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平成17年土木常任委員会  本文




2005.05.26 : 平成17年土木常任委員会  本文


                午前10時31分開議
◯川津委員長 ただいまから,土木委員会を開会いたします。
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◯川津委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。
 荻津委員と塚田委員にお願いをいたします。
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◯川津委員長 次に,本日の審査日程について申し上げます。
 本日の委員会は,「建設業の活性化策」について審査を行うことになっております。
 午前は,執行部から説明聴取を行い,午後は,お二人の参考人をお招きし意見聴取を行います。
 なお,本日の執行部の出席説明者は,部長,次長のほか,議題に関係する課長に限って出席を求めておりますので,あらかじめ御了承願います。
 それでは,これより議事に入ります。
 本日は,「建設業の活性化策」について議題といたします。
 土木部では,ことし3月に「茨城県建設業活性化指針」を定めておりますので,執行部からその内容等について説明聴取を行います。
 それでは,これより執行部の説明を求めます。
 初めに,三浦土木部長。


◯三浦土木部長 本日は第1回目でございますので,先ほど委員長からもお話がありましたとおり,建設業の活性化策につきまして関連することといたしまして,昨年度私ども土木部が策定した建設業活性化指針等について,執行部の方から御説明を申し上げたいと思っております。
 初めに,私の方から昨今の建設業を取り巻きます諸情勢につきまして,簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 まず最初に,建設投資についてでございますけれども,既に御案内のとおり,バブル崩壊後,本県のみならず全国的に建設投資は減少傾向で推移をしております。とりわけ平成9年度以降は,その傾向は顕著となっておりまして,数字で申し上げますと,民間・公共を合わせました建設投資の総額は,国におきましては,平成4年度の84兆円をピークといたしまして,平成8年度までおおむね80兆円で推移をしておりましたけれども,平成9年度には75兆円になりまして,平成15年度には約55兆円まで減少しているといった状況にあります。
 本県の状況を申し上げますと,平成5年度がピークでございまして,約2兆 3,000億円でございましたが,これが平成15年度には約1兆 3,000億円と,6割まで減少しているといった状況にございます。この間,民間投資が一貫して減少しておりまして,公共投資につきましては,平成7年度以降,おおむね 6,000億円台で緩やかに減少しているといった状況にあります。
 こうした状況の中で一方,建設業の許可業者数でございますけれども,全国的に見ましても横ばいでございます。本県の場合には,約1万 4,000者前後で推移をしておりまして,建設投資が減少する中で,全体として供給過剰構造になっているのではないかといったような指摘がされているところでございます。
 このような建設業を取り巻く厳しい状況を受けまして,国土交通省では,平成14年12月に建設業の再生に向けた基本指針というものを策定いたしております。その中では,ゼネコンなどの大手の建設業者につきましては,市場を通じた淘汰による過剰供給構造の是正,企業努力による経営基盤の強化,経営の効率化を通じた足腰の強い建設の育成を図るという方針が示されております。また,地域の中小・中堅建設業につきましても,今後,淘汰・再編が避けられないとの見通しを示した上で,その再生の取り組みに当たっては,不良・不適格業者排除の徹底,経営革新の推進,企業間連携の促進,事業再生支援,セーフティネット整備等々を図る必要があるという基本方針が示されております。
 こうした状況の中で本県におきましては,平成15年度に,県議会に産業活性化調査特別委員会が設置をされ,本県産業の活性化を図るための審議がなされたわけでございます。これを受けまして平成16年4月1日には,茨城県産業活性化推進条例が施行されております。
 この条例の中では,中小企業の経営革新や新たな事業創出の促進,雇用の確保が基本方針等に示されておりますが,その中には建設業も含まれておりまして,中小企業として経営革新の推進,資金供給の円滑化,再生支援の対象ということにされております。
 また,県は,工事の発注等に関する中小企業者の受注機会の増大,その他必要な施策を講ずるということで条項が盛り込まれたところでございます。
 皆様のお手元にございます建設業活性化指針は,以上のような動きと経緯を踏まえまして,昨年度5名の有識者の方々から成る懇話会を設置いたしまして,その意見を参考にして取りまとめたものでございます。
 建設業の育成あるいは活性化に関する行政のスタンスといたしましては,技術と経営にすぐれた優良な業者が伸びられる透明で競争的な市場環境を整備することを基本といたしております。
 指針におきましては,このために行政としても,建設業者の自助努力を原則としつつ,経営革新の推進や事業再編,新分野進出を図ろうとする意欲的な建設業者に対して支援を行うこと,それから,健全な市場環境の整備や品質確保を重視した公共調達の導入を進めることという方針を明示いたしておりまして,これにより計画的な施策の推進や業界自身による変革に向けた機運醸成を促し,県内建設業の活性化を図るという方向づけを行っております。
 以上,活性化指針の策定に至ります前段のお話を中心に申し上げましたが,本日は,このほかに指針を踏まえ,今年度実施することとしております建設業活性化のための支援措置等の概要,それから平成15年度に監理課が行いましたアンケートを取りまとめておりますが,建設業者の意識調査の概要も資料としてお配りをさせていただいております。
 詳細につきましては,この後監理課長の方から御説明を申し上げますが,県といたしましても建設業の活性化に向け,さらに何ができるのか,当委員会の御議論を踏まえ,検討を進めてまいりたいと思っておりますので,御審議のほどよろしくお願い申し上げます。


◯川津委員長 次に,小野寺監理課長


◯小野寺監理課長 それでは私の方からは,お手元の資料に基づきまして,3点御説明させていただきます。
 まず,1点目ですが,資料 No.1という資料です。建設業活性化指針をお開きいただきたいと存じます。
 表紙をめくっていただきますと,まず「まえがき」になりますが,ここでは指針策定の趣旨,背景といったことを書いてございます。ごくかいつまんで申し上げますと,建設業が社会資本整備の担い手といたしまして,県民生活にとってなくてはならない存在であるという認識に立ちまして,今日の公共投資の大幅減で供給過剰構造によります建設業について,その活性化に向けた今後のあり方を取りまとめるというものでございます。
 今部長からもございましたように,この策定に当たりましては,有識者から成ります懇話会を設置し,意見をいただいたところでございますが,その懇話会の委員のメンバー,あるいは検討経過につきましては,この冊子の一番後ろ,35ページになりますが,そちらに記載してございますので,御参照いただきたいと存じます。
 おめくりいただきまして,目次がございますが,ごらんいただきますようにこの指針は,3章立ての構成となってございます。
 まず1ページからですが,1章の本県建設業の現状と課題からでございます。
 県内建設業の直面する現状ということで,今部長の方からも御説明申し上げましたが,端的に申し上げますと,仕事の方は半減しましたが,業者数は減らないと,横ばい状態ということでございます。その辺につきまして,このグラフをごらんいただきたいと思います。この棒グラフの部分が,建設投資額でございまして,上の黄色部分が民間投資,下のブルーの部分が公共投資でございます。また,上の方のブルーの折れ線グラフですが,これは県内許可業者数の推移でございます。ごらんいただきたいと思いますが,まず県内建設投資額は,1993年度,平成5年度をピークにいたしまして,2003年度,平成15年度と比べますと,約4割強減少しております。一方でこの間の許可業者数は,ここ数年若干減少傾向にありますものの,依然として1万 4,000者前後で推移しているということで,供給過剰構造になっているという状況でございます。
 おめくりいただきまして,2ページをお開き願いたいと思います。
 県内建設業の特徴と課題でございます。建設業にはほかの産業にはないいろんな特質があるわけでございますが,ここでは建設業一般と茨城県内の建設業という2つの観点からまとめてございます。
 まず,建設業一般的な特徴と課題ですが,何と言いましても,公共投資に経営を左右されやすい業界であるということでございまして,これまではこのことが事業の安定化要因となっていたわけですけれども,今後は,縮小する市場の中で真に生き残れる競争力を身につけることが課題になっておるところでございます。
 それからbとcに書いてございますように,注文があって初めて仕事が始まる受注産業であること,あるいは多くの人手を必要とする業界であることから,特にその技術者ですとか労働者といった人の管理面で難しさを抱えている産業であるということが言えると思います。
 それから3ページになりますが,元請・下請関係という特殊な関係がございまして,とかく不平等な関係を生じやすい業界であること。また,最後になりますけれど,地域密着型の産業でありますことから,市場が地域的・地縁的になりがちな産業であるというような特徴があるかと思います。
 おめくりいただきまして,4ページをお開き願いたいと思います。
 2番目は,県内の建設業に見られる特徴と課題ということでございます。この点では,県内の建設業者,全国に比べましても小規模事業者が中心となっております。10人未満の事業所83.2%というウェートを占めております。全国平均が77.8%ですので,それに比べましても5ポイント以上小規模事業所の数が多くなっております。今後は,安定した経営基盤を確立するための企業再建といった規模の利益を追求することも一つの選択肢になり得ると考えております。
 また,ここには記載してございませんけれど,県内の特徴のもう一つといたしまして,県内の全産業に占める建設業の割合が,事業所数,従業者数あるいは生産額,どれをとりましても,全国平均に比べ,また近隣の県に比べまして高い比率になっております。県内の中では非常に重要な産業であるということが言えると思います。
 それからbとcですが,こちらは建設業を取り巻くメリットという部分でございまして,つくばの知的資源を活用できるベースがあるということとか,あるいは首都圏に近くて立地条件に恵まれているという状況があるわけですが,この点でもなかなかこのメリットあるいは恩恵に十分浴しているとは,現状では言えないのではないかということが課題になってくるかと思います。
 それから,一口に県内と申し上げても,地域ごとに大変状況が異なっておりまして,人口減少と高齢化の進行が進む県北地区と,あるいは首都圏に近い県南地区では,それぞれ取り組むべき課題も大きく違ってきているということでございます。
 5ページですが,県内建設業を取り巻く環境変化ということで,ここでは建設業の将来に大きな影響を及ぼすと考えられます社会環境の変化について,4点ほど挙げてございます。
 第1点目は,人口減少社会の到来ということでございます。これはすべての産業にかかわってくることでございますが,特に建設業への影響ということでいいますと,やはり公共投資の減少・縮小といったことが予想されるところでございます。
 6ページをお開き願いたいと思います。
 2点目は,建設投資の伸びは今後も望めないという状況でございます。先週も財務省の方から2006年度の国の予算について,公共投資関係経費を7年連続で縮減する方針を固めたというようなニュースが出されておりますが,下に財団法人の建設経済研究所の試算を表として挙げてございますけれども,これを見ていただきましても,成長率の取り方で若干差はあるわけですが,総じて縮減の方向で推移するという予測になってございます。
 次に7ページ3)で,市町村合併がどのような影響を及ぼすかということですけれども,合併につきましては,一時的に見れば,合併特例債を使った社会資本投資が見込まれるといったメリットがございますものの,長期的に見ますと,合併そのもののねらいが行財政基盤の強化であるということからも,合併後の市町村に,これまで以上の発注を期待することはできないものと考えられております。
 次に8ページ,最後の4点目ですが,県内の公共投資は減少傾向にあるということでございまして,下のグラフをごらんいただきたいと思います。県内の地区別の公共投資の傾向を見るために,土木事務所及びその管内市町村が行った建設投資の合計額を示したグラフでございます。棒グラフが5つございますが,これは地域ごとの建設投資額でございまして,その上にございます折れ線グラフ,右肩下がりになっていますが,こちらが5つの地区の合計額という表示になってございます。平成10年度で5地区合計約 3,500億円建設投資額がございましたが,2002年度,平成14年度には 2,300億円余まで減少しておりまして,特に県北地区の減少が顕著となっております。
 以上が,第1章の本県建設業の現状と課題でございます。
 続きまして9ページ,第2章になりますが,本県建設業が目指すべき方向について御説明を申し上げます。この点につきましては,先ほど部長から説明いたしましたように,国の方で平成14年度建設業再生に向けた基本指針ということを定めておりまして,さまざまな方向を示しております。
 本章では,こういった国の考え方も踏まえまして,一つは建設業界に求められます3つの変革。それから2点目は,個々の建設業者が目指すべき3つの方向という形で,2つの観点から方向性を示しております。
 10ページをお開き願いたいと思います。
 まず第1点目,建設業界に求められる変革ということでございますが,10ページの1),2)に記載してございますとおり,建設業が我が国の発展に果たしてまいりました役割,あるいは近年の財政悪化の中で,建設業を取り巻く厳しい状況などを踏まえた上で,業界全体が今後目指すべき基本的な3つの方向を提言しております。
 11ページの表に3点記載してございますが,まず第1点は建設業の産業あるいは職業としての魅力を高めるということでございまして,最近は公共事業不要論ですとか,あるいは談合,不祥事といった批判の形で,とかく公共事業あるいは業界についてはネガティブな面のみ強調されがちでありますが,公共事業はもともと社会資本の整備といたしまして,必要不可欠なものでありまして,建設業はその重要な役割を担っているということから,業界といたしましても,こういったことを広くアピールいたしまして,建設業全体のイメージアップ,レベルアップにつなげる取り組みが必要となってくるということでございます。
 2点目は,適切な競争体質を構築するということで,今日本社会全体が分配型の共同社会から競争社会へと変化しつつある中で,建設業界につきましても,適切な業界の競争体質の構築につきまして,業界としてできることを対策として講じるべきであるということを提言してございます。
 3つ目は,変化する社会経済・社会情勢に対応した新しい建設モデルを構築することということで,少子高齢化社会が本格化する中で,公共調達といった面におきましても,時代の変化に機敏に対応した新しい建設業モデルを構築することが必要となってくることということでございます。
 次に12ページをお開き願いたいと思います。
 2点目は,個々の建設業者が目指すべき3つの方向ということをまとめてございます。まず第1は,これまでどおり自社の枠の中で本業である建設業の強化を図っていくという方向。それから第2は,自社の枠を超えて他社との合併,協業等により建設業の強化を図る方向。さらに第3には,新たな収益源として新分野に進出を目指す方向。この3つの方向を示してございます。
 13ページからでございますが,まず第1の方向といたしまして,自社経営の一層の強化という方向でございます。ここではまず,技術力・経営力の強化を挙げてございます。この厳しい競争の中で,建設業者が本来業務の事業を強化し生き残っていくためには,まずは現場の施工品質を確保する技術力の一層の強化が基本であるわけですが,あわせまして仕入れ管理ですとか,下請管理といった経営管理の合理化あるいは強化が求められているところでございます。
 おめくりいただきまして14ページですが,14ページは今の件について,振興懇話会の委員から出た意見を抜粋的にまとめたものでございます。後ほどごらんいただきたいと思います。
 次に15ページ,自社経営の強化に必要な要素の2点目ですが,企画・提案力の強化ということを言ってございます。建設業者につきましては,受注産業という枠の中で,とかく待ちの体質が強いと言われておりますけれども,このページの中ほどに書いてございますように,最近では,国の方で進めます地域再生プランといったものなど,地域のために必要な事業を民間の企業が提案するという仕組みもできつつございますし,ことしの4月からは,公共工事の品質確保の促進に関する法律,いわゆる品確法が施行されておりまして,この法律では,入札契約において業者から技術提案を求めるということになっております。こうしたことから,このような新しい需要にも的確に対応できるような企画・提案力を強化する必要があるということでございます。
 次に16ページは,ただいまの点についての懇話会委員からの意見の抜粋でございますので,後ほどごらんいただきたいと思います。
 17ページになりますが,2つ目の方向といたしまして,連携・統合による経営強化でございます。競合が激しくなっております現在の経営環境の中では,これまでの枠にとらわれない新しい経営戦略の選択も必要になってくるものと思われます。その選択肢といたしまして,経営資源の統合により経営基盤の強化を図る企業合併,あるいは同業他社との統合化を目指す企業連携といった方策があるわけであります。
 まず1)といたしまして,企業合併等の選択でございます。建設業界はもともと家業意識が強いと言われておりまして,また,規模の利益がなかなか働きにくい分野であるということから,合併は難しいというふうに言われておりますが,例えば土木工事と建築等,得意分野の異なる企業同士の合併,あるいは営業エリアの異なる企業同士の合併ですとか,合併でもさまざまな形態がございますので,それらによっては,言われるような家業意識の払拭も可能ではないかと考えております。
 また,合併への取り組みにつきましては,17ページ下の方に書いてございますように,17・18年度の入札参加資格申請から合併後3年間に限りまして,経営事項審査点数,いわゆる客観点数ですが,この10%を加算して格付けるといった優遇措置を設けたところでございます。
 次に,おめくりいただきまして,2つ目は共同化・協業化の選択という項目でございます。県内の建設業者は,法律上はほぼすべてが中小企業者に該当するわけでございまして,種々中小企業に対する経営支援策がありますが,これらを活用できる立場にございます。ここでは協同組合と協業組合,2つを並べて記載してございますが,記載のとおりどちらも原則,中小企業者4名以上で組織し行政庁の設立許可を受けるということでできる組合でございます。違いは,協業組合の方が,建設業者個々に行っております事業の一部または全部を組合に集中協業化いたしまして,その協業化された事業に関しては,個々の建設業者はその事業を廃業するということが協同組合との大きな違いでございます。協同組合より合併に近い組織でございます。この協業組合につきましても,合併と同様の入札参加資格申請上の優遇措置を設けておりますので,この有効活用が期待されるところでございます。
 次に19ページの3つ目の方向ですが,3つ目は新たな収益源の確保ということでございます。建設需要の全体量が減少しております中で,売り上げの増加を図る観点からは,新分野・新市場の開拓といった形で,新たな収益源を確保することが重要な選択肢となってまいります。この新分野・新市場の中には,建設業の分野の中で,その環境変化に対応して生まれてくる分野と,非建設業の分野の中から,今後の市場ニーズ等で参入が期待される分野が考えられるところでございます。その具体例を20ページ以下に示してございます。
 まず,建設関連分野ということを申し上げますと,ここにございますように建設資材分野,あるいはbのリサイクル,さらには21ページになりますが,リフォーム,コンバージョンといった建設リユース分野,こういった分野が考えられるわけでございます。
 それぞれ四角で囲んだ事例を2つほど記載してございますが,これはそれぞれの分野で,全国的な観点から成功した事例を簡単に紹介しているものでございますので,後ほど参照していただきたいと思います。
 次に22ページ2)で,非建設業分野への進出ということで,どういうふうになるかということですが,一つは農林水産業へのチャレンジということで,本県は御案内のように全国有数の農業県でもありまして,首都圏マーケットにも近接するという強みを持っております。また最近では,株式会社の農業参入という規制緩和の観点からの動きもございまして,建設業にとって取り組む可能性が十分にある分野であると考えてございます。
 この事例の中で,事例7というのがございます。これは県内の業者の例でございますが,造園業をやっている業者が,ここにございますようにダチョウの飼育を始め,あわせてダチョウの放牧場を運営しているという事例でございます。
 それからbといたしまして,環境が今後注目される中で,環境あるいはリサイクル産業へのチャレンジということですが,ここでも事例の中で,事例9として県内の業者の例が載っております。この例は土地所有者に対し,土壌汚染に対する義務が新たに賦課されたことに着目いたしまして,それに関連します調査コンサルティングあるいはプラントの開発・販売を行っている事例でございます。
 次に23ページになりますが,今後の高齢化の進展で需要拡大が見込まれます介護・福祉産業へのチャレンジ,あるいはその他といたしましては,ITに関連する分野へのチャレンジといったことが考えられるところでございます。
 次に24ページをお開き願いたいと思います。
 第3章になりますが,行政が目指すべき方向でございます。この点で大きく2つの方向を出しておりまして,一つは本業の強化を目指したり,あるいは建設業以外の分野に進出しようとする意欲ある建設業の経営者を支援していくということ。それから2点目は,健全な市場環境の整備などを通じまして,業界による健全化・適正化に向けた自律的な動きの促進を図っていくこと。この2点でございます。
 まず第1の方向で,意欲ある建設業者の支援でございます。そのうちの1点目,本業強化を目指す建設業者への対応ということでございますが,下の表にaからfまで6点書いてございます。主なものを申し上げますと,まずaにございますように,入札時の業者選定基準などによりまして,技術あるいは経営にすぐれた建設業者への優先発注を進めること。あるいは入札参加資格において工事成績ですとか表彰といった,いわゆる技術力評点の割合を高めていくこと。さらにcにございますが,価格のみではなくて品質あるいは技術を総合的に評価するという観点から,入札制度の改善を進めること。さらにISOによる経営品質の向上ですとか,あるいは障害者雇用といった社会貢献等に努める建設企業を評価し支援することなどでございます。
 次に25ページは2)でございますが,企業連携あるいは新分野進出を図る建設業者への支援でございます。ここでもaからfまで6点記載してございますが,例えばaにございますように,先ほど申し上げましたように格付制度の中で合併,協業等への優遇措置を設けること。あるいはb・c・d,これはいずれも連携あるいは新分野進出への機運醸成を図る取り組みへの支援ということになりますが,専門家による相談機能の活用あるいは研修会の開催,さらには,きょうもお手元に配っておりますが,支援施策を体系化したガイドブックの作成,こういったことで支援してまいりたいと考えています。また,こういった支援は,土木部だけでは対応できませんので,県庁内の関係各課による連絡会を設けまして,全庁的な支援体制を確立してまいりたいと考えております。
 次に26ページでございます。
 大きな2つ目の方向ですけども,建設業の健全な発展に資する行政の推進ということで,まず一つは,健全な市場環境の整備ということでございます。
 aにございますように,建設業の役割・必要性を発注者の立場で県民に説明し理解を求めるということで,この点では,昨年度から土木部では情報発信大作戦という取り組みを行っております。これは,記者発表件数に一定の目標値を定めまして,積極的に部の事業をPRするということでございます。今後は,こういったことをさらに推進いたしまして,公共事業の必要性,ねらい,効果といったものを広くアピールし,公共事業不要論といったものを払拭していきたいと考えております。
 それから,その次のb・c・d,あるいは2つ飛びましてg,これらの項目につきましては,適正な競争が実現する環境づくりといった観点からの支援でございまして,談合情報への的確な対応,ダンピング防止の徹底あるいは不良不適格業者の排除,さらには法違反に対する厳格な処分,そういったことで対応してまいりたいと考えております。
 次に27ページ,最後になりますけれど,2つ目は公共工事発注への新たな視点の導入ということでございます。先ほども少し触れましたが,公共工事の品質確保の促進に関する法律,いわゆる品確法がことしの4月から施行されておりまして,今後はこれまで以上に品質を重視した公共工事の発注が求められてまいります。そういったことから,このa以下に記載してございますように,品質確保を重視した公共調達のあり方を調査研究すること。そして,その代表的な例でございます技術提案型の入札制度の拡充強化を図っていくこと,さらには,公共事業の一層のコスト縮減対策に努めますとともに,環境に配慮した公共事業の実施に努めていく等といったことで対応してまいりたいと考えております。
 以上が,建設業活性化指針の概要でございます。
 28ページ以降は,データをまとめた資料編でございますので,後ほど御参照いただきたいと思います。
 続きまして,お手元の資料の No.2になりますが,2枚とじの「建設業活性化のための支援措置等」というタイトルの資料をごらんいただきたいと存じます。
 こちらは,現在,県が取り組んでいる建設業の活性化に向けた支援措置の主なものにつきまして,4つの分野からまとめたものでございます。
 第1は,啓発・広報という分野でございますが,まずセミナー等の開催ということで,今説明申し上げました活性化指針に基づきまして,本年度新規に取り組むものでございます。活性化に向けた意識改革あるいは機運の醸成を図るということから,内容的には記載の4点の事業でございまして,経営革新や新分野進出に係るセミナー,講演会の実施あるいは相談窓口の開設,さらには支援ガイドブックの作成という内容でございます。
 2つ目は公共事業のイメージアップということで,ただいま申し上げました情報発信大作戦といった取り組みによりまして,さらに公共事業の必要性をアピールしてまいりたいと考えております。
 2つ目は,格付による支援措置ということでございます。一つは主観点数の加算,優遇措置ということで,格付につきましては,客観点数と主観点数の合計を総合点数基準としてランク付けをしておりまして,2年に1度この中身を見直してございます。今年度の見直しの中で,客観点数と主観点数の比率を従来おおむね9対1だったわけですが,それを8対2に見直しまして,県内業者を対象とする主観点数の加算措置を新設したところでございます。内容は5点ございまして,例えば障害者を雇用している場合,あるいはISO9001の認証を取得している場合,さらには建設業災害防止協会に加入している場合,こういった場合に加点をすること。さらに4・5ですが,企業連携によって経営基盤強化に取り組む業者を支援するという観点から,合併・営業譲渡,あるいは協業組合の設立の場合に,客観点数の一定割合を加算するという優遇措置を設けたところでございます。
 2つ目は合併,協業組合の設立に係る優遇措置ということで,一般的に合併,協業組合設立の場合には,受注機会が減少してしまうわけですけれども,これを減少しない特例措置を設けておりまして,合併あるいは組合設立後3年間につきましては,合併,組合設立前の構成メンバーが属していました直近下位の等級の工事にも参入できるということ。さらには合併,組合設立に伴って消滅する会社が所在しておりました地域の工事へも参入できるという措置を講じているところでございます。
 次に2ページをお開きいただきたいと思います。
 3番目は発注面での支援措置でございまして,公共事業の発注量が減少する中ではございますが,極力県内建設業者の受注機会を確保していこうということで,4点取り組んでございます。
 一つは,県内業者で施工可能な工事については,極力県内業者への発注を進めるということで,これにつきましては,下に参考といたしまして,県内業者への発注金額,件数の推移と,──これは土木部発注の工事でございますが,記載してございます。11年度から5年間書いてございますが,11年以前はおおむね65%程度で推移していたわけですが,12年度から70%台になり,その後14年度は若干減りましたが,15年度では76.9%と,4分の3以上は県内業者に発注している状況です。件数別で言いますと,括弧書きですが,92%ほどになってございます。
 上にお戻りいただきまして,2番目は,比較的大型の工事への参加機会が確保できる特定JVあるいは経常JVを活用していくこと。さらに3番・4番は,県内業者活用についての要望・要請ということで,一つは国の県内発注機関に対して,県内業者活用について要望を13年度から始めておりますし,昨年度からは県発注工事につきましても,元請業者に対しまして,県内業者活用について文書で要請をする取り組みをしてございます。
 4つ目は,資金調達の面での円滑化の支援でございます。
 一つは,中間前払金制度でございます。これは昨年度から導入した制度でございまして,例えば工期の2分の1を経過していることといった一定の条件を満たす場合に,従来は4割以内の前払金の制度はあったわけですが,それとは別に,それに追加いたしまして,請負代金の2割を中間前払金として請求できる制度でございます。
 融資制度といたしまして,代表的なものを2つ書いてございますが,一つは建設業振興資金,工事代金立替金制度と言っておりますけども,こちらにつきましては,県工事を受注いたしました県内業者が,県に対する債権を社団法人の建設業協会に譲渡することによりまして,この協会の方が工事代金の一部を立替払いするものでございます。その際の仕組みといたしまして建設業協会は,県から1億 5,000万円の貸付金を融資担保として,銀行との間で当座借越契約を締結するという仕組みでございます。
 2つ目が,売掛債権担保融資保証制度でございます。これは国の中小企業庁の制度でございまして,県工事を受注した建設業者が,これは県内業者に限りませんが,県に対する売掛債権を担保として金融機関から融資を受ける場合に,県の信用保証協会が保証を行うという制度でございます。なおこのほか,※に書いてございますが,共同事業の実施を応援いたします共同事業促進資金融資ですとか,経営革新あるいは新分野進出を支援いたします事業革新支援融資など,中小企業一般を対象といたします各種の制度融資,これは商工労働部所管でありますが,多数ございまして,詳細についてはお手元のガイドブックに記載してございますので,後ほど参照していただければと存じます。
 以上が,活性化のための支援措置の概要でございます。
 続きまして3点目,最後になりますが,資料 No.3をお開き願いたいと思います。
 こちらは,県内建設業者の意識調査ということで,15年度に行いましたアンケート調査の結果をまとめたものでございます。調査の概要にございますように,県と建設業協会が共同で,今後の建設産業に関する県の役割を探るという目的で,1昨年,15年度6月実施したものでございます。やり方といたしましては,この年度の経営者研修会において出席者に配付,回収して行ったものでございます。回答企業の概要にございますように,業種としては土木が半数以上を占めておりまして,記載のとおり,比較的小規模の事業者が中心になってございます。
 3番目の調査結果の概要ですが,参考といたしまして,この調査の1年前に行われました財団法人建設経済研究所が行った全国規模の調査をあわせてつけてございますので,比較して参照していただきたいと存じます。
 まず,経営上の課題についての問いですが,今後の経営環境についてどう考えているかということです。県内も全国もどちらも厳しくなるということでは変わりませんが,数字を見ますと,若干県内の方が全国に比べると,楽観的な数字が出ているのかなというような感じでございます。
 2番目に,経営上の課題に対応するために予定している取り組みということで聞いてございます。この問いについては,県内というところに(*)がついていますが,これは県の場合は,複数回答を求めたということですので,多少数字の出方が全国とは違っていることを御了承いただきたいと思います。項目的には,1番目に挙げているのが,いずれも技術力の強化ということでございます。ただ違いは,全国で2番目に挙がっているのは新分野への進出ということですが,茨城県の場合には,3位以内には挙がって来ておりませんで,ここには記載がないんですが,生のデータで見ますと,この新分野進出というのは,県内の場合は6位に位置づけられております。数字的には16%ほどになってございます。
 次におめくりいただきまして,県内建設業の再編についての問いでございますが,全国では,進まない,進む,わからないという順位ですけれども,県内の方では,わからないが1位で43%ほどの結果になってございます。新分野進出についての対応ですが,これまでの新分野への進出状況という問いにつきましては,全国・県内比較いたしますと,県内の場合は複数回答ですので一概には言えませんが,全国の方がやや進んでいるのかなというような感じがいたします。
 今後の新分野への進出ということで,ここは端的に違いが出ておりまして,全国を見ますと,さらに積極的に取り組む,あるいは今後進出を検討する,この2つを合わせますと約6割になるわけですが,県内の方は全く考えていないが6割弱ということで,逆転現象になっておりますし,今後進出を検討する,あるいはさらに積極的に取り組むという2つを足しても32%ぐらいということで,この辺が今後の課題になってくるものと考えております。
 新分野進出において行政に最も期待する役割ということで言いますと,これは全国調査はないわけですが,県内で見ますと,やはり資金的な助成が一番望まれているということでございます。
 それから,下に主な具体的意見ということで自由回答で意見を求めた,まあ要望ということでまとめたものでございまして,まず建設産業の振興・再生ということで要約的に申し上げますと,この点では専門的な講習会の開催ですとか,相談窓口の設置ですとか,融資制度の充実あるいは再就職のあっせんといったことが出てきてございます。
 次のページの3ページで,新分野進出ということにつきましては,いろいろ出ていますがまとめますと,やはり情報提供が欲しいといったこと,あるいは資金調達面でのサポートが欲しいといった要望が大勢を占めております。
 こういった調査から,4番で書いてございますが,調査結果からうかがえる県内建設産業の姿ということでまとめてございます。経営環境の今後についてということについては,かなり厳しい見通しを持っておりますけれども,この課題の対応という点で言いますと,やはり規模の縮小ですとか,技術力の強化といった建設業本業の維持強化の取り組みが中心でありまして,建設業以外の分野への進出意欲は,この時点ではかなり弱いのではないかという結果になっております。これにつきましては,この回答企業がかなり小規模な事業者が中心であったということも原因していると思われますが,今後,この県内建設産業の再編あるいは新分野への進出については,我々としても課題意識を持って取り組んでいきたいと考えております。
 ちょっと長くなりましたが,以上が説明する事項でございます。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。


◯川津委員長 以上で説明聴取を終わりますが,説明漏れ,追加することはございませんか。
 ないようですので,それでは,ただいまの説明に対しての質疑に入ります。
 質疑のある方,お願いをいたします。
 塚田委員


◯塚田委員 初めて土木委員会に入ってきましたので,多少漏れるときには御勘弁ください。
 最初の資料の No.1の7ページの中に,市町村合併で公共事業の発注者が減少しますと,ところが土木の中では,特例債の活用の中で発注が増すと,そのようなことをよく聞きます。私も県議会に入る前,つくば市の合併の中で合併協に入って新市計画をつくり上げて,それで入ってきたんです。そのときの合併特例債の活用そのものが,10年後には今度返済に入るわけなんです。返済が 33.5%か 34%かありますよね。そういったことを見ると,例えば国補事業,あるいは県単事業,あるいは自治体の中での一般財源を使った今までの建設予算の中での使い道と特例債を使った中では,これから三位一体改革が進んで,国の方では特例債をあめとむちだから,あめをやりながら合併しますよね。その新市計画に基づいて必要とされた生活道路,あるいはそういったもので土木予算をつけますよね。しかし10年後には,これが償還に入るわけなんです。そういうときに,今までの一般財源の使い方であった土木の予算と,特例債を使った建設の予算というのは,おのずと内容が違うかなということをこの中で感じ取ったんです。
 部長,国の方から特例債が来て,窓口は茨城県ですよ。これから茨城県の中ではこの活用そのものを推進するか,あるいは財政基盤の確立そのものの方向の中で,その予算の活用をするのか,そういった点をお聞きしたいんです。


◯三浦土木部長 御指摘のとおり,合併特例債をもって市町村の合併をより有効に進める,あるいは促進を図るということがとられておりますけれども,合併特例債は御案内のとおり,地方交付税の特別措置がなされております。したがいまして,地方交付税の問題に最終的にはなってくると思うんですけども,地方交付税が一方的に切られるとかいったような心配がある中で,ここで御心配要りませんということをなかなか申し上げにくいんですけれども,地方の立場から言うと,地方交付税をちゃんと確保していただいて,当初お約束をした合併特例債の地方交付税特例措置については,ぜひ国の方で責任を持ってやっていただく必要があるんだろうというふうに思っております。
 これをどんどん使うのがいいのか,あるいは抑制をするのがいいのかという御質問の趣旨だったかと思いますけれども,土木部といたしましては,合併支援道路,幹線道路の緊急支援道路等で,さらに県としても市町村負担を減らすような取り組みを進めておりまして,現在のところは,合併特例債をなるべく活用して,事業の促進や合併の促進を図ってまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。


◯塚田委員 合併特例債そのものは,10年後には償還するしかないんですよ。今東京の方で,何にも不自由しない人,もの書きが,公共事業欲しくねえとか何とか,そういうことをテレビとかマスコミとかで言っているが,私は茨城県はまだまだこれから投資すべきだと。そういう根本から考えた中で,国の方が三位一体改革を進めて交付金を削減して,特例債そのものの活用に頼ったのでは,茨城県でも各自治体が力を失うだろうということの意味なんですよ。


◯三浦土木部長 将来の合併市町村の財政状況がどうなるかということに根本的にかかわってくる問題ではないかというふうに思われます。正直申し上げまして,10年先に国の財政状況がどうなっているのか,三位一体改革がどのように進んでいるのかということについては,私も今ここで明確にこういうふうになりますということをお答えできる見識がないわけでございまして,ちょっとピントが外れたようなお答えになるかと思いますけれども,現在言えることは,地方交付税を含めた地方の自主的な財源の確保に,三位一体改革の中で努めていくのではないかというふうに思っています。
 交付税も,いろいろな算定に基づいて地方に配分をされるという面がありますけれども,地方交付税の算定についても,これは私が申し上げる話かどうか別としても,より地方の実情に合ったような配分の仕方も今後あるのではないかと思われますので,そういう面からも,特例債でやったところが,後になって地方交付税措置がちゃんとされなくなったと,あるいはどこに入っているのかわからなくなったというようなことにだけはならないように,土木部としても注意していく必要があるのではないかと思います。


◯川津委員長 ほかにありませんか。──。伊沢委員。


◯伊沢委員 先ほどの御説明の中で,1点ちょっと詳しく教えていただきたいのですが。啓発・広報事業ということで,公共事業のイメージアップ,土木部の情報発信大作戦ということで公共事業の必要性をアピールしているということですが,具体的にはどういうことをされているんですか。


◯大島土木部企画監 土木部情報発信大作戦は,実は昨年度から,目標チャレンジという中で,土木部として掲げた事業でございまして,内容的には,記者に対して情報提供,これを土木のあらゆることについて記者に情報提供しておくということで,一般的に新聞紙上に載せていただいて,土木のPRを行うという一つ大きな柱がございます。
 あと1点は,要するにホームページです。土木部のホームページを開いていただいて,アクセス回数をいかに増やして,土木の事業の内容等々,あといろんなイベント等ございます。そういったものを知っていただこうということで,その2点について発信しております。
 成果としましては,例えば記者発表の回数についても,約6倍になったということで,これは土木部がトップでございます。また,ホームページのアクセス回数につきましても,月平均でございますが,15年度の3月段階では 1,000件だったと思うんですが,それが1年後には 2,000件。ことしの3月で集計しますと 4,000件近くになっている。要するに倍々になってきたということで,16年度までは成果が上がったということです。実は17年度もこれと同様の形で,今度は発信側から受け手側,要するに県民の方にいかに理解していただくかという目標を持って,実は今内部で詰めておるところでございます。これも県民の方にいかに公共事業,私どもが行っている公共事業が,例えば歩道の整備とか,一部交差点の改良,重点施策として,県民にいかに身近な事業というのも大事なのかなというようなことで,そういった効果ですよね。例えば,渋滞緩和で朝20分かかっていた交差点がスムーズに行くとか,あと,これから高齢化社会に向けて,歩道の段差をなくしてバリアフリー対応できたとか,そういったものを含めて,土木部としては積極的にPRして県民の方に理解していただくというようなことで行っている事業でございます。


◯伊沢委員 詳細な御説明ありがとうございます。やはり業者さんに対してもそうだと思いますが,県民にPR,アピールということは非常に大事なことだと思います。それによって,やはり建設業界のイメージアップにつながっていくと思いますので,引き続いて積極的にいろいろと検討していただいて,進めていただけるようにお願いを申し上げます。


◯大島土木部企画監 ありがとうございます。
 それで,ちょっと訂正させていただきます。16年4月が,土木部のホームページにアクセスが 1,000件で,17年3月が,倍で約 2,000件でございます。来年の3月ですね,目標 4,000件ということで,訂正させていただきます。


◯川津委員長 よろしいですか。──。
 ほかにありますか。──。荻津委員。


◯荻津委員 お尋ねします。
 現在,公共事業は年々減少していくという時代でありまして,しかしながら,業者数は一向に減らないという現状であります。アンケートの結果にもありますように,全国と比較しまして我が県は,新分野への進出を考えていない業者さんが多いという結果が出ていますが,これらに対する具体的な行政としての施策がありましたら,教えていただきます。


◯小野寺監理課長 新分野への進出,あるいは企業再編といった面での対応というのが課題になってくるわけですが,確かにアンケート上は,やや全国的には低いかなということであります。それに対しまして我々といたしましては,そもそもこの活性化指針をつくったということが,今まで土木部で初めての試みでございますので,まずはこの活性化指針をベースにして,そういった意識の醸成,意識改革なり,機運の醸成をまず図っていきたい。そのために今年度もセミナー,講演会あるいは相談会を実施することにしておりまして,少し時間がかかるかもしれませんが,少しずつ機運の醸成を図っていくことと,制度面でも先ほど申し上げたように,格付する際にいろんな形で優遇措置を設けたりして,そういうことでインセンティブをつくって,できるだけ取り組みやすい環境をつくっていくということで考えてまいりたいと思っております。


◯荻津委員 茨城と言うと,どうしても保守的な土地柄がありまして,新業種へのれんを替えるというのに抵抗があるような地域でもあるかもしれません。そうしたことから,こういう数字が出ているのかもしれませんが,行政がそういう指導あるいは情報を提供するということになれば……。建設業といいますとどうしても,建設に関する情報は物すごくノウハウを知っていますけれども,別な分野の業種というとなかなかノウハウ,情報をつかんでいないというような状況にあるかと思います。そこで意識改革をさせるためにも,行政が乗り出すということは大変重要なことだろうと思っておりますので,今後そういう方針を積極的に行っていただきたいと思います。
 以上です。


◯川津委員長 いいですか,答弁は。──。
 ほかにありますか。──。香取委員。


◯香取委員 この茨城県建設業活性化指針の8ページで,下段に地区別建設投資額推移という表がございますが,鹿行地域,鉾田・潮来土木管内の事業費が大変低いわけですけど,これはどういう理由なんでしょうか。ほかの管内に比べて,事業費がずっと毎年少ないですよね。


◯小野寺監理課長 先ほど御説明申し上げましたように,このグラフは,土木事務所とその管内の市町村が行った建設投資の合計額という積み上げでございます。今,委員の方から,ほかの地域と比べてということがございますが,手元に中身の細かいデータがございませんので,少し調べてみまして,分析した上で御報告させていただきたいと思います。
 この指針の33ページをごらんいただきたいと思うのですが,こちらに県の土木事務所管内別の公共投資額が載ってございますが,県の土木事務所管内の公共投資は,この数値をベースにして中に入れてございますので,数字上はこういう状況になっております。ただ,中身的にどういうことなのかという分析的なことは,少しお時間をいただいて報告させていただきたいと思います。


◯川津委員長 よろしいですか。──。
 ほかに質疑ありませんか。──。海野委員。


◯海野委員 先ほど塚田委員の方から,合併特例債の話が出ましたけれども,来年の3月31日で,県内44市町村になるという見通しであるわけです。いつだったか新聞に,この44市町村が合併したときの合併特例債,総額 5,000億円とか 6,000億円とかの額が出て,定かではないんですけれども,満額を仮に使うとすると県内どれぐらいの額になるのかな。それは,わかんない土木では。


◯鈴木土木部技監兼検査指導課長 昨年,合併特例債にちょっと絡んだものですから,数字が正確ではないかもしれませんが,現在,来年の3月には,23地域60市町村が合併ということになっています。この23の市町村の新市建設計画は,全額で 7,300億円だと記憶しております。そのうち合併特例債を適用する事業が 3,800億円ほど,普通建設事業で 3,500億円ぐらいであったというふうに記憶しています。さらに,この合併特例債の限度額は,この23地域で約 5,000億円というふうに記憶しております。


◯海野委員 それで,その合併特例債の使用できる範囲,これは公共に付するものは当たり前でしょうし,合併効果が上がるための事業に利用するということがしばりだとは思いますけれど,その中で主たる利用目的というんですか,例えば道路みたいな,いわゆる連絡を密にするような関連のものが多いのか,それとも人を集めて何か行うような箱ものが多いのか,そういった面についての勉強会というのか,指導というのか,県と市町村会とで何か事前の打ち合わせみたいなことはあったのか。


◯鈴木土木部技監兼検査指導課長 これは所管としては,実は総務部でございまして,なおかつそういう新市建設計画の中身については,合併調査特別委員会の中で議論はされているとは思います。
 これは参考意見ということでお聞き願いたいんですけれども,合併準備の事務局と,我々は道路という部門でおつきあいをさせてもらったわけですが,その中では基盤整備となるものの道路または下水道とかいう分野のものが多くて,箱ものは将来維持管理費がかかるというデメリットがあるものですから,できるだけ抑えたというふうには聞いております。


◯海野委員 そうしますと,例えば道路なり下水道なりもろもろ,県との事前調整というのは今後やっていくんですか。それとも全く関係なしに市町村独自に,関係する道路あるいは下水道,その他もろもろ公共事業をやっていっちゃうんですかね。


◯鈴木土木部技監兼検査指導課長 新市建設計画というのは,結局は新市をつくるときに,新しい市が10年かけて,こういうまちづくりをしますよという方向を示したものだというふうに認識していますから,後はそれをすべてやるかどうかというのは,そのときどきの財政状況によるんだと思います。すべてを最初から借金したわけではなくて,これから借金してやっていくという準備段階にあるわけですから,今後,目標としてはそういう計画達成のためにいくんだと。だけどそれを全額使うかどうかというのは,やはり新しい新市の判断があると思います。それに対して県がどういうふうにかかわっていくかというのは,これからの課題の一つなのかなとは思ってはおります。


◯海野委員 わかりました。
 いずれにしろ,特別委員会でやること,あるいは市町村,総務部の方でやることかもしれませんけれども,いずれにいたしましても,土木の方でも積極的にかかわり合いを持ちながら,市町村のいい形での公共事業の展開を,ぜひ指導してほしいなということを要望するものであります。
 あと1点質問なんですけれど,今度は,建設業の活性化のための支援措置,小野寺監理課長の方でございます。先ほど啓発・広報事業でセミナー等の開催,これは資料2の方でございますが,この建設業活性化指針の中で,それぞれセミナーをやっているんだそうですけれども,去年何回ぐらい開催して,どれぐらいの企業が参加したんですか。あるいは,これからやることなんですか。


◯小野寺監理課長 このセミナーあるいは講演会といった内容につきましては,今年度の新規事業でございまして,初めてスタートするものでございます。中身を若干御紹介いたしますと,セミナーの方は,これはどちらかというと少人数で,5回ほどの講座を設けて,県内2会場で実施したいと考えております。
 それから講演会の方は,これはできるだけ大勢の方に集まっていただいて,お話を聞いていただくということで,これも県内2会場ぐらいで考えてございます。相談窓口につきましては,こういったセミナーとか講演会の時期に合わせまして,その会場で臨時的な相談をするとかというような形でやりたいというふうに考えてございます。まだ,いずれにしても新規事業なものですから,詳細詰めた上で進めてまいりたいと思います。


◯海野委員 現実問題として,なかなか再編というのが難しいと。例えば1万 4,000者がそのまま推移しているという話でございますから,多分今後とも合併させる,あるいは企業を協同組合化させるというのは非常に難しいような気がするんです。
 例えば,格付における支援措置で,もうちょっとメリハリをつけた方が,そういった意味では,合併とか営業譲渡の状況についてはプラスになるのではないのかな。ただ一律,例えば5点だの10点じゃなくて,もっと大胆に踏み込んだ合併支援をやっていった方がよろしいんじゃないかなと思うんです。これを見ると,例えば合併,営業譲渡の状況,客観点数5点とか10点,協業組合5%から10%の加算ということでございますが,この辺のところ,もっと練り直す必要があるんじゃないのかなと思うんです。
 それと,格付における支援措置の2)のISOの9001認証取得状況,これ非常に各企業一所懸命競って認証取得しているようですけれども,どれぐらいの企業が現在,建設土木関係の中ではこれを取得しているんですか。


◯小野寺監理課長 まず,前段で御質問いただきました,合併の際の格付での支援の仕方でございますが,我々といたしましても,ことしの格付の見直しで初めて合併についての支援策を導入したということがございます。全国的にはいろんな例がございますので,今後とも合併促進という観点に立ちまして,よりよい支援策という観点から,2年に1遍になるわけですけれども,2年後の格付に向けまして勉強していきたいというふうに考えております。
 それから,ISOの認証状況の御質問をいただきましたが,今回の格付での申請の中で,このISO9001の認証取得して加点,点数がプラスになった企業数は 289社ございました。
 以上です。


◯海野委員  289社というのは,1万 4,000社の中での 289社ということなんですか。


◯小野寺監理課長 1万 3,000社は,許可業者数トータルでございまして,そのうち格付申請してくる県内業者約 3,000社強ございます。そのうちの 289社ということでございます。


◯海野委員 県は,ISO認証取得しろということを指導しているんですか。それとも自主的に任せているということなんですか,それが1点。
 それから2点目。話戻しますけれども,合併について,なかなか現在進んでないと言いたいのは,つまり経常JVでさえ,今スムーズにいってないような気がするんです。一時的,便宜的に彼らはやっているだけであって,実質経常JVの,いわゆる行政側が期待する,あるいは我々が期待するような状況にはなってないんじゃないのかなと思うんですけど,その辺の判断について,ちょっと2点お尋ねします。


◯小野寺監理課長 まず,このISOの認証取得ですが,少なくとも土木サイドにおきましては,認証取得している企業に対して格付制度でインセンティブを与えるということでございますので,この本体,要するに環境での対応ということで言いますと,生活環境部の方が指導して,そういう方向になるようにやっていると思います。土木部でもこういう制度を設けておりますので,そういう方向でやっていただきたいという県の意思のあらわれだというふうに考えております。
 それから合併の方ですが,確かに御指摘のように,経常JVが一つの合併の機会になってくれるのかなという,県としての一つの期待もあるわけですが,その辺なかなか経常JV自体が,今進んでいかないという実態はございます。それはいろんな原因があると思いますけれども,一つは経常JVの場合は,ランクB以上の業者で2社の組み合わせになるわけですが,仮にBとBが組み合わせをしてAランクになったといたしまして,実質上Aランクの技術力を有してないというケースがございまして,そういったことから発注面で数が増えていかないという実態もあります。ですので,経常JVの活用策につきまして,どんな中身,どんな条件づけをすれば,もっともっと活用していただけるようになるのか,我々としても今勉強しているところでございまして,今後の課題と受けとめております。


◯海野委員 このISOの 289社,土木としては積極的に取得しろということは指導はしていないということなんだけれども,また一方では,取得している会社と取得してない会社との仕事の中身,あるいは経営の内容,どれぐらい違うのか掌握しているのかな。


◯小野寺監理課長 データ的にどうかということで,違いを掌握はしてございません。


◯海野委員 何だか一つの流行みたいな形の中で,ISO,ISOって,私から見ると叫んでいるっていうか,企業が追っかけているだけであって,実質,一所懸命会社の経営努力している,あるいは技術者を育成し仕事もきっちりやっている。でもどうすればいいんだろうと。ISO取った方がいいんだろうか,それともあんまり関係ないような気がするんだけどという企業,相談というのもおかしいんだけども,話の中で言われるものだから,県の捉え方を確認したかったんです。そういう意味で,もし仮に加点させるとするんならば,もっと積極的に取るように指導すべきだと思うし,あるいは関係ないということならば,余りこれについて加点の部門として捉えるべきじゃないんじゃないのかなという気がするんですけれど,いずれにせよ,どっちかきっちり整理をして対応すべきじゃないのかなと思います。


◯小野寺監理課長 先ほど私申し述べることができなかったんですが,ISOについては,基本的には,品質向上に取り組む業者を評価するという趣旨で加点しているわけですが,県としては,特段,委員おっしゃいましたように,何か流行で取得が行われていて,それを県として側面からあおっていくといいますか,そういったことは全く考えておりません。あくまでも企業の自主判断で,品質向上に取り組む企業が取得していただくと。それに対して評価をするというスタンスですので,点数も5点と,それほどの点数じゃないんですが,初めてでございますので,抑えた形にして,5点という加点で評価するという形にしてございます。


◯川津委員長 ほかにありますか。
              〔「なし」と呼ぶ者あり〕


◯川津委員長 ないようですので,以上で執行部からの説明聴取を終了いたします。
     ───────────────────────────────


◯川津委員長 ここで暫時休憩をいたします。再開は,午後1時ちょうどといたします。
                午前11時50分休憩
     ───────────────────────────────
                午後1時2分開議


◯川津委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
 午後は,お二人の参考人から意見聴取を行います。
 まず,お一人目の参考人として,株式会社秋山工務店代表取締役社長の秋山光伯さんをお招きしておりますので,御紹介いたします。
 なお,秋山さんのプロフィールにつきましては,お手元の資料をごらんください。
 本日は,お忙しい中,本委員会に御出席いただきましてありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。
 秋山さんには,建設業者の立場から,「建設業の現状と課題について」御意見をお伺いいたします。
 意見聴取の進め方につきましては,初めに秋山さんから御意見をお伺いいたしまして,その後,意見交換を行うことといたします。
 それでは秋山さん,よろしくお願いいたします。


◯秋山参考人 ただいま委員長さんから,御紹介いただきまして,きょう出席させていただきました秋山でございます。
 日ごろ川津委員長さんを初め,土木委員会の先生方には,県の公共事業を通しまして,また,日ごろの日常業務を通しまして,特段の御指導御鞭撻を賜りまして,この席をかりて御礼を申し上げます。
 また,本日,土木部長さんを初め,土木部の皆様も御出席でございますが,直接我々建設業者,また建設業界,日ごろから部長さんを初め幹部の皆様に,御指導をちょうだいしていることを,この席をかりて御礼を申し上げたいと思います。
 今回,委員長から出席せよというような御指示がありましたのも,現在,我々建設業界が非常に厳しい状況に立たされているという御認識をちょうだいしての招致かなというふうに思っております。
 皆様のお手元に資料としておありになると思うんですが,建設産業関係の資料としまして,許可業者数,また建設の投資額,そして従事する就業者の人数,3つが表になってお手元にお配りしてあるかと思います。これをごらんいただきまして,わかりますとおり,平成5年度が,官民合わせての建設投資金額のピークでございまして,平成15年度までの資料が今出ておりますが,これも平成16年度の資料が出,また,ことしの17年度を迎えるに当たりましては,平成5年度ピーク時の半分になるんではないか,そういう状況でございます。
 その割には建設業許可登録者数が,ピークは平成12年でございますから,これが全国のあれでいくと60万者,茨城県で1万 5,000者。大体平成12年度が,人数としては一番多い時期でした。これは建設業に携わる者としましては,確かに平成5年度でピークを迎えて,全体の仕事量が減ってはきましたが,今までの長い経験から言っても,落ちればまた伸びるだろうということで,建設業に携わる者も,時期が来ればまた活性化するではないかということで,少し仕事の量と許可業者数のピークがずれているんではないかというふうに思っております。
 また,3番目の表では,平成7年に建設業従事者が,全体就業者数の1割を占めております。現在でも約9%を超えて,約1割ということでございます。そういった就業者の中の全産業の1割でございますから,ここ数年,政府統計で失業率が5%になったとか,いろいろテレビ等でも報道されておりますけれども,全体の1割が仕事量がこうやって,今年度はピークの半分になるだろうという時期,また,業者数も減ってきつつあるというような状況ですから,建設業者の社員ばかりではございませんで,現場に従事する作業者,技術職を含めますと,大体建設業が,例えば2割減っても,全体が2%ぐらいは就業の減少になるわけですから,全体の失業率に数字が大きく,建設業の投資額,また従事する人間,また登録業者の数というのが,強い影響力があるんではないかというふうに思っております。
 平成15年度の建設投資額を見ますと,ちょうど昭和62年,1987年ごろと比べますと,大体数字が同じになるんですね。しかし,昭和62年ころ,我々が当時どうだったかということを考えてみますと,そんなに不安とか,厳しさというのがなかったような感じがするんです。それは各社,企業とも,その後いろんな形で景気浮揚もございましたし,また,アメリカとの内需拡大,そういうお約束もあったかに聞きますが,そういうことで一遍仕事量が非常にふえた時期がございましたので,一遍広がった胃袋をまた縮めるということが,企業としても非常に苦痛を伴うものであるということが一つと,やはりこういう厳しい時期が長く続きまして,我々の仲間の人が,なかなか企業として立ち行かないといった例が近場で発生しますと,我々も漫然とはしていられないというふうな状況を強く認識せざるを得ない。今後,公共事業が圧縮されることがあっても,もとのような形にはいかないという見通しの暗さとか,そういったものが閉塞感とか危機感が非常に強いんではないかなというふうに思っております。
 茨城県の許可の業者数が,今現在,1万 3,863者ということであるわけですけれども,建設業協会としての入会者も,最盛期 810者あった建設業者が,現在 697者, 700者を切っておりますので,全体で14%減であります。私の本社のございます日立市の方の建設協会ですと,最盛期 104者入会者がおりましたが,現在,十王町と合併しても70者ということですから,3割減ということでございます。
 日立地区は,戦後,すぐに日立製作所の戦災復興とか,日本鉱業,日鉱日立の鉱山の仕事等で比較的早く建設業が発展した地域でございますので,そういった意味では半世紀以上が過ぎまして,各社さんとも経営判断のもとに,もちろん中には不幸にして会社が立ち行かなかったという会社もございますが,早目の判断で廃業といいますか,業種転換といいますか,そういう会社も日立の場合は見受けられるわけでございます。
 現在,茨城県の指名の許可を得られている数も,御承知のとおり,県内 3,121者,県外 1,278者,全部で 4,399者が県の御指名をちょうだいするべく,指名願いを出して,ランク付けをいただいているというようなことでございます。
 こういうふうに厳しくなってきますと,我々の業界も,以前のとおりにはいきませんので,それぞれの企業で自分の企業の体質の変化,新しい環境に対応すべく,この10年ほど頑張ってきておるわけでございます。一つには,それぞれの企業がこれだけ仕事量が減ってきるおるものですから,できるだけ経費の圧縮に努めるということ,むだな出費とか,むだなものについてはできるだけ省略していく。いろんな面での削減をやってきておるわけです。しかし,技術者は,県の方の御指導もちょうだいして,また,以前から比べますと,きちんと現場を管理するという入契法の導入もございまして,しかるべく技術者の資格を持った者が,すべての現場で必ず常駐して,現場の管理に当たるということですから,すべての面でむだを省くことをしなければならない反面,技術者の数は,逆に言うと以前よりもふやさなければならないというのが現状でございます。
 また,もう一つには,今まで比較的我々建設業は,今回出席させていただきます県の公共事業を中心といたしまして,公共事業を一番のメインとして仕事をやらしていただいてきておるわけですが,これだけ仕事が少なくなってきた関係で,各社さんとも民間の事業に対する対応をすべくいろいろ努力をしましてやってきておるわけです。しかし,土木関係でいきますと,以前の昭和時代とは違いまして,民間の団地等施行費とかゴルフ場の開発とか,そういう大物土木工事というのは,一切と言っていいくらいない時代に入りましたので,建築工事につきましては,民間のいろんな新しく創出されたショッピングセンターとか,都市再開発とか,そういったものに絡みます民間の事業にシエアのシフトを,全面ではございませんが,もちろんこれは県の公共事業を一番のメインとしてお世話になっておるわけですが,そういった面での進出もやってきておるわけでございます。
 そのほかに,新分野への進出ということで勉強もしております。せんだって,茨城県建設業振興懇話会,昨年1年間参加させていただきまして,勉強させていただきました。新分野への進出の中には,一つには農業への参入というのを推進している方が御出席いただいたので,そういった農業分野への進出はいかがなものかということで私も勉強させていただいております。東京で,全国で農業分野への進出をなさっている会社さんが,体験発表会などにも出席させていただいて,皆さんの御意見をお聞きしました。特に,全国の中でも北の地区といいますか,今まで公共事業を主たる産業としているような地域の方が,農業分野への参入が多かったかなというふうに思っておりますが,その方が20社ほど,それぞれ体験の成果の発表がございまして,お聞きしました。確かに,公共事業が非常に減っておりますので,労働力が余った分を農業分野に進出しているということで御説明がありました。20社ほどの御説明の中でも,今,新しい分野へ進出しているという御報告はございましたが,それが採算に乗っているというような御報告はなかったんではないかなというふうに思っております。
 我々は重機機械類,バクホーンとか,ブルドーザーとか,そういうことになれているから,少し規模の大きい農業にはすぐに転換できるんじゃないかなというような,第三者の方の御意見とか,コンサルタントさんの御指導もあるんですが,しかし,農業は有史以来,その農業で頑張ってこられていろいろ研究した先達の方がいらっしゃるわけですから,幾らか重機がなれているとか,持っているからといって,果たして参入して成功するのかなというのも,ちょっと私としては疑問な感じがしております。
 また,そのほかにも老人介護とか,新しく創出された産業への転出も御指導をちょうだいしておりますが,それはそれで早く参入なさった方がいらっしゃるわけですから,新分野への進出ということが,必ずしも現状の打開にはならないんではないかなというふうに思っております。
 しかし建設業の我々も,ただ単に仕事が少なくなったので,県の執行部の皆さんや県議会の皆さんに,県の仕事をふやしてくださいとか,そういうことだけでは立ち行かないのはもう重々承知なわけなんで,ただ,漫然とその状況を,時間がたつまま過ごすということではございません。先ほど話しましたように,企業のスリム化とか,そういったこともやっております。また,最近は,先ほどもお話しました入契法の導入等で,技術力をきちんと備えてない企業はだめだということで,特に茨城県の場合は,そういった面での導入が非常に早く,関東6県その他で懇談会等に出席しましても,早く導入なされた茨城県でございますので,我々もそれに対応しまして,舗装1級,土木1級,建築監理技師を各社ともきちんと資格取得をしたり,品質をきちんとしたものにするためにISOの導入をこの10年の間に,早くから茨城県の建設業界は取り入れている業者さんが多くあるわけです。また,他県に先駆けて電子入札につきましても,新しい県の方の御指導のもとに,そういった新しい入札方式に対しても,万全の備えをするための努力を今日まで進めてきておるわけでございます。
 今,こういう時期を迎えて,こういうことをお話するのも何でございますが,戦争が終わりまして,戦後復興から,非常に建設業が重要な,手前みそになるかもしれませんが,役割を演じた時期がござましたし,また,現在,自然災害,台風災害,地震災害,そういったものにつきましても,建設業の果たしてきた役割というのは,そんなに少なくないというふうに自負しております。また,片方では,長い間日本の国の景気浮揚,循環のための施策の一環として,建設業が大きな役割を果たした時期があったかというふうに思います。また,先ほど就業労働者数でもお話しましたように,現在も,全産業の就業労働者の1割が建設業でございますから,そういった意味では,雇用の調整といった意味でも,現在も建設業界が少なからぬ役割を担っているんではないかというふうに思っております。
 比較的,我々建設業は,そういった我々の担ってきた役割に対して,最近もいろんな災害があったり,また,こういう不況の中でも,建設業界の雇用者数が全体の1割あって,こういうふうな支えをしているんだということに対する業界全体としてのPRが不足してきていたんではないかなというふうに思います。公共事業不要論とか,我々業界が本来の評価とか,認識をいただいてないというのは,ひとえにマスコミの方の取り上げ方も,我々とは違った部分もあろうかと思いますが,一つには,我々の日ごろの広報活動,御理解をいただく活動が少なかったのかなというふうに思っている次第でございます。
 しかし,そういったいろんな経験を経てきて,これから我々が厳しい状況の中でやっていくためには,自社経営の一層の強化,技術力,経営力の強化をしていかなければならないんではないかなというふうに思っております。
 特にことしの4月1日からは,公共工事の品質確保に関する法律も国会で成立してきまして,これから県の仕事の中でも,具体的にいろんな形でそういった方針の中から,我々が進むべき道の御指導が県よりあろうかと思いますが,そういった意味では,我々の本業である仕事の工程や品質や安全や原価管理や,そういった管理部門をきちんと技術力でカバーをして,なおかつ,こういう時代の要請に応じた環境に対する認識というのも,あわせて持っていかなければならないなというふうに思っております。
 また,もう一つには,本業の企画力や提案能力ももうちょっと発揮していかないと,ただ単に御指名をちょうだいした仕事をやっていくというだけでは,立ち行かない時代になっていくんではないかな。これから品確法の成立とともに,コスト削減を中心としたVEの方式を,我々が発注者側に対する提案力も持たなければならないわけでございますし,またこれからふえてくるPFI等に対する対応も,きちんと企画力,技術力,経営力をつけまして対応して,そういう時代のニーズに合ったような建設業の体質にしていかなければならないというふうに思っております。
 それから,業者数が非常にふえ過ぎているので,これから合併統合が必要ではないかというふうに言われておりますが,第三者の方がお考えになるよりは,比較的建設業というのは,合併統合の難しい産業でございまして,それぞれ2社が合併して1つの規模になるんであれば,1社の中から社員をふやして規模を拡大した方が,実際の経営のあれからすると,きちんとした会社経営ができていくような業界であるわけで,長い間2社間でやっていたものの判断とか,会社の体質とか,これはもちろん建設業に限らず,金融界でも大きな合併その他があるわけですから,決してわがままを言っているわけではありませんが,そういった意味では,合併をしづらいような部分があるんではないかなというふうに思っております。
 また,これから先の3つ目としては,新分野,先ほど農業参入とか,いろいろお話をさせていただきましたが,そういった面への進出もしなければならないというふうに思っております。御出席の皆様,御承知のとおり,建設業はバブルの最盛期に新しい分野に進出したことが,結局はその企業の命取りというようなことが数多くございまして,そういった傷がいえないというか,目の当たりにして実感がある今の時期に,また,新分野の進出というのは,どうも考える以上に難しい状況ではないかなと思っております。
 しかし,自分の今までやってきた仕事の中で,例えば建築で言うとリフォームとか,リニューアルの業種も多く創出してきているわけですから,そういったものに対する参入,そういったことはやっていかなければならないし,土木工事でも維持修繕工事といったものが今ふえているわけですから,そういったものに対しては,頑張ってやっていかなければならないなというふうに思っております。
 私自身の経験とか裁量では,非常に難しい状況に立ち至っている建設業に対して,委員の皆様,御出席の皆様に適切な御説明ができたかどうかちょっとわかりませんが,なかなか厳しい状況の中で,今建設業界が必死になって,こういう厳しい時期を乗り越え,先ほど話しました入札契約方式とか,また品確法とか,どんどん厳しい時代に,新しいものが我々に要求されている時代に,何とか頑張って,企業として維持をしていきたいという努力については,各社さんとも熱心にやっておりますので,今後とも川津委員長さんを初め土木委員会の皆様,また,県の知事さんを初め土木部長さん,そして土木部の皆さんに適切な御指導をちょうだいして,何とかこの厳しい時代を乗り切っていきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


◯川津委員長 どうもありがとうございました。
 ここからは意見交換の時間とさせていただきます。
 ただいまのお話について,委員の方から,何か御意見または質問がありましたら,お願いをいたします。
 塚田委員。


◯塚田委員 塚田であります。大変御苦労さまであります。日ごろ大変苦労をなさっているのかなと今の話を聞いてお察し申し上げます。
 私,耳が遠いもので,話しているのがほとんど聞こえなかったんです。資料を見まして,この資料の中から感じ取ったものを話させてもらいたい。
 意見交換ですから,建設業関係の資料を見ると,建設業は受注産業であるとこううたってあるんですよね。受注産業の中で,ちょうど平成二,三年がピークなんですね。大体10年周期かな。受注高があるのと,下がるのと。公共の方がかなり今減っているんですよね。民間は景気のよさでもあったと思うんですが,農業の場合は,以前は地主が持っていた。昭和23年12月2日に,1町2反ずつ農地改革をして自立するように,食料生産でみんなに分け与えたんですね。ところが50年してみると,今は農業強化促進法,集約する。50年周期ですよ。その間,土地改良とかあったんですが,ちょうど50年周期でそうなんですが,25年の中で大体食料が変わっているんですね。今は農業そのものも,ニーズに合わせて生産しないと売れない時代に入っちゃった。受注だから,大体10年の周期を見て,今後受注高をふやしていくのには,どのようにこれから先,まだわからない,景気よくなるかどうか。大体10年周期,これ以前も書いてないからわからないんですが,これを見た中でどのように建設業も……。農業は種まいて自然の中でつくって,その生産する人でさえ,ニーズに合わせる時代に入ってきたんだから,受注はそれ以上に要求されるかと思うんですね。そういうところから見ると,今後,公共,民間,経済の流れを見た中で,どんなふうにすれば,茨城県の建設業が生き残れるか。
 私は,景気,いいときと悪いときがあった方がいいと思うんだ。悪いときはつぶれちゃったのがいいの。残った人が伸びるんだから,これはもう鉄則なんですよ。これがなかったら,自由経済の資本主義社会のあれがなくなっちゃうから。私はそういうところから見て,どのように茨城の建設業を目指したいか。


◯秋山参考人 建設業の場合は,以前は建設業は届け出制だったわけなんです。それが昭和46年4月に許可制になりまして,そのときに,ただ単に県の御指名をちょうだいするだけではなくて,下請工事をするにも許可がなければできないというような時代に,昭和46年からなりました。そうしますと,各社さん,県からお仕事をちょうだいするばかりでなくて,県の仕事で,例えば,秋山工務店で受けた仕事に対して参加するためにも,許可がなければ参加できないという時代になりました。そのうちに大手ゼネコンさんとか,そういう建設会社の仕事をやりながら,自分の住んでいる町や市町村にも指名願いを出してみるかということで,指名願いを受け付けていただきまして,大企業の下請もやりながら,自分でも元請もやるという時代が長く続いて,比較的それまで建設業というのは縦社会といいますか,その企業,その会社だと協力会社,大体固定をしていまして,グループが縦にできたのが,昭和46年,大幅な改正があった時代から,横の社会の産業に実はなったんではないかと私は日ごろ思っているわけなんです。指名願いを県の方でも出されれば,受け付けないというわけにいかない。ですから,全部受け付けるわけなんで,だんだん許可を取った会社が,下請ばかりでなくて元請もやらなければならないということで,こういったピーク時に1万 5,000社を超えるぐらいの業者数がふえた。ですから,ただ単に建設業の内容が,いい悪いは別として,業者数がふえたのは,需要があってふえたというばかりではなくて,そういった大きな分岐点があって,私はふえたんではないかと思っています。
 ですけれども,今お話しましたように,これは塚田委員がおっしゃったように,これから10年後によくなるかということですけれども,実際に国の財政とか人口の資料を考えても,現在よりよくなることはないというふうに私ら建設業界の者は認識しておりますので,現在の状況を何とか維持をして,また新しい分野にもだんだん進出しながら,活性化を働きかけていきたいなと思っているんです。できれば,これからまた,現に横社会に広がった業界を縦社会に戻すということは難しいかもしれませんが,全体の仕事量が減っているわけですから,そういった意味での変更ということも必要ではないかなというふうに思っております。
 また,県なんかの御発注の仕事,これは部長さん初め皆さんいらっしゃるので,果たして私が発言していくことはちょっと悪いかもしれませんが,今までですと,例えば学校建築とかいろんな仕事をやりますと,金額の規模が小さくなったり,業種が少なくなると,専門業種に御発注をなさる。建物ですと,塗装だったら塗装の専門業種に御発注なさる。仕事の量がたくさんふえていることは,それぞれの団体がありますし,業界がありますから,当然それはなるほどというふうに思っておりますが,仕事が集約しますと,そういった意味での縦社会といいますか,みんなで別して,元請,下請という関係ではなくて,共生するという意味では,元建設業に御発注いただいたものが,専門業種の会社に仕事をやっていただくということになるので,みんなで仕事をやっていけるというふうなことにもなるんじゃないかなというふうに思っているわけなんです。


◯塚田委員 長くなるとあれですから,少し短く……。民間と公共ありますね。民間おのおの民だから,私ら介入することできない。ただ公共の場合は,おのおの共生して仲よくやっていく。経済の中でそんな馬鹿げた話はないと思うよ。勝つか負けるかなんですよ,経済は。だからまして景気が悪くなれば悪くなるほど,行政は税金から出すんだから,税金を払わないような業者にやる必要はないんだ,発注は。だから,どんどん厳しくなればなるほど,行政の方も資格というものはさらに厳しくてもよかろうと。でないと残れない。仕事が減ったときにみんな仲よくってわけにいかない,数字が決まっているんだから。私は今,感じでそういったことを思うので,きょう勉強会をさせてもらった中で,景気悪くて仕事が減れば,資格はどんどん厳しくした方がいい,私はそのように感じます。生き残れる会社を残す。これが茨城の建設業者の強くなる秘訣だと思いますよ。


◯秋山参考人 前提としては,それぞれの会社が切磋琢磨するというのが一番の前提ですから,決して塚田委員の御意見……。


◯川津委員長 ほかにありませんか。──。荻津委員。


◯荻津委員 秋山さんのお話,ありがとうございました。
 秋山社長さんの人柄が出て,秋山工務店さんも堅実な社風がみなぎって,まあ俗な言い方,勝ち組負け組で言うと,勝ち組に残っている建設業者さんの一社ではないかと,経営手腕に尊敬している一人でもあります。
 塚田委員のお話とちょっと逆説的になるかもしれませんが,お許し願いたいと思います。
 お話の中に技術者の確保というようなこともありましたけれど,社会の仕組みが規制緩和の動きに年々広がっていく中で,建設業を取り巻く規制というのは,午前中のお話にもありましたように,例えば経営審査の内容,あるいは発注条件等,年々建設業に関しては厳しくなっているような気がいたしておるところでございます。そこで秋山さんのお話も請負業者,請け負け業者というようなことで,遠慮していられるような内容のお話になっておりますけれど,日ごろ感じている点,この際せっかくの機会ですから,何点かあればお伺いしたいと思います。


◯川津委員長 秋山さん,お願いいたします。


◯秋山参考人 荻津委員に,今お話をちょうだいして恐縮しているところでございますが,こういう厳しい状況になった時期に,先ほど話させていただきましたが,入札契約をして管理技術者をきちんと置くとか,確かにそういった条件が厳しくなっておるんです。しかし,建設業がきちんとした仕事をやっていくためには,条件も厳しい中でやっていかないと,いいものもできませんし,これは我々が建設業として生き残るための障害物競走をくぐり抜けて,ゴールインするための一つの試練かなと思っております。先ほどお話しました,ことし4月より始まりました品確法,これもまた新しい状況が出てきて,我々に対してもいろんな条件を要求される,また努力せざるを得ない,しなきゃならないということになってきておると思いますが,いろんな広報その他で,県の財政の現況がこういう状況でございますから,非常に厳しい中で我々が仕事を増やしてくださいとか,そういうことは申すつもりもございませんけど,今度品確法の中で,VEの提案なんかも出てくると思うんですが,そうしますとこれは,我々が仕事をやる方の側として,こういったことにすればコストダウンが図れるというようなことを提案させていただければ,同じ予算規模でも仕事の量が増えると。また我々の原価も低減されるわけですから,そういった意味では今後,県の土木部の部長さん初め,皆さんの御指導を得ながら,そういったことに対しても我々は勉強して,VE方式とかPFI方式についても積極的に参加して,前よりは少なくなった予算の中で活路を見出して,仕事を増やしていきたいなというふうに思っております。
 また,きょうは県の土木委員会の委員方,県の皆さんも御出席のもとですからあれですが,以前から建設業界は地元業者優先ということで,県会の皆様方,執行部の皆様にもお願いをしておりまして,ここ数年大変な御理解をちょうだいして,現在は県内業者が受注の比率も多くなっておりまして,77%近くがもう県内業者の受注ということになってきております。茨城県の中でやる仕事の中では,県の仕事ばかりではなくて,国,公団等の仕事もございますけれど,この辺につきましては,まだまだ国の予算等もございますし,また茨城県の場合は,鹿島開発とか学園都市とか常磐新線,それから常磐道,大きな国のプロジェクトを長らく茨城県でおつくりいただいた関係で,当然大手建設会社さんが茨城県に強く参入するというのは,関東3県の栃木,群馬から比べていたし方のないことですから,ただ地元地元ということで甘えるということではなくて,県内業者がこれだけ茨城県の仕事でも,お仕事をさせていただいておるので,我々県内業者が適している仕事につきましては,国の仕事でも今まで以上に比率を上げさせていただくために,業界としても努力をしたいなというふうに思っております。ただ,余り地元の町とか地元の県とか,県内業者ということを強く言いますと,モンロー主義と言いますか,その地区の中にこもっちゃって,我々の仕事の場合には,石をスペインだとかやれ中国だとか,ほかの国から持ってくるような時代ですから,余り地域性だけを強調して自分の主張を通すということもいかがなものかと思いますが,やっぱり県民ですから,県の中の仕事は,より一層積極的に参加したいなというふうに思っております。


◯川津委員長 伊沢委員。


◯伊沢委員 秋山社長さん,本日はお忙しいところありがとうございます。土浦の伊沢と申します。
 秋山社長さんの方から,今の建設業界の置かれている状況とか詳細に御説明いただきまして,大変な御苦労があろうかと思いますが,今後を考える上でも,県の方でもいろいろアンケート等も取っておるようですが,県に望むこととかございましたら,具体的に教えていただければ,県行政として業界に対してどういうことをしてほしいとか,アンケートの中には一部出ているんですが,専門的な講習会を開いてほしいとか,共同化・協業化についての相談窓口が欲しいとかですね。それに基づいて今年度から執行部の皆さんも,土木部の皆さんも御努力いただいて,いろいろ始まっていくということのようでございますが,それ以外に,こういうことをしてほしいというものがありましたら,ぜひ教えていただければと思います。


◯川津委員長 秋山さん,お願いいたします。


◯秋山参考人 私も建設業界に入りまして30数年経っておるんですが,我々が業界に身を投じたころから比べますと,県の土木部さん,執行部の皆さん,土木部ばかりではございませんが,我々建設業に対しまして,非常にいろんな意味での御指導もちょうだいしていますし,意見交換会を通しまして,発注者さんのお考えもお伺いして,我々もそれに基づいてどう対処していったらいいかなというふうに思っております。
 先ほどもお話しましたように10年前から比べますと,茨城県の県内業者さんが,受注の比率が非常に増えたというのも,県の執行部の皆様方,土木部の皆様の,また前後しましたが土木委員会の委員の方のお力添えのたまものというふうに感謝しております。先ほど話しましたように,委員からもお話がありましたように,我々建設業は受注産業でございますので,会社の決算期が終わりますと,またゼロからのスタートでございまして,そうしますと毎年毎年ゼロからのスタートなんで,それは経験を積めばそれだけいろんな物事がわかってきて,苦労が多少ずつでも減るのかというようなお考えもございましょうが,建設業の場合はゼロからのスタートですから,毎年スタートは緊張して,一生懸命会社も技術力アップして,ランク付けもアップするための努力もします。しかしこれは,一生懸命安全管理をしても,とんでもないときにうっかりしたミスで事故が起きて指名停止をいただくとか,そういうこともございますので,いつも年度スタートのときはゼロからのスタートで,何とかまたことしも去年と同じじゃなくても,去年の何割ぐらいまではやりたいなとかいうことで,一生懸命努力しているわけでございます。
 以前からの景気浮揚の関係で,上半期の80数%の発注というのを長らくお願いして,またそういった御発注をちょうだいしておりましたが,やはり景気浮揚とか切れ目のない御発注をちょうだいするということだけではなくて,受注産業の持つ不安感と言いますか,厳しさからいいますと,これからもできるだけ上半期に仕事の御発注をちょうだいできればなというふうに思っております。また県の土木部さんを中心に,建設業に対していろんなきめ細かな対策,対応,御配慮をちょうだいしておりますので,県の土木さんのそういったものに対して,我々も建設業界を通しまして,今伊沢委員がおっしゃったような御配慮いただいている部分を会員全部に,また業界全体の人に,こういう県の方の対応がありますということをきちっと広報いたしまして,そういった御配慮を十分に活用できるようにやっていきたいと思っております。


◯伊沢委員 ありがとうございます。いろいろお話あったと思うのですが,具体的に,例えば相談会をするときに,こういうものについての相談会を実施してほしいとか,どうせ講演会を県の方で開くんであれば,こういうものについて開いてほしいとか,そういうのがあったら,ちょっとお伺いしたいんですが。


◯川津委員長 秋山さん,お願いします。


◯秋山参考人 建設業界の方は,県の土木部さんと協会長を中心に,懇談・陳情を数多くやらしていただいていますし,委員会を通しまして,土木委員会は道路建設課さんとか道路維持課さんと毎年定例の会議,建築委員会が建築3課,建築指導課,営繕課,住宅課の課長さんと定例的に会議を持たしていただいています。舗装部会は監理課長さんを中心にして,各課の皆さんとも懇談をさしていただいていますので,日ごろからいろんな意味での意見交換会は……。ただ,先ほどお話しましたように,建設業の場合はそういった意味での広報といいますか,第三者に対して認識していただく努力が少し不足しているものですから,そういった意味では,これからきちんとした広報活動もしますし,また今回川津委員長さんから建設業協会から出席させていただきましたが,土木委員会さんとも今まで以上にいろんな意味での意見交換会と言いますか,土木委員会さんの御指導をちょうだいする機会をもうちょっとつくって,我々の仕事にプラスにさせていただきたいというふうに思っております。


◯川津委員長 ほかにございませんか。──。
 それでは,以上で「建設業の現状と課題」についての意見聴取を終了いたします。
 秋山さんには,貴重なお話をありがとうございました。
 本日,お話いただきましたことについては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
     ───────────────────────────────


◯川津委員長 ここで,暫時休憩をいたします。
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 再開は,午後2時10分を予定いたします。
                午後1時50分休憩
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                午後2時10分開議


◯川津委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
 本日,お二人目の参考人として,税理士で株式会社小野経営サポート代表取締役の野島隆さんをお招きしておりますので,御紹介いたします。
 なお,野島さんのプロフィールにつきましては,お手元の資料をごらんください。
 本日は,お忙しい中,本委員会に御出席いただきましてありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。
 野島さんには,税理士の立場から「県内建設業の経営状況について」御意見を伺います。
 意見聴取の進め方につきましては,初めに野島さんから御意見をお伺いいたしまして,その後,意見交換を行うことといたします。
 それでは,野島さん,よろしくお願いをいたします。


◯野島参考人 税理士の野島でございます。
 本日はお招きいただきまして,たいへん恐縮いたしております。若輩者ではございますが,しばしのお時間,御意見を述べさせていただきまして,また御質問をちょうだいできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は職業柄,会計事務所を経営している立場でございます。建設業者様の決算書の実態,それから月次の計数管理の実態をいろいろと見させていただいている立場というところで,建設業は経営力と技術力が経営の両輪かと思うんですが,経営力の立場からサポートする施策ということでの御意見を述べさせていただきたいと思っております。
 私が所属しております建設業経営研究所,CMLという団体がございます。公認会計士,税理士で全国に 150人ほどの会員でございまして,平成11年に私入会いたしまして,約6年間にわたりまして,全国の会計人と情報交流しながら,私も自分の目で全国の事例を見ながら,いろいろと建設業のお客様,特に経審を中心としたところから経営改善へということでのサポートをさせていただいておりました。茨城県建設業経営研究所という,地元でのいろんな士職業を集めた団体,民間レベルのワンストップオフィスをつくって数年でございます。
 今回,私から意見をさせていただく部分でございますが,お手元にございますレジュメと申しましょうか,1番から順番にいきたいと思います。
 平成16年,「企業経営アンケート調査の結果」と分析ということで,別冊の資料1というのがございます。こちらのアンケートの結果の一部を御説明させていただくところからスタートしたいと思います。
 この企業経営アンケートと言いますのは,茨城県建設産業団体連合会,いわゆる県産連様が,昨年の秋に県内の建設業者様,専門工事業者様も含みます,約 1,000社の御協力を得まして,まとめられたものでございます。
 私どもが,このアンケート集計並びに分析の御依頼を受けました関係上,この作業に携わっている者として,またアンケートの質問にも若干加わらさせていただいた事情がございまして,本日そのほんの一部でございますが,その抜粋をさせていただいたものでございます。
 まず,資料の1番の,表紙をめくって次のページでございます。企業経営アンケート調査結果報告1)企業のあらましをごらんいただきたいと思います。ただいま申し上げましたように, 1,065社の御協力を得まして,特に建設業協会様が約3分の1近くということですが,ごらんのとおり,各専門業者の団体様の御協力も得ておるわけでございます。
 次のページにいきたいと思います。私ども,いろんな決算書を分析する立場で申しますと,当然皆様建設業者様の決算書が,赤字であるか黒字であるかというのが大変興味の対象になるわけでございます。この表の見方でございますが,表2)−1というところの1番右隅をちょっとごらんいただきたいと思います。計と書いてあるところが,各業界団体を総計したものでございます。ですから見方といたしましては 1,065社のうち,平成16年9月末日直前の決算期において黒字だった企業が62%あるという意味でございます。逆に,30数%は赤字であったということでございます。
 私の実感でございますが,この黒字割合は,もうちょっと少ないのではないかと思います。なぜかと言いますと,バブル崩壊後しばらくの間,建設業者様におかれましては,無理に黒字にしようとしなきゃいけない事情がございました。例えば,入札への参加の機会の問題であるとか,もしくは銀行の融資の御依頼に対してストップがかかる等の事情で,損益計算書の最終が黒字か赤字かということのみに着目された経営環境での判断が,外部のところからあった関係で,逆に言うと,それが改革をおくらせてしまったという反省点もございます。何が言いたいかといいますと,損益計算書主義ではなくて,平成11年の経審大改正でもありましたようなキャッシュフロー経営,つまり勘定合って銭余る,お金も回るし利益もきちっと出るという経営体質に変換しないと,建設業者様生き残れませんよということで,平成11年に経審がその方針転換をしたわけでございます。あの考え方は,私は基本的に間違いないと思っておりまして,そうなってきて最近になって,銀行としては赤字か黒字かという単年度のところで見るのではなく,その経営改善がどう行われているかということを見るようになったのは,御承知のとおり,金融庁さんができて,金融検査マニュアルというものができて,銀行が審査の仕方,やり方を変えてから,時間も結構経っているわけでございますが,それが実態でございます。
 そういう背景がございまして,いろいろ合法的に利益を繰り延べる方法がございます。例えば減価償却を翌期に繰り延べるということは税法上容認されている関係で,会計上は本来は満額計上すべきだけれども,翌期に繰り延べる。これは違法行為ではございませんので,そういったいろんな合法的な利益調整等を経て黒字にしているというのが,数年前まで続いていました。
 ところが,昨今における黒字はちょっと状況が違います。いわゆる労務リストラと言いまして,人ですね。従業員を削減するとか,外注費,材料費を圧縮するといった,いわゆる経営努力とか,ある意味,人のいろんな犠牲の中で,収入完工高が減る中で経営をスリムにしていこうということで,今利益が出ている会社の大半が,減収増益でございます。売上は減っている,完工高は減っているけれども,利益は増えている。つまり,コストもそれ以上に減らしているということでございます。
 その辺のところが,次のページに出てきまして,表2)−2平成14年度と15年度の経営状況の比較ということで,上下のページにわたっているわけでございますが,ここにも如実にあらわれているわけでございます。
 まず1番上,全体の受注量といたしましては,前年に比べて減少しましたかと言う質問。1番右側の計の欄をごらんいただきたいんでございますが,1番上の質問に対しまして,減少したとお答えになっていらっしゃる業者様46%でございます。おっしゃるとおりだと思います。公共工事の場面で言いますと,減少したが46%,民間工事で減少したと言いますと,ちょっと少なくて38%。ですから,かなりの業者様が完工高,売上を減らしているということは,もう皆様御周知のとおりでございます。
 そんな中で,じゃ実際の収益状況,下から2番目の段でございますが,収益状況と資金繰りという場面でごらんいただきたいんでございますが,収益状況,つまりもうかっているのかという部分で言いますと,非常に低収益であったという会社さんが 56.6%,その上のほぼ同じというところが32.9%ですから,約9割近くの企業様は何とか前年を確保しているか,それともほんとに少ない利益の中で,何とか黒字にしているということがこれでうかがえるかと思います。 100万円の利益でも黒字は黒字でございますので,厳しく見ると,ほんとは赤字になってしまう会社さんも,実態としてはあるのかなという感じがいたします。と申しますのは,上場企業におかれましては,公認会計士と外部監査人が入る関係で,かなり厳格に決算というものを見られるわけですが,中小企業の場合,我々税理士等がサポートしていきまして,そこまでの監査というものを現実行っておりません。税務署に対してどうだとかいうことの視点,建設業の財務諸表のルールに合っているのかという視点で決算書をまとめておるものですから,実態のところで,少しずれがあるかとは思います。いずれにしても厳しい状況であることは間違いありません。
 ここで皆様に御注目いただきたいことは,一番下の資金繰りでございます。いわゆるキャッシュフロー経営ができているのかというところでございますが,楽だったと答えた会社はたった5%です。皆様御承知のとおり,ほぼ同じが48%,苦しいが40.9%ということで,これも9割弱の業者様が,資金繰りが非常に厳しい状況にあるということが実態であることは言うまでもございません。
 次のページに移りまして,そういう経営状況であることは間違いないと思いますし,私どもも現場で見ていてそう感じるわけでございますが,ちょっと視点を変えたいと思います。
 次の御質問です。ISOの導入についてでございます。ISOにつきましては,御承知のとおり,平成17年,18年度から茨城県様におかれましても,主観点数に5点を加算するという措置が決まったわけでございますが,県内業者様,このアンケートに御協力いただいた方の中で,ISO 9000シリーズを取っていらっしゃる方は,190社17%ございました。 14000,環境の方を取っていらっしゃる方は,まだ15社ぐらいで1%でございました。このISOにつきましては,皆様も御承知かと思いますが,トップマネージメントシステムでございます。社長経営者みずからが経営品質をよくするために,社員に方針を示して,計画を立てて,それを実行してみて,うまくいかなかったら見直しをするという,いわゆるプラン・ドゥ・チェック・アクション,PDCAのサイクルで毎年経営を回していこうというシステムでございます。わかりやすく言えば,経営改善のツールなんでございますが,このISOを取得した企業が,本当に経営改善に役立っているのかという検証のアンケートは今までなかったので,これは県内では多分初めてだと思うんですが,その結果がございます。ISOを実際に取得された企業の中で,導入の効果があったというお答えが49.8%,つまり半分はあったと。逆に言うと,もう半分はなかったと。それはなぜなのかということの原因分析が,次のページでございます。
 導入効果ありと回答した企業,表3)−2−イ−Bというとこでございますが,こちらを拝見しますと,8ページでございますね。導入効果があった場合の1番の理由というところで言いますと,これは複数回答ありでございますけれども,2番目の業務改善が進んだ。つまり社内の業務改革に非常に寄与しているということで,この74%の業者様には,私は拍手を送りたいと思っております。つまり地道に,ISOが導入される前から,経営の仕組みというのはきちんと回っていた,非常に堅い堅実な経営をされていらっしゃる会社さんが多いんだと思うんですが,よりそれを導入することで経営改善の仕組みが進んだということを74%の方がお答えになっているということは,すごく私は重要な数値だと思っております。
 ここで勘違いしてはいけませんのは,受注に結びついた会社はたった2社でございます。つまりISOを,売上を増やすための道具を主目的にやるとおかしな話になります。残念ながらISOが主観点数に加算される等については,全国各都道府県で既に先行して実施されていたわけでございますが,マーク欲しさに,点数を上げるためだけにマークを取っているという会社さんも少なからずあるということなんでございます。それはなぜわかるかと言いますと,次のところの導入効果なしという,9ページのところをごらんいただくとわかるわけでございますが,実はISOを取っていらっしゃる方の大半が,事務負担が多くなった,68%,書類が多い。確かに大変です。もともといろんな書類を書くということについて,現場の方々はなれていらっしゃらないので,御負担になるというのはよくわかります。しかし,最初はいろいろコンサルタントの言うとおり仕組みはつくったけれども,自社に合うような経営の仕組みで,毎年毎年回転をさせていきますから,事務負担を徐々に軽減するということはできるわけなんですが,放置しておきますと,トップも幹部もこの仕組みを,とにかくマーク取ったから次の審査まで放ったらかしにしようやということで放置していますと,事務負担は一向に減りません。ということで,ISOのために,土曜日に休日出社して来週の審査に備えて,夜を徹して書類を書こうなんていうおかしな話が起きてくるわけでございます。これは真の利用のされ方ではございません。
 ここで最大の問題は,3つ目の答え,トップの負担が多くなったというところの回答でございます。これは,おかしな話なんです。本来トップマネジメントシステムですから,ISOを導入して1番大変だと感じるのはトップのはずです。社長のはずなんです。ところが,社長の負担が多ければ多いほど,当然効果が出てくるはず,少なからず時間差はあっても,効果が出てくるはずなんでございますが,ここでトップの負担が多くなったというお答えが,たった16%しかありません。ということは,効果を感じていない会社のトップは動いていない。ISOの仕組みに乗っていないという裏読みができるわけでございます。ですので,トップが参画していないISO企業につきましては,今後ISOを返上する,認証を取り消してもしようがないという企業が必ず増えます。これは建設業者様が1番多くなるのではないかと私は危惧しております。この3年ぐらい前の講演会から警告を私発っしさせていただいておりまして,何とか皆さん,ISOを自社のために生かしていきましょうよという呼びかけをしてまいりました。私はこのISOについて,主観点数で加点をする,それは一生懸命やっているんだから加点をするのはすばらしいことだと思うんですが,逆に返上する会社について,第三者として,外からの目で,例えば県庁様から見て,銀行から見て,我々のような外部の者から見たときに,ちょっとこの会社の経営スタイルどうなのかと。この会社ほんとに一生懸命経営をやっているのかという疑問詞を投げかける一つの指標になるのではないかということで,今後注目いただければということを御提言申し上げたいと思います。
 以上が,ISOについての話でございまして,次に,先ほど秋山社長様からございました新分野進出の状況でございます。
 ここで新分野についての誤解がございますので,整理したいと思うのですが,新分野というのは,建設業者さんが全く異業種の小売業とかサービス業をやるのが新分野ではございません。それだけが新分野ではございません。わかりやすく言いますと,建設業者さんが,あしたからコンビニエンス・ストアをやるとか,ラーメン屋さんを経営するとか,そういう話ではございません。建設と言っても非常に広い領域がございます。例えば隣の専門工事業者さんと組んで,今まで進出していない建設の違う領域に飛び込んでいく。これも新分野でございます。また,今まで茨城県でやっていたんだけれども,お隣の県に進出する,これもある意味新分野と言えるかもしれません。隣の市に行く。これもそうです。ですから,基本的には新分野というのは,かなり広義に捉えていいと思うんですけれど,建設の中で考えてみますと,いろんな業種に取り組んでいるか,取り組んでいないのかと言いますと,実は非常にここはおくれております。取り組んでいる企業,11ページでございます,26%。ただ取り組んでいきたいという企業を足しても半分に達しない。つまり,ここには自分のところの本来業,例えば土木業者様が,土木以外のことに進出することに非常に抵抗感といいますか,自信がないというのが本音なんだと思うんです。それが実体としてうかがえます。明確に取り組まないと明言されてるい方も3分の1いらっしゃいます。
 新分野に進出する企業に,どういう業態が多いのかという部分で言いますと,やはり成長産業絡みが多うございまして,12ページでございますが,1番多いのは住宅リフォーム関係です。これも広義の建設業に入りますので,リフォーム関係の参入については非常に多くなっています。それから産廃絡みでございます。廃棄物絡みですね。これは施設をつくってやり始めているところが,数年前からかなり増えてきております。それから不動産関連というような順になっておりますが,いずれにしても本業の範疇の中で,もしくは,ちょっと隣の分野という形が多いかと思います。
 その新分野のどこに着目するかということも重要なんでございますが,進出の方法,ここが問題でございます。先ほど秋山社長様のお話にありましたように,バブルの時期に,いわゆる異業種を中心とする多角化経営という名のもとに,それが先行きがおかしくなっちゃって,本業もろとも残念ながら倒産したという会社,全国に多うございます。また,その倒産した会社の中で,他業種のところは倒産してしまったんだけど,建設は収益力があるので,いろいろ会社分割とかをして生き残っている会社もございます。銀行さんにも一定の犠牲を払っていただいた例もあるんじゃないでしょうか。
 ということで,この新分野進出は慎重にならなければいけません。そのときに,自分だけで進出する,社長とうちの社員だけで自力で進出するケースと,他の業者と連携をするケース,とちらがいいんでしょうかという問題が出てきます。実際のところ自力進出というのは,特徴としては利益率は高い,だけどリスクも高い。大きいと思っていただいて結構だと思います。企業連携というのは,他の企業と一緒に動きますので,利益はちょっと中くらいになるけども,リスクも当然中くらいになるという部分で言うと,ここの選択は非常に重要でございます。
 では,実際に企業連携を選択された企業の方々の御意見を伺ってみますと,14ページでございます。1番多いのは業務提携,39.8%。他の業者との提携関係でいこうという方々。それから協力会社,いまの現状として協力会社がいらっしゃると思いますので,そういう業者さんと連携してやっていこうということでございます。合併とかといういわゆる企業再編ですね。企業をくっつけるとか離すとか,そういったことはまだまだ少のうございます。
 この合併につきましては,茨城県自体も多分全国の統計値の中でも,例えばM&Aというのが昨今話題になっておりますが,M&Aという意味では,後進県と言われておりまして,件数自体もまだまだ少ない。これは建設業というだけじゃなくて全産業で見ても,そういう統計値も出ているようでございます。今後新分野に進出する興味を持つ企業の具体的な内容でございますが,今後,進出したいと思っているという部分で言うと,やはりリフォームが圧倒的に多うございます。
 次に,新分野に進出しないという選択をしていらっしゃる,16ページでございますが,企業様の中で,やっぱり本業で勝負していきたい。これも私は間違った選択ではないと思います。本業できちんとした収益力が確保できているのであれば,脇目もふらず今の本業を充実させる。ただし,その本業でも,私は多柱化という言葉を申し上げているんですが,多角化ではなく,多柱化,多くの柱の化ですね。柱が1本だけですと,ポキッと折れてしまったら,そこで倒産してしまいますので,幾つかの基盤になる柱は,本業の中でも必要かなという感じがいたします。こういった企業アンケートの調査結果に基づきまして,県内業者の皆様への提言ということで,レジュメの方に戻ります。あちこち行って恐縮でございます。
 2,県内業者様への提言。これは私の私見であることをお断り申し上げます。
 まず,1)計画なくして成果なし。自社の3カ年経営改善計画書を作成しましょう。6年間研修会で言い続けておりますが,なかなか経営計画書,自分でおつくりになるというのが大変なようでございます。逆に言うと,ここに県庁の皆様がいろいろ活性化の支援のメニューを用意していらっしゃるわけでございますが,この経営計画をつくるという習慣づけを経営者様にどう根づかせるかというのは,今まで,例えば失礼な話でございますが,土木業者様におかれましては,大体3本取ればことしは何とか黒字でいけるんだとか,そういう世界で経営をしていらっしゃった方々に,経営計画って言われちゃうと,なんか難しいという感じがあるわけでございます。何も難しいことはないわけでございまして,3年後の自分の決算書をつくってみましょうと。そうしたら債務超過に陥る。銀行の返済ができなくなる。そういう危機感を今からわかっていれば,どう手を打つべきかということなので,将来の決算書づくりというようなところでスタートさせていただく。そのときに重要なのは,もちろん利益が出てなきゃいけないわけでございますが,まずはキャッシュフローベースです。資金繰り表も3年分つくるということが大前提になります。それから,いろいろ銀行さんに御協力をお願いする。いわゆるリスケジュールとかですね。ちょっと体力がしばらく弱まるけれども,じきに収益力回復するまでの間,銀行さん助けてくださいというようなリスケジュールのサポートをさせていただくことが我々多いんですが,そのときの裏づけ資料になります。この辺の習慣づけが重要です。
 それから2)番,社長様に求められる2つの決断。これは大変言いにくいお話をしなければいけません。第1の決断,事業を続けるか,やめるか。これは我々も非常に言葉を選びます。何が言いたいかと申しますと,やめる勇気,これも重要だと思います。さんざん借金を増やしたあげく,多くの方に御迷惑をおかけしてというケースも,悲しいかなございます。ここで踏みとどまっておけば,社員さんの雇用の問題も含めてですけども,社員さんにとっても,これ以上傷口を深めなければ,次の人生のステップになるかもしれないという場面がありますので,社員の生活と経営者の生活をどっちが大事かという,それはまあ究極の選択でございますが,やはり両方考えながら,見詰めていかなきゃいけない,厳しい決断をすることがある。そのときに,別に事業をただやめるというだけではなくて,例えば自分には後継者がいない。だけど優秀な技術力を持っている社員はいる。お客さんもそこそこある。ただ,利益は余り出ていない。だけどこの社員の生活を守るために,うちの事業を他社さんに買ってもらおうと。ここであまり欲得をかいちゃうと話はまとまらないんでございますが,そういった雇用を守るとか,社会的な責任を含めて企業を営業譲渡するとか,営業の一部を譲渡する,そんなようなことは現実に,徐々でございますが行われてきているわけでございまして,他に営業譲渡することも含めて考えなければいけません。
 その中でM&Aというと,世間のマスコミの考えでいくと,そこで金もうけみたいな悪い印象が少しあるわけでございますが,そうではなくて,例えば社長さんが代わると会社は変わるということもございます。当然その中には,一生懸命やっていらっしゃる社員さんは雇用は保証されるけれど,そうじゃない社員様にとっては,悲しい場面もあるかもしれませんので,全員がハッピーというわけにはいかないかと思いますが,そういう選択が出てくるかと思います。
 それから,先ほど来新分野進出のところで申し上げておりますが,経営改革を自社単独で行うか,他社と連携して新分野に進出するかということでございます。これにおかれましては,私大変ありがたいと思っておるのですが,土木部様で作成されました活性化支援ガイドブックの8ページにも,合併,持ち株会社化,会社分割,営業譲渡,いろんな企業再編のスキームがあるんですが,そういった形へのいろんな御支援も,メニューとして御用意いただいていますので,そういったところも活用していかなきゃいけないかなと思っていますし,それをPRしていくのも我々税理士等に課せられた義務じゃないかなと思っております。
 次に,成長分野への参入につきましては,公共工事はこれからだんだん需要が減少していくことはもう御承知のとおりでございますので,やはり民間シフトというものは避けられないことでございます。
 次の(2)番,これは私,建設業者様にここ数年申し上げているんでございますが,このガイドブックにもございますけども,財団法人建設業振興基金さんのところで,「ヨイケンセツ ドットコム」というサイトがありまして,他の県でのいろんな建設業の新分野への取り組みの成功事例とか苦労話を取材したものが,インターネットのサイトでごらんいただけるようになっております。これを私,いろんなところの研修会でPRさせていただいておるんですが,あまり読まれておりません。現実には,これがある新聞社さんの今1面に特集として出ているんですが,そういったところの場面に出て新聞で初めて見たよと。なかなかまだインターネットで情報検索するということになれていらっしゃらない経営者さんも実際には多うございます。何が言いたいかと言いますと,成功事例を文字で読んだだけで何がわかるのかということなんです。建設業者様の特徴として,横の連絡のスピードは他の業界に比べて非常に早いんです。ところが,他県の成功事例を現場に行って取材するとか,見に行くとかということはほとんどされません。他県であれば侵食されませんから,いろんな情報が取材できるにもかかわらず出向きません。別にツアーを組んでいく必要はないわけでございまして,1対1の関係で,こういうサイトで知った会社に対して,ちょっと教えてくださいということで,他の成功事例を現場に行って見聞きするということ,これはたいへん重要なことかと思っております。
 次に,コストダウンへの取り組みでございます。4番,現場中心の日次実行予算制度の導入。残念ながら建設業者さんは長い間,どんぶり勘定と言っておられまして,月次の資産表,いわゆる今月の利益は幾らなのかといった部分で言いますと,なかなか数字が出てこないとか,決算になってあわててまとめるっていうことが,古きよき時代はございました。昔はなんでそれができたかと言いますと,結局公共工事3本取れば今期は利益だというような土木業者様がいらっしゃったとして,粗利益が結構1個の工事で取れましたので,計算上少し原価率が高くても採算が合っていたというのがあったと思います。ところが今,非常に厳しい環境下ですから,粗利も一工事当たり減っております。そういう中で実行予算管理,つまり最初に予算を立てて,材料屋さんとか外注屋さんに発注をする,それから自分のところの労務費を集計していくわけなんですが,それが日々とか毎週単位とか月単位とか,単位は別にしまして,実行予算をつくるまではやっていても,それをリアルタイムにきちんと比較をしていって,このままいったら原価を飛び出るぞとか,予定どおりの利益だなということを毎週の経営会議の中で,現場監督さん,社長さん,経理担当者,三位一体となって会議をやっているという会社さんは,今でも非常に少ないんです。これをやれている会社さんは,今勝ち組企業としてずっと来ております。ですので,この三者で情報を共有化できる仕組み,建設業者さんは個別原価計算ですので,建物一つ一つ原価計算をしていくわけでございますから,その場で利益が出なければ,材料屋さん,外注屋さんに少し交渉していただくとか,また労務の形態についてもっと原価圧縮できないのかという議論が必然的に出てくるんですが,このミーティングの場がなかなかできていないということも,実は原価管理が甘いと言われているゆえんでございます。ここにメスを入れられるサービスを提供していくということが,昔からこれは言われていることなんですが,今後生き残っていく企業,新しい分野に出る出ないにかかわらず私は重要かと思います。
 では,最後にいきます。3つ目,ワンストップオフィスの必要性。
 私がワンストップオフィスという言葉を初めて拝見いたしましたのは,確か平成8年か9年ごろだったと記憶しておりますが,当時の通産省様が,例えば経営者が相談に行くときに,これは法律問題だから弁護士だ,これは税金の問題だから税理士だ,これは労務の問題だから社労士だという感じで,いろんな専門家に複数の問題をたらい回しという言い方は失礼ですが,あっちこっち行かなきゃいけない。それを1カ所で相談すると複合的にプロジェクトチームの専門家が組織されていて,その会社をサポートする仕組みができたらすばらしいねということで通産省様が提唱した話だったと思います。これが,今建設業者様にも,このワンストップオフィスの必要性というのが非常に叫ばれておりまして,御承知のとおり,ことしの6月までの間に建設業協会様に委託をする形で,このオフィスの設立準備が今進んでいると私は聞いております。このときに重要なのは,一人の専門家では何もできない。中小企業診断士,弁護士,社労士,システム・コンサルタント,まあ税理士もそうでしょう。コーディネーターをきちんとつくって連携フォローをしていかないと,解決できないような病気を抱えていらっしゃる会社さんが大変多うございます。ですので,プロジェクトチームをつくって複数の専門家で経営をサポートしていくということが重要です。例えば,合併とか企業再編になってきますと,行政諸官庁様とのやり取り,銀行さん,社員さん,取引先さん,いろんな方の御理解が必要でございます。そういった中で,いろんな専門家と連携してプランを進めて行くということは重要なことです。
 以上が,私として申し上げたかったことでございますが,長い間多くの建設業者様とお会いさせていただいて,もっと広く言いますと,中小企業様をサポートさせていただく我々税理士の立場として,最後に本音の話をさせていただきます。
 経営改善に取り組む過程におきまして,一生懸命に取り組んでいらっしゃる社長様,社員様のためであれば,我々は夜を徹してでもサポートしてきました。ところが,なかなか意思決定をされない,もしくは後継者さんも含めて,要するに右の方向に行くのか左の方向に行くのか,ここで決断ですよと言っても,なかなか決断が出せないところで,一生懸命複数の専門家がサポートしても,これは失敗してしまいます。ですから要は,経営者がどう変わるかということが結論として申し上げたいわけです。
 社長が代われば会社も変わる,会社も変われば社員も変わる。社長が代わるという意味は,2つございます。社長の意識を変えるという作戦でいくのか,もう一つは社長自体に代わっていただくのかという厳しい選択があろうかと思います。これは,やっぱりトップが変わらなければ会社は変わらないという意味で,今建設業者様に求められていることでもあり,中小企業に求められていることではないかなと感じます。
 大変若輩者が生意気を言いましたけれども,以上で私からの意見を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。


◯川津委員長 どうもありがとうございました。
 これからは意見交換の時間とさせていただきます。ただいまのお話について,委員の方で何か御意見または質問がありましたらお願いをいたします。
 川口(浩)委員。


◯川口(浩)委員 どうも大変参考になるお話をありがとうございました。
 私も何人かの社長さんから,いろいろ御相談とか御意見を伺う機会があるんですけれど,皆さんおっしゃるのは,仕事さえ取れりゃ何とかなるんだ。その意識からどうしても脱却できないんですよね。それの最大の原因というのは何だと思われますか。


◯川津委員長 野島さん,お願いいたします。


◯野島参考人 結局建設業者様は,受注産業であるというつらさがあろうかと思います。来年の売上は今からつくっておかなければ受注はできないわけでございまして,種まきから刈り取りまでにすごく時間がかかるということがございます。例えば,民間の住宅工務店を典型に取りますと,非常に営業活動に長くの時間をかけて,ライバルとの競争に勝ち,受注をする。そして受注をして,そこで一旦建てっ放しではいけなくて,アフターフォロー,修繕も含めて永続的に何十年も付き合っていく。当然安かろう悪かろうでいきますと,顧客から非常にあそこはどうなんでしょうかねということは,地域でございますので,すぐ評判が伝わってしまいます。ですから,民間工事を主体としている会社様におかれましては,非常に消費者とか企業という厳しい目の中にさらされておりますので,その中で勝ち残ってきた会社さんは,アフターフォロー,営業フォローも含めてきちんとしていらっしゃる会社さんが多いので,この方々が公共工事に参入をしていくということは,比較的しやすい部分かもしれません。ところが,特に土木事業者様を中心とした公共工事を主体としているお客様にとっての納入先は諸官庁でございますので,そこにはそういう何と言いますか,もちろんきちんとした仕事をする,まちづくりのためにという意味での公共性・社会的責任はあるんでございますが,需要がある中で,営業努力という部分ではなくて受注ができた背景があったので,受注産業とは言え,ある程度の確保はできたから,逆に改革がおくれてしまったという背景はあろうかと思います。


◯川口(浩)委員 例えば予算とかを見て,ピークから比べれば減っていますけど,その後の公共事業の予算自体も,さほど巷間言われているほど減っていないなあというのが,さっきちらちらと資料を見ていた感想なんですよ。そうしますと,業者の数も増えているわけではないし,普通にある程度経営努力を行えば,当然それなりに問題は解決してくるんじゃないかなと思うわけです。
 私は歯科医師をやっておりまして,御存じのように,予算が増えているのは事実なんですけど,やる人間もかなり増えておりますので,そういう意味じゃ建設業以上にシビアな業界にいるわけでございまして,何をやるかと言ったら,食えない人は休みの日に働くわけです。診療時間を長くするわけです。そういうふうにやって,何らかの努力をしているわけです。ただ,文句を言われる人というのは,絶対に自分のことを言わないんですよ。仕事さえ取れれば,仕事さえ取れれば,こればっかりなんですよ。土木事務所とかへ行って,一生懸命仕事ください,仕事くださいってやられるわけでしょう。だけど,さっき企画監の方もおっしゃっていたんですけど,そこで発想を転換して,例えば私は介護支援専門員医の資格を持っていますから,施設とか在宅とかに行くわけです。よく探すと土木工事をやる人の仕事の種っていうのは何ぼでもあるんですよ。それを,土木部関係のところばっかりへ行って,仕事くれ仕事くれって言わないで,逆に市役所とか福祉関係のケア・マネージャーのところに行って,あすこの家はこれこれこうだけど,今おばあちゃんがこういう状況だから,この家をこういうふうに変えれば,というふうな発想をするようにしていけばいいと思うんですよ。今先生のお話で,民間工事を主体としてやっているところは融通がきくというお話がありましたので,その辺にどうもヒントがあるんじゃないでしょうか。やっぱり意識が変わらないと,なかなか先へ進まないと思うんですよ。自分で頭を使って,足を使って,飯の種を探すという努力が,この業界はちょっと欠けているような印象をどうしても持ってしまうんですよ。コンサルタントのお仕事をされたりしているときに,やはりその辺をもっと訴えていかれたらいかがなんですか。


◯川津委員長 野島さん,お願いをいたします。


◯野島参考人 利益がきちんと出ている会社,もしくはその施工技術が高くて評判がいい会社の経営者様の動きを見ていますと,まず現場を見に行っております。そしてざっくばらんに言いますと,従業員が手抜き工事をしていた,外注先がちょっと品質が落ちるものをつくったら,即刻やり直しをさせるというようなところで業務品質を維持できるような,非常に厳しい目の経営者の方々,幹部の方々がいらっしゃいます。よい製品をつくるという,民間ならば当たり前の話なんですが,それができる会社さんは,今でも利益は落ちていません。それは同時に,営業面で言いますと,いろんな市場というものを自分のみずからの足で経営幹部とともに歩いて行っている。そういう意味では,先ほどの介護一つとってもいろんな領域があるわけでございまして,やっぱり足で稼ぐ部分と,耳で入手する部分は絶対に必要だと思います。これは建設業者さんだけに共通することではございません。
 それから同時に,会社でいろんな計数分析をする,書類自体も何十年も同じやり方でやっている。結果に対しての分析をどうしているのか,これも利益が高い会社さんの社長様の分析能力と,あとは経理に任せとけばいいとか,税理士に任せておけばいいんだというような会社さんは,基本的にルーズ,アバウトでございますので,そこら辺の計数管理と労務管理,施工の管理をきちんとやるということは基本中の基本でして,その基本ができている会社さんがやっぱり生き残っていく。まさに御指摘のとおりじゃないかなと思います。


◯川口(浩)委員 ずっと今日1日話を聞いていて,頭の中に生まれている疑問が1つあるので,部長でも次長でも結構なんでお答えいただきたいんですけど,民間でやっているとこうだというお話,それからいろんな今のお話を考えて,公共工事というのはきちんと監理をするとか,労務管理はこういうふうにするとか,あまり今まで気にしないでやっていたとしか思えないんだけど,その辺の実態をちょっと簡単にお願いしたいんですが。


◯川津委員長 野島さん。ここでは野島さんから御意見を伺いますので,その後に執行部の方の時間は取りたいと思っております。
 野島さん,答えられる範囲で結構でございますが,また場合によってはお答えも結構ですけど,意見交換ということでございますので・・・・・・。


◯野島参考人 民間・公共というくくりでやるのはちょっとどうかなと思いますのは,実は我々が分析するときに,公共のも元請と下請というまず区分をいたします。民間の方も元請,下請という区分をいたします。元請企業になると,特に総合建設業様に多いわけでございますが,じゃ民間はほんとにいいのかというと,昨今の例えばゼネコンさんの下請でついていらっしゃるところは,あるゼネコンさんと一緒に衰退していったところもあるわけでございまして,必ずしも大きいところについている下請さんが大丈夫なのかというと,かなり大変な思いをここ数年してきている中でやってきていますね。でも,その中で今のゼネコンさんだけに頼ってはいけないということで違う分野に着手して,売上は減ったけれども,従業員も半分になっちゃったけれど,頑張っているという会社さんもいらっしゃるわけでございまして,やはり元請と下請という分け方で考えていかなければいけないかなあと思います。これは製造業も同様でございますが,1次下請,2次下請,やっぱり1次下請の方が技術力とか,その会社の経営姿勢,取り組みはやっぱり違いますね,納入者と直接つき合っておりますので。それで,今専門工事業者様との連携というのは結構増えているわけでございますが,そこの中核になる方がだれなのかということが非常に問題になってくると思いますし,ちょっと答えになっているかどうかわからないんですが,一概に民間・公共という区分けでするのはどうなのかなという感じがいたしております。民間も公共も工事やることに変わりはないので,いいものをつくってきちんと原価管理をしていくという基本は同じかと思っております。


◯川口(浩)委員 結局公共事業というのは,どうしても高コスト体質になるとよく巷間言われますよね。そのやり方を脱却できない宿命みたいなのを背負っちゃっているんですかね。その辺は実感としてどうなんでしょうか。


◯川津委員長 野島さん,お答えできる範囲で結構でございます。


◯野島参考人 我々が見させていただくのは,例えば施工管理台帳とかいうところではなくて,我々は工事台帳というのを見る立場なんですけども,いわゆる受注高から納期から,いつ前受けでお金をいただく,材料,外注,経費,原価はきょうまで時点でどうなっているかという工事台帳というものをチェックする立場で物を申させていただきますと,初めてお邪魔した建設業者様の工事台帳を見ると,大体一目でわかります,その会社さんの原価管理体制。何だか先月末までのレベルもまだ書かれていない。終わったときにまとめてなんかのメモから清書する。そういう業者さん,かなりもう業界から消えてしまったところもあるかと思いますが,きちんとしていらっしゃる会社さんは,手書きであれコンピューターであれ道具は関係ありません,原価管理というものにかなり細かく帳票管理をしていらっしゃる。これは元請であっても下請であっても同じかと思います。そこにまさに資金繰りの情報まで入れて,その工事台帳を見れば金の動き,原価の動きが一目でわかる。そんなところから感じるところはございます。
 ちょっと答えになってないかもしれません。


◯川口(浩)委員 大体よく仕組みが分かりました。そうすると結局うちなんかでも患者さんで来ると,建設業の方というのは,来るたびに保険証が変わるんですよ。要するに会社がどんどん変わって,完全にもう仕事なくなられると国民健康保険になっちゃうんですけども,体力的にない会社というのは,ある程度集約していって,体力をつけていくようにしていかないと,この業界自体も,特に下請とかというところは立ち直れないような気がするんですけど,これはいかがですか。


◯川津委員長 野島さん,よろしくお願いします。


◯野島参考人 貸借対照表という決算書を見ると一目でわかるわけでございますが,有利子負債,いわゆる借入金が多いという会社さんは,やはり今最大のネックになっているかと思います。そして土地はいっぱい持っているんだけども,処分しても大したお金にならないという会社さんの資産の部に目を転じますと,今度は不良資産というものが出てくるわけでございます。ですから,貸借対照表が非常に重たい会社,不良資産を抱えていて,また借金も多いという会社は,結局債務超過がウン千万あったとして,その債務超過をまず資産超過に,ゼロに戻してプラスにしていくというのは数年間時間を要するわけでございまして,何が重要かと言うと,1年2年の頑張りでは無理なので,やはり5年10年の頑張りをしていかないと,借金が重い会社は大変かと思います。そこには,金融機関のいろんな御協力の要請は必要かと思います。ただし金融機関さんだって,この経営者だったら助けたいとか,この会社さんは地域のためだったら助けたいという意思のもとに,例えば債務免除してくださったりとか,いろんなリスケジュールをしてくれるということもありますので,やはりそこには経営改善の中期的な方針と,それからモニタリング・サービスと我々は呼んでいますが,今銀行さんに経営改善計画を提出した会社さんは,出しっ放しではございません。半年に1度,四半期に1度チェックが入ります。そのときに,こういう状況で頑張っていて結果はこうですよということを,行動計画の実際の実行計画に対する行動ぐあい,それから数値の部分で,予算はこう組んだけどもこうだと,このままいったら期末はこうなりますよというような,将来の会計,原価のチェックをもっと大きな目で,この期末どうなのかということと,3年後5年後どうなのかということを定期的に見直していく仕組みを習慣づけさせる。ここがあれば,私は年数は借金の重さによって3年で回復するところもあれば,5年10年であると思いますが,可能かと思いますし,そういう姿勢を見れば,銀行さんは必ず助けてくれるようになってきた,というように私は理解しております。


◯川津委員長 ほかにございませんか。──荻津委員。


◯荻津委員 いつもながら,野島先生の迫力ある的確なお話,ありがとうございます。お話の中に経営者社長の意識を変える,社長を代える。まあ人物を代えるのは簡単ですが,意識を変えるというのは,建設業という仕組みの中では大変なことだろうと思います。確かに建設業の過去の歴史を見てみますと,不況になって他の業種が大変苦しいんでいる時期に,補正予算などを組んで救済するというのは,非常に建設業には甘いというか,そういう時代が確かに過去あったように思います。バブル崩壊後,そうした甘えが通用しない時代に現在突入して,長い期間過ぎているわけで,深刻な経営者も,そういう時代はもう二度と来ないんだということが,数年前から実感として味わっているものと思います。
 それと経審の中では,過去の実績が非常に重点的に見られると思います。今の話の中にありましたが,経営改善計画を導入して将来性を見るような内容の経審というのも,今後必要ではないかと思っております。そういう点についてどのように,あと発注指名基準の中でも,会社独自の広報とか,そういったもろもろのものも指名基準の中に取り入れていくというような話も聞いておりますけれど,その辺のことについてお考えをお聞かせ願います。


◯川津委員長 野島さん,お願いいたします。


◯野島参考人 経審につきましては,御承知のとおり,Y評点というところで,決算書を中心とした財務諸表の分析,それからX1等を中心とした完工高,売上の規模等と,いろいろな技術者の数であるとか社会性であるとか,いろんなミックスで出されている,いわゆる客観点数P点というものがございますが,私は会計人の立場として,決算書改造ということを得意分野ではありますが,それだけでは多分会社は変われないということも思っております。結局小手先の決算書の数字いじりをしたところで,根本が変わらないからでございます。そこは車の両輪でございまして,経営計画をきちんとつくっている会社に対して,例えば主観点数の部分で何らかの公平な評価でプラスをしてあげるということは,これは私大変すばらしいことかと思いますし,また出されている決算書の信頼度が非常に高いということに対して,主観点数を加えていこうと,まあ客観点数を加えていこうという動きも,現実には国交省さんで議論しているとこでございますので,そんなところも当然入ってきてしかるべきかと思います。
 経営品質のところで言いますと,ISOというのが先行して入っているわけですが,これもISOを取っていることが重要なんじゃなくて,先ほど来言っているように,継続的に改善の仕組みが運用できているのかということについて点数を加算していくのが本来あるべき姿だろうと。ただ,これをどういうふうにチェックをしていくのかという実務面になってくると,またいろいろ検討すべきことがあろうかと思いますが,何かをやったことに対して加算するということではなくて,やり続けている,改善を続けているということに関しての何かインセンティブを与えるということは決して悪いことではないと思います。それが一つの経営改善計画書というものを作成したり,今の決算書の信頼性の問題であったり,ISOであったりするのかなという感じはいたしております。


◯川津委員長 ほかにございませんか。──。
 それでは,以上で「県内建設業の経営状況について」の意見聴取を終了いたします。
 野島さんには,貴重なお話をありがとうございました。
 本日,お話いただきましたことについては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。
 どうもありがとうございます。
 以上で,意見聴取を終了いたします。
     ───────────────────────────────


◯川津委員長 「建設業の活性化策」につきましては,今後も閉会中の委員会等で,さらに審査を深めてまいりたいと思いますので,よろしくお願いをいたします。
 これをもちまして,委員会を閉会いたします。
 長時間御苦労さまでございました。
                午後3時4分閉会