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平成28年  9月 定例会(第357回) 09月26日−03号




平成28年  9月 定例会(第357回) − 09月26日−03号













平成28年  9月 定例会(第357回)



       第三百五十七回宮城県議会(定例会)会議録

                              (第三号)

平成二十八年九月二十六日(月曜日)

  午前十時開議

  午後三時五十一分散会

      議長                     中山耕一君

      副議長                    長谷川洋一君

出席議員(五十九名)

        第一番                  大内真理君

        第二番                  角野達也君

        第三番                  内藤隆司君

        第四番                  高橋 啓君

        第五番                  鎌田さゆり君

        第六番                  遠藤伸幸君

        第七番                  庄田圭佑君

        第八番                  深谷晃祐君

        第九番                  遠藤隼人君

        第十番                  中嶋 廉君

       第十一番                  福島かずえ君

       第十二番                  天下みゆき君

       第十三番                  三浦一敏君

       第十四番                  佐々木功悦君

       第十五番                  境 恒春君

       第十六番                  太田稔郎君

       第十七番                  横山のぼる君

       第十八番                  渡辺勝幸君

       第十九番                  横山隆光君

       第二十番                  佐々木賢司君

      第二十一番                  守屋守武君

      第二十二番                  石川利一君

      第二十三番                  熊谷義彦君

      第二十四番                  渡辺忠悦君

      第二十五番                  遠藤いく子君

      第二十六番                  すどう 哲君

      第二十七番                  吉川寛康君

      第二十八番                  伊藤和博君

      第二十九番                  長谷川 敦君

       第三十番                  佐々木幸士君

      第三十一番                  村上智行君

      第三十二番                  細川雄一君

      第三十三番                  高橋伸二君

      第三十四番                  菊地恵一君

      第三十五番                  只野九十九君

      第三十六番                  佐々木喜藏君

      第三十七番                  石川光次郎君

      第三十八番                  佐藤光樹君

      第三十九番                  中島源陽君

       第四十番                  岸田清実君

      第四十一番                  菅間 進君

      第四十二番                  坂下 賢君

      第四十三番                  ゆさみゆき君

      第四十四番                  藤原のりすけ君

      第四十五番                  坂下やすこ君

      第四十六番                  庄子賢一君

      第四十七番                  本木忠一君

      第四十八番                  中山耕一君

      第四十九番                  長谷川洋一君

       第五十番                  安部 孝君

      第五十一番                  齋藤正美君

      第五十二番                  安藤俊威君

      第五十三番                  渥美 巖君

      第五十四番                  畠山和純君

      第五十五番                  仁田和廣君

      第五十六番                  藤倉知格君

      第五十七番                  相沢光哉君

      第五十八番                  中沢幸男君

      第五十九番                  渡辺和喜君

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説明のため出席した者

      知事                     村井嘉浩君

      副知事                    若生正博君

      副知事                    山田義輝君

      公営企業管理者                犬飼 章君

      総務部長                   大塚大輔君

      震災復興・企画部長              伊東昭代君

      環境生活部長                 佐野好昭君

      保健福祉部長                 渡辺達美君

      経済商工観光部長               吉田祐幸君

      農林水産部長                 後藤康宏君

      土木部長                   遠藤信哉君

      会計管理者兼出納局長             増子友一君

      総務部秘書課長                横田 豊君

      総務部参事兼財政課長             吉田 直君

    教育委員会

      教育長                    高橋 仁君

      教育次長                   西村晃一君

    選挙管理委員会

      委員長                    伊東則夫君

      事務局長                   清水裕之君

    人事委員会

      委員長                    小川竹男君

      事務局長                   谷関邦康君

    公安委員会

      委員長                    相澤博彦君

      警察本部長                  中尾克彦君

      総務部長                   岡崎 晃君

    労働委員会

      事務局長                   正木 毅君

    監査委員

      委員                     工藤鏡子君

      事務局長                   武藤伸子君

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    議会事務局

      局長                     今野 順君

      次長兼総務課長                半沢 章君

      議事課長                   三浦正博君

      参事兼政務調査課長              大浦 勝君

      総務課副参事兼課長補佐            三浦 理君

      副参事兼議事課長補佐             川村 満君

      政務調査課副参事兼課長補佐          高橋秀明君

      議事課長補佐(班長)             二上秀幸君

      議事課主任主査                齋 真左志君

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    議事日程 第三号

              平成二十八年九月二十六日(月)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第二百二十号議案ないし議第二百三十一号議案、議第二百三十三号議案、議第二百三十八号議案、議第二百三十九号議案及び報告第二百十四号ないし報告第二百八十四号

第三 一般質問(代表)

   〔高橋伸二君、藤原のりすけ君、天下みゆき君〕

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第二百二十号議案ないし議第二百三十一号議案、議第二百三十三号議案、議第二百三十八号議案、議第二百三十九号議案及び報告第二百十四号ないし報告第二百八十四号

三 日程第三 一般質問

   〔高橋伸二君、藤原のりすけ君、天下みゆき君〕

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△開議(午前十時)



○議長(中山耕一君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(中山耕一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、五十三番渥美巖君、五十四番畠山和純君を指名いたします。

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△議第二百二十号議案ないし議第二百三十一号議案



△議第二百三十三号議案



△議第二百三十八号議案



△議第二百三十九号議案



△報告第二百十四号ないし報告第二百八十四号



△一般質問(代表)



○議長(中山耕一君) 日程第二、議第二百二十号議案ないし議第二百三十一号議案、議第二百三十三号議案、議第二百三十八号議案、議第二百三十九号議案及び報告第二百十四号ないし報告第二百八十四号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。

 質疑、質問は順序に従い許します。三十三番高橋伸二君。

    〔三十三番 高橋伸二君登壇〕



◆三十三番(高橋伸二君) 皆さんおはようございます。自由民主党・県民会議の高橋伸二でございます。会派の皆さんには、このような私に、発言の機会を与えていただきました。まことにありがとうございます。また、他会派の皆さんにも、ねぎらいの言葉、いたわりの言葉をかけていただきまして本当にありがとうございます。会派を代表して質問いたします。

 岩手県や北海道などにおける台風十号を初め、たび重なる豪雨災害により不幸にもお亡くなりになられた皆様に衷心より哀悼の誠をささげますとともに、被害に遭われ今なお不自由な生活を余儀なくされている皆様に、心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興を祈っております。

 それでは大綱一点目でございます。平成二十五年十月、五十九万票余りを獲得し、三期目の当選を果たした村井知事。振り返りますと、投票率は三六・五八%と、過去二番目の低投票率ながら八六・四%の得票率で圧勝、村井知事の支持の高さがあらわれた結果となりました。当時のポスターには、「復興に命をかける」と書き込まれ、震災復興への熱い思いが表現されたシンプルなデザインでした。無所属五十三歳とも書かれていましたが、まだ若いと伝えたかったのだろうと思います。そのマニフェストには、次期県政運営の基本姿勢として、一、安心して暮らせる県土づくり。二、復旧にとどまらない抜本的な再構築。三、富県宮城の実現。四、民の力の活用など、県民の総力を結集。五、最少のコストで最大の効果などと書かれています。このマニフェストを基本として、知事は、県政運営に取り組んでこられたと思いますが、知事三期目のこの三年間をどのように総括するか伺います。

 迅速な復旧・復興への取り組みとして、一、生活の場の再建。二、被災された方々の日常生活への支援。三、被災地の産業再生と雇用の場の確保。四、福島第一原発事故への対応。更に、未来を見据えた宮城の将来ビジョンの実現として、一、東北発展への挑戦。二、命を守る宮城への挑戦として、それぞれ具体的な施策が掲げられています。災害公営住宅整備促進や仙石線の東北本線乗り入れ。仙台空港民営化や医学部新設など、おおむね達成されている施策がある一方で、国際リニアコライダーと放射光施設誘致など、停滞しているものもございます。これら具体的な施策について、これまでの取り組みとその成果について伺います。

 みやぎ発展税導入による企業誘致や水産業復興特区の実現、県による医学部新設へのエントリーなど強力なリーダーシップに対して高い評価を受ける一方で、政策発表や政策転換時には、報道が先行してしまうなど、その手法に対して疑問を持たれることもあるようであります。知事の任期も残すところあと一年余りとなり、これからは、三期目の総仕上げとなる大事な一年となりますが、どのような姿勢で県政運営に臨まれるのか、知事の決意を伺います。

 大綱二点目でございます。東日本大震災から五年半が経過しました。震災関連死を含めると一万人余りの方々のとうとい命が失われ、行方不明者はいまだに千二百人を超えています。被害額が九兆円を超えるなど、この震災のすさまじさを物語っており、大自然の営みに対し、私たち人間は余りに無力でとても小さな存在であることを感じざるを得ないのであります。しかしその逆境にあっても、私たちは一人一人力を合わせ、大地をしっかりと踏み締め、復興への歩みを一歩一歩着実に前に進めてまいりました。今年度は、震災復興計画十年間の再生期の三年目に当たっており、災害に強く安心して暮らせるまちづくり、県民一人一人が復興の主体となり総力を結集し、単なる復旧にとどまらない抜本的な再構築などを基本理念に復興事業に取り組んできております。そこでこの五年半を振り返って、知事の所感と復興事業の進捗状況について、更には、本年度は復興創生期の初年度ですが、抱える課題や今後の復興事業の見通しなどについて伺います。

 沿岸市町の復興状況は着実に進展していて、特に被災者の住環境の復興は、平成二十四年四月のピーク時においては、プレハブ仮設住宅、みなし仮設の合わせて四万七千八百六十一戸、十二万三千六百三十人の方々が入居していましたが、今年度に入り仙台市の入居終了に伴い、八月現在で、一万三千二百十戸、二万九千三百人となり、大きく減少したものの、しかしいまだに不自由な暮らしを余儀なくされています。これらの方々の住環境整備を更に加速させる必要がありますが、県の現状認識と今後の見通しについて伺います。

 また、仮設住宅入居者が新たな住まいを確保する上で、支援策について被災者転居支援センターが設置されるなどの事業が行われていますが、これらの被災者住宅確保支援事業の現状と、仮設住宅入居者が安心して新しい住まいに転居できるための、今後の支援のあり方について伺います。

 仮設住宅入居者の新しい住宅への転居を促すための移転先確保となる防災集団移転事業や土地区画整理事業などの、早期完成が重要ですが、これらの復興まちづくり事業の進捗状況について伺います。

 報道によれば、災害公営住宅入居者の六十五歳以上の方の割合は、三七・八%で、県全体と比べると一二・二ポイント高い状況で、そのうち、独居世帯は二三・二%、災害公営住宅における、いわゆる孤独死は、宮城県が最も多いとされていて、住民同士の交流を深めることや、見守り体制の強化などが重要だと考えられます。この点についての県の認識と今後の対応について伺います。

 平成二十四年九月定例会の石川光次郎議員の代表質問で、仙台貨物ターミナル駅が移転した場合の跡地利用についての質問に対し、知事は交通の利便性や周辺土地、周辺立地施設の状況から提案があった防災拠点を初め、さまざまな施設整備の可能性が高まることになると考えており、都市公園機能や宮城球場のあり方などを含め有効な活用方策について、仙台市や関係者の意見を伺いながら研究を深めていく旨の答弁を行っております。以来、なぜ宮城野原なのか、予算をどう捻出するのか、活断層があるのではないか、地盤は大丈夫か、市町村との連携はどうかなど、さまざまな議論が展開されております。先日放送されたNHKスペシャルでは、長町利府線断層帯が危険な活断層帯として取り上げられておりましたが、この活断層帯のリスクについて、NHKの報道に対する見解なども含めて伺います。

 先日、仙台市議会九月定例会の代表質問が行われ、広域防災拠点をめぐり、長町利府線断層帯で直下型地震が起きた場合の被害想定に関して、仙台市当局は、震度六強の揺れや液状化の危険性が極めて高いと答弁があったとされています。このことについて見解を伺います。

 今議会には、予算外議案として、広域防災拠点の土地取得に関する議案が提出されていますが、六月議会における補正予算の議決に際し、「広域防災拠点の整備に当たっては、整備地の適性等について県民の理解を得るよう十分な説明を行うとともに、市町村との連携を図りながら予算執行に万全を期すこと」との附帯意見が付されています。県の対応について伺います。

 次に、農業振興についてであります。

 先日、地元JAの組合長、専務と意見交換を行う機会がありました。ササニシキやひとめぼれ以来、宮城では新しい品種がなかなか出てこないこと。米の消費量は、食生活の変化などにより、昭和三十年代には百二十キロ以上食べられていたものが、現在は半分以下の六十キロ足らずまで減少したこと。農産物輸出は、農業所得をふやすことにつながらない課題があること。日本農業衰退の懸念がぬぐえないTPPのこと、競争力や収入増を見据えた園芸作物の振興、更には全共宮城大会のことなど、一時間半程度懇談してまいりました。農業農村が食料供給のみならず、地域や日本全体で果たしてきた役割の重要性を考えるとき、農業振興はやはり喫緊の課題であることを改めて認識したところであります。

 そこで伺います。

 みやぎ食と農の県民条例基本計画は、ことし三月に見直しが行われていますが、計画見直しのポイント及び今後の取り組みについて伺います。

 JA役員との意見交換の中で、収益性や持続可能性、新規就農者確保などの観点から、園芸作物振興について熱く語られましたが、県の基本的な考え方や今後の取り組みについて伺います。

 大会本番まで一年を切った全共宮城大会ですが、仙台牛のブランド力を高めて販売促進につなげる絶好の機会となります。大会の準備状況と全共を起点とした大会後の販売戦略について伺います。

 次に、医療福祉についてでございます。

 急速に進行する少子高齢化社会にあって、本県の人口は二〇〇四年を境に減少に転じており、二〇一五年から二〇二五年までの十年間で二百三十万六千人から二百二十一万人へ九万六千人が減少する予測となっております。年齢別には六十五歳未満の人口は十八万一千人減少する一方で、六十五歳以上の人口は八万五千人の増加が見込まれております。その結果、宮城の高齢化率は二五・七%から三〇・七%へ上昇することになり、二〇二五年には、いわゆる団塊の世代が七十五歳を迎え、医療需要が増大することが予測されています。そのような中にあって、地域では限られた医療資源を最大限活用し、医療や介護を適切に行っていくための体制整備が求められます。この二〇二五年以降、医療需要の増大や疾病構造も変化すると予測される中、適切な医療や介護を将来にわたって持続的かつ安定的に提供していくための対応は喫緊の課題となっていて、平成二十六年六月に医療法が改正され、都道府県において、二次医療圏における各医療機能の将来の必要量と、医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療構想を作成することとなっておりますが、その検討状況及び地域医療体制整備について伺います。

 地域医療を充実させていく上において、医療機能の分化と集約は重要で、医師や看護師など確保対策を行う上でも、病院同士の連携の更なる強化が求められ、公立病院同士の組織統合も視野に入れた対策に県のリーダーシップが求められるところでありますが見解を伺います。

 地方創生において大事なのは、雇用の創出、住環境の整備、教育の充実、医療福祉の充実など、更に安心して出産できる病院が近くにあること。子供が安心して産めない、産む場所がないなど、産婦人科医療の整備が行き届かない状況では、やはりその地域は敬遠され、地方創生の阻害要因になります。県内では、産婦人科医がいない地域が広がりつつある現状にありますが、その対応策について伺います。

 厚生労働省によれば、二〇二五年度に必要な介護職員は全国で二百五十三万人とされていて、現状の増員ペースでは三十八万人が不足すると推計され、その充足率を都道府県別に見ると、宮城県が最も深刻で六九%、一万四千百三十六人不足と言われております。介護人材確保は喫緊の課題となっていますが、県の対応策について伺います。

 次に、乳幼児医療費助成の制度拡充について伺います。

 六月議会において、乳幼児医療費制度拡充について、入院通院ともに、全国平均並みの義務教育就学前まで拡充する旨の答弁があり、八月の保健福祉委員会において、その概要が示されました。現行制度では、入院が義務教育就学前、通院が三歳未満となっていますが、拡充後は、入院通院ともに義務教育就学前とし、所得制限は現行どおり設け、一部負担金は、これも現行どおりなしであります。今回の制度拡充による新たな財政負担は八億円程度になるとの見解が示されましたが、これは単年度事業ではない上に、一度始めたら後戻りはできない事業となり、毎年八億円ずつの財政負担増となります。国では、医療費助成の取り組みに対して国庫負担の減額調整措置を講じていますが、仮にこの制度が廃止されても生み出される財源は五千万円程度と聞いており、財源捻出は容易でないことが推察されます。どのように対応するのか伺います。

 所得制限は現行どおりとのことですが、大阪府では、制度拡充の際に、所得制限を強化し、本当に困っている方々に対象を絞り込んだと聞いています。そのことで対象年齢を広げたり、財政負担を軽くすることも可能ではないかと考えますが、どのように検討されたのか伺います。

 自己負担なしの現物給付とすることで、過剰受診が生じ、更なる医療費増につながる懸念があることや、そのことで本当に必要な方への医療が行き届かなくなる弊害が出てくる心配がありますが、この点についてはいかがでしょうか。

 仙台市においては、入院通院とも十五歳まで制度を拡充する検討がされていると聞いています。八億円のうち、半分の約四億円は仙台市への助成分であり、仙台市の制度拡充を後押しすることになります。これは仙台市へのインセンティブとなり、人口集中を県が助長することにつながる懸念が生じ、均衡ある県土の発展を掲げる県の政策に逆行するのではないかと考えますが、政令市へは補助率を下げたり、あるいは補助自体を行わない対応をとっている県もあると聞いていますが、財政力のある仙台市への補助のあり方について、どのように検討されたのか伺います。

 知事は、乳幼児医療費助成は、国が社会保障制度の一環として、ナショナルミニマムの観点で検討されるべきと主張されてきましたが、同感であります。今後の国への働きかけなど、県の対応について伺います。

 乳幼児医療費助成については、全国的に見れば、後追い感が否めません。子育て支援、少子化対策では、もっと幅広い見地から検討すべきと考えます。そこで、子育てで最も負担感が大きいとされる教育費への支援策などを検討してはどうか。調べたところ、例えば、体操着や上履き、算数ドリル、クレヨンなど、小学校入学時に係る教材購入の費用を、市町村と一緒になって支援している都道府県はありません。全国に先駆けて、このようなことを実施してはいかがかと思いますが伺います。

 次に、児童生徒の学力向上について伺います。

 全国学力・学習状況調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。またそのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。更に、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てるなどの目的で行われています。宮城県の平成二十七年度の調査結果については、小学校の国語知識に関するA問題、活用に関するB問題ともに全国平均を下回り、また、数学、算数についても、A問題、B問題ともに全国平均を下回っている状況で、初めて悉皆調査となった理科については、小学校では全国平均を下回り、中学校では逆に上回るという結果だったと伺っています。

 一方、我が県では、独自の調査も行われていて、児童生徒の学力や学習状況及び学校の学習に係る取り組み、意識等を調査することにより、児童生徒の一層の学力向上に向け、学習指導の改善と家庭学習の充実を図るとともに、今後の教育施策の企画立案に活用する、また全国学力・学習状況調査の結果と関連づけて分析することにより、学校における教育に関する継続的な検証改善サイクルの確立を図ることを目的として、小学校五年生及び中学校二年生を対象に調査が行われております。全国調査及び宮城県の独自調査の結果について、全国平均を下回る教科、あるいは県の調査では期待値を下回る教科がそれぞれ気になるところでありますが、これまでどのように対応がなされてきたのか。またその成果について伺います。

 学力は時間を費やしただけ成果としてあらわれるものだろうと思います。家庭学習の時間をふやすと同時に、以前行われていた土曜日の登校を検討するなど、学校での学習時間をふやすことも検討すべきと考えますがいかがでしょうか。

 次に、特別支援学校の狭隘化対策についてでございます。

 全国の特別支援学校の在籍者数は、平成十七年の十万一千六百十二人から平成二十七年の十三万七千八百九十四人と、一貫して右肩上がりで推移していて、一・三倍の増加となっています。障害の種別ごとに詳しく調べると、肢体不自由、病弱、身体虚弱、聴覚障害、視覚障害についてはおおむね横ばいの状況に対して、知的障害の児童生徒は増加傾向が続き、このことが特別支援学校の在籍者数の増加の要因となっていることがうかがえます。宮城県の児童生徒数は、平成十七年の三十四万一千八百五十一人から、平成二十七年の二十九万九千八百三十三人でマイナス一二・三%と減少している一方で、特別支援教育を必要としている児童生徒数は逆に増加傾向にあることがわかります。特別支援学級では、平成十七年千九百三十三人から、平成二十七年二千八百九十八人へ四九・九%の増加、特別支援学校においても、平成十七年千六百五十四人から、平成二十七年二千二百二十四人への三四・五%の増加、更に仙台圏域の支援学校に限ってみると、平成十七年六百九人から、平成二十七年九百九十人へ六二%の増加であり、特に仙台圏域の増加が顕著であることがわかります。

 特別支援学級の知的障害、自閉症、情緒障害については、小中学校合わせて、平成十七年度千六百七十五人から、平成二十七年度二千五百三十六人と一貫した増加傾向にあります。以上のとおり、特別支援教育を必要とする児童生徒は増加の一途をたどっており、特に仙台圏域における傾向は顕著であります。このような現状にある中で、特別支援教育に関する県の基本姿勢についてまず伺います。

 今議会においては、宮城県特別支援学校PTA等連絡協議会からの県立特別支援学校の狭隘化対策の実現を求める請願書が採択されました。特別教室の普通教室への転用や複数学年・学級で教室を共用するなど環境はよいとは言えず、とりわけ仙台圏域においては、プレハブ仮設校舎により校庭使用が制約されている学校や校舎の老朽化の著しい学校があるなど、速やかな環境整備が望まれております。

 平成二十七年二月に策定された宮城県特別支援教育将来構想において、学習の質、効果を高めるための環境整備として、狭隘化への対応を図るため仙台圏域における特別支援学校の新設、県有財産や小中高等学校等の校舎や余裕教室を活用した分校等の設置、複数障害部門の併置・併設などを検討すること。また、軽い知的障害のある生徒のニーズに対応するため、高等学園の新設や収容定員の拡大に向け検討することとなっております。仙台圏域の特別支援学校の利府支援学校及び小松島支援学校については、余裕教室や統廃合で、跡の小学校をそのまま借り受けるなどの狭隘化への対応が一定程度進んでいると聞いていますが、光明支援学校と名取支援学校においては、特別支援教育将来構想にあるとおり、新設を念頭に置いた狭隘化対策が急がれます。仙台圏域の支援学校の現状認識と今後の対応について見解を伺います。

 また、高等学園の現状についてですが、今年度から女川高等学園及び岩沼高等学園川崎キャンパスが開設されましたが、これらの学園の現状について伺います。

 宮城県重症心身障害者を守る会から学齢超過義務教育修了者の高等部進学を求める請願が提出され、昨年九月議会において採択されています。請願の理由の中で、平成二十三年四月から、学齢超過未就学者の義務教育就学が実施され、教育の成果と偉大さを目の当たりにし、何歳になっても上がる教育の成果を実感したと述べられています。同団体により昨年実施された県内学齢超過就学者のアンケート調査では、宮城方式により義務教育を終了した学齢超過就学者のうち二十六名、現在就学中の一名の合計二十七名から高等部進学を希望するとの回答があった旨伺っております。重症心身障害者に対しても、更に充実した人生を過ごす機会となる学齢超過義務教育修了者に対する高等部進学、支援学校の受け入れ実現が強く望まれております。対応はいかがか見解を伺います。

 次に、スポーツ振興でございます。

 リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックにおける日本人選手を初め、各国選手の活躍は、私たち見る者に大きな感動を与え、喜びや勇気や希望を与え、そして、あすへの活力を与えてくれました。女子重量挙げ銅メダルの三宅選手、陸上男子四百メートルリレー銀メダル、柔道女子の活躍、とりわけレスリング女子の三つの金メダルは、絶対に最後まで試合をあきらめない強い精神力と粘り強さが発揮されたものでした。中でも宮城県ゆかりの選手、聖ウルスラ学院英智高等学校の出身の高橋礼華選手、松友美佐紀選手の女子バドミントンダブルス金メダル、仙台市出身の福原愛選手の卓球女子団体は銅メダルに輝き、その活躍ぶりは、私たち宮城県民の心を揺さぶるすばらしい試合ぶりだったと感じております。日本選手団の活躍により金メダル十二個を含む四十一個のメダル獲得は史上最高となり、日本国民のまさに誇りとなりました。

 八月二十日、二十一日、青森県で行われた東北総合体育大会へ県体育協会の役員として選手の激励に行ってまいりました。いわて国体の予選も兼ねた大会となっており、選手にとっても、我が宮城県にとっても重要な大会でした。役員の意見交換会では、宮城県選手団の活躍ぶりや国体への展望、更には、リオオリンピック開催中でもあったため、四年後の東京オリンピックへの思いなども語り合われ、自然に話は競技力向上に向いていくのでございました。国民体育大会における宮城県選手団は総合十位台を目指し奮闘するも、昨年和歌山大会二十三位、一昨年長崎大会二十五位、その前二十五年東京大会は二十一位、二十四年岐阜大会二十五位、二十三年山口大会が二十位、もう一歩抜け出せずにいます。四年後の東京オリンピックも見据えた選手育成が望まれますが、競技力向上に対する考え方や今後の取り組みについて伺います。

 平成二十九年度は、南東北三県が会場となるインターハイも行われることになっており、全国から高校生を迎え大会は熱く開催されるでしょう。その舞台となる各競技場の整備は、他県に比較しておくれていると指摘がなされています。また、二〇二〇年東京オリンピックでは、ひとめぼれスタジアム宮城でサッカー競技が開催される予定となっています。現在の各競技場の整備状況と今後の対応について伺います。

 次に、名取スポーツパーク再開について伺います。

 これまで何度か質問してきましたが、名取スポーツパークの再開の件です。なかなかいい答弁をいただくことができず、もがいていましたが、しかし、宮城県野球団体協議会を初め、スポーツ関係者のナスパ再開への思いは募るばかりであります。カタールフレンド基金の望みも絶たれてしまい、やはり県補助を後ろ盾とした東北電力への働きかけしか道はないのかなと考えておりましたが、東北電力の社員の方とこの件について意見交換を行うと、やはり歯切れが悪いものでした。しかし、オリンピック・パラリンピックでの国民のスポーツ熱を見ていて、スポーツ振興に力を入れることにノーという方が多いとは思えないのであります。どうしてもあきらめるわけにいかない名取スポーツパークの再開について、改めて知事の見解を伺います。

 次に、観光振興についてであります。

 人気ゲームアプリ「ポケモンGO」、老若男女を問わず人気があり、夢中になってスマホとにらめっこしている人々が全国各地あちらこちらに集団となっていて、昼夜を問わずに人々が出現し、その様子はまさにモンスター化しているかのように感じます。このポケモンGOが配信されて以来、県庁の周辺や議会棟にもポケモンがあらわれるらしく、スマホを片手にうろうろしている人が多いようであります。歩きスマホ、運転中のスマホを助長してしまい、実際に死亡事故もあったと聞いています。そのような中での今回の補正予算、ポケモンGOと連携した沿岸市町への誘客促進三千万円でございます。すとんと入らずにもやもやがわき起こったのであります。宮城県が一事業者に五百万円を拠出し、沿岸市町向けのソフト開発を依頼する内容と理解していますが、事業者の財産形成につながることにはならないのでしょうか。商談過程において無償開発の交渉はできなかったのか、伺いたいと思います。

 被災地へ昼夜を問わず多くの人々が出現することにより、被災地の方々の感情を逆なですることになったり、事故やトラブルが起きたりとの懸念が出てきますが、その対策はどうでしょうか伺います。

 ポケモンGOブームはどの程度続くか見当がつきませんが、今回の投資に見合う観光客の入り込みや経済波及効果をどのように見込んでいるのか伺います。

 去る八月二十四日、山形市内のホテルにおいて、宮城県議会・山形県議会交流議員連盟の総会及び研修会が行われました。「宮城・山形両県の更なる交流・連携の推進」と題しての講演があり、その中で、地域産業の発展、国際化を支える物流、人流、インフラの視点で、急速な人口減少、経済規模、事業所数が縮小される中で、地域経済産業の生き残りのため、世界と直接つながるための物流、人流、インフラの充実が不可欠となり、太平洋側と日本海側の両側に面した地の利を最大限に発揮するために、仙台港、酒田港、仙台空港の機能拡充や、太平洋側と日本海側を結ぶウエストラインの整備が重要になること。地方創生、地域間交流と地域の持続可能性を支えるためには、東北全体として十一カ所ある三十万都市圏を高速道路網でつなぐ、いわゆるミッシングリンクの解消の必要性、更にはそのことが、今後想定される東海、東南海、首都直下型地震発生時に、東北の果たすべきバックアップ機能の強化につながること。総合産業としての経済波及効果が見込める観光の振興や産業全体としての両県の相互補完の必要性、スポーツ振興などが提言されました。そして四分科会に分かれての意見交換会では、各分科会で活発な意見交換がなされ、最後の全体会において、それぞれの分科会からの提言が行われました。その中で、宮城、山形両県が更に連携を密にして、産業振興等に連携を強化していかなければならないこと。そのためには、県境を結ぶ横軸の交通網を充実させなければならないことなどが意見として発表されました。

 そこで伺います。

 災害時におけるバックアップ機能の強化や、産業、経済などの交流基盤となる石巻酒田間地域高規格道路の整備促進が求められていますが、その取り組み状況について伺います。

 二口林道は整備が進むこととなり、着実な事業進捗が望まれます。更に国道四十八号線の冬期間の機能強化や国道三百四十七号の整備促進、岩沼蔵王線の村田インターへのアクセス向上なども話題となりました。県の取り組むべき重要な課題と考えますが、これらの課題についていかがでしょうか伺います。

 JR仙山線の仙台空港アクセス鉄道への相互乗り入れも話題となりました。空港利用促進の観点からも、実現すれば非常に有意義ではないかと考えますがいかがでしょうか。

 平成十九年三月に策定された宮城・山形の連携に関する基本構想、みらい創造MYハーモニープランは、一、安全・安心な質の高い生活を共有する、広域環境・生活圏の形成。二、新しい価値を共に創り、発信する、広域経済圏の形成。三、太平洋と日本海に面した圏域の特性を生かす、広域交流圏の形成。この三つの圏域形成の基本方向を定め、それぞれの課題に宮城・山形両県が連携して取り組むこととしており、分科会の中でも取り上げられました。この構想の推進方策として、構想を推進するための組織において両県が連携して取り組む施策、事業を毎年度取りまとめ着実に推進していくこと。推進に当たっては両県行政のみならず、地域住民を初め市町村、企業、NPOなど幅広い主体との協働や情報共有を図り、その意見を十分に踏まえながら、多様な主体の参画と相互の連携のもとで施策、事業の展開に取り組むとしています。構想策定以降、現在までの取り組み状況とその成果について伺います。

 この構想の実施期間ですが、平成十九年度からおおむね十年間となっていて、ことしが最終年度になります。この構想をしっかりと検証し平成二十九年度以降につなげていく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。

 次に、仙台空港の現状と課題について伺います。

 七月一日から完全民営化に移行し、今まで別々の運営主体だった滑走路、空港ビル、貨物ターミナルをすべて同じ民間企業が運営することとなり、一体的な運営を行うことで効率化を図るとともに、民間の経営ノウハウを導入することで、空港の活性化を図ろうと仙台空港は新たなスタートを切りました。民営化成功のかぎとなるのが新規路線の誘致による空港利用者の拡大と空港ビルの土産物店や飲食店における収入増であります。

 新規路線を誘致するためには、着陸等で航空会社が空港に支払う料金を下げたり貨物の荷主が利用しやすい空港にしていくことのほかに、東北六県、北海道とも連携し地域の魅力を発掘し、そして、旅行者に積極的に発信していくことが大事だろうと考えます。新規路線誘致は、民営化成功の重要な要素ですが、現在までの取り組み状況とその成果について伺います。

 土産物店や飲食店の売り上げを伸ばすために、おもてなしの心を持った接客の充実に加え、商品そのものの魅力を高める必要があると考えます。先日、大崎市岩出山の「あ・ら・伊達な道の駅」を訪問し、社長にお話を伺ってまいりました。野菜を一週間分まとめて買いに来る飲食店経営者や北海道の有名菓子メーカーのソフトクリームのために、開店前から並ぶ仙台市からの女性、わずか千円でさまざまなお総菜を楽しめるレストランなど、商品の魅力に誘われてお客様が来るのだと言います。食事や買い物などといった飛行機搭乗以外のお客様を獲得していくためのレストラン等の充実は欠かせませんが、道の駅の取り組みは参考になるのではないかと考えます。レストラン、土産品販売の今後の戦略について伺います。

 八月下旬に行われた台湾トップセールス事業、「台湾・日本東北交流懇談会二〇一六」は、東北七県と仙台市の知事及び市長によるトップセールスが行われ、東北への誘客などに成果があったと聞いておりますが、今回の事業の概要と成果について、また、この事業はインバウンド誘客にもつながるのではないかと考えますが、インバウンド誘客促進策について伺います。

 以上、壇上からの質問を終わります。

 スポーツの秋です。皆さん、けがには十分注意してください。ありがとうございました。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 高橋伸二議員の代表質問にお答えいたします。大綱二点ございました。

 まず、大綱一点目、知事の政治姿勢についての御質問にお答えいたします。

 初めに、知事三期目の三年間の総括についてのお尋ねにお答えいたします。

 私は、この三年間、被災地の復興を最大の課題とし、被災者の方々に寄り添いながら、県民だれもが安心して生活できる社会の構築を目指して全力で取り組んでまいりました。震災からの復興につきましては、今なお三万人を超える方々が仮設住宅等での生活を余儀なくされているなど、道半ばではありますが、道路を初めとする公共土木施設の復旧や復興まちづくりが着実に進捗し、創造的復興の取り組みも進んできております。

 また、宮城の将来ビジョンの実現については、企業誘致を進めるとともに、海外からの誘客強化、農地の集約化、大規模化や六次産業化の推進に加え、子育て支援や特別養護老人ホームの整備、クリーンエネルギーの利活用、更には地方創生の取り組みなどを積極的に進めてまいりました。三期目のマニフェストに掲げた安心して暮らせる県土づくり、富県宮城の実現に向けて着実に歩みを進めてきているものと考えております。

 次に、マニフェストに掲げた具体的な施策の成果と任期残り一年の県政運営についての御質問にお答えいたします。

 マニフェストには、三期目で私が力を注ごうと考えたさまざまな施策をお示ししております。このうち、被災者の方々の一日も早い恒久的な住まいへの移行に向けて、災害公営住宅は、計画戸数の約七割が完成したほか、昨年五月には仙石東北ラインの開通により、石巻−仙台間の所要時間短縮が実現いたしました。更に国管理空港として全国初となる仙台空港の民営化や、我が国で三十七年ぶりとなる医学部の新設など、これまでに種をまいてきた創造的な復興の取り組みが実を結びつつあります。

 一方、国際リニアコライダーの誘致につきましては、東北ILC推進協議会に東北ILC準備室を設置して誘致の取り組みを強化しているほか、放射光施設の誘致につきましては、東北六県の産学官で東北放射光施設推進協議会を設立するとともに、誘致に向けた情報収集や国への要望を継続しているところであります。残りの任期一年においても引き続き多くの方々の御意見を伺い、民の力を最大限に生かしながら、市町村、国と力を合わせて、マニフェストに掲げた施策にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、大綱二点目、県政課題についての御質問にお答えいたします。

 初めに、復興事業の進捗状況と課題、今後の見通しについてのお尋ねにお答えをいたします。

 東日本大震災は極めて甚大な被害をもたらした災害ではありましたが、五年半の歳月で復興はかなり進んだという手ごたえを感じております。一方でいまだ災害公営住宅の建設が途中であり、被災された方々にとって一日も早く安心して生活できる住まいを確保することが最大の課題であると考えております。

 また、ハード整備からソフト重視の政策に移行する時期に来ており、復興・創生期間は、被災者の心のケアとともに、被災地の人材確保や水産物の販路拡大などへの対応に注力していかなければならないと思っております。復興財源につきましては、国において、復興期間十年間で三十二兆円を確保していただいており、一部に導入された自治体負担につきましても、復興事業の進捗に影響がない程度に抑えられたことから、今後、円滑に事業を進めることができるものと考えております。県といたしましては、被災者の生活再建と産業再生に向けた取り組みを加速させるとともに、創造的復興の取り組みをあわせて推進し、我が県の復興をなし遂げてまいります。

 次に、仮設住宅にお住まいの方の住環境整備についての御質問にお答えいたします。

 被災者の生活再建に向けましては、恒久的な住宅の早期確保を最重要課題として、被災市町において鋭意整備が進められてきているところであります。そのうち自力再建が可能な方々のための防災集団移転促進事業や土地区画整理事業による宅地の整備につきましては、全地区で工事に着手し、今年度末までには計画されている約九千七百戸の八割に当たる約七千九百戸が供給される予定となっております。

 また、自力再建が困難な方々のための災害公営住宅整備につきましては、八月末現在で、計画戸数約一万六千戸の七割に当たる一万九百七十戸が完成しており、今年度末までには、九割に当たる約一万四千戸が完成する予定であるなど、今後も着実に整備が進んでいくものと考えております。県といたしましては、宅地につきましては平成三十二年度までの全戸供給、災害公営住宅につきましては平成三十年度までの全戸完成に向け、引き続き土木部市町支援チームを通じて支援するなど、市町とともに全力で取り組んでまいります。

 次に、仮設住宅入居者に対する住宅確保支援策の現状と今後の支援のあり方についての御質問にお答えをいたします。

 県といたしましては、これまで仮設住宅入居者の恒久的住宅確保のため、昨年七月に被災転居支援センターを設置し、自力では再建が困難な入居者に対して、転居先確保に係る各種相談に対応してまいりました。また、昨年九月からは住宅情報提供コールセンターも設置し、県内の賃貸物件の紹介を行った結果、転居支援に関して一定の成果があったものと認識をしております。今年度はこれまでの支援に加え、十月から新たに県北部に被災者転居支援センターを設置することとしており、より一層の支援を図ってまいります。今後とも、仮設住宅に入居している方々が安心して新しい住まいに転居できるよう、関係市町と連携して対応してまいります。

 次に、復興まちづくり事業の進捗状況についての御質問にお答えをいたします。

 復興まちづくり事業につきましては、被災市町が仮設住宅入居者を含めた被災された方々の住まいの確保に取り組んできており、防災集団移転促進事業につきましては、計画されている百九十五地区のすべてで、土地区画整理事業につきましても、二十七地区のすべてで工事に着手されております。また自力再建が可能な方々のための防災集団移転促進事業、土地区画整理事業などによって整備される宅地につきましては、ことし三月末時点で計画されている約九千七百戸に対し、五五%に当たる約五千三百戸が既に供給されており、今年度末までに八一%に当たる約七千九百戸、平成二十九年度末までには九八%に当たる約九千五百戸が供給される見込みとなっております。県としては、被災された方々が安全で安心な生活を一日でも早く取り戻すとともに、なりわいの再生など復興期間終了後も見据えた持続可能なまちづくりができるよう、国とも連携を図り引き続き市町を積極的に支援してまいります。

 次に、災害公営住宅の住民同士の交流や見守りの必要性についての認識と、今後の対応についての御質問にお答えいたします。

 応急仮設住宅から災害公営住宅への移行が進む中で、環境の変化に伴う健康不安や交流機会の減少が指摘されていることから、高齢者等の孤立を防止するための対策は重要であると認識しております。県といたしましては、高齢者等の心身の健康状態や生活状況の把握に努めるとともに、被災市町が配置している生活支援相談員等による見守り活動やコミュニティーの再構築に向けた住民同士の交流促進のための取り組みについて必要な財源の確保や各種研修による人材の育成など、引き続き支援を行ってまいります。

 次に、長町利府線断層帯のリスクについての御質問にお答えいたします。

 先日放送されましたテレビ番組において、活断層に起因する地震の発生メカニズムについて新たな考え方と、それが必ずしも地震に結びつくものではないという見解があわせて紹介されたところであります。いずれにいたしましても、現時点では地震の発生を高い精度で予測することは困難であり、まずは地震に対して必要な備えを講じていくことが重要であると認識しております。宮城野原地区に整備する広域防災拠点についても、想定される揺れに備えて施設の十分な耐震化や緊急輸送道路の確保など、必要な対策を講じることとしており、災害発生時にその機能を十分に果たすことができると考えております。

 次に、液状化等に関する仙台市議会における答弁についての御質問にお答えをいたします。

 仙台市では、平成十四年度に実施した地震被害想定調査をもとに、市議会において答弁を行ったものと伺っております。その被害想定調査に基づき、平成二十年度に公表されましたハザードマップは、地盤条件や人口、建物の種別、ライフラインなどの生活条件をもとに、地震防災対策の基礎資料や住宅耐震化の促進など防災意識の啓発のため、住民がより身近な問題として意識し地震に対する日ごろの備えを行っていただくことを目的に作成されたものであります。

 その上で、仙台市では、ハザードマップの解説の中で、実際の建築物等を計画する際には、より詳しい地盤調査を行い評価することが必要であるとしております。このことから県では、計画地に隣接する仙台医療センターや仙台市の災害公営住宅、南北に位置する橋梁等のボーリングデータを関係機関から入手したところ、計画地周辺は地下水位が低く砂れき層が主体であることから、液状化の発生の危険性は極めて小さいと判断いたしました。

 また、地盤工学を専門とする学識者にも意見を伺ったところ、ボーリングデータからは液状化のおそれはないとの意見をちょうだいしたところでありますが、なお確認のため、計画地内においてボーリング調査を実施する準備を行っているところであります。

 次に、附帯意見を受けたこれまでの取り組みと今後の対応についての御質問にお答えいたします。

 六月議会において付されました広域防災拠点整備に当たっての県民の理解や市町村との連携に関しての意見につきましては、非常に重要であると認識しております。このため、県民の理解につきましては、これまで広域防災拠点基本構想・計画や同基本設計案を策定する際、広く県民にパブリックコメントなどを実施したほか、新たに県ホームページに広域防災拠点に関するサイトの開設や県政だよりへの特集記事の掲載など、積極的に情報発信に努めてきたところであります。

 また、市町村との連携につきましては、これまで広域防災拠点及び圏域防災拠点整備についての全市町村へのヒアリングや圏域ごとの説明会、市町村防災担当課長会議での意見交換などを行ってきたほか、市町村や防災関係者を構成員とするワーキンググループを設け、広域防災拠点及び圏域防災拠点の運用について検討を進めるなど、連携体制の充実に努めているところでございます。今後もあらゆる機会を通じ、県民の理解を促進する取り組みを推進していくとともに、市町村との連携強化を図りながら事業を進めてまいります。

 次に、みやぎ食と農の県民条例基本計画の見直しのポイントと今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。

 今回の計画の見直しは、震災後の急速な農業構造の変化や国による農政改革の動き、農村における人口減少と高齢化の進展に伴う集落機能の低下など、農業農村を取り巻く情勢の変化を踏まえて行ったところであります。そのポイントは、我が県農業を若者があこがれる魅力ある産業とするため、競争力を更に強化する産業政策と農村の維持活性化を図る地域政策をともに推進していくことにあります。計画の実現に向けた今後の重点的な取り組みとしては、農地の集積や大区画化による土地利用型農業の規模拡大、先進的園芸経営体の育成などによる園芸の振興、全国和牛能力共進会開催を契機とした畜産の振興、更には六次産業化の推進、経営感覚にすぐれた担い手の育成など、産業力、経営力を強化するほか、県産品の輸出促進や販路開拓などの販売力強化の取り組みを一層推進していくこととしております。

 また、中山間地域や沿岸地域における農業の振興や農村の活性化にも積極的に取り組みながら、魅力ある農業・農村の振興に向けた施策を展開していくこととしております。

 次に、園芸作物振興についての御質問にお答えいたします。

 県では、みやぎ食と農の県民条例基本計画において、稲作中心の生産構造を転換し園芸の拡大も図ることとしており、その実行計画として、みやぎ園芸特産振興戦略プランをことし三月に改定したところであります。このプランでは、平成二十六年の園芸産出額三百一億円を平成三十二年には四百二十二億円とする目標を掲げ、先進技術を取り入れた施設園芸と収益性の高い土地利用型露地園芸の推進に取り組むこととしております。具体的には、イチゴやネギなどの県全体で振興を図る品目とセリやズッキーニなど地域の特色を生かして推進する品目を定め、施設園芸では、高度な環境制御技術を取り入れた施設の導入や法人化の推進、露地園芸では、機械化一貫体系による低コスト化、省力化を進めるほか、加工業務用として契約栽培を推進することとしております。

 このため県では、園芸経営体の法人化を進める事業や大口需要に対応した産地の規模拡大を支援する事業を新たに創設したところであります。県としては、今後とも農業協同組合等の関係機関と連携をしながら、競争力ある収益性の高い園芸振興に取り組んでまいります。

 次に、全国和牛能力共進会宮城大会の準備状況と大会後の仙台牛の販売戦略についての御質問にお答えいたします。

 現在、実行委員会では、安全で円滑な大会運営が行われ我が県の魅力が十分に発信される大会となるよう、催事運営や輸送交通等を定める実施計画の策定を進めております。また、仙台牛のブランド力強化に重要となる日本一獲得に向けましては、上位入賞を目指すべく候補牛の育成や選抜に取り組んでおり、先日開催されましたプレ全協におきましても、種牛の部では例年以上に県全体で育成技術のレベル向上が見られました。肉牛の部におきましては、仙台牛に格付された枝肉の割合がこれまで以上に向上するなど、生産者や関係者の努力が着実に成果としてあらわれてきております。

 販売戦略につきましては、昨年度から宮城の肉用牛イメージアップ事業により、仙台牛のPRに努めてまいりました。更に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会も視野に入れながら、首都圏等の大消費地においては、最高ランクに見合った価格での販売と認知度向上を図る一方、県内では、観光客を含めた消費の拡大を販売戦略のコンセプトとして、仙台牛銘柄推進協議会等関係団体と連携を図りながら取り組みを継続してまいります。

 次に、医療、福祉の充実についての御質問のうち、地域医療構想の検討状況等についてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県では、昨年度から地域医療構想の策定に向けて、地域医療構想策定懇話会や二次医療圏ごとに地域医療構想策定調整会議を設置し、それぞれの地域の実情を踏まえ専門的な見地等から御意見をちょうだいしてまいりました。こうした御意見等を参考に、ことし七月に構想案をまとめパブリックコメントを実施したところであり、今後、宮城県医療審議会の答申を受け、年度内に構想を策定したいと考えております。構想策定後の地域医療提供体制の構築につきましては、二次医療圏ごとに新たに調整会議を設置し、地域の医療機関や関係者に参画をいただき、医療機能の分化、連携に向けた取り組みを推進してまいります。

 次に、公立病院の医療機能の分化、連携等についての御質問にお答えいたします。

 限られた医療資源の中で、それぞれの患者の状態に応じた適切な医療を将来にわたって持続的かつ安定的に提供していくためには、病床の医療機能の分化、連携を推進することが重要であると認識をしております。特に公立病院においては、不採算分野や高度専門分野の医療などを担っており、隣接地域における効率化、病院間の連携は今後更に重要になるものと考えております。公立病院の連携強化等につきましては、各地域の意向や病院の考え方が最優先されるべきものと認識しておりますので、それらの状況を総合的に勘案しながら、県として必要な役割を果たしてまいります。

 次に、県内産婦人科医偏在への対応策についての御質問にお答えいたします。

 我が県では、産婦人科医が偏在し、分娩取扱医療機関が減少傾向にありますが、地方創生を実現していくためには、地域で安心して子供を産み育てることができる環境の整備が重要と認識しております。このため県では、これまで各医療圏に中核となる周産期母子医療センターを設置し、分娩と妊婦健診の機能分化を図る産科セミオープンシステムなどを推進してまいります。今後とも医療関係者等で構成される宮城県周産期医療協議会における議論等を踏まえながら、周産期母子医療センターに対する支援や産科医等の確保、育成、待遇改善のための取り組み等を推進し、県内どこでも安心して出産することができる医療体制の充実に努めてまいります。

 次に、介護人材の確保策についての御質問にお答えいたします。

 介護人材の確保につきましては、県といたしましても早急かつ中長期的に取り組むべき課題であると認識しております。こうしたことから、平成二十六年度に県内の行政機関や介護関係団体等で構成する宮城県介護人材確保協議会を立ち上げ、多様な人材の参入促進や職員の資質向上、労働環境、処遇の改善を三つの柱として、介護資格取得のための支援事業やキャリアアップ支援としての研修、経営者向けセミナーなどを行ってまいりました。今年度はこれらの取り組みに加え、我が県初の合同入職式の開催や中高生に介護の魅力を紹介するDVDやリーフレットの作成、配布など、イメージアップのための普及啓発にも力を入れております。今後は、高齢者や再就職希望者への就労支援も行いながら、引き続き介護人材の確保や育成、定着にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、乳幼児医療費助成の財源についての御質問にお答えいたします。

 現在のゼロ歳児から二歳児までの通院に係る医療費助成の数値を単純比例させる形で試算いたしますと、単年度で八億円程度が新たに必要になるものと見込まれます。このため、みやぎ財政運営戦略等に基づく歳入歳出両面にわたる財源確保について不断の努力が必要になるものと考えておりますが、具体的には、来年度予算編成作業の過程の中で検討し、しっかりと確保してまいります。

 次に、所得制限の強化についての御質問にお答えをいたします。

 今回、県市長会、町村会からいただいた乳幼児医療費助成制度の拡充に関する要望には、対象年齢の拡大とともに、所得制限の緩和についても含まれておりました。県といたしましてはこうした要望内容や大阪府の事例も含めた他県の状況、県と市町村の財政負担等を総合的に勘案し、現在と同様の所得制限にしたいと考えております。

 次に、現物給付による医療費増加等への懸念についての御質問にお答えいたします。

 我が県では、平成十七年度から社会保険加入者も含めた現物給付方式を導入し、長年にわたって定着してきておりますことから、今回、現物給付方式のまま制度拡充を行っても、過剰受診による大幅な医療費の増加等の弊害を引き起こす可能性は低いものと考えております。県としては、今回の助成拡充に関する制度の周知とあわせ、医療費の適正化に向けた取り組みを鋭意進めてまいります。

 次に、仙台市への補助のあり方についての御質問にお答えいたします。

 今回の制度拡充に当たっては、仙台市に対する補助率につきましても検討の対象といたしました。政令市を有する十五の道府県のうち、政令市への補助率を二分の一としておりますのは、我が県を含め七道府県しかございません。仙台市を含む県市長会の総意として拡充の要望をいただいていること、また、仙台市の助成対象年齢が通院で小学三年生までとなっている現状等を勘案し、これまでどおり他の市町村と同様に、仙台市に対しましても、二分の一を補助することとしたいと考えております。

 次に、今後の国への働きかけなど、県の対応についての御質問にお答えをいたします。

 乳幼児医療費助成制度につきましては、本来、社会保障制度の一環として、国が責任を持って対応すべきものと考えており、今後も引き続き国に対して新たな子どもの医療費助成制度を創設するよう強く働きかけてまいります。

 次に、最も負担感が大きいとされる教育費への対策についての御質問にお答えいたします。

 国の調査によりますと、理想の子ども数を持てない理由として、子育てにお金がかかるからと答えた方が六割を超えており、中でも教育費負担の軽減を求める意見が最も多い結果となっております。少子化対策、子育て支援は宮城の将来のために喫緊の課題でありますことから、御提案の趣旨にのっとり、新たな少子化対策として、小学校入学時における教材購入費の助成制度創設に前向きに検討してまいります。できるだけ早く具体的な内容を御提示できるようにしてまいります。

 次に、特別支援教育に関する県の基本姿勢についての御質問にお答えいたします。

 少子化が進行する中にあっても、特別支援学級及び特別支援学校に在籍する児童生徒は増加しており、特別支援教育に対するニーズが高まっているものと認識をしております。こうした中、昨年二月に教育委員会において策定した宮城県特別支援教育将来構想では、障害の有無によらずすべての児童生徒の心豊かな生活と共生社会の実現を目指し、一人一人のさまざまな教育的ニーズに応じた適切な教育を行うことなどを基本的な考え方として掲げております。この考え方を踏まえ、県として障害のある児童生徒の学習環境の充実のために引き続き取り組んでまいります。

 次に、仙台圏域の特別支援学校の現状認識と今後の対応についての御質問にお答えをいたします。

 仙台圏域における特別支援学校の狭隘化は大きな課題であると認識しており、これまでも小松島支援学校の新設を初めとする学校の整備を行うとともに、現在、仙台市及び塩竈市の御協力をいただきながら、分校の設置に向けた準備を進めているところであります。しかしながら、今後の特別支援学校に就学する児童生徒の見込み数を考慮いたしますと、狭隘化の解消には至らない状況にありますことから、増加が特に見込まれております仙台南部地区への特別支援学校の新設も視野に入れながら、更に検討してまいります。

 次に、東京オリンピックを見据えた競技力向上に対する考え方等についての御質問にお答えをいたします。

 リオデジャネイロオリンピックでの我が県ゆかりの選手の活躍は県民に夢と元気を与えてくれたものであり、改めて、我が県のスポーツ振興には競技力の向上が不可欠であると認識をしたところであります。県では、ジュニア期からの一貫した強化体制の構築を目的に、県体育協会や各競技団体と連携して強化合宿等に対する支援や指導者の育成等の取り組みを進めるとともに、将来国際大会で活躍できる選手の輩出を目指し、小中学生が未経験の競技と出会う機会を創出するスポーツ体験会を今年度からスタートしております。更に二〇二〇年に向けて、我が県ゆかりの選手を支援する事業も実施することとしており、東京オリンピック・パラリンピックを契機として、競技力向上の取り組みを加速したいと考えております。

 次に、南東北インターハイや東京オリンピックの競技場の整備状況等についての御質問にお答えいたします。

 南東北インターハイの競技施設につきましては、一部の施設で改修等が必要なものもありますが、大会に向け県と開催市町においてそれぞれ計画的に整備を進め、今年度中に改修が完了する見込みであり、開催には支障がないものと考えております。また、東京オリンピックサッカー競技会場の候補地となっております、ひとめぼれスタジアム宮城につきましては、競技施設としての基準がいまだに公表されていないため、必要となる改修の内容等がまだ決定できない状況にありますが、東京オリンピックまで四年をきっておりますので、組織委員会等とも調整しながら遺漏のないよう準備を進めてまいります。

 次に、名取スポーツパークの再開についての御質問にお答えいたします。

 宮城県野球団体協議会から提出された名取スポーツパーク愛島野球場の存続に関する請願が第三百四十九回宮城県議会において採択されたことを踏まえ、県では、スポーツパーク内の野球場部分を中心とした再開の可能性について検討を進めてまいりました。その結果、再開するための改修費用として、野球場と多目的広場の再開だけでも約三十億円かかると試算されることや再開後の維持管理経費も膨大になることが判明いたしました。したがって、現状におきましては県による再開は極めて困難と考えております。今後更に所有者である東北電力並びに地元名取市と調整を進めてまいりたいと考えております。

 次に、ポケモンGO関連予算に関する事業者との無償開発交渉についての御質問にお答えいたします。

 本事業は、人を歩かせることができる位置情報ゲームであるポケモンGOと連携することにより、沿岸部への観光誘客の促進及び震災の記憶の風化防止につなげようと考えたものでございます。ゲームの開発運営元である株式会社ナイアンティックは、被災県からの要望を受け、被災地を支援したいという強い思いから連携していただくことになったものであり、今回の予算につきましては、今後システム改修等が必要になった際、実費相当分を負担するものとして計上したものでありますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。

 次に、事故やトラブルへの対策についての御質問にお答えをいたします。

 県ではポケモンGOを楽しんでいただきながら、観光周遊を促す場所について市町と協議しながら被災地に居住している方の妨げにならないよう、安全な場所の選定に十分配慮することとしております。また、今後作成する周遊マップ等に注意事項を記載するなど事業者と連携を図りながら、マナーアップやルール遵守を呼びかけ事故や違法行為の減少に努めてまいります。

 次に、観光客の入り込みや経済波及効果についての御質問にお答えいたします。

 ポケモンGOは幅広い世代に楽しまれており、またゲーム配信後に新機能が追加されるなど、長く遊んでいただける工夫が施されているゲームだと考えております。また、株式会社ナイアンティックは、これまでも他の位置情報ゲームのイベントなどを通じて、石巻や女川などの被災地に多くの人々を呼び込んでいただいた実績がございます。石巻、女川にはたくさんのお客様を呼び込んでいただきました。現時点では、本事業の具体的な観光客入り込み数や経済波及効果は算出しておりませんが、より大衆性の高いポケモンGOを活用することで、被災地に更に多くの方が訪れていただけるものと考えております。県といたしましては、この機会に被災地にお越しいただいた方々に一人でも多くリピーターとなっていただけるよう、沿岸部観光客の早期回復に向け全力で取り組んでまいります。

 次に、石巻−酒田間地域高規格道路の整備についての御質問にお答えいたします。

 県ではさきの大震災を踏まえ、東北縦貫自動車道や三陸縦貫自動車道などの縦軸とともに、沿岸部と内陸部及び日本海側を連絡する横軸の重要性を強く認識したことから、国と連携しながら防災道路ネットワークの整備を進めているところであります。この横軸を構成する石巻−酒田間における地域高規格道路は、災害時における緊急輸送道路としての機能はもとより、宮城、山形両県の物流や産業、観光振興などに重要な役割を担う路線でありますが、石巻−酒田間のうち石巻新庄道路は、いまだ地域高規格道路の候補路線でありますことから、これまで国に対して計画路線への早期格上げを重ねて要望してまいりました。このような中、石巻新庄道路の起点部に位置する石巻河南道路が今年度から国の新規調査箇所となり、事業化に向けて大きく動き出したところであります。県といたしましては、国と連携しながら石巻河南道路の早期事業化を目指すとともに、石巻新庄道路の計画路線への早期格上げにつきましても、引き続き国に対し強く働きかけてまいります。

 次に、山形県境を結ぶ各道路の整備についての御質問にお答えいたします。

 国管理の国道四十八号につきましては、県境部の関山峠において平成二十六年から二年続けて雪崩による全面通行どめになるなど、冬期間の安定的な通行の確保が課題となっておりました。このため、山形県や仙台市などとともに防災対策の整備促進を要望してきたところ、雪崩防止柵やスノーシェッドの設置工事が平成二十七年十二月までに完了し、冬期間の機能強化が図られております。また、県管理の国道三百四十七号につきましては、これまで県境部の鍋越峠を挟む約十八キロメートルの区間において、冬期通行どめを行っておりましたが、山形県と連携しながら、道路の拡幅や雪崩対策工事などを進めてきた結果、ことしの冬季から通年通行を開始することといたしました。このほか、岩沼蔵王線につきましては、未改良区間においてトンネル工事に着手し平成三十年度の完成を目指して事業を進めているところであり、この工事の完成により、仙台空港から東北道及び東北横断道酒田線へのアクセスも飛躍的に向上いたします。これら横軸の道路整備による安定的な通行確保は、両県の物流産業などの活性化はもとより、観光振興にも大きく寄与することから、引き続き関係自治体と連携を図りながら積極的に取り組んでまいります。

 次に、JR仙山線と仙台空港アクセス鉄道の相互乗り入れについての御質問にお答えをいたします。

 仙台空港の拠点性を高め一層の利用促進を図るためには、空港と県内、更には東北各地を結ぶ二次交通の充実が欠かせないものと認識しております。仙台空港への主要な交通機関である仙台空港アクセス鉄道の仙山線乗り入れにつきましては、平成十九年度に上下四本の臨時列車が運行されましたが、所要時間などに課題があり、現時点では定期運行の実現には至っておりません。県では現在、JR東日本や仙台空港鉄道株式会社、仙台国際空港株式会社とともに、アクセス鉄道の利便性向上の検討を進めているところであり、こうした機会をとらえて仙山線乗り入れの可能性を探るとともに、山形県を初め、東北各地から仙台空港へ円滑にアクセスできる多様な二次交通の充実に向けて、関係機関と連携して鋭意取り組んでまいります。

 次に、山形県との連携に関する基本構想についての御質問にお答えいたします。

 山形県との連携につきましては、平成十九年三月に、宮城・山形の連携に関する基本構想の策定後、官民による宮城・山形未来創造会議を設立し、宮城・山形未来創造フォーラムを開催するなど両県交流の機運醸成に努めてまいりました。また、この基本構想のもと仙山交流味祭りといった地域間交流や地方銀行等と合同で食のビジネス商談会を開催するなど、民間と連携した取り組みも展開されております。更に昨年は、蔵王山の防災、風評対策に、ことしは地方創生の交付金事業に共同で取り組むなど、さまざまな分野で新たに生じた課題への対応につきましても、両県で連携を図っております。構想の期間につきましては、平成十九年度からおおむね十年間としていることから、今年度は未来創造会議の構成団体とともに、これまでの交流や取り組みの成果を総括し、今後の構想や連携のあり方について検討することとしております。県といたしましては、今後とも山形県との広域的な連携を進展させ、東北全体の経済を牽引する圏域の形成に努めてまいりたいと考えております。

 次に、仙台空港の新規路線誘致についての御質問にお答えいたします。

 仙台空港を成功に導くためには、民間のノウハウを生かした機動的で効率的な空港運営により、新規就航や増便など航空路線の充実を図ることが極めて重要であると認識しております。仙台空港を運営する仙台国際空港株式会社では、新たな航空路線の誘致、開設に向けて、ことし三月に開催されたアジア地域国際航空路線商談会に参加するなど、積極的な営業活動を展開してきたところであります。その結果六月には、仙台−ソウル線のデイリー化や国際線LCCであるタイガーエア台湾の新規就航が実現するとともに、来月からのトランスアジア航空の就航やエバー航空の増便が決定されるなど、仙台−台北線の一層の充実が図られました。県としては、今後とも東北各県の自治体や経済界等と連携した観光プロモーション、海外でのトップセールスなど積極的に展開することにより、更なる航空需要の喚起を図り仙台国際空港株式会社の誘致活動を後押ししてまいります。

 次に、仙台空港における物販飲食の今後の戦略についての御質問にお答えいたします。

 東北の玄関口である仙台空港における物販飲食の充実やにぎわいの創出は、空港経営にとって極めて重要であるとともに、東北の物産や観光の振興にも大きく寄与するものと認識をしております。仙台国際空港株式会社は、東北の食の豊かさなど、東北ブランドの発信に向けて、東北各地の事業者との商談会、東北各空港との連携による東北物産市の開催、空港限定商品の販売などの取り組みを進めております。更に、今後、東北各地の名産品を取りそろえた店舗の大幅な拡充や観光インフォメーション機能の充実に向けたターミナルビルの改修を計画しているところであり、この冬から一階到着ロビー部分の工事に着手する予定と伺っております。県といたしましても、東北のブランド力や認知度の一層の向上に向けて、仙台国際空港株式会社の取り組みを積極的に支援してまいります。

 次に、台湾でのトップセールスについての御質問にお答えをいたします。

 本事業は、台湾と東北地方の双方向の交流を促進し更なる誘客を図るため、東北観光推進機構が主催したものであります。日本側からは、東北観光推進機構の清野会長を団長に、各県の知事及び副知事のほか経済界や旅行業界等から十三名が参加し、東北の魅力をPRしてまいりました。このような形で、海外での東北の各県知事による合同の観光PRは初めての取り組みであり、非常に大きな成果であったと考えております。また、蔡英文総統や蘇嘉全立法院長とも面会し、今後の交流について会談するなど東北への関心の高まりが期待されているところであります。今後も台湾を誘客の最重点地域として、東北全体で連携した取り組みはもちろんのこと、我が県におきましても、これまで着実に成果を上げている教育旅行やインセンティブツアーを中心に誘致促進を図り、宮城、東北の観光復興に向けて積極的に取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中山耕一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱二点目、財政課題についての御質問のうち、全国及び県独自の学力調査結果への対応とその成果についてのお尋ねにお答えいたします。

 全国及び県独自の調査結果から、特に算数、数学における基礎的な学習内容の定着に課題があるととらえております。このため県教育委員会では、算数、数学の学力向上対策として、「算数・数学ステップアップ5」と題したリーフレットや指導事例集を作成し、指導主事による学校訪問等において活用を促しながら、授業づくりを支援しております。あわせて、小学校段階における算数への興味関心を高めることをねらいとして、昨年度から小学生を対象とした算数チャレンジ大会を開催しており、二回目となる今年度は参加者もふえ、大会の趣旨が浸透しつつあるものと考えております。今後もこのような取り組みを通して指導方法の改善と児童生徒の学習への意欲向上の両面から学力向上を目指してまいります。

 次に、学力向上のため、土曜日登校など、学校での学習時間をふやすことも検討すべきとの御質問にお答えいたします。

 学力の向上には、学習時間の確保が重要であると認識しており、これまでも市町村教育委員会と連携し、学び支援コーディネーター等配置事業を通して、放課後や週末、夏休み等における児童生徒の学習機会を確保してきたところであります。土曜日については、県内でも市町村教育委員会の判断で授業や学習活動に取り組んでいる小中学校があり、県教育委員会として、今後ともそうした市町村の取り組みを支援してまいります。

 次に、今年度開設された女川高等学園及び岩沼高等学園川崎キャンパスの現状についての御質問にお答えいたします。

 女川高等学園には二十六人が入学し、地域密着型の学習スタイルとして週二回、地元の水産加工工場や老人ホーム、地域医療センターに出向いて、それぞれの学習コースに応じた実習を行っております。また、将来の自立した社会生活に必要とされるスキルを身につけるための寄宿舎生活も順調にスタートしております。通学型の岩沼高等学園川崎キャンパスには四人が入学し、全員が無欠席で夏休みを迎えております。高校内に併設された特別支援学校であり、避難訓練の合同実施など高校との交流学習にも取り組んでおります。また、地元の事業所での実施を行うとともに、地域の公園やスポーツ施設等での活動を通して社会生活や余暇活動の指導も行っているところであります。今後も自立した社会生活ができる生徒の育成に向けて、両校の取り組みを支援してまいります。

 次に、学齢超過義務教育終了者の高等部進学等の実現についての御質問にお答えいたします。

 昭和五十四年の養護学校の義務化以前に、障害のため小中学校への就学を猶予又は免除された方々に対し、義務教育を提供することを目的に、平成二十三年度から希望される方々に対して特別支援学校への編入学を受け入れてまいりました。高等部での受け入れについては義務教育での受け入れが終了する平成三十二年度からの開始を想定しておりましたが、希望されている方々の年齢等も考慮し、来年度から高等部での受け入れができるよう現在検討を進めております。準備が整い次第、関係者にお知らせしたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(中山耕一君) 三十三番高橋伸二君。



◆三十三番(高橋伸二君) 答弁ありがとうございました。

 質問数が思いのほか多くなってしまいました。簡潔に答弁願いますという話をしていましたけれども、思いのほか丁寧に答弁いただきまして、ありがとうございました。

 時間も経過しておりますので、ちょっと気づいた点、再質問していきたいと思いますが、教育費への補助ということで、教材費に関して前向きなお話をいただきましたけれども、大変ありがとうございます。ぜひ、これが実現されるように、私も願っておりますけれども、その点についてもう一度すみませんお願いいたします。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 議員の質問の御趣旨はですね、特に小学校入学時にいろんな教材を買わなければならないということでありました。教科書はすべて無償なのですけれども、教材費は有料ということになっています。市町村によっては、それを支援しているところもあるのですけれども、全県的に見ると、そういうことをやってないということでありましたので、議員から御質問もありまして、きのう、いろいろ打ち合わせをいたした中で、非常にすばらしい御質問の内容なので、前向きに検討しようというふうになりまして早速指示を出しました。

 来年度からやるとなると、早目に市町村に連絡しなきゃいけない。市町村と一緒にやる事業になると思いますので、ですから、なるべく早く検討しなければならないというふうに思っています。かなりお金がかかると思いますので、やはり少子化対策ということを考えながら、どの程度までするかというようなことをよく検討してまいりたいと思います。現在のところまだ具体的なことを言えるような段階には至ってないということですが、少なくとも、入学時への教材費の負担、助成制度の新たな創設ということは、この場で明言しておきたいというふうに思います。



○議長(中山耕一君) 三十三番高橋伸二君。



◆三十三番(高橋伸二君) ありがとうございます。ぜひ、そのような形で進めていただければというふうに思います。

 支援学校の狭隘化ですけれども、新設も視野に入れてということを答弁いただきましたけれども、ぜひそのような形で、これも進めていただきたいと思います。

 名取スポーツパークですけれども、三十億円の費用がかかるということでございますが、私、当初伺ったときは十数億円、十四、五億円でできるというふうにも伺っておりましたが、年々、このお金がふえていくのはなぜかなというふうに思いますけれども、名取市長、今度当選なさった山田市長さんの選挙公約の中に名取スポーツパーク再開というような公約もあったというふうに聞いております。ぜひ名取市長さんとの連携もしていただきつつ、この点について取り進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 中に入っていろいろ調査したところ、予想以上に傷んでおりました。地面がずれたりしておりまして、ですからこれを、子供たちも使う施設になると思いますので、安全なものにするためには、かなりてこ入れをしなきゃいけない。

 また、解体費もありまして、陸上競技場やテニス場、こういったようなものを解体しなければいけないということになると、当然そこにまた予算がかさんでいくということになりまして、野球場と多目的広場だけを再開し、あとは全部壊すというようなことで、解体費を入れてということになりますと、三十億円を軽く超えてしまうということになります。

 これは、東北電力から譲り受けて県が持つとなると、更に維持管理の運営費の関係予算もかかりますので、そういうことを考えますと県単独で再開するのは難しいということです。

 正直申し上げて、議会で請願が通ったということもありますので、本当にここまで、それ以来ずっと一貫して、現地に行ったり、いろいろ調整をいろんなところでやってですね、もうちょっとでうまくいきそうかなと思うと、だめになりですね。もうちょっとでうまくいきそうだなと思うとだめになり、ずっとそういうことを繰り返しておりまして、相当打つ手がなくなってきているのは事実なのですけれども、名取市長がそのような公約を掲げたということもありますので、しっかりと電力さんと名取市さんともよく調整をさせていただきたいというふうに思っております。



○議長(中山耕一君) 三十三番高橋伸二君。



◆三十三番(高橋伸二君) ぜひこの点について、実現に向けて、御尽力いただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上で終わります。



○議長(中山耕一君) 暫時休憩いたします。

    午前十一時三十一分休憩

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    午後一時再開



○議長(中山耕一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。四十四番藤原のりすけ君。

    〔四十四番 藤原のりすけ君登壇〕



◆四十四番(藤原のりすけ君) 明治十一年、宮城県の大崎市に生まれ、東京帝国大学で教壇に立ち、大正デモクラシーの立て役者となった郷土の誇れる大先輩である吉野作造氏は、大正五年「中央公論」の一月号に掲載された「憲政の本義を説いて其の有終の美を済すの途を論ず」において以下のように述べました。憲政、すなわち立憲政治又は憲法の政治というのは文字の示すとおり憲法をもってする政治、憲法に遵拠して行うところの政治という意味である。しかして予は、この各国憲法に共通する精神的根底をもって、民本主義なりと認むるものである、憲法の根底は政治上一般民衆を重んじ、その間に貴賤上下の別をたてず、政権運用の終局の目的は一般民衆のためと言うべきであり、政権運用の終局の決定を一般民衆の意向に置くべきであると主張し、大正十三年五月十三日の「東京朝日新聞」に憲政の常道の要求という文章が掲載されました。憲政の常道とは、政党政治における政界の慣例のことを言い、大正時代に藩閥政治への反発が強まり、大正デモクラシーが起こると民本主義思想とイギリスの議院内閣制にならい、民意は衆議院議員総選挙を通して反映されるのであるから、衆議院の第一党が与党となって内閣を組閣すべきである。また、内閣が失敗して総辞職に及んだ場合、そのまま与党から代わりの内閣が登場すれば、それは民意を受けた内閣ではない。それならば直近の選挙時に立ち返り、次席与党たる第一野党が政権を担当すべきであるとされた政党政治の慣例のことを言います。大正時代に政党内閣は五・一五事件が起こるまで六代続き、戦後も吉田茂首相が退陣した後、野党第一党の鳩山一郎総裁が首相に就任しました。

 憲政の常道とは衆議院二大政党による政権交代を目指したものであり、議会運営のバランスのとれた運営を目指すという立場から、議会の議長を第一会派から、副議長を第二会派から出すという慣例が多くの議会でできたと理解されます。政治はその字のとおり、上が下を支えて矛をおさめるという意味だそうです。政治は経済、経済は経世済民、世を治め人々の苦しみを救うことにあります。政は民を養うにありは中国最古の古典である書経の言葉です。庶民の日々の暮らしを安心して過ごせるようにするのが政治の目的です。儒教の経書である「大学」に修身斉家治国平天下とあります。天下を治めるには、まず、自分の身を修め、次に、家庭を平和にし、次に、国を治め、次に、天下を治める順序に従わなければならないとあるように、為政者の身が修まって国が乱れるのを聞いたことがないというのは、そのとおりだと思います。

 また、福島県の有名な二本松城の戒石銘には、汝の俸汝の禄は民膏民脂なり。下民虐げやすきも上天は欺きがたし、おまえらがお上からいただく報酬は庶民の汗とあぶらの結晶である。下々の庶民を虐げることはたやすいが神を欺くことはできないと、公職に携わる者の心構えを述べています。保守とは保業守成であり、創業垂統を受けるものです。すなわち立派な第一代が苦心して仕事を始め、その仕事を後々まで伝えることを言います。イギリス保守党のディズレーリは保守の意味は維持し改造することであり、自分は悪を去ることにおいてはラディカルであり急進的であるが、よいものを保つことにおいては保守的であると述べたそうですが、ぜひ、そうあってほしいものだと思います。

 政治を行うやり方には王道と覇道があると言われます。力ずくで何でもありの覇道は利己の行、道徳に立つ王道は没我の行であるとされ、書経には徳を頼むものは栄え、力を頼む者は滅ぶとあります。私は政治に携わる者は王道を目指すべきだと考えます。以上の政治の基本的な考え方についての知事の考えをお聞かせください。

 国際通貨基金IMFは日本経済に関する年次報告書を八月二日に発表しました。現状では経済成長、財政健全化、物価上昇のいずれの目標も予定どおり達成できず、消費税増税を先送りするなど政策の不透明感も高まっていると分析し、安倍政権の経済政策、アベノミクスは岐路に立たされており、思い切った改良が必要であるとIMFは提言しました。経済成長は民間消費の弱さと投資の低迷によって減速しており、二〇一六年に約〇・三%という緩慢なペースになると考えられましたが、二〇一七年には〇・一%に低下すると見込まれていると予測し、構造面での政策の不足が持続的な改善を難しくしていると述べています。これまでの世論調査でも国民の七割が景気の実感がないと回答していましたが、ことし八月三十日に出された総務省統計局の七月分家計調査報告によると、消費支出は一世帯当たり二十七万八千六十七円であり、前年同月比実質で〇・五%、名目で〇・九%の減少となっています。また、勤労者世帯の実収入が一世帯当たり五十七万四千二百二十七円であり、前年同月比実質で一・八%、名目で二・二%の減少となっています。知事の所感をお聞かせください。

 正規の職が得られず、非正規を選択せざるを得なかった不本意な非正規雇用者の増加は社会問題化しています。昨年の労働力調査では一六・九%でした。非正規が四割を超え、結婚率も正社員の二分の一、女性が初めて就く職は非正規が五割であり、年収四百万円以下の世帯では大学進学率は三割、子供六人に一人、ひとり親世帯は二分の一が生活保護世帯並みの貧困状態にあると言われています。非正規従業員を雇用する企業にとってのメリットは低賃金と解雇が簡単なことと、社会保障負担を節約できることにあると言われています。もともと労働者派遣法は一九八六年に施行されましたが、このときは派遣労働とはあくまで臨時的、一時的労働に限ると規制されていました小泉構造改革のもと、一気に原則自由化へと進められ、製造業への派遣労働が自由化され、これにより企業の人件費は、それまでの固定費から流動費へと変わり、景気の変動に応じて随意に首切りができるようになりました。その後、女性保護規定の原則廃止や労働者派遣の原則自由化がなされましたが、労働経済白書は、これを働き方の多様化と言い、経済社会の変化に伴うものとしましたが、結果は所得分配の不平等を進めるものであったと思います。かつて新自由主義の時代があり、強いものがより強くなることが社会の底上げにつながると言われましたが、大企業は大きくなり、内部留保は三百兆円を超えましたが、働く人は小さくなり、結果として格差は広がりました。労働の解体により働く貧困層をつくり出し、均衡ある国土の発展ではなく、国土の五十数%に及ぶ限界過疎集落をつくり出しました。そもそも新自由主義のねらいは小さな政府を実現し、分かち合いのための共同責任を免れることにあるように思われます。公共サービスの語源はスウェーデン語のオムソーリと言い、悲しみの分かち合いという意味のようですが、同じ社会を構成する一員として共感共苦、ともに感じともに苦しむ分かち合いの経済が今、必要なのではないでしょうか。本年八月の一万人を対象にした内閣府の国民生活に関する世論調査でも、暮らしが悪くなっているとの結果が出ており、私もそう思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。

 地震は自然現象だが、震災は社会現象であり、地震をとめることはできなくても、震災を軽減することは可能であると言われます。七月十六日に二十四の学会の協力のもと、日本学術会議主催のシンポジウム熊本地震・三カ月報告会が開催されました。今回の地震で動いた断層のほとんどは既に知られたものであり、十万年以前から活動を繰り返しており、地震の位置づけとしては活断層が引き起こした直下地震であり、断層上の建物がことごとく全壊し、近くの建物の多くも倒壊していること、震度七相当の震災の帯により局所的、甚大な被害がもたらされたこと、今後の活断層対策のあり方として、一、活断層防災推進地域の指定、二、活断層の存否調査の実施と公式台帳の作成、管理が必要であるとの報告がまずなされました。災害時の廃棄物対策として、初期対応としてのし尿処理と生活ごみ、中長期対策としての災害廃棄物が三つの柱であり、処理方法としては可能な限りリサイクルと減量化を図り、埋立処分を少なくすることを基本方針とするとともに、仮置き場については分別指導、搬入路の整備、火災防止の指導、悪臭、害虫発生の抑制に力を入れるべきことが報告されました。また、近年の自然災害は農業インフラ被害が圧倒的であり、被害規模のいち早い見える化と人命最優先から復旧に至る支援連携の迅速化が今後の課題であるとされました。更には、初動のマンパワー不足や政府が被災自治体の要請を待たずに水や食料を送り込むプッシュ型支援に軸足を移したことで、各地からの支援物資を素早く仕分けて避難所に送る自治体の役割が大きいこと、プライバシーの確保などを理由に車中泊やテント暮らしをする避難者がふえたことから避難所以外の場所に避難する人への支援を地域防災計画に明記する必要性と、国、都道府県、市町村の災害対応業務の標準化、並びにアウトソーシング可能な業務の抽出の必要性についても報告されました。これらの資料は執行部にも事前にお渡ししてありますが、以上の点についての見解と今後の対応についてお聞かせください。

 宮城県の広域防災拠点整備計画の問題点として、一、計画地は長町利府断層帯に近接し、地震発生時に防災拠点としての機能を果たさないのではないか、二、計画地は国が考える整備要件を満たさないのではないか、三、計画選定評価が初めに宮城野原ありきで、恣意的な評価が行われたのではないか、更には、予算が巨額であることや住民への説明不足などの疑問点が残る中で、審議が不十分であると判断し、六月定例会では私たちは反対をし、二十名の議員で少数意見の留保を十年ぶりに行いました。

 以下、質問いたします。

 一、どうしても、初めに宮城野原ありきであり、まず、土地取得最優先にされたのではないかとの疑念が消えません。村井知事の説得力ある答弁を求めます。

 二、六月二十九日の予算特別委員会において、高橋啓議員の内閣府三条件や総務省三要件を満たしているのかという質問に対し、村井知事は、そういったようなことが認められた上で、国としてオーソライズされたというふうにとらえていますと答えていますが、これは内閣府や消防庁などと事前に相談していると理解してよいのかどうか、お答えください。

 三、同じく予算特別委員会における、福島かずえ議員の国交省の基準面積は五十ヘクタール以上で、宮城野原は面積が足りないのではないかとの質問に対し、遠藤土木部長は、国が了解していただいたというのは要綱に例示されている広域防災拠点の機能のすべてが確保されるということから了解いただいたというふうに理解しておりますと答えていますが、機能の諸要件についても了解されたと考えてよいのかどうか伺います。

 四、仙台市が平成十四年度に実施した被害想定調査によると、活断層帯を震源とする地震が発生した場合には、宮城野原は震度六強の揺れや液状化の危険性が極めて高いとされている点について、本県の調査では、そうではないという明確な根拠をお示しください。

 本県の一般会計に占める公共事業費の割合は、平成二十六年度一〇・九%、二十七年度一二・一%、二十八年度一〇・七%と、一割を占めています。特に、公共事業費の農林水産部予算に占める割合は平成二十六年度七三・〇%、二十七年度七九・三%、二十八年度七一・五%と、七割を超えています。公共事業は、まず、調査費をつけるところから始まり、一度、調査費がつけば、その事業は、よほどのことがない限り実施されます。大島架橋事業費は二百二十億円ですが、調査費はその三・三%の七億三千万円であり、第三期みやぎ県北高速幹線道路事業費は百四十八億円であり、調査費は三%の四億三千万円になっています。また、公共事業費は当初事業費に比べ、最終的には大きくふえているケースが以前から目立ちます。二〇〇〇年度の宮城県の主要公共事業費の上位十事業を見ると、当初事業費は三千八百四十一億五千三百万円ですが、その最終想定事業費は五千八百四十六億七千五百万円と千六百四十五億二千二百万円もふえており、中には当初より三・九倍、二・六倍になっているものもありました。

 宮城県議会は、議会の議決を経て締結する工事請負契約の変更に係る知事の専決処分事項について、通常事業では契約金額の一割以内で、かつ五千万円以内の変更であったのを災害復旧の迅速化を図るため、災害復旧事業及び復興事業の変更契約については平成二十五年十月三日以降、契約金額の二割以内の変更の専決処分を認めました。大震災以降の工事請負変更契約のうち、一割または五千万円を超える変更、そして震災関連については二割を超える変更について調べてみますと、大震災以降、五十八件、そのうち五十二件が増額変更になっており、その内訳を見ると増額幅は最大で六四・三%、五〇%台一件、四〇%台二件、三〇%台十三件、二〇%台二十八件、一〇%台七件、一〇%未満六件となっています。変更理由を調べてみますと、数量等の施工内容の変更が二十三件、工法等の施工内容の変更が十六件、インフレスライドによるもの十三件、資材調達の変更三件、構造など計画の変更が二件、ほかの事業との調整によるもの一件となっています。すなわち、主な変更理由として挙げられるものは、一、現地測量や調査による数量等の変更、二、地盤状況等に伴う工法の変更、三、まちづくり等他事業との区画変更などの調整、四、防潮堤工事区間の変更、五、資材や労務費単価の変更、六、資材不足や他事業との調整による資材調達の変更などのようです。震災からの災害復旧事業は速やかな事業進捗を図る必要があり、必要最小限の現地調査をもとに進めなければならない性格上、工事着工後の測量及び地質調査において、差異がみられることや、当初発注時点に予見できない土質や湧水などの自然条件の変化や、同時進行している復興まちづくり事業との調整などにより、一定程度の設計変更は十分理解できますが、より適切な当初発注へ向けた取り組みとして考えられるものがあればお聞かせください。

 既に我が国では平成十七年には死亡数が出生数を上回り、我が国の人口は減少局面に入りました。平成二十四年一月の人口推計によれば、二〇六〇年に生まれる子供の数は現在の約五割、高齢化率は現在の約二倍の三九・九%になり、十五歳から六十四歳の生産年齢人口は現在の二分の一近くに減少します。社会保障関係費の増加により、国の歳出は増加傾向にあり、九十兆円を超える規模になっています。一方、税収については景気の低迷などにより、ピーク時の平成二年度の三分の二程度の四十兆円に落ち込んでおり、その結果として歳出と税収の乖離が広がり、グラフの形がいわゆるワニの口になっています。男女平等の指数としては世界フォーラムのジェンダーギャップ指数が有名ですが、昨年のデータでは日本は世界ランクで百四十五カ国中、百一位であり、政治分野は百四位、経済分野は百六位、教育分野は八十四位、健康分野は四十二位となっており、活用されていない人的資本の最大のものが女性であることをはっきり示しています。日本の女性の就業率は先進国に比べると、M字カーブの傾向が顕著であると言われます。いまだに第一子の出産を機に約六割の女性が退職しています。三菱UFJリサーチ・コンサルティングの調査によると、妊娠、出産を機に退職する理由は自発的にやめたが三九%、両立が難しかったが二六%、解雇又は退職勧奨されたが九%となっており、両立の難しさとしては勤務時間の問題、両立を支援する雰囲気がないことが挙げられているようです。女性にとって子供を持ちながら働き続けるために必要なことは、子育てしながらでも働き続けられる制度や職場環境、勤務時間が柔軟であること、残業が余り多くないこと、長期的に安定した継続雇用、やりがいが感じられる仕事の内容などが挙げられています。共働き世帯は増加傾向にあり、平成になってからは専業主婦世帯を上回っています。女性の社会進出が進んでいる国ほど合計特殊出生率の高い傾向にあり、かつ、夫の家事、育児時間が長いほど妻の継続就業割合が高く、また、第二子以降の出生割合も高い傾向にあるようです。女性がキャリアアップするには最近言われるようになったガラスの天井、ガラスの崖、以前に多くの壁があります。出産後、働き続けることの壁、育休からの復帰を阻む壁、子供が小学校に上がる際の小一の壁、学童保育で預かってもらえなくなる小四の壁、更には、キャリアアップの壁、離職後、再就職の壁、女性の就業を短時間に抑える百三万円の壁、百三十万円の壁などの税制、社会保障の壁があり、壁の背後には男性の意識の壁があると言われますが、そのとおりではないでしょうか。以上の点についての知事の考えをお聞かせください。

 ことし四月一日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、女性活躍推進法が施行されました。ワークライフバランスの取り組みやフレックスタイム制度の導入など、子育て中の女性であっても働きやすい環境への取り組みを行った企業は一定期間後に生産性の大きな上昇が見られるとの研究があります。本県並びに本県庁における取り組みについてはどうでしょうか。

 宮城県の知事部局の係長級以上に占める女性の割合は平成二十六年度では一八・六%にすぎませんが、平成三十二年度までに二二%以上にすることを目指しているようです。宮城県は特定事業主行動計画を平成十七年度から三期にわたって作成し、更に女性活躍推進法を受けて、一体的な計画として効果的に推進するために、新たな計画を策定しましたが、今後、実効ある成果を上げるための課題についてお聞かせください。

 また、子ども子育て支援制度に基づく、子育て支援員は既に八十五人が基本研修を修了しているようですが、課題として子育て支援員制度の周知を徹底することと、研修修了後の働き先の確保が課題となっているようですが、今後の課題解決に向けた取り組みについてお聞かせください。

 県警察における平成二十七年度の懲戒処分数は三件、平成二十六年度は五件となっています。公安委員会は知事の所轄下に置かれる行政委員会であり、警察が強力な執行力を持つ警察行政について、その運営の独善化を防ぎ、かつ、その政治的中立性を確保するためには国民や県民の常識を代表する者が警察の管理を行うことが適切であるとの考えに立ち設置されており、地方自治法第百八十条の九に規定されています。公安委員長は会務を総理し、都道府県公安委員会を代表します。公安委員会は警察官等の経歴を有するものではなく、広く県民の良識を代表することが期待される委員で構成され、月四回開催される定例会議において、警察本部長以下の幹部の出席を求め、県警察運営指針などの大綱方針の決定、指示や意見などの伝達を行い、それらの結果の検証を行っており、また、警察改革の精神の再徹底方策などについても報告を受け、協議を重ねるとともに、各警察署で開催される警察協議会への出席、警察署及び交番、駐在所を訪ねての勤務員との意見交換会などを通じて、警察業務の実態把握と管理を前向きに行っておられるものと理解しています。平成十七年二月二十二日、警察庁長官官房総務課は、警察改革の持続的断行についてという文書を出し、その中で治安の回復、幹部を初めとする職員の意識改革、不祥事の防止などとあわせ、公安委員会の管理機能の一層の充実強化と警察改革の推進状況の不断の検証について述べています。

 公安委員会の問題点としては、一部に以下の点を指摘する向きがあります。一、現在の公安委員会は警察主導の委員会運営がなされ形骸化している。二、警察本部庁舎内に事務局が置かれており、事務作業も警察官が行うため、制度としての中立性が担保されていない。三、公安委員会自体は強い権限を持っているにもかかわらず、警察や司法に精通している委員が少なく、結果として警察主導で議事が決定しがちなどである。以上の点について県公安委員長御自身の見解と決意をお聞かせください。

 以上をもって、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 藤原のりすけ議員の代表質問にお答えをいたします。大綱六点ございました。

 まず、大綱一点目、政治の基本的な考え方についての御質問にお答えをいたします。

 私は常に全体の利益を最優先にして政策判断することが何より大切であると考えており、あえて申し上げれば、それが政治手法の原点と言えるものであります。政治の世界では王道、覇道も含め、さまざまな手法がございますが、私自身、県政を預かる者として、これまでと変わることなく、自分にとって損か得かではなく、多くの県民にとって真の豊かさにつながるものかどうかという視点で行動し、県民の声に真摯に耳を傾け、今後とも衆知を集める県政運営に努めてまいりたいと考えております。

 次に、大綱二点目、貧富の差の拡大と非正規労働についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、アベノミクスなど経済情勢に関する所感についてのお尋ねにお答えをいたします。

 安倍政権の経済政策、アベノミクスについては有効求人倍率や賃上げ率の向上、企業収益の改善による税収の増加など、一定の成果が出ているものと認識をしております。一方で、景気の現状は個人消費や民間投資に力強さを欠いており、こうした状況を打開するため、政府は先月、未来への投資を実現する経済対策を打ち出し、持続的な経済成長と一億総活躍社会実現に向けた施策を進めることとしております。私といたしましては、これらの経済政策が着実に実行され、地方の雇用と所得の拡大につながるよう強く期待をしているものであります。

 次に、分かち合いの経済についての御質問にお答えをいたします。

 分かち合いの経済は、東京大学の神野名誉教授が提唱する経済システムであると承知しております。私も、さまざまな状況にある人々がお互いに分かち合い、支え合いながら生き生きと活躍できる社会を目指していくことは大事なことであると思います。国においては現在、一億総活躍社会の実現に向けて、保育士や介護職員の処遇改善、低所得世帯の子供に対する支援の拡充、最低賃金の引き上げ、長時間労働の是正などを進めることとしております。県としても、引き続き産業集積の促進や地域産業の競争力の強化などにより、安定した質の高い雇用の創出に努めるとともに、福祉や教育への取り組みを着実に進めながら、県民一人一人が安心して暮らせる宮城の実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、大綱三点目、熊本大地震の教訓と防災拠点についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、熊本大地震の教訓についてのお尋ねにお答えをいたします。

 御指摘のシンポジウムは、日本学術会議等に所属する二十三の学会の代表が集まり、熊本地震に関し、蓄積した情報の発信、共有を図り、今後の防災減災、災害復興のための提案を行うことを目的に、熊本地震の発生から三カ月後に開催されたものと承知をしております。本シンポジウムでの報告内容は、今後精査等が行われていくものと思われますが、例えば、車中泊等避難所以外の場所に避難する方への対応については、我が県においても、具体的な検討事項として参考になるものと考えております。このようなことから、本報告や最新の調査研究等を踏まえた国の法令改正や防災基本計画の修正等の動向を注視しながら、適切に対応してまいります。

 次に、広域防災拠点が宮城野原地区ありきではないかとの御質問にお答えをいたします。

 広域防災拠点につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、今後、大規模災害に効果的に対応するためには傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点の整備等が必要であると強く認識したことから整備することとしたものであります。このような観点から、広域防災拠点の計画地については仙台東部道路、仙台塩釜港、仙台空港、陸上自衛隊の駐屯地、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接し、圧倒的に地理的優位性が高い宮城野原地区を選定し、広域防災拠点整備事業を展開することとしたものであります。

 次に、国への事前相談についての御質問にお答えをいたします。

 広域防災拠点の整備につきましては、国の社会資本整備総合交付金事業等を活用しながら実施していることから、所管省庁である国土交通省とは事前に内容等について調整しながら進めてまいりました。その際、内閣府や消防庁の広域防災拠点に関する報告書も参考に進めてまいりました。広域防災拠点の計画地の決定や、その機能につきましては、自治体がみずからの判断で決定すべきものと認識しており、内閣府及び消防庁からは、本案件について、国は協議を受ける立場にないとの回答もいただいております。今後、広域防災拠点の運用に当たりましては、国との連携は重要であり、関係省庁と適切に連携を図ってまいります。

 次に、広域防災拠点の機能の諸要件についての御質問にお答えをいたします。

 広域防災拠点の整備については、国の社会資本整備総合交付金事業等を活用し、平成二十六年度から都市公園事業として実施しているところであります。その交付金の事業要件では、災害が発生した場合において、災害復旧活動の支援拠点、復旧のための資機材や生活物資の中継基地等広域防災拠点の機能を発揮する都市公園となっており、広域防災拠点の機能を定めた宮城県広域防災拠点基本構想・計画において、国の示した当該要件を満たしていることから、事業採択を得られたものであります。

 次に、液状化に関する仙台市の被害想定調査と県の見解についての御質問にお答えをいたします。

 仙台市が地震被害想定調査に基づき、平成二十年度に公表したハザードマップについては、地盤条件や人口、建物の種別、ライフラインなどの社会条件をもとに、地震防災対策の基礎資料や住宅耐震化の促進など、防災意識の啓発のため、住民がより身近な問題として意識し、地震に対する日ごろの備えを行っていただくことを目的に作成されたものであります。その上で、仙台市では実際の建築物等を計画する際には、より詳しい地盤調査を行った上で評価することが必要であるとしているため、県では計画地に隣接する場所のボーリングデータをもとに、その地盤状況を確認したところ、地下水位が低く、砂れき層が主体であることから、液状化発生の危険性は極めて小さいと判断しているところであります。

 次に、大綱四点目、大震災復興公共事業の進行管理についての御質問にお答えをいたします。

 東日本大震災からの災害復旧事業につきましては、早期の工事着手と速やかな事業進捗を図るため、必要最小限の現地調査及び関係者との調整をもとに発注してきたことから、工事発注後の現地との差異や復興まちづくり事業との調整に加えて、労務資材の高騰などにより、設計変更が生じております。このため、県では事業の円滑な推進を図るため、平成二十六年六月に改正されました公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づく発注関係事務の運用に関する指針を踏まえ、工事の性格や地域の実情等に応じた計画的な発注、適正な工期及び予定価格の設定、現場の実態に即した施工条件の明示など、より適切な発注事務の徹底に努めているところであります。また、調査及び設計業務の成果は維持管理を含めた総合的なコストや施設の性能等に大きく影響を与えることから、効率的で効果的な現地調査の実施と設計業務の充実を図り、品質の向上に努めるとともに、職員の技術力向上に向け、職場研修や職場外研修に積極的に取り組んでまいります。県としては、復旧・復興工事のピークを迎えている現在、復旧・復興の加速化を図るため、引き続き適正な工事発注に努めてまいります。

 次に、大綱五点目、女性活躍社会の推進についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、女性のキャリアアップに対する壁についてのお尋ねにお答えをいたします。

 近年、男女共同参画社会の実現に向け、女性がみずからの意思によって、その個性と能力を十分に発揮し、さまざまな職場で活躍することが期待される一方で、依然として結婚、出産などを機に、やむを得ず退職する女性が多く、働き続けることに、さまざまな課題があると認識をしております。県が平成二十七年度に行った宮城県女性の活躍促進に向けた企業等実態調査においても、企業、個人ともに女性活躍の阻害要因の第一位は、女性従業員は家事、育児等の家庭生活のため配置や時間外労働に制約があるとなっており、また、企業回答の第四位は女性従業員が結婚、出産、介護などにより、早く退職してしまうとなっております。更に、個人回答の第三位は男性従業員の意識、理解が不十分であるとなっております。これらの結果からも、女性のキャリアアップを阻む壁を多くの方が感じており、働き方改革や男性への意識啓発は女性の活躍を推進する上で、なくてはならないものであると考えております。

 次に、県内企業及び県庁におけるワークライフバランス等の取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 まず、県内の企業における取り組みでありますが、女性活躍推進法及び次世代育成支援対策推進法では、一定規模以上の企業に対し、労働時間の状況や女性管理職の割合等の課題を分析し、目標と取り組みを定めた一般事業主行動計画の策定を義務づけており、対象となる全企業が策定を終え、取り組みを進めております。一方で、小規模な企業については、いずれも計画の策定が進んでいない状況となっております。県では各企業の取り組みを進めるため、昨年度、県内の経済団体や関係機関、行政によるみやぎの女性活躍促進連携会議を設立したほか、今年度、策定する第三次男女共同参画基本計画の中で、職場における男女共同参画の実現の項を女性活躍推進計画として位置づける予定としており、女性が働きやすい環境づくりを全県を挙げて推進してまいります。

 次に、県庁における取り組みでありますが、子育てのための部分休業、早出、遅出勤務、定時退庁日の設定による時間外勤務の縮減、夏季における、ゆう活の実施などに努めているところであり、今後もなお一層、ワークライフバランスの推進に努めてまいります。

 次に、宮城県特定事業主行動計画の実効性と成果を上げるための課題についての御質問にお答えをいたします。

 県では女性活躍推進法の制定を受けて、本年三月に宮城県特定事業主行動計画を策定し、女性の個性と能力が十分に発揮される組織環境づくりに取り組んでいくこととしております。この計画に掲げる管理職に占める女性職員割合などの目標を達成するためには、女性職員の職域拡大や育児休業取得職員へのフォローアップなどが課題であると認識しております。このため、課長補佐級への積極的な女性登用や女性職員のキャリアアップのための研修の実施など、実効性を確保するための取り組みを行うとともに、副知事をトップとする宮城県特定事業主行動計画策定・推進委員会において、進行管理や現行制度の改善を図りながら、目標達成に向けてしっかりと取り組んでまいります。

 次に、子育て支援員制度の課題解決に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 子育て支援員は、保育や子育て支援に従事することを目的として、平成二十七年度から新たに設けられた認定制度であります。昨年度は、県として基本研修を実施し、八十五人が修了しており、今年度も更に百人を対象とした基本研修のほか、放課後児童コースの専門研修を実施することとしております。子育て支援員は小規模保育や放課後児童クラブなどにおいて、補助者等としての活躍が期待されておりますので、県のホームページや広報誌への掲載等による制度周知に努めるとともに、子育て支援員の働く場の確保に向けて、市町村と協力しながらしっかりと取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(中山耕一君) 公安委員会委員長相澤博彦君。

    〔公安委員会委員長 相澤博彦君登壇〕



◎公安委員会委員長(相澤博彦君) 大綱六点目、公安委員会についての御質問にお答えいたします。

 公安委員会は、知事所轄のもとに置かれた行政委員会として、県民の視点に立脚した警察活動が行われるよう、第三者的立場から、警察の管理に努めております。委員会が管理機能を十分に発揮するためには、委員会補佐室の警察職員におきましても、警察業務に精通した者が、委員会の補佐をすることが適当であり、職員は委員会設置の趣旨を十分にわきまえ、中立性に配慮しながら、業務に当たっております。

 次に、公安委員会は、広く県民の良識を代表することが期待される委員で構成されるべきものと承知しており、現在、法曹界、経済界、教育界及び医学界から選任されております。現在の委員構成を見ますと、社会の動きや各階層の意見を把握しうるバランスのとれた見識と能力を持った者から構成されているものと認識しております。更に、定例会を原則、月四回開催し、警察本部長以下の幹部の出席を求め、警察運営指針等の大綱方針を決定するほか、必要な指示や意見を伝え、その結果の検証を行い、警察業務の実態把握と管理を行っているところであります。したがいまして、警察主導の議事進行にはなっていないものと認識しております。今後とも、委員会運営が適正に行えるよう、県警察を管理してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) 広域防災拠点からお伺いします。

 広域防災拠点に関しては、市民団体である東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターが、東京で内閣府、消防庁、国交省と話し合いを持っています。高橋啓議員の内閣府三条件、総務省三要件を満たしているのかとの予算委員会における質問に対し、知事は、そういったようなことが認められた上で、国としてオーソライズされたというふうにとらえていますと答弁していますが、内閣府は事前に宮城県からの相談は受けていない、消防庁は宮城県からあらかじめ相談されていない、国交省としては、県が内閣府などと当然協議しているという認識です。あらかじめ県が内閣府と協議して、防災拠点としてオーソライズされて出てきたものと思っていますと答えたようです。これはどういうことですか。

 事前に全く相談していない、あるいは詰めていないということなのでしょうか、明確にお答えください。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 高橋議員に対する答弁で少し、不十分であったと思います。おわびを申し上げたいと思いますが、言いたかったことは、これは当然、自治事務の範囲内でございますので、国に対してそれぞれ、ここに、こういう条件でつくってよろしいでしょうかということを、お許しをいただけなければならないものではない、ということです。ただ、先ほども答弁いたしましたとおり、これは国の社会資本整備総合交付金を活用いたしますので、その所管官庁である国土交通省とは、事前に内容等についてしっかりと調整をした上で予算化をしていただけるという裏づけをもって、この事業に邁進したということでございます。みやぎ県民センターの皆さんから、そういうお話があるということを、マスコミから聞きましたので、担当の部長に、それぞれの役所に行ってお話をさせていただきましたけれども、先ほど、これも答弁いたしましたが、自治体がみずからの判断で決定すべきものだというふうな返事を、ちょうだいをしております。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) 知事の今の答弁と、当時の答弁と随分違うんじゃないですか。それはだから、要するに、不十分な答弁だったことは認めるわけですね。だけど、いわゆる虚偽の答弁ではなかったと。中央省庁の意向は関係なくはないけれども、意向には国交省を通じて調整を図ったと、そういうようなとらえ方ですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 国交省を通じて調整しただけでなくて、国交省と調整をしたということです。国交省から各省庁にそれを伝える義務もございません。各省庁、他の省庁からは、これは宮城県の当然、震災を経験をした県として、どこにどういうふうにつくればいいのかとか、一番、御自身でわかってるでしょうから、最もいいと思われる場所に、しっかり整備をなさるべきであるということを担当の総務部長が先般、各省庁を回って説明を更にさせていただく際に、そんな言葉をいただいてきたということでございます。したがって、国交省を通じて各省庁に説明をしてもらったということでは決してないということでございます。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) すると、国交省としては、県が内閣府などと当然、協議しているという認識ですというのは、どうとらえればいいんですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 残念ながら、そのように国交省が私たちの前で言ったわけではなくて、県民センターの方にお話のあったということなので、できれば、国交省の、どこの、だれと調整をしたのかということを、ぜひ、お示しをいただければ、確認をさせていただきたいというふうに思っております。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) その確認もすぐできると思いますので、追って知事の方に連絡が行くと思いますが、あと、福島かずえ議員の国交省の基準面積は五十ヘクタール以上なので、宮城野原は面積が足りないのではないかという質問に対し、遠藤土木部長は、国が了解していただいたというのは、その要綱に例示されている広域防災拠点の機能のすべてが確保されているということから、了解をいただいたというふうに理解していますと答弁していますが、国交省は、国交省がまとめている機能の諸要件については、いちいちチェックするようなことはしていません。内閣府なり宮城県さんなりが、これが広域防災拠点ですということでいただいたものを、私どもは採択しているので、宮城県さんが内閣府などに見てもらった上で、防災拠点としてやっていきますと、整理した上で、それが我々の方にやってきて、我々の方に来ているという認識ですと答えたそうですが、これはどういうことですか。

 このとおりだとすれば、宮城野原の広域防災拠点の機能の諸要件については、何ら了解されていない、すなわち要件をクリアしていないということではありませんか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) その点につきましても、言った、言わないというわけにいきませんので、その国交省のどなたが、おっしゃったのかということをぜひ教えていただいて、そうすると我々その方に確認をして、それは正直にまた、別の場で質問を受ければ、お答えをしたいと思います。議会の答弁で訂正いたします。議会の答弁でなくても別途、改めて藤原議員の方に説明に伺いたいというふうに思います。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) 知事、市民団体が何か、うそでも言ってるみたいなね、そう聞こえますよ。だって知事たちは議会で答弁してるんだから、議会で答弁しているというのは非常に重いんだよ。だから、それがまた次の議会で言い方変わるようじゃね、それは、できるだけ正確に表現してもらわないと困ります。先ほどの国は協議を受ける立場にないと国が言ったそうですが、それはどこの省庁ですか。



○議長(中山耕一君) 総務部長大塚大輔君。



◎総務部長(大塚大輔君) これは私の方で内閣府と消防庁にお伺いして、お問い合わせしたところ、その両省庁から大体、同趣旨の判断をいただいております。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) 事前に、例えば県執行部として、その辺の確認をして、県の執行権の範囲だと言うんであれば、最初からそういう答弁をすべきじゃないですか。オーソライズされて、十分認められていますというような答弁を既にやってしまっているわけでしょう。それは私おかしいと思います。そういう答弁をしていて、議会の可決に持ってってる面もあると思います、判断した方としては。それを考えた場合に、やはり、本来、例えば内閣府は、事前に宮城県から相談を受けていない、消防庁、宮城県に相談されていない、あるいは国交省として云々というのが立場から考えれば、本来であれば、そういう立場であるので県としては、そういうような形でやったということを、そもそも最初に議会に対して説明すべきであったと思います。オーソライズされているとか、理解を受けているというような答弁は、それは私は間違いだと思います。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 言いわけにしか聞こえないかもしれませんけれども、高橋議員に対する答弁では、私の受けとめが、国からの理解を得ているのかというふうにとらえたわけであります。そのときに、内閣府とおっしゃったのか、消防庁とおっしゃったのか、そこは、今、記憶にないんですけれども、私はそう受けとめました。したがって、私どもは担当である、窓口である国交省と少なくとも予算をいただくために、いろんな打ち合わせをしてまいりましたので、国というのは国交省という意味で答えたわけでございますが、国交省からは御理解をいただき、オーソライズされているというふうに答えました。ただ、しっかり文書を活字に起こした際に、高橋議員が、そのように質問していたと、それを私が誤解をしたということであれば、誤って受けとめたということで、認識に誤りがあったということを先ほど申し上げたということでございます。したがって、決してうそをつく、隠すつもりはございませんでした。これはあくまでも自治事務の範囲内でございますので、これはもう国に対して、その他の省庁に対して、お伺いをたてるようなものではないというのは、今でもそのように思っております。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) お互い人間のやることだから、でも、やっぱりその辺はきちっと信頼回復できるように精査をしていただきたいと思います。

 ところで、公共事業の調査費は全体の事業規模からすれば、極めて少額ですが、その後ろに極めて大きな事業費がついています。これを経済学では、ウルダフスキーのラクダの鼻と言っています。宮城県広域防災拠点整備事業の全体事業費は二百九十五億円ですが、工事着手前の実施調査費は約三億円であり、全体の一・〇%にしかすぎません。全体の内容が十分明らかにならない早い段階での調査費を議会が認めたとしても、その後の調査の内容や世論の変化によって、その事業そのものを否決することは、十分可能だと考えますが、知事の考えをお聞かせください。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 当然、理論的には議会の皆様の、これは大きな権限でございますので、当然、可能だと思いますが、私の立場から言わせていただきますと、これは必要なものだというふうに信念を持ってやっておりますので、ぜひとも、藤原議員におかれましては、御理解をいただきたいというふうに思います。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) 私は県民の一人なので、県民の理解を得られるかどうかだけが問題なんで、あとは関係ありません。

 最後に、ちょっと時間がなくなったので、これだけは言っておきたいというやつを言わせてもらいますが、大正デモクラシーの立て役者である吉野作造氏は大崎市の生まれ、しかし、同じく日本の労働運動の先駆的指導者であり、みずから訴うること能わざる者のために訴え、みずから告ぐること能わざる者のために告ぐると述べ、日本最初の全国的労働組合である友愛会を創立し、初代会長となった鈴木文治氏も栗原市の御出身であったことは御存じでしたか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 藤原議員から資料をいただきまして、昨日勉強いたしました。この議会に臨むときには知っておりました。



○議長(中山耕一君) 四十四番藤原のりすけ君。



◆四十四番(藤原のりすけ君) 知事の政治姿勢の中で、知事は日本書紀をよくは読まないよね、日本書紀で天孫降臨の際、天照大神は孫のニニギノミコトに「知らせ」と命じます。「知らせ」とは徳によって国を治めなさいという意味であり、力で民をねじ伏せる「領はく」とは対極にあり、みずからを高め、徳を身につけることがリーダーとして必要なことと諭したとされます。私は仁徳天皇の民のかまどから煙の立つ政治の記述とともに、大切な教えだと思います。知事の所感があればお聞かせください。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 仁徳天皇の民のかまどは、日本書記の逸話となっております。私も資料をいただいて読ませていただきました。六年間も宮殿の修理をなさらずに、自分の身も、服も、汚れた服を着たまま、税をとらずに頑張られたというすばらしいお話でございます。やはり、リーダーとして、そうあるべきだろうというふうに思っております。



○議長(中山耕一君) 暫時休憩いたします。

    午後二時六分休憩

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    午後二時三十分再開



○議長(中山耕一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。十二番天下みゆき君。

    〔十二番 天下みゆき君登壇〕



◆十二番(天下みゆき君) 日本共産党の天下みゆきです。県議団を代表して質問いたします。

 最初に、広域防災拠点について伺います。

 先ほどの藤原議員への答弁で、六月議会での国交省判断は内閣府三要件等が認められ、国としてオーソライズされたこと、という知事の答弁は全く根拠がないことが明らかになりました。六月議会の知事答弁の撤回を求めます。お答えください。

 次に、国交省の担当者が活断層の話は初めて聞いたと言ったことに対して知事は、九月二十日の記者会見で、活断層がそばにあっても、広域防災拠点は十分につくれると言いました。その根拠をお答えください。

 知事は、長町利府線断層帯の直下型地震について、余りにも危機意識がなさ過ぎます。六月議会が閉会した七月五日の夕方、テレビ取材にこたえて、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授、平成二十一年の県の防災拠点評価に参加した方ですが、教授は次のように述べました。「活断層にリスクはありますからね。どういう根拠で評価を変えたのか、建物自体は確かに耐震化などの対応でいいんですけれども、例えば、広域支援なので、ネットワークで道路とか、いろんな地域と結ばなければいけないんです。その点を考えると、かなり難しい対応ではあると思います。」このようにコメントをしました。また、九月九日のNHKスペシャル、MEGA CRISIS特集では、同じく東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授が全国で二千を超える活断層のうち、次に危険が予測される活断層として挙げた二カ所のうちの一カ所が長町利府線断層帯でした。仮に長町利府線断層帯が一度にずれ動いた場合、国の想定によると、仙台市で最大震度七の地震が発生し、最悪の場合、死者は一千人に達すると報道されました。さかのぼりますが、二〇一一年十一月二十五日に千葉市で開催された日本活断層学会では、東京大学地震研究所が東日本大震災後の活断層の活発化を調査し、長町利府線断層帯の地震発生確率は何と約五十七倍にはね上がったと発表しました。知事、宮城野原での広域防災拠点事業は立ちどまって活断層や地震の専門家の意見を聞くべきです。東京都では巨額の費用をかけた豊洲新市場が大問題となっています。宮城県も三百億円の税金を使ってからでは遅過ぎます。宮城野原については白紙に戻し再検討することを強く求めます。お答えください。

 また、JR貨物の岩切移転に伴って、移転先の岩切燕沢地域の住民から不安の声が上がっています。七月十二日の住民説明会では約百五十人が集まって、交通渋滞や騒音、振動が加速するという懸念が次々と出されて紛糾しました。住民の皆さんは、移転に伴う住環境への影響と対策について、仙台市長に質問状を提出しております。こういう状況下でJR貨物移転を前提とした用地取得の議案を出すべきではないと考えますが、いかがですか。

 次に、宮城県の将来ビジョンは県政運営の理念として、しっかりと経済基盤を築き、創出された富の循環によって、福祉や教育、環境、社会資本整備などへの取り組みを着実に進めていくことが必要として、知事は製造業の大企業誘致に力を入れ、福祉や教育はお金がないからと後回しにしてきました。そして、今回、将来ビジョン改訂版(中間案)をまとめ、計画期間を四年間延長して、二〇二〇年度までの十四年計画に変更し、県内総生産十兆円を引き続き目標として掲げました。二〇一四年度の速報値では、県内総生産額は名目八兆九千二百十億円、実質九兆四千六百六億円で、ビジョンスタート時より一兆円近く伸びたとしています。問題は、県内総生産が伸びて県民の生活が豊かになったかどうかということです。二〇一四年の仙台市の二人以上世帯のうち、勤労者世帯の家計収支は一世帯、一カ月平均の実収入が前年より八千七百六十二円、一・八%減少し、二年連続減少となりました。一方、直接税や社会保険料などは二千四百二十七円、二・九%増加し、結果、可処分所得は一万一千百九十円、二・八%減少して二年連続の減少となりました。更に、二〇一四年度の消費税八%増税が家計を追い詰めています。高齢者世帯も大変です。年金は毎年減り続ける一方で、医療や介護の負担がふえ、高齢者の貧困が拡大しています。宮城県の生活保護受給世帯は二万世帯を超え、過去最多となっていますが、その増加の原因は、年金だけでは暮らせない高齢者の増加です。知事、県内総生産を伸ばしても、若者からお年寄りまで、県民生活は豊かになっておりません。格差が拡大しているのが実態ではないでしょうか、知事の見解を求めます。

 県民生活が改善されない要因の一つは雇用問題です。ことしの二月議会では、大内真理議員が村田町のジェイデバイスや角田市のケーヒンの問題を取り上げましたが、製造業の撤退や縮小などの動きが相次いでいます。今回は、多賀城市のデクセリアルズの撤退問題です。デクセリアルズはソニーの科学事業の譲渡売却によって、二〇一二年に設立された企業で、多賀城事業所では約百三十人が働いています。ところが、ことし四月に栃木事業所への集約と多賀城からの撤退を発表し、労働者は遠隔地配転か退職かの選択を迫られています。地域経済にとっても深刻な影響を及ぼす事態です。こうした中で、六月十七日にソニー労組などから、宮城県にデクセリアルズに対して多賀城事業所の縮小、撤退計画を撤回するよう要請してほしいなどの要望書が出されました。そこで伺います。

 第一に、労働組合からの要請を受けて、県としてどのように対応してきたのか。

 第二に、県として雇用と地域経済を守るために、多賀城事業所の継続をデクセリアルズに働きかけていただきたい。以上についてお答えください。

 ソニー仙台テクノロジーは宮城県誘致企業第一号として、一九五四年に多賀城市に設立され、一時は二千名を超える県内最大級の事業所に成長しましたが、九〇年代から続くリストラにより、現在は七百名弱にまで激減をしました。ソニーは、震災後の二〇一二年、液晶画面に使う光学フィルムなどの開発製造部門を政策投資銀行などが出資する持ち株会社に売却、別会社デクセリアルズとして切り離しました。会社分割法と労働契約承継法に基づいて、社員は賃金や労働条件は変わらない、会社名が変わるだけという説明で、本人の同意なしで移籍し、ソニー事業所内に間借りする形で従前と同じように働いていました。知事、ソニーは震災後の混乱に乗じてリストラや期間工の雇いどめなどを行ってきました。この件も、震災後の混乱の中で、職員の同意なしに会社を分割し、分割した会社は四年後には撤退する。これでは、労働者の働く権利は守られません。現在は資本が別と言っても、一連の経過におけるソニーの大企業としての責任が問われます。知事に求めます。

 一つは、ソニーに大企業としての責任を果たさせ、関連会社や分割した会社も含めて、宮城の地で事業を発展させ、雇用と地域経済を守るように働きかけていただきたい。

 もう一つは、会社分割法と労働契約承継法について、労働者を守る立場から、国に法律の見直しを求めていただきたい。お答えください。

 さて、宮城県の雇用者数は二〇〇二年から二〇一二年の十年間で九十三万二千五百人から九十七万五千五百人に四万三千人ふえました。しかし、その内訳を見ると、正規職員は三万九千七百人減少し、非正規職員が八万二千七百人もふえ、約四割が非正規職員となりました。ことし七月の有効求人倍率は一・四〇倍と好調に見えますが、正社員は〇・八八倍にすぎません。非正規職員の正職員化は宮城県としても、待ったなしの課題だと思いますが、知事の認識を伺います。

 先月、八月三十一日に知事も参加されていましたが、宮城県や仙台市、宮城労働局など、県内の官民十組織でつくる宮城働き方改革推進等政労使協議会が労働環境改善を目指す働き方改革の共同宣言式を行ったことが報道されていました。今、全国で働き方改革に取り組んでいます。鳥取県では、知事を先頭に各業界団体も入って、正規雇用一万人チャレンジ推進会議をつくり、正規、非正規雇用実態調査を行い、四年間で正規雇用一万人を目標に掲げ、若者が安心して活躍できる社会を目指して、雇用創出、県内外からの人材確保、育成、非正規から正規への転換促進を三本柱に、以下二つの事業に取り組んでいます。一つは、鳥取県未来人財育成奨学金支援助成金です。産業界と協力して、鳥取県に定住する若者の奨学金返済に助成する事業です。もう一つは、鳥取県正規雇用転換促進助成金です。非正規雇用から正規雇用に転換した中小規模事業者に対して、一人三十万円の助成金を支給するものです。知事に求めます。第一に、宮城県でも本格的に目標を持って正規雇用をふやす取り組みを開始しましょう。雇用問題は産業、福祉、教育行政など、あらゆる分野にかかわる問題ですので、全庁的な正規雇用創出チームをつくり、県内の実態調査を行い、政労使協議会などと連携をして取り組むことを求めます。第二に、鳥取県が行っている奨学金返還の支援事業や正規雇用転換促進助成事業を宮城でも検討、具体化を求めます。お答えください。

 知事、足元から正規職員化を進めることが必要です。宮城県の知事部局の職員六千百十九人中、千百八十一人、一九・三%が非常勤職員です。教育庁では教員一万一千二百四十三人中、八百九十七人、八%が非常勤で職員二千二百二十一人中、六百三十二人、二八・五%が非常勤職員です。まず、ここから正規職員化を求めます。特に、教育庁の非常勤職員には特別支援学校の看護師やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを含んでいます。契約は一年ごとで最長三年までと聞いています。それぞれ専門職であり、業務の継続性が求められ、確保にも苦労している職種です。正職員化を進めるべきと考えます。知事と教育長の答弁を求めます。

 次に、平成二十六年、経済センサス基礎調査と震災前の平成二十一年の調査を比較すると宮城県内の事業所数は七千八百三十八事業所、七%減少し、従業者数は二万一千四百四十二人、二・一%減少しています。特徴の一つは、地域間格差が大きく、震災の被害が大きかったところほど、いまだに事業所の減少率が高いことです。仙台市と黒川郡は事業所数も従業者数もふえている一方で、沿岸部全体では、事業所数が一六・一%、従業者数が八・二%減っています。特に被害が大きかった石巻、気仙沼、東松島、女川、南三陸の五市町は、事業所数が三三・八%、従業者数は二二・三%減少し、女川町、南三陸町はいずれも震災前より六割以上減少しています。宮城県は何よりも沿岸被災地のなりわいの再建に力を入れていただきたい。以下、提案します。まず、グループ補助金自己負担分の融資返済が本格化するに当たり、売り上げが伸びずに苦戦をしている事業者への返済猶予の延長を関係機関に働きかけること。次に、水産加工業について、一つは、ことしの二月定例会で知事が検討すると答えたインターンシップへの支援の具体化を図ること。二つ目に、事前にバイヤーに情報提供してから行う商談会がマッチングできると好評ですので、開催回数をふやすこと。三つ目に、新人の正社員を採用したときの技術習得期間への支援を行うこと。以上の具体化を求めます。あわせてお答えください。

 また、内陸部でも仙南圏や栗原市、登米市などは平成二十一年、二十四年、二十六年と調査のたびに事業所数も従業者数も減っています。結局、仙台市と黒川郡とそれ以外の地域との格差が開いています。困難な地域に焦点を当て、県が市町と一緒に、地方の力を引き出し、地場産業と地元業者を育成、支援をする産業振興策が必要だと思いますが、知事の見解を求めます。

 特徴の二つ目は、産業大分類別で、震災前の二十一年に比べて一番従業者がふえたのが、医療、福祉で二八・四%の増加です。今後は、介護職員や保育士の待遇を改善して、更に特養ホームや保育所をふやすことが必要です。医療福祉は、県民の安心にとっても雇用の場としても極めて重要だと思いますが、知事の見解を伺います。

 一方で、卸売業、小売業の従業者数が一番減りました。二万六千二百二十九人、一〇・二%の減少です。今、高齢化と過疎化の進行の中で、買い物難民がふえています。対策についてお答えください。

 知事、結局潤っているのは、一部の地域と一部の人であり、多くの県民の暮らしはよくなっておりません。今、県民にとって必要なことは、富県宮城ではなく県民の暮らし優先の県政への転換です。第一に、雇用を安定させて正規職員をふやし、賃金を上げる働き方改革を行うこと。第二に、県民の安心と雇用の場を広げるためにも、医療、福祉の充実を積極的に位置づけること。保育所や介護施設の整備は、働いて税金を払う人をふやすことにもつながります。第三に、もうからなければ逃げていく大企業誘致ではなく、宮城の基幹産業である農林水産業や地場産業、地元の中小業者が元気で頑張れる仕組みづくりに力を入れること。第四に、これらを担う人づくり教育です。この視点で将来ビジョンの見直しを求めます。知事、お答えください。

 次に、宮城県地域医療構想案について伺います。

 宮城県地域医療構想案は、県医療審議会を経て、十一月には確定し、厚生労働大臣に提出される予定です。地域医療構想は、少子高齢化が急速に進行する中、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年における医療需要と必要病床数及び在宅医療等の必要量の推計を示すものです。しかし、この構想案は医療現場の実態からかけ離れていると言わざるを得ません。第一に、二〇二五年の必要病床数は二〇一三年度のレセプトデータをもとに推計しましたが、国の恣意的な計算式により、二〇一三年度の必要病床数は一万六千床とされました。この数は二〇一四年と一五年に行った病床機能報告の病床数、約二万床に対して四千床、二割も減少しています。なぜ基準となる二〇一三年度の必要病床数が四千床も減ったのか、お答えください。

 第二に、病床機能報告と二〇一三年度の必要病床数を比べると、高度急性期病床が三分の二に、急性期病床は半減しています。これでは、ますます在院日数の短縮が迫られ、人手不足と過重労働で医師初め医療スタッフが疲弊し、地域の救急医療の崩壊も懸念されますが、知事の認識を伺います。

 第三に、二千五百八十八床の在宅移行、ベッドの削減は、現場の実態と乖離しています。国は、療養病床の医療区分一の患者の七〇%を在宅医療等で対応するよう指示しています。ところが、宮城県が独自に行った医療区分一の患者調査では、入院による医療介入が必要という理由で退院困難な患者が五〇・一%、入院による医療介入が必要ないにもかかわらず退院困難な患者が三三・五%、結局、八三・五%の患者が退院できないという結果でした。独自調査を行ったことは画期的でしたが、県は国の指示どおりに医療区分一の七〇%を在宅患者としてカウントし、その分ベッドを減らしました。大崎、栗原圏は、総病床数の四分の一を在宅に移行してベッドを減らす構想です。大崎市、栗原市からは、構想区域の面積が広いことや、山間部を抱えているため、訪問診療等の時間や困難が伴う。また、医師等の高齢化により、在宅医療の推進が難しい状況のため、慢性期の必要病床数については、地域の実情を加味すべきであるという意見が出されています。県の調査結果や地域の実情を踏まえた構想とすべきです。特に宮城県の療養病床数は全国で下から二番目と少なく、むしろ充実していくことが必要ではないでしょうか、知事の見解を求めます。

 第四に、増加する在宅医療の体制が整っていません。

 今、在宅医療は末期がんや神経難病、人工呼吸器の患者さんなど、重症患者が増加し、医師は診療はもとより、訪問看護や介護、福祉との連携のための調整や書類作成にも追われています。患者の急変や看取り患者の増加で、実質二十四時間、三百六十五日拘束され学会にも行けないし、正月も休めないという実態です。何よりも在宅医療や訪問看護を担う医師、看護師が足りません。確保、養成策についてお答えください。

 また、在宅医療は、介護と一体的に提供され、入院が必要なときに連携できる病院の確保が必要です。名古屋市や長野市では、在宅医療介護連携支援センターを設置し、その仕組みづくりを開始しました。患者家族への相談窓口や医療、介護関係者への研修、切れ目のない在宅医療、介護連携体制の構築支援、退院時の連絡調整支援などを行っています。宮城県でも在宅医療介護連携支援センターの設置など、在宅医療を支える体制の検討を求めます。いかがですか。

 知事、策定懇話会や各地の調整会議、市町村からの意見やパブリックコメントにはたくさんの意見、医療現場の実情と意見が出されました。しかし、結局、国が定めた計算式にのっとって、県が独自性を発揮をしたのは、必要病床数については「以上」、在宅必要量については「以内」という文字の記載のみでした。この地域医療構想は新公立病院改革プランや第七次地域医療計画、第七期みやぎ高齢者元気プランの土台となります。今回定められた必要病床数と在宅の医療需要数は、各計画を縛ることになりますが、現状と合わない数字がひとり歩きをしても現場では困ります。既に、この構想では、新公立病院改革プランが策定できないと頭を抱えている自治体もあります。知事、地域医療構想が現場の実情と声が生かされ、宮城の医療の将来に展望が持てるような構想に見直していくことを求めます。お答えください。

 次に、病院や福祉施設の避難計画について伺います。

 今、台風や大雨などによる土砂災害や河川のはんらんなどが相次いでいます。八月三十日に岩手県に上陸した台風十号の大雨で北海道、岩手県を中心に百九十三カ所の福祉施設が被害に遭ったと報じられています。中でも岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん」では、付近を流れる川がはんらんし、濁流が押し寄せ、利用者九人の方が犠牲になりました。亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げます。宮城県でも土砂災害や河川のはんらんによる災害から病院や福祉施設の患者利用者の命を守る対策が喫緊に求められています。土砂災害と河川はんらんによる災害それぞれについて、現在の対策の到達と今後いつまでに、どのように具体化をするのか、お答えください。

 次に、女川原発から三十キロ圏内の病院や福祉施設には、原子力災害対応の避難計画の策定が義務づけられています。対象となる施設数と避難計画が策定された施設数についてお答えください。

 また、避難計画策定のためには、避難先の病院や施設との協定の締結などが必要で、県のコーディネートなしには進みません。いつまでに、どのように具体化をするのか、お答えください。

 次に、被災者医療について伺います。

 そもそも宮城県は非課税世帯に限定されていた被災者医療介護の免除措置がことしの四月からは、九つの市町のみとなり、それ以外の市町村と七十五歳以上の後期高齢者は打ち切られました。市民団体が被災者対象に行ったアンケート調査では、災害公営住宅に移って家賃も発生し年金生活で経済的に苦しい、せめて医療費免除を継続してほしい、同じ被災者なのに自治体や年齢によって免除措置が違うのはおかしい、などの声が多数寄せられています。ある薬局の調査では、三月まで免除該当であった後期高齢者のうち、四月から八月に来局していない患者が約一割に上るという深刻な受診抑制の実態も報告されています。さきの九月十二日、日本共産党宮城県会議員団は、市民団体の皆さんと一緒に一部負担金の免除措置継続を求めて、国保の追加財政支援、特別調整交付金の今年度分の検討状況について、厚生労働省保険局国保課などから説明を受け、早期の支援継続決定を要請してきました。厚労省は、被災三県については、医療費の伸びの傾向や避難者の状況を踏まえ、引き続き一定の割合で交付できるか検討していると答えました。知事に求めます。一つは、国が国保の追加財政支援を今年度も行うよう、知事からも強く要請をすること。二つ目に、宮城県としても復興基金から七・五億円を拠出して市町の負担を半額に減らすこと。以上についてお答えください。

 知事、被災者の生活再建は道半ばです。むしろ、生活困難な方もふえている中で、医療や介護は被災者の命綱です。私ども日本共産党宮城県会議員団は、被災者の命を守り、暮らしを支えるために、引き続き全力を尽くす決意です。

 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 天下みゆき議員の代表質問にお答えをいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、創造的復興の象徴「宮城野原広域防災拠点」の撤回を求めることについての御質問にお答えをいたします。

 初めに、国の要件と活断層についてのお尋ねにお答えをいたします。

 広域防災拠点の整備につきましては、国の社会資本整備総合交付金事業等を活用し、平成二十六年度から都市公園事業として実施しているところであります。その交付金の事業要件では、災害が発生した場合において、災害復旧活動の支援拠点、復旧のための資機材や生活物資の中継基地等、広域防災拠点の機能を発揮する都市公園となっており、広域防災拠点の機能を定めた宮城県広域防災拠点基本構想・計画において、国の示した当該要件を満たしていることから、事業採択を得られたものであります。また、相対的に西側が隆起する逆断層である長町利府線断層帯が計画地の西側約三百五十メートルに存在することは承知をしておりますが、主要な施設である防災センターや資機材倉庫等の建築物の耐震設計を行うことにより、防災拠点としての機能が確保されることから、整備は可能であると考えております。

 次に、広域防災拠点を白紙に戻し再検討すべきとの御質問にお答えをいたします。

 広域防災拠点につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、自衛隊や既存医療施設と密接に連携した救助活動や既存の交通体系を活用した救援物資等の輸送、更には災害対応に必要な広大なスペースの確保などが可能であり、圧倒的に地理的優位性が高い宮城野原地区に整備することとしたものであります。これまでも多くの学識者から意見をちょうだいしながら基本構想や基本設計を策定してきたところであり、また、今般の熊本地震の発生を踏まえ、改めて活断層や液状化等についても助言をいただいたところであります。今後とも、さまざまな意見をいただきながら、その知見を広域防災拠点の整備、運用に反映してまいりたいと考えております。県としては引き続き県民並びに議会の皆様の御理解を得ながら、宮城県震災復興計画に定めております災害に強い県土・国土づくりの推進を推し進める防災機能の再構築の実現に向け、広域防災拠点整備を着実に推進してまいります。

 次に、JR貨物移転を前提とした用地取得の議案を出すべきではないとの御質問にお答えをいたします。

 JR貨物と県では、これまで仙台貨物ターミナル駅の移転先である岩切地区等の方々を対象として、移転計画に関する事業説明会を三回、環境影響評価に関する説明会を二回開催し、昨年からは仙台市も出席しております。各説明会での意見に対し、JR貨物では、外周道路の幅員や排水計画等の変更を行うとともに、環境影響評価に係る調査地点の追加を行うなど、可能な限り対応しているところであります。県としては今後とも、仙台貨物ターミナル駅の移転について、JR貨物とともに、仙台市を初めとする関係機関と連携を図りながら、新貨物駅周辺の住民の皆様に御理解が得られるよう、丁寧な説明に努めてまいります。

 次に、大綱二点目、富県宮城から県民の暮らし優先の県政へについての御質問にお答えをいたします。

 初めに、県内総生産と県民生活についてのお尋ねにお答えをいたします。

 宮城の将来ビジョンにおいては、県内総生産十兆円を掲げておりますが、これは、しっかりとした経済基盤を築き、安心と活力に満ちた宮城県をつくることを目指すものであります。これまで製造業の集積が図られたことなどにより、約一万人の雇用が創出されたほか、ことし一月に公表された我が県の一人当たりの県民所得が初めて全国平均を上回るなど、その成果があらわれてきたものと考えております。また、さまざまな理由により生活に支障が生じている方々への支援につきましても、各種相談窓口の設置や就労支援などに取り組んできたところであります。県としては今後とも産業の振興による安定的な雇用の確保に加え、困難を抱える世帯への支援にも重点的に取り組み、県民一人一人が安心して暮らしていける宮城の実現に努めてまいります。

 次に、デクセリアルズ撤退表明に関する県の対応についての御質問にお答えをいたします。

 デクセリアルズ株式会社については、ことし四月に栃木事業所への集積及び多賀城事業所の機能を縮小するとの報道があり、六月十七日にソニー労働組合仙台支部等から県へ要望書が提出されました。このことを受け、同月二十二日に同社へ要望があったことを伝え、引き続き現状での事業継続を要望したところでありますが、事業環境の厳しさなどから、現状での事業継続は難しいとの回答を得ております。

 なお、同社に対し、今後の方針等について確認したところ、多賀城事業所では、研究職の約三十名が残り、事業を継続するとのことであります。県としては引き続き同社の動向を見守り、必要に応じて、ハローワーク等の関係機関と連携の上、支援情報の提供や相談、就労支援などに取り組んでまいります。

 次に、ソニーへの働きかけと国に対し、法律の見直しを求めるべきとの御質問にお答えをいたします。

 事業所の再編、集約は企業活動における国際競争の激化に伴う生き残りをかけた苦渋の決断であり、やむを得ないものと認識をしております。このため、県としては、雇用と地域経済を支えるため、高度電子機械産業を初めとする企業誘致による新たな雇用の創出、確保に取り組んでいるところであります。また、多賀城市においては、震災後に整備した工業団地にも誘致が決まり、今後、地元雇用の創出が予定されているとのことであります。

 なお、今般のデクセリアルズがソニーから分割され、現体制に至る過程につきましては、商法の会社分割制度や労働契約承継法に基づき合法的に行われたものと承知しており、法律の見直しを求めることは考えておりません。

 次に、非正規職員の正職員化についての御質問にお答えをいたします。

 働く方が意欲と能力を十分に発揮しながら、安心して働き続けるためには、有期契約労働者の無期契約化や正社員化は重要であると認識しております。このため県では、ことし六月に県内主要経済団体等に対し、若年者の正規雇用枠拡大について要請活動を行ったほか新規学卒者を含む正社員希望者と企業とのマッチング機会の提供やセミナーの開催などにより、正規雇用化の促進を図っております。また、先月、三十一日に開催した宮城働き方改革に向けた共同宣言式において、正規雇用化等を先導的に実施している県内企業を宮城労働局と共同で表彰したところであり、これを契機に、他の企業においても、働き方改革や労働環境の整備に一層取り組まれることを期待をしております。県としては今後とも、宮城労働局等関係機関と連携を図りながら、正社員化を含む安定的な雇用の確保が図られるよう、企業に対し働きかけてまいります。

 次に、正規雇用増加のための全庁的組織等についての御質問にお答えをいたします。

 正規雇用増加につきましては、昨年十月に締結した雇用の安定と定住推進協定に基づき、県、教育委員会及び宮城労働局の三者で組織を設置の上、実施計画を策定し、若年者の正規雇用化を初めとする具体的な取り組みを実施しております。この計画では昨年度、正規雇用に結びついたフリーター等の件数が目標を達成するなど成果を上げており、今後とも、政労使協議会等と連携を図りながら、正規雇用の増加に向けた取り組みに努めてまいります。また、奨学金の返済を支援する制度については、自治体と産業界がともに出捐して基金を造成することが前提でありますが、出損企業に対象となる学生が必ずしも就職するわけではないなどの課題があるほか、国においても、給付型奨学金制度創設の検討が始まっていることから、その推移を見守ってまいりたいと考えております。更に、鳥取県の正規雇用転換促進助成金につきましては、国のキャリアアップ助成金を補完するものでありますが、キャリアアップ助成金は、ことし二月に制度を拡充したところであり、県といたしましては、その活用状況を注視しながら、企業への周知を図ってまいります。

 次に、知事部局の非常勤職員を正規職員化すべきとの御質問にお答えをいたします。

 知事部局における非常勤職員は、主に正規職員では行いがたい特定の資格、経験を必要とする業務において事案が生じる都度、対応を要する場合や特定業務に専ら従事させる場合などに限定して任用しております。これらの業務につきましては、短時間勤務であり、正規職員が行う業務とは性質が異なるものでありますことから、非常勤職員の形態がふさわしいものと考えております。

 次に、グループ補助金自己負担分の融資返済についての御質問にお答えをいたします。

 復旧に要する施設、設備の経費のうち、グループ補助金を除いた自己負担分を対象として、みやぎ産業振興機構が高度化スキームによる貸し付けを行っております。この制度は償還期間二十年以内のうち、据え置き期間を五年以内としており、来年度以降、償還が本格化する予定であります。既に償還が始まっている事業者につきましては、予定どおり償還されており、これまでのところ据え置き期間の延長を求める要望は受け取っておりませんが、施設、設備を復旧しても売り上げが回復せず、経営が困難な事業者が少なからずいることは承知をしております。このため、みやぎ産業振興機構の専門アドバイザーが事業者を巡回し、必要な支援等を行っておりますが、今後、据え置き期間の延長を求める要望があった場合には、事業者の状況などを十分に把握し、県としても必要に応じて関係機関と調整を行い、経営の継続に支障のないよう対応に努めてまいります。

 次に、インターンシップ支援についての御質問にお答えをいたします。

 インターンシップにつきましては、高校生を対象として、地域の企業等で実施されており、受け入れ企業の中には、水産加工業者も含まれております。また、震災により離職を余儀なくされた方などがインターンシップを希望される場合は、県が設置している沿岸地域就職サポートセンターにおいて、受け入れ企業の確保や実現に向けた調整を図ることとしております。更に県では、水産加工業の人材確保を図るため、今後とも関係機関と連携して、合同就職面接会などによるマッチング支援やセミナー、職場見学会などを通じた支援を行ってまいります。

 次に、商談会開催についての御質問にお答えをいたします。

 県では、一昨年度から水産加工品の販路開拓、拡大に向けた手法の一つとして、バイヤーに事前に商品情報を提供し、バイヤーの希望に応じた企業が個別商談を行う、いわゆる逆指名型の商談会を実施しております。この商談会は、成約率が高く、継続した商談につながるなど、成果が出てきていることから、東北復興水産加工品展示商談会など、国や商工団体などにおいて、同様の手法を取り入れた商談会が開催されるなど、広がりを見せております。県といたしましては今後とも関係機関と連携し、逆指名型の商談会を充実させていくとともに、業務用や低次加工品に有効な卸売市場での展示商談会やバイヤー試食商談会など、業態に応じたさまざまな商談機会の提供に努めてまいります。

 次に、水産加工業者が新正社員を採用した際の技術習得期間への支援についての御質問にお答えをいたします。

 県内の雇用情勢については、有効求人倍率が一倍を超える状況が続いており、水産加工業を含め、地元中小企業においては、求人の充足が難しく、また、小規模事業所を中心に就職後の離職率が高い状況になっております。このため、県では採用から定着まで中小企業における人材確保を総合的に支援する若者等人材確保・定着支援事業を実施しております。このうち、新入社員につきましては、就職直後や就職後半年経過時の早い時期に、仕事の目標づくり等を行う研修を実施するほか、企業に対しましても、新入社員の教育方法等に関するセミナーを開催しており、引き続きニーズに応じた職場定着向上支援に努めてまいります。

 次に、地場産業等を育成、支援する産業振興施策についての御質問にお答えをいたします。

 富県宮城の実現のためには、地場産業と地元業者の育成、支援という視点も大変重要であると認識しております。県内企業のほとんどを占める中小企業、小規模企業者を支援するため、県では、昨年七月に制定されました中小企業・小規模企業の振興に関する条例に基づき、ことし三月に宮城県中小企業・小規模事業者振興基本計画を策定いたしました。この基本計画を踏まえ、多様な地域資源を活用した農商工等連携による事業活動の推進を初め、創業や新事業創出のほか、販路開拓や取引拡大、人材育成支援などに取り組んでいるところであります。県といたしましては、今後とも市町村や支援機関との連携を密にしながら、県内産業の集積や中小企業の振興に努めてまいります。

 次に、介護職員や保育士の待遇改善等についての御質問にお答えをいたします。

 医療、福祉は、県民の安心と雇用にとって重要なものと認識しております。介護職員や保育士の処遇につきましては、段階的に改善されてきたところであり、ことし六月に閣議決定されました「ニッポン一億総活躍プラン」においても、更なる改善が明記されておりますので、県といたしましては、こうした国の動向を踏まえながら、今後の対応を検討してまいります。また、これまでに特別養護老人ホームや保育所の定員増を図ってまいりましたが、今後も利用希望者数の動向を見据えつつ、必要な整備を行ってまいります。

 次に、買い物難民対策への取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 県全体の卸売業、小売業従事者の減少のうち、約六五%を被災沿岸市区町が占めており、事業者の被災が影響しているものと考えられます。県ではこれまで、グループ補助金と県単補助金により、卸売業、小売業者に対し約一千七百件の交付決定を行い、復旧支援に努めてきたところであります。また、日常の買い物が困難な状況にある方々への支援につきましては、デマンド型タクシーなどの交通手段の確保や移動販売、宅配サービスの提供など、一部の市町村で民間事業者等と連携した取り組みが進められております。県といたしましては、市町村がそれぞれの地域の実情に応じた事業展開ができるよう、小さな拠点形成に向けた研修会の開催や専門家派遣を初め、国の支援策活用に関する助言など、取り組み状況に合わせた支援に努めてまいります。

 次に、将来ビジョンの見直しについての御質問にお答えいたします。

 宮城の将来ビジョンにつきましては計画期間を今年度末までとしていることから、宮城県震災復興計画の終期に合わせて、期間を四年間延長し、地方創生や災害に強い県土づくりなどの諸課題に対応するため、必要な見直しを進めているところであります。先月公表した見直しの中間案においては、現在、将来ビジョンの理念等を継承した上で、中小企業の競争力強化等による雇用の安定、子育て支援や医師確保対策の拡充、農林水産業の生産性向上、ワーク・ライフ・バランスの普及推進、児童生徒の学力向上など、重要な課題に対応するための取り組みを盛り込んでおります。現在、県民の皆様、市町村、関係団体などから幅広く御意見を伺っているところであり、それらの内容を踏まえた上で、総合計画審議会での審議を経て、平成二十九年二月議会に議案を提出できるよう見直しを進めてまいります。

 次に、大綱三点目、宮城県の医療と福祉についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、必要病床数についてのお尋ねにお答えをいたします。

 病床機能報告については、毎年七月時点で、各医療機関の判断により、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つの医療機能の中から選択し、病床数を報告することとされております。一方、地域医療構想における必要病床数については、診療報酬の実績等に基づき、医療機能を同様に四つに区分した上で算定することとなっており、この算定方法では、現在利用されている病床につきましても、診療報酬が低い病床などは、在宅医療等で対処するべきとされ、必要病床数には算定されないことから、差が生じているものであります。

 次に、病床数の比較についての御質問にお答えをいたします。

 病床機能報告の機能別病床数につきましては、各医療機関の判断により報告されている一方、地域医療構想の必要病床数については、診療報酬の実績等に基づき、機能別に算定されており、比較は難しいものと考えております。

 次に、療養病床数についての御質問にお答えをいたします。

 慢性期の医療需要に対しては、慢性期病床と介護老人保健施設などを含めた在宅医療等により、一体的に対応することが必要と考えられております。限られた医療資源の中で、住民が安心できる医療提供体制を構築していくため、在宅医療等の整備とあわせ、地域の実情にあわせ、療養病床を含めた慢性期病床の確保に努めてまいります。

 次に、在宅医療や訪問看護を担う医師、看護師の確保、養成策と在宅医療、介護連携支援センターの設置についての御質問にお答えをいたします。

 地域医療構想を推進し、急性期から在宅医療、介護に至るまでの一連のサービスが切れ目なく適切に提供される体制を構築するためには、在宅医療の充実を図るとともに、医療と介護の連携を一層推進していくことが重要であると認識しております。在宅医療に取り組む医師や看護師の確保、養成につきましては、これまで総合診療医の養成支援や在宅患者の急変時における入院体制の構築、ドクターバンク、ドクターキューピット事業による自治体病院への医師の配置、訪問看護師に対する講習会等を実施しております。また、在宅医療、介護連携の推進につきましては、在宅医療・介護連携支援センターも含めて、市町村が中心となって、地域支援事業等を推進することとされているところであります。県といたしましては、市町村や関係機関と連携し、在宅医療の充実に努めてまいります。

 次に、構想の見直しについての御質問にお答えをいたします。

 我が県では、地域医療構想の策定に際しては、二次医療圏ごとに地域医療構想策定調整会議を設置し、地域の医療関係者や市町村などから直接、医療現場や地域の実情を踏まえた御意見をちょうだいし、ことし七月に構想案をまとめたところであります。今後、県医療審議会の答申を踏まえ、将来の医療需要を見据えながら、年内には構想を策定してまいりたいと考えております。

 次に、病院や福祉施設の土砂災害及び河川はんらんによる災害対策の現状等についての御質問にお答えをいたします。

 台風第十号の大雨により、岩手県の高齢者施設において甚大な被害が発生したことから、県では市町村や県内の病院、福祉施設に対し、土砂災害や浸水被害のおそれがある箇所に立地する施設では、これらの災害にも対応できる避難計画を策定するなど、非常災害対策を、より一層推進するよう注意喚起を行ったところであります。今後これらの災害が予想される区域に立地している施設に対しましては、それぞれの状況等を踏まえ、早期に避難計画を改訂するよう促すとともに、避難行動要支援者ごとの避難計画策定の加速化や必要な福祉避難所の確保について市町村に対し強く働きかけてまいります。

 次に、病院等における原子力災害対応避難計画の策定についての御質問にお答えをいたします。

 女川原発から三十キロ圏内にある原子力災害対応が必要となる医療機関や社会福祉施設は、平成二十六年十月時点で合計三百八十二施設となっております。避難計画の策定状況は把握できておりませんが、策定は進んでいないものと認識しております。避難計画の策定が進んでいない理由としては、具体的にどのような計画を策定したらよいのか不明であることや、入所者等の避難先を確保する必要があることなどが想定されます。このため現在、県では避難計画の作成例などを調整しているところであり、今後、現状把握に努めるとともに、関係市町や関係機関と連携しながら、必要な支援のあり方について検討してまいります。

 次に、被災者医療費等の免除措置について、国保の追加財政支援の継続を国に対し要望すべきとの御質問にお答えをいたします。

 国民健康保険に係る国の追加財政支援につきましては現在、国が平成二十八年度も継続するかどうかについて検討しておりますが、被災地の市町村国保の財政基盤が損なわれた状態が今後も続くことが見込まれますので、国保事業の安定的な運営が確保できるよう、県としてもさまざまな機会をとらえて措置の継続を強く求めているところであります。

 次に、復興基金を使って市町に対する財政支援をすべきとの御質問にお答えをいたします。

 被災者の医療費や介護保険料の免除措置につきましては、それぞれの保険者が財政状況のみならず、地域の復興状況や被災された方々の生活再建の状況なども踏まえて、総合的に判断されるべきものであると認識をしております。このため県といたしましては、免除に対する支援は行いませんが、震災の影響等により、国保財政が厳しい市町村に対し、県の調整交付金を活用した支援を検討しているところであります。

 以上でございます。



○議長(中山耕一君) 教育委員会教育長高橋仁君。

    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱二点目、富県宮城から県民の暮らし優先の県政への御質問のうち、教育庁の非常勤職員等の正規職員化に関するお尋ねにお答えいたします。

 県教育委員会の正規職員以外の職員には、正規職員の代替的業務や事務の繁忙等の事由が生じた場合に任用を行う臨時的任用職員と、業務の性格上、限定的な勤務時間や日数を前提とし、特定の知識や経験を有しているものを任用する非常勤職員があり、こうした任用は、学校現場の状況に臨機応変に対応するために、欠くことができないものとなっております。非常勤職員の任用に当たっては、従来より、単年度ごとの任用になるものの、必要な知識や経験を継続的に発揮していただけるよう、同一人の雇用を原則として三年程度まで継続可能としておりますが、対象となる人材が当該地域にいない等の特殊事情により、新しい任用が難しい事案を考慮し、この九月からは、公募による選考で適任者が見つからない等の特殊事情が認められる場合には、三年を超えての同一人の任用を可能としたところであります。

 以上でございます。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 御答弁ありがとうございました。

 それでは、再質問を行います。

 初めに、広域防災拠点について伺います。

 知事、東日本大震災後、長町利府線断層帯による直下型地震の被害想定をどのように行っていますか。



○議長(中山耕一君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 基本的に、東日本大震災と長町利府線断層帯の地震の発生については、それぞれ比較したものがございますので、今でも、そういった既存の比較結果に基づいて、我々はベースとしているということでございます。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 県の危機対策課の方にお聞きしたところ、長町利府線断層帯による被害想定は、平成十六年に行ったきりでございます。平成二十二年にやろうとしましたが、震災になって、その後やっていません。そういう意味では、ボーリングは、この間やっていると、近くをというお話しでしたけれども、それだけでは、だめだと思います。直下型地震ですから、建物の倒壊状況とか、周りの道路の被害がどうなるのか、寸断がどうなるのか、あと上下水道なんかも、どういう被害が起こるのかということを東日本大震災後、熊本地震の状況とかも踏まえた総合的な被害想定が必要だと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 総務部長大塚大輔君。



◎総務部長(大塚大輔君) 御指摘があったとおり、県の被害想定は平成十六年三月に行ったものが直近のものということでございます。二十二年度に改めて専門委員会を設置して、調査を行おうとしたんですけど、これは御案内のとおり震災で中断したということですので、一定のサイクルで、そういった被害想定をリニューアルしていくといった、そういうことは大事だと思っておりますので、今後、次にどうするかということについては、復興まちづくりの状況も踏まえつつ、時期については改めて検討していくということになると思います。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) そういう意味では総合的な被害想定をしないで、知事が九月二十日の記者会見で、活断層がそばにあっても、広域防災拠点は十分につくれると言い切られたんですが、本当にそんなことできるんでしょうか、言いきることはできないんじゃないかと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 先ほどの午前中の高橋伸二議員からも御質問ありましたけれども、NHKスペシャルでも専門家の方々が、活断層があると仮にあそこで起こったとしても、だから、あそこに活断層があるからつくってはいけないということではなくて、活断層があるから、建物の耐震化、また、家具等が倒れてこないような対策をしっかりとる必要があるというようなお話をされておられました。活断層があって、被害想定が当然あると思いますけれども、だから何もやってはいけないということではなくて、だからこそ私は、そういった場所に、しっかりとしたものをつくっていく必要があるだろうというふうに思っております。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 消防庁の広域防災拠点が果たすべき消防防災機能のあり方に関する調査検討会というものがあります。この中では、広域防災拠点の整備を実施する際には、あらかじめ被害想定を行い、被害の形態、規模を把握しておく必要があると言っています。知事、専門家の力もかりて、まずは危険性が高まっている長町利府線断層帯の直下型地震の被害想定をしっかり行うことが今、必要だと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 先ほど部長が答弁したように、定期的にそういう見直しは不断の見直しは必要なんでございますけれども、十六年にやったわけでございまして結果がございますから、まず、それをベースにしながら、まずは、よく検討していくということが重要であろうかなというふうに思ってます。東日本大震災で、あの地区は全然揺れなかったわけではなくて、あの地区も六弱といった大変な大きな揺れを経験をしているわけでございまして、そういった意味からは活断層と、また違うという御意見もあろうかと思いますけれども、揺れに対する備えというものは当然、活断層があるから、あの地域だけということよりも全体的にしっかりと考えていく必要があるだろうというふうに思います。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 建物とか、広域防災拠点の周りだけが陸の孤島のように大丈夫であっても、周りの道路だとか、仙台全体が大きな被害を受けていれば、果たしてそこが本当にその拠点になるのかということが問われると思うんです。私たち総務省の消防庁から広域活動拠点に必要を望まれる十四条件という説明を受けてきました。その一つに、被災地からある程度離れていることという条件がありました。隊員の体力、気力の回復を図る上で、宿営地は混乱した被災地から、ある程度離れていることが望ましいと。深刻な被害が想定される被災地から、ある程度離れた場所であれば、建物の損壊、損傷、浸水、停電等の可能性も少なく、部隊の活動能力を維持する上でも有利であるというふうに言っています。全くそのとおりだと思いますが、もしかしたら、いざというとき宿営地として使ってもらえないかもしれません。そういう場所に三百億円もかけて整備するよりも、もっと安全な既存の公園などを使うべきかと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 土木部長遠藤信哉君。



◎土木部長(遠藤信哉君) 消防庁の十四要件の中の一つとして、被災地からある程度離れていることということが明記されています。これは配慮要件ということで受け取っておりますが、あらゆる被害を想定していく中で今、知事もお答えいたしましたが、活断層が動いたときの状況について、耐震性であったり、液状化の防止であったりというような対策を講じることによって、宿営地も含めて広域防災拠点として活動できるように、我々取り組みながら推進していくということだと思います。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) そういう意味では消防庁の望まれる十四条件ということから見て考えたときに、あの場所は望ましくないんじゃないかというふうに思います。そして先ほどお話ししましたように、長町利府線断層帯による直下型地震の可能性が高まっているというときに、わざわざ、そのそばにつくると、まさか三百五十メートル離れてるから、十分離れているということはないかと思いますが、それ自体が問われているんだと思いますが、この点について知事どうですか、知事の答弁を求めます。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 消防庁の望まれる要件を錦の御旗のようにしてお話になってますけども、あくまでも望ましい条件であって、そうでなければならないというふうに書いてるわけじゃないんですからね。それを間違わないでいただきたいということが一つ。それから、利府長町線断層帯の可能性が高まっているとおっしゃるんですけれども、それは本当に、答弁もいたしましたけれども、正確に現在の科学技術では予測できないわけでございまして、熊本にあれだけの大きな地震があるということは、だれも想定できなかったわけでありますので、ですから当然、来るかもしれないという備えは必要でございますけれども、あす、あさって来るかどうかということまでは結果はわからないわけでございますので、そういったことで、いつ何があってもいいように、当然しっかりと準備はしてまいりますので、ぜひ御安心をいただきたいというふうに思います。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 今のを安全神話というふうに呼ぶんだと思います。そして、国交省の私どもへの説明では、社会資本整備総合交付金の要件というのは、二点だけだということもわかりました。一つは、二ヘクタール以上の公園であること、それから全体事業費が二・五億円以上であること。結局、内閣府三要件等については、先ほどのお話にもありましたが、国のどことも、まだ協議がされていないまま、三百億円の事業を承認して、国費からは百六十億円の拠出を認めたことになります。こんな、ずさんな審査で巨額の税金が使われていいのかが、国にも宮城県にも問われると思いますが、知事の見解を伺います。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 今、手元に資料がないので、この二ヘクタール以上、二・五億円以上というのが、正確かどうかというのは私、今、承知しておりませんけれども、しかし、この社会資本整備総合交付金というのは、全国の中で本当に少ないんです。したがって、全国から予算が欲しい、予算が欲しいと、わんさわんさ押し寄せている中で国交省の中では優先順位をつけてやるんです。ですから宮城県が手を挙げたから百六十億円のお金を使わせてくれるかというと通常無理なんです。でも今回の震災で、大変な被害を受けたということと、私どもが真摯に、この場所がいかに必要なのかということを、しっかり説明したことによって優先順位を上げて予算化をしてもらったということでございます。したがって、私どもは国交省とは、簡単に行ってぱっとお願いして、国交省をだましてやったわけではなくて、しっかりと調整をしてやったという自負はございます。

 以上でございます。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) きょうの新聞報道を見ますと、広域防災拠点は初めから宮城野原ありきだったというふうに言わざるを得ない、そういった報道じゃなかったかと思います。だから、隣接する活断層による直下型地震の被害想定も、最近行っていないし、平成二十五年には職員だけで、候補地選定の比較を行い、仙台市の危機管理対策部局との調整も行っていないという状況なのではないでしょうか。肝心の危機管理の前に、宮城野原ありきだったのじゃないかと思いますが、この点について、まだ誰も納得できていないと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) そんなことはありません。宮城野原ありきでないという理由、もちろん、私は宮城県のトップですので行政のトップなので、宮城野原を含めて検討してはどうだという指示は出しましたけれども、宮城野原にしろと言ったようなことは一言も言ったことはございません。客観的に分析した結果、宮城野原に決まったということでございます。また、仙台市との危機管理部局同士の意思統一が十分なされていないというのは、今まで確かにそのとおりだったと思って反省をしておりますけれども、今、仙台市と全く協議してないわけでなくて、建設関係とか、あと環境部局、こちらの方とは綿密に調整をしておりますし、私と市長とも、この件につきましては、いかに必要なのかということはよくお話をさせていただいております。ただ、まだ線路があって、貨物車が走っている段階で、まだ三年、四年、五年とかかる中で危機管理担当同士、部局同士が打ち合わせをするということを少し待ったということは、これはちょっと御理解をいただきたいというふうに思います。完成がまだまだ先のものでございますので、ちょっと時間を置いてしまったということでございますが、必要な部署どうしは、しっかりと意見のすり合わせをしております。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 一連の経過を見ると順番が逆だというふうに思います。完成が先だから、これからっていうのは全く当たらないんじゃないですか。予算は前回の議会で決められ、今回、土地取得の議案まで出ているわけですから、そのあたりがしっかりやられていて、本当に適地なのかどうか、この予算の妥当性があるかどうかということが今、議論されているわけですから、これからやるから許してくれというのは通用しないと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 防災拠点は仙台市のため、もちろん仙台市にとっても非常に大きな拠点ですけれども、仙台市のためだけにやってるわけじゃないんです。宮城県全体のいろんな拠点をつくった中で、あそこは一つの核に中核になるということで考えておりますので、当然、あそこの施設につきましては仙台市以外のその他の自治体とも、よく意見のすり合わせをしてやっていかなければいけないということです。ですから、仙台市のみにコミットしろというのは、やや行き過ぎではないかなというふうに思います。ただし、おっしゃったように、もう一歩踏み込んで二歩踏み込んで、担当者同士で、よく意思疎通をしていくということは極めて重要な御指摘だというふうに思いますので、その点については今後しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) それでは仙台市以外の市町村とは、広域防災拠点と圏域、各市町村の防災施設、それらとの連携が当然、前提になるわけですが、この宮城野原の広域防災拠点についてはどのような議論がなされているんですか。



○議長(中山耕一君) 総務部長大塚大輔君。



◎総務部長(大塚大輔君) 市町村とも我々が基本構想とか基本設計つくるに当たって、それの意見照会でありますとか、こちらからヒアリングに出向く等、そういったことはやっております。これは全市町村対象にやっております。また、圏域防災拠点も県内、八カ所につくることになるわけですけど、それぞれの地域、関係市町村とは、それぞれのワーキンググループを今後つくることにしております。実は石巻地域については既にワーキンググループを昨年度スタートさせておりまして、それには石巻市も積極的にかかわってきてくださっているところでございます。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) これも逆だと思うんですね。本来、市町村としっかり協議をして、全体のネットワークの関係で、やっぱりここだということが確認されてから、具体的な事業について御提案をいただくとか、そういうことがなされるべきだと思います。そういうことを宮城野原ありきというふうに私たちは考えているのですから、そこは知事も認めていただきたいと。宮城野原ありきだと思います。そして知事、この三百億円という額なんですが、私がいる塩竈市、震災前の一般会計予算は年間二百億円なんです。一・五倍の規模です。多賀城市も同じくらいです。県費から投入する百四十億円ていうのは、むしろ医療や福祉、教育など県民の切実な要求にこそ、本来使うべきじゃないかと私は思います。それが巨額の税金を投入をして、わざわざ直下型地震の確立が高まっている断層の近くに広域防災拠点をつくり、いざという時には消防庁の宿営地にしてもらえないかもしれない。こんな予算の使い方は認められないんじゃないかと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 自治体の規模によって違いまして、宮城県と塩竈、多賀城と比べたらそうかもしれませんけど、東京と比べたら宮城県は、はるかに財政が小っちゃいわけでございまして、ですからそういうふうに、いろんな自治体の財政規模で、だから、むだだとか、だめだとかいうのは、ちょっと行き過ぎじゃないかなというふうに思います。そもそも、広域防災拠点が必要ないという視点で、お考えいただいてますので、なかなか議論がすりあいませんけど、あの場所に広域防災拠点が必要ないということで、お話しされてるんで、議論がすりあいませんけれども、間違いなく東北にとっても宮城県にとっても、あの施設は非常に有効な施設になるだろうというふうに思います。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 宮城野原ありきということに違うという、お話は今なかったかと思います。

 次に、病院施設の避難計画について伺います。

 土砂や河川はんらんに対する災害対策は、しっかりお願いしたいと思います。原子力災害対応の避難計画づくりなんですが、ほとんど手が打たれていないということがわかりました。知事、女川原発の再稼働は延びたようではありますが、病院や施設の避難計画もできないのに、再稼働を認めることはありませんよね、この点についてお答えください。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) まだ、再稼働云々という時期でございませんで、国の審査が長引いていて、より安全を考えて長引いていて、そして、それに伴った施設整備もおくれているということでございますので、現時点において、この件についてコメントすることは不可能でございます。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 私たち核燃料棒がある限りは、避難計画をしっかりつくっていただく必要があると思ってますので、国がしっかりとリードをして、各病院や施設ができるように支援をしていただきたいと思います。

 次に、地域医療構想について伺います。

 これまでの地域医療計画は、医療法に基づく基準病床数というのがあって、これに基づいて仙台圏は過剰病床とされ、ほかの区域はすべて病床が不足している状況とされてきました。ところが今回の二〇二五年の必要病床数を見ますと、仙台圏が基準病床数よりも三千三百床ほどふえて、ほぼ現状の数になるようです。一方で、ほかの区域は軒並み基準病床どころか、既存病床、現在の病床数も下回っています。第六次地域医療計画のデータを見ますとこうなっています。これでは、ますます地域格差が広がると思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 保健福祉部長渡辺達美君。



◎保健福祉部長(渡辺達美君) 今回の地域医療構想での病床数の計算方法に関しましては、厚労省の方で計算方式も全国統一にしてます。それに基づきまして、二〇一三年度の実績に基づいて性別、年齢別の診療率をもとにしまして、二〇二五年の人口推計にかけておりますので、そういう機械的な計算方式を今回の構想では病床を計算するということになっております。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 知事ちょっと聞いていただきたいと思います。先日、私はある急性期病院のケースワーカーから話を聞いてきました。彼らが日々悩んでいるのは、在宅に帰らない、帰れない患者さんの転院先探しです。介護が必要だが、介護者がいず、吸引や酸素など医療行為が必要なために、介護施設には入れない低所得の高齢者です。受け皿としては、急性期の受け皿として、回復期リハビリテーション病棟や今、地域包括ケア病棟というのがありますが、二つの病棟とも在宅復帰率という縛りがあって、復帰率が低いと収入が減る仕組みなんです。なので、在宅に帰れない患者さんは入れたがりません。結局そういう患者さんを受けとれるのは、療養病床ということになります。ところが療養病床は今、地域包括ケア病棟に転換が始まってきていて、ベッドがあくまでの間をほかの一般病床で転々とつなぐことになります。患者さんは、病院を転々として、議員も転院先探しを結構相談される人はたくさんいると思うんです。こういう現状になっちゃうんです。まさに医療難民、介護難民です。こういう患者さんがふえているそうなんです。この方たちは県の調査の療養病床の患者調査で医療が必要で退院困難という五〇%を超えた方たちと同じ人たちなんです。こういう方がふえているんです。こういう実態をやっぱりきちんと改善をしていくような構想が必要だと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) おっしゃったように、社会入院と言われるような方が、確かに存在するのは間違いないというふうに思っておりまして、私も実際、県議会議員のときに、そういう陳情要望を受けたこともございますので、非常に深刻な問題だというふうに思っております。今回、国の方から、そのような指示がありまして、いろいろ調整をさせていただいておりますけれども、やはり、現状を、しっかり国の方に伝えながら、現状に合わせた改善というものを示させていかなければならないというふうに私自身は思っております。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) まさに地域医療構想は、先ほど部長も機械的な計算式だったとおっしゃいましたが、そういう中身です。これでは現場の実態と乖離をしていきます。現場の困難な課題も改善できるような構想になるように強く、これは国に求めるだけじゃなく、県がまず、そういう構想もつくって、これでやりますと国に示していただきたいと思います。県自身がそうしていただきたいと思いますがいかがですか。



○議長(中山耕一君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 当然、我々もそういった方向を目指して努力はしていかなければならないと思いますけれども、県の力だけで、こういったようなものが理想どおりつくれるというものでは決してございませんので、これはやはり国や市町村と一緒になって、よく考えていくべき問題だというふうに考えております。



○議長(中山耕一君) 十二番天下みゆき君。



◆十二番(天下みゆき君) 村井知事が先頭に立って、厚生労働省にしっかりと各地域の実態や現場の困難な状況を踏まえて、やれと言っていただけるということを期待いたしまして、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(中山耕一君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。

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△散会



○議長(中山耕一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 明日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後三時五十一分散会