首都機能を分散し、更に自立都市圏相互を有機的に連携し、東京大都市圏を連合都市圏として再構築することが基本方針として掲げられ川口市は、地域中心都市として地域の自立性向上のため、再開発や事業の高度化、活性化等を推進し、諸機能の育成を図ることとされている。

 また、埼玉県においては、昭和60年3月「埼玉県新長期構想」が策定され、“緑と清流豊かな埼玉”を目指して各種の施策が展開されているが、諸情勢の変化に対応するため、現在見直し作業が進められている。

 さらに、「埼玉県南5市まちづくり協議会」では、広域的なまちづくりの指針として、平成2年3月「埼玉県南5市まちづくり構想新基本計画」を策定した。このなかにいわれる「緑と水の環」のまちづくり理念は、本計画の中にも反映させていくものとする。

イ 川口市を取巻く社会状況の変化

 今日、人口の増加、急速な高齢化の進展、産業基盤の構造的変化等、社会経済状況の変化への対応が、行政の大きな課題となっている。

 さらに、首都高速道路葛飾川口線の開通、東京外郭環状道路、川口ジャンクションの整備、地下鉄7号線および新交通システム等の計画促進など、今後の都市構造に大きな変化が生じることが予想される。

 一方、市民生活においても、市民二ーズの多様化のなかで、うるおいや精神的豊かさを求める新しい価値観が重視されるようになり、地域の風土と特性に合った、個性と魅力に満ちたまちづくりが求められてきている。

ウ 新しい行政課題への対応

 時代の転換期として、新たな行政課題が生じてきている。

 技術革新に支えられたニューメディアは、政治、経済、文化、その他多くの分野に影響を及ぼすことが考えられる。このような状況に対応して民間活力を導入したニューメディアの展開を考慮していく。

 オフィス・オ−トメーションによる行政事務の効率化、情報サービス、情報公開なども、当面の検討課題となっている。

 さらに、新しい価値観のなかで生じている女性の社会参加、美しいまちづくり、行政の文化化、ボランティアなどへの対応、急速に進展する高齢化社会への対応、定住を目指した新しいコミュニティの形成および、地球環境問題への対応などの、21世紀に向けた新しい行政課題への的確な対応が要請されている。



 この基本構想は、昭和61年に策定した第2次総合計画に対して、こうした川口市を取り巻く転換期としての時代認識と国、県、広域における諸計画の動向に対応しつつ必要な見直しを行い、市民と市がこれまで以上に知恵と力を合わせ、新しい感覚と決意をもって、21世紀に向かって理想の地域社会を築きあげていくための指針として策定されるものである。



(2) 21世紀に向かっての基本構想

 川口市では、これまで、「産業文化都市の創造」を目指して、さまざまな行政施策を展開してきた。新しい基本構想は、この点を継承し、発展させるとともに、21世紀に向けて、川口市の新たな都市づくりの目標を掲げたものである。

 また、目標を達成するために、その基本となる考え方や基本となる施策を示すことにより、市民と市が共通して踏まえるべき基盤、目指すべき方向、ともに果たすべき役割を明らかにしている。このように、基本構想は、市政運営の基本方針を示すものであると同時に国、県、並びに民間諸団体などが本市にかかわる施策、事業を行うに際しても尊重されるべき指針としての役割を持っている。

(3)基本構想の目標年次

 この基本構想は、平成12年(西暦2000年)を目標年次として策定するものである。



3 基本理念



 この基本構想は、単なる「計画書」に終わることなく、むしろ新しい都市づくりの長期的なよりどころを明らかにするとともに、地方自治の本旨にのっとり、実際の都市づくりを着実に前進させることを目的としている。

 したがって、計画書ができあがったことで、こと足れりとするわけにはいかない。構想に沿ってさまざまな英知や創造を働かせながら、具体的に展開していくことが大切である。

 基本理念は、構想を支える「基本となる考え方であるとともに、状況に柔軟に対応しつつ、実際の都市づくりを推進していくために必要とされるさまざまな判断の基準となるものである。

 新しい基本構想では、次の4点を基本理念とし、調和のとれた都市づくりを目指すこととする。

(1) やすらぎとうるおいの尊重

 市民の生活する環境を、より豊かで魅力に満ちたものとし、愛されるまちとするため、やすらぎとうるおいを尊重していく。

 緊張感に滞ちた東京を離れて、川口市に一歩はいるとホッとくつろげる、緑と水に囲まれ、ふるさととしての愛着が感じられる、そんなやすらぎとうるおいのあるまちづくりを目指している。

(2)新しいまちづくりの展開

 川口市では、産業と調和した魅力ある都市社会の表現を目指して、都市計画や施設づくりを展開し、大きな成果をあげてきた。

 これらの実績を活用して、市民意識の変化の中に生じている、身近な生活の場に対する関心の高まりに対応した新しいまちづくりが必要になってきている。

 市民の身近な環境に着目して、緑や水辺の自然をこれまで以上に大切にすること、民間の活力を導入し、仕組みや運用の工夫まで配慮した物づくりを進めること、公共施設などを美観・景観の視点で改めて見直し、次代に誇るべき施設をつくりあげていくことなど、これまで進めてきた都市の基盤づくりとあわせて、創造性に富んだ新しいまちづくりの展開が必要になってきている。

(3)充実したコミュニティの形成

 経済が安定成長期こ入り、市民の価値観もこれまでの「物の豊かさ」を求めることから、「生活の質の豊かさ」を求めることへと転換してきている。さらに、市民の定住意識の高まりのなかで、ふるさととして誇れるまちづくりが強く望まれてさており、市民生活の基盤としてのコミュニティの充実が、より一層重要になってきている。

 安全で快適な環境が確保されたコミュニティであるとともに、そこでさまざまな年齢の市民が語り合え、親しくふれあい、互いに支え合い、助け合う、そのような高い市民意識に支えられたコミュニティの形成を目指している。

(4)市民の自覚と努力の尊重

 21世紀を目指した新しい川口市は、行政の積極的な取組みはもちろんであるが、市民自らの主体的活動によって築かれていくものである。

 この構想は、こうした観点から市民自らの努力を尊重するとともに、自覚と誇りある市民と行政との密接な連携によるまちづくりの推進を基本理念とし、具体的な展開を目指している。



4 川口市の将来像



(1)将来像

 川口市は、恵まれた水系、豊かな樹園地、永い伝統に培われた産業を、もって発展を続けてきた。この固有の価値をさらに充実させ次代へつないでいく。いきいきとした活力のある環境をみんなでつくりあげていく。その共通イメージこそ川口市の将来像である。

 そこでは、人情が豊かで、打てば響く「川口っ子気質」の市民が、健康な身体とあたたかい心を持って連帯するとともに、川口固有の文化を持った、住みよいまちをつくりあげていく。

 また、都市内河川を積極的に活用するとともに、生産緑地を高度に活用することによって、豊かな水と緑の美しいまちをつくっていく。

 さらに、首都20?圏の巨大消費地内立地を生かした都市型産業を充実育成し、市民生活の中に溶け込んだ個性ある産業のまちをつくっていく。

 すなわち、川口市の将来像は、「人と自然と産業が調和する産業文化都市」である。

(2)将来人口

 川口市の人口は、現在徐々に社会増の傾向をみせつつあり、今後地下鉄7号線の導人計画促進等に伴い、この傾向はますます増大することが予想される。

 したがって、構想の基本となる目標年次における人口を、52万人(外国人登録を含む)と想定する。



5 将来像を支える6本の柱と施策の大綱



  川口市の将来像「人と自然と産業が調和する産業文化部市」を実現するため、次のような6本の柱を掲げ、施策を推進するものとする。

 ●生きがいを持ち幸せに暮らせるまちをつくる

 ●安全で健康に暮らせるまちをつくる

 ●豊かな文化とそれを生み出す市民を育てる

 ●活力ある産業のまちをつくる

 ●快適な暮らしの環境をつくる

 ●都市活動を支える基盤を整える



(1)生きがいを持ち幸せに暮らせるまちをつくる



  本市は、昭和43年の「福祉都市」宣言、昭和57年の「福祉の日」制定など、豊かで住みよい福祉社会の実現を目指してきた。今後は、さらに、地域社会のなかで、ボランティア活動の活性化を含めた市民総ぐるみによる福祉活働の展開を図る。

 また、真に行政に求められている福祉の充実を図るため、経済的給付を基調とする社会保障から人的、物的サービスを中心とする福祉サービスへとスライドさせていく。このため、在宅福祉サービスの充実と、施設福祉の拠点となる総合福祉施設、いわゆる「福祉の牡」の整備を基本的な考え方として福祉施策の展開を図る。

 ア 児童の健全な育成

  家庭、地域社会、市が一体となって、児童が健やかに成長するための環境づくりを進める。特に、児童にとって、生活の大半は遊びであり、遊びの経験は将来の人間形成にとって極めて重要な役割を果たすものであることから、地域社会のなかで「遊びの経験をひろげる」ことを市民に呼びかけるとともに、施策を推進する。

  また今後、女性の社会参加が進んでいくなかで、保育の質的転換が求められてくることとなることから、その対応を積極的に進める。

 イ 障害者の完全参加と平等

  障害者が、自立した社会人として、平等に社会参加できるように条件を整えることが必要である。そのために、障害者が暮らしやすいまちづくりを進めるとともに、障害者と地域住民の交流を図り、障害者の自主的活動の援助に努める。

 ウ 幸寿社会の創造

  今後、高齢化が進むなかで、高齢者が健康で生きがいのある生活を営めるよう施策を進める。そのために、高齢者福祉サービスの充実を図るとともに、豊かな経験と知識を持つ高齢者の社会参加を催し、地域社会、企業、市が一体となって、高齢化社会に対応する条件を整える。

 エ 生活の自立の援助

  母子家庭や、主たる働き手が病床にある家庭などでは、生活にかかわるさまざまな保護や援助が求められる場合が多い。そのような市民を保護し、自立の助長を図る。

(2)安全で健康に暮らせるまちをつくる

  市民の健康を増進させ、生命財産を守るための安全で快適な環境づくりに向けて、防災体制を整備し、医療体制、健康管理体制の充実を図り、環境浄化のための諸施設を推進する。

 ア 防災まちづくり

 地震・火災・水害などの災害から市民の生命財産を守るため、避難地・避難路の確保と市街地の不燃化を推進するとともに、消防体制の拡充と自主防災組織の育成などにこより、市民の防災意識の向上を図り、市民と行政がそれぞれの責務と役割を分担し、一体となった消防防災体制づくりを推進する。

  水害対策については、治水対策を推進していくなかで、河川環境の整備を行うとともに、流域対策を含めた総合治水対策を展開していく。

 イ 保健医療体制の拡充

  人口の高齢化に伴い、成人病を中心とする慢性疾患が増加しつつあるため、疾病予防、治療、リハビリテーション、在宅ケアを含む一体的医療サービスを拡充する。さらに、人間ドック、各種検診、健康教育、相談業務の整備など、包括的医療を推進するため、医療関係機関、福祉施設などとの有機的な機能連携を持った、総合的地域医療体制の確立を図る。

  その中核的役割を受け持つ基幹病院として、新市民病院の建設を促進し、病院経営の効率化施策も検討しつつ、本市保健医療の充実を図る。

 ウ 健康で安定した生活の確保

  市民が健康な生活を送るために、保健医療体制と密接に連携して、予防医療を進めていくとともに、だれもが安心して医療を受けられるように医療制度の改善を求めながら、国民健康保険事業を推進していく。また、高齢化社会に備え、老人医療費の動向に配慮するとともに、各年金制度の改善並びに適切な年金額の確保などを求め、老後の生活安定のために年金制度への加入を促進する。

 エ 公害のない環境づくり

  市民が健康な生活を営むうえで公害のない環境は不可欠なものであることから、大気汚染、水質汚濁、騒音などの公害発生防止のための施策を進める。

  産業公害については、設備的対応を行うとともに、土地利用全体としての対応を検討し、発生源対策をさらに推進する。

  自動車などによる交通公害に対しては、道路、交通体系の整備などの都市計画的対応を行う。

  また、市民の日常生活と密接なかかわりのある、いわゆる都市・生活型の公害や地球環境問題として顕在化している事象に対しては、市民意識の高揚を図るとともに、「環境の質」を高め、住みよい、快適な環境の創造のための総合的な施策として展開する。

 オ 適正な廃棄物処理

  廃棄物処理のあり方について、長期約な展望をもったマスタ−プランのもとに、排出の方法、収集・運搬の方法、中間および最終地理の方法などについて全体的な見通しを立て、その中で必要な施設のタイプや規模、立地について検討し、施設整備を行う。さらに、これまで市民と行政が一体となって進め、大きな成果を収めてきた、ごみの分別、再資源化の活動をより一層拡充し、廃棄物の減量化、リサイクル体制の確立を目指す。

  また、処理の困難な廃棄物については、国などの施策の充実を求めるとともに、事業者などへの協力を仰ぎ、適正な処理に努める。

(3)豊かな文化とそれを生み出す市民を育てる

  将来像の実現には、地域に根ざした市民文化と、明日を担う児童・青少年を放きに語ることはできない。文化は、歴史と伝統産業などの中に息づいているものであり、それを掘り起こし、育て、若者達に伝えていくことが必要である。そしてそれは、川口に来る新しい市民が、愛着を持ち、本市をふるさとと思う心を育てることにもなる。来るべき社会は、生活意識の変化、余暇時間の増大、国際交流の進展など、文化を育む下地が十分にあり、市民の活発な文化活動が展開される可能性を持っている。

  そのなかで行政は、ときにはリードし、ときには共に進むような役割を果たすことが必要である。

 ア 豊かな人間性を育む教育

  幼児教育を含めた学校教育の施設と内容の両面を充実させ、教育水準の向上を図るとともに、児童生徒が心身ともに健康であり、自主的で創造性に富み、国際性を有した市民として成長するような施策を進める。特に郷土や地域社会、まちづくりなど、市民生活にかかわる教育を充実させる。

  また、伝統的な産業技術の継承と発展、先端技術の開発、国際交流などを目的とした高等教育機関の創設に努める。

 イ 川口の将来を担う青少年の育成

  強く、明るく、たくましい青少年の育成のために、学校、家庭、地域社会が一体となり、まちぐるみで望ましい環境づくりと非行化防止を進め、青少年の郷土愛を育み社会活動への参加を促す条件整備に努める。さらに、青少年団体の育成と指導者の養成を行い、創造力豊かな青少年の育成を図る。

 ウ 明日を拓く女性

  今日の社会においては、女性が教育、就業、地域活動等を通じて積極的に活躍することは、活力あるまちづくりにとって欠くことのできないことである。そこで、単に女性の地位向上にとどまらず、広く市民の協力を得ながら、男女がともに社会に責献できる基盤の整備を図る。

 エ スボーツ・レクリエーションの推進

  市民が生涯にわたってスポーツ・レクリエーションを楽しみ、体力の維持、増進が図られるようにする。特に、高齢者、女性などが身近に利用できるスポーツ・レクリエーション施設を充実ざせるとともに、体育協会を核として競技力の向上を図る。また、利用する市民による自主的な管理・運営などを推進し、スポーツ団体の自主事業の活性化を図る。

 オ 市民の生涯学習の推進

  市民が生涯の各時期において、自発的に学習できるようにする。余暇時間の増加、人口の高齢化・高学歴化などにより、生涯学習に対する意欲と余裕を持った市民が増大することが予想される。そのため、施設の質的な充実を図るとともに、施設の管理・運営や企画に市民団体、女性などの積極的な参画を求め、活動内容の充実を図る。

 カ 文化の振興と活動の推進

  地域に根ざした市民文化の振興を目指し、必要な施策を進める。文化の主体は市民であるという基本的な考え方に立ち、川口総合文化センター・リリアを核とした文化活動の推進、芸術文化に親しめる場と機会の充実を図る。また、自然および文化財の保護と活用、郷土の文化遺産の伝承・保存に努める。

 キ 市民の国際感覚の養成と国際交流の促進

  市民の生活、文化、教育あるいは産業、経済などの多方面にわたつて、国際的な影響が強まりつつある。

  将来、地域社会においても、ますます国際化が進むなかで、国際交流を深め、豊かな国際感覚を養うことは、国際親善・友好あるいは、産業、教育、文化などの振興を図るため、極めて大切なことである。

  このため、意識の高揚、民間交流組織の整備充実、支援体制の拡充などを図っていく。



(4)活力ある産業のまちをつくる

  国際的規模の優位性を持つと同時に、巨大消費地である東京に隣接する本市の位置的特性と、県南地域の中心都市としての役割を踏まえて、広く首都機能の一翼を担う業務核を形成するとともに、高齢化社会の到来、女性の社会参加など新たな動向にも対応する、固有の活力ある経済環境をつくりあげていく。

 ア 都市型工業の育成

  本市は、首都圏でも有数の産業機械用鋳物供給基地としての役割を果たすとともに、都市型産業として、県下最大の集積を示す機械工業地域を形成している。しかし、都心にあまりにも近く用地的制約を大きく受けているため、今後は、時代の変化に対応した産業のあり方を検討し、新しい形式の工場アパートをつくるなど、土地利用の高度化を促進する。

  また、「さいたまインダストリアル・ビジネスパーク(仮称)」等の整備を契機として、技術の進歩や産業の国際化に対応した先端技術産業の導入、官・民の研究機関の誘致などを行うとともに、ショーウインドー的機能、製品デザイン開発機能、教育機能など、3次産業的性格を複合させながら新しい都市型工業の育成を行う。

 イ 都市型樹園農業の育成

  本市の農業は、植木、園芸が主体であり、この伝統産業は、かつての大江戸の消費地と直結した構造で現在に引き継がれている。この大きな遺産を基盤として、さらに、流通機能、サービス機能などを充実付加させることによって、構造強化を行い、時代のニーズに対応した都市型農業の育成を図る。

  また、本市の生産緑地は首都圏全体の中でも貴重な緑地帯の一つとして位置付けられており、その保全活用に当たっては、広域的役割を踏まえた施策の展開を行う。さらに、市街化区域内などにおいては緑地景観を残すまちづくりの方法を提示し、発しい樹園都市の形成を支える営農活動を推進する。

 ウ 魅力ある商業の育成

  第3次産業人口の増大によって、本市における商業活動の比重は高まっている。増加する小売店舗については個性を高め、適切な核店輔の導入と連携させて消費者のニーズに十分こたえられるようにする。また、商業活性化のテコとなり得る良質な市街地再開発を推進し、楽しくショッピングができる個性ある商業界隈の演出を行い、民間による高度な商品情報システムを誘導するなど、総じて商圏内購買人口をしっかり確保できる魅力ある商業の育成を図る。

 エ 消費者保護の推進

  商品テスト機能をはじめ、商品に関する情報収集機能の充実を図るとともに、消費者に対する商品知識の普及や情報提供に努める。そのため、消費者保護の拠点となる施設の充実に努め、消費者のための施策を推進し市民の主体的な活動を機極的に支援する。

 オ 勤労者福祉の充実

  市内産業を支え、発展させてきた原動力は経営者の努力と勤労者の勤勉性にある。また今後の急速な高齢化社会の進展や女性の社会進出の活発化の中で、産業における高齢者、女性の役割も重要になると考えられる。

  このような視点から、産業界と行政が手をたずさえ、勤労者福祉の充実と快適な職場環境づくりに努め、企業における労働力の確保と定着に資するよう施策を展開する必要がある。このため、勤労者福祉施設の充実、技能研修、文化活動の助成、中小企業勤労者福祉事業などを推進する。



(5)快適な暮らしの環境をつくる

  快適な市民生活を送るために、最も基礎的な条件として、住宅と住宅を取囲む環境があげられる。こうした暮らしのなかの環境が、身体障害者や高齢者、子供などあらゆる人々にとっても十分快適なものとなるよう、やすらぎとうるおいのあるまちづくりを進める。

 ア 良質な住宅の供給

  住宅の質的向上が求められる時代を迎え、民間建設を中心に、緑豊かな本市の特性を踏まえた、十分な規模と質を持った住宅の供給を促進する。特に、川口駅周辺地区については、特定住宅市街地総合整備促進事業により民間活力を活用し、良質な住宅の供給と公共施設整備を行うほか、既成市街地に立地するマンションなどについては、管理面にも考慮し、良質な都市型住宅としての機能と質の確保に努める。

 イ 生活に根ざした身近な道路の整備

  人間尊重、生活中心の観点から、安全で快適な、さまざまな活動を許容する、歩行者空間としての機能を優先した生活道路網を整備する。

  なお、身体障害者や高齢者、子供の安全について特に配慮し、必要な整備を行う。

 ウ 快適な公園と緑地環境の整備

  市民に緑と憩いの場を提供するため、適正な都市公園の配置を図るとともに、水辺や緑地、豊かな街路樹などにより、緑のネットワークを形成する。また、公共施設、事業所、住宅敷地やその周辺の緑化を推進するとともに、既成市街地内の既存緑地の保全に努め、新市街地の自然的緑地には、自然観察の場を設けるなど、積極的に保全、活用する。

 エ 住環境を主体とする美しいまちづくりの推進

  住宅および住宅地周辺をはじめとして、市民生活の場を中心に、とりわけ都市景観の視点から、快適で美しい環境の形成に努めるとともに、市民一人ひとりの心に残る場所として、個性豊かな魅力あるまちづくりを進める。

 オ 快適な環境づくりの推進

  これからのまちづくりは、都市の利便性・安全性の追求のほかに、“やすらぎ”、“うるおい”といった、生活の質を高め、精神的な豊かさが感じられるような配慮が必要であり、市民と行政が一体となって、生活の快適さを重視したまちづくりを行う。



(6)都市活動を支える基盤を整える

  市民が、ふるさととして愛し、誇りにできるまちをつくるために、安全で健康な生活が営めるというだけでなく、都市活動と自然環境および市民生活と産業活動が調和する基盤整備を進める。また、その際、まちの個性を高め、魅力を加えていくよう、さまざまな知恵を集めるとともに、整備の工夫に努める。

 ア 適正な土地利用の再編

  各々の地域の持つ特性およびさまざまな都市活動を踏まえつつ、住居、商業業務、工業流通業務、農業などの土地利用の整合を図るとともに、安全で健康的な、また、機能的で快適な都市生活を営める基盤を整えることを基本とする。

  既成市街地においては、適切な土地利用と環境の整備改善を図るとともに、高度化される都市機能および都市の活性化の要請に対応して、民間の活力を生かしながら積極的に再開発を進める。

  また、新市街地においては、土地区画整理事業などの基盤整備を進めながら、秩序ある土地利用を図るとともに、自然環境の保全・活用も積極的に進め、良好な住環境の形成を促進する。

  市街化調整区域は本市に残された貴重な農業生産地帯として、また、首都圏における緑地帯の一部として、緑の保全に努めつつ、その活用を図る。

 イ 円滑で安全な交通環境の整備

  モータリゼーションの時代にあって、首都圏の交通機能の拡充が要請されているなかで、本市は、首都東京とのかかわりをますます深めつつある。こうした現状を踏まえ、広域的な骨格通路および橋梁の整備を促進する。

  都心部の活動を支え、市内各地域の活動を助長するため、都市内の骨格道路を整備し、体系的な自動車交通網の形成に努めるとともに、駐車場および自転車駐車場の整備を推進する。

  また、埼玉県をはじめ周辺都市と連携して、地下鉄7号線および新交通システムなど新たな都市交通磯関の導入を積極的に進めるとともに、それらに対応して市民生活に密着したバス交通網を整備することにより、交通不便地の解消と、新たな都市骨格の形成および公共交通網の強化を図る。

  さらに、安全対策の見地から、交通安全宣言都市にふさわしい、都市総合交通規制の拡充、自転車安全利用対策の推進並びに交通安全施設の整備を図り、良好な歩行者環境を形成する。

 ウ 上下水道の整備の推進

  水の利用と排水を総合的な観点からとらえることにより、水利用の無駄を排除し、再利用の可能性を検討しつつ、施設整備を進める。

  上水道は、高普及時代を迎えて安定供給を図るため、今後とも水資源の確保に努めるとともに、水利用の適正化、市営水道経営の合理化を図る。

  下水道は、雨水の排除、周辺環境の改善、水洗化および水質の保全を図るため、荒川左岸南部、中川両流域下水道の整備計画に合わせ市全域の公共下水道の整備拡充を進める。

 エ 快適な河川環境の整備

  保水・治水および生活環境としての水辺機能を含めた総合的な観点から、市民に親しまれる水環境を形成するため、河川改修、遊水地およびリバーポート等の整備を推進する。

  また、市街地の開発形態にも目を向け、貯水機能および透水機能を高めた市街地のあり方を検討し、その整備を進めることにより、都市全体として、治水に重きをおい、たまちづくりと緑と水のうるおいのある環境づくりの条件を整える。



6 将来像実現のためのシンボルプロジェクト



  川口市の将来像を実現するため、以下のようなシンボルプロジェクトを取上げ、行政と市民がそれに向かって総力をあげ、取組んでいくものとする。

  シンボルプロジェクトとは、それ自体で大きな効果が期待されるとともに、その実現のためにさまざまな力の結集が必要とされ、その波及する効果も大きいと考えられるプロジェクトである。

(1)市街地再開発事業

  川口駅東西口をはじめ、西川口、蕨駅周辺市街地の再開発を積極的に進め、新たな時代に対応した都市の骨組みの強化を図るとともに、市民生活の拠点にふさわしい機能と都市環境を築いていく。

(2)水と緑のネットワーク整備構想

  市内を流れる河川全体について、緑をいかした環境整備を進めるとともに、市民が楽しく水に親しめる空間の整備や、リバーポートの整備による川を基軸とした交通ネットワークなど、緑豊かな河川環境を活用した川口らしい新しい都市の魅力づくりを進める。

(3)医療・保険・福祉システム整備構想

  新市民病院を中核的医療施設と位置づけ、看護学校、老人保健施設、総合福祉施設「福祉の杜」等もあわせて、保健センターを中軸とした連携のシステム化を図り、(市民が心身ともに健康で豊かな生涯がおくれるまちづくりを日指す。

(4)NHK跡地利用構想

  NHK跡地の南側部分では、県において「さいたまインダストリアル・ビジネスパーク(仮称)」が計画されており、その整備を促進するとともに、本市の産業活性化への効果を積極的に引出すよう努める。

  また、跡地の北側部分については、引続きその動向に注意し、跡地全体が市街地における新しいまちづくりの核として機能し、周辺地域の生活環境、生活機能の向上につながるよう計画的な誘導に努める。

(5)地下鉄7号線導入構想

  新市街地の今後の開発を誘導し、その重要な骨格とするために、周辺市と協力しつつ関係機関へ強力に働きかけることにより、地下鉄7号線の導入を促進する。

  地下鉄7号線の導入により、川口市の鉄道網は三角軸を構成し、より利便性や高い市民の交通体系の形成が図られるものと期待される。

(6)新交通システム構想

  市域の均衡ある発展と、魅力ある都市づくりを進めるため、新交通システムの導入を検討する。検討にあたっては、新しい輸送システムの研究をはじめ、適切な需要喚起策等、総合的なまちづくりと一体的に進めるものとする。

(7)新産業系大学構想

  本市は県下一の44万人都市であり、高等教育機関の存在は不可欠である。

  また、本市の都市構造から産業および文化の振興に役立つ分野の教育が必要であり、「さいたまインダストリアル・ビジネスパーク(仮称)」等の人材養成機能との連携を図った、内容・システムともに“新しいシステムの大学づくり”を目指す。

(8)緑の拠点とメッセ構想

  安行台地に広がるまとまりのある緑地空間について、その緑や史跡等の保全、緑化産業の振興(グリーンメッセ)、および今後の交通利便性を活かした地域振興策の確立等、その保全と活用の調和を図る。

(9)快適なまちづくり推進事業

  地球環境への配慮、ゆとりとうるおいのある幕らしの実現が地域経営の大きな柱となっている今日、市民、企業、行政が三位一体となってハード・ソフト全般にわたる快適社会の実現を日指す。

(10)廃棄物処理推進構想

  極めて深刻な状況に直面している廃棄物処理問題について、その減量化、中間処理施設の整備、最終処分場の確保、焼却灰の再利用等、長期的な展望のもとに、安定的に処理しうる施設・体制を整備する。

(11)シティ・ホール建設構想

  21世紀に向けて国際化、情報化、文化化等の要請にも対応し、市民のオアシスとくつろぎの場として、自然に市民が集まってくるような、人間性あふれた公共的なシンボル空間としての新市庁舎の建設を推進する。

(12)川口ふるさと構想

  市民が川口市を心から愛し、いつまでも住み続けたいと思えるふるさととするため、市民の交流を促進する祭りやイベントの展開、博物館の建設、子供達の創造的な遊び場の設置、植木や鋳物を活用した親しみのある散歩道の創造、山のまち・海のまちとの交流などを実施する。



7 地域別計画



  部門別計画、シンボルプロジェクトを受けて川口市内を以下の4つの地域に分けて地域別計画を策定する。







(1)川口中央地域

 ・本市の玄関口ともいえる川口駅周辺については、市街地総合、駐車場整備、地下利用の推進等を図り、文化、商業、業務機能の集積を高め、市の中心にふさわしい都市整備を推進する。

 ・本町・元郷地区は、民間の大規模開発を適正に誘導する。

 ・西川口駅周辺については、スポーツ・レクリエーション機能の充実を図るとともに、賑わいのあるまちづくりを推進する。

 ・新芝川におけるリバーポート整備の推進を図る。

(2)川口南西部地域

 ・土地区画整理事業の促進、住宅水準の向上、防災性の向上、まちづくりの推進等、住環境の向上に努める。

 ・NHK跡地については、「さいたまインダストリアル・ビジネスパーク(仮称)」の整備を促進するとともに、防災機能の向上など周辺市街地の環境改善を図り、跡地全体が市街他における新しいまちづくりの核となるよう計画的な誘導に努める。

 ・蕨駅周辺については、商業・業務機能の充実を図り、駅周辺の開発動向を見極めて、計画的な土地利用を推進する。

(3)川口北西部地域

 ・土地区画整理事業を中心に、自然と調和した良好な住宅地の整備を推進する。

 ・新市民病院の開設、地下鉄7号線の導入等を見込んだ、市街地整備および樹園地域の保全・活用策を検討する。

 ・東川口駅周辺については、商業機能の充実等、本市の北の玄関口にふさわしい整備を推進する。

(4)川口北東部地域

 ・豊かな緑や史跡をいかし、水と緑のネットワークの拠点として整備を推進する。

 ・土地区画整理事業を中心に、良好な住宅地の形成を促進する。

 ・東京外郭環状道路の整備等、交通利便性の向上をいかした地域振興策の確立、緑化産業の流通拠点機能の拡充等を図る。

 ・周辺の交通環境の動向を見極め、交通不便地の解消に努める。



8 構想推進のために



(1)構想推進の仕組みをつくる

 ア 推進体制の充実を図る

  合理的・効率的に構想を推進する組織機構の整備を図るとともに、行政の文化化を進め、本市にふさわしい文化をつくり出す施策の展開に努める。

  そのため、各組織が有機的に連携を保ちつつ、一体的に働き、総合的に力を発揮する体制をつくる。また、流動的または緊急な課題に対して、適切に、迅速に対処しうる弾力的な組織展開を図る。

 イ 職員の能力向上を図る

  構想を推進し、複雑な行政課題に十分対応しうる体制とするために、その基礎となる個々の職員の能力向上を図る。そのため、さまざまな局面における職員参加の試み、適材適所の人事管理、意欲ある職員を育てる工夫、あるいは、職員研修の工夫や他の自治体との積極的な職員交流などによって、職員の資質向上に努める。

 ウ 市民参加を進める

  情報化時代における新技術への的確な対応を図りながら、情報公開の検討を進めるなど、市民への情報サービスの強化に努める。また、市民の意向を十分汲みあげた施策展開を図るため、広聴活動を拡充する。

  こうした広報公聴活動の推進により、市民との十分な情報交流を図りながら、新たな市民参加の方式を考え、試みつつ、本市にふさわしい市民参加の仕組みをつくっていく。

(2)計画的な財政の運用を図る

 ア 健全財政の堅持と財源の確保を図る

  健全財政を基調とする財政運営の確立を図る一方、財源の確保に努める。

 イ 計画的効率的な財政の運用を図る

  社会経済の動向を十分踏まえつつ、計画的な財政運用を図り、あわせて行政組織の近代化、事務の合理化に努める。

  また、総合性のある計画に基づいて財政運用を図ることにより、投資効果が十分発揮できるよう努める。

(3)広域行政に積極的に取組む

  首都2?圏に位置し、埼玉の玄関口としての圏域構造の中心にある本市は、首都圏においてその重要な機能の一翼を担いつつ発展をとげてきており、今後も広域行政への積極的な取組みが求められている。とりわけ県南地域におけるリーダーとして県南5市まちづくり構想の策定などをはじめとし、広域的課題の解決と新しいまちづくりに向けて、主導的役割を果たしていく。

(4)国・県などへ強く働きかける

  国・県に対しては、首都圏における本市の位置、役割および産業都市川口の特性について十分な認識を促すとともに、自治権の拡充、超過負担の解消、その他財源措置にかかわる配慮や「工業等制限法」などの改廃をはじめとする制度改正への取組みを強く求めていく。

  また、本市の発展に大きくかかわる既存の広域計画および国・県計画の早期実現に向けて国・県をはじめとする関係機関に強く働きかけていく。

  さらに、交通体系整備、河川整備、水資源の確保、公害の防止などの広域的課題に対する援助や計画、事業の推進を強く求めていく。