議事ロックス -地方議会議事録検索-


北海道 札幌市

平成17年税財政制度調査特別委員会−06月21日-記録




平成17年税財政制度調査特別委員会
 札幌市議会税財政制度調査特別委員会記録
           平成17年6月21日(火曜日)
      ────────────────────────
      開 会 午後1時1分
○大嶋薫 委員長  ただいまから、税財政制度調査特別委員会を開会いたします。
 報告事項でありますが、山田委員、三浦委員からは欠席する旨、小谷委員からは遅参する旨、それぞれ連絡がございました。
 議事に入ります。
 最初に、「三位一体の改革」についてを議題といたします。
 理事者から、説明を受けます。
◎米田 財政局長  国と地方の税財政構造を見直す、いわゆる三位一体の改革につきましては、平成15年、一昨年6月に閣議決定されました経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003、いわゆる骨太の方針第3弾に基づきまして、16年度から18年度までの3年間で進められることになっております。昨年11月には、いわゆる三位一体の改革の全体像といたしまして、17、18年度に行われる改革についての政府・与党合意が取りまとめられたところでございまして、これに従って17年度予算での改革が進められたところでございます。最終年度となります18年度の予算に向けましては、なお残された課題も多いことから、年内に結論を得るために国と地方でさまざまな協議・検討がなされているところでございます。
 それでは、具体的な内容につきまして、財政部長からご説明をさせていただきます。
◎井上 財政部長  三位一体改革につきまして、先日お配りいたしました資料に沿って説明させていただきます。
 まず、資料1、三位一体の改革についてというものがございます。三位一体の改革につきましては、主にこの資料1に沿ってご説明いたしますが、資料3の平成18年度国家予算に関する要望(案)のうちの1ページから6ページまでについても、この改革に対する指定都市の考え方をご理解いただくためにあわせて使用させていただきます。
 それではまず、資料1をごらんください。
 1、2ページでございますが、最初に、2年前の平成15年6月に決定されました基本方針2003、骨太の方針第3弾についてご説明いたします。
 といいますのは、三位一体の改革は、基本方針2003をもとに進められているものでありまして、その後の基本方針2004と全体像についてもその枠組みに沿って具体化されたものでございます。すなわち、これが現在進められている三位一体の改革の根源ということでございます。
 ここでは、その要旨を掲載させていただいておりますが、まず、三位一体の改革の理念として、1ページにあります「1 改革のポイント」と、「2 改革が目標とする『望ましい姿』」において、地方分権の理念に沿って地方の権限と責任を大幅に拡大し、国の関与を縮小すること、その一方で、国・地方を通じた行財政改革を同時に進め、効率的で小さな政府を実現するという展望が示されております。
 2ページに移りまして、「3 改革の具体的な工程」として、平成16年度から18年度までの3年間に行う内容を示しております。
 まず、(1)といたしまして、国庫補助負担金は、公共事業を含めておおむね4兆円程度をめどに廃止、縮減等の改革を行います。そして、(3)に飛びますが、そのうち、引き続き地方が主体となって実施する必要がある事業について、8割程度を目安として、特に義務的な事業については、効率化の上、その全額について基幹税を基本に税源移譲を行います。さらに、(2)に戻りますが、地方交付税については、財源保障機能を縮小し、地方交付税総額を抑制する方向とともに、財政力格差を調整するため、適正な対応を図ることが示されております。
 3ページでございますが、ここには、基本方針2003が閣議決定された以降の主な動きを掲載しております。
 まず、平成16年度予算では、1兆円の国庫補助負担金の廃止、縮減、6,500億円余りの暫定的税源移譲とともに、地方交付税・臨時財政対策債について全国総額で2.9兆円の削減が行われました。あわせて、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を18年度までに実施する方針が決定されております。その後の基本方針2004では、残り3兆円程度の国庫補助負担金改革の工程表等を平成16年秋に明らかにし、決定することが示されました。同時に、税源移譲は3兆円規模を目指すことと、その前提として、地方公共団体に対し国庫補助負担金改革の具体案を取りまとめるよう要請することが示されました。
 4ページに移りますが、これを受けまして、昨年8月には、地方6団体が国庫補助負担金改革案を政府に提出し、その後、新たに創設された国と地方の協議の場での議論を経まして、11月26日には、いわゆる三位一体の改革の全体像が政府・与党合意として取りまとめられました。
 この全体像ですが、その要旨を5ページに掲載してございます。
 まず、国庫補助負担金改革については、合計で2.8兆円分を行うこととしておりまして、その内容を6ページに表として明示してございます。
 税源移譲につきましては、3兆円の8割方として2.4兆円分が具体化されましたが、なお6,000億円分が不足しておりますので、これにつきましては平成17年中に結論を得ることとなっております。地方交付税の改革については、17、18年度は地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保することとされております。
 4ページにお戻りいただきまして、平成17年度予算については、この全体像に基づきまして予算編成が行われたところであります。
 全体像で残された課題のうち、義務教育費国庫負担金の取り扱いと、生活保護・児童扶養手当に関する見直しにつきましては、それぞれ中央教育審議会義務教育特別部会と、生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会での検討がことしに入ってから始められ、秋までに結論を得ることとされております。今月末には、基本方針2005が閣議決定されますので、残り6,000億円分の改革と3兆円規模の税源移譲の実現に向けまして、平成18年度予算編成への議論が本格的に進められていくことになっております。
 今後の改革に対しましては、本市としても、他の政令指定都市等と連携してさまざまな働きかけを行ってまいる所存でございまして、その基本となる考え方につきましては、資料3、平成18年度国家予算に関する要望(案)の1ページの「国から地方への税源移譲・権限移譲を基本とする三位一体の改革の実施ならびに大都市税財源の充実強化に関する要望」としてまとめておりますので、そちらをごらんいただき、その要望文案に基づき説明させていただきます。
 まず、資料3の1ページにありますように、昨年示された全体像については、多くの課題が先送りされるとともに、税源移譲を伴わない国庫補助負担金の削減や交付金化が含まれるなど、地方分権を実現するには不十分なものであったと認識しております。
 平成18年度予算編成に向けましては、2ページの(1)にございますように、国・地方間の租税配分を是正し、地方税中心の歳入構造とするため、まずは所得税から個人住民税へ3兆円規模の税源移譲を確実に実施することを求めております。
 4ページの(2)では、国庫補助負担金の廃止・縮減に当たっては、地方の改革案に沿ったものとし、必ず税源移譲と一体で進めること、施設費、公共事業関係のものについても税源移譲の対象とすること、生活保護・児童扶養手当の国庫負担率引き下げは決して行わないことを求めております。
 5ページの(3)では、地方交付税について、平成18年度以降も地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額を確実に確保するとともに、本格的な税源移譲の際には、地方交付税原資が減少しないよう地方交付税率の引き上げ等の措置を実施すること、また財源保障機能と税源偏在の調整機能の双方を重視することなどを求めております。
 なお、6ページの「2 大都市特有の財政需要に対応した都市税源の拡充強化」においては、法人所得課税等、都市税源の政令指定都市への配分割合を拡充するよう求める内容となっております。
 本市としても、この平成18年度予算での改革は、三位一体の改革の一たんの締めの年次として大変重要なものと考えておりますので、地方分権の理念に沿った改革となるよう、引き続き、積極的な働きかけを行っていく所存でございます。
○大嶋薫 委員長  質疑を行います。
◆細川正人 委員  最初に、昨年6月の基本方針2004ということで、三位一体改革の取りまとめに当たっては、地方の意見に十分耳を傾けるという方針が示されまして、先ほど説明がありましたように、地方6団体においては、国庫補助金の改革案を取りまとめる作業があったり、また、国と地方の協議の場を設けて、地方重視というのでしょうか、そういった方向でいろいろ検討がなされ、全体像ということで示されてきたことは存じているわけであります。こういったことが形だけに終わらずに、やはり、地方の意見を真摯に聞いていくという国の姿勢は非常に重要なことなのだろうと思っているところでございます。
 そこでまず、1点目として、こうした全体像を取りまとめるに当たっての動きの中で、本市はどのような形で国に働きかけを行ってこられたのか、お伺いしたいと思います。
◎井上 財政部長  本市の働きかけについてでございますけれども、基本的には、指定都市市長会を通じまして、政令指定都市共同で行うことを基本としております。昨年は、地方6団体が8月に取りまとめた国庫補助負担金改革の具体案に先立ちまして、7月28日に指定都市市長会としての提言を取りまとめ、指定都市市長会議のアピールとして決議をしました。
 その後、10月から11月の全体像の取りまとめに際しまして、生活保護費の国庫負担率引き下げに反対する緊急要望や、地方交付税の総額確保についての緊急意見を提出しております。11月18日には、指定都市市長会議を開催して、三位一体の改革に関します緊急決議を行い、会長市である名古屋市長が竹中経済財政政策大臣に要請を行うなどいたしました。
 このほかにも、本市として独自に、保健福祉局長と財政局長が生活保護費の国庫負担率引き下げに関する緊急要望を10月20日に地元選出国会議員に対して行っております。
◆細川正人 委員  今のお話で、いろいろな働きかけ、情報発信が行われてきたことがわかりましたし、また、今お話がありました指定都市市長会というのは、共同で行う働きかけを強めるために、平成15年に発足したということも伺っているところでございます。
 こうした政令指定都市の動きを含めて、地方全体の働きかけによって、いわゆる全体像が取りまとめられて平成17年度の国家予算が編成されたわけでありますけれども、17年度の国家予算に関して、本市はどのような評価というか、考え方を持っておられるのか、その基本的な考え方をお伺いさせていただきます。
◎井上 財政部長  地方6団体が取りまとめました改革案を契機に、国と地方が対等の立場で議論をする国と地方の協議の場が初めて設置されましたことは画期的でございまして、地方自治体の関係者を交えて、政府・与党の多くの方々が真剣に議論して取りまとめたことにつきましては、大変有意義であり、今後に生かされていけばよいというふうに思っております。
 しかしながら、国庫補助負担金改革と税源の移譲についてでございますけれども、地方6団体の改革案にはなかった国民健康保険にかかわる国庫負担金の改革が7,000億円程度盛り込まれるなど、地方分権を推進するという地方6団体の改革案の趣旨が十分反映されたものとは言いがたいというふうに感じております。また、義務教育費国庫負担金の取り扱いが暫定的な措置とされ、3兆円を目指した税源移譲額が8割方しか決定されていないなど、多くの課題が先送りされております。特に、生活保護費、児童扶養手当につきましては、国庫負担率の引き下げも視野に入れた検討を引き続き行うこととされておりますので、まだまだ地方として声を上げていく必要があるというふうに思っております。
 一方、地方交付税につきましては、平成17、18年度は地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保することが明記されまして、17年度国家予算についてはこの方針が守られております。この点については評価しておりますが、なお依然として地方交付税の削減につながる議論が一部で見受けられますので、決して安心できる状況にはなっていないというふうに思ってございます。
◆細川正人 委員  平成17年度の国家予算、いわゆる国庫補助負担金改革ということで、16年度の改革額が約1兆円だったのですが、これを大きく上回る約1兆8,000億円の改革が行われ、そんな中で地方自治体が強く要望した一般財源の総額も確保されて、地方交付税も前年度比で増額ということに一応はなっていて、地方の意見を踏まえつつと言いながらも、やはり、今お話しがあったようないろいろな問題点をまだ抱えているのかなという気がいたします。それから、先ほど来お話がある生活保護費の問題や義務教育費の国庫負担の問題などいろいろ抱えながら、いよいよ基本方針2005も6月下旬に策定されるという中で、今後、18年度の予算編成が行われていくわけでありますけれども、これから本市としてどういった形で国に働きかけをされていこうとしているのか、その基本的な考え方を改めてお伺いさせていただきます。
◎井上 財政部長  平成18年度予算に向けた本市の働きかけについてでございますけれども、まずは、今年度の改革に向けた方針として策定されます基本方針2005に対しまして、既に、指定都市市長会といたしまして、5月13日に、三位一体の改革に対する意見を取りまとめ、会長市である名古屋市長が代表して経済財政諮問会議委員等への要望活動を行っております。また、残された課題であります残り6,000億円分の税源移譲につながる改革については、来月に地方6団体による改革案が再度取りまとめられるのに合わせまして、指定都市市長会としても提言を行うということで、別途、検討を進めてございます。
 生活保護や義務教育に関しましても、国の検討状況に応じて、政令指定都市からも適切な意見表明を行い、地方分権につながる改革になるよう、今後も関係団体と連携をとりながら積極的に意見を述べていきたいというふうに考えております。
◆細川正人 委員  地方分権、それから、財政構造を改革していくという大きな柱がありまして、このことは進めていかざるを得ないというか、進めなければならない状況にあると思います。ただ、その一方で、地方分権で仕事が地方に来たときの財源はどうなるのだろうかと。そういう手当てをきちんと考えていかなければならないということで、こう言っていいのかどうかわかりませんけれども、今、国と地方とのせめぎ合いが続いてきているのかなという気がします。
 その中で、国の方でも考えていただいたような国と地方の協議の場、地方の意見をきちんと聞くのだという姿勢をこれからも持っていただくようにしっかりと働きかけをしていただきながら、地方分権に向けた札幌市の財政構造のしっかりした枠組みをつくっていかれますように要望して、終わります。
◆芦原進 委員  国庫補助負担金改革についてですが、平成17、18年度の2カ年における改革として、2.8兆円の廃止、縮減を行うことが全体像として示されておりますが、17年度予算ではそのうち1兆7,681億円程度の改革が実行されました。その内訳は、税源移譲にかかわる改革が1兆1,239億円、交付金の改革が3,430億円、スリム化の改革が3,011億円ということで、合計1兆7,680億円程度になります。先ほど評価という話がありましたけれども、これにより、本市の17年度予算に対してどのような影響があったのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
◎井上 財政部長  具体的な影響についてでございますけれども、税源移譲につながる改革、つまり、国庫補助負担金の一般財源化による影響といたしましては、本市の平成17年度予算では、養護老人ホーム等保護費負担金など約19億円程度の国庫補助負担金の廃止・縮減が行われております。交付金化につきましては、全国総額で3,430億円が交付金化されたことによりまして、本市の場合は、公営住宅、福祉施設整備などの国庫補助負担金が46億円程度交付金化されるものとして予算計上しております。国庫補助負担金のスリム化につきましては、その細目がまだ国から示されていないために、具体的な影響額を算定することは困難でございます。
◆芦原進 委員  今、数字をお示しいただきましたが、現実には国庫補助負担金が減少しているということでありますし、暫定的な税源移譲が進められてきたわけでありますけれども、全国的な税源移譲は1兆1,160億円となっております。廃止、縮減の額によりさらにマイナス79億円となっているわけですが、スリム化が3,011億円でございましたので、プラスしますと3,090億円となり、前年より減少しているというわけであります。
 そこで、これに対する財源措置は十分に行われてきたのか、それからもう一つは、今年度の事業執行に支障が生じないのか、2点、お尋ねいたします。
◎井上 財政部長  税源移譲についてでございますけれども、本市につきましては、所得譲与税として約34億円の増収が図られております。所得譲与税は、平成17年度も人口を基準に配分することになっておりますため、人口の多い本市においては税源移譲額が国庫補助負担金の縮減額を上回ることになっております。
 これだけで判断いたしますと得なように見えるのでございますけれども、この差額分につきましては、地方交付税、臨時財政対策債の算定において減額調整が行われます。つまり、所得譲与税を15億円程度多くもらい過ぎておりますので、その分は地方交付税、臨時財政対策債の交付額をふやすということになります。こうした調整機能の働きによりまして、国庫補助負担金、所得譲与税及び地方交付税、臨時財政対策債の総額では、これによる増額要因がほぼ均衡しているものと考えております。
 予算編成の過程におきましても、国庫補助負担金の廃止・縮減分につきましては、所得譲与税などの一般財源によりまして十分に財政措置を行ったところでございます。
◆芦原進 委員  平成17年度予算での国庫補助負担金改革の影響については増額が均等しているということで理解させていただきました。
 全体では平成18年度における改革内容も含まれているわけでございまして、そこで、18年度にはどのような影響が見込まれるのか、お尋ねしたいと思います。
◎井上 財政部長  全体像及び平成17年度国家予算により示された内容によれば、18年度における税源移譲につながる改革としましては、まず、義務教育費国庫負担金の残り4,250億円分、国民健康保険分が1,402億円となっております。これらはいずれも都道府県が対象ですので、本市予算への直接の影響はございません。
 そのほか、平成18年度におきまして、671億円の改革が予定され、これに対する税源移譲額は640億円と示されております。この671億円のうち、本市が17年度予算で計上しているものは、公営住宅家賃対策等補助の一部、小規模企業等活性化補助金の一部及び農業委員会交付金の一部でありまして、その合計額は約5億円となっております。税源移譲による税収分につきましては、640億円を都道府県と市町村で配分する割合がまだ不明でございますので、現時点では明らかではございません。
 このほか、全体像では、スリム化と称した国庫補助負担金の削減を1,689億円、国庫補助負担金の交付金化を2,570億円行うとされております。これについては、総額が示されたのみでございまして、具体的な項目や金額が明らかではございません。本市にどの程度の影響があるか、今のところ不明でございます。
◆芦原進 委員  今、全体像ということで、税源移譲の影響、またスリム化などをして、移譲が不明な点もあるというような状況で、これはまだ明確にされていないということだと思います。
 こうした内容につきましても、やはり早期に明らかにしていただくとともに、残り6,000億円の問題もありますので、地方自治体の税基盤の拡大につながるような具体的な施策を図るように、もちろん議会も後ろから一生懸命応援いたしますが、国に強力に求めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
◆坂本恭子 委員  今年度の予算規模ということでいきますと、地方交付税及び一般財源がいずれも2004年度の規模となったということですけれども、前年度に地方交付税、臨時財政対策債が合わせて2兆9,000億円も減らされた中での継続でありますから、自治体財政は相変わらず厳しいものがあるというふうに言えると思います。
 国庫補助負担金改革の工程表が明らかになっておりますので、それにかかわってお聞きしたいと思っていましたけれども、前段の議論もありますから、重複しないように質問させていただきたいと思います。
 三位一体の改革、基本方針2003の中では、行政改革も同時進行で行っていくのだということでは、国も地方もスリム化を図りながらの今回の改革というふうになっていると思うのです。私ども日本共産党といたしましても、国庫補助金の交付金化については、総額としてきちんと移譲していく、地方に対して減額化されることなどがないようにということを一貫して求めてきているわけです。
 前段のやりとりの中では、一定水準を確保しているというお話もあったかと思うのですけれども、事前にいただいた資料の中で、今お話しもありましたが、国庫補助負担金の中の社会保障関係のもので、社会福祉施設等施設整備費補助金・負担金というものが1,200億円減額されております。そのうち、地域介護福祉空間整備等交付金というものに866億円、それから、次世代育成支援対策施設整備等交付金に167億円、これが補助金から交付金という形で新たに配分されております。社会保障の部分で見てみますと、全体で言いますと約229億円削減されており、伸び率で言うと13.1%のマイナスになっているということであります。
 一方で、同じ交付金ですが、まちづくり交付金というものが国土交通省で昨年度に新たに創設されて、今年度はさらに600億円の増額を計上しているという数字をお示しいただいております。このまちづくり交付金ですけれども、あらゆる分野を削減して生み出されたもので、国の都市再生緊急整備事業の位置づけの中で計上されていると認識しております。
 本市でも、この事業に位置づけられて大型開発が行われているわけですが、先ほど来お話がありますように、特に社会保障や福祉の分野、それから子育てや教育等に地方自治体が担うべき役割というものが大変大きいわけですし、住民の願いというものも、ここにこそ手厚い施策を実行してほしいということがあると思います。
 今回の国の流れから見ますと、これらの福祉、子育て、あるいは教育関連の分野について多大な影響が出てくるというふうに思うのですけれども、この点はどう考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
 それから、資料3の1ページにも出てまいります今回の三位一体の改革についてです。
 多くの課題が先送りされており、地方分権を実現するには不十分なものとして、国庫補助負担金の廃止・削減は決して行わないこととあります。前段でもやりとりがありましたが、税源移譲の確保については、やはり、住民サービスを低下させない立場に立つという点が非常に重要だと思うのですけれども、こここそを強調して、国に対して精力的に要望すべきと思います。
 先ほど来、適切な意見表明、あるいは積極的に意見を述べていきたい旨のご答弁がありましたけれども、この点をどう実現されていくおつもりなのか、見通しも含めて明らかにしていただきたいと思います。
◎井上 財政部長  まず、国庫負担金等の交付金化という部分についての見解でございます。
 交付金化につきましては、事業間での需要額が変わってまいりまして、採択要件が緩和されるなどの一定の改善が認められるとは思ってございます。
 しかしながら、国が交付決定と配分の権限を引き続き持つなど、国の関与と規制が残る点では補助金と変わりません。真に地方の裁量、自由度の拡大につながるものとはなっていないというふうに思っておりますので、今後、地方自治体が住民ニーズに応じた施策を展開し、創意工夫を発揮して計画的な行政運営を行うためには、交付金化にとどまることなく、あくまで今までの国庫補助負担金に見合った金額での税源移譲による改革が行われるべきと考えております。したがいまして、先ほども言いましたように、今後、この点につきましては、さらに国に要望していく必要があるというふうに考えてございます。
 それから、今後のスケジュールでございますけれども、最初の説明で申し上げましたように、今後、指定都市市長会等と協力して国に対する要望等をしていきたいというふうに思っております。
◆坂本恭子 委員  今回の予算要望の中にも地方へ責任を転嫁しないようにという文言が出てまいります。これは、この間ずっと議論されてきたものだと思うのですが、国に対して、地方へ責任転嫁をしないようにときちんと物を言っていくことはもちろんですし、それはしっかりとやっていただかなければならないというふうに思います。
 しかし、国が責任を果たさずに地方に転嫁するということがあったときには、今度は地方が試されることになるわけですから、それをしっかりと認識していただきたいと思うのです。
 基本方針2003のお話も出ましたので、新地方行革にかかわって、行政のスリム化ということでお聞きしたいのです。
 ことし3月に総務省から新地方行革指針が出され、事務事業の見直しなどでの経費節減、民間委託の推進、あるいは公務員の皆さんの職員定数の減というようなことについて、具体的な数値目標を持っておおむね5年間の計画を立てなさいということが出されております。その中には、地方自治体に対して技術的な援助と称して、国がスリム化に向けての具体的な口出しをすることができるというような流れが今つくられてきていて、私は、今の三位一体の改革の一方で、国を挙げての地方に対する行政改革の波が押し寄せてきているというふうに思うのです。
 今、札幌市では、例えば、財政構造改革プランというものの中で、先行したような形で財政についても一定のスリム化が行われていると理解しているのですけれども、やはり、私は、前段に述べましたように、国から必要な財源が来ないからといって、安易なリストラ、あるいは、財政構造改革プランによる住民負担増は行うべきではないという立場に立っているのです。今お話があったように、三位一体の改革の中で税源移譲をきちんと求めていくのだという中には、住民福祉の向上と、それから、地方が地方として独自に役割を担っていくといいますか、地方分権という言葉を使われていると思うのですが、自主・自律の行財政運営というものの中に、私は、リストラ、住民負担増というものが相反するものとしてあるのではないかと思っているのですけれども、そこの基本的な認識について、この場をかりて確認させていただきたいと思います。
◎井上 財政部長  ご質問の趣旨は、三位一体の改革と住民福祉の向上や地方が役割を担うことについてと、今回、その税源が来ないことに関してどう対応していくのかということかと思います。
 まず、三位一体の改革の主眼は、あくまでも地方分権推進の観点からの税源移譲を行うことにより地方の自由度の拡大を図るということにありますので、この点につきましては今後も進めていくべきものというふうに考えてございます。
 また一方で、現在、国、地方とも大幅な財源不足があるということを考えますと、国と地方が両輪となりまして歳出削減を進めていくこともある程度はやむを得ないというふうには考えておりますが、それは、当然、国の歳出の見直しと歩調を合わせてやっていくものであると思っておりまして、地方にのみ大きな負担をしわ寄せするべきものではないというふうに考えます。そういう意味で、単なるスリム化や交付金化では、真の行財政改革を進めるものではないという認識でございます。地方への税源移譲、権限移譲が一体的に行われることによりまして、地方の創意工夫による効率化が図られ、地方の歳出削減につながるということが本来の地方分権の趣旨と考えております。
 そうした点から、本市としても、交付金化等につきましては、あくまでも暫定的なものとすべきであって、国庫補助負担金改革は必ず税源移譲につながるように強く働きかけていきたいというのが基本的な姿勢でございます。
○大嶋薫 委員長  ほかに質疑はございませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○大嶋薫 委員長  なければ、質疑を終了いたします。
 次に、平成18年度国家予算に関する要望についてを議題といたします。
 理事者から、説明を受けます。
◎米田 財政局長  当該国家予算に関する要望とは、政令指定都市による共同要望のうち、いわゆる白本要望と称しているものでございます。
 これは、来年度の国の予算編成に向けまして、政令指定都市に共通する問題の解決のために、特に重要性や緊急性の高いものを、毎年度、厳選いたしまして、関係省庁等に対して要望を行っているものでございます。本日は、その原案についてのご審議をお願いいたしたいというふうに考えております。
 国におきましては、財政構造改革を進めるために引き続き歳出削減を進めていくというふうに見込んでおり、平成18年度の国家予算の編成につきましても、これまで同様、大変厳しいものになることが予想されるところでございます。
 委員の皆様方におかれましても、ぜひ、要望の趣旨を十分にお酌み取りいただきましてご指導、ご協力を賜われれば幸いでございます。
 それでは、要望内容につきまして、財政部長から資料に沿ってご説明させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
◎井上 財政部長  平成18年度の国家予算要望原案につきまして、先日お配りした資料に沿ってご説明いたします。
 まず、配付資料を確認いたします。
 資料2「平成17年度国家予算等の状況と要望の主な結果」、資料3「平成18年度国家予算に関する要望(案)」、資料4「平成18年度国家予算に関する要望別添資料」、資料5「平成18年度国家予算に関する重点要望(案)」となっております。
 まず最初に、資料2、平成17年度国家予算等の状況と要望の主な結果につきましてご説明いたします。
 1ページは、平成17年度国家予算の概要でございます。
 平成17年度国家予算のフレームと公債残高を含む最近の予算額の推移をまとめております。
 平成17年度の当初予算では、82兆1,829億円と、前年度に比べまして0.1%の増となってございます。
 2ページは、地方財政計画の概要でございます。
 投資的経費を中心にした抑制により、全体の計画規模は83兆7,687億円と、前年度当初と比べまして1.1%の減少となってございます。
 なお、三位一体の改革によりまして、国民健康保険に係る国庫負担部分の一部が都道府県負担に変更されたことを考慮いたしますと、実質的には1.5%の減となっております。
 3、4ページは、平成17年度国家予算に関する要望の主な結果でございますが、特に代表的なものといたしましては、3ページの上から三つ目の白丸でございます。昨年度、重点要望としても要望していた地方交付税の改革に関して、地方財政計画における歳出を抑制しつつ、地方交付税は前年同額を確保してございます。そのほか、4ページでございますけれども、交通事業や水道事業などの各分野においても一定の成果が得られたものと考えております。
 次に、資料3、平成18年度の国家予算要望(案)でございます。
 まず、要望項目の選定方法でございますけれども、要望分野ごとに原局局長会議がありまして、原局局長レベルで所管省庁への要望を行っておりますが、白本要望では、原局局長会議での要望項目の中から特に重要性や緊急性の高いものを厳選し、内容の重点化を図ってございます。
 前文は、大都市行政を推進する上での課題について述べ、国の協力を求める内容となってございます。
 次に、要望書の目次がございます。
 平成18年度要望は、全部で13の大項目に分かれております。昨年、大項目として新規に要望いたしましたPFI事業に向けた環境整備に関する要望については、要望項目の重点化の観点から削除してございます。
 次に、1ページ以降は要望項目ごとの記述となりますけれども、最上段に大項目、次の段に中項目を記載しております。また、2ページを見ていただきますと、枠で囲った部分がございますけれども、これは前年度要望文でございまして、主な変更箇所につきましてアンダーラインを引いてございます。
 なお、変更がなく、昨年の要望文と同一である場合については掲載しておりません。
 文案の修正が多いため、大きな修正のあった項目に絞って簡潔に説明させていただきます。
 まず、1ページから6ページでございますけれども、これは既に先ほどの「三位一体の改革について」の際に説明したものですので、割愛させていただきます。
 7ページをごらんください。
 「保健福祉行政の充実に関する要望」です。
 平成17年度の要望と比べまして構成が変わった部分がございます。
 資料4の4ページをごらんください。
 一番最初の黒丸の部分でございますけれども、項目の変更を図で示してございます。
 まず、現在、障害者自立支援法が検討されておりますことから、その円滑な実施の確保について中項目5を新規に加えております。これに伴い、項目数を抑えるために、平成17年度要望における中項目2の社会福祉施設等の整備促進と中項目5の福祉施策推進を一つにいたしまして、中項目2の社会福祉施設等の整備促進等としております。
 資料3の7ページに戻っていただきまして、「1 生活保護費及び児童扶養手当給付費に係る国庫負担率の確保」でございますけれども、昨年度国におきまして、生活保護費負担金と児童扶養手当給付費の国庫負担率の引き下げが検討されたことについて、今後の改革においても国庫負担率を引き下げないよう要望してございます。
 8ページの「2 社会福祉施設等の整備促進及び福祉施策推進のための財政措置等の拡充」につきましては、先ほど説明させていただきましたように、分けて要望していた社会福祉施設の整備と在宅老人福祉、児童福祉などの福祉施策の推進を一つの中項目にまとめております。
 なお、6月14日の会議で新たに交付金化された補助金の評価につきまして議論があり、(1)と(3)の文案につきましては、引き続き調整中でございます。
 10ページの「3 国民健康保険財政の確立」につきましては、特に修正はございません。
 「4 介護保険制度の円滑な実施」につきましては、見直し後の介護保険制度への移行に当たっては、具体的な運用方針を早期に示すこと、また、国の税制改正に伴い保険料負担の変更が見込まれる低所得者に対して必要な対策を実施するよう要望文を変更してございます。
 11ページは、新規でございますけれども、「5 障害者自立支援法の円滑な実施の確保」でございます。
 現在、国会で審議中のこの法律を施行するに当たっては、早期に自治体に情報提供を行うことと、特に低所得者に配慮した負担軽減措置を行うこと、新設される地域生活支援事業について、自治体の負担が過重とならないよう十分な財政措置を講ずることを要望してございます。
 12ページ「6 地域保健対策の推進にかかる財政措置の充実」「7 市立病院に関する財政措置の充実」、13ページの「8 小児救急医療体制の拡充」につきましては、特に大きな修正はございません。
 14ページは、「教育行政の充実に関する要望」の「1 義務教育費国庫負担制度の見直しにあたっての財源措置等」でございます。
 (1)は、見直しについて、現在の検討状況の記述の検討を加えるなどの文言の変更をしてございます。
 (2)は、新たな教職員定数改善計画の早期策定と将来的な教員需要に対応できるものとするための文言を追加してございます。
 16ページの「2 県費負担教職員制度の見直しにあたっての財源措置」では、見直しにつきまして、早期に実施の時期と全体像を明確にするよう文言を追加してございます。
 17ページの「3 義務教育施設等の整備促進」につきましては、現在の見直しの状況を踏まえた文言を追加してございます。
 「4 公立大学に係る財政措置の拡充」につきましては、特に修正はございません。
 なお、ただいまの1から3の要望文案につきましては、中央教育審議会での議論の進捗状況に応じた修正を行うこととしております。また、1につきましては財源措置の理念についての議論がありまして、文案は引き続き調整中でございます。
 18ページは、「廃棄物処理事業の促進に関する要望」です。
 現在、容器包装リサイクル法の見直しが進められていることから、これを第1項目とするために、中項目の順番を入れかえてございます。平成17年度要望では、2、3、1、4という順番になってございました。
 「1 容器包装リサイクル法の見直し」につきましては、市町村の財政負担が重くなっているために、事業者による回収を強化するよう文言を追加してございます。
 19ページの「2 廃棄物処理施設の充実」につきましては、ダイオキシン類対策とそれ以外に分けて文言を整理してございます。
 なお、6月14日の会議で、新たに交付金化された補助金の評価につきまして加えるべきかどうかという議論がありまして、文案は引き続き調整中でございます。
 20ページの「3 処理困難な一般廃棄物に対する適正な処理・リサイクルの促進」「4 家電リサイクル法の見直し」につきましては、特に大きな修正はございません。
 21ページの「環境保全対策の充実に関する要望」の「1 市街地土壌汚染対策の推進」につきましては、汚染の除去作業等を行う者への政府系金融機関の融資制度の拡充について文言を追加しております。
 22ページの「2 地球温暖化対策の推進」につきましては、大型車を含めた自動車のCO2対策を強化するため、平均燃費規制の導入などについて小項目の(2)を追加してございます。
 23ページの「3 自動車排出ガス対策の推進」につきましては、自動車NOx・PM法の実効性の確保を図るよう文言を追加しております。また、低公害車の普及促進のための措置を強化するよう小項目の(2)を追加してございます。
 24ページの「雇用対策に関する要望」の「1 雇用施策の推進に係る大都市の役割の明確化と必要な財源措置」につきましては、特に修正はございません。
 「2 自発的に地域の雇用創造に取り組む市町村に対する適切な財政措置」につきましては新規で入れてございまして、緊急地域雇用創出特別交付金にかわるものとして、雇用・失業情勢の改善等、地域の雇用創造に取り組む市町村に対する財政措置及び地域雇用創造支援事業の採択要件緩和と事業費の増額を要望してございます。
 「3 雇用保険の被保険者以外の求職者に対する支援措置の実施」につきましては、特に修正はございません。
 26ページの「震災対策等に関する要望」の「1震災対策の推進」につきましては、防災公園等の整備推進のため財政措置を講ずるよう文言を追加しております。
 「2 水害対策の推進」につきましては、大きな修正はございません。
 27ページの「3 総合的な支援体制の充実」につきましては、緊急消防援助隊の自治体の枠を超えた活動が増加していることから、その整備強化と出動実績を勘案した補助制度の確立、被災者生活再建支援法による制度の一層の充実などを図るよう文言を追加してございます。
 29ページの「国民保護に係る業務に関する要望」では、「1 財政上の措置」といたしまして、地方公共団体が国民の保護のための措置を実施するための財政措置を要望してございます。
 30ページの「2 NBC攻撃による被害想定及びこれに基づく対応策について」を新規で追加してございます。地方公共団体の国民保護計画の作成や措置の実施に反映できるよう、核、生物、化学兵器による攻撃について、国の責任での十分な研究と早期情報の提供を要望しております。
 31ページの「大都市交通事業に関する要望」の「1 地下鉄高速鉄道等に係る財政措置」については、ニュータウン鉄道等におけるバリアフリー化等を目的とする大規模改良工事の推進のため、所要の財政措置を講ずるよう文言を追加しております。
 33ページの「2 バス事業に係る財政措置」、34ページの「3 公共交通のバリアフリー化の促進」につきましては、特に大きな修正はございません。
 35ページの「都市基盤の整備促進に関する要望」の「1 下水道整備の促進」につきましては、平成17年度の臨時特例措置となっている高金利対策分の借換債につきまして、平成18年度以降も延長するよう文言を追加してございます。
 なお、37ページの(3)につきましては、6月14日の会議で、国直轄事業負担金を維持管理経費とそのほかの経費に分けて記載するべきかどうか議論がございまして、現在、引き続き調整中でございます。
 「3 都市河川整備の促進」は、特に修正はございません。
 「4 都市公園の整備及び緑の保全・創出の推進」につきましては、平成17年度要望の小項目(2)を分割し、(3)として都市の緑地保全等と借地公園に対する税制上の優遇措置を要望してございます。
 なお、39ページでございますけれども、要望書のビジュアル化を図るために、社会資本整備重点計画における重点目標の達成状況等につきまして図表を追加してございます。
 40ページの「港湾施設の整備促進に関する要望」につきましては、本市に港湾がないため、説明を省略します。
 42ページの「住宅対策の充実に関する要望」につきましては、「1 公的住宅供給の推進」「2 住環境整備と市街地住宅供給の促進」「3 市街地再開発事業の推進」の3項目とも修正はございません。
 43ページの「上水道事業の促進に関する要望」の「1 健全財政の確保に対する財政措置の拡充」につきましては、大きな修正はございません。
 「2 災害対策の推進に対する財政措置の強化」につきましては、水道施設を、激甚災害に対処するための特別の財政援助に関する法律第3条の災害復旧事業の対象施設とすることで、迅速な施設復旧が図れるように、44ページの小項目(4)を追加してございます。
 以上が、白本本文の説明でございます。
 引き続き、重点要望(案)について説明いたします。
 資料5の「平成18年度国家予算に関する重点要望(案)」は、例年、各政党に対しまして要望活動を行う際に、政党の側から政令指定都市として特に強く要望する項目の説明を求められていることから、政党要望用として作成しているものでございます。白本の要望書本体に挟み込みまして、要望の際に使用いたします。
 今回の重点要望項目は、「1 国から地方への税源移譲・権限移譲を基本とする三位一体の改革の実施」「2 生活保護費及び児童扶養手当給付費にかかる国庫負担率の確保」「3 県費負担教職員制度の見直しにあたっての財源措置」の3項目でございます。最終的には、6月29日に予定されております局長会議でその取り扱いを決定いたしますが、いずれも政令指定都市の行財政運営において緊急かつ重要な課題を厳選して取り上げたものと考えてございます。
 なお、選定項目の順序は、昨年の重点要望と同じです。
○大嶋薫 委員長  質疑を行います。
◆藤川雅司 委員  事前に資料をいただいておりましたので、私どもの会派として、昨年度の要望内容とつぶさに比較をしてみました。その結果、要望趣旨や表現が後退したのではないかと見受けられる部分が何点かありますので、これについて見解をお聞きしたいというふうに思います。
 全部で3点ありますが、まず、保健福祉行政の充実に関する要望の中で2点あります。
 資料3の9ページになりますが、四角で囲われている中の3)になりますが、昨年は「福祉を担う人材の量的確保及び質的向上を図るための措置を拡充すること」ということで要望していたわけでありますけれども、今回、この文案、あるいは、こういった趣旨が削除されているというか、なくなっているわけであります。福祉の人的サービスといったことは極めて重要な課題でありますし、福祉は人的サービスがすべてであると言っても過言ではないと思いますので、引き続き要望すべき内容であると考えるわけでありますが、それについての見解をお伺いいたします。
 続いて、同じ保健福祉行政に関してです。
 11ページの上の方の囲みの(4)のとおり、昨年は「制度の根底となるサービス基盤の整備を推進するため、必要な財政措置の拡充を図ること」といった文言で要望されておりましたけれども、この文案、あるいは同趣旨の内容が削除されております。これも、引き続き要望する内容であると考えますが、どのような経過になっているのか、どんな考え方なのか、お伺いいたします。
 3点目は、廃棄物処理事業の促進に関する要望でありまして、18ページになります。
 18ページの下段の囲みの中ですが、容器包装リサイクル法の見直しについて、昨年の要望では、下から2行目にあるとおり「法制度が見直されるまでの間は、自治体の負担が過大とならないよう適切な措置を講ずること」と要望していたわけでありますけれども、今回、この文案が削除されております。自治体の負担が非常に重くなっていることについては説明があったわけでありますが、そういった観点からしますと、もう少し強い表現で要望すべきだというふうに考えますが、これについてどのように考えているか、3点、お伺いいたします。
◎井上 財政部長  委員からご指摘のあった白本要望の文案でございますけれども、白本におきます分野別の要望文案のほとんどは、分野ごとに各原局の局長会議があり、そこから各所管省庁へ行う要望内容から特に重要性や緊急性の高いものを、毎年度、厳選して内容の重点化を図っております。
 委員からご指摘がありました要望内容のうち、保健福祉行政の充実に関する2点については、まず、福祉の充実は、これを担う人材が非常に大きな役割を果たすことなどを考慮いたしますと、要望内容として十分ふさわしい事項というふうに認識してございます。
 しかしながら、介護保険にかかわる要望については制度の円滑な移行や低所得者などといった事項が喫緊の課題として追加され、また、障害者自立支援法にかかわる要望につきましては項目自体が緊急のものとして加えられるなど、全体の構成を見直す中で現時点での優先度を判断してこのような文案となったものでございますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
 なお、いずれも、原局局長会議で厚生労働省へ行う要望内容には含まれてございます。
 また、廃棄物処理事業の促進に関する要望につきましては、容器包装リサイクル法の見直しが現在検討されておりますことから、その見直し内容として、製造販売業者の責任のもとに、事業者による回収強化を法制化するよう要望文を時点修正しておりまして、その結果として自治体の負担の適正化が図られるというふうに考えております。要望趣旨が変わるものではなく、表現をより具体的にしたものとご理解いただきたいというふうに思います。
◆藤川雅司 委員  14都市の中でそれぞれ議論をされている、あるいは、優先順位といったような説明もされたわけでありまして、前段の福祉の部分については要望趣旨は理解する、こういった考え方も示されました。
 今月の29日でしたでしょうか、最後の取りまとめ作業が行われるわけでありまして、結果としてどうなるかといったことは14都市の協議によるものですが、あえて要望しておきたいと思います。
 福祉に関しては、やはり、何といっても人的サービスというものが本当に基本です。介護保険制度も、今、見直しが行われておりますが、現場の実態としては、いわゆるヘルパーさんの定着率がよくない、働き続けられないといった実態があるわけであります。やはり、介護保険制度もそうでありますし、それぞれの福祉施策におきましては、人材の量的確保及び質的向上を図るため、もちろん政策的な面はそれぞれ原局で要望すると思いますが、何といっても財政的な措置が必要だと思いますので、ぜひとも今後の会議の中で意見反映されるよう要望したいと思います。
 それから、容器包装リサイクル法の見直しにつきましても、ご説明があったとおり、いわゆる拡大生産者責任の考え方に基づいて、その考え方が貫徹され、そういった趣旨に基づいた制度が実施されれば、結果として自治体の負担が極力少なくなる、あるいはなくなるということがありまして、そういう意味で文言整理の趣旨は理解できるわけであります。
 しかし、現実問題として、やはり相当な負担が自治体にかかっています。これは、昨年来、環境消防委員会や予算・決算特別委員会でも議論されている内容でありまして、そういった意味での要望は引き続きしていくべきではないかと考えますので、このことも要望して、終わりたいと思います。
◆川口谷正 委員  国民保護にかかわる業務に関する要望の部分での質問でございます。
 ことしの要望(案)の表現の中に、財政上の措置に加えて、「NBC攻撃による被害想定及びこれに基づく対応策について」というものが新規につけ加わったわけであります。これが、こういう形で表現されるに至った経緯についてご説明をお願いしたいと思います。
 と申しますのも、いわゆる国民保護法というのは、名前は保護法でありますけれども、国民を統制するという性格が極めて強いという法案審議時点での批判がある中で、有事関連7法のうちの一つの法として、去年の6月に成立したという経緯があります。それで、一朝、事があるときは、そこに住む市民の権利などが相当制限されるということを含んでいるわけであります。
 とりわけ今回の要望(案)の中で非常に異質なものと感じたのは、これは基本的に財政措置を要望するものだというふうに思うのでありますけれども、この部分に関して申し上げますと、被害の想定であるとか、それへの対応策を国の責任で十分に研究を行って早期に示してくれということになっているわけであります。ここは、ほかの要望部分とはかなり性格を異にするのではないかという印象を受けたのと同時に、私は非常に違和感を覚えたので、今、質問をさせていただいたわけであります。
 こういう形で表現されるに至った、その経緯についてご説明をお願いしたいと思います。
◎井上 財政部長  NBC攻撃による部分の文案が入れられた経緯でございますけれども、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、昨年6月に国民保護法が成立してございまして、その法の中で地方公共団体の一定の責務が定められてございます。地方公共団体がその責務を果たしていくためには、こういう事態が起きた場合にどういう状況が起きるか想定しておく必要がありますけれども、この国民保護法を受けまして、現在、北海道におきましてそれに基づく計画をつくってございまして、来年度以降、各市町村が国民保護法に基づく保護の関係の計画をつくるスケジュールになってございます。そういう経過の中で、より具体的で効果のある計画をつくっていくためには、このようなことがある程度想定された方がいいだろうということが一点ございます。
 それからもう一つ、この項目を白本要望の中に入れた方がいいという要望が広島市の方からございまして、そういう経過の中でこの部分が入ってきております。
◆川口谷正 委員  有事に備えること自体は一般論として問題ないと思うのですが、NBC攻撃、つまり核や生物兵器、化学兵器となりますと、勢い、国内にとどまらず、外国からの攻撃ということも必然的に想定しなければいけないわけです。そうしますと、政令指定都市がこぞって、NBC攻撃に対する想定、あるいは対応策を求めたとしても、例えば、核攻撃の場合にどの程度の核を想定するかを考えれば、それは極めて非現実的です。非現実的と言うのはおかしいですが、政令指定都市として何を求めるかが僕は非常にあいまいだと思うし、国としても、それを想定するには非常に無理があるのではないかというふうに思うのです。
 核兵器と言っても、戦略核、戦域核と戦術核の三つに大別されると言われます。地方自治体というときに、それでは、大別された最も規模の大きい戦略核を想定して物を言っているのか、あるいは、中規模の核兵器である戦域核を想定して言うのか、あるいは、もっとスケールの小さい射程距離が500キロ未満の戦術核兵器を想定して対応策を立てるのかどうかによって全く規模が違ってくるわけでありまして、漠然とNBC兵器の想定ないし対応と言われても現実的には非常に困難ではないかと私は思うのです。
 広島市から出てきたという背景はわかるにしても、あらかじめ札幌市などにそうしたことが伝えられていたのかどうか、また、こちら側として、その点も含めて検討して協議に応じていったのかどうかということについても聞かせていただきたいと思います。
 私が冒頭に申し上げたとおり、保護というよりも統制の性格が強い法律にかんがみますと、むしろ、この手の話は要望を出さない方がいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
◎井上 財政部長  委員ご指摘のとおり、さまざまな細かい事柄があって、それに対して政令指定都市として細かい検討をしたかということでございますけれども、細かい検討――例えばどの程度の被害を想定するかについての議論等はないと思います。
 ただ、逆に、先ほど申し上げましたように、各地方公共団体が国民保護法という法律にのっとって有効な計画をつくるためにはどの程度のものを想定すればいいのかということを国から示していただかなければ有効な手当てができないという観点から、こういう要望を入れた方がいいということでのったものでございます。委員のご指摘の部分につきましては、逆に国に示していただきたいというふうに思っているところでございます。
◆川口谷正 委員  この次元の話は、札幌市の議会にはなかなかなじまないのではないかと思います。最近のいろいろな報道によれば、北朝鮮のお偉いさんも、NPTに復帰してもいいとか、核ミサイルを廃棄してもいいとか、南北の対話の中で朝鮮半島の非核化についてもかなり意見の一致を見ていると伝えられているわけですよ。
 そうしますと、私は、地方公共団体としてはむしろこういうところに触れないで、あえて国に出すのであれば、近隣諸国を刺激するような外交をしないで、本当に東アジアの平和と安定が図られるような外交をやってくれという要望の方がよほど意味があるのではないかと思います。
 一応、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。
◆小田信孝 委員  1点目は、震災対策に関する要望であります。
 詳しくは3定でやりたいと思うのですが、我が党で、防災対策の充実を図るために、全道一斉に避難所の実態調査をやらせていただきました。全道的にやったというのは過去に余り例がないようでございまして、公明党の北海道本部で行った全道調査はマスコミ等にかなり取り上げられて、非常に貴重な情報を提供したというふうに思っております。
 私が一番ショックだなと感じたのは、北海道の震災対策の中で、冬場の想定という観点が今までの要望の中にはまるっきり欠けている。冬こそ大変なことになるのですよというのは、潜在的あるいは意識的にはみんな感じていらっしゃると思うのですけれども、今回、実態調査をして、この辺が本当にはっきりいたしました。
 なぜかといいますと、一つは耐震化ですけれども、まだ65%の屋内避難所が耐震化されていない。もっとショックなのは、バックアップの電源がないということです。施設が相当ありますけれども、今回はその中で9,400カ所を調べたのですが、避難所の65%は耐震化されていない、93%は自前の発電機を持っていない、停電になったらほとんど暖房設備は使えないというようになっているわけです。
 詳しくは3定でまたやらせていただきますけれども、北海道、そして札幌市の冬の課題といった観点が財政当局のお考えの中にしっかりとした視点としてあるのかどうか。私は久しぶりに税財政関係の特別委員会に戻ってきたのですけれども、大きくとらえていかなければならない、要望を出していかなければならないので――文章のつくり方は皆さんが非常に苦労されていることはよくわかっています。ただ、ちょっと重点的に考えてみますと、その辺の視点の置き方というか、あり方が疑問ではないかなというふうに感じましたので、現時点での見解をひとつお伺いしたいと思います。
 もう一つは、廃棄物の処理事業の促進に関する要望ですが、ダイオキシンについては触れられておりますけれども、私は、従来からPCB対策を一生懸命やってまいりましたので、皆さんは現時点でどのような情報を持っておられるのか、確認させていただきたいのです。
 北海道におきましては、室蘭市で、当初、平成18年の秋に処理工場を建設して17県分のPCBを無害化処理しますということで、国の政策で発表になり、その基本計画に基づいてスタートしているはずなんですけれども、つい最近の情報によりますと、室蘭の処理工場の建設事業のスタートが1年くらいおくれそうだという情報をお伺いしております。
 これも3定でしっかりやりたいと思いますけれども、現時点でどのような情報を入手されておられるか、今発表できるものがあればお示しいただきたいと思います。
◎井上 財政部長  まず、1点目は、全道一斉の実態調査の結果ですが、冬場の想定についてでございます。
 この特別委員会も引き続きございますし、独自要望等の関係もありますので、1点はそちらの方での対応が考えられると思っております。そのほか、きょうのお話につきましては危機管理対策室にお伝えいたしますし、予算要求があればその段階で検討したいというふうに思ってございます。
 2点目の部分につきましては、特に情報を持っておりません。大変申し訳ございません。
◆小田信孝 委員  急に言いましたので、全部が全部、準備できるわけではありませんし、その辺は私も無理なところがあるかと思いつつ質問しているのですが、非常に大事なところなのですよ。特に、文章をつくるというのは大変です。わかります。本当に大まかにとらえてどう表現していくか、その中で個々の問題、具体的な課題をどう文章にしていくかということは本当に難しいことだと思います。でも、皆さんはプロですから、やはり、北海道らしい、そして札幌らしい視点、重点要望というものをもうちょっと色濃く文章化して、要望を強化する、重点政策の中に入れていくという意気込みがなければ、市民に見せても物足りなさを感じるのではないかというふうに私は感じましたので、きょうはあえてこの二つの点に絞って質問させていただきました。
 お手元に具体的な資料がないということでございますから、きょうはこの辺でやめさせていただきますけれども、この辺は非常に大事な視点でございますので、今後、予算要望も含めて、そしてまた市の財政のあり方も含めて、ぜひ重点項目としてしっかり検討し、それから国の動きや各政令指定都市の動きをきちんと掌握していただいて、しっかり取り組んでいただきたいということを要望して、終わります。
○大嶋薫 委員長  ほかにございませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○大嶋薫 委員長  なければ、質疑を終了いたします。
 以上で、本日の委員会を閉会いたします。
    ──────────────
      閉 会 午後2時23分