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平成17年  9月 定例会(第306回) 09月21日−07号




平成17年  9月 定例会(第306回) − 09月21日−07号













平成17年  9月 定例会(第306回)



     第三百六回宮城県議会(定例会)会議録

                           (第七号)

平成十七年九月二十一日(水曜日)

  午前十時三分開議

  午後三時五十九分散会

      議長               伊藤康志君

      副議長              大沼迪義君

出席議員(五十八名)

        第一番            菅原 実君

        第二番            本木忠一君

        第三番            長谷川洋一君

        第四番            渡辺忠悦君

        第五番            庄子賢一君

        第六番            佐藤光樹君

        第七番            中島源陽君

        第八番            中山耕一君

        第九番            佐々木征治君

        第十番            熊谷義彦君

       第十一番            坂下 賢君

       第十二番            加賀 剛君

       第十三番            青野登喜子君

       第十五番            伊勢 敏君

       第十六番            佐々木敏克君

       第十七番            小野 隆君

       第十八番            須田善明君

       第十九番            寺島英毅君

       第二十番            安部 孝君

      第二十一番            皆川章太郎君

      第二十二番            小林正一君

      第二十三番            佐藤詔雄君

      第二十四番            岸田清実君

      第二十五番            岩渕義教君

      第二十六番            遊佐美由紀君

      第二十七番            藤原範典君

      第二十八番            横田有史君

       第三十番            大学幹男君

      第三十一番            川嶋保美君

      第三十三番            袋  正君

      第三十四番            小野寺初正君

      第三十五番            池田憲彦君

      第三十七番            村井嘉浩君

      第三十八番            安藤俊威君

       第四十番            柏 佑整君

      第四十一番            菊地健次郎君

      第四十二番            本多祐一朗君

      第四十三番            佐々木ひろし君

      第四十四番            坂下康子君

      第四十五番            内海 太君

      第四十六番            大沼迪義君

      第四十七番            百足健一君

      第四十八番            渥美 巖君

      第四十九番            長谷川 章君

       第五十番            中沢幸男君

      第五十一番            石橋信勝君

      第五十二番            長島秀道君

      第五十三番            畠山和純君

      第五十四番            千葉 達君

      第五十五番            仁田和廣君

      第五十六番            藤倉知格君

      第五十七番            菊地 浩君

      第五十八番            高橋長偉君

      第五十九番            相沢光哉君

       第六十番            伊藤康志君

      第六十一番            渡辺和喜君

      第六十二番            今野隆吉君

      第六十三番            千葉正美君

欠席議員(一名)

      第三十九番            中村 功君

欠員(四名)

       第十四番

      第二十九番

      第三十二番

      第三十六番

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説明のため出席した者

      知事               浅野史郎君

      副知事              柿崎征英君

      副知事              加藤正人君

      公営企業管理者          齋藤 進君

      病院事業管理者          久道 茂君

      総務部長             三浦秀一君

      企画部長             佐々木義昭君

      環境生活部長           三浦俊一君

      保健福祉部長           加藤秀郎君

      産業経済部長           遠藤正明君

      土木部長             佐藤幸男君

      出納局長             佐藤明男君

      病院局長             佐伯光時君

      総務部財政課長          足達雅英君

    教育委員会

      委員長              藤村重文君

      教育長              白石 晃君

      教育次長             鈴木隆一君

    選挙管理委員会

      委員長              槻田久純君

      事務局長             岡部 敦君

    人事委員会

      委員長              大立目謙直君

      事務局長             小川竹男君

    公安委員会

      委員長              藤崎三郎助君

      警察本部長            近藤善弘君

      総務室長             岩間憲雄君

    労働委員会

      事務局長             小出 恭君

    監査委員

      委員               阿部 徹君

      事務局長             庄子正昭君

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    議会事務局

      局長               高橋宣明君

      次長兼総務課長          福井利悦君

      参事兼議事課長          千葉幸雄君

      政務調査課長           鈴木国雄君

      総務課副参事兼課長補佐      門脇 啓君

      議事課副参事兼課長補佐      鹿野壽悦君

      議事課副参事兼課長補佐      佐藤 昭君

      政務調査課長補佐         伊東昭代君

      議事課長補佐(班長)       菅原 清君

      議事課長補佐(班長)       三浦清記君

      議事課主任主査          布田惠子君

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    議事日程    第七号

          平成十七年九月二十一日(水)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第二百四十八号議案 教育委員会委員の任命につき同意を求めることについて

第三 議第二百十一号議案ないし議第二百四十七号議案並びに報告第七号及び報告第八号

第四 一般質問

   〔遊佐美由紀君、横田有史君、相沢光哉君、伊勢 敏君〕

第五 請願

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第二百四十八号議案

三 日程第三 議第二百十一号議案ないし議第二百四十七号議案並びに報告第七号及び報告第八号

四 日程第四 一般質問

   〔遊佐美由紀君、横田有史君、相沢光哉君、伊勢 敏君〕

五 日程第五 請願

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△開議(午前十時三分)



○議長(伊藤康志君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(伊藤康志君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、六番佐藤光樹君、七番中島源陽君を指名いたします。

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△議第二百四十八号議案



○議長(伊藤康志君) 日程第二、議第二百四十八号議案、教育委員会委員の任命につき同意を求めることについてを議題といたします。

 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事浅野史郎君。

    〔知事 浅野史郎君登壇〕



◎知事(浅野史郎君) ただいま追加上程されました議第二百四十八号議案は、十月十一日で任期満了となります教育委員会委員の櫻井弥生さんを再任することについて、御同意を得ようとするものであります。

 何とぞ、御同意を賜りますようお願い申し上げます。



○議長(伊藤康志君) これより質疑に入ります。

 質疑はありませんか。−−質疑なしと認めます。

 お諮りいたします。

 ただいま議題となっております議第二百四十八号議案については、委員会の審査を省略することにいたしたいと思います。

 これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(伊藤康志君) 御異議なしと認めます。

 よって、委員会の審査を省略することに決定いたしました。

 これより、採決いたします。

 本案について同意することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(伊藤康志君) 御異議なしと認めます。

 よって、同意することに決定いたしました。

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△議第二百十一号議案ないし議第二百四十七号議案



△報告第七号・報告第八号・一般質問



○議長(伊藤康志君) 日程第三、議第二百十一号議案ないし議第二百四十七号議案並びに報告第七号及び報告第八号を議題とし、これらについての質疑と、日程第四、一般質問とをあわせて行います。

 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。二十六番遊佐美由紀君。

    〔二十六番 遊佐美由紀君登壇〕



◆二十六番(遊佐美由紀君) 本物の民主主義を目指し、開かれた浅野県政につきましてお伺いいたします。

 浅野知事は、先月、知事選に出馬されないと表明されまして、十一月二十日の任期を迎えますと、浅野県政は三期十二年のピリオドを打つことになります。

 私は、浅野知事が誕生して二年後、県議会議員として働かせていただきまして、ほとんどの同時期を浅野知事とともに県政に携わってまいりました。

 振り返ってみますと、この間、さまざまな視点から一般質問を行ってまいりました。今定例会に臨みまして、これが浅野県政の最後の議会になりますと、大変感慨深いものがあります。今回、知事に対しまして最後の一般質問にもなります。浅野知事に対しましては、これまでの県政への並々ならぬ御努力に敬意を表しますとともに、その総括を踏まえまして、今後の課題について取り上げさせていただきます。

 それでは、一般質問に入らせていただきます。

 浅野県政の三期十二年を振り返ってみますと、浅野県政と言えば情報公開日本一と言われるくらい、情報公開はかなり進んだと私自身も思っております。また、最近は、知的障害者施設解体宣言や、統合教育への取り組みなどが全国紙に大きく報道されまして、全国に先駆けたノーマライゼーションの実践など、多くの関係者が注目しております。

 まず、冒頭に、これらを含めまして、御自身の取り組まれた改革、政策について、浅野県政を自己採点していただきまして、また、残された課題についてもお伺いしたいと思います。

 次に、浅野県政の基本柱についてお伺いいたします。

 浅野知事は、常日ごろから、民主主義の三点セットは、情報公開、NPO、地方分権、地方財政自立改革を掲げていらっしゃいます。すなわち、地方分権とは、一人一人の県民が県政にかかわって、宮城県に本物の民主主義を根づかせるために必要である。そのための方策としてのNPOとの協働や情報公開を進めていくとして、改革を推進されてきました。そこで、これらの三点について具体的にお伺いいたします。

 知事の任期中に積み残された課題の一つとして、県警捜査報償費問題があります。宮城県政全体としては情報公開が進んだものの、この問題についてはいまだ解決を見ていない状況です。近藤県警本部長におきましては、文教警察委員会で就任のごあいさつをいただきました。県警捜査報償費について早期に解決に努力し、県民への説明責任を果たされる旨のお言葉をいただきました。改めて、その姿勢に敬意を表しますとともに、大変期待していることをまず申し上げさせていただきます。

 また、今議会の我が会派、そして自民党会派の代表質問に対しまして、十八年度から捜査報償費のマスキングを外して監査に対応するとの答弁がなされまして、一歩前進したと思います。しかし、これには素朴な疑問が残ります。県民には、一体十六年や十七年とあるいはそれ以前、何が違うのか。どうして今までの分の情報を公開できないのか。何かやましいところがあるのではないかとの多くの声が上がっています。このような疑問を払拭するためにも、十七年度以前についても十八年と同様に、開かれた県警としての姿勢を示して対応されてはいかがでしょうか。また、それがだめだというのであれば、その根拠をお示しください。

 次に、本物の民主主義は、県民が主体的に県政にかかわることで達成されるとの知事の姿勢です。より一層の情報公開のもとに、県民の意見や政策提案を取り入れる、その仕組み。その一つの手法としましては、パブリック・インボルブメント又はパブリックコメント制度を導入していますが、政策形成への県民の参加は実際どのように反映されているのか、具体的な例、その数を御報告いただきたいと思います。

 次に、行政改革や財政再建について何点かお伺いいたします。

 新しい行政創造運動、新しい宮城の行政改革は平成九年度スタートしまして、第二次行政計画は今年度が最終年次を迎えます。現在、三次計画策定の作業を始めていると思いますが、その際の一次及び二次計画の実績や評価の指標は、具体的な数値目標がほとんど盛り込まれていない。成果がどう上がったのか、県民にわかりやすい説明ができない。この問題につきましては、昨日、長谷川議員が御指摘をされまして、見直しをされる、数値目標を見直すと答弁されていましたが、具体的な見直しの内容についてお伺いいたします。

 続いて、予算や政策の最終決定の場である政策・財政会議についてですが、県政はその審議の過程や結果がわかりにくくなっています。これらの説明責任を果たすためにも、政策・財政会議の進め方や、行政評価がどのように予算に反映されているのかなどの審議の過程の記録など、県民がチェックできる仕組みをつくるべきだと思います。また、同時に、県民の意見を反映するシステムを構築する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 浅野知事は、四年前の三選出馬の際の基本姿勢として、だれにでも誇れる、美しい品格のある、真に豊かなみやぎを目指すために、財政再建は県政の最重要な課題であり、その中で、既得権についても手をつけなければならないとお話をされていましたが、この四年間で行政改革はどの程度実現されたのでしょうか。その成果についてもお伺いいたします。

 次に、職員定数の見直しですが、昨年度は四百七十八人減。これは一定の前進は見られます。今後は、人材育成で効率的な配置や事務事業の見直しによる定数削減が期待されます。より一層の取り組みを求めるものです。しかし、現在の作業の中では、重要な視点が不足しております。すなわち、女性の能力が十分に活用されていないということです。ちなみに、男女共同参画社会実現の年次報告におきまして、知事部局では女性の管理職が二・八%。全国平均四・九%と比較してみましても、全国的にも依然として低い状況です。一方、教育庁では一〇・七%となっています。

 そこでお伺いします。

 まず、女性の管理職についてですが、どの程度拡大しているのか。女性が意思決定に参画することにより、新たな視点での行政改革がより進むと考えられますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 NPOについてお伺いします。

 今議会には、民間非営利活動の促進に関する基本的な計画の変更についての議案が提出されております。NPOとの協働の視点で、一層の支援と働きかけを望むものです。

 詳しくは委員会の審議にゆだねることとしますが、見直しに当たりまして、課題と基本姿勢についてお伺いしまして、今後のNPOへの普及・啓発など、ソフト事業をNPOへ委託する、または県有遊休施設の一層の有効利用拡大などを進めてはどうでしょうか。具体的な例としましては、以前より向山の中央児童館の機能を更に充実するために、子供のNPOの拠点とすることについて伺ってまいりましたが、どのように検討されましたのか、お伺いいたします。

 続いて、次世代育成支援について五点お伺いいたします。

 先ほども申し上げました女性の登用を積極的に行った方がよい。このためには、何といいましても仕事と家庭の両立、これが必要です。そのための取り組み等も含めまして、平成十五年七月に、少子化社会対策基本法と次世代育成支援推進法によって、各種の施策を総合的に推進する仕組みが整備され、県におきましては、平成十七年度、ことしの四月に、宮城県次世代育成支援行動計画新みやぎ子どもの幸福計画を策定されました。この県の新みやぎ子ども幸福計画では、子供の社会参画の実現、男女共同参画の啓発や推進、子育て支援の充実、市民活動等との協働の視点などを柱とした計画が策定されました。県及び市町村の着実な計画の推進のための推進体制、これは十分でしょうか。

 現在の子供たちを取り巻く環境は、本当に深刻なものとなっております。虐待や性犯罪低年齢化など、子供の異性を大切にする社会の仕組みの施策が急務となっています。したがって、異性を尊重する性教育の仕組み、これが最も重要になっています。その点では、県の計画には性教育や産む性、お互いの性を認め合う、男女がともに生きる正しい接し方についての施策が不十分だと思います。男女がともに理解して支え合う環境や情報が不足しておりますと、さまざまな問題を引き起こすおそれがあることから、性教育への取り組みをきちんと盛り込む必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 続きまして、次世代の子供たちの学校づくりの視点で、県立高校の男女共学化につきまして、さきの議会におきましても、仙台二高は来年度、十九年度共学化すると約束しております。行政の継続性は大原則であります。これは、守られると理解してよろしいでしょうか。また、平成二十二年度まで共学化する県立高校の今後のスケジュールについてお伺いいたします。

 次に、子育ての悩みに対応するカウンセラーや臨床心理士の役割と必要性が非常に多くなっています。現在、家族相談士の養成が行われまして、宮城県には百人程度誕生しております。私も養成を受けておりますが、家族には家族の中に再生する力がある、心理的な支援をする専門家です。個々の事例では、すぐに解決することなく、長時間、継続的なケアが必要であることから、もっと機能してよいのではと思います。家族相談士は、虐待や不登校の子供たちが社会に復帰する際、宮城県において必要な人材ではないでしょうか。今後の設置を求めたいと思いますが、教育現場及び福祉現場についての設置についてお伺いいたします。

 次世代育成支援の中で、体験活動を通じて豊かな人間形成の育成として、農山漁村の豊かな体験で、グリーンツーリズムなどで小中高校において一定のまとまった体験を実施されることが盛り込まれています。これは、子供たちの生きる力や命の大切さをはぐくむ重要な施策として、関係機関と連携して充実すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 最後に、浅野県政の目指す福祉先進県はどうなっていくのかについてお伺いいたします。

 宮城県では、平成十七年度の政策方針として、ノーマライゼーションの実現を目指して知的障害者施設解体宣言をして、障害のある人々が地域の中で生活するための条件整備に一層取り組むとしています。そして、地域社会の将来のあるべき姿を決定づけ、社会の根幹を支える役割を持つことから、みやぎらしい教育の確立に努めるとしています。知的障害者施設解体宣言を実現するためには、知的障害者が地域で生活できる、移行ができるよう条件整備が必要でもあります。その進捗と、それから今後の方針についてもお伺いいたします。

 福祉移動サービス、福祉有償運送については、障害がある方の社会参加にはこれから必要なサービスです。このサービスの供給量の拡大のために提供者をふやす必要があって、運営協議会の早急な設置を求めてまいりましたが、その後の検討についてお伺いいたします。

 続いて、統合教育についてです。

 障害の有無にかかわらず、すべての子供が、地域の小中学校で共に学ぶ教育の実現を目指した新たな教育システムの構築のために、今年度からモデル校での取り組みが始まっています。まず、その現状を御報告いただきたいと思います。また、この事業の成果、課題についても詳しくお伝えください。

 次に、埼玉県では、幾つかの県立高校で、障害がある子供たちの受け入れを実施しています。これまで、十数人卒業をしていると伺っています。県立高校に入りたい人が障害を理由に入れないというのでは、福祉先進県の姿勢が問われます。募集定員に満たない場合であれば、高校においての受け入れを検討してはどうでしょうか。

 ノーマライゼーションの実現のためには、差別禁止条例の制定が必要と知事は表明していらっしゃいます。市民の皆さんから提案を受けた検討状況について、いつごろ提案する予定なのか、お伺いいたします。

 あとは、下の方の壇から質問させていただきます。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。

    〔知事 浅野史郎君登壇〕



◎知事(浅野史郎君) 遊佐美由紀議員の御質問にお答えいたします。

 まず、初めに、この十二年間取り組んできた政策の自己採点はどうかということでございますが、自己採点ということでございますが、採点はやっぱり皆さんにやってもらうということで、県民の皆様からしていただく方がふさわしいのでないかと考えております。あえてどうだということであれば、私自身としては、及第点はいただけるのではないかと思っております。

 残された課題は何かということでございますが、私も前知事時代からの課題を引き継いで、その解決にこれまでも力を尽くしてまいりました。県政は継続でございます。継続します。前知事からバトンを受け、次の知事にバトンを渡すリレーのようなものであります。県政の課題はたくさんありますが、その課題ごと、次の知事にバトンを渡すことになりますが、残された任期があります。さまざまな課題解決のために、気を抜くことなく、最後まで全力を注いでまいりたいと考えております。

 次に、パブリックコメント、パブリック・インボルブメントについてどうかということでございますが、パブリックコメント制度については、平成十五年の七月に導入しました。県の基本的な政策、施策に関する構想及び計画、県行政の推進において必要とする基本的方針を定める条例などに、県民の意見を反映させるために、原則として一カ月以上の期間で広く意見を募集をするというものでございます。提出のあった意見については、意見を取り入れるべきものについては計画を修正し反映をさせる。また、修正の内容及びその理由に加え、策定した計画もあわせてホームページで公表しているところであります。

 実績、数で申しますと、平成十五年度、土木行政推進計画ほか十三件でパブリックコメントを実施しました。うち、六件で計画を修正しております。平成十六年度、宮城県障害児教育将来構想中間案ほか十八件実施いたしまして、四件で修正。平成十七年度、これは現在までですが、(仮称)宮城県自然エネルギー等省エネルギー促進基本計画案外七件実施しています。そのうち一件で修正を行い、県民の意見を県行政に生かしております。

 なお、パブリック・インボルブメントについては、農業・農村整備事業において、平成十四年度から導入をし、事業計画に地域の意向を反映しているところであります。

 次に、行政計画の成果を判定するための数値目標の設定についてでありますが、現在の行政改革の改革項目には具体的な数値目標の設定が少ないということで、どれくらい達成されたのかわかりにくいという指摘もございました。我々もそのように認識をしております。現在、新しい行政改革プログラムというのを、策定作業を進めておりますが、その中では、可能な限り数値目標を設定してまいりたいと考えております。

 次に、政策・財政会議、審議過程記録をチェックできる仕組みということですが、政策・財政会議は、三役及び各部局長が、県政の重要課題や重要政策の形成に向けて、自由かつ幅広く議論を展開する場であります。今年度からは、県民に議論過程を明らかにするため、県のホームページ上で政策・財政会議の議事録要旨や資料の公開を始めました。今後とも、政策・財政会議を含め、県政全般について透明性の確保に努めてまいります。

 政策・財政会議に県民意見を反映するシステムということですが、現在、県では、行政評価システムの一環として、県民満足度調査を、県民四千人を対象に毎年度実施しております。政策、施策に関しての重要度や満足度などについて伺っております。また、行政評価に当たっては、県民の皆様からのパブリックコメントの募集も行っております。

 政策・財政会議においては、これら一連の評価の結果も踏まえて、次年度予算編成に向け、重点施策や重点事業の議論を行っておりまして、政策形成段階から県民の方々の御意見が反映される仕組みとなっております。

 財政再建を含む行政改革の成果ということでございますが、平成十四年度を初年度とする第二次宮城県行政改革推進計画の成果といたしましては、県民の視点に立った行政サービスの向上、NPOとの協働による事業の展開、行政評価制度やパブリックコメント制度の導入など、これからの地方主権型社会に対応できる仕組みを構築できたと考えております。更に、計画の理念についてもしっかりと職員の間に根づいたものと自負しております。特に、財政運営改革については、私が三期目となる知事選への立候補を決心した当時は、長引く景気低迷による県税収入の落ち込みにより財政状況が悪化し、平成十六年度にも準用再建団体への転落が危惧される状況でございました。このため、知事に再選された後、速やかに財政再建推進プログラムを策定し、歳入の確保や職員数の削減、内部管理経費の削減など行政のスリム化を進めるほか、聖域なき事務事業の見直しに取り組むことにより、準用財政再建団体への転落を回避してまいったところであります。

 次に、女性管理職の割合の拡大についてでありますが、知事部局においては、ことしの四月現在で課長級以上の職員六百六十八人おりますが、そのうち女性職員数十九人、割合にして二・八%であります。この比率は、ここ数年着実に上昇傾向ではございます。また、係長級以上の職員に占める女性職員の割合も年々拡大しております。今後とも、適材適所の人事配置を進めながら、積極的な登用に努めてまいります。

 女性が意思形成過程に参画することによる新たな視点による行政改革への進展への期待ということがお話しありました。行政改革については、地方主権型社会に対応できる行財政システムの構築に向けて、役割と分担の連携、政策力の強化、質の転換、これらを柱として現在検討しております。

 新たな行政改革プログラムの策定に当たっては、女性の参画も含め、多様な視点や柔軟な発想を重視して進めてまいりたいと考えております。

 次に、民間非営利活動促進基本計画についてでありますが、この計画は平成十二年十月に策定いたしました。この間、県が取り組んでまいりました各種支援策の実施状況やNPOを取り巻く情勢の変化を踏まえ、計画の見直しを行ったものであります。その際、平成十五年度実施のNPO活動実態意向調査の結果も十分に参考といたしました。

 主な見直しの内容は、次の三点であります。

 一点目、NPOの活動に関する普及・啓発、財政的支援制度の充実及び地域における活動拠点の整備。二点目、政策プロセス全般へのNPOの参加機会の充実、協働の質の向上。三点目、全県的なNPO活動の促進に向けた市町村におけるNPO関連施策の支援でございます。

 NPOへの委託の推進及び県有遊休施設の有効利用についてということでございますが、県では、NPO推進事業発注ガイドラインを策定いたしまして、NPOへの業務委託の推進に努めてまいりました。今後とも、NPOへの業務委託を含めた協働の推進に努めてまいります。

 また、昨年度から実施しております県有遊休施設等の有効利用によるNPOの拠点づくり事業でございますが、これは職員提案によって実施されているものでありますが、二年間の期限つきということでございます。この事業、大変評判がいいというか、NPOのニーズにこたえているということから、何らかの形での事業の継続について、現在検討しているところでございます。

 中央児童館についてでありますが、中央児童館については、施設の老朽化の現状を踏まえて、当面、管理そのものは県が直接行うこととして、できるだけNPO等が利活用しやすいような形で運営を行うということにしたものでございます。その一例として、ことしの五月には、中央児童館を会場にして、NPO法人の主宰によるみやぎ子どもフェスティバル・おてんとさんまつりが開催され、盛況を博しました。

 次に、新みやぎ子どもの幸福計画の推進体制でありますが、この子どもの幸福計画は、従来のみやぎ子どもの幸福計画と比較しても、非常にすそ野の広い計画となっております。したがって、計画の着実な推進のためには、関係機関相互の連携・協力が非常に重要であります。教育委員会や警察本部も含んだ横断的な組織として設置しております、みやぎ子どもの幸福計画庁内推進委員会を拡充して、対策の推進に向けて連携を図ってまいりました。また、市町村の行動計画についても、各種会議やヒアリングを通じて、進捗状況を把握してまいります。

 なお、今議会に設置条例を提案させていただいておりますが、宮城県次世代育成支援対策地域協議会、この協議会において計画の進捗状況などを御審議いただき、計画の推進を一層着実なものとしてまいりたいと考えております。

 次に、性教育の問題でありますが、現在、県では保健師を学校に派遣して、性知識、性感染症予防などの指導や、同じ世代の仲間による思春期の性について、いわゆるピアカウンセリングというものを行っております。また、学校では、子供の発達段階に応じて保健体育などの教科のみならず、道徳や特別活動においても性的発達への対応、異性を尊重する態度の醸成、性情報への適切な対処、こういったことについての指導を行っております。更に、宮城県性教育推進連絡協議会と連携して、性教育指導者の研修会を開催し、また、小中高等学校に産婦人科医などを派遣して、性に関する指導を行っております。こういった事業のほかに、新みやぎ子どもの幸福計画には、関係機関と連携を図りながら、性感染症予防に関する啓発事業の拡大や相談、並びに適切な情報発信の充実を盛り込んでおります。

 家族相談士の設置ということでございますが、現在、県では、既に心理に関する専門の職員を地域子どもセンターに配置し、悩みを抱える子供や保護者の相談に対応しております。

 心理の専門職員の配置については、家族相談士以外にも、学会などの認定資格として臨床心理士、学校心理士などもありますので、特定の資格を持つ者に限定しないで、幅広く人材を求めて適切な配置に努めてまいります。

 次に、障害者が地域で生活するための条件整備の進捗状況でありますが、まず、住まいの場については、知的障害者のグループホームは、平成十六年度末百六カ所、定員四百四十七人であります。二年前と比べて三十七カ所増、定員にして百七十人の増となっております。また、日中活動の場としては、通所型施設が、平成十六年度末には分譲も含め八十七カ所、定員千六百八十六人です。二年前と比較して二十四カ所増、定員で三百七十五人の増加でございます。

 なお、県内全体の入所型施設の定員については−−これは知的障害者施設の入所型施設の定員ですが、平成十六年度末で千七百四十四人ということで、二年前と比べますと百十一人の減となっております。

 今後ですが、ことし三月策定の新しいみやぎ障害者プランの中で設定した施設整備目標の達成に向けて、条件整備を進めてまいります。

 次に、福祉移動サービス運営協議会の設置についてでありますが、福祉有償運送、いわゆる福祉移動サービスの道路運送法上の国への許可申請のためには、自治体が設置する運営協議会の協議を経る必要があるということでございます。したがって、県では、福祉有償運送協議会マニュアルを作成して、市町村への運営協議会の設置を支援してまいりました。

 県内市町村の動向でありますが、東松島市が八月に協議会を設置し開催いたしました。このほか、仙台市など三市で単独設置を予定しております。ほとんどの市町村が、複数市町村による共同設置を予定しております。また、活動エリアが複数の広域圏にまたがる場合など、市町村間での共同設置が難しいと認められるケースに対応するために、県レベルの運営協議会というものが必要になってまいります。この県レベルの運営協議会として、ことしの三月に、宮城県福祉有償運送調整推進会議を設置いたしまして、その第一回目の会議を九月八日に開催いたしました。

 次に、障害者差別禁止条例の検討状況でございますが、ことしの六月三日、障害者団体から、障害のある人への差別をなくす条例案というものが出されました。これは、県の条例素案に対する対案ということでございます。この対案について、八月一日、県主催の懇話会を開催していろいろ御意見をいただきました。その中には、名称がわかりやすいとか、差別に関する定義や事例もよく整理されているといったような御意見がございました。障害者団体においても、県民からの意見を求めるためのフォーラムを開催しているという状況でもございますので、今後も障害者団体と十分意見交換を行っていく必要があると考えております。

 条例の提案時期でありますが、懇話会を初め県民からの意見も広く求めながら、年度内の条例制定を目指して検討してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(伊藤康志君) 教育長白石晃君。

    〔教育長 白石 晃君登壇〕



◎教育長(白石晃君) 遊佐美由紀議員の御質問にお答え申し上げます。

 初めに、仙台二高の平成十九年度からの共学化についてでございますけれども、仙台二高の共学化に関しましては、ことしの二月の県議会で、仙台第二高等学校の共学化を一年延長し、その間、関係者と十分な話し合いをされたいという意見が付されましたことから、(仮称)仙台二高共学化調整会議を設置いたしまして、平成十九年度からの仙台二高の共学化に向けまして、同窓会や保護者の皆様と、現在熱心に話し合いを行っているところであります。

 県教育委員会としましては、仙台二高の共学化のこれ以上の延長については、将来、高校進学を目指す児童生徒の進路決定に不安を残すとともに、教育現場に大きな混乱をもたらすことにもなることから、決してすべきではないというふうに考えてございまして、平成十九年度からの共学化を確実に実施してまいりたいと考えてございます。

 今後の共学化のスケジュールについてはどうかということでありますけれども、平成十八年度には石巻地区の石巻高校、石巻女子高校、石巻商業高校、それから平成十九年度には仙台二高、平成二十二年度には第三女子高と、既に開始時期を公表してございまして、これらの学校については共学化を着実に進めてまいりたいと考えております。

 また、いまだ開始時期を発表していない八校がございますけれども、この八校につきましては、早い時期に開始時期を発表いたしまして、平成二十二年度までのすべての県立高校の共学化を確実に実現してまいることにしたいと考えてございます。

 次に、次世代育成支援の中で、子供たちの生きる力、命の大切さをはぐくむ体験活動を充実すべきではないかというお話がございましたが、県内の各学校におきましては、地域の関係機関の協力を得ながら、ボランティア活動や自然体験活動、地域間交流体験、宿泊体験など、多様な体験活動に取り組んでいるところでございます。これらの体験活動につきましては、県教育委員会といたしましても、地域や他者とのかかわりの中で、生きる力や命の大切さをはぐくむなど、人間性を豊かにしていく上で極めて有意義であると認識してございまして、総合的な学習の時間や各教科など、学校の教育活動全般におきまして、その推進を図るように指導しているところでございます。また、今年度から、県内公立中学校を対象にいたしまして、十三歳の社会へのかけ橋づくりという事業を実施してございまして、地域の中で社会との接点となる奉仕・福祉体験活動を行うことになっております。これからも、NPO、農林漁業関係機関などとの連携を通じまして、体験活動の充実が更に図られるように努めてまいりたいと考えております。

 次に、共に学ぶ教育に関連いたしまして、今年度から始まっているモデル事業の現状の報告と、この事業の成果あるいは課題についてはどうかというお話でありますけれども、現在、学習システム整備モデル事業につきましては、県内の小中学校十九校、対象児童生徒二十三名で実施されております。これまで、モデル校の巡回指導やモデル事業連絡会議等を行ってきたところでございまして、どのモデル校もおおむね順調に事業が展開されております。

 モデル事業は、この四月にスタートしたばかりでございますので、その成果や課題については、現在整理できる段階ではございませんけれども、モデル校では、障害のある子供に対する校内支援体制づくりや、障害のある子供に対する教職員の理解が進みつつあることなどが報告されてございます。これからも、モデル事業の円滑な実施を図りながら、成果や課題の検証に努めてまいりたいと考えてございます。

 次に、募集定員に満たない場合、県立高校に対して障害者を受け入れてはどうかというようなお話がございましたが、県立高校におきましては、障害の有無にかかわらず、入学選抜によりまして入学者を決定してございます。しかしながら、障害者を定員の充足していない学校に受け入れるということ、いわば特別枠というものを設置するということにつきましては、この特別枠により入学してくる生徒の将来の自立のあり方を見据えまして、どのような教育環境を整えるべきなのかなど、幅広い観点から検討されるべき課題であります。更に、義務教育における共に学ぶ教育の展開なども踏まえることが必要でありますから、単に定員が充足していないということだけをとらまえまして議論すべきではないというふうには考えてございます。

 以上です。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。

    〔警察本部長 近藤善弘君登壇〕



◎警察本部長(近藤善弘君) 遊佐美由紀議員の御質問にお答えいたします。

 平成十八年度の執行分から、捜査上、特段の支障があるものを除き、原則としてマスキングなしで対応する方向としたのは、警察業務のあり方そのものを見直し、今後は、協力者にも監査等において開示されることもあり得ることを事前に説明の上、その了承を得ていくというやり方に改めていくという必要があるためであります。

 一方、平成十七年以前の執行分につきましては、これまで捜査員と協力者の間で、氏名等は部外には明らかにしないという約束のもとに信頼関係が築かれ、協力を得てきたといういきさつがありますことから、これをさかのぼって協力者の意思に反して開示していくということにつきましては、困難な面があるというふうに考えているものでございます。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 御答弁ありがとうございました。

 まず、県政の課題の県警捜査報償費ですが、今本部長から、困難な課題があるということでございました。協力者との約束があるということがございましたが、今困難なのは、なぜこれが使われたのかということをきちんと説明しませんと、一番困難になっているのは−−県民の信頼回復が大原則であると私は思っております。そこで、困難な理由を、根拠をもう少し詳しく教えていただきたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) ただいまお話を申し上げたとおりでございますが、重ねてのお尋ねでございますので、お答えさせていただきたいと思います。

 これまで、協力者との関係で、警察が協力を得てきたものにつきましては、先ほども申しましたように、部外には明らかにしないという約束のもとに行ってきたものであります。それを、なぜ開示するのが困難かということにつきましては、そういう事実があるということ。それから、さかのぼって協力者に開示することを了解を求めるということにつきましては、警察といたしましても、いわば禁反言の原則に反することであろうということから、困難であるというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 今の御答弁で、こういった報償費は適正に執行されている、事実であるということがありましたけれども、六月十二日の判決につきましては、本部長も御存じだというふうに思います。二〇〇〇年の報償費については、判決には、報償費の支出の相当部分に実態がなかったと推認できるというふうに法が判断しているわけです。そうしますと、事実であるか否かということについて、今、まさに監査委員の皆さんがそれぞれ協議をしているということなんですが、この判決について本部長はどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか、まず伺います。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 六月二十一日の判決につきましては、警察の捜査報償費の執行についての判断がございましたが、内容につきましては、大変残念な内容というふうに思っております。また、訴訟の形としましては、勝訴という形でもあるがゆえに逆に控訴をする機会がないということも、もう一つ残念というふうに考えているところでございます。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 六月二十一日でした。失礼いたしました。

 今まさに、監査委員との協議が行われておりまして、今やるべきことは、適正に執行されているか事実を確認するということでございます。

 私は前本部長に対しましても、地方自治法百九十九条の八項ですね、監査委員制度のことについて挙げました。監査のために必要な書類を求めることができる、監査委員を信頼してしっかりと提示してほしい。会計検査院には同等の権限があり、どの関係におきましても、監査委員には同等の権限があるということに関してお話をしました。

 本部長は、法では、会計検査院と監査委員の権限が一緒で、今書類を求められていて提示をすべきだというふうに言っていますが、本部長自身の御見解、これは協力者の保護の観点から難しいと御認識を含めていると思うんですが、何を判断にしてその制度、例えば地方自治法ではない制度、これ一番本部長が決定権を持つということになってしまいます。今の法治国家では、やはり監査委員制度に基づいて、資料を提示してしっかりとチェックをすることこそが私は求められていると思いますが、改めて監査委員制度に対する本部長の認識を求めたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 監査委員制度につきまして、警察本部長の立場から、それについての一定の見解を言うのは適当かどうかはわかりませんが、お尋ねでございますのでお答えさせていただきます。

 会計検査院は憲法で定められた国の機関であり、県の監査委員につきましては、それぞれの県に置かれる独立した行政委員会であるわけでありますが、基本的に会計制度における執行等の適正さの担保のために果たす役割という点では、同等というふうに考えております。そういう形で私たちも対応していきたいというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) ありがとうございます。同等と考えますと、つまり、これまで会計検査院に対応していたマスキングを外していくということも、これを視野に入れて十七年度以前も対応できるのではないかというふうに思っているんです。その点について、同等の権限があるというふうにお思いになりましたところ、じゃ、そのように対応はできないのか、お伺いいたします。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) お尋ねでございますが、十八年度から基本的にマスキングなしで対応すべく努力していくということにつきましては、県の監査委員の方から、マスキングなしでの提示の御要請もあり、我々警察におきましても、それにおこたえするためには何が可能なのかという観点から検討したわけでございます。そうしますと、過去に行われたものについてはいたし方ない面があるわけでございますが、将来のことについては、警察本部においても業務のあり方を見直して、そして対応していくということが検討に値するという観点で、私たちも今回十八年度以降については業務のやり方も見直してやっていこうというふうに考え、そして、それによりまして、監査委員の御要請にもお答えをしていくという方向を今回とることとしたものでございます。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) いたし方ないという一言で、本部長自身やはりお答えになっておりますけれども、私は、なぜここで何度もこう言って質問するかといいますと、やはり県民の信頼を回復しなければならない。警察の今信頼、県民の信頼というのは、今どうなっているのかなというふうに思います。

 そこで視点を変えて質問をしますと、今、監査に最大限に協力するというふうにありましたが、領収書についてさきの議会でも菅原議員の質問に答えていらっしゃいましたが、領収書、捜査員は通常一人で捜査協力者と接触して、謝礼としての現金を交付する。この場合、情報協力者等に領収書の作成を要請し、作成した場合には受領する。捜査員は、情報提供者などから領収書をもらえなかった場合には、支払い清算書にその理由を記載して、所属長から確認を受けるというシステムだと思いますが、これは領収書をもらえる場合ともらえない場合がある。もらえない理由というのはどんな理由なのか、本部長にお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 領収書を出さない場合につきましては、捜査のそれぞれの場面場面で、あるいは捜査員等協力者との関係等があって一概には申し上げられないというふうに思います。その中には、それぞれ自分自身のことを明らかにしたくないという人もいるかと思いますが、その他の理由によるものもあるものとも思われます。一概には申し上げられないというふうに思います。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) そうしますと、中には、領収書の捺印をしたものもあるわけですね。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 領収書の中には、記名して捺印もあるものもあるというふうに承知しております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 捜査報償費は税金です。私たちは税金をチェックする責務があります。

 そこで、知事にお伺いします。領収書、つまり税金のあり方、領収書についてどのようにお考えなのか、まず知事にお伺いし、そして監査委員にもお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) これは別な機会にも申し上げましたけれども、今お話があったように、領収書に自分で、本人が本人の名前を書いて捺印する例もある。お断りする例もある。つまり、お断りも許されているわけですね。お断りを許されているという中で、自分の名前を署名して捺印をする。これは相当の覚悟と言っていいんでしょうか、ある程度の認容というのがあるというのは、これは世の中の常識であります。私人間であっても領収書を出す。これは税務署に持っていかれますというようなことも当然了解をして、ただ単に儀礼のために出す領収書というのはありません。おっしゃったように、これは今は公金について、報償費というのは公金ですから、公金を協力者と言われる人が受けたわけです。領収書をくださいと捜査員は言うわけです、その場面を今想像しますと。領収書くださいと言って、多分その場で書くんでしょうね。その場に、何かとにかく印鑑を持ってきておいて捺印するんですね。それを捜査員に渡します。その捜査員がそれを持ち帰って支払い調書ですか、それに添付をして回覧をしますよね。ということは、領収書を出した人から言えば−−具体的には何かわかりませんよ。だけれども、これは金のチェックだということはわかります。払った、受け取ったということのチェックがされるために領収書を出しているということは、当然わかります。それを出さなくてもいいんですよという道があるということも、実際にはわかると思います。だけれども、それでも出したということで、本部長おっしゃるように、これはだれにも見せないからなと言って領収書を書かせるというようなことが一体あるんでしょうかというのが、まさかそんな、だれにも出さないですよというんだったら、最初から領収書を書かないという手はありますよと言えばいいだけの話なんです。だれにも出さないですよと言って領収書を書かせて、それを書くということはちょっと考えられませんが、であるとすれば、領収書を書いて提出したという時点において、その行為は協力者において一定程度の、それがチェックを受けるということは認容していると考えるのが常識的ではないかと。公金のこれ運用ですから−−というふうに考えます。



○議長(伊藤康志君) 監査委員阿部徹君。



◎監査委員(阿部徹君) 公金の支出における領収書のあり方ということでございますが、一般的に申しまして、公金の支出がなされた場合には、領収書は発行するべきものである、作成・交付するべきものであるというふうに考えております。

 現在、報償費につきましても、警察では、できるだけ領収書を徴求するような指導が行われているというふうに伺っております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) そうしますと、本部長のお答えでは、領収書もあるものもある、署名もある。つまり、これは協力者にお金が渡っていることを確認できるものがあるということですね。それであるならば、そこをしっかりと提示して、会計検査院と同様の権限を持つと明言された本部長は、監査委員を信頼して、議会からも菊地委員と藤原委員も出ておりまして、代表監査委員にもしっかりと信頼性を持ってこれは提示をして、早くこの問題を解決すべきと私は思うんですが、いかがでしょうか。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) お答えいたします。

 領収書の件につきましては、ただいまお話がありましたような見方もあろうかと思いますが、協力者の関係につきましては、部外には出さないということが信頼関係として、約束としてあるわけでありまして、逆に領収書で書いた部分だけが部外に出得るという認識が協力者の方にあるかというと、それもまた疑問であるというふうに思います。また、領収書の中身につきましては、これは捜査等に関することであるわけでございまして、ある事件について協力した人がどういう人なのかということであることからも、慎重に取り扱う必要があるというふうに考えております。

 また、監査委員との対応につきましては、現在協議中であるわけでありますけれども、警察といたしましても、今後どういう形で対応させていただくか、資料の取り扱いについて協議を行いまして、可能な限り監査委員の方の心証が得られるような形ができないかということを、引き続き協議をさせていただきたいというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 御答弁の中には、非常に前向きなお言葉が二つほどあったと思います。これから監査に対応していきたい。領収書についても協議をしていきたい。ということは、十八年度からできること。だったらば、今年度からも実施できるはずだと私は考えるんです。会計検査院には、本部長おっしゃったように、領収書があっても、生命、身体の安全や今後の協力を確保するためには、直接本人に当たらないこともあるということも、ルールはあります。つまり、原則公開して、どうしてもその条件が合わない場合には協議をするというように、ルールづくりを十七年度、今年度から、そして十八年度以前でも前向きに検討していただきたい。その決意を今議会でぜひ提示していただいて、そのルールづくりにつきましては、代表監査委員初め県議会から出ている監査委員と十分に協議をして、何とか検討していただきたい。決意をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 監査のルール等についてのお尋ねでございますが、警察といたしましても監査委員の御要請を受けて、何が可能で何ができないことなのかということについて、可能な範囲で、なるべく前向きに対応させていただこうという観点で、先ほど申し上げたような基本的な方向を持っているところでございます。ただ、協議等につきましては現在も継続中でありますので、資料の取り扱いにつきましては、これからもまた監査委員の皆様方と協議をさせていただきたいというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 今の答弁は何回も聞いている答弁なんですが、確認させていただきます。十七年度、十八年度以前も含めてその対応をしていただけるのか、その点についてお伺いいたします。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) その点につきましては、再三御答弁させていただきましたが、十八年度からと申しましたのは、協力者との関係つきまして、今後のことについては警察業務のあり方を見直すということで、事前に協力者の了解を得ていくと。そうすることによって、開示をしていくというふうな方向が可能であろうというふうに考えているところであります。しかし、一たん過去に協力していただいた方につきまして、さかのぼる形でそしてその開示をしていくと、あるいは求めていくということにつきましては、警察といたしましても、やはりかつてのお約束をほごにすることにもなりますし、あるいは警察としても禁反言の原則にも関することになるので、困難な面があるというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 何回も話しても水かけ論にはなってしまいますが、なぜ、何でそんなに会計検査院には出して、監査委員には出せないんですか。監査委員、信用できませんか。県議会を信用できませんか。県民を信用できませんか。なぜ、それができないんですか。これ、皆さんが、今やるべきことは協力者の保護、約束、これはもちろん警察の約束であると思うんですが、事件の解決には県民の協力が必要ではないでしょうか。生活安全課長の、国で仕事している課長は、それ一番よくわかっているはずですね。県民の信頼の回復なくして捜査の解決なし。そのためには全力で、何回も同じ答弁を繰り返さずに、一歩でも協議をするというふうに前進をしていただけませんと、県民の信頼は回復できません。改めてお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 監査委員との関係につきましては、協議を現在行わさせていただいているところでございます。御指摘のように、国民の信頼を得ていくというのは一番やはり大切なことであろうというふうに思います。私たちもそういう観点から、県民から負託されております仕事は、まずは県内の治安維持であるわけでありますので、発生が増加している刑法犯への対応や、交通事故も増加しております。そういうことに真摯に対応することによりまして、まずは県民の信頼を得ていくということに努めたいというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) そういう観点からもう一度だけ聞きます。

 これまでの対応を含めて、年次のことも含めて、ぜひ真摯に対応していただきたいと思っています。これはもう一度だけ本部長にお伝えします。

 そして、知事、今こう聞いても、本当にこれは解決できるのかどうか、非常にこれでおやめになったら心残りになると思うんですね。私は情報公開先進県と言われている宮城県が、近藤本部長が来たら絶対解決すると思って、鋭意努力してまいりました。議長からも責任ある問題として委員会でも取り上げてきました。今の議論を聞いていまして、一歩でも前進するのかどうか、私は非常に不信でいっぱいです。ぜひ、この点、知事のお考えを聞いて−−公安委員長にもお伺いします。この事態を受けとめて、公安委員会はどのように働きかけをして、県民の信頼を回復するようにどのように求めたのか。こうなりますと、私は県警の内部調査のあり方一点伺いますけれども、なぜ十二年に協力者に当たらなかったのかという一点が残っています。これについて最後にお伺いしたいと思います。

 まず、知事、この議論を聞いてのお考えと、そして公安委員長は、これまでどんな対応をしてきて、どんなふうに働きかけをして県民の立場になったことをしてきたのか、それを伺います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) まず、今、本部長の発言を聞いてということで、これだれでもすぐわかる矛盾があるんですけれども、過去のものは協力者と約束があると、見せないと言っているという約束があると、だから見せられないと言っているけれども、会計検査院には見せているんですよ、マスキングなしで。これはだれでもわかる矛盾です。だから、議員がおっしゃるように、会計検査院と監査委員は違うんですかと。はっきり言えば会計検査院は信用できるけれども、監査委員は信用できないというふうにはっきり言っているのと同じだと思います。

 いいですか。もう一回繰り返しますけれども、協力者との約束があると言ったんですよ。見せないと。外部に見せないと。だから、会計検査院にはマスキングなしで見せている事実があって、そのことは公表されています。これは説明がされていませんので、これはすぐ、今聞いていて、あれ、おかしいなというふうに思いました。

 それで、これは直接本当は本部長に言えばいいんですけれども。この問題、難しくないんですよ。もう、今や一点です。協力者は実在するのかどうかなんですよ、これ。知事である私が架空なんじゃないですかという、それを疑う非常に合理的な理由を持って言っています。だとすれば、ポイントは協力者が本当に実在するのかどうか、確認するしかないんです。それを警察が確認したという内部監査ではーー確認もしていないんですけれどもね。それは監査委員というのは何のためにあるんでしょうか。こういう公金のチェックのぎりぎりのことをするために監査委員というのはあるんですよ。その監査委員にも、その一番論点になっている協力者について当たらせないと、名前も見せないというのであれば、監査委員、怒らなくちゃいけないと思うんですね。

 私がちょっとさっき言ったように、じゃ、差をつけたらどうですかと。つまり、領収書に実名を書いて捺印した人だけでも−−ほかの人は領収書出していないんだから名前を出すというのは、嫌だからこそ言ったんでしょうから。領収書に名前を書いた人だけでも−−更に今本部長に聞いたらば、その際に、一回言ったことは覆せないと言ったけれども、じゃ、全員に、領収書もらった人全員に、これ出さないからなと全員に言ったというその証拠があるんでしょうかと、一人一人にですよ。領収書をとるときに。これ出さないからなと。しかも、そのときに外部に出さないからなという言葉を使われましたけれども、これ外部じゃないんですよ、監査委員というのは。これ公開と議員も使われましたのでちょっと私も気になりましたが、公開じゃないんですよ、これ。監査委員に限定して−−知事も含めてですけれども、非常に限定されたところに、しかもこの実際の執行状況を確認するための目的で開示するという、限定目的で限定された人の密室でやることなんです、これ。公開じゃないんですよ。それを少なくとも領収書に実名を書いて捺印した人だけについてはやれるでしょうと。それ、今やらなかったらいつやるんですか。私、任期がなくなって焦っているでしょうと。焦っていますよ。そのことは全然難しくないんです。ハードル高くないですよ。これやるべきなんです。これはちょっと考えればすぐわかると思うんで、私は答弁の機会をいただきましたので、ちょっと熱を込め過ぎたかもしれませんけれども、問題は単純なんですよ。単純化してお考えいただければと思います。



○議長(伊藤康志君) 公安委員会委員長藤崎三郎助君。



◎公安委員会委員長(藤崎三郎助君) 私の方も答弁の機会をいただきまして大変ありがとうございました。

 十二年に警察刷新会議等のいろいろな答申がございましてから、公安委員会が、県警、またそういったことに対してどのような管理を行っていくのかというのは、六月の議会の中でも御質問いただきましてお答えさせていただいたと思いますけれども、公安委員会はその年の大綱を決め、そして本部長と申しますか、県警がどのような動きをしているのかというのを、一般のいろいろな会を代表するメンバーが集まりまして、常識的にどうかということを考えながら、県警を管理していくというのが前提だというふうに私どもは思っております。ということは、県警の方から、内部監査等で県警の捜査報償費等についてのこういう事柄がありましたと。また、こういうふうに対応しておりますと、そのような報告を受けながら、私どもとしては公安委員の合議に基づいて、どのようなことを警察に対して指示を行っていくのかと。その一義は、当然、今議員がおっしゃいましたように、国民の信頼であり、また、協力者というものに対する生命そして身体の保護と、そういうことを一義に考えるというのが、これは人命を尊重する立場からすれば当然だろうというふうに思っております。

 例えば、公安委員会が今まで県警に対する監察の指示というのを、多分日本では四つの県で監察の指示を出したという例がございますけれども、それにつきましては、報償費に限らず県警の内部監査におきまして、いろいろな不正の事実が明らかになったことに対しての監察の指示を出したということになっております。本県については、そのような事実はないというふうに判断しておりますので、公安委員会といたしまして、県警本部長に監察の指示というのを今のところは出しておりません。

 とにかく、第一義には、県民の生活の安全を守ると、これは全く私どもとしても同義でございますので、今後とも、それについては積極的に推進を行っていくつもりでございます。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 知事からは、協力者っているんだろうかという疑念まで出されました。私も二〇〇〇年の判決の中で、なぜに協力者に当たっていないのかと。これは非常に不信に思いまして、しかしながら、公安委員会はそれでも監察を出していなかったわけですね。

 本部長、なぜ協力者に当たらないんですか。もう、協力者に当たって、内部監査で当たっていないのならば−−まず一点、何で当たらなかったのか。これから、もう監査委員には見せられませんよ。だったらば内部調査の再調査をして、しっかりとみずから渡っていたということを私たちに発表するなど、そういう手法をきちっとやらないといけないのではないでしょうか。

 まず一点、なぜ協力者に当たらなかったんですか、その点を伺います。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) お答えいたします。

 内部監査においての調査でございますが、内部監査におきましては、書類の突合のほか、捜査員からの聞き取りを行いまして、当該その捜査の必要性でありますとか、捜査の状況とか、そしてその結果どうであったか等ということを確認をいたしましたり、接触場所を確認したりというふうなことから、適正な執行が行われたというふうな心証を得ているところでございます。

 なお、協力者そのものにつきましては、やはり実のところ、警察の内部におきましても、協力者の問題については、直接の上司等極めて限られた者しかその存在自体もわからないというふうな形でございまして、我々も捜査の検討をする時点ですら、協力者の問題につきましては、基本的にそれがどういう人であるのかということについては、協力者の素性等を聞かない形で私自身も捜査の検討をしておりました。また、そういうのが一般的なやり方ではないかというふうに承知しているところでございます。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 二点目ですが、それでは、これだけ疑念が知事にもあり、そして裁判の結果も踏まえ、そしてなおかつ、きょうは公安委員会に対してもオンブズマンから訴訟が起こされました。こういうことをかんがみますと、みずからもう一回再調査をやる、内部でもう一回協力者に当たって確認をする、それを監察の指示を出す、公安委員会としましてどうなのか。そして改めて、公安委員長に、内部でもう一回、自分たちのみずからの適正な執行を確認する、新体制になって、そういう取り組みを行うのか、それについてお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 公安委員会委員長藤崎三郎助君。



◎公安委員会委員長(藤崎三郎助君) 今、御質問のありましたオンブズマンの方からの提訴ということに関しましては、前に裁決の取り消しということをたしか提訴されているように記憶しております。それはまだ公判中だと思います。それから、今回出たのというのは、まだ受理されているかどうか確認しておりませんけれども、出たという話も聞いております。それで、今のところ、私どもの方に来ております材料というのが、監察を行うのに必要なだけの材料がそろっているかどうかということになりますと、まだこれは検討もしておりませんので何とも申し上げられないと思いますけれども、今後いろいろな形でそういった事柄が進んでいった暁には、いろいろ対応策を考えながら行っていかなければいけないのかなというふうには考えております。ただ、前にも申しましたように、公安委員会は、県警本部若しくは警察というものに対する管理する機能というのを与えられてはおりますけれども、あくまでも、それは警察のその年の大綱というものに対して外れたことをしているかどうかということを、五人の委員が集まって、その合意のもとに考えているわけでございまして、特にどこどこについてということで、何か明確な証拠とかそういうのが上がってくると、そういうことがあれば当然考えていかなければいけないと、かように考えております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 本部長に対しましては二度ほど質問しましたが、再調査をするお気持ちはあるんですかと、協力者に当たってもう一回再調査をする可能性はあるんですかという質問に対してお答えいただきたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 内部調査につきましては、先ほども申しましたような方法につきまして既に実施をしているところでございまして、再調査をする予定はございません。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 私は、いつまでもこれを、論議を続けていましても、県民の疑惑、不信感、これは全く払拭できておりません。これからは領収書を見せるといって、県民の信頼は得られないと思います。この危機をどう解決したらいいのか、代表監査委員さんにはお伺いしますが、ぜひ監査委員からも、もう一回県民の前で、警察本部長に対して、これからの監査のあり方についての要望も踏まえてお話しいただきたいと思いますし、最後に、本部長、私は、本当に県民の信頼回復を、今議会で何とか方向性を持って解決できないかというふうに心から思っております。

 最後に、最後に私は期待して、もう一度だけ、十七年度も視野に含めてさまざまな協議を行うかということにつきまして、お伺いしたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 監査委員阿部徹君。



◎監査委員(阿部徹君) 過年度分につきましては、協力者との約束があるので氏名等を公開できないという県警本部からの説明に対しましては、会計検査院にはノーマスキングで開示しているのに、なぜ監査委員にはそうできないのであるかということにつきましては、監査委員としましても大変遺憾に思っております。そのために、その点については理解しがたいということで、県警察とは現在交渉中でございます。

 先ほど知事から、大変熱烈な応援のバックアップをいただいたものというふうに思っておりますが、その点につきましては監査委員としても同じ考えでございます。

 それからもう一つ、協力者との約束があるから開示できないということを本部長は繰り返し言われているんですが、こういう約束につきましては、私人間で授受された領収書に関してはそのまま当てはまると思います。もし、約束に反して明らかにしたならば、禁反言の原則に触れるというようなことについても理解できます。しかし、公金に関しましては、適正な支出であることを明らかにする必要がありますので、たとえ公開しないという約束のもとで作成・交付された領収書であっても、必要な範囲内で開示されるべきものであるというふうに考えております。捜査報償費につきましては、その受取人である協力者等保護の観点から慎重な配慮を必要といたしますが、少なくとも、公金の適正支出を確認する職責のある監査委員に対しては、当然に開示されるべきものではないかというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。



◎警察本部長(近藤善弘君) 協力者についての領収書の開示ということにつきましては、警察の協力者を、もしも今まで開示をするという方向でやってきていたとするならば、恐らくは警察活動そのものが成り立たなかったのではないかというふうにも思うところであります。そういう意味で、今まで基本的には開示をしてこなかったということであります。

 会計検査院との関係につきましては、会計検査院において、協力者に接触をせず、また、開示をしたということ自体を明らかにしないというふうな事実の積み重ねがあったために、そして現に、そういうふうに運用されて問題も特段生じてきませんでした。しかし、一方では、現在のように協力者そのものの存在が疑われ、そして直接あるいは間接の接触の可能性も排除されず、また、議論として今の時点では協力者に開示をしたということを明らかにせずお見せするということも難しいという状況にあろうかというふうに認識をしております。そういうふうなことから、我々としては、今県警がなし得る最も御要請にこたえる方法というのは、具体的に言いますと、今後その協力者との関係について見直しも行って、警察業務のあり方をいろいろ見直すことによって、十八年度から対応させていただこうということでございます。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 県警の果たす説明責任、県民は納得したかというと、本部長が答えれば答えるほどわからなくなってきます。なぜできないんでしょうか。これは、今後監査委員と鋭意話を続けて、私はぜひ会計検査院と監査委員の信頼性と、やっていないにもかかわらずそういうふうに言う言い方はできないと思います。これから鋭意努力をされる本部長の考え方、方針が転換するのを私はしっかりと見守りチェックしたいと思います。

 続きまして、何点か質問させていただきます。

 まず、行政改革につきまして、女性の登用について私はここ十年、この質問をずっと続けてまいりまして、十年待ちました。しかし、風景は変わっていません。知事は、しっかりと女性の登用が進んでいるというふうにおっしゃいましたけれども、職員組合の人事の統一要求によりますと、賃金等の改善について、男女間の昇任、昇格及び賃金格差を解消すること。人事については、女性職員の処遇の改善を行うこと。具体的には、六十年の入庁のA・B採用枠、女性はほとんど七級には上がれないという現状があるんですね。つまり、女性に職域を広げていない事実があった。まさか知事が女性を見る目がないというわけではなかったと思いますが、これからは女性に職域を広げて、そのためには次世代育成の行動計画をしっかりと策定する。

 私は県の計画で非常にいいなと思ったのは、庁舎内の託児室を設けるという計画があるんですね。これはかねてから私も求めておりました、知事と対面して。二人の子供を産みました。おっぱいを絞るときもトイレで絞りました。そういうことは、職員もやっているんですね。何とかやっぱり女性職員の環境を整えて、次世代育成行動計画を踏まえて、女性を積極的に登用するという決意を述べていただきたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 宮城県庁の職員、女性職員の、結果として、さっきも申した管理職への登用が少ないというのは、これは議員も御存じのとおり理由ははっきりしています。そもそも採用していなかったからなんですね。今、新しく女性職員も幹部候補生として採用するようになって、大分時間が積み重なり、今いいところまで来ています。係長、課長補佐というところまで来ていますから、課長になるのはもうすぐですね。残念ながらというか、私はそれを見ずに知事の座を去って、多分新知事はどんどん新しい女性管理職の誕生というものを見ることになると思います。これからは、まさにそういうような方向でいくということは、間違いないというふうに思っています。

 それから、今お話しした庁内託児所の問題とか、そういった女性職員が働きやすい環境をつくっていこうと、機運は十分あると思いますので、これまた早い時期にそういったことが実現され、女性職員が持っている能力を最大限に発揮できるような場というものを、県庁内で少なくとも、まず足元の−−ということが確実に見られる、そういった方向に行っていることは確信をしております。



○議長(伊藤康志君) 二十六番遊佐美由紀君。



◆二十六番(遊佐美由紀君) 二点お伺いします。

 統合教育、これもやっと進みました。県立高校枠を広げてほしいという願いのある親が多いです。知事の未来への投資の最後の遺言として残していただきたい。

 そして、男女共学化、これは子供たち、去年、十八年度入りたいと思う学生は大人不信に陥っています。ぜひ二度とこういうことがないように、十九年、二高は実施する。そして二十二年、着実に男女共学を進めることによって、新しい学校づくりの観点から進めていただきたいと思いますので、決意を教育長にお願いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 統合教育それから高校での障害者の受け入れということですが、これは基本的に教育委員会の所管でありますので、私が直接言うことでありませんが、関心を持ってまいりました。結果として、共に学ぶ教育を進める報告を出したと、これは形としてできましたので、何度も教育長からもお話しのとおり、理念はもちろん正しいですけれども、なかなかその実現までは距離があります、お金がかかります、大きくは。ということなんですが、そういった報告にもしっかりと理念が示されておりますので、一歩一歩は必ず前進すると。それを私、外から見ることになると思いますが、大いに期待をしています。

 高校での受け入れですけれども、これは今、先ほど教育長からもあったように、いろいろ解決すべき問題はあると。それを私も聞いて、それはある程度何とか解決できないかという問題意識はある。しかし、そう簡単にはそれはいかないというのは、これは正しい認識だろうと思いますので、ただ、一歩一歩どう前進していけるかということについて、真摯に考えていただく教育委員会だというふうに私は思っておりますので、期待をしております。



○議長(伊藤康志君) 教育長白石晃君。



◎教育長(白石晃君) 仙台二高の十九年度からの共学化については先ほど答弁したとおりでありますけれども、いずれ、二高が十八年から十九年に延長したということは、議員御存じのとおりではございますけれども、いずれ、これ以上の延長につきましては、生徒の進路決定に不安を残すということもございます。それから、教育現場に混乱をもたらすということもありますので、平成十九年度からの共学化については、確実に実施してまいりたいというふうには考えてございます。



○議長(伊藤康志君) 二十八番横田有史君。

    〔二十八番 横田有史君登壇〕



◆二十八番(横田有史君) 浅野知事の四選出馬しないという表明について、さまざまの驚愕の声も聞かれましたが、四年前の三選時において、毎日新聞に「三期で終わり。四選はない」とのコメントを発している以上、有言実行の知事ですから、さもありなんと、極めて冷静に受けとめさせていただきました。同時に、浅野県政十二年の功罪について、感情を交えずに総括することが、内外情勢の反映も相まって極めて大きな閉塞感の漂う宮城県政を乗り越え、新たな活路を切り開く上で、避けて通ることのできない課題であるとの思いを込めて、知事への最後の一般質問を行うものであります。

 政治に携わるものは、常に経過並びに結果責任を問われます。まして、十二年間の浅野県政を総括し評価する場合、あくまで憲法五原則の一つである地方自治の本旨、すなわち住民福祉の向上、住民の生命、生活と人権を守り改善するためのとりでとしての県政運営であったのかどうかに照らして、冷厳に判断されねばなりません。

 ところが、今後四年間で新たに二千億円、毎年五百億円の財源不足が見込まれる極めて危機的な財政運営に直面しているとして、最近出された財政再建推進プログラム改定に向けた基本方針の内容は、第一に、歳入増を図る一千百億円中八百五十億円を県債で賄うという新たな借金財政を進めるものであること、第二に、行政のスリム化で二百億円、事務事業の見直しで三百億円、公債費の平準化で四百五十億円の歳出削減を図るというものであり、平成十一年の財政危機宣言以来推進し、なおかつ財政の一層の危機をもたらしてきたプログラムをまたもや繰り返すものにほかなりません。

 それは聖域なき歳出の見直し、削減と言いながら、一方で、緊急度、重要度を踏まえた政策判断、公共事業の重点化や進度調整を行うという、全く整合性のない方針に固執し、しかもその緊急度、重要度を踏まえて重点化する公共事業の選択判断の基準が、県民の福祉の向上という地方自治の本旨を堅持する視点や、十二年間の県政の反省が全く見られていないと言わざるを得ませんが、いかがでしょうか。

 ゼネコン汚職にまみれた県民に誇りを取り戻してくれた県政とたたえる同僚議員の質問に答えて、知事は、県民とともに考え推進する改革が確立した十二年であったと自己評価を行っています。確かにカラ出張、食糧費問題などを解消し、これらの問題をめぐる市民オンブズマンによる訴訟などを経て、情報開示の仕組み・制度が全国に一歩先んじた形で進行してきたことは、紛れもない事実であります。県警の情報公開制度も含めて、知事の極めて機微にたけた対応の結果であると評価しております。そして、それがマスコミベースで改革派知事の評価を受けたものと思っています。

 しかし、本当に県民が主役の県政になったのかというと、残念ながら明確に否と言わざるを得ません。県庁人事におけるトラブル、農業・福祉などの外郭団体においては、不正・犯罪行為に対する数多くの不透明性を温存し、一連の副知事等幹部職員の不正疑惑は免罪する、そして何よりも田島某氏に対する異常なまでの処遇等々、私どもが繰り返し議会で取り上げてきたこれらの事実に対する極めて公明正大性を欠く知事の言動は、身近にいる私どもにとっては、県民に開かれた県民参加の県政とはほど遠い対応を数限りなく積み上げてきたと言わざるを得ません。

 選挙のときにフィーバーした市民、県民はどこにいったのかとの思いに、今回の総選挙の結果を重ね合わせながら、本当に県民主役の県政であったのか、一過性のポピュリズムではなかったのか等々、冷静に十二年を振り返ってみる必要があるのではないかと私には思えてならないのですが、こうした私の指摘について、知事はどんな所感をお持ちでしょうか。

 十二年を総括する上で極めて重要な問題の一つは、なぜ十二年間で県債残高が七千億円から一兆四千億円と、二倍にも膨らんだのかという点をしっかり分析することであります。

 その第一は、バブルを背景に国の四全総を踏まえて、徹頭徹尾ゼネコン奉仕型につくられた本間県政の総合計画を「森と海と人の宇宙論」から「夢航路未来号」に名称を変えただけで、特に二〇〇五年、ちょうどことしまでの十三年間で総事業費の四五%、一兆三千七百二十億円を投入する国際化社会プロジェクト、すなわち仙台空港、仙台港、石巻港関連などを今日もなお聖域化し、他の事業を犠牲にしてまで引きずっていることであります。

 第二には、その上更に、政府の景気対策と称する公共事業の拡大、殊に米の輸入自由化の代償と称して策定されたUR対策に基づく大型圃場整備や大規模林道、農道、ダム建設などに無批判的に追随してきたことであります。

 第三に、これらの中で、特に国直轄事業を聖域化し、地方自治体が介入する余地のない事業費の拡大による際限のない負担増をもたらしたことです。港湾、空港はもとよりですが、殊にダム建設の負担の急増を許してきたことは重大です。二〇〇〇年時点で着工十二カ所のダム事業費六千八百億円、うち県負担金千二百三十億円は、胆沢ダムが千三百六十億円から二千四百四十億円、県負担六十八億円から九十三億円、岩堂沢ダム二百六十四億円が三百六十億円、上大沢ダムが二十一億円から七十五億円に膨らむなど、あっという間に八千億円を超す事業費に拡大しています。

 さすがに県事業の新月・筒砂子ダムなどは見直しましたが、あくまで地方自治体の要請に基づき行っているこれらの国直轄事業について、県が見直しを求めることもなく放置し追随してきたことは、公債費の長期にわたる後年度負担という極めて大きなツケを残したと言わねばなりません。そこには、過大な需要予測に基づく過大なダム建設により、全国一高い水道料金を宮城県民に押しつけてきたという反省は、全く見られておりません。

 第四に、しかもこれらは極めて大きな負の遺産を後世につくり出したことです。グランディ21、夢メッセ、アクセルなど不要不急の箱物は借金だけではなくて、莫大な運営費負担をもたらし、図書館、宮城大学、こども病院などは不必要とは言いませんが、身の丈に合ったものであったのかと改めて指摘せざるを得ません。

 また、竹の内産廃は現時点で七百億円とも言われる、いずれ執行しなければならない全量撤去の負担を後世に残し、アクセス鉄道は莫大な借金と赤字を垂れ流して走ることになるでしょう。

 更に、栗原市で九億九千万円、登米市で九億円など、八カ所の合併市町に対する合併補助金総額四十八億九千万円は、今なお交付されていないという国家的な詐欺行為は、合併市町村の今後に新たな混乱を持ち込んでいます。

 以上のように、莫大な借金財政をつくり出した要因は、この十二年間の県政運営の基軸そのものにあると言わざるを得ません。

 私は、県議会における初質問に立った一九九五年六月議会において、本間県政の総合計画をそのまま引き継ぐことは、輸入促進事業、いわゆるFAZを骨格とし、県内産業の衰退、空洞化を推進するものであり、やめるべきと主張しましたが、知事は、継承し、積極的に推進していくと胸を張って答弁しています。また、政府の景気対策への追随についても警鐘を乱打しましたが、知事は積極的に評価する旨答弁しています。

 知事は、最近になってようやく政府の景気対策が県債残高増の要因であったと反省の辞を述べ、また仙台港、石巻港建設計画の一部見直し、県事業の新月・筒砂子ダムの休止などの手直しを示しています。しかし、官僚出身であるがゆえの結果なのでしょうか、浅野県政の十二年の財政運営の基軸が国策には極めて忠実であったことが、今日の財政危機を創出した最大の原因であり、これらを聖域化、重点化する施策展開を抜本的に転換することの重要性を十二年の総括からしっかりと導き出すべきではないでしょうか。知事の率直な所見を求めるものであります。

 借金を大幅に拡大した県政であっても、それが地方自治の本旨である県民福祉の向上に寄与したものであるならば、容認できる余地は残しています。しかし、県債残高を倍増した要因は、県民の暮らしや県内経済の改善に役立つどころか、全く逆行するものであり、十二年間のさまざまな指標も、そのことを明確に実証しています。

 宮城県の名目経済成長率は、九七年以来六年連続マイナス成長で、県民所得は六千五百二十七億千四百万円も減少。その主因は、県民所得の七五%を占める雇用者所得が三千八百九十九億九千二百万円も減少したことであり、勤労者世帯の平均年収が八十七万八千円も減少したことになります。

 中小企業の倒産件数は、十年間で二千八百六件と東北一。消費不況と大型店の出店で十年間に五千八百軒の商店が倒産・廃業に追い込まれています。

 県の基幹産業である農林水産業の所得は、九四年の千四百六十四億四千八百万円から、〇三年には八百三十七億八千三百万円と、実に六百二十六億六千五百万円、四三%も減少。とりわけ米の生産額は、九二年の千六百七十二億円が〇三年の八百二十九億円と五〇・四%に半減、減少率は全国が三一%減の、その実に一・六倍に及んでいます。農家戸数は、九三年の八万二千四百戸が〇四年の六万七千五百戸と一万四千九百戸、一九・一%も減少、農家一戸当たりの農業生産所得は九十九万二千円で、東北下から二番目という深刻な事態です。

 漁業総生産高は、九三年の千三百四十七億八千六百万円が、〇三年の八百七億七千三百万円と五百四十億円、四〇%も減少。漁業就業者数も一万七千五百九十九人から一万千四百四十九人と、六千百五十人、三五%も減少しています。

 宮城県の完全失業率は五・八%で、全国六番目の高さ。この四年間にリストラなどで職を失った人は十五万九千人にも上り、毎月五万人前後の人が職を求めてハローワークを訪れています。正規職員は五年間で九万二千人減少し、派遣、契約、パート等が三万九千人も増加しています。ことしの高校卒業生のうち就職も進学もできなかった生徒は千七百四十九人で、全国で八番目の高さ。十六日付の河北新報が来春高卒予定者に対する県内企業の求人倍率は〇・五三倍で、全国平均〇・九〇倍を大きく下回っていると報じています。これらの数値と指標は、浅野県政の十二年が県民の暮らしと営業にいかに深刻な事態をもたらしたかを赤裸々に示しています。

 農林水産業費割合は全国二十六位、商工費割合は三十四位で、いずれも東北最下位。農政部を廃止し、商工会への補助金は三億千五百万円も大幅に削減。中小企業向け工事契約も九七年から三年間で七百三十八億円と半減させる等々、借金を倍増させながら、県民のなりわいを破壊するという、県政運営の基軸が全く逆立ちしてきた結果であると断言せざるを得ません。

 私の指摘は、知事の認識とどこか異なっているのでしょうか、お伺いいたします。

 福祉日本一の先進県づくりというスローガンこそ、浅野県政十二年の虚像の軌跡を象徴するものと言わざるを得ません。

 高齢者福祉四十三位、教育四十四位、子育て環境三十五位−−これは最近、日経新聞が発表した都道府県ランキングの宮城県の評価です。

 老人福祉費の六十五歳以上人口一人当たり比率は、九四年の四十位から〇二年の四十三位に後退。老人ホーム所在数四十四位、介護保険施設入所者数四十四位、介護保険受給者一人当たり費用額四十三位、特養ホーム待機者数一万数千人、知的障害者援護施設定員数三十三位。救急車の搬送時間三十三分で全国四十六位。救急告示病院・一般病床数四十一位。保育所数四十三位、児童福祉施設数四十五位、保育所待機児童数八百七十七人−−これらは人口一人当たりの社会福祉費割合四十五位、民生費四十四位という事実となって反映しています。

 更に、県財政が大変といって、公共料金は相次いで値上げする一方で、県民生活に密着した事業をことごとく縮小・廃止してきました。

 敬老祝金・祝品一億一千万円、介護手当約一億円の廃止、約三万人の乳幼児や心身障害者、母子家庭の入院給食費の切り捨て、民間保育所各種補助・助成金の廃止を初め、原爆被害者団体への助成金年五万円を四万円に、民俗文化保存団体への助成金年五万円を三万五千円に一方的に縮小するなど、血も涙もない県政でした。

 本間県政時代には、絶対発行しないとされていた国民健康保険料未納家族に対する資格証明、短期保険証の発行について、浅野県政になるや市町村への発行を強要し、〇四年には資格証明千八百七十九件、短期保険証、実に一万一千五百五十五件の家庭に発行されるに至ったことは、特筆されねばなりません。

 各種の福祉施設についても、啓佑学園、太白荘、ほたる学園、杏友園、敬風園の民営化・民間委託を強行。二口山荘、こまくさ山荘、釜房いこいの家など母子家庭や勤労者の保養施設、そして今度は勾当台会館を乱暴に閉鎖、更には船形コロニー、船形学園を初めとする障害者施設の解体宣言であります。

 子供たちの教育環境についても、中央児童館の統合。県立保母専門学院や衛生学院の廃止。高等技術専門校七校を四校に統廃合し、授業料を有料化。専修学校への助成金二億八千万円をわずか二千万円に大幅削減。県立高校十七校の統廃合計画を強行し、既に全日制八校を四校に、定時制や分校三校を統廃合。その一方で、この十年間で小学校四百六十人、中学校六百三十六人、高校四百十五人の教員を大幅削減し、少人数学級への移行は、全国・東北比で最もおくれた事態になっている等々、困難を抱える子供たちの多様な成長と進路の道を次々と断ち切る県政運営が展開されてきました。

 図書館数全国四十五位、青少年教育施設数四十五位、博物館数三十七位など、社会教育の分野も全国最低水準という実態です。

 知事は、福祉先進県づくりについて方向性とモデルづくりという表現で、福祉や各種助成を切り捨ててきた十二年を糊塗しようとしています。しかし、浅野県政が追求してきた改革の方向とは、小泉改革と軌を一にする、いわゆる新自由主義、新保守主義に徹頭徹尾毒された考え方に立脚したものであると、みずから県民に説明すべきではありませんか。

 介護保険で福祉が権利になったと高邁な表現を使い、十月からの大幅引き上げを行う改正介護保険法も制度の永続化を目指すものと評価し、障害者があれほど反対している自立支援法も国会での早期成立を願うと強弁する。それは憲法に定められた生存権に基づきいかなる困難を抱えた国民にもひとしく保障しようとする福祉や社会保障の概念とは全く相反する、自立自助の名のもとに、福祉切り捨てを忠実に実行しようとする議論にほかなりません。また、規制緩和、民業圧迫、官から民へなどのスローガンのもと、公的施設を次々と解体しようとするものにほかなりません。

 福祉日本一などという美名のもと、国民、県民のためになる改革とは無縁な考えに基づき、余りにも多くのものを失った十二年と私には思えて仕方ありませんが、知事の所見を求めるものであります。

 以上のような浅野県政十二年の総括を踏まえ、県内のすみずみと弱い立場の方々にこそ温かい光を当てる県政へ根本的転換を図ることは、二百三十万県民にとって一刻の猶予も許されない喫緊の課題となっています。

 第一に、三本木中核施設は中止する一方で、仙台港、仙台空港などの国際化プロジェクト、そしてこども病院を初めとする巨大施設等々の大型公共投資が、結局は仙台圏一極集中であったことを直視し、県土のすみずみに光を当てる社会資本整備に軸足を移すことです。

 大島架橋や三陸道の早期実現、くりでんの存続など過疎地域や離島の県民の足をしっかりと確保すること、そして過疎化の進む地域でこそ、医師確保や少人数学級による豊かな教育の優先実施を行うなど、ふるさとで住み続けられるなりわいと誇りを醸成するような地域づくりを最優先の施策に位置づけるべきであります。例えば、戦後の開拓で苦難の道を担ってきた鳴子町向山地域の方々が産廃建設に活路を求めるような苦渋の選択をせざるを得ない状況に追い込まれているわけですが、こうした地域にこそ行政の光を当てて、地域再生への勇気を与えるべきであります。

 また、角田市小田川の防災工事が財政難を理由に十年間中断していたことを知り、驚愕しておりますが、宮城県沖地震の再来を初め、大規模災害を未然に防止し、災害から県民の生命と財産を守る施策と公共事業は、知事がどんなに重要と考える施策よりも最優先すべきであることは自明の理ではありませんか。

 第二に、他県に比しても大きな危機に追い込まれた県民の暮らしと地元産業の再生を図ることは、県政の喫緊の課題となっております。これまでの大型開発や企業誘致中心の政策を転換し、県の基幹産業である農林水産業の再生に基軸を置き、中小企業の支援、地元の仕事の確保、雇用対策を推進する県政に切りかえることです。

 農業振興策は、米価を含む価格保障、所得保障中心に切りかえること。漁業経営の安定のために資源管理と価格安定対策を強化すること。森林再生を環境保全・災害防止の視点からも行政責任施策に位置づけ、県内木材の活用を促進すること。殊に旬の市運動や後継者対策事業など、農林水産業を営む家族経営を励ます施策展開は、これ以上の地域崩壊を回避するためにも重要であります。

 雇用対策については、青年の常勤雇用を重視し、新規高卒者雇用助成制度を確立するとともに、教育、保育、介護、医療、防災など、県民生活に必要な分野での雇用拡大策を行政責任において推進することであります。

 三陸ハーネスなど、県が誘致にかかわった企業が身勝手で撤退しようとする場合には、厳重にペナルティーを課し、再雇用の道など、その善後策については行政責任を明確にするルールの確立が不可欠であります。

 地域に根差した中小・零細企業を育成するため、新製品開発や販路拡大に直接役立つ支援策を強化するとともに、公共事業は公営住宅、学校などの公共施設の耐震補強や改修、生活道路や河川改修など生活密着型に根本的に切りかえ、地元建設関連業者の仕事をふやすことです。同時に、多発する下請・孫請とのトラブル、労賃不払いなどの問題については、許認可権者である県の責任において解決するルールと姿勢を確立することが緊要となっています。

 名取市へのダイヤモンドシティなど、県みずからが超大型店の出店を誘導するような愚かな施策展開は直ちに改め、大型店の野放しの出店を規制するまちづくり条例を制定し、地域の商店街を守り、振興する施策を強化することです。

 第三に、青野質問でも指摘したように、県民の暮らしが極めて大変な上に、小泉政権の構造改革と三位一体の改革で、各種の補助、助成が打ち切られ、すべての負担が県民に転嫁されている中で、県民の福祉、医療、環境の水準を少なくとも現状で維持し、更に充実、再生していくことは、地方自治体の最大の責務の一つに浮上しています。

 介護、高齢者、障害者、児童などの福祉施策における交付税化を口実とした助成制度の縮小・廃止、そして県民の新たなる負担増という事態については、県と市町村が協力し、行政の責任でサービス水準は絶対に下げないという確固たる姿勢を堅持し、対応すべきであります。

 宮城では、助かる命も助からないという深刻な医師不足、救急医療の改善と解決の努力を一層強め、県立病院での夜間・休日救急医療の実施などは早急に検討すべきであります。

 緊急には、乳幼児医療費無料制度を県内市町村の最も高いレベルに引き上げ、県民がひとしく享受できるものにすること。国保の減免制度を改善し、保険証の取り上げは直ちにやめるべきであります。

 なお、アスベスト公害、産業廃棄物の不法投棄など公害や環境汚染、輸入食品等への食の安全など、安全安心の環境行政を一層強化することは当然であります。

 第四に、小学校一、二年生三十五人学級の実施は二年に限定し、高校統廃合や学級削減の強行、進路選択の道を閉ざす保専、衛生学院、高等技術専門校の廃止・縮小、私学助成金の縮小、養護学校のプレハブ校舎の放置など、十二年間の浅野県政の教育行政は、効率・経済主義一辺倒であったと言わざるを得ません。二千四百名もの不登校児童生徒が生まれ、授業料が払えず退学したり、進路をあきらめたりする子供が急増している状況のもとで、二十一世紀の県土を担う子供たちの成長を豊かにはぐくむ教育環境を創出することは、宮城県政の急務となっています。全国の自治体に比しても大きく立ちおくれている小中学校の少人数学級の段階的移行を直ちに実施すること。過疎地の学校の少人数学級優先実施により高校の統廃合は行わず、長距離・長時間通学を強制しないで済む、地域に根差した学校づくりを進める立場で、県立高校将来構想を見直すことが緊要です。

 また、県立、私立の授業料の減免制度を拡充するなど、すべての子供に行き届いた教育を届ける県政に方針転換を図るべきであります。

 第五に、これまで述べてきた真に県民の願いにこたえる施策を実施するためにも、不要不急の大型事業を思い切って見直し、事業の凍結・中止を決断する以外にありません。県が当面二〇一〇年まで実施予定の戦略的事業のうち、アクセス鉄道と臨空都市整備関連、仙台港背後地整備、石巻港・仙台港整備などを見直せば、今後五百億円規模の事業費削減が可能であります。これにより、財政再建推進プログラムの改定の中で、県民に新たな痛みを強いる事務事業の見直しで三百億円の削減を実施する必要性はありませんし、提起している事業の着手は十分に可能であります。

 問題は、私が示している方向に、県政運営の基軸を転換する勇気を持てるかどうかであります。

 国から地方へ、官から民へ、三位一体改革などのスローガンのもと、ひたすら小さな政府を自己目的化し、住民の福祉を切り捨て、棚上げしようとする風潮がはびこり、その一方では、国民の苦難を逆手にとって国民保護法の実施などをてこに、極めて危険な方向に思想動員しようという動きが強まっています。そうした情勢のときだけに、浅野県政十二年の総括の中から、県民・住民が主人公の考えにしっかりと立脚し、基本的人権と地方自治を真に堅持した県政への転換を図るべく、来年度の予算編成に向けて、また新しい知事への引き継ぎとして、生かしていただけることを期待し、私が提起した以上の諸問題についての知事の率直な所見を求め、私の質問といたします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。

    〔知事 浅野史郎君登壇〕



◎知事(浅野史郎君) 横田有史議員の御質問にお答えをいたします。

 浅野県政十二年の基本的特徴と問題点ということで、まず、過去を振り返っての大綱一点目でございました。

 最初に、財政再建推進プログラム改定に向けた基本方針、これでは整合性がないと、これまでの整合性がない、十二年間の反省もないと思うがどうかということでございますが、まず、聖域なき歳出の見直しということでございますが、ここではすべての事務事業についてゼロベースから見直すことにしておりますが、その際、当然ながら納税者の視点でありますとか、政策の緊急度、重要度、こういったことを踏まえた判断を行うということでございます。これは当然、必要なことであると考えております。更に、公共事業についてキャップ制の継続そして重点化と、これも必要であると考えます。県民の意見を反映させた事業計画などに基づき、推進してまいります。

 冷静に十二年を振り返ってどうかと、一過性のポピュリズムではなかったのかという御指摘がございました。

 今や宮城県は、情報公開先進県と高く評価されておりますが、その道のりは決してきれいごとだけではございませんでした。いろいろな過程がございました。その課程を通じて、逃げない、隠さない、ごまかさない、情報公開の精神が職員に根づき、県民とともに考え、推進する県政運営の姿勢が組織に定着してきたと考えております。この過程は、ゼネコン汚職で信頼を失った県政が更に信頼を失うのではないかといったリスクや、職員の処分という痛みを伴って初めて実現したものであります。一過性のポピュリズムとの批判は当たらないものと考えております。

 次に、県政運営の基軸が国策に忠実だったということが財政危機をつくり出した要因だという御指摘がございました。

 私が知事に就任した当時は、国、地方一体となって景気に配慮した予算編成を行うことにより、景気浮揚を図ろうとしておりましたが、その財源の多くは、県債発行により賄わざるを得ませんでした。そしてそのようにいたしました。そのこと自体は、当時の判断としては誤まった選択を行ったとは考えておりません。

 また、平成十三年度以降、地方財政措置の見直しにより、臨時財政対策債の発行を余儀なくされましたが、そのこともあり、結果として県債残高が増大しました。これにより、後年度に多額の公債費負担を強いられているというのは事実でありますが、それは地方財政は、国の定めた地方財政制度に従って運営せざるを得ないという、本県のみならず、国、地方を通じた全体の問題でもあります。これに対して、本県では、平成十一年度以降、公共事業へのキャップ制の導入を初め、聖域なき歳出の見直しや事業の重点化に努めるなど、他の自治体に先駆けて財政再建に対し取り組んできたところであります。

 なお、国直轄事業負担金についても、国家的政策として実施されながら、地方公共団体に対して個別に財政負担を課するというものでありまして、これは極めて不合理であると考えております。地方が一体となって、その廃止を国に対して要望しているところであり、地方があえてこれを聖域化しているというものではございません。

 県政運営の基軸についてということで、いろいろ御指摘がございました。

 我が国の経済は、バブル崩壊後、急速な国際化の進展に伴う国際分業の加速化や、国内産業の空洞化、少子高齢化の進展などの大きな社会構造の転換の流れもあって、全体として長期にわたる停滞を余儀なくされることとなりました。これに加え、本県では、基幹産業である農林水産物の輸入拡大、国際的な資源管理のおくれによる漁獲量減少、何回かの冷害などによる生産量や所得額の減少、あるいは、いわゆる支店経済の空洞化、中抜き現象による卸売業の不振、こういったことが経済情勢を更に厳しくしたものであります。

 このような状況の中で、県といたしましては、社会経済の変化に対応できる産業経済全般の構造改革を進め、自立型の地域経済を確立するため産業経済部を創設し、従来のプロダクト・アウト型からマーケット・イン型の産業への転換、成長分野における産業の創出と集積、地域経済を支える中小企業の再生に力を注いでまいりました。更に、緊急経済産業再生戦略を展開し、雇用の緊急確保や企業誘致の拡大による雇用対策、中小企業の再生や企業の支援による産業再生に努めてまいりました。

 こういった取り組みの結果、現下の厳しい経済情勢下にあっても、アグリビジネスを初めとする意欲的な経営体の創出、産学官の連携による高度な技術開発や中小企業の技術力向上、観光産業の振興のためのプロモーション展開と受け入れ態勢の整備など、これからの本県の経済の基幹を支える成長産業の創出と地域経済の活性化に向けた土台づくりができたものと考えております。また、今年度中には、みやぎ産業振興アクションプランの後継プランとして、(仮称)みやぎ商工業振興中期行動計画を策定するほか、みやぎ食と農の県民条例基本計画の見直しを行うなど、社会経済情勢を見据えた産業施策を展開していくこととしております。

 次に、日本一の福祉先進県づくりについていろいろ御指摘がございました。お答えいたします。

 宮城県では、福祉先進県づくりを推進するため、地域で自分らしい生活を安心して送れる社会を基本理念とするみやぎの福祉・夢プランを策定し、利用者の人権尊重や生活の質への配慮といった視点でサービスの質の向上を図るとともに、福祉サービスの量的な基盤整備についても、計画的かつ着実に推進してまいりました。近年、福祉の分野では、その実施主体の大部分が市町村となってきている中で、県としては、明確な哲学や方法論を持ってこれからの福祉のあるべき方向性を打ち出し、そして、それを広めていくことに重点を置いて取り組んでまいりました。こういった考え方のもと、知的障害者施設解体宣言による障害者の地域生活移行や、共に学ぶ教育の推進、新生社会福祉協議会の設立など、宮城県から幾つかのこれからの二十一世紀の福祉の方向性を打ち出せたのではないかと考えております。

 大綱二点目は、将来にわたっての県政の根本的転換をということで何点か御指摘がございました。それぞれについてお答えをいたします。

 まず、仙台一極集中を脱却し、地域づくりや災害対策を最優先施策に位置づけるべきであるがどうかということでございます。

 本県の将来を考えたとき、進展する国際化や産業の高度化など、新たな時代の中で競争力を保持していくためにも、仙台都市圏は東北地方の中枢拠点としての機能を高めていくことが求められております。このため、学術研究機能、国際交流機能、産業支援機能などの整備を図ってまいりましたが、今後も更に集積を図る必要があると認識しております。また、各圏域においては、仙台の都市機能を最大限活用しながら、地域固有の資源などを積極的に生かし、それぞれが個性のある豊かな地域として自立できる地域づくりに取り組んできたところであります。更に、県民の安全安心を守るため、災害に強い県土づくりにもこれまでも鋭意取り組んでまいりました。今後とも、こうした各圏域の持つ機能や特性を生かし、県民が安全で安心して暮らせる県土づくりを進めてまいる必要があると考えております。

 次に、農業振興策、漁業経営安定、森林再生の行政責任施策、農林水産業を含む家族経営を励ます施策展開、それぞれ御指摘がございましたので、それぞれについて一つ一つお答えいたします。

 まず、農業振興策の価格保障、所得保障への切りかえでございますが、農業においては、国では、既に水田農業改革の中で稲作所得基盤確保対策が講じられております。また、平成十九年度からは、農産物の価格指示政策から農業経営全体を保障する品目横断的な経営安定対策へ政策転換を図ることとしております。

 漁業経営安定のための資源管理と価格安定強化についてでありますが、漁獲サイズの制限や再放流など、漁業者が実施する資源管理の取り組みを指導・支援し、資源管理型漁業の強化を図るほか、みやぎの水産物トップブランド形成事業など、県産水産物の知名度向上を図るなど、価格安定に努めております。

 森林再生の行政責任施策への位置づけについてでありますが、森林の再生は、生産資源としてのみならず、地球環境の保全や県民生活の安全確保にとって極めて重要であることから、この森林を的確に守り育て、次の世代に引き継いでいくため、干ばつ対策や保安林などの整備を推進するとともに、県内木材の活用を促進するため、みやぎブランド材の生産と販路の拡大にも取り組んでおります。

 農林水産業を営む家族経営を励ます施策展開についてでありますが、直売所の開設など、地産地消の活動や将来的に地域の産業を担う後継者の育成対策については、これまでも重点的に施策展開してきたところであり、今後とも継続して取り組んでまいります。

 次に、雇用の問題について幾つかありました。青年の常勤雇用、新規高卒者の雇用助成制度、県民生活に必要な分野での雇用対策についてそれぞれお答えいたします。

 まず、青年の常勤雇用の重視ということでございますが、若年者の失業率は、他の年齢層に比べ大幅に高くなっていることから、若年者の雇用対策を重点的に行っていかなければならないと考えております。また、若年者の雇用を考える場合、正規雇用を基本に考えるのは当然のことであり、みやぎジョブカフェにおいても、このような考えをもとに若年者の就職支援に取り組んでおります。

 新規高卒者雇用助成制度についてありますが、新規高卒者雇用助成制度については、現在国において、学卒未就職者を含む若年者を対象としたトライアル雇用事業を実施し、その事業主に対して、施行雇用奨励金を支給しているところであります。県といたしましては、当面、合同就職面接会の開催や求人情報の提供など、新規学卒者就職支援事業を実施し、就職促進を図ってまいります。

 県民生活に必要な分野での雇用対策についてでありますが、ことし七月の県内における二十四歳以下の求人・求職状況を見ますと、求人数が一番多いのは生産工程労務職の二千八百九十九人で、それに対し、求職者は二千二百三十人となっております。一方、求職者が多いのは事務職で、求人数が九百六十四人に対して、求職者は二千四百二十三人という状況です。こういった中で就職を考えた場合、自分の希望する職業と求人側の状況が必ずしも一致しない、いわゆるミスマッチが生じております。ミスマッチの解消のために、県ではインターンシップを実施しておりますが、就職する側も企業のニーズに合わせる努力も一方では必要ではないかと思われます。県といたしましては、県民生活に必要な分野の雇用拡大も含め、県全体の雇用拡大を図り、若年者ができるだけ希望する職業に就職できるように努めてまいります。

 誘致企業が撤退した場合のペナルティーと再雇用など善後策についてでありますが、企業が撤退する場合において、この企業が企業立地奨励金を受けており、かつ、操業から五年以内のときには、奨励金の全部又は一部の返還を求めることとしております。

 従業員の再雇用対策については、再就職促進奨励金制度の活用や宮城労働局、ハローワークとの連携により、必要な雇用対策を講じてまいります。また、市町村と連携し、撤退企業に対して従業員の関連企業へのあっせん要請や、地域企業への協力依頼、更には撤退工場の有効活用の促進を通じ、雇用確保に努めているところであります。

 中小・零細企業の新製品開発や販路拡大に役立つ支援策の強化についてであります。

 宮城県では、全国に先駆けて販売先紹介人による販売先の紹介・あっせん、販売仲買などを実施するいわゆるセールスレップ事業を実施しております。これは再生戦略で実施しております。また、経営革新計画の承認に係る新製品開発や販路開拓への助成を行ってまいりました。更に、今年度からは、企業が開発した斬新で独自性の高い新商品について、競争入札の手続をとらなくも、県みずからが随意契約で優先的に調達することができる制度を導入いたしました。このように、新商品の開発や営業、販売に対する総合的な支援制度を実施し、企業業績の拡大と次なる製品開発への意欲を誘発することなどにより、引き続き地域の企業の支援に取り組んでまいります。

 生活密着型の公共事業についてでありますが、県では、これまでも社会資本整備に関する県民意識調査の結果などを踏まえ、歩行者対策やソフトと連携した防災対策などの生活密着型事業を重点的に実施するよう努めてまいりました。また、実施に当たっては、可能な限り、県内建設関連企業を優先的に活用するよう努めてまいりました。

 多発する下請、孫請とのトラブル等の問題についてでありますが、建設業法に基づく建設工事紛争相談業務の中で対応しておりまして、特に申請された場合は、建設工事紛争審査会において、弁護士を中心とする法律委員と建設行政等の専門委員により、問題の解決に当たっております。また、特に悪質な場合には、建設業法に基づく監督処分及び県工事指名停止要領により対処しております。

 次に、大型店の出店を規制するまちづくり条例の制定と地域商店街の振興についてでありますが、大型店などの立地に際しては、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、農地法などの各個別法により土地利用の調整が図られており、基本的には、こういった法律により、適正な土地利用調整がなされるべきものと考えております。

 現在、大型商業施設などの立地調整のあり方については、国においてまちづくり三法の見直しが進められており、この中で、商業施設などの郊外立地の規制強化や、中心市街地への公共施設の集約化などによる中心市街地のにぎわい回復に向けた法制度の整備が検討されていると聞いておりますので、その動向を踏まえて対応していくことが必要と考えております。

 県といたしましては、各市町の策定している中心市街地活性化基本計画の具現化について今後とも引き続き支援を行うほか、名取市のように、大型ショッピングセンターの進出が予定されている地域においては、新しい展開に対応するため、基本計画の見直しについて必要な助言を行ってまいります。

 次に、福祉サービスの水準の維持についてでありますが、国の構造改革、とりわけ三位一体改革は、真の地方自治の確立のため、地方財政の自立の実現に向けた取り組みであります。このことから、税源移譲を含む税源配分の見直し、交付税改革とともに、補助金による国の関与や規制の見直しを図るため、国庫補助負担金の改革を求めてきました。これは正しいんですが、中身、やり方が悪い部分がございます。

 これまでの改革の中では、高齢者、少子化など、特に福祉施策に係る補助金について、地方の自由度が高まらない交付金化でありますとか、国民健康保険に係る地方負担の導入などですとか、こういったことが行われてきております。つまり、改革の内容は、必ずしも地方が望むものとはなっていないという部分がございます。したがって、県といたしましては、引き続き地方財政自立のための改革の推進を全国知事会を通じて国に働きかけるとともに、市町村や民間とも協力しながら、地域の実情に合った福祉サービスの提供に努めてまいります。

 次に、医師不足、救急医療の現状でありますが、まず、医師不足対策については、今年度、ドクターバンクや修学資金等貸付事業を創設するなど、重点的な展開を図っております。救急医療についても、病院群輪番制の充実や、病院等の医師への救急医療研修の実施を図ってきたほか、今年度、新たにこども休日夜間安心コール事業を展開するなど、一層の取り組み、充実に努めております。

 乳幼児医療費助成制度の拡充についてでありますが、この対象年齢の引き上げについては昨日青野議員にもお答えいたしましたが、厳しい県財政からすれば、厳しい、難しい状況にございます。今後、現物給付方式の導入における医療費の推移や県財政の状況を見据えた上で、制度のあり方も含め検討してまいります。

 国民健康保険の保険証についてでありますが、国民健康保険制度における被保険者資格証明書については、国民健康保険法第九条第三項の規定に基づき、災害その他の特別な事情がないにもかかわらず、一定期間保険料を滞納している世帯主に対し、保険者の収納対策の一環として資格証明書を交付することとされております。この資格証明書は、その交付によって、保険料の納付につなげていくということが制度の目的であります。

 こういったことから、県といたしましては、市町村が資格証明書の交付を検討するに際しては、滞納者の実情を十分に調査し、納付相談、納付指導を行って、画一的な交付をすることのないように指導を徹底し、適切な制度の運用に努めてまいります。

 次に、県立、私立の授業料減免制度の拡充についてということでございますが、県では、昨年度においても、県立高校の授業料に関し、同一生計の判定基準を改正し減免対象者の拡充を図るなど、必要な見直しを行っております。また、私立の高等学校についても、平成八年度から所得要件を緩和し補助対象者の拡大を図るなど、制度の拡充に努めております。更に、高等学校等育英奨学資金や定時制・通信制課程修学資金の貸し付け制度など、幅広い制度を設け修学機会の確保を図っております。

 私から最後になりますが、大型公共事業を中止し、事務事業の見直しによる削減をやめ、県民の願いにこたえる施策を実現するという県政運営の基軸をこのように転換してはどうかということでございます。

 お話のあった具体的な内容、仙台空港アクセス鉄道整備事業、臨空都市整備推進事業、仙台港背後地土地区画整理事業、仙台塩釜港及び石巻港の港湾整備事業、こういった事業は、いずれも本県のみならず、東北地方の継続的な発展に寄与する事業であると考えます。将来にわたり、地域の発展を支える足腰の強い県土基盤を整備していく上で必要な事業と認識しておりまして、県政運営の基軸の転換は考えておりません。しかしながら、現在、県が直面している財政危機をもたらした要因の一つでもある公債費負担の増大を再び招かないために、公共投資全体について緊急性や必要性を検討し、これまで以上の重点化に努めてまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(伊藤康志君) 病院事業管理者久道茂君。

    〔病院事業管理者 久道 茂君登壇〕



◎病院事業管理者(久道茂君) 横田有史議員の御質問にお答えいたします。

 県立病院での夜間・休日救急医療の実施についてのお尋ねでございました。

 本県の県立病院はすべて専門病院であり、各病院の使命、役割に応じて、それぞれの専門診療領域において、夜間・休日救急医療に取り組んでおります。

 具体的に、平成十六年度の救急患者の受け入れ実績で申し上げますと、循環器・呼吸器病センターは、救急告示病院として循環器・呼吸器疾患の救急医療に取り組み、五百七十四人を受け入れ、精神医療センターでは、精神科救急医療体制のもとで病院群輪番制に参加するととともに、更に全県域を対象とする夜間救急に取り組み、八百三十一人を受け入れております。また、がんセンターでは、がん患者の容体急変に対応して六百二十九人を受け入れ、こども病院では、仙台市の小児救急の二次輪番制に参加し、更に三次救急の受け入れを行うなど、時間外の患者受け入れ数は二百六人となっております。

 また、議員御指摘的のとおり、県立病院も医師不足等の課題を抱えておりますが、早期に課題解消を図り、その専門医療領域において責務を果たしてまいりたいと考えております。

 以上です。



○議長(伊藤康志君) 教育長白石晃君。

    〔教育長 白石 晃君登壇〕



◎教育長(白石晃君) 横田有史議員の御質問にお答え申し上げます。

 小中学校の少人数学級の段階的手法を直ちに実施してはどうかという御質問でございますけれども、来年度以降の小中学校における学級編制弾力化事業の実施につきましては、既に実施している学校におきまして欠席率の減少など一定の教育上の効果もあらわれてきておりまして、基本的には、教育活動の連続性の観点を重視する必要があろうと考えてございます。具体的には、平成十八年度当初予算編成の中で判断していきたいというふうに考えてございます。

 次に、地域に根差した学校づくりを進める立場で、県立高校将来構想を見直してはどうかというお話ですけれども、中学校卒業者数の減少がこれからも見込まれるわけでございますけれども、そういった中で、高校生にとっては集団の中での切磋琢磨、社会性の関与、多様な個性との出会いなどが必要でございまして、学校の活力を維持するためにも、一定の学級規模や学校規模を確保する学級減や再編・統合を進めていく必要があると考えてございます。

 これからも、時代の要請に対応した魅力と活力にあふれた県立学校づくりを進めるために、県立高校将来構想の着実な実現を図ることが重要であると考えてございます。

 以上です。



○議長(伊藤康志君) 二十八番横田有史君。



◆二十八番(横田有史君) 知事、質問の中でちょっと触れたんですが、この間、建設企業委員会で、角田の小田川に行ってきたんですよ。知事も十年ほど前、七、八年前、記憶あると思うんですが、内水被害で大変な被害になったところに、あそこに、現地に知事も行ったんです。私も行ったんですけれども。そして知事はすぐに、これは大変なことだと。すぐに堤防改修もあるしポンプアップも必要だと。これに着工しようということだったんですが、この間しばらくぶりに行って、委員会で行ってみて、何と、その後、全然工事が行われていなかった。お金がないから。私は空港が要らないなんて言わないですよ。アクセス鉄道も必要だって言うんですよ。ただ、県民の財産、生命を守るその施策は、やると言ったらやったらいいんじゃないですか。お金がないからやらないというのはどうなんですかということを、私、聞いているわけですね。

 最近、知事がやめるということもあったんでしょうけれども、いろんな社長さんたちからいろんな声が来るんですが、仙台の土建会社の社長さんが、何年か前までは歩道の改修やガードレールの取りつけなどの仕事が結構あったと。それが全くなくなったと。古川の建設、土建会社の人は、学校の雨漏り校舎や壊れたトイレの改修など、小口工事は地元業者に仕事が回ってくるんだと。大きな予算はかからないのに、なぜやってくれないんだと。それから、これも仙台のあれですが、小さな仕事をたくさん出してほしい。一億円の仕事を出すなら、一千万仕事を十カ所出してもらいたいと、こういう声が聞こえている。私は、バブルの崩壊でパイが小さくなっているんですから、その小さくなったパイの中で、大きな聖域化した予算をとっておいたら、残りは本当にもう微々たるもんじゃないですか。この予算の基軸を変えなきゃいけないんじゃないですかということを、全体を通して問いかけているんですよ。いかがですか、この点は。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) これは大きいものをやめて小さいものにしろというのも、また随分単純化だと思います。やはり、必要性のある、緊急度の高いもの、それから多分議員がいつもおっしゃっているアクセス鉄道とか、これはもう既にあそこまでいっているわけですね。始まっているわけですから、やめたっていいんだよとおっしゃいますけれども、そこから生まれるむだというのもありますので、これはそう単純にはいかないと。御指摘の中に災害の問題など、これは我々としてもしっかりと対応していかなくちゃならないものもありますので、これよく考えさせていただきます。



○議長(伊藤康志君) 暫時休憩いたします。

    午後零時二十五分休憩

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    午後一時三十一分再開



○議長(伊藤康志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。五十九番相沢光哉君。

    〔五十九番 相沢光哉君登壇〕



◆五十九番(相沢光哉君) 先日、衆議院議員を務めた内海英男さんの葬儀が東京の青山斎場であり、会葬者の一人として参列いたしました。何人かの心のこもった弔辞を拝聴し、遺族代表の切々と胸を打つ会葬御礼のごあいさつを伺って、一人の著名な政治家の、波乱万丈と喜怒哀楽のドラマに満ちた一生を思い出し、あれこれと感慨にふけっておりました。「棺を覆いて人定まる」と申します。人物の評価というものは、その人が帰らぬ人となって、初めて正当な評価を受けるようになるということでありましょう。

 浅野知事は、だれもが四選を目指すと思っていたのにもかかわらず、三期十二年で潔く、知事の座をおりる決意を示されました。もちろん、知事はやめることを表明したのであって、亡くなったわけではありませんから、「棺を覆いて人定まる」という格言は大変失礼な表現になりますが、それでも、長く続き、今後も、少なくとももう一期は続けることができたであろう知事の座を、みずから決断して退かれるということは、なかなかできることではありません。浅野知事と浅野県政の評価は、今の段階ではまだまだ煮えたぎっている状態でありますから、人定まるとはいかないでしょうが、三期十二年で一つのピリオドを打つということからすれば、今後はいや応なく、ポスト浅野の県政に移行していくわけでしょう。

 浅野知事誕生以来、今日までおつき合いをいただいた一県議会議員の考えも披瀝させていただきながら、議会という公の場での最後の質問、答弁という形で、知事との意見交換をお許しいただきたいと思います。

 浅野県政、三期十二年については、我が会派の代表質問に立った安藤俊威議員を初め多くの議員が触れたところであり、直前でも横田有史議員が、舌鋒鋭く迫ったばかりです。事柄上、論点や内容が重複する面もあろうと思いますが、以下、数点に絞ってお伺いしてまいります。

 第一に、知事四選不出馬関係についてであります。

 八月二十一日に一斉に流れた、浅野知事、四選に出馬せずのニュースは、折から衆議院解散総選挙を控え、大わらわの準備を進めていた各政党関係者には、ことのほか衝撃的に伝わったことと思います。前にも述べたように、だれしもが四選出馬を予想していたのですから、なぜだろう、何かがあったのかと思う反面、私自身、政党の役員という立場から考えて、十月二十三日の知事選の様相は、全く一変すると確信いたしました。その後、知事みずからの見解の発表や記者会見での質疑応答を知るにつれ、「権力は期限つきであるべきという気持ちが強く自分を突き動かした。三期十二年は長過ぎることはないにしても、十分に長い期間だ」とのコメントには、正直、感銘を受けました。

 地方政治の首長、特に都道府県知事は、地方の大統領的権力、権限を持っており、それで私は中統領と勝手に称しているのですが、いずれにせよ、二元代表制とはいえ、議会と首長との関係は、地方自治の車の両輪と例えられたところで、口径も仕様も全く違っており、まともに真っすぐ進むはずはなく、それほど首長の権限は強大であります。

 浅野知事は、コンセンサス型の知事ではなく、トップダウン型の知事であることは衆目の一致するところです。あえて私から言わせてもらえば、食糧費問題、官製談合問題、三本木保健医療福祉中核施設計画、情報公開条例の改正、緊急経済産業再生戦略、入札・契約制度の改正、県立高校一律共学化問題、犯罪捜査報償費問題など、すべてがトップダウン型であります。ただ、誤解を生ずると困るので付言しておきますが、首長がトップダウン型では悪いと言っているのではありません。首長は、主権者たる住民の福祉向上と幸せ実現のために英知を振るう立場にあります。仮に、独断的と思われる政策形成や改変でも、第三者による検証が可能な民主主義的な情報管理を完備する一方、その決定や変更が権力者や権力機構の恣意によらず、公共の目的のために遂行される確証があれば、トップダウン型でもよいと考えるべきであります。ただ、浅野知事の手法の中で、他のトップダウン型知事との大きな違いは、人事権と予算編成権を相当程度駆使したことではないでしょうか。改革に向けての組織への刺激、組織機構を超えての執行権者としての自負が、そのような形を印象づけました。

 みずから信じた道を突き進む、そのような手法が小泉純一郎首相とどこか似て、マスコミや県民から高い評価を得る一方、やり過ぎ、越権と見る人々からは、庁内の士気の低下や権限移譲の組織論での懸念と疑問を示されました。

 ありていに言えば、浅野知事は花を感じさせるタイプだと思います。改革派知事としての華々しい成果に多くの県民は拍手喝采を送り、ジャーナリストは全国知事ナンバーワンの評価をつけました。しかし、一方で、根回しをすることなく、突然中止や解体やカットを断行し、国とも警察とも堂々とけんかをしてきました。庁内では、知事の方針が絶対視されているようであります。そうしてみると、美しい花にはとげがあり、ちくりとしびれさすかもしれません。旧態依然たる既得権意識がはびこっているのであれば、少量、適量の刺激は組織再生への良薬になりますが、分量を間違ってしまうと、組織には致命傷になりかねません。大変難しいものだと思います。

 さて、質問に移ります。

 第一点。知事は記者会見で、「三期十二年、権力は腐敗するとまでは言わないが、浅野県政と言われる体制は、陳腐化、様式化、形式化する。改革を続けていく上で、浅野県政が長過ぎることの弊害も考えざるを得ない。」と、まさに卓見を述べておられます。

 では、これまで、るる述べてきたトップダウン型、人事権と予算編成権の駆使、花を意識させるタイプという論点に照らして、知事の心境をお聞かせください。

 第二点。かつて山本知事は、「知事の座は決して栄光の座でも権力の座でもない。大勢の県民の幸せに奉仕するお世話役であり、それは厳しいイバラの座である。」と述べられております。また、浅野知事は、初当選直後、山本元知事から、「知事になるよりもやめるのが大変だぞ。」と諭されたとも披瀝しております。これらの山本氏の言葉への感想、所感をお聞かせください。

 第三点。知事は、脱政党を看板に、特に無党派層の支持を集め、三回の選挙を見事に勝ち抜いてきましたが、反面、国や市町村、議会や県職員との関係では、ぎくしゃくした面があったと指摘されています。さきの総選挙でも、知事は、決して自民党びいきではないようですが−−そうですね。県民のリーダーとしての立場を経験した上での政治論、政党論をお聞かせください。

 第四点。知事は、今後は本拠地の福祉という領域で活動したいと述べておりますが、知事ほどのキャラクターを生かすとすれば、例えばテレビのニュースキャスターかコメンテーターで登場すれば、相当、視聴率を稼ぐタレントになるのではと思いますが、思い切った転身についてはどう考えますか。

 次に、三期十二年の主な項目について、それぞれお伺いしてまいります。

 まず、財政再建への取り組みについてであります。

 平成十一年の財政危機宣言以来、準用財政再建団体への転落を何としても防ぐということで、財政再建推進プログラムに基づく財政健全化への取り組みが鋭意続けられており、十六年度は転落を回避できたことを、知事も、財政問題に真摯に向き合い積極的に取り組んできた成果と述べております。しかし、準用団体へ転落するというアナウンスは何回目でしょうか。

 本県の場合、実質赤字が標準財政規模の五%を超える約二百二十億円がボーダーラインでありますから、十六年度当初の約三百二十億円の歳入不足、十七年度当初の約三百八十七億円の歳入不足、また、今後、向こう四年間で二千億円と言われる財源不足は、確かに怖い数字と言えます。が、これらは三位一体改革の国と地方財政のスキームがまだ定まらないことが主な要因であり、国と地方間の財政構造上の問題であります。知事が三期でやめられるのは、財政運営の困難さから投げ出したのではないかとか、国との交渉役の一人なのにおりてよいのかとかの議論を呼び起こしている向きも否定できません。知事として、残り二カ月の任期ですが、改めて、財政再建への取り組みと道筋について決意のほどをお聞かせください。

 さきに我が会派の安藤議員が代表質問で、浅野県政十二年における基金取り崩しと県債残高増が合計八千億円に達し、しかも、八割以上が前半六年間のものだったことを指摘いたしました。現在の危機的財政状況は、まさに憂慮すべき状況ですが、その責任は知事一人に負わせるのではなく、その都度議決してきた議会にも、応分の責任があると私は考えます。問題は、いかにして効率的な財政再建策を実行に移すかであります。

 小泉内閣が郵政民営化を突破口として、日本の構造改革を思い切って進め、小さな政府をつくり、官から民へ、国から地方への流れを促進していくという改革路線が国民から圧倒的な支持を得たように、本県でも行政のスリム化や市町村への権限移譲、事務事業の大幅な見直しを図りながら、出るを制す一方、入るをはかる施策を大胆に取り入れ、県民の期待にこたえなければなりません。具体的な内容と数値目標についてお伺いいたします。

 次に、食糧費、官官接待についてであります。

 食糧費、官官接待については、行政の悪しき慣習として一世を風靡するほどの問題として取り上げられましたが、今ではほとんど話題にすらならなくなりました。しかし、十年前の官官接待問題が仙台市民オンブズマンの中央官僚への返還訴訟に発展し、虚実入りまじっての実名報道によって、信用や立場をなくした中央省庁の担当者が、浅野知事及び本県に抱いた複雑な思いは、今日に至ってもまだ連綿と続いていると見て過言ではありません。表向きには、もうそんなことは気にしていませんよと風化した印象を与えますが、これまで十年間、国と本県の関係において、陰に陽に、他県に比べ不利益をこうむってきたことが推測されます。

 以上のことから、国と本県の関係において危惧する状況はなかったのか、また、改善への対策という視点はあったのか。あったのであれば、どのような効果が見られたのかについてお答えください。

 次に、日本一の福祉先進県づくりについてであります。

 浅野知事就任以来の日本一の福祉先進県づくりは、最近余り耳にしなくなりましたが、福祉の実施主体が県から市町村に移行している実態から言って、日本一というデータや数値にこだわることのむなしさ、難しさがあることは理解できます。そういう意味で、最近はみやぎの福祉・夢プランのリーディング施策に関する具体的な事業の展開を、福祉日本一加速化事業として位置づけていることは注目に値します。しかし、介護保険の制度化、障害者支援費制度の導入、また、いろいろと課題を抱えている障害者自立支援法の法制化の問題と、福祉分野が、今、目まぐるしく変化している中で、浅野知事が三期十二年で一番後ろ髪を引かれるのが、みやぎの福祉ではないかと思います。知事は、みやぎの福祉は明確な哲学と方法論を持って方向性を示し得たと言っておりますが、その具体的な形が知的障害者施設解体宣言と、新しく統合した県社会福祉協議会に集約されているのだと思います。しかし、いずれも障害者団体や障害者を抱える家族、そして市町村社協関係者から、疑問や懸念が寄せられていると聞いております。

 知事は、これらの声にどのようにこたえるのか。そして、みやぎの福祉の仕上げに向け、だれがどのようにイニシアチブをとっていくのか、将来像はどのように描いているのかについてお答えください。また、知事は、県社会福祉協議会の会長ポストにつく考えなのかについてもお聞かせください。

 次に、緊急経済産業再生戦略についてであります。

 八月三十日に開かれた緊急経済産業再生戦略会議に出席の各委員から、戦略の成果はおおむね評価が高く、十七年度末までの見通しも企業誘致、若者に対する就職支援、公共土木施設の耐震化、産学官連携などの分野で、それぞれ見るべき緊急再生の効果が期待できる状況にあることは喜ばしいことであります。ただ、三年間の成果で終わるのではなく、戦略の継続をどう図るのか、予算面の手当ては可能なのか、事業の選択と集中をどう図るのか、みやぎブランドを高めるためのマーケティングはどう進めるのか、閉塞感が強い一次産業や地方経済にどう活力をつけるのかといった課題解決への姿勢が問われていると思いますので、現状での評価と今後への対策についてお示しください。

 また、緊急再生戦略は、県職員の貴重な給料カットによってその原資の一部が賄われており、事業成果について十分な説明責任を果たすべきと思います。その方式や時期についてお考えがあればお示しください。

 次に、入札・契約制度と落札率についてであります。

 落札率という概念が定着した平成十一年度以降、本県発注の土木部、産業経済部の入札執行状況を見ますと、落札率は年々低下し、平成十六年度の建設工事に係る入札結果では、落札率七七・五%と、全国一低い数値を示しました。工事金額総額が最盛期の半分という状態ですから、三期十二年の浅野県政は、建設業界にとって、まさに苛斂誅求の一言と言ってよいでしょう。

 一方で、徹底した談合排除は、オンブズマンやマスコミから高く評価され、そのこと自体は社会正義の一環として当然、常に追求すべきであることは論を待ちませんが、全国都道府県の落札率比較で見ると、実に二〇%の違いがある県もあり、公金の節減と地域経済の疲弊の相関関係を考えれば、予定価格から数十%引きが当たり前とする本県の姿勢は、財政再建というにしきの御旗を振りかざし、痛みを外に押しつけていることにほかならず、行政のあり方として、もっと複眼的な価値観に立った施策を検討すべきと思いますが、お考えをお示しください。

 次に、県立高校の一律共学化についてであります。

 県立高校の一律共学化は教育委員会の所管事項ですが、浅野知事の考え方が色濃く反映されていることは否定しようもありません。共学化の問題は、少子化の波が急速に押し寄せる我が国の現状から、県立高校の数そのものが過剰となることが避けられない中で、同一地域にある別学校を統合して共学校に変えることによって数合わせを容易にする一方、統合共学化を受け入れやすくするための説得材料として、仙台市内の別学校も一律共学化するので了解してほしいという論法に使われたと見るべきでありましょう。なぜならば、将来にわたって、なお定員維持が可能な仙台市内の別学六校を統合する必要性は当面はなく、財政難のとき、わざわざ共学化を図る教育的理由は見当たりません。

 税金で賄われる公立校は、性差による制限を設けるべきでないという論理は、義務教育校ならいざ知らず、既に存立している歴史と伝統ある中高等教育機関に、教育委員会という役所が行政的に押しつけるべきではありません。中高等教育機関になればなるほど、建学の精神、学の独立、校風の遵守といった目には見えない高い価値観を大切にしなければなりません。別学校には別学校のよさと効用があり、全国的に公立高校の地位低下と学力低下が叫ばれているとき、公イコール平準化という短絡的思考は、高い教育的見地を持つ教育界の方々にふさわしいとは思えません。

 浅野知事が三期十二年で退陣される折、埼玉県の事例もあるわけですから、ぜひ調整会議での議論を深め、十分な理解と同意を前提に慎重に対処していただくよう求め、答弁をお願いいたします。

 次に、県警犯罪捜査報償費についてであります。

 浅野知事と県警とのバトルは、どこで着地点を見つけて決着をつけるのか、皆目見当がつかない状態になりました。双方に言い分があり、引くに引けないとは思いますが、県の執行部同士の争いは、県民から見て極めて異例、異常であります。特に、知事が過去の報償費執行が疑わしいから現今の予算執行を停止するという手法は、いわば別件逮捕のようなもので、対抗上、県警が署員のカンパで賄う事態に至っていることも、犯罪防止、治安維持の観点から好ましくありません。

 地方自治法第二百二十一条には、予算の執行に関する長の調査権等が記されておりますが、ここに言う必要な措置が予算執行停止まで含まれると解釈しているのか、あるいは他の条文に準拠しての判断なのかをお示しください。

 犯罪捜査報償費については、北海道警ほかの事例もあり、知事が県警の内部監査に不信感を持ち、また、本年六月の仙台地裁の不正支出認定を受け憤りをあらわすのはよく理解できますが、直接の証拠や証言がない以上、法治国家としては疑わしきは罰せずが正当ではないでしょうか、お答えください。

 知事と県警は、平成十二年九月にも、県情報公開条例の改正をめぐって激しく対立し、議会の修正案を再議権行使で否決し、結局、知事、県警が歩み寄っての決着を見ましたが、第一次判断権に関する確執は一体何だったのか。その後話題にも上らないだけに、本県の情報公開条例改正に近い他県条例はどれほどあったのか、改めてお尋ねいたします。

 先ごろ、近藤本部長は、平成十八年度から、監査委員に対し、原則、報償費支出関連文書を全面開示する方針を表明し、大変結構だと思いますが、守秘義務を持つ監査委員とはいえ、情報協力者等の保護のためにどのような対策を講じるのか、県警及び監査委員にお尋ねいたします。

 また、あわせて、現在の監査制度は、過去の食糧費や旅費の不正支出の例に見るように、現行の地方自治法の規定では、監査上の書類提出請求権はあるものの、捜査権はなく、要求監査に応じ切れない限界があります。一定条件を満たす場合の特例として捜査権を認めるなど、伝家の宝刀を抜く構えを持つだけでも、監査機能の強化につながると思います。もとより、そのためには、法改正が必要になると考えますが、そのことを含め監査委員の御所見をお伺いします。

 最後に、知事による予算執行停止は、任期満了が近いだけに、いつ、どのような条件ならば解除する考えなのかお伺いし、質問を終わります。

 知事には、長い間、大変切磋琢磨の御厚誼にあずかり、また、その発想、行動力、ユーモアに教えられることがたくさんありました。深く感謝申し上げ、今後ますますの御活躍を心からお祈り申し上げます。

 御清聴まことにありがとうございました。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。

    〔知事 浅野史郎君登壇〕



◎知事(浅野史郎君) 相沢光哉議員の御質問にお答えいたします。

 相沢光哉議員とは、私が知事になってからずっとのおつき合いでございますから、十二年間おつき合いをいただきまして、また、この議場でもちょうちょうはっしの意見交換も含め、私も大分鍛えられたという気がしております。また、ただいまは、お優しい言葉をいただいたような気もいたします。感じ入っております。ありがとうございます。

 ということで、御質問にはしっかりとお答えしていきたいと思いますが、四選不出馬ということに関連してお話がございましたが、トップダウン型であるということ、それから、花を意識させるタイプだとかございましたが、トップダウン型で幾つか例を挙げられました。あれは大体当たっているんです。ただ、率直に言ってというか、県立高校男女一律共学化、これ、私のトップダウンではございません。事実関係としては。教育委員会が持ってきて、最初、何だと、そんなことおかしいと言ったのが、だんだん私も理解をしてきて、そのうちわかって、理屈を言うと私も燃えてきますので、私のそもそもの原案だったみたいになるんですが、これは教育委員会からの話があったという、これは経過でございます。

 それから、公共工事の入札制度の改革も、これはコンセンサスを積み上げていってやったというふうに私は思っております。私がやれーっという号令一下ではなかったような気もしているんですが−−それはよしあしではありませんよ。今お話があって、ちょっとどうだったかなというふうに思い出しながら申し上げました。

 御指摘もありましたが、そのトップダウン型で幾つかやったものも含め、私も思い込むと命がけみたいなところが実際あります。譲れないものは絶対譲れないとか、ここでも今展開していますけれども、負けるとわかっていてもやることはやってしまうとか、人事案件ではございました。そういう部分もあって、これは反省ということじゃないんですけれども、これは私のありようで、開き直っているわけではありませんが、変えようがないということで十二年間やらせていただきました。その間、いろいろな議論もあって、私も考えるところございましたが、そんなことを今この段階で思い出しつついるところでございます。今はまだ、思い出すには早いというふうに申し上げております。残された任期、課題の解決に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

 それから、山本壮一郎元知事のこと、私が引用した言葉の更に引用がございました。感想と所感ということですが、山本知事、知事の座は栄光の座ではないと、権力の座でもない、厳しいイバラのいすであるというふうなお話がございました。

 私は、余りイバラのいすだというほどの大変さというか、それはもちろん責任の重さというのはありますけれども、大変で大変で、何とか歯を食いしばって頑張ろうという気持ちでこの知事の座を務め上げてきたという気は、率直余りありません。責任は感じつつ、しかし非常にやりがいのある、手ごたえのある仕事だなということを思いつつ、誤解があるかもしれませんが、楽しみつつというところもありました。そんなふうにやってきたので、余りイバラのいすというほどまでの感じは持っていなかったというのが率直なところです。

 もう一つありました。知事はやめるのが大変だぞと言われたのは、これはその言葉もそうなんですが、私が知事就任して三日目に言われたことだということなんで、これは非常に印象に残っています。実際今やめるに当たって、やめるのが大変と余り思いません。私がやめると言えば、やめさせてもらえそうな状況でありましたので。ただ、やはり、長くやるというのはこれは私は自分で恥ずかしかったということを、知事三日目の私におっしゃったということがすごく心に残っておったと。今回の一つの私の決断も、このことが関係ないとは言えないと思います。それだけ重い言葉だというふうに今でも感じております。

 それから、私の政治論、政党論ということでございますが、選挙で私も脱政党、無党派層の支持を集めて三回の選挙を勝ち抜いたとか、その反面において、国、市町村、議会、県庁職員とぎくしゃくした関係があったと、これの指摘もありました。その上での政治論、政党論ということですが、私、政党論として、もちろん政党政治の否定ではありません。何度も言っているように、もし私が仮に国会に出るとすれば、必ずどこかの政党に属しますと。そういう仮にということがあるのかとまで言われましたけれども、というように、当然ながら、政党というのは政治の場を通じて民意をしっかりと把握して、県民、国民が求める社会を、政策を通して実現する政策集団でありますので、これは絶対に必要なものであるし、重要な役割を果たしていると思っております。

 今回の衆議院議員選挙を振り返りましても、政党が政策を明確な争点として有権者に示した選挙、これは非常に画期的な意味もありますけれども、そのように思っております。当然のことながら、政党は政策を基軸に運営されるということを、この選挙の場で如実に示したというのは私は言ったり書いたりしていますけれども、日本の民主主義の発展の中で画期的な選挙であったと思っております。もう、後戻りすることはないだろうというところまでのものと考えております。その意味では、私はむしろ、今後日本の政治においては、政党の重要性というのは増していくものと感じております。

 思い切った転身についてということで、ニュースキャスターとかコメンテーターで登場すればというお話がございましたが、今のところ、そういうお申し出は一件もございませんので、今残された任期、最善を尽くすということで、退任後のことについては具体的には何もございません。

 次に、財政再建への取り組みということで幾つかお尋ねがございました。順次お答えをいたしますけれども、現在、本県が直面している財政危機の根底には、国と地方の間の財政構造に問題があるという認識、これは議員がおっしゃったとおりでございまして、全く同感でございます。このため、私は、地方財政自立改革というものの必要性を訴えてまいりましたし、その気持ちはますます強くなっております。そういったことでございますので、今回四選出馬せずというのが、財政運営の困難さを投げ出すということで三期でやめるんだというのは、もう、私ちょっと、冗談じゃないと言いたい気持ちはございます。今後は、先般取りまとめました財政再建推進プログラム改定に向けた基本方針に基づいて、知事として残された期間中に必要な取り組みを進めてまいります。準用財政再建団体への転落を回避するための道筋をしっかりとつけるということが、私の責任であると強く感じております。

 財政再建のための具体的な内容と数値目標についてということでございますので、ちょっと数字も含めてお話をさせていただきます。

 現在、本県が直面している財政危機に対処し、準用財政再建団体への転落を回避するためには、まず歳入面、歳出面両用ございますけれども、歳入面で申しますと、地方債の活用により約八百五十億円です。これは御指摘にもございましたけれども、はっきり言って先送りということにならざるを得ないんですが、この分が八百五十億円です。それから各種基金、県有資産の有効活用により、約二百五十億円確保を図らなければならないと考えております。歳出面で申しますと、人件費、総額の抑制や内部管理経費の削減など、行政のスリム化により約二百億円、公債費の平準化により約四百五十億円、これらを縮減させることが必要であります。その上でもまだ実は解消し切れません。この財源不足額が解消し切れませんが、それについては事務事業の見直しにより、約三百億円確保をするということにしております。これは目標でございますが、この目標を念頭に、これから具体的な検討を進めて、次期の財政再建プログラムの策定につなげてまいりたいと考えております。

 次に、十年前の食糧費問題、官官接待ということに端を発して、現在でも国と県との関係がぎくしゃくしているのではないかと、こんな状況についてどうかということでございますが、私はそのようには認識はしておりません。国もそこまでずっと根に持つということのものではないというふうにも思っております。これは希望ではなくて、実際にそのように認識をしております。基本的には、御心配していただいているような状況には至らなかったと認識をしております。このやろうという思いは、その瞬間あったと思いますよ、これは。私個人に対しても。しかし、それを今引きずっているということはないと認識しております。私どもも、別に国を敵視するとか、それから上下の関係ということも余り思いたくないというふうにも思っておりまして、例えば国に対して提案、要望する際にも、そういった気持ちで、事業についてもその必要性や効果について真摯に議論をするという状況、また、時には我々の方から提案を行うということもやってまいりました。そういったやり方で本県の実情について理解を得、さまざまな要請にも応じていただけたものと考えております。

 次に、日本一の福祉先進県づくりということに関連して、幾つか疑念も残っているけれどもどうかということで、具体的にみやぎ知的傷害者施設解体宣言に対する家族からの疑問、疑念、どう対応するのかというお話がございました。

 この知的障害者施設解体宣言というのは、解体に目的があるものではもちろんございません。知的障害のある方が、地域で普通の生活を送ることができるように、条件整備を進めるんだということの宣言でございます。この理念の実現に向けて、これまでグループホームや通所型の施設の整備を積極的に進めてまいりました。今後も、新しいみやぎ障害者プランの中で設定した施設整備目標の達成に努めてまいります。これは、家族の方が、何だというふうに反応するのは、ある意味では当然だと思います。泣きの涙で施設に入れた子供が、自分のところに帰ってくるんじゃないかとか、そういったことについて心配される、これは当然だと思いますが、ただ、これはやはり選択肢についてなかなか見えていなかったと。十年前、二十年前は、グループホームに知的障害の方が住むというような状況は、本県内にありませんでした。自分らしい日中活動を元気に行っているという姿も、なかなか見られませんでした。ぜひ家族、関係者の方に、今の宮城の状況を、そういった現状を直接見ていただきたいと思います。そういったことがあれば、おのずから疑問や懸念というものもなくなるものというふうに確信をしております。

 それから、新生の県社会福祉協議会に対する市町村社協関係者からの疑問、懸念ということもございましたが、これは、私はこれからの福祉は市町村が主体だというふうに言っております。実態もそうでありますし、その際に、市町村社会福祉協議会も市町村の仕事を助けるべき実動部隊になると考えております。その際に、実際には県の社会福祉協議会、相当たえられる部分がございますし、県の社会福祉協議会としても、地域福祉の推進のために、市町村の社協にいろいろ支援をするというところがふえてくるものと考えております。そういったことで、むしろ力を、基盤を強くするために、新生県の社会福祉協議会というものができたわけでありまして、その意味では、市町村の社会福祉協議会としても、むしろ新生宮城県社会福祉協議会に期待しているところ大ではないかと思っております。実際に、県の社会福祉協議会では、市町村社協を個別に訪問し、意見交換を行うといったことを統合後に、すぐに幅広くやっております。そういった中で、それぞれが対等なパートナーとして連携を図っていくというような素地ができていると考えております。むしろ、我々県といたしましては、この統合による効果というものを最大限発揮できるように、宮城県社会福祉協議会を支援してまいりたいと考えております。

 次に、この福祉の問題について、その仕上げのイニシアチブと将来像はどうかということでございますが、福祉先進県づくりを推進するためには、みやぎの福祉・夢プランというのがございます。これをもとに各種施策を実施してまいりました。私が願っておりますみやぎの福祉の将来像というのは、高齢者も若者も、障害のある方もそうでない方も、ともに地域で当たり前の生活を送れるような社会をつくりたいと。すなわち、地域で自分らしい生活を安心して送れる社会ということでございます。これが夢プランの基本理念そのものであります。この思いをこの三期十二年にわたって持ち続けながら、福祉先進県づくりの取り組みを進めてまいりました。今後、これまでの取り組みが着実に実を結んでいくだろうと思いますし、また、県職員や関係者の中にも、私が思い描くみやぎの福祉の将来像を理解し、その実現に向け、情熱を持って取り組む人たちが数多く育ってきたということは心強くもあります。また、期待もしているところでございます。知事として残された任期、その総仕上げに向けて、精いっぱいやってまいりたいと考えております。

 県の社会福祉協議会会長への就任はどうかということですが、私は現在、県の社会福祉協議会の会長を務めておりますが、知事の退任後どういうふうになるのかということについては、まだ白紙の状態でございます。

 次に、緊急経済産業再生戦略についてでありますが、戦略事業の現状での評価と今後の対応ということでございます。

 再生戦略プランに挙げてあります各事業は、予定したスケジュールに従って順調な進捗が図られております。具体的成果も着実にあらわれております。また、戦略目標として掲げた雇用創出数、企業誘致数、ほぼ計画どおり達成を見込んでおります。具体的には、若年者に対するみやぎジョブカフェでの就職支援など、緊急に雇用を確保するプロジェクトも順調に進められております。企業誘致も、誘致促進に向けた体制整備や精力的な誘致活動の結果、計画以上の誘致数を確保してきております。また、本県の経済成長を長期にわたって支える成長産業群を創出するため、アグリビジネス、環境、リサイクル、ITなど、七つの分野において産学官連携のもと企業の支援を行っており、計画どおり新しい産業の萌芽が見られております。

 今後の対応でありますが、再生戦略プランは今年度で終了であります。が、戦略実施による具体的成果が着実に上がっているということもありますので、この流れは確実なものにしていきたいと考えております。そのためにも、必要な事業については継続していくこととしております。このため、まず、再生戦略の成果、効果の検証をしていかなければならないと思いますが、その検証を踏まえて、現在作業中のみやぎ商工業振興中期行動計画の策定や、みやぎ食と農の県民条例基本計画の見直しにおける議論を踏まえ、地域ブランドの形成など、地域経済活性化に向けた効率的、効果的な事業について検討してまいります。

 次に、この戦略事業の成果がどうであったのかということの説明責任があるでしょうと。これは職員の給与カットということもあるので、その説明方法や時期についてはどうかということでございます。

 この戦略事業の実施に当たっては、職員の協力はもとより、挙県一致体制のもと、市町村や民間の連携と御協力をいただきました。その意味から、事業実施の進捗状況や成果については、戦略本部会議を開催しながら定期的に報告してまいりました。今後、今年度が最終年度でありますので、具体的成果や達成状況を踏まえながら、戦略期間終了時点における最終的な成果と実施効果、これを多面的に検証して、その結果をまとめることにしております。その時点において、さまざまな媒体を通じ、さまざまな機会を活用しながら、県民の方々や県職員を初め関係者に広く示していきたいと考えております。

 次に、入札・契約制度に関してでありますけれども、複眼的な価値観というお話がございました。つまり、公金の節減という一方、もう一つ、地域経済の疲弊を避けるという、そういったことも考えるべきだという御指摘だと思います。

 平成十三年度から一般競争入札の適用拡大ということを実施しております。これも大きな要因となって落札率が低下傾向にございます。県としては、地域限定型の発注や優良企業などを対象とした工事の発注に努めてまいりましたが、一部、異常に低い落札率が出ているということも事実でございまして、このことにかんがみ、今年度から新たに低入札失格の数値的判断基準というものも導入したところであります。しかしながら、この制度を導入した後においても、落札率の低下というのが見られますが、この低下の要因の中には、下請業者や労働者へのしわ寄せをした結果というものもあると見られておりますので、このことは憂慮すべき事態というふうに考えております。

 このようなことから、県としては、引き続き透明性、公平性、競争性を図りながらも、どのようにしたらこの落札率の低下傾向に一定の歯どめがかけることができるのかということを、早急に検討してまいりたいと考えております。

 次に、県立高校の男女共学化、一律共学化の問題についてであります。

 県立高校の共学化については、県教育委員会の所管事項として進められております。ことしの二月県議会では、県立高校将来構想の見直し等を求める請願に対して、附帯意見が付されました。県立高校将来構想の着実な推進ということも内容として含む附帯意見が付されて、一部採択ということになったところであります。県の教育委員会では、この県議会での議決結果を踏まえまして、平成二十二年度までに、すべての県立高校を共学化するということを改めて確認をいたしまして、県立高校将来構想の着実な実現に向けて取り組んでおります。特に、仙台二高については、平成十九年度からの円滑な共学化に向けて、県教育委員会と同窓会及び保護者の方々と話し合いが行われていると承知をしております。県立高校の共学化は、この県議会での議論も含めたさまざまな場面で、さまざまな角度から議論を経ているものでございます。県民の意見も十分に反映しながら進められてきており、また、今議会における教育長答弁においても、共学化に向けた強い意思が示されております。

 私といたしましても、議員のお話にもございましたが、建学の精神、校風といった価値観も大切にしながらも、性差による区別のない県立高校というものがスケジュールどおり実現されるよう願っております。財源の確保等必要な措置を講じ、支援してまいりたいと考えております。

 次に、犯罪捜査報償費の問題について何点かございましたのでお答えをいたします。

 まず、この予算の執行停止をしていると、その法的根拠はどうかということでございます。

 何度かお答えしておりますが、また改めてお答えをさせていただきますが、今回の予算の執行停止という措置は、予算執行権が、普通公共団体の長、つまり、知事に専属するということを定めてある地方自治法第百四十九条第二号の規定、これが根拠でございます。この規定を根拠にして知事として予算執行権を果たす、つまり、予算が適正に執行されているということをしっかりと担保すると、その職責を果たすために講じたものであります。

 御指摘のありました地方自治法第二百二十一条第一項の規定、これ若干、私、不正確に引用したかもしれませんが、この規定は、予算の執行を委任することによって、知事の権限が直接及ばない事務についても、知事に調査権、措置要求権があるということを定めた規定でございます。しかしながら、本県においては、警察本部長に対して予算の執行事務は委任してはおりません。このため、知事の権限が直接及びます。警察本部の予算についても及びます。ということで、予算執行が知事の専権事項であるということを定めた、さっき申しました地方自治法第百四十九条、これを根拠として予算の執行停止の措置を講じたというものでございます。

 次に、疑わしきは罰せずというお話がございました。つまり、犯罪捜査報償費について、適正に執行されていないという直接の証拠や証言がないんだから、疑わしきは罰せずというのが正しい判断ではないかとありますが、まず、今回の予算執行停止は罰ではございません。何度も申し上げていますが、ペナルティーではございません、これは。何か、怪しいから、疑わしいからとめるぞという罰ではありません。怪しいことをやったからとめるというのでもありません。これは、また段階を踏んでやっているということですが、今回の措置は、犯罪捜査報償費の適正な執行に疑念があるということだけで突然行ったというものではございません。逐次公表もしておりますし、議論もしておりますので御存じと思いますけれども、これまでも段階を踏んで、いろいろな手だてを尽くして、警察にどうなんですかというようなことを私としては迫ってきました。これは予算の執行に責任を持つ知事として迫ってきたというか、対応してきたわけでございますが、しかし、その場面場面でそうなんですが、その疑念を晴らすことができなかったということで決断したものであります。これも余りちょっと正確な言い方でないかもしれません。疑念を晴らすことができなかったというより、具体的に適正な執行ということを確認するための手段として示した書類を出してください、捜査員から聴取させてくださいということが拒まれたということですね、疑念を晴らすことができなかったというよりは。そういうことで、予算の執行停止をせざるを得ないというふうに判断したものでございます。

 繰り返しになりますが、申しますと、具体的には、他県警察での不適正な経理が明らかになるなど、捜査報償費の執行に疑念が深まっているという中で、これまで支出関係文書の提出や捜査員などへの聴取を要請してきましたが、これらについては、県警から、捜査上の支障ということを理由に拒否されてきたということでございます。

 また、この間、監査委員への監査要求や予算編成上の執行状況調査というのも実施いたしましたが、やはりこれも捜査上の支障ということを理由に、その状況を明らかにすることができなかったということでございます。したがって、予算の適正な執行を証明するためには、捜査上の支障ということを言わなくても済むというか、そういう問題の出ない県警での内部監査というのが非常に大きな意味を持つというふうに考えたわけであります。そして、だから内部監査をやってくださいねということを申しました。やるということになってやったわけですけれども、しかし、その内部監査においては、協力者について全く当たっていない、一件も当たっていないということで、これこそが確認すべきことだったにもかかわらず、その意味では、この内部監査、極めて不十分なものということで終わったわけでございます。そのために、疑念が残ったままで捜査報償費の執行を続けるということは、予算の執行権者として職責を果たすゆえんではないということでございまして、最終的に執行停止の措置を講じたものであります。

 それから、大分昔の話というか、平成十二年の九月議会を思い出させていただいたんですが、情報公開条例の改正で、わんわんの議論がありました。

 もう五年前ですね。これは一体何だったのかというお話ですが、これは私も思い出したんですが、宮城県情報公開審査会の答申があって、それをもとにして情報公開条例の改正案をつくったわけですね。このときに、県警が、公安委員会が執行権、情報公開の執行者になったわけですね。それに伴う改正だったんですが、情報公開審査会の答申を受けた原案をつくったんです。そしたら、県警から、これじゃだめだという話になったんですね。第一次判断権のあれをめぐって。まさに執行部内で議論になりました。だけれども、そこは知事として条例提出権者ですから押し切ったわけですよ。これでいくと。これは、情報公開審査会という答申が土台になっています。ですから、私は実は、情報公開審査会の御意見もあるんだから、なぜそんなに県警がこだわるんだろうということで、実は奇異な感じを持ったというのが、いろんなことがあった一つの、ここから後続くものの第一号だったのかもしれません。あとは、御存じのとおりけんけんがくがくの議論があって、いわば県警は議会のところに議論の場を持ち込んだわけですよね。原案が否決されたということで、それで再議権とかいろいろあったわけでございます。そういったことが経緯でございました。その議論によって、論点は一応明確になりました。その次の議会で条例改正したわけですけれども、これは警察本部と知事部局で一応歩み寄りということですね。何とか歩み寄りの案を出して、これが十一月議会で条例改正となったわけです。

 他の都道府県ではどうかということでございますけれども、宮城県のように、警察本部長の第一次判断権を制限するというような条例改正の例はございませんが、北海道、秋田県においては、警察本部長の第一次判断権に関して、非開示となる情報を累計化して列挙しているという、条例改正の例があるというふうに承知をしております。

 私から最後になりますけれども、じゃ、その執行停止というのは知事の任期満了もあと二カ月だと、一体どういう条件があったら予算の執行停止を解除するのかということでございます。

 これは何度も言っております。説明をしてくださいと。だから、具体的に言えば、支出関係の書類を出していただいて、そして捜査員からの聴取もさせていただくと。その際に、その中には非常に微妙な捜査上の支障になるような情報、慎重に扱ってもらわなければならない情報もあるでしょう。わかっています。そのとおりだと思います。だったらば、どういうふうにすればそこに触れないで済むのかということもちょっと議論しましょうと。その上で、そこは避けるようにしながら何とか確認をしたいと。確認ができれば、これは予算執行停止は解除いたします。その意味では決してハードルは高くないと言っているんですが、御存じのとおり、今に至るまで書類の提出はございません。捜査員からの聴取してくださいということになっていません。大変残念でございますが、引き続きこれはあと二カ月、精いっぱい頑張ってまいります。



○議長(伊藤康志君) 警察本部長近藤善弘君。

    〔警察本部長 近藤善弘君登壇〕



◎警察本部長(近藤善弘君) 相沢光哉議員の御質問にお答えいたします。

 県警察といたしましては、協力者の保護と協力者との信頼関係の確保を図るため、県の監査委員の監査においても、協力者の氏名等をこれまで開示してこなかったところであります。一方、監査委員からは、協力者についてマスキングなしでの資料の提示の御要請があり、県警においてもその要請にこたえるために、何が可能であるかという観点から検討を行ってきたところであります。県警察といたしましては、過去のことについてはいかんともしがたい面がありますが、今後の警察と協力者のあり方については、業務のあり方を見直し、協力者に対してあらかじめ監査委員に氏名等が開示されることがあり得ることを説明の上、了承を求めるという方法に改める努力を行ってまいりたいというふうに考えております。このようにすることについては、捜査の現場からは協力者の協力確保に関して若干の懸念の声があったのも事実でございますが、県警察といたしましては、協力者に、直接、間接に確認をしないことということを前提として、十八年度執行分からは、捜査上、特段の支障があるものを除き、原則、マスキングなしで提示できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 監査委員阿部徹君。

    〔監査委員 阿部 徹君登壇〕



◎監査委員(阿部徹君) 相沢光哉議員の御質問にお答えいたします。

 二点ございました。

 まず、協力者保護の対策についてでございますが、監査委員といたしましては、県民の安心安全を確保するという警察活動の重要性は理解しておりますので、監査に当たっては協力者に不安を与えることのないよう、慎重に配慮する必要があると考えております。したがって、捜査報償費につきましては、協力者の保護に配慮しつつ、支払いの事実確認ができる方法について県警察との間で協議してまいりました。この協議の中で、県警察からは、平成十八年度執行分から、原則、全面開示とするものの、協力者には接触しないことという条件が示されております。監査委員といたしましては、捜査報償費の支払いの確認について、証拠書類のほか関係書類等が提示され、また、捜査員等からの聞き取りを通してその支払いを確認できれば、協力者への接触は要しないと考えており、その旨を県警察に説明しているところであります。

 なお、監査の過程で、もし疑義が生じた場合、協力者に接触することなく、どのような方法で確認がとれるのかについては、今後、更に具体に協議していくことが必要と考えております。

 また、監査委員としましては、過年度分についても、平成十八年度からの執行分と同様に取り扱うべきものと考えております。県警察には、監査委員の考え方を理解していただくよう、今後とも努力してまいりたいと考えております。

 次に、監査機能の強化についてでございますが、監査委員といたしましては、犯罪捜査報償費に係るこれまでの知事要求監査や定期監査において、協力者の氏名等がマスキングされ支払いの事実確認ができなかったことは、まことに残念に思っております。監査委員には、関係書類調査、関係職員からの聞き取りのほか、必要なときは情報提供者など関係人の調査を行うことができる旨、法的に認められておりますが、拒否された場合には、それ以上の強制的調査を行う権限はなく、もどかしさを感じております。監査委員といたしましても、監査機能の強化の必要性は強く感じておりますので、今後、全都道府県監査委員協議会連合会の活動などを通じて、必要な法改正に向け、努力してまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 五十九番相沢光哉君。



◆五十九番(相沢光哉君) 御答弁ありがとうございました。

 おおむね了解をしたわけですが、知事のこの犯罪捜査報償費に係る予算執行停止の考え方ですね、これは知事の立場になると、当然そういう限りない疑念、疑惑、疑い、これがあることは私もよく理解できますし、それでこういう方法をとっているというふうになっているわけですけれども、私は別件逮捕ではないかと言ったのは、少なくとも、今、当該年度の予算をストップしているわけですけれども、では、知事はこの十六年度後半のこの時期の部分が、頭から疑わしいと思っているわけではないはずなんですね。ここの部分でですね。ところが、過去にそういう問題があるから予算執行権者として当面、今できる執行中のものを停止しているという、私は構図になっていると思うんですよ。私はそう思います。そういうことから言うと、知事の権限というのは一体どこまで認めていくのか。過去のこの議会でもいろいろ指摘があったように、政治家である知事には守秘義務はないわけですね。守秘義務がない行政の長が、全部の書類を見せなければ納得できないという態度に出ること自体が、やはり執行の秩序といいましょうか、権限移譲をしていくという行政のあり方の面から言って、私は大変疑問に思う部分があります。ですから、疑わしい、大変不信感がいっぱいだ、これはおかしいと、一〇〇%クロに近い、そういう思いがあるのはよくわかるんですけれども、では、だからといって、具体的な証拠とか証人が出てはっきりとした証拠書類を提示して、宮城県警はこういうことをやっているんですよということがはっきり出るなら私は全く問題はないと思いますが、それがない状況の中ではどんなものかと、こう思いますので、その点だけお尋ねいたします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) ちょっと御質問を聞きながら、私、首を横に振ったのは、十六年度後半、また、今年度のあれ、適正に執行されているということを私確認しておりません。だから、はっきり言えば疑っています。なぜかといえば、不適正にやっている証拠はないじゃないかとおっしゃるんですが、私からすれば、今も、今現在も、適正に行われているということを確認していません。だから、それは確認させてくださいというんですよ。それは何となく−−はっきり言いますよ。過去はあったかもしれないけれども今はやっていないでしょうというふうにも聞こえるんですが、ただ、それは、ただの物言いです。今現在、適正に、すべて、一件も間違いなくやられているという証拠はございません。なぜならば、そういう確認をしていないからです。だから、それは確認させてくださいと言っているわけですね。それで更に言えば、それを−−現在のは実は生々しいですよ、相当。今現在、捜査中のものもあるかもしれません。だから、それは相当慎重に見るところもあるんです、それは慎重にしますが、過去のものについては生々しさはどんどんなくなりますから、現在のものについて確認できるなら、過去のものはもっと簡単に確認できますね。今の御質問の中で、明確に言っているのは、今現在も適正に執行されているという確認はしておりません。だから、確認させてくださいと。それがだめですと。しかも、守秘義務がないとかある−−この議論はやめますよ。この守秘義務ある、ないはやめますけれども、それにしても、慎重に扱われなければならない情報がある。これは認めます。県警がおっしゃっているとおり。さっきの繰り返しになりますが、だから、そこに触れないように、それで確認するという方法はあるんですよ。別に固有名詞要らないんですから、捜査員に聞くときに。だれだれさんということを聞かなくてもいいんですから、どうやって手渡したんですかと、どうやってその人を見つけてきたんですかと、幾らでも確認の方法はあるんです。協力者に直接当たらなくても。ただ、その中で疑わしいとなったら、その次どういうふうにするかというのはありますけれども、それが全く今されていません。しかも、そうさせてくれという前の段階で拒否されている。どうしたらいいでしょうか、知事は。どうしたらいいでしょうか、そういう状況−−というと、これは疑わしいからやっているというんではないんですよ。疑わしいというのは、あるから確認させてくれというのはありますよ。確認させてくれというのに、何もないからです。どうしたらいいでしょうか、知事は、予算執行しているときに。それはやっぱり、淡々と予算執行し続けてもらいますというわけにはいかんでしょうと。予算執行停止というのは、記者に申し上げたときも、外に行ったときも言ったんですが、とんでもないことです、これ。予算の執行停止というのは。だけれど、私に言わせてもらえば、知事が責任を持って、本気に確認させてくれというのを−−これはお願いじゃないんですよ。当然、執行権者としての要請にノーと言うのもとんでもないことなんですよ、これ。とんでもないこと同士がぶつかり合っているから、どっちもどっちだと言われるのは本位でありませんけれども、ですから、これは素直に、確認をさせてくれということだけの話です。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。

    〔十五番 伊勢 敏君登壇〕



◆十五番(伊勢敏君) キャプテン浅野知事率いる夢航路未来号もあと二カ月。二千四百メートル、二分二十四秒のドラマ、日本ダービーに例えると、名馬浅野史郎号は、二着以下の並みいる改革派知事たちを大きく引き離してゴールまであと三十三メートル、わずか二秒のところまでこぎつけました。

 先月二十一日、私は、竹の内産廃処分場周辺の民家を訪ね歩いていました。竹の内産廃処分場の恒久対策、その後、名称が変わり、恒久的安定化対策について、浅野知事だからここまでやってくれたと高く評価する多くの住民の声を聞いていたやさき、あるお宅で、浅野知事、やめるんだってねとお聞きしたとき、私は、ショックを感じ、また、県民の驚きはいかばかりと思ったのであります。翌二十二日の知事記者会見を庁内テレビで拝見、権力は腐敗するとまでは言わないが、陳腐化すると言えるかもしれない。三期十二年は十分に長いとの表明は、知事の続投を願う多くの県民につけ入るすきを与えない英断であり、また、四選出馬すれば当選間違いないにもかかわらず、勇退表明したことに敬意を表します。

 さて、浅野知事に対する一般質問は、私でいよいよ最終回になります。

 初めに、浅野知事三期目の公約により、平成十五年三月に策定されたみやぎ百年ビジョンについてお伺いします。

 先ほどは大変失礼にも知事を馬に例えましたが、名馬の陰に名伯楽あり。知事御自身、名馬浅野史郎を育てた伯楽はだれだとお考えでしょうか、お伺いします。

 政治においては、先見性、時代の先を見通すことが重要であります。超長期ビジョンである百年ビジョンが、浅野知事のリーダーシップのもと、県庁職員及び助言者など多くの英知を集め、全国に先駆けて策定されたことは意義深いことだと思います。百年ビジョンの随所に珠玉の表現が散りばめられており、私は大いに刺激され、感動と勇気を与えられました。高く評価する次第であります。時間の経過とともに、ビジョンは書きかえられる宿命にありますが、当分の間は、百年ビジョンがポスト浅野県政のバイブル的な存在になると信じております。百年ビジョンは、夢航路未来号パート2の進路を照らす灯台であります。

 私は、百年ビジョンを読みながら、次の二つの古典がなぜかしら頭によぎりました。百年ビジョンが実現すれば、これらの古典が理想とする社会に近づくと直感したのです。

 一つは、中国の老子の「ツーター グオ ロー ペンシャオシェン イー タオ リ ティエンシャ チー グエイ プーシェン」、「国を治めるのは小魚を煮るように突っつき回してはいけない。道をもって天下に臨めば徳に帰する」という意味です。私は、政治が市民活動に細々と介入する必要のない社会と解釈します。

 あと一つは、新約聖書、文字どおりのバイブルですが、マタイ福音書の「空の鳥、野の花」、ここはスペイン語で言います。「アシ ケ ノ オス インケティス ポル エル ディア デ マニァーナ ケ エル マニャーナ トラエラ ス インケトウ」、「あすのことを思い煩うな、あすのことはあす自身が思い煩うであろう」と記されています。物質的ではなく、精神的に豊かに生きよというすばらしいメッセージとして受けとめています。

 さて、知事は、ある会合で、一番うれしかったのは、知的障害者施設解体宣言を発したとき、厚生省の障害福祉課長だった自分がここまで来れたという達成感を味わったと述懐されました。みやぎ百年ビジョンを発表したときには、どのような感慨をお持ちになったのか、お伺いします。

 知事は、今月十四日の坂下賢議員の代表質問への答弁で、知的障害者施設解体宣言を遺言のようなものだと語られました。百年ビジョンも浅野県政の遺言として生かされるべきだと考えますが、いかがですか。

 また、知事は、百年ビジョンに、「百年先の宮城に生きる人たちへ」と題するメッセージを書いていますが、現在生きている我々に対して、このビジョンが今後の県の政策決定過程においてどのように扱われるのかを含め、メッセージをお贈りください。

 特に百年ビジョンには年次計画も見直しの規定もなく、知事が遺言と言っても、拘束力を持つものではありません。遺言として生かすためには、進行管理を行う部署が必要と思いますが、いかがお考えですか。

 次に、ビジョン策定後、このビジョンの実現に向かって最も力を入れてきた具体的な政策を二つ三つお示しいただき、その成果及び反省点があればお示しください。

 なお、以下の質問は、対面一問一答方式で行います。

 改めて勇退に敬意を表すとともに、前向きの御答弁を願いながら、演壇を移動します。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。

    〔知事 浅野史郎君登壇〕



◎知事(浅野史郎君) 伊勢敏議員の御質問にお答えをいたします。

 私の最後の議会の一般質問最終日の最後の御質問者と、何かの縁だと思います。そんなことを感じながらお答えさせていただきます。

 知事を馬に例えるのは失礼だとおっしゃったんですが、むしろ光栄ではございますーー名馬というふうに言っていただいたわけでございますので。そういうことで、それを育てた伯楽はだれかというお話があって、私もそういう聞かれ方というのは余り想定していなかったんで、固有名詞をちょっと頭に浮かべようと思ったんですが、浮かびません。やっぱり、これは県民の皆様総体というか、私は、群像という言葉を使ったりするんですけれども、まず私を選んでくれたという県民の群像、私を支えてくれている、期待してくれているという人たち、そういった群像を思い浮かべることで、実は勇気をもらったという場面もございました。その意味では、育ててもらったという感じもしております。

 これは伯楽という表現に合わないのかもしれませんけれども、実感としてそんなふうに感じております。

 それから、みやぎ百年ビジョン、久しぶりに持ち出してまいりました。なかなかいいこと書いてあるんですね、これ。というのも変ですけれども、もう二年半前になりますけれども、あのときは、私の最後のコメントにも書きましたけれども、二、三年先のこともわかんないで百年先のことを考えるなんて何だということも言われましたけれども、確かにそのとおりでしょう。しかし、これは予言の書ではございません。むしろ、二年、三年先がわからないという状況の中で先を見通す、そういう心を持つということ。それから、今回のこれは県の職員がつくりました。助言者も十何人、お力かりしましたけれども、基本的にはそれを聞きにいったのも県の職員でありますし、そういう過程も非常に大事だということで、この策定当時の感慨ということで、私は、大変それはうれしく思いました。そして、ここにも書きましたが、自画自賛だと言われるかもしれないけれども、これをつくった県職員に誇りを感じると、これは当時の前葉企画部長が担当であったというふうに思っておりますけれども、各部にいるいろんな職員からプロジェクトチームのような形で、大体は職務時間外の活動としてやってもらったというふうなことでございまして、これもありがたく思っております。そして、これができた内容としても、私も実は期待以上でありまして、ここで示された視点とか考え方には新鮮なものが数多くあったというふうに感じております。この百年ビジョンづくり、将来に向けて本県が進むべき方向を示唆してくれる道しるべとして重要な役割を果たすものと意を強くしたということを記憶しております。

 それから次に、このみやぎ百年ビジョンを遺言として生かすべきではないかというお話がございました。

 今申し上げましたように、この策定に当たっては、多くの職員が知恵を結集してという部分がございます。遺言という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、このビジョンが示している長期的な視点でありますとか、歴史と未来の読み解き方といったもの、こういったことは今後県庁内の各分野の施策を企画立案する際の一つの方向性であろうというふうに考えております。

 また、このビジョンについて、今生きている我々へのメッセージをどうぞということでございますけれども、このみやぎ百年ビジョンは、一般的な計画とはちょっと違います。長期的な視点からの、はるかかなたの行く着く先を示したようなものであります。したがって、直ちにすべてここに盛られていることが実現を図っていくという性格のものではありませんけれども、ここで示された物の見方でありますとか考え方、これは今後の宮城県の将来に向けて政策形成していく段階において常に意識されてしかるべきものと考えております。

 百年ビジョンで五つのテーマが示されておりますが、この五つのテーマであらゆる行政分野カバーされているわけではありませんが、メッセージをということであれば、私は、長期的な視点に立って政策のあり方を考え抜くという、このビジョンを示す姿勢というもの、これはいかなる分野であっても必要なことであると思っておりますが、このことを挙げたいと思います。

 次に、この百年ビジョンの進行管理を行う部署、必要ではないかということでございますが、今申し上げましたとおり、これは一定の方向性を示したというものでございます。したがって、いわゆる一般的な計画の進行管理とは違いますけれども、実は実際にはこのビジョン策定以降、その方向性に沿って各部局が実施している事業があるわけでありまして、それらの事業について継続的に企画部で取りまとめを行い、確認をしているところであります。

 次に、このビジョンに基づいて最も力を入れた具体的な政策とその成果及び反省点ということでございますが、既に提言に沿った多くの取り組みを行っております。いずれも重要な取り組みでございますが、幾つか具体例を挙げさせていただきたいと思います。

 例えば、循環型社会と個を実現するものづくりという提言に沿って、企業に対して産業廃棄物の排出抑制技術やリサイクル技術の開発などの支援を行う、環境産業新技術開発緊急支援事業を緊急経済産業再生戦略の一環として昨年度から実施してまいりました。また、第二の藤野先生と魯迅を育てる土壌づくりという部分もございます。これは国際化に関する提言の部分ですが、これに沿って、外国籍県民支援事業などに取り組み、多言語による相談窓口を設置いたしました。また、災害時の通訳ボランティア制度の整備や迅速に情報を伝えるための外国人サポート・ウェブの構築を図っております。

 一方、反省点という、これは反省点という表現が適当かどうかわかりませんが、科学技術分野での革新的な新技術開発、こういったことについては、相当実現までには時間がかかるだろうと、そんなことがあろうかと思います。

 以上でございます。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 今、知事もビジョンは五つから成り立っているとありましたけれども、ちょっと御紹介しますと、科学技術、思考力、環境、民主主義、暮らし方、こういう五つのテーマから成り立っております。そこで、私は、このビジョンを全体を通じて受けた最大のメッセージが環境、第二が時間でございます。百年ビジョンには、例えば簡素な生活、静かな時代、生活のペースダウン、ゆっくり流れる時間、家族と過ごす時間、ワークシェアリングなど、時間の大切さを訴える表現が随所に見られます。

 そこで、お伺いします。

 ワークシェアリング、仕事の分かち合いは、ゆとりある生活、仕事と家庭の両立、男女共同参画社会の促進、少子化対策、私のスローガンであります家族に優しい生き方、こういった観点から、何度も一般質問で取り上げてきたところでありますけれども、答弁は、国の動向や労使の考えを参考にするということに終始したように思います。短時間勤務正社員制度の導入、残業削減と定年延長をセットで実施する、あるいは長期育児休業を保障するなど、雇用の場の拡大に寄与する企業に対する支援を行うことを含み、改めてワークシェアリングの促進を求め、知事の見解をお聞かせください。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) このワークシェアリングの問題については、伊勢議員からこの場で何度もお尋ねがあり、また、今お話あったように、何度も同じような答えでなかなか進まないなと言われましたが、実は今回も非常に進んだお答えをする状況ではございませんが、現実にワークシェアリングの導入についてはいろんな問題があるということで、これも申し上げておりますが、賃金の問題だけではなくて、労務管理の難しさとか、これは労使双方がやはり懸念する材料というのが多いのではないか。このことで、これは絶対できないということではないと思いますけれども、具体的に実施が進んでいかない要因だろうというふうに思っております。

 そこで、この場では少し状況もお話をさせていただきたいと思いますけれども、昨年十二月に、宮城県労使就職支援機構というところで、県内五百三十六社対象に調査を実施いたしました。そうすると、ワークシェアリングという言葉を詳しく知っている又は多少は知っていると回答した企業は七五・八%ありました。だから、知っているという企業は四分の三ですから、結構高いんですね。しかし、実際に取り組んでいるかということでお答えを聞きますと、既に実施しているというのは四・六%にすぎません。検討予定でも一九・四%、導入考えていないというのが五〇・六%、わからないが二〇・五%、無回答四・九%ということでございます。ワークシェアリングということは知っているけれども、なかなか実施に移せないと、導入を考えていないというのが半分でございますので、それが実態だと思っております。我々といたしましては、この調査結果、これは実態、効果ということはわかったわけでございますが、やはり少し研究の場を設けて検討していく必要があろうということで、宮城労働局、それから労使関係者との間での研究の場を設けて検討してまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 次に参ります。

 百年ビジョンには公務員人材バンク制度というのが出てきます。私は、以前に、県庁職員の短時間勤務正職員制度を提言したことありますけれども、現行の公務員制度では不可能であるとの答弁でございました。人材バンクから派遣される労働者の身分というのは大変不安定でございます。そういったことを考えますと、人材バンク制度を導入するよりも短時間勤務正職員制度の方が先ではないかと、このように思っております。我が国では、正規労働者が減り、非正規労働者が激増しております。これは多様な働き方という美名のもとで人件費が削減され、同一企業内で社員としての身分の違いから士気の低下、また国全体として競争力を低下せしめるなど、非正規労働は歓迎されるものではないと考えております。

 そこで、お伺いしますが、まず、先ほどの県庁職員の短時間勤務正職員制度の実現可能性に関して、今後の見通しについての御所見をお伺いします。

 また、今後の超高齢化社会における労働力不足を展望した場合、今後の我が県の労働政策として、雇用形態を市場原理にゆだねるだけではなく、県のかかわりも必要だと思います。例えば、県職員の定年延長をリンクさせた短時間勤務正職員制度など企業の今後の雇用形態のあり方の模範となるような制度を導入することによって何らかの誘導措置が必要かと思いますが、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 県職員についてでありますが、短時間勤務正職員の実現可能性ということで、ことしの四月動きがございました。一般職の任期付職員の採用等に関する条例、これを改正して、一定期間内に終了することが見込まれる特定の業務でありますとか、育児のための部分休業を取得している職員の代替を行う場合とか、こういった場合に従事する任期付短時間勤務職員の採用というものがこの条例で可能となりました。実際にどうやって選考するのかとか、どこに配置をするのかとかいったような課題は幾つかありますけれども、この形態というのは、柔軟な人事配置によって効率的な行政運営をするというのに役に立つ手法でございますので、今後この職員の活用を検討していきたいと考えております。

 また、任期を設定しない短時間勤務職員の採用ということでございますが、これは法律上の制約−−これは地方公務員法ですが、法律上の制約がございます。それだけではなくて、現在の職場環境に任期設定しない短時間勤務職員というのがなじむのかどうかというのが、ちょっとまだ検討する必要があるのではないかというふうに思っておりまして、これは今後の研究課題だというふうに認識をしております。

 それから、雇用形態のあり方の模範となる制度への誘導措置ということでございますけれども、これからは少子高齢化で労働力人口も減少してまいります。国での動きですが、昨年の六月に、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律が改正されて、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入などによる六十五歳までの雇用機会の確保の強化が図られるということになっております。来年の四月から段階的にこの実施が義務づけされるということになっております。

 本県の場合でございますけれども、宮城県では、職員の定年年齢とリンクさせた短時間勤務正職員制度について既に再任用制度というのを設けております。六十歳代前半で公務で働く意欲と能力のある職員を再任用するということでございますが、こういう再任用をしております。これから団塊の世代の退職期を控えているわけでございまして、この制度運用の例というのが多くなってくるだろうと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 次に、百年ビジョンには、二十一世紀の世界戦略として、環境問題への国際的な取り組みの必要性、アメリカ一辺倒からの脱却という表現がございます。一九七〇年、世界で初めて環境省を設立したドイツのバイエルン州や、環境政策あるいは環境技術で世界をリードしている北欧各国との交流を強化する意義は大変大きいものがあると思います。これらの諸国は、百年ビジョンが追求する、ゆとりある暮らしや少子化対策における先進国でもあります。仙台市は福祉をテーマにフィンランドとの交流がございます。これらの諸国は、百年ビジョンの求める社会に最も近いと思います。

 そこで、お伺いしますが、環境を中心的なテーマとしてこれらの先進諸国との交流を模索してはどうか。特に二十一世紀を担う青少年が先進国体験をするということは、百年ビジョンを推し進める上でも大変貴重であると思いますが、御所見をお聞かせください。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 環境の先進国との交流、やりたいなあとは思います。御指摘があったように、特に北欧諸国ですけれども、我々から見ても、環境の面でいろいろな意味でのモデルとなるというところだというふうに思っております。特に若い方々が実際に体験もする形で学んでいくということができたら、すばらしいとは思っております。これは実際にすぐに、例えばドイツとか北欧諸国と交流をすると、そういった制度なりをつくるという状況では今ございませんけれども、何とか将来的にはこういった交流もできればということで取り組んでまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひ取り組みをお願いしたいと思います。

 次に、百年ビジョンにおいて、環境への負荷を低減させるために新しいライフスタイルとか生活のペースダウンということに言及しております。昨年三月二日の一般質問におきまして、私は、スローライフの意義を強調しました。県として、スローライフ促進のため、市町村との連携を図りつつ、新しい施策を打ち出してはいかがでしょうか。改めてお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) スローライフとかとかスローフードというのは、スローとついていますけれども、ゆっくりということだけではないんですね。新しい価値観だと思います。例えばスローライフというのも、地産地消でありますとか、物を大切にする心を養うとか、必ずしもゆっくりということだけではなくて、ライフスタイルそのものにスロー、そんなあくせくしなくてもということを入れていきたいと、こういうことだろうと思っております。これは新たな環境基本計画、これは今年度中に策定予定しておりますが、その中でもそういった部分については取り込んでいるところでございます。このスローライフという形で示されるような将来像の実現に向けて、我々としても、環境教育でありますとか地域づくりの面でのさまざまな施策にこれを取り入れてまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひ取り組みをお願いしたいと思います。

 次に、百年ビジョンには、景観という表現が随所に見られるわけであります。スローライフとあわせて、よりよい景観、すなわちゆとりある時間と空間、これはセットになったもので初めて豊かな精神がはぐくまれると思います。

 ところで、我が会派は、栃木県の景観条例を調査、栃木市の蔵の街や伊勢神宮内宮近くのおかげ横丁というのがありますけれども、視察してまいりましたし、また、都内で開かれた景観に関する二つのシンポジウムに参加してまいりました。景観政策を強化して、観光客入り込み数が増加した例は枚挙にいとまがありません。景観改善のおかげで、おかげ横丁は、平成五年の三十万人から、平成十五年には三百二十万人、十倍にも観光客がふえたと、こういうデータもございます。また、一方、ことし六月に景観法が完全実施されたわけでありますけれども、これに基づく景観行政団体というものが七月時点で二十七都道府県を含む百三十七団体が認定されたところであります。

 そこで、お伺いしますが、景観条例制定についての昨年三月二日の私の一般質問に対し、答弁は、必要性を検討する、市町村と検討協議をする、他の地域を引っ張るモデルをつくったり、景観百選の選定も考えると、こういう御答弁をいただきました。

 そこで、その後の検討状況と景観行政団体への取り組みを含め、今後の対応についてお伺いしたいと思います。

 また、参加した景観シンポジウムで、パネラーの専門家、この中には百年ビジョンの新藤宗之先生もお入りでしたけれども、このシンポジウムは、専門家とか首長で行われたわけでありますけれども、景観行政には高度な専門性を有する人材が必要であると、こういう指摘が異口同音になされておりました。人材育成についての御所見もお伺いしたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) これは昨年の議会でもお答えをしたことでございますけれども、役所的な言い方でいいますと、景観行政というのは、県というよりは、市町村が中心となって取り組んでいく部門でございますので、県といたしましては、いろいろな面で側面的な支援という形でかかわっていくことになろうと思っております。

 御指摘がございましたように、景観行政というのは、まだまだ新しい行政分野であろうと思っておりまして、実際には、高度な専門性を持った人材が不可欠であると言われながら、じゃ、育っているかといいますと、各市町村の現在の体制においてはこれは不十分であるということでございます。そういたしますと、まずは、これは県も主体的にかかわっていかなければならないと思っておりますけれども、人材育成への支援ということにもかかわっていかなければならないと思っております。それよりも、実態で申しますと、昨年の四月に景観形成についてのアンケートを実施して、市町村どんなふうに考えているのかという意向把握を行ったわけでございますが、実際のところ、景観行政団体制度の活用というようなことで、この認定に至った市町村、県内ではございません。そういったことで、まだまだちょっと取り組み方が県内市町村これからかなという感じがしております。県といたしましては、まずは条例の制定、それから景観モデル地域の選定、こういったことの検討を進めていかなければならないというふうに思っております。まだ今その検討の途次でございますので、まとまったこと申し上げられませんが、問題意識は共有しつつ、これからもさまざまなことでこの問題について県としてもかかわってまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 再質問を行います。

 岐阜県では、去年の初めに、県議会で景観条例についての検討を始めようと、こういう意見も出てきまして、去年の夏、検討委員会をつくりました。去年の暮れには条例を制定したということで、大変市町村の指導ということで一生懸命取り組んでいると、こういったことで、それと比べますと、我が県の取り組みというのは少しおくれているのではないかというふうに思いますけれども、ぜひ、積極的な取り組みをもう一度答弁願いたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) おくれているということですが、実は、平成十年三月に策定した景観形成指針を見直していこうというふうに考えております。その際に、やはり懇談会のようなもの、景観懇談会のようなものを設けて、少しいろんな方の御意見も聞ける場をつくっていきたいと思っております。その中で、県として、景観条例制定でありますとか、各地域ごとの景観形成のあり方などについても検討してまいりたいと考えております。

 それから、具体的な取り組みとして、景観モデル地域の選定、これは何とか県内市町村での先進事例の紹介ということでもできるのではないかというふうに考えておりますので、この事業については、前向きに対処をさせていただきたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 岐阜県の例を申し上げたんですけれども、学識経験者を入れた検討会を開催してきたわけでありますけれども、景観条例制定に向けて本気でやる気があれば、すぐこういったものを、委員会を設置するように求めたいと思いますけれども、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) その意味で、専門家を入れた景観懇談会というものをぜひ設けて、その中で、今お話のあったようなことについて検討を進めてまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 次に、大綱第二に参ります。

 環境先進県みやぎの確立についてお伺いします。

 我が県は昨年三月、脱二酸化炭素連邦みやぎ推進計画を発表いたしまして、京都議定書発効の約一年前から地球温暖化対策に取り組んでいることを評価し、更なる充実を求め、質問いたします。

 まず、六月議会でもお伺いしましたが、太陽光発電を導入する一般家庭への補助についてお伺いします。その第一として、みやぎ版住宅への太陽光発電導入への最大五十万円補助に関しまして、みやぎ版住宅建築の目標と実績及び太陽光発電の補助の実績をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) まず、みやぎ版住宅の建築目標と申請受理件数ですが、今年度のみやぎ版住宅の目標五百件でありました。現在までの申請受理件数は、六十五件であります。太陽光発電補助の実績については、大分低調でございまして、六月十五日から受付を開始しましたが、補助予定は年間二十件でありますが、現時点では受付受理は二件ということにとどまっております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 大変低調であるようでありますけれども、この太陽光発電は、これからの循環型社会を考えた場合、地域分散型クリーンエネルギーの切り札だと思います。百年ビジョンにもうたわれておりますが、コンパクトシティーというまちづくりを想定しておりますけれども、こういったコンパクトシティーにおけるエネルギーの中心になるものであります。昼だけであると思いますけれども、太陽光発電を普及をするために、補助の対象を一般住宅に広げるよう改めて求めたいと思います。緊急経済産業再生戦略終了後の取り扱いを含め、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) まず、今ちょっと低調だと申し上げた補助制度でありますけれども、これはモデル事業として、つまり太陽光発電設備の導入を進めるためのモデル的に時限を区切ってやるということで導入したものでございますので、これをモデル事業という趣旨から考えますと、補助対象を一般住宅に広げるということは考えてはおりません。

 それから、この補助制度、緊急経済産業再生戦略の事業の一環として実施しているものでございます。今議会に、自然エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進に関する基本的な計画というのを提案させていただいておりますけれども、この計画の目標を達成する上で、住宅用太陽光発電設備が普及することは有用であると考えておりますので、今回の補助事業の成果も見きわめた上でということになりますけれども、県民に対しては積極的に情報提供を行うという形で普及拡大に努めてまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 次に、一般住宅におけます太陽光発電の県内件数、他県との比較をお示しいただきたいと思います。

 私の知っている限りでは、本県では、特に南の県と比べて余り進んでいないというふうに聞いておりますけれども、発電効率が南の県と比べて悪いのではないかと、このような一般的な誤解があります。実は、単位は忘れましたけれども、北海道でも沖縄でも、百六十ぐらいで大体横並びの効率というふうに聞いております。正しい知識を普及することも重要だと思っております。PR活動、今知事がおっしゃったような情報提供でありますけれども、そのような県の後押しが必要だと思っております。

 これに関連しまして、加えまして、省エネとか地球温暖化防止、持続可能な社会並びにさまざまの環境施策を含め、県民だより、広報誌で訴えるほか、マスメディアを通じた環境問題への意識の向上を図ってはいかがでしょうか、お伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 一般住宅への太陽光発電の設置件数ということですが、確かに南の方の県が多い。第一位が、兵庫県一万二千六百件余。愛知県も同様ですね、一万二千数百件ということで、実は本県の場合には約三千件ぐらいということで、この上位の県と比べると大分差がございます。東北六県だけで見ますと、福島県に次いで多いんですけれども、やはり進んでいるところに比べると大分少ないという状況です。そういうこともあって、やはり少し啓発が必要ではないかと。もちろん、この太陽光発電のことだけではございませんが、地球温暖化を初めとする環境問題それからエネルギー問題ということで、県民の方々に正しい知識を普及させるということは、お話があったとおり、大変重要なことというふうに認識をしております。県政だよりというのもありますけれども、もっとマスメディアと、新聞、テレビなども活用して、この部分での情報発信に努めてまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひ意識向上に前進していただきたいと思います。

 次に、地球温暖化防止は、県民の意識改革や環境配慮型ライフスタイルの実践が重要であります。この際に、有効なツールとなる環境家計簿というのがありますけれども、環境家計簿を普及する意義も大変大きいと思います。本県の環境家計簿の普及の実態、今後の対応策をお示しください。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 環境家計簿でございますけれども、平成十一年度にCD‐ROM版の環境家計簿というのを作成いたしまして、これについては、地球温暖化防止活動センターが、モニターの募集という形でその普及に努めてまいりました。モニター数でありますけれども、毎年大体五百人前後いらっしゃるんですね。平成十二年度から、延べで言いますと二千四百世帯で御利用いただいているという状況にございます。この環境家計簿の取り組みについては、この六月から国がウェブサイトを利用した普及の試みを始めております。県といたしましても、今年度、自然エネルギー等省エネルギー対象を公募する際の応募条件に取り入れていきたいというふうにも考えております。この環境家計簿の更なる普及拡大に努めてまいります。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひよろしくお願いします。

 ところで、静岡県はHOPE−−ホープという事業を実施しておりまして、八万人もの県民が省エネなど三十項目の行動内容を示し、環境を守る宣言を行っております。啓発運動として、静岡県のこういった事業を参考にした取り組みも必要かと思いますけれども、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) これは大変卓抜したアイデアだというふうに思っています。静岡県の取り組みですね。ネット上とかはがきで、自分の取り組む環境配慮行動というものを宣言して登録をすると。したがって、これが公開されるということになるわけですけれども、そういったことを静岡県が支援をするという仕組みでありますので、大変おもしろいアイデアだというふうに私も認識をしております。こちら側からも、県民がどんなことを意識し、どんな行動をしているのかという状況も把握できるという面もありますので、この面でも大変おもしろい取り組みだというふうに思っております。

 我々も、今年度新しい環境基本計画の策定を予定しておりますが、この中で県民の環境配慮行動の促進ということを重点施策の一つに掲げることとしております。今申し上げました静岡県のやり方というのは大変有用でありますので、ぜひ参考にさせていただきたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひ実現をお願いしたいと思います。

 次に、みやぎ百年ビジョンには、マイカーから公共交通機関へのシフト、あるいは自転車利用が普及するコンパクトなまちづくり、こういったものを展望しております。

 私はことしの六月の一般質問で、宮城県交通計画の見直しの検討におきまして、公共交通機関の拡充を求めたところでありますけれども、まず、検討状況をお伺いします。

 また、あわせて、経済優先の思考では、公共交通機関の拡充は図れないということは明らかであります。そこで、環境を重視し、財政的な裏づけのある公共交通機関の拡充を展望できるような計画にすべきと思いますので、御所見をお伺いしたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 今年度から宮城県交通計画見直しに向けた取り組みといたしまして、公共交通活性化モニター事業というのを実施しております。これは、公共交通の課題とか問題点を県民の視点で抽出をするというものでございます。また、交通関連施策体系化事業というのも実施しております。これは、交通施策の実態の把握と課題を整理して、交通施策のとるべき方向性を検討するための事業でございます。こういった事業を今年度から実施をしているところでございます。

 これが今の検討状況でございますが、また、お話がございましたように、公共交通機関、これは環境への負荷が小さい交通体系でございますので、そういった交通体系への転換は重要な課題であると認識をしております。宮城県交通計画見直しに際しましても、こういった視点も踏まえながら、実効性のある計画を目指して十分に検討をしてまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひ、よろしくお願い申し上げます。

 次に参ります。

 福島県及び岩手県は、来年四月から森林環境税を導入する予定と聞いております。北上川及び阿武隈川を共有し、流域一体の取り組みを可能にする我が県での森林環境税導入への御所見をお伺いします。

 また、あわせまして、我が県独自の環境税の検討を求めたいと思います。例えば、税の使い道として、今言った環境家計簿の普及とか、民間及び公共施設への自然エネルギーの導入、あるいは電力会社がRPS法−−リニューアブル・ポートフォリオ・スタンダードというそうでありますけれども、RPS法に基づく自然エネルギーの購買量をふやすため、売電単価の上乗せの補助制度を組み込んだエネルギー環境税なるものが考えられないか、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 森林環境税については本県でも検討いたしました。今は消極というか、慎重な対応ということが今現在での結論でございますが、それはなぜかというと、その検討の中でいろいろ問題点が出てきております。具体的には、受益者がだれなのか、森林環境税の場合。それから、同じことですが、受益の内容が余りにも広くて、特定ができないということがございます。それから、森林環境税というのを課す対象とする森林をどう絞り込むのかという問題もございまして、実際に森林所有者がどう考えているかということについても我々も聞かせていただいたんですが、実は必ずしも賛成ということではなくて、非常に消極な意見もございました。森林所有者ごとに意見が違いますけれども、そういったこともあって、ほかの県ではやっているのに何でやらないんだと言われそうですが、我々も実態に即して、こういったような検証、評価をさせていただいた結果、なかなか難しい問題があるというふうには今のところ考えております。しかし、もう既に実施をしている県がございますので、そういった先行している県の実態を調査させていただいて、引き続き検討はさせていただきたいと考えております。

 それから、環境税、県単独、独自のエネルギー環境税ということでございますけれども、これは県単でやるというのがどうかということはちょっと考えなければならないと思います。現在、国でも同じような税の導入についての検討が進められているというふうに承知をしておりますので、まずはこれは国という、そういう単位でのつかみ方というものを考えるべきではないかということで、当面はこの国の動向を注視をしてまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ただいまの答弁を聞きまして、四年前の六月議会の議論をちょっと思い出しました。時限がちょっと違うかもわかりませんが、六月議会で産廃税の導入を提唱しましたけれども、そのときは、もうやるつもりはないという御答弁でしたけれども、その後検討されて、他県より大変立派な産廃税がことしできたわけであります。そういった意味で、今大変消極的でありましたけれども、ぜひほかの県の先行例を参考にして、もっともっといいものができると私は思っておりますので、そういった意味でもう一度御答弁をお願い申し上げたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) もちろん、我々も森林環境税について絶対にやらないと決めているわけでございません。今のところ冷静に考えますと、なかなか難しいということで、そこは慎重な対応ということでございます。しかし、実例はあるわけでありますので、そこは先行例−−実際にやっていてどこが問題なのか、我々が考えていたような問題というものが解消されているのかどうかということの実証ができますので、そういったことも参考にしながら、引き続き検討はさせていただきたいと。その上で、もっといいものができるかどうか、これはまだわかりませんけれども、引き続きの検討はさせていただきたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひ、検討を進めてください。

 次に参ります。

 我が県のCO2排出量の特性として、製造業のうち紙パルプ、石油が五割以上を占めているということがあります。製紙工場を多数抱える静岡県富士市では、製紙工場に天然ガスコージェネレーションを導入し、煙突撤去とともに、産業分野からCO2を五・五%削減する煙突ゼロ作戦というのが大変成功しました。その結果、環境大臣賞を受けております。これは、NEDO、県、市が補助金を出す仕組みをつくり上げております。本県も同様の取り組みに期待したいと思いますけれども、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 二酸化炭素を大量に排出する事業者に対する設備更新というのには支援メニューがございまして、その事業費の三分の一を国が補助するという制度がございます。まずは、県内の関係事業者にこういった制度がありますよということで、積極的な活用を促していきたいと思っております。

 県内の実態を申しますと、富士市での今取り組みも御紹介ございましたが、本県の場合、石巻市に立地する製紙工場と言えばすぐ具体的にわかるわけですが、その製紙工場や、それから大手の合板メーカーの工場では、バイオマス発電ボイラーの設置を進めております。私も先日見てまいりましたが、これによって工場からの二酸化炭素排出量、約一割程度削減するということを目指しているというふうに聞いております。県といたしましては、こういった事業所の積極的な取り組みが円滑に推進できますように、情報の提供、助言に努めてまいりたいと考えております。そして、こういった成功例−−成功するだろうと思いますけれども、こういった成功例を関係の方々にお示しをして、ぜひ県内の他の地域、工場でも波及するような施策を推進してまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) よろしくお願いします。

 次に、環境先進県を築く上で、これから先端的な環境産業の担い手を育成することは大変重要になってくると考えるものであります。県立高校将来構想の特色ある学校の設置の一環として、進学系の環境学科を柴田農林川崎校に設置するよう、これも何度も求めておりますけれども、再度求めますが、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 教育長白石晃君。



◎教育長(白石晃君) お答え申し上げますけれども、柴田農林高の川崎校、これのお話のような、新たな学科の設置について目指すのであれば、現在の川崎校では普通科二学級ございますので、その二学級の学科改編について検討するということになると思います。

 それで、実はこの川崎校の場合、ことしの五月でありますけれども、川崎校普通科の教育構想というものを既に策定してございまして、地域社会から期待される学校づくりを目指して、普通科高校として教育内容の充実を図るということにしてございます。更に、川崎校の場合ですと、地理的な条件それから交通アクセスの利便性から、ほかの市町村からの通学生の確保というものが難しいだろうというふうに考えてございまして、お話のような川崎校への進学系環境学科の設置については、困難ではないかというふうには考えてございます。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 私の情報不足であったようであります。

 続きまして、我が会派は、北海道江別市、苫小牧市、岩手県葛巻町、千葉県山田町、大阪市、徳島県阿南市などを訪問いたしまして、さまざまな先進的なバイオマスの水素あるいはメタンガス化プラントを視察してまいりました。農水省では、平成十四年十二月の閣議決定、バイオマス・ニッポン総合戦略の中核事業としてバイオマスタウン構想を進めております。二〇一〇年までに全国五百地区でバイオマスタウンを誕生させる計画で、今年度の予算、バイオマスの環づくり交付金は百四十四億円、補助率が五〇%となっております。現在までに、二十の市町村がバイオマスタウンとして公表されましたが、本県ではまだ実績がありません。

 そこでお伺いします。

 まず、本県のバイオマスタウン構想への取り組みの現状と課題をお示しください。

 続きまして、二十のバイオマスタウンの多くの市町村が、木質・農作物残渣、水産加工残渣、食品残渣、汚泥、畜産ふん尿などを嫌気発酵させて得たメタンガスを燃料とした発電事業などに取り組んでおります。余った電力は売ることができますし、発酵後に残った消化液は、無臭で良質の有機肥料になります。京都府八木町では、稲作用肥料として使用されております。ガス発電のかわりにLPガス自動車を走らせる、あるいは消化液を固形化する試みも行われております。

 そこで、第二に、地域分散型エネルギー、循環型農業、有機栽培を推進する上で、バイオマスタウンの輩出を本県の重要な取り組みに位置づけてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。特に、都市近郊型畜産業による家畜ふん尿の悪臭対策としての決め手になるというふうに考えます。御所見をお聞かせください。

 第三に、県は、バイオマスタウン構想の対象となる可能性が強い市町村がどのぐらいあると考えておりますか。また、可能性の高い市町村に対する個別の支援を含めた対応が必要かと思いますが、いかがでしょうか、お伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) バイオマスタウン構想でありますけれども、御指摘のありましたように、全国では二十市町村が構想策定されておりますが、本県ではありません。問題も認識をしているんですが、バイオマスの利活用ではやっぱりコストがかさむんですね、従来の化石燃料と比較して。それから、推進体制をどうするかとか、バイオマスを効率的に収集し輸送し変換し、利用するシステムをどうつくっていくかと、こういったことがなかなか難しいということがございます。そういったことも含みながら、本県といたしましては、ことしの二月にみやぎバイオマス研修会というのを開催いたしまして、市町村に対する説明を行っております。また、市町村に、構想策定に関する意向調査も実施をして、関心を示した市町村に対しては、個別に職員を派遣して制度の説明を行っておるということでございます。

 それから、バイオマスタウンを県の重要な取り組みに位置づけるべきでないかと、家畜ふん尿の悪臭対策の決め手になると思うがどうかということでございますが、県では、平成十六年の三月に、みやぎバイオマス利活用マスタープランを策定いたしまして、その中で県内市町村のバイオマス資源賦存量の調査を実施いたしました。その中で、県内でのバイオマスの有効利用を促進するための方策を示しております。また、庁内でも推進委員会を立ち上げて、情報の共有化を図っているところでございます。

 家畜ふん尿の悪臭対策でございますが、バイオマスのガス化プラントということになまりますと、発酵過程での悪臭がほとんど発生しないということ、そして、残った消化液も有機肥料として利用可能であるということであります。ただ、問題もございます。発酵施設からは消化液が多量に排出されるということで、農地還元ができる圃場をどう確保するかとか、輸送手段、保管場所、農作物への使用方法など、種々検討すべき課題もございます。こういった課題も考えながら、総合的に検討してまいります。

 それから、具体的にバイオマスの利活用を検討している県内の市町村でございますけれども、加美町、七ケ宿町というのがあります。これは、林地の残材や間伐材をチップ化してエネルギーに転換しようとする試みでございます。それから、塩竈市、石巻市、これは新しいエネルギービジョンというのを策定をいたしました。

 県といたしましては、市町村から具体的な相談がある場合には、庁内各課連携して具体的なアドバイスを行ってまいりたいと考えております。それから、バイオマスの利活用に取り組む市町村に対しても、バイオマスタウン構想の策定に向けて、国と連携を図りながら積極的に支援をしてまいります。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) バイオマスタウン構想の諸課題については、私も存じ上げながらお聞きしております。それを何とか乗り越えていくのが、県の指導的な役割だと思っておりますけれども、説明会をして関心を示した市町村に対しては個別の指導ということでやっておられますけれども、その場合、やはりインセンティブを与えるということが大変大事だと思いますので、国の補助金もありますけれども、市町村と県合わせて、財政的な支援も大変有効かと思いますけれども、その辺のところについての御所見をお伺いしたいと思います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 財政的支援ということではまだ具体的に考えておりません。そういうことが有効かどうかということもちょっと検証しつつ、考えさせていただきます。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 次に参ります。

 我が会派は、先月、自治体学会鳥取大会に参加してまいりまして、分科会、ローカルエネルギーの活用に出席いたしました。多くの自治体では、エネルギーの地産地消の取り組みが始まっております。鳥取市では、市民が持ち寄った使用済みてんぷら油を改質したBDF、バイオ・ディーゼル・バスが走っております。将来はてんぷら油を地域通貨にリンクし、環境と産業の連携に取り組むとしております。また、滋賀県高島市、旧新旭町時代から休耕田に菜種を植えて、菜種バスを運行しております。

 北海道大学農学部の松田従三教授によりますと、ブラジルではサトウキビ、アメリカではコーン、つまり、その国の主要穀物でバイオエタノールを製造している。我が国は米が適しているという御指摘を受けております。本県でのエコバスの運行促進、休耕田に米を栽培し、バイオエタノールを製造してはいかがでしょうか、お伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) バイオ・ディーゼル・フューエルによるエコバスの運行促進、BDF−−バイオ・ディーゼル・フューエルをBDFと言いますけれども、県内でも幾つか利用の実績がございますが、現在、BDF製造プラントの開発を行っている企業や障害者の就労支援を行っている社会福祉法人への支援のほか、BDF利活用に取り組んでいる市町村、企業、NPOなどとの定期的な勉強会を開催しております。今後ともいろいろ協議を重ねてまいりますが、その中で、御提案のあったエコバスの運行についても検討してまいりたいと考えております。

 米を使ってはどうかということでございますが、これは自動車燃料にもバイオエタノール使われているわけでございますが、全国的な取り組みとしては、もう議員の方が御存じだと思いますけれども、糖みつとかトウモロコシの利用がございます。

 お米でございますけれども、これはバイオエタノールの原料米は生産調整の制度の中では需要開発米ということで、休耕田の耕作というのは可能というふうに承知をしております。しかし、実際はやはりコストが相当に高いということで、輸入エタノールとの価格差が解消できないという状況がございます。自動車用燃料として使う場合には、どうやって一〇〇%のガソリンとの比較で価格的に近づけられるかと、これが大きな課題であろうというふうには思っております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) コストの問題も存じ上げておりますけれども、一バレル七十ドルを超すような時代であります。今後、こういうことをやっぱり積み重ねていっておく必要があるということを指摘しておきたいと思います。

 最後に、環境先進県を目指す上で、竹の内産廃問題を何とかクリアしなければいけないという観点から、竹の内産廃問題の恒久的安定化対策についてお伺いします。

 まず、処分場近辺の大半の住民が早期実施を求めておりますが、対策は万全かお伺いします。特に、硫化水素は、三メートル覆土しても表面の亀裂から高濃度のガスが噴出した安定型処分場があると聞き及んでおります。対策工事の設計のため、実証試験が行われますが、これらのデータも参考にした実証試験を行うよう求めますが、いかがでしょうか。また、実証試験のデータや対策検討過程における情報公開を積極的に行うよう求めますが、いかがでしょうか。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 村田町竹の内地区の産廃問題でございますけれども、今回恒久的安定化対策として、多機能性覆土と透過性反応浄化壁というのを実施することにいたしました。住民の方も早くやってくれというお話でございます。我々といたしますと、この対策を実施することで、処分場に起因する生活環境保全上の支障が抜本的に除去され、地元住民の皆様の安全安心、十分に確保されるものと考えております。

 それから、この対策の基本設計ということをこれからやるわけでございますけれども、御指摘のありましたような、表面亀裂から高濃度ガス噴出の事例があるといったことでございますが、そういた事例も十分に参考にしてまいります。それから、他の処分場での過去のデータというのも参考にしてまいります。それから、この基本設計に当たっては、竹の内の処分場の現場状況というものもしっかり踏まえて、いろんな性能試験というものを前段として行います。その性能試験を行った上で、基本設計に当たるということにしております。

 それから、いろいろな試験結果、これについては御指摘がありましたように、住民の皆様には積極的に公表していきたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 万全を期していろんなデータを参考にして取り組んでいくというお答えであったと思いますが、それと関連して、最近、硫化水素を分解あるいは無害化できる物質が開発されたと聞いております。覆土の前にこういったものも使うことができれば一層の安心につながるわけでありますので、実証試験において、こういった物質の効果と使用方法を確認することも必要かと思いますが、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 環境生活部長三浦俊一君。



◎環境生活部長(三浦俊一君) 御質問にお答えします。

 今、伊勢議員からお話しいただきましたものは、硫酸塩還元菌の活動を阻害して硫化水素の発生を抑制すると、そういう種類の薬剤ではないかというふうに認識しております。もしそうだとすれば、この薬剤が硫酸塩還元菌というものの活動を阻害することによって硫化水素の発生を抑えると、抑制するというものでありますので、処分場の安定化をおくらせ、結果として多機能性覆土をやることにしておりますが、この多機能性覆土により、処分場の安定化を進めようとする今回の恒久的対策に反する結果になってしまうおそれもあるのではないかと、そういう問題もあるのではないかというふうに考えられます。したがいまして、この薬剤の効果あるいは使用方法というんでしょうか、それについては更に慎重に確認していかなくちゃいけないなというふうに思っておりますが、現時点ではそういった意味で、なかなかこの活用というのは難しいものがあるのではないかなというふうに現段階では認識しております。

 以上でございます。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 次に参ります。

 ことし六月二十八日の私の一般質問、それから今議会九月十三日の安藤議員の代表質問に対しまして、産廃被害者への金銭的な慰謝は困難であろうとの答弁がありました。改めて、健康被害、農業の風評被害、周辺地域の不動産価値の低落などに対する補償についてお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 今回の竹の内の産廃場で実際に被害を受けられた方、それから風評被害ということ、これまだ我々確認していませんが、あったとした場合、被害者というのが出てくるわけでございますけれども、今、補償というお話があって、補償ということになると国家賠償法とかそういうのを持ち出して、じゃ、因果関係どうだとか、どういった額になるんだという認定の問題なんかが出てくるので、これはなかなか直接的に難しかろうということを申し上げたわけでございます。ただ、実際には、我々の県の指導監督上の不手際ということもあって、被害ということに遭われた方もいらっしゃるわけで、これには法律的ながちがちの補償という形とは別に、何らかの形での責任を果たすということ、これは考えていかなければならない部分があるのではないかというふうには思っております。それはあくまでも、国家賠償法などに基づく補償というのとは別な考え方で対処すべきものと思っております。

 それから、風評被害ということでございますが、今のところ風評被害というのは把握しておりませんけれども、それにもっと広く考えますと、例えば冠水の問題、水が出てくるとか、それから健康対策ももちろんそうですけれども、こういったものについては、必要な対策は県として実施していかなければならないというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 今の御答弁で、補償以外の責任を考えていくということでありますけれども、これまでの答弁を聞いておりますと、安心できる地域をつくるということで責任を果たしたいというニュアンスだと思っておりますけれども、私が聞いているのは、安全の対策をするのが当たり前であって、被害を直接受けた人にどうするかということをお聞きしておるわけであります。

 これと関連しまして、八月十七日、沼部公民館におけます地域住民説明会におきまして、知事はこういうふうにおっしゃっています。「健康被害、農業に関する風評被害や周辺地域の不動産価値の低下については問題意識を持っている。住民に責任のないことに対し、県はきっちり対応していく」、こういうふうに述べております。本会議場での答弁と比べ、前向きの姿勢がうかがえました。しかも、当日は風評被害については住民から質問も受けていないのに、みずから言及されたわけであります。質問を予定した方は、発言の手間が省けてよかったと、こういうふうにして、知事の発言を大変高く評価しておられます。なぜ本会議場と現地説明会での発言が食い違うのか、御説明をお願いいたしたいというふうに思っております。

 なお、今、風評被害についてお話しありましたけれども、九月十三日の菅原実議員の質問に対しましても、風評被害は報告受けていないとありましたけれども、風評被害は騒げば騒ぐほど被害が大きくなるということで、関係者はじっと我慢しているんですね。賢明な対応をしてきたということで、その辺をかんがみた御答弁を期待したいと思います。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) これは現場で言ったのと議会での答弁違うんじゃないかということですが、基本的には、私、同じつもりで申し上げております。竹の内処分場の問題というのは、被害を受けられている方、もちろん住民の方々の方には全く責任のない問題でありますので、県としては、県としての責任も認識しながら、しっかりこの問題に対応していかなければならないと、これは基本として考えております。

 風評被害は確かにおっしゃるとおり、まさに文字どおり風評ですから。現場で申し上げたのは、風評被害の結果、例えばそこでの米が全く売れなくなったと、どうしてくれると、こういうようなことはまだ起きていないと思います。そのときに、その米どうするかというようなことというのは一応想定の中ではありますので、そういったことは、そうなったらやはり考えていかなければならないだろうなということを申し上げました。ただ、幸いにもまだそういう状況になっておりません。そのことを申し上げたわけでございます。

 健康対策もそうでございますが、やはり我々としては、この生活環境の安全安心の回復のために、我々として必要な対策はすべてとっていかなければならないというふうに考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 次に参ります。

 竹の内産廃事案の再発防止として、違反行為の早期発見や対応が求められますが、市町村職員に対する産廃処理施設等への立入検査権限の付与については、いわゆる手上げ方式ではなく、全市町村が取り組むよう県の強力な指導が必要と思われますが、御所見をお伺いします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 市町村職員による産廃処理施設の立入検査権限の付与制度というのがございます。御承知のとおり、これは市町村職員を県職員に併任するということで、不適正処理現場などにおける初期対応の充実というものが期待されるわけでございます。また、違反行為の拡大防止、監視強化にも大きな効果が期待できるというふうに考えております。

 現在の実施状況でございますけれども、今年度が初年度でございます。六町、計十五人の市町村職員に参加をいただきました。去る九月の一日に併任辞令を交付いたしました。今年度参加いただけなかった市町村に対しても、この制度の趣旨を御理解いただいて、積極的に働きかけていきたいと思っております。できるだけ多くの市町村に参加していただくよう、我々としては努力をしてまいりたいと考えております。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) ぜひ御努力に期待しております。

 最後になりますが、浅野知事は勇退後、福祉分野での御活躍をお考えとのことでありますけれども、これまで、改革派知事として地方財政自立改革、地方分権の確立に一生懸命取り組んでこられました。この実績を生かして、今後も地方自治発展のために御尽力賜りたいと思います。これについてお考えがあればお聞かせ願い、最後の質問といたします。



○議長(伊藤康志君) 知事浅野史郎君。



◎知事(浅野史郎君) 私も知事退任後、職業生活から引退するというつもりもありませんし、そういうことが許されるような経済状況でもございませんので、しっかりとした職業としてもこれからまだ働き続けたいと思います。その際には、やはり全く今まで縁のなかった領域というわけにはいかないだろうと思いますし、私自身としても、自分の能力なり経験が生かせる場、そこで最後の御奉公というか、もちろん職業ですから御奉公だけじゃありませんけれども、ちゃんと金銭的な裏づけもあるような職業として、仕事としてやっていきたい。そういうところが見つかれば、見つかれば幸せだなと思います。

 以上をもちまして、この一般質問、最後の発言機会になりました。いろいろとありがとうございます。



○議長(伊藤康志君) 十五番伊勢敏君。



◆十五番(伊勢敏君) 御活躍を御期待申し上げます。

 御清聴まことにありがとうございました。

 終わります。



○議長(伊藤康志君) 以上をもって、質疑、質問を終結いたします。

 お諮りいたします。

 ただいま議題となっております各号議案中、議第二百十一号議案ないし議第二百十四号議案につきましては、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(伊藤康志君) 御異議なしと認めます。

 よって、さように決定いたしました。

 残余の各号議案は、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。

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    議案付託表

       第三〇六回宮城県議会(九月定例会)平成十七年九月二十一日



議案番号
件名
提出年月日
委員会


議第二百十一号議案
平成十七年度宮城県一般会計補正予算
一七・九・六
予算特別


議第二百十二号議案
平成十七年宮城県流域下水道事業特別会計補正予算

予算特別


議第二百十三号議案
平成十七年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算

予算特別


議第二百十四号議案
平成十七年度宮城県工業用水道事業会計補正予算

予算特別


議第二百十五号議案
知事の給料の月額の特例に関する条例

総務企画


議第二百十六号議案
みやぎ新しいまち・未来づくり審議会条例

総務企画


議第二百十七号議案
産業廃棄物の処理の適正化等に関する条例

環境生活


議第二百十八号議案
次世代育成支援対策地域協議会条例

保健福祉


議第二百十九号議案
国民健康保険法に基づく都道府県調整交付金の交付に関する条例

保健福祉


議第二百二十号議案
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律施行条例

建設企業


議第二百二十一号議案
県立学校条例の一部を改正する条例

総務企画
文教警察


議第二百二十二号議案
宮城大学条例の一部を改正する条例

総務企画


議第二百二十三号議案
宮城県県税条例の一部を改正する条例

総務企画


議第二百二十四号議案
住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例

総務企画


議第二百二十五号議案
宮城県交通安全対策会議条例の一部を改正する条例

総務企画


議第二百二十六号議案
社会福祉施設条例の一部を改正する条例

保健福祉


議第二百二十七号議案
特別養護老人ホーム条例の一部を改正する条例

保健福祉


議第二百二十八号議案
薬事法施行条例の一部を改正する条例

保健福祉


議第二百二十九号議案
農業実践大学校条例の一部を改正する条例

産業経済


議第二百三十号議案
入港料条例の一部を改正する条例

建設企業


議第二百三十一号議案
宅地建物取引業法施行条例の一部を改正する条例

建設企業


議第二百三十二号議案
建築基準条例の一部を改正する条例

建設企業


議第二百三十三号議案
病院事業条例の一部を改正する条例

保健福祉


議第二百三十四号議案
公安委員会関係手数料条例の一部を改正する条例

文教警察


議第二百三十五号議案
県営体育館条例を廃止する条例

文教警察


議第二百三十六号議案
野外活動施設条例を廃止する条例

文教警察


議第二百三十七号議案
自然エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進に関する基本的な計画の策定について

環境生活


議第二百三十八号議案
民間非営利活動の促進に関する基本的な計画の変更について

環境生活


議第二百三十九号議案
弁護士報酬の負担について

文教警察


議第二百四十号議案
出資について(株式会社みやぎフードマネジメントセンター(仮称))

産業経済


議第二百四十一号議案
地方独立行政法人宮城県立こども病院に承継させる権利を定めることについて

保健福祉


議第二百四十二号議案
工事請負契約の締結について(熊川頭首工工事)

産業経済


議第二百四十三号議案
工事請負契約の締結について(秋山頭首工工事)

産業経済


議第二百四十四号議案
工事請負契約の締結について(一般国道三百九十八号石巻バイパス南境トンネル工事)

建設企業


議第二百四十五号議案
平成十七年度市町村受益負担金について

産業経済


議第二百四十六号議案
専決処分の承認を求めることについて(平成十七年度宮城県一般会計補正予算)

総務企画


議第二百四十七号議案
平成十六年度宮城県公営企業会計決算の認定について

保健福祉
建設企業



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△請願



○議長(伊藤康志君) 日程第五、請願を議題といたします。

 お手元に配布の文書表のとおり、請願二カ件が提出されております。所管の委員会に付託いたします。

 また、お手元に配布の文書表のとおり、請願一カ件の撤回がありました。

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    請願文書表

       第三〇六回宮城県議会(九月定例会)平成十七年九月二十一日



請願番号
要旨
請願者名
紹介議員
受理年月日
所管委員会


三〇六の一
政府及び国会に対し私学助成に関する意見書の提出を求めることについて
仙台市宮城野区榴岡四−一−五
宮城県私立中学高等学校連合会
      会長 松良千廣
菊地(浩)、今野、菊地(健)、坂下(賢)、中山、柏、岸田、千葉(達)、相沢、佐々木(征)、佐藤(光)、大学
一七・九・一五
総務企画


三〇六の二
小学校の一・二学年の三十五人学級編制の制度化及び三・四学年の学級編制基準を三十五人に拡大することについて
仙台市青葉区柏木一−二−四五
民主教育をすすめる宮城の会
     代表者 中森孜郎
坂下(賢)、熊谷、横田
一七・九・二〇
文教警察



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    請願の撤回文書表

       第三〇六回宮城県議会(九月定例会)平成十七年九月二十一日



請願番号
要旨
所管委員会
摘要


三〇五の一
障害者自立支援法に関することについて
保健福祉
請願者からの撤回申し出により文書表から削除



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△休会の決定



○議長(伊藤康志君) お諮りいたします。

 委員会審査のため、明日から九月二十八日まで七日間、本会議を休会とし、九月二十九日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(伊藤康志君) 御異議なしと認めます。

 よって、明日から九月二十八日まで七日間本会議を休会とし、九月二十九日再開することに決定いたしました。

 なお、ただいま御出席の諸君には、改めて通知いたしませんから、御了承願います。

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△散会



○議長(伊藤康志君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 九月二十九日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後三時五十九分散会