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平成29年  6月 定例会(第360回) 06月27日−04号




平成29年  6月 定例会(第360回) − 06月27日−04号













平成29年  6月 定例会(第360回)



       第三百六十回宮城県議会(定例会)会議録

                              (第四号)

平成二十九年六月二十七日(火曜日)

  午前十時開議

  午後二時五十分散会

      議長                     中島源陽君

      副議長                    長谷川洋一君

出席議員(五十七名)

        第一番                  大内真理君

        第二番                  角野達也君

        第三番                  内藤隆司君

        第四番                  高橋 啓君

        第五番                  鎌田さゆり君

        第六番                  遠藤伸幸君

        第七番                  高橋宗也君

        第八番                  庄田圭佑君

        第九番                  深谷晃祐君

        第十番                  中嶋 廉君

       第十一番                  福島かずえ君

       第十二番                  天下みゆき君

       第十三番                  三浦一敏君

       第十四番                  佐々木功悦君

       第十五番                  境 恒春君

       第十六番                  太田稔郎君

       第十七番                  横山のぼる君

       第十八番                  遠藤隼人君

       第十九番                  渡辺勝幸君

       第二十番                  横山隆光君

      第二十一番                  佐々木賢司君

      第二十三番                  熊谷義彦君

      第二十四番                  渡辺忠悦君

      第二十五番                  遠藤いく子君

      第二十六番                  すどう 哲君

      第二十七番                  吉川寛康君

      第二十八番                  伊藤和博君

      第二十九番                  守屋守武君

       第三十番                  長谷川 敦君

      第三十一番                  佐々木幸士君

      第三十二番                  村上智行君

      第三十三番                  細川雄一君

      第三十四番                  高橋伸二君

      第三十五番                  菊地恵一君

      第三十六番                  只野九十九君

      第三十七番                  佐々木喜藏君

      第三十八番                  石川光次郎君

      第三十九番                  佐藤光樹君

       第四十番                  岸田清実君

      第四十一番                  菅間 進君

      第四十三番                  ゆさみゆき君

      第四十四番                  藤原のりすけ君

      第四十五番                  坂下やすこ君

      第四十六番                  庄子賢一君

      第四十七番                  中島源陽君

      第四十八番                  本木忠一君

      第四十九番                  中山耕一君

       第五十番                  長谷川洋一君

      第五十一番                  安部 孝君

      第五十二番                  齋藤正美君

      第五十三番                  安藤俊威君

      第五十四番                  畠山和純君

      第五十五番                  仁田和廣君

      第五十六番                  藤倉知格君

      第五十七番                  相沢光哉君

      第五十八番                  中沢幸男君

      第五十九番                  渡辺和喜君

欠席議員(一名)

      第四十二番                  坂下 賢君

欠員(一名)

      第二十二番

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説明のため出席した者

      知事                     村井嘉浩君

      副知事                    山田義輝君

      副知事                    河端章好君

      公営企業管理者                遠藤信哉君

      総務部長                   佐野好昭君

      震災復興・企画部長              伊東昭代君

      環境生活部長                 後藤康宏君

      保健福祉部長                 渡辺達美君

      経済商工観光部長               吉田祐幸君

      農林水産部長                 武藤伸子君

      土木部長                   櫻井雅之君

      会計管理者兼出納局長             増子友一君

      総務部参事兼秘書課長             武内浩行君

      総務部財政課長                清水裕之君

    教育委員会

      教育長                    高橋 仁君

      理事兼教育次長                西村晃一君

    選挙管理委員会

      委員長                    伊東則夫君

      事務局長                   伊藤正弘君

    人事委員会

      委員長                    小川竹男君

      事務局長                   青木直之君

    公安委員会

      委員長                    森山 博君

      警察本部長                  高須一弘君

      総務部長                   倉島英明君

    労働委員会

      事務局長                   正木 毅君

    監査委員

      委員                     石森建二君

      事務局長                   吉田 計君

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    議会事務局

      局長                     今野 順君

      次長兼総務課長                伊藤吉隆君

      議事課長                   三浦正博君

      参事兼政務調査課長              大浦 勝君

      副参事兼総務課長補佐             三浦 理君

      議事課副参事兼課長補佐            千葉良信君

      政務調査課副参事兼課長補佐          千葉俊彦君

      議事課長補佐(班長)             二上秀幸君

      議事課主幹                  齋 真左志君

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    議事日程 第四号

              平成二十九年六月二十七日(火)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第百三十九号議案ないし議第百五十八号議案、議第百六十一号議案、議第百六十二号議案、議第百七十号議案ないし議第百七十二号議案及び報告第百十四号ないし報告第百六十三号

第三 一般質問

   〔相沢光哉君、渡辺忠悦君、庄田圭佑君、坂下やすこ君〕

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第百三十九号議案ないし議第百五十八号議案、議第百六十一号議案、

       議第百六十二号議案、議第百七十号議案ないし議第百七十二号議案及び

       報告第百十四号ないし報告第百六十三号

三 日程第三 一般質問

   〔相沢光哉君、渡辺忠悦君、庄田圭佑君、坂下やすこ君〕

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△開議(午前十時)



○議長(中島源陽君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(中島源陽君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、四十六番庄子賢一君、四十八番本木忠一君を指名いたします。

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△議第百三十九号議案ないし議第百五十八号議案



△議第百六十一号議案、議第百六十二号議案



△議第百七十号議案ないし議第百七十二号議案



△報告第百十四号ないし報告第百六十三号・一般質問



○議長(中島源陽君) 日程第二、議第百三十九号議案ないし議第百五十八号議案、議第百六十一号議案、議第百六十二号議案、議第百七十号議案ないし議第百七十二号議案及び報告第百十四号ないし報告第百六十三号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。

 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。五十七番相沢光哉君。

    〔五十七番 相沢光哉君登壇〕



◆五十七番(相沢光哉君) 通告に従い、質問いたします。

 大綱一点目は、慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタ号の存続についてであります。

 本年は御承知のとおり、仙台藩祖伊達政宗公生誕四百五十年であります。村井知事の積極的な取り組み姿勢もあって、生誕四百五十年は全庁的な対応と県内自治体、民間団体、企業の協力もあってむすび丸のロゴマークも行き渡り、「笑顔咲くたび伊達な旅」の観光キャンペーンも一段とヒートアップしたように思います。更に昨年、「政宗が育んだ“伊達”な文化」が日本遺産に認定され、宮城県、仙台市、塩竈市、多賀城市、松島町を舞台に伊達文化のストーリーが新たな脚光を浴びました。先月私は広島市を訪れ、広島城に隣接する広島県護国神社に立ち寄ったところ、生誕九百年の看板が出ていました。政宗より二倍古い時代の人物、それは今日世界文化遺産の厳島神社を深く信仰しその整備に巨万の富を注いだ平清盛でした。ちなみに更に四百五十年日本の歴史をさかのぼれば、ほぼ天武、持統天皇の時代となり、我が国の悠久の歴史と先祖の方々が残した文化の蓄積の厚さを感じざるを得ません。 政宗公が仙台に城下町を開いたのは、西暦一六〇〇年。現在の宮城県はすっぽりかつての仙台藩の版図におさまりますから、多賀城など奈良時代に名を記す地名はあるものの、仙台や石巻を初めほとんどは藩政以降に発展した町々です。東日本大震災から奇しくもぴったり四百年前の一六一一年、慶長大地震による大津波が仙台藩沿岸を襲いました。三・一一に匹敵する規模だったと言われております。しかしその大災害の直後、政宗はかねて腹案としていたノビスパニア及びローマへの使節船の建造を決断し、ビスカイノやソテロの助言と江戸幕府の承認のもと、支倉常長を大使とする慶長遣欧使節を石巻月の浦から出航させました。慶長十八年、一六一三年十月我が国初めてのガレオン船サン・ファン・バウティスタ号の誕生です。当時の記録によれば船の建造は約半年で行われ、乗客数は約百八十人であったと言われます。周知のとおりスペインからローマへ渡った常長らは、法王パウロ五世に謁見しローマ市民の大歓迎を受けましたが交易その他の目的は果たせず、常長は七年後失意の帰国をし、慶長遣欧使節は失敗に終わります。しかしサン・ファン号は太平洋を二回往復し、また大航海時代に奥州王と称して堂々と西欧との外交交渉に臨んだ政宗の破天荒なスケールの大きさと、未知の世界にあっても武士としての豪胆沈着さと教養の深さを示した常長の存在感は四百年たっても歴史の評価に値します。だからこそ二十七年前の平成二年、本間知事は慶長遣欧使節団出帆三百八十年記念事業に着手、さまざまな試行錯誤と技術的困難を乗り越え、平成五年十月宮城県が世界に誇る歴史遺産として復元船サン・ファン・バウティスタ号の竣工を見るに至りました。以来今日までの間、東日本大震災による大津波や強風の影響でメーンマストなどが破損し、木材部の腐朽、カビの発生が著しく進み、専門機関の調査、診断結果から、復元船サン・ファン号の現況における耐用期限は三年ないし五年以内と提示され、船大工の不在、修復、保存技術の欠如、膨大な費用負担等の理由からも修復しての継続は事実上不可能との内容が示されました。平成二十八年六月、慶長遣欧使節船協会は宮城県からの調査報告を受け「復元船サン・ファン・バウティスタの今後のあり方検討委員会」を設置。十六名の委員による合計四回の協議の結果、同年十一月、次のような提言をまとめました。

 一つ、復元船サン・ファン・バウティスタは東日本大震災から十年目に当たり、また慶長使節帰国四百年、東京オリンピック・パラリンピック開催などの画期となる平成三十二年、西暦二〇二〇年まで改修なしのままの状態で展示を継続できるよう努められたい。その後解体せざるを得ないが、内外の関心が集まるこの間の維持管理、活用に関しては必要に応じた措置を講じられたい。

 二つ、中核になる復元船を失う、宮城県慶長使節船ミュージアム及び石巻市サン・ファン・バウティスタパークについては、二十年の実績をもとに更なる新事業展開を図るための検討を、県、石巻市を初め関係団体において復元船解体時期を勘案しつつ鋭意進められたい。非常に苦渋に満ちた内容であり、と同時に一語一句の使い方に各委員の思いや願いが込められていると感じます。さて、これらの急展開ともいえる動きに対して議会は敏感に反応してきました。昨年の十一月定例会と本年の二月定例会で延べ六名の議員が一般質問、代表質問で取り上げました。藤倉知格議員は二回続けて質問に立ち、平成二年の伊達なクニづくり事業として取り組んだ淵源から考察し、世界各国における木造船復元や保存実態を綿密に調査した成果から、サン・ファン号の多角的な保存方法の可能性を模索すべきと論じました。菅間進議員は、宗教学者の山折哲雄氏の「東北のこころ」という講演から、支倉常長の心の内面や政宗が慶長大地震からの再生として海外との交易を望んだ可能性に言及して、サン・ファン号を復興のシンボルとして生かすべきと訴えました。三浦一敏議員は、二〇二〇年は石巻市にとっても東京オリンピック・パラリンピック開催に関連して重要な年であり、復元船を失うことはシンボルを失うことになり、海水と接する船の外側はFRP、繊維強化プラスチックで覆う保存方法があるのではないかと主張しました。本木忠一議員は、サン・ファン号の今後のあり方について、何としてでも保存、復元する熱意を持つべきで、復元船は素材を変えて実物大のレプリカにするなど、震災復興のシンボルとして取り組むことを知事に訴えました。そして佐々木喜藏議員は、慶長遣欧使節団の関連資料が国宝に指定され、ユネスコの世界記憶遺産に登録されたこと、また平成五年、復元船建造中の様子を天皇陛下が見学にこられたことを例示しながら、解体ではなく存続のための費用捻出に向け、官民挙げての知恵と協力を求めました。このような議会の流れは、本年四月全会派からの参加を得て、慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタ号の存続を求める議員連盟の設立となり、六月、議連はミュージアム館、復元船を視察し、あり方検討委員会メンバーの石巻市長、観光協会会長、文化協会会長、サン・ファン友の会会長、ミュージアム館長の方々と貴重な意見交換を持つに至りました。村井知事、これまでるる述べてきた経過の中で関係者の方々が異口同音に言うことは、サン・ファン号を何とか残せないかという一点に集約できます。厳しい状況や条件は全員が百も承知です。しかし発想の転換、新たな手法、県民世論の喚起など英知を結集すれば、おのずから道は開けるのではありませんか。四百年前、伊達黒船とも称せられた日本人初の西洋式木造船を建造し、未知の大海原に敢然と挑戦した政宗、常長主従の壮図を今に伝える復元船の解体、廃船を政宗公生誕四百五十年の本年に決定するというめぐり合わせを、地下の藩祖公は何と思われるでしょうか。我が国は、古来から祖霊神の厳魂(いづのみたま)、幸魂(さきみたま)の御神力(みちから)を畏れ、敬い、忌み、穢れ(けがれ)、禍事(まがごと)、祟り(たたり)が身に及ばないよう、かしこみかしこみ祈るという信仰が広く行われてきたことも非合理な迷信と片づけるべきではありません。しかし私は、本年大事な時期を迎える知事をおどすわけではありませんので、ここで質問に移ります。

 第一問。東日本大震災時にサン・ファン号は甚大な被害を受けましたが、国に対し何らかの震災支援を要請していますか。また、損害額はどのぐらいで、どのように処理していますか。

 第二問。調査機関及びあり方検討委員会のサン・ファン号の現状分析と修理、保存策は、水に浮かぶ木造船であることにこだわり耐用年数や費用を算出しています。しかし、検討委員の方の発言にもあるとおり、復元船の当初が本格的洋式木造帆船であったことが大したものであり、修理保存は外観上の特徴を損なわない配慮があれば、修理素材を船大工の経験を必要としない、鉄、ステンレス、プラスチック、FRP、樹脂などを駆使し、レプリカ船で全く構わないと思います。水中に浮かべて腐食が進むことを防ぐために乾ドックにしてもよいし、外国帆船の保存によく見られるように、採光性に富む建造物で覆って風雨浸水や空調に対処する方式を検討すべきと思いますが、いかがですか。

 第三問。サン・ファン号関連でこれまで欠けていたのは、一つに震災遺構、二つに歴史的遺産の両面での国とのかかわり方であります。

 例えば、震災復興予算への採択の可能性や、歴史遺産整備を加味して国との事業の連携を図る。また地方創生拠点整備交付金の活用によって、知事の提唱する創造的復興の具体的実践のケースとしてサン・ファン事業を真の復興のシンボルに昇華する手法を大胆に訴えていくべきと思います。「政宗が育んだ“伊達”な文化」の日本遺産対象自治体に石巻市が含まれていないことは全く残念なことであり、この際文化庁に追加申請をすべきではないでしょうか。一方、提言書は前に述べたとおり非常に苦渋に満ちた内容であり、知事は行間ににじむ各委員のサン・ファン号存続への思いをぜひ酌み取っていただきたいと思います。指摘した諸点について、また提言書に対する今後の対応について御所見をお聞かせください。

 第四問。本年度当初予算に計上したデジタルアーカイブ事業への取り組みはどのように進められているのでしょうか。もし、サン・ファン号の本体消滅の状況に至れば、現在の船体等を単にITの仮想空間に移しただけの乏しい効果しか期待できないのではないか、とわくわく感が生まれません。それは大いなる誤解なのか、説得力のある御説明をお聞かせください。また、政宗、常長の傑出した活躍と内面の人間性を活写できる語り部ボランティアの養成について検討してみてはいかがでしょうか。

 第五問。私たち県議会全会派が参加しての議員連盟の主張を知事はどのように受けとめられ、忖度(そんたく)いただけるでしょうか。

 私たちは県民の代表でもあり、宮城県が誇る歴史遺産に対する県民の関心と協力を石巻地方にだけ任せるのではなく、全県的に喚起しなければならない責務を自覚しております。このことの御認識の上に立たれ、本件に関する知事のぜひ前向きの御答弁をお願いいたします。

 大綱二点目は、石炭火力発電所問題についてであります。

 仙台港で建設が進められていた関西電力、伊藤忠商事系の石炭火力発電所、仙台パワーステーションは今月十二日試験運転を開始、いよいよ十月から関東圏に向け売電を始める見通しとなりました。出力十一万二千キロワットと、国の環境影響評価の対象基準からわずか五百キロワット低く、明らかに規制逃れでの進出であり、大量のCO2排出を初め、健康や環境への悪影響が懸念される硫黄酸化物、窒素酸化物、オキシダント、PM2・5、水銀などの排出も完全に除去することは難しいと言われております。当初、仙台パワーステーションは住民説明会の開催を拒む姿勢を見せていましたが、仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会からの請願が県議会で趣旨採択されたことを受け、三月八日、夢メッセにおいてようやく事業者説明会が開催されました。私も出席しましたが、約四百名収容の会場は立錐の余地もないほどの熱気で、なぜ関西に拠点を置く電力会社が被災地である仙台港を選んで石炭火力発電所をつくるのか、生活環境や生態系は大丈夫なのかと不安と懸念を示す住民の切実な声を身近に感じました。

 県はこれまで石炭火力発電所を県環境アセス条例の対象にしてきませんでしたが、後追いながら、県条例施行規則を改正し、小規模火力発電所を新たな対象に加え、発電出力七万五千キロワット以上を第一種、出力三万キロワット以上を第二種事業と定め、本年七月より施行となりました。一方、仙台パワーステーションと宮城県、仙台市、塩竈市など七県市町は、昨年三月公害防止協定を締結しましたが、環境アセスがなかったため、前述のとおり、環境コミュニケーションの欠如とも言える地元住民への説明がないまま着工されたり、試験運転の開始も県には事後報告になるなど、法令遵守の姿勢に疑問を感じざるを得ません。NPO法人気候ネットワークの調査によれば、世界の潮流が脱石炭であるのに、我が国における石炭火力発電所の建設計画は、現在公表されているだけでも全国で四十九基、うち直近の大船渡市を含め計画中止、変更が四基、稼働中が二基であり、東北地方の合計は十四基を数えるとのことです。仙台港では本年三月四国電力、住友商事系の仙台高松発電所、バイオマス、石炭混焼、出力十一万二千キロワットの建設計画が発表され、仙台市と環境アセスの協議に入りました。仙台港は石炭荷揚げに好適で周波数の関係で関東方面への売電が可能であるため、今後もこのような立地が進むものと思われます。去る五月三十日、考える会は仙台パワーステーションに対して、県、関係市町が、自主アセスメントの実施などを求める二万二千八百筆の署名簿を知事に提出しました。私も同席し発言もさせていただきましたが、なぜ今の時代に石炭火力か、環境大臣もあきれるアセス逃れに何ら手はないのか、大気汚染による健康被害、環境悪化は本当に心配はないのか行政の責任が鋭く問われています。請願を全会一致で趣旨採択した宮城県議会は、政党、会派を問わずこの問題を最重要視し、県民県土のために危機感を持ってその良識と権限の力を発揮すべきではないでしょうか。

 以下、順次質問に移ります。

 第一問。仙台パワーステーションから排出されるCO2は年間六十七万二千トン。新たな仙台高松発電所は年間四十七万トン、合計年間百十四万二千トン。一般家庭から排出されるCO2は世帯当たり三・四九トンですから、仙台港の二つの石炭火力だけで実に三十二万七千世帯分の排出量、これは仙台市の世帯数の六五%に当たります。その排出量がふえることになります。パリ協定で全世界が、日本全体が、地球温暖化対策に血眼になっているとき、温室効果ガスの九〇%を占めるCO2がいわば野放図的に県内で一気にふえてしまう。しかも発電に係るCO2は、売電先の首都圏でカウントされるため、宮城県は実質ふえるにもかかわらず、排出量算定には加えられないという摩訶不思議な結果になり、それは国と県の関係での地球温暖化対策上、本県にとって有利なのか不利なのか。少なくとも、国内排出権取引制度若しくは炭素税創設の検討対象にすべき時期に来ているのではないかと思います。これらのことに関し、知事の御所見を伺います。

 第二問。宮城県地球温暖化対策実行計画を見ると、CO2については国の公表値確定が三年ないし四年おくれるため、本年度における県内の温室効果ガス排出量、CO2排出量とも二〇一三年度の確定数値をもとに推計され、真の本年度の実態は、二〇二〇年か二一年にならないとわからないという大変大きなタイムラグがあります。これではまさに雲をつかむような話で、温暖化対策や政策は統計課の仕事をなぞるがごときになりかねず、改善すべきと思いますがいかがですか。

 また本県は貴重なみやぎ環境税を原資として、年間約二十億円を低炭素社会の推進や森林の保全、機能強化などに投入していますが、それらの効果がCO2削減にどの程度反映されているのか、少なくとも翌年度ぐらいには計数把握ができるように工夫すべきと思います。本年三月環境省は、二〇一五年度の石炭火力発電からのCO2排出量の実績値は、二〇三〇年度に達成が必要と考えられる推計値を既に超過していると警告し、このままでは二〇三〇年二六%削減の目標達成は不可能と指摘しています。本県はまさに足を引っ張る本家本元の一翼になりかねません。以上、指摘した事項についての御見解と今後のとるべき対策をお聞かせください。

 第三問。仙台パワーステーションの公害防止協定では大気汚染防止のため、ばい煙発生施設からの排出ガスについて、硫黄酸化物、窒素酸化物などの排出基準による協定値を遵守するとしています。つまり違反でなければ合法ですが、法、条例の排出基準そのものに適切かの疑問を強く感じます。もともとクリーンな環境のところに新たな負荷を及ぼす物質が発生すること、どんなに性能がいい装置を使っても、石炭を燃やせばPM2・5、水銀、オゾンなどの汚染物質が微量とはいえ大気にまき散らされ、それら重金属類の汚染物質は微量でも深刻な被害を及ぼすメカニズムから、甚大な影響を受ける地域は拡大のおそれがあります。小児ぜんそくなどの呼吸器系、蒲生干潟の多様な小動物や渡り鳥など生態系への悪影響が懸念される一方、今後仙台港に二基三基と石炭火力が増設されれば複合汚染が発生し、地価の低下や立地企業の離脱が起こりかねません。

 これらの不安に対し、行政側は大気汚染観測局の増設や住民健康状況のモニタリング調査の徹底と同時に、常時環境データの公表を行い、企業に対しては脱硫率、脱硝率などの改善を継続的に求め、公害防止協定第二十一条及び第二十三条の規定によって、自主アセスの導入など、公害防止協定の内容事項の変更も辞さない真剣さで臨んでいただきたいと思います。御所見を求めます。

 第四問。本年五月、宮城県漁業協同組合関係機関から県に対し、宮城県沿岸地区における石炭火力発電、バイオマス発電事業に対する要望書が提出されました。その内容は、石炭火力発電所が排出する大量の淡水が沿岸の海水に流れ込み、特にノリ養殖に大きな被害を及ぼすおそれがあるため、周辺海域の環境アセス調査を一年以上求め、海への排水を行わないよう要望しているものであります。この経過並びに現状での課題等についてお答えください。

 第五問。最後に村井知事にお伺いします。

 石炭火力発電所問題は民間企業と行政という関係で見ると、営業の自由や利益追求という自由主義、資本主義上の当然の権利と、環境保全という社会公益を守るための行政の規制執行権との相克、せめぎ合いとなりますが、住民から見ればうまくしてやった事業者に何ら有効打を打てず、環境アセス逃れを許した頼りにならない行政と受けとめたに違いありません。行政を動かす原理原則は、法律、制度、予算にあり、当然ながら臨機応変には不向きです。今回のように、例えば地球温暖化対策が重要であることは万人が意識していることすら、法律、制度の間隙を突かれると無残な結果になります。では時代に逆行する石炭火力発電所を仙台港に誘致することが、富県戦略のためになるのでしょうか、否であります。生産の成果である所得が他県での消費であるために本県には創出されず、環境の悪化が他企業の本県離脱を誘発しかねません。知事は行政の長であると同時に政治家であります。県民が今何を求めどう答えればよいか。村井知事は、東京都の小池知事に負けないほどその感覚は敏感なものを持っているはずです。よい悪いはともかく、築地か豊洲かの課題を都民世論を巻き込んで選挙の争点化している小池知事の戦略は、ポピュリズム政治の批判はありますが、民主主義政治の原点はいや応なく大衆世論の動向をもろ刃の剣として為政者が使いこなせるかどうかにかかっています。

 十月には宮城県知事選挙が控えています。今、県民の大きな関心事の一つが環境問題であると思います。現行法の及ばない部分について改善・改良を約束し、環境先進県への道筋を示して説得力を持つのは村井知事しかいません。知事の言動の一つ一つが県民世論に響きその鼓動が一つになっていくとき、公害のない明るく力強い宮城県は更に前進するものと思います。知事の御所見をお伺いします。

 壇上での質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 相沢光哉議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。

 まず大綱一点目、慶長使節船復元船サン・ファン号の存続についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタ及び慶長使節船ミュージアムの修復への対処と国への支援要請についてのお尋ねにお答えをいたします。

 復元船は、東日本大震災の大津波の影響により船体に穴があいたほか、マストも著しくダメージを受け、震災から約一カ月後の強風の際に、メーンマストとフォアマストが倒壊するなど甚大な被害を受けました。また、ミュージアムはエスカレーター棟とドック棟が壊滅的な状態となり、多くの展示物が流失いたしました。県では、被災者の方々を元気づけるべく早期の復旧を目指し、平成二十三年度から二十五年度にかけて、地域活性化交付金及び災害復旧費補助金を活用し、復元船に約二億一千万円、ミュージアムに約三億六千万円を投じ、船体の穴やマストの修復、エスカレーターや電気設備の修繕などを行い、平成二十五年十一月に再開館を果たしたところであります。その後、平成二十七年度に行った復元船の現況調査で、津波の影響により船の背骨に当たるキールがへの字になり、船体全体にゆがみが生じていることなどが新たに判明いたしました。このため、船体の修復や代替措置に関する復興交付金の活用を復興庁へ相談し、復元船の視察もしていただきましたが、非常に難しいというようなお答えをいただいております。

 次に、木造船にこだわらない鉄や樹脂等の素材を使ったレプリカでの復元などの方法を検討すべきとの御質問にお答えをいたします。

 御指摘のとおり、県で行った復元船の現況調査や慶長遣欧使節船協会が設置した慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタの今後のあり方検討会においては、史実に忠実に再現した木造船として残すことが最も望ましいとの意見があったことから、木造船としての修復、保存について議論されてきました。しかし、追加的に行った船舶の保存科学の専門家への聞き取り調査などの結果、現状では木造船として修復し、保存していくことは困難な状況にあると認識しております。復元船は日増しに腐朽が進んでいることから、県といたしましては、御指摘の点も含めまして、広い視点をもって次なる対応策について早急に検討を行うべき時期に来ているものと考えております。

 次に、復元船を復興の象徴として活用すべきとの御質問にお答えをいたします。

 復元船は、東日本大震災の大津波にも耐え抜いたものであり、その復興の象徴としての重要性を十分に理解しているところであります。今後、震災復興の象徴としての重要性や歴史的な意義も考慮しながら、復元船の今後のあり方を検討した上で、さまざまなイベントでの活用などについて、関係者に働きかけてまいります。

 次に、あり方検討会の提言書に対する見解についての御質問にお答えをいたします。

 あり方検討委員会の皆様が、できれば復元船を修復し保存していきたいという気持ちを持ちながら真摯に議論を尽くされ、技術的な意見も踏まえた上で現実的な判断に立ち、断腸の思いで解体せざるを得ないとの結論を出されたことに対し、心から敬意を表するものであります。県といたしましては、この思いに応えるためにも提言の二つ目にある更なる新事業展開を図るための検討を鋭意進められたいという要望を重く受けとめ、早急に検討を開始したいと考えております。

 次に、議員連盟の主張についての御質問にお答えをいたします。

 これまでの議会で議員の皆様から慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタの存続に向けた、数多くの質問やさまざまな御提言をいただき、またこのたび、全議員参加による議員連盟が立ち上がったという事実もあわせ、議員の皆様の復元船に対する熱い気持ちを強く感じているところであります。私もその思いを受け、復元船を木造船として残すことができるか検討してきたところでありますが、木造船として修復しても長期的に保存できる保証がないこと、修復には高度な技術と煩雑な手順、相当の期間を要すること。腐朽が進んでおり、修復に耐えられないおそれがあることなどの理由により、史実に忠実に再現した木造船のまま修復し保存していくことは断念せざるを得ないと考えております。現復元船につきましては、あり方検討委員会の提言を踏まえ、日々のメンテナンスを丁寧に行いながら、まずは、東京オリンピック・パラリンピックが開催される、二〇二〇年まで展示していく方針であります。県といたしましては早急に、先ほどから申しておりますように仮称でありますが「慶長使節船ミュージアムの今後のあり方検討委員会」を立ち上げ、関係者の皆様の御意見をよく伺いながら、二〇二〇年以降のあり方を具体的に検討してまいります。

 次に、大綱二点目、石炭火力発電所問題についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、石炭火力発電所の立地により二酸化炭素排出量が増加することについてのお尋ねにお答えをいたします。

 石炭火力発電は我が国のエネルギー政策上、安定性、経済性にすぐれた電源として位置づけられ、国ではベースロード電源の一つとして活用していくこととしております。また一般に発電所は電気事業法を初めとした法律等の諸条件を満たした上で立地がされる場合には、電源の分散化や産業活性化という観点において必要なものであると考えております。しかしながら、二酸化炭素排出量の多い小規模石炭火力発電所の立地は温室効果ガス削減の観点では必ずしも好ましいものではなく、また、地域住民の環境負荷に対する懸念の声もありますことから、事業者に対しましては、その不安の払拭や信頼関係の構築につながる環境コミュニケーションが行われるよう働きかけるなど、適切に対応してまいります。

 次に、二酸化炭素排出量が売電先の首都圏にカウントされることについての御質問にお答えをいたします。

 電気は消費地の需要に応じて発電される性質のものであることから、二酸化炭素排出量は、消費された時点で消費地に計上されております。このため、御指摘のありましたとおり、仙台パワーステーションのように、実際は県内で二酸化炭素が排出されておりましても、県内の排出量として計上されない仕組みとなっておりますが、現状として、国との関係において有利・不利が生じるものではありません。地球温暖化問題は、国全体として取り組むべき課題でありますことから、我が県の排出量への計上の有無にかかわらず、県として二酸化炭素削減対策をしっかりと進めていくことが何より重要であると考えております。

 次に、石炭火力発電所の立地と環境保全についての御質問にお答えをいたします。

 私は知事就任以来、富県戦略において環境と経済の両立を大きな柱の一つと位置づけ、みやぎ環境税を創設して財源を確保し、私みずからが先頭に立って環境関連産業の誘致及び振興に取り組むとともに、地域や家庭における再生可能エネルギーの導入促進に向け積極的に支援しているところであります。これらの取り組みを通じて、地域経済の発展及び地球温暖化防止への貢献をしてきたという自負がございます。また、小規模な火力発電所につきましては、ことし二月に環境影響評価条例施行規則を改正し、環境影響評価制度の対象事業に加え対策を強化したところでございます。環境アセスメントの対象とならない事業に対しましても、環境省のガイドライン等を踏まえ、よりよい環境保全対策や地域住民との環境コミュニケーションに努めるよう働きかけをしているところであります。県民生活及び産業は、健全で豊かな環境を基盤として成り立つものでありますので、今後とも引き続き、地域経済の発展と環境保全の両立に力を入れ、持続可能な社会を目指す環境先進県宮城の確立にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 環境生活部長後藤康宏君。

    〔環境生活部長 後藤康宏君登壇〕



◎環境生活部長(後藤康宏君) 大綱一点目、慶長使節船復元船サン・ファン号の存続についての御質問のうち、復元船のデジタルアーカイブ事業についてのお尋ねにお答えいたします。

 慶長使節船復元船アーカイブ事業は、平成二十七年度に実施した復元船の現況等に関する調査により、船体の腐朽の進行が著しいことが明らかとなり、早急に復元船の姿を記録する必要が生じたことから今年度予算化したものです。アーカイブ事業では、史実に忠実に再現した復元船の内外を写真や動画で記録するとともに、将来的に幅広い活用が期待される船体の3Dデータを整備することにより、慶長遣欧使節の偉業を後世に継承するための学習機会への活用、観光を視野に入れた仮想体験などのエンターテイメント性の高いコンテンツへの活用、学術研究への活用など、幅広い用途を想定しているところです。アーカイブ事業は、慶長遣欧使節の偉業を後世に伝えるための一つのツールとして、その将来的な広い活用可能性も含め大きな効果を期待しているところです。

 次に、語り部ボランティアの養成についての御質問にお答えいたします。

 県といたしましても、歴史が人の口から直接語られる際の説得力の大きさは認識しているところであり、平成二十七年度には慶長遣欧使節出帆四百年記念事業の一環として、語り部養成講座を開催したところ、延べ百二十人が参加し一定の成果を上げた経緯があります。今後もこのような企画について積極的に取り組んでいく必要があると考えております。

 次に、大綱二点目、石炭火力発電所問題についての御質問のうち、国内排出権取引制度又は炭素税創設を検討すべき時期に来ていると思うがどうかとのお尋ねにお答えいたします。

 国内排出権取引制度や炭素税については、政府の長期目標である二〇五〇年における温室効果ガス排出量八〇%削減や、その先の脱炭素化に向けて大きな効果が期待される取り組みの一つとして、環境省が今月初めに設置した検討会において議論を開始したところであり、県といたしましてはその動向を注視してまいります。

 次に、二酸化炭素排出量の公表値確定におけるタイムラグを改善すべきとの御質問にお答えいたします。

 我が県の温室効果ガスの排出量については、全国の都道府県と同様、環境省の算定方法ガイドラインなどを参考に算定しております。これに使用するデータのうち、最も重要な都道府県別エネルギー消費統計については、例えば、二〇一三年度の場合、統計資料が二年九カ月おくれて公表されるため、県の公表値確定が約三年後になっている状況です。県といたしましては、今年度から地球温暖化対策実行計画の中間評価をした上で必要な見直しをすることとしており、その中で二酸化炭素排出量について現在の手法より可能な限り早く算定できる方法がないかを検討してまいります。

 次に、みやぎ環境税の二酸化炭素削減への寄与度合いはどうかとの御質問にお答えいたします。

 現在、実績が確定している平成二十七年度のみやぎ環境税充当事業を例にとりますと、二酸化炭素排出源対策や森林吸収源対策による二酸化炭素削減の直接効果は約三万六千七百トンとなっております。また、環境教育など将来における二酸化炭素削減を見据えた事業もあわせて実施しており、我が県の二酸化炭素削減を含めたさまざまな環境課題の解決に大きく寄与しているものと考えております。

 次に、環境省が示した石炭火力発電所による二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標達成への懸念についての御質問にお答えいたします。

 石炭火力発電所は、現状として小規模施設に対する環境配慮の規制がないことから、温室効果ガス排出削減などの観点で課題があり、環境省では、環境保全対策や自主的な環境アセスメントのガイドラインを策定するなどの対応を行っております。県といたしましてもこうした取り組みを踏まえ、ことし二月に改正した環境影響評価条例施行規則に基づく火力発電所の環境アセスメントを通じて適切に対応してまいります。

 次に、地域住民の不安払拭に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。

 県では、地域の大気汚染状況を把握するため、国や仙台市とともに、仙台港周辺を含め、県内三十六カ所の測定局において大気環境の常時監視を行っております。また、仙台港周辺の大気環境濃度を把握するため県独自の措置として、多賀城市及び七ヶ浜町において今月から移動測定車を用いてモニタリングを実施しており、これらの測定データを県ホームページ上で公開しております。

 次に公害防止協定については、関係自治体と事業者相互の信頼関係に基づき、操業に伴う公害防止のために、事業者が行う事項等に関し合意した取り決めとなっております。県といたしましては、協定の趣旨に即した環境保全や地域住民の不安払拭に向けた取り組みを事業者に働きかけるとともに、引き続き関係市町とも緊密な連携を図りながら、協定の見直し等についても必要に応じて協議してまいります。

 次に、県漁協等から提出された要望書に係る経過及び現状の課題についての御質問にお答えいたします。

 宮城県漁業協同組合では、沿岸部に複数の火力発電所の立地計画が進められていることから、発電所からの排水によるノリ養殖等への影響を懸念し、先月二日に県あての要望書を提出しております。これを受け、県では沿岸部に立地予定の火力発電事業者に対しその内容を伝え、事業の実施に当たっては、県漁協等への丁寧な説明や十分な事前調整を行うよう助言しているところです。また、火力発電所からの排水による海洋への影響を見きわめることは重要な課題と認識していることから、環境影響評価技術審査会の委員に漁場環境等に詳しい専門家を新たに招聘し、環境アセスメントの審査を行うこととしております。県といたしましては、海洋への環境負荷の低減が図られ、宮城の良好な環境が保全されるよう、環境アセスメント手続を実施する事業者に対して適切な指導助言をしてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱一点目、慶長使節船復元船サン・ファン号の存続についての御質問のうち、「政宗が育んだ“伊達”な文化」の日本遺産対象自治体に石巻市を追加申請すべきとのお尋ねにお答えいたします。

 日本遺産、「政宗が育んだ“伊達”な文化」のストーリーは、文化財としての価値とともに伊達政宗の先見性や国際性にも着目したものであります。この点では、申請を共同して行った四市町以外でも県内には日本遺産としてふさわしいと思われるところがあると認識しております。石巻市については、慶長遣欧使節の出発地でもありますので、まずは市としての考えを伺ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 五十七番相沢光哉君。



◆五十七番(相沢光哉君) サン・ファン号について再質問します。

 知事が具体的な検討もしたいという含みを持たせてますが、木造船をA案、それ以外の素材をB案とした場合に、B案にまでかかって検討させるというお考えはありますか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 当然B案ということも含めて検討するということになります。木造船というのは史実にのっとってやるということは、お金の問題であるというより、技術的な問題ということがありますのでこれはかなり難しいというふうに思います。また、今の船を何らかの手を加えて木以外の物を使ってというのも、一回水を全部抜かないといけませんのでおそらく自重で潰れてしまいますので、これもなかなか簡単にはいかないと思いますが、その辺も含めて、A案とB案の折衷案も含めて、今後あり方検討会でよく検討してみたいというふうに思います。ただし費用対効果という問題もありますので、今の段階でこうするということをはっきりとした方針を示すことは難しいと。まずあり方検討会でよく御検討いただきたいと思います。いずれにしろサン・ファンミュージアムについては、県がつくったものでありますけれど、そこに至る道路は、石巻市さんにつくっていただいて、トンネルもつくっていただいておりますので、船がなくなりました、サン・ファンはただの公園としてそのまま置いておきますとはいかないだろうというのは、私も重々認識しておりますので、この辺については石巻市さんの御意見などもよく聞きながらどうすればいいのかと、サン・ファンミュージアムにまたたくさん人が戻ってきていただけるようにするためにはどうすればいいのかということをよく考えていきたいと思います。その際やはりサン・ファンというのは当然核になるものでありますので、全然違うものをもってくるということにならないような形で、いい形を模索していきたいというふうに思います。現時点においてはそういうことまでしか言えないということです。



○議長(中島源陽君) 五十七番相沢光哉君。



◆五十七番(相沢光哉君) 昨日新たな請願も出ておるところでありますのでよろしくお願いいたします。

 それから公害防止協定第二十一条ないし第二十三条、どういうことが書かれているか、教えてください。



○議長(中島源陽君) 環境生活部長後藤康宏君。



◎環境生活部長(後藤康宏君) 協定二十一条につきましては、協定に違反した場合の措置が定められておりまして、事業者がこの公害防止協定に定める事項に違反した場合、協定締結自治体は事業者に対して必要な指示を行い、これに事業者は従うことということが定められております。協定二十三条につきましては、この協定に定める事項に疑義が生じたとき、この協定に定める事項を変更しようとするとき又はこの協定に定めのない事項について定める必要が生じたときは、その都度事業者、関係自治体の相互で協議して定めるという内容が定められております。



○議長(中島源陽君) 五十七番相沢光哉君。



◆五十七番(相沢光哉君) 先ほどの知事の答弁で、石炭火力発電は必ずしも好ましいものではないという表現があったけれども、それは全く認識が間違ってると思います。好ましいものではないとはっきり考えなければならない。

 それから今の協定の件です。事業者のほうでいろんな約束を守れない状況になったときは、即、対応を始めていただきたい、このことを要望しておきます。以上です。



○議長(中島源陽君) 二十四番渡辺忠悦君。

    〔二十四番 渡辺忠悦君登壇〕



◆二十四番(渡辺忠悦君) おはようございます。議長のお許しを得ましたので、大綱二点について質問いたします。

 第一点目は、農業農村について質問いたします。

 登米農業改良普及センターは、折々登米地域の稲作通信を発行しております。この内容は、天気の長期予報から始まりその時々の生育状況、管理のチェックポイントなど農家へわかりやすく報告しており、私にも理解ができる文章でとてもいいガイダンスではと評価をいたしております。今、圃場は従来方式の移植と直播の生育状況には差がありますが、直播の分けつが進むと区別がつかなくなります。農村風景で一番いい時期かもしれません。国は食料・農業・農村基本計画の中で、高齢化、人口減少、グローバル化への対応を図ることとしており、現在は食料・農業・農村政策の大きな転換期にあります。まず農地の集積、集約化による農業の構造改革や国内外の需要の取り込み等を進め、農業や食品産業の競争力の強化を図る必要がある。また、国民に多くの恵沢をもたらす農業・農村の有する多面的機能は、食料供給の機能と一体のものとして極めて重要であり、その機能発揮を促進するとしております。二〇一七年五月四日の日本農業新聞、マイファーム代表西辻一真氏の記事を一部引用いたします。

 農業は都市農業、産地としての農業、中山間地農業の三つに整理できる。農水省は産業としての農業を重視し、農村政策への最適解を見つけられていない。特に中山間地農業は、国土保全や多面的機能など多くの意義を持ち、そこに若者は可能性を見出している。三つの農業のうち、最も若者が入っていないのが産地としての農業だ。産地が若者を真剣に求めていないからでもある。しかし長期的にそのスタンスでは産地は成り立たない。産地にはどんな後継者をふやしたいのか、未来予想図を地域ぐるみで考えるワークショップを何度も繰り返し開き考え抜いてほしい。既存の農業組織に頼らない若者が多く活躍している。だからといって不必要な組織なのではない。もうけている経営者が政府の会議で「JAは要らない」と発言しても、その経営者にとっては要らないだけで必要としている人は確実にいる。そこを忘れてはいけない。農業が成長産業になるために強い農業を追及するだけが正解ではない。小規模農家も規模力のある農家も、農業を支える人も高齢者も、多様な人や組織がつながり合うことで凝り固まっていた農業界が解きほぐされる。若者はつながる力にたけている。若者力を生かすことが成長産業化への鍵を握る。

 西辻氏はこのような趣旨で述べております。この彼の意見は、農業・農村の切り口として一つの考え方と私は思っております。県の基本計画では、農業を若者が憧れる魅力ある産業に掲げております。農業者と消費者の相互理解が深まり、食を通じてお互いに支え合う風土づくり、社会情勢の変化に対応した担い手の確保や、我が県への人材還流、雇用の創出、六次産業化や他産業との連携、多彩な経営展開による他産業との遜色のない所得の確保、美しい農村景観や多様な生態系等の地域資源の維持、保全と農村の魅力を発信するとあります。その数値目標として平成三十二年、販売農家数三万一千五百戸、農地面積水田十万五千三百二十ヘクタール、畑二万三千二百八十ヘクタールで、農地面積合計は十二万八千六百ヘクタールとなり、平成二十一年度対比それぞれ約九五%、八九%、九四%減となり、トータルで農地面積は約七千ヘクタールの減となります。一方農業産出額は、平成二十六年の千六百二十九億円から平成三十二年の二千十五億円と三百八十六億円の増となっております。まず、平成三十二年度の見通し、目標に対する認識、進捗はいかがでしょうか、お伺いいたします。

 県は二〇一八年産以降の米生産数量の目標を国が示す需給見通しをもとに算定し、地域農業再生協議会に提示するというマスコミ報道です。私は評価をいたしております。それと同時に主食用米以外の農産物、農業・農村の将来方向までをもしっかりと見据えた方針を出していただきたいと考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に、園芸振興ですが、平成三十二年目標で園芸は四百二十二億円で平成二十六年から百二十一億円の増となっております。販売をどうするかが私は鍵と考えますが、伸ばす品目とブランド化等の戦略についていかがでしょうか。

 また、私の周辺では転作キャベツなどから新規需要米への復田も見られます。パイの取り合いに見えますが、このような状況を踏まえ、産地と担い手の育成方法について伺います。

 総務省二〇一六年度家計調査では二人以上の世帯平均二・九九人の食料費支出によると、米代は六十八・七四キログラムで対前年比一・一%減。金額は二万三千五百二十二円。パンは四十五・一キログラムで三万二百九十四円であります。麺類は三十四・一九キログラムで一万七千六百六円です。パンと麺で約八十キロの小麦類を購入しております。これは私はむしろ米の伸びしろと捉えたほうがいいと思いますが、県はどのような所感か、お伺いいたします。

 また、平成二十年比で大豆をふやし、小麦、六条大麦を減らす方向ですが、どのようなお考えで、どう実施していくのか、あわせてお伺いいたします。

 次に新規需要米ですが、私は商品化の可能性、経済性から裾野の広い作物と考えており、稲作は我が県の農業に一番なじんでいる作物でもあります。ここに付加価値をどのようにつけていくかが本県農業の未来を左右するのではと思いますが、認識はいかがでしょうか。

 秋田県大潟村の方がグルテンフリーと銘打ち、麺、パスタを販売して実績を上げているとの報道がありました。また、大震災復興調査特別委員会で訪問しました、株式会社クボタでも関係企業でノングルテンで米粉一〇〇%のパスタと米粉と小麦との麺の販売を始めたとの説明でありました。一方農水省は、ノングルテン表示の認証制度を今年度中に開始するとの報道がありました。欧米では既にグルテンを含まない食品の認証制度があり、一定の市場ができているようです。我が国でも少なくともその性質上、非常時用の食料や食材としての需要が少なくともあるのではというふうに考えますが、いかがでしょうか。

 また品種改良により酒米としての適性を整えていくなど、この分野はいろいろ可能性を含んでおり付加価値が出せると考えますが、今後の新規需要米の方向性について伺います。

 次に、農地集積について伺います。

 県のアクションプランでは、平成三十五年度担い手が利用する面積を十一万六千六百四十ヘクタールで、県内全耕地面積十二万九千六百ヘクタールの九〇%とする目標を立てました。一方で、基本計画で平成三十二年時点では、副業的農家が五四%存在する見込みであります。また、農水省の実態調査によりますと、相続未登記のおそれがある農地は、全農地面積の二割になっているとあります。国では、適切な管理者がいる場合の賃貸条件緩和を検討しておりますが、財産権侵害の懸念もあるとされる中、慎重に議論するとあります。ちなみに本県は、一五%の権利関係不明があると伺っております。また、経営面積が三十アール未満かつ農産物の年間販売額が五十万円未満、いわゆる自給的農家が二〇〇五年から八十万戸台で推移しているとのことであります。このような状況の中で、今後十年間で九〇%を集積するとありますが、計画の進捗に問題はないのですか、お伺いいたします。

 次に、私の地元の登米市には、農水省の六次化の先進地事例に必ず出てくる、伊豆沼農産があります。養豚から始まり肉製品加工、販売、農家レストラン等を経営。また、地域の自然になれ親しむための地域活動として、小学生と保護者を巻き込んだ活動をしております。また、黒毛和牛を数千頭の一貫飼育をし、その副産物を肥料として加工、販売している日高見畜産を初め、農業に真摯に取り組んでいる方が大勢おります。旧南方のある土地集約型の農家は、集落からの受託農地を含む約六十ヘクタールを耕作し、主食米、新規需要米、大豆を生産し、主食米は小口直販、モチ米は自社加工工場で加工し直販、大豆はみそ、納豆としてイベント販売、道の駅、地元スーパーで販売と六次化の見本のような農業をしております。この方々のように、先見性、経営能力に秀でた企業、事業所は独自にオリジナルの産業としてやっていけると考えておりますが、これらの次に続く企業、農業者などをどのように生育するかが我が県にとって大切と考えますが、認識を伺います。

 また、食品衛生面での許認可について伺います。

 農家は自分の生産物を中心に加工を考えます。例えば大豆を考えますと、大豆からつくれるのはみそ、しょうゆ、納豆、豆腐などです。これらにはおのおのに製造許可が必要であり、加えてそれらを材料として調理をして販売する場合は、総菜加工販売の許可も必要であります。条例で漬物加工業もあります。法律ですからいたし方ないところもありますが、許認可手続は農家にとりましてはなかなか大変な作業であります。農業振興サイドから見た御所見を伺います。

 次に、輸出であります。

 人口減少を初め、種々の要因で米の消費量が年々減っております。このままではとの思いは直販している農家ほど真剣であり切実な思いであります。販路を国外へと考えるのは自然であります。国も二〇二〇年までに農林水産物輸出一兆円を掲げ、県としても、平成二十一年三月に食材王国みやぎ農林水産物等輸出促進基本方針を策定し、平成二十二年二月に宮城県食品輸出促進協議会を立ち上げ、官民一体で輸出を促進してきましたが、まず県内農産物の輸出についての動向、現状認識はどうか、お伺いいたします。

 JA全農、商社も、東南アジア、EU、中国へ売り込みが始まりました。私の友人の登米市内の農家が米を中心に海外へ販売できないものかと考え、昨年四月インドネシアのジャカルタ、マレーシアのクアラルンプール、シンガポールに現地訪問いたしました。事前に県御当局へも相談を申し上げ、ジェトロ仙台事務所で打ち合わせをした後、各国駐在のジェトロ事務所への訪問調査、現地状況の説明を受けました。また、各国ともデパートの食品売り場の視察を行い、数は少ないですが日本産の米も置いてありました。地元の方々にはなかなか手の届かない価格帯とのことでありました。一方で日本食のレストランでの意見交換では、日本産のものが欲しいとのことでした。結局は関税や物流の関係で現状は価格的に無理との話でありました。一方、日本の商社が中国でオープンさせた日本米の専門店の滑り出しが上々、中間業者を省き流通コストを抑えることで従来より三割安く販売できるとのこと、農家の手取りはどうかの疑問はありますが一つの流れだと認識をいたします。また、私は御飯の形にする方法もあると考えます。日本流のおにぎりやパック御飯にして冷凍保存での流通など、いろいろな商品を開発できると考えますが、米を初めとする農産物について、輸出の進捗状況と認識及び見通しをお示しください。

 登米市内に、農業と建設業を兼業するユニークな企業があります。この企業は年間稼働率の悪い移植による田植え作業や秋の収穫作業を受託しております。コスト削減を図り、委託する農家も受託する企業もウイン・ウインの関係にあるとのことです。私は、ようやく農作業も分業の考え方が動き始めたかとの思いでございます。県の認識はいかがか、お伺いいたします。

 米の生産原価構成では、農機具の消耗を含む機械器具費の割合が高いので、その部分の低減は大きなメリットであります。農業と農村地域の維持、発展には、受託サービス業を行う業者や広い地域での時間差による農機具のリース及びレンタル等の仕組みづくりが有効と考えますがいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

 私の集落でも後継者がいなかったり、自分自身の高齢化により田畑の委託が多くなってきた結果、農村は農家と他地区で働く方々のいわばベッドタウンの混在になります。したがって、従来の農業の有する多面的機能が現実に発揮できなくなってきております。農業・農村へ関心の薄い人々に参加してもらう仕組みをどう構築するのかが課題と感じておりますが、認識はどうかお伺いいたします。

 次に、佐々木功悦議員の質問と重なりますが、県農業の将来にとりまして大切な案件と考え、重なるかもしれませんが質問をいたします。答弁は結論だけで結構でございます。

 登米市では、登米市伝統野菜復活プロジェクトが平成二十五年、二十六年と実施され、結果二十品目の伝統野菜が見つかりました。今後は隠れた名物として活用が図られ、教育機関や伝統野菜に興味を持たれた企業、若手農家へ種を手渡し生産を続けていただくことになりました。日本の伝統的な考え方に身土不二、十里四方などがあります。昨今の種苗は外国製が多くなっており、伝統的な地種はなくせない大切なものと考えますが認識はいかがでしょうか、お伺いいたします。

 また、稲、麦、大豆の種子生産を都道府県に義務づける、主要農産物種子法の廃止法案が四月十四日参議院本会議で可決成立しました。これにより本法律は来年四月一日に廃止されることになりました。これを受けて去る五月三十一日公益社団法人みやぎ農業振興公社とJA宮城中央会、JA全農みやぎは優良な種子を安定して確保するため、主要農産物種子法の廃止後も引き続き品種の開発、育成をするよう県に要請したとの報道がありました。地元農家の声としても主要種子は県にかかわっていてもらいたいという願いと、今後どうなるのかという不安があります。改めて今後の品種育成と種子の生産方針に対して重ねて御決意をお伺いいたします。

 次に、農業共済事業の見直しについてお伺いいたします。

 国の法律案では、農業災害補償法の一部を改正する法律ですが、背景は現行の農業災害補償制度については、自然災害による収量減少が対象であり、価格の低下等は対象外、対象品目が限定的で農業経営全体をカバーしていない等の課題があり、農業の成長産業化を図るため、自由な経営判断に基づき経営の発展に取り組む農業経営者のセーフティーネットとして、個々の農業者ごとに農業収入全体を見据えて総合的に対応し得る新たな収入保険制度を創設するとしております。この法改正について県はどのように認識されておりますか。また、農家のメリット、デメリットをどう捉えて、県としてどう対応するのか、お伺いいたします。

 この制度の実施は平成三十年の秋からの加入申請が予定とありますが、その前提は前年度の収支決算が青色申告で行われていることであります。そのためには本年の三月十五日までに青色申告か、青色申告承認申請を提出する必要があります。既に青色申告を行っている、及び申告申請を行っている農業者の数や比率など現状はどうか、お伺いいたします。

 また、農家規模の大小によりますが、青色申告での書類整理は大変だという声もあります。県としてその声にどのように応えようとしているのか、お伺いいたします。具体策があれば、お示しください。

 大綱二点目、県政の諸課題。

 過日久しぶりに慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタ号の存続を求める議員連盟の一員としてサン・ファン館にまいりました。本船は、平成五年の進水からことしで約二十四年、腐食も進んでいるとのお話ながら、さきの大震災に決定的なダメージはなく、その後修理され今でも立派な存在感と感じました。今後についてはあり方検討委員会で種々の議論がなされ、その中で本船は本県が誇る歴史的遺産である、木造船であるために耐用年数の問題があるとする、この二つには同じ認識でありますが、造船技術者の不在や修復保存にかかわる技術の欠如にはいささか違和感を持ちます。確かに船は全部の部材が力学的強度を要求され、その上に曲線の部分が多い工作物であります。したがって、部材の曲線に合わせた材料と加工技術が必要です。しかし土木建築でも、例えば中山の仙台大観音ですが、型枠工事にかかわった方からのお話です。図面から模型をつくり、それぞれ原寸図を起こし型板をつくり、一本一本材料を選び進める。現代の量産の工業製品とは正反対のつくり方ですが、時間があれば私は可能と考えます。しかし、部材と部材の接合部はどうするのか、外側の板と板の継ぎ目からの漏水対策はどうするのかなどなど、乗り越えるべき課題はたくさんあると思います。木造船の技術は、将来に向けて何らかの形で保存し活用できる状態にしておかなければならないであろうと考えます。つくり手がいなくなってしまうという問題への緊急な対応、技術継承などの仕組みを県が主体か国が主体かは別にして私は必要と考えます。そのための一つとして存在は大いに意義があると考えますがいかがですか。

 次に、仁田議員の質問と重なりますが切り口を変えてお伺いたします。

 現行の河川整備、将来目標とする計画規模の降雨を前提とした洪水浸水想定区域図と近年大雨や短時間豪雨の発生頻度が増し、想定を超える大規模な氾濫、水害の激甚化が想定されるとして、千分の一の洪水浸水想定区域図が公表されました。これは従来の考え方の延長上と思いますけれども、迫川中流域では三陸縦貫道の開通や県北高規格道路などの条件変更も加わり、河川整備計画への影響が十分考えられるのではと思いますがいかがでしょうか。

 また、迫川は長沼ダムの供用開始や若柳地区の狭窄部の改良など、本流については進んでおりますが、旧石越町の橋向橋の上流の夏川、旧迫町北方の荒川、旧迫町佐沼の長沼川の改修の進捗が鈍いとの声が聞こえてきます。この大震災の影響とも考えますが、今後も災害が予想されますので、国への要望をより強め、早急に進捗を促すべきと考えますがいかがでしょうか。

 次に、県北高規格道路ですが、復興支援道路として位置づけられた区間は目を見張る進捗ですが、旧迫町北方地区約四キロが現道使用であります。登米市、登米市議会でも県当局へ要望に上がっておりますが、地域の交通安全協会やPTA、老人会などでも東部土木事務所登米地域事務所へ要望に上がっております。私は、安全性、機能性等あらゆることから考えても、この四キロ区間を現道使用のままではなく、改めて高規格道路への事業化を要望いたしますがいかがでしょうか。

 最後に、本年九月に本県で開催されます和牛オリンピックであります全国和牛能力共進会で、上位入賞への御指導と大会のスムーズな運営及びその準備をお願いし、壇上からの質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 渡辺忠悦議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。

 まず、大綱一点目、農業・農村についての御質問にお答えいたします。

 初めに、みやぎ食と農の県民条例基本計画の平成三十二年度の見通しと目標に対する認識や進捗についてのお尋ねにお答えをいたします。

 本計画は、震災後の急速な農業構造の変化や農村における人口減少と高齢化の進展に伴う集落機能の低下、国による農政改革の動きなど、農業・農村を取り巻く情勢の変化を踏まえ、平成二十八年三月に見直しを行ったもので、見通しの数値につきましては、農林業センサスデータなどから推計したものであります。また、目標のうち農業産出額については、平成二十七年度で一千七百四十一億円と震災以前の水準までには戻っておりませんが、増加傾向になってきているところであります。今後とも、ICTなど最先端技術を活用した先進的施設園芸経営体の育成などにより、園芸産出額の増加を図るほか、農地の集積や大区画化による大規模経営の推進、更には待望の新品種、だて正夢を先頭にした米どころ宮城の復権に向けたブランド化戦略の取り組みなどにより、平成三十二年度目標の二千十五億円を目指してまいります。

 次に、園芸の振興品目とブランド化についての御質問にお答えをいたします。

 県では、園芸振興を進めるため、昨年三月に改定したみやぎ園芸特産振興戦略プランに基づき、生産拡大を図る品目として県全体で振興する産地改革品目十七品目と、各地域で振興する地域戦略品目四十八品目を定め、その品目に施策を集中させ重点的に産地づくりに取り組んでおります。また、産地改革品目のうち、特にイチゴ、ネギ、トマト、キュウリの四品目につきましては生産、流通、販売等の一体的な取り組みを進め、質、量ともに全国に誇れるトップブランド品目へと育成することとしております。

 次に、県内農産物の輸出の動向、現状認識や米の輸出の見通しについての御質問にお答えをいたします。

 少子高齢化の進展等による国内市場の縮小などを見据え、県内農産物の輸出拡大を図っていくことは必要不可欠なことと認識しております。これまで実施してきた輸出支援により、県内では香港や台湾、東南アジアを中心に、米やイチゴなどの農産物を輸出する事例が出てきております。その一方で、輸出国や取り扱い品目ごとにさまざまな課題が明らかになっており、米については現地米に比べて販売価格が高いことや、国内の他産地米との競合などにより輸出拡大が難しくなってきております。このため、ことし三月に策定した宮城県農林水産物等輸出促進戦略において、米を輸出基幹品目の一つに設定し、輸出国における日本食の普及状況や、購買層などに応じた販売に重点的に取り組んでいくこととしております。県といたしましては、富裕層向けの高級スーパーや飲食店でのブランド米の販売、多収性品種や直播栽培の導入による低コスト生産、加工による商品の多様化などにより、宮城米の輸出を支援してまいります。

 次に、農業の有する多面的機能の発揮に向けて参加を促す仕組みについての御質問にお答えをいたします。

 農村地域では高齢化や混住化等の進行に伴い、農地や水路などの地域資源を保全する地域共同活動の継続が課題となっております。このため県では、平成十九年度から多面的機能支払交付金事業等を活用し、農業者のほか、地域の住民や団体などで構成される活動組織による農地や水路などの保全活動に対して支援をしているところであります。この多面的機能支払交付金事業は、平成二十八年度に七万二千ヘクタールの農地で取り組んでおり、平成三十二年度までに県内農業振興地域の農用地区域の七割に当たる八万四千ヘクタールに広げることを目標に推進しております。また、県独自の取り組みとして中山間地域等において、農作業の人手不足に対する援農のボランティア活動の支援も実施しており、都市部から多くの参加者があるなど農村を支援する動きも着実にふえてきております。県といたしましてはこのような事業を通じて、地域内での話し合いや交流活動を図りながら、農業・農村への関心を高め、農業者以外のさまざまな人材が地域共同活動に参画できるよう、引き続き支援をしてまいります。

 次に、大綱二点目、県政の諸課題についての御質問のうち、木造船の技術継承と慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタの存続意義についてのお尋ねにお答えをいたします。

 復元船を史実に忠実に復元した木造船として修復し維持していくことにつきましては、相沢議員にお答えしたとおり断念せざるを得ないと考えておりますが、今後設置予定の(仮称)「慶長使節船ミュージアムの今後のあり方検討委員会」の中で、将来的なことにつきましてはしっかりと検討してまいります。また、木造船の技術継承については、全国的にも木造船の需要が少ない中で、国において検討すべき課題と考えておりますが、県といたしましては、これまで造船や維持、補修の際に残してきた技術を今年度予算化しております慶長使節船復元船アーカイブ事業も活用しながら、文献や映像などの形で後世に伝えていきたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 農林水産部長武藤伸子君。

    〔農林水産部長 武藤伸子君登壇〕



◎農林水産部長(武藤伸子君) 大綱一点目、農業・農村についての御質問のうち、主食用米以外の農産物、農業・農村の将来性まで見据えた方針についてのお尋ねにお答えいたします。

 県では、みやぎ食と農の県民条例基本計画において、本県農業が将来目指すべき基本的な道筋を提示しており、農業を若者が憧れる魅力ある産業とするため、競争力を更に強化する産業政策と、農村の維持、活性化を図る地域政策をともに推進していくこととしております。この将来方向を見据えた基本計画に基づき、宮城県水田フル活用ビジョンやみやぎ園芸特産振興戦略プランなどで作物別の生産目標などを定めており、更に、みやぎ農業農村整備基本計画や、みやぎ六次産業化推進プランで、農業・農村の将来方向などについてきめの細かい計画を策定しているところです。県といたしましては、これら計画をもとに必要な施策をしっかりと展開してまいります。

 次に、園芸の産地と担い手の育成方策についての御質問にお答えいたします。

 県では、みやぎ園芸特産振興戦略プランにおいて、先進的技術を導入した施設園芸と収益性の高い土地利用型露地園芸を目指すべき姿と定め施策を推進しております。施設園芸では、ICTなど先進的技術を取り入れた施設の導入や、大規模経営体に対する経営の早期安定化に向けた支援などを行っております。また露地園芸では、農業法人や集落営農組織などに対し、機械化一貫体系の導入による省力化、低コスト化の推進や、実需者との契約栽培による加工、業務用野菜への誘導などを進めているところであります。県といたしましては、今後ともこのような取り組みを積極的に行い、競争力と魅力ある園芸産地づくりと担い手の育成に取り組んでまいります。

 次に、米の消費と麦、大豆の目標生産量についての御質問にお答えいたします。

 国による米穀の需給見通しにおいては、食生活の変化や少子高齢化等の進展により、米の消費量は、毎年八万トンずつ減少しております。このため県としては、宮城米マーケティング推進機構と連携した宮城米のPRや、宮城県学校給食会等と連携した米飯給食の推進を行うほか、給食担当者等を通じて児童生徒や保護者に対し、米食を中心とした日本型食生活への理解と普及を推進することにより、米の消費拡大に取り組んでおります。

 一方、麦、大豆については、東日本大震災により農地が甚大な被害を受け一時的に生産量が大きく減少しましたが、消費者の国産志向の高まりにより、安定した需要が見込まれております。こうしたことから、みやぎ食と農の県民条例基本計画において、麦については震災前の水準に近づけるよう、また、大豆については需要の拡大傾向を踏まえ、平成三十二年の目標値を設定したところであります。県では、今後とも麦、大豆を水田フル活用における最重点品目と位置づけ推進するとともに、製パン適性にすぐれた小麦品種、夏黄金やモチ性大麦品種、ホワイトファイバーなど実需者ニーズに対応した新たな品種への転換を進め、生産の拡大を図ってまいります。

 次に、新規需要米についての御質問にお答えいたします。

 米の主産県である我が県にとっては、米の新たな需要が期待できる新商品の開発など、付加価値を高める取り組みは極めて重要であると認識しております。これまで県では、米の付加価値を高める取り組みとして、食品加工業者や流通業者などで構成される宮城こめ粉推進協議会と連携し、米粉の特性を生かした商品開発に関する研修会の開催や、米粉を使った各種商品の販売促進活動を行ってきたところであります。また、酒造好適米、蔵の華の開発普及やかまぼこなど練り製品への米粉利用の研究にも取り組んでまいりました。

 一方、全国的にはグルテンフリーをうたった米粉商品のほか、ライスミルクや米ゲルなどが開発され注目されているところであります。更にことし三月には、国から米粉の用途別基準が公表されたことにより、小規模な事業者や一般家庭でも米粉を利用しやすい状況となっており、一層の需要拡大が期待されております。県といたしましては、今後ともこうした動きを注視しながら米粉を使用した新商品開発への支援や、米の新たな加工技術や新品種の開発に取り組むなど、付加価値を高める取り組みを強化し、米の新たな需要拡大と農家所得の向上に努めてまいります。

 次に、農地集積計画の進捗についての御質問にお答えいたします。

 競争力の高い農業経営を目指すためには、担い手への農地の利用集積は極めて重要な取り組みであり、県では、農地中間管理事業等を推進しているところであります。その結果、平成二十八年度中に新たに三千二百五ヘクタールの農地が担い手に集積され、平成二十九年三月末時点における農地集積面積は七万二十ヘクタールとなっております。これは全耕地面積の五四・五%に当たり、農地集積は着実に進みつつありますが、今後も更なる加速化が必要であると認識しております。現在国においては、農地集積の支障となり得る相続未登記農地等の問題解決に向けた検討が進められているほか、農業者の費用負担を求めずに実施できる基盤整備事業も創設されたところであり、農地集積がより進みやすい状況になることが期待されております。県といたしましては、目標とする農地集積率九〇%の達成に向けて、国の制度や事業を最大限活用しながら、農地集積の目的である効率的かつ安定的な担い手の育成に努めてまいります。

 次に、先見性、経営能力に秀でた農業者や法人の育成についての御質問にお答えいたします。

 地域農業を持続的に発展させていくためには、経営感覚にすぐれた農業者による六次産業化の取り組みが重要であり、お話のありました先進的な事例を初め、県内各地で六次産業化に取り組む農業者がふえてきていることから、これらの動きを力強く支援していくことが必要となっております。そのため県では、農業改良普及センターによる農業者への支援活動のほか、宮城県六次産業化サポートセンターによる専門家の派遣や、みやぎ産業振興機構によるアグリビジネス経営体への支援を実施しております。更に、新商品開発などの取り組みを手厚く支援する、六次産業化新事業創出支援事業や販路開拓に向けてプロモーションを重視した、「地域でつくる!六次産業化「絶品」創出事業」により、企業的経営感覚にすぐれた農業者の育成に取り組んでいるところです。県といたしましては、引き続きこれらの取り組みを実施しながら、我が県の農業を牽引する先進的な農業経営体の育成に努めてまいります。

 次に、食品衛生法上の許可手続についての御質問にお答えいたします。

 農産加工品の製造に当たっては食品衛生法上の許可が必要となりますが、食品の安全性の確保のため書類や図面の提出に加えて現地調査も必要とされており、負担に感じる農業者も見受けられるところであります。このため地方振興事務所において、農産加工に取り組む農業者を対象として、食品衛生法所管機関と連携した研修会を開催するとともに申請に必要な書類作成への助言を行い、手続が円滑に進むように支援しております。県といたしましては、今後とも農業者が農産加工に取り組みやすい環境づくりに向けて支援してまいります。

 次に、農作業の分業や作業を受託する企業の育成、農機具リース等の仕組みづくりについての御質問にお答えいたします。

 農作業の分業は、我が県においても田植えや収穫作業のほか、無人ヘリコプターによる航空防除や水稲の直播作業などで既に行われており、作業の委託者にとっては生産費削減や省力化につながり、受託者にとっては機械の稼働率の向上につながるなど、双方にとって有効な手段であると認識しております。また、作業を受託する法人が増加することは担い手不足の解消につながることから、県としてその育成を支援しているところであります。更に、複数の農業経営体が広域的に機械を活用するリース等の取り組みについても、国が農業機械シェアリング導入促進事業として実証を行っていることから、その成果を踏まえ、今後県でも検討をしてまいります。

 次に、伝統野菜の地種に対する認識及び主要農作物種子法廃止後の対応についての御質問にお答えいたします。

 伝統野菜については、その地域において豊かな食文化の形成に寄与してきたものであることから、その地種は貴重な遺伝資源として大切なものであり、登米市における伝統野菜復活の取り組みは重要なものであると考えております。

 また来年の四月には、主要農作物種子法が廃止されることとなっておりますが、県といたしましては、今後とも我が県の主要農作物である稲、麦、大豆の安定生産と品質向上を図っていくため、品種育成を継続していくとともに、現行の種子生産体制の維持に努め、引き続き優良種子の生産に積極的に関与してまいります。

 次に、農業災害補償法の改正についての御質問にお答えいたします。

 このたびの農業災害補償法の一部改正は、従来の農業共済制度に加え、農業収入の減少による影響を緩和するための収入保険制度を創設するものであり、農業者にとってより幅広いセーフティーネットにつながるものと期待しております。

 一方、加入対象者が、青色申告を行う農業者に限定されるほか、農業共済制度との重複加入ができず、いずれの制度が有利であるかの判断が難しいといった課題もあります。県では、今後とも情報収集に努め、関係団体等と連携しながら農業者に制度の内容を丁寧に説明し、十分に理解を深めた上で選択加入できるよう努めてまいります。

 次に、青色申告の状況等についての御質問にお答えいたします。

 国税庁の統計では都道府県ごとの数値は公表されておらず、我が県の状況は把握できませんが、全国における平成二十八年分農業所得の青色申告者数は、四十二万四千人、新規申請者数は一万三千人となっております。全国の販売農家数に占める割合については、算定可能な平成二十七年の統計で見ると約三三%となっております。青色申告を負担に感じる農業者も見受けられますが、経営内容を客観的に把握することは経営改善に有効であるため、農業改良普及センターにおいて農協等とも連携し、青色申告の啓発や簿記指導を行っているところでございます。青色申告が収入保険制度の加入要件とされたことでもありますので、今後ともその取り組みを継続してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。

    〔土木部長 櫻井雅之君登壇〕



◎土木部長(櫻井雅之君) 大綱二点目、県政の諸課題についての御質問のうち、洪水浸水想定区域図の作成に係る河川整備計画への影響についてのお尋ねにお答えいたします。

 県における河川整備については、これまでの改修状況や流域の経済的、社会的状況等を総合的に勘案し、最大でも百年に一度程度の治水安全度を河川整備計画に定め、計画的に堤防などのハード整備を実施しているところです。

 一方の近年の多発するゲリラ豪雨やそれに伴う水害の激甚化を受け、平成二十七年度水防法改正で作成が位置づけられた新たな洪水浸水想定区域図は千年に一度程度の想定し得る最大規模の降雨に対し、避難計画等のソフト対策の検討を目的としており、これにより河川整備計画の変更につながるものではありません。県といたしましては、河川整備計画に基づきハード対策を進めるとともに、想定し得る最大規模の降雨に対しては、人命だけは決して失われることがないよう避難に結びつくソフト対策を国や関係市町村と連携して確実に進めてまいります。

 次に、迫川本川に比較し改修がおくれている支川について国への予算要望を強化し、早急に進捗を図るべきとの御質問にお答えいたします。

 迫川は流域面積や支川数、河川延長において、県管理では最大規模の河川であり、改修に当たっては、これまで洪水時の影響を考慮し下流から整備を進め、また、流域に人口や資産が集中する迫川本川を優先して整備を進めてまいりました。迫川支川における現在の整備状況については、夏川では橋向橋上流の堤防かさ上げのための用地買収を進めており、荒川では仮屋の河道ポンプの追加工事を実施するとともに、長沼川では、迫川に接続する放水路を整備しているところであります。県といたしましては、一昨年の関東・東北豪雨において、支川の二迫川が二カ所で破堤し、広範囲な洪水被害が発生していることから、地域の方々が一日も早く安心して暮らせるよう、引き続き国に対し予算確保を強く要望し、支川についてもより一層計画的に整備を進めてまいります。

 次に、みやぎ県北高速幹線道路の整備についての御質問にお答えします。

 みやぎ県北高速幹線道路については、全体延長約二十四キロメートルの地域高規格道路であり、栗原市加倉から登米市北方間の約八・九キロメートルについては既に供用し、現在は復興支援道路として、中田、佐沼、築館の三工区約十キロメートルについて整備を進めております。計画区間のうち、現道利用となっております国道三百九十八号北方バイパス約四キロメートル区間については、歩行者や自転車なども利用しており、自動車専用道路としての連続性の観点からは交通安全上の課題があるものと認識しております。このため県といたしましては、今後同区間の事業化の可能性について検討を進めてまいりますが、まずは復興支援道路としての効果を早期に発現させるべく、現在事業中の三工区の完成、供用を最優先に進めてまいります。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 二十四番渡辺忠悦君。



◆二十四番(渡辺忠悦君) 答弁ありがとうございました。

 再質問いたします。

 北方の現況道路の使用というのは、地元の方が非常に心配しておられまして、小学生、PTAおのおのそれぞれが地域事務所と県のほうへ要請に上がっております。このままあの現道を使わせるというのは、道路行政として看過できないと私は思っているぐらい大変な状態だというふうに考えております。ぜひ、もう一回力強い決意をお願い申し上げます。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 県北高速幹線道路につきましては、復興道路に位置づけてもらいました。県もほんの一部ですけど負担はしております。今おっしゃった四キロメートルの区間の問題、それから東北自動車道へタッチする問題とまだ課題はございます。しかしまずは早期につないでしまうということが重要でございまして、そこに今力点を置いているということです。この問題については部長から答弁いたしましたとおり、県としても、自動車専用道路として使うには歩行者、自転車も走っておりますので、危険ではないかという問題意識は持ってございますのでよく考えたいと思います。ただまだどうするのかということが意思決定できておりませんので、現時点においては渡辺忠悦議員と同じ問題意識を共有しているというところで、きょうのところは我慢をしていただければというふうに思います。



○議長(中島源陽君) 二十四番渡辺忠悦君。



◆二十四番(渡辺忠悦君) ぜひよろしくお願いします。

 それから農業の六次化、御案内のとおり、一次産業、二次産業、三次産業あわせて六次化と言われておりますけれども、六次化でほどほどの実績、一億円台に乗ってきますと、一次産業、二次産業、三次産業で得意な分野がなくなるんだそうです。全体でまずまずの成績になって、おれは農家なんだか商人なんだか。食品というふうなことで、例えば伊豆沼農産さんは、だんだん特化していくんだろうなというふうな思いでございまして、結局は六次化の究極は、食品産業を農村地帯に持ってくるというのが究極の姿なのかなというふうな思いで私はおります。ですからその辺のものの考え方について知事どのようにお考えでしょうか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 六次産業の狙いは、一番は農業、水産業の生産者の皆さんがより利益が上がるようにするためにという、それが一番の狙いでございますので、おっしゃったとおり、ものづくりを農地にあるいは沿岸部に持っていくということが非常に重要だというふうに思っております。全く議員のおっしゃるとおりだと思います。



○議長(中島源陽君) 二十四番渡辺忠悦君。



◆二十四番(渡辺忠悦君) かつてシンガポールに行ったとき、シンガポールで絶対ファストフードでおにぎりはやるなと考えてました。四、五年してシンガポールにお邪魔したら、もうスタンドがあってつくっておられます。しかもそのスタンドでつくってるおにぎりは私の感覚からいったら果たしておにぎりと呼べるようなものかどうか。誤った食べ物が定着してしまうということが非常に心配なので、早いとこ国なり県なりJAなりで、いい輸出の方針をつくってもらいたいなというふうな思いでございます。ひとことお願いします。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 輸出戦略を今立てでございまして、しっかり取り組まなければなりません。日本国として取り組まなければならない分野が大きいんですけれども、県としても、主要国をポイントを絞って進出していかなければならないと思ってます。ベトナムであったりシンガポールであったり、よく検討してまいりたいと思います。



○議長(中島源陽君) 暫時休憩いたします。

    午前十一時五十四分休憩

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    午後一時再開



○副議長(長谷川洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。八番庄田圭佑君。

    〔八番 庄田圭佑君登壇〕



◆八番(庄田圭佑君) 自由民主党・県民会議の庄田圭佑でございます。議長のお許しをいただきましたので一般質問をさせていただきたいと思います。

 今回の一般質問では持続可能な県政をテーマに、元気はつらつ爽やかに積極提言と質問をさせていただきますので、執行部の皆様におかれましても前向きな答弁をいただきますことを切に願いまして、まずは大綱一点目、我が県における子どもの貧困の現状と対策強化に向けてについてお伺いいたします。

 我が国は第二次世界大戦後、奇跡の復活を遂げ、現在は米国、中国に次ぐ世界第三位の経済大国であります。この経済大国である我が国では子供の貧困は我々の生活とは無縁の世界だと感じる方は大変多いのではないかと思います。しかしながら我が国でも、子供の貧困問題が身近に確実に存在していることを指摘せねばなりません。貧困についてはOECDの国際比較資料として相対的貧困率が挙げられます。この相対的貧困率とは国民を可処分所得順に並べたときの中央値の半分以下しかない人の割合を指し、この割合は近年上昇傾向にあります。厚生労働省平成二十五年版国民生活基礎調査のデータでは子供の貧困率は一六・三%となっており、子供の六人に一人が貧困状態との調査結果が示されております。ここでいう子供の貧困率とは相対的貧困状態にある十七歳以下の子供の割合を示すものとして定義されておりますが、特筆すべきは、ひとり親家庭の貧困率が内閣府「平成二十六年版子ども・若者白書」によると五四・六%に達しており、OECDの中でも最下位という状況にあります。また貧困問題を語る上で忘れてならないのは貧困が世代を超えて連鎖するという点にあります。二〇一四年にお茶の水大学が実施した全国学力・学習状況調査から、世帯収入と学力には非常に強い相関関係があるという分析結果が示されました。この分析結果から、生まれた家庭の経済状況が教育格差を生み、それが将来の所得格差につながると推測できます。子供の貧困とはもちろん子供の責任ではなく、家庭の貧困、つまり我々大人の責任であり、こうした貧困による負の連鎖をとめることが極めて重要であります。特に子供が置かれる厳しい経済状況によって子供の自己肯定感が低下し、将来の夢がないと答える割合が高くなり、健康を損なうという問題が「大阪子どもの調査」で明らかにされ、貧困であること自体が子供の自尊心低下の原因であると指摘されております。これらの研究結果からも子供の貧困問題を長期的視点で見るならば、我が県の税収減、医療費増大につながるものと推測され、より一層の貧困対策強化が極めて重要ですが、まずは我が県における貧困の現状について知事の所感をお伺いいたします。

 さて、こうした中、日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティングによって子供の貧困をより具体的に分析した子どもの貧困の社会的損失推計のレポートが二〇一五年十二月に公表されました。このレポートでは貧困世帯の子供の進学率、中退率が現状のまま続いた現状放置シナリオ、貧困層の高校進学率及び高校中退率が非貧困世帯並みになり、かつ貧困世帯の子供の大学進学率が二二%上昇することとなった改善シナリオを比較し、その社会的損失額を算出しております。現状放置シナリオでは十五歳時点で貧困状態にあった子供が将来得る所得減少額が二・九兆円、税、社会保障の財政収入額が一・一兆円に上ることが指摘されております。この損失は十五歳のわずか一学年を対象とした結果であり、十五歳までの子供たち全員を対象とすると所得の減少額は四十二兆九千億円、財政収入額は十五兆九千億円に達すると推計されております。これらの社会的損失を一年当たりに換算すると所得減少額は約一兆円、財政収入減少額は約三千五百億円で、子供の貧困を放置すると国と地方が負担している年間約五千億円の児童扶養手当の倍の所得が毎年失われる計算となります。持続可能性という観点で子供の貧困を捉えるならば福祉政策としての意味合いではなく、社会的な投資として位置づけることが極めて重要であり、貧困の改善は将来的に大きなリターンをもたらすことが期待できると日本財団は指摘しております。この対策には貧困による教育格差を学習支援という形で埋めることが必要です。村井知事が掲げる富県戦略を将来的に支えるのは我が県の子供たちです。子供たちへの教育費をコストと捉えず貧困層のみならず子供たちへの適切な学習支援が重要と捉えておりますが、子供たちへの教育費拡充について知事と教育長の御所見をお伺いいたします。

 また貧困世帯の高校中退率の高さによって十兆七千億円の所得損失が財政収入の損失も三兆八千億円になると試算されております。この試算から見えてくることは高校中退を防ぐことの重要性です。我が県の公立高校中途退学率を見ると平成二十六年で一・六%。

 一方、生活保護世帯における中途退学率は平成二十四年度数値で五・〇%と実に三倍もの開きがありました。参考までに総務省平成二十二年国勢調査のデータをもとに日本財団が推計した性別、学歴別の四十歳時点の就業率は中卒男性七六・六%、高卒は八九・九%、中卒女性五六・四%、高卒は六七・七%でありました。このように中途退学を防ぐ、あるいは減らすことが貧困対策に不可欠ですが、中途退学を防ぐ取り組みがあればお示しください。また県の中途退学者のデータにも退学事由の記載がありますが、退学した生徒の家庭環境も分析し、貧困の影響を詳細に把握すべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。

 加えて中退者を一人でも減らすという観点で考えるならば、私学の経営安定も必要であります。そのためにも私学助成金の拡充が必要と考えますが、知事の私学助成金拡充の御英断を期待し御所見をお伺いいたします。

 ところで、日本財団があらわした「子どもの貧困が日本を滅ぼす」の試算によると、我が県の子供の貧困によって失われる毎年の財政収入減少額は県民一人当たり二千三百六十一円と示されております。直近の推計人口約二百三十二万三千人を単純にかけると約五十五億円の減収となります。昨年九月定例会において村井知事は「黙っていても社会保障費がふえていく、じゃ税収は今は高いんですけれども、これからふえ続けるかというと、若い人たちの人口がどんどん減ってまいりまして、税収はこれから大幅に下がってくるのは間違いないです」という答弁にもありましたが、子供の貧困によって県税収入も減り、医療費増大が追い打ちをかけるのではないかと推測されますが、こうした貧困の問題が県財政に与える影響をどのように捉えているのか御所見をお伺いいたします。

 同じように貧困による医療費増大という観点で捉えるならば、貧困世帯における虫歯の問題も無視はできません。ことし五月には東北大学などの研究グループが乳幼児の虫歯の健康格差が成長とともに拡大する傾向があることを明らかにし、健康格差の縮小には乳幼児健診や幼稚園、保育園、学校での対策が有効であると示しました。また六月九日には骨太の方針二〇一七が閣議決定され、口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組むことが明記されたことからも、口腔ケアの充実が医療費適正化に不可欠です。このことからも我が県での口腔ケア、特に乳幼児健診や幼稚園、保育園、学校での充実が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 あわせて本年度が計画最終年度となる宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画のこれまでの評価などについてお示しください。

 さて、若年人口の減少に伴い我が県では新県立高校将来構想に基づき高等学校の統廃合や学級数が順次削減されてきております。平成二十二年度の入学者選抜から全県一学区となりましたが、ここ三年間の入試倍率を見ると中部地区の倍率は軒並み高く、それ以外の地区との開きが見られます。地域に高校がなくなれば、子供たちが地元で教育を受ける機会は奪われるだけではなく、子育て世帯の流出、バスや鉄道等の交通インフラ維持も難しくなる可能性も考えられます。また昨年夏に仙台市が実施した「子どもの生活に関する実態調査」では貧困世帯の五一・三%が学業を断念したことがあるとの回答でした。貧困世帯では遠隔地への通学費は家計にも負担が重くなり、少子化とはいえども地域の高校を維持することが教育格差をなくすという意味でも重要であります。こうした中、全国的に公立高校の全国募集が増加傾向にあります。二〇一七年度入学生の入試で全国募集枠を設けた学校は二十二道県の百三十四校に上り、この五年で二・四倍になったことが読売新聞の調査で明らかになりました。ほかにもニッケイスタイルの記事では長野県白馬高等学校の生徒数が同県の高校再編基準を下回ったことから、一学年二学級の普通科のうち一学級を国際観光科に改め全国募集に踏み切った結果、三十八人の新入生のうち十三名を県外から集めることに成功したケースが、島根県では全国募集をかけた結果、二〇一六年度の県外入学者は百八十四人に達し、県内の高校生数も二十六年ぶりに増加に転じたケースも紹介されておりました。また私が鹿児島県で調査してまいりました既存の公立高校を改変した全国初の全国公募の全寮制中高一貫男子校である鹿児島県立楠隼中学・高校においてはJAXAと連携した宇宙教育が特色で、生徒の四割が県外入学と伺いました。また同校においては地域交流にも力を注ぎ、近隣農家での就業、宿泊体験や地元の伝統文化などを学ぶそうで、担当者によると教育だけではなく地域活動を通じながら鹿児島県を第二の故郷としてもらい、ファンになってもらいたいという願いを込めているというお話でした。我が県でも公立高校の全国募集を実施したとするならば県外入学者は宮城県を第二の故郷に、そしてファンになってもらうことが富県戦略につながり、あわせて生徒確保が地域の高校の維持にもなることからも公立高校での全国公募を実施すべきと考えますが、知事と教育長の御所見をお伺いいたします。

 さて、我が県においても平成二十六年一月施行の「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づく「宮城県子どもの貧困対策計画」が平成二十八年三月に策定されました。同計画には「みやぎの子どもたちが、その生まれ育った環境によって左右されず、また東日本大震災の被災によってその将来をあきらめることなく、夢と希望を持って成長していくことができる地域社会の実現を目指します」と基本理念がうたわれており、我が県の貧困対策についての推進施策等がまとめられております。

 その一方で、同計画の「子どもの貧困に関する指標」では県内の子供の貧困率のデータがとられておりませんでした。より効率的な貧困対策を実施するのであれば、県内各市町村の子供の貧困データを集計することも必要かと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また基本計画には子供の貧困指標の改善に向けた具体の取り組みについての記載はあるものの具体的な数値目標がありませんでしたが、県として子供の貧困指標の目標数値があればお示しください。あわせて、これまでの貧困対策の取り組みについての所感とこれからの意気込みをお聞かせください。

 さて、ここまで子供の貧困による社会的損失について触れてまいりましたが、この社会的損失を考えるならば、我が県におけるいじめ、ひきこもり対策にも目を向けなければなりません。私は初当選以来、いじめ対策について教育委員会と学校がブラックボックスにならない取り組みや教員の資質向上などを指摘してきましたが、この間、仙台市においては、いじめによる自殺が続き胸を大変痛めております。それでなくとも最近のいじめは手口が巧妙化し、現代のいじめ問題の核心に触れた「教室の悪魔」には「何か一つ物を壊したらしばらく物は壊さない、けがをさせたらしばらくけがをさせない」、「体操服をなくした一週間後に授業中サッカーで転んでけがをしたことで親はいじめを疑うだろうか。保護者会のプリントをなくしたことを、いじめに結びつけるだろうか。食欲が落ちたから、食べると吐くからといって、いじめを疑うだろうか。気づかないかもしれない、いや、気づかないだろうと思った。なぜなら被害者が知られまいと必死に隠しているのだから。」「どうして子供がいじめによって自殺するのかを議論するのではなく、現代の子供社会のいじめというのが死に追いやられるほど残酷で陰湿なのだということを理解すべきである。」ということが書いてありました。私はこの本を読んで自殺に結びつくような陰湿ないじめをなくさなければならないと改めて強く決意をいたしました。過去、いじめ対策として構成的グループエンカウンターを取り入れてはどうかとも提言しましたが、教員の資質に左右されることもあり、抜本的な解決は難しいようです。であるならば、せめて子供たちの心から陰湿さをなくすために倫理感や道徳心を育む取り組み、例えば会津の「什の掟」、萩市の「朗唱教育」、秋田の「わか杉っこ学びの十か条」、これらをふだんの学校生活の中で取り入れることも必要と考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。

 また親の背を見て子は育つとも言われることから親、つまり大人の世界に目を向けることも必要でしょう。先日、舛添要一前東京都知事の著書「都知事失格」を手にとりました。書評はともかく連日バッシングを受けた体験から「子供たちはねたみやひがみから壮大なるいじめを行う大人たちの姿を見ている。今の日本社会から悲惨ないじめがなくならないはずである」というくだりに私は強く共感いたしました。このくだりを裏づけるかのように厚生労働省平成二十八年度個別労働紛争解決制度の施行状況によれば、二〇一六年度に労働局に寄せられた労働相談のうち、いじめ、嫌がらせに関するものが約七万一千件に上り、五年連続最多となったとの数値が先ごろ公表されました。このことからも我々大人の意識が変わらなければ、いじめはなくならないと私は強く感じます。子供たちが自宅でも親と一緒に什の掟や朗唱教育などを一緒に学び、大人の意識を変える環境の構築も必要と思いますが、父親でもあります知事の御所見をお伺いいたします。

 さて、平成二十七年十一月の一般質問において高橋教育長は、いじめ対策には教職員と児童生徒、保護者との信頼関係が不可欠との答弁をいただいております。先ほど取り上げた鹿児島県立楠隼中高一貫校では全寮制ということもあり、寮には先生が毎日交代で宿直し、授業以外でも子供と向き合う時間が確保されておりました。この授業時間以外での教師と生徒の触れ合いが信頼関係の構築につながるのではないかと思います。また昔は学校に当直の先生がいて、夜遊びに行っては理科室にあった天体望遠鏡で先生と星を一緒に眺めていた。週休二日制になって先生と子供が触れ合う時間が少なく、かわいそうだというお話を団塊の世代の方からいただきました。昨今、教員の長時間労働が問題となっておりますが教員の出退勤をどのように管理しているのか、子供と向き合う時間をふやすためにも一層の業務効率改善が必要と思いますが、これまでの取り組みの評価とあわせてお伺いいたします。

 さて、いじめによって自尊心や学力の低下のみならず、不登校から引きこもりに至るケースもあるようです。昨年九月に内閣府が公表した若者の生活に関する調査報告書によると、ひきこもりの全国推計は約五十四万一千人、二〇一〇年の前回調査と比較して約十五万五千人減少したそうです。ところが、この調査では対象年齢が十五歳から三十九歳となっており、ひきこもりの実態を明らかにした調査とは言いがたいものがあります。また、ことし五月には佐賀県初の、ひきこもり実態調査結果が公表されました。特筆すべきは四十歳以上の中高年が七割を占め、ひきこもりの高年齢化や長期化が示されたということです。大綱一点目で触れた性別、学歴別の四十歳時点の就業率、中卒男性七六・六%という数値と、ひきこもりの年齢には何らかの相関関係があると疑わざるを得ないのであります。翻って我が県ではどうでしょうか。佐賀県同様に、ひきこもりの実態を把握しているのか、把握してなければ今後は実態調査の予定はあるのか、お伺いいたします。

 こうした貧困やいじめ、ひきこもりによる子供たちの自己肯定感、自尊心、自制心や学力の低下など負のスパイラルに歯どめをかけ、社会的損失をなくすためにも、もっと抜本的な対策が必要です。教育経済学者である中室牧子氏の学力の経済学では就学前教育の重要性が指摘されております。このエビデンスとして紹介されているのがヘックマン教授のペリー幼稚園プログラムです。このプログラムは質の高い就学前教育を提供することを目的に行われ、子供だけではなく親に対しても週に一・五時間の家庭訪問を行い、先生たちがふだん、どのように子供と遊び、話しかけるかを実際にやって見せるなど親の学びの機会も提供していました。この就学前教育を受けた子はその後の追跡調査で小学校入学時点のIQが高く、以後の人生においても学歴が高く、雇用や経済環境も安定し、反社会的な行為に及ぶ確率も低いという結果が示されました。また社会への好影響を社会収益率として推計すると年率七%から一〇%にも上ると推計されており、就学前教育の費用対効果の高さがおわかりいただけるかと思います。

 では我が県における就学前教育はどうでしょうか。この教育をつかさどるのは家庭であり、親であります。とするならば家庭における就学前教育の支援、強化が我が県の発展に必要であることは言うまでもありませんが、これまでの家庭教育支援事業の評価と今後の展開についてお聞かせください。

 また、こうした家庭教育支援事業も参加者の多くは教育に熱心な親に偏りがちです。もっと多くの親に情報を伝達する必要があります。例えば各市町村が発行している母子健康手帳の中に子供と向き合うことの大切さを気づかせる「ママのスマホになりたい」といった絵本を挿入するなどの取り組みも必要かと思いますし、家庭教育に踏み込んだ内容の母子健康手帳を作成する場合に県から一定の補助を出すことも検討すべきと思いますが、教育長の御所見をお伺いし、壇上からの質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 庄田圭佑議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。

 まず、大綱一点目、我が県における子どもの貧困の現状と対策強化に向けての御質問にお答えをいたします。

 初めに、我が県における貧困の現状についてのお尋ねにお答えをいたします。

 子供の貧困は本人のみならず社会、経済に大きな影響を与え得る問題であり、社会全体で対策を図るべき喫緊の課題であると考えております。我が県の生活保護被保護人員数や、ひとり親世帯数は人口当たりで見ますと、おおむね全国平均を下回っているものの、年々増加傾向にあります。また就学援助を受けている児童生徒数は全体の約一〇%に当たる二万人前後で推移していることなどから、我が県における子供の貧困の現状は全国と同様に憂慮すべき状況にあると認識をしております。

 次に、子供たちへの教育費拡充に対する所見についての御質問にお答えをいたします。

 宮城の子供たちは将来の宮城を支える担い手であり、その子供たちに対して充実した教育を提供していくことは重要であると認識しております。県としましては、これまで東日本大震災からの子供たちの心の復興に重点を置いた支援を行ってきたところでありますが、今後とも経済的支援や学習支援など、さまざまな形で支援に取り組んでまいります。

 次に、私学助成費の拡充についての御質問にお答えをたします。

 私立学校に通う生徒が家庭の状況にかかわらず、安心して学校生活を続けるためには各学校の経営が安定し、授業料等が適切に設定されることも重要な要素の一つであると認識しております。県ではこれまで私学助成を県政の重要課題と位置づけ、学校運営の健全化や保護者の経済的負担の軽減等を図るため、種々の財政措置を講じているところであります。私学の果たす役割の重要性を考慮し、引き続き私学助成の充実についてできる限りの努力をしてまいります。

 次に、我が県でも公立高校での全国公募を実施すべきとの御質問にお答えをいたします。

 これからの県立高校のあり方につきましては少子化やグローバル化、地方創生等の観点を踏まえ、県教育委員会において今後開催される審議会等で議論されていくものと考えております。御指摘のありました公立高校の全国募集につきましては隣県の岩手県等でも既に実施していると承知しており、富県戦略の推進や教育面での効果等を踏まえつつ、注目してまいりたいと考えております。

 次に、子供の貧困指標の目標数値と今後の貧困対策への意気込みについての御質問にお答えをいたします。

 昨年三月に策定した宮城県子どもの貧困対策計画では目標数値は設けておりませんが、進学率など二十五の指標を設定し、関係施策の実施状況や対策の効果等を検証、評価することとしております。また県では、これまで部局横断で取り組んできた教育支援や生活支援等の各種施策に加え、新たに民間団体等との共催による子どものたより場プロジェクトを実施しております。更に、こども食堂の開設に向けたノウハウの提供や生活困窮世帯の子供を対象とした学習支援等の事業を展開していることに伴い、NPO等の活動も活発になってきたことを実感しているところであります。子供の貧困問題の解決には社会全体での取り組みが必要であり、県といたしましては、今後とも市町村や企業、関係団体等と緊密に連携を図りながら、全ての子供が生まれ育った環境に左右されることなく、夢と希望を持って健やかに成長することができるような社会の実現を目指してまいります。

 次に、大綱二点目、我が県におけるいじめ、ひきこもりの対策についての御質問のうち、大人の意識を変える環境整備も必要とのお尋ねにお答えをいたします。

 「親の背を見て子は育つ」と言われるように、子供たちは身近な大人の姿を手本として、さまざまなことを学んでおります。いじめについても学校内だけの問題とせず、社会全体の問題として考えていくことが重要であると認識しております。私自身も小中学生を対象とした県教育委員会主催のいじめ問題を考えるフォーラムにおいてビデオメッセージという形で、いじめ根絶を呼びかけているところでありますが、大人一人一人が、まず自分ができることを実行に移していくことが必要であると考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 総務部長佐野好昭君。

    〔総務部長 佐野好昭君登壇〕



◎総務部長(佐野好昭君) 大綱一点目、我が県における子どもの貧困の現状と対策強化に向けての御質問のうち、貧困問題が県財政に与える影響についてのお尋ねにお答えいたします。

 子供の貧困問題が改善されず、非正規労働者や無業者がふえ続けた場合には税収や社会保険料収入等の減少に加え、生活保護を初めとする社会保障関係経費の増加が見込まれるところであります。これらの我が県財政への影響額については国全体の社会保障制度や労働政策などにも密接にかかわるため正確に見積もることは困難ではありますが、相当の影響が出るものと考えられます。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱一点目、我が県における子どもの貧困の現状と対策強化についての御質問のうち、乳幼児期からの口腔ケアの重要性と歯と口腔の健康づくり基本計画のこれまでの取り組みの評価等についてのお尋ねにお答えいたします。

 歯と口腔の健康は全身の健康増進や生活の質の維持向上にも深く結びついていることから基本計画に基づき、ライフステージに応じた取り組みを実施しております。特に乳幼児期及び学童期、思春期の歯科口腔保健対策が重要と認識しており、市町村や学校などの関係機関と連携しながら幼児を対象としたフッ化物洗口や小中学生向けの歯科保健教材の作成、配布など乳幼児期からの取り組みに力を入れているところです。計画に基づくこれまでの取り組みにより、三歳児の一人平均虫歯本数が目標値を達成するなど、一定の成果を上げているところではありますが、一方で改善の傾向は見られるものの、目標値に達していない項目もあり、取り組みの強化が必要と考えております。県といたしましては、今年度策定する次期計画において、他県の事例も参考に、取り組みの充実を図り、関係機関と連携しながら、歯と口腔の健康づくりに取り組んでまいります。

 次に、市町村の子供の貧困率データについての御質問にお答えいたします。

 子供の貧困対策を的確に実施していくためには住民に身近な市町村の役割が重要でありますが、現在、県内の市町村において、子供の貧困に関する実態調査を行っているのは仙台市のみとなっております。このため県といたしましては、今年度、新たに県単独の補助制度を創設し、市町村が行う実態調査を支援するとともに実施市町村の成果をモデルとして、ほかの市町村にも調査の実施を促しながらデータの集計と情報共有につなげてまいりたいと考えております。

 次に、大綱二点目、我が県におけるいじめ、ひきこもりの対策についての御質問のうち、ひきこもりの実態把握についてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県では佐賀県のようなアンケート調査を実施しておりませんが、精神保健福祉センター内に設置した、ひきこもり地域支援センターや各保健福祉事務所において、年間延べ約一千件の相談に応じているほか、市町村や相談支援事業所などを対象とした研修会や家族間の情報交換会の開催などを通じ、実態把握に努めているところです。しかしながら、相談いただいているのは一部の方々であり、また家族もその実態を知られたくないというケースも多く、正確な実態把握は難しいのが実情です。他県の例も参考にしながら、より正確な実態把握に向け、調査の方法等について検討してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱一点目、我が県における子どもの貧困の現状と対策強化についての御質問のうち、子供たちへの教育費拡充に対する所見についてのお尋ねにお答えいたします。

 学校教育は子供たちが、その後の人生を切り開いていくための基盤となるものであることから、家庭の経済的理由によって教育の機会に大きな差が出ないよう配慮していかなければならないと考えております。特に我が県においては東日本大震災以降、子供たちの心のケアが大きな課題であり、その解決に向けて昨年度からは、みやぎ心のケアハウス運営支援事業などの新たな取り組みによる支援も始めたところであります。今後とも経済的理由によって学ぶ機会が失われることのないように、個別の事情に応じた支援に努めてまいります。

 次に、中途退学を減らす方策についての御質問にお答えいたします。

 我が県の公立高校における中途退学者の割合は減少傾向にはありますが、依然として大きな課題であると認識しております。中途退学の理由としては経済的理由も含め、さまざまな要因が挙げられますが、各高校では本人や保護者との面談や家庭訪問等を行いながら個別的な支援を継続しております。また県教育委員会としましても、生徒が卒業まで学校生活を続けることができるよう、各種の奨学金等に関する情報を提供するとともに県立の通信制高校を活用し、中途退学によって学習を中断することがないような支援体制づくりも進めているところです。今後とも生徒一人一人の実情を踏まえ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等とも連携しながら、各高校における生徒への支援を促してまいります。

 次に、中途退学した生徒の家庭環境の分析等についての御質問にお答えいたします。

 県立高校における中途退学の理由については「学校生活・学校不適応」と「進路変更」の割合が高くなっておりますが各高校では退学に至る前の段階で、家庭の環境も含め、生徒の状況を把握しながら、個人面談や家庭訪問等を繰り返し支援に努めているところであります。その過程においてはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等関係機関とも連携しながら対応しているところでありますが、結果として、中途退学をする生徒がいることから、更なる工夫や改善を要するものと考えております。今後とも中途退学者数の減少に向けて、各高校において、よりきめ細かな支援に努めるよう指導してまいります。

 次に、我が県でも公立高校での全国公募を実施すべきとの御質問にお答えいたします。

 各県立高校では、これまで魅力と特色のある学校づくりに取り組んでまいりましたが、それとあわせて平成二十二年度からは公立高校入学者選抜において全県一学区制を導入し、県内のどこに住んでいても希望する高校を受験できる体制を整備したところであります。全国から生徒を募集することについては県立高校としてのあり方にかかわる問題でもあることから、今後開催する県立高等学校将来構想審議会での議論を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。

 次に、大綱二点目、我が県におけるいじめ、ひきこもりの対策に向けての御質問のうち、倫理感や道徳心を育む取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 いじめ問題については、どの子供にも、どの学校でも起こり得るということを学校が十分認識するとともに児童生徒一人一人に、いじめは人間として絶対に許されないということを明確に意識させる必要があると考えております。このような考え方のもと、各学校においては道徳の時間のみならず、学校の教育活動全体を通じて、思いやりの心や規範意識等を育むよう取り組んでいるところであります。また県教育委員会としましても、平成二十四年度から小中学生いじめ問題を考えるフォーラム等を開催し、子供たちが、いじめ問題について、みずからのこととして議論し、いじめをなくそうという決意を自分の言葉で表明する機会を設けているところであります。御紹介のありました「什の掟」等に類似した取り組みは現在も学校単位で行われていると承知しておりますが、県教育委員会としましても、いじめ根絶に向けたフォーラム等の開催を通して子供たちの心に届くようなメッセージを伝えていきたいと考えております。

 次に、教職員の出退勤の管理や業務効率改善に向けた取り組みの評価についての御質問にお答えいたします。

 教職員の勤務状況については各県立学校において在校時間の把握を行っており、小中学校についても市町村教育委員会において、その実態が把握されているものと認識しております。児童生徒の指導に当たっては、まず教職員が心身ともに健康であることが重要であり、健康管理の観点から長時間在校している教職員にはカウンセリングを行うなどの対応を行っております。また教職員の多忙化解消に向けて、県教育委員会内に学校運営支援本部を設置し、ICTを活用した校務の効率化、部活動における適正な休養日の設定、小中学校における事務の共同実施の推進等に取り組むとともに各種調査や会議の精選も継続的に行っており、こうした取り組みによりまして多忙化解消に一定の成果も見られているところであります。今後とも教職員が児童生徒と向き合う時間を一層確保できるよう、多忙化解消に向けた取り組みを継続してまいります。

 次に、家庭教育支援事業の評価と今後の展開についての御質問にお答えいたします。

 家庭は子供たちの健やかな育ちのために極めて大きな役割を果たすものであることから、地域全体で家庭教育を支える環境づくりが重要であると認識しております。このことを踏まえ、県教育委員会としましては乳幼児期における学ぶ土台づくりを推進するため、親子間の愛着形成や基本的生活習慣の定着を目指した取り組みを行ってきたほか、子育て中の保護者を支援する人材の育成や家庭教育支援チームの設置、親の学びのプログラムの作成などに取り組んでまいりました。その結果、現在では県内二十の市町に家庭教育支援チームが設置され、より身近な地域で支援が受けられる体制づくりが進んでおります。また各種健診時等において親の学びのプログラムを活用した研修会なども開催されております。県教育委員会としましては、こうした家庭教育支援の取り組みを、今後更に広めていくとともに、引き続き保健福祉部局との連携を図りながら、特に支援が必要とされる家庭へのアウトリーチ型の支援の強化など、よりきめ細かな支援体制の整備に努めてまいります。

 次に、母子手帳を作成する市町村への助成についての御質問にお答えいたします。

 母子健康手帳は市町村において全ての母親に配布されるものであり、健康診査や予防接種の記録等が盛り込まれているものと承知しております。また市町村において、母子健康手帳のほかに、独自に子育てガイドブックなどの冊子を作成し、妊娠から学童期までの子育てに関する情報を保護者に提供しているところもあると伺っております。県教育委員会としましても、親子で取り組む「ルルブルのすすめ」などのパンフレットを作成し、県内の幼稚園、保育所及び小中学校に配布するなど、睡眠、食事、運動等の基本的生活習慣の定着を促しております。今後更に保健福祉部局との連携を強化しながら、乳幼児期の子育てをする全ての親に対し、家庭教育に関する情報を伝えるための効果的な手法について検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 八番庄田圭佑君。



◆八番(庄田圭佑君) 答弁ありがとうございました。大変残念ながら余り具体的な御答弁というか回答がいただけなかったのが大変残念でございまして、今回私がこの貧困とか、いじめとか、ひきこもりの話をさせてもらったのは冒頭、持続可能性をテーマにということで話をさせていただいたわけでございますけれども、去年の九月に「きょう、あす宮城がなくなるんであれば私も大盤振る舞いします」というような知事の答弁がありましたけれども、基本的に宮城県をこれから持続していくっていうことを考えると、社会的な損失、ひきこもりとか、いじめとかもそうですけど具体的に目に見えないそういう社会的な損失にまでちゃんと手を差し伸べていくということが非常に私は重要じゃないかなと、できるだけ一人当たりの県民所得が向上すれば税収がふえるということでございまして、そういった意味を込めて貧困の話、財政に与える影響なんかも質問させていただきましたけれども、そういった懸念もあるんだという、これは警鐘させていただく意味で質問させていただいたわけで、「それなりに財政的な影響があるものと思います」という答弁でございましたけれども、まさにそういうことだと思います。それを考えたときに社会全体で対策に努めることが必要だとはいうものの、果たして県の施策が社会全体に波及するような施策として、これがされているのかどうかというふうに捉えると、なかなか私はそういう状況じゃないんじゃないかなというふうに思ってます。そういう県に対する提言をさせていただいたわけでございますけれども、そのあたりもう一度、しんしゃくした上で一言知事からいただきたいなと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 個人のプライバシーにもかかわる問題もありまして、なかなか踏み込んで施策をやりづらい面もございますけれども、しかし、おっしゃったように社会的損失というものをしっかり考えなければならないし、また生きがいを持って生きていただくためには非常に重要な問題だというふうに思っておりまして、こういったようなものを総括的にしっかり取り組んでいくという議員の提案は最もの提案だというふうに受けとめました。ただ、なかなか今の段階で個別、具体的な施策というのがどの県も同じように悩んでいるような状況でございまして、この辺は国の施策なども見ながら、しっかりと県として考えていきたいというふうに思っております。



○副議長(長谷川洋一君) 八番庄田圭佑君。



◆八番(庄田圭佑君) ありがとうございます。国の方針等を踏まえてということでありましたけれども、先進的な取り組みをしようと思うと国の方針ありきではなくて、県独自それは知事の御判断、あるいは教育長の御判断でやっていただくということが僕は非常に重要だと思いますので、ぜひ一歩踏み込んだ形で四期目の公約にも、ぜひそういった形で「福祉・教育の村井」というようなイメージが定着するように、これはお願いさせていただきたいなと思います。そうした中で私学助成の話、最大限の努力ということでありましたけども、果たして努力されているのかどうか、そのあたりは各議員それぞれ感じるところあると思いますけれども、そのあたりの答弁はいただかなくてもいいんでございますが、そうした中で教育の重要性、本当に就学前の教育、非常に重要だということで、先ほどルルブルを、いろんな施設で配布しているというお話がありましたけれども、じゃ一体それをどのぐらいの親がとって、どのぐらいの方が見ていらっしゃるんだという、そういうところまで実際踏み込んでやらないと、なかなか家庭教育の部分まで結果が見えてこないと思うんです。そのあたり教育長としてどのようにお考えなのか、もう一度お願いいたします。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 県の教育委員会としても、乳幼児期の教育ということについては特に重要だというふうに考えておりまして、この三月に策定した教育振興基本計画でも新たに重点項目として乳幼児期の教育ということを盛り込んだところでございます。御指摘のように、さまざまなパンフレット等をつくっても届いてほしいというところになかなか届かないという、そういった思いは我々もしているところでありまして、全ての保護者に確実に届いていくような、そういったやり方を今後、更に検討していかなければならないと思っております。これは当然、教育委員会だけではできないので、保健福祉部とも十分に連携をとりながら一人一人の乳幼児期にある子供たちの保護者に見てもらって参考になるようなものをつくっていかなければならないと考えております。



○副議長(長谷川洋一君) 八番庄田圭佑君。



◆八番(庄田圭佑君) 全ての保護者にということで、私最後の質問の中で母子健康手帳の中にそういった情報を織り込んだらどうだということで提言をさせていただいたわけでございます。今回質問の中でも教育経済学者の中室牧子先生の、ペリー幼稚園プログラムのお話しをさせていただきましたけれども、これによる社会収益率七%から一〇%ということで、仮に五歳児までに対して百円を投資したとするならば、五十年後それがどのぐらいになっているのかと、例えば年率五%でいくと百円が十一倍、五十年後に千百円の価値になってますと、これ当然インフレとか抜きにしてですけど、七%だと二十九倍、一〇%で百十七倍ということで、県も財政的には厳しいというものの就学前の教育を手厚くすること、ペリー幼稚園プログラムというのは保護者にまで子供とこういうふうに接するんですということを幼稚園の先生が保護者にしっかりと教えた、毎週一・五時間の家庭訪問を通じてやった結果、大きな成果というか社会的な収益率に結びついてるということでございますので、就学前教育をしっかりとやるということが極めて重要だろうという思いで私は今回提言をさせていただくわけでございます。そうした中でルルブルとか現状の取り組み云々というお話ありましたけれども、これもう一歩踏み込んでやっていただくということが大変重要だと思いますので、そのあたり教育長と知事も一言ずついただければと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 就学前教育でございますので、教育委員会任せではだめだと思います。知事部局と教育委員会しっかりとタッグを組んで、また県庁だけでもできませんので、市町村や各団体とよく話し合いをしながら取り組んでいきたいというふうに思います。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会委員長(高橋仁君) 教育委員会としては基本的には幼稚園から高校までということで管轄をしているわけですけれども、幼稚園から小学校に来る子もいれば、保育所から小学校に来る子もおります。そういった意味で幼稚園と保育所の先生方に同じように小学校に入る前の準備教育をお願いしたいということもございます。そういったことで、ことしも幼稚園の先生や保育士の先生、一緒になって研修会を行っていく事業も始めたところでございます。まず乳幼児期の教育を、できる範囲で充実させるように努力をしながら更に検討してまいります。



○副議長(長谷川洋一君) 八番庄田圭佑君。



◆八番(庄田圭佑君) 家庭教育の部分、こういった話はあと同僚の深谷議員にお譲りをするといたしまして、先ほど全国公募の高校の話を提言させていただきました。基本的には審議会の意向を踏まえてというような答弁でありましたけれども、他県でもやってるから私はすぐ宮城県でやれということを言いたいんじゃなくて、宮城県に愛着を持っていただく方、一人でもふやすと、そういうことが、ちりも積もれば云々という話ありますけれども、少しでも定住人口の確保、あるいはそういった宮城県に第二のふるさとだから、ふるさと納税してみようかと、そういうふうに思っていただける方を一人でもふやしていただきたい。そんな思いで今回提言をさせていただいたわけでございまして、そのあたりは審議会の意見とか云々という話は抜きにして、こういう方針でできれば県教委は進めていきたいとか知事としてもこういうふうに考えてるんだということで、ぜひ、提言というか進めていただきたいなと思うわけでございますけれども、もう一度全国公募の話については教育長お願いします。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 先ほど知事からの答弁の中で、富県戦略も含めてということで、そういった観点で可能性が高いかなというふうに思います。教育を預かっているものとすれば、県の税金でつくってる学校なもんですから、それに対して全国から呼ぶということについてどうなんだということをひとつクリア−−ほかの都道府県でもやってるとこもありますから、それは大丈夫だという思いは個人的にはありますけれども、そういったことも一度議論が必要だなと思います。それとあわせて宮城にしかない特徴的な学科、全国に余りないというのもあるもんですから、他の都道府県の中学生でも宮城の学科でやってみたいという子供さんが恐らくおられるだろうと思います。そういった思いにも応える必要があると思いますので、個人的には前向きに考えるべき課題だなというふうに考えております。



○副議長(長谷川洋一君) 八番庄田圭佑君。



◆八番(庄田圭佑君) ぜひ高橋教育長が教育長の間に全国公募に踏み切っていただければと、人事で人がかわったりすると、またそこで長の考えでがらっと変わるもんですから、ぜひ在任中に進めていただきたいなと思うわけでございます。それといじめ関連の話の中で教職員の出退勤の管理はどうなんだというお話しをさせていただきましたけれども、私前一度伺ったときに「先生が学校に行くと出勤簿に判こをついて、あとそのままです」なんていう話があったんですが、具体的に県の業務改善の中にも在校時間を管理するシステムを開発したなんてありますけれども、より具体的に時間外の業務がどういった業務にどのぐらい割かれてるんだっていうことをつまびらかにしていくっていうことが、今後の業務効率の改善につながるんだろうというふうに思います。特に今保護者対応なんかでも割と時間割かれてるというお話ありましたけれども、こういうところで言うのが適切かどうかというのはありますが、教育の現場に介入してくる保護者の方というのは大概学校の先生よりも出身の学校とか学歴が高い方が多かったりして、学校の先生を何らかの形で見下してるというか、そういう方が中にはいらっしゃるという話も専門家で言ってらっしゃる方もいらっしゃいまして、だから何が言いたいかというと保護者対応にだけ時間を割かれて子供と向き合う時間が減るということは、これは僕は看過できないことだと思っているんです。学校の現場って子供と向き合ってもらうということは非常に重要だと思います。そういった意味で週休二日制になってから土曜日にやってた業務、平日放課後にやって、放課後子供と先生が触れ合う時間が短くなってるという現場の先生のお話もいただいておりますので、これきっちりと何らかの形で保護者対応するときは担任の先生じゃなくて、そういう窓口を設けて対応するとかそういったことも必要じゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会委員長(高橋仁君) 今、県立学校の場合は朝来てパソコンに時間を入力して次の日の朝に、また入力するという形で管理をしてます。出勤簿も押しますけれども出勤簿を押して終わりということではなくて、そういった形で時間管理をしているということで御理解をいただきたいと思います。それから窓口を決めて保護者対応ということについては学校教育において保護者、あるいは地域の皆さんとの信頼関係をどうつくるかということが極めて重要なもんですから、問い合わせ、あるいはクレームが来たときに担当に回しますということで事務的になってしまうと、逆に信頼関係の醸成が難しくなるという懸念もありますので、いろいろ一長一短あるかなというふうに思ってお話を伺いました。



○副議長(長谷川洋一君) 八番庄田圭佑君。



◆八番(庄田圭佑君) いろいろと現場の先生も大変なのはお察しいたしますが、子供と向き合うということは勤労者という位置づけよりも聖職者、公職ということなりますので、しっかりと仕事をしていただきたいなというふうに思います。貧困といじめ、ひきこもりについて引き続き、しっかりと対策をいただくことをお願いいたしまして終わります。

 ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 四十五番坂下やすこ君。

    〔四十五番 坂下やすこ君登壇〕



◆四十五番(坂下やすこ君) 大綱に基づき質問させていただきます。

 震災から六年目、そろそろ私たちは立ち上がらなくてはなりません。それはいまだに心に深い傷を持ち、立ち上がることができないでいる方々に物を申しているわけではありません。みんなでそんな方々を助けながら立ち上がっていこうという意味であります。そんな気持ちを込めて、私なりの視点で質問させていただきます。

 第一点は、サーフ・ポイント仙台新港の再生とにぎわいについてです。

 私にとっての仙台新港はコンテナヤード拡張前のにぎわいのあるサーフポイントとしての仙台新港、また、あの木村拓哉、そして石原元都知事の息子も波乗りをするために、お忍びで訪れた有名な仙台新港であります。もとより仙台港として宮城県が開発をした結果、いい波が立つようになり、全国的に有名になったことは承知の上ですが、その副産物としてできたこの貴重なサーフポイントを復興のシンボル、また宮城県のセールスポイントとして再生させることは、いい意味で全国のサーファーのみならず、海を愛する人々への発信と考えております。折しも東京オリンピックでサーフィンが新たに種目として認められ、この宮城県から高橋みなとさんという二十三歳のオリンピック代表候補もおり、県内ではオリンピックに向けて、高校にサーフィン部をつくろうという動きもあるやに聞いております。競技としてのサーフィン人口も広がり、今子供たちのサーフィン教室も盛んに行われておりますが、肝心の砂浜の消失により波が変わり、日本屈指のサーフポイント仙台新港が存亡の危機に立たされております。その砂浜を守るための提案です。皆さんに資料として配らさせていただいたコンテナヤード拡張前の仙台新港、そして拡張後及び東日本大震災後の昨年の仙台新港の写真をごらんください。砂浜がなくなって海が荒れております。ヤードの拡張後、三度にわたり台風や震災のために大変な経費をかけて復旧を繰り返し、更に今また向洋海浜公園復旧のために八億五千万円以上の予算をもって復旧中であります。砂浜を回復させることはコンテナヤードの護岸を守る、また宮城県が初めてつくった仙台港の向洋海浜公園を守るためにも必要なことであります。そこで提案しますが、砂浜を回復させるために南防波堤二をかつてあったように突堤として延伸することを提案いたします。当局はどうお考えになるのか伺います。

 二点目は、かつて向洋緑地整備に関する意見交換会が仙台港湾事務所を中心に、地元町内会、サーフィン連盟、県漁協、近隣企業そして環境の専門家である学識経験者などで構成され、定期的に意見交換が行われ、向洋海浜公園の建設に生かしました。私は砂浜を再生する行程において再度その会を立ち上げ、定期開催することによって県が誇れる仙台新港の再生、また向洋海浜公園のよりよい維持管理に役立つと考えますが、当局の考えを伺います。

 もう二十年以上前になるかと思いますが、隣接の蒲生干潟の再生のために県土木の方々と一緒に蒲生干潟の自然を守る会会長さん宅に伺って、七北田川沿いの木を、いつ、どれだけなら切ってもいいかと確認をする職員さんの丁寧な仕事に感心をした記憶があります。砂浜再生についても四十年以上仙台新港の波を見て、砂浜と波について熟知をしている関係者の皆さんの声に、ぜひ寄り添った県政でありますことを期待するものです。

 三点目は、向洋海浜公園の広報についてです。

 関係者の意見を聞いてせっかくつくった向洋海浜公園ですが看板の一つもありません。知っている方は知っているのは間違いありませんが、余りにも寂しい、そう思うのは私だけでしょうか。数週間前仙台新港を訪れ、そこにつくられたトイレの状況、トイレットペーパーはきちんと常備されているか、利用者のマナーの問題もあって一度とめられた水道はきちんと復活しているか調査しました。トイレットペーパーは毎日ボランティアで清掃しているサーフィン団体によってペーパーが常時整備され、きちんと使われていること、また水道も部分復旧していることを確認いたしました。そして私が見たのはデイサービスの車に乗って仙台新港を訪れ、海に癒やされているお年を召した方々の姿でした。そんな仙台新港そして向洋海浜公園の更なる発展を持って一つの復興のシンボルとする提案であります。当局の考えを伺います。

 次の質問は、仙台パワーステーションについてです。

 山本環境大臣は昨年、定例記者会見の中で仙台パワーステーションについて「家一軒、住宅を新築しようとするときにも隣近所にはまず御挨拶に行って、家を建ててまいります。こういう石炭火力発電所をつくろうとするのに、住民に説明会も開いていないということに、まず驚きました」とコメントし、更に「環境アセスメント逃れとまで言ってしまうと語弊があるけれど、非常に盲点をついてきた事業だと思う」と述べています。世界で温暖化ガス削減が叫ばれる中、環境大臣がこうコメントを出すほど仙台パワーステーションに対する世論の風あたりが強まっており、法的責任はないとはいえ、周辺住民に対する企業の説明責任が問われております。対する仙台パワーステーション側は高まる世論と本県議会への請願「宮城県に仙台パワーステーション建設問題に関する公聴会の開催を求めます」の趣旨採択を経て、ことし三月に初めて地元説明会を開催しました。私も参加しましたが最初はパワーポイントの説明資料を公開しない、後半の質疑応答はマスコミに出て行ってほしいなどと、一旦説明会が中断、紛糾状態となり、最後は両方認める形になりましたが、最後まで混乱と怒号の中の説明会であったと記憶しております。東日本大震災後、国は二〇一四年に策定したエネルギー基本計画の中で発電コストが安価だとして、縮小する原子力にかわり、それまで新設を認めてこなかった石炭火力をベースロード電源として位置づけ、電力の小売自由化を認めた結果、ことし五月の時点で石炭火力発電所の計画は全国で四十四基となっており、そのうち東北に十四基が集中し、本県でも仙台パワーステーションのほか、もう一基が仙台港で石炭火力発電を計画中、また石巻市で建設中であります。一連の動きに対して県も石炭火力発電を環境アセスメント条例の対象事業に入れるなど、素早い対応をとったことに一定の評価をいたしたいと思いますが、仙台パワーステーション建設については、まだまだ住民のコンセンサスを得られたとは言えない状況にあります。先月五月三十日に仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会が二万二千八百十三筆の署名を添えて当局に要請文を出しました。内容を抜粋して紹介しますが、一、宮城県知事、仙台市長及び関係市町長は仙台パワーステーション株式会社に対して自主アセスメントの実施を指導すること、ほか。二、宮城県知事、仙台市長及び関係市町長は早期に公害防止協定を抜本的に見直し、水銀などの重金属、PM2・5、二酸化炭素を規制項目に含むものに全面的に改訂すること。三、宮城県知事、多賀城市長及び七ヶ浜町長は多賀城市内及び七ヶ浜町内に緊急に大気汚染測定局を整備すること、ほか。と今申し上げた部分、一、二、三についての本県の対応について伺います。

 私は事業などによる環境への負荷を軽減し、近隣住民のコンセンサスを得ていく大前提として、国が指導している計画段階環境影響評価配慮書、いわゆる計画アセスメントの導入を提案いたします。環境影響評価制度は環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を実施しようとするものが、その事業が環境にどのような影響を及ぼすのかについて事前に調査、予測、評価などを行って、その結果を公表し、市町村、県民などの意見を聴くなど一連の手続を通じて環境保全措置の内容を検討し、環境保全の観点から、よりよい事業計画としていくための仕組みです。計画アセスメントは、その事業の立案段階における環境配慮を可能とするため、事業の位置や規模などに関する複数の計画案について既存資料などから事業による環境影響を予測し、比較し、その結果を事業計画に反映することで重大な環境影響回避、低減を図るものであります。この計画アセスメントの全国の導入状況は六月七日時点で四十七都道府県中二十四都道府県が導入しており、義務と任意、また民間事業を含む、含まないなどの差異はありますが、今後の宮城の環境を守る、また住民のコンセンサスを得るという大命題を考えた上でも必要不可欠な制度であると考えます。宮城県では二〇一三年に環境配慮として環境影響評価技術指針を改正し、事業者に方法書段階における幾つかの評価を義務づけましたが、計画アセスメントは事業の立案段階から住民の意見を反映させることのできる、もっと環境と住民に配慮した手続であります。復興が進むとともに更にさまざまな事業展開が予測される被災地、福島県を含めて東北六県では残念なことに、まだどこも計画アセスメント導入に至っておりません。仙台パワーステーションの地元説明会では震災後の安価な災害危険区域の土地を利用して、首都圏が使う電力の供給に充てることに対する反発、近隣市町に及ぼす健康被害を心配する声が最も大きかったと思います。対する仙台パワーステーションのホームページを見ますと「東日本大震災からの宮城県震災復興計画に基づき産業復興の取り組みが進められており、このような背景のもと小売電気事業者に電気を供給するとともに富県宮城の実現並びにものづくり産業の復興に貢献することを目的として建設をいたしております」と冒頭の挨拶があり、当社の企業努力を否定するものではありませんが私は復興・再生期に当たる宮城県こそ被災地の先頭に立って、環境に優しい、かつ住民のコンセンサスを得た事業を展開していくべきと考えます。知事の御所見を伺います。

 次の質問は、いじめ問題についてです。

 先日の河北新報に「魂の死」というタイトルで一連のいじめ問題に関する一文が掲載されておりました。少々長くなりますが引用させていただきます。

 真相究明を願ういじめ自死遺族の思いはことごとく踏みにじられてきた。学校は事実を覆い隠し、遺族は裁判しかないとの心理に追い込まれる。仙台市で二年七カ月の間に男子中学生三人が自死した。取材班キャップとして肉体の死に加え、子供たちが魂の死に直面していると危惧している。いじめ絡みの自死を受け、学校や教育委員会は第三者委員会を設置する。専門家による中立公平な調査との期待は裏切られ、中途半端な報告書ができる。教諭や加害生徒側は訴訟リスクを考え調査に積極的に応じるケースはまれ。学校、教育委員会側が選ぶ委員が中立かも疑問だ。遺族が遺族推薦委員を求める理由がここにある。取手市教育委員会の第三者委員会は形だけの調査に終始し、仙台市教育委員会の第三者委員会は捜査権がないと半分さじを投げた。国からしっかり調査をと叱られ、いずれも翻意した。真相究明抜きの再発防止策はあり得ない。学校側のアリバイづくりなら第三者委員会は要らない。子供たちの死が真剣に省みられない魂の死を許す社会を誰も望んでいない。

 まさにこの問題の本質を突いた一文と私は考えております。ここで指摘されている、いじめに対する学校側の隠蔽体質や第三者委員会の形だけの調査、あるいは捜査権がないとして半分さじを投げるなどの現状について、あってはならないことだと思いますが教育長御自身はどうお考えになるのか伺います。

 私はかねがね、いじめは場合によっては犯罪に当たる、そんなケースも多々あるのではないかと考えております。そして、いじめによって心を深く傷つけられた子供たちは、後の将来において性格や考え方などに大きな影を落とす、それこそ重大な魂の殺人にも当たると確信をしております。それだけのことをした加害生徒には、それ相応の罰など身をもって知るべきこともあるのではないかと考えております。いじめ防止対策推進法第二十三条第六項には学校はいじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携して、これに対処するものとし、当該学校に在籍する児童などの生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し適切に援助を求めなければならないとあります。本県の教育委員会では仙台市を含む公立、国立、私立の小中高等学校、特別支援学校などを対象に児童生徒の問題行動などに関する調査を行い、実態把握を行うことにより児童生徒の問題行動の未然防止、早期発見、早期対応につなげていくものとするとし、いじめ件数もその中に含まれていると聞いておりますが、いじめ防止対策推進法発効後、県教育委員会が警察に通報し、警察と連携をされたケースは何件あったのでしょうか。また、このいじめ防止対策推進法第二十三条第六項による援助を求めたケースはあるのでしょうか、伺います。

 二年と七カ月の間に三人のお子さんが自死されたケースは仙台市教育委員会の所管でありますが、警察の調査については本県警察の管轄であります。河北新報では三人目の自死について刑法の暴行などの罪に当たる可能性があり、県警が大きな関心を寄せていると報道し、県警は今も調査中であると伺っております。以前の二件のケースでは、どういう調査をされたのでしょうか、伺います。

 暴行や傷害、脅迫、侮辱など刑罰法令に触れる行為があった場合、十四歳以上なら事件化することになり、十四歳未満は触法少年として犯罪は成立しないので児童相談所などの関係施設に通報すると聞いております。元東京高等検察庁の検事でおられた渡辺咲子氏が書かれた任意捜査の限界百一問の中で、氏は犯罪発生前の警察活動について、犯罪発生前にも捜査を行い得るし、行うべき場合があることを認識し、単なる防犯など行政警察活動の枠内での情報収集や捜査の準備行為にすぎないとして、適法性の限界を曖昧にすることなく、正しい捜査に努めるべきであると指摘しております。私はいじめについて警察の調査が入ることに若干の期待をするものであります。それはもはや教育委員会の判断と調査だけでは真相究明に近づけない余りにも心もとない現状があると思うからであります。教育現場というデリケートな場ではありますが、警察ではどういったタイミングで調査を開始することになるのでしょうか、伺います。

 今回の三人目の自死した生徒のケースは、なかなかいじめと認知しなかった仙台市教育委員会が国の指摘を受けてやっといじめがあったと認めました。まず、いじめを認知し、早いうちに対策に当たることは問題解決の大きなポイントとなります。現状での各教育委員会や各学校へのいじめの相談、そして県警本部の少年課、各警察署へのいじめの相談など、それぞれが受け、それぞれが対応していると伺っております。これらの膨大な相談について例えば相談者ごとに何日どういう相談があったという個人情報について、相手の承認をもらってビックデーターなどで整理をし、共有化して教育委員会、自治体、県警察が連携して迅速に対応していくことも将来必要になってくるかと考えますが、いかがでしょうか。

 インターネットコミュニケーションツール、つまりICTの活用を促進していき、いじめ相談、対策に大いに役立てることも考えられます。今の三十代前半以下の方々は電話は苦手で、電話よりメール、チャット、ラインと伺いました。我々アナログ世代には理解が難しいことですが、時代はそのように動いているのは間違いありません。この際、知事の公約にもあった民間活力を生かして、いじめ対策ICT委員会をつくって、時代に沿ったやり方でいじめを認知し早期対応を図るといった方策も有効と思われますが、知事、教育長、警察本部長の考えを伺います。

 私事になりますが二〇〇〇年にアメリカ国務省の招待を受け、約一カ月間、教育、医療、福祉などで問題解決に当たる、さまざまな現場を回ってまいりました。そのとき問題を抱えた生徒についてNPOがコーディネーター役を務め、地元のソーシャルワーカーや当該学校関係者、地域の警察、家族、そして地域の顔役の方々で一堂に会して個別に問題の解決に当たるという事例を目の当たりにして、非常に有効かつ実効性のあるシステムだと思いました。その理由は事が認知された後、直ちに学校だけで問題を抱え込むのではなく、さまざまな立場の方々で問題を共有し解決に当たる、そのような体制が整っていたからです。さすがにどのような公文書でも五十年後には必ず公開されるという情報公開のシステムを持つアメリカと感心した次第です。いじめ問題についても早期に教育現場以外の関係者、また専門家も入れて個別に問題解決を図る、そのようなシステムの確立が今こそ必要と考えますが教育委員会、警察の考えをお伺いします。

 最後の質問は、みやぎ心のケアの取り組みについてです。

 厚生労働省が三年に一度実施している精神疾患の患者調査について驚くべき状況が明らかになりました。この調査は医療機関を利用する患者を対象とし、平成二十年と二十六年を比べた患者の推計増加率を示しておりますが、精神作用物質使用、いわゆるアルコール依存症による精神及び行動の障害が二倍、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害が一・五倍、気分(感情)障害(躁うつ病含む)が一・四倍、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体障害性障害が二・二倍、その他の精神及び行動の障害が二倍、血管性及び詳細不明の認知症は一倍、アルツハイマー病が四・五倍、てんかんが三・八倍とあわせて推計精神障害患者が全国一・二倍に対して本県は一・九倍、本県の推定精神障害患者数では平成二十年四万七千人が平成二十六年には九万一千人と大きく増加しております。これは被災地だけでなく宮城全体の推計であります。本県ではこの結果をどう分析されているのか、まずお伺いいたします。

 先般、国に対する重点要望項目の一つとして被災者の心のケア対策及び生活、健康支援のための財源の確保などを挙げ、平成二十八年から平成三十二年までの五年間の財源については国の基本指針に示されたとお聞きをしましたが、平成三十二年以降はどうなるのか不明のままであります。折しもことしから地域医療計画策定に入っており、その中に前述した二つの課題についてしっかりと位置づけをして取り組んでいくべきと考えますが、当局の御所見を伺います。

 みやぎ心のケアセンターの活動も六年目に入りました。所長である小高先生は仮設住宅から新たな住まいに移られた単身、高齢者への支援がますます大きな課題になっていく現状の中、平成三十二年後も、これらの施設と体制をこのまま残していくのか、それとも別な形を考えていくのか、非常に心配をされております。現在県ではどのような話し合いが行われているのか、当局の考え方、方向性を伺いまして私の壇上からの質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 坂下やすこ議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。

 まず、大綱二点目、仙台パワーステーションについての御質問にお答えをいたします。

 初めに、仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会からの要請に対する県の対応方針についてのお尋ねにお答えをいたします。

 まず、自主アセスメントとは事業者みずからが工事着手前に環境配慮を事前計画に反映させる取り組みであり、仙台パワーステーションにおきましては既に建設工事が着手されておりますので、現時点で自主アセスメントの指導ということは極めて難しいと考えております。

 次に、公害防止協定につきましては大気汚染防止法の改正等を踏まえ、水銀の追加など必要に応じて見直しを検討してまいりたいと考えております。

 三点目の多賀城市及び七ヶ浜町における大気環境測定につきましては県独自の措置として、今月から移動観測車を用いたモニタリングを実施しております。これは多賀城市と七ヶ浜二カ所において全く試運転をしてない段階でやります。そのあと試運転が始まって、重油で試運転をやるわけですが、そのときに、またチェックをする。そして本稼働したときにもまた測定をするということで、試運転、試運転前でどのように大気が変わったかということを多賀城市と七ヶ浜町でもやろうということで観測車を走らせることにいたしました。県といたしましては、関係市町とも緊密な連携を図りながら環境保全や地域住民の不安払拭に向けた取り組みを事業者に求めるとともに周辺地域の大気常時観測体制の強化に努めてまいりたいと考えております。

 次に、計画アセスメントの導入などによる環境への負荷軽減と住民のコンセンサスについての御質問にお答えをいたします。

 環境アセスメントは規模が大きく環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業について行われるものであり、その手続は規模に応じて環境影響評価法や各自治体の条例で定められております。法律の環境アセスメントでは計画立案の段階において環境保全のための配慮の検討を行う手続、いわゆる計画アセスメントが規定されております。この手続では対象事業の実施が想定される地域の生活環境や自然環境などに与える影響について地域住民や専門家、地方自治体などの意見を取り入れるように努めることとされております。

 一方、我が県の条例では事業の実施に向けた調査や評価の手法を検討する手続、いわゆる事業アセスメントの手続において計画アセスメントの趣旨を取り入れた運用を図っております。県といたしましては、地域住民コンセンサスの形成に向け、地域住民の意見を反映した知事意見を提示し、それが適切に環境アセスメントの中に反映されるよう事業者に対し助言をしております。

 なお、法と同様の手順による計画アセスメントの導入の必要性につきましては法律や各自治体の条例による運用状況等を踏まえ検討してまいります。

 次に、大綱三点目、いじめ自死問題についての御質問のうち、ICTを活用し時代に沿った方法でいじめ対策を講じてはどうかとのお尋ねにお答えをいたします。

 ラインやツイッター、フェイスブックなどインターネット上での心ない書き込みがいじめにつながっており、大変残念な状況にあると思っております。このため県教育委員会では関連業界の協力も得ながらネットパトロールなどに取り組んでいると承知しております。今後更に民間からもいろいろと協力を得ながらインターネット上のいじめ問題の解決に取り組んでいくことが大切であると考えております。

 次に、大綱四点目、みやぎ心のケアの取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 初めに、心のケア対策等と地域医療計画についてのお尋ねにお答えをいたします。

 精神疾患の症状は多岐にわたり、その患者数が急増している中、患者本位の医療を実現するためには医療機関の役割分担や連携のあり方について議論を深めることが大変重要であると認識しております。また被災者の生活、健康支援につきましてもストレスの長期化や恒久住宅への転居に伴う環境変化など新たな要因による健康状況の悪化が懸念されていることから、引き続き保健、医療、福祉の連携による心のケア対策が必要であると考えております。こうした我が県の現状を踏まえ、次期医療計画の策定に当たり精神保健福祉審議会の中に地域医療計画等策定作業部会を設けたところであり、有識者の方々に心のケアを含む精神疾患対策について、しっかりと御議論いただき、地域医療計画に反映させてまいりたいと考えております。

 次に、復興・創生期間後のみやぎ心のケアセンターのあり方についての御質問にお答えをいたします。

 平成二十三年度に開設いたしました、みやぎ心のケアセンターは被災市町や関係団体と連携しながら健康調査などで把握された問題を抱える方々への個別支援やメンタルヘルスに関する普及啓発、支援者の人材育成などに取り組んでまいりました。しかしながら仮設住宅から災害公営住宅への転居が進む中、生活環境やコミュニティーの変化によりアルコール関連やひきこもりの問題が顕在化するなど、震災から六年が経過した現在も相談ニーズは減少していない状況にあります。こうした現状を考慮すると、心のケアにつきましては長期的な対応の必要性も見込まれることから県としては、健康調査などの動向を見きわめるとともに被災市町との意見交換を引き続き行いながら、復興・創生期間後の心のケア体制のあり方について検討してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱四点目、みやぎの心のケアの取り組みについての御質問のうち、我が県における推計精神障害患者数の増加に関する分析についてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県の精神疾患患者数の動向については、てんかんやアルツハイマー病は全国に先がけて診断体制が整備されたことに伴う患者数の急増という特殊な要因があるものの、ストレス関連障害などについても全国に比べて増加している状況となっております。要因としては震災体験や震災後の不自由な生活の影響もあるものと考えており、引き続き毎年度実施している健康調査の結果などを注視しながら、今後とも心のケアにしっかりと取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 土木部長櫻井雅之君。

    〔土木部長 櫻井雅之君登壇〕



◎土木部長(櫻井雅之君) 大綱一点目、サーフポイント仙台新港の再生とにぎわいについての御質問のうち、南防波堤二の延伸についてのお尋ねにお答えいたします。

 南防波堤二に隣接する砂浜の状況につきましては震災の影響により減少したものの、その後回復傾向にあり、現在、多くのサーファーの方々に利用されております。また蒲生干潟自然再生事業等に関する意見交換会においては学識経験者から七北田川の左岸導流提ができれば砂浜の回復と安定は図られるとの見解が示されております。この導流提工事については河川災害復旧事業により平成三十一年三月の完成を目指し、昨年度より工事に着手したところであり、県といたしましては、まずは導流提完成後の砂の回復状況を注視してまいります。

 次に、向洋海浜公園に関する意見交換会についての御質問にお答えいたします。

 向洋緑地整備に関する意見交換会は向洋海浜公園の整備に当たり、海浜利用者や周辺地区住民、学識経験者などの意見をお聞きするため、平成二十一年から二十二年にかけて開催したものであります。意見交換会では利便性の向上や維持管理の方法、環境面への対応など、さまざまな課題を議論していただき、その結果を踏まえ、平成二十二年度に公園が完成したところであります。工事完成後は主な公園利用者と意見交換の機会を随時設けており、今後もよりよい公園づくりを進めていくため、こうした取り組みに努めてまいります。

 次に、向洋海浜公園の情報発信についての御質問にお答えいたします。

 向洋海浜公園は憩いの空間として広く親しまれる公園を目指し、整備してきたところでありますが、供用開始後間もなく地震や津波により被災したため、復旧対策を最優先に実施してきたことから、広報活動が十分ではなかったものと認識しております。県といたしましては、案内板の設置を初め、さまざまな手段を用いて情報を発信するなど、復興のシンボルとして、より多くの方々に利用していただけるよう努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱三点目、いじめ自死問題についての御質問のうち、学校や第三者委員会のあり方についてのお尋ねにお答えいたします。

 いじめ問題については国や県のいじめの重大事態の調査に関するガイドライン等に基づき、学校においては事態の迅速かつ的確な把握に努め、事実関係をつまびらかにして保護者の心情に寄り添いつつ個別事案に即して丁寧に対応していくことが重要であると考えております。第三者委員会については県教育委員会として、県の基本方針に基づくいじめの防止等の対策を実効的に行うため、専門的な知識及び経験を有する第三者等の参加を図り、公平性、中立性を確保した附属機関と位置づけております。第三者委員会においては重大事態が起きた場合の対処のあり方を示すとともに、実際に発生した場合は具体の調査の実施や有効な対策の提示など、積極的にその任務を遂行していただくことが肝要であると認識しております。

 次に、いじめ防止対策推進法施行後の警察との連携状況についての御質問にお答えいたします。

 県教育委員会では県警察本部と児童生徒の安全確保や健全育成を目的とした、みやぎ児童生徒サポート制度の協定を平成十四年度に締結し、連携が必要な事案に関しては児童生徒の情報を相互に連絡するとともに各警察署管内に学校警察連絡協議会を設置し、地域ごとに学校と警察との関係強化を進めてまいりました。このような協力体制のもとで、必要に応じ学校から警察に相談を行っているところであります。いじめ防止対策推進法施行後、現在まで県教育委員会から警察に対して同法に基づいた通報や援助を求めたケースはありませんが、今後必要な事態が生じた場合には積極的に警察と連携してまいりたいと考えております。

 次に、いじめに関する相談情報の共有化についての御質問にお答えいたします。

 いじめ問題の解決のためには関係者が情報を共有し連携して取り組んでいくことが重要であると認識しております。現在いじめの相談は学校の教員やスクールカウンセラーを初め、二十四時間子供SOSダイヤルや県教育委員会など、さまざまな窓口で受けており、相談の内容に応じて相談者の了解のもと、関係機関と情報を共有し連携して問題解決を図っております。今後とも、いじめ問題を含む個々の相談について相談者のことを第一に考え、関係機関と連携して解決に向けた迅速な対応に努めてまいります。

 次に、ICTを活用し時代に沿った方法でいじめ対策を講じてはどうかとの御質問にお答えいたします。

 県教育委員会では平成二十一年度からネット上でのいじめ等に早期に対応するため、ネットパトロールを実施してきたところであります。しかしながら、近年では従来のネットパトロールでは発見できないライン等によるトラブルも多くなってきていることから、ネット上のいじめ等の早期発見と未然防止のために民間の専門家を講師として研修会を行うなど対応の充実に努めてきたところであります。今後とも、さまざまな民間の力を取り入れながらICTを活用した、いじめ対策に取り組んでまいります。

 次に、早期に専門家等が関与し個別に問題解決を図るシステムを確立すべきとの御質問にお答えいたします。

 いじめ問題の解決のためには、いじめを受けている子供の状況を的確に把握し、その子供の心情に寄り添いながら早い段階から担任だけでなく、学校が組織として対応していくことが重要であると認識しております。その際に教員だけではなく、さまざまな専門家の助言が必要となる場合もあることから、学校として、あらかじめそのような有識者を積極的に活用できる体制を整えておくことが必要であると考えております。県教育委員会としましても、児童相談所、警察、弁護士、臨床心理士などの専門家や関係機関から構成される、いじめ問題対策連絡協議会や、いじめ防止対策調査委員会を設置しており、問題の解決に向けた対応策等について多角的に検討しております。今後もこのような組織的な取り組みを更に推進してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 警察本部長高須一弘君。

    〔警察本部長 高須一弘君登壇〕



◎警察本部長(高須一弘君) 大綱三点目、いじめ自死問題についての御質問のうち、初めに、以前発生した二件のケースに関する県警の対応状況について及び捜査等開始のタイミングについての二点のお尋ねにお答えいたします。

 まず、二件のケースに関する県警の対応状況でありますが、個別事案の対応状況については答弁を控えさせていただきます。

 次に、捜査等開始のタイミングでありますが、一般的に議員御指摘ございましたが、いじめ事案に暴行、傷害といった刑罰法令に触れる行為が認められる場合、被害少年や保護者の御意向、学校におけます対応状況等を踏まえながら迅速かつ厳正な捜査等を行っているところでございます。

 次に、いじめ事案の相談内容の共有化についてのお尋ねにお答えいたします。

 いじめ事案について関係機関が情報共有を図り連携して迅速な対応を行っていくことは極めて重要であると認識しております。このため警察では教育長答弁にございました学校警察連絡協議会を通じまして学校側と相互の情報交換等を行っているほか、少年相談や、いじめ一一〇番で把握した情報を教育委員会や学校に提供するなどして、連携に努めているところでございます。今後とも情報の共有や連携方法等を工夫しながら、いじめ事案に最も適した対応が実施できるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、ICTを活用した時代に沿った方法でのいじめ対策についてのお尋ねにお答えいたします。

 県警ではホームページのメール相談、サイバーパトロール、各種ネット情報の収集等ICTの活用に力を入れております。今後もICTを活用し、いじめ事案の早期把握と迅速な対応を行うよう努めてまいります。

 次に、個別に問題解決を図るシステムの確立についてのお尋ねにお答えいたします。

 県警では、これも教育長答弁にございました、いじめ問題対策協議会等の場に積極的に参画しているほか学校警察連絡協議会を通じた情報交換、スクールサポーターの派遣等学校側と連携を図りながら、いじめ問題等の課題について取り組んでいるところでございます。今後も、これらの制度を活用し、いじめ事案に適切に対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 四十五番坂下やすこ君。



◆四十五番(坂下やすこ君) 御答弁ありがとうございました、と言っても余りかみ合っていないなという、そういう感じがしますけれども。

 まず、仙台新港について、波の状況については、いろいろなお考えもあろうでございましょうから、それは時間をかけてやっていく、砂浜の消失についてはそういうふうにしたいと思います。看板についてですけれども、あそこずっと行きますと、ここより先は通行禁止というだけで何の看板もついてないんです。あれつけるんですか、つけないんですか、お聞きします。



○副議長(長谷川洋一君) 土木部長櫻井雅之君。



◎土木部長(櫻井雅之君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、案内板の設置も含めて、いろいろ公園に行きやすいように工夫をしてまいりたいというふうに思っております。



○副議長(長谷川洋一君) 四十五番坂下やすこ君。



◆四十五番(坂下やすこ君) つけますでいいんですよ、つけますで。案内板と、ちゃんとした看板をつけると、そういうことでいいんです。

 それで、次のパワーステーションについてお伺いしたいんですけれども、計画アセス、これは北海道とかの例を見ますと、ちゃんと環境アセスメントの流れの中に道民と事業者と道と関係市町村と、環境アセスメントの流れの中にあるんです。ところが、宮城県のほうは、県と関係市町村それから事業者、そういう関係しか出てこないんです。私は計画立案の段階から県民がきちんと意見を言えるような場をきちんとわかるように示すと、そういうことが大事であるというふうに思いますので、技術指針の改定とか、お茶を濁すようなことじゃなくて、きちんとパンフレットに最初から県民が意見を言うことができるという場を設けるべきだと申し上げているんです。いかがですか。



○副議長(長谷川洋一君) 環境生活部長後藤康弘君。



◎環境生活部長(後藤康宏君) 現在の俗にいう事業アセスメントという形で事業を決定してから行う事業アセスメントに対しても県民の方、国民の方が意見を提出できるということになっておりますので、その事業アセスメントの中に計画アセスメント的な要素、事業場所の選定であるとかそういった理由をしっかり入れさせることによって県民の皆様からさまざまな意見をいただける手続となっておりますので、その運用をしっかり行っていきたいというふうに考えております。



○副議長(長谷川洋一君) 四十五番坂下やすこ君。



◆四十五番(坂下やすこ君) それは見解の相違です。県民の意見が言えるという場がちゃんと位置づけられていないんです。その辺をちゃんとやってほしい。

 それからいじめについてですけれども、三人目の自死された子供さん、自死されてからそんなにいじめられているって、そんなにつらかったってわかんないって言ってるんです。だから、もっと早期にその子供たちの意見をもっともっとちゃんと聞くように、メールとかネットパトロールとか、そういうこと言ってんじゃなくてメールとかで質問を受け付けられる対策が必要だと申し上げてるんで、その辺よろしくお願いします、お聞きします。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 子供たちの気持ちをしっかり酌み取るさまざまな方法を今後も考えていきたいと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。

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△散会



○副議長(長谷川洋一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 明日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後二時五十分散会