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北海道 函館市

平成13年第5回定例会 議案(意見書案) 意見書案第6号




平成13年第5回定例会 議案(意見書案) − 意見書案第6号









意見書案第6号                (平成13年12月19日可決)



           医薬品の規制緩和に反対する意見書



 薬局・薬店で販売されている、いわゆる一般用医薬品は、薬事法第2条第1項に規定されている医薬品に属し、その販売は薬剤師の免許、もしくは薬種商の資格を持った者でなければならないとされております。そして医薬品は、効能効果がある一方、副作用をもあわせ持つことは周知のとおりであり、その乱用、誤使用は国民の健康に重大な影響を及ぼすことは言うまでもありません。

 平成11年4月、当時の厚生省は規制緩和の一環として、比較的緩和な成分からなるビタミンドリンク剤および胃腸薬について、医薬品から医薬部外品への変更を行い、それに伴い薬局・薬店以外の一般小売店での販売も可能になりました。

 この規制緩和については、これらの成分薬物の安全性の高さ、そして諸外国の例からかんがみても妥当であると言わざるを得ません。

 しかるに、経団連など一部の規制緩和推進派は、さらなる規制緩和を求め、「解熱鎮痛薬」「総合感冒薬」「胃腸薬」「船車酔止薬」「消毒薬」「目薬」をも医薬部外品へ移行することを要望していると聞き及びます。

 しかしこれらは、「比較的緩和な成分からなるビタミンドリンク剤」とはその副作用、相互作用の点で大いに異なります。

 「国民が望んでいるから一般の小売店でも売らせろ」という主張は、医学、薬学とは別の次元の問題であり、これ以上の規制緩和は不必要であるというより不適切と考えます。

 さらに規制緩和推進派は、「チェーン展開をしているドラッグストア等において、その本部にのみ薬剤師を配置すれば、個々のチェーン店には薬剤師は不要」との要望、その上、「薬剤師の介在なしにインターネット上で医薬品の販売ができるよう薬事法の見直し」を、平成12年5月22日付で政府・規制改革委員会に提出したと聞いております。

 これは、当時の厚生省の注意を無視してインターネットでバイアグラを個人輸入し、死亡事故に至った例に見られるように、医薬品の副作用、相互作用などの危険性を無視し、経済的利益のみを追求した発想と言わざるを得ません。

 よって、薬剤師などの不在状態での医薬品販売、対面販売を無視したインターネットによる医薬品販売およびセルフサービス形式の医薬品販売には根本から異を唱えるものであります。

 一方、健康食品「セントジョーンズワート」(和名セイヨウオトギリソウ)は、「いらいらを和らげるハーブ」として販売されております。当時の厚生省は平成12年5月、「セントジョーンズワート」は数十に及ぶ医薬品の作用を減弱する、との注意を呼びかけました。すなわち、気管支拡張薬のテオフィリン、強心薬のジドキシン、抗てんかん薬のフェニトイン、などとの併用は、これら医薬品の効果を減少させる、ということです。

 このような場合には健康食品といえども、注意事項を記載した添付文書が必要と考えます。

 また、都道府県知事が許可する医薬品販売業のうち、配置販売業者は、厚生労働大臣が配置薬と認定した医薬品以外は販売できないと規制されております。しかし最近、配置薬以外の医薬品を訪問販売する業者が多く存在し、無資格者が事業所、学校等に販売しております。

 一般用医薬品については、現在広告規制がないに等しいため、劇薬や副作用の多い医薬品まで、チラシや広告ビラ等に掲載されております。これは、消費者の選択を誤らせ、誤用・乱用を招く危険があると思います。昭和58年に北海道衛生部が定めた「医薬品等適正広告指針」のような、何らかの規制が現在も必要と考えます。

 よって、政府ならびに国会は、下記の事項を厳守するよう強く要請いたします。

                  記

1 副作用、相互作用の多い医薬品の規制緩和は行わないこと。

2 ドラッグストア等における薬剤師の不在、医薬品のインターネット販売、セルフサービス形式の医薬品販売、などを改め、薬剤師などによる対面販売を維持すること。

3 医薬品と医薬部外品との区別は、名称の変更も含めてはっきりさせるよう、業界を指導すること。

4 医薬品との相互作用を持つ健康食品の扱いについては、注意事項を記載した添付文書をつけるなど、慎重に取り扱うよう指導すること。

5 配置販売業者は、配置薬以外の医薬品を販売しないよう指導すること。

6 劇薬や副作用の多い医薬品のチラシや広告ビラ等への掲載は規制すること。



 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。





  平成13年12月19日

                   函館市議会議長  岩 谷 正 信