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平成29年  2月 定例会(第359回) 03月01日−05号




平成29年  2月 定例会(第359回) − 03月01日−05号













平成29年  2月 定例会(第359回)



       第三百五十九回宮城県議会(定例会)会議録

                              (第五号)

平成二十九年三月一日(水曜日)

  午前十時開議

  午後二時五十分散会

      議長                     中島源陽君

      副議長                    長谷川洋一君

出席議員(五十九名)

        第一番                  大内真理君

        第二番                  角野達也君

        第三番                  内藤隆司君

        第四番                  高橋 啓君

        第五番                  鎌田さゆり君

        第六番                  遠藤伸幸君

        第七番                  庄田圭佑君

        第八番                  深谷晃祐君

        第九番                  遠藤隼人君

        第十番                  中嶋 廉君

       第十一番                  福島かずえ君

       第十二番                  天下みゆき君

       第十三番                  三浦一敏君

       第十四番                  佐々木功悦君

       第十五番                  境 恒春君

       第十六番                  太田稔郎君

       第十七番                  横山のぼる君

       第十八番                  渡辺勝幸君

       第十九番                  横山隆光君

       第二十番                  佐々木賢司君

      第二十一番                  守屋守武君

      第二十二番                  石川利一君

      第二十三番                  熊谷義彦君

      第二十四番                  渡辺忠悦君

      第二十五番                  遠藤いく子君

      第二十六番                  すどう 哲君

      第二十七番                  吉川寛康君

      第二十八番                  伊藤和博君

      第二十九番                  中島源陽君

       第三十番                  長谷川 敦君

      第三十一番                  佐々木幸士君

      第三十二番                  村上智行君

      第三十三番                  細川雄一君

      第三十四番                  高橋伸二君

      第三十五番                  菊地恵一君

      第三十六番                  只野九十九君

      第三十七番                  佐々木喜藏君

      第三十八番                  石川光次郎君

      第三十九番                  佐藤光樹君

       第四十番                  岸田清実君

      第四十一番                  菅間 進君

      第四十二番                  坂下 賢君

      第四十三番                  ゆさみゆき君

      第四十四番                  藤原のりすけ君

      第四十五番                  坂下やすこ君

      第四十六番                  庄子賢一君

      第四十七番                  本木忠一君

      第四十八番                  中山耕一君

      第四十九番                  長谷川洋一君

       第五十番                  安部 孝君

      第五十一番                  齋藤正美君

      第五十二番                  安藤俊威君

      第五十三番                  渥美 巖君

      第五十四番                  畠山和純君

      第五十五番                  仁田和廣君

      第五十六番                  藤倉知格君

      第五十七番                  相沢光哉君

      第五十八番                  中沢幸男君

      第五十九番                  渡辺和喜君

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説明のため出席した者

      知事                     村井嘉浩君

      副知事                    若生正博君

      副知事                    山田義輝君

      公営企業管理者                犬飼 章君

      総務部長                   大塚大輔君

      震災復興・企画部長              伊東昭代君

      環境生活部長                 佐野好昭君

      保健福祉部長                 渡辺達美君

      経済商工観光部長               吉田祐幸君

      農林水産部長                 後藤康宏君

      土木部長                   遠藤信哉君

      会計管理者兼出納局長             増子友一君

      総務部秘書課長                横田 豊君

      総務部参事兼財政課長             吉田 直君

    教育委員会

      教育長                    高橋 仁君

      教育次長                   西村晃一君

    選挙管理委員会

      委員長                    伊東則夫君

      事務局長                   清水裕之君

    人事委員会

      委員長                    小川竹男君

      事務局長                   谷関邦康君

    公安委員会

      委員長                    相澤博彦君

      警察本部長                  中尾克彦君

      総務部長                   岡崎 晃君

    労働委員会

      事務局長                   正木 毅君

    監査委員

      委員                     工藤鏡子君

      事務局長                   武藤伸子君

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    議会事務局

      局長                     今野 順君

      次長兼総務課長                半沢 章君

      議事課長                   三浦正博君

      参事兼政務調査課長              大浦 勝君

      総務課副参事兼課長補佐            三浦 理君

      副参事兼議事課長補佐             川村 満君

      政務調査課副参事兼課長補佐          高橋秀明君

      議事課長補佐(班長)             二上秀幸君

      議事課主任主査                齋 真左志君

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    議事日程 第五号

                平成二十九年三月一日(水)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号

第三 一般質問

   [渡辺勝幸君、福島かずえ君、只野九十九君、境恒春君]

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号

二 日程第三 一般質問

   [渡辺勝幸君、福島かずえ君、只野九十九君、境恒春君]

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△開議(午前十時)



○議長(中島源陽君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(中島源陽君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に三十一番佐々木幸士君、三十二番村上智行君を指名いたします。

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△議第一号議案ないし議第四十三号議案



△議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案



△報告第一号ないし報告第百十三号・一般質問



○議長(中島源陽君) 日程第二、議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。

 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。十八番渡辺勝幸君。

    〔十八番 渡辺勝幸君登壇〕



◆十八番(渡辺勝幸君) 自由民主党・県民会議の渡辺勝幸でございます。早いもので、間もなく東日本大震災から六年の月日が過ぎ、震災の年に入学した小学一年生もこの春卒業式を迎えることとなりました。復興は、私たち宮城県民にとって大きな大きな目標であり、震災後、国が定めた復興期間である十年もそのゴールが見えてきたように感じます。また、この平成二十九年度は平成三十二年度を復興の目標に定めた、宮城県震災復興計画の再生期総仕上げの年でもあり、平成三十年、三十一年、三十二年、最後の三年間に位置づけられる発展期において、創造的復興を結実させるための非常に重要な年でもあります。ここで大綱一点目として、再生期の総仕上げとなるこの平成二十九年度に宮城県としてどのような政策を推進していくのか、お伺いをいたします。

 復興事業推進に当たっては、国直轄事業、県事業、市町事業の事業間調整など、言葉で言うのは簡単ですが、実際の事業を進めるためには、おびただしい数の調整が必要であり、それを一つ一つ解決していくことは大変なことであります。しかし、同時に一刻も早い復興の実現をと、その葛藤が復興行政の最前線にはあるのではないでしょうか。

 さて、北島三郎の歌に「根っこ」という曲があります。「咲いた花だけ人は見て、きれいな花だともてはやす、花には枝あり幹がある、目にこそ届かぬその下に、忘れちゃならない根っこの力、陰で支えて土ん中。」震災からようやくここまで来た、目に見える形での復興が少しずつ実現してまいりました。しかしここには多くの方々の土の中の根っこの力があったものと改めて感謝の気持ちが沸き上がってくるところです。これから復興計画も後半戦となりますが、ポスト復興における土木行政を進めるに当たって、引き続きこの根っこの力を大切にしなければなりません。復興事業推進の一方で、大きな流れの中で通常の公共事業が大幅に縮減され、既存ストックの長寿命化、入札制度改革など課題は山積しており、復興計画期間以後も宮城県土木行政の果たすべき役割は大きいものと思います。今後の本県の土木行政のあり方について、その思いも含めて、土木部長にお伺いいたします。

 次に、宮城県における県債について、その見解をお伺いいたします。

 これまで我が国においては、国債市場、地方債市場は、安定的にコントロールされてきましたが、トランプ政権のインフレを誘引しかねない経済政策など不透明な世界情勢の中で、金利上昇リスクを払拭することは難しく、現在も厳しい状況にある本県の財政運営に対し、世界経済の不安定さは少なからぬ影響があるものと見ております。平成二十九年度当初予算案における県債額は九百十九億円となっております。地方債には暗黙の政府保証があるとされているとはいえ、本県においては、少子高齢、人口減少に伴う社会保障費の逓増、臨時財政対策債の累増などにより、財政の硬直化が常態化しつつあり、また実質的な公債費負担も高水準となるなど、県財政は依然厳しい状況が続いております。平成二十六年に策定されたみやぎ財政運営戦略においては、復興計画の再生期における財政戦略が描かれておりますが、中長期的な公債費負担の軽減策として資金調達の低コスト化が挙げられております。この中でも、超長期債の発行は金利変動リスクを分散するという意味においても、また、民間の力を生かしているという点でも重要な手法であります。近年、他県においても二十年債、三十年債など超長期債の積極的な発行が見られ、宮城県においても、平成二十七年度から三十年債が発行されており、償還年限が長い超長期債を発行することによる財政改善策は効果が高いものと思われます。現在の低い金利水準の状況を前向きに捉え、更なる超長期債の活用を図るべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

 また、この財政運営戦略においては、震災復興計画再生期の四年間で県有資産を活用し、二十七億円程度の歳入確保を目指すとしております。県所有の未利用地等の売却や貸し付けを行うなど、県有財産を活用した新たな施策展開に引き続き積極的に取り組むべきと考えますが、その見解をお伺いいたします。

 続いて、都市と農地の共生による新たな農業振興についてお伺いいたします。

 平成二十七年、都市農業振興基本法が成立し、翌平成二十八年五月に都市農業振興基本計画が閣議決定されました。またこの基本法においては、地方公共団体が政府の基本計画をもとに都市農業の振興に関する計画を定めるよう努めることとされました。この基本法の制定により、従来の都市と農業の概念は大きく転換され、これまで原則とされてきた市街化区域内の農地は基本的に宅地化すべきものという考え方から、都市と農地は共存すべきであるというように方向転換しております。これからの時代は、都市と農業の共生を目指すべきであり、そこに新しい農業の可能性があると思われます。都市農業とは何か、その定義は市街地及びその周辺の地域において行われる農業とされています。本県においても、都市化の流れの中で、県内各地の市街化区域及び市街化調整区域で、さまざまな農業が行われており、市街化区域内農地を有するのは、県内十四市町となっております。同基本法においては都市農業の役割として、農産物の供給機能に加え、防災、景観形成、環境保全、農業体験や学習の場、農業や農業政策に対する理解の醸成など、その多様な機能の発揮を図るべきとしています。また、良好な都市環境の形成に資するため、政府に対し、必要な法、財政、税制、金融の措置を講じるよう求めており、平成二十九年度国の予算案においても、都市農業機能発揮対策事業として予算が計上されているところです。また、障害者が農業の担い手となる農福連携、学校教育における農作業体験などは、都市と農地の共生というだけではなく、政府の今後の予算措置も含め、今後ますます注目される政策分野となることでしょう。この都市農業は、現在全国各地の自治体が推進。平成十八年には神奈川県、平成二十年には大阪府が都市農業推進の条例を制定、そして本基本法制定を受けて、昨年十一月には、兵庫県で都市農業振興基本計画が策定されています。本県当初予算案においては、県内農産物直売場のPR等として、農産物直売場等魅力発信支援費に千五百万円が計上されております。都市農業推進施策としても重要な小規模な直売を促進することは、わずかな生産でも出荷できるという多くの農家の意向にも合致し、生産意欲の向上にも大いにつながると言われておりますので、積極的に推進すべきと考えます。以上述べましたように、今後ますます都市農業の重要性は高まり、また復興のためには農業振興がその大きな力になってまいります。復興計画の発展期を見据え、宮城県においても都市農業振興基本計画を策定し、都市農業支援策を推進することにより、農業の更なる活性化を図るべきであると考えますがいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。

 また、固定資産税を農地並みとする生産緑地制度は、地方圏においてはほとんど導入が進んでいないのが現状であり、宮城県内の指定実績はないと伺っております。地方圏の市街化区域農地は、固定資産税・都市計画税の負担の増加とアパートなどの経営の悪化により大きく減少が進むおそれがあり、JAグループは地方圏においても制度の内容について、国、自治体が十分に周知を行い、その上で地域の実情に応じて、生産緑地制度導入を進めるべきと主張しております。宮城県内においても生産緑地制度の導入を図ることによって、市街化区域等の農地の保全を目指していくべきであると考えますが、その見解をお伺いいたします。

 続いて大綱二点目、ベトナムにおける宮城県産品販路開拓支援事業等についてお伺いいたします。

 第三百五十八回県議会において決定された議員派遣、ベトナム社会主義共和国との国際経済交流・海外ビジネス支援等に関する調査に私も参加いたしましたので、本調査に基づく質問をいたします。

 去る一月二十二日より二十七日にかけて、宮城県議会議員九名がベトナム社会主義共和国のホーチミン市、ハノイ市、タイビン省を訪問いたしました。ベトナムにおいては従来安い人件費と土地を前提に、日系企業による組み立て輸出の工場進出が多いとされておりましたが、この数年大きく変化し、ベトナム国民の購買力の上昇により、商品そのものを売る日系企業がふえているという、ジェトロ・ホーチミン事務所の御説明でありました。また、ホーチミン市を中心にファミリーマートやミニストップなど二百店以上の日本のコンビニが進出しており、ジェトロでは、こうしたコンビニに日本食のテスト販売を要請、昨年十一月の一カ月間、六十七品目の加工食品を売り出しました。ちなみに宮城県産品としては、白石温麺も入っているとのことでありました。東南アジア諸国の発展は近年目まぐるしいものがあり、半年もたつと情勢は大きく変化をしています。県産品輸出、県内企業のビジネス進出について、こうした調査を実施しているジェトロなど関係機関との連携、緊密な情報交換が欠かせないと感じました。また、自治体外交も重要であることを改めて感じたところであります。ホーチミン市役所では、ホーチミン市人民委員会レー・タイン・リエム常務副委員長に、タイビン省では、県知事兼国会議員団団長相当であるグエン・ホン・ジエン人民委員会委員長に御対応いただき、関係幹部とも交流を深めてまいりました。更に一月、安倍首相がベトナム訪問をした際に、赤身のドラゴンフルーツの輸入を日本側が許可したということで、かわりにベトナムでは日本の梨の輸入解禁を決定したという情報もこのときホーチミン市副委員長より提供いただきました。本県においては、利府梨を初めとする梨の生産が盛んでありますので、梨の輸出についても検討を進めていくべきと考えます。また、宮城県ベトナム等ビジネスアドバイザリーデスクの担当の方や、ベトナムの宮城県人会の方などから伺ったことですが、ベトナムにおいては法律ルールが抽象的であり、行政担当者によって対応が大きく異なる、したがって日本のやり方ではトラブルになることもあり、県内企業が困ったときに、自治体同士の関係を構築しておくことが重要であるということを非常に強く感じました。こうした観点は、当然他県においても認識されているようであり、我々が訪問する数週間前には岩手県知事が、また昨年十月には長野県知事が、ことしの二月には群馬県知事が群馬県議会のベトナム友好議連の県議会議員や民間の経済訪問団とともに訪越しております。また、埼玉県では県庁職員や県議会議員がよくホーチミンを訪れているとのことで、具体的に県内企業の工場進出支援策を講じているとのことでした。宮城県においても知事が先頭に立ち、県内経済界の有志とともにベトナムを訪問し、足がかりを得られるよう経済界をバックアップしてはいかがでしょうか。震災により大きく海外販路が失われてしまった本県の経済活性化をベトナムとの経済交流により促進することができると考えますが、見解をお伺いいたします。

 ベトナムにおいては、イオンモール・ビンタンにおいて県が事業実施しているベトナム宮城県産品マーケティング支援事業、宮城県アンテナショップにも調査へ行ってまいりました。また、イオンモール・ロンビエンの北関東三県ショップにも伺いました。本県の宮城ショップではおなじみの県産品を販売しており、塩焼きギンザケ、殻つきカキ、ホタテやメカブなど水産品を初めとして、パパ好みや川口納豆、ひとめぼれや焼きノリなども参戦しています。中でも喜久福が人気とのことでありました。宮城県のものはおいしいものばかりで、私自身も自信を持って世界へ売り込めると思っていますが、実際に宮城ショップへ行ってみて感じたのは、単に宮城の品を展示しているようにしか思えないということでした。ベトナムの方から見れば、宮城のものがどういうものか全くわからないにもかかわらず、試食コーナーも説明もほとんどありません。せっかくの県産品をただ置いていても、売り上げは上がらないのではないかと感じました。十九世紀アメリカである飲み物が発明され大々的に売り出されました。南部地方では大人気になったものの、それ以外ではほとんど無名の存在であったそうです。そこでその会社は、知名度を向上させるため、多くの人に飲んでもらおうと無料でその飲み物を飲めるクーポンを配布し始めます。一八九四年から一九一三年にかけて配られたクーポンの数は何と八百五十万枚以上に及んだそうです。配布期間が終わるころ、その飲み物は米国民の九人に一人が飲んだことのある国民飲料となっていました。その飲み物とは今では私たちもよく知っているコカ・コーラであります。私は、宮城のものには世界に通用するものがたくさんあると確信をしております。そして我が日本のものについても、世界的優位性があると確信をしております。実際にそのイオンモールでは、青森のリンゴが高値で売られていましたが、ベトナムの人々は青森はどこにあるか、東北がどこにあるかは知らないそうです。ただ、日本のものであれば間違いなくおいしいもので、安全で安心なものであるから、少々値段が張っても贈答用に買って間違いない。そう考えているそうであります。私は、県の事業として現場でいかに売るか、そして試飲、試食も含めた観点から事業内容を検討していただきたいと強く思う次第です。当初予算においては、東南アジア宮城県産品マーケティング支援費として六千九百万円、ベトナム・宮城「三陸ブランド」向上等支援費として千六百六十四万円など東南アジアにおける海外販路開拓支援、ビジネス支援などにも予算が計上されております。県内沿岸部において震災からの復興、工場建設は徐々に進んできましたが、最後は販路がなければ本県の被災企業の持続的発展は望めません。いわば真の復興実現の最大の山場であります。ベトナムに大きなチャンスがある今、予算を思い切って重点的に投入すると同時に、きめ細やかな事業実施対応が必要であります。新年度予算の事業内容と今後のアンテナショップのあり方についてお伺いいたします。

 次に、大綱三点目、国語教育の充実強化と児童生徒の安全安心な社会の構築についてお伺いをいたします。

 文部科学省は二月十四日、小中学校で教える内容を定めた学習指導要領の改訂案を公表しました。これによれば、小学三年生から英語の授業がスタート、小学五年生から英語を教科化するとされています。グローバル社会に対応するため、また二〇二〇年の東京五輪を見据え、我が国は英語教育に力を入れるという方向が定まっております。しかし一方で私は、国語の教育がおざなりなってしまっているのではないかという危機感を抱いております。英語教育の重要性を否定するものではありません。しかし、子供たちの言葉遣いの乱れに加え、テレビ、ゲーム、スマホを初めとするインターネット社会の中で、正しい国語の読み書きを学び、国語で物事を論理的に考え、伝える能力を養うことが人生においては重要であり、国際社会で活躍する日本人こそ主座を保つ思考が必要なのではないでしょうか。国語は思考そのものと深くかかわっています。私たちは、子供のころから国語を用いて思考し、読書をすることによって多くの言葉を身につけ、適切な表現は何かということを学びます。更には国語によって、日本人としての思考、自然への繊細さと畏怖の感情、物の哀れ、また弱い立場にある方に対する思いやりといった情緒を育んでいます。このことは、むしろ日本から世界に発信していくべき普遍的価値でありますし、この情緒は、美しい自然やそれらを守っている農業に関連してくるものであります。人間の思考は語彙の数に比例するものと言われますので、十分な読書をする機会が失われれば、日本人は深く思考することの少ない民族になり、勢い、国家の衰退につながるということは想像にかたくありません。語彙力を高めるためには、読むことしかないのであります。しかし、現在の教育情勢において、国語の時間数を大幅にふやすことは難しいでしょう。そうであるならば、次善の策として、学校図書館の図書や新聞の配備に力を入れ、子供たちが少しでも読む機会をふやす必要があります。平成十九年度からスタートした、政府による学校図書館図書整備五カ年計画は、毎年度約二百億円、総額約一千億円の地方財政措置を講じるとし、続く平成二十四年からの五年間で引き続き図書整備のための継続措置、更には学校図書館への新聞配備が求められているところであり、新聞配備の措置として年間約十五億円、これは各校に新聞一紙が配置されることを想定した予算規模となっております。新学習指導要領においても、新聞を教材として活用することが位置づけられており、宮城県内の小中各校においても、一校一紙の新聞が配備されていなければならないことになっておりますが、県内各校の新聞配備の現状について、具体的に数字をお示しいただき、その見解をお伺いいたします。

 文部科学省と総務省によれば、平成二十九年度予算からはこの交付税措置を拡大し、高校もその対象として支援を充実する方針とのことであります。我が家では小学校の子供がいることもあり子供新聞を購読しております。安価な週刊新聞ですが、子供の興味を示しながら同時に社会の情勢についても詳しく子供向けに書かれている新聞であり、私自身も興味深く読んでおります。小学生は子供新聞、中高生は複数の一般の新聞という使い分けもよいのではないかと思いますが、あわせてその見解をお伺いいたします。

 さて先日、自由民主党・県民会議政策研究会において、東北大学の川島隆太教授より子供たちの携帯・スマホ使用による課題についてお話をいただきました。中学生のスマホ、LINEなどアプリの使用時間がふえればふえるほど、学力が低下していくということが、調査の結果判明しており、中学生までのスマホ所持については、規制が必要であるというお話でした。また川島教授は、兵庫県小野市の取り組みを支援しているとのことで、同市の中学校では、生徒たちがみずからこのスマホ使用時間が多ければ学力が低下するという調査結果を読み取り、それらを議論し自分たちで使用のルールを決め、家庭や地域に宣言をするという取り組みをしております。更に先日、私は地域の青少年健全育成協議会に出席いたしました。その際意見交換の中で、近年児童生徒の非行、夜間の徘回などについては減少傾向にあるが、スマホやLINEなどによるいじめ、性犯罪に巻き込まれる事例が出てきているなど、青少年の健全育成に関する課題が時代の流れとともに大きく変化をしてきているとの議論が出てまいりました。スマホ使用について、その危険性や問題点について、児童生徒を含め保護者等が問題意識を深めるための指導、教育、連携が必要であると考えますが、その見解をお伺いいたします。

 この数年、仙台市若林区内においては、震災により町並みが大きく変化をし、復興関連の圃場整備、区画整理事業、農地の大規模集約化事業に加え、一昨年の地下鉄東西線開業により、車で通勤をする人々の流れだけではなく、高校生の通学路についても著しく大きな変化が生じています。一部の交差点に交通量が集中することによって、徒歩で通学する小中学生の安全確保も含めて、高校生の通学自転車の交通安全対策も急務であります。地域の方々からは高校生の交通事故を危惧する声や、信号機設置等交通安全施設整備の強い要望も出ているところであり、警察、学校の対策、更には地域や保護者と連携をしたソフト面での対策も必要であると感じております。ある高校では、地域の自転車屋さんのボランティア協力により、生徒の通学自転車の定期点検をしていただくことによって、生徒自身の交通意識を高めながら、自転車の定期的な整備によって事故を減少させる効果が出ているそうであります。現在もさまざまな取り組みがあることとは思いますが、事故があってからでは遅いという観点から、早急な取り組みが必要と考え、見解をお伺いするものであります。

 次に、平成三十一年度に運用開始される、(仮称)若林警察署についてお伺いいたします。

 県庁舎等整備基金の活用により、(仮称)若林警察署庁舎建設工事の建設費として、二億四千九十一万六千円が当初予算として計上されております。仙台市内五区で唯一警察署がない若林区に警察署が設置されることにより、行政区域と警察署の管轄区域の一体性が確保されること、また、極めて繁忙な仙台南警察署の管轄区域を見直し、同署の負担が軽減されることなどによって、若林区民への行政サービスの向上が見込まれるところであります。更に若林区内においては新市街地が形成され、人口動態、治安情勢、そして自動車や自転車の交通に大きな変化が生じているということは、先ほども指摘したところであります。新たな警察署ができることで、住民サービスにどのようなプラスの効果が生じるのか、地域の方々も期待し注目しているところでありますので、新警察署がどのような取り組みに力を入れていくのか、お伺いをいたします。

 大綱四点目、公益経済の観点に基づく中小企業・小規模事業者の新たな取り組みの支援についてお伺いいたします。

 県内経済の活性化のためには、中小企業・小規模事業者による新たな取り組み、また、新たにチャレンジをしようとする創業を目指す方々を積極的に支援していくことが重要であります。しかし、新たな取り組みであれば何でもよいというのではなく、また、お金もうけさえできればよい、何でもありというような企業がふえていくのでは困ります。企業は社会的存在であると捉え、顧客、取引先、地域社会などステークホルダー全体への貢献、公益を重視する存在であるよう支援をし、促進をしていくことが必要であります。近年、介護分野への他業種からの相次ぐ参入による競争激化や、介護報酬引き下げ、人手不足から、介護サービス事業者の倒産が増加しております。公益に資する目的で介護サービス事業は運営をされておりますが、同時に今後の介護分野の行政のあり方として、その経営について他業種の経営者と同様に、融資を初めとする金融の問題、労務の問題、経営管理などの経営課題について、介護サービス事業者が学ぶ機会、そして地域に貢献するきっかけを促進する必要があります。介護サービス事業者の経営者としての専門性を高めることが結果として、介護サービス事業者の倒産を防ぎ、離職率の低下にもつながっていくものと考えますが、いかがでしょうか。

 また、介護サービス事業者は社会福祉に寄与する存在ですが、同時にやはり事業体であり経営体でもあります。多くの中小企業と同様に、経営的観点に基づいた支援策も必要になるはずですが、行政の垣根がそこにあるのではないかと感じます。例えば、経済商工観光部の中小企業経営支援策に、介護サービス事業者も対象に含めたものがあってよいのではないか、むしろ必要なのではないかと感じますが、その見解をお伺いいたします。

 最近、新たな取り組みとして民泊という言葉を耳にします。民泊とは、一般のマンションや戸建て住宅の空き部屋に旅行者を有料で泊めるという事業であり、現在は特区に限って認められていますが、政府はこれを全国に解禁し、民泊を推進する住宅宿泊事業法案を今国会に提出するとのことであります。この民泊については、外国人観光客宿泊施設不足の解消、また、空き家対策として推進を訴える方々がいる一方、既に事業として行われている旅館業法との整合性、また周辺住民とのトラブル、外国ではテロの温床になっているなど、問題があるとして反対を訴える声も上がっております。特に私は、家主不在型民泊については適切な指導がなければ、事件、事故が起きる可能性が高いのではないかと感じておりますし、新たな事業であるからこそ公益的観点を持った事業としなければ継続そのものが厳しくなってしまうことでしょう。本法案では、民泊の年間営業日数の上限を都道府県など自治体が条例で短くすることができるとされています。新たな取り組みを進めていくと同時に、課題の解決も重要なことであり、県が担うべき部分も多いように感じております。この民泊問題について、現時点での見解をお伺いいたします。

 以上、大綱四点につき関係各位からの前向きな答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。

 御清聴いただきまして、誠にありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 渡辺勝幸議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。

 大綱一点目、宮城県震災復興計画再生期の総仕上げについての御質問にお答えをいたします。

 初めに、今後の土木行政のあり方についてのお尋ねにお答えをいたします。土木部長御指名でございましたけれど、私が答弁させていただきます。

 県では、現在、宮城県震災復興計画及び土木建築分野の部門別計画である宮城県社会資本再生・復興計画に基づき、被災者の生活再建や被災市町の復興まちづくりを最優先課題と位置づけ、災害に強いまちづくり宮城モデルの構築など、全力で取り組んでおります。

 一方、本県の社会資本整備を取り巻く環境は加速化するインフラの老朽化、気候変動に伴う災害リスクの増加、急激に進行する人口減少社会、更には、震災復興後の建設投資の大幅縮小に伴う建設産業を初めとする地域経済への影響など、極めて厳しい状況が到来すると強く認識しているところであります。社会資本は安全で安心な県民生活や社会経済活動を支える重要な基盤であり、整備に当たっては、時代の変化や要請を見据え、中長期的な視点から戦略的に取り組む必要があります。このため、震災復興後を見据えつつ、来年度から活力に満ちた地域の将来像の実現を目指す新たな社会資本整備計画の策定に着手する予定としております。県としては、東日本大震災からの復興を確実になし遂げ、将来にわたって豊かで持続可能な県土づくりと宮城の将来ビジョンに掲げた富県宮城の実現に向け、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、超長期債の更なる活用についての御質問にお答えをいたします。

 みやぎ財政運営戦略では資金調達の低コスト化に取り組むこととしており、御指摘のありましたとおり、近年は歴史的な低金利水準にあることから、我が県におきましては、平成二十六年度以降、償還年限が二十年や三十年といった超長期債の活用を進めているところであります。また、超長期債の発行に当たっては、最も有利な調達条件を示した金融機関から借り入れを行うプロポーザル方式も採用するなど、調達コストの更なる抑制も図っているところであります。今後とも、社会経済情勢の変化等による金利変動リスクにも留意しながら、超長期債の更なる活用も含めたさまざまな手法により、資金調達コストの低減に努めてまいります。

 次に、大綱二点目、ベトナムにおける宮城県産品販路開拓支援事業等についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、知事のベトナム訪問についてのお尋ねにお答えをいたします。

 県では、成長著しいアジアの中でも、平均年齢が若く親日的な国であるベトナムに着目し、平成二十七年度からサポートデスクの設置やテストマーケティング支援事業を実施しております。来年度につきましても、ベトナムにおける県産品の認知度向上や取引拡大に向けた取り組みを強化するほか、インバウンド促進を狙った事業なども行っていく予定としております。このような事業の機会を捉え、県内経済界の方々とともに、私を初めとした幹部職員が先頭に立って現地を訪問し、現地政府との関係構築を図ることは、我が県及び県産品のPRに大きな効果が期待できることから、可能な限り現地でのトップセールスを行ってまいりたいと考えております。

 次に、ベトナムでの新年度の事業内容と、アンテナショップのあり方についての御質問にお答えをいたします。

 アンテナショップの運営につきましては、輸出手続や販売実務に関するノウハウが蓄積された一方で、販売促進上の課題が見えてきたことから、来年度は更なる魅力あるポップの展示、試食機会の増加、SNSでの情報発信など、購買意欲を引き出す工夫を重ねてまいります。また今後は、県産品の展示販売とあわせて、これまで以上に観光地も積極的にPRすることとし、アンテナショップを我が県の魅力を丸ごと発信する拠点にしてまいります。このほか、今年度実施したホーチミンでの商談会においては、現地有力商社の代表にも御来場いただき強力なパイプも構築できたことから、来年度はアンテナショップに加え、ビー・ツー・ビー取引の拡大にも一層力を入れ、ハンズオン支援による商談の場の設定や、日本食レストラン等における「MIYAGI WEEK」の開催などを行う予定としております。引き続きベトナムにつきましては、中長期的な視点に立って国の予算等の獲得に努めながら、腰を据えて市場を攻略してまいります。

 次に、大綱四点目、公益経済の観点に基づく中小企業・小規模事業者の新たな取り組みの支援についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、介護サービス事業者が経営者としての専門性を高める取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。

 介護サービス事業者が公益に資するという福祉の理念のもと、他の業種と同様に、経営者としての専門性を高めていくことは極めて重要であると認識をしております。このため県といたしましては、今年度から先進的な職場環境改善や、人事管理等を実践している優良な介護サービス事業者の事例を紹介する経営者向けセミナーを開催するなど、働きやすい職場づくりによる介護職員の確保、定着や経営体制の強化に向けた取り組みを推進しているところであります。来年度は経営者向けセミナーを更に拡充するとともに、圏域単位での研究会の開催など、引き続き経営者のマネジメント能力の向上に取り組んでまいります。

 次に、民泊に対する見解についての御質問にお答えをいたします。

 国では、住宅宿泊事業者の業務の適正な運営を確保しつつ、国内外からの観光旅客の来訪及び滞在を促進する住宅宿泊事業法案について、今国会への提出を目指していると伺っております。いわゆる民泊につきましては、衛生面、安全面の確保及び周辺住民対策などの課題がありますが、一方では、外国人観光客などの新たなマーケットとして、古民家の活用等につながるものと考えられます。県といたしましては、こうした課題への的確な対応を検討するとともに、国の動向を注視しながら、民泊を国内外から特に農村部への旅客獲得の新たなチャンスと捉え、マーケットニーズの把握に努めてまいります。農村部と申し上げましたけれども、被災地も含めましてそういった宿が余りないようなところへの誘導施策としてよく考えていきたいと思っております。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 総務部長大塚大輔君。

    〔総務部長 大塚大輔君登壇〕



◎総務部長(大塚大輔君) 大綱一点目、宮城県震災復興計画再生期の総仕上げについての御質問のうち、県有資産の積極的な活用についてのお尋ねにお答えいたします。

 みやぎ財政運営戦略では県有資産の活用として、未利用地等の売却、貸し付けや特別会計等の資金活用を掲げており、太陽光発電施設への県有地貸し付けや、基金の債権運用などの新たな取り組みも実施し、平成二十六年度及び二十七年度で約二十一億円の歳入を確保し、今年度においても計画額を上回る歳入を確保する見込みとなっております。みやぎ財政運営戦略は、平成二十九年度までの計画となっておりますが、引き続き、県有資産の有効活用を初めとするあらゆる歳入確保策に積極的に取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱四点目、公益経済の観点に基づく中小企業・小規模事業者の新たな取り組みの支援についての御質問のうち、介護サービス事業者を対象とした中小企業支援策についてのお尋ねにお答えいたします。

 介護事業に関しましては、高齢化の進展に伴う需要の増大を背景として、各種のサービス分野において、事業者の新規創業や他業種からの参入が増加しております。経済商工観光部では、中小企業・小規模事業者振興基本計画に基づき、さまざまな中小企業支援施策に取り組んでおり、介護サービス事業に対しましては、創業や経営革新、BCP策定などへの支援に加え、再就職を目指す方への介護福祉士の資格取得を後押しする訓練を実施しております。今後とも、介護サービス事業者に対しては、保健福祉部及び経済商工観光部、両部の支援メニューが最大限活用され、経営課題の解決が図られるよう支援に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱一点目、宮城県震災復興計画再生期の総仕上げについての御質問のうち、都市農業振興基本計画についてのお尋ねにお答えいたします。

 県では、仙台市や石巻市など、広域都市計画に関係する市町村と調整を図りながら、市街化調整区域における優良農地の確保及び農業振興に積極的に取り組んでまいりました。

 一方、市街化区域においては、国の強い農業づくり交付金や県単事業の市町村振興総合補助金、アグリビジネス経営基盤強化整備事業などの活用により、園芸用の共同利用施設、機械、農産加工販売施設、農産物直売施設等の整備が可能となっているところであります。県といたしましては、これらの施策の活用を進めながら、意欲ある都市農業者の取り組みを支援することで農業の活性化を図ってまいります。

 なお、基本計画の策定については、みずからも計画を策定することができる市町村と十分に調整する必要もあることから、その意向を踏まえて判断してまいりたいと考えております。

 次に、生産緑地制度の導入についての御質問にお答えいたします。

 生産緑地地区は、各市町村がそれぞれの都市計画において定めるものとなっており、指定を受けることで、当該地区の農地所有者等に固定資産税の特例措置が講じられるなどのメリットがあります。

 一方で、指定を受けた場合、農地所有者等は原則三十年間の農地等としての管理義務のほか、建物の新築や増改築、宅地の造成などの制限を伴うことから、これまで指定の希望がなく、指定されてこなかった経緯があるものと認識しております。県といたしましては、国の都市農業振興基本計画の策定を契機に、生産緑地制度の周知を図ってまいりますが、制度の導入については、市街化区域内の農地所有者と関係市町村とが今後の農地利用の方向性等について十分に協議して判断することが基本であると認識しております。

 次に、大綱二点目、ベトナムにおける宮城県産品販路開拓支援事業等についての御質問のうち、ベトナムへの梨の輸出を検討すべきとのお尋ねにお答えいたします。

 県産の梨の輸出に関しては、ことし一月から、ベトナムにおける日本産梨の輸入が解禁されました。その輸出に当たっては、日本の選果こん包施設の登録や現地検査などに二国間合意の条件を満たすことが必要であり、輸出を希望する生産者には少なからぬ負担が生じることになりますので、条件を十分に検討する必要があると考えております。今後、国内市場が縮小する中で、海外販路を拡大していくことは大変重要でありますので、梨も含めた県産果物の輸出支援については、国内生産者の生産状況や輸出意向、相手国の消費者ニーズや輸入規制状況などを見きわめながら適切に対応してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱三点目、国語教育の充実強化と、児童生徒の安全安心な社会の構築についての御質問のうち、県内小中学校における新聞配架の現状等のお尋ねにお答えいたします。

 昨年度末における学校図書館への新聞の配備状況は、小学校で二七・六%、中学校では一六・八%であり、全国の状況から見ると、必ずしも十分とは言えないものと認識しております。将来、社会に巣立つ児童生徒にとって、学校教育の中で社会情勢を多面的、多角的に捉えて深く考える力を身につけることは重要なことであり、そのためにも新聞の活用は有効であると考えております。県教育委員会としましては、児童生徒の発達段階に応じてさまざまな新聞を適切に配備できるよう、市町村教育委員会と連携しながら努めてまいります。

 次に、児童生徒を含め、保護者等がスマホ使用の問題意識を深めるための指導等の必要性についての御質問にお答えいたします。

 近年のインターネットやスマートフォン等の急速な普及により、子供たちの間にネットいじめ、ネット犯罪、ネット依存等の問題が発生するなど、深刻な状況にあると認識しております。現代の情報化社会を生きていくためには、スマートフォン等の安全で適切な利用が不可欠であることから、県教育委員会では、児童生徒の発達段階を考慮しながら、必要となる基礎的な知識の習得や情報モラル教育の充実に努めているところであります。また、保護者との連携も欠かせないことから、生徒、保護者を対象とした外部講師による研修会の開催、スマホ・携帯の使用に関する注意喚起を図るリーフレットの配布などにも取り組んでいるところであります。今後もスマートフォン等の利便性や危険性等について、児童生徒がみずからの問題として考え、学ぶ機会を更に積極的に設けながら、情報化社会の中で主体的に判断し適切な行動がとれるよう、保護者や関係機関とも十分に連携し取り組んでまいります。

 次に、高校生の自転車通学の安全確保についての御質問にお答えいたします。

 東日本大震災の復興関連工事や町並みの変化等による交通量増加など、仙台市内においても、高校生の自転車での通学環境が厳しくなっている地域がありますが、各学校では、交通事故防止のために警察や地域のボランティアの方々と協力しながら、その対策を講じているところであります。県教育委員会としましては、高校生の交通事故防止だけでなく、徒歩で通学する地域の小中学生の安全を確保する観点も含め、県立高校に対する自転車利用のマナーアップを促す通知の発出や、高校生の交通安全に関する意識の向上を目的とした啓発活動等に取り組んでおります。今年度中に改めて通知を発出し、各高校において新入生も含めた注意喚起を促すこととしておりますが、今後とも自転車で通学する高校生が被害者や加害者となることがないよう、学校と警察そして地域の方々との連携をより一層密にしながら、交通事故の未然防止に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 警察本部長中尾克彦君。

    〔警察本部長 中尾克彦君登壇〕



◎警察本部長(中尾克彦君) 大綱三点目、国語教育の充実強化と児童生徒の安全安心な社会の構築についての御質問のうち、高校生の自転車通学の安全確保についてのお尋ねにお答えいたします。

 仙台市若林区におきましては、荒井周辺などにおいて震災復興に伴う新たなまちづくりや地下鉄東西線開業等により、児童生徒を取り巻く道路環境が刻々と変化している現状にあります。県警察では同地域の安全を確保するため、新たに信号機十三基、道路標識約三百本など交通安全施設の整備を実施したところであります。今後も区画整理や圃場整備の復興関連事業の進捗に合わせ、関係機関等と連携して交通安全施設の整備に努めるほか、自転車通行環境や生活道路速度抑制を図る「ゾーン30」等の対策を推進してまいります。また、若林区においては、他市区町村の中でも全人身事故に占める自転車事故の割合が高く、特に高校生の自転車通学時のルール、マナー違反も多く見受けられることから、引き続き教育委員会、学校当局等関係機関、ボランティアの皆様との連携を密にしながら、街頭指導や交通安全教育等を推進し、自転車の安全利用促進や徒歩で通学する児童生徒の安全確保に努めてまいります。

 次に、(仮称)若林警察署について、住民サービス向上のため力を入れる取り組みはどうかとの御質問にお答えいたします。

 (仮称)若林警察署については、平成三十一年度の運用開始を目指して建設事業を進めており、来年度の当初予算において、基礎工事の経費を盛り込んでいるところでございます。現在、太白区及び若林地区を管轄している仙台南警察署を分割し、若林区に新たな警察署を設置することにより、行政区域と警察署の管轄区域の一体性が確保され、仙台市を初めとする関係機関、団体との連携が一層強化されるほか、取扱件数の多い仙台南警察署の管轄区域を見直し同署の負担を軽減させることで、若林区内はもとより太白区内においても事件事故の対応が強化されるなど、行政サービスの向上が図られることとなります。

 なお、御指摘のありました荒井駅周辺に見られるような、地下鉄東西線沿線の新市街地形成に伴い、人口動態や治安情勢、交通流量の変化が見込まれることからこれらを的確に把握、分析するとともに、今後も地域住民の皆様の御意見、御要望に耳を傾けながら、新たな治安拠点としての機能を十分に発揮するように努め、地域の安全安心を確保してまいる所存であります。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 十八番渡辺勝幸君。



◆十八番(渡辺勝幸君) ありがとうございました。ベトナムについては力強い御答弁いただきましたので、ぜひ進めていただきたいと思います。

 小中学校の図書新聞配備なんですが、やはり地方財政措置があるということなので、この数字はちょっと低いのではないかと思います。予算措置含めてしっかりと市町村教育委員会にお話をしていただきたいと思いますが、見解をお伺いいたします。



○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 市町村の教育長の皆さんとの意見交換をする場が何回かありますので、その折に話題として取り上げて各小中学校での配架を進めるように促してまいります。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。

    〔十一番 福島かずえ君登壇〕



◆十一番(福島かずえ君) 日本共産党の福島かずえです。通告の最後の項目、性犯罪・性暴力被害者支援ワンストップセンターの拡充は取りやめさせていただき、一般質問を行います。

 きょうから三月に入りました。間もなく七度目の三・一一がやってきます。二〇一七年度は復興計画再生期四年の最終年度であり、これまでの復興事業の検証を図り、課題や問題点を改めていくべき節目の大事なときとなります。そうした視点で七回忌を迎える人々、そして、もとの暮らしを取り戻そうと懸命になっている被災者一人一人の皆さんの暮らしに思いをはせながら伺いたいと思います。

 初めに、最重要課題である住宅再建のおくれを取り戻す県の取り組み、知事の意欲を求めて、六点にわたって伺います。

 災害公営住宅の完成率はようやく八割を超えたところですが、名取市二三・六%、女川町三六・九%のおくれが目立ちます。例えば、石巻市のように市中心部が八四%になるのに対して、半島部が三七%と同じ自治体の中でも、著しく差が生じているところもあります。そして、災害公営住宅の整備目標そのものが少なく、入居を希望してもかなえられない世帯が仙台市などに多くおります。宅地造成のおくれや資金調達の困難など、さまざまな事情で自立再建を目指していたものの、断念した世帯も相当数あります。防災集団移転促進事業や土地区画整理事業などの公的整備で確保する宅地計画の目標を、一年間で一万四百二十戸から七百十五戸減らしたことからも指摘できます。気仙沼市や石巻市、女川町の約二百宅地は二〇一八年度以降の供給予定で、あと一年以上待たないと住宅建設ができません。名取市閖上などの災害公営住宅百八十五戸の完成もやはり再来年度以降になります。少なくてもこれらの方々は、来年の三・一一も仮設住宅で迎えることになります。住宅整備は当初四年間の計画を二年延長し、二〇一七年度中の全戸完成を目標にしていましたが、もはや達成できないことは明らかです。だんだんと仮設住宅から引っ越す方がふえていく中で、焦りや取り残された思いが交錯する胸のうちはどれだけ苦しいものでしょうか。こんなにおくれてしまった責任を知事はどうお感じになっているのでしょうか、伺います。

 また、市町間の格差や同じ自治体でも場所によって大きな差が生じている現状をどう認識しているのでしょうか、伺います。

 関連して伺います。

 先ごろ県は、生活再建支援金の基礎支援金の締め切りをことしの四月十日から一年延長しました。これは昨年末に知事に直接要望したことなので実現されてうれしいです。しかし、加算支援金の締め切りは延長されず、二〇一八年四月十日締め切りとなっています。さきに述べたように、宅地の供給が二〇一八年度、春以降になることが明らかなところがあります。加算支援金の締め切りも再延長することを求めますが、いかがでしょうか伺います。

 半壊の被害判定を受け、その後住み続けられなくなり、結局滅失処分をして新築された方も少なくありませんが、この支援金制度に自分が該当することを知らない方もいらっしゃいます。改めて制度の周知徹底を市町とも連携して進めていくべきです。お答えください。

 住まいの再建がおくれてしまったのは、国の姿勢や事業実施主体の市町の事情もありますが、県の対応が大きな要因です。市町が主体といえば耳ざわりはいいですが、住宅建設を市町任せにしてきた問題があります。県営の災害公営住宅を一戸もつくらないということが何よりのあらわれです。災害公営住宅整備は家賃収入が生じるため、事業費の八分の七に、国のお金が充当されます。残り八分の一は、公営住宅建設事業債を起債して事業を行うことになりますが、この事業債は、元利償還金分の交付税措置がありません。人口流出や入居者の世帯構成、年齢などから、将来の家賃収入の見通しが厳しい市町が沿岸部にあります。こうしたところでは、元利償還金分を家賃収入で回収できない場合、財政負担が生じてしまいます。後年度の維持管理費の増大も心配されています。岩手県は、県営の災害公営住宅を必要戸数の約半分である二千七百六十戸つくり、更に昨年十月には、盛岡市や一関市などへ移住した被災者から求められていた災害公営住宅二百九十一戸も、県営で内陸部に追加建設することを決めました。沿岸市町村が抱える将来的な財政負担の半分を岩手県はみずからが背負ったといえ、更に内陸部へ移住した人の住まいの権利を保障したと言えます。

 一方、宮城県は市町による整備、管理を基本とし、県が設計、工事を受託することで、市町を支援する地方分権の時代において、住宅行政の基本は市町村という考え方を掲げ、災害公営住宅の将来的な財政負担を市町任せにしています。この違いを知事はどう受けとめますか、お尋ねします。

 宮城県復興住宅計画では、今後整備が必要と見込まれる七万二千戸の住宅整備を推進しますとあります。この整備目標は県内全ての全壊世帯数と、半壊世帯数の一割を足した約八万八千世帯から、亡くなった人、五年後の世帯減少、民間賃貸住宅へ移る人の数を引いて出したそうです。整備の手法、主体は、災害公営住宅一万五千九百五十戸、防集などの公的宅地供給は九千七百五宅地、あわせて二万五千六百五十五戸は、市町が主体で施策展開しています。残りの四万六千戸に対しては、国の被災者生活再建支援制度が挙げられますが、最大三百万円のこの制度だけでは家は建てられません。県の独自施策としては、二重ローン対策として、震災前の既存住宅ローンの利子補給に上限五十万円補助するものがありますが、昨年度までの交付実績は八百三十五件で約四億円です。県独自の復興基金を使って住宅再建を支援しているのは、これまでこれしかありません。昨年度までの実績で市町への交付金を除いた復興基金総額のわずか一・三一%にしかすぎません。岩手県では、宮城県の市町同様に県内各市町村でも交付金を使って独自施策を講じています。それに加えて、岩手県が独自に全壊世帯の新築、購入に百万円、半壊、一部損壊にも補修費用の二分の一、最大三十万円、宅地復旧には費用の二分の一、最大二百万円、利子補給制度など種々の支援制度をつくり、昨年度まで復興基金実績総額の六二・八%、約百十億円を住宅再建支援に充当しています。こうしたことからも、住まいの再建、確保に対する宮城県の位置づけやお金の使い方の優先度は極めて極めて低いと言えますが、いかがでしょうか、伺います。

 国の査定との関係で、宮城県の災害公営住宅の整備限度戸数は二万八百五戸となっています。現在の計画戸数は一万五千九百五十戸ですから、まだまだ災害公営住宅を建設することは可能です。仙台市は石巻市や福島県など他地域で被災し移住してきた方からも、災害公営住宅への入居希望を聞きながら、整備目標戸数にその数を含めず約六百戸少ないままで整備を終えようとしています。そのために仙台市内には何度も抽せんに外れた方が多くいます。いまだに住居が定まらず、意向調査では仕方なく民間賃貸住宅への転居と回答している方も少なくありません。県土木部では、市町支援チームをつくり、市町を訪問し意見交換を行い、課題と対応策の検討を行っています。仙台市にも二〇一五年に二回訪問しています。私は、被災後仙台市に他地域から移住し、災害公営住宅に入りたくても入れないでいる人たちのために、県がもっと真剣に解決を目指し働くべきだと思っています。県もつくるから財政力のある仙台市にも、もっとつくってほしいと求めるべきです。県と仙台市が互いに協力して解決策を見出すよう、県の広域行政としての調整機能を発揮すべきですがいかがでしょうか、伺います。

 阪神・淡路大震災のときに、兵庫県は復興基金を使い、民間賃貸住宅入居者への家賃補助制度をつくりました。災害公営住宅の特別家賃低減制度との均衡を図ることを目的にしたので低減制度と同じように十年間継続し、初期は家賃の二分の一で上限三万円、その後は段階的に引き下げ、初期負担の軽減を図ったそうです。入居者への直接補助とはせずに三者契約を結び、家主に交付する制度設計は、今宮城県が借り上げ民間賃貸仮設住宅で行っている手法です。十分にノウハウ、実績もありますから、行おうと思えばすぐに実行できるはずです。兵庫県で既に実績のある制度を宮城県でも引き継いで実施し、財源を国にも認めさせるべきですがいかがでしょうか、伺います。

 昨年九月議会で私は、災害公営住宅でのコミュニティー構築について、兵庫県の広場事業を紹介し、生活支援などの常駐見守りが必要だと取り上げました。今回は沿岸部の農漁村集落におけるコミュニティー再生の課題について二点伺います。

 復興の主人公は住民であり、被災当事者です。集落のコミュニティー再生を図っていくのも被災した住民自身です。私の地元仙台市若林区でも、津波被災からもとの暮らしやなりわい、そして集落のコミュニティーを再生しようと、被災者が主役、住民主体の復興を目指し、頑張ってきた人たちがたくさんおります。しかし、家や家財、大切な人々、農地や農機具、漁具や船などを失い、避難所、仮設住宅での不自由な暮らしの中で、従来のコミュニティーを取り戻し、集落の総意をまとめることは困難をきわめました。そうした被災当事者、住民に寄り添い支援してきたのが、他県や県内の研究者、技術者、専門家、ボランティア、NPO団体などでした。阪神・淡路大震災は、多数のボランティアが復旧や避難生活を支援し、ボランティア元年とも言われておりましたが、その後、各分野の専門家などが住民とともに、協働のまちづくりと呼ばれる地域再生、復興活動をサポートしました。中越地震の復興でもこうしたボランティアやNPO団体を積極的に位置づけ、地域が主役で中山間部の集落の復興を進めてきました。宮城県においてもこの六年間、さまざまな地域で多様なボランティア、NPO団体などが活動してきました。自治体機能が発揮できなかった初期のころはもちろんのこと、これからの復興にも欠かせない役割と働きを行っていくと私は思います。県当局はこうした住民と行政との中間で住民を支援する活動やその団体をどのように評価、位置づけしているのか、伺います。

 宮城、岩手、福島の三県で、支援に取り組む団体が抱えている課題として、資金不足、人員獲得の難しさ、行政との連携の難しさなどがあるという調査結果が出されています。外部から多くの人が被災地の復興に情熱を持ち取り組んでいますが、三年から五年という期間限定の助成金事業などに依拠するだけでなく、内発的で持続可能な地域経済の仕組みをつくり、その地に定住できるような先を見据えた取り組みをつくっていくことが、大きな課題となっていると思います。新潟県長岡市では、中越地震から三年後の二〇〇七年に財団法人山の暮らし再生機構−−現在は公益財団法人に移行、を立ち上げ、震災からの地域再生、復興を進めるとともに、持続可能な中山間地の形成を目指して、コミュニティーや地域産業づくり、移住・定住支援に取り組み、人口は減ったけれど活動、交流人口がふえ、元気になっている山古志の事例など豊かな成果を生んでいます。こうした経験に学びながら、持続可能な集落の再生をどう行政が支援していくのか。行政が行き届かないところをNPO団体などでどう補っていくのか。被災住民や支援団体とも協議しながら進めていくべきですが、いかがお考えでしょうか、伺います。

 当局は、今年度と新年度の二カ年にわたって、復興事業全体の検証のあり方と手法の検討を進めようとしています。私は、沿岸部の津波被災地の復興は集落のコミュニティーと農業や漁業、水産業の再生が果たせるかどうかにかかっていると思います。今回の震災復興で、従来以上に仙台一極集中が強まり、沿岸部の農漁村が疲弊し一次産業が廃れ、人口流出で被災自治体が危機に陥るようではいけません。検証作業にはそうした視点が入るよう、広く被災当事者の声、特に沿岸部の農業や漁業、水産業に従事する人の意見が反映する仕組みをつくることが大事です。公募委員も相当数設けて、(仮称)復興事業検証県民会議を立ち上げて被災当事者住民とともに、検証作業を進めることを求めますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。

 今議会に、県の男女共同参画基本計画が議案として提案されています。この機会に女性の貧困の解決を求めて、五点伺います。

 日本の子供の六人に一人が相対的貧困状態にあると言われていますが、子供の貧困はその親が貧困だということです。この基本計画の中にも、男女ともに非正規雇用やひとり親などが増加しており、貧困の世代間連鎖が大きな問題であり、母子家庭などひとり親家庭の自立に向けた支援が必要と記されています。親の貧困、特にひとり親家庭の貧困を解決するためには、まずパートなどの非正規労働者と正規社員との均等待遇や、中小・小規模事業者へ支援しながら、時給千五百円以上の実現、ひとり親家庭の命綱である児童扶養手当を支給開始五年後に半減する措置の撤回、そして支給額の引き上げ、所得制限の見直し、多子加算の引き上げなどを国に求めるべきですが、いかが取り組んでいるのでしょうか、伺います。

 低所得者に対する公的な貸付制度である生活福祉資金貸付制度の二〇一五年度の貸し付け件数は八種類合わせて八十八件です。全県でこの数字は余りにも低過ぎます。相談件数を調べていただいたら、県社協に直接来たのは千四十九件。仙台市社協だけでも二千九百五十六件にもなっているそうです。県社協の審査に回れば、ほぼ全てが交付決定されていることを考えると、貸し付けできる対象者の条件が厳しくて、市区町村社会福祉協議会の窓口で断り、県社協の審査にさえ回っていないのが実態と言えます。私も何度も地元社協に申請や相談に同行しましたが、県社協が決めた低所得者の収入基準を数千円ちょっとでも超えると対象にならず、返済の見込みがあると窓口が認めないと貸してもらえません。メニューがあっても借りられない、借りにくい制度となっています。もっと困っている人が借りやすい制度にするよう、所得基準の引き上げや返済期間の延長など、改善を図るよう県社協に申し入れるべきですが、いかがでしょうかお答えください。

 生活保護世帯には貸せませんと誤った説明をして断っている窓口があります。生活保護世帯でも借りることができること、あわせて、市区町村社協職員などにこの生活福祉資金制度が生活困窮世帯への公的貸付制度である趣旨を十分に理解、徹底させて困っている人を救うよう県からも周知することを求めますがいかがでしょうか、伺います。

 生活保護世帯への貸し付けについては、借りたお金の使用目的に厳しい基準を設けています。壊れたテレビを買いかえたいという目的では、宮城県は認めていないとうかがいました。他県では認めているそうです。要件を緩和すべきですがいかがでしょうか、伺います。

 昨年末の大みそか、私は路上生活支援をしているNPO団体から行き先のない母子世帯の相談を受けました。年末に家賃滞納で住んでいた賃貸住宅を出て仙台駅にいるというのです。仙台駅交番に相談したり、仙台市立病院の待合室で夜を明かしたりしていたそうです。県が委託している女性専用のシェルターも満杯状態。年末年始は公的機関が閉庁になり、母子寮や女性一時保護施設も問い合わせすらできない状態で本当に困りました。何とか知り合いのアパートの空室で一夜を過ごさせてもらい対応しました。今年も年末年始は六日間の閉庁になります。復興需要も減る中で格差と貧困が一層拡大することが予測されます。宮城県としても年末年始の特別対策体制を、市町村とも相談し講じるべきですが、お考えを伺って私の第一問といたします。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 福島かずえ議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。

 まず、大綱一点目、復興事業を検証し、課題の解決をについての御質問にお答えいたします。

 初めに、宅地造成や災害公営住宅の整備のおくれについてのお尋ねにお答えをいたします。

 被災者の生活再建に向けては、恒久的な住宅の早期確保が最重要課題であり、被災した方々が一日でも早く安心して生活できるよう、市町とともに鋭意取り組んでいるところであります。住宅整備につきましては、用地の確保、造成等に時間を要した地区もありましたが、防災集団移転促進事業及び土地区画整理事業による宅地整備につきましては、今年度末までに計画戸数約九千七百戸の八割に当たる約七千九百戸、災害公営住宅につきましては、計画戸数約一万六千戸の九割に当たる約一万四千戸が完成する見込みであるなど着実に整備が進んでおります。県としては、これまで国など関係機関と調整を図りながら、各市町の実情に応じて宅地や災害公営住宅の整備が円滑に進むよう適切に対応してきたところであり、引き続き土木部の市町支援チーム等を通じて、最大限各市町を支援してまいります。

 次に、住宅再建の市町間格差や地域による差異についての御質問にお答えをいたします。

 住宅整備につきましては、名取市閖上など大規模なかさ上げを伴う土地区画整理事業地区や、石巻市の半島部、女川町などにおいて合意形成や用地取得、造成工事に時間を要した地区があるものと認識しております。これらの地区におきましては、国、県、市町、UR都市機構など関係機関が連携し、復興まちづくり事業と調整を図りながら、造成工事が完了した宅地から順次災害公営住宅の建築工事に着手するなど、地域の実情に応じた取り組みを鋭意進めてきたところであります。災害公営住宅につきましては、来年度末までに石巻市及び女川町は全戸、名取市は計画の七五%が完成する予定であるなど、今後は造成工事の進捗に伴い、整備が着実に進むものと見込んでおります。

 次に、被災者生活再建支援制度の加算支援金の申請期限の延長についての御質問にお答えをいたします。

 住宅の被害程度に応じて支給される基礎支援金の申請期限につきましては、今回を原則最後として一年間延長することといたしました。住宅再建の方法に応じて支給される加算支援金の申請期限につきましては、既に平成三十年四月十日まで延長されておりますが、申請件数や宅地供給事業の進捗状況など、市町村の事情等を考慮いたしますと、再延長を視野に入れた対応が必要であると考えております。

 次に、中間支援組織の評価と位置づけについての御質問にお答えをいたします。

 住民と行政の間で復興支援に取り組むNPOなどの団体は、震災直後から被災者の救援活動を初め高齢者の見守りや子供の居場所づくりなど、きめ細かなニーズに対応し、被災された方々の生活支援に大きな役割を果たしていただいてきております。復興の進捗に伴い、地域を支える人材の育成や企業支援など新たな課題も生じてきており、NPOなどの支援団体に期待される役割は引き続き大きいことから、県においては、今後もみやぎ地域復興支援助成金の交付やアドバイザー派遣などを通じ支援をしてまいります。

 次に、大綱二点目、男女共同参画基本計画改定に当たっての御質問にお答えいたします。

 初めに、非正規労働者の待遇改善についてのお尋ねにお答えをいたします。

 非正規雇用労働者の待遇改善につきましては、県では、昨年八月に全国知事会、また十一月には北海道東北地方知事会を通じて国に要望しております。国においては、平成三十二年度までを計画期間とする「正社員転換・待遇改善実現プラン」を策定し、取り組みを実施しているほか、昨年十二月には、「同一労働同一賃金ガイドライン案」を公表しております。

 なお、このガイドライン案につきましては、今後関係者の意見や関係法案の国会審議を踏まえ制度化されるものと伺っておりますので、今後の議論の推移を見守ってまいりたいと考えております。

 次に、問題を抱えた女性等に対する年末年始における支援体制についての御質問にお答えをいたします。

 県では、女性が抱えるさまざまな悩みに対して相談、支援を行う女性相談センターのほか、生活上の問題を抱えた母親と子供が一緒に入所して生活できる母子生活支援施設、DVなどによって緊急避難が必要な女性を保護する、婦人保護施設を設置しております。これらの施設では、休日、夜間、年末年始など、閉庁時においても女性相談センターを中心とした連絡網等によって緊急時に対応できる体制を整えております。県といたしましては今後とも、市町村や警察、その他関係機関、団体と連携し、年末年始等においても、女性や生活困窮者の適切な安全確保に向けた体制強化とその広報、周知に努めてまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 総務部長大塚大輔君。

    〔総務部長 大塚大輔君登壇〕



◎総務部長(大塚大輔君) 大綱一点目、復興事業を検証し課題の解決をについての御質問のうち、被災者生活再建支援制度の周知についてのお尋ねにお答えいたします。

 県では、被災者生活再建支援制度について、これまでも県政だよりやホームページ等で周知に努めてまいりました。住宅の被害程度に応じて支給される基礎支援金の申請期限については、震災からの復興が進展している中、着実に進んできたところですが、未申請世帯の解消に万全を期すためこのたび六回目の延長を行い、申請期限を平成三十年四月十日としたところでございます。今後とも市町村と連携して申請漏れがないよう、県及び市町村の広報誌やマスメディアなどを通じて周知の徹底を図ってまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 震災復興・企画部長伊東昭代君。

    〔震災復興・企画部長 伊東昭代君登壇〕



◎震災復興・企画部長(伊東昭代君) 大綱一点目、復興事業を検証し課題の解決をの御質問のうち、持続可能な集落再生についてのお尋ねにお答えいたします。

 集落の再生を進めるためには、住民による主体的な取り組みとともに、市町村やNPOなどとの連携した取り組みが重要であると認識しております。このため県では、災害公営住宅や防災集団移転地のコミュニティー再生のため、自治会活動への資金助成やアドバイザーの派遣を行うとともに、被災地支援等に従事している方々のスキルアップやキャリア形成等の研修事業などを行っております。また市町村やNPO、被災者支援に取り組む団体や有識者、地域住民などによる「みやぎ地域復興支援会議」などを開催しており、引き続き関係者と協議をしながら地域の再生を支援してまいります。

 次に、被災当事者や住民とともに検証作業を進めるべきとの御質問にお答えいたします。

 東日本大震災の教訓を次世代に伝えていくための検証につきましては、現在、東北大学災害科学国際研究所と連携し、兵庫県や新潟県における検証のあり方や手法などについて研究しており、平成三十二年度までに実施したいと考えております。検証を行うに当たっては、行政側だけではなく被災者やNPO等さまざまな視点を取り入れることが必要であると考えておりますので、どのような形で行うのがよいか検討してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱二点目、男女共同参画基本計画改定に当たっての御質問のうち、児童扶養手当の拡充についてのお尋ねにお答えいたします。

 児童扶養手当が支給開始後五年で一部支給停止となる措置については、事務手続が煩雑である上、実際に適応される対象者が非常に少数であり、制度が有効に機能しているとは言いがたい状況にあることから、県では、北海道・東北七県保健福祉主管部長会議等を通じ、速やかに制度を廃止するよう国に要望しております。また昨年、第二子以降の加算額が増額改正されましたが、この加算額を更に増額すること、所得に応じた逓減措置を撤廃すること、第一子の手当額を増額するとともに、所得制限限度額を緩和することなどについてもあわせて要望しているところです。県といたしましては、今後とも各都道府県と連携、協力し、これら要望の実現に向けて努めてまいります。

 次に、生活福祉資金貸付制度における所得基準などについての御質問にお答えいたします。

 生活福祉資金貸付制度は、収入の少ない世帯などに対し、資金の貸し付けと必要な相談支援を行うことにより、その世帯の生活の安定と経済的な自立を図ることを目的とした公的な貸付制度であり、宮城県社会福祉協議会が貸し付けの実施主体となっております。貸し付けの対象となる世帯の収入基準や償還期間などの貸し付け条件については、同協議会がこの制度の趣旨を踏まえて厚生労働省が定めた要綱などをもとに定めておりますが、引き続き適切な運用が図られるよう、同協議会と連携してまいります。

 次に、市町村社会福祉協議会に対する生活福祉資金貸付制度趣旨の周知徹底についての御質問にお答えいたします。

 宮城県社会福祉協議会では、貸付制度の適正な運営を図るため、申請の受付窓口となる市町村社会福祉協議会の職員を対象に、制度の趣旨や内容、手続等に関する研修などを実施しております。県といたしましては、宮城県社会福祉協議会が実施するこれらの取り組みを引き続き支援することを通じて、市町村社会福祉協議会に対して周知を図ってまいります。

 次に、生活福祉資金の使途基準の緩和についての御質問にお答えいたします。

 生活保護受給世帯におけるテレビなどの生活用品の更新については、一般に生活保護費の範囲内で賄うべきものとされております。ただし、生活保護受給世帯が日常生活において利用の必要性が高い生活用品を緊急に購入する必要が生じた場合には、保護の実施機関である福祉事務所長から購入が必要である旨の意見書の提出があれば、宮城県社会福祉協議会では貸し付けを認めております。したがって県といたしましては、使途基準の緩和ということではなく、こうした運用が適切に図られるよう同協議会などの関係機関と連携してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱一点目、復興事業を検証し課題の解決をについての御質問のうち、災害公営住宅の財政負担についてのお尋ねにお答えいたします。

 東日本大震災からの復興におきましては、災害公営住宅の整備費用等に係る国の補助につきましては、我が県を初め、被災県からの要望により特例的に大幅に拡充されております。例えば整備につきましては、用地取得造成費が新たに補助の対象になったことに加え、補助率が八分の七に拡充されており、また、地方負担分の起債償還等へ充当する家賃収入につきましても、入居者が負担いたします額と近傍同種家賃との差額が実質的に全額補助されるなど地方負担が最小限に抑えられており、地方公共団体が継続的に安心して事業に取り組める環境が整備されております。こうした環境のもと我が県におきましては、地域の実情に精通した市町が事業主体となり、災害公営住宅の整備が進められており、県では、整備費用の補助限度額拡大等に係る国への要望や調整、市町からの受託による建設支援、土木部市町支援チームや復興住宅市町村連絡調整会議等により、最大限市町を支援してきたところであります。県といたしましては、平成三十年度の災害公営住宅約一万六千戸の全戸完成に向け、引き続き全力で市町を支援してまいります。

 次に、住まいの再建、確保に対する我が県の位置づけや基金活用の優先度についての御質問にお答えいたします。

 県では、東日本大震災からの復興を図る上で、被災された方々の住まいの再建を県政の最重要課題として位置づけており、被災された方々の早期の住宅再建に向け、全力で取り組んでまいりました。このため、東日本大震災復興基金を活用した二重ローン助成制度や住宅相談会の開催、宮城復興住宅マッチングサポート事業、県産材利用エコ住宅普及促進事業を継続して実施してまいりました。更に、各市町の財政力等による支援の格差を解消するため、東日本大震災復興基金交付金を各市町に交付しており、各市町ではこの交付金を活用し、地域の実情に応じた独自の住宅再建支援の取り組みを進めております。県といたしましては、被災された方々の一日も早い住宅の再建を最優先に捉え、今後も引き続き市町と連携し、こうした支援策が十分活用されるよう取り組んでまいります。

 次に、災害公営住宅整備に係る県の調整機能についての御質問にお答えいたします。

 災害公営住宅につきましては、これまで仙台市を初め、各市町において他の地域へ避難している方や他の地域から避難してきている方を含め、丁寧に意向調査を行い、必要戸数を精査し整備を進めてきたところでございます。県では、国や市町と定期的に意見交換を実施し情報を共有化するとともに、土木部の市町支援チーム等を通じて市町を支援するなど取り組んできたところであり、現時点では仙台市において、災害公営住宅の不足が生じていないことを確認しております。県といたしましては今後も災害公営住宅に不足が生じることのないよう、引き続き市町や関係機関と調整を図ってまいります。

 次に、民間賃貸住宅家賃補助制度の創設についての御質問にお答えいたします。

 被災者の民間賃貸住宅への入居に対する支援といたしましては、既に国の被災者生活再建支援制度において加算支援金が約一万四千件支給されております。再建に向けて取り組みが進んでおりますことから、新たな家賃補助の導入は考えておりません。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) まず、生活福祉資金貸し付けについて伺いますが、私も相談件数の多さと交付実績の少なさ、全県で四千件を超える相談件数なのに八十八件しか実績がない。この余りの落差に本当に驚きました。知事はこれをどう受けとめましたか、伺います。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) どこに原因があるのかということをよく究明して、使い勝手のいいものにしていかなければならないというふうに思っております。部長から答弁いたしましたとおり、社会福祉協議会が貸し付けの実施主体となってございますので、よく意見を聞きながら、県としてもサポートできることはしっかりサポートしてまいりたいというふうに思います。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 今回は県社協と仙台市社協への相談件数だけ調べてもらいました。ほかの市町村の社協は調べる時間がない、御迷惑かけても申しわけないなと思って調べておりません。ですから相当数もっと、仙台市の実績が八十八件のうち三十七件ですから四割ぐらいですので、それから見ると他市町村社協での相談件数も、三千件ぐらいには行くのかなと思いますから、トータル七千件くらいの相談件数かなと想定するだけではだめなので、今知事がおっしゃったように究明していくことが大事だと思います。県当局も実態をリアルに把握することが大事だと思います。的確、適切な対策を立てるために、この実態把握、相談件数の把握を県も積極的に行うことを求めますがいかがでしょうか。



○議長(中島源陽君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 相談件数に比して貸し付け件数が少ないという状況に関しましては、相談件数は延べ件数であります。何回も相談があるということがあります。この相談があった際には、基本的にはほかの制度の活用が見込まれる際には、ほかの制度の利用を優先した方が相談者にとっては有利な場合がありますので、ほかの有利な制度を利用しない場合には最終的にはこちらの制度を活用しているというケースになっていると認識しているんですが、なお、確かに相談件数に比して、貸し付け件数が極端に少ないという状況にありますので、なお実態については、社協の方と協議して見てまいりたいと思います。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 確かに延べ件数で一人の方が何回も行かないと借りられない、あるいは何度行ってもだめというケースもあると思いますけど、まず実態を把握することが大事ですので社協任せにせず、県が本腰を入れて困っている人の役に立つ貸付制度にしていくことが大事だと思います。重ねて知事に求めたいと思います。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 部長が答弁したことに尽きるわけですが、当然理由があってのことだとは思います。ほかにいい制度があったのでそちらの方に御案内したというようなこともあろうかというふうに思いますけれども、そういう相談が恐らく福島議員のところにあったからこういう御質問になったんだろうというふうに思っておりますので、具体的な例をぜひうちの職員にも教えていただくと大変我々としても取り組みやすいと思いますので、ぜひ一緒に協力をいただければというふうに思っております。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 私からもお教えしますけれども、ぜひ県社協任せにしないということが県当局の姿勢として必要だということを指摘して次に移ります。

 年末対策ですが、先ほど女性相談センターで年末年始対応しているという御答弁ありました。実は私も大みそかですが、女性相談センター、電話何度もしました。もしかしたら対応する人がいたのかもしれませんけれども、対応の電話口に出ていて対応できなかったのかもしれませんが、そうした場合も含めてもっと人員体制をふやさないと、年末は本当に大変なんです。改めて年末対策講じていくことを求めますが、いかがでしょうか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 年末この問題で、福島議員から渡辺部長に直接お電話をいただいたというようなお話も聞いておりまして、渡辺部長はいろいろこういうふうにとアドバイスをして、もう一回電話いただくということで、ずっと寝ないで待ってたそうなんですけれども、福島議員から電話はなかったというようなお話がございました。先ほど質問の中で、こういうふうになったのでと、知り合いのアパートの空いてるところに入っていただいたということで、問題クリアされたという話だったので、それで電話がなかったんだろうなというふうに私思いますけれども、この女性相談センターを中心とした連絡網等はしっかりつくっているんですけれども、電話をしてもつながらなかったということであれば、これはやはり避難的な対応ができていなかったということになるかというふうに思いますので、その点についてことしの年末からそういうことのないようにしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) たとえ部長といえどもお正月早々何度も電話をかけるのは申しわけないなと思いましたし、何とかなりましたので、後でお電話しておきました。ただ部長からは適切なアドバイスが最初になかったのでちょっと残念でした。

 続けて伺います。

 住宅再建の支援策について、残り六分ありますので、伺いたいというふうに思っております。

 四百世帯近い人たちが来年も仮設住宅だということを私質問の中で指摘しました。そもそも仮設住宅、本来は二年間、それを延ばして延ばして六年たっても、来年も仮設で住むという、しかもプレハブ仮設で住んでる方たち多いですから、こうした人たちにさっきみたいな答弁を繰り返すのはいかがなものかと思います。いかがですか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) それにつきましては被災者目線で考えるべきことであって、我々の目線で答えるべきことではないというふうに思ってます。急ぐように頑張ってはいるんですけれども、どうしても物理的な理由からおくれてしまっておりまして、これについては大変申しわけないという思いはずっと持ち続けております。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 宅地造成のおくれを原因に挙げられましたが、こうした高台移転、それから多重防御、知事が国に上申してなったと知事は自慢している問題については、後ほどの議会で質疑していきたいと思います。まず住宅に絞って聞きます。知事あるいは部長でもいいですが、岩手県も国からの交付税二〇一一年度分は半額、二〇一二年度分は全額市町村へ交付しているのはもちろん御存じですね。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 大変申しわけございませんが存じておりません。承知しておりません。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) お金のことは存じ上げないということでしょうか。ではどなたでもいいですけれども、岩手県も同じような形で国からの交付金を二〇一一年度は半額、そして二〇一二年度分は全額市町村に交付しているということは御存じでしょうか。



○議長(中島源陽君) 総務部長大塚大輔君。



◎総務部長(大塚大輔君) お尋ねなのは、東日本大震災復興基金交付金のことかと思うんですけれど、県、市町村の配分ということについては、各県の事情で対応されていることだと思いますので、ちょっと詳細は、他県のことまで今この時点ではわかりませんけれど、そういうことはあり得るかなとは思います。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 岩手県の復興基金は寄附金六億円、クウェートからの支援金八十四億円、国から二〇一一年度の特別交付税四百二十億円、そのうちの半分の二百十億円は市町村分で市町村に交付、岩手県が県事業に活用できる枠はこの時点で三百億円。二〇一二年度の特別交付税二百十五億円は、全額市町村へ交付しております。宮城県はこうしたシステム、基金造成に加えてヤマト財団からの助成があって、二〇一五年度末での積立金総額は約一千六百五十九億円です。そのうち一千五十七億円は市町村に交付しています。県事業に活用できるのは六百一億円程度です。これで間違いありませんね。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) すいません、急な話なので、手元にデータがございませんので、後で控室の方に報告にまいります。部長が報告にまいります。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) まあ、いいです。とにかく県事業に活用できるのは六百一億円です。岩手県は約三百億円でこれをどのように使ってるかということ、特に住宅再建にどう使ってるかということで、先ほど宮城県は一・三一%、そして岩手県は六二・八%という形で非常に差異が出ております。やはりここは非常に大きな問題があるというふうに思っております。いろいろ言っても数字はうそをつきませんので、最重要課題と言いつつ、県事業の復興基金を当てないでいることをどういうふうに言うのか、こういう市町村分除いての議論というのは初めてかもしれませんけれども、あえて伺いたいと思います。いかがですか、知事。



○議長(中島源陽君) 総務部長大塚大輔君。



◎総務部長(大塚大輔君) 復興基金交付金につきましては、本県分ということについては復興基金の中に積み立てて活用しておるわけでございますけれど、これについては住宅再建のためということで当然交付されてるわけではなくて、その他もろもろの復興事業に対応するためということで交付されているものでございまして、さまざまいろんな需要がある中で復興期間の間バランスよくこれを活用していかなくてはならないということで、各種の被災者支援等々に活用させていただいているところでございます。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 事前に一・三一%と出すために、財政の方とはやりとりして出させていただきました。ちょっと角度を変えて伺います。県の復興住宅整備室で出した、「災害公営住宅整備の記録(中間報告)〜五年の歩み〜」という冊子があります。私もダウンロードして見ました。この中に、将来にわたる公営住宅の維持管理や人口減少等の社会問題を含め、できるだけ自力再建できる方策を震災発生後早期に示すことが重要であると、課題と対応等に記しております。自力再建できる方策を早期に示す必要があるというのは、国の支援金制度だけにとどまらず、支援策を早期に講じる必要があると私は読み取りましたけれども、どういうことを指しているのか、伺います。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 今回の東日本大震災がありまして、いわゆる我々不意打ちを食らったということがありまして、自力再建ができる方々に対してのさまざまな制度を速やかにお示しできなかったという反省がございます。そういった意味では、国が実施いたします施策、それから市町村が中心となって実施する施策、そして県が実施する施策それぞれございますので、そういったメニューを早急に被災者の方々にお示しすることによって、一日も早い自力再建ができることを促していくということが必要だろうというふうに思ったわけでございます。それはなぜかというと、やはり日々住民の方の意向が変わってきて、本来はその制度をわかっていれば自力再建できた方もその制度を知らなかったために、なかなかそこに踏み切れなかったということもあったと思います。そういうことを踏まえまして、国のメニュー、市町村のメニュー、県のメニューをあらかじめ用意させていただいて、いざというときに有効に活用できるようにということで、記させていただいたということでございます。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 復興基金残高は今年度末二百五十六億円、被災者や被災事業者の生活、なりわい再建のための復興基金であります。困っている被災者のために使うべきで使い残す必要はないと私は思いますが、知事違いますか。



○議長(中島源陽君) 総務部長大塚大輔君。



◎総務部長(大塚大輔君) 御指摘のとおり、被災者の生活再建のためにこれは使っていくというものでございますので、もちろん使い残すというつもりで今財政運営しているわけではございませんし、必要なものには有効に活用してまいりたいと考えております。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 民間賃貸住宅や災害公営住宅入居者への家賃補助制度の創設など、三浦議員も求めましたし、私も再三求めてまいりました。今こそ求められているこの時期に、住宅確保の支援策を残っている基金を活用して行うべきです。復興基金を残して住宅再建に県独自としては一%、二%しか充当しないなど、後世にまで恥ずかしい汚名を残すようになっても、知事はいいのでしょうか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 非常に今回の場合は家賃が低く抑えられているというのがあります。だんだん家賃が上がっていく形になりますので、私としては正直なところ推移を見てみたいなと。今非常に安く抑えられてますんで、推移を見てみないといけないなというふうに思ってます。その上で被災者の皆さんがどのような形で家賃が上がっていくことが、生活に影響が出てくるのかということを見ながら、丁寧に慎重に検討していきたいというふうに思ってます。ただ、今の段階でこうやりますというようなことは申し上げることはできないということであります。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 早く整備したところは、もはや新年度、再来年度からもう六年目に入るところもありますから、国に求めると同時に県でも、制度設計を始めてもいい時期だと私は思いますので、ぜひ災害公営住宅の家賃低減制度を補足する、充足する施策を知事に求めたいと思います。

 もう一つの民間賃貸住宅へ入居される方に対してですけれども、県の復興住宅計画では、整備目標の七万二千戸を出すときに、民間賃貸住宅に移る方を除いています。ですから結局この方たちには、先ほど答弁にもありましたが支援金制度の五十万円しか支援策がないというのでは、災害公営住宅や公的に宅地供給して自力再建を促す人たちに比べて著しく公的な支援策、お金のかけ方に差があると言えますが、違いますか。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 先ほどもお答えいたしましたが、加算支援金が賃貸住宅の方々にも支給されておりますし、それ以外の例えば補修をされている方々にも支給されて、全体で七万六千世帯を超える方に支給されております。そういった方々との全体のバランスを考えていきますと先ほども申し上げました、もう一万四千件ほど支給させていただいているということから、現行の枠組みの中で継続をさせていただければというところでございます。



○議長(中島源陽君) 十一番福島かずえ君。



◆十一番(福島かずえ君) 仙台を中心に災害公営住宅に入りたくても入れない、特によそから来た人たちが非常に問題になっております。そういう方たちに対して民間賃貸住宅へ誘導していくためにも、県がこうした民間賃貸住宅に移行する誘導策をつくっていくべき大事なときであります。数字はうそをつきません。そこに真実があります。知事がどんなに言い逃れをしても、真実は必ず勝利する、それを申し述べて終わります。

    〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕



○議長(中島源陽君) 五番鎌田さゆり君。



◆五番(鎌田さゆり君) 福島議員の質問に対して、交付金の岩手県と宮城県の、知事の御答弁で今手元にデータがないので、後ほど会派にという御答弁がございましたけれども、この本会議場で議員が質問している件についての答弁ですから、改めて午後の議会ですとか、きちんと本会議場で、改めて調べていただいて回答すべきだと思います。議長のもとで御協議いただきたいと思います。



○議長(中島源陽君) ただいまの五番鎌田さゆり君の議事進行は、発言内容に関することであります。後刻会議録を精査の上処置したいと思いますので、御了承願います。

 暫時休憩いたします。

    午前十一時五十六分休憩

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    午後一時再開



○副議長(長谷川洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。三十六番只野九十九君。

    〔三十六番 只野九十九君登壇〕



◆三十六番(只野九十九君) 議長のお許しを得ましたので、大綱三点について御質問いたします。

 大綱一点目、宮城の米づくりについてお伺いいたします。

 二〇一五年三月には、国が決定した食料・農業・農村基本計画において、飼料用米増産の努力目標が示されました。そして、あわせて飼料用米などの戦略作物の本作化を推進すると明文化しました。改正農業法では、JA全中を頂点とする画一的な組織運営を改め、地域農業の自主性や創意工夫を促すとともに、生産性や競争力を高め、担い手の高齢化などで衰退する農業を成長させて、農協が本来目指すべき農家の所得向上へ確実につなげることとするべきであると述べております。飼料用米などの戦略作物の本作化を推進するということは、農作物の需給調整を国としても農業政策の中心に据えていくことを明確にしたものと考えられます。今後は、食用米の需要が全国レベルで年八万トンペースで落ち込むことを考えると、飼料用米や大豆や麦などで需給調整の上、食用米の作付面積を考えることになっていくのだろうと思われます。県として宮城の農業を分析し、宮城県として戦略を練らなければいけないことになります。稲作農業では、現実には平成三十年からは今までの減反政策ではなく、国が策定する需給見通し等を踏まえつつ、生産者や集荷業者、団体が中心となって円滑に需要に応じた生産を行える状況になるよう、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組むようにしなければいけないことになっております。このことを念頭に、岩手県では今年の五月までに各地域の生産の目安について方針を打ち出すことになっていると聞いております。現在、我が県のこの三十年対策の取り組みはどうなっているかお聞かせください。

 さて、私は昨年、産業振興対策調査特別委員会で、株式会社庄内こめ工房社長斎藤一志氏の話を聞く機会がありました。この会社は山形県庄内地方を中心とした専業農家や若手農業後継者グループで生産者は百三十名おり、八百ヘクタールの耕作面積を有している会社であります。斎藤氏いわく、平成二十九年に減反政策が終われば米の価格は暴落し、米はもはや聖域ではなく他の一般食品と同じであり、低コストで良質のものを安く売るという産業構造にするしかない。ブランド米はあってもいいが、基本は業務用など安定的な顧客をイメージした安い米づくりをするというのは、今後の稲作の生きる道ではないか。また、今後の米の政策によって、海外の安い米が入ってくると心配する声があるが、短粒種だと余り価格は変わらないので海外でも対抗できる。しかし、やはりコスト削減は必要なので、農機具や肥料や農薬を直接メーカーから購入できるようにすればいい。他の国では流通の簡素化が当たり前なのに、日本は中間に入る業者がたくさんいる。これはやめた方がよいと述べておりました。私も農業経営を将来にわたって常識的に考えると、このようになるかもしれないと思うところであります。斎藤氏は、米はもはや聖域ではなく、他の一般食品と同じであり、低コストで良質なものを安く売るしかなく、また、ブランド米はあってもいいが、基本は業務用など安定的な顧客をイメージした安い米づくりをするというのが、今後の稲作の生きる道だと強く述べておりますが、県としてこの将来の米づくり、斎藤氏の考えについて感想をお聞かせください。

 更に、今後の水田フル活用政策の中、需給調整を考え、低コスト農業を考えるとき、農地の大規模化、経営体の法人化、ローテーション作付の確立、直播や連作障害対策の技術の確立、作物選定などを一元的に考える水田フル活用戦略室などの新設を考えてはと思うが県の考えをお聞かせください。

 また、需給調整作物の飼料米は、国の誘導で生産量が伸びておりますが、今年の水田活用の直接支払い交付金の概要と配分を見ますと戦略作物である飼料用米に力が入り過ぎているのではと思うが、県の考えをお聞かせください。

 最後に、昨年の十二月十九日に、石巻地区、登米地区、本吉地区の改良区の代表の皆さんと懇談会が行われ、これからの改良区の問題点について意見交換が行われました。改良区側からは、土地改良区の団体としてのあり方について、現状と課題についていろいろと述べられましたが、米価の下落等により組合員の賦課金は上げることはできず横ばい傾向にあることや、大規模農家への農地集積による作業分散や多品種の導入による、かんがい期間の長期化などの水需要の変化に応じた細かい配水管理が必要なこと。そして、それにより光熱動力費等が増加傾向にあること。組合員数の減少と高齢化により土地改良区の組織が弱体化しており、今後が心配であること。とりわけ、揚水、排水機場など、維持、修理を行う長寿命化事業を行うにしても、現状の事業実施要綱なりでは立ち行かなくなるのではと心配しておりました。安定的な揚排水施設運転が確保できなければ、農地の多面的機能の維持はできなくなるはずであります。たとえ計画的に施設の長寿命化を計画したとしても、現状の賦課金制度と事業の事業者負担がある限り、なかなか大変だと多くの改良区の代表者は述べておりました。県は土地改良区の将来のためにも、農地を未来にしっかりと継いでいくにしても、改良区のこの問題に強く向き合うべきだと思うが、県の土地改良区に対する現状認識について考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、大綱二点目、県内の小中学校の統廃合についてお伺いいたします。

 平成二十六年七月四日、閣議報告されました国の教育再生実行会議第五次提言に、「国は学校規模の適正化に向けて指針を示すとともに、地域の実情を適切に踏まえた学校統廃合に対し、教員の配置や施設整備などの財政的支援において十分配慮を行う」と書かれました。要するに、政府方針に学校規模適正化に向けた指針の作成が盛り込まれました。また、平成二十六年十二月に閣議決定された、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、集団の中で切磋琢磨しつつ学習し、社会性を高めるという学校の特質に照らし、学校は一定の児童生徒の規模を確保することが望ましいこと、今後、少子化の更なる進展により、学校の小規模化に教育上のデメリットの顕在化や学校が少なくなることによる地域コミュニティーの衰退が懸念されており、各市町村の実情に応じた活力ある学校づくりを推進する必要がある。そのため地域コミュニティーの核としての学校の役割を重視しつつ、活力ある学校づくりを実現できるよう、学校統合を検討する場合、市町村の主体的な検討や具体的な取り組みをきめ細やかに支援する旨が盛り込まれました。そして、国において二十七年十月には、少子化に対応した活力ある学校づくりに向けて、公立小学校、中学校の適正規模、適正配置等に関する手引案が出されました。このような適正化が課題になるには、少子化の進展などの状況の変化があります。年少、ゼロ歳児から十四歳の人口については、一九八〇年初めの二千七百万人から減少が続いており、二〇一五年には一千五百万人、二〇六〇年には七百九十一万人になることが推計されております。更に、地域コミュニティーの衰退、三世代同居の減少、共働き世帯やひとり親世帯の増加などのさまざまな背景の中で、社会性育成機能が弱まっているため、学校が小規模であることに伴う課題がかつてよりも一層顕在化しているという指摘の中で、一月の手引書では統廃合の基準を小学校なら六クラス以下で、中学校なら三クラス以下とし、これら学校について統廃合の検討を強く求めております。この規模を県内の学校に当てはめると、小学校が三百八十八校のうち百六十校、中学校は二百校のうち二十九校が該当しております。おおむね小学校では四一%、中学校では一五%が統廃合の検討が必要ということになっております。ちなみに、私の住む登米市は小学校は二十二校のうち十六校で七三%、中学校は十校のうち二校で二〇%が該当しております。学校は本来集団の中で切磋琢磨しながら、学習したり社会性を高めるところであり、一定の規模を確保することが望ましいわけであります。これが小規模で学級数が手引書に示された数字以下であると、クラス同士が切磋琢磨する教育活動ができなくなったり、教職員数が少なくなることにより、学校運営上の問題として、経験年数、専門性、男女比等のバランスのとれた教職員の配置や、それらを生かした指導の充実が困難となるなどの多くのデメリットが出てまいります。しかし、学校は昔から地域の核としての性格があり、防災、保育、地域の交流の場等さまざまな機能をあわせ持っています。そして、学校教育は地域の未来の担い手である子供たちを育む場所でもあり、まちづくりのあり方と密接不可分であるという性格を持っています。統廃合には、地域住民の十分な理解と協力を得るなど、地域とともにある学校づくりの視点を踏まえた丁寧な議論を行うことが望まれると思います。そして言うまでもないことですが、公立小中学校の設置のあり方を最終的に判断するのは、学校設置者で市町村でありますが、今回の国の手引書についての知事の所見をお聞かせください。

 次に、近年の交通環境の整備状況、市町村合併の状況、人口動態など各市町村学校が置かれている条件は極めて多様であります。とりわけ平成の合併の中で誕生した新しい市は今も各市町村を生かしながらまちづくりに腐心しております。市町村のニーズや実情を踏まえた指導を県として市町村に対して考えているか、教育長の所見をお聞かせください。

 次に、小規模校で不足しがちな社会性を身につけることや、多様な意見に触れる機会が少なくなっており、集団活動が少なくなる等を克服するのに、小中一貫校の導入により、小学校段階、中学校段階全体として一定の集団規模を確保することができると思うが、地域としてのコミュニティーの中心として、その地域の中で学校を残そうと考えた場合、今年から制度化された義務教育学校を一つの学校とし、集団規模を確保することにとらわれない教育のあり方を考えることは県としてできないか、お聞かせください。

 次に、県内では小中一貫校が公立で三校ありますが、将来この一貫校が小学一年から中学三年までの九学級だけの小規模一貫校であった場合は一貫校での統廃合はどのように考えればよいのかお聞かせください。

 また、小中一貫校は小学校から中学校まで切れ目がない授業をすることであります。不登校の生徒数のデータなどをみさせていただくと、小学校から中学校に入学した時点で急激にふえている状況がありますが、このことを中一ギャップが原因だと考えるべきであります。中一ギャップとは、小学生が新中一年生になったときに学校生活や授業のやり方が今までと全く違うため、新しい環境、学習、生活や人間関係などになじめないことから、不登校になったりいじめが急増したりするなど、いろいろな問題が出てくる現象のことだと説明されております。地域の人口減少、少子化の中で今回の二十七年一月に出された国の手引書を現状の地方に当てはめると、地方に地域に学校が少なくなり、学校がない地域のあり方を現実のものとして受け入れるときが来るのかとも考えるときがありますが、地域に学校を残すこと、残す中で不登校やいじめを減らせる効果があると考えられる小中一貫義務教育学校の設置を、県として学力向上だけでなく、教育の合理化ばかりでなく、地域として学校のあり方や切れ目なく子供たちと接する教育を県の人口減少地域の教育の柱として考えてみてはと思うが、知事の所見をお聞かせください。

 更に、地域と学校のあり方を正面から考えることは、今は各基礎自治体の教育委員会で考えることになっていますが、現実、地域のあり方に深く関係する教育のあり方はもっと大きなくくり、県の各地域のあり方にも影響を与えると思うのであります。広く市町村の話を聞くなどして、ぜひ県として総合教育会議の中で大綱として策定してほしいと思うのであります。知事のお考えをお聞かせください。

 続きまして、大綱三番目、県の医師確保についてお伺いいたします。

 地域の医療に貢献しようとする意欲と使命感を持った医師の養成を目的に、昨年の四月、東北薬科大学を前身とした東北医科薬科大学はスタートしました。県内でも被災した地域を含めた地方の医師不足は本当に大変厳しいものがあります。私の住む登米市は人口十万人の医師数は約百人で、標準の半分以下の状態であります。この現状の中で、この大学に県として九十億円を拠出し修学資金制度を立ち上げました。毎年新入生三十人に六年間で奨学金三千万円を貸与し、学生は卒業後県内の公的医療機関に十年勤務することで奨学金の返済を免除され、受け入れた医療機関は年三百万円を将来の貸付原資として負担するという仕組みであります。本当に医師を県内の地方病院が確保するのは大変であります。この新しい医科薬科大学が本来の目的どおり、地域医療に貢献できる大学になることを心から望むものでありますが、県は今も医療従事者確保の取り組みをやっておりますが、今回の東北医科薬科大学への取り組みのほかに、ドクターバンクの事業、無料職業紹介事業、自治医科大学関係事業、医学生、看護学生修学資金等貸付事業などでありますが、主なこの四つの事業の現状の医師の確保状況と、一つ一つの事業の今後の課題などは何なのかについてお聞かせください。

 とりわけ、修学資金による医師の確保対策についてでありますが、この制度は県ばかりでなく各自治体でも取り組んでおります。登米市では大学卒業後の初期、後期の研修体制が充実しておらず、このことの理由で借りた学生から奨学金が一括で償還されるケース等があり、思惑どおりに医師確保が進んでいないなどの話を聞きます。このような状況と同じように、奨学金制度を行っている県としてこのような状況をどのように考えているのか、お聞かせください。

 県の奨学資金で貸付期間の二倍の期間内に、知事が指定する医療機関で貸付期間と同期間勤務すれば、貸付金の返還を免除することになっていますが、知事が指定する医療機関とは具体的にどのような病院を指しているのかについてもお聞かせください。

 そして、多くの奨学金制度を行っている自治体では、卒業後の奨学生が研修体制の充実していない病院への勤務を辞退する話を聞きましたが、今の奨学生は初期、後期研修等でキャリアアップを図るため、研修体制が充実している大病院に集まる傾向があるようで、中小病院、地方自治体病院などにはなかなかこの修学資金の思惑が受け入れられていないと聞きます。そこで、大病院の研修プログラムにおいて中小病院との連携を促進するなど、県から働きかけを行うなど、卒業後の奨学生が地方病院に籍を置き、なるべく多くの病院で勤務できる、研修を受けられる環境づくりを県として考えられないか、お聞かせください。

 次に、登米市民病院は、東北医科薬科大学の地域医療教育サテライトセンターに指定されました。今後必要となる施設、設備などの整備を行う予定だそうですが、この病院のサテライトセンターでは、一般枠の学生を初め、宮城県の地域枠の学生も利用することから県全体に効果を及ぼすと考えられ、サテライトセンターの形がどうなるかわかりませんが、施設が必要となれば整備費に対して県として財政支援は考えられるか、また、現状でこのサテライトセンターはどのような運営を目指しているか、お聞かせください。

 次に、登米市では人口十万人対医師数が宮城県平均の半分程度であります。医師の高齢化が進んでおります。新たな病院、診療所を開業する医師はほとんどいなく、今後より一層医師不足の深刻化が懸念されます。県として、登米市のような極端に医師が不足している地域に医療機関を開業する場合について、企業進出に対する補助金のように不動産取得税を減免するなど、新たに開業しやすいような環境の整備ができないものか、県の考えをお聞かせください。

 次に、県内に産科、小児科医をふやすためにドクターバンク事業の中で採用された産科、小児科の医師に対しては、研修期間の待遇を優遇するなどの策はとれないものかお聞かせください。人の地方定住化、とりわけ若者の地方への定住化にとって医師不足の解消は最重要施策であると思いますので、県としての意気込みを最後にお聞かせいただきたいと思います。

 次に、昨年の九月、公正取引委員会は特養の開設主体の規制を撤廃し、医療法人や株式会社などが社会福祉法人と対等の立場で参入できるようにすることが望ましいとの意見を出しました。特養の運営は現在、自治体や社会福祉法人などに限定されています。特養への入所希望者が五十万人以上いる中、また株式会社の特養への参入希望が多い中、このことについての県の考えをお聞かせください。

 次に、私の住む登米市の地域密着型特別養護老人ホームについてでありますが、今回、市の許可のもと多床室から個室に改築を急いでおります。この多床室については、平成二十二年度から平成二十三年度にかけて低所得者向けとして登米市が公募要件として整備したものですが、二十七年度から介護報酬の減額等があり、経営が大変ということで登米市が多床室の個室ユニット化と個室の増床を認めたことになっております。この改築により、地域密着型の特別養護老人ホームの入所定員は今まで私たちが考えていた介護保険法で決めている二十九人を超すことになりますが、この入所定員の増員というのは理由によっては市町村だけで決定できるものになったようですが、この定数の変更は、平成二十三年の厚生労働省令百六号の特別養護老人ホーム及び地域密着型介護老人福祉施設においてユニット型部分とそれ以外の多床室のそれぞれの適切なケアが行われるよう、別々の施設として、認可、指定を行うことという国の指導が根拠になっていると聞いているが、このことについて県としての考えをお聞かせください。

 次に、国は将来の介護予算の増大の予想の中、在宅介護の利用の増加を考えているようでありますが、登米市の平成二十七年度から二十八年度の四月から九月の半期の三つの在宅介護サービス、訪問介護、訪問入浴、通所介護の保険給付額の総額は二十七年で十二億四千万円、二十八年は十億八千万円で一億六千万円程度減少しております。この主な理由は、市が増床認可した地域密着型特別養護老人ホーム七つの完成により、在宅介護者が介護施設に長期入所したことが主な理由だと聞いております。現実の市民要望は在宅介護より施設介護の要望が多いという中で、国が掲げる在宅介護が現実には相当難しいのではと思うが、知事の考えをお聞かせください。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 只野九十九議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、宮城の米づくりについての御質問のうち、将来の米づくりの考え方についてのお尋ねにお答えをいたします。

 今後の米づくりに当たっては、需要に応じた米の生産を行うことが基本であり、需要が拡大している業務用米を主体に考えるべきとの御意見は、我が県においても参考にすべきものと考えております。しかし、単に安い米づくりではなく、一定の価格での販売を目指し、生産コストを削減しながら収益を確保していくことが重要であると認識しております。このため、収益を安定させる複数年契約などに基づいた業務用米の計画的生産を拡大するとともに、直播栽培の拡大に向けて、展示圃の設置や専用播種機の導入支援など、省力、低コスト技術の普及拡大に努めてまいりました。更に県といたしましては、多様化する米の需要に対応するため、新品種、「だて正夢」や「金のいぶき」を戦略的に導入し、ひとめぼれ、ササニシキとともに米どころ宮城の復権を目指し、宮城米の評価向上と需要拡大を図ってまいります。

 次に、大綱二点目、小中学校の統廃合についての御質問のうち、地域と学校のあり方について広く市町村の意見を聞き、県として考え方を示すべきとのお尋ねにお答えいたします。

 地域と学校のあり方については、教育の観点だけではなく、地域の実情やこれまで学校が果たしてきた役割等に応じて、学校の設置者である市町村において主体的に考えられるべきものと認識しております。県としては今後とも、市町村の考えを十分にお聞きしながら、さまざまな形で支援していくことが必要であると考えております。

 次に、大綱三点目、県の医師確保と長寿対策についての御質問にお答えいたします。

 初めに、医療人材確保の状況と事業の課題についてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県の医療人材確保対策につきましては、東北医科薬科大学医学部が開設されたことにより大きく前進しておりますが、現状では、深刻な人材不足の状況が継続しているものと認識しております。そのため県ではさまざまな人材確保対策を推進しており、平成二十九年二月一日現在、ドクターバンク事業、医学生修学資金等貸付事業などにより、計九十人の医師を県内自治体病院等へ配置しているほか、看護学生修学資金の貸し付け等により、看護職員の県内医療機関への就業支援に努めております。今後の課題として、ドクターバンク、ドクターキューピット事業については、県外の医師へしっかりと制度周知が図られるよう広報等の取り組みを強化していく必要があると考えております。また、医学生修学資金等貸付事業では、医師のキャリア形成に有利な医療機関に修学資金貸与医師が集中する傾向にあることから、医師不足になる他の医療機関へ配置を進めていく必要があるものと認識をしております。

 次に、県内の産科、小児科医をふやすための対策についての御質問にお答えいたします。

 安心して子供を産み育てられる環境づくりのため、地域で不足している産科、小児科医を確保することは特に重要なものと認識しております。このため、これまでのドクターバンク事業などの取り組みを補完する仕組みとして、県外から転入する産婦人科、小児科医に奨励金を交付する特定診療科医師確保奨励金交付事業を今年度新たに創設したところであります。更に、東北医科薬科大学医学部の修学資金制度には産婦人科や小児科といった特定診療科に従事した場合には、償還免除となる必要勤務年数を短縮する仕組みを設け、医師の確保を図ることとしております。これらの取り組みを通し、県内の産科、小児科医の確保に引き続き取り組んでまいります。

 次に、医師不足解消への県の意気込みについての御質問にお答えいたします。

 地方への移住・定住を促進する上で、良好な医療環境を確保することは必要不可欠であり、そのために医師の確保は非常に重要な課題であると認識しております。県といたしましては、東北大学や東北医科薬科大学等との連携により、医学部を卒業した医師の県内定着を促進するとともに、ドクターバンク等の医師確保対策を着実に進め、安心できる地域医療体制の構築に向けて、医師不足の解消に引き続き積極的に取り組んでまいります。

 次に、在宅介護に対する県の考えについての御質問にお答えいたします。

 平成二十四年に内閣府が行った調査によれば、約四割が自宅等での介護を希望する一方で、約三割が特別養護老人ホーム等の施設入所を希望しているなど、住民の介護に対するニーズはさまざまであります。このため国では、本人の意思や置かれた環境に応じた最適なサービスを選択できる地域包括ケアシステムを推進しており、在宅、施設双方のサービスを提供していくこととしております。県といたしましても、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けるために、訪問介護や通所介護などの在宅系サービスとともに、特別養護老人ホームなどの施設系サービスを地域の実情に応じて充実させていくことが重要であると認識をしております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱三点目、県の医師確保と長寿対策についての御質問のうち、市町の修学資金制度による医師確保に対する県の考えについての御質問にお答えいたします。

 各自治体が実施する医学生修学資金制度は、修学資金の返還が免除されるために従事すべき医療機関が当該自治体病院や診療所に限定されていることから、専門とする診療科がなく、キャリア形成に不利な場合があるなど、当該自治体病院への勤務に結びつかないケースがあるものと認識しております。県といたしましては、このような状況を踏まえ、県で実施している医学生修学資金制度において、東北大学等との連携のもと、キャリア形成に不利とされる医療機関に医師を配置するための新たな方策について検討してまいります。

 次に、知事が指定する医療機関についての御質問にお答えいたします。

 知事が指定する医療機関は、所在する圏域の人口当たりの医師数の状況や当該医療機関の現員医師数、求人医師数等から相当程度の医師不足が生じていると認められる自治体病院やその他の公的病院など、現在は四十四の医療機関となっております。

 次に、修学資金の貸与を受けた医師の研修充実についての御質問にお答えいたします。

 中小の医療機関に修学資金の貸与を受けた医師が集まるようにするためには、地域医療のニーズに応えながらキャリア形成もできる環境づくりに取り組むことが重要であると認識しております。県ではこれまで、新しい専門医制度の開始に向けて、専門研修を行う医療機関のグループに中小の医療機関が研修施設として多く加わることができるよう調整してきたところであり、今後も必要に応じて研修施設をふやすことができるよう、専門研修の管理を行う基幹病院との調整に努めてまいります。

 次に、登米地域医療教育サテライトセンターの施設整備に対する財政支援と運営の方向性についての御質問にお答えいたします。

 登米市民病院に設置された地域医療教育サテライトセンターの施設整備は、教員室、セミナー室及びその什器などが主なものであり、その費用負担については、東北医科薬科大学と登米市民病院とで協議を行い、分担するものと伺っております。また、東北医科薬科大学では同センターをベースキャンプとして、学生が登米市民病院や周辺の医療機関等で実習を行うなど地域医療教育の拠点とするとともに、常駐する医師である教員を診療にも従事させ、地域医療支援の拠点とすることを目指していると聞いており、県としても医師の定着や地域医療の充実に資するものと期待しているところです。

 次に、医療機関が開業しやすい環境整備についての御質問にお答えいたします。

 団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年に向けて、県民が安心して暮らせるよう、県内各地域において必要とされる医療提供体制を構築していくことが重要であると認識しております。このため、各市町村や大学、医療関係団体等と連携し、医師確保を含め地域の医療環境整備に向けた取り組みを進めており、これまで、僻地等の条件不利地域における医療機関の開設等への補助など、その支援に努めてきたところであります。今後とも、これらの支援を継続していくとともに、政策税制としての県税の減免の可能性等も含め、より効果的な支援のあり方について研究してまいります。

 次に、特別養護老人ホーム開設、運営への株式会社等の参入についての御質問にお答えいたします。

 公正取引委員会が昨年九月に発表した介護分野に関する調査報告書におきましては、社会福祉法人等に限られている特別養護老人ホームの開設主体に係る参入規制を撤廃するなど、活発な競争を促すことにより、必要な介護サービスの供給量の増加や質の向上が図られ、介護人材不足等の解決にも資するとされています。その一方、事業の公益性に関する配慮や、倒産等の理由による撤退の懸念などの課題も指摘されております。県といたしましては、特別養護老人ホームは高齢者にとって安定的に安心して生活できる場であることが最も重要であると認識しており、株式会社等の参入については、公益性と社会的責務を担保する観点も十分に踏まえながら検討されるべきであると考えております。

 次に、一部がユニット型の施設における入所定員の増員についての御質問にお答えいたします。

 平成二十三年の厚生労働省令の改正により、ユニット型部分とユニット型以外の部分を併設した特別養護老人ホームにおいては、それぞれを別の施設として認可、指定することとなり、ユニット型部分についてはユニット型の介護報酬が算定できることとなったため、ユニット型部分の増床が行われるケースが出てきております。地域密着型など特別養護老人ホームの整備については、地域の実情に応じ、市町村の高齢者福祉計画、介護保険事業計画とそれを踏まえた県の「みやぎ高齢者元気プラン」に基づき行われており、御指摘のありました増床についても、計画の範囲内の整備となっております。県といたしましては、今後とも市町村と連携を密にしながら、計画に基づき必要な施設整備を進めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱一点目、宮城の米づくりについての御質問のうち、平成三十年産以降の主食用米生産に係る県の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 国は、平成二十五年十二月に決定した「農林水産業・地域の活力創造プラン」において、米政策を見直し、平成三十年産以降は行政による生産数量目標に頼らないで、生産にかかわる農業者や集荷業者、団体が中心となって需要に応じた生産を行うこととしました。我が県では、平成三十年産以降の米政策改革への対応方針について検討するため、平成二十七年十一月に宮城県水田農業振興会議を設置するとともに、地域の農業団体や農業者など現場の意見を幅広く聞いてまいりました。振興会議では、これまで市町村別生産数量目標の配分を行ってきた宮城県農業再生協議会が今後とも主体となり、生産の目安を設定し、地域農業再生協議会を通じて生産者まで示す方向で検討がなされております。現在、生産の目安の算定方法や提示の手法などを加え、平成三十年産以降の対応方針として取りまとめを行っております。今後は、今月に開催する振興会議において対応方針の案を取りまとめ、四月に開催する宮城県農業再生協議会の総会において、その方針を最終決定する予定としております。

 次に、水田フル活用に向けた課題に対する一元的対応についての御質問にお答えいたします。

 県及び地域農業再生協議会では、各地域の水田や担い手の状況に合わせた水田フル活用ビジョンを策定し、地域の特色ある作物の作付誘導を行っております。誘導に当たっては、農地集積による規模拡大を推進するとともに、直播栽培などの普及拡大や作物の選定など、生産技術指導の一体的な支援が重要であることから、既に県関係課が一体となってこれらの支援に取り組むとともに、地域においても、県、市町村、農業協同組合を初め関係機関団体が連携して支援を行っているところであります。

 次に、飼料用米等の戦略作物についての御質問にお答えいたします。

 我が県の戦略作物の推進については、宮城県水田フル活用ビジョンにおいて大豆、麦は実需者から安定した需要があることから最重点作物として位置づけており、その作付を最大限拡大するほか、収益性の高い園芸作物への転換を進めることとしております。また、飼料用米については県が掲げる目標とする面積に近づいておりますので、需要量をしっかり見きわめながら多収品種への転換に努めることとしております。

 次に、土地改良区に対する現状認識についての御質問にお答えいたします。

 土地改良区は、農業水利施設の維持管理や農地整備を通じた換地と農地集積の一体的推進を担うとともに、安心、安全な農産物の安定供給や先人が築き上げてきた貴重な資産を適切に管理し、次世代に引き継いでいく使命を持つ公共性の高い団体であります。しかしながら、農家数、組合員数が減少していく中で高齢化が進行し、職員数も減少していることから、組織体制の弱体化が進んでおります。また、施設の老朽化や電力料金の値上げなどから、用排水機場等の維持管理に要する経費が増加傾向にありますが、米価の低迷などにより賦課金の増額は困難で運営に苦慮していると認識しております。このため県では、平成二十五年度に土地改良区組織運営基盤強化推進基本方針を策定し、関係団体が一体となって組織運営の基盤強化に取り組むとともに、国の土地改良区体制強化事業により体制強化を図っております。更に、再生可能エネルギーの導入による売電収入の確保及び多面的機能支払交付金等により農家負担の軽減も図っております。県といたしましては、土地改良区の意見を伺いながら、運営状況調査も踏まえ、市町村、土地改良事業団体連合会等の関係団体と連携して、組織や財務基盤などの体制強化を支援してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱二点目、小中学校の統廃合についての御質問のうち、国の手引書に対する所見についてのお尋ねにお答えいたします。

 少子化に伴う学校の小規模化への対応については、我が県だけでなく全国的な課題となっており、平成二十七年一月には、文部科学省から少子化に対応した活力ある学校づくりに向けた公立小中学校の適正規模、配置等に関する考え方が手引として示されたところであります。

 一方、学校は地域コミュニティーの拠点として大きな役割を果たしていることから、統廃合の適否については学校の活力という点だけでなく、地域のさまざまな状況を総合的に考慮した上で、設置者において判断がなされるものと認識しております。文部科学省の手引については、公立学校の適正規模や適正配置等に関して考慮すべき要素、統廃合と存続の両方の留意点など、さまざまな観点を示していることから、設置者である市町村が主体的に判断する上での一助になるものと捉えております。

 次に、市町村のニーズや実情を踏まえた県としての指導についての御質問にお答えいたします。

 小中学校の統廃合については、設置者である市町村において、文部科学省の手引を参考にしつつ、学校が持つさまざまな機能や地域の実情等を総合的に考慮し判断されるべきものと考えております。県教育委員会としましては、市町村の方針を尊重しながら必要な情報を提供するとともに、教職員の加配等の支援を行っているところであります。

 次に、義務教育学校を設置することについて、県としての考えはどうかとの御質問にお答えいたします。

 今後とも少子化に伴う学校の統廃合が予想される中にあって、今年度、小学校と中学校を合わせた学校として制度化された義務教育学校は、児童生徒が切磋琢磨しながら学べる集団規模の確保や、小学校一年生から中学校三年生までの幅広い年齢での活発な交流等が可能となるなど、魅力ある学校づくりを進める上での一つの方策であると認識しております。その設置については、あくまでも市町村の主体的な判断によるものでありますが、県教育委員会としても必要な情報提供や助言を行ってまいります。

 次に、小中一貫校の統廃合に係る県の考えについての御質問にお答えいたします。

 各地域が抱える実情や課題はさまざまであることから、小中一貫校の規模については、学校規模、通学に要する時間と距離、学校の統合や小規模校の充実策等を含めて具体的に検討する必要があり、国が示した手引の内容を機械的に運用すべきものではないと捉えております。小中一貫校の統廃合についても、学級数等の教育的な観点だけでなく、地域の事情等を総合的に考慮した上で、設置者において判断するものであると認識しております。

 次に、義務教育学校を人口減少地域の教育の柱として考えることを提案するがどうかとの御質問にお答えいたします。

 義務教育学校については、義務教育九年間の小中一貫教育を通じた、系統性、連続性に立って児童生徒にきめ細かな指導ができることや、いわゆる中一ギャップの解消等にもメリットがあるものと認識しております。少子化が進む地域においては、小中学校の統廃合をせざるを得ない状況でありますが、その中にあっても学校教育の質を維持向上させていくことが大変重要です。市町村においては、このような認識のもとに義務教育学校への転換も選択肢の一つとして、今後、取り組みが進められるものと考えております。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。



◆三十六番(只野九十九君) 二、三再質問させていただきたいと思います。

 ここ二、三日、JA全農は新聞で、米の直接販売量を四〇%から、二〇二四年までには九〇%にすると。また、米の直接買収、買い取り価格を七割にするというふうに言っておりましたし、また、宮城県の農協の米担当者は、これからの米づくりは、農業は一俵幾らかという概念から一反当たり幾らかというふうになっていくだろうなというようなことを言っている人がおりました。これはとりもなおさず、水田フル活用と需給調整を宮城県の農業の柱にしていかざるを得ないんだろうなというふうに思います。そして、今までの一俵幾らと、一反当たり幾らかということの違いは、とりもなおさず、農業技術そのものの考え方が違ってくるというふうに考えなければいけないんだろうなと。宮城県が考えている農業技術は、恐らく今までのとおり一俵当たり幾らかということを効率よく上げるという技術に集約しているんだろうと私は思っています。今後、一反当たり幾らかというような技術は何かということについて、やっぱりきちっと県の方で方針を示さなければいけないんだろうなと思います。それは、直播とかブロックローテーション技術とか、連作障害対策とか、こういうことについて、やはり期限を決めて、県としてきちっとした形で事業を決めて確立していくということをやらないと、先ほど言いましたとおり、一俵幾らかじゃなくて一反幾らかっていう農業が今後の柱になるとすれば、それについてまわる技術というのを宮城県でしっかり見据えないとだめだというふうに思いますけれどもいかがでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長後藤康宏君。



◎農林水産部長(後藤康宏君) まさに、水田フル活用ビジョンというのが、現在ある水田を、いかにその米づくりだけではなくて、ブロックローテーション等を含めた他の高収益作物等含めて栽培をし、そこから収益をどう確保していくのかという思想をあらわしたものだというふうに考えております。それを実現するために我々としましては、直播、それから連作障害対策、ブロックローテーション時の稲の倒伏対策などを十分に考慮した作付体系を導入する必要があるというふうに考えておりまして、そのために県では、直播栽培技術、それから水稲、麦、大豆の二年三作技術体系の確立などの研究を現在も古川農業試験場で行っておりまして、それを現地に、農業改良普及センターそれから農業協同組合が連携して現地に導入しているところでございますので、その取り組みを積極的に進め、また、加工用や業務用野菜への作付誘導等もあわせて、水田をフル活用し、水田の一反当たり幾らの収益を上げていくのかという考え方を実現していきたいというふうに考えております。



○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。



◆三十六番(只野九十九君) はい、わかりました。わかったついでなんですけども、現実問題、技術論の前に、一俵幾らの農業から一反幾らの農業になるというようなことを、まずきちっとして技術と結びつくということを整理していただきたいというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。

 次に、宮城県の土地改良区の事業についてお聞かせいただきたいんですけども、土地改良区で持っている改良区の排水機場は、改良区だけの運転だけを見ますと、四、五カ月で終わるんですね。四、五カ月で。あとの残された期間というのは、地域の防災、そして減災などの観点から、排水機場があるというふうに考えても、恐らくある意味そんなに外れてないんだろうなというふうに思うんですね。いうならば、地域の排水も確実に改良区の管理する排水機場が担っているというふうに考えたほうがいいんだろうと思います。こういうふうな考え方があるとすれば、改良区だけが、ここの排水機場の修理のときに、今までのような負担金だけで耐えられない、原資がなくなるという状態で我慢するっていう話よりも、もっと大きな目で地域の排水を担っているんだという認識を県の中で共有していただかないと、改良区の見る目が曲がって見えているんじゃないかなというふうに思うんですけど、知事ここらあたりはどうでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) はい、おっしゃるとおりでございます。今問題になっておりました米価、農産物の価格が低迷しておりますので、賦課金の値上げというのは非常に困難であろうというふうに思っております。地域、農家のためだけではなくて、地域のために必要な施設という形でございますので、こういった水利施設の維持管理、長寿命化対策について、我々もいろいろ協力していくということは非常に重要なことだというふうに思っております。ますます農家の皆様の数が、農業を担ってくださる人たちの人数が減ってまいりますので、これは、国任せではだめだというふうに思っておりますので、農業団体の皆さんと農家の皆さん、そして、市町村と一緒になってこの解決に向けてともに考えていきたいというふうに思っております。その中で、財政的な支援といったようなことも、どうすればいいのかということを検討してまいりたいというふうに思っております。



○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。



◆三十六番(只野九十九君) ありがとうございます。今言いましたとおり、その改良区の排水機場に関して言いますと、基本的なところはですね、農業を全て考える上で、改良区運営がきちっとしてないとこに農業が正常に動くということについて考えられないということをベースに考えないと、やっぱり改良区を見る目が、やっぱり違うんだろうと思います。先ほど言いましたとおり、地域の排水を確実な形で、減災、防災のために役に立ってんだという認識もあわせて考えていただかないとだめだろうというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと。

 最後に、多面的機能支払いの交付金について完全に各地域が加入することはもちろんですけれども、これは、各地域とも広域活動組織を立ち上げていただいて、事務所の負担も改良区にやっていただくという制度を取り入れまして、多くの集落の交付金そのものを一本化して、老朽化の著しいときに集中的に配分するということなんですけども、この配分するというところに、排水施設とか何とかを柔軟に運用できるようなことについて、もう少し広く考えていただければありがたいというふうに思うんです。宮城県に三千カ所あるうちの七〇%ぐらいが限界に来ているというような話でございますから、ありとあらゆる資金が導入できるような仕組みについて、県の方が率先して勉強するということも必要だと思うんですけれど、どうでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長後藤康宏君。



◎農林水産部長(後藤康宏君) まず一つ、防災、減災対策を主要に考えた土地改良施設の改修については、地元負担、土地改良区の負担をゼロにするような事業制度もございますので、それらに積極的に誘導していくような形で土地改良区の施設改修の相談には乗ってきたいというふうに考えております。それから、多面的機能支払いの土地改良区が事務を担って土地改良区の貢献分を土地改良区の中に見出していくという方策については、さまざまな制度課題がございますので研究課題として勉強させていただきたいというふうに思います。



○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。



◆三十六番(只野九十九君) 最後に、財政的な事情で地域密着型の特別養護老人ホームが二十九人から数をふやすことができたというような話に、厚生労働省の省令でそうなったんですけれども、こういうことが柔軟にできるんであれば、やはりきちっとした形で民間の特別養護老人ホームの導入ということについても考える時期に来ているんじゃないか。広域的な制度とかなんとかよりも、民営化が一番いいのは、柔軟に物事を考えられるということを導入してくださいって話なんで、何も、老人福祉対策について、民間の方がなおざりになっているという話とは全然違うところで考えないといけないと思うんで、よろしくお願いしたいと思います。知事よければそのあたりお願いします。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 当然、そういった民間の力も借りるということは重要なんですが、ただ、志のある民間企業はですね、自分で法人格を取得して既に法人として特養ホーム等に参入をしていただいてございますので、やり方としては、民間でもワンクッション置けば十分やれるということもございますので、どんどんどんどん民間にやらせればいいというものでも必ずしもないということで、この分野はそんなに利益がどんどん出るような分野でもありませんので、やはり、高い志がないとできない分野でもあるということです。したがって、金もうけだけでいいということで決してないもんですから、こういったこともありますので、やはり、しっかりとしたハードルというものもある程度設けておく必要があるんじゃないかなと私は思っています。ただ、只野議員のおっしゃることもよくわかりますので、いろいろ研究をし、また、国の施策に呼応した形で、いい形で入所者が安心できるような施設をつくれるように、我々も努力をしていきたい、検討していきたいというふうに思っております。



○副議長(長谷川洋一君) 十五番境恒春君。

    〔十五番 境 恒春君登壇〕



◆十五番(境恒春君) みやぎ県民の声の境恒春でございます。よろしくお願いいたします。

 「和を以て貴しと為す」。聖徳太子が制定をした十七条憲法の第一条に出てくる言葉であり、日本人に知られた言葉の一つであります。また、私の座右の銘でもあります。この言葉は、とにかく角を立てないで仲よくするのが一番大切といった意味で理解している方が多いようですが、十七条憲法の第一条の真意は、人は、えてして派閥や党派などをつくりやすい。そうなると偏ったかたくなな見方にこだわって、ほかと対立を深める結果になる。そのことを戒めているのです。それを避けて人々が互いに和らぎむつまじく話し合いができれば、そこで得た合意はおのずから道理にかない何でもなし遂げられるというのが本当の意味であります。ただ、仲よくということではなく、道理を正しく見出すために党派、派閥的なこだわりを捨てよと教えています。これは十七条憲法の最後の条文である第十七条と対応しております。第十七条の内容は、重大な事柄は一人で決定してはならない。必ず多くの人々とともに議論すべきである。重大な事柄は多くの人々とともに論じ是非を検討してゆくならば、その結論は道理にかなうものになろうというものであります。このように、重大事の決定に独断を避け、人々と議論するにしても、各人が党派や派閥的な見方にこだわっていては、溝が深まるばかりで道理に到達できません。したがって、重大事の決定に当たり、公正な議論で道理にかなった結論を導く前提として第一条があるとのことです。ここで注意すべきは、第一条も第十七条も討論や議論の効用を最大限に高く評価しているということです。これは逆に言えば、議論をうやむやにして表面上の一致のみを求める、いわゆる空気の支配や同調圧力に対しては、最も批判的な立場が示されているのです。聖徳太子は道理にかなった結論を得るためには、公正な議論が不可欠と考えていました。それは、どんなにすぐれた人物であっても、完全無欠ということはあり得ないと洞察していたからです。結論といたしまして、完全無欠にほど遠い人間が公共の利益を実現するためには、派閥的なこだわりを捨てた公正な議論が欠かせず、そのためには各自が私心を去らねばならないということであります。現代の我々も謙虚に耳を傾けるべき貴重な教訓と言えます。私たち県議会、村井知事、そして、県執行部の皆様と重大な事柄をともに論じ、是非を検討し、派閥的なこだわりを捨てた公正な議論を行い、公共の利益の実現に向けてともに力を合わせながら、県民の福祉の向上、被災地の復興にともに邁進してまいりたいと思っております。

 それでは通告に従いまして、大綱六点について一般質問をさせていただきます。

 大綱一点、国際社会における宮城県の役割についてお伺いいたします。

 県は、宮城の将来ビジョンに掲げる富県宮城の実現に向けて、平成十八年にみやぎ国際戦略プランを策定。第一期プラン及び第二期プランは、海外との交流の活発化による地域経済の活性化及び県政の発展を目的として、富県宮城の実現に向けた取り組みを実施してきました。また、第三期プランは、平成二十六年度から平成二十八年度までの三カ年とし、第一期プラン及び第二期プランにおいて、目的として掲げた海外との交流の活発化による本県経済の活性化及び県政の発展を継承するとともに、東日本大震災により世界的に高まった本県の認知度等も活用しつつ、不透明な国際情勢に対して迅速かつ柔軟に対応することを目指し取り組んできました。アメリカのトランプ大統領の就任などにより先行きが不透明な中、目まぐるしく変化する国際情勢に対して、今後柔軟に対応していくためには、我が県が持つ特色を十分に生かし、将来を見据えた国際戦略が必要となってまいります。その中で、みやぎ国際戦略プランにおける外資系企業誘致の取り組みについてお伺いをいたします。

 震災により本県の認知度は世界的に高まったものの、依然として海外への情報発信力が十分ではなく、国内他地域のみならず、世界中の国際都市を意識した誘致競争においておくれをとっておりませんでしょうか。震災特区や津波被害を対象とした補助制度や優遇措置が充実している今、県としての国際戦略、また、これまでの取り組みと誘致の実績についてお伺いをいたします。

 県は、国際協力の分野において、発展途上国等の人材育成を継続的に実施するとして海外研修員を受け入れるとともに、海外からの要請を受けて本県の技術専門職員を派遣しております。私も先月、東京本部を視察し意見交換をしてまいりましたが、県は、独立行政法人国際協力機構JICAが実施する草の根技術協力事業に取り組み、国際社会のニーズに応じた協力を継続的に実施して国際貢献に取り組むなどしてきました。平成二十二年にはJICAとの間で締結した、みやぎ国際協力隊プロジェクトの実施に関する合意書に基づき、本県農業土木技術職員をマラウイ共和国へ派遣し、マラウイ共和国政府との強い信頼関係を構築するとともに、第五回アフリカ開発会議、世界防災閣僚会議やIMF世界銀行防災会合などのために訪日をした各国要人の県内現地視察を積極的に受け入れ、震災からの復興状況の周知に取り組んでいることは評価できるものであります。そして、JICA等と連携した本県技術職員の海外技術協力事業への継続的な派遣や震災復興の経験を踏まえた復興モデルの海外発信により、職員の国際経験等の向上及び世界に貢献する宮城の国際的知名度や評価の向上を図ったことについても、宮城とのネットワーク構築等に大きな効果があったことと推測されます。

 そこで、平成十八年に第一期が策定され、平成二十八年度で第三期が終了するみやぎ国際戦略プランにおけるこれまでの取り組み状況と成果、また、現在の国際情勢の中で、宮城県は国際協力の観点からどのような役割を果たしていくべきか、今後の展望について知事の御所見をお伺いいたします。

 大綱二点、第四次産業革命と地方創生についてお伺いをいたします。

 十八世紀から十九世紀にイギリスで起きた蒸気機関の発明による第一次産業革命。十九世紀から二十世紀、石油と電力を活用し大量生産を可能とした第二次産業革命。二十世紀後半からのコンピューター制御を活用した第三次産業革命。そして、今起きている第四次産業革命。第四次産業革命は、ドイツ政府が産学官の結集でものづくりの高度化を目指すとして、二〇一二年から打ち出しているインダストリー四・〇を日本語にしたもので、AIいわゆる人工知能やIoT、モノのインターネットを活用することで、産業構造を大きく転換しようという取り組みであります。

 では、AI、IoTといった技術を日本はどのように生かしていくべきなのか。その例として挙げられているのが、日本の自動車産業、AIを活用した自動運転技術であります。自動車産業は、これまでの製造業から移動サービス業としての転換が予想されます。なぜならば、自動運転が普及すればするほど車を所有することの意味がなくなってくるからであります。今後産業革命が進めば、コンピューター管理によるカーシェアリングが主流となり、個人に車を販売して利益を出すのではなく、クライアントごとの移動距離によって従量課金するモデルへとビジネスモデルの変革が求められてきます。二〇一五年、フォードがカーシェアビジネスに参入しました。フォード車の購入者が車を使わないときに、フォードを通じてその車をカーシェアに出すことができるサービスを初め、このサービスの利用者は、マイカーをカーシェアに出すことによりその車の購入にかかる金銭的負担を軽減することができるそうです。アメリカ西海岸で行われた調査では、市場にカーシェア車両が一台投入されると自家用車は十五台減ることも明らかになりました。自動車メーカーが製造業であるうちは、カーシェアを伴う移動サービス業化は自分の首を締める行為に感じますが、フォードが移動サービス業へ参入したのは、所有から利用への流れに乗り他社に先を越される前に移動サービス業としての地盤を固めシェアを確保したい、そういう狙いがあるようです。

 安倍首相は先月政府が開いた未来投資会議で、平成三十二年度までに運転手が乗車しない自動走行によって地域の人手不足や移動弱者を解消すると述べ、自動運転実現の事業化に向けた環境整備を加速するよう関係閣僚に指示をいたしました。それに合わせ政府は二十九年度中に政府の基本戦略となる大綱を策定する方針を決定し、トラックの隊列自動走行や無人のバス、無人のタクシーの実証実験を進めるとのことです。政府は無人自動走行を第四次産業革命の柱に位置づけ、今後決める制度の整備方針などは、六月にまとめる成長戦略に反映させるようです。未来投資会議では、有人の先頭車両が、無人で自動走行する二台以上のトラックを牽引する隊列走行を三十四年度に実現するほか、三十二年度に無人バス、無人タクシーの商業化を目指す方針を示しました。また、安倍首相は二十九年度にこれらの公道実証を行うよう指示をし、隊列走行は新東名高速道路で、バスやタクシーは公募などで選ぶ、全国十カ所で行うとしております。

 私は、第四次産業革命は少子高齢化や過疎化といった課題を抱える我が国、そして我が県において大きなチャンスになるのではないかと思っております。我が県初め各県市町では、六十五歳以上の方が事故に遭ったり、高齢運転者が関係する交通事故が多発する中、高齢者ドライバーによる交通事故の減少等を目的に運転免許自主返納支援事業等を行っておりますが、こうした高齢者の運転免許返納問題を解決する一つの策として、自動運転車の普及は非常に有効であると考えます。今後、先進国の多くが経験する課題が世界で一番早く押し寄せている今の日本において、先進国がいずれ訪れる諸問題に対処するためのノウハウをどこよりも早く手に入れることができます。第四次産業革命により、新しいビジネスモデルの出現、従来モデルの再構築、教育、医療、福祉、生産、消費、輸送、配送など、さまざまな面でのシステムの再編成が行われ、今後、あらゆる産業が大きく転換し、行政機関にも大きな影響を与えることが予測される中で、第四次産業革命を活用した宮城県としてのこれまでの取り組み、産業構造が大きく変化する中で、将来を見据えた県としての産業振興について知事の御所見をお伺いいたします。

 大綱三点、仮設住宅における子育て世帯への支援についてお伺いをいたします。

 震災から間もなく六年が経過をしようとしておりますが、私の地元である気仙沼市や南三陸町を初め、今なお仮設住宅で不自由な暮らしを強いられ、そして将来の見通しも立たず苦しんでいる被災者の方々が大勢おります。県は被災者の生活環境の確保と生活支援、また、仮設住宅において子育て世帯が安心して暮らせるよう、各市町が設置している仮設住宅サポートセンター等で活動している子育て支援団体等の支援、団体間のネットワークづくりを行うため、来年度予算に業務委託費として七百八十万円を計上しております。業務内容といたしましては、不登校、子供の貧困対策など子育て世帯の抱える問題に対する対処方法などをテーマとした子育て支援活動を行う関係者のための講習会の開催、災害公営住宅への入居や新居への引っ越しに伴う新たなコミュニティー形成の支援のためのワークショップの開催、地域における子育て支援ネットワークづくりのための連絡会議などになります。平成二十七年度サポートセンター支援事業実施セミナー受講者からは、いじめや不登校など原因が特定できないこともあり、解決への道を探すことは難しいが、子供に寄り添い聞くことを続けていく中で本人のエンパワーを高めていくことができれば、一歩ずつ先に進むことが可能であるかもしれないと思えた。被災者支援の話で震災を直接体験していなくても、何かのきっかけでフラッシュバックしたり、つらい思いをしたりすることがわかった。何気なく話かける言葉が相手を傷つけることもあると知った。言葉遣いから気をつけなければならないと感じた。そういった声が寄せられました。また、子育て支援団体からは、子供の遊び場が不足しており、仮設住宅などで大人と子供が対立するような図式になってしまい、エネルギーを発散する場所がない子供たちの鬱憤がたまっている。子育て支援に関するセミナーなどの機会が少ないため、子育て支援団体は人材育成の機会がない。また人手不足で研修へ送り出すことができない団体もある、そういった意見も寄せられております。セミナー受講者や子育て支援団体からの意見を踏まえて、本事業に関してのこれまでの取り組み状況と成果について、知事の御所見をお伺いいたします。

 また、仮設住宅に長く住む子供たちや子育て家庭への影響、子育て家庭支援の現状と課題について、県はどのように捉え、また、その課題解決に向けて、今後、具体的にどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 大綱四点、気仙沼・本吉地域における企業誘致についてお伺いをいたします。

 震災後、被災した地元企業の再建を優先的に取り組んできたことやまとまった産業用地の確保が難しいなどの課題もあり、気仙沼・本吉地域において、外部からの企業誘致に関してはなかなか進んでいない現状があります。気仙沼市としては、防災集団移転事業で買い取りを進めてきた本吉町小泉地区を、外部からの企業誘致を中心とした産業集積の受け皿として活用していく方針であり、同じく、防災集団移転事業で買い取った市有地のある松崎片浜地区についても、産業用地としての活用が現在本格的に検討されている状況です。県としては、津波被災地域を対象とする国の津波補助金やみやぎ企業立地奨励金等を活用し気仙沼地域の早期の産業再生と復興を後押しするとともに、県産業立地推進課や県東京事務所の企業誘致担当班に気仙沼市から職員が派遣されていることなど、気仙沼市とも連携を図りながら誘致活動を展開していることは承知しておりますが、気仙沼地域における企業誘致について、これまでの実績と成果を知事にお伺いいたします。

 用地取得費も対象となる津波補助金は、外部からの企業誘致を図る上で非常に有効な補助制度でありますが、申請期間が平成三十年度まで、運用期間が平成三十二年度までとなっております。先ほど申し上げた気仙沼市の松崎片浜地区は、平成三十三年度以降の分譲開始が見込まれるため、津波補助制度の再延長が必要となってまいりますが、県としてどのような対策をお考えなのか、お伺いをいたします。

 大綱五点、気仙沼市や南三陸町で勤務する一般職の県職員採用枠の導入についてお伺いをいたします。

 昨年十一月、宮城県教育委員会は二〇一七年度に実施する教員採用試験で、地元出身の教員が少ない気仙沼市や南三陸町への定着を促すため、南三陸教育事務所管内の小学校に約十年間勤務する地域採用枠や、主に特別支援学校で勤務する採用枠などを新たに導入すると発表いたしました。地元出身の教員が少ない気仙沼市や南三陸町への定着という課題について私も思案をしておりましたが、このような地域採用枠での解決策は有効と考え、ぜひ進めるべきではないかと私も思っております。しかし、教員だけが地元出身が少なく定着率が低いのでしょうか。同様に、一般職の県職員も気仙沼市や南三陸町の出身者が少なく定着率が低いのではないかと考えます。私は、気仙沼市や南三陸町への愛着を持ち、ともに居住する覚悟のある職員がふえることが、気仙沼市や南三陸町の地域活性化につながると考えております。そこで、一般職の県職員の気仙沼市や南三陸町への定着を促すため、気仙沼地方振興事務所管内に約十年間勤務する地域採用枠や、主に気仙沼地方振興事務所に勤務する採用枠など、新たに導入することを御提案いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 大綱六点、本県における卓球協議会への支援についてお伺いいたします。

 ことし二月、ディズニーアンバサダーホテルにて、卓球選手である福原愛さんが披露宴を開催いたしました。幼いころから始めた卓球で愛ちゃんとして、多くの方に親しまれてきた福原愛さんの披露宴には、大勢の方が駆けつけ祝福をいたしました。一九九二年、仙台市で福原さんは、当時、三歳八カ月で初めて卓球のラケットを握り、この日から四半世紀、福原さんは日本の頂点に立ち、オリンピック四大会連続出場を果たし、二〇一二年、ロンドンオリンピックの団体で日本卓球界初の銀メダル。二〇一六年リオデジャネイロオリンピックでは団体で銅メダルと二大会連続でメダルを獲得いたしました。また、昨年末、南アフリカのケープタウンで行われた卓球の世界ジュニア選手権男子シングルス決勝では、仙台市出身の張本智和選手が史上最年少の十三歳で優勝を飾りました。県特別表彰を授与した際に村井知事は、世界ジュニアでの優勝はすばらしい偉業。高い目標を持ち強い精神力で達成していただけるよう、県民一同応援していると栄誉を称えました。張本選手は、現在、宮城県指定の東京オリンピック・パラリンピックを目指す選手、みやぎアスリート2020に選ばれ活動への支援を受けております。私は福原愛さん、そして、二〇二〇年東京オリンピックに向け、宮城県から羽ばたくホープである張本選手に続くような選手を育てるためにも、本県も卓球競技への支援、また、選手の育成にこれまで以上に力を入れるべきではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 野球やサッカーなどの一部競技を除き、世界レベルで戦ってきた選手のセカンドキャリアとして指導者がありますが、現在日本では企業リーグのみであるためフルタイムでのコーチや監督の受け皿はかなり少ないのが現状であります。指導者の数の少なさは日本のスポーツ界のレベルにも響きますので、選手のセカンドキャリアの環境を整えていくことも大切であります。公務部門に民間等の知識、経験を導入し、新たな業務増や政策課題等に対応するとともに、組織人事の活性化を図ることを目的として、鳥取県では民間企業等経験者に限った職員採用を実施しております。鳥取県はスポーツ分野における国際的な活躍など、顕著な実績を有する方を対象にした事務を新設しております。本県でも、鳥取県を参考に卓球を初めとしたスポーツ分野における顕著な実績を有する方を対象とした職員の採用を御提案いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 県の卓球協議支援策として、卓球競技者の目標となる大会及び国際交流の観点から、例えば、福原さんの夫の出身地である台湾で開催される、台湾卓球選手権大会「福原愛賞・宮城県知事杯」を創設するなど、台湾との経済交流や台湾人気ドラマの宮城ロケも行うなど、台湾との関係を非常に重視されている知事として、御所見をお伺いいたします。

 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 境恒春議員の一般質問にお答えいたします。

 大綱六点ございました。

 まず、大綱一点目、国際社会における宮城県の役割についての御質問のうち、国際協力分野の取り組み状況と今後の展望等についてのお尋ねにお答えをいたします。

 国際戦略プランにおいては、第二期プラン以降、国際協力活動の推進を取り組みの一つに位置づけ事業を実施してまいりました。主な取り組みといたしましては、第二期プラン以降、海外研修員を友好省州等から十六名受け入れたほか、御紹介のありましたマラウイ国への本県職員の派遣、また、我が県出身の青年海外協力隊員など延べ百五十六名に対する「みやぎ海外絆大使」の委嘱などを行っております。これら取り組みの成果といたしましては、研修経験を母国発展のために生かしていただくことはもちろんのこと、宮城の知名度向上やグローバルな経済、友好交流の牽引役となる新たな人的ネットワークが構築されることだと考えております。今後の役割と展望につきましては、これまでの取り組みに加え、震災の際、世界中の皆様から温かい御支援をいただきましたことから、その復旧・復興の経験を世界に発信していくことと考えております。県としては今後とも、発展途上国を初めとした世界各国からの視察研修等の受け入れやJICA等の関係機関と連携した専門家派遣などに可能な限り積極的に取り組み、国際協力活動に努めてまいります。

 次に、大綱二点目、第四次産業革命と地方創生についての御質問にお答えいたします。

 政府が日本再興戦略二〇一六で掲げる第四次産業革命は、我が県においても工場の生産設備や物流の自動化などものづくりの革新が進展することで、県内企業における品質、コスト、納期等の生産体制の向上に寄与するものと認識しております。県ではこれまで、IoTや自動運転に関するセミナーの開催、3Dプリンターに代表されるデジタルエンジニアリング技術の人材育成に取り組んでいるほか、昨年七月に国の選定を受けた宮城県IoT推進ラボにおいて、新しい地域型交通システムの構築に向けた取り組みを東北大学などと連携を図りながら展開しているところであります。県としては今後とも、国の動向や時代の潮流を踏まえながら、第四次産業革命に対応した競争力のある企業の誘致や県内企業の生産性と技術力の向上を一層進め、県全体の産業振興に努めてまいります。

 次に、大綱六点目、本県における卓球競技への支援についての御質問にお答えいたします。

 初めに、卓球競技への支援や選手育成についてのお尋ねにお答えをいたします。

 リオデジャネイロオリンピック卓球女子団体で銅メダルを獲得した福原選手が、チームリーダーとして世界の強豪を相手に戦った姿は、大変頼もしく復興への勇気と感動を与えてくださいました。また世界ジュニア卓球選手権において、史上最年少の十三歳で優勝を果たした張本選手も、今後、東京オリンピックでの活躍が大いに期待されます。お二人とも宮城で育った選手であり、後に続く選手たちの大きな励みになるものであります。県としては、卓球競技に特化して支援することは困難でありますが、これまでも県体育協会と連携してジュニア選手の育成強化を行ってきており、特に震災後は、東日本大震災復興支援財団からの支援を受け二十八の競技でジュニア選手の発掘と育成強化に取り組んでおります。今後とも、世界に羽ばたくジュニア選手の育成支援に努めてまいりたいと考えております。

 次に、スポーツ分野で顕著な実績を有する人物の採用についての御質問にお答えいたします。

 これまで我が県では、警察官の採用試験において武道指導の枠を設けているほか、教員や職員の採用選考に当たっても、受験者の資質を総合的に見きわめるように努めているところでありますが、スポーツの顕著な実績のみで職員として採用することにつきましては、現時点では想定していないところであります。

 なお、選手のセカンドキャリア環境の整備は重要な課題であると認識しており、その採用等につきましては、関係団体とも連携をしながら、今後とも研究してまいりたいというふうに考えております。

 次に、競技支援と国際交流の観点から、台湾で宮城の名を冠した大会の創設等を提案するがどうかとの御質問にお答えをいたします。

 台湾については、大変親日的であり、東日本大震災におきましても、我が県に対して多大なる御支援をいただきました。また私自身、昨年夏に台湾を訪問し、さまざまな方とお会いし友好を深めてきたところであります。御提案のありました台湾での卓球大会を県が主催することは難しいと考えておりますが、友好交流等を目的として、そのような大会が関係団体等によって実現することがあれば、我が県と台湾との一層の交流推進の観点から「知事杯」といったようなものを提供することについては前向きに検討したいと、このように考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 総務部長大塚大輔君。

    〔総務部長 大塚大輔君登壇〕



◎総務部長(大塚大輔君) 大綱五点目、気仙沼市や南三陸町で勤務する一般職の県職員採用枠の導入についての御質問にお答えいたします。

 広域自治体である県は、県内全域を視野に入れた業務を行わなければならず、その特性を踏まえた人事行政を運営する必要があると認識しております。このため、職員配置においては、おのおのの段階に応じたキャリア形成や能力発揮に配慮した配置に取り組むとともに、本庁、地方機関相互の活性化や人材育成などの観点から、広域的な異動も積極的に行っております。地域採用枠を導入するとすれば、さまざまな地域での多様な業務経験が得られなくなるおそれがあるほか、当該地域では、組織における職位構成上のバランスの問題も考えられますので、今後の検討課題としてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱三点目、仮設住宅における子育て世帯への支援についての御質問のうち、仮設住宅等サポートセンター活動支援事業についてのお尋ねにお答えいたします。

 これまで、県では仮設住宅において子育て世帯が安心して暮らせるように、平成二十三年十二月から子育て支援活動を行う団体等の育成支援や、団体間のネットワークづくりに取り組んでまいりました。平成二十七年度の実績としては、被災者生活支援員等に対する子育て支援セミナーを十五市町で三十三回開催し、延べ六百九十四人が受講しております。また、各市町の関係機関を集めた連絡会議も三十三回開催しており、延べ三百一人が参加し、さまざまな情報交換や事例報告などが行われました。間もなく、震災から六年が経過しようとしており、子供を取り巻く環境も徐々に変化してきていることから、支援に当たる方々も新たな課題に直面しております。これまでの取り組みは、こうした支援者の方々の子育て支援に関する技能習得や「心の荷物おろし」としての役割を担い、民間によるきめ細やかな被災者支援体制の維持に寄与してきたものと認識しております。

 次に、仮設住宅の子育て家庭支援に関する課題への対応等についての御質問にお答えいたします。

 被災地では、生活環境の変化に伴い不安感や愛着不足等によって心のケアを必要とする子供がいまだに多く、また、子供たちの学習の場や遊び場の確保、子供、親、支援者が気軽に相談できる居場所づくりの必要性が高まりつつあるとの指摘もございます。このように、多様化するニーズや現場の意見に適時的確に対応していくことが求められていることから、県といたしましては、団体間のネットワークを一層強化するなど行政だけでは対応できない、きめ細やかな活動を展開しているNPO等を支える取り組みを今後とも継続し、安心して子育てができる社会環境の整備に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、国際社会における宮城県の役割についての御質問のうち、外資系企業誘致の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 県ではこれまで、既に国内に進出している外資系企業等を中心に、我が県への進出に向けた誘致活動を進めてまいりました。具体的には、直接の企業訪問やセミナーの開催などにより、インセンティブや投資環境をPRしてきたほか、国際会議等における英語版パンフレットの配布及び英語版のウエブサイト「インベスト宮城」による情報発信などを行ってまいりました。これにより、震災以降、五社が県内に進出したほか、現在も数件の企業と調整を進めているところであります。今後は、これまでの二次誘致のほか、大学等との共同プロジェクトから発生する研究拠点やベンチャー企業の誘致に加え、我が県への進出可能性が高い企業については、直接海外の本社を訪問するなど、案件の熟度に応じ、積極的に対応してまいります。

 次に、大綱四点目、気仙沼・本吉地域における企業誘致についての御質問のうち、気仙沼地域における企業誘致の実績についてのお尋ねにお答えいたします。

 経済産業省の工場立地動向調査によると、震災後の平成二十三年から昨年六月までの気仙沼・本吉地域における製造業の立地件数は二十件であり、被災に伴う移転や既存工場の隣接地への増設など、地元の食料品製造企業によるものとなっております。これら企業の中には、例えば、気仙沼市鹿折加工協同組合のように新たに組合を設立し、商品開発や販路開拓に活路を見出そうと努めている事業者も含まれております。

 次に、津波補助金の再延長への対策をどう講じるのかとの御質問にお答えいたします。

 甚大な被害を受けた北部沿岸地域におきましては、土地のかさ上げや区画整理等に時間を要していることから、津波補助金の適用期間内に事業用地の整備等が間に合わない場合があることが懸念されております。このため、昨年度、申請期間を平成三十年度末まで、また、運用期間を平成三十二年度末まで、それぞれ、三年間延長する措置が政府要望の結果認められたところであります。県といたしましては、延長された年限までに現在ある事業用地へ一社でも多く企業誘致が図られるよう、津波補助金を最大限活用した誘致活動に市町と連携して取り組むとともに、今後、運用期間などの課題が生じた場合には、地域の実情を踏まえ、再延長も含めた十分な措置がとられるよう、引き続きあらゆる機会を捉えて国に働きかけてまいります。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 十五番境恒春君。



◆十五番(境恒春君) ありがとうございました。気仙沼の企業誘致についてお伺いをいたします。

 ほかの地域と比較をいたしまして、独自の経済圏を形成しているような感じがする気仙沼市ですけれども、基幹産業である水産業への産業の偏り、そしてあとは依存度が高く、産業のバランスがとれていないように、私含めて市民の多くが感じているようです。震災によって気仙沼は約八〇%の事業所が被災をいたしまして、津波浸水したのは、気仙沼市全域の五・六%、ただ、気仙沼市というのがリアス式海岸の地形なので、そもそも平地が少なく、そのわずかな沿岸の平地に水産関係の事業所が集中をしていたということで、多くの罹災者が発生をしております。震災前の気仙沼は〇・五倍程度の有効求人倍率でしたが、震災後は、昨年、気仙沼地区の求人倍率は約二倍、水産加工業に限りますと六倍から七倍に達します。これは震災で環境が変わって、これまで賃金の安さ、あと休みが少なかったり、そういったことに我慢をしてきた労働者の方々が、震災による離職を契機に意識が変わって、更により好条件の職場を求めるようになったのではないかなと推測しております。県としてまず、その震災後の労働者の意識の変化に対してどう分析をされているのか、それと気仙沼市の基幹産業は、当然、水産業を守っていかなければいけないんですけれども、企業誘致、また観光産業を初め気仙沼市における水産業、他産業のバランスについて知事はどのように考えているのか、気仙沼市における産業振興の展望と意気込みをあわせてお伺いいたします。



○副議長(長谷川洋一君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 気仙沼地域独特の産業集積でございますけれども、東日本全体を見ますと、東日本を代表する水産業クラスターの基地でもございます。日本を代表するような水産業クラスターが形成されてきたところでございますので、まずこの点をしっかりと復活をさせていくということが極めて重要ではないかというふうに考えてございまして、水産加工業を中心とした企業の立地、更には産業の融合化などに取り組んでいきたいというのが一つの柱でございます。また、企業誘致の面では平場が少ないということもございますので、廃校を利用するとか、それから私ども企業の皆様からお聞きすると、新分野として海辺の方々は技術があって縫製の事業に大変向いていると、最近は高度な縫製技術が求められておりますので、なかなか立地場所に困っておられるというようなお話も聞いておりますので、そういった自動車産業と縁のあるような縫製技術、こういったところも攻めどころとしてあるのではないかなというふうに認識をしておるところでございます。そういった産業を振興することによりまして、雇用を新たに創出していく、更には水産加工業と縁の深い観光産業などとの融合を深めていく、こういったことが私どもの方針として考えておるところでございます。



○副議長(長谷川洋一君) 十五番境恒春君。



◆十五番(境恒春君) 最後に、知事がおっしゃったジュニア選手の強化事業ですけど、これ平成三十年度で事業が終わってしまいます。その後の継続についてどのようにお考えでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 今、御質問のありましたジュニア育成事業ですが、東日本大震災の復興支援財団の支援を受けて六年間の事業で行っております。この後継につきましては、体育協会とよく協議をしながら、できるだけ継続する方向で検討を進めているところでございます。



○副議長(長谷川洋一君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。

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△散会



○副議長(長谷川洋一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 明日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後二時五十分散会