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北海道 函館市

平成14年第4回 9月定例会 09月13日−02号




平成14年第4回 9月定例会 − 09月13日−02号









平成14年第4回 9月定例会



         平成14年第4回函館市議会定例会会議録 第2号



  平成14年9月13日(金曜日)           午後 1時02分開議

                            午後 9時08分延会



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〇議事日程

日程第1

 議案第1号 平成14年度函館市一般会計補正予算

 議案第2号 平成14年度函館市水道事業会計補正予算

 議案第3号 平成14年度函館市交通事業会計補正予算

 議案第4号 函館市情報公開条例の一部改正について

 議案第5号 函館市税条例の一部改正について

 議案第6号 函館市老人医療費助成条例の一部改正について

 議案第7号 函館市乳幼児医療費助成条例の一部を改正する条例の一部改正について

 議案第8号 函館市学校設置条例の一部を改正する条例の一部改正について

 議案第9号 函館市火災予防条例の一部改正について

 議案第10号 工事請負契約について((14)市営住宅日吉3丁目団地4号棟新築主体工事)

 議案第11号 損害賠償の額について

 議案第12号 同    件

日程第2

 一般質問

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〇本日の会議に付した事件

 議事日程と同じ

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〇出席議員(35人)

        2番 熊 坂 成 剛

        3番 石 井   満

        4番 福 島 恭 二

        5番 阿 部 義 人

        6番 黒 島 宇吉郎

        7番 中 江 捷 二

        8番 瀬 尾 保 雄

        9番 敦 賀 敬 之

       10番 出 村 勝 彦

       11番 北 原 善 通

       12番 本 間   新

       13番 小 玉 陽 造

       14番 岩 谷 正 信

       15番 八日市 和 広

       16番 高 橋   亨

       17番 能 川 邦 夫

       18番 阿 部 善 一

       19番 上 谷 俊 夫

       20番 志賀谷   隆

       21番 茂 木   修

       22番 浜 野 幸 子

       23番 工 藤 恵 美

       24番 久 保 幸 一

       25番 能登谷   公

       26番 小 川   進

       27番 渡 辺 扶佐子

       28番 板 倉 一 幸

       29番 竹 花 郁 子

       30番 小谷野 千代子

       31番 丸 尾 隆 子

       32番 高 橋 佳 大

       33番 白 崎 憲司郎

       34番 小野沢 猛 史

       35番 桶 本 建 郎

       36番 井 田 範 行

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          午後1時02分開議



○議長(岩谷正信) ただいまから本日の会議を開きます。

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○議長(岩谷正信) 日程第1 議案第1号平成14年度函館市一般会計補正予算から議案第12号損害賠償の額についてまで、以上12件を一括議題とし、質疑並びに日程第2 一般質問をあわせて行います。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。28番 板倉 一幸議員。

  (板倉 一幸議員登壇)(拍手)



◆(板倉一幸議員) 私は、平成14年第4回定例会最初の質問者となりますので、質問に入る前に一言申し上げたいと思います。

 昨年の第4回定例会は、9月12日開会でございました。その前日の11日は、皆さんもそうでしょうが、私も質問の準備に入っていたところでした。夜になって、ニューヨークの世界貿易センタービル・ツインタワーの一つに旅客機が追突したというニュースを聞いても、信じられませんでした。最初は、映画の一場面ではないのかとさえ思ったほどです。しかし、それが本当のことで、目の前のブラウン管にはもう一機が別のビルに突っ込む様子が映し出されました。あれから1年、アメリカでは追悼式典が行われましたが、私たちも11日夜に、テロと報復では何も解決できず、暴力と憎悪の連鎖を引き起こすだけであると訴えながら、世界平和を求めるキャンドル行進を行いました。

 テロや報復戦争で亡くなられた多くの方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、平和的手段による解決を求めたいと思います。

 それでは、質問に入りますが、私はさきに通告のとおり、大項目4つについて質問を行います。

 大項目の1点目、公共施設におけるノーマライゼーション思想についてお尋ねいたします。

 これは、8月21日付で市議会各会派へも申し入れ書が提出されておりますから、議員各位は既に御承知のことだと思いますが、ことし2月に開催された「市民芸術祭第2回はこだて・冬・アート展」への出品・展示にかかわって、車いす人間は粗大ごみかといった問題と、その後の処理にかかわる抗議の文書をいただきました。

 そこで、この問題について、まずは申し入れをいただいた方の主張に基づいた経過を振り返ってみたいと思います。

 訴えをいただいた申し入れ書によると、ことし2月に函館市芸術ホールにおいて開催された「市民芸術祭第2回はこだて・冬・アート展」において、「Urge」または「アージ」と題したオブジェが出品・展示されていました。この作品は、首のない人間を模した造形物が車いすに座っているものですが、車いすには「粗大ごみ」と書いた荷札がくくりつけられていました。そこで、この申し入れ者は会期中の2月9日に口頭で、展示会場である芸術ホール並びに主催者である函館市文化・スポーツ振興財団に対し、本作品が人権無視及びべっ視的表現であり、社会教育施設において展示すべきではないとの考えで、その選考経過を含めた抗議と撤去を申し入れました。しかし、その後、両者からの適切な対応がとられないまま最終日まで展示が続けられたとのことです。その後も回答がないとのことで、5月以降は文書による質問・回答が繰り返されてきました。5月1日、11日、13日には財団へ、また同14日には選考委員へ、それぞれ善処並びに経過説明を求めた文書が出されています。

 時間の関係で、それへの回答を一つ一つ詳しく申し上げることはできませんが、財団からの回答は、審査会のあり方への配慮不足、作品の取り扱いについての配慮不足があったことは認めていますし、また選考委員からも、遺憾の意を示された方もいらっしゃったようです。という経過を経ながら、8月21日付の議会各会派への申し入れとなったわけですが、この申し入れ書は同日市長にも提出されたと聞いています。そして9月3日付の市長名の回答があり、そこでは個人の私見として、「文化芸術に御専門あるいは造詣の深い方々を選考委員としてお願いし、専門的な視点からの審査が行われたものと考えますが、その対応が不十分であったことはまことに残念であり、単に芸術論の視点からだけではなく、配慮しなければならない事項があってしかるべきであった」との考えが示されましたが、御当人はこの回答にも納得できず、9月6日には再度申し入れを行ったそうでございます。

 私は申し入れを行った御本人にも直接お会いし、お話を伺いましたが、それだけでは一方的というそしりを免れませんから、教育委員会にもその経過をただしましたが、互いの主張には相入れぬところがあるものの、議会に出された申し入れに対しては真摯に受けとめ、真相の究明と問題の解決を図らなければならないとの考えで、以下質問を行います。

 まず、教育委員会として把握している客観的事実関係を明らかにしていただきたいと思います。

 次に、本件についてのそもそものそごは、「はこだて・冬・アート展」会期中の申し入れに対する、迅速かつ適切な対応がとられなかったことに原因があると思いますが、いかがお考えになっているでしょうか。

 次に、車いすにつけられた粗大ごみの荷札の存在にいつ気がついたのでしょうか。また、それを見て、その意図については出品者に確認をしたのでしょうか。

 次に、粗大ごみの荷札と作品の与える社会性について、主催者側では違和感を持たなかったのでしょうか、お聞かせください。

 さらに、社会教育施設での展示・陳列等に、福祉の視点での評価を持つ必要性があるのではないでしょうか、お考えをお聞かせください。

 次に、大項目の2点目、コンビニなど小売店舗におけるごみの分別についてお尋ねいたします。

 家庭ごみの有料化が始まって、間もなく半年になります。この間の家庭ごみの分別収集状況は、4月から7月までの4カ月間では前年同期比で、燃やせるごみが26.1%、燃やせないごみが50.9%、それぞれ減少し、無料である缶・瓶・ペットボトルは10.7%ふえたとのことです。これは有料化によって、できるだけ分別化し、有料ごみの量を減らし、家計への負担を回避しようという市民意識によるものだと思います。その意味では、市の有料化の目的は達成されてきていると思います。それは強制的とはいえ、分別を意識させることに成功しているからですが、家庭では意識をさせながら一歩外へ出ると分別を忘れさせる、または分別をしたくてもできない状態になっていないでしょうか。

 現在市内には、正確にはわかりませんが、100店とも200店とも言われるほどのいわゆるコンビニがあります。私もコンビニ愛好者の一人ですが、店への出入りをする際、いつも気になることがあります。それは店舗前に設置してあるごみ箱です。一部店舗を除くと、ほとんどのコンビニに外置きのごみ容器を設置していますが、その種類は店舗によりまちまちなのが実態です。私も市内のコンビニなどを回ってみましたが、おおむね燃やせるごみや瓶・缶・ペットボトルのごみ容器は設置していますが、燃やせないごみやプラスチックごみを捨てる容器は数が少なく、とりわけプラスチックごみを捨てる容器を設置しているところは皆無でした。ところが、御存じのとおり、コンビニなどでは弁当類や菓子のたぐいなど、燃やせないごみや容器包装プラスチックごみが多く出ます。しかし、捨てるときはどうしているかというと、実際には混在して捨てられています。ごみ箱の中をのぞいてみると、よくわかります。燃やせるごみと一緒に弁当容器が、空き瓶、空き缶と一緒に包装パックが、など切りがありません。それは利用者の意識の問題もありますが、分別して捨てたくても、捨てるべき場所がないことにも問題があるのではないでしょうか。幾ら家庭で分別に努力をし、ごみの総量を減らしていても、一方で混在が常態化していては効果も半減します。特に若い世代でのごみ減量に対する意識を醸成する上でも、コンビニなどの店舗でのごみ容器は、分別種類ごとの設置を求めるべきではないでしょうか。

 そこで質問いたしますが、市内にあるごみ箱設置店舗のごみ分別方法、または種類の実態を把握しているのでしょうか。また、各店舗により分別の種類がまちまちとなっていますが、市として方法や種類などを指導しているのでしょうか。

 次に、これら店舗より排出されるごみの量は、種類ごとにどのくらいあるか把握しているのでしょうか。そして、収集はどのように行われているのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

 次に、大項目の3点目、失業世帯への奨学資金制度の創設についてお尋ねいたします。

 本市の奨学資金制度につきましては、昨年11月の決算特別委員会においても質疑が行われ、年度途中での貸し付けや貸付対象などでの新たな検討が行われてきたと思います。年度途中での貸し付けや対象者の拡大が図られることは前進であると思います。しかし、年度途中での貸し付けは、あくまでもその年の貸付枠に余裕のある場合、余りのある場合に限られています。

 そこで、今年度の貸付状況はどうなっているのでしょうか。また、貸付対象の拡大については、函館市奨学資金条例第4条を改正しなければなりませんが、検討の内容はどのようなものとなっているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、地域経済、地域の景気の低迷は、今さら申し上げるまでもありません。私の周りにも、事業経営が悪化し倒産や清算をされた方、また勤め先の倒産やリストラで職を失った方が何人もおります。この時代、自発的失業はともかく、倒産やリストラで職を失った方が安定的な次の職を得ることの難しさもまた言をまたないことです。そして、そうした事態はいつ起こるかわかりません。そのときに、大学や高校などに在学している子供たちの学費や生活費といった修学に必要な資金の確保はできるでしょうか。教育委員会では、奨学資金の貸付枠に余裕ができるのは、各種金融機関などで教育資金の貸し付けを低利子で行っていることにも原因があると分析されているようですが、それも定職と一定以上の確実な収入があることが前提であり、失業世帯が融資を受けることは不可能です。

 したがって、私は冒頭申し上げた貸付枠に余裕ができた、一定の決められた時期に追加募集を行う制度ではなく、失業世帯に限っては別枠で随時奨学資金の貸付制度を創設すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。

 ところで、教育委員会は、現在奨学資金を申請できる対象者の中にどれくらいの失業世帯があるのか、把握していらっしゃるでしょうか。私は、これまで市内の中小企業の実態や労務状況などについて何度か質問もしましたし、担当部局ともお話をさせていただきましたが、その際、いつもどうしてと不思議に感じることがあります。それは、市内の失業率も失業者数も、雇用保険受給者数も市ではわからないということです。これはもちろんハローワーク──公共職業安定所の業務にかかわることではありますが、有効求人倍率は渡島・桧山管内の数値、失業率は全道一つの数値では、地域における景気対策や活性化施策に正確性や緻密性を発揮することができないのではないでしょうか。お聞きしますと、ハローワークでも求職・求人なども機械処理しているにもかかわらず、市町村ごとの集計をするとなると、調票を一枚一枚手作業で分類しなければならないシステムになっているそうです。

 そこで、私は市として、厚生労働省並びに職業安定所に対し、市町村ごとの失業者数や求人・求職者数などが把握できるシステムにしてもらえるよう要請、要望を行うべきではないかと思いますが、これは市長に見解を伺いたいと思います。

 次に、大項目の4点目、住民基本台帳ネットワークと個人情報保護についてお尋ねいたします。

 この問題については、さきの第3回定例会でも八日市議員と私が国民番号制の危険性と市民の個人情報の漏えいへの不安という、自治体にとって、あるいは自治体を治める市長にとって、最も憂慮すべき事態を回避すべきとの立場で質問を行いました。

 私はその後、8月5日の住民基本台帳ネットワーク稼働前後の全国の各自治体の動向を注視してまいりました。それは、さきの定例会で市長が、若干の疑念を持ちながらも、住民基本台帳法で国民のプライバシー保護は保たれるという見解を示されたことから、果たして全国の自治体首長の皆さんも同じ受けとめ方をしているのか、全く問題なく稼働に協力すべきと考えているのか、そのことも真摯に受けとめる必要があると考えたからです。

 その結果については、詳しく申し上げる時間はありませんが、例えば、過日STVで放送されていましたが、住基ネット稼働後、全道212市町村に対し行ったアンケートで、156市町村が回答。その中で、44市町村が「今後離脱もあり得る」と答えています。また、「市町村にメリットはあるか」との問いに、38%は「ない」と答え、その理由として、事務負担がふえる、コストに比べ効果がないとしています。「個人情報の漏えいに不安があるか」との質問に対しては、62%の市町村が「ある」と答え、個人情報保護法の未整備を挙げています。上富良野町の尾岸町長はその報道の中で、「幾らセキュリティが十分でも、住基ネットを扱う人が多くなれば、危険は避けられない」とも言っていますし、池田町の町民課長さんは、「うちの町で何かあれば住基ネットへの接続を切るが、他の市町村で事故があれば切る可能性もある」とも言い切っています。そして44市町村が、「情報漏えいや住民メリットがなければ、住基ネットからの離脱はある」と答えているのです。自治体個々の対応については、私から申し上げるまでもなく情報収集は行われていることと思いますが、登別市や鹿追町などでは、「ハッカー侵入などによる個人情報の流出が発生した場合などには、離脱もあり得る」という考えが示されていますし、釧路市や釧路町、ニセコ町などでも、切断を検討していると聞いています。福島県矢祭町や杉並区、国分寺市、横浜市のことは今さら申し上げるまでもないでしょうし、一昨日11日には、中野区もネットワークから離脱しました。つまり、不安は解消されるどころか、拡大・増幅していることは明らかです。

 もう一度申し上げますが、住民基本台帳ネットワークは全国の自治体でも不安と疑問を持ち、自治体でさえ不安があるものを、もちろん住民に納得してもらうことなどできないのですから、杉並区の山田区長がおっしゃるところのルビコン川に既に足をつけてしまったわけですが、今ならまだ遅過ぎませんから、どうぞ引き返す勇気をお持ちください。

 さてそこで、さきの定例会での議論を含め、再度市長の見解を伺ってまいります。

 まず第1点は、先ほども申し上げましたが、福島県矢祭町、東京都杉並区、国分寺市、横浜市、及び中野区が参加を見合わせていることに対し、市長はどうお考えになっているでしょうか。これはぜひ、他の自治体は他の自治体の考えでやっているというような答弁ではなく、市長はどう受けとめているのかという答弁をお願いしたいと思います。

 次に、住民基本台帳ネットワークにかかわって、市民の反応はどうだったのでしょうか。問い合わせ、苦情、トラブル、番号変更の申し出、住民票コードの拒否、通知書の受け取り拒否や返却などの件数及び内容についてお知らせいただき、同時にそれらに対し市はどのような対応をされたのでしょうか、お聞かせください。

 次に、前回定例会での答弁で、「住民のプライバシーが侵害されることのないように、十分な個人情報の保護が図られるよう実施してまいります」とおっしゃっていますが、具体的にどのような保護策をとられたのでしょうか。また、「プライバシー保護に関して万全の措置が講じられるよう国に要請していく」との答弁であったわけですが、いつ、どのような方法で要請したのでしょうか。また、その結果をどのように受けとめていらっしゃるのか、お聞かせください。

 次に、不参加の自治体に限らず、多くの自治体が疑念を持ち、また住基ネットへの接続にためらいを感じているのは、国が約束をし、法律にも明記をされている、いわゆる個人情報保護法がないまま稼働を始めたからです。住民基本台帳法附則第1条第2項に、「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする」となっていますが、個人情報保護法が成立、施行されない状態では、ネットワークの稼働が住民基本台帳法違反となるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 また、さきの定例会では杉並区の条例に関して、「この条例は法律の規定に抵触するおそれもあるという意見もあり、直ちに導入ということになるか慎重な判断を要する」とお答えになっていますが、国分寺市の条例も含めて、施行となった現時点ではどのような判断をされているのか、いま一度お聞かせください。

 次に、これもさきの定例会で、市長は法を守る立場をとるのか、それとも市民の安全を守る立場をとるのかとの質問に対して、二者択一ではなく、どちらも守らなければならないからネットワークに参加したとお答えになりました。杉並区の山田区長はこういうコメントを出されています。「私は区長として、国会で制定された法律を執行する責務を負っている。しかし、個人情報保護のための法整備は行われず、住民基本台帳法では本人確認情報の提供先での情報漏えい、本人確認情報の目的外利用などに対する規制は不備のままである。確固とした個人情報保護のための法制度が未整備のまま改正住基法を施行し、住基ネットを実施することこそが違法であり、現状において参加することは適当でないと判断する」とおっしゃっています。つまり、こうした他の自治体の対応をしんしゃくすると、法と市民のどちらも守るのではなく、法なのか市民なのかの二者択一ということではないでしょうか。私は、不参加の自治体の判断はそうだと思っています。なぜ函館市はその判断に立てないのでしょうか、見解をお聞きしたいと思います。

 そして、今からでも市民の安全を守る立場に立ち、住民基本台帳ネットワークから離脱すべきであるとお勧めいたしますが、市長にはそのお考えはないのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

 以上で私の質問を終わりますが、答弁のいかんによりまして再質問のあることをあらかじめお知らせをいたしまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(岩谷正信) 井上市長。

  (市長 井上 博司登壇)



◎市長(井上博司) ただいま板倉議員から私に大綱3点御質問がございましたが、大綱2点目のコンビニなど小売店舗におけるごみの分別につきましては、環境部長よりお答えをさせていただきます。

 まず、私から大綱3点目の3点目、失業世帯への施策にかかわって、市町村ごとの失業者数や求人・求職者数にかかわってのお尋ねでございますが、厳しい雇用情勢が続いている中、求人数や求職者数等の動向は適切な雇用対策を進める上で不可欠なものでありますが、現在これらのデータは公共職業安定所管内ごとに公開をされており、市町村別にはなっておらないわけでございます。当市では、雇用対策の連絡会議等を通じて、函館公共職業安定所に対し、市町村別での取りまとめを強く要望してきておりますが、公共職業安定所の現在のシステムは、全国1カ所の中央制御コンピュータでネットワーク化され、各安定所独自に地域データを取りまとめることができなくなっており、市町村別データを公開するには、この全国システムを変更しなければならないと説明を受けております。このため市町村別データの提供につきましては、同安定所から厚生労働省へ直接伝えていただいておりまして、今後も引き続き要望していきたいと考えております。

 次に、大綱4点目、住民基本台帳にかかわって、住基ネットワークシステムへの参加を見合わせている自治体に対しての私の考え方についてのお尋ねでございますが、一部の自治体において参加を見合わせていることは、私も新聞報道等により承知をしておりますが、このことはそれぞれの自治体の判断によるものと思っておりますので、私からの見解は差し控えさせていただきたいと存じます。

 次に、市民の反応と市の対応についてお尋ねがございましたが、これにつきましては市民部長よりお答えをさせていただきたいと存じます。

 私からお答え申し上げますが、個人情報の具体的な保護策についてのお尋ねでございますが、住基ネットワークシステム稼働に当たっての個人情報の保護につきましては、秘密の保持、提供先や利用目的の限定、情報の厳重な保護などについて、職員に改めて周知徹底を図るとともに、住基ネット端末を操作する職員を少数に限定し、またIDカードによりパスワードを入力しないと操作ができないようにしているところであります。さらに、セキュリティ運用要領と緊急時対応計画を定めまして、システム的にも障害や不正行為に対しての対策を講じるなど、個人情報保護に万全を期しているところであります。

 次に、プライバシー保護にかかわっての国に対する要請についてのお尋ねでございますが、住基ネットワークシステムにかかわる個人情報の保護につきましては、平成14年7月18日付で全国市長会として、制度面、運用面、技術面等に係る責任体制を明確にすること、法律に明示された目的以外に個人情報の利用が行われないようにすること、さらに個人情報の保護に関する法制の早期整備を図るよう、総務大臣に対し緊急要望を行ったところであります。

 こうした中で、国においては去る8月30日に住基ネットワークシステムの運営、個人情報保護措置、セキュリティ対策などについて総務大臣に意見を述べることを目的とした調査委員会が設置されたところでありますが、このたびの緊急要望の趣旨も理解されての設置ではないかと受けとめております。

 次は、個人情報保護法が制定されていない中での住基ネットワークシステムの稼働は法律違反になるのではないかといったお尋ねでございますが、住基ネットワークにつきましては、個人情報の保護に関する法制の整備のおくれから問題があるとの議論があちこちで出ており、私としても釈然としないところはありますが、システムの稼働につきましては、改正住民基本台帳法の附則第1条第1項の規定により、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日、すなわち平成14年8月5日になるわけですが、ここからの施行が義務づけられているところでありますので、御理解をいただきたいと存じます。

 次は、杉並区などの条例についてのお尋ねでございますが、杉並区は個別条例を制定し、住民票記載事項の漏えい、または不適正利用により、区民の基本的人権が侵害されるおそれがあるときは、国に対し報告を求めるとともに調査を実施し、これらにより区民の基本的人権が侵害されると判断したときは、個人情報保護審議会及び区民の意見を聞いた上で、区長が必要な措置を講じなければならないことなどを定めております。この規定に基づき、住民基本台帳にかかわる情報の送信をしないということにつきましては、差し迫った具体的な人権侵害に対する緊急避難的なものである場合を除き、法律の規定に抵触するおそれがあるという御意見もあり、また国分寺市のように、個別条例ではなく既存の個人情報保護条例に同様の趣旨の規定を個々具体に盛り込む方法につきましては、個人情報保護の一般的、包括的な事項を定めるべき個人情報保護条例の内容としてなじむかどうか、そういった見方もありますので、私といたしましては、杉並区あるいは国分寺のような条例を制定することに関しましては慎重な判断を要するものと考えております。

 次に、住基ネットワークシステムの参加にかかわっての私の判断についてのお尋ねでございますが、住基ネットワークシステムにつきましては、前段にもお答え申し上げましたようにいろいろな議論があるところでございますが、私といたしましては法を遵守する立場にもありますし、またプライバシーの保護など市民の安全を守る立場にもありますことから、これらを十分考慮し、判断したところでありますので、御理解をいただきたいと存じます。

 私からは最後でございますが、市民の安全を守るという判断から、住基ネットワークシステムから離脱すべきではないかとのお尋ねでございますが、住基ネットワークシステムの参加につきましては、法律とそれに基づく政令で平成14年8月5日からの施行が義務づけられており、参加したところでありまして、離脱については考えていないところでありますが、私といたしましては、市民の安全を守ることも重大な責務と考えていることから、システムの運用に当たっては、住民のプライバシーが侵害されることのないよう十分配慮し実施をしてまいりますとともに、個人情報の保護に関する法制の早期整備が必要であると認識をいたしておりますので、引き続き国に要望してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(岩谷正信) 金山教育長。

  (教育長 金山 正智登壇)



◎教育長(金山正智) 私には、大綱の1及び3にかかわりまして御質問いただいておりますので、お答えいたします。

 まず大綱の1、公共施設におけるノーマライゼーション思想についてでありますが、「はこだて・冬・アート展」の事実経過についてのお尋ねでございます。

 この展覧会は、函館市文化・スポーツ振興財団と函館市文化団体協議会、NHK函館放送局の主催により、本年2月1日から2月14日まで芸術ホールで開催をされたもので、展示に当たりましては、選考委員6名により、応募作品193点の中から144点を入選作品として選んだものであります。

 御指摘の「アージ」と題する作品は、日本語では衝動という意味でありますが、2月9日芸術ホールに対し、車いすを使った作品がある。「粗大ごみ」と書かれた荷札がつけられているのは言語道断だという指摘がありましたが、芸術ホールでは、選考委員会で審査された作品であるということから、残された開催期間の5日間をそのまま展示したものであります。また、展示物返却日の2月15日に芸術ホールで出品者に意図を確認したところ、自分が暴行を受けた経験があることから、そのときの衝撃を表現する意図で作品を制作したもので、たまたま荷札に粗大ごみと書かれた車いすが捨てられていたので、それをそのまま利用したということであります。

 私ども教育委員会でこの件を知りましたのは、アート展が終了した1カ月後の3月15日のことでありますが、その時点で、ただいまお答えしたような経過を主催者である文化・スポーツ振興財団からお聞きをしているものであります。その後、主催者である文化・スポーツ振興財団とこの件にかかわって申し入れのあった方、さらに私ども教育委員会も入り、るる話をしてまいりましたが、財団では今後のアート展開催に当たっての審査会のあり方等について見直しを行い、対応していくということで関係者と協議を進めているものでありますが、申し入れのあった方の納得を得られず、現在に至っているものであります。

 次に、「はこだて・冬・アート展」の対応についてのお尋ねでありますが、文化・スポーツ振興財団あるいは芸術ホールといたしましては、入選作は函館市文化団体協議会の推薦による選考委員6名が審査したものであり、また出品者の制作意図や表現の自由とのかかわりも考慮しなければならないことから、速やかな対応ができなかったとお聞きをしております。しかし、御指摘があった時点で速やかに主催団体が何らかの協議・対応をしておけば、こういった事態にまで至らなかったのではないかと考えております。

 次は、荷札の存在と制作意図の確認についてのお尋ねでありますが、荷札がつけられていたことは承知しておりましたが、その内容を確認するまでには至らず、そのまま審査をお願いし、また審査の中では特に荷札について話題にならなかったと聞いております。また、出品者の制作意図につきましては、先ほど事実経過の中でお答えしたとおり、作品を返却する際に確認をいたしております。

 次は、主催者として違和感を持たなかったのかとのお尋ねでございますが、主催者であります文化・スポーツ振興財団では、2月9日に指摘を受けた時点で改めて作品を見直しましたが、社会的問題はあるという意識を持ったものの、一方では芸術作品として審査された作品であるという考えから、そのまま展示をしたということであります。

 展示・陳列等に当たっての視点の持ち方についてのお尋ねでありますが、作品等の展示につきましては、芸術論としての視点や制作者の意図、表現の自由といった面を尊重しなければならないことは当然のことでありますが、一方では、作品に対する評価や受けとめ方もいろいろありますので、福祉や教育の視点にも十分に配慮していくなど、公共施設での作品展示には一定の制約があるものと考えております。また、表現の自由を制約することや、かつての検閲であるかのような誤解を受けてはならないものと考えておりますが、今後につきましては、こうした面にも十分留意し、対応していかなければならないものと考えております。

 次は、大綱の3、失業世帯への奨学金制度についてでありますが、奨学金の貸付状況と貸付対象等の新たな検討についてのお尋ねでありますが、今年度の貸付状況につきましては、平成14年度当初予算で新規貸付枠58名、貸付総額1,005万6,000円に対し、貸し付けを行った者は48名で、貸付額の合計は776万8,000円となっております。こうしたことから、当初予算額の新規枠に不用額が生じたことに伴い、今年度初めて臨時的に14名の追加募集をすることとし、現在受け付けを行っているところでございます。

 また、来年度貸付対象者に専修学校生を加えることで、市内の中学校、高等学校に対し進路実態の調査を実施するなど、条例改正に向けた取り組みを行っているところでございます。

 最後でございますが、失業世帯への奨学金についてのお尋ねでありますが、日本育英会では平成11年度から、失職、破産、病気等により家計が急変した場合に、無利子の奨学資金として緊急採用制度が設けられており、当市におきましてもこの制度を利用しているケースが数件ございますが、深刻な景気低迷が続く中で、私どもといたしましては、収入状況が急激に変わった世帯への相談や対応も含め、市民にとって利用しやすい奨学金制度のあり方について一層検討を深めてまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いしたいと存じます。

 以上でございます。



◎環境部長(井口一民) 板倉議員から大綱2点目のコンビニなどのごみの分別にかかわってのお尋ねがございましたので、私から御答弁をさせていただきます。

 市内には現在、スーパー、コンビニは約200店舗あると承知をしてございますが、スーパー、コンビニも事業所として、みずから排出するごみは分別等を含め適正処理する責任がございますことから、市としても事業所用のパンフレット等を作成し、指導してございます。

 お尋ねのごみの分別方法や種類の実態についてでございますが、店舗ごとの実態については把握してございませんが、それぞれの店舗により工夫をして実施しているものと、このように考えてございます。

 次に、スーパー、コンビニから排出されるごみの種類、量につきましても、業種ごとに集計、把握するということ、なかなか難しいものがございますが、事業所全体から排出されるごみの量は、これは平成13年度の実績で申しますと、燃やせるごみ5万2,098トン、燃やせないごみ3万2,159トン、資源ごみ663トンとなっておりまして、その収集は一般廃棄物処理業者、いわゆる許可業者に委託をしているのがほとんどであると考えてございます。

 いずれにいたしましても、スーパー、コンビニにおける分別収納容器の設置につきましては、各家庭における分別状況が良好なことから、御指摘のコンビニ等の店舗においても、市民の分別意識をさらに高めるためにも、種類ごとの設置について要請をしてまいりたいと、このように考えてございますので、御理解いただきたいと思います。

 以上でございます。



◎市民部長(吉田明彦) 大綱4点目、住民基本台帳ネットワークと個人情報保護にかかわって、私より1点お答えをさせていただきます。

 住基ネットワークシステムにかかわっての市民の反応についてのお尋ねですが、住基ネットワークシステムにかかわる市民からの問い合わせは、住民票コードの利用目的や変更手続、プライバシーの保護、本人確認情報の範囲等いろいろございますが、板倉議員御指摘のコード変更の申し出につきましては、通知書が透けて見えるとの御指摘もあり、9月10日現在で267件となっております。その対応につきましては、本庁や各支所の窓口で変更された方もおりますが、来庁できない方につきましては逐次職員が自宅に出向き通知書を回収し、新たな住民票コードを封書で送付いたしております。

 また、通知書の受け取り拒否につきましては31件ございまして、現在市の方で保管させていただいております。

 さらに、住民票コードを付番されたくないとの申し出も25件ございましたが、これにつきましては住民票コードの趣旨を説明し、御理解をいただいたところであります。

 以上でございます。



◆(板倉一幸議員) 一通り御答弁をいただきました。大きな項目ごとに整理をさせていただきたいというふうに思います。

 それで、まず第1点目の「はこだて・冬・アート展」についてですが、先ほど教育長からも答弁をいただきましたけれども、それを聞いていましても、何点かこれにかかわっては重大な問題があったというふうに感じております。発展したその最大の原因、それがその申し入れをいただいた、問題提起をいただいたといいますか、そういうものがあったときに即座に対応してこなかったことに一番大きな問題があったんではないだろうかということです。これを、教育長も財団もお認めになっていらっしゃることですけれども、展覧会自体は、地域で創作活動をされていらっしゃるアマチュアといいますか、既に一定レベルまで達した方を除いた幅広い、多くの愛好家の方に出品や審査、展示という、そうした機会を与えているものですから、すばらしい企画であるという、そうは思っています。ことしが2回目であったわけですけれども、これからも引き続き、ぜひ展覧会自体は発展をさせていただきたいと、このように思っております。そういう思いがあるからこそ、出品者、愛好家の方たちはもちろんのことですけれども、そのことを期待している多くの市民の方、展覧会に足を運んでくださる方々、そうした多くの市民の方の感情も同時にこれ大切にしなければならないことだというふうに思うわけでございます。

 私は、ここで芸術論を闘わせようとは思っておりませんし、どんな作品でも出品者の意図があるわけですから、それを行政が縛る、あるいは制限をするというようなことはもちろん望むものではございません。しかし同時に、どんな作品にも社会性があり、あるいは社会性を求められるということも事実ではないでしょうか。

 財団は、純粋な行政機関ではありませんけれども、しかし公共性や公益性を持って、函館市という行政体では限界がある柔軟な事業展開を行うために、市が出資をして設立をした公益法人になっているわけですから、事業の社会性や公益性というものについては、もっと敏感になる必要があるんではないかというふうに思います。そういう意味では、今回の出来事は非常に残念な、遺憾なことだと、私は率直にそう思っております。

 この芸術ホールというのは、市が設置をした社会教育施設であるわけです。これは芸術ホールですから、同時に特定の目的のために設置をされた民間の施設とは違って、公共性や公益性、社会性といったものが当然求められているわけですから、場合によっては相反することもあるかもわかりませんけれども、しかし重要なことであると、そういう御認識は当然お持ちになっているだろうというふうに思うわけですね。そういった展覧会、あるいはそれ以外の行事もそうですけれども、お子さんからお年寄りまで、さらには健常者から障害者の方まで、多くの方が展覧会を見る機会も、あるいは施設を利用する機会もあるわけです。その際に誤解や不快感を与える可能性があると思われるものについては、事前に作者の意図を確認をするとか、あるいは事前に相談をされるということもあってしかるべきではなかったんでしょうか。

 私は、3月の第1回の定例会でも公共施設の福祉環境整備計画の問題に関連をしまして、職員のノーマライゼーション意識の啓発について質問させていただきましたけれども、その際にも教育長からは、「社会教育施設の職員に技術や知識を習得する場を設けてこなかった」と、こういう御答弁があったわけですけれども、どんな対応するかということは、どんな意識を持っているのかということにかかっているんだというふうに思います。本件の事実経過を聞きながら、その感を強くしたわけですけれども。

 そこで、さらに一つお伺いをいたしますが、先ほどの御答弁でも、今後十分に留意した対応を行うとのことであったわけですけれども、アート展に関してですけれども、今後どのような対応をおとりになるのか、見直しをされていくのか、そのことについてお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。



◎教育長(金山正智) 再度の質問で、アート展にかかわっての今後の対応についてのお尋ねをいただきました。

 財団では、このたびの指摘を一つの教訓として受けとめ、今後開催するアート展からは審査会の設置要綱や審査のあり方の見直しを行っている最中であると聞いております。その主な内容といたしましては、常設の審査会を設けるとか、選考委員は財団が委嘱すると。また、公序良俗に関する審査項目を設けるなどであります。

 私どもといたしましても、芸術活動の振興を図っていくことは極めて大切なことではありますが、一方では、公共施設での作品展示に当たって、福祉や教育などへの配慮は欠くことのできないものでありますので、職員の意識啓発やその取り扱いについて、適切に対応するよう努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。



◆(板倉一幸議員) ぜひこれを教訓といいますか、にしていただいて、この展覧会そのものについては、先ほど申し上げましたけれども、さらに芸術の発展のために十分意を尽くしながらやっていただきたいというふうに思いますし、同時にこの申し入れをいただいた方とのお話し合いも誠意を持って努めていただいて、わだかまりがあるとすれば、それはぜひ解いていただくということをぜひお願いをしたいというふうに思います。

 次に、大きな項目の2点目に移らせていただきますけれども、コンビニの問題を取り上げましたのは、ごみの量がどうなのかということを申し上げ、もちろんそれもありますけれども、それだけを取り上げて申し上げたくて質問させていただいたわけではなくて、家庭では、皆さんのお宅で分類をしてそれぞれやっていらっしゃる。しかし一方、そういった店舗のところに行くと、そういった種類ごとのごみ箱が設置をされてないということで、中をごらんになったことあるというふうに思いますし、私も大分回ってみまして、かますわけにいきませんけども、上からごみ箱の中をかなりのぞいてまいりました。実際には本当に混在しているというか、ばらばらになっているという状態になっているわけですね。だからそういう意識というか、一方では分別をしてくださいということを家庭に求めていながら、一方ではそういうこともやむを得ないということでは、やはりこういった分別そのものも進んでいかないということもあるでしょうし、特に若い方ですとか、そういう方が多く利用されるわけですから、これからも分別を進めていくという意味でもそういった、これは事業者のお金にかかわることでもあるんだろうというふうに思いますけれども、収集がどうこうなっているかというよりも、そこの入り口というか、そこんところで分別というものをやはり徹底をさせていくということにしていただきたいというふうに思うんです。

 それで、先ほども環境部長からお答えをいただきました。それぞれ要請をしてまいりたいと、このような御答弁であったわけですけれども、ぜひそれは要請をしていただきたいというふうに思いますけれども、要請した後、実際にどういうふうに変わっていくのかというような検証も同時に行わなければならないと思うんですけれども、その辺についてはどういうふうにお考えになるのか、もう一度お聞かせをいただきたいと思います。



◎環境部長(井口一民) 再質問として、種類ごとの分別容器の要請後の検証についてどうなのかと、こういったお尋ねでございました。

 スーパー、コンビニに対する市の分別、区分に沿った種類ごとのごみ収納容器の設置状況につきましては、要請後一定期間経過した後において、ごみの収集の委託を受けている処理業者さんからの情報も受けながら、各店舗の実態調査を実施し、必要に応じ指導・要請を行ってまいりたいと、このように考えてございますので、御理解いただきたいと思います。

 以上でございます。



◆(板倉一幸議員) ぜひそのことをよろしくお願いしたいというふうに思います。

 次に、大きな3点目の失業世帯への奨学資金制度についてですが、まず最初に市長にお願いをしておきたいと思いますけれども、市長も御答弁をいただきましたけども、市長も御存じのとおり、この市の労働というか、そういった担当のところと、市のそういった今実際にどれだけの失業者がいるのかとか、そういったようなことがわからないというのは、実際に市がこれから商業政策ですとか、あるいは工業政策ですとか、そういった新たな産業を創出するだとか、いろいろそういう活性化を図っていくためにも、あるいは今の実際の市内の状況がどうなっているかということを知る上でも必要なことだというふうに、市長もお感じになって要請をされているというふうに思いますけれども、今後ともぜひ、それは強く要請をしていっていただきたいと。

 ただ一つだけ、蛇足かもしれませんが、申し上げておきたいのは、これもネットワークで中央と地方がつながっているわけですが、住基ネットにだけはこれはつながらないようにお願いしたいと思うんです。

 それで、教育委員会の方に先に再質問させていただきたいというふうに思いますけれども、先ほども答弁の中で、利用しやすい奨学金制度のあり方について一層検討を深めてまいりたいと、このように御答弁をいただいているわけですけれども、では実際に、具体的にどのような検討が行われているのか、あるいは検討を行っていくのかということについて、先に再質問で御答弁をいただきたいと思います。



◎教育長(金山正智) 再度の御質問で、奨学金制度の今後の具体的な検討の内容についてのお尋ねをいただいております。

 先ほどもお話をいたしましたが、私どもといたしましては、まずは来年度に向けまして、専修学校生を対象に加えるための取り組みを行っているところであります。また、今後についてでございますけども、明年度以降の実施状況をとらえるとともに、奨学生のアンケート調査などを実施しまして、奨学資金運営委員会において、貸付条件、貸付金額などさまざま議論をいただきながら、市民にとりまして利用しやすい奨学金制度の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。



◆(板倉一幸議員) ぜひ、特に地域経済といいますか、地域の景気よくなるどころか厳しくなっている状況ですから、実態の把握、今先ほど申し上げましたが、失業者がどれだけいるかという総体さえわからないわけですから、なかなか教育委員会としても、そういったことに対する適切な対応が即座にとれるかという心配もあるわけですけれども、十分その辺のところを考慮いただきながら、また借りやすい奨学資金制度に向けて十分御検討いただきたいと、このことをお願い申し上げておきたいと思います。

 さて、大きな項目の4つ目、最後に残りました住民基本台帳ネットワークの問題について少し意見を申し上げながら、再質問を何点かさせていただきたいというふうに思います。

 冒頭、一番最初の質問でほかの自治体の動向、不参加の自治体もあったその動向について、市長としてどうお考えになるのかと、こういうふうにお尋ねをして、なおかつ補足をしながら、他の自治体の判断でやられているというようなお答えではなくて、そういった他の自治体が判断をしたことに対して、市長としてはどう受けとめているのかというふうなことについてお聞かせを願いたいというふうにお願いを申し上げたんですけれども、残念ながら答弁は、まあ想像どおりの御答弁であったわけですけれども、ただ、そこでも市長がおっしゃっていたのは、新聞報道などにより承知をしていると、こういうような御答弁なんですけれども、本当に新聞報道だけの情報収集しか行われていないんでしょうか。私なんかも、各自治体のホームページですとか、あるいは関係者と連絡がつく限りは、その関係者といろいろお話をし、あるいは情報を聞かせていただくという努力をしているわけですから、自治体がどういう理由でどういう判断を下すに至ったのかと、こういったようなことについて、関心も興味もないということではないんだろうというふうに思うんですよ。

 その不参加の自治体の首長さんは、それぞれその考え方を示して、先ほど冒頭の質問でもいろいろ申し上げましたけれども、その考えについておっしゃっているわけですから、それについてどう思うのかということをお聞きをしたわけですけれども、そうだとした場合に、函館市の判断基準といいますか、それらについて庁内で議論をして、参加するあるいは参加しないということになったのかどうか、その辺のところをもう少しお答えをいただきたいと思います。

 それから、市民の反応の問題にかかわって、市民部長から御答弁をいただいたわけですけれども、余り責めることだけ責めても仕方がないわけですけれども、ただ通知書が透けて見えるという苦情が来たと。それは前にも一度お聞きしたことがありますけれども、一応国のマニュアルに従って出しましたと、こういうお話でしたけれども、しかし個人情報ですから、これは今これだけ大きな問題になっている住基ネットにかかわる個人情報が書かれている通知書なわけですから、一度ぐらいは例えば透けるのか透けないのか、そういうことぐらいは確認をする必要があったんじゃないかと。その事の重大性といいますか、そういうような認識が少しやはり欠けていたんではないんだろうかなと、こういうふうに思うんですけれども、そういうようなチェックをしなかったのかどうか。

 それから、市民からの苦情ですとか、あるいはいろんな申し出があったわけですけれども、それらについては、それを受ける側の体制といいますか、どういうような形で問い合わせを受けて、その記録についてはどういうふうになっているのか、それについてもお聞かせをいただきたいと思います。

 それから、住民票コードをつけてほしくないと、こういう申し出が25件あったと。これについては住民票コードの趣旨を説明して御理解をいただいたと、こういうふうに市民部長はおっしゃっていますが、御存じのとおり、私どももこのシステムの危険性というか不安、疑念、そういったものを住民の、市民の立場で監視をしていこうと、こういう運動に携わっておりますけれども、私のところにも何件かお電話をいただきましたけれども、その方々は本当につけてほしくないと、こういうことをおっしゃっている。そして返そうと思っているんだと、こういうふうにおっしゃっているわけですから、ちょっとこれ御理解いただいたところでございますという表現といいますか、言い方というのはちょっと詭弁にすぎないかというふうに思うんですけれども、その辺の考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

 それから、プライバシー保護に万全の措置が講じられるように国に要請していくと、こういうような御答弁があったわけですけれども、例えば杉並区ですとか国分寺市などは、事前に凍結や延期を求める要望書を出されているわけです。国からのお答えがあったりなかったり、あるいはその内容に納得できないというような、そういう判断があったわけですけれども、事の重要性ということを考えますと、市としても独自にやはり要望というものを出すべきではなかったのかというふうに思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 それから、8月5日に施行をしたということにかかわってですけれども、先ほど住民基本台帳法の附則の第1条第1項で、8月5日から施行するんだと、政令で定める日ですが、するんだという義務を負っているから、このネットワークに参加をした、あるいは結合したと、こういうふうにお答えをしていらっしゃるわけですけれども、同じその附則の隣に第1条の第2項として、先ほど申し上げたように個人情報保護の措置、つまり個人情報保護法ということになるんでしょうが、それも義務づけられているわけですよ。一方は、これは法律だから守らなくちゃならないと。第1項は守らなきゃならないと、しかし第2項は守らなくてもいいんだと、こういうことにもならないわけじゃないですか。第2項には、しなければならないというふうになっているわけですから、そうすると第2項に違反をすると、していると、こういう解釈になるんだというふうに思うんです。一方は守らなきゃならないけども、一方は守らなくてもいいんだと、そういうようなことがあるんですが、それは矛盾です。多くの法律家の皆さんは法律違反だと、こういうふうにおっしゃっているんですが、市長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

 それから、二者択一の議論ですが、今後も守らきゃならないし、同時に市民の安全も守らなきゃならないと、こういうふうにおっしゃっていらっしゃいましたけれども、不参加の自治体、先ほど杉並の区長のお話も例に出させていただきましたけれども、どっちがやはり重要なのかと。法を守る方が重要なのか、市民の安全を守る方が重要なのかという、そういう判断の中で、非常につらい判断ではあるけれども、やはり市民の安全を守ることが重要だと、こういうふうに思って参加しないと、こういう決断をしたんだというふうに思うんです。そうだとするならば、それはどちらも守るではなくて、どちらかを守って、どちらかを守らないという判断に立たなければできないわけですから、二者択一でどちらも守っていくんだという立場にはならないんではないだろうかと。そういう意味では市長は、今回は法を守ると、こういう立場に立って、市民の安全は守らないとは言いませんけれども、それよりも法を守る方が優先をするというふうに考えたというふうに判断せざるを得ないんですけれども、その辺のお考えについてお聞かせいただきたいと思います。



◎市長(井上博司) 板倉議員から再質問何点かございましたが、まず1点目、住基ネットワークにかかわって、参加を見合わせている自治体の判断にかかわって再度お尋ねがございましたが、このネットワークシステムの参加を見合わせている自治体の動向は、市民も当然ですが、私も関心を持っておりますが、その判断はそれぞれの自治体の考え方によるものというふうに受けとめておりまして、当市としては、8月5日からの施行が法で義務づけられている、そういったことから参加したところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

 前段いろいろ御指摘ございましたが、私ども新聞報道で承知をする以外にも、電話等で、あるいは文書等でもいろいろと情報収集には努力はしておりまして、そういった上でのこういった判断ということでございます。

 それから2点目は、杉並区や国分寺市などの事例を挙げられてのお尋ねで、市としての独自の要望、必要でないか、こういった趣旨でございますが、住基ネットワークシステムの稼働に当たりましては、凍結あるいは延期、そういったことを求める要望書を提出している自治体があるということは、これも承知はいたしておりますが、私といたしましては法で施行が義務づけられているということから、そのような判断に立たなかったものでございます。

 それから、8月5日からの施行が義務づけられているというなら、個人情報保護措置がなされていないのは違法ではないか、そういった趣旨で、個人情報保護法が制定されていない中での住基ネットワークシステムの稼働はどうか、そういったお尋ねでございますが、この個人情報の保護に関する法制の整備がなされていない中での住基ネットワークシステムの稼働につきましては、何回かお答えをしておりますが、私も釈然としない思いでございまして、個人情報の保護に万全を期するためにも法制の早期整備、これが必要であると認識をしておりますので、引き続き国に対して要望してまいりたいと、このように考えております。

 それから、二者択一でしたか、住基ネットへの参加にかかわってのお尋ねでございましたが、先ほどもお答えを申し上げましたとおり、私といたしましては法を遵守するという立場にありますし、それから一方では市民の安全を守るという立場にもあるわけでございまして、二者択一ではなくて、双方とも私の重大な責務であると、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。



◎市民部長(吉田明彦) 住民票コード通知書にかかわるお尋ねにつきまして、私より御答弁をさせていただきます。

 住民票コード通知書の発送に当たりましては、個人の情報にかかわる通知でありましたことから、記載内容が見えないようにのりで圧着する、いわゆる目隠しはがきを使用したところでございまして、光にかざして中を透かして見るということまでは想定をしていなかったところでございます。こうした中で市民の皆様から私どもの方へ御指摘の電話等があったわけでございますが、問い合わせの電話が短期間に集中したこともあり、メモで記録しているところでございます。

 一方、住民票コードを付番されたくないとの申し出の対応でございますけれども、私どもといたしましては一定の理解を得たものと考えてございますので、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。

 以上でございます。



◆(板倉一幸議員) 平行線でもあるわけですけれど、私の主張と市長の主張とはどこへ行ったら相交えることがあるのかなという思いをしながら答弁をお聞きしているわけですけれども、例えば8月5日の施行の問題も、先ほど申し上げたように、法に基づいて市長はやられていると、こういうふうにおっしゃっているんですけれども、だから法に基づくんであれば、個人情報保護のための措置をとってから、それから参加をすると、こういうことでよかったんではないんでしょうかね。そういう意味では、ですからなかなか相交えることが難しいなというふうに思っているわけですけれども、この議論ばかりしても時間がなくなりますから、少し先に進めたいというふうに思うんですけれども、他の自治体でも、先ほど申し上げましたようにいろいろなトラブルですとか、あるいは情報の漏えいですとか、流出ですとか、目的外利用ですとか、いろいろそういうものが起きたときには、あるいはそういう不安が、おそれがあるという場合には、途中で離脱をすると、こういう考えも示され始めてまいりましたけれども、函館市でも同様の考え、立場に立つかどうか、その辺についてお聞かせいただきたい。

 それから、前回の定例会で改正をされました函館市の個人情報保護条例ですけれども、これは結合の禁止を解除したということで、その結合の項目ですとか追加などに当たって、これからは議会のある意味では関与がなくなるわけですから、国が法律を改正して項目をふやしたら、それは自動的に国の法律として、保護条例の縛りも全くないという状態になるわけですけれども、そういった全くの野放しといいますか、そういう状態になっているわけですんで、住基ネットにかかわる新たな条例、または現行条例の改正といいますか、そういうものが必要ではないかというふうに思いますけれども、この点についてはどうお考えになるでしょうか。



◎市長(井上博司) 板倉議員から再度お尋ねでございまして、1点目は、トラブルや情報漏えいがある場合、途中離脱の考えがあるか、そういうお尋ねでございますが、板倉議員も御承知のように、住基ネットワークシステム、これにつきましては市民の大切な個人情報を取り扱うということから、制度、技術、運用、3つの側面からさまざまなセキュリティ対策が講じられております。また、市といたしましてもシステムの稼働にあわせて、運用面から個人情報の保護を講ずるために運用にかかわる責任体制を明確にし、個人情報へのアクセスや関係機器等の管理を適切に行うためのセキュリティ運用要領、それと緊急時対応計画、これを定めまして不正アクセスやデータの漏えいに対する対策を講じていると、そういうところでありますが、この緊急時対応計画の中では、状況によっては一時送信を停止するなどの措置をとることにしているところでございます。

 それから2点目は、新たな条例の制定や現行条例の改正についてのお尋ねですが、現行の函館市個人情報保護条例では、電子計算機の結合の禁止につきまして、法令に特別の定めがある場合は禁止の対象から外しておりまして、それからまた函館市個人情報保護運営審議会の意見を聞いて、市民福祉の向上、または公益上必要があると認めた場合は禁止の例外としているところでございます。この法令に特別の定めがある場合の扱いについては、地方自治法の規定を踏まえて、法令に違反してその事務を行うことがないようにする、そういうためのものでございます。

 板倉議員御指摘の点につきましては、私としては議会での御議論をいただく、そういう観点から法令の範囲内でどのような方策があるのか調査研究をさせていただきたいと、このように考えております。



◆(板倉一幸議員) 時間が残り少なくなってまいりましたので、今市長から御答弁をいただいた、何かそういったことが起きた場合に一時送信を停止するという問題については、ちょっと留保させていただいて、さきに何点か質問を続けさせていただきたいと思います。

 それで1つは、市民の個人情報がいつ、どのように使用されているのかという、そういうことがわからないシステムになっているわけですけれども、国から利用目的や利用状況の報告を受ける。また、開示するその制度を設けるということを国に求めるべきではないでしょうか。

 それから、住民基本台帳カードですね、まだこれ、一応予定では来年の8月からと、こういうことになっているわけですけれども、この住民基本台帳カード──住基カードというふうにちょっと短くさせていただきますけれども、この住基カードですが、法律では公布から5年以内ということですから、本来は再来年の8月までに実施をすればいいと、こういうことになっているわけですね。1つは、住基カードに市独自の情報を入れていくのかどうか、そのことについて確認をさせていただきたいということと、それから法律どおりの最終日である再来年の8月まで、これだけ多くの国民の不安があるわけですから、実施を先延ばしをしていくというようなこともあわせて国に申し入れをしていくべきでないかというふうに思いますけれども、そのことについてどうお考えになるでしょうか。



◎市長(井上博司) お答えを申し上げますが、3点再度お尋ねでございますが、1点目は、利用状況の報告についてのお尋ねでございまして、自分の情報がいつ、どの機関に利用されているかわからない、そういった不安に対しまして、住民基本台帳法ではアクセス記録の開示にかかわる規定がない、そういうことから北海道では国に対して、本人確認情報の利用記録を開示する制度、これの整備を求めているところでありますが、私といたしましても、市長会等を通じまして国に対し要請をしてまいりたいというふうに考えております。費用の面、その他いろいろと問題点もあるというふうに国の方では考えているようでございますが、私どもとしては要請をしてまいりたいと、こう考えております。

 それから2点目は、この住民基本台帳カードにおける市の独自情報についてのお尋ねですが、板倉議員からもお話しありましたが、このカードは高いセキュリティ機能を持つICカードが採用されまして、平成15年8月から、本人の申請に基づいて市町村が発行を予定しているというものでございます。このカードは独立した2つのエリアを持っておりまして、そのうちの1つのエリアにこの住民票コードが記録される予定でありまして、住基ネットワークシステムに専用に利用し、住民票の広域交付や、あるいは転入転出手続、これの簡素化など、全国ベースでの本人確認に利用される。それから板倉議員御指摘ありました市独自の活用は、もう一つのエリアですね。もう一つのエリアに、条例で定める各種情報を記録させて多目的に利用することが可能となるわけですが、経費の問題や利用率、さらには一番大事なプライバシー保護の観点、こういったことに十分考慮しながら慎重に検討していく必要があるものと、このように考えております。

 それから、この住民基本台帳カードの交付開始時期を延期すべきではないか、そういうお尋ねですが、住民基本台帳、国におきましてはこの住民基本台帳カードの交付開始時期を、ただいまも申し上げましたが、平成15年8月に予定をしておりますが、住基ネットワークシステムにつきましては、国の機関等における本人確認情報の提供が開始されたばかりであり、また現在継続審議となっております個人情報保護法案が今後どのように整備されるのか、そういったことも十分見きわめる必要があるというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。



◆(板倉一幸議員) この住基ネットの問題については、何度も申し上げるようで恐縮ですけれども、非常に不安がある。市民も多くの不安を持っている。先ほど市民部長は御理解をいただいているというお答えをしているわけですけれども、しかし決して理解をしているというふうにはなかなか思えないわけです。住基ネットそのものがどういうもんであるかということさえ、なかなか周知をされてない、あるいは理解をされてないという中で、理解をいただいているというのは詭弁ではないだろうかというふうに思うわけです。

 先ほど市長が一時停止をすることもあるんだと、こういうお答えでしたけれども、確かに今まで一度も言ってないことですから、送信を停止などと言うと、結構大きな意味を持つというふうにとられるかもわかりませんけれども、しかし実際は、トラブルがあったり何か情報の漏えいがあったときに一時的に送信をストップするなんちゅうのは、これは当たり前の話ですから、とりたてて評価申し上げるような御答弁ではないなというふうに思っているんですが、私は、ですから言葉の問題ではありませんけれども、参加をその時点で凍結をする、あるいは見合わせるという立場に立てないんですかという質問をさせていただいたわけですが、きっと市長からは、そう聞いても同じ答えが返ってくるんだというふうに思うんですが、そういう送信を停止するということだけではなくて、参加について再度熟慮すると、そういうようなこともあるんだと、そういう考えといいますか、そういうものが他都市でも出てきているわけですが、函館市でもそういう市長のお考えに立てないのかということについて、もう一度ちょっとお答えをいただきたいと思います。



◎市長(井上博司) 今、再度お尋ねでございまして、先ほどこのセキュリティ運用要領、そしてさらに緊急時対応計画、これを定めて対策を講じているというふうにお答えをし、その中では緊急時対応計画の中では、状況によっては一時送信を停止するなどの措置を講じることとしていると、こうお答え申し上げましたが、これは仮の話になるわけですが、市民の安全が侵されるといった具体的な重大な局面が生じた場合、そういう場合は、やはり私としても一定の決断をしなければならないだろうなというふうに考えているところでございます。



◆(板倉一幸議員) ちょっと今ここでいろいろ言っていましたけれども、具体的にじゃ何を指しているのかちょっとよく理解ができないな。推しはかって考えれば、わからないわけでもないですが。

 その重大な決断というのも、私の立場でおもんぱかってみれば、参加の見合わせというか、凍結というか、そういうことなんだなと、こういうふうに思いますので、そういう考えがあるという市長の、市民を思ってそうお答えになっていらっしゃるんでしょうから、その言葉を信じまして、まだ住基カード等については、これからまだ時間がございますから十分議論をさせていただくということにいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。



○議長(岩谷正信) これで板倉 一幸議員の質問は終わりました。

 ここで午後の休憩時間帯となっておりますので、再開予定を午後3時10分とし、休憩いたします。

          午後2時43分休憩

======================

          午後3時12分再開



○副議長(瀬尾保雄) これより会議を再開します。

 休憩前の議事を継続し、一般質問を続けます。7番 中江 捷二議員。

  (中江 捷二議員登壇)(拍手)



◆(中江捷二議員) 私は、今議会において4点の大きな項目の質問を用意いたしました。その中で観光地のレベル、そして町のレベルは、芸術のレベルと密接な関連があるというお話を中でさせていただくわけですが、先ほど芸術論のすそにかかわるようなお話がありましたので、私の考え方をちょっとだけさせていただこうと思います。

 芸術の歴史をひもとけば、いつも公序良俗であるとか、あるいは社会性であるとか、そういった美名のもとに迫害をされてきた歴史があります。しかし、それをもろともしないではねのけて、普遍性を広げ、歴史の中に名をとどめ、そして一つの様式として確立されて後世の我々が楽しむと、こういう流れになっておるわけですから、特に権力の側に立つ行政が、こういった芸術活動についてくちばしを入れるということはなかなか難しいことだろうと、そんな感想を持った次第でございまして、関係の皆さんいろいろ苦慮なさっているようですから、参考までに申し添えをいたします。(笑声)

 さて、本題に入りますが、初めに観光行政についてであります。

 私どもは去る8月22日、公明党北海道本部観光議員連盟といたしまして、函館観光について関係の方々と初めての懇談会を開催いたしました。多忙の中、国際観光コンベンション協会の沼崎会長初め、航空各社、JR北海道、またエージェント各社から16名の御参加をいただき、2時間近い熱の入った情報交換と懇談をさせていただきました。当日、木村助役の御出席もいただきましたから、懇談会の空気はよく御理解をいただいていると思います。

 その中で、沼崎会長より函館の観光産業の現状認識についての見解が述べられました。それによりますと、13年度の観光入り込み客が530万人に及び、そのうち62%が宿泊し、1泊2日のパターンが多いこと、またリピーターが多いこと、さらに細かい算出根拠については省略をいたしますが、観光客が消費する金額を人数で積算をいたしますと、年間1,100億円を超えることなどが紹介されました。函館の水産加工業の年間出荷額が470億程度であることに比べれば、現在の函館市にとって、まさに観光が基幹産業であることは論をまたないところであります。また、海外からのチャーター便が234便で、台湾からの来函客は3万7,800人に及び、通関に時間がかかり過ぎるので職員の増員が望まれること、クリスマスファンタジーは4,000万円の投資で30億円の経済効果があること、湯川だけで年間171万人の宿泊客があり、温泉地としては全道第1位であることなどの事柄を改めて確認させていただきました。

 3連休がふえたことから、入り込み客を平準化させる工夫が必要との発言や、家族旅行のときに学校を欠席扱いにしないことができないかとのユニークな提言や体験観光の創出、中学生の宿泊研修への対応、全国大会を開催できるコンベンション会場の確保、新幹線の早期開業、摩周丸の活用等などなど、多岐にわたる要望や提言が続出をしました。

 あと1泊すれば、その経済効果は大変大きなものになります。そのための工夫と投資が求められます。考えてみれば、私たちの町の経済は、間違いなく観光産業によって支えられているにもかかわらず、その自覚について、市民も行政もいま一つ希薄ではないでしょうか。基幹産業であれば、それなりの位置づけと予算配分が必要であり、戦略と戦術を明確にすべきだと思いますし、官民挙げて、これで食っていくんだという心構えも必要になるのではないでしょうか。

 2月議会で提案を申し上げた「観光振興基本条例」の制定についてと「観光函館貢献賞」の創設については調査中であり、結論に至るにはまだ時間を要するとのことですから、次の機会に譲りますが、国際観光都市宣言をしたからこそ、その基本理念と基本方針を条例に定め、具体的な計画を立てる。そして実施主体を組織し、予算を確保するというのが順序ではないかと思います。観光客の誘致・宣伝に力を入れて取り組んでおられることについては大いに評価もいたしますし、そのことによって530万人の観光入り込み客が維持されているものと理解をしております。しかし、750万のお客様に来函していただくのが私たちの目標であったはずであります。宣伝の中身、見ていただいたり、味わっていただいたり、体験をしてもらう観光の中身をどうつくり上げるかがより重要であります。函館市の作成した観光基本計画によれば、そのための施策として観光資源・施設整備など、7つのジャンルにわたって合計171項目の目標が列挙されていますが、残念ながら、努力の跡は見られるものの、成果は十分と言えないのが実態であります。今回はそのような観点から、少し各論に入って具体的な質問をさせていただきます。

 その第1は、観光の売り込み商品としての景観をどうつくり、また魅力的なお土産をどう開発するかということであります。

 歴史的な景観、独特の景観を誇る函館市としては、今のままでよいとは思えません。伝統的建造物などが軒を連ねている間にある建物を修復したり、散策路の角地など、ポイントになる場所に伝統的建造物などを復元したりして、町並みのレベルを上げるべきではないでしょうか。都市建設部が景観形成建築物を守るための工夫を、インターネットを利用することで試みていますが、現時点での反応はどのようなものでしょうか。また、景観形成建築物もさることながら、伝建の所有者の高齢化などに備えて、いま一歩踏み込んだ支援、保存策を考えるべきではないでしょうか。

 次に、国道などの整備のレベルがアップすることによって、取り残されている部分がございます。街灯が偏って暗い箇所が目立ってきておりますが、どのように整備をなさるおつもりか。

 また、ウォーターフロント地区での水面のごみの散乱が目立っておりまして、その対応や道路の清掃・管理、雑草の除去など、観光地としての一定のレベルを保持するための具体策を考えるべきではないかと思います。

 次に、観光土産品について、もっと積極的に新しい土産の創造を促す制度をつくり、函館を代表するよう商品開発に力を入れるべきであります。同時に、伝統あるしにせの製品を宣揚したり、しにせの新製品の開発や新しい店舗展開を後押ししたり、後継者対策などに対応するシステムとして「函館老舗倶楽部」というようなものを創設してはいかがでしょうか。

 次に、デザインのレベルでございます。函館デザイン協会が過去にパッケージについて試行したことがありますが、しりすぼみに終わっております。継続した取り組みを支援する必要があると思います。デザインはその観光地のレベルを判定する重要な要素となるところであります。

 2つ目は、観光地と花についてであります。

 最近、市役所のエントランスや湯川の温泉通、明治館通などが、手入れが行き届いた美しい花で色どられ、街路が本当にきれいになって、大変喜ばしい次第であります。このことに連動して、けさほど寄ってきたみちのく銀行の千歳支店の前などもきれいな花が飾ってありまして、レベルが少しずつ上がってきているなと喜んでいるわけであります。この際、花卉の生産・調達はどうなっているのか、地元の生産者を活用しているのでしょうか、お伺いをいたします。

 また、熱帯植物園の活用を考えてはどうでしょうか。植物園を民営化し、ツツジの品種改良による多様化であるとか、咲く季節の幅を広げるなどの取り組み、オリジナルな花を生産するなどに取り組んではどうかと。当然、造園屋さんやその道の専門家の協力を得て、ガーデニングの講習会など楽しめるイベントを開催したり、苗や鉢などの販売をするなど、いろいろ工夫ができるかと思います。

 第3は、国際交流と芸術振興であります。

 先ほど冒頭に申し上げましたように、観光の大きな要素となります。今回、ユジノサハリンスクの訪問は、函館市民オーケストラのユジノ側との合同演奏会、また中学生の親善訪問団などが重なって、非常に友好の高まりがありました。こうした機会がふえることは、市民の国際観光地としての極めて有効な学習機会となります。特にオーケストラの合同演奏会は、会場いっぱいの聴衆が総立ちになりまして、割れんばかりの拍手のあらしは感動のるつぼとなりました。今後、函館市、ユジノサハリンスク市での隔年の開催をするとか、定期演奏会として定着させてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

 演奏会といえば、芸術ホールが利用され、開催の幅と回数が一段と充実したように思います。しかし、市民会館については建築後相当な年数が経過していることから、楽屋や舞台裏、装置など、全国的に新しく建設された施設に比べると見劣りがしております。したがって、一流の出演者から敬遠される傾向が出始めているとお聞きをいたしました。直ちにとは申しませんが、そろそろ改築のための調査、計画を始める時期に来ていると思いますが、お考えをお聞かせください。

 5年前にユジノサハリンスク市を訪問し姉妹都市の締結をしたときに、115周年の記念バッジをつくるなど、イベントの開催をしていたことを思い出しました。このバッジがそのときの、5年前のバッジでございます。今回は航空機からのパラシュートの降下や歌やダンスなど、多彩なイベントが開催されました。函館においても、次は85周年、その前に開港ペリー来航150周年がありますし、箱館戦争140周年、上水道120周年、開港150周年、市制90周年などと記念すべき年が続きますので、2月の質問のときにも申し上げましたが、将来を見据えながらとの抽象的な答弁でしたが、直ちに取り組むように求めたいと思います。

 第4は、摩周丸の活用についてであります。

 昨年の8月に、株式会社函館シーポートプラザから摩周丸の買い取り要請があり、ことしの10月に保存活用に関する函館市の基本方針が示され、市民の間からさまざまな議論がなされております。水族館建設の断念以来、後ろ向きの議論ばかりが幅をきかせていることを私は憂慮しております。低調な港湾利用実態の現状を考えれば、函館山山頂からの眺望に入る摩周丸の存在感は、夜も昼も捨てがたいものがあります。

 そこで、まず摩周丸の保存活用にかかわる市長の基本理念について伺います。

 次は、何といっても3億8,000万円の購入金額について、その妥当性と決定の過程の透明性に対して、多くの市民から疑問の声が寄せられております。また、収益還元法による価格査定や帳簿価格による価格査定、市場価格による価格査定などの視点や、事業の必要性、効率性、有効性、公平性、優先性などの事業評価に関する疑問も寄せられておるところですが、どのようにお答えになるでしょうか。そして、保存活用のコンセプトと運営のあり方についての考えもお示しをいただきたいと思います。

 あわせて、要塞跡の活用についても伺っておきます。

 昼の函館山は、夜景とは全く別の顔があります。豊かな自然そのものも人気があり、地方からの多くの登山者が訪れている現状があります。北海道産業遺産に指定をされた要塞跡は、全国に明治期に築造された10カ所しかない貴重なものであります。観光資源としての活用をすべきと考えておりますので、今後の復元、整備計画についてもお示しをいただきたいと思います。

 5番目は、これらの多種多様な業務量を的確にこなす体制について、今の体制で十分な対応が可能かどうか、お伺いをいたします。

 それぞれの組織は、現状で目いっぱいの役割を担っているのでしょうから、分担を改めて考える必要があると思います。昨年視察をした九州の湯布院では、多様化し、増大する事業に対応し、新たな事業に取り組むためにも観光事務所という、観光協会とは別の新しい組織を立ち上げて対応していました。事務長には、全国から公募し、100名を超える応募者から東京都職員出身者を採用しました。精力的に活動に取り組む姿を見て、函館市も現在ある組織間の連絡調整や、関係組織が担い切れない事柄や、新しい事業の担当などを担う新組織を立ち上げてはどうかと御提言を申し上げます。

 観光に関する最後の質問になりますが、新幹線の八戸開業についてであります。

 先日、ある会合でJR北海道の中島常務が、経営に携わる実務者として初めて、新青森開業と同時の新函館暫定開業に的を絞って、取り組みを一本化することが重要であると述べられ、新函館暫定開業現実路線を優先させる姿勢を明確にしました。これはJRとしても函館−青森間の早期開業を願っていて、JR北海道の経営にも大きく寄与すると確信をなさっているんだなと意を強くして聞いた次第であります。

 また、JR北海道として、東北、北関東のお客様を、八戸まで迎えにいくという考え方で列車運行ダイヤを考えるとの発言もありました。八戸開業は、函館観光にとっても新しいチャンスの到来と考えるところですが、市長はどのように感じておられるか。また、JR北海道と呼応していろいろ作戦を立てるべきと思うが、いかがでしょうか。

 大きな2つ目でありますが、行財政改革について伺います。

 デフレスパイラルか否か、論争が始まって相当の時間がたっております。デフレスパイラルの定義についてはこの際横に置いて、しかしここ数年、着実に物価が下がっている事実は否定できません。しばらく凍結されていた年金の物価スライド制についても、2003年度には凍結をやめ、物価下落を反映させて給付の引き下げの実施をしようと塩川財務大臣は主張しております。物価下落幅については、総務省のことしの8月の速報によれば、平成12年の物価を100として、平成14年7月の実績は98.2と発表されております。また、さきに人事院が勧告した国家公務員の給与については2.03%の引き下げとされましたが、札幌市の人事委員会はさらに踏み込んで、2.06%の引き下げを勧告したと報道されています。物価が下がっているんだから、給与も下がって当然ということになるのでしょうか。

 専修大学の野口 旭教授は、「デフレが問題なのは、常に雇用と所得の減少と結びついているからだ」と述べております。函館経済の場合は、これまでも基幹産業が消滅し、経済が縮小する中でデフレの波にさらされて、さらに所得と雇用が縮小し、経済規模が追い打ちをかけて縮小するという、完全なデフレスパイラルに陥っていると言って過言ではないと思います。伊藤 元重東大教授は、「物価指数は、現実の物価上昇率より1%高目に出る傾向がある」と指摘なさっております。物価指数がマイナス2%であっても、現実の物価はマイナス3%になっている。デフレは貨幣の価値が上がりますが、それは同時に借金の重みが増すことを意味します。函館市の場合は、市債残高の認識をどのようにするか。これまでのインフレ時代は幾ら借り入れをしても、時間がたてば相対的に借り入れの負担は軽くなってまいりました。しかし今は、2%の物価指数の低下は借入金3%の増加に匹敵してまいります。市債残高2,000億円の函館市は、黙っていても60億円の市債増加に相当するわけであります。国と地方との長期債務の合計はおおむね800兆円と言われておりますが、その3%は24兆円になります。小泉首相が国債の新規発行額を30兆円に抑えたとしても焼け石に水でありまして、ムーディーズの国債格付が話題になっていますが、人ごとではありません。

 さて、現在市としては、函館圏総合計画を初めさまざまな計画を持っているわけですが、今日のデフレ傾向にある経済状況を考えたとき、従来の計画に沿った事業をそのまま実施していくことにはならないのではないでしょうか。各種計画の見直しについてどのように考えておられるか、お聞きをいたします。

 これまでの延長線上での考え方や対応の仕方では、到底対処はできない状況になるのではないかと思われますが、機構改革や職員定数について、また給与の削減についてもどのような御認識を持たれ、どのように対応なさるおつもりか、お示しをいただきたいと思います。

 高等教育機関の充実について伺います。

 未来大学が開学して、はや3年が過ぎようとしております。この間、未来大学が函館市民に与えた希望の大きさははかり知れないものがあります。4年生を迎えると同時に、大学院生を迎える準備も着々と進められていることを伺っておりますが、大変うれしく、心強く感じております。大学が、地域の発展と密接な関係にあることは今さら言うまでもありません。函館市は、独立した大学を持たずに発展した数少ない都市の一つだと思いますが、北洋漁業と連絡船、そして函館どつく、今その多くを失って衰退の浮き目を見ておりますが、翻って今や北海道第二の都市として発展している旭川市は、東海大学の芸術学部、旭川医科大学を昭和40年代に相次いで開学させています。単純な比較はできませんが、経済の大きな変化のうねりの中で、その変化にどう対応していくかという点で大きな差が生じているように思います。

 函館市では、北洋漁業が200海里で締め出された後、遠洋イカ流し網に活路を求めたものの、今度は公海流し網漁の規制によって壊滅的な打撃を受けました。どつくは、造船不況に加えて連絡船の廃止による定期点検の受注を失い、これも大きな痛手を受けています。一方、旭川では、芸術学部と繊維産業や家具木工産業が結びつき、また医大を軸にメディカル産業の立地が可能となり、時代の変化に対応しつつ経済基盤を守ってきております。大学が大きな役割を果たしています。こう考えますと、情報産業をリードし、大きく育てる可能性を持つ未来大に大学院を設置することは、非常に重要なことであります。大学院の研究棟については、厳しい財政状況の中でも思い切った投資をすべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 地域にある高等教育機関をより充実するためには、新設するほかに、それぞれの高等教育機関が施設を相互利用するとか、情報を共有したり、学習単位に互換性を持たせるなど、例えば最近発足をした大学コンソーシアム京都のように、大学間の垣根を越えて交流できる道を探ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 最後の質問になりますが、市町村合併についてであります。

 私は2月議会でも広域行政について質問をし、地域がそれぞれの特色を生かしながら、お互いに補完し合って発展すべきであるとの考えを述べました。初めに合併ありきでの議論はいかがなものかという声もありますが、現在議論されている合併特例法は平成17年3月31日が期限となっております。したがって、残った時間は余り多くはありません。

 函館市は、これまで昭和14年湯川町、昭和24年亀田町港地区、昭和41年銭亀沢村、昭和48年亀田市と合併をしてまいりました。振り返ってみて、函館にとっても合併された地域にとっても、合併はお互いの地域の発展をもたらしたのではないでしょうか。合併がおくれたことによる、そこから来る不都合が後々に尾を引いた事例は承知していますが、合併された地域が合併されずにいたら、今ごろどうなっていたか考えざるを得ません。

 私は、これまでの歴史を振り返ってみれば、迷うことはないと思います。現在のこの地域の財政状況を勘案すれば、近隣の町村も函館市も大同小異でありますし、国の同じ制度の中で地域づくりをしてきたのですから、起債残高はそれぞれ多額になっていて、デフレスパイラルの渦にのみ込まれる寸前にあると言って過言でないと思います。したがって、どのように力を合わせ、どのようなまちづくりを目指すのか、お互いに疑心暗鬼になることなく全体観に立って、率直にオープンに話し合いをする。集めた情報はすべて公開し、話し合いの模様も地域住民につまびらかにする。現在、順調にまちづくりが進んでいるように見える地域も、国の支援があってこそ進んできたのであり、今回の合併の方向性は、これまでのやり方が成り立たなくなることから合併をして規模の拡大を図り、それぞれの地域が自立する道を模索すべきであるという方向が示されているわけであります。

 函館市は、役所内に市町村合併研究会を設置したことが報道されましたが、これまでの経過と今後のスケジュールについて、特例法の期限との関係、第5次函館圏総合計画との整合性、合併のパターンを選択する基準、想定している合併のパターンなどについてお伺いをいたします。

 第1回目の質問は以上ですが、答弁によっては多少の再質問を用意しております。ありがとうございます。(拍手)



○議長(岩谷正信) 井上市長。

  (市長 井上 博司登壇)



◎市長(井上博司) ただいま中江議員から大綱4点御質問いただきましたので、順次お答えを申し上げます。

 まず大綱1点目、観光振興にかかわって何点かお尋ねでございますが、その1点目、景観形成指定建築物等の保全のためのインターネットの活用についてのお尋ねでございますが、景観形成指定建築物等の老朽化の進行や所有者の高齢化などにより、現所有者の一部には指定建築物等を維持・保全していくことが困難になっている状況がございまして、新たな所有者を見出すことについて、市に対して協力を求める事例も生じてきているところでございます。このため新たな試みとして、9月から市のホームページにこのような指定建築物等の紹介を行うこととしたもので、現在所有者から申し出のあった1件の指定建築物について掲載をしているところでございます。このホームページへのアクセス数を把握することは困難ではありますが、建築物の内部を見たいとの反応も直ちにあったところでございまして、一定の効果があるものと考えております。

 次に、指定建造物等に対する支援、保存策についてのお尋ねですが、景観形成指定建築物等や伝統的建造物といった指定建造物等については、外観修理や維持管理などへの補助金交付により、その保存・保全のための支援を行っているところでございますが、所有者の高齢化などにより、指定建造物等を取り巻く状況は年々厳しさを増しているところでございます。このため現在、函館市都市景観審議会に対して保全基準の運用緩和や補助制度のあり方等をテーマとして、保存・保全策について審議をお願いしているところでございます。また、市におきましても、市民との協働による指定建造物等の保全・活用を図る方策を検討するため、有識者や地域の景観に関心が高い方などによる研究会を発足し、意見交換を始めたところでございまして、これら審議会等の御意見を踏まえながら、指定建造物等の保存・保全策についての検討を深めてまいりたいと考えております。

 次は、街路灯の整備についてのお尋ねですが、西部地区での街路灯につきましては、国道等の改修にあわせ、道路管理者が逐次新しい照明灯に取りかえたほか、市といたしましても夜景のグレードアップ、また観光客の散策の利便向上のため、これまで412基の街路灯を整備してまいりました。中江議員御指摘のとおり、未整備箇所との照度──明るさですね、照度の差の解消については、観光面ばかりではなく防犯上の見地からも整備が必要と考えており、今後、全市的視野に立って道路の改修にあわせて推進をしていくほか、観光街路灯の設置エリアの拡大につきましても検討してまいりたいと存じます。

 次は、ウォーターフロント地区内の清掃についてのお尋ねですが、この地区の海面清掃につきましては、市の清掃船によりまして週2回定期的に行っておりますが、突発的な多量のじんかい等に対応するため、随時実施をしているところでもあります。また、臨港道路の清掃につきましては、定期的に職員が巡回し、必要に応じ路面清掃を委託により行っているほか、雑草の除去につきましても年4回実施をしております。今後ともこうした清掃活動の強化などにより、この地区の美観の保持に努めてまいりたいと考えております。

 次は、新しい土産品の創造を促す制度についてのお尋ねですが、観光土産品は、当市を訪れる観光客によい印象を与える要素もあり、観光のイメージアップを図る上で重要な役割を担うものと考えられます。このようなことから、土産品は地域特性を生かした物づくりの視点が重要であり、地元企業におきましては、各社が保有する加工技術をもとに、観光客のニーズをとらまえた新商品の開発に努めているところであります。市といたしましては、新商品開発に伴う各支援機関の活用や利用促進に努めているほか、函館圏の優良土産品推奨会の表彰事業を通じ、企業における新商品の開発意欲を喚起する取り組みを進めているところであります。いずれにいたしましても、新しい土産品の創造は、今後の函館観光の一層の飛躍に必要不可欠なものでありますことから、魅力ある商品の開発に努めてまいりたいと考えております。

 次に、伝統ある製品の宣揚などを目的に、後継者対策も含め、「函館老舗倶楽部」の創設をしたらどうか、そういうお尋ねでございますが、現在当市には創業100年以上の歴史のあるしにせは、函館商工会議所の商工名鑑によりますと30社ほどありまして、長い期間にわたって市民や観光客に親しまれている伝統ある店舗やブランドが存在をしております。業種の内訳といたしましては、多い順に、酒、たばこ、食料品店が7社、米穀店が3社、菓子店2社など、幅広い業種業態で構成をされ、客層もさまざまであることから、協働で活動する組織を設立することには難しい面がありますが、御提案の「老舗倶楽部」を組織して後継者対策などの課題について協議することは、協働意識の醸成につながるなど意義深いものでありますことから、市といたしましても「老舗倶楽部」創設について、関係機関や関係者の御意見をお聞きしてまいりたいと、このように考えているところでございます。

 次は、パッケージデザイン開発の支援についてのお尋ねでございますが、地域の企業におきましては、地域の特性に根差した商品の開発や高付加価値化に積極的に取り組んできており、それら商品を観光客等に受け入れてもらうためには、品質だけではなくてパッケージのデザインが非常に重要な要素であり、さらにその観光地の顔となる側面もあると認識をいたしております。このため市といたしましても、関連業界団体における函館ブランドの創出、パッケージデザイン開発事業への支援やデザインセミナー、デザイン相談の実施などを通じてデザインの振興に取り組んできたところであります。今後とも函館デザイン協議会や財団法人函館地域産業振興財団など、関係団体や関係機関との連携を密にしながらデザイン振興にかかわる施策展開を図り、地域のパッケージデザインのレベルアップに努めてまいりたいと考えております。

 次に、市役所や温泉通などに飾られている花卉の生産等についての御質問がございましたが、これにつきましては土木部長よりお答えをさせていただきます。

 次に、函館市民オーケストラとユジノ市の室内管弦楽団の定期演奏会についてのお尋ねがございましたが、函館市とユジノサハリンスク市は、中江議員も十分御承知のように、平成9年9月27日に姉妹都市提携をいたしまして、ことしで5周年を迎えますが、これまでも教育、文化、スポーツ等さまざまな分野で交流を進めてまいりました。今般、5周年事業とあわせてユジノサハリンスク市創建120周年記念式典に招待を受けまして、函館市民オーケストラの団員36名を含む訪問団を同市へ派遣したところでございますが、ユジノサハリンスク市室内管弦楽団と合同演奏会を開催し、満員の聴衆に大きな感動を与えることができ、このことは両市の交流のみならず、これからの日ロ両国の友好親善に大きく貢献する極めて有意義な事業であったと報告を受けております。

 昨年1月の函館での開催に続き、今回で2回目の合同演奏会であったわけでございますが、この成功を踏まえ、今後両市での定期的な開催に向けて両市のオーケストラ及び関係機関と協議をしてまいりたいと、このように考えております。

 非常に大反響であったというふうに認識をいたしております。

 次は、イベント開催、ペリーの来航150周年とか、いろいろと事例を挙げられてのお尋ねでございますが、各種の周年記念事業につきましては、一般的には歴史的な出来事をお祝いすると、そういう観点で実施されるものでございますが、私といたしましても中江議員と同様、周年記念事業を含めイベントの開催がもたらす地域への波及効果は大変大きいものであると認識をいたしておりますので、各部局に対しましては、常日ごろからイベントの開催を意識した諸事業の検討を指示しているところでございます。なお、一番近い周年事業としては平成16年のペリー提督来航150周年になりますが、これにつきましては、本年5月にペリー提督来航記念碑が建立されたことや関係都市での動きもございますので、今後記念事業について積極的に検討してまいりたいと考えております。

 次は、摩周丸の保存活用にかかわって何点かお尋ねでございますが、まず1点目は、基本理念についてのお尋ねでございます。

 青函連絡船は、北海道の産業振興と経済発展に大変大きく寄与してきた産業遺産であるとともに、多くの市民、道民の歴史的、文化的遺産であるという観点から、摩周丸を青函連絡船の歴史を伝える展示施設としてこれまで保存活用してきたものであり、今後ともこの考え方の基本は生かしていくべきであると考えております。また、摩周丸は既に重要な観光施設の一つとして函館港ウォーターフロントの象徴的施設となっておりますことから、今後とも、より多くの人々に親しまれる施設として活用が図られていく必要があると考えております。したがいまして、このような基本理念のもと、函館シーポートプラザの経営状況や現下の厳しい経済情勢などを総合的に勘案した結果、市が摩周丸を購入し公の施設として位置づけ、管理運営する中でその充実に努めていくことが望ましいと判断し、今回補正予算の計上をお願いしたところでございます。

 次に、摩周丸の購入金額についてのお尋ねでございますが、摩周丸は御案内のように自航能力のない展示施設であり、市場性が薄い特殊な物件であるため、取引事例法や収益還元法といった方法では価格の算定が困難でありますことから、1つには固定資産の簿価、それから2つには市の固定資産税の評価額、3つには鑑定機関による鑑定価格など、さまざまな角度から比較評価を行うとともに、一方では、今後購入する市の側に保存活用のための施設改修費や維持管理費の負担が生じてくることも念頭に置いて検討、協議を進めてまいりました。購入金額につきましては、一部市民の方から幾つかの意見も寄せられており、その都度考え方についての御説明をさせていただいてきておりますが、最終的には簿価を基本として、おおむねその半分以下が妥当と考え、函館シーポートプラザや筆頭株主でありますJR北海道と誠心誠意協議を行い、3億8,000万円と設定をしたものでありますので、御理解をいただきたいと存じます。

 次は、摩周丸の保存活用や運営についてのお尋ねでございますが、摩周丸の今後の保存活用に当たりましては、施設設備や展示資料の一層の充実を図りながらNPO法人など保存団体等との連携を強め、各種事業を拡充する中で、より魅力ある親しまれる施設づくりに努めてまいりたいと考えております。

 なお、現在未公開となっております部分の将来的な活用につきましては、検討のための一定の時間と資金が必要でありますので、まずは当面の措置として船体塗装や展示等のリニューアルを行い、その後広く市民や学識経験者の御意見を伺いながら取り組んでまいりたいと考えております。

 また、管理運営につきましては、摩周丸は社会教育施設、あるいは観光施設、港湾文化交流施設など、多面的要素を有しておりますことから、これらの施設機能をフルに発揮できるよう、各種施設管理の実績やイベント開催のノウハウを有する財団法人函館市文化・スポーツ振興財団へ利用料金制度により管理委託したいと考えております。

 次は、函館山要塞跡についてのお尋ねですが、昨年10月に土木遺産、そして歴史遺産として評価され、北海道遺産に選定された函館山要塞跡につきましては、このたび策定の函館山緑地整備計画におきまして、教育資源、観光資源として利活用可能な御殿山第1砲台など、5カ所の要塞跡を段階的に修復整備に取り組むこととしたところであります。また、要塞跡の修復整備に向けましては、これまでに4カ所について現況調査を実施しているほか、今年度はこのうち2カ所について劣化診断を予定しているところであります。いずれにいたしましても、函館の歴史を語る要塞跡の修復整備につきましては、今後におきましても着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次は、観光振興のための新組織の立ち上げについてのお尋ねですが、観光産業は本市経済への波及効果が大きいことから、基幹産業と位置づけられ、これまでも官民一体となって観光振興を図るなど、観光資源や施設、交通ネットワークや広域観光ルートの整備などに努めてきたところでございますが、今後さらなる観光産業の振興には新たな事業展開は不可欠と考えております。そのための組織につきましては、中江議員から御提案のありました改めて新しい組織を設置する方法もございますが、従来から観光振興の推進母体であります、そしてまた先導的役割を担っております函館国際観光コンベンション協会が最もふさわしい団体ではないかと考えております。したがいまして、今後とも同協会の組織強化のため積極的に支援していくとともに、官と民の役割分担をより明確にし、これまで以上に観光関係団体等と連携を深め、観光の振興に努めてまいりたいと考えております。

 次は、新幹線にかかわって、東北新幹線の八戸開業についてのお尋ねでございますが、首都圏や東北は当市の観光にとって重要な地域であり、これまでも観光関係団体とともに、観光客誘致のためさまざまな事業を展開してまいりました。このような中、本年12月東北新幹線の八戸までの延伸に伴い、JR北海道が八戸−函館間に新型特急電車スーパー白鳥を導入し、首都圏や東北からの旅行時間が大幅に短縮されることから、当市の観光にとって大きなチャンスと考え、各種の事業を計画しております。具体的には、JR北海道が11月上旬から実施する東京駅や大宮駅などでの観光キャラバンへの参画や、スーパー白鳥運行初日の出発式での協力のほか、市といたしましても東北新幹線の八戸開業にあわせ、東北並びに上越新幹線の全車両への観光宣伝ポスターの掲出や、観光協会など観光関係団体とともに旅行代理店訪問などを実施してまいる予定であります。この開業を観光客誘致の大きなばねとしてとらえ、今後におきましても観光振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次は、大綱2点目、行財政改革についてでございまして、その1点目、各種計画の見直しについて必要があるんじゃないか、そういうお尋ねですが、昨今の社会経済の状況を考えますと、デフレ傾向で推移をしており、経済・雇用情勢の先行きにつきましては依然として明るさが見えない状況にあり、また国と地方の関係の見直しなどから、地方財政につきましても一層厳しくなっていくものと考えております。したがいまして、各種計画に基づく事業の推進に当たりましては、今後の経済動向といった点を十分に見きわめながら、市民ニーズの把握はもとより、事業の重要性や緊急性、効果、財政見通しなどの観点から多面的に検討し、優先順位を判断し実施をしてまいりたいと考えております。

 次は、機構改革や職員削減などについてのお尋ねでございますが、組織機構や職員数、給与制度などについては、これまで不断に見直しを進めてきたところであり、現在も第3次行財政改革の中で取り組んでいるところでありますが、一方では、中江議員御指摘のように非常に厳しい財政状況がこのまま続くものと考えておりますので、これまで以上に人件費の抑制に向けた取り組みが必要であり、効率的な行政運営を図っていくための新たな手法を検討するなど、全力を挙げて行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。

 次は、大綱3点目、高等教育機関の充実について。

 1点目は、未来大学の大学院についてのお尋ねでございますが、公立はこだて未来大学は、未来志向の開かれた大学として平成12年4月に開学をして以来、当地域の学術研究拠点としての役割を積極的に果たしてきているところでございますが、高度情報社会の本格的な到来を迎え、より高度で専門性の高い人材の養成が急務の課題であるとの認識から、学部生が卒業する1年前の来年4月に大学院を設置することとし、本年6月文部科学省に認可申請の手続を行ったところであります。大学院では、現在の学部を基礎としたシステム情報科学研究科を設置し、創造性の高い人材の育成を目指すとともに、研究機能の高度化により企業との共同研究や受託研究など、産学連携をより積極的に推進することとしており、こうした教育研究機能に対応する研究棟の整備にも取り組んでいるところでございます。

 御指摘のとおり、厳しい財政状況の中ではありますが、広域連合を組織する近隣4町との緊密な連携を保ちながら、当市といたしましても、未来大学が今後ますます厳しさを増す大学間競争に勝ち残っていくための確固たる発展の基盤を築くため、鋭意取り組んでいく考えでございます。

 次は、地域の高等教育機関の連携についてのお尋ねでございますが、御案内のように、当市には北大水産学部、教育大学函館校、未来大学、函館大学、函館高専、函館短大、大谷短大、さらにはロシア極東大学函館校など多様な高等教育機関があり、人材の育成確保や産業・文化の振興などの面で広く重要な役割を担っております。

 開学3年目を迎えた未来大学の教授陣と学生の活動が地域の大きな風となり、影響と効果を与えておりますように、これからの地域社会の発展は、高等教育機関が中核的な役割を担い、教育、文化の向上はもとより、その学術振興や高度な研究成果の地域への還元によって支えられていくことになるものと考えております。そのためには、大学それぞれの付加価値や一層の魅力の向上が重要となってまいります。中江議員御指摘の大学の垣根を越えた交流ということを考えますと、学生の単位互換や教員の相互派遣、施設の相互利用、さらには共同研究といった役割を担う大学センター的な組織を立ち上げることが非常に有意義ではないかと考えているところでありまして、そういった観点で現在研究も進めているところでありますが、各大学とも連携をし、より具体的に検討を進めるように担当部に指示してまいりたいと考えております。

 次は最後、大綱4点目でございますが、市町村合併にかかわって何点かお尋ねでございます。

 まず1点目でございますが、庁内の合併研究会の経過と今後のスケジュールについてのお尋ねですが、市町村合併について庁内での検討を進めるため、この7月に市町村合併研究会を立ち上げて調査研究を進めているところであり、今後さらに検討を重ね、できるだけ早い時期にその結果を資料として取りまとめ、合併についての判断材料の一つとして市民に公表してまいりたいと考えております。また、渡島管内におきましても、この7月には北海道の合併パターンを基本にワーキンググループが設立され、当市はこのうち2つのグループにおいて座長を務めておりますので、これらとの連携を図りながら庁内における検討を進めてまいりたいと考えております。

 次は、合併特例法の期限との関係についてのお尋ねでございますが、現在の合併特例法は平成17年3月まで──平成16年度ですね、いっぱいですね──の10年間の時限法であり、自主的な合併を推進し、新たなまちづくりに資することを目的とするもので、財政支援措置などを含む各種の支援措置が盛り込まれております。いずれにいたしましても、市町村合併は、地域住民みずからが判断していくべき将来のまちづくりにかかわる極めて重要な事項でありますので、特例法に期限はありますが、あくまでも住民自治の観点から十分に議論を尽くし、総合的に判断して進められるべきものと考えております。

 次は、第5次函館圏総合計画と合併とのかかわりについてのお尋ねですが、当圏域におきましてはこれまで4次にわたり圏域として総合計画を策定してきたところでございます。第4次函館圏総合計画は、平成17年度までが計画期間でありますことから、現在次期計画のあり方について1市4町で協議を進めているところでありますが、今後合併にかかわる協議経過も踏まえながら新計画についての検討を進めてまいりたいと考えております。

 最後でございますが、合併のパターンについてのお尋ねでございます。

 現在検討が進められております合併パターンは、平成12年に北海道が策定した北海道市町村合併推進要綱におきまして、交通の利便性や日常生活圏の形成状況など、地域の結びつきの状況を考慮した上で、市町村が自主的に合併を検討する際に適当であると考えられる市町村の組み合わせとして示されたものであります。このうち、当市が含まれております2つの合併パターンは、1つは函館市、戸井町、恵山町、椴法華村、南茅部町の1市3町1村からなるパターンと、それからもう一つは函館市、上磯町、大野町、七飯町、戸井町の1市4町からなるパターンのこの2つでございまして、市といたしましては、庁内の市町村合併研究会や渡島でのワーキンググループにおいて調査研究を進めているところでございます。

 以上でございます。



○副議長(瀬尾保雄) 金山教育長。

  (教育長 金山 正智登壇)



◎教育長(金山正智) 中江議員からは大綱の1にかかわりまして、私どもへ2点御質問をいただいております。順次お答えいたします。

 まず、函館の観光振興にかかわりまして、建築物の修復、復元についてのお尋ねでありますが、西部地区の歴史的町並みの保存事業につきましては平成元年度から取り組んでおりますが、町並み保存は伝統的建造物の保存に限らず、地区内の一般建築物につきましても修景保存していくことは大切なことと考えております。こうしたことから、これまで一般建築物の所有者に対しましては保存の趣旨や修景事業の助成制度等を説明し、町並み保存に対する協力を働きかけておりまして、平成8年度に1物件、平成13年度に1物件、今年度は2物件の修景事業を行っております。中江議員の御指摘にもございますように、角地や丁字路などは町並みの景観形成上重要な構成要素となりますことから、今後とも所有者の理解と協力を得ながら、一般建築物の伝統的建造物風への修景事業に取り組んでまいりたいと考えております。

 次は、市民会館の改築にかかわってのお尋ねでありますが、市民会館は昭和45年7月に開館以来、舞台芸術の発展や鑑賞の場として市民に親しまれ利用されて三十有余年を経過しているものであります。この間、音響、照明設備や舞台、観客席などの改修を適宜行ってきているところでありますが、他市町村の最近オープンした施設と比較すると、楽屋が狭隘であったり舞台装置等が古くなってきていることは私どもも承知をしております。中江議員御指摘の点につきましては、今後検討すべき課題として受けとめさせていただきたいと存じます。

 以上でございます。



○副議長(瀬尾保雄) 大角水道局長。

  (水道局長 大角 幸雄登壇)



◎水道局長(大角幸雄) 大項目1、函館の観光振興につきまして、水道局に対して1つの御質問ありました。お答えをさせていただきます。

 熱帯植物園を活用して花にかかわる取り組みを行ってはどうかとのお尋ねでございます。

 私ども水道局といたしましては、熱帯植物園の経費節減などの健全経営に努めるとともに、温室内にある動植物の整理、入れかえ、再配置を行い、室内でもイベントなどを行えるようスペースの有効活用を図り、さらにちびっ子広場、水の広場、サル山等を含めた魅力ある施設となるよう努めてまいりたいと考えているところであります。また、ランなどの植物の愛好家やNPOの方々の御意見をお聞きしながら、魅力ある施設づくりの検討を行っているところでございます。したがいまして、中江議員御提言の花にかかわる取り組みにつきましては、今後の魅力ある施設づくりの中で生かしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



◎土木部長(木下修一) 大綱1、観光振興にかかわって、1点私から御答弁申し上げます。

 花卉の生産や調達についてのお尋ねでございますが、市民や観光客の目を楽しませるため、市役所のエントランスを初め、西部地区などに花卉の植栽をしておりますが、管理等につきましては、市が財団法人函館市住宅都市施設公社を通して地元の造園業者に発注しているところでございます。また、湯川温泉街につきましても、函館湯川温泉旅館協同組合が地元の造園業者に植栽や管理を委託しております。花卉等の原材料の調達につきましては、日ごろから請負業者に対し、地元資材の優先活用を指導しているところでございますが、今後におきましても、このような取り組みに努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



◆(中江捷二議員) おおむね考え方が一致しておるようでして、大変前向きな御答弁をちょうだいしてますので、何点か補足的にお話をさせていただきます。

 順序を逆にいたしまして、市町村合併の方から。

 せんだって新聞で発表がありました市町村合併、首長さんのアンケートということで出てございます。「合併は必要か」。函館井上 博司市長「必要」と明快にお答えでございます。恵山町長は「否定はしない」、南茅部町「必要」、その他鹿部町は「必要と思わない」とかいろいろあるんですけれども、合併は相手のあることですから、一人ではできませんので、やはり同じ方向で考えているところと、まず意見調整をするというところから始まるのかなと思います。ベストは、こういう合併がいいよと。しかし、事前の方向としてこういうパターンもいいのではないか、こんなことになろうかと思いますから、私としては戸井、恵山、椴法華、南茅部、函館という合併のパターンが一番現実的なのかなと。財政的に弱い地域ですから、一緒に抱えて力を合わせて発展していこうという呼びかけが重要だろうと。また、近隣の地域が力をつけていけば、当然それは函館の力にはね返るわけですから、まず南茅部町長さんとお話をしたらどうかというふうに御提言を申し上げます。

 それから次は、大学の件でございます。

 今回のユジノサハリンスクの訪問で、極東大学の1期生がサハリン大学の日本語教師として頑張っている、そういう姿に触れて本当にうれしく思いました。また、この10年間で本当に著しい勢いで発展をしているロシアの実態、こういったものに触れて、極東大学の将来性は非常に明るいし、大きいものがあるなと。今大変経営に苦しんでおりますから、支えていく我々も大変ですけれども、ぜひこれは大事にしていきたいなという思いを持って帰ってまいりました。したがって、大学間の提携については、別に極東大学だけではないんですけれども、特に極東大学のレベルアップのイメージが膨らんでいく、そういう側面も出てくるのかなということもあわせて、大学間の垣根を低くして全体がお互いに補完し合って、この地域の高等教育自体が高まっていくというような方向で支援をお願いしたいなというふうに思います。

 それから、行財政については、これまでにない新しい取り組みを考えているという市長の決意表明がございました。正直なところ、このデフレ傾向がこの後何年続くのか。インフレには天井ありませんけども、デフレは底がありますから、そんなに無限に続くはずもありませんし、しかしその行き着くところは極めて厳しい経済負担、あるいは急激なインフレということになるんだろうと。それがいつ来るかわかれば大変楽なんでございますが、なかなかそうもいきませんので、いろいろ考えているうちにどうしていいのか、私自身も質問していてわからないなと。しかし、言えることは、どんな事態が起こっても対応できる身軽な組織にしておく必要がある。それと、インフレが来れば借金は棒引きになるという、そういう不健全な考えもありますけれども、公的機関としては健全な財政運営に心がけて、なるべく他に負担を及ぼさない、そういう姿勢が必要だろうというふうに思います。

 いずれにしても地域と行政、地域は行政と住民が対立するのではなく、一体となって取り組める、そういう信頼関係をどう醸成していくかということが最大のポイントになろうかなというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。

 きょうのテーマの観光行政についてでございます。いろいろあるんですけども、もう全部申し上げる時間はありません。再質問も幾つか用意してますが、答弁の時間がもったいないので、私が全部使います。

 そういうことで、まずウォーターフロント地区の清掃の問題です。

 週2回海面の清掃を行うというふうに御答弁をいただきましたが、清掃したのは2日間ですから、あとの5日はごみが漂っていると、こういう実態にあることは港湾部長も承知していらっしゃると思います。臨港道路、これも年4回の除草ということですから、一般的な陸地は年2回しかやってませんので、力を入れていらっしゃるのはよくわかるんですけども、観光客は毎日年じゅう通るわけですから、その差はわからないで、刈り取る前はやっぱり雑草が生えているなと。雑草の陰には、必ず空き缶が転がっています。そういうようなことを考えれば、やはり他の地域と同じレベルで処理をしようということに無理がある。やっぱり特別な地域として、特別な管理をする必要があるのではないでしょうか。例えば、極端な例かもしれませんが、ディズニーランドのように、あるいはディズニーシーのように、やっぱり相当のお金をかけて観光地としてのレベルを確保する必要がある。費用負担は、だれが負担するかというのはまた別の問題になりますけれども、一般市民が全部負担するわけには当然まいらないと思いますが、何らかのシステムが必要ではないかと。そういうことも含めて、何か新しい補完的な組織が必要ではないかという、湯布院の例をとって御提言を申し上げたわけでございます。

 これは、実はその湯布院の観光協会が発行している出版物でございます。こっちの方は何カ月に1回か新聞のような形で出している出版物で、これは一冊に本の形にまとめて復刻したものです。こっちは年に1回とか2回とかというレベルで出している本ですけれども、タイトルが「湯布院観光カルテ」という表題、サブタイトルがついております。後の方になると「湯布院まちづくりノート」、こういう観光協会がどういう考え方でまちづくりに臨んでいるのか、これはむしろ地域内広報ですよね。関係の業界の方々や、あるいは住民の方々に、地域としてこういう観光地づくりを目指しているよ。ですから、こういうところで力をかしてほしい、あるいはみんなで力を合わせていこう、そういう呼びかけをしている出版物ですね。

 私どもいろいろ考えて、観光バスが目の前をどんどん通るガソリンスタンドの従業員が、作業の邪魔になるからバスを通らないようにしてくれと、まあ極端な話ですけどもね。ちょっと待ってくれと、あのバス、一回もお宅に給油に来たことないのかと言うたら、いや何回かあると言う。こういう自分の直接の事業とかかわりがあってすら、観光事業と自分たちの仕事のかかわりを理解できていない、そういう市民もいらっしゃるわけですから、そういう地域内広報というものがやっぱり我が地域に欠けていたなと。そういったものを、じゃだれが担当するのかとかいろいろ考えれば、今の体制では相当無理がかかってくるのではないかということも思いあわせて、提言をしたわけです。

 確かに、今ある組織がいろんなことになって頑張ってますから、そこに全部やらせればいいんじゃないかという考え方も一つはあります。冒頭に芸術論をちらっと申し上げましたけれども、芸術というのは、だれもイメージできないことを人より先にイメージをして形にして示すと。だから、初めて見た人はびっくりするけれども、だんだん見ているうちにそれが当たり前になって、有効なものだということが認識、評価されるようになると。したがって、私も、そういうないものをイメージしたのではなく先進的にできたものを見て、なるほどこういう組織があれば、函館の観光を推進していく上において非常に有効なパワーになるなというものを見て、触れてきたもんですから、それを御提案申し上げておると、こういうことですから、よく御検討をいただいてお考えをいただきたいなと。

 この出版物については、長野県の大町市なんかも、相当定期的に長い間地域内広報をなさっておられるようです。ぜひこの辺を御検討いただきたいと思います。

 ちょっと、まだ若干時間ありますので、あと2つほど申し上げます。

 1つは、花ですね。ユジノサハリンスクでは花屋さんがたくさんあちこちにありまして、事あるごとに花をプレゼントしたり、花を飾ったり、そういったことが行われておりまして、ことしの2月のときも申し上げましたけれども、本当に花が飾られると心が穏やかに潤うなと、この話をうちの娘にしましたら、いやお父さん、花よりだんごだと、現金かお菓子かの方がいいと、花は食べられないよ、こういう返事が返ってきまして、私は子育てに失敗したなというふうに反省をいたしております。そういうわけで、ぜひ植物園も一体となって、日本じゅうで一番花を愛している市民は函館市民だという評価が、日本じゅうで定着するぐらいにいけば、間違いなく日本一の観光地になれるだろうと、そういう思いを感じてまいりました。関係の皆さんに御努力をお願いしたいと思います。

 それから、要塞の跡について、ことしの春に富岡先生と一緒に散策をしながらいろいろ教えてもらいました。当時の要塞がいかに大変な存在であったか。大砲一つ撃つにも、大変な作業が兵士に求められていたというようなことも伺ってまいりました。そういったことがよくわかるような、そんなことをして守らなきゃならない武力というものが、当然この人間の社会から否定されるべきものの第一である、ということの象徴として残しても意味があるなというふうに感じましたので、実際の迫撃砲ですか、実物のモデルを設置するとか、そのときに使うはずだった、一発も撃たれてませんから、使うはずだった実物大の重さと大きさのある疑似砲弾を飾るとか、そういったことにまで及んでほしいなというふうに考えております。

 あと3分ありますのでもう一つだけ、長野県で、松本市で斉藤記念音楽祭というのがありまして、ここは毎年小澤 征爾がオーストリアから、あるいはボストンから飛んできてタクトを振るわけですね。非常にレベルの高い演奏会、音楽祭ですから、東京からわんさとお客さん、ファンも詰めかけるし、小澤 征爾のタクトを、中学生や高校生も一緒になって、そのタクトのもとで音楽を奏でる。非常にうらやましい、すばらしい音楽祭だなと思って拝見しました。そこまで至るには、我が町も相当時間も要するでしょうが、プロの交響楽団を持つのはちょっと無理かなと思いますけれども、セミプロのレベルまで何とか引き上げる可能性は、お互いこの町持っていますから、ぜひみんなで力を合わせて音楽の町としてもレベルを上げていただきたいな。総合的に非常にレベルの高い観光地函館、これを世界に売り込んでいきたいなと、こんな思いを持って今回の質問に立たせていただきました。

 1分有余残っていますが、これで私の質問を終わります。ありがとうございました。



○副議長(瀬尾保雄) これで中江 捷二議員の質問は終わりました。

 あらかじめ会議時間を延長いたします。

 この後、市制施行80周年記念ナイター議会を実施いたしますので、再開予定を午後6時とし、休憩いたします。

          午後4時41分休憩

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          午後6時01分再開



○議長(岩谷正信) これより会議を再開いたします。

 市制施行80周年記念ナイター議会を行います。

 休憩前の議事を継続し、一般質問を続けます。35番 桶本 建郎議員。

  (桶本 建郎議員登壇)(拍手)



◆(桶本建郎議員) 皆さんこんばんは。また、傍聴の皆さん、どうもありがとうございます。

 函館市制施行80周年を機に開催されたナイター議会に、第1番目のトップバッターとして登壇することを大変光栄に思います。

 この議会と同様に市制80周年を記念して、函館市ではいろいろな記念事業が開催されました。ペリー来航記念の銅像も建立されました。このペリーが来航して、函館が貿易港として江戸の鎖国以来、日本で初めて世界に向けて開港されたのです。それ以前の約50年前には高田屋 嘉兵衛が活躍し、ペリーが来航したときは、北海道の産物を本州に送る基地として、函館が港町として発展段階にありました。高田屋 嘉兵衛の活躍による国内商港としての発展と、対外開港による貿易港としての発展があり、函館市が市制を施行した80年前の函館を考えますと、それに加えて青函連絡船の比羅夫丸が函館−青森間に就航し、貨物桟橋ができて、函館が北海道の玄関として定着してきたころです。

 80年前、函館は内外からの出船入船でにぎわっておりました。昔の絵などを見ると、港のにぎわいは今以上です。北海道の玄関口の要素も加わり、約15万人の人口でしたけれども、北海道で第一、東北最大の港町でした。今観光資源としている歴史的な建物なども、このころの遺産があります。これまで函館の人々は港湾を利用した経済的収益を享受し、今に至っても、観光産業として港湾が育ててくれた産業遺産による恩恵を得て生活しているということができます。当時の経済が、孫子の代に当たる我々の世代を支えています。しかし、80年たった今、このような港による経済活動が衰退してきております。現在の函館経済の現況は、就職状況は悪化し、雇用の確保もままならない状態にあります。また、港の本来の機能である船の出入港の不振が、西部地区、函館経済へ影響しています。少子・高齢化や近隣町村への人口移動の減少も加わり、人口が年々減少しています。

 この港町函館に、ことし5月には港町公共埠頭の水深14メーター岸壁が10年間をかけた大工事で完成し、新たな一歩を踏み出しました。この港を生かし、函館の先人がしたように将来の子や孫に伝えて、まちづくりをしていく責務があると考えています。

 国は昨年、新世紀港湾ビジョン懇談会により新世紀港湾ビジョン「暮らしを海と世界に結ぶみなとビジョン」という施策をつくりました。これからの港づくりは、これまでの港の考えと違うということを示しています。経済のグローバル化が進み、アジア地域の輸送が国内での輸送と連絡し準国内化する。いわば国内と同じようになるということです。港を介した国際輸送に国内輸送並みのITを活用したジャスト・イン・タイム輸送など、スピード化とコスト削減を強く求め、輸入製品と国内製品の詰め合わせや、さまざまな流通・加工等の高機能化した港が求められています。

 これまでの日本の港は工業製品を輸出する港でしたから、自動車、鉄鋼、電化製品などの工場の近くでした。ところが、今や工場はフィリピン、中国など、アジア各地で行われ、日本では製品の輸入、最終仕上げ、組み立て、国内流通の前の一時保管での港の役割が大きくなっています。新しい港では、工業生産よりも商品の卸売・流通への分別等の商業化が進むものと思われます。海上交通と陸上交通の結節点が港であります。海と港を使ったグローバリゼーションの中で、海外とつながる地域の活性化が期待されることになります。このような港がつくられるとき、港が函館の町を象徴する言葉となり、産業的波及効果は関連の港湾産業ばかりではなく、人を引きつける効果は大きいと言えます。

 私は函館の将来を考えたとき、経済活動を現在よりも拡大させていく要素を持つものは港の活用しかないと考えています。市制80周年のこの時期に、また水深14メーターの大型岸壁が完成した中で、これからの港の計画について市長にお聞きいたします。

 これからの函館港や港町埠頭のビジョンづくりが必要ではないか、とりわけ産業政策の中で港の果たす役割についてのお考えと将来的展望をお聞かせください。

 今後、来年には水深12メーター岸壁が完成後、10メーター岸壁2バースの建設が予定されています。これによって港町公共岸壁が完成するのですが、国の財政状況を見ると厳しい中での次期計画での課題と思いますが、今後の見通しや必要性についてどう考えているか、お知らせください。

 また、その次には若松町に旅客船埠頭の建設計画もあります。この計画がこのまま進んでいくのかどうか、今後の計画についてお知らせください。

 港湾整備に当たっては、国費の部分が多い公共事業として推進しているのですが、将来のまちづくりにとって、経済効果、市民生活とのかかわりなど、一層の市民理解を得る必要があると思いますが、どのようなことを考えているのか、お知らせください。

 ことし5月から港町大型公共岸壁が供用開始され、新鋭の船の横から車が出入りできるRORO船や大型旅客船、南極の調査研究を支援する砕氷艦などが入港し、貨物の積みおろし、旅客船の送迎、見学など、実際に利用が始まりました。利用した港湾業者の方や見学に訪れた方から感想が寄せられています。函館山が目の前に見える大型の埠頭で、その広さに期待が広がっている反面、例えば港町公共埠頭に行くには、東日本フェリーのところまで行かなければ港に入れず、砕氷艦しらせの見学や大型クルージング船ふじ丸の送迎では、一般の市民の方が道がわからなくて混乱していました。大型船からの貨物の積みおろしの後、冷蔵倉庫などとのアクセスも遠回りになっています。大型船から貨物を計量する施設などや上屋もまだありません。現在既に指摘されている利便性の不足にどのように対応するか、お知らせください。

 海上輸送では、生産、流通、消費がグローバルに行われているために、大型化とともにコンテナ化が急速に進んでいます。コンテナ荷役設備がない港はこのような国際物流の経路から外され、コンテナ施設のある港に船の入出港が集中してきています。津軽海峡はアジアとアメリカ大陸を結ぶ最短距離にある国際海峡として、大森浜や函館山からもコンテナを満載した大型のコンテナ船が航行しているのが見えます。また、台風などの荒天を回避して湾内に停泊するコンテナ船も見ることがあります。しかし、このようなコンテナ船は、函館に入らずにそのまま通過してしまいます。ことしの水深14メーター岸壁の完成に続いて、来年には水深12メーター岸壁の整備が予想され、ことしの予算でコンテナ用クレーンの設計が計上されておりますが、コンテナ荷役施設やコンテナヤードは、港利用を図る上で最も急ぐべき施設ですが、計画するコンテナヤードの内容とスケジュールをお知らせください。また、その運営はどのようになるのか、お知らせください。

 完成した長さ28メーター、水深14メーター岸壁、それに続くほぼ完成している水深12メーターの長さ240メートルの岸壁の手前には、約8ヘクタールの広々とした港湾関連用地が広がっています。この岸壁の後背地の利用について、どのような利用策を考えているか、お知らせください。

 砕氷艦しらせの艦内開放やふじ丸、クリスタルハーモニーの送迎、花火大会の観覧などで、次第に市民にも開放された場所として、市民にも親しまれた場所となりつつありますが、このようなことに配慮して、どのような整備を行う予定なのかをお知らせください。

 函館市ではことし4月より、国際貿易・港湾振興プロジェクト推進室を開設いたしました。市民の方にはなかなかわかりにくい組織だと思いますが、現在の業務内容はどのようなものか、お知らせください。

 これを発展させて産業貿易振興公社を設立するお考えと聞きますが、どのようなものとなるのか、お知らせください。

 昨年までは港湾部の中のポートセールスでしたが、これまでの成果とこれからのターゲットについてお知らせください。

 中でも、サハリンプロジェクトとの対応、貿易比重の増している中国との関係についてお知らせください。

 摩周丸について、これまで何回か議論をさせていただいております。今議会に補正予算の提案もあります。青函連絡船比羅夫丸が1908年就航、1924年に翔鳳丸により高速が図られ、鉄道桟橋ができ、貨車が連絡船に積み込まれて運航を開始し、函館が北海道の玄関となりました。物資の移動、人の移動が函館を通過して行われることにより函館市が発展し、函館市の歴史は青函連絡船の歴史と言っても過言ではありません。今市が3億8,000万で購入するのを前提として、市が融資した5億円を返還する。その5億円を利用して3億8,000万で摩周丸を購入して、さらに維持保存に充てるという方針でいます。一方でシーポートプラザ社を倒産させ、その後、競売なり寄附なりで摩周丸を取得するという考えがあります。融資した5億円を債権として回収するのを困難にさせ、そのような方法にすることによって、市の損失は大きくなるということになると思います。今回の措置は、結果として市の財政負担を軽くし、苦労した結果のやむを得ない選択でなかったのはないかと判断いたします。市長のこれまでの経過への感想とこれからの決意をお示しください。

 しかし、摩周丸を係留保存するに当たっては、長期的に市の財政負担に任せてしまうのではないかという疑問が投げかけられています。私は集客さえよければ、歴史的産業遺産、港湾の景観維持のための観光資源として維持存続は可能と考えておりますが、集客についてのお考えをお示しください。

 私の質問はこれで終わりますが、答弁によりましては再質問の用意があることを通告して、質問を終わります。(拍手)



○議長(岩谷正信) 井上市長。

  (市長 井上 博司登壇)



◎市長(井上博司) ただいま桶本議員から大綱1点、中項目で4点御質問がございました。順次お答えを申し上げます。

 まず大綱1点目、函館の将来と港の政策にかかわって、港の果たす役割についての認識と将来展望についてのお尋ねですが、御承知のように、函館は安政6年──1859年の開港以来、幾多の変遷を経ながらも港とともに振興発展を遂げてきたと、そういった歴史を有しておりまして、今日におきましても函館港は、地域の産業や経済活動を支える物流拠点として大きな役割を担っているものと、このように認識をいたしております。

 また、その将来展望につきましては、近年の船舶の大型化、あるいはコンテナ化に対応するため、現在港町大型公共埠頭を整備しておりますが、今後施設基盤の整備とともに、後背地の産業活動と連携をしたコンテナ定期航路開設へ向けた取り組みなど、一層の港湾利用の促進を図ることが重要であると、このように考えておりまして、私としてはこうした取り組みによって、将来とも人や物が行き交い、多様な活動が営まれる港として、当港が道南圏の物流や地域経済の活性化に大きく貢献していけるものと、このように考えております。

 次は、港町埠頭や大型旅客船埠頭についてのお尋ねですが、港町埠頭全体計画の中の水深10メートル岸壁につきましては、本年5月に供用開始をいたしました水深14メーター岸壁と平成15年度に供用開始を予定しております水深12メートル岸壁の利用状況や経済情勢を見きわめた上で、整備を進めてまいりたいと考えております。

 また、大型旅客船埠頭につきましては、平成3年策定の港湾計画に盛り込まれておりますが、現在未着手になっております。私といたしましては、国際観光都市函館にふさわしい客船専用埠頭を実現したい施設と考えておりまして、次期港湾計画改訂に当たりまして、今後入港が見込まれる旅客船の動向や函館駅周辺整備事業との整合性などを踏まえ、規模や水深について見直しを図り、検討してまいりたいと考えております。

 次に、港の整備に当たって市民理解についてのお尋ねですが、市民の理解を得る必要があるんではないかと、そういった趣旨でございますが、港の整備に当たりましては、港の重要性、経済性、これを広く市民にPRする機会を設けることは大切であると考えておりまして、これまで港湾要覧や函館港統計年報を通じ市民PRに努めているところであります。現在、平成17年を目途に港湾計画改訂作業を進めておりますが、この中で専門家や学識経験者による長期構想検討委員会、これは年明けの平成15年1月設ける予定ですが、これを設けまして未来の函館港の姿を検討していくこととしており、この長期構想の検討に当たりまして、市民に参加をいただき将来の函館港について一緒に考えていただくことが、港の整備に関する認識を新たにしていただくよい機会ではないかと、このように考えております。いずれにいたしましても、今後も函館市のホームページや広報紙などを通じて市民にわかりすい形で港湾整備についてお知らせするなど、PRに努めてまいりたいと考えております。

 次に、港町埠頭にかかわってアクセスに関するお尋ねですが、港町埠頭へのアクセスにつきましては、現在湾岸道路2工区の整備に取り組んでいるところでありますが、水深14メートル岸壁の供用開始にあわせ、埠頭入り口から臨港橋手前までの約600メートルの区間を整備し、国道227号につなげたところであります。引き続きまして東日本フェリー前を通り、上磯町方向へ抜け、国道227号と国道228号の交差点へ結節する区間について、用地買収や移転補償などの問題を解決しながら整備を先行することとしており、その後JR貨物線の横断箇所の整備を進めていくこととしております。JR貨物線というのは有川線ですね。全区間の整備完了までにはしばらくの時間を要するものと考えておりますが、交通渋滞の緩和や港湾物流機能の向上のため、函館開発建設部とも連携を図りながら、できるだけ早い完成に向けて努力したいと考えております。

 次は、港町埠頭のコンテナヤードの整備についてのお尋ねですが、港町大型公共埠頭の諸施設につきましては、一般貨物の利用のほか、コンテナ定期航路の誘致を考えておりますので、コンテナを一時的に保管するコンテナヤードや大型荷役機械、リーファーコンセント、これは冷凍用の電源設備でございますが、それら。それからまた、保税地域を区分するフェンスなどの基盤整備が必要となるものでございます。これらの整備につきましては、今年度大型荷役機械の設計に関する業務を行うとともに、現在進めております貨物量の動向調査、またコンテナ定期航路開設の可能性などを見きわめながら施設の整備を進めてまいりたいと考えております。さらに、運営形態につきましては、施設を効率的に運営するため、経済界や港湾業界、荷主等を出資者とした第三セクター、これが望ましいものと考えて、現在検討を行っているところでございます。

 次は、港湾関連用地の利用策についてのお尋ねですが、現在整備を行っております港町埠頭中央部に位置をいたします港湾関連用地約8ヘクタールは、平成6年度から埋め立て工事に着手をし、その後液状化対策のための地盤改良工事や用地内から臨港道路へのアクセス道路の整備を行い、平成14年度末には整備が完了する予定であります。この用地は、倉庫、水産及び木材等関連の用地として関係業者への売却を目的に整備をされており、木材業や倉庫業の港湾関係産業が本埠頭に立地することにより、前面岸壁での荷揚げから流通・加工までの一括した効率のよい事業活動が行え、多彩な事業展開が可能であると考えております。このため、今後ポートセールス等でこれらの企業への積極的な誘致活動を行い、用地の有効利用を図ってまいりたいと考えております。

 次は、港町埠頭に関連をして、市民に配慮した休憩施設などの整備が必要ではないか、そういうお尋ねでございますが、本年度函館港に入港した客船などのうち、水深、船の長さ、それから背後地などの制約から、西埠頭などの既存埠頭を利用できない3隻が港町埠頭を利用しており、その際に見学に多くの市民が訪れ、入出港のイベントを盛り上げるなど、市民の港への関心が強く印象づけられたところであります。

 桶本議員から砕氷船のお話、しらせですね、それから最近ではふじ丸、そういったお話もございまして、非常に利用もされているという状況でございます。今後とも客船につきましては港町埠頭に接岸する機会がふえて、市民の見学もふえると、このように思いますので、今後計画している緑地整備の中で市民の方にも利用していただける休憩施設の配置、これらを検討していきたいと考えております。

 次は、「国際貿易・港湾振興プロジェクト推進室」の取り組みと産業貿易振興公社の構想についてのお尋ねでございますが、ことしの4月に立ち上げました国際貿易・港湾振興プロジェクト推進室では、地域経済の活性化を目標として、地域物流の一端を担い、産業支援や対外貿易などを展開する新組織の設立に向けて現在鋭意調査研究に取り組んでいるところであります。これまで道南圏域の主な企業を対象にアンケートやヒアリング調査を行い、物流の実態把握やコンテナ航路開設に向けた基礎データを収集してきたほか、国内の先進港の調査や各般にわたる資料収集を行い、港町埠頭の活用方策を初め、物流や貿易などを通した地域全体の産業振興方策について検討を進めております。産業貿易振興公社につきましても、この中で貿易支援や販路拡大、サハリンプロジェクトなどの貿易ビジネスを実践する具体的な活動体として検討しているところであり、今後基本的な考え方や新しい組織の形態、規模、収支計画についても検討を深め、経済界や港湾業界など関係団体と十分協議を進め、一定の考え方を取りまとめてまいりたいと考えております。

 次は、ポートセールスの成果と目標についてでございますが、ポートセールスにつきましては、平成13年度までに在京商社、それから大手企業、船社──船会社ですね──などを対象に122社、延べにいたしまして224回の要請活動を官民一体となって実施をしてきたところであり、これまで冷凍水産物や風力発電機材の荷揚げ、大型観光客船の寄港など、一定の成果があったものと考えております。しかしながら、今日物流システムは大きく変化してきておりますので、ポートセールス活動についてもさらなる工夫が必要と考えているところでありまして、これまでの商社、船会社主体の活動に加え、コストやサービスの提示など、函館港利用のメリットを強調した具体的なポートセールスを道南圏域の荷主にも積極的に行って足元を固めていくほか、将来を見通し、近隣諸国との貿易を視野に入れた取り組みも行ってまいりたいと考えております。また、一定の寄港実績のある観光客船についても、これらにあわせ函館観光を最大限に売り込みながら、誘致に努めてまいりたいと考えております。

 次は、ポートセールスにかかわって、サハリンプロジェクト及び中国との関係についてのお尋ねでございますが、サハリンプロジェクトにつきましては、サハリン1、サハリン2ともに本格開発を目前にしており、これにかかわって今後膨大な資材や工事発注が見込まれ、世界各地から大量の物資等がサハリンに集まることが想定されます。このような状況を踏まえ、市といたしましても空港はもとより、函館港がこれら物資の中継・保管・輸送基地として大いに利用されるよう、これまで培ってきた実績、ノウハウを最大限に活用しながら、オイルメジャーや関係企業等を対象としたポートセールスに力を注いでいく考えであります。

 また、中国につきましては、道南圏域の主な企業を対象として今回実施したアンケートやヒアリング調査の結果におきまして、韓国を経由した中国からの貨物も多く見受けられますので、将来における可能性を十分有していると思われます。今後天津市を初め、中国主要港の物流関係につきましても、ポートセールスの手法も含め、調査研究を深めてまいりたいと考えております。

 次は、摩周丸にかかわって2点お尋ねでございますが、まず摩周丸買い取りの経過にかかわってのお尋ねですが、摩周丸は、昭和60年前後の青函連絡船存続の市民運動や船の存続に対する市民の要望を受けて、函館市、商工会議所など関係団体がJR北海道に筆頭株主をお願いをして第三セクターの函館シーポートプラザを設立して、展示施設として保存活用されてきたものでございます。その後厳しい経営状況の中で、平成8年には市とJR北海道からの融資を受けて再建計画による立て直しが行われてきましたが、なお極めて厳しい経営状況が続いたことから、市に対して摩周丸買い取りの要請があったものであります。私といたしましては、摩周丸は、本州と北海道を結んでいた青函連絡船の歴史を刻む歴史的、文化的な産業遺産であるとともに、函館港ウォーターフロントの観光資源の一つであることから、そしてまた、とりわけ、かつて青函連絡船の基地であった函館からその姿をなくするわけにはいかないと、このように考えて、これまでの経過を踏まえ、市が購入し公の施設として保存活用することが最善であると、このように考えたところでございます。

 それから、御質問の中で融資をした5億円を使って買い取るというお話がありましたが、融資はそのまま返していただく。そして今購入は起債を中心に買い取るということでございまして、貸したお金で買うということではございませんので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

 それから最後でございますが、摩周丸の集客対策についてのお尋ねでございますが、市が購入した公共施設として再生する摩周丸につきましては、市民や観光客に親しまれ、魅力ある施設とするために、船体等の施設整備や関係機関へのPR、それから各種事業の開催などに積極的に取り組むとともに、できる限り経費の節減に努め、効率的な運営を図ってまいりたいと、このように考えております。具体的に申し上げますと、入館者の増加対策といたしましては、船体の全面的な塗装改修、それから展示のリニューアルを行うとともに、委託を予定しております函館市文化・スポーツ振興財団が運営している公会堂など、西部地区の施設等と一体となったPR活動を進めるほか、同財団やNPO法人「語りつぐ青函連絡船の会」による各種事業の開催などによりまして、多くの入館者が楽しみ、学習できる施設としていきたいと、このように考えているところでございます。

 以上でございます。



◆(桶本建郎議員) 私に対する答弁、どうもありがとうございました。

 市長は、函館だけじゃなく道南の経済にとっても、港の活性化が地域経済にとって重要な事業であるという見解をお示しくださいました。さらに経済情勢を見た上で、水深10メーター岸壁についてはこれから推進するというお答えであります。その次の整備計画である客船埠頭については、規模、水深などの見直しを図った上で推進するというお答えでよかったと思います。

 それで、ビジョンづくりについては、「仮称長期構想検討委員会」を来年1月に設置していくという方針をお示しくださいました。私は、函館市が国際海峡である津軽海峡の真ん中にあり、高田屋 嘉兵衛やペリーと同じような考えで、日本の地理から見ても世界の地理から見ても、船による交流には最適な場所にあると考えて、港湾利用の推進には大いに期待しているものです。人間がその才能を十分に生かしていくことが大事なように、都市も、その持った特性を十分に生かすことが都市発展にとって大事なことと思っています。新しくできた港町公共埠頭、そしてこれからつくられる函館港の全体ビジョンは、古い考えにとらわれない、21世紀にふさわしい港とすることが大事かと思います。「仮称長期構想検討委員会」については、国においても国土交通省が新世紀港湾ビジョン研究会を設置して新世紀の港湾ビジョンを策定しています。暮らしを海と世界に結ぶみなとビジョンをつくり、その中で物流高度化等を目指した、物流空間であるネットワークをつくって港湾新生を目指し、産業への寄与をうたっています。しかしながら、この中で、港は産業だけでなくて国際集客産業であるとか、海水や海の空気、海の気候が病気の治療にもいいと、いやし効果があるということですね、それを海洋療法──タラソテラピーというそうです。このような港湾空間の形成ですとか、国土的な緊急防災空間としての港、そして海洋文化をはぐくむ港など、広い考えで港のビジョンをつくることを提案しています。物流だけにとらわれない範囲での、広い考えをまとめていくことになると思いますけれども、港町埠頭の活用ですとか周遊道路一つをとっても、近隣町との協力を考えなければならないと思います。また、幅広い地域的な海洋空間、それから港湾空間の中でさらに自然であるとか環境を考えた場合には、どうしても近隣町との構想が、一緒になった構想が大事だというふうに思って、市民の方にも入っていただくということが大変いいことだと思いますけれども、近隣町村も含めた広域的なビジョン策定を考えていくことがいいのではないか。これが市町村合併への牽引というようなことにもなると思いますので、ぜひ広域的な近隣町村とのいわゆるビジョン策定ということも念頭に入れていただきたいと思います。

 このように、港湾が函館市の未来をつくる大きな要素になり、計画を市民と皆様にも理解していただかねばならないというお考えですが、お答えによりますと、市のホームページや広報紙などでPRに努めるということです。私は横浜で行われた「みなとみらい21計画」の推進の状況を見てまいりましたけれども、ビデオなどの視聴覚や駅や東京など他都市での港の模型やパネルの展示など、市民だけじゃなくて他都市や観光客にも、港づくり、まちづくりをPRしておりました。ホームページや広報紙などによるものは当然としても、市民にも、そして次代を担う子供たちにもわかりやすいものとして、またポートセールスなどにも利用できて、協力していただかなければならない道や国にもアピールできるビデオ、CD−ROM、立体模型などの方法も活用した方がいいのではないかと思います。また、港の発展が実現可能な夢として、一人一人がまちづくりに参加する方法としてもぜひ取り入れてほしいと思いますので、お考えをお知らせください。

 港町埠頭への道路アクセスについては、最も急ぐべき課題です。改めて早期の解決をお願いいたします。また、トラックスケールや上屋など関連施設の整備、また市民が港を楽しめる整備もあわせてお願いいたします。

 コンテナヤードにつきましては、これがないと満足なポートセールスができないという状態です。船が先か、設備が先かということもありますけれども、今ある程度の市内へのコンテナ利用が把握できているというお答えがいただけました。これらの利用を基礎として拡大していくことは可能かと存じます。来年の水深12メーター埠頭が完成した時期からなるべく近い時期に稼働できるように、ぜひ体制づくりの推進をお願いいたします。

 次に、国際貿易・港湾振興プロジェクト推進室についてお答えいただきました。港湾整備というハードに対する国際貿易・港湾利用の促進というソフト面での措置で、政策上の効果を大いに期待しているものです。函館市内や国内での調査を行い、ポートセールスでも成果を上げているということですが、港町埠頭の性格を見ると、大型の外国貿易船やコンテナ船への対応したものと見ることができ、さらにフェリーやトラック、内航船へとつなぐ用途が考えられます。また、船の誘致や背後地の利用についても、国内だけでなく外国船社や外国資本などへのアプローチも大切になってくるのではないかというふうに思っています。とすれば直接外国の都市や企業への調査、交流が必要になると思いますので、外国に精通し、また語学にも堪能である国際交流課などとも連携したものが必要になってくるのではないか。国際交流課なども産業情報の収集であるとか、外国産業との交流にも目を向けた活動をしていただくようにお願いいたします。

 先日は市の代表団と一緒にユジノサハリンスクを訪問し、私も関連団体の一員として同行いたしました。サハリンの経済の状態をかいま見たわけですけれども、非常に落ちついてきているのかなというふうに思っておりました。そしてまた、自由的な経済も、小規模ではありますが発展してきている。そして目立つのは、サハリン1、サハリン2に関する天然ガス開発事業であるサハリンエナジーの社屋が大変新しく、近代的なふうに建っておりまして、そこで働く人たちも大変明るいというか、活発な動きをしているのを見てまいりました。

 聞くところによると、これらの企業から極東貿易協同組合の受注というのが非常に順調であり、来年には倍ぐらいの成果を上げるというようなことも聞いておりますので、一層の取り組みを進めていただきたいというふうに要望いたします。

 また、中国の我が国への貿易依存が高まっています。世界の工場と言われるようになった中国からの輸入が、軽工業品や食品が今まで主だったんですけれども、これからは工業品まで拡大して、電子機器であるとか二輪車、あるいは車までも中国でつくって国内に輸入するというようなことに進んでいくというふうな経済情勢になっています。中国からの貨物は、ハブ港である韓国の釜山市を経由してきたものが多いというのは事実でありますけれども、もう函館は津軽海峡の真ん中にあるんですから、函館がハブ港になるというような意気込みで直接中国等にコンタクトして、直接航路が開設できないかというようなことまでも調査研究をしていただきたいなというふうに要望いたします。

 連絡船摩周丸について、これまで函館の中心にあって、港町であることを証言してくれておりました。テレビを見てもポスターを見ても、函館の中心には摩周丸が座っていると。本当にランドマークと言っていい役割を長年してくれたわけで、今これを外すということは、市民にとっても非常に心痛むものではないかと思います。これまで経過については残念なところも多かったのですけれども、港の歴史と海洋の文化を、世紀を超えて伝えてくれるものとして大切にしていきたいものと思います。今回の決断には市長に敬意を表したいと思います。

 このような摩周丸であるからこそ、多くの方に見ていただきたい。また、長期的に維持していくためには市からの持ち出しは少なく、あるいは全くなくしたいというのが私の考えであります。これまでの宣伝企画などの方法を見直して、積極的な施策をお願いしたいと思います。これまで海事広報協会など、国の機関との企画面での協力について検討してくれるようお願いしてまいりましたけれども、集客や利用については函館山ロープウェイとか空港ビルなど関連の第三セクターとも協力して、一人でも多くのお客さんを連絡船に呼んでいただきたいというふうにお願いいたしたい。それに対して見解をお願いしたいと、お聞かせください。



◎市長(井上博司) ただいま桶本議員から再質問2点いただきまして、1点目は、港湾計画と市民理解といいますか、そういった趣旨で、事例も挙げられてお話がございました。ビデオの活用ですとか、それからホームページ、あるいは観光客も対象にするとか、さらに近隣町も含めた広域的な意見聴取、そういった趣旨でのお話だったと思いますが、次の港湾計画の策定が、恐らく平成17年度までには次の計画をつくるということになります。18年度スタートでございますから、その計画策定の中で将来の函館港のビジョン、これもつくることになりますんで、いろいろと御提言の趣旨を踏まえまして、どういった方法がよいのか十分検討してまいりたいと、このように考えております。

 観光客については、また別な視点でPRというんですかね、そういうことを考えることも大事でないかなというふうに思います。いずれにしても、トータルでよく検討させていただきたいと思います。

 それから2点目、摩周丸にかかわって、他の観光機関との連携協力、こういうことのお尋ねですけども、おっしゃるとおり、摩周丸には一人でも多くの人を集め、にぎわいをもたらす、そういうことが大事ですから、他の観光施設との連携も重要と、このように考えておりまして、まずは函館市文化・スポーツ振興財団、ここに管理委託をしてスタートしたいと考えておりますが、御提言もございますし、同財団とも協議をしながら、どういった方法があるのか、よく今後に向けて検討させていただきたいと、このように考えております。よろしくお願いいたします。



◆(桶本建郎議員) 御答弁どうもありがとうございました。

 時間もあと少しなんですけれども、函館に生まれた者として、函館の港の将来が大変心配でございます。ただ、函館の港に生まれた者は、また港を夢として生きているのではないかというふうに思っております。きょうもワールドディスカバラーという船が西浜に入港いたしました。私もたこを持っていって歓迎をしてきたんですけれども、このような風景を見ることができるのは港町だけだと思います。また、このような外国から、きょうはアメリカとドイツからの人たちが130人来たんですけれども、このような人たちと会えるのも、港があるからこそというふうに思っています。

 港をつくるというのは大変なことなんですけれども、今国の方も少し変わってきています。運輸省と建設省が一つになって国土交通省というものになりました。一つの道として、一つの機関としての港と道路を考えるというふうになっています。また、昨年出た「暮らしを海と世界に結ぶみなとビジョン」は、これは副題として「国と地域のパートナーシップによるみなとづくり」という、副題をこのように書いております。これについては先ほど申しましたように、大変広い範囲での港づくり、そして市民と一体となった港づくりが大変大事だということが言われていますので、これまでいわゆる官による公共事業であった港づくりも、市民との協働による、住民との協働による公共事業という性格が出てくるのではないかというふうに思いますので、地域の方のいわゆる思いというのが港に反映されるのではないかなというふうに思っています。

 私は、大分前の頃になるんですけども、横浜に旅行しまして、横浜の議会の副議長さんとお話しすることがありました。その中で、飲んだときの話なんですけれども、函館と長崎と横浜は、日本の港の親みたいなもんだと。歴史が一番古い、親みたいなもんだから、国に対しても、ほかの港に対しても、どんどんどんどん自信を持って港のことについて訴えるべきだということを言ってくださいました。市長もこのような歴史ある港の首長でございますので、自信を持って、誇りを持ってこれから港の政策を進めていただきたいというふうに思います。

 私の質問を終わります。(拍手)



○議長(岩谷正信) これをもちまして桶本 建郎議員の質問は終わりました。

 次に、25番 能登谷 公議員。

  (能登谷 公議員登壇)(拍手)



◆(能登谷公議員) 記念すべきナイター議会に当たり、さきに通告しました大綱2点について市長にお伺いいたしたいと思います。

 大綱第1点、基幹交通体系の現状と課題について。

 平成12年12月に整備区間の指定を受けた地域高規格道路函館新外環状道路、一般国道278号、空港道路は、華々しかった整備区間昇格のセレモニー後は建設のつち音も聞かれず、市民の話題からも遠のき、一体どうなったのかという声すら聞こえます。担当部局では、市民の目にとまらない新外環状道路建設にかかわる環境影響評価手続に向けたいろいろ地道な作業が行われているものと推測されますが、現在どのような作業が行われ、それに伴う問題点等はないのか、作業の手順等を具体的にお聞かせください。

 さきに道路関係四公団民営化推進委員会が集中審議の中で打ち出した建設中あるいは計画路線の高速道路の凍結方針は、我々地方、とりわけ北海道に住む者にとっては、都会中心の勝手な論議としか私には映りません。特に道央と結ぶ基幹路線を国道5号一本に依存している函館を含む道南圏にとってはゆゆしき問題ですし、地方切り捨て、過疎化助長に通じるこの方針に対しては怒りさえ感じます。

 現在、国縫までは開通している北海道縦貫自動車道の今後はどのようになるのか、また八雲までの開通はいつごろになるのか、そして今後の問題点や課題点などはないのか、それぞれお聞かせください。

 東北新幹線は本年12月1日八戸まで開通し、東京−八戸間を最速2時間50分で結ぶこととなり、八戸−新青森間の工事完成も10年後と言われておりましたが、順調な工事の進みぐあいから、それよりも一、二年早まるのではとも言われており、青函同時開業も現実のものとなってきました。

 八戸開業に伴い問題視されていた並行在来線問題も、青森県、在来線沿線市町村、民間企業からの出資により設立された青い森鉄道株式会社が運営することとなり、青森開通時までの実質的な出資金割合や在来線の運営方法等を策定し、将来的にも大変ではあるが、沿線住民の期待と青森県民の情熱とが合体する形の中でスタートしようとしております。しかしながら、青函同時開業を目指す函館は、その並行在来線に関する問題すら議論をしていないものと考えます。

 平成12年12月に出された政府・与党申し合わせの中にも、整備新幹線の新たな区間の着工に当たっては、並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意の取りつけ等、基本条件が整えられていることを確認した上で行う。なお、並行在来線の経営分離について、沿線地方公共団体が同意するに際し、並行在来線を第三セクターで経営する場合には、沿線地方公共団体は、その経営見通しについて十分検討を行う必要があると打ち出しております。青森では、この並行在来線問題に関しては平成2年から立ち上げ、10年以上の論議を重ねて現在に至っております。そう考えれば、10年以内に迫った青函同時開業に対し、並行在来線の問題を突っ込んだ形で論議していなければならない時期に、何らの論議もされていないということ自体、異常と言わざるを得ません。この並行在来線問題は今現在どのような形で論議が行われているのか、具体的にお聞かせください。

 大綱第2点、大門再生について。

 平成11年2月、函館市は函館駅前大門地区を函館市の中心市街地と定め、函館市中心市街地活性化基本計画を策定し、まちづくりを運営管理する機関としてTMO設立準備会を発足。平成13年6月、市、商工会議所、地元商店主、市民の有志の熱い期待の中、最初の構想よりもはるかに多くの出資金のもと、株式会社はこだてティエムオーを設立し、大門再生に向けた本格的な活動が開始され、グリーンプラザBブロックの改修によるイベント広場の新設などは記憶に新しいところでございます。地元商店街も学生がプロデュースする大門まつりや夜の朝市等の恒例行事や本年5月に市民や観光客に大好評だった函館塩ラーメンサミットを、新装になったグリーンプラザBブロックイベント広場で、市商工観光部職員の協力を得ながら開催するなど、大門再生に向けて努力をしているところでございます。

 そこで、これまでの検証も交えながら、大門再生に対するお考えをお聞きしたいと思います。

 大門のランドマーク的建物であった旧さいかデパートは、平成10年4月の閉鎖以来、井上市長の選挙事務所など、紆余曲折を経て現在解体中で、今月中には建物のほとんどが解体され、大門に新たな大空地が出現します。TMOや都心商店街振興組合としては、ミニイベントが開催できるような屋内広場を持ち、国の優良建築物等整備事業の活用をしたいとのことですが、これに対して市としてのお考えや独自のお考えをお聞かせください。

 私の一例としては、地権者とのいろいろな話し合いがあろうとは思いますが、末広5番街区ビルように、民が建築したものに行政がテナントとして入居するような考えはできないものか。具体的に、地上6階地下1階ぐらいの建物として、地下と1階部分は駐車場とし、2、3階部分には250名ほどを収容できるようなホールを兼ね備えた生涯学習センター的なものが入居し、4階から6階部分を借上市営住宅とするような建て方もあろうと思います。大門が再生に向けて、何としても往時のにぎわいと復活をさせることが急務と私は思います。

 次に、函館駅前土地区画整理事業は、平成10年に事業に着手がされてから、駅周辺地域にも少しずつではありますが変化が見られ、最近では民間の工事のつち音も聞かれるようになってきていることは、大変に喜ばしいことと思います。区画整理事業でも、現在駅舎の建設工事が順調に進んでいる様子で、本年1月からは暫定的ではありますが、新しいコンコースも使用開始され、平面での移動が可能になり、私も何度となく利用機会がありましたが、非常に使い勝手がよく、観光客等にも評判がよいようで、新しい駅舎の完成や区画整理事業の終了が待たれるところでございます。

 そこでお尋ねいたしますが、新駅舎の完成が、工事スケジュールの順調な運びの中で完成時期が早まるとのお話をお聞きいたしましたが、駅前広場なども含め、具体的な今後のスケジュールをお聞かせください。

 区画整理事業の区域内の方々や関係者は、事業の進捗状況に合わせて随時事業の進捗状況について説明を受けているようですが、大門地区の方々となれば、事業内容についてはほとんどの方々が理解をしていないようで、時折工事の進捗状況を私に尋ねる方がおります。駅前大門地区の再生を官民挙げて取り組んでいる中では、駅前土地区画整理事業の進捗状況等の広報活動が少ないように思われますが、今後どのようにして広報の充実を図っていかれるのかをお聞かせください。

 函館は扇状に広がっているが、その扇のかなめがしっかりしていないと函館は発展できない。その扇のかなめが大門であると私に説いた先輩がおりましたが、函館市が中心市街地と定めて大門再生に取り組んでいる割には、大きな決め手に欠いているのが現状ではないのでしょうか。

 先日、ツインシティーである一番近い隣の市、青森を訪ねて驚きました。青森の駅前新町商店街に「アウガ」という、地上9階地下1階のビルが建っており、5階から8階までを青森市が、男女共同参画プラザと市民図書館として入居しており、このビル自体は青森市が市街地再開発計画の中で、内部の整備費も含め125億円を拠出し、総工費約185億円をかけて建設したものです。すぐ隣には、来年度中の着工を目途に総事業費約40億円で、1、2階を介護福祉関係の事業所が入居し、3階以上をシルバー世代のマンション建設を目指しており、青森市都市整備部都市再開発課が直接担当を行っておりまして、要は中途半端な取り組みではなく、官がこれだけのやる気を見せるから民も後に続けということだと思います。TMOへの出資やグリーンプラザの改修だけではなく、青森のようなハード面への大きな手だても含めた、官民一体となった形のあるものを示していくべきと考えますが、具体的な御意見をお聞かせください。

 今年度事業の中でTMOに委託して大門地区の空き地・空き店舗等の調査を行い、データベース化し、カルテとしてまとめていくとお聞きいたしておりますが、その後はどのような活用をお考えなのか、お聞かせください。

 私は、例えばTMO等のホームページに掲載し、その空き地や店舗等の簿価等の条件などが閲覧できるようになれば、より効果が大きくなるものと考えますが、これについても御意見をお聞かせください。

 現在、土地建物に対する固定資産税の評価見直し等は3年ごととなっておりますが、土地等の下落は激しく、1年と言ってもいられなくなっておるのが現状と考えます。土地や建物に対する固定資産税評価により、地代や建物の賃借料にも多大な影響があることは御存じのことと思いますが、そのことが空き地・空き店舗の一つの要因となっていることも事実だと思います。行政として固定資産の評価替えによる地代、家賃など賃借料に与える影響をどのように考えているのか、お聞かせください。

 質問は以上ですが、御答弁によっては再質問の用意のあることをあらかじめお伝えし、この場での質問を終わります。(拍手)



○議長(岩谷正信) 井上市長。

  (市長 井上 博司登壇)



◎市長(井上博司) ただいま能登谷議員から大綱2点御質問がございましたので、順次お答えを申し上げます。

 まず1点目でございますが、函館新外環状道路について進捗状況どうかと、そういうお尋ねでございますが、函館新外環状道路は、広域交通拠点であります函館港や函館空港などとの連絡強化による都市圏内の交通環境の改善はもとより、函館インターチェンジで国道5号函館新道や函館・江差自動車道と結節することによって、道南圏全体の地域経済や観光振興の面からも、その整備に大きな期待が寄せられております。このような状況のもとで、平成12年12月整備区間に昇格をいたしました函館インターチェンジから函館空港までの区間、いわゆる空港道路の整備は大規模な事業であることから、環境アセスメントや都市計画変更が必要となるものでございます。このため、現在事業主体であります国が中心となって、実際は函館開発建設部でございますが、道路構造等の検討を初め、各種文献調査や現地踏査を実施しながら、大気、水、土壌、さらには生態系や文化財などといった自然や生活環境など、調査内容に関する環境アセスメントの方法の案、これを作成しているところであります。いずれにいたしましても、本路線の整備に当たりましては、環境影響評価を適切に行って、環境との調和を図りながら進めることが重要でありますので、今後は広く市民に対し事業への理解を深めていただくための説明会などに取り組んでまいりたいと、このように考えております。

 次は、北海道縦貫自動車道。問題点、課題点はないのか、そういった趣旨のお尋ねでございますが、北海道縦貫自動車道は、昨年の11月に長万部と国縫間、この間が開通をいたしまして、国縫以南につきましても着実に工事が進められております。国縫と八雲間につきましては、用地確保の問題で完成がおくれておりますが、現在工事の進捗率は約7割となっておりまして、引き続き早期供用を目指して事業が進められているところであります。今後の整備でございますが、去る8月30日に公表されました道路関係四公団民営化推進委員会の中間報告、この中に高速道路の建設凍結を含めた再検討や、全国料金プール制の廃止などが盛り込まれ、非常に厳しい状況が予測されております。

 北海道縦貫自動車道は、申し上げるまでもございませんが、本地域の振興発展を支える必要不可欠なものであるとともに、国土の骨格をなす社会基盤施設として、国が責任を持って速やかに整備すべきものであり、仮に本路線の建設が途中で凍結されるようなことがあれば、能登谷議員御指摘のとおり、まさに地方の切り捨てであり、まことに遺憾であると言わざるを得ません。私といたしましては、今後同委員会の議論を注視し、北海道を初めとする関係機関と連携を密にしながら、早期完成に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 次は、北海道新幹線にかかわって、特に並行在来線問題についてのお尋ねですが、北海道新幹線を含む未着工区間の取り扱いについては、遅くとも九州新幹線の新八代−西鹿児島間、この間が完成をする平成15年末には政府・与党間において見直されることとなっており、このときが北海道新幹線の着工と青函同時開業実現のための大きな山場となりますが、その着工認可には、前提として並行在来線の経営分離について沿線地方公共団体の同意が必要とされております。そのため、北海道では昨年の11月に並行在来線のあり方等の検討を行うため、沿線市町村連絡会議を設置したところであり、これまで現状の把握などを中心に2回の会議が開催されているところであります。

 新幹線開業後の住民の足をどのような形で確保していくかという具体の協議は、これから進められていくことになりますが、市といたしましては道南の中核都市としての立場、役割、これらを踏まえて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、地域の悲願であります北海道新幹線の青函同時開業実現を図るため、北海道や関係機関とも十分協議し、全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 次は、大綱2点目、大門再生にかかわって数点お尋ねでございますが、まず1点目、旧さいかデパート跡の活用についてのお尋ねでございますが、旧さいかデパートにつきましては、現在解体工事が順調に進んでおりまして、早ければ来月初旬にも終了するものとお聞きをいたしております。

 市といたしましては、当該地は中心市街地活性化に向けて、特に重要な位置にあるものと認識をしており、市民や買い物客、観光客が集い、イベントを含めさまざまな交流が図られる利用が望ましいものと考えており、地権者には申し入れをしてきているところでございます。

 能登谷議員の御提案のありました優良建築物等整備事業などの補助事業等の内容につきましても、地権者に説明しておりますが、最終的な事業決定は事業者が行うことになるということでございます。

 今後は地権者の動向を注意深く見守りながら、さまざまな整備手法等も踏まえ、地元商店街やTMOとも連携を図り、特に能登谷議員からは青森市を事例にされていろいろと御提言がありました。私どもも駅前交番の左側、公益施設予定地がございます。その建設に際しては、能登谷議員の御提案も頭に置きながら跡地の有効利用を働きかけていきたいと、さいかにつきましてはそうしていきたいというふうに考えております。

 次は、函館駅前土地区画整理事業のスケジュールについてのお尋ねでございますが、現在改築作業の進んでおります新函館駅舎、これは地上24メートルのロトンダ──円柱ですね──の骨組みの部分が見えるまでになってまいりました。新駅の完成は、これまで来年の秋ということでございましたが、もう少し早まるようでございまして、近々JRの方から公式発表される予定でございます。このほか、今年度は区域内の民間建物の移転や道路整備が進められ、新しく整備される街区の形状もはっきりしてまいります。また、新しい駅前広場は平成15年度と16年度の2カ年をかけて整備することになりますが、これによりまして、現在変則交差となっております北洋銀行前を通る放射3号線がほぼ直線で相互交通できるようになります。さらには、駅前広場にも緑の多い潤いのある空間が創出をされ、市民広場として新たな装いが整うこととなりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 次は、駅前土地区画整理事業にかかわる広報活動、どうしているか、そういう趣旨のお尋ねでございますが、函館駅前土地区画整理事業につきましては、この事業の計画段階の平成7年当時から「市政はこだて」によって、また最近では、平成12年には区画整理事業のPR看板の設置など、広く市民に事業計画をお知らせをして、それぞれの紙面においてPRに努め、あわせて地元商店街等にも必要に応じて事業内容を説明するとともに、直接の事業関係者とは、これまで何度となく協議を行いながら事業の推進を図っているところでございます。駅前大門地区の方々へのさらなる広報活動についてでございますが、この事業は中心市街地の活性化を促進し、市民が集まる市街地の再生を先導するということが大きな目的でありますことから、事業内容等を、とりわけ駅前大門地区などを地域の方々によく御理解いただくことが大切でありますので、説明会の開催など、今後とも機会をとらまえてより一層のPRに努めてまいりたいと思います。

 次は、大門再生にかかわって、ハード面での官民一体の取り組みについて、形あるものを示すべきでないか、そういったお尋ねでございますが、中心市街地の活性化に向けましては、市街地の整備改善とTMOを中心として商業振興を図ることを大きな柱として、官民が連携して推進しているところでございます。能登谷議員も既に御承知のとおり、民間におきましては複合商業ビル、それからホテルの建設など、活発な事業展開がされているところでございまして、こういった中で市といたしましても、函館駅土地区画整理事業やグリーンプラザ整備事業の推進のほか、都心居住推進事業の一環として借上市営住宅の供給を初め、高齢者向け優良賃貸住宅の事業化に向けて、認定権者であります北海道との協議などを進めているところでございます。このほか、個別の地権者などにも優良建築物等整備事業などの各種事業の活用について働きかけを行ってきているところでありまして、能登谷議員御指摘のように、今後とも駅前大門地区の再生に向けた牽引役を果たしながら、官民一体としての取り組みを鋭意進めてまいりたいと考えております。先ほども申し上げましたが、青森の事例なんかも、これの中でも十分頭に入れさせていただきたいと思っております。

 次は、空き地・空き店舗、これらをデータベース化にすべきじゃないか、そういった御指摘でございますが、大門地区の空き店舗等の調査につきましては、国の緊急地域雇用創出特別基金事業によります補助金を活用して、現在その調査を株式会社ティエムオーに委託をしているところであります。この調査によりまして、大門地区の空き地・空き店舗、さらには駐車場等の実態が把握できるわけでありまして、これらの情報をデータベース化し、中心市街地の活性化を図るための各種事業の基礎資料として広く活用してまいりたいと考えております。なお、調査内容の公表につきましては、例えば店舗の面積、施設の内容、家賃などをホームページに掲載するなど、全国各地に函館の生の情報を発信してまいりたいと考えております。

 最後でございますが、固定資産の評価替えによる地代、家賃への影響についてのお尋ねでございますが、固定資産の評価替えにつきましては、地方税法の規定により3年ごとに行うこととなっておりますので、毎年度評価替えを行うことはできないものでございます。ただし、土地につきましては評価替えが行われない年度におきましても、地価が下落している地域にあっては評価の見直しができる措置が講じられておりまして、当市においても毎年度見直しを行っているところであります。このような制度の中で、固定資産の評価替えが地代や家賃へ影響を及ぼすことが懸念されることから、市といたしましても土地の大口所有者等に対しまして、書面をもって固定資産の評価替えに伴う地代、家賃の引き上げ抑止について協力をお願いしているところであります。また、平成15年度からは地方税法の改正により、新たに固定資産税課税台帳の閲覧制度が設けられ、土地や家屋を賃借している方が固定資産税額を把握することが可能となりますことから、評価替えに伴う地代、家賃への転嫁につきまして、一定程度の抑制が図られるのではないかと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 以上でございます。



◆(能登谷公議員) 御答弁ありがとうございました。私の質問にない分もリップサービス的な御答弁をいただきまして、大変感謝にたえないと思います。

 それでは、私の提案等も含めまして意見を述べさせていただきたいと思います。

 大綱第1点の基幹交通体系の現状と課題。

 まず、新外環状道路でございますけども、おおむねわかりました。以前は、環境アセスは自主的なものがほとんどでございましたけども、時間にそんなにかからなかったというのが現状だったと思います。現在は実際の事業を開始する前に事業の概要や環境調査の内容を公表して、自治体や住民の意見を広く聞いて環境アセスの手法を選定するというスコーピング制度が導入されており、新外環状道路の事業がまさしくこのスコーピング制度のための手続を現在行っていると、そういうことを部局からお聞きしております。しかしながら、市民は慢性化する現在の産業道路の渋滞を見るにつけまして、新外環状道路の早期着工、そして完成を望んでいるのも事実でございます。そのつち音すら聞こえない現状では、あの事業はだめだったのかとの声すら上がるわけでございまして、担当部局の地道な作業がなかなか見えていない現状では、その苦労も報われないと思います。そのためにもいろいろな機会をとらまえて広報はこだて等に、現在の作業内容や今後のスケジュールを掲載するとか、ルートに当たっている関係住民への説明をするなど、広く広報に努めることが市民理解につながると私は考えます。どうか市民が大変期待を持って見守っている事業でございますんで、担当部局の努力が実るよう、今後においての広報広聴の充実が一層高まるようお願いしておきたいと思います。

 続きまして、北海道縦貫自動車道路でございます。先日、八雲の建設現場を見る機会がございました。ほとんどが完成しておりまして、国縫側の道路に至ってはペンペン草が生い茂っているところさえありました。ただ一方では、未着工の部分もございまして、何か市長も言ってましたけども、御答弁の中にありましたけども、用地買収でちょっと難航しているということでございますが、これとてもそんなに長い区間ではないので、工事に着手すれば早期完成ということになると思います。

 先ほども述べたように、高速道路建設凍結が現実のものと、もしなれば、未開通の区間でも既に工事が完了しているところなどは、本当の意味でのむだな道路となり、税金のむだ遣いの最たるものになると私は思います。以前、鹿児島に視察に行った際、未開通部分の高速道路の開通記念ポスターに、「日本は一つの道でつながった」と大きな見出しがうたっておりました。これを見たとき、やはり中央政府の目には、北海道は日本ではないんだと映っているんだなと、そう思いました。そう思って、怒りが本当にこみ上げてまいりました。この凍結や建設中止が地方の、特に道南圏のような基幹路線が、国道5号線一本に依存している市町村にとっては、死活問題にもなりかねない論議になると考えますので、市長におかれましては強い態度で国や道に対する働きかけをお願いしたいと思います。

 いずれにいたしましても、早期着工、早期完成を道南の市町村の人々が望んでおるのは確かでございまして、用地買収の難航によって工事が進まず、その結果が建設中止となるような最悪の状況をつくらぬよう、切にお願いしておきたいものと思います。

 次に、並行在来線でございますが、ことしの12月1日には東北新幹線が八戸まで開通いたします。先日、八戸駅の視察をしてきましたけども、新駅舎はほぼ完成しておりまして、新幹線車両による試運転が行われようとしておりました。その先の新青森までの工事も順調のようでございまして、八甲田トンネル、一番難関だと言われていますけども、この八甲田トンネルの工事の進みぐあいも見てまいりましたけども、もう昨年見たときよりもさらに順調に進んでいるようでございまして、工期も早まるとのことで、さきにも述べましたが、新青森までの開通も10年以内ということもはっきりしてきたところでございます。何か聞くところによると、8年ぐらいでできるんじゃないかというお話でございます。青函同時開業の機運も今より以上に高まることと思いますが、しかしそれに伴うところの並行在来線の問題でございます。

 青森では平成2年から並行在来線問題を立ち上げ、決着に至ったのは昨年と聞いております。しかも、並行在来線の沿線には新幹線の恩恵に浴しない市町村が多数ありましたが、新幹線の開通ということを旗印に県が主導して、ようやく決着したと聞いております。しかも、第三セクターでの経営となりますので乗車料金が割り増しになり、特に通勤や通学定期が倍近くになるとの算定がもはや出ております。12月1日に開通する八戸市にある私立学校等では、この定期料金のアップに対抗するために、独自の通学バスの運行を考えているところがもはや何校もあるそうでございまして、この通学バスを一つの売りとして生徒募集をしたいとの学校もあるそうでございます。そうなれば、第三セクターで運営する青い森鉄道の経営等にも相当響くのではないかと今から懸念されております。そのほかにもいろいろな経営に対する懸念が指摘されておりますが、それとてものみ込む形の中で、12月1日より青い森鉄道による在来線の経営が始まるわけでございます。

 青函同時開業を目指す当市においては、この並行在来線に対する議論は進んでいるという話は全くもって聞いておりません。10年以内の新青森までの開通がはっきりとした今の時点で、青函同時開業を目指している者としては、ただ道の態度待ちでいいのだろうかという懸念がございます。道が動かないのでどうしようもないとしゃれている場合ではないのではないでしょうか。御答弁によれば、沿線市町村連絡会議を昨年11月に設置したようでございますけども、何か足が鈍っているように見えるのは私だけではないと思います。新幹線に関して関心がある道民は3分の1にすぎないと思うし、その3分の1の中でも、この在来線問題に関心があるのは5分の1程度だと思います。だから道が積極的でないという理由にはならないと思います。エア・ドゥには金は出しても、摩周丸には関係ないという道の一極集中的な態度が、この在来線の問題にも見え隠れしてならないのです。この並行在来線問題がクリアされない限り、青函同時開業はあり得ないと考えます。

 私の在来線に関する考えはいろいろありますが、一つの例を言えば、江差線はバスに転換し、木古内−函館間は沿線市町で経営するとしても、それは人のためではなく貨物専用線として保守運営し、バス転換するという案も考えられると思います。これとても経営は相当厳しいものがあると思います。いずれにしても、道の重い腰を担ぎ上げて、在来線に対する沿線市町会議の早期開始を切に要望します。

 この在来線問題に関しては違う場面でじっくりやらせていただきたいことを、事前に御通知しておきたいと思います。

 これで大綱第1点は終わらせていただきます。

 大綱第2点、大門再生についてでございますが、項目の順序にかかわらず意見等を述べさせていただきたいと思います。

 函館駅前土地区画整理事業、スケジュール等わかりました。駅舎全体の建設も始まって、少しずつ全容が開けてきた感がございます。工事の完成も幾分早まると聞いて、期待もますます膨らんでまいりました。

 広報の件ですが、確かにPR用の看板もありますが、地域全体の事業ととらまえれば、地域に対する全体的な広報活動は決していいとは言いかねます。そんな意味でも、先ほどの外環状道路と同様、いろいろな節目節目の機会ごとにでも工事の進捗状況等、地域への広報をお願いいたしたいと思います。

 しかしながら、地元の方々にとっては新駅舎ができて待たれるのが、新幹線のこの新駅舎への乗り入れだと思います。先ほども述べましたが、本年12月1日には東北新幹線八戸までが開通し、10年以内の新青森までの開通がはっきりし、青函同時開業が現実のものとなった今、新幹線がこの駅舎に直接入ってくる。これが地元商店街や朝市、そして函館市民の願いや悲願だと思うわけでございます。スキームが来年12月に迫っていることもございますが、大きな声で言えない部分は私も理解します。まずは青函同時開業を確約させるのが先決だとは考えますが、地元市民の願いは、市長には痛いほどわかることと思います。それを口に出せないジレンマもあることと思います。新駅舎建設の関係者のお話では、新駅舎の1、2番ホームを多少改良することにより、新幹線には十分対応できるとのことでございました。地元の方々は当然のごとく、この駅舎には新幹線が入る。それも直接東京からと思っておりますし、その対応できるホームも当然あるものと思っております。こんなことも地元の広報のときに、新幹線には十分対応できるんだとの旨の説明も必要と考えますので、どうぞよろしくお願いしておきたいと思います。

 空き地・空き店舗のデータベース化、私の提案を理解していただいたようですので、よろしくお願いしたいと思います。

 固定資産の評価替えの問題ともリンクしますので、一緒にお話ししたいと考えますが、現在大門地区のたな子さんや土地を借りている方々にとって、どこの土地や建物がどのくらいで賃借されているのか、ほとんど知らされていないものと考えます。空き地や空き店舗のデータベース化により、それをホームページ等に掲載することにより、いろいろな情報を入手することが可能になるということは、全国に大門を発信することのメリットとともに、地場の、それも地元の方々も情報を取り入れることができるということにもなり、地主、家主などの賃借交渉にも有効な手だてになるものと考えます。これまでの賃借交渉等はほとんど個別で行われており、不当な金額を要求され、こんな金額ではやっていけないと大門を去っていった方々が多数いらっしゃったことも事実でございます。商店街形成の大きな支障ともなっておりました。プライバシーや理解をしていただけない事柄や、地主、家主等もおられるとは思いますが、十分なる説明とまちづくり、特に大門再生のための一番の礎との思いをお話しして、理解していただく方々をふやしていくことも大切なことだと私は思います。

 いずれにしても、IT時代の今日、ホームページを利用しての大門再生を図っていくことも、時代に対応した責務と私は考えますので、担当部局としてもいろいろなアドバイスをして、このデータベース化によるホームページ等への掲載に対する御尽力をお願いするところでございます。よろしくお願いしたいと思います。

 旧さいかデパート跡の活用と官民一体となったハード面の手だてでございますが、大門のランドマーク的存在であった旧さいかデパートが現在解体され、きょう現在は2階の部分を残す程度まで解体されております。この後は、関係者等のお話では、余り時間をかけずに次なることに移っていきたいとのことで、新しいものがつくられるような方向には向いているようですが、はっきりはしておりません。私が提案したような建物ができればベターとは思いますが、地権者とのいろいろな話し合い等のことを考えれば、まだまだ多くの時間がかかり、その間巨大な空間が残されることは、私の意図とするところではありませんので、旧さいか跡だけではなく、大門の違った場所への提案でもあることをつけ加えておきたいと思います。

 青森市のアウガのことを申し上げました。アウガに対する青森市の内部整備費も含めた拠出が125億円、これは2年にわたったといえども、青森市の一般会計の1割強に当たるものでございます。さらに、来年度着工分で40億円、駅前再開発としては総額約300億円に上る巨額な支出でございます。それだけ青森市の駅前の中心市街地における思いがひしひしと伝わってまいります。青森市も当函館とは同じくらい、こう言っては失礼だと思いますが、斜陽という名が当てはまるほど裕福な町ではございません。まして郊外に進出した数々の大型店の影響でドーナツ化現象が起きた町でもあり、この大きな打開策としての駅前再開発であると思います。青森が125億円で函館はTMOへの出資、グリーンプラザの整備合わせて5億円とは言いません。要は中心市街地と定めたところに対する官のかかわり合いの方法だと私は考えます。地権者が錯綜している場所よりも、地権者が1名ないし2名程度の場所等に対する行政の働きかけやアドバイスによる再開発ビル等の建設は可能と考えます。30年ほど前にもてはやされた商店街の俗に言うげた履き住宅、4階建てほどで1、2階が店舗で、その上が住宅、その住宅のほとんどは商店主が住んでおりましたが、建物の商店等の閉鎖などで空き家が多くなり、建物等もエレベーターの設置がないため不人気で、だんだん衰退していったのですが、最近は建設省等の呼びかけもあって、再度見直されてきております。私は土地等の価格のこともあり、6階以上建設しなければペイできないことなどから、1、2階は店舗とし、その上を借上市営住宅とするような構想が、民を主導として官の応援のもとにできないものかと思うんでございます。

 先ほどの青森市のアウガの例を見ても、特に感じたのですが、6階から使用している市民図書館は1日平均3,000人の利用者があり、以前の公園の中にあった旧図書館の利用者が1日平均500人ということを考えれば、雲泥の差であり、土、日の利用者平均は5,000人を超すとのことで、休館日も年12日であり、本の整理のための部分休日14日をプラスしても、休館日は年26日と少なく、午前10時から午後9時までの開館は、一般市民はもとより、駅前ということから観光客やサラリーマンにも大変好評で、夕方等は座る席がないとサラリーマンからの不満があるほどだそうでございます。私が一番感動したのは、以前この場所が朝市だったこともございまして、地下の地権者として入居していた魚屋さんや八百屋さんの御主人が、長靴を履いて気軽に図書館に入り、新聞や本に目を通していた姿でございました。前回の定例会でも同僚議員よりお話があったごとく、私たち会派が言い続けた図書館は町中、人が集まるところに建設すべきということが実証されていたと、今さらながら思いを強くいたしました。だから、今さら決定した場所を変更しろとは言いません。要は、中心市街地に公の施設を民の力をかりてでも建設、あるいはテナントとして入居すべきであるし、そのためのリーダーシップを今後とっていくべきだということだと思います。

 先ほどのげた履き住宅に関連した話になりますが、最近西部地区には賃貸マンションやアパート等の新築が目立っております。特に西部地区ヤングカップル住まいりんぐ制度を前面に打ち出した新築のアパートさえもあります。不動産関係の方々にお聞きしますと、以前のように、市の北東部や北西部の新築アパート等の新設が、入居者数の減少等から鈍っているとのことで、その原因として、給料の減少等で生活のために車を購入するようなことが前提となる住居地区や、インフラの整備が整っていない地区に住むことの抵抗感があるとのことでございまして、西部地区の新築マンションやアパートでの入居は、以前よりニーズにこたえる形で建て主が建設したものとの合致した姿であると申しておりました。以前より、若いカップルの方々が西部地区に住居したいとのニーズはありましたが、そのニーズに合った新築等の物件が少なく、あっても家賃の高い高級マンションがあるのみでしたが、最近のニーズに合った物件が多く建設され、さらに道営も含めたアパート建設が計画されていることは大変うれしいことだと思います。車がなくも自転車等で手軽に買い物ができ、その施設も近くにあるということも要因にあるそうでございます。しかしながら、そのニーズに合わせたマンション、アパートを建設しようとしている地主が、経営ベースに合わせれば6階建て以上が求められているわけですが、その建設の抑止力となっているのが景観の問題で、そのために腰が引くという地主が多いのも事実だと思います。

 人口を集積させようとして、その前に立ちはだかる景観の問題、そして地価の高騰と下落、そして人口流出、この悪循環、これがこれまでの西部地区がたどった道だと思います。せっかくの西部地区への新しいものの建設でございます。この悪循環を繰り返さないための行政の施策が今最も必要であると思います。大門再生のために、その町中に、そして周辺に人を住まわせることが商店街形成の最たるものであり、それによってのまちづくり等も推進させていけるものと考えます。

 古いものを残せという声もありますが、しかしながら、繁華街と言われる場所は、古いものを取り壊して新しいものを創造していく、その繰り返しだと私は思います。私たちの目には懐かしいさいかデパートでも、今瓦れきとなり解体されて空地になろうとしております。そしてまた、新しいものを建設しようとしています。そんな意味でも、このさいかデパートの解体は、函館市民にとっても一つの布石を示したものと私は思います。

 今大門、そして新しい組織TMOはいろいろな動きをしております。私の今しているこのネクタイは、市制80周年を記念してTMOが作成したものでございます。1本3,000円でございますが、なかなかお土産品としても大好評でございます。今大好評ということで増産しておりますが、残りわずかだそうでございまして、議員の皆さん、理事者の皆さん、どうぞ皆さん買ってください。よろしくお願いします。

 まあ、PRはこのぐらいといたしましても、大門は再生を目指して、行政と一体となった再開発と新しい駅舎を起爆剤とした新幹線時代に対応する町を目指して、日夜邁進しておるのが現状でございます。何度も言います。「中途半端な官の取り組みではなく、大胆な施策と取り組みで官の大型牽引者たれ」ということが、大門再生のキーワードとなると私は思います。そんな声を大にして申し上げまして、私の意見、そして提案にかえさせていただきます。ありがとうございました。



○議長(岩谷正信) これで能登谷 公議員の質問は終わりました。

 阿部議員に御相談でございますけれども、再開20時15分予定でございますが、少し早めて再開してよろしいでしょうか。(「結構です」と阿部(義)議員)

 ここで15分程度休憩をとりまして、再開予定を午後8時5分とし、休憩いたします。

          午後7時52分休憩

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          午後8時10分再開



○議長(岩谷正信) これより会議を再開します。

 休憩前の議事を継続し、一般質問を続けます。5番 阿部 義人議員。

  (阿部 義人議員登壇)(拍手)



◆(阿部義人議員) 民主・市民ネットの阿部 義人でございます。傍聴者の皆さん、夜遅くまで本当におつき合いいただきましてありがとうございます。

 私は、今定例会に当たって、大項目で2点市長に質問いたします。

 冒頭に、アメリカで発生した同時多発テロから一昨日で1年が経過しましたが、改めて犠牲者に心から哀悼の意を表するとともに、アメリカのブッシュ政権が行おうとしているイラクへの攻撃によって新たな戦争が勃発し、平和が脅かされることに懸念を表明しておきたいと思いますし、私自身も11日キャンドル行進をさせていただいて、本当に平和の大切さを痛感しているところでございます。

 さて、この数年間の国の動きを振り返ってみますと、バブル時代の、いわゆる失われた10年の影響を受けて後退基調にある日本経済の中で、旧来の拡大路線を踏襲しつつ景気回復を追求した小渕政権があったり、次に登場したのは密室の協議によってつくられた、国民の人気では最低と言われた森政権が続き、そして昨年4月に構造改革を掲げる、国民の人気が高いと言われている小泉政権が誕生いたしました。

 現在、国会を初め各界各層で議論されているのは、もちろん地方分権を含めてでございますが、文字どおり戦後の日本の総決算と言える構造改革であり、21世紀の日本の進むべき道が、そしてまたこの国の形が議論されているものと思います。こうした中で、井上市長の任期も残すところ6カ月余りとなりました。3年半前の選挙のときの公約の達成度、いずれかの時期にお聞かせをいただきたいというふうに思ってございますが、それは別にしても、さまざまな懸案課題の一つでありました摩周丸の保存活用について、これまでのさまざまな議論を通して、今定例会に補正予算が提案をされております。

 私は、昨年の9月の定例会でも伺わせていただきましたけれども、きょうの前段の同僚議員の質問の中にもありましたけれども、北海道の発展を支えてきた青函連絡船、交通事情の変化によって、そしてまた世界的なプロジェクトと言われた青函トンネルの完成によってやむなく廃止せざるを得ませんでしたけれども、この北海道の発展を支えてきた連絡船、この函館に係留をし、そして保存活用することは、北海道民にとっても大事なことだろうという基本的な考え方から、市の購入も含めた保存活用を昨年の9月の定例会で質問させていただきました。その結果、市としても一定の判断をして、もちろんこれまでの経営責任、市にまるっきり責任の一端がないわけではありませんし、先ほどの同僚議員の質問でもありましたが、保存活用を求めた市民の声に、活用方法として100%こたえ切れたのか、こういう問題もありますし、最終的な活用方法を決めるに当たって、どこまで市民参加が保障されたのか、こういう問題点はあろうかと思います。しかし、いずれにしてもそうした難しい問題を、ある意味ではJRに多くの負担を、押しつけたという言葉は適切でないかもわかりませんが、JRの協力を受けながら、しかし以降の経営では、JRの方針が果たしてどうだったのかという検証も必要だろうと思いますけれども、このまま放置していれば第三セクターであるシーポートプラザの清算もあり得ると、こういう事態に至って、改めて市が購入するという決断をしたことについて、私どもの会派としては評価をするところでございます。

 しかし、これまでの摩周丸の活用、あるいは周辺一体としての活用がどうだったのかと考えれば、言葉は適切でないかもしれませんが、離れ小島のような、そしてアクセスも非常に悪い中でのシーポートプラザや、あるいは摩周丸の係留ではなかったでしょうか。そこで、今回の活用方針の基本的な考え方は了といたしますし、5億円の融資の返還、そして新たな購入には、先ほどの答弁にもありましたように起債を充当しての購入ということになるわけですけれども、今申し上げましたように、これから活用するときに大きな問題として周辺の一体的な整備とJR北海道との連携がますます重要になると思いますが、この点について市長の御所見をお伺いいたします。

 次に、保存活用するに当たって、私は昨年の9月の定例会でNPO法人の活用なども視野に入れるべきではないかと、このように申し上げてきたところですが、今回示されているのは管理運営委託先として、財団法人函館市文化・スポーツ振興財団が想定をされておりますけれども、当面は文化・スポーツ振興財団であってやむを得ないとしても、将来的にNPO法人へ変更することも考えるべきではないのかと。なぜNPO法人への委託を考えるかといいますと、市民参加を十分に保障する。そして活用保存を願う市民が責任持ってその運営に参画をしていくと、こういう視点も得られるからだろうというふうに考えているわけですので、その点について市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 大きな2つ目になりますが、議会の議事録、7月から検索可能になりましたが、「行政の福祉化」ということについて改めて議事録を検索いたしますと、今の時点では、函館市の議事録には掲載をされておりません。したがいまして、新しい用語というふうに受けとめられる方も多くいらっしゃるのかなと思うわけでございます。

 実は私、せんだって大阪である会に出席をする機会がありまして、そこで大阪府が行政の福祉化という言葉で、概念でさまざまな施策を展開しているということを知ることができました。そこで、大阪府の府議会の議事録検索をいたしましたら、平成6年に公明党の府議団の皆さんが、当時の大阪府の行財政の再建のキーワードとして行政の福祉化を進めるべきだと、こういう質問がございました。以降、もともと大阪府は障害者雇用で日本一を目指そうという視点を持って進めておりましたけれども、そうした地域的な背景もあったものと思いますけれども、行政のさまざまな仕事を福祉の分野にアウトソーシングをする。こういう手法で、あるいは土木や都市建設の分野でも行政の福祉化という概念で、今で言うバリアフリー化を先進的に進める、こうしたことが進められていたようでございます。そして特に、これは近年になってからは、私ども民主党の府議団が太田知事に対して政策提言をしているわけですが、改めてこの行政の福祉化という概念で行政を、全体をとらえ返すと、こういう視点で問題提起をしていることを知りました。市民一人一人が自立し、生きがいと誇りを持って自分らしい生き方、幸せを追求した生活ができるよう、市民、企業、行政が一体となって取り組み、特に高齢者、障害者等の自立支援につながる市の施策として、すべての部局の連携による行政の福祉化ということを掲げているわけでございます。12年11月には、府庁内のプロジェクトの研究結果として報告書がまとめられております。

 そうした大阪府の取り組み、私は、函館市が今進めている行財政の健全化、この中でもこの行政の福祉化という概念でもう一度行政のありようをとらえ直す必要があるだろうというふうに考えておりまして、十数年前に「行政の文化化」ということがさまざまな地方議会で議論をされました。行政の文化化という概念が定着するまで十数年かかって、函館市も行政の文化化ということで、この本会議場でもさまざまな角度から議論されました。私もそういう意味では、5年とか10年のスパンで函館市の行政、行政の福祉化という概念でもう一度さまざまな業務をとらえ返していくべきではないかというふうに思ってございます。

 初めての言葉での質問でございますから、今回はある種の問題提起ということになりますけれども、いずれにしても先ほど申し上げましたような、行政の福祉化に対する市長の基本的な認識をまず伺わせていただきたいと思います。その上で、函館市の現状を市長はどのようにお受けとめになっているのか、お聞かせをいただきたいと、このように思います。

 きょうは傍聴者の皆さんもいらっしゃいますので、後ほど再質問で、幾つかの分野にかかわる課題については改めて再質問をさせていただきたいと思います。

 私のこの場での質問は以上でございますが、今申し上げましたように、あらかじめ数点の再質問のあることを申し上げて、この場での質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(岩谷正信) 井上市長。

  (市長 井上 博司登壇)



◎市長(井上博司) ただいま阿部 義人議員から大綱2点御質問がございました。順次お答え申し上げます。

 まず1点目、摩周丸の保存活用にかかわって何点かお尋ねでございますが、1点目、摩周丸の施設整備や人材活用についてのお尋ねですが、摩周丸は函館駅とレンガづくり倉庫群などの西部地区を結ぶ親水空間に位置をしており、函館港の象徴的な施設として既に重要な役割を果たしておりますが、市が購入した後の施設整備として、未公開資料の展示や学習空間の設置、映像情報の提供など、青函連絡船の歴史をわかりやすく紹介するための一部改修を検討しているところであります。また、施設の運営につきましては、委託をお願いしている函館市文化・スポーツ振興財団による新たな事業展開はもとより、NPO法人など保存団体と連携しながら、多くの青函連絡船OBの参加協力をいただくなど、人材の活用に積極的に努め、市民参加による施設運営に取り組んでいきたいと考えております。

 次に、JR北海道の協力についてのお尋ねでございますが、JR北海道は函館シーポートプラザの筆頭株主として、これまでに摩周丸の保存活用に大きな役割を果たしてきたところであり、市が購入した後におきましても、保存活用のための人材派遣やJR用地の利用、さらにはJR用地にかかわる周辺整備などについて全面的に協力していただくこととなっております。

 摩周丸及び周辺の地区は、函館駅前や朝市に隣接し、ウォーターフロントへの動線ともなっている大切な場所でありますので、市とJRの用地が入り組んでいる現状を踏まえ、今後ともJR北海道と協力をして、地区全体の振興に努めてまいりたいと、このように考えております。

 次は、摩周丸の管理委託の変更についてのお尋ねでございますが、摩周丸の委託先につきましては、その検討過程において連絡船に詳しく、また摩周丸の保存活用に対して熱意を持っておられるNPO法人「語りつぐ青函連絡船の会」につきましても協議を行い、検討させていただいたところでございます。しかしながら、NPO法人への委託となりますと、いろいろと問題点もございまして、最終的には各種施設管理の実績や事業開催のノウハウを有する函館市文化・スポーツ振興財団への委託が最も望ましいと判断をいたしまして、管理委託をお願いすることとしたところであります。

 これから管理運営する中で、利用組織の今後の意向によっては、将来的には変更することがあり得ないとは言えませんが、これまでの経過から、現状では同財団への委託とNPO法人の協力という関係が最も望ましいと考えておりまして、この体制により運営していきたいとしたところでありますので、御理解をお願いしたいと存じます。

 次は、大綱2点目、行政の福祉化について、まず私の認識についてのお尋ねでございますが、高齢社会の進展に伴いまして福祉サービスを必要とする方々が増加しつつあり、また市民が自立し生きがいと誇りを持ち、自分らしい生き方を追求することが求められてきておりますことから、市民、事業者、行政が一体となって、特に障害者や高齢者などの福祉サービスの提供、自立支援の機会や場の提供など、こうした状況に対応した施策に取り組むことは重要なことと、このように認識をいたしております。こうしたことから、函館市基本構想に基づく個別計画として、福祉にかかわる各種の計画を策定し、各施策の計画的な推進に努めるとともに、福祉のまちづくり条例を本年7月から施行したところであります。私といたしましては、今後とも各関係団体等との連携を深めながら、阿部議員御提言の行政の福祉化という視点を含めて各種施策の展開を図り、市民福祉のより一層の向上に努めてまいりたいと考えております。

 次に、行政の福祉化に対する現状についてのお尋ねでございますが、市民の自立した生活を支える環境づくりへの取り組みにつきましては、函館市基本構想に基づき、庁内はもとより、市民、事業者、関係団体等との連携、協働のもとにその推進を図ってきたところであり、各種基盤の整備が一定程度進んできているものと考えております。特に自立した生活を営むために、行政や地域の方からの支援を要する方に対しましては、これまでも高齢者や障害者のほか、子育てに関する計画などに基づき、基本的な人権の尊重と市のすべての地域で等しくサービスができることを基本とし、福祉サービス提供基盤や体制の整備と自立支援の機会や場の拡充を図ってきているところであります。

 また、先ほどもお答えいたしましたが、本年7月から福祉のまちづくり条例を施行し、市と事業者、市民が一体となって個人の自由な活動を支え合う温かい心をはぐくむとともに、あらゆる分野において障壁のない、ともに支え合うまちづくりや公共的施設のバリアフリー化に取り組んできているところでございます。私といたしましては今後とも、これら計画に基づいた施策の推進や条例の理念の浸透、施策の展開に一層の努力をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



◆(阿部義人議員) 一通り御答弁いただきました。

 摩周丸の関係でございますけれども、どうもこれまで見ていますと非常に動線が悪いですとか、それから車で行った場合の対応、そういうこともやっぱり、もちろん活用してきた中身の問題もあるんですけれども、これから市が購入をして公共の施設として保存活用していくといったときに、やっぱり段階的なもちろん整備も必要でしょうし、それから将来どうしていくかということもあるんだろうと思うんですね。非常に北海道からの財政的な支援がないというのも、残念なことだと思っているんです。青森は、八甲田丸を係留するときの県の相当な費用負担、こういうことを考えますと、やっぱり北海道の対応というのは非常に私は問題あるというふうに思っています。もちろん市長初め、さまざまな角度から道に働きかけてきたことは承知をしているつもりですけれども、しかしそうは言っても今日時点まで来ましたから、なお一層やっぱり駅舎ができた以降の一体的な活用、それからもう大分前になりますが、モニュメントを中心とした広場ですね、まくら木での床も相当傷んでいますし、あるいは地ビールも店が閉まると。あのピアマーケットをどう活用していくかという問題なども含めて、やっぱり一体としながら、そして市長も8月1日、花火大会の日ですね、たまたま外国の姉妹都市の皆さんをお招きして、あのシーポートプラザの2階で歓迎のセレモニーをやったわけですが、私ちょっと後用事があって、ちょっと早目に出たんですけれども、ああいうイベントやったときの例えば交通整理のあり方だとか、非常にやっぱり不十分な点があるんですね。ですから、あそこを日常的にはどういう動線をつくるか、あるいはイベント会場として活用したときにどう、一方では交通規制をかけながら、水際で徒歩であそこに行こうとする市民が、本当にあの周辺を自分たちの広場として、あるいは自分たちの施設として、自分たちの財産としての摩周丸に親しむと、こういうやっぱり発想から少しとらえ返してもらわないと、またぞろ同じようなことになりかねないという気がしているもんですから、そのことだけはぜひ、私どもこれからさまざまな角度から問題提起していきたいと思っていますけれども、ぜひ前の失敗を繰り返さないためにも、一体の整備と、それから本当に親しみやすい摩周丸にしていくという視点で、取り組みを引き続きお願いをしておきたいと思います。

 大きな1つ目は、これまでもさまざまな角度から議論されておりますから、この点で終わらせておきたいと思います。

 2つ目の行政の福祉化なんですが、今回実は、先ほど申し上げましたように初めて取り上げさせていただきました。私は、もともと介護保険の議論が始まったときに申し上げてきたのは、高齢社会になっても、今の障害者にきちっとこたえられる町がつくられていれば、どんなに高齢社会になっても心配はないという視点で施策を進めるべきだというふうに申し上げてきました。障害者への対応が十分であれば、どんなにお年寄りが多くなっても心配はない。もちろん介護保険でのさまざまな人的なサービスとか、その辺の違いはあるにしても、そういうまちづくりを進めるべきだということを何度か本会議でも申し上げてきました。たまたまそうした中で、はっとまた改めて思い知らされたのが、行政の福祉化という言葉でした。

 基本認識は、市長とそんなに変わらないというふうに思っています。ただ、現状どうかというと、市長なりに特に福祉のまちづくり条例が、私ども会派も政策要望してまいりましたし、市長も公約の一つに掲げられてきたわけですけれども、そしてまたオンブズパーソンなども福祉にかかわる苦情処理制度などもスタートさせてきたと。その意味では、比較的道内の中では先進的だというふうに評価はできるんだろうというふうに思ってございます。ただ、福祉のまちづくり条例で、それじゃすべてが包含されているかというと、どちらかといえば理念と、それからバリアフリーを中心とした、あるいはハートビル法に基づいた部分が中心的な条例の中身になっておりますので、そういう意味ではもう一歩突っ込んでやっぱり行政の福祉化という概念を、これから私もさまざま問題提起してまいりたいと思いますけれども、行政内部でもぜひ議論していただきたいなというふうに思ってございます。その上で、先ほどもあらかじめ予告申し上げましたように、特に前段申し上げましたように、私は障害者に対応できる町というのは、大体どなたも住んでいてよかったと感じるような町だろうと思ってございます。

 そこで、これは中心的には商工観光部だろうというふうに思うんですけれども、市内の民間企業を中心とする障害者の雇用状況、市長はどのように押さえられているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 それから次に、大阪府で実際にやっていることなんですが、民間における障害者の雇用の推進を図るという視点からいけば、例えば市の発注に当たって、障害者雇用率を達成した企業を優先発注するとか、そういうことができないのか。入札制度そのものについては同僚の石井議員や八日市議員がやりますけれども、例えばランクの問題についても、函館市は経審だけで、毎年道に出しているそれぞれの企業の審査の点数で、点数の高いところがAランク、Bランクとやっている。そこに、例えば障害者雇用率の達成を何点かでプラスするとかという手法もあるのかもしれません、ランク分けで。そういうことなども含めてどのようにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたい。

 それから、市長は市内で一番大きな事業所である市役所の、民間でいえば社長に当たるんだろうと思うんですけれども、市役所自体の、それでは障害者の雇用状況どうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 それからもう一つ、これは直接福祉にかかわることになるわけですけれども、これまでも障害者にかかわる施策のハード面での大きな議論として、現在の青柳学園、それからともえ学園、あおば学園の3園統合の議論が、今日まで何度かこの議会でもやりとりをしてございます。その辺は検討状況がどうなっているのかを改めてお聞かせをいただきたいというふうに思っていますし、それから先ほど申し上げましたように、障害者にかかわる部分というのは、ある意味では高齢者の部分とも密接につながりがある。実は高齢者の問題でいうと、介護保険制度が平成12年からスタートして、制度の根幹の見直しは5年ごとに行われるということになっていますけれども、3年に1回の保険料の見直しが来年控えているという状況の中で、今国の段階でも介護報酬の議論だとか、さまざまにされているわけですけれども、果たして函館市の平成15年度からの介護保険事業計画、この計画そのものは保険料にはね返るわけですけれども、どのような観点で見直しをされるのか。

 また、私が心配しているのは、3年前にスタートしたときに、それまでの福祉の制度でやっていたものを、どこまで介護保険の中に取り込んでサービスをさらにふやすのか、いわゆる上乗せと言われている部分ですね。それから、介護保険外のサービス、介護保険の対象から外されたそれまでの福祉のサービス、横だしサービスといってた部分ですけれども、これらについても制度がスタートするときに大分議論させていただきましたけれども、その辺の取り扱いも大分変わっていく可能性もあるんだろうと、あるいは保険料がどう推移していくのかというのも大事なことだろうというふうに思ってございまして、その辺を改めてお聞かせをいただきたいというふうに思ってございます。

 実は、本当は全部局に、今回の行政の福祉化ということでは聞いてみたいなという思いがございました。それはぜひ一度、行政の方でも認識はされているかと思いますが、大阪府の──12年11月だったと思いますが──まとめた行政の福祉化にかかわるプロジェクトの報告書、これを見ますと、行政の各分野で障害者にかかわる雇用の創出を考えてみたり、それから先ほど市長の答弁にもありましたけれども、函館市でいえば福祉のまちづくり条例につながるような施策を基本として打ち出してみたり、さまざまな分野であるんです。例えば、函館に置きかえてみれば、例えば漁業で言う、今現実にやっているところもありますが、網の仕事が障害者の例えば作業所に出ていってみたりとか、そういう多方面な分野での雇用の創出、それはある意味では高齢社会を迎えたときに、高齢者の雇用にもつながる側面があると思っているんです。私はこの間大阪へ行ってびっくりしたのは、農協で障害者の皆さんを雇用しているところがありました。それから高知のJC──青年会議所が各事業所に障害者雇用を呼びかけたりとか、それから役所がよく、私は函館市の審議会の議事録は余りきちっとできてないなと思っている方ですが、東京の中野だとか情報公開コーナーへ行くと、非常に完備された議事録がありますけれども、例えばこの議事録のテープ起こしを出してみたりとか、今は市の職員の皆さんが、例えば議会でのやりとりなんか済んだ後もテープで起こしたり、貴重な勤務時間を使ってやったりする。もちろん議会の側も、委員会の記録をきちっと逐語で議事録化するということももちろん必要なんですけれども、そういう各分野にわたる行政の福祉化という概念で、ある種アウトソーシング、外に仕事を出すことにもつながるし、それは大阪府の場合は行財政改革の一環として、かなり大きな視点で取り組んできたという経過があるわけです。ですから、本当は各部局にそういう視点どう思いますかと、あるいはこの仕事どうなっていますかというのは幾つかあるんだろうというふうに思っていますし、最も根幹になる教育だって、障害者への教育状況どうなんだということもあるでしょうし、非常に北海道が、私はびっくりしたのは国の政策というのはほとんど都道府県、原則1カ所でやられちゃうもんですから、今回も行ってみて、函館と札幌の距離を、これは皆さん共通して感じられていることだと思いますが、大体1時間か1時間半くらいの電車乗っていけば行けるだろうというふうに思っているんですよね、本州の皆さんは。これは前にも議論しましたけれども、小学校の社会科教育が悪い。北海道の縮尺違って地図帳に載せているんだから、これはやむを得ないことなんですけれども、でもその感覚で全部やられちゃっているんですね、今の厚生労働省の施策が都道府県1カ所。この間も同僚の八日市議員も言われました。自閉症の施設にかかわって議論がありましたけれども、そういうときにやっぱり函館市が、前の木戸浦市長は日本一の福祉都市ですか、を掲げた。そのときにやっぱり函館市の行政みずからが、行政の福祉化という概念で自分たちの仕事をもう一回とらえ返していくということがないと、原則都道府県1カ所のものを道南圏域にも1カ所つくってほしいと、こういう議論にもつながらないと思うんですね、どうしても。

 そういう意味では、私はあえて、今回代表的な4つ程度の部局に限らせてもらいましたけども、そういう視点でもう一度議論すべきではないのかと。大阪府がどの程度効果を上げているかどうかということは別にしても、そういう概念でもう一回行政をとらえ返すというのは、再三申し上げるようですが、必要だと。こういう視点で今代表的なところを取り上げさせていただきましたので、ぜひそういう角度から市長にも御答弁をいただければなというふうに思います。



◎市長(井上博司) 阿部議員から再質問何点かございましたが、冒頭のお答えで、行政の福祉化にかかわって、その中でも、とりわけ障害者、高齢者などの施策推進がより必要だというふうに私どもも思ってございます。そういった中で、この障害者の雇用状況等のお尋ねでございますが、障害者の方々につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律、これに基づきまして一定規模の事業所が法律の定める割合の障害者を雇用しなければならず、また毎年職業安定所にその状況を報告することとなっております。

 函館公共職業安定所管内におきましては平成13年6月、この時点の調査報告では、対象企業が171社、そのうち、半数以上の90社が法定雇用率を達成しており、376人の方が雇用され、実雇用率、これは2.06%と。全道平均は1.71でございまして、0.35ポイント上回っていると、こういう状況でございます。

 雇用率の確保に向けましては、函館公共職業安定所では専門の職員を配置いたしまして、企業に対する指導、勧告等により働きかけをいたしておりますほか、障害者と事業者との集団お見合い方式というんですか、そういったことによる雇用の促進会、それから市が主管をいたしておりますが、障害者職場見学会の開催、そういったことで障害者団体や関係機関とともに、障害者の雇用促進の啓発に努めているところでございます。

 それから2点目でございますが、障害者雇用率を達成した企業に対する発注についてのお尋ねですが、市の工事等の発注に当たりましては、地元企業への発注を基本として、地域経済の活性化や地元雇用の確保に配慮してきておりますが、阿部議員から御指摘の点、今後有資格業者における障害者雇用の現状、申しわけありませんが、調査不十分ということでございますので、この調査を行いますとともに、その可能性については研究をしてまいりたいと、このように考えております。

 それから、市職員の障害者雇用にかかわってのお尋ねですが、市職員の障害者雇用につきましては、平成14年6月1日現在、市長部局で28人、教育委員会で10人、水道局で5人となっておりまして、これはいずれも法定の雇用率を達成しているところでございます。障害者を対象とした職員の採用試験につきましては、平成12年6月に実施をしたところでありますが、障害者の雇用につきましては、障害者福祉に対する市民各層の理解が深まると同時に、障害者の社会参加の意欲も高まってきておりますことから、官民を問わず障害者の雇用の拡大を図ることは大変意義のあることと、このように考えております。したがいまして、市といたしましても適時適切に障害者の雇用の推進に今後とも努めてまいりたいと、このように考えております。

 それから、青柳・あおば・ともえ学園、3園統合の検討状況についてのお尋ねでございますが、3園の複合整備に当たりましては、利用者の障害種別の程度、それから年齢に応じた指導や現行サービスを維持することが必要でありますことから、各園の事業を継続することを基本といたしまして、複合化した場合の指導内容や新たな機能の検討、さらには施設運営のあり方、保護者の高齢化問題への対応など、大変多岐にわたる課題を整理しているところでございます。今後、一定程度この複合整備のあり方を取りまとめまして、父母会の方々や関係団体との懇談の場を設けるとともに、議会の御意見もお聞きをして、今年度じゅうには整備構想、これを策定してまいりたい、このように考えております。

 それから、介護保険の見直しの視点などについてのお尋ねでございますが、まずこの介護保険事業計画の見直しに当たりましては、要介護者等が住みなれた地域で安心して生活を営むことができるように、利用者の権利、要望を基本といたしまして、在宅サービスを重視し、多様な情報提供を進める中で各種サービスの複合利用を促進してまいりたいと、このように考えております。

 それからまた、施設サービスでは入所待機者の解消とあわせ、個室化、ユニット化、そういった居住福祉型の特別養護老人ホームを進めるとともに、身体拘束の廃止などに向けた取り組みを強化して人権の尊重やサービスの質の向上、これらを図ってまいりたいと、このように考えております。

 それから、法定限度額を超える上乗せ、法定外の横だし、このサービスにつきましては、第1号被保険者の保険料への影響を考慮し、従来どおり保険事業とは別に国や道の補助制度を活用してまいりたいと、このように考えております。

 なお、介護保険料につきましては、在宅サービスの複合利用の促進や痴呆性高齢者グループホーム、それから特別養護老人ホームなどの施設の整備を計画的に進めてまいりたいと考えておりますことから、現状でございますが、現行保険料よりは若干高くなるかなと思いますが、介護報酬の改定内容等が判明した時点で、そういった段階で算定をしたいと、このように考えているところでございます。

 以上でございます。



◆(阿部義人議員) 約5項目、今回は代表的に取り上げさせていただいて御答弁いただきました。市内の雇用状況、非常に厳しい中で、なぜ障害者の雇用問題取り上げるんだと、こういう御指摘もいただくのかなというふうに思ってございますけれども、もともとスタートの段階でハンディがついているので、余計今のこの雇用状況厳しい中でいくと、しわ寄せは弱いところに全部行っちゃうわけですよね。ですから、非常に厳しい中でも、あえてそういう問題も一緒にやっぱり、痛みを受けるのであれば同じに受けるんならいいんですが、もともとハンディあるわけでして、それで非常に雇用状況が厳しい中で取り上げさせていただいたんですが、市内の民間の状況、全道的に見ると、非常に全道平均を上回っているということで、恐らく歴史的な経過があるんだろうというふうに思ってございます。

 ただ、今これは高齢者も同じなんですが、基本的には施設から外にという傾向なんですね。で、グループホームができたり、通所のさまざまな施設ができたりという状況にありまして、そうなると余計施設の中ではなくて、外でやっぱり就労の機会をふやしていくということが必要なんだろうというふうに思っていますので、ぜひ引き続き民間の動向なども受けとめていただきたいと思いますし、その発注の関係も工夫ができるものはないかと。それからさっき申し上げましたように、逆に仕事を創出していくというか、あるいは今まで中で抱えた仕事を外に出していくということなども、さまざまに検討できるんではないのかなというふうに思っていますんで、それはまたいずれかの機会に検証させていただきたいと思っています。

 それから、事業主としての市の障害者雇用ですが、率は達成していると。ただ、私は中身わかっているから言うつもりはありませんけれども、中途障害も含めてなんですよね、実は。一時期は、障害者手帳を申請しない方にも働きかけたりというような時期も、大分以前のことですが、仄聞したことがあるというふうに申し上げておきますが、表向きの雇用率を達成するがためにという時期もありました。今比較的、法定の率は達成しているけれどもと、やっぱり行政の福祉化という観点からいくと、もちろん行財政進めていますから、厳しい中で障害者の採用というのも、やっぱり計画的に私は進めていくべきだろうと。この率が下がったから、今度来年採用しましょうとかということではなくてですね、ということなどもやっぱり必要だろうということだけ申し上げておきます。

 それから、3園統合、年度内にはということなんで、これからさまざまに議論されていくと思うんですが、ぜひ最近のこの種施設のトレンドといいますか、決して最先端がいいと言うつもりはありませんけれども、全国的にこの種公営の施設が──公営というか、公設の施設が、運営も含めてどういうふうに行われているか。それから、父母の最後のときの──最後のときのというか、何かあったときのセーフティーネットとしての施設の機能というのも必要だろうというふうに思っていますので、そういう施設のコンセプトをつくるに当たって、いろんな方々からぜひ、直接利用されている父母の皆さんもそうですが、その種施設の運営に携わっている民間法人の皆さんからも声を聞くことも必要だろうというふうに思いますので、ぜひトータルな、ある意味では障害者施策のモデルになるような施設、単に3園統合、3つを一緒にすればいいというだけでない。それから運営についても、私ども会派で直営でなくというふうに御提言している議員もいますし、私はむしろ、私個人の考え方ですが、NPO法人などつくるというのも一つの手法かなと。そこにさまざまな福祉法人の皆さんもかかわっていただいて、市民的な広がりを持たせるというのも、ある意味では行政の福祉化という概念からいえば、あり得るのかな。そこに市の職員も一緒に手を携えて運営をしていくということなども、市民協働のまちづくりの一環だろうというふうに思ってございますので、実際の運営まで構想の中で出てくるかどうかわかりませんが、ぜひそういう視点で、残された時間そう多くありませんけれども、進めていただきたいと。

 それから、介護保険、これは今取り上げた問題の延長線上にあって、そして一番直近の課題としてどういう状況になっているか、お聞かせをいただきました。若干介護保険料が上がるのではないかと、こういうことだろうと思うんですが、これは早くから、なかなか算定して市民の皆さんにお知らせをしていくというのは難しい側面あるというふうには思っています。まだ介護報酬が最終的に整理がついてませんので、ただ一般の市民の皆さんの受けとめは、余ったお金基金に積んできているじゃないかと、こういう議論があるんですね。何で上がるのと、こういうことになるんだろうと思う。私は、国民保険料は、毎年の出ていくお金と入ってくるお金を計算して保険料決まっていっているんで、どうしても医療費が多くなれば、2%とか3%とか上げざるを得ないと。しかし、実際の財政は、大分よくなったとはいえ、まだ赤字を抱えている。ところが、この介護保険というのは3年に1回の見直しですから、ですから1回市民向けのサービス、引き下げたりしますとツケが3年分来るわけですね。基金もすべて使い果たしてしまいかねない。しかも、先ほどのお話聞きますと、どちらかといえば当初目標にした在宅福祉よりも、もちろん市民の皆さんのニーズも施設福祉に、比較的ニーズが高い状況にあるわけですから、そこをうまくバランスとりながら事業計画立てていかなきゃならないんですけれども、いずれにしてもそういう傾向にある中で、やはり市民の皆さんに対する説明というか、介護保険制度の仕組み、それから事業計画で見込んでいる状況、あるいは現状と向こう3年間の見通しですね、そういうものをやっぱりきちっと明らかにしていかないと、なかなか市民にはわかりづらい。黒字分積んできているんでしょうと、単純に言えば。そういう議論になりかねないもんですから、ぜひその辺だけは可能な限りオープンに資料を出していただいて、市民の理解を得ていくということが必要だろうと。上乗せ、ことし従来どおりやっていただけるようですから、安心をいたしましたけれども。

 いずれにしても、5点にわたって御答弁いただきました。先ほど申し上げましたように、各部にまたがる課題でもあるし、問題のとらえようによっては、新たな市役所の形づくりにもつながるものというふうに思ってございますので、私も引き続きさらにほかの部局の課題も研究をさせていただきながら、きょうは初めて議会で行政の福祉化という言葉でやりとりをさせていただいたということで、問題提起をさせていただいて、終わらせていただきます。(拍手)



○議長(岩谷正信) これをもちまして阿部 義人議員の質問は終わりました。

 お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

  (「異議なし」の声あり)



○議長(岩谷正信) 異議がありませんので、そのように決定いたしました。

 次の本会議は9月17日午前10時から開きますので、御参集ください。

 初のナイター議会を最後まで傍聴いただきました市民の皆様にお礼を申し上げ、本日はこれをもちまして延会いたします。

 大変御苦労さまでございました。

          午後9時08分延会