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茨城県 龍ケ崎市

平成28年 12月定例会 陳情 陳情文書表




平成28年 12月定例会 陳情 − 陳情文書表








陳情文書表

陳情名
蛇沼に面した「抑制区域」内での太陽光発電所建設事業を止め,蛇沼とその周辺樹林地の保全を市に求める陳情書


受理番号
平成28年陳情第1号


受理年月日
平成28年11月30日


陳情者の
住所・氏名
龍ケ崎市長山2−4−12
 龍ヶ崎・里山の会代表
  代表者 桑 原 佑 好 外499名


付託委員会
環境生活委員会


[請願趣旨]
 龍ケ崎市では,市内での太陽光発電設備設置事業について,当市の豊かな自然環境,魅力ある景観及び良好な居住環境との調和を図るために,先日,新規に条例を制定し,適切な立地を図らせようと努力しているところです。
 そんな中,若葉町2240−29番地及び2241−1番地の2.5ヘクタールに及ぶ蛇沼南東部に隣接する樹林地を取得した,太陽光発電事業開発業者である株式会社ジャパン・ソーラー・パワー(以下,JSP社と表記します)が,その高知支店を事業者として,皮肉にも「環境保全・共生型ソーラー発電所」との名称で,1570kw規模の大規模な太陽光発電設備を建設しようとしています。
 現在,森林法に基づく林地開発許可の申請がなされており,茨城県において審査中です。
 かりに,この開発許可が出されたとしても,龍ケ崎市としては太陽光発電の調和に関する条例によって,この場所が9月26日条例の施行と同時に市長によって告示された「抑制区域」にすっぽりと入る立地であることから,太陽光発電設備の建設が行われないよう強く切望するものです。
 市においては,森林法での林地開発許可を出さないよう茨城県知事に働きかけることのほか,同条例の精神に沿って事業者に建設の断念を求めて努力していただき,蛇沼周辺の景観や自然環境の破壊を食い止めるために,市議会として陳情の意を汲んでいただくようお願いするものです。
 なぜならば,蛇沼周辺でのこの種の開発,それに伴う樹林地の伐採・破壊と無機的な発電パネルの設置は,
1.「龍ケ崎市都市計画マスタープラン」で定めているように「蛇沼及びその周辺の樹林地については,市民が身近に自然とふれあえる場として活用できるよう,風致公園としての整備とその周辺の自然環境の保全を進める」ことが出来なくなることであり,今後の景観に配慮した「景観形成団体」となろうとしている当市のまちづくりの根幹にかかわるものであること。
2.「龍ケ崎市緑のまちづくりプラン(緑の基本計画)」で定めている「基本方針(1)蛇沼周辺及び龍ケ崎市森林公園周辺に残存する樹林地や平地部と丘陵部の間にある斜面緑地の保全を図る」との緑地保全方針に抵触し,いったん樹林地の伐採・破壊を認めれば,事実上,元に戻らなくなるものであること。
3.森林法に基づく「龍ケ崎市森林整備計画」において,この森林=樹林地は「水土保全林」と位置付けられており,基本的に伐採による森林地の減少を予定していない場所であること。
4.蛇沼周辺の樹林地は,蛇沼への水源涵養林としての役割を果たしており,その伐採は蛇沼を渇水させてしまいます。また,オオタカやサシバなどの猛禽類を筆頭に,カモ類など多数の野鳥の飛来地となっており,水辺空間とそれを囲む樹林地がつながって存在していることで,生物多様性の確保にもつながる貴重な生態空間となっており,しかもそれが居住地に近いところで保存されている貴重な里山空間であること。
5.蛇沼西側の樹林地の4ヘクタール近くは,地権者の協力で県の「平地林保全事業」「身近な緑保全事業」によって森林管理がなされており,その普段の作業は龍ヶ崎・里山の会及び龍ケ崎市市民環境会議自然環境部会,また竜ケ崎二高生を含めた市民の手でなされており,問題の樹林地も含めた蛇沼東側においても段階的に保全がなされようとしていたこと。
6.大規模な太陽光発電施設は,自然再生エネルギーであるというメリットの一方,パネルの鏡面効果による光の反射公害や,通常の開発行為で求められる程度の雨水処理や土地造成での技術的基準指導がなされず,建設後に問題が起きる例も多いものであること。先日完成してしまった蛇沼北側での株式会社プロスペック・ホールディングによる3.6ヘクタールの大規模発電所でも,完成後に地盤改変の結果の隣接市道及び隣接農地の浸水被害の発生という事例もあること。
7.市外開発業者によるこれら太陽光発電設備建設が,その多くが投資目的で建設され,開発事業者自身はその後投資家らに転売又は分割分譲するなどして,委託を受けて管理に当たるとされるものの,真の事業責任者の顔が見えず,長期にわたる稼働の期間を通して責任ある対応が取られるかどうかが担保されないことが多い。上記,プロスペック社の場合も,着工前,開発許可を得た段階で権利ごと投資目的の会社に売り払っていること。今回のJSP社においても,全体は28のブロックに分けて設置されるとのことで,分割して小口の投資家にも販売しやすくするとされており,その後の管理責任のほか,寿命の到来時に半導体である太陽電池パネルが適正に廃棄処分されるか否かという問題もあること。
 といった問題があります。
 なお,この蛇沼と周辺地域については,岡田市長時代に水際線から50m程度を取得して風致公園にしたいとの政策が打ち出されたほか,海老原市長時代には産廃業者に取得され,残土捨場等にされようとした松葉6丁目地先の約5000?を市として取得し風致公園として整備活用しました。そして今回は,竹内家レンガ洋館の文化財調査を含めて蛇沼周辺の散策路整備等に向けた太陽光発電事業者からの用地貸借を緊急的に予算化しています。

 このように市としてもすでに積み重ねてきた経緯の上に,「緑の基本計画」等で保全と活用としてきた課題について,今後,市民や地権者とも協働して未来に誇れる「蛇沼里山自然ゾーン(公園)」として整備する構想を具体的に策定していっていただきたいと思います。市の管理する蛇沼,都市公園としての蛇沼公園,蛇沼風致公園,県の身近な緑推進事業で整備・管理が続けられている樹林地,そして未だ未整備の大羽谷津の大規模樹林地及び蛇沼用水路周囲の谷津田地域の休耕田での自然再生地域までをも含めた「茨城県南に誇れる里山空間」は,市外からの交流人口の増加や自然環境に包まれた住宅地として定住人口の増加にも寄与していくものと確信します。
 これらのことから,市長において「抑制区域」と定める区域内でのJSP社による,林地開発=伐採・破壊を行っての太陽光発電設備の設置を認めず,各種の環境保護団体並びに蛇沼を抱える長山地区らの住民を含めた市民の蛇沼とその周辺樹林地を残したいとする希望を実現していただけるよう陳情いたします。
[陳情事項]
1.若柴町2240−29,2241−1番地に建設されようとしている太陽光発電設備設置事業について,県への働きかけ及び市条例の抑制区域の趣旨が生かされるよう事業者に強く要請するなどして,この樹林地の伐採を伴う建設を止めるよう,市長に対して要請してください。
2.蛇沼とその周辺樹林地を含む地域について,「都市計画マスタープラン」「緑の基本計画」の趣旨に沿い,将来的な風致公園としての一体的な整備に向けて,市民との協働による保全・整備計画の策定を進め,加えて他地域をも対象とする「里山保全条例」等の制定による,地権者とも協働しての市内里山空間の保全が実現されるよう,市に働きかけてください。