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平成12年  9月 予算特別委員会(第301号) 10月03日−01号




平成12年  9月 予算特別委員会(第301号) − 10月03日−01号







平成12年  9月 予算特別委員会(第301号)



平成十二年山形県議会九月定例会予算特別委員会会議録



   平成十二年十月三日(火曜日) 午後五時三十八分 開会



出席委員(四十六名)

 笹山一夫君

 吉田 明君

 加藤国洋君

 星川純一君

 伊藤重成君

 舩山現人君

 田澤伸一君

 森田 廣君

 坂本貴美雄君

 佐藤藤彌君

 小屋豊孝君

 広谷五郎左エ門君

 吉泉秀男君

 寒河江政好君

 太田忠藏君

 澤渡和郎君

 志田英紀君

 野川政文君

 阿部賢一君

 鈴木正法君

 佐貝全健君

 菊池汪夫君

 青柳 忠君

 前田利一君

 井上俊一君

 田辺省二君

 土田広志君

 平 弘造君

 阿部信矢君

 今井榮喜君

 土屋健吾君

 竹田重栄君

 松浦安雄君

 松野久八君

 伊藤 孜君

 橋本喜久夫君

 木村莞爾君

 荒井 進君

 関口 修君

 山科朝雄君

 伊藤定夫君

 松沢洋一君

 大内孝一君

 後藤 源君

 新目視悦君

 武田 誠君

欠員(一名)



説明のため出席した者

 知事           高橋和雄君

 副知事          金森義弘君

 出納長          横山五良右衛門君

 企業管理者        渡邉満夫君

 総務部長         宮内 豊君

 企画調整部長       佐々木克樹君

 文化環境部長       武田浩一君

 健康福祉部長       日野雅夫君

 病院局長         加藤淳二君

 商工労働観光部長     本木正光君

 農林水産部長       細野武司君

 土木部長         山本善行君

 財政課長         佐藤洋樹君

 教育長          木村 宰君

 警察本部長        殿川一郎君

 代表監査委員       櫻井 薫君

 人事委員会事務局長    鈴木一夫君

 地方労働委員会事務局長  斎藤知行君



     午後五時三十八分 開会



○平弘造委員長 ただいまより予算特別委員会を開会いたします。

 会議録署名委員には

     今井榮喜委員

     大内孝一委員

のお二人にお願いいたします。

 本日の本会議において本特別委員会に付託されました議第百三十五号平成十二年度山形県一般会計補正予算第二号から、議第百八十五号山形市が自治大臣に対して行う特例市の指定に係る申出についてまでの五十一案件を一括議題に供し、これら案件に対する質疑を行います。

 発言の順序は私から指名いたします。

 関口修委員。



◆関口修委員 最初に、議案にある議第百八十三号主要地方道米沢高畠線道路改築事業羽黒川橋架設工事上部工請負契約の締結について、これ再度にわたって建設常任委員会の方で、慎重に丁寧に県民の不安を除去するように鋭意審査されたということですから屋上屋は重ねません。ただ、きのうのJRの幹部と株式会社ピー・エスの幹部の皆さんが記者会見をされたという報道を見て、一様に県民の皆さんが悲鳴にも似た、「何だ」という声を発したと思うんです。この心配はやはり払拭しなきゃなりません。きょうの寒河江建設常任委員長の委員会の審議の報告を聞きまして相当程度まで、(発言する者あり)星川委員長だ、うちの会派でありながらごめんなさい、星川委員長の委員長報告を聞いて丁寧な質疑・応答をやっているなと、こう思いました。ただ、土木部長の答弁は委員長報告にないわけです。したがって、これは県民に丁寧に答えるという意味で二点ほどお聞きします。

 まず、ピー・エス社の工事の管理過程にかなりの大きな問題があったなというふうに聞きました。この問題点は委員会で丁寧に議論されましたのでこっちに置きますけれども、それでもなおかつ同じピー・エス社に橋の工事を発注するわけでありますから、管理体制をしっかりやっていただけるんだという保証を土木部内ではどこでチェックされるかという点です。これJRの仕事だから、県とは関係ないまくら木の話だからというわけにいかぬのです、このまくら木問題は。県民の皆さんは、昨年十二月、高橋知事の肝いりで県政挙げての新庄延伸ということで県政の大ヒット政策であり、この間聞きましても、去年以前に比べて乗降客はもう二倍以上にも達しているという非常に県民に明るい希望の持てる仕事をこの会社がやったのか、この会社に再びまた五億何千万円の仕事発注するのかという不安を持っているわけですよね、これが一点です。

 もう一つは、JRの方では、この問題を契機にいたしましてピー・エス社に対して新規契約は停止も含めて検討しているんだという発言内容が報道されています。我が県では、このことに対して一体どういう対応なされるのか。委員会でも議論されておったようでありますけれども、部長答弁聞いていないものですから、これは県民に大丈夫ですと、任せていいんですと、五億何千万円の県の仕事だけれどもこうこうこういうことですからと、県民に答えるような形でお答えをいただきたいということであります。



○平弘造委員長 山本土木部長。



◎山本善行土木部長 今回、ピー・エス社の製品がいろいろ欠陥があったということで大変県民の皆さん方御心配だということでございますが、私ども、今回、議案でお願いいたしております羽黒川橋につきましては、PCの中空床版桁橋という橋梁でございます。現場で一つ一つ手づくりで製作をしていくそういう橋梁でございます。それからまくら木の方は工場の方で大量に生産するというふうなことで、橋梁を扱うものとそれからそういう製品をつくるものとチームが違うということが一つにはございますが、羽黒川橋の実際の施工に当たりましては、我々県としても逐次現場の進捗状況、施工管理、安全管理というものを十分見ながら、安全管理がきっちりされるように十分指導監督していって、そしてこの案件につきましては、道路整備五箇年計画の今期内、平成十二年度末ですけれども、供用するというようなことで、なるべく早く供用したいというようなこともございますので、安全管理には十二分に注意をして責任を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。そういうことで、県民の皆様が不安を感じないようにしっかりやってまいりたいというふうに考えております。

 それからもう一点、ピー・エス社への指名停止とかそういう措置について常任委員会の方でもいろいろ御意見いただきました。現在の私どもの持っておる指名停止等の措置要領では直ちに読み切るというのが難しいわけであります。例えば逮捕されたとかそういった事件がありますれば、直ちにそういう指名停止等の措置があるわけですけれども、本案件についてはそういうことでどういうふうに考えればいいのか、我々の持っているそういう措置等も踏まえながら今後検討してまいりたいというふうに思います。

 いずれにしましても、そういうことで県民の皆様方に安全やそういった面で不安をかけないように、県として責任持って工事の方は取り組んでまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 思い出しますと、去年の十二月四日午前六時二十一分、つばさ一一六号が発車したときの県民の大きな期待は、二十一世紀の県政をこれで見たような感じをして出発式に臨んだし、テレビにくぎづけされたものだと思うんでありますけれども、わずかこの年月で、このまくら木問題で非常に大きなダメージを受けたことだけは確かです。確かにこれは県独自の、県発注の仕事ではないんでありますからこれ以上土木部長答えるわけにもいかぬでしょうけれども、県民の皆さんは、まくら木は山形県の仕事だと思っている方がいらっしゃるわけですよね。このことはやはり丁寧に、これから県民の皆さんに折に触れて説明して理解をいただくということは非常に重要だというふうに思うものですから、このことは重ねて要望申し上げまして、重複を避ける意味でこれで終わります。

 次は、殿川警察本部長にお尋ねしたいというふうに思うんです。

 申し上げにくいんだけれども、連日のように新聞に警察官の不祥事件が報じられない日はないような感じ、これ大げさな言い方でしょうけれどもそんな感じで新聞を見るんです、非常に悲しいことであります。世界に冠たる、少なくても先進国の中では治安の良好なことは断トツの世界一の日本が、何で警察がこういうふうになるのかという思いで国民の皆さんも県民の皆さんも一様に思い描いているんじゃないでしょうか。どうしてもこれ信頼は回復してもらわなければなりません。

 ただ、私もかつて何回か文教公安常任委員会に席を置いて、いろいろ当時の警察の幹部の皆さんとのやりとりを聞いておりますというと、山形県の警察官のレベルというのは高いんだなと思うことはしょっちゅうありました。特に治安を維持するという意味では、犯罪の検挙率が高いということが何よりも良好な治安を維持するポイントであります。我が山形県の犯罪の検挙率は、私が文教公安常任委員会に何回か席を置いていたときは断トツに高いものでした。全国平均に比べて倍ぐらい、平均の何割ぐらい高いというんじゃないんです、断トツに高い地位を占めておったのが山形県警察の伝統であります。これは今でも変わっていないと思うんですけれども、あえてこの際申し上げておかなきゃならぬというふうに思うんであります。

 こういう警察の不祥事件を受けまして、警察刷新会議から緊急提言を受けて、八月に国家公安委員会あるいは警察庁の方から警察改革要綱が出されたようであります。このことについては、二十六日の本会議で太田忠藏議員の方からの代表質問の中で触れられておりまして一定の答弁をいただきましたけれども、内容についてはまだ詳しく本部長の口から聞いておりませんので、この要綱を受けて本部長は一体どういう決意でこれに臨むのか、具体的にどういう対応なさるのか、このことをお聞きしておきたいと思います。



○平弘造委員長 殿川警察本部長。



◎殿川一郎警察本部長 警察改革についてのお尋ねがございました。

 今、委員御指摘のように、一連の全国的に警察の不祥事等がありまして、これを契機にいろいろ警察の問題のあり方なり根本的に見直すということで、国の方で警察刷新会議というものが設けられまして、その中から緊急提言というものが出されております。そしてそれを受ける形で、国家公安委員会あるいは警察庁の方から警察改革要綱というのが取りまとめられて私どもにも示されたところでございます。これにつきましては、当県警としてもその趣旨にかんがみて、重要性を十分認識をして積極的に対応していく必要があると、このように考えているところでございます。

 具体的に、現在、県警本部にこの警察の改革推進委員会というものを設置をいたしまして、組織一丸となって改革の推進を図るということといたしております。その上で、警察行政の透明性の確保やストーカー対策の強化などいわゆる国民のための警察の確立を目指して、将来を見据えた体制強化や組織強化を図っていきたいというぐあいに考えております。

 また、本県警察におきましては、こうしたいわゆる全国的な一連の問題が生じる以前から組織改革による活力ある職場づくりというようなことも進めておりまして、いろいろな業務の改革改善運動を行っております。例えば、全警察職員を対象とした課題提案というようなものを実施をしまして、現場の職員からいろいろな建設的な提案を集めてその実現を図っていくというような取り組みも実施をしているところであります。

 いずれにしましても、警察改革につきましては、警察職員が誇りと使命感を持って職務に精励できる環境づくりと、また、現場における積極的な職務執行を一つ一つ積み重ねて成果を上げるということによって、国民、県民の信頼を速やかに回復し負託された任務を全うするという観点から、組織を挙げて全力を尽くして取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 この間警察白書が発表されましたよね、きょうの新聞に載っておりました。世の中が非常に複雑になってきて、ある意味では高度になってきて、警察の犯罪の検挙率が低下しているという報道でありました。なぜだか、犯罪増加に捜査力が追いついていけない、いわゆる陣容と機動力、捜査機器の不備、こういうものなんかも上げられるのかなと、こういうふうに思って読んだところであります。それから、組織犯罪が多くなって非常に巧妙になってきたという指摘もなさっているようであります。困るのは、住民がそれぞれ隣は何をする人ぞということで、隣の関係がわからない、隣の関係がつかめない、こういうことが聞き込み捜査を非常に難しくしている原因なんだという分析もしているようでありました。さらにまた、大量生産・大量流通によって一つの物的証拠をつかむのに非常に時間がかかると、難しくなったというような指摘もしていると同時に、一番大きな問題は、警察が住民から信頼されていないという書き方であります。これ山形県の警察のことを言っているんじゃないんですよ、警察白書に書いてあるんです。

 そこで、今回この補正予算の中で警察の予算の中に困り事相談が、これこの間の太田議員の質問に対して、山形県警察に困り事相談が非常に多くなったという本部長の答弁がございました。五千数百件、この件数は前の年に比べて三倍以上の件数である、こういう答弁でありました。これを一体どう見るか。世の中複雑多岐になっていろんな問題が起こっているというふうに片づければそれまででありますけれども、私は逆に、山形県警察が県民から信頼されて門戸をたたくんだよというふうによく理解したいなというふうに思うんです。間違っておったら直してください。

 それに呼応するために、山形県警察ではこの四月から各警察署に生活安全相談係を配置しました。それから大規模署には、大規模署というと酒田、鶴岡、新庄、山形、米沢でしょうか、ここには嘱託相談員を配置して対応させていただきたい。したがって、今回の議会で十分論議してぜひ可決していただきたいというのが本部長の本音なんでしょうね。

 そこでこう思うんです。さっき申し上げましたように、白書の中では、住民から信頼されない警察であることが犯罪の検挙率を低くしている大きな原因ではないかという警察白書みずからの述懐なんです。これに対して、今回の補正にも出てまいりましたこの相談員それから相談室の整備、これ予算化されているわけです。

 そこで注文です。この相談員には、ぜひ人生経験豊かな、この人と対面すると信頼感があって安心感を醸し出すことのできるような人材を厳選して配置してほしいということが一つです。もう一つは、この相談室。警察といえば、やはり博物館や美術館に行くような感じを全部県民の皆さんに持てといっても無理です。警察の門をたたくということは、それなりに相当の事情があるということもある。それだけに相談室は、絵を飾ったり花を飾ったりかわいい人形を置くような配慮がぜひ必要なのではないか、そうすることが県民の信頼を得て、犯罪の検挙率を高めてより一層治安の維持向上に役立つ、こんなふうに思うんであります。本部長いかがお考えでございましょうか。



○平弘造委員長 殿川警察本部長。



◎殿川一郎警察本部長 困り事相談等含めての御質問でございます。

 まず初めに、委員御指摘のいわゆる今の警察の実情といいますか、そういうことについて社説等のお話がございましたけれども、私もやはりいろいろな問題の一つの大きなポイントは、私どもの活動によって県民なりあるいは国民の皆さんの信頼を回復しなきゃいけないというふうに思っておりまして、そのための一つの取り組み重点として、やはり県民の皆さんの具体的ないろんな要望というものをきちっと把握をしてそれに適切に対応していくということが大事だろうというぐあいに考えております。そういう意味で、一般に困り事相談と言われているものへの対応というものについては、これ従来からこういった相談対応はしておるわけですけれども、従前にも増して体制を整えてきちっとした対応をしていかなければいけないと、このように考えたところでございます。

 そういう意味で、困り事相談につきましては、ことしの四月から生活安全相談係というものを各署に置いて、それぞれ適任者を一応選定をして担当者をはっきりしておるわけでありますけれども、なお専門的な専従体制という観点からは十分ではないというような点もございます。また、御指摘のように施設的な面でも、必ずしも相談専用のそういった相談者の立場に立ったような配慮されたような部屋というものがあるかというと、必ずしも整っていない警察署もあるという実情がございまして、そういう意味で、今回の九月の補正予算で、一つは嘱託相談員というものを大規模な部署に設けるということをお願いをいたしているわけでございます。

 今お話ございましたように、人選につきましては、やはりそういう相談業務をするということからいろいろな幅広い人生経験なり、あるいは私どもの対応する相談の内容というのは安全にかかわる相談ということになりますのでそういった面での知識もあるという者を、元警察職員というような者も一つの候補だと考えておりますけれども、いずれにしても適切な人選をしていきたいというふうに考えております。

 それから、相談室につきましては、委員御指摘のような、相談者が心理的負担を感じないで本当に心からの率直な相談ができるようなそういう環境にするように整備をしていきたいと、このように考えております。

 以上でございます。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 ひとつ伝統ある山形県警察、本部長の指導のもとにしっかり受け継いで山形県の治安維持のために頑張ってほしい、そのためにそういう細かい配慮も必要なんだということをあえて御指摘申し上げながら、本部長に対して質問終わります。

 農業問題、大変であります。この間の一般質問でも酒田の佐藤藤彌議員の方から、聞いていましたら平成十二年度のお米の仮払い、山形経済連が一万四千円、庄内経済連は一万二千四百円だか六百円、恐らくこの差額は稲作経営安定対策に加入しているかどうかの部分だろうと思うんですが、いずれにしても大変であります。そんなことで、農業問題をひとつ細野農林水産部長に少し長い時間お尋ねしたいと思うんであります。

 細野部長は、平成五年のとき企画調整部の企画課長をやっておったようですね、そうですよね。なぜ平成五年かというと、平成五年が今日の農業、特に米問題について、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意をやった年だからなんです。ここから今日の日本の農業なり山形県の農業、主作物である米の受難が始まったという認識をしているからです。企画課といえば、県政の心臓部に当たるような重要なポジションだろうなとこう思っているんでありますが、そういう意味で、平成五年企画課長当時、UR農業合意というニュースを聞いて細野部長はどういう思いを持たれたものですか、少しきょうお話を承りたいと思います。



○平弘造委員長 細野農林水産部長。



◎細野武司農林水産部長 ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉過程におきましては、県挙げていろんな議論がなされたというふうに記憶してございます。県議会からも幾度か政府に対して機会あるごとに反対の意見要請がなされたと記憶してますし、そして農業合意の受け入れ、なかんずく米の部分自由化につきましては、米の主産県である山形県本県としては大変厳しい結果だというふうにあの当時私も受けとめさせていただきました。総合発展計画のたしか準備の過程でありましたので、農林水産部の方でいろいろその後の対応・対策についてかなり熱のある議論がなされていたのではないかと、詳しくはちょっと今思い出せませんけれども、そんなことを記憶してございます。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 ちょうど今、部長がお答えになったような状態が、平成五年に予測されておったようなことが、今、現実の問題として避けて通ることのできない状態が続いておるわけです。

 平成五年十二月十五日、ガット・ウルグアイ・ラウンド、関税と貿易に関する一般協定、自由貿易を目指す国際条約に日本もサインをしたという日にちなんであります。今、部長が言われましたように、この前に、我が山形県議会でも十何回かにわたって、米の輸入反対といったような意味の意見書を政府機関に要望する、これを繰り返してまいりました。国会でも、三回にわたって少なくとも米だけは輸入自由化いけませんという国会決議をなさったのもその前であります。しかし、平成五年十二月十五日、ついに日本の政府はガットの協定にサインをしました。

 このことを少し考えてみますというと、ガットが発足したのが昭和二十三年であります。さきの大戦終わって間もなくのこと、世界は再び自由貿易に向かって頑張ろうという協定に参加をした。日本がこのガットに加入したのが昭和三十年です。その前、昭和二十六年に日本がサンフランシスコで平和条約に調印、ようやく戦後再び国際社会に認知をされた、その四年後に日本はガットに加入したわけであります。

 このガットの影響によって、歴史を調べてみますと、昭和三十六年大豆が自由化されています、大きな作物としては。それまでは、日本の田んぼや苗代の畦畔だとかちょっと三角のような畑なんか隅々まで大豆を植えておったものです、日本じゅうといえばいいか少なくても山形県では。それが、これを境にしてすっかり姿を消したのが昭和三十六年、ちょうど農業基本法が制定された年であります。翌年の三十七年に生糸が自由化されました。その三十七年ごろのデータ調べてみますと、山形県で繭の生産高が約六千トンでした。表を見てみますというと、山形県も随分と昔は養蚕盛んで昭和十年前後のころは県内に五万一千戸の養蚕農家があった、収繭量、生産高が約一万トン前後、これが平成十一年はたったの三十トンです。ことしは恐らくさらにまた大幅に減るでありましょう。まさに痕跡をとどめるのみであります。昭和四十六年に豚肉が自由化されまして、それまではほとんどの農家で一頭、二頭、三頭ずつ残飯をえさにした養豚をやっておったものでしたけれども、養豚の受難の時代がそれ以来始まる。そして、加盟国が一斉にラウンド開始宣言をやったのが昭和六十一年でした。昭和六十一年から七年後の一九九三年、今申し上げました平成五年の十二月十五日に、すべての貿易品目は関税に置きかえるという宣言に百何十カ国が加盟したわけであります。

 そこで思い出すんですが、ちょうどあのころ、昭和六十三年に牛肉・オレンジが自由化の俎上にのったとき、この牛肉とオレンジが自由化されれば日本の農産物ではあともう残ったのは米しかない、いよいよ米に来るということで、一斉に農業団体、関係団体、政党がこれやるべきではないという決議をするわけです、運動するわけです。しかし、ついにラウンドに、日本も自由化を目指す自由主義国家としてこれに参加をする。

 そして、時計が刻み始めて最終の期日を迎えた平成五年十二月議会のとき、あのとき何人かの県議会議員の方から本会議場なり委員会において意見の開陳がなされると同時に、これを議論する農林水産常任委員会は、部長、課長そっちのけで議員同士で激しい議論やったのを今でも思い出すんです。あのときの委員長は松浦安雄先生でありました。そこで委員会で出てきたのが、思い出しますというと、これだけ県議会で反対していながら自由化に突っ走ったんだから細川内閣の罷免決議を出そうという提案が自民党の委員から出されたんです。−−そうでしたよね。私もこれは大賛成だと、ただしこれ細川さんだけじゃないよと、中曽根内閣のときからこのレールをしいたんだから、中曽根、竹下、宇野、海部、宮沢、細川、全部関係総理大臣の問責決議案に切りかえるべきだということで議論させていただきました。しかし自民党の賛成多数でこれ通ってしまった。

 ところが、本会議では、時の議長は土田啓さん、会派の皆さん議運の皆さんが、常任委員会は常任委員会でいいけれども本会議には上程しないで、まずガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉の合意による新農政の確立についての農政転換を国に求めよう、同時に、我が山形県議会は、米の部分解放決定に対する抗議の決議を総理と各政党の本部に届けようということで、あのとき知事が先頭になり議長が先頭になって全員急遽東京に行きまして、大声を張り上げて、米の部分自由化反対の声を張り上げてきたのが平成五年十二月です。

 そのときの議事録を調べてみますというと、今申し上げましたUR農業交渉合意によりつくった意見書、ちょっと読んでみます。一は、ラウンド合意の実施期間中及びその経過後を含め、農家が安心して生産に取り組める農業の中長期的展望を早急に明確にすること、こういうふうにして二、三、四とあります。要約しますというと、一番が中長期農業対策、二番が農畜産物の価格安定対策、三番が担い手確保のための政策、四番が中山間地農業対策と、強く山形県議会一致した意見で首相官邸に届け、政府関係機関に届け、政党本部に届けて運動してきたというのが平成五年でありました。

 そこで、農林水産部長にお聞きしたいんだけれども、かかって国のことではあるけれども、部長としては当時本県議会が一致して国に働きかけたこの四点に対して国ではどう対応されたというふうに理解していらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。



○平弘造委員長 細野農林水産部長。



◎細野武司農林水産部長 国ではUR対策をどう具体化してそれがどのように効果があったかというような御質問だと思います。

 委員御指摘のとおり、平成五年十二月、UR農業合意を受けまして、翌年、六年十月に国において新たな国際環境に対応し得る農業・農村を構築することを目標としましたUR農業合意関連対策大綱が決定されました。それで、平成六年度の補正予算から、農業農村整備事業、それから農業構造改善事業、それから新規就農対策、それと中山間地域対策、それで融資事業などに対しまして重点的な予算措置がなされたというふうに存じております。これは、先ほど来委員おっしゃっています当時の県議会における意見書の内容におおむね沿った政策が実施されたものというふうに私も理解しております。

 これらの対策につきましては、この七月に国から中間評価がなされておりまして報告されましたけれども、それによりますと、UR関連対策等の効果とそれ以外の要因による影響との分離がややわからない面がありますけれども、マクロ的に見ますと、この対策期間中に、認定農業者あるいは新規就農者が増加してきたということがあります。それから農家一戸当たりの平均経営面積が特に大規模農家の方で緩やかに増加しているというふうなこと、それからいろんな面で労働時間が短縮されあるいはコスト面での低減も図られてきたと、それから就業機会の確保も中山間のいろいろグリーン・ツーリズム等を含めまして図られてきた部分もあるということで、そんなことで、農業構造・農業経営改善、農業生産性の向上、それから農山村地域の活性化という三つの点について一定の効果を上げてきたのでないかというふうにされております。本県としても、おおむねそのように理解をしております。

 以上でございます。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 国のUR対策に対する評価、私も資料見て、部長の答弁と一緒なのかなという感じで、今、資料見比べているところであります。ところでこのべースになるのが都道府県、山形県は一体どうだという検証してみる必要があると思うんです。UR農業合意というのは、先ほども申し上げましたように輸入品目をすべて国境措置は関税化に置きかえる、ただしその国で最重要品目、例外があったとしてもミニマムアクセス米として年間の流通量の、日本の場合は最低四%輸入しなさい、毎年毎年高めていって最終的には八%までいや応なしに輸入しなさいよと、それ終わったら今度関税に置きかえなさいということで、去年から関税に移行していますよね。そのトータル、UR以来日本に入ってきた米、減反を続けながらこういう農政にあえぎながら入ってきた米のトータルが三百七十何万トンです。この数字は、ちょうど適正備蓄と言われる数量の三倍にもなんなんとする数量が横浜なり日本の港に入ってきていると、こういうことですね。これは農林水産省のデータです。

 そこで、当時、このときに政府の方では、内閣総理大臣を本部長とする緊急農業・農村対策本部を設置して、今、部長言われましたようにUR対策、金額で言うと六兆百億円、そして地方単独事業として一兆二千億円準備しました。ところが思わぬことに、思わぬことにといいましょうか日本の経済が、バブル経済崩壊後がらっと変わってきます。調べてみますというと、平成八年のときか九年のときか総合経済対策のために発行した国債の残高が二百四十五兆円でした。そこで、政府は財政危機宣言を発するわけです。そしてこの財政危機宣言を受けて平成九年に財政構造改革法が制定されます。この骨子を思い出してみますと、やはりあのころ消費税三%を五%にするというのが一番だったようです、二番は医療費を大幅に上げますと、三番が公共事業を総じて八%カットする、四番がこのUR対策六兆百億円を計画十二年までの分を十四年まで延ばすと、その分だけ薄められるわけですよね。そしてUR対策六兆百億円のうち公共事業を六〇%、非公共事業四〇%として設定しておったのをどっちも五〇、五〇のフィフティー・フィフティーにした、これが財政構造改革法の柱でありました。今、その国債残高はさらにまた大幅にふえているわけで、これきょうは財政問題を話するんじゃないんで、国の財政のこと私は余り深くわかりませんのでこっちに置きます。

 問題はUR対策であります。このUR対策でねらっておったのが、当時平成五年以来第四次土地改良計画が進行中であって、十四カ年計画で四十一兆円の土地改良事業が進行中であります。そのときUR対策が出てきたわけです。このUR対策のねらいは一体何だったか、中心的にはやはり足腰の強い、コストをなるべく引き下げる農家を育てることが中心だったと思うんです。その中心中の中心は何だかというと、中核農家にどのぐらい農地を集約して足腰の強い農家を育てるかということが一番の眼目であったような気がいたします。

 それで、山形県の場合は、第一目標はどれだけ担い手農家にUR対策によって農地集積ができたかということ、これがお尋ねしたい第一点であります。これ山形県のことを聞くんです。

 第二点は、今、申し上げましたように、第四次土地改良計画が進行中の中でのUR対策によって山形県の土地改良事業にどれだけ貢献をして、例えば工期の短縮だとかあるいは箇所づけの増加だとかいったような影響が出たもんだろうかと、ことしと来年と再来年のもう三カ年ありますけれども、国で中間評価をしたと同じように山形県でもひとつぜひ検証していただきたい、これが二番目であります。

 三番目は、どんどん高齢化が進んでいる中で、これからの農業を担っていく新規就農者、農村から出る就農者だけじゃなく、農業以外からの新規就農も含めてこのUR対策によって大きな期待をしているんだなというふうに私読んでいます。これが一体具体的にはどういうふうになったか。

 そして、この新規就農を助長するために青年などの就農促進のための資金貸し付けに関する特別措置法、いわゆる就農支援資金です。これが十分に生かされてそしてどのように山形県の農業の発展のために貢献されたものであろうかと、この四点についてお伺いしたいと思います。



○平弘造委員長 細野農林水産部長。



◎細野武司農林水産部長 四点御質問ありましたけれども、まず、担い手農家への農地の集積状況であります。

 平成六年からUR対策期間中に農地流動化対策として担い手農家あるいは市町村、農業委員会等の団体を対象にしまして各種事業を実施してまいりました。その結果、本県では十二年三月までですけれども、認定農業者を初めとする担い手農家に集積された面積は四万七千八百九十六ヘクタールになっております。経営耕地面積全体に対する集積率は四二%というふうになってございます。将来の私どもの目標としては、認定農業者を初めとする中核的な担い手によって六五%ぐらいを将来的な目標にしておりますので、まだまだという感があるわけです。

 UR対策が始まった平成六年時点をちょっと見てみますと、集積の面積が約三万六千ヘクタールでございました。でありましたので、それと比べますと三割方集積が増加したというふうになってございます。今後さらに計画的に、効率的・安定的な農業経営を育成するためにはもっと集積を図らなければならないというふうに考えておりますので、引き続き関連の施策を展開してまいりたいというふうに考えてございます。

 それから二番目は、土地改良事業の成果といいますか本県での成果、工期短縮等についてでございます。

 平成六年度のUR対策開始から十二年度まで、本県農業農村整備事業費としてはトータルで三千八十七億円でございました。これは通常予算ベースとUR対策を含めたものでございますので、これをちなみに分けますと、うちUR対策事業費は七百九十二億円でございます。このようにUR対策によって非常に大幅な事業費の増額が図られたということで、通常の農業農村整備事業をべースにして考えますと約三五%ぐらいの前倒し執行がなされたものと同じ効果があったというふうに認識しております。

 具体的に、本対策による全体としての工期短縮等の把握は大変難しいんで全体としてはわからない部分が非常に多いんですけれども、例えばほ場整備事業で見てみますと、対策以前の平均工期が九年半ぐらいでしたが、対策期間中は六年半ぐらいということで三年ぐらい工期短縮が図られております。このほか、中山間地域総合整備事業におきましては、その大半がUR対策費ということでございますので、通常予算ぺースの二倍ぐらいの速さで進捗が図られてきておるというふうに思っております。

 そのほか、例えば農集排の対策なんかにつきましては、特にやはり新規事業箇所をふやしておりますので、全体として薄まきになって工期が長くなったものも確かにあるわけでございますけれども、そういう一部を除きましては、UR関連対策全般として農業農村整備事業の大幅な進捗あるいは工期の短縮による事業効果の早期発現が図られたというふうに考えております。これによりまして本県の高生産性農業基盤の整備、担い手の育成、それから先ほども申し上げましたけれども中山間地域の活性化、それに貢献しているというふうに考えております。

 それから、新規就農者の傾向と確保対策でございます。

 新規就農者につきましては、UR関連対策が開始されました平成六年当時は年間新規就農者が五十九名というふうでありました。農家出身の新規学卒就農者あるいはUターン就農者それから農外からの新規就農者ともに、それ以降着実に増加しつつあります。まだまだ不十分でありますけれども、平成十一年度の状況見ますと年間百十九名が新規参入者の就農となってございます。新規就農者の確保対策としてはさまざまな手を今打っておりますけれども、特にUR関連に限りますと、先ほど委員おっしゃったように、就農の際の負担を軽減するための就農支援資金を創設するなどの融資制度の充実を行ってきております。

 その就農支援資金の活用状況でございます。

 必要な知識とか技術を習得するための研修、あるいはいろんな資格取得なんかの場合のいろいろな掛かりの費用、そういうふうなものに活用できる無利子資金が就農支援資金というようなことでございます。本県では、国三分の二それから県三分の一の費用負担によりまして、財団法人山形県農業後継者育成基金が融資窓口になりまして活用を図ってまいりました。平成十一年度末までの五カ年間で百三十八件、一億円強の融資を行ってきております。これまで九十八名の新規就農希望者に活用をしていただいておりまして、本県農業者の若手の支援策として全員順調に定着しております。

 なお、今年度からその制度を無担保・無保証人ということで機械や施設の整備にも活用できるようにさらに内容の充実を図りまして、新規就農者の確保・育成に努めているところでございます。

 以上でございます。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 農地の集約、山形県の耕地たしか十二万ヘクタールぐらいだったでしょうか、このうち、今、部長のお話によりますというと目標を七万八千に置いて、そのうちの四二%集積されました。いまいちではあるけれどもまあまあというような意味の答弁だったでしょうか。今後ともひとつ計画は残された期間三年、計画だから締め切りというわけじゃありませんから今後とも続けていかなきゃならぬというふうに思いますし、土地改良事業につきましては、相当の金額前倒しして三五%程度前倒しされたのかなという答弁であります。

 それはそれで、そのほかに今度は施設整備をUR対策の中で随分いっぱいメニューがあったなという感じがいたします。例えば、農業生産の高度化、農畜産物の付加価値の向上のための施設、いろんなものがあります。米の乾燥調製貯蔵施設だとか農産物の直売所だとか加工施設だとか、あるいは都市と農村の交流するための体験農園の準備だとかいったようなことを施設として、全国的には何千だかの施設がトータルされているという資料見たことあるんだけれども、山形県は概括的に言うてこの整備状況とそのことによってどれだけ山形県の農産物の生産にコスト低減なり労働時間の短縮が図られたというふうに見ておられますか。



○平弘造委員長 細野農林水産部長。



◎細野武司農林水産部長 UR対策関係施設の整備状況と効果について御質問でございます。

 平成六年度から平成十一年度末までの約五年間になりますが、カントリーエレベーターなどの水稲関連施設、それから光センサー選果場あるいは追熟施設などの果樹関連施設、それから野菜の集出荷施設や花卉の育苗施設、そのほか今ありましたように家畜のふん尿処理施設等々いろいろ整備されました。この間、約二百ぐらいでの事業展開と施設を整備してきたものであります。

 これらの施設整備等によりまして、先ほども申しましたように、水稲の乾燥調製コストの削減、あるいはいろいろ野菜の集出荷施設や育苗施設の活用による労働時間の短縮、それからそのほか産直などの体験交流施設におきましての就業機会の確保などなど、いろいろ利用者あるいは地域活性化に寄与しているというふうに考えております。

 しかし、以上のように個別の事業ごとに見れば、当然投下するわけですからコストの削減なり労働時間の縮減というものは一定の効果は上がってまいりますけれども、何せ最近の農産物価格の低迷などの影響によりまして、現状では農業所得とか農業経営の改善効果などの点から必ずしも目に見えてこないというふうな嫌いがあります。個々には効果が非常に上がっているというふうに我々は思っておりますけれども、農業経営の改善の効果が目に見えてこないというふうな状況にもありますので、なお今後とも経営の複合化なりそれから効率化・安定化に向けたいろんな施策の展開に努めまして、その点についても努力してまいりたいというように考えております。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 私なりにある程度調べてみますと、相当程度いろんな施設をつくったことによって、米づくりの施設あるいは野菜の施設、果樹の集出荷施設だとか追熟施設だとか、あるいは畜産関係のUR対策の施設によって、一々数字を申し上げる必要もないんですけれども一〇%から二〇%程度コストを下げ、そして労働時間も一〇%から十何%下げているというのが総じてのデータだなと思ってこう見ているんです。それなりにUR対策の効果はあったんだけれども、さっき申し上げましたように何せミニマムアクセス米が、三百何十万トンという重荷が今日の米の値段にのしかかっているわけです。

 単に米だけではありません。減反を進めることによって別の作目に影響出るわけでありますから、単に米だけじゃないんです。現に去年の農林水産省の発表、去年の数字を最近発表しました。九月六日の発表です。これを見ますと、将来最も期待される成長部門と言われる果樹がかなり下がっているです、所得そのものは。それから施設野菜、ビニールハウスに使った電熱線なんか入れた施設野菜なんかも一〇%近い所得の減です。露地野菜に至っては二三%所得減です。これは何のことはない米から転化していって何か植えなきゃならぬということで過剰になってすべての作目に所得減になってあらわれるというのが農林水産省の数字だなと、こういうことだと思います。

 とりわけ一番大きな打撃を受けているのが大規模な十五ヘクタール以上に至っては総じて六百四十九万円の所得減になっています。十アール当たりの所得が五万円前後でありますから、たとえ十五ヘクタール耕作しておっても六百四十九万円の所得減になったんじゃもうかなわないというのが現在の農家の姿ではないか。だから知事どうしてくれなんていうんじゃないんですよ、これは避けて通ることのできない−−、どうすりゃいいんだろうね。

 そこで私、話ちょっと飛びますけれども、もう一つ聞かなきゃならぬのが中山間地の農家です。さっき部長もお答えになりましたが、UR対策の相当部分は中山間地の施策に目を向けているんです。なるほどこのUR対策の中で、中山間・都市交流拠点整備事業だとか棚田地域等保全対策、中山間農地保全対策事業、特定地域新部門導入資金といったようなものはすべてこのUR対策の中での中山間地施策だと思うんです。この話はこっちに置きます。

 新たに今度、ことしから平野部と中山間地の所得減を補うために直接支払制度が出てまいりました。この間新聞にも出ておったんでしたが、改めてこの中山間地域等直接支払制度が本県の中でどのように動いて、どのような対応になって、問題は高齢化が進んでいる中山間地の農家の皆さんが集落協定に調印するのを渋っている傾向があるというふうに聞くんです、非常に困ったことだなと思うんですけれども、現況概括的にいうとどういう状態ですか。



○平弘造委員長 細野農林水産部長。



◎細野武司農林水産部長 中山間地域での直接支払いについてでございます。

 関係市町村において、制度の実施に精力的に取り組んでいただいております。八月末に行った中間集計の統計の速報を見ますと、三十五の市町村において面積で六千五百三十二ヘクタール、協定数では七百五十九件の協定締結が見込まれております。この結果につきましては、急傾斜地農地は目標面積の約七一%ぐらいで締結対象にして協定結ばれておりますけれども、そういうことで初年度としてはまずまずかなというふうに我々は見ています。一方、関係農地につきましては、これは市町村長さんが主体になって区域を設定して実施していくというふうなことでありますので、そちらの方がやや実施率が低いというふうなことでやや課題を残したのかなというふうなことの受けとめをしております。

 現在、市町村では、申請された協定書につきまして内容を認定あるいは確認の作業を今進めております。ここの中で、今、委員もおっしゃいましたように、いろんな事情で協定まで至らないというふうなものもあるやに聞いております。その辺につきましては、なお市町村の方から説明なりいろんな理解を得るような努力をしまして、さらにそれを対象農地を積み上げる努力を、今、市町村でしていただいております。県としても、そういうふうな市町村の現場でのいろんな作業なり指導にお手伝いをしながら、協定締結農地の追加拡大と申しますかそういうのに努めてまいりたいというふうに考えております。さらに、来年度の価格に向けましては、これも市町村と一緒にいろんな内容のいろんな課題を今から分析しまして、詳しく分析しまして、それに応じた指導体制もとっていきたいというふうに考えております。

 いずれにしましても、中山間地域の振興につきましては、直接支払制度だけでなくていろんな制度を絡めて振興を図っていく必要がありますので、総合的に対応してまいりたいというふうに考えております。



○平弘造委員長 関口委員。



◆関口修委員 何遍も申し上げますけれども、今の新しい農業基本法、食料・農業・農村基本法、この骨子が、今度市場原理に任せて余りコストだとか価格におせっかいしないというのが骨子なんですよね。じゃあ一体この中山間地を市場原理に任せて成り立つか、成り立つわけがない。しかもこの条件不利な地域の中での営農、何だかんだ言いながらも、県土を守り、県土を保全し、県土の環境を守るために一番大きな期待されているのも中山間地だと思うんです。そんなことで市場原理に任せちゃおけないということで、一定の直接支払制度をつくったものだと思うんであります。

 今、部長のお話によりますというと、まあ七一%だからまあまあなのかなという見方もあるでしょう。同時に、頑張って今七〇、来年なら目標に向かって一〇〇になるのかという不安が払拭し切れるかというと非常に疑問を感じる。理由は何だ。五年間我が部落の農地をみんな頑張っても保持する自信がないから集落協定に到達できないんでしょう。やっぱり生金の十アール二万一千円っていうのは大きいですよね。しかも、急傾斜地農地だけで山形県に一万何千ヘクタールある、これに二万一千円掛けるだけでもすごい金だなとすぐわかるんだけれども、これを一体放棄しなきゃならぬのかはっきりしっかり握ることができるのかという軽重が問われる。

 しかも今、町村合併の話が進んでいるんだけれども、中にはこれだけの地形を一々町の村の力で調査できないというまちがあるんですよね。企画調整部長聞いておいてくださいよ。要するに、国の法律をきちっとこの場がまちでは対応できないという恨み言が聞こえてくる。やっぱりまちの規模、自立の程度というものが那辺にあるかということ出てくるんでないかなとこう思うんだけれども、こういう大きな宿題を抱えているのが中山間地であるんです。部長、ひとつこれは非常に貴重な国の大転換の、今まで日本の国は存立したけれども、直接農業に金をくれるというのはこれが初めてなんです。非常に重要なテーマであり施策でありますのでしっかり対応を、ぜひお願いすると同時に、市町村にも丁寧にお願いして、一〇〇%達成できるようにお願いしておきたいというふうに思います。

 さてそこで、我が山形県の農業どうすればいいのかということ、しばらく考えてみました。何ぼ考えてもいい知恵は出てきません。−−いろいろ私質問のあれを飛ばしますからひとつ御理解ください。−−それで、山形県で何とか食味の劣化しない米をつくれないかということです。どういうことだか。炊きたての御飯ておいしいですよね。ササニシキもひとめぼれもわからないぐらい私はおいしいと思うんです、炊きたての御飯は。ただ、冷めると外米のようで、庄内や内陸の米と違っておいしくないぞとすぐわかる。かたくなって甘みが飛ぶ、これを私は劣化と言わせていただきます。味の劣化しない新品種の米をつくれないだろうか。山形県の育種技術チームは、長い伝統と多くの栄光に輝く育種技術チームだということは理解しているわけでありますけれども、ぜひひとつこういう視点において、育種技術の皆さんに気合いをかけろというんじゃなく頼んでみてください。これは名前もさることながらやはり冷めてもおいしい米をどうしてつくるか、山形県でつくれなかったらどこでもつくれませんから、そういうことでひとつこれはお願いしておきます。

 その次は、困ったときは原点に戻ることだと私は思うんです。例えば、経済が立ち行かなくなったら入るをはかって出るを制すでしょう、当たり前の話です。同じように農業の場合は原点何だ、農業の基本というのは土づくりというふうに我々少年時代から小学校時代から、恐らくまちの小学校でも農村の小学校はもちろんのこと、精農は土をつくるということを教えられてきたし今でもそうだと思うんです。土をどうしてつくるか、原点だと、そして土づくりの上に立脚した山形県の米を行政の手で全力を挙げて情報発信する、これではないだろうか。

 こんなことを思って、この間、私、羽黒町にある堆肥センターに視察に行ってまいりました。堆肥センターというと牛や豚や鶏のふんを利用するコンポスト施設でありますけれども、見ますと、摂氏八十度の温度で急速発酵させるものですから、製品は油かすや大豆かすよりもっといいにおいします。焼鳥屋のにおいするんです。握っても全然違和感ありません。私、紙に分類し包んで持ってきました、少しいただいてきましたけれども、ああいうものを何とか再びリサイクルして山形県の田んぼや畑にすべて還元できないかとこういう発想したんです。これも調べてみますとできるんだなと私思いました。

 山形県に牛、和牛、肉牛入れて七、八十万頭いますよね、今。豚は現在で二十万頭延べ倍の四十万頭ぐらいだと思うんです。鶏は百五、六十万羽でしょうか、そうですね。そこから出る畜ふんの総合計が七十何万トンでした。今、家畜排せつ物の再利用法が法律できまして五年以内にはほとんどの畜産農家はこれに対応しなきゃならぬと義務化されているでしょう、環境保全のために。畜産農家の話を聞きますというと、「この法律どおりやったら私はやっていけない、畜産農家やめます」という方、やめることを真剣に考えている畜産農家の方がいっぱいいますよ。これ以上出費したらとてもやっていけないと。しかし、これを発想を転換していい堆肥にして、これ七十何万トンを五〇%の水分を飛ばして乾燥させてやりますというと山形県の十二万ヘクタールに全部堆肥入れることできます。そして山形県の米は農産物は日本で一番すばらしい有機物を使った農業の原点に返った農産物でということを県政の名において全国にアピールする。全国で十何番目じゃもうだめです。日本で初めてやらなきゃならない。

 この間、羽黒に行きましたとき、この堆肥どうするんですか、どう皆さんに利用してもらうのかと聞きました。そうしたら、一立米〇・四トンだそうです、四百キロ。この〇・四トンを二千三百円で農家にお分けしたい、そして組合をつくって三千円で散布をしたい、すると五千円ちょっとですね。この五千円ちょっとの有機物の堆肥を使ったら五千幾ら、十アール当たり収入高くなるかというと、これは二、三年時間経過が必要だと思うんです。このことを県政挙げてお手伝いをする、そうすれば畜産農家も助かるし、山形県の野菜も果樹もましてや米もこういう堆肥を使った農業の原点に返った農業を展開しているんだというアピールを全国に発信できないだろうか、こんなことを発想しながら私いろいろ数字を持ってきているんだけれども少し上がっているからどさ置いたかわからない、ですから後で部長の方にお上げしますから、ぜひひとつ検討していただきたい。

 勇気を持って、財政的にも考えてみるとできないそんなに多額の数字じゃない、畜産が生きるか死ぬか、米づくり農家が山形県は消えるのかどうか、そういう岐路に立っている事柄でありますので、ぜひひとつ御検討お願いしたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○平弘造委員長 関口修委員の質疑は終わりました。

 この場合、休憩いたします。

 午後六時五十五分再開いたします。

     午後六時四十六分 休憩



     午後六時五十五分 開議



○平弘造委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。

 質疑を続行いたします。

 鈴木正法委員。



◆鈴木正法委員 時間も大分経過しておりますので、早速質問に入らせていただきます。

 最初のテーマは、我が県の情報化戦略についてであります。

 初めに、本県の情報化推進に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。

 去る九月二十六日、これまで策定作業が進められてきました新たな山形県情報化推進計画が決定を見たところであります。おおむね三カ年の計画ということでありますが、情報通信技術が急速に進展している現在にありましては、やはり余りきっちりとした長期計画ではなくて、次々と新たなファイルをつくっていくような感覚での計画づくりがふさわしいのではないかなというふうに思っておるところです。これまでの関係者の皆さんの御労苦に敬意を表する次第でございます。

 同時に、副知事を本部長とするIT・山形推進戦略本部も設置されたとのことであります。なかなかすばらしい名称だなというふうに思っておるところでございます。

 現在の情報化推進の中心になっているのがインターネットということですが、日本の利用状況はアメリカより三年はおくれていると、また、後発組の韓国などにも追い抜かれているというのが現状だそうであります。国内においても他県で盛んに情報化計画が相次いで進められておるというような現在、情報化戦略はスピードが命でありますので、国内における情報格差が我が県を襲うというようなことがないように、トップダウンでしっかりとこの問題に取り組んでいただきたいわけであります。

 まずは、本部長としてのこの計画にかける意気込みのほどをお聞かせいただきたいと思います。



○平弘造委員長 金森副知事。



◎金森義弘副知事 情報通信技術の活用は、申すまでもなく国内外を問わず大変重要な課題になっておりますが、本県におきましても、二十一世紀の県づくりに向けまして、産業あるいは教育そして医療・福祉あるいは県民生活など、あらゆる分野におきましてその活用を図っていくため、先般、IT・山形推進戦略本部を設置をいたしまして、全庁挙げて山形県の情報化推進計画の推進に取り組んでいくと、このような確認をいたした次第でございます。今後もさらにこの高度情報通信社会の急速な進展が予想されますことから、これらの動きを的確に把握をいたしまして、この計画の推進にとどまることなく、機動的かつ総合的な対応を図っていくことにより情報通信技術を積極的に活用した県づくりを推進してまいりたいと、こう思っております。

 基本的には、二十一世紀のキーワードはこの分野であるということを認識し前向きに取り組んでまいりたいと、このように思っております。

 以上でございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 ありがとうございました。この計画が単なる構想に終わらないようにするためにも、ぜひとも本部長の戦略的思考と実行力によってこれを強力に進めていただきたいというふうにお願い申し上げる次第です。

 また、私の地元では、今、農協の有線放送電話の通信回線を利用してADSLによるインターネット接続サービスについても検討を進めておるわけですが、県内におけるいろいろな新たな取り組みに対しましても、県としての温かい御指導と御支援を賜りますようにお願いしておきたいと思います。

 さて、この計画の中におきましては、県の情報化の目標の一つとしまして、「情報化を新しい価値の創造に活かした産業振興」という項目が上げられているところであります。続きまして、情報化推進と産業の振興についてお尋ねしたいと思います。

 一点目は、本県における情報関連産業の動向についてであります。

 九月八日の日銀の概況によれば、県内の景気は緩やかに回復しつつあるということでありますが、まだまだ私たちの実感としてみれば依然厳しい状況が続いているなというふうに感じられるわけです。ただ、このような中にありましても、コンピューターや携帯電話向けの半導体、フラッシュメモリー、液晶などのIT関連部品の生産工場はフル稼働が続いている模様であります。このようにハードウエアの分野が好調である一方で、ソフトウエアの制作や情報サービスの提供といった分野につきましては、まだまだ本県ではこれからといった段階のように思われます。ただ、最近、電子商取引が拡大しつつあることから、とりわけ若手の方々の活躍が目立ってきておるのは非常に楽しみなことでもあります。有料コンテンツ販売、無料コンテンツサービス、ITインフラ提供、インターネットショッピング、広告業、コミュニティービジネスなど、県内でも事業化に向けた動きが活発化してくることが期待されるのであります。そのためには、県全体の情報化の底上げ、そしてまた情報化の層の厚みが増してくるといったようなことも必要でありましょうし、さらには、産業創造支援センターや企業振興公社などを通してのバックアップ体制を強化していくことが求められてくるというふうに思われるわけです。

 県としては、県内における情報関連産業の動向をどのように見ておられるのか、商工労働観光部長の御所見をお聞かせください。



○平弘造委員長 本木商工労働観光部長。



◎本木正光商工労働観光部長 本県における情報関連産業の動向というお尋ねでございますけれども、IT革命が進展する中で、ITの活用は県内企業の競争力強化のためにも非常に重要なものであると考えております。

 ただいまの情報関連産業の範囲といたしましては、情報機器の製造からインターネットへの接続サービス、さらにはソフトウエアの開発や提供までと広範囲に及んでいるわけでありますけれども、まず、機器製造などのハード部門の動向について見ますと、委員御指摘のように、パソコンや携帯電話、半導体関連などが主力となっております電気機械の七月の鉱工業生産指数は対前年比で一六・三%の増加となっておりますし、八月に実施しました企業動向調査の結果を見ましても受注・生産が増加している、また、今後も増加すると見込む企業が多く、高操業が続いているという状況にございます。

 一方、情報関連サービスの分野につきましては、ちょっと古いんですが、平成十年の特定サービス産業実態調査によりますと、年間売上高は全国対比で〇・一%と低く、委員御指摘のとおり、まだまだこれからといった段階にございます。しかしながら、本県におきましても、福祉サービスに関する独自のソフト開発をいたしまして全国に販売しているという企業が出てきておりますし、携帯電話を活用した飲食店情報の配信事業であるとか、さらには情報サービス業者や印刷業者などがインターネット上でさまざまの商店街を構築するなどといった意欲的な取り組みが出てきております。

 県といたしましても、このような企業が次々と生み出されるよう、システム開発に対する助成であるとかオフィススペースの提供、資金の融資などを積極的に行いまして、情報サービス関連企業の育成・振興を図ってまいる所存であります。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 ぜひ、この分野につきましても実態の把握というものに努めていただきまして、今後大きく成長していけるように御支援をいただければというふうに思います。

 次二点目は、県内企業における情報化推進をめぐる課題についてであります。

 今や産業界においては、情報技術革命の主役が新興企業から自動車、電機、鉄鋼などの大企業に移ってきているというふうに言われております。これまでの業界秩序や取引慣行を破壊するパワーを持つITを活用することによって、生産、販売、商品開発などあらゆる分野で業務を抜本的に見直して業績を劇的に回復させるといったような事例が出てきているようであります。最近の各種実態調査によれば、県内企業におきましてもパソコンの導入やインターネットの利用など情報化への取り組みが急速に進んでいることがうかがわれるのでありますが、ただ、その効果といったようなことにつきましては、期待したほどには上がっていないという企業が大半のようでもありますし、何よりもまずそれ以前の問題として、情報化に向けるだけの資金もないし人材もないという企業がかなりあるのが実情ではないかというふうにも見ているところです。

 マサチューセッツ工科大学のある学者がIT投資をした会社を調べたところ、最も成功した企業はIT投資と一緒に組織改革を行ったところ、最もうまくいかなかった企業はIT投資をしたけれども組織改革を行わなかったところ、その中間がIT投資も組織改革もしなかったところというような結果が出たんだそうであります。企業が情報化を推進することによって何を目指すかということになれば、やはり創造性や付加価値を高めて業績を上げていくということが目的でありましょうし、そのためには、単に情報システムの導入といったようなことにとどまらず、業務プロセスの革新やらマネジメントスタイルの転換といったようなこともあわせて行うことが必要になってこようかと思います。

 県としては、県内企業が情報化を進めるに当たっての課題をどのようにとらえられておるのか、また、産業政策面において県の果たすべき役割といったようなものをどのように認識されておられるのか、お聞かせください。



○平弘造委員長 本木商工労働観光部長。



◎本木正光商工労働観光部長 県内企業における情報化推進をめぐる課題と県の役割ということですが、企業振興公社が昨年十一月に県内企業二千社を対象に情報化の実態調査をいたしましたところ、六百三十社から回答ございましたが、既にインターネットを利用していると、それから今後利用したいとする企業を合わせて八四・二%という回答がございました。この調査と、本年八月から九月にかけまして県内企業約百社を訪問調査いたしましたが、その結果によりますと、企業が抱える課題としては、ITを導入すればどのような効果があるのかわからないとか、ITをどのような業務に導入すればよいのかわからないとか、それから社員の情報活用能力の向上や専門的人材の確保が問題だと、さらには、コンピューターやネットワークシステム、ソフトウエアの購入費、維持費等の資金確保の問題などが課題として上げられました。

 こうした課題というのは全国的に共通しておりますことから、国では来年度、経営者に対するセミナーの強化、それからIT活用事例集の作成等を行うこととしておりますので、県といたしましては、これらも活用しながら県内企業のITについての理解を深めてまいりたいと考えております。

 また、人材の育成につきましては、県及び国の職業能力開発施設や大学、高校などの教育機関と一緒になって対応してまいりますとともに、企業の在職者につきましては、今年度、県、雇用能力開発機構及び職業訓練法人の訓練施設を活用いたしまして百八十四コース、二千二百九名の在職者訓練を予定しておりますほか、個別企業が行います研修に対しても助成を行うこととしております。

 さらに、金融面の支援につきましては、明年度、国におきまして、中小企業金融公庫及び国民金融公庫にIT関連貸付制度を創設しようとしておりますし、県におきましても、商工業振興資金の情報化支援資金の貸し付け対象を拡大することを考えております。

 いずれにいたしましても、県内企業のIT化の推進は企業の競争力強化のために必須のものでありますので、積極的に支援してまいりたいと考えているところであります。

 以上でございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 これからの地域産業の振興ということになりますと、自治体独自の政策を生み出していくような攻めの姿勢が大事になってこようかと思います。IT関連の分野には今後一層関心を払っていただきまして、我が県の産業政策をさらに充実強化していただきますようお願いしたいと思います。

 次に、ディジタル・エコノミーと経済統計のあり方について、企画調整部長にお尋ねをいたします。

 ディジタル・エコノミーといいますかe|エコノミーといいますか、インターネットやネットワークコンピューティングを利用した電子経済が広がるにつれまして、経済統計の枠組みが現実とずれてきていることが指摘されております。例えば、情報システムの開発や運用を全面的に外部に委託した場合には、これを業務委託費とすれば設備投資にはあらわれてこないということとか、アメリカの企業にシステムの開発を外部委託した場合には、国内の民間設備投資にはあらわれないとか、いろいろな問題が出てきているようであります。あるいはまた、土地や工場や店舗のないインターネット企業を評価するといった際には、ビジネス戦略あるいは顧客あるいは経営手法といったような無形資産が決め手になるとも言われておるわけであります。

 アメリカでは、一九九九年からソフトウエアを統計に加えたところ、GDPの実質成長率は九四年から九八年の五年間で〇・二%上昇したということであります。経済企画庁の方でも、この秋にはソフトウエアを加えた国内総生産・GDP統計を公表するという予定にもなっているようであります。これまで未整備だったIT関連の統計整備のやり方としては、産業分類を変えるとか、電子商取引の実態を調べるとか、無形固定資産を設備投資に入れるのかどうかといったような課題がいろいろ指摘されているようであります。

 我が県におきましても、今後、経済の実態を把握するためにはこのような経済統計のあり方を検討すべきときが来るのではないかなというふうにも思われますが、現段階でのこの分野における国の動向についてお聞かせください。

 そしてまた、今年度の県の事業として山形県版経済白書づくりが進められているわけですが、現在の進行状況についてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。



○平弘造委員長 佐々木企画調整部長。



◎佐々木克樹企画調整部長 まず、国の取り組みの状況でございますが、お話にもございましたように、経済企画庁におきましては、ことしの十月末をめどにGDP統計の概念を一部修正しまして、ソフトウエアを新たに無形固定資産として計上するというふうにしております。また、来年度の予算の日本新生特別枠におきましてIT関連統計整備のための経費を要求しているというふうに承知いたしております。また、総務庁におきましては、来年度から、IT関連消費あるいは高額消費などを中心とした個人消費を把握するため、これまでの家計調査を補完する特定消費統計調査、まだ仮称のようでございますが、実施する予定であるというふうにおうかがいしております。

 また、県版の経済白書につきましては、本県の経済や産業の構造及び人口や労働の動向に加えまして、情報化の状況などにつきましても現時点で可能な範囲で取り入れてまいりたいというふうに考えておりまして、現在、原案の数値や内容のチェック作業を行っておりまして、年内刊行を目標に鋭意取り組みを進めているところでございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 この電子経済の拡大というものによって、いわばやみの世界も広がってくるというようなことも言われておるようです。ぜひ経済統計の方も非常に重要な分野でありますので、一層の御尽力をお願いしたいと思います。

 続きまして、情報化の進展に対応した行政の組織機能の変革について、総務部長にお尋ねいたします。

 大企業がITを活用することによって変身を遂げつつある姿というものは、我が県の行財政改革にとりましても大いに参考とすべきことではないかというふうに思います。ITを活用した企業の経営革新の手法を取り入れることが重要となってきているのではないでしょうか。

 我が県の行革ということにつきましては、去る九月十四日、県の行革大綱に基づく行財政改革の成果についての中間報告が出されたところであります。執行部の皆さんの御尽力によりまして、おおむね目標を達成しつつあるということは評価されるべきことと思いますが、来年四月までの残された半年余りの行革推進期間中に達成しなければならない課題というものにつきましては、今後全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。とりわけ定員管理の適正化ということにつきましては、知事部局の一般会計の職員三%、百五十名程度削減といった目標に対しまして、これまで百三名削減が実施されたとのことであります。一%程度は大規模イベント対応の暫定要員として配置との留保条件もあるようですが、基本的には百五十名が目標でありますので、執行部としての行財政改革に対する取り組み姿勢をきちんと示す意味でも、推進期間内にぜひとも達成できるように最大限の努力をしていただきたいものであります。

 さて、行政の情報化の課題ということでは、主として事務処理の効率化を進めるといったことや行政サービスの提供のあり方、あるいはサービス内容を住民主体に変えていくといったことが取り上げられているのでありますが、基本的な部分での行革と情報化との関連づけといったものが、余り明確には示されていないのではないかというふうに思われております。とりわけ、今後地方分権が進むとすれば県庁の本来的な役割を何に求めるのか、政策立案機能の充実強化ということであれば、ITという手段を用いてどのように組織や機能を変革していけるのかが問題になってくるのではないかと思います。道具を変えることによって意識を変える、意識を変えることによって組織を変えていくということが行政の活性化にとっては重要なことと思います。迅速な意思決定を可能とするフラットな組織づくりといったものをいかに進めていくかがポイントになってこようかと思います。

 行政の縦割り組織の壁を破り、下からの積み上げを超えてトップの判断が迅速に行われるようにするためにも、情報基盤を活用した組織機能の変革に取り組んでいただきたいわけでありますが、この点どのように検討されているのか、総務部長の御所見をお聞かせください。



○平弘造委員長 宮内総務部長。



◎宮内豊総務部長 本県の情報化推進の重要な柱の一つとして、県行政の情報化を上げることができると思います。と同時に、県行政の情報化は、今後の行財政改革を進める上でも重要な視点であるというふうに認識しております。特に、行政を情報化いたしますと、まず情報収集機能を飛躍的に高めるということがございます。また、本庁と出先機関との間で情報を共有化するということが可能になってまいります。また、あるいは県民の県政への参画を容易にするといった点も上げられると思います。こうした点から、政策立案機能の強化という点で重要な役割を果たすものであるというふうに考えております。その上で、行政組織のあり方としては、今後、御指摘のようにITを活用しながら、ラインの簡素化であるとか意思決定の迅速化でありますとか、あるいは責任権限の明確化などによって行政効率を向上させることがより一層求められてくるというふうに考えております。

 こうした点の検討に際しましては、あわせて職員の意識改革や能力開発を進めていくことも重要であると考えておりますが、いずれにいたしましても、時代の要請に的確に対応するため、ITの活用による効率的な行政組織のあり方につきまして、委員御指摘の点を踏まえ積極的に検討してまいりたいと考えております。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 ありがとうございました。総合出先機関の問題と並行して、ぜひ本庁の組織のあり方あるいは機能のあり方についても十分力を入れて取り組んでいってもらいたいと思います。

 次に、感染症対策についてお尋ねをいたします。

 初めに、医療機関の施設整備についての問題であります。

 ことしの七月に行われました九州・沖縄サミットにおいては、情報技術革命と並んで、エイズ、結核、マラリア、ポリオなどの感染症対策が主要議題として取り上げられ、感染症対策に主要国が一丸となって取り組むことが表明されたところであります。昨年四月一日に施行されました我が国の感染症予防法におきましては、これまで国や市町村によって行われてきた感染症対策を主として都道府県の仕事へと移したわけです。これに伴いまして、本県においても、第一種感染症指定医療機関並びに第二種感染症指定医療機関の整備を進めなければならなくなったわけでありまして、県にとっては新たな負担ということで、いろいろ御苦労もされておるのではないかというふうに思います。

 第一種の医療機関につきましては、エボラ出血熱などの一類感染症にも対応しなければならないことから、余り現実味のない病気のためにかなり高額な施設を全都道府県で同じように整備しなければならないといった問題も出てきております。県立中央病院におきましては現在どのような整備を進めておられるのか、お聞かせください。

 また、第二種の医療機関につきましては、従来の伝染病院や隔離病舎との関係で財産処分などの問題もあったかと思いますが、現在の整備状況はどうなっているのか、さらに、五年間の経過措置後はどのようになるのかお聞かせください。



○平弘造委員長 日野健康福祉部長。



◎日野雅夫健康福祉部長 ただいま委員の方からお話ありましたように、昨年の四月からの新しい法律によりまして、第一種感染症指定医療機関と第二種感染症指定医療機関については県が指定するというふうになっております。

 まず、ペストやエボラ出血熱などの一類感染症、五疾患ございますけれども、その患者の医療を担うということで第一種感染症指定医療機関がございますけれども、これについては、お話にありましたように各都道府県にそれぞれ一カ所ということが義務づけられております。本県におきましても、移転整備中の新県立中央病院に、感染力の強い感染症にも対応できるようにということで、独立換気の空調設備や専用排水設備を備えた個室病床二室を国庫補助を受けまして、現在、整備を進めているという状況にございます。

 また、コレラや腸チフスなどの二類感染症でございますけれども、これは六疾患ございますけれども、この医療を担う第二種感染症指定医療機関につきましては、二次保健医療圏ごとに一カ所ということで、その人口規模に応じて、例えば人口三十万人未満の圏域であれば四床、三十万人から百万人までの圏域であれば六床ということで、そういう指定基準が示されております。そういうことで、本県の場合には県内四地域にそれぞれ四床ないし六床の病床を整備する必要がございます。

 昨年の法施行時に、厚生省の定める指定基準に適合する医療機関が本県にないということで、暫定的に定め、従来の伝染病隔離病舎が併設されております県立河北病院、県立新庄病院、米沢市立病院及び市立酒田病院を指定したところでございます。この暫定指定は十五年度末までの五年間ということでありますので、この間に国の指定基準に適合する病院を本指定する必要があります。置賜地域では、公立置賜総合病院において既に四床の整備を完了して、十一月一日の開院にあわせて現在の米沢市立病院から切りかえて本指定するということにしております。村山地域につきましては、県立河北病院に併設されている旧伝染病隔離病舎六床を、最上地域については、県立新庄病院の一般病床を四床、あと庄内地域については、市立酒田病院からかえまして県立日本海病院の一般病床六床を平成十五年度までに指定基準に適合するよう国庫補助を受け、整備の上、本指定する予定としているところでございます。

 なお、これらの病床につきましては、感染症患者がいない場合には一般患者の入院が可能でありますので、有効活用を図るということにしてございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 県内それぞれの地域において十分な対応ができるように、体制づくりを進めていただきたいと思います。

 続きまして、いわゆる院内感染についてお尋ねいたします。

 いわゆる院内感染ということでは、主として抗生物質の耐性菌が問題となっております。ことし六月には、世界保健機関が、世界じゅうで抗生物質などの薬剤が効かない病原体がふえ、感染症が治療できなくなる時代に突入しつつあるというような警告も発しているようでありまして、今や院内感染の問題が世界的にも大きくクローズアップされてきております。

 日本の院内感染対策ということになりますと、一九八〇年代からMRSA、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌というのだそうでありますが、このMRSA感染の多くの犠牲者を出しながらも遅々として進まなかったようでありますが、ここ数年の間に、ICTと呼ばれる感染制御チームを設置する病院が徐々に出てくるようになったということで、ようやく前進の兆しも見えつつあるようであります。しかしながら、最後の切り札と言われるバンコマイシンが効かないバンコマイシン耐性腸球菌の出現や、昨年二月に三重県で発生したインフルエンザとMRSAとの複合感染によります毒素性ショック症候群といったようなものが出てくるなど、次々と新たなものも出てきておる状況です。院内感染対策は、究極的には医師による抗生物質の乱用防止と看護婦さんたちの手洗いの徹底に尽きるとも言われておるのでありますが、なかなか完全にゼロにするというのは困難なことのようでもあります。

 このようないわゆる院内感染による感染症では、主にどのような種類のものが問題となっているのか、また、県立病院においてはどのような取り組みがなされているのか、病院局長よりお聞かせください。



○平弘造委員長 加藤病院局長。



◎加藤淳二病院局長 院内感染についてのお尋ねでございますが、院内感染は、院内に浮遊する細菌などが原因となって患者さんや職員に感染症を引き起こすものでございますが、主なものといたしましては、先ほどお話にもございましたMRSAやVRE・バンコマイシン耐性腸球菌を初め、結核菌、セラチア菌等がございます。

 県立病院における院内感染防止の取り組みといたしましては、医師、看護婦、薬剤師、検査技師等から成ります院内感染予防対策委員会等を設置しながら防止対策を講じております。具体的には、委員会のメンバーを中心として、ナースステーションや病室の感染防止用消毒液の補充状況やベッドの清潔保持状況等をチェックする院内巡視の実施、毎月やっておるものですが、あと院内各所の常在菌検査の実施、それから医療従事者の衣服・手指の消毒及び感染患者の個室使用等の感染予防対策の実施、感染情報レポートの発行等を行っております。このほか、院内感染対策マニュアルを作成いたしまして全職員に周知徹底を図るとともに、最新の感染情報を院内研修等で周知を図っているというところでございます。

 また、先ほど委員の御指摘にもありましたように、院内感染対策の基本は、医師による抗生物質の使用方法にありますことから、使用基準の周知徹底をさらに図ってまいりたいというふうに考えております。

 今後とも、院内感染予防対策委員会を中心にいたしまして、院内感染に関する教育や予防対策の徹底による清潔保持を図り、院内感染の発生防止に万全を期してまいりたいというふうに思っております。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 MRSAなどの院内感染につきましては、法律上の届け出義務がないということがありまして、なかなか表にはあらわれにくい状況にあろうかというふうに思います。ただ、免疫力の衰えた高齢者の方々などにとりましては、院内感染ということになりますと病院にもなかなか長くおられない、あるいはどっか施設に入ろうと思っても入れないと、まさに進退きわまるような大変な事態になっておる事例もあるようでございますので、ぜひこの問題につきましては効果的な取り組みを進めていただきますようにお願いしたいと思います。

 次に、ホスピスケアと緩和ケア病棟についてお尋ねします。

 これにつきましては、既に佐藤藤彌委員が一般質問で取り上げられましたが、私なりに個別的な課題についてお尋ねしてまいりたいと思います。

 ホスピスの歴史は、十一世紀中ごろの十字軍遠征の時代に始まると言われておりますが、近代においては、イギリスのシシリー・ソンダース博士によって一九六七年半ばに設立されたセント・クリストファー・ホスピスが有名と言われております。日本においてはまだ二十年ぐらいの歴史のようでありますが、がん末期の人の苦痛を緩和し、その人が人間らしく生きられるように応援していくという考え方を基本にして、当初はキリスト教系のホスピスが先行したようでありますが、仏教系ではビハーラという呼び名で、平成四年新潟県長岡市に開設されたものが目立っているのであります。一九九〇年には、厚生省が緩和ケア病棟の施設基準をつくって入院費を健康保険の診療報酬の支払い対象としたことから、それ以降は、公立病院なども含め終末期医療の病棟をつくる医療機関が随分とふえてきているようであります。

 独立したホスピスあるいは病院の一角に緩和ケア病棟を設けるなどいろいろな種類があろうかと思いますが、まずは、全国的な動きがどのようになっているのかお聞かせいただきたいと思います。



○平弘造委員長 日野健康福祉部長。



◎日野雅夫健康福祉部長 病院における緩和ケア病棟の全国的な動向ということでございますけれども、この動向については公表された数字がありませんけれども、民間の団体であります全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会というところがございまして、その協議会の資料によりますと、平成三年四月時点、これは先ほどお話のありました診療報酬に新たに盛り込まれた翌年でございますけれども、この段階で五病院、百二十九床であったものが、ことしの八月時点ではそれが七十七病院、一千四百二十三床と大幅に増加しております。特に、ここ二年ほどで病院数、病床数ともに大幅に増加しているという状況にございます。

 なお、七十七病院のうち六十三病院が民間立ということになっております。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 ここ二年ほどでかなり数がふえてきておるということでありまして、需要が多いということもあるのでしょうが、一方では、これが粗製乱造とならないように気をつけていかなきゃならないということも出てきておるのではないかなというふうにも思います。

 我が県の課題といったことについて若干お尋ねをしていきます。

 一点目としては、スタッフの養成等についてであります。

 これから県立中央病院が取り組みます緩和ケア病棟十五床、これは規模としては決して小さいものではないというふうに思われます。我が県においては初めての施設でありまして、県民の期待も大きいだけに、医師や看護婦さらにはソーシャルワーカーなどのスタッフの養成には特に力を入れていく必要があろうかと思います。ここにおいては、患者の苦痛を取り除くことが最重要課題ということでもありましょうし、特に疼痛コントロールといったものが大きな柱になってこようかと思います。患者さんそれぞれに個人差があることや、またいつ急変するかわからないということもあって、医師や看護婦さんたちにとっては大変な仕事になってこようかと思います。

 具体的にはどのような緩和ケアがなされるのかその内容について、さらに、スタッフの養成ということでは現在どのような準備が進められているのか、お聞かせください。



○平弘造委員長 加藤病院局長。



◎加藤淳二病院局長 どのようなケアが行われるのか、またスタッフの養成についてはどうかというお尋ねでございます。

 緩和ケア病棟は、治癒を目的とした治療が終了した患者さんで、病名、病状の告知を受け入れた方を対象にしております。ここでは、痛みやその他の不快な身体症状を緩和するとともに、家族も含めた精神的・社会的な援助を行います。入院後は、症状のコントロールが図られれば退院や外泊も可能ですし、付き添いとか外出、面会等原則的には制限を設けず、患者さんが家族とともに残された時間を大切にし、可能な限り自由で充実した時間を過ごしていただきたいというふうに考えております。

 このように、緩和ケア病棟では、患者さんに対しては身体的症状のコントロールや精神面でのケアとともに生活面での配慮、さらに家族に対して社会的・精神的問題にも相談に応じる等の配慮といった、一般の病棟とはまた違う幅の広いケアが必要でございますので、医師、看護婦を中心に病院内の各職員がチームを組んで心配りをするとともに、スタッフの教育・研修を継続していく必要があると考えております。これまで、チームの中心となる医師と看護婦複数名を他県の実績のあるホスピス病院での実務研修等に派遣し訓練を行っており、また、現在、緩和ケア病棟運営要綱を定めまして、病院内でチーム医療体制の構築に向けて具体的な検討を積み重ねているところでございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 ただいまお話いただきましたように、身体的な面に加えて、また精神的な面でのケアといったことも出てくるわけであります。これにつきましては、専門的にはスピリチュアル・ペインという言葉があるんだそうでありますが、これ以上生き続ける意味を見失ったときに感じる苦悩とか心の痛みという意味だそうでありまして、このような患者さんの必死の問いかけや魂の叫びにもこたえていかなければならない、言ってみれば、医療の枠を超えたものになってくるのではないかなというふうに思うわけです。希望があれば宗教家にも来てもらえるというように、ボランティアの方々を含めて、患者のニーズに可能な限りこたえていけるようなチームの形成が望ましいというふうに思っております。

 ただ、これは極めて重大な時期におけるボランティアでありますので、ホスピスチームの一員としての自覚といったことや、またプライバシーを守るということなど、参加条件は厳しくしていかなければならないのではないかなというふうにも思います。

 今後、ボランティアの育成と連携をどのように進めていくお考えか、お聞かせください。



○平弘造委員長 加藤病院局長。



◎加藤淳二病院局長 緩和ケア病棟では、宗教家の来訪といった患者さんの要請には可能な限りこたえていきたいというふうに考えておりますが、患者さんの心理的あるいは霊的な問題も含め、いわば患者さんへの全人的な対応が可能なチーム形成が望ましいことは、今御指摘あったとおりでございます。

 ボランティアの受け入れにつきましては、緩和ケア病棟を含め病院全体としても重要な課題というふうに認識しておりますが、ボランティアの活動は、先進施設の事例を見ますと、花壇の手入れや行事のお手伝い、お茶のサービスからベッドサイドでのお手伝いや患者と家族の方の話し相手になることまで多岐にわたっており、病院運営と密接にかかわるものですので、病院スタッフとの十分な連携が必要であろうというふうに考えております。

 受け入れに当たっては、事前の研修がぜひとも必要だというふうに考えております。特に、緩和ケア病棟でのボランティア受け入れにつきましては、十分な準備が必要ですので、ボランティアコーディネーターを配置いたしましてボランティアの養成を行いながら、開院後において患者さんの意向に沿うような形で具体的に進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 もう一点、在宅ケアについてお尋ねしたいと思います。

 ホスピスと緩和ケア病棟といった関係をどのように考えるかということでは、山崎章郎さんという方が見事な指摘をされておるようです。緩和ケア病棟が病院という枠の中に位置づけられているのが現状でありますけれども、本来のホスピスという概念は病院という枠の中にはおさまらないものでありまして、ホスピスは地域社会そのものといってもよく、その中に病院が参加しているんだということを言っておられます。いわば、ホスピスは医療モデルでなくて社会モデルの一つとしてとらえていくべきでないかということのようであります。このような考え方を踏まえまして、在宅ケアにつきましても今後積極的な取り組みが期待されるわけであります。

 全国的に見れば、在宅ケアに力を入れているホスピスもかなりあるようです。在宅のまま過ごしたいという方のために、外来での通院や往診によるケアということをどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。



○平弘造委員長 日野健康福祉部長。



◎日野雅夫健康福祉部長 ホスピスという言葉の語源ということでございますけれども、ラテン語で温かいもてなしという意味の言葉だそうでございまして、先ほど委員の方からも指摘ありましたように、中世ヨーロッパまでさかのぼると、当時は、病人に限らず巡礼者や貧困者などを休ませ歓待する家のことであったということであります。そういう意味で、先ほど委員の方から社会モデルの一つとしてとらえるべきものではないかというお話がありましたけれども、末期患者が住みなれた自宅で家族に囲まれ残された時間を充実して過ごすということは、そういった意味でホスピスの由来に符合するものかなというふうに思います。

 在宅ターミナルケアは、自分の生活の場で昼も夜も家族とともに過ごせるということで、普通の生活を続けて人生を全うできるという、そういう利点があるというふうに思っております。ただ、在宅ケアを行うに当たりましては、診療所から往診に当たる医師、看護婦のほか、訪問看護ステーションとの連携でありますとか、緊急入院の際に必要な病院との連携でありますとか、あるいは患者の病状や家庭環境にあわせて患者と家族の生活を支える例えばヘルパーの参加でありますとか、そういったことが必要になるかというふうに思います。

 在宅ターミナルケアにつきましては、現在、末期の悪性腫瘍患者の居宅療養に対応する在宅末期総合診療という制度がありまして、その届け出を行っている医療機関について、現在県内には十三医療機関がございます。患者の容体に応じて二十四時間体制で往診に備える必要がありますことから、一つの医療機関で担当できる患者というものはごく限られているという状況にございまして、この医療機関は徐々に増加しているわけでありますけれども、在宅ケアの希望に十分こたえられる状況にはないのではないかというふうに認識しているところでございます。

 先ほどの、県立病院の緩和ケア病棟において病院でケアをするわけですけれども、その患者さんも、退院をし在宅で療養する方も出てくるかと思いますけれども、その場合には、その先ほど申し上げた地域の医療機関でありますとか訪問看護ステーションと連携をとりまして、在宅においても引き続きケアができるようにしてまいりたいというふうに思っております。

 また、緩和ケア病棟の整備ということにとどまることなく、医療従事者を対象とした緩和ケアに関する研修会を実施するなど人材の育成に努めるとともに、かかりつけ医の普及や病診連携を一層推進しまして、在宅ケアのための環境整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

 また、医療面のみならず、介護の負担の大きい家族への援助ということで福祉分野との連携も重要でありますので、地域における支援体制の確立に努めてまいりたいというふうに考えております。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 ありがとうございました。大変重要な分野でもありますので、今後とも力を入れて整備等に取り組んでもらいたいと思います。

 次に、食欲の秋ということでもないのですが、食の教育について教育長にお尋ねいたしたいと思います。

 一点目は、食生活と子供たちの健康状況についてであります。

 近年、私たちの食生活が大変豊かになってきたのは喜ばしいことでありますが、ついつい手軽さや便利さが優先しがちで、豊かになったのは量と種類と色とカロリーだけということも言われております。カロリーだけはあるけれどもビタミンもミネラルも食物繊維も不足しがちで、現代型栄養失調とも言うべき症状が子供たちを襲っているようであります。糖尿病を初めとする生活習慣病が最近の子供たちにふえていることもそのあらわれでしょうし、さらには、学力低下の問題以前に体力や筋力の低下が問題となっていることも食生活と何やら関連があるのでないかなというふうに思われているところです。

 我が県の子供たちにつきましては、体格は全国上位にあるものの、体力や運動能力が全国平均より劣っているという結果も出ているようです。本県における子供たちの健康状況はどうなっているのか、また、食生活との関連をどのようにとらえられているのか、お聞かせいただきたいと思います。



○平弘造委員長 木村教育長。



◎木村宰教育長 本県の児童・生徒の健康状態についてでございますけれども、平成十一年の調査でございます。問題点が三つほどございます。まず、裸眼視力一・〇以下の割合が全国平均を小・中とも上回っているということ、それから虫歯の罹患率が小学校でやや高いと、もう一つは生活習慣病の原因と言われる肥満傾向の割合が小学校の児童で全国値よりやや高くなっているという、そういうふうな状況にございます。それから、同じく平成十一年の調査でございますけれども、発育状況と体力・運動能力調査におきましては、確かにおっしゃるように体格、身長・座高・体重ですね、これは全国平均を上回っておりますけれども、運動能力、例えば瞬発力であるとかあるいは持久力であるとか九つの項目の調査をしております。例えば五十メートル走とかソフトボール投げとか、そういうふうなものを調査しておりますけれども、これが必ずしも、学年にもよるんですけれども、全国平均を必ずしも上回ってはいないと、こういうふうな状態でございます。

 そういうふうな健康状態、体力の問題すべてこれ食生活と直接的な因果関係を求めるということは難しい部分もございますけれども、特に先ほど申し上げました肥満傾向の割合というのは、これは栄養摂取のアンバランス、不規則な食生活とか食習慣とかそういうふうなものに原因するということを我々は考えてとらえているところでございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 子供たちの食生活ということになりますと、言ってみれば親の方の食事づくりの問題とも関係してくるわけでありまして、子を持つ親たちも十分にこの点に関心を持っていくことが必要であるなと感じたところです。

 続きまして、学校教育における食育、食べる教育についてお尋ねいたします。

 ジャン・ジャック・ルソーによれば、教育の原点は食べることを通して自己保存できる知恵を学ぶことだということでありまして、けだし名言でないかと思うのであります。最近の子供たちがいらいらしたりむかついたりすぐかっとなったりする原因には、食生活のあり方も大きくかかわっていることが指摘されております。人間にとって食料とは何か、どのように食べればいいかを知るための食の教育すなわち食育が極めて重要になってきているのではないでしょうか。

 学校給食がそれぞれの学校において調理されていたときには、調理師や学校栄養職員の方々と子供たちとの日常的な触れ合いの中で子供たちの食べ方や食べぐあいなどを見ながらの指導もできたかと思いますが、共同調理場方式や外注が進むにつれまして食に関する指導も十分とは言えなくなってきておるのではないかと心配されるところです。平成十年六月には文部省より食に関する指導についての通知が出されているわけですが、ぜひ本県におきましても、学校栄養職員の方々が特別非常勤講師として、食の重要性についてやその専門性を生かした健康教育について十分な指導ができるように、体制を整備していただきたいものであります。

 この点についての県としてのお考えをお聞かせください。



○平弘造委員長 木村教育長。



◎木村宰教育長 心身ともに成長が著しく、食生活の基礎ができるこの時期でございますので、望ましい食生活や正しい知識を身につけ、自分の健康管理ができる力を養うことは、主として家庭生活にかかわる部分が大きいわけでありますけれども、学校教育においても極めて大切なことだというふうに私は考えております。

 食に関する指導というのは、主に給食の時間や学級活動及び家庭科、保健などの時間に行っておりますが、特に授業においては、栄養士の先生でございます学校栄養職員との共同授業、チームティーチングによる指導を行い成果を上げているところも大変多くなってきております。さらに、学校栄養職員が専門性を生かしまして単独で授業を担当することができるという特別非常勤講師制度についての法改正も平成十年にあったということでございますので、実施しやすくなりました。そういうことが普及するよう、県教育委員会としましても市町村教育委員会を通しながら学校に指導してまいりたいと、こういうふうに思います。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 ぜひこの取り組みを進めていただけるようにお願いしたいと思います。

 次に、環境問題についてであります。

 仮称ではありますが、環境科学研究センターの機能といったものについて、文化環境部長にお尋ねをいたします。

 昨今の環境問題は、身近なものでは家庭のごみから産業廃棄物に至るまでの処理の問題、あるいは水質汚濁や環境ホルモンの問題、さらには地球規模でいえば地球温暖化あるいは酸性雨の問題など、幅広い多くの問題を抱えてきております。豊かな自然に恵まれた我が県におきましては、私たちの暮らしは総じて良好な環境にあるといえようかと思いますが、二十一世紀を展望するときには、より厳しいまなざしを持って環境問題に取り組み、さらに美しく良好な環境づくりを目指していく必要があろうかと思います。

 このような時代の要請を踏まえて、昨年三月には山形県環境基本条例が制定されたわけですが、県としては、これを受けて今年度、各種環境施策を総合的かつ計画的に推進するための指針となる環境計画を策定するものと聞いているところであります。また、このたびの九月定例会におきましては、環境科学研究センターの設計整備に関する予算が計上されております。環境問題は今や重要政策課題であり、厳しい財政状況の中にあっても積極的に対応していかなければならない分野でありますので、これは県としての環境問題にかける意欲のあらわれであろうと受けとめているところであります。

 さて、ダイオキシンや環境ホルモン等の特定化学物質につきましては、人間の健康や生態系にも害を及ぼし、とりわけ子供たちの成長や人の生殖機能、免疫機能に大きな影響を及ぼすとも言われていることから、多くの県民の方々がこの問題には敏感になってきているのではないかなというふうに感じておるところです。これらの特定化学物質に対しましては、より適切に対応し、また、本県の良好な環境創造の取り組みを一層推進していくためにも、私たち県民を取り巻く生活環境や自然環境についての総合的な調査研究の機能をさらに強化すべきものと考えておるわけです。また、環境問題の重要性ということからすれば、子供のころから環境に対する関心と興味を持ってもらうことが大事であるというふうに思います。

 このセンターでは、子供たちや一般県民を対象とした環境教育の拠点としての役割も期待されるところでありますが、この環境科学研究センターの整備の目的についてと、そしてまたこのセンターにはどのような機能を持たせていくおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。



○平弘造委員長 武田文化環境部長。



◎武田浩一文化環境部長 環境科学研究センター、これ仮称でございますが、その機能についてでございます。

 現在の環境保全センターは、昭和四十八年に公害センターとして発足をいたしました。これまで、公害関係の試験研究機関として環境汚染の監視やその未然防止の役割を担ってきたところでございます。ところが、近年、ダイオキシンや環境ホルモンなどの化学物質に対する関心が高まり、県としてもこれらの検査体制を整備し監視を行う必要が出てきたということが一点でございます。二点は、地球温暖化問題とともに、生活環境だけでなく自然環境も含めた生態系全体の調査研究も進める必要が出てきたということが二点目でございます。三点目は、県民の自主的な環境保全活動を推進するための環境情報の提供や環境学習を充実強化していく必要があるということでございます。また、現在の施設が大変狭隘になってきたということも一つ加えさせていただきたいと思います。以上の点から、村山市の農業試験場蚕糸部の跡地に移転整備をすることとしたものであります。

 また、環境科学研究センターの機能としましては、これまでの大気や水質などの分析や環境情報の提供のほか、ダイオキシンなどの特定化学物質の超微量分析体制の整備、二つ目は、絶滅のおそれのある野生生物にかかわる情報の整備や自然環境に関する調査研究を推進していくため自然環境部門の新設、また、三番目には、県民の自主的な環境保全活動を推進していくための環境学習施設の整備、そして四番目が、環境に関する各種研究機関とのネットワーク化の構築などの新たな機能を有する施設として整備を行っていく予定でございます。

 以上でございます。



○平弘造委員長 鈴木委員。



◆鈴木正法委員 村山市に設置されるということでありますので、近隣市町におきましても注目をしておるところであります。ぜひ内容の充実した施設となりますように整備を進めていただきますようお願いいたします。

 時間も時間でございますので、きょうのところはこの程度でとどめます。執行部の皆さんの温かい御答弁ありがとうございました。

 以上をもって質問を終わらせていただきます。



○平弘造委員長 鈴木正法委員の質疑は終わりました。

 本日はこの程度にとどめ、明四日午前十時委員会を開会し、質疑を続行いたします。

 本日はこれをもって閉会いたします。

     午後八時一分 閉会