議事ロックス -地方議会議事録検索-


宮城県 岩沼市

平成18年第1回定例会(6日目)〔資料〕




2006.03.22 : 平成18年第1回定例会(6日目)〔資料〕


                                 平成18年2月10日

岩沼市議会議長 沼 田 健 一 殿

 派 遣 議 員  五十鈴川みよ子   松 田 由 雄   布 田 恵 美
          布 田 一 民   櫻 井   隆   佐 藤 一 郎
          森   繁 男   村 上 智 行   高 橋 孝 内
          後 藤 一 利   長 田 雅 裕   渡 辺 真 多
          安 住 文 彦   梶 谷 洋 夫   加 藤 政 勝
          沼 田 健 一

             議 員 派 遣 結 果 報 告 書

 平成17年度亘理名取地区市町議会連絡協議会議員研修会に出席しましたので、その概要について次のとおり報告します。

  1.日  時   平成18年2月10日(金)
  2.派遣場所   亘理町「悠里館」
  3.演  題   行政とNPO・市民との協働について
  4.講  師   特定非営利活動法人 せんだい・みやぎNPOセンター
           代表理事・常務理事 加 藤 哲 夫 氏

1.開催目的
 今、議会や行政にかかわっている方々に関心の高まっている「NPO」について、その基本的事項や今後さらに重要性を増す「行政とNPO・市民との協働」について研修し、今後の議員活動の一助にするという目的の題材は、岩沼市においても地方交付金の削減や市税の落ち込み等で厳しい行財政運営が予想される中で、市民の立場での行政評価や行政改革などを考える上で、議会議員としてどう考えていくのか、時世にかなった研修会であると感じました。
 初めに、講師の加藤哲夫氏は自身のプロフィール・自己紹介の中で、NPOにかかわるきっかけは、エイズ問題に積極的にかかわり、HIV支援活動を通じてであると紹介。
 また、日々のNPO活動については「サポート資源提供システム」、「地域貢献サポートファンドみんみん」を設立し、年間数百回以上の行政職員研修等を行い、全国を飛び回っていると述べた。
 若干気になったのは、「自治体職員は働かない」、「怠け者」という認識を全体を通じて述べていますが、全体がそうであるかのようにとらえることは、結果として国民と公務員、民間会社と自治体を対立させ、儲けを優先させる企業論理に沿うものであると認識します。

2.特徴点と感想
(1) なぜ、行政に対する風当たりが強くなっているのか
  パイが広がるにつれて、企業そのものの価値の限界があらわれている。能力がなくても商売ができる情勢で
 はなくなってきている。議会に対する風当たりも強くなっていると言われていますが、私もそう思います。な
 ぜなら、議会費の問題、議会の活性化の問題等、市民感情を考慮した対応があると思います。
(2) 神話の解体・・・商社、銀行、大学、自治体の倒産の時代
  行政は厳しい批判にさらされないことが、活力がなくなってきていると述べ、この壁を行政側から乗り越え
 る手段として、市民参加による外部からの行政評価が必要である。したがって、市民の声をどう反映させて行
 くのかが大事で、議会の果たす役割は大きくなると感じた。
(3) 行政品質向上運動の本質と限界
  行政としてのサービス向上、行政改革を進めていく上で、三重県で取り組んでいる行政評価やトヨタの品質
 向上運動を通して、サービスをつくり出すプロセスについて紹介している。
  しかし、講師の加藤氏が評価しているトヨタ方式とは、会社の利益追求のため労働者には長時間過密労働を
 要求し、成果を上げることであり、ヨーロッパの企業と違うのは、労働者の身体は考えないやり方です。
  したがって、純利益が3年間連続して毎年1兆円でも、3年間昇級ゼロ、同業他社に比べて、在職死亡、ノ
 イローゼ、自殺者が多いことを知った上での評価なのか疑問が残りました。
(4) 行政はデパートではない
  市民参加による権利の行使について、トヨタ方式等を導入することの意義について述べているが、別にそれ
 らをまねなくても十分にできると考えます。
  クレームや改善の提案は、岩沼市としてもさわやか市政推進課の設置、議会での一般質問、不十分さはあっ
 ても追求してきたと思います。
  しかし、サービスを提供する図書館、公民館、児童館等は、仙台市などでのNPO取り組みは参考になると
 思います。例えば、市民からの提案、意見、感想に対する素早い回答は参考になると思います。
(5) そもそも、政府(行政機関)の公共性は何を根拠にしているのか
  そもそも、行政機関は利益を追求する機関ではないのであり、講師が述べているように、市民参加や協働と
 いう形で、政策の意思決定プロセスや実行プロセス、評価のプロセスに市民が関与すること。市民がチェック
 や批判の機能を果たすことができるシステムの構築が重要です。
(6) 公務員がよい仕事ができない理由
  公務員にとって認識していないことは当然あると思うが、何も初めから仕事ができないと決めつけるのはお
 かしいと思います。
  歴史を知らないといいますが、そもそも、憲法についても学校教育を通じてその時間が少なくなってきてい
 ること、歴史についても、事実を事実としてとらえる教育、過ちは過ちとしてそれと対置していく考え方につ
 いて、教育の重要性が薄くなっていっていることにあると認識します。
  ライブドア事件ではないが、「お金がすべて」、「強いものが一人勝ち」という風潮をつくってきたのは、
 政府と財界であり、子どもの世界にも影響していることを見ることが必要であります。
  大切なことは、これらの歴史をふまえて教育と自覚をたかめる努力が大切であると理解すべきであります。
  そもそも、公務員にとって大事なことは、「住民全体への奉仕という特性を持ち、住民サービスの向上」を
 モットーに仕事を行うものであります。政府の官僚機構とは全く違う立場であり、岩沼市の場合は、市民の立
 場に立った仕事を行うことを目指していると思っています。
(7) 新しい協働関係の誕生とその背景
  政策とは、私たちの生活をよくする取り組みのこと。そして、政策の担い手とは行政(国、県、市町村)だ
 けではなく、企業、地域組織、NPO、学校、労組、家族、そして個人のそれぞれにかかっている。
  共通課題解決のためには、上記の担い手による協働であるとまとめていますが、当然なことであると思いま
 す。
(8) 公共的なサービスでは補いきれない問題について
  加藤氏は、仙台市での指定管理者としての業務を遂行してきた経験について述べましたが、児童館等につい
 ては、NPOとしてのユニークなサービスの提供、発想等については公的なサービスでは対応できないでいる
 場合が多いことも感じました。
  例えば、岩沼市には何カ所かの老人憩の家がありますが、どのような使われ方をしているのかと思うと、会
 議、集まりの部屋を提供するだけで、老人が一人で来ても何もできない状態になっています。

3.結 論
  今回の議員研修会は、「行政とNPO・市民との協働について」でありましたが、不況や地方交付税の減額
 による中で、行政も議会も何をすべきかと考える上において、時節にかなったものであると感じました。例え
 ば、行革を推進していく上で、職員の定数削減、民間委託や指定管理者制度の導入等、めまぐるしい対応が迫
 られています。
  しかし、落ち着いて考えてみると、市民参加、市民の意向を踏まえて対応することや市民サービスを低下さ
 せないための施策、職員の士気の低下にならない対応(労働条件、健康管理)が必要であると考えます。