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北海道 稚内市

意見書案第1号 意見書案第1号




平成22年  第2回定例会 要望意見書 − 意見書案第1号










                               意見書案第1号


   平成22年度酪農畜産政策・価格対策に関する要望意見書


 上記について、稚内市議会会議規則第14条の規定により、別紙のとおり意見書案を提出する。

  平成22年3月19日 提出


                      提 出 者
                       議 員  中 井 淳之助
                            上 出 悦 照
                            横 澤 輝 樹
                            鈴 木 雅 煕
                            稲 垣 昭 則
                            松 本 勝 利



   平成22年度酪農畜産政策・価格対策に関する要望意見書

 北海道の酪農畜産については、取引乳価の引き上げがあったものの、配合飼料価格
の高止まり、枝肉価格の低迷、生乳需給の緩和など、依然として楽観視できない状況
にあります。
 一方、北海道の生乳生産は、全国の50%程度を占めているとともに、畜産について
も乳用種等をはじめ一定の飼養頭数を有しており、食料の安定供給に大きな役割を担
っております。
 また、国士の保全や地域経済の維持・発展等に向け、酪農畜産は大きな役割を果た
しており、今後とも担い手の安定的な確保が必要であります。
 世界の食料需給についても将来的に逼迫する事態が想定されており、その意味にお
いて食料自給率の向上は、喫緊の課題であります。
 そのためには、食生活において重要な役割を果たしている畜産物の安定生産体制を
確立していく必要があり、酪農畜産農家に対する所得確保対策をはじめ、生産基盤対
策・資金対策等の総合的な政策を中長期的視点に立った中で、積極的に実施していく
ことが重要であると考えます。
 したがって政府においては、生産現場等における取組みをより円滑に進めるため、
下記の事項について強く要望する。

                   記

1.政策展開の基本的な考え方について
 (1)食料自給力の向上や地域経済の維持・発展に向けた本道の酪農畜産の位置づけ・
  役割を踏まえ、持続可能な酪農畜産経営の確立につながるよう、実行性のある政
  策を総合的に展開するとともに、酪農畜産については、経営サイクルが長い傾向
  にあることから、中長期的視点にもとづいた安定的な政策を確立すること。
 (2)食料自給力の向上等をはかっていくための農業政策が重要であり、そのための都
  道府県別・作目別の生産目標数量を設定するとともに、実現に向けた具体的工程
  の明確化並びに関連施策を展開すること。
 (3)国内の農業政策を安定的かつ着実に実施するため、適切な国境措置を確保するこ
  とが極めて重要であり、WTO農業交渉・EPA(FTA)交渉において、我が国
  の主張が最大限反映されるよう対応すること。

2.担い手対策・資金対策について
 (1)担い手の確保に向けては、他産業と遜色のない安定的な所得の実現が重要であり、
  所得確保対策をはじめ、経営安定に資する生産性向上や生産基盤の確立等に関す
  る総合的な政策展開を行うこと。
 (2)配合飼料価格の高止まり傾向や枝肉価格の低迷等、酪農畜産経営をとりまく情勢
  は依然として厳しい状況にあることから、負債償還圧の軽減や経営改善等に有効
  となる対策の強化を行うこと。
  また、親子間の経営継承に関する既往負債の償還円滑化対策の対応をはかるとと
  もに、新規就農者に対する営農基盤並びに生活基盤の確立に向けた資金対策の強
  化をはかること。
 (3)多額の運転資金を必要とする酪農畜産に関して、生産コストの急激な上昇等に
  よる経営逼迫局面において、経営存続に支障を来さないよう、有効な運転資金
  確保対策を措置すること。

3.酪農経営安定対策について
 (1)平成22年度における加工原料乳生産者補給金並びに限度数量については、平
  成23年度以降に予定されている所得補償制度の導入を踏まえつつ、生産者の生
  産意欲の維持・向上、酪農経営の安定と生産基盤の確保等の視点に立ち、少な
  くとも現行水準を確保すること。
 (2)平成22年度においては、生乳需給ギャップの解消を目指した新規需要の創出
  や生産基盤の維持等の観点に立ち、チーズ・液状乳製品等向け生乳の生
  産振興並びに乳製品の輸入置換対応等に係る支援対策の確立をはかること。
  併せて、国内需給への影響を最小限にとどめるため、カレントアクセスに係る
  弾力的な運用を行うこと。
 (3)平成23年度以降に導入予定の酪農畜産版の所得補償対策については、酪農経
  営の再生産の確保と経営安定につながる仕組みを前提として、現行制度の充実
  強化を含めた検討と併せ、十分な予算確保をはかること。
  また、具体的な検討にあたっては、生産現場の意見・要望等を十分聴取しなが
  ら、慎重かつ丁寧な対応に配慮すること。
 (4)安定生産体制の確立の視点にもとづき、予期せぬ需給変動等の事態に対応する
  ための乳製品の保管販売体制の在り方について検討すること。

4.畜産経営安定対策について
 (1)現行の主要な畜産経営安定対策については、平成21年度で一旦事業が終了す
  ることから、平成22年度以降においても、改めて畜産経営安定対策を確立する
  こと。
  なお、検討にあたっては、平成23年度以降に導入予定の所得補償制度への円滑
  な移行を踏まえつつ、各畜種並びに経営形態(育成・肥育等)ごとの再生産の確
  保と経営安定につながるよう、現行対策の充実強化を含め、粗収入と生産コス
  トの差を万全な形で所得補てんする仕組みを確立するとともに十分な予算を確
  保すること。
 (2)制度の具体的な検討にあたっては、生産現場の意見・要望を十分聴取しながら、
  慎重かつ丁寧な対応に配慮すること。

5.生産基盤対策について
 (1)畜産物の安定供給や生産性向上等をはかるため、中長期的視点に立った中で、
  家畜改良の推進や飼養管理対応の改善等に資する支援対策の継続強化と予算の
  確保をはかること。
 (2)酪農ヘルパーの役割・重要性を踏まえ、有効な支援対策(ポスト酪農ヘルパー
  利用拡大推進事業、円滑化対策事業基金の仕組みの維持など)の継続強化をはか
  ること。
 (3)生産性向上等に結び付けていくため、要望実態を踏まえた中で、関連機械・施
  設に係る補助付きリース事業の円滑な推進と予算の確保をはかること。

6.自給飼料基盤対策について
 (1)生産者負担の軽減にも配慮した中で、特に本道の自給飼料基盤として重要な位
  置づけにある牧草や飼料用とうもろこし等の安定生産・安定供給体制の確保に
  つなげるため、中長期的な視点に立った中で、現行対策の充実強化を含めた安
  定的かつ有効な支援対策の確立(畜産公共事業を通じた草地基盤整備の推進、草
  地更新の促進、飼料用とうもろこしの作付拡大、エコフィードの推進、粗飼料
  の広域流通対策、牧草・飼料用とうもろこし品種改良の促進など)をはかるとと
  もに、円滑な事業推進に向け十分な予算を確保すること。
 (2)地域の営農支援組織として重要な役割を担っているコントラクター、TMRセ
  ンター等の取組みの強化に向け、組織の設置や作業受託に係る支援対策の継続
  強化、関連機械の円滑な更新等に係る支援対策の確立をはかること。

7.配合飼料対策について
 (1)配合飼料価格安定制度の通常補てん基金に係る借入金の償還にあたっては、生
  産者負担の増加にむすびつかないよう、万全な支援対策を確立すること。
 (2)当面対応として、現行の配合飼料価格の高止まりの状況等に適切に対応できる
  よう、現行制度の仕組みの見直しをはかること。
  また、今後、所得補償制度との関連性の整理が必要となってくることが想定さ
  れるが、基本的には、配合飼料価格を含めた生産コストと粗収益の差が万全な
  形で補てんされる仕組みを確立すること。

8.食の安全・安心対策について
 (1)BSE関連対策や牛個体識別システムについては、畜産物に係る安全・安心対
  策の根幹であることから、国による支援対策の継続強化をはかること。
 (2)食肉流通施設については、食の安全・安心対策を推進していくうえで基幹とな
  る施設であり、衛生対策や環境対策を踏まえた施設整備が円滑に進むよう、支
  援対策の継続強化をはかること。
 (3)消費者への情報提供並びに食の安全・安心対策の推進に向け、外食分野におけ
  る原料原産地表示の義務化を促進すること。
 (4)米国産牛肉の輸入問題については、我が国の消費者理解の確保を前提に、科学
  的知見を踏まえた中で慎重に検討すること。
 (5)食品の品質事故や偽装事件等の再発防止に向け、国による指導・監督をより一
  層強化すること。

9.畜産環境対策について
 (1)経営規模や新規参入等を踏まえた畜産環境対策の円滑な推進に向け、良質たい
  肥の生産並びに経営内外における有効活用等の視点を踏まえた中で、個人にお
  けるたい肥舎等の関連施設の整備に係る支援対策の充実強化やたい肥の広域流
  通等に係る支援対策を確立すること。
 (2)自給飼料基盤に立脚した酪農経営の確立や環境対策の推進等の視点を踏まえ、
  現行の酪農飼料基盤拡大推進事業の後継対策を確立すること。
 (3)今後想定される環境基準の規制強化については、一律的な対応ではなく、酪農
  畜産経営への影響等を十分踏まえた中で、柔軟な取り進めに配慮すること。
  また、排水処理・悪臭防止に係る施設整備や家畜排せつ物のエネルギー利用の
  促進に向けた関連施設の整備・運営等に対する支援対策の充実強化をはかるこ
  と。

10.需要拡大対策について
 (1)国産農畜産物の消費拡大については、農業政策の基本である食料自給率の確保
  につながる重要な視点であり、民間の取組み等に対する政策支援並びに国産農
  畜産物の利用拡大に向けた消費者への理解醸成活動の継続強化をはかること。
 (2)我が国の酪農畜産の生産基盤の確立に向けて、国内需要の確保・拡大のみなら
  ず、安全・安心な品質の高い畜産物の輸出拡大に向けた支援対策の強化をはか
  ること。

11.家畜防疫対策について
 (1)海外悪性伝染病の国内への侵入防止対策に万全を期すこと。
 (2)万が一、家畜伝染病が発生した場合における発生農家の経営再建に向け、家畜
  防疫互助事業による対象疾病の拡大等、支援対策の充実強化をはかること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 平成22年3月19日

                               稚 内 市 議 会

提出先  内閣総理大臣  農林水産大臣