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平成17年土木常任委員会  本文




2005.11.15 : 平成17年土木常任委員会  本文


                午前10時30分開議
◯川津委員長 ただいまから,土木委員会を開会いたします。
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◯川津委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。
 川口(浩)委員と伊沢委員にお願いをいたします。
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◯川津委員長 次に,三浦土木部長から,人見都市整備課長が本日1日,小平田港湾振興監及び小島港湾課長が本日午後公務出張のため欠席する旨の届出があり,委員長において受理いたしましたので御了承願います。
 次に,本日の審査日程について申し上げます。
 本日の委員会は,建設業の活性化策に関して,午前中はお二人の参考人から,午後はお一人の参考人から意見聴取を行いますので,よろしくお願いをいたします。
 それでは,これより議事に入り,参考人の意見聴取を行います。
 初めに,参考人としてお越しいただいております社団法人茨城県建設業協会建設未来協議会会長の細谷武史さん,同じく,副会長の大貫茂男さんを御紹介いたします。
 細谷さんは,大昭建設株式会社の代表取締役として,大貫さんは,株式会社大貫工務店の常務取締役として,それぞれ本業の建設会社で御活躍をされておるほか,現在,茨城県建設業協会の建設未来協議会では,会長・副会長という立場で地域貢献活動や人材育成などの事業にも取り組まれております。
 細谷さん,大貫さんのプロフィールにつきましては,お手元に資料を配付しておりますのでごらん願います。
 細谷さん,大貫さんには,お忙しい中本委員会に御出席いただきまして,ありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。
 本日は,建設業の現状と課題について,御意見をいただきたいと存じます。また,あわせて地域貢献活動などに取り組まれている建設未来協議会の活動内容についても,御説明をいただきたいと思いますので,よろしくお願いをいたします。
 意見聴取の進め方につきましては,初めに細谷さん,大貫さんから御意見をお伺いいたしまして,その後,意見交換を行うことといたします。
 それでは,細谷さん,大貫さん,よろしくお願いをいたします。


◯細谷参考人 それでは,ただいま川津委員長から御紹介いただきまして,本日出席させていただいております細谷と大貫でございます。何分浅学非才のため,土木委員会の先生方,また,きょう御出席の三浦部長を初め土木部の皆様に対して,的を射た答弁ができるか大変不安ではございますが,精いっぱい努めさせていただきますので,よろしくお願いいたします。
 日ごろより,川津委員長を初め土木委員会の委員の方々,また県の社会資本整備,そして日常業務を通しまして,特段の御指導御鞭撻を賜り,この席をかりて厚く御礼申し上げます。そして,本日御出席されております三浦土木部長を初め県土木部幹部の皆様にも,日ごろよりこの業界,そして協会の活動に際しまして,御理解御指導を賜りまして,厚く御礼を申し上げます。本日この席にお呼びいただいたのは,茨城県建設業協会未来協議会会長という立場でお呼びいただいておりますので,まず初めに,この組織について簡単に私の方から,概略だけ説明させていただきたいと思います。
 建設未来協議会とは,平成5年の6月,社団法人茨城県建設業協会の青年部として,現鈴縫工業社長の鈴木一良様が初代の会長となり,この組織を設立いたしました。現在の会員数は約180名弱で,内容といたしましては,4つの委員会と6つの地区会を形成して,ただいま活動を進めてまいっております。その詳細につきましては,後ほど副会長の大貫の方から御説明させていただきたいと思います。そして,この建設未来協議会の我々と同じような建設業協会の青年部は,全国47都道府県のすべての協会の下部組織として各地区に存在し,この47の青年部が,その地区ごとに北海道建設青年会議,東北建設青年会議,関東,中部,北陸といったような9つのブロックに分類され,我々茨城は,群馬,埼玉,千葉,神奈川,山梨,栃木,そして当県の関東7県で,関東建設青年会議を設立しております。
 当未来協議会の会員資格が,皆様のお手元の資料にもございますように,建設業協会会員企業の次世代を担う役員及び役員に準じる幹部で,45歳までという規定になっておりますので,会員それぞれは,おのおのの企業で建設現場また営業活動においても,その会社で中心的な役割を担っており,近年,我々地方の中小建設業を取り巻く環境が厳しさを増していることを,一番身近なところで感じている者たちの集まりと言えます。
 さて,業界の現状はと言いますと,本県は首都圏に隣接しつくばエクスプレス,常陸那珂港,県央道など交通網の整備が次々に進められ,その立地条件は大変恵まれたものになってきておりますが,この産業立地の面,また市場としての魅力が高いという部分で,そのことが他県の建設業者の参入を容易にしている面もあり,県内業者が,必ずしもこの開発の波の恩恵にあずかっているという状況ではございません。そして県内を見回しますと,県北・鹿行地域は,公共事業の減少率が高い上に,なかなか民間の設備投資が入りにくい状況という形になっております。そして県南地区におきましては,他の地域に比べて,建設投資はあるものの,逆に首都圏に近いということで他県業者の参入が多く,過当競争が始まっている現状であります。また県西地区においても,この状況に変わりはなく,特に先月,栃木の宇都宮市で市内業者41社が,公正取引委員会より排除勧告を受けたことを受けまして,今後この県西地域の民間工事には,この栃木県の業者がさらに参入してくることが予想され,厳しさが増してくるんではないかという懸念が持たれます。
 現在,茨城県のみならずこの業界は,歯どめのかからない公共事業の現象とダンピングによる受注競争による工事価格の下落によって,デフレスパイラルに陥っている現状でございます。バブル崩壊後,景気浮揚策として政府の積極的な財政出動による公共投資の拡大により,その後も公共工事は一定の水準を保ち,維持してまいりましたが,平成14年度以降,急速な落ち込みにより,建設投資のピークであった平成3年の約87兆8,000億円から比較して,昨年平成16年度は52億円と,投資額としては40%もの削減となっております。そして,土木委員会のみなさまも御存じでありましょうが,茨城県の官民合わせての建設投資額のピークは,平成5年でございましたが,現在はその約50%まで落ち込んでいるにもかかわらず,建設業者数がピークであった平成12年から見ても,業者数の変移というのは,およそ10%しか減っていないという状況でございます。確かにここ数年我々業界は,毎年新年度を迎えるたびに,顔を会わせるごとに,ことしから勝負の年になるんじゃないかということを言い続けているにもかかわらず,特段新しい試みもせず,新しいことに一歩踏み出すこともせず,甘んじてきてしまったような気もしておりますが,それ以上に,我々この建設業界を取り巻く環境といいましょうか,我々業界に対する一般の方々からの認識が,こんなにも悪く変ってきてしまったことが大変残念で今はなりません。特に,我々のような地場の中小業者は,その地域の住民と一体となって,その地域の社会資本整備やその地域の活性化に努めてきたという思いが強く,一昔前であれば,初めてその地域に下水が入る,今まで砂利道であった道を舗装する,その地域の人に喜ばれながら,お互いが協力しながら,ものづくりをしてきた今までであります。しかし現在は,どこでも下水が通っているのは当たり前,舗装されていない道路を探すのが難しいといったくらいに整備が進み,現在我々が,茨城県また他の地方公共団体の方からいただく工事のほとんどは,改修補修工事となっており,実際その工事現場に入ってみると,すべての環境が整備されている状況が当たり前になってしまった今,地元の方々からこの工事をするにあたり,迷惑がられることはあっても,喜ばれることは皆無に等しい状況であります。
 昔も今も,この土木行政にかかわる者すべてが,本日御列席の皆様,そして私たち業界も,地元の方に喜ばれるものは何か,いかに地元の方々が住みよい町にすればよいのかを第一に考えて,社会資本の整備を進めてきたわけですが,最近はそういった気持ちがなかなか御理解得られないのが現状ではないでしょうか。
 そして,このような状況の中,我々が唯一その地域の方々から感謝されるのは,皮肉なことに災害等が発生し,その対処をしているときでございます。しかし,我々が日常行っている業務というのは,事前にそういった災害からその地域を守るために行っているのが,我々の業務ではないでしょうか。地場の業者である我々は,その地域の危険箇所については熟知しており,いざ災害が発生したときの初動対応は,迅速に対応しているという自負がございます。また,近年この茨城でも発生しました常陸沖でのタンカーの座礁,鳥インフルエンザなど,その少ない地元業者の数だけではまかない切れないような事態の際に機能できる組織こそが,我々が所属している建設業協会という一つの組織であるということも,各委員,また土木部の幹部の皆様方にも御理解いただきたいと思っております。
 さて,我々を取り巻く環境は,いろんな後押しにより,さまざまな法改正によっても大きく変ってまいりました。平成13年4月より施行されました入契法(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律),また本年,議員立法として成立いたしました品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)など,本当の意味での技術と経営にすぐれた会社のみが生き残れる時代になってきたのでないかという感じがしております。今までのように,単に御指名されるのを待ち,受注した仕事をいただいた設計書どおりに納品するといった単純な作業の繰り返しでは,立ち行かない時代になってきたのではないでしょうか。今後,道路特定財源も見直しをかけようという動きがある中,限られた財源で社会資本整備を進めていかなければならない時代であり,これからが,今まで我々業者が培ってきた技術,企画力にさらに磨きをかけ,発注者側にBE方式などでさまざまな御提案をしていかなければならないときと認識しております。またこのほかにも,コンストラクション・マネジメント方式と呼ばれるCM方式,またプライベート・ファイナンス・イニシアティブと言われるPFI方式など,我々がこれから対応していかなければならない制度,そういったものは多分にあり,この時代の流れについていかなければ,また,自分たちが今まで以上に切磋琢磨し,行政の方々と同じレベルでものを捕らえられる感性を持たなくては生き残ってはいけないという危機感は,業界各社間違いなく持っていると思います。現に,我々青年部の仲間でもある他県の徳島,京都,群馬などの青年部では,その減りつつある地方の財源を当てにすることなく,新たに地元の方々と一緒にNPOなどを立ち上げ,その地域の活性化策を検討し,それを行政に提案して,実際に事業として立ち上げている現状も多数聞いております。しかし,現実にこれだけ環境が変化し,多くの答えに対応が迫られている中,年々設計単価が下落し,他の産業の流れとは逆行して我々建設業者というのは,アウトソーシングがなかなか難しく,自社の職員を抱えながら,経費の節減をすることが難しいといった状況で,現在,その企業の営業を続けている現状を御理解いただきたいと思います。
 我々地場の中小建設業者は,当然未上場であるにもかかわらず,今はインターネットで経営審査の結果がだれでも簡単に閲覧ができ,我々の各社経営内容は丸裸にされている状況です。その皆様に見ていただける我々の経営内容をごらんいただければ,御理解いただけると思いますが,我々が1年間通して生み出している純利益というのは,売り上げに対して平均的には1〜2%となっており,これほど利益率が低い業種というのは,今の産業の中では,ほかにはないでしょう。
 最近は,特に,我々公共工事の落札率が95%ぐらいであると,明らかに談合が行われていると吹聴されておりますが,それでは,我々が積算して入札に参加していますその工事の設計価格と言われるものは,何のために設けられているのでしょうか。設計価格とは,年に数回,経済調査会という団体が,そのときどきの市場単価,人件費などを調査し,それをもとに,この技術のプロである人たちが設定するものであり,その構造物をつくるための適正価格であると私たちは認識しております。しかしその適正価格であるはずの設計価格でさえ,実際に我々が必要と考える額を下回ってきている事実もあり,現に茨城県の工事ではありませんが,他の発注機関の工事では,10社以上の会社が積算して入札に臨んでいるにもかかわらず,予定価格に達することなく,入札が不調に終わるケースが,最近頻繁に出てきている現状であります。確かに,まれに予定価格の70%だ,75%だという数字で落札される物件もありますが,また,その工事が何の問題もなく竣工されること,そのことだけを見れば,じゃ,本当に予定価格は何だったんだという疑問をお持ちになられるかもしれません。しかし,我々は長年にわたり,茨城県を初め,各地方公共団体の方からの税金を預かりものづくりをしてきた立場で,たまたま1本,何らかの事情でそういった低い価格で受注してしまったから,その工事は手抜きをしようと考える業者はまずいないと思います。しかし,公共事業がこれからも拡大しづらい財政状況は当然続くものと考えられ,民間投資もそれを補うほど大きく伸びていくとは考えづらいことから,従来の土木建築の施工請負を主体とする建設投資は,中長期的にも縮小に向かうことが考えられます。過剰供給構造の中,今後縮小する市場をめぐって,価格だけの勝負のダンピング合戦が横行していくのでないでしょうか。
 また一方,建設市場の中に,質的変化が起りつつあるという現状もあります。まだ建設投資が,建設投資の減少を補うだけの規模にはなっていないものの,今後この市場拡大が期待できる分野でもあるようです。従来の我々の業務に近い分野として,リフォーム,リニューアルというものがあり,また新たな分野としては,環境分野,またプライベート・ファイナンス・イニシアティブと言われる民間資金活用方式を用いた事業の展開などがあり,これら新たな分野では,価格のみでなく独自の技術に加え,施行・運営のノウハウ,また営業手法など,企画力による付加価値勝負が可能でもあり,近年,業界内でも取り組みを始めている業者が幾つか出てきております。しかし,このように,この先成長が期待できる新しい分野のために異業種からの参入も多く,また,特に技術開発,新たな人材育成等と先行投資が発生するため,ある程度の資金力も必要であるといった大きな課題があるのも事実でございます。
 来年度から,品確法の成立に伴い総合評価方式による入札が施行され始めますが,現状,私たちが勉強してみて感じることは,経営審査制度の基準もそうでありますが,中央で決められた制度をそのまま地方の中小である我々の企業に当てはめ,同じ尺度ではかるのには,少々矛盾が生じるのではないでしょうか。当然茨城県としましても,この入札制度を取り入れていくことになるのでしょうが,この評価項目につきましては,各地方自治体によって多少内容が変わり,差が出てくるのではないかという話を聞いておりますので,本日御出席の土木委員会の皆様方,また三浦土木部長を初め土木部幹部の皆様方には,地元企業の実態に即した評価項目を御検討いただき,真摯な態度で真面目に業を営んでいる業者が,救われるような制度をおつくり願えればと存じます。
 我々地場の建設業者は,そのおのおのの地域で雇用を創出し,その地域の安全を守り,わずかな利益の中からでも税金を納め,そして,またその地域の社会資本整備をお手伝いさせていただくと,そういった作業の繰り返しに,我々は日々努力しているのが現実でございます。若輩者の私どもが,本日業界の諸先輩方でさえ想像し得なかったこの現状に対して,ただいま簡単に御説明させていただきましたが,本日御出席の皆様に多少でも御理解いだければ幸いでございます。
 我々業界青年部といたしまして,発注者側,請負者側とはございますが,今まで社会資本整備に従事されてきた諸先輩方の足跡には敬意を表すとともに,この厳しい環境の中,時代のニーズに対応し生き残っていける業界になるよう,今後さらに我々は努力してまいる所存でございますので,川津委員長を初め土木委員会の皆様,また土木部長,土木部の皆様には,さらなる御指導御鞭撻を賜りますよう,どうぞよろしくお願いいたします。
 私からの御説明は,これで終わりにさせていただきます。この後,委員会等,その他細かなものにつきまして,副会長の大貫の方から御説明させていただきます。
 ありがとうございました。


◯大貫参考人 大貫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは,未来協議会の常設委員会の,まず主な活動を御説明させていただきたいと思います。
 まず,総務委員会でございますけれども,これは季刊誌「NEXT」の発行,総会・役員会の企画運営,そして各委員会,地区会,会員への情報提供,また会員を対象とする親睦行事,講演会等の企画運営を行っております。
 次に,地域貢献活動委員会でございます。地域貢献活動委員会は,建設フェスタの企画立案運営を主に行っております。ことしで12年目を迎えました。今回は10月30日に開催をいたしました「建設フェスタ2005」。集客2万人も超えるというふうな大変盛況なものでございました。このフェスタは,当初は建設業界の人材確保を目的としたPRを前提に実施をしてまいりました。ですが,最近の建設フェスタの目的は,次世代を担う子供たちに,建設産業の未来を楽しく理解してもらうことということを目的に,県内の建設産業に関連する各種団体が一丸となって開催するイベントでございます。来場した子供たちには,非常に喜んでいただき,建設機械に試乗していただいたり,建設業の体験リレーやクイズラリーなど大人も参加していただける企画になっております。また,国土交通省,茨城県などの自治体も,展示ブースやゲーム企画などを実施していただき,盛りだくさんの内容で毎年開催をしているところでございます。我々建設未来協議会は,イベントの裏方として,多くの時間と労力をかけて実施しております。毎年多くのお客様が,この建設フェスタを楽しみにされていることが,非常に大きな励みとなっております。不況の時代ではございますが,極力予算を切り詰めながらも,多くの独自の企画で毎年実施をしているところでございます。
 次に,人材育成委員会でございます。まず,高校生・専門学校生・大学生の現場見学会の実施等を行っております。これは,各学校におきまして,授業の一環として実施されていることでございます。協会員の施行している現場をあらかじめ決めておきまして,その現場に,大体1回に大型バス1台から2台,40名から80名の生徒を引率しまして連れて行き,現場の説明自体は,その現場を請け負っている業者の担当者の方にしていただいております。そういう内容で,だいたい参加校が,毎年10校ぐらい参加されておりまして,行っている授業でございます。
 同じく人材育成委員会で,高校生,専門学校生の現場実習でございますけども,これは県内高校生,専門学校生において,授業として行われている現場実習について,その計画・企画・実施に至るまで全面的にサポートし,未来の建設技術者のための教育,育成を推進しているところでございます。さらに,毎年継続事業として実施している結果,教職員の方たちとの間に強い信頼関係も形成されております。夏休みの期間を利用して,協会員の各業者に3名程度,生徒が配属されます。初日は,全体で建設産業に関するオリエンテーションを行いまして,その後,各会社に3日ほど配属されます。各会社においては,当然現場の見学,そして測量の体験,またプラント二次製品工場等の見学,最近では,各会社現場でCADを指導しているというふうなケースもあります。そういう授業をしているところでございます。
 次に,建設システム委員会でございます。建設システム委員会は,建設CALS/ECにおけるシステムの検討と研究ということで,いろいろ講演会を開いたりして勉強をしております。また,昨年とことしで,地域貢献の一環として,献血と並行型の骨髄バンクドナー登録会を,この委員会にて開催をしております。ドナー登録の目標が30万人ほしいということに対しまして,2004年1月30日,去年のことでありますけれど,当時18万人しか登録者がいないと。女優の夏目雅子さん,最近では本田美奈子さんが白血病で亡くなりましたけれども,その治療に必要な骨髄移植をするためのドナー登録。我々きっかけがありまして,機運の高まりから体を張ってそういう貢献をしようじゃないかということで,去年は,我々協会員がみずから実施をして,みずから提供者となって献血が81名,骨髄バンクドナー登録を47名したところでございます。47名の登録というのは,1日1カ所での登録では,県内ではその時点では最高ということで報告を受けております。この事業におきましては,茨城県保健福祉部薬務課の御指導をいただきまして,茨城県赤十字血液センター,そして骨髄移植推進財団等にお願いをしまして,我々も協力をしながら事業の方を推進しているところでございます。去年ドナー登録をしまして,そのうち3名が適合し,うち1名が実際にドナーとして骨髄を提供したという実績を聞いております。そういう形で,ドナー登録会というものも,今後もまた実施していきたいというふうに考えております。
 また,地区会でございますけども,6地区ございまして,各地区でいろいろな事業活動を展開しているところでございます。中でも主だったものは,小中学生を対象とした体験学習でございます。小学生は,主に木製のベンチ付きテーブル,中学生はログハウス,こういったものを児童とともに製作をいたします。体験学習を通して,子供たちにものをつくる喜びを感じていただくというふうなことで,つくったものに関しては,その学校に寄贈するということにいたしております。そういう活動を主にしているところでございます。
 私の方から,ただいま各常設委員会,そして各地区会の主だった事業内容を説明させていただきました。引き続き,私の方から今の現状と課題,そして要望等をお話させていただきたいと思います。先ほどの細谷会長と多少重複する内容もあるかと思いますが,よろしくお願いいたしたいと思います。
 我々は,御存じのとおり,未上場企業であります。なおかつ地方の中小企業です。年に一度の経審,通称,経営事項審査を受けております。これには,完工高あるいは技術者の数,経営内容。当然経営内容には,固定資産,流動資産,負債,キャッシュフロー等が盛り込まれておりまして,そういったものを受けて,今やネットで国民のだれもがその内容を閲覧できるようになっているというのが現状であります。言うなれば,企業が丸裸にされているという状況であります。事業量が減り,さらに工事の単価や歩掛りが非常に圧縮され,多くの企業が赤字,もしくはほんのわずかな黒字で経営をしており,まさに正常な経営が困難になっております。また,市場価格を調査して単価及び歩掛りを決めて,それをもとに設計書を作成し,設計価格そして予定価格を決定されているわけです。その上限拘束性の中で,各企業が積算をし,何とか予定価格を下回るように努力をしているのが現状でございます。先ほど話も出ましたけれど,今入札で落札率が95%以上だと,すぐに談合だとかという形で中傷され,非難を浴びているところでございますが,我々とすれば,それはよい仕事をするために必要なことなんだと,必要な数字なんだというふうに思っております。そのよい仕事をするということは,当然会社を健康な状態に保つ,必要な経費を確保する,材料とか下請さんをたたかないということでございます。大量生産をしているデパートのセールとかでも,5%オフというのが最大であります。特大セールで10%とかという話もあるかと思いますけれど,我々は大量生産をしているわけではございません,受注注文生産ということで,一つのブランドとして考えております。良質な製品をつくるという上で,そういう厳しい中での数字でありますので,当然仕事を受注して実際に詳細にわたる実行予算を組んで,各企業が努力をしておりますけれども,なかなか適正な一般管理費も得られないというのが現状でございます。
 また,今いろいろな災害が各地で発生しております。災害復旧は,災害時における一次復旧,また二次復旧,通称仮復旧と言いますけれど,それと本復旧というものにつながっていきます。大抵一次復旧に当たるのは,地域の地元業者,まあ地域の地元業者といってもどこでもよいというわけではございませんが,当然機動力を持った会社。機動力を持った会社というのは,技術力,技術者あるいは労務者,資機材を保有している会社でありまして,かつ,また地理地形を熟知している会社,そういったのが地元業者であり,そういう業者でなければ,迅速な対応ができないということだと思います。災害時における一次復旧というのが,まさにその地域の人々の生活を守る上で,非常に大切な役割を果たしているわけでございます。ですから,本復旧工事等の発注の際には,その一次復旧に当たった地元業者への優先的な発注,そういったものをぜひお願いしたい。また会社は,人・もの・金で動いております,人が技術力,技術者,労務者であり,ものが資機材であり,金が資本や資産であります。それらを確保している企業,適正に対応できる企業に,ぜひ優遇措置をお願いしたいというふうに思います。これは,例でありますけれど,10年ほど前に那珂川の上流,栃木県で大雨が降ったことがあると思います。御存じのとおり,那珂川の河口は,私は,すぐ近くの大洗と常陸那珂の間でございますけれども,海が満潮時には涸沼の方に水が逆流するわけでございまして,当時,涸沼川に大貫橋という橋がかかっております。路線名で言うと長岡大洗線という路線でございますけれど,そこの上流の左岸側に,大洗町の向谷原地区という地区がございまして,そこでその当時に,水が逆流して随分水位が上がってきて,地域が大変だということで,町の方から早急にそこに堤防を築いてくれと要請を受けまして,私どもはそこに一夜城ならず,一夜で堤防を,寝ないで築きあげたことがございます。その後,仮復旧,本復旧等の工事が,関係官庁の方から発注されたわけでございますけども,そういう折に,一次復旧に携わった業者が実際施工にかかわれないという現状がございます。そこで先ほど言ったように,災害時における一次復旧は,地域の人々の生活を守る上で非常に大切な役割を果たしているんだということを御理解の上,先ほど言ったような形で,発注の際には優先的にお願いをしたいなということでございます。
 協会本部はもちろん,我々協議会におきましても,普段から各委員会あるいは各地区会を通して,積極的に地域貢献に取り組んでいるところでございます。その他,災害復旧,先ほども出ましたけれども,最近では鳥インフルエンザを含めて,機動力のある組織をもって,地域住民の生活の安堵を底辺から支える組織であるということを,まずもって理解をしていただきたいなというふうに思っております。
 通常のそういう委員会,地区活動のほかに,本当の地域の活動として,道路の清掃であったり,あるいは海岸清掃であったり,ごみ拾いであったり,あるいは危険箇所の情報の提供であったり,あるいは地域のイベント,あるいは祭りごと,大会,そういったことがございますと,必ずそういった地域から寄付等の要請もございまして,我々がすぐターゲットになりやすいんだと思うんですけれども,そういったことに関しても,我々は協力をしているという現状がございます。それも,我々にとってすれば,会社が健康であればこそできる地域貢献なのかなというふうに考えているところでございます。本来の地域貢献活動というのは,会社を健康な状態に保って,地域の人々を雇用するということが,まず大事だと思います。そして,適正な納税をするということだと思います。それには,会社が常に健康でなくてはならないということが言えると思います。
 次に,全体の事業量が減ってきた中で,ただいま,県ではABCランクごとに,それぞれが元請けということでやっておりますけども,今後は元請け,一次下請,二次下請というような体制にしていかないと,業界自体が衰退していってしまうのではないかなと。言うなれば,正常な形の形態,形状のピラミットに戻すべき,あるいは計上すべきであるのかなというふうに考えております。今後は,広く拾うという考えよりも,上位ランクの企業数も当然減らして,各企業がどのランクを望むのか,どういうランクで仕事を受注するのか,そういったことを各企業が当然考えて,そういうランクを取得する。ランクを取得する上でも競争であり,そこも企業努力だと思うんですね。我々,前は県のAランクといいますと,非常にステータスを感じたわけでございます。県のAランクを目指すために,いろいろと企業努力をして,技術者を養成,育成して確保したり,あるいは資機材をそろえたり,経済の面でもいろいろと調達して努力をしたわけでございます。そういう中で,やはりステータスのあるAランクですから,あまり広く拾うという考えではなくて,企業数も多少上位のランクの場合は減らして,その上位ランクを取るための競争,そういったことも企業内での競争であるのかなと,企業努力であるのかなというふうに思うところでございます。
 私の今考えている建設業の課題と要望というところで,お話をさせていただきました。以上でございます。どうもありがとうございました。


◯川津委員長 どうもありがとうございました。
 ここからは,意見交換の時間とさせていただきます。ただいまのお話について,委員の方で何か御意見または質問がありましたら,お願いをいたします。
 荻津委員。


◯荻津委員 お忙しい中を御出席いただきまして,御説明ありがとうございます。名前のとおり,建設業の未来についてしっかりと提言し,また実行していく協議会の皆様方には,敬意を表します。この会員になっている建設業者さんは,大変立派に経営をなされている業者さんですけれど,中には会員以外で,ちょっと乱暴な経営をしている業者さんもあるのかなという感じもします。そうした中で,45歳定年ですか,その後に本協会の幹部になるまでには,何年かの空白期間ができるわけですよね。これは建設業界に限らず,商工会とか,農協とか,そういうところに青年部というのがありますけれど,それを卒会してからの期間が,どのような体制になっていますか,ちょっと教えていただきたい。


◯川津委員長 では,細谷さん,お願いいたします。


◯細谷参考人 今,荻津委員の方から御質問いただいた件なんですけども,我々当初,この未来協議会が成立されたころは,定年制を50歳という線で引いておりました。ただ,その後,他県さまざまな青年部と交流しているうちに,他県におきましては,御存じのとおり,協会本体の会長さん,副会長さんというのが,50代の方も出てまいりまして,他県から比較すると逆に,50歳まで青年部というのはちょっと,という部分があったものですから,我々茨城としましては,青年部の定年を45歳までに引き下げてまいったのが現状でございます。現に今,45歳で卒業されていかれました先輩方,今,協会本体の方におられますが,数名の方は協会本体の各委員会,またその委員会では委員長などの職につきまして御活躍されている先輩方もおるんですが,率直なところ申し上げますと,今荻津委員がおっしゃられたように,我々の会を引退してから協会に行って,その先輩たちのカラーが出てくるまでには,やはり10年,もしくはそれ以上の時間がここにかかってしまっているのかなというのが現状でございます。そういった意味では,我々後輩から見ていても,もうちょっと先輩たちの活躍も期待したいところでございますし,先ほど御説明しましたように,我々青年部として,今我々を取り巻く環境が,いろんな法整備また業法等変わる中,毎年いろんな部分で対応に追われ,我々でさえも,これ,どこまでついて行けるかなと,半信半疑で現在活動を行っている状況でございますから,やはり協会本部も,我々先輩の若い,そういった活力を十分に活用していただいて,柔軟な対応をしていただければと,我々は今思っているところでございます。


◯荻津委員 ありがとうございました。それから,お二人のお話の中にも,インターネットで財務内容が,日本全国どこからでも見られるというようなお話がありましたけども,現在,情報公開云々で同窓会名簿も発行されない時代において,そうした丸裸の状況というようなことで,執行部もおりますから,まあ国の制度ですからここでどうのこうのはないかもしれませんけれども,皆様方の考えをもう少し突っ込んで,提案・提言がございましたらば……。


◯細谷参考人 今の御質問の件なんですが,確かに委員おっしゃられるように,今個人情報保護法という中で,我々だけが丸裸にされていると,本当に我々が今一番感じていることでございます。そして先ほども申しましたように,中央で決められているさまざまな制度,その一つに,この経営審査制度の基準というものがございます。これに関しましては,完工高,技術者の数,経営力,その他経営実績,もう1項目の5項目で点数化されているわけでございますけれど,これは,大手ゼネコンと同じテーブルで,同じ尺度ではかられておるものですから,技術者の数,完工高などでは,もう全然比にならないといった現状がございます。そして,実際県のランクを決めるに当たりましても,現在茨城県は,この経営審査の点数を客観点,それにプラス,我々がいただいております,工事を完成させた後に御評価をいただき,それに対していただく主観点を足して,その会社の総点数をいただいて,それで今ランクをつけていただいておりますが,その中で,やはり大きなウエートを占めるのは,もともとの経営審査で出てくる客観点でございます。この客観点の技術者の数,完工高という部分に関しましては,これはもう我々1年に1回,経営審査を受ける中で,工事の契約書と実際の雇用に関して社会保険に加入しているという証明書などを付けますから,完工高,技術者等につきまして,操作したような提出はなかなかできにくいという部分がございます。しかし,その経営審査の点数を確立する中で,大きな要素の一つとして,経営内容という部分がございます。こちらに関しては,本来,税理士,会計士さんに一般的には計算をしてもらって,最終的に納税をして,その自社の経営内容を評価して点数化されるという部分なんですけども,この部分が,まあ変な話,ランクありき,点数ありきで業界というものがあるものですから,ある意味,我々は利益が出なくて赤字が出ていても,逆に粉飾という形で,少しでも点数を確保して上に行こうという思いで,実際利益が出ていないけども,利益が出たような形で点数を確保しに行くという現状がございます。そういった策が一番講じられるのが,経営内容の部分なんですけども,今幾つかの場所で声も出ていますが,その経営内容につきましては,そういった操作ができないように,生の業界の姿を反映できるように,会計士並びに税理士の証明の印鑑をつけて,もしくは一律の評価で,生の姿の業者を反映させようという話も出ております。先ほど大貫副会長の方からの説明がございましたが,常に我々会社というのは,存続し,納税して,それを循環していくことが,一番企業に求められている姿だと思っておりますので,そういった形で真摯な態度で,技術者におきましても,また完工高におきましても,経営内容におきましても,何も隠さず,本当に生の姿で勝負できるような体制をとっている我々が,その点数下で正当に評価されるような制度をつくっていただければとは思っております。これは,中央で経営審査などに対して携わっている先生方というのは,一般的に学識経験者とおっしゃいまして,我々業界の実情はお知りにならない教授の方々で,そういうものを作成されているものですから,我々業界の実態とそぐわない部分が出てきているというのもいたし方ないのかなという考えに至っているのが現状でございます。


◯荻津委員 ありがとうございます。過去の歴史の中で,やっぱり建設業界というと丼勘定とか,ちょっと不透明な業種と見られていた時代もあったかもしれませんが,現在では今のお話のように,そういうことは絶対ないわけであります。そして,また,談合とかそういった暗いマイナスイメージが報道されやすい業種ではないかとも思っております。例えば,先ほどお話がありました鳥インフルエンザの場合,まだ終結はしておりませんけれど,建設業界から,延べ1万5000人も参加してお手伝いをしたというような話もあります。これも私,前回の委員会で質問させていただきまして,ちょっぴり新聞に載ったぐらいの報道で,そうした明るい社会貢献をしているというような報道がされていないという業種でありますので,その辺ちょっとPRが建設業界は下手なのかなという気もいたします。書かれっ放し,言われっ放しで,そういうマイナスイメージばかり新聞に報道などされていないで,もっと積極的に,明るい,いいイメージの記事になるような情報も提供したらいかがかと思います。
 以上で,終わります。


◯川津委員長 小野寺監理課長さん。先ほど丸裸という話がありました。いかがですか,経審に関して。


◯小野寺監理課長 今,お話がありましたように,入札資格審査において,客観点数という形で経審の点数なり,それと県独自の視点であります主観点数を足して,総合点数でランクを決めているという現状です。経審の方は国の方の制度なものですから,我々としてもなかなか動かせないものでありますが,今いろいろ御意見が出た点について,県の立場からいろいろとものを申したいということで考えております。ただ,経審を含めて,資格審査を点数で評価する場合の全体的な話として,今年度も主観点数のウェートを,若干でありますが,高めまして,従来,大体平均しますと9対1ぐらいのウェートだったわけですが,1ポイント高めて8対2にして,ことしはISOの取得ですとか,障害者を雇用した場合の加点などを新たに主観点数に加味したところであります。今後も,やはり流れとしては,今話が出た社会貢献とか,地域貢献,そういったいろんな形で頑張っている建設業者さんを適正に評価していくという観点で,その評価の仕方としては,主観点数での加点ということが一番直接資格審査で表に出る形でありますので,そういった形で,どのようなものを,どの程度評価できるか,それは今検討しています。御案内のように,資格審査の方は2年に1遍ですので,今は17年・18年の2カ年でやっていますが,19年度,次の資格審査の際の評価のポイントとして新たに,さらに充実していきたいと考えております。


◯川津委員長 ほかに,ございますか。どうぞ,大貫参考人。


◯大貫参考人 先ほど,細谷会長の方からお話があった内容で,ちょっとだけ補足させていただきたいなと思います。
 経営内容について,利益が出なくても出るようにするというふうな発言がありましたけれど,これは決して内容について虚偽の申請をするということではございません。実際には,各会社,会計事務所等にお願いをして,税務申告もしていますので,一切そういう申請はできません。ですから,通常に決算をしていくと利益が出なくなっちゃう。じゃ,その部分をどうするのかといったところで,企業努力をしている会社は,役員報酬を削る,あるいは取らない。そういう会社も現在では出てきております。そういったことで,利益が出ていなくても出ているように努力をしているということで御理解をいただきたいと思います。よろしくお願いします。


◯川津委員長 ほかにどうぞ。海野委員。


◯海野委員 大手ゼネコンに対抗するための経常JVの指導というのが,行政の方からありましたよね,またありますよね。それが現実,普段の業界活動の中でどう生かされ,そして同業同士の中で,どれだけそれが成長しているというのか,うまくいっているというのか,その辺はどうですか。


◯細谷参考人 今,御質問にあった経常JVなんですけど,これは,平成11年・12年に設立されたと思うんですが,当初この設立されたときの目的は,要は茨城県内の財源をなるべく東京業者に持って行かれないように,県内のそれなりの力を持った業者同士がなるべくであれば経常JVを組んで,大手と同じ土俵で仕事を行っていく環境をつくるという部分で設置されたような記憶がございます。ですから,例えば県内の業者2社の経常JVと,県外のゼネコンさんとの混合入札でそういう場が設けられ,そういう形に進んでいくのかなという認識を,当初私たちも持ってございました。ただ,現実には,現在に至りましても,経常JVで出される物件というのは,一般的に地元で我々が単独でいただく物件で,予算的にまとまったものが経常JVで出されているという形であって,もともと経常JVが設立されたときの意図とは,ちょっと使われ方が変ってきているのかなとは思っております。ただ,経常JVをやっていく中では,組む相手というのは,当然我々もよく勉強して考えています。自分とこに足らない技術力を持った部分,ましてや自分とこと違った地域性を持った部分,そういうところとなるべく組むように研究して,その経常JVを結成しておりますから,実際その経常JVで,ある現場を1本受注させていただけた場合には,技術者同士もいろんな部分で大変刺激を受けますし,逆に相手の会社の方針,手腕というのも,これは丸裸になって見える部分ですから,我々企業としては,自分の企業運営していく中では大変参考になっていい機会かなとは思っております。ただ,その経常JV以上に,我々は率直なところ,大手ゼネコンさんとのJV,これは確かに県の財源が県外に流れますから,決していいことでないのかもしれませんが,大型物件のときに,大手ゼネコンさんとJVを組ませていただいたときには,やはり大手さんの安全管理能力,品質管理能力,工程管理能力は,我々県内の業者よりは2歩も3歩も前へ進んでおりまして,そういうJVを組んだときに,特に若い社員などが,そういうJVでお世話になって帰って来たときのその成長ぐあいというのは,本当に目を見張るものがあるというのは現状でございます。


◯海野委員 私どもから見て,余り経常JVのメリットがないのかなという気がするし,片一方では,それで発注する件数が少ないんじゃないのかなという見方もある。またもう一方で,大手とJV組むことが大変勉強になるということですけれども,片一方では,全く下請的な扱いで,会社に対する財政的な貢献はゼロに等しいというような話を聞くんですけど,その辺はどうなんですか。


◯大貫参考人 大手とJVを組むメリットという部分については,当然技術力を勉強する,施工能力,そういったものを勉強する,まあ,正直言いまして,我々からすれば授業料というもので考えております。大手さんと組んで利益が上がっている現場は,正直ございません。下手したら足が出ちゃうような工事もございます。そういう中で,大手さんのそういう技術力を勉強させてもらい,実績をつけさせてもらって,できればそういう工事を,今後はそういう勉強したものを生かしていきたいというふうには考えております。
 また,先ほど経常JVという話で,大手さんと対抗するための経常JVという話も出ましたけれども,やはり大手さんは大手さん,工事の難易度,発注の金額,いろんなそういう資本の面,施工体制,そういった面で,幾ら中小が合併したところで,大手さんと匹敵するということにはなり得ないと思います。土木工事で言えば,大き目な橋梁下部工事であったり,あるいはシールド工事であったり,そういったものは大手さんの仕事なのかなと,率直に思います。先ほど言ったように,そういった部分を勉強させていただいて,そういう技術をやはり習得するための授業料も多少その中に入っているのかなと,そういう部分で利益も出てこないのかなというふうな認識はございます。それと,中小企業同士が経常JVを組んでやってどうなのかということでございますけれども,それぞれがオーナー企業でして,お山の大将でございます。まあ,どちらかが施工に携わって,どちらかがぶら下がっちゃうというふうな施工体制になってしまうのかなと。発注側で考えているようなよい体制での施工体制には,余りならないのかなというのも現状あると思います。いずれにしても,中小企業同士が,そういう経常JVを組んで,そういったものが合併というものにつながっていくものではないというふうに,我々は認識をしております。以上でございます。


◯海野委員 最後に,細谷会長さんね。いずれにしろ,今後とも公共事業は現状が最高で,日本全国常識的に今後減る一方だろうと。そういう中で,県内のそれぞれの企業が生き残るために,それぞれ今知恵を絞り,創意工夫を重ねて頑張っているわけですけども,どういうことを行政に期待する,あるいは県に期待するものがありますか。


◯細谷参考人 今確かに,海野委員おっしゃいましたように,我々も公共工事に関しては,これからは,まだまだ下がっていくだろうというふうに認識しております。そして,先ほど大貫副会長も申しましたように,我々建設業の許可をいただいてから,何を目標にやってきたかといいますと,県のAランクをいただく,そのために,毎日建設業者は各発注機関の方に日参して,何とか指名をください,土俵に乗せてくださいと,みんなそれぞれお願いしてきたのが今までの現状でございます。そして,現在,ランク制ABCというものがきれいに引かれ,そのランクについての受注可能金額がきれいに設定され,もう幾ら以上であればこのランクは指名に入りますというような形で,みんなが同じ土俵に乗って,1本の数少ない駒を争っているのが現状でございます。そしてその中で,我々他県の青年部と話していて一番違うのは,業法におきましては,例えば10社の指名メンバー,同じメンバー同士であれば,もしかAという会社が落札して,その後いろいろ見積もりをやっていく中で,確かに同じ入札にいたBという会社は,Aよりも高い金額で入れたから落札できなかったという事実はございますけども,このAという会社が落札した工事の中で,部分的に見れば,このBという会社が非常に突出した技術力を持っていて,この取った仕事の土工事であれば,その取った金額でできるという,こういう現状があるのも事実でございます。ですが,茨城の場合には,10社というその同じ指名の枠で,同じ土俵になった場合には,この上下・下請関係というのは,一般的には談合があったんではないかと見なすという,こういう規制がございます。そういう規制があるがゆえかどうかしりませんが,現状,委員が言われたように,我々業者も,もうこの先は公共工事が少なくなっていくのは十分認識している中で,どんどんどんどんみんなが少しでも上のランクにいこうという形で同じ土俵に乗っております。そして,もし1本の工事,これが受注できなければ,下請ももうできないと。じゃ,1本取るか取らないか,100か0かという,そういう危機感を持っているのが現状でありますので,それができないのであれば,もう思い切って,確かに設計適正価格というものがありますけれど,よし,じゃ,何とか赤字覚悟でも自分とこでやってしまおうという形で,低入札といいますか,ダンピングですね。そういった形の方向に今進んでいるのが現状でございます。ですから,やはり,これは今の時代に逆行していくことを私言うのかもしれませんが,業者数がここまでふえたというのは,昭和46年に建設業が許可制に移行してから,とにかく許可を持っていないと下請工事も受注できないよというあれができてから,今のようにどんどんどんどん業者がふえていってしまったように私も記憶しております。そういった意味では,これから限られた数の中で,私たちは建設業協会に加盟しておりますけれども,できるだけこの業界の仲間が少しでもみんなで残っていくということを考えるのであれば,昔のように元請組 元請というのは,これは技術力を持った,管理能力を持った会社。下請組,こちらはもう,本当にその現場を仕切る統率能力がある会社。孫請け,こちらはもう,技術者を提供する会社といったように,もう一度,おのおのがすみ分ける場所を考えて,また,同じ土俵にいれば,下請も何もできないだという制度も,もし可能であれば,もう一度御検討を願って,我々業界も自分たちが生き残るために,どういったすみ分けをすればいいか,もう一度認識する必要もございますが,もし我々業者が,1社でも多く残っていくことを望んでいくのであれば,そういうことを検討していくことが必要でないかと考えております。


◯川津委員長 ほかに,ありますか。川口三郎委員


◯川口(三)委員 非常に環境厳しいんだというお話,まさにそのとおりだと思うんですが,それに加えて,県外業者がどんどん入って圧力がかかって来ているということですが,逆に,この茨城県の方から県外に行くというのは,そういう実績,そういう努力はなさっているんですか。茨城県によそからどんどん入って来て,大変なんですよという先ほどの話でしたが,その逆のことは考えられないんですか。努力はしているんですか。県外へ出て,我々はもう近県で千葉,東京,埼玉,栃木,そういうところへ行って,どんどん視野を広げようという,そういうことの努力はなさっているんですか,どうなんです。


◯細谷参考人 私の会社がございますのが,県南地域の龍ヶ崎という場所でございます。先ほど御説明をさせていただきましたが,県南地域におきましては,県央道,つくばエクスプレス等,さまざまな開発が進んで,そういった中で逆に他県からもいろんな業者が来ると申しましたが,逆に我々県南地域におきましては,今公共の建築工事というのは,本当にもう数少なくなってきております。そういった中で,建築をやっている会社につきましては,もう今,建築の工事のウェートとしては,民間工事の方が多いんではないんでしょうか。特に私どもの会社もそうですが,茨城県内の場合,確かに民間工事のお話も幾つかございますが,最終的にゴーサインが出て,さあ銀行と話をというところになると,足踏みをしてしまうという部分が多分にあり,建築に関しては,今ほとんど県南地域でやっている会社に関しては,千葉,埼玉,東京へ,そちらで受注しているというのが現状でございます。また,公共の物件につきましては,県南地域ですと,逆に千葉方面に行きますと,空港公団等もございますので,そちらへの参入なども,現在,少しでも多くのテリトリーの中で,我々も生き残りをかけていきたいと思っておりますから,そういう営業活動を,非常に皆さん,盛んに行っている現状がございます。ただ,先ほど申しましたように,それもやはり地域性がございますものですから,逆に県北地域の方が,じゃ他県へと言ったときに,じゃ福島だ,栃木だと言っても,これは逆に厳しいところに飛び込んでいくことになってしまいますし,県西地域の方は,県西地域はまだ埼玉という部分はあるんだと思うんですけど,そういった部分では,確かに公共がないからほかの部分で何か賄おうといっても,それには地域の格差が大変大きな影響を与えているんじゃないかなというふうに思っております。


◯川口(三)委員 先ほどからの話で,仕事が半分になっちゃったと,一時から比べるとね。予算が半分になって,仕事が半減しちゃったんですよと。にもかかわらず,業者の数はそれほど減らないという話なんですね。これは建設関係の業界だからそうなのかと思うんですが,よその事業,商売でしたらね,仕事が半分に減ったら,業者は半分以下になるかそれ以上になっちゃうと思うんですよ。にもかかわらず,建設業界は,仕事が半分になっても業者はそれほど減らないよというのは,やはりそれなりのうまみと言ってはおかしいけど,生きていけるような,そういうような形のものがあるのかなというふうに考えざるを得ないですね。だから厳しいんだよ,っていう話だったんですが,業者が減らないから,それだけに。でも厳しいなりにもやっていられる,その業界に業者がそれだけ存続しているということは,まだまだそこに生きる余地があるんではないかなというふうにも考えられるんですが,どうなんですか,これは。


◯大貫参考人 今まではあんまり減らなかったということで,今,あるいはこれからは,急速に減っていくだろうというふうに考えております。まあ多少,今までやってきた中での各企業の貯えというか,そういったものの中でしのぎを削って経営を維持してきて,何とか生き残って来たと。でも,今現在は,県内あるいはこの水戸管内でも,ある程度その地域でやってきている会社が,もう廃業,倒産という形をとっております。結構そういうふうな会社がふえてきております。これからは,今の現状が続いていけば,そういう今までの貯えというものはもうみんなはき出して,本当に厳しい中でしのぎを削ってやっているのが現状ですから,もう急速に減っていくだろうというふうに考えております。


◯川口(三)委員 もう限界だってことですか。


◯大貫参考人 ええ,もう限界ですね。もう限界を越していると思います。もう何とかここで踏ん張りたいというふうに我々は考えております。
 また,先ほどの話で,公共工事というのは,土木がメインだと思うんですね。どうしても公共工事というものは,土木が主体となっている。そういう中で,他県から県内に来られて仕事をしているというのは,県レベルで言えば,中小の域じゃなくて,その上のクラス,まあ大企業が県内へ入って来られるという形だと思うんです。他県のそういう中小企業が県内へ入って来ているということではないと思うんです。ですから,我々も隣の県,まあ北関東3県,栃木,群馬,あるいは隣の埼玉,千葉,そういったところへ行って仕事ができるという環境は,正直言ってございません。ですから,我々中小は,この地域の地元で仕事をさせていただくと,いうことで考えておりますし,これからもそういう形でよろしくお願いしたいと思っております。


◯川津委員長 ほかに,ございますか。
              〔「なし」と呼ぶ者あり〕


◯川津委員長 それでは,以上で建設業の現状と課題についての意見聴取を終了いたします。
 細谷さん,大貫さんには,貴重なお話をありがとうございました。
 本日,お話いただいたことにつきましては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。どうもありがとうございました。
     ───────────────────────────────


◯川津委員長 ここで暫時休憩をいたします。
 再開は,午後1時ちょうどといたします。
                午前11時52分休憩
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                 午後1時開議


◯川津委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
 本日,午後は,NPO法人建築技術支援協会常務理事で事務局長の米田雅子さんをお招きしておりますので,御紹介いたします。
 米田さんは,建設産業に関する研究,評論,支援活動を幅広く展開されており,茨城県建設業活性化指針の作成に当たっては,建設業振興懇話会委員として御協力をいただきました。米田さんのプロフィールにつきましては,お手元に資料を配付しておりますので,ごらん願います。
 米田さんには,お忙しい中,本委員会に御出席いただきまして,ありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。
 本日は,建設業の新分野進出について御意見をお伺いいたします。意見聴取の進め方につきましては,初めに米田さんから御意見をお伺いいたしまして,その後,意見交換を行うことといたします。
 それでは,米田さんよろしくお願いをいたします。


◯米田参考人 米田でございます。きょうはどうぞよろしくお願い申し上げます。
 きょうは,建設業の新分野進出ということで,御意見を申し上げさせていただきたいと思っております。お手元に資料をつくってまいりましたので,それをごらんになりながら,パワーポイントを使って,今全国的に建設業が縮小する中で,会社の経営者の方々が,何とか雇用を維持しよう,地域を守ろうということで新分野に出ておられますので,その辺のことをなるべく多く具体的な事例を含めながら,お話をさせていただきたいと思っております。参考資料といたしまして,この最初に書いております本を,新分野進出の関係で3冊出しておりますので,もしよろしかったら,後ほどそういった物もお目にとめていただければと思います。きょうの構成でございますが,1時間と時間を限られておりますので,若干早口でお話させていただきたいと思います。
 最初に,まず建設業の新しい方向ということで,全国的な動きをお話しまして,2番目にストック事業への進出ということで,建設業そのものが,新設からストックへという大きな流れの中で,新しいストックビジネスも生まれております。その辺のお話。3番目に環境リサイクルへの進出の事例のお話。4番目にコミニュティービジネス。これは,介護なども含んでですけど,その辺のお話。5番目に,9月に農地法などが改正されまして,企業に農業参入への道が開かれております。その中で,農業に参入する方がふえておりますので,茨城は大農業県ということで,その辺の話をちょっと重点的にお話したいと思います。最後に,挑戦のポイントということでお話させていただきます。
 まず最初に,この辺はもう,何もきょうお話するべきことではないのかもしれませんが,全国的に建設業の縮小の動向というんですけれども,大体今,ピーク時から約4割建設市場は減っております。茨城でも,同様な傾向を示しております。しかし,その大部分は,平成10年の小渕内閣の補正以降6年間で,約3分の1以上の市場が失われておりまして,数年間で3分の1以上の市場が失われるというようなことは,国家の基幹産業でこれだけの変化というのは,本当はとんでもないことでございまして,もっと国として抜本的な政策を打ってもいいのではないかというぐらいの縮小でございます。しかし,もう御存じのように,就業者の方や業者数の方はそれほど減っておりませんで,非常に供給過剰の状況になっております。ただ,今申し上げたいのは,この急激な市場縮小の裏には,実は建設業というのが,80年代後半から90年代にかけて,地方公共投資が若干ふえたというようなものもございまして,その反動もあるということをちょっと申し上げたいと思います。それは何かと申しますと,私はもともと建設業の研究者なんですけど,普通建設業というのは,国が発展途上にあるときには大きくなり,先進国になれば,ある程度成熟しまして若干縮小しまして,後は均衡状態を保つ,割に低調状態を保つものなんですが,日本も,実は敗戦後何もないところから高度成長の波に乗りまして,建設業はもちろん,社会基盤をつくらなきゃいけないので大きくなりました。その後,オイルショックの後に,世界の先進各国が,高度成長から安定成長に移る中で,建設業も実はそのころ,先進国にふさわしい産業に生まれ変わる時代を迎えております。それを今になってみれば,冬の時代というふうに言うんですけども,それは冬ではなく,本当に成熟産業に生まれ変わる状況でございました。もし,それがそのまま続けば,建設業は必要なものを必要なだけつくって,新聞やメディアにももっといいように評価される幸せな業界になれたのではないかと思います。それを覆したのが,実は85年のプラザ合意でして,そのときに貿易不均衡是正のために円高を決めるんですが,もっと即効性のある内需拡大策をしろということで,そのときに地方公共投資をふやすということを国際公約してしまいます。その後,実は先進国なのに,まるで発展途上国のような建設業というのが膨脹し始めるわけです。特に地方において,それが甚だしくなっていくわけでございまして,その間,膨脹していたものが,実は今の急激な落ち込みの,何でこんな3分の1なんてことになっているかというのは,つまりこの時期,先進国らしからぬ膨脹を遂げたということが,一つ大きな問題としてあります。そのときに実は,円高と同時に林業がだめになって,農業が衰退して,多くの工業団地から工場が海外に移転していく中で,ほぼ同時期にふえたのが,地方公共投資でございまして,この間多くの方々が,農業や林業から建設に入っております。本当に過疎の進む地方,特に茨城では,県北の方がそうだと思うんですけど,中山間において,建設業というのは地域の基幹産業として非常に重要な現金収入の柱になっていたところで,急激に財政悪化とか構造改革で減らされているという,非常に厳しい状況が今続いているわけでございます。
 ちょっと飛ばしまして,そうは言っても,建設業というのはこの国の基幹産業です。しかも,大手ゼネコンだけが残れば地域が守れるかというと,決してそんなことなくて,各地域地域に,経営と技術とモラルにすぐれた会社が残ることが,この国の基盤を守るために必要不可欠でございます。どれだけ良質なきちんとした方々に生き残っていただけるかという,健全な縮小問題が一つあります。恐らく,それは午前中いろいろお話なされたかと思います。
 もう一つありますのは,地域の雇用を支えてきた,特に雇用のバッファーとして支えてきた企業としては,そこで縮小していく中で,どうやって新しい雇用を地域で生み出すかという,もう一つの大きな命題がございます。そこで,いろんな地域において,建設業というのは,田舎の方に行きますと,役場と建設会社と農協しかないみたいなところが結構ありまして,その中で農業は高齢化して,建設業は仕事がなくなって,どうやって地域を支えていくかという大問題に直面しているわけで,建設業の方が苦しい中で,社会の変化が公共事業を減らしているとすれば,社会の変化というのは,違うところに必ず新しいビジネスを生んでおりますから,そちらに目を向けて多角化することによって,地域に必要とされる企業に兼業化をして生き残るという道も一つあるということで,今一生懸命新分野進出を進めておるわけでございます。現実にそういうところに立ち向かう会社もあらわれております。ちょっとこの辺は,きょうは飛ばさせていただきますが,建設業というのが,余りにも悪いイメージで見られておりまして,地域を支えているという大事な機能をなかなかメディアに取り上げていただけないので,そういうところの情報発信をしていこうと,今度本も出すわけでございますし,茨城の方も情報発信大作戦ということでなさっておられますが,決して道路族とかいうのではなく,必要なものは必要だということを訴えるということも大事なことではないかと思っております。
 兼業建設会社の勧めをしておりますが,その中で,じゃ,どんなところに兼業化しているのが多いかということになりますけれども,中山間地域は公共事業依存が強いものですから,農業地帯,林業地帯が多うございます。そのせいもありまして,実は農業が4分の1。環境・リサイクルが,町場が多いんですけれど,4分の1。それに介護福祉が1割。その他といたしまして,コミニュティービジネス,建康サービス,IT,小売り・飲食業,観光・レジャー,林業。これは森林整備だけでなくて,間伐材の利用とかも多うございます。水産業,これは漁業権の問題があって,なかなか漁業そのものには出て行けないんですけれど,養殖系のものに結構今出ていっております。ただ,そうは言いましても,もう北海道ではイカ釣りに,鳥取ではカニ釣りに,島根では定置網まで建設業出て行っておりますので,公共事業が縮小する中で,生き残るために必死に多角化していることを,まずは委員の方には,お伝え申し上げたいと思います。
 公的支援策も今充実しておりまして,国土交通省の方もだんだん支援しておりますけれども,結局建設業の問題というのは,ただに建設業の経営者の問題じゃなくて,多くの地域にとって地域雇用の問題,地域の経済の崩壊につながりかねない問題だという認識で,いろんな県の方々が支援策を今打ち出されております。茨城県も土木部の方から,そういった自助努力でがんばる方々に対して,いろんな施策を来年に向かって打ち出されているところでございまして,これがしっかりと建設会社の方々にも伝わって,十分に活用していただければというふうに思っております。
 なお,一つ申し上げますと,こういったものの支援策の中心は,建設業関係というよりも,むしろ経産省の中小企業対策の方でいろいろ使えるものがございまして,それを垣根を取っ払って,どう土木の方で使っていくかというところに結構ポイントがあるのではないかというふうに思っております。
 実際の事例でございますけれども,きょうは時間が限られておりますので,どんどんまいりますが,一つはストックビジネスです。それはどういうものを言っているのかというと,例えば,維持管理なんてもう当たり前のようなことでございますので,トピックス的なことから申し上げますと,一つ注目されておりますのは,コンバージョンです。これは用途変更という意味です。いわゆるオフィスをマンションに転用するとか,そういうことで都心の方で六本木ヒルズとか汐留シオサイトなんていう大規模開発が行われて,都会のペンシルビルに空きが出た。だけど住みたい人は多いということで,じゃ,オフィスをマンションに転用しようということから出てきたわけですが,何もそんな限られた話ではなくて,いわゆる80年代後半から90年代,地方には本当にたくさんの施設が建ちました。しかしながらそれが時代の変化に合わせて,ちゃんと活用されているかというと,そうでもない。であるならば,それを時代の変化に合わせて,用途変更して活用しようというような,コンバージョン・リフォームというのが今進められております。例えば,京都府の宇治市では,少子高齢化で小学校に空き教室が出た,それを介護施設に転用した例。また青森の方では,今計画なんですけれども,半島の先の方に集落がありまして,毎年除雪車を走らせていた。でも除雪費用がだんだん出ない。お金がないものですから。そしたら駅前にシャッターのおりた商店街がある。じゃ,そこを集合住宅に改築しまして,コンバージョン・リフォームして,申しわけないんだが,冬場はこちらに住んでくださいとか,あと,交通弱者のお年寄りがふえる,運転できない。でも,やっぱりシャッター街はたくさんあるということで,それをバリアフリーの集合住宅にコンバージョン・リフォームをして,どうぞこちらに移り住んでください。ついでにそこにデイサービスやなんかを併設するような動きも,今各地で計画されております。ただ問題は,委員の方はお詳しいと思いますが,各省庁ごとの補助金要項というのがございまして,文部科学省の補助金でつくったものを,厚生労働省の介護に変えるときには,いろんなやっかいな手続が要ります。それについては,もうそんなこと言っていられないということで,今内閣府の方で規制緩和の検討が進んでおりますので,そこの補助金要項の緩和が進みましたら,これは一気に出てくると思います。しかもこれは,将来的にローカルPFI,民間の方々が提案をしながら,自分でリフォームをするという形の民間提案型のPFIということで,結構進展していくと思いますので,この辺もぜひ考えていただきたいということを,建設会社の方には申し上げております。
 その次に挙げましたのは,いわゆる民間建築リフォームに出ているところが非常にふえております。茨城でも多いと思います。その中で,実はちょっとお願いしていますのは,これは事例というよりはお願いなんですが,今非常に悪徳リフォームが多うございますので,どこからでも今リフォームは入ってこれるというような状態ですから,建設業から行かれる場合,ぜひ良質なリフォームをやっていただきたい。しかも技術で特化して,十分差別化できる。今まで日本の建設業は新設中心でしたから,リフォームは非常に未熟な市場です。ですから,例えば耐震改修,耐震診断は,今耐震改修の方の新しい法律が国会の方で審議され,ほぼ通ったというようなお話も聞いております。これからは公的施設を耐震診断をして,不適格になったときに,ちゃんと改修しなければ違反ですよということで,いろいろペナルティーを課せられるようになりつつありますから,この辺に特化してリフォームをやることもできると思いますし,また実際にやっているところも多うございます。バリアフリーも実は,介護に行かれた企業が,片手で介護,片手でバリアフリー・リフォームということで,業種転換をしていかれた企業も出ております。また,シックハウスは健康志向リフォームということで差別化していくとか,リフォームといいましても,多種多様でございまして,その中で,差別化することで生き残りを図るというような進出が,今全国的に始まっております。
 次に挙げましたのは,建設業のサービス化です。いわゆる建物というのはハード一つです。施設もそうですけれども,実はその周りには,いろんなサービスがございます。それを上手に組み合わせて,横に展開するという動きが出ています。茨城のアンケートなんかを見ましても,不動産業とか建物管理をやっていらっしゃる方が多いんですが,それに加えまして,新しい動きとしまして,お掃除業。例えば北海道の三石では,三石の建設会社が11社集まって,みついし環境サービスというのをつくった。ここは道の駅とか三石温泉を丸ごとお掃除している。すごい評判がいい,なぜか。お掃除しながら,不ぐあいを見つけて直しています。そうすると,ちょこちょこ直すとロングライフで,温泉施設なんかは長持ちするということで,結局ローコストということで評判を生んで,修繕付お掃除で売っています。それに加えまして,さらに警備保障。ここに出て行く企業も出ております。お掃除,警備保障,総合ビルサービスというものも,北海道のサンエス工業さんなんかで出ております。なお,こういったものだけじゃなくて,今,茨城県でも鋭意進めていらっしゃいますが,指定管理者制度,それに対して建設業の応募というのが相当始まっております。ただし建物だけじゃなくて,例えば公園整備の方に造園の方が出て行くとか,あと1社では無理なときは,横浜のように協同組合をみんなでつくって,勉強しながら指定管理者に一緒に応募するような動きも出ております。この辺もサービス化ということで,大きなうねりが出始めております。
 次に挙げましたのが,DO IT YOURSELF。こちらに行っている企業もあります。これは,高齢化で新しい家を建てたいニーズはそんなに多くないんだけれど,やっぱり気持ちよく住みたいというニーズはあるもんですから,そこに目をつけて,例えば四国の建設会社はホームセンターをつくって,そこで日曜大工コーナーというのを設けまして,得意の技術を教えながら建材を売るとか。あと,鳥取県のフィデイアさんというのは,エクステリアとガーデニングに特化したお店を開きまして,しょうしゃな2階建ての家をつくって,1階がガーデニングのショップで,周りにいろんなエクステリアの商品が置いてある。2階部分が実はカルチャー教室になっていまして,そこで定年退職後の御主人様とか奥様を集めて,通っているうちにガーデニングの美しい製品を見るにつけ,だんだん自分もエクステリアの修繕をやりたいなみたいな話になったら,本体が出て行きまして,エクステリアのこれをこういうふうに変えたらいかがですかという営業をなさって,今3店舗目を営業中というふうに,こういう場合もふえております。あと,ちょっとこれは,DO IT YOURSELFに限らずなんですが,今道路舗装の会社が,民間住宅に参入するという動きが出ております。どこから行くか,外構です。エクステリアとリガーデン。いわゆる庭のカラー舗装なんかも含めたところなんですけれど,大手住宅メーカーを見てもわかるように,住宅会社というのは,住宅本体にはものすごいエネルギーを注ぐんですけれど,外構はそれに関して割と手薄なので,そこに目をつけて,道路から外構へという流れが今起きつつあります。あと造園の方と道路の方が一緒に組んで,リガーデンに出られる動きも今出ております。
 環境リサイクルでございますが,環境ビジネスは非常に建設業と親和性が高うございまして,茨城の方でもそういうことでやっていらっしゃる方がいらっしゃると思います。土壌浄化と水浄化のビジネスですけれども,これ結構行かれる方が多いんですが,実は環境ビジネスは,おととし土壌汚染対策法が施行されまして,みんなががんばっていこうという話だったんですが,実はおととしは,本業は落ちるは,環境ビジネスは伸びないはというんで,大騒ぎした割には,全然ぱっとしませんで,このままだめかなと思っていましたら,去年の春ぐらいから,実はこの環境ビジネス伸びております。なぜかというと,日本の製造業が復活してきたからです。ここは,いわゆる製造業と連動する部分ございまして,ここに出ていかれた方は,おととしはさんざんだったけど,去年は,本業が落ちるけれども環境ビジネスが上向きなので,何とか横ばいを保ててよかったという,多角化するというのは本当にこういうことなんだと。全部の経営の軸足を公共に置くと,どうしても下がる一方だけど,片足を民需,しかも製造業に連動させる方に置いておくと,やはり経営が安定するということなのだなというふうに思います。きょうは時間がないので詳しくは説明しませんが,実は,この分野は,自社開発というよりも,例えば土壌浄化でしたら,そういう研究をしているところの協同組合の組合員になりまして,そこから技術導入をするとか,あと水の浄化ですと,地元の大学や研究機関が研究していることを,建設会社がいろいろ実際に応用してみるということで,これは産学連携のメッカと化しております。
 次に参りますけれども,緑化と環境舗装。屋上緑化や環境舗装というのも,今大変盛んになっておりまして,屋上緑化の方は,特に緑化算定といういろんな法律がありまして,緑の部分がどのぐらいなければいけませんよという工場立地法なんかあるんですが,その中の,緑の部分に屋上緑化が入っていなかったのが,ほぼ全般入りましたので,法的整備が整って,東京も大阪も条例で推進しているということで,この辺に出て行かれる方が多うございます。屋上緑化は今現在,まだきわめつけの技術というのは出ておりません。今みんな技術開発競争です。地方の方も頑張っていまして,例えば鹿児島では,シラス台地のシラスを利用して,すごい軽い緑化基盤をつくって,それで屋上緑化に乗り出そうとか,いろんな動きが出ておりますので,まだ茨城なんかは東京に近い,すごいいいロケーションでございますから,こういうところに出て行かれるのもいいかと思います。なお,緑化の場合は,その初年度はそれほどもうからないらしいんですが,毎年継続的にニーズがあるということが,小銭積み上げ型の経営ということにつながるというふうに,今出ていらっしゃる方は言っておられます。それから環境舗装ですけども,これもこれから非常に伸びると思うんですが,各地の夏場の温度上昇を防ぐ新しい舗装というのに,産業廃棄物を利用するという動きが各地で広まっております。例えば愛知県の矢作建設さんは,瀬戸物を焼く瀬戸市の近くの建設会社ですが,瀬戸物を焼いた残りの珪砂というガラスの細かいくずがあるわけです。それは廃棄物としてはやっかいなんです。それを舗装に上手に混ぜると,温度上昇が抑えられたということで,そういうものを使われていますし,長野県の小木曽建設さんは,カラマツを使った新しい木製舗装とかいうので,環境舗装に出ておられます。今,そういう動きが,これ各地各様の,ほんとに困ったものを利用して,新しい舗装を目指すという動きも出ております。
 それから,地域エネルギー。岩手県の工藤建設さんは,スタンド・アローンタイプの街灯です。ねぎぼうずと私呼んでいるんですけど,いわゆる太陽光と風力発電が一緒になったような街灯をつくっていまして,電気の行っていないところもそれを1本建てておくと,昼間の太陽と風で蓄電をして,それで夜中明かりを照らすというようなこともやっておられます。鳥取県の石田工業さんは,温泉の温度差を利用した発電というのをやっておられます。これは,今すごく注目されているんですが,それは化石燃料の枯渇と原油の値上がりというだけではなくて,人口が減少する社会になる。そうすると,社会基盤がどうしてもある程度コンパクトにならざるを得ない,でも,そこ以外にも住みたい人は多いわけですから,そこは,そこにある太陽や風や地熱を利用して自己発電しましょうということで,ニーズがふえるのではないかということで,今いろんな建設会社が,もちろん茨城もやっておられますけれども,バイオマスとか,そういったものも使ってエネルギーの方にも乗り出しております。
 次,リサイクルに出ている企業も多いわけなんですけれども,リサイクルに関しましては,私,450社の事例を一覧表にした本も今最新で出しているんですけども,その中でも一番多いのが,実はリサイクルでございます。ただリサイクルの場合,一番大変なのは販路拡大でございます。建設会社の方はすごく真面目な方が多くて,一生懸命いいものをつくります。ですけど,なんせ受注産業でございましたので,売るということになれておりません。そこで,よくお出しするのが,この東北カーボンさんなんですが,これは木廃材から炭をつくって,日本のトップメーカーになられた勝村建設さんなんですが,ここはどうやって売ったかということが,すごく特徴的でございます。一つは,木廃材から炭をつくっておりますので,非常に企業イメージ,製品イメージが悪い。そこで自分の炭はちゃんとこれだけの性能がありますよということを,複数の国立大学の研究機関に検査を依頼いたしまして,実験してもらって,徹底した情報開示をした。もう一つは,山形県の湖畔に木炭ハウスという,一泊10人まで1万円で泊まれるというものをつくって,炭をふんだんに使っております。そこに安く泊まる代わりに,そこに泊まったら30分の炭のビデオを見るか,山村社長が来て2時間御高説を伺うか,どちらになるかはそのときの運なんですが,それで皆さんに実感していただく。ここは主力製品が床下調整炭。一番多いのが工務店の社員旅行。ということは,社員が行って炭のよさを実感しながら頭にしっかり入れて,お客様に説明すると売れるということで,売っておられます。ですから,創意工夫で売れるということを,本当に建設会社の方にお伝えしたいと思っております。
 それから,有機廃棄物リサイクルも最近非常にふえておりまして,ちょっと脱線いたしますけれども,実は今,家畜の排せつ物を野積みすると罰金を取られるという法律が完全施行になっておりまして,罰金を取られるもので,にわかにあちこちで堆肥舎つくっているんですが,その中でも,ただ堆肥をつくってもなかなか売れないということで,優良ないろんな工夫をした堆肥をつくったり,あと,発電をしたりとかという動きがあります。そして,その中で,建設会社の農業参入の中で一つ特徴的なのは,大規模酪農に出ている企業が結構出始めております。例えば北海道の田中建材さんが田中牧場。ここに書いてありますのは,青森県の六ヶ所村ですね。岡山建設さんが,1,000頭以上の酪農に。熊本でも,今や九州第2位の牧場は,建設会社丸中興業の牧場でございます。なぜかと言うと,今酪農の方は乳価が安定しておりまして,一定の定価格で売れて,後はボリュームで売れるものですから,いわゆる規模の経済性が実現できるということで大規模酪農近代化ということで,みんなミルクパーラーとかパソコンによる管理ですとか,いろんな近代化設備を入れて,大規模酪農に今建設会社乗り出しております。そのところで,今,バイオマス日本という,そういった補助金も出ますので,そこでバイオマス発電に取り組んでいるところも出ております。各地各様で,十勝の方は人が余りいないので,牛糞だけで発電しようとしております。でも,ここの青森県の岡山建設さんは,牛糞だけだと耐熱材と発電効率が悪いということで,下水汚泥とか食品残渣も入れようというようなことで,いろいろなのが進んでおりますけれど,この辺も結構,これから有望ではないかというふうに思っております。
 あと,リサイクルに行かれる方はすごく多いんですけれども,実はつまずく方もすごく多いわけでございます。どういうところでつまずく方が多いかというのをちょっとここに書いてあるんですが,もちろん一番最初に申し上げました,販路拡大でうまくいかない方が一番多いわけですが,そのほかに,県議会なのでぜひお願いしたいんですが,一つ目は,リサイクルは法律の規制が生むビジネスという面がありまして,法に左右される。しかしながらリサイクルに関する法律って,猫の目のように変るんですね。しょっちゅう規制が強化になりまして,あるときの基準でつくったリサイクル品を,いざ売り出そうと思うと,いつの間にか基準が強化になって,もう1回設備投資して,もう1回試験してもらわなきゃいけない間に,採算が取れなくなったりしますので,できればリサイクルに関する法律をこんなにしょっちゅう変えるのやめてもらえないかなと,いつも思っておりますので,ちょっと土木委員会ではないかもしれませんが,申し上げたいと思います。
 それから,これは,さらにこの場で言いづらいんですが,国と県と市がバラバラの組織で,しかも縦割りで動いているということがございまして,例えば林野の方が来られて,間伐材を利用してぜひ県材を使ってください,リサイクル品をつくってくださいなんて言われて,はい,わかりましたと言って一生懸命つくっても,実際に売り出すところは,市町村なんかに持って行きますと,お宅はリサイクル品でちょっと割高なので,うちは火の車ですから無理ですなんてことを言われて,結局もう1回林野の方に行くと,あの職員は3月に異動になりましたなんてことがあるものですから。こんなことをここで言っていいかどうかわかりませんが,ほんとにもう少し進めるのであれば,もうちょっと行政の方々が,親身になってやっていただきたいと思います。グリーン購入とかいろんな制度もありますので,そういうのをフルに活用していただきたいと思っております。
 それから3番目は,リサイクルの場合,廃棄物処理の方でいろんな許可に引っかかってうまくいかなくなることもございます。自分で原料を買えばいいんですけども,回収するとなるといろんな許可に引っかかりまして,それは市町村レベルでも違うんですけれども,物によっても違うということで,その辺でも,皆さん苦労しておられますので,ちょっとお伝えしておきたいと思います。
 次に挙げますのが,介護と福祉でございます。実は去年,おととしが,建設会社の介護参入のピークでございました。多いのは訪問介護,そしてデイサービスとか,訪問入浴とか,グループホームとか,そういったものが多かったわけですけれども,実は,これ結論から申しますと,来年ぐらいからは,もう相当様変わりいたします。これまでは,県の方の許可でございましたし,ふやせということでだれでも割に参入できたんできたんですけども,来年からは,実質的な総量規制も入ると思いますし,介護保険の方も非常に厳しくなっておりまして,市町村の方に許可が移りますので,去年,おととしのように参入ができるという状況ではなくなりつつあると思います。今,実際に行っていらっしゃる方は,どういうふうになっているかというと,うまくいっているところ,いかないところ,鮮明でございます。うまくいっているところは,既存にない新しいサービスを打ち出したところ。うまくいかないところは,今までやっていたことを,ただ同じようにやっていたところ。ケアマネージャー様というのは,なじみの方に楽な方を,新しい方には面倒な方をというような傾向も若干あるようでございまして,うまくいかなくなる。例えば,これはうまくいっている滋賀県の北川建設さんの例ですけれど,ここはもちろん社会福祉法人系の介護施設があるわけです。そっちにお年寄りが行かれると,利用者と呼ばれる。じゃ,うちはお客様と呼ぼう。あっちに行ったら,夜間預かりません。じゃ,こちらは預からせていただきますということで差別化を図られました。なお,ここにある建物は,1階がデイサービスセンターで,2階から上が,高齢者優良賃貸住宅の補助金制度を使った「高優賃」という補助金を使った集合住宅になっております。これは本当に,上にバリアフリーの集合住宅,下にデイサービスということで,非常にうまく回っておりまして,こういうのが各地に結構建つといいんじゃないかなというふうに思っております。なお,介護の場合は,実は労働シフトがそれほど起きません。男性の社員が建設会社は多うございますので,何人ぐらいがここに行けるかというと,二,三人です。じゃ,北川建設さん,ほかの社員はどうしているかというと,建築系ですから,ここはリフォームに出られて,いろんなものをつくられたり,あと,こういった施設を大家さんに提案して建てるということもやっておられます。じゃ,土木の方はどうされているかという話なんですが,例えば新潟県の金子建設さんは,介護施設には男性社員二,三人しか行けませんでしたが,残りの方は,介護を受ける方というのは,介護だけじゃなくて,実は雪おろしができない,雪かきができない,重い物が持てないとか,いろんな不自由がございます。そういった生活サービスをするということを,もちろん有料なんですけれど,土木の方が低価格で引き受けておられまして,その事業というのは結局,介護を軸にした総合的な生活サービスというのを,実際はつくられているんじゃないかというふうに思っております。そういうふうな意味で,介護ビジネスというのが,うまくいっているところはそうでございますし,漫然とただほかがやられているという中で行かれたところは,今介護保険法が非常に厳しくなっておりますので,みんな経営計画の立て直しに追われているような状況でございます。ただ,介護保険の方も,地域の小規模施設の充実というのと,予防介護の充実ということで目玉になっておりますので,これからは,古い大きな家を介護施設に転用するコンバージョン・リフォームというのがふえると思いますし,健康サービスとか,健康増進をするためのいろんな事業というのがふえつつありまして,そちらの方にむしろ,今建設業の目は向いております。
 コミニュティービジネスへの進出でございますけれども,こちらにつきましては,地域の困ったことに目を向けて,それを事業にしていくという新しいPFIが,各地で生まれつつあります。PFIと申しますと,もちろんこの委員会の皆様方の方がお詳しいわけでございますけれども,いわゆる庁舎の建て替えを建設会社がやって,その負債を毎年毎年ローン分割で返していただくというのだけがPFIではないということを,よく申し上げているわけでございます。結構地方に行くと,そういうのがPFIだと誤解されている方も多いんですが,そうじゃなくて,例えばここに挙げています駐輪場は,東京の下町の綾瀬なんですけれど,違法駐輪の多い地帯で,こういった100円入れたら1日とめられるというコインサイクルパーキングというのをつくられまして,道路舗装の会社なんですけれども,それを駅近くのいろんなところに置かれたところ,非常に評判がよくて,いろいろなところに展開されて,100%以上の稼働を示したわけなんです。そこで,実は駅の近くに足立地区の公有地がありまして,そこを駐輪場にしたらいかがですか,ひいてはその駐輪場を建設される方をPFIで公募されたらいかがですかということを,住民の方と一緒に提案されまして,それを受けた区が公募をされまして,かねて準備の芝園さんが取られたということになるんでございます。ちゃんと審査の上で取られたということです。そのときは,建設コストは全部自前,10年有料で運用させてください。10年たったらただでお返ししますという,非常にシンプルな小規模PFIを実現されました。これは,これから市町村合併が一段落した後で,細かいことから大きなことまで含めて,いろんな生活に必要な事業ってあるけれども,もう財政的に行政がやるわけにはいかないというときに,こういうふうに民間の方々が公募されて,それに応募して,取られてやるという形の,非常にシンプルないい形ではないかなというふうに私自身は思っております。
 こういうこともPFIとしてあるんです。例えば,保育園がない。働くお母さんがいる。建ててくださいと言っても町にお金がない。じゃ,みんなで力を合わせて建てるけれども,これはちゃんとした公立保育園として認めてください。ついては園児一人当たり,公立保育園並みの補助をください。そのかわり,こちらは安く頑張っていい運営をしますというようなことも含めてのPFIではないかということを,お話させていただいているわけでございます。
 公共依存から民間自立へ・地方分権という中で,これからは地域の民間の方々が,いろんな事業になっていくということが大事な時代に,地元密着の建設業というのは,ほんとに一人一人の顔を存じ上げている非常に有力な担い手になり得る存在ではないかと思っております。ですから,いろんなところで今,コミュニィティービジネスとかPFIとかを,地方の建設会社の方も建設だけじゃなくて,そういったところにも目を広げていただいて,そういう担い手としても,いろんな機会があれば提案して事業を始めるということも考えていただきたいということをるる申し上げている次第でございます。
 ここは茨城県なので,ぜひ農業の話もさせていただきたいと思っております。今,建設業の方の農業参入というのが非常に盛んになっておりまして,ちょっと先にお話させていただきますと,この9月に農地法等の改正が行われまして,今までは企業の農業参入というのは非常に障壁高かったわけですけれども,具体的にはこういった──ちょっと先の方に進ませていただきます──構造改革特区の説明になりますが,市町村が間に立ちまして,ページで言いますとちょっと先の方に行くんですけれども,14ページの上の方でございます。市町村が間に立って農業の方から農地を借り上げ,または買い上げをして,そして農業に入りたいという企業に協定を結んでリースする。貸し出す方向によって,企業が直接農業に入るという道が開かれることになりました。これは特区方式と言いまして,ちょっと上の方から言いますと,岩手県の遠野市では,遠野建設工業さんがほうれん草などを栽培し,福島県の喜多方ではとまとだとかタラの芽とかを栽培し,新潟県では,頸城建設さんがお米とかイワナの養殖などをされまして,長野県の大鹿村は,村の建設会社4社しかないんですが,村を挙げてみんなで農業に参入するとか,島根県の桜江町の方では,大麦若葉という青汁のもとになるような健康食品をつくられたり,鹿児島県の大口市では,さつまいも,コガネセンガンですね。芋しょうちゅうの原料になるものをつくられたりしております。こういったものがベースになりまして,これが実は全国展開になったというのが,この9月1日でございます。具体的には,これは対象地域が耕作放棄の多い地域もしくは耕作放棄になる見込みの多い地域ということで,市町村の方が基本構想をつくりまして,その地域に対して,出て行く企業に対してということなんです。これが今,建設業の方では,非常に関心を持って見ていただいておりまして,現在私の方で「建設帰農のすすめ」という本を書いているんでございますが,その本の中で,去年の9月の段階でもう既に,建設会社120社農業に参入しております。さらに,今進んでおりまして,例えば,県の方で新分野進出の相談窓口とかを開きますと,今一番多いのが,農業参入の相談ということになっております。青森の方では七,八割が農業相談でございます。
 あと,もう一つあるのは,耕作放棄に対する解消策を強化している。耕作放棄地をそのまま放ったらかしにしていると,今までは何とかしなさいというお話が出たんですが,命令をきかないときには強制的に,こういった形で入ってきた企業ですとか農業法人に,耕作をするように県が強制的に貸し出しますというふうに移っておりまして,耕作放棄地というのは,数年たてばただの山林でございますので,茨城の方は知りませんが,九州の方に行くと,もう立派なただの山になっておりますから,それを農地に戻す実力があるのは,農業土木ができる建設会社でございまして,農水の方も相当建設会社の農業参入を当て込んだ形にもなっております。3年前に建設業の新分野進出で農業参入を頑張ろうという話をしていたときには,農村の方に行くと皆さん,建設会社は資料置き場にするんじゃないかとか,産業廃棄物置き場にするんじゃないかとかいうふうに言われて,なかなかつらい思いもしたんですけども,今や農水省は非常に温かく私も迎えていただけるようになって,先日11月1日は,農水省が初めて異業種参入セミナーを開いていただきました。岡山でやったんですけれども,定員を100人超える方が集まってお断りするというような状況で,ありがたいことに基調講演をさせていただいたんですが,建設会社の方も3社出て来て,事例発表させていただきました。本当にみんなまじめに営農しているということを御理解いただけるようになりまして,別に建設だ農業だと言っている時代じゃないと。ほんとに過疎が進んで,集落がそもそも存亡の危機に瀕している中で,みんなで力を合わせて頑張ろうよということなんだということを,もちろん,もともとちゃんとした方々は,とっくの昔からわかっておられたことではあるんですが,やっと農水の方も温かい目で見ていただけるようになりまして,ぜひ土木委員会と農業委員会で連携をとりながら,農業の方は高齢化で担い手がいない,建設業の方は担い手があるということなので,それをシフトというのをぜひやっていただきたいと心から念願しているわけでございます。
 ちょっと,ずずっと先に行きまして,きょうは時間がないのであれなんですが,建設帰農の特徴というのが,17ページの上の方に書いてあるので見ていただきたいのですが,一番大事なのは,建設業がなくなったから農業に戻るのでは,全然農業の方は活性化しません。それじゃ,子供は養えない。地元の企業として,新しい農業に挑戦しようというところが,実は建設帰農の本当の意味でございます。じゃ,どんな新しい農業があるのかということなんですが,例えば3番目に書いております,建設会社が農業しますと,分散した農地を営農する。それに対して,建設業で培った工程管理を持ち込む。人と機材の定員を押してサイクル工程をつくるということで,今までだったら圃場を大型化して機械化するというのが農業の核心だったわけですが,分散したままでも,そこにすごいスケジューリング,建設会社のノウハウを持ち込めば,新たな分散農地の生産革新が起き始めております。これも一つ大きいことです。土づくり,健康志向作物の作物づくりと書いてありますけど,農業土木をやっていた,土地改良をやっていた,土と水に強い。それを利用して,いい土をつくって,いいものをつくろうという動きが非常に出ております。ちょっとあっちこっち戻って申しわけないんですが,例えば岩手県の蒲野建設さんなんか,何をやっているかというと,これは15ページの上の方ですけれど,岩手県の何もない山間部なんですけど,浅田次郎の「壬生義士伝」というのを御存じかもしれませんが,その中で,ヤマセが吹いて米もとれないという厳しい岩手県の山の中の村なんです。そこで,何もないけど木があって,牛がいるということで,牛の牛糞1割と木の皮が9割ですばらしい優良堆肥をつくって,それでほうれん草をつくった。そしたら三越のバイヤーの目にとまって,それが売れるようになった。とこらが,デパートと一緒に組むときには,必ず安定供給というのを求められるわけで,それで今度は考えたのは,堆肥を近隣の農家と建設会社,30社に売ったんです。売って同じようにつくってもらう。農家30軒に堆肥を有料,1袋800円というわけでつくっていただいて,それを全部自分のところでまとめて,あぐり蒲野ブランドで三越に卸すということで,今現在,日本橋から始まって福岡支店まで,三越の各デパ地下で,ここのほうれん草が売られております。こういうふうに,これは堆肥を軸にして,新しい農家のフランチャイズ・チェーンという農業の形ではないかというふうに私は思っております。これも,企業型参入ならではのことではないかなと思います。
 それから,16ページの上の,四国の金亀建設さん。私,今,建設帰農の会というのを経営者の方々と一緒に持っているんですけれども,そこの幹事をやっていただいている西山社長さん,そこは何をやっているかというと,実はコンクリートミキサー車を使ってぼかしをつくっておりまして,自分のところでぼかしをつくって,無農薬で稲作をしておられます。それで,棚田をいろいろお借りしまして,借りてくれというところで,もう1.8アールみたいなところから全部嫌がらずに借りてやっておられまして,ここも分散農地に対する工程管理。もっとおもしろいのは,ここは道路舗装の会社なんですけれども,毎朝作業表に,道路の舗装の箇所と農場が同じチャートに載っておりまして,きょうは道路舗装が少ないから,みんなで農場へ出ようとか,とにかく従業員を遊ばせないということで,道路と農場の多能効果というのを進めておられます。どっちもできなきゃ,うちの社員じゃないよって。ここの田んぼに行くとすばらしいことに,田植えの跡がものすごいきれいなんです。何でかというと,道路も真っ直ぐだったら,田植えも真っ直ぐということで,案外農業機械と道路の機械の親和性は,これを見ると結構いいなというようなことも感じたりいたします。
 今問題は,建設会社の方が,いかに従業員を遊ばせないでちゃんとフルに活動していくかということにあるわけでございまして,農業というのが4月からずっと忙しいわけですけど,そのころ公共事業はそれほど多くないので,うまく中で両方を回すということでやっておられます。農業に関しましては,恐らく皆様が思っていらっしゃるとおりなんですけども,決してまだもうかるところまでなかなかいっておりません。ただ,雇用が維持できる。その日の雇用の分の給料にはなるというぐらいの程度でございます。そういうところでもやらなければ,それが全部負債で積み上がってくるわけでございますから,特に経審なんかもございまして,技術者確保しなきゃいけないなどいろいろな問題がありまして,今は余剰な方をたくさん抱えている企業が多いんですが,その方々をうまく遊ばせずに使うということにみんな腐心をいたしております。
 その中で,また,例えばちょっと変った例でいきますと,造園業と畜産業の完全循環型農業ということで,これは15ページの下ですけれども,造園で集めた草を牛に食べさせて,牛から出た排せつ物を今度は堆肥として造園に戻すという,完全循環型をやっていらっしゃるところもあります。今造園の方の草を燃やすと,ダイオキシンの問題とかいろいろありまして,難しいですけれど,そういった中で,そういう工夫をなさっているところもあると。
 次に挙げていますのが,例えば5の3で挙げています,16ページの下ですけども,これもまた新しいビジネスモデルなんです。日本の農業というのは,農家の中にものすごい名人の方がいらっしゃるわけです。日本の農業というのは,世界に誇っていいぐらいのすばらしい匠を持っています。その方を副社長に迎えて,その方の農法で無農薬で米づくりをして,ヒーロー米というのを出しておられます。これは石井稔先生という先生なんですが,石井先生も自分の農品を広めようとして,農家の方で普及会とかをやるんですけども,プロの農家の方って結構自分のやり方がありますので,この先生のとおりにはいかない。ところが建設会社というのは,こんなことを言うとちょっといけないんですけど,マニュアルをつくってマニュアルどおりに動くのが結構得意なもんで,先生の言われるとおりにやるということで,結構いいお米ができまして,今現在,宮城県のヒーローさんですけども,80ヘクタールぐらいやっておられます。こういったのも,名人と企業のコラボレーションということで,名人の技を企業で広めるというのも,一つの企業的農業のあり方ではないかというふうに思っております。
 こういうふうに,今お話しただけでも,実はほんの一部なんですけれど,建設業という異業種が農業に行くからこそできる新しい農業,もちろん農業生産法人の方々もいろんな新しい農業を出しておられますが,それに,さらにパワーアップするようなことも今起きつつありますので,こういった中から,地方の活性化というのが生まれて来るんじゃないかなというふうに思っております。
 それから,もう一つは,農業で問題になっているのが販売でございまして,どうやって手間暇かけたものを売るかというところは,ぜひ県の皆様にも御支援いただきたいと思っているわけでございます。一つだけ結構役に立ちますのが,建設業の方って竣工検査のために,何かというとすぐ写真を撮るんですね。何かというとすぐ写真を撮って記録を残す。これを農業に行ってもやっておられまして,自分はこうやって農業で作物つくりましたよ,というアルバムをいつもつくっておられます。そういうのを市場に持って行きますと,こんなすばらしいトレーサビリティは見たことがないと農業の方にほめれておりますので,そういった副産物も出ております。
 もちろん,今までも農業の方はすごく頑張ってこられたと思いますが,この国は,本当に第一次産業が非常に衰退しておりまして,でも,こんな豊かな自然のこの日本の国が,農業や林業や水産業をこれ以上衰退させていいのかという問題は,別の問題としてあるわけでございます。自給率は4割です。そういう中で,農業や水産業や林業をベースにして産業クラスターをつくっていく。そういったものにこそ,ほんとに地域の過疎地の活性化というのはあるんじゃないかと思っておりまして,その中で,ぜひ申し上げたいのは,建設会社の方というのは,もともと地域のために,公共のためにという気持ちのすごく強い方が多くて,そういった方々が,例えばその次に挙げていますけれども,島根県の下垣工務所さんなんかはブルーベリーをつくって,それで成功なさった。でも,自分さえよければいいじゃない。近くの建設会社の方,農家の方にブルーベリーのつくり方を教えながら,島根の過疎地でございますけれども,県の方も後押ししまして,耕作放棄されたところにブルーベリーを植えると補助金を出すというような制度もつくって後押ししておりまして,そういうところをブルーベリーで地域おこしをしようよって。1本1万円とかいってブルーベリー木のオーナー制度なんかを設けて,都会の人にお金を出していただいて観光農園をつくろうとか,もうすぐ団塊の世代が定年を迎えますので,そのために今からブルーベリー農園付住宅をつくって,帰って来いよと呼びかけてみようとか,そういうふるさと回帰運動に今発展しております。そういう中から本当の地域の振興というのが起ってくるわけでございまして,ここも下垣さんも,建設業をやりながら農業をやって,そしてその中で地域おこしにという動きになっておりますので,そういうところが,本当にこれからの地域の活性化のベースになってくるんじゃないかと思います。
 今まで農業の話をしてきました。規制緩和の中で建設会社が農業に注目し始めて,地域おこしの一端になろうとしております。もう一つ,申し上げたいのは,茨城県の北部にも結構山があると思います。私は,林業がもう一度復活できるのではないかと思っております。今林業と言うと,皆さん100人いれば100人,口をそろえて無理だとおっしゃいます。日本の山から木を切って来るよりも,海外から運んでくる方が安い。その結果,日本にはいっぱい木があって,もう切らなければいけない時期に達しているにもかかわらず,わずか木材自給率2割です。8割は海外から持ってきている。山の木は,今本当は切らなきゃいけない量の2割しか切っておりません。切るというのは,別に環境破壊ではなくて,切ることによって森林が再生し,そしてCO2を吸収する。本当に切らないと,どんどん森林ってだめになっていくわけでございます。間伐もやらなきゃいけないという中で,日本は,日本の山を腐らしながら,海外では違法伐採をやっているという,こんなおかしな仕組みがこのまま続いていいとは到底思えません。そのときに,じゃ,どうやってブレーク・スルーをするかなんですが,それは建設会社の方が,私はかぎを握っているんじゃないかと思っております。建設会社は,世界に冠たる木材ユーザーです。その方々が,ユーザーが,ハンドを持って山に行って,直接木を切り出したらいかがでしょうか。一つ目は,林業土木をやっている方は,作業林道をつくるのが得意です。2トントラックぐらいが入る小さい林道をつくる。その林道そのものが間伐になるという,列状間伐を入れる。要するに,林道をつくりながら,その1列を全部間伐にしてしまう。そういう間伐のやり方が今ございます。そういうのを導入して,今までは間伐というと全部切り捨て間伐で,その山に捨てていたわけですが,それがあるとき流木災害になって,どんでもないことになるわけなんです。全部木が出せる。林業の人に言わせれば,邪道と言われるかもしれませんけれども,置いておくよりは全部出した方がいい。ここで,もう一つ大事なことは,その木を漏れなく使う工法を,建設業が開発するんです。昔の日本人は,木に合わせて家をつくっていたんです。今はツーバイフォーです。ツーバイフォーなんてアメリカ・カナダの木を漏れなく使うサイズで,日本の木なんか切るからいっぱい捨てなきゃいけない,割高になる。違う。日本の木に合わせたサイズの工法を開発して切るんです。それで余ったところもあります。それは修正剤工場。今,接着剤いいのが出ておりまして,シックハウスに引っかからない修正剤もできるようになっております。そういうものを地域でまとめてやる。ということで,私はユーザーの方でもある建設業の方が,しっかり山の木を漏れなく使う工法を開発しながら,直接山に行って,林業土木の技術を使いながら,直接持ってくる。そして,いわゆる原木市場と製材市場のダブル市場という間接経費を落としながらやれば,私はもう1回日本の山は復活するんじゃないかと思っております。そうすると,林業が復活すれば,山が復活すれば,川がきれいになって魚が海に戻って来ます。そして,それは何と言っても建設業です。本当に建設業は国土保全。環境破壊と言われていますけど,そんなものではありません。環境を守るための建設ってたくさんあります。そういうものに役に立つということで,これをぜひ何とかしたい。恐らくこれの1番のネックは所有権です。森林の私有地・県有地・国有林,全部いろいろ分かれております。その辺を何とか先生方も考えていただいて,法律的なことで超越したような形で,森林整備のできるような体制をぜひ整えていただければ,私は日本の林業というのは,もう1回建設業で復活するというふうに思っております。
 挑戦のポイントというのは,好きなことを頑張ってやろうということで,建設会社の方に申し上げていますので,これについてはもう申し上げません。もう一度さっきの産業クラスターのところに戻らせていただきますが,これから人口減少社会がやってきまして,多くの集落が消滅するのではないか。また,集落営農の中核農家が今高齢化している中で,農業だ建設業だと言っているような場合ではありません。そういう中で,意欲ある方々が本当に地域のために農林水産業をもう一度見直してみようという動きに出ておりますので,これをぜひ,委員の方に支援していただくことによって,土木・農業ともに,みんなで地域をおこすことによって,もう一回地方再生を図っていただきたいと心から念願しておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 意見を述べさせていただきました。


◯川津委員長 どうもありがとうございました。
 ここからは,意見交換の時間とさせていただきます。ただいまのお話について,委員の方で何か意見または質問がありましたら,お願いをいたします。
 塚田委員。


◯塚田委員 先生,ありがとうございました。先生もかなり本をお出しになっておりますから,私も改めて買って読ませてもらいたいなと思いました。
 今,聞きまして,私ちょっと先生の方から勉強させてもらいたいんですが,中央集権から地方分権と,今政府の中で来ているようには見えますよね。でも私は,林業とか,あるいは農業とか,あるいは建設業とか見ますと,逆に私は,例えば農業にしても昭和23年の12月2日に農地改革がありまして,かなり大地主から,2町歩ぐらいまでしか持てないので,皆さんに配分されてきたんですね。その中で基盤整備が進んで,その中で建設業者の方々も基盤整備,3反歩区画のこうやってきたんです。ところが,どんどん農業も行き詰まって,今はもうその区画ではやっていけないと。このような農業の状況なんです。例えば林業にしても,今2割しか国産のやつを使わないといっても,実際はかなり外国から来ていますよね。これそのものの方針が,私は中央集権かなと。私は逆に,分権化ではなくて,中央集権になりつつあるのかな,そのように考えるんですよ。それは道路特定財源,あれも今やっていますよね。それそのものも,もともとの発想は,道路はくまなく,私は,道路は日本列島の動脈だと思うんです。これがとまっちゃうと,毛細血管までとまると日本の国土は働かなくなっちゃうと思うんですね。そういったものが,今は国の中で変えようとしている。この根幹たるものは何か。それは,もともとの日本の文化と歴史を覆した,アメリカのGHQが入ってからの文化とか,あるいは生活習慣とか,教育とか,そういうものから来た結果が,私はこういうものに生じているのかなと,今そのように,説明を聞きながら感じたんです。
 建設業は建設業の中で生きてもいいんじゃないか。農業は農業の中で私は生かしてもらいたい。世界を動かしているのは,食糧と武器と油だと言われていますよね。アメリカが何でイラクの方で戦争をやって,油を取ったかというと,コストですよ。すべてコストです。だから,今のやつをやっても,私は建設業の皆さんが伸びるには,根幹から見直さないと,新しい分野へお互いに進んでも,日本の文化とこれからの力が,かえって失われるんじゃないかなというのを今感じたんですが,先生,どうでしょうか。
 私は,中央集権になっていると思うんですよ。官から民へといいこと言いながら。例えば郵政民営化だって,民営化したってだれもこれ楽にならない。かえって過疎地の方が不自由すると思うんですよね。私は,そういうものから直す方向にいった方がいいんじゃないかなと,そのように今感じたんですね。


◯川津委員長 米田さんにお話しいたしますが,答えられる範囲で,ぜひお答えいただければと,このように思いますが,米田参考人お願いします。


◯米田参考人 だから,中央集権がかえって進んでいるのではないかという


◯塚田委員 中央から地方への富の再分配,中央集権から地方分権なっていますが,私は地方がどんどんどんどん弱体化する。例えば,六本木ヒルズそのものが象徴している。東京の今の建設業が,民の中で豊かになるのは,アメリカの外資の金が入って10分の1ぐらいで買ったものを,もう一回使っている。それそのものの方向が,私は大事なのかなと今こう思ったんですよ,先生。先生の本をこれから読ませてもらって,改めて勉強しますが。


◯米田参考人 私,おっしゃることが,部分的に理解できた範囲でお話させていただきたいと思いますが,やっぱりおっしゃったように,本当に短期的な経済至上主義で,社会基盤とかストックを考えること自身がまったく間違っていまして,社会基盤というのは,初期投資だけで考えるものじゃなくて,ロングライフでいいものをちゃんとつくれば,長持ちして安上がりなわけですから,やはりライフサイクルで考えて,何が1番最適かということを本当は考えなきゃいけないのに,単年度主義で,ちょっとでも安くなればよくなったみたいなこと言うんですが,結局は安物買いの銭失いみたいなほど,こんな愚かな社会基盤づくりはないわけで,二,三十年たってだめになるようなものをつくって得をするわけはないわけです。私たちの世代が,こんなに飽食をしていながら,何も自分たちの子孫に対して残せない。私たちは,先代の人たちが営々と築いてきたものでこんなにいい生活をさせてもらっているのに,自分たちが全部いい思いをして,ちっとも後生に何も残さない。森林にしても,営々と築いてきた御先祖様たちに,このままじゃもう申しわけが立たないと私も思っておりまして,いわゆる経済至上主義というものですべてをはかるということ自身に,そもそも大きな錯誤があるのではないかと思っております。特に社会基盤はストックとしてのものですから,スットクとフローの経済が違うという,ごく当たり前のことをきちんと認識していただくことが,これから大事なのだろうと思っております。
 それで,実は,今度24日に,地方の実情に合った公共事業シンポジウムというのを開かせていただきまして,そこで私パネリストとして出るんですが,経済至上主義と思われるかもしれませんが,榊原英資先生がコーディネーターをされて,今経済をやっている方の中でも,今の六本木ヒルズ的なことだけで社会を動かすのはおかしいんじゃないかという動きも出ておりますので,そういう先生方と一緒になって,私も活動していきたいと思っております。


◯塚田委員 ほんと言えば,ちょっと話ずれちゃうと思うんですが,何でかと言うと,予算をこう見ても,例えば昔は戦中戦後,苦しくても子供はみんな育てたんですよ。今こんなに豊かになっても,少子化とかそういうものになっちゃって,そういうところに予算使うようになっちゃったんですね。私はそういう根幹から直す必要が日本はあるのかなと思うんですよ,先生。


◯川津委員長 塚田委員。テーマに沿ってですね,できれば絞って発言をまとめといていただければ,ありがたいです。


◯塚田委員 そのテーマも,すべてそういうものから解消されるのかなと思いましたんで,すいません。委員長。


◯川津委員長 まとめの質問は塚田委員,よろしいですか。


◯塚田委員 ありがとうございました。


◯川津委員長 ほかに,ございますか。どうぞ,せっかくの機会ですから。
 黒部副委員長。


◯黒部委員 きょうは本当にありがとうございます。多大な御説明をしていただき,改めて参考になります。
 ここで,ちょっとお伺いしたいんですけれど,数々の今までの成功例とか,新しい進出分野の面で,先ほど説明を受けたわけでありますが,その中で,今後この建設業界,新分野進出していったり,後は合併とかになっていかなくちゃならないのか。それとも,この分野だけでも生き残れるのかというところは,どう思いますか。これをやり始めて,今の成功例,いろいろやっていらっしゃいますけど,失敗したところも実際あるのかどうか,わかる範囲でよろしければ,教えてほしいんですが。


◯米田参考人 まず,最初の御質問ですけれども,先ほど,これからの建設業の方向ということで申し上げましたけれども,建設業自身は4割減っておりますので,建設業界もそれに応じた形で縮小せざるを得ないであろうと思っております。その中で,本業強化で生き残る企業も,もちろん大変すばらしいと思います。あと専門分化して,専門工事を持ちながら,ある分野は専門工事として特徴を持ちながら,元請けもやるという形で生き残る道もございます。その3番目の道としてお話をしたのが,きょうでございまして,これがすべてではありません。もちろん本業で残る,専門工事業的に残る,もう一つ3番目,こういう地域に必要とされる企業に多角化して残るという道がございます。そこで残れる建設会社は,どのぐらいかというふうに言われましたら,市場の縮小に応じた規模だと思っております。もちろん多角化した分は,少しその分ふえるわけですが,その中の建設の割合ということなんですが,あと,どこまで縮小するかという問題が当然ございまして,これからの需給バランスをぜひ教えてくれという業界からのニーズが多いんですが,問題は,公共事業悪玉論にどうやって歯どめをかけるかということだと思っております。余りに一律的な悪玉論ですと,本当に必要なものまで,みんな一緒になって否定されてしまうと,自分たちが本当に必要なもの以上に削減されることだって起こり得ます。そうしたら,もう建設業は本当に持たないと,優良な技術者がそこで生きていけるような状況にならないと思っております。ですから,歯どめをかけつつ,もうふやすことはできないけれども,現状から少し下がったところで,何とか維持していただくように,みんなで必要なことは必要なんだと市民の方々に訴えつつ,その規模でやるということであれば,まあ言ってみれば半減ということにはなってしまうわけですけれども,そのぐらいで生きていかざるを得ないんだろう。ただ問題は,雇用のバッファーとして,これまで建設業というのは,それこそ,ほかでも行けない方も,建設業に来れば,何とか一生懸命汗水たらせば,食べて来られたわけです。その方々をどうするかという問題があるわけです。そこで一つ考えておりますのが,実は農林水産業をもう一度本腰を入れて,もっと企業的に復活できないかということに,私は最後の望みをかけて今頑張っているわけです。というのが,もともとみんな農民だったわけです,日本の8割は。農業はもちろん,技術的に非常に難しい産業でございますが,作業的な部分も多いわけです。それを新しい企業経営で復活させながら,そこで雇用を吸収しながら,建設業は建設業で適正規模になって,ダンピングに陥ることなく,きちんとしたもの,いいものをつくり続けて,若者も育てられるような業界に何とかしたいという,その一念で,今こういうことをやっているわけでございます。答えになったかどうか,ちょっとわからないんですけれども。ほんとに過疎の進む地域は,製造業に来てくれと言って来ていただけるような地域はもう来ております。来ない地域が建設依存をしているわけで,そこではもう一回農業・林業を復活させるということが,すごく地道ではあるけれども,ほんとに大事なことなんじゃないかなと思っております。


◯黒部委員 ありがとうございます。(「もう一点は。失敗した例。」と呼ぶ者あり)


◯米田参考人 失敗した例でございますけれども,先ほどリサイクルのときに,なぜあの3つで転がったかということを,失敗した理由として申し上げました。リサイクル関係は,いいものをつくられても販路ができない。規制強化についていけないということで,いろいろ出ております。ただ,本当は一番多いのは,うまくいきかけているのに,本業が予想以上に急速に悪化したために,追加融資が受けられなくてだめになる企業が多うございます。変な話ですけど,北海道で遠別の北浜建設さんていうのが,有機でカボチャをつくり始めて,最初は脚光を浴びたんですが,あそこは倒産いたしました。なぜかというと,本業の悪化がとてもひどかったわけでございます。今,そこは何しているかいうと,やっぱりカボチャをつくっております。土地はあるわけで,人はいるわけで,生きていかなきゃいけないわけですから,カボチャをつくっておられますので,そういった意味では,農業に行っていてよかったのかなというような感じもしております。最後,やはり食べるものがなくならないということもございまして,今,みんなすごい大変です。本業が悪化する中で,新事業がうまくいくには二,三年かかるわけですよね。3年前にスタートしたらまだいいんですけど,去年とかおととしぐらいからスタートした人は,業績がどんどん悪化する中で新分野がやっと伸びたところで,今瀬戸際に立っていまして,今が正念場で,伸びるか下がるかという岐路に立たされている企業が一番多うございますので,今こそ公的支援を,特に融資を心からお願いしたいと思います。


◯黒部委員 ありがとうございます。わたしも新分野進出,あと合併の話の今後の進め方について,前に土木部の方から御説明を受けて,そのアンケートで,現状維持が多かった。あとは,興味があるけど,やっぱり今のままがいいと。新しく進出すると,農業にしても森林の間伐にしても,今まで土木業をやっていたのに,新しく農業への転換となると,今の現状を維持するのがやっとなのに,新しく進出するというのは,どの方でも怖いというイメージがあると思うんです。こうやって成功なされば地域の貢献にもなりますし,町おこしにもなると思うんですけども,そこをどうしていくかが,私たち行政もこうしてバックアップ,あとは,そういう相談室などを求めて地域と連携していかなくちゃならないと思うんですけれど,そこをどのように導いていかなければならないのかを,これから考えていかなくちゃならない。先生はもう,急いでやらないとおそいというお話がありましたので,私たちも,今後対応して,それにこたえられるように進めていきたいと思います。これからも御指導よろしくお願いいたします。


◯米田参考人 お願いしたいのは,建設からよそに行くというだけではなくて,例えば農業の方は,今規制緩和とともに,農政部の方から企業参入促進策を打ち出しておりまして,担い手担当の方が,農業においで,ということで,いろいろやっておられます。そういうふうに,行きたいんだけどどうしたらいいんだろうかというよりも,例えば農業が高齢化で担い手がいなければ,農業の方から積極的に,どうぞこちらにというふうな温かいお言葉をかけていただくとか,そういうことも,土木部だけが一生懸命頑張っても,なかなかうまくいきませんので,環境の方でも,農業の方でも,こういうことで育てたいということであれば,そちらの部署の方からも,ぜひ積極的な御支援をいただきたいと思っております。


◯川津委員長 ほかにございますか。──荻津委員。


◯荻津委員 御説明ありがとうございます。今の黒部副委員長とちょっと関連するかと思うんですが,建設業界というのは保守的な感覚でありますので,1社だけで建設業から農業に職を変えるというのには若干抵抗があるかと思うんです。具体的な行動として,各市町村に組合なり協議会なり,そうした団体組織があると思うんです。まあ,みんなでやれば怖くない式に,行政の何らかのバックアップで,そうした組合施行と申しますか,そうしたことで気づき,きっかけを,そうした方法をとって,その中から1社でも2社でも多角化経営に持っていける会社が出れば,幸いという方法はいかがでしょうか。


◯米田参考人 おっしゃるとおりでございまして,やはり勇気が要ります。大変です。先代からの番頭さんとかいろいろ抱えている中で,大体2代目の方が異業種に進出していかれるんですけれど,社内での抵抗も大きい。俺たちは今までずっと建設でやってきたんだから,今さら農業ができるかというような社内の抵抗が大きいのも事実でございます。ですから,組合として何とかやっていこうというような動きも,各地で今出ております。例えば,先ほど申し上げましたように,北海道の三石では,三石の建設会社がみんな集まってお掃除会社をつくられて,修繕付お掃除で売り出されておりますし,農業に関しましては,鹿児島県では,何と今,コガネセンガンを40社つくっております。ところが,ちょっと問題がありまして,つくり過ぎてことしの春,とうとうコガネセンガンが品余りになったという恐ろしい話が飛び込んできて,あんまり同じ作物をみんな一緒に行くと,こういうことも起きてしまうのかというようなことも,また別の意味で問題が出ているわけでございます。やっぱりみんなで知恵を出し合いながら,出て行こうよというような,特に組合ですね。そういった動きは,全国的に出ております。ただ,先ほどから,黒部副委員長の方からもありましたけれども,恐らく行政として一番問題なのは,何もしないでいれば,何とか昔が戻って来るんじゃないかなと思っているサイレント・マジョリティーが,一番多いのは現実でございます。頑張れる方は,別に行政が何を言わなくても頑張るというのも事実でございます。でも,少しでも地域の雇用のことを考えて,建設業のためにというよりも,地域の雇用のために,地域の経済のためにという視点から,特に商工労働的な視点に立たれますと,雇用創出というのはもう待ったなしでございますから,そういう意味で,何も経営者をお助けするというよりも,その地域の雇用をどうやって新しいものを生み出すかという中に,一つの建設業の新分野展開もあるというふうにお考えいただきまして,総合的な地域振興政策の中で,いろんな手立てを打っていただければというふうに思っております。


◯荻津委員 私の地元は,農業が基幹産業の町でありまして,どなたに話を聞いても,農業が厳しいというようなお話を聞いております。そこへ新たに建設業が,企業化した農業が参画するとなると,ますます個人農業者は厳しくなっていくような気がしますが,その辺はいかがでしょうか。


◯米田参考人 まず,一番の根本は,もしその町の農業がとても健全であれば,大変すばらしいと思います。それでいいと思います。ただ,多くの場合,農家は高齢化しております。特に過疎の地域なんかですと,ほんと集落営農の中核農家が高齢化して,集落営農ができないというような中で,建設業と農業がタイアップして何ができるかなというような動きでございます。絶対的な担い手不足というのが,今全国的に広まりつつありまして,茨城県というのは,関東に近うございますし,そういう意味でいくと,農業の成功した先進県であると思います。そういった中で,十分に成功されて,十分に後進もおられてということで,何も建設会社の方にどうぞという必要は,そういう町にとっては,少ないかもしれません。ただ,そういうところばかりではなくて,むしろ本当に担い手不足,過疎になって,ここで住む方がいない,若者がいないというような地域におきましては,建設会社の余った力を活用しながら農村をおこしていくという方向も大事ではないかと思っております。それは,すべて地域地域で違います。ですから,一律に全部これが正しいなんてことは一切申し上げません。その地域で必要ならば,建設と農業で手を組んで,北海道は建設業協会と農協が手を組んで,一緒に農業コントラクタを始めたりとかやっておりますので,そういった形も含めてのお話でございます。この村では要らないのであれば,要らないという。それから,あと建設会社の方にるるお願いしていますのは,後輩として,後ろから出て行く人間として,先輩である農業者の方々のいろんな水の決まりとか,そういうのを守りながら,頭を低くして出ていくということを,必ず私は講習会の席で申し上げております。というのが,そういった村には村の,今までの歴史に基づくやり方があるわけでございますので,それを大事にしながら行くようにということは,それはもう大前提でやらせていただいております。


◯荻津委員 詳細については,本を購入して勉強させていただきます。ありがとうございました。


◯川津委員長 川口(浩)委員。


◯川口(浩)委員 いろんな話が聞けて,大変おもしろいんですけど。先生は,この業界にずっぽりつかっているわけじゃなくて,外から入られてきて,こういう活動をされていると思うんです。この土木委員会に来てから,ずっと話を聞いていて,思ったことがあるんですけれど,結局公共事業とかそういうのに参加するためにランク付けを受けて,それを維持するのにもう必死になっちゃうわけですよ。ところが,そのパイとしては年々減ってきているわけで,本来ならば何回も言われているように,当然自然淘汰されていくわけなんですよ。いみじくも先生がおっしゃられたように,こうやってじっとしていれば,そのうちまたもとに戻るんじゃないかという期待感だけで,恐らくここから僕は,今のままじゃ脱却はできっこないなと思っているんです。この戦後の歴史からずっと見てきて,例えば今,私は県南の取手市というところにいるんですが,そこは駅周辺の再開発を30年ぐらいずっと計画して,いまだに遅々として進まないんですよ。そういう場合に,建設業者,いろんな業態がありますけど,いわゆる営業活動というのは,土木事務所とかそういうところに行って,公共事業ください,ください,ください,それだけでしょう。どうして,ここにこういう土地がある。ここにこういう条件がある。私たちはこういう技術力を持っている。こういうのをつくって,こういうふうにすれば,地域のためにこれだけの効果があるというような,そっちの方向へ進むことができなかったのかを,ちょっと先生の御意見をお聞きしたい。


◯米田参考人 それをまさにやりましょうということを,PFIのときに申し上げているわけでございます。今川口(浩)委員がおっしゃったとおりなんですよ。それを何でやらなかったんでしょうね。これからは,それをやることによって,地域とともに活性化していくことが,すごく大事になってくると思います。それも,そこに住んでいる方ならではの,例えば,その地域の文化や歴史や伝統を踏まえた上での開発というのが,それこそ,先ほど塚田委員がおっしゃったように,分権というのはそういうことだと思うんですけど。それを生かした形の再開発というのも大事になってくると思いますので,それを民間ベースでやるように,ぜひ先生方を含め,県の方を含め,言われたことをやるより,絶対自分が考えたことをやる方がおもしろいわけですから,そういう方向に向かって動かしていけたらと思いますので,ぜひ御指導よろしくお願いいたします。


◯川口(浩)委員 私は,本業は歯科医師というのをずっとやっていたんですね。僕らの場合は,これはだれが計算したかは知らないんですけど,昔から言われているのは,人口2千人に1人いれば,ぎりぎり食っていけるだろうということが言われていたんです。25年やっていて,その間の流れをずっと見ていくと,確かにそのとおりで,それが2千人を切ると,お互いに相手を刺し合ったりとか,そういう露骨なことをして来るわけなんですよ。ただ,これから新規参入というか,新しく卒業してくる人はどんどんどんどん入ってきますから,そのキャパシティーラインは,当然割り込んでくるわけです。そうすると何が起こったかというと,私どもの業界では,免許証をもらいながら歯医者にならない人間というのが出てくるわけですよ。そういうのを考えていくと,本来ならば,数が減ってないといけないのが,これがずっとこのまんまいくと,結局食いっぱぐれていく人間というのが出てくるわけでしょう。だけど,事,雇用の問題に関して言えば,実は条件さえつけなければ,仕事はなんぼでもあるんですよ,現状で。ただ,みんな選り好みするから,職がない,職がないって言っているだけの話なんで,こういうことをやりたいから,ちょっと行政の方で財政的に支援をしてくれとか,あんまりそっちの方向へ行かない方がいいんじゃないかなと,個人的には思っているんですけど,その辺はいかがなんでしょうか。


◯米田参考人 それは,地域性によって違うと思います。例えば,私,茨城県が詳しいわけではないんですけど,県北でも選り好みをしなければ,何でも職業がありますか。


◯川口(浩)委員 僕は,人が大勢いるところしか知らないんで,過疎地の実態というのはよく知らないんですけど,本来今の構造改革の流れからいくと,だれがどう考えても,過疎と集中という運命にならざるを得ないわけですよ。そうすると,1番僕が疑問に思っているのは,こういうことを言ったら怒られるかもしれないけど,茨城県って道路延長がよく全国第2位,全国第2位ということでしょう。ということは,僕の感覚からすれば,人がいないところに何で道路つくっているのというふうに思っちゃうわけですよ。だけど,バラバラに集落が転々としているから,そこは当然最低限のインフラとしてつないでいっていかないと,生活ができないわけですよ。その辺を切り捨てていこうというのが,どうも今の霞ヶ関の皆さんの考えだというふうな前提に立っていけば,結局産業のないところには人は住まなくていいというふうになっていっちゃうわけです。ところが,国土の保全とかそういうふうに考えていくと,余った人材というのは,ごく必然的に第一次産業へ戻っていくような気はするのね。だから,余計なことと言うと怒られちゃうのかもしれないけど,あんまり親切心を持ち出して,こうしなさい,こうしなさいというよりも,自分たちで自助努力をしなさいというふうにした方がいいような気はしているんですよ。


◯米田参考人 まず,一つ誤解されているのは,自助努力が原則です。県の土木部の方も,自助努力が原則で,それに対して側面支援をするということを言っておられます。ですから,こちらに行きなさいというようなことを言っているわけではありません。ここに行かれて,こういうふうに成功された方がいらっしゃいますよという,情報提供をしております。ですから,あくまで自助努力です。
 それから,人のたくさん住んでおられる地域の方と,中山間の方では,やはりこの問題に対する深刻さが違うと思います。仕事があるのであれば,私は建設業の新分野進出は必要ないと思います。本当に建設業が主要産業で,それがなくなっていくと,地域そのものの経済がなかなか苦しくなるというようなところにおいて,これだけの数年間で,3分の1の市場が失われるというのは,これは激変です。こんな激変に対して,しかも発注官庁である県というのがありまして,これは後ろにたくさんおられるんですけども,今まで国の施策としてもあってふえてきたものを,一気に減らしていく中で,発注者としても,これだけ減らす限りは,側面であるにせよ,できる限りの支援をさせていただくということが,一つ合理性のあることではないかなというふうに思います。そのぐらい,この市場の縮小というのは,今厳しいんです。
 それから,過疎地でございますけれども,過疎地がこれから選択と集中になる,それはわかります。もちろん人の住む地域は,ある程度限定せざるを得ないだろう,それは仕方がない。だけど,じゃ残りのところは放っといていいのか。放っとくと国土が荒れて,耕作放棄がふえて,山が荒れると。結局それは,日本の国が荒れるんです。雨が降ると洪水が起こってというようなことになりまして,食料危機になって,いざ外国から食料が来なくなったら,みんなで飢えるんです。というようなことまで含めると,少子高齢化の時代の中にあって,ある程度集住空間は限定されざるを得ない。では,自然共生地域をどうやって守るかということですけど,私は一つの答えは,通い林業,通い農業だと思っております。必然的に,川口(浩)委員がおっしゃったように,第一次産業に戻るからと言うけども,そのためには作業林道,作業農道とか,それなりの社会基盤も要るわけでございまして,そういうのを政策的に整えながら,人口減の時代に備えるということも大事なことではないかと思います。ただ,放っといたらいいという問題では,私はないと思います。


◯川口(浩)委員 実は,僕も去年の一般質問で,ダムはつくらなくていいという話をしたときに,何が一番大事だと言ったら,公共事業の考えの中に国土保全という考え方を持って,山を守るとか,環境を守る,自然を守るという方にお金を使っていくべきじゃないのかということを言ったんですよ。結局,土木部の管轄である公共事業だけでやっていても限界があると思うんで,さっき先生がおっしゃられたように,国土を保全するということで,今は農林水産省ですか,そういうところ,そういうよその省庁,よその部局ともトータルに考えていかないと,特に過疎地の問題というのはなかなか解決しないと思うんですよ。例えば外国なんかだと森林保安官とか,森林警備隊とか,そういうのがありますよね。だけど日本では,あんまり僕聞いたことないんですよ。そういうものもやっぱり必要になっていくだろうし,その辺が一つの,新しい国づくりと言ったら大げさですけど,そういうかぎになってくるのかなという思いはしています。その辺は,先生もそういうふうにお考えなんでしょうか。


◯米田参考人 全く同感でございます。ぜひ先生方,頑張ってください。土木部の方も,私懇話会で御一緒させていただいて,全庁的な取り組みとして,今川口(浩)委員がおっしゃったような方向で,各部局の壁を越えてみんなで連携して頑張っていこうよということになっておりますので,ぜひバックアップをよろしくお願いします。


◯川津委員長 予定の時間が参りましたが,せっかくの機会です。建設業振興懇話会委員として,茨城県建設業活性化指針の作成に当たっていただいた米田先生でございますので,執行部の方で,何か最後に御意見等がありましたら,伺いたいと思いますが,いかがですか。
 三浦部長どうですか。せっかくの機会ですから,ございませんか。
 三浦土木部長


◯三浦土木部長 先生,きょうは大変貴重なお話をありがとうございました。実は私は,きょうで2回目でございまして,前回,建設業界向けのセミナーでお話をお聞きしましたが,きょう改めてお話をお聞きしてみて,やはり時代が目まぐるしく変っている中で,新分野への進出というのも,前は例えば,介護とかいった分野に進出していたのが,ここ3年ぐらいでもう見通しが暗くなってしまうというようなことがあって,時代の先を見きわめながらやっていくというのが,随分難しいもんなんだろうなというのが,改めて感じたところです。きょうは,農業の話を特に時間を割いていただいてお話を受けて,農業はこれから新分野だというような印象も持ちましたが,これを茨城県でどうやって適応していくのかということについては,さっき先生がおっしゃった地域の固有の事情というのを踏まえてやらなくちゃいけないということで,すぐ茨城で実践できるかどうかというのは,より慎重に業界のみなさんとも話し合いながらやっていかなくちゃいけないんではないかというふうに思います。私どもとしては,全国で取り組まれている例とかいうものを,より広く情報提供して,さっきお話ありましたように,業界自身の自主努力,これをサポートしていくということが大事なんじゃないかというふうに思っていまして,また先生のお力をかりて,なるべくわかりやすく業界にいろんな情報を提供できるように,頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。


◯川津委員長 それでは,以上で,建設業の新分野進出についての意見聴取を終了いたします。
 米田さんには,貴重なお話をありがとうございました。
 本日,お話いただいたことにつきましては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。どうもありがとうございました。
 以上で,本日の委員会を閉会いたします。長時間御苦労さまでした。
                午後2時36分閉会