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平成29年  2月 定例会(第359回) 02月28日−04号




平成29年  2月 定例会(第359回) − 02月28日−04号













平成29年  2月 定例会(第359回)



       第三百五十九回宮城県議会(定例会)会議録

                              (第四号)

平成二十九年二月二十八日(火曜日)

  午前十時開議

  午後四時三十四分散会

      議長                     中島源陽君

      副議長                    長谷川洋一君

出席議員(五十九名)

        第一番                  大内真理君

        第二番                  角野達也君

        第三番                  内藤隆司君

        第四番                  高橋 啓君

        第五番                  鎌田さゆり君

        第六番                  遠藤伸幸君

        第七番                  庄田圭佑君

        第八番                  深谷晃祐君

        第九番                  遠藤隼人君

        第十番                  中嶋 廉君

       第十一番                  福島かずえ君

       第十二番                  天下みゆき君

       第十三番                  三浦一敏君

       第十四番                  佐々木功悦君

       第十五番                  境 恒春君

       第十六番                  太田稔郎君

       第十七番                  横山のぼる君

       第十八番                  渡辺勝幸君

       第十九番                  横山隆光君

       第二十番                  佐々木賢司君

      第二十一番                  守屋守武君

      第二十二番                  石川利一君

      第二十三番                  熊谷義彦君

      第二十四番                  渡辺忠悦君

      第二十五番                  遠藤いく子君

      第二十六番                  すどう 哲君

      第二十七番                  吉川寛康君

      第二十八番                  伊藤和博君

      第二十九番                  中島源陽君

       第三十番                  長谷川 敦君

      第三十一番                  佐々木幸士君

      第三十二番                  村上智行君

      第三十三番                  細川雄一君

      第三十四番                  高橋伸二君

      第三十五番                  菊地恵一君

      第三十六番                  只野九十九君

      第三十七番                  佐々木喜藏君

      第三十八番                  石川光次郎君

      第三十九番                  佐藤光樹君

       第四十番                  岸田清実君

      第四十一番                  菅間 進君

      第四十二番                  坂下 賢君

      第四十三番                  ゆさみゆき君

      第四十四番                  藤原のりすけ君

      第四十五番                  坂下やすこ君

      第四十六番                  庄子賢一君

      第四十七番                  本木忠一君

      第四十八番                  中山耕一君

      第四十九番                  長谷川洋一君

       第五十番                  安部 孝君

      第五十一番                  齋藤正美君

      第五十二番                  安藤俊威君

      第五十三番                  渥美 巖君

      第五十四番                  畠山和純君

      第五十五番                  仁田和廣君

      第五十六番                  藤倉知格君

      第五十七番                  相沢光哉君

      第五十八番                  中沢幸男君

      第五十九番                  渡辺和喜君

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説明のため出席した者

      知事                     村井嘉浩君

      副知事                    若生正博君

      副知事                    山田義輝君

      公営企業管理者                犬飼 章君

      総務部長                   大塚大輔君

      震災復興・企画部長              伊東昭代君

      環境生活部長                 佐野好昭君

      保健福祉部長                 渡辺達美君

      経済商工観光部長               吉田祐幸君

      農林水産部長                 後藤康宏君

      土木部長                   遠藤信哉君

      会計管理者兼出納局長             増子友一君

      総務部秘書課長                横田 豊君

      総務部参事兼財政課長             吉田 直君

    教育委員会

      教育長                    高橋 仁君

      教育次長                   西村晃一君

    選挙管理委員会

      委員長                    伊東則夫君

      事務局長                   清水裕之君

    人事委員会

      委員長                    小川竹男君

      事務局長                   谷関邦康君

    公安委員会

      委員長                    相澤博彦君

      警察本部長                  中尾克彦君

      総務部長                   岡崎 晃君

    労働委員会

      事務局長                   正木 毅君

    監査委員

      委員                     工藤鏡子君

      事務局長                   武藤伸子君

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    議会事務局

      局長                     今野 順君

      次長兼総務課長                半沢 章君

      議事課長                   三浦正博君

      参事兼政務調査課長              大浦 勝君

      総務課副参事兼課長補佐            三浦 理君

      副参事兼議事課長補佐             川村 満君

      政務調査課副参事兼課長補佐          高橋秀明君

      議事課長補佐(班長)             二上秀幸君

      議事課主任主査                齋 真左志君

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    議事日程 第四号

              平成二十九年二月二十八日(火)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号

第三 一般質問

   [天下みゆき君、仁田和廣君、横山のぼる君、庄田圭佑君、熊谷義彦君]

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号

三 日程第三 一般質問

   [天下みゆき君、仁田和廣君、横山のぼる君、庄田圭佑君、熊谷義彦君]

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△開議(午前十時)



○議長(中島源陽君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(中島源陽君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、二十八番伊藤和博君、三十番長谷川敦君を指名いたします。

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△議第一号議案ないし議第四十三号議案



△議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案



△報告第一号ないし報告第百十三号・一般質問

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○議長(中島源陽君) 日程第二、議第一号議案ないし議第四十三号議案、議第九十四号議案ないし議第百三十五号議案及び報告第一号ないし報告第百十三号を議題とし、これらについての質疑と日程第三、一般質問とをあわせて行います。

 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。十二番天下みゆき君。

    〔十二番 天下みゆき君登壇〕



◆十二番(天下みゆき君) おはようございます。日本共産党の天下みゆきです。通告に従いまして一般質問を行います。

 最初に、住宅リフォーム助成事業について伺います。

 震災から六年がたとうとしています。県がまとめた「新・みやぎ建設産業振興プラン」では、今後の県工事建設投資の見通しは震災前の水準まで激減する見込みとされ、その結果、受注競争が激化し、経営環境は悪化し、その結果、雇用が削減され、更なる若年入職者の減少と高齢化が進行し、技術力も低下して、将来的な品質確保の懸念がある。その結果、深刻な現場の担い手不足が進み、維持管理や除雪、災害対応に支障を来し、長寿命化対策もおくれるとしています。これは宮城県のプランにある課題認識ですが、私も同じ認識で危機感を感じます。特に、地域に根づいて地域を支えて頑張ってきた一人親方などの小規模業者の多くが廃業、倒産、淘汰されてしまうのではないかと懸念されます。

 まず、建設業界の今後の見通しに対する知事の認識を伺います。

 そこで、県内経済の活性化と居住環境の向上を目的に、改めて宮城県が本格的に住宅リフォーム事業に着手することを検討していただきたいと思います。震災前二〇一〇年の九月議会に、住宅リフォーム助成制度の制定に関する請願書が出され、全会一致で採択されました。これに対する宮城県の施策は耐震改修工事助成に住宅リフォーム助成、最大十万円をのせるものでした。二〇一一年三月三日の予算総括質疑で、村井知事は、遠藤いく子委員の質問に次のように答えています。「耐震改修工事に対する助成は五百六十戸に拡大をいたしまして、八千四百万円の助成費を計上しておりまして、約十五億七千万円の経済波及効果を見込んでいます。また、リフォーム工事につきましては、新たに三百五十戸を対象に三千五百万円の助成費を計上しており、九億六千万円の経済波及効果を見込んでいる。あわせて、一億一千九百万円の助成費に対して約二十四億円の経済波及効果を見込んでいる」とのことでした。担当課からいただいた資料によりますと、平成二十三年度から二十七年度までの五年間の宮城県の実績は、リフォーム助成を合わせた耐震改修工事が九百五十四件で、助成額は二億七百五十五万円、予算到達は約三五%、うち、リフォーム工事は七百九十二件で、予算比四七%でした。それでは伺います。経済波及効果は幾らでしたか、お答えください。

 二月六日に、日本共産党宮城県会議員団で、秋田県の住宅リフォーム推進事業について調査してきました。平成二十二年三月から開始した秋田県の住宅リフォーム事業の実績は、二十二年度から二十七年度までの六年間で、七万五百九十三戸、助成額は八十九億九千九百九十三万円で、経済波及効果は約二千百八十六億円、何と助成額の約二十五倍でした。一年間平均で、戸数で宮城県の六十二倍、助成額で三十六倍の事業規模です。更に秋田県では、平成二十八年度からは、子育て世帯を対象に、補助率や上限額の上乗せ、空き家購入時の補助事業も開始していました。秋田県では、経済対策を中心に据えて、居住環境の改善を図るという太い目的で、県が牽引することで、ほとんどの市町村が、更に、補助額の上乗せや対象となる工事費用の引き下げ、耐震化や省エネ、バリアフリーなどの政策課題を実態に合わせてきめ細かく行っているのが特徴でした。県がリードする意味は大きいと実感しました。

 ところで、耐震改修にリフォームをのせた制度では、経済対策の効果を十分上げることはできません。東日本大震災の影響もあったかもしれませんが、それは、宮城県と秋田県の違いではっきりしています。実は、秋田県でも、耐震改修等を目的とした事業も一般のリフォーム事業とは別に行った時期がありました。ところが、申請戸数が少なく、二年間でやめてしまいました。申請が少ない理由は、耐震改修は天井や床などを剥がして工事をするため、三百万円程度の工事になるのに対して、一般のリフォーム事業は、工事費百二十万円以下が五割を占めるなど、手軽に応募しやすいとのことでした。知事、ぜひ、復興後を見据えた経済対策として、耐震改修工事とは別立てで本格的な住宅リフォーム助成制度実施の検討を求めます。もちろん、県内に本店を置く建設業者が対象です。いかがですか。

 次に、耐震改修について伺います。

 まず、宮城県の現在の耐震化率と今後の目標についてお答えください。

 全国でも大規模地震の発生に備え、住宅の耐震改修は急務となっていますが、高い費用負担がネックとなって思うように進んでいないのが現状です。そういう中で、愛知県では名古屋大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学の三大学と建築関係団体が協力し、官学民の連携による愛知建築地震災害軽減システム研究協議会を設立しました。この協議会では、低コストの耐震化工法の開発、評価や普及のための講習会など技術者の養成活動を行っています。高知県では、この取り組みを中小建築業協会が学び、県、自治体が協力して、耐震改修を進め、二〇一六年は、全国一位の耐震工事総数という実績を上げ、地元業者に仕事をもたらし、地域経済の好循環をつくり出しているそうです。宮城県もこの取り組みについて学び、低コストで安全、安心な耐震改修工事が普及できるよう、大学や関係団体と具体化の協議を行うことを提案いたします。いかがでしょうか。

 さて、今回、住宅リフォーム助成の調査に当たり、現場の建築業者さんから強く出された要望があります。それは国交省の住宅ストック循環支援事業などの補助事業で、事業者登録などの申請手続が全てホームページからダウンロードして行うことになっており、それができないということでした。一人親方などの小規模事業者は、腕には自信があるが、パソコンは苦手という方もおり、結局、いい事業でも参入できないということでした。そこで、第一に、パソコンを使った申請手続などに当たり、小規模事業者に寄り添った支援の仕組みをつくること。第二に、一人親方など小規模事業者の実態調査を行い、課題や要望を県として把握し、必要な支援を行うことを求めます。いかがですか。

 次に、大企業の撤退とリストラを許さず、地域の雇用と経済を守る県の役割について伺います。

 地域の雇用と経済を守ることが大きな課題となっている中で、宮城県誘致企業第一号のソニーが今度は、昨年十月、子会社のソニーストレージメディア・アンド・デバイス株式会社(以下、SSMD)の再編計画を労働組合に通知しました。その内容は、二〇一七年四月からSSMDを技術開発や設計を行う事業会社と生産活動を行う製造会社に分社化し、SSMD豊里サイトについては、二〇一八年三月までに全ての機能を製造会社の多賀城サイトに移管し、閉鎖するというものです。SSMDから分社化する事業会社へは出向ですが、製造会社に移る二百八十人のソニー労働者には、賃金が月二十万円以上も下がるような、大幅賃下げを伴う転籍が迫られています。転籍が嫌なら遠隔地配転か退職かの選択を迫るリストラです。そして、豊里サイトの労働者約二百七十人には多賀城への勤務地変更をお願いしながら、早期退職の募集も行っており、大量離職も懸念されます。登米市にとっては、雇用と経済にかかわる大問題です。ソニー労組が豊里サイトの廃止撤回を求めるために、一月十六日に登米市と市議会に要請を行いました。対応した副市長は、ソニーは昨年十月説明に来ただけでそれ以降は連絡がない。工場閉鎖に驚き情報収集中。関係部局や議会と対応を協議すると述べ、議長は、地域を挙げて支援してきたソニーの相次ぐ撤退を厳しく指摘し、労組の訴えに共感を寄せ議会としても奮闘すると答えたそうです。ソニー仙台工場は、一九五四年に宮城県第一号の誘致企業として多賀城市に設立され、県内のソニー各工場に支払われた企業立地促進奨励金は、一九八八年以降だけでも総額で五億八千六百五十八万円に上ります。ところが、繰り返されるリストラと事業縮小で多賀城サイトは二千人いた従業員が七百人弱に。豊里サイトは五百人が現在二百七十人に縮小され、更に閉鎖されようとしているのです。ソニーには連結内部留保が二兆七千九百七十二億円もあり、経営体力は十分あります。そこで、ソニー株式会社とSSMDに対して、第一に豊里サイトの閉鎖を撤回し、雇用と労働者の暮らし、地域経済を守る社会的責任を果たすこと。第二に法律違反となる労働者の同意がない転籍や退職強要は一切行わないこと。以上二点を県が要請することを求めます。いかがですか。

 知事、実は私がソニーの問題を本会議や総括質疑で取り上げるのは今回で四回目です。昨年九月の代表質問で、「ソニーに大企業としての責任を果たさせ、関連会社や分割した会社も含めて、宮城の地で事業を発展させ、雇用と地域経済を守るように働きかけてほしい」という、私の質問に対して知事は、「事業所の再編、集約は企業活動における国際競争の激化に伴う生き残りをかけた苦渋の決断であり、やむを得ない。新たな企業誘致による雇用の創出確保に取り組んでいる」と答えられました。本当にそれでいいのでしょうか。企業が生き残っても、地域の雇用と労働者の生活、地域経済を壊すような大企業のあり方をそのままにしておいては、ますます地方は衰退していきます。どのように打開をするのか、知事の見解を求めます。

 この間、塩竈の商店の訪問調査を行うと、ほとんどの方が震災前より売り上げが減った。更にこの一、二年で減っていると答え、町に人通りがない。団地の人は利府の大型店に行ってしまうとのことでした。地域経済の疲弊は深刻です。大企業はもうからなければ去ってゆく。大型店が進出すれば商店街がなくなります。地方の再生を図るためには農林水産業とともに、県内企業の九九%以上を占める中小、小規模企業を地域経済の根幹と位置づけて、今ある地域の力を支援し伸ばしていく内発型の産業振興が重要だと思いますが、知事の見解を伺います。

 次に、塩竈市の諸課題について伺います。

 最初に塩釜港区の整備についてです。塩釜港は、東日本大震災直後も被災からわずか十日で石油タンカーが入港し、被災地の燃料不足の解消に大きな役割を果たした天然の良港です。宮城県港湾計画に基づき、貞山埠頭一号岸壁及び航路の水深九メートルの早期実現を求めます。お答えください。

 さて、塩竈市港町に進出予定だった汚染土壌処理施設が建設計画を中止しました。塩釜のオール水産会が、塩釜の生活環境を守る会を結成し、昨年五月に処理施設の建設と塩釜港での取り扱いに反対する要望書を一万五百九十人分の署名を添えて知事に提出していました。お世話になりました。しかし、まだ塩釜港からの汚染土壌の搬出は続いています。狭い塩釜港の中で魚市場や養殖場、観光船乗り場のすぐそばに汚染土壌があることはとても受け入れがたいことです。塩釜港区は汚染土壌取り扱いの港から外すべきです。いかがですか。

 次に、信号機の設置について伺います。

 現在信号機の設置は県内で約六百カ所の要望に対して、年間三十カ所程度の設置という状況で圧倒的に予算が足りません。信号機設置の予算の増額を求めます。いかがですか。

 さて、県が行う泉塩釜線、東玉川交通安全事業は、東北本線の跨道橋に人道用トンネルを設置し、歩道の拡幅工事を行うものです。ところが、その人道用トンネルを通るために必ず県道を横断しなければならなくなりました。見通しの悪いカーブで交通量もふえていることから、むしろ事故の増加が懸念されています。地元住民や仙台土木事務所からも要望書が出されていますが、跨道橋供用開始のことし十月の前に、横断歩道と信号機及び予告信号機をセットで設置することを強く求めます。お答えください。

 次に、国民健康保険都道府県単位化に向けた準備状況について伺います。

 第一に二〇一八年度実施に向けた今後の大まかなスケジュールについて御説明ください。第二に今議会で提案されている運営協議会条例案によりますと、協議会は十一人の委員で構成され、そのうち被保険者代表は三人とされています。国保の運営は県民にとっても関心が高い重要な問題です。被保険者代表の選定は既に札幌市などは小論文と面接によって公募で選定してきており、秋田県は今まさに公募中です。宮城県も公募によって選定すべきと考えますが、いかがですか。第三に設置された運営協議会は当然公開され、議事録も公表されるということでよろしいですね。お答えください。第四に運営協議会で審議される国保運営方針案は、市町村納付金や標準保険料率の算定など、県民生活に直結する重要なものです。ぜひ、パブリックコメントを実施するように求めます。第五に保険料の設定は市町村ごとに医療供給体制や所得水準等を勘案して決めること。また、市町村が行っている保険料の独自減免制度は継続することを求めます。第六に十一月二十五日の第二回目標収納率部会では、県が大まかな短期証、資格証の発行基準を作成するとしています。保険証の取り上げは受診抑制を招き、時には命にかかわることもあります。現に短期証や資格証明書を発行していない自治体もあります。むしろ、県として市町村が安易に発行しないよう指導することを求めます。特に短期証のとめ置きは無保険を強いることになり、厚生労働省や県からも速やかな交付を行うよう市町村に通知が出されています。それでも県内では一千件以上のとめ置きがありますので、更なる指導の徹底を求めます。第七に一般会計からの国保財政への繰り入れは法律上禁止されていないですね。お答えください。財政安定化基金があっても、それは市町村にとっては借金であり返済しなければなりません。一般会計からの繰り入れについては、市町村の判断を尊重するよう求めます。最後に国保の最大の問題は住民が払えないような高い国保税です。宮城県として、国の負担割合を抜本的に引き上げるよう国に要請することを求めます。以上についてお答えください。

 次に、子ども医療費助成拡大と償還払い制度について伺います。

 念願の宮城県の子ども医療費助成が通院二歳までから就学前までに、ことしの四月から拡大されることになりました。この波及効果は大きく、昨年十月から既に九つの市町が助成を拡充しました。その結果、通院、入院とも高校三年生まで無料となったのが十五自治体、中学校三年生まで無料となったのが十七自治体になりました。残った三自治体のうち、仙台市と名取市がことし十月から中学校三年生まで、多賀城市は高校三年生まで拡大すると表明しています。県政が動けば市町村が変わり、住民の暮らしをよくしていくことができるのです。

 一方、首長さんたちからは「宮城県は全国でおくれた分、もっと拡充して欲しかった」の声が上がっています。引き続き、年齢の拡充、所得制限の撤廃など制度の充実を求めます。いかがですか。

 さて、国は全国の自治体の声に押されて、平成三十年度から子ども医療費助成制度について国保の国庫負担金減額調整、いわゆるペナルティーを就学前まで廃止する方針を出しました。これによって、宮城県と市町村のペナルティー額がどのくらい軽減されるのか、お答えください。ところが、宮城県の母子・父子家庭医療費助成制度は、現在窓口で支払って後から戻る償還払い制度です。そこで、子ども医療費助成制度と同様にペナルティーを廃止するよう国に求めるとともに、宮城県が現物給付とするよう求めます。また、この制度は通院が月千円、入院月二千円の自己負担があります。ひとり親家庭の半分以上が貧困世帯と言われていますので、窓口負担をゼロにすべきです。あわせてお答えください。また、障害者団体から強い要望が出ている心身障害者医療費助成事業についても国にペナルティーの廃止を求めるとともに、宮城県が償還払から現物給付に改善することを求めます。いかがですか。

 最後に、被災者医療等の免除措置について伺います。

 まず、来年度、医療・介護の免除措置を実施する市町村名と、県が国保財政の厳しい市町村に調整交付金を活用して支援すると言っていた支援のスキームと予算額についてお答えください。

 被災三県のみ国保の医療費増加に対する国の財政支援が八割程度に縮小したものの継続をしたことは、被災者、県民の運動の成果です。そして、宮城県も調整交付金で低所得者が多く、国保財政が厳しい市町村に支援することになりました。国の支援は、被災三県のみへの支援ですので、何よりも被災者医療に優先的に使われるべきです。問題は、これらの支援が免除措置を行う市町村をふやしていけるかどうかです。大至急、全市町村に免除措置を継続再開するよう知事が呼びかけていただきたい。いかがですか。

 被災者の皆さんの思いをしっかりと受けとめて、全市町村で免除措置が実施できるよう知事が御尽力くださることを強く訴えて、壇上からの質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 天下みゆき議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、地域循環型経済への転換目指してについての御質問にお答えいたします。

 初めに、建設業界の今後の見通しについてのお尋ねにお答えをいたします。

 現在、我が県の建設産業は、震災の復旧・復興の需要などを背景に利益率の改善や倒産件数の減少など、震災前と比較して経営環境は好転しているものと認識しております。しかしながら、震災復興後には建設投資が大幅に縮小すると想定されること。また、震災前からの課題である就業者の高齢化及び担い手不足により、県内の建設産業にとって大変厳しい経営環境が訪れることを懸念しております。このような状況を踏まえ、県では昨年三月に、「新・みやぎ建設産業振興プラン」を策定したところであり、宮城の将来を力強く支える、建設産業の再生を基本理念に掲げ、これを推進するためのさまざまな施策を産学官が連携して実施しているところであります。県といたしましては、県内の意欲と能力ある建設企業が施設の維持管理や災害対応など、地域の守り手としてその役割を持続的に担うことができるよう支援し、建設業界の振興を図ってまいります。

 次に、耐震改修工事普及のための研究協議会の設立についての御質問にお答えいたします。

 我が県では、耐震改修の促進に向けて、東北大学、東北工業大学、市町村及び建築関係団体などによる宮城県建築物等地震対策推進協議会を平成十七年六月に設立し、県内の建築物などの総合的な地震対策を推進しております。協議会においては、低コストで実施された耐震改修工事の事例を掲載したパンフレットを配布して普及に努めております。また県では、耐震診断の際に工事費を提示するなど、耐震改修工事の実施を促してきたところであり、今後も耐震改修が促進されるよう取り組んでまいります。

 次に、雇用や労働者の生活、地域経済を壊す大企業を放置すれば、地方は衰退の一途をたどるばかりであり、事態をどう打開するのかとの御質問にお答えをいたします。

 ソニー株式会社は、平成二十九年に多賀城市に進出して以降、最盛期には、県内に七つの生産拠点を構えていただくなど、長年にわたり地域経済の発展や雇用の面で大変貢献していただいたものと認識しております。しかしながら、近年の高度電子機械産業を取り巻く経営環境は、韓国、台湾などの企業の著しい成長により、厳しさを増していることから、事業領域や組織体制を戦略的に見直すことはやむを得ないものと理解しております。このため県といたしましては、雇用の場の確保と地域経済を守るため、取引拡大や技術の高度化による地元企業の育成支援と、成長が見込まれる企業の誘致に積極的に取り組んでまいります。

 次に、大綱三点目、宮城県の医療をめぐる諸問題についての御質問にお答えいたします。

 初めに、平成三十年度からの国民健康保険都道府県単位化に向けたスケジュールについてのお尋ねにお答えをいたします。

 現在、県では保険料の標準的な算定方法や国保事務の効率化など、新制度における財政運営と事業運営の方針について、市町村等と協議を重ねているところであります。協議結果については、年度末までに市町村への文書による意見聴取を行った上で、国保運営方針案として、ことし四月に公表することとしております。この国保運営方針案については、本議会に設置条例案を提出しております、宮城県国民健康保険運営協議会において、来年度から審議を進め、各方面からの御意見をいただきながら、ことし十二月までに正式決定することとしております。また、市町村においては、国保運営方針等をもとに平成三十年度の保険料の決定や、被保険者に対する新制度の周知などを進めることとなります。このほか、平成三十年四月の制度移行までに、さまざまな事務手続が必要となりますが、市町村等と連携しながら着実に準備を進めてまいります。

 次に、被災者医療費等の免除措置の継続、再開についての御質問にお答えをいたします。

 国保は年齢構成が高く、低所得者が多く加入しているなどの構造的な問題を抱えている上に、被災地では生活や産業が回復途上にあり、財政基盤が損なわれた状況が今後も続くものと見込まれております。したがいまして、現在の県内市町村国保にとって最も大きな重要な課題は、安定した財政基盤を築き、確実な運営を継続していくことであると考えております。こうした考えのもとに、今般県では調整交付金による国保財政の脆弱な市町村に対する支援強化を実施することとしております。免除措置を実施するか否かの判断は免除に必要な財源の問題だけではなく、地域の復興状況、被災された方々の生活再建の状況や他の医療保険とのバランスなどを踏まえ、それぞれの保険者である市町村が総合的に判断するものであり、県といたしましては、市町村の判断を尊重すべきものであると考えております。

 私からは、以上でございますが、先ほどソニー株式会社の進出の時期について、平成二十九年と言いましたけど、昭和二十九年の間違いでございますので、訂正をさせていただきます。



○議長(中島源陽君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱三点目、宮城県の医療をめぐる諸問題についての御質問のうち、国保運営協議会についてのお尋ねにお答えいたします。

 国保運営協議会の委員については、被保険者代表、保険医又は保険薬剤師代表、公益代表及び被用者保険等保険者代表で構成することとなっております。被保険者代表は、市町村国保運営協議会で、現に委員として務めている被保険者代表の中から市町村の推薦を受け、本協議会の委員に就任していただくことを考えております。本協議会は知事の附属機関であり、情報公開条例に基づき会議は原則として公開で行い、議事録についても原則として公開する予定としております。また、国保運営方針の重要性を踏まえ、検討の過程で、できるだけ広く県民の意見を聞く必要があると考えており、パブリックコメントを実施することとしております。

 次に、保険料の設定等に関する御質問にお答えいたします。

 平成三十年度以降、県が市町村に対して割り当て、保険料算定の基礎となる納付金は、医療費水準と所得水準等を勘案して算定することとなっております。また、保険料の賦課、徴収は引き続き市町村が行う事務となっており、市町村は納付金に応じて独自に保険料率を設定できることとされております。保険料の減免についても、これまでどおり市町村の権限とされていることから、市町村は引き続き独自に保険料の減免を実施することが可能であります。

 なお、国のガイドラインでは、将来的には保険料水準の統一を目指すこととされており、保険料水準を統一した場合には市町村が独自に減免を行うことが難しくなることから、統一の時期については、県と市町村との間で、今後十分に協議する必要があると認識しております。

 次に、短期被保険者証や資格証明書についての御質問にお答えいたします。

 国民健康保険短期被保険者証や被保険者資格証明書は、国民健康保険法の規定に基づき、特別の事情もなく一定期間保険料を滞納している世帯主に対し、市町村が交付している制度であります。この制度は制裁を目的とするものではなく、被保険者との接触の機会を確保し、納税相談や指導を行うことにより保険料納付の促進を図るものであります。したがって県では、納税相談等の際には交付要件の該当の有無によって画一的に決定することなく、滞納者の実情等を十分に調査した上で、交付するよう指導、助言を行っております。また、短期被保険者証については、長期間のとめ置きがないよう配慮することを求めており、特に子供に対する短期被保険者証はとめ置きが生じないよう、速やかな交付を指導しているところであります。

 なお、市町村間で短期被保険者証や資格証明書の取り扱いに相違が見られることから、国保事務の標準化を図るための指針策定に向け、今後市町村と協議をすることとしております。

 次に、一般会計から国保財政への繰り入れについての御質問にお答えいたします。

 一般会計からの繰り入れは、法律上禁止はされておりませんが、国保制度においては、必要な保険給付費は保険料や国庫負担金などで賄うことにより、収支を均衡させることが基本となっております。また、国のガイドラインにおいても、決算補填等を目的とした一般会計からの繰り入れについては、解消又は削減すべきであるとの方針が示されており、県としても、国の方針に沿って適切に指導、助言してまいります。

 次に、国庫負担割合の抜本的な引き上げを国に要望すべきとの御質問にお答えいたします。

 市町村国民健康保険財政は、年齢構成が高く、低所得者が多く加入しているなどの構造的な問題があることから、現行制度においても、さまざまな公費負担が行われております。国は平成二十七年度から低所得者対策の強化として、毎年全国で約一千七百億円の支援を行っております。平成三十年度以降は、医療費の適正化等に取り組む市町村に支援を行う保険者努力支援制度の創設等、毎年更に約一千七百億円の国費を投入し、国保財政の基盤強化を図ることとなっております。県といたしましても、全国知事会や北海道・東北七県保健福祉主管部長会議を通じ、国に対し国民の保険料負担の平準化に向け、国定率負担の引き上げなどさまざまな財政支援の方策を講じ、財政基盤の安定化を図ることを要望しているところです。

 次に、子ども医療費助成拡大についての御質問にお答えいたします。

 今回の乳幼児医療費助成制度の改正は、入院、通院とも就学前まで拡充することとしたものであり、これによって、対象年齢は全国平均レベルに位置することになりました。また、所得制限については、全国でも二十九の都道府県で課されておりますが、一定の制限は必要なものと考えており、現行でも約八割の児童が対象になっていることから、制度として妥当なものと考えております。我が県の制度は、一部自己負担金を課していないことや完全現物給付方式を採用している数少ない県であること、そして、政令指定都市への補助率に差を設けていないことを総合すれば、全国的にも遜色のない制度になったものと認識しているところです。今回の拡充に伴い、来年度当初予算における事業費は今年度と比較して約七億円増加し、これを毎年継続していくための恒久的財源が必要になることから、今後とも増加が見込まれる社会保障経費への対応が迫られている現状においては、更なる助成対象の拡充は大変厳しいと考えております。

 次に、乳幼児医療費助成に係る国庫負担金減額調整措置の廃止による影響額についての御質問にお答えいたします。

 平成二十七年度の実績から推計すると、乳幼児医療費助成の現物給付に伴い、市町村に課される国民健康保険に係る国庫負担金の減額調整措置、いわゆるペナルティーの減額分は約一億三千八百万円と見込まれます。このうち、県の乳幼児医療費の補助対象に係る部分については、県から市町村に二分の一相当額を別途補助しており、その額は通院を就学前まで拡充した場合、約六千九百万円になりますので、市町村の減額分は、差し引きで約六千九百万円となります。したがいまして、ペナルティーが廃止された場合には、最終的には県と市町村がそれぞれ約六千九百万円の負担軽減になるものと想定しております。

 次に、母子・父子家庭医療費助成事業についての御質問にお答えいたします。

 県ではひとり親家庭の医療費を含め、地方単独医療費助成制度で現物給付を行った際に課される国民健康保険の国庫負担金の減額措置、いわゆるペナルティーを早期に廃止するよう国に要望してきております。母子・父子家庭医療費助成制度への現物給付方式の導入につきましては、医療費総額の増加が懸念されるほか、現状ではペナルティーが新たに課されることになるため、更なる負担増は厳しいと考えている市町村が多く、現段階における県全体としての現物給付方式の導入は難しいと考えております。また、一部自己負担金につきましては、三十一の都道府県で課されており、県内市町村においても、現行のままを希望する意見が多い状況にあります。県といたしましては、今後とも事業の実施主体である市町村の意向を踏まえながら、制度のあり方について検討してまいります。

 次に、心身障害者医療費助成の現物給付化と国によるペナルティーについての御質問にお答えいたします。

 県では、心身障害者医療費助成についても、母子・父子家庭医療費助成と同様に、国に対してペナルティーを直ちに廃止するよう、これまでも継続して要望してまいりましたが実現には至っておりません。こうした中で、現物給付化した場合には市町村の新たな財政負担が生じることになるため、制度見直しに当たっては市町村の意向が重要となりますので、昨年度の調査におきましては償還払いの維持を望む市町村が多く、現段階で償還払いから現物給付へ変更することは難しいと考えております。県といたしましては、今後も制度のあり方について市町村の意向を把握していくとともに、国に対しては、国の制度を補完している心身障害者医療費助成制度を全国一律の制度設計とするよう要望してまいります。

 次に、被災者医療費等の免除措置実施市町村及び県調整交付金による支援についての御質問にお答えいたします。

 来年度の国保医療費について、文書照会したところ、石巻市、塩竈市、気仙沼市、名取市、多賀城市、東松島市、松島町、七ヶ浜町及び女川町の九市町から免除措置を実施する旨の回答を得ております。介護保険については、三月中旬に免除実施予定市町村を取りまとめることとしておりますが、現在、塩竈市、気仙沼市、名取市、多賀城市、東松島市、松島町及び七ヶ浜町の七市町が実施することを確認しております。国保に係る県調整交付金については、総額約百二十億円の一部の配分を見直し、所得の少ない被保険者数に応じて交付することにより、国保財政が脆弱な市町村への支援を強化することとしており、概算で約十億円を見込んでおります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、地域循環型経済への転換を目指しての御質問のうち、工場閉鎖撤回などを要請すべきとのお尋ねにお答えいたします。

 ソニー株式会社及びソニーストレージメディア・アンド・デバイス株式会社が経営環境の変化等に対応するため、今回、磁気テープや光ディスクなど記録メディア事業の拠点と組織体制を再編することは、企業活動における生き残りをかけた苦渋の決断であり、やむを得ないものと認識しております。従業員への転籍や退職については、ソニー株式会社仙台テクノロジーセンターの代表に対し、従業員へのサポートに万全を期すよう県として要請しておりますが、法律上の疑義がある場合には労働基準監督署から適切な指導があるものと考えております。県といたしましては、関係課による企業支援チームで情報共有に努めているところであり、必要に応じてハローワーク等の関係機関と連携の上、支援情報の提供や相談、就労支援などに取り組んでまいります。

 次に、地域の力を育成する産業振興の重要性についての御質問にお答えいたします。

 中小企業、小規模事業者は、我が県の産業活力の源泉であり、かつ、地域社会を支える重要な存在であることから、震災からの産業復興や富県宮城の実現には、その成長、発展は欠かすことができません。このため県では、昨年三月に策定した宮城県中小企業・小規模事業者振興基本計画をもとにその振興を図っており、例えば、「まちゼミ」などのイベント、PR活動などにより、商店街の魅力向上を目指す取り組みや空き店舗を活用したチャレンジショップの整備、運営を支援しているほか、水産加工業の生産現場改善や国内外への販路開拓支援などを通じ、地域産業の活性化を後押ししております。県といたしましては、今後とも、産業の集積、商業の振興、地域資源の活用などの諸課題に着実に取り組み、中小企業、小規模事業者の振興を通じて地域経済の活性化を図ってまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱一点目、地域循環型経済への転換を目指してについての御質問のうち、耐震改修工事の助成による経済波及効果についてのお尋ねにお答えいたします。

 県では耐震改修工事の助成を昭和五十六年五月以前に建築された木造戸建て住宅に対し実施しております。リフォーム工事を含めた、耐震改修工事の助成実績は五年間で九百五十四棟、二億七百万円の助成を行っており、工事に要しました費用は四十一億七千万円で、その経済波及効果は六十七億八千万円と見込んでおります。

 次に、住宅リフォーム支援制度を創設すべきとの御質問にお答えいたします。

 県では住宅リフォームを促進するため、耐震改修工事とあわせたリフォーム工事に助成する、みやぎ木造住宅耐震改修工事促進助成事業を平成二十三年度から実施しており、施工者を県内の建設業者に限定しておりますことから、県内の一定の経済波及効果があるものと考えております。また、県が住宅の断熱改修工事に助成いたします、既存住宅省エネルギー改修促進事業や国の長期優良住宅化リフォーム推進事業、市町村独自のリフォーム支援事業など、リフォームの促進に向けたさまざまな支援が行われております。このため県では住宅リフォームのみを対象とした新たな支援は考えておりませんが、既に実施されております支援制度が有効に活用されるよう、ホームページ等を通じ、県民や地域の工務店等に対し引き続き周知してまいります。

 次に、住宅の耐震化率と今後の目標についての御質問にお答えいたします。

 宮城県の住宅の耐震化率は、平成二十五年の住宅土地統計調査をもとに平成二十八年十月で八七%と推計しております。県では住宅の耐震化率の目標を宮城県耐震改修促進計画において平成三十二年度末で九五%としております。

 次に、小規模事業者への支援についての御質問にお答えいたします。

 住宅リフォームの推進に向けた国の補助制度であります、住宅ストック循環支援事業につきましては、申請手続がパソコンを使った方法に限られております。県では国に対して申請方法への配慮について働きかけをしているところであり、事業者から相談があった場合には申請手続について丁寧に説明してまいります。また、小規模事業者が抱える課題や要望につきましては、地域の工務店等が構成員であります宮城県地域型復興住宅推進協議会等との意見交換を通じて把握するなど、住宅リフォームの推進に取り組んでまいります。

 次に、大綱二点目、塩竈市の諸課題についての御質問のうち、仙台塩釜港塩釜港区の整備についてのお尋ねにお答えいたします。

 平成二十五年六月に策定いたしました仙台塩釜港の港湾計画におきましては、塩釜港区への大型船舶の入港へ対応するため、貞山埠頭一号岸壁の整備や水深九メートル航路の整備を位置づけております。そのうち、貞山埠頭一号岸壁につきましては、平成二十六年度より国による工事が進められており、平成三十二年度の完成を予定しております。また、航路につきましては水深七・五メートルでの整備が今年度完了したところでございます。県といたしましては、国に対して岸壁の早期完成を要望するとともに、県において実施いたします背後地の整備を速やかに進めてまいります。

 なお、水深九メートルへの航路の整備につきましては、多額の費用と相当の期間を要することから、船舶の大型化の動向も踏まえながら検討してまいります。

 次に、仙台塩釜港塩釜港区での汚染土壌の取り扱いについての御質問にお答えいたします。

 仙台塩釜港塩釜港区の埠頭での土壌の取り扱いにつきましては、使用者から港湾施設等管理条例に基づく使用許可の申請があり、許可基準に該当していることを確認の上、他法令の遵守などを条件に使用を許可しているものでございます。この使用につきましては、現時点で条例に定める使用許可基準に違反しておらず、また、他法令にも違反していない状態でありますことから、許可の取り消しや荷役作業の中止命令はできないものと考えております。港湾管理者といたしましては、今後も定期的なパトロールを行い、土壌の蔵置や荷役作業において、港湾施設を汚損したり他法令に違反したりする行為等がないよう監視をしてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 警察本部長中尾克彦君。

    〔警察本部長 中尾克彦君登壇〕



◎警察本部長(中尾克彦君) 大綱二点目、塩竈市の諸課題についての御質問のうち、信号機の設置予算の増額についてのお尋ねにお答えいたします。

 信号機を含めた交通安全施設整備につきましては、更新時期を迎えた幹線道路等の信号機の老朽化対策が喫緊の課題となっており、平成二十六年度から予算が増額され、更新事業に重点を置いた配分を行っているところであります。信号機の新設要望につきましては、警察庁が示した信号機設置の趣旨に基づき、その必要性、緊急性を検討した上で必要性が低くなった場所からの移設やその他の信号機にかわる安全対策を含めて、予算の範囲内で効果的に推進しているところであります。今後とも財政当局と協議しつつ、交通信号機の新設とともに更新事業や道路標識の整備などをバランスよく進めてまいります。

 次に、東玉川交通安全事業に伴う横断歩道と信号機の設置についての御質問にお答えいたします。

 塩竈市東玉川地内の県道泉塩釜線においては、人道トンネルの設置工事に伴い、車道の拡幅及び歩道の整備を進めていると承知しております。つきましては、今後の交通量や横断歩行者の実態を踏まえ設置の必要性を検討してまいります。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 御答弁ありがとうございました。再質問を行います。

 最初に、住宅リフォームについて伺います。

 気仙沼の建設業者の方は、いっときは復興工事でよかったがこの先は仕事がない、仕事がなければ事業の継承もできない。住宅リフォーム助成で地元業者が下請でなく元請で仕事ができる条件をつくってほしいと言っていました。地元業者に仕事をもたらし、地域経済の好循環をつくり出し、地方活性化に寄与するこの事業に宮城県が本格的に取り組むことで、市町村を牽引していただきたいと思います。ぜひこれから前向きな検討をお願いしたいと思いますが、いかがですか。知事、できればお願いします。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) やはり、行政が仕事をする上では、税金をどういう目的に使うのかという、目的を明確にしなければならないというふうに思っております。仕事がなくなるので、その穴埋めのためにというようなことでは、やはり県民の理解は得られないというふうに思っております。宮城県は東日本大震災がきましたけれども、今後も大きな地震が予期されるところでございまして、かなり今回の地震で傷んでいる家もありますから、こういった家の耐震補強をしていくという、そういう目的をもって税金を注ぎ込むということならば、恐らく県民の理解も得られるかというふうに思うんですが、一般のリフォーム、障害者等のリフォームは別にして、一般のリフォームのために税金を注ぎ込むということになれば、同じような理屈でこういったことで仕事がないから税金を注ぎ込めと言われときに、なかなか説明がつかないのではないかと私は考えております。ということで、ぜひ、耐震化を進めながらリフォームを進めていただきたいということをお願いしたいというふうに思っております。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 現状でも耐震化の事業はあります。しかし、なかなか申請が伸びていかないという現実があります。その一つは工事費が高いという問題で、低コスト化の研究ということを次に質問しておりました。やっぱり、県がこれからの地方の経済対策をどう考えていくかということが一つ。それから、つくっているプランでも、この後建設業界が大きく落ち込んでいくだろうということを知事もね、非常にこれは懸念しているということがありました。仕事がないという、一般的な一人一人の問題ではなくて、地域全体がそれで沈んで行きかねないという危機なんですね。それをどう打開するかということは、私は立派な理屈になるんじゃないかと思いますけれども、その点から、もう一度きちんと考えていただきたい。これ強く要望しておきたいと思います。

 そして、先ほど御紹介をしておりました。高知県で耐震改修目標達成の決め手は業者の担い手確保と更なるスキルアップだと、こういうふうに言っています。そのために、町の大工さんや設計士さんが補助制度の利用条件や申請手続、耐震診断や改修設計を学ぶ勉強会や講習会を開いて技術支援に力を入れているそうです。ぜひ宮城県でも、小規模事業者に寄り添った担い手の育成、ここになお一層の力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 先ほどもお答えいたしましたが、地域の工務店の方たちで構成されております宮城県地域型復興住宅推進協議会というのがございます。まだ復興の途上ですので、そういう名前がついていますが、そういう協議会の中で、今御指摘がありましたような内容をしっかり共有化しながら、皆さんと前向きに検討させていただければというふうに考えております。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) ぜひお願いします。そして、ソニーの件ですけれども、知事は、今、ソニーの豊里工場でかつてJR東日本のSuicaなどに使用するICチップをつくっていたことを御存じでしょうか。すでに、二〇一三年のリストラの際に豊里の看板製品だったこのFeliCaカードの生産が七十名弱の職員とともに千葉県の工場に移管されています。そういう意味では宮城で培ってきた技術、こういったものがね、このままずっと廃止をしてしまえば、更にこの撤退していく衰退してしまうんじゃないかと。私は非常に懸念をしています。豊里サイトは登米市で最大規模の工場です。登米市は市役所をソニー製品で統一するなど、地域を挙げて地元の豊里サイトとソニーを支援してきたそうです。知事、登米市と協力をして豊里サイトの廃止をやめるように、ソニーの幹部に、やむを得ないなんて言わずにしっかりとまず働きかけていただきたいと思いますが、いかがですか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) やむを得ないという答弁をしましたので、非常に冷たいような印象を与えたかと思うんですが、当然、ソニーの関係者の方にお会いしたときには、宮城の工場はできるだけ残してほしい、あるいは逆に宮城に更なる投資をお願いしたいということは、当然たびたびいろんな方にお願いをしております。当然のことでありまして、この辺は天下議員と同じ考え方なんですが、ただ、私どもの方で千葉に行くなと、行かすことはできないという権限は与えられていないという、そういう意味で、我々としてやることが限られていますという意味で、やむを得ないというお話をしましたけれども、当然、豊里工場にかかわらず多賀城工場も含めてですね、引き続き宮城県で事業をしていただけるようにお願いをするということは極めて重要なことだというふうに思っております。これは当然、いろんな方に会うたびにお願いをさせていただいております。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 豊里のことは本当に深刻だと思いますので、今、改めてしっかりと働きかけてください。いかがですか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) いろんな工場が出たり入ったり当然しているわけですから、ソニーだけで、豊里工場だけで、ソニーまで私が行ってというのはなかなかできないかもしれませんけれども、当然機会を捉えてですね、幹部の方にお会いする機会たびたびございますので、そういうときにお話をさせていただきたいというふうに思います。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 今が大切な時期ですので、ぜひ改めてお願いしたいと思います。

 そして、続きまして母子・父子家庭医療費助成制度についてですけれども、担当課から計算していただいたところ、母子・父子家庭医療費を現物給付にすると発生するペナルティー額は、四千五百三十九万円とのことでした。これは医療費増加の額も見込んだ額です。先ほど御答弁があった子ども医療費のペナルティー廃止による軽減額ですね、市町村六千九百万円、県六千九百万円、この範囲内ですのでこれを財源にして母子・父子家庭医療費助成制度を、まず、すぐにでも現物給付に改善する検討をしていただけないでしょうか。いかがですか。



○議長(中島源陽君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 現物給付の導入については、金額だけでなくて市町村の同意というか、市町村の意向が必要でありますので、市町村の意向を踏まえながら検討していくということが大事であろうかと思います。金額以前に市町村の意向もあるということでございます。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 先ほどお金がかかるということでしたが、あと市町村と相談するのは当然のことですので、その相談を開始してほしいという意味です。もう一度いかがですか。



○議長(中島源陽君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 市町村の意向に関しましては、随時、意見交換していきたいと思います。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 続けて、被災者医療についてです。

 知事、被災者の方から、なぜ七十五歳を過ぎると医療費がかかるのかわからないと、年寄りを差別しているのかという疑問が出されます。知事、この場で被災者の皆さんに対して、この疑問にお答えください。



○議長(中島源陽君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 仮設住宅に入居している被災者の方とか、災害公営住宅に再建をした人でも、やはり医療費が苦しいという声はいろいろ聞いておりますが、そういうふうな状況も総合的に勘案した上で、保険者である当該市町村の方で総合的に判断しておりますので、地元の事情が一番わかっている市町村がそういう判断をしておりますので、県としてはそういう市町村の判断を尊重していくべきであるというふうに考えています。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) ちょっと今のでお答えになってないと思います。もう一つお聞きします。これ今度、知事答えてください。なぜ、岩手県は全市町村で無料継続しているのに宮城県は限られた市町村だけなのか、これもよく聞かれます。この疑問に知事、今度答えてください。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) これは当然、これに限らず、岩手県でやっていて宮城でやっていないもの、岩手でやってなくて宮城でやっているものというのは多々ございますので、それはもう自治体の自治の範囲内で、それぞれの首長が判断すべきことだというふうに思っております。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 聞いたことに答えていないなというふうに思います。そして、宮城県と岩手県がなぜ違うのかといえば、宮城県が岩手県のような独自支援をしてこなかったということが決定的な原因です。その結果、年齢や住む場所で宮城県では差別が発生しています。国保の調整交付金の支援だけでは、バランスの問題なので市町村は動きません。岩手のように自治体負担の半額支援を今からでもぜひ考えていただきたい。復興基金は二十九年度末でも百九十五億円の残高見込みですので、被災者にやはり優先して使うべきだと思いますが、いかがですか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) いつもお話ししていることですけれども、逆に、私のところには国保の方たちだけをなぜそのようにするんだと。我々も同じように県民じゃないのかというような声も届いておりまして、当然、本当に震災直後の大変なときはやむを得ないとしても、私は、六年たってきて、被災者の皆さんが大変なのはよくわかっておりますけれども、皆で一歩前に進む時期に来ているのではないかと、本当に生活の苦しい人はまた別の形でのセーフティーネットがあるわけですので、本当に厳しい人たちを除く、それよりちょっと上のランクの人たちですよね。そういう人たちをどう救っていくのかということについては、別なアプローチをやはり考えていく、私はそういう段階に来ているんじゃないかと思って、おっしゃっていることはよくわかるんですけれども、あえてこのような厳しい判断をしているということでございます。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 一歩前に進む時期ということですが、今私たちが対象にしてるのは非課税世帯の方ですから、もう既に宮城県そうなってますから、本当に困ってる人たちなんですよ。ここを救うことは知事にとってはどうでもいいことなんですか。市町村の判断を尊重すると繰り返していますけれども、知事は、被災者、県民と向き合っていないんじゃないかと思います。市町村だけでできないことをやるのが県の役割ではないですか。もう一度お願いします。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) ですから、国保財政について市町村が非常に脆弱になってきているところがありますので、それに対して市町村に対しての支援というのは当然やっていかなければならないというふうに思っておりますけれども、やはり、県民、被災者の皆さん、そして一人一人に対するアプローチということについては、市町村の判断をこれからは尊重していきながら市町村をサポートしていくという姿勢が私は正しい姿だと、このように信じておりますので私はそのような形で取り組みたいと思います。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 宮城県は七十五歳になると打ち切られ、住む場所が違うと打ち切られ、こういう実態です。知事は、県民が生まれてよかった、育ってよかった、住んでよかったと思える宮城を目指すと何度もおっしゃっていました。本当にこれで住んでよかったと言っていただけるでしょうか。知事、どう思いますか。これで宮城県は、住んでよかったと言えるかということを、被災者にとってです。そこのところはどのように考えますか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 東北、いろんなとこ行きますけれども、宮城県はいいですねと、住みよいですねと言われますし、宮城県に移ってこられた方にお話し聞きますと、いや宮城県は本当に住みよいところだと、皆さんに言われますので、住んでいい場所じゃないかなというふうに思っております。



○議長(中島源陽君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 大震災があって、被災をしたけれども、宮城県に住んでいてよかったと被災者の方に言ってもらえるかどうかというのが、今本当に問われているんだと思います。その一つがこの被災者医療だと思いますので、この免除措置を全県で実施できるように強く求めて質問を終わります。

 ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。

    〔五十五番 仁田和廣君登壇〕



◆五十五番(仁田和廣君) 皆さんおはようございます。通告に従い大綱二点、一般質問させていただきます。

 まず、仙台塩釜港仙台港区の件であります。

 御案内のように、仙台港のプレゼンスは私からお話しするまでもなく、すばらしいプレゼンスを持っております。例えば、先般の日露交渉のときにも実は北極海航路のど真ん中に天然ガスの基地がありますと。そういう意味では、北極海航路をぜひあけなければならないという話であります。また先般、地球温暖化の影響で北極海、南極海の氷がすごい量で減っております。今、北極海は約一メートルぐらいの氷になっていると言われております。今の造船技術からいうと、もう通れるというのが造船業界の一般的な意見であります。さて、北極海航路なぜ必要か。EUから日本に向かう場合、南周りのスエズ運河を通るのと、北極海を通るのは大体航路で三分の二違います。ですから、北極海からベーリング海を抜けてアリューシャン列島を通ってたどり着くのが実は、仙台港なんです。

 一方、アメリカの方に目を向けますと、サンフランシスコ、ロサンゼルスから大圏コースを通り、地球は丸いですから、大圏コースを通りアリューシャンをかすめて来ると着くのが仙台港なんです。また、東北、北海道のハブ港としての仙台港の見方もあると思います。先般知事は台湾に行かれ、東北六県の知事といろいろお話をしました。ぜひ仙台港に、今拠点港湾は東北、北海道では仙台港しかありませんから、そこに集約をする、その辺はいかがお考えでしょうか。知事、仙台港のプレゼンスをどのように考えておられるか、まず質問いたします。

 先般、今村復興大臣が仙台港を視察に訪れました。そのときに、いろいろ話しが終わった後に私、復興大臣にお話をいたしました。ぜひ、仙台港を国際戦略港湾に格上げをしてはいかがですかと。間を待たずにすぐに、ああいい話ですねと、私も応援をしますというお話でありました。県の職員も同席をしておりましたから。またもう一方、仙台市長と立ち話だったんですけれどもお話をしました、うなずいておられました、理解されたかどうだかはわかりません。うなずいていたから前向きかなと思いました。いずれ今、国際戦略港湾というのは全国で五港あります。東京、横浜、川崎、それから大阪、神戸であります。しかし名古屋とか福岡は入っておりません。ただ仙台港の、先ほどのプレゼンスをいうと手を挙げる時期だと思いますが、知事どうですか。知事、きのう佐藤光樹議員の質問に県内総生産を十兆円に上げるというのは、エベレストを登るつもりで目標を掲げたと言いましたけれども、仙台港は例えば数量では九九%、それから金額では九八%のウエートが仙台港にかかっているわけです。仙台港の方向づけをうまく出すことによって、十兆円どころか二十兆円も私は県内総生産上げられると思いますが、前向きな答弁を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

 しかし、仙台港にはまだまだ問題があります。今世界的には、例えばパナマ運河が先般拡幅をされました。あの大きな要因はスーパーコンテナ船であります。七万トンを超える船の船幅、幅が広がっているからなかなかパナマ運河が通行できない。もう国際物流の中ではスーパーコンテナ船に動きが始まっております。実は私は釜山もシンガポールも行ってますけれども、国内の各地を見ても、スーパーコンテナ船に対応するところが着々とでき上がっております。残念ながら、まず二十メートル近くのドラフトが必要であり、それからスーパーガントリークレーン、宮城で導入している中古ではもう問題外なんです。三十メートルぐらい横幅から出るようなスーパーガントリークレーンをつくらねばなりません。そういう意味ではぜひとも早いうちに、前にも申し上げましたけれども、港は卵が先か鶏が先かではないんです。やっぱりものをつくらなければ、船が入らなければ進みません。それがまず第一点。

 また仙台港は、るる問題があります。実は先般私は、トヨタの関係者にお会いをしてまいりました。今カーフェリー等でだいぶ仙台港を使っていただいている。また仙台港北インター、高砂インターいろいろありますけれども、その中で、るる問題点が指摘されました。それは前のときにもお話ししましたけれども、狭隘なエリア、湾口北部の浅いところにカーフェリーの本体を今移入させてやっておりますが、あそこではどうにもならないわけです。例えばカーフェリーも今大型化しておりますから浅くて入れない。それから二カ所に分けて今やっている状況ですから。二カ所に分けてやると司令から含めて大変な労力がかかると。ですから、今高松埠頭をどんどんつくってますから、あそこにカーフェリーのエリアを移動し、そして背後にある七十五万台分のモータープールもいよいよ、トヨタの当事者は余り言明をしなかったんですけれども、将来的に今の小型車の売れ行きからいうと、二百万台程度まで僕は伸びると思います。ですからダイレクトに仙台港から輸出できる、その辺もトヨタと連携をとりながら考えるべきだと思います。まずもってカーフェリーの位置であります。また、例えば今ジャンクション、お話ししましたけれども、仙台港北とそれから高砂とあります。しかし、車を運ぶ大型ローリーですとなかなか通るエリアが限定されて、大変なんであります。例えば四十五号まで来ますと、高砂から前回もお話ししました清水沢多賀城線のところに着きます。しかし今、右折路線が閉鎖をされております。そういうものも含め、仙台港北でおりたときに岸壁にいち早くつくように、ローリーが移動できるように、僕はトヨタと連携をとりながらやるべきだと思いますけれどもその辺の前向きな考えはありませんか。

 それから、岸壁使用料の件であります。トヨタから言わせると、トヨタの車をつくる時期も農繁期とそれから余り作業をしてない時期があるそうでありますから、その辺の余り使わない時期の軽減、これ笑い事じゃないんです。企業にとってはそういう細々としたいろんな経費の面の節減というのは大命題なんです。ですから要望を受ける、先ほどソニーの件がありましたけれども、トヨタが宮城から去って釜石に行かれたら大変なことになりますから。先般私、トヨタの東日本の本社にも行ってきましたけれども、関連の業種を入れるとすごいです。ですからぜひともトヨタの方をもっと向いて進めるべきだと思いますが、いかがですか。

 また、先ほどちょっと申し上げた、県内からダイレクトに輸出する方も、私は県から提案をするべきだと思っております。仙台港から運び出して今名古屋で集中的に集めているそうでありますけれども、二百万台ぐらいの数値になれば仙台港からダイレクトに輸出をする、これが大きなプラスになるのではないかなと思いますが、知事いかがですか。

 いろいろ結構県内にもそういう組織をつくりましたから、もっと綿密に連携をとり、相手の望むことまた要望、いろんなことを前面に出して答えるべきだと思いますがいかがでしょうか。

 それから、大型クルーズ船であります。四月二十九日いよいよ仙台港にも入ります。乗員乗客で約三千人、三千人ですよ。その三千人の方々の受け入れの状況がまだまだできてないわけです。実は仙台港を中心にしてその受け入れ、例えば観光地を見る、今回は四時間程度の滞留のようですから、それが二日、三日となれば、買い物もするでしょうし、観光地も見るでしょうし、それから宮城県には大変すばらしい食材がありますから和食を含めたレストラン、それから宿泊施設、そういうものを完備する。やっぱりそういう仙台港を中心にした会合があるとしたら積極的に参画をし、そしていろんな問題に積極的に取り組むべきだと私は思いますが、知事いかがですか。

 真剣に見ているから大丈夫だと思います。まずクルーズ船。ところが着けるバースも実は特定されてないんです。先般我々は神戸港それから福岡、博多等々見てまいりました。もう専用岸壁全部そろっております。もっともっと前向きに取り入れる方向を出さなければなかなか難しいわけでありまして、ですからもっと前向きに、そして東北六県と連携をとりながら、仙台港にクルーズ船が来たら泊まるところは、例えば岩手県に泊まる、それでも僕はいいと思いますし、そういう連携が必要だと思いますがいかがですか。

 さて、いよいよ平成三十七年に向けて仙台港の港湾計画の変更があります。先ほど来からも話題になっておりましたけれども、その中で大事なのは今、民主党さんからも共産党さんからもいつも言われている蒲生地区、こちらに今から例えば車のパーキング、それからガントリークレーンの置き場を求めようとしても僕は無理だと思う。またいつも僕は湾の港外、沖防を新北に向けてがいいんじゃないかと。大変これも金のかかる話であり、私は、東の方向を見てそっちの方に、例えば仙台港七ヶ浜港区のような感じで、あそこには海浜公園を含めた広大なエリアがあります。百万台程度のモータープール、それからコンテナの置き場、それからとりもなおさず最初に言いました二十メートルの水深を求めるためには、あそこが最大の最高のエリアだと思います。東北電力から海浜公園に向けたエリアです。あそこですと、二十メートルの水深を確保するのも、そんなに難しい技術ではないと思います。また七ケ浜町は長年の懸案にいたしております道路網の整備、朝晩のラッシュ大変なんです。私も県庁に来るのに毎日三十分から四十分ぐらいは余計見て、ラッシュを回避しながら来ております。いずれそれを実行するためには道路網をつくる施策が必要であります。ですから、今度の港湾計画にその道路網、例えばあそこには緩衝緑地がありますから、知事もおいでになったよね、あの緩衝緑地帯で桜の植樹をいたしましたけれども。あのエリアで県の都市計画課と相談をしても、別にそこに道路をつくるのには余り問題にならないというお話も聞いておりますから、代替えの土地は要らないということでありますから、私はより現実的になるのかなと。実は七ヶ浜の話は前にもやりました。今の東北電力、ENEOSのエリアは本当は全部七ヶ浜のエリアだったんだけれど、いつの間にか仙台市、固定資産税は全部仙台市、そのようになっておりますが、今回は彼らの最初の望みである仙台港の発展等々に大きな役割を果たすわけですから、ぜひ知事、前向きな答弁をしていただきたいなと思います。仙台塩釜港七ヶ浜港区であります。よろしくどうぞ。

 きょう実は、今度は第二点の仙台塩釜港塩釜港区に入りますけれども、小友地区というのは皆さん御存じかどうだか、東宮浜に小友地区というのがあります。そこの関係者が数名来ておられます。彼らは今、おかげさまで防潮堤、防波堤、岸壁、がっちり整備をされております。しかし、私は何でここでお話しするかというと、あそこには現在の港湾計画の中のマリーナの建設場所に指定をされております。大体四千隻をマリーナで受け入れようと。しかし、現在の工事状況を見ても大変道路網が狭隘です。今の工事でさえ大変。将来もマリーナができた後に、プレジャーボートは陸上から輸送する場合もあるわけです。その場合に今の状況では決して入れません。そうなると、地元の皆さんも要望されている東宮エリアの漁協の前から真っすぐに小友港に海を使って入る。数年前か数十年前に私はここでお話をしました。そのときに、知事の回答を聞くと、いやあそこには埋蔵文化財があると。先般、私干潮のときに数名の方と一緒に外から望みました。文化財と言われるようなものではありません。干潮ですからみんな見えますから、ほんの高いところの岩が下に落ちてる。文化財保護課にもちょっと相談をしましたら、いや埋蔵文化財にしろ、文化財の指定もされてないし問題ないんじゃないですかというお話でありました。いずれ今後の小友地区、今現在ですと例えば救急車とか消防車、その辺もなかなか狭隘で入れないわけです。そして今工事のときも、なかなかその防潮堤とか……。でも何とか皆さん協力してもらってやっておりますから、今度の港湾計画ではぜひ、海の方を通った……。部長、その辺よく答えてください。

 それからもう一点。佐藤光樹議員もこの間来られましたけど、一月四日に塩釜港の魚市場に、天下議員も行ったんだよなんて言ってましたけどね。初売り、初競りがありました。そのときに市場の社長はやっと百億円は到達していると。実は、昭和五十五年には五百五十億円、県内でもナンバーワンの水揚げがあったんです。その当時は北転船とか、それからマグロ船とかいっぱい入ってましたから。しかし現在百億円。しかし今、塩釜港が抱えているのはマグロの水揚げとか、底びき船を求めてもなかなか無理です。そのときに降って湧いたようにふえてきたのが、実は東北を含めた茨城を中心にしてですけれども、サバとイワシの水揚げが大変多くなってるんです。一日当たり約六千トン。ところが塩釜が受け入れようと思っても、凍結装置が百トンやそこいらしかなくて無理なんですよ。きょう塩釜の加工屋さんもおいでだって聞いてたんですけれども。そういうことで、ぜひ、何でこれ県で話するかというと、実は私農林水産省にも行きました。国の制度の中には、TPP対策もありますし、そういう具体化でもっと進めようやということもありますので、いろいろ施策があるわけです。しかしその中で残念ながら、二十九年までその部分は終わってしまっているということでありますから、やっぱり三十年以降これ県を挙げて運動してくれれば何とかなるというのが方向ですから。後藤部長その辺がっちり運動してもらって、進めてまいりたいなと思います。いずれ今二点申し上げました。例えば仙台港の辺ですと、やっぱり大事なのはこれからなんです。私はシンガポール大分行ってます。その中でシンガポールから言われるのは、宮城の地産品が実は前にお話をしましたけれども、世界見本市みたいなのがシンガポールでありました。北海道、青森、東京、大阪、福岡は出展をしております。またJA、JFも出しており、しかし残念ながら宮城がそういうのに入っておりませんでした。私は宮城のこの世界三大漁場の一つであるこの辺の、また農産物もまた加工品もすばらしいものがある。ジェトロと連携を組みながら、ぜひ仙台港とシンガポール。今、実は塩釜の加工屋さんといろいろお話をしてましたら、最初に運ぶのは横浜にフィーダー船で運んで、それからシンガポールの航路しかないわけです。ですからそれをダイレクトに仙台港からシンガポールに結ぶ。シンガポールは、知事この間質問したら一回も行ったことないと。あそこにはリー・クアンユーという、亡くなられましたけれどもすばらしい首相がおりまして、第二次世界大戦では日本からは相当迷惑はかけられたと。しかし、そんなこと今は言うものじゃないと。逆に日本の戦後の発展を見ると、日本に学んで追い越せと。そういうまちづくりをしてるんですよ。シンガポールの一人当たりの国内総生産は約六百万ドルであります。日本は四百万ドルちょっとですから、そしてファンドも五十兆ぐらいは持っております。そういう面があるので、ぜひ知事も早目に行かれて、そしてあそこにはデパートメントストアがあります、日本の。そこに、宮城のブースなりを設けて、試食会いろんなものを開いて、積極的にトップセールスマンとしての働きをすべきだと思います。それから、先ほどGDP県内総生産、知事はエベレストの山を登るぐらい大変だと言いましたけれども、私は、仙台港の今の量が物流では九九%、それから金額で九八%担ってるわけですから。またトヨタのカーフェリーは車を運ぶだけじゃないんですよ。あの中には大型ローリーを積んで部品も入れてる。そういうものも踏まえると、知事が言ってる十兆円が二十兆円になるかもしれません。ぜひ頑張っていただきたいなと思います。

 以上、壇上から質問させていただきました。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 仁田和廣議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。

 まず、大綱一点目、仙台塩釜港の国際戦略港湾化推進についての御質問にお答をいたします。

 初めに、国際戦略港湾の指定についてのお尋ねにお答えをいたします。

 東北唯一の国際拠点港湾である仙台塩釜港は、アジアとアメリカ西海岸との間で最も近い港の一つであり、また近年注目されております北極海航路の活用を視野に入れますと、ヨーロッパとの位置関係から日本国内のみならず、アジアの他港と比べても地理的優位性があり、国際的に見て高いポテンシャルを有する港であると認識をしております。

 一方、国際戦略港湾は、海洋国家日本の復権の一環として大型化が進むコンテナ船に対応し、アジア主要国と遜色のないコストサービスの実現を目指すため、国内での選択と集中に基づき、京浜港と阪神港が選定されたものと理解しております。現在国土交通省では基幹航路維持のため、二港への集荷を進めているところと聞いており、他地域の指定など拠点の分散化に係る動きはないと承知しております。仙台港区では、過去最高のコンテナ貨物取扱量と航路数を達成するなど、震災からの復旧・復興が着実に進んでおりますことから、引き続きその地理的優位性を生かしながら、積極的なポートセールスと港湾整備に取り組んでまいります。

 次に、港湾機能の強化や船舶の大型化対応についての御質問にお答えをいたします。

 仙台塩釜港においては、岸壁など港湾施設の復旧工事がおおむね完了し、現在は、背後地の安全確保のための防潮堤整備とともに、新高松埠頭の整備や高砂コンテナターミナルの拡張などの港湾機能の拡充に鋭意取り組んでおり、昨年には過去最高のコンテナ貨物取扱量と航路数を達成するなど、着実に復興への歩みを進めております。

 一方、現在の仙台塩釜港の港湾計画は、平成二十五年六月に策定しておりますが、輸送コスト削減のためのモーダルシフトの進展や、輸送効率向上のためのコンテナ船の大型化、全国的に注目度が高まっている大型クルーズ船への対応など、港湾を取り巻く環境は大きく変化してきております。このような動きに的確に対応するため、来年度から学識経験者、港湾利用者、地元関係者などから今後の港湾のあり方について御意見を伺いながら、港湾計画の改訂に向けた検討に着手することとしております。新たな港湾施設や道路の整備につきましては、港湾計画改訂の検討において、取扱貨物量の将来推計や交通量の予測などを行いながら、その必要性について議論をしてまいります。

 次に、大型クルーズ船の寄港増加に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 クルーズ船の寄港は、復興が進む我が県の情報発信はもとより、交流人口の増加に伴う地元経済への波及効果が期待されることから、県ではこれまでも、仙台市、石巻市などの地元五つの市町を初め、商工会議所などの関係団体と連携を図りながら誘致活動や歓迎イベントを実施してまいりました。四月二十九日には仙台港区においてこれまでで最大規模となる大型外交客船セレブリティ・ミレニアムが寄港する予定となっており、そのおもてなしや観光資源を活用したツアー提案などの対応につきましても、官民一体となった受け入れ体制の準備を進めているところであります。県といたしましては今後とも、官民の知恵を結集し、宮城県ならではの魅力的なオプショナルツアーや、歓迎イベントの提案などを含めたポートセールスに取り組むとともに、国及び仙台市を初めとする地元市町や関係団体との連携強化を図り、大型クルーズ船の寄港増加に向け、地域一体となった取り組みを行ってまいります。

 なお、インセンティブにつきましては、岸壁使用料や入港料の減免、助成などを実施している他港の事例もありますが、その効果等を踏まえた上で、誘致手法のあり方を総合的に判断してまいります。

 次に、海外への本県産品の輸出について、知事が先頭に立って取り組むべきとの御質問にお答えをいたします。

 震災復興計画が折り返し点を過ぎ、戦略的な産業振興が一層重要な政策課題となる中、成長著しいアジアを中心として海外販路開拓に取り組むことは私が目標としている県内総生産十兆円を達成する上で極めて重要であると認識しております。このことから県では、ベトナムを新たなターゲットとし、現地にビジネスアドバイザリーデスクを設置しているほか、ホーチミン市内の日系ショッピングモールにアンテナショップを開設して県産品を展示販売しております。このほか三陸地域の水産加工会社が連携して輸出に取り組む、三陸ブランドプロジェクトにおいても、シンガポールなどのASEAN諸国をターゲットとする動きがあることから、県といたしましては、こうした企業の意欲の高まりや、現地マーケットのニーズを見きわめた上で積極的に支援してまいります。また私を初め幹部職員は、エアポートセールスやインバウンド促進のために海外に赴いた際には、県産品のPRにも努めているところでありますが、今後ともトップセールスの機会を捉え、積極的に県産品のプロモーションを行ってまいります。

 次に、大綱二点目、塩釜地区の諸課題についての御質問のうち、新しい塩釜魚市場の規模に応じた大型冷凍冷蔵施設の整備についてのお尋ねにお答えをいたします。

 塩釜魚市場は、平成二十五年度から高度衛生管理型魚市場として整備が開始され、ことし十月には全面供用となる予定であります。このうち、既に完成した荷さばき施設は供用が開始されており、塩竈市と魚市場関係者が連携し漁船誘致を積極的に進めております。その結果、近年サバやカツオなどの水揚げが増加し、塩竈市における冷凍冷蔵能力の不足が生じてきたことから、水産加工業界を中心として、国の補助事業などを活用した大型冷蔵冷凍施設の整備要望が寄せられております。県といたしましては、新たな施設の整備は魚市場の水揚げ増加とともに、塩釜地域の安定的な水産加工原料確保のために必要であると認識しており、今後塩竈市とも連携し、国の補助事業の活用に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱一点目、仙台塩釜港の国際戦略港湾化推進についての御質問のうち、トヨタ自動車など既存立地企業の支援についてのお尋ねにお答えいたします。

 仙台塩釜港仙台港区の中野地区から高松地区にかけての荷役状況につきましては、完成自動車や紙、パルプなどのユニット貨物と穀物や砂利、砂などのバルク貨物とが混在しているため、荷役効率の低下を招いており、また背後用地が狭隘であることから、荷役作業が混雑していることが課題となっております。このため平成二十三年度からユニット貨物の機能強化とバルク貨物の集約化を目的に、新高松地区において、マイナス十四メートル岸壁の整備に着手し、背後の埠頭用地とあわせて、平成二十九年度中の供用開始を目指して整備を進めているところでございます。現在、完成供用後の埠頭利用につきまして、港湾関係者と意見交換会を開催しておりまして、その中でトヨタ自動車など立地企業の意向も取り入れながら、港湾を利用する企業の円滑な活動を支援してまいります。

 次に、仙台港北インターチェンジから仙台港へのアクセスの確保についての御質問にお答えいたします。

 仙台港北インターチェンジから国道四十五号を経由し、仙台港へ直結いたします、都市計画道路清水沢多賀城線につきましては、国道四十五号から南側百三十四メートルが、県事業によりまして平成二十六年度に完成しております。しかしながら当該道路につきましては、西側に市道交差点が近接していることから、左折イン、左折アウトのT字交差で暫定的に供用をしているところでございます。現在国道四十五号から北側約一キロメートル区間につきましては、多賀城市が復興交付金事業によりまして、平成三十一年度の完成を目指して鋭意整備を進めており、この供用によりまして、仙台港へ直結する道路として、国道四十五号からの右折も含めました全方向の通行が可能となる予定でございます。

 次に、大綱二点目、塩釜地区の諸課題についての御質問のうち、七ケ浜町における臨港道路の整備についてのお尋ねにお答えいたします。

 小友浜地区には、仙台塩釜港の港湾計画におきまして、快適なマリンレジャー活動の推進と適正な放置艇対策のため、小型船対応のマリーナ施設の整備が位置づけられております。またこれに付随いたしまして、小友浜地区から県道塩釜七ヶ浜多賀城線に接続し、津波等の際に高台への避難道路としても機能する臨港道路の整備を計画しております。小友浜地区と東宮浜地区を結ぶ臨港道路の整備につきましては、両地区を結ぶことによる港湾利用者の利便性の向上が期待できる一方で、急峻な斜面での道路整備となりますことから、多額の費用を要する等の課題があります。来年度から開始いたします港湾計画の改訂作業の中でその是非も含めまして、検討してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。



◆五十五番(仁田和廣君) 余り前向きじゃない答弁が多かったんですけれども、一々反論しててはどうにもなりません。まず国際戦略港湾、今チャンスなんですよ、知事。例えば、釜山、今、韓進海運があのとおり倒産をして、ほとんど荷役がストップしている状況にもなってます。関連各社を入れると千社以上だそうであります。釜山が発展をした理由は、阪神淡路大震災の折にハブ港としてですから、人の不幸でなるというのは余りよくないけれども、しかし堂々と、さっき知事もはっきり言明したでしょう、太平洋のすばらしい位置づけだと。ですからもっともっと積極的に、北海道、東北各県含めてフィーダーからコンテナをこちらから出すための。ただ仙台港は今まで僕が見てて他港に比べて劣っているのが一つあるんです。それはインセンティブです。当然あれだけの立派な港があれば来るだろう、お客さんは。ところが今そんな甘いもんじゃないんですよ。例えば釜山は背後のコンテナエリア、あれ一週間ただにするんですよ、利用したところ。仙台港はがっちりと荷揚げしてないときだってお金取ってるんだから。そういうことじゃなく、使う人たちのためになるような方向にしなければならない、国際戦略港湾に向けては。そして答えがなかったけれども今向かうエリアは、遠藤部長、例えば蒲生地区とか、沖合展開というのはなかなかできないわけでしょう。そうしたら、仙台港七ヶ浜港区しかないんですよ。その辺はどうなんですか、知事。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) まず、三つあったかと思うんですが、国際戦略港湾化につきましては、非常に関心はございますが、いろんな方にお話を聞きますと、日本の港がアジアのほかの港に負けてしまったのは、やはり分散化をしてしまったことにありますので、やはりある程度、海外に勝つためには集約化も必要だろうということで、京浜と阪神に力をまず集中させたいということでございました。それによって復権をしたいということでございますので、それは一つ大きな考え方だと思い、私も支持をしなければならないと考えてございます。その上で、東北における一番の主要港湾として最優先の港湾として、仙台塩釜港の位置づけをしていくということが重要ではないかなと考えてございます。インセンティブについても、これも負けないように考えていかなければならないというふうに思っておりますが、当然我々、投資した分もある程度回収をしなければならないということもございますので、その辺の折衷を図りながら、ほかの港に負けないように、特に日本の港と負けないように、いろいろ調べながら、よく考えていきたいというふうに思っております。クルーズ船なんかはよく考えようと思ってます。

 それから、仙台港、仙台七ヶ浜港という考え方も、今まで余り考えたことのない斬新なアイデアでありまして、一つの有力な案だというふうに思いますが、今、白紙的にどのようにすればいいのかということは、ぱっと頭に浮かばないものでございますので、今後仁田議員からの御提案でございますので、深掘りしながら検討してみたいというふうに思っております。いずれにしても用地の取得等の問題もございまして、かなり時間もかかる、お金もかかる問題でございますから、この辺は慎重によく検討してみたいというふうに思います。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。



◆五十五番(仁田和廣君) 日本が港湾で負けたのは分散したからじゃないんですよ。コンテナ船への考え方が日本もアメリカも劣ってたんです。その考え方を地でいったのが中国であり韓国でありシンガポールであるんですよ。貨物は何でもその型に合わせた貨物がいいんだという考え方だったんです。だから古く二十年、三十年前はアメリカも貨物等々では日本も世界に冠たるもんだった。ところがコンテナが出てから負けてしまった。コンテナは何とでもその荷物の状況によって変えられるんで、これは国交省も僕らと話すると認めようとしないんだけれども実際そうなんです。そんなのに理論家の知事が負けてはだめだよ。やっぱりここの仙台港の必要性をもっともっと強調しながら、そのためには東北、北海道との連携がまず第一ですから。いろんな各地からフィーダーとか高速道路網、負けないでください。それから仙台港の今後を見ると港湾計画の中に、さっき土地の買収とかとお話しされましたけれども、それも要らないんです。あのエリアは既に湊浜地区の方々が高台移転をして。ただ望んでいるのは仙台港の発展なんですよ、彼ら。前もちょっとお話ししましたけど。そのようにもうちょっと前向きに捉えるように、早速。遠藤部長そろそろ出番だから、今の件についてちょっと前向きに。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 平成二十九年度から港湾の長期構想を検討するための長期構想委員会を立ち上げます。仙台塩釜港です。大体二十九年度から三十年度までの二カ年、それから三十一年度から三十二年度にかけまして、港湾計画の改訂という作業を進めてまいります。来年度から進めます長期構想委員会で、今仁田議員が提案された、七ヶ浜への展開なども視野に入れながら御検討いただければというふうに考えております。まだ立ち上がってませんのでこれからですが、我々としてはそういった道筋でもって、行く行くその港湾計画にどのように反映できるかということを検討してまいりたいというふうに考えております。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。



◆五十五番(仁田和廣君) 港湾計画のいろんな議論をすると、国の方向が出ないとできないなんていう職員もいるわけ。僕は違うと思うよ。港湾計画というのはあくまでも、宮城の独自の計画で将来どういうふうに進めようか、さっきの国際戦略港湾化もそうだし、コンテナに対する対応もそうだし、それから小友港に対する考え方も。港湾計画、もう二十五年にでき上がって全然マリーナ、大震災がありましたから、私はやむを得ないところもあるのかなと思うけど、そろそろ打ち出さないと。そして、さっき知事が言った高台からの道路、それも一案なんです。しかし勾配が物すごくて無理ですよ。逆に海の方から運ぶ、それもやっぱり港湾計画でがっちりたたき台に乗せて今後進めていただきたい、そのように思います、どうですか。



○議長(中島源陽君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 御指摘のとおり、港湾計画の改訂作業の中で御指摘の小友浜と東宮浜の接続道路についての可否、是非についても、議論の対象にさせていただければというふうに考えているところでございます。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。



◆五十五番(仁田和廣君) 知事は、県内のトップセールスマンを自認しておりますけれども、ぜひシンガポールとか、いろいろあそこはハブ港として東南アジア、オセアニアの大したところです。ファンドだけで五十兆円持ってるんですよ。だからあれを縦横無尽に、実は宮城にも来てるんです、その予算の一部がもう既に太陽光とかで。ですから、そういうのを利用しながら一緒にリー・クアンユーさんでなくとも、やっぱり一緒に伸びれるようなことをやっぱりやるべきだと思いますけれども。知事はリー・クワンユーさんを御存じですか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 名前は知っております。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。



◆五十五番(仁田和廣君) 別に設問になかったことを聞くつもりじゃないんです。ただ、彼のやったことはすごいですよ。東京二十三区ぐらいの弱小な国です。そして昔は軍事も何にも持たない。もう周りから影響を受けた国があれだけ発展しているわけですから、国内総生産もそのとおりですし、ぜひ行かれて、ああいうまちづくりなりいろんなものを逆に日本の立場で見るのも僕は一考だと思いますね。その辺どうですか。前向きに例えばアンテナショップ含めて、どういう考えをお持ちか。



○議長(中島源陽君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 御指摘のとおり一人当たりの名目GDPが日本の一・五倍。更に、東南アジアのハブ的機能も有しておるということで、販路開拓におきましても、それからアジア全体に市場展開しようと思っている本県企業にとりましても、非常に魅力的なマーケットであるというふうに認識をしております。既に気仙沼の企業など、シンガポールにチャレンジする企業も出ておりますし、地元の金融機関、更にはジェトロの仙台所長もシンガポールから転勤してきたということです。地元の金融機関は、昨年シンガポールに事務所を開設したということでございますので、こういう関係機関との連携を深めながら、シンガポールに関する、マーケットに関する調査などをASEAN全体の中で、ベトナムは今力を入れてやっておりますが、次どこがよいのか、企業の皆様の御意見をよくよくお聞きしながらことし検討を進めさせていただきたいと考えておるところでございます。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。



◆五十五番(仁田和廣君) ジェトロの話は僕今からしようかなと思ってやったんだけど、さすが吉田部長、賢明だからね。実はシンガポールの支店長をされたジェトロの支店長が今仙台支店のタワービルにおられるんです。彼は、デパートメントストアを招き入れた当事者ですから。もっともっと連携をとって、あらゆる機会に。それからもう少し言いたいのは、知事でさえシンガポールに行ってないんだもん。県の職員が海外に行ってる例は本当に少ないですよ。私先般ソウル事務所の所長とお話をし、韓国の情勢とか、それから風評被害での影響、再開含めてお話をしましたけれども、ぜひ今いろんな機関から大変海外とかに対する見方は厳しいけれども、やっぱり井の中のカワズじゃなく、外からびしっと見て、そして今後の県勢発展に寄与する、これは我々議員のみならず県の職員も大事ですよ。その辺どうですか。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 決して海外を軽視しているわけではないんですけれども、震災からの復興を最優先にしておりますので、どうしても内向きの仕事を、国内での仕事を最優先にせざるを得なかったということでございますが、六年たちましたので、少しずつ目を海外の方にも向けて、我々自身もここにいるメンバーも外に行けるようにしていきたいというふうに思っておりますが、なかなかまだ仕事量が山ほどございますので、そうたびたび行くことはできません。その辺はお許しをいただきたいというふうに思います。



○議長(中島源陽君) 五十五番仁田和廣君。



◆五十五番(仁田和廣君) それから最後になって申しわけないけれども、若生副知事、実は私と同級生でありました。二高時代の秀才なんで、本当に御苦労さまでした。ありがとうございました。今後も宮城県から、尻込みすることなくいろんな場面を知事にびしっと言いながら、県勢の発展に寄与してください。御健康に留意をされるように。

 以上で、終わります。ありがとうございました。



○議長(中島源陽君) 暫時休憩いたします。

    午前十一時五十八分休憩

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    午後一時再開



○副議長(長谷川洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。十七番横山のぼる君。

    〔十七番 横山のぼる君登壇〕



◆十七番(横山のぼる君) 公明党県議団の横山のぼるでございます。

 議長のお許しを得ましたので、順次通告に従い質問させていただきます。

 主に聴覚障害に関する質問を行いますので、傍聴席に手話通訳者を配置させていただいており、聴覚障害関係者の十人を超えるたくさんの方がおいでになっておりますので、知事並びに執行部の皆様の前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。

 大綱第一点、障害者支援政策の諸課題について、まず最初に障害者差別解消法について質問いたします。

 障害者差別解消法が平成二十八年四月一日から施行され、十一カ月が過ぎました。この法律は行政機関や民間の事業者による合理的配慮を求め、行政機関には合理的配慮が義務づけられています。合理的配慮は基本的には常識的対応です。つえをついて窓口に来た方が「自分は目が見えない」と言う。そのとき私たちはどういう対応をとるだろうか。目が見える人と同じ対応では済まないことは明らかです。相手の立場に立った柔軟な対応をとることが合理的配慮の精神です。先日、体に障害をお持ちの方が電動車椅子に乗って行政窓口を訪れた際に担当者から外見だけを見て、不当な扱いをされたとの相談がありました。抗議した結果、再度訪れた際には親切な対応に変わっていたとのことでありましたが、このような差別は決して許されないことです。法の趣旨にのっとり、まずは自分自身の心にある差別を追い出すことから始めなければなりません。このような事例は氷山の一角にすぎないと思いますので、行政機関はもとより、民間事業者への法の趣旨の徹底や更なる啓発の必要を強く感じます。立命館大学生存学研究センター客員教授、長瀬修氏によれば、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律は、これまでの障害者政策のベクトルがおおむね障害者に向いていたのに対して、社会全般に指向が向いている点が大きく異なる、その意味では全ての人の人権確保に向けての障害に焦点を当てた社会障害除去の取り組みと言える。障害者政策のみならず、人権保障の一環という色彩も強い。目的として掲げられているのは障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が障害の有無によって分け隔てることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現であるとあります。この法の趣旨を徹底し、障害者への不当な差別的取り扱いが解消され、合理的配慮が行政を初め民間事業者からも適切に提供される社会にしていくためには法の趣旨が社会的に醸成され、根づいていくことが必要と思います。そのために県主導で定期的な周知啓発のセミナーの開催や市町村ごとの障害者差別解消支援地域協議会の代表等の参加による大会の開催を企画してはいかがでしょうか、知事の御所見をお伺いします。

 障害者差別解消法では地方公共団体等職員の対応要領の制定や障害者差別解消法支援地域協議会の設置を定めています。県内市町村の平成二十八年十月一日時点の対応要領制定の策定済みは、いまだ十四%で五市町、協議会の設置済みは二九%で十市町村にとどまっています。各市町村が民間事業者を先導し、差別解消に取り組んでいくためにも市町村に早期の策定や設置を促していく必要があると思いますが、いかがですか。

 平成二十五年十一月議会において、会派の先輩議員の石橋信勝前県議会議員が障害者差別禁止条例の制定を求めた質問に対して、知事より次のような前向きな答弁をいただいております。「既に条例を制定している自治体の情報収集を行いながら、条例化を含めた障害者差別解消に関する必要な取り組みについて検討してまいります」と。この法の趣旨を県民に浸透させ、真に差別のない社会構築のために条例化は必要と考えますが、知事の御所見をお伺いします。

 続きまして、聴覚障害支援について質問させていただきます。

 厚労省は聴覚障害は早期に発見され、適切な支援が行われた場合には聴覚障害による音声言語発達への影響が最小限に抑えられることから、その早期発見、早期治療を図るために全ての新生児を対象とした新生児聴覚検査を実施することが重要だとしております。そして、平成十九年三月に新生児聴覚スクリーニングマニュアルを作成し、平成二十八年三月には新生児聴覚検査に係る通知を改正して検査に係る留意事項を整理し、市区町村における一層の取り組みを依頼しております。国立成育医療研究センター守本倫子耳鼻咽喉科医長によると、新生児聴覚検査を受けた子供は早期療育に至る確率が受けていない子供よりも二十倍も高くなり、コミュニケーション能力は三倍以上も上昇するという研究結果が出ている。検査の実施率を高めるには、まず産科医がその重要性を認識し、母親に丁寧に伝え、受診を勧めること。その上で自治体の協力が欠かせない。患者への継続した支援を行うには自治体が検査結果を把握しておく必要があるが、現実は把握していない市区町村も多いとあります。宮城県内の市町村の中においても検査結果を把握していない市町村は三十五市町村中十一市町村あると聞いております。全ての市町村が検査結果を把握し、県もその情報を共有できる体制を構築することが大事だと思いますが、いかがですか、知事のお考えをお尋ねします。

 生まれつき聴覚に障害のある先天性難聴は千人に一人から二人の割合でいるとされています。早目に補聴器をつけたり適切な指導を受けたりすることで言語発達の面で効果が得られるといいます。逆に発見がおくれると言葉の発達も遅くなり、コミュニケーションに支障を来す可能性があります。新生児聴覚検査は専用の機器を用いて寝ている赤ちゃんの耳に音を流し、脳波や返ってくる音によって聴力を調べます。痛みはなく、検査は数分で終わります。生後三日以内に行う初回検査と、その後に再検査が必要とされる赤ちゃんを対象に生後一週間以内に実施する確認検査があります。岡山県では検査費用の助成で実施率を向上させています。県内の全市町村が独自事業として初回検査と確認検査の二回分を公費で負担。同県では医師会や大学、医療、療育機関、行政で構成される推進協議会を設置し、相互に連携しながら事業を進めています。具体的に県は産科医療機関五十四カ所に検査を委託し、難聴の疑いがあれば精密検査を行う医療機関へつなぎ、生後六カ月までに療育を受けられる体制を整えています。同県では、このような取り組みで検査実施率は八九%に上ります。委託契約を結んでいない医療機関も含めると県内の実施率はほぼ一〇〇%になるとのことです。秋田県においては行政と医療機関の連携により、実施率は里帰り出産も含めて一〇〇%を超えております。検査費用は地方交付税による財源措置の対象となっていますが、宮城県内の各市町村は聴覚検査の公費助成は行われていないと聞いております。全自治体に公費助成の導入を促すとともに県独自の助成を行ってはどうでしょうか。費用面が壁になって検査を受けられないと判断する母親も少なくないということです。秋田県においては産科医療機関や精密検査を実施する専門医療機関から県が報告を受けることとしており、その結果を県から市町村に伝える体制となっています。宮城県においても産科医療機関と委託契約を締結するなど連携を図り、県内全ての新生児が検査を受けることのできる体制づくりを求めますが、知事のお考えをお尋ねします。

 先日開催された県も後援している第二十回ろう教育を考える集いINみやぎ・せんだいのパネルディスカッションの中で、新生児聴覚検査後に障害があると判断された乳幼児及びその保護者に対する相談や支援のあり方が今後の課題とされました。例えば、補聴器を装着するのか、人口内耳埋め込み手術を行うのか、保護者への選択の助言、良好な親子関係の確立の支援やカウンセリング、聴覚口話法、手話、キュードスピーチ、乳幼児の状態に合わせた指文字など、コミュニケーション手段獲得のためのアドバイスが重要になります。宮城においては教員を兼務した早期教育相談担当者が三歳児以下の早期教育相談を行っています。仙台校の場合は早期教育相談担当者は幼稚部兼務の二名を中心に年間で約六百件の教育相談を基本二人体制で行っている状況です。幼稚園免許は持っているものの、言語聴覚士等が配置されていないため、専門的な助言ができない状況にあります。岡山県では全国初の難聴幼児通園施設、岡山かなりや学園があり、新生児聴覚検査で難聴と判断された乳幼児を受け入れており、この施設は言語聴覚士など専門家による療育を受けることができます。併設の診療所では岡山大学医学部の専門医の治療を受けることもできます。ほかに石川県では聴覚支援学校とは別に、聴覚支援児がその持っている能力を正しく発揮することを目指す金沢方式を実践し、中立な立場を持つ大学教授や医師、言語聴覚士三名がチームとなって取り組んでおります。県内における聴覚障害のある乳幼児のための通園施設は仙台市を除き、聴覚障害者専門の通園施設はない状況です。聴覚幼児通園施設の設置や同等の機能を有する支援体制の構築が必要と思いますが、いかがでしょうか。

 多くの早期教育相談にも対応する聴覚支援学校教師の加配措置が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

 また、早期教育相談担当者は医療関係、福祉施設の連携を図っていますが、当該学校の教師であり、専門的な知識を有しているわけではないので、関係機関とスムーズな連携のための情報提供等の支援体制を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 この教育相談を受ける場は聴覚支援学校に隣接する寄宿舎のスペースを使用しており、同じ敷地内にあるため、相談に来るのに抵抗を感じる保護者もいるそうです。秋田県は、ろう学校とは別に入り口を設けるなどの配慮をしております。宮城県も入り口を別にするなど、何らかの配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 同集いでは、ろう重複障害の支援についても課題として取り上げられました。聴覚障害を抱える乳幼児や幼児は知的障害や運動障害が重複すると、訓練は一段と難しくなり、言語発達も著しくおくれる傾向にあります。重複する障害の種類や程度により状態はさまざまですが、ほかの障害へのケアと並行して、聴覚障害に対しても可能な限り適切なアドバイスをしなくてはいけません。特に幼児期には専門的なアドバイスや医療機関との連携もできる療育環境が必要とされます。更に聴覚支援学校卒業後の活動の広場等や就職先についても課題となっております。その受け皿としての役割をNPO法人が果たしていますが、その受け皿はまだまだ不足しております。ろう重複障害者の活動の広場や就職先の受け皿確保についての支援が必要と考えますが、いかがですか。

 また、一般の障害者とは別に障害の程度が重い、ろう重複障害については専門のグループホームの立ち上げも視野に入れて支援を行う必要があると思いますが、いかがですか。

 宮城県立聴覚支援学校においては主なコミュニケーション手段は手話です。その中で、赴任間もない教師の手話の習熟度が足りないことや手話を習熟したころに転勤してしまうという課題が問題視されています。当該学校は通常の学校よりも在任期間を長くして、教師の手話の習熟度をアップさせる必要があります。又、手話のできる教員や聴覚障害を持つ教員を積極的に採用することが望まれます。京都のろう学校の例では新たに赴任する教員に対して事前に十分な手話研修の実施を求めています。生徒側は「正確な手話ができない教員と会話が食い違い、授業の理解が乏しくなる場合がある」「手話の習熟度が低い教員とは、やりとりができない」「新任教員は数年たてば手話は身につくかもしれないが、その間、生徒はコミュニケーションが十分にとれない環境で我慢しなければなりません」と訴えており、この学校では有志がグループを結成して署名活動を進め、改善を要望する動きになっています。このように、全国的に教師の手話の習熟度が生徒に及ぼす影響が大きいことが問題となっています。今述べたように、いかに生徒本位の仕組みをつくれるのかが問われております。宮城県立聴覚支援学校においては月一回の手話の専門研修が実施されていますが、最低でも週に一回の研修と内容の充実が必要であると思いますが、いかがでしょうか、教育長の御所見をお伺いします。

 また、新たに赴任してきた教師の手話のスキルアップのために充実した手話の事前研修の実施の義務化を進めてはいかがでしょうか。新規採用に当たっては専門性のある教員の確保も含めて検討してはいかがでしょうか。また、聴覚支援学校教員の在任期間は通常の学校より長くする必要があると思いますが、いかがでしょうか、教育長の御所見をお尋ねします。

 宮城県立聴覚支援学校の高等部は三年間のカリキュラムで四つの職業科に分かれていて、専門教育を学習しています。それぞれの進路に向けて職業にかかわる専門的な知識、技能を身につけるべく日々頑張っております。資格の取得を目指し、各種検定にも積極的に取り組んでいると伺いました。

 一方、進学を目指す生徒にとっては進学のための学習環境が十分に整っているとは言えません。宮城在住の聴覚に障害のある生徒が進学のための勉強がしたいがために、普通科が設置してある盛岡聴覚支援学校の高等部に入学を選択したということがあります。大学などに進学を希望する生徒が十分に学べる環境整備のために普通科を設置するべきではないでしょうか、お尋ねします。

 聞こえない子供たちは孤立しがちであり、会話ができないため、遊べる友達が近所にいないことが多い。こうした子供たちのために聴覚に障害のある子供を集め、遊びや勉強する放課後デイサービスが全国に広がっています。放課後デイサービスを通して聞こえない子供たちは積極的に自分の意思表示をするようになったり、下級生の面倒を見るようになるなど成長の兆しを見せていると言います。しかし、宮城県内には聴覚障害に特化した放課後デイサービスの事業所が全くない状況です。障害者向けの放課後デイサービスはありますが、中には、やむを得ず利用している子供もおり、コミュニケーションが壁となっており孤独に陥っているのが実情です。愛知県の事例を紹介いたします。愛知県立千種ろう学校の近くに聴覚障害に特化した放課後デイサービスとして全国で一番最初にできたのがNPO法人つくしが経営するつくしっこです。つくしっこには近くの千種ろう学校や特別支援学校などに通う幼児、小学生、中学生の放課後活動や休日活動の支援を行っています。放課後デイサービスに通ってくるのは全員が千種ろう学校の子供たちです。長期の休暇には千種ろう学校以外の子供たちも通ってきます。子供たちが補聴器を装着して手話と会話を交えながら楽しそうに遊んだり、また勉強したり、上級生が下級生の面倒を見ている様子もあり、とてもアットホームな雰囲気でした。聴覚障害を持つ子供はともすれば周囲とのコミュニケーションができずに、孤独になることが多い中、このような放課後デイサービスの持つ役割は大きいと言えます。同法人つくしが経営する事業所桃を視察しました。桃は、ろう高齢者や盲ろう者の日中作業、高齢者の就労活動を支援する事業所です。ろう高齢者や盲ろう者の方が生き生きと仕事に励まれている様子が印象的でした。その中で認知症が改善された方や夫に先立たれ希望を失っていた方が立ち直るなどの例もあるとのことでした。ろう高齢者の方々に活動の場、仕事の場を提供し、生きがいを持って暮らしてもらうことが今後の高齢化社会に必要だと痛切に感じました。その高齢者の方々が書いた色紙が飾ってあり、その言葉は女を磨く、女子力アップ、無限の夢へ走り出そうなど、夢と希望にあふれる内容でした。他県では聴覚障害に特化した放課後デイサービスや高齢者の聴覚障害者向けの就労支援を行い効果を上げている事業者もあります。このような事業者を育成し支援の充実を図ることは行政の責務と思いますが、いかがでしょうか。

 宮城県内に聴覚障害に特化した放課後デイサービスを提供している事業者は、まだありませんが、これからつくろうとする動きもあります。このような動きについて県としてどうかかわっていきますか。

 最後は手話言語について質問をいたします。

 手話を言語とする動きは二〇〇六年に国連が採択した障害者権利条約で手話を言語と位置づけたこともあって、世界的に広がりを見せております。日本でも二〇一一年八月に改正された障害者基本法の第三条に手話は言語に含まれることが明記されています。その後、全国各地の自治体で手話条例が制定されております。その特徴的条項を持つ条例としては手話による観光案内を促進する規定を持つ三重県や京都市などの条例、手話言語という用語が日本語対応手話を指すのではなく、日本手話のみを指すことを明記している埼玉県朝霞市の条例、学校における手話の普及に言及する条例、医療機関における手話の普及に言及する条例、災害時の対応について何らかの言及をしている条例があります。平成二十八年十月に条例が制定された愛知県の条例は障害の特性に応じたコミュニケーション手段を選択し、利用しやすい環境づくりを進めることとしており、災害時の記載もあります。この愛知県の条例は手話のみならず、障害の特性に応じた条例を制定しているのは全国で愛知だけであり、条例の制定にあたっては各種障害団体の意見を十分に聴取して制定したとの経緯があるとのことです。村井知事は手話を広める知事の会の一員と聞いておりますが、県内の手話言語の普及の現状をどう認識しておりますか。また、どのようにして普及を図っていくお考えでしょうか。宮城県の避難行動要支援者等に対する支援ガイドラインには避難所における対策について、要配慮者である聴覚障害者の配慮として、避難所に手話通訳者、要約筆記者の配置に努めると記載があります。これを実効性のあるものにするためにも、市町村と連携して手話のできる人材の養成が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 宮城県の手話通訳士は二十七名、手話通訳者は仙台市と合わせて百三十九名、平成二十六年度の手話奉仕員の登録人数は百四十四名、実態は半分が稼働していると伺っております。決して多いとは言えません。手話通訳士、手話通訳者、手話奉仕員の登録人数の目標はあるのでしょうか。災害時の避難所への配置も考慮の上、需要に見合う目標設定が必要と考えますが、知事のお考えをお尋ねします。

 最後に、手話言語の普及のためには宮城県として条例の制定が必須だと考えます。宮城県の聴覚障害者にとって有益であるように、障害者協会、団体の意見を反映した条例づくりが望まれます。この条例づくりについて知事の前向きな御答弁をお願いし、壇上からの質問を終わります。

 御清聴大変にありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 横山のぼる議員の一般質問にお答えをいたします。

 大綱一点、障害者支援政策の諸課題についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、障害者差別解消法の趣旨の周知啓発についてのお尋ねにお答えをいたします。

 障害や障害のある人への理解の輪を広げ、障害のある方が日常生活や社会生活において差別を感じることのない社会を実現していくためには県民に障害者差別解消法の趣旨を正しく理解していただくことや身近な地域に相談窓口を設けることが重要であると認識をしております。このため県では、法の施行に伴い県政だよりやみやぎ出前講座などを活用した広報活動、市町村と連携した障害者差別に関する相談窓口の整備などを推進してまいりました。今後も市町村を初め商工団体などの関係機関と連携しセミナーの充実や市町村の地域協議会の代表者などが参集する場を設けるなど、法の趣旨が更に県民に浸透するよう取り組んでまいります。

 次に、障害者差別解消法に基づく市町村の対応要領の策定促進などについての御質問にお答えをいたします。

 障害者差別解消法において、地方公共団体の対応要領の策定や障害者差別解消支援地域協議会は必ずしも設置するとはされておりませんが、法の趣旨を浸透させ、差別解消を推進する観点から県としては、全ての市町村に対応いただくことが望ましいと考えております。昨年十月に実施した県の調査では今後、二十四の市町村が対応要領を制定する予定であるほか、十四の市と町が地域協議会を設置する予定となっておりますが、震災復興などの業務で多忙をきわめる中、いまだ見通しのたっていない市や町もございます。県といたしましては、県の対応要領の内容や地域協議会に関する情報提供を行うなどして、全ての市町村において早期の対応がなされるように支援をしてまいります。

 次に、ろう重複障害者の活動の場や就職先の確保についての御質問にお答えをいたします。

 ろう重複障害は聴覚障害によるコミュニケーションの困難さに加え、あわせ持つ障害により家族以外との接点を持ちにくいことから、身近な地域における活動や就労の場の確保が重要であると認識しております。このため県では、聴覚障害全般に関する相談、情報提供の拠点である聴覚障害者情報センターの運営や障害のある方の創作活動や生産活動の場を提供し、社会との交流を促進する地域活動支援センターの運営などに係る支援を国や市町村とともに行っております。また、聴覚支援学校の生徒の希望を尊重した現場実習や雇用を前提とした職場適応訓練に加え、障害者雇用に関する企業への普及啓発、就職面接会などの開催を通じて就職先の受け皿確保にも努めております。更に、ろう重複障害者を受け入れる就労支援事業所が増加するよう、機会を捉えて関係者に働きかけるなどして、ろう重複障害者の社会参加を促進してまいります。

 次に、ろう重複障害者のための専門のグループホームの立ち上げ支援についての御質問にお答えをいたします。

 県では、グループホームの開設に当たっては国の補助金などを活用し、民間事業者が行う新設や改修等に要する経費の一部について補助を行っております。また、今年度からは重度障害などにも対応したグループホームの整備を重点的に進めているところであります。ろう重複障害者のための専門のグループホームの開設につきましては、そのニーズの把握や事業意欲のある事業者に関する情報の収集に努め、関係者との意見交換を行いながら、その実現の可能性について探ってまいります。

 次に、手話言語の普及についての御質問にお答えをいたします。

 手話につきましては民間による教室の開催や地域でのサークル活動の展開など、以前に比べ普及してきていると感じておりますが、言語として手話が広く認知され、多くの県民が自由に使えるといった状況にはいまだ遠いものと認識しております。県といたしましては、平成二十七年に設置した宮城県聴覚障害者情報センター、愛称「みみサポみやぎ」を拠点として手話通訳者の養成や手話が学べる場の情報提供、ホームページでの手話動画の配信、ビデオライブラリー等の貸し出し、難聴者の中途失聴者向けの手話講座の開催などに取り組んでおります。今後ともこれらの取り組みを進めるとともに昨年七月に設立された手話を広める知事の会に私も参画しておりますので、そのネットワークも活用しながら手話の一層の普及推進に努めてまいります。

 次に、手話言語条例の制定についての御質問にお答えをいたします。

 聴覚障害者が手話を身につけ、自由に手話が使える権利は、どこに住んでいても、ひとしく享受されるべき権利であり、国の責任において財源も含めて法を整備し、対応する必要があると認識しております。宮城県議会においては、平成二十六年に手話の普及などを盛り込んだ手話言語法の早期制定を求める意見書が国に対して提出され、また、昨年三月には全国全ての自治体の議会で同様の意見書が可決されております。手話を広める知事の会においても手話言語法の早期制定を求めていくこととしており、各県と連携して国に対して法の早期制定を働きかけてまいります。手話言語条例につきましては手話言語法制定に係る国の動きを見守るとともに手話の普及を推進していく中での検討課題とさせていただきます。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱一点、障害者支援政策の諸課題についての御質問のうち、障害者差別禁止条例の制定についてのお尋ねにお答えいたします。

 障害者差別解消法の施行により、行政機関は必要に応じ事業者に対して報告の徴収や助言、指導、勧告などを行えることとなり、既に条例を制定している他県では法と類似の内容を主なものとする例が多い状況にあります。我が県としては、まずは障害者差別の解消を重点施策として位置づけ、県の広報媒体を活用した制度の普及啓発や市町村と連携した相談体制の整備、差別解消に向けた関係機関との情報共有などにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。条例の制定につきましては、こうした取り組みの成果や障害者差別解消法の運用状況を見ながら、必要に応じて検討してまいります。

 次に、聴覚障害支援のうち、新生児聴覚検査の情報共有等についての御質問にお答えいたします。

 聴覚障害の早期発見、療育のためには新生児聴覚検査の実施が重要とされており、県内の分娩取り扱い医療機関においても聴覚能力をスクリーニングできる体制が整いつつありますが、検査の実施については市町村の判断に基づくものとしているところです。県内では現在、約七割の市町村において、新生児訪問事業等により検査状況の把握に努めており、全国的にもほぼ同様の状況であります。県といたしましては、来年度、新生児聴覚検査体制を検討する会議を立ち上げ、検査結果の把握に努めるとともに、しっかりと情報共有を図ってまいりたいと考えております。

 次に、新生児聴覚検査への助成の検討と検査体制の構築についての御質問にお答えいたします。

 新生児聴覚検査事業につきましては市町村に対して地方交付税により所要の財源措置が講じられているとされておりますが、初回検査への公費負担を実施している市町村は全国でも七%程度となっております。公費助成の導入については各市町村において判断していただくことが基本であると考えており、また、県独自の助成につきましては市町村や関係者の意見を伺いながら慎重に検討していく必要があると認識しております。来年度立ち上げる会議には産科、小児科、耳鼻科等の医療関係者を初め学識経験者、市町村など幅広い分野の方々に参画いただき、新生児聴覚検査体制の構築に向けた検討を進めてまいります。

 次に、聴覚障害のある乳幼児通園施設の設置や支援体制の構築についての御質問にお答えいたします。

 児童福祉法において障害のある未就学の子供の通いの場としては児童発達支援事業所や児童発達支援センターがあり、日常生活における基本的動作の指導や自活に必要な知識、技能の習得などの訓練を行っています。現在、聴覚障害のある子供を受け入れられる施設は限られておりますが、作業療法士や言語聴覚士などの職員により聴覚障害のある子供の支援が可能な施設や専門職が配置されていない施設でも、ほかの子供と一緒に療育支援の対象として受け入れている施設もあります。県といたしましては、関係者の御意見も伺いながら聴覚障害のある子供が早期に療育支援を受けられるような支援体制の構築に努めてまいります。

 次に、聴覚障害者を支援する事業者の育成についての御質問にお答えいたします。

 聴覚障害を含めた障害児者に対する支援の充実を図るためには、すぐれた事業者の育成は重要であると認識しております。このため県では、障害児を支援する指定通所支援事業所の従業者を対象とした研修会を継続して実施しているほか、サービス管理責任者や就労支援事業所など、分野ごとのきめ細かな研修メニューの充実に努めているところです。今後とも、このような研修事業を通じて事業に従事する方々の人材育成に努めていくとともに、聴覚障害に特化した支援の先進事例を紹介するなどの情報提供も行い、事業者の育成を図ってまいります。

 次に、聴覚障害者向け放課後等デイサービス事業所の新設に対する県のかかわりについての御質問にお答えいたします。

 現在、県内には聴覚障害のある子供の支援に特化した放課後等デイサービス事業所はありませんが、このような事業所が開設されることは聴覚障害のある子供たちにとって貴重な成長の場となり、保護者にとっても有効な交流の場になると考えられます。県といたしましては、事業所の開設を希望する方から相談があった場合には、事業所の運営基準や施設整備に対する補助制度の活用等について丁寧に相談に応じながら実現に向けて積極的に支援してまいります。

 次に、手話通訳者等に関し市町村と連携した人材育成と数値目標についての御質問にお答えいたします。

 大規模災害の発生時でも避難所や支援物資などの情報が聴覚障害者に届くよう、手話や要約筆記のできる人材の確保は必要不可欠であると認識しております。手話通訳士、手話通訳者、手話奉仕員及び要約筆記者の養成は国、県、市町村が役割分担をしながら実施しており、県では、手話通訳者と要約筆記者の養成を行っております。現行の第四期宮城県障害福祉計画では養成主体が異なることなどにより手話通訳者と要約筆記者の養成研修修了者についてのみ、合計で毎年度二十五人の見込み数を計画しております。次期計画の策定に当たりましては災害時の対応も含め、必要な手話通訳者等が確保できるよう適切な目標や人材育成のあり方について検討してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱一点、障害者支援政策の諸課題についての御質問のうち、聴覚支援学校について多くの教育相談に対応するため教員の加配が必要だがどうか、また、早期教育担当者に対し関係機関との円滑な連携の支援体制を強化すべきとのお尋ねにお答えいたします。

 現在、聴覚支援学校では幼稚部入学前の子供を持つ保護者からの相談にも対応しておりますが、昨年度は年間で延べ約四百八十件の相談があるなど、聴覚障害児の早期支援は大変重要であると認識しております。このため県教育委員会では、教員を一名加配し、子供たち一人一人の聴覚障害の状態に応じたアドバイスや子育ての悩み等の相談に対応できるよう学校を支援しているところであります。また、具体的な相談対応に当たっては県医師会のヒアリングセンターや医療機関、大学等とも連携して行っているほか、毎年開催する早期支援ネットワーク会議等で関係機関との情報共有にも努めております。県教育委員会としましては、学校と関係機関が連携し聴覚障害児に対する早期支援が円滑に行われるよう引き続き努めてまいります。

 次に、聴覚障害者の教育相談を受ける場は聴覚支援学校の寄宿舎の一角にあり、入り口を別にする等の配慮が必要だがどうかとの御質問にお答えいたします。

 現在、聴覚支援学校での早期教育相談は校舎等にある相談室及び寄宿舎等に設置した相談室の二カ所で対応しており、寄宿舎等には専用の入り口を別に設ける対応をとっているところであります。今後とも学校の安全確保に留意しつつ、相談を希望する保護者の方々にとって、更に利用しやすい環境となるよう学校とともに努力してまいります。

 次に、教員に対する手話研修の充実についての御質問にお答えいたします。

 聴覚支援学校における教員の手話力の向上は重要であると認識しており、現在、学校では手話通訳士を講師として毎月校内研修会を行っているほか、教員それぞれもパソコンの手話研修ソフトを活用した自己研修に取り組んでいるところであります。今後とも手話力の向上に向けて研修の充実に努めてまいります。

 次に、聴覚支援学校へ赴任する教員への事前研修や専門性のある教員確保及び在任期間についての御質問にお答えいたします。

 聴覚支援学校に初めて赴任する教員に対しては、これまでも着任後速やかに手話研修を行っているところであり、引き続き研修の充実に努めてまいります。また、採用の段階から特別支援教育に関する専門性を持ち合わせた教員をより多く確保するため、来年度の教員採用選考より、小学校受験希望者のうち小学校教諭と特別支援学校教諭の両方の免許を所有している方を対象とした特別支援学校枠を新設することとしており、聴覚支援学校においても高い専門性を発揮できる人材がこれまで以上に確保できるよう努めてまいります。このほか教員配置の面でも学校の事情や求められる高い専門性の確保等の観点から、在任期間も含めて柔軟な対応に努めているところであります。

 次に、聴覚支援学校について、大学進学希望者が十分に学習できるよう普通科を設置すべきとの御質問にお答えいたします。

 聴覚支援学校においては高等部で学ぶ生徒一人一人の進路希望実現に向け、学科の枠を越えた個別指導も含め支援に取り組んでいるところであります。一方で現在の学科構成は専攻科のあり方も含めて見直しが必要であると考えており、生徒の学習の一層の充実を図るため教育課程の編成について、今後、学校とともに検討してまいります。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 十七番横山のぼる君。



◆十七番(横山のぼる君) 御丁寧な答弁、大変にありがとうございました。

 まず、条例の方につきましては障害者差別解消法については、ほかの自治体もそうなんですけれども、法に基づいた意識啓発という部分がすごい強いというふうに思いますので、セミナーの開催とか、しっかりやっていくというお話でしたので、よろしくお願いしたいなというふうに思っております。

 手話言語につきましては国の方には手話言語法ですか、意見書が出されて求めているということで、ただ、各自治体においても法以前に条例を制定している自治体が大分多くありまして、特に私いろいろ見ると日本語対応型手話ではなくて、日本語手話に限定するとか、あと観光の分野にしっかり手話の要素を取り入れていくとか、それぞれの自治体が特色を持った形で進めているというのはすごい大事だなっていうふうに思いますので、今答弁ありましたが、よく障害者団体の方とか聴覚支援学校の先生の話を聞きながら宮城としてどういうものが大事かということは十分に検討していただければなというふうに思いますので、知事からもう一回、よろしくお願いいたします。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) まさに私も横山議員と同じように手話言語は立派な言語だという認識でございます。ということは逆に言うと言語でございますので、宮城県だけのものではなくて、少なくとも観光客にも県外の方にも対象になるものでなければならないというふうに思っておりますので、宮城らしさというよりも全国全体を見渡しながら考えていかなければならないというふうに思ってございます。これは健常者の我々にわからない分野でもありますので障害をお持ちの方、あるいはいろんな団体の方の御意見を伺いながらどのような形にすればいいのかということをよく検討してまいります。条例をつくるだけでしたら法律を焼き直したり、あるいは他県のやつをそのまま持ち込めばいいということになるかもしれませんが、もう少し深掘りをさせていただきたいというふうに思っておりますので、法律の制定なども見ながら、推移なども見ながら、よく検討してまいりたいと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 十七番横山のぼる君。



◆十七番(横山のぼる君) 手話言語については、よろしくお願いしたいというふうに思っております。

 続きまして、新生児聴覚検査についてでございますが、一応体制はできているようではありますが、それが形骸化しているというか、なかなか機能してないという現状があるように思います。実際、検査する窓口は市町村に任せていると言っても、そこをしっかりと、秋田県なんかでは県が医療機関からそういう検査の状況をもらって、それで市町村に逆に返すという、そういう連携をしっかりしながら、里帰り出産にも対応するような対応もとられてますので。来年度その体制もしっかりつくっていくっていうことなので、そのあたり秋田もそうなので、市町村任せにするのではなくて県がしっかりと率先的に情報を受ける、そして市町村と共有するというような体制をしっかりつくっていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 あと、医療機関との連携ですが、これは特に大事だということで医療機関がしっかり母親とかに啓蒙しなければなかなか進まないという状況もございますので、そのあたり、ほかの県では医療機関と委託契約を結んで、しっかり医療機関に検査させるということもしておりますので、そのあたりはいかがでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 早期の発見と療育、医療機関との連携が大事でありますので来年度の検討会議において、医療機関と行政の連携体制についてしっかりと検討してまりたいと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 十七番横山のぼる君。



◆十七番(横山のぼる君) 医療機関の連携、自治体の連携をしっかり組んで実施率が一〇〇%になるように市町村でしっかり働きかけていただく体制の構築をお願いしたいというふうに思っております。

 あとは聴覚支援学校の手話の部分の研修ですが、言語聴覚士を配置しながら月に一回はやっているという状況で、あとはパソコンのソフトを利用しながらやっているということで、これでは職員の自主性という部分が大きくて、なかなか責任が重過ぎる、個人として担うのは重過ぎるんじゃないかと思うんです。そのあたりしっかりと月一回という部分ではなくて、しっかりとこまめな研修体制をすることを望みます。

 加配については、昨年度一名加配したと……。来年度でなくてもうしているということでよろしいでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 現在一名加配しているということでございます。



○副議長(長谷川洋一君) 十七番横山のぼる君。



◆十七番(横山のぼる君) あと新任教師の部分については来年度から特別支援学校と小学校の免許を持つという部分も含めてやっていくという大変すばらしいなというふうには思います。ただ、特別支援学校の免許を持っていても、その方が手話ができるということは限らないところもございますので、転勤して来て入学式、始業式まで一週間くらいしかないとは思うんですが、聴覚支援学校に聞くと、そのうち四十分から一時間手話の研修を二回は行っているというふうには聞いてますが、それではなかなか先生方も不安じゃないかなというふうに思っておりますので、もう少ししっかりとした事前研修体制を検討していただければなというのが一点と、あと、県立聴覚支援学校の学科の枠を超えてどうしていくかという検討もするっていうふうにありましたけれども、具体的にわかる範囲で教えていただければと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 聴覚支援学校に赴任する先生方への事前研修については、手話が児童生徒とコミュニケーションする大変重要な道具でありますので、そういった意味では更に研修を実施するように学校に働きかけてまいりたいと考えております。それから、高等部の学科の構成でありますが、現在の学科のままでいいのかどうか、これは専攻科も含めて見直しが必要だというふうに認識をしているところでありますので、これも学校と具体的にどういった学科で進めていくかについて具体的な検討を進めてまいります。



○副議長(長谷川洋一君) 十七番横山のぼる君。



◆十七番(横山のぼる君) 事前の手話の研修については、しっかりと検討していただいて、時間も内容もしっかり充実させていただければというふうに思います。希望でございます。

 最後ですが、手話の通訳者についてでございますが、これについては、要約筆記者も含めて年二十五名という体制でとお伺いしましたけれども、これは災害時の避難所も含めて適正な人数ということでよろしいでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 災害時にはいろんな災害の対応がありますので、二十五人で十分ということは言えないと思いますので、次の障害福祉計画においては適正な人数についても検討して掲載していきたいと思います。



○副議長(長谷川洋一君) 十七番横山のぼる君。



◆十七番(横山のぼる君) それでは二十五名という人数も災害対応も含めた形で十分検討して人数を決めていただければと思います。

 以上でございます。大変ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 七番庄田圭佑君。

    〔七番 庄田圭佑君登壇〕



◆七番(庄田圭佑君) 自由民主党・県民会議の庄田圭佑でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきたいと思います。仁田議員のようにノー原稿ではできませんので原稿を読ませていただきたいなというふうに思います。今回で四回目となります一般質問は県勢発展と交流人口拡大につながる取り組みを中心に、元気はつらつ爽やかに積極提言と質問をさせていただきますので、執行部の皆様におかれましても前向きな答弁をいただきますことを切にお願いいたしまして、まずは、大綱一点目、海外販路拡大と県内企業海外進出拡大に向けてについてお伺いいたします。

 去る一月二十二日から二十七日まで、議員派遣にて畠山和純議員を団長にベトナム社会主義共和国に国際経済交流、海外ビジネス支援調査に行ってまいりました。主に東日本大震災で売り上げが一千億円程度落ち込んだ沿岸部における水産加工業の新たな販路の確保、拡大、現地地方政府との交流を初め我が県とベトナムの国際交流が急速に深まっている現状を更に推し進めるために議会としての政策提言に向けた調査でありました。特に、ベトナム北部タイビン省においては同省トップのグエン・ホン・ジエン人民委員会委員長との会談も実現し「宮城県と積極的な交流を図りたい」との申し出もありました。また、東日本大震災以降、我が県の水産物の一大消費地であった韓国、中国や台湾での輸入規制が解除されない状況から、従来の枠組みにとらわれない新しい海外市場の開拓、拡大が必要であるという観点からも、現地の市場環境等について知ることができ、大変意義深い調査となりました。こうした海外販路の拡大と県内企業の海外進出拡大が知事の掲げる富県戦略、そして創造的復興に資するものであると確信し、以下、順次質問してまいりたいと思います。

 我が県においては昨年度よりベトナム宮城県産品マーケティング支援事業、宮城県ビジネスアドバイザリー業務を実施しております。これら取り組みの評価と今後ベトナムにおけるマーケティング事業の展開について御所見をお伺いいたします。

 また、ベトナム以外の東南アジア諸国、特に親日家が多いインドネシアといった国に対しても、我が県の魅力ある商品の販路確保と拡大を目指すべきです。ちなみに、平成二十九年度当初予算でも東南アジア宮城県産品マーケティング支援費として六千九百万円が計上されていることからも、県としても前向きに海外販路確保と拡大を視野に入れているものと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 さて、先般のベトナム調査では県内進出企業初め視察先でのヒアリングから、ベトナムでのビジネス環境は四半期ベースで劇的に変化するという話、水産加工品の輸入販売の手続には販売を予定している食品サンプル登録検査に三カ月程度、水産加工品を製造している工場の施設登録手続に五から八カ月、加工品のインポートライセンス取得に半月程度と、一つの水産加工品をベトナムで販売するまでに各種手続に実に一年近くも時間を費やすということでした。また、その手続の途中で制度内容がよく変わること、担当者によっては運用にばらつきがあることなど、その対応に苦慮するといったお話もありました。こうした場合に「相談窓口として宮城県のビジネスアドバイザリーデスクがあるのはありがたいが、ベトナム政府に対しては、あくまで委託先の一民間企業であるため、県が直接バックアップしている環境があるとなお心強い」との声がありました。これらを鑑みると、我が県の一層の販路拡大、あるいは県内企業の進出を考えれば、現地での県のバックアップ体制の構築が必要不可欠ではないかと考えます。また、外務省が毎年公表している平成二十八年版海外在留邦人数調査統計の国(地域)別日系企業(拠点)数上位五十位推移によれば、平成二十三年から平成二十七年の五年間で、ベトナムに進出する企業は千八十一社から千五百七十八社に年平均約一〇%程度ずつふえ、その順位も十一位から七位にランクアップしております。こうした客観的なデータからも、今後も日系企業の進出が見込まれるベトナムやシンガポール、タイといった東南アジアの地域において我が県が実施しているビジネスアドバイザリーデスクを業務委託事業という形ではなく、今すぐには難しくても長期的な視野で考えれば県が直接ビジネスサポートデスクを開設し、県内企業と現地政府の橋渡し役をすることも必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 ちなみに埼玉県では、ベトナム現地法人と日系企業が設立した日系中小企業をターゲットにしたレンタル工場の合弁企業に出資をしておりました。このレンタル工場は日本人常駐スタッフによる専用デスク設置、共有の会議室や応接室のみならず、ベトナムでの創業前の各種手続など含めワンストップでサービスを受けられるものでありました。埼玉県内では、このレンタル工場への出資により県内企業がベトナムに進出する際に、通常入居する企業よりも優遇された環境、経済条件で事業展開できる環境が構築されているとのことでした。県内に企業を誘致するのも富県戦略には重要ですが、県内から国外へ企業進出させることも、宮城県の知名度を高めることにつながりますので、大変重要な取り組みでもあります。もし現地に我が県のビジネスデスクを開設するのが難しいというのであれば、埼玉県の事例同様に現地企業に出資し、我が県からベトナムに進出する企業をバックアップしていくことも県内企業の海外進出拡大の支援策として考えられますが、御所見をお伺いいたします。

 また、タイビン省からは宮城県との積極的な交流を図りたいとの話もありましたが、まずは当面民間レベルの交流が主になろうかと思います。その一方で、宮城大学では毎年ホーチミンに学生を派遣し国際交流を実施しているということからも教育旅行という側面で見れば、ベトナムを高校生の修学旅行先として選定することも検討すべきです。ちなみに、現時点における平成二十八年度の県内高等学校の海外の修学旅行先を見ると、公立では三校、行き先はグアム二校と台湾一校でした。私立では十二校、アメリカと台湾、カナダ、韓国が大多数を占めており、ベトナムは一校もありませんでした。しかしながら、ベトナムは治安もよく歴史教育、政治や経済体制の違いを学べ、また、フランス統治下の影響で食文化も多岐にわたることや松島同様に「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟しているハロン湾などの観光資源も数多く、教育旅行には申し分のない環境が整った国です。こうした教育旅行を中心にタイビン省を初め、ベトナムとの国際交流を図ってはどうかと考えますが、知事と教育長の御所見をお伺いいたします。

 さて、海外販路拡大の取り組みについて他県事例を見ると、宮城県がイオンモールロンビエン内にて昨年度実施したテストマーケティング事業と同じ場所を使って、北関東三県海外展開プロモーション事業が展開されております。この事業は群馬、栃木、茨城の北関東三県がベトナムで共同の販路開拓等を目指すため、アンテナショップを開設した取り組みであります。こうした海外販路開拓も県単独の費用負担には限界がありますが、北関東三県での取り組みであれば費用負担も三分の一で済むメリットもあり、我が県でも参考にすべき事例であります。他方、隣県山形の取り組みに目を向けますと、昨年十月には山形県の主力米であります「つや姫」初め、芋煮や日本酒などを米国ハワイ州でPR活動を実施しております。特に、ハワイ州では人口の一割を日系人が占め、米消費量も多く、在留邦人も日本食レストランも多い有望市場と山形は捉えているようでありました。我が県でも海外販路拡大については山形県と競合する品目はありますが、過去ソウル事務所も共同で運営していた実績もあることから、例えばハワイでのPRでは販路チャンネルを持たない宮城県が相乗りする、ベトナムのPRでは同じく販路チャンネルを持たない山形県が相乗りするといった連携であれば単独開催よりも費用削減が可能であること、また、ウイン・ウインの関係が構築できることからも海外販路拡大について山形県と連携すべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、大綱二点目、インバウンド誘客拡大と仙台空港周辺活性化に向けてについてお伺いいたします。

 平成二十八年度訪日外国人旅行者、いわゆるインバウンドは本年一月十七日に公表された日本政府観光局の報道発表資料によれば、前年比二一・八%増の二千四百三万九千人を記録し、旅行消費額も前年比七・八%増の三兆七千四百七十六億円といずれも過去最高を更新する結果となりました。特に、国際旅行収支については過去最大の一兆三千三百九十一億円の黒字となり、インバンウンドによる消費が少子高齢化、人口減少を迎えている我が国の新たな消費者としての地位を確立しつつあることを考えれば国の一層のインバウンド誘客強化を強く願うものであります。もう少し旅行消費額について分析してみると、平成二十八年のインバウンド一人当たりの旅行消費は中国のいわゆる爆買いを規制する携行品輸入に係る関税引き上げの影響か、前年比一一・五%減の十五万五千八百九十六円でした。消費額上位五カ国はオーストラリア二十四万六千八百六十六円、中国二十三万一千五百四円、スペイン二十二万四千六十四円、イタリア十九万八千一円、ロシア十九万八百八十一円と、欧米各国が上位を占める結果でありました。中国を除く我が県のインバウンド最大のターゲット国では香港十六万二百三十円、台湾十二万五千八百五十四円、韓国七万二百八十一円でした。確かに四カ国でインバウンドの七三%、消費額の七〇%を占める現状を見れば、インバウンド誘客の最優先のターゲットであることは間違いありません。他方、旅行消費額と滞在日数に目を向けるなら欧、米、豪のインバウンド絶対数は全体シェア一二%と少ないものの、宿泊料金に多くを割き滞在日数も長いことからも我が県を訪れていただければ、一度の滞在でより多くのお金を落とすことがデータ上は読み取れます。こうしたことからもインバウンドについては東北地区全体が周回おくれになっている現状を打破するために、他県に先駆けて欧、米、豪にアプローチすることも必要ではないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 事実、平成二十九年度の国の予算においても欧、米、豪や富裕層など新たな市場の開拓がうたわれています。欧、米、豪の旅行者からは体験型の観光コンテンツへの関心が高く、日本のお酒を飲むこと、日本の歴史、伝統文化体験、美術館、博物館、映画、アニメゆかりの地訪問といったものを体験しているようであります。我が県も昨年「政宗が育んだ“伊達”な文化」が日本遺産の認定を受けましたし、豊富な日本酒、県立美術館のリニューアル構想も進展しているようですので、この際、欧、米、豪のインバウンド誘客のみならず、後世に文化財をしっかり残すという観点からも県指定文化財等に対する支援を強化していくべきと考えますが、財政状況を鑑みれば厳しい答弁になることは想像にかたくありませんが、知事と教育長の御所見をお伺いいたします。

 さて、振り返れば、二〇〇三年四月に時の小泉内閣が、ビジット・ジャパン・キャンペーンを始めた当時のインバウンドは五百二十一万人、それが今やインバウンド約五倍となり、全世界では十六位、アジア圏では五位の観光大国となりました。こうした旺盛なインバウンド需要を受け、昨年三月には「明日の日本を支える観光ビジョン・世界が訪れたくなる日本へ」が策定され、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年には四千万人、二〇三〇年には六千万人とする新たな数値目標が示され、我が県においても二〇二〇年の外国人延べ宿泊者数五十万人が新たな目標値として設定されたところであります。ちなみに、平成二十八年の外国人延べ宿泊者数は十一月までの推計値で十六万七千人であり、震災前の水準を回復した平成二十七年の十六万一千人を上回る状況で、原発事故の風評で低調だったインバウンドも国や県の各種施策により、ようやく上昇気流に乗り始めたのではないでしょうか。こうした状況から、更なるインバウンド誘客拡大に向けて四月からアジアプロモーション課が新設されると伺っておりますが、二〇二〇年、五十万人の目標は目標として、更に遠方目標として二〇三〇年の目標設定をいち早く設定し、同課での意思統一を図り、一層のインバウンド誘客に励む必要があろうと思いますが、設置に向けた知事の意気込みとあわせてお伺いいたします。

 さて、昨年十一月定例会の予算総括質疑では仙台空港活性化調査費に関して、ビジネスジェット誘致について質問し、知事からも「LCC誘致の次のステップで取り組みたい」と前向きな答弁をいただきました。先ほどの平成二十九年度の国のインバウンド関連予算も富裕層をターゲットにしていることから、ビジネスジェット誘致は我が県に富裕層を呼び込むきっかけになるのではないかと思います。話はそれましたが、予算総括では仙台国際空港株式会社の岩井社長と知事が個人的に会っていろいろと意見交換する予定になっているとの話があり、その中で「国際線のラウンジの話も含めまして、よくお話をさせていただこうというふうに思っています」と答弁をいただいたわけでございますが、岩井社長との意見交換会で国際線ラウンジの整備について言及があったのか、お伺いいたします。

 また、四月には仙台空港民営化後初のリニューアル工事が完了し、到着エリアの店舗がリニューアルオープンするようでありますが、保安検査場に目を向けると時間帯にもよりますが、大変混雑をしております。他の空港であれば、航空会社のお得意様や上位クラス搭乗客を対象とした優先レーンがありますが、こうしたレーンを増設するような話もあったのか、意見交換会の内容について差し支えのない範囲で御披瀝ください。

 また、仙台空港周辺活性化には二次交通の充実が必要との質問をさきの総括質疑でもいたしましたが、それ以後、一月には松島・平泉線、四月には酒田を結ぶバス路線の開設予定が、三月には仙台空港アクセス鉄道が三往復増便の予定となっており、十分とまでは言えないまでも少しずつではありますが、二次交通が充実してきております。陸路の二次交通の充実もさることながら、例えば仙台空港至近に大型クルーザーが受け入れ可能なマリーナを整備し、洋上からダイレクトに気仙沼、石巻、松島初めインバウンドに人気の猫島にアクセスできる環境を整備すれば伸び悩む被災沿岸部への観光客創出にもつながると考えます。また、マリーナの整備によってクルーザーを所有する富裕層も我が県を訪れ、海釣りにも最適な世界三大漁場の一つ三陸金華山沖があり、離島もあり、仙台港のサーフスポットなどもあることから、マリンアクティビティの宮城県としての地位を確立すれば、より一層国内外から観光客を誘客できると考えますが、マリーナ整備について知事の御所見をお伺いいたします。

 県でのマリーナ整備が困難と言うのであれば、民間資金を活用して整備するという手法も考えられますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 さて、大綱一点目では教育旅行によるアウトバウンドについて触れさせていただきましたが、大変残念ながら昨年六月にデイリー化したアシアナ航空のソウル便もアウトバウンドが振るわず、三月二十八日からは週五便に減便となります。我が県でもアウトバウンド対策でパスポート取得キャンペーン、海外教育旅行セミナー等を実施しておりますが、パスポート取得率向上がアウトバウンド拡大に重要であることは言うまでもありません。平成二十八年我が県のパスポート発行数は前年比九・八%増の四万五千七百八十二冊、うち約二万冊が三十歳未満の若い世代でありました。確かにそれ以前の二年間は前年割れの実績でしたので、キャンペーンの成果は出ていると思います。しかし全国平均の約一五%よりも低い数値からも、来年度の更なる取得率向上に向けた県の取り組みに期待したいところですが、まずは県庁職員そして我々議員が積極的にアウトバウンドし、仙台空港活性化と海外で我が県の情報発信をしていくことも重要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 また、仙台空港からアウトバウンドをふやすには公立高校の修学旅行先を海外に見出す取り組みが必要です。例えば海外への修学旅行を実施する学校に海外修学旅行支援費として費用の一部を定額支給するなどの制度創設が必要です。海外に行ってこそ日本のよさを認識することもでき、また、生徒の視野を広げることにもつながり、翻って我が県の発展に資する取り組みなるわけですから、海外修学旅行支援制度を導入すべきと思いますが、知事と教育長の御所見をお伺いいたします。

 次に、大綱三点目、第五世代量子線がん治療装置導入に向けてについてお伺いいたします。

 一昨年十一月の質問では重粒子線がん治療装置導入についてと題し、がんをピンポイント照射できる放射線治療ががん患者のQOL維持には必要ではないかとの思いで、重粒子線がん治療装置導入を提言いたしました。残念ながら山形大学に重粒子線がん治療装置が導入予定であることや東北がんネットワークがあることによる広域利用を想定しているということで「山形の状況を注視してまいりたい」との答弁でありました。ほかにも設置には百億円を超えるということもあり、簡単に導入ができないことも要因としてあろうと思います。しかし、我が国のがん治療における放射線治療の割合は欧米の約六〇%の半分である三〇%にとどまっているというデータもあること、結果として放射線治療の方が外科治療よりも医療費が安く済むということや外科医を目指す医師が減っていることからも放射線治療を普及させることが、医療費適正化に向けた重要な取り組みではないかと考えます。そこで我が県のがん対策の取り組みを見ると、我が県は地域がん登録の発祥地であります。瀬木三雄教授が東北大学医学部に赴任した一九五〇年代に瀬木教授の疫学調査に我が県が協力し、今日の地域がん登録の礎が築かれました。また、黒川利雄先生が病院で漫然と患者を待っていたのでは進行がんを診るだけだとの思いで、一九六〇年に検診車の巡回による胃がんの集団検診を日本で初めて実施したのも我が県であります。こうした先人たちのがんに対する挑戦の歴史を持つ我が県では、がん検診率七〇%という高いハードルを掲げ、目下取り組んでいる最中ですが、こうした高い壁に挑戦し続ける精神を忘れてはならないと強く思います。また「五大陸のがん罹患」の初版からがん登録データを掲載しているのはアジアでも宮城県だけです。まさに我が国のトップランナーと言うべき存在であります。そのがん対策の取り組みは最先端だからこそ同様にがん治療にも次世代の最先端技術を導入することがより一層我が県のがん対策に資するはずだと私は確信しています。また、昨年十二月九日にはがん対策基本法の改正法が成立し、地方自治体ががん教育を推進することや事業主の責務として従業員ががん患者となっても雇用を継続することの配慮が明記されました。まさにがん治療中のQOLもさることながら、働きながら治療に専念できる環境構築が待ったなしの状況になったと言えましょう。こうした中、昨年十二月十九日には量子科学技術研究機構と住友重機械工業、東芝、日立製作所、三菱電機が第五世代量子線がん治療装置の開発協力に関する包括的協定を締結したニュースが私の目にとまりました。この第五世代量子線がん治療装置とは量子メスと呼ばれ、十年後の実用化を目指し従来の装置を小型化、建設コストを大幅に圧縮させるものです。具体的にはマルチイオン照射を装備しレーザー加速技術や超電導技術等を用いて病院内に設置可能なサイズ、かつ五十億円以内の建設費を目指す取り組みです。量子科学技術研究機構では外科治療などのほかのがん治療法と比べ、患者への負担が軽く、免疫抑制のない重粒子線治療を将来のがん治療の基本的手法と位置づけ、その大幅な普及、拡大を通じて、「がん死ゼロ」を目指しているとのことでした。この「がん死ゼロ」を目指す取り組みに我が県も賛同し、第五世代量子線がん治療装置、量子メス導入に向け、県立がんセンター、あるいは東北大学と連携し、検討をスタートさせるべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 また、我が県でも「がん死ゼロ」を宣言し、より一層のがん対策強化に努めるべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 以上、財政負担がかかる提言ばかりでしたが、長期的視野での県勢発展に向けた提言でありますので、前向きな答弁を改めてお願いし、壇上からの質問といたします。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 庄田圭佑議員の一般質問にお答えをいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、海外販路拡大と県内企業海外進出拡大に向けての御質問にお答えをいたします。

 初めに、ベトナムでの事業の評価と今後の展開についてのお尋ねにお答えをいたします。

 県では平成二十七年度から市場参入の障壁は高いものの、中間層が拡大しているベトナムを海外販路開拓の最重点地域とし、県産品のテストマーケティングとアドバイザリー業務を実施しております。テストマーケティング事業では、これまで百品目を超える県産品を長期間展示販売することで、他県に先駆け市場参入の足がかりを得ることができました。またアドバイザリー業務におきましても、既に昨年度を上回る利用があるなど、ベトナムでのビジネスに取り組む県内企業の意欲の高まりを実感しているところであります。加えて、先週ホーチミンで開催した商談会においては現地有力商社との強力なパイプを構築するなど、販路開拓に向けた動きが本格化してきておりますが、継続した商流を確立するには時間がかかることから、引き続き県による支援が必要であると考えております。県としては、今後ともこの二つの事業を中心に、ベトナムへの進出や販路開拓の支援に力を入れ、ベトナム市場を攻略してまいります。攻略ですのでやる気まんまんでございます。

 次に、ベトナム以外の東南アジア諸国での販路拡大についての御質問にお答えをいたします。

 ベトナムでの商流を構築し、継続的な取引を確保するためには県が腰を据えて販路開拓支援を続けていくことが重要であると認識しております。

 一方で、長期的な視点に立ってベトナム事業の次の展開も見据えていく必要があると考えております。このため県では、東南アジア諸国の消費動向、輸出手続の困難度、物流環境などについて、ジェトロなどを通じ情報収集をするとともに、来年度、民間企業に調査を委託する予定としております。あわせて、県内企業の進出ニーズも踏まえながら、有望な市場の検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、大綱二点目、インバウンド誘客拡大と仙台空港周辺活性化に向けての御質問にお答えをいたします。

 初めに、県指定文化財等に対する支援の強化についてのお尋ねにお答えをいたします。

 我が県の先人から受け継いだ貴重な指定文化財等につきましては、これらをきちんと保護し、後世へ継承していくことが我々の責務であります。またこうした歴史的遺産は地域の重要な観光資源でもあることから、その魅力を国内外に広く発信することが、地域活性化や観光振興にも大きく寄与するものと考えております。このため現在文化財を所管する教育委員会において、さまざまな形で支援しているところでありますが、今後とも教育委員会はもとより、観光、地域振興などの関係部局が連携、協力し、市町村とも一体となって、その保護と活用にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、インバウンドの目標設定と組織設置についての御質問にお答えをいたします。

 我が県のインバウンドの目標につきましては平成二十六年三月策定の第三期みやぎ観光戦略プランにおいて、目標年であることしの外国人宿泊者数を震災前の水準となる十六万人としており、最新の昨年の速報値から推察いたしますと、十八万人を超える見込みとなりまして、目標を達成する状況にございます。また昨年三月に国において策定した明日の日本を支える観光ビジョンでは平成三十二年に東北の外国人宿泊者数を現在の三倍となる百五十万人とする目標が掲げられたことから、我が県でも国の目標に呼応し、平成三十二年に現在の三倍となる五十万人とする目標を掲げ、東北観光復興対策交付金の活用などにより、積極的に事業を展開しております。更に来年度は国際経済観光局長を新設するほか、訪日客が増加している中国、台湾などのアジア地域に重点を置いて、インバウンドを推進するアジアプロモーション課を設置することとしており、組織一丸となって、まずは五十万人とする目標の達成に向けてしっかりと取り組んでまいります。

 なお、御指摘のありました遠方目標につきましては国のビジョンを参考にしながら、今後の検討課題とさせていただきます。

 次に、仙台国際空港株式会社との意見交換についての御質問にお答えをいたします。

 県と仙台国際空港株式会社では空港利用者の利便性や快適性の向上などについてさまざまなレベルで意見交換を行いながら、東北の空のゲートウエーにふさわしい仙台空港の実現に向けて、ともに取り組んでいるところであります。国際線ラウンジや優先レーンの設置につきましては昨年十二月の意見交換会におきまして、私から社長にお話をしたところ、現在、国内線、国際線ともに保安検査場の混雑が課題となっていることから、当面はその解消に向けて全力を尽くしたいということでございました。また、富裕層向けの国際線ラウンジの整備、また、富裕層向けの優先レーンの設置につきましては将来の需要動向を踏まえて検討していきたいという回答でございました。まだそんなにお金持ちがたくさん来てくださっているわけではないということで、お金持ちにまず来ていただくようにすることから頑張りたいと思います。県といたしましては、今後とも仙台国際空港株式会社と幅広く意見交換を行い、密に連携を図りながら仙台空港の更なる活性化を目指してまいります。

 次に、大綱三点、第五世代量子線がん治療装置導入に向けての御質問のうち、がん対策の強化についてのお尋ねにお答えをいたします。

 我が県の死因の第一位はがんであり、毎年新たに一万四千人以上の方ががんに罹患している状況であり、がん対策は重要な課題であると認識しております。がん医療におきましては県内七カ所にがん診療連携拠点病院を整備し、質の高い放射線療法、化学療法、手術療法、緩和ケアの充実を図るとともに医療従事者の養成に取り組んでおります。また、がんになっても仕事と治療の両立ができるような体制を整備していくことが重要であると認識しており、現在、ハローワークや企業関係者などとがん患者が就労しやすい環境づくりに向け検討を進めているところであります。今後も、がんの死亡率減少はもとより、患者の雇用の継続、がん教育の推進など療養生活の質の維持向上を目指して、がん対策強化に総合的に取り組んでまいる所存でございます。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。

    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱三点目、第五世代量子線がん治療装置導入に向けての御質問のうち、導入に向けた検討についてのお尋ねにお答えいたします。

 第五世代量子線がん治療装置、いわゆる量子メスは現行の重粒子線治療装置の大幅な小型化と建設費の低コスト化を目指して開発されると聞いており、がん死亡率の減少及びがん治療中における生活の質の維持に資するものと期待しております。我が県といたしましては、量子メスを含めた先進技術の活用について、都道府県がん診療連携拠点病院である県立がんセンター及び東北大学病院などの専門家の御意見を伺うとともに、今後の開発の進捗を注視してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、海外販路拡大と県内企業海外進出拡大に向けての御質問のうち、県が直接ビジネスサポートデスクを設置してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。

 東南アジア諸国など新興国では一般に官の力が強いことから、現地政府との折衝を含めたサポート体制を構築することが大変重要であると考えております。このため県では、ベトナムにおいて現地事情に精通し、政府とのネットワークも有する民間会社にアドバイザリー業務を委託し、政府機関の情報収集や県職員がベトナムに出張した際の政府職員との面会のコーディネート等を行うことにより、政府とのパイプづくりを進めております。このほか、東南アジアへのビジネス展開に当たりましてはジェトロを初め七十七銀行のシンガポール事務所、仙台市のタイ・サポートデスクからの支援も可能となっております。

 一方、県が直接海外に事務所を設置する場合には多額の固定経費が発生することから、慎重に検討していく必要があると考えております。県といたしましては、既存のネットワークを有効に活用するとともに、現地政府とのパイプを太くしていくことで、サポート体制を充実してまいります。

 次に、県内企業のベトナム進出を支援するため他県で成果を上げている取り組みを検討してはどうかとの御質問にお答えいたします。

 御指摘のありました埼玉県の事例は県が現地法人に出資してレンタル工場の利用権を確保し、あわせて、法人設立やライセンス取得の手続に当たり、常駐スタッフがサポートするなど、企業のベトナム進出を後押しする興味深い取り組みであると認識しております。

 一方、我が県の製造業については現在、直接投資よりも海外販路拡大の関心が高いことから、アドバイザリー事業を中心に支援しているところでありますが今後、海外進出や海外投資のニーズにも対応できるよう、必要な支援等を検討してまいります。

 次に、教育旅行を中心としたタイビン省を初めとするベトナムとの交流についての御質問にお答えいたします。

 今後、企業間の経済交流や御紹介のありました今回の県議会による調査等をきっかけとして、民間ベースでの我が県とベトナムとの相互交流が盛んになることが期待されます。県といたしましては、関係する企業、団体等の意向や民間交流の進展状況をしっかりと確認しながら、教育旅行を含め、ベトナムとの更なる交流について検討してまいります。

 次に、大綱二点目、インバウンド誘客拡大と仙台空港周辺活性化に向けての御質問のうち、欧、米、豪へのアプローチについてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県の外国人宿泊者数は震災前の水準を回復し、着実に増加しているものの、全国と比較すると依然として厳しい状況が続いております。このため県では、重点市場となる東アジアを中心に誘客活動を展開しており、特に最重点市場となる台湾については教育旅行やインセンティブツアーの誘致を積極的に展開しているほか、昨年七月には現地サポートデスクを設置し、情報発信機能の強化を図り、更なる誘客に取り組んでいるところであります。

 一方、欧、米、豪からの宿泊者数も増加しており、今後有望な市場であると認識しておりますことから、来年度は日本政府観光局の力添えをいただきながら、観光PR動画による動画配信サイトや訪日外国人向けウェブサイト等の活用により、我が県観光の認知度向上を図るほか、東京や北海道に滞在する外国人旅行者を宮城、東北に誘導するため、着地型旅行商品の造成等に取り組むなど、欧、米、豪からの誘客についても積極的に取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱一点目、海外販路拡大と県内企業海外進出拡大に向けてについての御質問のうち、海外販路開拓で山形県と連携を図るべきとのお尋ねにお答えいたします。

 県産品の海外販路の開拓のためには信頼できるバイヤーの発掘、多彩な品目や数量確保、効果的なプロモーションの展開などさまざまな課題があり、こうした課題解決のためには他県と連携して取り組むことが今後ますます重要になってくるものと認識しております。このため、昨年七月に宮城県で実施した海外バイヤー招聘事業では我が県の事業者のみならず、山形県内の事業者にも参加していただくなど、できるところから連携した取り組みを開始したところであります。今後とも山形県と定期的に情報交換を行い、両県の食材の特徴や強みなどを理解し合いながら、輸出対象国の消費者ニーズや輸入規制の状況などを的確に把握して、両県の県産品の輸出拡大につながるような連携した取り組みを段階的に拡充してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱二点目、インバウンド誘客拡大と仙台空港周辺活性化に向けてについての御質問のうち、仙台空港の二次交通の充実に向けたマリーナの整備についてのお尋ねにお答えいたします。

 仙台空港の拠点性を高め、一層の利用促進を図るためには空港と県内及び東北各地の主要都市や観光地とを結ぶ二次交通の充実が重要な課題であると認識しており、現在、県では仙台国際空港株式会社等と連携して、その利便性向上に取り組んでいるところであります。マリーナ整備につきましては一般的に港湾計画において施設を位置づけ、港湾整備事業等により行うこととなり、県では仙台塩釜港塩釜港区などにおいて整備を進めているところでございます。仙台空港周辺でのマリーナ整備は港湾区域への編入や港湾計画への位置づけ、関係機関との協議、漁業者等の理解が必要となること、更に相当な事業費がかかることが予想されますことから、現時点では民間資金の活用を含めて、その実現については難しいものと考えております。

 次に、仙台空港の活性化と海外における情報発信についての御質問にお答えいたします。

 仙台空港を活用し、海外との人的交流の促進を図るためには、インバウンドのみならずアウトバウンドも含めた双方向の交流を拡大する取り組みが重要であると認識しております。県では、職員の海外旅行の意欲を喚起するため、庁内イントラネットなどを活用して、仙台空港の国際線に関する情報の周知を図るとともに、業務においても、新たな航空路線や航路の開設に向けたエアポートセールスやポートセールスのほか、海外旅行博覧会への出展、観光セミナーや商談会の開催など、積極的に海外に出向き、宮城の魅力を情報発信してきたところでございます。今後も引き続き、海外での宮城、東北の認知度向上に向けて、東北各県や関係機関と連携し、我が県の豊かな観光資源や食文化などの情報発信に努めてまいります。

 次に、海外修学旅行支援制度についての御質問にお答えいたします。

 海外修学旅行は生徒が海外の多様な文化や歴史などに直接触れることにより、国際感覚の醸成、海外への関心の向上が期待され、ひいてはアウトバウンドの拡大にもつながる重要な取り組みであると認識しております。仙台空港を活用した教育旅行の促進に向けては県や海外航空会社も参画いたします仙台空港国際化利用促進協議会が主体となって、我が県及び隣県の公立及び私立高等学校等を対象とした海外教育旅行セミナーを開催するとともに、仙台空港からの海外修学旅行を計画する学校等に対しまして現地調査費の助成を実施しているところであります。今後も、教育旅行セミナーの拡充など、海外教育旅行の更なる拡大に向けた取り組みを推進することとしており、こうした取り組みを通じて、仙台空港からのアウトバウンドの促進に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱一点目、海外販路拡大と県内企業海外進出拡大に向けての御質問のうち、タイビン省を初めとしたベトナムとの交流について教育旅行を中心に実施してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。

 今年度、海外での修学旅行や研修旅行を実施した県立高校は、テロ事件等の影響により計画を取りやめた学校もあり、昨年度と同じ八校で、参加生徒数は約五百名でありました。行き先は台湾、グアム、香港、オーストラリア等となっており、今後の海外での実施について、アジアに目を向けて検討している学校もふえております。ベトナムも海外修学旅行先として魅力のある国の一つとは考えておりますが、修学旅行は各学校の教育計画の中で、目的や日程等を定めて実施していることから、一律に行き先を指定することは困難であると考えております。外国の文化や歴史、産業等に直接触れることや交流活動等は生徒の視野を広げる貴重な機会になるものと認識しており、今後もさまざまな機会を捉えて、高校生が積極的に海外に目を向けるよう働きかけてまいります。

 次に、大綱二点目、インバウンド誘客拡大と仙台空港周辺活性化に向けての御質問のうち、県指定文化財等に対する支援の強化についてのお尋ねにお答えいたします。

 県指定文化財については現在、建造物等の修理事業や無形民俗文化財の保持団体の活動など、さまざまな事業に対して計画的に支援を行っております。また、このたび日本遺産認定を受けました「政宗が育んだ“伊達”な文化」の魅力発信推進事業等を通して、情報発信や人材育成等にも積極的に取り組んでいるところであります。今後も、国の補助制度等を効果的に活用しながら、さまざまな支援を進めてまいります。

 次に、公立高校の修学旅行先について、海外も選択肢とするよう県が費用の一部を支援する制度を導入すべきとの御質問にお答えいたします。

 県立高校における海外への修学旅行や研修旅行での経験は生徒たちにとって大変貴重なものと考えております。県教育委員会として海外への修学旅行に対する特別な支援は現在行っておりませんが、高校に対する短期留学や海外の姉妹校との交流への支援、海外勤務、留学等の経験者による語り部の派遣等を実施しております。また、民間団体等が主催する国際交流の機会も増加しており、こうした活動にも生徒たちが積極的に参加しているところであります。県教育委員会としましては、海外への修学旅行に対する支援のあり方についても検討しながら、さまざまな機会を捉えて、子供たちが積極的に海外に目を向けるきっかけづくりに努めてまいります。

 以上でございます。



○副議長(長谷川洋一君) 七番庄田圭佑君。



◆七番(庄田圭佑君) ありがとうございました。

 再質問の時間が限られておりますので三点目の第五世代量子線がん治療装置導入から再質問させていただきます。

 先ほど部長の方からも、がんセンターとか東北大学、そうした専門家の意見を伺って、あと開発動向を注視してまいりたいというお話でございました。私自身、量研機構の方に調査に行ってまいりまして、今回の量子メスでございますけれども、十年後の実用をめどにという話でございますが、先ほど建設コスト五十億円が目標だというお話しをさせていただいたんですけれども、我が県単独で例えば量子メスを導入するとなった場合に五十億円、果たしてそこまで到達するかどうかというのはわからないというのが今の量研機構の見方でございまして、逆に量研機構に伺った際に言われたのは「宮城県さん単独で手をお挙げになるよりも、宮城県さんの方でいろんな都道府県に声をかけて、同時に五つ、六つ、十個ぐらい一緒につくれば、量産すればコストも抑えられてかなり安い値段で放射線治療が受けられる環境ができるんじゃないか」というお話もありましたので、開発動向を注視しながらもそういった他県と一緒に装置をつくっていくというようなことも、ぜひ御検討いただきたいなと思うんですけれども、そのあたりいかがでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 私は素人ですので、どれくらい効果があるものかわかりませんが、今の重粒子線のがん装置に比べると非常にコストが安くできるという、また小型化にもなるだろうというふうに思います。山形大学で重粒子線がん治療装置をこのたび導入することになりました。こういったものの利用頻度、また効果等を見て、状況を見た上でこれは判断をしていかなければいけないだろうと思います。五十億円を切るだろうと、ほかの県にも声がけをしていろんな県で一気に導入すればもっと低コストでという話でありますけれども、まずは重粒子線がどれぐらいの効果があるものなのかということをしっかり調べるところからやっていかなければならないだろう、非常に安くなると言ってもかなり高額になるでしょうから、その辺は慎重によく調べてみたいというふうに思っております。



○副議長(長谷川洋一君) 七番庄田圭佑君。



◆七番(庄田圭佑君) ぜひ調べていただければいただくほどかなり有用な、本当にQOLをかなり毀損することなく、特に治療が終わった後、県立がんセンターの方で咽頭がんの放射線治療を受けられた前今野議員なんかは副作用で唾液が出てこなくなるというようなこともありますので、術後のQOLをかなり損ねているという状況でございます。こういった重粒子線そして量子メスというのは更にそういった負担を軽減するという装置でございますので、これぜひ検討いただきたいなということでございます。重粒子線装置が高額になってるのは各設置したい自治体さん、あるいは大学さんがパッケージ以外にあれもこれもということで、いろんなオプションをつけてオリジナルの設計仕様にしていくもんですから非常に高額になっているという、そんな話もいただきましたので御参考までにでございます。量子線の話はそのぐらいにさせていただきまして、ぜひこれは御検討していただきたいと強くお願いしたいと思います。

 ベトナムのマーケティング関係の話になるんですけれども、知事からも頑張って攻略するというお話ございました。先ほど「毎回出張して現地との意見交換をしている」という答弁でありましたけれども、先般ベトナムに伺ったときに、これは現地の日光ホテルの田中総支配人との中でのお話なんですけれども「出張程度でベトナムに来てもベトナムの環境というのは全然マーケット観ていうのはつかめないよ」と「現地にどっぷりつかって活動しないとベトナムの状況というのはつかめません」とそういうお話でございました。業務委託ということでアドバイザリーデスクがありますけれども、ある程度県の職員が常駐、常駐とまではいかなくても半常駐ぐらいな形でしっかりと、先ほど現地とのパイプも太くなってるというお話もありましたけれども、より強固にしていくために県の職員、できるだけこれ多分長い目での事業になると思いますので、多分若手の県職員が現地の方に長期的に赴任していくような形をとった方がいいんじゃないのかなというふうに思いますけれども、そのあたりいかがでしょうか。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 先ほど部長からも答弁ありましたように、現地で事務所を置くということになりますと、かなり費用がかかります。一回進出いたしますと今度簡単には撤退できないというデメリットもございますので、アドバイザリーデスクを設けまして、今いろいろ情報収集をしております。その上で一歩踏み出すかどうかということを考えていくべきだというふうに思います。現在大連とかソウルに事務所を設けておりますけれども、かなりお金はかかっておりまして、費用対効果ということで果たしていいのかどうかということが常に毎年議論になっているぐらいでございますので、この点についてはよく考えて一歩踏み出す前には相当慎重に考えなければならないだろうというふうに思ってます。

 一方、台湾には観光面ですけれども、同じように出先、向こうの現地の人たちにお手伝いいただいたデスクを設けておりますけれども、非常にいろんな台湾の情報をいただいて、観光客を誘致するのにプラスに働いておりますので、県職員が出て言葉に慣れて現地の人に顔が慣れるまでには二年、三年とかかってしまって、そしたらまたそろそろ戻って来なさいということになりますので、そういったようなことも考えながら、もう少し時間をかけて検討させていただければというふうに思っております。



○副議長(長谷川洋一君) 七番庄田圭佑君。



◆七番(庄田圭佑君) 何も県が今すぐ直接デスクを設けなくても、今既に業務委託をしているフォーバルさんがありますし、例えば七十七銀行さんなんかに県の職員のデスクを一個置かせてもらうとか、そういった対応であれば当然滞在費はかかりますけれども、多分おっしゃってるほど、思った以上にコストはかからない、コストと言うかこれは投資だと思いますので、どういう捉え方をするかによって大分変わってくるかと思いますけれども、そういうことでぜひこれも継続的に検討いただきたいなというふうに思ってます。

 それとインバウンド関係、もう時間ないんで最後になると思うんですけれども、二〇三〇年の遠方目標はこれから検討していく云々ということでありましたけれども、一つこれぜひ、できるだけ早い段階で目標を立てていただくということが、できるだけ目標地点に到達するまで時間があるわけですので、そういった意味でじっくりと取り組みができると思いますので、これはできるだけ早目に、国はもう既に二〇三〇年の数値目標出してるわけですから、これ県としても五十万人、多分百万人とか二百万人とか延べ宿泊者数ということでございますので、一人五泊もすればかなりどっとふえるわけでございますので、早目に目標設定をしていただきたいと思いますが、最後一つお願いいたします。



○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) おっしゃることはよくわかりますが、二〇二〇年の五十万人というのもかなり高い目標です。やっと十八万人、先ほど言ったように昨年十八万人ということでございますから、これを大きく伸ばさなきゃいけません。まずは着実に一歩一歩やっていって二〇年に五十万人達成ができるというのが、だんだんおぼろげながら見えてきた段階で、次の十年に向けて大きく飛躍するためにどうすればいいのかということを考えて数値目標を立てていきたいというふうに思っております。政府の立てております目標というのも確固たるやり方、根拠があるわけではなくて、今の伸び率をそのまま足していったような形だというふうに思いますんで、そういう目標なら簡単なんですけれども、実際つくって「絵に描いた餅」だったということにならないように、まずは二〇二〇年の五十万人を高い目標ですけれども何としても達成して、東北全体で百五十万人、これを達成するように頑張っていきたいというふうに思っております。



○副議長(長谷川洋一君) 暫時休憩いたします。

    午後二時五十九分休憩

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    午後三時三十分再開



○議長(中島源陽君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。二十三番熊谷義彦君。

    〔二十三番 熊谷義彦君登壇〕



◆二十三番(熊谷義彦君) 放射能汚染物の処分についてから御質問に入らせていただきます。

 八千ベクレル以下の汚染物処理について、二十八年十一月三日に突如として市町村長会議において宮城県の方針として混焼焼却処理を全県的に進めることが提案をされました。その後、十二月二十七日の市町村長会議において意見集約をし、六カ月程度の先延ばしをしてきています。この間の問題について知事の見解をお聞きをいたします。

 国は最終処分の方法として、混焼、堆肥化、すき込み、炭化の四種類を最終処分の具体的方法として示し、その方法であれば基本的に加速化支援事業として補助金を支援するとしています。県は現時点では混焼処理を中心に据え、堆肥化、すき込みを認め、検討するとしています。私はこの質問の大前提にあるのが、安全に保管するとの基本方針が忘れ去られているのではないかと思うことであります。更に国は市町村に無理難題を押しつけていると私は思います。金を出す、説明会に出席するだけでは前に進む、あるいは市民合意を得ることは大変難しいと思います。四つの処理方法には、それぞれのメリット、デメリットがあります。どのような処分方法をとろうとも、セシウムなどの放射性物質はなくならないということは明らかであります。県は四つの処理方法を検討し、混焼が最善な処分方法として認めた理由、他の処分方法のデメリットについてどのように評価をしているのか、まずお聞かせをいただきます、お答え願います。

 以下、混焼処分の問題点についてお尋ねします。

 第一に、何故に突如として混焼処分との方針になったのか。国との調整はどのように協議されてきたのか明らかにされたいと思います。国が宮城県に方針を押しつけてきたのかとも思いますがいかがでしょうか。

 国として八千ベクレル以下は市町村処分との方針が示されていますが、各自治体の対応は大変な困難性を抱えています。一般廃棄物の焼却施設、最終処分場を設置するにしても迷惑施設との思いから、住民合意を得ることに多大な時間と労力をかけて設置をしているのが現実であります。その中で、住民合意の中で、安全協定、覚書など、文書協定をしている多くの自治体があります。県はこうした実状、課題があることを承知をしていながらも、何故に混焼処分を押しつけるのか明らかにされたいと思います。

 第二に、現在の保管状況について、県内的にどのようになっているのかお聞かせください。ラッピングされあるいは再ラッピングを施して、保管されているのでしょうか。集中管理、分散管理、まずもってきちんと保管をし管理をすることが大前提だと思いますがいかがでしょうか。

 第三に、個々の私有地、公有地に保管をされている以上、保管料、迷惑料的なものとして損害賠償請求の対象となり得ると思いますが、県の判断はいかがでしょうか。

 第四に、県方針のもと、混焼、焼却処分をする場合は県として統一した安全協定を結ぶ覚悟はあるのかどうかお聞かせをいただきます。

 第五に、他県で混焼している事例は福島、岩手以外ではどのようになっているのでしょうか。何故に宮城県が先行してやらなければいけないのでしょうか。この問題にしても国、東京電力の姿がほとんど見られないことは残念でなりません。特に、東京電力の発生者責任が不明確なままで推移をしていることは極めて残念でなりません。

 第六に、県として混焼処理を推進する以上、県として仮設の焼却処分場を設けることは検討したのでしょうか。検討したとすれば、何故に断念したのか。検討しなかったとすれば、その理由をお聞かせください。

 第七に、国は最終処分にかかわる加速化、支援事業においてペレット化、圧縮をして保管をする方法については除外をしていますが、その理由は何なのでしょうか。

 一番現時点で安全なのはペレット化し集中管理をするということだと思われますが、多くの課題がある最終処分には金は出すが一番安全と思われる手法には金を出さないのは余りにも理不尽であると思いますがお聞かせをいただきます。

 私は前回質問で、指定廃棄物処分についてペレット化しコンクリート建屋で安全に管理することを求めました。八千ベクレル以下についても基本はそうすべきと考えますが、経費、財源も含めて他の処分方法でどの程度の必要予算額、経費の違いがあると判断されているのでしょうかお尋ねをいたします。

 次に、測定結果の疑問についてですが、牧草ワンロールから数カ所採取し、検査し数値を公表しているわけでありますが、あくまでも推定値であると理解していいのかどうかお伺いをいたします。

 推定値である以上、濃度の高いものも含まれていると判断していいのでしょうか、お尋ねをいたします。

 また、未指定廃棄物について、八千ベクレル超は五百七十三トン、八千ベクレル以下は千九百六十六トンと推計しています。この未指定廃棄物は県内の自治体数で聞くところによれば十四自治体というふうに聞いていますが、それを確認させていただきます。栗原市のように、指定廃棄物としては申請していないが、県として厳重に管理している未指定廃棄物もあります。申請、解除するにしても、基本は市町村自治体ですべきとは思いますが、栗原の例については県としてどのようにすべきなのでしょうかお尋ねをいたします。

 解除申請は市町村が行い、国と協議の上で解除できるとなっています。今回、未指定廃棄物を混焼対象とすることは県として解除申請をするとの意思表示なのでしょうか。混焼対象に最初から未指定廃棄物を組み込むこと自体が誤っているのではないでしょうか。具体的に栗原市の例についてどのようにしたいのかお答えください。

 私は栗原市の未指定廃棄物保管は県内でも極めて先進的な取り組みであり、県当局には大変感謝をしております。

 次に、八千ベクレル以下廃棄物中七十七トンが指定廃棄物と認めていますが、この取り扱いはどのようにする考えなのでしょうか。市町村に七十七トン分を指定廃棄物申請をさせるのかどうか明確にお答えください。

 次に、指定廃棄物、三千四百四トン中二千三百十四トンが八千ベクレル以下とされていますが、この処理、対策はいかにするのでしょうか。まさか、八千ベクレル以下だから、混焼対象だというのでしょうか。ここにも混焼処分の裏の顔、本質が隠されているのではないかと思います。県は指定廃棄物中八千ベクレル以下は全体として混焼処分にすべきと考えなのでしょうか。国の考えは現時点でどのようになっているのでしょうかお答えをいただきます。

 次に、焼却時の問題です。

 県内には三種類の焼却施設があり、型式にバグフィルターの違いもあります。主灰と飛灰をバイオバグフィルターを使うことによって、九九・九%のセシウムを捕捉できるとしています。国はしています。よって煙突から放射能が漏れ出ることはないとしています。九九・九%安全との科学的根拠をお示しください。

 福島、岩手での安全性にも疑問が出ている中で、何故に九九%論を理論的根拠にするのか明確にお答えください。

 また、焼却炉の型式によっても主灰時点、飛灰時点での汚染度が異なるとの指摘があります、明確にお答えください。

 専門的研究者の中には六〇%から七〇%のバグフィルターの捕捉率を訴える方もいますが、県はこの見解をどのように考えているのでしょうか、お答えをいただきます。

 混焼した場合主灰の処理はどのようにすべきと考えているのでしょうか、飛灰の処理はどのようにすべきと考えているのかもお答えをいただきます。

 混焼した場合、灰は管理型最終処分場で処分することになりますが、その手法では粘土質の土砂又はベントナイト覆土をするのでしょうか。どのように隔離層を設けるのでしょうか。何を覆土するかによっても、時間的差異はでてきますが、いずれセシウムは溶出してくると思われます。管理型最終処分場での放射性物質の溶出限度値、基準値はどのようになっているんでしょうかお答えください。

 安定化するまで長期間の管理が必要となってきますが、どの程度の管理期間が必要とされるのかお答えください。

 次に、混焼し、主灰、飛灰の焼却灰は一般廃棄物最終処分場に埋め立てるとしています。当然のごとく、管理責任は市町村になりますが、事故時の責任は誰が負うのでしょうか。地域住民との安全協定は県も入って結ぶ覚悟はあるのでしょうか。一般廃棄物最終処分場が閉鎖をされた以降の管理は何年程度管理をする必要があると考えているんでしょうかお尋ねをいたします。

 また、低い濃度のものから焼却する方針は安全性をアピールして焼却を更に強め、進められると思われますが、ロールの中には高いものと低いものが混在すると思われ、焼却以前に作業員の方が一つ一つ混在しているものを計測して裁断して焼却路に入れなさいということでしょうか。作業員の方の安全確保についてはどのようにするのかお答えください。

 混焼割合は一関市の場合でも十対一の割合で混焼されており、濃度によっては二十対一の割合で混焼も想定されることになります。基本的に、最終処分場に運ぶ焼却灰については何ベクレル以下にすべきと考えているのでしょうか。八千ベクレル以下の焼却灰であれば、幾らの数値であってもよしとするのでしょうか、お答えください。

 更に、焼却炉内、バグフィルターは混焼によって大変な汚染状況になると思われますが、この処理は誰の責任と負担でどのようにやられるのでしょうか、お答えください。

 私が出席をしたこの問題の住民説明会で環境省廃棄物リサイクル対策部の資料が配布されました。その資料の中に八千ベクレル基準の考え方として廃棄物処理のシナリオ評価の結果が出されています。この中に作業者、一般公衆の区別があり、焼却施設周辺住民の一般公衆は何と五百五十万ベクレルまでは許容範囲との数字が出てきます。驚きました。それ以外にも余りにも大きな数字の表現に茫然としてしまいました。一体、この数字は何を根拠にして出された資料なのか。本当に安全なのか、市民の方から説明を求められても答えられない場面もあり、国への不信が更に深まるものでした。これからも種々の数字が出てきますが、具体的にわかりやすく説明することが求められます。この数字は本当に明確な根拠を持ったものなのか、安全なのか答弁願います。

 次に、混焼した場合の風評被害についてどのように考えているのでしょうか。市町村で処分したので県は風評被害、仮に健康被害が出ても市町村責任と考えているのでしょうかお答えください。

 風評被害対策についても明確にお答えください。

 次に、堆肥化処分をした場合、十アール当たり二トンを目安に処分を認めるとしていますが、何故に現時点まで国、県の指導方針を出してこなかったのでしょうか。前から県内自治体で堆肥化処分を検討している自治体があったことは県も知っており、余りにも混焼処分しか道はないとの誘導策としか見えないのですが、事前指導がおくれた理由を明らかにしていただきたいと思います。県内自治体としっかりと連携をして、課題を示して解決をすることこそ県に求められているのではないでしょうか。今後に向けておくれることのないように課題整理をすべきではないでしょうか、お答えください。

 堆肥化、すき込みの問題点もあります。特定一般廃棄物に法的に変わりはないものを本来は廃棄物処理法に基づき処分すべきものを処分先の確保が難しいことで、農林水産省が生産圃場へのすき込みを認めているものであり、当然環境への二次汚染も心配されます。県は、セシウム濃度四百ベクレル以下のものを生産圃場へのすき込み処分を推奨していますがクリアランスレベルまで、百ベクレルまでどのような方法で確認をすべきと考えているのでしょうか、お答えください。

 一律に処分を加速化するのではなく、安全に処分可能なレベルまでは保管し、濃度が減衰したものから時間をかけて順次処分をすることが最善ではないかと思います。堆肥化する場合は、クリアランスレベル百ベクレルまで下げた堆肥を製造する。その後特殊肥料としての届け出を行い、芝生、花など非食品の土壌にすき込む、又は国、県などの公共事業の道路のり面、海岸防災林等への土壌改良剤として利用できるのではないでしょうか。これは提言をいたしますが、いかがでしょうか。

 あわせて、環境省資料住民説明会用の中で、福島県鮫川村について指定廃棄物処理が終了したとなっています。鮫川村については皆さんも御存じのように、住民合意もなく、指定廃棄物焼却処分の実験焼却を行ったところであり、爆発事故を起こしているところです。何事もなかったかのように表示をすることは県民への愚弄であり、極めて問題があります。一体、鮫川村で何が原因で爆発事故が起き、放射能が周辺にどのように降下したのか、その対策は何が行われたのか、お聞かせください。

 他県のことだから知りませんでは済まないと思います。知事は「この問題に関連し、一つの自治体、一つの焼却場が協力できないなら全員で立ちどまりたい」「この問題でのごね得は許さない」とも発言したと聞いています。市町村、県民にとって知事は権力者的側面を持っていることを知っています。この発言の真意、誰に向かってごね得と称しているのか、お聞かせください。

 私は発言は撤回した方がいいのではないかと思いますが、お尋ねをいたします。

 どのような処分をとっても大きな課題があり、リスク評価を行い、より安全な処分に向けて、住民合意を得るための努力を続けていかなければなりません。

 この問題の最後に、汚染廃棄物の処理費用にかかわる経費については本来、公害防止事業費事業者負担法で汚染者負担の原則が定められています。具体的には環境の汚染者は汚染の防除費用、環境の再生費用及び被害者救済費用を負担することが法的に定められています。何故にこの法律が適用されないのでしょうか。特措法があるからではなく公害企業を明確に謝罪、断罪すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 この放射能汚染の問題については私も含めて多くの方々が悩み苦しんでいます。知事は県民の側に寄り添って、国、東京電力に発言することを強く求めます。知事、県として四つの処分方法に加えてペレット管理を合わせて実証実験することはできないのでしょうか。実証実験は県内先行している自治体もあります。協力して、考え得る処分方法を国からの費用で、さまざまな分野からの専門家を交えて実証実験をしてみる価値はあるのではないでしょうか。このことによって何が現時点で最善の方法なのかも明らかになるのではないでしょうか、お尋ねをいたします。

 農業問題について移ります。

 農政をめぐる現状について触れます。政府は日本再興戦略改定二〇一四とTPP発効を見据え、規制緩和を進めつつ農業を成長戦略の重要な柱と位置づけ、競争力強化を図るためとして改革を推し進めています。私にとっては改悪であります。主な農林水産業の展開としては農地集積を担う農地中間管理機構の整備、生産調整の見直しなどの農政改革、農林漁業成長産業化ファンド等による六次産業化などです。安倍政権の農政改革をめぐる議論を見れば、その背景にTPP発効後の対応を前提とした政策が鮮明となってきています。また、官邸主導の産業競争力会議からの圧力が農業政策のみならず国民生活に影響を及ぼす施策を競争力強化を図るという名のもとに、これまでにない政治運営が推し進められているのではないでしょうか。このような中、昨年十一月二十九日、農林水産業・地域の活力本部により農業競争力強化プログラムが決定をされました。この強化プログラムは農業者の所得向上を図るため自由に経営展開、構造的な問題解決を柱とした内容となっていますが、持続可能な農業振興や食料自給率の向上にも影響を及ぼすものであります。農林水産省縮小解体論、農協縮小解体論などが巷間言われてきており、極めて危険な動きとなっているのではないでしょうか。平成二十九年産米の都道府県別の生産数量目標が示されています。全国の生産数量目標は七百三十五万トンに決定され、今年産米で八万トン、率にして一・一%減少し、目標が前年を下回るのは八年連続になっています。また国では都道府県段階で自主的に需要に応じた生産判断を促すため、平成二十七年度から生産数量目標とあわせて自主的取り組み参考値を設定し、各都道府県に提示しています。県農林水産部資料を見ると平成二十八年度末で県目標を上回る三十五万二千三百トンとなり、九千二百五十トンの増収となっています。

 第一に、国目標を下回る生産目標を設定しながらも、増収となった原因は一体何なのか。各都道府県において約束を守らない自治体があるのではないか、約束を守らない自治体に対して国の施策はどのようになっているのか、お聞かせください。

 農業政策での米をつくる自由、売る自由の理念のもと、法的拘束性がなくなり、生産数量管理が極めて難しくなっているのではないでしょうか。国は都道府県別の生産数量目標配分は平成二十九年度限りとしており、県は宮城県水田農業振興会議に諮問して年度内に方針の結論を待つとしています。そもそも、国は数値は示すが三十年から目標管理はしない。県が示す数量目標も法的拘束性がない中でどのように農業者への理解を求めるのでしょうか。一定のルールもなしにつくる自由、売る自由を認めることは大変な混乱を招くものとなります。正直者が損をするのでは困ります。農業者、農業地帯への更なる疲弊を生じると思われますが、どのようにお考えでしょうか。

 県は国に対し、明確に誤った農政に対し、転換を求めるべきだと私は思います。平成三十年からの農業政策も大幅に改悪されようともしています。第一に、米の直接支払交付金十アール七千五百円すら廃止をすることであります。米価が生産費を下回る水準で多くの農家がこれでは農業を続けられないと悲鳴を上げています。農業者戸別所得補償制度から経営所得安定対策へと切りかわり、再生産できない農業が現実課題です。再生産できない農業では後継者が生まれないのは当然であります。政府が進める農地集積、大規模化、効率化も低米価ではいずれ大規模農業も破綻をしてしまうのではないでしょうか。米農家の再生産、地域経済を考えても戸別所得補償制度の復活を強く求めるものであります。十アール七千五百円がなくなった場合、どのような影響が出てくると考えているのでしょうか、お尋ねをいたします。

 農林水産省資料を見ても、残念でならないのは食料自給率確保ということがなくなっていることもあります。中身はありません。食料自給率向上へどのように取り組むのかお尋ねをいたします。

 次に、国、県はいつから三十年度以降の米政策変更の地域説明会をする考えなのでしょうか。誤った農政でも説明責任はあります。今後の見通しをお聞きをいたします。

 平成三十年は多分、日本農業史の中で日本農政が新自由主義に屈服した年と称されるものでありましょう。それでも、日本農業の未来を信じ、頑張り続ける農業者もいらっしゃいます。私はその方々にしっかりと寄り添いたいと思います。あと四分しかありませんので、あとは走ります。

 知事古い話ですが、去年の八月に築館高校にトイレ掃除に来ていただきましてありがとうございました。そのボランティアの精神とは、トイレ掃除をする知事の思いとは一体何なのでしょうか。後援会長さんが会長だから行ったのでしょうか、そうではないという思いをお聞かせをいただければありがたいというふうに思います。

 以上、壇上からの質問とさせていただきます。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 熊谷義彦議員の一般質問にお答えいたします。非常に多岐にわたっておりますので簡潔に答弁いたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、放射能汚染物の処分についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、混焼処分を打ち出した理由と国の協議経過についてのお尋ねにお答えをいたします。

 廃棄物処理施設は県民の生活にとって必要不可欠な施設である一方、いわゆる迷惑施設とされてしまうことも多く、各自治体において施設の設置運営に日ごろから御苦労されていることは十分承知しております。しかしながら、汚染廃棄物の一時保管の解消と速やかな処理が必要であり、県内自治体が置かれている状況を踏まえて検討した結果、県といたしましては、混焼による広域処理が最適と判断したものでございます。国には放射能濃度の測定や八千ベクレル以下の汚染廃棄物の処理について必要な財政的、技術的支援を行うよう要望してきたところでありますが、処理方針等の内容につきましては国と協議して定めたものではなく、あくまでも県として独自判断したものでございます。

 次に、仮設焼却処分場の設置についての御質問にお答えをいたします。

 県の処理方針案を検討する過程において、県が仮設焼却炉を設置して処理することも含め検討いたしましたが、設置場所の選定など、施設の新規設置には相当の時間を要するものと考えられること、県内自治体が設置している既存施設の活用でも比較的短期間での処理が見込めることから、今回の既存施設の活用による処理方針案を御提案したものでございます。

 次に、八千ベクレル以下の指定廃棄物に対する県の考え方と国の方針についての御質問にお答えをいたします。

 国は指定廃棄物の最終処分場を県内に設置する方針を変えておりませんが、昨年三月に開催した第九回市町村長会議において、八千ベクレルを下回っている廃棄物は通常の処理方法で安全に処理することが可能であることから、指定解除の仕組みも活用しつつ自治体や一時保管者などと協議をしながら、処理できるものから順次進めるという考え方を示しました。しかしながら県内の指定廃棄物の処理については今後、市町村長会議の場で改めて議論することとしておりますので、県といたしましては、市町村長の御意見をよく伺いながら、処理に向けた方向性を定めてまいります。

 次に、一つの自治体でも協力できないなら全員で立ちどまるなどの私の発言の真意についての御質問にお答えをいたします。

 昨年十一月の市町村長会議の際、県内全ての自治体が協力した形で混焼による広域処理を行うことを提案いたしました。この問題については早く処理しなければならないという各市町村長の思いは一緒でも、実際に処理を進めようということになれば必ず批判を受けることが予想されましたので、あの場に集まった首長と私が一致団結して痛みを分かち合いながら、皆で進めていきましょうということを申し上げたつもりでございますので、御理解いただきたいと思います。

 次に、大綱二点目、農業問題についての御質問のうち、生産数量の目標についてのお尋ねにお答えをいたします。

 我が県における平成二十八年産米の主食用米の作付面積は六万三千六百ヘクタールとなり、生産数量目標六万四千七百三十ヘクタールを千百三十ヘクタール、率にして一・七%下回りましたが我が県の作況指数が百五となったことから、最終的に生産量は目標を上回る結果となっております。また生産数量目標の達成に向け、国では水田活用の直接支払交付金等により、飼料用米などの戦略作物への誘導、定着を支援するとともに、生産数量目標の超過が見込まれる都道府県に対しましては需要に応じた生産がなされるよう、農林水産省幹部が直接訪問し、働きかけが行われております。県といたしましては、主食用米の全国の需給バランスが確保されるよう、国の積極的な関与について引き続き要望してまいります。

 次に、大綱三点目、私のボランティア精神についての御質問にお答えをいたします。

 トイレ清掃につきましては他人のためのボランティアで行っているものではなく、あくまでも自分の心を磨く修行の場として取り組んでいるものであります。トイレ清掃を通じた自分のためという志を持つ方々との出会いは人間を成長させる上でも大切な時間であると考えております。今後とも、公共施設はもとより私自身が私の知事室のトイレを清掃することで、政治活動に必要とされる謙虚な気持ちと細やかな気配りができる人間になれるように努力してまいりたいと考えております。私の後援会長が掃除の会の会長をやっているからといったわけではございません。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 環境生活部長佐野好昭君。

    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕



◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱一点目、放射能汚染物の処分についての御質問のうち、混焼が最善とした理由と他の処理方法のデメリットについてのお尋ねにお答えいたします。

 県では処理方針案を提案するに当たり、焼却のほか、ペレット化、圧縮成型、炭化、熱分解等について検討を行っております。検討した処理方法は、いずれも減容化という点で一定の効果があるものと考えておりますが、一時保管を解消するためには単なる減容化ではなく最終処分までを見据える必要があることや約三万六千トンにも上る廃棄物を安全に迅速にかつ大量に処理する必要があることから、県内自治体が保有する焼却施設を活用し、混焼によって処理を進めることが最適と考えたものでございます。また、堆肥化やすき込み、林地還元については暫定許容値の範囲内であれば利用先が確保できる範囲内において十分実施可能と考えており、市町村が独自に取り組むことも可能としたところです。その他の処理方法については既存施設がほとんどなく、大規模な施設を新たに設置することが困難であることや処理残渣や排ガスの処理、減容化した後の最終処分をどうするのかといった課題があるものと考えております。

 次に、県として統一した安全協定を結ぶべきとの御質問にお答えします。

 廃棄物処理施設が所在する地域の住民との間で新たな安全協定等を締結するかどうかについては、その必要性も含めて、処理主体である市町村や一部事務組合において判断されるべきであり、県として統一した安全協定を締結する必要はないものと考えております。

 次に、他県での混焼事例についての御質問にお答えいたします。

 福島県や岩手県が環境省の農林業系廃棄物の処理加速化事業を活用し、現在、農林業系廃棄物の焼却処理を進めていることは伺っておりますが、その他の事例については把握しておりません。県といたしましては、既に県内外で実績がある混焼により一刻も早く一時保管されている農林業系廃棄物の処理を進め、保管者の負担を解消する必要があると考え、昨年十一月の市町村長会議で県の処理方針案として御提案したものであります。

 次に、ペレット化が除外されている理由についての御質問にお答えいたします。

 環境省の農林業系廃棄物の処理加速化事業では、補助対象となる事業について処理の方法による制限はありませんが、自治体による早期の最終処分を促すことを目的とした事業であるため、最終処分を行わずに保管のみを継続するための事業については補助対象にならないものと伺っております。

 次に、ペレット化しコンクリート建屋で管理すべきとの御質問にお答えいたします。

 ペレット化ついては廃棄物の減容化により保管しやすくなる利点がありますが、そもそも八千ベクレル以下のものについては通常の処理方法によって安全に処理できるものですので、保管を継続するのではなく、早期に適正な処分を行うべきと考えております。

 なお、これまでのところ、県内自治体からペレット化に取り組みたいという相談はございませんので、具体的にどの程度の経費を要するかについては検討しておりません。

 次に、測定結果は推定値と理解してよいか、また濃度が高いものが含まれる場合もあるのかとの御質問にお答えいたします。

 国及び県が実施した放射能濃度の測定は指定廃棄物の申請の際に用いられる汚染状況の調査方法に準じて行ったものです。具体的には汚染状態がおおむね同一と見られる単位を一つの調査単位とした上で、放射性セシウム濃度を測定するものでございます。一つの調査単位の中では汚染の状態は必ずしも均一とは限らず、濃度の高いものや低いものが含まれる可能性はありますが、無作為の十カ所以上から採取した試料を混合し、測定しておりますので、測定結果は当該廃棄物の平均的な汚染状態をあらわしているものと考えております。

 次に、未指定廃棄物を保管する市町村数と未指定廃棄物を混焼処理の対象とするのは誤りではないかとの御質問にお答えいたします。

 八千ベクレルを超えていると思われながら指定申請をしていなかった、いわゆる未指定廃棄物は県内十四市町で一時保管されております。指定廃棄物となっていないものについては、その放射能濃度にかかわらず、法律上、通常の廃棄物と扱われることとされており、稲わらや牧草などの農林業系廃棄物は一般廃棄物として市町村の責任で処理する必要があります。県の処理方針案では指定廃棄物以外で、八千ベクレル以下であることが確認されたものを処理対象としたものでございます。

 次に、八千ベクレルを超えた廃棄物の取り扱いについての御質問にお答えいたします。

 県といたしましては、八千ベクレルを超える廃棄物は指定廃棄物とするように申請していただくことが基本になるものと考えており、昨年十一月の市町村長会議でもそのように御説明したところです。

 次に、バグフィルターの捕捉率についての御質問にお答えいたします。

 汚染廃棄物の焼却を行っている焼却施設において、バグフィルターの入り口と出口における放射性セシウム濃度を実際に測定したデータにより、焼却炉の形式によらず、放射性セシウムがおおむね九九・九%以上除去されていることが国により確認されております。また、物質収支と言われる手法により、バグフィルターによる放射性セシウムの除去率を検討した論文があることは承知しておりますが、国では当該論文が発表された後も見解を変えておりませんので、県といたしましても、バグフィルターが極めて高い除去性能を有しているものと考えております。

 次に、混焼時の主灰と飛灰の処理と管理型最終処分場での埋め立て方法、放射性物質の基準値や管理期間についての御質問にお答えいたします。

 混焼によって生じた主灰や飛灰は通常の焼却灰と同様に、管理型最終処分場で埋立処分することになります。最終処分場からの放射性セシウムの流出を防止するため、下部土壌層を設置した上で層状に埋め立てを行い、埋め立て終了後は上部に不透水層を設置するなどの措置を講じる必要があるものと考えておりますが、覆土の材質、厚さなどの具体的な埋め立て方法については各設置主体が判断することになります。主灰や飛灰からの放射性セシウムの溶出に基準値はありませんが、最終処分場からの放流水には基準値が定められており、一リットル当たりの放射性セシウム濃度の三カ月間の平均値の限度はセシウム134だけなら六十ベクレル、セシウム137だけなら九十ベクレルとされております。実際には両者が混在しておりますので、それぞれ六十ベクレル、九十ベクレルを分母とした場合の割合の和が一を超えないように管理することとされております。

 なお、施設によって状況が異なることなどから、安定化するまでの管理期間を予測することは難しいものと考えております。

 次に、最終処分場における事故発生時の責任と安全協定、閉鎖後の管理期間についての御質問にお答えいたします。

 一般廃棄物最終処分場の管理責任は施設設置者である市町村又は一部事務組合にあり、事故が発生した場合の責任についても、事故の原因にもよりますが、基本的には同様と考えております。また、八千ベクレル以下の汚染廃棄物の処理に当たって、県として安全協定を締結する必要はないものと考えております。

 なお、埋め立て終了後、安定化するまでの管理期間についても予測することは難しいものと考えております。

 次に、濃度が混在している汚染廃棄物の焼却方法と作業員の安全確保、焼却灰の放射性物質濃度についての御質問にお答えいたします。

 県の提案で処理対象としている廃棄物を焼却する場合には既に国と県で放射能濃度を測定し、調査単位ごとの平均的な濃度を把握しておりますので、これに基づいて安全性を確保しながら処理を進めていくことになるものと考えております。今回の処理対象は八千ベクレル以下のものとしており、加えて、実際の濃度はかなり低いものが多いので、仮に一部に濃度の高いものが混在していたとしても、作業員の安全性を確保していく上での影響は少ないものと考えております。実際に混焼処理を行うことになった場合には念のため、空間放射線量率を測定するなど、具体的な作業手順について、他県での事例も参考にしながら示してまいりたいと考えております。焼却灰中の放射性セシウム濃度については八千ベクレル以下であれば、通常の処理方法によって安全処理できるものですが、実際にどの程度とするのかについては現時点では決まっておりません。

 次に、混焼した際の焼却炉やバグフィルターの処理についての御質問にお答えいたします。

 排ガスが冷却されることにより放射性セシウムはばいじんと一緒に固体化しますが、基本的にはバグフィルターによって捕集された後、定期的に払い落とされ、最終処分場へ搬出されることになります。焼却炉の内壁やバグフィルターには放射性セシウムがある程度残留することも想定されますが、これらについては通常の維持管理等の中で、焼却施設の設置者等により適切に処理されることになるものと考えております。

 次に、住民説明会で国が配布した資料の数値の妥当性と安全性についての御質問にお答えいたします。

 国が指定廃棄物の基準を設定した際の根拠となったシナリオ評価は廃棄物処理の各工程において合理的に想定される被曝経路を設定し、最も厳しいシナリオを用いて安全評価を行ったものと伺っております。この評価においては追加被曝線量が年間一ミリシーベルトを超えないようにすることなどを前提として取り扱う廃棄物の放射能濃度の上限が検討されており、シナリオ評価の中で最も被曝リスクが高い脱水汚泥等の埋立作業従事者にとっては一キログラム当たり八千九百ベクレルまで許容されることが示されております。国ではこうした安全評価などをもとに、災害廃棄物安全評価検討会での有識者による議論や放射線審議会への諮問を経て、指定廃棄物の基準を八千ベクレルに設定したものと伺っており、住民説明会で国が示した数値は妥当なものであると考えております。

 次に、混焼による風評被害の想定と対策、健康被害が生じた場合の責任についての御質問にお答えいたします。

 今回の処理対象である八千ベクレル以下の廃棄物は通常の処理方法によって安全に処理できるものですので、健康被害が発生する可能性は極めて低いものと考えておりますが、風評被害はさまざまな要因で発生するものであり、予測することは難しいと考えております。風評被害をできる限り発生させないようにするためには、しっかりとモニタリングを行い、その結果をわかりやすい形で公表することにより、処理の安全性について理解を深めていくことが重要と考えております。

 次に、福島県鮫川村の仮設焼却施設における事故についての御質問にお答えいたします。

 平成二十五年八月に、環境省の仮設焼却施設で主灰コンベアが破損した事故については運転マニュアルに反し焼却炉と主灰コンベアの間を遮断するゲートを開けたまま運転したことにより、こぼれ落ちた主灰から発生した可燃性ガスが閉鎖空間に滞留し着火したことが原因とされております。この事故による敷地境界の空間放射線量率の上昇は見られず、作業員の被曝もなかったとのことであり、作業員の教育訓練等を実施した上で、平成二十六年三月から運転を再開し、平成二十七年七月に処理が終了したと伺っております。

 次に、汚染者負担の原則と東京電力の責任についての御質問にお答えいたします。

 福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性物質による環境の汚染に対処するため、平成二十三年八月、議員立法により放射性物質汚染対処特措法が制定され、国や自治体によって汚染廃棄物の処理や除染等の措置を行うこととされました。特措法に基づいて講じられる措置については同法第四十四条により放射性物質を放出した東京電力の負担のもとで実施されることとされており、原発事故の原因企業である東京電力の責任がより明確にされたものと理解しております。

 なお、これまで東京電力から原発事故により県民が受けた被害に対して、たびたび謝罪の意があらわされているところですが、今後とも、汚染の原因者としての立場を認識し、しっかりと責任を果たすよう求めてまいります。

 次に、ペレット管理の実証実験を行うべきとの御質問にお答えいたします。

 ペレット化を行って保管を継続することについては先ほどもお答えいたしましたが、そもそも八千ベクレル以下の廃棄物は通常の処理方法によって安全に処理できるものですので、早期に適正な処分を行うべきと考えております。したがいまして、県として実証実験を行う予定はございませんので、御理解を願います。

 私からは、以上でございます。



○議長(中島源陽君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱一点目、放射能汚染物の処分についての御質問のうち、汚染牧草等の保管状況と今後の対策についてのお尋ねにお答えいたします。

 汚染稲わらは十八市町にあり、ラップ等で被覆されたものがそれぞれの一時保管ハウスなどで保管されています。指定廃棄物として国が管理している三市町を除いては県が主体となり、定期的な点検や必要に応じた補修を行っております。汚染牧草は十九市町村においてラップ等で被覆された状態で保管されています。このうち七市町では集中保管されており、その他の市町村では生産者が個別保管しております。また、生産者が保管している八市町については東電賠償により再ラップやシート被覆等を実施しております。県といたしましては、今後とも市町村と連携し、国の支援事業や東電賠償の活用により、適正な管理が行われるよう支援に努めてまいります。

 次に、汚染牧草等の保管に伴う損害賠償請求についての御質問にお答えいたします。

 汚染牧草等の保管に伴う損害賠償請求について東京電力ホールディングス株式会社に確認したところ、土地占有に伴い収入が減少した場合は損害賠償請求の対象となり得るとのことですが、いわゆる保管料や迷惑料については支払いの対象とはなっておりません。

 なお、賠償請求への対応は損害の状況について個別に確認しながら協議していくとのことです。県といたしましては、保管者から賠償に関する相談などが寄せられた場合には東京電力との交渉が円滑に行われるよう情報提供などの支援に努めてまいります。

 次に、廃棄物を県が管理している場合の対応についての御質問にお答えいたします。

 未指定廃棄物として、一時保管ハウスに保管されている汚染稲わらは栗原市とともに保管場所の選定や調整を行い、住民説明会を開催した上で、県がハウスを設置し、栗原市とともに管理をしています。このような経緯から、汚染稲わらの指定廃棄物申請については既に指定を受けている市町と同様に栗原市が行うものと考えております。

 次に、堆肥化処理における堆肥利用の指導方針についての御質問にお答えいたします。

 堆肥の利用については施用後作物生育に影響を及ぼさず、農地土壌中の窒素等が過剰にならないようにすることが前提です。農林水産省に確認したところ各作物ごとの栽培指針の施用基準等に基づき施用を行うようにとの指導があり、また、暫定許容値設定のシミュレーションが十アール当たり年間二トンであったことから、この量を目安として市町村担当者会議でお示ししたところです。これは通常の堆肥利用と大きく異なるものではなく、市町村の判断で堆肥化処理に取り組むに当たり、堆肥の利用を適切かつ円滑に進めていただくために改めてお示ししたものであります。

 なお、堆肥化処理は還元農地や利用先の確保が課題であり、これらの見通しを立てた上で取り組むことについて市町村と認識を共有し、処理を進めてまいりたいと考えております。

 次に、汚染牧草等を農地へすき込んだ場合の安全性についての御質問にお答えいたします。

 農林水産省では肥料、土壌改良資材、培土に関する暫定許容値の設定に当たっては農地土壌の汚染を防ぎ、食品衛生法上問題のない農畜産物を生産することを前提に、基準をつくりました。このため、一キログラム当たり四百ベクレルという基準を満たせば、その肥料等を長期施用し続けても、農地土壌の安全性は確保されると確認されているものと考えております。また、生産された農産物については検査を行い、安全性を確認してまいります。

 次に、非食品作物の生産や公共事業への活用についての御質問にお答えいたします。

 放射能濃度は時間の経過とともに低減し、半減期が約二年と短いセシウム134は急激に減少しています。しかし、ある程度の期間が過ぎると半減期が約三十年のセシウム137がほとんどを占め、長期にわたって保管を継続しても、放射能濃度が大きく低減することはありません。このため、処理できる体制が整い次第、処理を行う必要があると認識しております。堆肥利用については農林水産省の通知に従い、暫定許容値一キログラム当たり四百ベクレル以下に調整した堆肥を農地に還元施用することを基本に考えております。御提案のありました芝生等の非食品作物の生産や道路のり面等公共事業での活用については需要や利用条件等が整えば利用の可能性はあるものと考えております。

 次に、大綱二点目、農業問題についての御質問のうち、米の生産や売買の自由化についてのお尋ねにお答えいたします。

 国は平成二十五年十二月に米政策を見直し、平成三十年産以降は行政による生産数量目標に頼らないで、生産にかかわる農業者や集荷業者、団体が中心となって、需要に応じた生産を行うこととしました。県では主食用米の需給と価格の安定を図るために、国の関与と実効性のある推進体制の構築などについて要望してきたところです。更に、国による生産数量目標の配分が廃止されることに対して、地域農業再生協議会や農業者からは安心して農業経営を継続するための仕組みづくりが強く求められたところです。そのため県では平成二十七年十一月に宮城県水田農業振興会議を設置し、平成三十年産以降の対応方針の検討を行い、宮城県農業再生協議会において決定することとしております。県といたしましては、宮城県農業再生協議会と一体となり、この対応方針について、生産者まで十分浸透し、協力が得られるよう努めてまいります。

 次に、米の直接支払交付金の廃止による影響についての御質問にお答えいたします。

 県では宮城県水田フル活用ビジョンに基づき、大豆、麦及び飼料用米の作付拡大や収益性の高い園芸作物への転換を誘導することで、主食用米並みの所得が確保されるように支援しております。あわせて、主食用米については新品種「だて正夢」や「金のいぶき」の戦略的な導入により、みやぎ米のブランド力を強化し、有利販売に努めるとともに、規模拡大や直播栽培などの低コスト技術の導入により、農家所得の向上に向けた支援を強化してまいります。米の直接支払交付金の廃止により農家所得の減少はあるものの、このような所得確保対策によって影響が軽減されるようしっかりと取り組んでまいります。

 次に、食料自給率向上への取り組みについての御質問にお答えいたします。

 県では昨年度見直しを行ったみやぎ食と農の県民条例基本計画において、産出額や品目ごとの生産量を目標として掲げておりますが、この目標達成に向け、米、園芸、畜産のバランスがとれた生産構造への転換を図りながら、県産農畜産物の供給力を増大することが自給率向上につながるものと認識しております。このため、需要に応じた麦、大豆、飼料用米等の計画的な生産を図るほか、水田のフル活用に向けた収益性の高い園芸作物の導入、更には畜産の振興を図り、持続可能な農業の確立と県民に対して安全で安心できる食料の安定供給に努めているところであります。

 次に、平成三十年度からの生産調整廃止に向けた説明会の開催時期についての御質問にお答えいたします。

 国においては米政策の見直しについて、毎年県及び市町村担当者を対象として説明会を行ってきております。県においてはことし四月に開催する宮城県農業再生協議会の総会において、平成三十年産以降の対応方針を決定した後に速やかに市町村及び農業協同組合などを対象とした説明会を開催することとしています。あわせて、地域における生産者を対象とした説明会の開催やリーフレットの配布などにより対応方針の周知徹底に努めてまいります。

 以上でございます。



○議長(中島源陽君) 二十三番熊谷義彦君。



◆二十三番(熊谷義彦君) 時間ないんで簡単に言いますから。まず、農水部長、三十年からの農政改革に伴って収入保険制度始まるんです。三十年から収入保険制度に該当するためには来月の三月十五日まで申し込みをしなければならない。しかしながら今もってその説明は国が責任を持ってやってない。なおかつ、これ言いたくなかったんだけど、ナラシ対策、ゲタ対策もあるのかないのかわからない。資料を読めばなくなっているように見える。国の農業政策がこんな適当なことで私いいのかなと思って。県の責任ではないのはわかるけども、しっかりと国にものを申してもらわなきゃならないと思ってんだけど、収入保険制度あるいはナラシ対策、ゲタ対策についてどうなるか情報入ってますか、お聞かせください。



○議長(中島源陽君) 農林水産部長後藤康宏君。



◎農林水産部長(後藤康宏君) まず、収入保険制度については今国会で審議中ということで、その法案成立を待って正式な説明に入るというふうに伺っておりまして、それまでは予告的な形で保険制度が始まるということを広範に周知していっていただきたいという話は国からきております。それをもとに青色申告を開始するなど加入要件を満たすように各農家の方に周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。また、ナラシ対策、ゲタ対策については収入保険制度とどちらか一方の加入にはなりますが継続されるということで伺っております。

 以上です。



○議長(中島源陽君) 二十三番熊谷義彦君。



◆二十三番(熊谷義彦君) 知事、時間ないので端的にお伺いしますが、本当に農家の皆さん不安なんです。これから百姓できるのかと、田んぼつくっていけんのかと、田んぼつくることはできるけれども赤字ますますふえてくると、そういう思いで皆さんいらっしゃるんです。そういう中で生産目標、数量目標を国が放棄した。そして各都道府県に数値目標を示して各都道府県でやりなさいと。ところが現時点で各都道府県で約束を守らないところがあるんです。一体どうするんですか、そしてなおかつ、これ農業新聞の切り抜きですけども「三十年から指標を示す」と言ってんのは三十四道県だけ。東京と沖縄は絶対示さないと言っている。もう都道府県の足並みが乱れている。こういうときにどこでどのように話をすればいいのか私もわからないけれども、きちんと知事会議とかで知事が発言をして「みんなで約束を守りましょう」というふうにでも言わない限り前に進まないんじゃないですか、農家の不安は解消されないんじゃないですか、どうですか知事。



○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 今までも生産目標、数量目標、こういったようなものを宮城県はきちっと守ってきました。

 一方、関東周辺の県でそういったようなものを守らないというところがございまして非常に苦慮しております。これはもう国としても苦慮しているということでございます。今後はそういった目標がなくなるわけですから、更にそういった勝手気ままな行動というのが広がれば、真面目にこつこつやっている東北の農家の人たちは非常に大きなダメージを受けるというのはもっともなことでございます。したがって当然直接いろいろお話しすることはいいんですけれども、今までもルールを守らなかったところが知事会で話をしてルールを守ろうかというような形にはなかなかならないというふうに思っておりまして、まず国がしっかりとその辺の方をチェックをし、コントロールしていくということが大切で、その上で都道府県として相互に調整をし合っていくということが順序としては大切なのではないかというふうに思っております。



○議長(中島源陽君) 二十三番熊谷義彦君。



◆二十三番(熊谷義彦君) 放射能問題、佐野部長いきます。

 指定解除申請は町村から国に対して行うことができる。指定廃棄物については八千ベクレル以下だから国が指定解除を申請はできるという法的根拠はありませんね。いわゆる国が八千ベクレル以下のものがこれだけあるから混焼対象ですという法的権限は国にはないですねと確認してるんです。



○議長(中島源陽君) 環境生活部長佐野好昭君。



◎環境生活部長(佐野好昭君) 指定廃棄物の指定解除については国が一方的にできるという制度にはなっておりません。



○議長(中島源陽君) 二十三番熊谷義彦君。



◆二十三番(熊谷義彦君) 環境省が岩手県一関市の協力をもらって実証実験やったことは御存じだと思うんですけども、そのときに「二万ベクレル以上のものを燃やしても煙突から出ませんでした」と「空間線量も大丈夫でした」という話をしている。これは指定廃棄物を燃やすための私準備だというふうにしか思えない。そして国立環境研究所の大迫さんの論文を見ても「セシウムは混焼した場合安全だ」と言ってる。時間ないから。大迫論文見てもきちんとセシウムは分離できると書いてある、大迫論文に。大迫さんの考えが環境省の基本ですから。その辺も検討して間違いのない選択をしていただけるようにお願いをして終わります。



○議長(中島源陽君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。

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△散会



○議長(中島源陽君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 明日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後四時三十四分散会