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岩手県 陸前高田市

平成20年  第1回 定例会 03月12日−一般質問−03号




平成20年  第1回 定例会 − 03月12日−一般質問−03号







平成20年  第1回 定例会





議事日程第3号

            平成20年3月12日(水曜日)午前10時開議

日程第1  一般質問

本日の会議に付した事件
   〜議事日程第3号に同じ〜

出 席 議 員(20人)
  議 長  西 條   廣 君          副議長  伊 藤 明 彦 君
  1 番  菅 原   悟 君          2 番  松 田 信 之 君
  3 番  米 澤 政 敏 君          4 番  大 坪 涼 子 君
  5 番  清 水 幸 男 君          6 番  菅 野 広 紀 君
  7 番  藤 倉 泰 治 君          8 番  佐 藤 信 一 君
  9 番  千 田 勝 治 君          10番  菅 野   稔 君
  11番  佐 竹   強 君          12番  福 田 利 喜 君
  13番  及 川 修 一 君          14番  及 川 一 郎 君
  15番  荒 木 眞 幸 君          16番  菅 野 日出男 君
  17番  小 松   眞 君          18番  熊 谷 賢 一 君

欠 席 議 員(0人)

説明のため出席した者
  市     長  中 里 長 門 君      副  市  長  戸 羽   太 君
  教 育 委 員 長  村 上 サ キ 君      教  育  長  伊 藤   壽 君

  監 査 委 員  伊 藤 恒 雄 君      会 計 管 理 者  松 田 恒 雄 君
                          兼 会 計 課 長

  企 画 部 長  伊 藤 光 高 君      総 務 部 長  臼 井 佐 一 君
  兼企画政策課長                 兼 総 務 課 長
  兼企業立地雇用対策室長             兼 選 管書記長

  民 生 部 長  畠 山 政 平 君      産 業 部 長  菅 野 正 明 君
  兼健康推進課長                 兼 農 林 課 長

  建 設 部 長  中 井   力 君      消  防  長  村 上 直 光 君
  兼 建 設 課 長
  兼幹線道路対策室長

  教 育 次 長  菊 池 満 夫 君      行 革 推進室長  須 賀 佐重喜 君
  兼生涯学習課長

  財 政 課 長  細 川 文 規 君      税 務 課 長  宗 宮 安 宏 君
  防 災 対策室長  大 坂 幹 夫 君      市 民 環境課長  菅 野 直 人 君

  福 祉 事務所長  清 水 久 也 君      水 産 課 長  及 川   脩 君
  兼地域包括支援
  セ ン ター所長

  商 工 観光課長  蒲 生 琢 磨 君      都 市 計画課長  及 川 賢 一 君
  水 道 事業所長  菅 原   秀 君      学 校 教育課長  大久保 裕 明 君
  農 委 事務局長  佐々木 公 一 君      監 査 事務局長  白 川 光 一 君

職務のため出席した議会事務局の職員
  事 務 局 長  戸 羽 伸 一        局 長 補 佐  千 葉 徳 次
  書     記  村 上 正 一





    午前10時00分 開   議



○議長(西條廣君) これより本日の会議を開きます。

  出席議員は全員であります。



○議長(西條廣君) これより議事に入ります。

  本日の日程は、あらかじめお手元に配布いたしました議事日程第3号によります。





△日程第1 一般質問



○議長(西條廣君) 日程第1、一般質問を行います。

  順次質問を許します。

  12番、福田利喜君。

     (12番 福田利喜君登壇)



◆12番(福田利喜君) 通告に従い一般質問を行います。

  初めに、市政運営と平成20年度予算について伺います。平成20年度の市政運営の指針を今期定例会冒頭に中里市長から披露されました。市長の市政運営に当たる基本理念である、市民が主人公、市民の目線、協働、市民の声が届く市政を新年度も強く推進することを感じたところです。市政各般にわたり、総合計画に掲げる4つのまちづくりの基本方向に分類し、具体的な諸施策を発表されました。一般会計においては、前年当初費4.5パーセント増の101億6,400万円となり、中里市政誕生以来初めての増額予算となりました。小泉内閣の三位一体改革という看板の下、改革という地方いじめがなされてきました。いわゆる平成16年度の交付税ショック以来、本市の大きな財源である地方交付税が減額され続けておりましたが、新年度は減額に歯どめがかかるようであります。今回の政府の措置は一過性のものであるかどうかは今後の動向を注視する必要があると思います。中里市長は、これまで行ってきた行財政改革の手を緩めず、22年度までの行財政改革プログラムに基づき、自立、持続できる行財政運営の確立を進めるとされております。本市の行財政改革プログラムは計画を上回るペースで実行されております。無駄なぜい肉をそぎ落とし、あたかもギリシャ彫刻のような筋肉質のすばらしい姿を通り越し、ほおがそげ落ちて活力に欠けた感さえもあります。しかし、本市を取り巻く環境から無駄を省くこと、高い行政効率を求めることは、自主財源が乏しく依存財源に頼らなくてはならない本市では、ますます進めなければならないものと思っています。

  そこで、1点目として、総合計画後期基本計画と20年度予算について伺います。中里市長は、先般の所信表明でも20年度は総合計画後期基本計画の中間年であることから、これまでの施策の進捗状況を把握し、さらなる指標への到達に向け一層の事業推進に努める年であるとされました。制度変更による市税収入や交付税の増加は見込めるものの、大変厳しい財政状況は依然として変わらないものがあります。その環境下での事業執行は、事務事業評価制度を活用しながら予算編成に当たったようでありますが、一つ一つの事業を個別に評価することは必要不可欠であると私も考えます。しかし、本市の事務事業評価制度は一定の成果を果たし、さらに総合計画に掲げる姿を実現すべくものに移行すべき時期に来ているのではないでしょうか。市役所内には事務事業評価制度のスピリットは定着したと感じています。これからは政策実現に向けた事業の評価、言い換えますと政策評価を導入すべき時期に来ていると考えます。そのためには、推進する政策の方向性やプライオリティーなど、政策評価の指針とすべきものを中里市長がリーダーシップを発揮され示すべきと考えます。

  昨年、第1回定例会の一般質問で、私は計画実現のためにマスタースケジュールという言葉を使いましたが、途中途中の目標を定め、進捗状況等をチェックし、計画達成に向けるべきとの問いに対し、市長は市長の任期である4年間のスパンで達成に向け事業を遂行していくので、4年後を見てくださいとの趣旨の答弁をされたと記憶しています。4年後を楽しみにしていてもよいのですが、私にも議員としての責務がありますので伺います。さきにも紹介したように、20年度は施策の進捗状況を把握するとされました。ここ2年の施政方針演述から戦略プロジェクトという言葉が消えました。部門別計画ごとに諸政策を発表されています。地域別計画については、「幸せを支える人・地域づくり」の項で、「地域コミュニティ推進協議会との連携を図りながら、地域別計画等の推進に努める」とだけ触れており、具体的な事業などが表明されませんでした。どのような手法で進捗状況を把握する考えなのでしょうか。個々具体の部門別計画の進捗なのか、それともまちづくりの重点とされた戦略プロジェクトの達成率なのか、また、20年度予算に当たって産業の振興、少子化対策、安全・安心なまちづくり、消防施設の充実、そして教育環境の整備などに重点配分されたとありましたが、改めてお聞きします。総合計画後期基本計画は、平成20年度予算によってどの程度の事業達成率になると見込んでいるのか、また施政方針演述で市政各般に配慮された予算編成とされていたが、厳しい財政運営の中で特に重点とした分野は何か。

  2点目として、平泉の世界遺産登録に関しお伺いいたします。施政方針でも大船渡市を主会場として開催される海フェスタとともに、平泉の世界遺産登録を新年度の主要事業として位置づけられております。平泉の世界遺産登録は、平泉の黄金文化に深いゆかりがある本市にとっても大変に関心があることであり、本市振興の一つのチャンネルにもなり得るものと考えます。岩手県では、この世界遺産登録を大きなチャンスと考え、様々な施策を行うようです。また、平泉の世界遺産の一部を形成する一関市はもちろんのこと、黄金街道として観光施策を行ってきた気仙沼市などの宮城県北の自治体も様々な計画を立てているようです。本市としても、県や平泉町、一関市、奥州市などとこれまでも様々な連携の下に本年度の各種事業展開につなげているものと考えます。今年を一過性のものとしない施策も必要であると考えますが、特にもニュース性の高い今年は、観光客を初め注目が高いと思うが、どのような施策を計画しているのでしょうか。お伺いいたします。平泉の世界遺産登録を本年に控え、県では平泉を中心とした観光交流を目玉として予算編成をしている。玉山金山など、平泉文化に深く関連する本市でも、この機会をとらえた観光交流事業を積極的に組み立てる必要があると考えるが、平成20年度予算ではどのような具体策を考えているのか。

  3点目として、12月定例会でも伺いましたが、合併についてお伺いいたします。施政方針でも改めて当面自立のまちづくりを表明されました。ただ、新年度は市町村合併を特定課題の一つとして市政懇談会を開催し、市民の意見を聞くとされています。今年に入り、大船渡地方振興局が中心となって行われた気仙地域広域行政等研究会の調査研究報告書の概要版が市内各世帯への配布や気仙の産業関係者が合併について協議した等の報道がなされております。調査研究報告書の概要版には様々な資料が情報として盛り込まれており、特に財政状況などの数値に対しては様々な反応があるようです。市町村合併については、合併新法の期限が近いこともあり、いろいろな動きがあります。市町村合併は、現在の市民生活を最低でも維持する、そして向上させるものでなければなりません。合併によって様々な利便性が失われたり、行政サービスの低下につながるものであってはならないことは明白であります。本市では、当面自立の道を目指していますが、行政を運営するための財政基盤の脆弱から行政サービスが足踏みをしているものも見受けられます。無駄を省き、効率的な行政運営をするために行財政改革プログラムを推進していますが、その先が見えないのもまた現実であります。ただ、ひたすらこの現状をあらしが過ぎ去るまで耐えていかなければならないのでしょうか。また、定員管理適正化計画など、国からの指針によりますます職員数が減ることが予測されます。反面、権限移譲などにより、行政需要が増加することも予測されます。私は、合併が魔法のつえでないことは重々承知しているつもりですが、地域の力をアップさせるためにも、そして増加が見込まれる行政需要に対応し、行政サービスの低下を招かないためにも合併を行い、各々の自治体の少ない余力を集めることで地域振興策の実行に今以上に振り向け、この地域の継続的な維持、発展につなげることができると考えます。本市は、新年度に各地域において市政懇談会を開催する予定されております。事前に単独自治体での将来のまちの予測や合併によって考えられるまちの姿を初め、数値による情報の提供だけでなく、市民が客観的に合併について判断できる材料を提供すべきと考えます。伺います。平成20年度に特定課題の市政懇談会を開催するとされているが、市町村合併については合併のメリット、デメリットなど、様々な角度からの情報を市民に提供する必要があると思うが、どうか。また、本市は当面自立を掲げているが、行政サービスの維持、向上のためにも合併をし、体力を大きくして行政運営をする時期に来ていると考えるが、どうか。

  次に、市民の力を結集し、地域を高める協働のあり方について伺います。最初に、協働のまちづくりを目指している本市ですが、その協働がなかなか見えないのは私だけでしょうか。施政方針演述では、「ともに考え、ともに決定し、ともに行動する」協働型のまちづくりとあります。総合計画後期基本計画にも協働という文字が目を引きます。本市の具体的な協働の例によく道路愛護会による整備事業が引き合いに出されます。また、様々な審議会等へ公募委員の登用などもその一例かと思いますが、そのほかはなかなか具体例が思いつきません。協働には様々な形があってよい、いや、あるべきだと考えます。知恵を出し合うこと、各々ができる範囲で同じ目的に向かって役割分担することが協働ではないでしょうか。市の職員300人ができることは大変大きなことです。しかし、物理的に考えても、人のつながりから考えても、市民2万5,000人のそれぞれが持つ力やネットワークにはかなわないと考えます。今こそ市民を巻き込んだ協働型のまちづくりに本格的に着手するときではでしょうか。市長は、かねてから陸前高田は地域力を伸ばすのだとおっしゃっておられます。県の合併推進審議会のヒアリングの際にもおっしゃっておられました。その地域力とはどのようなものを想定されているのでしょう。私は、市民の皆さんに協働といってもどう答えていいかわからないと感じています。市長から、「私はこのようなまちづくりを考えている。その手法はこうしたいがどうか」と投げかけてみる具体的行動が市民の持つ知恵や力を引き出し、協働型のまちづくりの一つの形になるのではと考えます。施政方針演述の雇用の創出の項で、ふるさと大使を初め、本市にゆかりのある方々の協力も得て進めたいとありました。在京、在道人会やふるさと大使はもちろんのことですが、市内に在住している市民の皆さんはそれぞれがネットワークを持っておられます。その力も積極的に活用すべきではないかと考えます。私は、本市の発展のためには本市の財産を積極的かつ最大限に活用すべきと考えております。今期定例会に上程されております補正予算及び20年度予算には普通財産取得費が計上されております。これは、陸前高田市土地開発公社からの普通財産の取得と伺っております。今回取得予定地のほかにも小友浦干拓地を初め普通財産として所有されている土地があります。遊休地となっているところが大半であると思います。「市民の財産であるこれらを事業用に無償貸し付けを行いたいが、市民の皆さん、理解は得られますか」などと具体的に市民に対し行動することによって様々な反応があり、ひいては情報発信にもつながると考えます。そこで、伺います。今こそ市民の発想力、情報発信力等、地域の秘めたる力を発揮するときと思うが、これらを市政運営に生かす方法を検討、提示すべきではないか。特に雇用の場の確保のため、工業団地や市有地の活用については無償貸与やリース制度などの導入など、具体的な提案を行い議論を深めることが必要と考えるがどうか。

  最後に、協働の一つの方法として、市税収入の1パーセントを市民のアイデアを生かす施策に充当する制度を提案いたします。一般的なパーセント法は、市民が納税額の1パーセントを自分が選んだ事業などに指定できる制度であり、日本では市川市の制度が有名ですが、私が考える1パーセント制度は、本市の場合は財政構造からして住民税の1パーセントでは個人、法人を合わせても730万円程度にしかならないことから、市税収入の1パーセント、新年度予算から計算すると1,800万円ほどを市内のコミュニティ推進協議会などから地域振興に関するプランを募集し、その実行に対し市税の1パーセントの枠内から配分するものです。地域や団体によってはイベントやソフト事業、または道路整備などのハード事業をプランニングすることが考えられます。様々なアイデアを地域づくりに活用する。市民の知恵を形にして地域の発展に寄与する制度です。地域によっては農産加工品の製造や販売についても考えられ、市民所得の向上等にも寄与できるのではないだろうか。市民所得が向上し、また、新たに設備等を整備することによって本市の税収もアップすることにつながることも考えられます。市税収入の全体額が上がれば1パーセント相当の額も大きくなることから、市民の皆さんのアイデアを生かせる範囲も大きくなると考えます。また、制度の理解が進めば納税意識の高揚にもつながるのではないかと考えます。以上のことから伺います。協働の一つの方法として、市税収入の1パーセントを市民のアイデアを生かす施策に充当する制度を創設してはどうか。この制度を活用し、市民所得が少しでも向上させることが1パーセント枠の拡大にもつながり、事業の幅も広がることなどから、市民の納税意識の高揚にも寄与する政策とすることができると考えるが、どうか。制度の実現にはいろいろ解決しなければならないこともあるとは推測されますが、市民の協働の一つの方法として、市民が市政に関心を持つ方法としても実現すべきと考え、私の一般質問を終わります。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

    (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 福田利喜議員のご質問のうち、私からは「市政運営と平成20年度予算」についてお答えいたします。

  まず、市総合計画後期基本計画の前期の総括と今後の推進についてでありますが、後期基本計画は私の基本姿勢である市民の目線で、市民が主役の誇りの持てるまちづくりをさらに進めていくため、市民の皆様からいただいた多くのご意見を基に、平成22年度を目標年次とし、平成18年5月に策定したものであります。この計画の執行に当たっては、国の財政状況の急激な悪化などにより、本市も非常に厳しい財政状況でありましたが、創意工夫を重ねてまいりました。特に平成17年度からは事務事業評価、平成18年度からは行財政改革プログラムを進めてきたところであります。毎年度全事業を対象に進めてきた事務事業評価においては、逼迫した財政事情を考慮し、個々の事務事業ごとに内容を精査しながら、経費の削減を図るとともに、事業の継続、拡大、縮小、廃止の決定を慎重に行い、適正な事業の推進に努めてきたところであります。後期計画の5か年のこれまでの総括を後期基本計画に掲げている成果指標の到達状況で判断すると、おおむね良好な状況で事業が進められていると認識しているところであります。後期基本計画に掲げている成果指標は、5分類37項目でありますが、議員ご質問の平成20年度を見込んでの目標到達は100パーセントに達するものが福祉分類の認知症高齢者グループホーム、障害者グループホーム数など14項目、50パーセント以上のものが住環境分類の市道舗装率など都市公園整備箇所数など7項目であります。また、産業分類の新規学卒者市内就職率、健康安全分類の基本健康診査受診率は低下をしており、目標を大きく下回っている項目もあります。目標を下回った項目等につきましては、引き続き目標達成に向け取り組み、また、国の基準の見直しや社会的状況の変化により、目標数字の見直しが必要なものについては今後において適宜対応してまいりたいと考えているところであります。

  なお、平成20年度は、後期基本計画の中間年度に当たるところから、成果指標に基づく到達状況の検証と事業評価をより精査し、その結果を次年次以降の施策に生かしてまいりたいと考えております。

  次に、厳しい財政運営の中で特に重点とした分野は何かについてでありますが、平成20年度当初予算につきましては、限られた財源を最大限有効に活用するため、事務事業評価により事務事業の取捨選択を行い、地域課題に積極的に取り組んでいくという方針の下予算編成を行ったところであります。主な内容といたしましては、「健康で安全・安心な社会の創出」におきましては、乳幼児等の医療費無料化を継続するとともに、第3子以降の無料対象を3歳児まで拡大するなど、子育て支援策の取組に努めているところであります。また、消防と救急体制の充実については、消防屯所の新築や小型ポンプ積載車の整備など、消防団の施設の充実を図ることとしたところであり、「地域社会を支える元気産業の振興」については地域の特性を生かした特産品の開発や安全、安心な産物の安定供給によるブランド化に向けた事業を推進するとともに、関係団体と連携を図りながら、既存商店街の活性化支援事業を推進していくこととしているところであります。「豊かな社会環境の創出」については、広田地区漁業集落排水事業の推進、下水道事業の長部地区の本格的実施、奈々切・大石土地区画整理事業により市街地の整備を図ることとしております。「幸せを支える人・地域づくりの実現」については、奨学資金貸付制度の充実、小学校衛生設備の改修、市内の中学校6校へのAED設置などを行い、学校環境の体制の整備を図ったところであります。これら各種事業を関連づけながら、「やさしさと活気に満ちた陸前高田」の創造に向け事業の展開を図ってまいりたいと考えております。

  次に、新年度の観光交流事業の具体策についてでありますが、議員ご案内のとおり、県ではいわて平泉年として、7月に予定されている平泉文化の世界遺産登録を見据え、いわて・平泉観光キャンペーンを全県にわたって展開することとしておりますが、今年度開催された北東北大型観光キャンペーンに引き続き、県を初め関係機関、関係団体と連携した情報発信等を行いながら、誘客拡大に取り組んでまいりたいと考えているところであります。また、昨年度から、JR東日本が企画する駅からハイキングのイベント造成に取り組んでいるところでありますが、これまで小友駅、陸前高田駅、脇ノ沢駅を発着点に、箱根山や高田松原、普門寺、ホロタイ、黒崎仙峡、川の駅など、七つの四季折々のコースが採用され、規模は小さいものの、約250名の集客があり、首都圏からも多くの参加をいただいたところであります。このことから、新年度は特に、黄金伝説の郷として集客が見込まれる玉山金山跡周辺コースを新たに計画しているほか、市内観光案内ガイドや観光ホームページの更新につきましても黄金伝説の郷にスポットを当てながら、情報発信してまいりたいと考えているところであります。

  次に、市町村合併についてお答えいたします。市町村合併については、これまでも本市議会においても幾度と議論を重ねてまいったところでありますが、これまでの経緯を若干申し上げますと、岩手県が平成18年4月に「自主的な市町村の合併の推進に関する構想」を策定し、気仙3市町の合併案が示されたところから、大船渡地方振興局と気仙地区の2市1町で構成する「気仙地区広域行政等研究会」を設立し、昨年10月に同研究会の調査研究報告書が作成されたことは議員ご案内のとおりであります。昨年の11月から今年の2月に開催された市政懇談会におきまして、この報告書の概要版を活用しながら内容説明をさせていただいたところでありますが、今年度の市政懇談会は各地区コミュニティ推進協議会の主催でありますので、地域課題が主に取り上げられたところから、合併問題に係る報告書の説明及び意見交換の時間は少なく、深い議論には至らなかったところであります。

  なお、1月下旬には報告書の概要版を全世帯に配布いたしたところであります。

  これらを契機として、将来の陸前高田市及び気仙地域を考える機運が高まることは、市民の行政に対する関心が高まり、市民が主役のまちづくりを進める上からも歓迎すべきものであり期待するものであります。

  なお、市といたしましては、合併を含めた当市の将来のあり方を見きわめる上で、市民の考えや判断が大切でありますので、新年度においては市町村合併を特定課題の一つとして市政懇談会を開催し、市民の皆様のご意見を聞く機会を設けてまいりたいと考えております。

  なお、その際には、議員ご提案のとおり、合併のメリット、デメリットを含めた各種資料を整え、意見交換が活発になるよう提供してまいりたいと思います。

  次に、合併を進める時期ではないかとのご質問でありますが、研究会の報告書においても依然として少子高齢化が進み、陸前高田市の財政状況も厳しい状況が続くものと推定されております。しかし、これまでも厳しい財政状況下において、事務事業評価を実施しながら、行財政改革プログラム数値を達成しているところでありまして、引き続き改善、改革を進めていくことにより、当面は自立のための財政運営は可能なものと考えております。

  なお、これまでも申し上げてまいりましたが、将来においても合併を否定するものではなく、将来の合併を想定した場合は、県が示した気仙2市1町の枠組みは妥当なものと考えております。しかし、本市を取り巻く状況は当面自立を目指したまちづくりを進めている住田町の意向等もあり、今すぐ合併に関する話合いを進める環境にはないと考えているところでありまして、合併新法による合併期限は平成21年度までではありますが、この期限にこだわらず、これまでの広域連携を進めながら、「当面、自立」のまちづくりを進めてまいりたいと考えているところであります。

  なお、岩手県市町村合併推進審議会が岩手県知事から合併協議会設置の勧告のあり方についての諮問を受け、県内全市町村を対象に訪問調査を行っているところでありまして、この中にこれまでに合併した市町村における合併効果の検証が含まれており、その検証結果の中間報告が出されております。同審議会の最終結果が近く報告されるものと思いますので、今後の参考にしてまいりたいと考えております。

  以上をもちまして答弁といたします。なお、その他の質問につきましては、担当部長より答弁いたさせますので、ご了承願います。



◎企画部長(伊藤光高君) 議長。



○議長(西條廣君) 企画部長。

    (企画部長 伊藤光高君登壇)



◎企画部長(伊藤光高君) 「地域力を高める協働のあり方」について、命により企画部長からお答えいたします。

  本市におきましては、市民の皆様からいただいた多くのご意見を基に、市総合計画基本計画を策定し、「健康で文化の薫る海浜・交流都市」の創造を目指し、市民との協働のまちづくりに全力で取り組んでいるところであります。計画の推進に当たりましては、これまでも市政懇談会、市長直送便、市長と語る会などにより、市民の声に耳を傾け、市民が主役のまちづくりを推進してまいりました。各地区には地区コミュニティ推進協議会が設置されており、各地区でそれぞれ地域の特性を生かした特色のある活動が展開されているところであります。これからの地域のあり方、地域の将来ビジョンにつきましては、平成13年の市総合計画前期基本計画及び平成18年の後期基本計画の地域別計画を作成する際に、各コミュニティ推進協議会と地元在住の市職員である地区担当員が話し合い、協議を重ねて作成しているものであり、それぞれの地域の思いがこもった計画であると認識しているところであります。地域力を高めた協働のあり方につきましては、自分たちの住んでいる地域に誇りを持ち、地域をよくしようと地域住民自らが積極的に取り組んでいくことが地域力であると考えているところであります。本市では、古くから町内会単位での祭りの開催や公民館の建設事業、道路や水路の補修、維持管理などが行われてきており、お互いが支え合う関係が構築され、そして継続しております。現在では、道路愛護会の清掃や草刈り作業、市道整備、あるいは災害を想定した自主防災会の組織化など、時代の状況に対応した活動が実践されており、大変心強く感じているところであります。市といたしましては、こうした地域づくりのために地域一丸となって自主的かつ積極的に取り組む地域力がそれぞれの地域に大きく育っていると感じているところでありまして、地域の活動を支援してまいりたいと思っており、また、行政への参画についてもより一層期待するものであります。これまで市民の協働は議員ご案内のとおり地域での生活環境の整備や旧町単位での福祉活動が主なものであったとも思われます。議員ご提案の市産業の活性化のため、あるいは市政運営に生かす協働は在京人会やふるさと大使の方々などからもいただいてきたところではありますが、広く市民の方々により協力をいただくための工夫も必要であろうかと思われます。今後において、先進地の事例などを参考に検討してまいりたいと思います。

  なお、工業団地や市有地の活用につきましては、新年度からは土地開発公社が所有する敷地を順次市が購入し、企業に対して売買代金の延納特約による引き渡しを行うことができるような制度を立ち上げるなど、企業が進出、あるいは増設を行う意欲が持てるよう、企業進出環境の整備に努めてまいります。

  次に、市税収入の1パーセントを市民アイデアに生かす施策に充当する制度の創設についてお答えいたします。この制度につきましては、全国的には千葉県市川市が個人市民税の1パーセントを市民活動団体に支援できる制度を平成17年4月から実施したのが最初であります。県内においては、奥州市がNPO団体など市民活動団体への事業費の補助として、個人市民税総額の0.4パーセントを市民投票で決定する条例の制定事務を進めていると伺っております。これらの制度の内容を見ますと、市民の納税に対する意識の高揚とボランティア活動への理解や関心を高め、市民活動団体の活動の支援と促進を直接市民が選択することにより行うことを目的としているものであり、地域を限定しない課題解決に取り組む活動を前提とし、特定の地域を対象とするコミュニティ活動とは区別されているようであります。本市におきましては、市民の皆様のご理解とご協力をいただき、平成18年度実績で市税及び国保税とも現年度分の収納率につきましては県内13市におきましてトップクラスを維持しているものであります。また、市民活動団体の状況につきましては、本市ではかねてから町内会などが積極的に活動を展開してきている状況にあり、NPO団体を含めた任意の各種団体における活動への支援はそれぞれ個別に対応しているところであります。

  なお、本市における協働のパートナーといたしましては、NPO団体が少ないところから各地区コミュニティ推進協議会を核として進めてきているところであります。地区コミュニティ推進協議会連合会とは、毎年年2回市長との懇談を開催しており、その際にはそれぞれ各地区における要望や課題、あるいは意見交換を行っているものであります。また、在住市職員による地区担当員としての各地区活動への参画とあわせまして、それぞれの自主的な活動に対する補助などの財政的支援を行ってきているものであります。今後の地区コミュニティ推進協議会を主体とする協働のあり方については、これまでも話合いを行ってまいりましたが、現状を大きく発展させるような活動については各地区での組織の実態、活動の内容が様々なところから、まだ時間を要すると伺っております。つきましては、議員ご提案の市税の市民活動への支援する制度については、コミュニティ推進協議会等とも相談しながら、今後において検討してまいりたいと考えております。

  以上で答弁といたします。



◆12番(福田利喜君) 議長。12番、福田利喜。



○議長(西條廣君) 12番、福田利喜君。



◆12番(福田利喜君) ただ今ご答弁いただきました。何点か再質問をさせていただきたいと思います。

  まず最初に、市政運営と平成20年度予算についてでありますが、市長からは達成度合いが成果指標によって100パーセントのもの、50パーセントのもの、今後見直さなければならないものということで、基本計画に載っている部分の成果指標が目標点だというお話でございましたが、今後見直す際に本当に市民生活にどのようにこの施策が影響したのだかということを含めるために、就業人口であるとか、市民所得であるとか、本当に必要なものを組み入れるべきと思います。市道延長が何パーセントになりました、グループホームが何個できました、それから体育館等の改修、スポーツ施設の改修を2か所やりますということでも必要だとは思いますけれども、市民生活に市政がどうなっているかということを指標に組み入れるべきと考えますが、まず1点お伺いいたします。

  それから、予算編成については、医療、子育て、消防、産業に関しても地域のブランド化等を進め、あるいは商店街の活性化等もお話しされましたが、その中でも市長が今年、特に最優先でこの事業をやらなければならないのだ、だからこういうふうな選択をしましたというものがあればお示しいただきたいと思います。

  次に、平泉に関してなのですけれども、施政方針演述でも海フェスタとともに大きくうたってありました。ところが、事業の発表を見ると一切新規事業何もない。今までの部分をそれに充てるということでございますが、県とか、様々なところを見ていると、お金がないけれども、それほどかけてはないけれども、今年こそ平泉だということで、それに関連をさせて大きな手を上げているわけです。本市として新規事業が見えなかった、その理由をお聞かせいただきたい。

  それから、合併に関する情報提供なのですけれども、市長は当面財政運営はできているので自立ができる、それから住田町の問題等もあり環境にないということですが、では、市民の議論を喚起するような形で、この気仙地区広域行政等研究会の調査研究報告書の概要版の情報以外にどのような情報を市民に提供しようとされているのか。また、当面自立できる裏づけ、そのような情報、ただ財政的に今のままと比較するのか。こういうまちにしていくためにこのような予算が必要になって、それに対してはこういうふうにできるのだよというその裏づけをお持ちでしたらお示しください。

  それから、大きな行政体にすべきだと私は提案をさせていただきましたが、これから権限移譲等で増加が見込まれる事務事業について、県から職員が来るのかもしれませんけれども、こうやって職員数減らしていく中で、どのような形で行政需要に対応しようとお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

  それから、協働のあり方、様々出てきました。でも、もう少し市民に具体的に市政に参加していただく市長直送便とか何かをやっているみたいですけれども、特定課題、大きな課題を投げかけて、それで市民の方々が市政に関心を持つというのも大きな方法ではないかと思いますので、その辺についてお伺いをいたしたいと思います。その辺のご答弁をよろしくお願いいたします。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

    (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 福田利喜議員の再質問にお答えをいたします。

  大分6点ぐらいあるのでしょうか。まず、後期計画の総括に当たっては、計画に示された指標以外のものでもやっぱりきちっと判断をすべきではないか、例えば就業人口、あるいは市民所得等々というご指摘ですが、計画の中に示された指標で総括をし判断することは当然でございますが、そうした中で全体としてやはり市の福祉の分野がどういう現状になっているか、あるいは産業の状況がどういう状況になってきているか、その中でやっぱり課題は何かというあたりを含めて、きちっと総括をし、これからの施策に生かしていきたいと思っております。

  それから、産業振興で特に今年これをというものは何かということでございますが、産業振興につきましてはそれぞれの産業団体と連携をしながら、今までいろいろ取り組んできた事業を積み上げていくということが基本になるわけですが、あえて今年取り組んだものといたしましては、予算に入れたものといたしましては、商店街の状況が非常に深刻になっておりますので、個々の商店街の経営をどうしたらいいのかという経営診断等のアドバイザーに対する費用等も措置をいたしまして、個々の個店の魅力を高める取組に対する支援をしたということも行政の支援の枠の新しい発想という意味で取り組んでいるところでございます。

  それから、海フェスタ、平泉に新規事業が見えないということですが、海フェスタについては今までのマリンスポーツ、やっていた事業を集約をして関連づけてやるというもので、改めて大きな予算等は見込んでいないわけでございます。それから、平泉関連でございますが、施政方針演述でも申し上げましたとおり、これから地元や関係団体と協議会を設けて、どうやって平泉の世界遺産登録にかかわって玉山金山の魅力をこの内外に発信していくかをこれから検討していく、スタートをしていこうということでございまして、特にそれについて、今のところ、今後は別ですけれども、大きな予算を見込まなくてもできるということでございますし、いずれこの事業がまとまっていけば、国の事業、あるいは県の事業、予算等々も活用しながら取り組みをしてまいりたいと考えております。

  それから、市政懇談会、特定課題、合併問題をやる際の情報ということですが、どのような情報を示すかということはこれから検討してまいります。第1段で報告書の概要版は全世帯に渡したわけですし、これから検討してまいりますが、いずれ当市がこれから報告書では約10億円の財源不足ということが示されておりますけれども、これをどう解消していくのか、解消できるのか、こうした裏づけ等は当然のことながら示していかなければいけないだろうと思っているところでございます。

  それから、県からの事務移譲についてのお尋ねがございますが、新年度事務権限移譲に伴いまして、県から2名の職員が配置をされることになっているわけでございますが、いずれ今後の事務移譲につきましては、県がこれを移譲するから無条件に「はい、わかりました」ということで移譲を受けるということではなくて、市が移譲を受けることによって市民の利便性が高まったり、あるいは市の市政にとってプラスになるものを選択をしながら、県と協議をしながら移譲を受けるということでございまして、受ける際には人的な配置等も十分に考慮を入れながら対応してまいりたいと思っているところでございます。

  6点目は、協働に対してもっと市民に具体的な内容を投げかけるべきではないかというふうなご質問でございますが、現に行われている協働の取組は、いろんな分野で多彩な形で行われています。現に道路愛護会の取組等々に限らず行われているわけでございまして、そうした現に行われている状況等も十分ご紹介をしながら、特に例えば産業振興の分野等々でどういう取組が必要なのか、的を絞った議論も特定課題の一つでございますので、来年度の市政懇談会でその一つに入れるかどうかはまだ決めておりませんが、いろんな機会をとらえて、そういう提起はしていきたいと考えているところでございます。



◆12番(福田利喜君) 議長。12番、福田利喜。



○議長(西條廣君) 12番、福田利喜君。本件に関する質問時間は50分に近づいておりますので、簡潔にお願いをいたします。



◆12番(福田利喜君) それでは、再々質問をさせていただきます。

  厳しい予算の中で、様々生活費を工夫をして、市民生活に近づけようとしている努力はわかりました。そこで、最後に1点お伺いいたします。この厳しい財政状況の中で、総合計画実現するためには計画の中で、取捨選択が必要だと思います。そこで、先ほど私質問の中でも話しましたが、事務事業評価プラスこういう政策でいくのだという市長の強いリーダーシップの中で、政策評価というものを導入したほうがより具体的な形で市民にも職員にもわかっていくのではないかと思うのですが、そこについてお答えをお願いいたします。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

    (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 当市の市政運営は、先ほど来申し上げておりますように、市の基本構想、基本計画に基づいてやっておりますし、また、私が2月に示しましたその中でも、「優しさと活気に満ちた陸前高田市」ということを重点にしながら進めているわけでございます。そういう意味では、事務事業評価もそういう政策的な意味も含めた評価になっていると思いますが、いずれ中間年で今後の2年間の総括をし、今後の後半に施策を生かしていくという中で、やはりそうした私の考え方、あるいは政策的な考え方を十分に反映をさせていきたいと思っているところでございます。



○議長(西條廣君) この際、暫時休憩いたします。休憩時間は十分程度といたします。

    午前10時52分 休   憩

    午前11時01分 再   開



○議長(西條廣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

  一般質問を継続いたします。

  8番、佐藤信一君。

     (8番 佐藤信一君登壇)



◆8番(佐藤信一君) 通告に従い一般質問をいたします。

  まず初めに、1次産業の振興策についてお伺いいたします。陸前高田市農協と大船渡市農協の合併に伴い、農協のトップはこれによって経営基盤強化を目指すと言っておりますが、営農事業と信用事業のそれぞれ経営形態の違いがある中での吸収合併という立場から、今後の営農指導や農産物の集出荷態勢は本当に大丈夫かという心配があります。農協も独立採算性が基本はわかりますが、本来組合員のための農協というあるべき姿がますます低下していくのではという思いがあります。現に支所の閉鎖や給油所の廃止など、直接営農や生活に影響が出てきています。多くの市民らが何らかの形で農業に携わっていることから、市では今後の農協のあり方についてどのようなかかわり持ち、意見交換をしていくべきと考えているのか、お伺いいたします。

  次に、合併にかかわる動きの中で、これまで横田支所の営農部の中で仕事をしていた農業振興対策室の位置づけでありますが、農協では本所機能の一部移転に伴い、本所の2階にスペースができることから、営農部がそこに入る予定と伺っていますが、対策室も一緒に移転する考えなのでしょうか。私は、この機会にぜひ総合営農指導センターに設置すべきと思いますが、いかがでしょうか。

  また、改めて営農指導の拠点施設としての総合営農指導センターの役割が大切になると考えています。市の方針では、研究、研修施設として研修生の受入れを中心にとの考えのようですが、農業者や農業に関心のある一般の方々の間でも指導センターに行けばほとんど「そこで用が足せるようにしてほしい。相談できるようにしてほしい」と言っております。また、農業改良普及センターなど、指導機関においても「効率のよい指導ができる」と言っております。農協営農部や農林課、農業委員会など、関係団体、機関がすべて機能移転することは無理なことで、それぞれの部署から出向の体制により営農指導や新たに農業をやりたい人たちが訪れても窓口が一本化された中で「ほとんどのことはここで相談ができますよ」といったようにすべきと思うのですが、いかがでしょうか。

  次に、食の安全に対する考え方についてお伺いいたします。食品偽装や中国食品による農薬混入など、食の安全について社会問題となり、消費者の皆さんからも国産志向の動きが大きくなっております。当市においても、これまで地産地消運動や食育を通して生産者の顔が見える地元産の食育の提供がなされてきました。特にも学校給食センターにおいては、これまでも地元の食材の利用率を高める努力がなされてきましたが、しかし現在、100パーセント地元産は米、シイタケ、ワカメなどの4品目だけと聞いております。このことは納入にも問題があると思います。一般競争入札だけでなく、地元供給可能な品目については特別枠として納入できるシステムができないものかと思いますが、いかがでしょうか。地元生産者にとっても、せっかく準備したのに入札でとれなければ何ともならないということがあります。これと同時に、生産現場においても改めて食の安全について考えるべきで、トレーサビリティシステムの確立やポジティブリスト制度に対する取組に関係機関が一体となって研修会などを通して指導を進めていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

  次に、これまで何度となく取り上げてきた鳥獣による農作物の被害防止対策についてでありますが、今般、国において鳥獣による農林水産業などにかかわる被害の防止のための施策を総合的かつ効果的に推進し、農林水産業の発展及び農山漁村の振興に寄与する目的として鳥獣被害防止特措法が制定されました。その内容を見ますと、農林水産大臣が被害防止施策の基本指針を作成し、基本指針に即して市町村が被害防止計画を作成することとなっており、具体的な措置としては都道府県にかわって市町村自ら被害防止のための鳥獣の捕獲許可の権限を行使できること、地方交付税の拡充、補助事業による支援など必要な財政上の措置が講じられることなどとなっております。この中で、具体的な被害防止施策などの例としてはいろいろ挙げられておりますが、やはり抜本的な対策としては、捕獲によって生息数を適正規模にするということであると考えることから、捕獲対策に絞ってみると、市町村職員、農林漁業団体職員、狩猟者、農林漁業者などによる鳥獣被害対策実施隊を設置し、わな免許など狩猟免許の取得を推進するなど、新たな被害対策の担い手や安全で効果的な箱縄の導入、捕獲鳥獣の処理加工施設の整備や肉などを地域資源として活用、促進するとあります。これらのことを踏まえ、猟友会との協議や現場の農林水産業者との話し合い、免許取得の施策など、どのように進めていくのか、また処理加工については気仙シカ対策協議会がシカカレー用の精肉作業を行い、里シカ対策と商品化をセットとした全国的にも珍しい取組の動きとどのようにかかわっていくのか、お伺いいたします。

  指定を受けるについて、振興局農林部では国は28億円の予算を計上し全国250か所を指定するとのことだが、相当しっかりとした計画づくりがなされないと指定が受けられないといった高いハードルとなっていると話しております。このことについては、市の農林課でもそのような認識を持っておられるようですが、これらの計画づくりに対しどのような考えで臨むのか、お伺いをいたします。

  次に、遊休地対策についてでありますが、農業者の高齢化や後継者不足の中で年々増加し続ける遊休地の面積拡大は、平場面積の少ない当市にとって農業生産を高める上で大変厳しい状況となっております。このような中において、その解消や発生を防止するためとして、一昨年6月に農業経営基盤強化促進法の改正により、農業生産法人以外の法人に農地の貸付けを行う特定法人貸付事業が創設されました。岩手県内においても企業などの農業参入が可能な地区の設定により、現在27市町村が設定済みとなっており、当市においても参入区域の設定により市内全域で実施可能となっております。これらのことを踏まえ、2月19日に合同庁舎において気仙地方農業参入セミナーが開催され、管内から20を超える建設、建築設計業者らと気仙内外からの農業関係団体、振興局職員ら50人が参集し、企業の農業参入への推進、参入状況の紹介や事例発表などがあり、その後いろいろと意見交換がなされたと報じております。当市からも関係機関を含め数社が参加し研修されたと聞いております。遊休地対策については、これまで現場の農業者や農業委員会などが中心となりいろいろな手だてをしてきたが、有効利用につながる解決策がない状況にあります。一方、建築業者にとっても公共事業の縮小や景気回復のめどが立たず、営業成績の落ち込みからやりくりが大変な状況のようであります。これまで参入された企業においても、経営的になかなか大変だというふうに聞いておりますが、遊休地の解消とあわせて新たな雇用の場の提供にもつながることですので、何とか頑張ってほしいと思っております。当局としては、これらの動きに対しどのような協力と指導ができると考えているのか、お伺いいたします。

  次に、活性化に向けた取組についてお伺いいたします。海浜交流都市を目指すとしてきた当市にとって、交流人口の増加に向けた取組はとても大切だと思います。これまでの経過を見ると、交流人口の増加対策については常に滞在型のグリーンツーリズムを推進し、交流型観光の振興に努めると言っています。市長演述の中にも、地域社会を支える産業振興策として、農林業体験などを通した都市との交流、グリーンツーリズムの促進や地産地消の推進を図っていくと明言されております。市内には交流と名がつく施設が三つあります。一つは、観光交流センター、キャピタルホテルです。二つ目は、地域資源活用型総合交流促進施設、川の駅よこたで、三つ目は交流促進センター、炭の家であります。これらの施設は、それぞれの目的を持って管理、運営がなされておりますが、グリーンツーリズムによる交流人口の増加対策には炭の家の有効活用がぜひ必要と思います。生出地区では、地域活性化の取組のモデルとも言われる生出木炭まつりの開催や立教大学の学生の受入れによる林業体験活動、木炭発電の実用化の取組など、地域を挙げて活性化に向けて頑張っております。その中で、炭の家の活用については、ホロタイの里研究会を立ち上げ、炭焼き体験やシイタケ植菌作業などを通して、訪れた方々への宿泊のお世話などをしてきましたが、会員の高齢化や食堂で食事をつくる人がいなくなったなど、その運営には大変苦労をしているようです。県外の先進事例を見ますと、地元食材を使ったレストランの経営や市民農園の併設、手づくりみそやパン、ケーキづくりなどの体験教室、会員制による貸し農園の開設などともに、宿泊施設の充実を図り、交流人口の増加にいろいろな取組がなされているようです。炭の家は当市のグリーンツーリズムを進める上での拠点施設であると思います。これらのことを踏まえ、もっと本腰を入れて取り組むべきで、関係団体や地元の方々との意見交換をしながらこれを推進していくべきと思いますが、当局の積極的な答弁を求めます。

  次に、定住増加による活性化の取組についてお伺いいたします。少子高齢化に歯どめがかからぬ中、少しでも人口増加につながることが活性化への道と思います。市では、団塊の世代などを対象に、本市の良さを評価する方々の移住、定住受入態勢の整備を進めるとしているが、具体的にどこが窓口になって相談に応じお世話をしているのでしょうか。これまでも市内に定住された方々がおりますが、高田に住んで良かったと実感されているのでしょうか。今後の受入を進める上でこの方々にアンケートをお願いし、いろいろな感想やご意見をいただく方法も必要と思いますが、いかがでしょうか。

  このことについて、先進事例として全国的に注目されている福島県の川俣町の取組があります。川俣町では、新住民の新鮮な視点や感動による地域の活性化を目的に、地域に眠る空き家対策なども活用したU・Iターン希望者の積極的な受入れを行っており、住居、仕事、教育、保健、福祉などの生活情報の提供や現地案内、相談の対応、地域住民の紹介や仲立ちなどの支援を行い、U・Iターン希望者がこの支援を受けるためにニューライフステージ登録制度、つまりU・Iターン希望者登録制度を導入し、自己紹介及び住居や就業に関する希望、U・Iターンを希望する理由などを町に登録することとしています。これを実行するに当たり、商工交流係を設置して総合的な相談窓口を一本化したこと、町のホームページの開設により一層の情報発信を行ったこと、特にも専門の担当係の設置は全国的に見ても珍しく、田舎暮らしをテーマとした業界誌や新聞などで紹介されるようになり、相談件数が大幅に増加し、現在までに36世帯、70名のIターン者が新しい生活を始めたとのことです。注目すべき点は、来る人たちだけのためではなく、地域の伝統や習慣などを尊重しながら、権利と義務をしっかりと確認してもらい、信頼関係を持って川俣町の発展につなげていくことが目的だと言っております。

  以上のことから思うことは、他にも定住化促進に向けた取組事例はいっぱいあると思いますが、結論は本気で取り組むかということだと思います。豊かな自然環境に恵まれ、三陸の海の幸を初め、食べ物もおいしいと訪れた方々からとても喜んでもらえている当市にとって、定住支援やU・Iターン支援に向けてしっかりとした取組をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

  次に、市政運営についてお伺いいたします。このほど県では平成19年から22年まで今後4年間の重点的、優先的に取り組んでいく政策などを「いわて希望創造プラン」として定め、総合計画の後期実施計画として位置づけ、この中で沿岸広域振興圏については圏域の目指す将来像やその実現に向け、基本方向に基づく11の重点施策について特に取り組んでいくとしています。二つの基本方向として、地域の自立を支える産業の振興と安全、安心な暮らしができる三陸地域の形成を挙げています。詳しい内容は別として、その中で我が国を代表する海岸美を初め、すぐれた自然景観やこれまで培われてきた産業、風土、歴史文化など様々な地域資源を有しており、それらを生かしながら企業誘致や観光振興などに取り組み、定住交流人口の拡大を目指すとし、市町村、県が進むべき道を共有して、力を合わせて自立した広域圏の確立に取り組むとしております。当市においても後期計画の中間年に当たっていることでもあり、この政策とどのような整合性をとり市政運営を推進していくのか、お伺いをいたします。

  次に、2期、2年目を迎えた中里市政について、これまでの市政運営をどのように総括しているかについてでありますが、さきの市長演述の中で、市長は地方分権によって自ら創造する自治へ移行する時代であり、特色のあるまちづくりを進めるとし、常に市民の目線での行政を進めてきたとしていますが、中里市政になってここが変わったとかここが違うといった具体的な政策も含め、これまでの5年間をどのように総括しているのか、お聞かせ願います。

  最後に、トップリーダーとしてこれからの陸前高田市はどうあるべきと考えているかについてでありますが、市長は施政方針の中で市民の声が届く市政運営を継続し、やさしさと活気に満ちた陸前高田を創造するため、これからも全力を尽くすとし、市町村合併については新法期限にこだわらず、「当面、自立」のまちづくりを進めながら、新年度において市町村合併を特定課題の一つとして市政懇談会を開催し、市民の皆様の意見を聞いてからだと言っております。市長の基本姿勢は、常に市民の目線の行政であり、市民の声の市政運営のようですが、2期目を迎えた中里市政は、自らこれからの陸前高田をどうするのか、また、将来はどうあるべきといった明快なビジョンを市民に示すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。市長として、予算編成に当たっては各分野にわたり重点的に配分を行ったとしておりますが、それはそれで市長として大切な仕事であると思います。市民の代表である市長は、首長として自ら先頭に立ってリーダーシップをとるべきだと思います。市長の給料を減らすよりも、市長交際費を減らすよりも、むしろ増額してでもあらゆる機会をとらえてトップセールスしながら陸前高田を元気にしていくべきと思います。継続は力なりと申しますが、こういう時代だからこそ民間の方々の力を借りるべきで、そのためにもこれまで培ってきた在京人会などや陸前高田ふるさと大使の方々との交流にもっと力を入れるべきだと思います。このような中で、在京人会の議員派遣に対し経費節減のためやめた方がいいと言っている方もおられたようですが、在京人会の方々に対しても大変失礼なことだと思います。市長は、演述の中でも、産業振興、観光施策、企業誘致の推進については在京陸前高田人会や在道陸前高田人会、陸前高田ふるさと大使など、ゆかりの方々の協力も得ながら進めていくと明言されておりますが、特にもふるさと大使の方々に対しどのような協力とお願いをしていくべきと考えているのか、お伺いをいたします。

  これらのことを踏まえ、市長はこれからの陸前高田市はどうあるべきと考えているのでしょうか。ちなみに、住田町長は林業日本一のまちを目指すとし、大船渡市長は国際港湾都市を目指すと言っておりますが、陸前高田市長は何を目指すのか、明快な答弁を求め私の一般質問を終わります。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

     (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 佐藤信一議員のご質問のうち、私からは「市の活性化に向けた取組」と「市政運営」についてお答えをいたします。

  初めに、交流人口の推進についてでありますが、平成20年度においては平泉の文化遺産の世界遺産登録が予定され、また、第6回海フェスタが大船渡会場を中心に本市を含めた三陸地域で7月に開催される運びとなりました。このようなイベントを好機ととらえ、関連情報の発信に努めながら、交流人口の拡大を図りたいと考えているところであります。また、交流人口の増加に向けた取組としては、グリーンツーリズムの推進がこれからの中心と言われておりまして、本市での取組の状況は議員ご案内のとおり生出地区の炭の家を中心とする生出地区コミュニティ推進協議会の活動が代表されるものであります。また、昨年4月に都市と農村との交流拠点施設として、地域資源活用総合交流促進施設「川の駅よこた」が開設され、県内外の都市部の方々との体験ツアーなどの取組も行われているところであります。特に生出地区においては、昭和62年から地域の活性化を目的に生出木炭まつりが実施され、注目度が高まるにつれ、交流来訪者に対応する拠点施設が必要となったところから、地域の要望にこたえる形で炭の家の整備を行ったものであります。運営に当たりましては、設置当初から地元のコミュニティ推進協議会の管理委託を行い、また、昨年度からは指定管理者制度に移行しておりますが、この間地元を主体としてホロタイ研究会やコミュニティ推進協議会が行う体験メニュー等を組み合わせて、施設の利用率の向上を図ってまいったところであります。また、平成16年度から、地元の4名の方々にいわてグリーン・ツーリズム体験インストラクターの登録を行っていただき、ご指導をいただいているところでありますが、さらに多方面での体験が可能となるよう、体験メニュー等の整備を行ってまいりたいと考えているところであります。

  なお、議員ご案内のとおり、本施設は本市のグリーンツーリズムを推進する上での拠点施設との位置づけでありますので、今後さらに地域の方々や関係団体との意見交換を深めながら、利用率の向上、また、来訪者へのサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。

  次に、定住促進やUターン支援の取組についてでありますが、現在、本市においては団塊の世代や就農を目指す方々を対象に、PRや受入相談を行っているところでありますが、総合的な受入担当事務は企画政策課が担当し、新規就農が伴う相談は市総合営農指導センターが担当しているところであります。特に市総合営農指導センターにおいては、研修生の受入など実践に即した機能も持ち合わせているところから、他市にはない魅力がある要素として、盛岡市や関東圏からの問い合わせがございます。また、研修生が市内での就農を希望した場合は、農地のあっせん等の諸世話を行っているところであります。気候に恵まれた本市において、家族で農業に取り組もうという移住希望者の相談に、関係機関と連携をとりながら信頼される対応に努めてまいりたいと考えております。

  なお、定住、移住希望者には総合的な生活情報が不可欠でありますので、この間インターネット上の本市のホームページを初め、総務省、岩手県などの定住、交流のホームページともリンクしながら、住まいの情報、健康で安全、安心に暮らす、楽しく暮らす、各種支援制度などの項目設定を行い、生活情報を提供しているところであります。団塊の世代等の関心のある方々からの照会なども幾らかあらわれてきているところから、空き家情報等の提供を進めてまいりたいと考えているところであります。

  なお、移住者へのアンケートについてでありますが、移住後の相談にも引き続き対応してまいりたいと考えておりますので、感想、ご意見を伺いながら、その後に生かしてまいります。

  次に、市政運営についてお答えいたします。まず、このほど岩手県が発表した「いわて希望創造プラン」と市政運営との整合性についてでありますが、現在、岩手県では平成11年度から22年度までを計画期間とする岩手県総合計画に沿って施策を推進しております。これまで平成11年度から17年度までの前期実施計画及び平成15年度から18年度までの誇れるいわて40の政策などを策定し様々な取組を展開しております。こうした中、昨年の4月に達増知事が誕生し、この度平成19年度から22年度までの今後4年間に重点的、優先的に取り組んでいく政策など、いわて希望創造プランとして定め、総合計画の後期実施計画として位置づけたところであります。

  なお、この計画の策定に際し、知事と市町村長との意見交換や新しい地域経営の計画に係る地域説明会と称して、気仙地域においては昨年の9月と12月の2回にわたって一般市民及び市町村関係者を対象に大船渡地方振興局でも説明会が開催されたところであります。本市からも企画及び産業担当職員等が出席し詳細な説明を受けるとともに、意見交換に加わったところであります。岩手県においては、いわて希望創造プランの計画に先立ち、平成18年11月に県北・沿岸圏域における産業振興の基本方向を公表し、あわせて市町村ごとの具体的な取組内容や目標及びスケジュール等を取りまとめた取組工程表を示しました。さらに、平成19年7月には改訂版を策定したところでありますが、いずれもこの基本方向等を策定する際には、各市町村と綿密な打合せを行い、調整が図られたところであります。この度のいわて希望創造プランは、特に産業振興部門において、県北・沿岸圏域における産業振興の基本方向が盛り込まれたと理解をしておりますところから、整合性が図られていると認識しておりますので、これまでと同様に、県との連携を図りながら積極的な事業の推進を図ってまいりたいと考えております。

  なお、平成20年度は、本市後期計画の中間年度に当たることから、成果指標に基づく到達状況の検証と事業評価をより精査し、その結果を次年度以降の施策に生かしてまいりたいと考えておりますので、その際には県計画との整合性をより図ってまいりたいと考えております。

  次に、これまでの市政の総括とこれからの陸前高田市のあり方についてお答えいたします。本市では、平成13年3月に策定した陸前高田市総合計画において、健康、環境、創造をキーワードとして、「健康で文化の薫る海浜・交流都市」の将来像を掲げて施策を展開してきたところであり、私の就任後もこの計画を継続し、市民福祉の向上に努めてきたところであります。さらに、平成18年5月には、私の基本姿勢である市民の目線で、市民が主役の誇りの持てるまちづくりをさらに進めていくため、市民の皆様からいただいた多くのご意見を基に、平成22年度を目標年次とした市総合計画後期基本計画を策定し、各種事業を推進しているところであります。国の財政状況の急激な悪化などにより、地方自治体も厳しい財政状況を余儀なくされましたが、各位のご理解、ご支援を賜りながら、ここまで順調な市政運営がなされてきたものと思っております。平成20年度においては、後期基本計画の中間年であることから、これまでの施策の進捗状況を精査し、目標指標の達成に向けて一層の事業推進に取り組んでまいります。

  次に、これからの陸前高田市はどうあるべきかについてでありますが、地方自治体の財政は依然として厳しい状況が予想されるところから、引き続き行財政改革に取り組み、財政基盤の健全化を図りながら、少子高齢化、医師不足、産業の振興などの諸課題に対し、国、県及び関係機関と連携し積極的に取り組んでまいります。これら諸課題の実施に当たっては、議員ご案内のとおり、民間感覚を生かした発想も大切でございますので、在京人会、在道人会、そしてふるさと大使の皆様のご意見もちょうだいしてまいりたいと考えております。

  なお、ふるさと大使の皆様とは、新年度は東京等において懇談の機会を設けてまいりたいと考えております。

  私は、やさしさと活気に満ちた陸前高田市を公約と掲げておりますが、優しさである福祉と活気である産業振興のバランスのとれた陸前高田市を目指してまいります。これまでの市政懇談会、市長直送便、市長と語る会を継続しながら、多くの市民の声に真摯に耳を傾け、市政運営に努めてまいります。

  以上で答弁といたします。その他のご質問につきましては、担当部長に答弁いたさせますので、ご了承願います。



◎産業部長(菅野正明君) 議長。



○議長(西條廣君) 産業部長。

    (産業部長 菅野正明君登壇)



◎産業部長(菅野正明君) 「第1次産業の振興策」につきまして、命により産業部長からお答えいたします。

  初めに、合併に伴う農協のあり方についてでありますが、議員ご案内のとおり、陸前高田市農協と大船渡市農協が本年5月1日に合併することが正式決定し、現在は合併に向けて細部の検討を行っている状況とのことであります。吸収合併に対するイメージや広域化によるサービスの低下を心配する声が聞こえているところでありますが、営農部門は陸前高田市内に拠点を残し、現状の営農指導や集出荷体制、生産部会組織なども継続され、また、信用、購買部門におきましても給油所の一部が廃止されるものの、支所体制を含めてできるだけ現状を維持し、農家や住民へのサービスの低下は招かないよう努力すると伺っているところであります。市といたしましても、合併によるスケールメリットを発揮し、これまで以上のサービス提供が図られるよう要望を行ってまいりたいと考えているところであります。また、この動きの中での農業振興対策室の位置づけでありますが、特定課題への対応のため、農業振興対策室の必要性や重要性は両農協とも強く認識しており、合併後も存続することとしているところであります。市といたしましては、営農に関するワンストップサービスの観点から、総合営農指導センターへの設置希望を申し入れておりましたが、現在の市農協の本所2階を利用し、陸前高田市及び住田町の営農拠点とする計画が進んでいることから、当面は農協の意向に沿って設置することになるのではないかと考えているところであります。

  次に、総合営農指導センターの機能強化についてでありますが、総合営農指導センターでは研修生を受け入れ、花卉や野菜栽培など、新規就農者として経営開始に向けた技術研修を行っております。さらに、特産作物の栽培実証や農産加工研修、地域農家への指導会や研修会、ふれあい農園や新規就農チャンレンジセミナーなど、生産技術指導から農業体験までの各種の事業を行っていることから、今後とも大船渡農業改良普及センターなど、関係機関と連携を図りながら、新規就農者の育成確保を核とし、本市農業の拠点施設としての活動を展開してまいりたいと考えているところであります。

  次に、食の安全、安心に向けた取組についてでありますが、議員ご案内のとおり、様々な食品偽装や中国産冷凍ギョーザへの農薬混入など、食の安全性に関する多くの社会問題が連日報道され、地産地消や食育の面から、国産食材を見直す動きが高まっております。市の学校給食センターでは、地産地消を基本に、早くから地元食材を取り入れ、米やシイタケ、ワカメ、ヤーコンにおきましてはすべて地元産品を使用し、毎月の献立表には地元食材や郷土食を強調した表示を行い、児童生徒や保護者にも地産地消への意識の高揚を図っております。食材の購入に当たっては、1食当たりの単価が限られ、購入価格はその大事な要素となることから、特定の生産者や業者との直接取引は行っていないところでありますが、市内登録業者に対し地元食材を指定した公平な入札取引を行っているところであります。また、生産現場においても堆肥等を活用した土づくりと化学肥料や農薬の使用の低減を行う環境保全型農業を推進しており、150名以上の農業者がエコファーマーの認定を受け、100ヘクタールを超える農地で低農薬、低化学肥料の農産物の生産を行っているところであります。

  なお、市農協では、限られた品目ではありますが、トレーサビリティシステムも導入しており、またポジティブリスト制度についても大船渡農業改良普及センターが中心となりエコファーマー研修会等で指導をしているところであります。今後とも関係機関と連携を図りながら、安全、安心な食の提供ができるよう努めてまいりたいと考えているところであります。

  次に、鳥獣による農作物の被害防止対策についてでありますが、当市ではニホンジカやカモシカを中心とした鳥獣による農作物被害額が平成19年度では約1,300万円と推定され、被害区域も年々拡大しております。防護網の設置に対しましては、県や市の単独事業において助成を行い、これまで約118キロメートルの防護網を設置し、被害防止を図ってきたところでありますが、今年度からは市単独事業で電気柵についても助成対象としたところ、防護網の約2割で購入できることから、過去の年間実績の4倍以上に当たる3.5キロメートルが設置され、被害防止に大きな効果となったところであります。本年2月、鳥獣による農林水産業等に係る被害防止のための特別措置に関する法律が施行されたことを受け、平成20年度から計画的かつ総合的な被害対策の実施に対する補助制度である鳥獣害防止総合対策事業が創設されたところでありますが、この制度の補助対象は全国で250地区に設置する地域協議会に限られることになっております。本市の現状からは、処理加工や流通までの組合せは難しいことから、喫緊の課題である防護網の設置と捕獲を中心とした被害防止に重点を置き、県の指導を得ながら採択に向けた計画の策定事務に取り組んでいるところであります。

  次に、異業種による農業参入についてでありますが、平成17年の農業経営基盤強化促進法の改正により、農業生産法人以外の株式会社やNPO法人のリースによる農地の権利取得が認められ、当市では平成18年8月に改正した「農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想」において、市内全域を参入できる範囲として設定したところであります。平成19年9月現在で、全国では256法人、東北地区では55法人、岩手県内では5法人が農業参入を行っており、全国的には野菜や果樹栽培、東北地区では建設業者を中心に稲作に参入する例が多く見られます。経営的には大変厳しいと聞いておりますが、過日大船渡地方振興局の主催で気仙地区農業参入セミナーが開催され、管内の約20社が先進事例等の研修を行い、当地方での関心の高さがうかがわれました。市といたしましても雇用創出や遊休農地対策につながる重要なテーマと考えられますので、農地に関する情報の提供など、県や農業委員会等、関係機関と連携を図りながら対応してまいりたいと考えているところであります。

  以上をもちまして答弁といたします。



◆8番(佐藤信一君) 議長。8番、佐藤信一。



○議長(西條廣君) 8番、佐藤信一君。



◆8番(佐藤信一君) 詳しく答弁いただきましたので余り時間がありませんが、私からは次の3点に絞り再質問させていただきます。

  まず最初に、これもいつも言っていることなのですけれども、総合営農指導センターの拠点施設としての役割なのですけれども、先ほど質問の中でも言いましたとおり、農業に関心を持っている方々、また、農業に参入したい方々、いろいろな関係の方々からも強く窓口を一本化して利用できないかという話が常にあります。そういう関係からして、今回も営農指導は営農指導、後継者の指導は指導というような話のようですけれども、市長は特にも農業は、1次産業は高田市の基幹産業だと言っていることからして、ぜひそれぞれから出向していただいて、一本化の窓口にするべきだと私は強く思うのですが、先ほど聞いていますと、農協の物理的な、2階が空くからとか、そういう営農指導は高田でそのまま継続するからというようなお話もありますけれども、ぜひ農協内部の事情だけではなく、市長はトップとも会って、トップ会談をしながら、そういうことで拠点施設にしたいから何とか協力願いたいと、そこまで指導力を発揮してもいいのかなと私は思うのですが、その点についてお伺いをいたします。

  それから、いっぱいあるのですけれども、ふるさと大使の関係なのですけれども、いずれふるさと大使の方々はこれまで高田の大ファンであり、また、高田を元気にするための応援団を自認して協力をいただいていると思っています。そういった関係からして、この機会にぜひ例えば中里市長の応援団の方々にも新たに入っていただいて、高田を元気にするような取組をしてほしいと思います。そしてまた、先ほど今後のことについては東京でやると言っていますが、いつごろになるのか、具体的なスケジュールがあればお聞かせをお願いしたいと思います。

  それから、活性化に向けた取組についてでございますが、特にこういう時代背景の中で、市町村は財政難から、これからいろんな施設は作りたくても作れないという状況下にあります。高田の場合は、せっかくいっぱい既存の施設があるのですから、ぜひ有効利用にしていただくということは先ほども申しましたけれども、その中で炭の家の件に絞りますけれども、ホロタイ研究会の人たちもなかなか施設運営が大変だと。これから積極的な市の支援があれば私たちもそれに元気をもらってぜひ頑張っていきたいと。現場の声もそんなふうに言っておりますので、ぜひこの取組に対してはそのうちやりますではなく、新年度から積極的に関係者と申合せしながら、グリーンツーリズムの拠点施設として動き出しましたよという、市民にも見えるような形での行動がぜひ欲しいと思いますので、その3点についてお伺いをいたします。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

    (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 佐藤信一議員の再質問にお答えをいたします。

  一つは、農業振興を図る上から、総合営農指導センターに指導体制を一本化すべきではないかというご提言でございますが、先ほど部長も申しましたように、市といたしましては農業振興対策室等も営農指導センターに一体化すれば、より効果的な取組ができるだろうという考え方は持っておったところでございます。しかし、これは振興対策室は市と普及センターと農協さんの三者一体で設置をしている組織でございますので、なかなか市の意向だけでは決定できかねる問題があるわけでございます。そういう意味では、幸い農協さんも新しい営農指導拠点をこの陸前高田市の前の本所に設置をするということになりましたので、分かれたとしても大いにこれまでと同じように連携をしながら、一体化しながら農業振興の取組を進めていくことができるだろうと思っているところでございます。

  なお、市としては一本化が望ましいという考え方を持っているものですから、そのためには農協さんのいろんな事情もあろうと思います。今後ともそうしたことについてはいろいろと話合いはしてまいりたいと考えております。

  それから、ふるさと大使の皆さんにつきましては、懇談会を今年度予定をしておりますが、大変お忙しい皆様方でございますし、スケジュール等はこれから新年度に入って調整をしてまいりたいと思います。また、新たにふるさと大使等お引き受けいただける方がいれば、これはお願いをしてまいりたいと考えております。

  炭の家の利用支援策につきましては、実際に炭の家、指定管理者へ委託をしているわけでありますが、委託を受けているコミュニティ推進協議会と利用促進策、あるいはその中でのどういう支援を強化したらいいのかを具体的に協議をしながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。



○議長(西條廣君) この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。

    午前11時50分 休   憩

    (教育委員長 村上サキ君退席)

    午後 1時00分 再   開



○議長(西條廣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

  一般質問を継続いたします。

  7番、藤倉泰治君。

    (7番 藤倉泰治君登壇)



◆7番(藤倉泰治君) 一般質問を行います。

  第1に、5年間の中里市政の教訓と今後の課題についてお尋ねいたします。今議会では、平成20年度は後期5か年間計画や行財政改革プログラムの中間年と言われ、大事な1年だということが市長からも、議員各位からも言われております。特に市長が今年の新年交賀会で、「今年は、市民の皆さんとまちづくりに汗を流す年に」と意欲を燃やしておりましたが、今回の施政方針におきましても、郷土への誇り、また、市民の目線、そういうこととともに、ともに考え、決定、行動するということを強調されておりました。そして、来年度の市政懇談会、市長は合併の期限にこだわらず、「当面、自立」を推進し、それを特定課題とする市政懇談会の開催を提起いたしました。私も正にこの1年が大きな意義を持つ1年になるだろうと思っています。それだけに、本市の今後のまちづくりや当面自立を考えていく場合に、これまでの陸前高田市の歴史、特にこの5年間を振り返り、前進面と教訓をはっきりさせる必要があるのではないかと思うわけであります。過去を振り返ることから、そこから将来に生かすべき方向、考えるべき戦略が見えてくるからであります。

  私が特に教訓的に考えているのは、第1に市民福祉を自治体の仕事の基本にしている点であります。無駄なことは何もしないで、市民福祉に常に目を向けてきたこと、これはいつになっても大事な柱であると思います。民生費の割合も平成14年度19.3パーセントだったものが平成20年度予算では27.4パーセントまで伸びています。その一方で、市債収入の割合は平成14年度13.2パーセントだったものが平成20年度予算では7.3パーセントまで下がり、市財政の立て直しも進んでいると思います。その間の保育施設と中学校の改築など、必要な公共事業は進め、借金も減らしてきた、それが私は第2の教訓とも言えると思っております。そして、産業振興と雇用では、外部に依存するだけではなく、地元にある資源と産業に光を当ててきていること、これがまた第3の教訓ではないかと思います。幾つか申し上げましたが、市民福祉、産業振興、雇用、財政運営、市民参加、協働などの市政運営において、大きな変化がつくられてきていると思うわけでありますが、どのように総括されているのかお聞きいたします。

  また、その上に立って、今後の市政運営における課題についてもどのように認識しているのか、あわせてお答え願います。

  去る1月25日、岩手県の県北・沿岸振興本部主催による沿岸圏域・地域産業戦略会議拡大セミナーに私も参加いたしましたが、そのときの講師である地域経営ネットワーク理事長の藻谷さんは、統計数字を基に人口減少のことを話しておりました。その中で、本市の人口減が県内では大変少ないということを話しておりました。岩手県沿岸では、野田村と陸前高田市が頑張っているという評価でありました。また、数字を見ますと、県内13市でも確かに当市より上にあるのは北上市だけで、そのほかは全部下のランクに入っておりました。講師は、高速道や新幹線が来ても人口が増えるわけではない。むしろ急速に減っている。そして、独自性のないものは通用しないと力説していましたが、私が思ったのは、人口問題、地域格差問題にしても、沿岸の陸前高田、ほかよりもひどいのではないかというふうに常に思いがちになりますけれども、客観的な数字で見ますとなるほどと感じるところもありました。いずれ私は、5年間における教訓や課題について、数字的にも資料的にもはっきりさせ、市民にわかりやすく示すことが今後の対話や懇談会でも役立ち、話も弾むのではないかと思いますが、どうでしょうか。

  さらに、施政方針では、主権者である市民の目線に立つこと、「ともに考え、決定し、行動する」ことが強調されました。そして、市職員の能力開発、人材育成や業務改善運動も提起されております。これからのまちづくり、市役所が果たす役割、期待は大きいと思いますし、これから市政運営を進める際に地方自治体の本来の目的であります住民福祉の問題、また、住民自治の観点を生かしていくことが大事になっているというふうに思います。市役所として、市職員として、地域住民とどうかかわるかが改めて問われることになると思うわけでありますが、そのことについて市長の答弁をお願いいたします。

  第2に、改正建築基準法の影響と市内建築業の振興について質問いたします。昨年6月に建築基準法が改正されました。この市内にも深刻な影響が出ています。この改正は、全国で問題になった耐震偽装事件の再発防止のために行われましたが、建築確認の検査が余りにも厳格化されました。改正の柱は、第三者機関による構造計算審査の義務化や審査期間を最大70日まで延期が可能となったことなどですが、添付書類が大幅に増え、審査期間も2週間で済んでいたものが、2か月もかかるようになったと言われています。確認申請の変更も認められず、再度出し直すケースも目立っていると聞きました。こうした建築確認の行き過ぎた義務化によって、県内の住宅着工件数が前年度比で2割も落ち込んでいると言われています。特に新聞報道では、「気仙大工ピンチ、伝統工法存続の危機」などと報道され、伝統工法があたかも耐震基準に合わないかのような風評被害も加わって、深刻な影響を与えています。気仙大工の伝統工法は、お寺や神社、大きな民家を主に手がけているわけですが、在来工法と違って柱など接合部分に金物を使わず、斜めの筋交いも入れず、木そのものが持つしなやかさを生かすのが特徴で、大きな地震でも揺れに応じて建物がしなるのが特徴となっています。8年前には、関係者の運動も実って、金具を使う在来工法と同等の強度が証明されれば伝統工法も可能となっていました。ところが、それが今回の改正で、第三者機関による構造審査が義務化されて、確認申請が中央にも送られ、審査期間や費用がかかり、膨大な資料を作成しなければならなくなりました。地元の気仙大工の人たちも、「これでは事実上伝統工法で家を建てる道が閉ざされた」と語り、「伝統工法は地方の文化、地方によって違いがあり、国の法律ですべてを縛るのはおかしい」、「金具を使わなければ建築確認はおりないなら費用がかかり過ぎて気仙大工はやっていけない」、このように怒りの声が上がっています。法改正によって気仙大工が逆風にさらされております。地元の建築業関係者や気仙大工の方々にも大きな影響が出ています。当市には、高い技術を持った気仙大工がおり、在来工法も含めて技術と伝統を持った建築業が長く根づいている地域であります。この地域として、また、市として、この現状についてどのように把握されているのか、お聞きいたします。

  全国的にも伝統工法が存続できるかどうかの現局面にあるわけですが、地元の関係者の人たちは「気仙大工の技術を次世代につなぐため、国に改善を迫りたい」と意気込み、全国的なネットワークと連携して国に対し柔軟な運用、すなわち特例の拙速な廃止をやめるということを求めています。これまで、建築基準法には、4号建築物という小規模な木造建物の場合は構造検査を必要としないという特例がありました。そのため、金具を使わない伝統工法や金具を使う在来工法も可能となっていたわけであります。しかし、昨年の改正によって平成20年末に廃止されることになっています。在来工法や伝統工法で長年培ってきた技術や技が生かされなくなり、気仙大工や地元工務店などへの影響が危惧されているわけであります。今、国土交通省への全国からの働き掛けもあって、運用も含めて大事な局面になっていると聞いています。国に対し特例廃止の拙速な施行をやめることや現場の意見を聞くことなど、国に対して強く求める必要があると思いますが、市ではどのように考えているのでしょうか、お聞きいたします。

  最近の市内の建築関係の状況はこれまで以上に大手住宅メーカーの進出が目立ち、マスコミのコマーシャルの影響もあって、坪25万円の住宅、二、三週間でできる住宅が出てきています。本市の資源、人材としての気仙大工の技術と伝統を生かした住宅建築を地元で広げるための支援と振興策が求められていると思います。具体的に気仙大工、在来工法、伝統工法、木造住宅の良さの宣伝、普及や地元建築業者、専門家などが行っている研究活動への支援、木造住宅リフォーム助成制度などを考えるべきと思いますが、当局の答弁を求めます。

  第3に、原台山の官行造林伐採計画について質問いたします。原台山は生出にあって、森林資源の宝庫として矢作川や気仙川を通じて広田湾に注ぐ市内最高峰の山であります。その原台山の頂上も含めた45ヘクタールの官行造林が現在三陸中部森林管理所によって伐採計画が進められています。今年の春の入札の段取りにも入っていると思います。昨年も木戸口地区の55ヘクタールの官行造林が約1,100万円でパルプ会社に落札されていますが、このままでは今年もまた伐採されることになってしまいます。もちろん官行造林は伐採した後、国が半分、市に半分が入って、市の一つの財源にもなるわけでありますけれども、この伐採計画は市でも説明を受けたと思います。市では、管理所のほうからどのような話をされたのでしょうか。また、それにどのような考えを持って対応してきたのでしょうか、答弁を願います。

  また、当該造林地の様相は、カラマツなど植栽した造林木はほとんど育っていません。もちろん契約期間が来れば伐採することができるわけでありますが、現地を見ますと造林した木がまともに育っていません。逆に何も手をかけずに自然に成長したブナの木やミズナラなど、市内には余り見られない貴重な森林が多くあります。森林の持つ多面的機能の象徴とも言える原台山の資源を保護するために、市としてその伐採計画をやめさせるべきと思いますが、市の考えをお聞きしたいと思います。

  以上を申し上げ、当局の答弁を求めます。



○議長(西條廣君) 答弁答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

     (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 藤倉泰治議員のご質問のうち、「5年間の市政の教訓と今後の課題」についてお答えいたします。

  まず、市政運営の総括についてでありますが、ご案内のとおり、私は平成15年2月に市長に就任以来5年を経過したところであります。この間、国の三位一体改革を初めとする財政構造改革のあおりを受け、地方交付税等が減額され、地方自治体の経営問題が全国的にクローズアップされてきました。また、食の安全、医療、年金等に関する様々な課題や経済見通しの不透明さなどにより社会不安が増大しており、混沌とした時代を迎えております。岩手県内におきましても、内陸地域と県北、沿岸地域の格差が露見されるなど、産業、雇用などにおいて厳しい状況が続いております。本市におきましても、市財政における起債残高の増大及び償還のピークの到来、市税収入の減少、また、人口減少と少子高齢化等の問題を抱え、非常に困難な時代を迎えていると認識しております。私は、就任以来「市民が主役のまちづくり」を念頭に、「やさしさと活気に満ちた陸前高田市」の創造を目指して市政運営に当たってまいりました。「健康」、「環境」、「創造」の3つのキーワードに「健康で文化の薫る海浜・交流都市」の実現を目指して、「健康で安全・安心な社会の創出」、「豊かな社会環境の創出」、「地域社会を支える元気産業の振興」、「幸せを支える人、地域づくり」の四つの基本方向の下、三つの戦略プロジェクトを展開しながら、各種施策を実施しております。具体的には、市民福祉分野の各種扶助制度の充実や保育施設の整備、教育分野における環境整備、産業分野における新規雇用拡大の方策、市民参加と協働によるコミュニティの充実などに鋭意取り組んでまいりました。一方で、これらの施策を実施するに当たりましては、必要な財源の捻出が不可欠なため、陸前高田市行革大綱の理念の下、行財政改革プログラムを策定し、すべての事務事業を事前にチェックする事務事業評価制度を導入してまいりました。これにより、収支均衡のとれた財政構造の確立と財政の健全化を進めているところであります。このように、厳しい時代にあっても厳しいなりに必要な施策を実施し、将来の陸前高田市を創造するため全力で取り組んできたところであります。

  次に、総括の上に立って今後の市政課題をどのように認識しているかについてでありますが、重要な課題の一つは産業の振興であります。先般、企業立地促進法に基づく気仙地域産業活性化協議会が設立され、気仙地域で一体となった企業誘致の取組が始まっております。農林水産業につきましては、食に対する安全志向の高まりを受け、当地域の食材をPRする好機が来ていると認識しております。平泉の世界遺産登録を目前に、新たな観光需要に対応できる環境の創造も進めたいと考えております。また、市民福祉の向上も大きな課題だと認識しております。これまで進めてきました保健予防事業、医療費助成事業、医師確保対策等の施策を継続することで市民が健康で安全に安心して暮らせるよう取り組んでまいりたいと考えております。その他の施策も含めまして、市民ニーズを的確にとらえ、引き続き市民の目線に立った施策を展開するとともに、陸前高田市の良さを内外にアピールし、「陸前高田市に住んでよかった」と言われるような、幸せを実感できる陸前高田市の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

  次に、5年間における教訓や課題について、市民にわかりやすく示すことが必要ではないかというご質問ですが、市民の目線での説明や対応は私の活動の最も基本的な姿勢でございます。議員ご案内のとおり、わかりやすい市政の推進は市民参加のまちづくりを進める上でも最も大事なことだと考えております。市民との懇談の際には、市を取り巻く財政状況、人口の動向、社会状況など、具体的な事実として数字を提示し、さらにはグラフ化するなど、現状について市民にわかりやすく示すよう努め、その上で市民の皆様の議論が進むよう努めてまいりたいと考えているところであります。

  次に、市職員の地域住民とのかかわりについてでありますが、現在、ボランティアやNPOを初めとする市民団体の活動が様々な分野に広がりを見せております。市においてもまちづくりへの参加意識の醸成や連携が重要であるとの考え方から、市民団体等の活動を容易にするための情報提供や交流、活動の場の提供等の支援に努め、協働のまちづくりを進めているところであります。また、行政の原点とも言える地域における活動は重要なものと考えており、市職員においてもそれら活動への積極的な参加を促しているところであります。これまでも消防団活動、PTA活動、町内会活動、さらには地域行事等への参加協力を呼び掛け、休暇制度を設けるなどしながら支援をしてきたところであります。いずれにいたしましても、市職員にあっては複雑、多様化する行政ニーズにこたえるため、市民本位の効率的な行政を支えるとともに、一面にとらわれない幅広い視野が必要であり、市民感覚の保持、倫理観、使命感の涵養も重要であると考えております。職員一人一人が全体の奉仕者であることを自覚し、意欲を持って職務に取り組むことはもとより、市民の行政サービスの担い手としての心構えを一層身につけながら、今後におきましても市民とともに協働のまちづくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。

  以上で答弁といたします。なお、その他の質問につきましては、担当部長から答弁させますので、ご了承願います。



◎建設部長(中井力君) 議長。



○議長(西條廣君) 建設部長。

    (建設部長 中井力君登壇)



◎建設部長(中井力君) 「改正建築基準法の影響と市内建築業の振興」につきまして、命により建設部長からお答えいたします。

  平成17年に発覚した耐震偽装事件を受け、平成18年6月に建築基準法が改正され、昨年6月20日から施行されました。主な改正点は、建築確認申請や中間検査及び完了検査の厳格化、建築士等の業務の適正化及び罰則の強化等となっております。このうち住宅着工戸数に大きく影響したとされるのが建築確認申請の審査の厳格化であります。これまで岩手県が中心となり、建築士会の会員等を対象とした説明会を開催する等、改正内容の周知を図り、また、実務者向けに要点をまとめたパンフレットを作成するなど、影響が少なくなるよう配慮してきたところであります。

  さて、ここ数年の市内の住宅着工戸数は、平成16年度99戸、平成17年度が77戸、平成18年度が124戸、平成19年度は平成20年1月現在で67戸となっております。この数字は、岩手県が公表している資料を基にしておりますが、集合住宅が建設された場合には棟数ではなく入居可能戸数で計上しておりますので、集合住宅の建設が多いと着工戸数が多いことになります。

  なお、平成18年度には6棟37戸分の集合住宅の確認申請が提出されているところであります。

  市内の新築住宅着工件数は、ここ数年わずかに減少傾向でありますが、建築基準法の改正に伴う影響は県の配慮等もあり最小限に抑えられているのではないかと考えております。

  次に、4号建築物の特例についてでありますが、建築基準法第6条第1項第4号で定められている木造住宅を含む比較的規模の小さな建築物に関しては、建築士が設計した場合においては構造計算を含む一部の条文に関して建築主事の審査の免除を規定しているところでありますが、建築士の技術水準を勘案して定められているところであり、さきに述べました耐震偽装問題や多数の4号建築物についての耐震強度不足が判明したこと等から、平成18年度にともに改正され、平成20年度の施行予定となっております。この免除規定は、本来建築士は構造計算等を行いますが、建築主事の審査を要しなかっただけであり、安全な住宅の提供に当たっては当然壁量や壁の配置のバランス等の構造計算をしなければならないものであります。今回の免除規定の廃止は、これまで建築士の責任であった構造計算を建築主事とともに確認することでより安全な住宅の提供につながるのではないかと考えておりますが、法改正に当たっては岩手県とともに十分な周知を図り、確認申請業務の停滞を招くことのないよう配慮していきたいと考えております。

  次に、地元木造住宅の宣伝、普及と研究活動、木造住宅リフォームへの助成についてでありますが、地元木造住宅の良さの宣伝、普及につきましては、岩手県では今年度本市を含む県内3地区で住宅づくりフォーラムを開催したところでございますが、気仙大工の里として伝統工法の現状と課題に関して広く関係者の意見を伺ったところであります。このフォーラムで得た情報を基に、県民に対して質の高い住宅を提供するための手引書となる岩手型住宅ガイドラインをまとめることとしており、その成果は気仙大工や当地方の住宅をPRするための有効な資料となるものと期待しております。気仙大工関係者の研究活動への支援につきましては、これまで気仙大工建築に関する調査への協力を初め、意見交換会等に参加しながら、研究課題の共有や情報交換に努めてきたところであり、引き続き可能な支援策について関係者と協議、検討してまいりたいと考えております。

  木造住宅のリフォームへの助成につきましては、現在、市では耐震補強を目的とした木造住宅耐震補強工事費助成事業や高齢者及び障害者にやさしい住まいづくり推進事業、居宅介護住宅改修費補助などを実施しており、また、勤労者が住宅を新築、購入、増築する際には、購入に必要な融資のあっせんも行っております。しかしながら、住宅は個人の財産であり、単独のリフォームに補助金を交付することは現時点では考えていないところでありますが、昨年度から創設した木造住宅耐震補強工事費助成事業は、耐震補強工事を行うために必要な壁や床等の撤去や仕上げ工事も対象としていることから、本制度の周知を図っていきたいと考えております。

  以上をもちまして答弁といたします。



◎産業部長(菅野正明君) 議長。



○議長(西條廣君) 産業部長。

    (産業部長 菅野正明君登壇)



◎産業部長(菅野正明君) 「原台山の官行造林伐採計画」につきまして、命により産業部長からお答えいたします。

  初めに、官行造林伐採のこれまでの対応と考え方についてでありますが、森林は国土の保全、水源涵養、自然環境の保全、林産物の供給など、私たちの生活に欠かすことのできない多面的な機能を持っております。

  一方で、森林の造成には極めて長期間を要し、これらの機能を十分に発揮させるためには計画的で適切な森林の整備や林業生産活動が必要となることから、森林計画制度を設けているところであります。当地域は、大槌、気仙川地域に区分されており、国においては大槌・気仙川地域管理経営計画及び国有林野施業実施計画を策定しているところであります。

  原台山の官行造林伐採は、三陸中部森林管理署の公有林野等官行造林地第9次施業計画に基づき実施されているところでありますが、市に対しましては平成16年に計画が示され、意見を求められております。

  なお、平成20年度には45ヘクタールの入札が予定されていると聞いているところであります。

  官行造林は、旧公有林野官行造林法に基づき、公共団体所有の荒廃林を整備することにより、林産物供給機能や保安林としての機能を高めることを主な目的として森林整備が図られてきたところでありますが、伐期齢に達した樹木については伐採することとし、その収益につきましては、契約により国と市で配分することとなっているところであります。

  官行造林の伐採に当たりましては、三陸中部森林管理署に対し立木販売売買契約に基づく特約事項に定めた伐採指針や災害等の防止対策について十分配慮されるよう取り組んできたところであります。

  次に、官行造林伐採計画の中止についてでありますが、原台山の官行造林地は旧矢作町財産区当時に契約されたもので、現在は市有地となっておりますが、地上権が設定され、植樹した針葉樹はもちろんのこと、自然に成長した広葉樹についても国の所有として管理され、これまでも三の戸地区や坂下地区など、他の地区においても計画的に伐採が行われてきたところであります。

  原台山の官行造林地につきましては、法に定められた施業実施計画に基づく伐採であり、国においては持続可能な経営から生産された合法的な木材として、利用促進に取り組む資源循環利用林と位置づけておりますことから、官行造林伐採計画の中止は難しいと考えているところであります。

  今後におきましては、伐区の大きさの限度やその間に帯状に立木を残す緩衝地帯設置など、県が示した伐採などの森林施業に関する基本的な考え方とその指標に基づき業者への指導が図られるよう要望してまいりたいと考えているところであります。

  また、官行造林地の伐採後は、地上権の抹消による返地となり、管理が市に移ることから、今後の管理方法につきましては植樹祭や育樹研修の場など、地域の要望等を十分考慮した対応を行ってまいりたいと考えているところであります。

  以上をもちまして答弁といたします。



◆7番(藤倉泰治君) 議長。7番、藤倉泰治。



○議長(西條廣君) 7番、藤倉泰治君。



◆7番(藤倉泰治君) 再質問いたします。

  まず一つは、地域での市政座談会の関係ですが、懇談会やる際には、陸前高田の状況をやっぱりよく知る必要があるのではないかというふうに、私たちも含めてですが。先ほども話しましたが、数字で見ますと人口は減っているといっても、ほかに比べればそんなに減っていないということとか、合併とか、あるいはどういうまちをつくるということを考える場合に、そもそも地元、陸前高田市のことをよく知ることが必要なのではないかと思います。そこにいろんな魅力とか可能性とか、産業においても条件が出てくるのではないかと。そういうことを市政懇談会なんかではきちんと出すことが、合併のメリット、デメリット云々ではなくて、高田そのものの良さを改めて見直す場に、そのための資料がやっぱり必要なのではないかなと思います。それから、その資料にも高田が5年間とか長年やってきた市政の運営の良さを示しながらやる必要があるのではないかと思っています。人口減少のこともお話になっていますが、今矢作のほうにも、向こうから移り住んで、都会から移り住んでいる人が私も案内しているのですけれども、また、近くこっちに住みたいという夫婦の方もいるわけですが、その方々はやっぱり高田の良さを知っているわけです。そういう意味で、自ら高田のことを高田の人が知れるような資料をぜひ懇談会の際には出す必要があるのではないかということで、その辺の考え方についてお尋ねいたします。

  それから、2番目ですが、市職員のことにかかわって、非常に強調されているわけですけれども、協働のまちづくりという場合には、協働というのは市民同士の協働という面よりも、市の職員が自分の仕事を通じて地域の住民たちと対話し、交流してまちづくりをするという面が非常に大きいのではないかというふうに思うのです。ごみの出前講座とか、あるいは防災の出前講座などもその一つの例だと思うのですが、市の職員が仕事を通じて住民サイドと協働していくということは、新たなことというよりも今現在たくさん市役所内にも生まれているのではないかと思うわけで、そのことをもっと浮き彫りにしながら、市役所としての協働の具体的なリードをやっていく必要があるのではないかということで、その協働の問題について考え方をお聞きしたいと思います。

  それから、3番目に、気仙大工の問題ですけれども、一般住宅についてはそのようにいろいろ最小限に食いとめているということでありますけれども、伝統工法を柱とします気仙大工の方々のそもそもの仕事は、やっぱりこれによって相当影響を受けているということを私も聞きました。ですから、直接は県が手続上はなるわけで、市としては、難しい部分もあると思うのですけれども、やっぱり市内の貴重な資源としての気仙大工、全国的なブランドとしての気仙大工、海の養殖のカキとか気仙杉と同じように、気仙大工のブランドについて行政がもっとコマーシャルを、働き掛けをしていく必要があるのではないか、そういうことも含めた気仙大工の支援をぜひご検討いただきたいと思いますし、その考え方をご答弁いただきたいと思います。

  最後に、4番目に、官行造林の問題ですけれども、今答弁いただきましたけれども、市としてはこの貴重な山を守りたいという考え方がないなと私は思ったのです。やっぱり原台山の山は、ブナとかそういう市内にはない貴重な山になっていまして、去年入札した金額は1,100万と。あそこは一定道路の条件なんかもいい場所ですので、ただ今回の場合は全く条件は悪いところなのです。ですから、私の独自の試算でいきますと、多分500万円にもならないのではないかなと思っています。ですから、そういう意味で、それだけのお金であれば何か方法をとっていく必要があると。営林署でも話があれば応じるという考えなはずです。法律で決まっています、営林署の計画にありますで終わりではないのです。ですから、市の考え方がやっぱりはっきりしていないと、もうちょっとこれを残して、地元にも、そして地元の人たちにも残していくという考え方があってもいいのではないかと思うわけですが、その辺が感じられなかったものですから、ぜひ営林署任せにならないで、市としての考え方を営林署のほうに求めていただきたいと。そのことについて答弁いただきたいと思います。

  以上です。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

    (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 市政懇談会等の中で陸前高田市の良さを認識できるような取組をすべきだというご指摘でございますが、これは市政懇談会に限らず、陸前高田市に住んで誇りを持ってまちづくりに皆が取り組めるような、そういう良さというものをいろんな形で認識をする、あるいは発掘をして広げていく、そういう取組は大変大事であると思っておりますし、これまでもいろんな形で、地元学の発祥の地もここにあるわけでございますので、そうした取組等も含めながら進めてまいりたいと思います。ただ、新年度に行われる市政懇談会につきましては、自治体合併を一つの特定課題としては考えておりますが、どういう形で市政懇談会、何をテーマにするかというのはまだ詰めていないところでございますので、市民の皆さんと十分活発な意見交換ができるような懇談会にこれから検討してまいりたいと思っているところでございます。



◎企画部長(伊藤光高君) 議長。



○議長(西條廣君) 企画部長。



◎企画部長(伊藤光高君) 市民との協働につきまして企画部長からお答えいたします。

  協働は、議員ご案内のとおり、市職員の地元とのかかわりが大事であるというのは正にそのとおりだと思います。そういう意味では、地元に入っての具体的なリードも必要であろうかと思いますが、これが押しつけになってはならないというような部分も注意しながら進めてまいりたいと思います。それから、これからの協働については、まだまだ検討すべき部分がございますけれども、それぞれの行政分野で、今までどの分野で協働が進められてきたか、これから必要とする部分はどの分野かということを新年度には少し調査をしながら、新たな協働の部分も組み立ててまいりたいと考えております。

  以上で答弁といたします。



◎商工観光課長(蒲生琢磨君) 議長。



○議長(西條廣君) 商工観光課長。



◎商工観光課長(蒲生琢磨君) 伝統工法に対する行政の働き掛け、支援についての考え方について、商工観光課長からお答えいたします。

  これまでも本市ではマイスターの養成支援事業でありますとか、それから匠賞の表彰等実施してきまして、気仙大工の伝統技術、技能継承と、担い手の育成の観点から支援してきたところでございますけれども、経済状況、まず先ほどの法改正によって後継者の育成、それから伝統工法を発揮できるような環境がますます厳しくなっていると認識しておりますので、どのような支援が可能かにつきまして気仙大工の関係者の方々とさらに振興方策につきまして、改めて研究してまいりたいと考えております。

  以上で答弁といたします。



◎産業部長(菅野正明君) 議長。



○議長(西條廣君) 産業部長。



◎産業部長(菅野正明君) 官行造林につきまして産業部長からお答えをいたします。

  官行造林につきましては、平成16年に意見を求められまして、市としてはやむを得ないというような判断をしたところでございますが、購入については市の財源というような問題もございますし、それから地域ともよく話合いをしながら、そして営林署ともよく相談をしたいというふうに思っております。先日も営林署のほうと、管理署のほうですが、話合いをする機会がございましたので、その件についても話合いをちょっと持ったところでございますけれども、議会終了後にまた新年度に向けて改めて話合いをするということにしておりますので、検討をしてまいりたいと考えているところでございます。

  以上で答弁といたします。



◆7番(藤倉泰治君) 議長。7番、藤倉泰治。



○議長(西條廣君) 7番、藤倉泰治君。



◆7番(藤倉泰治君) 再々質問いたします。

  一つは、協働の問題について部長から答弁いただきましたけれども、私が言っているのは職員が地域に行っていろんな活動をするという面ということではなくて、それぞれ自分が持っている仕事を通じて市民との様々な交流をしていく、地域に入っていくということが大事なのでないかということなわけです。ですから、改めて別な時間にどうのこうのではなくて、本来の仕事としての協働も、これが一つの地域では、市役所としては一番大事な市民との関係ではないかと思うのです。それが地域づくり、まちづくり、市民参加につながっていくのではないかということですので、改めてお願いしたいと思います。答弁をお願いしたいと思います。

  それから、もう一つ、官行造林ですけれども、これはぜひ営林署のほうと話をしてほしいと。平成16年度がどうのこうのではなくて、やっぱりそのときそのときの状況に応じて、あるいはどの山がどうなのかということも含めて、ぜひ議論していただきたいと思います。ただ、部長の答弁ではあれですか、これしようがないのだということなのか、やっぱりこれは守らなくてはならないということなのか、そこをはっきりして、営林署と話合いをする必要あると思うのです。もう一つその場合に、地元、これは市の山ですから市民なわけですけれども、同時に矢作町の地元の人たちとの話合いをしないことにはならないと思うのです。協議会もあると思うのです。そことやっぱり意見交換もして、その上で市としての考え方を営林署のほうに伝えて、その上でいろんな方法はないかどうかという形になると思うのですが、市としてどうなのかということと、地元との話合いをちゃんとやるのかどうなのかということについてお尋ねしたいと思います。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

     (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 藤倉泰治議員の再々質問にお答えいたします。

  仕事等を通じて市の職員と市民との協働を図るべきだという趣旨のご意見でございますが、これについては当然のことでございます。市役所の仕事は市役所自身のためにやる仕事ではございませんで、すべて市民のために、いろんな施策を展開をしているわけでございまして、また計画づくりの段階からいろんな各種審議会、あるいは各種計画づくりのための懇話会等々で市民の皆様方に参画をいただいて議論をし、ご意見をいただいて計画を策定をし、またその計画を実践をする段階でも関係する団体等のご協力をいただいて事業を進めているわけでございます。あるいは個別の施策につきましても、例えば昨日も議論になった道路の改良等につきましても、地元に足を運んで具体的に地元の要望等も取り入れながら、地元に喜ばれる事業実施をするというスタンスで仕事を進めているわけでございまして、こうしたことを今後とも意を用いながら、市役所の各種事業、仕事を進めてまいりたいと考えております。



◎産業部長(菅野正明君) 議長。



○議長(西條廣君) 産業部長。



◎産業部長(菅野正明君) 官行造林につきまして産業部長からお答えをいたします。

  地元への説明でございますが、昨年の10月末に矢作地区の市有林育成協議会というのがございまして、これは財産区が市に移管になる際に矢作町の市有林をこれからどう管理していくかというのを相談する会でございますが、その会に今度原台山の官行造林が伐採になるという内容のご説明をしたところでございます。この際には、特に委員の方々からは要望等はございませんでした。それから、生出の市政懇談会が開催された際に、原台山周辺の環境整備についてということでのご要望がございました。内容につきましては、官行造林の伐採跡地を市民参加による広葉樹の育成事業等に活用してほしいというような要望がございましたので、市としてはやむを得ないのかなというような判断をしたところでございます。いずれ今後これからもう一度地元、それから財政面の問題もございますので、内部での話合い、そして管理署ともよく協議をしてまいりたいと思っているところでございます。

  以上で答弁といたします。



○議長(西條廣君) この際、暫時休憩いたします。休憩時間は十分程度といたします。

    午後 1時49分 休   憩

    午後 2時00分 再   開



○議長(西條廣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

  一般質問を継続いたします。

  6番、菅野広紀君。

    (6番 菅野広紀君登壇)



◆6番(菅野広紀君) 一般質問を行います。

  今定例会初日に市長の市政運営にかける決意というか意気込みを拝聴しましたが、それに対して評価を下す、または点数をつけるようなことができるものではないので、私が疑問に思うことを淡々と質問します。

  岩手県においては、県民の暮らしは様々な危機に直面しています。こうした危機を希望に変えていくため、新しい地域経営の計画を策定したわけですが、本市の場合はさしずめ自立、持続できる行財政確立のためにとなるのでしょうが、市長の行財政改革プログラムへの入込みようは並々ならぬ決意もあると思いますが、聞き方によっては行財政改革プログラムが着実に、順調に進めば財政が健全化するように聞き違える可能性もあり、ややもすると私たち市民は自立できるような錯覚に陥りそうになりますが、行革の柱は言うまでもなく人件費抑制を図るための職員削減であり、本市においては自立した行財政システムを構築するために行財政改革大綱を策定したことはご案内のとおりです。そこで、平成20年度は市総合計画後期基本計画の中間年で、計画終了まであと3年であります。そして、平成18年5月に改定した行財政改革プログラムで示した計画と20年度予算編成との整合性はどのようになっているのか。また、自立を模索するのであれば、現在の行財政改革プログラムの最終年度に向けてさらなる行革断行のための見直しも必要ではないか伺います。

  次に、団塊世代の職員退職により組織機構の見直しを検討するようだが、当時の自治省、現総務省は地方行革推進指針の中で自治体は具体的な数値目標を設定し、数値目標は住民など外部の者にも見える形で公表するよう要請しており、本市においては昨年12月の市の広報で進捗状況を公表していますが、本市の場合今般の退職増により組織機構の見直しとともに本来行政として行うべき仕事とアウトソーシング可能な仕事を分類、精査し、職員の定員適正化計画の数値目標を設定し、改めて公表すべきと感じますが、いかがでしょうか。

  次に、以前にも一般質問で聞きましたが、事務事業評価を基に20年度予算編成をしたと思いますが、外部の視点での客観的な評価がなされていないと思います。大綱の中でも明記している第三者機関による外部評価の導入はどのようになっているのか、再度伺います。

  次に、指定管理者制度の導入についてでありますが、公立保育所等は検討事項となっておりますが、昨年法人立保育園を運営する五つの法人が一本化され陸前高田市保育協会が設立されて、子供の保育ということでは受け皿はできたと思うが、市立保育所についても指定管理者制度を導入すべきと考えます。先般市長がエジプト外遊中に市父母連の20周年記念式典が開催され、その資料を拝見する機会がありました。議員当時の市長の生命線とも思われる子育て支援に対しての活動には畏敬の念を抱きました。そして、現在の保育所、保育園の姿になっているわけですが、当時と現在では余りにも大きく社会が変わってしまいました。自身がかかわってつくり上げたものを社会情勢の変化とはいえ自身の手で改革しなければならないことは大変気の毒に思いますが、副市長の議員時代の言葉を借りれば、保育所民営化、法人化というタブー視された分野にもメスを入れていく必要があるのではないかという言葉は、正にこの行財政改革プログラムの推進に対しては必要条件と感じますので、具体的な方針を示していただきたいと思います。

  次に、職員の人事交流、派遣についてでありますが、さきの市長演述において、職員の能力開発、人材育成を図るとありますが、どのように行うのか皆目検討がつきません。市民参加のまちづくり等の講演会を聞いていても、まちづくりの活動に対し独りよがりにならないためにも、よその視点の重要性を多くのところで耳にします。外部との交流は必要不可欠なことだと考えます。こんな言い方は大変失礼かもしれませんが、市役所内部を村社会に例えて、疲弊していくことを聞いたことがあります。やはり視点を変えて物を見るということは、客観的な評価があって初めて自分自身に返ってくると考えます。職員のスキルアップにおいても、市役所内部のルーチンワークだけでは限界があると感じます。そこで、職員の能力開発及び人材育成を図る上で、県や国、または民間との人事交流も必要と思いますが、いかがでしょうか。また、中里市政になって中断している県への職員派遣の考えはないのか伺います。

  第2に、学力向上と子供の居場所についてでありますが、昨年10月の中央教育審議会答申では、ゆとり教育による学力低下を認め反省し、授業日数の増加、理数系、英語の授業日数増加を提言したことはご案内のとおりです。また、教育再生会議なるものが前総理の肝いりでスタートしたが、その首相はいつの間にか自らリタイヤして、この国の大人の無責任さを自ら実践したことに、多くの国民は怒りを通り越してあきれ果てたことはつい最近の出来事です。この無責任さを子供たちはどのように受け止めたのか、子供に恐ろしくて聞けない感じがしますが、それとは対照的にイギリスのブレア首相は、就任後初の記者会見で、「優先すべき政策を三つ挙げてください」との記者の質問に答えて、「一にも二にも三にも教育だ」と言ってのけ、今のイギリスを教育で再生したことは有名であります。そして、岩手県では、相澤教育長は就任あいさつで学力向上を掲げ、学力向上3か年計画に基づき各学校において子供たちが社会に出て生活する上で身につけておかなければならない最低限の教育についての保障、いわゆる到達目標を生徒に約束する「まなびフェスト」を設定しました。そこで、伺います。学力低下が問題視される中、昨年実施した全国一斉学力テスト結果や県が実施した学習定着度状況調査から、本市の児童生徒の学力についてどのような課題が浮き彫りなり、その対策をどのように実効性あるものにするのか、また、各学校における「まなびフェスト」の現状と対策はどのようになっているのか伺います。

  次に、4月の声とともに真新しいランドセルを背負って希望を胸に新1年生が学校に入学してきます。しかし、私は小1の壁ということを耳にしました。就学前は保育園等で夕方まで過ごすが、小学校に入学すると放課後の安全な居場所がなくなり、親が仕事と子育てを両立できなくなることを指す言葉だそうです。今年度から国が総合対策として始めた放課後子どもプランに対しては、実施団体では種々の問題も抱え、既存の学童保育の質の低下も指摘されております。しかしながら、本市においては学童保育が未整備の地区があり、早期に子供の安全な居場所を提供してほしいと願っている親は多くいます。そこで、本市が今般放課後子どもプランの策定に当たり既存の学童保育との整合性をどのように図るのか、また、学童保育がない地区の子供の放課後対策はどのように考えるのか伺いまして、一般質問を終わります。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

    (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 菅野広紀議員のご質問のうち、「行財政改革大綱」につきましてお答えいたします。

  初めに、行財政改革プログラムと平成20年度予算編成との整合性につきましてお答えをいたします。本市においては、国の三位一体改革の推進や少子高齢化による人口減少、社会経済情勢の低迷などにより、厳しい財政運営を強いられる一方、市民ニーズの多様化や地方分権の進展等による行政需要の増加が見込まれ、一段と厳しい財政運営を余儀なくされている状況にあります。そうした中にあって、平成18年5月、新たな行財政改革プログラムを策定し、行財政基盤の確立を図りながら、より的確な財政見通しを行い、時代の変化に対応できる行財政運営を実現するため、積極的な改革に取り組んでいるところであります。平成20年度当初予算におきましても、行財政改革プログラムの重点施策に掲げられている改革、改善の取組を盛り込んだ予算編成としているところであり、職員数の削減や給与等の抑制、未利用財産の有効活用による自主財源の確保、公共事業費の抑制、事務事業の適切な選択と配分、使用料等の適正化などに努めたところであります。この結果、行財政改革プログラムにおける平成20年度の収支不足額6億200万円に対し、歳入においては当初計画に見込んでいなかった繰越金や基金繰入金、地方交付税代替分となる臨時財政対策債の増収を見込み、収支が図られた堅実予算を編成できたところであります。

  なお、現行の行財政改革プログラムにつきましては、今後におきましても国の財政事情の悪化などにより、一段と厳しい財政状況も予想されることなどから、当面目標年次となっている平成22年度まで引き続き推進を図り、自立、持続できる行財政の確立を目指してまいりたいと考えております。

  次に、職員の適正化計画については、平成17年度から平成21年度までの定員管理適正化計画を策定し、5年間で30人の削減目標を掲げているところでありますが、平成18年度末においては既に27人を削減しており、行財政改革プログラムの実施期間である平成22年度までにはさらに8人の削減を見込み、職員数300人を目標としているところであります。ついては引き続き現在の計画を推進することとし、今後においては行財政改革プログラム等の改正に合わせて見直しを行ってまいりたいと考えております。また、市民への公表については、毎年市広報の12月号に市職員の給与の公表に合わせて職員数の状況をお知らせし、市ホームページにおいても市職員の給与、定数管理について掲載をしております。

  次に、事務事業評価への外部評価の導入についてでありますが、現在、当市においては行政評価のうち、最も具体的に事業を評価する事務事業評価に平成17年度から取り組んでいるところであります。事務事業評価に当たっては、逼迫した財政事情をかんがみ、個々の事業ごとに内容を精査しながら経費の節減を図るとともに、事業の継続または廃止等を含めて、総合的に評価を行い、翌年度以降の財政計画などを見合いながら、それぞれの事業見通しの把握や事業費の調整に努めているところであります。評価方法は、翌年度以降に予定する全事業を対象としており、その事務内容等から外部評価はなじまないものと考えており、内部評価のみによる実施となっております。

  なお、評価に当たっては、それぞれの業務の担当者自らが経営感覚を持って評価を行うことはもとより、担当部署の部課長だけにとどまらず、部長会議において市長、副市長を初め、他部局の部長も評価を行い、内部評価ではありますが客観性を持った評価を行っているところであります。また、政策的な事業等に当たっては、第三者機関ともなり得る公募委員を含めた市民代表による各種審議会などにおいて、ご意見等をいただきながら事業の推進を図ってまいりたいと考えております。いずれ厳しい財政状況下においては、個々の事業内容を精査し、経費の節減と予算編成に重点を置いた行政評価手法が求められており、今後において評価方法の改善も行いながら、さらに事務事業評価の推進を図ってまいりたいと考えております。

  次に、公立保育所への指定管理者制度の導入についてでありますが、現在、本市の保育施設は公立保育所が5施設、平成19年4月に5法人が合併して新設された保育協会の保育園が5施設で、平成19年度の総定員数は公立420人、法人立285人の計705人となっております。また、公立保育所、法人立保育園とも国で定められた保育指針や基準により児童の処遇、運営、整備が行われており、公立、法人立の違いはあっても子供たちの保育の内容等についての格差は生じないものと考えているところであります。指定管理者制度は、平成15年に創設された制度であり、公の施設の設置目的を果たしながら、多様化する住民サービスに効果的、効率的に対応し、サービスの向上を図るとともに、公の施設の管理に要する経費の縮減を図るため、民間事業者が有するノウハウを活用することが有効であるとの考え方により設けられたものであります。公立保育所への指定管理者制度の導入については、基本方針において「全国的に制度導入の例が見られるが、法人立保育園の一本化を待って制度導入の適否検討を行う」としており、制度導入の検討施設と位置づけているところであります。仮に公立保育所へ指定管理者制度を導入する場合、議員同様にその受け皿は保育協会をおいてほかにはないと考えておりますが、当該保育協会も設立して間もなく、今後の中長期的な法人運営の方針を決定するには今しばらくの時間が必要と思慮しているところであります。また、公立保育所の管理、運営を民間にお願いすることについては、保育の引き継ぎの問題や職員の問題、財政的な問題等々、慎重に検討しなければならない重要課題と考えているところであり、現在の児童育成計画の見直しとあわせ、市民の皆様方からも幅広くご意見をいただきながら検討してまいりたいと考えております。

  次に、県への職員派遣についてでありますが、職員の能力開発及び人材育成については、人材育成基本方針や職員研修基本方針等に基づき、職員の能力開発や意識改革を推進し、職員それぞれが業務目標を掲げ、目標達成度、職務遂行能力等を高めるため、研修事業等を計画的に進めております。そのような中にあって、職員の資質の向上や他団体との相互理解と連携を深める県との人事交流は大変有意義な研修機会と認識しております。本年度は大船渡地方振興局との人事交流を産業部、民生部で各1名ずつ実施しており、県職員、市職員ともに有意義な機会を経験し、それぞれの職場においてもその効果を評価しております。こうしたことから、大船渡地方振興局との人事交流については、相互の要望、各部署の職員配置等を踏まえ、今後も機会をとらえて実施してまいりたいと考えております。

  なお、県庁への職員実務研修派遣につきましては、現在、定員管理適正化計画を推進し、引き続き職員数の計画的削減に努めているところであり、当面行わないこととしているところであります。

  以上をもちまして答弁といたします。



◎教育長(伊藤壽君) 議長。



○議長(西條廣君) 教育長。

    (教育長 伊藤壽君登壇)



◎教育長(伊藤壽君) 「学力向上と子供の居場所」につきまして教育長からお答えいたします。

  最初に、全国一斉学力テストについてお答えいたします。議員ご案内のとおり、昨年の4月24日に義務教育の教育水準の向上を図るため及び学習指導の改善を目的に全国一斉学力テストが実施されたところであります。対象学年は、小学校は6学年、中学校は3学年であり、教科は国語と算数、数学であります。その結果でありますが、市内の小学校の国語の平均正答率は、全国平均は上回りましたが、県平均からは下回り、算数においては全国平均、県平均からともに下回ったところであります。中学校においては、国語、数学ともに全国平均、県平均を上回っております。小学校においては、国、県平均よりも多少下回りましたが、国語、算数ともに基礎的な知識は定着が図られていると考えております。しかしながら、知識を活用して応用する力が課題であるととらえております。中学校においては、国、県平均よりも上回っておりますが、国語と数学の平均点を比較すると数学の達成率が低く、岩手県全体の課題であると同様に、本市においても重点的に取り組む必要があるものととらえております。また、小中学校ともに文章の求める要点を的確にとらえ表現する力をつけること、また、基礎的な知識を積極的に活用し応用力をつけることが大きな課題となっております。平成19年度に実施した岩手県学習定着度調査におきましても同様の結果が課題として浮き彫りになっているところであります。

  次に、課題に対する対策についての考え方でありますが、1時間の授業の中で課題解決的な学習を展開する必要があります。そして、児童生徒一人一人の考えや多様な考えを出し合い、表現し合う事業を一層推し進めるとともに、学習したことを積極的に活用する工夫や応用する場面の設定、反復することが重要であると考えています。

  次に、平成19年度に行った具体的な方策について申し上げます。一つ目は、市内18校に指導主事が出向き、延べ60日間の校内授業研究会を実施しております。二つ目として、小中学校6校において学校公開研究会、総合訪問を行い、他校の教員や指導主事等から授業力向上のためのアドバイスを受ける場の設定をしております。三つ目として、県教委の指導主事による英語、数学の授業研究会を市内中学校及び高田高等学校の教科担当の先生方とともに3校で実施し、授業のあり方を模索しております。四つ目として、単に知識や教科にこだわることなく、市内小中学校18校にキャリア教育、体験活動を重視して、児童生徒の発達段階に沿った興味、意欲を喚起し、将来の自分の適性に合った進路方向等を考えて指導しております。そのほか、校長会議の場で各校の学力向上対策を具体的な事例を基に意見交換を重ねております。評価のみの傾向に陥ることなく、先生方の授業改善と児童生徒への学習する楽しさを喚起しながら、学力向上対策に努めているところであります。

  次に、各学校における「まなびフェスト」の現状と対策についてお答えいたします。平成19年度には、各学校の学力向上の努力目標として、よりわかりやすい評価項目を設定し、保護者と地域連携による「まなびフェスト」を作成し、児童生徒の発達段階に応じた家庭学習の取組を実施しているところであります。評価項目は、学校によって異なりますが、家庭学習の習慣化や年間読書活動の目標を設定し、読書活動等に取り組んでいるところであります。新年度におきましてもさらに各学校の取組状況を把握し、対策を講じてまいりたいと考えております。

  なお、30人学級による少人数指導につきましては、継続して県当局に要望してまいりたいと考えております。

  次に、放課後子どもプランについてお答えいたします。平成19年度から全国でスタートした放課後子どもプランは、文部科学省の放課後子ども教室推進事業と厚生労働省の放課後児童育成事業を一体に実施する総合的な放課後対策と位置づけられております。厚生労働省の放課後児童クラブは、小学校1年生から3年生を主な対象として、保護者負担が運営費の2分の1、残りを国、県、市の補助金で運営されている事業であります。また、その指導者は保育士免許や養護教諭免許を持った方たちで構成され、開設時間は14時から18時まで、年間250日以上の開催が義務づけられております。一方、文部科学省の放課後子ども教室は、参加児童の学年は特定せず、保護者負担は原則として無料であり、国、県、市それぞれ3分の1の補助事業として運営されております。また、その指導者には退職教員や大学生を予定し、そのほか安全管理など多くのボランティアによって運営することとし、開設時間は14時から17時まで、年間200日程度の開催になっております。既存の学童保育との整合性についてでありますが、文部科学省では両事業を同一小学校区で連携して開設することを求めておりますが、運営費に対する保護者負担に差があることから、既存の放課後児童クラブの運営に大きな影響があること、また、放課後子ども教室の年間開設日数、開設時間では共働きの保護者ニーズにこたえられないなどの課題が生じております。このようなことから、既存の放課後児童クラブがある地区への放課後子ども教室事業実施については、慎重な検討が求められるとともに、他地区での実施についても既存の放課後児童クラブの運営への影響を考慮し検討しているところであります。

  次に、学童保育がない地区の子供の放課後対策についてお答えいたします。現在、高田町及び米崎町以外の地域には放課後児童クラブが設置されていないことから、一部には事業実施している学校へ保護者が送迎している例もあり、未実施地区での放課後対策の検討が必要となっております。本年度、福祉事務所と教育委員会が連携し、学童クラブ代表者やPTA代表者、主任児童委員、学校長などで構成する陸前高田市放課後子どもプラン運営委員会を組織し、市内における今後の放課後児童対策について現在協議をしているところであります。放課後子どもプランは平成20年度中に策定することになっておりますので、ご質問の学童保育との整合性や学童保育がない地区の子供の放課後対策についても運営委員会の中で協議、検討してまいりたいと考えております。

  以上をもちまして答弁といたします。



◆6番(菅野広紀君) 議長。6番、菅野広紀。



○議長(西條廣君) 6番、菅野広紀君。



◆6番(菅野広紀君) 再質問をさせていただきます。

  先ほど市長の答弁でもありましたが、市民の目線でと市長は言いますけれども、市民の目線、市民の目でチェックする場合に、やっぱりいろんなものに評価として市民が参加するべきだというのは私の持論でございます。そこで、行財政改革プログラム達成に向けては、やはり新たな改革に向けての提言等を行財政改革推進委員会で行うと明記してありますけれども、その開催状況と、その意見をどういうふうに次年度計画に反映してきたのかということをお聞きいたします。

  次に、定員管理適正化計画についてであります。確かに広報では進捗状況として公表しているのは私も見てわかっていますが、国の行革指針の中では退職者数及び採用者数を明記してというふうにある部分で、その中でやはり当市においてもきちっとした定員管理の部分を市民に提示すべきだと。もう一回言いますけれども、退職者数と採用者数のバランスをきちっと市民の目にわかるようにしろというふうに、そのことについて公表できるのかどうか、公表していくのかを伺います。

  次に、第三者機関による外部評価、確かに市長の答弁では外部評価はなじまないと。であるから、内部評価を実施しているというふうに言いますけれども、私はやはりお金を出してコンサルを利用するという方法ではなくて、例として神奈川県の厚木市では他市の職員による外部評価を導入しております。内容は、1チーム6人で構成し、内訳は市の職員3名、他市職員の外部評価者2名、そしてコーディネーター1名でやっているということもあります。そこで、人事交流の部分との兼ね合いもありますけれども、人事交流した人を評価者に選定してやるという方法も一つ考えられるのではないかということで、このことを積極的に検討してほしいと思います。

  次に、保育所の指定管理者制度についてですけれども、社会情勢の変化で、従来であれば子育てとか介護といった私的活動が公共サービスとして求められる時代になってきたわけですけれども、大綱の中の基本方針でも明記していますが、民間でできることは民間にゆだねると。やはり行革をやる上ではこれが重要だと私は思いますので、その辺の指定管理者制度を導入した公立保育所の……子供たちに対する保育の内容の格差はないと。先ほど答弁でもありましたけれども、運営についてももうそろそろ具体的に市保育協会ともいろんな面で協議しながら、できれば私はこれについては早目に実行してほしいと考えております。

  それから、子供の学力向上、「まなびフェスト」の部分ですけれども、市の子供のやっぱり教育というのは財産ということで常々言われますけれども、やはり「まなびフェスト」をきちっとした中で、家庭と学校と親と共有するというのは大変大事なものですから、学力向上にもぜひこの「まなびフェスト」の公表方法についても一考してもらいたいと。公表のあり方も種々あると思いますが、現時点で市内の子供の学力はこのぐらいだと、やっぱり教育委員会としてもこのぐらいの学力を保証するというような、市民や親との約束の部分でぜひ考えていただきたいと思います。

  それから、放課後子どもプランですが、学童保育のない地区の親はやはり心配しておりますので、20年度中に策定したならば21年度からすぐ実行できるのかどうか、その辺もわかっている分で結構ですので、具体的にお示しをいただきたいと思います。よろしくお願いします。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎市長(中里長門君) 議長。



○議長(西條廣君) 市長。

     (市長 中里長門君登壇)



◎市長(中里長門君) 菅野広紀議員の再質問にお答えいたします。

  私からは、市立保育所の指定管理者についてお答えをいたしますが、先ほども答弁を申し上げましたように、指定管理者制度導入の基本方針では検討施設ということになっているわけでございます。いずれ先ほどご答弁申し上げましたように、受け皿の問題というのが一つはあったわけですが、形の上では一本化がスタートしたということでございます。ただ、スタートしたばかりということも一つはございます。それから、やはり指定管理者にする上では、先ほども申し上げました、いろいろ検討しなければいけない事項等があるわけでございます。例えば現在市立保育所には保育士等の正規職員が40人ぐらいいるのでしょうか、こうした職員の取り扱いをどうしていくかという、様々十分検討しなければいけない課題というのがあるわけでございます。そういう意味では、今後時期をとらえて、まず内部検討等もしていく時期が来るだろうと思っておりますが、非常に重要な、いろんな面から検討しなければいけない事項ということでございますので、今後検討してまいりたいと思っているところでございます。



◎総務部長(臼井佐一君) 議長。



○議長(西條廣君) 総務部長。



◎総務部長(臼井佐一君) 職員の定員適正化計画の公表につきまして総務部長からお答えいたします。

  現在公表しているのは国の基準に基づいた公表方法でございまして、職員の採用、退職を明記するような方法は今のところ提示方法としては採用されておりません。ご指摘でございますので、内部で検討してみたいと思いますので、ご了承願いたいと思います。



◎行革推進室長(須賀佐重喜君) 議長。



○議長(西條廣君) 行革推進室長。



◎行革推進室長(須賀佐重喜君) ご質問のうち行政改革推進委員会並びに外部評価につきまして行革推進室長からお答えをいたします。

  陸前高田市の行政改革推進委員会の所掌と事務内容といたしましては、市の行政推進に関する重要な調査を審議するというような事務内容、審議会内容になっているところでございます。具体的に申し上げますと、市長からの諮問事項等についてるる審議をいただいているというようなものでございまして、その意見内容、反映についてのご質問でもございましたけれども、これまでも市長の諮問に対しまして諮問、答申内容を受けまして、市といたしましても重要な施策の決定に反映をしているということでございます。

  それから次に、外部評価の導入見込み、それから導入方法等々についてでございますけれども、再三これまでもご答弁申し上げていますように、今現在、当市で行っております事務事業評価につきましては、予算編成前の検討資料であること、それから900から1,000事業にかかる件数があるわけですが、それら全事業を対象としていることから、特定の地域や箇所が、特にも限定されているものが多く含まれていることから、その事業内容等についてはこれまでも内部評価としているところでございまして、また、その内部評価についても様々検討を重ね、その改善検討を重ねながら、客観性を高めているところでございます。

  以上で答弁といたします。



◎学校教育課長(大久保裕明君) 議長。



○議長(西條廣君) 学校教育課長。



◎学校教育課長(大久保裕明君) それでは、「まなびフェスト」につきまして学校教育課長からお答えをいたします。

  「まなびフェスト」は、平成19年度各学校において学校評価の広域化と学校の努力目標を焦点化、重点化をして保護者や地域へ発信するものとして、「まなびフェスト」という形で施策に取り組んでまいりました。平成19年度中に各学校で創意工夫をして、よりわかりやすい評価項目を設定しながら、より具体的に評価を進めていこうということをねらって実践してまいっています。ですので、すべての学校で取り組むというのは次の20年度からになる予定でございます。つきましては、公表についてはそういう段階でございますので、現在のところ各学校にゆだねているというところでございます。今後公表についてどのようにしていくかも検討していくことになるかと思います。

  それから、もう一点の市としての「まなびフェスト」の作成ということでございますが、こちらのほうも「まなびフェスト」の推進にかかわりましてはまだ始まったものということでございますので、今後検討していくということに考えておるということでございます。

  以上をもちまして答弁とさせていただきます。



◎教育次長(菊池満夫君) 議長。



○議長(西條廣君) 教育次長。



◎教育次長(菊池満夫君) 放課後子どもプランにつきまして教育次長からお答え申し上げます。

  この放課後子どもプランでございますけれども、20年度中に策定ということでございます。それで、計画は市内の全小学校区を対象に実施したいと思っております。そのため20年度の早期に放課後児童対策が必要な子供のニーズ調査をして、この学校にはどういう対策が必要なのかということを個別に検討することにしております。

  それから、その内容によっては放課後児童クラブが必要な地区、子ども教室が必要な地区という形が出てくるかと思いますけれども、例えば放課後児童クラブであれば教室を校舎と分断するような形での改造とか、運営主体がどこがどうやるのか、人数的に、経営的にうまく専任の保育士等を雇えるのかというような問題も出てまいります。それから、子ども教室の場合だと、安全管理員、学習アドバイザー、そして多くのボランティアの確保が可能なのかというような問題も出てまいります。当面20年度につきましては、どのような対策が必要かという検討になるかと思いますけれども、その実施につきましては各地区によって問題点が様々出てくるかと思いますので、その後の対応になると思っております。

  以上で答弁といたします。



◆6番(菅野広紀君) 議長。6番、菅野広紀。



○議長(西條廣君) 6番、菅野広紀君。



◆6番(菅野広紀君) 最後に、一つだけちょっと再々質問をさせていただきますけれども、指定管理者制度とか、保育所についてであります。私としては以前視察に行った際に、保育所の民営化、指定管理者制度を導入したいという地域もあったものですから、その際に特別支援事業としては自治体で一つは保育園は持っておきたいが、それ以外は民間とか何かにゆだねるという自治体があったものですから、課題として先ほど市長は職員としての市職員がいる、それが大きな課題だということを述べておられますが、その辺でやっぱり職員をやめさせるというわけにもいかないと思いますけれども、その辺をきちっと市でやる部分の特別支援保育とかなんかはこれでやると、それ以外のものはという方針の中で定員管理も含めた中で検討していただきたいと思いますが、その定員適正計画の中に今後盛り込んでいく考えはあるのかないのかという部分でお答えいただければと思います。



○議長(西條廣君) 当局答弁。



◎総務部長(臼井佐一君) 議長。



○議長(西條廣君) 総務部長。



◎総務部長(臼井佐一君) 再々質問につきまして総務部長からお答えいたします。

  保育所の指定管理者制度に伴う人件費の減少の数を定員管理計画に載せているかということなのですが、現在その計画がまだできていませんので、載せていないところでございますが、今後は調査していきたいと思っているところでございますので、ご了承願いたいと思います。



○議長(西條廣君) 以上で6番、菅野広紀君の一般質問を終わります。



○議長(西條廣君) この際、お諮りいたします。

  本日の会議はこの程度で延会することとし、明13日、午前10時から本会議を開き、本日の議事を継続することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

    (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(西條廣君) 異議なしと認めます。

  よって、本日の会議はこの程度で延会することとし、明13日、午前10時から本会議を開き、本日の議事を継続することにいたします。

  本日はこれにて延会いたします。



    午後 2時45分 延   会