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平成17年  5月 定例会−06月03日-03号




平成17年 5月 定例会

群馬県議会会議録  第3号
平成17年6月3日        出席議員 54人 欠席議員 なし 欠員 2人
   松沢 睦  (出席)       角田 登  (出席)
   田島雄一  (出席)       青木秋夫  (出席)
   大林喬任  (出席)       岩井賢太郎 (出席)
   矢口 昇  (出席)       中村紀雄  (出席)
   原 富夫  (出席)       早川昌枝  (出席)
   大澤正明  (出席)       関根圀男  (出席)
   中沢丈一  (出席)       小林義康  (出席)
   長崎博幸  (出席)       腰塚 誠  (出席)
   石原 条  (出席)       岡田義弘  (出席)
   塚越紀一  (出席)       金子泰造  (出席)
   荻原康二  (出席)       安樂岡一雄 (出席)
   南波和憲  (出席)       亀山豊文  (出席)
   黒沢孝行  (出席)       五十嵐清隆 (出席)
   星野 寛  (出席)       山本 龍  (出席)
   木暮繁俊  (出席)       小野里光敏 (出席)
   真下誠治  (出席)       金田克次  (出席)
   松本耕司  (出席)       田所三千男 (出席)
   金子一郎  (出席)       久保田順一郎(出席)
   長谷川嘉一 (出席)       須藤昭男  (出席)
   岩井 均  (出席)       金子浩隆  (出席)
   平田英勝  (出席)       大沢幸一  (出席)
   桑原 功  (出席)       塚原 仁  (出席)
   織田沢俊幸 (出席)       中島 篤  (出席)
   伊藤祐司  (出席)       狩野浩志  (出席)
   新井雅博  (出席)       福重隆浩  (出席)
   橋爪洋介  (出席)       石関貴史  (出席)
   中島資浩  (出席)       岩上憲司  (出席)
説明のため出席した者の職氏名
   知事         小寺弘之
   出納長        後藤 新
   教育委員長      武藤敏春
   教育長        内山征洋
   選挙管理委員長    河村昭明
   人事委員長 (代理) 福島江美子
   代表監査委員     岸  賢
   公安委員長      家崎 智
   警察本部長      高橋泰博
   企業管理者      関根宏一
   病院管理者      谷口興一
   理事(総務担当)   高木 勉
   理事(企画担当)   山本 明
   理事(保健・福祉・食品担当)
              福島金夫
   理事(環境・森林担当)大木伸一
   理事(農業担当)   加藤光治
   理事(産業経済担当) 池田秀廣
   理事(県土整備担当) 川西 寛
   財政課長       嶋 一哉
   財政課GL(次長)  深代敬久
職務のため出席した者の職氏名
   局長         齋藤 ?
   総務課長       小見輝夫
   議事課長       高橋秀知
   議事課 次長     緑川善彦
   議事課GL(係長)  得地雅彦
   議事課主幹      今泉一幸
   議事課主任      堀 和行
    平成17年6月3日(金)
                  議  事  日  程 第 3 号
                                 午 前 10 時 開 議
第1 一般質問
  ・第115号議案から第133号議案について
  ・承第2号専決処分の承認について
                          以 上 知 事 提 出
   午前10時開議
  ●開     議
○議長(中村紀雄 君) これより本日の会議を開きます。
  ●一 般 質 問
○議長(中村紀雄 君) 
△日程第1、第115号から第133号までの各議案及び承第2号を議題とし、上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。
 通告がありますので、順次発言を許します。
        ──────────────────────────
              本 日 の 発 言 通 告
┌───────┬──────────────────────────┬──────────────┐
│氏     名│     発 言 通 告 内 容          │答弁を求める者の職名    │
│( 所属会派 )│                          │              │
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│安樂岡一雄  │1 21世紀のプランの改定について          │知 事           │
│(自由民主党)│2 県民局について                 │知 事           │
│ 発言割当時間│3 県内景気と平成16年度の決算見通しについて    │知 事           │
│    90分 │4 群馬県の治安回復について            │知 事           │
│       │5 犯罪抑止に向けた県警察の取り組みについて    │警察本部長         │
│       │6 学力低下について                │教育長           │
│       │7 指定管理者制度について             │理事(総務担当)      │
│       │8 農業後継者の支援について            │理事(農業担当)      │
│       │9 平成16年度の制度融資の利用状況と平成17年度の対応│理事(産業経済担当)    │
│       │ について                     │              │
│       │10 県内建設産業の総合的な支援策について      │理事(県土整備担当)    │
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│長崎博幸   │1 三位一体改革について              │知 事           │
│(フォーラム │2 市町村合併について               │知 事           │
│ 群馬)   │                          │理事(総務担当)      │
│ 発言割当時間│3 雇用対策について                │理事(産業経済担当)    │
│    69分 │4 重大交通事故防止対策について          │              │
│       │ (1) 鉄道脱線事故防止対策について        │理事(県土整備担当)    │
│       │ (2) 悪質運転防止対策について          │警察本部長         │
│       │5 県庁で取り組む省エネ対策について        │理事(環境・森林担当)   │
├───────┼──────────────────────────┼──────────────┤
│伊藤祐司   │1 知事の歴史認識について             │知 事           │
│(日本共産党)│2 30人学級の拡大について             │教育長           │
│ 発言割当時間│3 指定管理者制度導入について           │理事(総務担当)      │
│    69分 │4 自然エネルギー政策について           │理事(企画担当)      │
│       │5 増田川ダムについて               │知 事           │
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        ──────────────────────────
○議長(中村紀雄 君) 安樂岡一雄君御登壇願います。(拍手)

         (安樂岡一雄君登壇 拍手)
◆(安樂岡一雄 君) おはようございます。自由民主党の安樂岡一雄でございます。
 きょうは党を代表しまして、通告どおり質問をさせていただきます。
 まず、1問目でございますが、「21世紀のプラン」の改定について、まず知事さんから始めたいと思います。
 県政の大きな指針とも言うべき「21世紀のプラン」が策定されてから、早いもので4年が経過しようとしております。時代の変化や傾向、歴史の流れや時間の経過なども考察し、時間をかけて練り上げられた形而上学的なプランであり、将来に向けた県政の道しるべとして、県政の進むべき方向やあるべき姿を描いたものであると受け止めております。
 しかし、今日の経済社会情勢の変化は大きく、予想外の動きも出現し、県行政も大きな転換を迫られていると感じております。特に、ここ数年の変化は、人口減少社会の到来、京都議定書が発効するなど、地球的規模での環境問題に対する高まり、中国経済の台頭、IT革命による暮らしや産業への影響、三位一体の改革や市町村合併の進展など、社会や県民生活に大きな影響を及ぼすような様々な課題が次々にあらわれております。
 これまでの総合計画は、経済社会情勢の変化に対応するため、5年ごとに改定してきたと認識しておりますが、「21世紀のプラン」はこれまでの総合計画と異なり、子や孫の世代を見据え、向こう100年を見通したものとなっており、長期のビジョンとして位置付けられております。もとより総合計画は、将来目標を掲げ、それに向けた取り組みを描いていく点で、長期的な視点が求められるのは当然でありますが、変化の激しい時代にあっては、むしろ変化の流れに合わせて見直ししていくことが重要ではないかと感じております。
 そこで、知事にお伺いしますが、「21世紀のプラン」について見直すと聞いておりますが、その具体的な考え方についてどのようにお考えなのでしょうか。
 次に、スタートしたばかりでありますが、県民局についてお伺いいたします。
 新世紀に入ってからはや5年目に入ったわけでありますが、行政を取り巻く環境は激しく変化しており、三位一体の改革、合併による変化、官から民への移行、さらに少子・高齢化等々への対応など、急を要する、しかも自らの責任と努力によって解決していかなければならない難問が山積しております。つまり、これまでの経済社会の急激な変化は、多くの分野で構造的行き詰まりを招き、効率の悪い組織、不必要な機関、不適切な制度等々の廃止や見直しを避けては通れぬ今日的課題として提起しております。それは、時代の変化が生み出した必然的な流れであり、手をこまねくのか、着手するのか、思い切った決断が求められております。
 そのような現実を踏まえ、本県では、他県に先駆けてグループ制の導入や新たな理事制を導入したところでありますが、期待どおりの成果が上げられるのか、今後の運用を注視させていただきたいと思っております。
 さらに本県では、県民の新たな行政需要を満たすために、「ぐんま新時代」に対応した県民本位の行政システムを構築するために、本年4月、県民局の設置という抜本的な地域機関の改革を断行したところであります。
 そして、この県民局の設置目的は、市町村合併を踏まえ、広域的な観点から行政を展開できる組織にすること。また、各分野の連携を密にして、効率のよい総合行政を推進できる組織にすること。さらに、現場を重視したスピーディーな地域完結型の組織にすると聞いておりますが、県民局を設置してから2カ月が経過しましたのでお伺いしますが、まず第1に、急ぐあまり周知徹底されていなかったのか、一部に戸惑いの声も聞かれますが、県民局が設置されどのような効果がありましたか。特に県民・市町村からの評価はどうか、具体的にお答えください。
 次に、県民局の設置という機構改革にとって、その目的を実現するには職員の意識改革が最も大切になると思いますが、この点についてどのようにお考えなのか、2点について知事にお伺いいたします。
 次に、県内景気と平成16年度の決算見通しについてですが、「構造改革の荒波を乗り越えて、いよいよ投資意欲が出てきた」。過日、日銀前橋支店長の講演の際に語られた評価でありますが、県内経済の動向を見ますと、輸出が若干減少しているものの、住宅投資や設備投資が増加するなど回復傾向にあると思います。また、雇用情勢は依然厳しい状況が続いておりますが、本県における有効求人倍率や工場立地件数など全国でも上位に位置するなど、多少改善を示す動きが見られるようであります。
 そこで、知事に県内景気に対する御認識をお伺いいたしたいと思います。また、こうした景気状況の中で、平成16年度の県税当初予算額は1950億円を計上しておりましたが、これに対する決算の見通しはどうなるのか、知事にお伺いします。
 次に、本県の平成16年度の当初予算は、厳しい財政状況が続く中、いかに限られた財源を効果的・効率的に配分するのか、予算編成本部のもとで並々ならぬ決意を持って、全庁が一体となり「ぐんま新時代」の予算として編成されました。
 当初予算の額としては、平成15年度に比べ0.4%減となりましたが、「緊急課題に全力投球」、「『ぐんま新時代』を築く」、「改革の断行」の3点を柱にして、積極的に取り組んでいこうという意欲の示されたものであり、平成16年度一般会計の収支決算はどのように見込まれるのでしょうか。その点についても知事にお伺いいたします。
 4番目になりますが、群馬県の治安回復についてお伺いいたします。
 最近、自分も犯罪に巻き込まれるのではないかと日常的に不安を感じている人が増えております。振り込め詐欺や不当な債権取り立て詐欺、子どもを狙った異常犯罪、未発達な親による虐待行為、情報機器を駆使した姿なき犯罪、暴力、暴行など許しがたい大胆不敵な犯罪等々、毎日のように掲載される新聞記事を見るたびに暗い気持ちになります。安全で安心な社会構築は多くの県民の願いであり、健全な社会発展の基であると思っております。早く犯罪の増加傾向を断ち切り、県民誰もが落ち着いた犯罪のない安心して暮らせる群馬県を望んでおります。
 治安の悪化は本県においても例外でなく、刑法犯認知件数は平成13年以降4年連続して増加しておりまして、昨年は4万2643件と、10年前に比べ約2倍にも増加し、統計史上最悪の記録を更新してしまいました。警察官の増員も犯罪抑止になると思いますが、警察力の限界とも言われる今日、犯罪をこれ以上増やさない新たな方策を考えていかなければならないところに来ていると思っております。
 県が昨年6月に「群馬県犯罪防止推進条例」を施行してから間もなく1年が経過しますが、知事は最近の治安状況についてどのように捉えているのか、また、治安の回復に向けて今後どのような取り組みを行っていくのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、同じく犯罪抑止の観点から、警察本部長にお伺いしますが、最近内閣府が発表した世論調査によりますと、我が国で悪い方向に向かっている分野として「治安」を挙げた人がこれまで最高の47.9%に達し、「景気」の38.5%を抜いて初めてトップとなったほか、治安のよさを「日本の誇り」とした回答の割合も、12年前の3分の1の水準まで落ち込んでいるとのことであります。本県においても、先ほど述べましたとおり治安は悪化の一途をたどっております。いわゆる体感治安は年々悪くなっていると感じている県民は増えております。
 しかし、このような治安の悪化に対して、群馬県におきましては、県警を挙げて真剣に取り組んでいただいた結果、今年に入ってから犯罪発生件数は多少減少していると聞いております。感謝を申し上げるとともに、平和な県民生活を守るために一層の御協力をお願いしたいと思っております。
 そこで、県警察としては、犯罪の減少傾向を定着させるために今後どのような対策を講じていくのか、警察本部長にお尋ねします。
 次に、学力の低下についてお伺いしたいと思います。
 近年、子どもの学力の低下を懸念する声が異常に高まっているように思えます。しかし、あまり急がず、生きていくうえで必要な基礎知識を身につけていければよいのであり、昔言われた読み書きそろばんの基本がしっかりしていれば、まず良しとしなければならないのでは。また、子どもの頃に学ばなければならないことは、自然に触れてもっと遊ぶことが必要なのではないか、そうすることで自分以外の存在を知り、相手の尊さを学んでいくのではないか、そんな考えを抱いております。
 先日、板倉町で開催された県幹部会議で、学力の低下もあるが、大切なことは、早寝早起き、3食きちんと食べる、家庭でできる子どもの仕事を与えるなど、家庭でのしつけの必要性を教育長が強調されました。知事もそのとき、「親も子どももお年寄りも、昔は家庭においてそれぞれの役割があり、居場所があったから落ち着いていられた」と居場所の必要性を語っておられました。学力の低下に右往左往することより、子どもの大事な役割をしっかり考えてやることが大切ではないのでしょうか。
 県では、家庭のしつけに関する小冊子を準備すると聞いておりますが、どんなものができるのか、あわせて、教育長に学力問題についての御見解をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、指定管理者制度についてでありますが、去る2月定例県議会における行政改革特別委員会での議論を踏まえ、本年3月に、向こう3年を目途に群馬の行政改革大綱が策定されました。この新しい大綱では、県行政の役割の見直しとして、指定管理者制度の導入や外部委託等の推進が行政改革の推進における重要な取り組みのひとつとして位置付けられております。
 この指定管理者制度は、これまで地方自治体や公社・事業団など公共的団体に限定されていた公の施設の管理に民間企業等の経営手法を取り入れることで、サービスの向上や経費の削減を図ろうとするものであります。この制度の導入によりまして、施設の利用者である県民にとっては、より質の高いサービスの提供が、また民間企業等にあっては、新たな事業参入の機会が増えるのではないかと期待されております。
 こうした中で本県では、来年4月を目途に指定管理者制度を導入するため、第1段階として、昨年9月議会において指定管理者の指定の手続き等を定める「公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」、いわゆる通則条例を制定いたしました。そして、今議会において、第2段階として、各施設の設置管理条例の一部改正が提案されております。今後は、制度の具体的導入に向け、公平・公正に適切に指定管理者の指定が行われることが重要であります。
 そこで、第1に、県の公の施設における指定管理者制度の導入予定はどのようになっているのか。第2に、それらの施設における指定管理者の選定方法はどのようになるのか。第3に、指定管理者の指定に向けた今後のスケジュールはどのようになっているのか。以上3点につきまして、総務担当理事にお聞きします。
 次に、農業後継者の支援についてでありますが、先日開かれた地元での農協の総会で、若い人が皆無にも等しい農協の総会の姿を見て、何か寂しい思いに駆られました。後継者不足にこれからも歯止めがかからず、農業は衰退の一途を歩むのだろうか、深刻化する農業現場での高齢化をこのまま放置していたらどうなるのか、激しい国際的な貿易競争にさらされて、このまま窮地に追い込まれてしまうのではなかろうか、今こそ後継者のいる市場競争に強い農業をつくり出していかなくてはならないのでは、もう遅過ぎたかなという考えも含め、将来不安がよぎりました。
 今日、農業を取り巻く経営環境は、内外の厳しい価格競争や、生産資材、機具の大きな負担などがあり、恒常的に厳しい状態が続いており、後継者にとって魅力のある職場とはなっておりません。後継者を育成するうえで最も肝心なことは、安定的な農業経営が保証され、他産業と並ぶような賃金が獲得できることであります。そのためにはもちろんコスト削減、品質の向上を図り、収益性を上げる努力が欠かせませんが、一方、行政からの積極的な後継者支援がどうしても必要だと考えております。
 そこで、農業担当理事にお伺いしますが、今後も深刻化する後継者不足についてどのように受け止めているのか、さらにこれからどのような対応を考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、16年度の制度融資の利用状況、それから17年度のその対応についてお伺いします。
 県内経済は、企業業績が順調であることなどを背景にしまして、設備投資が増加するなど、全般的に堅調に推移していると言われております。長い不況が続く中、暗いトンネルを抜けるために血のにじむような努力を注いできた結果だと思っております。しかし、子細に見ますと、業種や企業規模によりばらつきがあり、また、多くの中小企業者の経営環境は依然厳しい状況にあると言えます。
 こうした中、県では中小企業対策の柱となる制度融資の改善を積極的に進めていますが、昨年度の制度融資の利用状況とその特徴はどのようなものになっているのか。特に、浅間山噴火及び新潟県の中越地震に対しては、迅速な対応をとっていただきました。その利用状況はどうなのか、産業経済担当理事にお伺いします。また、こうした利用状況やその後の変化などを踏まえ、今年度はどのような対応をしようとしているのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
 最後になりますが、県内建設産業の総合的な支援策についてお伺いします。
 長引く不況と景気の低迷は、建設業界の受注量を大幅に減少させ、多くの企業倒産を招いたことは周知の事実であります。また、税収が減り、財政再建を余儀なくされた行政は、公共事業の縮減に着手して大幅な見直しが実施される中、業界は一層窮地に追い込まれております。この傾向は現在も継続しており、立ち直りを一層難しいものにしていると言われております。
 建設産業は、経済社会活動の基盤である社会資本整備の直接の担い手であるとともに、台風や地震等の災害発生時に迅速に復旧作業を行うなど、県民生活と極めて深く結びついた基幹的産業であります。近年の建設投資の急激な減少に加え、今後も投資増大が見込めない状況が続く中、業界においては、建設業者はこれまでの工事受注量を確保することは難しく、大変厳しい経営状況に追い込まれております。大手、準大手のゼネコンは、金融機関の支援を受け、あるいはリストラを断行し立ち直りつつあると言われております。しかし、県内の中小企業はこのような手段をとることは不可能であり、群馬県の大きな支援を待ち望んでいるところであります。
 このため群馬県では、平成17年度に県内建設産業の対策として、いくつかの施策に取り組んでいると聞いておりますが、その支援状況はどのようになっているのか、県土整備担当理事にお伺いいたします。
 以上をもちまして私の第1質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)

         (知事 小寺弘之君登壇)
◎知事(小寺弘之 君) 安樂岡議員さんの御質問にお答えいたします。
 まず、「21世紀のプラン」の改定についてであります。
 「21世紀のプラン」は、2つの分冊によって構成されております。基本構想としての第1分冊は、子や孫の代を見据え、真の豊かさとは何かという本質的なものを目指して、向こう100年の群馬づくりの考え方を示したことでありまして、これからもそういう長期的な視点に立って、県政の発展のために指針としていきたいと考えております。
 一方、第2分冊でありますものは、新たな社会経済情勢の変化に対応して、平成18年から22年までの5カ年の基本計画として、新たに見直ししてまいりたいと思っております。当然、長期計画でありますので、世の中が変わってまいりますから、その時点その時点で時代認識をしっかりと踏まえて、弾力的に考えていきたいと思っております。特に見直しに当たっては、そうした時代認識と、群馬県のこれまでやってきた事業や改革の成果をどう活かすかという視点が重要であると考えております。群馬県は、「ぐんま新時代」とも言うべき新たな発展の段階を迎えていると考えております。それは、最近の経済指標とかいろいろな趨勢を見ましても、将来性が極めていい方向に向かっているというふうに私は認識しております。そういう優位性の強みを活かして、さらに200万群馬県民が真に豊かな生活が行えるように、前向きに明るい方向で転換していきたいと思っております。このため、名称も「ぐんま新時代の県政方針」というふうにしてはいかがかと思っております。
 また、県の行政のあり方もここ二、三年で随分変えてまいりました。部局主導による予算編成が平成15年の当初予算から始まっておりますし、また、昨年度からは理事制を導入しております。また、今年度からは県民局を設置するなど、庁内分権の推進や総合行政を進める仕組みを整えてまいりました。また、県民の意識や行動の面におきましても、自分たちの社会は自分たちでつくっていく、あるいはいろいろな項目について強い関心を持っている方々が非常に多くなりまして、それがボランティア活動やNPOの活動に結び付いてきております。こうした県民の意識も変わってきていることも踏まえていかなければならないと思います。
 既に、「道普請型ぐんまクリーン大作戦」でありますとか、「政策プロジェクト」、「網の目トーク」、「自治ネットワーク」など、県民とともにいろいろなことをやっていく、協働していくという県政も進んできておりまして、これらの成果をいい方向に活かしていく必要があると考えております。
 見直しの基本的な考え方でありますが、まず第1に、厳しい財政状況がございます。網羅的に事業を掲載した計画の推進というのはなかなか難しいと考えております。選択と集中の観点から、群馬県の将来のために取り組むべき重点施策を決めて、大幅な重点化と簡素化によって県政の考え方を県民に理解してもらうために、わかりやすく示していきたいと考えております。また、重点施策は、社会経済情勢の変化が激しい時代でありますので、その方向性と到達目標を示すことといたしまして、具体的には毎年度の予算編成過程において、その施策を具体化していくという具合に柔軟性を持った対応にしたいと思っております。
 第2点目は、市町村合併の進展や、県民局の設置による地域完結型の執行体制が構築されるなど、地域の主導、分権型の社会の形成が一段と進んできております。地域の特性を踏まえたうえで、地域の課題について総合的に取り組めるよう、県民局が中心となって各地域のビジョンを策定していきたいと考えております。
 なお、策定した後の計画の推進については、現場の重視や県民への説明責任の観点から、各局主導による予算編成、実施、評価、県民への説明を推進するシステムを検討していきたいと考えております。
 いずれにしても、変化の激しい社会情勢に的確に対応して、これまでの取り組みの成果や群馬県の持ついろいろな力を活かして、新時代の課題に積極的にチャレンジしていく必要があると考えております。これからの群馬県政の総合的な取り組みというふうにこの改定作業を位置付けまして、より豊かで魅力的な群馬県の実現になるように考えてまいりたいと思っております。
 次に、県民局についてであります。
 新年度から県内5カ所に地域の機関を総合化・広域化し、地域完結型を目指した「県民局」を設置いたしました。これは、行政の縦割りの弊害を排除して、柔軟でスピーディーかつ機能的な組織を構築するものでありまして、昨年度の理事制導入とあわせて、新しい県庁の組織・機構を目指しているところでございます。
 県民局設置の効果、それから県民や各市町村からの評価についてであります。
 まず第1点に、県民の利便性を向上させるためにいろいろなことをやっておりますが、具体的にわかりやすいものとすれば、パスポートセンターを吾妻、そして利根沼田の県民局にも設置をいたしまして、一々前橋まで出てこなくてもパスポートの発給ができるということになりました。また、商工関係の制度融資についても県民局で対応できるようにする。それから児童に関する相談窓口の拡充なども、県民局の窓口の拡充・強化を図っているところであります。こういった直接県民生活あるいは県内のいろいろな企業の活動の便宜を図るために、それぞれの地元の近くでこうしたことが行われるようになったということは、便利なことになったわけでありまして、皆さんにそういう評価をいただいているところでございます。
 それから、新たに制度融資の相談窓口を設置した5つの行政事務所、藤岡、富岡、中之条、沼田、館林の各行政事務所においては、やはりそれぞれの身近な地域にこの地域機関ができたということでございますので、これも便利になったということであると思います。
 効果の第2としては、県民局の権限の強化を図るために、県庁から権限を移譲したということであります。約300項目の権限を移譲いたしまして、市町村や県民に身近なところで、できる限りスピーディーな対応を図っております。具体的には、各県民局に新たな専任のスタッフを置いて、市町村の起債の許可あるいは市町村のいろいろな支援について、市町村の行政がスピーディーに進むように対応をしているところでございまして、これもそれぞれの方面から評価を得ていると思っております。
 このほか、県民局長の指揮のもとに、各分野が相互に情報の共有と密接な連携を図りながら、地域課題に総合的に対応するなど、県民・市町村から頼られる機能的な県民局の役割を果たしつつあり、設置の効果は徐々に発揮されていると考えております。ただ、これはまだまだ緒についたばかりでございますので、さらに改めるべき点は改めたり、いろいろな試行錯誤を繰り返しながら進まねばならぬと思いますけれども、ぜひ前向きに、いい方向にこれが進むように研究し、実施してまいりたいと思っております。
 次に、県民局の設置の目的を達成するためには、職員の意識改革が最も大切であるという御指摘でありますが、全くそのとおりであります。各県民局では、より「親しみやすい県民局」というものを目指して、職員の意識改革を重点として、地域ごとに様々な取り組みを進めております。県税の滞納圧縮の取り組みなどでは、従来のセクショナリズムを排して、各事務所が機動的に応援態勢を組むという意識も生まれてきております。また、県民局が地域におけるいわばミニ県庁として地域完結型の組織であるという自覚と誇りを持ちつつ、業務に取り組んできております。そして、この県民局は、県政と県民との距離を縮めて、そして行政の敷居をもっと低くして、県政が県民のために奉仕できるような新しい県の行政システムにしていきたいと思っております。
 そして、いろいろな機構改革というのは、その機構改革のための機構改革ではありませんので、どのような機構をつくっても、どのようなシステムをつくっても、肝心のやる職員がその気にならなければ、幾ら立派な機構をつくっても意味がないわけでありますけれども、私が開設してからいろいろな各県民局を回ったり、あるいは県民局長の話を聞いておりますところで、この2カ月ぐらいの感想でありますけれども、現場のそういう県民局長をはじめとする皆さんが、とにかく新しく機構が変わり、何とかこれを前向きに受け止めて、真剣に行政に取り組んでいくという気風は前よりも進んできているというふうに思っております。私は、そういう気風が大事だと思っておりますので、それに期待を寄せ、これからもそれを良い方向に伸ばしていくように指導してまいりたいと思っております。
 それから、県内の景気と平成16年度の決算見通しについてであります。
 県内の景気は、個人消費がおおむね底堅く推移しております。そして、設備投資も平成16年度が前年度実績や全国平均を大幅に上回る見込みであります。雇用や所得の環境も増加傾向にありまして、全体とすれば回復を続けてきております。
 景気をあらわす指標を見てみますと、4月の有効求人倍率は全国第2位で1.37倍ということで、21カ月連続1倍を上回っております。そして、特に最近の傾向としては、パートを除く常用労働者についても、1.16倍という具合に上昇をしておりまして、質的にも高い雇用環境になってきていると思います。また、平成16年の工場立地につきましては、工場立地件数で全国第2位、立地面積で全国第7位と、いずれも上位を占めております。このようなことから、県内景気は着実に回復しつつあると考えております。
 ただ、これは経済の構造変化もありますので、マクロとすればいい方向に行っているのでありますけれども、当然、経済構造の変化などがありまして、それは厳しい産業分野もあります。それから、中小零細企業の中ではなかなかそれに追いついていけないようなところもあります。そして、勝ち組とか負け組とか、そういう厳しいこともあるわけでありまして、行政とすれば、やはり全体的に、経済原則は重視しなければなりませんけれども、その中にあっても経済的な弱者、社会的な弱者がそういった趨勢に取り残されることがないように、また次の新しい段階に移行できるように、できるだけの措置をしていきたいということでございまして、当初から取り組んでおります建設業の支援であるとか、それから新しい群馬県の産業形態を目指した観光の重点的な支援とか、いろいろ考えていかねばならないと思っております。
 次に、平成16年度の一般会計の決算でありますが、現在、最終的な集計の段階であります。その概況を速報として申し上げます。
 まず、歳入のうち県税については、ただ今申し上げた回復基調にある県内景気の影響によりまして、法人の事業税が前年度に比べて17.8%の増加になっております。また、法人の県民税は、同じく14.7%の増加となっております。また、地方消費税も、企業の売上高や設備投資の増加によりまして8.3%の増加ということで、経済の回復と税収の増加というのはタイムラグがありますが、ようやくこの経済面の回復が税収面でもあらわれてきたということで、いい方向になってきたということで喜んでいるところでございます。改めて、そうした経済の活動に御尽力いただいた県内各企業、そして県民の皆様の御労苦に心から敬意を表し、感謝申し上げる次第であります。
 それから、収入未済額でありますが、県税に課税をしてもそれが収入に至らないのがあります。収入未済額をできるだけ縮小しなければなりません。圧縮ということでありますが、これは税務担当職員をはじめ、職員が一丸となって、こうした徴収という地道な仕事に努力いたしてきております。昨年度に比べますと、これを4億円圧縮して、収入未済額が59億円程度となる見込みであります。3カ年で約10億円を圧縮いたしました。これらによりまして、全体で見ますと、県税収入総額は、3月に専決処分をした60億円の増額補正を加えた最終予算額は2031億円を上回りまして、2050億円程度になると予想しております。
 このほかの歳入では、いわゆる「三位一体の改革」によって地方交付税が減少するなど厳しい財政状況の中で、財政調整基金の取り崩しや、将来国から財源措置がある県債の活用などによって、所要の財源を確保したところであります。
 一方、歳出面では、3つの柱として、1、「緊急課題に全力投球」、2、「『ぐんま新時代』を築く」、3、「改革の断行」ということを柱として、雇用の安定やセーフティネットの確保、治安の回復、食品の安全など緊急の課題への対応や、科学技術振興、人づくりなど将来を見据えた施策を総力を挙げて積極的に推進いたしました。さらに、補正予算でも、コイヘルペスや浅間山の噴火など突発的な諸課題に機動的に対応したところであります。また、職員定数の削減、公社・事業団の改革、理事制の導入など、行財政改革の推進によって事業の効率的な執行にも努めました。
 こうして限られた財源の重点的・効率的な配分に努めた結果、平成16年度の一般会計の収支は、「実質収支」として現時点では約13億円程度の黒字というふうになる見込みでございます。大変苦しい平成16年度でございました。議会の側にも率直に、いわゆる「三位一体の改革」からする財源の減少、そして税収不足等から約250億円ぐらいの歳入の不足だということで、いろいろと御理解と御協力をいただきましたが、ようやくこのような結果を出す予定でございます。改めて皆様の御協力・御理解に感謝を申し上げて、報告とする次第でございます。
 次に、群馬県の治安回復についてであります。
 御指摘にありますように、治安、特に我々の日常生活からして、これまでにない体感治安の悪化を感ずるところであります。群馬県では、犯罪の起こりにくい安全なまちづくりを目的として、昨年6月16日に群馬県犯罪防止推進条例を施行して、県民、事業者、行政が一体となって取り組みを進めているところでございます。
 県内の治安情勢についてでありますが、昨年の県内の刑法犯認知件数は、前年に比べて4.6%増加し、3年連続で戦後最多を更新するという依然厳しい状況が続いております。しかし、一方では、住民によるパトロール実施地区の数がこの1年間で2倍以上に増加するなど、県民の自主的な防犯活動も活発になってきております。最近の犯罪の件数を月別に見てみますと、条例が制定された昨年夏以降、今年に入ってからもほとんどの月で前の年を下回ってきております。このような取り組みの成果が徐々にあらわれてきているのではないかという感じがいたします。そういうことでございまして、やはり皆さんが力を合わせて、みんなで一緒に犯罪を抑止していこうということになれば減少するのではないかというふうに私は思っております。
 ただ、例えば警察官の増員をこの間行っております。5年前の平成12年は、警察官の数が2792人であります。今年の4月は3232人でありますので、この5年間で440人警察官を増員したわけであります。そのための人件費もかかりますし、そういう費用がかかるわけであります。一般の職員やそのほかの職員も、厳しい行政改革で削減したりしなければならないわけでありますので、その間にこの440人を生み出すということは大変なことでありますけれども、県民の平穏なる生活を確保するという観点から、こういう警察官の増員ということも取り組んできているところでございます。
 今後の取り組みについてでありますが、先ほど申し上げました犯罪減少の流れ、これをより一層進めていかなければならないと思っております。これには多方面の力は必要でございます。県民の防犯意識の高揚も必要でありますし、地域の防犯活動の支援も引き続き県を挙げてお願いし、推進してまいりたいと思っております。その一環として、群馬県犯罪防止推進条例施行1周年に当たる6月16日を「第1回県民防犯の日」として、いろいろな記念行事を実施することにしております。さらにその後、毎月16日を「県民防犯の日」に制定して、県民の皆さんや関係団体の御協力を得ながら、犯罪防止を県民運動として盛り上げていきたいと思います。県民誰もが安全で安心して暮らせる群馬県をつくってまいりたいと考えております。
 以上です。

         (警察本部長 高橋泰博君登壇)
◎警察本部長(高橋泰博 君) 治安対策、特に犯罪発生の抑止についてのお尋ねでございます。
 県内の刑法犯の認知件数は、本年5月末現在で1万4413件でございまして、昨年の同時期と比較しまして3200件余り、18.2%の減少となっております。ここ数年間連続しておりました著しい増加傾向・増勢傾向に一定の歯止めがかかりつつあるというように見受けられます。しかし、この群馬県の県勢規模・県民人口などからしましても、他の県と比べまして、なお犯罪の発生件数は高水準という状況にございます。また、群馬県の地政学的位置といいますか、環境条件等からいたしましても、このまま犯罪の発生が減少傾向に転ずるというような楽観はできない、格別の政策努力を引き続き続けていかなければならないと判断いたしております。
 私ども警察におきましては、昨年後半以降、犯罪の「抑止」と「検挙」、この2つにさらに加えまして、「犯罪に強い、安全なまちづくり」、この3本柱、ツー・プラス・ワンと称したりもしておりますけれども、3本柱の取り組みを推進してまいっております。「抑止」と「検挙」、この2つにつきましては、ともかく、現在私どもが保有しております警察力、これを機能的・機動的に運用いたしまして、捜査活動の強化、それと同時に制服警察官を積極的に街頭に展開する街頭活動を活発化させる、そういう措置を講じてまいりました。今年度の組織改正によりまして、県警本部に「犯罪抑止対策実施本部」を新設いたしましたけれども、この措置もまた、今申し上げました抑止力、これを強化するという施策の延長線上にあるものでございます。
 3つ目の「まちづくり」についてでございますけれども、この点が従来私ども警察にとりまして、幾分取り組みの弱い部門でございました。考えてみますと、犯罪の発生と申しますものは、そのときの経済社会情勢、また国民・市民の意識構造なり行動パターンなどにも規定される、優れて構造的・複合的な現象でありますけれども、ならばこそ「犯罪の起こりにくい」環境・条件づくり、これに取り組んでいかなければならないと思っております。昨年6月に制定・施行されました「犯罪防止推進条例」、このスキーム、枠組みを最大限活用させていただき、県民・地域住民の方々の自主防犯意識向上に向けての広報・啓発、また自主防犯パトロールなどの諸活動の活発化、それへの私ども警察の支援ということを行いまして、地域住民の方々の手による草の根の、それこそ浸透力の強い、息の長い諸活動がそれぞれ地域社会において定着化・継続化してまいるよう、県・各県民局も含め、それと市町村とも連携をしまして、またボランティアの方々の御協力を得まして、引き続き進めてまいりたいと考えております。
 最後に、警察官の増員についてでありますが、ここ数年の増員によりまして、幾分かは改善されてまいっておりますが、なお警察官数は全国水準と比べましても大分不足を来しておるというのが現状でございます。現有警察力の機能的・機動的な運用ということにも限界がございますことから、御理解を得まして、警察官増員については格別、特段の努力を払ってまいりたい、払っていかねばならないと考えておるところでございます。
 以上でございます。

         (教育長 内山征洋君登壇)
◎教育長(内山征洋 君) 学力低下などについての御質問であります。
 私は常々、子どもたちに「早寝、早起き、3食をしっかりと食べて、家の手伝いをさせる」といった、ごく当たり前な日常生活を送る習慣を身に付けさせることが最も大切であるというふうに考えております。また、あらゆる教育の基本は、自分自身を律し、他人を思いやる心や態度を育てるとともに、社会生活に必要な基本的な知識や教養を身に付けることにあり、今改めてその徹底が重要であると考えております。
 その観点から、現在、県教育委員会では、県民の皆さんから募集いたしました、当たり前だけれどもとても大切なルールをまとめまして、「ぐんまの子どものためのルールブック50」というのを作成中でありまして、これを家庭と学校の共通の指針として、現在作成を進めております。具体的には、「早寝早起きをしよう」であるとか、あるいは「靴を脱いだらそろえよう」とか、「はいと元気よく返事をしよう」など家庭や学校におけるものや、「映画館や美術館などでは静かにしよう」など公共の場におけるものなど、日常生活の具体的な取り決めや他者への思いやりや接し方などに関する50のルールを内容とするものであります。近々発行となる予定でありますけれども、各市町村教育委員会等を通じ県内全小学生に配布いたしまして、学校においては学習の時間や学校生活の中で、家庭においては家族の団らんの語らいの中で、それぞれ子どもがこうしたルールをしっかりと身に付けられるよう活用されることを期待しているところであります。
 次に、学力問題についての見解ということでありますけれども、私は今申し上げたとおり、日常のごく普通の生活習慣が身に付くことにより、学力もしっかりと身に付いてくるというふうに考えております。このことは、平成16年5月に実施いたしました群馬県教育課程実施状況調査、いわゆる一斉学力テストにおいてですけれども、このときに同時に行いました意識調査の結果において、「学校に行く前に朝食をとる」、あるいは「学校に持っていくものを、前日か、その日の朝にしっかりと確かめる」などの基本的な生活習慣の形成と学力テストとの間に高い関連性があることが認められております。
 このため、本年3月に『「コツコツ学習」のすすめ』というのを作成いたしまして、県内全小中学校の子ども及び教員に配布したところであります。この中で、やる気を持って学習に取り組むことや、毎日の学習を積み重ねることの大切さを子どもたちに訴えるとともに、各家庭においては、規則正しい生活習慣こそが学習するうえでの土台であることを子どもたちにしっかりと教えていただきたいというふうにお願いをしております。具体的には、テレビを見る時間やゲームをする時間を親子で決めるとか、睡眠時間を十分にとるようにさせること、朝食を必ずとらせることなど、すべての家庭で実行するよう呼びかけております。子どもたちに確かな学力を身に付けさせるためにも、いかに子どもたちに「普通の生活」をさせるかが重要であり、そのために家庭や地域の私たち大人ができることからひとつずつ実行することが大切であるというふうに考えております。
 以上です。

         (総務担当理事 高木 勉君登壇)
◎総務担当理事(高木勉 君) 指定管理者制度についてお答えをいたします。
 指定管理者制度の導入は、利用者であります県民へのサービスの向上とともに、施設の設置目的の効果的な達成や施設運営における効率性・安定性、さらには指定管理者選定手続きの透明性の確保等についても十分に留意をして進めていく考えであります。
 そこで、第1に、県の公の施設における指定管理者制度の導入の予定でございます。群馬県では、これまで市町村や公社・事業団等に管理委託を行ってまいりました75の施設を中心に検討を進めてまいりました。今年の2月議会におきましては、地元市町村への移管などを前提に、富岡市の「社会教育館」、また片品村の「武尊牧場キャンプ場」など7つの施設を廃止いたしまして、また今議会におきましても、社会福祉事業団への無償譲渡を行うための、県立特別養護老人ホーム2施設の廃止を提案しているところでございます。また、教育委員会関係の少年自然の家など9つの施設については、今後、市町村への移管や県の直営化などを検討しております。
 これらの検討の結果、現在の管理委託施設のうち54の施設と、県が現在直接管理をしておりますひとつの施設、これは館林の水産学習館でありますが、これを含みます55の施設について指定管理者制度を導入したいと考えております。このため、今議会におきまして、「指定管理者制度の導入に伴う関係条例の整備に関する条例」を提案しておりまして、これらの55施設に関係する30の条例について、指定管理者が行う業務の範囲を定めるなどの所要の改正をお願いしております。
 第2に、導入予定施設におきます指定管理者の選定方法でございます。まず募集方法については、通則条例に則りまして、原則として公募としているところでございます。しかしながら、施設によりましては、施設の設置の経緯などから、例えば地元の市町村を指定管理者に指定するというようなケース、それから施設の所有形態が特殊であるもの、また施設や業務の性格などの理由によりまして、指定管理者の候補者が限定されるというようなものもあるわけでありまして、個々の施設の募集方法につきましては、個別の施設ごとに検討をし、判断をしてまいりたいと考えております。また、指定管理者の候補者選定に当たりましては、外部の有識者委員を含む選定委員会を設置いたしまして、厳正な審査を行い、最適と思われる団体に絞り込むことにしたいと考えております。
 第3に、指定管理者の指定に向けたスケジュールでございます。今後は、準備の整ったものからそれぞれの施設ごとに候補者の募集を行いまして、先ほどの選定委員会によります選定を経て、今年の12月定例県議会に向けて、指定管理者の指定の議案を提案したいと考えております。その後に知事などが指定管理者を指定いたしまして、県民への周知をはじめとする移行準備を行い、来年の4月から指定管理者による施設管理に移行する予定でおります。
 以上であります。

         (農業担当理事 加藤光治君登壇)
◎農業担当理事(加藤光治 君) 農業後継者の支援についての御質問にお答えをいたします。
 本県におきましても、平成15年度で基幹的農業従事者のうち65歳以上が約6割を占め、高齢化が進行しておりまして、また、39歳以下の若い農業者は10年前に比べて約40%に減少するなど、後継者不足は深刻で、本県農業の維持・発展を図っていくためには、後継者の確保・育成が重要な課題であると受け止めております。
 この対応でございますが、まず県内により多くの人が就農するよう、1として、新規就農希望者に対する就農相談活動、2として、農業を開始するため必要な技術の習得に関わる先進農家研修、3として、農林大学校における就農準備のための技術研修を実施しておりますほか、市町村・関係機関と連携して、就農支援資金の貸し付け、農地や施設のあっせんなどを行っております。また、新規青年農業者につきまして、将来の農村地域におけるリーダー的役割を担うことのできるよう、研究会の実施など活動支援に努めております。
 このような結果、近年、新規の就農者が着実に増加しつつありまして、平成16年は174人で、これは平成8年以降9年連続の増加となっております。
 このような中、議員お話しの「強い農業」をつくっていく方策でございますが、国では本年3月、今後10年程度の農業施策展開の指針として、新しい「食料・農業・農村基本計画」を策定しました。その中核的な柱は、「担い手の明確化と支援の集中化・重点化」で、これは力強い我が国の農業をつくっていくため、経営改善に取り組む農業経営者や、経理を一元化し、法人化する計画のある営農組織を担い手として位置付け、農業経営に関する施策をこうした担い手に集中化して、農業構造改革を推進しようとするものであります。
 県としては、今後、こうした国の打ち出した方向を踏まえつつ、効率的で安定的な農業経営を確立するために、県農業の中核的役割を果たします認定農業者並びに集落営農組織等に重点を置いて、1として、より高度な技術の普及や経営管理に関する指導、2として、農用地の利用集積、3として、経営規模の拡大や近代化施設の導入、4として、集落営農の組織化や法人化の推進などの施策を総合的に進めていく考えであります。また、本県農業の特性を踏まえ、あるいはまた農業の有する公益性を維持・保全する視点等から、今申し上げました方向に加えまして、幅広く多様な農業従事者への支援にも努めてまいりたいと考えております。今後とも、本県農業の担い手、後継者の確保・育成のため各施策を効果的に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

         (産業経済担当理事 池田秀廣君登壇)
◎産業経済担当理事(池田秀廣 君) 制度融資についての御質問にお答えいたします。
 初めに、16年度の制度融資の利用状況ですが、利用額は過去2番目の1368億8900万円となっております。主な内訳を見ますと、運転資金では、セーフティネット資金が依然として活発に利用されたほか、前年度に導入した借り替え制度の利用が増加し、他方、設備資金では、中小企業設備支援資金の利用が前年度を2割以上上回るとともに、企業立地促進資金については、好調な工場立地を反映いたしまして、134%増と大幅な伸びを示しました。さらに、昨年度は浅間山の噴火及び新潟県中越地震対策として、経営強化資金において融資要件の緩和等を行いましたが、昨年11月以降、42件、3億3900万円の利用があり、このうち宿泊業者が21件、1億6200万円と結果的におおむね半分を占めることとなりました。
 次に、今年度の対応でありますが、当初予算におきましては、資金繰り対策としてセーフティネット資金などの融資枠を190億円増額するとともに、借り替え制度を継続し、また設備資金でも、既存の5資金を統合した中小企業パワーアップ資金の創設等を行い、全体融資枠は過去最大と同額の1430億円を確保いたしました。そうしたところ、浅間山噴火及び新潟県中越地震による風評被害には一定の鎮静化が見られておりますが、未だにこれらの影響により、経営が一時的に不安定となっている宿泊業者もありまして、この対応いかんによっては観光産業や地域経済への影響も懸念されますので、今年9月までの臨時的措置として、早急な対応を図るため、5月17日付知事専決処分により、緊急対策を実施いたしました。
 具体的には、経営強化支援資金に宿泊業者に対して10億円の特別枠を設けるとともに、融資要件の緩和と信用保証協会に対する損失補償割合の引き上げ等を行うことにより、宿泊業者への融資促進を図るものであります。なお、こうした制度改善のほか、金融機関を集めた会議を開催いたしまして、宿泊業者の厳しい実情を伝えるとともに、観光立県、観光振興の観点から宿泊業者への金融円滑化の要請も行っております。
 いずれにいたしましても、制度融資の運営に当たっては、県内中小企業者を取り巻く経済情勢及び金融情勢を十分注視し、関係機関の協力を得ながら機動的・弾力的に対応してまいりたいと考えております。
 以上であります。

         (県土整備担当理事 川西 寛君登壇)
◎県土整備担当理事(川西寛 君) 県内建設業の総合的な支援策についてお答えを申し上げます。
 建設産業は、県民の日常生活を支えます社会資本を整備いたしますとともに、県内全就業者の約1割を雇用する重要な産業であります。しかし、その経営は、近年の公共投資の急激な減少などによりまして、大変厳しい状況にあると考えています。このため、群馬県では今年度建設産業を支援するため、中小零細建設業対策を積極的に進めてまいります。具体的には、まず第1に、単独公共事業費を359億円確保いたしますとともに、防災対策や公共施設の維持補修などを中心といたしまして117億円を重点配分いたしまして、県内の中小零細建設業者の受注確保に努めております。また、この効果を早期に出すことができるよう、上期の執行目標を80%程度としたところでございます。
 次に、県内建設業者への発注並びに県産品の使用を促進するために、本年4月1日付で建設工事請負契約約款を改正いたしまして、下請契約における県内企業への優先発注及び工事材料への県産品の優先使用に関する努力規定を盛り込みまして、県の工事に全面的に適用しているところでございます。
 第3に、建設政策室を新たに設置をいたしまして、県内建設産業の再生支援に全庁的に取り組みたいと考えております。すなわち今年度末を目標といたしまして、仮称でございますが、「建設産業再生支援プラン」を策定する予定でございます。このため現在、県内2000社の企業に対しましてアンケート調査を実施中でございます。現在までの調査の概要でございますが、この結果によりますと、「今後とも建設業を中心に経営したい」と回答をしております企業が全体の6割強、「今後、多角化を目指したい」と回答をしております企業が2割強、経営規模の縮小または廃止を考えている企業が1割強というような状況になっております。また、並行いたしまして、群馬県建設業協会の各支部単位で、合わせまして50社余りの経営者の方から個別の聞き取り調査も実施しております。その結果によりますと、例えば、近年の公共事業の急激な減少傾向から、土木工事専門会社の経営が特に厳しいなど、具体的な状況が次第に明らかになってきております。今後、現状分析を踏まえまして、経営強化策や事業転換策など総合的な支援策を検討していきたいと考えています。
 いずれにいたしましても、建設産業が元気を回復し、県民が安心して日常生活が送れますよう全庁体制で支援していきたいと考えています。
 以上でございます。

         (安樂岡一雄君登壇)
◆(安樂岡一雄 君) 御丁寧な答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。何点か要望を申し上げたいと思います。
 先ほど知事の答弁でございました、「21世紀のプラン」を改定する新たな「ぐんま新時代の県政方針」という名前で策定をするというふうなお話でありますけれども、前回の「21世紀のプラン」を見させていただきまして、大変観念的で難解な方針だったのかなと、そんなふうに思っておるんですけれども、新たな方針としてのプランにつきましては、ぜひもう少しわかりやすい、誰が見てもある程度理解できるような、そういうものであってほしいなと、そんなふうに感じております。
 それと県民局の話で、考えてみますと、ここ数年の間にグループ制の導入があり、また出先機関の統合があり、理事制の導入がありと。今度は県民局の設置ということでありますけれども、時間的にも大変速い改革であったわけですけれども、どうも市町村の関係あるいは県民からの声を聞いておりますと、なかなかよく理解されていないような気もいたします。これからの県政というものは、やはり市町村の協力、あるいはまた多くの県民の協力をいただきながら処理に当たらなければならない課題が多いわけですので、ぜひその辺の周知をもう1度徹底してほしいなと。設置目的とか基本的なことでありますけれども、基本的なことがまだ全然通じていないような気もいたします。
 それと、国と県との関係もそうですけれども、今回、三位一体改革で国と県のやりとりが続いておりますけれども、例えば、市町村への補助金なども一方的に県の方で削られてしまうと、市町村のことを考えてくれないのかと、国と県が争っているように県と市町村がまた争っているような、何かそんな構図になっているような気もしますので、どうしてもこういう転換期といいますか、変革期におきましてはいろんな行き違いや亀裂が生じるものですから、ぜひその辺の修復もうまくやってほしいなとお願い申し上げます。
 それと、県の治安の関係でありますけれども、6月16日に第1回県民防犯の日と、県民防犯の日を毎月16日に設けるというふうな話でありますが、群馬県の犯罪県としての汚名を晴らすためにも、これもぜひ運動として定着させていただければありがたいなと。私どもも大いに協力していきたいというふうに思っております。
 以上をもちまして私の質問にかえさせていただきます。御協力大変ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村紀雄 君) 以上で安樂岡一雄君の質問は終わりました。
  ●休     憩
○議長(中村紀雄 君) 暫時休憩いたします。
 午後0時30分から再開いたします。
   午前11時26分休憩


   午後0時29分開議

        (副議長 中沢丈一君登壇 拍手)
○副議長(中沢丈一 君) 暫時、議長職を執り行います。
  ●再     開
○副議長(中沢丈一 君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
  ●一 般 質 問(続)
○副議長(中沢丈一 君) 長崎博幸君御登壇願います。

        (長崎博幸君登壇 拍手)
◆(長崎博幸 君) フォーラム群馬の長崎博幸です。
 会派を代表いたしまして、通告に従って順次質問を行います。知事をはじめ執行部の皆様には、簡潔で明瞭な御答弁をお願いいたします。
 最初に、三位一体改革について、知事のお考えを伺います。
 12月議会において05年度予算編成におけます三位一体改革の評価と課題についてお尋ねいたしました。知事は、「金額、内容とも先送りや数字合わせの感が強く、地方の自由度拡大の趣旨にはほど遠いものだ」との見解を示され、焦点となった義務教育費国庫負担金については、「中央教育審議会の議論を待たなければどうなるかわからない」との認識でありました。
 一方で、今年度の地方交付税の削減は道府県に厳しく、町村にはそれほどでなかったこと、加えて景気回復による税収増が見込まれること等から、各自治体の予算編成は比較的平穏に推移して、地方からの不満は昨年ほどではなかったように見えます。しかしながら、地方分権確立の根幹に関わる国と地方の税財政改革、権限と税源の移譲は、これからが正念場にあるものと思います。
 そのような中で、義務教育は国家戦略の基本との理念は揺るがないものの、地方における教育の裁量拡大がより重要視されるようになる反面、一般財源化は教育水準の低下や地域格差を生じかねないとの見方もあって、地方側でも意見の分かれているこの義務教育費国庫負担の最終の形をどうするのか。また、厚生労働省が主張する生活保護費の国の負担割合引き下げは、生活保護受給世帯が急増する状況の中で、地方にとってどのような影響をもたらすのか。国の法定受託事務を地方が主体的な役割を担う意義はあるのか。国と地方の対立のみならず、地方側の主張の違いも大きく、着地点は全く不透明に思えます。
 昨年は全国知事会が極めてこの問題を精力的に議論されました。その結果、知事会を中心に様々な異論を乗り越えて、曲がりなりにも地方六団体としてひとつの方向にまとまり、国と地方の新たな関係を生み出したとの評価もできます。来月には徳島で開かれる全国知事会で国庫補助金削減、残り6000億円分についての案をまとめるというふうにも聞いております。政府の骨太の方針が示されるこれからの時期が議論の山場になるものと思います。県として明確な方針を示していただければと思います。
 そこで、義務教育費国庫負担金について伺います。群馬県議会は、これまで義務教育費国庫負担制度堅持の立場を貫いてきています。県によっては制度を廃止しても教育水準の低下につながらないとして国庫負担廃止の意見が多いとも聞いております。知事は義務教育費国庫負担金削減については、補助金・負担金削減すべき対象の9番バッターで、優先すべきでない旨の考えであったと記憶しております。記憶違いであればお許しを願いたいと存じますが、その主張を貫き通すのか、あるいは地方税源確保との関係で柔軟性を持つのかを含め、見解をお聞かせいただきたいと存じます。
 さらに、生活保護費の負担割合引き下げについてはどのように考えておられるのか、お伺いいたします。受給者が増加傾向にある中で、国庫負担割合が現在の4分の3から3分の2に引き下げられた場合の本県への影響はどうなるのか、あわせてお聞かせ願います。
 次に、市町村合併について伺います。
 平成の大合併とも言われ、様々な特例措置を掲げて、国のいわばトップダウンで進められてきた市町村合併は、3月末の特例法の期限切れで新たな段階を迎えました。特例法期限内での知事への合併申請も出そろい、群馬県の合併後の全体像も固まったと言えます。全国では、地域によって濃淡あるものの、1999年の3200余の市町村が来年3月末には約1800の市町村になり、6年間で4割減少する見込みであります。本県では70市町村が39市町村に再編予定で、ほぼ全国平均と同じ減少率となっています。
 小寺知事は、国主導の合併推進に対して、あくまでも地域住民の主体的な意識、自主的な判断を尊重し、自己決定、自己責任という地方分権の原則の立場を貫かれてきたことから、合併にはどちらかといえば消極的との見方をされてきた経過があります。そのことを思えば、数のうえでは意外に合併が進んだとも言え、市町村自らが危機感を持って積極的に合併に取り組んだ結果との評価ができます。
 もちろん数だけでなく、あるべき自らの市町村の姿やあり方をあいまいにしたまま、合併による財政効果最優先となってしまわなかったかとか、住民の意向と首長や議会の判断にずれはなかったかとか、本来、分権の受け皿として自立への体質強化が目的であるべきが、合併そのものが目的化してしまわなかったか等々、改革の原点に立ち返って合併の中身を確かめ直すことが大切であります。
 そこで、改めて知事に伺います。市町村の主体的な取り組みをあくまで支援する立場を貫かれた知事としては、数の点で、また、その中身について本県の市町村合併をどのように評価されますか。また、先の議会では、合併の重要性を指摘したうえで、「議論を尽くして結論を出してほしい」と言及されました。ただ、合併の枠組みが固まった今、当面、新しい枠組みでの一体的な行政運営に向かって、足元の事業執行上の課題解決に意識が移り、新たな合併に向けた機運は冷めてくるものと思えますが、どのように対応すべきとお考えですか、お聞かせください。
 次に、合併特例法が失効したこれからの合併推進、いわゆる合併新法に対する考え方を伺います。自主的合併を基本としながらも、総務大臣が合併推進の基本指針を策定し、それに基づいて都道府県が推進に関する構想を策定することとなっています。さらに、市町村への合併協議の勧告、あっせん、調停ができるなどの権限が与えられて、国・県の関与を実質強める内容となっています。県としてどのように取り組むお考えなのか、お聞かせ願います。
 なお、通告では、市町村の自立支援の取り組みについて、総務担当理事にお尋ねする予定でありましたが、時間の関係から割愛をさせていただき、後ほど時間が許せば要望させていただきたいというふうに思います。
 次に、雇用対策について、産業経済担当理事に伺います。
 先日、4月の完全失業率と有効求人倍率が発表されました。完全失業率が4.4%と平成10年12月以来6年4カ月ぶりの水準にまで下がり、有効求人倍率も0.94倍と2カ月連続して上昇し、雇用情勢が着実に改善されていることがうかがえます。
 一方で、若年層の失業率の水準は依然として高く、若者の雇用環境には厳しさが残ったままで、特に最近では、フリーターやニートと呼ばれる若者の増大が社会問題となりつつあります。国の発表では、03年度、フリーターが217万人、ニートが52万人、家事手伝いを加えると85万人にもなると言われています。さらに、2010年にはフリーターは476万人になるとの民間研究機関の試算もあり、そのうち35歳以上、いわゆる中高年のフリーターも130万人以上を占め、2020年代には200万人を超えると予想しています。国民生活白書では、フリーターの7割以上が本来正社員を希望していると見られており、自ら自由な働き方を望んでフリーターを選んだ数年前とは異なり、いったんフリーターになってしまうと、そこから抜け出せないまま高齢化する可能性が大きいことを示したものと言えます。
 そこで、産業経済担当理事に端的に伺います。まず、フリーターやニートが増大する主な要因は何だと考えていますか。そして、このような社会の問題点をどのように捉えていますか、お聞かせください。
 企業側の構造改革が進む中で、パートや契約社員など非正社員化が拡大しています。このような労働構造の変化は、税収面や社会保障制度などへの影響も大きく、国の根幹に関わる問題でもあって、このほど厚生労働省がフリーター20万人正社員化計画を発表して対策に乗り出したと承知いたしております。
 私は、産業構造や社会構造の変革にまでメスを入れないと根本的には解決できない国民的課題であり、国、地方、産業界、家庭、あらゆる分野が共通認識のもとで取り組みを始めなければならない状況にあるのではないかと思っています。国の動向を踏まえ、県としての正規雇用拡大の取り組みについてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただきます。
 また、せっかく就職しても短期間に離職する若者が後を絶たず、就職後3年未満の離職率が50%に達するとの報告もあります。若年層の離職はフリーター化するケースが高いと想定され、新規雇用と同様に離職防止対策も重要だと認識しています。在学生を中心とした教育委員会の取り組みとあわせて、産業経済局サイドとしてはどのように取り組まれるのか、お聞かせ願います。あわせて、これからはフリーター常態化の抑制対策、ニートを早く社会に引き出す手だて、これらが重要課題となると考えますが、いかがでしょうか。産業経済担当理事にお伺いいたします。
 次に、重大交通事故防止対策について2点お伺いします。
 最初は、鉄道事故防止についてであります。
 4月25日午前中、列車脱線事故を知らせるニュースが飛び込んできました。JR西日本での事故ということから、とりあえず近くではないとの思いで、そのときはそれほど高い関心を抱かなかったわけですが、昼の定時ニュースで死者が既に50人以上、そして、さらに増える見通しである。そのことを知り、初めて大変な事態だと気付き、個人的なことではありますけれども、慌てて尼崎の事故現場にほど近いところに住んでいる親戚の安否確認をやったような次第でありました。その後も次々と被害の拡大が報じられ、最終的には死者100名を超える大惨事であったわけです。亡くなられた方に対して衷心より御冥福をお祈りするとともに、徹底した原因究明と、JRのみならず鉄道事業者全体に万全の安全対策を願うものです。
 言うまでもないことですが、安全は人間系・機械系両面からのアプローチが不可欠であると同時に、いずれも100%完全であり続けることは不可能であって、常にその状態が正常かどうかをチェックするシステムが求められます。とりわけヒューマンエラーの面ではフェールセーフの徹底が基本で、今回の事故原因のひとつとされるスピードの出し過ぎに対しては、速度制限のできる列車自動停止装置、新型ATSの整備を急ぐ必要があると思います。
 そこで、県土整備担当理事に伺います。県内にもJRをはじめ東武、上信、上電、わたらせ渓谷の各私鉄があって、報道によれば、県内鉄道のATS設置は遅れていると言われています。県内鉄道の安全対策の現状とATS設置状況についてお聞かせください。
 また、先日、国土交通省がこの尼崎JR脱線事故を受けて、速度超過による急カーブでの脱線事故を防ぐために、速度制限できるATS設置を義務付けるとの発表がありました。あわせて、今月末までに整備計画を提出するよう求めています。これを受けて、県内鉄道事業者各社も対応が急がれることとなりますが、特に県内中小私鉄各社はいずれも経営規模が小さく、現在、経営再建に取り組むなど、財務状況も比較的脆弱な状況にあるものと推察され、多額の設備投資は経営上大きな重荷となることが想像できます。県としては、これまでも積極的な経営支援を行ってきており、全国的にも先駆け的な上下分離方式の考え方に基づいて設備近代化や基盤整備維持経費の支援を行っているところです。その点からもATS設置義務について積極的な対応と推進を図る必要があると思いますが、県としての考え方をお聞かせください。
 続いて、悪質運転による重大事故発生に関連して、警察本部長にお伺いいたします。
 これまた5月22日の朝のニュースで、車が高校生の列に突っ込んで死者が出た事故が取り上げられ、運転者のあまりの無謀ぶりに大変な怒りを覚えたところであります。その概要は、早朝4時頃に、宮城県内にある学校の行事のウォークラリーに参加した高校生が横断歩道を青信号で横断中、酔っぱらって居眠りをした車が手前に停車中の車をはじき飛ばして、さらに生徒の列に突っ込んで3名の高校生を死亡させた事件です。何とその運転者は、7時間にもわたって酒を飲み続けた後、一緒にいた知人を同乗させ帰る途中に起こした事故で、亡くなられた生徒、家族の無念さははかりようのない大きなものと思います。
 実は、4月に同じような事故が高崎市内でも起こっており、その類似性に防止対策の重要性を改めて感じているところです。その事故も発生は同じ午前4時頃、酔っぱらった運転手が信号を無視し、青信号を進行中の乗用車に激突して2名を死亡させた事件です。さらに、この事故では、加害者が現場からそのまま逃げ、警察の調べで即日逮捕されています。加害者の車はいずれもRV車と呼ばれる大きくて頑丈なタイプであることも、事故原因とは直接関係ないかもしれませんが、似通った点です。
 いずれにしても、前の晩から翌朝まで飲酒をして車の運転をするなどは言語道断で、運転手の無謀な行為が原因であることは論をまちませんが、これだけの重大事故が相次ぐことから、改めて防止対策を検討する必要があるのではないかと思います。
 そこで、次の点についてお尋ねいたします。
 02年6月に施行された道路交通法改正で飲酒運転の罰則が強化され、全国的には飲酒運転検挙者数が増えたとのデータもあります。一方、本県では、摘発件数の減少など効果が出ているとも聞いております。本県の状況は具体的にどのようですか。
 また、01年12月からは危険運転致死傷罪を新設・施行して、正常な運転が困難な酒酔い運転や車の制御が困難なスピード違反などの悪質運転に対する厳罰化が行われました。しかし、先ほどの例に見られるような悪質運転は後を絶たず、厳罰化が歯止めの効果をあらわしていないようにも思えます。本県における危険運転致死傷罪適用の状況はどうでしょうか。また、逆にひき逃げが急増しているとの報告もあり、その実態もお聞かせください。
 そして、重大な事故につながる悪質運転の防止、取り締まり強化をどのように進めるのか、見解をお聞かせ願います。特に、今回のように取り締まりが手薄にならざるを得ない早朝時間帯などには、特に飲食店などの協力が欠かせず、強い指導や要請が必要ではないかと思いますが、あわせて警察本部長にお伺いいたします。
 次に、最後の質問であります。県庁で取り組む省エネ対策について伺います。
 21世紀最初の万国博覧会「愛・地球博」が愛知県を会場に3月25日から開かれ、総入場者数も昨日までで621万人と好評を博しているようです。「自然の叡智」をメインテーマに、人類生存の根幹にかかわる地球環境問題のほか、人口問題、食糧問題、エネルギー問題などに対する回答の方向性を自然の叡智に学んで見出そうとする国際的な文化事業であり、人類と自然環境との関わり方を見直し、危機的状況になりつつある地球的規模の環境を守ろうとするメッセージが数多く発信されています。
 また、地球温暖化防止対策では、今年2月に京都議定書が発効され、我が国は温室効果ガス6%の削減が義務付けられたところであります。まさに今年は地球環境を守る取り組みの節目の年とも言えるのではないでしょうか。
 そのような折、超党派の国会議員190名によるサマータイム制度推進議員連盟が2007年度施行を目指して法案を提出する動きがあるようです。かつて戦後、深刻な電力不足を背景にGHQ主導で行われた夏時刻法、いわゆるサマータイム制は、昭和23年から27年までで廃止された経過があります。その後、平成2年ごろから改めて国において検討が行われているようですが、具体化には至っていません。定着しているヨーロッパ諸国との地理的な違いや生活習慣、経済産業活動の違い、またメリット・デメリットも不明確で、賛成論・反対論、様々な意見があって、率直に言って本格的制度導入は時期尚早に思えます。
 しかしながら、2002年3月策定の地球温暖化対策推進大綱に「国民的議論の展開を図り、合意形成を図る」とされ、また、2003年に滋賀県が県庁を中心に実証研究を行ったり、昨年は札幌市が銀行やデパートの協力を得て6000人規模で実施し、今年は北海道庁も参画を予定するなど、徐々に機運が盛り上がる気配も感じられます。しかし、残念ながら滋賀県庁の取り組みでは省エネ効果を検証するに至っておらず、翌年は実施されていません。まだまだ国民の議論が不十分で、その材料にも乏しいのが実態ではないでしょうか。
 以上の点から、サマータイムによる効果を実証してみること、そして、広く県民に議論するきっかけとその材料を提供する意味においては、県として検討してみる価値があるのではないかと考えるところです。
 そこで、県庁で自らが取り組む省エネルギー対策について2点伺います。
 省エネ対策を推進するためには、サマータイム制の検討を含め、様々な取り組みが必要ですが、本県の対策を進めるうえでは、まず県庁が率先して取り組むことが何より重要です。県では、この夏どのような取り組みを考えておられるのか、環境・森林担当理事にお伺いいたします。
 また、国では今月から9月末までの間、霞ヶ関中央官庁で省エネ対策の一環としてノー上着・ノーネクタイ勤務が始まっています。かつて第2次オイルショックの時代に省エネルックが登場したことがありましたが、全く普及せず、羽田元総理だけが着用を続けている印象だけが残っています。高温多湿の我が国の夏場における半袖・ノーネクタイは暑さ対策としてぴったりで、体感温度が2度下がるとも言われます。冷房設定温度を高く設定しても快適に仕事ができ、結果として省エネ効果が期待できることに異論はないものと思いますが、品位に欠ける、接客に失礼に当たるなどの理由から広がらなかったものと思えます。今回はファッション性に優れた軽装「クールビズ」なる造語も登場して話題になっています。デザインにこだわるかどうかはともかく、県庁内でのノー上着・ノーネクタイを奨励するためには、望ましい軽装について、主観ではなく共通的なガイドラインを設定する必要があると考えます。そのうえで積極的にノー上着・ノーネクタイを励行してはどうでしょうか。あわせて環境・森林担当理事に伺います。
 同時に、議員各位におかれましても、議会としてはどのように取り組むべきか、この際議論していただけるよう提案申し上げて、第1次質問といたします。(拍手)

         (知事 小寺弘之君登壇)
◎知事(小寺弘之 君) 長崎議員の御質問にお答えいたします。
 いわゆる三位一体改革についてであります。
 そもそもこの改革は、地方分権、これを真の地方分権にするためには、法律上の権限移譲だけではなくて、財源の移譲が伴わなければならないということから始まったものであります。平成15年から18年度までに4兆4000億円の国庫補助負担金削減案が示されましたが、このうち税財源の移譲に結び付くものは2兆4000億円にとどまっております。そして、その内容も、義務教育費国庫負担金や地方案には含まれていなかった国民健康保険国庫負担金が中心となったほか、17年度中の検討事項として生活保護費や児童扶養手当などが挙げられておりまして、多くの課題が先送りされるとともに、地方の自主性を高める、地方のことは地方でやるという本来の地方分権の精神からは少し論理がすり変えられてきているのではないかと私は思っております。すなわち、国家財政の再建が優先された形になっていると判断さぜるを得ません。
 ただ、国も地方も両方、財政的にはそういうことなのでありまして、ただ単に地方のエゴだけでもってこれを進めようとかいうつもりは私はありません。ただ、国全体として、国家の財政も考えなければいけないし、地方の財政も考えなければいけない。その中で、この改革をどういうふうに進めていくかということが重要だと思っております。
 御質問の第1番目の義務教育費についてでありますが、義務教育費国庫負担金については、まず地方の裁量の拡大につながるような他の補助金というものをカットの対象とするべきではないかと。義務教育学校の先生の人件費というのは、どうしても支出しなければならない、いわば義務的な経費でございまして、財源移譲するから、これを地方で負担するようにという形になっても、何らその政策的な自由度が増すものとは思えないというふうに私は思うのであります。しかも、教育は極めて大事なことでありますので、もう少し議論を深めていく必要があると考えております。
 昨年8月、新潟で行われました全国知事会議でもいろいろな議論が行われたところでありますけれども、今申し上げたような形で、この国庫補助負担金の削減の対象として義務教育費国庫負担金をリストに載せるということについては、私は反対の立場をとったところでございます。しかしながら、地方六団体の改革案としては、最終的には義務教育費国庫負担金も移譲対象とされることになったところであります。
 そして、義務教育費国庫負担金は、平成17年度予算では暫定措置として、税源移譲予定特例交付金という形で税源移譲されましたが、その取り扱いについては、現在、中央教育審議会で義務教育のあり方とあわせて、今年の秋までにこの財源問題についても結論を出すということになっております。中央教育審議会の義務教育特別部会には地方の代表者も委員として加わっておりまして、地方代表の委員は義務教育費国庫負担金を削減の対象にするということで主張しているわけでありますが、同じく地方の知事からは逆の意見も出ているところでありまして、少し混迷をいたしているところでございます。
 次に、生活保護費についてでありますが、生活保護はそもそも憲法25条に基づく国民の生存権に関する問題でありまして、国が国家として行う社会保障の重要な一環だと思います。したがって、国の責任が求められるものであります。そして、生活保護の対象とするかどうかということは、負担率の引き下げによって地方の裁量が拡大するということでもありませんし、単なる地方へのツケ回しだと言っても過言ではありません。したがいまして、負担率の引き下げは認められないというふうに私は考えております。
 なお、仮に国庫負担率が現在の4分の3から3分の2に引き下げられた場合の群馬県への影響額でありますが、平成16年度実績ベースで見ますと、県分が約3億円と試算されるところであります。
 議員御指摘のとおり、平成18年度、来年度に向けたいわゆる三位一体改革は、これから議論が本格化して、山場を迎えることになります。先日、5月31日には全国知事会議が開催されました。その中でも激しい議論のやりとりがあったところであります。続く6月1日には、これは県会議長や県の市長会長、市議会議長会長、町村会長、町村議会議長会長、関係者の皆さんも出席しまして、日本武道館で地方六団体による「分権改革日本」全国大会が開催されました。そして、三位一体の改革について、地方の意思の表明が行われたところでございます。地方自らの権限と責任において必要な行政サービスを提供できるという真の地方自治の実現に向けて、今後とも、全国知事会などを通して地方への税財源の移譲が確実に実施されるように努力をしていかなければならないと思っております。
 ただ、率直に申しまして、国と県と市町村、それぞれなかなか難しいそれぞれの立場があります。同じ県といっても、税収の多く上がる県と税収の少ない県、それから県と市町村の立場というのも、また財政上全く同じではありませんので、これはなかなか難しいところがあります。利害が完全に一致するということとは限りません。そして、建前と本音とか、いろんな複雑な要因があるわけです。そして、何よりも財政の仕組みが、国と地方との関係がどうなっているのか、税収がどういうふうになっていて、税源配分がどういうふうになっていて、そして補助金や負担金というのはどういうものが交付されていて、それから地方交付税というのがどういうふうに算定されているかとか、そういう非常に複雑な財政構造になっておりまして、一般の国民にはなかなか一口では説明しにくい点があるわけであります。したがって、いつも私は全国の会議なんかでも言っているところでありますけれども、単に我々だけで議論しているのではなくて、国民全体にその本質的な問題のありかということをよくわかりやすく説明しないといけないのではないかというふうに思っております。私は、あくまでも、地方だけの利益を主張しているのではなくて、日本全体の政治や行政というものが本当に国民なり県民なり市町村民にどうしたら一番いいのかということを考える、そこの原点に立ち返ってこの問題を考えていかなければいけないと、このように思っております。
 それから、次は市町村合併についてであります。
 市町村合併につきましては、この3月までに14地域から申請がありました。既に5市町が合併によって誕生し、4市町の合併も決まっております。残る5地域も今議会で議決をいただき、合併を決定したいと考えております。
 この結果、群馬県内の市町村数は、平成11年の合併特例法改正当時の数は70ありましたが、今年度末には39になる見込みでありまして、4割強の減少となります。これを全国的に見るとどうかということでありますが、全国的な平均が43.6、群馬県の場合は44.3ということでありますので、平均をやや上回る合併の状況だということが言えると思います。
 そして、ここに至る過程、その内容については、さまざまなことが言えると思います。国においては、当初、地方の自立を目指す、そのためには地方分権の受け皿ということで市町村合併が言われたわけでありますが、実際には財政的な面が非常に強調されました。そして、それを誘導するために、いわゆるあめとむちというようなことも行われたわけでありますが、市町村の方でもそれらに非常に敏感に反応せざるを得ないというようなことで、非常に苦労をしたわけであります。そして、市町村にはそれぞれの歴史や伝統、住民感情、地理的な状況の違いもありますので、これはこういうふうにした方がいいという絶対的な基準があるわけではありませんので、関係者は非常に苦労、そして苦渋に満ちた決断があったわけであります。
 そして、ともあれ合併の枠組みについては、現在までのところ、このような形になっております。したがいまして、この70から39になった市町村の形で、県としても、この枠組みをまず尊重しながら対応をしていかなければいけない、新しい市町村の自治のあり方についてお互いに協力して進めていかなければならないと思っております。
 次に、合併新法への対応についてであります。御指摘にありましたとおり、昨年度末をもって効力を失った旧合併特例法に代わって、この4月から新たな合併特例法が施行されたわけであります。そして、その中に合併協議会の設置等に係る知事勧告の制度なども盛り込まれております。ただ、この新法の目的も、やはりあくまでも自主的な市町村の合併の推進ということにあります。県としては、これまでの合併に至った市町村の姿、状況をよく見極めながら、慎重に進めていきたいと思っております。
 現在進められてきました群馬県の新たな市町村の枠組みでありますが、これがそのまますべて固定的・永久的な形とは必ずしも言えないと私は思います。まだまだ関係者は判断に迷っているところもありますし、ためらっているところもあるし、また、それぞれの行き方がありますので、これが安定的な形になるのは少なくともあと数年を要するのではないかというふうに判断をしております。合併したところは合併したところでいろいろな課題を抱えておりますし、また、自立するところは自立するところでいろいろな課題も抱えているわけでございます。そうした推移や課題をよく見極めながら、適切に対応をしていきたいと思っております。要はそれぞれの地域が自分たちのことは自分たちでやるというような地方分権の精神に従って、そして、それぞれの地域が発展する、地方自治が発展するという究極の目標に従って県としても対応していきたいと思っております。

         (産業経済担当理事 池田秀廣君登壇)
◎産業経済担当理事(池田秀廣 君) 雇用対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、フリーターやニートの増加の主な要因でありますが、若者側の要因といたしましては、勤労意欲の欠如やコミュニケーション能力不足などが、また、企業側の要因といたしましては、採用抑制や即戦力志向などが指摘されておりまして、こうした要因が相まってフリーターやニートが増加しているものと考えられます。このような状況が続けば、若者自身の問題にとどまらず、経済基盤や社会保障システムの脆弱化、社会不安の増大、少子化の一層の進行など、経済社会の維持・発展という観点から憂慮すべき問題になると受け止めております。
 次に、国の動向を踏まえた正規雇用拡大に関わる県の取り組みでありますが、若者の視点に立ち、昨年7月に開設いたしました「若者就職支援センター」において、今後とも若者と企業の双方のニーズを踏まえた、きめ細かな就職あっせんに取り組むとともに、企業との連携によりフリーターを対象としたインターンシップの実施や、職業訓練などにより正規雇用の拡大に努めていきたいと考えております。
 次に、若者の離職防止対策につきましては、「若者就職支援センター」において、新たな就職者への就職後のフォロー体制を一層充実させるとともに、在職者に対しても悩みの相談に応じるなど、離職防止に努めることとしております。なお、こうした正規雇用拡大や離職防止対策は重要な課題ですので、群馬労働局との労働行政連絡会議等により密接な連携を図りながら取り組んでいるところであります。
 また、フリーターの常態化防止についても、御指摘のとおり重要な課題であることから、若者一人ひとりの状況に応じました就職支援を着実に進めまして、ニートにつきましても、新たにインターネットを活用したカウンセリングの実施や、NPO法人と連携したセミナーの開催などにより社会への参画のきっかけづくりに取り組んでまいります。
 いずれにしましても、少子・高齢社会にあって、若者一人ひとりの役割がますます重要になりますので、若者に対しては就職や能力開発をしっかり支援するとともに、産業、教育、労働などの関係団体に対しましては、若者就職支援について一層の理解と協力を求めるなど、社会全体として、これからの群馬県を担う若者が安心して働き、生活できる基盤づくりを推進していきたいと考えております。
 以上であります。

         (県土整備担当理事 川西 寛君登壇)
◎県土整備担当理事(川西寛 君) 重大交通事故防止対策のうちの鉄道脱線事故防止対策についてお答え申し上げます。
 まず、安全対策の現状でありますが、安全な輸送を提供するために、各鉄道事業者では、日頃から法令の遵守、指さし確認など基本動作の総点検、乗務前の点呼時におきます安全確認の徹底など、全社一丸となって取り組んでおります。
 次に、ATS、いわゆる自動列車停止装置の設置状況についてでございますが、ATSの種類は事業者ごとに異なると聞いております。例えば、駅構内で運転士が赤信号を見落としたとき、自動的に非常ブレーキが作動しまして、列車の衝突を未然に防ぐための信号機と連動いたしましたATSは、既に県内すべての鉄道事業者に導入されております。一方、現行のATSをカーブ区間の手前に新たに設置することによりまして、制限速度を超えた場合に非常ブレーキが作動し、カーブでの脱線事故も防ぐことができます。このATSを設置しておりますのは、県内事業者では上信電鉄だけで、他の事業者は現在のところ設置をしておりません。
 今回の脱線事故を受けまして、安全対策の一環として、ATSの緊急整備計画を6月末までに提出するよう国土交通省より本年5月に通達が出されたところでございます。これによりますと、本県に関係をいたします鉄道において調査対象となりますカーブの箇所数でございますが、JR東日本の管内では1259カ所、東武鉄道の全線でございますが、34カ所、上信電鉄で1カ所、わたらせ渓谷鐵道で9カ所となっております。今後、鉄道事業者ごとに調査対象のカーブ区間を精査いたしまして、ATSの緊急整備が必要な箇所を絞り込んで計画を策定することになっております。この結果、ATSを新たに整備する場合には、経営基盤が脆弱な上信電鉄やわたらせ渓谷鐵道につきましては、県民の安全性を確保する観点から、国庫補助制度の活用や群馬型上下分離方式を弾力的に運用するなど、沿線市町村とも十分連携をとりまして適切に対応してまいりたいと考えています。
 なお、乗客の安全な輸送に関しては、ATSのような機械設備面の対策とともに、乗務員一人ひとりの安全に対する意識の高さが重要と考えておりますので、県といたしましては、今後とも安全運行の徹底を鉄道事業者に要請していきたいと考えております。
 以上です。

         (警察本部長 高橋泰博君登壇)
◎警察本部長(高橋泰博 君) 悪質運転防止対策についての御質問でございました。
 議員御指摘のように、飲酒運転はひき逃げ事件や重大交通事故に直結しますことから、県警察といたしまして、平素、強力な取り締まりを行っているところであります。検挙件数でございますが、平成13年には7281件ございましたものが、昨年は2793件と大幅に減少はしてきております。このことは、飲酒運転に対する罰則強化、これが抑止的に大いに顕著に働いたと認められるところでございます。
 次に、危険運転致死傷罪の適用状況についてであります。平成13年の同罪創設以来、これまでに本県では17件を立件しております。このうち3件は本年適用いたしておりますけれども、御指摘の4月9日の高崎警察署管内で発生した2名死亡ひき逃げ事件もそのうちの1件でございます。
 次に、ひき逃げ事件の発生状況でありますが、一昨年は100件ちょうど、昨年は168件の発生でございました。今年は、5月の末までで55件の発生であり、昨年と比べまして若干ペースダウンはしている状況でございます。しかしながら、死亡ひき逃げ事件、これはもう既に本年で5件発生しておりますが、昨年は1年間で死亡ひき逃げは5件でございました。もう既に死亡ひき逃げ事件は5月末段階で昨年と同数という状況になっております。また、この5件のうちの4件は、なぜ逃げたのかと申しますと、飲酒運転の発覚を恐れて逃げたということのようであります。
 以上のような状況でございますので、県警としましては、引き続き関係機関・団体と連携いたしまして、啓発活動はもとより、悪質、危険な交通違反の取り締まり、これに努めてまいりたいと考えております。特に、週末の深夜から未明にかけての時間帯での飲酒運転の取り締まりをここで適宜実施してまいりたいと思っております。
 そのほか、取り締まりもさることながら、飲酒運転を許容するような雰囲気と申しますか、あるいは助長するような行為、そのような状況を払拭する必要がございます。7月から実施予定の「県民交通安全運動」では、「飲酒運転追放」を第1の重点に掲げます。それと同時に、飲食店を対象とした講習会、協力要請、飲酒運転追放のポスターの掲出など啓発活動、飲酒運転を許容しない雰囲気づくり、環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

         (環境・森林担当理事 大木伸一君登壇)
◎環境・森林担当理事(大木伸一 君) 県庁で取り組む省エネ対策についてお答えいたします。
 この夏の県庁の省エネ対策についてでございますが、県では、平成13年6月に県率先実行計画として「循環型社会県庁行動プラン―エコDo!―」を策定し、全庁的に省エネ対策に取り組んできております。地球温暖化の原因である温室効果ガスは、大半が電気や石油などのエネルギーの利用に伴って発生しており、省エネは温暖化防止対策の要であることから、県ではこれまで率先して対策を行ってきたところでございます。
 特に今年は、2月に京都議定書が発効し、議員御指摘のとおり、地球温暖化対策の節目の年でもあります。国も自ら軽装での勤務に努めるとともに、夏の軽装の定着に向け、「クールビズ」の普及に努めているところです。また、サマータイム制の検討も含め、温暖化対策に対する社会的な関心も高まってきております。
 こうした状況を踏まえ、県としても、この夏は省エネ対策に一層徹底して取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、県庁や地域機関などの冷房運転が本格化する7月から9月の3カ月間はきめ細かな温度管理を行い、空調温度は28℃を目途に設定するとともに、軽装を徹底してまいります。これとあわせて、昼休み時間は一斉消灯し、パソコンやコピー機の主電源を切るほか、トイレなどの附帯施設は使用時のみ点灯し、南側の窓については遮光を行うなど、省エネ行動の一層の徹底を図ってまいります。
 また、今年度は県の取り組みを県民や市町村などに対して説明を行い、積極的に協力を求めていきたいと考えております。特に、会議等で県庁に来られる方々に対しても軽装を呼びかけ、一緒に取り組んでいただくことで省エネ行動の普及・定着につなげたいと考えておりますので、議員の皆様におかれましても、軽装について御協力をよろしくお願い申し上げます。
 次に、軽装を実施する場合のガイドラインの設定についてでございますが、軽装での執務は、従来からそれぞれの職場や場面に応じてTPOをわきまえ、来庁者に不快感を与えない服装となるよう各自の判断で行ってきたところでありまして、自然な形で進められることがよいと考えております。
 以上でございます。

         (長崎博幸君登壇)
◆(長崎博幸 君) それぞれに具体的な御答弁をちょうだいいたしました。まず、若干時間もございますので、先ほど割愛をさせていただいた合併後の市町村支援の取り組みについて御要望申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 合併する、しないにかかわらず、県は公平な立場で助言・支援を行うというこれまでの姿勢はそのとおりだというふうに思います。ただ、合併に向けては、その市町村がどんな思いで取り組もうとしているかということは、その地域のいろんな条件が違うものですから異なっていまして、その市町村の思いとは別に、客観的に合併が難しい地域も厳然とあるというふうに思います。そういうことを考えますと、県は、公平という立場ではありながらも、画一的な支援や連携というのではやっぱり十分ではないのではないかな、そんなふうに思います。特に規模の小さい町村には、そしてまた地理的に山間部にある町村に対しては、その県の役割というのは大変重要になるのではないかな、こういうふうに思っています。そういう意味で、そういうことを勘案しながら積極的な支援に取り組んでいただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 それと、広域的な事業の執行の中では、これまで一部事務組合をつくって運営が充実をされてきたわけでありますけれども、この合併によって変化が起こりまして、一部地域によりましては、生活の基盤でありますごみ処理や、あるいは消防の関係も、どうなるんだろうというふうな不安も生まれていることが実際報道されたりしております。そういう意味では、これからますます市町村間の連携ということに対して、県もそこに関わりながら、どういった形態が望ましいのかを検討しなくてはならない、こんなふうに考えます。
 行政改革大綱でもパートナーシップの確立だとか権限移譲の推進、それらを含めて取り組むことが明記をされております。そういう意味では、これまで起きていた一部組合がいいのか、あるいは新たな考え方として地域連合という言葉もあって、研究も始まっているようであります。そういう中では、これまでの一部組合で非常に象徴的に見られました消防、ごみ処理だけでなくて、介護保険事業なんかも全国的には例もあるわけでありまして、そういった広域行政として取り組んだ方がより効率的で高いサービスが提供できるというふうに考えます。その場合には、県も直接参加をしていく、その連携の中に関わっていくということも必要なのではないかな、こんなふうに考えるところでありまして、これから十分に検討をしていただければ小さい町村からの期待にも応えられるのではないかな、こういうふうに考えまして、御要望を申し上げておきたいと思います。
 それから、雇用対策であります。
 若者の意識そのものが本当に未成熟といいますか、十分ではない。そのことによって就職、仕事に対するアプローチも小さいのでしょうし、それから仕事についた後も非常に安易に離職をしてしまう、こういうことがあるというふうに考えられるわけであります。ただ、この問題は、若者、その当該者の方にだけ目を向けていたのでは解決は図れない。これは産業経済活動が大きく変わって、グローバル化が進んで、労働環境そのものが構造的に大きく変わっているという視点だろうというふうに私は考えます。先ほどお話がありましたニートに対するカウンセリング、あるいはNPOと連携をされての取り組み、こういうのも始められるということであります。大変期待を申し上げておきます。
 それから、何といいましても、若者が就職をする、その前提となって過ごす時間、職業観を醸成するところでは、やはり学校現場におけるそういった認識が極めて大事でありますから、これまでもいろんなスタイルで教育委員会は在学中の取り組みをしていただいていることは十分に承知しておりますけれども、今後とも産業経済局労働政策部門と強い連携をしていただいて、対策に当たっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 それから、最後は省エネ対策の問題であります。
 ガイドラインに対しての考え方でありますけれども、これにつきましては自然な形でと。自主的な判断、それはTPOを考えてということでありますけれども、これは進展をするにはなかなか難しいのではないかな、私はこんなふうに思っております。いろんな議論をしながら、ある程度柔軟性を持ったガイドラインというのは絶対必要なのではないかな、こんなふうに思っておりますし、何よりも県の幹部の皆様方が率先をするということ、ある意味ではその形がガイドラインにもなる、つながっていく、こういうふうに考えます。このガイドラインの考え方については、私もまだ不満でありますので、再度御答弁いただければと思います。

         (環境・森林担当理事 大木伸一君登壇)
◎環境・森林担当理事(大木伸一 君) ガイドラインの関係でございますけれども、今議員が御指摘のとおり、幹部の方たちが実践した形が1つのガイドラインではないかというようなお話もございました。またその辺は私ども理事の間で、どういう形がいいか、それとあまりそれがパフォーマンスにならないような形が長続きするのではないかというふうに思っておりますので、検討させていただきたいと思います。
◆(長崎博幸 君) 大変ありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(中沢丈一 君) 以上で長崎博幸君の質問は終わりました。
  ●休     憩
○副議長(中沢丈一 君) 暫時休憩いたします。
 午後1時55分から再開いたします。
   午後1時36分休憩


   午後1時54分開議
  ●再     開
○副議長(中沢丈一 君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
  ●一 般 質 問(続)
○副議長(中沢丈一 君) 伊藤祐司君御登壇願います。

         (伊藤祐司君登壇 拍手)
◆(伊藤祐司 君) 日本共産党の伊藤祐司です。会派を代表して、通告に従い質問いたします。
 まず、歴史認識についての知事の御所見を伺います。
 今、日本外交は、中国、韓国をはじめとするアジア各国との関係において、戦後かつてない深刻な行き詰まりに陥っています。その根本原因が小泉首相の靖国神社参拝や歴史教科書問題など、かつての戦争や植民地支配を正しいこととして肯定しようとする日本政府の態度にあることは議論をまちません。
 今年は第2次世界大戦が終わってちょうど60周年に当たります。5月8日、9日には世界的な規模で国連決議に基づく様々な記念行事が行われ、かつての戦勝国も敗戦国も、全世界があのような戦争を二度と繰り返さない、そういう同じ気持ちを共有しました。その土台には、ドイツ、イタリアがヨーロッパでやった戦争、日本がアジアでやった戦争、これはいかなる大義も持たない侵略戦争そのものであった、こういう共通の国際的な認識があります。これは国際社会が世界大戦という悲惨な歴史的な経験の中から一致して引き出した結論であります。日本国憲法9条も、そうした世界の共通認識のうえに、深い反省を込めて戦争と軍事力の放棄を宣言したものであります。ところが、そうした世界が共有している歴史認識に不満を持ち、これを覆そうという流れが大手を振ってまかり通っている世界でも唯一の国が日本なのであります。全く嘆かわしいことであります。
 先日、自民党の森岡衆議院議員が、A級戦犯が合祀されている靖国神社への小泉首相の参拝を擁護して、「極東軍事裁判は平和や人道に関する罪を勝手につくった一方的な裁判だ」、「A級戦犯は日本国内では罪人ではない」などと発言しました。終戦後、連合国は東京裁判を開き、東条英機元首相ら25人のA級戦犯の戦争責任を認定しました。昭和天皇の戦争責任が不問にされるなどの不十分さや、逆の意味での議論もありましたが、日本はこの東京裁判の結果を受け入れることで国際的に戦争責任の問題を決着させる道を選んだのは歴史的な事実であります。
 サンフランシスコ講和条約には、そのことがきちんと記されている。条約そのものに重大な問題があるにしても、これによって日本は再び国際社会に迎え入れられました。調印した国の多くが日本復興への配慮から賠償などの請求権を放棄しました。ここから戦後の日本が始まったんです。東京裁判での戦争責任の認定は、その出発点であります。森岡発言は、戦後日本の土台を否定するに等しい驚くべき暴言と言わねばなりません。朝日新聞の28日付社説でも、「日本は戦争責任を巡る議論を一からやり直したいのか」、そう指摘しているとおりです。
 靖国神社自体も、この偏った歴史認識の発信源です。神社が発行するパンフレットは、「日本の独立を守り、アジアの国々とともに栄えていくためには戦わなくてはならなかった」などと戦争を正当化し、戦犯についても、「連合国の形ばかりの裁判によって一方的に戦争犯罪人というぬれぎぬを着せられた方々」と擁護しています。このような施設に首相として公式参拝するということは、こうした主張にお墨付きを与えるに等しいものであり、戦後の国際社会の成り立ちに背を向けて、自ら世界ののけものとなるまさに亡国の行為ではありませんか。
 そこで、知事に伺います。かつての侵略戦争を正しい戦争だったとする歴史認識と、そのような認識に立った行動についてどう考えておられるでしょうか。とりわけ小泉首相の靖国神社参拝についての御意見をお聞かせください。
 また、日本の引き起こした侵略戦争をやむなく行った正義の戦争であるかのように描く歴史教科書が問題になっていますが、このような国際的には全く通用しない歴史認識を子どもたちに教え込むことは、国際社会に生きる日本人の育成とは両立し得ないと考えますが、いかがでしょうか。国際社会に対応できる県民の育成に力を入れている群馬県の知事として、明確な答弁をお願いいたします。
 次に、30人学級について、教育長に伺います。
 群馬県がこの4月から実施した小学校1、2学年の30人学級導入を柱とした「新さくらプラン」は大変好評です。私自身、多くの教育関係者、父母から歓迎の声を聞きました。県教育委員会が打ち出した施策の中でも近年まれに見るヒットだと言えるのではないでしょうか。
 かつて、「さくらプラン」の補助教員が付く1年生の40人学級を担任し、今回、30人学級の1年生を担任しているある先生は、「さくらプランの先生が付いてくれたときは、事務の分担や校外授業で人手が欲しいときなどとてもありがたかったけれど、今回の30人学級を経験してみると、一人ひとりの子どもに担任として目を配ることができる点で心のゆとりが全く違う。情緒不安定な子どもがキレたりしたときなども、以前なら補助の先生に対応を任せてしまう場合が多く、クラス全体としての指導としては違和感があったが、二十数人のクラスだと余裕を持って対応できる。結局、クラスの子どもの成長に責任を持って、それこそ1年間、ある意味真剣勝負していくのは担任なのだから、今回の措置の意味は大きい」と語っていました。これは30人学級の本質をついた評価だと思います。そして、この評価は小学校低学年にとどまるものではなく、義務教育、さらには高校教育全体にも当てはまるものではないでしょうか。
 30人学級の流れは今や全国の趨勢です。文部科学省もこの流れに押される形で学級編制基準の引き下げの検討を始めました。
 そこで伺います。学校教育の本来的な力を高める効果の高いこの30人学級を、国の検討いかんにかかわらず、年次計画を持って全学年に広げていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。前向きな答弁を期待いたします。
 次に、指定管理者制度の導入について伺います。
 この制度について、私たちは、本来利益を上げることを目的にした株式会社などの参入によって、公の施設の公共的な性格を大きくゆがめかねない危険な側面を持っていることなどを繰り返し指摘してまいりました。今回提出された指定管理者導入施設とその個別条例を見ると、当局としての一定の努力の跡はうかがえますが、全体として県民サービスを大きく低下させかねないものだと言わざるを得ません。
 まず問題なのが、県民要求や県政の実態から見て、直営に戻して力を入れるべき施設まで対象となっている点です。典型の1つが県立リハビリテーションセンターです。身体障害者の機能回復、社会復帰にとってその重要性が叫ばれていながら、他県と比較しても整備・充実が遅れている分野です。とりわけ施設の老朽化が激しく、体育館などは耐震性の基準に合わないために使えなくなっています。全員がそろう場所もありません。これが指定管理者のもとでどうやって充実・前進を図るというのでしょうか。これこそ県の責任放棄とも言うべきものです。今、障害者の多くが在宅と言われ、緊急時の受け入れ先が求められています。重度重複障害者や高次脳機能障害者なども増えており、新たな対応が求められています。そうした点から見ても、指定管理者化ではなく直営に戻すべきではないでしょうか。伺います。
 2点目は、百歩譲って指定管理者化したとしても、民間営利企業にはとてもなじまない施設が公募によって競争にさらされようとしている点です。例えば、県民会館やみかぼ未来館など文化施設ですが、営利本位となれば普及・振興の活動、発掘や保全の活動が手薄になることは容易に想像できます。赤字をつくれば指定管理者の側の責任で補てんしなくてはならなくなるわけですから、勢い経費のかかるクラシックコンサートよりも安易にもうかるアイドル歌手のコンサートが増えるのではないでしょうか。そうなれば施設設置の目的から大きく外れていくことになります。このような施設は文化施設だけでなく、福祉施設などにもたくさんあります。こうした施設の指定管理者については公募によらず、一定の条件を個別条例に書き込むべきではないでしょうか。
 3点目は、個別条例が類型化し過ぎている点です。個別条例の設置の目的をはっきりさせているものもありますが、例えば県立公園などを見ると一本化になっており、抽象的であります。スポーツ施設の多い敷島公園も、文化施設のある群馬の森も同一条例、つつじが岡公園も他の自然公園と一本条例です。9月議会で採択された通則条例の4条4項には、指定管理者選定の基準として、「当該施設の設置の目的を達成するために必要と認める基準」が掲げられていますが、これこそ公募要領ではなく個別条例に書くべきで、類型化は手抜きと議会軽視との批判を免れないと思いますが、いかがでしょうか。
 4点目は、癒着や私物化を防止する手だてが甘いことです。指定管理者制度では、それまでの外郭団体への業務委託では想定できなかった県政執行者や議員の親族企業の参入が可能になります。東京都多摩市などのように本来なら条例に制限条項を書き込むべきですが、本県にはありません。県民の目から見て当然批判の対象となるであろう県政執行者や議員の関連企業に対して、どのような方法で参入を規制しようとしているのか伺います。
 5点目は、法令遵守の義務が明記されていない点です。指定管理者化の動きのもとで、県の公社・事業団が人件費削減に躍起になっていることが報道されています。押しなべて3割削減だというのですから相当なものです。そもそも公務労働の基準というのは、全体の奉仕者の立場に立った高い専門性によるものです。それには相応の待遇が必要でしょう。ところが、指定管理者制度は、これを派遣労働やパート労働に置き換えてしまうのが流れです。ひどいところでは、NPO法人が最低賃金以下の報酬で公務労働の肩代わりをしている例さえあります。これで果たしてサービスの質が保てるでしょうか。公の施設の責任が保てるのでしょうか。
 全国では、例えば民間企業に管理を指定した保育園で散歩時の園児の置き去りが起きたり、逆に安全性優先だからと一歩も外に出なかったり、あるいは別の施設で個人情報の漏えいが起きたりしています。こうしたことを防ぐためには、労働基準法や最低賃金、契約法などの遵守を明記して、違反があった場合には直ちに契約解除にするなどの条項を、これも公募要領ではなく条例にはっきりと明記するべきだと思いますが、いかがでしょう。
 6点目は、これら指定管理者化されようとしている施設に働く職員の雇用についてです。現に管理委託を受けている財団や協会などが引き続き指定管理者になるというのならば大きな問題はありませんが、これが民間企業などになった場合は職員の解雇問題が起こります。全国的には、一方的に解雇されたり、これを不服として争議になるなどの例が各地で起こっている状況です。そもそもこれらの施設も団体も設置者は県であり、現実に働いている労働者の人件費も多くが県からの委託料などで賄われているわけですから、事実上の使用者としての責任が県にはあります。これら職員の雇用を確保するためにも、現在運営委託している団体を直接指定するべきですし、百歩譲って公募となる場合でも、公募要領に現職員の雇用の継続をはっきりと記すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上、明確な答弁を求めます。
 次に、自然エネルギー政策についてです。
 地球温暖化防止を目指した京都議定書が発効しました。しかし、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量は減るどころか増え続けています。群馬県も1997年に「コツコツプラン」という大変立派な温暖化対策計画を立てて、県民にエコロジカルな生活様式を呼びかけました。ちなみに、私も軽自動車とスーパーカブに乗って若干協力していますが、1900年に県民1人当たり1.8トンだった二酸化炭素排出利用を2005年、今年までに1.4トンにする、20%削減する、そういう目標が現実には2.0トンになろうという具合に増えており、事態は深刻であります。一層の努力が必要です。
 温暖化対策のもうひとつの柱は、自然エネルギーの活用です。化石燃料、とりわけ石油に頼らないエネルギー利用にいかに切りかえていくのか、これは21世紀の人類の生存に大きくかかわる重大問題であり、各国政府の真剣な取り組みが求められています。同時に、自然エネルギーの活用は地方からも緊急に取り組む必要のある現実的な課題でもあります。群馬県の取り組みはどうでしょうか。
 県は、平成12年度に「新エネルギービジョン」を策定し、太陽光や風力エネルギー、クリーンエネルギー自動車、バイオマスエネルギーに重点を置いた自然エネルギー導入促進を進めています。しかし、その実態は自然成長の域を出ていないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
 具体的にやられてきたことといえば、県のいくつかの施設への太陽光発電などの試験的な導入や、バイオマスエネルギー利用の研究や家庭の太陽光発電への利子補給などですが、利子補給ひとつを見ても、今年からは募集停止という状況です。新築家屋の1割を太陽光発電に、そういう目標が達成されたからやめたのかと思ったら、実績は目標の半分にもいっていないではないですか。掲げた目標や勘どころはよいとしても、これではやる気が問われるというものです。
 私たち日本共産党県議団は、この春、自然エネルギーの利用促進で注目されている岩手県葛巻町を訪ねてまいりました。東北の山合いにある農村ですけれども、そこでは町で使うエネルギーはすべて町内でつくり出すことを目指した迫力ある取り組みが進められていました。人口よりも牛の数が多い酪農の町ですが、山々を切り開いた高原の牧草地には町営の3基を合わせて15基の発電用風車が回り、牛のふん尿と生ごみをエネルギーとして利用するバイオガスプラントが稼働していました。バイオガスで燃料電池を稼働させる実験も行われており、将来はメタン発酵槽を間伐材でつくり、町内の酪農家が飼育頭数に応じて個別あるいは共同でプラントを設置してエネルギーを自給しようという構想です。
 樹皮や間伐材を利用した木質ペレットの利用も進められ、町役場や道の駅、町営宿泊施設、老人保健施設など、町内の主立った施設にはペレットボイラーやペレットストーブが導入されていました。また、町民の利用促進のために、自治体として初のまきストーブ・ペレットストーブ助成制度も設けられていました。
 中学校の改築に合わせて、その電力利用に見合った太陽光発電のパネルが設置され、各集落ごとに昔ながらの水車を復活させるなどの取り組みも始まっていました。また、町内の主立った標識類には太陽光発電のパネルと小さな風力発電の風車が回っていました。町のエネルギー自給率は既に70%を超えているそうです。人口わずか8700人の自治体でも、やる気になればこれだけのことができる。要はやる気になって本腰を入れて取り組むかどうかであります。
 群馬県の自然エネルギー担当は新政策課です。先日、担当者に伺ったところ、当面の力点は自然エネルギーについての宣伝・啓蒙だとか。それではあまりにテンポが遅いのではないでしょうか。
 そこで、企画担当理事に伺います。環境局ではなく企画担当が責任を担っているからには、全庁を挙げた迫力ある本腰を入れた取り組みが必要だと考えます。例えば、これから新設される県の施設はすべて自然エネルギーでやるとか、酪農県として家畜ふん尿を利用したバイオエネルギーのプラントづくりに早急に取り組むとか、豊富な森林を持つ県として木質バイオマスの利用を一気に進める。とりわけ岩手県で成功しているペレットストーブ、ペレットボイラーは県営のすべての施設に普及していく。さらには家庭利用促進のための有効な助成制度を設ける。特に太陽光発電については助成を再開して拡充していく。こうしたでき得ることを直ちに一気に進めてこそ新政策課が所管する意味があるというものです。県民の身近なところに自然エネルギーの施設をつくることは宣伝・啓蒙効果も大いに期待できるのではないでしょうか。このような迫力ある取り組みを進めるお考えがおありか、決意のほどをお伺いします。
 最後に、増田川ダムについて質問します。
 このダムについては、昨年9月議会の一般質問で自民党の岩井均議員が、知事が倉渕ダムの本体工事の休止に当たって、財政的に厳しいこと、事業の緊急度や県民の事業に対する理解度、カスリン台風以来大きな被害が出ていないこと、ここ数年、水道需要が伸びていないことなどを理由として挙げたことを引き合いに出して、「これは倉渕ダムについての休止理由であり、増田川ダムについては状況が異なると考えます」と建設促進を求めました。しかし、私から見れば、増田川ダムは倉渕ダムと同様、それ以上に必要性の薄いダムだと言わねばなりません。
 まず、治水についてです。100年に1回の洪水に対して、洪水基準点の鼻高橋下流で20センチ程度の洪水軽減能力しかありません。洪水のはんらん面積で見ても、碓氷川左岸でダムがない場合には360ヘクタール、ダムがある場合には350ヘクタールはんらんしてしまう。ダムがあってもなくても3%も違わない。そんな効果しかないダムなんです。
 ところが、説明資料では、増田川下流の九十九川、碓氷川では、20年確率の洪水で913億円の被害、100年確率の洪水では2167億円の被害が出る。年平均の被害額は78億円強だが、ダムをつくればそれを57億円に軽減できると経済効果をはじき出しています。しかし、実際に統計資料が残っている昭和30年代後半からの資料を見れば、増田川ダムの影響がある場所かどうかにかかわらず、碓氷川全体で見てこの40年間の被害実績は二十数億円です。年1億円にもならないではないですか。このような過大な治水効果の算出の仕方は倉渕ダムとそっくりであります。
 実際に増田川下流の九十九川、碓氷川の本流のはんらんというのは、はっきりとしたものはほとんどない。100年確率の洪水のモデルになっているカスリン台風の洪水について見ても、東京管区気象台によるカスリン台風被害調査でも、利根川治水の権威である大熊博士の「利根川治水の変遷と水害」でも、碓氷川、九十九川の被害が軽微であったことが記されています。むしろこの流域の水害は、支流や沢からの土砂崩れ、鉄砲水によるものがほとんどです。この間にあった二十数億円の被害というのもほとんどが支流のものであり、これはダムによって防げるものではありません。
 増田川ダムのパンフレットには、九十九川の堤防決壊状況なる写真が載せてありますが、この堤防決壊は本流ではなく支流から来た洪水によるもので、増田川ダムの効果とは無関係のものです。常任委員会の審議の中で、河川課長は、「流域でこういう事実があったということを伝えるということで載せている」と答弁しましたが、百歩譲っても本流の被害ではないことを明記しなければ、県民をあざむく情報操作と言われても仕方がないものです。
 増田川ダムは400億円近い予算がかかる大事業です。その事業を進めるのに過去の洪水被害のまともな調査もなく、ほとんど支流の被害なのに、あたかも本流のはんらんのように見せかける。このようなこそくなやり方こそ、先にダムありきだと私は批判をしたいのであります。ダムに400億円をかければ、河川改修や堤防補強などは後回しにされるのは明らかです。これほど効果に疑問のあるダムは、現実の防災対策から見ても有害としか言えないのではないでしょうか。
 利水計画はどうでしょう。増田川ダムに水利権を設定している碓氷上水道企業団の水需要予測は、平成27年に7万5000人としていた給水人口を平成13年の見直しで平成32年に6万9000人と下方修正しました。これに伴ってダムの規模もいったん縮小されました。ところが、現在ではさらにこの予測が修正されて、平成32年に6万6500人というふうになっています。それでも現実の人口動態から見たら極めて過大な見積もりなんです。増田川ダムの暫定水利権が発生していない平成13年当時、既に安中市、松井田町の人口は減少傾向になっています。この時点で行政区域内人口は国勢調査の数字で6万4893人。国立社会保障・人口問題研究所が平成15年12月に出した市町村別の将来推計人口を見ると、平成32年の安中市と松井田町の人口の合計は5万9042人で、給水人口とすれば5万9000人を割り込むと予想されます。増田川の暫定水利権なしの時点よりもさらに人口は大きく減少することになるんです。増田川ダムの水による新たな水源開発など必要ないではありませんか。
 業務用水、工業用水の予想などは、これに輪をかけて過大なものです。平成12年度の実績は日量合わせて1万1900トン、これが平成15年度は1万700トンに減っています。ところが、この需要予測では、平成32年には1万9888トン、2万トン近くになって、現在の倍になる、こういう予想です。このまま増田川ダムをつくったとすれば、将来の県民、とりわけ安中市民は、全く必要のないダムのために建設費の一部を負担することになるではありませんか。
 安中市の市民らでつくる増田川ダムを考える会は、この間、治水、利水の両面から事業を検討し、その都度増田川ダム事務所に対して質問してきているようですが、「納得のいく答えはもらっていない」と関係者は語っています。事業の緊急度、県民の理解度、カスリン台風以来大きな洪水がない、水需要が伸びていない、財政的にはますます厳しくなっている、どれをとっても倉渕ダムと同じではないですか。この間、県土整備常任委員会で議論してきましたが、かみ合った回答は得られませんでした。大所高所からの判断が必要です。
 そこで知事に伺います。以上、雑駁に指摘しただけでも増田川ダムの必要性は薄い。まして400億円近い県税を投入するに値するダムだとは考えられません。あえて言わせてもらえば、財政が深刻なうえに子育てや教育、福祉など、やらなければならない県政課題が逼迫しているときに、こんなダムをつくっている場合じゃないでしょう、そういう気持ちであります。中止も視野に根本的な見直しをするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 以上で私の第1質問を終わります。(拍手)

         (知事 小寺弘之君登壇)
◎知事(小寺弘之 君) 伊藤議員の質問にお答えいたします。
 歴史認識についてであります。
 60年前、先の大戦が終結をいたしました。その後、我が国は、戦後一貫して平和外交を希求してきております。かつての戦争、あるいはそうしたことに伴う歴史認識については、日本国政府から表明されているところでありまして、歴代の内閣総理大臣談話という形で明らかにされてきております。今年4月に開催されたアジア・アフリカ首脳会議においても小泉総理が発言をしております。「我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。こうした歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、我が国は第2次世界大戦後一貫して、経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も、武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持しています。今後とも、世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意であることを表明します」、このように述べております。日本国政府としては、この考え方に沿って行動をしているものと私は考えております。
 首相の靖国神社参拝についての御質問でございますが、内閣総理大臣は日本を代表する政治的な最高の責任者であります。情勢を冷静に分析して、高度な見識と政治的判断を持って行動するものと私は思っております。そのことについて県知事が言及する立場にはないと思っております。
 次に、学校における教材である教科書の重要性は非常に高いと考えております。そのために、日本では教科書を国の検定制度というものに則って採用することになっておりまして、その検定制度の中で内容を適正に審査し、そして各出版社から発行されているものと認識しております。群馬県としては、今後とも、国際社会に対応できる正しい歴史認識を持っていくように県民、子どもたちの育成に努めてまいりたいと考えております。

         (教育長 内山征洋君登壇)
◎教育長(内山征洋 君) 30人学級の拡大についてお答えいたします。
 本県では、子どもたち一人ひとりへの指導を充実させるため、小学校の低学年においては、一人の教員が担当する児童数を少なくした少人数学級が有効であり、小学校高学年や中学校においては、習熟度別、課題別等の少人数授業が有効であるとの考え方に立ち、平成17年度の教員配置を行ってきたところであります。具体的には、小学校の第1学年及び第2学年において、20人から30人未満の学級を編制するとともに、その他の高学年では20人程度の少人数授業が実施できるよう、教員や非常勤講師を配置しているところであります。
 このことにより、小学校の低学年段階においては、基本的な生活習慣や学習習慣の徹底、国語や算数などの基礎学力の確実な定着を図るとともに、小学校高学年や中学校においては、習熟の程度に応じた学習指導の充実を図るなど、義務教育9年間を見通した継続的・系統的な指導が実現できるものと考えております。
 県教育委員会としては、今後も市町村教育委員会と連携して、教員の効果的な配置や弾力的な活用を一層推進し、学力向上に努めたいと考えておりますが、平成17年度をもって国の第7次教職員定数改善計画が終了することを考えると、30人学級を全学年に拡大することは非常に難しいというふうに考えております。
 なお、平成18年度以降の学級編制及び教員定数については、中央教育審議会において現在幅広く検討されているところであり、今後、国の動向を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。
 以上です。

         (総務担当理事 高木 勉君登壇)
◎総務担当理事(高木勉 君) 指定管理者制度の導入についての御質問にお答えいたします。
 まず第1に、県立身体障害者リハビリテーションセンターにおける制度導入についてであります。
 御指摘の県立身体障害者リハビリテーションセンターは、総合的な身体障害者更生援護施設として開設をいたしました。これまで管理運営を群馬県社会福祉事業団に委託してきております。身体障害者の機能回復、社会復帰にとって重要な施設であります。一般的に身体障害者更生援護施設につきましては、自治体のほか社会福祉法人でも経営及び運営をしております。リハビリテーションセンターにおいて指定管理者制度を導入した場合でも、施設の効率的な運営と利用者処遇の向上などが期待できるものと考えております。
 なお、指定管理者制度になると施設の老朽化に伴う維持・補修も行われなくなるといったような発言があったかのように承りましたけれども、そういうことではありませんで、必要な維持・修繕は設置管理者である県が行うことになります。正しく御理解をお願いいたします。
 第2に、文化施設などについて、一定の要件を個別条例に規定し、公募によらないで指定管理者を選定すべきとのお尋ねでございます。
 指定管理者制度の導入に当たっては、利用者である県民へのサービス向上を第一に考えて候補者の選定を行うこととしております。このため、施設運営における効率性のみならず、施設の設置目的の効果的な達成や運営の安定性などについても総合的に審査をしていく予定であります。これによりまして文化施設等の指定管理者についても適切な選定が行えるものと考えております。
 第3に、個別条例の規定方法についてのお尋ねであります。
 公の施設の設置管理等について定める地方自治法第244条の2は、「指定管理者の指定の手続」、「指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲等」を条例で定めるように求めております。群馬県では、「指定の手続」については、昨年制定をいたしました「群馬県公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」、いわゆる通則条例と言っておりますけれども、これによって定めております。また、「管理の基準及び業務の範囲等」については、各施設の特性を十分検討したうえで、今議会に提案しております「指定管理者制度の導入に伴う関係条例の整備に関する条例」によりまして個別の設置管理条例を改正して定めるものであります。お尋ねの「当該施設の設置の目的を達成するために必要と認める基準」については、今後設置する選定委員会などの意見も参考にしながら、必要に応じて各施設ごとにきめ細かく募集要項に記載をすることとしております。
 第4に、県政執行者及び議員の親族企業の参入を制限すべきではないかといったお尋ねであったかと思います。
 群馬県では、指定管理者の選定手続きを通則条例で規定しておりますが、その第2条で指定管理者の選定は原則公募としております。そのうえで、第1に県民の平等な利用の確保、第2番目に設置目的の効果的・効率的達成、3番目に管理を安定して行う能力の有無など、第4条に定められた選定基準によりまして審査を行うこととしております。また、第6条で指定管理者の指定に議会の議決を要件とするなど、それぞれの段階で厳格なチェックのシステムを構築しております。こういったことを通しまして、公平・公正な選定の確保に努めてまいりたいと考えております。
 第5に、法令遵守の義務と違反があった場合の措置を条例に明記すべきではないかとのお尋ねであります。
 労働関係法令をはじめといたします法令遵守につきましては、指定管理者を選定する際の重要な要件であると考えております。そういった法令が遵守されなければならないことは当然であります。したがって、審査の過程において十分に留意するとともに、指定期間中にあっても、法令に則った運営が行われているかどうか、しっかりと監視をしてまいりたいと考えております。
 第6に、現在運営を受託している団体の雇用の問題についてのお尋ねであります。
 指定管理者制度では公募を原則としております。現在、施設の管理を受託している団体にありましても、一定の条件のもとで民間事業者との競争になることになります。これらの団体については、まず、この機会にコストの縮減などを進め、経営体質の強化や管理能力の向上などを図ることが必要であると考えます。結果として指定管理者に指定されないで、団体における雇用の維持が困難となる場合も発生する場合もあると考えられます。そうした場合には、基本的には、それぞれの団体において万全の対応をとるべきと考えておりますが、県といたしましても、個別の事案ごとに適時適切な情報提供などを行い、就職を希望する者に対しては支援に努めるなどの雇用についての対策を講じてまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、指定管理者制度の導入によりまして県民サービスの向上を図るとともに、行政改革を進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。

         (企画担当理事 山本 明君登壇)
◎企画担当理事(山本明 君) 伊藤議員の自然エネルギー導入促進の取り組みについてお答えを申し上げます。
 伊藤議員御指摘のとおり、我が国の将来を見据えたエネルギーの供給確保や地球問題への対応を考えたときに、自然エネルギーの導入の促進は非常に重要なことであるというふうに認識しております。この重要性を踏まえまして、県では、伊藤議員からも出されましたけれども、自然エネルギーのほか、廃棄物のリサイクルエネルギー利用なども含めた、いわゆる「新エネルギー」の導入についての基本的な方向性を示すための「群馬県地域新エネルギービジョン」というのを平成12年3月に策定をしてお示しをしたところでございます。
 このビジョンでは、「県の施設への新エネルギーの先導的導入」、これを基本施策のひとつとして位置付けておりまして、例えば県庁の県民駐車場、それから群馬産業技術センター、あるいは県立前橋工業高校、こうしたところへ太陽光発電設備の導入など、全庁的に取り組んできたところでございます。
 さらに、新エネルギーの導入や普及を図るためには、エネルギー変換効率の向上であるとか小型化、軽量化、こうした技術革新がとても重要なことだというふうに考えております。例えば、群馬県は全国有数の畜産県でございますけれども、排出される家畜の排せつ物、これは毎年およそ300トンに上るという状況でございまして、これを堆肥以外に有効利用する方法として、バイオマスとしてのエネルギー利用が期待をされているところでございます。このため、新政策課内の科学技術振興室が中心となりまして、コーディネーターとなって県内の大学であるとか企業、さらには県の試験研究機関、こうした県内にあるいろんな知を結集しまして、密接な連携を持ってガス化エネルギー利用技術の研究をスタートさせたところでございます。独立行政法人であります科学技術振興機構──JSTと言っておりますけれども、これが今募集をしております地域結集型共同研究事業、これは大きな事業ですが、5年間かかる研究事業ですけれども、これへの応募も今準備を着々と進めているところでございます。
 また一方で、県民あるいは事業者、そうした一人ひとりの省エネルギーも含めたエネルギーの利用についての意識改革、これも大変重要だと考えておりまして、先ほど議員から出されました、例えば木質バイオマス、これの暖房のためのストーブを入れるという話も、結局、県民あるいは国民一人ひとりのコンセンサスといいますか、そういう利用に対する意識改革をしていかない限り、幾らペレットをつくっても売れないという状況になりますので、そうした意味でも地域への新エネルギーの導入の必要性を知らしめていくといいますか、啓発をしていく、これも大変重要なことであるというふうに考えております。高崎市総合卸売市場の大規模な太陽光発電設備の導入、こうしたような地域における積極的な取り組みを紹介したり、新エネルギー導入の意義を子どもたちにわかりやすく説明する、こういった各種の普及啓発事業につきましては、今後も力点を置いて取り組んでまいる所存でございます。
 また、新エネルギーの導入に関しましては、地域それぞれの自然環境や経済的な条件に応じた取り組みを行うことが重要でございます。下仁田町では木質バイオマスエネルギーの利用、また草津町では温泉熱の利用など、それぞれ県内地域の状況を踏まえた取り組みを始めているところでございます。県では、こうした市町村独自の取り組みに対しましても、担当の職員を派遣したり、国とのパイプ役を果たすといったことで積極的な支援を行うことも重要であるというふうに考えております。
 いずれにしましても、太陽光あるいはバイオマス、こうした新エネルギーの導入促進は群馬県にとって非常に重要な課題であるというふうに認識しておりまして、今後とも、県民あるいは民間の事業者、市町村とともに、新エネルギー導入を県全体に推し進めるためのさまざまな施策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

         (知事 小寺弘之君登壇)
◎知事(小寺弘之 君) 増田川ダムについてであります。
 洪水は自然現象でありますので、大きな洪水がいつ発生するかは予知できない面があります。昨年日本各地で発生した水害を見ましても、1度堤防が破堤すれば大きな被害が発生いたします。したがって、群馬県でも日頃から堤防の整備強化などのハード対策とともに、被害を最小限に抑えるための情報伝達や水防活動が重要であると考えております。
 このため、増田川ダムが計画されている碓氷川水系についても、ダムだけではなくて、全体でどうするかという長期的な視点を持ちながら治水対策等を実施していくべきであり、その際、時々の財政事情や技術開発、環境保全等の諸条件も勘案しながら、よく検討していくべきだと考えております。
 一方、利水についても、将来人口の動向や土地利用の変化によってその見通しが変わってまいりますので、常に最新のデータ、最適な予測方法に基づきチェックを行い、その結果を踏まえて計画を見直すべきだと考えております。この考え方に基づいて、平成13年度にも将来必要量を見直し、ダム計画の内容を一部修正したところでありますが、今後とも、常に内容をチェックして、計画をつくった当時の事情と今日の情勢の変化に応じて、必要な治山治水、あるいは利水事業に努めていく必要があると考えます。
 なお、詳細については、担当の理事の方から答弁申し上げます。

         (県土整備担当理事 川西 寛君登壇)
◎県土整備担当理事(川西寛 君) 増田川ダムについてお答えを申し上げます。
 昨年は全国で集中豪雨や台風による水害が発生し、大きな被害が発生をしております。このため、群馬県としましても、洪水で被害にあった箇所や被害を受ける可能性の高い箇所を中心に、堤防の補強や調整池の設置などハードな対策とともに、被害をできる限り抑えるソフト対策等を重点的に実施することによりまして、安全・安心な県土づくりを進めたいというふうに考えております。
 このような中で、従来より効率的な防災対策の実施に努めてきたところでございますけれども、現在の厳しい財政状況を踏まえれば、より一層効果的・効率的な対策の実施が求められております。この点から、これまで以上の事業の選択と集中的な投資並びに社会経済情勢の変化を踏まえた柔軟な計画の見直しが必要と考えています。
 増田川ダムにつきましても、この考え方に則りまして、平成13年に最新のデータと手法に基づき治水計画全般にわたり再点検を行ったところでございます。また、利水計画につきましても、利水者の水需要を下方修正するとともに、トンネル湧水を活用することでダムによる新規開発量を約4割減量いたしまして、ダムの規模を縮小することといたしました。また、今後とも、環境影響評価手続きを含め調査を行う必要がございますので、治水・利水両面にわたりまして、社会経済情勢の変化に応じ、常に計画内容をチェックしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

         (伊藤祐司君登壇)
◆(伊藤祐司 君) 第2質問させていただきます。
 増田川ダムについてですけれども、人口の減少に議論の余地はないですね。群馬県の人口も2015年には200万人を切り、2030年には180万人ぐらいになってしまうという予測が出ているわけです。しかも、今回発表された出生率の傾向を見れば、さらに減少のテンポは速まるかもしれない。安中市だけが例外であるはずがないんですね。そういう点では、もう水は要らなくなっているんです。それこそ建設を強行すれば大変なツケを子孫に残すことになるというふうに思うんですね。
 13年度にそういうことで見直しをしたと言いますけれども、前回は給水人口が7万5000人のところを予想が6万9000人に減ったので見直しをしています。ところが、今回出ている数字というのは5万9000人なんですね。前回見直しをしたときの数字よりもさらに幅が大きいんです。そういう点では、もう1度真剣に見直すべきだと思います。
 治水で見ても、昨年の新潟大水害は、上流に2カ所ダムがあったのに大災害となっているんです。堤防とダムで洪水を河川に封じ込めるという従来の治水の限界がはっきり示されたのが去年の新潟の大災害だったと思います。そういう点で、川はあふれることがあるということを前提にして、いかに人的被害を抑えるか。これがこれからの治水にとっても必要な考え方になっているわけですから、そういう点で、増田川ダムに固執するというのは、治水対策をこうした方向に進めていくうえでも障害になると思うんですね。知事は倉渕ダムの本体工事を休止させた見識をお持ちです。この増田川ダムについても、もう1度その必要性を現段階で科学的に検討されて、中止を含めて見直しをしていただきたい。改めて答弁を求めたいと思います。
 指定管理者制度ですけれども、地方自治法の244条は、公の施設について、住民の福祉を増進する、これが設置の目的であるとしていて、そして、指定管理者の管理運営を行わせるのは、この「公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があると認めるとき」というふうに限定してこの導入をしようとしているわけですね。ところが、この間の議論の方向と導入の実際を見れば、経費節減が最優先にされている。例外なく公募でやるとか、民間に任せろとか極論もありますけれども、そのとおりにすれば、これまでしっかりと研修も受けて、一定の待遇が保障された職員による公的な責任を持った労働が、圧倒的な規模で派遣労働やパート労働に置き換えられていくことになるんです。職員の意識の向上というのは、きれいごとやかけ声ばかりではだめで、しっかりとした研修やそれなりの待遇というのが必要だと思うんです。指定管理者制度導入は、その大切な部分を薄めることになると思います。そのことをどう防いで、どう対処しようとしているのか、そこのところがきちんとされなければ、サービスの向上というのも絵にかいたもちになると思うんです。そこのところをどう考えておられるのか伺いたいと思います。
 また、出生率が1.28と過去最低をまた更新した。その理由の1つが若年層の雇用状況の悪化にあることは間違いないわけです。若年層の派遣労働者の割合が急増していて、派遣労働者らの賃金というのは大体200万円程度だと。これでは結婚して子どもをつくることができない。だからこそ出生率が下がってきている。県もそのことを承知していて、若年雇用対策に力を入れているんじゃないですか。ところが、今回の安易な指定管理者導入というのは、県として派遣労働者をどんどん推進していくことになるということになってしまうんじゃないかと思うんです。民間と競争するための行き過ぎた賃下げや正職員の派遣労働者化などにどのように歯止めをかけようとしているのか。このことについて、この歯止めがかけられなければサービスの向上もないわけですから、ここのところをどう考えておられるのか、再度お聞きをしたいと思います。
 自然エネルギーについては、例えばペレットストーブはいいですよ、いいですよというふうに啓蒙・宣伝するだけでは流通もなかなか起きてこないと思うんです。そういう点では、県が率先して迫力を持ってどんどんとそういう自然エネルギー化を進めていく。それによって流通や需要の呼び水として、どんどんそういうのを進めていく。そういうことを迫力を持って進めていくことが啓蒙や宣伝ということに大きく結び付いていくと思うんですね。そういう点で、もう1度その決意のほどをお聞かせ願いたいというふうに思います。
 それから、30人学級については、もう時間が10分を切っちゃいましたので、なしにします。
 歴史認識ですけれども、知事は歴代首相が謝罪の言葉を述べてきたというふうに言われますけれども、問題なのは、口先だけで謝罪して、態度が全く伴っていない。近年はますます悪くなっているということだと思うんですね。ドイツは終戦の処理が一段落した後、隣国との歴史認識を共有するための共同委員会をつくって歴史教科書問題に取り組んでいます。5月28日付の東京新聞には特集記事が掲載されていましたけれども、そのドイツの委員の1人がインタビューにこう答えています。「大戦後、ドイツ人は世界で最も憎まれた民族だった。今日では尊敬され、かつて占領した地域の国々にも友人がいる。教科書に真実として記された自らの過去に対するドイツの姿勢のおかげだと思う。過ちと歴史の暗い部分に誠実な態度をとる国は信頼と共感を得るということだ。」理性と科学性を持ったこういう潔い態度こそ世界の信頼をかち得るし、自らの自信にもなる、そういうふうに思います。
 ところが、日本の一部政治家やマスコミはどうか。侵略戦争の事実から目を背けて、これまでの戦争論を旧敵国によるプロパガンダとはねつける。アジアからの批判に対しては反日だとナショナリズムをあおって、国内からの批判には自虐史観だと開き直る。そこにあるのは戦前から引き継がれたアジア蔑視と、それと裏腹の恐怖感ではないでしょうか。世界は大きく変わりつつあります。アメリカとの関係さえよければ世界でやっていけるような時代は終わりました。アメリカが関わっている軍事同盟でまともに機能しているのは日米安保ぐらいです。アジアでもアフリカでもラテンアメリカでも話し合いと相互理解による関係づくりが進んでいます。日本はアジアの一員として、アジア諸国との友好と連帯を抜きにして前途を開くことはできないと思うんです。その日本の政治が中国をはじめとしたアジア諸国に対する侵略の歴史、植民地化の歴史から目をそらす態度をとったままでは、友好と連帯の関係をつくることができないのは明らかだと思います。小寺知事がそうした歴史認識を踏まえて、世界に通用する県民育成を進めていただきたいというふうに思うんですが、もう1度その歴史認識についてお伺いをいたします。

         (県土整備担当理事 川西 寛君登壇)
◎県土整備担当理事(川西寛 君) お答え申し上げます。
 まず、人口問題についてでございますが、社会保障・人口問題研究所の予測についても1つの情報であり、それを踏まえて今後検討してまいりたいと思います。
 また、昨年の新潟水害についてでございますが、その結果、予測を超えた洪水に対する対策は重要であると私も考えております。しかし、新潟水害において、上流のダムの効果がないかのような発言については当たらないというふうに考えております。
 以上でございます。

         (総務担当理事 高木 勉君登壇)
◎総務担当理事(高木勉 君) 指定管理者制度についての重ねての質問にお答えいたします。
 指定管理者制度は、御説明するまでもなく、公の施設を、住民の福祉増進、効果的・効率的な管理を進めるために行うものであります。これまで公社・事業団などがそれを担ってまいりましたけれども、必ずしもそのことだけでは公の施設の今地方自治法に定められましたような目的を十分に達成することができないということで、この指定管理者制度が導入されたわけであります。その導入された制度の趣旨に沿って、民間活力を活用して、そして公の施設を県民サービスの向上を図るためにしっかりと管理運営をしていきたいと思っております。(「具体的に聞いたことに答えてください」と呼ぶ者あり)

         (企画担当理事 山本 明君登壇)
◎企画担当理事(山本明 君) 伊藤議員の再質問のペレットストーブがいいよ、いいよということで宣伝しているだけではだめですよというお話ですが、私もはなからペレットストーブがいいよという宣伝をしようということではなくて、いわゆる木質バイオマス系を燃料として使うことによって、その木質バイオマスのエネルギーがいわゆる循環型のエネルギーであるということで、県民全体でそういう意識をまず共有していかなければ普及しないだろうということを言いたかったわけでして、例えば北欧の国々では国を挙げてそういう国民的な合意ができて、非常な勢いでペレットストーブが普及している。そういうことで、いわゆる木質バイオマスのエネルギーが循環系となって、国を挙げてやっているというようなことがありますので、単にストーブを宣伝しようという気は全くなくて、そういういわゆるエネルギーを循環型のエネルギーに変えていこうよという啓発、国民的なコンセンサス、こういうのを醸成することがまず大事であろうということで、我々はそういう活動をしていますということを申したかったわけであります。
 以上です。

         (知事 小寺弘之君登壇)
◎知事(小寺弘之 君) 再度の御質問でありますが、要は日本も世界において枢要な地位を占めてきております。したがいまして、日本の行動というのは世界が注目しているのでありまして、きちんとした対応をしなければならないと思っております。そしてまた、中国も今や、上海の博覧会、あるいは北京のオリンピックを控えて経済的にも成長して、大きな大きな存在になってきております。日本はこれからどういうふうにしていくか。世界政治の中においては、アメリカとの協調によって世界の政治秩序の安定のために貢献していかなきゃならないと同時に、アジアにおいてもきちんとした相互理解をしていかなければならないということは言えることだと思います。
 そして、歴史認識のことでありますが、現時点でこのような対立が出てくる。だけど、このことを今時点だけで捉えるのではなくて、60年前のあの戦争が終わった時点のことを考えなきゃいけない。そして、それがなぜ起こったかということを考えると、日清、日露、特に日露戦争が終わってからちょうど100年でありますので、その時点のことを思わなければならない。それがなぜ起きてきたかということは、幕末から明治維新にかけてのいろいろな列強からの圧力も受けて開国に踏み切った。それをまたさらにさかのぼりますと、徳川幕府が西欧の植民地政策のあれから守るために鎖国をしたということでありまして、いろいろ歴史はつながってくるわけでありますから、そうした因果関係もよく考慮に入れながら、日本の将来と、そして、アジア、世界の政治の安定のために冷静に対処すべきであろうと思っております。首相が今回どういう行動をとられるかわかりませんけれども、そうした大所高所からの高度な政治判断を伴って、きちんと対応されるものと私は信じております。
◆(伊藤祐司 君) 時間がありませんので、自席で一言だけ伺います。
 増田川ダムについて、現時点の指標をもってもう1度見直されるお考えがおありかどうか、知事にお答え願いたいと思います。

         (知事 小寺弘之君登壇)
◎知事(小寺弘之 君) 増田川ダムについては、過去のいろいろな大型公共事業と同じように、公共事業を進めるからには、まず人命ということを考えなければいけません。そして、私たちは文明によって自然をどのようにコントロールできるかというような限界も考えなければいけません。それから、議員の御指摘にあった人口の増減とか、そういったことによって利水のことも考えなければなりません。いろいろな諸要素があります。
○副議長(中沢丈一 君) 時間です。
◎知事(小寺弘之 君) (続) いろいろな要素を考えながら進めていきたいと思っております。
○副議長(中沢丈一 君) 時間が参りましたので、以上で伊藤祐司君の質問を終了いたします。
 以上をもって本日の日程は終了いたしました。
 次の本会議は、6日午前10時から再開し、上程議案に対する質疑及び一般質問を続行いたします。
  ●散     会
○副議長(中沢丈一 君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後3時4分散会