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平成18年土木常任委員会  本文




2006.07.24 : 平成18年土木常任委員会  本文


                 午前10時開議
◯菊池委員長 ただいまから,土木委員会を開会いたします。
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◯菊池委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。
 田山委員と戸井田委員にお願いをいたします。
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◯菊池委員長 次に,本日の審査日程等について申し上げます。
 本日の委員会は,道路景観の地域振興への活用について,初めに執行部から説明聴取の後,午前と午後,お一人ずつ参考人をお招きして意見聴取を行います。
 なお,本日の執行部の出席説明者は,部長,次長のほか,議題に関係する課長に限って出席を求めておりますので,あらかじめ御了承願います。
 それでは,これより議事に入ります。
 国においては,日本風景街道,いわゆるシーニックバイウェイの取り組みが図られ,まず北海道においてモデルルートを指定し,試行的な取り組みが行われております。
 本委員会においても,過日,県外調査の際に,その概略を視察,調査したところであります。
 本日は,まず初めに,本県における日本風景街道への取り組み状況について,執行部から説明聴取を行います。
 それでは,これより執行部の説明を求めます。
 須藤技監兼道路建設課長。


◯須藤土木部技監兼道路建設課長 それでは,茨城県における日本風景街道への取り組みについて御説明いたします。
 お手元に配付しております資料「茨城県における日本風景街道(シーニック・バイウェイ・ジャパン)への取組み状況」をもとに,説明させていただきます。この資料でございます。
 まず,1ページをごらんください。
 日本風景街道は,国土交通省の新しい施策で,住民,NPO,行政等が協働で自然,歴史,文化,風景などの地域資源を活用し,訪れる人と迎える地域の豊かな交流による地域コミュニティーの再生を目指した,美しい道路空間の形成を図る取り組みでございます。
 国土交通省では,この施策の具体化に向け,制度や支援方策などについての検討を行うため,現在,日本経団連名誉会長の奥田碩氏を委員長とする日本風景街道戦略会議を設立し,モデルルートの募集を行いました。詳しくは,参考人の石田先生から御説明があると思いますので,省略させていただきます。
 次に,2ページをごらんください。
 本県におけるこれまでの取り組みを時系列にまとめております。
 平成17年11月中旬から平成18年3月下旬にかけて,日本風景街道の取り組みを前段として,筑波山ベストビューコンテストを実施いたしました。ここで応募されたベストビューポイント及びベストビュールートを参考に,平成18年3月には,千変万化の筑波山周遊ルートと題し,日本風景街道のモデルエリアに申請し,平成18年4月には,地域の活動団体から成る筑波山美しいまち・みちづくりパートナーシップ代表者会議を設立いたしました。平成18年5月には,全国から申請のあった72ルートすべてが,国の支援を受けられることとなりました。
 3ページをごらんください。
 本県における風景街道への取り組みでございます。
 平成17年度に開業したつくばエクスプレスにより,筑波山及びその周辺が観光スポットとして注目を浴びつつあること,また,筑波山は本県を象徴する名峰であることから,本県におきましては,筑波山を中心とした周辺7市域において,日本風景街道を実施することといたしました。
 また,先ほど述べましたが,日本風景街道の母体となる組織,筑波山美しいまち・みちづくりパートナーシップ代表者会議を,筑波山周辺7市域で活動している40団体を中心に設立し,今後,この組織が主体となり,地域活性化を図るためのさまざまな活動を展開していきます。
 なお,以降の表現は,みちづくりパートナーシップとさせていただきます。
 次に,4ページをごらんください。
 みちづくりパートナーシップの組織図を記載しております。みちづくりパートナーシップは,筑波山周辺7市,つくば市,筑西市,石岡市,桜川市,下妻市,土浦市,かすみがうら市で活動している40団体及び関東鉄道株式会社と筑波観光鉄道株式会社で構成されております。また,道路管理者としての国土交通省,茨城県周辺7市が参加しております。
 また,みちづくりパートナーシップの活動を支援するため,行政等連絡会議及びアドバイザーを配置いたしました。行政等連絡会議は,国土交通省,茨城県周辺7市,電線管理者である東京電力及びNTT東日本で構成する予定で,現在,設立のための事前調整を行っているところでございます。
 アドバイザーといたしましては,石田先生を委員長とする筑波山ベストビューコンテスト実行委員会の先生方に依頼しております。
 次に,5ページに活動団体のリストを掲載しております。
 周辺7市において団体数に偏りがございますが,今後,この取り組みを活性化させ,広く周知することにより,参加団体数をふやしていきたいと考えております。
 次に,6ページをごらんください。
 みちづくりパートナーシップの活動方針でございます。
 1つ目に,筑波山の美しい景観・自然環境の保全を図る。2つ目に,筑波山周辺の豊かな地域資源の魅力を深める。3つ目に,個々の活動団体の活動を深め,連携や協働によるネットワークづくりを深める。4つ目に,魅力をつなぐ多様な「みち」を使いやすくする。5つ目に,地域の観光振興を図る等でございます。
 これらの活動方針のもと,みちづくりパートナーシップと行政等連絡会議が連携,協働し,地域活性化,地域振興に向けて活動を展開してまいります。
 以上が,本県における日本風景街道の現在までの取り組みでございます。
 次に,日本風景街道の取り組みの前段として実施いたしました筑波山ベストビューコンテストについて御説明いたします。
 7ページをごらんください。
 平成17年11月15日から12月25日の期間に,筑波山がよく見えるお気に入りの場所,みちについて募集を行い,10代から70代までの幅広い年齢層や筑波山周辺のみならず,県外からも多数の応募があり,応募総数は563件となりました。
 コンテストは,応募された563件について,一般参加による人気投票を行うとともに,筑波山ベストビューコンテスト実行委員会の先生方に現地調査を行ってもらい,委員会の審議の中において,ベストビューポイント及びベストビュールートを選定していただきました。
 8ページをごらんください。
 ベストビューポイント8カ所が選定され,最優秀ポイントの小貝川と大谷川の合流点に整備された筑西市の母子島遊水地からの筑波山の風景でございます。
 次に9ページをごらんください。
 ベストビュールート7路線が選定され,最優秀ルートの旧筑波鉄道の線路敷を利用して整備されたつくばりんりんロードの写真でございます。土浦駅から岩瀬駅までの約40キロメートルの自転車専用道路でございます。
 また,委員特別賞として,県外からベストポイント3カ所が選ばれております。
 10ページに,表彰されたベストビューポイント8カ所──星印で表記しているものでございます。また,ベストビュールート7路線,紫色の線で引かれている路線でございます──等の地図を添付しております。
 また,11ページには,ベストビューポイント8カ所,ベストビュールート7路線のそれぞれに応募していただいた方々の中から,表彰された方々の写真を掲載しております。
 この筑波山ベストビューコンテストは,写真のできばえを評価するものではなく,あくまで場所,みちを選定するものでございます。今後,この結果をみちづくりパートナーシップの活動に活用すべく,方策を検討してまいりたいと考えております。
 また,ベストビューポイント,ベストビュールートの応募写真につきましては,道路建設課のホームページにより見ることができます。
 続きまして,みちづくりパートナーシップの日本風景街道実現に向けた具体的な取り組み案について御説明いたします。
 先ほど御説明させていただきました活動方針をもとに,「守り伝える」,「創り育てる」,「賑わい栄える」の3つのコンセプトにより,活動を展開してまいります。
 まず,12ページをごらんください。
 「守り伝える」をコンセプトに,市民の手による筑波山の景観の継承について取り組んでまいります。名峰筑波山の景観が損なわれないよう,市民が常にチェックできる仕組みを構築するための活動案といたしました。具体的には,写真コンテスト,景観ランキング,写真集の発行,展覧会の実施,ホームページの立ち上げなどを考えております。
 次に,13ページをごらんください。
 「創り育てる」をコンセプトに,100年後にも自慢できるよりよい景観の創造について取り組んでまいります。もっとたくさんの「場所」や「みち」から,もっとよく筑波山が見えるような周辺環境の整備として,景観ポイントの整備,とるぱ整備──後ほど御説明しますが,電線地中化,アクセス道路の整備,駐車場整備,サインの設置等が考えられます。
 次に,14ページをごらんください。
 「賑わい栄える」をコンセプトに,筑波山の景観を生かした地域活性化について取り組んでまいります。多くの人が訪れ,多くの人が楽しむ工夫や取り組みを展開するためには,ルートマップの整備,美味しいものツアー,ベストビューツアー,地域イベント等が考えられます。今年度の具体的な取り組みに関しましては,筑波山ベストビューコンテストを活用した観光マップの作成及びホームページの立ち上げ等を検討しております。
 日本風景街道実現に向けた活動につきましては,みちづくりパートナーシップが主体に取り組んでまいります。筑波山周辺の豊かな地域資源や各団体のこれまでの活動により培われた人材力により,みちづくりパートナーシップが自主的に計画・立案し,展開するものであり,行政は活動を支援する立場にあります。今後とも,みちづくりパートナーシップと連携,協働しながら,日本風景街道実現に取り組んでまいりたいと考えております。
 参考までに,15ページは,筑波山周辺の豊かな地域資源を表示した資料でございます。
 また,次の16ページは,代表的なみちづくりパートナーシップの活動状況の写真でございます。
 次に,17ページは,平成18年4月23日に設立されました筑波山美しいまち・みちづくりパートナーシップ代表者会議の記念写真でございます。
 18ページは,日本風景街道に応募した全国の72ルートの一覧図でございます。
 最後に,日本風景街道の取り組みと連携が十分考えられる国土交通省の新しい施策であります“とるぱ”について御説明させていただきます。
 19ページの参考資料をごらんください。
 “とるぱ”の“とる”は,写真を撮るのとる,“ぱ”は,パーキングのパを意味し,安全な駐車場とそこから歩いて行ける撮影スポットのセットで,広く一般から公募し,国土交通省のホームページにより,本年度より掲載されております。“とるぱ”の情報提供を行うことで,観光スポットの紹介や安全に安心して景観を楽しむことできるようになります。
 茨城県においても,現在21カ所が登録されており,筑波山周辺7市域において,8件登録されております。
 20ページは,“とるぱ”のホームページに登録されている,桜川市の雨引山からの一景でございます。
 今後とも,道路を介した地域振興の一環として,日本風景街道との連携を図ってまいります。
 以上で,茨城県における日本風景街道への取り組みについての説明を終わります。


◯菊池委員長 以上で説明聴取を終わりますが,説明漏れ,追加することはございませんか。──。
 ないようですので,それでは,ただいまの説明に対しての質疑に入ります。
 質疑のある方は,お願いをいたします。──。
 ないようですので,以上で執行部からの説明聴取を終了いたします。
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◯菊池委員長 ここで,参考人の準備のため,暫時休憩をいたします。
 再開は,10時30分といたします。
                午前10時15分休憩
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                午前10時30分開議


◯菊池委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
 本日は,お二人の参考人から意見聴取を行います。
 まず,午前中お話をいただきますお一人目の参考人として,筑波大学大学院教授の石田東生先生をお招きしております。
 また,午後,お話しをいただきますお二人目の参考人として,NPO法人グラウンドワーク西神楽理事の谷川良一さんにおいでをいただいております。
 本日は,お忙しい中,本委員会に御出席いただきまして,ありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。
 石田先生には,国の日本風景街道(シーニックバイウェイ・ジャパン)戦略会議の委員として,まさにこの活動の旗振り役として御活躍されており,また,その他,国・県の各種施策の審議委員等を数多く務められております。
 谷川さんには,シーニックバイウェイ北海道大雪・富良野ルートの理事として,全国に先駆けて,この活動に実際に取り組まれ,地域の取りまとめ役として御活躍されております。
 お二人の詳細なプロフィールにつきましては,お手元に資料をお配りしておりますので,ごらんおきください。
 本日の意見聴取の進め方につきましては,初めに参考人から御意見をお伺いいたしまして,その後,意見交換を行うことといたします。
 それでは,まず石田先生から,この日本風景街道活動の国レベルでの先導役というお立場から,「みんなで創る美しいみちとまち〜シーニックバイウェイの目標と課題〜」について御意見をお伺いいたします。
 石田先生,よろしくお願いをいたします。


◯石田参考人 今,御紹介いただきました筑波大学の石田でございます。議会がこういう雰囲気のところというふうに存じ上げなかったものですから──済みません。ことしの夏は全然ネクタイをしておりませんで,クールビズでやらせていただきますので,お許しください。よろしくお願いいたします。
 きょうお話させていただきます内容は,シーニックバイウェイということでございます。私自身とシーニックバイウェイとのかかわりで申し上げますと,後ほどまたお話をさせていただけるかと思いますけれども,4年ぐらい前に,こちらにお座りの谷川さんなんかとも一緒に,北海道でシーニックバイウェイのモデル検討というのを始めました。そのときに,検討委員会の委員長を仰せつかりまして,北海道開発局の独自の動きとして,シーニックバイウェイの制度をともに検討したということがきっかけでございます。
 昨年の12月から,国土交通省の道路局の方で日本風景街道戦略会議という,北海道での活動あるいは成果が評価されたと思うんですけれど,日本全国に広げようと。道路局のプロジェクトとして,さらに広げていこうということがございまして,その委員も仰せつかっております。そういう中で,きょうお話しさせていただきます内容は,北海道での活動で感じたこと,あるいは考えたこと,あるいは風景街道の戦略会議の中で考えたことということで,お話をさせていただければと思います。
 シーニックバイウェイの大きな目的の一つでありますけれども,やはりこの美しい日本をもっと美しくしないと申しわけないんじゃないかと。そういうことについてどう考えるかということで,きょうの表題でございますが,美しいみちとまちということで,あえて平仮名で書いてございます。どうして平仮名で書くのか,そんな理由と思いも込めてお話させていただければと思います。
 そういう中で,シーニックバイウェイというお耳になれない言葉だと思いますけれども,それはどういうものなんだろうか。アメリカでは,どういうふうに考えられているのだろうか。あるいは北海道での活動,日本での活動ということからして,何が課題なんだろうか。重要なポイントなんだろうかということについて,私なりに考えたことを述べさせていただきたいと思います。地域を,道路発のプロジェクトで,何とかもっと元気になっていただければという思いで考えております。
 結論の先取りをして,今申し上げたいと思うんですけれども,これは北海道開発局においても最初に始めたのは,道路建設課という道路を担当する課でございましたし,日本風景街道戦略会議も,国土交通省の道路局ということでございます。ところが,後で何度も言わせていただくかと思いますけれども,実はこのシーニックバイウェイというのは,道路から始まったプロジェクトなんだけれども,決して道路のみに終わるプロジェクトではない。そういう意味では,農業との連携,環境との連携,あるいは観光との連携,当然のことながら地域の人々,県民の皆さんとの連携というのが,非常に求められるものでございます。
 後ろに知事部局の方が多数おられる中で,こういうことを申し上げるのはちょっと気が引けるんですけれども,やはりいろんな部局との連携を実践していく,あるいはその中から成果を生み出していくということに関しては,公務員の皆さん必死で頑張っておられますけれども,やっぱり官僚組織では難しい面もございますので,その辺をぜひ議員の方に頑張っていただいて,いろんな部局との連携を追求していただければありがたいなということで,前もってそのことだけ強調させていただきたいと思います。
 日本におけるシーニックバイウェイというのが,先ほど申しましたけれども,北海道におけるシーニックバイウェイ制度導入モデル検討委員会ということで始まりました。私は,これの委員長を仰せつかりました。日本にない新しい制度で,アメリカで行われておりますので,それを勉強しながら,何とか定着させようということであります。そのときに,日本のこと,日本での活動,日本の特性というのを十分考えた上じゃないとだめだろうということで,そういうのは頭の中で考えていてもだめだから,モデルルートを導入して,いろんな方と一緒に議論しながら,悩みながら始めようということで始めました。そのときに,ここにありますけれども,旭川と占冠という,きょうお隣にお座りの谷川さんは,この中の非常にアクティブな活動団体の代表の方でございます。そのルートと千歳−ニセコという,非常に多様な観光地でございますが,それをモデルルートにして活動を開始いたしました。
 2年間の活動を経た後,報告書で制度等を提案いたしまして,それを受けて2005年の3月から,北海道では,北海道推進協議会というのが正式に設立されまして,活動を続けております。
 そういう活動が全道的に広がりまして,なかなかいいと,地域が元気になる,あるいは地域の景色がよくなる,いろんな意味でいいんじゃないのということで御支援をいただきまして,こういうところへ広がっております。
 北海道でおもしろそうなことをやっているねということが広まりまして,2005年12月,去年の12月に日本風景街道戦略会議が,道路局長の私的諮問委員会として設置されまして,会長には,当時の日本経団連会長の奥田碩さんが御就任をされました。奥田さん自身の経団連会長の任期はことしの6月で終わったんですけれども,聞くところによりますと,奥田さん自身もこういう活動が非常に大事であるということと,経団連の名誉会長として残られましたので,引き続き,これについても委員長をお引き受けいただいているということでございます。
 これが,全国の分布でございます。北海道は,もう北海道開発局の中の組織として正式に発足しておりますので,ちょっと別なんですけれども,ここに書いてありますように4つのルート,旭川大雪・富良野ルート,支笏・ニセコ洞爺ルート,東オホーツク──伺うところによりますと,土木委員会としても現地に行かれているということでございます。宗谷というルートと,あと,候補ルートが4つございます。北海道の中には,9つのルートがございます。
 戦略会議としても,どういう形で制度を定めればいいんだ,一緒に考えていただけませんかということで,全国に応募をお願いいたしましたところ,全国から72の応募がございました。茨城県でも,私もお手伝いさせていただきましたというか,一緒に勉強させていただきましたけれども,筑波山をめぐるシーニックバイウェイというものの可能性を追求しております。こういう状況で,日本全国に広がっているということがおわかりいただけるかと思います。
 概要はそういうところなんですけれども,では,シーニックバイウェイというのは,そもそも何なんだろうかということについて,私なりに理解している範囲で,これからお話をさせていただきたいと思います。
 これは,筑波の写真でございます。非常に美しいところで,私自身この中で勤めておりますけれども,本当に四季,日々,非常に美しいところだというふうに思っております。筑波だけではなくて,富士山という日本には非常にいい観光資源がございますし,隣でいきますと,日光の杉並木というのも,非常にいい景色でございます。こういう自然,あるいは歴史的なものだけではなくて,これは埼玉県の川越市とか,あるいは奈良県の橿原市で撮った写真でございますけれども,都市の路地にも,安全で非常に居心地がいい空間があります。こういうのは,きちんとしたコミュニティーがこういうところに気遣いをしていただく,あるいはごみを捨てない,あるいは拾うということで,こういう居心地のいい空間ができているということだと思います。非常に美しいと思います。
 しかし,反面,これも道路局でやられましたキャンペーンで借りてきた写真でございますけれども,残したくない景観というのを全国で応募されましたら,こういうところですね,ごみがいっぱい捨ててある。あるいは,子供さんの通学風景だと思いますけれども,歩道が非常に狭くて危ないとか,バリアフリーじゃないとか,いろんな問題もあろうかと思います。汚い,不親切,危ないということがいっぱい残っておりますし,あるいは看板とか電線の問題とか,放置自転車の問題とか,そういうことも,国民の皆さんから次世代には残したくない,何とかしたいという思いであろうかと思います。
 また,これも北海道でありますけれども,羊蹄山というニセコ地域の景色の中心的対象ですが,電線があるとか,北海道では,冬期の雪の問題がありますので,冬期には非常に大事なんですけれども,防雪柵が景観を阻害しているとか,矢羽根の問題とか,あるいは廃屋があったりするということがございます。こういう現実を何とかしたい。
 そういうことで言うと,ちょっと不適切な比喩かもしれませんけれども,昔から夜目遠目傘のうちという美人の条件がございます。時間帯に関係なく,夜景も昼間も美しい。あるいは遠景だけでなく,日本というのは本質的に非常に美しい国だと思います。緑があります,四季があります,地形に変化があります。あるいは里があります。遠くから見ると非常に美しいんですけれども,近寄っていくとごみが散乱している。あるいは,あんまり愉快じゃないものがあるということでがっかりすることが多いんですけれども,そういう意味でがっかりすることなく,あるいは,天候によってその情緒を違う風情で楽しめる。素材としては,最高の日本を感激してもらう工夫と努力ということが,これからの地域づくり,県土づくり,国づくりという観点から,非常に大事だというふうに考えております。
 そういう中で,これから茨城県も,かつては観光ということからすると,それなりの資源はあったんですけれども,お隣の栃木県とは違って,茨城県から外に出られる方は多かったんですが,なかなか県外からお客様に来ていただけなかったということでありますけれども,観光というのが,多分これから大きく変ってくるのかなというふうにも思います。物見遊山型の名所旧跡を訪ねるということではなくて,思い出をつくるということが,非常に重要になってくるだろうというふうに思っています。なぜ旅行するんだろうか。感動したいとか,楽しみたい。そういう感動とか楽しみを親しい人,家族と,あるいは恋人との間で共有したい,そういう思い出をつくりたいということであります。そういう意味では景色とか食べ物とか,歴史とか人とかということでございます。そうして,これから所得はそれほどではないかもわからないけれども,時間が自由になると,そういう価値観を志向される方がふえておりますし,今後ますますふえてくるだろうと思います。そういうときに,ただお金を使って物見遊山で表面的なものを見るよりは,ちょっとはなんかそういう場で活動をして,達成感を味わう。それは,例えば参加型の観光といいますか,茨城県で言いますと,笠間で焼き物に触れるとか,あるいは農作業を体験するとか,そういう従来のプロの目からすると,観光というのはなかなか難しいよというのではなくて,新しい観光ということがあるんじゃなかろうかと思います。
 そういう意味で言いますと,茨城県というのは,何と言っても農業の県でございますので,そういうところの安全安心の食と,あるいは,その中に参加をするということをどう考えるかということが非常に大事だろうと思います。
 ちょっと古いですけれども,日産自動車のコマーシャルで,「モノより思い出」というのがございましたけれども,まさに時代の精神をあらわしているのかなと思います。特に中山間地域では,地域振興策としての観光というのが,従来の,いわゆる観光観光したものではなくて,新しい観光のスタイルというのが追求されていくような気がします。そういう中でシーニックバイウェイというのが,どういうふうな位置を占めるかということも,大きな課題だろうというふうに思っています。
 ここで,ちょっと講義をするみたいで申しわけないんですけれども,どうして平仮名でみちと書いているかということについて,御説明をさせていただければと思います。
 みちというのは,日本古来の言葉であります。大和ことばとか申しますが,みちというのは,2つの音から成っています。“み”と“ち”でございます。“ち”というのは,方向性を示す言葉で,あっちとかこっちの“ち”というんだそうです。それにとおとい,“御”というのの“み”というのがついて,みちという言葉が登場したそうでございます。みちということなんですけれども,一般的に言うと,みちというと道路のことですけれども,道路というふうに書いてしまいますと,広辞苑によりますと,一般公衆の交通のために設けた地上の通路という説明がございます。よく考えられた説明だとは思いますけれども,やっぱりちょっと機能的過ぎますし,無味乾燥だなという印象も否めません。ところが,ちっちゃな漢和辞典で引いていただければすぐわかるんですけれども,みちというふうに訓読みする漢字がすごくたくさんございます。その中から代表的な例をこれから御紹介いたしますけれども,まず道路の“道”いうのは,これは首としんにゅうですけれども,戦いをして勝利をして,異民族の敵の首を持って何か先祖に報告をするような,そういう祭祀のために行進するような存在のものを,この“道”であらわすんだそうです。あるいは,道路の“路”は,人や車馬の往来する大きなみちのことを,この“路”ということであらわすんだそうです。あるいは,轍軌道の“軌”というのも,これはわだちがついている,そういうみちのことだそうですので,道路だけではなくて轍軌道もみちであると。あるいは,哲学の小径という“径”という言葉がありますけれども,これも人がゆったり散策する,思索しながら散歩するという,歩くということも,みちでございます。あるいは,これは街衢の“衢”という漢字でございますけれども,みちが分かれたところを意味するようで,そういうところから“衢”とか“街”ということも,みちというふうに読むんだそうです。
 こういうふうに見ますと,いろいろなみちがあると。シーニックバイウェイの対象とするみちも,自動車が走る道路だけではなくて,町も人が歩くみちも,あるいはそのほかのみちも,みちであるというふうに言えるんじゃないかなというふうに思います。
 そのほかにも,みちというふうに訓読みする言葉がありまして,途中の“途”というのもみちと読むんだそうです。歩行するみちとか,道筋ですからプロセスのことでございます。あるいは,理科の“理”もみちと読むんだそうですけれども,ものごとの基本的な法則,あるいは倫理の“倫”もみちと読むんだそうで,これは人と人の関係ということです。これは角川の漢和中辞典から…。そうしますと,これはプロセスとか信頼とかということで,今,社会資本整備で,県民なり国民の信頼をどうするのか,参画型でどういういい国のあり方を考えていくのか,追求していくのかということが大きな課題になっておりますけれども,そのことを,なんか昔の人が包含しているようで,実に含蓄深い言葉だなというふうに考えておりますので,あえて平仮名でみちというふうに書いてございます。
 あるいは,万葉仮名でも,万葉仮名は当て字が多数使われておりますけれども,その当て字の中で最もよく使われているのは,美しさを知ると書いてみちと読ませている例が多いんだそうです。これも,シーニックバイウェイということの関係をほうふつさせて興味深いことだなというふうに思っています。
 みちとまちの関係でございますけれども,みち・道路がないと生活できない。まちの骨格をみちは形成する。ですから,みちとまちを同時に考えることは,非常に基本的で重要なことだろうというふうに思います。しかし,これまでは道路と申しますと,道路の機能を,快適で安全で,大量のものをいかに効率的に通行させるかということでございましたけれども,その機能面に関しては非常に多くの研究もされておりましたし,実践もされておりましたけれども,こういう景観とか空間の質に関しては,必ずしも十分なことが行われてきているとは言えないんじゃないかという反省もございます。
 地域との連携による参画型のみちづくりも,始まったところでございます。パブリックインボルブメントとかPIとか申しますけれども,そういうことも始まったところでございますので,そういう意味でシーニックバイウェイというのは,後ほど申し上げますけれども,地域の皆さんといろんな人たちが連携をして,協働をして新しいみちをつくる,みちのあり方を追求する。あるいはまちをつくっていく,地域をつくっていくということでございますので,こういう参画型のみちづくりの,本当に新しい姿ではないのかなというふうに私自身考えております。
 話が飛んで申し上げございませんけれども,美しい国の実現というのが,美しい国づくり政策大綱,2003年の7月に出されたものの中で打ち出されております。そういう中でつくづく考えますと,美しい国をつくっている,景観を構成しているのはだれだろうかというと,やっぱり我々の暮らしとか,社会の活動が風景にあらわれる,風景に映り込んでいくんだろうというふうに思います。
 そういうことで,風景街道の副委員長を務められている景観工学,風景論の日本の多分第一人者だと思うんですけれども,中村良夫先生が著書の中で言っておられますが,「国土の印象は交通路,道路とか鉄道から見える景観でおおよそ決まってしまう」。道路は,高速で広い範囲を眺めつつ移動します。ですから,結果的に非常に広い範囲を見渡せる,そういう視点を提供するものでございます。これは鉄道もそうだと思います。ですから,交通路から見える景観で,国土が美しい,あんまりよくない,元気だなというのがわかってしまう。そういうことからすると,やっぱり道路から見える景色をどううまくつくっていくかということが,美しい国づくりのためには非常に重要だろうと思っております。ですから,こういう意味で,美しい国の実現をするという上で,シーニックバイウェイへの期待が高まっているということだと思います。
 では,長々と前振りをしておりましたけれども,シーニックバイウェイとは何なんだろうかということで,アメリカのシーニックバイウェイ制度と北海道における取り組みを,これから簡単に御説明したいと思います。
 これは,アメリカのシーニックバイウェイ,全米レベルのものが120以上指定されておりますけれども,そこについての技術的な支援とかいろんなお手伝いをするために,アメリカのシーニックバイウェイのリソースセンターというのがございます。それの前のセンター長ヘンリー・ハンカさんという方がつくられたものを日本語に訳したものでございます。彼らによると,アメリカズ・バイウェイズということですけれども,すべての人々が,いろんな大きさのコミュニティーが一緒になって,働くボランティアたちが,その地域の本当に誇れるものは何だろうか,特徴は何だろうかということに対して,みずから物語を紡ぎ出してそれを訪れる人に語って,そういうことで訪れる人の満足度も増加させたい,来てくれる人もふやしたいということで,そういうことをしながら,経済的発展を目指すプロジェクトであると言っておられます。
 バイウェイの指定を地域が受けることの利益でございますが,先ほど申しましたけれども,全米レベルでシーニックバイウェイというのがあります。そこへ行くと,いい旅行ができる,いい観光ができるということでの認知が得られます。その反面,認定をしていただくためには,訪れる人ががっかりすることがあってはなりませんので,資格審査と言いますか,それを厳しくしているという面もございます。そういうことで認知がされますと,全国規模でのマーケティング戦略の恩恵を受けることができる。あるいは,先ほど申しましたリソースセンターから支援が受けられる。あるいは,日本と違いまして,ある種,補助制度が整っておりますので,そういう補助も受けられるということとか,2年に1度ぐらい全米の会議がされておりまして,来年の5月に,まだ場所は聞いておりませんけれども,東海岸のどこかでやるんだそうで,そういうことで活動している人が参集をして,いろんな情報交換ができるということでございます。
 これは,経済面での向上というのをどう考えるかということなんですけれども,いろんな補助は得られるものの──雑貨屋さんの御主人とその息子さんだそうですが,基本的には,彼らはボランティアでこの活動に参画をしていると。ただし,お客さんが来るので,魚釣りのための道具なんかも売っている店だそうです。その魚釣りをするお客さんが来ると,こういうところで買ってくれるので消費が増加する,そういうことなんだよというふうなことを言っておりました。
 旅行者にとっての利益というのは何なんだろうかというと,国レベルで認定された制度ですので,ある程度の品質保証はなされているから,安心して旅行ができると。これは,アメリカのシーニックバイウェイのホームページに,もし時間があれば行っていただければありがたいんですけれども,非常によくできた観光ガイドでございます。自分の住んでいるまちと,どこか行きたいところをインプットしますと,そこに行くための時間数とか,どういう道路を通っていけばいいかというふうな情報とか,行った先でどういう見ものがあるか──これも後で話しますけれども,あるいは,今まで言いましたけれども,現地の人が自分たちの誇りに思っているいいものを,こういうホームページにアップしておりますので,既成の商業主義に毒されたものだけではなくて非常にいいもの,現地の人が誇りに思っているもの,あるいはいいお店,いいお土産というのが,ホームページから得ることができます。あるいは,このシーニックバイウェイのホームページだけではなくて,関係するいろんなホームページへのリンクも非常によく張られておりまして,使い勝手がいいということでございます。質の高い経験が保障される。あるいは,ルートとか標識も配慮がされておりまして,みちに迷うことがないというふうなこととか,先ほど言いましたけれども,情報がウェブサイト上に紹介されておりますし,現地でストーリーとか,インタープリターとか,語り部さんとか,ガイドさんというような方がいっぱいおられますので,いいお話が伺えるということでございます。
 アメリカでは,シーニックバイウェイのルート認定が,先ほど申しましたように,全米レベルで行われているわけでございます。まず,一番トップにあるのが,オールアメリカンロードということでございまして,本当にいいものについては,全米レベルでさらに厳選しましょうということで,これが現在27ございます。
 その下に,ナショナルシーニックバイウェイということで,全米で指定されているものが125あるということでございます。でも,下という言い方はちょっと変なんですけれども,こういう形で図示されておりますので,あえて下と言いますけれど,それ以外に州指定のシーニックバイウェイとか,国立公園内のパークウェイとかというのが600程度ございますし,あるいは,自治体のシーニックバイウェイというのがあるんだそうです。私も何カ所か行ったことがありますけれども,それに対しては,相当数あるということでございます。
 ですから,全米にこういう運動が広がっていて,その中で資源性にすぐれたもの,あるいは地域の活動がきっちりしているものについては審査をして,徐々に徐々に厳選されていくということでございます。ですから,全米のもの27というのは,125の中に含まれておりますけれども,訪れる側,旅行者・観光客の側からすると,相当程度安心して行けるというシステムでございます。
 2005年現在でいきますと,全米のシーニックバイウェイは,国立公園の中にあるのが25。自然域内のものが93。あるいは,都市の中にあるものが7件ございます。一番長いもので言いますと,アラスカ州にある,これはフェリーボートが主になっているんですけれども,全長が6,000マイルと言いましたから,約1万キロぐらいですね,フェリーボートの路線が。そんな長いものから,一番短いもので20マイルぐらいのものまで,非常に多種多様なものがございます。
 日本と違いまして,このシーニックバイウェイ,アメリカで始まってきたわけでありますけれども,日本は北海道開発局もそうでございますし,あるいは道路局もそうでございますが,やはり政府の役所が言い出しっぺというところがございます。アメリカでこのシーニックバイウェイ制度を非常に熱心に勧めた方は,ミネソタ州選出のジム・オベスターという下院議員の方でございまして,下院で議員歴が,今,もう28年ぐらいになられる長老議員でございます。この方が,これからシーニックバイウェイというのは,全米の連邦の制度としてぜひやるべきだというふうなことを──先ほど名前を出しましたけれども,ヘンリー・ハンカという人と,30年来の友人らしいですが,一緒にやってきたということでございます。ですから,下院の政治家の方がおられますから,省庁連携もスムーズにできましたし,今,アメリカでは,交通の投資をちゃんとやろうということで,1990年代から総合陸上交通効率化法という,ISTEAという法律ができて,その後にTEA21という法律になって,昨年の8月からSAFETEA−LUという新しい法律になりましたけれども,その中の連邦補助幹線道路のさらに下にある環境というところに,シーニックバイウェイ制度を連邦政府としてきちんとやりなさいと。あるいは,アメリカズ・バイウェイズリソースセンターを連邦政府としてきちんと面倒見なさいということが法定されております。日本の開発局は,あるいは道路局もそうですけれども,あくまで重点プロジェクトということで,予算措置としてやっているんですけれども,そういう違いがあるということでございます。
 どういう補助ができるかということでありますけれども,州のシーニックバイウェイの計画とか,設計のお手伝いをする。あるいは,景観,歴史,レクリエーション,文化,自然,考古学的特性という,アメリカのシーニックバイウェイを審査するときの6つの評価軸なんですけれども,それの保守管理をするためのコリドー管理計画を実施する。あるいは,交通安全対策事業についても,お手伝いをするというふうなことがいろいろございます。周辺地域における景観,歴史,レクリエーション,文化,自然,考古学的その保護事業も行います。あるいは,インタープリティングと言いますか,ストーリーの発見とか,そういうものもやりますということとか,マーケティングなんかも,連邦政府の補助対象事業として明確に記述されております。
 これは,先ほど申しました1992年から始まったISTEA,1996年から始まったTEA21,昨年から始まったSAFETEA−LUでございますけれども,日本と違いまして,これからアメリカ,ヨーロッパ,EUもそうなんですけれども,やはり国が元気で国際競争に耐えて,かつ地域も元気で環境に優しい国,社会をつくっていくためには,やっぱり交通投資が必要だということで,ISTEA,TEA21,SAFETEA−LUということで,予算規模がここからここへ行くのが40%アップで,ここからここへ行くのもまた30%ぐらいアップしておるということでございます。そういう中で,シーニックバイウェイ関係の予算もふえております。ただし,全然桁が違いまして,SAFETEA−LUの中では,総予算が2,864億ドルなんですけれども,シーニックバイウェイ関係は約2億ドルぐらいでございます。増加しておりますけれども,非常に低予算でございます。全体の0.07%でございます。高速道路を大規模につくるというものではございません。あるいは,バイパスを大規模につくるというものでもございません。既存の道路をゆったり安全快適に,あるいはその地域の地域づくり,活性化に役立つような人々の運動を応援しようということでございますので,手間暇はかかりますけれども,あんまりお金はかからないというプロジェクトでございます。
 こういうことを勉強しながら,シーニックバイウェイ北海道でも,独自のものをつくりましょうということでございます。まず,景観が大事ですね。美しい景観づくりをやりましょうと。あるいは,北海道でございますので,これから観光というのを北海道の基幹産業として据えるべきである。そういう観点から,いろんな地域の本当の資源,隠れた情報というのを,どううまくくくり出して存在感を持たせるか。あるいは,いろんな人にアピールするかということも大事ですね。そういうことを踏まえていく上で,地域の元気づくりというのが非常に大事だろうということで,こういうことを目的に掲げさせていただきました。
 これも,最終報告書の中で提案したそのものなんですけれども,ルートごとにいろんな活動団体の方がおられます。その特性とか地域の将来像とか,セールスポイントに対して,いろんな思いをお持ちでございます。そういう人たちが一堂に会していろんなことを地域主導でお考えくださいということで,ルート運営代表者会議というものをしてございます。これをやったことの一番いいポイントは,いずれも相当広い地域の広がりを持っております。路線延長でも相当長うございます。そういたしますと,それまでは,自治体の中で活動されておられていた方がほとんどで,いろいろ苦労されておったんですけれども,隣のまちにも同じような思いで,同じような花植えをやっている方がおられるとか,ごみ拾いをやっている方がおられるとすると,お互いに勇気づけられる,元気づけられる。あるいは,活動の連携が広がっていく,そういう効果が非常に出ております。あるいは,違う活動をされていたんだけれども,一緒に連携ができるんじゃないか。観光をされている方とまちづくりなんかをされている方が,一緒に何かできるんじゃないかということでございます。その実例については,後ほど簡単に御紹介できると思います。
 こういうものをつくっていただいて,ルートの運営活動計画をつくっていただく。それを受けるものとして,ルート運営の行政連絡会議というのもつくってございます。道路部局だけじゃなくて,土木関係で申し上げますと,河川も関係してございます。都市も関係いたします。そういう意味での連携,あるいは環境部,あるいは観光,あるいは産業というところも関係いたしますし,北海道の場合は,北海道開発局という国の組織だけではなくて,北海道あるいは自治体ということがありますので,そういうことで地域主導なんだけれども,それのお手伝いをするための,あるいは一緒に働くためのルート運営行政連絡会議というのがございます。それを全体として支えるというのが,シーニックバイウェイの北海道推進協議会ということでございます。
 その下に,ルート審査委員会というのがございますけれども,私,今,このメンバーなんですが,やはり訪れていただく方ががっかりすることになってはいけないと。そういう意味でのクオリティコントロールをちゃんとせんといかんということで,そういう審査委員会をしてございます。ここにありますのが,シーニックバイウェイ支援センターというものを中間法人として立ち上げまして,技術的なものとかいろんなノウハウを,こういうところでやろうということでございます。
 あと,アメリカの例は,ちょっと時間の都合で割愛させていただきます。
 ここで,アメリカと北海道のシーニックバイウェイの制度比較をしてみたいと思います。アメリカでは,ちょっと申しおくれましたけれども,今,正式の制度名ではシーニックバイウェイという言葉を使っております。法律の中には,シーニックバイウェイと書いてありますけれども,愛称では,もうシーニックという──風景ですね。美しい景観とかという言葉を取り去りまして,アメリカのバイウェイと。アメリカの寄り道とか,脇道とかということに特化をしてございます。どうしてかと申しますと,先ほど6つのアメリカの審査基準というのがあるというふうに申し上げました。風景と自然と歴史と文化とレクリエーションと考古学ということでございます。そういう中で,シーニックということを表に出してしまいますと,風景とか景観だけが表に出過ぎちゃうと。それよりは,もうちょっと文化とか,歴史とか,自然とか,レクリエーションとかも非常に大事なので,そういうことを認識するということのために,アメリカズ・バイウェイというふうに,もうシーニックという言葉を取っております。
 根拠法でございますけれども,結構たくさんございます。それは,実はこの辺に書いてあったんですけれども,道路美化法とか,アウトドアレクリエーション法とか,ナショナルトレード法とかというふうなことがいっぱいございます。日本は,先ほど申しましたように予算措置として実施しているだけで,この辺ちょっと弱いなということでございます。したがって補助事業制度も,あるいはリソースセンターも法定されておりますけれども,明確な制度はございません。
 省庁連携でございますけれども,下院議員の方が主導で制度検討が始まりましたので,そういう意味では,役所間の連携は制度の検討段階から考慮し,実施したんだそうです。本人にも伺いましたけれども,やっぱり制度検討するのに,いろんな方に出ていただいて,下院の中で3年ぐらいもみにもんで制度を決めたというふうにおっしゃっておりました。日本でも行政連絡会ということでやっているんですけれども,後で申し上げますが,ちょっと問題含みのところもあります。ただし,活動団体は,北海道及び今,日本全国で活動が広がりつつありますけれども,非常に大事でございます。
 あと,実際に運営していく上では,やっぱり専門家の知識が要るんですけれども,これについても地元の大学との連携をうまくするとか,個人コンサルタントで,こういうところで活躍されている方が多うございますけれども,こういう人材育成を日本でもどうするかということが残されております。
 北海道でこういうのがございますよ,ということでございます。これは,谷川さんがやっておられる西神楽の菊池さんという方の写真なんですけれども,富良野,美瑛等の景色でございます。これは,非常に美しいんですけれども,純粋の自然景観ではなくて,明治の開拓以来,農民の方が木を切って,山を削って農業ができるようにされたと,そういう人工の景色でございます。実際,富良野とか美瑛の景色というのは,そういうものでございます。これがどうなっているかということでございますけれども,農業の条件が非常に厳しくなっておりますので,これは同じ場所を,時間をおいて撮られたものですけれど,かつては,こういうふうにラベンダーですか,美しく咲いていたものが,離農されておりますので,こういうふうになってきていた,ということが進んでおります。
 そういう中で,これも,富良野の活動家の方で藤本さんという方がつくられたものでありますけれども,実際こういう農業の景観というのをどう保全していくか。そういうことに関しては,やはり農業が農業として自立的に存続できないとだめだろうということで,そういう観点から連携ができるんじゃないかということで,シーニック的スローフード推進事業というのをやられております。農村景観をつくるものは,農作物とか農作業そのものではないかと。とすると,農村風景の保全をするためには,農作物がちゃんとできて,農業自体が生業として成立しないといかんと。そのための一つのお手伝いとして,スローフードブーム,ロハスブームですから,そういう中でグリーンツーリズムを促進できればしたいねということでございまして,こういうふうな食の拠点づくりをされております。まだまだ規模自体は小そうございますが,こういう動きがあるということであります。
 あるいは,これはニセコでの活動の例なんですけれども,広域連携をぜひしたいということで,支笏・洞爺・ニセコということでございます。これは非常に広い範囲でございまして,千歳空港も含みますし,支笏湖も含みますし,洞爺湖も含みますし,ニセコアンヌプリの地域も含みます。自動車で移動すると多分5時間くらいかかるような,そういう広い地域でございます。支笏湖周辺は静かな森と湖。あるいは,洞爺湖周辺は有珠山の噴火で御存じのように,非常に活発な地球の活動というのを実感できる地域でございますし,ニセコアンヌプリというのは,美しい山があって,冬期にはスキーということで,相当程度地域特性もございます。範囲が広いということもございまして,なかなか広域連携がうまくいかなかったということもあるんですけれども,そこで,こういうことができないかということで,キャンドルナイト,灯かりでつなぐ雪の道ということを考え出されまして,このニセコの大川さんという方が,その事務局として成功したということでございます。ことしの1月28日と2月4日に,夕方の5時に点灯しました。それだけです。そのためのろうそくを安く仕入れて,ちょっと高く買っていただいて,このチラシづくりとか,いろんなコミュニケーションに使われたということでございます。非常に好評だったようで,ろうそくを配るだけで──これは,除雪をした雪の壁に,こういうふうに格子状にやるときれいなんじゃないかというふうなことを思いついた人がいるみたいで,こんなことがされておると。あるいは,今,ニセコというのは,オーストラリアからのお客様がいっぱいおられるようで,こういう外人さんも来たということとか,あるいは,シーニックデッキということで,これも農業とも絡むんですけれども,特にここなんかそうなんですが,非常に景色のいい──これはジェットコースターの道というところなんですが,非常に眺めがいいポイントでございます。駐車するスペースがないとか,あるいは眺めがいいので,こういうふうに畑へどんどん観光客の方が入られる。すると畑は,産業のまさにそういう現場でございますので,消毒をしたりとか,いろんなことがしてありますので,非常にまずいということもございまして,農業の方にとって,やっぱり観光客の方というのは,あんまり歓迎すべきものではなかったんですが,活動家の方が,シーニックバイウェイとは何かとか,畑に入らないようにしてねということで,こういうデッキをつくっていただきまして,材料費等は国で準備したようでありますけれども,新たな観光スポットになっているというふうなことでございます。
 こういうことがありますと,ビジネスの動きって非常に早いというふうにつくづく実感しておりまして,ブランド化とか,旅行商品化がどんどんされております。ANAのキャンペーンでシーニックバイウェイのモデルコースなんていうのがもうありますし,ニッポンレンタカーでも,シーニックバイウェイというのを一つのセールスにしてございます。
 北海道のなしつつあるものに関する個人的な感想を申し上げますと,モデル検討委員会の最終報告時に,委員が,近いうちにこういうふうになればいいねというふうなことをいろいろ話し合ったんです。例えばルートの増加が──モデルルートが2つでやっておりますけれども,もっとふえればいいねと。それに価値を有するルートはいっぱいあるでしょうということに関しては,2つが既に9つにふえてございますし,活動団体も,量的にも質的にも活動しておりますし,広域とか他分野の人との連携も達成されております。農業とか環境と食とみちとの連携というのが,先ほどの富良野の例でも御説明いたしましたが,ああいう動きがもう既に動いてきております。行政間の連携も,うまくいけばいいねと言うんですけれども,これはまだちょっといろいろ宿題があるようでございます。しかし,そういう意味で予想以上の速度で,こういう期待が達成されつつあるんですけれども,課題も出ていることも事実でございます。
 今,有する課題なんですけれども,やはり人不足というのが,現実にあらわれてきております。活動団体の方は,ここにおられる谷川さんを初め,もうずっとやっておられますけれども,それをお手伝いする人たち,専門家とのつなぎをする人たちが,なかなかまだ不足感がございますので,そういうのをどうするかとか。行政間の連携の不足──やっぱり道路畑から始まりましたので,そうあってはならないんですけれども,何かまだ縄張り意識みたいなところもあるみたいで,そういうこともございます。あるいは,国と県と市の関係というのも,なかなか難しい問題があるようでございまして,そこで冒頭,議員の方に政治主導でぜひこういう壁を取り去っていただきたい,なくしていただきたいというふうにお願いをした次第でございます。
 ただ,ちょっと問題もございまして,うまくいったのはいいんですけれども,有名になってしまいまして,ちょっとこれ,いかがなものかというふうなお土産屋さんができてきたりとか,そういうこともあるかなというふうに思います。
 今,風景街道でいろんなことを議論しております。これは,まだ決まっておりません。私の意見が半ばしておりますけれども,これからの制度をどう考えるかということで,今,方向性としては,美しいみちと地域づくりの運動としてどうとらえるかと。訪れる人が満足できる質の保障をどうするのか。そのための制度のあり方ということで,地域といろんな人との協働のあり方,あるいは行政の協働のあり方,そういう中で,やっぱりがっかりしてもらってはいけないので,質を高める工夫というのをどうするかと。ただし,評価とか,おまえはだめだということは,地域づくりのものですから,おまえは成績悪いからだめだよ,落第だよと。仲間に入れませんというのは,ちょっといかがなものかということで。全国に広げる工夫と,その中で質をさらに高めていくということを,難しい面もあるんですけれども,その辺をどうするかということで議論をしております。
 あと,風景が美しくなっていくというのは,非常に長くかかります。あるいは,地域が元気になっていくというのも,非常に長くかかりますので,その辺で,楽しく続けられる仕組みというのはどうあるべきかということについても,これは非常に重要な課題だろうというふうに思っております。
 あと,支援とか,認定とか,評価ですけれども,国の予算,あるいは県の予算でやりますので,そういう中では,道路,土木ということで発信しております。気持ちは広いことをやりたいんですけれども,支援できることというのは,どの辺まで大丈夫なんだろうかという,そういう検討も必要でしょうし,あるいは,今,モデルの応募をいただいた方の中で,こういうことを実はしてほしいんだよということの調査中でございまして,支援が必要なこと,期待されていることって何なんだろうか。あるいは,ちょっと厳しいんですけれども,評価と認定のあり方であります。全部やりたいから,全部日本の風景街道ですよというわけにはちょっといかんだろうということで,先ほど申しましたように,輪を広げるということと,質を高めるということの関係をどう考えるのか。そういう中で,特に北海道なんかがそうなんですけれども,地域で既に始まっております。それは,北海道は北海道の特性でああいう制度になっておりますけれども,日本全国で何か決めたときに,地域の特性をどう考えるか。あるいは北海道だけではなくて,九州でも道守会議というのが,相当程度活発化されておりますけれども,そういう地域の制度と全国制度のやわらかい関係をどう考えるかというふうなことが必要かと思います。そういう意味で,シーニックバイウェイ北海道の課題もあるだろうというふうに思っております。
 これからでありますけれども,今,戦略会議が,これまで2回ぐらい開かれておりまして,もうちょっと制度の検討とか,皆さんとのディスカッションが必要だなということで,ワーキンググループが発足いたしました。今,ワーキンググループによる視察を,あるいは,皆さんとのコミュニケーション活動を盛んにされております。これからワーキングで制度検討をして,7年の4月から正式スタートという含みになってございます。
 時間が1時間ということでございます。若干,まだ用意しましたパワーポイントを使っておらないんですけれども,申し上げたいことは大体申し上げましたので,これで終わらせていただきたいと思います。
 最後にもう1点だけ強調しておきたいことは,道路から眺める景色の90%から95%というのは,森であったり,田であったり,畑であったりということでございます。あるいは,まちであります。道路だけをきれいにしていただけではだめで,そういう眺められるものと見る場との連携をどうしていくか。あるいは,道路が地域に与える力というのを,どううまくハーモナイズして一つのものにまとめ上げていくかということでございますので,従来の道路の施策とは,相当程度大きく性格を異にしているものだと思います。そういう意味では,非常に新しいものでございますし,期待感は多いんですけども,それなりに道路の施策として受けとめる際に,非常に柔軟に考えることが必要ではないのかなと。これまで前例がないからできないというふうなことではなくて,新しいことだから,非常に太っ腹に,前向きに受けとめていただけるのが,成功をする一つの秘訣かなというふうに思います。それは北海道での経験でございますし,筑波をめぐるシーニックバイウェイでも,そういうような方向で土木部の方でやっていただいて,地域の活動団体の方も非常に熱心な方がおられるということがわかってきております。茨城,農業との関係,里の風景ということで申しますと,非常に美しいところだと思いますので,あるいは非常に熱心な方が,多数県内におられると思いますので,そういう方をどううまくネットワークをして,力を結集するかと。そこに行政として,いかにお手伝いができるかということが,非常に大きなポイントだと思っております。
 時間の配分がまずくて,3分ぐらい超過をいたしましたし,全部のパワーポイントを使っておりません。その不手際をおわびいたしまして,これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


◯菊池委員長 どうもありがとうございました。
 ここからは,意見交換の時間とさせていただきます。
 ただいまのお話について,委員の方で,何か意見または質問がありましたら,お願いをいたします。
 森田委員


◯森田委員 きょうは,石田先生,ありがとうございます。あまり耳なれないといいますか,新しい言葉ですので,私もよくわからない。その時期にわかりやすく,また,みちそのものにつきましても,多様な事柄をお教えいただきまして,ありがとうございました。
 今,聞いておりまして,よく最近,日本の街道100選とか,あちらこちらから私どもにもCMがまいりまして,買ってほしいとか,それはビデオであったり,雑誌であったりするわけですが,ああいう雰囲気なのかなと思って聞いていたんですけれども……。
 1つは,道路整備──政治的に,これまでは便利性であるとか,渋滞の解消とか,早く行くとか,快適とか,そういうもので道路は整備してきたのかなと思うんですけれども,成熟してくると,道路そのものだけではなく,道路から見るロケーションと言うんでしょうか,風景的なもので心が安らぐとか,快適さをより多くするとか,そういうことを含めての道路のことなのかなと,今,聞いていたんです。ややもすると,観光客が言う「こういう道路がいいとか,ロケーションがいい」ということと,地元に住んでいる方とが相反する部分がございますよね。例えば,私どもが観光地へ行ったり,いいところへ行って,桜並木なんかあったりしますと,満開の時期には「いやあ,すばらしい街道だ」と,「いい道だ」とするわけですけれども,そこに住んでいらっしゃる方は,「いや,虫で困るんだ」とか,ケヤキだったら落ち葉に困るとか,そこに木があるために影ってしまって日がよく当らないとか,相反する部分って非常に多いんですよね。これは,ある意味で看板なんかもそうだという気がするんです。便利さですと,案内看板は非常にいいとか,商業的には販売促進につながると。ところが,たまに行く人は,ない方がよく見えるとか,余計なものが見えないという意味ではいいんですね。そういった面では,非常に利害が相反する部分があるのかなと。それを超えた部分で地元の人たち,NPOの話もございますけれども,つくり出していくのかなという気もしました。
 それにしても,最近はそう言いながらも,非常に道路一つとっても,例えばフラワーロードであるとか,道路の里親制度とか,立派な国道の壁面にデザインがあったり,非常に昔と違うなという感じを持っているんですね。それから,道の駅があって,本当に休めるような場所ができたとか,その地域の特産物が得られるとか。先ほど聞いておりまして,ちょっとわからなかったのは,そういうふうに,100選みたいに選ぶことがこの事業の主たる目的なのかな。それからもう一つは,道路を整備する,最初の設計の段階から,構想する段階から,そういう精神を持つべきなのかな。それとも,選んだものを見やすいようにとか,風景が邪魔にならないようにとか,いいものが見えるように改修していく,そういったところに,行政と言いますか,こういうかかわりから言いますと,ポイントを置くべきなのかなとか,ちょっと,私自身がわかったようなわかんないような話をしてますけれども……,


◯菊池委員長 森田委員にお願いします。簡潔にお願いします。


◯森田委員 そういうところで,一番のポイントといいますか,どうなんでしょうか。


◯石田参考人 2点お答えしたいと思うんですけれども,1つは,観光客と地域のニーズの乖離をどう見るかということなんですが,それは,例えば具体的に申し上げますと,先ほど農業の例なんかもございまして,農業のつくり出す景観を見に多数のお客さんが来られるんだけれども,そのお客さんが来られたことが,実は農業者にとっては利益になっていないばかりじゃなく,むしろ邪魔になっていると。そういうことが,今まで見過ごされていたと思うんですね。そういうことに関して,気づいて,じゃどうすればいいんだということで,農業をやっていられる方とも相談しながら,一つのシーニックデッキということを出されてきたわけです。そういうことは,いろんなところで例があろうかと思います。看板の問題なんかでも,谷川さんは看板撤去を随分たくさんやられておられますので,やはり行政側だけでやると,地域の皆さん,いっぱい日常生活の問題とかございますので,その辺がだめだということで,地域の方と一緒にやらせていただくことによって,本当の地域の要求とか,ニーズとかが間違いなく反映できるような,そういう場をシーニックバイウェイというのは与えてくれているのかなというふうに思います。
 2点目のシーニックバイウェイの本当の目的は何なんだろうかということでありますけれども,選ぶことが目的ではないというふうに思います。それよりは,長い間かかって地域の皆さんと一緒に,地域の人が楽しく暮らせる,観光客の人も来てよかったなと思えるような地域づくり,風景づくり,あるいは名物づくりが息長くできるような,そんなプロジェクトだろうというふうに思っています。
 今度,技監になられた前の道路局長の谷口さんがよくおっしゃっていることは,シーニックバイウェイというのは,選んで終わりという昔ながらの道路プロジェクトにはしたくないと。最低でも10年ぐらい続けないと成果が目に見えてこないので,それは申し継いでおきますというふうに言われてましたけれども,ぜひ,その気持ちが伝わるようにしないと,なかなかうまくいかないんだろうというふうに思います。地域をともに育てる,美しくする。そのために行政ができることを,地域の人たちとコミュニケーションを密にしながらするということでございます。
 よろしゅうございますでしょうか。


◯森田委員 はい,わかりました。


◯菊池委員長 ほかに,委員の方で……。
 関委員。


◯関委員 大変に興味深く聞きました。そして,質問することではありませんけれども,茨城県にも,自然とか歴史とか風景とか極めていっぱいあります。そういうところは,おおむね過疎に悩んで,人口が流出している。そういうところで,このシーニックバイウェイが進めばいいなということを考えながら聞いていました。そういう場合に,結論的に言うと,地域の住民が主体でなければ決して長続きしないんですね。だから,農業者がいるところ,観光者がいるところ,ホテルがあるところは,その地域の人たちが主体になって,このシーニックバイウェイの取り組みをする。そして,その人たちが自発的に,自分の土地を,自分の地域を誇りに思って,それを立ち育てようという意欲がなければ,この事業は決してよくならない。そして,究極的には,やっぱり農民も,地域の人も,それを通して豊かになるということでなければ進まないですね。したがって,先生がおっしゃるように,コミュニティービジネスとしっかりと結びついていかなきゃいけない。だから,県が指導するとか,国がやるとか,自治体がどうこうするんじゃなくて,住民たちが自発的に,どうやったらやる気になるかということが一番大事なのか,そういう動機づけと,その人たちが主体的にやっていくためのキャピタルをどういうふうに応援するか。そういうことに主体がなければ,この仕事は,僕のところでは伸びないなと思います。


◯石田参考人 おっしゃるとおりだと思います。まさに,そういうところがポイントだと思います。やはり地域の人に頑張っていただかないと,住んでいる人に頑張っていただいて,住んでいる人が元気になって……。よくおっしゃるんですけれども,住んでくれる仲間をふやしたいというふうにおっしゃいます。そういうことが非常に大事だと思います。ところが,そういうふうな思いの方がたくさんおられると思うんですが,活動が孤立的になっているとか,具体化していかないというようなところが多々あろうかと思います。そういう方にとっても,このシーニックバイウェイというのは,連携をする場,あるいは行政とコミュニケーションをできる場がふえていくという,そういう元気づけの意義というのが非常に高いと思います。それが1点でございます。
 それと,第2点目でございます。地域の方に中心になっていただかないといかんのですけれども,北海道でも,ある活動家の方がおっしゃったんですが,モデルルートをやるときに参加させてくださいということで応募をいただきました。それで第1回のときに,どういう思いがしたかと言うと,何か見合いをさせられているようだと。あっちこっちの活動家の人とか,行政の人と一ところに集められて,見合いをさせられているようだと。それから,いろんなディスカッションをする,あるいは会合をする,あるいは勉強をするという機会のことを,その方はデートを重ねるというふうにおっしゃっておられました。そういうデートを重ねて,お互いの顔と気心が知れてきて,何とか一緒にやっていけるかな,そういう思いになっていると。ただ,本当に籍を入れるかどうかというのは,まだまだちょっと自信がない。そういうことがちゃんとうまくいくためには,ガソリンが必要だと。火をつけたのは行政だから,ガソリンはそれなりに注ぎ込んでもらわんと困るね。コミュニティービジネスを始める。あるいはそれを活発にしていくということに関しても,行政ができることっていっぱいあろうかと思うんですね。地域の人たち,思いはあるけれども技術がないとか,ネットワークがないとかということがありますから,その辺がうまくできるような仕組みを,ぜひ試行していただければなというふうに思います。


◯関委員 今,先生が言ったその結論の,みんながネットワークをどうするかという,それが一番欠けているのよ。もう過疎地になっていくところは,隣が競争なのよ。だから連携をしようとしない。それが一番ネックなの。それから,特産物をつくる人でも,おれの特産物はあのデパートに入るよ。あのスーパーはおれの持ち分だよと言って協力しようとしない。そういうのを育てる行政の力というのは,物すごく弱い。したがって,この仕事を成功させる土台というのは,地元の人たちが,自分たちで地元をどうしたらよくなるかという土台がなければ,成功しないですね。だれか思いつきでやっても,それは協力者が少ないとできない。そんなところに,まず最初のスタートをしなきゃいけない。それは,この問題と若干違うけれども,何事もそれはあるんで,そのことを,このやる前に地元でやってもらえればいいなというふうに思います。


◯石田参考人 ありがとうございます。


◯菊池委員長 田山委員。


◯田山委員 1点だけ。問題点の一つに,先生が今,この施策を執行する上で,行政間の連携の不備による弊害というか障害というか,そんなことが話として出たわけでございますけれども,具体的なそういう事象というか,例というか,差し支えなければ,お聞かせ願いたいと思います。


◯石田参考人 例えば,土木と環境と観光という,そういう領域間の連携という話と,国と県と自治体との連携という話が,2つあろうかと思います。
 国と道と県の連携ということなんですけれども,これは,私の本当に個人的な感想なんですけれども,地域の方は,国の機関と余り接することがなかったと思うんですね。それよりは,地元の自治体といろんな意味で接する,コミュニケーションをとるということが多かったわけです。そういうところで,国のプロジェクトとして始まってしまいましたので,国の出先の方が,地域の方と一緒にコミュニケーションをする。ともに考え,悩むということを始めますと,県は,いわゆる中2階に置かれたという状況にもなってしまうのかなという風に私自身は感じました。これは個人的な感想でございます。
 それと,2番目の領域間の連携ということなんですけれども,これは風景街道の第1回会議のときの,最初の御意見の表明に典型的にあらわれていると思うんですが,道路局の方から,日本風景街道ってこんなことを考えていますと,こういうふうにやりたいんですという説明がございました。それを終えた後で,最初に質問された,あるいは意見を表明された方は,何か道路で新しいことを始めるけれども,本当のねらいは何だと,正直に言えと。そういうことでございまして,相当程度やはり警戒感と言いますか,道路で仕事がなくなっているから,何か新しいところに手を広げているんじゃないのという,そんな警戒感があるような雰囲気もあります。そういうことが,例えば,行政連絡会議等でも,来てはいただけるけれども,一緒に何か楽しく盛り上げていきましょうという雰囲気には,行政連絡会の方は,まだなってないと伺っております。そういうことでございまして,地域のためにやる,あるいは,人々のためにやるということでございますので,その辺を,具体に地道にどう展開していくかということが,いろんな機関の,特に行政機関の連携を図る上では,非常に大事かなと。そういう意味では,地域の活動家の人たちからの突き上げとか,議員の方の指導というのが,まさに必要になるんじゃないのかなというふうに思いまして,先ほどの話の中で,そういう発言をさせていただいた次第でございます。


◯田山委員 全くそういうことが多くて,同感なんですね。せっかく,これからスタートするといいますか──お金の流れが,国から県,市町村ということで,そのこと自体が,ある種,弊害にもなっていやしないだろうかと。人材不足と言いながらも,やっぱり民間主導で地域のリーダーがますます生まれて,そういう熱意の中で事業ができていくことが,成功事例をつくることだと思って,先生,せっかくですから,そういう金の流れも含めて,ぜひ提言してください。成功させていただきたいと思います。


◯石田参考人 ありがとうございます。道路局でやられているこのスキームの新しいポイントというのは,茨城県でもつくっていただきましたけれども,みちづくりパートナーシップという,活動団体の方と行政が入った,そういう組織を立ち上げていただきました。そのパートナーシップに補助金が直接いくという,そういうのが新しいスキームで導入されました。ただ,額がまだまだ少なくて,全部で財務省からお認めいただいたのが,1億5,000万円ぐらいですか。そういたしますと,72も応募していただきましたので,1件当たり200万円ぐらいにしかならないんですね。低予算ですけれども,低予算が過ぎるんではないかと。高速道路も必要ですけれども,どこかの高速道路を1キロちょっとあきらめていただきますと30億円ぐらい,これは機構の方でやられるので,国は関係ありませんけれども。そういうことで,非常に費用の割りには地域の元気とか,行政との対話のあり方とか,協働のあり方とかいうことに非常に大きな効果をもたらすプロジェクトだと思っていまして,そういう意味では,コストパフォーマンスが非常に高いプロジェクトでございますので,ぜひそういう方向での予算拡充が必要だなというふうに思っております。


◯菊池委員長 ほかにございませんか。──。
 それでは,以上で石田先生からの意見聴取を終了いたします。
 石田先生には,責重なお話をありがとうございました。
 本日,お話しいただきましたことについては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────────────────────────


◯菊池委員長 ここで,暫時休憩をいたします。
 再開は,午後1時ちょうどといたします。
                午前11時55分休憩
    ─────────────────────────────────
                 午後1時開議


◯菊池委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
 それでは,NPO法人グラウンドワーク西神楽理事の谷川良一さんから,地域活動を実践されているお立場から,「みちから始まる地域づくり」について,御意見をお伺いいたします。
 谷川さん,よろしくお願いいたします。


◯谷川参考人 私は,北海道旭川市から参りました。NPO法人グラウンドワーク西神楽の谷川と申します。このような委員会でお話しさせていただくのは,初めての体験でございまして,全く不慣れで,失礼があろうかと思いますが,よろしくお願いいたします。私どもグラウンドワークの概要について,まず最初にお話したいと思うんですけれども,この経緯については,平成6年2月に地域の自分たちの組織として,西神楽夢民村というのを農家の10団体で結成しました。歴史だとか景観だとか環境などの地域資源を再評価して,次の世代へ引き継いでいく地域づくりというのを具体的に進めていくために,地域に広く参加を呼びかけまして,平成6年12月に,西神楽地域づくり研究会の準備会が発足しました。
 その直後の平成7年1月に,皆様御存じだと思うんですけれど,11年前になりますか,阪神淡路大震災が起こりまして,このときに,旭川市と神戸市と日本エアシステムさん,地元の青年会議所や労働組合と,私ども西神楽住民と地元の企業,行政のパートナーシップによりまして,神戸市の被災児23名を,私どもの地域の農家でホームステイの受け入れに成功いたしました。このことが一つの契機となりまして,平成8年4月に,西神楽地域づくり研究会というのが正式に発足いたしました。
 その後,いろんな活動を行ってきまして,5年ぐらいが経過した平成13年10月に,特定非営利活動法人グラウンドワーク西神楽として,正式に認証を受けました。現在の会員数は,102名で活動を行っております。
 議員の方のお手元に別紙の資料で,こういうグラウンドワークの組織図がいっているかと思いますが,これをちょっと見ていただきたいんです。この中で,右端の方に5つの専門委員会と1つの管理運営委員会がございまして,この6つの委員会に,私ども会員102名が,いずれかに所属して活動を行っています。
 それの右側の一番上から説明しますと,6つの専門委員会の1番目としまして,地域の環境と景観を考える専門委員会というのがございます。この中では,本日のテーマでもございますシーニックバイウェイ北海道大雪・富良野ルートの活動団体として参加しております。
 活動の内容は,後で話が出てきますが,情報拠点モデルの試行ですとか,景観対応型有料トイレの検討ですとか,ごみゼロキャンペーンですとか,地域の草刈りですとか,さまざまな看板撤去ですか──これも後で話が出てきますが,そんな活動をしております。
 2つ目には,農業の未来を考える専門委員会というのがございまして,この中では,西神楽の地域というのは全く純農村地帯なものですから,この地域の戸数は1,600戸,人口4,000人という地域で,収穫祭ですとか,夢民村の食卓ですとかは,定期的にやっておりまして,あとは行政との連携で,地域協働プロジェクトというものにも参加しております。
 3つ目の委員会なんですが,地域の歴史と遺産を考える専門委員会。ここでは西神楽の資料館というのがございまして,そこの支援をしたり,これも恒例になっております西神楽ホタル祭りの支援。それから,この地域の農家の離農地の空き家の調査とか,利活用ですね。そんなことをやっております。
 4つ目に,子供たちの健全な育成を考える専門委員会というのがございまして,ここでは,毎年恒例になっております地元の一級河川の美瑛川という川があるんですけれども,そこで親子で楽しむリバーウォッチングですとか,田んぼの生き物調査,動植物の調査ですとか,あと小中学校の総合学習の支援なんかを行っております。
 5つ目に,NPOの事業を考える専門委員会。まさしくここはNPO,私ども事業を行う上で,どうしても資金が必要なものですから,そこの資金調達をどうするかということを主にやっている専門委員会で,この中でワークショップですとか,フォーラムみたいなものを定期的に開いて,勉強会も行っております。
 あと,最後になりますが,私どもNPOの主たる事業の柱になっております美瑛川さと川づくり事業検討委員会というのがございまして,ここでは,パークゴルフ場の運営を直接行っています。ここは,今お話した美瑛川という川がありまして,そこを北海道開発局さんから土地をお借りして,こういう写真にありますように,荒れ地だったところを,自分たちの手で造成をしまして,去年は18ホールオープンいたしました。事業収入が700万円ですか,その700万円でいろいろ自分たちで管理をしています。ことしの春に,さらに18ホールふやしまして,ことしは36ホールでこのパークゴルフ場を運営して,事業収入も1.5倍ぐらいを見込んで,今やっているところであります。
 このパークゴルフ場のように,我々地域の住民が手づくりでやった,こういった事業を,もう2本ぐらいの柱をつくりたいなということで,ちょっと話が戻りますが,このNPOの事業を考える専門委員会では──国道237号とJR富良野線が走っていまして,その国道とJRの間の10メートルぐらい,4.7キロぐらいの直線の区間がありまして,その間を除草工事なんかをして,将来的にフットパスなんかをつくって事業につなげたいなとか,先ほどのパークゴルフ場沿いにあります美瑛川の台風による風倒木の処理なんかをして,これもちょっと事業化できないかということで,そんなことも試行的に2年間ぐらいやりながら,もう2つの柱を求めて活動しているところであります。
 グラウンドワーク西神楽の概要はこのぐらいにしまして,本題でありますシーニックバイウェイについて,これからちょっとお話してまいりたいと思います。午前中,先生の方からのお話にもあったかと思うんですが,シーニックバイウェイ北海道のルートの位置図で,この緑色のところ──ちょっと色が見づらいですね,飛んでますね。4つの指定ルートと5つの候補ルートがあります。その中でも支笏湖・ニセコルートと,この大雪・富良野ルートというのが,平成15年度から2年間,モデルルートとして試行がなされました。正式には平成17年の4月に,この2ルートに加えまして,東オホーツクシーニックバイウェイの3ルートで,一昨年スタートしています。
 さらに,ことしは,宗谷シーニックバイウェイというルートが加わりまして,4ルートで,今,動いております。さらに本年度は,萌える天北オロロンルート──これは海岸線なんですけれども,それと函館・大沼・噴火湾ルート,十勝平野山麓ルート,南十勝夢街道,さらには釧路湿原・阿寒・摩周ルートと,この5つの候補ルートが,今ノミネートされているところであります。
 その中の,大雪・富良野ルートの概要ですけれども,大雪・富良野ルートは,旭川市から美瑛町,富良野市,占冠村などを経由します国道237号と,旭川から東川町を経由した大雪山旭岳に向かう道道大雪山層雲峡線を軸としたエリアであります。この国道の総延長は約100キロでございまして,この中に2市7町1村ですか,個々の自治体がかかわっております。
 このルートの中に,一昨年までは16団体ありまして,ことしから,新たに農業関連の団体が3団体参画しまして,本年度は19団体で,それぞれこのシーニックバイウェイ活動に参加しております。
 大雪・富良野ルートの取り組み事例ということなんですけれども,このルートでは,5つの分科会に分かれて活動しておりまして,それぞれ19団体が,どこかの分科会に入りまして活動をしております。
 景観分科会というのが,まずありまして,その中では,景観の支障物件調査ですとか,景観のルールづくりですとか,フォトコンテストなどを行っています。
 2つ目のユニバーサルデザイン分科会というのは,景観対応型の有料トイレの試行だとか,ユニバーサルデザインの勉強会だとか,そんなことをやっておりまして,成果品としては,議員の方のお手元にもあると思うんですけれども,ユニバーサルデザインの小冊子が完成したところであります。
 3つ目に,情報発信分科会というのがありまして,ここでは主にホームページの管理ですとか,紙媒体のいろんなパンフレットですとか,あとは情報拠点モデルの試行なんかも行っております。ことしの2月ですけれども,これもちょっと後で出てきますが,冬のイベントとしてウィンターサーカス2006というのを初めて試行しまして,これを本年度から本格的に──内外の方に大変好評だったものですから,継続してやろうというふうに,今,検討中であります。
 4つ目の体験分科会。これは主に名前のとおり,夏冬いろんなイベントの企画をやりまして,一番大きな企画としては,一昨年からやっております冬のイベントなんですけれども,「びえい・ふらの人になる6日間」というキャンペーン──これは後で詳しくお話したいと思いますが,そんなことをこの分科会ではやっております。
 最後になります,花分科会。これは沿道の清掃ですとか,ゴミゼロキャンペーンですとか,まさしく花植えですね。こういった活動を中心に,各団体連携して行っています。こういった5つの分科会が,試行期間からずっと流れて今まで活動をしてきております。
 私どもグラウンドワーク西神楽は,この景観分科会とユニバーサル分科会に参画しておりまして,主にこの景観分科会のお話を,ちょっとこれからしたいと思います。
 先ほど申しましたように,景観の支障物件調査というのを初年度からやりまして,1年目,2年目,3年目,4年目で,こういうことをやろうという計画を立てまして,実際に活動してまいりました。
 1年目の景観支障物件調査なんですけれども,これは,旭川市内から隣町の美瑛町というところまで,約30キロぐらいの区間ですが,この区間までのいろいろ支障物件の調査を実施しました。1つ目としては,電柱とかサインなんかの公的要素物件をまず洗い出して,2つ目には,廃屋ですとか,屋外広告物の商業看板ですね。こういう民間物件を洗い出ししました。それと3つ目には,夏の期間と冬季期間の状況の比較についても,いろいろ調査をしました。
 こんな中で,1年目は,調査方法の確立と言うんですか,それといろんな支障物件の撤去についての検討をいろいろ行ってきました。
 これは,多分1年目の撤去事例ですけれども,ちょっと見づらいかもしれないですが,左上の一番の写真です。あれは,よく見られる交通安全の旗だとか,防犯協会の旗が竹ざおに立って,もうぼろぼろになったり折れたりして,逆に危険な状態というのが相当数このルートでもありまして,これを地域の防犯協会や交通安全協会に依頼して,撤去をしました。
 2つ目に,左側の2番目ですね。こういう黄色い三角柱の看板もよく見る看板ですけれども,これも老朽化してぼろぼろになって汚いんですよね。これは,地域の市民委員会に依頼をして,撤去を実施いたしました。この市民委員会というのは,旭川市の場合,町内会の固まり,市民委員会という組織が63ありまして,そのうち西神楽地区の4つの市民委員会に依頼して,こういったものを撤去しました。
 3番目の写真ですけれども,これは,もう現存しない電話会社の看板です。こういったものは,地先に撤去の協力を依頼しまして,私どもNPOと一緒になって,撤去の試行をやってみました。
 こんなできることをやりながら,2年目は,残りの美瑛町から占冠村までの残りの70キロの区間を,これは分科会の枠を超えまして,ルート全体の団体に協力を依頼して,冬場を含めた調査を,時間をかけてじっくりやってきました。これは,調査の状況の写真なんですけれども,延べ調査数は750カ所以上に上りました。ここの下の写真に出ているような小規模なものから,こういったバス停ですとか,廃屋ですとか,いろんなものがありまして,この真ん中の地図は,北海道開発局さんから道路台帳をお借りしまして,それにプロットしてデータを整理しました。ちょっと見づらいんですけれども,こういった写真をこれに貼りつけて,矢印で位置をこのキロポストに落としています。赤字のものが撤去した方がいい,景観阻害物件だと。逆に,看板でもあるいはバス停なんかでも,とても景観に配慮したきれいなものがあるので,そういうものを逆にモデルとして,緑色の矢印で落としまして,そういった色分けをしながら,これはページ数にすると相当なページ数になったんですけれども,こういうのを2年間でつくり上げました。
 これを2年間やってわかったことは,例えば750カ所以上支障物件が出てきたんですけれども,少なくとも半分あるいは6割以上のものは,小規模なものが大半で,これはもう地域で十分にすぐできるものがあるなというのがわかりました。残りの3割から4割が,大型の商業看板であったり,あるいは病院の看板です。この観光地にどでかいのがやたらあるので,そこが一番撤去するのに今苦労しているところです。いずれにしましても,もう半分以上のものは地域で簡単に,地域がやる気になれば整理していけるということに気がつきました。実際に今,毎年進めているんですけれども,行政が例えばこんなことをやると,やれ,補償がどうだとか,移転の費用がどうだとかという話になるんですけれども,我々がやると,相手の地先ももちろん顔がわかっていますし,その広告主だとか,その対象者も特定して顔がわかっていますので,比較的スムーズにそういった処理ができるということがあります。
 そんなことで,この景観支障物件の調査計画というのは,これ,最初に立てたものですけれども,産業分類だとか,撤去のときの役割分担だとか,あとは撤去,移設の費用,集約費だとか,そういう費用の調査をランクづけしたりだとか。あと地権者の分類,これは,民と官という比率をちょっと分けてみたりだとか,あとは実際に,商業看板の広告収入実態調査ということで,何年契約で,どのくらい地先に払われているのか,ちょっと気になったので,この辺も聞き取りで調査してみたりしました。ここでポイントになったのは,廃屋だとか,廃棄の農業機械というのが結構目立ちましたので,その辺もちょっと特記して,注意しながら調査をしてみました。
 これが,ある病院の看板なんですね。このときの事例ですけれども,最初,事務長さんのところに我々景観分科会の代表が行っていろいろ話をするんですけれども,けんもほろろで断られたんです。それで,今度は作戦を変えまして,いろいろ人的なネットワークを通じて院長先生にお会いして,このシーニックバイウェイの活動の理念だとか考え方だとか,あるいは,我々地域の活動団体の思いだとかいうのを2度ほど聞いてもらう機会がありまして,それで,院長先生に理解してもらいまして,協力すると。ただし条件があると,このとき言われました。これは縦1.8メートル,横3.6メートルの結構大きな看板なんですが,まだ比較的新しいし,つくるのにも結構お金がかかったんだよと。これをいきなり撤去して,産業廃棄物にするのなら協力しない。これを何とか有効利用するという条件であれば,協力しますというふうに院長先生から言われました。それで,私ども持ち帰りまして,隣に地図の看板があるんですけれども,この病院の看板は,国道ぶちにボーンと立っていたんですが,里山のバイウェイの方に,地域の資源マップみたいな地図を私どもつくりまして,それに再利用したという事例なんです。
 これは,地図の拡大なんです。共有地という,昔,天皇の御陵地の地域がありまして,ここも過疎の典型的な地域で,昭和4年に北海道の駒ヶ岳が噴火したときに,この地域に5〜60戸の被災者が移住して来た地域なんですが,今はもう18戸しか残っていない地域で,実は私も,この山の奥の方に住んでいるんですけれども,そういった地域の資源マップを──たまたま私も,グラウンドワークで昆虫ですとか,鳥類ですとか,動物ですとか,植物ですね。春,夏,秋,冬の植物調査をずうっとやっていましたので,そういう地域資源の情報を入れたマップをつくって再利用して,真ん中にある赤く太字のところは,今フットパスを造成しているところなんです。ここの地域は,絶滅危惧種の貴重な植物がたくさんありまして,そんなことも,地域資源に今なりつつあります。
 同じ地域の中に,これはフットパスですね。これを今,私ども地元の者とNPOと協働で,こういったフットパスを手づくりで,さっきのパークゴルフ場のようにつくっているところです。このチップは,旭川市の忠別ダムという,今,建設中の大きなダムがあるんですが,そこで発生した流木をチップにしていただいて,それを私どもが取りに行って,いただいてきました。このように地元でもらってきたチップを敷きながら,フットパスを毎年少しずつつくっているところです。
 このフットパスの,このままだと流れてしまうので,流れどめに使っているのが,これも同じように美瑛川で,台風10号で──左上の写真で見てわかるように,風倒木が相当発生して手つかず状態になっています。これを北海道開発局さんの河川事務所に行って,これをちょっと地元で整理したいんだと。何とかやらしてくれと許可をもらいまして,こういった冬場の農閑期に風倒木を整理して,ここで発生した木を,さっきのフットパスの流れどめに使ったりですとか,あるいはサインに使ったり,デッキに使ったりだとか,あとは,先ほどちょっとお話した毎年恒例のリバーウォッチングというのを子供たちと一緒にやっているんですけれども,そのときに炭にして子供たちに配ったりだとか,そういったことで,ここで発生した風倒木の処理したものは,100%利用しています。これを今,NPOの事業を考える専門委員会で事業化できないかということで,あわせて検討しているところです。
 あと,もう一つ,先ほど事業化の話で出てきました,これが先ほど言った国道とJRの間にオオハンゴウ草という帰化植物が異常繁殖していて,旭川市内でも問題になっているんですけれども,これの除去作業と一緒に草刈りをしまして,最終的にはこの敷地を平らにしていきながら,さっきのようなフットパス,あるいは馬で歩くようなブライドルパスができないかということで,これも,今検討しています。2年間,除草工事を継続してやっていまして,ほとんどササとか,そういったものがなくなりつつあります。ここの草刈りなんかで活躍するのは,右下にありますような,地域の65歳以上のお年寄りが主力メンバーです。
 ちょっと話が戻りますが,さっきの景観支障物件の調査,ことし4年目なんですが,目標としては,左にあるような国道ぶちの廃屋,これを処理しようと,こういうのが何カ所かありまして,それから右のように,離農した農家の家の利活用というのを──これは,実際に左側の廃屋は,もうことしのゴールデンウィークには,地元で片づけてきれいになっています。右側のレストランは,去年,農家の廃屋を利用して,旭川市内からこちらに来ていただいて,レストランが今オープンしたところです。このような利用の仕方で,今進んでいます。
 もう一つは,これは先ほどの支障物件のところでも出てきましたバス停ですね。相当老朽化したバス停で,こういったものを,右のような地元の間伐材を使ったバス停に,毎年少しずつ置き換えていっています。
 あとは,支障物件調査とはちょっと話が変ってくるんですけれども,こんな活動をしながら,本来私たちの仕事ではない,行政の仕事になると思うんですが,こういった歩道柵ですとか,こういったものがあちこちで見られるんですけれども,こういった壊れたような歩道柵──横の線だったり,縦格子だったり,あちこち壊れているんですね。こういうのを直すときには,ぜひ,その地域の間伐材を使った,こんな歩道柵や木製のガードレールを検討していただけないでしょうか,みたいな提案事業も,我々の活動団体から積極的に行政の方に働きかけています。
 なぜ,こういうことができているかというと,お手元にきょう配付した別紙の資料をお持ちしたんですけれども,北海道林産試験場の概要というのがあるんですが,ここは,私どもの地元西神楽に実は移転してきまして,世界でも有数の試験場だそうで,全国から,あるいは世界じゅうから,毎年相当数視察に参られています。ここが,まさしく地元の木を使った試験研究機関なものですから,この地元の企業と一緒に,共同研究で何かこのシーニックバイウェイで提案できることがないかという問いかけをして,こういったものを提案してきたところであります。このガードレール以外に,先ほどちょっと話に出てきましたトイレだとか,ああいうバス停なんかも,この試験場と地元の企業さんから提供してもらったものです。たまたま地元にこういった試験研究機関があるものですから,そことの連携も含めて,グラウンドワーク西神楽では活動をしているところであります。
 続きまして,同じ景観分科会で,支障物件からちょっと離れまして,みち・沿道景観フォトコンテスト──これは,いろんな地域でやっていると思うんですけれども,私どもの特徴は──これ,審査風景とグランプリ・準グランプリの写真が載っているわけですが,右下に,残したくない風景ってあると思うんですよ。こういうもの,これは全国から相当毎年応募があるんですけれども,グランプリとか準グランプリとか入選者には,賞金じゃなくて,私ども活動団体が提供する豪華地場産品,お米だったり,お酒だったり,野菜だったり,そんなものを送らせてもらっているんです。この残したくない風景というのは,なかなか地元では声を上げづらい部分がありまして,これはもう来訪者から,ばっちりこういうものを出していただくことによって,これを,じゃどうしていこうかという問題提起にするために,こういったフォトコンテストの中に一つ項目をふやしまして,残したくない風景の募集をして,それを一つ一つ解決すべく,今,活動しております。
 このフォトコンテストもことし3年目になるんですが,これを利用しまして,PR巡回展というのを2年間やりました。この目的は,実はこのシーニックバイウェイ,どこのルートもそうなんですけれども,私ども活動団体の代表者会議というのがありまして,そのルート内に行政連絡会議というのを設置しているんですね。しかし,私どものルートで言うと,2市7町1村の行政の温度差が,かなり今問題になっていまして,それを何とか解消する一環として,こういった巡回展で──大きなパンフレットがあるんですけれども,あれは制度説明のパンフレットなんですね。シーニックバイウェイはこうですよと。こういったことを職員の方々に知ってもらいたくて,こういった巡回展を企画したんですけれども,それだけじゃなかなか見てくれないんですね。このフォトコンテストのきれいな写真と一緒に,事業説明のパンフレットなんかを置きまして,各市町村全部回りました。こんなことの活動も,景観分科会でやっております。
 さらに,先ほどのフォトコンテストの入選作品を切手シートにしまして,これを3,000部ですか,初年度につくりました。これを販売しまして,いろんな観光客だとかに買っていただきまして,こういったものを活動資金に充てる活動もしております。
 次に,これは,ユニバーサルデザイン分科会の事例なんですけれども,先ほどからも何度か出てきている景観対応型有料トイレの可能性調査の試行ということで,一昨年取り組みました。これは,北海道のシーニックバイウェイの支援センターと私どもの自主事業になっております。これの説明をちょっとしたいと思うんです。この可能性調査と試行ということで,このルートのトイレの調査をやりました。現状で,この100キロ区間に,国道沿い,あるいはバイウェイも含めて,どのぐらいのトイレの総数があるとか,ユニバーサルになっているトイレはどのぐらいあるとか,夏場はどのくらい使えて,じゃ冬場になるとどのくらい減ってしまうんだろうかという調査をこの分科会でやりました。それで調査して一番わかったのは,冬場に使えるトイレが激減するということでした。じゃ,それを通年であけるにはどうしたらいいかということで,行政の方たちと相談したんですけれど,なかなか今,トイレをつくるどころか,その維持管理する費用も財政的に厳しくて,十分な管理がなされていないというのがわかってきまして,じゃ,どうしようと。じゃ,トイレをつくるのも含めて,その維持管理をNPOでできないかとか,あるいは,地元の農家の人でできないか,あるいは地元の高校生とか,そういう学生でもできることがあるんじゃないかと,そんなようなことが上がりまして,ルート全体で3カ所置きまして,試行してみました。それぞれNPOが管理する箇所,地元の農家さんに管理してもらうところ,あと美瑛町の美瑛高校の生徒さんに管理してもらうところということでやりまして,それを有料でやってみました。その有料で得た収益は,例えば学生さんだったら,クラブ活動の資金にしてもらったり,NPOは活動資金。農家の人は,農業以外の副収入にならないかということで,これは試行してみました。
 具体的には,こういった実際に置いている仮設トイレありますね,左側の。それを,こういった景観対応型の有料トイレを置いて,実際にやってみました。これは,美瑛町のケンとメリーの木という,何かコマーシャルに出て,人がたくさん来る駐車場のところにあるんですけれども,こんなところでやったり,これは美瑛町に白金温泉ってあるんですけれども,そこへ行く途中の民地に,これは農家の方に管理していただいたんですけれども,ワンコイントイレですね,入れてやってみました。これも,おおむねやってみて,観光客の方はほとんど受け入れてくれますね。問題は,このイニシャルと管理費でどのぐらい費用がかかるかというのは,もう1年やってみて,それで逆算して,今の100円が妥当なのかどうかという検討はまだ残っておりますが,利用者には,ほぼ受け入れられています。
 3カ所と言いましたが,こういう強制的なワンコインと,あと募金方式で,上富良野町のジェットコースターの道という,シーニックデッキをつくった場所がありまして,そこでは募金方式でやりましたが,打率はほぼ6割ぐらいですね。10人に6人ぐらいはお金を入れていってくれますね,100円以上。ですから,こんなワンコインの強制的なものにしなくても,募金方式でもいいのかなと。
 その収入が,多分試算しましたら,これは別途報告書があるんですけれども,この1棟で100万円以上は年間収入が上がります。そうすると,少なくとも管理費は出ます。問題は最初のイニシャルですね。それがどうなるかというのは,もう1年,ことし通年でデータを取ってから検討して,これがビジネスになり得るのかどうか,農家の人やNPOさんの,そんなことを検討していきたいなと考えています。
 次に,これは景観分科会なんですが,情報拠点モデルの試行ということで,これもやはり自主事業でやった事例です。これ,左上のシーニックのマークがついた──ここは,もともとコンビニエンストアです。これ,閉店しましたので,これを何とか利活用したいなということで,こういったものを取り組んでみたんです。この始まりは,私ども西神楽──旭川の次,4つ目の駅に西神楽というのがあるんですけれども,富良野に向かう途中に,農協のれんが倉庫がありまして。解体の話が出まして,何とか地域で残したいねということで,こんなシンポジウムをまずやりました。子供たちだとか,小学校,中学校の人からお年寄りまで,このれんが倉庫についていろんな思いを,このシンポジウムで話してもらいました。そのシンポジウムの後に勉強会をやったりして,最後に,西神楽の将来の望ましい姿を考えるというテーマでフォーラムをやりまして,最終的にはこういったテーマが出てきたんですけれども,農業公園構想ですとか,ファームインモデルだとか,あるいはグリーンツーリズムで直売所ですか,そんなのをいろんな海外の事例を持ってきて,発表をしてもらって,こんなことがこの地域でできていったらいいねって。じゃ,場所は情報拠点がいいねという話になったんですが,残念ながら,昨年,西神楽農協と東神楽農協,隣町の農協が合併しまして,行政区域をまたがりまして,れんが倉庫が解体されてしまいました。かなり我々も落ち込んだんですけれども,その解体したれんがは,とりあえず確保できたので,それを再生して,先ほどの情報拠点モデルの前に相当の空き地を確保していますので,そこでもう一回再生してやろうかという話にはなっています。
 これは地元の高校生かな,こんな絵を書いてくれたんです。こんな直売所だったり,こんなレストランだったり,あればいいねみたいな絵を書いてくれました。農村カフェであったり,もちろんトイレは必要ですよね。それからデッキがあったり,直売所はこんなのがあったらいいねみたいな。こんな地元の意見をまとめて,情報拠点に大きく張り出しまして,皆さんの意見をさらに,今,深めているところです。
 これが実施状況なんですけれども,いずれにしてもコンビニ跡地なんで,ましてやお金もたくさんかけられないので,とりあえず看板をつくって,あとはもう台から何からみんな手づくりで,左の上の方は,これは今,何か出しているところなんですけれども,あとは各市町村の紙媒体のパンフレットを置いたり,右側の方の写真が,この西神楽地域ならではの情報発信です。あるいはノートパソコンを置いて,来たお客様にネットでアクセスしてもらって,いろんな検索をしてもらったりだとか。この場所で秋の新米まつりという,この地域の農業団体に頼んで直売をやってもらったり,イベントをやってもらったりして──これは去年の9,10,11月と3カ月間,試行で行いました。ことしからは常設で,ここは西神楽夢民村という農業団体に運営してもらっています。外観は,今,改修中です。
 この情報拠点の国道の真向かいに,かなりの土地がありまして,そこで冬のイベントを,ウィンターサーカス・イン・西神楽ということで,ことしの2月25・26日,3月4・5日の土日の4日間行いました。旭川には珍しく,この2月26日大雨が降りまして,2月に雨なんてちょっと考えられなかったんですけれども,これは1日中止になりましたが,もう地域の人やら来訪者でごった返しまして,かなり好評で,これは今後継続してやってほしいという要望が強く出まして,今度はルート全体で企画をしているところです。
 最初に,右上の方の──これは模型なんですよ。紙粘土でこんな模型をつくって,これ,大きな卵をつくったんです。実際にできたのは,7.5メートル,4.5メートルぐらいの巨大な卵が国道ぶちにできたんですけれども,普通北海道と言うと,札幌雪祭りを初め,各地で雪祭りだとか,氷の氷像だとか,雪像だとかというのはあるんですけれども,こういったランドアートの単純なものってなかなかなくて,なかなかおもしろい企画でした。これを地元の建設業の人に重機を持ってきてもらって,締め固めしてもらって,──雪像と違って骨組みも一切なしです。ただ,ただ,締め固めるだけで,あとは削るだけで,こんな卵ができました。
 これは,私どものルートに写真家がおりまして,富良野・美瑛の四季の映像をDVDで強大な卵に映し出しているところです。左上が,単純に照明でライトアップしただけ。その左の下の方が──子供たちが並んでいるんで,大きさがわかると思うんですが,これは,2月の沖縄の海の映像を北海道に送ってもらいまして,それで海の波がバーっと来ている状態をDVDで流しましたら,子供たちが,下が全部雪なものですから,雪の上で寝転がって,泳ぎ出すんですね,波が来るところで。これは,とても子供たちには人気がありました。右側は──春,夏の花の風景だったりというのは,結構年配の方にも好評で,ことしは,今,企画しているのは,道内だけじゃなくて,こちらの関東・関西圏の大学生に呼びかけて,コンペをやろうかなと。採用されたら,地元の旭川・富良野・美瑛のところにホームステイしてもらって,こういうランドアートをつくってもらって,そこをバスツアーで──旭川の雪あかりというイベントがあるんですけれども,それに合わせたバスツアーをやりたいなという企画をして,特に雪の降らない地域の方から来ていただいて,こんなのに挑戦してもらいたいなということで,今,企画しているところです。
 それで,この後がありまして,これは何かと言うと,今の卵がどのようになくなっていくかというのを,定点観測しました,温度も含めて。だんだん雪が溶けていって,なくなっていく状況なんですが,一番右下,これが5月5日です。ちょうど5月5日にこういうふうになくなるので,このランドアートをつくった後,きちっとシートかなんかを利用しまして,雪の保存の仕方を考えれば,5月のゴールデンウィークには,この雪を使ったイベントがまた可能性として出てきたなということで,今,検討しているところであります。
 同じ時期にもう一つある。これは富良野・美瑛が中心なんですが,「ふらの・びえい人になる6日間」というキャンペーンを2年間やりました。無料のシャトルバスを走らせて,いろんな地域で,こういった体験をやってもらうというイベントを2年間やってきました。ほとんど冬のアウトドアの体験メニューが主流になっています。この特徴としては,地域の企業さんから3万円の広告料をいただいて,このパスに広告を載せているんですけれども,それで300万円ぐらい集めて,それを運営費に充てています。このパスを5万部印刷して全国に無料配付しまして,ことしは1カ月やったんですけれども,1カ月間来ていただけるような……。このパスの特典は,施設のいろんなサービスとか,シャトルバスを無料で乗れたりだとか,いろんな参加施設の冬の情報が盛りだくさんで,結構好評で,3年目はさらに拡大してできるのかなということでやっております。
 これは,花分科会のゴ・ミ・ゼロキャンペーンですね。清掃活動とかは,もうどこの地域でもやっていると思うんですけれども,これは,富良野・上富良野・美瑛,このルート全体で統一して,5月30日をゴミゼロと決めまして,その前後1カ月間の間に,集中的に行っている活動です。
 もう時間もなくなってきたんですけれども,このシーニックバイウェイに,私どもNPOだったり,いろんな団体が参加して3年やってきて思ったことは,今までは行政区域内,私どもでしたら旭川市内だけ,それも西神楽という一定の地域内だけの活動でした。それが美瑛とか東神楽,あるいは富良野,占冠と100キロ圏ぐらいの行政区域をまたがった団体さんといろんな会合だとか,顔をつき合わせていろんな活動をやることによって,活動団体同士の横の連携ができた,これが一番の成果かなというのが,みんな共通の認識として持っております。それは何かというと,私どもグラウンドワーク西神楽だけだと,例えば何か事業をやるのにお金を集めようというときに,広告募集をしてもだれも乗ってきてくれないですよね。それがこの大雪・富良野ルート,全体100キロのイベントとして広告を集めると,トヨタさんですとか,サッポロビールですとか,そういう本州の大手さんを初めとして,どんどん相談に乗ってくれるんですね。逆に,積極的に企業の方からアプローチしてくるという場面も最近出てきまして,やはり連携することによる,このルートのブランド力アップ,これが一番,自分たちの活動の成果かなというふうに,今,感じているところであります。その中で,こういった団体全部でワークショップをやったり,勉強会をやったりするのも,いろいろ自分たちの団体にとっても,今プラスになっています。
 今まで平成15年,16年の試行期間と平成17年度の3年間で,先ほど言ったルート運営代表者会議というのがありまして,この中でいろいろ運営委員会をつくって,5つの分科会で活動してきました。右側にあるルート運営行政連絡会議と,ここの連携がちょっとまだできていないのが今問題なんですけれども,こんな形でやってきて,いろいろ問題が出てきました。各19団体は,法人格をそれぞれ持っているんですが,この大雪・富良野ルートとしての法人格がないために,運営だとか活動資金の捻出がとてもしづらいということがありまして,そこでことしの4月1日にみんなで出資して,有限責任中間法人シーニックバイウェイ大雪・富良野ルートを設立しました。今はここで調査委託業務だとか,いろんな事業を受託しています。
 もう一つ,分科会方式よりもプロジェクト方式にした理由は,なかなか19団体,広範囲なものですから,地域での合意形成に時間がかかったりするという運営上の問題が出てきまして,ことしからは中間法人を設立したのを契機に,各旭川・美瑛,上富良野・中富良野,富良野・占冠っていう大きく3つのエリアに分けて,事業を縦断的に,縦にプロジェクト方式で進めようということです。そうすると意思決定も早くて,プロジェクトごとですから,窓口は全部この中間法人で受けるということで,相当活動がスムーズになってきております。
 最後になりますけれども,このシーニックバイウェイをやって,1番はやはり横の連携ができるというのがありますが,これを例えば,もしこちらの地域で事業を検討されるのであれば,条件は違うので一概には言えないんですが,成否のポイントは何かなと,いつも自分たちで話し合ったんですけれども,北海道には,シーニックバイウェイ支援センター,リソースセンターと言われているんですが,この存在があるんですね。これは札幌にありまして,1ルート1人,人間を貼りつけてくれているんですね,この支援センターが。そして,いろんな技術的な支援だとか,広報活動だとか,こういったことを行政で──北海道開発局さんと我々団体との中間に入って,この支援センターが,いろんなことを接着剤役でやっています。特に大きいのが,ホームページですか。そういうのをもちろん運営管理していますし,それからメーリングリストの管理ですとか,こういった紙媒体の本の発行,広報誌の発行。きょうお手元にお持ちしたんですが,こういったトレジャーハントって,ことし初めてチャレンジして,これは販売用なんですね。これも活動資金に充てるために,1部500円で販売しているんですけれども,こういったものの企画を含めて,この事業の広報プロモーションをこの支援センターがやっていただいている,協力してもらっているというのが,相当ポイントになってくるのかなと。いきなりなんぼ行政がやる気になっても,我々団体がやる気になっても,なかなかスムーズにいってないというのが今までの現状で,そこを支援センターがうまくやってくれたのが,非常によかったかなと。
 それと,もう一つ,さっきの2つのトイレと情報拠点のああいった自主事業を,この支援センターと一緒になってやってこれたということも,具体的に検証するという作業を,この支援センターと一緒にやれたというのがよかったかなと。あと,このようにアメリカの視察ツアーに,我々も支援センターと一緒に行ってきたりだとか,そんなことがあります。
 こういう話をするのはなれていないので,支離滅裂でばらばら,ばらばら話してきましたが,一言で言うと,やっぱり人と人ですね。行政だとか民間だとかというのは抜きにして,やっぱり最後は人と人とのつき合いになってきますので,そういった人間関係をどうつくるかというのは,やっぱり1番ポイントになると思うんです。この茨城県は,相当我々みたいな活動をしている人はたくさんいると思うんですね,大きさは別にして。それをどうつなぐかということが,多分ポイントになってくるんじゃないかなと。よく住民参加型と今まで言われていますけれども,私たちは北海道開発局さんに対しても,市町村に対しても言っているのは,「行政参加型ですよ,このプロジェクトは」といつも言っているんですね。私たちがいろんな企画なんかをして相談に行ったときに,絶対いきなりノーとは言わないでくれと,まず聞いてくれと。聞いてもらって,やれること,やれないこと,選別しながら,我々だけではできないことを,行政の人はどの部分でお手伝いしていただけるのかと。そういう相談窓口が非常に大切で,お金を出してくれとは言わんと,まず人を出してくれと。それから,知恵を出してくれ,我々に,というお願いを常にしています。
 それでも,やはりたくさんの市町村がまたがっていますので,すごく反応のいい市町村もありますが,行政間の温度差というのが非常に今,我々の活動する上で,ちょっと頭が痛いということになっております。
 いずれにしましても,こうしてやってこれたのは,やはり行政と一緒にやってきたから,やってこれたという現実もありますので,あとはそのきっかけだとか,そのポイントだとかを,行政の人がプロなので,技術的にちょんちょんと,こう背中を押してもらえれば,かなりのスピードで進むのかなというのが,3年間やってきた実感です。
 そんなことで,お金はないので,みんなで知恵を出し合えばとよく言いますが,本当にこのプロジェクトは,それの意識づけというのができるのかなというのが,3年間やってきた活動の感想であります。あくまでも行政参加型のプロジェクトだということで,この報告を終わらせたいと思います。どうも大変ありがとうございました。


◯菊池委員長 どうもありがとうございました。
 ここからは,意見交換の時間とさせていただきます。
 ただいまのお話について,委員の方で何か意見または質問がありましたら,お願いをいたします。
 森田委員,何かありますか。──森田委員。


◯森田委員 お疲れさまでした。具体的にですね,観光客──これを取り組む前と現在,いろいろ工夫されて評判がよくなったりして観光客がふえたと思うんですけれども,数字的なもので,観光客の増加に対する……。


◯谷川参考人 うちの代表が旭川観光協会の会長で,北海道観光連盟の副会長をやっているんですけれども,全体の増減というのは押えているんですが,じゃ,このシーニックバイウェイをやって,100が200になったのかとか,そういうのは,私たち団体自体では押えておりません。ただ言えることは,1,000万円クラスのコミュニティービジネスが,19団体で2桁できています。私どもでも1つできましたし,そういったことで地域のコミュニティービジネスという形で,一番わかりやすく言うと,そういうのでビジネスが生まれているからというのが1番かなと思います。
 まあ,ふえているとは思いますけれども,何人ふえたというのは押えておりません。


◯森田委員 それに関して,多分観光客もふえているし,地元の方々の活性化というか,地域の,そういうのがもちろん結びついて,経済効果がかなりあったんじゃないかなというふうに思えるわけなんです。それから,いろんなパンフレットとか,例えば観光業者とか,何か販売されたときに,シーニックバイウェイというふうな表示が随分ふえていると思うんですよね。そういうものも,これもまた経済効果だと思うんですけれども,そういうところからは皆様NPOにいろんな援助が来たり,コマーシャル代が来たりということはないんですか,そういう部分は。


◯谷川参考人 先ほどちょっとお話したように,そのプロジェクトごとに広告を集めたり,協賛してもらったりというのが,まず一つあります。それと,もう一つ,私どもから積極的に,大手の企業さんのいろんな事業に企画書を提出してチャレンジする場合があるんですけれども,それ以外に向こうから,こういうものにちょっと出してみたらどうだというのが,かなりふえているんですよ,我々団体に対して。こういった事業があるんだけれども,ちょっと出してみたらばって。それで,うちの19団体では,去年まで参加した16団体のうち,1団体だけですかね,それをもらっていないのは。あとは全部そういった声かけをしてもらって,いろんな環境にかかわるものだとか,いろんな企業から逆に声をかけてもらって,そういった事業をして事業収入を得ているという。うちのグラウンドワークでは,去年は研究開発事業2本,これも声をかけていただいて,それともう1本,自主事業の中で。さらに,支援センターからもらったのは2本とか。こういう活動をしているおかげで,例えば,きょうのようにお呼びされて,知り合いになって,そこからこんな情報もらって,そういう資金が非常にふえた,この3年間で。1年目はほとんどなかったですけれども,2年目,3年目。多分ことしは,またみんな独自にチャレンジする分と,そうやって声をかけてもらって,そういった調査研究を受けることがすごくふえてくると思います。


◯菊池委員長 田山委員。


◯田山委員 いろいろこう多岐にわたって知識をお持ちのようで,まず,身元調査じゃございませんけれども,谷川さんの本業は,給料はどこからもらっていますか。


◯谷川参考人 私は普通の木材屋でして,もう純粋な普通のサラリーマンです。
 うちのグラウンドワーク西神楽は,事務局長が1人専任でおります。もう1人,週に3日,農協を退職された方に出社してもらって,その人には賃金を払っております。ことしの4月からは,管理委託を受けまして,試行的に。そこがふえたものですから,さらにことしは3名増員しまして,グラウンドワーク西神楽として給料を払っているのは,5名ですね。そういったことで運営しております。


◯田山委員 このグラウンドワーク西神楽と谷川さんのかかわり,きっかけはどういうことですか。


◯谷川参考人 11年前にちょうど──先ほどお話した阪神淡路大震災の起こった前の年なんですけれども,そのときに,私は旭川市内に実はもともと住んでおりまして,この西神楽の山が好きで,11年前に引っ越しまして,その翌年からこのグラウンドワーク西神楽に参加して,サラリーマンをしながら活動をして──引っ越したのがきっかけですね,要は。そんなことで,このグラウンドワークの活動に参加しました。


◯田山委員 済みません,しつこいようですけれど,お勤め先にこのグラウンドワークとのかかわりは,別にないんですか。


◯谷川参考人 ないんですね,残念ながら。会社と直接グラウンドワークというのはないです。ただ会社には,やっぱり迷惑をかける部分は現実にはあります。年間100日ではきかないので,土日,祭日だけではなくて,きょうのように会社の有休を取って来なきゃいけないとかという場面も実は多々ありまして。そういった面では,会社に迷惑をかけているので,やっぱりそういった会社の理解がないと,なかなか厳しいかなというのはあります。


◯田山委員 大変御苦労なことで,敬意を表したいと思うんですけれども,同様に行政の動きと言いますか,谷川さんがこれほど地域の開発といいますか,振興に一生懸命専心されていると。行政の動きというのは,どんなふうに介しているのですか,地元の。


◯谷川参考人 ある町では,専任で2人,人を出してくれているんですね。専任というか,役場の仕事をしながら,シーニックバイウェイの担当はおまえだよという人が2人いまして,すごいフットワークがいいです。さらには,いろんな知恵を出してくれるんですよ。我々は書類一つ書くのでもなれていないんですけれども,先ほどのいろんな事業を受けるときに,申請書出しますよね。そのときには,非常に力になってくれますね。変な補助金をもらうより,そういう職員をバシーッと,こう応援してもらった方が,よっぽど力になるというのは,もう痛切に感じています。ただ,行政ですから,転勤がありますよね,2年か3年で。これが一番今つらいかなという,せっかく人間関係できてポロッとかえられると,引き継ぎはなされているんですけれども,いきなりモチベーションが下がっちゃいますんで。この辺は,このプロジェクトである程度安定するまで,どこのセクションにかわっても,何かこういった人間関係を継続できるようになると非常にいいかなと。それで,行政間の温度差が一番悩みなんですが,それをなくすためにいろんな働きかけを,今しているところです。


◯田山委員 これ以上やると,環境商工委員会になってしまうので,やめます。
 観光カリスマそのものだと思いますね。問題提起されているのは,やっぱり行政主導ではなくて,地域で谷川さんのような方が一生懸命やること,それを行政が応援するというか,そういう流れをつくることだろうと思っています。ぜひ,観光カリスマで頑張っていただいて,どうもありがとうございます。


◯菊池委員長 ほかにございませんか。──。
 それでは,以上で「みちから始まる地域づくり」についての意見聴取を終了いたします。
 谷川さんには,責重なお話をありがとうございました。
 本日,お話いただきましたことについては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
 以上で,意見聴取を終了いたします。
 「道路景観の地域振興への活用」につきましては,本日の参考人の方々からいただきました御意見を参考に,また,過日の県外調査で視察した状況を踏まえながら,委員会としてさらに調査をしてまいりますので,よろしくお願いをいたします。
 これをもちまして,委員会を閉会いたします。
 御苦労さまでした。
                午後2時3分閉会