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平成27年  6月 定例会(第352回) 06月24日−04号




平成27年  6月 定例会(第352回) − 06月24日−04号













平成27年  6月 定例会(第352回)



       第三百五十二回宮城県議会(定例会)会議録

                              (第四号)

平成二十七年六月二十四日(水曜日)

  午前十時開議

  午後二時五十四分散会

      議長                     安藤俊威君

      副議長                    渥美 巖君

出席議員(五十九名)

        第一番                  太田稔郎君

        第二番                  天下みゆき君

        第三番                  三浦一敏君

        第四番                  境 恒春君

        第五番                  堀内周光君

        第六番                  石川利一君

        第七番                  長谷川 敦君

        第八番                  佐々木幸士君

        第九番                  村上智行君

        第十番                  すどう 哲君

       第十一番                  遠藤いく子君

       第十二番                  吉川寛康君

       第十三番                  伊藤和博君

       第十四番                  渡辺忠悦君

       第十五番                  細川雄一君

       第十六番                  高橋伸二君

       第十七番                  菊地恵一君

       第十八番                  寺澤正志君

       第十九番                  只野九十九君

       第二十番                  石川光次郎君

      第二十一番                  外崎浩子君

      第二十二番                  岸田清実君

      第二十三番                  佐藤詔雄君

      第二十四番                  菅原 実君

      第二十五番                  坂下 賢君

      第二十六番                  菅間 進君

      第二十七番                  庄子賢一君

      第二十八番                  川嶋保美君

      第二十九番                  佐藤光樹君

       第三十番                  中島源陽君

      第三十一番                  本木忠一君

      第三十二番                  中山耕一君

      第三十三番                  長谷川洋一君

      第三十四番                  池田憲彦君

      第三十五番                  佐々木征治君

      第三十六番                  安部 孝君

      第三十七番                  皆川章太郎君

      第三十八番                  小野 隆君

      第三十九番                  岩渕義教君

       第四十番                  本多祐一朗君

      第四十一番                  ゆさみゆき君

      第四十二番                  藤原のりすけ君

      第四十三番                  内海 太君

      第四十四番                  坂下やすこ君

      第四十五番                  横田有史君

      第四十六番                  小野寺初正君

      第四十七番                  石橋信勝君

      第四十八番                  齋藤正美君

      第四十九番                  安藤俊威君

       第五十番                  中村 功君

      第五十一番                  渥美 巖君

      第五十二番                  畠山和純君

      第五十三番                  千葉 達君

      第五十四番                  仁田和廣君

      第五十五番                  藤倉知格君

      第五十六番                  相沢光哉君

      第五十七番                  中沢幸男君

      第五十八番                  渡辺和喜君

      第五十九番                  今野隆吉君

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説明のため出席した者

      知事                     村井嘉浩君

      副知事                    三浦秀一君

      副知事                    若生正博君

      公営企業管理者                犬飼 章君

      総務部長                   山田義輝君

      震災復興・企画部長              大塚大輔君

      環境生活部長                 佐野好昭君

      保健福祉部長                 伊東昭代君

      経済商工観光部長               吉田祐幸君

      農林水産部長                 後藤康宏君

      土木部長                   遠藤信哉君

      会計管理者兼出納局長             宮原賢一君

      総務部参事兼秘書課長             平間英博君

      総務部財政課長                齋藤元彦君

    教育委員会

      委員長                    庄子晃子君

      教育長                    高橋 仁君

      教育次長                   西村晃一君

    選挙管理委員会

      委員長                    菊地光輝君

      事務局長                   冨田政則君

    人事委員会

      委員長                    小川竹男君

      事務局長                   谷関邦康君

    公安委員会

      委員長                    猪俣好正君

      警察本部長                  横内 泉君

      総務部長                   岡崎良則君

    労働委員会

      事務局長                   武藤伸子君

    監査委員

      委員                     成田由加里君

      事務局長                   大内 仁君

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    議会事務局

      局長                     西條 力君

      次長兼総務課長                半沢 章君

      参事兼議事課長                菅原幹寛君

      政務調査課長                 泉 洋一君

      副参事兼総務課長補佐             菅原 正君

      副参事兼議事課長補佐             川村 満君

      政務調査課副参事兼課長補佐          高橋秀明君

      議事課長補佐(班長)             布田惠子君

      議事課長補佐                 菅原 厚君

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    議事日程 第四号

              平成二十七年六月二十四日(水)午前十時開議

第一 会議録署名議員の指名

第二 議第百六十六号議案ないし議第百八十一号議案、議第百八十三号議案ないし議第百八十五号議案、議第百八十七号議案、議第百九十号議案、議第百九十一号議案、議第二百四号議案ないし議第二百八号議案及び報告第百十六号ないし報告第百九十五号

第三 一般質問

   〔坂下賢君、石川利一君、本木忠一君、岸田清実君〕

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    会議に付した事件

一 日程第一 会議録署名議員の指名

二 日程第二 議第百六十六号議案ないし議第百八十一号議案、議第百八十三号議案ないし議第百八十五号議案、議第百八十七号議案、議第百九十号議案、議第百九十一号議案、議第二百四号議案ないし議第二百八号議案及び報告第百十六号ないし報告第百九十五号

三 日程第三 一般質問

   〔坂下賢君、石川利一君、本木忠一君、岸田清実君〕

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△開議(午前十時)



○議長(安藤俊威君) これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。

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△会議録署名議員の指名



○議長(安藤俊威君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、五十六番相沢光哉君、五十七番中沢幸男君を指名いたします。

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△議第百六十六号議案ないし議第百八十一号議案



△議第百八十三号議案ないし議第百八十五号議案



△議第百八十七号議案・議第百九十号議案・議第百九十一号議案



△議第二百四号議案ないし議第二百八号議案



△報告第百十六号ないし報告第百九十五号・一般質問



○議長(安藤俊威君) 日程第二、議第百六十六号議案ないし議第百八十一号議案、議第百八十三号議案ないし議第百八十五号議案、議第百八十七号議案、議第百九十号議案、議第百九十一号議案、議第二百四号議案ないし議第二百八号議案及び報告第百十六号ないし報告第百九十五号を議題とし、これらについての質疑と日程第三、一般質問とをあわせて行います。

 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。二十五番坂下賢君。

    〔二十五番 坂下 賢君登壇〕



◆二十五番(坂下賢君) おはようございます。通告に従いまして、順次質問してまいります。

 まず、知事の政治姿勢について伺います。

 先般、開通したJR仙石−東北ラインに私も早速乗車をさせていただきました。JR仙石線乗車は、震災前に乗って以来およそ四年半ぶりの乗車でありましたが、車窓から見る景色は、なれ親しんだ風景とは違っており、野蒜駅や東名駅では住宅団地造成が進められており、これから新しい家が次々と建ち並べられていくんだろうなと、感慨深い熱いものが込み上げてまいりました。最大の被災地である我が県にとって、復興の加速を更に推し進めていくために、生活再建を初め、インフラの整備や住民福祉、医療の向上などまだまだ課題が山積している中で、特に石巻地区の被災者からすれば、仙石線や石巻線の全線開通は大きな希望を抱かせており、これから更に復興に弾みをつけていこうと被災地、被災者が一丸となっているところでありましたが、そこに大きく水を差す結果となってしまったのが、このたびの集中復興期間の延長要請の却下と復興予算の全額国負担だったのを地元に一部負担を求めるとした政府の方針決定であります。復興庁において、これまでの集中復興期間での総括が出されておりますが、復興関連予算の使途の厳格化で、全国向け事業の中で被災地の復興との関連が薄い事業に充てられてきたとする指摘を踏まえ、政府として随時見直しをしたとあり、執行を見合わせ、使途の厳格化を行ったと記載されておりますが、まさにこうした事態が一部負担を呼び起こしたともとれますし、復興関連予算の執行率が二十五年度で六四・七%にとどまる点など指摘をされておりますが、こうした被災地だけでない全国向け事業を含んださまざまな影響が被災地に及んでいるように読み取れます。そしてまた、被災地向けの予算でも緊急性や必要性、国の支援のあり方を精査すべきものがあるとされておりますが、我が県でこうした指摘を受け、取りやめた事業は存在するのでしょうか。知事は、復興庁の集中復興期間の総括についてどのような評価をしているのでしょうか。

 ことし三月の竹下復興大臣の復興予算の地方負担を示唆する発言に始まり、麻生財務大臣や菅官房長官等による相次ぐ閣僚による地方負担を求める発言により、今日、我が県において、県の試算によれば、県、市町合わせて約八十億円もの負担が生じる方向が示されるに至っております。国の言い分としては、被災地にも復興を進めるに当たって、一定の自覚と責任を持ってもらうためなどとしているようですが、このことは、国、特に中央においては大震災の記憶も薄れ、風化が進んでいる現状を物語っているやにも感じ取れますが、知事はどんな所感をお持ちでしょうか。

 当初の竹下復興大臣の発言を受けて、知事は、先般の予算委員会での私の質問に対して、二月議会が終わったら早い段階で復興大臣に会ってじかに話をしたい。岩手県知事や福島県知事と三県合同で、この件に特化した要望活動を行いたい。また、県内市町村、被災市町のトップと一緒に要望すると答えております。

 そこで、まず伺いますが、三県知事でどのような話を国に対して行い、要望活動を行ってきたのでしょうか。

 五月二十六日に行われた復興推進委員会において、復興費の全額負担継続を求めるとしていたようですが、その様子を伝える報道によりますと、岩手県達増知事は、全額国負担が被災地の自立につながると強調と報じられ、福島県内堀知事は、東京電力福島第一原発事故に伴う事業が全額国費なのは評価するとした上で、地元負担の範囲が不明確と指摘したと報じられております。

 一方で、村井知事はといいますと、現実的な対応が重要で、いい条件を引き出せるよう汗をかきたいと負担率の交渉に本腰を入れる考えを示したと報じられておりました。三者には明らかにニュアンスやスタンスの違いが感じ取れましたし、私はどこか違和感を感じずにはいられませんでした。そもそも、四月十三日の会見の段階で、既に矛をおさめるべきところはある程度おさめなければならないとし、地元負担やむなしの姿勢を示したとし、地元紙の大見出しで、宮城県知事大人の対応と報じられておりました。知事はどの時点で地元負担やむなしと思ったのでしょうか。前政権時代、復興庁は査定庁と大見えを切って怒りをあらわにした、あの頼もしい我らが村井知事と本当に同一人物なのかと疑いたくなるような気もいたしますが、政権交代をしてから、知事は急に物わかりがよくなったのでしょうか。それとも、新聞に書かれているように大人になったのでしょうか。知事が早い時点で大人の対応を決断された理由についてお聞かせください。

 また、東北市長会会長である奥山恵美子仙台市長は、竹下復興大臣の地元負担を求める際に発した自分たちの町を自分たちで復興するんだという強い思いを改めて求めたいという発言に対して、自治体には自立を目指してきた自負がある、あたかも復興を人任せにしてきたかのように受け取られかねない発言で、極めて残念と発言しております。また、佐藤仁南三陸町長は、被災自治体はそれぞれ事情が異なる。市街地が壊滅した自治体の復興がおくれるのは当然。すべての自治体に同じ五年間での集中復興を求めていいのか。財政力も大都市とは違い、被災自治体に一律の制度を求めるのは乱暴だと語っております。

 こうした被災地の首長の発言は大半の首長の共通した思いであり、知事は宮城県知事として、県内被災首長のコンセンサスをどのように図っていくのでしょうか。

 県が試算した負担額によれば、宮城県で約五十二億円、沿岸十五市町で約十九億円、県全体で約八十億弱という金額がはじき出されました。市町村ごとの試算によれば、気仙沼市で二・五億、石巻市五・四億、仙台市三・六億などの負担額が示されております。当初から心配されていた、被災規模が大きく、復興におくれが生じているところと、比較的復興が進んでいるところ、財政力の強いところなど、条件によって著しく不公平感が生じるという危惧について、知事は、解消されたとお思いでしょうか。今後、六月中に復興庁で地元と意見交換しながら、今後の復興予算の枠組みや財源を決めていくとしておりますが、県として、今後国とどのように協議していくのでしょうか。

 復興庁は再三、不公平感がなるべく生じないように努力すると議会との意見交換の席でも発言しておりますが、知事は、この不公平感を最大限払拭していく努力を粘り強く交渉していかなくてはなりませんが、その決意についてお聞かせください。

 特に社総交の復興枠分や、農山漁村地域整備交付金等で整備される防潮堤整備については、全額国負担となる見込みですが、道路整備の分が重くのしかかっており、こうした分についても強く全額国負担を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 また、効果促進事業の基幹事業へのつけかえや緊急雇用対策を別な見回り隊のような役割につけかえる方法など、復興庁も示唆しておりましたが、いろいろ知恵を絞っていくことが求められておりますが、今後の国との最終的な協議についてどう進めていかれたのか、お示しください。

 このままの試算どおりの負担が生じることとなった場合、県はこの追加負担をどこから引っ張ってくるのでしょうか。六月四日の新聞報道によれば、宮城県負担分が、県、市町合わせて約八十五億円と試算されたことについて、知事は非常に低い負担率に感謝と、コメントが報じられておりました。確かに数百億になるのではと言われた負担分からすれば、思ったよりも金額がかからなかったと思ったでしょうし、知事がほっと胸をなでおろしている姿がこの文面から感じ取れましたが、県内八十五億、現在の試算では約八十億ということですが、そのお金をどう工面していくのでしょうか。もちろん今のところ、財政調整基金からということになるのでしょうけれど、県の中期的な財政見通しによれば、平成三十年に基金が枯渇をすることとなっております。更には、被災市町に対する追加支援など、県として検討していかなくてはならないのではないでしょうか。県としての財源捻出策及び市町村への支援策についてお示しください。

 知事は、県庁で先般行われた県選出国会議員への二十八年度政府要望の席上で、民主党政権時代には、今の自公政権では恐らくできなかったであろうことをいろいろと実現していただき感謝していると申しておりました。多少のリップサービスもあったかもしれませんが、震災後のグループ補助金の創設や震災廃棄物の全額国での予算措置を初めとする被災地に対しての手厚い政策に対して、素直な気持ちが込められていたと受けとめられました。

 そこで、お伺いいたしますが、仮に民主党政権が続いていたとすれば、今回のような地方への一部負担を求めるなどという暴挙はなかったものとお思いでいらっしゃるのでしょうか。知事の本音をお聞かせください。

 今国会では、安保法制や労働者派遣法改正案など連日議論されており、また年金データの流出問題など噴出し、会期延長も決定しております。労働法の改正には、低賃金で、一生正社員になれずに派遣労働につく若者が増加していくことが危惧され、残業代ゼロ法案、正式名称は労働基準法改正案により、脱時間給、成果主義とも言われ、この法案が通れば、経営者としては基本給さえ払えば働かせ放題、ブラック企業応援法案とも言われ、お金さえ払えば不当解雇も合法になるということなどが容易となる、解雇の金銭解決制度が取りざたされております。

 今、我が国では、急速に進む人口減少社会、少子高齢化など深刻な状況となっておりますが、その大きな原因の一つに、結婚をしない若者がふえていることが挙げられるのではないでしょうか。もちろん、結婚をするかしないかは個人の自由でありますが、こうしたことが原因となり、それが経済的な理由で結婚をあきらめている若者がふえているとすれば深刻な状況でもあり、国レベルで考えていかなくてはならない問題と思いますが、知事は、労働法制の改正が人口減少や少子高齢化につながっているのではないかという指摘に対してどのような所感をお持ちでしょうか。

 労働力に見合った適正な報酬と安定した収入、パワハラやセクハラ、マタハラなどない安心安全な職場や身分保障があってこそ健全な社会生活が営めるものと思いますし、同一労働同一賃金が基本であるべきと思いますが、知事の所感をお聞かせください。

 また、全国の職場、企業においては、上場、非上場にかかわらず、長時間労働を強いられて心身ともに病んでいく事例や、サービス残業の横行、過重労働を強いられうつになった後、自死する例や過労死に至る例などが散見されており、社会問題化しております。我が県におけるブラック企業の実態調査や状況調査はどうなっているのでしょうか。労働問題に対する相談体制と労働基準監督署やハローワークとの連携体制はどうなっているのでしょうか。我が県のブラック企業対策についてお聞かせください。

 次に、我が県においてたびたび目撃情報が寄せられているクマやイノシシなど鳥獣対策について伺います。

 まず、クマについてでありますが、昨年度一年間で県内九百四件の出没情報が寄せられており、また本年五月には、みやぎ蔵王白石スキー場付近の川で男性がツキノワグマに襲われ、けがをする人身被害が発生いたしました。県ホームページによりますと、これからの季節、ツキノワグマの活動も活発となり、タケノコとりなどに出かけた際、クマに遭遇する危険が生じることがあると注意が促されております。クマに出くわさないために、山や河川に出かけるときには単独行動を避けましょうとか、ラジオなど音のするものを携帯しましょうとか、ごみは持ち帰りましょうとかの記載がされております。また、不運にもクマに遭遇した際の注意事項として、静かに立ち去りましょうとか、あるいはクマ撃退用スプレーを携帯しましょうなどの記載がされております。ちなみに、昔から言われる死んだふりをするというのは、クマに恐怖心を与えないという効果はあっても、こちらが一方的に不利な体勢となってしまい、非常に危険な行為であるというふうに記されております。

 そこで、まずお伺いをいたしますが、クマの目撃情報が寄せられたときに、県としてどのような体制をとっているのでしょうか。目撃情報が寄せられた後の措置として、当面様子を見る、有害鳥獣捕獲を検討、有害鳥獣捕獲を申請予定、その他などに対応は分かれておりますが、どのような判断基準でこうした措置に分類されるのでしょうか。また、警察や市町村、猟友会などとの連携体制はどうなっているのでしょうか、お聞かせください。

 もちろん、目撃情報があって即駆除するのではなく、適正頭数と人間が自然界の中で共存していくことが基本ですが、県のツキノワグマ第二期管理計画の中にある学習放獣についてどのような方法で行うのか、お示しください。

 また、イノシシについても、性格はどうもうと言われておりますが、対処法についてはどのようになっているのでしょうか。

 また県内の猟友会メンバー初め、狩猟免許所持者の高齢化や人手不足などが指摘されておりますが、県として養成をどう図っていかれるのでしょうか。また、生態のモニタリング調査をどう進めていくのでしょうか。

 農業被害については、第二期宮城県イノシシ管理計画によれば、年平均で二千九百四十六万の被害額を四割減の千八百万まで引き下げるとしており、生態数を平成三十五年までに四割減らすことを努力目標とし、年間五千六百頭捕獲することを追加しております。目標達成のための県の方策についてお示しください。

 現在、捕獲したイノシシ肉は原発事故以来、出荷制限が出されておりますが、ほかに利用する方法などないのか、お示しください。

 次に、ドローン対策について伺います。

 首相官邸屋上で小型無人機ドローンが見つかった事件を受け、ドローン対策が急がれております。横浜ではマラソン大会の最中にドローンが落下し、けが人が出る事態となっており、また東京浅草三社祭では、ドローンを飛ばすことを予告し、業務妨害が適用され、十五歳の少年が逮捕されております。

 ドローンは、本来、人が立ち入れない場所の上空から設備点検や監視、防犯、災害対策や空撮による観光PRなど幅広く用いられることを目的とし、開発、普及が進められてまいりました。家電量販店やインターネットでも売られ、価格も数万円など気軽に手に入れることが可能であり、国内でも約二千機が流通していると言われております。この官邸での事件を受けて、事故や犯罪への悪用を懸念する声が高まっており、その対策が急務となっております。現在飛行に関する規制がなく、航空法では無人機に対する細かい規制がないのが現状であります。政府では、今国会での法案提出を目指して、現在ルールづくりの指針を策定しております。指針では、運航規則の例として、空港周辺や市街地での飛行は、一定の安全確保体制を整えた事業者に限ることなどを挙げております。現在各自治体において独自に規制を設けているところもふえており、既存の条例を適用し特定区域内の使用を禁止しております。例えば、東京都では花火や硬球でのキャッチボールなどと同様とみなし、公園の管理に支障がある行為として規制をしております。広島市では原爆ドーム周辺の平和記念公園での飛行を禁止することを決めております。現在、北海道、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県などその他多くの自治体においても規制し、福島県、神奈川県などでは規制を検討しております。我が県では、村井知事は国の法律制定を待ってから検討するとしておりますが、今後の観光シーズン到来を見越して、観光地での集客場所、あるいは人が数多く来るような場所において、何らかの規制を検討するべきではないでしょうか。仙台市では、青葉まつりでドローン使用を自粛要請しておりますが、今現在、庁内での検討はされているのでしょうか。我が県の取り組みについてお聞かせください。

 次に、石巻市河北町長面地区での復興施策について伺います。

 震災から四年四カ月、ようやく、破堤した長面地区の海岸堤防が締め切られ、現在、毎秒〇・九一五トンの排水能力を持ったポンプ二台を使って水を吐き出す準備作業が進められております。これまで石巻市が中心となり、県、警察、自衛隊、消防などと連動して、水上からの行方不明者捜索を実施してまいりましたが、今回初めて陸上からの行方不明者捜索が始まります。大川小学校の不明児童四名を初め、ぜひとも一人でも多く行方不明者が家族のもとに戻っていただくことを願っておりますが、具体の捜索の方法、スケジュールについてお示しください。

 捜索終了後、災害復旧として七十ヘクタールにも及ぶ農地復旧が計画されておりますが、深いところで四メートルもの土が削られており、そこに七十万から八十万立米と言われる大量の土砂を盛り土する大工事となります。県では、平成三十年度までの完了を目指し、三十一年度から作付することを計画しておりますが、日本の米を取り巻く情勢は、米価の下落やTPP問題、あるいは担い手の不足や高齢化など厳しい状況が続いております。また、減反し生産調整を図っている今の日本の農政から考慮すれば、担い手の育成確保を初め、よほどの覚悟を持って取り組みを強化していかなくてはならないと思います。地元の皆さんと更に協議を深め、単なる原状復旧にとどめるのではない長面地区の土地利用を考えてみるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 このたび拡大された三陸復興国立公園エリアにも位置しており、当地区にはもともと自然豊かな長面浦や北上川と山々に囲まれた豊潤な耕土でありました。今後は、農業体験や漁業体験のできる施設、地場産品販売施設を整備するなど、モデル地区として、地域間の交流人口をふやしていく仕掛けが必要と思いますが、国、県、市、地域と連動した、そして長面地区の今後を見据えた希望の持てる復興施策についてお示しください。

 以上で、壇上からの私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 坂下賢議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。

 大綱一点目、私の政治姿勢についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、取りやめた事業や集中復興期間の総括についてのお尋ねにお答えをいたします。

 先月国が示しました集中復興期間の総括と二十八年度以降の復興事業のあり方では、被災地向けの予算でも国の支援のあり方を精査すべきものがあるなどとされておりますが、我が県といたしましては、引き続き、復興事業を着実に実施していくことが必要であると考えており、現時点で取りやめを決定した事業はございません。

 また、集中復興期間の総括への評価については、被災地の復興は道半ばであることを繰り返し説明し、集中復興期間の延長を要望してきた中で、地方負担導入の方向が示されたものであり、公表された時点においては遺憾であると感じたところであります。

 次に、国や中央では大震災の記憶が薄れ、風化が進んでると思うがどうかとの御質問にお答えいたします。

 震災の発生から四年余りが経過し震災の風化が懸念される中、県といたしましては、さまざまな場面において、被災地の現状について情報発信に努めてまいりました。一方で、国においても、ことし三月に復興大臣が自治体負担導入の考え方を示して以降、大臣を初め政務三役が岩手、宮城、福島の三県を訪問し、知事や市町村長との意見交換会を開催したほか、復興推進委員会においても各県知事の意見を聞く機会を設けていただいたところであります。その結果、我々の要望が相当程度反映されたものと評価しておりますが、今後とも、震災からの復旧・復興を国の最優先課題と位置づけて推進するよう、あらゆる機会をとらえ訴えてまいります。

 次に、三県知事による要望活動についての御質問にお答えいたします。

 ことし三月、復興大臣からの地方負担導入についての発言を受け、県といたしましては各県が連携して国に対し要望していくことが重要と考え、四月二十三日に青森県を含む東北の被災四県知事による合同要望を行ったところであります。その後、先月には集中復興期間の総括及び平成二十八年度以降の復旧・復興事業のあり方が示され、今月末までに方針を決定するものとされたことから、再度今月十一日に四県知事による合同要望を実施し、自治体負担の対象事業等の区分の見直しや、被災自治体の財政状況等への配慮等を求めたところであります。

 次に、地元負担について、いつの時点でやむを得ないと判断したのかとの御質問にお答えいたします。

 ことし三月、復興大臣から自治体負担導入の考え方が示されたときには、被災地の実情を十分に御理解いただいていないのではないかと、大きな危機感を持って受けとめたところであります。このため国に対しては、被災市町や被災三県と連携し、さまざまな機会をとらえて、特例的な財政措置の継続を強く求めてまいりました。この結果、国から示された最終案においては、復興の基幹的事業のほか、市町村分の新設防潮堤などにつきましても、全額国費負担の継続が認められたほか、自治体負担の割合についても、最も財政基盤の弱い自治体を基準とされるなど、我々の要望が相当程度反映されるものとなっております。自治体負担導入は決して最善の姿ではないものの、県民の利益を最大限に確保するため、諸情勢を総合的に勘案し、苦渋の決断でありましたが、受け入れる判断をしたものであります。

 次に、県内被災市町の首長とのコンセンサスについての御質問にお答えいたします。

 先月に国の方針が示されて以降、県といたしましては、被災市町村との認識の共有と連携が不可欠であることから、国の復興推進委員会において、三県知事が意見を述べるに当たって、被災市町の首長との意見交換の場を設け、私が直接意見を伺ったほか、書面でも意見を取りまとめ、国に対し提示したところであります。また四月と六月には大臣、副大臣との意見交換会が開催されましたが、その際には、県と市長会、町村会と合同で要望書を提出しており、こうした要望を続けてきた結果、我々の要望については、相当程度反映されたものと考えており、市町においても国の対応を評価しているものと受けとめております。県としては、今後とも、被災市町の意見要望に真摯に耳を傾けるとともに、復旧・復興の進捗と財政状況を踏まえながら、早期の復興に向けて連携を図ってまいります。

 次に、不公平感の払拭についての交渉の必要性についての御質問にお答えいたします。

 我が県では、被害の甚大な地域ほど事業におくれが生じていることから、事業の進捗によって自治体間に差が生じることがないよう、国に対し強く要望してきたところであります。その結果、防災集団移転促進事業などの復興の基幹的な事業に加え、市町村の新設防潮堤事業についても全額国費対応とされたほか、自治体負担が生じる場合であっても、その負担割合は低く抑えられたところであります。そのため、自治体間で大きな差が生じることはないものと考えておりますが、今後も不公平感が生じることがないよう、国に対し主張すべきところは主張してまいります。

 次に、道路整備については全額国費負担を求めるべきではないかとの御質問にお答えいたします。

 県では、国から方針が示されて以降、国との意見交換会や復興推進委員会の場などにおいて、従来同様の財政措置の必要性を強く訴えるとともに、不本意ながら自治体負担が導入された場合にはその影響が最小限にとどまるよう、具体的な事業名を挙げながら要望を続けてまいりました。その結果、今月三日に示された国の自治体負担の考え方においては、三陸沿岸道路整備については全額国費対応とされたところであります。一方で、復興支援道路に位置づけられているみやぎ県北高速幹線道路につきましては、全額国費負担の継続は認められなかったものの、負担率は極めて低いものとされたことから、事業の進捗には大きな影響はないものと判断し、国の方針を全体として受け入れたところであります。

 次に、今後、緊急雇用創出事業の別事業化など、国とどう協議を進めていくのかとの御質問にお答えいたします。

 現在国から示された最終案では具体的な方針が示されていない事業もあることから、今後の国の検討状況を注視するとともに、被災市町の声に真摯に耳を傾けながら、地方負担の軽減に向けて国との協議を継続してまいりたいと考えております。

 次に、民主党政権が続いていたとすれば地方の一部負担を求めることはなかったと思っているのかとの質問にお答えをいたします。

 政権の違いによって今回国から示された平成二十八年度以降のあり方に影響が出たかという仮定の話につきましては、お答えすることは難しいものと考えております。

 一方、東日本大震災の発生後、国において、つまり民主党政権では、東日本大震災復興交付金や震災復興特別交付税の創設、国庫補助率のかさ上げなどの特例的財政支援を講じていただいた結果、被災地では着実に復旧・復興を進めることができたものと考えておりまして、これまさしく民主党政権のおかげであります。感謝をしております。

 次に、労働法制の改正についての御質問にお答えをいたします。

 我が国では、人口減少、少子高齢化が急速に進んでおり、我が県にとりましても大変大きな問題であると認識しております。少子化の主な要因といたしましては、若者の未婚率の上昇が挙げられており、経済的な問題も背景として指摘をされております。一方、労働者派遣法の改正は、円高など国際的な競争が激化する中で、臨時的、一時的な業務増に対し、経営資源を効果的に活用したビジネスを展開しながら、同時に雇用の場の確保が図れることや、個々の労働者に対しましては、専門性の発揮や働き方の多様化により選択肢が広がるという側面もありますことから、労働者派遣法の改正が必ずしも少子化につながるとは言えないものと考えております。現在、国会において、労働者派遣法を含む労働関係法の改正案などが審議されており、国としての方向づけがなされているものと承知しておりますので、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 総務部長山田義輝君。

    〔総務部長 山田義輝君登壇〕



◎総務部長(山田義輝君) 大綱一点目、知事の政治姿勢についての御質問のうち、被災市町村の条件の違いによる不公平感についてのお尋ねにお答えいたします。

 国がさきに示した自治体負担導入の考え方については、財政基盤が弱い自治体に配慮しながら被災自治体一律に負担水準が定められており、大幅に自治体の負担を軽減する内容となっております。また市町村防潮堤の整備について全額国費負担とされたことにより、被災規模の大きい石巻市や気仙沼市などの負担額が大幅に減少することとなりました。これらの対応により、懸念されていた被災自治体の不公平感については解消されたものと考えております。

 次に、財源捻出策と市町支援策についての御質問にお答えいたします。

 我が県の復旧・復興のためには、自治体負担が導入される事業についても引き続き推進する必要があり、その財源をしっかりと確保することが重要です。県といたしましては、国が自治体負担の導入に当たって、適債性のある事業については、資金手当てのための地方債の発行を認める考えを示していることから、この点も踏まえて財源確保策を検討してまいります。また、東日本大震災復興交付金の柔軟な運用等、被災市町が要望している項目について国に対して働きかけるなど、引き続き被災市町の支援に努めてまいります。

 次に、大綱三点目、ドローン対策についての御質問にお答えいたします。

 小型無人機ドローンは、防災や報道など多方面で有効に活用されている一方で、上空からのプライバシー情報の撮影や祭りなどのイベントにおける迷惑行為が問題となっております。県としては、安全な運航の確保に向けたルールづくりや健全な利活用に向けた環境整備が必要であると認識しております。首相官邸屋上で見つかった事件の後、ドローンの利用規制については、国において運用ルールの策定と活用のあり方、関係法令の見直しなど、多角的に順次検討しており、現在重要施設周辺での飛行規制の法案が提出されていると承知しております。また、県では、国から通知された小型無人機によるテロ等への警戒について、庁内や市町村へ周知徹底するとともに、県庁及び各地方合同庁舎の警備体制を強化するなど対策を講じております。今後の県としての規制の必要性については、国の検討結果や法規制の動向を注視しながら、適切に判断してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。

    〔震災復興・企画部長 大塚大輔君登壇〕



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 大綱一点目、知事の政治姿勢についての御質問のうち、復興予算の枠組みや財源に係る国との協議についてのお尋ねにお答えいたします。

 平成二十八年度以降の復興事業については、意見交換会や復興推進委員会、要望活動等を通して国との協議を行ってまいりました。一昨日には復興大臣から三県知事に対して最終的な国の方針を御説明いただき、各県ともその案を了承したところであり、最終的には、国の復興推進会議において方針が決定されるものと伺っております。今後は、具体的な方針が明らかになっていない事業もありますことから、国の平成二十八年度予算の概算要求に向けて、被災市町と連携を密にしながら、国との協議を続けてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 環境生活部長佐野好昭君。

    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕



◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱二点目、クマ、イノシシ対策についての御質問のうち、クマの目撃情報が寄せられた場合における県の対応と有害鳥獣捕獲の判断基準及び警察等関係機関との連携体制についてのお尋ねにお答えいたします。

 ツキノワグマの目撃情報は、まず市町村や警察に通報されるのが一般的となっておりますが、県では、それらの情報提供を受け、必要に応じて現地調査を行い、有害鳥獣捕獲を許可する体制としております。有害鳥獣捕獲の判断基準については、市街地等に出没し、人身被害が発生している又は発生するおそれがあるなど、緊急な場合は市町村が速やかに捕獲許可を受け、猟友会及び警察等と連携し捕獲を行います。また、農業被害が発生し、被害防除対策を講じても被害を防ぐことができないと判断された場合は、市町村の申請に基づき、県が捕獲を許可することになります。なお、警察や市町村、猟友会等との連携体制については、相互に密接な連携が図れるよう、第二期宮城県ツキノワグマ管理計画において、情報共有と広報活動等の役割分担を定めた体制を整備しております。

 次に、第二期ツキノワグマ管理計画に示された学習放獣についての御質問にお答えいたします。

 第二期宮城県ツキノワグマ管理計画において、ツキノワグマの生息数を維持しながら、農林業被害等の軽減を図る取り組みの一つとして、ツキノワグマを補殺しない学習放獣の実施を検討することとしております。学習放獣は、花火などで人間への恐怖心を植えつけた上で放獣するもので、人里に近づかなくなるなどの効果があると言われております。県では、学習放獣の効果を検証するため、昨年度と今年度の二カ年にわたりツキノワグマに電波発信機を装着しその行動範囲等を把握するモニタリング調査を実施しております。

 次に、イノシシへの対処法についての御質問にお答えいたします。

 イノシシを目撃した場合、被害に遭わないためには、イノシシを攻撃したり威嚇したりせずに、その場からゆっくり後ずさりしながら離れることが最善の方法であると言われております。また、イノシシを畑や民家などに近づけさせないよう、屋外に生ごみを放置しない、休耕地などの雑草を刈り取る、畑に野菜くずを放置しないなどの対策を講ずる必要があります。

 次に、狩猟免許所持者の養成についてのお尋ねにお答えいたします。

 イノシシなどの野生鳥獣による農林水産業や生態系への悪影響が深刻化している中で、これらの野生鳥獣を捕獲する狩猟者が減少、高齢化しており、その対策は喫緊かつ重要な課題であると認識しております。このため県では、狩猟免許試験の開催回数をふやしたり、初心者講習会の受講料を助成しているほか、平成二十五年度からは、若手狩猟者の確保と育成を図るため、新人ハンター養成講座を開講しており、ここ数年、狩猟者数はわずかではありますが増加に転じております。県といたしましては、この増加の流れを定着させるよう、これらの取り組みに加え、今年度は、要望がある市町村において狩猟免許の出前試験を開催するなど、引き続き狩猟者の確保、養成に取り組んでまいります。

 次に、生態モニタリング調査の進め方についての御質問にお答えいたします。

 イノシシのモニタリング調査については、狩猟等により捕獲されたイノシシの捕獲場所や捕獲方法、年齢や体重などの個体情報のほか、農作物の被害状況等を調査しております。今年度からは、これらの調査に加えて、国の補助事業を活用し、生息密度や生息分布などの調査を行うこととしており、現在専門家の意見を聞きながら具体的な内容を検討しております。

 次に、第二期イノシシ管理計画に示された目標の達成に向けた方策とイノシシ肉の利用方法についての御質問にお答えいたします。

 県では、ことし四月に改定した第二期宮城県イノシシ管理計画において、これまでの農作物被害額の削減目標に加え、新たに年間捕獲目標を盛り込んだところであります。この目標達成に向けて、国の交付金を活用し、引き続き市町村が実施する有害鳥獣捕獲や侵入防止さくの設置などの取り組みを支援してまいります。また、県においても、イノシシの生息域の拡大を抑制するための個体数調整について、今年度から、国の補助事業を拡充して実施するほか、昨年度から実施している狩猟で確保したイノシシ一頭当たり五千円を支給する狩猟捕獲促進事業等により、更なる捕獲促進に取り組んでまいります。

 次に、捕獲されたイノシシの利用方法については、早期の出荷制限解除に向けて引き続き放射性物質のモニタリング調査を実施してまいりますが、食肉以外の利用方法は残念ながら把握しておりません。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 経済商工観光部長吉田祐幸君。

    〔経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕



◎経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、知事の政治姿勢についての御質問のうち、同一労働同一賃金についてのお尋ねにお答えいたします。

 労働基準法では、国籍、信条又は社会的身分、性別を理由とする賃金や労働時間その他の労働条件について差別的取り扱いをしてはならないと規定されております。したがいまして、基本的には同一の価値を持った労働に対しては同一の賃金を支払うべきものと考えております。一方で、派遣社員など雇用形態の違いによる待遇の差異は、労働契約の内容に基づくものであり、法が規制する差別的取り扱いには当たらないとする裁判例があることや、我が国における賃金体系の特徴や職場の実情を踏まえた制度とする必要があることなどから、現在、国会で行われている審議を注視してまいりたいと考えております。

 次に、ブラック企業に関する御質問にお答えいたします。

 長時間労働を課して残業代を支払わない、パワーハラスメントを繰り返し、過酷な労働環境で働かせ続ける、意図的に労働者を使い捨てるなど、いわゆるブラック企業と呼ばれる事業場が大きな社会問題に発展していると認識しております。昨年十一月に国が集中的に実施した過重労働重点監督の結果によると、県内で対象となった八十九事業場のうち、七十九事業場において法令違反が認められ是正勧告を受けております。その主な違反内容は、違法な時間外労働があったものが四十一事業場、賃金不払いが十九事業場となっております。労働基準関係法令に基づく監督指導については国の所管業務となりますが、県といたしましても、担当課及び出先機関に労働問題に関する相談窓口を設け、相談内容に応じて法令の説明やアドバイスを行っております。また、必要に応じて、労働基準監督署やハローワークなどの専門窓口を紹介するほか、これら機関とともに若者の採用、育成に積極的な若者応援宣言企業を周知するなど、連携を更に強化して取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 農林水産部長後藤康宏君。

    〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕



◎農林水産部長(後藤康宏君) 大綱四点目、石巻長面地区の復興についての御質問のうち、原状復旧にとどまらない土地利用についてのお尋ねにお答えいたします。

 長面地区で浸水している約百ヘクタールにつきましては、石巻市などによる排水作業完了後の瓦れき撤去や行方不明者の捜索が終了した後に、約七十ヘクタールの農地復旧を予定しており、復興交付金を活用した農地整備事業もあわせて導入する計画としております。この農地整備事業では、圃場の大区画化や汎用化、担い手への農地集積により、経営規模の拡大や高付加価値化など、収益性の高い農業経営が可能な競争力のある経営体を育成していくこととしております。また、土地の有効活用については、土地改良事業の換地制度を活用し、防災集団移転促進事業による住宅跡地の集積、再配置などの土地利用の整序化を検討しております。県といたしましては、今後とも、石巻市や地元関係者の方々と話し合いを重ね、地域農業の再構築に取り組むとともに、復旧にとどまらない地域の再生を支援してまいります。

 次に、長面地区の復興施策についての御質問にお答えいたします。

 石巻市が策定した石巻市震災復興基本計画には、地区別整備方針として、河北エリア復興整備方針が定められております。この復興整備方針では、自然への畏敬の念を持ち、自然とともに生きるとし、長面漁港の復旧、養殖漁業等の再建や地元農業者の意向等を踏まえた土地利用のほか、農林漁業との触れ合いや体験学習をのんびり楽しめるグリーンツーリズムの取り組みを支援するとされております。グリーンツーリズムは、恵まれた自然や地域資源を生かした取り組みであり、甚大な被害を受けた長面地区の復興・再生に向けて有効な施策であると認識しております。このため、県といたしましては、石巻市などの関係機関と連携しながら、グリーンツーリズムによる都市との交流促進や地域活性化などに係る取り組みを支援してまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 警察本部長横内泉君。

    〔警察本部長 横内 泉君登壇〕



◎警察本部長(横内泉君) 大綱四点目、石巻長面地区の復興についての御質問のうち、行方不明者の具体的な捜索方法とスケジュールについてのお尋ねにお答えいたします。

 東日本大震災により甚大な被害を受けた長面地区につきましては、行方不明者の御家族の要望を踏まえながら、管轄する河北警察署を中心に現在も鋭意捜索を継続しております。長面地区のうち、水没したため捜索が困難となっていた追波湾沿いの地域については、議員からもございましたが、海水をせきとめる工事が終了し、排水作業が始まったと承知しております。排水作業が完了した後の具体的な捜索方法やスケジュール等につきましては、近日中に石巻市や石巻市教育委員会と協議する予定であり、県警察といたしましては、これら関係機関と調整の上、排水作業が完了し捜索環境が整い次第、捜索を開始できるよう準備を進めてまいります。

 以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 二十五番坂下賢君。



◆二十五番(坂下賢君) 御答弁ありがとうございました。

 復興予算の地方負担についてお聞きしたいと思います。

 本日にも復興推進会議でこの予算の枠組みというのが正式に決定するというふうにも言われておるんですが、知事は、今回の流れ、一連の結果についてどのように思っていらっしゃるのか。先ほどの答弁にもあったんですけれど、思ったよりも八十億弱ですか、少ない金額で済んでほっと胸をなでおろしているのか、あるいは国が決めたことなんで粛々と従いますということなのか、それとも、内心じくじたるものがあるのか、どのような思いでいらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 何とか財政再生団体にならないような形でこの五年間復興がやり遂げられるという手ごたえを感じましたので、ほっと胸をなでおろしているというのが本音でございます。特に、県もさることながら、市町、津波で大きな被害を受けた財政力の弱い市町の負担が非常に軽くなりまして、多いところでも一年間に一億円程度ということでございますので、そういう状況を見まして総合的に勘案いたしまして、ほっとしているというところでございます。



○議長(安藤俊威君) 二十五番坂下賢君。



◆二十五番(坂下賢君) ほっとしてるということではあるんですけれど、今、被災地におきましては、仮設住宅等でカビだとかダニだとかそういうものが発生をして、ぜんそくやアレルギーなどの症状が発生をしたり、あるいは孤独死というような問題も起きている。それが今の被災地の現状なんですよ。私は、今回竹下さんが自分がお金を出せば今以上に必死になるなどというような発言をしたこと、本当にこれは、一段も二段も上からこの被災地を見ている。その現状、何もわかってないんじゃないかと、そんな憤りさえ感じてますよ。被災地に寄り添うということを言ってるんであれば、お金の心配はするなと。もう思う存分、復興のことをやってくれと。それぐらいのことが何で言えないのかと。私はそういうふうに思います。

 それで、知事は、大人の対応ですか、早いうちからそういう感じで国とやってきておったんですが、竹下さんは割と早い段階から地方の理解は得られたというような発言もされてたと思うんですけれど、私はそういう知事の大人の対応、早いうちからの、そういうことと呼応して、竹下さんもそういうアナウンスを流してそういう流れをつくってきたんじゃないのかなと、そんなふうな気さえするんですよ。最初から地方負担ありきでこの話は進められてきたのではないかと、そんな感じさえするんですが、知事、いかがですか。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 決してそうではなくて、当初は、三月に発表されてからずっと声高に全額国でやるべきだと、集中復興期間を延長すべきだということをずっと言っておりました。坂下議員も参加されたかと思うんですが、女川のまちびらきのときにも、皆さんのいる前で、私、大臣に直接お話しいたしました。それ以降、相当いろいろ水面下でも打ち合わせをしたり、あるいはテーブルの上でちょうちょうはっしのやりとりもいたしまして、結果的にはこのような形におさまったということでございます。決して早い段階から国に歩調を合わせるようなことをしたということではなくて、何とかやれるというところが見えてきた段階で、私としては軌道修正をしていったということでございます。大臣が、今まで以上に必死になる必要があるだとか、あるいは真剣さを更に持つようになるんだというふうな表現については、誤解を招くのではないかということで、たびたび大臣にもお話しいたしましたが、大臣はそういう悪気は決してなくて、国民からいただいている大切な税金なんで一円たりともむだにしないんだと、そういう強い思いを持ってより真剣により一生懸命やってほしいという、エールを送るつもりで言っているんだということでございました。そういう趣旨ならば私も十分理解できるというふうに思った次第でございます。



○議長(安藤俊威君) 二十五番坂下賢君。



◆二十五番(坂下賢君) 今後五年間、きのうもおっしゃっておりましたけれど、新たな問題だとか負担だとか、そういうこともこれ必ず出てくると思うんですよ。そのときに、私は、この被災の三県でがっちりと連携をして、そして県内の市町ともしっかりと連動してスクラム組んで、被災地の現状、現実というものを強く国に訴えていっていただきたい。そして、多少国が何か言ってきても、それをつっぱね返すぐらいのそういう気概を知事には見せてもらいたいんですよ。いかがですか。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 頑張ります。



○議長(安藤俊威君) 六番石川利一君。

    〔六番 石川利一君登壇〕



◆六番(石川利一君) 議長のお許しをいただきました自民党・県民会議、石川利一です。よろしくお願いします。それでは質問に入ります。

 今もはやっている「千の風になって」という歌があります。これはお墓の中にいませんよという歌で、さわやかに私は聞いております。ところで、私のお墓は、入る予定のお墓なんですが、名取の閖上というところにありまして、残念ながらまだ置き場がありません。いろんな事情がありまして、三つ遺骨、私預かっております。そういう復旧・復興の状況だということをきょうは横に置いて、質問をいたします。

 まず、大綱第一点、大震災復旧・復興についてであります。

 集中復興期間最終年を迎えてということで各議員からも質問がありました。査定庁と不満をあらわにしてから既にもう四年となります。後半とも言うべき来年度以降の五年の枠組みが示されたわけであります。心配しておりました地方負担、県が五十億程度でしょうか、市町合わせて十九億というふうな算定がされているようであります。集中復興期間、その後の対応ということで伺いをいたします。

 二十八から三十二年度の復興創生期間ということになるようであります。財源措置も含めて国の対応について、復興大臣からは先ほどありましたように、自立のためにも地元負担があった方がしっかり取り組めるというような、非常に私もショッキングな言葉を耳にいたしました。我々被災地としてはそういう気持ちで実はいるわけです。何とか自分たちでやりたい。そこにちょっとこの誤解を抱かせるような発言があったということで、非常に残念な思いをしたわけであります。

 一昨日は岩手、福島、村井知事と復興大臣とお会いしたようであります。村井知事が一番にこにこしていたように見えましたけども、前に言いました「絶好庁」というときもありました。それからしばらくたっておりますけれども、そういった一つの表現として、最近は出しておりませんので、今回出してくれるのかなというふうに思って、私は実はほっともっとって言うつもりだったんですけど、これどっかのコマーシャルにあったもんですからやめまして、何かもしあったらばと思いまして、伺いをいたします。

 それから五年目としての復旧・復興の進捗評価であります。農地作付面積とか水産業の販売額の回復、それから災害公営住宅の建設計画に対する入居率、あるいはみなし仮設アパートあるいは団地の仮設、そういったところからやはり再建をして立ち退かれた方々の割合とか、そういった現実的な実際の回復から見た場合、どういうふうな復旧・復興の段階にあるのか、総括をしていただきたいと思います。

 次に、県の役割について伺いをいたします。

 このたびの大震災、大津波には、県としての当然、管理あるいは役割というのがあるわけであります。その中の一つ、指定廃棄物最終処分場について伺いをいたします。

 まだ解決を見ておりませんが、環境省のホームページを見ますと、平成二十五年十一月に市町村長会議で選定作業を進めた結果、二十六年一月に詳細調査候補地三カ所を公表した。同年八月に市町村長の総意を踏まえて詳細調査を開始したというふうに書いてあります。これを見ますと、環境省は、知事の独自の裁量でみずから候補地の取りまとめをしたかのように受け取れるように書いてあるんであります。一方、当然だと思うんですが、環境省の要請で市町村長会議を知事が開催し、まとめたというふうに、これはそうかなと思って聞いておるんですけれども、こういったいきさつについて、もっとわかりやすく、はっきり、経緯、いきさつをお伺いしたいと思います。

 市町村長の総意ということでありますけれども、環境省は市町村長会議の総意というふうに表現しておりますけれども、総意というのは過半数から全員ということまで含むもんで、知事の理解はどういうところにあるのか、また三カ所の候補地選定にのみ知事は責任のある立場にあるのか、伺いたいと思います。

 決定機関ではない会議であります。私はそう思っておりますが、候補地を含む三十五首長さんの総意の意味を位置づけあるいは整理するとのこれは大変なことだなというふうに思うからであります。今後の見通しについて伺います。

 最終処分場をまとめて福島にという声もありました。私もその方が国の立場ということからすれば当然あるべき姿じゃないかというふうな思いをしておりますけれども、知事も福島県知事に申し入れをして断られたというような映像が流れました。また、最近、環境省は、フォーラムという住民市民、市民向けでしょうか、国民向けのような啓蒙活動のようなことを行って、大分やってるようです。しかし、そういった経過から昨年からの進展あったのかどうか、見通しと知事の関与をどうこれから考えているのか、お伺いをいたします。

 次に、一昨年十一月、復興庁は、震災遺構について各市町村一カ所を対象として保存のための初期費用、これを復興交付金使っていいよというふうな通知がありました。これを受けて、同じ月ですか、震災遺構保存に関する沿岸十五市町長会議を県主催で行っております。震災遺構の保存について伺いいたします。

 震災遺構保存に関する検討の進め方というのを出しておるわけでありますが、そこによりますと、宮城県震災遺構有識者会議で議論をして保存すべきものをまとめるというふうになっております。本年一月に有識者会議の報告書が出されております。七市町九件について報告があったわけであります。つい最近マスコミ報道で、名取市の場合は固有名詞言っちゃいますけど、佐々直の社屋の決定を取り消したとはっきり書いてありました。ところが、有識者会議には案件としては出ておりません。そういったことでいいのかどうか疑問に思いまして、市町との関係でどのようなまとめ方あるいは検討をしたのか、有識者会議の位置づけというものはどういうものなのか、お伺いをいたします。

 会議評価にない他の市町の遺構であります。半数を超える八市町では、保存を考えていないのか、あるいは有識者会議はもう既に役目を終わったようになっております。独自に決めることでよいのか、あるいはそういったところが現にあるのかどうか、お伺いをいたします。

 実はつい最近ですけれども、志津川から被災後名取に転居した方と話す機会がありました。その方は、知事の考え、提案、これに賛成の方でした。私はちょっと違いまして、いわゆる鉄骨づくりの建物についての保存というのは大変だなということで、何かもうちょっと方法はないのかな、あるいは別のものがあればどうかなという思いで話し合いをしておりました。そこの中では、二十年後に改めて議論するということについては、今は感情的になり過ぎてると、そういうことがあるんで、二十年たってから話したらどうかというのを賛成だという方でした。いろんな議論したんですけれども、何のことはない、一致しましたのは、二十年後はお互いこの世にはいないねという結論でありまして、それが最後のお話でした。残念ながら結論がないということです。

 そういうことで、南三陸町の防災対策庁舎についてお伺いをしてまいります。

 有識者会議の評価は、ぜひ保存すべきで、原爆ドームに劣らない発信力があるということであります。有名になったという意味なのかなということと、それから防災対策庁舎という、この名前ですね、それが残念ながら被災を受けてしまったということを意味するのかなというふうに思うわけでありますけども、どういう見方をしたのかな、その辺のところを明らかにしていただければと思います。

 遺族の心情に配慮し、時間をかけ町の対応負担を考慮する、そして、県などの関与を検討すべきと。有識者会議の報告であります。これを踏まえた知事の提案なんだろうというふうに受け取っております。二十年県有化ということですね。それからその後、その後ですよ、二十年後に保存、解体を決定するという提案をしたということであります。南三陸町議会は、同趣旨の住民の請願を採択しました。町長さんの判断待ちという、間もなく出るんじゃないかと思うんですけれども、それを待っているという状態であります。私は、二十年も判断停止というか、後世にゆだねるという知事の防災庁舎についての思い入れというか考えを伺っておきたいと思います。

 ここまで知事が考えてくれるということであれば、県としての遺構もあってはいいんではないかと私はかねがね思っておったんですけれども、宮城県として後世に残し保存すべきものはないのかということであります。防災庁舎は、そういう意味でこれまでのいろんないきさつ、それから保存の仕方、可能性ということになれば、県の遺構だということであってもおかしくはないんでないかというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。

 原爆ドームがよく引き合いに出されるわけですけど、昭和二十八年に広島県から広島市に譲渡されてるんです。そういうことがあって、その保存についていろいろあったんだろうと思いますが、昭和四十一年の広島市議会で保存を決定して、募金をして、そして保存工事を行ったということのようであります。そういうことを下敷きにして知事は考えられたのかなというふうには思うんですけれども、県有ということについて、二十年も持つわけですから、二十年後はどうなるかというのは大体想像つくかなと思うんですけれども、いかがかなと思いまして、伺いをいたします。

 大綱二点目、総合教育会議についてであります。これも前議会でも質問いたしました。地教行法の改正がありまして、さまざまな教育委員会の改正がありました。それを受けまして、去る四月二十一日に第一回の総合教育会議が開催、設置を見ております。既に二回目も行われたようであります。

 そこで、伺ってまいります。

 教育行政観ということでありますが、知事の道州制の共同代表であります橋下大阪市長、大阪府知事の時代からもだったと思いますけど、教育問題、特に教育委員会制度に大分政治課題として発信、取り組んできたかと思います。私は、法改正に少なからず影響を与えたんじゃないかなと思いますけれども、東北人の私としては、なかなかああいう発信の仕方というのは我々なじみがちょっとないところがありまして、知事も大阪出身でありますから、多分わかるのかなと思いまして、どういうふうに受けとめておられるか、伺いたいと思います。

 会議運営であります。もう既に設置されておりますので、伺います。

 開催時期につきましては原則四月、十月と二回はやりますよということになっております。これはその時期、スケジュールに合わせてのことと思います。議題をどういうふうに想定しているのか、お伺いをいたします。

 それから、原則公開、これは当然でありますが、公開は公開でなれてしまうと、結構形骸化する傾向があります。また、非開示できるとなっております内容を見ますと、非開示情報が含まれる事項の協議、調整会議となっておりまして、そういった会議は結構多くなるんではないかと思います。教育委員会は、一方、透明性を求めるというのが、今回の改正の目玉というふうになっております。そういったところのバランス調整どう考えているのかなという意味で、具体に運営に当たっての原則公開を極力広げていただくことになるんじゃないかと思うんでありますが、そういった方針をお示し願いたい。

 また、議事録でありますが、遅滞なく作成し公表するとなっております。これはすべて明らかにしますよという意味かなと思うのでありますが、非公開は非開示ですよということになってしまうのか、お伺いをしたいと思います。

 第一回の会議録を読ましていただきました。知事が議長として、教育委員全員に発言を求めて意見交換を行うというふうにされたようであります。そういう意味で、発言してる委員さんの何と申しますか、その方の空気と申しますか、そういった持っているもの、そういったものが何となくわかりましたので、いい方法だなと思いました。また一方、知事はあくまでも権力者でありますし、権限を持つ県民の代表であります。委員の皆さんそれぞれやはり選任する段階からあったかと思うんですけれども、それぞれの方は、自分の得意分野、持ち分、持ち分というかそういったところがお持ちの方が多いわけで、その観点からの発言だったのかと思いますが、どうもお願い発言のような、あるいは要望のようなふうに私は受け取ってしまいました。こういったやりとりについての第一回目の感想をお聞かせ願いたいと思います。

 総合教育会議は、大綱を策定をするという大変大きな仕事が与えられたわけであります。五年を過ぎた教育振興基本計画、これは三十一年度までというふうになっておるようですが、また震災復興計画、これも三十二年まで、これを土台として新たな教育施策の大綱を策定するということであります。こういった点についてお伺いをいたします。

 まず、期間なんでありますけれども、案といたしまして、二十七から二十八年度となっております、二年間ですね。大綱としては二年間というのは何とも言いようのないくらい短いんじゃないかというふうに思うわけでありますが、どういうことでそういう位置づけになったのかをお知らせ願いたい。

 そして、その内容に載るものとして新たな要素として入ってくるというのが、震災関連と幼児教育というようなことであります。当然震災はその後の問題でありますから、その対応を強調する必要があるということなんでしょう。防災教育についても入ってまいります。やはりいざというときのために、その震災、津波の記憶伝承、これは大事であります。どうしてもこれを我々被災地としては、ほかの都府県よりは力を入れて当然のことでありましょう。そういったところ、それから、伝えるということは、口で伝えるんじゃなくてやはり体で覚えていくということが大事なんだと私は思っております。そういう意味合いから、方針目標などをどういうふうに設定しようと考えているのか、伺いしたいと思います。

 それから、幼児教育についてでありますが、先日、小中一貫校が義務教育学校という名前で制度化されました。法改正されました。認定こども園など、新制度が始まり、幼児教育を取り巻く環境というものが相当変わってきております。その重要性が再認識されたんだなというふうに私は受け取っております。宮城県の場合は幼児教育の主流というのは、地方はそうではないんですけども、おおよそ民間主導と申しますか、民間ベースでやってきたという歴史的な経過があるんですけれども、私は、一つぐらい県立施設があってもいいんじゃないかというのが私の信念であります。きょうは質問しませんが。

 子ども・子育て会議、これは保健福祉部の所管となっております。保育と教育の統合あるいは小学校との連携が教育には必要であります。また大切であります。教育委員会の幼児教育部門の強化が課題だと私は考えております。余り強化されてないんじゃないかなというふうに私は受け取っております。ぜひ義務教育もあるんですけども、高校、県立高校が一番多いもんで、そちらの方に力点がシフトしているのかなと思うんですけど、三つ子の魂百までの幼児教育からぜひ、力を入れてほしいというふうに思っております。

 次に、教科書の採択に係る基本方針。非常にこの余りさわりたくないような内容になっているんですけれど、まず一つは、学習指導要領の生きる力をはぐくむ教科書というふうになっております。確かにそのとおりです。指導要領には生きる力と、こうあるわけです。それで、それをはぐくむ教科書というふうになると、はてどういう教科書かなというのが正直言いましてなかなかわかりにくいもんで、自己実現が生きる力をというふうになっているようですけども、なかなか難しいんです。こんなこと言うとあれですけど、ここの県会議員五十九人、あと例えば知事一人、六十人は生きる力があってここにあると。あるいは生き残る力があってここにあるというふうに言うと、教科書としては余りよろしくないと、こうなってくるんですけども、どういう選定の考えを持って教育委員会として出すのかなと、それを伺いたいと思います。

 次は、目指す姿でありますけれども、採択地区の諸条件や学校の特色、実態を考慮して大変悩ましい問題だと思うんです、これが。それぞれの特色を考慮して教科書を選びなさいということなんです。単純に言えばそのとおりなんですけど、どうするのと言えば何か大変ですね。具体的な指針を示して採択に当たるようにやるのか。あるいは、採択権者の方で地域学校の特色をみずから考えみずから行うというような昔のスローガンのようにやってもらうのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。

 最後に、知事のスタンスということでお伺いします。

 この会議の冒頭あいさつで、法律の改正がありましたが私の教育行政に対するスタンスは基本的にこれまでと変わりありませんので云々というふうに、知事はあいさつでおっしゃっております。教育委員会との関係ということになりますと、確かに非常に立派なすばらしいい回し、言い方かなというふうに受けとめております。教育長は教育委員長を兼ねるということにいずれなるわけであります。行政機関として残るのでそういう意味の配慮かなというふうに受け取っておるわけであります。しかし、教育長は知事が任命し、議会が同意するということであります。前は教育長は知事任命してなかったんです。教育委員会でしてたんですね。そういうことであります。議会の同意を除く、除くというのも変ですけども、なくせば、なくすというか大体不同意なんてないわけで、他の部長さんと余り変わんなくなっちゃったというふうに私は受け取っております。そういう意味でどうなんでしょうかということで、要するに、知事の権限と申しますか、それが許可された一つの証左じゃないかということで、悪いとは言いませんよ、そういうことであります。また、教育行政についても、我々、選挙が間もなくあるわけですけども、そういうときに、子育て、学校教育、そういったことについて、私はこうやります、例えば歴史教科書はこうしますと言います。知事だってそれなりに言いますよね。

 ですから、大阪のように余り強烈でなくてもいいと思うんですけども、教育委員の求められている、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し見識を有する者、教育長はそれに教育行政というのが加わるんですね。難しいんです。知事はというと何もありませんから、何でもいいんです。そういう立場で総合教育会議、これをどう持っていくのかと、変わりはありませんと言ってしまうと、せっかく知事はいろんなこと言っていいですよいうふうに法律上保障されましたんで、言って構わないわけです。そういう意味で、ぜひ、スタンスは変わらなくても言いたいことは言いますよとか、何かこう必要なんじゃないかなということで、壇上からの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 石川利一議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。

 まず、大綱一点目、大震災復旧・復興についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、復興創生期間における国の対応に係る評価についてのお尋ねにお答えをいたします。

 ことしの三月、復興大臣から自治体負担導入の考え方が示されましたが、これは被災地の実情を無視するものであり、私は、今後の被災地の復興に支障を及ぼすものと大きな危機感を持ったところであります。復興事業の着実な推進には財源の確保が不可欠でありますことから、我が県では、被災市町や被災三県と連携を密にしながら、国に対し、自治体負担について極力軽減されるよう強く要望してまいりました。結果として、我々の要望が相当程度反映され、三陸沿岸道路整備事業や任期付職員等の経費、市町村分の新設防潮堤等については全額国費負担の継続が認められたほか、自治体負担の割合についても、財政基盤の弱い市町に配慮した低い水準とされたことなどから、県としては、こうした国の対応について評価しているところであります。しかしながら、具体的な方針が明らかになっていない事業もありますことから、被災地の早期の復興に向けて、少しでも自治体負担が軽減できるよう、あらゆる機会をとらえて国に求めてまいります。

 次に、指定廃棄物最終処分場の候補地取りまとめの経緯についての御質問にお答えをいたします。

 指定廃棄物の処理は、国の責任において進められる事業であることから、国は、市町村長会議の場において、候補地選定手法などについて意見交換を重ねながら、平成二十六年一月に三カ所の詳細調査候補地を選定しました。その後、詳細調査の実施について、国は、候補地を抱える三つの市町及び県との間で関係者会談などを重ねましたが、議論が平行線をたどったため、同年七月二十五日に開催された第六回市町村長会議の席上において、当時の石原環境大臣から私に対し、県内市町村長の意見取りまとめの要請がありました。これを受けて、同年八月四日に県主催の市町村長会議を開催し、その結論を私から大臣に報告したところであります。

 次に、詳細調査に関する市町村長会議の総意についての見解と県の責任についての御質問にお答えをいたします。

 平成二十六年八月四日の市町村長会議ではさまざまな意見が出されましたが、最終的には、市町村長の総意として詳細調査の実施はやむを得ないとの結論に至ったものであります。指定廃棄物の処理については、候補地の選定も含めあくまで国の責任において実施されるものでありますが、県内各地に指定廃棄物が長期に保管されている現状から、県全体の問題として早期に解決することが必要であり、県としても、国と市町村の間に立って必要な対応を行っているものであります。

 次に、福島県内での集中整備の進展状況と今後の見通し及び県としての関与のあり方についての御質問にお答えをいたします。

 県外での集約処理の検討についてはこれまで何度も国へ要望してまいりましたが、国は、排出された都道府県内で処理をするという基本方針は見直さないとの姿勢を変えておりません。今月五日にも国が福島県内の民間最終処分場の国有化方針を伝えた際、内堀福島県知事の質問に対し、望月環境大臣が各県処分の方針を見直すつもりはない旨を明言しております。県といたしましては、今後も国への働きかけは続けてまいりますが、国が方針の見直しを行わないのであれば、現行の基本方針に従って、一日も早く処理を進めるべきであると考えております。

 次に、県として保存すべき遺構についての御質問にお答えをいたします。震災遺構についての御質問にお答えをいたします。

 震災遺構の保存と活用方法については、まちづくりの視点などから住民の意向が重要であり、市町の責任において十分な議論を尽くした上で決定することを県の基本的な考え方としてきたところであります。震災遺構の中でも特段に高い価値があると評価されました南三陸町防災対策庁舎についても、拙速に結論を出さず、時間をかけて考えるべきとの有識者会議の御意見も踏まえ、一定期間県がお預かりすることを町に提案しておりますが、保存の是非も含めた最終的な判断については、他の震災遺構と同様、住民の意向も踏まえ、被災市町において決定されるべきものと考えており、県が独自に保存すべき遺構を決定する考えはございません。

 次に、大綱二点目、総合教育会議についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、橋下大阪市長が今回の法改正に少なからず影響を与えたと思うがどう受けとめているのかとのお尋ねにお答えをいたします。

 橋下大阪市長は、教育行政に対する市長の関与を定めた教育行政基本条例の制定を初め、教育問題や教育委員会制度をみずからの政治課題として取り組んでこられたと認識しております。一方、今回の法律改正は、いじめや体罰等に対する教育委員会の対応を初め、教育委員会制度そのものを取り巻くさまざまな社会的状況が背景にあり、その解決に向けてこれまで以上に首長が積極的に関与していくことが必要であるとの考え方に立ってなされたものと理解をしております。

 次に、第一回会議の感想についての御質問にお答えをいたします。

 総合教育会議については、地方公共団体の長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくために設置するものであり、私も、教育委員の方々と率直に意見を交わすことができる貴重な場であると認識をしております。四月に開催した第一回会議においては、主に教育等の振興に関する施策の大綱の体系案について協議を行いましたが、教育委員の皆様といろいろな分野に関して活発に意見交換をするとともに、教育施策の方向性を改めて共有することができ、非常に実りのある会議であったと思っております。

 次に、大綱の位置づけについての御質問にお答えをいたします。

 大綱は、地方公共団体の長が教育施策の目標や施策の根本となる方針を定めるものであり、既に教育振興基本計画を定めている場合は、その中の目標等を大綱と位置づけることができるものとされております。

 我が県においては、震災の発生等により、子供や社会を取り巻く環境が大きく変化していることなどを考慮し、宮城県教育振興基本計画と宮城県震災復興計画における目標や施策の根本となる方針を一体的に整理した教育等の振興に関する施策の大綱を新たに取りまとめることとし、これまでの総合教育会議での議論を踏まえ、七月を目途に策定する予定であります。

 なお、この大綱の策定後、宮城県教育振興基本計画を改定する予定であり、計画改定後は、新たな教育振興基本計画の中の目標等を大綱として位置づけることとしていることから、今回の大綱の期間を教育振興基本計画の改定までの期間である二年間としたところであります。

 次に、教育委員会の幼児教育部門の強化についての御質問にお答えをいたします。

 我が県では、幼児期を人間形成の基礎を築く、学ぶ土台づくりの時期としてとらえ、平成二十二年度に教育委員会と合同で学ぶ土台づくり推進計画を策定し、連携して取り組みを推進してまいりました。また、ことし三月には第一期計画の基本的な方向性を継承した第二期学ぶ土台づくり推進計画を策定したところであります。計画の推進に当たっては、幼児教育関係団体の代表者等で構成する学ぶ土台づくり推進連絡会議のほか、知事部局及び教育委員会の関係課室で構成するワーキンググループ会議を開催し、県民総がかりによる幼児教育の展開に向けて議論を進めてきたところであります。幼児教育に関する施策は、教育委員会を初め、子育て、健康、福祉、労働にかかわるものなど、県の各部局で横断的に行われる重要な施策でありますことから、今回大綱にも明確に位置づけることとし、引き続き教育委員会を中心として連携を図りながら計画を推進してまいります。

 次に、教育委員会は、知事が指揮監督する一部署になったというとらえ方もできるのではないかとの御質問にお答えをいたします。

 ことし四月に施行されました改正後の地方教育行政の組織及び運営に関する法律において、教育長は知事が議会の同意を得て直接任命することから、知事の任命責任がより明確になるものと考えております。一方において、教育委員会は改正後も引き続き知事から独立した行政委員会であり、教育長はその構成員であることから、合議体としての教育委員会の意思決定に基づき事務を執行する立場となります。

 次に、教育行政に対する私のスタンスについての御質問にお答えをいたします。

 私はこれまでも、教育委員会に対しては、独立した執行機関であることを踏まえ、一定の距離を置きつつも、教育施策等について連携を密にしながら取り組んできたところであります。その意味で、今回制度が改正されましても、私の教育行政に対する基本的なスタンスは変わりませんが、総合教育会議の活用を図りながら、教育委員会との相互理解をより一層深め、引き続き力を合わせて将来の宮城を担う子供たちの育成や教育環境の充実等に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。

    〔震災復興・企画部長 大塚大輔君登壇〕



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 大綱一点目、大震災復旧・復興についての御質問のうち、復旧・復興の総括についてのお尋ねにお答えいたします。

 東日本大震災による壊滅的な被害からの復旧・復興に当たりましては、被災者の生活再建や地域経済の再生等を最優先課題として取り組みを推進してまいりました。これまで、日々新たに生じる課題に直面しながらも一つ一つ乗り越え、県民の皆様と一丸となって復旧・復興に邁進してきた結果、震災で被害を受けた農地の作付可能面積は復旧対象面積の約八五%となるなど、復興は着実に進んできております。一方、水産加工業の売り上げは、震災前の八割まで回復した企業が四〇%、五割に満たない企業が二一%となっており、原発事故に伴う風評の影響など厳しい状況が続いております。また、民間賃貸借り上げ住宅を含めた応急仮設住宅等の入居戸数については、ピーク時の約半数まで減少しておりますが、災害公営住宅の計画戸数に対する入居率は約三〇%となっており、資機材や人手の不足等に伴い一部におくれが見られるものの、一歩一歩着実に進展してきております。しかしながら、今なお六万人を超える被災者の方々が応急仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされており、今後とも被災者の一日も早い生活再建を目指し、被災市町と連携して復興の更なる加速化に取り組んでまいります。

 次に、震災遺構の保存につきまして、宮城県震災遺構有識者会議の議論を経ずに保存と判断した事例と同会議の位置づけについての御質問にお答えいたします。

 宮城県震災遺構有識者会議は、平成二十五年十一月の復興庁の震災遺構保存に係る支援方針の発表を受け、沿岸十五市町の了解を得た上で、客観的な観点から遺構自体の価値や保存の意義について評価を行うために、平成二十五年十二月に設置したものであります。検討対象とした施設は、市町から震災遺構の候補となり得るとして挙げられた施設であり、これらの施設以外に、自治体や民間の各保存主体がそれぞれの判断で保存する場合も当然あり得ると考えております。各市町においては、有識者会議の意見等も参考にしながら、個々の施設の実情を踏まえて保存について判断していただいていると考えております。

 次に、有識者会議で評価の対象とならなかった八市町の検討状況と、市町が独自に保存を決めることについての御質問にお答えいたします。

 宮城県震災遺構有識者会議に震災遺構の候補対象施設を挙げた七市町以外の八市町については、現在、具体的な検討は行っていないと伺っております。また、震災遺構の保存については、市町の判断において決定されるものと考えております。なお、石巻市においては、震災遺構調整会議が設置され、県の有識者会議での評価対象となった門脇小学校に加えて、大川小学校についても、保存する場合の課題整理等の検討が行われていると伺っております。

 次に、南三陸町防災対策庁舎の評価に関する御質問にお答えいたします。

 宮城県震災遺構有識者会議においては、破壊力の痕跡、教訓、発信力、鎮魂の四つの観点から検討が行われました。南三陸町防災対策庁舎については、震災遺構としてぜひ保存すべき価値があるとされた上で、特段に価値が高いものと総合的に評価されたものであります。

 次に、南三陸町防災対策庁舎保存の是非に関して判断を後世にゆだねることについての御質問にお答えいたします。

 宮城県震災遺構有識者会議の報告書では、原爆ドームが保存決定までに二十年間を要していることも踏まえ、拙速に結論を出すのではなく、時間をかけて考えることも検討すべきとの意見や、町のみに対応をゆだねることは負担が大きいため、県などの第三者が関与することも検討すべきとの意見が付されております。このような意見を踏まえ検討した結果、南三陸町防災対策庁舎については、将来に悔いを残すことがないよう、遺族の皆様を含めた住民の方々でしっかりと時間をかけて冷静に議論した上で保存の是非を判断することが大切と考えたものです。

 次に、大綱二点目、総合教育会議についての御質問のうち、会議の議題の想定についてのお尋ねにお答えいたします。

 宮城県総合教育会議については、運営要綱で、原則として毎年四月及び十月を目途として開催するものと規定しております。四月の会議では、当該年度における教育施策の方針等について、また十月の会議では、予算編成等に向け、次年度の教育施策の重点方針等について協議、調整を行う予定としているほか、その時々の教育に関する課題等についても幅広く議論していくこととしております。

 なお、今年度は教育等の振興に関する施策の大綱の策定に要する協議のため、四月及び六月に総合教育会議を開催したところであります。

 次に、実のある会議にするための方針及び議事録の公表についての御質問にお答えいたします。

 総合教育会議は、会議における議論を公開し、県民への説明責任を果たすとともに、その理解と協力のもとで教育行政を行う趣旨を徹底するため、いじめ等の個別事案における関係者の個人情報等を保護する必要がある場合などを除き、原則として公開するものとしております。会議の進行に当たっては、予定されている議題に限らず、各委員がその時々の教育に関して課題と考えていることなどについても自由に議題に取り上げ、さまざまな意見交換を通して実のある会議にしてまいりたいと考えております。

 なお、議事録については、非公開の部分を除き会議資料とあわせて発言等を公表することとしております。

 私からは、以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 教育長高橋仁君。

    〔教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育長(高橋仁君) 大綱二点目、総合教育会議についての御質問のうち、防災教育についてのお尋ねにお答えいたします。

 防災教育については、東日本大震災の教訓を踏まえ、平成二十四年に策定したみやぎ学校安全基本指針に基づいて、地域の特色や学校の特性に応じて進めているところであります。震災の記憶を伝承する取り組みとしては、児童生徒の防災意識の内面化を図るために作成、配布している防災教育副読本の冒頭に、三・一一を忘れないという章を設けて、写真や作文を通して震災の事実とその当時の被災者の心情を確実に伝承することとしております。また、各学校において地域の実情に応じて実施されている防災訓練において、実際の場面に即した工夫、改善が着実に進められているところであり、児童生徒の防災意識の定着につながるものと考えております。我が県にとって防災教育は学校教育の大きな柱となるものであり、今回、大綱の基本方針及び基本目標にも位置づけられることから、引き続きこれらの取り組みを推進してまいります。

 次に、学習指導要領の生きる力をはぐくむ教科書とはどのような特色を持つものかとの御質問にお答えいたします。

 今回県教育委員会が示した教科書の採択に関する基本方針の一つに、教育基本法や学校教育法に示された教育の目標を踏まえるとともに、学習指導要領にある、生きる力をはぐくむという理念に沿った教科書を採択することを掲げております。学習指導要領では、基礎的な知識、技能を習得活用し、みずから考えて判断し、課題を解決する確かな学力、みずからを律しつつ他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力、これらを総合的に備えていることが生きる力とされております。県教育委員会としては、この生きる力をはぐくむという理念に基づいて、各教科の特性を踏まえつつ、教科書の採択を行うべきと考えております。

 次に、目指す姿に向け、県として具体的な方針を示すことになるのか、それとも各採択権者がそれぞれ判断することになるのかとの御質問にお答えいたします。

 今回、県教育委員会では、教科書採択の重要性にかんがみ、基本的な方針を示したところでありますが、具体的な教科書の採択については、各採択地区協議会及び各市町村教育委員会が判断することとなります。その際、各市町村教育委員会等の参考となるよう、今回の基本方針に加え、各教科書の特徴を明確に示すため、記載内容や分量を比較対照できる選定資料を作成したところであります。これらの資料を参考に、保護者等の意見も求めながら、地域や学校の実態を踏まえて、各採択権者において公正に教科書が採択されるものと考えております。

 以上でございます。



○議長(安藤俊威君) 六番石川利一君。



◆六番(石川利一君) それでは、まず、防災庁舎の件でお伺いをいたします。

 やはり二十年という年限ですね、確かに現在の方々の思いというものが一つの方向づけになってないということで、とりあえず県有として二十間保管して、そしてその後に判断してもらうということなんだと思うんですけれども、それで、その二十年というのは、先ほどちょっと志津川から来られた方と話したと言いましたけども、二十年たちますと大体ワンジェネレーション交代ですよね、ほぼ、昔は三十年と言ってましたけど、そんな感じでしょう。そうすると、現在の方々の判断を置いといて次の世代にお願いするということのような意味で考えた二十年なのか、お伺いします。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 次のジェネレーションあるいは今のジェネレーションなのかどうかとそういうことではなくて、冷静な判断ができるまでには二十年ぐらいかかるだろうと判断したということであります。考えたということであります。根拠は、明確な根拠というものはないんですけれども、参考にさしていただいたのは広島県の例でございまして、原爆ドームを残す残さないという議論をして最終的に意思決定したのに二十年かかったということでございましたので、二十年とさしていただいたということでございます。二十年というのは、これから二十年ではなくて、震災のあった日から二十年ということでございますから、もう厳密に言うと十五年半ぐらいということになります。その間、それぐらいでしたら、今の世代の方たちも大部分の方が御健在であろうかというふうに思いますので、決して問題の先送りということではなくて、今おられる方たちも冷静に判断できる期間ということも考慮しながら、考慮さしていただいたということでございます。もちろんその間には十五年時がたちますと、新しい世代の人たちもどんどん入ってくるかと思いますので、その時、震災後に生まれた子供たちも、震災の時におられた方たちも一緒になって御議論いただければよろしいのではないかと考えているところでございます。



○議長(安藤俊威君) 六番石川利一君。



◆六番(石川利一君) そういうことなんでしょうけども、何というのか、二十年たった後に具体、客観性をどの程度担保されてくるのかということになると、とりあえず置いておこうという話の方がわかりやすくなっちゃうのかなというふうに思うんですね。そして県有というのになってるもんですから、特に私は、もともと公園にしたって、祈念公園とかあるいはこういった遺構にしても、県として一つぐらい何かやったらどうかなっていうのは私の考えもともとなんですよ。それからいきますと、何となく県の方はどうしても前に出ないで後押しをするような言い方ばっかりで、一つぐらいやっちゃおうと、やりましょうというようなものがあっても、ずっと保存していくわけですから、特に。将来考えたらそのときに南三陸町に返しますとなるのかと言えば、現実的には非常に考えづらい。それだったらもうわかったとやった方がいいのではないかということで質問しております。再度お願いいたします。



○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) もちろん、二十年間という期限を切らずに、二十年以降も県が持ち続けたらいいんじゃないかという御意見もあろうかと思いますけども、これは私の方としては公平に判断をしていただく、大所高所から判断していただく有識者会議にゆだねまして、その結論をもって判断したいということでありました。その結果、有識者会議としては、一定期間県が関与すべきではないかと、冷静に判断すべき期間を置くべきだというようなことでございましたので、そこに合わせたということでございます。それ以降の遺構につきましては県が持つということは、今のところ考えてないということでございます。



○議長(安藤俊威君) 六番石川利一君。



◆六番(石川利一君) 有識者会議が盾になったような話になっちゃうんですけどね。位置づけ、あの会議の位置づけどうなんだろうなというようにちょっと疑問に思ってたとこもあったもんですから、ここでひとつ知事がわかったよというのがあってもいいのかなと思っております。これからどういうふうに動いていくかわかりませんけども、ぜひ、県も、これだけの被災があったんだと、これは県民の税金でやっていきますよということがあってもいいんじゃないかという思いでおりますので、いずれまたこれからも伺いたいと思います。そういうことで、質問は終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



○議長(安藤俊威君) 暫時休憩いたします。

    午前十一時五十八分休憩

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    午後一時再開



○副議長(渥美巖君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑、質問を継続いたします。三十一番本木忠一君。

    〔三十一番 本木忠一君登壇〕



◆三十一番(本木忠一君) 議長のお許しをいただき、大綱三点にわたって一般質問をさせていただきます。

 かの大震災から四年有余が経過。春風に乗って通り過ぎいく電車に小旗を振りつつ石巻線、仙石線の再開を祝いながらも、被災地石巻の復興はいまだ道半ばであります。そして、五回目の夏を迎えました。二万六千余りの仮設住宅に六万人余の被災者が不自由な暮らしを余儀なくされ、伴う災害復興住宅の供給状況は、石巻市で九百二十九戸、二〇・七%、気仙沼市で百八十五戸、八・六%、南三陸町で百四戸の一四・一%、女川町で二百三十戸、二五・一%と遅々として進まず、岩沼市二百十戸、一〇〇%、亘理町四百四十七戸、九三・七%など、最低限の生活環境の確保という点においても復旧格差が生じるなど、被災地、被災者の生活再建、地域経済の再建とあわせ、時間との闘いの中で、復興まちづくりを迅速かつ着実に進めていくかという正念場とも言える時期に、復興庁が示した復興事業に被災自治体に対して、最大三・三%の費用負担を求める方針は、被災地、被災者の感情を逆なでするには十分過ぎる効果があったと断じざるを得ないのであります。まさに、実態を理解していない証左と言わざるを得ず、膨大な復興・復旧事業を前に、震災当初から入札不調は顕在化、恒常化し、建設資材の高騰、人手不足、相まっての賃金の上昇などに起因し、予定価格の修正、変更等を再三にわたって求められ、再三再四の入札においてようやく請負業者の選定がなされるなど、更には、大地震、大津波、地盤沈下など、そして、原発事故被害も加え、防集、高台移転等、まちづくり復興は住民合意に基づき進められるがゆえに、多大な時間を要し、更には、甚大な自然災害ゆえに、災害支援における法律、制度、メニューが追いつかぬなど、はたまた原形復旧を基本とすることの意味合いなどなきに等しいゼロからの復旧・復興の実情が被災地、被災者目線で思考することかなわず、予算は幾らあっても足りない、否、予算があっても工事業者が決まらず、よって、復旧・復興は進まず、時間だけが過ぎていく。時間の経過とともに若者や子供たちは去り、人口減少に歯どめかからず、事業を再開しても人手集まらず、産業の再生などおぼつかず、一日も一刻も早い生活再建の基盤となる社会資本整備を願いながら、いつか復旧するであろうふるさとは、結局のところ、まちは復興するけれど人は住まない、衰退の一途をたどるような状況を想起することは、悪夢としか言いようがありません。まさしく、被災地はせっぱ詰まった時間との闘いの渦中にあると言っても過言ではありません。

 大震災から四年有余が経過しても、復旧・復興道半ばのこのありさまを、私自身想定できなかった不明を恥じるとともに、そもそも、集中復興期間を五年と定めた事態に無理があったことは、今さらながらに、これまでの被災地からの発信に問題がなかったのかどうかも含め反省せねばならぬことは、論をまたぬところであります。

 しかるに、県議会、被災市町の議会も含め、村井知事を先頭に集中復興期間の延長継続を強く求めてきたことは当然のことわりであり、国民からの復興増税あるいは郵政株、JT株の売却収入等も含めての復興予算であることは重々承知しつつも、地元負担を求める根底には、被災の実態も含め、被災地の実情を知らぬがゆえの、五年も経過したのだから、例のない巨額の復興予算を投じたのだからという、政府のモラルハザードを招来した結果とさえ申し上げざるを得ません。大体にして、震災直後は邪魔立てするがごとく視察に訪れた国会議員の先生方は、今となって復興すら語らず、まさに、大震災の風化は現実のものとなっています。震災発生から一年あたりまでは復興頑張ろうで被災地の思いを同じ方向にそろえることができたかもしれませんが、しかし、今は、被災者ごとに復興の思いは異なり、また、被災地内でも感情の差が生じる各論反対期、例えば、防潮堤の高さの問題、震災遺構の取り扱い、除染廃棄物の処分場などは着地点すら見出せぬありさまなどなど、改めて被災地に身を置く政治家は、政治に期待せざるを得ないマイノリティー化しつつある震災弱者に真摯に向き合うことこそ肝要と申し上げざるを得ないのであります。

 しこうして、知事は、震災風化の現状をどのようにとらえているのか、まずもってお尋ねをいたします。

 また、各論反対期において政治的判断を求められる案件が山積する中において、批判をおそれず決断することは論をまたぬとしても、どのような姿勢で手法で打開していこうとするのか問うものであります。

 そして、復興まちづくりが遅々として進まず、まして被災地からの人口流出も著しく、課題はむしろ深刻化、先鋭化している状況にあって、創造的復興、単なる復旧ではない復興に取り組むとはいかなることなのか。もっといい町、よりよい地域をつくると言って、人口減少社会の現実を踏まえて、生活再建すらままならぬ被災者にとっては空虚なお題目にしか聞こえぬ状況下にあって、知事がイメージする創造的復興を具体的にお示しをいただきたいと思うのであります。

 六月十八日、復興庁は、今後の東日本大震災における復興事業最終案をまとめ、総額六兆五千億と試算し、市町村防潮堤など全額国費とするなど、地元負担軽減策を発表いたしました。竹下復興大臣いわく、この案なら被災地の復興はおくれることはないと胸を張り、我らが村井知事も、評価する、感謝すると呼応するなど、財政力豊かな不交付団体の首長のごとき、昔で言えば代官様のごとき一連の言行動に違和感を抱かざるを得ないのでありますが、そもそも、復興費地元負担を当初からいたし方ないことと許容していたのかどうか。

 復興費全額国費の継続は、宮城復興の一里塚ではなかったのか。被災地議会と歩調を合わせ、被災地復興を万全のものとする闘争ではなかったのか。まして、一難去ってまた一難のさなか、地方負担が軽減されたことで、遅滞なく復興は進められるとする根拠は何か。復興費地方負担問題において、被災自治体の復旧状況から来る復興格差のみ取り上げられた感は否めませんが、何よりも被災地、被災者への個々のメッセージこそ大切ではなかったのか。この間の議論は、ただただ、被災者の心配と不安をあおることに終始し、地方負担の軽減は政治的要因に尽きると断言する官僚、役人のその姿勢には、被災地の現状を一顧だにせず、ただひたすらに政治的駆け引きの時間帯ではなかったのかとさえ苦言を呈さざるを得ないのであります。あわせて、御所見を問うものであります。

 厚労省は、六月五日、二〇一四年の人口動態統計を発表。合計特殊出生率は一・四二で九年ぶりにダウン。都道府県別に見れば、沖縄一・八六、宮崎一・六九、島根一・六六、宮城は一・三〇、最低は東京の一・一五。出生数は百万三千五百三十二人、死亡数は百二十七万三千二十人と、よって、人口の自然減は二十六万九千四百八十八人となり、過去最大幅を記録。婚姻件数、戦後最少の六十四万三千七百四十組。平均初婚年齢は、夫三十一・一歳、妻二十九・四歳でいずれも上昇。第一子出生年齢は三十・六歳と、晩婚、晩産化が進行していることを如実に示したものであります。

 現在、全国各自治体において地方創生の取り組みが進められていますが、とりもなおさず、昨年六月のいわゆる増田レポートがきっかけとなり、そこには、都市圏への人口流出を前提として、二〇四〇年までに若年女性人口が五〇%以下に減少する自治体が八百九十六に及び、そのことを消滅可能性都市としてリストを公表し、人口減少、伴う自治体存続の危険性に警鐘を鳴らしたものでありますが、ともかくも、あらゆる方策を講じて人口の急減緩和策を図ることは、国、地方を通じての待ったなしの政策課題であることは事実であります。

 私は、人口減少が経済成長の足を引っ張り、国力の衰退を招くのではないかという危険性もさることながら、増田レポートに分類されるところの、農山漁村も含めた過疎地域、若年女性の急減が危惧される地方都市の存亡を視野に入れた問題であり、遅きに失した感もある地方創生、そのことは、大震災に見舞われ、瀕死の状態にある被災自治体にあっては、まさしくふるさと再生とあわせ、地方創生総合戦略は、自治、自律を基調とし、現状を十分に把握し、どのような姿勢で取り組むかも含め相当に吟味されねばならぬことは、論をまたぬところであります。中間案は示されたものの、余りに総花的であり、二〇六〇年の県人口を百八十四万とする遠方目標を踏まえ、改めて宮城県地方創生総合戦略の策定に当たり、とりもなおさず、地域経済の活性化の視点を加えて、若者定住策によって住み続け、子供を生み育てられる環境をどう整えていくか。すなわち、少子化対策の視点もまた重要であり、地方の復活は、まさしく仙台一極集中の解消こそ起点になり得ると思料するものであります。

 仙台市は、いわば東北の中枢都市であり、マグネットの役割を果たしている中で、言い換えれば自立的発展可能な大都市であるゆえに、仙台市と他の地方都市との人口格差を助長することは、地方創生の原点とは相入れぬものであり、過度の人口集中はまさしく地方の消滅を意味するものであります。いわば、行政、教育、医療、芸術文化、スポーツ等の施設再配置を大胆に行うこと、更に申し上げれば、市町村間における指定都市、中核市、特例市、一般市町村という人口規模による実質的序列化が進む中で、特に宮城県内の人口構造は仙台が突出し、周辺人口とも合わせ六割強を占めるなど、いや応ない人口減少社会で大都市への吸引力は依然として強いものの、地方、農山漁村への田園回帰策を講じ、そのことによって都市農村共生社会の創造へと止揚され、改めて地方の存在価値を生み出すこと、つまりは生存を支える、国土を支える、文化の基層を支える、自然を生かす、新しい産業をつくるという思想を前提に、子育て支援、若者の雇用や居住環境の整備、六次産業化、UIJターンの促進等、これまで以上に地域力の掘り起こしに決意と覚悟が地方に求められることも必定ながら、県や国が積極的な支援を講じることこそ初めの一歩ではなかろうかと思うのであります。過疎過密が社会問題化して半世紀余り、工業化、情報化、サービス化の時代、人口の都市集中、加えて東京一極集中が顕著となり、輸入自由化に伴う農林漁業の衰退、そして公共交通の撤退は、農山漁村部の過疎化に拍車をかけるなど、いわば日本列島は新幹線など大動脈は太くなる一方で、毛細血管はずたずた、末端から壊死しそうな様相とでも申し上げざるを得ません。

 主要地域ごとに数百万規模の中核都市を形成し、一方で中山間地は手入れ不要な自然林に戻し、平地は大規模農業を目指すべきという都市国家論まで喧伝され、TPP議論の際にも、GDPの一・五%にすぎない農業を守るために九八・五%を犠牲にするのかといった議論も漏れ聞こえることなど、選択と集中とは聞こえはよいが、国における危機感が地方創生の根底にあるとすれば、まさしく本末転倒であり、私たちは、ひたすら成長路線を掲げ、グローバリゼーションにふさわしい世界都市東京を、地方を消滅させつつ、築き上げようとするのか、それとも個性的な、持続可能な都市農村共生社会を国民の田園回帰を促進しつつ構築しようとするのか、岐路に立たされていると言っても過言ではないのであります。

 従来の発想からすれば、例えば政府はTPP対策の一環として、十年間で農業所得を倍増させる目標を設定する。よって農業の規模拡大策をとり、あるいは集落営農を導入し、経費削減を進め、収益性の低い零細農家は整理され、農業から撤退した人々は相次いで離村する。そのことは、所得向上策が人口減少を招きかねないというごく当たり前の帰結となるのであります。よって、農業と農村は不即不離であるという事実を、原点に立ち返り、きちんと認識せねばなりません。つまりは、産業振興の目標設定の仕方においても、単に収益向上、幾ら稼げるかという視点ではなく、人口確保、何人の生活を賄えるかを重視すること、そういった産業振興策を人口対策に連結させることを地方再生の出発点とすることこそ肝要と思われますが、地方創生総合戦略策定に当たって、地方、ひいては農山漁村の存在理由も含め、基本姿勢、基本方針を具体的にお示しをいただきたい。見解を問うものであります。

 また、六月四日、日本創成会議において、東京圏高齢化危機回避戦略を発表し、地方移住等の提言がなされましたが、所感を求めるものであります。

 私は、このたびの地方創生施策は、その担い手は、県であり、市町村であり、まして、住民自治の原点に立ち返るべきと考えますが、同時に、どう考えても、自治体そのものは合併でしか消滅せず、消滅危機に直面するのは、それぞれの地区、集落であるとすれば、人口推計を集落単位で明示することも含め、県が総花的な策定に陥ることのないように留意することはもとより、震災復興にあえぐ地方、農村、漁村にしっかりと目配りをしつつ、頑張れる地域とそうでない地域の格差拡大など、地方創生がもとのもくあみにならぬことを最も懸念するゆえに、過疎地域の底辺に視点を据えた戦略こそ問われるものと思料するものでありますが、あわせて御所見をいただきたい。

 次に、大綱二点目。先般、宮城県石巻市南浜地区に設置される復興祈念公園基本計画案が示されました。平成二十四年九月に、被災三県に震災復興祈念公園を整備する方針が示され、平成二十五年六月、慰霊の場として、また震災の教訓を後世に伝承する場として、石巻市に整備すると宮城県が表明。以来、平成二十五年十月より二十六年三月に至るまで、復興祈念公園基本構想が平成二十六年十月の国営追悼・祈念施設の設置に関する閣議を経て基本計画が検討され、その内容が明らかになったものでありますが、私は、再三にわたって復興祈念公園整備を取り上げ、平成二十五年二月議会においては、広島、長崎の追悼平和記念館等を引き合いにしながら、慰霊追悼の施設整備と同時に、震災津波博物館、武道館等のスポーツ施設を併設するなど、提言をさせていただき、平成二十五年九月においても、被災地振興のシンボル的公園整備を求め、防災教育の拠点という視点からも、地震・津波防災ミュージアム等の併設を強く要望。また、平成二十六年六月においても、聖火台の誘致、聖火リレーの出発地として鎮魂の丘、復興祈念公園に聖火台を誘致設置し、復興の火をともし、聖火リレーの出発地として内外に支援への感謝と復興への強い意思を発信すべきと提言、要望をさせていただいた経緯において、追悼、鎮魂、そして記録、教訓、伝承の場としていかに発信力を持たせるかがキーポイントであり、地震、津波、地盤沈下、まさしく複合災害という点でいえば、東日本大震災は特異な姿を見せているだけに、津波襲来の状況をしっかりと記録し、次世代に伝承し、疑似体験も含め、学びの場として活用することこそ大切な要件と思料するがゆえに、そのような施設整備が全く見えず、森や広場、空間をつくるだけでは、余りに具体性に欠ける発信力のない祈念公園という思いを否定できないのでありますが、御所見を問うものであります。

 また、被災自治体それぞれに追悼施設が整備される中で、宮城県でただ一つの一万二千名余の犠牲者の追悼と鎮魂の場としての国営追悼・祈念施設のコンセプトを具体としてお示しをいただきたいと存じます。

 また、武道館等県営スポーツ施設を併設する考えはないのかどうか、見解を問うものであります。

 次に、大綱三点目、水産特区桃浦の浜再生についてであります。

 平成二十四年十月、桃浦LLCの設立後、復興推進計画の認定を経て、地元漁業者だけでは再開などおぼつかず、よって、地元漁業者のなりわいの維持、雇用創出、その区域の活性化が図られ、また、水面の総合的利用に支障がないといった要件を満たすことにより、水産特区導入が決定され、特定区画漁業権が桃浦LLCに宮城県知事より与えられました。その間、漁協、漁民からのたび重なる反対要望、そして、海の自治の問題も含め、浜のコミュニティーの分断等、議会内外においても議論がなされてきた経緯の中で、知事は、瀕死の状況を打開するために民間企業の参入を図り、合同会社において持続的産業形成を目指すとして、水産業再生、浜の再生を図る唯一の選択肢として、水産特区導入を断行いたしました。

 私は、今日に至るまで、事態の成り行きを静かに見守り続けてまいりました。漁港整備に九億四千万余、養殖再生業等に四億余、雇用創出助成金として二千三百万余の予算が投入され、平成二十五年三十五トン、七千二百九十万、平成二十六年には六十五トン、一億五千七百七十万余の生産実績を示し、LLC設立当時の十五人体制から平成二十七年三月末段階で、社員二十八人、パート十三人の合計四十一人の雇用拡大が図られるなど、当初の計画どおりとは言えないまでも、県の指導のもと、水産特区を活用し、漁業権を直接取得し、カキ生産と販売活動を行うという、震災復興を目指した新たな形態の組織としてスタートしたことは紛れもない事実でありますが、私は、どのような形態であろうとも、震災以前の六十五世帯、百五十人余が永々と暮らし続けてきた桃浦の浜に人々が戻り、集落のコミュニティーが再構築されることを、道のりは険しくても、いつか必ず浜の再生につながることを期待し、願い続け、推移を見守ってきた一人として、現状は必ずしもLLCが浜の再生の受け皿には決してなり得ていないことに、暗たんたる思いを抱かざるを得ないのであります。

 震災において五世帯のみ津波から免れ、ましてLLCにおいて勤務している地域住民は一人だけ。当初は、二十四世帯の高台移転の申し込みがあったにもかかわらず、今では五世帯の希望者で、これまたLLCの社員では一世帯のみという状況をどのように受けとめればよいのか。水産特区問題がコミュニティーを瓦解させたと言っては、言い過ぎでしょうか。

 地方創生論でも申し上げたように、漁業と漁村は不可分であり、浜に暮らしがなければ、単なる桃浦LLCの生産活動の拠点にしかすぎず、きれいに申し上げれば、人と自然を含む命の自治こそ農村漁村の果たすべき役割であり、ビジネスの論理を持ち込み、地方を、漁村を、ふるさとを畳み込むなど断じて許されず、金銭ではかえがたい、例えば里山には四季折々に豊かな作物が実り、川や海には命のにぎわいがあり、美しい風景が広がり、自然と共生しながら、人々は生き続け、俗物的に言えば、農業の多面的機能は洪水防止であったり土砂崩壊防止であったり、よって、農山漁村の存在理由は、金よりももっと大事な価値があることは論をまたないものであります。そのことこそ地方創生の出発点であり、震災復興、そしてふるさと再生の原点であることを私たちは忘れてはいけないのであります。

 翻って、水産特区の行く末はその都度検証するとしても、事ほどさように桃浦の浜の再生に不安と危惧を抱くゆえに、なりわいの手段は提供したけれど、暮らしの整備は全くないという点で、桃浦LLCの社員、元住民も含め、漁業者の方々と話し合い、更なる高台移転の拡大、浜への帰郷を誘導するなど、地元石巻市とも協議を重ねるなどの考えはお持ちなのかどうか。そもそも、桃浦の再生をどのように描いているのか、見解を問うものであります。

 また、あわせて、桃浦LLCの業務運営、収益状況、復興計画としての進捗状況について御報告をいただきたいと存じます。

 以上、多岐にわたりましての質問でありました。誠実なる答弁を求めるものであります。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 本木忠一議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、震災復興と地方創生についての御質問にお答えいたします。

 初めに、震災風化の現状をどうとらえているのかとのお尋ねにお答えいたします。

 震災の発生から四年余りが経過し、時間の経過とともに風化が進み、復興への関心が薄れていく懸念があることにつきましては、大きな危機感を持っているところであります。このため、県といたしましては、震災の記憶が風化しないよう、被災地の復興状況や継続的な支援の必要性について、ホームページや広報誌などを活用した情報発信の強化に努めております。

 また、被災自治体においては、応援職員の確保が困難となっている状況を踏まえ、県では応援職員を募集するためのツアーの開催を予定しておりますが、今後はこうした工夫も必要であると考えております。国においては被災地の実情について十分に理解していただいているものと考えておりますが、震災からの早期復興に向けては、国の継続的な支援が不可欠でありますことから、今後とも、震災からの復旧・復興を国の最優先課題と位置づけて推進するよう、国に対して要望してまいります。

 次に、政治的判断が求められる案件に対しての姿勢や手法についての御質問にお答えいたします。

 私は、政治家が物事を判断し行動する際には常に全体の利益を念頭に置くことが何より重要であると考えております。どうすれば全体の利益になるかを常に考えながら、その過程で生じる対立と調和のバランスをとり、そして、五十年後あるいは百年後のあるべき姿を念頭に置いて判断すべきであると考えております。そのためには、その判断材料となる正確な情報を広く収集するとともに、反対意見や少数意見等にも十分配慮し、真摯に耳を傾けることが肝要であると考えております。

 東日本大震災の発生以降、指定廃棄物の処理問題、医学部の新設、防潮堤の整備など、県民の皆様の意見が分かれる事案もありましたが、いずれも、今述べた考え方に基づき判断をしてまいりました。私といたしましては、今後とも、この姿勢を貫いてまいりたいと考えております。

 次に、創造的復興についての御質問にお答えいたします。

 東日本大震災は、人口の減少、少子高齢化の進展、景気の低迷など、我が県を取り巻く社会情勢が大変厳しい状況の中で発生いたしました。このため、被災者の生活再建や被災地の産業の再生など、震災からの復興を着実に推進すると同時に、地域経済の活性化や地域社会を取り巻く諸課題を解決する先進的な地域づくりを進めることが不可欠と考え、宮城県震災復興計画に、復旧にとどまらない抜本的な再構築を基本理念として掲げ、創造的復興の取り組みを進めてまいりました。これまで、水産業復興特区や仙台空港の民営化、医学部の新設などの取り組みを進めておりますが、その成果は、沿岸被災地を初め全県域、ひいては東北全体に及ぶものと確信しております。今後とも、創造的復興に鋭意取り組むとともに、地方創生の取り組みも活用しながら、沿岸被災地を初めとした県内のそれぞれの地域が少子高齢化や人口流出を乗り越え発展していくことができるよう、最大限努力をしてまいります。

 次に、復興事業費の地元負担についての所見はどうかとの御質問にお答えいたします。

 ことし三月に、復興大臣から自治体負担導入の考え方が示された際には、私としては、今後の被災地の復興に支障となる懸念があることから、大きな衝撃を受けたところであり、我が県では、これまで被災市町や被災三県とともに、国に対し、集中復興期間と同様の支援の継続を強く要望してまいりました。この結果、最終的には、市町村分の新設防潮堤などについては全額国費負担の継続が認められるなど、自治体の負担が復興の進捗に影響のない程度に抑えられることとなったことから、国の方針を受け入れたところであり、被災市町においても、こうした国の対応について評価しているものと受けとめております。県としては、復興事業に必要な財源の確保に向けて、国に対してははっきりと物を申し上げていくとともに、被災者に寄り添いながら、被災者の笑顔が戻るまで、復興の途上にある生活再建や産業の再生などの課題にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、地方創生総合戦略の基本姿勢や基本方針についての御質問にお答えいたします。

 昨年十二月に実施した県民意識調査では、地方創生のため優先すべき事項として、若い世代の経済的安定と回答する割合が最も多い結果となりました。この状況等も踏まえ、宮城県地方創生総合戦略(中間案)では、二〇六〇年までの遠方目標を達成するための戦略の一つとして、地域経済を支える産業がそれぞれの地域で栄え、質の高い雇用機会が多く生み出されている社会を実現することを掲げており、若い世代の雇用の確保等を重視することとしております。この目標を実現するため、特に農山漁村等においては、六次産業化等も含め、農林水産業の競争力を強化していくほか、起業など新たな産業の創出や地域産業の担い手となる人材の育成等を進め、地域で安定した雇用を確保し、若者を初めとした多様な人材が地域に定着できるよう支援していくことが重要と考えております。

 地方創生の推進に際しては、農山漁村を初め、県内のあらゆる地域において、その固有の資源や人材、産業基盤等を最大限活用し、収益向上のみならず、人口減少対策にも資するよう、雇用の場の創出とその確保を目指してまいります。

 次に、日本創成会議が発表した東京圏高齢化危機回避戦略における地方移住についての御質問にお答えいたします。

 日本創成会議においては、二〇二五年までの東京圏の介護需要が全国平均を大幅に上回ること等を踏まえ、逆に介護需要が減少に転じる地域への移住を促し、需給のミスマッチの解消等も含めて提言したものと認識しております。

 しかしながら、首都圏から地方への移住に関しましては、高齢者だけではなく、若い世代も含めて、多様な世代の方々がそれぞれの思いに基づき、魅力ある地域へ移住することが望ましいと認識をしております。

 なお、高齢者を中心とした移住に関しましては、移住先自治体において社会保障関係経費が増大する懸念があるため、国においては、これらの制度改正も視野に入れた検討が必要と考えております。

 県外からの移住については、我が県の地方創生の重点事項と考えており、七月には東京及び仙台に移住サポートセンターを設け、我が県への移住を希望する方々に、住まいや仕事の情報をワンストップで提供することとしております。若い世代も含めて多くの方々が我が県に移り住み、豊かな自然と充実した生活環境のもとで暮らしていけるよう、市町村と連携して取り組みを進めてまいります。

 次に、大綱三点目、水産特区、桃浦の再生についての御質問にお答えをいたします。

 水産業復興特区を活用した桃浦かき生産者合同会社は、民間企業の技術、ノウハウ等を生かし、カキの養殖生産から加工販売まで一貫した六次産業化の取り組みを行い、地元漁業者のなりわいの維持と雇用機会を創出することで、持続的で安定的な産業の形成により、漁業地域の再生と復興の一翼を担うこととしております。特区導入二年目の昨年度は、カキの生産量、金額とも復興推進計画の約七〇%にとどまりましたが、加工施設も完成し当期利益は約八百六十万円を計上するなど、おおむね順調に推移しております。また、若手の新規社員四人を含めた四十一人の雇用が確保され、今年度は新たに導入した高圧処理装置を活用した生産も予定されており、生産規模の拡大などにより、浜の活性化が図られていくものと考えております。このような中、桃浦合同会社は、現在、社員寮を整備するなど、桃浦地区での定住化を図るための取り組みを進めております。

 浜の再生は、住民が戻ることとあわせて、なりわいの場として、現在の漁業者だけでなく、将来にわたり、世代を超えた人々が集まり、活気あふれる地域になることが望ましい姿であると考えております。桃浦地区は、そのほとんどが災害危険区域に設定されておりますが、県といたしましては、今後とも、地元漁業者の意見を聞きながら、定住の場の確保に向けて、まちづくりを担う石巻市と協議をしてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。

    〔震災復興・企画部長 大塚大輔君登壇〕



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 大綱一点目、震災復興と地方創生についての御質問のうち、地方創生総合戦略において、過疎地域に視点を据えるべきとのお尋ねにお答えいたします。

 地方創生の推進に際しては、過疎地域等の条件不利地域も含め、県内あらゆる地域において施策を展開していくこととしております。特に過疎地域などにおいて地方創生の取り組みを進めていく際には、それぞれの地域やコミュニティーを見詰め直し、既存の取り組みに加え、その地域が持つ固有の資源等を掘り起こし、魅力を高めていくことが重要と考えております。

 県といたしましては、移住促進モデル事業におきまして、栗原市花山地区及び丸森町大内地区をモデル地区とし、アドバイザーの派遣や、地域資源の掘り起こし、受け入れ体制の整備など、地域性や独自性のある企画提案を行うこととしております。このような取り組みを市町村と連携して進めていくことにより、小さな成功事例やモデルケースを数多く積み上げ、県内のあらゆる地域において将来に向けて希望に満ちた取り組みが進められるよう、その支援に努めてまいります。

 なお、人口推計の集落単位での明示については、市町村の人口ビジョンや総合戦略において検討されるものと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 土木部長遠藤信哉君。

    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕



◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱二点目、震災復興公園整備についての御質問のうち、復興祈念公園としての具体性や発信力と国営追悼・祈念施設のコンセプトについてのお尋ねにお答えいたします。

 石巻市南浜地区復興祈念公園につきましては、昨年八月、基本構想を具体化するため、国、県及び石巻市が合同で有識者委員会を設置し、さまざまな角度から議論を重ねていただいたほか、県民アンケートや住民の方々との意見交換会、パブリックコメントなど、幅広く御意見を伺いながら、基本計画を取りまとめてまいりました。

 公園整備に当たっての基本コンセプトにつきましては、南浜地区における集落の成り立ちの歴史や風土を示す、かつての浜と、震災前のまちの暮らしの記憶などを示す土地利用を前提に、この地で東日本大震災による犠牲者を追悼し、被災の教訓を次世代へと伝承するなど、復興の意思を伝え続ける祈念公園としての機能を備えることとしております。具体的には、生物の生息空間や雨水調整機能を持つ湿地の整備、まちの暮らしの記憶を震災の教訓とし、骨格的な街路を幹線園路として残すほか、中心部には式典や伝承活動が可能であり、多様な市民活動の拠点となる空間を整備することとしております。南浜地区は我が県を代表する追悼と鎮魂の中核的な場所となり、また、伝承活動や防災学習などの場として、この地区に公園を整備することそのものが東日本大震災からの復興の象徴として国内外へのメッセージを発信するものと考えております。

 県といたしましては、引き続き、国及び石巻市と緊密な連携を図りながら、南浜地区における復興祈念公園の整備に向け鋭意取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 教育長高橋仁君。

    〔教育長 高橋 仁君登壇〕



◎教育長(高橋仁君) 大綱二点目、震災復興公園整備についての御質問のうち、武道館等の県営スポーツ施設を併設する考えはないのかとのお尋ねにお答えいたします。

 御提案のありました武道館については、既に第二総合運動場に整備しており、現在の県の財政状況を考えますと、新しい県立の武道館の整備は非常に難しい状況であります。

 また、現在、県のスポーツ施設については、各施設の老朽化に伴う改修工事等の対策が最優先の課題となっており、石巻市に整備される復興祈念公園への県営スポーツ施設の整備は困難なものと認識しております。

 以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) それでは、再質問をさしていただきます。

 村井知事から声高に創造的復興、その施策の一つとして、水産特区の導入、空港の民営化、医学部の新設と例を挙げられました。水産特区の導入を創造的復興の一番手に挙げられたので、違和感を感じざるを得ませんでした。

 まずもって、地方創生の話からさしていただきますけれども、宮城県の人口構造をどのようにとらえているか。偏在をどのようにとらえているか。仙台一極集中のままでいいのかどうか。地方創生の根底にある宮城県としての考え方、富県共創の将来ビジョン、そして震災復興計画の中に包含する形で地方創生総合戦略が策定されたとすれば、これは本末転倒だなと思っています。だれもが経験したことのない人口減少社会の中で、増田レポートがあえて指摘したように、そしてそれに呼応するような形で、国が、政府が、地方創生、この事業を展開すると言ったときに、どのような受けとめ方をしたのか。これまでの経済成長、所得だとか収入だとか利便性だとか、そういった基準をもとにしていて地方の運営をやっていったら、いつか瓦解するんだよと。その危機感があるから、地方創生で従来にない地方振興策をということで、思想から変えて地方創生に取り組むべきだというのが原点だと思うんですが、そういったことは全く理解せずに、将来ビジョンを震災復興計画に包含する形で地方創生論を語るというのは、私からすれば理解はできないんですが、いかがでしょうか。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 現在、宮城県は、全国の中でも非常に特異な状況に置かれておりまして、何といいましても、震災復興、これを最優先にしなければいけないということです。その中で、地方創生というものが出てきております。したがって、将来ビジョンと地方創生と、そして震災復興計画、これが三本の矢がばらばらの方向を向いていれば、どこに行っていいかわからなくなってしまいますから、基本的には同じ方向を向きながらやっていかなければならないというふうに思っております。したがって、総合戦略につきましては、将来ビジョンと復興計画とやはり足並みをそろえていく、同じベクトル方向を向いているような形で特徴を出していくということが、他県と比較しての特色ということになるのではないかというふうに思ってます。

 私も、全国で東京一極集中がよくないと言うのと同じように、やはり宮城におきましても仙台一極集中というのはよろしくないというふうに思っております。ただし、仙台市の力をこちらがはぎ取るというのではなくて、仙台市は仙台市でやはりその独自性を生かして発展をしていっていただいて、地方が仙台に負けないように大きくなっていくというのが非常に望ましい姿だというふうに思っておりまして、宮城県は、そういう意味で、仙台市さんは力がありますので、仙台市以外に力が出ていただけるようにサポートしていくような形で努力をしていきたいというふうに思っています。もちろん、仙台市の応援もいたしますが、仙台市が伸びる以上に他の地域が伸びるように応援をしていきたいというふうに思っております。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) それでは、早速、時間もありませんので、水産特区の検証についてお話をさしていただきたいと思いますが、漁村と漁業は不可分だと申し上げました。水産特区導入において唯一の私の評価基準は、浜の再生がなり得るかどうか、この一点であります。かつての桃浦はカキ養殖の経営体が十九ありました。三億の水揚げを上げておりました。一経営体当たり一千五百万の収入がありました。よって、今の桃浦の社員の平均年収は幾らでしょうか。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) これは民間企業の話でございますので、ちょっと今現時点において、行政としてそういった資料はお持ちはしておりません。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) それはまともな答弁でしょうか。

 水産特区導入において、桃浦に対して、県挙げて漁港整備から始まり、生産、なりわいの環境整備をやってきたわけですよ。県として検証し続ける。水産特区を導入して終わりじゃないんです。それがまさに始まりなわけですから、それがどのように展開していくのか、創造的な復興に結びつけるのかということが今議論になってるので、運営状況とかすべて開示をいただきたい。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 時間の関係もありますので、すべてというわけにいきませんけれども、しかし、少なくとも言えることは、桃浦の今社員となっている方たち、昔からやってる方たちは非常に高齢化が進んでおりまして、私が相談を受けたときには、このままだともうやめるという方が非常に多かった。やる方もあと数年でやめてしまうという方が大部分であったと。若い方はほとんどおりませんでした。そういった中で、その人たちが立ち上がるためには、自分たちは給料をもらいながらやっていくような形でならば継続できるということでありまして、そういったことから、私は、水産特区をぜひということでお勧めをしてスタートした、運営が始まったということでございます。また、その結果、浜にはもう若い人がいなくなるという状況だったのが、若い人たちが今どんどんふえておりまして、現在四十一人の雇用が確保されております。

 また、今あそこの場所は災害危険区域でございますので、家を以前のように建てられない状況でございますが、そうした中においても、建てれる場所を探して寮をつくって、そこで人が住み続けられるようにしていきたいというようなこともあって、これも、今までの漁師さんの力だけではできなかったのが、民間の企業の力によってできるようになってきたということでございますから、そういったことを総合的に勘案いたしますと、今のところは順調にいっているのではないかというふうに思っております。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) このことを議論しようと思ったので、答弁漏れの話はしませんでしたが、桃浦LLCの業務運営、収益状況、計画の進行状況について御答弁いただきたいと思います。



○副議長(渥美巖君) 農林水産部長後藤康宏君。



◎農林水産部長(後藤康宏君) 桃浦LLCの生産等の状況でございます。

 平成二十四年は生産量九トンのカキの計画に対しまして、実績四トンでございました。これはスタートとして試行的にされたというふうにとらえております。生産額は七百万円でございました。平成二十五年、特区一年目でございますが、計画八十五トンに対しまして三十五トンの生産を上げてございます。最終的には、生産額は七千二百九十万円という実績でございます。それから、二年目の平成二十六年でございますが、計画九十五トンに対しまして、実績六十五トンの生産でございます。生産額が一億五千七百万円に上ってございまして、最終的に、当期利益として八百六十万円余の利益を上げているところでございます。

 以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) まだまだ水産特区の後遺症が浜にはあるというふうに思っております。桃浦LLCは、合同会社設立後改めて願い出て、結局は組合員となりました。漁業権そのものは直接免許でありますから、更新料は存在しなくても、組合加入時に約束した販売手数料の見合い分、むき身出荷四%、殻つきであれば二%、賦課金として納めて組合員としての義務が履行されていると思いますが、果たしてそのような状況になっているのかどうか、御答弁いただきたいと思います。



○副議長(渥美巖君) 農林水産部長後藤康宏君。



◎農林水産部長(後藤康宏君) 賦課金の納入につきましては、二十五年度については、生産量に応じて百万円を納入をさしていただきました。二十六年度につきましては、現在最終的な協議を行っているところでございます。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) 協議をしているというよりも、組合員である石巻地区漁協の内規によって、今申し上げたように、四%、二%と決まってるんです。なぜ組合員になったか、わかりますか。



○副議長(渥美巖君) 農林水産部長後藤康宏君。



◎農林水産部長(後藤康宏君) 桃浦地区にはカキの処理の施設がございまして、それを活用するということもありまして、漁協の組合員になり、漁協の施設を有効に活用しながら組合員として運営していくということで組合員になってございます。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) ただそれだけの理由で組合員になったんですか。漁協が保有する施設を使いたいがためだけに組合員になった。それだけでいいんですか。それが浜の再生につながるんですか。海の自治、漁業者のコミュニティーを瓦解してしまったということをおのずと言っているような話じゃないですか。いかがですか。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。



◎知事(村井嘉浩君) 当然ですけれども、LLCと浜の皆様、また漁協の皆様というのは、対立する存在にあるわけではなくて、常に共存共栄する立場、間柄だというふうに思ってます。我々も決して漁協に反発するためにそういうのをつくったわけではなくて、漁師さん方を救う、これからの高齢化を迎える浜を救う一つの手段として方法として提案をして、それが国としても認めてもらい、スタートしたということでございます。したがって、漁協の施設を使いながら、桃浦の合同会社の仕事をしているわけでありまして、それに見合って応分の賦課金を拠出するという話し合いを今しているということでございます。決して、これも話し合いを今している最中でございますので、それぞれいろんな主張はあろうかと思いますが、これはこの桃浦に限ったことではなくて、世の中、常にいろんな双方の言い分というのが対立するものがあるものでございますから、それは当然我々といたしましても間に入りながら、直接我々宮城県の事業でありませんので、直接我々が関係者というわけにいきませんけれども、間に入りながら、うまい着地点を見つけていきたいというふうに思っております。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) そもそも水産特区の導入によって、浜で何が起きて、何がよくなって、何が悪くなったのかという点も含めて特区の検証というのは、これは県主導で継続的にやっていかなくちゃいけないものだと思っておりますので、それを確認したいということが第一点。

 あと、今申し上げたように、隣の浜の人たち、組合員のかつての仲間たちとうまくコミュニケーションがとれてないと。これは非常に残念なことなんです。であるがゆえに、県主導で水産特区を桃浦に導入したわけですから、最後まで責任を持つと。導入したのが最終じゃなくて、そこがスタートなんだと。そして、よりよい水産業の再生、漁業の再生、浜の再生を、村井知事は創造的な復興だと申し上げてるわけですから、それを実践していただきたい。そういった意味で検証委員会をきちんとつくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩。



◎知事(村井嘉浩君) 特区の検証をするというのは非常に重要ですが、これは五年間漁業権与えてますので、まだスタートして二年ということでございますから、当然、五年に近くなってくるときには検証したいと思います。ただ、検証委員会というものが適切なのかどうなのかということはちょっと、もう少しまだ時間がございますので、よく考えてみたいというふうに思ってます。コミュニケーション、本木議員は、とれていないとおっしゃってますけども、私ども聞いておりますと、漁協の一部、もちろんそういう意見もあるかと思いますけれども、浜の人たち、近隣の浜の人たちとも比較的仕事はスムーズにいっておりまして、協力しながら、困ったときには助け合いをしながらやってるということで、決して口もきかない、けんかをしているということでは決してないということは、この場でしっかりと申し上げておきたいというふうに思います。

 以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 三十一番本木忠一君。



◆三十一番(本木忠一君) 村井知事のお言葉をそのままお聞きをいたしまして、信頼をいたしまして、頑張っていただきたいと思います。

 以上で終わります。



○副議長(渥美巖君) 二十二番岸田清実君。

    〔二十二番 岸田清実君登壇〕



◆二十二番(岸田清実君) 大綱三点について質問をいたします。

 まず初めに、マイナンバー制度について伺います。

 住民登録されている在留外国人を含むすべての住民に、これまでの十一けたの住民票コードとは別の十二けたの個人番号を付し、法人にも十三けたの番号を付番するマイナンバー制度がことし十月から番号の通知という形で動き出します。二〇一三年の法律制定の際の国会審議での情報漏えいのリスクの指摘に対して、情報保護委員会での監視等の対策とともに、利用範囲を社会保障分野、税分野、災害対策分野に限定するとしてきました。しかし、法制定後まだ制度運用が開始されないうちから利用範囲の拡大が打ち出され、今国会では金融分野、医療分野への拡大を盛り込んだ改正法案が提案されています。今回の改正案の中には年金情報との連携も含まれていますが、最近明らかとなった日本年金機構からの個人年金情報の流出は、指摘されてきた情報漏えいなどのリスクが現実となったものと考えざるを得ません。まだ法案の段階であり、実際の連携が行われていませんでしたが、連携後であれば、マイナンバーを含む情報が流出していた可能性があります。第三者が他人の個人番号を取得した場合、連携されているさまざまな個人情報を取得することが可能になります。

 今回の年金データ流出問題は、共通番号、マイナンバーのシステムが抱える本質的な問題を提示しているとの指摘がなされています。以下、幾つかの点について問題を指摘し、所見を伺います。

 さきに述べたとおり、ことし十月から、付番された個人番号の通知が世帯単位に簡易書留で開始されます。実際の発送業務は、市町村からのデータに基づいてJ−LIS、地方公共団体情報システム機構が行うこととなっており、未送達分について市町村が開封の上、対応することになっています。問題点の一つは、世帯単位に送られることです。DV、家庭内暴力被害から逃れるために、夫など加害者の住む住民登録の住所とは異なる場所に居住せざるを得ないケースが少なからず存在しています。この場合、実際の居住先を住民登録自治体に登録し、実際の居住地に送付する対応になるとされています。

 マイナンバー制度の番号通知そのものの周知が十分とは言えない中で、登録手続をすべての被害者が自主的に行うとは考えにくいものがあります。一方で、個人番号を持つリスクを考えるとき、登録手続を漏れなく行うことは重要であります。この対策についてどのように市町村に助言するのか、お示しください。

 大震災の被害者も同様のケースが考えられます。もとの自治体に住所を残したまま、避難先で居住している場合があります。住所地自治体の避難先情報を活用して被災者に連絡し、現在の居住地を登録してもらい、そこに送付するとのことですが、避難先情報が避難者を網羅しているのかの点についてはどう考えられているでしょうか。また、最新の情報になっているかが重要ですが、この点もあわせてお答えください。

 今回のマイナンバーは住民登録されている人に付番されることから、住所を持たないネットカフェ難民、ホームレスなどの人々は、その対象から外れることになります。生活保護の決定や健康保険などの給付決定にもマイナンバーが使用されることから、住民登録から外れている人は、さまざまな自立支援やサポートから遠ざけられてしまう可能性があります。

 国は、ホームレス支援法や生活困窮者自立支援法によってサポートする仕組みをつくっていますが、その阻害要因をつくりかねません。住民登録から外れている人々への対応はどうなるのか、所見を伺います。

 情報漏えい・流出のリスクについて伺います。

 最初に述べたように、日本年金機構の年金情報流出は、マイナンバーの年金情報との連携が実施された後であればマイナンバーも流出した可能性がありました。今回の年金情報流出に関して、年金の個人情報がネットに接続されたパソコンへ保存されていた点が大きな問題点として指摘されました。日本年金機構でも、年金情報はネットと接続されていないコンピューターシステムで運用されていましたが、日常業務に使う場合にネットと接続された担当者のパソコンに年金情報が保存され、それがウイルスに感染したため情報が外部に流出しました。マイナンバー制度でも連携が拡大し、ネットにも接続されることになれば、そのリスクは拡大するものと考えられますが、いかがお考えでしょうか。

 また、二年後にはマイナポータルがスタートし、個人が自分の情報をどのように使用されているのかを確認できるようになるとされています。しかし、これもネット経由でなければできないわけで、一層流出、成り済ましのリスクを高めることになるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 マイナンバーと同様の制度が先行するアメリカや韓国では、大量の個人情報が流出し、他人の番号を悪用して税額の控除を申請するケースや、個人番号をキーとして個人情報が蓄積され、クレジットカードの買い物やネットバンキングでの成り済まし被害が多発しています。アメリカでは、二〇〇六年から二〇〇八年にかけて一千百七十万件の成り済まし犯罪が発生し、約百七十三億ドル、約二兆円の被害が発生しました。このような事態により、見直しの動きが政府や連邦議会でも続き、二〇一一年に国防総省は共通番号から離脱し、職員、軍人を対象に独自番号へと切りかえを行いました。先行している国では、むしろ見直しの時期に入っています。このような実態と流れについて、知事の所見を伺います。

 税務関係へのマイナンバー制度導入によって、給与、報酬、謝礼を支払う場合に個人番号を支払い元の企業、団体が把握することになります。多くの企業、団体は、制度に基づいて誠実に事務を行うと予想されますが、一部には、今日問題となっているブラック企業などと言われるものも存在しています。働く者を人間扱いせずに使い捨てていく実態が明らかになっていますが、そのような企業に把握されたマイナンバーが悪用されるケースは想定されないのか、所見を伺います。

 企業、団体においては、二〇一六年一月から源泉徴収票など税務、社会保険関係の手続に番号を記載することになります。この場合、人事給与システムの改修が必要であり、セキュリティーの強化が必要です。「日経コンピュータ」二〇一四年十一月十三日号は、まだ準備を始めていないという企業が六九%と報道しました。県内での対応が進んでいるのかについて、所見を伺います。

 中間サーバーについて伺います。

 マイナンバーの管理について、もともとは市区町村にサーバーを置いて運営していくはずでしたがコストメリットと安全管理を理由に、共同化・集約化が二〇一四年一月に総務省から打ち出され、東西二カ所、相互補完なので実質的には一カ所に設置されることになりました。そこへの委託は強制ではありませんが、実質的にすべての市区町村が参加となるようです。この中間サーバーには、市区町村ごとの住民のあて名番号、情報連携される個人情報の副本が記録されます。住民情報のセキュリティー対策の責任は自治体にあると考えますが、東西二カ所の中間サーバーのセキュリティー対策はだれが責任を持つのか、所見をお示しください。また、自治体はどのように関与するのかも、あわせてお示しください。

 マイナンバー制度に関する経費について伺います。

 同制度は、法定受託事務として位置づけられています。国の事務を法令に基づいて自治体が行うわけですが、システム改修費等の経費は、県が五億四千八百万円で、国庫補助金、地方財政措置を合わせて四六・四%であり、超過負担が五二%超になっています。県内の市町村合計では四十三億五千万円で、国の措置は四七・一%であり、五二・九%が持ち出しとなっています。自治体に制度導入の経費負担を押しつけるものと言わなければなりませんが、この点についての所見を伺います。

 私自身は、多くの課題が残されているマイナンバー制度に財源を振り向けることは問題だと考えています。ことし十月から通知カードの送付が始まり、来年一月からは個人番号カードの発行、税務関係への個人番号の記入が始まります。個人番号カードの発行は本人からの申請が必要で、申請しない場合は、最初に送られる通知カードを保管することになります。通知カードの送付は簡易書留で行われることから、受け取り者が不在の場合は配達されません。あて所に訪ね当たらない場合のほかに、直接受け取ることができない場合も市町村に返送されます。返送された通知カードは市町村で開封され、職員が一件ずつ確認し、必要な場合は手入力することになります。住民基本台帳を所管する部門の業務量が増大することが考えられますが、その想定と対応はどう考えているのでしょうか。

 十月から発送される通知カードや、来年一月から申請が受け付けられる個人番号カードは、転居の際にはカードの裏に新住所を記入して市区町村の公印を押し、引き続き保有することになります。転居は年度末、年度初めに集中するのが常であり、転居者に対する周知がまず重要になりますが、この点についてはどのように対応がとられるのでしょうか。また、転居頻発時期の業務量の見通しと対応について、市町村への助言をお示しください。

 多くの課題が残されており、リスクが解消されていない中でマイナンバー制度がスタートすることには、私は反対であります。

 大綱二点目、原子力災害時における避難計画について伺います。

 県は、昨年十二月に避難計画原子力災害作成ガイドラインを公表し、これに基づき女川原発から三十キロメートル圏、UPZ圏の七市町に、ことし三月までの避難計画策定を求めてきました。六月十一日の河北新報では、石巻市が当面三十キロメートル圏での避難計画策定を先送りし、先行して五キロメートル圏の避難計画を策定する方向になったと報道されました。他の市町のうち女川町を除いては数カ月のうちには公表まで行くのでないかとの見通しを聞いていますが、進捗状況についてどのように把握しているのか、お示しください。

 今後の取り扱いについて伺います。

 先行する自治体の避難計画が公表された段階で外部との必要な調整等が始まるとも伺っていますが、そのように受けとめてよろしいのか、所見をお示しください。

 もしそのような進め方だとすれば、まだ時間のかかる石巻市、女川町の避難計画との整合性はとれるのかが懸念されます。例えば避難に必要なバスの台数確保についても県バス協会と宮城県が協議することになると思いますが、石巻市、女川町の必要台数についてはどのように扱うのか、お示しください。

 また、避難経路について、おくれている石巻市、女川町の計画との調整の必要はないのか、渋滞予測、避難時間の見通しなどに影響はないか、伺います。

 大震災の際には沿岸部のみならず県内全域で渋滞が発生しました。広域避難計画策定の参考データにするために、避難時間シミュレーションを実施しましたが、策定後の避難計画をもとにした渋滞予測、避難時間シミュレーションを行い、避難路の調整や道路整備の優先順位にも生かしていくなどのブラッシュアップが必要と思いますが、所見を伺います。

 石巻市では、五キロメートル圏を先行させて避難計画を策定することとし、女川町とも共同歩調で域内の全世帯調査を進めるようです。日中、夜間など時間帯別の在宅者の状況などを把握した上で避難計画の策定を行うとのことであります。女川原発五キロメートル圏は牡鹿半島の陸上部を途中で分断する形となり、半島先端部などを五キロメートル相当地域として避難計画に含めると聞いています。避難路が五キロメートル圏内を通過することから屋内退避を基本として検討するようですが、施設整備にはコンクリート構造の既存施設の改修しか認められないことから、現状では、二千人が想定されるにもかかわらず、三百十一人の収容能力しかありません。新規施設整備が認められなければ、対象者全員分の屋内退避施設の整備は困難と考えられますが、このような状況についてどのように考えるのか、国との協議についてはどのようになっているのか、お示しください。

 原子力災害が発生した場合には、国に対策本部が設置されるとともに、オフサイトセンターへ現地本部が設置されることになっています。女川町にあったオフサイトセンターは、津波で被災し全壊してしまいました。現在は旧消防学校跡地に仮のオフサイトセンターが置かれていますが、体制整備のためには新しいセンターの整備が必要であります。この件について国とどのような協議を行っているのか、お示しください。

 また、宮城野原に広域防災拠点を整備することとしていますが、オフサイトセンターをこの中に整備することも選択肢としてあるのかどうかについてお示しください。

 原子力災害を含む大規模災害時には、被災者救助、避難行動の支援に自衛隊の派遣要請をすることになりますが、県内でその権限を有するのは知事だけです。要支援者の移送を初め、避難計画の運用には必須と考えますが、避難計画の策定に向けて自衛隊との協議について県が窓口を務めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 鹿児島県川内原発の再稼働に向けて、多くの反対にもかかわらず、準備が進められていますが、それにかかわって、鹿児島県及び立地自治体である薩摩川内市でも避難計画の策定が行われました。伊藤祐一郎鹿児島県知事が二〇一四年六月、避難計画は原発から十キロメートルの範囲内で十分、三十キロメートルは不可能と発言し、弱者を見捨てるのかと大きな批判を浴びたのは記憶にあるところです。薩摩川内市では広域避難計画を策定していますが、同市防災安全課によれば、津波被害が想定される峰山地区の県道を安全な位置に移設することで県と協議が調っているとのことであります。女川原発の所在する牡鹿半島は避難困難地区が想定されるところであり、県も地元と一体となって避難道路の整備などハード面についても取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。

 安定沃素剤について伺います。

 五キロメートル圏は事前配布となっており、今後、女川原発周辺についても配布が行われると想定されます。薩摩川内市では、県が配布会を開催して説明しながら配布しているようですが、配布済みは住民の六〇%程度のようです。確実な配布に向けた本県での取り組みはどのような形態を考えているのでしょうか、転出の場合には回収が必要であり、転入には新たな配布が必要となります。日常の転出入、出生、死亡などへの対応はどのようになるのか、お示しください。

 大綱三点目に、国民健康保険制度の改変について伺います。

 今国会で医療制度改革法案が成立し、二〇一八年度から都道府県が国保の運営に参加することが確定しました。制度改正が話題になったころは、都道府県に全面移管されるイメージが先行していましたが、最終的には、都道府県が財政運営に責任を持ち、資格管理、保険料の賦課徴収など、住民と直接関係する業務はそのまま市町村に残されることになりました。

 日本の健康保険制度は、二〇〇〇年に世界保健機関、WHOから総合点で世界一と評価されました。先進国の中でも民間保険中心の制度もありますし、無保険の国民を多く抱える国も存在します。日本の医療保険制度に対する評価は高く、世界トップクラスの長寿国になり、乳児死亡率などの健康指標も首位を占めています。日本の国民皆保険制度は世界に誇れる制度であります。しかし、その日本でも一九五五年ごろまで、農業や自営業者、零細企業従業員を中心に、国民の約三分の一に当たる約三千万人が無保険者で、社会問題となっていました。その後、一九五八年に国民健康保険法が制定され、六一年、全国の市町村で国民健康保険事業が始まり、だれでも、どこでも、いつでも保険医療を受けられる体制が確立いたしました。今回の国保制度の改正は、制度発足以来と言ってよい大改正であります。この間の検討過程ではさまざまな議論が行われ、資格管理にしても、全国町村長会は最後まで都道府県に移管すべきとの立場でありました。そのような中で、国が地方の国保財政に対して二〇一五年度から一千七百億円、二〇一七年度から更に一千七百億円の財政支援を行うことを柱に法案提出に至ったと受けとめています。

 新たな国保制度は、保険料上昇や医療費抑制の強化への懸念があり、賛同しかねるところがありますが、法案成立を受けて幾つかの点について知事の所見を伺います。

 まず、都道府県が国保の運営に参加することについてであります。

 安定的な国保の財政運営や効率的な国保事業の実施の確保へ、都道府県が中心的な役割を果たし、制度の安定化を図ること、市町村が資格管理、保険給付、保険料の決定、賦課徴収、保険事業の運営を引き続き行う方向性については一定の評価をしたいと思いますが、知事の評価をお聞かせください。

 一方で、国保では他の医療保険制度に加入できない無所得者、失業者、非正規労働者などの低所得者や高齢者の割合が高く、高額な保険料を負担できずに滞納が発生するという構造的な問題を抱えていますが、今回の改正では抜本的な改革に至っていません。かつて七割であった国庫負担が一九八四年度を境に下がり、二〇一二年度は四一%となっています。今回、確定した三千四百億円の国庫負担も、現状の地方負担分に見合う分を手当てするにすぎず、今後の増加分は何も担保されていません。少子高齢社会の進行の中で県がなりふり構わぬ医療費抑制の旗振り役を担わされかねない制度でもあります。

 今後の国保財政の安定化に向けて、国庫負担の増額が必要不可欠と考えますが、所見をお示しください。

 現在の市町村では、国保基金を設置して国保財政の年度間調整を行っています。単年度での急激な変化への対応や保険料の安定化に寄与しているものと思います。二〇一七年度から増額される国庫一千七百億円から都道府県に財政安定化基金が造成され、自治体の責任によらない原因による欠損などに活用されることになっていますが、保険料の決定権が市町村にあることを考えるとき、現行の市町村の国保基金が新制度移行後も保険料の安定、年度間の平準化などに重要な役割を果たすのではないかと考えますが、知事はどうお考えになるでしょうか。

 保険料率を算定する場合に、地域の所得水準、医療環境を考慮するとされる一方で、県の標準的な保険料を定めることとされ、複数の保険料率を示すこともあり得るとされています。身近に病院が立地していれば必要に応じて通院できるでしょうが、病院までのアクセスが十分でなければ、通院は抑制されることになります。このような地域格差を県として示す保険料率にどう反映していくかは大きな課題と考えますが、いかがでしょうか。

 不服審査について伺います。

 これまで、市町村国保の保険料決定に不服がある場合に審査請求を県に行う制度がありましたが、県が保険者の一員になった場合に運営の当事者になるわけであり、不服審査の主体足り得るのかという問題が出ると考えますが、所見をお示しください。

 資格管理の一つに、高額療養費の多数該当管理があります。高額療養費として払い戻しを受けた月数が一年間、直近十二カ月間で三カ月以上あったときは、四カ月目、四回目から自己負担限度額が更に引き下げられるというものです。これまで市町村単位の国保制度であったために、転居の際に、もとの市町村での回数が転居後の市町村では通算されませんでした。県単位の国保に切り変わることから、同一県内で転居の場合は回数が引き継がれることになりました。資格管理が基本的に市町村となりますが、多数該当の場合は県単位で管理することが必要となりますが、県のかかわりについてはどのような見通しとなっているのでしょうか。

 国保制度の改変は、単に国保財政にとどまりません。二〇一四年に成立した地域医療介護総合確保法の地域医療構想とリンクした医療費適正化計画の目標設定が求められています。更に、地域医療計画、介護保険事業支援計画との整合性を確保するため、その経過期間を五年から六年に変更するとされています。医療・介護サービスの提供、国保運営、医療費の適正化が連動していくことになります。医療・介護分野における広範な連携が目指されていくことになります、だからこそ国保の運営にも、全県的な医療機関、住民の声が十分反映されていく仕組みが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか。

 以上、大綱三点について質問を申し上げました。

 御清聴ありがとうございました。



○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。

    〔知事 村井嘉浩君登壇〕



◎知事(村井嘉浩君) 岸田清実議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。

 まず、大綱一点目、マイナンバー制度についての御質問にお答えいたします。

 初めに、ネット接続によるリスクの拡大についてのお尋ねにお答えいたします。

 マイナンバー制度では、個人番号を含む個人情報については業務システムごとに、これまで同様、分散管理し、大量の情報を一元管理しないことから、芋づる式にマイナンバーや個人情報が大量に流出するような事態は生じないものと考えております。

 なお、我が県では、各種情報システムにさまざまなセキュリティー対策ソフトを導入しているほか、内部監査や研修等により職員の意識の向上を図るなど、ハード・ソフト両面での対策を講じておりますが、今回の年金機構による情報流出を受け、改めてセキュリティー対策に万全を期してまいります。

 次に、先行する国での制度見直しについての御質問にお答えをいたします。

 アメリカや韓国では、番号のみで本人確認を行っていたこと、また法的根拠が整備されないまま、民間企業に利用拡大したために予想外の犯罪を発生させたとの反省から、法整備を進めるとともに、ICカードなどの導入により番号制度の改善が図られていると認識をしております。日本では、諸外国での事例を教訓として、窓口での手続に当たっては成り済まし防止のため、顔写真つきの身分証明書などによる本人確認を行うこととしております。

 なお、国においては、今回の年金機構の情報流出に関して原因の究明と再発防止策の検討を進める一方で、マイナンバー制度が情報化社会の極めて重要なインフラであるとの認識から、全体のスケジュールは予定どおり進める意向と伺っております。

 次に、大綱二点目、原子力災害時における避難計画についての御質問にお答えいたします。

 初めに、各市町の避難計画策定の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。

 避難計画策定の進捗状況については市町によって差異はありますが、女川町及び石巻市を除いては素案が作成され内部の調整が行われていると伺っております。また、女川町及び石巻市においても鋭意作業が進められており、石巻市についてはPAZ圏内及び半島部を先行して避難計画を策定し、その後、段階的に市全域の避難計画を策定する方針と伺っております。

 なお、議会や住民に対し丁寧に説明した後で公表したいとの意向を有している市町もあることから、公表の時期につきましては各市町によって異なってくるものと考えております。県としては、国と連携をしながら引き続き早期の計画策定に向けて各市町を支援してまいります。

 次に、新しいオフサイトセンターの整備に向けた国との協議状況についての御質問にお答えいたします。

 現在のオフサイトセンターは、旧消防学校を改修し、昨年十二月から暫定的に使用しているものであり、平成三十一年度を目途に女川町に再建することで国と調整しております。

 なお、オフサイトセンターは、原子力災害対策特別措置法に基づく省令において、原則として原子力発電所から五キロメートル以上三十キロメートル未満に立地することとされており、仙台市宮城野区に整備をいたします広域防災拠点の中にはオフサイトセンターを整備する考えはございません。

 次に、大綱三点目、国保制度の改正についての御質問にお答えいたします。

 初めに、県と市町村の役割に関する評価についてのお尋ねにお答えいたします。

 このたびの市町村国民健康保険の改革では、都道府県が財政運営を担う一方、資格管理や保険料の賦課徴収、保険事務等、地域住民に身近な業務については引き続き市町村が一体的に担うこととされております。県と市町村が共同で運営することにより制度の安定性、連続性が確保されるとともに、保険料収納や健康づくりに対して市町村が今後も主体的に取り組むことになり、また、被保険者にとりましても利便性が維持されることから、私といたしましては妥当な方向性になっているものと考えております。

 次に、今後の国保財政の安定化に向け、国庫負担増額が不可欠ではないかとの御質問にお答えいたします。

 国からは、国保財政に対し三千四百億円の財政支援の拡充が示されておりますが、これにより国保財政の改善や保険料の伸び幅の抑制等の効果があるものと考えております。しかしながら、今後も医療費の増大により必要な財源は更に多くなることが見込まれております。このため、今回の改革後においても、持続可能な国保制度の確立に向けて、国の責任においてしっかりと財政支援を講じることが必要であると考えており、全国知事会を通じて国に対し強く要望しているところであります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 総務部長山田義輝君。

    〔総務部長 山田義輝君登壇〕



◎総務部長(山田義輝君) 大綱一点目、マイナンバー制度についての御質問のうち、DV被害者などの登録を漏れなく行うための対策をどう市町村に助言するのかとのお尋ねにお答えいたします。

 DV被害者が実際の居住地で個人番号の通知カードを受け取るためには、居住先を市区町村へ登録することが必要となります。しかしながら、何らかの事情により登録が行われないケースが生じることも想定されます。このため、既にDV被害者等の支援措置の対象となっている方に対しては、住民登録市区町村が連絡を行い居住先を確認するなど、きめ細やかな対応により漏れなく登録を行うよう、市区町村に対し周知を図っております。

 また、居住先登録の周知につきましては、今後、国、県、市区町村等の行政機関のみならずNPOなど支援団体とも連携し、あらゆる手段を講じ取り組んでまいります。

 次に、避難先情報は避難者を網羅し最新のものに更新されているのかとの御質問にお答えします。

 震災避難者の情報は、国が管理する全国避難者情報システムを活用して把握するよう取り組んでおり、その更新は二週間に一度行うなど最新の情報になるよう努めております。また、市町村においても当システムのほか独自に避難先情報の収集を行っているとも伺っており、こうした複層的な取り組みにより網羅的かつ最新なものとなるよう今後とも取り組んでまいります。

 なお、未登録の被災者に対しましては、避難先情報を登録するよう、国、県、市区町村が連携して周知を図ってまいります。

 次に、住民登録をしていない人は制度の対象外となり、さまざまな支援から遠ざけられてしまう危険性があると思うが、どう対応するのかとの御質問にお答えいたします。

 マイナンバーは住民登録をしている方に対し付番するものですが、何らかの事情により住民登録をされていない方々もいらっしゃるものと考えております。マイナンバー制度の導入により、そうした人々がさまざまな支援の対象から外れてしまうということにはなりませんが、よりよい行政サービスの提供のためにも、福祉部門など関係機関と十分に連携を図りながら、できる限り住民登録が適正に行われるよう市区町村に対し助言してまいります。

 次に、返送された通知カードによる住民基本台帳所管部門における業務量増大の想定と対応についての御質問にお答えいたします。

 通知カードの確実な送付のため、より実効性のある対策として、マイナンバー制度施行前に住民基本台帳法に基づく居住実態調査を行うよう、市区町村に対し周知しているところです。しかし、実態調査を行ってもなお返送される通知カードが発生するものと想定され、その件数や割合につきましては市区町村ごとに異なるものと考えております。国は、通知カードの確実な送付のための調査経費や通知カードの送付先情報の登録のための人件費などについて、個人番号カード交付事務費補助金を今年度交付することとしており、市区町村においては臨時職員の配置などにより業務量増大に対応していただくことになります。

 次に、通知カードや個人番号カードの転居手続についての周知や、転居頻発時期の業務量の見直しと対応に向けた市町村への助言についての御質問にお答えいたします。

 通知カードや個人番号カードの交付後に転居する際は、住民登録の変更に加え、通知カード又は個人番号カードの変更手続も必要となることから、市区町村に対しては十分に周知を図るよう助言してまいります。

 また、転居頻発時期においては、現在でも住民登録窓口で職員の増員等により対応しているところであり、通知カード等の手続も住民登録手続に付随して行われるものと考えております。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。

    〔震災復興・企画部長 大塚大輔君登壇〕



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) 大綱一点目、マイナンバー制度についての御質問のうち、マイナポータル利用に当たってのリスクの高まりについてのお尋ねにお答えいたします。

 マイナポータルは、マイナンバーを含む自分の情報について、いつ、だれがやりとりしたのかを確認できるシステムであり、平成二十九年一月から運用開始されます。国は、マイナポータルの利用に当たっては、成り済ましなどを防ぐために、個人番号カードのICチップとパスワードを用いてログインする方式を予定していることから、必要なセキュリティーは確保されるものと考えております。

 なお、今回の年金機構の問題を受け、制度の導入に係るセキュリティー対策については万全の措置を講じるよう、全国知事会を通じて緊急要請したところですが、本県としても今後引き続き国の対応を注視してまいります。

 次に、ブラック企業によるマイナンバーの悪用についての御質問にお答えいたします。

 企業等が個人番号関係事務を行うために収集したマイナンバーは、目的以外での使用が禁止され、漏えいしないように適切な管理と廃棄を行うことが番号法で定められております。また、マイナンバーの利用状況を監視・監督する国の第三者委員会が設置されているほか、従来の行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に比べ罰則が強化されており、法人等も処罰の対象となっていることから、制度上一定の歯どめがかけられております。万一、マイナンバーが流出した場合でも、システムの利用は行政機関等に限られていることや顔写真つきの身分証明書等での本人確認を行うことで、成り済ましなどによる不正利用は防げるものと考えております。

 次に、県内企業の対応状況についての御質問にお答えいたします。

 多くの企業でマイナンバー制度への準備が進んでいないとの調査結果が報道されていることは承知しております。国では、ホームページやツイッター、コールセンターを開設したほか、ことし三月からは、テレビCMや新聞広告などのさまざまなメディアを活用したマイナンバー制度の広報を実施しております。我が県においても、ホームページを開設したほか、十月から始まる番号通知を控えた九月の県政だよりにマイナンバー関係記事を掲載するほか、県民向けの出前講座を予定しております。特に、県内の中小企業に対しては、商工会連合会や商工会議所連合会などの経済団体を通じ、会員企業への周知指導を要請しているほか、税務署などと連携して説明会を開催するなど、マイナンバーへの十分な対応が図られるよう努めてまいります。

 次に、中間サーバーのセキュリティー対策についての御質問にお答えいたします。

 自治体の中間サーバーは、個別に管理するよりも地方共同法人である地方公共団体情報システム機構が集約化することで、セキュリティーや運用の安定性が高まるものと考えております。一方、自治体の関与については、中間サーバーに接続する機会があることから、接続する端末がウイルス感染しないよう、国が示した対策の事例を踏まえ、ホームページの閲覧や電子メールのやりとりを行わないなどのセキュリティー対策の取り組みを進めてまいります。

 次に、自治体の経費負担についての御質問にお答えいたします。

 マイナンバー制度は国家的な情報基盤であることから、システムの構築や運営に係る経費は原則として国が負担し、地方に新しい経費負担が生じることのないよう、これまでも全国知事会や県の政府要望として申し入れております。国の平成二十六年度補正予算で一部のシステムについて補助金が増額され改善が図られた面がありますが、超過負担の現状等を踏まえて、国に対してはこれからも必要な財政措置を講じるよう強く求めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 環境生活部長佐野好昭君。

    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕



◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱二点目、原子力災害時における避難計画についての御質問のうち、避難計画が公表された段階で外部との調整が始まるのか、また、石巻市と女川町のバスの必要台数についてどう扱うのかとのお尋ねにお答えいたします。

 避難計画については、今後、外部との調整が必要な事項や内容が明らかになった段階で、避難計画の公表の有無にかかわらず、国の地域原子力防災協議会の作業部会等も活用しながら調整を始めることとしております。また、避難に必要なバスについては、市町の台数が明らかになった都度、県バス協会等と調整することにしており、最終的に不足する場合には県全体として必要な台数の確保に向けて、国を初めとする関係機関、団体等と調整してまいります。

 次に、渋滞予測や避難時間の見通しなどへの影響及び避難時間シミュレーションの磨き上げについての御質問にお答えいたします。

 県では、平成二十五年度に避難時間シミュレーションを実施いたしましたが、現在、女川町及び石巻市においても、この結果を参考にしながら避難計画を作成しているところであり、基本的には先行する市町の渋滞予測等に影響はないものと考えております。

 なお、避難計画策定後において明らかとなる課題もあると考えられることから、避難時間シミュレーションも含め、これらの課題について必要に応じ対応してまいります。

 次に、屋内避難施設の整備についての御質問にお答えいたします。

 PAZ圏内及びそれに準ずる地域では、原子力発電所の事故が発生した場合には放射性物質の放出前に避難を開始することになります。しかしながら、即時避難が困難な要援護者等が想定されることから、昨年度に女川町及び石巻市の離島と半島部の学校の体育館等に放射線防護機能を付加した屋内退避施設を六カ所整備したところです。放射線防護機能を備えた屋内退避施設については新設も認められることになったことから、今後とも両市町及び国と調整しながら必要な対応を行ってまいります。

 次に、避難計画の策定に向けた自衛隊との協議について、県が窓口を務めるべきとの御質問にお答えいたします。

 県が作成した避難計画作成ガイドラインにおいては、自家用車による自力避難が困難な場合にはバス、船舶及びヘリコプター等による避難を行うこととしており、民間事業者のほか、自衛隊による支援も想定しております。したがいまして、避難計画の策定に伴い調整が必要な事項が明らかになった段階で、国の地域原子力防災協議会作業部会等も活用し、自衛隊を初めとする国の関係機関と必要な調整を図ってまいります。

 次に、県も地元と一体となってハード整備に取り組むべきとの御質問にお答えいたします。

 県が作成したガイドラインにおいては、避難に当たり、地勢や状況を勘案した避難手段を用いることとしており、自家用車で自力避難を行うことができない場合には、船舶やヘリコプター等による避難を行うこととしております。更に、半島部においては、即時避難が困難な要援護者等を保護するため、放射線防護機能を備えた屋内退避施設を整備したところです。県といたしましては、引き続き避難計画の実効性を向上させ住民の安全を総合的に確保するため、ハード面の整備についても国や市町と連携しながら検討してまいります。

 次に、安定沃素剤の配布に向けた取り組みや転出入等の対応についての御質問にお答えいたします。

 県では、安定沃素剤の事前配布に向けて、昨年度から放射線医学の医師等で構成する宮城地区緊急被ばく医療ネットワーク会議において具体的な方策等について検討しているところであります。住民への確実な配布の方法については、配布の主体となる女川町及び石巻市と調整しながら検討を進めており、今後、両市町と今年度中の配布に向け具体的な調整に取り組んでまいります。また、配布後に転入した者への新規配布や転出者からの回収等についても、基本的には市町が中心となって実施することとなりますが、県といたしましても必要な支援に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 保健福祉部長伊東昭代君。

    〔保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕



◎保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱三点目、国保制度の改正についての御質問のうち、市町村設置の基金についてのお尋ねにお答えいたします。

 高額な医療費の発生等による保険財政の変動に対応するため、現在、市町村に国民健康保険財政調整基金が設置されております。市町村が今後も保険料の安定等を図るためには、この基金が引き続き役割を担うことができるものと考えておりますが、改革後の存続につきましては、国において検討されることとなっております。

 次に、県が定める標準保険料率についての御質問にお答えいたします。

 今回の改革により、都道府県は、各市町村が保険料率を決定する際の参考として標準的な保険料率を示すとともに、都道府県内全体の医療給付費等を賄うため、市町村ごとに納付金額を決定することとなっております。この納付金については、年齢構成を考慮した医療費水準と所得水準をもとに算定することとされておりますが、実質的な公平性を確保するために、地域ごとの医療環境の違いなどをどのように反映させていくかが大きな課題であると考えております。標準的な保険料率の定め方や納付金の算定方法の詳細については国において検討されることになっており、その動向を注視してまいります。

 次に、県が不服申し立ての審査を行うかどうかについての御質問にお答えいたします。

 今回の改革において、都道府県は市町村とともに国保の運営を行うとされておりますが、審査請求の対象となる保険給付や保険料徴収に関する処分等は、引き続き市町村の権限とされたところです。このため、市町村が行った処分については、従来どおり、都道府県に設置する国民健康保険審査会が審査することになります。

 次に、高額療養費該当の要件管理についての御質問にお答えいたします。

 今回の改革において、被保険者が都道府県内で住所変更した場合にも高額療養費の該当要件に関する情報が当該市町村間で引き継がれ、負担が軽減されることが示されましたが、都道府県のかかわりなどを含め詳細は今後検討されることとなっております。

 次に、国保運営に住民等の声を反映させる仕組みについての御質問にお答えいたします。

 現在、市町村の国民健康保険事業の運営に関する重要事項等を審議するため、各市町村に国民健康保険運営協議会が設置されております。この協議会は、被保険者の代表のほか、保険医等の代表、一般住民の代表等を構成員としており、医療機関や住民の声が反映できる仕組みとなっております。今回の改革により、都道府県にも運営協議会を設置することとされており、その詳細は今後検討されることとなっておりますが、市町村の運営協議会と同様、医療機関や住民の声が反映できる仕組みとなるものと考えております。

 以上でございます。



○副議長(渥美巖君) 二十二番岸田清実君。



◆二十二番(岸田清実君) 何点か再質問をいたします。

 まず、マイナンバー制度について一点質問いたします。

 セキュリティーの関係で、成り済ましとかいうことについて、知事も企画部長も顔写真つきの番号カードが交付をされてそれを使うので、セキュリティーは担保されるんだというお話です。例えば、住基カード発足以来、今まで発行されてるのは八百万枚なんです。国は、マイナンバーの個人番号カードについて一年間で目標は二千万枚なんです。そうすると一億二千万人、全国民に付番するわけですから、一億二千万人なわけです。そのうちの一年間で二千万枚なんです。そうすると、残りの、予定どおり発行されたとしても一億人はないわけですよ、番号カード。これは国の制度なので、ここで議論しても結論出る問題ではないですけれども、しかし、そういうリスクがあるということについては共通認識しておく必要があると思うんです。この点についてはいかがですか。



○副議長(渥美巖君) 震災復興・企画部長大塚大輔君。



◎震災復興・企画部長(大塚大輔君) マイナンバーのカードでございますが、ことしの秋から順次通知カード送られて、来年の一月から交付されるということでございますが、確かに、これは申請に基づいて交付するという形になるものですから、なかなか全国民に行き渡るまでには時間がかかるということもあるかと思いますが、国の方は交付手数料が無料というふうにしております。住基カードは実は手数料五百円とかかかっていたわけですけど、今回できるだけ、これについてはカードの普及というのを進めるということでございますが、仮にそのカードを持ってない人であっても、身分証明書とあわせて通知票の通知の方、これで手続はできるという形になりますので、そういう意味ではセキュリティーという観点では、そこで差が出るということではないというふうに理解しております。



○副議長(渥美巖君) 二十二番岸田清実君。



◆二十二番(岸田清実君) すれ違いですけども、そういうリスクがあるということについてはしっかり指摘をしておきたいと思います。

 次に、避難計画について伺います。

 原子力安全対策課、原対課に今度専門の危機対策監が置かれて専門の班が置かれたということで、こういう対応については評価をしたいというふうに思います。その上でなんですけれども、先ほど計画の公表の有無にかかわらず調整に着手をすると。例えばバスの問題なんかで言えば、明らかになった都度、追加をするということです。こういう対応については、当該の自治体にきちんとそういう旨を説明する必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。



○副議長(渥美巖君) 環境生活部長佐野好昭君。



◎環境生活部長(佐野好昭君) 今、議員からお話がありましたように、専門監を設けまして班もつくりましたので、各市町と密接に連携をとってまいりたいと思います。その中できちんと伝えていきたいと考えております。



○副議長(渥美巖君) 二十二番岸田清実君。



◆二十二番(岸田清実君) 屋内退避施設の件です。

 今までコンクリート施設の既存施設の改修しか認められてこなかった。今の答弁だと、新設も認められるというふうになったということですけれども、当該の自治体、当該というと女川町とそれから石巻市なんですけれども、どうもそういう認識ないようなんですよね。これはちゃんと伝わっているのか、あるいは最近そういうことになったとすれば、早急にこういう内容については伝える必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。



○副議長(渥美巖君) 環境生活部長佐野好昭君。



◎環境生活部長(佐野好昭君) 今年度になってから国の方に確認して、新施設も認められるというお話をいただきました。このことについては、女川、石巻両市町にお伝えしております。



○副議長(渥美巖君) 二十二番岸田清実君。



◆二十二番(岸田清実君) 沃素剤の配布ですけど、市町が中心になってということになってますけども、沃素剤の関係については、基本的に国が判断していくわけですけれども、県内については県の役割のはずですよね。そうすると、配布についても鹿児島は県が責任を持ってということになってるんだけれども、宮城県は市町の業務ということになるんですか。



○副議長(渥美巖君) 環境生活部長佐野好昭君。



◎環境生活部長(佐野好昭君) 沃素剤、今全体で百三十五万丸備蓄しているわけですけれども、そのうちの約三分の一についてはもう既に関係市町の方に配布をしております。そういった中で事前配布については主体は女川、石巻ということになりますが、当然、県としても協力はしていくということでございます。



○副議長(渥美巖君) 二十二番岸田清実君。



◆二十二番(岸田清実君) 最後に、国保の制度改正。

 これは再質問ではありませんけれども、大改正で課題について幾つか指摘をさしていただきましたけれども、ぜひ市町村、被保険者の皆さんにきちっと理解できるような丁寧な進め方をしてもらいたい。そのことを指摘をして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。



○副議長(渥美巖君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。

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△散会



○副議長(渥美巖君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 明日の議事日程は、追って配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後二時五十四分散会