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平成12年  9月 定例会(第301号) 09月26日−02号




平成12年  9月 定例会(第301号) − 09月26日−02号







平成12年  9月 定例会(第301号)



    平成十二年九月二十六日(火曜日) 午前十時九分 開議



議事日程第二号

    平成十二年九月二十六日(火曜日) 午前十時 開議

 第一   議第百三十五号 平成十二年度山形県一般会計補正予算(第二号)

 第二   議第百三十六号 平成十二年度山形県母子寡婦福祉資金特別会計補正予算(第一号)

 第三   議第百三十七号 平成十二年度山形県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第一号)

 第四   議第百三十八号 平成十二年度山形県土地取得事業特別会計補正予算(第一号)

 第五   議第百三十九号 平成十二年度山形県農業改良資金特別会計補正予算(第一号)

 第六   議第百四十号  平成十二年度山形県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算(第一号)

 第七   議第百四十一号 平成十二年度山形県林業改善資金特別会計補正予算(第一号)

 第八   議第百四十二号 平成十二年度山形県流域下水道事業特別会計補正予算(第一号)

 第九   議第百四十三号 平成十二年度山形県港湾整備事業特別会計補正予算(第一号)

 第十   議第百四十四号 平成十二年度山形県病院事業会計補正予算(第一号)

 第十一  議第百四十五号 平成十二年度山形県電気事業会計補正予算(第一号)

 第十二  議第百四十六号 平成十二年度山形県工業用水道事業会計補正予算(第一号)

 第十三  議第百四十七号 平成十二年度山形県ガス事業会計補正予算(第一号)

 第十四  議第百四十八号 平成十二年度山形県公営企業資産運用事業会計補正予算(第一号)

 第十五  議第百四十九号 平成十二年度山形県水道用水供給事業会計補正予算(第一号)

 第十六  議第百五十号  山形県個人情報保護条例の設定について

 第十七  議第百五十一号 山形県行政機関の設置等に関する条例等の一部を改正する条例の設定について

 第十八  議第百五十二号 山形県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定について

 第十九  議第百五十三号 山形県手数料条例の一部を改正する条例の制定について

 第二十  議第百五十四号 山形県県税条例の一部を改正する条例の制定について

 第二十一 議第百五十五号 山形県国際交流センター条例の設定について

 第二十二 議第百五十六号 社会福祉法人に対する補助に関する条例等の一部を改正する条例の設定について

 第二十三 議第百五十七号 山形県介護福祉士及び社会福祉士修学資金貸与条例の一部を改正する条例の制定について

 第二十四 議第百五十八号 山形県介護学習センター条例の設定について

 第二十五 議第百五十九号 山形県看護職員修学資金貸与条例の一部を改正する条例の制定について

 第二十六 議第百六十号  山形県産業科学館条例の設定について

 第二十七 議第百六十一号 山形県観光情報センター条例の設定について

 第二十八 議第百六十二号 国営土地改良事業負担金徴収条例の一部を改正する条例の制定について

 第二十九 議第百六十三号 山形県都市公園条例の一部を改正する条例の制定について

 第三十  議第百六十四号 山形県すまい情報センター条例の設定について

 第三十一 議第百六十五号 山形県建築基準条例の一部を改正する条例の制定について

 第三十二 議第百六十六号 山形県県営住宅条例の一部を改正する条例の制定について

 第三十三 議第百六十七号 山形県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定について

 第三十四 議第百六十八号 東田川郡立川町と同郡余目町との境界変更について

 第三十五 議第百六十九号 東田川郡余目町と同郡藤島町との境界変更について

 第三十六 議第百七十号  国営白川土地改良事業に要する費用に係る負担金の一部負担について

 第三十七 議第百七十一号 広域営農団地農道整備事業等に要する費用の一部負担について

 第三十八 議第百七十二号 中山間地域総合整備事業等に要する費用の一部負担について

 第三十九 議第百七十三号 水環境整備事業等に要する費用の一部負担について

 第四十  議第百七十四号 林道事業に要する費用の一部負担について

 第四十一 議第百七十五号 都市計画街路事業に要する費用の一部負担について

 第四十二 議第百七十六号 流域下水道の建設事業に要する費用の一部負担について

 第四十三 議第百七十七号 県代行下水道事業に要する費用の一部負担について

 第四十四 議第百七十八号 港湾事業に要する費用の一部負担について

 第四十五 議第百七十九号 漁港事業に要する費用の一部負担について

 第四十六 議第百八十号  急傾斜地崩壊対策事業に要する費用の一部負担について

 第四十七 議第百八十一号 一般国道百十二号加茂坂バイパス道路改築事業道路改良(加茂坂トンネル)工事請負契約の一部変更について

 第四十八 議第百八十二号 一般国道四百五十八号長谷堂バイパス道路改築事業道路改良(長谷堂トンネル)工事請負契約の一部変更について

 第四十九 議第百八十三号 主要地方道米沢高畠線道路改築事業羽黒川橋架設工事(上部工)請負契約の締結について

 第五十  議第百八十四号 綱木川ダム建設事業堤体工事請負契約の一部変更について

 第五十一 議第百八十五号 山形市が自治大臣に対して行う特例市の指定に係る申出について

 第五十二 議第百八十六号 山形県教育委員会委員の任命について

 第五十三 議第百八十七号 山形県収用委員会予備委員の就任順位の変更及び任命について

 第五十四 県政一般に関する質問



本日の会議に付した事件

 議事日程第二号の外追加日程

 (追加日程)

 第一 発議第十号 山形県議会定数検討委員会の設置について

 第二 山形県議会定数検討委員会委員の選任について



出席議員(四十八名)

   一番  笹山一夫君

   二番  吉田 明君

   三番  加藤国洋君

   四番  星川純一君

   五番  伊藤重成君

   六番  舩山現人君

   七番  田澤伸一君

   八番  森田 廣君

   九番  坂本貴美雄君

   十番  佐藤藤彌君

  十一番  小屋豊孝君

  十二番  広谷五郎左エ門君

  十三番  吉泉秀男君

  十四番  寒河江政好君

  十五番  太田忠藏君

  十六番  澤渡和郎君

  十七番  志田英紀君

  十八番  野川政文君

  十九番  阿部賢一君

  二十番  鈴木正法君

 二十一番  佐貝全健君

 二十二番  菊池汪夫君

 二十三番  青柳 忠君

 二十四番  前田利一君

 二十五番  井上俊一君

 二十六番  田辺省二君

 二十七番  土田広志君

 二十九番  平 弘造君

 三十番   阿部信矢君

 三十一番  今井榮喜君

 三十二番  土屋健吾君

 三十三番  竹田重栄君

 三十四番  松浦安雄君

 三十五番  野村研三君

 三十六番  松野久八君

 三十七番  伊藤 孜君

 三十八番  橋本喜久夫君

 三十九番  木村莞爾君

 四十番   荒井 進君

 四十一番  関口 修君

 四十二番  山科朝雄君

 四十三番  伊藤定夫君

 四十四番  石垣 潔君

 四十五番  松沢洋一君

 四十六番  大内孝一君

 四十七番  後藤 源君

 四十八番  新目視悦君

 四十九番  武田 誠君

 欠員(一名)



説明のため出席した者

 知事          高橋和雄君

 副知事         金森義弘君

 出納長         横山五良右衛門君

 企業管理者       渡邉満夫君

 総務部長        宮内 豊君

 企画調整部長      佐々木克樹君

 文化環境部長      武田浩一君

 健康福祉部長      日野雅夫君

 商工労働観光部長    本木正光君

 農林水産部長      細野武司君

 土木部長        山本善行君

 財政課長        佐藤洋樹君

 教育委員会委員長    安孫子 博君

 教育長         木村 宰君

 公安委員会委員長    鐙谷誠一君

 警察本部長       殿川一郎君

 代表監査委員      櫻井 薫君

 人事委員会委員長    古澤茂堂君

 人事委員会事務局長   鈴木一夫君

 地方労働委員会事務局長 斎藤知行君



     午前十一時九分 開議



○議長(石垣潔君) これより本日の会議を開きます。





△日程第一議第百三十五号議案から日程第五十三議第百八十七号議案まで及び日程第五十四県政一般に関する質問

                         (代表質問)



○議長(石垣潔君) 直ちに日程に入ります。

 日程第一議第百三十五号平成十二年度山形県一般会計補正予算第二号から、日程第五十三議第百八十七号山形県収用委員会予備委員の就任順位の変更及び任命についてまでの五十三案件を一括議題に供し、これら案件に対する質疑と、日程第五十四県政一般に関する質問をあわせ行います。

 質疑及び質問の通告がありますので、通告順により発言を許可いたします。

 二十九番平弘造君。



◆29番(平弘造君) おはようございます。九月定例会の冒頭、自由民主党を代表して代表質問をさせていただきます。

 今、二十世紀の最後を締めくくるオリンピックが、自分を極限まで磨き上げ、国の誇りを背負いながら戦っているわけです。私たちも、二十一世紀に、自分たちの郷土に誇りを持ちながら責任のある地域づくりにいかに挑戦できるかという責任を感じておるところであります。改めて、自分たちの責務の重さを感じながら質問に入らせていただきます。

 最初に、県内景気の現状と対策についてお尋ねをいたします。

 去る九月二十日に事業規模十兆円とも言われる経済対策策定についての方針が発表され、十一月には国の補正予算が提案される運びとなる情勢のようであります。さて、知事は、二月定例会において、今年度想定される経済対策への対応について、財政運営上は厳しいが国全体の景気対策を生かすにはある程度地域としてもこたえていく必要があるとの考え方を示されました。しかしながら、今議会に提案されている九月補正後の県債残高は九千七百六十七億円と、さらに増加することになりました。国同様、今後の軸足をどう置くかは厳しい面があると思いますが、まず、県内景気の現状認識とこれを踏まえた経済対策への対応について、企画調整部長の御所見をお伺いいたします。

 次に、来年度予算編成における基本的な考え方についてお尋ねをいたします。

 平成十年四月以降、総合経済対策、緊急経済対策、緊急雇用対策、新生経済対策といった経済対策の実施、今補正予算にも計上されておりますが二回にわたる公共事業等予備費の発動と、ある意味ではなりふり構わぬ形で財政出動がなされてきたのであります。地方もこうした経済対策に積極的に協力しながらも、こうした中で本県はいち早く財政改革に取り組み、知事の果敢な決断と実行力によって大きな成果を上げてきたのではないかと思います。九年度に財政の中期展望を初めて試算したときには、翌年度には財源調整のための基金が枯渇してしまうという見通しでありましたが、今年度当初の見通しでは平成十三年度は確実に予算が組める、そして十四年度の財源不足額もかなり縮小してきています。また、県債残高についても、着実に増加のテンポを緩やかにしているのであります。景気の下支えにも配慮しつつ、二月議会で説明があったように、「県財政は健全化に向けて着実な一歩を歩み出した」ところまで財政の健全化に導くという二つの命題を着実に実現しつつあり、評価したいと思っております。

 さて、九月議会が終了すれば間もなく、十三年度当初予算編成作業に取りかかることになります。平成十一年度十二年度と、行財政改革大綱に基づき、シーリングの設定を初め大規模事業の調整等に取り組むとともに、景気に配慮した十五カ月予算を編成してきたところでありますが、二十一世紀の扉を開く予算編成にどのような考えで臨まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、地方税財源の充実確保と税制問題についてお尋ねをいたします。

 本年四月の地方分権一括法の施行により実施段階を迎えた地方分権を確立するため、地方税財源を充実強化することが喫緊の課題となっています。

 まず、法人事業税への外形標準課税の導入についてですが、安定した税財源、地域の行政サービスに応じる税として、均衡や公平を欠かない制度である必要があると認識していますが、現在のように可能な地域だけ課税するというのでは、その税額分が他地域の法人事業税算定において損金扱いされることなどから、富裕な地域は有利で地方は不利ということにもなりかねないことに留意する必要があります。

 また、地方でばらばらに外形標準課税を導入した場合には、これまで地域振興に大きな役割を果たしてきた企業誘致にも大きなマイナス影響が出ることも予想されます。また、法定外目的税として検討がおのおの行われている地方独自の環境税等の創設も、その対象や課税方式次第では、東京都と大阪府の銀行税と同じように特定業種をねらい撃ちしたような課税にもなりかねないとともに、事業活動や企業誘致等への影響なども心配され、私はこうした課税自主権の活用は必要であると思いますが、反面、全国の地方公共団体がばらばらに取り組むことはいかがなものかと危惧しているところです。

 私は、全国統一の制度として、八月八日に地方分権推進委員会が取りまとめた意見にもあるように、地方税法の改正により一定の基準のもとに税負担を求める外形標準課税の全国一律導入が望ましいものと考えています。また、法定外税については、平成十一年度の法定外普通税の収入済み額が全国で二百六億円余り、税収総額十四兆五千九百億円の〇・一四%にすぎない状況にあり、今後、基幹税目となり得るような新たな税源を発掘することは非常に難しいものと思います。多くの自治体で新税の検討を進めている現在の状況は、百数十種類にも及ぶ種々雑多な法定外の税目が設定されていた終戦直後の状況を再び招きかねず、地方税制の安定、税の均衡・公平の点においても懸念される側面があります。私は、環境税などの新たな税についても、全国的な観点から統一的な考え方に基づいて検討していくことが望ましいと思います。

 そこで、最近の地方公共団体における地方税財源の充実確保に向けた取り組みについてどのように認識されているのか、また、法人事業税への外形標準課税等新税の創設についてどのように取り組んでいくべきものと考えているのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、行財政改革の成果と今後の取り組みについてお尋ねいたします。

 厳しい財政状況、地方分権の進展などを背景に、知事は県民に、創意なくして創造なし、創造なくして改革なし、改革なくして自立なしと訴えられながら平成十年十二月に行革大綱を全面改定し、県政の重要課題として行財政改革に努めてこられました。私は、今回の行財政改革は、バブル崩壊後の深刻な景気低迷、そして当時の危機的ともいえる県財政の状況を考えれば、財政改革を初め組織・機構改革など、これまでにない至上の課題が突きつけられていたと感じております。また、行革大綱改定から約二年近くになりますが、事業の抑制と景気対策等の施策の推進のバランスを保ちながら、財政改革のかじをとることは難しいものであったと思います。その取り組みの結果、例えば平成十年二月と本年二月の段階での県財政の中期展望を比較すると、十三年度財政については調整基金は既に枯渇し財源不足が四百七十二億円であったものが、この二年間に財源不足は解消され、調整基金の残高も百十五億円と推計されており、着実に財政の健全化が図られることとなっております。

 総合支庁の設置についても、縦割り行政から横の連携を重視する総合行政の展開など、広域的な視点からの地域づくりの拠点として大いに期待しているところです。しかし、公債費の状況などを見ると、引き続き最小の経費で最大の効果を上げる努力を続けなければならないとともに、総合支庁については、平成十三年四月の設置以降、総合支庁が持つ機能の活用・運用が適切に図られ、総合支庁の力を高めていくことが重要であると思います。

 そこでまず、県は今般、行財政改革の成果の中間報告をまとめられましたが、これまでの行革の取り組みをどのように評価しているのか伺います。

 また、県は、政策評価システムの導入や県民参加の推進等引き続き取り組む七つの課題を掲げながら、現大綱を平成十三年度のできるだけ早い時期に改定し、新たな推進期間を設定して取り組んでいくこととしていますが、現大綱のフォローだけでなく、例えば情報技術を生かしたシステム改革など新たな課題を掲げながら取り組んでいくものと思いますが、大綱改定の基本的な姿勢をあわせて総務部長にお伺いをいたします。

 次に、新総合発展計画の総合的点検についてお尋ねをいたします。

 最初に、発展計画後期における主要な施策とプロジェクトについてであります。

 山形県新総合発展計画は、二十世紀から二十一世紀にかけての県づくりの新しい指針として平成七年二月に策定されました。計画においては、名称を開発から発展に改め、参加・交流・創造の基本理念のもと、県民の主体的な参画による県づくりを目指しており、まさに二十一世紀に向かう県政の新たな道しるべとして位置づけされてきたところです。そして、計画に盛り込まれた三十三のプロジェクト、九十七事業の推進については、知事初め県当局の努力により着実に成果を上げてきていることに対して大いに評価をしているところです。

 しかしながら、地球規模で激動する社会経済情勢の中にあって、県では昨年来、新総合発展計画の総合的点検に取り組まれているところでありますが、後期五年間のグランドデザインを描くに当たっては、厳しい財政状況を十分認識した上で、実現性の高い夢ある内容をわかりやすく県民に提示していかなければならないと思います。景気は、数次の経済対策に支えられようやく緩やかな回復基調に入ったとはいえ、予算規模の一・四倍にまで膨らんだ県債残高を抱え、県財政の中期展望で示されている毎年度の多額の財源不足を解消するには、相当の高度経済成長をしてもそれを補うだけの税収が見込めないことは明らかであります。

 こうした将来にわたる財政事情なども考えますと、少子・高齢化、高速交通網の整備、環境問題、IT革命への対応など二十一世紀に向けて対処すべき新たな課題が山積みする中で、既存の政策と今後実施すべき政策を取捨選択するに際しては、ゼロベースからの評価を行い、優先すべきものを明らかにし、事業を厳選して重点的に取り組む必要があるのではないかと考えます。そして、山形県として誇れるものを構築しポテンシャルを高めていかなければならないと思います。

 このたびの総合的点検につきましては、十月に最終提言がなされる予定と聞いています。先日、議会にも素案が示されていますが、知事が三選出馬に向けて打ち出す政策構想そのものとなるものであり、重要な意味を持つものと認識しています。

 そこで、今後五年間の計画期間において、これまでの審議会における議論や議会を初めとする県民等からの意見・提言を踏まえ、本県のあるべき姿と今後重点的に取り組むべき主要な施策についてどのようにまとめようと考えているのか、また、最優先すべきプロジェクト及び事業として具体的にどのようなものを想定されているのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、総合支庁における発展計画の推進と市町村との連携についてであります。

 来年四月に実現する総合支庁構想は、決定に至るまでの間、議会においても積極的に議論してきたほか、執行部においても市町村にアンケート調査を実施したりさまざまな手段で県民からの意見聴取の機会を設定するなど、県民意識の把握に努められ、県民の関心も高まり、活発な意見交換が行われたところです。総合支庁は、いわば県が県民とともに練り上げた構想であると言っても過言ではないと思います。私は、このような経過を経て決定された総合支庁が、地域の自立を図る地域振興の拠点としてこれから積極的な役割を発揮していくことを大いに期待をしております。

 これまで市町村では、地元の地方事務所よりも大きな権限を持つ本庁まで足を運んで陳情し、補助金をもらって事業を実施するというパターンがよくありました。しかし、これからは、機能と権限が大きく拡充される総合支庁とともに、市町村がみずから知恵を出して将来ビジョンを考え、地域住民のために主体的に施策を展開するという方法に変えていく必要があると思います。新総合発展計画の特徴の一つに、県内四地域の総合的な発展方向が盛り込まれていることが上げられます。この地域の発展方向は、来年度総合支庁が設置されるのに伴って、将来的には地域のグランドデザインとして肉づけされ、地域づくりの指針となるものであり、その指針に基づき総合支庁は総合的かつ広域的な視点に立った地域振興に取り組んでいくものと聞いています。しかしながら、市町村では総論はわかっていても、例えば市町村計画とのすり合わせなど各論で具体的に総合支庁とどのようにかかわっていったらいいのか、不安を抱えているのも事実ではないかと思います。

 そこで、今後、総合支庁において、市町村との役割分担と連携をどのように図り、地域のグランドデザインの策定を含め発展計画の実現推進に向けてどのように取り組んでいくのか、企画調整部長にお伺いをいたします。

 次に、健全な子育て環境の形成についてお尋ねいたします。

 最初に、地域社会の現状と問題に対する認識についてであります。

 去る八月、米沢市で発生した幼児衰弱死は、全国的にも大きな反響を呼んだまことに残念な事件でしたが、この中で、単に行政の対応と連携のシステム不備にとどまらない、現代社会に内包された多くの難しく深刻な問題があることを私たちに改めて認識させたところです。今回の事件は、親という大人による児童虐待が前面に出ていますが、本県も含め全国的に、高校生や中学生の少年犯罪がたびたび起こっている現実を見るにつけ、何か社会の歯車が狂ってきているのではないかと思うのです。その原因は何なのでしょうか。

 かつて、我々が小さいころは戦後復興の真っただ中で育ちましたが、食べ物はもちろん社会全体が貧乏でした。しかし、みんなが同じような環境でしたし、地域社会は閉鎖的ながらも厳然として伝統、慣習、行事や規律が多く残り、長老が地域のリーダーとして取りまとめ、住民はお互い助け合うことが当然のような運命共同体的なものであったように思います。家庭・学校においては、父親も先生も大人は威厳を持ちながらしつけをし、母親はたくさんの子育てに励み、子供は兄弟げんかの中でもまれながら成長していきました。そして、何よりも時間がゆっくりと流れ、落ちついて物事に当たれましたし、傍らでの動きもよく観察でき、いろいろなものを拾い上げることができたように思います。

 しかしながら、その後の技術革新に伴う高度経済成長以降、経済的な豊かさに伴い、地域社会の開放化、広域化、高学歴化、核家族化、少子化、情報化等が急テンポで進展し、地域社会、家庭、学校は大きな変貌を遂げたのです。こうした変化が、知らず知らずのうちに、子供たちの地域社会・家庭・学校への帰属意識や愛着・きずなを希薄化させてしまっているのではないかと思います。そして、そうした子供たちが大人になっていくわけですから、地域社会や家庭がゆがんだものになるのは必然的なように思います。

 先般 知事は定例記者会見の中で、米沢市の幼児衰弱死事件に関連して、こうした事態が起こる要因を突き詰めてどのように子供を健全に育てるか、また親が非常に大変な状況に陥った際の相談や支援をどうするかといった地域的・社会的な対応の必要性を強く訴えていたやに聞いています。

 そこでまず、このような子供たちに係る事件が発する現代の地域社会において、その現状と問題の所在についてどのように認識されているのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、子育て環境づくりに向けたシステム化と機運醸成についてお尋ねいたします。

 先般、県内の高校二年生を対象に県が実施した青少年の意識、行動に関する調査の結果によれば、自分の親のようになりたいと思う高校生はわずか二十人に一人というショッキングな報道がありました。家庭、学校も含めて、このままでは地域社会の存立基盤が崩壊しそうな不安を感じています。知事はさきの記者会見で、県とすれば、総合的な子育てあるいは子育てする親の環境づくりということを徹底してやっていく必要があるとの考えを明らかにされました。全く賛成であります。具体的には、親と子供たちの状況や変化などに地域社会のみんなが十分把握して対応できるようなシステム化について、健康福祉部、文化環境部、教育委員会、警察本部の四部局が連携し検討するよう指示されたようであります。地域社会の変貌は、多くの要因が長期間の中で複雑に絡み合って起きていることから、問題の解決には絡まった糸を一つ一つ解きほぐすように相当の時間と労力を必要とするだろうと思いますが、手をこまねいているわけにはいきません。

 そこで、子育て環境づくりに向けた地域社会のシステム化について、どのように総合的に取り組まれようとしているのか、子供たちに対する親や地域の意識を高めていくための機運醸成に向けた県民運動を提唱されているわけですが、どのように展開されようとしているのか、知事にお伺いいたします。

 次に、介護保険制度の課題と対応についてお尋ねいたします。

 介護保険サービスを利用するためには、利用者は、保険者である市町村から要支援・要介護と認定されることが必要であり、そこでは公平かつ公正な認定が求められているところであります。この認定においては、痴呆に対する一次判定の低さが指摘されていますが、この点については、去る七月二十八日に開催された県と厚生省との意見交換会においても取り上げられたところでありますが、国においても今後検討されるようであり、適切な対応を早急にお願いしたいと思います。

 介護保険の給付費に係る財源としては、国、県、市町村による公費負担が五〇%、保険料負担が五〇%となっています。このうち、保険料については、第二号被保険者の保険料については医療保険の保険料と合わせて本年四月から納付されていますが、六十五歳以上の第一号被保険者の保険料については、国の特別対策により本年四月から九月までは保険料が徴収されず、十月から来年九月までは本来の額の半額を納付し、来年十月からは本来の保険料の額を納付することとなっていますが、十月を前にしていろいろと問い合わせや不満の声があるようであります。

 保険料の額は市町村によって異なり、また個人の所得によっても異なるが、こうした問い合わせや不満には、制度の周知不足によるものも多いのではないかと思われるわけですが、県内市町村の保険料徴収に向けた取り組み等について、健康福祉部長にお伺いいたします。

 次に、介護予防と生活支援対策についてお尋ねをいたします。

 介護保険の要介護等認定を申請したが、自立と判定された方もいます。本年三月末現在までの数値で見ると、審査判定件数約三万件のうち約六%に当たる一千七百五十一件となっています。介護保険制度においては、これまで福祉サービスとして介護を受けている方であっても、自立と判定されれば一部の場合を除き介護保険サービスが受けられないことになりますが、介護保険サービス以外の福祉サービスも必要となります。その場合の対応が、行政のあり方として大きな課題ではないかと思います。また、元気な高齢者が今後もできる限り要介護状態にならないようにすることも大切であります。このような施策を行政として地域の特性を生かして展開していかなければならない、このような介護保険の対象とならない高齢者のニーズに対して、介護予防や生活支援のための取り組みの現状と対応について、健康福祉部長にお伺いいたします。

 次に、公共事業の決定基準に係る基本的な考え方についてお尋ねいたします。

 先月二十八日に与党三党が公表した全国二百三十三の公共事業の中止勧告は、走り出したらとまらないとかばらまきと言われてきた公共事業について、政治主導という意味で一石が投じられさまざまな波紋を呼んでいます。やっと区切りがついたという声にまじり、これまでの投資がむだになってしまうという苦渋の反応もあり、複雑に交錯しているようであります。

 しかし、今回の勧告を契機として、私たちは県政にかかわる者として改めて公共事業のあり方について議論すべきであると思います。地方公共団体にとって、公共投資の補助事業は少ない財源を大きく膨らませた事業規模にできるメリットがあるため、結果的には住民の負担や必要性を熟慮するよりも、国の各省庁への陳情を重ねて補助金を獲得することが優先されてきた面があると思います。補助金は、本来、地域に必要な政策を実現するための手段であるはずなのに、補助金を獲得することが目的のようになり、予算執行後の成果についての評価を忘れがちになっていることが多いのです。非効率で効果の薄い補助事業は、国の財政のみならず地方財政の悪化をもたらし、住民に対する行政サービスの低下にもつながります。

 本県は、財政健全化のためのブレーキと経済対策の実施というアクセルを繰り返してきたところですが、平成十年度決算で見た一人当たりの投資的経費は全国十五位と、公共事業は依然高水準にあるものと思います。道路や下水道を初め、従来の社会資本の整備はまだまだ必要ですし、少子・高齢化対策や環境対策など新たなニーズにもこたえていかなければなりません。さらに二十一世紀には、これまで急テンポで整備してきた資本ストックの更新時期も次々にやってくると言われております。厳しい財政状況が続く中で、あれもこれも整備していくことは現実的には困難です。

 行財政改革大綱の数値目標とする経済対策実施前の二千億円程度の公共投資を効果的・効率的に推進していくためには、社会経済情勢の変化等に対応した再評価の実施とともに、単なるシーリング内での既存シェアに基づく案分ではなく、中期的に取り組むべき重点分野・事業について、その採択基準をより具体的かつ明確に設定し、限られた財源を最適配分していくことが不可欠と考えるわけですが、知事の所見をお伺いします。

 次に、総合的なまちづくりの視点に立った公共事業の推進についてお尋ねをいたします。

 今回の見直し議論の裏には、国、地方を通じた厳しい財政事情のほか、都市部と地方における税負担の問題も内包されているとも言われています。しかしながら、二十一世紀の本県を見据えた場合、均衡ある発展と地域社会の活性化のためには、社会資本整備は引き続き強力に展開していく必要があります。私は、これからの公共事業は点なり線の整備ではなく、総合支庁を窓口とする県と市町村が連携して都市基盤となる街路、公園、下水道や地域に密着した道路改良、これまで以上の自然環境の保全や周辺環境との調和、景観への配慮など、快適で住みやすい活力あるまちづくりを総合的・計画的に進めることが重要であると考えます。これまでを振り返ると、一方的な見方かもしれませんが、余りにも縦割り的に行われてきたような気がします。そういう点で、今年度からスタートした建設省の統合補助金や農林水産省の中山間地域総合整備事業などは、市町村にとって有効に活用すればかなり総合的なまちづくりができるようになっているものと思います。

 そこで、総合的なまちづくりの視点に立った公共事業の推進にどのように対応していこうとしているのか、県の取り組み状況と今後の基本的な考えについて、農林水産部長及び土木部長にお伺いをいたします。

 次に、高速道路の整備状況と今後の見通しについてお尋ねをいたします。

 来る九月三十日に、山形自動車道の湯殿山−庄内あさひ間が開通の運びとなり、庄内・山形から仙台圏及び全国を結ぶ高速交通ネットワークがようやく完成したことになり、観光や経済面での交流に大きな期待が持たれるところであります。しかしながら、本県の高速道路三路線の中にはいまだ事業化されていない区間もあり、高速交通ネットワークを実現するにはこれらの区間の早期事業化が大きな課題と思われます。これまでの高速道路の整備は、全国プール制による有料道路制度によって進められてきました。しかし、今後は、国直轄事業による整備手法も取り入れると聞いておりますが、この新たな整備手法の追加で本県の高速道路の整備をどう考えていくのか、また、地元負担が伴うとのことでありますが厳しい財政事情の中でその影響などについてどう考えているのか、あわせてお伺いをいたします。

 次に、長期的な視点に立った定員管理についてお尋ねをいたします。

 直接県民サービスにかかわる分野については、新陳代謝を円滑に行いながら行政サービスの質量の確保と年齢構成の改善をいかに図っていくかということが職員の採用や定員管理における大きな課題となっているのではないかと思います。そこで、こうした観点から、特に人の問題が県民サービスに直結する教員と警察官の採用等の問題に絞って取り上げ質問したいと思います。

 最初に、今後の教員採用の基本的な考え方についてお尋ねをいたします。

 県内の公立学校における教員の年齢別人員構成を見ますと、特に小・中学校の教員については、三十歳代後半から四十歳代前半にかけて大きな山があり、二十歳代及び五十歳代はかなり少ない人員構成となっております。来年の教員採用予定人数は、小・中・高合わせても百名を若干超える程度とうかがっており、教員数が県全体で約一万名であることを考えれば非常に少ない採用数となっておりますし、今後少子化の進行により児童・生徒の大幅な減少が見込まれる中、教員の新規採用数がますます減少することが懸念されるところであります。

 小・中学校における教員の配置状況を見てみますと、新規採用数が少ない状況が続いているため、二十歳代の若い教員が全体的に少なく、学校によっては学校運営にも支障を生じかねない状況にあるともお聞きしております。健全な学校運営を行うためには、バランスのとれた年齢構成による教員の配置は重要であり、現在の採用形態をこのまま続けていけば、採用数が少ない状況と大量採用の状況との繰り返しであります。定数条例の扱いなど困難な問題も考えられますが、年齢構成を是正するため何らかの方策について検討する必要があると考えます。

 教員の現在の年齢構成に対する認識と今後の教員採用についての基本的な考えについて、教育長にお伺いをいたします。

 次に、今後の警察官採用の基本的な考え方についてであります。

 県民の安全と安心を維持するという非常に重要な部分を担っている警察の場合は、平成十八年から二十年ごろを第一のピークに大量退職時代を迎えると聞いており、ベテラン警察官の大量退職によって県警察全体の質的な弱体化、執行力の低下等によって県民生活の安全に重大な支障が生ずるのではないかと懸念されているのであります。平成二十七年、二十八年には百人近くの警察官が退職するということで、現在の採用方法では毎年退職者の分だけ新たに採用することになるわけであります。しかし、警察官の場合は、半年から一年近くの長期間の学校教養があるということで、その間の現場実動員の減少に伴って現状でさえも犯罪検挙率の低下等が懸念されている情勢にあるのに、さらに県内治安が悪化することになれば、県全体としてゆゆしき事態になる心配があります。また、少子化に伴い、就職適齢人口は今後ますます減少していくことが予想され、大量退職時代において質を低下させることなく必要な人員を確保されるのか、いろいろなデータを見ると甚だ心もとなく感じるのであります。

 そこで警察本部長にお伺いしたいのですが、警察官の採用については、現状では定数や財政的負担等を勘案して対応されてきているとは思いますが、建物や道路の整備とは違い、人づくりは県政全般にわたる最も重要な問題であり、単に定数や財政的負担といった問題で済まされるものではないと考えるのであります。ここ数年は、警察官の採用予定数は少なく、逆に受験倍率は非常に高いと聞いております。将来の本県の治安維持機能を低下させないという中長期的な視点に立った採用業務を考えていくべきであり、このようなときにこそ、一人でも多くの優秀な人材を確保しておく必要があるのではないかと考えているのでありますが、警察官の大量退職時代に向けた県警察の対策について、警察本部長の考えをお伺いいたします。

 最後に、今後の森林施策についてお尋ねいたします。

 山形県には、県土の七二%に当たる六十七万七千ヘクタールの森林がありますが、この森林は本県が誇りにしているすばらしい景観を形づくる中心的要素であり、県土の母なる川最上川の水源として、また木材生産機能だけでなく土砂災害の防止やきれいな水や空気の供給、保健・文化・教育的な利用など、公益的機能の発揮を通じて安全・快適な県民生活と深く結びついており、県民の森林に対する期待は一層深まってきております。また、先般、林野庁から公表された森林の持つ公益的な機能の評価額試算によると、全国では年間約七十五兆円であり、これから本県分を試算すると年間約二兆円であると聞いており、森林が県民の生活に果たす役割は大変重要なものであると考えます。

 しかし、その森林を維持し管理してきた中山間地域の実情を見ますと、輸入の圧力を原因とする木材価格の低迷等による林業採算性の悪化は、林業収入への依存度の低下をもたらし、森林所有者の経営意欲が減退し、管理が十分行われていない森林が増加していると思います。これらは、人工林の間伐のおくれや広葉樹林等の里山林の手入れの滞りから、松くい虫やナラ枯れの病虫害や風水害に弱い森林となっており、森林の持つ多種多様な機能を十分に発揮させるには、甚だ心配な状況であると考えます。

 そこで、県民生活に欠くことができない森林を健全に維持増進し、持続的な発展が可能な資源循環型の県土を後世に引き継いでいくことが私たちに課せられた責務であると考えますが、今後どのように森林整備を進めるのか、農林水産部長にお伺いをいたします。

 以上で私の議場での質問を終わりますが、的確な答弁を願います。

 以上であります。



○議長(石垣潔君) 高橋知事。



◎知事(高橋和雄君) 時間の関係上簡潔にお答え申し上げます。

 一つには、来年度の予算編成の基本的な考え方というふうなお尋ねでございます。

 二十一世紀の第一年度というふうなことで将来に希望の持てるあるいは夢のある予算編成というふうなことも期待したいところであります。また、一方、社会情勢なんかを見ますと、二十一世紀における課題といたしましては、少子高齢の問題であるとか、あるいは景気の本格的な回復というふうなことやら、それに政府ではIT革命と称して情報産業の整備というふうなことが非常に強力に取り組まれております。県とすれば、さらに社会の基本となる教育問題というのは非常に重要な時期であるかなという認識を持っております。これらの認識を持ちながら来年度予算編成に取り組みたいと、こう思っているところでございます。

 また、財政的に見ますと、国の財政も相当の国債残高を抱えております。地方財政も同様に非常に大変な時期にあります。そういった状況も踏まえて、議員御指摘のように、相当事業の選択については厳選をして進めるべき時期でもあります。そういった二十一世紀の始まりというふうなことと、それから行財政の非常に厳しい状況というふうなものの両方を認識しつつ、しかもまた県民からは希望の持てる予算編成というふうなことが期待されるものと、また、そういうことを意識しながら予算編成を行いたいと、こう思っております。特に、行財政改革大綱で既に第三年次を迎えますし、それにまた引き続き行財政改革は進めるべきものというふうに考えておりますので、十三年度の早々になりましても行財政改革のいろいろの策定についての段取りを進めていきたいと、こう思っております。

 そんなことで、また十月の半ばころには県の開発審議会における発展計画の見直しの中間点の見直しが恐らく答申があるものと、こう見込まれます。発展計画につきましては、前半の五カ年が経過いたしましていよいよ後半に入るという時期にありますので、ぜひ当初の発展計画につきましては、多少の変更はあるにせよ見直しを十分に行いまして、点検を十分に行いまして、当初の計画を実現していきたいと、こう思っておるところでございます。

 これまで、財政事情が非常に厳しいというふうなことから、シーリングやらあるいは大規模事業の見直しというふうなことを予算編成の通知に盛ったところでありますが、これらのことについては、来年度予算編成については行わないでやっていきたいと、こういうふうに思っているところであります。

 次に、地方税財源の充実というふうなことでのお尋ねでございます。

 現在、地方における財政の状況は交付税に依存することが非常に大きいと、こういう状況になっております。また、いろいろの事業の展開をするに当たっては地方債、県債を利用すると、そしてまた県税収入は、残念ながらこれからさらに充実を図っていかなければならないと、こういうふうな段階であります。よって、執行の段階では重点化・効率化というふうなことは常々考慮しながらやっていく必要があるとこう思っておりますが、特に地方税財源の充実というふうなことからいいますと、都道府県段階では外形標準課税というふうなことがぜひ必要な税でないのかなという感じがいたします。ひとつ外形標準課税だけを地方税の柱にするというわけにはいきませんけれども、全体の税制の中で相当安定した税収を得られる項目かなというふうに考えております。既に、全国の知事会あるいは地方六団体の間でも、外形標準課税というふうなことについての合意を得て国にも要望してきております。特に、政府税調におきましては、外形標準課税について検討を要するというふうなことの前向きの意向を示しております。今後、ぜひ具体的にそれが実現できるようにさらに一段と運動していく必要があろうかと、こう思っております。

 その外形標準課税につきましては、税全体について、当然のことながら県民あるいは国民に理解を得るというふうなことが非常に重要であります。そしてまた、それが公平・公正でなくちゃいかぬというふうなことと、それに税の内容としては、住民にあるいは国民に十分理解できるような透明性というふうなことを確保しつつやっていく必要があると、こう思っております。そういったことを十分認識しながら、外形標準課税については自治体における安定した財源と、そして相当大きな財源というふうなことを言われるわけでございますので、こういったことをぜひ一日も早く実現していきたいと思っております。

 具体的には、どういったことを基準にして外形標準課税を実施するかというふうなことについて、いろいろの議論がありますからここでは省略いたしますけれども、ぜひ自治体でもあるいは国の税調の中でも大いに検討していってもらいたいと思いますし、我々はその当事者として積極的に責任を持って研究して実現していきたいと、こう思っております。その時期等につきましては、知事会では早い方がいいというふうな説がありますが、全国一律にやった方がいいというふうな基本的な認識を持っているところであります。地方六団体でもそういう基調がありますので、十分連携をとりながら実現していきたいと、こう思っております。

 第三番目に、新総合発展計画の点検はどうなっているのかと、これまで計画に盛っておったプロジェクトとそれから後期のプロジェクトはどんなことを考えているかというようなことで具体的な御質問でありましたが、現在、開発審議会で検討中というふうなことで、そのあらましをちょっと申し上げておきたいとこう思います。

 最初にお答え申し上げましたように、現在の社会情勢は少子高齢の時代であると、特に子育て環境づくりというふうなことは非常に重要な課題だろうと、こう思っております。それからまた、全国的に展開されます情報社会の構築というふうなことがまた大きな要素になってきつつあります。それに、従来取り組めてきております高速道路を初め幹線道路、あるいは生活道路というふうなことの社会資本の整備につきましては、引き続き取り組んでいく必要があるだろうと、こう思っておるところであります。

 審議会では、特に美しい豊かな開かれた山形県というふうな三つのジャンルで十項目ほどの具体的な事例を挙げながら、今、検討中というふうなことであります。これらにつきましては、我々も大いに議論しながら、審議会の委員の先生方と十分煮詰めて具体的なものをつくっていきたいと、こう思っております。いずれにいたしましても、当初掲げました平成七年度に策定いたしました主なる事業等につきましては、引き続き力を入れて実現方に取り組んでいきたいと、こう思っておるところであります。

 四番目に、健全な子育て環境をつくることについての御質問でございます。

 この点につきましては、議員御指摘のとおり、あるいは多くの国民県民が考えることは同じではないかと、こう思っております。その責務を持つ行政あるいは政治の分野では、子育てについて非常に問題なのは、今子育て最中の親の段階で、社会に出て活躍しているそれから家に戻っては家事・育児などで忙殺されるというふうなことで、それに伴っての社会環境や子育て環境の整備をさらに進めなくちゃいかぬと、こう思います。例えば、育児の段階では、子育てあるいは保育の保育時間の延長であるとか、あるいは幼稚園・保育所の連携であるとかといったこと、あるいはいろいろお母さんお父さん方の社会参加の際に子供をどういうふうにして安全に育児をするかというふうなことなど、まだまだ日本の社会で整備しなくちゃいかぬことが多かろうと、こう思っております。こういったことについて、一つは子育ての社会環境を整備するというふうなことが非常に重要であると、こう思っております。

 話にも、質問にも出ました米沢の問題であるとか、あるいは置賜地域における高等学校の集団暴行の問題であるとか、いろいろ問題が低年齢層の中で起きつつあるというふうなことは、将来の我々社会にとっては非常に重大な要素ではあるだろうと、こう思っておりますので、まず子育て環境とそれから青少年の教育というふうなことについては、相当、地域でそれを支えていくあるいは支援していくというふうなことが重要でなかろうかと、こう思います。親御さんも非常にお互いに困っているというふうな状況があるだろうと、こう思います。実際、いろいろの相談業務窓口に対する相談件数が非常に多くなってきております。それは警察でもそうですし、あるいは子供の教育を扱う学校でもそうですし、あるいは福祉関係を扱う我々の部門でもそうでありますし、非常に相談件数が多くなってきております。そういうことを考えますと、発展計画の中でも子育て環境整備というふうなことで大きく取り上げていく必要があるだろうと、こう思っているところであります。

 また、健全な子育て環境というふうなことを独立してといいましょうか、知事部局あるいは教育、あるいは警察というふうなところで連携をとりながら強力に施策を展開していく必要があると、こう思っております。

 また、そのシステム化をどうするかと具体的にお尋ねでございますが、従来の縦割り行政というふうなことで横の連携が密でないとそこから取りこぼしが出てきているような気がいたします。ぜひ、子育てあるいは学校教育の生徒の段階でも横の連携を密にしていくというシステム化が重要であると、こう思っております。そのシステム化を具体的に、個人の情報というふうなことと密接に関係がありますので、そういうふうなことを留意しながら漏れることのないようにシステム化を図っていきたいと、こう思っております。

 それから県民運動についてですが、県民運動は皆さんの注意を喚起するというふうなことで、通常テレビであるとかあるいは新聞であるとか、そういった報道媒体を介して深く県民にアピールして絶えず関心を持つというふうなことで県民運動を起こしていきたいと、こう思っておるところであります。現在、そういったことで試みられてはおりますが、さらに濃密に展開していきたいと、こう思っておるところであります。

 最後に、公共事業の決定基準はどうかというふうなことでございます。

 これまで申し上げたことから、発展計画をぜひ実現していきたいというふうなことを中心にしながら、当面、重点化それから効率的に効果的な事業というふうなものをみんなで検討しながら決定していきたいと、こう思っております。国で示された中止あるいは廃止というふうなことの二百三十三事業がありましたが、幸い県の段階ではそういった事業がなかったと、一件中止というふうなことでありましたが、従来から八割ほど事業が完成しておって、前後の状況から災害が起こらないのではないかという検討のもとに、その一事業について中止を決定したところであります。これからもまた絶えず公共事業の必要性というふうなことについて、十分有識者を交えて検討もしながらやっていきたいと、こう思っているところであります。

 以上であります。



○議長(石垣潔君) 宮内総務部長。



◎総務部長(宮内豊君) 行財政改革について御質問をいただきました。

 行財政改革大綱に基づく三年間の行革推進期間も残り半年余りとなりまして、今後のあり方について考えなければならない時期を迎えていると認識しております。そこで、今般、これまでの行財政改革の成果を中間報告として取りまとめたところでございます。

 その内容といたしましては、まず財政改革の数値目標につきましては計画的に財政構造の健全化に努めました結果、目標を達成し得る見通しでございます。また、組織機構の改革につきましては、総合支庁の設置準備などが着実に進んでいるところであります。さらに、行政の運営の面では情報公開制度あるいは個人情報保護制度などが整いつつありまして、全体として新しい行財政システムの構築が進んでいるものと考えております。一方で、政策評価システムの導入など、今後とも継続的に取り組むべき課題も残っております。以上を踏まえまして、今後とも行財政改革に適切に取り組んでいくために、来年度に行財政改革大綱の改定を行いたいと考えております。

 この場合、現大綱の改革の目標あるいは基本理念は引き継ぐこととしたいと考えておりますが、具体的な取り組みの課題につきましては、新たな課題も盛り込みながら全面的に改定したいと考えております。また、平成十三年度から新たな推進期間を設けることも検討してまいりたいと考えております。

 今後の進め方といたしましては、本年十一月から新しい行財政システム確立推進懇話会におきまして検討作業を開始し、議会を初め各方面の御意見をお聞きしながら、また今年度末までの行財政改革の成果を踏まえまして、来年度のできるだけ早い時期に大綱を改定してまいりたいと考えております。



○議長(石垣潔君) 佐々木企画調整部長。



◎企画調整部長(佐々木克樹君) まず、県内の景気の現状認識と経済対策への対応についてでございます。

 県内の経済動向を見ますと、個人消費は一進一退、住宅建設は前年に比べ低調に推移しております。一方で、鉱工業生産は電気機械を中心に増加傾向で推移しており、雇用情勢は厳しい状況にあるものの、有効求人数が前年を上回るなどの動きが続いております。こうしたことから、本県経済は厳しい状況にあるものの、全体としては緩やかな回復に向けた動きが続いていると判断しているところでございます。

 国におきましては、さきの臨時閣議におきまして、日本新生のための新たな経済対策の策定及び十二年度補正予算の編成について早急に準備する、時代を先取りした経済構造改革を推進する包括的な政策とする等の総理発言があり、その具体的な内容につきましては来月中・下旬を目途に取りまとめられるというふうにおうかがいしております。

 県といたしましては、その内容を踏まえ、本県の財政状況や先ほど申し上げました景気動向を勘案しつつ、本県の新たな発展基盤の構築といった点も十分念頭に置きながら適切に対処してまいりたいと考えております。

 次に、総合支庁におきます発展計画の推進と市町村との連携についてでございます。

 発展計画の点検の中でも、地域のビジョンである県内各地域の発展方向につきましてそれぞれの地域で活躍されている有識者の方々や市町村との意見交換をしながら点検を進めているところでありまして、これらの意見を踏まえ、計画期間後期の地域の振興方針を明らかにしてまいりたいと考えております。その後、この地域の発展方向の点検結果を受けまして、総合支庁において地域の事業の実施方針を十三年度中に策定してまいることといたしております。その際には、総合支庁が中心となって市町村との意見交換を緊密に行うとともに、地域の方々から意見を伺うなど、市町村計画との整合性を図りながら、総合支庁と市町村が十分な連携のもと事業が推進されていくよう努めてまいりたいと考えております。



○議長(石垣潔君) 日野健康福祉部長。



◎健康福祉部長(日野雅夫君) 介護保険制度についてであります。

 委員仰せのように、六十五歳以上の第一号被保険者に係る介護保険料の徴収が、来月十月から始まります。年額十八万円以上の年金受給者の方は年金からの特別徴収により、それ以外の方は窓口で納めていただく普通徴収により納入していただくことになっております。県全体で見ますと、特別徴収が九割、残り一割が普通徴収となっております。

 保険料を円滑に納めていただくことは、介護保険制度を安定的に運営していくための根幹であり、県内市町村でもこれまでも制度の導入に当たって、保険料納付を含め制度の周知に努力してきております。市町村では、十月からの保険料徴収に向け、八月から順次納入通知書の送付を始めておりますが、これに対し住民から、「介護保険サービスを受けていないのに保険料を負担しなければならないのはおかしい」、「保険料負担で生活が大変だ」などの不満や問い合わせが寄せられていると聞いております。保険料を円滑に納入していただくためには、御指摘のように、何よりも制度を御理解していただくことが重要であります。市町村では十月からの保険料徴収に向け、広報紙や周知文書の配布、説明会の開催などさまざま努力をしております。県といたしましても、県政番組による県民への周知を図るなど円滑な納入がなされるよう、市町村とも連携をとりながら制度の周知等に努めてまいりたいと考えております。

 次に、介護予防と生活支援対策について申し上げます。

 高齢者が寝たきりなどの要介護状態にならないよう、また自立した生活を継続できるように必要な支援を行うことは、介護保険の円滑かつ安定した運営の観点からも重要な課題であります。そのため、県では、高齢者デイホーム事業を継続実施いたしますとともに、市町村の介護予防・生活支援事業の取り組みを支援し、推進しており、全市町村で実施をしております。この事業は、市町村が約二十種類のメニューの中から地域の実情を勘案し選択実施するものでありますが、介護予防の面では、老人福祉センター等で日常動作訓練や趣味活動を行う「生きがい活動支援通所事業」、自宅を訪問し日常生活上の指導・支援を行う「生活管理指導員派遣事業」、生活支援の面では、食事の提供と安否確認を行う「配食サービス事業」や「寝具類等洗濯乾燥消毒サービス事業」などが多くの市町村で実施をされております。

 県といたしましては、今後とも、市町村におけるこの事業への取り組みを促進し、介護保険の対象とならない高齢者に対する必要な支援策の充実に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 細野農林水産部長。



◎農林水産部長(細野武司君) 一つは、総合的なまちづくりの視点に立った公共事業の推進について、農林水産部の観点からお答えを申し上げます。

 本県の農村地域におきましては、快適で住みやすい居住環境の実現と地域活性化を図るというふうな目的で、中山間地域総合整備事業などが多くの市町村で実施をされております。こうした事業の実施に当たりましては、これまでも地元市町村が主体になりまして基本構想、整備構想を取りまとめまして、農林水産部所管の事業のみならず他部局の施策も取り込んで総合的な地域振興が図られてまいったところでございます。また、現在、農林水産省におきましては、地域の農村振興施策の実施に当たりまして、他省庁との施策の連携、それから住民の参加を一層強化充実するということで、新たに農村振興総合整備の枠組みが検討されておりまして、来年度から実施される予定でございます。

 もとより、農村地域を含めました市町村の総合的なまちづくりにつきましては、市町村が主体になり進めていくことが重要であるというふうに考えておりますので、さきの国の新たな枠組みづくりにつきましても留意するとともに、来年度設置予定の総合支庁においても社会資本整備に係る調整機能の充実を図るなどしまして、総合的な地域活性化の施策推進が可能になるように一層努めてまいりたいと考えております。

 それから、今後の森林整備に向けた取り組みについてでございます。

 県土の七割を占めます森林は、さまざまな働きを通しまして県民に潤いと安らぎをもたらしており、さらに県土の保全にも大きく貢献しております。これを将来にわたり健全に造成していくためには、まず民有林の四割を占める十二万ヘクタールの人工林については、循環的な資源として将来とも役割を発揮できる整備が必要であると考えております。さらに、広葉樹を主体とする里山林につきましては、多様な機能を発揮させることが必要であると考えております。

 このため県としましては、人工林につきましては循環型社会を担う森林づくりの視点に立ちまして、間伐などによる木材資源の育成あるいは林道など生産基盤の整備を積極的に進めて、健全な森林資源の造成に努めてまいりたいと考えております。それから、広葉樹林につきましては、豊かな暮らしを広げる森林づくりの観点に立ちまして、森林オーナー制あるいはボランティア活動の推進、それから治山事業による森林の整備を進めまして、森林空間の総合的な利用や森林の多様な機能の発揮に努めてまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、森林は県民の生活と県土の保全にとって重要な資源でありますことから、長期的な展望に立って総合的な整備を図ってまいらなければならないというふうに考えております。その課題施策につきましても、農林水産業の振興計画とあわせまして検討し、取り組みを推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 山本土木部長。



◎土木部長(山本善行君) 総合的なまちづくりの視点に立った公共事業の推進についてということで、土木部としてどうかということでございます。

 まちづくりにつきましては、地方分権推進という視点からも地域が主体となって行われるべきであろうかというふうに思いますので、そのためのいろいろな環境づくりが重要だということであります。そうした考えを踏まえまして、議員先ほど御案内のとおり、統合補助金制度というものも十二年度からできておるわけでありますけれども、特にまちづくりのためということでは、まちづくり総合支援事業というものが創設されております。これは地域の創意工夫を生かした個性あふれるまちづくりを推進するため、市町村がまちづくり事業計画というものをまず策定いたしまして、これに対しましてソフト事業それからハードの事業いろいろ多彩なメニューを用意いたしまして、一括補助する仕組みということでございます。

 県といたしましては、こういう制度もできておりますし、これを市町村がいろいろ積極的に活用していただき、そして総合的なまちづくりができますようさらに連携を深めながら、そして景観などに配慮した快適で住みよい活力あるまちづくりに向かって取り組んでまいりたいと、こんなふうに考えております。

 それから、高速道路に関しまして新たな整備手法が提案されたわけでありますが、県としてどうかというお尋ねでございます。

 高速道路の整備につきましては、これまで日本道路公団が財政投融資資金を借り入れまして建設すると、全国プール制による料金収入によって償還をしていくという方式で進められておるわけでありますが、現行制度では、新たに整備区間を取り込んでこれを進めていくということが非常に厳しい状況であるということで、国の直轄事業による新しい整備手法というものが検討されている状況であります。本県の場合、計画延長が三百三十一キロメートルございますが、このうち日本道路公団が整備する予定の区間が二百三十二キロメートル、それから一般国道の自動車専用道路として国が整備する予定の区間が四十二キロメートルということになっておりまして、残りの日沿道の新潟との県境それから秋田との県境、それから中央道の秋田との県境、合わせまして五十七キロメートルほどがこうした新たな整備手法の対象になり得るということでございます。

 本県としましては、全国的な高速交通ネットワークの形成ということで、これは非常に最優先課題でもありますので、現行制度による整備が困難であるということであるならば、新たな整備手法も活用し、これを進めていく必要があるかというふうに考えておりますが、御指摘のとおり、いろいろ県の負担も地方負担もあるということでございますので、何らかの軽減措置等が講じられるよう関係機関等へ強く要望するなど、事業の推進を図る方向で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 木村教育長。



◎教育長(木村宰君) 教員の年齢構成の現状認識はどうだということと、今後の教員採用の基本的な考え方についてのお尋ねでございます。

 御存じのとおり、教員定数は主に学級数を基本に算定されることから、児童・生徒数の変動に伴って教員定数も増減いたします。これまで、戦後のいわゆる第一次ベビーブーム、昭和二十二、三年、四年ごろでございますが、その子供たちの第二次ベビーブーム、昭和四十六年、四十八年の影響によって、直接的にはこの四十六年、四十八年の第二次ベビーブームの影響なわけでございますが、教員採用数が小学校では昭和五十四年、五十五年、五十六年ころの時期が非常に多かった時期でございます。それで、そのあおりで逆に採用数が減少した時期もありました。また、最近では少子化も影響し、新規採用数は一段と少なくなっている、こういうのが現状でございます。そのため、結果として、教員の年齢構成に偏りが生じまして、特に二十代の教員の減少による学校運営上の課題もないわけではなく、今後、年齢構成のバランスを図るために可能な努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 先般示されました文部科学省の来年度に向けた概算要求でございますけれども、教員一人当たりの児童数を欧米並みに改善することを目指した定数改善計画が来年度から五年間にわたってスタートいたします。こうした動きの中で、私といたしましても、現在の四十人学級から何らかの形で少人数化する方向でこれをぜひ実現したいという思いを強く持っております。そのためには、国の定数改善に加え本県の実態に即した独自の教員配置のあり方も考えていく必要があり、この基本的な方向を早期に実現するよう諸条件を整える最善の努力をこれからしてまいりたいと、こういうふうに思っております。したがって、これが実現すれば、若手教員の新規採用についてもその減少を少しでも緩和することができるのではないかと、そういうふうな気持ちもございます。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 殿川警察本部長。



◎警察本部長(殿川一郎君) 警察官の採用の基本的考え方ということでお答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、県警察におきましては、今後退職者数の著しい増加が見込まれ、治安水準を維持する上でさまざまな問題が生じることが懸念されております。そこで、県警察としましては、組織機構の思い切った見直しや、業務の合理化を積極的に進めるとともに、より優秀な人材の確保と県警全体としての執行力を高めるため、外国語能力を初めとするさまざまな専門的知識・技能の向上、女性警察官の採用など、警察力強化のための各種施策を講じているところでございます。また、大量退職者を補うための大量採用を行うという時期が将来来るわけでありますけれども、このことに関しましては、優秀な人材の確保という面で困難が生ずることが懸念されるわけでございます。本県警察の人的基盤をしっかりと確立するためには、こうした採用業務の進め方ということをいろいろな面で見直すことが不可欠であると考えますし、また採用面での思い切った対策というものについても検討する必要を感じているところであります。

 いずれにしましても、議員御指摘のとおり、警察官の大量退職時期のこの問題につきましては、本県の治安の悪化を防止し、県民生活の安全を守る上で極めて重要な問題となるというふうに考えております。今後、関係部門とも十分連絡をとりながら、この問題の対応策というものについて鋭意検討を進めてまいりたいと、このように考えております。



○議長(石垣潔君) 二十九番平弘造君。



◆29番(平弘造君) 御答弁ありがとうございました。

 総合支庁は来年四月からいよいよ実施に入るわけでありますけれども、総合支庁については最初はいろんな意見が出てきて、合理化とかそういう一つの部門から出てきたのは否めない事実でありますけれども、私は総合支庁の最大のこれからのねらいというのは、いかに住民の声を吸い上げてそしていかに早くそれを具現化できるかという一つの核となるものだろうというふうに思っております。ですから、これからの時代に必要な最たるものに総合支庁というものがなってくるんだろうというふうに認識をしております。この総合支庁がうまくいくもうまくいかないも最初が肝心でありますから、いろいろな角度から検討していただきますようにお願い申し上げたいと思います。

 それから、介護保険制度については、県民にとってはある意味では自立型福祉というものに対しての初めての挑戦なのではないかなというふうに思います。今までは福祉というのは依存型福祉でありましたし、いろんなものをお願いをしてしてもらう、しかし互助的な中でみずからの力でどこまでお互いに助け合うことができるかということの介護保険制度の設立であります。そういうものが、いろいろな意見が出てくるのはこれはしようがないことだなというふうに思いますし、自立型を求めていくということは、手のうちも明かしながら、県民と一緒に議論をして、そしていいものをつくり上げていかなければならない、いろいろなところに自立というのが出てきますけれども、自立を求めるということは情報を開示しながら進めていかなければならない最たる理由だろうというふうに思っております。そんなことで、介護保険がいろいろな問題を抱えながらスタートを切る、問題意識があるということを自覚しているだけで私はすばらしいと思っております。ぜひ、こんな問題が少しでも解決できるように、一層の努力をお願いを申し上げたいというふうに思います。

 最後に森林整備でありますが、米や野菜、花卉、それからきのうもありましたけれどもいろいろな問題についてはいろいろなところで議論がなされております。しかし、森林については、そういう声を上げることもできないような気力がなくなっているのでないかなというふうに思っております。声を立てることもできないということは、非常に政策を急がなければならないことだろうというふうに自分で思いますし、そういうものを踏まえますと、今回も農林問題はこの点一点を取り上げさせていただきましたけれども、これは声を立てることもできないから、議会で意見を言わせていただいて政策として取り上げていただきたいという思いでありますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 以上で終わります。



○議長(石垣潔君) この場合、休憩いたします。

 午後一時三十分再開いたします。

     午後零時三十一分 休憩



     午後一時三十一分 開議



○議長(石垣潔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑及び質問を続行いたします。

 十五番太田忠藏君。



◆15番(太田忠藏君) 県政クラブを代表して質問をする機会を与えていただきましたことに対しまして心から感謝を申し上げ、以下、県政の諸課題について質問いたしますので、知事を初め執行部の皆様の誠意ある御答弁をお願いいたします。

 高橋知事は、平成十二年度を二十一世紀への橋を渡る年と位置づけ、少子・高齢化や広域化、情報化の進展など急テンポで変化する社会経済情勢に対応していくため、二十一世紀にかけての山形県づくりの指針である新総合発展計画の総合的な点検や地域の自立を目指した総合支庁の設置、さらには行財政改革の推進など、本県の新しいグランドデザインづくりに積極的に取り組んでおられますが、このことに対し心から敬意を表する次第であります。

 一方、景気は回復基調にあると言われておりますが、依然として力強さを欠いており、中小企業対策や雇用対策は緊急の課題であります。また、中山間地域に対する取り組みなどといった農林水産業の振興対策や、子供の健全育成、高齢者対策など多くの当面する課題を抱えているのも事実でありますが、こうした課題を克服し、来るべき新世紀に向けて知事が目指す自立した地域づくり、人づくり、創造性のある力強い産業の育成、美しい県土づくりを強力に推進していただきたいと切望するものであります。

 こうした認識に立ち、早速質問に入らせていただきます。

 新総合発展計画では、少子・高齢化の流れを踏まえ、本県人口は平成十七年には最大で百二十四万人に減少するという見通しに立っております。しかし、実際の人口の動向は、発展計画策定時に予測したものよりさらに厳しいものとなっているのではないかと懸念しているところであります。発展計画の策定年度である平成六年十月一日現在の本県人口は、百二十五万六千七百六十四人でありました。この八月一日現在では百二十四万六千四百十四人で、この六年間に約一万人の減と、既に計画期間の半ばで発展計画が見込んだ減少人数の三分の二近くに達しているのです。特に気がかりなのは、平成六年以降の各年の人口減少を見ると、平成七年から八年にかけて一千百人程度であったものが平成十一年から十二年にかけては三千人近くになっているというように、減少の動きが加速してきているのではないかということです。

 二十一世紀は、右肩上がりの成長ではなく安定的で持続的な経済社会が到来すること、我が国全体の人口が減少に転ずるということは、衆目の一致するところであります。このような中で、本県だけが人口が増加するということは到底できることではありませんが、人口の動向は、地域の力あるいは魅力をあらわす指標の一つであります。

 二十世紀の本県の歩みを振り返ってみますと、戦後の一時期を除き、一貫して東京を初めとする大都市圏に人材を送り出してきております。それは、経済発展の過程における必然のものであったということもできましょう。しかし、本県を離れたすべての人たちが、希望して出ていったわけではありません。二十一世紀においては、県内外を問わず、本県に住みたいと思う人たちはすべて生き生きと暮らしていくことのできる地域社会を実現していきたいと強く思うのであります。現在、新総合発展計画の総合的点検も大詰めの段階を迎えているわけでありますが、ぜひこのような視点からのプロジェクトが盛り込まれていくことを期待しているところであります。

 そこで、新総合発展計画の総合的点検に当たって、本県人口の最近の動向についてどのように認識されているか、また、このような視点からのプロジェクトの検討について基本的な考え方はどうか、厳しい財政状況の中ではありますが、活力ある県土づくりの実現に向けた知事の御所見をお伺いいたします。

 知事が常に言っておられます教育文化を大切にする風格ある県土づくりを目指すものとして、東北公益文科大学の整備が進められておりますが、若者が県内に定住し生き生きと暮らしていくことができる地域社会を築くという観点からも、大きな期待がかかっているところであります。公益という概念で世界で初めて人材育成を行う大学として非常に注目を浴びており、二十一世紀のキーワードである環境に関する研究機関を設置するなど、将来を見越した一大プロジェクトであると高く評価するものであります。

 現在、来春の開学を目指し、学生の募集活動や教員の選考、カリキュラムの編成などが急ピッチで進められていると思いますが、東北公益文科大学の整備状況及び大学に対する期待について、知事にお伺いしたいと思います。

 また、知事は、最上川シンボルライン推進事業や廃棄物処理などの環境対策に積極的に取り組んでおられます。二十世紀の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会システムから生み出されたこれらの環境問題は、通常の事業活動や日常生活に起因して生じたものでありますが、地球規模の広がりを持つに至っており、二十一世紀を目前にして一層深刻化し、今後の経済社会の発展を制約するおそれがあると考えられています。このため国では、先般、基本的な法律として循環型社会形成推進基本法を制定し、さらに廃棄物処理法の改正、建設リサイクル法、食品リサイクル法等を制定するなど、循環型社会を構築するための法制度を整備したところであります。本県においても、昨年四月から施行されている山形県環境基本条例の基本理念の一つとして、環境への負荷の少ない循環を基調とする経済社会システムの実現をうたっております。現在は、その基本理念に基づき総合的・計画的に施策を推進するための山形県環境計画の策定を進めているところとうかがっております。

 そこで、現在策定中の山形県環境計画の中では、循環型社会構築のためにどのような方針で取り組みを進めようとしているのか、また、循環型社会システムの構築に向けた取り組みの一つとして重要とされる廃棄物の減量と再資源化に対して具体的にどのような取り組みをすることとしているのか、文化環境部長にお伺いいたします。

 次に、来年度予算編成の基本的な考え方についてお尋ねします。

 予算規模は、多様化・複雑化する行政需要の増大によって膨れ上がろうとします。しかし、一般歳出を前年度以下にし、投資的経費を経済対策実施以前の水準程度に抑制するなど、行革大綱の数値目標によってこの二年間で財政健全化が着実に図られてきているものと考えております。来年度予算に関しても、全体の財政フレームは本年二月の県財政の中期展望にある程度示されておりますが、来年度予算は組めたとしても、平成十四年度には調整基金が底をつき財源不足に陥るなど、依然厳しい状況が続くものと認識せざるを得ません。一方で、総合発展計画の後期プロジェクトを見ると、ソフト重視の中にも、二十一世紀の本県発展を支える高速交通基盤や新文化施設などの整備が中長期的視点から位置づけられております。これらのプロジェクトは、相当の期間や事業費を必要とするものと予想されることから、実現していくためには県債残高や調整基金などのコントロールを的確に行い、財政の弾力性を一層回復しておくことが必要ではないかと考えているところであります。

 そこで、こうした状況の中で、間もなく始まる来年度予算の編成に当たり、当面の数値目標の達成はもちろんでありますが、今後の経済対策への対応や平成十四年度以降の中期展望も踏まえ、将来的に公債費という形で財政運営に大きな影響を与える投資的経費についてどのような対応を考えているのか、また、全体の予算規模はどれくらいに想定しているのか、知事にお伺いいたします。

 行政需要はだれがつくり上げているのか、ふと疑問に思うことがあります。今年度の当初予算においても、大きなものでは介護保険制度、中山間地域等直接支払制度、九月補正予算においては国営造成施設管理体制整備促進事業などが新しい制度として予算化され、あるいは今定例会に提案されています。どれをとっても必要性は理解できるのですが、財源は無限ではありません。新しい制度ができるたびに既存の予算が薄まきになっていくのではないかと思うのであります。

 森首相が提唱する日本新生プランは、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備の四つを重要分野としています。本県は、従来型の基盤整備についてはまだまだ満足できる状態ではないと思います。加えて、こうした分野にも対応していかなければならないということは、大きなハンディキャップを背負っているとも言えるのではないでしょうか。限られた予算を新たな政策課題にどう振り向けていくか、財政運営にはますます知恵と工夫が必要になってくると思います。

 昨年度の予算編成の中では、思い切った大規模事業調整が行われた一方で、二十億円の政策課題重点化枠が設定されたところでありますが、十三年度予算編成において、大規模事業調整と新たな政策課題への対応についてどのように考えているのか、総務部長にお伺いします。

 次に、地方分権の推進と地域振興についてお尋ねします。

 地方分権一括法が本年四月に施行されてから約半年が経過いたしました。機関委任事務が廃止され自治事務と法定受託事務が創設されるなど、分権型社会の制度は調いましたが、分権型社会が真に構築されていくためには、地方の税財源の充実とともに、この制度をいかに運用していくか、今後の自治体自体の積極的な取り組みにかかってくる部分も大きいものと考えます。その中で、今後、県と市町村の対等・協力という新しい関係において、地方分権を地域の振興にどのように結びつけていくことができるのか、特に、市町村がこれまで取り組んできた市町村計画を初めとする地域づくりの推進に今回の改革を具体的にどのような形で生かすことができるのか、企画調整部長にお伺いします。

 また、市町村が地域の実情を踏まえた施策や地域の独自性を発揮していくためには、権限の移譲が負担の押しつけとならないための財源の充実がセットとなって行われるべきであると考えます。県は、権限移譲に伴う財源については、既に独自に設けている総合交付金制度を創設しておりますが、今後の市町村への権限移譲と財源措置についての基本的な考えについて、企画調整部長にお伺いします。

 次に、介護保険と児童虐待防止への対応についてお尋ねしたいと思います。

 介護保険制度は本年四月から施行され、現在、県内では約三万人が要支援または要介護の認定を受け、このうちほとんどの方が在宅または施設での介護保険の各種サービスを利用しております。介護保険制度施行後、全国では、全国老人クラブ連合会など幾つかの団体で制度施行前と比較した利用状況などの調査を実施しておりますが、それによると一定の評価を得ているものと思われます。しかしながら、一部マスコミ報道などでは、利用者やその家族からの不満などが報じられております。例えば、介護保険制度の施行後、これまでよりも利用できる回数が減った、利用者の負担がふえたなどというものであります。さらに最近では、十月から始まる第一号被保険者の保険料の徴収について、保険者である市町村に対していろいろと問い合わせや不満の声が寄せられているとうかがっております。

 制度施行後半年が経過した現在、県では、介護保険制度の運営状況をどのように評価し、今後どのように推進していくのか、健康福祉部長にお伺いします。

 また、今定例会に、介護の実習、介護機器の展示などを通じて県民の介護に関する知識及び技術の習得を支援する目的で、本年十一月に設置する介護学習センターの条例案が上程されておりますが、せっかくの施設でありますから、その効果を県民にできる限り広く及ぼすように図るべきであります。例えば介護の実習にしても、実際に介護に当たる家族の方だけでなく、それぞれの地域で高齢者のお世話をしているボランティアの方などにも受けてもらうように、幅広く考えていただきたいものであります。また、市町村においても小規模ながら家族介護教室などを実施しているところもあり、そのような取り組みと連携をとりながらセンターの事業を実施していくことが必要ではないかと考えるのであります。

 そこで、介護学習センターについて、各機関との連携を含めどのように運営していく考えなのか、あわせて健康福祉部長にお伺いします。

 去る八月、米沢市で三歳六カ月の幼児が衰弱死し、その両親が幼児の死亡に関与しているとして殺人罪の容疑で逮捕されるという衝撃的な事件がありました。両親の虐待によって引き起こされた事件かどうかは今後の裁判の過程などで明らかになっていくものと思いますが、いずれにしましても、幼いかけがえのない命が失われたことは事実であり、大変痛ましい事件であると受けとめております。

 本県の児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談は、平成五年度はわずか一件であったものが、平成十年度三十九件、平成十一年度九十一件と、近年急激に増加しております。児童虐待において重大な結果を招く原因については、虐待に対する認識の不足、虐待を発見したときの対応の不徹底、関係機関の連携の不十分さなどが考えられる一方、児童虐待に対する取り組みとしては、早期に発見し迅速に適切な対応をとることが有効な手段と言われております。また、虐待を行った親が子供時代にどのような教育環境で育ったのか、それを現在も引きずっていないのかということを分析することも重要な視点ではないかと思います。

 今回の米沢市で起きた幼児衰弱死の経過を踏まえ、今後、児童虐待をどのように早期発見し、発見した場合どのような対応を図る考えなのか、健康福祉部長にお伺いします。

 次に、中小企業の振興と雇用対策についてお尋ねします。

 最近の経済情勢は、全体として緩やかな回復に向けた動きが続いているとはいえ、県内の中小企業の業況を見ると、業種によっては依然として厳しい状況が見受けられます。また、今日の厳しい市場環境の中で、同じ業種であっても企業間競争による格差がはっきりとしてきたとも言われており、これから大切なのは、県内中小企業の競争力をいかにして強化していくかということであります。

 昨年、中小企業基本法が三十六年ぶりに抜本的に改正されましたが、従来の脱中小企業論的な理念を転換し、これからは多様で活力ある中小企業こそが我が国経済の発展と活力の源泉であり、中小企業の自助努力を正面から支援するという方針が打ち出されました。特に、事業所の九九%以上を中小企業が占める本県では、中小企業の活躍が本県経済発展の原動力であり、市場や取引の活性化、雇用の拡大に直結していることは論をまたないものであります。

 県におきましては、中小企業をめぐる情勢の変化に対応して、本年四月、新事業促進法に基づく基本構想を策定し、研究から開発までの一貫した支援体制を構築して、新規創業・新分野進出に対する支援などを柱に着々と事業を進められていることは大変喜ばしいことであります。今後、県内の中小企業が企業間競争に勝ち残っていくためには、何といっても企業みずからの製品に対する日々絶え間ない研究の努力が必要不可欠でありますが、この厳しい社会経済環境の中で県内の中小企業が単独で技術開発、商品開発を行っていくことには、体力的にも困難な面があるものと思われます。県では、これまでも、山形大学工学部や県工業技術センターなどと県内企業が共同研究を行うなどの産学官連携事業を実施し、具体的な研究成果も出ているわけでありますが、今後、そのニーズはますます高まってくるものと思われますし、潜在的な需要は既にかなりあるのではないかと思うのであります。

 そこで、県内中小企業の競争力の強化を図るためには、産学官連携事業の一層の推進など、中小企業に対して研究開発または技術指導面でのもう一歩踏み込んだ県の取り組みが必要ではないかと思うのでありますが、このことを含め、中小企業の競争力確保に向けて今後どのように対応していかれるのか、商工労働観光部長にお伺いします。

 次に、雇用対策についてお尋ねします。

 現下の雇用情勢は、有効求人数は前年を上回るなど改善の兆しは見られるものの、有効求人倍率は依然として一倍を下回る低い水準にあり、極めて憂慮すべき状況となっております。そして、こうした厳しい雇用情勢は、景気の長引く低迷による労働需要の不足と労働市場の構造的な問題とに起因しているものでありますが、特に後者については、企業の採用条件と求職者の技能や年齢などのかみ合わない雇用のミスマッチによるものであります。このような雇用のミスマッチは、今後、中長期的に見ても拡大していくものと思われ、本県経済の発展にとって大きな足かせとなるのではないかと懸念するものであります。

 そこで、厳しい雇用情勢に対応していくためには、求人・求職のミスマッチを解消し、円滑な労働力の移動が進むようにすることが急務であると考えますが、今後の県の取り組みについて、商工労働観光部長にお伺いします。

 次に、今後の農業の振興方策についてお尋ねいたします。

 県では現在、農林水産業振興計画の策定を進めているところでありますが、農業をめぐる多くの困難な問題を抱える中で、二十一世紀を迎えるに当たり本県農業に明るい展望が開ける計画が示されるものと期待しているところであります。今後の振興方策については、検討段階ということもありましょうが、若干質問をさせていただきたいと思います。

 我が国の農業は、内外の産地間競争の激化、農産物価格の低迷など、その経営は依然として厳しい状況にあることはだれもが認めるところであります。米については、十アール当たりの所得が約五万二千円との調査結果が公表されたところでありますが、夫婦二人で一千万円の所得を目指すには、約二十ヘクタールもの面積が必要となるのであります。米価の下落傾向に歯どめがかからない状況の中で、稲作経営はより一層厳しいものとならざるを得ないことは必至であります。

 一方、園芸作物は、厳しい農業情勢の中でも着実に拡大しており、農業粗生産額を昭和六十年と平成十年で比較してみると、野菜は二百九十五億円から三百九十八億円に伸び百三億円の増となっており、果実は四百五十九億円から五百四十四億円に八十五億円の増、花卉は十億円から六十億円に五十億円の増となっているのであります。米は国民の主食であり、その主要な供給基地の一つである本県としては、もちろん基幹作物として米の生産振興を図る使命があるわけでありますが、園芸作物の生産振興が本県の農業振興のかぎを握っているのは明らかであると思うのであります。

 そこで、まず、農林水産業振興計画の策定に当たり、今後の施策の展開方向についてどのような検討をなされているのか、園芸作物の生産振興の位置づけも含めて農林水産部長にお伺いいたします。

 行財政改革の中で農業関係の試験研究機関の再編整備が課題の一つとなっておりますが、単なる統廃合ということであってはならないと考えております。これからの本県農業の発展を考えるとき、そのかぎを握るのは園芸であり、消費者からの信頼であり、それに加え重要なことは、農業の基礎をなす環境をいかに保全していくかということであります。これらの課題に重点的に取り組み、広く国民から評価される新たな本県農業の姿を築き上げていくための再編整備にならなければならないと思いますし、老朽化の進んでいる施設について、技術革新に対応できるものに更新する契機にしていかなければなりません。

 いずれにしても、再編整備の中で中心的役割を担うことが期待できるのは園芸試験場であります。今後の農業関係試験研究機関の再編整備についてどのような考えで取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお伺いいたします。

 次に、平成十四年に開催される第十九回全国都市緑化フェアについてお聞きします。

 「やまがた花咲かフェア」の開会まで既に二年を切ったわけでありますが、去る五月十日に、緑化フェアの実施運営主体となる実行委員会が、県内外の関係機関・団体百八十三名が参画して設立されており、その成功に向け非常に心強く思っているところであります。また、八月にはマスコットキャラクターの愛称が「グリリン」に決定されるなど、開催のための準備も本格化しているところであります。私は、やまがた花咲かフェアが成功し、フェア開催の目的である緑化意識の高揚、緑化に関する知識と技術の普及が達成されるためには、寒河江の最上川ふるさと総合公園、新庄の最上中央公園の会場内にとどまらず、全県を挙げての緑化フェアを目指し準備、計画を進めるべきであると思うのであります。

 平成四年に開催された国民体育大会を初め、本県で開催されたねんりんピック、スポレクなどのさまざまな全国規模の大会は、いずれも大成功と県内外からうれしい評価を受けたのであります。これは、これらの大会に全県を挙げて取り組み、さらに多くの県民が関心を持ち参加・協力したことが成功の最大の要因であります。やまがた花咲かフェアの会場は、国体などと違い寒河江、新庄の二カ所に限定されるわけでありますが、このことにより、寒河江、新庄以外の各市町村や多くの県民が参加する機会が失われ、全県を挙げた取り組みに至らないなどということがあってはならないと思うのであります。こうした点を現在策定中の実施計画にぜひ反映させていただきたいと思うのでありますが、土木部長のお考えをお伺いします。

 ところで、寒河江、新庄の緑化フェア会場は、現在整備が進められております。ニューヨークのセントラルパークや東京の日比谷公園で、ビジネスマンや家族連れなどが緑の木々の中を散策したり憩いでいる姿の映像をテレビなどで見ると、こちらまですがすがしい気持ちになるのであります。また、身近なところで申しますと、天童の総合運動公園を訪れ、大きな枝を張った木々や緑の広場におりますと、緑豊かな木々に包まれた広々とした空間こそが公園の命とも思うのであります。公園整備においては、周囲の景観との調和や樹木や木々のつくり出す緑陰などの大切さを十分考慮して整備を進めていただきたいと思います。

 両公園とも畑や水田であった場所であり、既存の樹木がありませんので、早くから植栽を行う必要があるのではないかと思っております。また、緑化フェア開催は六月から八月までと非常に暑い時期であり、来場者の方々の暑さ対策としても日陰をなすような木々が非常に役立つと思われるわけであります。天童の運動公園をつくった際には、早い段階から高木の植栽について配慮しながら整備を進めたと聞いておりますが、これらの点を中心に、両公園の整備状況について土木部長にお聞きします。

 最後に、警察本部長にお伺いします。

 全国的に警察に関する不祥事案が多発しておりますが、中でも、埼玉県桶川市におけるストーカー殺人事件や愛知県における中学生による多額恐喝事件、最近では、再び発生した埼玉県でのストーカーによる殺人事件などは、事前に警察に対し何らかの形で相談がもたらされたわけでありますが、警察の対応が不適切だったために結果的に最悪の結果を招いたと一部のマスコミに報道されております。幸いなことに、山形県警においてはそのような事案は現在のところ発生していないと認識しております。

 去る七月十三日、警察刷新会議から九項目にわたる緊急提言が提出され、その中に、住民からの相談に的確な対応をということが提言されております。地域住民からの困り事相談などに対しては、他機関との連絡体制を確立すること、所管責任を持つ別の機関がある場合には確実に引き継ぐこと、業務担当職員の増配置など、体制の強化及び組織的な対応などを指摘しております。

 今回問題となっているストーカー問題やいじめ、さらには金銭トラブルなど、地域住民はいろいろな悩み・困り事を抱えており、専門的な知識を持つ警察を大変頼りにしているのであります。しかし、一般人にとって、何も悪いことをしていなくても警察というところは何となく敷居が高く、入りづらいところであります。意を決して警察署に相談に訪れたとしても、窓口がわからなかったり、担当者が不在でたらい回しされたり、あるいは相談専用の部屋もなかったりといったような問題もあるのではないかと思います。

 県警では、本年度から県下十五警察署すべてに相談窓口を設置していると聞いておりますが、困り事相談業務の状況と今後の対応について、警察本部長にお伺いします。

 以上で質問を終わります。



○議長(石垣潔君) 高橋知事。



◎知事(高橋和雄君) 初めに、本県人口の動向についてのお尋ねでございますが、本県の人口は、ここ数年漸次減少してきている状況があります。それを分析してみますと、一つには社会的な要因というふうなことで、高校生の大学受験あるいは就職というふうなことでの移動がありますが、四月を契機にいたしまして相当の人口減が発生いたしております。また、一般社会人におけるサラリーマン等の移動がございまして、それについては大体現象はマイナスプラスとこういうふうになっているかと、こう思っておりますが、この点についても若干の減が見られる状況であります。

 総じて、四月時点における人口の減が相当に見られるというふうなのが例年の傾向であります。その後約一年間を通じてその大部分を回復してきているというふうなのが社会的な要因とそれから自然の増というふうな状況でございます。平成九年に山形県では自然動態においてマイナスを記録いたしました。ここ三年ぐらいの間に山形県の自然動態はマイナスに転じてるというふうなことで、御指摘のように、社会動態とあわせて若干大きな人口減というふうになっているかと、こう思っております。

 日本の人口構造を見てみますと、御認識のとおり、日本全国でも人口の減というふうなことが言われております。このままでいきますと、二〇一五年というふうな時期をピークにいたしまして以後年々減少するだろうと、そして、その減少は見通しとしてはどれぐらいになるものかというふうな計算がいろいろの専門機関によって計算されておりますが、相当減少していくというふうな見通しでございます。一説、一調査によれば、日本の人口は八千万人程度であるとかあるいはさらにそれを切るのではないかというふうなことが言われておりますが、少子化現象なんかを見てみますと、そういうことが裏づけられているという状況下にあります。しかし、こういった人口の減少は、一時的な現象でなくて相当年数影響を及ぼすというふうなことで、御指摘のように産業の活性化やらあるいは地域の発展というふうなことからも憂慮される事態でもあります。

 県とすれば、交流人口を大いに高めまして地域の活性化を図りたいとこう思いますし、また、単に交流人口だけでなくて、施設整備、若者が集まるような大学の設置、庄内に公益文科大学ができるというふうなことを契機にしてぜひその現象をとめたいと、こう思っております。単に大学の生徒が集まるということだけでなくて、関係するいろいろの事業者あるいは研究所など、いろいろの要素をも含めてさらに発展させていく必要があるのかなという感じがいたします。また同時に、鶴岡には慶應大学の環境研究センターが、今、建設中であります。ここも将来公益大学の大学院というふうなことと関連して考えております。また、そこには幾つかの企業の立地というふうなことも考えております。そんな具体的なことを考えながら県の人口減に歯どめを打ち、逆に活性化をもたらしたいというふうな考えでおるところでございます。

 さらにまた、企業立地というふうなことが非常に大きな要素になろうかとこう思います。引き続き企業立地等につきましては努力をしてまいりたいと、こう思っているところであります。人口の移動というふうなことで御指摘もありましたが、県出身者がまたふるさとへ戻ってくるというふうなことの志向も大分ありますんで、UターンやらJターンやらIターンというふうに言われるような現象が見られますんで、そういったことをも念頭に置きながら企業の立地やらあるいは産業の振興を考えてまいりたいと、こう思っているところであります。

 二番目の、公益文科大学の状況と期待というふうなことについては、今のこととも若干関連いたしますが、現況を申し上げますと、大学建設とそれから大学教授陣、スタッフ等について、来月中旬、下旬になりますと文部省による現地審査が始まります。学校法人とそれから大学の建設状況というふうなことが、今、予定されておりますが、現在のところは事務的には割と順調にいってるかと、こう思います。現地調査の段階でまた詳細に御説明もいたしまして、来年四月の開学に向けて万全を期してまいりたいと、こう思っているところであります。

 さて、学生の入学志願が非常に重要なかぎになりますけれども、目下のところは、内々に県内あるいは東北やら関東やらの区域を大学の責任者、設立された暁における責任者あるいは事務官などが巡回して説明に当たる、そしてまたぜひ入学を勧誘するというふうなことでの運動をしているところでございます。ぜひ、公益という非常に真新しい注目される大学でありますんで、その辺の理解をも得て希望者を募っていきたい、そして大勢の希望者が出てくることを期待しております。

 特に、期待といたしましては、日本で初めてあるいは世界でも珍しい公益というふうなことをテーマにしておりますが、最近においては、慶應大学では公益学会というふうな学会が創設されました。そういったものを一つの足がかりとして公益学に対する認識というふうなものをさらに進めていきたい、そしてそれが今後の社会に必要欠くべからざる分野であるというふうなことのカリキュラムの充実というふうなことをも期してまいりたいと、こう思っております。

 目下、公益文科大学のスタッフはこういったことに重点を置いて努力しているところであります。

 最後に、来年度予算の規模と投資的経費のあり方というふうなことでのお尋ねでございますが、来年度の予算規模ということになりますと、今、進められている行財政改革大綱、それから中期の展望というふうなことを考えますと、来年度十三年度の予算も今年度十二年度の予算とほぼ同額ぐらいというふうに予想しております。とりわけ投資的経費につきましては、中期展望のときにもいろいろ議論いただいたわけでございますが、平成三年度当時の二千二十億円程度の投資的経費というふうなことで一つ目標値としているところであります。来年度においても、この目標値をにらみながら投資的経費を盛り込んでいきたいなと、こう思っております。

 最後に、発展計画との関係あるいは行財政改革大綱の趣旨というふうなことをも考えて、両立すべく工夫をしながら予算編成をやっていきたいと、こう考えているところでございます。



○議長(石垣潔君) 宮内総務部長。



◎総務部長(宮内豊君) 財政運営、予算編成に関するお尋ねをいただきました。

 本県の財政状況は、これまでの取り組みによりましてある程度健全化の道筋が見えてまいりましたが、一方で、中期的に見ますと、公債費の増加など依然厳しい状況が予想されるところでございます。したがいまして、今後とも健全な財政運営に留意して、施策の優先順位を明確にし、より一層事業の重点化・効率化を進めることが必要であると考えております。この意味で、大規模事業につきましては、これまでの調整方針は堅持することとし、昨年度のような形での調整方針の見直しは行いませんが、予算編成課程の中で、通常の事業と同様に緊急性、優先度を踏まえながら、事業内容や実施時期、進度について精査してまいりたいと考えているところでございます。

 また、新たな政策課題として情報化の進展あるいは環境問題、さらに教育、子育ての問題などが生じてきているところでございます。これらに対応し、二十一世紀の県勢の発展基盤づくりを進めるため、十三年度当初予算編成におきましても政策課題の重点化枠を設ける方向で検討してまいりたいと考えております。



○議長(石垣潔君) 佐々木企画調整部長。



◎企画調整部長(佐々木克樹君) 地方分権に対応した市町村における地域振興につきましては、山形県事務処理の特例に関する条例を初めとする地方分権一括法関連の条例、規則等を制定・改正し、市町村への権限移譲が促進されたことにより、一層の独自施策展開が実施できるようになったところであります。

 県では、これまで市町村総合交付金制度の創設や地域づくりアドバイザーの派遣、市町村の国土利用計画の策定支援等を通じて、市町村の創意工夫を生かした地域づくりに対し支援を行ってきたところであります。また、来年度に設置を予定しております総合支庁におきまして、地域の意向を十分に反映し、市町村計画等との調整を図りながら地域の事業の実施方針を策定することといたしております。地域づくりのパートナーである市町村と協働して、地域課題に対して総合的に対応するなど、地方分権の流れを踏まえ、個性豊かで活力のある地域社会の実現に向けた取り組みを強化してまいりたいと考えております。

 続きまして、市町村への権限移譲、財源措置の関係でございますが、市町村への権限移譲につきましては、これまで、都市計画法に基づく開発行為の許可を初め、四十七法令、二百六十四事務に上る移譲を行ってきております。その財源措置につきましては、取り扱い件数などできる限り客観的なデータに基づきまして市町村総合交付金を算定し、約四千四百万円ほどの措置をしております。今後とも、市町村と構成する地方分権検討委員会におきまして十分に協議を進めながら、地域の自立につながる実効性の高い権限移譲を積極的に進めてまいりたいと考えております。

 また、その際、総合交付金による財源措置や移譲事務に係る研修などを適切に実施するなど、権限移譲が市町村の負担とならないよう十分に市町村との調整を図ってまいりたいと考えております。



○議長(石垣潔君) 武田文化環境部長。



◎文化環境部長(武田浩一君) 循環型社会構築に向けた環境対策についてお答えいたします。

 現在策定中の山形県環境計画におきましては、環境基本条例の基本理念であります環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指しまして、県民、事業者及び行政の各主体が資源の循環的利用や廃棄物の減量並びにエネルギーの効率的な利用を図り、環境への負荷を低減していくことを基本方針の一つとして上げております。特に、資源の循環的利用などのリサイクルの推進を重点プロジェクトとしまして、緊急かつ重点的な取り組みを図ろうということで進めているところでございます。

 具体的には、一般廃棄物につきましては、本年三月に策定しました山形県ごみリサイクル推進プランに基づきまして、平成十六年度には県民一人一日当たり百グラム、県全体では四万四千トンのごみの減量を図ろうとしております。また、リサイクル率は現在一八%ですが、それを三〇%にするという目標を掲げまして、家庭や事業所からのごみの分別排出の徹底、生ごみの堆肥化、事業系ごみのリサイクルの推進、集団回収・拠点回収の推進、再生品の利用促進などを積極的に推進する方針で現在進めている段階でございます。また、産業廃棄物につきましては、コンクリートや木くず、汚泥などのリサイクルが年々進んできている状況でございます。したがいまして、容器包装リサイクル法などリサイクル関連法の適切な運用、実施によりまして、これに取り組むことによりましてさらに推進されるんじゃないかというふうに踏まえているところでございます。

 県といたしましても、このような関係法を適切に運用しましてリサイクルの推進を図ってまいりたいというふうに考えている所存でございます。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 日野健康福祉部長。



◎健康福祉部長(日野雅夫君) 最初に、介護保険制度の運営状況についてお答え申し上げます。

 市町村や事業者等からお聞きした内容、一部の市町村等で実施した調査結果などから見まして、介護保険制度は総じてほぼ順調に運営されていると認識しております。また、現在、県におきましても介護保険の利用状況等について調査を進めております。現在まで御回答いただいた内容を見ますと、ショートステイ等前年度を下回っているものもありますが、訪問介護、通所介護等は増加しており、福祉用具貸与は月を追うごと増加してきております。さらに、利用者や事業者の方からの御意見では、利用者負担の増加、ショートステイ利用日数の減少などの不満があります一方、自分の希望でサービスが利用できる、ケアプランに基づき計画的にサービスが提供される、福祉用具が安く借りることができるといった評価もいただいております。

 県としては、引き続き制度の周知・啓発に努めますとともに、サービス提供基盤の整備、サービス提供事業者の資質向上に努め、適正な介護サービスが供給されるよう努めてまいりたいと思っております。

 次に、ことし十一月にオープンを予定しております介護学習センターについてでありますが、議員の御指摘にもありましたように、介護の問題を家族に限らず地域全体で対応していこうという考えから、実習講座では、家族介護者向けのほか、生徒や学生、一般県民向けの講座、民生委員、ボランティア活動従事者等いわゆる地域活動の担い手向けの講座など幅広く実施してまいりたいと考えております。また、各市町村の在宅介護支援センターの連絡会議を開催したり、在宅介護支援センター職員等在宅介護の指導者に対する専門的な講座を開催するなど、市町村や関係機関と十分に連携を図りながら事業を実施してまいります。

 次に、児童虐待防止に向けた対応について申し上げます。

 児童虐待防止の取り組みといたしましては、御指摘のとおり、早期の発見と迅速な対応が極めて重要でございます。児童虐待を早期発見するため、保健婦、民生児童委員、小児科医、保育所、幼稚園、学校など、地域において子供に接する機会のあるすべての方々が常日ごろから同じ問題意識を持って子供の様子を見守り、虐待が疑われる状況があったときには直ちに児童相談所等に連絡する仕組みづくり、ネットワークづくりをしっかり構築したいと考えております。通告を受け、速やかにチームを組んで、虐待が発生した家庭に対して多面的な支援や指導を徹底して実施してまいります。場合によっては立入調査も行い、状況によっては児童を保護する措置をとることにも迅速に対応してまいりたいと考えております。このため、関係機関によって構成される児童虐待防止連絡会議を県レベル及び地域ごとに開催をし、通告義務の徹底や連携の強化を図るとともに、児童相談所における相談機能の充実、虐待発生時における即応体制の強化などに順次取り組んでおりますし、市町村に対しましても、より住民に身近なネットワークを早急に構築するよう要請しているところであります。

 また、虐待は繰り返されるという御指摘がございましたが、虐待を受けた子供や虐待した親への対応につきましても、児童相談所、精神保健福祉センターの機能などを活用して適切なケアに努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 本木商工労働観光部長。



◎商工労働観光部長(本木正光君) 二点お尋ねがございました。

 最初に、県内中小企業の競争力強化に対する取り組みについてお答え申し上げます。

 県内中小企業が企業間競争に勝ち抜いていくためには、企業みずからの技術力向上や新商品開発への積極的な取り組みが不可欠でありますが、県としましては、これらの取り組みを支援するため、これまで工業技術センターによる技術指導や企業との共同研究、大学との産学官共同研究開発の促進、企業への技術開発助成の充実などに取り組んできたところであります。このような取り組みに加えまして、工業技術センターでは、昨年度から企業の生産現場に出向いて直接指導することに重点的に取り組んでおりまして、今年度は既に昨年の約二倍に当たります二百二十七件の指導を行っておりますが、その中で、より高度な技術指導が必要なものについては、山形大学等とチームを編成し指導を行うこととしております。

 また、新たな取り組みとしまして、山形県企業振興公社が霞城セントラルビルに産学連携開発研究推進センターを設置し、県内企業と山形大学との実用化に向けた研究開発を支援することといたしております。このセンターでは、これまでのものより鮮明に体内を映し出すCTの画像化システムの開発であるとか、マルチメディアの実践研究、介護機器の開発などの工学・情報系を中心とした研究を予定いたしております。

 今日の厳しい大競争の中で、技術力こそが県内製造業の競争力を支える原動力でありますので、今後とも技術力の向上を積極的に支援してまいる所存であります。

 次に、ミスマッチ解消に向けた雇用対策の取り組みについてでありますが、産業構造の急激な変化に伴いまして、企業の求める人材も急速に変化してきており、特に、情報通信技術や介護関連など、今後成長が見込まれる分野での人材確保が急務となっております。また、求められる人材は大変高度かつ専門的になっておりまして、このような人材の育成につきましては、大学や高校などの教育機関、国や県の職業能力開発施設並びに民間の専門学校や訓練施設を挙げて対応していく必要がありますが、指導者の確保であるとか施設設備の面など直ちに対応するのには難しい課題があるのも現実でございます。

 県といたしましては、現在非常にニーズの高いIT関連のコンピューター技術者や介護関連のホームヘルパーなどを養成するために、職業訓練コースの新設、訓練枠の拡大を行いまして、県や雇用・能力開発機構の施設での訓練、さらには民間の専門学校などへの委託訓練を行っているところでありますが、今後とも、企業のニーズを的確にとらえ、職業訓練の一層の拡充強化に努めながら雇用のミスマッチ解消に取り組んでまいる所存であります。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 細野農林水産部長。



◎農林水産部長(細野武司君) 最初に、農林水産業振興計画・仮称における施策の展開方向についてお答えを申し上げます。

 目下検討中の農林水産業振興計画につきましては、国の基本政策の見直しや農林水産業をめぐる情勢の変化に対応しまして、本県の今後の農林水産業施策の基本方針を示すものとして、年内の策定を目指して作業を進めております。計画策定に当たりましては、有識者による検討委員会を設置しまして議論いただいているところであります。現在まだ議論の途中でありますけれども、施策の展開方向につきましては、消費者の食生活等の多様化あるいは環境との調和など、時代の要請にもこたえていくように幾つかの重点的な項目を中心にして検討しております。

 主なものを申し上げますと、一つには、消費者に信頼される農林水産物を産地としていかに安定的に供給をしていけるかということについて、それから二つ目には担い手の問題ですが、なかんずく一定水準の農業所得を確保していける効率的・安定的な形態といいますか、そういう形態の育成とか支援策についてでございます。それから三点目は中山間地域や農村の整備あるいは農業と環境の問題について、こういうものを中心にして議論を今いただいているところでございます。

 特に、園芸作物につきましては、稲作を初めとして農業を取り巻く情勢が、今、非常に厳しさを増してきておる中でございますが、果樹、野菜、花卉などについては着実に産地化が図られてきており、今後とも本県農業振興の柱として積極的に振興を図っていくべき部門というふうに考えておりますので、園芸を絡めた農業の複合化あるいはその周年化の施策の展開につきまして方向づけを示してまいりたいというふうに考えております。

 また、計画策定に当たりましては、各ブロックごとにそれぞれの地域の特性を生かした園芸作物等の生産振興方策を示すとともに、技術指導と一体となった生産振興体制の確立に努めてまいりたいというふうに考えております。

 それから、次に、農業関係試験研究機関の再編整備についてでございます。

 農業関係試験研究機関の再編整備につきましては、基本的な方向としまして次のようなことを中心に進めていきたいというふうに考えております。一つは、今後の本県農業の発展に欠くことのできない園芸作物を中心に、品種開発など全県を視野に置いた基礎的な研究を強化することでございます。二つ目は、環境や食品の安全性に対する消費者の関心の高まりなどを踏まえまして、基礎的研究分野としての環境に関連する研究の充実を図ることでございます。それから三つ目には、県内各地域のそれぞれの技術的な課題を解決するために品種の適応性など実証的研究を進めるとともに、研究成果の生産現場への迅速な移転を図るために農業改良普及部門との機能面での一体化を進めることであります。こういう基本的な考えを踏まえまして、農業試験場と園芸試験場の再編整備なども視野に入れながら、基礎的な研究を担う中核的研究機関の整備を図るとともに、その他の研究機関の地域における役割を強化するなど、そのあり方について、施設整備も含めまして総合的に研究してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 山本土木部長。



◎土木部長(山本善行君) 全国都市緑化フェアの開催準備状況についてということで、全県的な取り組みが非常に重要ではないかということでございますけれども、御指摘のとおりでございまして、全県展開あるいは県民総参加というふうなことをキーワードにいたしまして、この会期を通じまして各地で幅広い事業を展開したいというふうに考えております。

 具体的には、一つは、各市町村の公園あるいは名所を協賛会場というふうに位置づけまして花や緑に関する催事を行うというふうなこと、それから二つ目には、両会場に全市町村の協力をいただきまして、「ようこそ花壇」というふうなものを設置するようなこと、それから三つ目には、市町村の日というのを設けまして郷土芸能等の紹介あるいはPRをしていただく、それから四つ目には、開会の一年前ごろから県内各地で園芸教室を開催しまして緑化フェアへの理解を深めていくこと、それから五つ目に、緑化に関するアドバイザーやボランティアなどのネットワークづくりを進めていく、それから六つ目に観光活動と連携して誘客を図る、そういったようなことを全県挙げての取り組みの計画というようなことで進めているところでございます。

 緑化フェアを契機といたしまして県内の緑化や地域の振興が図られますよう、より充実した取り組みを全県挙げてという形で取り組んでまいりたいと、こんなふうに考えております。

 それから、各会場の公園の整備状況ということでございますが、最上川ふるさと総合公園それから最上中央公園につきましては、今年度建物等の整備に着手したいと、そして平成十三年度には緑化フェアに必要な施設整備を完成する予定でございます。

 特に、議員から御指摘のありました公園における樹木の役割、これは非常に重要でありますので、整備に当たりましては、緑豊かな公園ということで、高木、低木をバランスよく配置する計画にいたしております。特に、緑陰をつくり出す高木につきましては、景観上も重要でありますので、総合運動公園や県民の森等にあります樹木を活用することにしておりまして、既に最上川ふるさと総合公園の方では、移植を含めまして約三百本を植栽しておるところでございます。また、同公園では、サクランボ等の既存の果樹、これを生かした整備を行う計画にいたしております。

 今後、緑化フェアの開催に向けまして、両公園で約五百本の植栽工事を実施することといたしております。こういったことで、緑化フェア時には良好な緑陰をつくり出したいというふうに考えておるところでございます。



○議長(石垣潔君) 殿川警察本部長。



◎警察本部長(殿川一郎君) 警察に対する困り事相談の状況と対応ということでお答えを申し上げます。

 警察におきまして、困り事相談につきましては、警察本部の総合相談室のほか、県下の各警察署、交番、駐在所等で対応しているところでありますが、本年一月から八月までに受理をいたしました相談件数は五千三百二十七件で、昨年同期の三・四倍と、本年に入って大幅に増加をしているところであります。その主なものは、金銭貸借問題、いたずら電話などの迷惑行為、悪質商法事案、家庭不和などの身上問題等でありますが、これらの相談の中には、何らかの犯罪に絡むものもあり、その対応を誤れば重大な事案に発展しかねないものも含まれるところでございます。こうした意味で、相談業務につきましては慎重かつ的確な対応が必要と認識をしているところであります。

 こうしたことから、本年四月には、各警察署の生活安全課に新たに生活安全相談係を設置をして、相談に関する対応責任を明確にいたしまして、あわせて幹部に対する報告あるいは幹部による指揮・指導を徹底し、警察組織を挙げてその対応に当たるよう体制の見直しを図ったところであります。また、相談業務が激増しているということを踏まえて、山形署など大規模五警察署に嘱託相談員を配置するための相談窓口の委託経費と、警察署を訪れる相談者が安心して相談ができる環境づくりのため十一警察署の相談室を整備するための経費を九月補正予算案に計上いたしているところであります。

 今後とも、各種相談に対応する相談担当者の対応能力の向上を図ると、あるいはその他の相談体制の一層の充実を図るということを進めるとともに、実際の相談への対応に当たっては、相談者の心情をよく理解しながら、警察として解決できるものについては速やかに解決を図り、他機関に引き継ぐ方が妥当だと思われる事案については確実に引き継ぐなど、誠実な対応に徹するよう努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 十五番太田忠藏君。



◆15番(太田忠藏君) 誠実な答弁をいただきましてまことにありがとうございます。特に、今年度の最上川シンボルライン推進事業につきましては、知事挙げて頑張っているところでありますけれども、昨年度の山形県環境基本条例の本文をバイブルにして、今後とも環境問題に頑張っていただきたいということをお願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(石垣潔君) この場合、暫時休憩いたします。

 午後三時再開いたします。

     午後二時四十七分 休憩



     午後三時三分 開議



○議長(石垣潔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。





△会議時間の延長



○議長(石垣潔君) この場合、議事の都合によりあらかじめ会議時間を延長いたします。





○議長(石垣潔君) 質疑及び質問を続行いたします。

 三十七番伊藤孜君。



◆37番(伊藤孜君) 私は、社会民主党県議団を代表いたしまして、通告に従い以下質問をさせていただきたいと思います。なお、午前中は平議員、午後からは太田議員の両名が質問されました。質問の中身が一部重複すると思いますけれども、御理解の上御答弁いただきたいと思うところであります。

 バブル経済がはじけて以来、出口を見出せないまま十年の歳月が流れました。過ぎ去った時代の反省から、国はもちろん地方自治体は、行政改革、財政構造改革、金融システム改革、教育改革の必要性に迫られ、我が国の現況はまさしく危機的状況にあると言わなければなりません。今、多くの国民が望んでいるのは経済改革であり、国民が苦しんでいる不況から一刻も早く脱却させることであると思います。同時に、政治改革が叫ばれて久しくなりますけれども、一向にそれが進まず国民の不信は募るばかりであります。

 いよいよ地方分権がスタートしました。地方へ事務権限が移譲されることになるのでありますが、真の地方分権を実現させるには、霞ヶ関の官僚機構を改革し、省庁再編を完璧なものにする必要があると考えております。また、ことしは今世紀最後の年であります。まさに時代は大きく変わろうとしているのであります。経済のグローバル化の進展や情報技術の革新、高度情報通信ネットワークの急速な拡大に伴って市場原理が国家の枠組みを超えて席巻し、さらには地球規模での環境問題が深刻化する中で、世界的な構造変化が進んでいるのであります。このような中で、経済成長優先の策をとってきた制度や仕組みは、急速な少子・高齢化の進行とも重なり大きな変革が求められているのであります。

 ことしは二十世紀を締めくくる年であると同時に、新世紀を迎える前の大事な年と思っております。知事は、県政運営に当たって今世紀を振り返り、総括の上に立って二十一世紀を視野に置いた視点や発想を持つ必要があるのではないかと考えるのであります。本県の二十一世紀に向けた展望等について、まず御所見をいただきたいと思います。

 次に、山形新幹線新庄延伸のひび割れまくら木について伺いたいと思います。

 山形新幹線新庄延伸については、昨年十二月の開業以来好調な利用状況が続いており、報道によれば、山形−新庄間ではことし六月までの半年間余りで一日平均三千二百人と、昨年の二倍の利用状況と聞いております。まずは事業を決断し進めてこられた知事の英断に対しまして、改めて敬意を表したいと思うところであります。

 大量輸送機関である鉄道において、安全性は何よりも優先して考えるべきは当然であります。八月三十一日にJR東日本仙台支社が発表しましたところによりますと、山形新幹線山形−新庄間のまくら木約二百本にひび割れが発見され、さらにその後調査が進み、これまで強度不足のまくら木が千本を超えていると報道されました。JR東日本では、当面列車運行に支障はないものの長期的な耐久性に万全を期するために、山形−新庄間のピー・エス社で製造したまくら木を全数調査をし、強度不足のあるものはすべて取りかえると発表していることから、万全の対応がなされるものと期待をしておりますけれども、一方で不安をぬぐい去れないでいるのもまた事実であります。山形新幹線つばさについては、従来の特急の最高時速九十五キロメートルに対し最高速度は時速百三十キロメートルと三六%も高速化されており、乗客及び沿線住民の安全性を考慮して万全の体制で新庄延伸工事を進めたわけでありますけれども、わずか二カ月足らずでこのような欠陥が発見されていたということは、山形新幹線の安全性に関して不安を抱かせ、ひいては本県のイメージダウンをもたらす結果になったのではないかと思っております。

 したがって、なぜこのような結果になったのか、その原因と責任を明確にしておく必要があると思うのであります。また、開業以来好調が続いている山形新幹線の利用に水を差すことがないように、同時に県民の心配を早期に解消するためその対応をどう検討しているのか、企画調整部長にあわせ伺いたいと思います。

 次に、財政問題について伺います。

 平成十三年度政府予算に対する各省庁の概算要求に基づき、年末の予算編成に向けて大蔵省の査定作業が開始されたと聞いております。平成十三年度政府予算は、言うまでもなく来年からの省庁再編を全面的に反映する初めての予算であると同時に景気回復下での予算編成となるため、国民はその動向を注視するとともに、破綻状態にある財政をどう再建していくのか、その道筋を明確に示すことを強く求めるべきと考えるのであります。しかしながら、政府は今年度に引き続き景気重視型とする方針を打ち出したのであります。この期に及んで財政改革といいながらなぜ借金財政の度が強まるような方針を打ち出したのか、理解に苦しむのであります。

 財政基盤をどうするのか、それを示すことができないのでは国の、地方自治体の将来が見えないことを強く指摘をし、政府のこうした財政運営に猛省を求める必要があると考えるのでありますけれども、知事の御所見をいただきたいと思います。

 第二点は、現下の地方財政は地方税や地方交付税の原資が落ち込んでいることにより、引き続き多額の財源不足が見込まれております。本年度末における地方自治体の借金残高は百七十九兆円に達すると言われており、その償還が今後大きな負担となることは間違いなく、非常に厳しい状況にあると言われているのであります。本県にあってもしかりであります。間もなく平成十三年度予算編成作業に着手すると思いますけれども、新年度予算編成に向けた基本的な考え方を伺いたいと思います。

 また、地方分権に伴い地方自治体は地域における行政を自主的かつ総合的に広く担うこととされており、四月から導入された介護保険制度を初め今後生ずるであろうさまざまな行政課題に対応する財政需要は、拡大の一途と考えております。県内の市町村においても、過去の国や県の指導のもと積極的な事業展開の結果、平成十年度末における地方債残高は六千二十二億円と平成九年度同様引き続き歳出決算額を上回る額となっております。地方債の元利償還金の増嵩等が懸念されるなど、今後の財政運営はまことに厳しいものがあると考えているのであります。特に、さきの発表によりますと、公債費負担比率は十九市町村で二〇%台に、また、経常収支比率は平均で八四・七%と五年前より六ポイント上昇、長井、川西の二市町は既に九〇%を超えて財政構造の硬直化が一層進んでいるということであります。県は、こうした現状をどう分析されているのか、また、健全財政、財政の再建に向けてどのような指導をなされようとしているのか、具体的にお示し願いたいと思います。

 次に、広域行政の推進について伺いたいと思います。

 この四月に導入された介護保険や高齢化に対応した施策の推進など、近年、市町村を取り巻く行政環境は大きく変化しているのであります。また、昨今の長引く景気の低迷により、以前の高度経済成長に支えられてきた市町村行財政運営のあり方については、特に少子・高齢化の著しい市町村においては、構造的に見直さざるを得ない状況を迎えているのではないだろうか。昨年七月、地方分権一括法が成立し合併特例法が施行されました。今後、市町村においては分権に対応した積極的な取り組みが必要になってまいりますけれども、市町村の規模や行政体制を考えた場合、厳しい財政状況のもとで抱える多くの問題に対応するには、より一層の行政改革や広域行政の推進が求められるものと考えております。地方分権の推進に当たっては、何よりも市町村の自主的な取り組みが必要でありますけれども、同時に県の力強い指導が不可欠と考えます。知事は、分権時代に対応する今後の市町村の行政体制の整備を考える上で市町村の合併問題についてどのような見解をお持ちなのか、伺いたいと思います。

 また、国は市町村の合併促進に力を入れております。その背景は、言うまでもなく国と地方の厳しい財政事情と少子・高齢化が進む中で市町村の体力が弱まり、多様化する行政需要にこたえていくには合併は避けて通れないとの見解を持っているからであります。こうした財政上の課題は、市町村の合併によってのみ解決できるものとは思いませんけれども、極めて大事と思っております。自治省は、年内に市町村合併の組み合わせを示す要綱を作成するよう知事に求めてきておりますけれども、県は、要綱は合併の方向を決めるのではないとの立場で極めて消極的な態度に私には映るのでありますけれども、現在、どのような作業を進めているのか、また、現在の市町村の財政事情を見るとき、多様化する行政需要に各市町村が十分対応できる状況にあるのかどうか、伺いたいと思います。

 次に、情報化の推進について伺います。

 二十一世紀を目前に控え、情報通信技術革命と言われているように、情報通信分野の進展が国民の生活基盤に大きな影響をもたらしているのであります。今、インターネットを利用した学校教育や企業間の電子商取引も進んでいると聞いております。また、携帯電話を所持している人が国民の四割を超えていると言われており、私たちの日常生活も大きな変化を来しているのであります。このように、発達する情報分野の技術を、中山間地域の活性化や定住促進さらにはそれぞれの地域での生活の利便性を高めるために大いに活用すべきと考えるのであります。本県の情報化を推進するためにどのように対応しようとしているのか、基本的な考えを伺いたいと思います。

 また、急速に進展する情報通信分野での変化に対応するため、庁内に新たな視点に立った体制整備を進め、流れに乗りおくれることのないよう万全を期すべきと思いますけれども、御所見をいただきたいと思います。

 さらに、県内の高度情報化を推進するため、文字だけではなく音声・動画など大量に伝達できる、また、市町村や教育機関など県全体で利用可能な高度情報通信網を早急に整備すべきと思うのでありますが、どのような方策を考えておられるのか、伺いたいと思います。

 次に、景気対策等について伺います。

 バブルがはじけて約十年、景気が緩やかな回復にあるといいながらも、いつ不況のトンネルから抜け出せるのか全く見通しが立たないのであります。政府は、〇・五%成長達成のために、さきに補正予算十七兆円に加え、金融不安回避のための公的資金投入に六十兆円、貸し渋り対策として中小企業の借り入れに対する政府資金の信用保証協会による特別保証枠に三十兆円、そして九兆円の減税を含む二十七兆円の財政出動を行い、総額何と百二十三兆円に及ぶ超大型の景気対策を決定したのであります。しかしながら、景気回復ははかばかしくなく、政府内にもこれまでのような大型補正予算による経済対策、財政投資による景気誘導は限界ではないかとの声が出始めたということであります。また、国及び地方の債務残高も九九年度末時点で国債四百五十一兆円、地方債百七十九兆円と重複分を差し引いたとしても六百八兆円に及ぶ膨大な長期の債務残高となっており、対GDP比一二二%、先進国の中でも類のないまさに借金大国となっているのが現状であり、将来に対する大きな不安材料となっているのであります。

 本県も政府の経済対策に呼応して行政を行ってきたのでありますが、依然として県内の景気の回復ははかばかしくなく、税収の落ち込みにも歯どめがかかっていないのが現状であります。したがって、景気回復が思わしくない現況を踏まえ今後どのような対応を考えているのか伺います。新年度の景気対策に向けた方針についても、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

 第二点は、ベンチャー企業の育成策についてであります。今、不況が長引く中でリストラの嵐が吹き荒れ、失業者が増大し、雇用環境は依然として厳しい状況にあります。今後の見通しとして旧来の産業分野での雇用が減少する以上、新たな成長産業分野を興して雇用をつくり出すことに全力を挙げる以外その策はないのではないかと思うのであります。言うまでもなく時代は大きく変化をし、これまでの産業構造は大きな転換を余儀なくされているのであります。新興のインターネット企業が相次いで起こり、急速にビジネスの内容も変わってきております。また、今、科学技術の革新を背景に多種多様なベンチャー企業が各分野に百花繚乱のごとくあらわれようとしているのであります。このように、日本の産業構造が大きな転換期を迎えているのであります。政府はこうした動きを一層速めるため、地域プラットフォームなど支援体制の整備や各種の税政策などを講じてベンチャー企業に対する支援を強めております。

 本県におけるベンチャー企業の実態と具体的にどのような支援策を講じているのか。また、ベンチャー企業の最大のネックは、アイデアもあり技術もあるが開業時点での資金が不足することだと聞いております。二十一世紀を生きる若い方々に夢と希望を与え、雇用の場を確保するためにも、今後、ベンチャー企業への大胆な支援策を打ち出すべきと考えるのでありますが、御所見をいただきたいと思います。

 次に、介護保険制度について伺います。

 介護保険制度が本年四月にスタートして早いもので半年が経過をしました。この制度を円滑に導入・実施するには、介護保険基盤の整備はもとより介護支援専門員いわゆるケアマネージャーなどのマンパワーを養成するなど体制整備が急がれ、加えて要介護認定や保険料の賦課徴収などの業務を市町村が適切にできるよう県としての強力なリーダーシップが求められたのでありますが、それに十分こたえる体制にないままにスタートしたという声も聞いております。

 さて、我が国の介護保険のモデルはドイツの介護保険と聞いております。ドイツの介護保険制度は、発案から二十年来の論争を経て一九九五年から実施されたのに比べ、日本の介護保険制度はわずか数年の間につくられたということであり、体制整備の準備期間は非常に短いものだったということであります。介護保険のこうした誕生経過を反映して、実施後五年をめどに必要な見直しなどの措置が講じられることになっていることからも、我が国の介護保険はまさに制度運営していく中で、不十分な点を走りながら改善していくことがあらかじめ想定されていたものと考えるのであります。

 こういう誕生経過の中でスタートした介護保険制度を、半年経過した今、県内市町村の実施状況をどう評価されているのか、まず伺いたいと思います。

 第二点は、現在、特別養護老人ホームに入所している高齢者への対応についてであります。今の介護保険制度では、旧措置入所者のうち要介護認定の結果が自立または要支援となった方々でも五年間はそのまま特別養護老人ホームに入所していることが認められますが、問題はその後であります。入所者の中には、帰る家がないとか面倒を見てくれる家族がいないとか種々の事情を抱え施設を終生の住みかとして入所した人々も多く、五年後には退所させられるかもしれないといった大きな不安を抱いている御老人もたくさんいるのであります。

 そこで、県としてはこのような方々に対して将来具体的にどのような対応を考えているのか、伺いたいと思います。

 第三点は、介護保険のもとでは、サービス利用は、提供者と利用者の対等な関係を基礎とした契約による利用となるのであります。しかし、特にこれまでの恩恵的な福祉制度のもとにおける一方的なサービス提供という長い経過との関係から、対等な関係を確立するための利用者支援や個々の利用者の満足を得られるサービスの質の向上などが重要な課題となっているのであります。このような課題を解決していくには、第一にサービス提供事業者のサービスへの自己改善能力の向上を図ることが求められているのであります。それらを効果的に実現していくためには、個々の事業者への個別的対応では困難であり、事業者の連絡団体の組織化を図るなどして情報交換や研修などを実施し、諸課題の自己解決能力の向上を支援していくことが重要と思うのであります。これらの取り組みは、サービスが広域利用であることから市町村単位では限界があり、県レベルの広域的な取り組みが行われ、それを基礎として市町村単位の取り組みを進めるべきものと思うのであります。

 県は事業者の指定権限を持つ立場から、自己解決能力を支援しよりよい介護サービス提供の環境づくりに努めるべきことは当然であり、どのように取り組もうとしているのか伺いたいと思います。

 第四点は、第一号被保険者の保険料は、サービスの需要と供給の関係についてある一定の想定をして積算しているのでありますが、そのうちでサービス供給量の水準が大きな影響を持つ要素となっているのであります。その中で、介護療養型医療施設については、介護保険上の指定を受けたベッド数が介護保険会計において計算上想定していたベッド数を大幅に下回っております。

 そこで、事業者の指定権限を持つ立場として、指定の推進など適切な保険給付の確保に向けた取り組みを推進すべきものと考えるのでありますが、どのような状況になっているのかそしてどのように対応するのか、伺いたいと思います。

 次に、農政問題について伺いたいと思います。

 本県のここ数年の農業動向を見てみますと、例えば主要な担い手である基幹的農業従事者は、平成九年には五万九千五百八十名おりましたが、平成十一年には四万九千六百五十名と大幅に減少しており、また、年齢層では二十歳、三十歳代が減少している中で、六十歳以上の占める割合が平成九年で五〇・三%、平成十一年では五二・六%と五割を超える従事者が六十歳以上になっているのであります。農業粗生産額も、平成九年には二千五百七十億円あったものが平成十年には二千五百三十二億円と減少しているのであります。このように、日本の食料基地農業県を自認している本県農業は、今や危機的な状況に追い込まれていることは間違いありません。

 昨年七月、国では食料・農業・農村基本法が成立施行されました。同時に、昭和三十六年に制定されました古い農業基本法は廃止をされ、三十八年ぶりの新しい農業基本法ができたのであります。多くの農家の方々は、一定の期待感を持って迎えたことは言うまでもありません。

 しかしながら、あれから一年が経過した今日、状況が決して好転したとは言えないのであります。新聞報道によれば、政府与党と全中は、二〇〇一年の生産調整面積を過去最大の百万ヘクタール台に拡大するほか、二〇〇〇年産の過剰米の飼料用処理拡大や青刈り促進について検討されているとのことであります。これは、米余りによる価格下落に歯どめをかけるためだというのであります。私はこれを聞いて、農業に従事する者の一人として、「冗談じゃない、ばかにするのもほどほどにしてほしい」と、こう思ったのであります。農民は自然を相手に黒い土とがっぷり四つに組み、物を生産し、その農産物から収入を得て生活をする、ただ金をもらうのではなくて、生産の喜びを知ってこそ農民魂が燃えるものだと私は信じております。このような後退の政策をとり続けるならば、我が国の農業は間違いなく崩壊するだろうと思うのであります。

 知事は、このように先の見えない国の農政をどう受けとめ、本県農業を守り再建するための方針をどう描いているのか、抽象論ではない具体的な話をお聞かせいただきたいと思います。

 第二点は、さきにも述べましたとおり、就農状況を見ますと六十歳以上の農業就業者が五割を超え、年々高齢化が進み、農業就業者は今後とも減少することが予想され、地域農業振興に大きな支障が出てくるものと心配をしております。次代の農業を担う若い担い手の確保が必至であり、農家の子弟だけではなく農外からの就農促進も必要ではないかと思います。そのため、就農時の負担軽減を図るために、農地や機械・施設などの取得のための資金援助等を充実すべきものと考えるのでありますが、いかがでしょうか。

 第三点は、本県の中山間地の農業は、農家戸数や耕地面積、農業従事者、粗生産額とも全県の約六割を占めるなど、本県農業・農村にとって極めて重要な地位を占めているのであります。中山間地域は、平場と異なり、傾斜地が多い上に農地も狭隘で分散しているなど、自然的条件が不利で、最近においては農業従事者の減少や高齢化の進行により、耕作放棄地の増加や農道・用水路等の管理低下等、地域の農業生産活動の停滞が懸念されているのであります。中山間地域等直接支払制度は、こうした地域において懸命に頑張っている農業者を後押しするものであり、制度の円滑な導入により中山間地域の農業の発展に大きな効果があるものと思っております。

 この制度の実施主体である各市町村は、本年度どのように取り組みどのような結果をおさめたのか、また、この結果をどう認識し今後どう対応しようとするのか、農林水産部長に伺いたいと思います。

 第四点は、森林は、木材の生産のみならず県土の保全や水源涵養、レクリエーションの場の提供など多面的な機能を持っております。この機能は、これまで主に山村で生活する人たちの日々たゆまぬ森林の育成・管理のもとで保たれてきたものであり、この貴重な森林を後世に引き継いでいくことは私たちの責務と考えているのであります。

 しかしながら、昭和三十年代の高度経済成長期以降若者を中心に人口が山村から都会に流出し、山村は高齢化や過疎化が進行するとともに、近年の木材価格の長期低迷や生産費の増嵩などが拍車をかけ、山林の活力が一段と低下してきたのであります。このため、間伐等手入れが十分行き届かない森林が各地に見られ、国土保全の観点から今や危惧される状況にあるのであります。御案内のとおり、二十一世紀は環境の世紀とも言われているのであります。環境保全の担い手は農山村であることは言うまでもありません。

 そのような意味でも、森林の育成・管理の担い手であります山村で生活する人々が、安心して生活を営み活発に林業生産活動に打ち込めるような林業振興策が重要であると思うのであります。また、森林・林業をめぐる情勢がますます悪化する中にあって、伐採跡地の整備を森林所有者が自発的に行うことは大変難しくなってきており、林業生産活動はもとより公益的な機能の維持・向上を図る上からも、公的機関による森林整備が必要であると思われますが、過去の総括の上に立った林業振興策をどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。

 終わりに、教育行政について伺います。

 いじめや不登校、校内暴力の問題は依然として後を絶たないのであります。また、少年非行についても、万引きや深夜徘回、喫煙などは減少しているものの、強盗、傷害などの発生は微増と聞いております。最近でも、高校生による恐喝事件や殺傷事件がマスコミをにぎわしたのであります。

 私どもの子供時代は、学校が終わってからも暗くなるまで昔ながらの遊びや冒険に明け暮れ、さまざまな体験や交流を通して多くの友達や仲間をつくったものでした。このような中から、子供のころからある程度お互いに社会性や仲間意識が養われてきたものと思っております。現代は都市化や少子化、核家族化などにより、またテレビゲームやファミコンの普及などにより、一人だけで遊ぶことが多く必然的に仲間・友達ができにくいという環境になっているのかと思います。また、家庭における過保護、過干渉、しつけの問題、過激な受験戦争、社会全般のモラルの低下など、子供たちにとっての環境は厳しくなっているのであります。

 二十一世紀の担い手である子供たちが心豊かにたくましく成長することは我々の願いであります。そのためには、自分の行動に責任を持つ、他人に迷惑はかけない、他人を思いやる、郷土を愛するというような、社会の一員としての最低限のモラルや倫理観を養うことが重要であると思うのであります。私は、このようなモラルや倫理観はさまざまな体験や交流を通じて養成されるものと考えております。家庭の役割、学校の役割、そして地域社会の役割などそれぞれの役割があると思いますけれども、子供たちの健全育成の立場から体験や交流を通じたモラルや倫理観の育成などにどう取り組まれるのか、伺います。

 第二点は、今、学校現場において学級崩壊等いろいろな問題が、私たちの世代では考えられなかった事象が起こっているのであります。子供たちも昔とは違ってきているし、取り巻く環境も刺激的でいい状況ではありません。そんな中で、直接子供たちの指導に当たり教育活動の充実を図っていくのが教員であることは言うまでもありません。当然のことながら、教育活動の充実を図るためには教員の資質の向上、指導力の向上が不可欠の条件と考えるのであります。まさに教育は人なりであります。教員一人一人の努力によって教員としての力を高めることは当然でありますが、教員の指導力向上のためにどのような方策を講じようとしているのか、伺いたいと思います。

 また、教員の採用に当たっては、すぐれた人材を確保することは重要と思います。今、教員に対する社会の目は厳しいのであります。豊富な経験と幅広い人間関係などの高い社会性が求められていることは当然であります。そうした人間としての質を伴う教員でなければ、子供たちの変化を敏感にとらえ、虚心に目の前の子供たちのあるがままの姿を知ることができないものと私は思うのであります。

 教員の採用に当たって、人物をより重視する立場から、面接に民間人を起用するなど種々工夫を凝らされておりますけれども、その成果と今後の課題について伺いたいと思います。

 第三点は、文部省は平成十年の中教審答申を踏まえて、学校教育法施行規則を改正し、教員免許のない民間人でも校長に登用できる制度をこの四月から施行しました。私は、この校長への登用に係る資格要件の緩和により幅広い人材が確保され、民間人の感覚による学校経営が今の学校教育に新しい風を吹き込むものと考えますが、実施に当たってはいろいろな問題が引き起こされるような気がしてならないのであります。この方針をどう受けとめているのか、もしこの方針を本県として採用する方向であればいつごろをめどに考えているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 以上で私の第一回目の質問を終わらせていただきたいと思います。



○議長(石垣潔君) 高橋知事。



◎知事(高橋和雄君) ただいまの伊藤議員の質問は大変多岐にわたりますので簡潔にお答え申し上げたいと、こう思います。

 まず初めに、二十一世紀を目前にしての本県の将来の姿はどうかというふうなお尋ねでございますが、二十一世紀という時代は日本にとってはどうかというふうなことをさまざまな人がいろいろ展望しておりますが、成熟社会というふうなことが大変大きく言われております。成熟社会というのはどういう社会かというふうな内容もいろいろ議論すべき点はあろうかと思いますが、これを本県にとって見てみますと、ゆとりある豊かな山形県づくりというふうなことで考えてみたいと、こう思います。時代に相応した社会資本の整備というふうなことをやりながら、また生活に潤いというふうなことがあり、また地域の文化やら教育というふうなことが非常に高まってくるというふうな日本あるいは山形県像を描いていきたいと、こう思っております。

 去年からことしにかけて、全国的な会合が山形県で次々と開催されました。そのときに、山形県の像というふうなことで、頻繁にライシャワー元駐日大使の山形に関する印象というふうなのが引用されたのであります。そのライシャワーさんの話を簡単にまとめてみますと、山を一つ越えて山形に入ったと、山形は自然の美しい豊かな地域であると、それから人情味も非常に豊かで山形県民性というのは礼儀また正しいというふうなことで、相当のお褒めをいただいたようなことであります。そういったことで、ライシャワーさんはさらに、日本はかくあってほしい、山形県はさらにまたこういった特徴を伸展させてほしいというふうなことを言われました。非常に適切な見方ではなかったのかなとこういうふうに思います。そういったことを念頭に置きながら、さらに活力ある山形県というふうなことを創造してまいりたいと、こう思っております。

 ただいま農業問題やらについていろいろ御意見がありましたが、第一次産業から二次産業、三次産業というふうに充実した力強い山形県づくり、それにまた教育やら文化の程度の高い地域と、総じてゆとりある豊かな山形県の姿というふうなことを描きながら、二十一世紀の山形県づくりに努めていきたいと、こう思います。

 第二番目には、来年度の予算編成に際して国の財政運営はどうなんだと、知事はどう見ているんだというふうなことの所見についてのお尋ねかとこう思いますが、国の財政運営に対する所見を私ごときがいろいろ批評するのもいかがかと、こう思います。ただ、御指摘のように多額の国債残高があります。三百六十四兆円というふうな大きな国債残があり、また、国税収入というふうなものを見てみますと、まだまだ毎年の予算編成が苦しいというふうな状況を見てみますと、国の財政は財政健全化に向けてさらに一段と努力していく必要があるのではないかなと、こう思っております。

 当然のことながら、交付税の問題やらあるいは地方財政について、国とのかかわりというふうなのは非常に大きいわけでございますので、ぜひ国の財政が一日も早い景気回復をして健全な財政運営がなされ、日本全体として自治体も健全財政というふうなことを維持しながらいろいろの行政サービスが展開できるようになればいいなと、こう思っておるところでございます。

 国でも既に概算要求が出されまして、予算編成の時期になりますとさらにいろいろの施策が加えられてくるのではないかと、こういうふうにも思います。そういう段階でぜひ健全財政と、あるいは景気対策であるとかあるいはいろいろの民生施策が十分に講じられるように期待したいところであります。

 第三番目には、地方分権に対応した市町村の合併はどうかというふうなことでございますが、三十年代の早い時期における町村合併は、山形県は非常に進んだ県であると、こういうふうに思います。非常にというよりも全国的には一番進んだ県かなと、こう思っております。当時二百二十二あった市町村の数が若干の日時を要しながらも今日の四十四市町村に合併なったというふうなことから、相当に当時としては大きな合併が進められたと、こう思っております。現在の段階でも、他の都道府県なんかを見てみますとまだまだ小さな市町村が存在するというふうな状況であります。

 市町村の適正な規模というのはどの辺になるのかというふうなことは、面積であるとか人口であるとかそれからいろいろ行政サービスの実態というふうなことなどを考えて判断すべきものと、こう思っておりますが、現在、国の進めといたしまして町村合併の促進があります。現実を見てみますと、広域行政というふうなことで具体的に市町村が協働して事業を進めている場合が非常に多くあります。そういったことからいいますと、ある程度の町村合併の素地が現在、山形県内の市町村にもあるものと、こう思っております。

 そういう段階で今年中には県の県内における市町村の合併の要綱をつくり、また来年三月までには一定の合併の姿というふうなものを、全く県の段階なわけですけれども有識者等の意見を聞きながら作成していきたいと。先ごろ行いました市町村議員を対象にしてのアンケート調査によれば、合併の必要性というふうなものをある程度認めながら議論を進めていく必要がある段階ではないのかというふうな意見が相当高かったというふうなことをつけ加えておきたいと、こう思います。

 最後に、本県の農業の振興についていろいろ御指摘がありましたが、本県の農業は、日本においてもそうですけれども、農業は第一次産業、基幹産業であるというふうな位置づけは変わらないものと、こう思っております。東京や大阪など大都市での農地が既にもうごくわずかしかないという地域ではいかんともしがたいことでありますが、日本全体としてあるいは山形県としては、農業は基本となる第一次の基幹産業であるというふうなことで農業振興を図っていく必要があると思っております。

 現在、農業を取り巻く環境といたしましては、御指摘のように後継者問題であるとかあるいは米価あるいは農産物全体の価格の低迷というふうなことがあって、農業を営む者にとっては非常に厳しい状況下にあります。しかし、こういう状況下においても、本県とすれば農業の果たす役割、あるいは日本の国民に対する責務というふうなことも自覚しまして県としては農業の振興を図っていく必要があると、こう思っております。

 国では、既に新しい基本法を策定いたしましたが、御指摘のように一年たっても二年たっても余り効果があらわれないのではないかというふうな御指摘がありました。県といたしましては、今、大体十年を目途といたしまして本県の農林水産業振興計画を策定準備中であります。ぜひ実効性のあるものをつくっていきたいと、こう思っております。その中では、水稲は一定の限度があるとこう思います。さらにまた、園芸作物であるとかあるいは産地形成を図るなどして山形県の農業振興を図り、そしてまた経営が成り立つような農業というふうなことでの振興策を図っていきたいと、こう思っております。

 従来からもやっていることでありますが、複合経営というふうなことがさらにまた技術的にいろいろの方策を考えて農家経営の安定あるいは所得向上というふうなことにしていきたいと、こう思っております。

 いずれにいたしましても、本県における農業振興は第一次の基幹産業であるというふうなことを念頭に置きながら振興策を講じてまいりたいと、こう思っておるところでございます。

 以上です。



○議長(石垣潔君) 宮内総務部長。



◎総務部長(宮内豊君) 新年度予算編成に向けた基本的考え方について御質問をいただきました。

 県では、財政の健全化に向けましてこれまでシーリングの設定、大規模事業の調整、行政組織のスリム化などに取り組んでまいりました。その結果、県債発行額の縮減、調整基金の取り崩しの縮小など、財政健全化への道筋がある程度見えてきたところでございます。しかしながら、税収、交付税などの歳入見通しは依然として不透明である上、公債費すなわちこれまで発行した県債の元利償還に要する経費は増加していくことが見込まれておりまして、本県財政をめぐる環境は依然厳しいものがございます。

 こうした状況の中、新年度予算の編成につきましては、行財政改革大綱における財政の健全化に向けた数値目標の達成を念頭に置きまして、一つには、引き続き健全な財政運営に努め財政構造をさらに改善すること、二つ目には、二十一世紀の県勢発展の基盤となるプロジェクトの重点的な推進や当面する諸課題への的確な対応など、県民のための各種事業を適切に遂行すること、以上二つの課題の両立を目指してまいりたいと考えております。このため、優先度の高い事業を精選し、事業の重点化や効率化に努めながら、県民のための各種事業を着実に推進してまいりたいと考えております。



○議長(石垣潔君) 佐々木企画調整部長。



◎企画調整部長(佐々木克樹君) まず最初に、山形新幹線の安全確保の関係でございます。

 山形−新庄間でへアクラックと呼ばれます微細ひび割れのまくら木が見つかったということにつきましては、安全性には問題ないと聞いており、その点につきましては安心しておりますが、沿線市町村では新幹線のイメージダウンにつながるのではないかといった懸念も出ており、こうしたことにつきまして、JR東日本に機会をとらえ伝えているところでございます。JR東日本におきましては、自身の問題として万全を期して対応していく方針と承知しておりますが、私どもといたしましても、県民の不安を解消する意味からも早期に適切な対策をとっていただきたいと考えているところでございます。

 続きまして、県内市町村への財政指導の関係でございます。

 お話ありましたように、市町村財政を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあります。こうした中、県といたしましては、起債制限比率がおおむね一四%以上の団体が公債費負担の軽減を図るために策定します公債費負担適正化計画、これにつきまして積極的に取り組めるよう指導・助言を行ってきたところでございます。さらに、今年度新たに県独自の制度といたしまして、公債費負担適正化支援事業といったものも創設し、市町村振興資金の活用を通じた支援を行っているところでございます。

 市町村の行財政運営につきましては、各市町村が徹底した行財政改革に自主的に取り組むなど今後一層の経費支出の効率化に徹し、事業を厳選し、限られた財源の重点配分を図り、将来の財政需要を見通したより計画的な財政運営に努めていただくよう、今後とも指導・助言をしてまいりたいと考えております。

 次に、合併に関係しての行政需要に対応した市町村行政でございます。

 市町村合併を含めた広域行政の推進を図るため、これまで県民意識調査、県内四地区におきます広域行政推進懇話会、さらには市町村議会議員全員を対象とします意識調査等を実施してきたところでございます。先般実施しました広域行政推進アドバイザー会議におきましても、市町村合併につきましては、メリット・デメリット等個別具体的に検討を行う段階に入ってきたとの声も多くいただき、議論の必要性は高まってきたものと考えております。県としては、より具体的な検討材料を提示しながら、再度地区別の懇話会を開催し、合併に関する議論を深めてまいりたいと考えております。

 合併の要綱につきましては、地区別懇話会の意見や意識調査結果を踏まえ、アドバイザー会議の専門的な助言をいただきながら策定をしてまいりたいと考えております。なお、各市町村における合併の議論におきましては、多様化する行政需要への対応のための行財政基盤のあり方につきましても念頭に入れて議論をしてもらうことが必要と考えているところでございます。

 続きまして、情報化関係でございます。

 本日、山形県情報化推進計画を決定まさに行ったところでございます。情報通信基盤の整備や地域総合サイトなど情報ネットワークの整備、県内産業の情報化対応の促進、電子県庁の推進、県民の活用能力の向上を柱に、各種施策を積極的に展開していくこととしたところでございます。中山間地域等の活性化におきましても、インターネット等を活用した新たな地域コミュニティーの形成や産業の振興を促進するなど、この計画の推進を通しまして、県域全体について地域の自立的発展と豊かな県民生活の実現を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 また、この計画決定にあわせまして、本日付をもちまして副知事を本部長とし、各部局長を本部員とするIT・山形推進戦略本部を設置したところでございます。この本部のもとに計画の的確な推進を図るとともに、今後とも急速な進展が予想される高度情報通信社会に対応した県づくりを、機動的かつ総合的に進めてまいりたいと考えているところでございます。

 また、高度情報通信網につきましては、県内八つの地域にアクセスポイントを有し、高度情報通信社会に対応する通信速度が確保された県基幹高速通信ネットワークを整備し、県民に対する質の高い公共サービスの実現や学校教育の情報化、県内産業の高度化を促進する産学官の連携などを図っていくことといたしております。現在、通信速度や最も効率的な整備手法の検討を進めており、可能な限り速やかにその実現を図ってまいりたいと考えております。

 最後に、景気回復に向けました今後の対応等でございます。

 本県経済の現況につきましては、厳しい状況にあるものの、全体としては緩やかながら回復に向けた動きが続いていると認識しております。これまで、累次にわたる国の経済対策に呼応する形で県として進めてまいりました社会資本整備や、中小企業対策等を中心としたこれまでの対策が一定の成果を上げているものと考えているところでございます。しかしながら、個別に見ますと業種間あるいは企業間における格差が拡大しているというような状況もございます。国におきましては、時代を先取りした経済構造改革を推進する包括的な政策として、今後新たな経済対策を来月を目途に取りまとめることとされております。県といたしましては、その内容を踏まえるとともに、中長期的な本県経済構造のあり方を見据え、新年度当初予算における対策も含め適切な対応を図ってまいりたいと考えております。



○議長(石垣潔君) 日野健康福祉部長。



◎健康福祉部長(日野雅夫君) 介護保険制度に関連して四点ほど御質問をいただいておりますので、順次お答え申し上げたいと思います。

 まず第一点目でございますけれども、市町村における介護保険の実施状況についてということでございます。

 各市町村においては、昨年十月から準備要介護認定に着手し、制度開始までにおおむね見込みどおりの被保険者の方の認定を終えるなど、所要の準備態勢を確保していただいたところであります。また、介護報酬の決定でありますとかショートステイの振りかえ利用などの制度の内容がようやく施行直前に確定したということなどによって、相当の事務的負担があったものと思われます。各事業者等の御尽力もあり、課題は抱えながらも適切に制度運営をしていただいていると認識しているところでございます。

 なお、保険料の納付、ケアマネジメントの導入、契約によるサービスの利用、利用者負担の支払いなどの新たな仕組みについて、利用者やその家族が十分に理解し、なれていただくにはもう少し時間がかかるものと思われます。引き続き、住民に対する説明や広報の機会の確保を図り、円滑に推進するための工夫や対策を講じていく必要があると考えております。

 第二点目でございますけれども、旧措置入所者の施設退所後に対する対応について申し上げます。

 議員御指摘の五年間の経過措置の対象者は、八月末現在で県内に百十四名おります。これは全入所者数の約二%に当たるものでございます。この方々で経過措置期間後も、すなわち五年後でございますけれども、要介護と認定されない方は特別養護老人ホームの入所が継続できなくなりますので、このような場合には退所後の生活の場を確保することが切実な問題となります。このような方々を含め、特別養護老人ホーム退所者やひとり暮らしに不安がある高齢者など生活支援を要する高齢者の受け皿といたしまして、在宅サービスを受けながら生活できる高齢者生活福祉センターやケアハウスがございます。これらについては、県の第二次の県老人保健福祉計画に位置づけておりますので、これら生活支援型施設の整備について、地域の実情や需要を踏まえながら進めてまいりたいと考えております。

 第三点目は、サービス提供事業者への支援ということでございます。

 介護保険制度の導入に伴いまして、社会福祉法人のほか株式会社、NPO法人など幅広い事業主体が参入しており、介護保険制度がより利用者本位の制度として円滑に運営されるためには、これらサービス提供事業者の資質向上が重要でございます。このため、県ではサービス提供事業者が抱えている諸課題について事業者みずから解決する際の参考となるよう、制度の基本的事項、保険請求のルールなどにあわせ、サービスの質的向上についても集団指導という形で進めていくことにしております。また、医療系や施設サービス事業者については、県医師会や県老人福祉施設協議会などの関係機関と随時連携を図りながら、今後ともその質的向上に努めてまいります。

 利用者の方々がより満足が得られるサービスを確保していくためには、サービス提供事業者との間に入って調整を進める介護支援専門員が重要な役割を担うことになります。このため、事業者ネットワークの構築については、当面、介護支援専門員相互の情報交換や自主的研修事業等が積極的に行われるように、介護支援専門員の連絡団体の組織化を支援いたしまして、サービス提供の質的向上に取り組んでまいりたいと考えております。

 第四点目でございますけれども、介護療養型医療施設の指定推進ということでございます。

 本年三月に策定いたしました山形県介護保険事業支援計画において、平成十二年度から十六年度までの五年間の各サービスのサービス量を見込んでおります。この中で、介護療養型医療施設の必要入所定員については、本年度末で千五百三十人を見込んでいるところでありますけれども、九月一日現在の指定数は十八医療機関、三百三人分で計画に対しまして約二〇%の指定状況となっております。

 介護療養型医療施設は、医療法上の許可を受けている療養型病床群等について指定を行うこととされております。このため、県では、療養型病床群を有している医療機関等に対し、入院患者の心身の状況等を踏まえ介護療養型医療施設として位置づけることが適当と思われる病棟等について、指定に向けて検討していただくよう強く要請しているところでございます。今後とも、引き続き介護療養型医療施設の確保に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 本木商工労働観光部長。



◎商工労働観光部長(本木正光君) ベンチャー企業に対する支援等についてお答え申し上げます。

 初めに、本県におけるベンチャー企業の実態についてでありますが、新しい技術やノウハウ、または新しい製品やサービスを創造し独自に事業化を図ろうということで、中小企業創造活動促進法などの認定を受けまして、補助金とか税制優遇などの支援を受けております企業は百二十社を超えております。中でも、平成七年度に創設されましたベンチャーキャピタルによる投資事業では、全国でもトップクラスの実績となっております。こうしたベンチャー企業に対する支援策でございますが、御指摘のございました創業時の資金手当てにつきましては、ただいま申し上げました投資制度のほか、担保や第三者保証の必要のない信用保証制度であるとか、商工業振興資金及び政府系金融機関による低利融資制度などを整備いたしております。また、ベンチャー企業の活力の源であります研究開発につきましては、山形大学等の研究成果の活用を促進するとともに、ベンチャー企業が資金の面とともに弱いと言われております販売力の面では、マーケティングの専門家の派遣とかベンチャー企業が行います市場開拓に対する助成などを行っているところであります。本県産業の活性化や雇用機会の創出を図るためには、ベンチャー企業の育成は極めて重要な課題でありますので、これらの施策の一層の充実を図りながら、支援対策の総合的な展開に努め、ベンチャー企業のさらなる振興を図ってまいる所存であります。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 細野農林水産部長。



◎農林水産部長(細野武司君) 最初に、就農促進などについての御質問でございます。

 平成十一年の新規就農者は、合計百十九名となっておりますけれども、これはまだまだ十分とは言えない水準であるというふうに認識しております。議員御指摘の農外からの就農者の負担軽減を図るために、これまで果樹経営を開始する新規就農者に対しまして、地代とか機械のリース料等を助成してきましたけれども、今年度からは作物の枠を外しまして、利用しやすい事業にしたところであります。また、機械・施設の整備等につきましては、新たに無担保・無保証人それから無利子での就農施設等資金の創設につきまして、今定例会で御審議をお願いしているところでございます。さらに、財団法人農業後継者育成基金を通じまして、経営を開始する際の農機具・肥料等の購入に対する助成や無利子資金の融資等の支援その他の事業を行っているところであります。県としましては、今後とも市町村それからJAなど関係機関との連携あるいは支援施策の充実を図って、新規就農者の確保・育成にこれまでより一層努めてまいりたいと考えております。

 次に、中山間地域等直接支払制度の取り組み状況等につきましてでございます。

 今年度は、制度導入の初年度でありましたので、また制度確定から実施までの時間的制約がある中で、関係市町村では精力的に制度実施に取り組んでいただいており、対象になる傾斜農地が存在する四十市町村のうち三十七市町村が制度施行のための基本方針を策定しました。そのうち、今年度は三十五市町村で集落協定締結までこぎつけたという状況になっております。

 この結果、八月末時点での速報値でありますけれども、六千五百三十二ヘクタールの傾斜農地について協定数が七百五十九件、それと協定参加農家戸数が九千七百七十九戸が見込まれております。結果として、これは、昨年度県が市町村との協力で現地実態調査をやっておりますし、その後市町村からの聞き取りで推計した面積がございます。これは緩傾斜地を含む全体の実施見込み地でありますが、この面積が一万四千二十七ヘクタールというふうになっておりまして、これと比較しますと四七%程度に面積ではとどまっております。しかし、本制度が主眼にしている急傾斜地に限って見てみますと、これに関しては七一%となりました。これは、必ずしも十分とは言えないかもしれませんけれども、初年度としてはまずまずの取り組み結果になったものというふうに私は認識をしております。

 現在、市町村では、申請された協定書につきまして十月末までに認定あるいは確認する予定で作業を順次進めておりますけれども、現時点で市町村からいろいろ聞き取りをしてみますと、協定締結まで至らなかった事例としまして、一点は担い手が高齢化のために向こう五年間耕作を続けなきゃならないということに対して多少自信がないというふうな、それで他人に迷惑がかからないかなというふうな不安感、それから、新たに取り組むことになっている多面的機能増進活動、これはどういうものかというふうなものでどういうものに携わらなくてはならないかということへの不安、こういうもろもろのことから協定に二の足を踏んだという集落の例などがあるというふうに聞いております。県としましては、せっかくの制度でありますので、市町村が認定それから確認作業を終える今月末までの間に少しでも積み上げ追加できるように、あるいはさらには来年度の取り組みに向けまして円滑に協定が締結されますように、制度運用の解釈の仕方、それから問題解決策の提示など情報を提供しまして、市町村を引き続き支援して協定締結農地の拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。

 それから最後に、林業振興策についてでございます。

 さきの平議員の質問への答えと多少ダブるところがあり御了承いただきたいんですが、林業は、山村地域の重要な産業としましての役割と公益的な役割を果たしてきましたけれども、採算性の低下などによりまして生産活動が停滞しておりまして、管理不十分な森林が増加しているのは御承知のとおりでございます。こうした状況の中で、森林を循環的に利用できる健全な資源というふうなことで将来とも引き継いでいくということのためには、森林の適切な整備をまず進めなきゃならないというふうなこととともに、県産材の利用割合が比較的本県の場合は高いという特性を生かしながら、木材の利用拡大をさらに図っていくということが必要であり、それらについて公的な支援の充実も図っていく必要があるというふうに認識をしております。

 このため、森林の施業の集団化、あるいは林道・作業路の整備、あるいは機械化の促進などを図ることによる林業生産コストの低減、それから経営の効率化を図るとともに、県産材利用推進庁内連絡会議をつくり、あるいは木製土木用資材利用推進協議会をつくり、そしてやまがたの木で家づくり推進事業というものを推進しまして、そういう活動を通じてより一層の県産材の利用拡大に努めてまいりたいというふうに思っております。

 加えて、伐採跡地の整備の問題にも出てきましたけれども関連しまして、公益的な機能の発揮の観点から、有利な造林補助制度を活用しまして、民間の取り組みへの支援をしていきたいと、それと県営での治山事業によってこれも森林整備ができるものもありますので、こういうものを実施するなどしまして、経営の面それから公益的な機能の維持の面両面から林業振興の支援に努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 木村教育長。



◎教育長(木村宰君) 教育行政に関しまして四点質問がございましたので、順にお答え申し上げます。

 まず一番初めに、体験とか交流を通したモラル、倫理観、つまり健全育成への取り組みについてのお尋ねでございます。

 最近の子供たちの実態を見てみますと、遊びは室内化・孤立化し、あるいは年齢枠を超えた集団での生活体験とか自然体験とか社会体験が昔から比べますと非常に不足して、子供たちの豊かな人間性、社会性、モラル、倫理観を育てる上で非常に私たちも憂慮しているところでございます。そこで、その不足を少しでも補うべく、学校教育の中でも地域の人々の協力を得ながら、地域についての学習など直接体験を通した学習の充実によって地域の一員としての意識の涵養、あるいは県少年自然の家など社会教育施設では自然体験活動を企画したりあるいは県内の十七の市町村に子ども地域活動促進事業を委嘱しまして、それぞれの地域社会の中で自然体験やボランティア体験等の機会と場を提供していく、そんなふうなことをやっているわけであります。また、一番根本的なところでございますが、子供たちにとって大切な生活の場、つまり最も身近な小さな社会は家庭でございます。その家庭の役割についても、自発性とか体験重視という視点から親の意識啓発にも努めているところでございます。

 二番目、教員の指導力の向上のための方策についてのお尋ねでございます。

 教員の研修につきましては、いろいろな場面で研修の機会を設けておりますが、特に一斉にみんなにしっかり研修という形でやっているのが初任者研修と五年次経験、十年次経験の研修でございますが、その中においては学力充実のための指導力は当然のことでございますが、それとともに、子供の心や親の願いを深く理解できる人間性とか、地域との円滑な関係をつくることのできる社会性とか、そういう視点から内容の充実と改善に努めております。

 具体的には、例えば重度の障害のある子供のいる養護学校の見学を計画の中に入れたり、あるいは少年自然の家等における宿泊体験を実施したり、ボランティア活動をみずから計画して実施する活動などを行ったりして、幅広い観点から教育そのものを深く考える機会を設けているつもりでございます。また、子供の個性や感情を深く理解しいろいろな事態に柔軟に対応できる力を養うため、学級経営とかカウンセリングの講座とかいじめ・不登校の予防を目的とした講座など、いわば当面する課題への実践的な研修も実施しているところでございます。

 これらの研修を通して一人一人の教員の研修意欲を喚起し、指導力の一層の向上に結びつくようにしていきたいと、こういうふうに思っています。

 三番目、教員採用試験の成果と今後の課題についてであります。

 これまでも教員採用試験についてはいろいろ改善を加えてきたわけでありますが、民間の方にもお願いし多角的な評価をしていただき、あるいは教育実習とか社会活動への参加の状況を資料として求めるなど、これまでも人間性を幅広く判断できるように教員採用のあり方の改善を図ってきたところでございますが、今年度は、新たに一次試験から受験者全員に面接試験を導入しました。教師としての適性の中でも最も大事な人となりを評価できるよう努めるとともに、さらには受験時の年齢制限をなくしたということもことしの一つの改善点でございます。幅広く人材を得ることを目的にしたものでございます。

 これらの改善によって、受験者の教育に対する意欲や使命感や資質などをこれまで以上によく見ることができたのではないかとか、あるいは人物重視の観点から採用がより的確にできたのではないかと、こういうふうに私たちはとらえております。

 ただ、これからの課題といたしましては、これらの試験を通してもあるいは面接を通しても、将来を含めて教員としての適性をすべて見きわめることはこれはなかなか大変なことでありますので、今後とも採用試験の改善を図るとともに、採用後の研修の充実とも連動させながらやっていきたいと、こんなふうに考えております。

 最後でございますが、民間人の校長への登用についての考え方でございます。

 学校現場の経験がない民間出身者も校長に登用することができることとされたこのたびの改正の趣旨は、教育に関する識見や組織運営に関する経験・能力に着目して校長にふさわしい人材を幅広く確保することができるようにするもので、地域に開かれた学校づくりや特色ある学校づくりに資する措置であると私は理解しております。県内においても、学校以外にもすぐれた人材が多くおりますので、今後学校を活性化させていく方法の一つであろうとも考えております。

 このことにつきまして、実務的には年齢制限をどうするかとか、あるいは給与をどうするかとかその他の処遇の問題などとか、さらには初めてのことでございますから学校現場における受け入れ意識の醸成の問題など、さまざま課題はありますので、このたびの改正の趣旨を踏まえ、どのような人材が適当と考えるかとか、時期はいつごろが適当かなどの検討も含め、今後十分に研究し対応してまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。

 以上でございます。



○議長(石垣潔君) 三十七番伊藤孜君。



◆三十七番(伊藤孜君) 私は、ただいま九項目にわたって質問させていただきました。御丁寧な答弁いただきましたことにまず感謝を申し上げるわけでありますが、中には答弁漏れがあったやに受けとめるわけであります。それは答弁できないという状況もあるのかなとは思いますけれども、例えば山形新幹線のまくら木の問題ですね、その原因と責任はという話に対して答弁がなかったわけですね。私は再答弁を求めません、求めませんけれどもこれから行政執行に当たっては質問者の趣旨を十分生かす中で行政執行に当たっていただきたい。強く要望しておきたいと思います。

 それで、今、何といっても大事なのは、来年から二十一世紀になるわけであります。今、県民の懐は非常に冷え込んでいるとこういうことであります。したがって、今大事なのは、県民の生活を守る立場に立っての不況対策だろうと思います。同時にまた、二十一世紀に向けての新総合発展計画の見直しが今なされているわけでありますが、やはりきちっとつくり上げる中でそれを着実に実践する中で、二十一世紀を担っていく若い方々が自信と確信を持って、あるいは夢と希望を持って生活できるような、そういう二十一世紀でなければならないだろうと思うしそのための努力をすべきだろうなと、こう思ってもいるわけであります。

 私どもは、それをしてくれるのは高橋知事だろうとこういうふうに期待をし託すわけであります。来年は知事の三選目の戦いがあるわけでありまして、私どもはそういう意味で知事の三選に向けて必勝化するために努力してまいりたいと、こう思っておりますので、一言申し上げながら質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。



○議長(石垣潔君) 以上をもって本日予定された発言は終わりました。





△追加日程第一発議第十号山形県議会定数検討委員会の設置について



○議長(石垣潔君) この場合、お諮りいたします。ただいま阿部信矢君及び前田利一君から所定の賛成者を付し、発議第十号山形県議会定数検討委員会の設置についての発議案が提出されました。

 この際、発議第十号を日程に追加し議題に供したいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(石垣潔君) 御異議なしと認めます。よって、発議第十号を日程に追加し、議題に供することに決定いたしました。

 発議第十号を議題に供します。



〔参照〕



△(資料)発議第10号 山形県議会定数検討委員会の設置について(案)





○議長(石垣潔君) お諮りいたします。発議第十号については、議会運営委員会において十分検討の上提出された案件でありますので、この場合所定の手続を省略、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(石垣潔君) 御異議なしと認めます。よって、所定の手続を省略、直ちに採決することに決定いたしました。

 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議第十号については、原案のとおり決するに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(石垣潔君) 御異議なしと認めます。よって、発議第十号は原案のとおり可決されました。





△追加日程第二山形県議会定数検討委員会委員の選任について



○議長(石垣潔君) この場合、お諮りいたします。ただいま設置されました山形県議会定数検討委員会委員の選任についてを日程に追加し、議題に供したいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(石垣潔君) 御異議なしと認めます。よって、日程に追加し、議題に供することに決定いたしました。

 山形県議会定数検討委員会委員の選任についてを議題に供します。

 お諮りいたします。本件は、委員会条例第四条第一項の規定によりお手元に配付の山形県議会定数検討委員会委員指名表のとおり指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(石垣潔君) 御異議なしと認めます。よって、山形県議会定数検討委員会委員の選任についてはお手元に配付のとおり選任することに決定いたしました。





○議長(石垣潔君) なお、本会議終了後、山形県議会定数検討委員会を議会運営委員会室に招集いたしますので、正副委員長を互選の上御報告願います。





○議長(石垣潔君) 以上をもって本日の日程は終わりました。

 明日定刻本会議を開き、議案に対する質疑と県政一般に関する質問をあわせ行います。

 本日はこれをもって散会いたします。

     午後四時二十四分 散会