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平成20年土木常任委員会  本文




2008.10.23 : 平成20年土木常任委員会  本文


                午後1時2分開議
◯飯泉委員長 ただいまから,土木委員会を開会いたします。
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◯飯泉委員長 初めに,委員席の変更についてお諮りいたします。
 委員席の変更につきましては,ただいま御着席のとおりに変更したいと思いますが,御異議ございませんか。
             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


◯飯泉委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
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◯飯泉委員長 次に,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。
 江田委員と佐々木委員にお願いいたします。
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◯飯泉委員長 次に,伊藤土木部長から,佐々木港湾振興監が私事都合のため欠席する旨の届け出があり,委員長において受理いたしましたので,御了承願いたいと思います。
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◯飯泉委員長 次に,本日の審査日程等について申し上げます。
 本日の委員会は,公共施設の今後の維持管理のあり方について,参考人をお招きして意見聴取を行った後,執行部から「公共施設の維持管理の取り組み」について,説明聴取を行います。その後,次回の第4定例会会期中の委員会において,執行部に対して行う提言について協議し,審査は終了といたします。
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◯飯泉委員長 それでは,これより議事に入り,参考人の意見聴取を行います。
 本日は,参考人として,国土交通省関東地方整備局地方事業評価管理官の田中良彰さんをお招きしておりますので,御紹介いたします。
 田中さんは,道路局や関東地方整備局におきまして,主に道路行政の担当者として御活躍され,平成15年度,16年度には,常総国道事務所の所長として,本県の道路行政に大変御尽力いただいたと聞いております。
 詳細のプロフィールにつきましては,お手元に資料をお配りしておりますので,ごらん願いたいと思います。
 田中さんには,大変お忙しい中,本委員会に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼申し上げます。
 本日は,「これからの社会資本整備と管理」について,御意見をお伺いいたします。
 意見聴取の進め方につきましては,初めに,田中さんから御意見をお伺いしまして,その後,意見交換を行うこととしたいと思います。
 それでは田中さん,よろしくお願いいたします。


◯田中参考人 ただいま御紹介いただきました田中でございます。御紹介にもありましたように,平成15年度,16年度の2年間,土浦にあります常総国道の所長として,主に圏央道の事業を担当しておりました。今現在は,本局の企画部というところで,いろんな業務を実施しております。
 きょうは,1時間ほど時間をいただきましたので,この表題にありますような「これからの社会資本整備と管理」におけるいろいろな取り組み,問題点等を御紹介したいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。では,座って説明させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 本題に入ります前に,経済対策の一環といたしまして,先週16日ですけども,補正予算が成立いたしました。関東地方整備局関連事業も,直轄・補助合わせまして,910億円追加されました。そのうち4割が直轄,6割が補助事業ということでございます。
 直轄事業の茨城県内の主な事業としましては,国道6号の千代田石岡バイパス,それから圏央道。河川事業につきましては,首都圏氾濫区域堤防強化対策として,追加の整備をするということであります。当初予算とあわせまして,計画的な執行に努めていきたいと思っていますので,よろしくお願いいたします。
 私たち整備局に課せられた使命といいますのは,10年先,20年先の国道づくりがどうあるべきかといったところをきちっと見据えてプランニングし,良質な社会資本整備を行う。そして,それを末永く健全な状態で管理するということであります。そういったことで,きょうはちょっと欲張って,たくさんの資料を用意いたしましたが,かいつまんで説明をさせていただきたいと思っています。
 最初に,さわりの部分としまして,関東地方の特性と課題というところから,簡単に御紹介したいと思います。
 先進諸国のどの国も,生産年齢人口が減少傾向にあります。特に日本においては,その傾向が顕著になっていると。パワーポイント,見づらいと思いますが,右の方に,各ブロックごとの総人口の推移が示されておりますけれども,右半分が予測値になっております。北海道とか東北,四国,中国,九州といったところは既にピークを過ぎておりまして,関東は一番遅いと言いつつも,あと2〜3年でピークを迎え,それ以降は減少に転ずるというふうな状況になっております。
 これをもう少し地域別に見てみますと,首都圏の中でも,茨城県を含みます北関東3県については2005年,ですから3年ほど前に,既にピークを迎えております。南関東におきましても,あと10年以内には人口が減少傾向に転ずるという状況になっております。
 これまで20年間の人口増減でございますが,左がこれまでの20年の動向で,南関東を中心に赤い色が結構点在しておりますが,これが20%以上増加したという地域でございます。それが,これからの20年後にはどうなっているかというのが,右の絵であります。青系統の地域が非常に多くなっていると。若干,首都圏の中心部に薄い赤い部分がございますけれども,大半が水色あるいは薄い青,濃い青というふうなことになって,関東地域を含め,全体が減少傾向になるというふうに推定されております。
 総人口の減少傾向と連動いたしまして,50年後,生産年齢  いわゆる15歳から64歳までの層でございますが,この人口が,現在の約半分にまで減少してしまうと。この絵では,青い部分の構成層です。構成比率も,今現在は66%程度ありますけれども,それが50%ぐらいに落ち込んでいくということであります。
 一方,65歳以上の高齢者と言われる層については,これは黄色でございますけれども,今現在の1.4倍にふえております。構成比率では,今は20%ぐらいですけれども,これがなんと40%まで拡大すると。多分,世界一の高齢化社会になっていくのではないかというふうに想定されております。
 次に,主要圏における経済力は今後どうなっていくのかということを示したグラフでございますが,2030年  おおむね20年後でございますけれども,年平均成長率のトップは中国ということになります。次いでインド,まさにアジア地域は,これから非常に勢力を伸ばしていくということであります。特に中国につきましては,高い経済成長を続けまして,2030年時点のGDPは,アメリカと肩を並べるほどになるというふうに予測されております。
 一方,我が国の状況を見ますと,年平均1.数%ぐらいの伸び,2030年におきましても現在の2倍程度のGDPしか期待できず,中国との差が一層大きく開いてしまうというふうな状況であります。
 このような経済発展と相まって,中国などの東アジアにつきましては,国際空港の処理能力を確実に高めているという状況であります。一方,我が国の状況はどうかといいますと,成田空港の能力については,現時点で限界に非常に近くなっておりまして,新規の乗り入れだとか増便など,今後の航空需要にこたえられないような状況になっているということであります。
 海のほうも同様でございまして,今から20年前でございますが,我が国の重要港湾も,それなりの国際貨物をさばいてきたということであります。ちょうど真ん中ぐらいに表がありますけれども,神戸港の取扱量は,当時は世界で4番目に位置しておりました。それが2006年になりますと,軒並み日本の港湾は順位を大きく落としております。原因はいろいろあるかと思いますけれども,一つは処理能力の不足,それから,手続が非常に長い,あるいは高コストといったものが原因のようであります。我が国の港湾につきましても,深い水深を有するような岸壁の整備だとか,あるいは荷さばき施設の大型化といったハードの整備とあわせて,やはり手続の効率化・短縮化を図る必要があるということであります。
 海と空の次は道路でございますけれども,中国は御存じのとおり,先般,北京オリンピックが開催されました。このオリンピック開催までに,5つの環状道路がすべて完成しております。車線数をすべて足しますと,なんと30車線という非常に充実した環状道路ができ上がっております。ソウルでも,2つの環状道路がすべて完成済みということでありますが,これに対しまして首都圏の環状道路整備は,この絵でもわかりますように,約4割の開通しか見てないということでございます。
 これは,圏央道と3環状をもう少し大きく記した絵でございますけれども,茨城県内に着目いたしますと,約70キロメートルの圏央道の計画がございますが,今現在,開通済みの区間は,赤い着色をしています常磐道から阿見東インターチェンジのわずか13.5キロと,70キロメートルに対して約2割の進捗というふうになっております。しかしながら今年度内には,さらに江戸崎インターチェンジまでの約6キロメートルを新たに供用することになっておりますが,今後も圏央道を初めとする環状道路の整備を,計画的かつ重点的に推進する必要があるというふうに思っております。
 本来,我が国も国際競争力の強化を図りまして,強い国,あるいは安心・安全な国を目指すためにさまざまなインフラを,生産者人口が大きく落ち込む前,まさに今のうちに積極的に整備をしていく必要があるというふうに思っておりますが,なかなかそういった声が聞こえてこないというのが現状でございます。
 国際競争力の強化という視点で,先ほど空港,港湾あるいは環状道路の整備の必要性を申し上げましたけれども,一方で,安全で安心な国土整備も怠るわけにはいきません。
 我が国の特有とする自然環境について簡単に触れますと,まずは地震大国であるということであります。近年では平成17年に中越地震が発生いたしましたし,昨年の平成19年は,能登半島あるいは中越沖地震,それから,ことしに入りまして,岩手・宮城の内陸地震と,立て続けでこういった大規模な地震が発生しております。道路,河川,砂防といった施設にも,大きな被害を受けております。左のほうに書いておりますけども,こういった首都直下地震がいつ起きても不思議はないということでございまして,こういった大きな地震が起こりますと,112兆円という,なかなか想像もできないほどの大きな経済被害が出るというふうに試算されております。
 また,地球温暖化の影響なんでしょうか,雨の降り方も最近非常に異常でございます。近年,集中豪雨が頻発しておると。ことしの7月には愛知県の岡崎市で,多数の人的被害が発生したということでありますが,特に近年,1時間50ミリメートル以上を超える大雨の発生回数が非常に多くなっているとこれは左の棒グラフで示したものでございますが,年間500回を超えるというふうに,非常に強い雨が何回も降るということでございます。総雨量が多くなっているということではなくて,総雨量はほぼ変化がございません。非常にばらつきがあって,洪水の増加する一方で,同時に渇水の深刻化も多く発生しているということでございます。
 我が国の地形は,御存じのとおり,急峻な山地が非常に多いということで,少ない平野の中に多くの人口が集中しております。関東地域も同様でございまして,洪水時の河川水位よりも低い土地に,多くの方々が住まわざるを得ないということで,想定はんらん区域に住む人口が,なんと35%というような状況になっております。
 関東地域のもう一つの特徴でございますのが,深刻な渋滞でございます。道路の渋滞で損失する時間が,全国で約4,000時間というべらぼうな時間を損失しているということでありまして,関東地域はその3分の1を占める渋滞の発生状況でございます。そのことで経済損失額が,年間2兆8,000億円というふうに試算されております。特にこの絵でもわかりますように,国道16号の内側,それから,県庁所在都市あるいはその周辺といったところで深刻な渋滞が発生しているということでございます。
 繰り返しになりますけれども,競争力のある強い日本,そして関東,安全・安心な国土整備,こういったものを生産人口が大きく減少する前に,着実に整備する必要があると考えております。
 これから,2つ目のテーマでございまして,きょうの本題でありますが,社会資本整備の維持管理の方向性ということで御紹介したいと思います。
 昭和30年代以降の高度経済成長時代に集中的に整備されました社会資本が,急速に高齢化を迎えております。老朽化した施設が損傷して事故等の発生が懸念されるだけではなくて,維持管理や更新に要する費用が急増しております。建設後50年以上経過する公共施設の割合を,施設ごとにグラフで示しております。道路あるいは水門,港湾の岸壁については,50年以上経過したものは数%から10%程度でありますけれども,20年後には,おおむね約半分ぐらいまでその割合がふえていくということになります。したがいまして,早期に損傷を発見し,早期に補修・補強を行って施設の長寿命化を図っていかなければならないということでございます。
 まず,道路について着目をしたいと思います。
 繰り返しになりますけれども,戦後の昭和30年代から40年代にかけまして,高度成長期時代,特に東京オリンピックなんかが開催されたころでありますが,首都高速道路を初めとする多くの社会資本,とりわけ整備がおくれていました道路を急ピッチに整備した時期でございます。その結果,多くの道路ストックが,今40年近くが過ぎ,急速に高齢化している状況でございます。
 我が国の置かれた状況でございますが,先ほども災害大国,地震大国であるというお話をしました。さらに,軟弱地盤が相当広がっております。台風も来ますし,集中豪雨も多いと。こういった脆弱な国土のために,建設コストはどうしても割高にならざるを得ないわけですが,そればかりではなくて,メンテナンスにも相当のコストがかかるということになります。特に海に近いところとか,あるいは車両が多く通るようなところ,こういった自然条件あるいは交通条件が厳しい道路については,損傷が早目に発生するということでありますので,早目早目の対策が必要ということでございます。
 ストック量も今後増していきますけれども,加えて施設の高齢化ということで,今後は維持管理に要する費用が,非常に右肩上がりで増加せざるを得ないということであります。30年後には,現在の2倍の投資が必要となるというふうにも試算されております。
 また,これまではつくるほうは材料・材質あるいは施工する機械,さまざまな分野で新しい技術が開発されまして,より早く,より安く,より品質の高い構造物を施工することが可能になってまいりましたけれども,一方,メンテナンスに関する開発技術は,なかなか進んでいないという現状でございます。しかしながら,全体の建設投資が減少する中,維持管理についてもコスト縮減に努める必要があるというふうに思っております。
 道路橋の整備状況ですが,1950年代,今から約50年ほど前,ちょうど私が生まれたようなときですが,そういったときから整備が進みまして,全国の県道以上の橋梁数が,現在5万数千橋に達しております。市町村道以上で見ますと,15万橋近くまで整備されたということでございますが,その中で,完成後の経年変化を見たのが,左のグラフであります。30年以上経過している橋梁は,右半分赤い色,あるいはオレンジ,黄色部分でございますが,全体の約半分,47%を占めているということであります。
 管理者別に見たのが右の円グラフでございますが,道府県が管理する橋梁数は全体の約3割,4万数千橋。市町村道に至りましては,全体の6割と,8万4,000橋ということで,そのほとんどが県,市町村の管理する橋というふうになっております。
 先ほどの円グラフでも見ていただきましたとおり,50年以上経過する橋梁は現在8%にすぎませんけれども,10年後には20%,20年後には約半数が50歳以上になってしまうということで,急速に橋の高齢化も進んでいるということでございます。
 アメリカと我が国の比較でございますが,アメリカは,我が国よりも約30年以上先行しております。「荒廃するアメリカ」というものを御存じだと思いますけれども,実はアメリカは1960年から1980年,日本でいいますと昭和30年代後半から50年代前半でございますが,アメリカ経済が非常に低迷していた時代がございました。そういったことで,道路整備を初めとする公共投資をどんどん削減し続けたわけであります。その結果,どういうふうな状態になったかといいますと,橋は落ち,路面はがたがたになったという,いわゆる「荒廃するアメリカ」となってしまいました。我が国もこのままにしていますと,アメリカの状態に非常に近くなっているということでございます。
 昨年の8月1日に,ミネソタ州のミシシッピ川に架かる高速道路の橋が突然,帰宅ラッシュ時に崩壊いたしました。非常にショッキングな事故でございまして,皆さんも記憶に新しいところだと思いますけれども,実はこの橋は1967年に完成したトラス橋で,ちょうど40年しか経過しておりません。交通量はかなりあったようでございますけれども,先ほども言いましたように,約30年前ごろから,道路などの公共投資をふやしてきたところでありますが,全橋梁の45%に何らかの欠陥があるということがわかっておりまして,それが現実の問題として今回の崩壊事故につながったということであります。原因はいろいろあるようですけども,どうも重大な設計ミスがあったということだそうでございます。
 アメリカだけではございませんで,あわや大惨事となりかねない橋梁の損傷が,最近我が国でも発見されております。たまたま道路をパトロールしたときに,職員が異常を発見したということで大事には至らなかったわけでございますが,氷山の一角だということでしたら,非常に恐ろしいことだと。場所は,中部地方整備局の三重県内の国道23号,木曽川に架かります約900メートルのトラス橋であります。この橋梁も45年しかたっておりませんが,鉄の斜材が劣化で破断してしまったということであります。全く同じような事象が,東北地方整備局の秋田県内国道7号でも,同様のトラス橋でございますが,斜材が破断していたというふうなことが確認されております。以上が,我が国の橋梁の高齢化に関する現状の紹介でございます。
 道路橋の3大損傷というところで,要するに,橋梁が非常に傷んでおります。どんなところが傷んでいて,どういった治療を施しているかというところを,少しかいつまんで御紹介したいと思います。
 橋梁が老朽化すると,どういうふうなことが起きるかということであります。やや専門的なお話になることを御容赦願いたいわけですが,「3大損傷」と一般的に呼ばれております,この3大損傷が,数多くの橋梁で発生しております。
 3大損傷といいますのは,1つは塩害であります。2つ目はアルカリ骨材反応,3つ目は疲労と,これが3つでございます。この写真は,塩害によってPC鋼線が破断してしまったと。
 そもそも塩害とはどういうことかと言いますと,ちょっと専門的になりますけども,アルカリイオンによって,コンクリート内の鋼材の腐食が進むと。そして,コンクリートのひび割れや剥離を引き起こすと。こういった現象であります。特に,海岸に近い地域で発生いたします。海水のしぶきだとか,あるいは塩分の飛来によって進行すると。特に日本海側といったところが,厳しい環境下に置かれていると。茨城県内で言いますと,国道6号がちょっと注意しなければならないだろうというところであります。
 初期のうちに対応すれば,表面の塗装で済みますけれども,だんだん大きく進んだ場合には,電気防食工法という工法で対処しなければならないと。当然,費用が高くつくということになります。
 3大損傷の2つ目,アルカリ骨材反応でございます。この写真は,この反応によって,コンクリートの橋台にたくさんのひび割れが発生した状態でございます。アルカリ骨材反応,これもちょっと専門的になりますけれども,砂利などの骨材の中に反応性鉱物というものが入っておりますと,コンクリート中のアルカリ性水溶液というものと反応して,コンクリートの異常膨張,ひび割れを引き起こす現象であります。
 このアルカリ骨材反応が進行しますと,コンクリートの中に組み込んでいる鉄筋が切れてしまうと。それによって,橋梁の耐荷力が大きく低下するという現象になります。
 初期の段階ですと,上の写真でございますが,ひび割れ注入対策工法というふうな工法を施すことによって対応できますが,これが劣化が進みますと,コンクリートの壁に厚い鉄板を張りつける,いわゆる鋼板接着工法というふうなことで,非常に費用がかさむという状況になります。
 これは,そういった関係で,コンクリート片が下に落下するというふうな事故も起きております。劣化が大きくなる前にいろいろな対策を講ずることによって,早く,安く仕上げることができるということで,これは,炭素繊維シートというものを張って補強するということでありますが,これをほうっておきますと,最悪コンクリートの床板,直に車輪を支える床でございますが,これが抜け落ちると。最終的には交通止めをして,そっくり床板を取り替えるということに発展する例も多々あります。したがいまして,繰り返しになりますが,早期の予防的な対策を施すことが,対策費の縮小に大変有効であるということでございます。
 3つ目の損傷ですが,疲労による損傷。疲労といいますのは,特に交通量が増大する,あるいは決められた重さ以上の過積載の車両が,何度も何度も通行するという,その繰り返し荷重によって,いわゆるへたってしまうということであります。そうしますと,鉄の部材だとかコンクリートの部材に亀裂が発生してしまうということであります。
 この写真は,床板を構成する鉄の部材が変形したり,亀裂が入って表面の舗装までその影響が出たということであります。こういった橋については,下から点検しますと,損傷の状況がよくわかるということであります。特に,大型車のタイヤが乗る位置に多く発生いたします。また,隅角部と言われます谷折れ部の溶接部分に多く見られるということでありまして,先般も,首都高速道路などでは大きな問題になったということであります。
 これも,裏側のリブみたいなところに亀裂が起こったということであります。目だけではなくて,機械を使って検査をするというふうなこともやっております。
 こういった3大損傷のほかに,阪神・淡路大震災が平成7年に発生しておりますが,このとき,阪神高速道路がものの見事に倒壊してしまいました。やはり古い設計基準で施工された橋は,全国でいっぱいありますけれども,通常の小規模な地震ではこれほど大きなダメージは受けないわけですが,それ以降,阪神・淡路の地震クラスでも耐え得るような耐震補強を,全国で展開をしているということであります。
 これから,もう少し身近な,茨城県内の道路橋がどんな状況になっているか,若干触れたいと思います。
 茨城県内の道路延長は,皆様御存じのとおり,北海道に次いで全国2番目ということでありまして,市町村道も含めて2,500橋の橋が存在しております。現在は,完成後50年を超えるような橋梁はそれほど多くありません。全国並みでございますが,左の円グラフのとおり,全体の数%にすぎません。これが20年後になりますと,一挙に高齢化いたします。約半分が,50年以上経過した橋梁が占めるということになります。
 問題は右のグラフでございますが,過去5年以内で橋梁の点検を行っているかいないかを示したものでございます。国道と県道は100%実施しておりますけれども,市町村道,市町村においては,わずか8%しか点検されてない状況でございます。
 これは国道4号,五霞町内を通る4号のバイパスの五霞高架橋の補修工事でございます。これは,実は完成後30年しか経過しておりませんでしたが,鉄の部分の床板が,疲労によって溶接部分を中心に亀裂の損傷が発見されました。H綱などで補修工事を実施しております。
 これは,ひたちなか市の国道6号枝川跨道橋でございます。これも架設後40年を経過した橋梁でありますけれども,橋台の部分あるいはコンクリートの床板のひび割れが,橋梁点検によって発見されました。来年度,平成21年度,床板の裏側に炭素繊維シートを張りつけて補修するということと,橋台の表面を削った後に,コンクリート等で修復する工事を実施すると。これは,発見が割りかし早い段階でのものですので,ある程度小規模な補修で済むということでございます。こういったふうに,老朽化は着実に進んでおります。早期に損傷を発見し,早期に対応するということが,橋梁の延命化につながるということでございます。
 次に,「道路橋の予防保全に向けた提言」ということで簡単に御紹介いたします。
 国土交通本省で橋の専門家を集めて,道路橋の予防保全に向けた有識者会議というものを昨年10月に立ち上げました。数回の会議を経まして,ことしの5月に提言としてまとめられたものでございます。
 ちょっと文章がずらずら書いておりますが,かいつまんで言いますと,まず,有識者会議を立ち上げるに至った背景でございます。先ほどの木曽川大橋の事例でも紹介しましたとおり,近年,我が国においても,相次いで重大事故につながりかねない損傷が発見されたということ。それから,ミネソタ州の惨事というものは,補修・補強のおくれが致命的な事態を招くこと。こういったものを示唆しているものであるということ。また,我が国の橋の管理に関する実態を見ますと,まずは点検,診断,補修の信頼性が十分確保されていないということ。それから,専門知識を有した体制が整備されていない。さらには市町村においては,9割が定期的な点検をしていないと。こういった課題が浮き彫りとなってきました。橋が万が一崩壊しますと,国民の生命あるいは財産に危険が及び,社会的な損失が生ずるということとなります。そういったことで,早期発見・早期対策で国民の信頼性を確保するということと,ライフサイクルコストの最小化と構造物の長寿命化を図るということから,方策を早めに取りまとめる必要が生じたということで,昨年10月,有識者会議が立ち上がったわけであります。
 進行する橋梁の高齢化の一方で,国民の要求性能というのは非常に高度化しております。道路橋保全の現状を申し上げますと,まずは「見ない」「見過ごし」「先送り」と,こういうことであります。放置すれば人命に危険が及び,社会的損失が生じ,膨大な費用が必要となるということであります。そのために早期発見・早期対策の予防保全システムとして,5つの提言がまとめられております。一番下の四角の枠に入っておりますけれども,1つ目は点検の制度化,2つ目,点検及び診断の信頼性確保,3つ目,技術開発の促進,4つ目,技術拠点の整備,5つ目,データベースの構築と活用,こういった方策が提言されました。
 細かいところは省略いたしますけれども,1つ目の方策としては,点検を制度化するということであります。多くの市町村は資金,人材,技術といったものが不足しております。したがいまして,実際にはなかなか点検ができない状態になっております。そのために,すべての道路橋での点検を制度化するということ。そのために資金や人材,技術を充実する仕組みをつくるということであります。
 2つ目の方策でございますが,点検及び診断の信頼性を高めるために,まずは,点検のきめ細かな技術基準をつくること。そして,点検する人あるいは診断する人の資格制度を設けようということ。また,道路管理者についても,教育研修を充実しようということであります。
 3つ目の方策でございますが,なかなか他の分野に比べておくれている技術開発を,国が中心となって推進していくこと。
 4つ目につきましては,技術支援を行う拠点を中央と,ブロックごとにそれぞれ整備をすること。そして,そこで多くの対応事例などを収集し,全国の道路管理者へ最新情報を提供しようということ。
 それから,5つ目の方策でございますが,全国の橋の基本情報,例えばいつできたのか,橋長は何メートルか,構造形式は何なのかといった基本情報をデータベース化すること。
 この5つの方策が提言されました。何と言っても早期発見が重要ということであります。
 直轄国道におきます橋梁の点検の概要を少し紹介いたしますと,まず,でき上がって2年目に最初の点検をいたします。その後は,5年後に点検を実施すると。近い場所,近い視点から,コンクリートのひび割れだとか路面の凹凸,こういった26項目のチェックポイントを設定し,チェックしていくと。対策の必要性,緊急性を7段階に判定して,きちんとカルテに記録するという対策を講じております。
 先ほどの提言でもうたわれておりましたように,大きく損傷してから大規模な修繕をするのではなくて,計画的かつ効率的な管理をするのが,アセットマネジメントであるということでございます。
 この絵は模式的にあらわしたものでございますが,従来の構造物の修繕というのは,左の図に示す青い「ケース2」というものがほとんどでありました。相当程度損傷が進んでから,大規模な補修・補強を実施しているということであります。これからの維持修繕は,より詳細な点検・評価をした上で,小規模な補修を早目に行うと。そして,一定の健全度を確保すると。これによって,ライフサイクルコストを最小化することができるということでございます。
 以上は,道路編でございましたが,次からは,河川編のほうに移らせてもらいます。
 河川管理施設も道路と同様でございまして,近年ストック量が非常にふえて,かつ老朽化が進行しているということでございます。施設の機能を監視して,適切な維持補修を行う必要が出てまいりました。
 左のグラフ,小さな絵で恐縮でございますが,これは全国の堰とか水門,配水機場といった河川施設の設置状況でございます。1970年から80年代にその多くが整備されておりまして,これが今後,高齢化を迎えるということであります。施設の具体的な損傷状況を,写真を多く掲載しておりますので,また,後ほど見ていただきたいと思います。
 ダムも着実にそのストック量がふえております。全国で現在475のダムが整備され,中には,随分古くなったダムもあります。施設の老朽化ばかりではなくて,崩壊しやすい地質条件の地域のダムにつきましては,想定以上の速度で土砂がダム湖に堆積してしまうということであります。先ほどの堰とか水門などと同様に,施設の機能を十分監視して,適切な維持補修をする必要がございます。
 河川にも,いろいろな顔があるということでありまして,同じ一つの河川でも,大都市を流れる区間もあれば,山間部を流れる区間もございます。したがいまして,河川の形状あるいは形態,それぞれ異なる特徴がございます。また,周辺の地域の開発状況などによっても千差万別ということでありますので,したがって,おのずとその管理方法についても,一律にはいかないということでございます。
 これは,茨城県内の小貝川と鬼怒川の断面でございます。堤防の天端の高さと住宅地の高さを見てもおわかりのとおり,一たび堤防が破堤しますと,周辺に壊滅的な被害をもたらすということになります。
 具体的な点検作業の内容でございますけれども,当然施設ごとに点検頻度だとか,点検ポイントが異なってまいります。堤防で言いますと,日常の巡視のほかに出水期前,それから出水後の点検を行って,変状を把握いたします。樋門とか樋管などの構造物につきましては,月ごと,あるいは年ごとに点検をして,変状だとか,あるいは動作異常を把握するということであります。
 既に4年がたちますけれども,平成16年7月に,福井と新潟のほうで強烈な集中豪雨がございました。双方とも堤防が破損して,非常に大きなダメージを受けたものでございます。こういった背景から,平成17年に堤防の緊急点検というものを実施いたしました。円グラフに書いてございますように,その結果,護岸の破損,亀裂,法面の崩れなどが多く確認されたということでございます。
 また,樋門,樋管などの構造物も月ごとに点検をしておりますけれども,写真にありますように,鉄筋が露出しているとか,あるいは漏水が確認されるとか,あるいはコンクリートのはげ落ちなどが確認される場合が多々あります。そのようなときには,モルタル充てんだとか繊維材の巻き立てなどの応急措置をすると,そういったことで施設の延命化を図っているということでございます。
 とは言いましても,河川の延長というのは非常に大きいと。地球を3周りするほどの長大な延長14万キロメートルを有しております。そもそも堤防の機能というのは,洪水から国民を守るということだけではなくて,地域の交流の場にもなるということでありますので,地域特性に即した効果的・効率的な管理が求められております。
 これは,平成16年7月の集中豪雨で水びだしになった現況写真であります。新潟の五十嵐川というものが破堤して,集落が床上まで浸水してしまったと。
 また,下の写真は,福井の足羽川という川でありますが,これも堤防が破損して,JRの橋梁が流出してしまったと。こういうふうな大きな災害でございました。
 以上のように,最近頻発します集中豪雨とか大型台風によって,各地で河川施設が大きく被害を受けているわけでございます。このような状況を踏まえまして,本省に設置されております社会資本整備審議会河川分科会で,安全・安心が持続可能な河川管理のあり方検討会というものを新たに立ち上げ,議論を進めたところであります。そして,平成18年7月に「安全・安心が持続可能な河川管理のあり方について」提言をまとめました。
 提言をまとめるに至った背景でございます。これも文章をずらずら書いておりますけれども,必要なところを赤く染めておりますが,要するに,昭和40年代から50年代に設置された多くの河川管理施設が更新時代を迎えるということ。それから,これからの維持管理に要する費用が,今後非常に多くなっていくこと。一方で,限られた予算,人員,体制で管理をしていかなければならないという現状であること。したがいまして,確保すべき維持管理水準というものと,実施可能な管理の限界を明らかにする必要があるということが,そして,当然ながら効果的・効率的な維持管理を実施するということが喫緊の課題だということで,このために,持続可能な河川管理のあるべき姿というものをまとめたということでございます。提言の内容は非常に幅広いわけですが,その中で,河川の維持管理上の具体的な施策という部分を抜粋いたしました。
 まず,河川維持管理計画というものと河川維持管理実施計画という,この2つをつくると。前者の維持管理計画というものは,おおむね3年から5年間をスパンとした具体的な維持管理の内容を定めるものでございます。後者の維持管理実施計画といいますのは,それをさらに1年365日の年間スケジュールと,実施内容を毎年具体的に定めるというものでございます。当然ながら,つくるだけではなくて,維持管理の実施状況を毎年評価する。そして計画を常に見直すと。いわゆるサイクル型維持管理の実現を図るべきだというふうに提言がなされております。
 河川には,さまざまな顔があるということを先ほど申し上げましたけれども,河川は本来,流れる水,流水,土砂,植生,こういったものの相互作用で形成されているということでありますが,それが洪水等によって,その状況が時には急激に変化するというものであります。
 一方で,堤防につきましては,長年にわたって築き上げられたものでございまして,極めて複雑で不均等というふうな特性を持っております。したがいまして,これまでの経験の積み重ねを十分踏まえた上で,河川の状態の変化を常に把握する。そして,分析・評価を繰り返して,内容を充実させる。これが,安全・安心が持続可能な河川管理の一番重要な部分だということでございます。
 これをイメージにして表現いたしますと,このようになりまして,まずは河川維持計画というものと,維持管理実施計画というものを立てて,365日のアクションプランに基づいて巡視や点検を行い,河川施設の状態を評価・診断すると。その評価によって実施計画の見直しを行って,再度,365日の実施計画を立て直すと。これが先ほども言いましたとおり,サイクル型維持管理ということになります。
 最後のテーマでございますが,しからば,地方公共団体への技術支援について,どういうふうな取り組みをしているかということを簡単に御紹介いたします。
 ことしの1月,関東地方整備局から,各地方公共団体あて事務連絡をさせていただきました。この事務連絡の概要をかいつまんで御紹介いたしますと,県とか市町村が管理する橋梁において,橋梁の構造に重大な影響を与えるような損傷,例えば大きな亀裂,ひび割れなどで通行規制を伴うような重大な損傷が見つかった場合には,ぜひとも関東地方整備局で必要な技術支援を行うので,速やかに整備局のほうに連絡をいただきたいと,こういうふうな事務連絡でございます。
 それから,技術的支援のほかに,長寿命化修繕計画の策定に要する費用というものを,国が補助する制度ができております。場当たり的な管理体制から脱却して日ごろから点検・診断を行うことによって,予防的修繕計画が立案できるのでございますので,ぜひともこういった制度を活用していただきたいということであります。
 支援期間としましては,県に対しては,平成23年度までの5年間,市町村につきましては,平成25年までの7年間,こういった制度を続けていくということであります。
 一方,この長寿命化計画に基づかない橋梁の修繕とか架け替えといったものには,補助をしないというふうな制度にもなっております。
 用意いたしました資料は,以上でございまして,関東地方整備局は,これからも社会資本整備を計画的・効率的に進めていかなければならないと思っております。あわせまして,増大するストックの適切な維持管理が,今後ますます重要になってきております。限られた予算の中で,構造物のライフサイクルコストの最小化を目指したアセットマネジメントというものを,早急に普及させていかなければならないというふうに思っております。
 まずは,良質な社会資本をつくり上げること。それを健全な形で50年,100年と将来にわたって適切にメンテナンスしていくということは,非常に重要だと思っています。維持管理に対します新たな取り組みというものを,直轄もまだまだ道半ばでございますけれども,地方自治体とも連携を取りながら,これからの適切な管理に関する取り組みを充実していきたいというふうに思っております。
 雑駁な説明でございましたが,私のほうから御紹介いたします。以上でございます。


◯飯泉委員長 どうもありがとうございました。
 ここからは,意見交換の時間とさせていただきます。ただいまのお話について,委員の方で何か質問,御意見等がありましたらお願いいたします。
 江田委員。


◯江田委員 御説明どうもありがとうございました。大変勉強させていただきました。
 いろいろ計画をつくる上において,計画の一つのマニュアルというんですか,例えば橋にしても何にしても,そういうものもあるんですか。都道府県なり市町村なり,こういう点でこのポイントがあるというようなことで,いろいろ塩害があったり,何があったりしますけれども,そういうものも提示していただいているわけですか。


◯田中参考人 橋梁で言いますと,本省の道路局のほうで,特にそういった体制が十分でない地方自治体についても,きちっとした管理・点検ができるような,そういったわかりやすいマニュアルのようなものをつくっております。そういったものは逐次,県を通じまして,市町村のほうにも情報提供しているということでございます。


◯江田委員 市町村ではなかなか技術者も少ないですし,人的な問題もありますので,しっかりした県を通して,その辺指導ができればなと。圧倒的に市町村の橋が多いわけでしょうから,橋の改修に関しても。
 それから,先ほど最後のところで補助の問題がありましたけれども,これは計画をつくるための補助システムがあるということですか。それとも,例えば修繕したり,点検したりというところには,補助制度がないということを聞いているんですけども。その辺は,どのような補助制度があるんでしょうか。


◯田中参考人 最後のページを,もう一度繰り返しになりますが,御説明したいと思います。
 まず,長寿命化修繕計画を策定してほしいということでございます。要するに,損傷が非常に大きくなって,初めて気がついて膨大な費用で修繕する。あるいは,場合によっては架け替えるということがないように,長寿命化を図るために,日ごろの点検をきちっとやった上で修繕計画というものを策定してほしいと。当然,その費用がかかります。あるいは技術的な支援も必要だということであります。その両方を,国が支援しようということであります。
 そういった修繕計画に基づいて,補修・補強あるいは架け替えをする事業については,また,その工事についても補助をしようということでございますので,逆に言いますと,修繕計画を策定していない橋梁で,ここが傷んでいる,あるいは,ここをもう取り壊して,新しい橋を架けなければならないというふうなことになっても,なかなか補助はしづらくなったということであります。


◯江田委員 それから,これはニュースなんかでもやっていましたけれども,入札しても,非常にやることが怠慢だと。7割未満だということも前に聞いたことがあるわけですけども,これはどういう点があるんですかね。最初落札しても,やっていくうちに,どんどんもっともっとというふうに傷みが新しく発見されるという意味なんでしょうか。やる業者の方も,案外しり込みしているというようなことで,これはゆゆしきことだなと思っているんですけども,その辺いかがなんでしょうか。


◯田中参考人 国が発注する工事に関してだけでしか,私は情報を持っておりませんけれども,確かに修繕系の工事については,なかなか応募していただけないという現状がございます。いろいろその理由はあると思いますけれども,1つは,新しくつくるよりも手間がかかると。その割には,金額がのさない。場合によっては,例えば1つの橋梁の補修だけでは金額が非常に小さいので,複数の橋梁をまとめて直してもらいたいという工事を出しますと,現場が点在する,あるいは工期が長くなると。そういったことになりますと,受ける業者さんのほうの手間だとか,いろんな面から敬遠されるということでありまして,なかなかうまいぐあいに発注できないという状況が続いています。
 我々は,そういう想定しかできないわけでありまして,実際に業者さんの生の声を聞くように,アンケートなんかも取りながら,その辺の原因を究明しているところでありますけれども,今現在,我々のほうでの認識というのは,そういった状況でございます。


◯江田委員 もう1点,済みません。
 長寿命化計画というと,例えば橋なら橋,普通は50年ぐらいで架け替えしていくと。それがいろいろ修繕・補修しながら,チェックしながら長寿命化で,例えば100年ぐらいやっていくと。大ざっぱに大体50年ぐらいで架け換えしちゃうというのと,それから100年ぐらい長寿命化してやるのと,コストダウンのために長寿命化するねらいだと思うですけども,大ざっぱに何%ぐらい安くなるんでしょうか,長寿命化した場合。


◯田中参考人 その辺のデータを,ちょっときょうお持ちしておりませんので,何%程度ライフサイクルコストが少なくなるかといった,その数字的なお話はちょっと申し上げられませんけれども,少なくとも段階ごとに,小さい痛みのうちに小さな修繕を行うことが,結果的には安く長く,その構造物をもたせるということはもう事実でありまして,その辺の数字的なものを,また,我々もデータを集めて解析したいと思っています。
 ちなみに,最近の橋梁については100年もたすというふうな設計・施工をしております。ですから,これからつくる橋梁は,100年もたそうというふうなことであります。


◯江田委員 どうもありがとうございました


◯飯泉委員長 ほかにございませんか。──。
 それでは,以上で「これからの社会資本整備と管理」についての意見聴取を終了いたします。
 田中さんには,大変貴重なお話をいただきまして,ありがとうございました。
 本日,お話いただいたことにつきましては,今後の委員会審査の参考とさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
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◯飯泉委員長 ここで,暫時休憩いたします。
 再開は,午後2時25分とさせていただきます。
                午後2時12分休憩
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                午後2時25分開議


◯飯泉委員長 それでは,休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
 これからは,閉会中のテーマであります「公共施設の今後の維持管理のあり方」について協議をいたします。
 本年の土木委員会としての閉会中委員会は,本日が最後となります。
 ことしの委員会の運営については,審査の結果を中長期的なスパンにおける県の施策に反映させるような政策提言として取りまとめ,第4回定例会において報告するとされておりますので,次回の第4回定例会会期中の委員会において,執行部に対して提言を行ってまいりたいと思います。
 提言を行うに当たりまして,執行部の取り組み状況について説明を求めたいと思います。執行部に資料を用意してもらいましたので,お手元に配付しております。
 資料の内容のうち,道路維持課作成分及び営繕課作成分につきましては,4月23日の本委員会において説明を受けておりますので,省略することといたしまして,それ以外の内容について説明を受けることといたします。説明終了後,質疑を行います。
 なお,質疑終了後,執行部には退席していただきまして,その後,執行部に対して行う提言について協議したいと思います。
 それでは,「公共施設の維持管理の取り組み」について,執行部の説明を求めます。
 初めに,諸橋河川課長。


◯諸橋河川課長 それでは,河川課での公共施設の維持管理の取り組みについて説明させていただきます。
 A3版の関連資料の3ページをお開き願いたいと思います。
 近年,集中豪雨が増加しておりまして,特に予報が難しい局地的豪雨というのが,国内各地でことしもありました。激甚な水害が多発している状況でございます。
 しかし,先日,新聞等で発表がございましたが,中小河川を管理しております地方自治体では,財政事情の厳しい折,十分な河川の維持管理がなされていない状況でございます。
 本県の河川巡視につきましては,表に書いてありますように,地域住民24名を巡視員に任命し,月2回の巡視活動を実施しておりますが,受け持ち河川数は81河川で,県管理河川数216河川のうちの37.5%でございます。また,そのほかに,土木事務所の職員が重要と考えて平素巡視している河川を合わせても103河川,巡視実施率は50%弱の47.4%となってございます。
 県が維持管理をしている水門・樋管・排水機場等の29施設につきましては,半数以上が築20年以上を経過している状況でございます。
 続きまして,堤防の決壊等の河川災害による被害を軽減させ,住民が安全で安心できる暮らしを実現するためには,河川管理施設や河川の状態,また,河川周辺の状況等を把握し,限られた予算の中で効率的・効果的な河川の維持管理を行う必要があります。
 今後の方向としまして,河川管理施設の計画的な整備,補修,更新により,長寿命化・コスト縮減を進めるに当たるということで,1〜3に実施の項目を書いてございます。
 まず,1点目は,効果的・効率的な河川の維持管理の実施でございます。
 現在,国が作成しました,先ほども説明いただいたんですが,河川維持管理指針(案)に基づきまして,平成19年度には,県内13河川の維持管理実施計画(案)を作成いたしました。特にこの中では,河道内の土砂堆積,樹木の繁茂状況の把握,河川管理施設及び許可工作物の破損状況の把握,河川区域内の違法行為の発見,河川利用者の安全確保等に留意して河川巡視を行うということになってございます。
 今後は,順次,主要河川の維持管理実施計画を作成しまして,効果的・効率的な河川の維持管理を実施する予定でございます。
 続きまして,右側でございますが,2点目,堤防の浸透に対する詳細検討及びその結果に基づく堤防強化でございます。
 国の方針に基づきまして,平成16年度から平成19年度にかけて,県のほうでも堤防点検を実施してございます。土浦の桜川外14河川,堤防延長158.8キロメートルについて,現地調査及び安全性について検討しました。そのうち104.7キロメートル区間については,さらに詳細な検討が必要であると判定されました。
 その結果を受けまして,平成17年度には,堤体に変調を来していた五行川の1.3キロメートル区間の詳細調査及び対策工法の検討を実施しまして,この区間につきましては,平成18年度から,約1キロメートル区間での堤防強化を実施しているところでございます。
 今後は,残りの要検討と判定された103.4キロメートルにつきまして,目視点検及び堤防背後地の土地利用状況を考慮しながら優先順位等を決めまして,順次,詳細な検討を実施しまして,必要に応じ対策を実施するという形で進んでまいる所存でございます。
 3点目は,県が管理している水門,樋管,排水機場の延命化についてでございます
 国におきまして,河川用ゲート及び河川ポンプ設備の点検・整備・更新検討マニュアルというのが,ことしの4月に本運用となりました。また,施設の長寿命化計画策定,延命化のための部品機器交換,施設の更新に係る費用については補助ができるように,先ほども話がありましたが,今,国が検討しているということから,県が管理しております29施設について,国の動向に合わせまして点検・診断を行いながら,財政的な制約の中で計画的な整備・更新ということで,長寿命化・コスト縮減に努めてまいります。
 参考に写真を載せましたが,平成19年度には幸田排水機場の点検・診断を行いまして,現在,操作設備について更新を実施してございます。
 以上でございます。


◯飯泉委員長 次に,後藤技監兼港湾課長。


◯後藤土木部技監兼港湾課長 それでは,同じ資料の4ページに基づきまして,港湾施設の長寿命化対策について御説明させていただきます。
 まず,1の現状でございますけれども,県内の重要港湾の4港及び地方港湾  いわゆる川尻港,河原子港,土浦港,潮来港,軽野港でございますが,の5港におきましては,県がそれぞれの港湾施設を管理しているところでございます。
 主なものといたしましては,外郭施設であります防波堤1万5,340メートルを初めまして,係留施設でございます岸壁や物揚場,臨港交通施設であります橋梁,護岸施設等となっております。
 港湾施設の整備延長の棒グラフをごらんいただきたいと思いますが,これらの港湾施設は,高度経済成長期の昭和46年度から昭和60年度にかけて集中的に建設されておりまして,施設延長といたしましては,全体の32%に及んでいるものでございます。今後,これらが急速に高齢化が進んでいくのではないかと考えてございます。
 次に,2の課題でございますが,まず1つ目は,高齢化する施設が増大するということでございます。
 建設後50年以上の港湾施設延長を,真ん中の棒グラフですけれども,示しておりますが,現在,築50年を経過した港湾施設はございませんが,20年後,平成40年の時点になりますと,建設後50年以上の港湾施設延長は37%に増大するということで,その対処が重要となってくるわけでございます。
 2つ目の課題といたしましては,補修費,予算の確保でございます。
 現在,補修費に充てられております予算は,直轄事業を除きます県事業の港湾整備費全体の1割にも満たない状況でございます。一番下のグラフでございます。今後,港湾施設の高齢化に拍車がかかり,将来の改良・更新需要が集中的に発生しますことから,予算確保に十分な準備がこれから必要になってくると考えてございます。
 右側でございますが,これらを踏まえまして,今後の対応方針でございます。
 長寿命化対策に向けた取り組みといたしましては,従来の事後保全的な対応から,維持管理計画に基づいた予備・保全への転換が必要となっております。このため,先ほどお話がありましたが,国から既に維持管理計画の策定が求められております。これに基づきまして,地震や災害における臨時点検,適時適切な点検診断,維持管理を行いますとともに,延命する補修工事を実施することにより,長寿命化とライフサイクルコストの縮減を図ることとしております。
 国におきましては,平成20年度に維持管理計画を策定する港湾管理者に対しまして,費用の一部を支援する制度を創設してございます。本県におきましては,平成21年度から24年度の4カ年におきまして,計画を策定することとしております。今後はこれに基づき,維持管理をすることとなっております。なお,当面計画策定をいたします施設数といたしましては,73施設を考えてございます。
 さらに,真ん中の図でございますけれども,港湾施設の破損状況といたしまして,係留施設であります桟橋の劣化状況を示しているところでございます。これは,桟橋の基礎ぐいが破損したことにより,上部の舗装面がひび割れや陥没などに至った事例でございまして,典型的な従来型の事後保全的な維持管理を行った結果だと考えてございます。
 今後はこのような結果を招かないよう,先ほども述べましたように,維持管理計画の策定を踏まえまして,適時適切な点検診断を行いながら,必要に応じた補修工事を実施し,施設の延命化を図ってまいりたいと考えております。
 以上が,港湾課における長寿命化対策でございます。よろしくお願いいたします。


◯飯泉委員長 次に,中島下水道課長。


◯中島下水道課長 それでは,下水道課関係について御説明させていただきます。
 お手元の資料の5ページをごらんください。
 まず,現状と課題のうちの1,現状についてでございます。
 本県が管理しております下水道施設としましては,7流域下水道と1特定公共下水道の8下水道施設でございます。
 施設概要につきましては,本表に示しておるとおりでございますが,処理場では最も古い鹿島臨海特定公共下水道につきましては,供用開始後38年が経過しており,その他の施設でも,現在老朽化が進んできておるところでございます。
 次に,管渠でございますけれども,管渠につきましては,平成20年度末に那珂久慈流域下水道の水戸幹線,平成20年代前半には,小貝川東部流域下水道のつくば下妻幹線が完成する予定となっておりまして,これにより,ほぼ概成となる状況でございます。
 また,(2)の下水道普及率の推移,このグラフにありますとおり,平成19年度末現在で,本県は全国32位の53.1%と,全国平均の71.7%に比べまして,まだ低い状況にございます。
 次に,下の2の課題でございます。さきの現状を踏まえまして,大きく3つが挙げられます。
 まず,1番目の施設の老朽化に対する対応でございますが,下水道の有する機能を将来にわたって健全に維持する必要がありまして,既存施設の老朽化に対して適切な対応が要求されます。
 次に,2番目の汚水量増に伴う対応でございますが,本県の下水道普及率は,先ほども述べましたとおり,全国平均に比べ,まだ低い状況にあります。今後も普及率の向上と,これに伴う汚水量の増加に対応するため,処理場等施設の増設が必要な状況にあります。
 3点目としましては,厳しい財政状況という課題がありまして,これまでの施設の増設に加え,今後増大が見込まれます老朽化対策を適正に進めていくに当たり,関連する市町村の理解を得ていく必要がありますが,財政上,県,市町村ともに,それぞれ非常に厳しい状況にあります。
 次に,このような課題を踏まえた上での今後の方針でございます。右側のページになります。
 今後の方針としましては,下水道長寿命化計画の策定による施設整備ということで,施設の老朽化に伴う改築,それと,先ほど申しました汚水量増に向けた増設,これらに効果的に対応するため,ライフサイクルコストの低減及び事業費の平準化の観点を踏まえた長寿命化計画を策定しまして,計画的かつ効果的に施設整備を進めていく考えであります。
 最後に,今後の実施スケジュールでございますが,作業工程表をごらんください。
 まず,平成21年度〜23年度の3年間で,施設の健全度を把握するための点検・調査を,老朽化の進んだ下水道から順次実施しまして,平成22年度〜24年度の3年間で,長寿命化計画を策定します。平成23年度からは,一部長寿命化計画に位置づけられた計画的な事業の実施を予定しております。
 下水道課関係の説明は,以上でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。


◯飯泉委員長 最後に,これまでの説明を総括的に伊藤土木部長から説明願います。


◯伊藤土木部長 それでは,総括的に私のほうから簡単にお話と,それから,若干土木部としての方向性,決意的なものも含めまして,お話をさせていただきたいと思います。
 先ほどの参考人のお話にもありました,それから,各担当課長の話にもありましたように,今後多くの施設が老朽化を迎えるというところは,避けて通れないところでございます。
 橋梁では,50年以上経過した橋梁が,20年後には42%に急増するということになっておりますし,県有建物,小さいものも含めますと7,500棟ありますが,これの多くは昭和40年代から50年代に建設されたものということで,これも,あとちょっとで老朽化の時代を迎えます。また,河川,港湾,下水道,こちらも,きょう説明させていただいたとおりでございます。
 このような中で,さきの県議会,財政再建等調査特別委員会の最終報告書におきましては,公共事業の縮減重点化ということがうたわれておりますし,その一方で,県有施設の維持管理については,予算編成の中に維持補修,減価償却の観点を入れていくことを検討すべきであるということがうたわれております。私どもとしましては,県全体として非常に厳しい財政事情はなかなか変わらないだろうというふうに思わざるを得ませんし,その中で,将来負担を減らしていくために,適切に維持管理はどうしてもしていかなければならないと思っております。
 こういったことから,各課長が再三説明させていただいたところでございますが,予防的維持管理も含めまして,長寿命化修繕計画というものを策定しまして,また,本委員会の御指導もいただきつつ,効率的で着実な維持管理の推進に努めまして,県民のためになるような社会資本のストックの維持に努めてまいりたいと思っております。
 総括的でございますが,今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます。


◯飯泉委員長 以上で,説明聴取を終わりますが,説明の漏れ,あるいは追加することはございますか。──。
 ないようですので,それでは,ただいまの説明に対して質疑に入ります。質疑のある方はお願いいたします。──。
 ないようですので,以上で説明聴取を終了いたします。
 執行部の皆さんには,退席をしていただいて結構でございます。御苦労さまでございました。
     ───────────────────────────────


◯飯泉委員長 ここで,暫時休憩いたします。
 各委員は着席のままでお待ち願います。
                午後2時42分休憩
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                午後2時43分開議


◯飯泉委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
 ここで,お諮りいたします。
 本委員会では,閉会中委員会の活動テーマとして,「公共施設の今後の維持管理のあり方」について,現地調査や県内外の調査を実施してまいりました。
 この審査の中で,委員や参考人の皆様から出された御意見等につきまして,これを整理し,次回の第4回定例会会期中の委員会におきまして,執行部に対して提言を行ってまいりたいと思います。これに御異議ございませんか。
             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


◯飯泉委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
 その提言書に盛り込む項目(案)をお手元に配付いたします。
                 〔書記配付〕


◯飯泉委員長 今,お手元に配付した項目(案)に沿って,提言書を作成していきたいと考えております。
 提言書の案文につきましては,委員長に御一任願いたいと思いますが,御異議等はございませんか。
             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


◯飯泉委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
 以上で,委員会を閉会いたします。
 お疲れさまでございました。
                午後2時45分閉会