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平成27年  9月 定例会(第353回) 09月16日−06号




平成27年  9月 定例会(第353回) − 09月16日−06号













平成27年  9月 定例会(第353回)



       第三百五十三回宮城県議会(定例会)会議録

                              (第六号)

平成二十七年九月十六日(水曜日)

  午前十時開議

  午後四時二十分散会

      議長                     安藤俊威君

      副議長                    渥美 巖君

出席議員(五十八名)

        第一番                  太田稔郎君

        第二番                  天下みゆき君

        第三番                  三浦一敏君

        第四番                  境 恒春君

        第五番                  堀内周光君

        第六番                  石川利一君

        第七番                  長谷川 敦君

        第八番                  佐々木幸士君

        第九番                  村上智行君

        第十番                  すどう 哲君

       第十一番                  遠藤いく子君

       第十二番                  吉川寛康君

       第十三番                  伊藤和博君

       第十四番                  渡辺忠悦君

       第十六番                  高橋伸二君

       第十七番                  菊地恵一君

       第十八番                  寺澤正志君

       第十九番                  只野九十九君

       第二十番                  石川光次郎君

      第二十一番                  外崎浩子君

      第二十二番                  岸田清実君

      第二十三番                  佐藤詔雄君

      第二十四番                  菅原 実君

      第二十五番                  坂下 賢君

      第二十六番                  菅間 進君

      第二十七番                  庄子賢一君

      第二十八番                  川嶋保美君

      第二十九番                  佐藤光樹君

       第三十番                  中島源陽君

      第三十一番                  本木忠一君

      第三十二番                  中山耕一君

      第三十三番                  長谷川洋一君

      第三十四番                  池田憲彦君

      第三十五番                  佐々木征治君

      第三十六番                  安部 孝君

      第三十七番                  皆川章太郎君

      第三十八番                  小野 隆君

      第三十九番                  岩渕義教君

       第四十番                  本多祐一朗君

      第四十一番                  ゆさみゆき君

      第四十二番                  藤原のりすけ君

      第四十三番                  内海 太君

      第四十四番                  坂下やすこ君

      第四十五番                  横田有史君

      第四十六番                  小野寺初正君

      第四十七番                  石橋信勝君

      第四十八番                  齋藤正美君

      第四十九番                  安藤俊威君

       第五十番                  中村 功君

      第五十一番                  渥美 巖君

      第五十二番                  畠山和純君

      第五十三番                  千葉 達君

      第五十四番                  仁田和廣君

      第五十五番                  藤倉知格君

      第五十六番                  相沢光哉君

      第五十七番                  中沢幸男君

      第五十八番                  渡辺和喜君

      第五十九番                  今野隆吉君

欠席議員(一名)

       第十五番                  細川雄一君

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説明のため出席した者

      知事                     村井嘉浩君

      副知事                    三浦秀一君

      副知事                    若生正博君

      公営企業管理者                犬飼 章君

      総務部長                   山田義輝君

      震災復興・企画部長              大塚大輔君

      環境生活部長                 佐野好昭君

      保健福祉部長                 伊東昭代君

      経済商工観光部長               吉田祐幸君

      農林水産部長                 後藤康宏君

      土木部長                   遠藤信哉君

      会計管理者兼出納局長             宮原賢一君

      総務部参事兼秘書課長             平間英博君

      総務部財政課長                齋藤元彦君

    教育委員会

      委員長                    庄子晃子君

      教育長                    高橋 仁君

      教育次長                   西村晃一君

    選挙管理委員会

      委員長                    菊地光輝君

      事務局長                   冨田政則君

    人事委員会

      委員長                    小川竹男君

      事務局長                   谷関邦康君

    公安委員会

      委員長                    猪俣好正君

      警察本部長                  横内 泉君

      総務部長                   岡崎良則君

    労働委員会

      事務局長                   武藤伸子君

    監査委員

      委員                     工藤鏡子君

      事務局長                   大内 仁君

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    議会事務局

      局長                     西條 力君

      次長兼総務課長                半沢 章君

      参事兼議事課長                菅原幹寛君

      政務調査課長                 泉 洋一君

      副参事兼総務課長補佐             菅原 正君

      副参事兼議事課長補佐             川村 満君

      政務調査課副参事兼課長補佐          高橋秀明君

      議事課長補佐(班長)             布田惠子君

      議事課長補佐                 菅原 厚君

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    議事日程 第六号

               平成二十七年九月十六日(水)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第二百二十六号議案ないし議第二百三十号議案、議第二百三十二号議案ないし議第二百三十五号議案、議第二百三十七号議案、議第二百四十四号議案ないし議第二百四十六号議案及び報告第百九十六号ないし報告第二百四十八号

第三 一般質問

   〔本多祐一朗君、千葉達君、太田稔郎君、佐々木征治君、庄子賢一君〕

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第二百二十六号議案ないし議第二百三十号議案、議第二百三十二号議案ないし議第二百三十五号議案、議第二百三十七号議案、議第二百四十四号議案ないし議第二百四十六号議案及び報告第百九十六号ないし報告第二百四十八号

三 日程第三 一般質問

   〔本多祐一朗君、千葉達君、太田稔郎君、佐々木征治君、庄子賢一君〕

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△開議(午前十時)



○議長(安藤俊威君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(安藤俊威君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、十八番寺澤正志君、十九番只野九十九君を指名いたします。

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△議第二百二十六号議案ないし議第二百三十号議案



△議第二百三十二号議案ないし議第二百三十五号議案



△議第二百三十七号議案



△議第二百四十四号議案ないし議第二百四十六号議案



△報告第百九十六号ないし報告第二百四十八号・一般質問



○議長(安藤俊威君) 日程第二、議第二百二十六号議案ないし議第二百三十号議案、議第二百三十二号議案ないし議第二百三十五号議案、議第二百三十七号議案、議第二百四十四号議案ないし議第二百四十六号議案及び報告第百九十六号ないし報告第二百四十八号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。

 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。四十番本多祐一朗君。

    〔四十番 本多祐一朗君登壇〕



◆四十番(本多祐一朗君) 大綱三点についてお伺いいたします。なお、のどを痛めておりますので、お聞き苦しい点はお許しください。

 まず、国の基本にかかわることなので、現行憲法と安保関連法案について、知事の率直なお考えを伺いたいと思います。

 政府は、現在開会中の第百八十九回通常国会に、国際平和支援法案と平和安全法制整備法案の二法案を提出し、今週中には、衆議院に続いて、参議院においても、与党の強行採決によって通過させる動きを見せております。国際平和支援法案は、多国籍軍等の戦争を自衛隊が随時支援できるようにするための恒久法であり、平和安全法制整備法案は、集団的自衛権の行使を可能にするための自衛隊法改正案など十法案を一括したものであります。いずれも自衛隊の武力行使の条件を整備し、これまで自国防衛以外には行使できなかった自衛隊の力を米国などの求めに応じて自由に行使できるようにするもので、いわば戦争を準備するための法案とも言えます。

 政府は、長年にわたって、憲法第九条において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきとして、集団的自衛権の行使や他国軍の武力行使との一体化を憲法違反としてきました。今回の二法案は、平和憲法下の我が国の基本政策を転換し、戦争を放棄した平和国家日本のあり方を根本から変えるものであります。与党がこの法案を強行採決し、強引に押し通すことは、国民の声を無視した暴挙と言うべきであります。国会の審議でも疑問点が続出し、また憲法の番人である最高裁の元長官、山口繁氏を初め、歴代の元内閣法制局長官や多くの憲法学者、各界各層から、違憲すなわち憲法違反の立法と指摘されております。この安保関連法案について、知事はどのようにお考えか、御見解をお伺いいたします。

 政府が憲法の解釈を自分たちに都合のいいように勝手に変更することは、近代民主国家の原理である立憲主義を否定するもので、到底容認できませんが、安保関連法案が通れば、いずれ安倍政権は、憲法改正とりわけ第九条の改正を目指すのかもしれません。しかし、戦後の歴史を振り返ったとき、戦争を放棄して、武力は使わない、交戦権は否認しますという憲法第九条の果たしてきた役割は大きかったと思います。朝鮮戦争のころ、後にアメリカの国務長官となるダレスは日本政府に憲法改正を要求しましたが、吉田首相はこれを拒否。結果として、朝鮮戦争、その後のベトナム戦争に日本は部隊を送らず、また、イラクやアフガニスタンの実戦にも参加せずに済みました。いわばアメリカの戦争に巻き込まれ、日本が海外派兵するような事態を憲法が防いできたと思いますが、知事の御見解をお伺いいたします。

 安倍首相の言う積極的平和主義とは、要するに、軍事力を背景に平和を求めるということだろうと思います。集団的自衛権の行使を容認し、普通の国を目指すのでしょうが、国際的な平和維持に貢献すると言いつつ、念頭にあるのはアメリカ軍との更なる協力ではないでしょうか。しかし、アメリカは軍事政策が圧倒的な影響力を持つ特殊な国で、核兵器も持っております。そんなアメリカの軍隊と密接につながれば、日本のアメリカ追随は、いよいよ抜き差しならぬものになるのではないでしょうか。戦後、日本は、現憲法下で反軍事的な政策を守り続けてきました。それは、敗戦から立ち直った国民が、七十年の長きにわたって平和と民主主義の理念を守り続けてきたあかしであり、国際的な信頼をもかち得てまいりました。

 安保関連二法案について、国民の八割が説明不足であるとし、六割以上が今国会での成立に反対するとの世論調査の結果もあります。内容を知れば知るほど、ますます法案への批判が強まっているのが現実です。世論に背を向けるかのような国会での政府・与党の強引なやり方に対し、知事はどのようにお考えか、お伺いいたします。

 私たち社民党県議団は、今議会に、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を速やかに撤回し、安保関連二法案の制定を断念することを求める意見書を提出しています。各会派並びに議員各位の御賛同を切に求め、次の質問に移ります。

 次に、東日本大震災からの復旧・復興の課題についてお伺いいたします。

 まず、復興交付金の効果促進事業の使途等の拡大についてお伺いします。

 平成二十八年度以降の復旧・復興事業について、六月二十四日の国の復興推進会議の決定で、地方負担をめぐる国と地方の激しいやりとりは一応の決着を見ました。そして、同時に決定された復興交付金の成果と残された課題の中で、特に効果促進事業については、一括配分について、一事業当たり事業費の上限を撤廃し、配分額の上限を引き上げる、また、実現可能な事業メニューのパッケージ化と担当者の設置により活用を促進するとされました。平成二十三年度から二十六年度までの十一回の復興交付金の配分実績を見ると、基幹事業二兆八千百六億円に対し、効果促進事業は三千八百二十七億円と一三・六%にとどまり、三五%までを上限とするとしていたことからすると、各省からの制約もあって、必ずしも自由度の高い交付金とは言えなかったと思います。しかし、今回の決定により、効果促進事業は一段と事業の規模と使途が拡大すると期待していいように思えますが、実態はどうなのか、伺います。

 例えば、地盤沈下地域において、事業区域外のためになかなか認められなかった土地の地盤かさ上げや防集跡地における企業用地整備など、円滑に進められるようになるのかどうか。また、今回の措置により、具体的にどのような事業での拡充が期待できるのか、お伺いいたします。

 県としても、より一層体制を整え、市町村への的確な助言や協力体制をつくり、国との折衝を積極化し、復興を加速化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、災害公営住宅等における被災者生活支援についてお伺いします。

 阪神・淡路大震災では、仮設住宅と災害公営住宅における孤独死は、二〇一三年末の十九年間で一千五十七人に上りました。こうした反省から、宮城県ではこれまで、地域支え合い体制づくり支援費を活用し、仮設住宅でのサポートセンターの活動を支え、二十七年度、今年度は、十三市町五十八カ所で二十三億円の予算を計上しました。ただ、本事業は、介護基盤緊急整備基金を財源としてるため、現状では二十八年十二月までとなります。一方、災害公営住宅については、今後、仮設住宅からの移行が進むことで、入居者に対する支援事業の需要も増していくと思われます。特に、増加するひとり暮らし高齢者にとり、日常生活での支援や地域コミュニティーの再構築、地域包括ケアの拠点としても、サポートセンターの役割の拡充が求められております。入居者の生活支援に係る事業として、被災者健康・生活支援総合交付金が今年度から創設され、十一億円が配分されましたが、これも単年度事業です。これら事業を安定化させるには、サポートセンターで被災者生活支援の中心を担う保健師、看護師や生活支援相談員などの安定した雇用環境の確保が必要ですが、多大な財政負担を伴い、被災自治体などの自主財源では、その運営が困難であります。このため、これら当該交付金事業の複数年での事業実施と十分な財源の確保を国に求める必要がありますが、知事のお考えと決意をお聞かせください。

 また、この事業を地域包括ケアの宮城発の先導的なモデル事業と位置づけ、国の制度化へとつなげる努力が必要と思いますが、ビジョンも含めお考えをお示しください。

 さて、来年三月で入居期限を迎えるプレハブ仮設は、県内七市町で五千二百三十五戸ですが、うち、少なくとも七百五十世帯、約一五%に転居の見通しが立っておりません。理由は、災害公営住宅に落選したりあるいは資格を持っていなかったり、民間賃貸住宅では家賃を負担できないというものです。被災市町と協議し、まずは災害公営住宅の増設の検討に入るべきではないでしょうか。

 次に、今年度、県単独の新規事業として、地域整備推進基金を財源として地域コミュニティー再生支援費一億七十万円が当初予算に計上され、災害公営住宅の住民主体の地域コミュニティー再生活動への支援に県が乗り出しましたが、被災住民からの期待も高く、これまで八件の事業が採択されています。ところが、事業採択が決まったある災害公営住宅の自治会では、年間四つのイベントに百六万円の補助を受けられることになったものの、第一回振り込みは半額の五十三万円で、残金は最後の事業である来年三月三日のひな祭りコンサートの終了後になると言われ、その間は自治会が立てかえるよう言われたとのことです。しかし、発足間もない自治会に立てかえる金はないし、自治会費を集めても年間五十万円にもならず、困っているとのことでした。こうした例は、他の災害公営住宅にもあるのではないでしょうか。通常の補助金では通例かもしれませんが始まったばかりのせっかくの事業ですので、もう少し被災者の団体の事情に配慮した工夫があってもよいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、被災地の雇用創出策についてお伺いします。

 被災者の生活再建にとって何より有効なのは、安定した仕事につくことです。そういう意味でも、被災者を雇用した沿岸部の企業に三年間の人件費として一人当たり二百二十五万円を補助する事業復興型雇用創出助成金の役割は、大きいものがあります。平成二十四年二月の公募開始から二十六年度までに、四千二百事業所二万五千人に対し、累計三百三十八億三千万円が補助されました。しかし、この制度は、平成二十七年度末までの事業開始が支給を受ける要件で、被害が大きかった地域では間に合いません。

 そこで、事業開始が地盤のかさ上げ後の二十八年度以降でも助成対象とするよう国に強く働きかけていると思いますが、成果と今後の展望はいかがでしょうか。

 ちなみに、この助成金と不可分の事業である中小企業の設備復旧を促すグループ補助金は、二十八年度以降も活用でき、雇用創出助成金のみ使えなくなる事態は不合理そのもので、納得できません。

 なお、津波・原子力災害被災地雇用創出企業立地補助金や緊急雇用創出事業も被災地にとって重要な施策ですが、これも二十七年度限りとさせており、二十八年度以降の事業継続の見込みはどうなのか、お伺いいたします。

 次に、広域防災拠点の整備構想についてお伺いします。

 県は、今回の震災の経験を踏まえ、大規模災害時に支援部隊や支援物資を集結させ、県内各地に分配し、傷病者の拠送拠点として、ヘリポートを備える広域防災拠点を宮城野原公園運動場一帯に整備する構想を進めています。しかし、幾つか疑問点があります。

 まず、なぜ宮城野原地区なのでしょうか。仙台市の準中心部に位置しますが、周辺は住宅街で幹線道路は一本しかなく、近くには長町−利府断層が走っており、地震で建物が倒壊し、道路をふさぐ危険性もあります。また、この防災拠点整備のために新たな用地を確保するとし、JR仙台貨物ターミナル駅の敷地十七ヘクタールを買収し、多目的広場等の整備で約三百億円の事業費を見込んでいます。しかし、他県の広域防災拠点では新たに広大な土地取得整備するというのは聞いたことがなく、岩手県では既存の公有地を活用し、総事業費も四千万円で済むとしています。なぜ、震災で活用された利府町の県総合運動公園のグランディ21ではだめなのでしょうか、理由をお示しください。当時は遺体収容や救援隊、救援物資の集合場所として大きな役割を果たしたと聞いておりますし、ヘリコプター十数機、大型輸送車百五十台以上が同時に集積でき、救援隊の宿舎も既存施設で対応できたとのことですが、実際はどうだったのでしょうか。あわせて、議会からも提案のあった三本木の県有地ではなぜだめなのかもお尋ねいたします。

 また、平時はスポーツ広場にするという県の案についても、各競技団体から新たな屋外競技場を求める声は聞こえないといった疑問の声が県体育協会や仙台市の関係者から上がっているようですが、ニーズがあるか入念な検討が必要ではないでしょうか、お尋ねいたします。

 さて、震災から四年半が経過しました。この間の事業や取り組みを振り返って、被災者の救済と生活再建の支援という観点で見たとき、法改正を含めて、事業の改善の必要性を痛感してきましたし、東日本大震災を経験した我々だからこそ、課題を整理し、教訓化し、全国に発信できると思います。

 そこで、まず、災害救助法絡みの問題についてお伺いいたします。

 プレハブの仮設住宅の生活が長期化する中でさまざまな問題が発生しています。カビ問題はその一つで、石巻の仮設住宅では、住民の二割にぜんそくの疑いがあるとのことです。このカビ被害は、県内の仮設住宅でどの程度広がっているのか。その対策と入居者の健康面のケアはどのようにされたのか。また、現在、県では、仮設住宅の長期化を受けて、総点検を実施していますが、それに伴う補修計画はどのように考えてるのか、お伺いします。

 また、カビや結露、音漏れなどの遠因は、従来型の軽量鉄骨プレハブ住宅をスピード優先で東京のメーカーに一括発注し、しかも寒冷地仕様ではなかったことにあるのではないでしょうか。岩手県では住田町の木造仮設住宅がその快適さや恒久住宅への移設可能等で注目され、福島県でも六千七百戸、全体の四割の仮設住宅を地元の木材と企業を活用して建設しました。費用もプレハブ仮設より安上がりだったとされています。地域の生活環境を熟知し、地元の雇用創出にもつなげたことなどを考え合わせれば、宮城県でも地元企業を活用した仮設住宅の建設に取り組めるよう、平時から準備すべきではないでしょうか。

 また、東日本大震災後の対策で特徴的なのは、民間賃貸住宅を借り上げる、いわゆるみなし仮設の制度が本格的に導入されたことです。現在も全国で約八万三千世帯、本県では一万七千世帯に無償提供されています。入居期間は二年間で、その後は一年ごとに延長されていますが、宮城県では原則、二〇一六年度以降に提供を打ち切る方針を示しています。打ち切られれば、避難者は別の住居を探すか、通常の家賃を負担しなければならなくなりますが、みなし仮設からの移行プログラムは初めてのケースでもあり、未完成と言っても過言ではありません。災害公営住宅との見合いで言えば、低所得者向けの何らかの家賃補助制度が必要ではないでしょうか。さきに見た災害公営住宅の抽選に漏れたプレハブ仮設からの転居者への対策も含め、お伺いいたします。

 また、災害に遭った住宅の応急修理も災害救助法に定めがありますが、制約が多過ぎます。まず、応急修理は費用を補助するのではなく、業者が自治体と契約し、自治体から要請を受けて修理をするという遠回りな形をとること。現在の一般の基準だと、上限が五十二万円から五十六万七千円に引き上げられましたが、費用が少な過ぎて十分な補修が望めないこと。修理対象部分が居室や炊事場、トイレなどに限られ、非常に使いにくいこと。資力要件は撤廃すべきであること。以上の四点は、災害救助法には書かれておらず、単に厚生労働省の災害救助法事務取扱要領で定められていたもので、救助法は厚労省から内閣府に移管された今、国に大幅な改善を求め、広く活用されるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 また、救助法は現金支給を認めておりますが、長年、厚労省は、この事務取扱要領に基づき、現金支給を認めてきませんでした。今般の災害でも、前述の応急修理やみなし仮設の契約手続等で、県や市町に膨大な事務と遅延をもたらしたことを考えれば、これも法律が移管された今、実態を踏まえた改善を強く求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、被災者生活再建支援法に関連してお尋ねします。

 この法律は、阪神・淡路大震災の被災者の声を結実した市民立法とも言うべきもので、一九九八年五月に成立しました。その後、二度の改正を経て、支援金が当初の上限百万円から三百万円に増額され、住宅再建などにも使途が拡大され、今日に至っています。東日本大震災でも被災者から大いに活用され、本県ではことし七月末までで、基礎支援金十二万九千六百件、九百七十五億円、加算支援金に八万一千件、九百六十五億円が支払われました。しかし、今回の震災では、例えば津波浸水区域における住宅再建改修について被災者生活再建支援法に基づく支援金では不十分なため、被災者や被災県、市町、そして議会から、いわゆる津波加算を求める声が上がりました。この結果、国からは一千億円を超える震災復興特別交付税の交付が行われ、このうち、宮城県には七百九億円が配分されました。これに県は独自に十九億円を上乗せし、総額七百二十八億円を県内被災十五市町に復興基金交付金として交付しました。これは津波で全・半壊した対象家屋一戸当たり約二百五十万円に当たります。こうした事情を考えれば、被災者生活再建支援金については、支援金額を大幅に増額することが必要だし、それは可能だと思います。東日本大震災では、支援金の必要総額は全国で四千億円に上ると予想されます。仮に三百万円を五百万円に増額して、その一・七倍の六千八百億円に膨らんだとしても、国庫は破綻するというほどのものではありません。また、災害公営住宅の建設に一戸当たり二千数百万かかることを考えれば、自力再建を促進する方が、かえって財政面にも効率的であると言えますし、被災者の意向にも沿うものです。総額三十二兆円という復興予算全体に占める割合も二・一%にとどまります。したがって、被災者生活再建支援金の大幅な増額を求めるとともに、国の補助率現行二分の一も大幅に引き上げるよう、全国知事会等を通じて、法改正を働くべきではないでしょうか、お尋ねいたします。

 また、支援金の支給対象を現在全壊と大規模半壊の家屋としておりますが、これについても、被災者から批判がありました。半壊家屋も支援対象にすべきと思いますが、お考えをお伺いをいたします。

 最後に、介護保険事業の現状と制度改善策についてお伺いします。

 介護保険事業所では、今、人手不足と建築費高騰が経営を圧迫し、ことし一月から六月の全国の介護事業所の倒産は、前年同期比で約五割増で、年間では過去最多を更新する勢いだと言います。これに四月から二・二七%の介護報酬の引き下げが加わり、八月からは利用者の一部に二割負担が導入されました。これが経営状況の悪化に更に追い打ちをかけ、廃業する事業所がふえれば、地域で介護難民が生み出されるおそれがあります。そのような事態は避けねばなりません。人手不足や建築費の高騰、介護報酬の引き下げなどが県内の介護事業所の経営にどのような影響を与えているのか、早急に実態調査を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。調査の結果、厳しい経営の実態が判明したときには、直ちに介護報酬の改定を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次期改定は本来三年後ですが、三年間も待てないという事業者からの切実な声があり、また、そもそも今回の報酬引き下げの背景には、特別養護老人ホームの内部留保は三億円もあるといった誤った認識があったやに聞いていることから、前倒しで改定を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 特別養護老人ホームの県内待機者は、昨年四月一日現在で一万三千七百人、このうち、本県が整備目標としている要介護三以上の在宅者は三千百五十一人となっており、施設はまだまだ不足しています。しかし、施設の建築費は、労務費や資材の値上がりで高騰し、特に被災三県の急騰ぶりは東京をしのいで顕著であると言われ、特養等の建設をちゅうちょする事業者も出ていると聞きます。このため、被災県の復興事業に適用されている単品スライド額算定や認定労務単価等の速やかな見直しなど、実勢価格を反映した交付金の上乗せを国に働きかけるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 厚労省が、ことし六月に公表した二〇二五年における各都道府県別の介護人材の充足率は宮城県が六九%で、全国最下位、それも断トツのワーストワンというショッキングな内容でした。なぜこのような予測になったのか、明らかにしてください。このままでは宮城県の介護は体制がとれず、介護難民が大勢発生します。高齢者の移住を受け入れる地方創生プランは、絵にかいたもちです。地域包括支援センターでの生活支援コーディネーターの配置と体制強化などの当面の課題に取り組むとともに、介護人材の育成、確保、定着に向けた県介護人材確保協議会や地域医療介護総合確保基金を活用した事業など、これまでの施策、課題の総点検と十年間の中長期計画による有効な取り組みを求めたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 以上、質問さしてきましたが、今回、健康上の理由から、私は今期限りで議員を引退することを決意いたしました。六期二十四年間にわたり、知事初め県執行部の皆さん、議会の先輩、同僚議員の皆さん、そして県民、市民、支持者の皆さんにはたくさんのことを教えていただき、支えていただきました。この間の御協力に心から感謝申し上げます。

 一日も早い復興と県民の幸せ、県勢の更なる発展を祈りつつ、壇上からの質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 本多祐一朗議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、現行憲法と安保関連法案についての御質問にお答えいたします。

 初めに、法案についてどう考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。

 我が国の安全保障を考える上では、いかなる事態においても政府が国民の生命と安全を守り通し、切れ目ない対応を可能とする法整備が重要であると認識しており、その必要性については理解できるものであります。この法案に対しましては、憲法違反との主張がある一方で、我が国の平和や安全を守るのに不可欠なものとの主張もあり、賛成、反対双方の立場から意見があるものと承知しております。私といたしましては、憲法上唯一の立法機関である国会が双方の意見に真摯に耳を傾け、判断していただきたいと考えております。

 次に、日本の海外派兵を憲法が防いできたと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。

 憲法は、申し上げるまでもなく、政治権力の基本的なあり方を定めている法規範であります。日本が戦争や武力紛争に自衛隊を派遣しないことについては、憲法及びこれに基づく法令等に従って、政府が判断されてきた結果であると考えております。

 次に、国会での与党の強引なやり方に対してどうかとの御質問にお答えいたします。

 安保関連二法案に関する世論調査において法案への批判が多いことについては、私も承知しております。法案に対して賛成、反対の意見がある場合は、まずはよく議論することが重要でありますが、その上で、なお合意に至らないとき、政治家は、その対処について批判があったとしても、決断しなければならないことがあるものと考えております。

 次に、大綱二点目、東日本大震災からの復旧・復興の課題についての御質問のうち、復興交付金効果促進事業の使途拡大に向けた県の対応についてのお尋ねにお答えいたします。

 県では、これまで、復興庁が被災市町に対して実施する復興交付金事業計画策定支援ヒアリングへの参加等を通じ、市町に対し助言を行うとともに、要望を集約し、国に提案するなど、市町と協力して、復興交付金の制度改善を国に求めてまいりました。これを受け、国においては、効果促進事業の対象拡大、一括配分の対象となる基幹事業への災害公営住宅整備事業の追加など、柔軟な対応が行われてきたところであります。今後は、御指摘のありました効果促進事業、とりわけ一括配分された復興交付金の有効活用が復興の加速化にとって大変重要でありますことから、県としては、被災市町との協力体制を更に強化するとともに、より一層柔軟な制度運用について国に対し強く働きかけてまいります。

 次に、大綱三点目、介護報酬の引き下げと介護保険事業への影響についての御質問のうち、介護人材の確保に係る実効性のある取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 介護人材の確保については、ことし三月に策定した第六期みやぎ高齢者元気プランにおいて、二〇二五年を見据え、施策の評価なども行いながら、三年間の施策展開の方向性を定めたところであります。当面の課題としては、生活支援コーディネーターの育成など、市町村や地域包括支援センターが行う地域支援事業に必要な人材の育成を重点的に行うとともに、早急かつ中長期的な課題である介護人材の確保についても、多様な人材の参入促進、職員の資質向上、労働環境、処遇の改善を三つの柱として、宮城県介護人材確保協議会等と連携し、取り組むこととしております。今後も、二〇二五年を展望しつつ、三年ごとに課題や施策を見直しながら、我が県の介護人材の養成、確保に向けて、しっかりと計画を推進してまいる所存でございます。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 総務部長山田義輝君。

    〔総務部長 山田義輝君〕



◎総務部長(山田義輝君) 大綱二点目、東日本大震災からの復旧・復興の課題についての御質問のうち、復興交付金効果促進事業の規模と使途の拡大についてのお尋ねにお答えいたします。

 一括配分を活用して実施できる事業規模の拡大については、先月、国の制度要綱が改正され、一事業当たり事業費の上限が撤廃されたほか、市町村ごとの事業費の上限が二百五十億円から五百億円に引き上げられました。これまで事業費の上限に達していたために追加の一括配分がなされてこなかった仙台市、石巻市及び気仙沼市に追加配分が行われることになります。これらにより、今後はより大規模な事業が一括配分された復興交付金を活用して実施されるものと考えております。

 また、使途の拡大については、復興庁が直接パッケージ化された事業メニューや他県の活用事例等を用いて、市町における効果促進事業の有効活用を支援することとされております。県としては、この取り組みが使途拡大につながるよう注視するとともに、必要に応じて国に要望してまいります。

 次に、具体的にどのような事業で拡充が期待できるかとの御質問にお答えいたします。

 効果促進事業のメニューのパッケージ化などについては、一括配分されたものの使途が決まっていない多額の復興交付金を有効活用し、復興の新たなステージに応じて生じる地域の課題に的確に対応することを目的として実施されているものです。このため、御指摘のありました既存事業の区域外における地盤のかさ上げや集団防災移転跡地における企業用地整備など、これまでなかなか認められなかった事業のほか、復興のステージに応じて重要性が高まっている産業や観光に関する事業等への効果促進事業の活用が円滑に進むことを期待しております。

 次に、広域防災拠点整備構想についての御質問のうち、震災時に県総合運動公園が果たした役割についてのお尋ねにお答えいたします。

 東日本大震災時には広域防災拠点が存在せず、県総合運動公園を利用せざるを得なかったところでありますが、支援部隊の集結、宿営場所やヘリコプターの中継基地としての役割は果たしたものと認識しております。しかしながら、救援物資の輸送、中継拠点の機能を果たすことができなかったほか、基幹災害拠点病院が近くにないことから、医療機関と連携した医療活動ができなかったものと認識しております。また、県災害対策本部と県総合運動公園との連携体制を早急につくることができず、組織的、体系的な運営としては不十分だったものと認識しております。

 次に、被災者生活再建支援法についての御質問にお答えいたします。

 国は、東日本大震災における甚大な被害にかんがみ、この大震災に限り、通常二分の一の補助率を八割とする特例を講じているところです。また、国においては、平成二十三年二月から被災者に対する国の支援のあり方に関する検討会を開催しており、東日本大震災での新たな課題等も踏まえ、支給限度額や対象世帯の拡大、国の補助のあり方などについても検討されています。県では、震災直後から、国に対し、被災者生活再建支援基金不足分の全額国庫負担、支援額の拡充及び半壊世帯も対象とする支援範囲の拡大、更に、大規模な災害に対応するために全額国庫負担による新たな制度の創設を要望してきたところです。今後も引き続き全国知事会等を通じて国に要望してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。

    〔震災復興・企画部長 大塚大輔君登壇〕



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 大綱二点目、東日本大震災からの復旧・復興への課題についての御質問のうち、今年度に創設された県の補助金についてのお尋ねにお答えいたします。

 地域コミュニティー再生支援事業補助金につきましては、災害公営住宅等に入居された住民が組織する団体が、例えば、地域の祭りの復活や震災の伝承活動、子供たちへの防災教育など、主体的にコミュニティー再生に向けた活動を行う場合、その経費の一部を補助するものとして創設したものであります。議員御指摘のとおり、震災後に結成され、補助金の活用を検討した団体の中には、会費収入等の財政基盤が整っていない団体もありますことから、従来交付決定額の五割としていた概算払いについて、事業の進捗に合わせて八割まで追加交付できるよう、要綱等を改正したところでございます。県といたしましては、今後とも、被災者団体に寄り添いながら、コミュニティー再生に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 保健福祉部長伊東昭代君。

    〔保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕



◎保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱二点目、東日本大震災からの復旧・復興の課題についての御質問のうち、被災者生活支援事業に係る複数年での事業実施と財源確保についてのお尋ねにお答えいたします。

 仮設住宅や災害公営住宅で生活する被災者への支援については、生活支援相談員による見守り活動や交流サロン等の取り組みを継続していくことが必要であると考えております。県といたしましては、生活支援相談員の確保など、被災者のニーズに対応したきめ細やかな支援ができるよう、国に対し、複数年での事業実施と十分な財源の確保について引き続き要望してまいります。

 次に、サポートセンターによる被災者支援事業の制度化についての御質問にお答えいたします。

 被災地では、行政やサポートセンター、医療機関を初めとする専門機関が連携した健康支援や見守りの取り組みが行われており、これを地域包括ケア体制につなげていく必要があります。今回の介護保険制度の改正により、こうした健康支援の取り組み及び高齢者の見守りやサロンなどの取り組みが、市町村が行う地域支援事業として実施できるようになったところであります。今後、災害公営住宅等への移行が進むと、地域コミュニティーの再構築など、地域で支える体制の構築がより一層重要となってくることから、県といたしましても、全県のモデルとなり得る取り組みを支援することとするとともに、国の制度につなげるよう努力をしてまいります。

 次に、プレハブ仮設住宅のカビ被害の状況と対策についての御質問にお答えいたします。

 プレハブ仮設住宅のカビ被害については、これまで十市町七十団地で約二百六十件の相談があり、市町において、県の応急仮設住宅共同施設維持管理補助金を活用し、随時修繕を行っております。また、ぜんそくなどの健康被害につきましても、県では、プレハブ仮設住宅入居者の健康調査を実施した上で、市町と協力して必要な受診勧奨等を行っております。県といたしましては、引き続き、市町を通じ、プレハブ仮設入居者の住環境整備及び健康支援に努めてまいります。

 次に、プレハブ仮設住宅の補修計画についての御質問にお答えいたします。

 プレハブ仮設住宅については、ふぐあいが発生した都度、随時補修等の対応をしております。しかしながら、プレハブ仮設住宅は六年目以降も使用が見込まれることから、県では、建物の安全性を確保するため、来年度以降も供与する団地について、今年度建物の構造上重要な基礎や屋根、外壁などの一斉点検補修を行っており、ふぐあい箇所の修繕についても点検と同時に行っております。

 次に、カビや結露等の遠因と地元企業によるプレハブ仮設住宅の建設についての御質問にお答えいたします。

 プレハブ仮設住宅は、その特性上、結露等の発生を完全に防ぐことは難しいとされており、十分な換気を行うなど、適切な管理を呼びかけて対応するとともに、寒冷地仕様については、入居者の要望を受けて、速やかに追加対策工事を行ったところです。また、東日本大震災の際、本県でも市町に地元業者リストを提供し、二つの町において、地元企業を活用して仮設住宅を建設しております。今後、他県の建設例も参考にしながら、災害の規模などに応じ、地元企業を活用できるよう、災害時におけるプレハブ仮設住宅建設について検討してまいります。

 次に、家賃補助制度と仮設からの転居支援についての御質問にお答えいたします。

 応急仮設住宅の入居者の中には自力での住宅再建が困難な方々がいることから、県では七月に宮城県被災者転居支援センターを設置し、入居者が安定、安心して暮らし続けることができる新たな住宅の確保を支援しております。恒久的住宅としての民間賃貸住宅等への移行に当たっては、経済状況など各世帯の実情に合った無理なく住み続けることができる住宅を確保することが重要であることから、家賃補助による対応よりも、被災者転居支援センターなどで相談に応じながら、被災者生活再建支援制度や、必要に応じて福祉サービスの利用を促すことなどにより、被災者の自立に向けた支援を行ってまいります。

 次に、被災した住宅の応急修理について国に大幅な改善を求めるべきとの御質問にお答えいたします。

 住宅の応急修理については、日常生活に必要な最小限の部分を修理することで、もとの住家に引き続き住むことを目的としているため、修理の対象箇所や補修費用の上限額などが定められているところです。一方、本制度で対応が困難な本格的な住宅の補修については、被災者生活再建支援制度などを活用することとなります。東日本大震災の際には、救助期間の延長などの対応を国に求め実現しており、今後も状況に応じて必要な要件の緩和などを要望してまいります。

 次に、現金支給による災害救助について国に実態を踏まえた改善を強く求めるべきとの御質問にお答えいたします。

 災害救助法では、災害時に物資が欠乏し、調達も困難となり、金銭がほとんど用をなさない場合も多いことから、現物をもって行うことが原則とされています。しかしながら、現行法導入時に比べ、地域における住宅を初めとする社会的な環境が大きく変化していることから、民間賃貸借り上げ住宅供与のあり方も含め、今回の震災での実情を検証した上で、国に対して検討を求めてまいります。

 次に、大綱三点目、介護報酬の引き下げと介護保険事業への影響についての御質問のうち、実態調査を行い、厳しい経営実態が明らかな場合は報酬改定を求めるべきとのお尋ねにお答えいたします。

 国では、次期報酬改定に向けて、今回の改定の影響を把握するため、認知症高齢者への対応など報酬改定の効果を検証する調査、処遇改善加算に係る調査、介護事業経営実態調査などを三カ年かけて行うこととなっております。また、全国老人福祉施設協議会等の関係団体も独自に報酬改定影響度調査などの実施を予定しております。県といたしましては、こうした調査の状況を踏まえつつ、今回の改定が事業の運営や職員の処遇改善等に及ぼす影響について、県内の関係者の意見を十分に伺いながら、他の都道府県と連携して、国に対して必要な要望を行ってまいります。

 次に、特別養護老人ホームの建設に関し、実勢価格を反映した交付金の上乗せを国に働きかけるべきとの御質問にお答えいたします。

 地域密着型特別養護老人ホームの整備に対する交付基準単価については、その上限額が平成二十六年度及び二十七年度に引き上げられており、現在は一床当たり二百万円から四百二十七万円の範囲で交付されております。我が県では、被災地への配慮を国へ要望し、これまで交付上限額により交付されているところであります。建設コストの増加については、施設整備に与える影響が大きいものと認識しておりますことから、引き続き国に対して実態を反映した交付金の引き上げを要望してまいります。

 次に、我が県の介護人材の充足率の予測が全国最下位になった理由についての御質問にお答えいたします。

 二〇二五年の介護人材充足率については、国から示されたワークシートにより推計したもので、市町村の介護サービス見込み量から推計する需要数と、過去五年間の離職者数及び入職者数から推計する供給数を算定し、充足率が約六九%となったものです。今回の供給数の推計値については、推計の基礎としたデータに震災の年に調査できなかった十四市町のデータが入らず平均して低い数値になったために、充足率が全国最下位になったものと認識しておりますが、今後推計値の精査を行いながら、介護人材の確保の取り組みを進めることが必要であると考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱二点目、東日本大震災からの復旧・復興の課題についての御質問のうち、事業復興型雇用創出助成金についてのお尋ねにお答えいたします。

 この助成金の必要性について国に対し要望した結果、来年度概算要求では、雇用のミスマッチに対応した支援を行う(仮称)事業復興型雇用支援事業が盛り込まれ、要望活動の成果があったものと考えております。事業の概要については、沿岸部の事業所に三年間にわたって賃金助成するものであり、被災地の雇用創出に一定の効果があるものと期待しております。今後とも情報収集に努めながら、円滑な事業化に向け、引き続き取り組んでまいります。

 次に、津波補助金や緊急雇用創出事業の事業継続の見込みについての御質問にお答えいたします。

 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金については、制度継続を要望した結果、来年度概算要求では、その期間を延長することとされました。また、緊急雇用創出事業については、事業の継続と基金の積み増しについて再三要望した結果、概算要求では、一時的な雇用を創出する震災等対応雇用支援事業は今年度末で終了することとされましたが、一方で、対象人数が多かった被災地の見守り活動などについては、被災者支援のための総合交付金の拡充により、引き続き被災地への支援を行う方針が盛り込まれたところです。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱二点目、東日本大震災からの復旧・復興の課題についての御質問のうち、災害公営住宅の増設についてのお尋ねにお答えいたします。

 災害公営住宅の整備につきましては、事業主体であります市町が被災者の意向を踏まえた計画に基づき進めてまいりましたが、時間の経過に伴い被災者の意向が変化してきたことや、仮設住宅にはいまだ転居の見通しが立たない方がおられますことから、継続的な意向調査や個別訪問等により必要戸数を精査し、約一万六千戸の整備を進めているところであります。県といたしましては、引き続き、被災者の恒久的な住宅への移行が円滑に進むよう、市町とともに最大限取り組んでまいります。

 次に、広域防災拠点を宮城野原地区に整備する理由についての御質問にお答えいたします。

 広域防災拠点につきましては、東日本大震災の教訓から、既存の広域交通体系を活用した陸、海、空による人員、物資等の円滑な輸送が可能であり、かつ県の中心的な位置に設置する必要があります。更には、自衛隊や既存医療施設と密接に連携した救助活動や、災害対応に必要となる広大なスペースの確保が可能となる地区を選定することが必要であります。このような観点から、広域防災拠点につきましては、仙台東部道路、仙台塩釜港、仙台空港、陸上自衛隊の駐屯地、基幹災害拠点病院に近接し、圧倒的に地理的優位性が高い宮城野原地区を活用することとしたものであります。

 次に、県総合運動公園が適地ではない理由についての御質問にお答えいたします。

 東日本大震災では、県総合運動公園を広域拠点とし、各市町の公園等を地域拠点として対応しましたが、県総合運動公園につきましては、救援物資の輸送や傷病者の広域搬送に活用できなかったことなど、その対応能力や広域的な連携の面でさまざまな課題が生じたところであります。こうした東日本大震災の教訓から、県全体をカバーする広域防災拠点の整備が喫緊の課題と考え、複数のルートによって緊急輸送道路へのアクセスが可能で、基幹災害拠点病院との連携等においてもすぐれている宮城野原地区に整備することとしたものであります。

 次に、三本木の県有地が適地ではないとする理由についての御質問にお答えいたします。

 大崎市三本木地区につきましては、東北エリア全体をカバーし、発災後直ちに国の現地災害対策本部が設置される中核的広域防災拠点の候補地として要望しているものであります。一方、県の広域防災拠点は県内をカバーし、市町村の防災活動を支援するとともに、国の中核的広域防災拠点と連携するものとして、宮城野原地区に整備することとしたものであります。

 次に、平常時の活用に関するニーズについての御質問にお答えいたします。

 広域防災拠点につきましては災害時の利用を基本に設計を進めており、平常時の利活用につきましては、憩いの場や運動公園としての利用のほか、防災知識等の普及啓発や防災訓練の場としての活用を想定しているところでございます。また、スポーツ施設につきましては、関係団体との調整を経て、さまざまなスポーツを行うことが可能な芝生広場やグラウンド等の整備を計画しているところであり、関係者からは一定の評価をいただいているものと受けとめております。県といたしましては、平常時におきましても県民の皆様に幅広く利用していただけますよう、広域防災拠点の整備を進めてまいります。

 以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 四十番本多祐一朗君。



◆四十番(本多祐一朗君) 御答弁ありがとうございました。

 何点か再質問したいんですが、時間の関係もありますので、できるところまでやりたいと思います。

 まず、安保関連法案の関係ですけれども、この法案が通れば、自衛隊が戦闘行為に加わる可能性が格段に高まるだろうと思います。それだけ自衛隊員にも犠牲者がふえるだろうと思われますが、こうした予想される事態に対し、みずからも自衛隊OBである村井知事はどのように感じておられるのか、その辺の率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) その可能性についてあるのかないのかと言われましたならば、やはり可能性はゼロではないというふうに思います。しかし、この国の安全保障という観点から総合的に見て必要な法案ということであれば、可決をされればよろしいかと思いますし、そうでないということであれば、法案として成立をしないということになろうかというふうに思います。先ほども申し上げてますように、これは憲法によって認められています唯一の立法機関である国会においてしっかりと議論をし、国民の声を聞きながら、そして、しかるべきときに決断をしていただければというふうに思っております。



○議長(安藤俊威君) 四十番本多祐一朗君。



◆四十番(本多祐一朗君) 日本が武力攻撃を受けたときに、日本を守るために戦闘行為に入るというのは、自衛隊員も覚悟してやってると思うんですよね。ところが、今回の安保法案は、どうも読んでいくと、他国の戦闘行為への加担とかあるいは海外への戦闘行為に参加して命を落とすことになるとしたら、これは自衛隊員にとっては全く性格が異なるものになるんじゃないかというふうに思います。私が言いたいのは、世論調査の結果からすると、民意は、今国会では決めなくていいと、決めるべきではないということだと思うんですが、村井知事はこの点についてどうお考えなのか、再度お伺いしたいと思います。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 私は、この法案とは直接は関係ないんですけれども、六〇年安保のときの社会的な背景というものを考えるんですけれども、あのときも恐らく世論は大部分が反対をされていたのではないかなと思います。それでも、あそこに六〇年安保という形で日米安保に踏み切った。その結果、五十年以上の日本の安寧につながったことも否めないというふうに思っております。ただ、今回の法案がまたこれからの五十年の日本の安寧につながるかどうかということについては、私は国会議員でもありませんし総理大臣でもありませんので、門外漢でございますから、これについてはっきりとしたことを予見することはできませんけれども、しかし、そういうことも頭に入れながら、民意が反対だから何もかもだめなのだということであれば、国民に押しボタンを置いて全部押せば、国政は、国会議員も必要なくなるわけでございますので、国民から選ばれた国会議員が責任を持って、次の時代のことを考えながら、よく民意を聞きながら、耳を傾けながら判断をしていただきたいというふうに思っております。これが私の答えの限界でございますので、お許しをいただきたいと思います。



○議長(安藤俊威君) 四十番本多祐一朗君。



◆四十番(本多祐一朗君) 少し平行線のところがありますので、次に移りますけど、東日本大震災からの復旧・復興の課題で私言いたかったのは、四年半経過しました。その間、事業を見てくると、どうもハード事業に偏ってきたんじゃないかと。進んでいるんですよね、ところが、その反面、被災者の生活再建というのはどうしても残されてしまっている部分があると。そうすると予算の使い方としてもハードに偏り過ぎているとなったらば、やっぱりこれからはもっとソフト面、被災者の生活再建に向けてお金が使えるような、そういうシステムというか、県としても詰める必要あるし、国に求める必要があると思うんでが、その点いかがでしょうか。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) その点については私もしっかりと自覚をしなければならないというふうに思っております。まずは、今までの四年半は復旧を最優先にしていかなければなりませんでしたので、どうしてもハード整備に軸足を置きながら、ソフト事業をやってきておりましたけれども、だんだんハードが整ってきておりますので、今後はソフトに軸足を移していくことになろうかというふうに思っております。基金もまだ残っている部分がございますので、それについてはソフトにはこれから重心を置きながら、しっかりと整備をしてまいりたいというふうに思っております。最後の本多議員の御質問でございますので、しっかりと受けとめて対応してまいりたいというふうに思っております。



○議長(安藤俊威君) 四十番本多祐一朗君。



◆四十番(本多祐一朗君) 村井知事にはそういったスタンスで、これからの復旧・復興を力強く推進していただきたいと思います。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(安藤俊威君) 五十三番千葉達君。

    〔五十三番 千葉 達君登壇〕



◆五十三番(千葉達君) 通告に従い、平成三年四月の初当選以来通算五期二十年にわたり宮城県会議員として務めさせていただいた集大成として、また、議員の皆様、知事、執行部の皆様に感謝の意を込めて、県会議員として最後の一般質問をさせていただきます。

 まず、大綱一点目でございます。

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災から四年六カ月の月日が流れ、東日本大震災からの復興の基本方針において、被災地の一刻も早い復旧・復興を目指すためとして位置づけられた集中復興期間五カ年が過ぎ去ろうとしております。村井知事におかれましては、東日本大震災の発生からこれまでの間、まさに全身全霊を傾けて復旧・復興に取り組んでこられました。ここに、改めて、村井知事への心からの感謝を申し上げるとともに、知事の強力なリーダーシップのもと、昼夜を分かたず尽力されている職員の皆様方にも心から敬意を表したいと思います。

 大津波により壊滅的な被害をこうむった沿岸部においても、昨年三月に震災瓦れきの処理が完了し、道路などの公共インフラの復旧が加速的に進みつつあり、土地区画整理事業などの復興まちづくり事業についても、沿岸部の至るところで復興のつち音が響くようになってまいりました。また、津波浸水で甚大な被害を受けた農地の除塩も進み、震災前の美しく豊かな宮城の田園風景がよみがえりつつあります。この震災で多くの方が家を失い、不便な生活を余儀なくされてまいりました。これまでの四年半余り、県や市町が全力で住まいの復興に取り組まれたことにより、恒久的な住宅への入居も進みつつあります。しかし、その一方で、いまだ多くの方々が応急仮設住宅で仮住まいを余儀なくされ、住まいの確保に見通しが立たないまま不安な日々を過ごしている状況にあり、一日も早い復興まちづくりの実現が待たれるところでもあります。

 そこで、まず、知事にお伺いをいたしたいと思います。

 こうした四年半に及ぶ復旧・復興の取り組みにおいて、知事はどのような所感と自己評価をお持ちなのでしょうか。また、来年度からは復興・創生期間とされる新たな五カ年に入るわけですが一日も早い復旧・復興の達成に向けて、復興に命をかける村井知事の決意をお伺いいたしたいと思います。

 先ほども申し上げましたとおり、災害復旧は着実に進みつつあります。道路や防潮堤など、安全で安心な暮らしを支える公共土木施設については、被災した県管理施設の八五%に当たる千九百六十一カ所が完成し、また、農林水産業の基盤である農地についても、復旧対象面積の約八五%に当たる一万千六十三ヘクタールが完成しております。一方、本県では、復旧にとどまらない基本的な再構築により、先進的な地域づくりを目指していくこととしており、高台移転や多重防御による大津波対策など、被災教訓を生かした復興まちづくりを推進しております。仙台湾沿岸の市町においては、高盛り土構造の道路による多重防御を基本としたまちづくりを推進しておりますが、こうした多重防御施設の準備について、取り組みの現状と今後の見通しについてお聞かせください。

 また、高台移転など、恒久的な住まいの確保に向けた防災集団移転促進事業や土地区画整理事業、更には災害公営住宅の整備について、取り組みの現状と今後の見通しはいかがでしょうか、お伺いをいたします。

 被災者の生活再建についても、住宅再建のみならず、産業再生の面においても、復興を推進していくことが求められております。県では、中小企業グループ補助金などにより被災企業の支援に取り組んだところでありますが、被災した商工業者の復旧状況について、現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。

 震災から四年半を経過し、恒久的な住まいのための用地や災害公営住宅、産業の再生に向けた産業・公益施設用地など、復興まちづくりの根幹となる基盤の整備について、被災市町間においてその進捗状況にばらつきが出てきております。県ではその調整役としての役割を果たされていると思いますが、進捗がおくれている市町における主な要因を伺うとともに、県の市町に対する支援について、今後の取り組みをお伺いをいたします。

 一日も早い復興まちづくりの実現のためには、被災市町における、土木・建築を中心とする技術職員、用地買収に従事する事務職員等、膨大な復興業務を担う人材の確保が大きな課題であります。県ではこれまでも任期付職員の採用と派遣などの支援を行ってきておりますが、県自体が慢性的な職員不足に陥っておりますし、市町の職員不足はいまだ解消されておりません。今後はオリンピックに伴うインフラ整備や震災の風化などの問題から、全国各地からいただいている応援派遣の継続も更に難しくなってくることが懸念されます。市町における職員の充足状況と今後の応援派遣の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。

 また、県が国に求めている、復旧・復興業務に従事する任期付職員を国において一括して採用し派遣する制度は、人材不足にあえぐ市町にとって極めて有効であると考えますが、こうした新たな制度の導入も含めた人材確保の取り組みの現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。

 東日本大震災からの本県の復興は、震災以前から抱えていたさまざまな社会経済の課題を克服し、震災前にも増して豊かで美しいふるさと宮城、東北の実現を目指すものでなければなりません。人口減少社会を迎える中、宮城、東北の持続的発展を支えるためには、東北の未来を牽引する基幹的社会基盤の充実が求められます。現在、東日本大震災からの復興に向けたリーディングプロジェクトとして、復興道路である三陸沿岸道路やみやぎ県北高速幹線道路を初めとする復興支援道路の整備が進められております。ことし三月には常磐自動車道も全線開通し、福島から青森までの沿岸連携軸が整いつつあります。震災からの復興のみならず、東北の持続的発展のためには、こうした幹線道路ネットワークの整備、充実が欠かせません。県では、復興のプロジェクトとして、県土の骨格となる防災道路ネットワークの構築に取り組んでおられますが、現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。

 また、東北の海のゲートウエーである仙台塩釜港は、震災によって取扱貨物量が大きく落ち込んでおりましたが、仙台港区の平成二十六年の取扱量は、完成自動車などの増加によって、震災前の平成十九年に記録した三千八百九十万トンを超え、過去最高の四千七万トンに達するなど、順調に回復してきました。しかし、東北を牽引する東北唯一の国際拠点港湾として、北米西岸地域や経済成長著しいアジア地域との航路の維持、拡大を図るとともに、より一層の機能強化が求められております。県としてどのような方針で取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

 大綱二点目、観光王国みやぎの実現に向けてであります。

 本県の観光客入り込み数は、平成二十二年に過去最高の六千百二十九万人を記録するまで着実に増加してきましたが、東日本大震災によって本県の観光は大きく落ち込みました。特に震災の発生した平成二十三年には震災前の約七割まで激減しましたが、その後の官民挙げての懸命な努力により、観光客入り込み数は徐々に回復してきております。昨年の県内全体の観光客入り込み数は、平成二十五年の五千五百六十九万人から百五十三万人増の五千七百二十二万人と着実に増加しており、これは一昨年の仙台・宮城デスティネーションキャンペーンや復興ツーリズムなど、各種観光施策による誘客効果が発揮されたものであり、村井知事を初めとする県、市町村、各種団体、関係者の皆様の努力に改めて敬意を表するものであります。

 私は、以前より、本県が我が県の柱の一つに据えるべきだと申し上げてきました観光は、単なるサービス産業ではなく、すそ野の広い波及効果をもたらすほか、地域ブランドの中核を担う可能性に満ちた産業であります。もともと宮城は首都圏からアクセスがよく、仙台と都市機能の充実、日本三景松島や蔵王といった著名な観光地、豊富な温泉、三陸の海産物などのおいしい食材など、豊かな観光資源に恵まれた地域でもあります。しかしながら、東京電力福島第一原発事故の風評など、震災の影響はまだまだ続いており、昨年の観光客入り込み数も震災前に記録した過去最高値の九三%にとどまっておることから、一層の取り組みが求められております。

 本県では、震災から十年間の復興の道筋を示す宮城県震災復興計画において、多様な魅力を持つみやぎの観光の再生を復興のポイントの一つに掲げており、その分野別計画であるみやぎ観光戦略プランに基づき、観光王国みやぎの実現に向けた取り組みを推進することとしております。みやぎ観光戦略プランについては、昨年三月に震災の影響を反映した第三期プランを作成されておりますが、第二期プランの総括も含め、本県の観光振興に関する基本方針と取り組みの方向性を知事にお伺いをいたします。

 第三期プランでは、緊急的、戦略的な取り組みの方向性の一つとして、LCC就航や仙台空港民営化を契機とした広域観光の充実が掲げられております。本県観光振興の取り組みにおいて解決すべき大きな課題として、訪日外国人旅行者や国内観光客の東北地方の誘致などが挙げられます。東北のゲートウエーである仙台空港を活用した取り組みによってこうした課題を解決し、観光王国みやぎの実現に一歩でも近づくことを期待するものであり、空港運営権者とはどのような連携をお考えなのか、お伺いをいたします。

 また、仙台空港を活用した広域観光の推進においては、空港と観光地を結ぶ交通アクセス、いわゆる第二次交通の充実が欠かせません。東北地方においては、九州地方などの他地域よりも二次交通の距離、所要時間が長く、運行本数が少ないこと、所要時間、乗り換え利便性、情報提供等について十分でないことが課題とお聞きしております。仙台空港から、あるいは仙台経由で、主要観光地へのアクセスする高速バスの実現や旅行者の移動の円滑化など、二次交通の充実に向けた取り組みの現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。

 ことし六月十二日、国土交通省は、地方ブロック単位など複数の観光地を一まとめにした外国人旅行者向けの広域観光周遊ルートとして、全国七地域を初めて認定しました。本県を含む東北六県及び新潟県においては、日本の奥の院・東北探訪ルートが認定され、世界遺産である白神山地や平泉を含むルート設定で、観光による復興加速をテーマに台湾や香港の個人旅行の取り込みをねらうとされております。今回認定された地域のうち、東海から北陸地方までのルートを中国人に人気がある竜に見立てた昇竜道については、既に取り組みが始まっていると伺っており、本県においても取り組みを加速化するべきと思いますが、東北各県や関係機関との連携など具体的な取り組みの状況についてお伺いをいたします。

 今月五日、航空会社と連携したスカイジャーニー仙台・宮城キャンペーンが始まりました。これまで特に少なかった中部以西からの観光客の誘客を積極的に推進するため、福岡、広島、中部国際の各空港から仙台空港への就航路線を対象として、往復搭乗客に対して航空券や宮城の名産品をプレゼントするものであります。本県を訪れる観光客の誘客範囲については、県内、関東地方、東北地方でその大半が占められ、中部以西は一割未満という状況にありますことから、今回のキャンペーンは、中部以西にターゲットを絞った新たな取り組みとして評価するものでありますが、中部以西からの誘客策に関する更なる展開についてお伺いをいたしたいと思います。

 大綱三点目、宮城県の建設産業の将来についてお伺いいたします。

 東日本大震災以降に発生した膨大な震災需要は、地域の雇用や経済に対して大きな影響を与えたことは言うまでもありません。建設産業においても、震災前の厳しい状況から一変し、給与や新規学卒者の就業者数など、上昇に転じているものもあります。しかしながら、この震災需要もいずれは縮小し、建設投資が震災以前の水準に戻ることはもとより、震災以前の水準を下回り、地域の雇用や経済に対する負の影響が懸念されることから、その対応について本格的に検討すべき時期に来ております。このことを踏まえ、地域の守り手であり、地域の健全な維持、発展に欠かせない存在である建設産業への対応について、以下、順次質問をさせていただきます。

 建設産業は、本県のインフラを維持するパートナーであり、また地域の基幹産業でもあります。今後、建設投資が激減することは間違いありませんが、優良な地域の建設産業には今後もしっかりと活躍していただき、地域を支えていただかなければなりません。そのため、現在、県では、新たな建設産業振興プランの策定作業を進めていると伺っております。新たな振興プランについて大いに期待するものでありますが、取り組みの現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。

 次に、今後、建設投資が減少していく中で、震災以前に抱えていた供給過剰構想の再発による受注競争の激化に伴い、ダンピングが多発することが懸念されます。建設産業の振興のために適正な競争環境の整備が必要であり、ダンピング対策は重要な課題であると考えております。ダンピングに対する県の考え方や取り組みについてお伺いをいたします。

 次に、昨年改正された公共工事の品質確保の促進に関する法律にもその必要性が明記されている担い手の確保、育成についてであります。

 地域の建設産業には、地域の守り手としてその役割をしっかり果たしていかなければならないと思っておりますが、そのためには、やはり若者や女性を含めた担い手の確保、育成が不可欠です。担い手の確保、育成に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

 高度経済成長期に集中的に整備してきた大量の社会資本は、徐々に老朽化が始まっております。今後本格的な維持管理時代が到来することは避けられません。地域社会を維持するためにも、社会資本を適切かつ効率的、持続的に維持管理することが極めて重要であり、その実現に向けた入札・契約制度を整える必要があると思います。県のお考えをお伺いをいたします。

 本県は東日本大震災を経験し、そこからいろいろなことを学んでまいりました。中でも、発災直後の地域の建設産業の活躍には目を見張るものがあり、改めてその重要性を認識させられたところであります。このことも踏まえ、今後の建設産業の振興に当たって、今回の震災から得た教訓を反映する必要があると思います。県のお考えをお伺いをいたします。

 さて、私が宮城県議会議員に当選した平成三年は、当時拡大を続けてきたバブル景気に陰りが見え始めたころでありました。世界的には、イラク軍のクウェート侵攻により勃発した湾岸戦争がイラクによる国連決議全面受託により終結し、南北朝鮮が国連に同時加盟するなど、世界秩序が安定に向かいつつある年となりました。片や国内では、雲仙・普賢岳での大火砕流により四十三人が死亡、信楽鉄道事故では四十二人が死亡するなど、大規模な天災、人災が発生した年でもありました。また、宮城県はもとより、東北の人々が長い間熱望した東北新幹線の東京乗り入れが実現するなど、話題性に富んだ年でもありました。今思い起こせば、当時のことがきのうのように思い出されます。

 私は、途中四年間の空白がありましたが、五期二十年県会議員の職を務めさせていただきました。私の初当選時の知事は本間俊太郎氏、そして浅野史郎知事を経て、今、村井嘉弘知事へとバトンが引き継がれてまいりました。二十年間の出来事が走馬灯のようによみがえってまいります。そして、何をおいても忘れられないのが、いや忘れてはならないのが、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災であります。希望に満ちあふれた人生の歩みを断ち切られた方、大切な方を一瞬で失い、今でも心身に傷を負われた方、家屋を初め貴重な財産を失った方など、あの震災により宮城県民の多くの方が人生の大きな変貌を余儀なくされました。しかし、震災から四年半を迎え、村井知事が掲げる創造的復興に向けて、宮城県民は力強くそしてたくましくその歩みを着実に進めてまいりました。私たち宮城県会議員も、震災当日に行われた宮城県議会史上初の青空議会をスタートに、県執行部とともに、震災復興に向けて一丸となって、それこそ必死に取り組んでまいりました。その成果は着実にあらわれてきたと実感しておりますが、一方、仮設住宅での不自由な生活を余儀なくされている方が五万六千人おり、災害公営住宅も計画戸数一万五千九百戸のうち、完成戸数は六千七百戸と、約四割にとどまるとともに、沿岸市町が進める復興まちづくりがやっと本格化したことを考えますと、復興への道のりはまだまだ遠く道半ばであります。

 まだ苦労の連続であると推察いたしますが、将来の宮城県民が宮城県に生まれてよかった、育ってよかった、住んでよかったと思えるような県土を間違いなく築いていくことを、議員各位及び村井知事初め執行部の皆さんに切にお願いをし、宮城県議会議員千葉達の最後の一般質問を締めくくらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 千葉達議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、東日本大震災からの復旧・復興についての御質問にお答えいたします。

 初めに、復旧・復興の取り組みの所感などについてのお尋ねにお答えいたします。

 私は、これまで、震災で犠牲となられた方々への思いを胸に、全身全霊を注いで復興への取り組みを進めてまいりました。日々新たに生じる課題に直面しながらも、一つ一つ乗り越え、県民の皆様と一丸となって復旧・復興に注力した結果、防災集団移転促進事業では、八月末現在で百九十五計画地区のうち百十九地区で住宅建築が可能な段階まで進むなど、復興は着実に進んできているものと考えております。その一方で、今なお県外避難者を含め約六万人の方々が応急仮設住宅などで不自由な生活を余儀なくされているほか、被災事業者の販路の回復や、沿岸被災地で続く人口の流出など、対応の必要な課題も残されているものと認識しております。

 なお、これまでの復興の取り組みに対する私への評価につきましては、県民の皆様が判断されるものと考えております。

 次に、復旧・復興に向けた決意についての御質問にお答えいたします。

 震災からの復興につきましては、復旧にとどまらない抜本的な再構築に向けた取り組みを進めてまいりましたが、これまで種をまき大事に育ててきたこれらの取り組みが着実に実りのときを迎えつつあるものと認識しております。一方、震災から四年半が経過いたしましたが、被災者の方々にとってこの歳月がいかに厳しい道のりであったか、改めてその意味を真摯に受けとめ、一日も早く被災者の生活再建と産業再生等を実現できるよう、今後も最大限努力する決意であります。

 復興はなお道半ばであり、復興・創生期間に向けて、これまでの取り組みを検証しながら、新たに生じる課題にも的確に対応し、引き続き、私が先頭に立って先進的な地域づくりを進め、今後の県勢の発展のみならず、将来の日本のモデルとなるよう、創造的復興に取り組んでまいります。

 次に、大綱二点目、観光王国みやぎの実現についての御質問にお答えいたします。

 初めに、みやぎ観光戦略プランについてのお尋ねにお答えいたします。

 東日本大震災の発生後、県では観光の再生を平成二十三年度から二十五年度までの第二期プランの最優先プロジェクトに掲げ、国や市町村、関係機関などと連携しながら、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンの開催による誘客や観光施設の復旧支援、原発事故の風評払拭など、観光の復旧・復興に取り組みました。その結果、第二期プラン最終年となる平成二十五年の観光客入り込み数は、震災直後の平成二十三年から千二百五十三万人増の五千五百六十九万人となり、震災前の九割まで回復したことから、一定の成果があったものと考えております。しかしながら、沿岸部の観光客入り込み数と外国人観光客数は震災前の約六割にとどまっており、これらの回復が重要な課題であると認識しております。こうしたことから、県では、第三期プランにおいて、沿岸部の観光資源の再生と積極的な誘客、外国人観光客の回復など、五つの取り組みの方向性を定め、沿岸部への誘客を図るためのハード、ソフト両面での取り組みを進めるとともに、インバウンド対策として、最重点市場の台湾からの教育旅行による誘客強化などにしっかりと取り組んでまいります。

 次に、観光面での空港運営権者との連携策についての御質問にお答えいたします。

 観光王国みやぎの実現には、現在は少数である航空機を利用した中部以西及び海外からの誘客拡大を図る必要があるため、空港運営権者との連携が非常に重要になるものと認識しております。また、海外における空港民営化の成功事例を見ますと、実際に自治体と運営権者が共同で地域のプロモーション活動などを行っており、仙台空港でも同様の取り組みが必要であると考えております。このため、民営化後は、運営権者と密接に連携しながら、就航路線の拡充に向けたエアポートセールスや空港を基軸とした東北観光ルートの構築、航空旅行需要を喚起するイベントの誘致などに積極的に取り組み、仙台空港が宮城、東北における観光振興の中核拠点へと発展することを目指してまいります。

 次に、大綱三点目、宮城県の建設産業についての御質問にお答えいたします。

 初めに、建設産業振興プランの策定に向けた取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県の建設産業は、東日本大震災の発生により打撃を受けたものの、震災の復旧・復興の需要により、現在事業環境は好転の兆しも見られます。一方、震災復興後には建設投資が大幅に縮小すると想定されることや、震災前からの課題である就業者の高齢化及び担い手不足により、地域の建設産業そのものの維持について懸念をしているところでございます。このため、昨年度から建設業関係諸団体との意見交換を重ねるとともに、建設産業を取り巻く現状と課題の把握に努めながら、将来の持続的発展に向けて、現在、新・みやぎ建設産業振興プランの策定に取り組んでいるところであります。本プランの策定に当たっては、産学官の有識者で構成する懇談会を設置し、さまざまな視点からの御意見をいただきながら作業を進めており、みやぎの将来を力強く支える建設産業の再生を基本理念として、今年度末を目途としてプランを策定してまいります。

 次に、社会資本の老朽化を踏まえた入札契約制度の整備についての御質問にお答えをいたします。

 老朽化が進む膨大な社会資本ストックを適切に維持管理し、長寿命化を図るためには、地元建設企業に期待する役割がますます重要となってきております。しかしながら、震災復興後における建設投資の縮小と担い手確保の困難性により、地元建設企業の経営体力の弱体化や企業数の減少が進むことが予想されており、その結果として、最低限の維持管理までもが困難になる地域が生じてしまうなど、安全安心な地域社会の維持に支障が出てくることを懸念をしております。県といたしましては、地元の優良な建設企業が地域の守り手として引き続き社会資本の維持管理を適切にかつ効率的、持続的に担うことができるよう、収益性の改善、施工の効率化及び施工体制の安定化が不可欠と考えております。そのため、複数年契約、複数工事の包括発注、共同受注等の入札契約方式など、いわゆる地域維持型契約方式の導入を検討し、地域の実情や時代の変遷に応じた適正な入札契約制度を整備してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 総務部長山田義輝君。

    〔総務部長 山田義輝君登壇〕



◎総務部長(山田義輝君) 大綱一点目、東日本大震災からの復旧・復興についての御質問のうち、市町における職員の充足状況と今後の見通しについてのお尋ねにお答えいたします。

 沿岸十五市町の職員の充足状況ですが、九月一日現在で、国や全国の自治体から九百七十九人の職員派遣をいただいておりますが、復興事業がピークを迎えていることもあり、不足人数は二百二十八人となっております。

 次に、今後の職員派遣の見通しにつきましては、全国の自治体から翌年度の職員派遣の申し出をいただくのが例年一月以降となりますことから、現時点で今後の具体的な見通しをお示しできませんが、職員派遣を取り巻く環境は依然として厳しく、東日本大震災から四年半が経過したことによる記憶の風化や、東京オリンピックその他派遣元自治体での公共事業の増加などにより、今後、全国の自治体からの職員派遣が減少していくことが懸念されるところです。

 次に、人材確保の取り組みの現状と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。

 県による人材確保の取り組みといたしましては、知事から全国の首長への派遣要請、内陸部市町村への派遣要請のほか、県職員や県が採用した任期付職員の派遣による人的支援を行ってまいりました。また、県と沿岸市町が連携した取り組みとして、岩手県、福島県と各県内の被災市町村による三県合同での全国訪問要請、沿岸部市町による合同任期付職員採用試験の実施などを行ってまいりました。更に、今年度は、新たな取り組みとして、八月二十五、二十六日の二日間にわたり、全国九十九の団体から首長や人事担当者など百五十七人に参加をいただき、宮城県被災自治体視察事業を実施いたしました。沿岸部市町の首長みずからが復興状況を説明し、復興途上にある現場をじかにごらんいただいたことで、今後も継続して職員派遣が必要であることを参加者に御理解いただいたものと考えております。来年度以降もこうした取り組みを継続し、更なる職員確保を図ってまいります。

 なお、国による任期付職員一括採用・派遣につきましては、これまで実現しておりませんが、職員確保の面で有効な手法でもありますので、国に対して引き続き要望してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、東日本大震災からの復旧・復興についての御質問のうち、商工業者の復旧状況についてのお尋ねにお答えいたします。

 商工会と商工会議所の会員である沿岸部の被災事業者の復旧状況については、昨年度末時点の調査で八七%の事業者が本格復旧しておりますが、仮設店舗等で営業し、今後更に復旧を行う事業者がまだ一二%残っている状況にあります。また、グループ補助金や県単補助金を活用して本格的に復旧した事業者は、昨年度末には五千七百七十八件と着実に増加しておりますが、九百三十三事業者が依然として未完了であるほか、補助金の申請に至っていない事業者も相当数あると考えております。これらの事業者が本格復旧に移行できない大きな理由として、事業用地の確保が進まないことが挙げられますが、今後は、復興まちづくり事業の完了がピークを迎え始める平成三十年度ごろから順次、事業用地の整備の進捗に合わせて商工業者の本格復旧も加速していくものと考えております。県といたしましては、グループ補助金や津波立地補助金などを活用しながら、基盤整備事業の完了後に被災事業者の本格復旧が速やかに進むよう支援してまいります。

 次に、大綱二点目、観光王国みやぎの実現についての御質問のうち、二次交通の充実についてのお尋ねにお答えいたします。

 仙台空港から東北各地の観光地への交通手段としては、仙台空港アクセス鉄道を利用し、JR仙台駅で在来線や高速バスへの乗りかえ、又は、空港や仙台駅のレンタカーを利用することなどが考えられます。これまで、県では、観光キャンペーン期間中に旅行会社と連携した観光バスツアー「伊達なバス旅」を催行する際、運行費の支援を行うなど、二次交通対策に取り組んでまいりました。しかしながら、仙台空港発のバスツアーは、採算の面から定期運行が難しく、アクセス鉄道も含めた二次交通の充実が課題となっており、今後は、仙台うみの杜水族館やアウトレットモールなどの集積を活用した新たな二次交通の展開が期待されるところです。このため、県では、空港からアクセス鉄道や仙台駅から他の交通機関に乗りかえる際の利便性が高まるよう関係機関に働きかけていくほか、昨年度には、国の呼びかけで、レンタカーの活用による東北周遊観光の推進を検討するレンタカー東北周遊観光促進検討会議が設置されたことから、レンタカーの利便性向上や情報発信などについて関係機関との協議を進めるなど、仙台空港からの二次交通の充実を検討してまいります。

 次に、日本の奥の院・東北探訪ルートについての御質問にお答えいたします。

 日本の奥の院・東北探訪ルートは、東北観光推進機構が中心となって設定し、ことし六月に広域観光周遊ルートとして国に認定されました。東北全体では十六カ所が広域観光拠点とされ、我が県では、仙台・松島、蔵王、気仙沼、鳴子の四地区が対象となり、今後これらの地区を中心に、受け入れ環境や滞在型コンテンツの整備、情報発信などのプロモーション活動に取り組むこととなっております。一方、県内他地域においても今後新たにこの事業の対象となり得ることから、広く情報を提供し、意欲ある市町村とも連携しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。現在、東北観光推進機構においては、東北各県及び市町村の事業を集約し、全体の具体的な事業展開に向けた調整を行っているところであります。県といたしましては、東北全体のインバウンドの状況が厳しいことから、東北ならではの桜や祭り、酒蔵などの魅力ある資源を最大限活用し、官公庁や東北観光推進機構、東北各県と更なる連携を図りながら、訪日外国人旅行者の周遊促進による地域の活性化に向けてしっかりと取り組んでまいります。

 次に、中部以西からの観光客誘客に向けた展開についての御質問にお答えいたします。

 我が県を訪れる観光客は、東北域内と関東圏からが九割以上を占めており、今後、人口減少が進展する中で、新たな観光市場の開拓が求められていると認識しております。こうしたことから、県では、中部以西からの誘客強化を図るため、主要就航路線である福岡、名古屋、広島の三路線で全日空や日本航空などと連携したスカイジャーニー仙台・宮城キャンペーンを九月五日から実施しており、それぞれの地域での観光PRなどに加え、観光王国みやぎ旅行割引も活用し、相乗的な効果が上がるよう取り組んでいるところです。しかしながら、我が県の認知度の向上や旅行商品の拡充などが課題であることから、今後も継続的かつ積極的に我が県の魅力を発信していく必要があると考えております。このため、来年度は、仙台空港が民営化される機会に、仙台空港の運営権者や航空会社と緊密に連携した航空版観光キャンペーンを展開することにより、中部以西を含めた航空機を利用した観光客の潜在需要を掘り起こし、更なる交流人口の拡大を図ってまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱一点目、東日本大震災からの復旧・復興についての御質問のうち、高盛り土構造の道路などによる多重防御施設の整備についてのお尋ねにお答えいたします。

 仙台湾沿岸の市町では、第一線となる海岸堤防などの整備に加え、その背後に防潮林や防災緑地、高盛り土構造の道路などの多重防御施設を整備することで、今回のような最大クラスの津波に対しても安全な復興まちづくりに取り組んでいるところでございます。県では、沿岸市町が計画しました多重防御を基本とするまちづくりを実現するため、県道相馬亘理線や荒浜港今泉線、門脇流留線を高盛り土構造の道路として計画し、用地買収等が完了した箇所から順次工事に着手し、事業の進捗を図っているところでございます。また、特に事業規模が大きく、仙台市が施行します塩釜亘理線におきましては、用地取得がおおむね完了し、工事の進捗が図られ、他の市町が進めております多重防御施設につきましても鋭意事業推進が図られており、現時点で県及び市町で計画されております全二十四施設の約七割で工事に着手しております。県といたしましては、沿岸市町と連携しながら、多重防御施設の早期の整備完了に向け、今後も鋭意取り組んでまいります。

 次に、防災集団移転促進事業等の現状と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。

 東日本大震災により被災された方々への宅地の供給を目的とします防災集団移転促進事業百九十五地区及び土地区画整理事業二十七地区につきましては、全地区で工事に着手し、計画区画数約一万五百区画に対しまして、七月末時点で約三千区画が供給され、今年度末までに約五千五百区画が供給される予定など、平成三十二年度まで事業が完了する見込みとなっております。また、災害公営住宅につきましては、計画戸数一万六千戸のうち九割の事業に着手しており、七月の時点で約六千七百戸が完成し、今年度末までに約一万戸の完成が予定されるなど、平成二十九年度までには全戸が完成する見込みとなっております。県といたしましては、一日も早く被災されました方々が仮設住宅から恒久的な住まいに移られ、安全で安心した生活を取り戻せるよう、引き続き市町とともに取り組んでまいります。

 次に、市町間で復興まちづくりの進捗に差が出ている要因と県の今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。

 これまで各市町では復興まちづくり事業を精力的に進めてきたところでありますが、被災の程度、住民との合意形成、事業用地の確保などさまざまな要因によって、事業の進捗に差が生じている状況にあります。県では、こうした状況を踏まえ、市町ヒアリング等を通じて課題を整理、分析し、支援方針を策定した上で、共通の課題につきましては、市町職員を対象とした勉強会を開催するとともに、個別の課題につきましては、土木部市町支援チーム等による指導、助言を行うなど、課題解決に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。県といたしましては、防災集団移転促進事業の移転元地の利活用など、事業の進捗に伴いまして新たに生じる課題に的確に対応するとともに、地方創生のモデルとなるような活力あるまちづくりの実現に向け、国とも連携を図りながら、引き続き市町を積極的に支援してまいります。

 次に、防災道路ネットワークの構築についての御質問にお答えいたします。

 東日本大震災では、三陸自動車道などの沿岸部の縦軸とともに、内陸部と沿岸部を東西に結ぶ幹線道路が有効に機能し、広域連携を支える東西交通軸の重要性を改めて認識したことから、県では、災害時に有効に機能する防災道路ネットワークの構築に取り組んでいるところでございます。復興のリーディングプロジェクトであります三陸道の整備につきましては、今年度中に仙台港北インターチェンジから石巻女川インターチェンジ間の四車線化が完成し、更に、登米東和インターチェンジから志津川インターチェンジ間が完成する予定となっており、以北の区間の完成見通しも示されるなど、加速的に整備が進められております。また、東西軸の整備につきましては、ことし三月にみやぎ県北高速幹線道路の?、?、?期区間に着工したほか、岩沼蔵王線ではトンネル工事に新たに着手し、平成三十年度の完成を目指し、工事を進めているところでございます。更に、平成二十八年冬期から通年通行予定の国道三百四十七号や平成三十年度完成予定の大島架橋など、県境や離半島部の道路整備についても進捗を図っております。県といたしましては、震災からの復興のみならず、東北の持続的発展にも大きく寄与する防災道路ネットワークの早期構築に向けて、引き続き鋭意取り組んでまいります。

 次に、仙台塩釜港の機能強化の方針についての御質問にお答えいたします。

 仙台塩釜港は東北唯一の国際拠点港湾であり、我が県のみならず東北全体の産業を世界に導くグローバル港湾として、また震災からの復興と更なる発展を支える重要な物流拠点として大きな役割を果たしております。県では、仙台港区をコンテナ貨物や完成自動車などのユニット貨物の拠点、塩釜港区を水産加工業の原料など基幹産業支える小型バルク貨物の拠点、石巻港区を製紙・紙パルプ、飼料などの原材料を背後圏域へ供給する大型バルク貨物の拠点、松島港区を観光拠点として位置づけ、地域産業の発展や観光振興に向けて取り組んでいるところでございます。このような役割分担を踏まえ、それぞれの機能強化を図るため、仙台港区では、高砂コンテナターミナル拡張工事や高松岸壁整備、塩釜港区では貞山一号岸壁整備、石巻港区では南防波堤延伸工事などの港湾事業を進めているところであります。今後とも、取扱貨物量や寄港船舶の大型化などの動向を的確にとらえ、必要な港湾整備事業を進めるとともに、関係市町や民間企業との連携のもと、ポートセールスや大型客船誘致などの施策を積極的に展開し、仙台塩釜港が国際拠点港湾として更なる発展を遂げられるよう努めてまいります。

 次に、大綱三点目、宮城県の建設産業についての御質問のうち、ダンピング防止に向けた取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 受注競争の激化によるダンピングは、地域の優良企業の疲弊や下請企業へのしわ寄せ、就業者の賃金の低下を初めとする就労環境の悪化を招き、ひいては事故発生や粗雑工事にまで進展するおそれがあるため、ダンピング防止対策は極めて重要な課題と認識しております。そのため、県では、平成十二年度に低入札価格調査制度、平成十七年度に失格判断基準を導入し、ダンピング防止対策に積極的に取り組んでまいりました。その結果、県発注工事全体として、平成十六年度には七〇%台後半であった平均落札率が、平成二十三年度からは九〇%を超える水準で推移しており、十分な効果が出ているものと考えておりますが、一方、震災復興後における建設投資の縮小などにより、ダンピング受注の発生が懸念されているところでございます。県といたしましては、現在特例措置として導入しております低入札時における履行確認能力調査の省略や、一億円未満の工事に係る総合評価落札方式の適用除外などについて、入札不調等の状況を踏まえながら、段階的に従前の取り扱いに戻していくなど、ダンピング防止対策に努めてまいります。

 次に、建設産業の担い手の確保育成に関する今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。

 全国の建設業就業者数は、平成二十二年の約四百九十八万人を境に、景気回復や震災復興需要等により増加に転じ、平成二十六年には約五百五万人まで増加したものの、ピークであった平成九年の約六百八十五万人と比べ約二七%少ない状況となっております。また、建設業就業者の高齢化も進行しておりまして、平成二十六年では五十五歳以上が約三〇%を占める一方で、二十九歳以下は約一一%にとどまっております。少子化社会の進展とも相まって、若者の入職が進まない一方で、大量の離職者が継続していくという深刻な状況は我が県においても同様であり、女性や若者の入職を進めるためには、危険、きつい、汚い、いわゆる三Kと称されている建設業の職場環境及び雇用環境を早急に改善することと、建設業の社会的重要性や魅力を産学官が連携して戦略的にアピールしていくことが重要であると考えております。県といたしましては、建設業者の適切な利潤の確保、社会保険等雇用環境の整備、小中学生にも対象を広げた建設技術の戦略的広報などについて、関係団体と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。

 次に、震災から得た教訓の反映についての御質問にお答えいたします。

 東日本大震災においては、みずから被災した地元建設企業も多い中、発災直後から現在に至るまで、応急復旧活動、瓦れき処理及び公共施設の復旧・復興の担い手として、地元建設企業にはその力を遺憾なく発揮していただいており、県といたしましても、その重要性を改めて認識したところでございます。また、発災直後の応急復旧活動等の迅速かつ適切な対応を可能としたのは、防災協定の締結や建設企業各社の事業継続計画、いわゆるBCPの策定が大きく役立ったものと考えております。県といたしましては、次世代に続く担い手の確保、育成につなげるためにも、建設関係団体と連携して、災害時における地域の守り手としての役割の重要性を広く県民に周知するとともに、困難に直面した中でも、地域の住民のために活動を進めた多くの地元建設企業の知見や教訓を建設関係者が共有すべき貴重な財産として、全国に向けて積極的に情報発信してまいります。

 以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 五十三番千葉達君。



◆五十三番(千葉達君) 仙台空港について一点だけお伺いします。簡明にお答えいただきたいと思います。

 来年には仙台空港、民営化になります。全国に先駆けて、知事も大分度胸あるんだなと、いろんなリスクを払うわけですから。それにつけても、効果としては、中部以西あるいは東南アジアとか香港、フィリピンとか向こうからも観光客が相当来るだろうと。その受け入れ体勢についてですが、これには当然東北各県の連携がなければいけない。その辺がどうなってるのか。東北各県の観光ポータルサイトをどのように運営、設置していくのか、その見通しについて簡単にお答えをいただきたいと思います。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 東北への誘客を図る、東北全体で見るということは非常に重要だと思っております。宮城県というのをPRするのもいいんですけれども、なかなか海外の方から宮城といってもわかっていただけませんので、東北という形でお迎えをし、そして宮城にも来ていただくという、そういう二段階が必要だと思っています。いろんなイベントを行ったり、プロモーション活動を行っておりますが、やはり一番今有効なのは、お話しになったように、インターネット、SNSを利用することだというふうに思ってます。したがいまして、東北全体でこのようなことをやろうと考えております。現在、東北観光推進機構というものがございまして、ここで取りまとめていただいております「旅 東北」という形でポータルサイトをつくっていただいております。そこで、観光スポットや周遊モデルコース、旬の観光特集、東北が一体となった情報発信に今努めているところでございます。また、情報なんですけども、NHKの仙台放送局が今月東北の魅力を国際放送を通じて世界に発信するということで、六十三本の番組をつくってくれました。六十三本、東北です。それを編成をして放映をしていただくことになりまして、インターネットでも公開をしてくださることになってございます。この媒体を活用いたしまして、東北全体としてぜひ活用させていただこうと考えてございます。宮城県も、県のホームページ等でこういったようなものを張りつけて、一緒になってやっていきたいというふうに思っております。東北六県協力しながらやっていきます。



○議長(安藤俊威君) 暫時休憩いたします。

    午後零時三分休憩

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    午後一時一分再開



○副議長(渥美巖君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。一番太田稔郎君。

    〔一番 太田稔郎君登壇〕



◆一番(太田稔郎君) 一番太田稔郎でございます。

 台風十八号の影響により、我が宮城県においても大きく被災しました。亡くなった方々そして被災を受けた方々にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。一刻でも早い復旧をお祈り申し上げます。

 議長のお許しを得ましたので、さきの通告に従って、大綱四点にわたって一般質問を行ってまいります。

 以前にも心のケアについてお伺いいたしておりましたが、ますます深刻になっているようでありますので、改めてお伺いいたします。

 まずは、子供の心のケアであります。

 中学生の不登校が全国で最悪の状態にあります。不登校の要因の一つが、心身の不安に起因しているとも言われております。二〇一二年から不登校出現率が非常に高くなってきており、二〇一三年にも全国ワーストとなってしまいました。被災県ということも考慮すべきとは思いますが、子供が出しているシグナルに対し対応を図らなければなりません。大地震、大津波、家族のそして友達の死、自宅の流失、仮設住宅での生活、仮設校舎での授業、友達の転校など、これらの酷な現実に対し、子供たちの小さい胸に去来するものは何でしょうか。不安で張り裂ける思いが子供たちを追い込んではいないだろうかと心配です。スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーなどの皆さんが子供たちを見守っておりますが、マンパワー不足なところはこの辺を指摘されております。不登校の児童生徒が相談するには、学校に出校しないとなかなか相談できない状況にあり、不登校の子供には相談しにくい状況にあります。また、先生方は震災後更に忙しくなり、震災関連の事務処理や報告などが多く、子供と接する時間が少なくなってきているとも言われております。

 以前、宮城県教育委員会主催のみやぎアドベンチャープログラム二〇〇三の研修会がありました。そこで講習を受けた先生方を中心に、児童生徒の心のケアチームを立ち上げるなどの対策を検討したらいかがでしょうか。

 次に、大震災時に業務として携わった方々の心のケアであります。

 自治体の職員、消防職員、消防団員、警察官、医療従事者、被災者など多くの方々がいまだに悩みを抱えております。ついには仕事をやめ、ボランティアもやめ、夜ごと思い出す人もおります。また、死亡交通事故の増加にもつながっていると言われております。被災地における疲労やストレスを蓄積した結果ではないかと考えます。二〇一三年の宮城県の死亡事故増加率は三七・五%。全国最悪です。全国の死亡増加率を見ると、平均がマイナス〇・九%であることから比較しても、大きな大きな数字であります。先日警察官の方々と話す機会があり、警察の方々の心は強いですねと言ったところ、行方不明の捜索時を思い出すこともあるし、夜眠れないときもある、そうした多くの警官もいるんだぞという答えが返ってきました。ほかにも、若いお医者さんが仕事をやめ、仮設住宅の職員や消防団員、消防職員など震災によるストレスでやめたと思われる方が私の周りにもかなりおります。今、こうした方々の心のケアを行政として手を打つべきと考えます。心のケアを知事として、また、本部長としてどのようにお考えか、お伺いいたします。

 これまで被災者の多くが震災の体験を語ろうとせず、被災にまつわる怒りや苦しみ、悲しみを飲み込んだままでした。そうした状況の被災者に対して、カウンセラーや心理士などの支援が被災地で十分生かされていないように見えます。それは、被災者やその家族が自発的に相談しにくい状況にも一因してるのではないでしょうか。ゆえに、サポートグループをつくることも必要と思われます。先日参加した心のケアの研修会で、私自身の心が軽くなった気分です。それは、宵越しのストレスをためない、そういう研修会でありました。こうした講習を警察の方々も受け、被災地の見回りなどに活用することも必要ではないでしょうか。宮城県として、目に見える形の復興だけではなく、心の復興に地域全体に取り組む戦略として心の復興を図らなければなりません。知事がリーダーとなって取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

 大綱二点目、マイナンバー制度について伺います。

 十月五日に、十二けたのマイナンバーが記された通知カードが配布されることになっております。そして来年の一月から制度開始と、スケジュールが決まっております。通知カードを持って来年一月以降に役所に行って顔写真などを提出し、個人番号カードをつくらなければなりません。マイナンバーの目的は、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理するとなっております。また、預金口座を利用する方々も、マイナンバー登録することに閣議決定されております。こうした状況の中で、施行される前にナンバー法が改正され、成立いたしました。このマイナンバーに関する県の対応について、知事の考えをお伺いいたします。

 マイナンバーを国民に通知するのは自治体の仕事になっております。市町村の現場はまだ混乱しており、準備も整っていないと言います。県内の市町村の実態をどのようにとらえているのか、お伺いいたします。

 住基ネットの二の舞になるのではないかと危惧する首長もおります。国民に十分に理解されないままスケジュールだけが先行している制度については、内閣府の調査で三割の国民がマイナンバー制度を理解しているというアンケート結果を発表しております。また、一方では、内閣府が九月三日に発表した制度内容を世論調査では知らない人が五六・六%に上り、国民の理解が十分でないというのが実態ではないでしょうか。県として、市町村と一緒になって丁寧なPRをすべきと考えますが、知事の考えをお伺いいたします。

 マイナンバー制度が始まると、自治体の職員がマイナンバーにアクセスする機会が多くなります。アクセスする方々がふえれば、情報の流出が懸念されます。こうした情報の流出をどのように食いとめるのか、情報管理システムの強化を県としてどのように指導なさるのか、お伺いいたします。

 マイナンバー法は五月に衆議院で可決し、参議院では六月一日からマイナンバーの審議がとまりました。それが年金番号とマイナンバーを結びつける時期を延期する法案を修正し、八月二十八日に参議院で可決し、衆議院で改めて可決しました。とまっていたのは、不正アクセスによる年金情報が五月八日から百二十五万件の個人情報が流出したからであります。二〇〇五年に施行された個人情報保護法は、一四年に起きたベネッセコーポレーション情報漏えいを受け改正されました。マイナンバーを扱う予定の公的機関が情報漏えい対策を自己点検し、安全を点検するシステムを導入しようとしておりますが、このシステムをとっておきながらも、日本年金機構は、年金情報の大量流出を招いております。その上、サイバーテロに対するセキュリティーが市町村では十分にできておりません。どのように県として支援してまいるのか、お伺いいたします。

 また、マイナンバーの閲覧について閲覧権限の決め方、末端の管理は、各自治体がこれから検討すると言っております。国の仕組みが不十分であれば、自治体として対策を講じるべきと思います。県としてどのように指導をなされているのか、お伺いいたします。

 企業におけるマイナンバーの管理も重要です。企業の対応で、おおむね完了が二・八%にとどまり、未検討が三五・三%と対応のおくれが際立っております。こうした中で、企業のマイナンバーの管理が重要になってくるわけであります。マイナンバーを漏えいしたら懲役若しくは罰金が科されております。国から、セキュリティーのためにウイルス対策ソフトを導入しなさいと言われておりますが、どんなソフトを導入していいのかわからないと企業側は言っております。まだまだ認知度の低い企業が多くあるように思われます。大企業に比べ中小企業は、その対応も労力、コスト、そうした面からもおくれることが危惧されます。こうした準備のおくれている企業に対する指導を県としてどのようになされるのか、お伺いいたします。

 マイナンバー制度では、将来は電気、ガス、水道、医療、図書館やIC乗車券、インターネットの買い物、そういうものも視野に入っているという、かなり広範囲に活用しようとしております。このマイナンバーカードのデータベースがねらわれやすくなるという危険性も広がっております。県としてのセキュリティーをどのように構築なされるのか、お伺いいたします。

 被災し、住所をもとの場所に置いたまま仮設住宅やみなし仮設住宅に住んでいる方々、DV被害者に、そういう方々に通知が届きません。現に、仮設住宅やみなし仮設住宅に住む方々に、選挙の投票用紙、それも届いていないのが現状であります。同様にマイナンバーの通知が届かないおそれがあります。現住所に変更するようにと行政側は指導しておりますが、しない、できない現状をどのようにとらえているのか、お伺いしたいと思います。

 大綱三点目、農業の振興について伺います。

 地域農業の推進役である若手農業者が農地バンクを推し進めている中で迷っている実態を見て聞いております。それは政府が集積した面積で、四割のコストを削減しろという目標が出されております。規模拡大の効果は限界があり、生産費が販売価格を上回っている現状で、今までは農外収入で穴埋めを図ってきたが、規模が大きくなると不可能な状況になってしまいます。こうした状況はコスト下げだけの集約化につながり、地域農業の育成につながりません。また、強い農業政策で施設を建設しようとしても、枠があり、割り当てができない状況にあり、地域農業が進まない状況です。地域農業を推進する知事にとって、宮城の農業振興をどのように図っていくのか、お伺いをいたします。

 今、TPP交渉がとまっておりますが、このままでは、コスト下げについては、外国とのコスト争いに巻き込まれてしまいます。農業は、製造業と違って、自然的条件という違いがあります。オーストラリアやアメリカ等の水田耕作と日本の零細性の農業と決定的な違いがあります。オーストラリアの水田耕作の拡大を制約しているのは水不足であります。日本の零細農業とこの種の大規模機械化農業とは、農民の意欲や努力をはるかに超えた自然条件に基づくコスト差が発生します。アメリカの水田耕作は、このオーストラリアの水田よりも更に大規模であります。もちろん、耕作規模の広さだけが競争力ではありません。タイの米づくりがアメリカと競争できるのは労務費の安さです。だが、農業所得の向上を政策目標とするならば、労務費のアップによる所得の向上とともに、やがて競争力は失われていくことになります。こうした各国のコスト下げに巻き込まれたならば、所得の倍増など望めない状況にあります。こうした中で、TPPに対する知事の考えをお聞かせください。

 ニュージーランドの農業交渉担当者が、TPP交渉がまとまらなかったのは乳製品よりも自動車部品などの協議が難航したためと述べております。自動車協議の原産地規制に関して、メキシコやカナダが北米自由貿易協定、NAFTAで採用されている自動車の部品の原産地規制六二・五%以上と主張しております。日本の主張の四〇%以上と大きな隔たりがあります。メキシコの大臣は、自動車産業は、我が国にとって極めて大きな関心である、自国の国益を主張する私を責めることはできないと発言しております。自動車の原産地規制、いわゆるTPP参加国から六二・五%以上の部品を現地調達したものでなければ原産地として認めないとする主張は、国益を守る大臣としては当然と思われます。自動車が認められず、その上農業が譲歩などとなれば、日本の何の国益を守ることになるのか、疑われます。TPPへの参加が今後日本を滅ぼすおそれさえあることを認識すべきではないでしょうか。こうしたTPPに対する知事の考えをお伺いいたします。

 ヨーロッパ諸国は、自国の農業を伸ばすために大きな補助をかけております。EUの農業予算の大半は農家への大幅な補助金であります。食料生産の増加だけでなくて、環境保護のためにも、農家への補助金が使われております。ドイツやスイス、フランスの美しい田園風景は、農家への直接の補助金で守られております。日本の農業保護の水準はアメリカ同程度、EUの三分の一程度であります。それはアメリカやEUのように財政による農家への直接補助ではなく、日本は関税によって日本の農業を保護しております。このため、外国からは、関税引き下げに最も抵抗する農業保護国との批判を受け、国内では、農業のためにWTO、FTA交渉が進まず、国益が損なわれると避難されています。関税を活用した農業政策は、TPPに前のめりな政府の姿勢では限界が来ます。きちんとした長期的展望に立地した環境にも配慮した農業政策に対する財政支出を政府に提言していかなければなりません。農業王国の知事として全国の知事に呼びかけ、政府に訴えていくべきと考えますが、知事の考えをお伺いいたします。

 かつては米の輸出国であった日本を含むアジア各国は、国家安定のため植民地から独立した国々は、真の独立のために、自給化のために農業政策をとってきました。国によって多少の違いはありますが、農業生産向上支援と政府介入による価格の維持が農業政策の二つの柱であります。インドの食料公社、インドネシアのBUROG、食料調達庁、中国の備蓄機構は、純粋に自国農業保護のためのものであります。一方、多くの農産国が集まるEUも、かつての食料危機の教訓から、食料自給化を基本とした農業政策をとる国が多く、農畜産物全体の保護を目的としております。農業保護の政策は農業政策だけでは不十分であり、政府介入の買い入れや流通をつくるとともに、他国からの農産物の輸入を規制することで、多くの国は自国の農業を守っているのが現状であります。こうした保護政策を日本だけが放棄してはいけないと思いますが、知事の考えをお伺いいたします。

 有害鳥獣対策について伺います。

 県南部のイノシシが甚大になってきておるようです。最近の捕獲数は、平成八年百二十四頭と大台に乗ったなと思っておりましたら、平成十二年には二百五十六頭と倍増し、平成二十年には千三百十七頭、平成二十三年からは二千頭を超え、農産物の被害も拡大しております。また、車との事故も出ており、人的被害が出かねない状態です。ことし、第二期宮城県イノシシ保護管理計画を出しましたが、今後の対応をお伺いいたします。

 有害鳥獣捕獲のほか、平成二十年度にイノシシの特定計画を作成して、平成二十一年度から市町村による個体数調整が行われております。また、イノシシの生育が県北部に確認されたことにより、生息域の拡大を防止するため、平成二十三年度から県が広域的に個体数調整を実施しておりますが、その実施をどのように把握なされているのか、お伺いいたします。

 鳥獣害の多発に悩まされている茨城県は、茨城猪塾を開設しております。獣害対策サポーターと呼ばれる人材の育成に取り組み、昨年度までに八十一人が認定を受け、今年度も二十一人が受講中、今年度中に認定者百人を突破を見込んでおります。このようなサポートできる方々を募集し、対策を講ずるべきと考えます。宮城県でモデル協議会を指定し、捕獲や狩猟で数を減らすのでなく、えさ場をなくすなど、地域を挙げての環境改善、意識の向上でイノシシ被害の撲滅を目指す団体を育成しようとしております。働きと活動、今後のあり方をどのようになさるのか、お伺いいたします。

 大綱四点目、宮城スーパープレミアムブランド製品について伺います。

 あの東日本大震災から四年六カ月を迎えようとしております。復興の進んだところ、まだまだ手が届かないところ、その格差が広がり、復興のおくれも目立ってきました。被災地では多くの方々の協力を得て一歩一歩歩んでおりますが、被災地の心を一つにするまでには至っていないのが実情です。製造業や加工業に至っては、グループ補助などで再生産ができるようになったにもかかわらず、販路を奪われ、まだ以前のレベルに販路を伸ばすことができない企業が数多くあります。

 こうした中で、宮城にはブランド製品やすぐれものが数多くあります。このブランド製品が各地のそして各県のブランド製品との販売競争になっております。このブランドをワンランクアップすることにより、より一層宮城のブランド製品を売り出すことができるようになります。宮城ブランド製品のうち、特に有望な製品を宮城スーパープレミアムブランド製品として選ぶべきであります。これは市場での成長が期待できる可能性にある宮城の製品を開発した会社に認証書を交付し、スーパープレミアムブランド製品として官民一体となって取り組む必要があるのではないでしょうか。知事にお伺いいたします。

 仙台空港の民営化のための交渉運営会社が決まりました。宮城スーパープレミアムブランド製品を認定し、仙台空港の民営化とブランドをセットで売り出すべきではないでしょうか。仙台空港に農産物を遠くに輸送、外国に輸出するためには、保冷施設や保管施設が必要になってきます。販路を拡大するには、知事のトップセールスも大切になってきます。先日もトップセールスマンとして福岡に飛んだ知事、今後、宮城の製品を大いに売り出すためにも、ハブ空港としての機能を持つためにも、大きなストックヤードが必要になってきます。知事から、民営業者への出荷できる環境の整備を要請すべきであります。民営化に伴う環境整備の一つに、宮城を含む東北の製品をさまざまなストックヤードの環境を整備していかなければなりません。知事が先頭に立って民営化業者に物産を販売するための保管施設の整備を要請していくべきと考えます。

 出荷環境の整備について知事の考えをお伺いいたし、私の一般質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 太田稔郎議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。

 まず大綱一点目、大震災からの心のケアと心の復興についての御質問のうち、自治体職員の心のケアについてのお尋ねにお答えをいたします。

 大震災後は、これまで経験したことのない膨大な量の復興関連事業への対応により、関係職員の健康状態の悪化が懸念されているところであります。このため、南三陸町を除く沿岸十四の市町及び県では、地方公務員災害補償基金が実施いたしますメンタルヘルス総合対策事業を活用し、派遣職員を含むすべての職員に対するストレスチェックや臨床心理士によるカウンセリング等を実施しており、南三陸町では、健康調査等、独自にメンタルヘルス対策に取り組んでおります。また、県が実施するメンタルヘルスセミナーへ市町村職員も参加するなど、各自治体と連携して職員の心身の健康保持に努めているところであります。更に、職員の負担の軽減を図るため、みやぎ心のケアセンターの職員が被災市町に出向するなど、現場職員への支援体制も強化しております。県といたしましては、心のケア対策は長期にわたって取り組む必要がありますことから、引き続き、みやぎ心のケアセンター等関係機関と連携をしながら、被災者を支援する職員の心のケアの充実に努めてまいります。

 次に、心の復興の取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 震災から四年半が経過し、復興が着実に進展し、生活再建が進む一方で、災害の体験や深い悲しみに今も苦しむ多くの方々がおられることから、心の復興に向けた取り組みは重要なものと考えております。県では、心の復興なくして真の宮城の復興はないとの認識のもと、宮城県震災復興計画に県民の心のケアを位置づけ、これまで精神保健福祉士や臨床心理士などの多職種による訪問や電話相談を行うなど、被災された方々へのきめ細やかな支援に取り組んでまいりました。県としては、心のケアは長期的な取り組みが必要でありますことから、今後とも、みやぎ心のケアセンターを中心として、市町や関係団体と連携し、被災された方々に寄り添いながら、地域の実情に応じた心のケアの充実に力を注いでまいります。

 次に、大綱二点目、マイナンバー制度についての御質問のうち、制度の施行に向けた県の対応についてのお尋ねにお答えをいたします。

 マイナンバー制度は、公平で公正な社会の実現を図り、国民の利便性を高めるとともに、行政の効率化をもたらす極めて重要な情報インフラであると認識しております。県としては、マイナンバー制度の導入に向けて、昨年、庁内の推進体制を整備し、国や地方公共団体との情報の連携開始に備え、税や福祉などの関連する業務システムの開発や改修を進めるとともに、国や市町村と連携しながら制度の周知を図ってまいりました。一方で、マイナンバー制度については情報漏えいや不正利用などが懸念されておりますことから、丁寧かつ十分に説明するよう国に求めてまいります。

 次に、大綱三点目、宮城の農業振興についての質問にお答えをいたします。

 初めに、農業振興をどう図っていくのかとのお尋ねにお答えをいたします。

 県では、意欲あるさまざまな担い手が活躍し、水田農業、園芸、畜産のバランスがとれた生産が行われるとともに、六次産業化等の付加価値を高める取り組みが広がる競争力と魅力ある農業を目指し各種施策を展開しております。このため、農地中間管理事業による担い手への農地集積・集約化によるコスト低減に加え、水田フル活用による収益性の高い作物への転換を図るほか、地域のさまざまな資源を活用した六次産業化など、収益性の高い生産体制の構築に取り組んでおります。また、農業への新規参入や女性の起業化の動きなど、さまざまな農業の取り組みも増加してきております。県といたしましては、津波被災を受けた沿岸部に見られる、百ヘクタールを超える大規模土地利用型農業など、次の時代をリードする農業経営体と、規模にかかわらず特色ある取り組みを行っている農業者が相まって、地域農業を維持していくものと考えております。このようなさまざまな担い手を引き続きしっかりと育成することで、地域農業の振興を図ってまいります。

 次に、TPPに対する私の考えについての御質問にお答えをいたします。

 TPPについては、農業を初め第一次産業への影響が懸念される一方で、輸出しやすい環境が整えば、製造業を初めとする幅広い分野で一定の効果が期待される側面もあります。このため、TPP交渉では、国において将来を見据え、国益というものを幅広い見地から判断していくことが必要と認識しております。今後とも、国に対して、交渉内容や対策も含めてしっかりとした説明や情報提供を求めるとともに、TPPへの参加が被災地の復興に水を差すことがないよう働きかけてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 総務部長山田義輝君。

    〔総務部長 山田義輝君登壇〕



◎総務部長(山田義輝君) 大綱二点目、マイナンバー制度についての御質問のうち、マイナンバーの通知が届かない可能性のある方々の登録住所変更の現状についてどうとらえているのかとのお尋ねにお答えいたします。

 被災者やDV被害者など、やむを得ない理由により住民票の住所地で通知カードを受け取ることができない方は、送付先として居所を市町村へ登録していただくこととなっており、各市町村でも、広報誌を初めさまざまな手段を活用してPRに努めております。しかしながら、何らかの事情により登録が行われないケースが生じることも懸念されます。このため、被災者については沿岸市町の多くで、仮設住宅の避難先情報を活用し、通知カードを送付すると伺っております。また、DV被害者等には、市町村の通知カード担当者と福祉担当課が情報共有を図り、直接連絡を行い、居所を確認しているほか、DV被害者を支援するNPOを通じた呼びかけを行うなど、きめ細やかな対応により周知を図っております。市町村の取り組みにあわせ、県としても、居所情報の周知につきましては、ホームページや新聞、ラジオ等を通じ情報発信しておりますが、引き続き、国、県、市町村等が一体となり取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。

    〔震災復興・企画部長 大塚大輔君登壇〕



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 大綱二点目、マイナンバー制度についての御質問のうち、市町村の実態をどうとらえているかとのお尋ねにお答えいたします。

 市町村では、マイナンバー制度の導入を控え、通知カード発送関係事務や、希望者への個人番号カードの交付、税や福祉など業務システムの開発や改修、更には、住民や事業者への制度周知を同時に進めなければならず、その負担は大変大きなものがあります。このため、本県独自の市町村への支援策として、昨年度からコンサルタントによる制度対応への助言やスケジュール管理、システムの開発などに関する技術的助言を行ってまいりました。今後ともマイナンバー制度の円滑な導入が図られるよう、市町村への支援を行ってまいります。

 次に、制度に関する周知についての御質問にお答えいたします。

 国では、ホームページやコールセンターを開設しているほか、テレビCMや新聞広告などのさまざまなメディアを活用したマイナンバー制度の広報を実施しております。我が県においても、ホームページや県政だよりの活用を初め、コンビニでのパンフレット配布など、マイナンバー制度について理解の促進を図ってまいりました。また、市町村の協力のもと、住民や事業者向けの説明会を県主催で開催しております。今後も引き続き市町村と連携しながら制度の周知に努めてまいります。

 次に、自治体職員による情報流出の防止についての御質問にお答えいたします。

 マイナンバーにかかわる職員による情報流出を防ぐためには、情報の持ち出しの制限や業務以外での利用の禁止等を職員に徹底する必要があります。そもそも自治体職員には守秘義務があり、情報を漏えいした場合には懲戒処分の対象となりますが、マイナンバー制度の施行を控え、県はもとより市町村に対しても情報セキュリティーポリシーに基づく情報管理の徹底を助言、指導してまいります。

 次に、サイバー攻撃に対する市町村の情報セキュリティー対策への県の支援についての御質問にお答えいたします。

 今回の年金機構による情報流出を受け、国が八月に示した自治体情報セキュリティ緊急強化対策の中間報告では、市町村に対するサイバー攻撃を想定し、即応体制の整備として、国とともに県においても、市町村との連携体制の構築や不正アクセス対策等への技術的助言を行うなどの役割が示されております。今月末には更に詳細な説明があることから、この内容を踏まえて対応を検討してまいります。

 次に、マイナンバーの閲覧権限や端末管理についての御質問にお答えいたします。

 自治体職員の利用に当たっては、法律の規定により、従事する職員が限定されており、許可された範囲を超えた閲覧や収集はできない仕組みとなっております。システムの管理や個人情報の取り扱いについては、国から各種ガイドライン等が示されておりますので、引き続き、情報提供や説明会の開催を通じて市町村を支援してまいります。

 次に、準備のおくれている企業に対する指導についての御質問にお答えいたします。

 マイナンバー制度の円滑な導入には、民間事業者においても制度の理解、システム改修や管理体制の準備が必要となることから、特に負担感が大きい中小企業や小規模事業者に対し、国が必要な支援を行うよう全国知事会を通じて要望しております。また、県においても、税務署などと連携して説明会を開催するなど、引き続き、事業者への支援を行ってまいります。

 次に、セキュリティー構築についての御質問にお答えいたします。

 マイナンバー制度では、個人番号を含む個人情報については、業務システムごとにこれまで同様分散管理し、大量の情報を一元管理しないことから、芋づる式にマイナンバーや個人情報が大量に流出するような事態は生じないものと考えております。

 なお、我が県ではさまざまなセキュリティー対策ソフトを導入しているほか、システムの利用に際しては生体認証を行うことで職員を限定し、情報漏えいを予防することとしております。また内部監査や研修等により職員の意識の向上を図るなど、ハード、ソフト両面でのセキュリティー対策に万全を期してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 環境生活部長佐野好昭君。

    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕



◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱三点目、宮城の農業振興についての御質問のうち、第二期宮城県イノシシ管理計画における今後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。

 県では、ことし四月に改定した第二期宮城県イノシシ管理計画において、県内の平成二十三年度末におけるイノシシの推定生息数約二万五千頭を、平成三十五年度末までの十年間で約四割減らすことを努力目標とし、年間捕獲頭数を五千六百頭としております。この目標達成に向けて市町村が実施する有害鳥獣捕獲などの取り組みについて、引き続き、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用し支援してまいります。また、県がイノシシの生息域の拡大を抑制するために実施している個体数調整について、今年度から国の指定管理鳥獣捕獲等事業を活用し、拡充して実施するほか、狩猟期間の延長や、昨年度から実施している狩猟で捕獲したイノシシ一頭当たり五千円を支給する狩猟捕獲促進事業等により、更なる捕獲促進に取り組んでまいります。

 次に、市町村と県が実施する個体数調整の実態についての御質問にお答えいたします。

 イノシシの個体数調整については、市町村では平成二十一年度から実施し、昨年度までの累計捕獲頭数は約七千頭となっております。また、県では平成二十三年度から県北地域において個体数調整を実施し、昨年度までの累計捕獲頭数は四十頭となっております。県の個体数調整の捕獲実績が少ない要因としては、県北地域はイノシシの生息密度が低いことが影響しているほか、冬期の積雪量が多く、箱わなを設置する場所が限られていることや、イノシシの捕獲に関する知識、経験が不足していることも考えられるところです。今年度は国の補助事業を活用し、県内全域におけるイノシシの生息密度や生息分布などのより詳細な調査を行い、その実態を把握するとともに、市町村や猟友会等関係機関との連携を図り、適正な個体数調整の実施に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱四点目、宮城スーパープレミアムブランド製品の育成についての御質問のうち、空港運営権者に対して保冷施設などの環境整備を要請すべきとのお尋ねにお答えいたします。

 県では、仙台空港の民営化を契機として、年間貨物取扱量五万トンの実現を目標に掲げております。しかしながら、航空機材の小型化や、東日本大震災に起因する首都圏空港への貨物流出などにより、現在の貨物量は約六千トンにとどまっていることから、農水産物を初めとする我が県のブランド製品の国内外への販路拡大による航空貨物の新規創出が不可欠であると認識しております。また、空港民営化に伴い、空港ビルの商業機能や就航路線の拡充が期待されることから、地場産品の品ぞろえ強化や、効率的な集荷、輸送体制の構築、有望な販路先へのエアポートセールスなどに運営権者と連携して取り組み、ブランド製品の販売需要を高めながら、保冷施設などの環境整備の必要性について検討してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱三点目、宮城の農業振興についての御質問のうち、TPP交渉の状況を踏まえた農業所得についてのお尋ねにお答えいたします。

 TPP交渉の農業分野においては、各国の農業構造や生産方式の違いが生産コストに反映され、価格競争力に違いがあるにもかかわらず、関税撤廃という条件のもとで一律に取り扱われようとしているものと認識しております。そのため、コスト面だけの競争にとらわれず、安全性、高品質性などをPRし、積極的に国産農畜産物の消費と利用の拡大を図ることが重要であると考えております。また、世界に評価される和食を有し、海外における日本食への関心も高まっていることから、成長する海外市場を積極的に取り込んでいくことも必要であると考えております。県といたしましては、こうした価格以外の優位性についてしっかりとPRし、我が県農産物の生産振興を図ってまいります。

 次に、全国の知事に呼びかけ、農業政策に対する財政支出を国に訴えていくべきとの御質問にお答えいたします。

 TPP交渉による影響が大きいと思われる一次産業については、将来にわたり持続的に発展していけるよう、その強化に向け、国の責任において安定した財源の確保を含め、具体的かつ体系的な対策を講じることが重要であると認識しております。このため、県では、県議会の意見書等を踏まえ、県単独の要望以外にも、全国知事会、北海道東北地方知事会などにおいて、TPP交渉に関してしっかりとした対策を行うことについて国に強く要望してまいりました。県といたしましては、今後ともTPP交渉の動向を注視し、全国の知事との連携を強化しながら、引き続き国へ強く要望してまいります。

 次に、農業保護政策についての御質問にお答えいたします。

 農業は、国民へ食料を安定的に供給する重要な役割を担うとともに、国土や自然環境の保全、農村が担ってきた文化の維持継承、更には就労の場など多面的な機能を有しており、将来にわたり持続的に発展していくことが重要であると認識しております。このため、県といたしましては、これまでもその再生、強化に向けて、持続可能な農業生産を支える施策を講ずるよう国に対して要望してまいりました。今後とも、さまざまな機会をとらえて国に働きかけてまいります。

 次に、獣害対策のサポーター養成についての御質問にお答えいたします。

 イノシシ等による農作物被害を低減させるためには、専門的な知識と技術を有した人材の育成が喫緊の課題となっており、そうした人材を確保した上で、農地への侵入防止や捕獲などの対策を講じることが最も有効であると認識しております。そのため、平成二十二年度から、国が実施する農作物鳥獣被害防止対策研修に農業改良普及センター職員を毎年派遣し、人材を養成してきたところであります。更に、研修を受講した職員を講師として、市町村や農業団体に対して伝達研修を実施することにより、専門知識を有する人材を養成しており、受講者には地域の核となってイノシシ対策に取り組んでいただいております。県といたしましては、このような取り組みを通じて、今後とも鳥獣被害防止対策に当たる人材の育成に努めてまいります。

 次に、モデル協議会の活動内容や今後のあり方についての御質問にお答えいたします。

 県では、平成二十六年度から集落にモデル協議会を設定し、地域の農業者みずからが主体となって鳥獣被害防止対策が行えるよう、侵入防止さくの設置等の実施体制整備や技術の習得を支援してまいりました。大和町のモデル協議会では、専門家の指導のもと、住民に地域ぐるみで対策を講じることの重要性を理解していただき、住民総出で侵入防止さくを設置するとともに、えさ場の排除、除草を徹底することにより、被害の発生をなくすことができました。県といたしましては、モデル協議会については、自立して活動できるよう、二年間同様の支援を継続していくこととしております。また、こうしたモデル協議会の運営体制等の成果を活用し、農業改良普及センターが中心となって隣接市町村へ普及させ、効果的な鳥獣被害防止対策を講じてまいります。

 次に、大綱四点目、宮城スーパープレミアムブラント製品の育成についての御質問のうち、認証書を交付し官民一体で売り込むべきとのお尋ねにお答えいたします。

 ブランド化により、同種の商品と比較して競争上有利な地位や製造者に対する信頼、支持、評価が確立することから、県産品のブランド化は、我が県の喫緊の課題である販路回復、拡大のための有効な手段であると認識しております。このため、県では、県産食材を主原料とした特産品を認証する宮城県認証食品制度の運用やすぐれた工業製品を認定するみやぎ優れMONO発信事業を通じ商品価値の向上に努めております。今後、県産品の優位性を高め価値向上を図る、更なるブランド化のあり方について、県内の事業者、関係団体の意見や他の自治体の事例を参考にしながら検討するとともに、既存商品の磨き上げ、販路開拓に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 教育長高橋仁君。

    〔教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育長(高橋仁君) 大綱一点目、大震災からの心のケアと心の復興についての御質問のうち、児童生徒の心のケアチームを立ち上げてはどうかとのお尋ねにお答えいたします。

 みやぎアドベンチャープログラムは、集団的活動を通して互いに信頼関係を深め、自己有用感を高めることを目的としており、子供たちの心のケアにつながる有効な手法であると認識しております。現在このプログラムを受講した教員が小中高等学校や自然の家での研修会で講師を務め、児童生徒の心を育てる指導に当たっているところであります。大震災により心理的不安などを抱える児童生徒への対応は、今後も継続して取り組むべき大きな課題であるととらえており、今年度新たに県内すべての小中高等学校の校長等を対象に、精神科医や臨床心理士等をパネラーとした心の復興フォーラムを開催し、震災から五年目を迎えた児童生徒の心の状況把握とこれからのケアのあり方について、情報と認識を共有したところであります。今後更に専門機関との連携を深めながら、児童生徒の心のケアに努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 警察本部長中尾克彦君。

    〔警察本部長 中尾克彦君登壇〕



◎警察本部長(中尾克彦君) 大綱一点目、大震災からの心のケアと心の復興についての御質問のうち、震災対応業務に携わった警察官の心のケアについて的確に対応すべきとのお尋ねにお答えいたします。

 県警察では、さきの震災による職員のPTSD等の発症が懸念されましたことから、発災以降、早い段階で、警察庁や他県警察から派遣された臨床心理士を中心とした専門家チーム等の支援を受けまして、心のケアを行ってまいりました。また、これまで健康調査を四回にわたり実施してまいりましたが、現在のところでPTSDを発症した職員は確認されてはおりません。ただ、数年経過後に心の病気を発症する懸念もありますことから、震災後二人から五人に増員委嘱したメンタルヘルスの専門相談員である精神科医等の個別カウンセリングを実施しているほか、平成二十六年十月には、心の健康づくり推進プログラムを策定して、管理者が職員の心の健康状態を把握するための取り組みなどを強化するとともに、本年には職員のワークライフバランスに配意し、休暇取得を促進する制度を策定するなどして、組織的なメンタルヘルス対策を推進しているところでございます。

 私からは、以上です。



○副議長(渥美巖君) 一番太田稔郎君。



◆一番(太田稔郎君) ありがとうございました。

 一つは、子供たちの心のケアの中で、不登校率、これが一一年、二・九二、一二年が三・一四、一三年が三・一七というふうな形で上がってきている。県の教育委員会では、二〇〇三年にこのプログラムをやったときに、将来ふえるなという予想をしてたような感じがするんです。そのためにそのプログラムを使った花山での研修、これらがうまく生かされているのかなというような気がするわけでありますけども、ぜひ厚労省の調査の中でも、被災三県の子供たちが、二五・九%が医療的心のケアが必要だという発表しているんですね。宮城の宝を、ぜひ心のケアを図っていただいて、そうした子供が一人でも減らすような取り組みをやっていただきたいというふうに思うんですけども、これについてはいかがでしょうか。



○副議長(渥美巖君) 教育長高橋仁君。



◎教育長(高橋仁君) 児童生徒の心のケアについては、大変重要な課題であると考えております。この御紹介のあったみやぎアドベンチャープログラムについては、現在もMAP研究会ということで、有志の先生方が組織をしております。この会長は教育次長が担当しておりますが、そういったことで先生方の研究会を有効に活用しながら、講師等になっていただいて、この手法も広めているところでございます。一方、スクールソーシャルワーカー、そしてスクールカウンセラーも大変有効に活用をしているところでありますので、こういったマンパワーを十分に確保するように今後も努力してまいります。



○副議長(渥美巖君) 一番太田稔郎君。



◆一番(太田稔郎君) ぜひそうしたことで頑張っていただきたいと思います。

 それから、消防団の方々のケアなんですけども、若い消防団員が、意欲満々の子が、消防団をやめざるを得なかった。そのやめた消防団員に対して今度はケアが届かない。今現在、先週から心のケアセンターからの消防団員の皆様へというチラシが回り始まりました。A4判四ページの資料であります。そこで、心のケアはだれにでもあるよと、必要とすることをぜひ出してほしいということを訴えているわけでありますけども、消防団員に対してはそういう資料が渡るけど、やめた消防団員に対しては何のケアもなくなってしまうんですね。本当に必死になって探した、そういう消防団員に対するケア、そういうものが本来必要だというふうに思うんですけども、それらについてお考えをお聞かせください。



○副議長(渥美巖君) 総務部長山田義輝君。



◎総務部長(山田義輝君) 消防団員あるいは消防職員の長期的な心のケア対策ということで、その必要性については認識をさしていただいております。ただいま御指摘をいただきましたとおり、消防団の方々には、心のケアセンターで作成したリーフレットを、作成していただいたものを全消防団に配布するよう依頼をさしていただいたところでありますが、御指摘のとおり消防団であった方がやめた後もストレスを持っていらっしゃる方がいらっしゃるということでございますので、この辺も踏まえながら、どのように配布すべきかも検討しながら対応を考えていきたいと考えております。



○副議長(渥美巖君) 一番太田稔郎君。



◆一番(太田稔郎君) マイナンバーのアクセスです。

 自治体によっては顔認証で決まった職員しかさわれないというふうに限定してる市町村があるんですね。それくらいしないと流出してしまうという懸念があろうかというふうに思いますので、この辺についてはいかがでございましょうか。



○副議長(渥美巖君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 今御指摘いただきました顔認証という手法、宮城県でどの市町村がどれだけ顔認証というやり方を採用しようとしているのか、ちょっと把握はできてないんですけど、一般的に生体認証の手法は非常に有効な手法だというふうに認識しておりますので、御提案いただいた顔認証も含めて、より効果的、確実にセキュリティーを確保できる方法、これからまた国からも一定のガイドラインのようなものが示される予定と伺っておりますので、そうしたものを踏まえて、いよいよ大詰めの時期ですので、万全の対応をとってまいりたいと考えております。



○副議長(渥美巖君) 一番太田稔郎君。



◆一番(太田稔郎君) 最後に、モデル協議会です。

 せっかくイノシシの協議会ができても、多分これ非常に厳しい状態に追い込まれると思います。イノシシは学習能力が非常に高い。ワイヤーメッシュを張ったところが三百メーターのところがもう二十七カ所破られている。その今度は補てんするメンテナンスが非常に必要になってくるわけです。こういうことでモデル地区を含めて、今後、そうした支援策、二年で打ち切りじゃなくて、イノシシとの戦いになっていくというふうに思いますので、ぜひ、今後この点は検討していただいて、息の長い戦いになると思いますけど、やっていただきたいということをお願いを申し上げまして、私の一般質問を終了いたします。

 ありがとうございました。



○副議長(渥美巖君) 三十五番佐々木征治君。

    〔三十五番 佐々木征治君登壇〕



◆三十五番(佐々木征治君) 皆さん、お疲れさまでございます。きょう一日どうぞよろしくお願いをいたします。

 災害は忘れたころにやってくるというお話ございました。私は、災害は絶対忘れたころではなくて、忘れずにやってくるということをずっと申し上げておりまして、今回吉田川、非常に危険な状態が起きたんでありますが、六十一年八・五豪雨災害、皆さんお忘れでしょうか。鹿島台で大変な被害をこうむりまして。あるいは私もエリアメールで四時に起こされまして、現場に行ったんでありますけれども、いや、これは本当に危険な状態だなあというのが、今回の吉田川の状況でございました。残念ながら、上流部の大和町あるいは富谷で被災をこうむり、また、県河川であります只川の支流の渋井川が決壊、これは大変な被害だったわけでございます。被災を受けられた皆様に改めて心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 私も、四期十四年、中途半端なんでありますが、議員として活動をさしていただきました。この間、皆様にお世話になりましたことを改めて心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 三点通告をいたしております。議長にお許しをいただきましたので、順次発言をさしていただきたいと思います。

 超高齢社会の福祉施策について。

 総人口に対して六十五歳以上の高齢者人口が占める割合を高齢化率と言うそうであります。世界保健機構、WHOや国連の定義によると、高齢化率が七%を超えた社会を高齢化社会、一四%を超えた社会を高齢社会、二一%を超えた社会を超高齢化社会と言うそうであります。最新データである平成二十七年版高齢社会白書によりますと、昨年二〇一四年十月一日時点での高齢者人口は過去最高の三千三百万人、高齢化率は二六%で、今後も日本の高齢化率は上昇傾向が続くと見られており、世界に先駆けて超高齢化社会に突入し、二十年後の二〇三五年には三三・四%で、三人に一人が六十五歳以上の高齢者となり、二〇六〇年には三九・九%に達し、二・五人に一人が六十五歳以上の高齢者となると見られております。

 厚生労働省の五月末暫定版、介護保険事業状況報告書によりますと、全国の六十五歳以上の第一号被保険者数は三千三百十三万七千人、要介護認定者数は六百八万九千人、割合は一八%。世代の五人に一人が介護や日常生活での手助けが必要な状況であります。その内訳は、居宅サービス受給者数は三百八十一万八千人、地域密着型サービス受給者数は三十九万五千人、施設サービス受給者数は九十万九千人、うち、介護老人福祉施設が四十九万八千人、介護老人保健施設が三十五万一千人、介護療養型医療施設が六万二千人だそうであります。平成二十七年、宮城県の六十五歳以上の人口五十九万二千九百三十七人、要介護認定者数は十万九千九百四十八人、割合は一八・九%。全国平均をやや上回って全国十九番目のようであります。十年後の平成三十七年、六十五歳以上人口は六十七万八千百五十五人、想定される要介護認定者数は十四万七千三百十人が見込まれます。

 第六期みやぎ高齢者元気プランによりますと、平成二十七年度施設・居住系サービス利用見込み者数は二万四千二百二十八人、要介護認定者数の二二%の高齢者がサービスを受けていることになります。その内容は、介護老人福祉施設九千八百四十四人、介護老人保健福祉施設八千二十二人、介護療養型医療施設その他グループホーム、療養型医療施設など、六千三百六十二人となっております。ちなみに、十年後の平成三十七年には、利用者見込み者数は現在より九千三百四十四人増の三万三千五百七十二人で、中でも特養などの介護老人福祉施設見込み者数は四千三百八十八人増の一万四千二百三十二人となっております。今後十年間でこれらの施設整備が求められると思いますが、これは、大崎社協が運営する介護老人福祉施設、特別養護老人ホーム敬風園が二百床規模でございますけれども、こういう施設が二十カ所ぐらい足りなくなるという状況でございます。

 みやぎ高齢者元気プランは、平成二十七年から二十九年までの三年間の計画とされておりますが、団塊の世代が七十五歳を迎える十年後の二〇二五年、平成三十七年の介護保険事業をどのようにイメージされ、施設整備の必要性を考えておられますか、知事の御所見をお伺いをいたします。

 高齢者元気プランの基本理念は、高齢者が地域で自分らしい生活を安心して送れる社会、今まで暮らしてきた家庭や地域の中で、自立と社会参加が保障され、皆で支え合いながら安心して生活できる社会を目指しますとされております。これが理想であり、地域包括支援センターの機能強化が求められております。一方で、内閣府が平成二十四年に全国六十歳以上の男女を対象にした介護を受けたい場所の調査では、自宅又は親族などで介護してほしいが三八%、介護老人福祉施設に入所したい、介護老人保健施設を利用したい、病院などの医療機関に入院したい、有料老人ホームを利用したいなど、施設利用希望は五四%と、半数以上が施設依存であります。これが現実のようであります。私も地域の敬老会などに出席した際に話題になるのは、高齢者ひとり暮らしや高齢夫婦二人暮らしの世帯が多く、この先が心配と話されています。更に、近くに敬風園があるのに申し込んでも入所が難しいみたいですねとも話しています。

 施設介護の必要性を痛感いたしますが、新規の事業参入者を含め事業規模拡大の方向にあるのか、まずお伺いをいたします。

 東京商工リサーチのネット情報によりますと、ことし二〇一五年一月から四月期の老人福祉介護事業者の倒産は、前年同期より六割増の三十一件、前年同期で十九件だったものが、ことしは三十一件ということでございます。介護保険法が施行された二〇〇〇年以降では、過去最多のペースで推移しているとのことであります。介護関連事業は、慢性的な人手不足に加え、他産業からの新規参入も加わり競争が激化しており、このため、資本力の脆弱な小規模事業者を中心に過当競争から息切れするケースがふえていると見られております。更に、二〇一五年の介護報酬改定が九年ぶりに引き下げとなったことで、経営の打撃が大きかったようであります。県内の介護保険事業者で倒産あるいは事業休止などの事例はないものか、お伺いをしておきます。

 厚生労働省は、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に介護職員が三十八万人不足するとの推計が発表されました。必要な人数に対して確保できる人数を示した充足率は、二〇一七年度、全国で九四%と、必要数より六%不足する程度ですが、二〇二五年には八五・一%まで低下するのではとされています。充足率が全国で最も低くなったのは宮城県の六九%で、一万四千百三十六人が不足するとされております。これは先ほど社民党の議員さんが質問した中身と同じかと思います。このことからも、介護職員の確保策が急務と考えます。これまで介護報酬の改定や介護職員処遇改善加算の創設などに取り組まれましたが、それでも他産業と比べても給与体系は低いと思われます。

 宮城県独自の現場で働く介護従事職員補助金制度を創設すべきと考えますが、御所見を伺います。

 東京圏周辺三県でも急速に進む高齢化で、団塊の世代が七十五歳となる二〇一五年には十三万人分の介護施設が不足するとされております。政府も地方創生戦略で地方移住を進めるようであります。今議会に地方創生総合戦略が提案されました。今後五年間の戦略の中には、基本目標として、東京圏のアクティブシニアが宮城県に移住・定住の推進を盛り込まれております。これは介護保険事業者の規模拡大の方向にない中、しかも、介護従事職員の確保が難しい時代に、東京圏より移住希望高齢者のために環境整備が可能なものか、お伺いをいたします。

 今月三日、厚生労働省が、二〇一四年、国民医療費四十兆円を超えることが確実と発表されました。都道府県別では、東京が四兆一千九百九十億円、大阪が三兆五百九十億円、神奈川二兆四千三百八十五億円、最も少ない鳥取で二千十四億円、東北では宮城が最高で六千八百九十四億円、全国の一人当たり概算医療費は三十一万四千円、七十五歳未満が二十一万一千円、東北では秋田が最高で一人当たり五十三万円、宮城も四十七万八千円で全国平均を上回っております。介護事業も高齢者医療の現場も現行の制度のままで対応し切れるとは到底考えられません。

 高齢者医療費についても、高額医療費の分析を進め、圧縮を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 最近、地元でのスポーツイベントに案内をいただき出席しますと、一番参加人数が多いのはグラウンドゴルフ大会、次がパークゴルフ大会、県内のシニアソフトボール大会、還暦野球大会などが上位を占めております。いずれも健康づくりを目的とした高齢者のスポーツイベントです。仙台の雀荘では毎週高齢者の例会が開かれており、満席です。私よりも大先輩がマージャンゲームを楽しんでおります。カラオケ愛好会も、年に数回の発表会を楽しみに活動しております。中には九十三歳のおばあさんも毎年元気に参加されております。お琴やコーラスグループ、歴史研究会などなど、ほとんどが六十五歳以上の元気高齢者であります。

 健康高齢者の健康寿命の延伸、健康づくりを目指した簡単に楽しめるスポーツやゲーム、文化サークルなどを推奨するために、宮城県組織を立ち上げ、シニア世代の活動記録を作成し周知することによって拡大できるものではと思いますが、元気高齢者づくりの考え方はないものか、お伺いをいたします。

 大綱二点目でございます。

 人口減少時代の都市計画事業について、四十数年前、日本列島改造論の名のもとに右肩上がりの人口政策をつくった時代がありました。その後、バブルの絶頂期には地方の時代とも表現され、過密解消の受け皿として居住区域を拡大し、自治体は厳しい財政力でもそれらの地域に都市的整備を進めてまいりました。しかし、最近の地方行政の課題として、少子高齢化の進展に伴い限界集落という表現が当てはまる地域衰退の時代となってまいりました。それでも、公共事業として進めてきた施設の維持管理を含む行政経費は必要であります。それが地方自治体にとって大変大きな負担となっております。

 そこで、自治体が考えることは、住民の居住区域を都市整備が進んだ区域に誘導し、コンパクトシティをつくろうという目標を変えてまいりました。私の地元大崎市でも、都市計画の見直しが図られたようであります。計画の基本となる人口フレームは、平成十七年十二万九千五百六十二人だったものを、平成四十二年十一万四千五百人に設定し、人口減少、少子高齢化社会の時代に対応した新たな市街地の形成を図るとされたようであります。都市計画事業の中でも、街路事業や公園事業など既に整備された事業は手戻り感が少ないと思います。下水道事業のように人口フレームにより処理区域が設定され、管路や管口径が決定し、末端から整備が進められた事業は、今さらやり直しができないと思います。また、終末処理場の処理能力にも影響し、当初計画のとおり稼働していないのが現状かと思います。県が管理する仙塩流域下水道を含め七つの浄化センターの処理状況を調べてみました。平成二十年末で、施設規模は七つの施設全体で四十二系列、処理量、日当たり六十八万二千四百立方と計画されていました。平成二十六年末には、三十四系列、日当たり五十五万七千五百立方となっており、現在の状況では当初の計画より大分余裕があると思われます。人口減少傾向が続く中、新たな設備を拡張する方向にはないと思いますが、余裕分の利活用策について検討されているのか、御所見を伺います。

 全体の汚泥処理の発生量は、平成二十年度末で年当たり五万七千八百七十五トン。浄化センターごとの処分方法はそれぞれですが、総じて脱水後に焼却し最終処分場へ、一部は焼却灰をアスファルト合材への再利用が図られておるようです。東日本大震災により、福島第一原発の事故後は汚泥への放射能汚染が懸念され、現在ではアスファルト合材への使用は行われていないようであります。焼却がほとんどで、循環型社会の構築のためにも再利用の検討をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 相沢光哉先生をリーダーとするバイオ研究会、我が自民会派で活動いたしております。一昨年に、鹿児島市の下水処理場汚泥処理を視察しました。処理場に隣接した簡易な施設がつくられ、処理場から出た汚泥をベルトコンベヤーで堆肥化施設に移し、超高温発酵技術で堆肥化させる。下水の脱水汚泥なら重量で一〇ないし一五%ぐらいまで大幅な減容が図れるとのことでありました。また、堆肥化されたものは市販され、田畑など農地やゴルフ場の芝管理などに使用されているとのことでありました。

 昨年は、東京電力福島第一原発事故による放射能被曝牛の解剖研究残渣の衛生的処理事業を視察しました。北里大学獣医学部、酪農学園大学、日本獣医師会などの研究グループが南相馬市内の飼育牛の牛体内の放射能汚染分布を詳細に調べて、一定期間の減衰などを分析し、被曝線量の軽減化技術の研究が実施されました。また、解剖した牛の残渣を衛生的に処理し、ふん尿の処理とあわせてYM菌での発酵処理が行われ、減容化も行われました。処理前の放射線量は、野外ふん尿で一万四千ベクレルだったものが、処理終了時点で九千三百ベクレルまで下がったようであります。県内の汚染稲わらを減容化しながら、放射線量の変化を研究している人たちもたくさんいるということを忘れないでいただきたいと思います。

 最後に、宇宙にはせる時代。

 ニュージーランドは全国各地で美しい星空が楽しめます。中でも、南の島テカポは、星空のすばらしさと世界最南端の天文台があることで有名です。晴れた日の星空はまさに圧巻。天の川に手が届くように見え、幾千幾万もの星が三百六十度見渡す限り空を埋め尽くす幻想的な夜空は、宇宙船に乗って銀河を眺めているような気分にさしてくれます。

 去る七月二十三日、油井飛行士らが搭乗したソユーズ宇宙船がカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーションISSへ向けて打ち上げられました。打ち上げからおよそ六時間後、ソユーズ宇宙船はISSにドッキングし、宇宙飛行士らは宇宙船での長期滞在を開始しました。八月十九日には、国際宇宙ステーションへの物資補給機、こうのとり五号機を載せた国産大型ロケットH2Bが鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。宇宙ステーションに長期滞在中の油井亀美也さんがロボットアームで捕捉、ドッキングに成功したことが報じられました。ちなみに、油井さんは、知事と同じ、自衛隊のパイロット出身だそうでございます。これまで宇宙へ旅立った最初の日本人宇宙飛行士は、一九九〇年十二月、TBSの社員として旧ソビエト連邦時代にソユーズで宇宙に飛び立ち、宇宙ステーション、ミールに滞在しました。日本人の二人目の宇宙飛行士は、科学技術者の毛利衛さん、三人目は、日本人初の女性飛行士で医師の向井千秋さん、四人目は若田光一さん、三回宇宙へ行かれまして、三回目の二〇〇九年三月からは、国際宇宙ステーションに長期滞在を行っております。五人目は、土井隆雄さん、六人目は、野口聡一さん、七人目は、星出彰彦さん、八人目が、日本人女性飛行士で二番目の山崎直子さん。今回宇宙ステーションに滞在中の油井亀美也さんは、日本人宇宙飛行士としては九人目のようであります。

 (仮称)みやぎグリーン戦略の基本方向が示されました。戦略の趣旨は、人と自然が調和した美しく安全な県土づくりの実現、地球温暖化や生物多様性の確保を初めとする環境問題に対応するため、みやぎ環境税を使っての施策が展開されております。宮城の豊かな環境を守り、次世代に引き継ぐための環境教育の一層の充実を掲げられております。前述のニュージーランド、テカポの星空は、星空の世界遺産登録を目指しているようであります。そのために、光の害、光害をなくし、汚染されていない空、空気が澄んでいることなどが条件のようであります。

 さて、宮城県にも天体観測スポット、六カ所ございました。仙台市の天文台、牡鹿御番所公園、内沼サンクチュアリセンター付近、栗原高原いわかがみ平、栗原市の深山牧場、蔵王高原刈田駐車場、そのほかにも鳴子温泉鬼首の吹上キャンプ場などがあります。天体観測のための環境整備を進め、世界に宮城の自然環境保全対策が発信できるのではと考えます。そのことが宮城の子供たちが環境の大切さを学び、星空を見詰めながら宇宙へ夢をはせ、その中から宇宙飛行士がはぐくまれると思います。御所見をお伺いいたします。

 最後になりますが、この地球上では、イデオロギーの対立や資源確保問題などに起因する紛争が絶えません。グローバルな時代、世界平和を希求する議員の活動も大切であります。皆様におかれましても、ニュージーランドやベトナムにとどまることなく、世界を調査し、研さんを積むことはもちろんのこと、宇宙へ飛び立ち、地球全体を見直すことも大切かと思います。ぜひこの中から宇宙飛行士が誕生することを期待しながら、壇上からの私の一般質問を終わります。

 御清聴まことにありがとうございました。そして、本当にお世話になりました。ありがとうございました。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 佐々木征治議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、超高齢社会の福祉施策についての御質問にお答えいたします。

 初めに、十年後の介護保険事業をどうイメージして施設整備の必要性を考えているのかとのお尋ねにお答えをいたします。

 団塊の世代が七十五歳となる二〇二五年までの今後十年間は、我が県におきましても七十五歳以上の高齢者人口が急速に増加するものと推計されております。これを地域別に見た場合、仙台市では大幅に増加する一方で、高齢者人口が減少に転じる地域もあり、地域間で大きく状況は異なるものと見込まれます。また十年後、市町村において、地域包括ケア体制の構築が地域の実情に応じて進展している中、必要とされる介護サービスは一様ではないものと考えております。このため、県といたしましては、二〇二五年を見据え、保険者である市町村の意見を十分に踏まえながら、必要な施設整備に努めなければならないと思います。

 次に、施設介護について、事業への新規参入を含め規模拡大の方向にあるのかとの御質問にお答えいたします。

 施設整備については、これまで第五期みやぎ高齢者元気プランに基づき進めてきたところでありますが、これにより各施設の総定員数は、特別養護老人ホームが平成二十三年度末で八千七百八十五人だったものが、平成二十六年度末で一万五百六十二人、同様に、介護老人保健施設は八千百四十三人が八千百七十二人に、有料老人ホームは二千九百七十二人が四千五百五十五人にそれぞれ増加しております。このうち、特別養護老人ホームについては、新規開設した二十四の施設中六施設が新規事業者により整備されたものであります。第六期みやぎ高齢者元気プランにおいても、市町村では介護保険施設について、おおむね今よりふやしたいという御意向をお持ちであります。県全体としては、事業規模拡大の方向にあるものと認識をしております。

 次に、移住希望高齢者向けの環境整備についての御質問にお答えをいたします。

 国では、高齢者の移住について、地方への新しい人の流れをつくるとともに、東京圏の高齢化問題に対応するため、希望に応じ、地方や町中に移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができる生涯活躍のまち構想、いわゆる日本版CCRCを検討しております。我が県の地方創生総合戦略においては、この日本版CCRC設置の支援についても記載しており、関心を示している県内の市町と意見交換を行ったところであります。国においてはことしじゅうに最終案を取りまとめることとしておりますが、事業主体の役割や介護保険制度における財源調整の見直しなど、その実現にはさまざまな課題が想定されております。県といたしましては、移住を希望される高齢の方々の受け入れ環境整備等について、国の検討状況を注視しつつ、関係市町村等の取り組みを支援をしてまいります。

 次に、元気高齢者づくりの取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 元気な高齢者の方々は、スポーツや文化活動において、競技種目や交流内容に応じて自主的に競技団体や同好会などをつくり、活動されているところであります。こうした活動を促すため、宮城県社会福祉協議会では、同世代の仲間との交流を促すサークル活動を支援するとともに、健康や運動など身近な話題や情報を提供する情報誌を発行し、多くの高齢者の活動を支援しているほか、ねんりんピックへの選手派遣や、県内のシルバースポーツ等への助成、宮城シニア美術展の開催など、さまざまな取り組みを行っております。県といたしましては、宮城県社会福祉協議会が行うこのような取り組みを支援することで、今後とも、元気な高齢者の生きがいづくりや健康づくりに取り組んでまいります。

 次に、大綱三点目、宇宙に夢をはせる時代についての御質問にお答えをいたします。

 我が県には美しい星空を眺めることができる天体観測スポットがあり、自然環境に恵まれた場所での天体観測は、子供たちに大きな感動とふるさと宮城の自然を愛する心情をはぐくむ機会となっております。県といたしましても、これまで宮城の豊かな環境を守り、次世代に引き継ぐため、自然環境を学ぶための施設整備や、自然の家での星空観察などの体験プログラムを通じて、環境教育に取り組んできたところであります。日本人宇宙飛行士が活躍される姿は、多くの子供たちに夢や希望を与えるものであり、こうした取り組みを通じて、宮城の子供たちが環境の大切さを学び、宇宙へ思いをはせることになれば、とてもすばらしいことであると思います。今後とも、現在、延長を提案させていただいておりますみやぎ環境税も活用しながら、すぐれた自然環境の保全、環境保全対策の情報発信、天体観測も含めた環境教育の充実に精いっぱい取り組んでまいりたいと思います。ぜひ佐々木征治議員も宇宙飛行士を目指して、これから頑張っていただきたいと思います。

 以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 保健福祉部長伊東昭代君。

    〔保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕



◎保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱一点目、超高齢社会の福祉施策についての御質問のうち、県内の介護保険事業者の倒産や事業休止についてのお尋ねにお答えいたします。

 県内の介護保険事業所のことし一月から四月までの居宅介護支援、居宅サービス、介護予防サービスの廃止は百件、休止は三十六件となっております。

 なお、東京商工リサーチによる県内企業倒産状況調べでは、ことし一月から四月に倒産した介護事業者はありませんでした。

 次に、宮城県独自の介護従事者補助金制度を創設すべきとの御質問にお答えいたします。

 平成二十七年度の介護報酬改定においては、介護職員の安定的な確保を図るとともに、介護職員の賃金改善や更なる資質向上などを内容とする介護職員の処遇改善加算の拡充が行われ、約九割の事業者に適用されております。介護職員の処遇など、介護保険サービスの提供に必要な費用については、介護保険制度の中で負担することとなっております。県といたしましては、介護サービス事業者が加算制度を有効活用できるよう、その周知を図ってまいります。

 次に、高額な高齢者医療費の分析を進め圧縮を図るべきとの御質問にお答えいたします。

 国の調査によりますと、七十五歳以上の後期高齢者医療費の特性として、現役世代に比べ一人当たりの入院に係る医療費は約七倍、外来に係る医療費は約四倍となっており、県といたしましても、医療費の適正化が重要であると考えております。宮城県後期高齢者医療広域連合では、医療費の適正化を図るため、生活習慣病の早期発見を目的とした健康診査事業や、口腔機能低下を予防するための歯科健診事業、後発医薬品に切りかえた場合の自己負担額の差額を通知する事業などを実施しているところです。また、診療報酬明細書を分析し、健康課題に対応した保健指導などの各種保健事業を効率的、効果的に実施するデータヘルス計画を今年度中に策定することとしております。県といたしましては、高齢者医療費の適正化を図るため、引き続き広域連合を支援するとともに、第二期宮城県医療費適正化計画に基づき、現役世代も含めた健康の保持増進や医療の効率的な提供を推進してまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱二点目、人口減少時代の都市計画事業についての御質問のうち、下水道施設の利活用策についてのお尋ねにお答えいたします。

 我が県の流域下水道は、昭和四十七年に仙塩流域下水道の整備に着手して以来、高度経済成長や人口増加を背景に、下水処理量も増加傾向をたどるとの予測に基づき、下水道計画を策定し、必要な施設用地を先行取得するとともに、段階的に施設の整備を進めてまいりました。しかしながら、我が県の人口が平成十七年を境に減少に転じたことなどから、下水処理量の下方修正を行い、下水道計画を改定し、順次、施設規模の縮小を進めてきたところであります。このことによりまして、取得済みの用地に余裕が生じておりますが、東日本大震災ではこうした用地を活用して応急処理施設などを設置できたことにより、被災施設の早期復旧が可能となるなど、用地の有効利用が図られました。このようなことも踏まえ、今後、計画の見直しに当たりましては、老朽化が進んでおります施設の更新の際の用地に活用するとともに、災害時の応急対応や再生可能エネルギー施設の導入など、更に有効な利活用策を検討してまいります。

 次に、下水汚泥の再利用についての御質問にお答えいたします。

 東日本大震災が発生するまでは、流域下水道から発生する下水汚泥を浄化センター内の施設で焼却処理し、セメントやアスファルトの原料に利用していましたほか、脱水汚泥の肥料化や石炭の代替物としての燃料化など、全量を再利用しておりました。震災発生後は、仙塩及び県南浄化センターにおいて高濃度の放射性物質が下水汚泥に混入したことから再利用することができず、全量を廃棄物として処分せざるを得ませんでした。しかし、平成二十三年七月からは仙塩浄化センターにおいて、十一月からは県南浄化センターにおいて、放射性物質の濃度低下に伴い、それぞれ下水汚泥をセメントや肥料の原料に利活用できるようになり、ことし二月からは県南浄化センターにおいて燃料化物の販売を再開するなど、基準値以下の下水汚泥につきましては、全量を再利用することが可能となりました。一方、平成二十六年度の下水汚泥の再利用率は、流域下水道で全体で発生した下水汚泥六万二千八百トンに対して約三八%にとどまっておりますことから、放射性物質の濃度低下の動向を踏まえながら、一日も早い震災前の水準への回復に努めてまいります。

 以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 三十五番佐々木征治君。



◆三十五番(佐々木征治君) いろいろ御答弁ありがとうございました。

 今お答えをいただいた中で、知事からは、介護保険施設の事業参入まだまだ大丈夫だというお話があったんでありますが、午前の本多議員さんの質問に、なかなか人材確保が難しいという話もございまして、私は十日ほど前に大崎社協、大崎では一番大きい社協というか、施設を持ってるもんですから、お邪魔をしていろいろとお話を聞いてまいりました。現実には規模拡大したいんだけれど、まず人材が不足でやれないというのが本音なんです。しかも、例えば敬風園、あれは平成三年の建物だったかと思いますが、このままでいけば、四十年、五十年、建てかえの時期が来るんで、ちゃんとした資金も蓄えていかなければという考え方があったりして、需要はどんどんあるんだけど、もなかなか拡張する方向にはないよというのが本音みたいなんですね。先ほど、知事の答弁だと、大丈夫、新規の参入者もどんどんいるということで、私も例えば大衡なんかも含めてちょっと知り合いを含めて確認をしたんでありますが、いや、なかなか、やっぱりこの事業、難しいという話なんであります。特に、きょうちょっと私も本音で聞きたかったのは、先ほど地方創生の話があって、アクティブシニアをどんどんと地方に送り込もうと、受け入れようという話があったときに、いろいろと東京の人口も含めて調べてみました。東京の人口は六十五歳以上の高齢者だけで二百九十六万六千人、宮城県の人口をはるかに超えているんですね。この状況からしますと、六十五歳の人たちが何かでちょっと読んだんですが、資料探しかねたんですが、この人たちにアンケートをとったところ、四割の人は地方に行ってもいいですよ、移住してもいいですよ、あるいはこれから検討してもいいですよということが言われております。この四割というのはどのぐらいなんだろうと思って、ざっと神奈川とかあるいは埼玉、千葉、隣県三県も含めて大体五百万人ぐらいという想定をしたときに、五百万人の四〇%は二百万人です。二百万人を四十道県、いわゆる大都市を除いたところでこれを受けようとしたときに、一つの県で平均的な話、これは余り当てにならないんですが、大体五万人。五万人の六十五歳以上の高齢者を受け入れる。この五万人の中から、先ほど来、元気高齢者の中にもありますけれども、一八・九%が大体、いわゆる介護のお世話になる。介護というか、介護保険法のお世話になるという流れなもんですから、それを計算していくと、大体一万八千人分ぐらい要るようになるんですね、施設外分が。これ、今の状況でもう目いっぱいだと。恐らく保健福祉部長のところでは、追っかけていくのが大変ですよというのが現状だったんだと思うんですが、これをあえて受け取るということについて、いや本当にそういう研究がされるのか、恐らく企画部長のところでちゃんとしたことやっているだと思うんですが、その辺のところの考え方もう一回お聞かせください。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) まず、一つ目のしっかりと施設が整備できるような、本当に可能性があるのかということで、やはり一番の問題は、本多議員のときにも答弁いたしましたとおり、人材の確保が非常に難しいと。もう今、景気がいいというのがあって、人の取り合いになってますが、景気が悪くなりましても、物すごい勢いで生産年齢人口が減ってまいりますから、介護に充てる人がどれだけいるのかということが非常に難しくなってまいります。そういった意味では、天井知らずで介護施設をつくれるような余裕があるわけでは決してないという思いは持っております。ただ、そういうつくりたいという思いを持っている事業者さんがおられるということで、それとつくれるというのとはまた、つくる実力がある、力がある、人がいるというのとはまた直接リンクはしておりませんので、そういった意味では、人材育成も考えながら施設をふやしていくということが重要だろうというふうに思っております。

 それから、CCRCについてなんですけれども、これにつきましては、私はずっと一貫して、東京の高齢者の方をどんどん宮城県に受け入れるというようなことを言っておりませんで、私どもは、老若男女、若い人も赤ちゃんも子供もそして男性も女性もみんな来ていただくと。その中に、高齢者の方も来ていただいてウエルカムという考え方でございまして、高齢者の方だけを切り取って宮城県にお越しくださいというのは、これはちょっと宮城県にとっても無理があるのではないかと考えています。ただし、県内の市町村において、幾つかの市町村がこの考え方に関心を持っておられるということでございますので、関心を持っておられて、ぜひうちの市や町や村は受け入れたいんだということを私がそれを否定するわけにいきませんので、そういった場合には我々も協力をいたしましょうということを言っているということでございます。ただし、今受け入れを考えてもいいと言っているところも、まだ受け入れたいとおっしゃっているわけではございませんで、どういったようなものか研究したいということでございますので、ならば一緒に研究いたしましょうということで、同じテーブルで話し合いをしているということでございます。



○副議長(渥美巖君) 三十五番佐々木征治君。



◆三十五番(佐々木征治君) いろいろとお答えをいただきましたけれども、これはある新聞に載ったんですが、今回のふるさと創生事業は、うば捨て山事業ではないか。本当に団塊の世代というか働ける世代は、なかなか地方に来るというのは難しいだろうというのが本音だと思いますので、この辺はよく精査をされて、ぜひお願いをしたいと思います。時間がなくなりました。この事業の目玉としてと申しますか、ちゃんとした支援もあるようでございます。特に今までは、まち・ひと・しごと創生事業費ということで財源が確保される見通しのようでございますが、やっぱり高齢者施策、必要でございますので、そういう意味でも新たな財源確保策、これは知事の政治力だと思いますので、頑張ってこの事業をもしどうしてもやるというんであれば、そういうところまで目を配っていただければと思います。

 いろいろありがとうございました。終わります。



○副議長(渥美巖君) 暫時休憩いたします。

    午後二時五十分休憩

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    午後三時二十分再開



○議長(安藤俊威君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。二十七番庄子賢一君番。

    〔二十七番 庄子賢一君登壇〕



◆二十七番(庄子賢一君) 公明党県議団を代表し、一般質問をさせていただきます。

 初めに、さきの大雨によりまして犠牲になられました方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 質問に入る前に、村井知事への報告を兼ね一点申し上げます。

 私は、去る八月十一日から十四日までネパールを訪問してまいりました。目的は、四月に発生した巨大地震の被災調査であることは言うまでもありませんが、それ以上に、四年半前の東日本大震災で経験した復旧・復興への対応、そして被災者の心のケアの問題など、私たちがこの間経験してきた課題について、得られた教訓や対処法などをお伝えをすることでありました。ヤダブ大統領を表敬したほか、三人の大臣や複数の政府関係者と意見を交わし、更には、三カ所のテント村を訪問して、被災された方々の状況を直接伺ってくることもできました。村井知事からは、コイララ首相あての親書をお預かりし、秘書長を通じてお渡しをしてまいりましたが、首相から感謝の意が示されましたことを御報告させていただきます。

 私は、今回の訪問を通じ、政府関係者や被災者と会って感じたことは、東日本大震災による貴重な経験や知見が行政関係者にも被災者にも一つも伝わっていないということであります。もちろん政治体制も違い経済規模が異なるわけですから、宮城の経験が即ネパールに当てはまるということではないでしょうが、この三月に仙台で行われた国連世界防災会議での仙台行動枠組みの求めている精神は、まさに防災と復興のグローバル化であり、得られた知見やノウハウの共有であることにかんがみても、道路や橋梁、学校や病院の建設といったODA等によるインフラ整備にとどまらず、自主防災組織の整備や生活再建支援、心のケアといったノウハウを共有すべきだと思います。ちなみに、お会いしたパンディ外務大臣は、三月の防災会議で仙台に来られた折、私たちの復興への取り組みに強い関心を示しておられました。単独の県として踏み込んだ支援ができないことは十分承知しておりますが、数百年に一度の震災を経験した我が県だからこそできる防災と復興への支援の手法を研究し、国際社会、とりわけアジア各国に情報を発信し貢献する姿勢を示すべきだろうと思います。村井知事初め執行部へそのことを強く求めて、質問に移ります。

 まず、大綱一点目は、宮城県地方創生総合戦略についてであります。

 日本創成会議の増田レポートは、人口の減少による地方の消滅というインパクトの強いものでありました。皆それまで何となく抱いていた不安感を強い危機意識に駆り立てたという意味で大変大きな意味がありました。しかし、これによって、自治体が策定する地方創生への戦略が人口減少対策に引っ張られるとすると、地方創生の本質とは異なってくると思います。今般、宮城県が策定した戦略のキャッチフレーズを日本のネクストスタンダードとされているように、人口減少と経済の縮小を現実的にとらえ、仮にそうなっても、県民が幸福を実感し、希望を持って人生設計ができる社会を構築すること、それをネクストスタンダード、いわゆる次の時代の新常識にしていくことが求められているんだと思いますが、まず、この点に関し、知事の御所見を賜ります。

 総務省がまとめている人口推計の折れ線グラフと、年次経済財政報告書の折れ線グラフとを重ね合わせますと、人口の伸び率と名目GDPの伸び率が一致連動していることがわかります。このことから考えると、人口減が避けられない中で、富県宮城の実現、県内総生産十兆円への挑戦という知事が掲げてきた基本精神については、今後どのような位置づけをお考えでしょうか。

 重複するビジョンや計画、戦略に手足を縛られ、現実性を失っては意味がありません。今後も具体性を持った目標としての十兆円を維持していくのか、又はあくまでも意識づけとしてのものなのか、知事の率直な認識を伺います。

 今後人口が減少していく中にあって、地方の持続を可能にしていくための処方せんは何か。そう考えていたときにたまたま手にした「福井モデル 未来は地方から始まる」という藤吉雅春氏のルポは大変興味深い一冊でした。藤吉氏は、この中で、アメリカのデューク大学、キャシー・デビッドソン教授の言葉として、二〇一一年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの六五%は、大学卒業時に今は存在していない職業につくだろうという言葉に触れつつ、人口減少下で求められるのは、一人一人の生産性を高めること、それを可能にするのは学校教育しかないと指摘しています。そして、学力調査で常にトップクラスに位置し、幸福度調査でも一位になる福井県の学校教育にこそ、地方の未来を開く答えが詰まっていると大胆に結論づけています。確かに人口七十八万人余りの福井県が、合計特殊出生率、女性の労働力率、そして子供の学力でも常に全国の上位を占め、客観的幸福度でも一位であること、更には、世界第一位のシェアを持つ製品や技術は十四を数え、国内シェア一位は五十一もあることを考えると、教育がつくり上げた福井の人材群を、そして福井の地域力を認めないわけにはいきません。

 その上で、宮城県地方創生総合戦略をいま一度読み返してみると、教育と地方創生との連関をそこに見出すことはできませんでした。あるのは職業能力開発とか学校のICT化のようなもので、地方創生の戦略から学校教育は何か切り離されているように私には見受けられました。遠方目標として将来の土台づくりとも言うべき学校教育を戦略に組み込んでいくべきと考えます。

 そこで、まず、教育長に伺います。学校教育と地方の創生の関係についてどのような見解をお持ちでしょうか。そして、本県の地方創生に対しては教育はどうかかわろうとするのかを御認識を伺います。

 そして、知事には、少ない人口ながら付加価値を高め、高い幸福度を得ている福井県の取り組みをどう評価され、本県が見習うべき点は何かお伺いするとともに、学校教育と地方創生の関連についてどんな見解をお持ちなのか。二〇一四年の法改正で首長の権限が強化され、教育振興に関与する立場であることを踏まえ、お示しいただきたいと思います。

 国の人口は減少局面で、我が県も右に倣えでありますが、それに加えて、若者が地方から東京圏へ流出し、首都圏への一極集中度は諸外国と比べても圧倒的に高くなっている現状は深刻であります。このままでは地方の市場は縮小し、人手不足による産業の衰退は顕著になり、地域のさまざまな社会基盤を維持することが困難になってしまうことは明らかであります。

 こうした状況を踏まえ、政府は、昨年十一月に成立した、まち・ひと・しごと創生法に基づき、日本全体の人口減少の展望を示した長期ビジョンと地方創生のための今後五年間の総合戦略を閣議決定、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正するとの目標を明確にしました。国が本腰を入れてきたことを歓迎するものではありますが、問題は地方には戦略を推進するための人材が不足しているという点であります。この戦略は、自治体によって書かれ、自治体によって遂行されることがすべてであり、地域の見詰め直しに真剣に取り組むことが根本だと思います。合併し大きくなった市町村の将来人口推計だけでは見えてこない、旧市町村、集落、自治区、商店街、小中学校の学区等の人口推計を行うことにより危機感を共有し、地方創生を自分のこととしてとらえることこそが重要だと思います。しかしながら、多くの自治体が日常業務や復興事業に追われ、住民の意見を十分に反映し切れないということも事実でありましょう。よもやコンサルなど他人が総合戦略をつくっていることはないと思いますが、本県各自治体の策定への現状と、県としての自治体支援策についてお尋ねいたします。

 住民にとって住みよい地域づくりのためには、土地利用に関する地方の権限を高める必要があると思います。特に農地法や農振法、森林法などによって縛りをかけられた状態では、地域づくりに制限がかかり、土地利用とまちづくりを一体的に進めることが困難であります。戦略として小さな拠点都市を設け、そこに住み続けられるようにするのであれば、土地利用に関する各種法律の要件緩和や思い切った自治体への権限移譲が必要と考えますが、この点いかがでしょうか。

 この総合戦略の中で、仕事と生活の調和を図り、女性も男性も能力が発揮しやすい環境づくり、女性の活躍推進が盛り込まれております。一方で、平成二十七年度宮城県における男女共同参画の現状及び施策に関する年次報告を読むと、平成十五年三月の宮城県男女共同参画基本計画策定から十二年半が経過したが、その取り組みは県内全域に浸透しておらず、また、東北の他県や全国と比べても十分とは言えない状況であるとし、解決すべき課題が数多いことを指摘。目標の姿と現実との乖離が大きいことをうかがわせています。家庭や地域、職場における男女共同参画への一層の取り組みこそが、地域に活力をもたらす起爆剤であることは論をまちません。地方創生のための材料に使うという発想ではなく、これなくして、つまり男女共同参画の進展なくして地方の創生はないという観点から、二十八年度に第二次計画が終了した後策定されるであろう三次計画において、一歩も二歩も踏み込んだ具体的な取り組みが必要と思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 平成二十六年十二月に実施した県民意識調査では、地方創生の実現のために優先すべき事項は何かとの問いに対し、若い世代の経済的安定と回答する割合が三一・八%と最も多く、二位以下を大きく引き離す結果になりました。このことは、若い世代が地域で子供を生み育てながら生活するため、潜在的な欲求として、雇用の安定と収入の確保が望まれていることを示しています。一方で、二〇一五年版少子化社会対策白書によれば、二十代では一九九七年には年収三百万円台の割合が最も多かったのに、二〇一二年には三百万円台と二百万円台前半がほぼ同じ割合になっています。また、三十代でも九十七年に年収五百万円から六百九十九万円の割合が最も多かったのに対し、一二年には三百万円台が最も多くなっています。このように目減り傾向にある若者世代の所得をどうふやしていくのか。さきに触れた意識調査から見ても、地方創生にとって最重要の課題であると強く認識せねばなりません。

 ところで、現政権が行った政労使会議の設置は、定期昇給とベアにつながったと評価されています。実際、三月末に連合が発表した一五年春闘の結果では、組合員数三百人未満の労働組合のうち、賃上げ回答を受けたのが千二百十六に上り、前年同時期を大きく上回っています。また、四月の政労使会議では、大企業と下請企業の適正な取引を促すなどの支援策で合意をしています。下請中小企業の保護を強化することが、地域経済の好循環を波及させていく意味でも大変重要な取り組みだと思っております。

 そこで、景気回復を地方へ波及させるとともに、今申し上げた若い人の賃金を引き上げていくために、(仮称)地方版政労使会議の設置を提案いたします。これまで日本の経済を支え、活力を生み出してきたのは分厚い中間層だったわけですから、その構造を引き継いでいくためにも、若い世代の経済支援に全力で取り組む必要があります。村井知事のリーダーシップに期待するところでありますが、御見解を伺います。

 優秀な若者を地方に確保するための方策として、大学生などの奨学金返還を支援する取り組みが国主導で始まっています。鳥取県では、県内で成長分野の企業に就職する大学生に対し、奨学金の返還を一部助成する事業を今年度から始めていますが、計画では、大学、大学院、高等専門学校の新卒者と三十五歳未満の既卒者で、出身地は問わず、日本学生支援機構や県育英会の奨学金が対象となるようであります。本県での導入も検討してはいかがでしょうか、御見解をお尋ねいたします。

 県は、今年度から、増加する空き家を活用し、首都圏からの移住促進策を始めており、県内二地区でモデル事業も展開。年度中に五十人を目標に、仕事を見つけて県内に移住する人を募っております。ただ、サポートセンターを七月に開設したばかりとはいえ、この二カ月間での相談件数が決して多くない状況です。本格的に結果が出るのはこれからではありますが、広報の仕方やアクセスポイントの多様化など、不断の見直しも必要であります。事業の現状と課題についてお知らせください。

 ところで、四年半前の東日本大震災以降、国から巨額の補助金、公共事業が入り、本県はいわば復興バブルの様相を呈しました。それ以前には減少する一方の公共事業の影響から青息吐息の企業が延命されたという指摘もありました。しかし、その復興バブル状態も終わりが近づき、ちまたでは急激な需要の減少と雇用の低下、中小企業の資金繰りの悪化と経営の行き詰まりが心配されてきています。私は、地方創生の足元を脅かす極めて現実味のあるリスク要因だと思います。かつて兵庫県が阪神・淡路大震災の後、深刻な景気の落ち込みにあえいだことは記憶に新しいわけですが、本県としては、復興特需の反動をいかに抑えて地方創生への取り組みが腰折れしないようにかじをとるのか、対応策についてお考えを伺います。

 先日、金融庁は地方銀行や信用金庫等から融資を受けている企業を対象に、融資の中身や経営相談の実態を聞き取る大規模な全国調査に乗り出す方針を発表。事業の将来性よりも、担保や信用保証の有無を重視する金融機関と中小企業側との認識のずれを明らかにする機会になると期待されています。そして、地元に密着した中小企業を育て、経営改善をサポートするという、金融機関がその本来の役割を果たすよう、国、地方から強く働きかけるよいチャンスになるとも思います。中小企業の経営基盤強化が地域経済の地盤沈下を防ぐという観点からも、この機会に、県内金融機関に対し地方創生の大事なプレーヤーとして積極的な融資の姿勢を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 ところで、来年参院選から導入される十八歳選挙権と地方創生とは一見無関係に思えますが、地域の持続した成長にはいわゆるイノベーションが必要であり、決して国からの公共事業や補助金が生み出すものではないと思います。特定の階層に富や権限が集中するのではなく、幅広い階層が政治参加することが地域の発展には必要だと思います。その意味から、十八歳選挙権の導入をきっかけにして、若い人たちが積極的に政治に参画し、地方創生を常識にとらわれない柔軟な発想で牽引してもらえるように、社会全体で応援していくべきと所感を申し上げ、大綱二点目に移ります。

 大綱二点目は、今後の保健福祉施策についてでありますが、初めに、子供の貧困対策について伺います。

 国の調査では、十八歳未満の子供約六人に一人が平均的な世帯所得の半分に満たない家庭で暮らしており、三百万人に上るとも推計されています。貧困には連鎖がつきまとい、経済的な理由で学ぶ機会を断念した子供は、大人なっても安定した収入が得られず、親が生きてきたように貧困あえぐケースが多くなっています。子供は生まれてくる親や社会を選ぶことができません。そして、今の時代は自助努力や地域のつながりで何とかなる時代でもありません。生まれ育った環境で子供の未来が左右されることは、本来あってはならないことであります。子どもの貧困対策法が制定された二〇一三年、ある全国紙は、貧困という言葉を冠する初めての法律、その意義は大きい、あってはならない状態にある子供たちの存在を認め、国が政策課題に位置づけたからだと評価をしていました。このあってはならないという認識に立って、早急に打てる手を打つべきときに来ていると考えます。

 まず、知事には、子供の貧困に対する現状の認識を改めて伺うとともに、対策への決意をお披瀝願います。

 県は、今年度中に子供の貧困計画を策定することとしておりますが、県内の実態調査を行わなければ、的確な対策や計画を講じることはできません。早い段階で実態調査を県と各自治体や関係機関が連携して行うべきであります。特に本県は、震災によって沿岸市町を中心に、親を亡くした子供や仕事を失った親と生活する子供がふえている現状にありますので、机上のデータではない実態調査が急務です。この点いかがでしょうか。

 また、計画には子供の貧困率削減など数値目標を盛り込み、より具体性のある計画にすべきと考えますが、あわせて御所見を伺います。

 東京都足立区では専門の部署を設けて、出産前から就労までのライフステージごとに対策を打ち出しています。子供の貧困を解決していくためには、税制を初めさまざまな支援策が必要ですから、福祉や教育、保健など、多くの分野で横断的に施策を推進できる自治体の役割が大きいと言えます。

 そこで、私は、県庁内に部局をまたいだ子供の貧困対策チームを設置して、実効性のある施策推進の組織をつくるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 最近になって、厚生労働省は、地方自治体が独自に実施している乳幼児医療費助成に関しあり方を見直し、自治体が独自助成した際の国のペナルティーを緩め、自治体が助成を拡大しやすくする方向で、来年度の診療報酬改定に反映させる考えを示しました。子供の貧困対策元年である今、朗報として評価をすべきでありましょう。そうなると、あとは県が汗をかく番であります。昨年十一月の議会で一般質問でも申し上げましたが、このタイミングで、県として対象年齢の引き上げを行う考えはないか、知事の前向きな御答弁を求め、いま一度お尋ねいたします。

 次に、障害者の就労に関して伺います。

 昨年、宮城県労働局がまとめた県内企業の障害者雇用率は一・七四%と、都道府県ランキングで全国最下位という不名誉な結果でした。また、法定雇用率を満たした企業も四五・七%で、全国四十一位という厳しい状況でした。最近になって、障害者就労継続支援A型の事業所がやむなく閉鎖に追い込まれる事例も散見され、障害者の雇用環境が一層厳しさを増すのではという懸念も聞こえています。障害者の雇用が適切に行われるため、県としての現時点の取り組み状況と昨年以降改善された成果について、お答えいただきたいと思います。

 障害者雇用について、私は、一昨年九月議会において、中間的就労の促進に関し質問いたしました。中間的就労とは、一般就労と障害者を対象とする福祉的就労との間に位置する就労形態であります。もちろん障害者だけがその対象ではなく、経済的な困窮者や社会的に孤立している人など、近年ふえている生活困窮者に対する支援つきの就労の場でありますが、障害が理由で生活困窮に陥っているケースは多く、中間的就労の機会を拡大することがそのまま障害者雇用の拡充につながっていくことになると思います。生活困窮者自立支援法の制定以前から、既に中間的就労と呼び得る取り組みは多く存在していましたが、増加する生活困窮者に比べ圧倒的に不足している状態であります。そして、中間的就労は民間事業者の自主事業に位置づけられているため、理念が先行し、中身がついていかない状態だと思っています。そこで、何らかのインセンティブをつけ、民間事業者が中間的就労に積極的になれるよう、県として政策誘導する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 さきに触れた子供の貧困家庭の中でも、ひとり親家庭のケースがふえています。私は、ある専門家から、困窮するひとり親家庭の特徴として、障害が理由で自身でライフプランを設計することが困難になり、時間が経過することで職業準備性が低下していく事例が多いということを教えていただきました。こうしたひとり親家庭のケースには、医療、生活、就労支援、技術習得、社会参加、心理的ケア等を計画的に行っていくチームとして支えるアプローチが必要であります。

 ひとり親家庭の総合支援について、県における体制整備と仕組みづくりについてお伺いし、取り組みを強く求めて、壇上からの質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 庄子賢一議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。

 まず、大綱一点目、宮城県地方創生総合戦略についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、県民が幸福を実感し、希望を持って人生設計できる社会にすることが、次の時代の新たな常識として求められているのだと思うがどうかとのお尋ねにお答えをいたします。

 我が県の地方創生総合戦略の策定に当たっては、総合計画審議会の御意見もいただきながら進めてまいりましたが、その議論の過程で、副題を付すことについての提案があり、最終的に、「復興を 未来につなぐ 道標 宮城のネクスト・ステージを拓き 日本のネクスト・スタンダードを創る」といたしました。これは、人口減少時代の新しいスタンダードを宮城からつくり発信していくというメッセージを込めたものであります。県といたしましては、課題の大きい東北、宮城において人口減少時代であることを踏まえた戦略や政策を提案し、実践していけるよう取り組んでまいります。

 次に、将来ビジョンにおける十兆円の目標についての御質問にお答えをいたします。

 我が県は、宮城の将来ビジョンを策定した当時から既に人口減少の局面にあったところであり、そのような中において、私は、富県宮城の実現、県内総生産十兆円への挑戦という政策推進の基本方向を定めたところであります。その後、東日本大震災が発生しましたが、宮城県震災復興計画においても創造的復興を掲げながら、将来ビジョンの実現を目指すこととしております。このように十兆円の目標については現在も維持しているところであり、今後、地方創生の取り組みもあわせて進めるなど、その達成に向け、全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 次に、学校教育と地方創生の関連についての御質問にお答えいたします。

 地方創生を実現するためには、その担い手となる人づくりが極めて重要であります。自分たちの住んでいる地域に誇りと愛情を持って地域づくりに取り組み、それを次の世代に伝えていく、そのような循環をつくっていくことが、地方創生のかぎになるものと認識をしております。

 現在、我が県においては、学校教育の柱として志教育を推進しており、この取り組みを通じて、子供たちが我が県に生まれてよかった、育ってよかった、住んでよかったと実感できるようにしていくことが大切であると考えております。この志教育については、今年度開催した宮城県総合教育会議の場においても、教育委員と私との間で、地方創生という観点からも着実に取り組むべきとの認識で一致しており、今後とも引き続き推進してまいります。

 次に、復興特需の反動への対応策についての御質問にお答えをいたします。

 阪神・淡路大震災の例を踏まえれば、我が県においても、今後、復興需要が急速に縮小し、県経済全般に大きな影響を及ぼす可能性があるものと懸念をしております。復興特需の反動を乗り越え、地域産業を再生し、地方創生をなし遂げていくため、被災事業者への支援や販路回復、雇用のミスマッチの解消等に引き続き取り組むとともに、仙台空港の民営化、インバウンドを中心とした観光振興、企業誘致の更なる推進など、地域経済の活性化や創造的復興の取り組みを着実に推進してまいります。

 次に、大綱二点目、保健福祉施策の課題についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、子供の貧困に対する現状認識と対策への決意についてのお尋ねにお答えをいたします。

 我が国の子供たちは、経済的要因などから、およそ六人に一人が生活の困窮という厳しい環境に置かれています。貧困状態にある子供は、自己肯定感や将来への希望が持てず、また学習の機会が失われることなどから、大人になってからの就労や所得水準に影響が生じ、新たな貧困世帯を生み出す、いわゆる貧困の連鎖を招くと言われております。この貧困の連鎖は、本人たちが厳しい状況に置かれるのみならず、生活保護費の増加や納税者の減少にもつながるなど、大きな社会的損失をもたらす喫緊の課題であると認識しております。子供の貧困対策については政府も重要課題として取り組んでおり、先月には、ひとり親世帯や多子世帯への支援を充実させる政策パッケージ案を公表し、財源を含め詳細な検討を進めることにしております。県といたしましても、貧困の連鎖を断ち切り、すべての子供が健やかに成長できる地域社会の実現のため、今年度、子供の貧困対策に関する計画を策定し、計画に基づいた施策をしっかりと実施してまいります。

 次に、乳幼児医療費助成の対象年齢の引き上げについての御質問にお答えをいたします。

 乳幼児医療費助成制度については、本来、社会保障制度の一環として国が責任を持って対応すべきであるものと考えており、我が県として、また全国知事会においても、国に対して新たな子供の医療費助成制度を創設するとともに、子供の医療費に係る国民健康保険の国庫負担金の減額制度を廃止するよう強く要望しているところであります。こうした状況を踏まえ、厚生労働省は、九月二日、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会を立ち上げ、子供の医療費の自己負担や国民健康保険の国庫負担のあり方などを検討の上、来年夏ごろを目途に結果を取りまとめることとしております。県としては、こうした国の検討状況を注視してまいりますが、年々増加する社会保障経費への対応が迫られている現状では、対象年齢の引き上げは、現時点においては大変厳しいものと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。

    〔震災復興・企画部長 大塚大輔君登壇〕



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 大綱一点目、宮城県地方創生総合戦略についての御質問のうち、福井県の取り組みの評価についてのお尋ねにお答えいたします。

 福井県の地方創生総合戦略の分析では、三世代同居や近居の割合、女性や高齢者の就業割合、更には、世帯収入や貯蓄率が高いことなどが幸福度の高さを支えており、今後ともその維持、発展を目指すこととされております。

 我が県の地方創生総合戦略においても、女性や意欲ある高齢者が活躍できる地域づくり、三世代同居や近居等が仕事と家庭を両立させる有力な選択肢であることについて記載しているところであり、今後、福井県を初めとした他県の先進事例も参考にしながら、より実効性の高い取り組みを市町村等と連携して進めてまいります。

 次に、市町村における総合戦略策定への取り組み状況と県の支援策についてのお尋ねにお答えいたします。

 市町村の総合戦略については、国及び県の総合戦略を勘案しながら、地域の特色や地域資源を生かした住民に身近な施策を盛り込み、実施することが期待されております。これまで市町村では、住民との意見交換会やアンケート調査の実施、地域課題の詳細分析など、現状やニーズの把握を進めるとともに、産業界、教育機関、金融機関、労働団体など広く関係者の意見を反映するための連携組織を設置し、策定に向けた作業を進めておられます。現在のところ、八市町が十月末までの策定を予定しているほか、年度内にはすべての市町村が策定の見込みとなっており、県といたしましては、市町村地方創生連絡会議を通じて、国や県の支援策等を情報提供するほか、各地方振興事務所に設置したサポートチームによる相談対応や調整を行うなど、引き続き、戦略策定を支援してまいります。

 次に、土地利用に関する地方への権限移譲等についての御質問にお答えいたします。

 地方の自主性、自立性を高め、みずからの判断と責任において行政を運営できる分権型社会への転換を実現していくためには、土地利用に関する権限も含め、より現場に近い地方自治体に権限移譲を進めていくことが必要と考えております。これまで、国では、地方分権推進法等に基づき、土地利用に関しての権限の地方への移譲や国への協議の義務づけの見直し等を進めてきているほか、小さな拠点の形成を促進するため、地域再生法を改正し、農地転用許可や開発許可についても特例措置を講じております。県といたしましては、これらの制度を有効に活用していくとともに、国に対して権限移譲や規制緩和に関して提案し、その更なる実現を図るなど、市町村とともに、住民にとって住みよい地域づくりの実現を目指してまいります。

 次に、移住サポートセンターの事業の現状と課題についての御質問にお答えいたします。

 移住・定住推進事業については、七月二十一日に仙台と東京にみやぎ移住サポートセンターを設置しておりますが、八月末までの移住相談件数は延べ六十二件となっております。今後、企業訪問による求人情報の掘り起こしや、首都圏の学校訪問による学生向けの広報活動、首都圏での移住推進イベントなどにより、相談実績の向上につなげていきたいと考えております。また、この事業の推進に当たっては、地域における受け入れ体制の整備が課題となりますので、市町村と連携したモデル事業等を実施するほか、八月末に設置した官民連携組織、みやぎ移住・定住推進県民会議のメンバーの御意見も参考にしながら、より効果的な事業展開に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 環境生活部長佐野好昭君。

    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕



◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱一点目、宮城県地方創生総合戦略についての御質問のうち、男女共同参画の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。

 男女共同参画の推進、とりわけ女性の活躍推進は、地域経済の活性化やさまざまな地域課題の解決に大きな力となるものであり、地方創生を推進する観点からも、女性が持てる力を存分に発揮できる環境の整備が重要であると認識しております。県といたしましては、これまで男女共同参画推進のための各種事業を実施してまいりましたが、それに加えて、ことし六月には、経済団体、関係団体等と連携し、女性が活躍しやすい環境整備を進めるため、みやぎの女性活躍促進連携会議を設立したほか、今年度新たに、男性にとっての男女共同参画推進事業や、県内企業を対象とした女性活躍の状況と阻害要因についての実態調査を実施することとしております。平成二十九年度を初年度とする宮城県男女共同参画基本計画(第三次)については、現計画の施策の検証や実態調査の結果等を踏まえるとともに、先月成立したいわゆる女性活躍推進法や、国が策定中の第四次男女共同参画基本計画も勘案しながら策定し、我が県の男女共同参画がより一層進展する取り組みについて検討してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 保健福祉部長伊東昭代君。

    〔保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕



◎保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱二点目、保健福祉施策の課題についての御質問のうち、子供の貧困の実態調査と貧困率削減などの数値目標を立て、より具体性のある計画にすべきとのお尋ねにお答えいたします。

 子供の貧困に関する実態把握に当たっては、東京都足立区のように独自に実態調査を行う自治体も一部見られますが、調査内容には親の年収や学歴など高度な個人情報が含まれていることから、回答への抵抗感やプライバシーの保護についての懸念といった問題が挙げられています。このことから、県としては、ひとり親世帯等実態調査など、これまで実施した各種調査結果を活用するとともに、現在、市町村、児童養護施設、学習支援を行っているNPO団体等の関係者から意見を聴取しながら実態の把握に努めております。

 貧困率については、都道府県ごとの数値が示されていないことから、目標としての設定は困難でありますが、計画の進捗管理を行うための適切な指標の選定を進め、具体的で実効性のある計画を策定してまいります。

 次に、部局をまたいだ子供の貧困対策チームなどの施策推進組織の設置についての御質問にお答えいたします。

 子供の貧困対策については、国が策定した子どもの貧困対策に関する大綱に示されているとおり、教育への支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援など、多様な支援やかかわりが必要とされております。子供の貧困対策については、知事を本部長とする次世代育成支援・少子化対策推進本部のもとで部局横断的に推進していくこととしており、七月には庁内関係課をメンバーとする部会を開催し、子供の貧困対策についての情報を共有するとともに、計画の構成や内容等について協議を開始しているところです。

 次に、中間的就労への県としての政策誘導についての御質問にお答えいたします。

 ことし四月から施行された生活困窮者自立支援制度では、就労訓練事業として、継続した就業が困難な方へ就労の機会を提供するとともに、就労に必要な知識や能力の向上のための訓練を実施することになっております。就労訓練の場を提供する事業者については、都道府県が事業を認定することにより、事業に係る固定資産税や不動産取得税などの税制上の優遇措置を受けられるほか、自治体の随意契約の対象となることが可能となっております。生活困窮者の就労機会の確保を促進することが障害者の雇用拡大にもつながることから、県といたしましては、引き続き、個別に事業者を訪問するなどして制度の理解と周知を図り、就労訓練事業者の拡大に向け積極的に取り組んでまいります。

 次に、ひとり親家庭を支える体制整備と仕組みづくりについての御質問にお答えいたします。

 現在、県では、昨年度策定した第?期新宮城県ひとり親家庭自立促進計画に基づき、ひとり親家庭の生活の安定と自立に向けて、各保健福祉事務所に配置するひとり親家庭支援員が窓口となり、関係機関と連携を図りながら、就業支援や経済的支援などを行っております。ひとり親家庭は、経済的な問題を初めさまざまな課題を抱えていることから、保健福祉事務所内の関係部署が一層連携を密にして対応するとともに、生活困窮者の自立相談支援センターやハローワーク等、関係機関との連携体制を強化し、ひとり親家庭に対する総合的な支援の実施に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、宮城県地方創生総合戦略についての御質問のうち、地方版政労使会議についてのお尋ねにお答えいたします。

 国の経済の好循環実現に向けた政労使会議は、経済の好循環の実現に向け、賃金体系のあり方や労働生産性の向上、労働移動の円滑化などについて、政労使の三者が包括的な課題解決のため共通認識を醸成するとともに、今後の取り組みの方向性について、大所高所から議論する場であると理解しております。県といたしましては、地方における景気回復や経済の活性化などの課題解決に当たり、富県宮城推進会議など、さまざまな機会をとらえて、経済団体や労働団体、国の地方機関などと議論の場を設けているところであり、若い世代の所得の引き上げなどの課題についても、このような場を活用して共通認識の醸成や具体的な取り組みにつなげていきたいと考えております。御提案の趣旨も踏まえ、今後とも地方創生の一層の推進に向け、雇用の安定と地域定住の推進に関する協定を結ぶなど、関係機関と緊密な連携を図りながら、景気回復や若い世代の雇用の安定と所得の向上に努めてまいります。

 次に、奨学金返還を支援する取り組みについての御質問にお答えいたします。

 国の総合戦略において、奨学金を活用した大学生等の地元定着が掲げられたことを受け、奨学金返済のために自治体と地元産業界が出捐する基金の枠組みが示されており、これを導入することは、学生の地元定着には一定の効果があると認識しております。このため、関係団体と意見交換をしながら検討を進めてまいりましたが、この基金については、出捐企業に必ずしも就職するわけではないといった課題があり、直ちに基金を造成できる状況には至っておりません。このようなことから、優秀な若者を県内企業が確保できるよう、まずは在学中からインターンシップなどを通じて地元産業に対する理解を深め、また、就職に当たっては、県内企業の発信力向上、認知度の向上により、しっかりと学生とのマッチングを支援していくとともに、他県に進学や就職された方であっても、いつでもUIJターンできる環境づくりを積極的に推進するなど、総合的に取り組んでまいります。

 次に、県内金融機関へ積極的な融資の姿勢を求めるべきとの御質問にお答えいたします。

 東日本大震災以降、県内の金融機関は、中小企業者の復旧・復興のため、新規融資や貸付条件の変更などにも前向きに取り組んでいただいているものと認識しております。一方、地方創生の実現を図るためには、雇用の安定につながる地域産業の競争力の強化と、創業支援や地域を担う中核産業の発展が不可欠であり、そのためには、地域の中小企業者に対する金融支援の充実強化及びより一層の伴走型の支援が必要なものと考えております。県といたしましては、地方創生の実現に向けて、中小企業者に対する資金供給の円滑化を図るため、県制度融資の充実に努めるとともに、金融機関に対しては、融資や経営相談を含め経営計画の策定支援など、これまで以上に中小企業者に寄り添った支援を行うよう要請してまいります。また、中小企業・小規模企業の振興に関する条例では、金融機関の役割や産学官金の連携などによる新技術、新商品の開発などの促進が規定されておりますことから、今後、金融機関と一層の連携を図りながら、中小企業の振興に取り組んでまいります。

 次に、大綱二点目、今後の保健福祉施策についての御質問のうち、障害者雇用についてのお尋ねにお答えいたします。

 昨年国が実施した調査において、県内民間企業の障害者雇用率が全国最下位となったことは大変残念であると認識しております。これまで、県では、宮城労働局など関係機関と連携し、障害者を対象とした合同就職面接会の開催や経済団体への雇用要請を行い、障害者雇用の推進に努めてまいりました。昨年度からは、障害者雇用アシスト事業を実施し、五百八十件を超える企業訪問及び助言を行ったほか、セミナーによる普及啓発などに取り組み、これらの成果として、面接会では九十人、アシスト事業では二百十三人が就職に結びついたところであります。更に、今年度は、比較的規模の大きい事業所など障害者雇用につながりやすい企業を中心に県職員みずからが訪問して、障害者雇用の働きかけを行っております。ことしの国の調査結果は十一月に公表される見込みとなっておりますが、引き続き、障害者雇用が一層推進されるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 教育長高橋仁君。

    〔教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育長(高橋仁君) 大綱一点目、宮城県地方創生総合戦略についての御質問のうち、学校教育と地方創生の関係及び我が県の地方創生に対する教育のかかわりについてのお尋ねにお答えいたします。

 地方創生が目指す魅力あふれる地方をつくっていくのは、そこで生まれ、育ち、その土地に愛着を持ち、魅力を知っている人であります。地方創生の実現のためには、そのような人づくりが重要であり、学校教育が果たすべき大きな役割があるものと認識しております。我が県では、宮城県地方創生総合戦略の基本姿勢において、未来を担う子供たちを育てていく視点を重視することとしており、これからの宮城そして東北地方の未来を担っていく子供たちを、学校教育において地域とともにしっかりと育てていくことが重要であると考えております。そのため、地域社会や企業と連携しながら、子供たちが社会において将来果たすべき役割を主体的に考え、よりよい生き方を目指す志教育を推進していくことによって、自分が生まれ育った地域への愛着心をはぐくみ、震災からの復興を初め、これからの宮城を担う人材を育成してまいります。

 以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 二十七番庄子賢一君。



◆二十七番(庄子賢一君) 御答弁ありがとうございました。

 一つは、政労使会議の設置については、部長から前向きなのか後ろ向きなのか、よくわからない御答弁だったんですけれども、〇九年に神奈川県で既に政労使会議を設置して、これはリーマン・ショックの後やって、そして数千名の雇用を生み出すという、もうかなり先行の実例もございます。政労使会議という会議体ではないけれどもいろいろと連携しながらやってきたというお話だったんですが、だけれども、宮城県の最低賃金のこの今の状況などを考えてみると、やはり今までやってきたことの焼き直しでは、これはよくはなっていかないというふうに私は思っておりまして、いま一度この政労使会議、これは国会で安倍首相が前向きに地方版政労使会議は設置するという答弁をこの間してますからね、よく国と連携をとってやっていただきたいと思いますが、いま一度これは御答弁をいただいておきたいと思います。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) この地方版政労使会議につきましては、我々もその重要性については十分認識をしております。政府も非常にやる気があるということでございまして、我々も先ほど部長が答弁いたしましたとおり、富県宮城推進会議などさまざまな機会をとらえまして、経済団体、労働団体、国の地方機関などと協議の場を設けていきたいというふうに考えてございます。若い世代の所得の引き上げ、こういったことが非常に大きな課題になってくるというふうに思いますので、しっかりと県も前向きに頑張っていきたいというふうに思います。



○議長(安藤俊威君) 二十七番庄子賢一君。



◆二十七番(庄子賢一君) ぜひお願いをしたいと思います。

 それからもう一点だけ。子供の貧困対策で、部長からは余り、具体な調査というのは高度な個人情報があって難しいという趣旨の答弁だったと思いますが、これは例に出した足立区では既に実態調査も行っているようです。小学校一年生の全家庭を対象にして、親、保護者の所得、勤務形態、それから子供の虫歯の有無、起床・就寝時間、朝食の習慣など、無記名で回答を得るという調査も行っているようであります。高度な個人情報であるところを上手に乗り越えて正確な実態を把握するということについて、これはもっと知恵を働かせてやっていかないと、的確な計画は成り立っていかないと思います。もう一度これも伺っておきたいと思います。



○議長(安藤俊威君) 保健福祉部長伊東昭代君。



◎保健福祉部長(伊東昭代君) 子供の貧困についての実態をしっかり把握していくということは、大変重要なことだというふうに思います。いわゆるアンケートのような調査については、先ほどのお答えしましたように、やはりプライバシーのこともあって、なかなか効果的に調査ができるかという懸念もございます。実は、都道府県の民生主管の部長会議ということでいろいろと意見交換もした中では、先行して計画をつくっている都道府県の状況などもお聞きしましたけれども、やはり、なかなかその調査というのは難しいということで、できる限り、本当に実際にかかわっている方々、いろんな意見をよく聞きながら実態把握に努めていくと。国の方も実態調査をどういうふうにしていくのかということについては更に研究をしていくということを示しておりますので、そちらも見ながら、実効のある今の実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。



○議長(安藤俊威君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。

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△散会



○議長(安藤俊威君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 明日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後四時二十分散会