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平成29年  2月 定例会(第359回) 03月02日−06号




平成29年  2月 定例会(第359回) − 03月02日−06号













平成29年  2月 定例会(第359回)



       第三百五十九回宮城県議会(定例会)会議録

                              (第六号)

平成二十九年三月二日(木曜日)

  午前十時開議

  午後三時四分散会

      議長                     中島源陽君

      副議長                    長谷川洋一君

出席議員(五十九名)

        第一番                  大内真理君

        第二番                  角野達也君

        第三番                  内藤隆司君

        第四番                  高橋 啓君

        第五番                  鎌田さゆり君

        第六番                  遠藤伸幸君

        第七番                  庄田圭佑君

        第八番                  深谷晃祐君

        第九番                  遠藤隼人君

        第十番                  中嶋 廉君

       第十一番                  福島かずえ君

       第十二番                  天下みゆき君

       第十三番                  三浦一敏君

       第十四番                  佐々木功悦君

       第十五番                  境 恒春君

       第十六番                  太田稔郎君

       第十七番                  横山のぼる君

       第十八番                  渡辺勝幸君

       第十九番                  横山隆光君

       第二十番                  佐々木賢司君

      第二十一番                  守屋守武君

      第二十二番                  石川利一君

      第二十三番                  熊谷義彦君

      第二十四番                  渡辺忠悦君

      第二十五番                  遠藤いく子君

      第二十六番                  すどう 哲君

      第二十七番                  吉川寛康君

      第二十八番                  伊藤和博君

      第二十九番                  中島源陽君

       第三十番                  長谷川 敦君

      第三十一番                  佐々木幸士君

      第三十二番                  村上智行君

      第三十三番                  細川雄一君

      第三十四番                  高橋伸二君

      第三十五番                  菊地恵一君

      第三十六番                  只野九十九君

      第三十七番                  佐々木喜藏君

      第三十八番                  石川光次郎君

      第三十九番                  佐藤光樹君

       第四十番                  岸田清実君

      第四十一番                  菅間 進君

      第四十二番                  坂下 賢君

      第四十三番                  ゆさみゆき君

      第四十四番                  藤原 のりすけ君

      第四十五番                  坂下やすこ君

      第四十六番                  庄子賢一君

      第四十七番                  本木忠一君

      第四十八番                  中山耕一君

      第四十九番                  長谷川洋一君

       第五十番                  安部 孝君

      第五十一番                  齋藤正美君

      第五十二番                  安藤俊威君

      第五十三番                  渥美 巖君

      第五十四番                  畠山和純君

      第五十五番                  仁田和廣君

      第五十六番                  藤倉知格君

      第五十七番                  相沢光哉君

      第五十八番                  中沢幸男君

      第五十九番                  渡辺和喜君

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説明のため出席した者

      知事                     村井嘉浩君

      副知事                    若生正博君

      副知事                    山田義輝君

      公営企業管理者                犬飼 章君

      総務部長                   大塚大輔君

      震災復興・企画部長              伊東昭代君

      環境生活部長                 佐野好昭君

      保健福祉部長                 渡辺達美君

      経済商工観光部長               吉田祐幸君

      農林水産部長                 後藤康宏君

      土木部長                   遠藤信哉君

      会計管理者兼出納局長             増子友一君

      総務部秘書課長                横田 豊君

      総務部参事兼財政課長             吉田 直君

    教育委員会

      教育長                    高橋 仁君

      教育次長                   西村晃一君

    選挙管理委員会

      委員長                    伊東則夫君

      事務局長                   清水裕之君

    人事委員会

      委員長                    小川竹男君

      事務局長                   谷関邦康君

    公安委員会

      委員長                    相澤博彦君

      警察本部長                  中尾克彦君

      総務部長                   岡崎 晃君

    労働委員会

      事務局長                   正木 毅君

    監査委員

      委員                     工藤鏡子君

      事務局長                   武藤伸子君

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    議会事務局

      局長                     今野 順君

      次長兼総務課長                半沢 章君

      議事課長                   三浦正博君

      参事兼政務調査課長              大浦 勝君

      総務課副参事兼課長補佐            三浦 理君

      副参事兼議事課長補佐             川村 満君

      政務調査課副参事兼課長補佐          高橋秀明君

      議事課長補佐(班長)             二上秀幸君

      議事課主任主査                齋 真左志君

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    議事日程 第六号

                平成二十九年三月二日(木)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号

第三 一般質問

   〔藤倉知格君、内藤隆司君、長谷川敦君、中沢幸男君〕

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号

三 日程第三 一般質問

   〔藤倉知格君、内藤隆司君、長谷川敦君、中沢幸男君〕

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△開議(午前十時)



○議長(中島源陽君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(中島源陽君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、三十三番細川雄一君、三十四番高橋伸二君を指名いたします。

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△議第一号議案ないし議第四十三号議案



△議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案



△報告第一号ないし報告第百十三号・一般質問



○議長(中島源陽君) 日程第二、議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。

 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。五十六番藤倉知格君。

    〔五十六番 藤倉知格君登壇〕



◆五十六番(藤倉知格君) おはようございます。復元船サン・ファン・バウティスタ号の存続に向けてを質問してまいりたいと思います。

 サン・ファン号復元に至る経過や背景等については昨年十一月県議会の一般質問の折、時間を割いて言及しましたので、前置きは割愛をします。サン・ファン号の今後のあり方をめぐる県の最終判断のタイムリミットが今年度内とされたことを受け、焦眉の課題として引き続き登壇をいたしました。前回は解体ありきのシナリオに突き進む県の姿勢に対して、私なりの独自調査に基づき、提言を含め問いただしましたが、知事は年度内方針を明言する一方、解体があたかも既定方針、最終結論であるかのような答弁に終始していました。私は木造船の耐用年数が二十年ないし最大で二十五年という国内にはびこっているいわゆる常識に固執する県の姿勢に対してヨーロッパ等における木造船復元と長寿化保存をめぐる主な実例を紹介しました。特に一九五六年に復元され、ボストン南東のプリマス港に係留、保存展示されているメイフラワー二世号及び同時期に海水から引き揚げられ修復を施したスウェーデンのヴァーサ号が、ともに約六十年を迎えている事実を指摘しました。その後の調査によると、一八〇五年スペイン、フランスの連合艦隊を撃破した世に有名なトラファルガーの海戦でイギリスを圧勝に導いたヴィクトリー号は一九二二年から復元に着手され、以来九十年以上を経過した現在、イギリス、イングランド南西部のポーツマス港の乾ドックに保存展示されています。財団法人慶長遣欧使節船協会が編さんした十年史「伊達の黒船物語」にはサン・ファン号復元計画段階において、イギリスに八十年の保存例があるとして、サン・ファン号は百年ぐらい持たせたいという記述が残っていますが、これはヴィクトリー号を指しているものと思われます。この際、公平を期すため申し添えますが、県やあり方検討委員会が指導を仰いでいる日本海事科学振興財団によると、ヨーロッパにおける木造船復元の狙いは伊勢神宮の式年遷宮のように、古来の造船技術の伝承と技術者養成が大きな目的の一つに位置づけられており、したがって木造船はしばしば解体されては復元されるのがヨーロッパでは日常的な光景と受けとめられているようです。このヴィクトリー号の展示施設に隣接して木造船の技術者養成専門学校が併設され、国が技術の伝承と人材育成に力を尽くしています。古代、中世を含め、特に十五世紀から十七世紀前半、七つの海を股にかけ大航海時代を切り開いた歴史を持つヨーロッパ人の木造船に寄せる愛着と誇りは並々ならぬものがあり、その点我が国とは同日に論じることができない背景があるのも事実です。しかし、そのような事情を踏まえつつ、前回質問では特にスウェーデンのヴァーサ号が、最新技術を駆使することで、六十年近い長期保存に成功している事例を紹介しました。ヴァーサ号は一六二八年に沈没、一九五六年に引き揚げられ、実に三百年以上も海水に浸かっていた木造船です。三百年以上も海底に沈んでいた木造船をドックに引き込み、水を抜き、プラスチックモノマーを吹きつけて固化するという最新の科学的修復技術によってよみがえり実際にストックホルムの博物館に展示されている事実をどのように受けとめているでしょうか。

 ヴァーサ号のケースとは違いサン・ファン号は沈没船ではなく、腐食が進んでいるとはいえ、復元後まだ二十三年にすぎません。このように長寿化保存の先進事例で実績を築いている本場ヨーロッパの知見に学ぶべしと迫りましたが、膨大な時間と経費を要するとして一顧だにしない回答でした。ヨーロッパ視察を含め、長寿化保存の実態とノウハウを真摯に学び取ることがぜひとも必要です。いかがでしょうか。

 ヨーロッパの常識と本県及び国内の常識の隔たりが余りに大き過ぎることが気になります。

 さて、一六一三年サン・ファン号が月の浦を船出したその三十一年前、九州のキリシタン大名がローマ、バチカンに派遣した天正遣欧少年使節の歴史は早くから教科書などの記述により広く知られています。しかし、天正使節は純粋に信仰上の目的のもとにヨーロッパから回航したポルトガルの船で渡欧したのに対して、サン・ファン号は我が国で純国産木造船として建造したガレオン船が太平洋を二往復し、支倉常長一行の使節がスペイン、ローマとの外交交渉に臨み、堂々と渡り合ったチャレンジスピリットにこそ大きな意味と歴史的価値があるとされ、天正使節と決定的な違いであることは押さえておく必要があります。ちなみに一六〇〇年関ヶ原合戦の半年前、一隻のオランダ帆船リーフデ号が豊後の国、現在の大分県臼杵市の海岸に漂着しました。その水先案内人のウイリアム・アダムスこと三浦按針は船大工としての経験を買われ、家康の命で我が国初の西洋式帆船を当時前後して三隻建造しましたが、それらは間もなく難破により海の藻くずと化しています。ついでながらサン・ファン号は三浦按針から造船技術を学んだ船大工たちが月の浦に呼び寄せられて建造に当たったものです。

 さて、前回も取り上げたサンタマリア号は一四九二年、コロンブスによる初の大西洋横断航海に使われた世界有数の歴史的名船ですが、コロンブス大航海五百周年記念事業として平成三年、スペインのバルセロナで復元されました。この記念プロジェクトに参加した日本の財団法人サンタマリア号協会が発注し、完成後は世界周航を経て最終寄港地の神戸市に平成四年、無償譲渡され、神戸港がサンタマリア号の母港となりました。以来、神戸港のメリケンパークに展示されてきましたが腐食が進んだとして、二十一年後の平成二十五年に解体されています。解体後はメリケンパークの一角に鉄製のいかりと部材の一部のみが雨ざらしのモニュメントとしてひっそりと残されるという結末をたどっています。

 さて、サンタマリア号解体によって、現在我が国に大航海時代をほうふつさせる本格的洋式木造帆船はサン・ファン号一隻のみとなりました。現存する咸臨丸や日本丸、海王丸は幕末と明治に建造された大型帆船の復元船であり、しかも純木造船ではなく、ディーゼル機関を搭載した船です。つまりサン・ファン号は宮城県一県で復元、修復、保存展示してきた経緯や県境の枠を越えて、今やオールジャパンで保護し長寿化保存することが求められる極めて歴史的文化的価値の高い貴重な復元船となったという認識を持つことが必要です、どのように受けとめているでしょうか。

 あり方検討委員会が指摘した震災復興下の多大な費用負担についてはサン・ファン号が担った歴史的価値とともに津波直撃に傷つきながらも耐え抜き、復興と再生のシンボルとして石巻地域被災住民の心の復興を支えている現実を直視し、広く県民の意向に問いかけることで、県民の共鳴、共感を得ることは十分可能であること、その妥当性、納得を担保できるはずと指摘しました。サン・ファン号復元事業は約千の企業団体、県民約四千人が浄財を寄せ募金総額五億二千八百万円、建造費約十六億円の約三割を占める文字どおり官民一体となって取り組んだ一大事業の性格を帯びていました。それだけにまずはサン・ファン号をめぐる現状、実態をありのままに広く県民に認識してもらうこと、その危機的状況に理解を得ることが必要です。その上で今後の対応を含むあり方について県民の率直な思いや要望、希望などについて意向調査を実施すること、更には国内唯一の本格的洋式木造帆船という貴重な文化的価値に照らせば、サン・ファン号の現状を大震災からの復興状況とともに、全国に向けて広くオールジャパンに情報発信することも必要です。いかがでしょうか。

 その際、マスコミ各社の発信力の協力も欠かせません。その上で県民世論及び全国の反応や意向等も十分見きわめつつ、サン・ファン号の今後のあり方については改めて検討するなどの注意深さ、慎重さが求められます。折しもことしは伊達政宗公生誕四百五十年という節目の年です。更には昨年文化庁の日本遺産に県と関係自治体が申請した「政宗が育んだ“伊達”な文化」が認定を受けました。今後、県は関係市町と連携して認定された文化遺産の歴史的魅力を積極的に国内外に情報発信し、本県の教育、文化、観光、地方創生等の活性化に弾みをつける絶好の機会です。このような節目の折も折、政宗公が派遣した慶長遣欧使節船の復元船サン・ファン号の解体方針が仮に示されるとすれば、一連の事業に水を差すことは確実であり、いかにも最悪のタイミングです。それどころか、日本遺産は地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化、伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものであり、伊達政宗公が花開かせた慶長遣欧使節及びサン・ファン号の伊達な歴史ストーリーは日本遺産の趣旨そのものに通じるものです。更には仙台市博物館所蔵の国宝、慶長遣欧使節関係資料がユネスコの世界記憶遺産に登録され、そのシンボルとして、サン・ファン号の存在価値は観光資源としてもますます重要な位置を占めています。サン・ファン号の今後のあり方については選択肢を解体のみを前提とせず、多角的な保存方法の可能性を模索すべきです。東京都ではマーシャル諸島のビキニ環礁で被爆した第五福竜丸の展示館を建設し、陸上屋内で保存展示している事例もあります。百歩譲って解体以外に選択肢が残されていないとなれば、最低限それにかわる説得力のある対案を具体的に提示する責任が県にあるはずですが、いかがでしょうか。

 現在保存科学や造型技術の分野は日進月歩を遂げており、最低でも木造仕様以外の例えばFRPなどの素材による精密な実物大レプリカとして再復元する方法などもあり得ます。いかがでしょうか。

 あり方検討委員会の提言では中核になる復元船を失う慶長使節船ミュージアム及び石巻市サン・ファン・パークについては更なる新事業展開を図るための検討を、県、石巻市を初め、関係団体において復元船解体時期を勘案しつつ鋭意進められたいとしています。しかし、本丸のまさに本体、サン・ファン号を失ってなおかつ、どのような新事業展開を図ることが可能となるのか甚だ疑問です。構想をお示しください。

 今議会開会日の知事説明で言及したデジタルアーカイブの整備を持ってよもや最終方針とするとは思いませんが、デジタルアーカイブは慶長遣欧使節の文化的価値や歴史的偉業の全体像を伝える、あくまでもツールの一部にすぎないことは言うまでもありません。最大の課題が財源問題に帰着するならば、県内はもとより全国にサン・ファン号が直面している現状や課題を広く発信し、協力を呼びかけることも必要です。第五福竜丸は昭和四十二年廃船となり、夢の島にうち捨てられたことが報道されると、保存の声が挙がり、その機運の高まりが日本各地で募金や署名活動につながり、保存委員会が発足、各界の著名人が名を連ね保存運動が広がっていきました。やがて船体は東京都へ寄贈され、昭和五十一年、東京都立第五福竜丸展示館が開館した事例もあります。例えば東日本大震災からの復興と再生、慶長遣欧使節船サン・ファン号保存基金などの創設や地方創生拠点整備交付金及び震災復興関連事業の活用の可能性、場合によっては政治レベルでの要請や交渉を視野に入れながら国の関与も含め、サン・ファン号存続の価値と意義を主張すべきですが、いかがでしょうか。

 以上、るる指摘したように、解体以外のあらゆる可能性、選択肢を排除せず、その上で最善の策、次善の策を模索しながら、県として最終方針を示すことが求められています。大震災から十年目、使節帰国四百年、東京オリンピック・パラリンピック開催などの画期となる平成三十二年に合わせて、サン・ファン号が文字どおり、本県震災復興のシンボルとして、その雄姿が全国に発信される機会ともなれば、それは村井知事が提唱する創造的復興の理念に名実ともに命を吹き込むことになると思っています。いかがでしょうか。

 次に、観光と美しい景観の創出について質問をしてまいります。

 県は平成三十二年に県内の外国人宿泊者数を現在の約三倍に当たる五十万人とする目標を掲げ、新年度の組織改編でアジアプロモーション課の新設を決め、海外への観光宣伝にとどまらず、民間企業の海外進出を促し、特に台湾や香港などのアジア圏との交流拡大を図り、インバウンド促進を目指すとしています。

 さて、インバウンドが昨年十月ついに二千万人を突破し、現在二千四百万人台に達したことが喧伝されていますが、その主な要因として、ビザの発給要件の緩和、円安基調によるメリット、免税措置を初めとするビジット・ジャパン事業の展開、近隣諸国の海外旅行の緩和や解禁などが功を奏したことが挙げられており、円高に振れれば減少に転じると見る辛口評もあります。インバウンドが増加したのは日本国内の観光資源の魅力度がグレードアップしたためでも、観光戦略が従来に比べて大きく前進したためでもないとの指摘もあります。ちなみにフランスの人口は六千五百万人ですが、人口を優に超える約八千四百万人近くのインバウンドが訪れる世界第一位の観光大国を誇っています。しかし、フランス及びその一大観光都市パリは観光客に冷たい、不親切、無愛想との評価が定着しており、おもてなしのホスピタリティーでは世界ワーストワンと言われます。ホスピタリティーとは無関係に世界一の観光のメッカにふさわしい人を引きつける魅力に富んだ数々の歴史的建造物や名立たる名所、旧跡、洗練された景観や食文化などがふんだんにあるからです。政府の観光ビジョン構想会議メンバーの一人イギリス人のデービッド・アトキンソン氏よると、外国人観光客とおもてなしのデータの相関関係を調査した結果〇・〇〇〇%だった。もちろん、おもてなしがあるに越したことはないが、それを目的に旅行する人はほとんどいない。おもてなしは観光客にとって目的ではなく、附属的、二次的要素であり、観光産業で最も大事なポイントは魅力に富んだ多様性であると指摘しています。私は繊細な気配り、心配りによるおもてなしや振る舞いは日本及び日本人特有の持ち味と文化であり、日本のセールスポイントの重要な一部だと確信しています。しかし、基本的に外国人旅行客は一義的に日本ならではの美しい景観や風景を前提に、その土地固有の物語を織りなす歴史、文化、風土、自然、文化財、食文化やなりわいを含む異文化としてのジャパンテイストを味わうために訪れるようです。

 さて、私は平成二十一年第三百三十二回定例会で、観光と美しい景観とのかかわりについて一般質問した経過がありますが、それは平成十六年七月、宮城県議会欧州調査団のメンバーとして、イギリス、イングランドの英国一美しいエリアと称されるコッツウォルズを訪れた体験によるものでした。景観保存と創出に取り組んでいる英国式グラウンドワーク・トラスト調査として、イングランド中部に広がる丘陵地帯コッツウォルズのため息が出るほど美しい牧歌的な田園風景は今も脳裏に焼きついています。なだらかな丘陵には小さな村々が点在し、十四世紀以来のハニーカラー、蜂蜜色の家並みが淡い緑の中に浮かぶ、英国カントリーサイドの息を呑む景観が広がっていました。実はイギリスに限らずヨーロッパは十七世紀ごろまでは、うっそうとした原生林に覆われていました。英語の「野蛮な」という意味のサベージは元来「森」そのもののことで、その手つかずの自然のままの森に分け入り森を切り開き耕すことがカルチャー、文化でした。ヨーロッパの文化の営みは森を切り開くことから始まり、結果として美しい田園風景や農村景観を生み出しましたが、大自然の雄大な自然景観以外は全て人の手によって第二の自然としてつくられたものです。美しい景観の創出やアメニティー、歴史性、文化性を重視する長年にわたる行政や市民の強い景観意識が結果としてビッグな観光産業を育ててきたヨーロッパでは厳しい景観規制が実施されています。平成二十年、県議会に景観保存・まちづくり調査特別委員会が設置され、宮城県美しい景観の形成の推進に関する条例が制定、平成二十二年一月から施行されました。しかし宮城県、仙台市、登米市、松島町に加え条例施行後、景観行政団体に登録されたのは、多賀城市、塩竈市の二団体にとどまっています。県土の美しい景観の創出を加速させるための議員提案条例でしたが、まだまだ条例の趣旨が生かされていません。条例には県の責務、市町村との連携、景観行政団体である市町村との関係、県民の責務、事業者の責務、県民等への支援、景観週間、美しい景観の形成に配慮した公共施設の建設、普及啓発、とりわけ条例の具現化に不可欠な財政上の措置について各項に明記されています。指摘した各条項の具体的な取り組み実績と、これまでの対応及び今後の方針を伺います。

 昨年十二月無電柱化推進法が施行され、国、自治体、電力、通信事業者が責任を持って推進することが明記されました。日本は久しく電柱大国、電線大国と称され現在国内には約三千五百五十万本の電柱があり、年間七万本ずつふえています。ロンドン、パリ、香港の無電柱化率が一〇〇%、ニューヨークもほぼ一〇〇%に近づき、台北九五%、ソウル四六%、ホーチミン三〇%となっており、国内で最も進んでいる東京二十三区でも七%、大阪市五%、仙台市では約二%、本県は四十七都道府県中四十一番目の一%弱となっています。スーパーマンやスパイダーマンが縦横無尽に活躍できたのはニューヨークなどの大都市に電線が張りめぐらされていなかったため、とも言われます。専門家によると、このままのペースで推移すると、日本の無電柱化は二十二世紀後半にずれ込むと指摘しています。日本では戦後復興、とりわけ高度経済成長期に応急措置として次々電柱が建てられ林立しました。欧米の発想では本来、電柱は仮設であり将来的には取り除かれるものですが、経済発展最優先で突き進んできた日本はいつの間にか景観の一部になりました。首都直下地震が想定される東京都は小池都知事が日本の現状を「電線病」と形容し無電柱化推進条例の制定や都道での電柱の新設禁止を唱え東京五輪に向け整備を進めるとしています。茨城県つくば市では昨年条例化に踏み切り、観光に力を入れる京都市、金沢市も前向きに検討と報じられています。東日本大震災では約五万六千本、阪神大震災でも約八千本の電柱が倒れ消防車が入れず、避難者や救援作業の障害となりました。課題はコストです。道路の下に管を埋めケーブルを通すと一キロ当たり五億三千万円かかり、三分の二は国と自治体、残りが電力や通信事業者の負担となりますが、国交省は従来より最大三割の低コスト手法を提案しています。防災機能の強化、安全、快適な歩行空間の確保、美しい景観の創出に向けて、既設、新設道路の無電柱化の推進が必要です。その際、市街地だけでなく歴史的町並み空間の保存や創出に取り組んでいる景観行政団体等の市町村、温泉街を含む観光エリアにも広げていかなければなりません。本県の無電柱化をめぐる現状認識、今後の整備計画、市町村との連携の実態及び予算措置についてそれぞれ伺います。

 屋外広告物法や自治体の条例の枠内で基準を満たし、許可された看板、広告板、建物その他の工作物等の表示が実際には景観を著しく損なっているケースが散見されます。そのような中、本県でも以前から広告物景観モデル地区として、住民の意見を集約し、ルールを定めている大崎市岩出山と古川十日町、塩竈市などの事例があります。大分県の湯布院では早くから旅館組合の案内板を統一誘導標識に切りかえ、市の条例より高いハードルをみずから課し、事業者等の看板を自主規制する紳士協定を結ぶなど、住民を含む策定委員会では更に踏み込んだルールづくりにチャレンジしています。即効性が高い聖地巡礼型インバウンドに象徴される短期成果主義の一方、魅力に富む美しい景観創出による多様な観光資源の磨き上げなど、地道で中長期的な取り組みは欠かせません。

 以上、指摘した点について、これまでの取り組みと現状認識、課題及び今後の対応方針をお示しください。

 以上をもちまして、壇上からの一般質問を終了させていただきます。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 藤倉知格議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。

 大綱一点目、復元船サン・ファン・バウティスタ号の存続に向けての御質問にお答えをいたします。

 初めに、最新の科学的修復技術によりよみがえり展示されているヴァーサ号についてのお尋ねにお答えをいたします。

 ヴァーサ号は御指摘のとおり、スウェーデン国王の命のもとに一六二七年に建造され初航海で転覆し三百年以上海底に沈んでいたものを引き揚げ、国内で保存、修復しているオリジナル船の事例と承知をしております。保存に当たっては約三十年もの歳月をかけ、船体の洗浄、脱塩、乾燥、高分子化合物による固化などの処理を行った上で、現在も引き続き試行錯誤しながら保存、修復作業を行っていると伺っております。復元船の置かれている状況とは異なることや修復に長大な時間を要することなどがありますが、保存技術における一つの事例として受けとめております。

 次に、ヨーロッパでの長期保存の実態とノウハウを真摯に学ぶべきとの御質問にお答えをいたします。

 復元船の今後のあり方を決定する上で、長期保存されている木造帆船の海外事例を参考にすることは有益なことであると認識しております。このため、イギリスやスウェーデンの事例について視察経験があり、幅広い情報を有している船舶の専門家に数度にわたってヒアリングを行うとともに、その情報をもとに木造船を管理する海外の団体等に修復の方法や経費、課題などについて現在照会を行っているところでございます。前回の一般質問で藤倉議員がしっかりと調べろということでありましたので今、いろんなところに問い合わせをしておりまして、返事があるところもありますし、もうちょっと待ってくれというところもありますし、全く返事がないところもあるというような状況でございます

 次に、極めて文化的価値の高い復元船である認識を持つべきとの御質問にお答えをいたします。

 復元船につきましては史実に忠実にという基本コンセプトのもとに建造された文化的、歴史的に貴重なものであると認識をしております。加えて、御指摘のとおり、復元船が国内唯一の大型木造帆船であることから、これまで何とか残したいという強い思いを持って長期保存の可能性について専門家や有識者の方々に広く意見を求めてきたところでございます。

 次に、復元船の現状等の理解を得た上での意向調査実施と世論を見きわめた今後のあり方検討についての御質問にお答えをいたします。

 復元船の現状、実態につきましては慶長遣欧使節船協会において、ホームページでお知らせしているほか、新聞やテレビ等で報道されたことにより、多くの県民に認識していただいているものと考えております。県民等の意見につきましては藤倉議員を初めとする多くの県議会議員や慶長遣欧使節船協会が設置した慶長使節船復元船サン・ファン・バウティスタの今後のあり方検討委員会のさまざまな分野の方から一様に、できることなら修復して保存してほしいとの要望をいただいており、県内外の方々の思いも同じであると考えております。また、県といたしましてもその思いは共有しているところでありますので、現時点では改めて意向調査を行うことは考えておりません。県といたしましては、その思いを十分に受けとめながら、復元船のあり方について検討してきているところであり、今後最終的な方針を決定してまいります。

 次に、多角的な保存方法の模索とレプリカなどの代替案についての御質問にお答えをいたします。

 県といたしましては、解体を前提として検討を行ってきたわけではなく、御指摘のとおり、まさに多角的に保存方法を模索してきたところであります。現在最終的な方針を検討しているところでありますが、仮に復元船を解体するという方針に決定した場合でも、支倉常長やサン・ファン・バウティスタ号の偉業は後世に伝えていかなければならないと考えておりますので、そのための方策につきましては方針の決定後に、御提案のありましたレプリカも含め、さまざまな意見を伺いながら関係者の皆様と検討してまいりたいと考えております。

 次に、復元船を失った場合の事業展開の構想についての御質問にお答えをいたします。

 繰り返しになりますが、復元船を失った場合でも、慶長遣欧使節の偉業は後世に伝えていかなければならないと考えておりますので、そのための方策につきましては方針の決定後に、さまざまな意見を伺いながら、真摯に検討してまいりたいと考えております。

 次に、最大の課題が財源ならば、県内外への協力を呼びかけるなどを行うべきではないか。またサン・ファン号の雄姿を全国へ発信すべきとの御質問にお答えをいたします。

 最大の課題が財源問題であるとしても、例えば船大工の確保は極めて厳しいこと、腐朽が著しく船体が補修に耐えられない可能性があること、ドックから水を抜く際に自重により船体が崩壊する危険性があること、修復には高度な技術と煩雑な手順が必要であることなど、大小さまざまな課題が山積していることから、現時点においては復元船を修復し、長期的に保存していくことは極めて困難であると認識をしております。また仮に修復するとしても、ヨーロッパの事例を参考にすれば、修復には相当の期間を要すると考えられることや海外からの木造船技術者の招聘や資材の調達等のハードルは高いものと認識しており、平成三十二年までの修復は困難であると考えております。いずれ、修復するにしても、解体してその後のサンファン館の事業を新たに展開するといたしましても、相当な費用を要することが想定されますので、財源の確保につきましては方針決定後に、御提案のありました基金創設なども含めて検討してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱二点目、観光と美しい景観の創出についての御質問のうち、宮城県美しい景観の形成の推進に関する条例に対する取り組み状況などについてのお尋ねにお答えいたします。

 美しく魅力ある景観の形成は観光の振興、とりわけインバウンドの促進に資する重要な要素であると認識しております。県では平成二十一年七月の条例制定を踏まえ、平成二十四年三月に景観形成の主体を景観に身近な存在である住民及び市町村とし、県はそれらを支援、先導する役割を担うものとして、宮城県美しい景観の形成に関する基本的な方針を定め、景観ワークショップの開催や景観アドバイザー派遣事業など、普及啓発を中心とした支援策を講じてまいりました。こうした取り組みの結果、現在、塩竈市が景観法に基づく景観計画を策定中であるほか、栗原市の「栗駒山麓ジオパーク構想」や「景観形成基本構想」の策定、国の「伝統的建造物群保存地区」の認定による村田町の「蔵の町並み」づくりなど、成果も出ているところでございます。県といたしましては、美しく魅力ある景観の形成について、県民の関心と理解を深めるよう普及啓発に努め、市町村の景観づくりに対する取り組みを支援してまいります。

 次に、我が県における無電柱化の今後の整備計画などについての御質問にお答えいたします。

 道路の無電柱化につきましては安全で快適な歩行空間の確保や良好な景観形成及び防災機能の向上等の観点から、市街地の幹線道路を中心に整備を進めてきたところでございます。しかしながら、電線地中化の整備コストが高いこと、沿線需要の関係から電線管理者との調整が難しいことなどの理由から、これまで整備が実施されました地区は仙台市を含めて十一の市町の市街地にとどまっており、更なる整備の進捗を図る必要があると認識しております。現在国において、電線地中化についての低コスト手法の検討や基準の見直しなど、無電柱化を促進する取り組みが進められていることを踏まえ、県といたしましても整備が望まれる箇所につきましては電線管理者との合意形成を図り、今後の無電柱化の計画に位置づけて整備を進めてまいりたいと考えております。県ではこれまで市町村の良好な景観形成を促進するため、市街地において無電柱化の事業を実施してきたほか、市町村に対しては技術的助言や関係機関調整等の支援を行ってきたところであり、その財源につきましては社会資本整備総合交付金などの国からの交付金を活用して進めてきたところでございます。県といたしましては、引き続き国や市町村及び電線管理者と連携し、県内の道路における無電柱化の推進を図ってまいります。

 次に、景観、屋外広告物行政についての取り組みや今後の対応などの御質問にお答えいたします。

 美しく魅力ある景観の形成は中長期的な観点から継続的に取り組む必要があり、そのためには市町村や住民の参画により景観形成にかかる方針やルールを定め、地域における活動を積み上げていくことが重要であると認識しております。屋外広告物につきましても景観を構成する大きな要素でありますことから、県では市町村や住民の合意を得て、良好な景観を形成することが特に必要な地区として県内三カ所を広告物景観モデル地区として指定し、独自の広告物の規制を定めているところであります。このような景観形成のルールを定めるに当たっては景観形成の方針などを定めた景観計画を策定することが効果的であるため、県ではこれまで、市町村の計画策定に対する支援を行い、現在、登米市など四つの市町で景観計画が策定されたところでございます。また、昨年三月に政府が策定しました明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、平成三十二年を目途に全国の半数の市町村で景観計画を策定することが目標とされたところでございます。このことを受け、県では仙南九市町の広域景観計画の策定を支援しており、引き続き市町村の景観計画の策定支援を強化してまいります。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 五十六番藤倉知格君。



◆五十六番(藤倉知格君) それぞれ御答弁いただきました。答弁を聞いてこのまま自席に戻ろうかなと思ったんですが、本音は、二分若干あるということなもんですからちょっとだけ聞かさせていただきます。

 先ほどサン・ファン号の関係で、私の質問に対して基金創設を提案して、これも考える余地があるというような、前向きの答弁を知事からいただきましたけれども、それ以外に、いわゆる地方創生交付金関連とか、あるいはそれほど貴重なサン・ファン号のいわゆるガレオン船大航海時代をほうふつさせる、本当に国内に一隻しかないわけです。極めて貴重な船という位置づけに今なってますから、そういう意味で何とか一県だけの財源では確かにきついものがあるわけで、そういう意味で国の協力を得ることも必要だろうと、そういう意味では政治的なレベルでの交渉なども必要だろうと、そういう動きもとってもらいたいなと、そこまで踏み込んだ努力を最後までするだけして、手を尽くして、その上で総合的に判断をして、やっぱり解体しかないと、ぎりぎり突き詰めたけれどもこれしかないんだということで、最終結論として解体が出てくるんであれば、それはやむを得ないと思うんですが、やり得る手段を尽くしきっていただきたいなと、その努力をしてほしいなということで具体的な提案を何点かしているわけであります。このことについてもう一言知事からお願いしたいと思います。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 基本的に勘違いされてるなと思うのは、私ども、金がないから解体ありきということでは決してなくて、解体しないようにするためにはどうすればいいかということをずっとここまで頑張って研究してきました。いろんな方に相談もしたということでございます。前回もお話しましたけれども、もう津波でがっと持ち上げられたんです。ところがロープで張ってたもんですから下がぐっとものすごい大きな力で持ち上げられた結果、肋骨の部分です、キールというんですか。肋骨の部分、そこに板を貼ってるんですけども、そこが曲がってしまってまして、しかもそこが腐っております。毎日水をポンプで抜かないと、だんだん水が−−要は沈んで来ているんです。それをポンプで抜いてます。したがって、板を全部剥がして、全部肋骨の部分を変えないと結局修復にならないんです。つまり、新造船をつくるよりも金がかかってしまうということです。問題なのは、そこまでしてお金をかけて、新造船をつくるよりも金をかけて修復する必要があるのかどうかということです。残念ながらあれは復元船です。紹介のあったヴァーサ号は実際にその当時一六〇〇年の時につくった船で、沈んでいた船を引き揚げた。一六一三年に月の浦から出帆したサン・ファン・バウティスタ号の現船であれば、これはもうお金をいくらかけても残さなきゃいけないと思うんですけれども、今復元船を、新造船をするよりもお金をかけてやれるかどうかということがまず一つ。それから、仮にお金をかければ新造船でもいいじゃないかということも考えたんですけれども、ところがそうなると船大工がいないんです。あれができてから二十五年です。当時つくった人がもうほとんどおられないんです。それも今まで探しましたけれども当時の方がおられなくて、今あれだけの帆船をつくれるような技術者がいないということなんです。お金の問題と技術者の問題、そういうようなこともありまして非常に我々苦慮しているということです。そういうことからこういう結論にいきました。じゃあどうするんだということなんですけれども、今回デジタルアーカイブというと、何か写真だけ撮ってくるくるひっくり返してやるようなそんなイメージかと思うんですけれども、まだ何も決まってないんですけれども、例えば、まず3Dで残せるように映像を撮ろうと今考えてまして、そうしますとバーチャルな体験ですけれども船に入ったような感じ、船に近づけば船の形が浮かんでくるといったようなこともできるのではないかというようなこともぜひ検討したいと思っておりまして、実際の形があるかないかというのはありますけれども、そういったようなことも検討できるんじゃないかということで多角的に今検討しております。ここに至るまで決してサン・ファンが金がかかるから潰してしまえというような暴力的な考え方で一気にここまで突き進んだわけではなくて、本当に残せるかどうかをずっと突き詰めてやってきたということです。

 長くなりましたけれどもお金の問題です。

 基金の創設もいいと思います。ただ、四百年の事業のときも基金を募ったんですが、ほとんどお金が集まりませんでした。企業も余り出してくれませんでした。県民からも余りお金は集まらなかったということですので、基金をやったからそんなにお金が集まるかというと、簡単にはいかないだろうなという思いは持ってます。しかし、どのような形でも藤倉議員の提案がありますので、我々としてはその思いを受けて何らかの形で県民に広く、国民にお願いをしたいと思いますし、国にも何らかの形で御支援をいただけないかということをお願いをしていきたいというふうには思っているということでございます。したがって、お金の問題もありますけれども、歴史的な価値もありますが、技術者が今なかなか見つからないといった、そういった非常に物理的な問題が根底にあるということはぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。



○議長(中島源陽君) 五十六番藤倉知格君。



◆五十六番(藤倉知格君) ですから、技術者が国内にはもう船大工いないと、技術はないと、しかし欧米にはヨーロッパにはあるという現実があるわけです。ですから、ない技術、いない人材はヨーロッパに求めるということだと思います。手間暇、お金かかるのでそれはきついなという思いが前提にあるんだろうというふうに思うんですけれども、それだけ手を尽くしていけば何とかなるんじゃないか、クリアできんじゃないかなと私は思ってます。それから答弁なかったんですが、政治的な動きです。さっきも言いましたとおり今やサン・ファン号は復元船とは言ったって大航海時代をほうふつさせる唯一の木造帆船なんです。物すごく貴重なんだそうです。専門家から言わせてももう二度とつくれないし、それぐらい貴重だと。オールジャパン、場合によって国が関与してこれを保存して維持していくということが求められる程の価値が今出てきてると。であれば国に対しても関与を求めていく、そのための政治的な動きも働きかけも必要になってくるんじゃないかと、私そこまで踏み込んで手を尽くしていくべきだというふうに思うんです。それで……。



○議長(中島源陽君) 簡明に願います。



◆五十六番(藤倉知格君) 何ともならなければ最後は解体するしかないわけです。そのときは皆も納得します。知事を先頭に県としても最後まで何とかということです。ちょっと夢中になってまして、そんなことで、もし何かありましたら一言お願いします。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 更に国との調整も含めて汗を流せということでありますから、それはしっかり受けとめたいというふうに思います。国にもお願いは、今までもしておりますけれども、相談はしておりますけれども、更に何とかならないのかという、政治力を使えということでありますので、大した力ありませんけれどもいろいろ調整はさせていただきたいというふうに思います。

 なお、その上でどうしようもなくなったときは、また改めて御相談申し上げたいと思います。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。

    〔三番 内藤隆司君登壇〕



◆三番(内藤隆司君) 日本共産党の内藤隆司です。

 通告に従い大綱四点について質問いたします。

 最初に、放射性廃棄物の処理について伺います。

 知事は昨年十一月の市町村長会議で、県として八千ベクレル以下の放射性廃棄物について一般ごみと共に県内一斉に焼却し、管理型最終処分場に埋めるという方針を示しました。しかし、十二月の市町村長会議では一部の反対により当面は焼却以外の方法を検討するということになり、ことし一月には焼却以外の方法として堆肥化、すき込み、林地還元による処理についての説明会が行われました。

 まず、焼却処理の安全性について伺います。

 バグフィルターで九九・九%除去されるという主張には、さまざまな異論が出されています。科学的に万全な安全性が担保されているとは言えません。そういう状況で試験焼却を行うことは地域住民、県民を実験台に乗せるということであり安全性を確認しながら慎重に実施するとは言っても試験焼却そのものが住民犠牲を前提にしたものではないかと考えますが、見解を伺います。

 更に、焼却灰を管理型処分場に廃棄することについての危険性について伺います。

 震災後、いわゆる震災瓦れきを焼却し管理型処分場に処分しています。当時の状況からいってやむを得ないことであったと考えますが、環境省の資料によると県内八カ所の処分場のうち六カ所の放流水から放射性物質が検出されています。県外の処分場からも放射性物質が検出され、中には三十ベクレルを大きく超えるものもあります。現状でも放射性廃棄物が検出されているのに放射性廃棄物の焼却灰をこれらの処分場に処分すれば更に高い濃度が検出されることが予想されます。この放流水は二十四時間常に放出されているものですから、濃度が低いなどと言っても排出される放射性廃棄物の総量はとんでもないものになります。現時点でも出ていることが問題だという認識があるでしょうか伺います。

 この測定データについて私は県に説明を求めましたが、環境省のデータだから説明できないと言われました。焼却処理については環境省のデータをうのみにして安全性を強調していながら極めて無責任な姿勢だと思いますが見解を伺います。

 問題解決のためには住民の納得と合意が不可欠ですが、知事は住民の納得と合意というものをどのように考えているのか伺います。

 知事は市町村長会議を繰り返し開催していますが、市町村長会議で全部の市町村から同意が得られれば住民の納得と合意が得られたものと判断するのでしょうか。焼却場や管理型処分場のある地元地域の住民は圧倒的に反対が多数です。地域を挙げて反対決議や反対の意思を表明しているところも少なくありません。その立場は揺るぎないものであって、市町村長会議で焼却処理を決めたからといって住民に押しつけることは到底できません。市町村長会議でたとえ全員が焼却処理に賛成したとしても住民の納得と合意は得られておらず、焼却処理を進めることはできないと考えますが見解を伺います。

 なお、私はこの間開かれた市町村長会議の傍聴を強く求めてまいりましたが、会場にスペースがないとか、決まったことだからと傍聴を認められませんでした。マスコミに公開している会議の傍聴を認めない合理的な理由は全くありません。県民の関心も高いこの問題で重要な会議の場を公開することを強く求め見解を伺います。

 私は問題解決のためには放射性物質を処理するという考え方そのものを改める必要があると考えます。放射性物質は煮ても焼いてもなくならないからです。焼却という手段は放射性物質の存在形態を稲わらや牧草という形から焼却灰と煙に変えるだけです。焼却によって処理されたわけではなく、放射性物質を含んだ焼却灰をどう処理するかという問題が残るわけです。堆肥化やすき込みという方法も雨水にさらされる場所に放射性物質を置くことは結局、水に溶け込み放射性物質を放出することになります。セシウムは土に吸着され、排出されないという意見もありますが、管理型処分場から排出されている現実を見れば何の説得力もありません。ですから、放射性物質については処理ではなく保管のあり方が問われるのだという発想に転換することが必要と考えるものですが見解を伺います。

 県は保管する場所がないという言いわけを繰り返していますが、それは保管場所の確保を市町村任せにしているからです。県が率先して県有地を提供する。国や東電に土地を確保させるということをもっと真剣に、もっと最優先に追及すべきと考えます。知事の見解を伺います。

 次に、生活困窮者支援について伺います。

 昨年八月二十二日付け河北新報の社説は衝撃的でした。「生活困窮者支援」「先進自治体はここまでやる」という表題で滋賀県野洲市の「くらし支えあい条例」を紹介し、それと正反対の対応に終始している例として宮城県の滞納者からの取り立て強化の問題を挙げ「生活困窮者を破綻に追い込んでいないか検証も必要」と述べています。更に、「被災自治体が今後とるべき方策は宮城モデルか、それとも野洲市モデルかよくよく吟味してほしい」と述べています。この問題の最初に河北新報のこの社説、宮城の滞納者からの取り立てが生活困窮者を破綻に追い込んでいないか検証が必要、そして野洲市モデルか宮城モデルかという指摘と危惧についてどう考えているのか、どう検討され対策がとられたのか伺います。

 野洲市においては滞納した税金は市民生活を支えるための財源と位置づけています。そうであるからこそ、市民生活を壊してまでは回収しないという立場を明確にしています。この立場は生活困窮者を破綻に追い込まないためには極めて重要と考えます。いかがでしょうか。

 また、野洲市では滞納を市民生活支援のきっかけにすると位置づけ、問題の解決に当たっては弁護士や司法書士などの専門家や市役所、各部署の連携により総合的に支援する仕組みになっています。

 一方、宮城県地方税滞納整理機構の対応は最初から借金してでも払えという対応になっているのではないでしょうか。滞納者の生活を支援するという姿勢そのものが全くない対応です。生活困窮者を破綻に追い込むという指摘ももっともと言わなければなりません。野洲市に倣い滞納者が自立して生活できるよう援助するという立場に立って県の対応を改めるよう強く求めます。税滞納者の対応に当たって最も大切なことは相手との信頼関係を築くことです。相談に行ったらひどい目に遭ったというのでは相談に来るわけがありません。野洲市では「あなたのくらしをサポートします!聞かせてください、その悩み。話してください、その思い。」がスローガンになっています。宮城県の場合はどうでしょうか。「ストップ滞納!」「滞納は許しません」です。まるで犯罪者のような扱いではないでしょうか。滞納者からすれば近寄りがたい雰囲気です。この点でも野洲市を見習う必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 生活困窮者自立支援法により自立相談支援事業が行われています。私は税の滞納者に対して滞納克服と自立支援を同時に行うためには、この自立相談支援事業との連携が必要だと思います。現状ではそれぞれが別々に対応しており、連携が全く取れていないし、取らなければならないという意識もないと思います。自立相談支援事業との連携についてのお考えをお聞かせください。

 次に、上工下水一体官民連携運営の問題について伺います。

 県は二月九日、第一回検討会を開催しました。マスコミもいっぱい来ておりましたが、私も片隅で傍聴させていただきました。知事は冒頭のあいさつの中で民間がやりやすいようにスピード感を持って取り組むことを強調しました。内閣府大臣補佐官の福田隆之氏は「行政が企業のために何をできるかを考えるべき」と話しました。会議の参加者は内閣府、厚生労働省、経済産業省、国土交通省から大臣審議官などの幹部が出席、更に日本を代表する大企業の代表が顔をそろえていました。この検討会は民間大企業の利益が優先されるのだという感想を私は強く持ちました。検討会は企業局が管理する大崎広域水道、仙南・仙塩広域水道、工業用水、更に下水道事業まで視野に入れて、所有権を県が有したまま民間業者に当該施設の運営を委ねるコンセッション方式と呼ばれるPFIの導入、推進を目的としたものです。PFIは民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できるとされ、各地で導入が進められてきました。しかし、PFI施設における事故や経営破綻が起こり、契約解除という事態になった例も生まれている現実を見れば、PFIによって公共サービスが効率的で効果的になったとは言えないことは明らかです。このことは公立イコール高コスト、非効率、民間イコール低コスト、効率的という神話が崩壊していることを示すものにほかなりません。それなのに、なぜ今崩壊した神話にしがみつきPFI事業を導入しようとするのでしょうか伺います。

 そもそも水道事業は安全で安心な水を安定的にできるだけ安価に住民に提供することが第一義的に優先されなければなりません。

 一方、企業は利益を上げることが目的です。事業の目的が根本的に違います。公共性の高い公営事業を民間に委ねるということ自体に矛盾があります。昨年十一月の厚生科学審議会生活環境水道部会水道事業の維持・向上に関する専門委員会の報告書では、民間業者が水道事業の運営に関わることを前提にした料金原価の算定方法については総括原価主義とするとともに、総括原価に法人税や配当などを含めることができることを明確にすべきであるとしています。住民が払う料金の中に企業の利益が含まれるということです。このように企業の利益が優先されるのがPFIの本質です。みやぎ型管理運営方式といっても、その本質は変えることはできないのではないでしょうか。宮城県の基本的な考え方の中でも民の力を最大限に活用するために発注方式、契約の形態、リスク分担等において可能な限り担い手となる事業者に配慮と明記されています。先ほど紹介した知事や内閣府大臣補佐官の発言と通じるものがあります。民の力を利用するつもりが逆に利用され、民の利益のために県民が犠牲になるという事態が生まれることを危惧するものですが、この危惧は全く杞憂と考えるのか、それとも現実的に危険があると考えるのか見解を伺います。

 県の資料によると、コンセッション方式の導入によって三十年間で最大三百六十億円のコスト削減ができると説明しています。年間一割から二割の経費削減ができることを前提にした話ですが、これは机上の空論にすぎません。お伺いしますが、一割から二割削減の具体的な根拠はどこにあるのでしょうか。

 二月補正予算に民間資金等活用事業調査費補助金を活用し、コンセッション方式の導入についてコスト削減効果の算出などを行う導入可能性検討調査、そして資産資料の精査や財務状況の分析を行うデューディリジェンス調査を行う経費が計上されています。その調査はコンサル会社に委託するとのことです。公営企業の管理運営を民間企業に委ねるかどうかを検討するのに必要な調査を民間企業に委ねるということです。これでは文字どおり何もかも民間へ丸投げではないですか。公営事業の役割を果たすという観点からコンセッション方式の導入に当たって、県が主体的に検討し判断する機会はどこにあるのか具体的に明確にお答えください。

 県では市町村への展開として、この事業に市町村を巻き込もうとしていることは重大です。第一回検討会には関係する自治体の担当者も参加していましたが「見えないリスクがあるのではないか」という不安の声も出されています。検討に当たっては市町村の声をしっかり反映させること、市町村の自主性を尊重し強制しないことを強く求めます。見解をお聞かせください。

 次に、地域経済への悪影響という角度から伺います。

 水道事業は維持管理のための工事や物資の調達を地元の業者に発注することで県経済を下支えしているという役割もあります。しかし、中央の大資本が管理運営に関与するコンセッション事業が導入されれば、地元の業者への直接発注が大幅に減少するという心配が生まれます。県外企業への一括発注によるコスト削減がコンセッション事業にとっての効率性ですから中央の大手企業系列会社に仕事を独占されるという危惧も当然と思います。地域経済への影響についてのお考えをお聞かせください。

 次に、宮城県の地域経済の現状と地域再生に向けた取り組みについて伺います。

 地域経済の状態をトータルに把握し産業振興を図るためには地域を支える強みとなっている産業はどこか、弱みとなっている産業はどこかを明らかにすることが大切です。そのために産業連関表を分析することは有効と考えます。宮城県の平成二十三年度の産業連関表を見ると県際収支について一次産業がマイナス五百九十二億円、二次産業がマイナス一兆七百九十二億円、三次産業がマイナス七千二百十二億円です。県際収支は県と県の間の財やサービスなどの取引における収入、支出の関係を示すもので国際間の収支を示す国際収支、企業の収支を示す経営収支、家計の収支を示す家計収支に対応するもので、いわば宮城県の家計収支と言うべきものです。県際収支の黒字部分は維持、拡大に努め、赤字部分は赤字を縮小し少しでも収支のバランスをとることが産業政策の基本と言われています。平成二十三年といえば大震災の年であり、県際収支にも大きな影響があったと思いますが、平成十七年の県際収支でも一次産業がマイナス四百八十六億円、二次産業マイナス二千九百九十八億円、三次産業マイナス一千四百八十九億円で合計四千九百七十二億円のマイナスです。大震災の影響がとりわけ二次産業、三次産業で大きかったことをあらわしていますが、二次、三次、一次の順でマイナスが大きいという傾向は同じです。細かく分析すれば、さまざまな問題を指摘できると思いますが、私はきょうここで指摘したいのは本来、本県にとっての強みであるべき一次産業が強みとしての効果を発揮できていないという点です。この指摘について同意していただけるかどうか伺います。

 本県経済を見ると農林水産業の特化計数は一・五二と高く、米を中心とした国内の食料供給基地としての性格を有しているものの更なる自給率の引き上げ、地産地消の取り組みの強化が必要と思います。いかがでしょうか。

 地産地消の効果としては産業クラスターの形成が指摘されています。農産物や水産物を利用して二次、三次産業への展開を図ることです。生まれた製品を県外に移出することで県際収支の改善と産業振興につなげるという方向です。この方向性についてのお考えをお聞かせください。

 その方向を進めるためには地域にある産業や企業など今ある地域の力を支援し伸ばすことが大事だと考えます。農業においては地域の農業を支えている小規模、家族経営の農家も担い手と位置づけた対策が求められていると考えます。この点についての御意見を伺います。

 実は、こうした方向性で地域経済の好循環の成果を上げ始めているのが高知県です。スローガンは「地産外商」です。高知県の地産外商戦略のポイントは三つあります。一つは言うまでもなく地産を強化することです。農林水産業それぞれに対して地産を強化する対策があります。農業分野では農産物の高付加価値化と収量アップの取り組みを重視しています。更に、ものづくりに関する相談の中から食品加工などの付加価値を生み出す機械の製造などをサポートしています。例えば農家からショウガの洗浄機を開発してほしいという相談により県内の業者が洗浄機を開発し生産者の悩みを解決しています。また、県内で緑茶をパウダーにしてくれるところはないかとの相談には、その技術を持っている業者を紹介することで緑茶大福、緑茶カステラという人気商品の開発につながっています。このようにして開発された機械は県外からも注文があり、県経済の発展に大きく寄与しているということです。二つ目は外商の推進です。八人の外商コーディネーターを東京、大阪、名古屋の事務所に配置し県産品の売り込みを行っています。三つ目は人材の確保です。農業分野では県立の農業担い手育成センターで研修やアグリ合宿などを行い全国から新規就農者を受け入れ後継者対策を進めています。新規就農者数は平成十八年度の百十五人から平成二十七年度には二百六十九人にふえています。高知県の取り組みの概略を大まかにお話ししましたが、県が産業振興計画に沿ってイニシアチブをとって進めていることに大きな特徴があると思います。紹介した取り組みは県産業振興センターを中心に行っていますが、この組織は県中小企業公社などを土台にしてつくられた組織で中心を担っている幹部の多くが県の職員です。ここには県が主体となりつつ、文字どおり官民一体で地域再建を図る取り組みがあると思います。こうした高知県の取り組みから見習うべきところ、参考になるところはないのかどうか伺います。

 また、地域経済の再生を目指すという点で県のイニシアチブを強く感じるのですが、この点では宮城も遜色ないと言えるでしょうかお伺いします。

 更に高知県の取り組みで教訓的と思うのは県内七地域それぞれの具体的な振興対策を地域アクションプランとして実行していること、加えてPDCAサイクルに基づいて県推進本部、地域本部、地域アクションプラン実行委員会が定期的に点検し、県民参加のもとでフォローアップしていることです。この点も見習うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 以上で壇上からの質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 内藤隆司議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。

 まず、大綱一点目、放射性廃棄物の処理についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、市町村長会議の総意と住民の合意等についてのお尋ねにお答えをいたします。

 八千ベクレル以下の農林業系廃棄物は一般廃棄物に区分され、その処理方法を決定する権限は市町村にあります。しかしながら県内には大量の汚染廃棄物を長期にわたって保管せざるを得なくなっている市町村があり、個々の力だけでは処理することが困難な状況にあったことから、昨年十一月の市町村長会議において県から混焼による広域処理を御提案したところであります。市町村長会議は一般廃棄物の処理責任を有する市町村と広域調整を担う県の代表者が一堂に会する場であり、ここでの意見交換を通じて解決策を見出してまいりたいと考えております。

 なお、この問題につきましては、どのような処理方法を選択したとしても不安を抱く方はいらっしゃるかと思いますので、最後には各首長の決断が必要になるものと思いますが、そこに至る経過も含め住民に説明を尽くす努力をするべきものと考えております。

 次に、市町村長会議の公開ついての御質問にお答えをいたします。

 放射性物質に汚染された廃棄物の処理は県民の関心が高い問題であると認識しており、これまで県が開催した市町村長会議ではできる限り議論を県民に公開するという考えのもと、特段の理由がある場合を除いて会議を公開してまいりました。

 なお、公開の手法につきましては他の議題の市町村長会議とのバランスや会場の確保などの制約もありますので、今後も報道機関への公開や議事録の公表により行ってまいりたいと考えておりますので御理解を願います。県議会議員の皆さんオーケーということになりますと、今度、市町村議会議員の皆さんが来たいと言ったときに、お断りできないといったような問題も出てまいりますので、大変申しわけないんですけどもマスコミの皆様のみとさせていただきたいというふうに思います。

 次に、大綱三点目、上工下水一体官民連携の運営についての御質問にお答えいたします。

 初めに、なぜPFI事業を導入しようとするのかとのお尋ねにお答えをいたします。

 我が県の水道事業は運用開始から三十六年が経過し、過去最大二千億円あった企業債残高の初期投資分の返済は平成三十一年度で終了いたしますが、平成二十七年度決算で五百億円の債務残高がございます。我が県の供給料金が最も高い水準にあるのはこのためであります。このような中、今後三十年間の更新需要の予測は約一千九百億円に上り、人口減少による給水収益の減少を考えると極めて厳しい経営環境にあります。このため民間の経営ノウハウや資金、技術力など民の力を最大限活用し、更なる経費の削減と更新投資の適正な抑制を目指しておりますが、官民連携の手法には民間に任せる業務内容や連携の度合いにより業務委託からPFI、完全民営化まで幾つかの形態があり、他の自治体も試行錯誤しながら取り組んでいる状況にあります。このようなことから、我が県では国内外の先進事例に学び、民間調達によるコスト削減や民間投資による企業債発行の抑制が期待できるコンセッション方式の導入を検討するものであり、我が県の水道事業が抱える課題解決に最も適した手法であると考えております。

 次に、民間事業者に配慮するとした国や県の考え方では民の利益のために県民が犠牲になるとの危惧を抱くが見解はどうかとの御質問にお答えをいたします。

 みやぎ型管理運営方式は県がこれまでどおり公営事業としての責務を果たすとともに公営企業として更なる経済性を発揮するため、契約期間の長期化や事業の包括化、協働運営など民間事業者の参入しやすい環境を整備し、民間の経営ノウハウや資金、技術力を最大限活用してコスト削減と更新投資の適正な抑制を図り、経営の安定化を実現するものであります。民間事業者はそのコスト削減の中から適正な利益を確保するものであり、県民やユーザー企業が危惧する料金上昇への懸念を払拭するため、県が料金設定を引き続き行うこととしております。その上で運営権契約に基づき、官民それぞれが得意分野で力を発揮できるよう、適切な役割分担による利益の分配、リスクの分担をすることとしており、県がこれまでどおり水道用水供給事業者として主体的に運営することで民の利益のために県民等が犠牲になるという危惧を抱かれないよう、しっかりと公共性を担保してまいります。

 次に、公営事業の役割を果たす観点からコンセッション方式の導入を県が主体的に判断する機会はどこにあるのかとの御質問にお答えをいたします。

 みやぎ型管理運営方式導入に当たって必要となる基礎的な調査として、事業の収支シミュレーションによるコスト削減効果の算出などを行う導入可能性調査と資産資料の精査、資産に関するリスクの抽出、整理などを行うデューディリジェンス調査を実施することとしております。デューディリジェンス調査です。両調査とも県としての立場から既に企業局で一部内部検討を行っておりますが、民間に委託することで会計に関する専門的な知識を入れて精度を高めるほか、デューディリジェンス調査についてはコンセッション方式導入に必要な情報の客観性を担保することとしております。その上でコンセッション方式導入の判断については内部検討結果と委託調査結果を照らし合わせ、更に水道法等関連法案の改正状況等を見ながら、その可否について平成三十年二月開催予定の検討会を経て企業局内で判断するとともに平成二十九年度末の政策・財政会議で意思決定することになると思います。デューディリジェンス調査というのは民間の視点で資産等のチェック等をするということの意味だそうであります。

 次に、市町村への展開についての検討に当たっては市町村の自主性を尊重し、強制しないことを求めるがどうかとの御質問にお答えいたします。

 市町村の水道事業の多くは人口減少社会の進展等に伴う給水収益の減少や施設の老朽化による更新需要の増大など、県と共通の課題を有しているものと認識しております。また、国は県や市町村に対し広域化や官民連携による経営基盤の強化を要請しております。このことから、今回の検討は県として最適な管理運営方式の構築を目指すものでありますが、県と市町村が連携することにより市町村単独では困難なスケールメリットの発揮による経営効率化が可能になるものと考え、市町村への展開も見据えて関係市町村へ情報提供を行ったところであります。しかしながら県事業に民間事業者を参入させることに対して料金の上昇や撤退、危機管理への対応など、市町村が不安や懸念を抱くこともあることから丁寧な説明により払拭していくこととしております。県としては市町村の自主性を尊重し、市町村が自主的に判断をした上で検討会への参加希望があった場合には水源から蛇口までの一元管理が可能となることから、市町村と連携して検討してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 公営企業管理者犬飼章君。

    〔公営企業管理者 犬飼 章君登壇〕



◎公営企業管理者(犬飼章君) 大綱三点目、上工下水一体官民連携運営についての御質問のうち、年一から二割のコスト削減により三十年間で最大三百六十億円の削減効果が生じる見込みとしているが具体的な根拠はどうかとのお尋ねにお答えいたします。

 水道事業は現状でも民間への業務委託等により効率化を図っておりますが、委託は短期、小規模、個別であり、その民間活力の効果を十分生かし切れていない状況にあります。このため、上工下水一体官民連携運営では事業ごとに十数件に分けて個別に委託している運転、維持管理や修繕工事、設備点検等の業務を上水道、工業用水道、下水道三事業をまとめて一括して長期間委託しようとするものであり、その合計金額は年間約六十億円にも上ります。このことにより民間事業者のトータルマネジメントが発揮され、創意工夫や民間調達により、遠方監視システムを使った運転、維持管理の効率化や修繕工事の一括発注による費用節減、水処理薬品の大量購入による価格引き下げなど、少なくとも年一割程度のコスト削減は可能であると期待するものであります。このようなことから、年間一割、金額にして約六億円、三十年間で百八十億円の削減を成果目標として掲げたものであり、更に民間事業者が経営に参画することを考慮し、チャレンジ目標としてその二倍の三百六十億円を官民連携の成果目標として掲げたものであります。

 次に、中央大手企業への一括発注によるコスト削減の優先は地元企業の受注機会を奪い地域経済への悪影響も懸念されるがどうかとの御質問にお答えいたします。

 水道事業の管理運営のあり方について、まずは本体である水道事業の経営が安定するような事業スキームをしっかりと検討することが大事であると考えておりますが、懇話会の中でも水道事業の持続性とともに事業を支えていく地域企業の経営の持続性についても担保すべきという御意見を頂戴したところであります。みやぎ型管理運営方式の案では日常の運転、維持管理業務と設備更新投資は民間に委ねることとしておりますが、更新投資の約七割を占める管路の更新や修繕等につきましては引き続き県で行うこととしており、土木工事等につきましては、これまでどおり県が発注していくこととしております。また、水道設備としての専門性が求められるなど、受注可能な企業が限定される電気、機械設備などは、これまでも地元企業が受注する機会はありませんでしたが、運営権を取得した民間事業者が発注する案件の中にも空調設備や消防設備等の点検業務、一般的な電気設備の修繕工事など、健全な競争のもとで受注可能なものがあると考えておりますので、県といたしましては、できる限り地元企業の受注機会や地域経済への影響に配慮して検討してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 総務部長大塚大輔君。

    〔総務部長 大塚大輔君登壇〕



◎総務部長(大塚大輔君) 大綱二点目、生活困窮者支援についての御質問のうち、地方税滞納整理機構の河北新報社説の指摘と危惧に対する考えについてのお尋ねにお答えいたします。

 宮城県地方税滞納整理機構では基本的なスタンスとして、生活再建を含む丁寧な納税相談に努めることを掲げ、綿密な財産調査を通じ生活の実態を十分に把握した上で滞納整理に当たっております。滞納の背景に生活困窮がある場合については当然ながら徴収よりも生活再建を優先した対応となりますので、県内の自立相談支援センターなどに相談するよう滞納者に紹介しております。河北新報の社説で論じられている生活困窮者を破綻に追い込んでいるようなことはあってはならないと考えており、機構としては先ほどの基本的スタンスに基づき、今後とも親身な対応に努めてまいります。

 次に、生活を壊してまで回収しないというスタンスは生活困窮者を破綻に追い込まないために極めて重要との御質問にお答えいたします。

 税の徴収に当たって、滞納者の生活を破綻に追い込まないことは当然のことと認識しており、地方税法の規定に基づき、災害や病気にかかった場合などは納税の猶予を、また生活を著しく窮迫するおそれがあるときは滞納処分の執行停止を適用しているところであります。

 次に、野洲市に倣い納税者が自立して生活できるよう援助する立場に立った対応に改めるべきとの御質問にお答えいたします。

 機構では納税者との納税折衝の過程において、生活困窮状態にあることが確認された場合は生活支援の相談窓口を紹介しているところです。今後とも丁寧な納税相談を心がけると同時に滞納が累積する前に生活の状況と納税について市町村へ早目に相談するよう働きかけてまいります。

 次に、滞納者の対応で重要な信頼関係の構築についても野洲市を見習うべきとの御質問にお答えいたします。

 機構では先ほど申し上げた滞納整理の基本的なスタンスに基づき、滞納者との信頼関係を構築することを旨として親身な対応に努めておりますが、一方で十分な担税力があるにもかかわらず滞納を続けているような事案については税負担の公平性の観点から毅然として法に基づく滞納処分を行っております。

 次に、滞納者の対応に当たって自立相談支援事業との連携が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。

 機構では先ほど申し上げたとおり、生活自体が困窮し納税が困難な滞納者については自立相談支援センターなどの相談窓口を紹介しております。県といたしましては、自立相談支援センターの役割は重要と考えておりますので、今後とも連携を強化してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 環境生活部長佐野好昭君。

    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕



◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱一点目、放射性廃棄物の処理についての御質問のうち、試験焼却は地域住民を犠牲にするものではないかとのお尋ねにお答えいたします。

 八千ベクレル以下の廃棄物は通常の処理方法によって安全に処理できるとされているものですが、焼却能力等は施設ごとに異なるため、試験焼却を行った上で本格的な処理の道筋を決めていくべきと考え、県の処理方針案を提案したものでございます。焼却処理の安全性については既に県内外で安全に処理された実績がございますので、県といたしましては、住民の安全を確保しながら処理を行うことは十分に可能であると考えております。

 次に、最終処分場の放流水から放射性物質が検出されていることは問題ではないかとの御質問にお答えいたします。

 管理型最終処分場からの放流水中の放射性セシウム濃度には基準値が定められており、一リットル当たりの放射性セシウム濃度の三カ月間の平均値が基準値を超えないよう管理することとされております。県内では通常の廃棄物の焼却灰にも放射性セシウムが含まれておりますので、最終処分場の放流水から放射性セシウムが検出されることがありますが、基準値を十分に下回っており、問題はないものと考えております。

 なお、混焼による処理を行う場合の焼却灰の埋立に当たっては土壌による吸着層を設けるなどの措置を講じることにより、基準値を遵守していくことが重要になるものと考えております。

 次に、国のデータをうのみにする一方、国の測定結果を説明できない県の姿勢は無責任ではないかとの御質問にお答えいたします。

 国で示しているデータや基準については国では有識者で構成される災害廃棄物安全評価検討会などにおいて放射性物質による汚染状況や科学的知見を踏まえ、廃棄物処理の安全評価を行ってきております。また、先ほども御説明したとおり、実際に汚染廃棄物を焼却処理した県内外の事例でも安全に処理が行われた実績が多数存在することから、県といたしましては、県内の焼却施設においても安全な処理は十分に可能であると考えております。

 なお、御指摘のありました管理型処分場のデータについては国が作成した資料であり、具体的な処分場の名称が伏せられたデータであることから、詳細については説明できないとしたものであります。

 次に、処理ではなく保管のあり方が問われるという発想の転換が必要との御質問にお答えいたします。

 放射性セシウムによる影響は長期に及びますので、汚染された廃棄物は、その放射能濃度に応じ適切に処理を行う必要があります。八千ベクレルを超える指定廃棄物については国が県内に最終処分場を設置して長期間にわたって管理する方針を示しておりますが、八千ベクレル以下の廃棄物については通常の処理方法によって安全に処理できるものですので、保管を継続するのではなく早期に適正な処分を行うべきと考えております。県の処理方針案では八千ベクレル以下の廃棄物について焼却により減容化、安定化を図った上で管理型最終処分場で処分することを基本としておりますが、焼却施設からの排ガスや最終処分場からの放流水をしっかりと監視することにより安全性を確保することができるものと考えております。

 なお、堆肥化やすき込みは国の暫定許容値である四百ベクレル以下という基準を満たせば、長期施用をし続けても農地土壌の安全性は確保されるものと考えております。

 次に、県有地の提供を含め国や東京電力による保管場所の確保を追求すべきとの御質問にお答えいたします。

 先ほどもお答えしたとおり、県といたしましては、八千ベクレル以下の廃棄物については保管を継続するのではなく、早期に適正な処分を行うべきと考えております。また、仮に保管を継続せざるを得ない場合には一時保管している農家や保管場所周辺の住民の負担を最小化し、適切な管理を行っていくために保管場所の集約が望ましいと思いますが、新たな集約保管場所の確保については県有地であるかどうかやその主体にかかわらず相当の困難が伴うものと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱四点目、宮城県の地域経済の現状と地域再生に向けた取り組みについての御質問のうち、我が県の第一次産業が強みとしての効果を発揮できていないとのお尋ねにお答えいたします。

 宮城県産業連関表から見た県際収支は第一次産業全体では平成十七年が四百八十六億円、平成二十三年が五百九十二億円の移入超過となっています。これは我が県には大消費地仙台都市圏があるため、県内需要額が県内生産額を上回ることが原因であると考えられ、同様に大消費地を抱え第一次産業が盛んな静岡県は二千七百二十億円、福岡県では二千八十七億円と、いずれも移入超過であります。また、我が県における第一次産業の部門別県際収支は米部門では震災の影響により平成二十三年は八十七億円の移入超過ですが、震災前の平成十七年では四百二十億円の移出超過でした。畜産部門においても平成十七年が五十六億円、平成二十三年が百八億円といずれも移出超過となっています。これらのことから、県際収支の移入超過をもって我が県の第一次産業が強みとしての効果を発揮できていないとは一概には言えないと考えております。

 次に、自給率の引き上げと地産地消の取り組み強化についての御質問にお答えいたします。

 産業連関表から見た農林水産業の自給率を引き上げるためには供給量の増大に向けた生産拡大と地産地消など消費拡大の両面からの取り組みが重要であると認識しております。そのため、生産拡大の取り組みとして農業においては水田フル活用による麦、大豆、野菜等の作付拡大や漁業においては県内漁港への水揚増加などを推進しております。また、消費拡大の取り組みとして「食材王国みやぎ地産地消の日」や「みやぎ水産の日」を初めとした県内の消費を喚起する取り組みなど関係機関、団体等との幅広い協働による県民運動を推進し、県内農林水産物への理解向上による地産地消の取り組みを展開しているところです。県といたしましては、引き続き生産拡大と消費拡大の両面からの取り組みを推進し農林水産業の振興を図ることで、自給率向上と地域経済の発展に努めてまいります。

 次に、農水産物の二次、三次産業展開による産業振興等の方向性と地域の産業支援、小規模農家対策についての御質問にお答えいたします。

 良質な県産農水産物を加工し、その付加価値を高め県外に販路を拡大して産業振興につなげていくことは県内の生産者や食品製造事業者の所得向上を図る上でも大変重要な取り組みであると考えております。このため県では農商工連携や食品製造事業者間の連携を深めながら食産業ステージアッププロジェクト事業などを実施し、市場ニーズに合った付加価値の高い商品づくりを支援しております。また、首都圏等のバイヤーを招聘した展示商談会を開催し、新しい商談機会を数多く創出するなど積極的に県外への販路拡大に努めております。更に、経営規模の大小にかかわらず農産物の高付加価値化やグリーンツーリズムなど特色ある取り組みを行う農業者は地域農業の維持、発展や地域の活性化を図る上で重要な担い手であり、特産品の開発や農産物直売所の開設などを支援する事業の活用により、それぞれの取り組みを支援しております。今後とも、こうした商品開発や販路拡大などの取り組みを積極的に展開し、一次産業を牽引する食産業の振興とともに意欲あるさまざまな農水産業者の支援に努めてまいります。

 次に、高知県の取り組み事例から見習うべき点についての御質問にお答えいたします。

 我が県では農業、林業、水産業など各分野ごとに振興計画を策定しており、それぞれ関係する機関、団体等が密接に連携を図りながら計画の推進に当たっております。その中で、例えば首都圏における農産物と水産物の共同販売PRなど必要に応じて連携し、より効果的な施策の展開を図っているところです。

 一方、高知県においては農林水産業から商工業、観光まで一体的にまとめた産業振興計画を策定し、産業振興にかかわる機関、団体等の関係者が各分野ごとの課題や推進方向、連携が可能な取り組み等について共通の認識を持って取り組める計画となっているところは我が県の第一次産業の振興においても参考にすべき点であると考えております。

 次に、地域経済の再生を目指す県のイニシアチブについての御質問にお答えいたします。

 我が県における地域経済の再生は、まずは東日本大震災からの復旧・復興をなし遂げることが最優先であると考えております。このため県では宮城県震災復興計画を策定し震災後十年間の復興の道筋を示すとともに復旧にとどまらない創造的復興を掲げ、震災で低迷した地域経済の再生に向け、取り組んでまいりました。こうした取り組みにより農林水産分野では大規模農業法人の増加、養殖漁業の協業化や六次産業化、ICTなど最先端技術の導入による生産の高度化、「金のいぶき」を初めとする県産ブランドの創出など農林水産業がこれまで抱えてきた課題の解決につながる新しい動きが始まっております。こうした動きは農林水産業者、関係機関、団体の懸命な努力はもちろん、県がイニシアチブをとって行ってきた成果でもあると認識しております。

 次に、高知県の産業振興計画における振興対策のフォローアップ体制等についての御質問にお答えいたします。

 高知県では県内七地域ごとにアクションプランを示しており、県の地方機関に設置された産業振興推進地域本部が事務局を担う地域アクションプランフォローアップ会議が進捗管理を行っています。我が県では将来ビジョンを基本とした各産業分野の計画について、政策・施策評価を実施し計画の実行及び点検を行っております。計画の策定スタイルが異なることから一概には対比できませんが、農林水産分野においては、より一層分野横断的な取り組みや連携の強化が図られるよう高知県の取り組みを参考にしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 再質問させていただきます。

 いろいろ取り上げたいテーマはいっぱいあるんですけれども、水道事業の官民連携の問題から再質問をいたします。

 太陽系外の惑星に生命が存在するかもしれないということが今大きな話題になっています。生命が存在するかどうかの決め手は水です。水は全ての生命の命の源です。人間にとっては生存権そのものだと思います。県民の生存権を保障するという責務が水道事業にはあると思います。私はこれほど公共性が高い事業は公共が担うべきだというふうに考えるものですけれども、県民に対する生存権を保障するという、そういう観点から私は官民連携によって責務が果たせるかどうかが問われているというふうに思いますが、そういう認識はございますか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 当然ございます。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 企業局にお伺いします。

 県が所有権を持つと、それから料金の設定は県が行うと、この二つは譲れないと、どうしても譲れないと、よろしいですね、確認したいと思います。



○議長(中島源陽君) 公営企業管理者犬飼章君。



◎公営企業管理者(犬飼章君) そのとおりでございます。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 県民の生存権を守るというために何でもかんでも企業任せではなくて、今お話があったようにこれだけはどうしても譲れないんだという部分がどうしても必要だと思いますし、それをつくっていかなきゃならないと、それを検討していただくのは私はこれからの検討にかかってくるんだというふうに思うんです。県民の利益を守るためにどうしても必要な歯どめを、どこでどういうふうにつくっていくのかと、この歯どめの状況によっては県民の権利が守られないという事態も私は生まれる危険があるというふうに思います。どこでどういう判断するかわかりませんが、そういうふうな危険が生まれた場合、コンセッション方式の導入は県民の利益にならないということがはっきりすれば断念をするという立場を明確にしてほしいと思います。いかがでしょうか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 先ほど答弁いたしましたように、一年かけて公開の場でいろいろ議論いたしまして、その中で県民のためにならないということであれば、当然撤退するということもありうるというふうに思います。ただ、質問に答えてないかもしれませんが少し付言させていただきますと、先ほど答弁いたしましたが今まで上水と工業用水だけで二千億円ぐらいの借金がありました。それをずっと減らしてきまして平成二十七年度末で五百億円まで減らしました。これが三十一年度になるとゼロになるんです。やれやれと思ったら今度は管路の更新時期等施設の更新時期が来まして、またずっとどんどんふえてきまして、そのあと三十一年から三十年間で二千百億円ほどかかります。工業用水も入れてです。上水が千九百億円、工業用水が二百億円かかると言ってます。こうなりますと当然ですけれども、それは利用者がお金を払うということになります。特に命にかかわる生存権の部分、上水でございますけれども、この一千九百億円を県民が払っていかなきゃならない。恥ずかしい話なんですけれども、誇れる話ではないんですが宮城県は非常に水道料金が高い県です。これはなぜかというと今まで使ってきた投資分を回収するのに、どうしてもお金がかかってしまったということです。それを水道料金に反映せざるを得なかったということです。今後、いつも言う話ですが人口が急激に減ってきます。間違いなく三十年間で二割以上宮城県の人口が減ると思います。この二割分を残り八割の人たちで負担をしなければならないということなりますと更に水道料金が上がってくる。まさに生存権にかかわってくる問題になってくるということです。生活の大変な人も水道料を払っていただかなければならない。そこで、その上昇分を何とか上昇しないように抑えたいということから、この発想が生まれてきたということです。民間の人たちにもいかにしたら参入してもらえるかということで今までお知恵を借りてまいりました。その結果、上、工、下水三つを一つにするスケールメリットを生み出せば、年間六十億円ほど維持管理費を今まで払っておりましたので、その部分の一部で何とか回せるんじゃないかというような結論が出てきたということでございます。しかし、ということで全て民間に任せようとしている自治体もほかの県にはございますけれども、宮城県の場合は今内藤議員がおっしゃったような心配も私もありますので、少なくとも地面の下の部分、管路の部分は引き続き行政が担いましょうと、そして料金についての権限は引き続き我々がもたしていただいて、一方的に料金が上がるようなことだけは絶対させまいということで今交渉を始めようということでございますので、心配されているようなことは恐らく起こらない形になるだろうというふうに私は思ってます。また、参画してくださっている企業は、その辺の信用のおけない企業ではなくて非常にすばらしい企業でございますので、そういった意味では信用がおけるんじゃないかというふうに思ってまして、今までは上水は上水、工業用水は工業用水、下水は下水で民間委託をしておりましたけれども、これがばらばらにしていたために、どうしても高どまりになっていたものを一つにまとめることで、かなり料金を抑えることができますし、いろんなグローバルでいろんな資材を調達できる企業でございますので、そうすることによって調達経費なんかもずっと抑えられると、そういったスケールメリット−−することによって結果的には県民に利益を与えることができると我々は判断したということでございます。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 県民の不利益になるようなことは恐らく起こらないというあれでしたけども私は恐らく起こるであろうというふうに思っております。ですから、今の時点では県民の利益を優先して、そして対応するということを確認できれば、まずはそういう立場で検討していただくということを確認したいと思います。

 次に、コストの削減についての話をさせていただきたいと思います。

 一割は期待、二割はチャレンジという話でした。要するに私が言いましたように、まだ確とした根拠を持った数字ではないということを私はここでは確認したいと思うんですが、いかがですか。



○議長(中島源陽君) 公営企業管理者犬飼章君。



◎公営企業管理者(犬飼章君) まだ検討途上でありますので確とした数字の積み上げではございませんが、例えば空港の民営化の場合、六百万人、五万トンという成果目標を掲げつつやったのと同じように、これにつきましては人がこれからふえていくということはなかなか見込めませんので、経費の削減と更新投資の抑制という中での成果目標とした場合には、我々は先ほど申し上げましたような細々な、いろいろなことをしながら、まずは一割、これについては確実にやれるということで期待しておりますし、その際先ほど申し上げましたような、いろいろ経験のある民間企業が経営に参画するということを期待して倍のチャレンジ目標として掲げているものでございます。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 県の資料を見ましても、例えば年間二億円の薬品費があると、これを一括購入して安くすると。しかし幾ら安くできるかは書いてありません。修繕工事等に競争性を確保すると。それによって安くできるだろうと。しかし幾ら安くなるかは書いてありません。そういう具体的な数字を積み上げて結局はここまで削減できますということをちゃんと示す必要があると思います。それはこれから検討されるんだと思いますけれども、そのことは根拠を持った具体的な数字、これについては公表していただけますね。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 今回、皆様にお諮りしておりますのは、そういった調査をするための補正予算として提案をさせていただいております。この予算の内訳ですけれども、一つはみやぎ型管理運営方式導入に当たって必要となる基礎的な調査として、事業の収支シミュレーションによるコスト削減効果の算出などを行う導入可能性調査、まさに今内藤議員が聞かれている内容を今からそれを調べるために予算をつけてくださいというお願いをしているということ、それからもう一つは資算資料の精査、資産に関するリスクの抽出整理などを行うデューディリジェンス調査ということでございますので、この予算をつけていただくことによって、こういったようなものが一億一千万円ほどかけてしっかりと調査ができるということでございますので、これ国からいただくお金でございますので、県の一般財源を使うことではないということでございますので、ぜひお認めいただきたいというふうに思います。当然、出ました調査結果については公表することになります。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 三百六十億円のコスト削減というのは今の時点では単なる期待値であり目標値であるということ、それから具体的な根拠を持ったコスト削減計画については明らかになった時点で根拠も示して公表していただくと、この二つは確認をしたいと思います。

 この問題の最後なんですが、県民にとって本当に利益になるかどうか、これを検討するに当たって私は県としての意思形成過程を明確にしていただく必要があると思っています。国は内閣府、国土交通省、厚生労働省、経済産業省など関係省庁が対応しています。先ほどの話ですと県では企業局の内部で検討すると、それでいいのかという問題があると思います。私は先ほど地域経済への影響の問題についても指摘しましたが、そういう問題も含めて検討するということになると県庁内での横断的な検討委員会が必要なのではないのか、そしてその中での議論の経過も含めて公開できるように県民にわかるように示すことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 何をやるにしても主管課、担当というものがいるわけでございまして、これは当然企業局でございますが、県庁全般にわたる問題に関しましては、その都度集まって議論をさせていただきますので、その点は風通しよく、しっかりと庁内でも調整をさせていただきたいというふうに思っております。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) そういう検討のための委員会なりを設けるということでよろしいんですか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 県庁内でつくるのではなくて、今そういう民間の人たちも国の役人の人たちも入った検討会をつくっておりますので、その中で議論しますのでその都度本庁の必要な職員も中に入って議論に加わっていくということになるということであります。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 先ほども言いました、私第一回検討会に参加をさせていただきました。正式な参加者というのは国土交通省から企業の代表、それから市町村の代表もおりましたけれども、県の職員の方は周りでずらっと傍聴者としていただけで、そういう意味では発言の機会も与えられないし、検討に参加しているというふうには言えないというふうに思います。だからこれとは別に庁舎内に検討会をつくる必要がどうしてもあると思いますが、再度お答えください。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 検討会というものをつくらなくても企業局が中心となって担当者が集まって当然頻繁に会議をしておりますので、わざわざそういう会議をつくらなくても十分目的は果たせるということでございます。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) さっきも言ったんですけれども、この影響はさまざまな分野で出てくるんです。地域経済に対する影響も出てくるでしょう。だから企業局の内部だけで対応できる問題ではないんじゃないですか、その影響は極めて大きいんです。だから国だって国土交通省、厚生労働省、経済産業省が総がかりでやってるじゃないですか、それに対応した、ちゃんとした検討組織を私はつくる必要があると思います。県の場合は、その辺の庁舎の中で、県庁の中でちゃんとした議論がどこで行われたのかという、意思形成がどこでどういうふうにして行われたのかという部分が私はいろんな問題で極めて不透明になっているというふうに思います。ですからそういう中から知事の独断専行だとかという話が出てくるんじゃないですか。ちゃんとした意思形成過程を明らかにするということがこの問題はとりわけ必要だというふうに思います。もう一度お願いします。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 県庁の意思決定のあり方というのは一つ一つ組織をつくらないと何も通らないと、動かないというものではなくて非常に柔軟にさしていただいておりまして、私は今のやり方で十分目的は達成できるというふうに思っております。また、その都度幹部会等で担当から説明を受けておりますので、内藤議員が心配されるようなことはございませんので、もし仮に庁内でそういう組織をつくった方がいいだろうということになれば、それはまた誰が何と言おうとためらうことなく組織をつくりますけれども、この段階でそういう組織を私はつくるということに必要性を感じておりませんので大変前向きな答えにならないかもしれませんけれども、現段階においては今のやり方をそのまましばらく続けたいというふうに思ってます。ただ将来必要であれば、それはつくらせていただきます。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) この問題だけで終わってしまいそうなんですけれども、それでもここで引くわけにはいかないと思っております。それで先ほど言いましたように、この問題の影響は極めて大きいのです。だから担当課だけで済みますという話では私はないと思います。そもそも何でこういうふうな検討が行われるようになったのかということ自体、誰からも説明されてないというふうに私は思います。県庁の庁舎の中でも、なぜこういう検討が行われるようになったかという説明もないんじゃないでしょうか、その点いかがですか。



○議長(中島源陽君) 公営企業管理者犬飼章君。



◎公営企業管理者(犬飼章君) この問題につきましては内部の検討、土木部なり関係するところで約一年半ほど検討しておりまして、それはまず企業局に下水が移管されるというようなことから始まりまして、それから先ほど申し上げましたような各種課題、これをどう解決するのかということで各担当一丸となって検討しておりました。今後も横の連携を密にしながらこれは検討を続けてまいりたいと思います。



○議長(中島源陽君) 三番内藤隆司君。



◆三番(内藤隆司君) 終わりますけれども、くれぐれも……。



○議長(中島源陽君) 簡明に願います。



◆三番(内藤隆司君) くれぐれも知事の独断専行と思われないようなきちっとした意思統一を県庁の中でやっていただきたいと思います。



○議長(中島源陽君) 暫時休憩いたします。

    午前十一時五十九分休憩

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    午後一時再開



○副議長(長谷川洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。三十番長谷川敦君。

    〔三十番 長谷川敦君登壇〕



◆三十番(長谷川敦君) 自由民主党・県民会議の長谷川敦です。初質問以来、十七回目、三期目では三回目の登壇の機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。よろしくお願いいたします。

 さて、東日本大震災の発生から早いもので、間もなく六年という時間が経過しようとしております。未曽有の大災害に対し、この間、知事を先頭に県執行部の皆様は昼夜を分かたず、本県の単なる復興ではなく創造的復興の実現に向け日夜御奮闘されております。その御努力に対しましては心から敬意を表します。県が毎月発行している復興の進捗状況の最新版によりますと、被災地域によりばらつきはあるものの、災害公営住宅の着手率が約九六%以上で、完成率が約八一%になったこと、沿岸部の産業基盤も少しずつでありますが着実に復旧しつつあり復興へと向かっております。本年は、県震災復興計画の再生期の最終年度に当たり、復興がなし遂げられる平成三十二年までの後半がスタートして二年目の年に当たります。多くのさまざまな課題が山積しておりますが、震災からの復興の加速を掲げ本県のリーダーとしてそれらに真摯に向き合っている知事を初めとする県執行部の皆様のなお一層の御奮闘を期待しながら、以下、通告に従いまして、大綱四点について質問してまいります。

 大綱一点目、地域医療をめぐる課題についてお伺いいたします。

 平成二十八年九月に取りまとめられた「県北地域基幹病院連携会議・検討結果報告書」によりますと、県北地域の医療環境については、近年、大崎市民病院の医療機能が高度化するなど、取り巻く環境に大きな変化が生じてきており、栗原市内に立地する宮城県立循環器・呼吸器病センターについても、これまで担ってきた県北地域の循環器系、呼吸器系疾患の中心的医療機関としての役割の見直しが必要となっている。このような状況を踏まえ、県が策定した平成二十七年度から平成三十年度までの地方独立行政法人宮城県立病院機構の中期目標においては、新たな医療体制の構築に向け、循環器・呼吸器病センターが果たす役割について、関係機関との間で協議を進め、見直しを図っていくこと。また、結核医療、感染症対策などの医療提供体制等についても検討することとされており、また、これを受けて県立病院機構が策定した中期計画においても、関係機関と協議を進めながら、今後の循環器・呼吸器病センターが果たす役割や機能分化、連携など、新たな医療提供体制構築に向けた検討、見直しを図っていくこととされたところである。

 このような経緯のもと、有識者や医療関係者で構成する、県北地域基幹病院連携会議が設置され、当会議では医療の専門的な見地から、また、県民のさまざまな御意見や、県地域医療構想案の策定状況等も踏まえた上で、今後の循環器・呼吸器病センターのあり方を中心に、県北地域の医療提供体制の方向性や役割分担、連携等について検討を重ね、その結果を「県北地域基幹病院連携会議・検討結果報告書」として取りまとめている。今後、この報告書の内容を踏まえ、県民の理解を得るとともに、関係機関と連携しながら、県が策定する地域医療構想案の内容等も踏まえ、県北地域の医療機能の分化、連携等が着実に進められ、県北地域の医療機能の維持、更なる充実につながるよう期待するものであるとされております。

 県立循環器・呼吸器病センターのあり方については、県北地域基幹病院連携会議における検討結果を踏まえ、医療機能の移管先とされている栗原市と移管条件の協議を進めていることは、既に周知のことでございますが、その協議内容は、結核病棟の施設整備や運営が主たる事項となっています。それらを受けて、その受け入れ体制について県は、栗原市との協議を進めていることと思いますが、以下の五点についてお伺いいたします。

 第一点、循環器・呼吸器病センターの循環器系、呼吸器系医療の機能について、栗原中央病院など県北地域の総合病院に移管、統合することにより、診療機能が補完され、高齢化による増加が予想される各種疾患への総合的な対応が可能となるなど、総合病院としての体制が充実され、県北地域の地域医療及び救急医療体制の維持、充実につながるものとなる。また、現状の循環器・呼吸器病センターの入院患者や外来患者の受診状況及び患者の居住地等を踏まえ、登米市民病院の医療機能の整備についても検討の必要があるとされておりますが、移管する医療機能、医療機器整備や人的支援、開業後の経営支援などについては、県としてどのように考えているのか、お伺いいたします。

 第二点、結核医療について連携会議では、他の診療科もそろった総合病院等に結核病床を整備することにより、課題である重篤な合併症を有する結核患者への対応が可能となり、結核医療の質の向上につながる。具体的な移管先については、総合病院としての規模、立地条件、大崎市民病院の負担軽減等の観点から栗原中央病院とし、政策医療として県が責任をもって対応すべきである。新たに整備される結核病棟の病床数は、一定数を常時確保する必要性と、現行の循環器・呼吸器病センターの感染制御病棟の利用率を考慮し、三十床程度が妥当であると結論づけています。施設整備に係る費用は県が負担し、運営形態については栗原中央病院の一部とし、栗原市が行うこととされています。運営に伴う財政負担等については、基本的に県が負担するものとされていますが、現在の協議の状況についてお伺いいたします。

 第三点、宮城県立循環器・呼吸器病センターは、設立当時から瀬峰地区における地域の拠点施設として、医療のみならず地域経済や雇用、生活等多岐にわたり大きな役割を果たしてきました。今回の機能移管の計画の公表後、地域住民は大きな不安と動揺を隠せず、県も数度にわたる地域説明会の際には、その内容を把握のことと思います。栗原市では、センターの機能移転後の活用策等について、瀬峰地区地域づくり検討会を設置して移転後の地域づくりについて検討し本年一月に提言を出しております。県では、この提言に対してどのような対応、支援を検討しているのか、お伺いいたします。

 第四点、県道古川佐沼線については、JR瀬峰駅周辺において狭隘で危険なため歩道の設置について長年要望されており、また、瀬峰中学校周辺は高清水中学校との再編も計画されていることから、通学路の安全確保の観点から早急な整備を求められています。また、JR東北本線にかかる瀬峰跨線橋についても、橋梁が狭隘で通行に危険な状態にあり拡幅が必要とされております。これらの住民の切実な要望について、県としてどのような対応策をお考えなのか、お伺いいたします。

 第五点、移管スケジュールについてですが、医療機能の移管に当たっては、利用者への医療が切れ目なく提供されるよう的確なスケジュールを構築し計画的に進めていく必要がある。今後、今年度中を目途に、県立病院機構の中期目標、中期計画を変更し、栗原中央病院に整備する結核病棟については、平成二十九年度から三十年度の二年間で整備を進めるとともに、並行して跡地利用の公募等を進めるなど、速やかにかつ計画的な推進に努めるべきであるとされておりますが、現段階での進捗状況について、お伺いいたします。

 大綱二点目、本県における地方創生についてお伺いいたします。

 現在の宮城県の人口は、仙台都市圏で増加が見られるものの、それ以外の圏域では減少しており、全体としては人口減少県となっております。また、仙台都市圏に総人口の六割以上が集中するなど、宮城県は都市部への一極集中という課題も抱えております。また本県では、震災からの復興にとどまらず、人口の減少、少子高齢化、自然との共生、安心・安全な地域づくりなど、現代社会を取り巻く諸課題を解決する先進的な地域づくりに取り組んでいくこととしています。このような状況を踏まえ、宮城県は地方創生の取り組みを推進していくことを通して、東日本大震災からの創造的復興をなし遂げ、ひいては、震災前から県政運営の理念としている「富県共創!活力とやすらぎの邦づくり」の実現を加速し、その効果を最大化するための推進力となるよう、国において、平成二十六年に「まち・ひと・しごと創生法」が成立し施行されたのを受けて、本県においても、宮城県地方創生総合戦略が平成二十七年十月に策定されました。国においては、東京一極集中が加速しており、本県においても仙台都市圏への県内他圏域からの人口の流入は人口動態を見ても明らかです。この地方から都市への大きな人の流れを変えていくというのは大変なことでもありますが、今やらなければ将来にわたって地方の人口減少は食いとめられないでしょう。長期的な視点が必要であるのと同時に喫緊の課題でもあり、スピード感を持って取り組まなければならないものであると考えます。このことを踏まえつつ、以下六点について質問をしてまいります。

 第一点、人口減少を食いとめるには、転出による社会減を減らし出生による自然増をふやしていくことが肝要であると考えます。本県の合計特殊出生率は、平成二十七年時点で一・三六であり、対前年比で〇・〇六ポイント改善したものの全国四十三位という現状です。私は、少子化の歯どめ対策をするには、やはり、未婚化、晩婚化、晩産化に対する行政としての政策が不可欠であると思います。今年度予算では結婚対策費として予算が計上され、私の質問に対する議会答弁では、今後とも若い世代の結婚の希望をかなえられるような環境整備に努めてまいりますということでした。結婚に対する支援策は必要不可欠であると考えますが、昨年度の事業の結果についての所見と来年度の取り組みについてお伺いいたします。

 第二点、人口の社会増をふやすために、他地域から本県への移住・定住の流れをつくることは重要であり、総合戦略の中の基本目標の一つにも掲げられています。栗原市では、県と連携し空き家バンクやリフォーム支援等、先進的な取り組みを行っています。県の移住推進モデル事業としてアドバイザーを派遣してもらい、花山地区ではお試し居住施設、交流施設の運営形態確立を支援してきました。県内の他地域でも取り組みが進められていると聞いております。このような積極的な取り組みを広く県内外にPRし、本県がいかに魅力にあふれた地域であるということを更に強力に発信し、他県からの移住者の増加につなげていくべきと考えますが、改めて所見をお伺いいたします。

 第三点、第二点に関連し、市町村がそれぞれ独自で進めている移住・定住促進のための政策を、県内それぞれの自治体の地域特性を把握している県が情報集約し、移住希望者のニーズにしっかりとマッチングさせることにより、他県からの移住者の増加につながると考えますが、市町村の政策に対する県としての支援の方向性について御所見をお伺いいたします。

 第四点、農林水産省の成長産業化も大きな課題です。総合戦略では、国、県、金融機関、試験研究機関、関係団体などの支援機関が連携しながら、農林漁業者と商工業者とのネットワークの構築による新商品開発や販路開拓、農林漁業者みずからが取り組む食品加工や販売等の六次産業化を通じた新たな事業創出を支援します。また、競争力のある農業経営を実現するため、多様な担い手の参入育成や共同化、法人化、六次産業化に向けた支援を行いますとされています。私はこれからの本県の農業振興においては、畜産を大きな一つの柱として考えるべきであると思います。開催が半年後に迫った第十一回全国和牛能力共進会宮城大会における優秀な成績を獲得するのはもちろんですが、大会は通過点にすぎず、その後の本県の畜産振興がどのように図られていくかが重要な点であると考えます。大会後を見据えた優良な仙台牛というブランドの産地を守るためにも、本県における繁殖牛の増頭等のための生産基盤整備を進めていく必要があると考えますが、施設整備の現在までの状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

 第五点、今後、肉用牛生産基盤の整備等を進めていく上で、国の補助事業である畜産クラスター事業を積極的に活用していくことが重要であると考えますが、県としてこの事業をどのように活用していく方針なのか改めてお伺いいたします。

 第六点、畜産クラスター事業に関連して、栗原市では、市当局とJAの間で繁殖牛生産基盤整備計画が協議されており、具体的には、繁殖牛受託施設が検討課題として挙がっております。また、農林水産省の本県担当者からは、国の採択の枠が本県分がまだ余裕があるので地元から手が挙がるのを待っているという話も伺いました。仙台牛の主産地でもある栗原の畜産振興を図る意味においても県としてこの事業を積極的に推進する方向性を打ち出す必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。

 大綱三点目、県北地域の交通網整備についてお伺いいたします。

 今回の大震災ほど道路の果たすべき役割として命ということを強く意識させられたことはありませんでした。道路は、救援活動や支援物資の緊急輸送を支えただけでなく、三陸縦貫自動車道や仙台東部道路は津波に対する堤防的な役割も果たし、市街地、そして地域住民を救うまさに命の道であったことは記憶に新しいところであります。今後、まだまだ地域からの要望が大きい、道路の整備に当たっては、強力かつ計画的に、そして迅速に推進することが必要であることを強く認識させられています。

 みやぎ県北高速幹線道路は、東北地方における物流の大動脈である東北縦貫自動車道から東日本大震災の復興道路として加速的な整備が予定されています三陸縦貫自動車道までを結び、県北各地域の東西連携を強化し、産業振興、文化交流、地域開発等を図ることを目的に計画された大切な東西交通軸であります。東日本大震災の復興支援道路に位置づけられ、登米市の中田工区、栗原市の築館工区ともに昨年度着工され早期の全線開通が待ち望まれているところです。全線が開通した場合には、県北部において大きく地域の振興につながることが期待されています。主な整備効果としては、登米市に在住し市外に通勤、通学している人は、栗原市、約二千五百六十人、石巻市、約千二百三十人が多く、また、登米市外から登米市へ通勤、通学している人は、栗原市から約一千六百五十人、石巻市から約八百人となっております。この道路の整備により、都市間の通勤、通学の利便性が向上するとともに、地域間交流や地域の雇用拡大、人口流出の抑止効果などへの波及効果が期待できます。本県における高速道路、港湾、鉄道及び空港などのインフラ整備の充実が企業進出に結びついております。特に、高速道路のインターチェンジへのアクセスの良好な地域への進出が目立っている状況であり、みやぎ県北高速幹線道路の供用により更なる企業立地が期待されます。

 登米市から三次救急医療機関である石巻赤十字病院までの収容所要時間は、みやぎ県北高速道路二期整備前で約六十分でしたが整備後は約四十三分となり、多量出血患者が受傷から六十分以内に処置を受ける目標目安時間を大きく下回り生存率が高まる。四期の整備により、栗原中央病院から登米市民病院間の移動時間は四分短縮となり、県北地域の救急医療体制の支援が可能となり、一分一秒を争う救急搬送にとって大きな効果が期待されるなどが挙げられております。

 みやぎ県北高速幹線道路の整備は復興に大きく寄与するとともに、災害時には内陸と沿岸を結ぶ命をつなぐ支援の道になるものであります。東日本大震災からの復興のためにも早期の整備を望むことから以下の点について知事の考えをお伺いいたします。

 第一点、復興支援道路に位置づけられているみやぎ県北高速幹線道路の必要性、重要性について改めて知事の所見をお伺いいたします。

 第二点、三陸縦貫自動車道の登米インターチェンジから登米市迫町北方までのそれぞれの工区の事業概要と現在の工事の進捗状況についてお伺いいたします。

 第三点、私は、東北自動車道との接続部は栗原市の交通体系のほぼ中心であるという地理的条件や地域の活性化、交流人口の拡大、内陸と沿岸を結ぶ結節線という観点から鑑み、スマートインターの設置、将来的には東北自動車道とみやぎ県北道路双方から相互乗り入れ可能なジャンクションとして整備すべきと考えておりますが、築館工区の現在の工事の進捗状況と今後の見通し、東北自動車道との接続部、国道四号築館バイパスとの接続部は具体的にどのような検討がされているのか、お伺いいたします。

 第四点、現在、栗原市築館加倉から登米市迫町北方の国道三百九十八号との接続部までの一期区間八・九キロ間にはパーキングエリアが設置されておりません。利用者の利便性向上や沿線の地域振興の観点からも検討すべきと考えますが、改めて所見をお伺いいたします。

 大綱四点目、産業集積の促進についてお伺いいたします。

 村井知事が二〇〇五年の初当選時から掲げる富県戦略は十年を経過し、この間、二〇〇八年のリーマンショック、二〇一一年の東日本大震災を経ても、トヨタ自動車東日本株式会社、東京エレクトロン宮城株式会社の誘致を初めとして、関連会社を含めて数多くの企業が新たに立地し、地域経済は着実に成長を続けてきています。また、トヨタ自動車東日本株式会社の工場が立地している岩手県金ケ崎町と大衡村のちょうど中間に位置し、東北自動車道のインターチェンジや東北新幹線くりこま高原駅、県北高規格幹線道路などの交通アクセスや地理的条件に恵まれている栗原市やその周辺には、近年、自動車関連産業を中心に企業誘致が進んでいる現状にあります。

 栗原市では、築館インター工業団地十四・三ヘクタールと若柳金成インター工業団地七・八ヘクタールを造成し、平成二十八年度から分譲を開始したところ一年足らずで築館インター工業団地は二社の進出で完売、若柳金成インター工業団地も二社の進出が決定し、残り三・五ヘクタールのみとなっております。サプライヤーからは残りの工業団地や市内の工場跡地などの空き物件等の問い合わせも多く、企業誘致による雇用機会の創出、既存企業との取引拡大による販路拡大により経営の安定化につながるものと期待を寄せられているところであります。

 そのような中で、東北縦貫自動車道築館インターチェンジの側に宮城県土地開発公社が保有している五十七ヘクタールの築館工業団地があります。ここは県北部では大規模区画を確保できる数少ない団地ではありますが、県の整備方針ではオーダーメード方式となっており、立地決定から操業までを短期間で計画したい企業にとっては誘致が進まない要因となっているとも聞いております。以下質問してまいります。

 第一点、築館工業団地は土地開発公社が保有する土地で最も古い工業団地でありますが、富県宮城の実現や県土の均衡ある発展、更には加速している自動車関連産業の進出の現状を踏まえ、この築館工業団地の早期の開発と整備を強く要望するものでありますが、現在、県としてどのような計画になっているのか、お伺いいたします。

 第二点、転出による社会減を減らすためには、やはり雇用の場の創出が一番重要であります。宮城で育った若者がしっかりと地元で生活していける環境を整えることが、本県の地方創生実現の基本であると思います。総合戦略の中の基本目標では、地域産業の競争力強化、ICT等の利活用による地域活性化、人材還流、人材育成及び雇用対策として、さまざまな施策が打ち出されております。雇用の場の創出といった意味では、県内の市町村が行っている企業誘致に対する支援も、県として担わなければならない大きな役割であると考えています。市町村で整備を進めている工業団地の企業とのマッチング等の支援を、各自治体と連携しながら更に進めるべきと考えますが、現状と今後の方向性についてお伺いいたします。

 第三点、県の地方創生総合戦略では、地域経済を支える産業がそれぞれの地域で栄え、質の高い雇用機会が多く生み出されている社会を実現するためには、まず、短期的に雇用の量の拡大により首都圏等への人口流出に歯どめをかけるとともに、中長期的展望のもと、それぞれの地域で高付加価値化を実現する産業構造の構築等を進め、質の高い雇用を創出し持続的な社会を築いていきます。特に、各地域にものづくり産業を初めとして創業しやすい環境づくりを行い、幅広い分野で競争力のある企業を育て、新たな事業を数多く創出し、その中から将来の地域経済を担う中核企業を生み出していきます。また、誘致企業と地域企業との取引拡大や本社機能移転により地方拠点の機能強化を促すとされています。私はこれらの政策の中でも、企業誘致の実績を着実に上げている現在、県として、更に誘致企業と地域企業との取引拡大を促すべきと考えますが、現在までの取り組み状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

 第四点、県の地方創生総合戦略では、宮城県に生まれ育った方々が希望どおりに県内で安定した生活ができるよう、そして、本人の思いに反して県外に転出することのないよう、県内における雇用の場の確保、創出にしっかり取り組みますとされております。

 一方、教育の分野においては県立高校将来構想の取り組みの中で、平成十七年四月一日に、私の地元でもあり母校でもある宮城県築館高等学校は、男子校である旧宮城県築館高等学校と旧宮城県築館女子高等学校が統合し、男女共学となりスタートした学校であります。統合前の両校にはそれぞれ長年の歴史があり、県内外で活躍する人材を多数輩出してきたという歴史を有しておりました。その築館高等学校の教育環境、特に第二グラウンドについてでありますが、男子校であった旧築館高等学校は、栗原市築館の市街地の中に立地する学校でありました。校庭が狭隘であるという理由から、平成三年二月に南側に約三キロメートル離れた栗原市築館字照越地内に土地を求め、同校の第二グラウンドとして整備が行われ使用されてきました。平成十七年四月、築館女子高等学校との統合により新校舎は北に更に三キロメートルのところにあった、旧築館女子高等学校に移ったわけであります。しかし、第二グラウンドはそのままの位置で、統合後は学校からの距離が約六キロメートルと、統合前の二倍の距離となってしまいました。同校野球部の生徒は市街地の北端から南端へと移動して使用するという状況に置かれ、同校野球部生徒の安全安心が懸念されるという状況になっております。栗原市においては国道四号築館バイパスやみやぎ県北高速幹線道路の整備のほか、第二グラウンドに隣接する築館インター工業団地の整備が進むなどしており、同校校舎と同校第二グラウンドとの往来には交通量の増加に伴う交通安全の問題が非常に懸念されております。地域ニーズに応える高校づくりと教育環境の充実として築館高校第二グラウンドの移設を考えるとき、さまざまな方法が考えられると思いますが、同校生徒の安全安心を確保するという意味においても、また、雇用の場を確保するという企業誘致の加速を図るといった観点からも、県として、校舎から六キロメートルも離れた築館高等学校の第二グラウンドの移設は喫緊の課題であると考えますが、御所見についてお伺いいたします。

 以上をもちまして、私の壇上からの質問を終了させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 長谷川敦議員の一般質問にお答えいたします。

 大綱四点ございました。

 まず、大綱一点目、地域医療をめぐる課題についての御質問のうち、循環器・呼吸器病センターの機能移管の進捗状況についてのお尋ねにお答えをいたします。

 県北地域基幹病院連携会議の報告を踏まえ、県では、利用者への医療が切れ目なく提供されるよう、循環器・呼吸器病センターの医療機能移管の計画的な推進に努めているところであります。県立病院機構の中期目標の変更につきましては、昨年の十一月議会で御承認いただいたほか、中期計画の変更につきましては、今議会に議案を提案しているところであります。また新たな結核病棟の整備につきましては、来年度中に設計を終え、平成三十年度までに建設する予定としております。機能移管後の施設に関しましては、医療介護の充実や地域の活性化に資する活用となるよう、来年度中に公募により事業者を決定したいと考えております。今後とも、栗原市や地域住民の意向等を十分に踏まえながら、循環器・呼吸器病センターの医療機能の移管を計画的かつ着実に進めてまいります。

 次に、大綱二点目、本県における地方創生についての御質問にお答えいたします。

 初めに、結婚支援についてのお尋ねにお答えいたします。

 若い世代の結婚の希望をかなえるための環境整備を図り、少子化の要因とされている晩婚化や未婚化に歯どめをかけることを目指すため、県では、今年度から本格的に結婚支援事業に取り組み始めたところであります。具体的取り組みとしては、昨年七月に結婚支援を行う拠点となる、みやぎ青年婚活サポートセンターを設置し、結婚希望者からの相談を受け付け、専門の相談員がその方にふさわしいパートナーを紹介するほか、お見合いイベントを開催してまいりました。お見合いイベントでは参加者の約三割でカップルが成立したほか、センター登録者の中から成婚まで至ったカップルが数組確認されるなど、一定の成果を上げてきたものと認識しております。来年度新たに結婚支援のための専用ポータルサイトを構築するなど、情報発信の充実強化を図ることとしており、引き続き結婚を希望する方々を応援してまいります。

 次に、畜産クラスター事業の活用方針についての御質問にお答えいたします。

 畜産クラスター事業は、市町村、農協などの関係機関で構成された協議会が地域の畜産の課題を解決するための方策を検討し、その課題解決のための施設整備、機械リース等を実施するものであります。県としても畜産クラスター事業は、地域の状況に応じた事業導入が可能であり、畜産の生産基盤の整備を進めていく上で非常に有効な事業の一つであると認識しております。このことから、本事業の活用を進めるためクラスター協議会に対して助言指導を積極的に行ってまいりました。その結果として、新しい担い手の育成のため農協が繁殖牛舎を整備し新規就農者へ貸し付ける取り組みや、繁殖牛の増頭対策として地域内への受精卵供給体制の整備などが進められており、着実に成果が上がってきております。今後とも、先行優良事例を参考に各地域で積極的に事業を活用していただくことにより畜産の生産基盤の整備を進めてまいります。

 次に、大綱三点目、県北地域の交通網整備についての御質問のうち、みやぎ県北高速幹線道路の必要性と重要性についてのお尋ねにお答えをいたします。

 みやぎ県北高速幹線道路は、全体延長約二十四キロメートルの地域高規格道路で、栗原圏域と登米圏域の地域間交流を強化するとともに、県北地域全体の物流機能や連携を支え、富県宮城を実現する重要な路線として整備を進めてきており、栗原市加倉から登米市北方間の約九キロメートルにつきましては、平成二十三年度に供用を開始しております。更に東日本大震災では、三陸縦貫自動車道などの縦軸とともに、沿岸部と内陸部を結ぶ東西軸が広域的な復興支援に大きく寄与し、防災道路ネットワークとしてもその必要性を改めて認識したことから、本路線を被災地の早期復興を支援する復興支援道路として位置づけ、中田、佐沼、築館の三つの工区、約十キロメートルについて重点的に整備を進めているところであります。県といたしましては、東日本大震災からの復興に向けたリーディングプロジェクトとして、早期完成に向けて引き続き鋭意事業を進めてまいります。

 次に、大綱四点目、産業集積の促進についての御質問のうち、誘致企業と地域企業との取引拡大に向けた現在の取り組み状況と今後の見通しについてのお尋ねにお答えをいたします。

 経済産業省の工場立地動向調査によると、我が県の製造業等の立地件数は、昨年一月から六月期にかけて全国四位と直近十年間で最高位になるなど、着実にものづくり産業の集積が進んでおります。県では、誘致企業と地域企業との取引拡大は重要な課題であると認識しており、産業集積が進む自動車関連産業や高度電子機械産業においては産学官金で構成される協議会を立ち上げ、その活動を通じて取引あっせんや展示商談会の開催のほか、技術開発、人材育成等の支援を総合的に実施してまいりました。この結果、平成二十三年度からの五年間で、各協議会が把握する地元企業の新規受注件数は、自動車関連及び高度電子機械産業の合計で三百三件となり、着実に取引拡大が進むとともに、コアとなる技術をてこに新たな産業分野に挑戦する地域企業も出てまいりました。今後は、こうした取り組みを引き続き実施するほか、誘致企業を含む川下企業のニーズ把握を一層進め、産学官金連携による地域企業の技術提案力の向上などを図り、更なる取引拡大に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 震災復興・企画部長伊東昭代君。

    〔震災復興・企画部長 伊東昭代君登壇〕



◎震災復興・企画部長(伊東昭代君) 大綱二点目、本県における地方創生についての御質問のうち、移住者の増加に向けた情報発信の強化についてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県への移住・定住を推進していくためには、宮城の魅力を全国に発信し、宮城に関心を持っていただくことが重要であると認識しております。県では、みやぎ移住サポートセンターやみやぎ暮らし相談センター、専用ウエブサイトなどを活用して情報提供に取り組むとともに、首都圏でセミナー等を開催し、栗原市などモデル事業に取り組む市町も参加して地域での暮らしの魅力を紹介しているところです。今後も、自然、文化、食材などの地域の特性、移住体験ツアーや各種イベントなど、地域の魅力に触れる取り組みに関する情報を発信するとともに、市町村の住まい、子育てなどの支援策のPRに一層努めてまいります。

 次に、市町村の取り組みと移住希望者のニーズのマッチングに対する県の支援の方向性についての御質問にお答えいたします。

 移住・定住の推進に当たっては、移住を希望される方々から寄せられる各種相談に対し、きめ細かく対応し移住の実現につなげていく必要があります。このため県では、仙台と東京に設置する移住相談窓口に市町村の情報を集め、相談員が移住希望者のニーズとのマッチングに努めているところです。県といたしましては、マッチングの精度を高めるため、今後とも市町村と連携し移住希望者のニーズに沿った情報の収集に努めてまいります。また、市町村振興総合補助金によるお試し移住のための空き家改修や移住交流推進モデル事業による就労体験の実施など、市町村の取り組みを支援してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱一点目、地域医療をめぐる課題についての御質問のうち、循環器・呼吸器病センターから移管する医療機能や移管後の支援等についてのお尋ねにお答えいたします。

 有識者や医療関係者等で構成する県北地域基幹病院連携会議の検討結果を踏まえ、県では、将来にわたり県北地域の医療体制を維持、充実していくため循環器・呼吸器病センターの循環器系、呼吸器系の医療機能を栗原中央病院や登米市民病院等に移管することとしております。医療機能の移管に際しては、東北大学医学部や東北医科薬科大学等と連携し、必要となる医療スタッフの確保等に配慮するなど、安定した医療提供体制を構築できるよう努めてまいります。

 次に、新たな結核病棟の整備や運営経費等の協議状況についての御質問にお答えいたします。

 循環器・呼吸器病センターの結核医療に関する栗原中央病院への移管については、これまで栗原市と協議を重ねてきており、昨年十二月に基本的事項の合意に至ったところであります。新たな結核病棟については県が整備し、そこの運営に関しては栗原市が栗原中央病院の一部として行い、必要な経費は県が負担することとしております。これらの詳細の内容については、栗原市と継続して協議を進めているところであり、引き続き円滑な医療機能の移管に努めてまいります。

 次に、瀬峰地区地域づくり検討会の提言への対応等についての御質問にお答えいたします。

 瀬峰地区地域づくり検討会からの提言については、ことし一月、栗原市に提出されたものであり、循環器・呼吸器病センターの機能移管後の活用策や瀬峰地区における道路整備等に関する県への要望も含まれていると伺っております。今後、栗原市から県に対してこの提言に基づく要望等があると考えておりますが、県といたしましては、地域の方々の思いを受けとめ、機能移管後の跡地利用について、医療・介護の充実や地域の活性化に資する活用などが図られるよう対応してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱四点目、産業集積の促進についての御質問のうち、築館工業団地の現時点での整備計画についてのお尋ねにお答えいたします。

 築館工業団地は御指摘のとおり、大規模な立地案件にも対応できる工業団地であります。このため県では、この造成費用を確実に回収するため、従前より立地企業が決定してから速やかに企業ニーズに合った開発、整備を行うオーダーメード方式での用地造成を基本としているところであります。県といたしましては、この方針にのっとり企業向けに用地提案を行ってきたところであり、今後とも積極的に誘致活動を展開し企業立地につながるよう努力してまいります。

 次に、企業誘致に向けた市町村との連携についての御質問にお答えいたします。

 企業誘致においては、用地の規模や価格、物流インフラ、生活環境等の希望条件に合った適地を、企業に対して迅速かつ的確に提供できることが重要であると認識しております。このため県では、県内全域にわたって工場適地の掘り起こしを行うとともに、企業立地セミナーの開催や合同で企業訪問を実施するなど、市町村と連携を図りながら積極的な誘致活動を展開しております。このほか、誘致担当職員研修会の開催や研修職員の受け入れ、工場用地整備資金の無利子貸付など、職員のスキルアップや工業用地の整備など、幅広く市町村への支援を行っております。県としましては、今後は高度電子機械産業や自動車関連産業、食品製造業を中心に着実に企業立地が進んでいることを踏まえ、重点八分野を中心としながら、各市町村と連携し地域の特性に合った企業誘致に取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱二点目、本県における地方創生についての御質問のうち、県内での繁殖牛増頭のための生産基盤整備についてのお尋ねにお答えいたします。

 肉用牛農家の戸数、飼養頭数が減少している中で、繁殖牛の飼養頭数の維持拡大を図っていくことは極めて重要な課題と認識しております。繁殖牛の生産基盤施設整備につきましては、平成二十七年度から開始された畜産クラスター事業や肉用牛経営安定対策補完事業等の国庫補助事業により施設の整備を支援しているところであります。平成二十七年度から二十八年度で施設整備を完了するものは、牛舎三十四棟、約七百頭分の施設となっております。このほか、県単独事業のみやぎの子牛生産基盤復興支援事業により、繁殖牛の増頭に不可欠な優良雌子牛の導入を二カ年で四百四十六頭実施しております。今後とも、これら牛舎の整備や優良雌子牛の導入支援を継続するとともに、ICTを活用した労力軽減機器の整備も含め繁殖牛の生産基盤整備を進めてまいります。

 次に、畜産クラスター事業活用に向けた積極的な方向性についての御質問にお答えいたします。

 現在、栗原市で進められている繁殖牛受託施設の整備計画は、県としても、繁殖牛農家における労働力軽減、担い手の確保などの課題解決に大きく寄与するものであると認識しております。県では、県内外の優良事例の紹介を行うほか、視察調査に同行するなど、市、農協とともに検討を行ってまいりました。昨年十二月には、JA栗っこ畜産クラスター協議会から事業計画のヒアリングを実施しているところであります。今後とも地域の状況を踏まえながら、関係機関が一体となって実施体制が構築され事業が円滑に進むよう積極的に支援してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱一点目、地域医療をめぐる課題についての御質問のうち、県道古川佐沼線の瀬峰地区についてのお尋ねにお答えいたします。

 主要地方道古川佐沼線につきましては、大崎地域と登米地域を結ぶ幹線道路であり、瀬峰地区におきましては地域の生活道路であるとともに、周辺の小中学校への通学路として重要な道路となっております。JR瀬峰駅周辺は歩道が一部しか設置されていないこと、瀬峰中学校周辺は歩道幅員が狭いこと、また、瀬峰跨線橋は狭隘で歩道がないことなどから、通学児童や歩行者の安全通行の確保が求められております。しかしながら、県道沿いには住宅や店舗などが密集しており、歩道の設置や拡幅は多くの家屋等の移転が伴うことや跨線橋のかけ替えには多額の費用を要することなどから、事業の実施に当たっては課題があるものと認識しております。このことから県といたしましては、通学児童や歩行者の安全通行を確保するため、地域住民の方々や学校関係者、警察などと連携を図りながら、視線誘導標や路側帯のカラー舗装、路面表示など、現地の状況に応じた安全対策を講じてまいります。

 次に、大綱三点目、県北地域の交通網整備についての御質問のうち、登米インターチェンジから登米市迫町北方までの事業概要などについてのお尋ねにお答えいたします。

 登米インターチェンジ西側から登米市迫町佐沼の国道三百四十六号までの中田工区につきましては、計画延長が四・七キロメートルでそのほとんどが盛り土構造となっており平成二十三年度に事業着手しております。現在は、先行的に進めておりました地盤改良も完了し道路盛土や管渠工事を実施しており、今後は、平成二十九年度末の完成を目指し舗装工事などを進めてまいります。また、中田工区から迫町北方の国道三百九十八号までの佐沼工区につきましては、計画延長が三・六キロメートルで、そのうち迫川にかかります七百四十メートルの橋梁を含め四橋で約一・二キロメートルが橋梁区間であり残りは盛土構造となっております。当該工区につきましては、平成二十五年度より事業に着手し、工事の施工を宮城県道路公社へ委託し、迅速で確実な施工が行われているところでございます。現在は、地盤改良や道路盛土、迫川にかかる橋梁の下部工など、計画区間の約八割において工事に着手しており、引き続き早期完成を目指し鋭意事業の進捗を図ってまいります。

 次に、築館工区の進捗状況と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。

 築館工区につきましては、現在、地盤改良や道路盛土工事を実施しておりますほか、全ての橋梁工事に着手しており、平成三十年度末の完成を目指し鋭意事業の進捗を図っております。国道四号築館バイパスの接続につきましては、T字型で平面交差する計画となっておりまして、国との接続協議もほぼ整いましたことから、交差点に必要となります国道四号側の用地買収に着手することとしております。また、東北縦貫自動車道とは立体で交差し直接乗り入れる計画とはなっておりませんが、直接乗り入れが可能となれば、被災沿岸市町を含む県北地域全体の地域間交流や産業、観光振興などに大きく寄与することから、今後、事業化に向けて課題の整理を行い関係機関との調整を進めてまいります。

 次に、供用済み区間へのパーキングエリアの設置についての御質問にお答えいたします。

 パーキングエリアや道の駅などの休憩施設につきましては、道路利用者の利便性向上や地域振興等に寄与するものでありますが、その設置に当たりましては、既存施設やインターチェンジ間隔などを考慮し検討する必要があると認識しております。供用済み区間約九キロメートルの間には、二カ所のインターチェンジが配置されておりまして、新たなパーキングエリアの設置は隣接するインターチェンジ間距離の制約などから難しい状況にありますが、設置に当たりましては、今後、新たな道路整備による交通状況や、三陸縦貫自動車道の三滝堂インターチェンジに併設されます道の駅三滝堂の利用状況などを踏まえながら検討する必要があると考えております。県といたしましては、まずは復興支援道路として効果を早期に発現させるべく、現在整備中であります中田、佐沼、築館の三つの工区の早期完成、供用を最優先に進めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱四点目、産業集積の促進についての御質問のうち、築館高校第二グラウンドの移設についてのお尋ねにお答えいたします。

 築館高等学校については、校舎から第二グラウンドまでの距離があり、交通量の増加に伴う交通安全の問題が懸念されているため、県教育委員会から栗原市に対して校舎の隣接地に第二グラウンドを移設できるよう協力を依頼してきたところであります。校舎がある宮野地区については、市が現在策定中の第二次栗原市総合計画等においても、土地の利用計画を検討していると聞いておりますので、今後も市と協議を進めてまいります。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 三十番長谷川敦君。



◆三十番(長谷川敦君) 御答弁ありがとうございました。地域医療の件で再質問させていただきます。

 結核医療の移管の関連でございますが、連携会議の検討結果には移管先となる栗原中央病院は、県内の結核医療における唯一の臨床の場となることから、各大学の医学部等と連携し呼吸器、感染症分野の連携講座を設置するなど、結核医療に関する臨床教育の場として機能することにより、県北地域の安定的な医師確保につなげていく必要があるとされておりますが、移管先となる栗原中央病院にどのような教育研究機能を持たせるのか、現段階での計画についてお伺いいたします。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 連携講座ですが、現在は、循環器・呼吸器病センターにおいて、東北大学医学部の方と臨床呼吸器感染症学講座を設置しております。このような連携講座を新しく計画、病棟を整備する栗原中央病院の方に設けますのは、地域医療の充実にとって重要でありますので、現在、東北大学医学部の方と連携講座の設置について協議を始めたところであります。県としても連携講座の設置に向けて支援してまいりたいと考えております。



○副議長(長谷川洋一君) 三十番長谷川敦君。



◆三十番(長谷川敦君) よろしくお願いします。地方創生の畜産に関してですけれども、先ほど畜産クラスターの件に関して農水部長は積極的に支援していくという答弁だったんですけれども、壇上でも申し上げましたが、やはり全共の九月の大会で優秀な成績をおさめるのは非常に大切なんですけれども、それは本当にスタートラインにすぎなくて、その後の宮城県の生産体制がしっかりと整備されているかということが、本県の畜産にとって非常に大事なことであると思っておるんですけれども、積極的に支援するという御答弁だったんですが、もう一歩進んだ取り組みが必要だと思うのですが、部長、もう一言お願いいたします。



○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長後藤康宏君。



◎農林水産部長(後藤康宏君) 今、御発言ありましたように、全共宮城大会の結果を更に有効に生かしていくために、畜産クラスター事業は生産基盤の整備を進めていくための好材料であり、全共宮城大会はその好機であるというふうに考えておりますので、積極的に対応していきたいと。栗原市においても事業導入が円滑に進むように我々としても頑張りたいと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 三十番長谷川敦君。



◆三十番(長谷川敦君) 今、半年後に全共を控えて、国の採択枠ですね、地元から挙げてください、県も積極的にやりますという、非常に好機であるということですので、ぜひ更に積極的にお願いしたいと思います。最後、道路整備についてですけれども、先ほど、県北高規格道路につきましては、知事からも復興のリーディング事業であるということで、私はこの道路に関して、東北自動車道との接続部に関しては、スマートインターでしたり相互のジャンクションというのは非常に経済効果があると思いますのでぜひ進めていただきたいと思っておりますけれども、関係機関と課題の整理をするということについて、もう一言、土木部長お願いいたします。



○副議長(長谷川洋一君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 東北道との接続につきましては、国との連結許可、それから東北道の管理者でありますNEXCO東日本がございます。そちらとの調整を鋭意進めてまいりますし、地元の栗原市の御支援をいただきながら、作業を進めてまいりたいというふうに考えております。



○副議長(長谷川洋一君) 五十八番中沢幸男君。

    〔五十八番中沢幸男君登壇〕



◆五十八番(中沢幸男君) 冬の寒さから光の春そして陽春へと季節は着実に移ろいでおります。そんな季節の移ろいとは関係なく、あと一週間余りであの悪夢のような東日本大震災から六年が経過しようとしております。本来弥生三月といえば、卒業の季節であり若人がひとり立ちして旅立つ雄飛の時期でもあるのですが、宮城県民にとりましては震災でお亡くなりになられた方々への追悼の意を表し、震災からの復興を改めて誓う。それが弥生三月なのです。震災からの復興、そして、決して震災の記憶を風化させない伝承への取り組みについて、知事を初めとする執行部や我々議会とも精進していかなければなりません。

 前略、政宗様、あなたがここに城下町を築いてから四百年以上がたちました。今の仙台を御覧になったら何を思われるか。時折、そのような考えを巡らせることがあります。御存じでしょうか、政宗様。青葉山の緑は今も深く、広瀬川の清流もかつてと変わらず、豊かな自然をたたえる風景は百年前から杜の都と呼ばれるまでになりました。その原点も公がおつくりになりましたね。そして、あなたが繁栄の礎を築かれた城下町には、本丸よりも高い建造物、四百年前とはさま変わりした町の姿に驚かれるかもしれませんが、仙台は奥州一の都であるがごとく、百万人もの人々が暮らしております。このにぎわいを目にすればさぞ心躍ることでしょう。しかしながら、ここまで全てが順風だったわけではありません。天災に戦火と郷土は幾多の困難に直面しました。あなたが御存命だった慶長十六年、町が大きな津波と地震に遭ったことも知っております。実はそのちょうど四百年後、今から六年前にも仙台は同様の震災に襲われました。それでもこの地の人々は立ち直ってきました。きっとあなたの時代もそうだったのでしょう。未来永劫全ての人の平安のために尽くされた政宗公の想い、あなたが愛し、そして、あなたが眠っておられるこの町に暮らす者として、公の志を継承する子孫の一人として私もしっかりと受けとめてまいりたいと思います。どうか私たちの進む道をこの先も照らしていってください。不一、伊達家十八代当主、伊達泰宗。

 この文は、伊達家十八代当主伊達泰宗様が藩祖伊達政宗公あてに書かれたお手紙でございます。御案内のとおり永禄十年八月三日、西暦一五六七年に我が藩祖伊達政宗公が生誕してからことしで四百五十年に当たります。宮城県では、生誕四百五十年を記念してロゴマークを作成したり、今月下旬にはキックオフイベントを開催するなど県内でさまざまな催しが予定されております。伊達政宗公は先見性にすぐれているとともに、フロンティア精神にあふれていました。その象徴の一つが、家臣支倉常長を団長としてメキシコ、ローマへの慶長遣欧使節事業であります。この時代の日本人がローマ教皇に謁見した史実は日本の外交上でも特筆すべき実績であり、伊達藩の流れをくむ私たち宮城県は大いに海外交流に率先して取り組むべきものと考えるものです。ここでまず、知事に政宗公生誕四百五十年に当たり、公に対する思いと偲ぶお言葉、感想をお披瀝いただきたいのです。同時に記念すべきこの年、震災から七年目に入る本年の県政にかける意気込み等を改めてお伺いし、以下、通告に従い順次質問してまいりますので、前向きな御答弁をお願いいたします。少し欲張りでしたので項目が多すぎますが早口で申すことをお許しください。

 第一点、東北放射光施設について。

 放射光施設は、電子を高速に加速させることで発生させる強力な光を用いて、物質の構造を詳細に解析する最先端研究基盤施設であり、エレクトロニクスや医療分野など、さまざまな分野での研究開発及びイノベーション創出の飛躍的な展開が期待されています。現在、我が国は、兵庫県のSPring−8など大小の九施設がありますが、東北地方にはまだ設置されておりません。そこで、平成二十六年に東北六県の産学官で、東北放射光施設推進協議会が設立され、東北への放射光施設の整備実現に向けてシンポジウムを開催するなど、機運醸成や施設利用の理解促進が図られてこられたようであります。昨年十一月には、文部科学省の審議会において、次世代放射光施設の必要性に関する調査、検討が開始されており、東北地域で昨年十二月に東北大学や東北経済連合会を初めとする産学が中心となり、一般財団法人光科学イノベーションセンターが設立されたところであります。また、ことしの一月には東北放射光施設推進協議会によるシンポジウムが開催され、東北大学の高田教授から東北放射光施設の意義について、東北経済連合会の向田副会長さんからは一般財団法人光科学イノベーションセンターの概要について説明がなされていましたが、会場には県内外の企業や自治体の関係者など多数の方々が参加されており放射光施設の整備に向けた機運が着実に高まってきていることを実感したのです。知事も冒頭のあいさつで、参加者へのお礼の後、皆様御承知のとおり、放射光施設は学術分野のみならず産業分野にも活用される研究基盤施設であり、我が国の科学技術の発展やものづくり産業の国際競争力の向上に寄与する施設ですと、東北への必要性を力説しておられました。こうした動きを踏まえ、県として今後どのような方針で実現に向け取り組むおつもりなのか、お伺いいたします。

 また、県内においては、既に誘致意向を表明している自治体もあり、今後、放射光施設の建設場所はどこに決定するか注目されます。先刻、五地域に絞られたようでありますが、東北地域として候補地の選定はどのように進められるのかお伺いいたします。

 観光振興に向けた取り組みの方向についてお伺いいたします。

 平成二十八年に日本に訪れた観光客数は、前年度比二一・八%増加の二千四百万人超となっており、外国人旅行者の取り込みが本県の観光振興には重要と思います。訪日外国人旅行者の日本における消費行動は「爆買い」に象徴される「モノ消費」から、自然や文化、歴史などを体験する「コト消費」に移行していると言われています。本県には、日本三景松島に代表される景観や多くの温泉、米や海産物などのおいしい食材、更にはそれを一層引き立てる日本酒といったすぐれた地域資源が多数あるほか、外国人旅行者を引きつける雪にも恵まれています。このような観光資源を活用して訪日外国人が満足する滞在、体験プログラムを外国人目線で充実させる必要があるのではないかと思いますが、知事の所見を伺います。

 次に、我が県のみならず、東北観光の拠点となる仙台駅及び仙台空港を含む周辺地域における、訪日外国人の受け入れ体制の改善に向けた取り組みについてお伺いします。

 この地域はまさに東北の顔と言うべきところであり、多くの外国人旅行者が訪れることから、多言語での広域的な観光案内や無料公衆無線LAN環境の整備、鉄道やバスの共通乗車券の充実など、他の地域のモデルとなるような先進的な取り組みを実施し、その効果を他地域に波及させていくべきであり、その取り組み主体としてDMOは非常に有効ではないかと考えます。DMOを形成する動きは全国的に見られており、観光庁における日本版DMO候補法人の登録制度においても全国で百二十三団体が登録されていますが、宮城県では、県内の一般社団法人宮城インバウンドDMOが登録されているのみとなっております。県内の他地域においても、この後に続く取り組みが期待されますが、特に仙台市及びその周辺市町村において、県がリーダーシップをとりながら、各市町村が一体となった東北観光の中心にふさわしい観光地域づくりの体制の構築を急ぐべきだと思いますが知事の所見を伺います。

 さて、本県を訪問する外国人旅行者をふやしていくためには、こうした受け入れ体制の構築とともに、宮城をもっと知ってもらうこと、宮城を訪れたいと思ってもらうことが必要不可欠であります。更に、広域を周遊する外国人旅行者に向けては、宮城のみならず東北全体の魅力を発信することが重要ではないかと思います。そこで、宮城県単独でのPRはもちろん大切ですが、東北のほかの五県や仙台市、東北観光推進機構、更に、JNTO(日本政府観光局)と連携し、効果的、効率的なインバウンド向けのプロモーションも必要と考えますが知事の所見を伺います。

 ところで、事業の実施に当たっては的確な目標を設定し、その達成に向けて最大限の効果を上げるべく取り組み、実績を把握して取り組み状況を評価し必要な改善を加えて次に生かすといったサイクルを構築することが大切です。観光関連においても、KPIを設定するとともに、PDCAサイクルをしっかりと回しながら取り組み内容を不断に改善しつつ、効果的、効率的に事業を実施していくべきだと考えますが知事の所見を伺います。

 関連して、昭和六十一年五月九日、日中友好宮城県議会議員連盟代表八人が、第二次訪中団として中国吉林省を訪問しました。私もその一員として吉林省を訪問いたしました。その年の六月、宮城県議会において、七月十日に中華人民共和国吉林省との友好親善協定締結に関する決議案が、提出者佐藤常之助議員、賛成者、小野寺信雄、坂下清賢、錦戸弦一、木村幸男の各議員によって提出され、七月十四日に本会議で採決され、原案どおり可決されました。

 決議案、中華人民共和国吉林省との友好親善協定締結に関する決議。宮城県と吉林省とは、それぞれ日本国と中華人民共和国の東北地方に位置し、産業経済の中心という基本的な共通面があり、以前から農業技術・教育・文化・スポーツなど各分野で積極的な交流が進められてきた。これらの友好親善関係は相互の発展にとって極めて意義深いものがある。本県議会では、この友好親善関係が更に促進され、両県省はもとより両国の平和友好と繁栄に大きく貢献することを期待するものである。よって本県議会は、両県省の友好親善協定を速やかに締結するよう決議する。昭和六十一年七月十四日宮城県議会。

 これを受けて、昭和六十二年、一九八七年六月一日、吉林省の高徳占省長と宮城県の山本壮一郎知事との間で友好県省締結に関する議定書を取り交わし、晴れて友好県省の契りを結びました。吉林省は宮城にとって初めての友好提携先であり、議定書は日本語及び中国語で各二部ずつ作成し、それぞれ宮城県知事、吉林省長が署名し、現在もそれぞれ日本語版、中国語版の両方が保存されています。あれから三十年、本年が友好締結三十周年という節目の記念すべき年であります。平成二十四年、友好締結二十五周年を記念して先方から吉林省長が来県され、その後、こちらからは知事が吉林省を訪問されたようでありましたが、本年の友好締結三十年という大きな節目に、今後、中国吉林省とのきずなを生かし、中国からの交流人口を増加させるために、中長期的にどのような取り組みを行っていこうとなされているのか、お考えをお聞かせください。

 また、このときに当たり、アジアプロモーション課を新設されました。まさに時宜を得たものと思い敬意を表する次第ですが、この課は今後どのような位置づけにして、どのような課を目指しておられるのかお伺いいたします。

 次に、防災力向上のための積極的な取り組みについてお伺いします。

 あの痛ましい東日本大震災からはや六年、時間の経過とともに被災地外における記憶の風化も進んできているんではないかと危惧しております。しかしながら、被災地では力強い槌音に加え、人々の生活からあふれる笑い声が風音に乗って広まるなど、復興が着実に進んでいると感じることもまた事実であります。

 さて、今議会には新年度予算として、広域防災拠点の整備費用に加え、県内の七圏域に指定された圏域防災拠点の整備費用も提案され、宮城野原地区に整備される広域防災拠点とともに、震災復興計画に掲げられた災害に強い県土、国土づくりの推進が具現化されてきているものと感じておりますが、東日本大震災により甚大な被害を受けた本県として、更なる防災力向上のための取り組みや提案についてお伺いします。

 広域防災拠点の整備については、昨年の九月議会において、宮城野原地区の土地取得に関する議案が可決されたのに続き、今議会においては、新年度予算としてJR貨物駅の移転補償費について計上されるなど、着々と広域防災拠点の整備が進んでいるものと思います。広域防災拠点については、県民の安全安心のため一日も早い供用を望むものでありますが、まず、これまでの進捗状況、新年度の取り組みについてお聞かせください。

 当局はこれまで、大規模災害発生時に広域防災拠点と圏域防災拠点が連携し、市町村の防災対策を強力に支援するとの説明を行っております。そのため、広域・圏域防災拠点の運営マニュアルも策定するとしているようでありますが、市町村への説明を含めこれまでの対応と進捗状況についてお聞かせください。

 災害対策に必要とされる自助、共助、公助のうち、公助とは広域防災拠点と圏域防災拠点の整備により向上し、共助については地域や住民と緊密な連携のもと、広域防災拠点や圏域防災拠点を活用した訓練を重ねることにより磨かれるものではないかと期待しております。そこで、自助の向上のための提案でありますが、自助、すなわち防災意識の向上の鍵は防災教育の充実ではないかと考えます。特に、地域防災の核となる人材の育成が不可欠であると考えております。例えば、兵庫県において、ひょうご防災リーダー講座が広域防災拠点により実施され、防災の専門家の講話のみならず、地図を使った演習や避難所運営のワークショップなど、半年間で全十二回の講座を受講する充実した内容となっております。そこで、宮城野原に整備される広域防災拠点を活用し、兵庫県のような講座を取り入れたらいかがでしょうか。更に、平常時の広域防災拠点は運動公園として、また、県民の憩の場となるよう充実した整備を進めるべきと考えますが、それに加えて、ぜひ子供たちがさまざまな防災活動が体験できる公園として整備を進めることも必要ではないでしょうか。例えば、防災教育の一環として、園内を回ることで、防災に関する理解を深めることで、将来の防災を担う子供たちの意識向上も図れるのではないかと考えておりますがいかがでしょうか。

 次に、介護施設のボランティア活用についてお伺いいたします。

 この問題については、さきにこの場で御質問した経緯がありますが、その際、当時の保健福祉部長は、積極的に啓発や指導を通して受け入れ体制の整備を促進してまいりますとのお答えでした。その後、どのような状況になっておられるのかお示しください。

 また、介護施設は現在でも不足で、入所を希望しても入所待ちになってなかなか入所できない。この問題をどう解決するのかお聞かせください。

 同時に介護施設の職員は低給であり、労働もきついので離職者が多く、人手不足に陥っていっておりそのため入所者に対する介護も窮迫しております。これに二〇二五年問題が加われば人手不足は一層厳しくなってまいります。これにどうのように対処するおつもりなのか、御所見をお伺いします。

 県は知事を会長として、地域包括ケア推進協議会を設け、二〇二五年問題に対処しようとしていますが、その進展状況はどうなっているのかお伺いします。

 介護施設におけるボランティアはコーラスやイベント参加が主なもので、欧米のように入所者に直接奉仕し人手不足を補っていない。そこで地域包括ケア推進協議会において欧米型寄り添いボランティアの充実を推進し人手不足の緩和を図るべきと思います。市民の中には、お年寄りに奉仕したい方々がたくさんおられます。しかし、施設はボランティアが入所者に触れることは許されない傾向にあります。推進協議会において、その点を是正し市民の善意を生かすよう対策を講じていただきたいと思います。御所見をお伺いいたします。

 次に、水素エネルギー問題について、トヨタ自動車が世界に先駆けて燃料電池自動車MIRAI(ミライ)を一般販売した平成二十七年は水素元年とも言われ、私もこの場において本県における取り組みについて質問しました。その後県は、水素エネルギー利用推進ビジョンを策定し、水素ステーションの整備や燃料電池自動車の導入等に対する積極的な取り組みを展開してきました。中でも、燃料電池自動車製造事業者、水素供給業者、その他関係団体等から成る、みやぎFCV普及促進協議会を設置し、参加企業である岩谷産業株式会社から四大都市圏以外では初となる商用水素ステーションの立地表明を受けたことは、まことに大きな成果であり、当社としっかりと連携をし、この三月に東北初の商用水素ステーションが開所の運びとなったことを聞き大変喜ばしく思っております。

 水素は国のエネルギー基本計画でも、将来の二次エネルギーの中心的役割を担うもののひとつとされ、水素社会実現に向けた取り組みの加速がうたわれており、今国会における首相の施政方針演説でも、二〇二〇年には四万台規模の燃料電池自動車普及を目指すことや世界初の液化水素船による大量輸送への挑戦など積極的な取り組み姿勢が示されたとともに、関連する規制改革に取り組む旨の言及がなされました。東京都においても、オリンピック・パラリンピック東京大会終了後のまちづくり計画を公表し、選手村跡地を水素エネルギーを活用したモデル地区とすることとして、そのすばらしいイメージ図を公表しています。

 そこで、本県における今後の取り組みについて、まず燃料電池自動車の普及に向けては、商用水素ステーションは欠くことのできない重要なインフラであり、知事も相当の熱意をもってその導入に尽力されてきたと思いますが、いよいよこの三月に開所を迎えます。改めて知事の所感を伺います。

 また、水素エネルギーは環境負荷の軽減に効果があるほか、水素燃料電池産業は新産業分野として経済波及効果への期待も高い一方で、日常生活でなじみが少ないため、水素の安全性や有用性に対する県民の理解は十分とは言えません。県民に正しい理解を促すことも重要な役割だと思いますがその取り組み状況はどうか。

 この項の終わりに、このたびの商用水素ステーションの稼働を受け、県として今後どのようなFCV普及施策を展開しようとしているか伺います。

 障害者雇用対策について。

 言うまでもなく、安定した豊かな社会実現のためには障害の有無にかかわらず、全ての人が地域において普通の生活、権利などを保障される環境を整備することが行政の大きな役割です。特に雇用については社会参加のための基本となる活動であり、働くことを通じて社会参加から社会貢献につながるのであります。また、少子高齢化の急速な進展に伴い労働力人口不足に陥っております。このことから、女性や高齢者、障害者などの多様な労働者が参加する全員参加型社会の構築が必要となっております。近年の本県における障害者雇用状況を見ますと、障害者自身の社会参加への意欲の高まりなどにより新規求職申込数が増加傾向にあり、中でも精神障害者の申し込み件数が大幅に増加のようですし、また、企業においても障害者雇用に対する理解の促進や障害者の法定雇用率引き上げなどにより雇用件数もふえつつあるとお聞きしておりますが、一昨年、宮城が全国最下位という不名誉がありましたけれども、この不名誉にどう対処していくのか、これからの取り組みについての決意を伺います。

 最後に、本県のいじめ問題に入りますが、件数が宮城県の場合は、全国ワースト二位という不名誉な数字がありました。その後どういう解決策を実施しておられるのか、そして前にも質問しましたが、それには警察行政が大事だと、サイバー空間についての今後の県警の取り組みについてお聞きし、子供の社会を構築しているのは我々大人だと、子供のためにサイバー空間をどういうふうになされていくのか、それをお聞きして終了いたします。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 中沢幸男議員の一般質問にお答えいたします。

 大綱七点ございました。

 まず、大綱一点目、東北放射光についての御質問にお答えいたします。

 初めに、生誕四百五十年に当たり、伊達政宗公に対する思いと追慕の言葉への感想についてのお尋ねにお答えいたします。

 仙台藩祖伊達政宗公の生誕四百五十年の記念すべき年を迎え、さまざまな場面で政宗公のエピソードに触れることがふえてまいりました。県政でもあらゆる機会を通じて偉大なる足跡に触れるところでありますが、特に私といたしましては、四ツ谷用水や貞山運河など仙台開府後四百年以上の長きにわたり、我々に恵みをもたらしている県土づくり、新田開発のほか、伊達な文化を育くむなど、産業や文化振興に対する先見性、日本の外交史において特筆すべき成果とされる慶長遣欧使節を派遣するなどした国際性には心が震えるようなロマンと感動を覚えるものであります。

 また、当代伊達泰宗様のお手紙を拝聴し、全ての人の平安のために尽くされた政宗公の思いを、この時代にこの地で生きる我々もしっかりと受けとめなければならないと改めて感じたところであります。私といたしましては、時代を先取りする政宗公の卓越した手腕に大いに学びながら熱い志と進取の気性を持って、県政運営に当たってまいりたいと考えております。御指導のほどよろしくお願い申し上げます。

 次に、政宗公生誕四五十年であると同時に、震災七年目の県政にかける意気込みについての御質問にお答えいたします。

 現在の我が県の発展は、政宗公が慶長の大津波からの復興を果たし、今日の宮城の礎を築いたおかげであり、私もその偉業に思いをはせながら将来を見据えて、創造的な復興を更に進めていく年とすべく決意をしているところであります。震災から七年目のことしは、震災復興計画の再生期の総仕上げの年でもあります。復興はいまだ途上であり、今なお多くの方々が仮設住宅での生活を余儀なくされております。県では引き続き震災復興を最優先課題として、安心して暮らせる恒久住宅の確保と円滑な転居支援のほか、地域コミュニティーの再生など、復興を加速化する取り組みを進めてまいります。またあわせて、乳幼児医療費助成制度の拡充や小学校入学準備支援制度の創設、インバウンドの誘致促進に加え、新品種、だて正夢の知名度向上など、福祉の充実や産業の振興に積極的に取り組むこととしております。今後も、一日も早い復興の実現と、宮城のみならず東北全体の更なる発展に向けしっかりと県政を推進してまいります。

 次に、東北放射光施設誘致実現に向けた今後の取り組み方針についての御質問にお答えいたします。

 文部科学省の量子ビーム利用推進小委員会における議論の開始や東北大学と東北経済連合会を中心に、一般財団法人光科学イノベーションセンターが設立されるなどの機運の高まりを受け、去る一月二十六日に東北放射光施設推進協議会を開催したところであります。推進協議会では、今後の活動方針として、国の議論の進展に応じて適宜適切な取り組みを行い、東北地方への放射光施設実現に向けた活動を強化すること及び一般財団法人の活動を側面支援することが合意されました。このため県といたしましては、推進協議会の活動方針を踏まえ、これまで産学官が連携し他の地域に先駆けて活動を行ってきた実績や、一般財団法人による民間資金を活用した施設計画など、この地域の優位性や機運の高まりを強く国に示しながら、東北地方が一体となって国への要望活動を行うなど、東北放射光施設の実現に向けた取り組みを強化してまいります。

 次に、大綱二点目、観光振興に向けた取り組みについての御質問のうち、東北観光の中心にふさわしい観光地域づくりについてのお尋ねにお答えいたします。

 仙台駅及び仙台空港は、鉄路及び空路の東北のゲートウエーとして大きな役割を果たしておりますが、今後更に、その役割は重要になるものと認識しております。昨年三月には、国の明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、東北の観光復興に向け仙台市及び仙台空港周辺エリアを復興観光拠点都市圏として構築し、その成功モデルを東北の各都市に横展開することが盛り込まれたところであります。このため県では、松島湾エリアを加えた六市三町で仙台松島復興観光拠点都市圏を構築することとし、関係する市町とも連携しながら、観光地域づくりの取り組み主体となる地域連携DMOを来年度末までに設立したいと考えております。DMOは本来であれば地域の関係者が発案し立ち上げるのが効果的だと考えておりますが、今回は、復興観光拠点都市圏に位置づけられ、設立が急務なことから私ども県が先頭に立ち、観光復興交付金を活用しながらDMOを設立し、受け入れ環境の整備をより一層促進させてまいりたいと考えております。

 次に、大綱四点目、介護施設のボランティア活用についての御質問のうち、欧米型のボランティア活用について、地域包括ケア推進協議会で対策を講じるべきとのお尋ねにお答えいたします。

 介護人材の確保に向けては、ボランティアを含め、元気な高齢者に参入していただくことも重要だと考えております。御指摘のありました欧米型の寄り添いボランティアについては、一部の市町村で受け入れ施設と連携し、入居者の話し相手やレクリエーション参加などの取り組みも行われているところであります。県としては、今後こうした取り組み事例等について、地域包括ケア推進協議会の場などで市町村や介護施設関係団体などへ情報提供するとともにボランティア団体と施設との情報交換の場を設けるなど、双方の理解が深まるよう努めてまいります。

 次に、大綱五点目、水素エネルギーについての御質問にお答えいたします。

 初めに、商用水素ステーションの開所を控えた所感についてのお尋ねにお答えいたします。

 水素エネルギーの利活用は、災害対応能力の強化や環境負荷の低減、経済波及効果が期待できることから、創造的な復興の重点施策の一つに位置づけ積極的に取り組んでまいりました。商用水素ステーションは燃料電池自動車、いわゆるFCVの普及に不可欠な施設でありますが、これまで国では、四大都市圏を中心とする整備方針を掲げていたため、我が県への導入は厳しい状況にありました。このため、私みずからが先頭に立ち、国や関係事業者に東北における整備の必要性を強く訴えるとともに、県におきましても整備事業者を支援するための補助制度を創設するなどし、ようやく開所の運びとなったものであります。いよいよFCVの普及環境が整うことになりますので、今後、商用水素ステーションを最大限に活用し東北における水素社会先駆けの地にふさわしい先駆的な施策を積極的に展開してまいります。

 次に、今後のFCV普及施策の展開についての御質問にお答えをいたします。

 商用水素ステーションを活用した本格的なFCVの普及拡大に向けましては、来年度もFCV購入者に対する補助を継続するほか、県民試乗会の開催や東北各県を含む自治体等への貸し出しを一層精力的に行ってまいります。また、新たにFCVのカーレンタル導入実証事業により、個人のニーズに合ったFCVの有料貸し出しを実施するとともに、燃料電池バスの試験運行に取り組むことでより多くの方々に水素エネルギーの有用性等を実感していただける機会を設けたいと考えております。こうした国内でも先駆的な取り組みを通じて県民の方々のFCVへの関心を高め、我が県における普及拡大につなげてまいりたいと考えております。

 次に、大綱六点目、障害者雇用対策についての御質問にお答えいたします。

 我が県の障害者雇用率は二年連続で全国最下位となったことから、昨年一月に宮城労働局と障害者雇用改善推進計画を策定し、私と宮城労働局長が障害者雇用に積極的な企業を訪問いたしました。このほか、従業員三百人規模以上の企業に対するプラスワン事業のほか、延べ千六十九社の訪問を行ったところであります。こうした取り組みにより、目標値である達成企業割合五〇%以上及び前年の全国平均の障害者雇用率一・八八%以上を達成したところでありますが、残念ながら順位は最下位から四十位に上がっただけということで、まだ低位にとどまっております。このため、ことしも改善計画を策定し、プラスワン事業の対象企業を二百人規模以上の企業に拡大するなど取り組みを強化しております。先日には幹部職員が複数の企業を訪問し、雇用の増加を要請したところであり、また私も取り組みの参考となる企業を訪問し、広く周知をしてまいりたいと思います。今後も就職を希望する障害者が一人でも多く就職できるよう障害者雇用の推進に向けより一層取り組んでまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 総務部長大塚大輔君。

    〔総務部長 大塚大輔君登壇〕



◎総務部長(大塚大輔君) 大綱三点目、防災力向上のための積極的な取り組みについての御質問のうち、広域、圏域防災拠点のこれまでの対応と進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。

 広域防災拠点及び圏域防災拠点の整備については、平成二十六年度から市町村への説明を重ねており、平成二十七年度からは、各圏域ごとに市町村及び防災関係機関を構成員とするワーキンググループを順次立ち上げ、圏域防災拠点の開設手順や支援部隊の受け入れ方法などを定めた開設運営マニュアルの作成に着手しております。平成二十八年度は、先行して作成した石巻圏域のマニュアルを参考に、他圏域においても年度内の完成を目指してマニュアルの作成を進めており、平成二十九年度には、各圏域防災拠点の一部運用を開始することとしております。今後、市町村及び防災関係機関との防災訓練等を通して緊密な連携を図りながら実効性のある運営体制を構築してまいります。

 次に、広域防災拠点を活用した人材育成についての御質問にお答えいたします。

 最近の多発する災害への対応や東日本大震災の教訓の伝承を図っていく上で、防災を担う人材の育成は大変重要な課題であると認識しております。このため、平成二十九年度当初予算案には、自主防災組織の立ち上げ支援や防災ジュニアリーダーの育成等の各種の取り組みを新たに盛り込んでいるところであります。御指摘のありました広域防災拠点を活用した人材育成については、広域防災拠点の基本設計において、平常時における機能として、防災知識等の普及啓発及び防災訓練の場として活用する方針としていることから、今後、他県の先行事例も参考としながら具体的な活用方策について検討してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 環境生活部長佐野好昭君。

    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕



◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱五点目、水素エネルギーについての御質問のうち、県民の理解促進についてのお尋ねにお答えいたします。

 水素の利用は、これまでロケット燃料や産業用ガスなど特定の分野に限られ、現在でも家庭用燃料電池やFCVなどにとどまるため、一般的な認知度は十分とは言えない状況にあります。このため県では、水素エネルギーを身近に感じていただくきっかけとして、県が率先導入したFCVを活用し、今年度、試乗会を県内五カ所で開催し約四百人の方々に実際に試乗していただきました。また、他県を含む自治体等が開催した約百二十のイベントにFCVを貸し出すなど、より多くの方々に水素の安全性や有用性に関する理解が広がるよう努めてまいりました。今後とも、こうした普及啓発活動にしっかりと取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱四点目、介護施設のボランティア活用についての御質問のうち、ボランティア等の受け入れについてのお尋ねにお答えいたします。

 介護施設は地域に開かれたものとして運営されるためにも、地域住民やボランティアとの連携、協力を図ることが重要と認識しております。県内では、従来の慰問型、訪問型のボランティア活動に加え、入所者の話し相手や介護職員の補助的作業への従事など、ボランティアの活動の場が徐々に浸透してきております。県といたしましても、モデル事業として介護施設等が主催する地域の高齢者のための交流会の開催や介護フェスティバルへのボランティアの積極的な参加の促進などを図っており、引き続き介護施設とボランティアが連携を積み重ね相互理解を深めながらボランティアの活用が促進されるよう取り組んでまいります。

 次に、介護施設の不足についての御質問にお答えいたします。

 介護施設については、市町村の高齢者福祉計画、介護保険事業計画と、これを踏まえた県のみやぎ高齢者元気プランに基づき整備を進めております。県といたしましては、三年ごとに行う計画改定の際に入所希望者の状況を調査し、市町村との連絡調整を密にしながら必要な整備量を見込み、計画に基づく整備を今後とも着実に推進してまいります。

 次に、介護施設の人手不足への対処についての御質問にお答えいたします。

 県では、平成二十六年度に県内の行政機関や介護関係団体で構成する宮城県介護人材確保協議会を立ち上げ、二〇二五年を見据え多様な人材の参入促進、職員の資質向上、労働環境、処遇の改善を三つの柱として介護人材の確保対策に取り組んでおります。今年度は、介護資格取得のための支援やキャリアアップ支援としての研修に加え、新たに我が県初の合同入職式の開催、中高年齢者向けの介護職への就業支援や経営者向けセミナーの強化などを行ってきたところです。今後は、このような施策を拡充していくとともに、介護の負担軽減に向けたロボット等介護機器の導入支援や外国人介護人材の養成等にも取り組んでまいります。

 次に、地域包括ケア推進協議会の進展状況についての御質問にお答えいたします。

 地域包括ケア推進協議会は、医療・介護等の関係団体、大学、NPO、行政などが一体となって地域包括ケア体制を構築していくために平成二十七年七月に設立されました。構成団体は当初の三十八団体から現在は四十九団体が参画しており、本協議会で策定したアクションプランに基づき、多職種連携体制の確立や高齢者の健康維持、生活支援サービスの充実、認知症対策の推進、介護人材の確保などに連携して取り組んでおります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、東北放射光についての御質問のうち、施設建設候補地の選定方法についてのお尋ねにお答えいたします。

 東北地域における建設候補地の選定は、東北放射光施設推進協議会において、一般財団法人光科学イノベーションセンターを中心に、建設、運営費用を負担する方々が、国の議論の進捗や建設候補地となることを希望する自治体などに配慮しながら、公正なプロセスを経て選定するとの方針を合意したところであります。このため一般財団法人では技術的及び学術的な視点や産学共創の視点を総合的に勘案しながら、候補地点の適正審査を行うため外部有識者による諮問委員会を設置したところであり、審査に当たっては、透明性、公平性を確保するため、建設候補地となることを希望する自治体へのヒアリング調査なども行う予定と伺っております。県といたしましては、今後、国の審議会における建設、運営主体や立地に関する議論の進展を注視しつつ、推進協議会の方針を踏まえ、公正なプロセスを経て東北地域としての建設候補地に選定された場所に東北放射光施設が実現するようしっかりと応援してまいりたいと考えております。

 次に、大綱二点目、観光振興に向けた取り組みについての御質問のうち、滞在、体験プログラムについてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県の外国人宿泊者数は、震災前の水準を回復したところでありますが、新たに平成三十二年に現在の約三倍となる五十万人泊とする目標を掲げたところであります。この目標を達成するためには、美しい景観や温泉、豊かな食や日本酒など我が県が有する観光資源の更なる磨き上げのほか、雪や日本の歴史、文化そのものを楽しむための体験プログラムの開発など新たな視点による受け入れ環境の整備を図ることが必要であると認識しております。このため県では、東北観光推進機構や東北各県と連携し、冬の祭りや生活体験など東北の冬の魅力の情報発信や太平洋沿岸を対象とした広域語り部の育成のほか、受け入れ環境の整備などを通じて着地型、滞在型の商品造成につながる事業を展開しております。このほか、南三陸町で盛んに行われている震災学習と漁業体験を組み合わせた教育旅行の誘致などにも積極的に取り組んでおります。今後も引き続き外国人旅行者のニーズを的確に捉え、我が県ならではの観光資源を活用しながら誘客に努めてまいります。

 次に、効果的、効率的なプロモーションの必要性についての御質問にお答えいたします。

 御指摘のとおり外国人旅行者に向けては県単独のみならず東北全体でのプロモーションも必要であると認識しております。県ではこれまでも、東北観光推進機構や東北各県と連携し、海外でのプロモーション事業や旅行会社等の招請事業などを行い、東北への誘客に努めているところであります。特に、昨年八月には東北六県知事などによる台湾トップセールスを行ったほか、昨年十二月には東北の秋の観光素材による動画をユーチューブで配信し八百九十万回を超える視聴回数となるなど、大きな成果を上げたところであります。また、東北の観光復興への取り組みとして、日本政府観光局による全世界を対象とした東北プロモーションなどが展開されるなど、国においても東北への誘客を意識した取り組みが行われております。今後は、台湾からの教育旅行誘致など我が県ならではの取り組みの継続はもとより、東北各県及び関係機関との連携によるプロモーションなどを強化し我が県及び東北への誘客につなげてまいります。

 次に、PDCAサイクルの構築による事業の執行についての御質問にお答えいたします。

 我が県の観光関連事業については、観光戦略プランに掲げられた県全体の目標の達成を目指し、取り組みごとの事業実施状況を検証しながら、観光振興施策の見直し改善に反映しております。また、今年度、国において創設された東北観光復興対策交付金を活用した事業については、事業ごとに目標の設定が求められており、その達成に向けて、PDCAサイクルを用いることとされております。御指摘のとおり、国の事業のみならず県事業においても、的確な目標の設定及びPDCAサイクルの構築が重要であると認識しておりますことから、毎年度の予算、決算、行政評価などを通じ各事業を効果的、効率的に実施してまいります。

 次に、中国吉林省との関係による中国からの交流人口増加についての御質問にお答えいたします。

 まず、ことし四月には吉林省長を団長とする訪問団が来県する予定であり、省長の来県に合わせ吉林省写真展など友好締結三十周年記念イベントを開催する予定であります。また、夏には我が県で開催される全国高校総合文化祭に吉林省の高校生を招待するほか、吉林省文化庁訪問団が来県され、文化芸術イベントの開催を予定しております。これまで吉林省とは、吉林省海外研修員の受け入れや我が県の職員派遣などの人的交流、また、宮城県日中友好協会が行っている吉林省での植林活動などの友好交流への支援、そして吉林省で開催される北東アジア博覧会への宮城県ブースの出展などを継続してまいりました。今後は、これまでの交流を土台として、宮城の魅力を広く吉林省の方々に発信するための観光セミナーを実施していくなど、吉林省も含めた中国からの交流人口の増加を目指し観光交流を促進してまいります。

 次に、アジアプロモーション課の位置づけと活動方針についての御質問にお答えいたします。

 アジアプロモーション課の設置については、特に日本への関心が高く訪日客が増加している中国、台湾等のアジア地域に重点的に取り組むためインバウンド関連業務や国際交流業務、海外ビジネス事業を一元化し、情報やノウハウ、人脈の共有化と職員リソースを集約するものです。また、観光客の誘客と受け入れ体制を整備する観光課やアジア以外のインバウンド、国際交流等を担当する国際企画課と密接な連携が必要なことから、新たに国際経済・観光局長を設置して三課の効果的な業務推進を図ることとしております。来年度以降はアジアプロモーション課を中心に北京、上海への現地サポートデスク設置やセミナー、商談会開催による情報発信の強化、台湾からの教育旅行やインセンティブツアーの誘致及びメディアミックスによる情報発信などに取り組み、インバウンド拡大に向けて我が県の海外に向けたプロモーション活動を更に積極的、効果的に進めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱三点目、防災力向上のための積極的な取り組みについての御質問のうち、広域防災拠点整備の進捗状況と新年度の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 広域防災拠点につきましては、昨年八月にJR貨物と仙台貨物ターミナル駅用地の取得に係る仮契約を締結し、十一月には県への所有権移転登記を完了したところでございます。現在は広域防災拠点整備の前提となりますJR貨物移転のため、岩切地区における環境アセスメントの手続や公共施設管理者との協議などJR貨物とともに進めているとこであり、来年度につきましてはJR貨物と駅移転に関する補償契約を締結し早期に移転工事に着手できるよう取り組んでまいります。県といたしましては、宮城県広域防災拠点の整備により、一日でも早く我が県の防災力の更なる向上が図られるよう今後とも県民並びに議会の皆様の御理解を得ながら着実に事業を推進してまいります。

 次に、広域防災拠点の防災教育機能についての御質問にお答えいたします。

 広域防災拠点につきましては災害時の利用を基本に設計を進めておりますが、平常時の利活用につきましては憩いの場や運動公園としてサッカー、ソフトボールなど多様なスポーツが可能なグランドや多目的広場、全天候型運動場、ランニングコースなどを整備することとしております。また、各広場などには災害時の機能や役割について記載した案内版を設置するとともに、管理棟内には防災に関連した展示物や配布物を設置することとしております。

 なお、防災体験や防災知識の普及啓発を促すなどの具体的な仕組みにつきましては今後、庁内におきまして横断的に検討を進めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱七点目、いじめ対策と教育問題についての御質問のうち、いじめと不登校の状況に対する所感等についてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県におけるいじめの問題や不登校の出現率の高さについては大きな課題であると認識しております。これらの課題については、初期対応が重要であるとともに、学校だけでは解決が難しい側面もあることなどから、今年度、県教育委員会では対策プロジェクトチームを立ち上げ、学校や家庭に対する直接的な支援を始めたところであります。また、市町村が設置するみやぎ子どもの心のケアハウスへの支援にも取り組んでおります。あわせて、いじめや不登校を生まない学校づくりが重要であることから、それに向けた各学校の取り組みも促しているところであります。今後も市町村教育委員会やPTA、保健福祉部とも連携しながら、これらの取り組みを充実させ課題解決に努力してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 警察本部長中尾克彦君。

    〔警察本部長 中尾克彦君登壇〕



◎警察本部長(中尾克彦君) 大綱七点目、いじめ対策と教育問題についての御質問のうち、児童生徒が安心して利用できるサイバー空間とするための取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 今やサイバー空間は青少年を含む県民の日常生活の一部になっている一方で、膨大な違法、有害情報が氾濫し、わいせつ画像頒布や児童生徒が児童買春等に巻き込まれる事犯が多発するなど、その脅威は深刻化しております。このため県警察では昨年、小中学校及び高等学校におけるサイバーセキュリティー・カレッジを計二百四十三回、約六万三千人に対し実施し、スマートフォンの安全利用に関する指導等を徹底したほか、児童の性的搾取等の未然防止のため、サイバー防犯ボランティアによる有害情報の削除要請を行うなど被害防止対策を充実したところであります。

 一方、昨年は児童ポルノや不正アクセス禁止法違反等のサイバー犯罪を過去最多となる二百十件検挙するなどサイバー空間の脅威に対する取り締まりも強化したところであります。更に、このような厳しい情勢を踏まえ、平成二十九年度の組織機構改編により生活安全部内にサイバー犯罪対策課を新設し組織体制の強化を図るなどしてサイバー空間の脅威に対する総合対策を一層推進することとしております。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。

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△散会



○副議長(長谷川洋一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 明日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後三時四分散会