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北海道 札幌市

平成17年第二部決算特別委員会−10月04日-02号




平成17年第二部決算特別委員会
 札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第2号)
              平成17年(2005年)10月4日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 33人
    委 員 長  井 上 ひさ子       副委員長   本 郷 俊 史
    委   員  小 谷 俵 藏       委   員  佐 藤 美智夫
    委   員  武 市 憲 一       委   員  上瀬戸 正 則
    委   員  三 上 洋 右       委   員  宮 村 素 子
    委   員  馬 場 泰 年       委   員  鈴 木 健 雄
    委   員  勝 木 勇 人       委   員  山 田 一 仁
    委   員  長 内 直 也       委   員  村 山 秀 哉
    委   員  湊 谷   隆       委   員  伊与部 敏 雄
    委   員  川口谷   正       委   員  大 西 利 夫
    委   員  小 野 正 美       委   員  三 宅 由 美
    委   員  藤 川 雅 司       委   員  桑 原   透
    委   員  小 田 信 孝       委   員  三 浦 英 三
    委   員  芦 原   進       委   員  阿知良 寛 美
    委   員  小 川 勝 美       委   員  坂 本 恭 子
    委   員  小 形 香 織       委   員  田 中 昭 男
    委   員  小 林 郁 子       委   員  坂   ひろみ
    委   員  松 浦   忠
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       開 議 午後1時
○井上ひさ子 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。
 報告事項ですが、ございません。
 議事に先立ちまして、審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので、ご報告いたします。
 質疑者及び答弁者は、起立して発言をしていただきます。
 答弁を行います部長及び課長は、冒頭に職、氏名を名乗ってから発言していただきます。答弁が続行する場合は、最初だけで結構です。
 また、効率的な審査を行うため、質疑及び答弁は簡潔を旨とし、内容の重複等は極力避けながら、定められた審議日程を予定どおり消化できるように、よろしくご協力をお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 議案第1号 平成16年度札幌市会計歳入歳出決算認定の件中関係分ほか、付託議案6件を一括議題といたします。
 議案第2号 平成16年度札幌市病院事業会計決算認定の件の質疑を行います。
◆宮村素子 委員  私から、静療院の再編と周産期医療についてお伺いいたします。
 まず1点目は、静療院の再編についてお伺いいたします。
 このたび公表されました市立札幌病院のパワーアッププランは、これまでの病院改革への取り組みを集約するものとして、将来にわたり市民に信頼される質の高い医療を提供する自治体病院のあり方を明確にし、進めるべき重点施策を明らかにした内容になっております。
 これらにつきましては、我が会派が市立札幌病院の改革が必要だと申し上げてまいりました内容そのものでございますので、評価するところでございます。今後は、より早くこのプランの実行を求めるところでございます。
 そのプランの中に、精神科医療の再編として、静療院の全般的な見直しが大きな柱の一つとして掲げられております。
 静療院が道内の精神科専門治療機関として、長年にわたり果たしてきた役割は大変大きなものであったかと思いますが、それらを土台にして、精神科医療を取り巻く大きな環境の変化に対応していこうとするものです。このうち、成人部門、一般精神病棟、老人性痴呆病棟につきましては、民間の精神科医療機関や老人福祉施設との機能分化と、公的病院としての役割の見直しを図る、踏み込んだ方針を立てています。
 そこで、ここで示されております一般精神病棟と老人性痴呆病棟の見直し方針を、今後、どのように実行し、具体化していこうとされているのか、お伺いいたします。
 また、児童部門、小児特殊病棟、自閉症児病棟につきましては、これまでの小児精神医療分野の機能に加えまして、発達障がいの早期発見、ケアの技術的指導、家庭、学校、施設に対する相談、支援、さらには研修、啓発の機能も備えました児童診療福祉センターとして機能を強化するとともに、施設設備の老朽化に対して、診療環境の整備を進めることとしております。
 そこで、今回、児童部門の診療環境の整備について、静療院の再編計画の中でどのように位置づけておられるのか、お伺いいたします。
 次に、周産期医療体制の拡充強化の実施状況についてお伺いいたします。
 私は、この7月に、オーストラリアで開催された国際助産師連盟大会に出席してまいりました。その中で、健康な国づくりは、妊婦と胎児に安心と安全を届けることに始まるとして、世界各国の助産師がそれぞれの国の健康をどのように担っていくかという視点での論議が展開され、安全なお産の提供、周産期医療水準の向上と助産師の役割、さらに教育のあり方について学び、札幌市のそれらの状況について改めて考える機会になりました。
 これまで、本市における周産期病床の整備については、再三にわたり質問し、要望してまいりましたが、本年、1定でNICUの増床、そして念願の母体・胎児集中治療室の整備方針が明らかにされまして、このたび病床整備により、実力と実績のある市立札幌病院が、母体搬送をより多く受け入れることは、大きなリスクを抱えた妊婦の安全と安心につながるものであり、ひいては健康な札幌の人づくりのための一面が整ったと意を強くしているところでございます。
 一方、小児科及び産婦人科の医療提供体制は非常に厳しい状況に置かれております。周産期医療を担う医師の確保はますます厳しくなっておりますし、全国的にも少人数の産科、小児科医の周産期医療の運営は既に限界に達しておりまして、より安全に安心して子どもを産み育てるために医師を集約する動きも出てきています。
 そこで、質問いたしますが、周産期を担う医療スタッフの確保は非常に難しいと考えますが、今回の周産期医療病床整備の具体的な実施内容とNICU、MFICU等の周産期病床はどのような診療体制をとっておられるのか、お伺いいたします。
 また、MFICUの稼働により、母体搬送の受け入れ件数もふえてくると思いますが、受け入れ等の状況についてお示しいただきたいと思います。
◎安田 静療院長  静療院の再編のうち、成人部門見直しの具体的な取り組み内容についてお答えします。
 まず、一般精神病棟については、民間部門との機能分化を進め、公的医療機関に求められる高度、特殊な精神科医療への特化を目指すことにしております。
 具体的には、第1に、本院との統合を視野に入れて救急医療、急性期医療、身体合併症への対応可能な診療体制へ転換する準備を行う。
 第2に、病床規模を段階的に縮小し、この間に一般医療や急性期を経過している患者等の転院、退院を促進し、患者構成の変換を図る。
 第3に、病床規模の縮小は、現在の3病棟152床を平成20年3月末までに、1病棟を閉鎖し2病棟102床に、さらに、平成21年3月末までには2病棟52床にするという計画でおります。
 また、老人性痴呆病棟については、介護保険制度の導入に伴って、介護療養型医療施設、介護老人保健施設、あるいは介護老人福祉施設など、民間部門の受け入れ態勢が順次拡充してきたことを踏まえ、公的医療機関としての役割を見直して廃止することといたしました。このため、平成18年3月末までに老人デイケア外来を廃止、平成19年3月末までに現在ある42床すべてを廃止し、病棟を閉鎖する予定でおります。
 次に、児童部門の診療環境の整備についてでございます。
 小児特殊病棟、自閉症児病棟のぞみ学園ともに、施設設備の老朽化が進んでおり、何らかの対策の必要については以前から認識しているところです。今回の成人部門見直しにより、平成18年度末をもって老人性痴呆病棟は閉鎖、一般精神病棟も1病棟が閉鎖されることから、この結果生ずる余剰施設の有効活用も含めて児童部門の診療環境整備について関係部局とも協議し、検討してまいりたいと考えております。
◎佐野 理事  周産期医療の充実強化への取り組みについてお答えいたします。
 今回のパワーアッププランによる周産期病床の整備として、まず、9階西病棟の新生児集中治療室、NICUの改修を行い、これまでの6床を、6月から3床増床して9床といたしました。また、母体・胎児集中治療室、MFICUは9階東病棟に6床新設し、9月から稼働したところでございます。これにより、当院9階東及び西病棟は、周産期専用病棟として運用いたしております。
 診療体制でございますが、9階西病棟は新生児常勤医師5名、看護師はNICU18名、一般病床17名の計35名体制としております。また、9階東病棟は、全国的に産婦人科医師の確保が厳しいさなか各機関を奔走し、常勤医師2名の増員を行い、8名の医師を配置しております。さらに、看護師は助産師資格を有するスタッフを中心に、MFICU13名、一般21名の計34名の体制で診療に当たっております。
 次に、母体搬送依頼の受け入れ状況についてお答えいたします。
 MFICU整備前の今年度4月から8月までの依頼数は41件あり、そのうち受け入れ件数は29件でございます。受け入れ件数は昨年の28件とほぼ同じですが、受け入れ率は昨年の45%に対して、今年度は70%と25ポイントの増加となっております。なお、病棟再編後の7月、8月の母体搬送受け入れ率は22件中19件、86%と大きく伸びております。
 これは、病棟再編により産科受け入れ病床を増加したこと、医療従事者の増員など診療体制の充実により、リスクの高い妊婦さんを受け入れることができるようになったと思っております。現在、管理妊婦入院数は1日平均12.5名と増加傾向にございます。
◆宮村素子 委員  再質問をさせていただきます。
 まず、静療院についてですが、一般精神病棟の大幅な縮小及び老人性痴呆病棟の廃止はぜひとも円滑に実施していただきたいと願うところでございます。
 その際、現に施設を利用し、治療を受けております患者、それから家族、転院先となる民間医療機関などに十分説明を尽くしていただき、理解と協力を得ていく必要があるかと思います。ぜひ、丁寧にやっていただきたいと思います。
 そこで、ただいまお答えのあった成人部門の見直しを進めるに当たって、今後、患者、家族、関係機関に対し、どのような働きかけを行っていくおつもりでいらっしゃるのか、お伺いいたします。
 さらに、一般精神病棟の縮小においては、救急、急性期医療や身体合併症への対応など、高度、特殊な精神科医療への特化を目指しております。将来的な本院との統合を視野に入れた条件整備を検討することとしておりますが、この点について見通しはどうか、お伺いいたします。
 次に、周産期医療についてでありますが、ただいま周産期病床の整備についてお答えいただきましたが、MFICU6床、NICU9床の体制のもと、市立札幌病院が名実ともに札幌圏の周産期医療の拠点として、新たな一歩を踏み出すことを期待しております。
 さて、市立札幌病院は総合周産期センターとして道の認定は受けておりますが、これまで札幌圏には、国の基準に合致した総合周産期母子医療センターとしての指定を受けた医療機関はないわけであります。天使病院が地域周産期センターの指定を受けているのみであります。そういった中で、リスクを抱えた妊婦は不安な状況にあったかと思いますし、北海道全域を見ましても、周産期医療の体制整備は十分に進んでこなかったというふうに思っております。
 今回の周産期病床の整備並びに診療体制の整備により、市立札幌病院は国の定める基準に合致していると思いますので、今後、総合周産期母子医療センターの指定を受ける計画があるのか、あるとすればその時期についてお示しいただきたいと思います。
◎安田 静療院長  患者さん、ご家族への働きかけについては、静療院全体の再編及び縮小の趣旨について、一人一人に十分な配慮と丁寧な説明を尽くしてまいります。
 特に、今年度末の廃止を予定している老人デイケアについては、現在利用している患者さん、ご家族に対して既にお知らせしたところです。また、病棟の縮小、廃止により、転院、退院を要する患者さんに対しては、これを促進する医療プログラムにより計画的に準備を進めるとともに、転院先として可能な民間医療機関に対しましては、患者さんの受け入れについて協力を依頼してまいりたいと考えております。
◎高本 事務局長  私から、静療院再編後の一般精神病棟の本院への統合の見通しについてお答えいたします。
 本院への統合につきましては、本院側における施設上の受け入れが可能かどうか。あるいは財政負担も含めた別病棟新築の可能性など、病院全体にかかわる大きな問題であり、解決しなければならない条件も多くございます。したがいまして、今後の札幌市のまちづくり計画策定の際に、改めて条件整備について検討してまいりたいと考えております。
◎富樫 病院長  周産期医療の充実と強化につきましては、パワーアッププランにおいても当院の重要課題ととらえ、今年度は、まず最初に施設や体制の整備を進めたところでございます。
 総合周産期母子医療センターは、3次医療圏の周産期医療の中核として、各周産期医療機関と連携するとともに、医療情報センターとしての機能並びに医療従事者の研修など、多様な機能を有するものでございます。
 当院は、委員ご指摘のとおり、周産期医療の中核病院としての機能を十分に有しており、施設や体制が整いましたので、総合周産期母子医療センターの指定に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。なお、その申請時期につきましては、稼働後3カ月間の運用実績が必要なことから、年内にはその手続を行いたいと考えております。
◆宮村素子 委員  最後に、要望したいと思います。
 静療院の再編に対しては、本院との統合を早期に実現されるよう、今後の札幌市の街づくり計画にしっかり盛り込んでいかれることを要望いたします。
 また、総合周産期母子医療センターは、私が求めてから大変長い時間がたちましたけれども、やっと見通しが出てまいりました。これからお子さんを産もうとしている札幌市内の方たちにも朗報であります。市長もおいででございますので、札幌市の財政が大変厳しい中、これから生まれてくる赤ちゃんの健康を保障するということで、少し圏域を広め、札幌市に住んでない人も受け入れることになれば、予算的には大変過大になるのかもしれませんが、市立札幌病院は本当に力があるということにかんがみて、ぜひともこの応援をお願い申し上げる次第でございます。
 3次医療圏の周産期医療向上に向けて、十二分に機能を発揮されますように要望して、終わります。
◆小野正美 委員  私からは、市立札幌病院の2004年度、平成16年度の決算状況と新たな会計制度について質問いたします。
 国における医療政策は、02年度以降、診療報酬のマイナス改定や医療費の自己負担割合の引き上げなどが繰り返されております。さらに、来年度に向けて高齢者の自己負担額の引き上げなども検討され、一層医療費の抑制策が進んできているわけであります。
 こうした国民医療費の抑制そのものは歓迎されるべきことでありますけれども、一方で、民間を含め病院経営を営む側にとっては非常に厳しい経営環境になっていることも事実であります。
 選挙のさなかにも、病院関係者からは、郵政改革の次は医療改革であろうということや、経済成長率にあわせて医療費の支出を抑える等の考え方について不安の声も聞きました。
 特に、採算の取れない医療や多額の投資を必要とする高度医療の提供が求められている自治体病院は、非常に厳しい状況に置かれており、この間も何回か指摘されておりますが、全国の自治体病院のうちほぼ半数以上の病院が経常損失、赤字を計上しております。全国に約1,000ある自治体病院の03年度の決算状況を見ますと、6割以上が経常損失、赤字を出し、それ以前に比べても大幅に拡大しております。16年度の決算でも15年度を上回る赤字病院の発生が見込まれていると聞いています。
 こうした中で、市立札幌病院の決算状況を見ますと、赤字ではありますけれども、毎年好転をしてきている状況にあります。
 そこで、最初の質問でありますが、前段申し上げてきたように、昨今の厳しい経営環境のもと2004年度の決算は、前年度の決算に比べて収支状況が好転しているわけでありますが、その結果をどのように分析し評価をしているのか、お聞きをします。
 次に、厚生労働省から昨年8月に、病院会計準則の改正が出されています。これは1965年、昭和40年に制定され、1983年に見直しが行われて以降そのままであったのですが、昨年8月、病院会計準則が大幅に改正されたと聞いていますが、この主な改正点はどういうものなのか。また、これは市立札幌病院など公的病院にも適用されるものなのか、お伺いをいたします。
◎中西 事務局次長  平成16年度決算状況についてでございますが、16年度は15年度に行われました医療費自己負担割合の引き上げに続きまして、診療報酬のマイナス改定が実施されるなど、病院経営にとっては大変厳しい経営環境でございました。そのため、当院では、経営健全化に向け診療報酬の請求内容全般を精査いたしまして、収益確保に向けた対策を強化する一方、病院施設の維持管理費の節減もさらに図りましたことから、桑園に移転して以来、初めて純損失を10億円以下の8億円余りに圧縮することができたところでございます。
 さらに、政策医療費負担分として繰り入れをしております一般会計負担分につきましても約5億円程度削減しております。このような結果が得られましたのは、本年6月にスタートいたしましたパワーアッププランに先駆けまして、16年度中途において着手可能なものから進めてまいりました院内改革の取り組みが実を結んだものと考えております。
 次に、昨年、厚生労働省が行いました病院会計準則の主な改正点でございますが、これは民間企業などに適用されております企業会計制度に準じた改正が行われたもので、官民問わず病院経営の比較を可能にして、経営効率の向上につなげることを目的に、20年ぶりに改正されたものでございます。具体的には、キャッシュフロー計算書の導入、退職給付会計の導入など、新たな制度の導入を伴う内容となっております。
 公的病院への適用についてでございますが、病院の開設主体は公的法人から民間法人まで多種多様でございます。会計基準もそれぞれに異なっております。このため、厚生労働省では、統一した会計基準によって病院の財政状態及び経営成績を適正に把握すること、また、他の病院との経営比較を行うことによって、的確な経営管理を促すというねらいから、自治体病院を含むすべての病院に対しまして、新しい病院会計準則を内部管理の参考として活用するように要請が出ているところでございます。
◆小野正美 委員  まず、決算状況についてであります。
 赤字ではあるけれども、その額は毎年圧縮してきていると。具体的に、この3年間で12億9,000万円から10億2,000万円、昨年度は8億7,000万円という形で圧縮してきていますし、一般会計の負担も5億円、これは繰り入れ総額の約10%を削減したことになります。そういった点では、病院関係者の皆さんが努力されてきていることは評価したいと思いますし、パワーアッププランの取り組みにも生かしていただきたいと思います。
 また、今、新しい病院会計準則について説明をいただきましたが、市立病院など自治体病院は地方公営企業会計基準、あるいは学校法人や独立行政法人になりました国立大学病院、社会福祉法人が開設をしている病院、それぞれ設置主体ごとに異なる会計基準であるものを、病院として共通の会計情報を通じて病院経営者が公立あるいは民営を問わず、経営成績や財務状況が比較できるように、あるいは病院経営の効率化を図り、病院の経営自体を把握し、その改善向上に役立てるということで病院会計準則は設けられているものと認識しています。
 病院経営がもうけ主義といいますか、営利性や利潤追求を求めるものではないことは認識しています。特に、公的病院では、その役割において税金を投入してでも取り組まなければならない、採算の取れない政策的医療もあることは承知しているわけですが、冒頭に申し上げた厳しい経営環境がさらに引き続いてより一層厳しくなる中で、安定した医療の提供を続けていくためには、こうした新規の経営手法などを取り入れて経営の健全化に取り組んでいくことが大事と考えるわけであります。
 質問でありますけれども、新たな病院会計準則、このことがどのような取り組み状況になっているのか。民間病院あるいは公的病院、それぞれその取り組み状況について、わかればお答えいただきたいと思います。また、市立札幌病院の取り組みについてもお聞きいたします。
◎中西 事務局次長  新たな病院会計準則における、ほかの病院の取り組み状況についてでございます。民間の病院の状況につきましては余り公表されておりませんけれども、医療関係新聞が特定医療法人などを対象に、全国285の法人から回答を得た調査によりますと、約8割程度が新たな病院会計準則を適用する予定との調査結果が出ております。
 また、大都市の自治体病院の状況でございますが、地方公営企業法に基づくこの会計処理に加えまして、新たな病院会計準則にも対応するとなりますと、やはり過重な会計業務になるということもございまして、今後、導入予定の1市を除いて、他の都市については検討中、あるいは予定していないというふうに聞いております。
 また、病院会計準則に関する当院の取り組み状況でございますが、15年度及び16年度決算について、公認会計士の支援を得て試行的に策定をしたところでございます。その結果は、まだ試行的段階にございますため、あくまでも参考数値でございますが、地方公営企業法上の財務会計による赤字決算とは逆に、15年度及び16年度の両年度とも若干ではございますが純利益を計上する内容となっております。
 また、貸借対照表では、公営企業会計とその構成が異なるために負債額が資産額を上回る状況にもなっております。
◆小野正美 委員  ただいまの説明で、新しい病院会計準則について、民間の特定医療法人などでは約8割がこれを適用する予定だと。それから、大都市の自治体病院の場合には、地方公営企業法に基づく会計処理が義務づけられていまして、それも含めて病院会計準則に対応するとなると過重な会計業務となるということで横浜市1都市と聞いているわけですが、これ以外を除いては検討中、あるいは予定していないということでありました。
 そうは言っても、病院会計準則が病院の経営判断を的確に行う上で、内部管理的な目的で作成する管理会計の財務諸表として有益であると考え、試行的ではあるけれども、市立札幌病院では公認会計士の協力、支援を得て試行的に策定したということで、こういった努力、姿勢については評価をしたいと思います。
 そういった中、地方公営企業法の決算で損益面は赤字ということになっているわけでありますけれども、病院会計準則で行うと、03年度で1億円、04年度、昨年度では4億6,000万円の純利益が計上されているわけであります。そういった違いがどうして生まれるのか、あるいはその違いはどこにあるのかお聞きいたします。それから、今言われたように、負債が資産を超えているということでありますが、それはどうして起きるのか、その点をお聞きいたします。
 それから、新しい会計準則では、もう一つの経営指標をあらわすものとして、一定期間の現金の流出入額を表すキャッシュフロー計算書の作成があるわけであります。いわば資金繰りということなのでしょうが、これは近年、経営状況の健全性を示す指標として民間企業の多くが取り入れているわけでありますし、上場企業ではその作成が義務づけられていると聞いています。
 こういった企業の経営状況を単に損益面からだけではなくて、資金の流れを重視していく必要性から出てきているわけでありますが、市立札幌病院のキャッシュフロー計算書といいますか資金繰りの状況はどのようになっているのか、お聞きをいたします。
◎中西 事務局次長  損益面の相違についてでございますが、公営企業会計では収益的収入と資本的収入に区分して計上されており、例えば、企業債償還金にかかわる一般会計繰入金等は資本的収入として収益にカウントされておりません。病院会計準則では、資本的収入という考え方がございません。これらを含めて損益計上されるということから、収支が好転する結果となってあらわれております。病院経営の損益状況をあらわすものとしてはこの方がより民間の会計基準に近く、実態を反映した経営状況をあらわしているというふうに考えております。
 また、負債の方が多くなる理由でございますが、公営企業会計では企業債の借り入れを借り入れ資本金として資本に計上するのに対しまして、病院会計準則では、資本という概念が病院にはございません。これらをすべて負債として計上しておりますこと、それから、新たに加わりました多額の退職給付引当金を負債として計上していると、こういったことによりまして、負債額が資産額を超過しているというものでございます。
 それから、キャッシュフロー計算書につきましては業務活動、それから投資活動、財務活動に分けた資金の状況を正確に把握するということができまして、財務の健全性を判断する上で、私どもも今後の病院経営に有益なものというふうに考えております。
 15年度と16年度についてキャッシュフロー計算書を作成してみたところ、両年度とも本来の業務活動によって増加した資金をもって建設改良等の投資活動、あるいは企業債の返済などの財務活動に充てている状況となっております。この結果につきましては、会計実務の専門家から、健全な資金状況をあらわしているといった評価もいただいております。
◆小野正美 委員  最後に、要望になりますが、公営企業のあり方がいろいろと問われているわけでありますけれども、本市においても病院事業だけでなく、交通事業や水道事業などがありまして、この公営企業法に基づく会計処理を行っているわけであります。交通事業も、今は地下鉄と市電だけになりましたし、あるいは、水道事業のような独占的事業とは異なりまして、民間病院あるいは公的病院も含めて競争にさらされている病院事業においては、同一業種での経営比較がぜひとも必要になるのではないかと思います。
 そうした視点から、市立札幌病院がいち早くこの新しい病院会計準則に取り組まれた姿勢は評価をいたします。また、民間企業などのこうした決算報告書と同じ考え方に基づいた会計方法を適用すると、市立札幌病院の経営状況は、一般会計からの繰入金を収益として計上した結果とはいえ損益面では黒字を計上し、キャッシュフローも良好な状態であることも評価したいと思います。
 しかし、先ほど言いましたように、まだこの基準が出されて間もなく、それぞれの法人が従来の会計処理をしながらの作業であることから、任意の適用であって、取り組む自治体病院はこれからというところでありますけれども、経営状況を内部で的確に把握するため意義は十分にあるわけです。なれない事柄であり、こうした報告が正式になされているわけではありませんので、議会としても、病院経営の実態に着目して論議を行う上で、今後、継続して新病院会計準則に基づいた会計情報が提供されるよう、さらに一層の改善に努力していただくよう要望しまして、質問を終わります。
◆小田信孝 委員  私からはがん対策について、1点に絞って質問させていただきます。
 昭和56年以降ずっと、がんは日本人の死亡原因の第1位で、全体の3割を占めており、がん対策はいろいろな問題が内包されております。日本は先進国のはずなのですが、なかなかがん対策が進まない大変な状況で、年々増加しているということでございます。
 国民の2人に1人はがんにかかり、3人に1人は亡くなるという現状にあると言われております。まだ治療法が確立していないがんも多く、患者さんに合わせて抗がん剤もいろいろな組み合わせを試行するなど、ドクターと患者との手探りの闘いが続いている現状ではないかというふうに思います。
 世界的には、標準的ながん治療方法もあるのですけれども、日本ではまだ保険で認められていないために、それを選択した患者さんは医療費がすべて自己負担になってしまい、経済負担が大変になります。がん治療については、まだまだ大きな問題があると思いますが、日本では、がん患者さんの置かれている厳しい状況をがん難民と呼ばれる方までいます。
 この原因として、関係者が指摘している主な点が約8点ありますので、私からちょっと申し上げたいと思うのです。
 1番目は、地域間格差が厳然とある、それから病院間格差がある、多くの患者さんがごく標準的な治療すら受けられないまま亡くなっている。
 2番目は、日本では、海外で承認されている薬や遺伝子治療、免疫治療など、先進治療が受けられない。
 3番目は、がん治療の専門医師が不足している。
 4番目は、欧米では当たり前なのですがチーム医療が中心です。しかし、日本ではそのような体制になっていない。
 5番目は、患者さんが安心して相談できる窓口が不十分である。
 6番目は、早期発見・早期治療が不可欠なのに検診体制が不十分なため、日本のがん受診率は10%から20%の間である。欧米では、もう既に80%から90%に達しているということであります。
 7番目は、日本にがん登録制度がないために全体のがんの罹患率、5年生存率など正確なデータがなく、詳細なデータを整備する必要がある。
 8番目は、終末期医療、そして緩和ケアが不十分である。
 こういうふうに今現在要約されているところであります。もちろん、日本はこれまで厚生労働省を中心にいろいろとがん対策について取り組んできたことは私も承知しております。昭和59年より対がん10カ年総合戦略、これに続いてがん克服新10か年戦略、そして去年からは新たな第3次対がん10か年総合戦略がスタートしておりまして、何とかがんの罹患率、死亡率を減らそうということで定められました。
 先ほど8項目申し上げましたけれども、こういった国の政策、そして今のがん対策の現状、これを踏まえて、国としては今どんどんと新たな対策に手を打ち始めました。
 最近、厚生労働省は、がん対策推進本部を発足させました。それから全国にがんの拠点病院を指定して、国民が日常生活圏の中で質の高いがん医療を受けることができる体制を推進するということで、地域にがん診療拠点病院が設置されることになりました。
 これは第1回目の平成14年から、指定病院として東京都立駒込病院、癌研究会附属病院など、五つの病院が指定されてスタートしたわけですけれども、札幌市では、ことしの1月17日に、北海道がんセンターとともに市立札幌病院が診療拠点病院に指定されたところであります。これは北海道に住むがん診療拠点病院として、患者さんあるいは札幌市民から大いに期待されているところだと思います。先ほども申し上げましたように、全国的には指定病院であったとしてもまだまだ格差があるということを指摘されております。
 そこで、質問いたします。
 先ほども申し上げましたけれども、対策を立てるのに必要ながんの罹患率など、正確なデータがないということでありますが、市立札幌病院のがん治療の実績、例えば、がん登録の件数、外科手術の件数などの概略をお示しいただきたいと思います。
 また、改めて、市立札幌病院は拠点病院としてどのような役割を担っていくのか、この辺についてもお尋ねいたします。
 続いて、ことしの5月に、大阪市で第1回全国がん患者大集会が開催されたところであります。日本のがん治療の問題、がん患者と医療従事者、そして行政を交えて大いに議論をされたところであります。この中で多くの患者さんが、がん治療の専門医が足りないとか、新たな治療方法を採用してほしいなど、がん治療の地域間格差の問題やがん治療に効果のある未承認薬や治療法の未採用について、早期解消を訴えておられました。
 この大阪の大集会は広くマスコミにも取り上げられ報道されたところでありますけれども、この中で、パネリストのドクターは、治療法がないからしようがない、あるいは、あるのに試さないで死んでしまっては意味がない、いい薬は早く使わなければいけないというふうに発言されています。さらに、日本には抗がん剤の専門医がほとんどいない状況であり、効果のある治療法が世界に存在することががん患者に知らされていない。また、治療における地域間格差を感じていても、セカンド・オピニオンを満足に受けられない問題も提起されておりました。
 そこで、3点ほど質問させていただきます。
 1点目は、市立札幌病院のがん診療への体制と、拠点病院として、今後、どのような運営を行っていくつもりなのか、お伺いいたします。
 2点目として、多くのがん患者の治療の情報をどのように整理、活用していくのか。それらを公開する予定はあるのか、お伺いいたします。
 3点目は、これは、私は以前も議会で質問させていただいておりますけれども、市立札幌病院では、患者さんに対するセカンド・オピニオンにどのように取り組まれているのか、お尋ねいたします。
◎樋口 副院長  まず最初に、当院のがん診療に関する実績とがん診療拠点病院の役割についてお答えいたします。
 当院のがん診療に関する実績でございますが、平成16年の北海道がん登録事業への新規報告数は延べ1,136件でございます。これは北海道がんセンターに次ぐものでございます。また、16年の悪性新生物を原因とする入院患者総数は2,659人、手術件数は初回と再発を合わせて773件でございます。
 次に、がん診療拠点病院の主な役割でございますが、1.地域の医療機関と連携し、専門的な質の高い医療を提供すること。2.がん診療に従事する医師等に対して、がん医療に関する研修を行うこと。3.院内がん登録を整備し、がん患者の5年生存率等、がん医療に関する情報を把握し、公開すること。4.地域の住民に対し、がんの予防やがん医療を受けるための情報を提供すること等が求められております。
 次に、当院のがん診療体制でございます。
 先ほどのがん登録事業の登録数のとおり、当院には多くのがん治療を求める患者さんが来院されており、がん治療に関しては、患者さんの病態やがんの部位に応じて各診療科の協力体制をとり、幅広くがん治療に対応する体制をとっております。また、家庭や社会で生活をしながら通院して、安全、快適に治療を受けていただけるように外来化学療法室を設置し、化学療法の専門知識を有する認定看護師を配置して、内科、外科、その他の患者さんを中心に治療に当たっております。そして、何よりも重要なことは、スタッフが患者やそのご家族に対していつも優しさ、思いやりを持って治療することと考えております。
 次に、拠点病院としての今後の運営でございますが、指定を受けて院内にがん診療拠点病院運営委員会を設置し、運営上の課題や登録システムの整備などを協議してございます。しかし、何分にも拠点病院として指定を受けたばかりでございます。期待される役割を果たすために、院内体制の整備を速やかに行ってまいりたいと考えております。
◎富樫 理事  次に、がん治療に関する情報の整理、活用と公開についてであります。
 まず、情報の整理、活用については、これまで各診療科が独自に収集整理していたがん治療に関するデータなんですが、今年度から院内がん登録システムを整備しまして、院内におけるがん診療のデータを病歴室が把握し、統計処理が可能な体制をつくりました。当面、17年以降の情報を整理しておりますが、順次過去のものも整理していく予定でございます。また、がん治療に関するこれらのデータの公開でございますが、体系的ながん登録が始まったばかりでありまして、特に治療成績を見る指標の一つである生存率の算定に欠かせない患者の追跡調査には膨大な時間と手間がかかりデータ整理には、もう少し時間が必要でございます。
 拠点病院として、がん医療の向上に役立つ情報提供の責務を果たすため、治療登録内容等を精査の上、できるだけ早く公開してまいりたいと考えております。
 続きまして、セカンド・オピニオンへの対応でございます。
 医療に関する情報提供が十分とは言えない中、患者さんが納得して治療を受け、その効果を上げていく上で、ご自身の受けるべき医療をみずから決定するための手段として、セカンド・オピニオンにより複数の医師の意見を求めることは、インフォームド・コンセントなどとともに重要なことであると認識してございます。
 このため、当院受診の患者さんがセカンド・オピニオンを必要とされるときには、ご希望に沿って資料提供などを行っております。また、当院の持つ高い専門性からセカンド・オピニオンを求められる場合も多く、これらについては、既に十分対応しているところであります。今後とも、患者さんが最適な治療を選択できる対応に努め、より質の高い医療を提供してまいりたいと考えております。
◆小田信孝 委員  今、ご答弁いただきましたけれども、私は、富樫病院長初め市立札幌病院のドクターの皆さんには心から敬意を表しているところであります。死を目前に、何とか克服しようと日夜闘っておられる患者さんを目の前にして、まさに毎日戦場にいらっしゃると、私はそのように感じております。大変でございましょうけれども、市立札幌病院のドクターの皆さんにはぜひ、今後のがん治療に対するいろいろなデータを整理していただいて、がん治療の後進国と言われている日本をですね、札幌から変えるぐらいの意気込みでひとつ頑張っていただきたいという期待を持って私は質問させていただいているわけです。
 我々も時々病院等をお尋ねして、患者さんのお見舞をさせていただいております。その中で、一番切なく感じますのは、やはりまだ国が基準等をきちっと定めて決断を出さない点がいろいろございまして、混合診療や薬の未承認薬もそうです。国がもうちょっと進めば、日本のがん治療はもっと進むわけです。その中にあって、今回、第1回全国大会が開かれて、厚生労働大臣も出席し、発言されておられたということで、非常に患者さんと治療との現場が近くなったと思うんです。
 そういうことで、私は、がん対策について、今後も関心を持っていろいろと勉強しながら質問させていただこうというふうに思っております。
 セカンド・オピニオンの問題について申し上げますけれども、病院によっては、外来を持っておりまして、診察を受けてドクターと相談をするわけですが、そういう体制とは別にセカンド・オピニオンの外来を設けて、ここで広く聞きたいことを聞けるという、もっと気楽な体制が進まないものだろうかと思うのです。
 私が集めた資料では、東京医科歯科大学の専門医によるセカンド・オピニオンが好評であるというニュースが出ておりますが、受診をして専門診察を受けるとなると、せっかくほかの病院を回ってきてようやくたどり着いたのに、また最初から診察となると、これはなかなか進まないのかなと。セカンド・オピニオンとしての窓口があれば、もうちょっと気楽に、いろいろ聞きたいことなど相談できるのかなとも思います。この辺についてはぜひご検討をいただきたいというふうに思います。
 それから、患者さんにとって一番つらいのはがんによる痛みです。がんに伴う痛みとの闘いは、その後の患者さんの治療の成果に大きく左右されるわけですし、痛みによって精神的な落ち込みもあると思うのですね。先ほど言いましたように、がんの進行度や抗がん剤の治療の選択、手術方法、患者さんの痛みはさまざまであろうと思いますけれども、これらをしっかりフォローしてこそ患者さんのQOL、言うなれば生活の質と満足度を維持向上させることができる。この辺については、多くの医療機関が十分にやっておられると思います。問題になっているのは、副作用とか手術の後遺症に悩む患者さんも多いということを聞いております。
 そこで、市立札幌病院では、がん疼痛に苦しむ患者さんにどのような対処をしておられるのか。また、拠点病院指定の条件に緩和ケア対応が義務づけられているわけですが、この辺についてはどのような活動をしているのか、お尋ねいたします。
 最後に、専門医師が足りない、また、腫瘍内科医が足りない、未承認薬の早期承認が必要ということですが、東京大学が行ったアンケート調査では、情報を統合し提供する機関は必要かとの問いに、94%の人が必要だというふうに答えたということが紹介され、日本がん情報センターといった情報機関を求める声もありました。これは大変大きく報道されております。
 大阪の大集会では、1番目に、がん情報センターの設立を希望する。2番目に、日本の医療はおくれている面がある。3番目に、患者主体のセンターにしてください。こういうことで三つの決議がなされたというふうに言われておりまして、いずれも患者さんの切実な願いであると私も受けとめました。
 厚生労働大臣も、いろいろなことがあるということがよくわかったと、今後、国家プロジェクトとして文部科学省と連携して全力を挙げて取り組む。地域間格差は一つずつ解決を図る。未承認薬については承認のスピードアップを約束する。そして、センター構想については今後の課題とするなどとお話をされたようであります。
 最後の質問ですが、この患者さんたちの切実な思いを受けて、がん治療に関するさまざまな問題について、拠点病院として、国等に改善を働きかけるお考えはないかどうか、お伺いいたします。
◎樋口 副院長  がん疼痛等に苦しむ患者さんへの対応と緩和ケアの対応について、あわせてお答えいたします。
 当院では、今まで、がんなどの痛みを訴える患者さんには、主治医を中心に治療方法を工夫したり、麻酔科医師による疼痛治療を行ってまいりました。さらに、患者さんのQOL向上のため、昨年10月に緩和ケアチームを設置し、このチームが中心となって、他の医療スタッフと協力して患者さんの疼痛管理に当たっております。この緩和ケアチームの専従スタッフには、がん疼痛治療に長年従事してきた麻酔科医1名とがん患者の看護経験豊富なホスピスケア認定看護師1名を充てており、また、闘病中精神面が不安定になった患者さんのケアを行うため、精神科医師1名が専任で配置されております。残念ながら、まだ緩和病棟はできておりません。なお、チームの活動実績でございますが、おおよそ月平均35人、延べ500回のケアを行っております。
 次に、2点目のがん治療に対する国への働きかけでございます。
 委員ご指摘とおり、未承認薬の問題、標準的治療法などの情報提供不足、混合診療の取り扱い、専門医の不足など、がん治療を取り巻く課題が山積していることは十二分に認識しております。我々の病院でもまだまだ十分でないことは毎日毎日の診療で感じております。私は特に、専門医の養成が急務と考えております。
 お話にありました全国のがん患者大集会において、尾辻厚生労働大臣が課題解決へ前向きなお話をされたということでございますが、私どもも、各拠点病院や全国地域がん診療拠点病院連絡協議会などを通じて、がん治療に関する問題と対応について協議し、国に働きかけるように努めてまいりたいと思っております。何よりも患者さんの役に立つよう努力していきたいと考えております。
◆小田信孝 委員  今、セカンド・オピニオンの窓口の件は答弁がなかったのですけれども、今の体制よりもうちょっと敷居を低くして、市立札幌病院へ行って、手術をどうするか、薬はどっちにするか、家族は何と何を合意して手術に踏み切るか、市民の皆さんが、がん治療に対して、もっと気楽に相談できる窓口としてセカンド・オピニオンの外来窓口を考える必要があるのではないかと痛切に思います。答弁がなかったので、これは要望にさせていただきますが、ぜひ、もうちょっと具体的な、一歩突っ込んだ体制を考えていただきたいと思います。
 今、特別国会が行われておりまして、我が党の議員が一生懸命国会でもやりとりしているのですが、アメリカでは、約30年前に国を挙げてがん対策に取り組み、その結果、現在では既にがん制圧に成功をおさめているというふうに言われております。残念ながら日本は東南アジアの中でもがん対策ということについては後進国に入っているのです。
 現場には、それぞれ優秀な医師がいっぱいいるけれども、専門医師がまだまだ足りない。そしてがんの治療薬の専門医になるともっと足りない。これは全部国にお願いをしていかなければならないと思いますが、市議会でもこういうやりとりは必要だと思うんです。そして、ドクターの皆さんから、厚生労働省に対して現場では大変なんですと、もっともっと意見を言う。今まではどちらかというと患者さん抜きのがん対策でしたから、せっかくいい全国集会ができて、患者さんのいろいろな声が、今回、それがいよいよ縮まったのです。そういう意味で、私は、まさに今回の会合がターニングポイントだと感じております。ですから、今後、ぜひ頑張ってほしいと思います。
 それから、今、我が党でも考えておりますけれども、仮称がん対策法というような法律も、もっとドクターの立場から、市立札幌病院からもぜひ声を上げていただきたい。やっぱり医療が進むとか予算がつくとか、こういうのは法律に基づいて進むわけです。そうすると、そういう根拠が薄ければ進んでいかないわけです。先ほどお話がございましたように、相当な人数を引き受けて治療に当たっておられる最前線の市立札幌病院のがん治療に対しては心から敬意を表しております。ぜひ、いろいろな声を発していただきたい。そして国を動かしていく、これは政治の世界だとか医療の世界だとか関係なく、本当にみんなが声を上げて頑張っていかないと、がん治療先進国の仲間入りは難しいと思います。
 国立がんセンターのドクターは、この数年が勝負だとおっしゃっています。今、第3次のがん戦略10か年です。この中で、この数年が勝負だと言われています。今、ドクターの皆さんが最前線で苦労している、その苦労とか、こうあってほしいんだということを、私は、声を大にしてもっともっと国に訴えかけることが必要ではないかというふうに思います。
 私どもも、いろいろな国会議員を通じて、ぜひこれは前進せとハッパをかけたいと思いますけれども、医療の最前線のドクターの皆さんにも力をかしていただきたい。そして、ここがターニングポイントで、がん制圧がだんだん見えてきたと言われるような日本の医療現場をつくっていきたい。私はこのように強く感じますので、ご協力のほどよろしくお願いします。
 以上、要望させていただいて、質問を終わります。
◆坂本恭子 委員  私からは、後発医薬品の採用拡大問題について。それから、医療事故の公表基準。さらにパワーアッププランにかかわって、大きく3点質問をさせていただきたいと思います。
 まず、後発医薬品についてですけれども、これは、日本共産党としても再三議会で取り上げさせていただいておりますが、新薬の特許切れの薬品、今はジェネリック医薬品という方がよいのかもしれません。この間の特別委員会での市立札幌病院のご答弁では、品目ベースで採用目標7%ということを具体的にお示しいただいているところです。
 ジェネリック医薬品の採用率ですが、4%台前半から半ばでずっと推移をしておりまして、直近の数字をいただきましたところ、ことし9月の時点で5.24%、97品目という数字を出していただきました。前回の1定でご質問いたしましたときには、注射に関して十数品目の導入が可能ではないかというお話もございましたので、それが97品目という数字につながっているのかなと思うのです。
 改めて7%という採用目標に対して、まだまだ到達点には低いということでございますので、目標達成のために具体的にどう取り組んでいるのか、この点についてお聞きいたします。
 それから、医療事故の公表基準についてですけれども、これも、ことしの1定で、策定基準の方向性が示されて、新聞等でも大きく報道されたところです。これは4月1日施行ということで、7段階の医療事故のレベル基準というのが定められ、それに沿って市立札幌病院の医療安全組織も動いていると聞いております。
 策定から半年経過して、この間、市立札幌病院の安全管理体制はどのように整えられてきたのか。それからまた、今回の医療事故の公表基準というのは、市民に対して安心な医療体制の確立ということから、適切な情報開示とともに、医療現場では安全な医療を行うという意識変化にもつながると考えますが、この点がどのように変化をしてきているのか、現場へのフィードバック等がどのように行われているのか、この点について伺いたいと思います。
 それから、パワーアッププランの策定にかかわってなんですけれども、前段もいろいろ議論がございましたが、プラン策定の背景には、自治体病院を取り巻く環境の変化ということが挙げられています。プランの冊子の中でも、自治体病院を取り巻く環境の変化ということでは、医療制度改革の進展という項目が2番目に挙げられておりますが、この中で、今後見込まれる医療保険制度の改革の行方は、病院経営にも大きな影響を及ぼすものと考えられるという一項がございます。
 去年の3定ですけれども、まさに、今回議論している決算が執行されているときに診療報酬の改定が行われております。1.05%の引き下げだったと思いますが、この時点でも委員会でご質問させていただきました。当時の高橋事務局次長からは、4月から8月までの前年度の同時期と比較すると約1億円の減収になっている。収益面では非常に厳しい見通しを持っているとのご答弁がございました。
 前段で、決算に対する評価のやりとりがございましたが、医療改悪に伴う経営状況の変化、これについての決算の評価というのを改めてお聞きいたします。あわせて、今後見込まれる医療制度改悪に伴う経営状況の変化、これに対してどう対応していくのか、そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◎唯野 薬剤部長  これまでのジェネリック医薬品導入経過と、今後の取り組みについてお答えいたします。
 平成14年10月の決算特別委員会において、熊谷委員より使用拡大のご指摘があり、薬事委員会を中心に市立札幌病院の考え方を整理し、実施に向けて取り組んでまいりました。ご指摘以降、薬事委員会において採用方法などの検討を行う中で、ジェネリック医薬品に関する対応についても議論されました。
 ジェネリック医薬品導入に際して、患者さんへの影響を主体として考えれば、高価薬から対応することが望ましいと結論され、平成16年10月の薬事委員会において、まず造影剤を中心に高価薬の6品目の切りかえを完了いたしました。さらに、平成17年2月の薬事委員会において、高価薬を含む13品目の導入を実施しており、先ほど委員がご指摘されましたように、昨年9月段階で4.41%であったジェネリック医薬品採用率は、本年9月段階で5.24%に至っております。
 こうした作業を実施する一方で、導入品目の決定には安全性を中心とした調査を独自に行うこと、さらに、処方医師とのコンセンサスを図ることなどの要件をクリアする必要があるため、相応の時間を要することをご理解いただきたいと思います。
◎吉田 副院長  医療事故の公表基準策定と安全管理体制についてお答え申し上げます。
 策定後、安全管理体制をどのように整えたかというご質問でございますけれども、医療安全体制が十分整ってきてから公表基準を策定したというふうにご理解いただきたいと思います。当院の方では、従前から医療事故、アクシデントにつきましては、医療安全対策会議、それから、先ほどお話のありました、患者様に直接大きな障害を与えないような低いレベルのインシデントにつきましては、インシデント検討委員会を設置して行ってきております。
 医療事故等の公表基準を本年4月1日から施行しておりますけれども、これらの会議につきましては、その後も原則として毎月1回開催いたしまして、事案の分析及び今後の防止策等について検討を行い、医療事故の防止と安全かつ適切な医療の提供に取り組んでいるところでございます。
 次に、いろいろな検討結果の職員へのフィードバックについてでございますけれども、各会議の検討結果につきましては、関係者会議等で報告し、また、医療安全ニュース、セーフティートピックスとして、職員全員に周知徹底することとしてございます。また、事案によりましては、院長あるいは副院長から個別指導、あるいは全職員を対象とした医療安全に対します講習会を実施するなど、公表基準の真意にかんがみまして、医療安全体制の向上に寄与できるよう取り組んでいるところでございます。
◎中西 事務局次長  診療報酬の引き下げ等に伴います16年度決算の見方について、改めて考えをということでございます。
 先ほども小野委員にお答えしたとおりでございますが、確かにこれまで14年度、それから16年度というふうに診療報酬の見直しが行われてきておりました。そのために、14年度あるいは15年度については、1日平均患者数の抑制基調はございましたけれども、16年度に入りましてからは外来、入院ともに1日当たりの患者数は増加傾向にございます。
 先ほど申し上げたとおり、今後、診療報酬の全般的な見直しですとか、それから維持管理費、その他に関する経費の見直しを通じ、経営に関しましては着実な方向を目指してまいりたいと思っております。
 それから、今後予定されている診療報酬の改定に向け、例えば、ESCO事業も今年度から始まりますけれども、私どもとしては、そういった事業を通じた維持管理費の見直し、それから、何といいましてもパワーアッププランを着実に実行していくことによって経営の健全化を図ってまいりたい、そのように考えております。
◆坂本恭子 委員  後発医薬品についてですけれども、高額なものから着実に取り組んでいるというご答弁だったと思うんですが、7%達成にはまだ時間がかかるというお話でした。後発医薬品は、やはり患者さんの負担軽減に資する部分が大変大きいと思いますので、これは進めていっていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
 そこで、具体的な効果として、2004年度の決算ベースで構わないので、全体的な効果額はどの程度であったのか。それから、特に、患者さんの負担ということで言いますと、やはり慢性疾患の方は毎月の薬価負担が大変重いと思いますので、前回も資料は出していただいたのですけれども、改めて、個別の症例に基づいて、どのような患者さんが、どのような投薬をして、先発医薬品とジェネリック医薬品との差はどのくらいあるのか、具体的な例をお示しいただければありがたいと思います。
 次に、医療事故の問題についてですけれども、毎月1回会議等を開催して、医療安全対策会議、それから事故の部分のインシデント検討会議が行われているということでした。さらに具体的には、安全対策会議は13名の委員で構成され、それから、インシデント検討委員会は24名の委員で構成されているということです。毎月1回の会議の中で、具体的にどのような議論がされているのか、差し支えがない範囲でお話をいただければと思います。
 また、医療事故の公表基準については、7段階のレベルが示されたわけですけれども、これは一括公表ということで、当該年度における病院全体の件数は翌年に公表するということです。それから、個別公表ということでは、これは重大な事故という解釈でいいのでしょうか、個別で公表するものの内容が分けられております。
 この間、半年経過をしているわけですから、7段階のインシデント、あるいはアクシデントの件数などはそれぞれ毎月の会議の中で把握をされていると思います。一括公表ということで、本来であれば来年に公表されるべきものであろうとは思うんですが、初年度ということもありますので、もし、この場で若干でも公表できるものがあればお話をいただきたいというふうに思います。
 さらに、パワーアッププランにおける経営状況の問題ですけれども、パワーアッププランを着実にこなしていく中で、経営状況の改善も図っていくんだというお話でありました。これも先ほど出ていたお話ではありますが、パワーアッププランの中で1点お聞きしたいことは、精神科医療の再編の問題についてです。
 静療院は廃院にして、そして、本院にこれを統合して、今、一般精神病棟152床あるものを50床に縮小し、そして身体合併症、それから救急・急性期医療について対応していくという案が示されているわけです。
 そもそも政策医療の中に位置づけられていた精神科医療ということから言いますと、今、札幌圏は精神科病床が集中していて、この病床が152床から50床に減少していくとは、民間の医療機関と役割分担をしながら、身体合併症の患者さんを診ていく役割を本院に担わせていくという考え方が再編の中には貫かれているんだろうと思うんです。先ほど転院、退院のことについては、今から家族、ご本人にも説明して、それから転院先の病院への対応も依頼しているというお話がありました。私は、今、静療院に入院されている患者さんで、在宅に戻ることが可能な患者さんはどれくらいいらっしゃるのか、あるいは転院によっていろいろ環境が変化するわけですから、症状に与える影響がどうなのかきちんと対応していくべきだというふうに思います。
 そういうことを考えますと、例えば、診療報酬の改定や精神保険法の位置づけの中で、精神病の患者さんも、病院から在宅へと大きく流れがシフトされてきていると思うんです。現状を考えますと、静療院にはそれが難しい方が入院をされているわけですから、採算ベースだけで精神科医療の再編、それから静療院の廃院を行うべきではないというふうに思うんですが、その点についての考え方をいま一度明らかにしていただきたいと思います。
◎唯野 薬剤部長  ジェネリック医薬品導入の費用効果についてでありますけれども、これについては導入してからまだ日が浅いというようないろいろなこともありまして、例えば、高価薬に導入したということで薬品納入価が減るとか、そういった意味の費用効果はございますが、まだ十分に検証できておりません。それについてはもうちょっと時間をいただきたいと思います。
 ジェネリック医薬品の使用による患者負担の軽減について具体例ということでございましたけれども、慢性疾患の患者さんを想定した処方例に対して、先発医薬品の処方を全面的にジェネリック医薬品に置きかえた場合を、平成17年度薬価で計算いたしました。そういうモデルで計算しましたところ、平成14年度では21.9%軽減されているものが、平成17年度ではさらに効果が拡大し37.4%軽減されるという結果を得ております。さらに、平成14年度と平成17年度では、患者負担率も増加しており、ジェネリック医薬品導入による患者負担軽減の効果はさらに大きくなっているということは認識しております。今後、検討していきたいと考えております。
◎吉田 副院長  医療安全対策会議及びインシデント検討委員会での検討結果についてお答え申し上げます。
 まず、会議では、それぞれの報告、特にインシデントにつきましては、報告者は無記名で、名前は明かしませんけれども、自由にコンピューターで報告するような形になっており、それら事例の検討、原因の究明、今後の対策ということが両会議の主な検討内容でございます。
 具体的に申し上げますと、やはり薬剤に関連したもの、それから患者さんの転倒、転落、カテーテルが入っていますから、そういうチューブに関したトラブル、こういうものが約7割ということで、全国的な傾向と同じ傾向でございます。
 レベル基準で申し上げますと、行く前に気がつき、患者様に影響を与えないで終わったというレベルゼロから、実際の処置とか治療が必要ではなかったレベル2のところの事例が最も多く報告されております。その数は改めて公表させていただきますが、ただいま委員から大体の数でもよろしいからとのリクエストでございますので、月に約100例ぐらいの報告です。
 これを多いと感じるか少ないと感じるかでございますけれども、これは各部署にリスクマネジャーを配置しておりまして、とにかく隠さず出すというのが第一番の目的でございますので、こういうインシデントの報告が多ければ多いほどその防止に役立つ、多い施設ほど事故が少ないと言われておりますので、本当はもっと出るのか、よくわかりませんが、ほぼ毎月100例ぐらいで推移してございます。
 その原因につきましては、やはり確認不足でありますとか観察不足、コミュニケーション不足といったことがございます。先ほど申し上げましたが、これらの対策として、大きなことにつきましてはセーフティートピックスという形で流しますし、それぞれの各リスクマネジャーを通して現場に持ち帰るということで、各部署から気をつけていただくように指導いたしております。
◎安田 静療院長  まず、今回の見直しは採算ベースで考えたものではないということをお断りしておきます。見直しの趣旨については、以下のごとくです。
 昨今、札幌市内には静療院を含め38カ所の精神科病床を有する病院と、その他、多くの精神科クリニックの新設があります。したがって、道内都市、他政令指定都市と比べて、際立った精神科医療過密地域となっております。
 このような札幌市内における精神科医療の供給体制を踏まえ、パワーアッププランにおいて他の医療機関では対応が難しい、専門性や質の高い急性期医療及び地域の医療機関では対応していない、あるいは量的に不足している政策医療を目指すことを基本方針として掲げております。
 このたびの静療院における精神科医療の再編は、この方針にのっとって民間部門との機能分化を進めることにより、公的病院としての担うべき方向性をより明確にしたものであります。
◆坂本恭子 委員  後発医薬品のことについてですけれども、症例の中で細かくお話をしていただければありがたかったのですが、私が見ましたジェネリック医薬品使用時の試算でいきますと、心筋梗塞、狭心症の患者さんで、1日の差額がブランド医薬品とジェネリック医薬品で比較すると582円80銭、1カ月に換算すると1万7,484円という薬価差が生まれるという資料をいただいています。
 慢性疾患の患者さんにとっては、ジェネリック医薬品での負担軽減の効果というのは非常に大きなものと私は理解しております。あるいはこれも最近は特殊ではないのでしょうか、抗真菌薬という水虫のお薬ですけれども、これが2週間で5,272円の差額で、これは大体1カ月ぐらい使うものということですから、これもやはり掛ける2で1万円くらいの薬価差が生まれるということです。やはり、今、本当に医療費負担が重くなっている中で、ジェネリック医薬品を拡大していくというのは、患者側にとっては大変切実な、本当に大きな課題だと思いますので、ぜひこれは推進をしていただきたいというふうに思います。
 前回の特別委員会でもちょっと触れた点なんですけれども、代替調剤という手法がございまして、アメリカ、ヨーロッパ、特にドイツでは、ジェネリック医薬品の採用率が50%を超えるぐらいで、ヨーロッパ諸国は大体30%から50%と、非常に一般的にジェネリック医薬品が使われているということです。その要因の一つが代替調剤ということで、お医者さんが処方せんに書くときに、一般名で書くのか薬品名で書くのかということですよね。日本の場合だと薬品名を書くということですが、アメリカだとかドイツでは、法律で代替調剤というのが認められていて、薬局で薬剤師さんと患者さんがどの薬を使うのか選択することが可能だということが法的に守られているわけです。日本にはこういう制度がない、法律が整備されていないということです。国会でいろいろな会派がやっている質問ですが、この中に、現行法で代替調剤が可能であるという見解が出されてきております。これを市立札幌病院でも導入することができないのかどうなのか。やはりドクターとの意見交換、薬局側の知識、研修だとか、いろいろなことが必要なのだろうと思うのですが、技術的に可能なのか、そういう道を模索するお考えがないのかどうか、最後にお聞きいたします。
 医療事故の問題についてですけれども、軽微なものが多いということで、月に100例程度というお話で、多いのか少ないのかどう評価するかというお話がございました。こういう積み重ねが本当の安心・安全な医療体制というもの、それから市民や患者の皆さんの信頼を勝ち得ていくものだと思います。そういうことがきちんと日常的に行われるということが、やはり現場にとっては大変重要な動機づけ、意識づけになっていくのだろうと思います。全体的な公表というのは来年に入ってからということになろうかと思いますが、やはり公表するのが目的ではなくて、いかに防止をしていくのか、そこをきちんと再検証していくということが大事だと思いますので、これからも、安全管理体制はしっかりと維持していっていただきたいというふうに思います。
 それから、静療院について、採算ベースではありませんというきっぱりとしたご答弁が一番最初にありました。確かに民間の医療機関が集中していると、市立札幌病院としては、そういう中で民間部門とのすみ分けをしながら、他の分野で民間ではできないものを担っていくのだというお考えについてはもちろん理解をしますし、それは大変重要なことだろうと。特に、身体合併症のことにつきましては、今の静療院の体制の中ではなかなかきちんと機能していかないということでいえば、本院の中にそういう機能を持たせるということは大変重要なことだと思いますし、その方向を否定するつもりは全くございません。しかし、やはり今152床ある一般精神病棟が専門性を追求するがために、50床に減らしていくということについては疑義を唱えたいと思います。現にいる患者さんをどう処遇していくのかということがやはり問われているのだろうというふうに思います。人として、きちんとどう処遇をしていくのかということですから、今後5年かけて見直しをということでありますけれども、私どもは規模が縮小されるという問題については、見直すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それから、救急体制のことが出ましたので、これもちょっと最後にお聞きしたいと思うんですが、北海道精神科救急医療システムということで、静療院は、夜間、休日の2次救急の輪番指定になっていますけれども、これは北海道ですから、札幌圏で行っている医療システムですよね。在宅の精神障がい、精神疾患の患者さんが何かあったときに連絡をして必要な措置をとるということですが、即、入院が必要というケースがあるわけです。例えば、当番病院が千歳とか江別だったりするということがあるわけですが、そのときには、自宅からどんなに離れていてもそこへ入院せざるを得ないという状況が生まれるわけですね。そうすると、そこに何日間か入院をしなければならない。では、その間、家族はどうやってその病院に付き添いとして通うのか。さまざまな問題があり、精神疾患の患者さんだとか団体からは、市内で利便性の高いところ、輪番制ではなく専門の病床をぜひ確保してほしいという要望が大変強うございます。
 私は、市立札幌病院の中に、今からでも緊急対応できる病床を何床か確保すべきだと思うんですが、新たにパワーアッププランの中でこういう機能を持たせようという構想があるわけですから、それを市立病院の空きベッドを活用して実現することができないのかどうなのか、この点についても、最後にお聞きしておきたいと思います。よろしくお願いします。
◎唯野 薬剤部長  代替調剤の現状と今後の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
 一般名での処方せんにつきましては、大きな問題として受け皿となる調剤薬局での医薬品の備蓄問題、患者さんが選択できるだけの情報提供はどのようになっているかなどの問題があると思います。札幌市内におけます現状は、北海道がんセンターが一部の医師、薬品、薬局に限定して一般名記載の処方せん発行に踏み切りました。また、2〜3の診療所が代替調剤可能な処方せんの発行に踏み切ったと聞いております。
 患者さんへの対応として、薬剤師会等からの情報では、品質などを記載した、いわゆるオレンジブックなどを提示して同意を得るように、そういう仕組みが考えられますが、市内すべての薬局に徹底されているとは考えられません。このような問題点の大きさから、当院として現在のところ情報収集のみで、具体的な取り組みは行っておりません。
 今後、導入の障害として考えられますことは、患者さんへの情報提供、あるいは備蓄の問題など、調剤薬局が取り組むべき外部要因がほとんどであり、患者さんの安全を第一に考えますと安易に推進できるとは思っておりません。しかしながら、委員の言われるとおりジェネリック医薬品を患者さんが選択できることは患者負担の軽減となりますので、今後、薬剤師会等と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
◎吉田 副院長  精神疾患の急性対応でございますが、実を言いますと、我々の救命救急センターにおきましても、精神疾患を伴った患者様が急変で運び込まれた場合の治療については大変苦慮し、困惑しているのが現状でございます。精神疾患の患者さんの場合は、委員おっしゃるように、一般病棟のあいている部屋にというわけにはまいりません。管理病床など特別な施設が必要になり、一般病床とは異なった基準になりますので、残念ながら入れることができないということでございます。
 それから、今、本院の方には精神科医がいなく、静療院の方にはいて、患者さんの利便性を考えて、外来対応は本院の方でやっていただいていますけれども、夜間、土・日につきましても、精神科医がいないという状況でございますので、現時点では、本院に精神疾患の急変患者さんを収容することは、残念ながら不可能な状況でございます。
◆小林郁子 委員  私からは、小児救急医療についてお伺いをいたします。
 現在、少子化が進んでおりますが、札幌市においても昨年生まれた子どもの数は1万4,750人、その5年前は約1万5,200人ということで、年を追って少なくなっています。そのような中で、少ない子どもを大切にしなければならないというわけですが、生まれた子が健やかに育つためには、小児医療が担う役割は一層大きくなっていると思います。
 私も改めて知りましたけれども、小児医療というのは治療を行うだけでなく、乳幼児の発育、発達の評価とか育児上の問題に関する相談、それからまた、予防接種を中心とした疾患の予防、家庭内や学校における健康上の問題の解決など、医療や保険の広い範囲をカバーしております。子どもが少ないことから、親も育児の経験が乏しいということもあり、育児の上で不安を抱える人がふえております。このような広い範囲での小児医療を受けたいという希望が強くなっております。
 そしてまた、核家族化の進行に伴いまして家族のサポートを受けづらくなっている。それから、保護者が小児専門の診療治療、説明を希望する傾向があること。最近は共働きの夫婦がふえていることもありまして、子どもの異常に気づくのが以前よりも遅い時間帯になっているということもあります。子どもにかかわる医療という面では、こういうさまざまな背景のもとに、小児医療への需要が増している、そしてまた高度化しているということであります。
 その一方で、小児医療を取り巻く状況は、一層厳しくなっており、小児病棟を縮小、閉鎖するという病院がふえておりますし、小児科医を志望する医学生が減っております。また、小児科医の高齢化ということも言われております。
 その要因としては、小児医療は採算がとりづらいということもありますし、当直などが多くて勤務体制が激務であるということ、そしてまた、少子化ですから、子どもの数が将来ふえないということで、患者の増加が見込めないということがあります。このようなことで、今、全国的にも小児の診療体制への整備が急がれております。
 特に、小児救急医療については、従来から初期、2次、3次というような体系的な救急医療体制につきまして、十分に機能しているとはいえないと言われております。それは小児科医の高齢化による、救急医療離れということや、保護者の大病院志向ということがあります。軽症者を含む多数の小児患者が夜間の病院に集中をすることがありまして、これに伴い、病院勤務の小児科医は任務が過重になるということがあります。また、軽症者に隠れて重症者の手当てがおくれると、このようなさまざまな問題が生じております。このような現状がありますことから、小児救急医療についてお尋ねをいたします。
 地域でよりよい小児救急体制を築くには、まず医療関係者と行政とが、地域における小児救急体制を地域全体で支えていくという合意のもとになされるべきと思います。札幌市におきましては、市と小児科医のネットワークにより、小児救急体制の充実が図られていると聞いております。小児救急ネットワークへの市立札幌病院の参画状況についてお聞かせいただきたいと思います。
◎富樫 病院長  小児救急医療についてのご質問にお答え申し上げます。
 小児救急医療のネットワークでございますが、札幌市内では、1次の夜間は、札幌市医師会所属の小児科医の協力によって夜間急病センターが運営されておりまして、休日、昼間は複数の当番医が交代で診療に当たっているところでございます。また、入院治療等が必要な小児患者につきましては、平成16年度から市内14カ所の2次輪番病院で診療する体制が確立されており、365日、24時間の小児救急体制が確保されているところでございます。
 当院も2次輪番病院に参加しておりまして、小児科医と臨床研修医がペアで月に3回ないし4回の当番を担当しているところでございます。平成16年度は当番回数32回、受け入れ患者数41名、うち入院が32名でございました。17年度は現在まで、14回で22名の患者さんを受け入れているところでございます。
 このほか、小児科医は小児の急患に対応するために、オンコールと申します者が、年間約400回ほど、夜間、休日の緊急呼び出しに対応して、大変苦労しているというところでございます。
 また、本年3月にインフルエンザが大流行いたしまして、土曜日・日曜日の2日間、緊急に小児科の外来診療を行ったところでございまして、この両日での受け入れ患者数は218名と大変混雑したところでございます。
◆小林郁子 委員  小児救急医療につきましては、大変ご苦労されているということを、今、院長みずからお答えいただきまして、ありがとうございます。
 院長は小児医療のご専門でいらっしゃるというふうにお伺いしております。素人の私が専門家に問いただしているようなところがありますが、あわせて小児救急医療に関しましてお尋ねしますのは、小児集中治療室についてと、重症患者への対応についてです。
 さきの新聞報道で埼玉医大の調査が掲載されておりました。この調査によりますと、全国で小児科のある大学病院や子ども病院のうち、専用の小児集中治療室、PICUを設置しているところが16%にすぎないということです。そしてまた、人口動態統計によって14歳以下の小児の死亡率を比較しましたところ、この設備のある地域につきましては、不慮の事故による子どもの死亡率が低いということがわかったそうです。
 日本は、1歳から4歳の死亡率が先進国の中で高いと言われております。その死亡原因のトップは不慮の事故であります。この研究者は、小児集中治療室を中心とする子どもの高度救急システムを欧米並みに引き上げると年間500人の子どもの命を救うことができると言っております。
 また、重症患者への対応についてですけれども、重症患者に的確な対応ができる体制づくりが急がれております。身近に育児の悩みを相談できる年長者がいないとか、また、かかりつけの小児科医がいないということで、救急外来に駆け込む人が目立っております。そのような状況がありますことから、乳幼児や小児の夜間の急病などに対応しまして、夜間病院への患者集中を減らすために、いわゆる0.5次救急といいますか、保護者の夜間等の小児救急医療に関する相談窓口、これは全国共通の番号で♯と8000を押せばいいのですが、そこに小児救急電話相談というのができました。今全国的に展開されておりまして、北海道も昨年の12月から始めております。これによりまして、軽症患者が夜間などに緊急受診することを減らすということが期待されていますが、それでもなお道内の小児の重症患者を受け入れる救急医療体制は十分とは言えないのではないかと思います。
 そこで、市立札幌病院におきましては、重症患者が運ばれた際の救急対応はどうなっているのか。また、不慮の事故等による重症患者対応には小児集中治療室が有効であるという結果が出ていますけれども、専用の小児集中治療室を設置するお考えはないのか、お伺いをいたします。
◎富樫 病院長  お答え申し上げます。
 PICU、小児集中治療室についてでございますが、この設置基準が非常に厳しゅうございまして、現在の市立札幌病院の小児医療の現状では、PICU施設を専用として設けるということは、人的にも、物理的にも不可能でございます。
 しかしながら、現在、私たちの病院には救命救急センターがございまして、搬入されました子どもさんをまずここの医師が診て、そして救命を図り、その上で待機しております小児科の医師がそれに加わり、指示のもとに治療するという体制をとっておりまして、この方法でPICUと同じような機能を図っているところでございます。つまり、小児患者さんのご家族は、自分で1次とか3次ということは判断できません。したがって、すべて3次対応ということで、小児科の医者が動員されるということになっているのが現状でございます。
 また、9階には新生児集中治療室を有しておりますことから、小児用の救急医療材料を十分備えてございまして、救命救急センターと協力して重症患者に対応しておりますので、現状で対応可能であろうというふうに考えている次第でございます。
◆小林郁子 委員  PICUを設置するのはなかなか難しいということですが、重症患者への対応は十分できているというお話でした。
 最後に、小児救急とかかわりまして、小児救急の臨床研修ということについてお聞きいたします。
 先ほど院長からもありましたけれども、小児科医の時間を問わない不規則な勤務だとか、過重な宿日直業務とかがありまして、全国的に小児科を志望する医師が減っております。特に、新生児医療だとか、また、小児救急医療等の分野や専門分野の小児科医師の不足ということが懸念されております。この解消には医師定数の見直し、勤務状況の改善、また、最近は女性の医師がふえておりますが、そういう方への出産や子育てに対する支援、そしてまた臨床研修体制の確保などいろいろあります。短期間ではなかなか難しく、解決できない問題も多く抱えておりますが、その中で、特に、私は臨床研修体制のことについてお伺いいたします。
 昨年度から、医師の臨床研修が必修化されまして、小児医療も2年目の研修で1カ月から3カ月間の研修が義務づけられたと聞いております。小児の救急患者は大人以上に容体が急変しやすいということを聞いておりますので、その実地訓練というのは重要なことと思います。
 小児科医の減少などによる小児医療体制の危機が言われている中で、市立札幌病院のような臨床研修病院が、小児科医そして小児救急を担う医師をぜひ育てていただきたいと思います。
 そこで、お尋ねいたしますけれども、市立病院におきましては、新制度による臨床研修医師をどれくらい受け入れているのか。また、小児救急に対する臨床研修はどのように行われているのか、お伺いをいたします。
◎樋口 副院長  臨床研修医の受け入れ人数でございますが、当院は昭和48年から臨床研修指定病院に指定されておりますが、昨年度から制度化された新臨床研修制度に基づく臨床研修医は昨年1年生が19名、今年21名、計40名います。また、本院独自で実施している後期研修医、これが今3年目、4年目になるのですけれども11名、計51名の臨床研修医を受け入れております。
 それから、次の小児救急に対する臨床研修の実施状況でございます。
 まず、救命救急センターにおける研修医への指導でございますが、救命救急センターに所属する研修医が重症の子どもさんたちを診ることになると思いますが、もちろん、そのときは小児科医の専門家の指示に従って小児救急の研修を重ねております。
 2年目になりますと、先ほどお話になりましたように、小児科が必修になりますので、今ちょうど2年目が21人いますから、1カ月ないし3カ月で、大体月に2人ぐらいの平均で小児科を回っております。研修医なものですから、専門的なことはなかなかできませんが、指導医と一緒に小児患者の診療に当たっております。日ごろは病棟中心でございますが、先ほど出ていました2次小児救急輪番の際には、指導医と一緒に診ております。
 当院は、プライマリーケアから救急医療まで幅広く研修できる環境にありますことから、一人でも多くの小児科を目指す医者を輩出できるように研修内容を充実させてまいりたいと思います。
 私の印象では、最初は小児科になりたいという方はたくさんいますけれども、2年間の研修を終えたときにどれくらいなっているかというのが一番知りたいところで、これからはそこら辺が一番大事なことと思っています。
◆小林郁子 委員  それでは、最後に要望させていただきたいと思います。
 以前と比べて、子どもを取り巻く環境は本当に危険が多くなっているというふうに思います。そういう中で、小児科医が減少しているということもありますし、小児科を標榜する病院が減っているということです。今、副院長からお話がありましたが、臨床研修によりまして多くの方が小児科医になってくださればいいなと思いますが、小児医療の充実ということで、市立札幌病院も力を尽くしていただきたいということを要望して、終わります。
◆伊与部敏雄 委員  私からは、市立札幌病院について数点お伺いいたします。
 まず、市立札幌病院の決算を見まして、国の医療制度の改革だとかいろいろなことが叫ばれている中で、なかなか厳しい状態にあるということは皆さんご承知のとおりだと思います。来年になったらまた医療制度が改革されてますます病院運営が厳しくなるのではなかろうかと言われています。
 まず、札幌市病院事業会計決算書、この11ページをごらんください。当年度純損失が8億655万6,000円余りと明確に書いてある。前年度は累計で138億600万円余の累計赤字がありました。今度は約8億600万円の赤字が出たわけだから、累計で約146億1,300万円の赤字があるということを前提に私は質問します。
 これをいつごろまでにどうしたら解消できるか、それが富樫院長を中心とした改革なんですよ。改革をしなかったらこれは解消できませんよ、率直に言って。私は、従来から、まず空き病床を埋めることが一番手っ取り早いというふうに提唱してきた。
 そこで、決算書を持っている人は36ページを見てください。本院で15年度と16年度の占床率は何パーセントかというと、驚くなかれ、15年度と16年度は85.8%で同じ数字なんです、これ。たまたまそうなったかもしれないけれども。しかし、頑張ったのは静療院ですよ。静療院は2.4%上がっている。15年度は79.1%、16年度は81.5%、2.4%上がっているんです。全体では84.8%です。
 そこで計算してみたら、例えば、本院で、810床の85.8%は掛けたら695床です。したがって平均して115床あいているという計算になる。この115床をどうやって埋めるか。きちっとここに焦点を置かなかったらこの病院の改革は一歩も進まない。口ではパワーアップと言っているけれども、何もパワーアップになっていない。17年度は16床減らして794床にした。それで17年度は上がった、上がったと。我々には、85.8%ありません、もっと上がりましたと。分母が下がれば占床率が上がるのは当たり前じゃないですか、分母が少なくなったら上がるのは当たり前、そうでしょう。
 そこで、16年度の決算で8億円になった、前年度は10億円ぐらいあった。この2億円は何で下がったかといったら人件費の給料と手当、これは21ページ、22ページをごらんください。給料と手当等は正職員に払うお金です。非常勤職員に払うお金が報酬、臨時職員は賃金。こういう3段階に分かれている。ここで一番目立つのは給料と手当、予算と決算を比較したらこれで2億円減っています。これが現実に8億円という数字になって出てきた。これは給料と手当だけで2億円減って、病院は大したよくなった、収支の不足が少なくなったと、こういう決算書が出ているんです。決算書を何十回もじっくり読ませてもらったらそういう計算になる、これは。
 そこで、私は、常日ごろからこの占床率を高めなければならないと。同時に、今30科ある中でわずか画像診療科、眼科、この2科しか黒字になっていない。あとはみんな今まで赤字だと。だからこれは30科ごとに収支の計算をしてもだめだと。私は、やっぱり内科系、外科系、大きく分けてフロアごとに計算するというような改革をしなければだめだと提唱してきた。その結果、17年から回復期病棟を初め、フロアごとの医療体制といいますか、そういう状態になってきた。
 人的配置と同時に、最新の医療の要請に応じた高度な医療機器設備の必要性も問われているのではないか。
 先ほど、小田委員はがんの話をした。がんの原則は早期発見・早期治療ですよ。私は、この前、施設管理の課長にがんを早期発見するPETという設備があると、これを導入せと。市立札幌病院にPETが欲しいんだと話した。札幌市内には北大初め3カ所にしか配置されていない、これは。市立札幌病院もPETを導入してやればいいじゃないかと言ったら、いやいや、それは無理だと。何が無理かと。設備を配置するのはいいけれども置く場所がないんだと。救命救急センターの空きベッドがたくさんあるじゃないか、あれを取っ払ってそこに置けばいいじゃないかと。こんな話もしたのですが、だめだという。PETについて、何かご意見あれば聞かせてください。
 いずれにしても、内科系と外科系という病棟単位のベッドをむだなく有効に使っていけるような病棟再編が行われましたね。病棟再編とともに、看護師などの医療スタッフの体制、配置、これがやっぱり大きく変わったと思うんです。
 まず最初に、きょう、看護師のトップクラスが来ているから、冒頭に、病棟再編に伴う一番大事な看護師の配置について聞きたい。前にも言いましたけれども、空きベッドを埋める権限は一般的に看護部長が持っているというふうに言われています。ですから、私は、看護師の一番トップにご質問するのですけれども、こういう看護師配置の基本的な考え方について、まず1点お尋ねしたい。
 二つ目に、私は、どうしてもこの名前が気に入らないのですけれども、回復期病棟のベッド数の利用状況です。
 私は、障がい者専用病床というふうにすればいいのではないかと。いろいろ調べたけれども、日本全国で札幌市だけですよ、回復期病棟なんて名前をつけているのは。ほかの病院で回復期病棟なんてつけている病院はないですよ。障がい者専用病床にすればいい。この障がい者専用ベッド、これは主に7階の東病棟、西病棟で使われていると思うが、この利用状況は一体どうなっているのか、2点目です。
 同時に、それと影響する一般病床との関連について。回復期病棟なんて言うから、何か盲腸の手術をした人が回復期病棟へ入るようなイメージがあるけれども、そんなことではないと思う、これは。それとの関連について、一般病床の利用の影響について、とりあえずこの3点、ひとつお答えください。
◎高田 副看護部長  病棟看護師の配置の考え方についてお答えいたします。
 パワーアッププランで計画しましたとおり、今回の病棟再編によりまして、診療科にとらわれない病床運用を可能とした新病棟体制を整えたところでございます。看護師の配置につきましては、患者数2人に対して看護師1人、いわゆる2対1看護を原則として配置を行っております。
 また、病床利用率のさらなる向上を図るために、空床運用の調整をこれまで看護課で一括調整する方法から、各病棟レベルで直接行えるように8月から体制を変更したところであります。今後、徐々にその効果があらわれてくるものと思っております。各病棟の実態に即した、より一層効率的な病床運用を推進してまいりたいと考えております。
◎吉田 副院長  2点目、3点目の回復期病棟に関連したご質問についてお答えいたします。
 前回も申し上げましたが、本来でありますと障がい者施設等入院基本料をいただく病棟ということになるのですけれども、障がい者という名称は、入ってくる患者様に対していろいろと余り好ましくない名称でもあろうということもございまして、回復期病棟という名前を使わせていただいております。
 2点目の回復期病棟のベッド数でございますけれども、7月の病棟再編後50床で運用してございます。本年4月から8月末までの平均病床利用率は約95%、1日平均の在院患者数は48名、平均在院日数は29.2日となってございます。
 入院されています患者さんのうち、この病棟の入院対象となります歩行困難な重度の障がいのある患者さん、それからパーキンソン病、スモンなどの神経難病の患者さんが約85%を占めております。科別で申しますと、神経内科、脳神経外科、整形外科の患者さんを中心に運用してございますけれども、診療科にかかわりなく対象患者さんを受け入れてございます。
 次に、3点目の回復期病棟設置による一般病床の利用への影響でございますけれども、この病棟の設置によりまして、比較的長期の入院を必要とする患者さんをこの回復期病棟で受け入れることになり、回復期病棟は在院日数のカウントから外れ、計算されませんので、この病棟に比較的長期の入院を必要とする患者さんを受け入れることにしました。このことから、一般病床の固定化が緩和されまして、この結果、一般病床の入退院者が増加することとなり、病床の利用効率の向上が図られております。
 また、一般病棟の平均在院日数は、本年8月末実績で、昨年と比較して0.5日短縮いたしまして16.3日と、急性期病院の指標の一つであります17日未満をクリアして、経営改善に効果があらわれているものと考えてございます。
◆伊与部敏雄 委員  吉田副院長にお尋ねしますけれども、回復期病棟については50床にしたと。50床ほとんど満杯だというふうに聞いています。先ほど言いましたが、当初予算では正規の看護師さんは決まっているわけで、今、高田副看護部長から答弁がありましたように2対1で25人必要なんですが、25人おりますか。
 それと同時に、回復期病棟の中でも、人工呼吸器を使わなければならないような極めて重篤な患者さんを看護する場合は、熟練の看護師さんがどうしても必要です、これは。2対1と簡単に言うけれども、それは一般入院患者での2対1と、重度の障がい者、重篤な患者を診る2対1の割合とでは中身の質が違うのではないかと私は思うんですが、回復期病棟の看護師さんの配置についてはどうなっているのか。本院ができてから10年がたった。来年からは事業管理者制度を引こうとしている。この前の代表質問の答弁では、能力と意欲のある人を管理者にすると。そこに座っている人たちはみんな意欲と能力があるんじゃないですか。我々は、どういうイメージで、意欲と能力のある人が事業管理者に座るのか、あの答弁ではイメージがなかなかわいてこない。副市長、これどう思いますか、どういうイメージを持てばいいのですか、ご意見があったら聞かせてください。
 回復期病棟の看護師の配置、現状はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。また、占床率を上げていくためにはどうしたらいいのか。入院したいけれども入れないという在宅の患者さん、難病と言われている患者さんが空きベッドを待っている。そういう人たちが市内に40人から50人も待機していると。そうしたら入れればいいじゃないですか。そして、占床率を高めればいいじゃないですか。この人たちが入院したら医療点数が高い、収入も多くなる、これは。そういうことなんだから、非常に効率のいい状況になるんですよ。これはどう思いますか。
◎多田 理事  回復期病棟の看護師の配置の現状についてでございますけれども、病棟の看護師につきましては、病床の稼働状況に合わせまして配置しております。委員ご指摘のとおり、回復期病棟におきましては、他病棟と比較して占床率が高くなっております。このことから、今年度は占床率を95%として患者数48名を想定いたしまして、現在、24名の看護師を配置してございます。回復期病棟に関しましては、占床率が上がっていく可能性が十分考えられますので、その都度看護師の数を検討してまいりたいというふうに思っております。
 なお、同病棟におきましては、回復期患者さんに対する介助等の業務量を加味いたしまして、看護師以外にも医療補助員6名を配置しているところでございます。このあたりも十分お含みおきいただきたいと思います。
 また、回復期病棟以外の他の病棟につきましては、先ほど申し上げましたとおり、各病棟ごとに占床率にあわせまして2対1の看護体制を基本として配置してございますけれども、病棟によりましては重篤、あるいは術後の患者さんの管理の関係で2対1以上に上乗せしまして、より手厚い看護体制をとっている病棟もございます。
 また、占床率の上昇等により、看護師等に不足が生じる場合が何度かあります。その都度臨時職員の雇用によって対応しているところでございます。
◎吉田 副院長  病院の経営健全化を図る上では、委員ご指摘のとおり、これは非常に難しいのですが、病床利用率を向上させるとともに、これと相反する関係にございます平均在院日数を短縮するという、この二つを図って利用効率を上げていくことが重要な要素であると考えております。
 このための対策として、パワーアッププランで病棟再編及び回復期病棟等の設置を計画実施してきたところでございます。この効果が次第にあらわれまして、9月には最高で95%を超える病床利用率となる日も出ております。今後、さらに地域医療連携の強化、推進を図ることにより、紹介、逆紹介率を高めまして、新規入院患者の増加と病床の利用効率向上を目指しているところでございます。
 経営改善に向けましては、これら要素を総合的に勘案して、病院を運営していくことが重要と考えており、そのための体制や方法等についてさらに検討を進めてまいりたいと思っております。
◎田中 副市長  事業管理者の関係につきましては、代表質問で市長がお答えしたとおりでございまして、市長が任命権者でありますので、それを補完する立場にはないと思いますけれども、自治体病院はどこも大変な課題を抱えてございます。政策医療もそうですし、専門性、質の高い医療の提供等々、これはどうしても採算日数のつながり等もございます。パワーアッププラン等々、今、自治体病院が抱えている課題に対して、現在のそうした医療を取り巻くものに果敢にチャレンジする、そうした経営改革のできる、しっかりしたリーダーシップを持った人間を充てるというのが市長の考えでございます。その中でイメージしていただきたいと思います。
◆伊与部敏雄 委員  今、回復期病棟の看護師の配置について、理事からお答えをいただきましたけれども、この答弁の中身をじっくり聞いたら、さまざまな問題がありますよ、これはっきり言って。例えば、病棟によりまして重篤、術後の患者さんの管理の関係で2対1に上乗せして、より手厚い看護体制をとっている病棟もございますと、どこの病棟ですか。
 具体的に言うと、私の知り合いで元交通局の職員だった難病患者が自宅で人工呼吸器を使っているのですけれども、その人が7階の西病棟へ入院したら、病棟には看護師さんがいないので東病棟に回された。東病棟へ行ったら、奥さんが24時ついていなければならない。こういう状態で、私のところに何とかしてくださいと泣きながら電話が来た。西病棟に入りたいのです。西病棟の看護師さんをふやしてくださいと、こういう切実な訴えがあった。これを私は病院には言っていませんけれども、きょう、改めて言うのですよ、みんなも聞いているから、1対1で話してるんじゃないから。こういう人がたくさんいるのですよ、これは。(発言する者あり)黙って聞いて。
 1秒、2秒の瞬間的な対応がおくれて命を落とす人もいるのです。命なんですよ、これ。命を守らなければならないのですよ。そのためには看護師さんの配置をしなければならないのですよ。1人配置すれば助かるのですよ。こんな改革できなくして大きな改革なんてできません、率直に言って。答弁あったら答弁してください。
 市立札幌病院というのは、今まで本当に優秀なお医者さん、看護師さん、そんなことで135年間の歴史があるわけですから、そういう中で、今せっぱ詰まってきたと、改革をしなければならない。そのためには、この前補正予算が出ましたね。数字のない補正予算が出た、はっきり言って。
 僕は橋本監査委員に聞きたいんだけれども、市立札幌病院から数字のない補正予算が出た。補正予算というのは数字があって補正予算なんだけれども、数字のない補正予算が出た、だからこの前厚生委員会で議論になった。
 それはさておいて、10年前本院が移るときに相当多くの医療機器の更新をした。もう10年もたっている。さらに今、さっきのPETではないけれども、斬新的な医療機器がどんどん進んでいる。医療機器が相当開発されまして、お医者さんも、うちはこういう機械があったらいいんだけどなという気持ちはたくさんあると思う。
 それで、お伺いしたいのですけれども、最新鋭の医療機器の更新整備、今後これをやったら、市立札幌病院に行ったら安心で、本当にすばらしい機械で、ほかの病院でわからなかったところを治してくれると、そういう風評が広がったら、病院は非常に経営が豊かになるのではないかというふうに思うが、今後の医療機器の更新整備と、これからの計画についてお答え願いたいと思います。
◎加藤 理事  委員がご指摘なされましたとおり、当院が高度な医療を提供する基幹病院として、市民に信頼され、安全かつ安心で質の高い医療を提供するためには、高度医療機器を中心とした機器の整備を継続的に行っていく必要がございます。このため、当院が新築移転しました平成7年におよそ30億円を投じまして医療機器を整備し、それ以後も高度医療に欠かせない機器の更新、充実を図ってきたところでございます。
 今後は、現在使用している機器のうち、耐用年数が経過したものの更新ばかりではなく、医療技術の進歩など医療の高度化に伴い、地域がん医療拠点病院、あるいは総合周産期母子医療センターなど、2次または3次医療圏の中核として、時代に即応した新たな機器の整備にも積極的に対応していく必要があると認識しております。
 したがいまして、現在策定しております中期経営計画におきましては、これまでの整備状況を踏まえながら、更新のみならず、新たな機器整備にも対応し、高度な医療を提供する基幹病院にふさわしい機能を果たすことができる計画としていきたいと考えております。
◆伊与部敏雄 委員  次に、総合医療情報システムの件についてお伺いいたします。
 この総合医療情報システムは江別市立病院、医大にはことしから入りましたね。それからNTT病院はずっと前からやられている。総合医療情報システムは何の特典があるかといったら、医療の質の向上、それから医療の安全性の確保、患者へのサービスの向上、地域の医療機関との連携、経営への貢献です。総合医療情報システムを導入することによって、この五つの恩恵があると言われております。市立札幌病院のパワーアッププランには、何か総合医療情報システムを導入するようなことがちらっと書いてありましたけれども、私が今言った効果についてどういうふうに受けとめているのか。
 私が何でこれを言うかというと、例えばやるにしても、来年度予算の概算要求に出さなければ間に合わないのですよ。同時に、システムを導入するといっても、ドクター並びに看護師さんの皆さんの受け入れ態勢、ノウハウ、こういったことがまず整っていなかったら、機械だけ入れたって、そのシステムが回転しないのです。1年間ぐらいかかると言われている、はっきり言って。ですから、先ほど私は内容について五つ言いましたけれども、それをどういうふうに受けとめて、いつごろ入れるのか、いつごろ始めるのか。その三つについて、段々とひとつ答弁ください。
◎富樫 理事  総合医療情報システムの効果についてお答えいたします。
 当院の医療情報システムは、平成11年に業務効率という観点からオーダリングシステムの一部が導入され、また、検体検査や給食などの部門システムも個別に整備してきたため、部門相互に連携のないシステムとなっています。今回のシステム更新に伴う総合医療情報システムは、既存のシステムの老朽化から、大規模な更新をすることによって、総合的に機能を強化するものであります。
 委員ご指摘のとおり、総合医療情報システムは医療の質の向上や経営への貢献など、多くの効果を生じ、病院事業に大きな改善が図られるものと考えます。パワーアッププランでは、平成19年度のシステム更新、再構築を目指しておりますが、本年度は院内に検討部会を設けてシステムの検討を行っております。また、平成18年度は所要の対応を進める方向で取り組んでまいりたいと思っております。
◆伊与部敏雄 委員  今、富樫理事が話したけれども、これから総合医療情報システムを導入するということですね、これは。導入するんですか、しないんですか。導入するとしたら、いつ導入するのか、ここをはっきりしないと、先ほど私が言ったように、ドクターも看護師も簡単にできるわけではないので、これは実習しなければならない。その辺を含めて、今、さらっと答弁したけれども、そうではなくて、もっと具体的にわかりやすくゆっくり答弁してください。
◎富樫 病院長  総合医療情報システムにつきましては、当病院のパワーアッププランでも、非常に大事な検討課題だと考えておりますので、平成19年度の再構築を目指しております。したがいまして、委員ご指摘のようにその準備のためにも、18年度から職員挙げてこれに取り組んで、対応を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆伊与部敏雄 委員  わかりました。最後に、院長にお尋ねしたい。
 院長はずっと今まで、改革、改革ということで、病院改革を掲げてさまざまなことをやってきた。あなただけではなく、あなたの前の中西院長を初め、その前からずっとやってきた。先ほど言ったように、本院ができて10年がたった。来年が本当に改革のスタートの年だといういう思いで、徹底的にあなたの求心力を高めて、そしてあなたの意向が全病院に集中し、病院経営も豊かになる、患者さんも喜ぶ、札幌市全体がよくなる、こういう状態にするために、院長の改革に対する強烈な意気込みを答えていただき、質問を終わります。
◎富樫 病院長  私の決意についてのご質問についてお答え申し上げます。
 改革に関します課題はパワーアッププランの実行など山積しておりますが、市民の健康と命を守るという使命を果たすため、私みずから病院改革の先頭に立ち、全職員が一丸となって作成したパワーアッププランを着実に実行し、市民の信頼にこたえてまいりたいと考えております。
 委員からご指摘のありました総合医療情報システムにつきましても、市立札幌病院パワーアッププランの中で重要施策の一つとして位置づけられており、今後の病院運営にとってなくてはならないものと認識しているところでございます。患者さんへのサービス向上と経営効率化を図るため、このシステムの抜本改正はもとより、病院運営体制の整備など、総合的な取り組みを強力に推進していきたいと考えております。
◆坂ひろみ 委員  私は、市立札幌病院における有害化学物質対策について質問をいたします。
 近年、建築物の高気密化が進むとともに、内装材等に含まれる化学物質の放散による室内空気汚染により、シックハウス症候群や極めて微量の化学物質にも反応する化学物質過敏症が、現在、社会的な問題となっています。
 国においては、厚生労働省が13化学物質の室内濃度指針値を定め、国土交通省は建築基準法を改正し、文部科学省も学校環境衛生の基準を改定するなど、各方面にわたる予防対策が自治体に通告されています。
 本市においては、国から示された行政分野ごとに保健福祉局、都市局、教育委員会がそれぞれ対策を講じてきました。しかし、市民のだれもが安心して過ごすことができる公共建築物の実現のためには、全庁の関係部局が連携をして総合的な対策に取り組むことが必要との観点から、市民ネットは、公共建築物のシックハウス対策に関する総合的な指針の策定を議会で求めてきました。その結果、関係部局で構成する指針策定委員会が設置され、2005年10月、今月ですが、札幌市公共建築物シックハウス対策指針が策定されました。このような流れの中、市立札幌病院におきましては有害化学物質対策についてどのような認識でおられるのか、お考えを伺います。
◎中西 事務局次長  有害化学物質対策についての認識ということでございますが、市立札幌病院は平成7年に設立いたしまして、竣工後10年を経過した建物でございます。ホルムアルデヒドなどシックハウスの原因となる化学物質の放散の問題は、現在のところ特に生じておりません。
 ご承知のように、病院には医療法に基づきまして施設の清潔を保持するとともに、衛生上の安全を確保する義務が課せられております。これまでも日常管理はもとより、改修工事におきましても使用する建材等に対策品を使用するなど、必要な対策を行っているところでございます。
◆坂ひろみ 委員  ただいまのご答弁では、生じておりませんということですけれども、教育委員会の方でも、10年、20年たった学校でのホルムアルデヒドや、その他の検査を行っておりまして、20年たった学校からもホルムアルデヒドが検出される、トルエンが検出されるというようなことが出ておりますので、その辺は、後で質問したいなと思います。
 病院は、けがや病気を治療し、療養するところですから、当然、病院内の化学物質による人体への影響に関して特段の配慮が必要です。化学物質過敏症やシックハウス症候群は、突然発症したり特別な体質の人がなるわけではありません。化学物質が体内に蓄積する許容量には個人差がありますが、健康被害を発症する可能性はすべての市民にあります。また、アトピーやぜんそく、鼻炎などのアレルギー疾患の症状と似ているため、自分が化学物質過敏症だと気づいていない潜在的な発症者が多数いるとも言われております。シックハウスは、一般的に建材や内装材等から放散される化学物質が原因と言われていますが、ワックス、じゅうたんのほかにも、パソコン、机、いす、カーテン、洗剤などの備品からも化学物質は放散されています。
 そこで、再質問ですが、病院の施設管理の中で、ワックスの塗布や害虫駆除ではどのようなものを使用し、どのように行われているのか、伺います。また、これまで病院の室内の化学物質濃度測定を実施したことがあるかどうか、あわせて伺います。
◎中西 事務局次長  どのような殺虫剤、あるいは床ワックスを使っているかということでございますけれども、床ワックスにつきましては、厚生労働省が定めた原因物質を含有しない製品を使用しております。また、殺虫剤につきましても、同様な製品に切りかえ済みでございます。
 ワックスがけをどのように行っているかということでございますが、基本的に、病室に患者さんがいない状態で行っておりますし、また、害虫駆除は大きなものは年2回行っておりますけれども、当然のことながら周囲への影響のない状態で行っております。
 それから、有害化学物質等の濃度測定でございますけれども、例えば、院内におけるホルマリン使用職場でのホルムアルデヒドの濃度測定といった管理上の必要に応じて対応をしてきているところでございます。
◆坂ひろみ 委員  害虫駆除につきましては、先月、殺虫剤や殺鼠剤を定期的に広く散布するのをやめる病院がふえているという新聞報道がありました。岐阜市民病院では、害虫などの生息調査をもとに侵入路を防いだり、ごみ管理を徹底し、使う薬剤を必要最低限に抑えるIPM総合的防除と呼ばれる方法を導入し、人体への影響をより少なくする効果を上げています。
 関東の市立病院では、殺虫剤を散布中に同病院を訪れた小学生と幼児が目まいなどを訴えたことがきっかけとなり、化学物質過敏症の患者団体と話し合い、2005年度からIPM方式を導入し、有機燐系の薬剤は原則使用しないことを決めています。厚生労働省も2004年11月、都道府県に対し医療機関での害虫駆除について、安全管理を求める通知を出しています。
 また、北海道教育委員会では、2001年1月、薬剤使用による人的影響が懸念されることから、薬剤は、害虫が発生または発生のおそれがあり、薬剤の使用が必要と認められる場合のみ用いることとしました。北海道は、本州などに比べ、平均して気温や湿度が低いことから、害虫などの発生頻度も低いと思われますが、このような状況において市立札幌病院におけるこれまでの定期的な害虫駆除のあり方について見直すことも必要ではないかと考えます。
 それから、ワックスについてですけれども、先ほど、病室に患者さんがいないときとか、周囲に影響がないようにというお話がありましたが、一般的に考えて、それは当たり前かなと思いました。どういったワックスを使っているのかという資料も出していただきましたので、私のところで、現在、使用しているワックスの安全性について、製品安全データシートを取り寄せ調査したところ、100%安全と言い切れるものではありませんでした。病院内は日常的に自然換気を行うことが難しいことから、ワックス塗布後の十分な換気の徹底が強く求められます。
 病院は化学物質の影響を受けやすい子どもを初め多数の市民が利用することから、できるだけ化学物質を減らすための工夫や配慮が必要であり、病院を利用する市民に対しても、化学物質についての情報提供を行うことなどが求められています。
 また、このたび策定されました市立病院パワーアッププランにおいても、患者が療養生活を送る中で、安心して療養できるよう療養環境の快適さの向上への取り組みを継続して推進することが明記されています。
 そこで、最後の質問ですが、今後、有害化学物質対策に取り組むに当たっては、まず、病院内の室内空気環境の現状を把握するために化学物質の室内濃度測定を初め、化学物質を放散するものの実態調査や、病院を利用している人たちや職員に対して化学物質による影響の聞き取り調査を行うべきと考えますがいかがか、伺います。
 あわせて、自治体総合病院として、今後、有害化学物質対策にどのように取り組んでいくおつもりか、お考えを伺います。
◎中西 事務局次長  室内環境の安全化につきましては、MRSA等の院内感染防止の上からも、これまでも医療法に基づきまして衛生上の安全確保に万全を期してきたところでございます。
 先ほども申し上げましたが、当院は築後10年を経ており、有害化学物質の放散が認められるような状況にあるとは考えておりません。シックハウスにつきましては、大規模な改修工事を行ったり、あるいは相当数の備品搬入等があったような施設管理上必要と認められる場合には、当然のことながら対策指針に基づきまして対応してまいりたいと思っております。
 また、今後の取り組みについてでございますが、これまでも医療環境の観点から種々の対策をとってまいりました。今回の札幌市公共建築物シックハウス対策指針につきましても、必要な状況に応じまして同様に対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
◆坂ひろみ 委員  最後に、要望になりますが、旭川医科大学病院には、全国初の化学物質外来があります。2001年から始めており、全国から化学物質過敏症の患者さんが通院されているそうです。担当の小島先生は、風邪に似ているため気づかない人も多く、比較的女性やアトピー、アレルギーの人が多い、現在、治療法がないと話されておりました。市立札幌病院の皮膚科には1日当たり110人ほどの市民が訪れ、そのうちの7割がアトピーやアレルギーなどの湿疹による患者さんだとお聞きしております。
 多くの市民が訪れる病院内においては、できる限り有害化学物質を取り除くことが今後の大きな課題です。今後は、札幌市公共建築物シックハウス対策指針に基づき、施設の日常管理を行うことはもちろんですが、病院内の室内空気環境の実態調査を行い、換気の徹底を図り、機械換気の設置を検討することなどが強く求められます。
 有害化学物質という新たな社会問題にも医療分野としていち早く取り組み、安全で安心できる医療を提供していくために施設管理の面においても、化学物質対策に積極的に取り組んでいただきますよう要望して、質問を終わります。
○井上ひさ子 委員長  以上で、病院事業会計の質疑を終了いたします。
 本日はこれをもって終了し、次回は明日5日午後1時から、建設局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
 それでは、散会いたします。
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      散 会 午後3時47分